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Heisei | MinisterialOrdinance | 422M60000080024_20210101_502M60000080044.xml | 平成二十二年文部科学省令第二十四号 | 28 | PTA・青少年教育団体共済法施行規則
第一章 総則 (児童生徒等の保護者に含まれる者) 第一条 PTA・青少年教育団体共済法(以下「法」という。)第二条第一項に規定する里親その他の文部科学省令で定める者は、里親(同項に規定する里親をいう。以下この条において同じ。)とし、里親がない場合においては、当該子女の監護及び教育をしている者とする。 第二章 共済事業の認可等 (PTA等と密接な関係を有する一般社団法人等) 第二条 法第三条に規定する児童生徒等(法第二条に規定する児童生徒等をいう。以下同じ。)又は青少年の健康の保持増進に関する事業を行うことを目的とする一般社団法人等(法第三条に規定する一般社団法人等をいう。以下同じ。)であってPTA等(同条に規定するPTA等をいう。以下同じ。)と人的関係又は財産の拠出に係る関係において密接な関係を有するものとして文部科学省令で定めるものは、次の各号のいずれかに該当する一般社団法人等とする。 一 PTA等(主たる活動を行う区域が当該一般社団法人等が主たる活動を行う区域と同一であり、かつその実施する事業の対象とする児童生徒等又は青少年が当該一般社団法人等が実施する事業の対象とする者に含まれるものに限る。以下この条において同じ。)の役員等(一般社団法人等であるPTA等にあっては、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)に規定する役員若しくは評議員又は特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)に規定する役員をいい、一般社団法人等でないPTA等にあっては、当該PTA等の財務及び事業の方針を決定する機関の決議で選任された者であって当該PTA等の業務を執行する権限を有する者をいう。)である者が当該一般社団法人等の理事又は評議員の五分の一以上を占める一般社団法人等 二 当該一般社団法人等の財産の全部又は相当部分をPTA等が拠出している一般社団法人等 三 前二号に定めるもののほか、PTA等と密接な連携を図りつつ、当該PTA等の実施する活動について継続的に人的又は財政上の支援等を行う一般社団法人等 (認可申請手続) 第三条 法第三条の認可を受けようとする者(以下この条において「申請者」という。)は、共済規程(法第六条第一項に規定する共済規程をいう。以下同じ。)のほか、次に掲げる事項を記載した認可申請書を行政庁(法第二十三条に規定する行政庁をいう。以下同じ。)に提出しなければならない。 一 名称 二 準備金の額 三 理事及び監事の氏名 四 主たる事務所及び従たる事務所の所在地 2 前項の認可申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 理由書 二 定款 三 一般社団法人等の登記事項証明書 四 共済事業(法第二条第三項に規定する共済事業をいう。以下同じ。)及び法第十条第二項の規定により共済会計(法第十条第一項に規定する共済会計をいう。以下同じ。)において行おうとする青少年の安全に関する普及啓発活動その他青少年の健康の保持増進に資する事業に係る三事業年度の事業計画書及び収支予算書 五 前号に規定する事業計画書及び収支予算書に記載された予算の基礎となる事実を明らかにする書面 六 第四号に規定する事業以外の事業に係る三事業年度の事業計画書及び収支予算書 七 最終の貸借対照表、損益計算書、財産目録及び事業報告その他の最近における業務、財産及び損益の状況を知ることができる書面 八 理事及び監事の履歴書 九 申請者が一般社団法人又は特定非営利活動法人である場合においてはその社員の名簿、申請者が一般財団法人である場合においてはその設立者の名簿並びに評議員の名簿及び履歴書 十 共済事業に関する知識及び経験を有する使用人の確保の状況を記載した書面 十一 申請者が子法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第二条第一項第四号に規定する子法人をいい、申請者が特定非営利活動法人の場合にあっては、これに準ずるものをいう。以下同じ。)を有する場合には、次に掲げる書類 イ 当該子法人の商号又は名称及び主たる営業所又は事務所の所在地を記載した書面 ロ 当該子法人の役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。)の役職名及び氏名又は名称を記載した書面 ハ 当該子法人の業務の内容を記載した書面 ニ 当該子法人の最終の貸借対照表、損益計算書その他の当該子法人の最近における業務、財産及び損益の状況を知ることができる書面 十二 共済規程の設定を決議した社員総会又は評議員会の議事録又はその謄本 十三 申請者が前条各号に規定する一般社団法人等である場合は、当該申請者が前条に規定するPTA等と密接な関係を有する一般社団法人等であることを証する書面 十四 その他法第七条の規定による審査をするため参考となるべき事項を記載した書面 (被共済者) 第四条 法第四条第一項第一号に規定する文部科学省令で定める者は、児童生徒等の親族並びにPTA又はこれに係る特定関係団体(法第三条に規定する特定関係団体をいう。以下この条において同じ。)が主催する活動の実施に必要な指導者及びこれらの活動を支援する者とする。 2 法第四条第二項に規定する文部科学省令で定める者は、青少年の親族並びに青少年教育団体(法第二条第二項に規定する青少年教育団体をいう。)又はこれに係る特定関係団体が主催する活動の実施に必要な指導者及びこれらの活動を支援する者とする。 (共済掛金等) 第五条 法第五条第一項第一号に規定する文部科学省令で定める額は、各事業年度につき、一の被共済者当たり二千円とする。 2 法第五条第一項第二号に規定する文部科学省令で定める額は、一の災害につき、一の被共済者当たり三千五百万円とする。 3 法第五条第二項に規定する文部科学省令で定める基準は、一事業年度において支払を受ける共済掛金の総額が六億円であることとする。 第三章 共済規程 (共済規程の記載事項) 第六条 法第六条第一項に規定する文部科学省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 共済事業の実施方法に関する事項 イ 被共済者の範囲 ロ 共済団体(法第二条第四項に規定する共済団体をいう。以下同じ。)の委託を受けて当該共済団体のために共済契約の締結の代理又は媒介の業務を行う者の当該業務に係る権限に関する事項 ハ 共済金額及び共済期間の制限 ニ 被共済者の選択及び共済契約締結の手続に関する事項 ホ 共済掛金の収受、共済金の支払及び共済掛金の払戻しその他の返戻金に関する事項 ヘ 共済証書の記載事項並びに共済契約申込書の記載事項及びこれに添付すべき書類の種類 ト 再保険(第二十六条に規定する再保険をいう。)又は再共済(同条に規定する再共済をいう。)に関する事項 チ 共済契約の特約に関する事項 リ 共済金額、共済の種類又は共済期間を変更する場合の取扱いに関する事項 ヌ その他事業の実施に関し必要な事項 二 共済契約に関する事項 イ 共済団体が共済金を支払わなければならない事由 ロ 共済契約の無効の原因 ハ 共済団体がその義務を免れる事由 ニ 共済団体の義務の範囲を定める方法及びその義務の履行の時期 ホ 共済契約者又は被共済者がその義務を履行しないことによって受ける損失 ヘ 共済契約の全部又は一部の解除の原因並びにその解除の場合において当事者が有する権利及び義務 ト 共済契約者に対して提示すべき重要事項 三 共済掛金及び準備金に関する事項 イ 共済掛金の計算の方法(その計算の基礎となる係数を要する場合においては、その係数を含む。)に関する事項 ロ 準備金及び責任準備金の計算方法(その計算の基礎となる係数を要する場合においては、その係数を含む。)に関する事項 ハ 未収共済掛金の計上に関する事項 ニ その他共済の数理に関して必要な事項 (共済規程の変更の承認を要しない事項) 第七条 法第六条第二項に規定する文部科学省令で定める事項は、関係法令の改正(条項の移動等当該法令に規定する内容の実質的な変更を伴わないものに限る。次条第一号において同じ。)に伴う規定の整理とする。 (共済規程の変更に際し社員総会又は評議員会の決議を経ることを要しない事項) 第八条 法第六条第五項に規定する文部科学省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 関係法令の改正に伴う規定の整理 二 第六条第三号に掲げる事項の変更 (共済規程の変更の承認の申請) 第九条 法第六条第二項の規定により共済規程の変更の承認を受けようとする者は、承認申請書に次の各号に掲げる書類を添付して行政庁に提出しなければならない。 一 変更理由書 二 共済規程中の変更しようとする箇所を記載した書面 三 共済規程の変更を決議した社員総会又は評議員会の議事録又はその謄本(ただし、法第六条第五項に基づき、第六条第三号に掲げる事項に係る共済規程の変更は社員総会又は評議員会の決議を経ることを要しない旨の定款の定めがある場合において、当該事項に係る共済規程の変更に係る承認を受けようとするときは、当該定款) 2 共済規程の変更が事業計画又は収支予算に係るものであるときは、前項の書類のほか、当該変更後の事業計画書又は収支予算書を行政庁に提出しなければならない。 (共済規程の変更の承認) 第十条 行政庁は、前条の承認の申請があったときは、法第五条に定める基準及び法第七条第四号に定める基準に適合するかどうかを審査しなければならない。 (共済規程の審査基準) 第十一条 法第七条第四号ヘに規定する文部科学省令で定める基準は、次に掲げる基準とする。 一 共済契約の内容が、共済契約者等(法第七条第四号イに規定する共済契約者等をいう。以下同じ。)の需要及び利便に適合した妥当なものであること。 二 次のイ及びロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ及びロに定める同意の方式について、書面による方式その他これに準じた方式が明瞭に定められていること。 イ 共済契約の締結(被共済者の同意を必要とする契約の変更を含む。次号において同じ。) 保険法(平成二十年法律第五十六号)第三十八条又は第六十七条第一項の同意 ロ 保険法第四十三条第一項又は第七十二条第一項に規定する共済金受取人の変更 同法第四十五条又は第七十四条第一項の同意 三 電気通信回線に接続している情報処理の用に供する機器を利用して、共済契約の申込みその他の共済契約の締結の手続を行うものについては、共済契約の申込みをした者の本人確認、被共済者(当該共済契約の締結時において被共済者が特定できない場合を除く。)の身体の状況の確認、契約内容の説明、情報管理その他当該手続の遂行に必要な事項について、共済契約者等の保護及び業務の的確な運営が確保されるための適切な措置が講じられていること。 四 共済契約の解約による返戻金の開示方法が、共済契約者等の保護に欠けるおそれのない適正なものであり、かつ、明瞭に定められていること。 五 共済金の支払基準及び限度額が適正であること。 六 共済団体が契約内容の全部又は一部を変更(共済契約の内容の追加又は削除及び共済契約の全部又は一部の解除を含む。)することができることを約した共済契約にあっては、次に掲げるいずれかの要件を満たすものであること。 イ 共済契約の内容が変更されることがある場合の要件、変更箇所、変更内容及び共済契約者に内容の変更を通知する時期が明確に定められていること。 ロ 共済団体が共済契約者に対して、共済契約の内容の変更を通知した場合、当該共済契約者が不利益を受けることなく当該共済契約を将来に向かって解除できるものであること。 七 前各号に掲げるもののほか、共済事業の実施方法が、共済契約者等の保護を図るために適切なものであること。 第四章 共済事業の運営等 第一節 共済契約の締結等 (共済契約の締結等に関する禁止行為) 第十二条 法第八条第二号に規定する文部科学省令で定める行為は、次に掲げる行為とする。 一 共済契約者又は被共済者が当該共済団体に対して重要な事項につき虚偽のことを告げることを勧める行為 二 共済契約者又は被共済者が当該共済団体に対して重要な事実を告げるのを妨げ、又は告げないことを勧める行為 三 共済契約者又は被共済者に対して、不利益となるべき事実を告げずに、既に成立している共済契約を消滅させて新たな共済契約の申込みをさせ、又は新たな共済契約の申込みをさせて既に成立している共済契約を消滅させる行為 四 共済契約者又は被共済者に対して、威迫し、又は業務上の地位等を不当に利用して共済契約の申込みをさせ、又は既に成立している共済契約を消滅させる行為 五 共済契約者又は被共済者に対して、共済規程に基づかない共済掛金の割引、割戻しその他特別の利益の提供を約し、又は提供する行為 六 何らの名義によってするかを問わず、前号に規定する行為の同号の規定による禁止を免れる行為 七 共済契約者若しくは被共済者又は不特定の者に対して、一の共済契約の契約内容につき他の共済契約若しくは保険契約の契約内容と比較した事項であって誤解させるおそれのあることを告げ、又は表示する行為 八 共済契約者に対して、共済契約に係る共済の種類を他のものと誤解させるおそれのあることを告げる行為 九 共済契約者又は被共済者に対して、当該共済契約者又は被共済者に当該共済団体の子法人が特別の利益の供与を約し、又は提供していることを知りながら、当該共済契約の申込みをさせる行為 十 共済団体との間で共済契約を締結することを条件として当該共済団体又は当該共済団体の子法人が当該共済契約に係る共済契約者又は被共済者に対して信用を供与し、又は信用の供与を約していることを知りながら、当該共済契約者に対して当該共済契約の申込みをさせる行為 十一 共済契約者若しくは被共済者又は不特定の者に対して、共済契約等に関する事項であってその判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、誤解させるおそれのあることを告げ、又は表示する行為 十二 共済団体のために共済契約の締結の代理又は媒介を行う者(当該共済団体の理事又は使用人(以下「理事等」という。)を除く。次号において同じ。)が、その取り扱う個人である利用者に関する情報の安全管理並びに従業者の監督及び当該情報の取扱いを委託する場合にはその委託先の監督に際して、当該情報の漏えい、滅失又はき損の防止を図るために必要かつ適切な措置を怠ること。 十三 共済団体のために共済契約の締結の代理又は媒介を行う者が、その業務上取り扱う個人である利用者に関する人種、信条、門地、本籍地、保健医療又は犯罪経歴についての情報その他の特別の非公開情報(その業務上知り得た公表されていない情報をいう。)を、当該業務の適切な運営の確保その他必要と認められる目的以外の目的のために利用しないことを確保するための措置を怠ること。 (共済契約の締結に関する措置) 第十三条 共済団体は、共済事業に係る重要な事項の利用者への説明その他の健全かつ適切な運営を確保するため、次に掲げる措置を講じなければならない。 一 当該共済団体の理事等の公正な共済契約の締結又は共済契約の締結の代理若しくは媒介(次号において「共済契約の締結等」という。)を行う能力の向上を図るための措置 二 前号に定めるもののほか、共済契約の締結等に際して、理事等が、共済契約者及び被共済者(共済契約の締結時において被共済者が特定できない場合を除く。)に対し、共済契約の内容のうち重要な事項を記載した書面の交付その他の適切な方法により、説明を行うことを確保するための措置 (保険契約と共済契約との誤認防止) 第十四条 共済団体は、保険募集(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第二十六項に規定する保険募集をいう。)を行う場合には、契約の種類に応じ、利用者の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的を踏まえ、利用者に対し、書面の交付その他の適切な方法により、共済契約と保険契約との誤認を防止するため、次に掲げる事項の説明を行わなければならない。 一 共済契約ではないこと 二 契約の主体 三 その他共済契約との誤認防止に関し参考となるべき事項 (共済団体と他の者との誤認防止) 第十五条 共済団体は、電気通信回線に接続している電子計算機を利用してその共済事業を行う場合には、利用者が当該共済団体と他の者を誤認することを防止するための適切な措置を講じなければならない。 第二節 共済事業の運営に係る措置等 (共済団体の内部規則等) 第十六条 共済団体は、共済事業の内容及び方法に応じ、利用者の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的を踏まえた重要な事項の利用者への説明その他の健全かつ適切な共済事業の運営を確保するための措置(書面の交付その他の適切な方法による共済事業の内容及びリスクの説明並びに犯罪を防止するための措置を含む。)に関する内部規則等(内部規則その他これに準ずるものをいう。以下同じ。)を定めるとともに、理事等に対する研修その他の当該内部規則等に基づいて共済事業が運営されるための十分な体制を整備しなければならない。 2 共済団体が、人の死亡に関し、一定額の共済金を支払うことを約し、共済掛金を収受する共済であって、被共済者が十五歳未満であるもの又は被共済者本人の同意がないもの(いずれも不正な利用のおそれが少ないと認められるものを除く。以下この項において「死亡共済」という。)の引受けを行う場合には、前項の内部規則等に、死亡共済の不正な利用を防止することにより被共済者を保護するための共済金の限度額その他引受けに関する定めを設けなければならない。 (個人利用者情報の安全管理措置等) 第十七条 共済団体は、その取り扱う個人である利用者に関する情報の安全管理並びに従業者の監督及び当該情報の取扱いを委託する場合にはその委託先の監督に際して、当該情報の漏えい、滅失又はき損の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 (特別の非公開情報の取扱い) 第十八条 共済団体は、その業務上取り扱う個人である利用者に関する人種、信条、門地、本籍地、保健医療又は犯罪経歴についての情報その他の特別の非公開情報(その業務上知り得た公表されていない情報をいう。)を、当該業務の適切な運営の確保その他必要と認められる目的以外の目的のために利用しないことを確保するための措置を講じなければならない。 (委託業務の的確な遂行を確保するための措置) 第十九条 共済団体は、その業務を第三者に委託する場合には、当該業務の内容に応じ、次に掲げる措置を講じなければならない。 一 当該業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる能力を有する者に委託するための措置 二 当該業務の委託を受けた者(以下この条において「受託者」という。)における当該業務の実施状況を、定期的に又は必要に応じて確認すること等により、受託者が当該業務を的確に遂行しているかを検証し、必要に応じ改善させる等の受託者に対する必要かつ適切な監督を行うための措置 三 受託者が行う当該業務に係る利用者からの苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な措置 四 受託者が当該業務を適切に行うことができない事態が生じた場合には、他の適切な第三者に当該業務を速やかに委託する等の共済契約者等の保護に支障が生じること等を防止するための措置 五 共済団体の業務の健全かつ適切な運営を確保し、共済契約者等の保護を図るため必要がある場合には、当該業務の委託に係る契約の変更又は解除をする等の必要な措置を講ずるための措置 第五章 経理等 (共済会計における青少年の安全に関する普及啓発活動等に関する経理) 第二十条 法第十条第二項に規定する共済会計において行うことができる青少年の安全に関する普及啓発活動その他青少年の健康の保持増進に資する事業(以下「安全普及啓発活動等」という。)は、共済事業の健全かつ適切な運営を妨げない範囲内において行うものとする。 2 共済団体は、前項の規定により安全普及啓発活動等を実施しようとする場合は、毎事業年度開始前に、次に掲げる事項を行政庁に届け出なければならない。 一 実施しようとする安全普及啓発活動等に係る事業計画書及び収支予算書 二 最近の事業年度における業務報告書 3 共済団体は、前項の事業計画書又は収支予算書に変更があったときは、遅滞なくその旨を行政庁に届け出なければならない。 4 行政庁は、前二項の規定による届出に係る内容が、共済事業の健全かつ適切な運営に支障が生ずるおそれがあると認めるときは、共済団体に対し、その変更を指示することができる。 (資金運用等の許可の申請) 第二十一条 PTA・青少年教育団体共済法施行令(平成二十二年政令第二百五十七号。以下「令」という。)に規定する許可を受けようとする者は、申請書に次の書類を添付して、行政庁に提出しなければならない。 一 理由書 二 定款 三 共済規程 四 最近の事業年度における業務報告書 五 当該資金を必要とする事業に係る事業計画書及び収支予算書 六 当該資金の償還計画書 (資金運用等の許可) 第二十二条 行政庁は、令の規定による許可の申請があったときは、共済会計から共済事業以外の事業に係る会計へ資金を運用し、又は共済会計に属する資産を担保に供して共済事業以外の事業に係る会計に属する資金を調達することが、共済事業の健全かつ適切な運営を妨げないものであるかどうかを審査しなければならない。 (共済会計に属する資金の運用) 第二十三条 法第十二条に規定する文部科学省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。 一 銀行、株式会社商工組合中央金庫、農林中央金庫、信用金庫、信用金庫連合会、信用協同組合又は農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合連合会若しくは協同組合連合会で業として預金若しくは貯金の受入れをすることができるものへの預金又は貯金 二 信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)への金銭信託 三 国債、地方債、特別の法律により法人の発行する債券若しくは金融債又は日本銀行出資証券の取得 四 貸付信託の受益証券の取得 (準備金) 第二十四条 共済団体は、定款で定める額に達するまでは、毎事業年度の剰余金の五分の一以上を、準備金として積み立てなければならない。 2 前項の定款で定める準備金の額は、二千万円を下回ってはならない。 3 第一項の準備金は、共済事業における損失のてん補に充てる場合を除いて、これを取り崩してはならない。 (責任準備金) 第二十五条 共済団体は、毎事業年度末において、次の各号に掲げる区分に応じ、当該事業年度に収入した共済掛金を基礎として、当該各号に定める金額を共済規程に記載された方法に従って計算し、責任準備金として積み立てなければならない。 一 未経過共済掛金 未経過期間(共済契約に定めた共済期間のうち、事業年度末において、まだ経過していない期間をいう。)に対応する責任に相当する額として計算した金額 二 異常危険準備金 共済契約に基づく将来の債務を確実に履行するため、将来発生が見込まれる危険に備えて計算した金額 2 異常危険準備金の積立て及び取崩しは、文部科学大臣が定める積立て及び取崩しに関する基準によるものとする。 ただし、共済団体の業務又は財産の状況等に照らし、やむを得ない事情がある場合には、当該基準によらないで積立て又は取崩しを行うことができる。 (再保険契約等の責任準備金) 第二十六条 共済団体は、共済契約を再保険(共済契約により負う共済責任の一部を次に掲げる者に保険することをいう。以下同じ。)又は再共済(特別の法律に基づいて設立された協同組合であって、業務又は財産の状況に照らして当該再共済を付した共済団体の経営の健全性を損なうおそれがないものに再共済した場合に限る。以下同じ。)に付した場合には、その再保険又は再共済を付した部分に相当する責任準備金を積み立てないことができる。 一 保険業法第二条第二項に規定する保険会社 二 保険業法第二条第七項に規定する外国保険会社等 三 保険業法第二百十九条第一項に規定する引受社員であって、同法第二百二十四条第一項の届出のあった者 四 保険業法第二条第六項に規定する外国保険業者のうち、前二号に掲げる者以外の者であって、業務又は財産の状況に照らして当該再保険を付した共済団体の経営の健全性を損なうおそれがないもの (支払備金) 第二十七条 共済団体は、毎事業年度末において、次に掲げる金額を支払備金として積み立てなければならない。 一 共済契約に基づいて支払義務が発生した共済金等(共済金及び返戻金をいい、当該支払義務に係る訴訟が係属しているものを含む。以下同じ。)のうち、当該共済団体が毎事業年度末において、まだ支出として計上していないものがある場合は、当該支払のために必要な金額 二 共済団体がまだ支払事由の発生の報告を受けていないが共済契約に規定する支払事由が既に発生したと認める共済金等について、その支払のために必要なものとして文部科学大臣が定める金額 2 共済団体の業務又は財産の状況等に照らし、やむを得ないと認められる事情がある場合には、前項の規定にかかわらず、同項第二号に規定する共済金等については、一定の期間を限り、共済規程に規定する方法により計算した金額を支払備金として積み立てることができる。 3 前条の規定は、支払備金の積立てについて準用する。 第六章 業務報告書等 第一節 業務報告書 (業務報告書の記載事項) 第二十八条 共済団体は、法第十四条第一項に規定する業務報告書については、次に掲げる事項につき作成し、行政庁に提出しなければならない。 一 事業報告書 二 貸借対照表 三 損益計算書 四 財産目録 五 前各号に係る附属明細書 2 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則(平成十九年法務省令第二十八号)第二十七条及び第二十九条から第三十三条までの規定は、前項各号に掲げる事項(同項第四号に掲げる事項及び同項第五号に掲げる事項で同項第四号に係るものを除く。)の作成について準用する。 (業務報告書の提出期日) 第二十九条 共済団体は、毎事業年度、事業年度の終了後三月以内に、業務報告書を行政庁に提出しなければならない。 2 共済団体は、やむを得ない理由により前項に規定する期間内に業務報告書の提出をすることができない場合には、あらかじめ行政庁の承認を受けて、当該提出を延期することができる。 3 共済団体は、前項の規定による承認を受けようとするときは、申請書に理由書を添付して行政庁に提出しなければならない。 4 行政庁は、前項の規定による承認の申請があったときは、当該申請をした共済団体が第二項の規定による提出の延期をすることについてやむを得ないと認められる理由があるかどうかを審査しなければならない。 (事業報告書の内容) 第三十条 事業報告書は、共済団体の事業活動の概況に関する事項及び共済団体の運営組織の状況に関する事項その他共済団体の状況に関する重要な事項(貸借対照表、損益計算書、財産目録及びこれらの附属明細書の内容となる事項を除く。)について記載又は記録しなければならない。 2 共済団体の事業活動の概況に関する事項は、共済事業及び安全普及啓発活動等(以下この条において「共済事業等」という。)に係る次に掲げる事項について記載又は記録しなければならない。 一 当該事業年度の末日における事業活動の内容 二 当該事業年度における事業の経過及びその成果 三 当該事業年度における次に掲げる事項についての状況(重要なものに限る。) イ 資金の借入れその他の資金調達(共済掛金として受け入れたものを除く。) ロ 他の法人との業務上の提携 四 直前三事業年度(当該事業年度の末日において三事業年度が終了していない共済団体にあっては、成立後の各事業年度)の財産及び損益の状況 五 法第十一条の許可を受けた共済団体にあっては、第二十一条第六号に規定する償還計画書に基づき行う償還の状況 六 対処すべき重要な課題 七 前各号に掲げるもののほか、当該共済団体の現況に関する重要な事項 3 共済団体の運営組織の状況に関する事項は、次に掲げる事項について記載又は記録しなければならない。 一 当該事業年度における共済事業等に係る社員総会又は評議員会の開催状況に関する次に掲げる事項 イ 開催日時 ロ 出席した社員又は評議員の数 ハ 重要な事項の議決状況 二 役員(当該事業年度の初日以降に在任していた者であって、当該事業年度の末日までに退任した者を含む。以下この条において同じ。)に関する次に掲げる事項 イ 役員の氏名 ロ 役員の当該共済団体における職制上の地位及び担当 ハ 当該事業年度に係る当該共済団体の役員の重要な兼職の状況 ニ 辞任した役員があるときは、当該役員の氏名 三 共済事業等に係る職員の数及びその増減その他の職員の状況 四 共済事業等に係る業務の運営の組織に関する次に掲げる事項 イ 当該共済団体の内部組織の構成を示す組織図(当該事業年度の末日後に変更があった場合には、当該変更事項を反映させたもの。) ロ 当該共済団体と緊密な協力関係にある団体員が構成する組織がある場合には、その主要なものの概要 五 主たる事務所及び従たる事務所の所在地 六 子法人の状況に関する次に掲げる事項 イ 子法人の商号又は名称、役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。)の役職名、氏名又は名称及び主たる営業所又は事務所の所在地 ロ 当該子法人の最終の貸借対照表及び損益計算書その他の当該子法人の最近における業務、財産及び損益の状況を知ることができる書面 ハ 当該共済団体の保有する議決権の比率及びその他の子法人の概況 七 前各号に掲げるもののほか、当該共済団体における共済事業等に係る運営組織の状況に関する重要な事項 第二節 PTA・青少年教育団体共済監査 (PTA・青少年教育団体共済監査) 第三十一条 法第十四条第二項に規定する文部科学省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 共済掛金の収入に関すること。 二 共済金の支出に関すること。 三 安全普及啓発活動等に係る経費の支出に関すること。 四 法第十一条に規定する共済会計から共済事業以外の事業に係る会計への資金の運用に関すること。 五 共済会計に属する資産に関すること。 六 準備金並びに責任準備金及び支払備金の積立てに関すること。 七 その他共済事業の運営に要する経費に関すること。 2 法第十四条第二項に規定するPTA・青少年教育団体共済監査は、前項各号に掲げる事項について、貸借対照表、損益計算書、財産目録及びこれらの附属明細書と共済団体が有する会計帳簿、明細書及び領収書その他の関係書類との照合を行い、その一致を確認した上で行うものとする。 (純資産額) 第三十二条 法第十四条第二項ただし書の純資産額は、最終の貸借対照表上の純資産の額とする。 第七章 共済事業の廃止及び合併 第一節 共済事業の廃止 (共済事業の廃止の承認の申請) 第三十三条 共済団体は、法第十五条の規定による承認を受けようとするときは、承認申請書に、次に掲げる書類を添付して行政庁に提出しなければならない。 一 理由書 二 共済事業の廃止を決議した社員総会若しくは評議員会の議事録又はその謄本 三 最終の貸借対照表 四 当該共済団体が実施する共済事業の共済契約(次条第二項各号に規定する共済契約を除く。)がないことを証する書面 五 当該共済団体が実施する共済事業の次条第二項各号に規定する共済契約があるときは、当該共済契約の処理方針を記載した書面 六 共済会計における剰余金の使途を記載した書面 七 その他法第十五条の規定による承認に係る審査をするため参考となるべき事項を記載した書面 (共済事業の廃止の承認) 第三十四条 行政庁は、法第十五条の規定による承認の申請があったときは、共済事業の廃止が、共済契約者等の保護に欠けるおそれがないものであるかどうかを審査しなければならない。 2 行政庁は、当該共済団体が実施する共済事業の共済契約(次の各号に掲げる共済契約を除く。)がある場合には、法第十五条の規定による承認をしないものとする。 一 法第十五条の規定による承認の申請(次号において単に「申請」という。)の日において既に共済事故が発生している共済契約(当該共済事故に係る共済金の支払により消滅することとなるものに限る。) 二 申請の日において既に共済期間が終了している共済契約(申請の日において共済期間の中途で解約その他の共済契約の終了の事由が発生しているものを含み、前号に掲げるものを除く。) 第二節 合併 (合併の承認の申請) 第三十五条 共済団体は、法第十六条の規定による承認を受けようとするときは、承認申請書に次の各号に掲げる書類を添付して行政庁に提出しなければならない。 一 共済団体が一般社団法人若しくは一般財団法人であって、かつ共済団体が合併後存続する場合又は共済団体が特定非営利活動法人である場合 イ 理由書 ロ 合併契約の内容を記載した書面 ハ 当事者である共済団体の合併を決議した社員総会若しくは評議員会の議事録又はその謄本その他の必要な手続があったことを証する書面 ニ 各当事者の財産目録並びに貸借対照表及び損益計算書 ホ 当事者である共済団体が実施する共済事業の共済契約について、その種類ごとに共済契約者の数、共済契約の件数及び共済金額の合計額並びに責任準備金の額を記載した書面 ヘ 合併後存続する共済団体又は合併により設立される共済団体の定款の案 ト 合併後存続する共済団体又は合併により設立される共済団体の事業計画書 チ 合併後存続する共済団体又は合併により設立される共済団体の合併後における収支の見込みを記載した書面 リ 合併費用を記載した書面 ヌ 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第二百四十八条第二項若しくは第二百五十二条第二項又は特定非営利活動促進法第三十五条第二項の規定による公告又は催告をしたこと及び異議を述べた債権者があるときは、その者に対し弁済し、若しくは担保を提供し、若しくは信託したこと又は合併をしてもその者を害するおそれがないことを証する書面 ル 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第二百四十九条第二項の規定による公告をしたときは、これを証する書面 ヲ 各当事者の従前の定款 ワ 合併に際して就任する理事、監事又は評議員があるときは、就任を承諾したことを証する書面及びこれらの者の履歴書 カ 合併後存続する共済団体又は合併により設立される共済団体が子法人を有する場合には、当該子法人の収支の見込みを記載した書面 ヨ その他法第十六条の規定による承認に係る審査をするため参考となるべき事項を記載した書面 二 前号に掲げる場合以外の場合 イ 理由書 ロ 合併契約の内容を記載した書面 ハ 当事者である共済団体の合併を決議した社員総会若しくは評議員会の議事録又はその謄本その他の必要な手続があったことを証する書面 ニ 各当事者の財産目録並びに貸借対照表及び損益計算書 ホ 合併費用を記載した書面 ヘ 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第二百四十八条第二項又は第二百五十八条第二項の規定による公告又は催告をしたこと及び異議を述べた債権者があるときは、その者に対して弁済し、若しくは担保を提供し、若しくは信託したこと又は合併をしてもその者を害するおそれがないことを証する書面 ト 当事者である共済団体が実施する共済事業の共済契約(次条第三項に規定する共済契約を除く。)がないことを証する書面 チ 当事者である共済団体が実施する共済事業の次条第三項に規定する共済契約があるときは、当該共済契約の処理方針を記載した書面 リ 各当事者の従前の定款 ヌ その他法第十六条の規定による承認に係る審査をするため参考となるべき事項を記載した書面 2 前項の承認申請書は、共済団体を全部の当事者とする合併の場合にあっては、当事者である共済団体の連名で提出しなければならない。 (合併の承認) 第三十六条 行政庁は、前条第一項第一号に規定する場合における承認の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。 一 当該合併が、共済契約者等の保護に照らして、適当なものであること。 二 当該合併後存続する共済団体又は当該合併により設立する共済団体が、合併後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。 2 行政庁は、前条第一項第二号に規定する場合における承認の申請があったときは、当該合併が共済契約者等の保護に欠けるおそれのないものであるかどうかを審査しなければならない。 3 前項の場合において、当該共済団体が実施する共済事業の共済契約(次の各号に掲げる共済契約を除く。)がある場合には、法第十六条の承認をしないものとする。 一 法第十六条の承認の申請(次号において単に「申請」という。)の日において既に共済事故が発生している共済契約(当該共済事故に係る共済金の支払により消滅することとなるものに限る。) 二 申請の日において既に共済期間が終了している共済契約(申請の日において共済期間の中途で解約その他の共済契約の終了の事由が発生しているものを含み、前号に掲げるものを除く。) (吸収合併の効力) 第三十七条 前条第一項の承認を受けたことにより、共済規程に定めた事項を、当該承認に係る合併により消滅する共済団体の共済規程に定めた事項を付加した内容に変更しなければならない場合においては、当該合併が効力を生じたときに、法第六条第二項の規定による承認を要する事項については、その承認を受けたものと、同条第三項の規定による届出を要する事項については、届出があったものとみなす。 第八章 雑則 (行政庁の変更を伴う場合の手続) 第三十八条 行政庁の変更(文部科学大臣から都道府県教育委員会に行政庁が変更する場合を除く。)を伴う共済規程の変更又は合併の承認に係る第九条第一項又は第三十五条第一項第一号の承認申請書は、変更前の行政庁を経由して変更後の行政庁に提出しなければならない。 2 前項の場合において、当該共済規程の変更又は当該合併の承認をしたときは、変更後の行政庁は、遅滞なく、変更前の行政庁から事務の引継ぎを受けなければならない。 (届出事項) 第三十九条 共済団体は、次の各号のいずれかに該当するときは、その旨を行政庁に届け出なければならない。 一 共済事業を開始したとき。 二 定款の変更をしたとき。 三 理事、監事又は評議員の就任又は退任があったとき。 四 子法人を新たに有することとなったとき。 五 子法人が子法人でなくなったとき。 六 子法人が商号又は名称、主たる事務所の所在地若しくは主な業務の内容を変更し、合併し、又は業務の全部を廃止したとき。 七 第三条第二項第十三号に掲げる書面に変更があったとき。 八 異常危険準備金について第二十五条第二項に規定する文部科学大臣が定める積立て及び取崩しに関する基準によらない積立て又は取崩しを行おうとするとき。 九 共済団体及び当該共済団体の子法人(第六項において「共済団体等」という。)において不祥事件が発生したことを知ったとき。 2 共済団体は、前項の規定による届出をしようとするときは、届出書に理由書その他の参考となるべき事項を記載した書類を添付して行政庁に提出しなければならない。 3 第一項第三号から第七号までに該当するときの届出は、登記事項証明書を添付して行うものとする。 4 第一項第八号に該当するときの届出は、業務報告書(事業報告書及びその附属明細書を除く。)を添付して行うものとする。 5 第一項各号の届出は、届出事由の発生した後遅滞なく行わなければならない。 6 第一項第九号に規定する不祥事件とは、共済団体等又はその使用人その他の従業者が次の各号のいずれかに該当する行為を行ったことをいう。 一 共済団体の業務を遂行するに際しての詐欺、横領、背任その他の犯罪行為 二 現金、手形、小切手又は有価証券その他の有価物の紛失(盗難に遭うこと及び過不足を生じさせることを含む。以下この号において同じ。)のうち、共済団体等の業務の特性、規模その他の事情を勘案し、当該業務の管理上重大な紛失と認められるもの 三 その他共済団体の業務の健全かつ適切な運営に支障を来す行為又はそのおそれのある行為であって前各号に掲げる行為に準ずるもの (経過措置) 第四十条 法第三条の認可を受けた者が、当該認可を受ける前に当該者により又は他の者により行われていた見舞金等支給業務(法第二条第三項に規定する者に生じた同項に規定する災害を給付事由として医療費、障害見舞金又は死亡見舞金等(以下「見舞金等」という。)を支給する業務をいう。)における契約に基づき発生した見舞金等の支払義務を負う場合には、行政庁の承認を受けて、共済会計において当該見舞金等に係る経理を行うことができる。 2 前項の承認を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、承認申請書に、次に掲げる書類を添付して行政庁に提出しなければならない。 一 理由書 二 申請者が見舞金等支給業務を行っていた場合は、それを証する書面 三 他の者が見舞金等支給業務を行っていた場合は、それを証する書面 四 最終の貸借対照表及び損益計算書その他の最近における財産及び損益の状況を知ることができる書面 五 見舞金等を交付することとなる人数の見込み及び当該見舞金等の額の合計額の見込み、当該見舞金等を支払うために積み立てている金額並びにそれらの算出方法を記載した書面 六 見舞金等の給付対象者の範囲、給付事由となる災害の種類及び給付事由ごとに支払うべきことが定められている見舞金等の額を記載した書面 七 その他前項の規定による承認に係る審査をするため参考となるべき事項を記載した書面 第四十一条 行政庁は、前条の承認の申請があったときは、申請者が見舞金等支給業務を行っていた者と同一性を有すると認められるかどうか及び共済会計において見舞金等の支払のために必要な金額があり、共済契約者等の保護が図られる見込みが確実であるかどうかを審査しなければならない。 | 教育 |
Heisei | Act | 423AC1000000078_20230101_430AC1000000056.xml | 平成二十三年法律第七十八号 | 28 | スポーツ基本法
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、スポーツに関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするとともに、スポーツに関する施策の基本となる事項を定めることにより、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民の心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形成、活力ある社会の実現及び国際社会の調和ある発展に寄与することを目的とする。 (基本理念) 第二条 スポーツは、これを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利であることに鑑み、国民が生涯にわたりあらゆる機会とあらゆる場所において、自主的かつ自律的にその適性及び健康状態に応じて行うことができるようにすることを旨として、推進されなければならない。 2 スポーツは、とりわけ心身の成長の過程にある青少年のスポーツが、体力を向上させ、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培う等人格の形成に大きな影響を及ぼすものであり、国民の生涯にわたる健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育む基礎となるものであるとの認識の下に、学校、スポーツ団体(スポーツの振興のための事業を行うことを主たる目的とする団体をいう。以下同じ。)、家庭及び地域における活動の相互の連携を図りながら推進されなければならない。 3 スポーツは、人々がその居住する地域において、主体的に協働することにより身近に親しむことができるようにするとともに、これを通じて、当該地域における全ての世代の人々の交流が促進され、かつ、地域間の交流の基盤が形成されるものとなるよう推進されなければならない。 4 スポーツは、スポーツを行う者の心身の健康の保持増進及び安全の確保が図られるよう推進されなければならない。 5 スポーツは、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進されなければならない。 6 スポーツは、我が国のスポーツ選手(プロスポーツの選手を含む。以下同じ。)が国際競技大会(オリンピック競技大会、パラリンピック競技大会その他の国際的な規模のスポーツの競技会をいう。以下同じ。)又は全国的な規模のスポーツの競技会において優秀な成績を収めることができるよう、スポーツに関する競技水準(以下「競技水準」という。)の向上に資する諸施策相互の有機的な連携を図りつつ、効果的に推進されなければならない。 7 スポーツは、スポーツに係る国際的な交流及び貢献を推進することにより、国際相互理解の増進及び国際平和に寄与するものとなるよう推進されなければならない。 8 スポーツは、スポーツを行う者に対し、不当に差別的取扱いをせず、また、スポーツに関するあらゆる活動を公正かつ適切に実施することを旨として、ドーピングの防止の重要性に対する国民の認識を深めるなど、スポーツに対する国民の幅広い理解及び支援が得られるよう推進されなければならない。 (国の責務) 第三条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、スポーツに関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第四条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、スポーツに関する施策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (スポーツ団体の努力) 第五条 スポーツ団体は、スポーツの普及及び競技水準の向上に果たすべき重要な役割に鑑み、基本理念にのっとり、スポーツを行う者の権利利益の保護、心身の健康の保持増進及び安全の確保に配慮しつつ、スポーツの推進に主体的に取り組むよう努めるものとする。 2 スポーツ団体は、スポーツの振興のための事業を適正に行うため、その運営の透明性の確保を図るとともに、その事業活動に関し自らが遵守すべき基準を作成するよう努めるものとする。 3 スポーツ団体は、スポーツに関する紛争について、迅速かつ適正な解決に努めるものとする。 (国民の参加及び支援の促進) 第六条 国、地方公共団体及びスポーツ団体は、国民が健やかで明るく豊かな生活を享受することができるよう、スポーツに対する国民の関心と理解を深め、スポーツへの国民の参加及び支援を促進するよう努めなければならない。 (関係者相互の連携及び協働) 第七条 国、独立行政法人、地方公共団体、学校、スポーツ団体及び民間事業者その他の関係者は、基本理念の実現を図るため、相互に連携を図りながら協働するよう努めなければならない。 (法制上の措置等) 第八条 政府は、スポーツに関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない。 第二章 スポーツ基本計画等 (スポーツ基本計画) 第九条 文部科学大臣は、スポーツに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、スポーツの推進に関する基本的な計画(以下「スポーツ基本計画」という。)を定めなければならない。 2 文部科学大臣は、スポーツ基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。以下同じ。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。 3 文部科学大臣は、スポーツ基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の施策に係る事項について、第三十条に規定するスポーツ推進会議において連絡調整を図るものとする。 (地方スポーツ推進計画) 第十条 都道府県及び市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会(地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十三条第一項の条例の定めるところによりその長がスポーツに関する事務(学校における体育に関する事務を除く。)を管理し、及び執行することとされた地方公共団体(以下「特定地方公共団体」という。)にあっては、その長)は、スポーツ基本計画を参酌して、その地方の実情に即したスポーツの推進に関する計画(以下「地方スポーツ推進計画」という。)を定めるよう努めるものとする。 2 特定地方公共団体の長が地方スポーツ推進計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、当該特定地方公共団体の教育委員会の意見を聴かなければならない。 第三章 基本的施策 第一節 スポーツの推進のための基礎的条件の整備等 (指導者等の養成等) 第十一条 国及び地方公共団体は、スポーツの指導者その他スポーツの推進に寄与する人材(以下「指導者等」という。)の養成及び資質の向上並びにその活用のため、系統的な養成システムの開発又は利用への支援、研究集会又は講習会(以下「研究集会等」という。)の開催その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。 (スポーツ施設の整備等) 第十二条 国及び地方公共団体は、国民が身近にスポーツに親しむことができるようにするとともに、競技水準の向上を図ることができるよう、スポーツ施設(スポーツの設備を含む。以下同じ。)の整備、利用者の需要に応じたスポーツ施設の運用の改善、スポーツ施設への指導者等の配置その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。 2 前項の規定によりスポーツ施設を整備するに当たっては、当該スポーツ施設の利用の実態等に応じて、安全の確保を図るとともに、障害者等の利便性の向上を図るよう努めるものとする。 (学校施設の利用) 第十三条 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第二条第二項に規定する国立学校及び公立学校並びに国(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人を含む。)及び地方公共団体(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人を含む。)が設置する幼保連携型認定こども園(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。)の設置者は、その設置する学校の教育に支障のない限り、当該学校のスポーツ施設を一般のスポーツのための利用に供するよう努めなければならない。 2 国及び地方公共団体は、前項の利用を容易にさせるため、又はその利用上の利便性の向上を図るため、当該学校のスポーツ施設の改修、照明施設の設置その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。 (スポーツ事故の防止等) 第十四条 国及び地方公共団体は、スポーツ事故その他スポーツによって生じる外傷、障害等の防止及びこれらの軽減に資するため、指導者等の研修、スポーツ施設の整備、スポーツにおける心身の健康の保持増進及び安全の確保に関する知識(スポーツ用具の適切な使用に係る知識を含む。)の普及その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 (スポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決) 第十五条 国は、スポーツに関する紛争の仲裁又は調停の中立性及び公正性が確保され、スポーツを行う者の権利利益の保護が図られるよう、スポーツに関する紛争の仲裁又は調停を行う機関への支援、仲裁人等の資質の向上、紛争解決手続についてのスポーツ団体の理解の増進その他のスポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決に資するために必要な施策を講ずるものとする。 (スポーツに関する科学的研究の推進等) 第十六条 国は、医学、歯学、生理学、心理学、力学等のスポーツに関する諸科学を総合して実際的及び基礎的な研究を推進し、これらの研究の成果を活用してスポーツに関する施策の効果的な推進を図るものとする。 この場合において、研究体制の整備、国、独立行政法人、大学、スポーツ団体、民間事業者等の間の連携の強化その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、我が国のスポーツの推進を図るため、スポーツの実施状況並びに競技水準の向上を図るための調査研究の成果及び取組の状況に関する情報その他のスポーツに関する国の内外の情報の収集、整理及び活用について必要な施策を講ずるものとする。 (学校における体育の充実) 第十七条 国及び地方公共団体は、学校における体育が青少年の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、スポーツに関する技能及び生涯にわたってスポーツに親しむ態度を養う上で重要な役割を果たすものであることに鑑み、体育に関する指導の充実、体育館、運動場、水泳プール、武道場その他のスポーツ施設の整備、体育に関する教員の資質の向上、地域におけるスポーツの指導者等の活用その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。 (スポーツ産業の事業者との連携等) 第十八条 国は、スポーツの普及又は競技水準の向上を図る上でスポーツ産業の事業者が果たす役割の重要性に鑑み、スポーツ団体とスポーツ産業の事業者との連携及び協力の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。 (スポーツに係る国際的な交流及び貢献の推進) 第十九条 国及び地方公共団体は、スポーツ選手及び指導者等の派遣及び招へい、スポーツに関する国際団体への人材の派遣、国際競技大会及び国際的な規模のスポーツの研究集会等の開催その他のスポーツに係る国際的な交流及び貢献を推進するために必要な施策を講ずることにより、我が国の競技水準の向上を図るよう努めるとともに、環境の保全に留意しつつ、国際相互理解の増進及び国際平和に寄与するよう努めなければならない。 (顕彰) 第二十条 国及び地方公共団体は、スポーツの競技会において優秀な成績を収めた者及びスポーツの発展に寄与した者の顕彰に努めなければならない。 第二節 多様なスポーツの機会の確保のための環境の整備 (地域におけるスポーツの振興のための事業への支援等) 第二十一条 国及び地方公共団体は、国民がその興味又は関心に応じて身近にスポーツに親しむことができるよう、住民が主体的に運営するスポーツ団体(以下「地域スポーツクラブ」という。)が行う地域におけるスポーツの振興のための事業への支援、住民が安全かつ効果的にスポーツを行うための指導者等の配置、住民が快適にスポーツを行い相互に交流を深めることができるスポーツ施設の整備その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。 (スポーツ行事の実施及び奨励) 第二十二条 地方公共団体は、広く住民が自主的かつ積極的に参加できるような運動会、競技会、体力テスト、スポーツ教室等のスポーツ行事を実施するよう努めるとともに、地域スポーツクラブその他の者がこれらの行事を実施するよう奨励に努めなければならない。 2 国は、地方公共団体に対し、前項の行事の実施に関し必要な援助を行うものとする。 (スポーツの日の行事) 第二十三条 国及び地方公共団体は、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)第二条に規定するスポーツの日において、国民の間に広くスポーツについての関心と理解を深め、かつ、積極的にスポーツを行う意欲を高揚するような行事を実施するよう努めるとともに、広く国民があらゆる地域でそれぞれその生活の実情に即してスポーツを行うことができるような行事が実施されるよう、必要な施策を講じ、及び援助を行うよう努めなければならない。 (野外活動及びスポーツ・レクリエーション活動の普及奨励) 第二十四条 国及び地方公共団体は、心身の健全な発達、生きがいのある豊かな生活の実現等のために行われるハイキング、サイクリング、キャンプ活動その他の野外活動及びスポーツとして行われるレクリエーション活動(以下この条において「スポーツ・レクリエーション活動」という。)を普及奨励するため、野外活動又はスポーツ・レクリエーション活動に係るスポーツ施設の整備、住民の交流の場となる行事の実施その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。 第三節 競技水準の向上等 (優秀なスポーツ選手の育成等) 第二十五条 国は、優秀なスポーツ選手を確保し、及び育成するため、スポーツ団体が行う合宿、国際競技大会又は全国的な規模のスポーツの競技会へのスポーツ選手及び指導者等の派遣、優れた資質を有する青少年に対する指導その他の活動への支援、スポーツ選手の競技技術の向上及びその効果の十分な発揮を図る上で必要な環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、優秀なスポーツ選手及び指導者等が、生涯にわたりその有する能力を幅広く社会に生かすことができるよう、社会の各分野で活躍できる知識及び技能の習得に対する支援並びに活躍できる環境の整備の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。 (国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会) 第二十六条 国民スポーツ大会は、公益財団法人日本スポーツ協会(昭和二年八月八日に財団法人大日本体育協会という名称で設立された法人をいう。以下同じ。)、国及び開催地の都道府県が共同して開催するものとし、これらの開催者が定める方法により選出された選手が参加して総合的に運動競技をするものとする。 2 全国障害者スポーツ大会は、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会(昭和四十年五月二十四日に財団法人日本身体障害者スポーツ協会という名称で設立された法人をいう。以下同じ。)、国及び開催地の都道府県が共同して開催するものとし、これらの開催者が定める方法により選出された選手が参加して総合的に運動競技をするものとする。 3 国は、国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会の円滑な実施及び運営に資するため、これらの開催者である公益財団法人日本スポーツ協会又は公益財団法人日本障がい者スポーツ協会及び開催地の都道府県に対し、必要な援助を行うものとする。 (国際競技大会の招致又は開催の支援等) 第二十七条 国は、国際競技大会の我が国への招致又はその開催が円滑になされるよう、環境の保全に留意しつつ、そのための社会的気運の醸成、当該招致又は開催に必要な資金の確保、国際競技大会に参加する外国人の受入れ等に必要な特別の措置を講ずるものとする。 2 国は、公益財団法人日本オリンピック委員会(平成元年八月七日に財団法人日本オリンピック委員会という名称で設立された法人をいう。)、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会その他のスポーツ団体が行う国際的な規模のスポーツの振興のための事業に関し必要な措置を講ずるに当たっては、当該スポーツ団体との緊密な連絡を図るものとする。 (企業、大学等によるスポーツへの支援) 第二十八条 国は、スポーツの普及又は競技水準の向上を図る上で企業のスポーツチーム等が果たす役割の重要性に鑑み、企業、大学等によるスポーツへの支援に必要な施策を講ずるものとする。 (ドーピング防止活動の推進) 第二十九条 国は、スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約に従ってドーピングの防止活動を実施するため、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(平成十三年九月十六日に財団法人日本アンチ・ドーピング機構という名称で設立された法人をいう。)と連携を図りつつ、ドーピングの検査、ドーピングの防止に関する教育及び啓発その他のドーピングの防止活動の実施に係る体制の整備、国際的なドーピングの防止に関する機関等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 第四章 スポーツの推進に係る体制の整備 (スポーツ推進会議) 第三十条 政府は、スポーツに関する施策の総合的、一体的かつ効果的な推進を図るため、スポーツ推進会議を設け、文部科学省及び厚生労働省、経済産業省、国土交通省その他の関係行政機関相互の連絡調整を行うものとする。 (都道府県及び市町村のスポーツ推進審議会等) 第三十一条 都道府県及び市町村に、地方スポーツ推進計画その他のスポーツの推進に関する重要事項を調査審議させるため、条例で定めるところにより、審議会その他の合議制の機関(以下「スポーツ推進審議会等」という。)を置くことができる。 (スポーツ推進委員) 第三十二条 市町村の教育委員会(特定地方公共団体にあっては、その長)は、当該市町村におけるスポーツの推進に係る体制の整備を図るため、社会的信望があり、スポーツに関する深い関心と理解を有し、及び次項に規定する職務を行うのに必要な熱意と能力を有する者の中から、スポーツ推進委員を委嘱するものとする。 2 スポーツ推進委員は、当該市町村におけるスポーツの推進のため、教育委員会規則(特定地方公共団体にあっては、地方公共団体の規則)の定めるところにより、スポーツの推進のための事業の実施に係る連絡調整並びに住民に対するスポーツの実技の指導その他スポーツに関する指導及び助言を行うものとする。 3 スポーツ推進委員は、非常勤とする。 第五章 国の補助等 (国の補助) 第三十三条 国は、地方公共団体に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、次に掲げる経費について、その一部を補助する。 一 国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会の実施及び運営に要する経費であって、これらの開催地の都道府県において要するもの 二 その他スポーツの推進のために地方公共団体が行う事業に要する経費であって特に必要と認められるもの 2 国は、学校法人に対し、その設置する学校のスポーツ施設の整備に要する経費について、予算の範囲内において、その一部を補助することができる。 この場合においては、私立学校振興助成法(昭和五十年法律第六十一号)第十一条から第十三条までの規定の適用があるものとする。 3 国は、スポーツ団体であってその行う事業が我が国のスポーツの振興に重要な意義を有すると認められるものに対し、当該事業に関し必要な経費について、予算の範囲内において、その一部を補助することができる。 (地方公共団体の補助) 第三十四条 地方公共団体は、スポーツ団体に対し、その行うスポーツの振興のための事業に関し必要な経費について、その一部を補助することができる。 (審議会等への諮問等) 第三十五条 国又は地方公共団体が第三十三条第三項又は前条の規定により社会教育関係団体(社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)第十条に規定する社会教育関係団体をいう。)であるスポーツ団体に対し補助金を交付しようとする場合には、あらかじめ、国にあっては文部科学大臣が第九条第二項の政令で定める審議会等の、地方公共団体にあっては教育委員会(特定地方公共団体におけるスポーツに関する事務(学校における体育に関する事務を除く。)に係る補助金の交付については、その長)がスポーツ推進審議会等その他の合議制の機関の意見を聴かなければならない。 この意見を聴いた場合においては、同法第十三条の規定による意見を聴くことを要しない。 | 教育 |
Heisei | CabinetOrder | 423CO0000000232_20230101_501CO0000000180.xml | 平成二十三年政令第二百三十二号 | 28 | スポーツ基本法施行令
(審議会等で政令で定めるもの) 第一条 スポーツ基本法(以下「法」という。)第九条第二項の審議会等で政令で定めるものは、スポーツ審議会とする。 (法第三十三条第一項の規定により国が補助する経費の範囲及び補助額) 第二条 法第三十三条第一項第一号に掲げる経費について同項の規定により国が補助する場合の経費の範囲は、開催地の都道府県において要する国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会の実施及び運営に直接必要な経費とし、当該経費に係る補助の額は、文部科学大臣が定めるものとする。 2 法第三十三条第一項第二号に掲げる経費について同項の規定により国が補助する場合の経費の範囲は、都道府県が行う全国的な規模のスポーツ事業その他スポーツの推進のために地方公共団体が行う事業に必要な審判員の謝金及び旅費、通信運搬費その他の当該事業の実施に直接必要な経費とし、当該経費に係る補助の額は、文部科学大臣が定めるものとする。 | 教育 |
Heisei | CabinetOrder | 423CO0000000334_20150801_000000000000000.xml | 平成二十三年政令第三百三十四号 | 28 | 沖縄科学技術大学院大学学園法の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令 抄
第二章 経過措置 (国庫納付金の納付の手続) 第二十一条 沖縄科学技術大学院大学学園法(以下「法」という。)第二条に規定する沖縄科学技術大学院大学学園(以下「学園」という。)は、法附則第三条第十二項に規定する積立金があるときは、同項の規定による納付金(以下「国庫納付金」という。)の計算書に、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構(以下「機構」という。)の平成二十三年四月一日に始まる事業年度の事業年度末の貸借対照表、当該事業年度の損益計算書その他の国庫納付金の計算の基礎を明らかにした書類を添付して、平成二十四年一月三十一日までに、これを内閣総理大臣に提出しなければならない。 2 内閣総理大臣は、前項の規定による国庫納付金の計算書及び添付書類の提出があったときは、遅滞なく、当該国庫納付金の計算書及び添付書類の写しを財務大臣に送付するものとする。 (国庫納付金の納付期限) 第二十二条 国庫納付金は、平成二十四年二月十日までに納付しなければならない。 (国庫納付金の帰属する会計) 第二十三条 国庫納付金は、一般会計に帰属する。 (機構の解散の登記の嘱託等) 第二十四条 法附則第三条第一項の規定により機構が解散したときは、内閣総理大臣は、遅滞なく、その解散の登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 登記官は、前項の規定による嘱託に係る解散の登記をしたときは、その登記記録を閉鎖しなければならない。 (評価委員の任命等) 第二十五条 法附則第四条第二項の評価委員は、次に掲げる者につき内閣総理大臣が任命する。 一 内閣府の職員 一人 二 財務省の職員 一人 三 学園の役員(学園が成立するまでの間は、法附則第二条第一項の設立委員) 一人 四 学識経験のある者 二人 2 法附則第四条第二項の規定による評価は、同項の評価委員の過半数の一致によるものとする。 3 法附則第四条第二項の規定による評価に関する庶務は、内閣府沖縄振興局総務課において処理する。 (健康保険の被保険者に関する経過措置) 第二十六条 法附則第五条第一項に規定する機構の職員であった加入者のうち、法の施行の日前に、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第百十五条の規定による高額療養費の支給を受けたものに対する私立学校教職員共済法施行令(昭和二十八年政令第四百二十五号)第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の五第一項第一号及び第七項第一号イの規定の適用については、同条第一項第一号中「限る。)」とあるのは「限る。)又は健康保険法第百十五条に規定する高額療養費(健康保険法施行令第四十一条第一項から第四項までの規定によるものに限る。)」と、同条第七項第一号イ中「限る。)が」とあるのは「限る。)又は健康保険法第百十五条に規定する高額療養費(入院療養に係るものであつて、健康保険法施行令第四十一条第七項の規定によるものに限る。)が」とする。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 423M60000002059_20161001_000000000000000.xml | 平成二十三年内閣府令第五十九号 | 28 | 沖縄科学技術大学院大学学園法施行規則
(事業計画の作成) 第一条 沖縄科学技術大学院大学学園法(以下「法」という。)第九条第一項に規定する事業計画には、次に掲げる事項に関する計画を記載しなければならない。 一 沖縄科学技術大学院大学における教育研究に関する事項 二 沖縄科学技術大学院大学学園(以下「学園」という。)の業務運営における適切性及び透明性の確保並びにその効率化に関する事項 三 学園の財政基盤の強化に関する事項 四 前三号に掲げるもののほか、学園の業務に関する事項 (事業計画の認可の申請) 第二条 学園は、法第九条第一項前段の規定により事業計画の認可を受けようとするときは、事業計画を記載した申請書に次に掲げる書類を添付して、当該会計年度開始三十日前までに、内閣総理大臣に提出しなければならない。 一 収支予算書 二 前会計年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書 三 当該会計年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書 四 前三号に掲げるもののほか、事業計画の参考となる書類 2 学園は、法第九条第一項後段の規定により事業計画の変更の認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書に当該変更後の事業計画を添えて、内閣総理大臣に提出しなければならない。 この場合において、当該変更が前項の規定により当該事業計画の認可を申請するときに添付した同項各号の書類の変更を伴うときは、当該変更後の書類を添付しなければならない。 一 変更しようとする事項 二 変更しようとする年月日 三 変更の理由 (借入れの認可の申請) 第三条 学園は、法第十条の規定により弁済期限が一年を超える資金の借入れの認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。 一 借入れを必要とする理由 二 借入金の額 三 借入先 四 借入金の利率 五 借入金の償還の方法及び期限 六 利息の支払の方法及び期限 七 その他必要な事項 (重要な財産の範囲) 第四条 法第十一条に規定する内閣府令で定める重要な財産は、土地及び建物並びに内閣総理大臣が指定するその他の財産とする。 (重要な財産の譲渡等の認可の申請) 第五条 学園は、法第十一条の規定により重要な財産を譲り受け、譲渡し、交換し、又は担保に供すること(以下「譲渡等」という。)について、認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書に譲渡等を証する書面を添付して、内閣総理大臣に提出しなければならない。 一 譲渡等に係る財産の内容及び評価額 二 譲渡等の条件 三 譲渡等の方法 四 学園の業務運営上支障がない旨及びその理由 (会計の原則) 第六条 学園の会計については、この府令の定めるところにより、この府令に定めのないものについては、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。 2 金融庁組織令(平成十年政令第三百九十二号)第二十四条第一項に規定する企業会計審議会により公表された企業会計の基準は、前項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。 3 学園に適用する会計の基準として内閣総理大臣が別に公示する沖縄科学技術大学院大学学園会計基準は、第一項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に優先して適用されるものとする。 (償却資産の指定等) 第七条 内閣総理大臣は、学園が業務のため取得しようとしている償却資産についてその減価に対応すべき収益の獲得が予定されないと認められる場合には、その取得までの間に限り、当該償却資産を指定することができる。 2 前項の指定を受けた資産の減価償却については、減価償却費は計上せず、資産の減価額と同額を拠出剰余金に対する控除として計上するものとする。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 423M60000080029_20161001_000000000000000.xml | 平成二十三年文部科学省令第二十九号 | 28 | 平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての私立学校教職員共済法施行規則の臨時特例に関する省令
(一部負担金の割合が百分の二十となる文部科学省令で定めるところにより算定した収入の額の特例) 第一条 私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定による私立学校教職員共済制度の加入者及びその被扶養者であって、平成二十二年六月四日から平成二十四年三月三十一日までの間に平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律(平成二十二年法律第五十号)第一条第一項に規定する手当金等の交付を受けたもの(その交付を受けた日の属する年の翌年の八月一日から翌々年の七月三十一日までの間にある者に限る。)に係る私立学校教職員共済法施行令(昭和二十八年政令第四百二十五号)第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令(昭和三十三年政令第二百七号)第十一条の三の二第二項第一号に規定する収入の額については、私立学校教職員共済法施行規則(昭和二十八年文部省令第二十八号)第四条の三第一項の規定により算定した額が、同項中「同項各号に規定する加入者が療養の給付を受ける日の属する年の前年(当該療養の給付を受ける日の属する月が一月から八月までの場合にあつては、前々年)における当該」とあるのは、「平成二十一年における同項各号に規定する」と読み替えた場合における同項の規定により算定される額を超えるときは、同項の規定にかかわらず、当該額とする。 (特例政令第六条第三項の介護合算算定基準額及び七十歳以上介護合算算定基準額に関する規定の読替え) 第二条 平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての健康保険法施行令等の臨時特例に関する政令(平成二十三年政令第二百四十四号。以下「特例政令」という。)第六条第三項の規定により同項の表の中欄又は下欄に掲げる規定を準用する場合においては、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 健康保険法施行令(大正十五年勅令第二百四十三号)第四十三条の三第一項及び第二項(これらの規定が特例政令第一条第三項の規定により読み替えられる場合を含む。) 次の各号に掲げる者 私立学校教職員共済法施行令第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の六の二第五項に規定する者であって、基準日において平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての健康保険法施行令等の臨時特例に関する政令(平成二十三年政令第二百四十四号)第一条第三項に規定する口蹄疫特例措置対象健保被保険者(以下この項において「口蹄疫特例措置対象健保被保険者」という。)である者にあっては次の各号に掲げる当該者の、基準日において口蹄疫特例措置対象健保被保険者の被扶養者である者にあっては次の各号に掲げる当該口蹄疫特例措置対象健保被保険者 健康保険法施行令第四十四条第二項において準用する同令第四十三条の三第一項及び第二項(これらの規定が特例政令第一条第四項において準用する同条第三項の規定により読み替えられる場合を含む。) 次の各号に掲げる者 私立学校教職員共済法施行令第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の六の二第五項に規定する者であって、基準日において平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての健康保険法施行令等の臨時特例に関する政令(平成二十三年政令第二百四十四号。以下この項において「特例政令」という。)第一条第四項に規定する口蹄疫特例措置対象日雇特例被保険者等(以下この項において「口蹄疫特例措置対象日雇特例被保険者等」という。)である者にあっては次の各号に掲げる当該者の、基準日において口蹄疫特例措置対象日雇特例被保険者等の被扶養者である者にあっては次の各号に掲げる当該口蹄疫特例措置対象日雇特例被保険者等 次条第一項 特例政令第一条第九項 船員保険法施行令(昭和二十八年政令第二百四十号)第十二条第一項及び第二項(これらの規定が特例政令第二条第二項の規定により読み替えられる場合を含む。) 次の各号に掲げる者 私立学校教職員共済法施行令第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の六の二第五項に規定する者であつて、基準日において平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての健康保険法施行令等の臨時特例に関する政令(平成二十三年政令第二百四十四号)第二条第二項に規定する口蹄疫特例措置対象船保被保険者(同令第三条第三項に規定する口蹄疫特例措置対象国共済組合員及び同令第五条第二項に規定する口蹄疫特例措置対象地共済組合員を除く。以下この項において「特定口蹄疫特例措置対象船保被保険者」という。)である者にあつては次の各号に掲げる当該者の、基準日において特定口蹄疫特例措置対象船保被保険者の被扶養者である者にあつては次の各号に掲げる当該特定口蹄疫特例措置対象船保被保険者 国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の六の三第一項及び第二項(これらの規定が特例政令第三条第三項の規定により読み替えられる場合を含む。) 次の各号に掲げる者 私立学校教職員共済法施行令第六条において準用する前条第五項に規定する者であつて、基準日において平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての健康保険法施行令等の臨時特例に関する政令(平成二十三年政令第二百四十四号)第三条第三項に規定する口蹄疫特例措置対象国共済組合員(同令第四条第二項に規定する口蹄疫特例措置対象自衛官等を除く。)である者にあつては次の各号に掲げる当該者の、基準日において当該口蹄疫特例措置対象国共済組合員の被扶養者(同令第四条第二項に規定する口蹄疫特例措置対象自衛官等の被扶養者を含む。)である者にあつては次の各号に掲げる当該口蹄疫特例措置対象国共済組合員 防衛省の職員の給与等に関する法律施行令(昭和二十七年政令第三百六十八号)第十七条の六の五第一項(これらの規定が特例政令第四条第二項の規定により読み替えられる場合を含む。) 次の各号に掲げる者 私立学校教職員共済法施行令第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の六の二第五項に規定する者であつて、基準日において平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての健康保険法施行令等の臨時特例に関する政令(平成二十三年政令第二百四十四号)第四条第二項に規定する口蹄疫特例措置対象自衛官等である次の各号に掲げる者 地方公務員等共済組合法施行令(昭和三十七年政令第三百五十二号)第二十三条の三の七第一項及び第二項(これらの規定が特例政令第五条第二項の規定により読み替えられる場合を含む。) 次の各号に掲げる者 私立学校教職員共済法施行令第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の六の二第五項に規定する者であつて、基準日において平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての健康保険法施行令等の臨時特例に関する政令(平成二十三年政令第二百四十四号)第五条第二項に規定する口蹄疫特例措置対象地共済組合員(以下この項において「口蹄疫特例措置対象地共済組合員」という。)である者にあつては次の各号に掲げる当該者の、基準日において当該口蹄疫特例措置対象地共済組合員の被扶養者である者にあつては次の各号に掲げる当該口蹄疫特例措置対象地共済組合員 国民健康保険法施行令(昭和三十三年政令第三百六十二号)第二十九条の四の三第一項及び第三項(これらの規定が特例政令第七条第三項の規定により読み替えられる場合を含む。) 国民健康保険の世帯主等と 私立学校教職員共済法施行令第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の六の二第五項に規定する者であつて、基準日において平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての健康保険法施行令等の臨時特例に関する政令(平成二十三年政令第二百四十四号)第七条第三項に規定する口蹄疫特例措置対象国保被保険者(以下この項及び第三項において「口蹄疫特例措置対象国保被保険者」という。)である者と 国民健康保険の世帯主等及び 私立学校教職員共済法施行令第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の六の二第五項に規定する者であつて、基準日において口蹄疫特例措置対象国保被保険者である者が属する世帯の国民健康保険の世帯主等及び 被保険者が 私立学校教職員共済法施行令第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令第十一条の三の六の二第五項に規定する者であつて、基準日において口蹄疫特例措置対象国保被保険者である者が (特例政令第六条第四項の介護合算算定基準額に関する規定の読替え) 第三条 特例政令第六条第四項の規定により高齢者の医療の確保に関する法律施行令(平成十九年政令第三百十八号)第十六条の三第一項(特例政令第八条第四項の規定により読み替えられる場合を含む。)の規定を準用する場合においては、同令第十六条の三第一項中「次の各号に掲げる者」とあるのは、「私立学校教職員共済法施行令(昭和二十八年政令第四百二十五号)第六条において準用する国家公務員共済組合法施行令(昭和三十三年政令第二百七号)第十一条の三の六の二第七項に規定する者であって、基準日において平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に起因して生じた事態に対処するための手当金等についての健康保険法施行令等の臨時特例に関する政令(平成二十三年政令第二百四十四号)第八条第二項に規定する口蹄疫特例措置対象高齢被保険者である次の各号に掲げる者」と読み替えるものとする。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 423M60000080042_20161001_000000000000000.xml | 平成二十三年文部科学省令第四十二号 | 28 | 社会教育委員及び公民館運営審議会の委員の委嘱の基準を条例で定めるに当たって参酌すべき基準を定める省令
(社会教育委員の委嘱の基準を条例で定めるに当たって参酌すべき基準) 第一条 社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号。以下「法」という。)第十八条の文部科学省令で定める基準は、学校教育及び社会教育の関係者、家庭教育の向上に資する活動を行う者並びに学識経験のある者の中から委嘱することとする。 (公民館運営審議会の委員の委嘱の基準を条例で定めるに当たって参酌すべき基準) 第二条 法第三十条第二項の文部科学省令で定める基準は、学校教育及び社会教育の関係者、家庭教育の向上に資する活動を行う者並びに学識経験のある者の中から委嘱することとする。 | 教育 |
Heisei | Act | 425AC1000000071_20240401_505AC0000000088.xml | 平成二十五年法律第七十一号 | 28 | いじめ防止対策推進法
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童等の尊厳を保持するため、いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ。)のための対策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体等の責務を明らかにし、並びにいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針の策定について定めるとともに、いじめの防止等のための対策の基本となる事項を定めることにより、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。 2 この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。 3 この法律において「児童等」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。 4 この法律において「保護者」とは、親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。 (基本理念) 第三条 いじめの防止等のための対策は、いじめが全ての児童等に関係する問題であることに鑑み、児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。 2 いじめの防止等のための対策は、全ての児童等がいじめを行わず、及び他の児童等に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため、いじめが児童等の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童等の理解を深めることを旨として行われなければならない。 3 いじめの防止等のための対策は、いじめを受けた児童等の生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、国、地方公共団体、学校、地域住民、家庭その他の関係者の連携の下、いじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。 (いじめの禁止) 第四条 児童等は、いじめを行ってはならない。 (国の責務) 第五条 国は、第三条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、いじめの防止等のための対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第六条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、いじめの防止等のための対策について、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (学校の設置者の責務) 第七条 学校の設置者は、基本理念にのっとり、その設置する学校におけるいじめの防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。 (学校及び学校の教職員の責務) 第八条 学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。 (保護者の責務等) 第九条 保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、その保護する児童等がいじめを行うことのないよう、当該児童等に対し、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう努めるものとする。 2 保護者は、その保護する児童等がいじめを受けた場合には、適切に当該児童等をいじめから保護するものとする。 3 保護者は、国、地方公共団体、学校の設置者及びその設置する学校が講ずるいじめの防止等のための措置に協力するよう努めるものとする。 4 第一項の規定は、家庭教育の自主性が尊重されるべきことに変更を加えるものと解してはならず、また、前三項の規定は、いじめの防止等に関する学校の設置者及びその設置する学校の責任を軽減するものと解してはならない。 (財政上の措置等) 第十条 国及び地方公共団体は、いじめの防止等のための対策を推進するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 第二章 いじめ防止基本方針等 (いじめ防止基本方針) 第十一条 文部科学大臣は、関係行政機関の長と連携協力して、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「いじめ防止基本方針」という。)を定めるものとする。 2 いじめ防止基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 いじめの防止等のための対策の基本的な方向に関する事項 二 いじめの防止等のための対策の内容に関する事項 三 その他いじめの防止等のための対策に関する重要事項 (地方いじめ防止基本方針) 第十二条 地方公共団体は、いじめ防止基本方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体におけるいじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「地方いじめ防止基本方針」という。)を定めるよう努めるものとする。 (学校いじめ防止基本方針) 第十三条 学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。 (いじめ問題対策連絡協議会) 第十四条 地方公共団体は、いじめの防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、条例の定めるところにより、学校、教育委員会、児童相談所、法務局又は地方法務局、都道府県警察その他の関係者により構成されるいじめ問題対策連絡協議会を置くことができる。 2 都道府県は、前項のいじめ問題対策連絡協議会を置いた場合には、当該いじめ問題対策連絡協議会におけるいじめの防止等に関係する機関及び団体の連携が当該都道府県の区域内の市町村が設置する学校におけるいじめの防止等に活用されるよう、当該いじめ問題対策連絡協議会と当該市町村の教育委員会との連携を図るために必要な措置を講ずるものとする。 3 前二項の規定を踏まえ、教育委員会といじめ問題対策連絡協議会との円滑な連携の下に、地方いじめ防止基本方針に基づく地域におけるいじめの防止等のための対策を実効的に行うようにするため必要があるときは、教育委員会に附属機関として必要な組織を置くことができるものとする。 第三章 基本的施策 (学校におけるいじめの防止) 第十五条 学校の設置者及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない。 2 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを防止するため、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民その他の関係者との連携を図りつつ、いじめの防止に資する活動であって当該学校に在籍する児童等が自主的に行うものに対する支援、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員に対するいじめを防止することの重要性に関する理解を深めるための啓発その他必要な措置を講ずるものとする。 (いじめの早期発見のための措置) 第十六条 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを早期に発見するため、当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査その他の必要な措置を講ずるものとする。 2 国及び地方公共団体は、いじめに関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。 3 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制(次項において「相談体制」という。)を整備するものとする。 4 学校の設置者及びその設置する学校は、相談体制を整備するに当たっては、家庭、地域社会等との連携の下、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利その他の権利利益が擁護されるよう配慮するものとする。 (関係機関等との連携等) 第十七条 国及び地方公共団体は、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言その他のいじめの防止等のための対策が関係者の連携の下に適切に行われるよう、関係省庁相互間その他関係機関、学校、家庭、地域社会及び民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援その他必要な体制の整備に努めるものとする。 (いじめの防止等のための対策に従事する人材の確保及び資質の向上) 第十八条 国及び地方公共団体は、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言その他のいじめの防止等のための対策が専門的知識に基づき適切に行われるよう、教員の養成及び研修の充実を通じた教員の資質の向上、生徒指導に係る体制等の充実のための教諭、養護教諭その他の教員の配置、心理、福祉等に関する専門的知識を有する者であっていじめの防止を含む教育相談に応じるものの確保、いじめへの対処に関し助言を行うために学校の求めに応じて派遣される者の確保等必要な措置を講ずるものとする。 2 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校の教職員に対し、いじめの防止等のための対策に関する研修の実施その他のいじめの防止等のための対策に関する資質の向上に必要な措置を計画的に行わなければならない。 (インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進) 第十九条 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、及び効果的に対処することができるよう、これらの者に対し、必要な啓発活動を行うものとする。 2 国及び地方公共団体は、児童等がインターネットを通じて行われるいじめに巻き込まれていないかどうかを監視する関係機関又は関係団体の取組を支援するとともに、インターネットを通じて行われるいじめに関する事案に対処する体制の整備に努めるものとする。 3 インターネットを通じていじめが行われた場合において、当該いじめを受けた児童等又はその保護者は、当該いじめに係る情報の削除を求め、又は発信者情報(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第六号に規定する発信者情報をいう。)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局又は地方法務局の協力を求めることができる。 (いじめの防止等のための対策の調査研究の推進等) 第二十条 国及び地方公共団体は、いじめの防止及び早期発見のための方策等、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言の在り方、インターネットを通じて行われるいじめへの対応の在り方その他のいじめの防止等のために必要な事項やいじめの防止等のための対策の実施の状況についての調査研究及び検証を行うとともに、その成果を普及するものとする。 (啓発活動) 第二十一条 国及び地方公共団体は、いじめが児童等の心身に及ぼす影響、いじめを防止することの重要性、いじめに係る相談制度又は救済制度等について必要な広報その他の啓発活動を行うものとする。 第四章 いじめの防止等に関する措置 (学校におけるいじめの防止等の対策のための組織) 第二十二条 学校は、当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。 (いじめに対する措置) 第二十三条 学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。 2 学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。 3 学校は、前項の規定による事実の確認によりいじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、及びその再発を防止するため、当該学校の複数の教職員によって、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。 4 学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。 5 学校は、当該学校の教職員が第三項の規定による支援又は指導若しくは助言を行うに当たっては、いじめを受けた児童等の保護者といじめを行った児童等の保護者との間で争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。 6 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。 (学校の設置者による措置) 第二十四条 学校の設置者は、前条第二項の規定による報告を受けたときは、必要に応じ、その設置する学校に対し必要な支援を行い、若しくは必要な措置を講ずることを指示し、又は当該報告に係る事案について自ら必要な調査を行うものとする。 (校長及び教員による懲戒) 第二十五条 校長及び教員は、当該学校に在籍する児童等がいじめを行っている場合であって教育上必要があると認めるときは、学校教育法第十一条の規定に基づき、適切に、当該児童等に対して懲戒を加えるものとする。 (出席停止制度の適切な運用等) 第二十六条 市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して学校教育法第三十五条第一項(同法第四十九条において準用する場合を含む。)の規定に基づき当該児童等の出席停止を命ずる等、いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を速やかに講ずるものとする。 (学校相互間の連携協力体制の整備) 第二十七条 地方公共団体は、いじめを受けた児童等といじめを行った児童等が同じ学校に在籍していない場合であっても、学校がいじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を適切に行うことができるようにするため、学校相互間の連携協力体制を整備するものとする。 第五章 重大事態への対処 (学校の設置者又はその設置する学校による対処) 第二十八条 学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。 一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。 二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。 2 学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。 3 第一項の規定により学校が調査を行う場合においては、当該学校の設置者は、同項の規定による調査及び前項の規定による情報の提供について必要な指導及び支援を行うものとする。 (国立大学に附属して設置される学校に係る対処) 第二十九条 国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する国立大学に附属して設置される学校は、前条第一項各号に掲げる場合には、当該国立大学法人の学長又は理事長を通じて、重大事態が発生した旨を、文部科学大臣に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた文部科学大臣は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、前条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 文部科学大臣は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る国立大学法人又はその設置する国立大学に附属して設置される学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、国立大学法人法第三十五条の二において準用する独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第六十四条第一項に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。 (公立の学校に係る対処) 第三十条 地方公共団体が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 地方公共団体の長は、前項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。 4 第二項の規定は、地方公共団体の長に対し、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十一条に規定する事務を管理し、又は執行する権限を与えるものと解釈してはならない。 5 地方公共団体の長及び教育委員会は、第二項の規定による調査の結果を踏まえ、自らの権限及び責任において、当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずるものとする。 第三十条の二 第二十九条の規定は、公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。)が設置する公立大学に附属して設置される学校について準用する。 この場合において、第二十九条第一項中「文部科学大臣」とあるのは「当該公立大学法人を設立する地方公共団体の長(以下この条において単に「地方公共団体の長」という。)」と、同条第二項及び第三項中「文部科学大臣」とあるのは「地方公共団体の長」と、同項中「国立大学法人法第三十五条の二において準用する独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第六十四条第一項」とあるのは「地方独立行政法人法第百二十一条第一項」と読み替えるものとする。 (私立の学校に係る対処) 第三十一条 学校法人(私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、重大事態が発生した旨を、当該学校を所轄する都道府県知事(以下この条において単に「都道府県知事」という。)に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた都道府県知事は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 都道府県知事は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校法人又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、私立学校法第六条に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。 4 前二項の規定は、都道府県知事に対し、学校法人が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。 第三十二条 学校設置会社(構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十二条第二項に規定する学校設置会社をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該学校設置会社の代表取締役又は代表執行役を通じて、重大事態が発生した旨を、同法第十二条第一項の規定による認定を受けた地方公共団体の長(以下「認定地方公共団体の長」という。)に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた認定地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 認定地方公共団体の長は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校設置会社又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、構造改革特別区域法第十二条第十項に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。 4 前二項の規定は、認定地方公共団体の長に対し、学校設置会社が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。 5 第一項から前項までの規定は、学校設置非営利法人(構造改革特別区域法第十三条第二項に規定する学校設置非営利法人をいう。)が設置する学校について準用する。 この場合において、第一項中「学校設置会社の代表取締役又は代表執行役」とあるのは「学校設置非営利法人の代表権を有する理事」と、「第十二条第一項」とあるのは「第十三条第一項」と、第二項中「前項」とあるのは「第五項において準用する前項」と、第三項中「前項」とあるのは「第五項において準用する前項」と、「学校設置会社」とあるのは「学校設置非営利法人」と、「第十二条第十項」とあるのは「第十三条第三項において準用する同法第十二条第十項」と、前項中「前二項」とあるのは「次項において準用する前二項」と読み替えるものとする。 (文部科学大臣又は都道府県の教育委員会の指導、助言及び援助) 第三十三条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十五条の四第一項の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県の教育委員会は市町村に対し、重大事態への対処に関する都道府県又は市町村の事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる。 第六章 雑則 (学校評価における留意事項) 第三十四条 学校の評価を行う場合においていじめの防止等のための対策を取り扱うに当たっては、いじめの事実が隠蔽されず、並びにいじめの実態の把握及びいじめに対する措置が適切に行われるよう、いじめの早期発見、いじめの再発を防止するための取組等について適正に評価が行われるようにしなければならない。 (高等専門学校における措置) 第三十五条 高等専門学校(学校教育法第一条に規定する高等専門学校をいう。以下この条において同じ。)の設置者及びその設置する高等専門学校は、当該高等専門学校の実情に応じ、当該高等専門学校に在籍する学生に係るいじめに相当する行為の防止、当該行為の早期発見及び当該行為への対処のための対策に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 | 教育 |
Heisei | Act | 425AC1000000071_20250516_506AC0000000025.xml | 平成二十五年法律第七十一号 | 28 | いじめ防止対策推進法
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童等の尊厳を保持するため、いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ。)のための対策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体等の責務を明らかにし、並びにいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針の策定について定めるとともに、いじめの防止等のための対策の基本となる事項を定めることにより、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。 2 この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。 3 この法律において「児童等」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。 4 この法律において「保護者」とは、親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。 (基本理念) 第三条 いじめの防止等のための対策は、いじめが全ての児童等に関係する問題であることに鑑み、児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。 2 いじめの防止等のための対策は、全ての児童等がいじめを行わず、及び他の児童等に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため、いじめが児童等の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童等の理解を深めることを旨として行われなければならない。 3 いじめの防止等のための対策は、いじめを受けた児童等の生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、国、地方公共団体、学校、地域住民、家庭その他の関係者の連携の下、いじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。 (いじめの禁止) 第四条 児童等は、いじめを行ってはならない。 (国の責務) 第五条 国は、第三条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、いじめの防止等のための対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第六条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、いじめの防止等のための対策について、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (学校の設置者の責務) 第七条 学校の設置者は、基本理念にのっとり、その設置する学校におけるいじめの防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。 (学校及び学校の教職員の責務) 第八条 学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。 (保護者の責務等) 第九条 保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、その保護する児童等がいじめを行うことのないよう、当該児童等に対し、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう努めるものとする。 2 保護者は、その保護する児童等がいじめを受けた場合には、適切に当該児童等をいじめから保護するものとする。 3 保護者は、国、地方公共団体、学校の設置者及びその設置する学校が講ずるいじめの防止等のための措置に協力するよう努めるものとする。 4 第一項の規定は、家庭教育の自主性が尊重されるべきことに変更を加えるものと解してはならず、また、前三項の規定は、いじめの防止等に関する学校の設置者及びその設置する学校の責任を軽減するものと解してはならない。 (財政上の措置等) 第十条 国及び地方公共団体は、いじめの防止等のための対策を推進するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 第二章 いじめ防止基本方針等 (いじめ防止基本方針) 第十一条 文部科学大臣は、関係行政機関の長と連携協力して、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「いじめ防止基本方針」という。)を定めるものとする。 2 いじめ防止基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 いじめの防止等のための対策の基本的な方向に関する事項 二 いじめの防止等のための対策の内容に関する事項 三 その他いじめの防止等のための対策に関する重要事項 (地方いじめ防止基本方針) 第十二条 地方公共団体は、いじめ防止基本方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体におけるいじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「地方いじめ防止基本方針」という。)を定めるよう努めるものとする。 (学校いじめ防止基本方針) 第十三条 学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。 (いじめ問題対策連絡協議会) 第十四条 地方公共団体は、いじめの防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、条例の定めるところにより、学校、教育委員会、児童相談所、法務局又は地方法務局、都道府県警察その他の関係者により構成されるいじめ問題対策連絡協議会を置くことができる。 2 都道府県は、前項のいじめ問題対策連絡協議会を置いた場合には、当該いじめ問題対策連絡協議会におけるいじめの防止等に関係する機関及び団体の連携が当該都道府県の区域内の市町村が設置する学校におけるいじめの防止等に活用されるよう、当該いじめ問題対策連絡協議会と当該市町村の教育委員会との連携を図るために必要な措置を講ずるものとする。 3 前二項の規定を踏まえ、教育委員会といじめ問題対策連絡協議会との円滑な連携の下に、地方いじめ防止基本方針に基づく地域におけるいじめの防止等のための対策を実効的に行うようにするため必要があるときは、教育委員会に附属機関として必要な組織を置くことができるものとする。 第三章 基本的施策 (学校におけるいじめの防止) 第十五条 学校の設置者及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない。 2 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを防止するため、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民その他の関係者との連携を図りつつ、いじめの防止に資する活動であって当該学校に在籍する児童等が自主的に行うものに対する支援、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員に対するいじめを防止することの重要性に関する理解を深めるための啓発その他必要な措置を講ずるものとする。 (いじめの早期発見のための措置) 第十六条 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを早期に発見するため、当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査その他の必要な措置を講ずるものとする。 2 国及び地方公共団体は、いじめに関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。 3 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制(次項において「相談体制」という。)を整備するものとする。 4 学校の設置者及びその設置する学校は、相談体制を整備するに当たっては、家庭、地域社会等との連携の下、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利その他の権利利益が擁護されるよう配慮するものとする。 (関係機関等との連携等) 第十七条 国及び地方公共団体は、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言その他のいじめの防止等のための対策が関係者の連携の下に適切に行われるよう、関係省庁相互間その他関係機関、学校、家庭、地域社会及び民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援その他必要な体制の整備に努めるものとする。 (いじめの防止等のための対策に従事する人材の確保及び資質の向上) 第十八条 国及び地方公共団体は、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言その他のいじめの防止等のための対策が専門的知識に基づき適切に行われるよう、教員の養成及び研修の充実を通じた教員の資質の向上、生徒指導に係る体制等の充実のための教諭、養護教諭その他の教員の配置、心理、福祉等に関する専門的知識を有する者であっていじめの防止を含む教育相談に応じるものの確保、いじめへの対処に関し助言を行うために学校の求めに応じて派遣される者の確保等必要な措置を講ずるものとする。 2 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校の教職員に対し、いじめの防止等のための対策に関する研修の実施その他のいじめの防止等のための対策に関する資質の向上に必要な措置を計画的に行わなければならない。 (インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進) 第十九条 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、及び効果的に対処することができるよう、これらの者に対し、必要な啓発活動を行うものとする。 2 国及び地方公共団体は、児童等がインターネットを通じて行われるいじめに巻き込まれていないかどうかを監視する関係機関又は関係団体の取組を支援するとともに、インターネットを通じて行われるいじめに関する事案に対処する体制の整備に努めるものとする。 3 インターネットを通じていじめが行われた場合において、当該いじめを受けた児童等又はその保護者は、当該いじめに係る情報の削除を求め、又は発信者情報(特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第十号に規定する発信者情報をいう。)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局又は地方法務局の協力を求めることができる。 (いじめの防止等のための対策の調査研究の推進等) 第二十条 国及び地方公共団体は、いじめの防止及び早期発見のための方策等、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言の在り方、インターネットを通じて行われるいじめへの対応の在り方その他のいじめの防止等のために必要な事項やいじめの防止等のための対策の実施の状況についての調査研究及び検証を行うとともに、その成果を普及するものとする。 (啓発活動) 第二十一条 国及び地方公共団体は、いじめが児童等の心身に及ぼす影響、いじめを防止することの重要性、いじめに係る相談制度又は救済制度等について必要な広報その他の啓発活動を行うものとする。 第四章 いじめの防止等に関する措置 (学校におけるいじめの防止等の対策のための組織) 第二十二条 学校は、当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。 (いじめに対する措置) 第二十三条 学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。 2 学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。 3 学校は、前項の規定による事実の確認によりいじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、及びその再発を防止するため、当該学校の複数の教職員によって、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。 4 学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。 5 学校は、当該学校の教職員が第三項の規定による支援又は指導若しくは助言を行うに当たっては、いじめを受けた児童等の保護者といじめを行った児童等の保護者との間で争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。 6 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。 (学校の設置者による措置) 第二十四条 学校の設置者は、前条第二項の規定による報告を受けたときは、必要に応じ、その設置する学校に対し必要な支援を行い、若しくは必要な措置を講ずることを指示し、又は当該報告に係る事案について自ら必要な調査を行うものとする。 (校長及び教員による懲戒) 第二十五条 校長及び教員は、当該学校に在籍する児童等がいじめを行っている場合であって教育上必要があると認めるときは、学校教育法第十一条の規定に基づき、適切に、当該児童等に対して懲戒を加えるものとする。 (出席停止制度の適切な運用等) 第二十六条 市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して学校教育法第三十五条第一項(同法第四十九条において準用する場合を含む。)の規定に基づき当該児童等の出席停止を命ずる等、いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を速やかに講ずるものとする。 (学校相互間の連携協力体制の整備) 第二十七条 地方公共団体は、いじめを受けた児童等といじめを行った児童等が同じ学校に在籍していない場合であっても、学校がいじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を適切に行うことができるようにするため、学校相互間の連携協力体制を整備するものとする。 第五章 重大事態への対処 (学校の設置者又はその設置する学校による対処) 第二十八条 学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。 一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。 二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。 2 学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。 3 第一項の規定により学校が調査を行う場合においては、当該学校の設置者は、同項の規定による調査及び前項の規定による情報の提供について必要な指導及び支援を行うものとする。 (国立大学に附属して設置される学校に係る対処) 第二十九条 国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する国立大学に附属して設置される学校は、前条第一項各号に掲げる場合には、当該国立大学法人の学長又は理事長を通じて、重大事態が発生した旨を、文部科学大臣に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた文部科学大臣は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、前条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 文部科学大臣は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る国立大学法人又はその設置する国立大学に附属して設置される学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、国立大学法人法第三十五条の二において準用する独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第六十四条第一項に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。 (公立の学校に係る対処) 第三十条 地方公共団体が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 地方公共団体の長は、前項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。 4 第二項の規定は、地方公共団体の長に対し、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十一条に規定する事務を管理し、又は執行する権限を与えるものと解釈してはならない。 5 地方公共団体の長及び教育委員会は、第二項の規定による調査の結果を踏まえ、自らの権限及び責任において、当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずるものとする。 第三十条の二 第二十九条の規定は、公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。)が設置する公立大学に附属して設置される学校について準用する。 この場合において、第二十九条第一項中「文部科学大臣」とあるのは「当該公立大学法人を設立する地方公共団体の長(以下この条において単に「地方公共団体の長」という。)」と、同条第二項及び第三項中「文部科学大臣」とあるのは「地方公共団体の長」と、同項中「国立大学法人法第三十五条の二において準用する独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第六十四条第一項」とあるのは「地方独立行政法人法第百二十一条第一項」と読み替えるものとする。 (私立の学校に係る対処) 第三十一条 学校法人(私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、重大事態が発生した旨を、当該学校を所轄する都道府県知事(以下この条において単に「都道府県知事」という。)に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた都道府県知事は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 都道府県知事は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校法人又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、私立学校法第六条に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。 4 前二項の規定は、都道府県知事に対し、学校法人が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。 第三十二条 学校設置会社(構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十二条第二項に規定する学校設置会社をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該学校設置会社の代表取締役又は代表執行役を通じて、重大事態が発生した旨を、同法第十二条第一項の規定による認定を受けた地方公共団体の長(以下「認定地方公共団体の長」という。)に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた認定地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 認定地方公共団体の長は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校設置会社又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、構造改革特別区域法第十二条第十項に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。 4 前二項の規定は、認定地方公共団体の長に対し、学校設置会社が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。 5 第一項から前項までの規定は、学校設置非営利法人(構造改革特別区域法第十三条第二項に規定する学校設置非営利法人をいう。)が設置する学校について準用する。 この場合において、第一項中「学校設置会社の代表取締役又は代表執行役」とあるのは「学校設置非営利法人の代表権を有する理事」と、「第十二条第一項」とあるのは「第十三条第一項」と、第二項中「前項」とあるのは「第五項において準用する前項」と、第三項中「前項」とあるのは「第五項において準用する前項」と、「学校設置会社」とあるのは「学校設置非営利法人」と、「第十二条第十項」とあるのは「第十三条第三項において準用する同法第十二条第十項」と、前項中「前二項」とあるのは「次項において準用する前二項」と読み替えるものとする。 (文部科学大臣又は都道府県の教育委員会の指導、助言及び援助) 第三十三条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十五条の四第一項の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県の教育委員会は市町村に対し、重大事態への対処に関する都道府県又は市町村の事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる。 第六章 雑則 (学校評価における留意事項) 第三十四条 学校の評価を行う場合においていじめの防止等のための対策を取り扱うに当たっては、いじめの事実が隠蔽されず、並びにいじめの実態の把握及びいじめに対する措置が適切に行われるよう、いじめの早期発見、いじめの再発を防止するための取組等について適正に評価が行われるようにしなければならない。 (高等専門学校における措置) 第三十五条 高等専門学校(学校教育法第一条に規定する高等専門学校をいう。以下この条において同じ。)の設置者及びその設置する高等専門学校は、当該高等専門学校の実情に応じ、当該高等専門学校に在籍する学生に係るいじめに相当する行為の防止、当該行為の早期発見及び当該行為への対処のための対策に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 | 教育 |
Heisei | CabinetOrder | 426CO0000000203_20230401_505CO0000000126.xml | 平成二十六年政令第二百三号 | 28 | 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行令
(法第三条第五項第四号ロ及び第十七条第二項第一号の政令で定める国民の福祉又は学校教育に関する法律) 第一条 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(以下「法」という。)第三条第五項第四号ロ及び第十七条第二項第一号の政令で定める国民の福祉又は学校教育に関する法律は、次のとおりとする。 一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号) 二 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号) 三 教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号) 四 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号) 五 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号) 六 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号) 七 介護保険法(平成九年法律第百二十三号) 八 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号) 九 児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号) 十 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号) 十一 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(平成二十三年法律第七十九号) 十二 子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号) 十三 国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号。第十二条の五第十五項及び第十七項から第十九項までの規定に限る。) 十四 民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律(平成二十八年法律第百十号) (法第三条第五項第四号ハ及び第十七条第二項第二号の政令で定める労働に関する法律の規定) 第二条 法第三条第五項第四号ハ及び第十七条第二項第二号の政令で定める労働に関する法律の規定は、次のとおりとする。 一 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第百十七条、第百十八条第一項(同法第六条及び第五十六条の規定に係る部分に限る。)、第百十九条(同法第十六条、第十七条、第十八条第一項及び第三十七条の規定に係る部分に限る。)及び第百二十条(同法第十八条第七項及び第二十三条から第二十七条までの規定に係る部分に限る。)の規定並びにこれらの規定に係る同法第百二十一条の規定(これらの規定が労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第四十四条(第四項を除く。)の規定により適用される場合を含む。) 二 最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第四十条の規定及び同条の規定に係る同法第四十二条の規定 三 賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)第十八条の規定及び同条の規定に係る同法第二十条の規定 (法第三条第五項第四号ニの政令で定める使用人) 第三条 法第三条第五項第四号ニの政令で定める使用人は、同条第一項又は第三項の認定を受けた施設に係る事業を管理する者とする。 (幼保連携型認定こども園について準用する学校教育法の規定の読替え) 第四条 法第二十六条の規定により幼保連携型認定こども園について学校教育法の規定を準用する場合におけるこれらの規定に係る技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える学校教育法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第七条 校長 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第一項に規定する園長(第九条及び第十条において単に「園長」という。) 第九条及び第十条 校長 園長 (幼保連携型認定こども園について準用する学校保健安全法の規定の読替え) 第五条 法第二十七条の規定により幼保連携型認定こども園について学校保健安全法の規定を準用する場合におけるこれらの規定に係る技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える学校保健安全法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第四条 児童生徒等 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第六項に規定する園児(以下「園児」という。) 第五条、第六条第一項、第八条、第九条、第十三条の前の見出し、同条第二項、第十九条、第二十六条から第二十八条まで、第二十九条第一項及び第三項並びに第三十条 児童生徒等 園児 第六条第一項 事項(学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第九条第一項(夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律(昭和三十一年法律第百五十七号)第七条及び特別支援学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律(昭和三十二年法律第百十八号)第六条において準用する場合を含む。)に規定する事項を除く。) 事項 第六条第三項 校長 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第一項に規定する園長(以下「園長」という。) 第十三条第一項 児童生徒等(通信による教育を受ける学生を除く。) 園児 第十九条、第二十八条、第二十九条第二項及び第三十一条 校長 園長 (学校保健安全法施行令の準用) 第六条 法第二十七条において準用する学校保健安全法第十八条の政令で定める場合については、学校保健安全法施行令(昭和三十三年政令第百七十四号)第五条の規定を準用する。 この場合において、同条第一号中「法第十九条」とあるのは「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(次号において「認定こども園法」という。)第二十七条において準用する法第十九条」と、同条第二号中「法第二十条」とあるのは「認定こども園法第二十七条において準用する法第二十条」と、「学校」とあるのは「認定こども園法第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園」と読み替えるものとする。 第七条 法第二十七条において準用する学校保健安全法第十九条の規定による出席停止の手続については、学校保健安全法施行令第六条及び第七条の規定を準用する。 この場合において、同令第六条第一項中「校長」とあるのは「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(以下この条及び次条において「認定こども園法」という。)第十四条第一項に規定する園長(次条において「園長」という。)」と、「幼児、児童又は生徒(高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。以下同じ。)の生徒を除く。)にあつてはその保護者に、高等学校の生徒又は学生にあつては当該生徒又は学生」とあるのは「認定こども園法第十四条第六項に規定する園児の保護者(認定こども園法第二条第十一項に規定する保護者をいう。)」と、同条第二項及び同令第七条中「文部科学省令」とあるのは「認定こども園法第三十六条第二項に規定する主務省令」と、同条中「校長」とあるのは「園長」と、「学校」とあるのは「認定こども園法第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園」と読み替えるものとする。 (幼保連携型認定こども園廃止後の書類の保存) 第八条 幼保連携型認定こども園(国が設置するものを除く。)が廃止されたときは、地方公共団体が設置する幼保連携型認定こども園については当該幼保連携型認定こども園を設置していた地方公共団体の長が、公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する幼保連携型認定こども園については当該幼保連携型認定こども園を設置していた公立大学法人の設立団体(同法第六条第三項に規定する設立団体をいう。)の長が、地方公共団体及び公立大学法人以外の者が設置する幼保連携型認定こども園については都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下この条において「指定都市等」という。)の区域内に所在する幼保連携型認定こども園については、当該指定都市等の長)が、法第三十六条第二項に規定する主務省令で定めるところにより、それぞれ当該幼保連携型認定こども園に在籍し、又はこれを卒園した者の学習及び健康の状況を記録した書類を保存しなければならない。 (こども家庭庁長官に委任されない権限) 第九条 法第三十七条第一項の政令で定める権限は、法第三条第二項及び第四項並びに第十条第一項並びに法第二十六条において準用する学校教育法第八十一条第一項に規定する権限とする。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 426M60000182001_20240401_506M60000082001.xml | 平成二十六年内閣府・文部科学省・厚生労働省令第一号 | 28 | 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準
(趣旨) 第一条 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(以下「法」という。)第十三条第二項の主務省令で定める基準は、次の各号に掲げる基準に応じ、それぞれ当該各号に定める規定による基準とする。 一 法第十三条第一項の規定により、同条第二項第一号に掲げる事項について都道府県(指定都市等所在施設(法第三条第一項に規定する指定都市等所在施設をいう。次項において同じ。)である幼保連携型認定こども園(都道府県が設置するものを除く。)については、当該指定都市等(法第三条第一項に規定する指定都市等をいう。次項において同じ。)。以下同じ。)が条例を定めるに当たって従うべき基準 第四条、第五条及び第十三条第二項(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号)第八条第二項の規定を読み替えて準用する部分に限る。)並びに附則第二条第一項、第三条及び第五条から第九条までの規定による基準 二 法第十三条第一項の規定により、同条第二項第二号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって従うべき基準 第六条、第七条第一項から第六項まで、第十三条第一項(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第三十二条第八号の規定を読み替えて準用する部分に限る。)及び第二項(同令第八条第二項の規定を読み替えて準用する部分に限る。)並びに第十四条並びに附則第二条第二項及び第四条の規定による基準 三 法第十三条第一項の規定により、同条第二項第三号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって従うべき基準 第九条第一項(第一号及び第二号に係る部分に限る。)、第十二条及び第十三条第一項(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第九条、第九条の二、第十一条(第四項ただし書を除く。)、第十四条の二及び第三十二条の二(後段を除く。)の規定を読み替えて準用する部分に限る。)の規定による基準 四 法第十三条第一項の規定により、同条第二項各号に掲げる事項以外の事項について都道府県が条例を定めるに当たって参酌すべき基準 この命令に定める基準のうち、前三号に定める規定による基準以外のもの 2 法第十三条第二項の主務省令で定める基準は、都道府県知事(指定都市等所在施設である幼保連携型認定こども園(都道府県が設置するものを除く。)については、当該指定都市等の長。以下同じ。)の監督に属する幼保連携型認定こども園の園児(法第十四条第六項に規定する園児をいう。以下同じ。)が、明るくて、衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な養成又は訓練を受けた職員の指導により、心身ともに健やかに育成されることを保障するものとする。 3 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、法第十三条第二項の主務省令で定める基準を常に向上させるように努めるものとする。 (設備運営基準の目的) 第二条 法第十三条第一項の規定により都道府県が条例で定める基準(次条において「設備運営基準」という。)は、都道府県知事の監督に属する幼保連携型認定こども園の園児が、明るくて、衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な養成又は訓練を受けた職員の指導により、心身ともに健やかに育成されることを保障するものとする。 (設備運営基準の向上) 第三条 都道府県知事は、その管理に属する法第二十五条に規定する審議会その他の合議制の機関の意見を聴き、その監督に属する幼保連携型認定こども園に対し、設備運営基準を超えて、その設備及び運営を向上させるように勧告することができる。 2 都道府県は、設備運営基準を常に向上させるように努めるものとする。 (学級の編制の基準) 第四条 満三歳以上の園児については、教育課程に基づく教育を行うため、学級を編制するものとする。 2 一学級の園児数は、三十五人以下を原則とする。 3 学級は、学年の初めの日の前日において同じ年齢にある園児で編制することを原則とする。 (職員の数等) 第五条 幼保連携型認定こども園には、各学級ごとに担当する専任の主幹保育教諭、指導保育教諭又は保育教諭(次項において「保育教諭等」という。)を一人以上置かなければならない。 2 特別の事情があるときは、保育教諭等は、専任の副園長若しくは教頭が兼ね、又は当該幼保連携型認定こども園の学級数の三分の一の範囲内で、専任の助保育教諭若しくは講師をもって代えることができる。 3 幼保連携型認定こども園に置く園児の教育及び保育(満三歳未満の園児については、その保育。以下同じ。)に直接従事する職員の数は、次の表の上欄に掲げる園児の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める員数以上とする。 ただし、当該職員の数は、常時二人を下ってはならない。 園児の区分 員数 一 満四歳以上の園児 おおむね二十五人につき一人 二 満三歳以上満四歳未満の園児 おおむね十五人につき一人 三 満一歳以上満三歳未満の園児 おおむね六人につき一人 四 満一歳未満の園児 おおむね三人につき一人 備考 一 この表に定める員数は、副園長(幼稚園の教諭の普通免許状(教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)第四条第二項に規定する普通免許状をいう。以下この号及び附則第六条において同じ。)を有し、かつ、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第十八条の十八第一項(国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の五第五項に規定する事業実施区域内にある幼保連携型認定こども園にあっては、同条第八項において準用する場合を含む。)の登録(以下この号において「登録」という。)を受けたものに限る。)、教頭(幼稚園の教諭の普通免許状を有し、かつ、登録を受けたものに限る。)、主幹保育教諭、指導保育教諭、保育教諭、助保育教諭又は講師であって、園児の教育及び保育に直接従事する者の数をいう。 二 この表に定める員数は、同表の上欄の園児の区分ごとに下欄の園児数に応じ定める数を合算した数とする。 三 この表の第一号及び第二号に係る員数が学級数を下るときは、当該学級数に相当する数を当該員数とする。 四 園長が専任でない場合は、原則としてこの表に定める員数を一人増加するものとする。 4 幼保連携型認定こども園には、調理員を置かなければならない。 ただし、第十三条第一項において読み替えて準用する児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第三十二条の二(後段を除く。第七条第三項において同じ。)の規定により、調理業務の全部を委託する幼保連携型認定こども園にあっては、調理員を置かないことができる。 5 幼保連携型認定こども園には、次に掲げる職員を置くよう努めなければならない。 一 副園長又は教頭 二 主幹養護教諭、養護教諭又は養護助教諭 三 事務職員 (園舎及び園庭) 第六条 幼保連携型認定こども園には、園舎及び園庭を備えなければならない。 2 園舎は、二階建以下を原則とする。 ただし、特別の事情がある場合は、三階建以上とすることができる。 3 乳児室、ほふく室、保育室、遊戯室又は便所(以下この項及び次項において「保育室等」という。)は一階に設けるものとする。 ただし、園舎が第十三条第一項において読み替えて準用する児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第三十二条第八号イ、ロ及びヘに掲げる要件を満たすときは保育室等を二階に、前項ただし書の規定により園舎を三階建以上とする場合であって、第十三条第一項において読み替えて準用する同令第三十二条第八号に掲げる要件を満たすときは、保育室等を三階以上の階に設けることができる。 4 前項ただし書の場合において、三階以上の階に設けられる保育室等は、原則として、満三歳未満の園児の保育の用に供するものでなければならない。 5 園舎及び園庭は、同一の敷地内又は隣接する位置に設けることを原則とする。 6 園舎の面積は、次に掲げる面積を合算した面積以上とする。 一 次の表の上欄に掲げる学級数に応じ、それぞれ同表の下欄に定める面積 学級数 面積(平方メートル) 一学級 180 二学級以上 320+100×(学級数-2) 二 満三歳未満の園児数に応じ、次条第六項の規定により算定した面積 7 園庭の面積は、次に掲げる面積を合算した面積以上とする。 一 次に掲げる面積のうちいずれか大きい面積 イ 次の表の上欄に掲げる学級数に応じ、それぞれ同表の下欄に定める面積 学級数 面積(平方メートル) 二学級以下 330+30×(学級数-1) 三学級以上 400+80×(学級数-3 ) ロ 三・三平方メートルに満三歳以上の園児数を乗じて得た面積 二 三・三平方メートルに満二歳以上満三歳未満の園児数を乗じて得た面積 (園舎に備えるべき設備) 第七条 園舎には、次に掲げる設備(第二号に掲げる設備については、満二歳未満の保育を必要とする子どもを入園させる場合に限る。)を備えなければならない。 ただし、特別の事情があるときは、保育室と遊戯室及び職員室と保健室とは、それぞれ兼用することができる。 一 職員室 二 乳児室又はほふく室 三 保育室 四 遊戯室 五 保健室 六 調理室 七 便所 八 飲料水用設備、手洗用設備及び足洗用設備 2 保育室(満三歳以上の園児に係るものに限る。)の数は、学級数を下ってはならない。 3 満三歳以上の園児に対する食事の提供について、第十三条第一項において読み替えて準用する児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第三十二条の二に規定する方法により行う幼保連携型認定こども園にあっては、第一項の規定にかかわらず、調理室を備えないことができる。 この場合において、当該幼保連携型認定こども園においては、当該食事の提供について当該方法によることとしてもなお当該幼保連携型認定こども園において行うことが必要な調理のための加熱、保存等の調理機能を有する設備を備えなければならない。 4 園児に対する食事の提供について、幼保連携型認定こども園内で調理する方法により行う園児数が二十人に満たない場合においては、当該食事の提供を行う幼保連携型認定こども園は、第一項の規定にかかわらず、調理室を備えないことができる。 この場合において、当該幼保連携型認定こども園においては、当該食事の提供について当該方法により行うために必要な調理設備を備えなければならない。 5 飲料水用設備は、手洗用設備又は足洗用設備と区別して備えなければならない。 6 次の各号に掲げる設備の面積は、当該各号に定める面積以上とする。 一 乳児室 一・六五平方メートルに満二歳未満の園児のうちほふくしないものの数を乗じて得た面積 二 ほふく室 三・三平方メートルに満二歳未満の園児のうちほふくするものの数を乗じて得た面積 三 保育室又は遊戯室 一・九八平方メートルに満二歳以上の園児数を乗じて得た面積 7 第一項に掲げる設備のほか、園舎には、次に掲げる設備を備えるよう努めなければならない。 一 放送聴取設備 二 映写設備 三 水遊び場 四 園児清浄用設備 五 図書室 六 会議室 (園具及び教具) 第八条 幼保連携型認定こども園には、学級数及び園児数に応じ、教育上及び保育上、保健衛生上並びに安全上必要な種類及び数の園具及び教具を備えなければならない。 2 前項の園具及び教具は、常に改善し、補充しなければならない。 (教育及び保育を行う期間及び時間) 第九条 幼保連携型認定こども園における教育及び保育を行う期間及び時間は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。 一 毎学年の教育週数は、特別の事情のある場合を除き、三十九週を下ってはならないこと。 二 教育に係る標準的な一日当たりの時間(次号において「教育時間」という。)は、四時間とし、園児の心身の発達の程度、季節等に適切に配慮すること。 三 保育を必要とする子どもに該当する園児に対する教育及び保育の時間(満三歳以上の保育を必要とする子どもに該当する園児については、教育時間を含む。)は、一日につき八時間を原則とすること。 2 前項第三号の時間については、その地方における園児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して、園長がこれを定めるものとする。 (子育て支援事業の内容) 第十条 幼保連携型認定こども園における保護者に対する子育ての支援は、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識の下に、子育てを自ら実践する力の向上を積極的に支援することを旨として、教育及び保育に関する専門性を十分に活用し、子育て支援事業のうち、その所在する地域における教育及び保育に対する需要に照らし当該地域において実施することが必要と認められるものを、保護者の要請に応じ適切に提供し得る体制の下で行うものとする。 その際、地域の人材や社会資源の活用を図るよう努めるものとする。 (掲示) 第十一条 幼保連携型認定こども園は、その建物又は敷地の公衆の見やすい場所に、当該施設が幼保連携型認定こども園である旨を掲示しなければならない。 (学校教育法施行規則の準用) 第十二条 学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第五十四条の規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。 この場合において、同条中「児童が」とあるのは「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第六項に規定する園児(以下この条において「園児」という。)が」と、「児童の」とあるのは「園児の」と読み替えるものとする。 (児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の準用) 第十三条 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第四条、第五条第一項、第二項及び第四項、第七条の二、第九条から第九条の三まで、第十一条(第四項ただし書を除く。)、第十四条の二、第十四条の三第一項、第三項及び第四項、第三十二条第八号、第三十二条の二(後段を除く。)並びに第三十六条の規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同令の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替える児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第四条の見出し及び同条第二項 最低基準 設備運営基準 第四条第一項 最低基準 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十三条第一項の規定により都道府県(同法第三条第一項に規定する指定都市等所在施設である同法第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園(都道府県が設置するものを除く。)については、当該指定都市等(同法第三条第一項に規定する指定都市等をいう。))が条例で定める基準(以下この条において「設備運営基準」という。) 第五条第一項 入所している者 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第六項に規定する園児(以下「園児」という。) 第五条第二項及び第十一条第五項 児童の 園児の 第七条の二第一項 法 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 第九条の見出し 入所した者 園児 第九条並びに第十一条第二項及び第三項 入所している者 園児 第九条 又は入所 又は入園 第九条の二 入所中の児童 園児 当該児童 当該園児 第九条の三第一項 利用者に対する支援の提供 園児の教育及び保育(満三歳未満の園児については、その保育。以下同じ。) 及び 並びに 第十一条第一項 入所している者 保育を必要とする子どもに該当する園児 第八条 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準第十三条第二項において読み替えて準用する第八条 社会福祉施設 学校、社会福祉施設等 第十四条の二 利用者 園児 第十四条の三第一項 援助 教育及び保育並びに子育ての支援 入所している者 園児 第十四条の三第三項 援助に関し、当該措置又は助産の実施、母子保護の実施若しくは保育の提供若しくは法第二十四条第五項若しくは第六項の規定による措置に係る 教育及び保育並びに子育ての支援について、 第三十二条第八号 又は遊戯室 、遊戯室又は便所 第三十二条第八号イ 耐火建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二に規定する耐火建築物をいう。以下この号において同じ。)又は準耐火建築物(同条第九号の三に規定する準耐火建築物をいい、同号ロに該当するものを除く。)(保育室等を三階以上に設ける建物にあっては、耐火建築物) 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二に規定する耐火建築物 第三十二条第八号ロ 施設又は設備 設備 第三十二条第八号ハ 施設及び設備 設備 第三十二条第八号ヘ 乳幼児 園児 第三十二条の二 第十一条第一項 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準第十三条第一項において読み替えて準用する第十一条第一項 幼児 園児 乳幼児 園児 第三十六条 保育所の長 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第一項に規定する園長 入所している乳幼児 園児 保育 教育及び保育 2 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第八条の規定は、幼保連携型認定こども園の職員及び設備について準用する。 この場合において、同条の見出し中「他の社会福祉施設を併せて設置する」とあるのは職員については「他の学校又は社会福祉施設の職員を兼ねる」と、設備については「他の学校、社会福祉施設等の設備を兼ねる」と、「設備及び職員」とあるのは職員については「職員」と、設備については「設備」と、同条第一項中「他の社会福祉施設を併せて設置するときは、必要に応じ」とあるのは「その運営上必要と認められる場合は、」と、「設備及び職員」とあるのは職員については「職員」と、設備については「設備」と、「併せて設置する社会福祉施設」とあるのは職員については「他の学校又は社会福祉施設」と、設備については「他の学校、社会福祉施設等」と、同条第二項中「入所している者の居室及び各施設に特有の設備並びに入所している者の保護に直接従事する職員」とあるのは職員については「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第六項に規定する園児の保育に直接従事する職員」と、設備については「乳児室、ほふく室、保育室、遊戯室又は便所」と、「保育所の設備及び職員については、」とあるのは職員については「他の社会福祉施設の職員に兼ねる場合であって、」と、設備については「他の社会福祉施設の設備に兼ねる場合であって、」と読み替えるものとする。 (幼稚園設置基準の準用) 第十四条 幼稚園設置基準(昭和三十一年文部省令第三十二号)第七条の規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。 この場合において、同条第一項中「幼児の教育上」とあるのは「その運営上」と、同条第二項中「施設及び設備」とあるのは「設備」と読み替えるものとする。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 426M60000182002_20230401_505M60000182002.xml | 平成二十六年内閣府・文部科学省・厚生労働省令第二号 | 28 | 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行規則
(法第二条第四項の主務省令で定める施設) 第一条 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(以下「法」という。)第二条第四項の主務省令で定める施設は、次に掲げる施設とする。 一 一日に保育する子どもの数(次に掲げるものを除く。)が五人以下である施設であって、その旨が約款その他の書類により明らかであるもの イ 事業主がその雇用する労働者の監護する子どもを保育するために自ら設置する施設又は事業主から委託を受けて当該事業主が雇用する労働者の監護する子どもの保育を実施する施設にあっては、当該労働者の監護する子どもの数 ロ 事業主団体がその構成員である事業主の雇用する労働者の監護する子どもを保育するために自ら設置する施設又は事業主団体から委託を受けてその構成員である事業主の雇用する労働者の監護する子どもの保育を実施する施設にあっては、当該労働者の監護する子どもの数 ハ 児童福祉法施行規則(昭和二十三年厚生省令第十一号)第一条の三十二の二第一項に規定する組合が当該組合の構成員の監護する子どもを保育するために自ら設置する施設又は同項に規定する組合から委託を受けて当該組合の構成員の監護する子どもの保育を実施する施設にあっては、当該構成員の監護する子どもの数 ニ 店舗その他の事業所において商品の販売又は役務の提供を行う事業者が商品の販売又は役務の提供を行う間に限り、その顧客の監護する子どもを保育するために自ら設置する施設又は当該事業者から委託を受けて当該顧客の監護する子どもを保育する施設にあっては、当該顧客の監護する子どもの数 ホ 設置者の四親等内の親族である子どもの数 二 半年を限度として臨時に設置される施設 (法第二条第十二項の主務省令で定める事業) 第二条 法第二条第十二項の主務省令で定める事業は、次に掲げる事業とする。 一 地域の子ども及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設する等により、当該子どもの養育に関する各般の問題につき、その保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他必要な援助を行う事業 二 地域の家庭において、当該家庭の子どもの養育に関する各般の問題につき、その保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他必要な援助を行う事業 三 保護者の疾病その他の理由により、家庭において保育されることが一時的に困難となった地域の子どもにつき、認定こども園又はその居宅において保護を行う事業 四 地域の子どもの養育に関する援助を受けることを希望する保護者と当該援助を行うことを希望する民間の団体又は個人との連絡及び調整を行う事業 五 地域の子どもの養育に関する援助を行う民間の団体又は個人に対する必要な情報の提供及び助言を行う事業 (法第三条第一項の主務省令で定める場合) 第三条 法第三条第一項の主務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 保育所に係る児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)の規定による認可その他の処分をする権限に係る事務を地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百八十条の二の規定に基づく都道府県知事又は指定都市等(法第三条第一項に規定する指定都市等をいう。以下同じ。)の長の委任を受けて当該都道府県又は指定都市等の教育委員会が行う場合 二 都道府県知事又は指定都市等の長が、前号に規定する事務を地方自治法第百八十条の二の規定に基づき当該都道府県又は指定都市等の教育委員会の職員が補助執行を行っていることその他の当該都道府県又は指定都市等における幼稚園及び保育所に関する事務の執行等の状況に照らして当該都道府県又は指定都市等の教育委員会が認定こども園の認定を行うことが適当と認めてその旨を定めた場合 (法第三条第五項第四号ニただし書の主務省令で定めるニ本文に規定する認定の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるもの) 第四条 法第三条第五項第四号ニただし書の主務省令で定めるニ本文に規定する認定の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものは、都道府県知事(同条第一項に規定する指定都市等所在施設(以下単に「指定都市等所在施設」という。)である幼稚園若しくは保育所等又は同条第三項に規定する連携施設(以下単に「連携施設」という。)については、当該指定都市等の長。第七条第一項第一号、第二十八条第一号及び第二十九条第二号において同じ。)(法第三条第一項又は第三項の規定により都道府県又は指定都市等の教育委員会が認定こども園の認定を行う場合にあっては、都道府県又は指定都市等の教育委員会。第二十八条及び第二十九条において同じ。)が法第三十条第三項その他の規定による報告等の権限を適切に行使し、当該認定の取消しの処分の理由となった事実及び当該事実の発生を防止するための当該認定こども園の設置者による業務管理体制の整備についての取組の状況その他の当該事実に関して当該認定こども園の設置者が有していた責任の程度を確認した結果、当該認定こども園の設置者が当該認定の取消しの理由となった事実について組織的に関与していると認められない場合に係るものとする。 2 前項の規定は、法第三条第五項第四号ホただし書の主務省令で定めるホ本文に規定する認定の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものについて準用する。 (法第三条第五項第四号ホの主務省令で定める申請者の親会社等) 第五条 法第三条第五項第四号ホに規定する申請者(以下この条において「申請者」という。)の親会社等(次項及び第四項第一号において「申請者の親会社等」という。)は、次に掲げる者とする。 一 申請者の役員に占めるその役員の割合が二分の一を超える者 二 申請者(株式会社である場合に限る。)の議決権の過半数を所有している者 三 申請者(持分会社(会社法(平成十七年法律第八十六号)第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。次項第三号及び第三項第三号において同じ。)である場合に限る。)の資本金の過半数を出資している者 四 申請者の事業の方針の決定に関して、前三号に掲げる者と同等以上の支配力を有すると認められる者 2 法第三条第五項第四号ホの主務省令で定める申請者の親会社等がその事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にある者は、次に掲げる者とする。 一 申請者の親会社等の役員と同一の者がその役員に占める割合が二分の一を超える者 二 申請者の親会社等(株式会社である場合に限る。)が議決権の過半数を所有している者 三 申請者の親会社等(持分会社である場合に限る。)が資本金の過半数を出資している者 四 事業の方針の決定に関する申請者の親会社等の支配力が前三号に掲げる者と同等以上と認められる者 3 法第三条第五項第四号ホの主務省令で定める申請者がその事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にある者は、次に掲げる者とする。 一 申請者の役員と同一の者がその役員に占める割合が二分の一を超える者 二 申請者(株式会社である場合に限る。)が議決権の過半数を所有している者 三 申請者(持分会社である場合に限る。)が資本金の過半数を出資している者 四 事業の方針の決定に関する申請者の支配力が前三号に掲げる者と同等以上と認められる者 4 法第三条第五項第四号ホの主務省令で定める密接な関係を有する法人は、次の各号のいずれにも該当する法人とする。 一 申請者の重要な事項に係る意思決定に関与し、又は申請者若しくは申請者の親会社等が重要な事項に係る意思決定に関与している者であること。 二 法第三条第一項又は第三項の規定により認定を受けた施設の設置者であること。 (法第三条第六項の規定による協議手続) 第六条 法第三条第六項の規定による協議は、法第四条第一項各号に掲げる事項を記載した書類を市町村(特別区を含む。以下同じ。)の長に提出してするものとする。 (法第三条第八項ただし書の主務省令で定める場合) 第七条 法第三条第八項ただし書の主務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法第三条第一項又は第三項の認定の申請に係る施設の所在地を含む区域(子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)第六十二条第二項第一号の規定により都道府県が定める区域(指定都市等の長が法第三条第一項又は第三項の認定を行う場合にあっては、子ども・子育て支援法第六十一条第二項第一号の規定により当該指定都市等が定める教育・保育提供区域)をいう。以下この条において同じ。)における特定教育・保育施設(同法第二十七条第一項に規定する特定教育・保育施設をいい、同法第六十一条第一項に規定する市町村子ども・子育て支援事業計画(以下この項及び第二十二条第一項第一号において「市町村計画」という。)に基づき整備をしようとするものを含む。以下この項及び第二十二条第一項において同じ。)の利用定員の総数(当該申請に係る施設の事業の開始を予定する日の属する事業年度(以下この条において「申請施設事業開始年度」という。)に係るものであって、同法第十九条第一号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)及び特定教育・保育施設以外の幼稚園の収容定員の総数(申請施設事業開始年度に係るものをいい、当該特定教育・保育施設以外の幼稚園に在籍している幼児の総数が当該収容定員の総数に満たない場合にあっては、当該在籍している幼児の総数を勘案して都道府県知事が定める数)の合計数が、同法第六十二条第一項に規定する都道府県子ども・子育て支援事業支援計画(以下この条及び第二十二条において「都道府県計画」という。)(指定都市等の長が法第三条第一項又は第三項の認定を行う場合にあっては、子ども・子育て支援法第六十一条第一項の規定により当該指定都市等が定める市町村計画。以下この条において同じ。)において定める当該区域の特定教育・保育施設の必要利用定員総数(申請施設事業開始年度に係るものであって、同法第十九条第一号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)に既に達しているか、又は当該申請に係る施設の認定によってこれを超えることになると認める場合 二 法第三条第一項又は第三項の認定の申請に係る施設の所在地を含む区域における特定教育・保育施設及び国家戦略特別区域小規模保育事業(国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の四第一項に規定する国家戦略特別区域小規模保育事業をいう。以下同じ。)の利用定員の総数(申請施設事業開始年度に係るものであって、子ども・子育て支援法第十九条第二号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)が、都道府県計画において定める当該区域の特定教育・保育施設及び国家戦略特別区域小規模保育事業の必要利用定員総数(申請施設事業開始年度に係るものであって、同号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)に既に達しているか、又は当該申請に係る施設の認定によってこれを超えることになると認める場合 三 法第三条第一項又は第三項の認定の申請に係る施設の所在地を含む区域における特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業所(子ども・子育て支援法第二十九条第三項第一号に規定する特定地域型保育事業所をいう。以下この号及び第二十二条第一項において同じ。)(同法第四十三条第一項に規定する事業所内保育事業所における同項に規定する労働者等の監護する小学校就学前子どもに係る部分を除き、市町村計画に基づき整備をしようとするものを含む。)の利用定員の総数(申請施設事業開始年度に係るものであって、同法第十九条第三号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)が、都道府県計画において定める当該区域の特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業所の必要利用定員総数(申請施設事業開始年度に係るものであって、同号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)に既に達しているか、又は当該申請に係る施設の認定によってこれを超えることになると認める場合 2 前項各号の施設が保育所又は幼稚園(これらの施設の運営の実績その他により適正な運営が確保されていると認められるものに限る。)である場合における同項各号の規定の適用については、これらの規定中「必要利用定員総数(申請施設事業開始年度に係るものであって」とあるのは、「必要利用定員総数(申請施設事業開始年度に係るもの(都道府県計画で定める当該区域において実施しようとする教育又は保育の提供体制の確保に必要な数を加えて得た数を含む。)であって」とする。 (法第四条第一項第五号の主務省令で定める事項) 第八条 法第四条第一項第五号の主務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 認定を受ける施設について幼稚園、保育所又は保育機能施設の別 二 認定こども園の名称 三 認定こども園の長(認定こども園の事業を管理する者をいう。)となるべき者の氏名 四 教育又は保育の目標及び主な内容 五 第二条各号に掲げる事業のうち認定こども園が実施するもの 第九条 削除 (幼保連携型認定こども園に置かれる講師) 第十条 講師は、常時勤務に服しないことができる。 (幼保連携型認定こども園に置かれる用務員) 第十一条 用務員は、幼保連携型認定こども園の環境の整備その他の用務に従事する。 (幼保連携型認定こども園の園長の資格) 第十二条 園長の資格は、教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)による教諭の専修免許状又は一種免許状を有し、かつ、児童福祉法第十八条の十八第一項(国家戦略特別区域法第十二条の五第五項に規定する事業実施区域内にある幼保連携型認定こども園にあっては、同条第八項において準用する場合を含む。)の登録を受けており、及び、次に掲げる職に五年以上あることとする。 一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校及び同法第百二十四条に規定する専修学校の校長(幼保連携型認定こども園の園長を含む。)の職 二 学校教育法第一条に規定する学校及び幼保連携型認定こども園の教授、准教授(学校教育法の一部を改正する法律(平成十七年法律第八十三号)による改正前の学校教育法第五十八条第一項及び第七十条第一項に規定する助教授を含む。)、助教、副校長(幼保連携型認定こども園の副園長を含む。)、教頭、主幹教諭(幼保連携型認定こども園の主幹養護教諭及び主幹栄養教諭を含む。)、指導教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、主幹保育教諭、指導保育教諭、保育教諭、助保育教諭、講師(常時勤務の者に限る。)及び同法第百二十四条に規定する専修学校の教員(以下この条において「教員」という。)の職 三 学校教育法第一条に規定する学校及び幼保連携型認定こども園の事務職員(単純な労務に雇用される者を除く。以下この条において同じ。)、実習助手、寄宿舎指導員(学校教育法の一部を改正する法律(平成十三年法律第百五号)による改正前の学校教育法第七十三条の三第一項に規定する寮母を含む。)及び学校栄養職員(学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第七条に規定する職員のうち栄養教諭以外の者をいい、同法第六条に規定する施設の当該職員を含む。)の職 四 学校教育法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第九十六号)第一条の規定による改正前の学校教育法第九十四条の規定により廃止された従前の法令の規定による学校及び旧教員養成諸学校官制(昭和二十一年勅令第二百八号)第一条の規定による教員養成諸学校の長の職 五 前号に掲げる学校及び教員養成諸学校における教員及び事務職員に相当する者の職 六 海外に在留する邦人の子女のための在外教育施設で、文部科学大臣が小学校、中学校又は高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定したものにおける第一号から第三号までに掲げる者に準ずるものの職 七 前号に規定する職のほか、外国の学校における第一号から第三号までに掲げる者に準ずるものの職 八 少年院法(平成二十六年法律第五十八号)による少年院又は児童福祉法による児童自立支援施設(児童福祉法等の一部を改正する法律(平成九年法律第七十四号)附則第七条第一項の規定により証明書を発行することができるもので、同条第二項の規定によりその例によることとされた同法による改正前の児童福祉法(以下この号において「旧児童福祉法」という。)第四十八条第四項ただし書の規定による指定を受けたものを除く。)において矯正教育又は指導を担当する者(旧児童福祉法第四十四条に規定する救護院(旧児童福祉法第四十八条第四項ただし書の規定による指定を受けたものを除く。)において指導を担当する者を含む。)の職 九 児童福祉法第七条第一項に規定する児童福祉施設及び連携施設を構成する保育機能施設の長の職 十 児童福祉法第七条第一項に規定する児童福祉施設及び連携施設を構成する保育機能施設において児童の保育に直接従事する職員の職 十一 児童福祉法第七条第一項に規定する児童福祉施設及び連携施設を構成する保育機能施設の事務職員の職 十二 児童福祉法第六条の三第九項に規定する家庭的保育事業、同条第十項に規定する小規模保育事業、同条第十一項に規定する居宅訪問型保育事業及び同条第十二項に規定する事業所内保育事業(以下この条において「家庭的保育事業等」という。)の管理者の職 十三 家庭的保育事業等において児童の保育に直接従事する職員の職 十四 家庭的保育事業等における事務職員の職 十五 第一号から前号までに掲げるもののほか、国又は地方公共団体において教育(教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第六条第一項に規定する法律に定める学校において行われる教育以外の教育を含む。以下この号において同じ。)若しくは児童福祉に関する事務又は教育若しくは児童福祉を担当する国家公務員又は地方公務員(単純な労務に雇用される者を除く。)の職 十六 外国の官公庁における前号に準ずるものの職 第十三条 国(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人を含む。)及び地方公共団体(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人(以下単に「公立大学法人」という。)を含む。以下この条及び第十八条において同じ。)が設置する幼保連携型認定こども園の園長の任命権者又は国及び地方公共団体以外の者が設置する幼保連携型認定こども園の設置者は、幼保連携型認定こども園の運営上特に必要がある場合には、前条の規定にかかわらず、法第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園の目的を実現するため、当該幼保連携型認定こども園を適切に管理及び運営する能力を有する者であって、前条に規定する資格を有する者と同等の資質を有すると認めるものを園長として任命し、又は採用することができる。 (幼保連携型認定こども園の副園長及び教頭の資格) 第十四条 前二条の規定は、副園長及び教頭の資格について準用する。 (幼保連携型認定こども園の設置の認可の申請又は届出等) 第十五条 幼保連携型認定こども園の設置についての認可の申請又は届出は、それぞれ認可申請書又は届出書に、次に掲げる事項を記載した書類及び法第十三条第一項の条例で定める要件に適合していることを証する書類を添えてしなければならない。 一 目的 二 名称 三 所在地 四 園地、園舎その他設備の規模及び構造並びにその図面 五 幼保連携型認定こども園の運営に関する規程(第三項及び次条において「園則」という。) 六 経費の見積り及び維持方法 七 開設の時期 2 法第十六条の届出を行った市町村(市町村が単独で又は他の市町村と共同して設立する公立大学法人を含む。以下この項において同じ。)又は法第十七条第一項の認可を受けた者は、前項各号に掲げる事項(市町村にあっては第一号及び第六号に掲げる事項を除く。)を変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事(指定都市等の区域内に所在する幼保連携型認定こども園については、当該指定都市等の長)に届け出なければならない。 3 前項の規定による園則の変更は、次条に掲げる事項に係る園則の変更とする。 (幼保連携型認定こども園の園則に記載すべき事項) 第十六条 園則には、少なくとも、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 学年、学期、教育又は保育を行う日時数、教育又は保育を行わない日及び開園している時間に関する事項 二 教育課程その他の教育及び保育の内容に関する事項 三 保護者に対する子育ての支援の内容に関する事項 四 利用定員及び職員組織に関する事項 五 入園、退園、転園、休園及び卒園に関する事項 六 保育料その他の費用徴収に関する事項 七 その他施設の管理についての重要事項 (幼保連携型認定こども園の廃止又は休止の認可の申請又は届出) 第十七条 幼保連携型認定こども園の廃止又は休止についての認可の申請又は届出は、それぞれ認可申請書又は届出書に、次に掲げる事項(休止についての認可の申請又は届出の場合にあっては第四号に掲げる事項を除く。)を記載した書類を添えてしなければならない。 一 廃止又は休止の理由 二 園児の処置方法 三 廃止の期日又は休止の予定期間 四 財産の処分 (幼保連携型認定こども園の設置者の変更の認可の申請又は届出) 第十八条 幼保連携型認定こども園の設置者の変更についての認可の申請又は届出は、それぞれ認可申請書又は届出書に、当該設置者の変更に関係する者が連署して、変更前及び変更後の第十五条第一項第一号から第六号までに掲げる事項並びに変更の理由及び時期を記載した書類を添えてしなければならない。 ただし、新たに設置者となろうとする者が成立前の地方公共団体である場合においては、当該成立前の地方公共団体の連署を要しない。 (法第十七条第二項第三号ただし書の主務省令で定める認可の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるもの) 第十九条 法第十七条第二項第三号ただし書の主務省令で定める同号本文に規定する認可の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものは、都道府県知事(指定都市等の区域内に所在する幼保連携型認定こども園については当該指定都市等の長とし、法第三十四条第一項に規定する公私連携幼保連携型認定こども園にあっては市町村の長とし、法第三十五条第一項及び第三十七条第一項の規定により都道府県知事の権限に属するものとされている事務をこども家庭庁長官及び文部科学大臣が行う場合にあってはこども家庭庁長官及び文部科学大臣とする。)が法第十九条第一項その他の規定による報告等の権限を適切に行使し、当該認可の取消しの処分の理由となった事実及び当該事実の発生を防止するための当該幼保連携型認定こども園の設置者による業務管理体制の整備についての取組の状況その他の当該事実に関して当該幼保連携型認定こども園の設置者が有していた責任の程度を確認した結果、当該幼保連携型認定こども園の設置者が当該認可の取消しの理由となった事実について組織的に関与していると認められない場合に係るものとする。 2 前項の規定は、法第十七条第二項第七号ハの主務省令で定める同号に規定する認可の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものについて準用する。 (法第十七条第二項第五号の規定による聴聞決定予定日の通知) 第二十条 法第十七条第二項第五号の規定による通知をするときは、法第十九条第一項の規定による検査が行われた日(以下この条において「検査日」という。)から十日以内に、検査日から起算して六十日以内の特定の日を通知するものとする。 (法第十七条第五項の規定による協議手続) 第二十一条 法第十七条第五項の規定による協議は、第十五条第一項各号に掲げる事項を記載した書類を市町村の長に提出してするものとする。 (法第十七条第六項ただし書の主務省令で定める場合) 第二十二条 法第十七条第六項ただし書の主務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法第十七条第一項の設置の認可の申請に係る幼保連携型認定こども園を設置しようとする場所を含む区域(子ども・子育て支援法第六十二条第二項第一号の規定により都道府県が定める区域(指定都市等の長が認可を行う場合にあっては、同法第六十一条第二項第一号の規定により当該指定都市等が定める教育・保育提供区域)をいう。以下この条において同じ。)における特定教育・保育施設の利用定員の総数(当該申請に係る幼保連携型認定こども園の事業の開始を予定する日の属する事業年度(以下この条において「申請幼保連携型認定こども園事業開始年度」という。)に係るものであって、同法第十九条第一号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)及び特定教育・保育施設以外の幼稚園の収容定員の総数(申請幼保連携型認定こども園事業開始年度に係るものをいい、当該特定教育・保育施設以外の幼稚園に在籍している幼児の総数が当該収容定員の総数に満たない場合にあっては、当該在籍している幼児の総数を勘案して都道府県知事(指定都市等の長が認可を行う場合にあっては指定都市等の長)が定める数)の合計数が、都道府県計画(指定都市等の長が認可を行う場合にあっては、同法第六十一条第一項の規定により当該指定都市等の長が定める市町村計画。以下この条において同じ。)において定める当該区域の特定教育・保育施設の必要利用定員総数(申請幼保連携型認定こども園事業開始年度に係るものであって、同法第十九条第一号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)に既に達しているか、又は当該申請に係る設置の認可によってこれを超えることになると認める場合 二 法第十七条第一項の設置の認可の申請に係る幼保連携型認定こども園を設置しようとする場所を含む区域における特定教育・保育施設及び国家戦略特別区域小規模保育事業の利用定員の総数(申請幼保連携型認定こども園事業開始年度に係るものであって、子ども・子育て支援法第十九条第二号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)が、都道府県計画において定める当該区域の特定教育・保育施設及び国家戦略特別区域小規模保育事業の必要利用定員総数(申請幼保連携型認定こども園事業開始年度に係るものであって、同号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)に既に達しているか、又は当該申請に係る設置の認可によってこれを超えることになると認める場合 三 法第十七条第一項の設置の認可の申請に係る幼保連携型認定こども園を設置しようとする場所を含む区域における特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業所(子ども・子育て支援法第四十三条第一項に規定する事業所内保育事業所における同項に規定する労働者等の監護する小学校就学前子どもに係る部分を除き、市町村計画に基づき整備をしようとするものを含む。)の利用定員の総数(申請幼保連携型認定こども園事業開始年度に係るものであって、同法第十九条第三号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)が、都道府県計画において定める当該区域の特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業所の必要利用定員総数(申請幼保連携型認定こども園事業開始年度に係るものであって、同号に掲げる小学校就学前子どもに係るものに限る。)に既に達しているか、又は当該申請に係る設置の認可によってこれを超えることになると認める場合 2 前項各号の申請に係る幼保連携型認定こども園が幼稚園又は保育所を廃止して設置しようとする場合における同項各号の規定の適用については、これらの規定中「必要利用定員総数(申請幼保連携型認定こども園事業開始年度に係るものであって」とあるのは、「必要利用定員総数(申請幼保連携型認定こども園事業開始年度に係るもの(都道府県計画で定める当該区域において実施しようとする教育又は保育の提供の確保体制に必要な数を加えて得た数を含む。)であって」とする。 (法第二十三条の規定による評価の方法) 第二十三条 幼保連携型認定こども園の設置者は、当該幼保連携型認定こども園における教育及び保育並びに子育て支援事業(第二十五条において「教育及び保育等」という。)の状況その他の運営の状況について、自ら評価を行い、その結果を公表するものとする。 2 前項の評価を行うに当たっては、幼保連携型認定こども園の設置者は、その実情に応じ、適切な項目を設定して行うものとする。 第二十四条 幼保連携型認定こども園の設置者は、前条第一項の規定による評価の結果を踏まえた当該幼保連携型認定こども園の園児の保護者その他の当該幼保連携型認定こども園の関係者(当該幼保連携型認定こども園の職員を除く。)による評価を行い、その結果を公表するよう努めるものとする。 第二十五条 幼保連携型認定こども園の設置者は、当該幼保連携型認定こども園における教育及び保育等の状況その他の運営の状況について、定期的に外部の者による評価を受けて、その結果を公表するよう努めるものとする。 (学校教育法施行規則の準用) 第二十六条 学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第二十五条、第二十七条、第二十八条第一項及び第二項前段、第四十八条、第四十九条、第五十九条、第六十条並びに第六十三条の規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同令の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替える学校教育法施行規則の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第二十五条 校長(学長を除く。) 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第一項に規定する園長(以下「園長」という。) 児童等 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第六項に規定する園児 第二十七条 私立学校 国(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人を含む。)及び地方公共団体(公立大学法人を含む。第六十三条において同じ。)以外の者が設置する幼保連携型認定こども園(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。以下同じ。) 大学及び高等専門学校にあつては文部科学大臣、大学及び高等専門学校以外の学校にあつては都道府県知事 都道府県知事(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第三条第一項に規定する指定都市等の区域内に所在する幼保連携型認定こども園については、当該指定都市等の長) 第二十七条、第四十八条、第四十九条第二項及び第三項、第六十条並びに第六十三条 校長 園長 第二十八条第一項 学則 園則 第二十八条第二項前段 表簿(第二十四条第二項の抄本又は写しを除く。) 表簿 第四十九条第三項 教育 教育、保育又は子育ての支援 第六十条 授業 教育の 第六十三条 授業 教育又は保育 公立小学校 地方公共団体が設置する幼保連携型認定こども園 教育委員会 長 (学校保健安全法施行規則の準用) 第二十七条 学校保健安全法施行規則(昭和三十三年文部省令第十八号)第一条、第二条、第五条第一項、第六条第一項(第八号を除く。)及び第二項、第七条第一項から第四項まで及び第六項から第八項まで、第八条第一項、第三項及び第四項本文、第九条第一項(第五号を除く。)、第十条から第二十四条まで並びに第二十八条から第二十九条の二までの規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同令の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替える学校保健安全法施行規則の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第五条第一項 毎学年、六月三十日までに行うもの 入園時及び毎年度二回行う(そのうち一回は六月三十日までに行うものとする。)ことを原則 第七条第一項 法第十三条第一項 満三歳以上の就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第六項に規定する園児(以下「園児」という。)に係る法第十三条第一項 ものとする。 ものとする。また、満三歳未満の園児については、これに準ずるものとする。 第七条第六項 全幼児、小学校の第二学年以上の児童、中学校及び高等学校の第二学年以上の生徒、高等専門学校の第二学年以上の学生並びに大学の全学生 園児 第八条第一項、第三項及び第四項、第十一条、第二十条、第二十一条第一項、第二十八条第一項並びに第二十九条の二 児童生徒等 園児 第八条第三項 校長は 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第十四条第一項に規定する園長(以下「園長」という。)は 第九条第一項 幼児、児童又は生徒にあつては当該幼児、児童又は生徒及びその保護者(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第十六条に規定する保護者をいう。)に、学生にあつては当該学生 園児及びその保護者(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第二条第十一項に規定する保護者をいう。) 第二十条 学年別 年齢別 第二十一条第一項及び第二項、第二十二条第一項第八号及び第二項、第二十三条第二項並びに第二十四条第二項 校長 園長 (法第二十九条第一項の主務省令で定める軽微な変更) 第二十八条 法第二十九条第一項の主務省令で定める軽微な変更は、次に掲げるものとする。 一 法第四条第一項第三号に規定する保育を必要とする子どもに係る利用定員又は同項第四号に規定する保育を必要とする子ども以外の子どもに係る利用定員の変更のうち都道府県知事が定める数を超えない範囲内で行われるもの(幼保連携型認定こども園の利用定員、幼稚園の収容定員又は保育所等の入所定員の変更を伴うものを除く。) 二 法第二十八条に規定する教育保育概要として同条の規定により周知された事項の変更のうち都道府県知事が定めるもの (法第三十条第一項の規定による報告の方法等) 第二十九条 法第三十条第一項の規定による報告は、次に掲げる事項を記載した報告書を都道府県知事(指定都市等所在施設である認定こども園については当該指定都市等の長)の定める日までに提出することにより行うものとする。 一 報告年月日の前日において在籍している法第四条第一項第三号に規定する保育を必要とする子どもに係る利用定員(満三歳未満の者の数及び満三歳以上の者の数に区分するものとする。)及び同項第四号に規定する保育を必要とする子ども以外の子どもに係る利用定員(満三歳未満の者の数及び満三歳以上の者の数に区分するものとする。) 二 当該認定こども園が法第三条第一項又は第三項の都道府県(指定都市等所在施設である幼稚園若しくは保育所等又は連携施設については、当該指定都市等)の条例で定める要件に適合していることを確認するために必要な事項として都道府県知事が定める事項 三 法第二十八条の規定により周知された同条に規定する教育保育概要を確認するために必要な事項として都道府県知事が定める事項 (幼保連携型認定こども園の指導要録) 第三十条 園長は、その幼保連携型認定こども園に在籍する園児の指導要録(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行令(以下「令」という。)第八条に規定する園児の学習及び健康の状況を記録した書類の原本をいう。以下この条において同じ。)を作成しなければならない。 2 園長は、園児が進学した場合においては、その作成に係る当該園児の指導要録の抄本又は写しを作成し、これを進学先の校長に送付しなければならない。 3 園長は、園児が転園した場合においては、その作成に係る当該園児の指導要録の写しを作成し、その写し(転園してきた園児については転園により送付を受けた指導要録(学校教育法施行令(昭和二十八年政令第三百四十号)第三十一条に規定する児童等の学習及び健康の状況を記録した書類の原本を含む。)の写しを含む。)を転園先の幼稚園の園長、保育所の長又は認定こども園の長に送付しなければならない。 4 指導要録及びその写しのうち入園、卒園等の学籍に関する記録については、その保存期間は、二十年間とする。 5 令第八条の規定により指導要録及びその写しを保存しなければならない期間は、前項に規定する保存期間から当該幼保連携型認定こども園においてこれらの書類を保存していた期間を控除した期間とする。 (幼保連携型認定こども園の認可の申請等の細則) 第三十一条 法、令及びこの命令の規定に基づいてなすべき認可の申請及び届出の手続その他の細則については、都道府県知事(指定都市等所在施設である幼保連携型認定こども園(都道府県が設置するものを除く。)については、当該指定都市等の長)が、これを定める。 | 教育 |
Heisei | CabinetOrder | 427CO0000000348_20221001_504CO0000000267.xml | 平成二十七年政令第三百四十八号 | 28 | 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律及び私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係政令等の整備及び私立学校教職員共済法による長期給付等に関する経過措置に関する政令 抄
第二章 経過措置 (平成二十四年一元化法附則第七十八条第三項に規定する改正前私学共済法による職域加算額に係る改正前私学共済法の規定の読替え) 第十二条 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(以下「平成二十四年一元化法」という。)附則第七十八条第三項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前私学共済法(平成二十四年一元化法第四条の規定による改正前の私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)をいう。以下同じ。)の規定(同項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の適用については、次の表の上欄に掲げるこれらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 第五条 退職共済年金 旧職域加算退職給付(被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成二十四年法律第六十三号。第二十条第二項第二号において「平成二十四年一元化法」という。)附則第七十八条第三項に規定する給付のうち退職を給付事由とするものをいう。以下同じ。) 遺族共済年金 旧職域加算遺族給付(同項に規定する給付のうち死亡を給付事由とするものをいう。以下同じ。) 第二十条第二項第一号 退職共済年金 旧職域加算退職給付 第二十条第二項第二号 障害共済年金 旧職域加算障害給付(平成二十四年一元化法附則第七十八条第三項に規定する給付のうち障害を給付事由とするものをいう。) 第二十条第二項第四号 遺族共済年金 旧職域加算遺族給付 第二十四条第一項 一円に満たない端数を生じたときは、 五十銭未満の端数があるときはこれを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数があるときは 第二十四条第三項 五十円 五十銭 百円 一円 第四十七条の三第一項及び第五項 退職共済年金 旧職域加算退職給付 遺族共済年金 旧職域加算遺族給付 2 改正前私学共済法による職域加算額(平成二十四年一元化法附則第七十八条第三項に規定する給付をいう。以下同じ。)については、同項の規定にかかわらず、改正前私学共済法第三十六条及び第三十八条並びに平成二十四年一元化法附則第百四条の規定による改正前の私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百三十一号)附則第五条の規定は、適用しない。 3 改正前私学共済法による職域加算額については、私立学校教職員共済法第三十六条及び第三十八条の規定を適用する。 この場合において、同法第三十六条第一項中「給付に関する決定、厚生年金保険法第九十条第二項(第一号及び第二号を除く。)に規定する被保険者の資格若しくは保険給付に関する処分、掛金等その他この法律及び厚生年金保険法の規定による徴収金」とあるのは、「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成二十四年法律第六十三号)附則第七十八条第三項に規定する給付に関する決定、掛金」とする。 (施行日前に給付事由が生じた改正前私学共済法による年金である給付に係る改正前私学共済法の規定の読替え) 第十三条 平成二十四年一元化法附則第七十九条に規定する改正前私学共済法による年金である給付に係る同条の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前私学共済法(次条第一項において「なお効力を有する改正前私学共済法」という。)第二十四条第三項及び第四十七条の二の規定の適用については、同項中「五十円」とあるのは「五十銭」と、「百円」とあるのは「一円」と、同条中「第二十五条において準用する国家公務員共済組合法第七十九条第六項(同法第八十七条第三項」とあるのは「厚生年金保険法第四十六条第六項(同法第五十四条第三項」と、「同法第七十九条第六項」とあるのは「同法第四十六条第六項」とする。 2 前条第二項及び第三項の規定は、平成二十四年一元化法附則第七十九条に規定する給付について準用する。 この場合において、前条第二項中「同項」とあるのは、「平成二十四年一元化法附則第七十九条」と読み替えるものとする。 (端数処理に関する経過措置) 第十四条 前条第一項の規定により読み替えられたなお効力を有する改正前私学共済法第二十四条第三項の規定は、平成二十八年四月以後の月分の年金の支払額について適用する。 2 前項の規定は、私立学校教職員共済法第四十八条の二の規定によりその例によることとされる平成二十四年一元化法附則第三十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前昭和六十年国共済改正法(平成二十四年一元化法附則第九十八条の規定(平成二十四年一元化法附則第一条第三号に掲げる改正規定を除く。)による改正前の国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百五号)をいう。)附則第三条第一項の規定にかかわらず、平成二十四年一元化法附則第七十九条に規定する旧私学共済法による年金である給付について準用する。 第十五条 削除 (改正前私学共済法による職域加算額のうち職務等によるもの及び厚生年金保険法による障害厚生年金等の支給を受ける場合における労働者災害補償保険法の適用に関する経過措置) 第十六条 改正前私学共済法による職域加算額(なお効力を有する改正前準用国共済法(平成二十四年一元化法附則第七十八条第三項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前私学共済法第二十五条において準用する国共済経過措置政令(被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行及び国家公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う国家公務員共済組合法による長期給付等に関する経過措置に関する政令(平成二十七年政令第三百四十五号)をいう。第十八条において同じ。)第八条第一項の規定により読み替えられた平成二十四年一元化法附則第三十六条第五項の規定によりなおその効力を有するものとされた平成二十四年一元化法第二条の規定による改正前の国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)をいう。以下この条において同じ。)第八十二条第二項に規定する職務等による旧職域加算障害給付又はなお効力を有する改正前準用国共済法第八十九条第三項に規定する職務等による旧職域加算遺族給付に係るものに限る。)の受給権者が同一の支給事由により厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による障害厚生年金又は遺族厚生年金の支給を受けるときは、当分の間、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)別表第一第一号及び第二号の規定は、適用しない。 (退職等年金給付に関する規定を適用しない者に関する経過措置) 第十七条 当分の間、私立学校教職員共済法の退職等年金給付に関する規定は、同法第十四条第一項に規定する教職員等のうち、社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成十九年法律第百四号)第二十四条第一項の規定により厚生年金保険の被保険者としない者については、適用しない。 2 社会保障協定の実施に伴う私立学校教職員共済法の特例に関する政令第三条の規定は、私立学校教職員共済法の退職等年金給付に関する規定の適用について準用する。 3 第一項の規定により私立学校教職員共済法の退職等年金給付に関する規定を適用しないこととされた同法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者の同法による掛金の標準報酬月額及び標準賞与額に対する割合は、私立学校教職員共済法施行令(昭和二十八年政令第四百二十五号)第十三条第三項に規定する範囲内において、同法第四条第一項に規定する共済規程で定める。 (準用する国家公務員共済組合法の改正に伴う経過措置規定の技術的読替え) 第十八条 私立学校教職員共済法第四十八条の二の規定により国共済経過措置政令の規定の例による場合においては、次の表の上欄に掲げる国共済経過措置政令の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第二十五条第一項 附則第七十九条に 附則第三十七条第一項に 平成二十四年一元化法附則第七十九条の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前私学共済法第二十五条において準用するなお効力を有する改正前国共済法(以下「なお効力を有する改正前準用国共済法」という。)第七十八条の二第一項 なお効力を有する改正前国共済法第七十八条の二第一項の規定による申出を行っていないものに限る。)若しくは平成二十四年一元化法附則第六十一条第一項に規定する給付のうち退職共済年金(施行日においてその同項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前地共済法第八十条の二第一項 なお効力を有する改正前準用国共済法第七十八条の二第一項 なお効力を有する改正前国共済法第七十八条の二第一項若しくは平成二十四年一元化法附則第六十一条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前地共済法第八十条の二第一項 第二十五条第二項及び第三項 附則第七十九条 附則第三十七条第一項に規定する給付のうち退職共済年金若しくは平成二十四年一元化法附則第六十一条第一項 第二十七条第一項 及び第三号 から第三号まで 並びに 、平成二十四年一元化法附則第四条第十二号に規定する旧地方公務員共済組合員期間及び平成二十四年一元化法附則第六十五条第一項に規定する追加費用対象期間並びに 第二十七条第二項 附則第十一条第一項第三号 附則第十一条第一項第一号又は第二号 第三十四条第一項 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者 国家公務員共済組合の組合員若しくは地方公務員共済組合の組合員 第三十七条第五項第三号及び第六項第三号 なお効力を有する改正前準用国共済法 なお効力を有する改正前国共済法 (経過措置に関する文部科学省令への委任) 第十九条 第十二条から前条までに定めるもののほか、平成二十四年一元化法及び私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律(平成二十四年法律第九十八号)の実施のための手続その他これらの法律の施行に伴う経過措置(文部科学省の所掌に属するものに限る。)に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。 | 教育 |
Heisei | Act | 428AC1000000105_20230401_504AC0000000076.xml | 平成二十八年法律第百五号 | 28 | 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)及び児童の権利に関する条約等の教育に関する条約の趣旨にのっとり、教育機会の確保等に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本指針の策定その他の必要な事項を定めることにより、教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 学校 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部若しくは中学部をいう。 二 児童生徒 学校教育法第十八条に規定する学齢児童又は学齢生徒をいう。 三 不登校児童生徒 相当の期間学校を欠席する児童生徒であって、学校における集団の生活に関する心理的な負担その他の事由のために就学が困難である状況として文部科学大臣が定める状況にあると認められるものをいう。 四 教育機会の確保等 不登校児童生徒に対する教育の機会の確保、夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供その他の義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保及び当該教育を十分に受けていない者に対する支援をいう。 (基本理念) 第三条 教育機会の確保等に関する施策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。 一 全ての児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、学校における環境の確保が図られるようにすること。 二 不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援が行われるようにすること。 三 不登校児童生徒が安心して教育を十分に受けられるよう、学校における環境の整備が図られるようにすること。 四 義務教育の段階における普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の意思を十分に尊重しつつ、その年齢又は国籍その他の置かれている事情にかかわりなく、その能力に応じた教育を受ける機会が確保されるようにするとともに、その者が、その教育を通じて、社会において自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができるよう、その教育水準の維持向上が図られるようにすること。 五 国、地方公共団体、教育機会の確保等に関する活動を行う民間の団体その他の関係者の相互の密接な連携の下に行われるようにすること。 (国の責務) 第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、教育機会の確保等に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、第三条の基本理念にのっとり、教育機会の確保等に関する施策について、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (財政上の措置等) 第六条 国及び地方公共団体は、教育機会の確保等に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。 第二章 基本指針 第七条 文部科学大臣は、教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(以下この条において「基本指針」という。)を定めるものとする。 2 基本指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 教育機会の確保等に関する基本的事項 二 不登校児童生徒等に対する教育機会の確保等に関する事項 三 夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供等に関する事項 四 その他教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するために必要な事項 3 文部科学大臣は、基本指針を作成し、又はこれを変更しようとするときは、内閣総理大臣に協議するとともに、地方公共団体及び教育機会の確保等に関する活動を行う民間の団体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。 4 文部科学大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 第三章 不登校児童生徒等に対する教育機会の確保等 (学校における取組への支援) 第八条 国及び地方公共団体は、全ての児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、児童生徒と学校の教職員との信頼関係及び児童生徒相互の良好な関係の構築を図るための取組、児童生徒の置かれている環境その他の事情及びその意思を把握するための取組、学校生活上の困難を有する個々の児童生徒の状況に応じた支援その他の学校における取組を支援するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 (支援の状況等に係る情報の共有の促進等) 第九条 国及び地方公共団体は、不登校児童生徒に対する適切な支援が組織的かつ継続的に行われることとなるよう、不登校児童生徒の状況及び不登校児童生徒に対する支援の状況に係る情報を学校の教職員、心理、福祉等に関する専門的知識を有する者その他の関係者間で共有することを促進するために必要な措置その他の措置を講ずるものとする。 (特別の教育課程に基づく教育を行う学校の整備等) 第十条 国及び地方公共団体は、不登校児童生徒に対しその実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の整備及び当該教育を行う学校における教育の充実のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 (学習支援を行う教育施設の整備等) 第十一条 国及び地方公共団体は、不登校児童生徒の学習活動に対する支援を行う公立の教育施設の整備及び当該支援を行う公立の教育施設における教育の充実のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 (学校以外の場における学習活動の状況等の継続的な把握) 第十二条 国及び地方公共団体は、不登校児童生徒が学校以外の場において行う学習活動の状況、不登校児童生徒の心身の状況その他の不登校児童生徒の状況を継続的に把握するために必要な措置を講ずるものとする。 (学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童生徒に対する支援) 第十三条 国及び地方公共団体は、不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ、当該不登校児童生徒の状況に応じた学習活動が行われることとなるよう、当該不登校児童生徒及びその保護者(学校教育法第十六条に規定する保護者をいう。)に対する必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずるものとする。 第四章 夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供等 (就学の機会の提供等) 第十四条 地方公共団体は、学齢期を経過した者(その者の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから満十五歳に達した日の属する学年の終わりまでの期間を経過した者をいう。次条第二項第三号において同じ。)であって学校における就学の機会が提供されなかったもののうちにその機会の提供を希望する者が多く存在することを踏まえ、夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。 (協議会) 第十五条 都道府県及び当該都道府県の区域内の市町村は、前条に規定する就学の機会の提供その他の必要な措置に係る事務についての当該都道府県及び当該市町村の役割分担に関する事項の協議並びに当該事務の実施に係る連絡調整を行うための協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織することができる。 2 協議会は、次に掲げる者をもって構成する。 一 都道府県の知事及び教育委員会 二 当該都道府県の区域内の市町村の長及び教育委員会 三 学齢期を経過した者であって学校における就学の機会が提供されなかったもののうちその機会の提供を希望する者に対する支援活動を行う民間の団体その他の当該都道府県及び当該市町村が必要と認める者 3 協議会において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。 4 前三項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。 第五章 教育機会の確保等に関するその他の施策 (調査研究等) 第十六条 国は、義務教育の段階における普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の実態の把握に努めるとともに、その者の学習活動に対する支援の方法に関する調査研究並びにこれに関する情報の収集、整理、分析及び提供を行うものとする。 (国民の理解の増進) 第十七条 国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて、教育機会の確保等に関する国民の理解を深めるよう必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 (人材の確保等) 第十八条 国及び地方公共団体は、教育機会の確保等が専門的知識に基づき適切に行われるよう、学校の教職員その他の教育機会の確保等に携わる者の養成及び研修の充実を通じたこれらの者の資質の向上、教育機会の確保等に係る体制等の充実のための学校の教職員の配置、心理、福祉等に関する専門的知識を有する者であって教育相談に応じるものの確保その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 (教材の提供その他の学習の支援) 第十九条 国及び地方公共団体は、義務教育の段階における普通教育に相当する教育を十分に受けていない者のうち中学校を卒業した者と同等以上の学力を修得することを希望する者に対して、教材の提供(通信の方法によるものを含む。)その他の学習の支援のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 (相談体制の整備) 第二十条 国及び地方公共団体は、義務教育の段階における普通教育に相当する教育を十分に受けていない者及びこれらの者以外の者であって学校生活上の困難を有する児童生徒であるもの並びにこれらの者の家族からの教育及び福祉に関する相談をはじめとする各種の相談に総合的に応ずることができるようにするため、関係省庁相互間その他関係機関、学校及び民間の団体の間の連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 429M60000080002_20170214_000000000000000.xml | 平成二十九年文部科学省令第二号 | 28 | 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律第二条第三号の就学が困難である状況を定める省令
義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(以下「法」という。)第二条第三号の学校における集団の生活に関する心理的な負担その他の事由のために就学が困難である状況として文部科学大臣が定める状況は、何らかの心理的、情緒的、身体的若しくは社会的要因又は背景によって、児童生徒が出席しない又はすることができない状況(病気又は経済的理由による場合を除く。)とする。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 429M60000080023_20200401_502M60000080010.xml | 平成二十九年文部科学省令第二十三号 | 28 | 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の五第一項ただし書に規定する二以上の学校の運営に関し相互に密接な連携を図る必要がある場合を定める省令
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の五第一項ただし書に規定する二以上の学校の運営に関し相互に密接な連携を図る必要がある場合として文部科学省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 同一の教育委員会の所管に属する小学校及び中学校において、学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第七十九条の九第一項の規定により小学校における教育と中学校における教育を一貫して施す場合 二 同一の教育委員会の所管に属する中学校及び高等学校において、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第七十一条の規定により中学校における教育と高等学校における教育を一貫して施す場合 三 同一の教育委員会の所管に属する小学校及び当該小学校に在籍する児童のうち多数の者が進学する中学校において、これらの学校が相互に密接に連携し、その所在する地域の特色を生かした教育活動を行う場合その他教育委員会においてその所管に属する二以上の学校の運営に関し相互に密接な連携を図る必要があると認めた場合 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 429M60000080033_20230731_505M60000080026.xml | 平成二十九年文部科学省令第三十三号 | 28 | 専門職大学設置基準
第一章 総則 (趣旨) 第一条 専門職大学は、学校教育法その他の法令の規定によるほか、この省令の定めるところにより設置するものとする。 2 この省令で定める設置基準は、専門職大学を設置するのに必要な最低の基準とする。 3 専門職大学は、この省令で定める設置基準より低下した状態にならないようにすることはもとより、学校教育法第百九条第一項の点検及び評価の結果並びに認証評価の結果を踏まえ、教育研究活動等について不断の見直しを行うことにより、その水準の向上を図ることに努めなければならない。 (教育研究上の目的) 第二条 専門職大学は、学部、学科又は課程ごとに、人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的を学則等に定めるものとする。 (入学者選抜) 第三条 入学者の選抜は、学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第百六十五条の二第一項第三号の規定により定める方針に基づき、公正かつ妥当な方法により、適切な体制を整えて行うものとする。 2 専門職大学は、実務の経験を有する者その他の入学者の多様性の確保に配慮した入学者選抜を行うよう努めるものとする。 第二章 教育研究上の基本組織 (学部) 第四条 学部は、専攻により教育研究の必要に応じ組織されるものであって、教育研究上適当な規模内容を有し、教育研究実施組織、教員数その他が学部として適当であると認められるものとする。 (学科) 第五条 学部には、専攻により学科を設ける。 2 前項の学科は、それぞれの専攻分野を教育研究するに必要な組織を備えたものとする。 (課程) 第六条 学部の教育上の目的を達成するため有益かつ適切であると認められる場合には、学科に代えて学生の履修上の区分に応じて組織される課程を設けることができる。 (学部以外の基本組織) 第七条 学校教育法第八十五条ただし書に規定する学部以外の教育研究上の基本となる組織(以下「学部以外の基本組織」という。)は、当該専門職大学の教育研究上の目的を達成するため有益かつ適切であると認められるものであって、次の各号に掲げる要件を備えるものとする。 一 教育研究上適当な規模内容を有すること。 二 教育研究上必要な教育研究実施組織、施設、設備その他の諸条件を備えること。 三 教育研究を適切に遂行するためにふさわしい運営の仕組みを有すること。 2 学部以外の基本組織に係る基幹教員(第三十二条第一項に規定する基幹教員をいう。第二十八条第四項及び第三十一条第七項において同じ。)の数、校舎の面積及び学部以外の基本組織の教育研究に必要な附属施設の基準は、当該学部以外の基本組織の教育研究上の分野に相当すると認められる分野の学部又は学科に係るこれらの基準(第五十七条第一項に規定する共同学科(第三十四条及び第四十七条において「共同学科」という。)及び第六十二条第一項に規定する国際連携学科に係るものを含む。)に準ずるものとする。 3 この省令において、この章、第三十四条、第四十七条、第四十九条、第五十八条、第六十条、第六十一条(第四十九条の規定に係る附属施設について適用する場合に限る。)、第六十七条、第六十八条(第四十九条の規定に係る附属施設について適用する場合に限る。)、別表第一及び別表第二を除き、「学部」には学部以外の基本組織を、「学科」には学部以外の基本組織を置く場合における相当の組織を含むものとする。 第三章 収容定員 第八条 収容定員は、学科又は課程を単位とし、学部ごとに学則で定めるものとする。 この場合において、第二十条の規定による昼夜開講制を実施するときはこれに係る収容定員を、第七十七条の規定により外国に学部、学科その他の組織を設けるときはこれに係る収容定員を、編入学定員を設けるときは入学定員及び編入学定員を、それぞれ明示するものとする。 2 収容定員は、教育研究実施組織、校地、校舎等の施設、設備その他の教育上の諸条件を総合的に考慮して定めるものとする。 3 専門職大学は、教育にふさわしい環境の確保のため、在学する学生の数を収容定員に基づき適正に管理するものとする。 第四章 教育課程 (教育課程の編成方針) 第九条 専門職大学は、学校教育法施行規則第百六十五条の二第一項第一号及び第二号の規定により定める方針に基づき、必要な授業科目を、産業界及び地域社会と連携しつつ、自ら開設し、体系的に教育課程を編成するものとする。 2 教育課程の編成に当たっては、専門職大学は、学部等の専攻に係る専門の学芸を教授し、専門性が求められる職業を担うための実践的な能力及び当該職業の分野において創造的な役割を担うための応用的な能力を展開させるとともに、豊かな人間性及び職業倫理を涵養するよう適切に配慮しなければならない。 3 専門職大学は、専攻に係る職業を取り巻く状況を踏まえて必要な授業科目を開発し、当該職業の動向に即した教育課程の編成を行うとともに、当該状況の変化に対応し、授業科目の内容、教育課程の構成等について、不断の見直しを行うものとする。 4 前項の規定による授業科目の開発、教育課程の編成及びそれらの見直しは、次条に規定する教育課程連携協議会の意見を勘案するとともに、適切な体制を整えて行うものとする。 (教育課程連携協議会) 第十条 専門職大学は、産業界及び地域社会との連携により、教育課程を編成し、及び円滑かつ効果的に実施するため、教育課程連携協議会を設けるものとする。 2 教育課程連携協議会は、次に掲げる者をもって構成する。 一 学長が指名する教員その他の職員 二 当該専門職大学の課程に係る職業に就いている者又は当該職業に関連する事業を行う者による団体のうち、広範囲の地域で活動するものの関係者であって、当該職業の実務に関し豊富な経験を有するもの 三 地方公共団体の職員、地域の事業者による団体の関係者その他の地域の関係者 四 臨地実務実習(第二十九条第一項第三号に規定する臨地実務実習をいう。)その他の授業科目の開設又は授業の実施において当該専門職大学と協力する事業者 五 当該専門職大学の教員その他の職員以外の者であって学長が必要と認めるもの 3 教育課程連携協議会は、次に掲げる事項について審議し、学長に意見を述べるものとする。 一 産業界及び地域社会との連携による授業科目の開設その他の教育課程の編成に関する基本的な事項 二 産業界及び地域社会との連携による授業の実施その他の教育課程の実施に関する基本的な事項及びその実施状況の評価に関する事項 (連携開設科目) 第十一条 専門職大学は、当該専門職大学、学部及び学科又は課程等の教育上の目的を達成するために必要があると認められる場合には、第九条第一項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する他の大学が当該専門職大学と連携して開設する授業科目(次項に規定する要件に適合するものに限る。以下この条及び第二十三条において「連携開設科目」という。)を、当該専門職大学が自ら開設したものとみなすことができる。 一 当該専門職大学の設置者(その設置する他の大学と当該専門職大学との緊密な連携が確保されているものとして文部科学大臣が別に定める基準に適合するものに限る。)が設置する他の大学 二 大学等連携推進法人(その社員のうちに大学の設置者が二以上ある一般社団法人のうち、その社員が設置する大学の間の連携の推進を目的とするものであって、当該大学の間の緊密な連携が確保されていることについて文部科学大臣の認定を受けたものをいう。次項第二号及び第五十七条第五項において同じ。)(当該専門職大学の設置者が社員であるものであり、かつ、連携開設科目に係る業務を行うものに限る。)の社員が設置する他の大学 2 前項の規定により当該専門職大学が自ら開設したものとみなすことができる連携開設科目は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める方針に沿って開設されなければならない。 一 前項第一号に該当する他の大学が開設するもの 同号に規定する基準の定めるところにより当該専門職大学の設置者が策定する連携開設科目の開設及び実施に係る方針 二 前項第二号に該当する他の大学が開設するもの 同号の大学等連携推進法人が策定する連携推進方針(その社員が設置する大学の間の教育研究活動等に関する連携を推進するための方針をいう。) 3 第一項の規定により連携開設科目を自ら開設したものとみなす専門職大学及び当該連携開設科目を開設する他の大学は、当該連携開設科目を開設し、及び実施するため、文部科学大臣が別に定める事項についての協議の場を設けるものとする。 (教育課程の編成方法) 第十二条 教育課程は、各授業科目を必修科目、選択科目及び自由科目に分け、これを各年次に配当して編成するものとする。 (専門職大学の授業科目) 第十三条 専門職大学は、次の各号に掲げる授業科目を開設するものとする。 一 基礎科目(生涯にわたり自らの資質を向上させ、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を育成するための授業科目をいう。) 二 職業専門科目(専攻に係る特定の職業において必要とされる理論的かつ実践的な能力及び当該職業の分野全般にわたり必要な能力を育成するための授業科目をいう。) 三 展開科目(専攻に係る特定の職業の分野に関連する分野における応用的な能力であって、当該職業の分野において創造的な役割を果たすために必要なものを育成するための授業科目をいう。) 四 総合科目(修得した知識及び技能等を総合し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を総合的に向上させるための授業科目をいう。) (単位) 第十四条 各授業科目の単位数は、専門職大学において定めるものとする。 2 前項の単位数を定めるに当たっては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とし、第十八条第一項に規定する授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、おおむね十五時間から四十五時間までの範囲で専門職大学が定める時間の授業をもって一単位として単位数を計算するものとする。 ただし、芸術等の分野における個人指導による実技の授業については、専門職大学が定める時間の授業をもって一単位とすることができる。 3 前項の規定にかかわらず、卒業論文、卒業研究、卒業制作等の授業科目については、これらの学修の成果を評価して単位を授与することが適切と認められる場合には、これらに必要な学修等を考慮して、単位数を定めることができる。 (一年間の授業期間) 第十五条 一年間の授業を行う期間は、三十五週にわたることを原則とする。 (各授業科目の授業期間) 第十六条 各授業科目の授業は、十分な教育効果を上げることができるよう、八週、十週、十五週その他の専門職大学が定める適切な期間を単位として行うものとする。 (授業を行う学生数) 第十七条 専門職大学が一の授業科目について同時に授業を行う学生数は、四十人以下とする。 ただし、授業の方法及び施設、設備その他の教育上の諸条件を考慮して、十分な教育効果を上げることができると認められる場合は、この限りでない。 (授業の方法) 第十八条 授業は、講義、演習、実験、実習若しくは実技のいずれかにより又はこれらの併用により行うものとする。 2 専門職大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、前項の授業を、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させることができる。 3 専門職大学は、第一項の授業を、外国において履修させることができる。 前項の規定により、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させる場合についても、同様とする。 4 専門職大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、第一項の授業の一部を、校舎及び附属施設以外の場所で行うことができる。 (成績評価基準等の明示等) 第十九条 専門職大学は、学生に対して、授業の方法及び内容並びに一年間の授業の計画をあらかじめ明示するものとする。 2 専門職大学は、学修の成果に係る評価及び卒業の認定に当たっては、客観性及び厳格性を確保するため、学生に対してその基準をあらかじめ明示するとともに、当該基準にしたがって適切に行うものとする。 (昼夜開講制) 第二十条 専門職大学は、教育上必要と認められる場合には、昼夜開講制(同一学部において昼間及び夜間の双方の時間帯において授業を行うことをいう。)により授業を行うことができる。 第五章 卒業の要件等 (単位の授与) 第二十一条 専門職大学は、一の授業科目を履修した学生に対しては、試験その他の専門職大学が定める適切な方法により学修の成果を評価して単位を与えるものとする。 (履修科目の登録の上限) 第二十二条 専門職大学は、学生が各年次にわたって適切に授業科目を履修するため、卒業の要件として学生が修得すべき単位数について、学生が一年間又は一学期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるよう努めなければならない。 2 専門職大学は、その定めるところにより、所定の単位を優れた成績をもって修得した学生については、前項に定める上限を超えて履修科目の登録を認めることができる。 (連携開設科目に係る単位の認定) 第二十三条 専門職大学は、学生が他の大学において履修した連携開設科目について修得した単位を、当該専門職大学における授業科目の履修により修得したものとみなすものとする。 (他の大学又は短期大学における授業科目の履修等) 第二十四条 専門職大学は、教育上有益と認めるときは、学生が専門職大学の定めるところにより他の大学(短期大学を除く。以下同じ。)又は短期大学において履修した授業科目について修得した単位を、六十単位(修業年限が二年の専門職大学の前期課程にあっては三十単位、修業年限が三年の専門職大学の前期課程にあっては四十六単位(第三十条第五項の規定により修了の要件として六十二単位以上を修得することとする専門職大学の前期課程(以下「夜間等三年制前期課程」という。)にあっては、三十単位))を超えない範囲で当該専門職大学における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる。 2 前項の規定は、学生が、外国の大学又は短期大学に留学する場合、外国の大学又は短期大学が行う通信教育における授業科目を我が国において履修する場合及び外国の大学又は短期大学の教育課程を有するものとして当該外国の学校教育制度において位置付けられた教育施設であって、文部科学大臣が別に指定するものの当該教育課程における授業科目を我が国において履修する場合について準用する。 (大学以外の教育施設等における学修) 第二十五条 専門職大学は、教育上有益と認めるときは、学生が行う短期大学又は高等専門学校の専攻科における学修その他文部科学大臣が別に定める学修を、当該専門職大学における授業科目の履修とみなし、専門職大学の定めるところにより単位を与えることができる。 2 前項により与えることができる単位数は、前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)により当該専門職大学において修得したものとみなす単位数と合わせて六十単位(修業年限が二年の専門職大学の前期課程にあっては三十単位、修業年限が三年の専門職大学の前期課程にあっては四十六単位(夜間等三年制前期課程にあっては、三十単位))を超えないものとする。 (入学前の既修得単位等の認定) 第二十六条 専門職大学は、教育上有益と認めるときは、学生が当該専門職大学に入学する前に大学又は短期大学において履修した授業科目について修得した単位(第二十八条第一項及び第二項の規定により修得した単位を含む。)を、当該専門職大学に入学した後の当該専門職大学における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる。 2 前項の規定は、第二十四条第二項の場合に準用する。 3 専門職大学は、教育上有益と認めるときは、学生が当該専門職大学に入学する前に行った前条第一項に規定する学修を、当該専門職大学における授業科目の履修とみなし、専門職大学の定めるところにより単位を与えることができる。 4 専門職大学は、学生が当該専門職大学に入学する前に専門性が求められる職業に係る実務の経験を通じ、当該職業を担うための実践的な能力(当該専門職大学において修得させることとしているものに限る。)を修得している場合において、教育上有益と認めるときは、文部科学大臣が別に定めるところにより、当該実践的な能力の修得を、当該専門職大学における授業科目の履修とみなし、三十単位(修業年限が二年の専門職大学の前期課程にあっては十五単位、修業年限が三年の専門職大学の前期課程にあっては二十三単位(夜間等三年制前期課程にあっては、十五単位))を超えない範囲で専門職大学の定めるところにより、単位を与えることができる。 5 前四項の規定により修得したものとみなし、又は与えることのできる単位数は、編入学、転学等の場合を除き、当該専門職大学において修得した単位(第二十三条の規定により修得したものとみなすものとする単位を含む。)以外のものについては、第二十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び前条第一項により当該専門職大学において修得したものとみなす単位数と合わせて六十単位(修業年限が二年の専門職大学の前期課程にあっては三十単位、修業年限が三年の専門職大学の前期課程にあっては四十六単位(夜間等三年制前期課程にあっては、三十単位))を超えないものとする。 この場合において、第二十四条第二項において準用する同条第一項により当該専門職大学において修得したものとみなす単位数と合わせるときは、修業年限が二年の専門職大学の前期課程にあっては四十五単位を、修業年限が三年の専門職大学の前期課程にあっては五十三単位(夜間等三年制前期課程にあっては、四十五単位)を超えないものとする。 (長期にわたる教育課程の履修) 第二十七条 専門職大学は、専門職大学の定めるところにより、学生が、職業を有している等の事情により、修業年限を超えて一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修し卒業することを希望する旨を申し出たときは、その計画的な履修を認めることができる。 (科目等履修生等) 第二十八条 専門職大学は、専門職大学の定めるところにより、当該専門職大学の学生以外の者で一又は複数の授業科目を履修する者(以下この条において「科目等履修生」という。)に対し、単位を与えることができる。 2 専門職大学は、専門職大学の定めるところにより、当該専門職大学の学生以外の者で学校教育法第百五条に規定する特別の課程を履修する者(以下この条において「特別の課程履修生」という。)に対し、単位を与えることができる。 3 科目等履修生及び特別の課程履修生に対する単位の授与については、第二十一条の規定を準用する。 4 専門職大学は、科目等履修生、特別の課程履修生その他の学生以外の者(次項において「科目等履修生等」という。)を相当数受け入れる場合においては、第三十四条、第四十六条及び第四十七条に規定する基準を考慮して、教育に支障のないよう、それぞれ相当の基幹教員並びに校地及び校舎の面積を増加するものとする。 5 専門職大学は、科目等履修生等を受け入れる場合においては、一の授業科目について同時に授業を行うこれらの者の人数は、授業の方法及び施設、設備その他の教育上の諸条件を考慮して、教育効果を十分に上げられるような適当な人数とするものとする。 (卒業の要件) 第二十九条 専門職大学の卒業の要件は、次の各号のいずれにも該当することのほか、当該専門職大学が定めることとする。 一 百二十四単位以上(基礎科目及び展開科目に係るそれぞれ二十単位以上、職業専門科目に係る六十単位以上並びに総合科目に係る四単位以上を含む。)を修得すること。 二 実験、実習又は実技による授業科目(やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認める場合には、演習、実験、実習又は実技による授業科目)に係る四十単位以上を修得すること。 三 前号の授業科目に係る単位に臨地実務実習(企業その他の事業者の事業所又はこれに類する場所において、当該事業者の実務に従事することにより行う実習による授業科目であって、文部科学大臣が別に定めるところにより開設されるものをいう。以下同じ。)に係る二十単位が含まれること。 ただし、やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認められる場合には、五単位を超えない範囲で、連携実務演習等(企業その他の事業者と連携して開設する演習、実験、実習又は実技による授業科目のうち、当該事業者の実務に係る課題に取り組むもの(臨地実務実習を除く。)であって、文部科学大臣が別に定めるところにより開設されるものをいう。以下同じ。)をもってこれに代えることができること。 2 前項の規定により卒業の要件として修得すべき百二十四単位のうち、第十八条第二項の授業の方法により修得する単位数は六十単位を超えないものとする。 3 第一項の規定により卒業の要件として修得すべき百二十四単位のうち、第二十三条の規定により修得したものとみなすものとする単位数は三十単位を超えないものとする。 (前期課程の修了要件) 第三十条 専門職大学の前期課程のうち修業年限が二年のものの修了要件は、次の各号にいずれにも該当することのほか、当該専門職大学が定めることとする。 一 六十二単位以上(基礎科目及び展開科目に係るそれぞれ十単位以上、職業専門科目に係る三十単位以上並びに総合科目に係る二単位以上を含む。)を修得すること。 二 実験、実習又は実技による授業科目(やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認める場合には、演習、実験、実習又は実技による授業科目)に係る二十単位以上を修得すること。 三 前号の授業科目に係る単位に臨地実務実習に係る十単位が含まれること。 ただし、やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認められる場合には、二単位を超えない範囲で、連携実務演習等をもってこれに代えることができること。 2 専門職大学の前期課程のうち修業年限が三年のものの修了要件は、次の各号のいずれにも該当することのほか、当該専門職大学が定めることとする。 一 九十三単位以上(基礎科目及び展開科目に係るそれぞれ十五単位以上、職業専門科目に係る四十五単位以上並びに総合科目に係る二単位以上を含む。)を修得すること。 二 実験、実習又は実技による授業科目(やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認める場合には、演習、実験、実習又は実技による授業科目)に係る三十単位以上を修得すること。 三 前号の授業科目に係る単位に臨地実務実習に係る十五単位が含まれること。 ただし、やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認められる場合には、三単位を超えない範囲で、連携実務演習等をもってこれに代えることができること。 3 前二項の規定により修了の要件として修得すべき単位数のうち、第十八条第二項の授業の方法により修得する単位数は、修業年限が二年の専門職大学の前期課程にあっては三十単位、修業年限が三年の専門職大学の前期課程にあっては四十六単位(夜間等三年制前期課程にあっては、三十単位)を超えないものとする。 4 第一項又は第二項の規定により修了の要件として修得すべき単位数のうち、第二十三条の規定により修得したものとみなすものとする単位数は、修業年限が二年の専門職大学の前期課程にあっては十五単位、修業年限が三年の専門職大学の前期課程にあっては二十三単位(夜間等三年制前期課程にあっては、十五単位)を超えないものとする。 5 夜間において授業を行う学部その他授業を行う時間について教育上特別の配慮を必要とする学部(第六十六条第四項において「夜間学部等」という。)に係る修業年限が三年の専門職大学の前期課程の修了要件は、第二項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる要件のいずれにも該当することのほか、当該専門職大学が定めることとする。 第六章 教育研究実施組織等 (教育研究実施組織等) 第三十一条 専門職大学は、その教育研究上の目的を達成するため、その規模並びに授与する学位の種類及び分野に応じ、必要な教員及び事務職員等からなる教育研究実施組織を編制するものとする。 2 専門職大学は、教育研究実施組織を編制するに当たっては、当該専門職大学の教育研究活動等の運営が組織的かつ効果的に行われるよう、教員及び事務職員等相互の適切な役割分担の下での協働や組織的な連携体制を確保しつつ、教育研究に係る責任の所在を明確にするものとする。 3 専門職大学は、学生に対し、課外活動、修学、進路選択及び心身の健康に関する指導及び援助等の厚生補導を組織的に行うため、専属の教員又は事務職員等を置く組織を編制するものとする。 4 専門職大学は、教育研究実施組織及び前項の組織の円滑かつ効果的な業務の遂行のための支援、大学運営に係る企画立案、当該専門職大学以外の者との連携、人事、総務、財務、広報、情報システム並びに施設及び設備の整備その他の大学運営に必要な業務を行うため、専属の教員又は事務職員等を置く組織を編制するものとする。 5 専門職大学は、当該専門職大学及び学部等の教育上の目的に応じ、学生が卒業後自らの資質を向上させ、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を、教育課程の実施及び厚生補導を通じて培うことができるよう、専門職大学内の組織間の有機的な連携を図り、適切な体制を整えるものとする。 6 専門職大学は、教育研究水準の維持向上及び教育研究の活性化を図るため、教員の構成が特定の範囲の年齢に著しく偏ることのないよう配慮するものとする。 7 専門職大学は、二以上の校地において教育を行う場合においては、それぞれの校地ごとに必要な教員及び事務職員等を置くものとする。 なお、それぞれの校地には、当該校地における教育に支障のないよう、原則として基幹教員を少なくとも一人以上置くものとする。 ただし、その校地が隣接している場合は、この限りでない。 (授業科目の担当) 第三十二条 専門職大学は、各教育課程上主要と認める授業科目(以下「主要授業科目」という。)については原則として基幹教員(教育課程の編成その他の学部の運営について責任を担う教員(助手を除く。)であって、当該学部の教育課程に係る主要授業科目を担当するもの(専ら当該専門職大学の教育研究に従事するものに限る。)又は一年につき八単位以上の当該学部の教育課程に係る授業科目を担当するものをいう。以下同じ。)に、主要授業科目以外の授業科目についてはなるべく基幹教員に担当させるものとする。 2 専門職大学は、演習、実験、実習又は実技を伴う授業科目については、なるべく助手に補助させるものとする。 3 専門職大学は、各授業科目について、当該授業科目を担当する教員以外の教員、学生その他専門職大学が定める者(以下「指導補助者」という。)に補助させることができ、また、十分な教育効果を上げることができると認められる場合は、当該授業科目を担当する教員の指導計画に基づき、指導補助者に授業の一部を分担させることができる。 (授業を担当しない教員) 第三十三条 専門職大学には、教育研究上必要があるときは、授業を担当しない教員を置くことができる。 (基幹教員数) 第三十四条 専門職大学における基幹教員の数は、別表第一イにより当該専門職大学に置く学部の種類及び規模に応じ定める基幹教員の数(共同学科を置く学部にあっては、当該学部における共同学科以外の学科を一の学部とみなして同表を適用して得られる基幹教員の数と第五十八条の規定により得られる当該共同学科に係る基幹教員の数を合計した数)と別表第一ロにより専門職大学全体の収容定員に応じ定める基幹教員の数を合計した数(次条において「必要基幹教員数」という。)以上とする。 (実務の経験等を有する基幹教員) 第三十五条 必要基幹教員数のおおむね四割以上は、専攻分野におけるおおむね五年以上の実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する者(次項において「実務の経験等を有する基幹教員」という。)とする。 2 実務の経験等を有する基幹教員のうち、前項に規定するおおむね四割の基幹教員の数に二分の一を乗じて算出される数(小数点以下の端数があるときは、これを四捨五入する。)以上は、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 大学において教授、准教授、基幹教員としての講師又は助教の経歴(外国におけるこれらに相当する教員としての経歴を含む。)のある者 二 博士の学位、修士の学位又は学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者 三 企業等に在職し、実務に係る研究上の業績を有する者 3 第一項に規定するおおむね四割の基幹教員の数に二分の一を乗じて算出される数(小数点以下の端数があるときは、これを四捨五入する。)の範囲内については、基幹教員以外の者であっても、一年につき六単位以上の授業科目を担当し、かつ、教育課程の編成その他の学部の運営について責任を担う者で足りるものとする。 ただし、当該者の数は、別表第一イ備考第二号ただし書の規定により複数の学部について算入する基幹教員の数並びに同表備考第三号及び別表第一ロ備考第三号の規定により算入する教員の数と合わせて、必要基幹教員数の四分の一を超えないものとする。 (組織的な研修等) 第三十六条 専門職大学は、当該専門職大学の教育研究活動等の適切かつ効果的な運営を図るため、その教員及び事務職員等に必要な知識及び技能を習得させ、並びにその能力及び資質を向上させるための研修(次項に規定する研修に該当するものを除く。)の機会を設けることその他必要な取組を行うものとする。 2 専門職大学は、学生に対する教育の充実を図るため、当該専門職大学の授業の内容及び方法を改善するための組織的な研修及び研究を行うものとする。 3 専門職大学は、指導補助者(教員を除く。)に対し、必要な研修を行うものとする。 第七章 教員の資格 (学長の資格) 第三十七条 学長となることのできる者は、人格が高潔で、学識が優れ、かつ、大学運営に関し識見を有すると認められる者とする。 (教授の資格) 第三十八条 教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、専門職大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。 一 博士の学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を有し、研究上の業績を有する者 二 研究上の業績が前号の者に準ずると認められる者 三 学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を有し、当該専門職学位の専攻分野に関する実務上の業績を有する者 四 大学において教授、准教授又は基幹教員としての講師の経歴(外国におけるこれらに相当する教員としての経歴を含む。)のある者 五 芸術、体育等については、特殊な技能に秀でていると認められる者及び実際的な技術の修得を主とする分野にあっては実際的な技術に秀でていると認められる者 六 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有すると認められる者 (准教授の資格) 第三十九条 准教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、専門職大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。 一 前条各号のいずれかに該当する者 二 大学において助教又はこれに準ずる職員としての経歴(外国におけるこれらに相当する職員としての経歴を含む。)のある者 三 修士の学位又は学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者 四 研究所、試験所、調査所等に在職し、研究上の業績を有する者 五 専攻分野について、優れた知識及び経験を有すると認められる者 (講師の資格) 第四十条 講師となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 第三十八条又は前条に規定する教授又は准教授となることのできる者 二 その他特殊な専攻分野について、専門職大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者 (助教の資格) 第四十一条 助教となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、専門職大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。 一 第三十八条各号又は第三十九条各号のいずれかに該当する者 二 修士の学位(医学を履修する課程、歯学を履修する課程、薬学を履修する課程のうち臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とするもの又は獣医学を履修する課程を修了した者については、学士の学位)又は学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者 三 専攻分野について、知識及び経験を有すると認められる者 (助手の資格) 第四十二条 助手となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 学士の学位又は学位規則第二条の二の表に規定する専門職大学を卒業した者に授与する学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者 二 前号の者に準ずる能力を有すると認められる者 第八章 校地、校舎等の施設及び設備等 (校地) 第四十三条 校地は、学生間の交流及び学生と教員等との間の交流が十分に行えるなどの教育にふさわしい環境をもち、校舎の敷地には、学生が交流、休息その他に利用するのに適当な空地を有するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、専門職大学は、法令の規定による制限その他のやむを得ない事由により所要の土地の取得を行うことが困難であるため前項に規定する空地を校舎の敷地に有することができないと認められる場合において、学生が交流、休息その他に利用するため、適当な空地を有することにより得られる効用と同等以上の効用が得られる措置を当該専門職大学が講じている場合に限り、空地を校舎の敷地に有しないことができる。 3 前項の措置は、次の各号に掲げる要件を満たす施設を校舎に備えることにより行うものとする。 一 できる限り開放的であって、多くの学生が余裕をもって交流、休息その他に利用できるものであること。 二 交流、休息その他に必要な設備が備えられていること。 (運動場等) 第四十四条 専門職大学は、学生に対する教育又は厚生補導を行う上で必要に応じ、運動場、体育館その他のスポーツ施設、講堂及び寄宿舎、課外活動施設その他の厚生補導施設を設けるものとする。 (校舎) 第四十五条 専門職大学は、その組織及び規模に応じ、教育研究に支障のないよう、教室、研究室、図書館、医務室、事務室その他必要な施設を備えた校舎を有するものとする。 2 教室は、学科又は課程に応じ、講義、演習、実験、実習又は実技を行うのに必要な種類と数を備えるものとする。 3 研究室は、基幹教員及び専ら当該専門職大学の教育研究に従事する教員に対しては必ず備えるものとする。 4 夜間において授業を行う学部(以下「夜間学部」という。)を置く専門職大学又は昼夜開講制を実施する専門職大学にあっては、教室、研究室、図書館その他の施設の利用について、教育研究に支障のないようにするものとする。 (校地の面積) 第四十六条 専門職大学における校地の面積(附属施設用地及び寄宿舎の面積を除く。)は、収容定員上の学生一人当たり十平方メートルとして算定した面積とする。 2 前項の規定にかかわらず、専門職大学は、その場所に立地することが教育上特に必要であり、かつ、やむを得ない事由により所要の土地を取得することが困難であるため前項に規定する面積を確保することができないと認められる場合において、教育に支障のない限度において、当該面積を減ずることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、同じ種類の昼間学部(昼間において授業を行う学部をいう。以下同じ。)及び夜間学部が近接した施設等を使用し、又は施設等を共用する場合の校地の面積は、当該昼間学部及び夜間学部における教育研究に支障のない面積とする。 4 昼夜開講制を実施する場合においては、これに係る収容定員、履修方法、施設の使用状況等を考慮して、教育に支障のない限度において、第一項に規定する面積を減ずることができる。 (校舎の面積) 第四十七条 校舎の面積は、一個の学部のみを置く専門職大学にあっては、別表第二イの表に定める面積(共同学科を置く場合にあっては、当該学部における共同学科以外の学科を一の学部とみなして同表を適用して得られる面積に第六十条第一項の規定により得られる当該共同学科に係る面積を加えた面積)以上とし、複数の学部を置く専門職大学にあっては、当該複数の学部のうち同表に定める面積(共同学科を置く学部については、当該学部における共同学科以外の学科を一の学部とみなして同表を適用して得られる面積)が最大である学部についての同表に定める面積(共同学科を置く学部については、当該学部における共同学科以外の学科を一の学部とみなして同表を適用して得られる面積)に当該学部以外の学部についてのそれぞれ別表第二ロの表に定める面積(共同学科を置く学部については、当該学部における共同学科以外の学科を一の学部とみなして同表を適用して得られる面積)を合計した面積を加えた面積(共同学科を置く場合にあっては、第六十条第一項の規定により得られる当該学科に係る面積を加えた面積)以上とする。 (教育研究上必要な資料及び図書館) 第四十八条 専門職大学は、教育研究を促進するため、学部の種類、規模等に応じ、図書、学術雑誌、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)により提供される学術情報その他の教育研究上必要な資料(次項において「教育研究上必要な資料」という。)を、図書館を中心に系統的に整備し、学生、教員及び事務職員等へ提供するものとする。 2 図書館は、教育研究上必要な資料の収集、整理を行うほか、その提供に当たって必要な情報の処理及び提供のシステムの整備その他の教育研究上必要な資料の利用を促進するために必要な環境の整備に努めるとともに、教育研究上必要な資料の提供に関し、他の専門職大学の図書館等との協力に努めるものとする。 3 図書館には、その機能を十分に発揮させるために必要な専門的職員その他の専属の教員又は事務職員等を置くものとする。 (附属施設) 第四十九条 次の表の上欄に掲げる学部を置き、又は学科を設ける専門職大学には、その学部又は学科の教育研究に必要な施設として、それぞれ下欄に掲げる附属施設を置くものとする。 学部又は学科 附属施設 教員養成に関する学部又は学科 附属学校又は附属幼保連携型認定こども園(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園であって、専門職大学に附属して設置されるものをいう。) 農学に関する学部 農場 林学に関する学科 演習林 畜産学に関する学部又は学科 飼育場又は牧場 水産学又は商船に関する学部 練習船(共同利用による場合を含む。) 水産増殖に関する学科 養殖施設 薬学に関する学部又は学科 薬用植物園(薬草園) 体育に関する学部又は学科 体育館 2 工学に関する学部を置く専門職大学には、原則として実験・実習工場を置くものとする。 (実務実習に必要な施設) 第五十条 専門職大学は、実験・実習室及び附属施設のほか、臨地実務実習その他の実習に必要な施設を確保するものとする。 (機械、器具等) 第五十一条 専門職大学は、学部又は学科の種類、教員数及び学生数に応じて必要な種類及び数の機械、器具及び標本を備えるものとする。 (二以上の校地において教育研究を行う場合における施設及び設備) 第五十二条 専門職大学は、二以上の校地において教育研究を行う場合においては、それぞれの校地ごとに教育研究に支障のないよう必要な施設及び設備を備えるものとする。 ただし、その校地が隣接している場合は、この限りでない。 (教育研究環境の整備) 第五十三条 専門職大学は、その教育研究上の目的を達成するため、必要な経費の確保等により、教育研究にふさわしい環境の整備に努めるものとする。 (専門職大学等の名称) 第五十四条 専門職大学は、その名称中に専門職大学という文字を用いなければならない。 2 専門職大学、学部及び学科(以下「専門職大学等」という。)の名称は、専門職大学等として適当であるとともに、当該専門職大学等の教育研究上の目的にふさわしいものとする。 第九章 共同教育課程に関する特例 (共同教育課程の編成) 第五十五条 二以上の専門職大学は、その専門職大学等の教育上の目的を達成するために必要があると認められる場合には、第九条第一項の規定にかかわらず、当該二以上の専門職大学のうち一の専門職大学が開設する授業科目を、当該二以上の専門職大学のうち他の専門職大学の教育課程の一部とみなして、それぞれの専門職大学ごとに同一内容の教育課程(専門職大学が外国に設ける学部、学科その他の組織において開設される授業科目の履修により修得する単位を当該学科に係る卒業の要件として修得すべき単位の全部又は一部として修得するものを除く。以下「共同教育課程」という。)を編成することができる。 ただし、共同教育課程を編成する専門職大学(以下「構成専門職大学」という。)は、それぞれ当該共同教育課程に係る主要授業科目の一部を必修科目として自ら開設するものとする。 2 専門職大学は、共同教育課程(大学院の課程に係るものを含む。)のみを編成することはできない。 3 構成専門職大学は、当該共同教育課程を編成し、及び実施するための協議の場を設けるものとする。 (共同教育課程に係る単位の認定) 第五十六条 構成専門職大学は、学生が当該構成専門職大学のうち一の専門職大学において履修した共同教育課程に係る授業科目について修得した単位を、当該構成専門職大学のうち他の専門職大学における当該共同教育課程に係る授業科目の履修により修得したものとそれぞれみなすものとする。 (共同学科に係る卒業等の要件) 第五十七条 共同教育課程を編成する学科(以下「共同学科」という。)に係る卒業の要件は、第二十九条第一項に定めるもののほか、それぞれの専門職大学において当該共同教育課程に係る授業科目の履修により三十一単位以上を修得することとする。 2 共同学科のうち修業年限が二年の専門職大学の前期課程に係る修了の要件は、第三十条第一項に定めるもののほか、それぞれの専門職大学の前期課程において当該共同教育課程に係る授業科目の履修により十単位以上を修得することとする。 3 共同学科のうち修業年限が三年の専門職大学の前期課程に係る修了の要件は、第三十条第二項に定めるもののほか、それぞれの専門職大学の前期課程において当該共同教育課程に係る授業科目の履修により二十単位以上を修得することとする。 4 前項の規定にかかわらず、共同学科のうち夜間等三年制前期課程に係る修了の要件は、第三十条第五項に規定するもののほか、それぞれの専門職大学の前期課程において当該共同教育課程に係る授業科目の履修により十単位以上を修得することとする。 5 全ての構成専門職大学の設置者が同一であり、かつ、第十一条第一項第一号に規定する基準に適合している場合又は全ての構成専門職大学の設置者が同一の大学等連携推進法人(共同教育課程に係る業務を行うものに限る。)の社員である場合における前各項の規定の適用については、第一項中「三十一単位」とあるのは「二十単位」と、第二項及び前項中「十単位」とあるのは「七単位」と、第三項中「二十単位」とあるのは「十五単位」とする。 6 前各項の規定によりそれぞれの専門職大学において当該共同教育課程に係る授業科目の履修により修得する単位数には、第二十三条、第二十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二十五条第一項、第二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第三項若しくは第四項又は前条の規定により修得したものとみなし、若しくは与えることができ、又はみなすものとする単位を含まないものとする。 (共同学科に係る基幹教員数) 第五十八条 共同学科に係る基幹教員の数は、それぞれの専門職大学に置く当該共同教育課程を編成する学科を合わせて一の学部とみなして、その種類及び規模に応じ別表第一イの表の中欄を適用して得られる基幹教員の数(次項において「全体基幹教員数」という。)をこれらの学科に係る収容定員の割合に応じて按分した数(その数に一に満たない端数があるときはこれを切り捨てる。以下この条において「専門職大学別基幹教員数」という。)以上とする。 2 前項に規定する当該共同教育課程を編成する学科に係る専門職大学別基幹教員数の合計が全体基幹教員数に満たないときは、その不足する数の基幹教員をいずれかの専門職大学の当該共同教育課程を編成する学科に置くものとする。 3 第一項の規定による当該共同教育課程を編成する学科に係る専門職大学別基幹教員数(前項の規定により当該学科に不足する数の基幹教員を置くときは、当該基幹教員の数を加えた数)が、当該学科の種類に応じ、別表第一イの表の下欄(保健衛生学関係(看護学関係)にあっては、中欄)に定める基幹教員の数の八割に相当する数(以下この項において「最小専門職大学別基幹教員数」という。)に満たないときは、前二項の規定にかかわらず、当該学科に係る基幹教員の数は、最小専門職大学別基幹教員数以上とする。 (共同学科に係る校地の面積) 第五十九条 第四十六条第一項の規定にかかわらず、共同学科に係る校地の面積については、それぞれの専門職大学に置く当該共同教育課程を編成する学科に係る校地の面積を合計した面積がこれらの学科に係る収容定員を合計した数に十平方メートルを乗じて得た面積を超え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職大学ごとに当該学科に係る収容定員上の学生一人当たり十平方メートルとして算定した面積を有することを要しない。 (共同学科に係る校舎の面積) 第六十条 共同学科に係る校舎の面積は、それぞれの専門職大学に置く当該共同教育課程を編成する学科を合わせて一の学部とみなしてその種類に応じ別表第二イ又はロの表を適用して得られる面積(次項において「全体校舎面積」という。)をこれらの学科に係る収容定員の割合に応じて按分した面積(次項において「専門職大学別校舎面積」という。)以上とする。 2 第四十七条及び前項の規定にかかわらず、共同学科に係る校舎の面積については、それぞれの専門職大学に置く当該共同教育課程を編成する学科に係る校舎の面積を合計した面積が全体校舎面積を超え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職大学ごとに専門職大学別校舎面積を有することを要しない。 (共同学科に係る施設及び設備) 第六十一条 前二条に定めるもののほか、第四十三条から第四十五条まで及び第四十八条から第五十一条までの規定にかかわらず、共同学科に係る施設及び設備については、それぞれの専門職大学に置く当該共同教育課程を編成する学科を合わせて一の学部又は学科とみなしてその種類、教員数及び学生数に応じて必要な施設及び設備を備え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職大学ごとに当該学科に係る施設及び設備を備えることを要しない。 第十章 国際連携学科に関する特例 (国際連携学科の設置) 第六十二条 専門職大学は、その学部の教育上の目的を達成するために必要があると認められる場合には、学部に、文部科学大臣が別に定めるところにより、外国の専門職大学に相当する大学と連携して教育研究を実施するための学科(第六条の課程を含む。)(以下「国際連携学科」という。)を設けることができる。 2 専門職大学は、国際連携学科のみを設けることはできない。 3 国際連携学科を設ける専門職大学は、外国における災害その他の事由により外国の専門職大学に相当する大学と連携した教育研究を継続することが困難となる事態に備え、計画の策定その他国際連携学科の学生の学修の継続に必要な措置を講ずるものとする。 (国際連携教育課程の編成) 第六十三条 国際連携学科を設ける専門職大学は、第九条第一項の規定にかかわらず、国際連携学科において連携して教育研究を実施する一以上の外国の専門職大学に相当する大学(以下「連携外国専門職大学」という。)が開設する授業科目を教育課程の一部とみなして、当該連携外国専門職大学と連携した教育課程(以下「国際連携教育課程」という。)を編成するものとする。 ただし、国際連携学科を設ける専門職大学は、国際連携教育課程に係る主要授業科目の一部を必修科目として自ら開設するものとする。 2 国際連携学科を設ける専門職大学は、国際連携教育課程を編成し、及び実施するため、連携外国専門職大学と文部科学大臣が別に定める事項についての協議の場を設けるものとする。 (共同開設科目) 第六十四条 国際連携学科を設ける専門職大学は、第九条第一項の規定にかかわらず、連携外国専門職大学と共同して授業科目を開設することができる。 2 国際連携学科を設ける専門職大学が前項の授業科目(以下この項において「共同開設科目」という。)を開設した場合、当該専門職大学の国際連携学科の学生が当該共同開設科目の履修により修得した単位は、三十単位(修業年限が二年の専門職大学の前期課程にあっては十五単位、修業年限が三年の専門職大学の前期課程にあっては二十三単位(夜間等三年制前期課程にあっては、十五単位))を超えない範囲で、当該専門職大学又は連携外国専門職大学のいずれかにおいて修得した単位とすることができる。 ただし、当該専門職大学及び連携外国専門職大学において修得した単位数が、第六十六条第一項の規定により当該専門職大学及びそれぞれの連携外国専門職大学において修得することとされている単位数に満たない場合は、共同開設科目の履修により修得した単位を当該専門職大学及び連携外国専門職大学において修得した単位とすることはできない。 (国際連携教育課程に係る単位の認定) 第六十五条 国際連携学科を設ける専門職大学は、学生が連携外国専門職大学において履修した国際連携教育課程に係る授業科目について修得した単位を、当該国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得したものとみなすものとする。 (国際連携学科に係る卒業等の要件) 第六十六条 国際連携学科に係る卒業の要件は、第二十九条第一項に定めるもののほか、国際連携学科を設ける専門職大学及びそれぞれの連携外国専門職大学において国際連携教育課程に係る授業科目の履修により三十一単位以上を修得することとする。 2 国際連携学科に係る修業年限が二年の専門職大学の前期課程の修了要件は、第三十条第一項に定めるもののほか、国際連携学科を設ける専門職大学及びそれぞれの連携外国専門職大学において国際連携教育課程に係る授業科目の履修により十単位以上を修得することとする。 3 国際連携学科に係る修業年限が三年の専門職大学の前期課程の修了要件は、第三十条第二項に定めるもののほか、国際連携学科を設ける専門職大学及びそれぞれの連携外国専門職大学において国際連携教育課程に係る授業科目の履修により二十単位以上を修得することとする。 4 前項の規定にかかわらず、夜間学部等の国際連携学科に係る修業年限が三年の専門職大学の前期課程の修了要件は、第三十条第五項に定めるもののほか、国際連携学科を設ける専門職大学及びそれぞれの連携外国専門職大学において国際連携教育課程に係る授業科目の履修により十単位以上を修得することとする。 5 前各項の規定により国際連携学科を設ける専門職大学及びそれぞれの連携外国専門職大学において国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得する単位数には、第二十三条、第二十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二十五条第一項、第二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第三項若しくは第四項又は前条の規定により修得したものとみなし、若しくは与えることができ、又はみなすものとする単位を含まないものとする。 ただし、第二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により修得したものとみなす単位について、国際連携教育課程を編成し、及び実施するために特に必要と認められる場合は、この限りでない。 (国際連携学科に係る基幹教員数) 第六十七条 国際連携学科を置く学部に係る基幹教員の数は、第三十四条に定める学部の種類及び規模に応じ定める基幹教員の数に、一を加えた数以上とする。 2 別表第一の規定にかかわらず、特定国際連携学科(その収容定員が当該学科を置く学部の収容定員の内数として定められ、かつ、当該学科において授与される学位の種類及び分野と当該学部に置かれる他の学科において授与される学位の種類及び分野とが同一である国際連携学科をいう。次条第二項において同じ。)の基幹教員は、教育研究に支障がないと認められる場合には、当該学部に置かれる当該他の学科の基幹教員がこれを兼ねることができる。 (国際連携学科に係る施設及び設備) 第六十八条 国際連携学科を設ける専門職大学が外国において国際連携教育課程に係る教育研究を行う場合においては、教育研究に支障のないよう必要な施設及び設備を備えるものとする。 2 第四十三条から第四十五条まで及び第四十八条から第五十一条までの規定にかかわらず、特定国際連携学科に係る施設及び設備については、当該特定国際連携学科を置く学部の施設及び設備を利用することができるものとし、教育研究に支障がないと認められる場合には、当該特定国際連携学科に係る施設及び設備を備えることを要しない。 (国際連携学科を設ける二以上の専門職大学が国際連携学科において連携して教育研究を実施する場合の適用) 第六十九条 国際連携学科を設ける二以上の専門職大学は、国際連携学科において連携して教育研究を実施することができる。 この場合において、第六十三条第二項、第六十四条及び第六十六条の規定の適用については、第六十三条第二項及び第六十四条中「国際連携学科を設ける専門職大学」とあるのは「国際連携学科を設ける二以上の専門職大学」と、「、連携外国専門職大学」とあるのは「、それぞれの専門職大学及び連携外国専門職大学」と、「当該専門職大学」とあるのは「それぞれの専門職大学」と、第六十六条中「国際連携学科を設ける専門職大学」とあるのは「それぞれの国際連携学科を設ける専門職大学」とする。 (国際連携学科を設ける二以上の専門職大学が国際連携学科において連携して教育研究を実施する場合の国際連携教育課程の編成) 第七十条 前条の場合(以下この章において「共同国際連携教育課程の場合」という。)にあっては、当該二以上の専門職大学は、第九条第一項の規定にかかわらず、当該二以上の専門職大学のうち一の専門職大学が開設する授業科目を、当該二以上の専門職大学のうち他の専門職大学の国際連携教育課程の一部とみなして、それぞれの専門職大学ごとに同一内容の国際連携教育課程を編成するものとする。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携教育課程に係る単位の認定) 第七十一条 共同国際連携教育課程の場合にあっては、当該二以上の専門職大学は、学生が当該二以上の専門職大学のうち一の専門職大学において履修した国際連携教育課程に係る授業科目について修得した単位を、当該二以上の専門職大学のうち他の専門職大学における当該国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得したものとそれぞれみなすものとする。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科に係る基幹教員数) 第七十二条 第六十七条第一項の規定にかかわらず、共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科を置くそれぞれの学部に係る基幹教員の数は、当該学部における当該国際連携学科以外の学科を一の学部とみなして第三十四条の規定を適用して得られる学部の種類及び規模に応じて定める基幹教員の数と、次項から第四項までの規定により得られる当該国際連携学科に係る基幹教員の数を合計した数に、一を加えた数以上とする。 2 共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る基幹教員の数は、それぞれの専門職大学に置く当該国際連携学科を合わせて一の学部とみなして、その種類及び規模に応じ別表第一イの表の中欄を適用して得られる基幹教員の数(次項において「全体基幹教員数」という。)をこれらの国際連携学科に係る収容定員の割合に応じて按分した数(その数に一に満たない端数があるときはこれを切り捨てる。以下この条において「専門職大学別基幹教員数」という。)以上とする。 3 前項に規定する当該国際連携学科に係る専門職大学別基幹教員数の合計が全体基幹教員数に満たないときは、その不足する数の基幹教員をいずれかの専門職大学の当該国際連携学科に置くものとする。 4 第二項の規定による当該国際連携学科に係る専門職大学別基幹教員数(前項の規定により当該国際連携学科に不足する数の基幹教員を置くときは、当該基幹教員の数を加えた数)が、当該国際連携学科の種類に応じ、別表第一イの表の下欄(保健衛生学関係(看護学関係)にあっては、中欄)に定める基幹教員の数の八割に相当する数(以下この項において「最小専門職大学別基幹教員数」という。)に満たないときは、前二項の規定にかかわらず、当該国際連携学科に係る基幹教員の数は、最小専門職大学別基幹教員数以上とする。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科に係る校地の面積) 第七十三条 第四十六条第一項の規定にかかわらず、共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る校地の面積については、それぞれの専門職大学に置く当該国際連携学科に係る校地の面積を合計した面積がこれらの国際連携学科に係る収容定員を合計した数に十平方メートルを乗じて得た面積を超え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職大学ごとに当該国際連携学科に係る収容定員上の学生一人当たり十平方メートルとして算定した面積を有することを要しない。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科に係る校舎の面積) 第七十四条 共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科を置くそれぞれの専門職大学における第四十七条の規定の適用については、同条中「共同学科」とあるのは、「共同学科又は共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科」とし、「第六十条第一項」とあるのは、「第六十条第一項又は第七十四条第二項」とする。 2 共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る校舎の面積については、それぞれの専門職大学に置く当該国際連携学科を合わせて一の学部とみなしてその種類に応じ別表第二イ又はロの表を適用して得られる面積(次項において「全体校舎面積」という。)をこれらの国際連携学科に係る収容定員の割合に応じて按分した面積(次項において「専門職大学別校舎面積」という。)以上とする。 3 第四十七条及び前二項の規定にかかわらず、共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る校舎の面積については、それぞれの専門職大学に置く当該国際連携学科に係る校舎の面積を合計した面積が全体校舎面積を超え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職大学ごとに専門職大学別校舎面積を有することを要しない。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科に係る施設及び設備) 第七十五条 前二条に定めるもののほか、第四十三条から第四十五条まで及び第四十八条から第五十一条までの規定にかかわらず、共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る施設及び設備については、それぞれの専門職大学に置く当該国際連携学科を合わせて一の学部又は学科とみなしてその種類、教員数及び学生数に応じて必要な施設及び設備を備え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職大学ごとに当該国際連携学科に係る施設及び設備を備えることを要しない。 第十一章 教育課程等に関する事項の改善に係る先導的な取組に関する特例 第七十六条 この省令に定める教育課程又は施設及び設備等に関する事項に関し、その改善に係る実証的な成果の創出に資する先導的な取組を行うため特に必要があると認められる場合であって、専門職大学が、当該先導的な取組を行うとともに、教育研究活動等の状況について自ら行う点検、評価及び見直しの体制の整備、教育研究活動等の状況の積極的な公表並びに学生の教育上適切な配慮を行う専門職大学であることの文部科学大臣の認定を受けたときには、文部科学大臣が別に定めるところにより、第九条第一項、第十五条、第二十四条、第二十五条第二項、第二十六条第四項若しくは第五項、第二十九条第二項若しくは第三項、第三十条第三項若しくは第四項、第四十六条、第四十七条、第五十七条第一項から第五項まで、第五十九条、第六十条、第六十四条第二項、第六十六条第一項から第四項まで、第七十三条又は第七十四条第二項若しくは第三項の規定(次項において「特例対象規定」という。)の全部又は一部によらないことができる。 2 教育課程等特例認定専門職大学(前項の規定により認定を受けた専門職大学をいう。)は、特例対象規定の全部又は一部によらない教育を行うための教育課程又は施設及び設備等に関する事項を学則等に定め、公表するものとする。 第十二章 雑則 (外国に設ける組織) 第七十七条 専門職大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、外国に学部、学科その他の組織を設けることができる。 (段階的整備) 第七十八条 新たに専門職大学等を設置する場合の教育研究実施組織、校舎等の施設及び設備については、別に定めるところにより、段階的に整備することができる。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 429M60000080034_20230731_505M60000080026.xml | 平成二十九年文部科学省令第三十四号 | 28 | 専門職短期大学設置基準
第一章 総則 (趣旨) 第一条 専門職短期大学は、学校教育法その他の法令の規定によるほか、この省令の定めるところにより設置するものとする。 2 この省令で定める設置基準は、専門職短期大学を設置するのに必要な最低の基準とする。 3 専門職短期大学は、この省令で定める設置基準より低下した状態にならないようにすることはもとより、学校教育法第百九条第一項の点検及び評価の結果並びに認証評価の結果を踏まえ、教育研究活動等について不断の見直しを行うことにより、その水準の向上を図ることに努めなければならない。 (教育研究上の目的) 第二条 専門職短期大学は、学科又は専攻課程ごとに、人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的を学則等に定めるものとする。 (入学者選抜) 第三条 入学者の選抜は、学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第百六十五条の二第一項第三号の規定により定める方針に基づき、公正かつ妥当な方法により、適切な体制を整えて行うものとする。 2 専門職短期大学は、実務の経験を有する者その他の入学者の多様性の確保に配慮した入学者選抜を行うよう努めるものとする。 第二章 学科 第四条 学科は、教育研究上の必要に応じ組織されるものであって、教育研究実施組織その他が学科として適当な規模内容をもつと認められるものとする。 2 学科には、教育上特に必要があるときは、専攻課程を置くことができる。 第三章 収容定員 第五条 収容定員は、学科ごとに学則で定めるものとする。 この場合において、学科に専攻課程を置くときは、専攻課程を単位として学科ごとに定めるものとする。 2 前項の場合において、第十七条の規定による昼夜開講制を実施するときは、これに係る収容定員を、第七十四条の規定により外国に学科その他の組織を設けるときは、これに係る収容定員を、それぞれ明示するものとする。 3 収容定員は、教育研究実施組織、校地、校舎その他の教育上の諸条件を総合的に考慮して定めるものとする。 4 専門職短期大学は、教育にふさわしい環境の確保のため、在学する学生の数を収容定員に基づき適正に管理するものとする。 第四章 教育課程 (教育課程の編成方針) 第六条 専門職短期大学は、学校教育法施行規則第百六十五条の二第一項第一号及び第二号の規定により定める方針に基づき、必要な授業科目を、産業界及び地域社会と連携しつつ、自ら開設し、体系的に教育課程を編成するものとする。 2 教育課程の編成に当たっては、専門職短期大学は、学科に係る専門の学芸を教授し、専門性が求められる職業を担うための実践的な能力及び当該職業の分野において創造的な役割を担うための応用的な能力を育成するとともに、豊かな人間性及び職業倫理を涵養するよう適切に配慮しなければならない。 3 専門職短期大学は、学科に係る職業を取り巻く状況を踏まえて必要な授業科目を開発し、当該職業の動向に即した教育課程の編成を行うとともに、当該状況の変化に対応し、授業科目の内容、教育課程の構成等について、不断の見直しを行うものとする。 4 前項の規定による授業科目の開発、教育課程の編成及びそれらの見直しは、次条に規定する教育課程連携協議会の意見を勘案するとともに、適切な体制を整えて行うものとする。 (教育課程連携協議会) 第七条 専門職短期大学は、産業界及び地域社会との連携により、教育課程を編成し、及び円滑かつ効果的に実施するため、教育課程連携協議会を設けるものとする。 2 教育課程連携協議会は、次に掲げる者をもって構成する。 一 学長が指名する教員その他の職員 二 当該専門職短期大学の課程に係る職業に就いている者又は当該職業に関連する事業を行う者による団体のうち、広範囲の地域で活動するものの関係者であって、当該職業の実務に関し豊富な経験を有するもの 三 地方公共団体の職員、地域の事業者による団体の関係者その他の地域の関係者 四 臨地実務実習(第二十六条第一項第三号に規定する臨地実務実習をいう。)その他の授業科目の開設又は授業の実施において当該専門職短期大学と協力する事業者 五 当該専門職短期大学の教員その他の職員以外の者であって学長が必要と認めるもの 3 教育課程連携協議会は、次に掲げる事項について審議し、学長に意見を述べるものとする。 一 産業界及び地域社会との連携による授業科目の開設その他の教育課程の編成に関する基本的な事項 二 産業界及び地域社会との連携による授業の実施その他の教育課程の実施に関する基本的な事項及びその実施状況の評価に関する事項 (連携開設科目) 第八条 専門職短期大学は、当該専門職短期大学及び学科の教育上の目的を達成するために必要があると認められる場合には、第六条第一項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する他の大学が当該専門職短期大学と連携して開設する授業科目(次項に規定する要件に適合するものに限る。以下この条及び第二十条において「連携開設科目」という。)を、当該専門職短期大学が自ら開設したものとみなすことができる。 一 当該専門職短期大学の設置者(その設置する他の大学と当該専門職短期大学との緊密な連携が確保されているものとして文部科学大臣が別に定める基準に適合しているものに限る。)が設置する他の大学 二 大学等連携推進法人(その社員のうちに大学の設置者が二以上ある一般社団法人のうち、その社員が設置する大学の間の連携の推進を目的とするものであって、当該大学の間の緊密な連携が確保されていることについて文部科学大臣の認定を受けたものをいう。次項第二号及び第五十四条第四項において同じ。)(当該専門職短期大学の設置者が社員であるものであり、かつ、連携開設科目に係る業務を行うものに限る。)の社員が設置する他の大学 2 前項の規定により当該専門職短期大学が自ら開設したものとみなすことができる連携開設科目は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める方針に沿って開設されなければならない。 一 前項第一号に該当する他の大学が開設するもの 同号に規定する基準の定めるところにより当該専門職短期大学の設置者が策定する連携開設科目の開設及び実施に係る方針 二 前項第二号に該当する他の大学が開設するもの 同号の大学等連携推進法人が策定する連携推進方針(その社員が設置する大学の間の教育研究活動等に関する連携を推進するための方針をいう。) 3 第一項の規定により連携開設科目を自ら開設したものとみなす専門職短期大学及び当該連携開設科目を開設する他の大学は、当該連携開設科目を開設し、及び実施するため、文部科学大臣が別に定める事項についての協議の場を設けるものとする。 (教育課程の編成方法) 第九条 教育課程は、各授業科目を必修科目及び選択科目に分け、これを各年次に配当して編成するものとする。 (専門職短期大学の授業科目) 第十条 専門職短期大学は、次の各号に掲げる授業科目を開設するものとする。 一 基礎科目(生涯にわたり自らの資質を向上させ、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を育成するための授業科目をいう。) 二 職業専門科目(専攻に係る特定の職業において必要とされる理論的かつ実践的な能力及び当該職業の分野全般にわたり必要な能力を育成するための授業科目をいう。) 三 展開科目(専攻に係る特定の職業の分野に関連する分野における応用的な能力であって、当該職業の分野において創造的な役割を果たすために必要なものを育成するための授業科目をいう。) 四 総合科目(修得した知識及び技能等を総合し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を総合的に向上させるための授業科目をいう。) (単位) 第十一条 各授業科目の単位数は、専門職短期大学において定めるものとする。 2 前項の単位数を定めるに当たっては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とし、第十五条第一項に規定する授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、おおむね十五時間から四十五時間までの範囲で専門職短期大学が定める時間の授業をもって一単位として単位数を計算するものとする。 ただし、芸術等の分野における個人指導による実技の授業については、専門職短期大学が定める時間の授業をもって一単位とすることができる。 3 前項の規定にかかわらず、卒業研究、卒業制作等の授業科目については、これらの学修の成果を評価して単位を授与することが適切と認められる場合には、これらに必要な学修等を考慮して、単位数を定めることができる。 (一年間の授業期間) 第十二条 一年間の授業を行う期間は、三十五週にわたることを原則とする。 (各授業科目の授業期間) 第十三条 各授業科目の授業は、十分な教育効果を上げることができるよう、八週、十週、十五週その他の専門職短期大学が定める適切な期間を単位として行うものとする。 (授業を行う学生数) 第十四条 専門職短期大学が一の授業科目について同時に授業を行う学生数は、四十人以下とする。 ただし、授業の方法及び施設、設備その他の教育上の諸条件を考慮して、十分な教育効果を上げることができると認められる場合は、この限りでない。 (授業の方法) 第十五条 授業は、講義、演習、実験、実習若しくは実技のいずれかにより又はこれらの併用により行うものとする。 2 専門職短期大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、前項の授業を、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させることができる。 3 専門職短期大学は、第一項の授業を、外国において履修させることができる。 前項の規定により、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させる場合についても、同様とする。 4 専門職短期大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、第一項の授業の一部を、校舎及び附属施設以外の場所で行うことができる。 (成績評価基準等の明示等) 第十六条 専門職短期大学は、学生に対して、授業の方法及び内容並びに一年間の授業の計画をあらかじめ明示するものとする。 2 専門職短期大学は、学修の成果に係る評価及び卒業の認定に当たっては、客観性及び厳格性を確保するため、学生に対してその基準をあらかじめ明示するとともに、当該基準にしたがって適切に行うものとする。 (昼夜開講制) 第十七条 専門職短期大学は、教育上必要と認められる場合には、昼夜開講制(同一学科において昼間及び夜間の双方の時間帯において授業を行うことをいう。)により授業を行うことができる。 第五章 卒業の要件等 (単位の授与) 第十八条 専門職短期大学は、一の授業科目を履修した学生に対し、試験その他の専門職短期大学が定める適切な方法により学修の成果を評価して単位を与えるものとする。 (履修科目の登録の上限) 第十九条 専門職短期大学は、学生が各年次にわたって適切に授業科目を履修するため、卒業の要件として学生が修得すべき単位数について、学生が一年間又は一学期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるよう努めなければならない。 2 専門職短期大学は、その定めるところにより、所定の単位を優れた成績をもって修得した学生については、前項に定める上限を超えて履修科目の登録を認めることができる。 (連携開設科目に係る単位の認定) 第二十条 専門職短期大学は、学生が他の大学において履修した連携開設科目について修得した単位を、当該専門職短期大学における授業科目の履修により修得したものとみなすものとする。 (他の大学における授業科目の履修等) 第二十一条 専門職短期大学は、教育上有益と認めるときは、学生が専門職短期大学の定めるところにより他の大学において履修した授業科目について修得した単位を、修業年限が二年の専門職短期大学にあっては三十単位、修業年限が三年の専門職短期大学にあっては四十六単位(第二十七条の規定により卒業の要件として六十二単位以上を修得することとする専門職短期大学(以下「第二十七条の専門職短期大学」という。)にあっては、三十単位)を超えない範囲で当該専門職短期大学における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる。 2 前項の規定は、学生が、外国の大学に留学する場合、外国の大学が行う通信教育における授業科目を我が国において履修する場合及び外国の大学の教育課程を有するものとして当該外国の学校教育制度において位置付けられた教育施設であって、文部科学大臣が別に指定するものの当該教育課程における授業科目を我が国において履修する場合について準用する。 (大学以外の教育施設等における学修) 第二十二条 専門職短期大学は、教育上有益と認めるときは、学生が行う短期大学又は高等専門学校の専攻科における学修その他文部科学大臣が別に定める学修を、当該専門職短期大学における授業科目の履修とみなし、専門職短期大学の定めるところにより単位を与えることができる。 2 前項により与えることができる単位数は、修業年限が二年の専門職短期大学にあっては前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)により当該専門職短期大学において修得したものとみなす単位数と合わせて三十単位、修業年限が三年の専門職短期大学にあっては前条第一項により当該専門職短期大学において修得したものとみなす単位数と合わせて四十六単位(第二十七条の専門職短期大学にあっては、三十単位)を超えないものとする。 (入学前の既修得単位等の認定) 第二十三条 専門職短期大学は、教育上有益と認めるときは、学生が当該専門職短期大学に入学する前に大学において履修した授業科目について修得した単位(第二十五条第一項及び第二項の規定により修得した単位を含む。)を、当該専門職短期大学に入学した後の当該専門職短期大学における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる。 2 前項の規定は、第二十一条第二項の場合について準用する。 3 専門職短期大学は、教育上有益と認めるときは、学生が当該専門職短期大学に入学する前に行った前条第一項に規定する学修を、当該専門職短期大学における授業科目の履修とみなし、専門職短期大学の定めるところにより単位を与えることができる。 4 専門職短期大学は、学生が当該専門職短期大学に入学する前に専門性が求められる職業に係る実務の経験を通じ、当該職業を担うための実践的な能力(当該専門職短期大学において修得させることとしているものに限る。)を修得している場合において、教育上有益と認めるときは、文部科学大臣が別に定めるところにより、当該実践的な能力の修得を、当該専門職短期大学における授業科目の履修とみなし、修業年限が二年の専門職短期大学にあっては十五単位を、修業年限が三年の専門職短期大学にあっては二十三単位(第二十七条の専門職短期大学にあっては、十五単位)を超えない範囲で専門職短期大学の定めるところにより、単位を与えることができる。 5 前四項の規定により修得したものとみなし、又は与えることのできる単位数は、転学等の場合を除き、当該専門職短期大学において修得した単位(第二十条の規定により修得したものとみなすものとする単位を含む。)以外のものについては、第二十一条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び前条第一項により当該専門職短期大学において修得したものとみなす単位数と合わせて、修業年限が二年の専門職短期大学にあっては三十単位を、修業年限が三年の専門職短期大学にあっては四十六単位(第二十七条の専門職短期大学にあっては、三十単位)を超えないものとする。 この場合において、第二十一条第二項において準用する同条第一項により当該専門職短期大学において修得したものとみなす単位数と合わせるときは、修業年限が二年の専門職短期大学にあっては四十五単位を、修業年限が三年の専門職短期大学にあっては五十三単位(第二十七条の専門職短期大学にあっては、四十五単位)を超えないものとする。 (長期にわたる教育課程の履修) 第二十四条 専門職短期大学は、専門職短期大学の定めるところにより、学生が、職業を有している等の事情により、修業年限を超えて一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修し卒業することを希望する旨を申し出たときは、その計画的な履修を認めることができる。 (科目等履修生等) 第二十五条 専門職短期大学は、専門職短期大学の定めるところにより、当該専門職短期大学の学生以外の者で一又は複数の授業科目を履修する者(以下この条において「科目等履修生」という。)に対し、単位を与えることができる。 2 専門職短期大学は、専門職短期大学の定めるところにより、当該専門職短期大学の学生以外の者で学校教育法第百五条に規定する特別の課程を履修する者(以下この条において「特別の課程履修生」という。)に対し、単位を与えることができる。 3 科目等履修生及び特別の課程履修生に対する単位の授与については、第十八条の規定を準用する。 4 専門職短期大学は、科目等履修生、特別の課程履修生その他の学生以外の者(次項において「科目等履修生等」という。)を相当数受け入れる場合においては、第三十一条、第四十四条及び第四十五条に規定する基準を考慮して、教育に支障のないよう、それぞれ相当の基幹教員並びに校地及び校舎の面積を増加するものとする。 5 専門職短期大学は、科目等履修生等を受け入れる場合においては、一の授業科目について同時に授業を行うこれらの者の人数は、授業の方法及び施設、設備その他の教育上の諸条件を考慮して、教育効果を十分に上げられるような適当な人数とするものとする。 (卒業の要件) 第二十六条 修業年限が二年の専門職短期大学の卒業の要件は、次の各号のいずれにも該当することのほか、当該専門職短期大学が定めることとする。 一 六十二単位以上(基礎科目及び展開科目に係るそれぞれ十単位以上、職業専門科目に係る三十単位以上並びに総合科目に係る二単位以上を含む。)を修得すること。 二 実験、実習又は実技による授業科目(やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認める場合には、演習、実験、実習又は実技による授業科目)に係る二十単位以上を修得すること。 三 前号の授業科目に係る単位に臨地実務実習(企業その他の事業者の事業所又はこれに類する場所において、当該事業者の実務に従事することにより行う実習による授業科目であって、文部科学大臣が別に定めるところにより開設されるものをいう。以下同じ。)に係る十単位が含まれること。 ただし、やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認められる場合には、二単位を超えない範囲で、連携実務演習等(企業その他の事業者と連携して開設する演習、実験、実習又は実技による授業科目のうち、当該事業者の実務に係る課題に取り組むもの(臨地実務実習を除く。)であって、文部科学大臣が別に定めるところにより開設されるものをいう。以下同じ。)をもってこれに代えることができること。 2 修業年限が三年の専門職短期大学の卒業の要件は、次の各号のいずれにも該当することのほか、当該専門職短期大学が定めることとする。 一 九十三単位以上(基礎科目及び展開科目に係るそれぞれ十五単位以上、職業専門科目に係る四十五単位以上並びに総合科目に係る二単位以上を含む。)を修得すること。 二 実験、実習又は実技による授業科目(やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認める場合には、演習、実験、実習又は実技による授業科目)に係る三十単位以上を修得すること。 三 前号の授業科目に係る単位に臨地実務実習に係る十五単位が含まれること。 ただし、やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認められる場合には、三単位を超えない範囲で、連携実務演習等をもってこれに代えることができること。 3 前二項の規定により卒業の要件として修得すべき単位数のうち、第十五条第二項の授業の方法により修得する単位数は、修業年限が二年の専門職短期大学にあっては三十単位、修業年限が三年の専門職短期大学にあっては四十六単位(第二十七条の専門職短期大学にあっては、三十単位)を超えないものとする。 4 第一項又は第二項の規定により卒業の要件として修得すべき単位数のうち、第二十条の規定により修得したものとみなすものとする単位数は、修業年限が二年の専門職短期大学にあっては十五単位、修業年限が三年の専門職短期大学にあっては二十三単位(次条の専門職短期大学にあっては、十五単位)を超えないものとする。 (夜間学科等についての卒業の要件の特例) 第二十七条 夜間において授業を行う学科その他授業を行う時間について教育上特別の配慮を必要とする学科(以下「夜間学科等」という。)に係る修業年限が三年の専門職短期大学の卒業の要件は、前条第二項の規定にかかわらず、前条第一項各号に掲げる要件のいずれにも該当することのほか、当該専門職短期大学が定めることとする。 第六章 教育研究実施組織等 (教育研究実施組織等) 第二十八条 専門職短期大学は、その教育研究上の目的を達成するため、学科の規模及び授与する学位の分野に応じ、必要な教員及び事務職員等からなる教育研究実施組織を編制するものとする。 2 専門職短期大学は、教育研究実施組織を編制するに当たっては、当該専門職短期大学の教育研究活動等の運営が組織的かつ効果的に行われるよう、教員及び事務職員等相互の適切な役割分担の下での協働や組織的な連携体制を確保しつつ、教育研究に係る責任の所在を明確にするものとする。 3 専門職短期大学は、学生に対し、課外活動、修学、進路選択及び心身の健康に関する指導及び援助等の厚生補導を組織的に行うため、専属の教員又は事務職員等を置く組織を編制するものとする。 4 専門職短期大学は、教育研究実施組織及び前項の組織の円滑かつ効果的な業務の遂行のための支援、専門職短期大学運営に係る企画立案、当該専門職短期大学以外の者との連携、人事、総務、財務、広報、情報システム並びに施設及び設備の整備その他の専門職短期大学運営に必要な業務を行うため、専属の教員又は事務職員等を置く組織を編制するものとする。 5 専門職短期大学は、当該専門職短期大学及び学科又は専攻課程の教育上の目的に応じ、学生が卒業後自らの資質を向上させ、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を、教育課程の実施及び厚生補導を通じて培うことができるよう、専門職短期大学内の組織間の有機的な連携を図り、適切な体制を整えるものとする。 6 専門職短期大学は、教育研究水準の維持向上及び教育研究の活性化を図るため、教員の構成が特定の範囲の年齢に著しく偏ることのないよう配慮するものとする。 7 専門職短期大学は、二以上の校地において教育を行う場合においては、それぞれの校地ごとに必要な教員及び事務職員等を置くものとする。 なお、それぞれの校地には、当該校地における教育に支障のないよう、原則として基幹教員を少なくとも一人以上置くものとする。 ただし、その校地が隣接している場合は、この限りでない。 (授業科目の担当) 第二十九条 専門職短期大学は、各教育課程上主要と認める授業科目(以下「主要授業科目」という。)については原則として基幹教員(教育課程の編成その他の学科の運営について責任を担う教員(助手を除く。)であって、当該学科の教育課程に係る主要授業科目を担当するもの(専ら当該専門職短期大学の教育研究に従事するものに限る。)又は一年につき八単位以上の当該学科の教育課程に係る授業科目を担当するものをいう。以下同じ。)に、主要授業科目以外の授業科目についてはなるべく基幹教員に担当させるものとする。 2 専門職短期大学は、演習、実験、実習又は実技を伴う授業科目については、なるべく助手に補助させるものとする。 3 専門職短期大学は、各授業科目について、当該授業科目を担当する教員以外の教員、学生その他の専門職短期大学が定める者(以下「指導補助者」という。)に補助させることができ、また、十分な教育効果を上げることができると認められる場合は、当該授業科目を担当する教員の指導計画に基づき、指導補助者に授業の一部を分担させることができる。 (授業を担当しない教員) 第三十条 専門職短期大学には、教育研究上必要があるときは、授業を担当しない教員を置くことができる。 (基幹教員数) 第三十一条 専門職短期大学における基幹教員の数は、別表第一イの表により当該専門職短期大学に置く学科の種類及び規模に応じ定める基幹教員の数(第五十四条第一項に規定する共同学科(以下この条及び第四十五条において単に「共同学科」という。)が属する分野にあっては、共同学科以外の学科について同表を適用して得られる基幹教員の数と第五十五条の規定により得られる当該共同学科に係る基幹教員の数を合計した数)と別表第一ロの表により専門職短期大学全体の入学定員に応じ定める基幹教員の数を合計した数(次条において「必要基幹教員数」という。)以上とする。 (実務の経験等を有する基幹教員) 第三十二条 必要基幹教員数のおおむね四割以上は、専攻分野におけるおおむね五年以上の実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する者(次項において「実務の経験等を有する基幹教員」という。)とする。 2 実務の経験等を有する基幹教員のうち、前項に規定するおおむね四割の基幹教員の数に二分の一を乗じて算出される数(小数点以下の端数があるときは、これを四捨五入する。)以上は、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 大学又は高等専門学校において教授、准教授、基幹教員としての講師又は助教の経歴(外国におけるこれらに相当する教員としての経歴を含む。)のある者 二 博士の学位、修士の学位又は学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者 三 企業等に在職し、実務に係る研究上の業績を有する者 3 第一項に規定するおおむね四割の基幹教員の数に二分の一を乗じて算出される数(小数点以下の端数があるときは、これを四捨五入する。)の範囲内については、基幹教員以外の者であっても、一年につき六単位以上の授業科目を担当し、かつ、教育課程の編成その他の学科の運営について責任を担う者で足りるものとする。 ただし、当該者の数は、別表第一イ備考第二号ただし書の規定により複数の学科について算入する基幹教員の数並びに同表備考第五号及び別表第一ロ備考第三号の規定により算入する教員の数と合わせて、必要基幹教員数の四分の一を超えないものとする。 (組織的な研修等) 第三十三条 専門職短期大学は、当該専門職短期大学の教育研究活動等の適切かつ効果的な運営を図るため、その教員及び事務職員等に必要な知識及び技能を習得させ、並びにその能力及び資質を向上させるための研修(次項に規定する研修に該当するものを除く。)の機会を設けることその他必要な取組を行うものとする。 2 専門職短期大学は、学生に対する教育の充実を図るため、当該専門職短期大学の授業の内容及び方法を改善するための組織的な研修及び研究を行うものとする。 3 専門職短期大学は、指導補助者(教員を除く。)に対し、必要な研修を行うものとする。 第七章 教員の資格 (学長の資格) 第三十四条 学長となることのできる者は、人格が高潔で、学識が優れ、かつ、大学運営に関し識見を有すると認められる者とする。 (教授の資格) 第三十五条 教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、専門職短期大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。 一 博士の学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を有し、研究上の業績を有する者 二 研究上の業績が前号の者に準ずると認められる者 三 学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を有し、当該専門職学位の専攻分野に関する実務上の業績を有する者 四 芸術上の優れた業績を有すると認められる者及び実際的な技術の修得を主とする分野にあっては実際的な技術に秀でていると認められる者 五 大学又は高等専門学校において教授、准教授又は基幹教員としての講師の経歴(外国におけるこれらに相当する教員としての経歴を含む。)のある者 六 研究所、試験所、病院等に在職し、研究上の業績を有する者 七 特定の分野について、特に優れた知識及び経験を有すると認められる者 (准教授の資格) 第三十六条 准教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、専門職短期大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。 一 前条各号のいずれかに該当する者 二 大学又は高等専門学校において助教又はこれに準ずる職員としての経歴(外国におけるこれらに相当する職員としての経歴を含む。)のある者 三 修士の学位又は学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者 四 特定の分野について、優れた知識及び経験を有すると認められる者 (講師の資格) 第三十七条 講師となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 第三十五条又は前条に規定する教授又は准教授となることのできる者 二 特定の分野について、専門職短期大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者 (助教の資格) 第三十八条 助教となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、専門職短期大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。 一 第三十五条各号又は第三十六条各号のいずれかに該当する者 二 修士の学位(医学を履修する課程、歯学を履修する課程、薬学を履修する課程のうち臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とするもの又は獣医学を履修する課程を修了した者については、学士の学位)又は学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者 三 特定の分野について、知識及び経験を有すると認められる者 (助手の資格) 第三十九条 助手となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 学士の学位又は学位規則第二条の二の表に規定する専門職大学を卒業した者に授与する学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者 二 前号の者に準ずる能力を有すると認められる者 第八章 校地、校舎等の施設及び設備等 (校地) 第四十条 校地は、学生間の交流及び学生と教員等との間の交流が十分に行えるなどの教育にふさわしい環境をもち、校舎の敷地には、学生が交流、休息その他に利用するのに適当な空地を有するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、専門職短期大学は、法令の規定による制限その他のやむを得ない事由により所要の土地の取得を行うことが困難であるため前項に規定する空地を校舎の敷地に有することができないと認められる場合において、学生が交流、休息その他に利用するため、適当な空地を有することにより得られる効用と同等以上の効用が得られる措置を当該専門職短期大学が講じている場合に限り、空地を校舎の敷地に有しないことができる。 3 前項の措置は、次の各号に掲げる要件を満たす施設を校舎に備えることにより行うものとする。 一 できる限り開放的であって、多くの学生が余裕をもって交流、休息その他に利用できるものであること。 二 交流、休息その他に必要な設備が備えられていること。 (運動場等) 第四十一条 専門職短期大学は、学生に対する教育又は厚生補導を行う上で必要に応じ、運動場、体育館その他のスポーツ施設、講堂及び寄宿舎、課外活動施設その他の厚生補導施設を設けるものとする。 (校舎) 第四十二条 校舎には、専門職短期大学の組織及び規模に応じ、教育研究に支障のないよう、教室、研究室、図書館、医務室、事務室その他必要な施設を備えた校舎を有するものとする。 2 教室は、学科の種類及び学生数に応じ、講義、演習、実験、実習又は実技を行うのに必要な種類と数を備えるものとする。 3 研究室は、基幹教員及び専ら当該専門職短期大学の教育研究に従事する教員に対しては必ず備えるものとする。 4 夜間学科等を置く専門職短期大学又は昼夜開講制を実施する専門職短期大学にあっては、教室、研究室、図書館その他の施設の利用について、教育研究に支障のないようにするものとする。 (教育研究上必要な資料及び図書館) 第四十三条 専門職短期大学は、教育研究を促進するため、学科の種類、規模等に応じ、図書、学術雑誌、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)により提供される学術情報その他の教育研究上必要な資料(次項において「教育研究上必要な資料」という。)を、図書館を中心に系統的に整備し、学生、教員及び事務職員等へ提供するものとする。 2 図書館は、教育研究上必要な資料の収集、整理を行うほか、その提供に当たって必要な情報の処理及び提供のシステムの整備その他の教育研究上必要な資料の利用を促進するために必要な環境の整備に努めるとともに、教育研究上必要な資料の提供に関し、他の専門職短期大学の図書館等との協力に努めるものとする。 3 図書館には、その機能を十分に発揮させるために必要な専門的職員その他の専属の教員又は事務職員等を置くものとする。 (校地の面積) 第四十四条 専門職短期大学における校地の面積(附属施設用地及び寄宿舎の面積を除く。)は、収容定員上の学生一人当たり十平方メートルとして算定した面積とする。 2 前項の規定にかかわらず、専門職短期大学は、その場所に立地することが教育上特に必要であり、かつ、やむを得ない事由により所要の土地を取得することが困難であるため前項に規定する面積を確保することができないと認められる場合において、教育に支障のない限度において、当該面積を減ずることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、同じ種類の昼間学科(昼間において授業を行う学科をいう。以下同じ。)及び夜間学科が近接した施設等を使用し、又は施設等を共用する場合の校地の面積は、当該昼間学科及び夜間学科における教育研究に支障のない面積とする。 4 昼夜開講制を実施する場合においては、これに係る収容定員、履修方法、施設の使用状況等を考慮して、教育に支障のない限度において、第一項に規定する面積を減ずることができる。 (校舎の面積) 第四十五条 校舎の面積は、一の分野についてのみ学科を置く専門職短期大学にあっては、別表第二イの表に定める面積(共同学科を置く場合にあっては、共同学科以外の学科について同表を適用して得られる面積に第五十七条第一項の規定により得られる当該共同学科に係る面積を加えた面積)以上とし、二以上の分野についてそれぞれ学科を置く専門職短期大学にあっては、当該二以上の分野(当該分野に共同学科のみが属するものを除く。)のうち同表の同一分野に属する学科の収容定員の五十人までの欄の基準校舎面積が最大である分野についての同表に定める面積(共同学科が属する分野については、共同学科以外の学科について同表を適用して得られる面積)に当該分野以外の分野についてのそれぞれ別表第二ロの表に定める面積(共同学科が属する分野については、共同学科以外の学科について同表を適用して得られる面積)を合計した面積を加えた面積(共同学科を置く場合にあっては、第五十七条第一項の規定により得られる当該学科に係る面積を加えた面積)以上とする。 (附属施設) 第四十六条 専門職短期大学には、学科の種類に応じ、教育研究上必要な場合は、適当な規模内容を備えた附属施設を置くものとする。 (実務実習に必要な施設) 第四十七条 専門職短期大学は、実験・実習室及び附属施設のほか、臨地実務実習その他の実習に必要な施設を確保するものとする。 (機械、器具等) 第四十八条 専門職短期大学には、学科の種類、学生数及び教員数に応じて必要な種類及び数の機械、器具及び標本を備えるものとする。 (二以上の校地において教育研究を行う場合における施設及び設備) 第四十九条 専門職短期大学は、二以上の校地において教育研究を行う場合においては、それぞれの校地ごとに教育研究に支障のないよう必要な施設及び設備を備えるものとする。 ただし、その校地が隣接している場合は、この限りでない。 (教育研究環境の整備) 第五十条 専門職短期大学は、その教育研究上の目的を達成するため、必要な経費の確保等により、教育研究にふさわしい環境の整備に努めるものとする。 (専門職短期大学等の名称) 第五十一条 専門職短期大学は、その名称中に専門職短期大学という文字を用いなければならない。 2 専門職短期大学及び学科(以下「専門職短期大学等」という。)の名称は、専門職短期大学等として適当であるとともに、当該専門職短期大学等の教育研究上の目的にふさわしいものとする。 第九章 共同教育課程に関する特例 (共同教育課程の編成) 第五十二条 二以上の専門職短期大学は、その専門職短期大学等の教育上の目的を達成するために必要があると認められる場合には、第六条第一項の規定にかかわらず、当該二以上の専門職短期大学のうち一の専門職短期大学が開設する授業科目を、当該二以上の専門職短期大学のうち他の専門職短期大学の教育課程の一部とみなして、それぞれの専門職短期大学ごとに同一内容の教育課程(専門職短期大学が外国に設ける学科その他の組織において開設される授業科目の履修により修得する単位を当該学科に係る卒業の要件として修得すべき単位の全部又は一部として修得するものを除く。以下「共同教育課程」という。)を編成することができる。 ただし、共同教育課程を編成する専門職短期大学(以下「構成専門職短期大学」という。)は、それぞれ当該共同教育課程に係る主要授業科目の一部を必修科目として自ら開設するものとする。 2 専門職短期大学は、共同教育課程のみを編成することはできない。 3 構成専門職短期大学は、当該共同教育課程を編成し、及び実施するための協議の場を設けるものとする。 (共同教育課程に係る単位の認定) 第五十三条 構成専門職短期大学は、学生が当該構成専門職短期大学のうち一の専門職短期大学において履修した共同教育課程に係る授業科目について修得した単位を、当該構成専門職短期大学のうち他の専門職短期大学における当該共同教育課程に係る授業科目の履修により修得したものとそれぞれみなすものとする。 (共同学科に係る卒業の要件) 第五十四条 修業年限が二年の専門職短期大学の共同教育課程を編成する学科(以下「共同学科」という。)に係る卒業の要件は、第二十六条第一項に定めるもののほか、それぞれの専門職短期大学において当該共同教育課程に係る授業科目の履修により十単位以上を修得することとする。 2 修業年限が三年の専門職短期大学の共同学科に係る卒業の要件は、第二十六条第二項に定めるもののほか、それぞれの専門職短期大学において当該共同教育課程に係る授業科目の履修により二十単位以上を修得することとする。 3 前項の規定にかかわらず、夜間学科等に係る修業年限が三年の専門職短期大学の共同学科に係る卒業の要件は、第二十七条に規定するもののほか、それぞれの専門職短期大学において当該共同教育課程に係る授業科目の履修により十単位以上を修得することとする。 4 全ての構成専門職短期大学の設置者が同一であり、かつ、第八条第一項第一号に規定する基準に適合している場合又は全ての構成専門職短期大学の設置者が同一の大学等連携推進法人(共同教育課程に係る業務を行うものに限る。)の社員である場合における前三項の規定の適用については、これらの項中「十単位」とあるのは「七単位」、「二十単位」とあるのは「十五単位」とする。 5 前四項の規定によりそれぞれの専門職短期大学において当該共同教育課程に係る授業科目の履修により修得する単位数には、第二十条、第二十一条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二十二条第一項、第二十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第三項若しくは第四項又は前条の規定により修得したものとみなし、若しくは与えることができ、又はみなすものとする単位を含まないものとする。 (共同学科に係る基幹教員数) 第五十五条 共同学科に係る基幹教員の数は、それぞれの専門職短期大学に置く当該共同教育課程を編成する学科を合わせて一の学科とみなして、その種類及び規模に応じ別表第一イの表を適用して得られる基幹教員の数(次項において「全体基幹教員数」という。)をこれらの学科に係る入学定員の割合に応じて按分した数(その数に一に満たない端数があるときはこれを切り捨てる。以下この条において「専門職短期大学別基幹教員数」という。)以上とする。 2 前項に規定する当該共同教育課程を編成する学科に係る専門職短期大学別基幹教員数の合計が全体基幹教員数に満たないときは、その不足する数の基幹教員をいずれかの専門職短期大学の当該共同教育課程を編成する学科に置くものとする。 3 第一項の規定による当該共同教育課程を編成する学科に係る専門職短期大学別基幹教員数(前項の規定により当該学科に不足する数の基幹教員を置くときは、当該基幹教員の数を加えた数)が、当該学科の種類に応じ、別表第一イの表の第四欄(保健衛生学関係(看護学関係)にあっては、第三欄)に定める基幹教員数(以下この項において「最小専門職短期大学別基幹教員数」という。)に満たないときは、前二項の規定にかかわらず、当該学科に係る基幹教員の数は、最小専門職短期大学別基幹教員数以上とする。 (共同学科に係る校地の面積) 第五十六条 第四十四条第一項の規定にかかわらず、共同学科に係る校地の面積については、それぞれの専門職短期大学に置く当該共同教育課程を編成する学科に係る校地の面積を合計した面積がこれらの学科に係る収容定員を合計した数に十平方メートルを乗じて得た面積を超え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職短期大学ごとに当該学科に係る収容定員上の学生一人当たり十平方メートルとして算定した面積を有することを要しない。 (共同学科に係る校舎の面積) 第五十七条 共同学科に係る校舎の面積は、それぞれの専門職短期大学に置く当該共同教育課程を編成する学科を合わせて一の学科とみなしてその種類に応じ別表第二イの表を適用して得られる面積(次項において「全体校舎面積」という。)をこれらの学科に係る収容定員の割合に応じて按分した面積(次項において「専門職短期大学別校舎面積」という。)以上とする。 2 第四十五条及び前項の規定にかかわらず、共同学科に係る校舎の面積については、それぞれの専門職短期大学に置く当該共同教育課程を編成する学科に係る校舎の面積を合計した面積が全体校舎面積を超え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職短期大学ごとに専門職短期大学別校舎面積を有することを要しない。 (共同学科に係る施設及び設備) 第五十八条 前二条に定めるもののほか、第四十条から第四十三条まで及び第四十六条から第四十八条までの規定にかかわらず、共同学科に係る施設及び設備については、それぞれの専門職短期大学に置く当該共同教育課程を編成する学科を合わせて一の学科とみなしてその種類、教員数及び学生数に応じて必要な施設及び設備を備え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職短期大学ごとに当該学科に係る施設及び設備を備えることを要しない。 第十章 国際連携学科に関する特例 (国際連携学科の設置) 第五十九条 専門職短期大学は、その教育上の目的を達成するために必要があると認められる場合には、専門職短期大学に、文部科学大臣が別に定めるところにより、外国の専門職短期大学に相当する短期大学と連携して教育研究を実施するための学科(以下「国際連携学科」という。)を設けることができる。 2 専門職短期大学は、国際連携学科のみを設けることはできない。 3 国際連携学科を設ける専門職短期大学は、外国における災害その他の事由により外国の専門職短期大学に相当する短期大学と連携した教育研究を継続することが困難となる事態に備え、計画の策定その他国際連携学科の学生の学修の継続に必要な措置を講ずるものとする。 (国際連携教育課程の編成) 第六十条 国際連携学科を設ける専門職短期大学は、第六条第一項の規定にかかわらず、国際連携学科において連携して教育研究を実施する一以上の外国の専門職短期大学に相当する短期大学(以下「連携外国専門職短期大学」という。)が開設する授業科目を教育課程の一部とみなして、当該連携外国専門職短期大学と連携した教育課程(以下「国際連携教育課程」という。)を編成するものとする。 ただし、国際連携学科を設ける専門職短期大学は、国際連携教育課程に係る主要授業科目の一部を必修科目として自ら開設するものとする。 2 国際連携学科を設ける専門職短期大学は、国際連携教育課程を編成し、及び実施するため、連携外国専門職短期大学と文部科学大臣が別に定める事項についての協議の場を設けるものとする。 (共同開設科目) 第六十一条 国際連携学科を設ける専門職短期大学は、第六条第一項の規定にかかわらず、連携外国専門職短期大学と共同して授業科目を開設することができる。 2 国際連携学科を設ける専門職短期大学が前項の授業科目(以下この項において「共同開設科目」という。)を開設した場合、当該専門職短期大学の国際連携学科の学生が当該共同開設科目の履修により修得した単位は、修業年限が二年の専門職短期大学にあっては十五単位、修業年限が三年の専門職短期大学にあっては二十三単位(第二十七条の専門職短期大学にあっては十五単位)を超えない範囲で、当該専門職短期大学又は連携外国専門職短期大学のいずれかにおいて修得した単位とすることができる。 ただし、当該専門職短期大学及び連携外国専門職短期大学において修得した単位数が、第六十三条第一項から第三項までの規定により当該専門職短期大学及びそれぞれの連携外国専門職短期大学において修得することとされている単位数に満たない場合は、共同開設科目の履修により修得した単位を当該専門職短期大学及び連携外国専門職短期大学において修得した単位とすることはできない。 (国際連携教育課程に係る単位の認定) 第六十二条 国際連携学科を設ける専門職短期大学は、学生が連携外国専門職短期大学において履修した国際連携教育課程に係る授業科目について修得した単位を、当該国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得したものとみなすものとする。 (国際連携学科に係る卒業の要件) 第六十三条 修業年限が二年の専門職短期大学の国際連携学科に係る卒業の要件は、第二十六条第一項に定めるもののほか、国際連携学科を設ける専門職短期大学及びそれぞれの連携外国専門職短期大学において国際連携教育課程に係る授業科目の履修により十単位以上を修得することとする。 2 修業年限が三年の専門職短期大学の国際連携学科に係る卒業の要件は、第二十六条第二項に定めるもののほか、国際連携学科を設ける専門職短期大学及びそれぞれの連携外国専門職短期大学において国際連携教育課程に係る授業科目の履修により二十単位以上を修得することとする。 3 前項の規定にかかわらず、夜間学科等に係る修業年限が三年の専門職短期大学の国際連携学科に係る卒業の要件は、第二十七条に定めるもののほか、国際連携学科を設ける専門職短期大学及びそれぞれの連携外国専門職短期大学において国際連携教育課程に係る授業科目の履修により十単位以上を修得することとする。 4 前三項の規定により国際連携学科を設ける専門職短期大学及びそれぞれの連携外国専門職短期大学において国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得する単位数には、第二十条、第二十一条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二十二条第一項、第二十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第三項若しくは第四項又は前条の規定により修得したものとみなし、若しくは与えることができ、又はみなすものとする単位を含まないものとする。 (国際連携学科に係る基幹教員数) 第六十四条 国際連携学科に係る基幹教員の数は、第三十一条に定める学科の種類及び規模に応じ定める基幹教員の数に、一を加えた数以上とする。 2 別表第一の規定にかかわらず、特定国際連携学科(その収容定員が当該学科を設ける専門職短期大学の収容定員の内数として定められ、かつ、当該学科において授与される学位の種類及び分野と当該専門職短期大学に置かれる他の学科において授与される学位の種類及び分野とが同一である国際連携学科をいう。次条第二項において同じ。)の基幹教員は、教育研究に支障がないと認められる場合には、当該専門職短期大学に置かれる当該他の学科の基幹教員がこれを兼ねることができる。 (国際連携学科に係る施設及び設備) 第六十五条 国際連携学科を設ける専門職短期大学が外国において国際連携教育課程に係る教育研究を行う場合においては、教育研究に支障のないよう必要な施設及び設備を備えるものとする。 2 第四十条から第四十三条まで及び第四十六条から第四十八条までの規定にかかわらず、特定国際連携学科に係る施設及び設備については、当該特定国際連携学科を設ける専門職短期大学の施設及び設備を利用することができるものとし、教育研究に支障がないと認められる場合には、当該特定国際連携学科に係る施設及び設備を備えることを要しない。 (国際連携学科を設ける二以上の専門職短期大学が国際連携学科において連携して教育研究を実施する場合の適用) 第六十六条 国際連携学科を設ける二以上の専門職短期大学は、国際連携学科において連携して教育研究を実施することができる。 この場合において、第六十条第二項、第六十一条及び第六十三条の規定の適用については、第六十条第二項及び第六十一条中「国際連携学科を設ける専門職短期大学」とあるのは「国際連携学科を設ける二以上の専門職短期大学」と、「、連携外国専門職短期大学」とあるのは「、それぞれの専門職短期大学及び連携外国専門職短期大学」と、「当該専門職短期大学」とあるのは「それぞれの専門職短期大学」と、第六十三条中「国際連携学科を設ける専門職短期大学」とあるのは「それぞれの国際連携学科を設ける専門職短期大学」とする。 (国際連携学科を設ける二以上の専門職短期大学が国際連携学科において連携して教育研究を実施する場合の国際連携教育課程の編成) 第六十七条 前条の場合(以下この章において「共同国際連携教育課程の場合」という。)にあっては、当該二以上の専門職短期大学は、第六条第一項の規定にかかわらず、当該二以上の専門職短期大学のうち一の専門職短期大学が開設する授業科目を、当該二以上の専門職短期大学のうち他の専門職短期大学の国際連携教育課程の一部とみなして、それぞれの専門職短期大学ごとに同一内容の国際連携教育課程を編成するものとする。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携教育課程に係る単位の認定) 第六十八条 共同国際連携教育課程の場合にあっては、当該二以上の専門職短期大学は、学生が当該二以上の専門職短期大学のうち一の専門職短期大学において履修した国際連携教育課程に係る授業科目について修得した単位を、当該二以上の専門職短期大学のうち他の専門職短期大学における当該国際連携教育課程に係る授業科目の履修により修得したものとそれぞれみなすものとする。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科に係る基幹教員数) 第六十九条 第六十四条第一項の規定にかかわらず、共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科が属する分野に係る学科の種類及び規模に応じ定める基幹教員の数は、当該分野における当該国際連携学科以外の学科について第三十一条の規定を適用して得られる学科の種類及び規模に応じ定める基幹教員の数と、次項から第四項までの規定により得られる当該国際連携学科に係る基幹教員の数に、一を加えた数以上とする。 2 共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る基幹教員の数は、それぞれの専門職短期大学に置く当該国際連携学科を合わせて一の学科とみなして、その種類及び規模に応じ別表第一イの表を適用して得られる基幹教員の数(次項において「全体基幹教員数」という。)をこれらの国際連携学科に係る入学定員の割合に応じて按分した数(その数に一に満たない端数があるときはこれを切り捨てる。以下この条において「専門職短期大学別基幹教員数」という。)以上とする。 3 前項に規定する当該国際連携学科に係る専門職短期大学別基幹教員数の合計が全体基幹教員数に満たないときは、その不足する数の基幹教員をいずれかの専門職短期大学の当該国際連携学科に置くものとする。 4 第二項の規定による当該国際連携学科に係る専門職短期大学別基幹教員数(前項の規定により当該国際連携学科に不足する数の基幹教員を置くときは、当該基幹教員の数を加えた数)が、当該国際連携学科の種類に応じ、別表第一イの表の第四欄(保健衛生学関係(看護学関係)にあっては、第三欄)に定める基幹教員の数(以下この項において「最小専門職短期大学別基幹教員数」という。)に満たないときは、前二項の規定にかかわらず、当該国際連携学科に係る基幹教員の数は、最小専門職短期大学別基幹教員数以上とする。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科に係る校地の面積) 第七十条 第四十四条第一項の規定にかかわらず、共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る校地の面積については、それぞれの専門職短期大学に置く当該国際連携学科に係る校地の面積を合計した面積がこれらの国際連携学科に係る収容定員を合計した数に十平方メートルを乗じて得た面積を超え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職短期大学ごとに当該国際連携学科に係る収容定員上の学生一人当たり十平方メートルとして算定した面積を有することを要しない。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科に係る校舎の面積) 第七十一条 共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科を置くそれぞれの専門職短期大学における第四十五条の規定の適用については、同条中「共同学科」とあるのは、「共同学科又は共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科」とし、「第五十七条第一項」とあるのは、「第五十七条第一項又は第七十一条第二項」とする。 2 共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る校舎の面積は、それぞれの専門職短期大学に置く当該国際連携学科を合わせて一の学科とみなしてその種類に応じ別表第二イの表を適用して得られる面積(次項において「全体校舎面積」という。)をこれらの国際連携学科に係る収容定員の割合に応じて按分した面積(次項において「専門職短期大学別校舎面積」という。)以上とする。 3 第四十五条及び前二項の規定にかかわらず、共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る校舎の面積については、それぞれの専門職短期大学に置く当該国際連携学科に係る校舎の面積を合計した面積が全体校舎面積を超え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職短期大学ごとに専門職短期大学別校舎面積を有することを要しない。 (共同国際連携教育課程の場合の国際連携学科に係る施設及び設備) 第七十二条 前二条に定めるもののほか、第四十条から第四十三条まで及び第四十六条から第四十八条までの規定にかかわらず、共同国際連携教育課程の場合にあっては、国際連携学科に係る施設及び設備については、それぞれの専門職短期大学に置く当該国際連携学科を合わせて一の学科とみなしてその種類、教員数及び学生数に応じて必要な施設及び設備を備え、かつ、教育研究に支障がないと認められる場合には、それぞれの専門職短期大学ごとに当該国際連携学科に係る施設及び設備を備えることを要しない。 第十一章 教育課程等に関する事項の改善に係る先導的な取組に関する特例 第七十三条 この省令に定める教育課程又は施設及び設備等に関する事項に関し、その改善に係る実証的な成果の創出に資する先導的な取組を行うため特に必要があると認められる場合であって、専門職短期大学が、当該先導的な取組を行うとともに、教育研究活動等の状況について自ら行う点検、評価及び見直しの体制の整備、教育研究活動等の状況の積極的な公表並びに学生の教育上適切な配慮を行う専門職短期大学であることの文部科学大臣の認定を受けたときには、文部科学大臣が別に定めるところにより、第六条第一項、第十二条、第二十一条、第二十二条第二項、第二十三条第四項(専門職短期大学が単位を与えることができる範囲に係る部分に限る。)若しくは第五項、第二十六条第三項若しくは第四項、第四十四条、第四十五条、第五十四条第一項から第四項まで、第五十六条、第五十七条、第六十一条第二項、第六十三条第一項から第三項まで、第七十条又は第七十一条第二項若しくは第三項の規定(次項において「特例対象規定」という。)の全部又は一部によらないことができる。 2 教育課程等特例認定専門職短期大学(前項の規定により認定を受けた専門職短期大学をいう。)は、特例対象規定の全部又は一部によらない教育を行うための教育課程又は施設及び設備等に関する事項を学則等に定め、公表するものとする。 第十二章 雑則 (外国に設ける組織) 第七十四条 専門職短期大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、外国に学科その他の組織を設けることができる。 (段階的整備) 第七十五条 新たに専門職短期大学等を設置する場合の教員組織、校舎等の施設及び設備については、別に定めるところにより、段階的に整備することができる。 | 教育 |
Heisei | Act | 430AC1000000058_20181001_000000000000000.xml | 平成三十年法律第五十八号 | 28 | スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、スポーツ基本法(平成二十三年法律第七十八号)及びスポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約(以下「国際規約」という。)の趣旨にのっとり、ドーピング防止活動の推進に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の必要な事項を定めることにより、ドーピング防止活動に関する施策を総合的に推進し、もってスポーツを行う者の心身の健全な発達及びスポーツの発展に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「国際競技大会等出場スポーツ選手」とは、国際競技大会等(オリンピック競技大会、パラリンピック競技大会その他の国際的な規模のスポーツの競技会及び全国的な規模のスポーツの競技会をいう。第十五条第一項において同じ。)に出場し、又は出場しようとするスポーツ選手(プロスポーツの選手を含む。)をいう。 2 この法律において「スポーツ競技会運営団体」とは、スポーツの振興のための事業を行うことを主たる目的とする団体であって、スポーツの競技会の準備及び運営を行うものをいう。 3 この法律において「スポーツにおけるドーピング」とは、禁止物質(スポーツ選手の競技に関する能力を不当に向上させる効果を有するためスポーツにおける使用を禁止すべき物質として文部科学省令で定める物質をいう。)の国際競技大会等出場スポーツ選手に対する使用その他の国際競技大会等出場スポーツ選手の競技に関する能力を不当に向上させると認められる行為(以下この項において「禁止物質の使用等」という。)、禁止物質の使用等の目的でこれに用いられる薬品その他の物品を所持する行為、ドーピングの検査(禁止物質の使用等に係る検査に関する計画の立案、国際競技大会等出場スポーツ選手からの検体の採取、当該検体の保管及び当該検体の輸送を含む。以下同じ。)を妨げる行為その他の国際規約に違反する行為として文部科学省令で定める行為をいう。 4 この法律において「ドーピング防止活動」とは、ドーピングの検査、スポーツにおけるドーピングの防止に関する教育及び啓発その他のスポーツにおけるドーピングの防止に必要な活動をいう。 (基本理念) 第三条 ドーピング防止活動は、スポーツにおける公正性及びスポーツを行う者の心身の健康の保持増進が確保されることを旨として、推進されなければならない。 2 ドーピング防止活動は、ドーピングの検査における公平性及び透明性が確保されるよう推進されなければならない。 3 ドーピング防止活動は、スポーツ競技会運営団体の自主性及び自律性が確保されるよう推進されなければならない。 4 ドーピング防止活動は、スポーツの多様性に配慮しつつ推進されなければならない。 (スポーツにおけるドーピングの禁止) 第四条 国際競技大会等出場スポーツ選手は、不正の目的をもって、自己のためにスポーツにおけるドーピングを行い、又は他の国際競技大会等出場スポーツ選手のためにスポーツにおけるドーピングを行い、若しくは助けてはならない。 2 国際競技大会等出場スポーツ選手に対して指導又は訓練を行う者、国際競技大会等出場スポーツ選手が属するチームの業務に従事する者、国際競技大会等出場スポーツ選手に対して医療を提供する医師その他の国際競技大会等出場スポーツ選手の支援を行う者は、不正の目的をもって、国際競技大会等出場スポーツ選手のためにスポーツにおけるドーピングを行い、又は助けてはならない。 (国の責務) 第五条 国は、第三条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、ドーピング防止活動の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (日本スポーツ振興センターの役割) 第六条 独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「センター」という。)は、国及び公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(平成十三年九月十六日に財団法人日本アンチ・ドーピング機構という名称で設立された法人をいう。以下「日本アンチ・ドーピング機構」という。)と連携し、ドーピング防止活動における中核的な機関として積極的な役割を果たすものとする。 (スポーツ競技会運営団体の努力) 第七条 スポーツ競技会運営団体は、基本理念にのっとり、ドーピング防止活動に主体的かつ積極的に取り組むよう努めるものとする。 (関係者相互の連携及び協働) 第八条 国、センター、日本アンチ・ドーピング機構、スポーツ競技会運営団体及び民間事業者その他の関係者は、基本理念の実現を図るため、相互に連携を図りながら協働するよう努めなければならない。 (地方公共団体の努力義務) 第九条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、ドーピング防止活動の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施するよう努めなければならない。 (法制上の措置等) 第十条 政府は、ドーピング防止活動の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。 第二章 基本方針 第十一条 文部科学大臣は、ドーピング防止活動に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めなければならない。 2 基本方針は、ドーピング防止活動を推進するための基本的な事項その他必要な事項について定めるものとする。 3 文部科学大臣は、基本方針を定め、又は変更しようとするときは、関係行政機関の長に協議するものとする。 4 文部科学大臣は、基本方針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。 第三章 基本的施策 (人材の育成及び確保) 第十二条 国は、ドーピングの検査を行う者、これを補助する者その他のドーピング防止活動を担う人材の育成及び確保が図られるよう、ドーピング防止活動に関する教育及び研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。 (研究開発の促進) 第十三条 国は、大学その他の研究機関が行うドーピング防止活動に関する研究開発を促進するために必要な施策を講ずるものとする。 (教育及び啓発の推進等) 第十四条 国及び地方公共団体は、ドーピング防止活動に関する国民の理解と関心を深めるよう、ドーピング防止活動に関する教育及び啓発の推進その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、ドーピング防止活動に資するよう、医師、歯科医師、薬剤師その他の医療従事者に対する情報の提供、研修の機会の確保その他の必要な施策を講ずるものとする。 (情報の共有等) 第十五条 国は、我が国における国際競技大会等の開催が円滑になされるよう、国の行政機関、センター、日本アンチ・ドーピング機構及び国際的なスポーツにおけるドーピングの防止に関する機関の間におけるスポーツにおけるドーピングに関する情報の共有を図るために必要な施策を講ずるものとする。 2 文部科学大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料又は情報の提供その他の必要な協力を求めることができる。 (国際協力の推進等) 第十六条 国は、前条第一項に定めるもののほか、ドーピング防止活動に関する国際協力を推進するとともに、センター及び日本アンチ・ドーピング機構が国際的なスポーツにおけるドーピングの防止に関する機関との連携を図るために必要な施策を講ずるものとする。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 430M60000080030_20240101_505M60000080035.xml | 平成三十年文部科学省令第三十号 | 28 | スポーツにおける使用を禁止すべき物質及び国際規約に違反する行為を定める省令
(定義) 第一条 この省令において使用する用語は、スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律(以下「法」という。)において使用する用語の例による。 (禁止物質) 第二条 法第二条第三項の文部科学省令で定める物質は、スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約(次条において「ドーピング防止国際規約」という。)附属書Ⅰ二千二十四年の禁止表(二千二十四年一月一日に効力を生じる世界ドーピング防止規範)に掲げるものとする。 (国際規約に違反する行為) 第三条 法第二条第三項の文部科学省令で定める行為は、次に掲げるものとする。 ただし、ドーピング防止国際規約附属書Ⅱ治療目的使用に係る除外措置の許与に関する基準及び手続(世界ドーピング防止機構(WADA)の「治療目的使用に係る除外措置に関する国際基準」(二千二十三年一月一日発効)から抜粋)に定める治療目的使用に係る除外措置が許与される場合は、この限りでない。 一 禁止物質の国際競技大会等出場スポーツ選手に対する使用その他の国際競技大会等出場スポーツ選手の競技に関する能力を不当に向上させると認められる行為 二 禁止物質の使用等の目的でこれに用いられる薬品その他の物品を所持する行為 三 ドーピングの検査を妨げる行為 四 ドーピング防止国際規約第二条第三項に定める行為(前各号に掲げるものを除く。) | 教育 |
Reiwa | Act | 501AC0000000008_20200401_000000000000000.xml | 令和元年法律第八号 | 28 | 大学等における修学の支援に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、真に支援が必要な低所得者世帯の者に対し、社会で自立し、及び活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するために必要な質の高い教育を実施する大学等における修学の支援を行い、その修学に係る経済的負担を軽減することにより、子どもを安心して生み、育てることができる環境の整備を図り、もって我が国における急速な少子化の進展への対処に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「大学等」とは、大学(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百三条に規定する大学を除く。以下同じ。)、高等専門学校及び専門課程を置く専修学校(第七条第一項及び第十条において「専門学校」という。)をいう。 2 この法律において「学生等」とは、大学の学部、短期大学の学科及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る。)並びに高等専門学校の学科(第四学年及び第五学年に限る。)及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る。)の学生並びに専修学校の専門課程の生徒をいう。 3 この法律において「確認大学等」とは、第七条第一項の確認を受けた大学等をいう。 第二章 大学等における修学の支援 第一節 通則 第三条 大学等における修学の支援は、確認大学等に在学する学生等のうち、特に優れた者であって経済的理由により極めて修学に困難があるものに対して行う学資支給及び授業料等減免とする。 第二節 学資支給 第四条 学資支給は、学資支給金(独立行政法人日本学生支援機構法(平成十五年法律第九十四号)第十七条の二第一項に規定する学資支給金をいう。)の支給とする。 第五条 学資支給については、この法律に別段の定めがあるものを除き、独立行政法人日本学生支援機構法の定めるところによる。 第三節 授業料等減免 (授業料等減免) 第六条 授業料等減免は、第八条第一項の規定による授業料等(授業料及び入学金をいう。同項において同じ。)の減免とする。 (大学等の確認) 第七条 次の各号に掲げる大学等の設置者は、授業料等減免を行おうとするときは、文部科学省令で定めるところにより、当該各号に定める者(以下「文部科学大臣等」という。)に対し、当該大学等が次項各号に掲げる要件を満たしていることについて確認を求めることができる。 一 大学及び高等専門学校(いずれも学校教育法第二条第二項に規定する国立学校又は私立学校であるものに限る。第十条第一号において同じ。)並びに国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。第十条第一号において同じ。)が設置する専門学校 文部科学大臣 二 国が設置する専門学校 当該専門学校が属する国の行政機関の長 三 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下この号及び第十条第一号において同じ。)が設置する専門学校 当該独立行政法人の主務大臣(同法第六十八条に規定する主務大臣をいう。) 四 地方公共団体が設置する大学等 当該地方公共団体の長 五 公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。以下この項及び第十条第三号において同じ。)が設置する大学等 当該公立大学法人を設立する地方公共団体の長 六 地方独立行政法人(地方独立行政法人法第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいい、公立大学法人を除く。以下この号及び第十条第四号において同じ。)が設置する専門学校 当該地方独立行政法人を設立する地方公共団体の長 七 専門学校(前各号に掲げるものを除く。) 当該専門学校を所管する都道府県知事 2 文部科学大臣等は、前項の確認(以下単に「確認」という。)を求められた場合において、当該求めに係る大学等が次に掲げる要件(第九条第一項第一号及び第十五条第一項第一号において「確認要件」という。)を満たしていると認めるときは、その確認をするものとする。 一 大学等の教育の実施体制に関し、大学等が社会で自立し、及び活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。 二 大学等の経営基盤に関し、大学等がその経営を継続的かつ安定的に行うために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。 三 当該大学等の設置者が、第十五条第一項の規定により確認を取り消された大学等の設置者又はこれに準ずる者として政令で定める者で、その取消しの日又はこれに準ずる日として政令で定める日から起算して三年を経過しないものでないこと。 四 当該大学等の設置者が法人である場合において、その役員のうちに、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反した者又はこれに準ずる者として政令で定める者で、その違反行為をした日又はこれに準ずる日として政令で定める日から起算して三年を経過しないものがないこと。 3 文部科学大臣等は、確認をしたときは、遅滞なく、その旨をインターネットの利用その他の方法により公表しなければならない。 (確認大学等の設置者による授業料等の減免) 第八条 確認大学等の設置者は、当該確認大学等に在学する学生等のうち、文部科学省令で定める基準及び方法に従い、特に優れた者であって経済的理由により極めて修学に困難があるものと認められるものを授業料等減免対象者として認定し、当該授業料等減免対象者に対して授業料等の減免を行うものとする。 2 前項の規定により確認大学等の設置者が行う授業料等減免の額は、確認大学等の種別その他の事情を考慮して、政令で定めるところによる。 3 前二項に定めるもののほか、授業料等減免の期間その他の確認大学等の設置者が行う授業料等減免に関し必要な事項は、政令で定める。 (確認要件を満たさなくなった場合等の届出) 第九条 確認大学等の設置者は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、文部科学省令で定めるところにより、その旨を当該確認大学等に係る確認をした文部科学大臣等に届け出なければならない。 一 当該確認大学等が、確認要件を満たさなくなったとき。 二 当該確認大学等に係る確認を辞退しようとするとき。 三 当該確認大学等の名称及び所在地その他の文部科学省令で定める事項に変更があったとき。 2 第七条第三項の規定は、前項の規定による届出があったときについて準用する。 (減免費用の支弁) 第十条 次の各号に掲げる大学等に係る授業料等減免に要する費用(以下「減免費用」という。)は、それぞれ当該各号に定める者(第十二条第三項において「国等」という。)が支弁する。 一 大学及び高等専門学校並びに国、国立大学法人及び独立行政法人が設置する専門学校 国 二 地方公共団体が設置する大学等 当該地方公共団体 三 公立大学法人が設置する大学等 当該公立大学法人を設立する地方公共団体 四 地方独立行政法人が設置する専門学校 当該地方独立行政法人を設立する地方公共団体 五 専門学校(前各号に掲げるものを除く。) 当該専門学校を所管する都道府県知事の統轄する都道府県 (国の負担) 第十一条 国は、政令で定めるところにより、前条(第五号に係る部分に限る。)の規定により都道府県が支弁する減免費用の二分の一を負担する。 (認定の取消し等) 第十二条 確認大学等の設置者は、文部科学省令で定めるところにより、当該確認大学等に在学する授業料等減免対象者が偽りその他不正の手段により授業料等減免を受けた又は次の各号のいずれかに該当するに至ったと認めるときは、当該授業料等減免対象者に係る第八条第一項の規定による認定(以下この条において単に「認定」という。)を取り消すことができる。 一 学業成績が著しく不良となったと認められるとき。 二 学生等たるにふさわしくない行為があったと認められるとき。 2 確認大学等の設置者は、前項の規定により認定を取り消したときは、文部科学省令で定めるところにより、その旨を当該確認大学等に係る確認をした文部科学大臣等に届け出なければならない。 3 第一項の規定により認定を取り消した確認大学等の設置者に対し減免費用を支弁する国等は、前項の規定による届出があった場合において、当該認定を取り消された学生等に対する授業料等減免に係る減免費用を既に支弁しているときは、国税徴収の例により、当該確認大学等の設置者から当該減免費用に相当する金額を徴収することができる。 4 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。 (報告等) 第十三条 文部科学大臣等は、授業料等減免に関して必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、授業料等減免対象者若しくはその生計を維持する者若しくはこれらの者であった者に対し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させることができる。 2 文部科学大臣等は、必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、確認大学等の設置者(国及び地方公共団体を除く。以下この項及び次条において同じ。)若しくはその役職員若しくはこれらの者であった者に対し、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、若しくは出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該確認大学等の設置者の事務所その他の施設に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。 3 前二項の規定による質問又は前項の規定による検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。 4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (勧告、命令等) 第十四条 文部科学大臣等は、確認大学等の設置者が授業料等減免を適切に行っていないと認める場合その他授業料等減免の適正な実施を確保するため必要があると認める場合には、当該確認大学等の設置者に対し、期限を定めて、授業料等減免の実施の方法の改善その他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。 2 文部科学大臣等は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた確認大学等の設置者が、同項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。 3 文部科学大臣等は、第一項の規定による勧告を受けた確認大学等の設置者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該確認大学等の設置者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 4 文部科学大臣等は、前項の規定による命令をした場合においては、その旨を公示しなければならない。 (確認の取消し) 第十五条 文部科学大臣等は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該確認大学等に係る確認を取り消すことができる。 一 確認大学等が、確認要件を満たさなくなったとき。 二 確認大学等の設置者が、不正の手段により確認を受けていたとき。 三 前号に掲げるもののほか、確認大学等の設置者が、減免費用の支弁に関し不正な行為をしたとき。 四 確認大学等の設置者が、第十三条第二項の規定により報告又は帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をしたとき。 五 確認大学等の設置者が、第十三条第二項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。 六 前各号に掲げる場合のほか、確認大学等の設置者が、この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。 2 第七条第三項の規定は、前項の規定による確認の取消しをしたときについて準用する。 (授業料等減免対象者が在学している場合の特例) 第十六条 前条第一項の規定により確認が取り消された場合又は確認大学等の設置者が当該確認大学等に係る確認を辞退した場合において、その取消し又は辞退の際、当該確認大学等に授業料等減免対象者が在学しているときは、その者に係る授業料等減免については、当該確認を取り消された大学等又は確認を辞退した大学等を確認大学等とみなして、この法律の規定を適用する。 ただし、同項第二号若しくは第三号に掲げる事由に該当して同項の規定により確認が取り消された場合又はこれに準ずる場合として政令で定める場合における当該大学等に係る減免費用については、第十条及び第十一条の規定は、適用しない。 第三章 雑則 (日本私立学校振興・共済事業団を通じて行う減免費用の支弁) 第十七条 国は、日本私立学校振興・共済事業団法(平成九年法律第四十八号)の定めるところにより、第十条の規定による減免費用の支弁のうち大学及び高等専門学校(いずれも学校教育法第二条第二項に規定する私立学校であるものに限る。)に係るものを日本私立学校振興・共済事業団を通じて行うことができる。 2 前項の規定により減免費用の支弁が日本私立学校振興・共済事業団を通じて行われる場合には、第十二条第二項中「文部科学大臣等」とあるのは「文部科学大臣及び日本私立学校振興・共済事業団の理事長」と、同条第三項中「を支弁する国等」とあるのは「に充てるための資金(以下この項において「減免資金」という。)を交付する日本私立学校振興・共済事業団」と、「に係る減免費用」とあるのは「に係る減免資金」と、「支弁している」とあるのは「交付している」と、「当該減免費用」とあるのは「当該減免資金」とする。 (文部科学省令への委任) 第十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。 第四章 罰則 第十九条 第十三条第一項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 2 第十三条第二項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。 3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。 | 教育 |
Reiwa | Act | 501AC0000000008_20260401_506AC0000000050.xml | 令和元年法律第八号 | 28 | 大学等における修学の支援に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、真に支援が必要な低所得者世帯の者に対し、社会で自立し、及び活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するために必要な質の高い教育を実施する大学等における修学の支援を行い、その修学に係る経済的負担を軽減することにより、子どもを安心して生み、育てることができる環境の整備を図り、もって我が国における急速な少子化の進展への対処に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「大学等」とは、大学(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百三条に規定する大学を除く。以下同じ。)、高等専門学校及び専門課程を置く専修学校(第七条第一項及び第十条において「専門学校」という。)をいう。 2 この法律において「学生」とは、大学の学部、短期大学の学科及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る。)、高等専門学校の学科(第四学年及び第五学年に限る。)及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る。)並びに専修学校の専門課程及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る。)の学生をいう。 3 この法律において「確認大学等」とは、第七条第一項の確認を受けた大学等をいう。 第二章 大学等における修学の支援 第一節 通則 第三条 大学等における修学の支援は、確認大学等に在学する学生のうち、特に優れた者であって経済的理由により極めて修学に困難があるものに対して行う学資支給及び授業料等減免とする。 第二節 学資支給 第四条 学資支給は、学資支給金(独立行政法人日本学生支援機構法(平成十五年法律第九十四号)第十七条の二第一項に規定する学資支給金をいう。)の支給とする。 第五条 学資支給については、この法律に別段の定めがあるものを除き、独立行政法人日本学生支援機構法の定めるところによる。 第三節 授業料等減免 (授業料等減免) 第六条 授業料等減免は、第八条第一項の規定による授業料等(授業料及び入学金をいう。同項において同じ。)の減免とする。 (大学等の確認) 第七条 次の各号に掲げる大学等の設置者は、授業料等減免を行おうとするときは、文部科学省令で定めるところにより、当該各号に定める者(以下「文部科学大臣等」という。)に対し、当該大学等が次項各号に掲げる要件を満たしていることについて確認を求めることができる。 一 大学及び高等専門学校(いずれも学校教育法第二条第二項に規定する国立学校又は私立学校であるものに限る。第十条第一号において同じ。)並びに国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。第十条第一号において同じ。)が設置する専門学校 文部科学大臣 二 国が設置する専門学校 当該専門学校が属する国の行政機関の長 三 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下この号及び第十条第一号において同じ。)が設置する専門学校 当該独立行政法人の主務大臣(同法第六十八条に規定する主務大臣をいう。) 四 地方公共団体が設置する大学等 当該地方公共団体の長 五 公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。以下この項及び第十条第三号において同じ。)が設置する大学等 当該公立大学法人を設立する地方公共団体の長 六 地方独立行政法人(地方独立行政法人法第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいい、公立大学法人を除く。以下この号及び第十条第四号において同じ。)が設置する専門学校 当該地方独立行政法人を設立する地方公共団体の長 七 専門学校(前各号に掲げるものを除く。) 当該専門学校を所管する都道府県知事 2 文部科学大臣等は、前項の確認(以下単に「確認」という。)を求められた場合において、当該求めに係る大学等が次に掲げる要件(第九条第一項第一号及び第十五条第一項第一号において「確認要件」という。)を満たしていると認めるときは、その確認をするものとする。 一 大学等の教育の実施体制に関し、大学等が社会で自立し、及び活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。 二 大学等の経営基盤に関し、大学等がその経営を継続的かつ安定的に行うために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。 三 当該大学等の設置者が、第十五条第一項の規定により確認を取り消された大学等の設置者又はこれに準ずる者として政令で定める者で、その取消しの日又はこれに準ずる日として政令で定める日から起算して三年を経過しないものでないこと。 四 当該大学等の設置者が法人である場合において、その役員のうちに、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反した者又はこれに準ずる者として政令で定める者で、その違反行為をした日又はこれに準ずる日として政令で定める日から起算して三年を経過しないものがないこと。 3 文部科学大臣等は、確認をしたときは、遅滞なく、その旨をインターネットの利用その他の方法により公表しなければならない。 (確認大学等の設置者による授業料等の減免) 第八条 確認大学等の設置者は、当該確認大学等に在学する学生のうち、文部科学省令で定める基準及び方法に従い、特に優れた者であって経済的理由により極めて修学に困難があるものと認められるものを授業料等減免対象者として認定し、当該授業料等減免対象者に対して授業料等の減免を行うものとする。 2 前項の規定により確認大学等の設置者が行う授業料等減免の額は、確認大学等の種別その他の事情を考慮して、政令で定めるところによる。 3 前二項に定めるもののほか、授業料等減免の期間その他の確認大学等の設置者が行う授業料等減免に関し必要な事項は、政令で定める。 (確認要件を満たさなくなった場合等の届出) 第九条 確認大学等の設置者は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、文部科学省令で定めるところにより、その旨を当該確認大学等に係る確認をした文部科学大臣等に届け出なければならない。 一 当該確認大学等が、確認要件を満たさなくなったとき。 二 当該確認大学等に係る確認を辞退しようとするとき。 三 当該確認大学等の名称及び所在地その他の文部科学省令で定める事項に変更があったとき。 2 第七条第三項の規定は、前項の規定による届出があったときについて準用する。 (減免費用の支弁) 第十条 次の各号に掲げる大学等に係る授業料等減免に要する費用(以下「減免費用」という。)は、それぞれ当該各号に定める者(第十二条第三項において「国等」という。)が支弁する。 一 大学及び高等専門学校並びに国、国立大学法人及び独立行政法人が設置する専門学校 国 二 地方公共団体が設置する大学等 当該地方公共団体 三 公立大学法人が設置する大学等 当該公立大学法人を設立する地方公共団体 四 地方独立行政法人が設置する専門学校 当該地方独立行政法人を設立する地方公共団体 五 専門学校(前各号に掲げるものを除く。) 当該専門学校を所管する都道府県知事の統轄する都道府県 (国の負担) 第十一条 国は、政令で定めるところにより、前条(第五号に係る部分に限る。)の規定により都道府県が支弁する減免費用の二分の一を負担する。 (認定の取消し等) 第十二条 確認大学等の設置者は、文部科学省令で定めるところにより、当該確認大学等に在学する授業料等減免対象者が偽りその他不正の手段により授業料等減免を受けた又は次の各号のいずれかに該当するに至ったと認めるときは、当該授業料等減免対象者に係る第八条第一項の規定による認定(以下この条において単に「認定」という。)を取り消すことができる。 一 学業成績が著しく不良となったと認められるとき。 二 学生たるにふさわしくない行為があったと認められるとき。 2 確認大学等の設置者は、前項の規定により認定を取り消したときは、文部科学省令で定めるところにより、その旨を当該確認大学等に係る確認をした文部科学大臣等に届け出なければならない。 3 第一項の規定により認定を取り消した確認大学等の設置者に対し減免費用を支弁する国等は、前項の規定による届出があった場合において、当該認定を取り消された学生に対する授業料等減免に係る減免費用を既に支弁しているときは、国税徴収の例により、当該確認大学等の設置者から当該減免費用に相当する金額を徴収することができる。 4 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。 (報告等) 第十三条 文部科学大臣等は、授業料等減免に関して必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、授業料等減免対象者若しくはその生計を維持する者若しくはこれらの者であった者に対し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させることができる。 2 文部科学大臣等は、必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、確認大学等の設置者(国及び地方公共団体を除く。以下この項及び次条において同じ。)若しくはその役職員若しくはこれらの者であった者に対し、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、若しくは出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該確認大学等の設置者の事務所その他の施設に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。 3 前二項の規定による質問又は前項の規定による検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。 4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (勧告、命令等) 第十四条 文部科学大臣等は、確認大学等の設置者が授業料等減免を適切に行っていないと認める場合その他授業料等減免の適正な実施を確保するため必要があると認める場合には、当該確認大学等の設置者に対し、期限を定めて、授業料等減免の実施の方法の改善その他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。 2 文部科学大臣等は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた確認大学等の設置者が、同項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。 3 文部科学大臣等は、第一項の規定による勧告を受けた確認大学等の設置者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該確認大学等の設置者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 4 文部科学大臣等は、前項の規定による命令をした場合においては、その旨を公示しなければならない。 (確認の取消し) 第十五条 文部科学大臣等は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該確認大学等に係る確認を取り消すことができる。 一 確認大学等が、確認要件を満たさなくなったとき。 二 確認大学等の設置者が、不正の手段により確認を受けていたとき。 三 前号に掲げるもののほか、確認大学等の設置者が、減免費用の支弁に関し不正な行為をしたとき。 四 確認大学等の設置者が、第十三条第二項の規定により報告又は帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をしたとき。 五 確認大学等の設置者が、第十三条第二項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。 六 前各号に掲げる場合のほか、確認大学等の設置者が、この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。 2 第七条第三項の規定は、前項の規定による確認の取消しをしたときについて準用する。 (授業料等減免対象者が在学している場合の特例) 第十六条 前条第一項の規定により確認が取り消された場合又は確認大学等の設置者が当該確認大学等に係る確認を辞退した場合において、その取消し又は辞退の際、当該確認大学等に授業料等減免対象者が在学しているときは、その者に係る授業料等減免については、当該確認を取り消された大学等又は確認を辞退した大学等を確認大学等とみなして、この法律の規定を適用する。 ただし、同項第二号若しくは第三号に掲げる事由に該当して同項の規定により確認が取り消された場合又はこれに準ずる場合として政令で定める場合における当該大学等に係る減免費用については、第十条及び第十一条の規定は、適用しない。 第三章 雑則 (日本私立学校振興・共済事業団を通じて行う減免費用の支弁) 第十七条 国は、日本私立学校振興・共済事業団法(平成九年法律第四十八号)の定めるところにより、第十条の規定による減免費用の支弁のうち大学及び高等専門学校(いずれも学校教育法第二条第二項に規定する私立学校であるものに限る。)に係るものを日本私立学校振興・共済事業団を通じて行うことができる。 2 前項の規定により減免費用の支弁が日本私立学校振興・共済事業団を通じて行われる場合には、第十二条第二項中「文部科学大臣等」とあるのは「文部科学大臣及び日本私立学校振興・共済事業団の理事長」と、同条第三項中「を支弁する国等」とあるのは「に充てるための資金(以下この項において「減免資金」という。)を交付する日本私立学校振興・共済事業団」と、「に係る減免費用」とあるのは「に係る減免資金」と、「支弁している」とあるのは「交付している」と、「当該減免費用」とあるのは「当該減免資金」とする。 (文部科学省令への委任) 第十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。 第四章 罰則 第十九条 第十三条第一項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 2 第十三条第二項の規定による報告若しくは物件の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。 3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。 | 教育 |
Reiwa | Act | 501AC0000000048_20231201_505AC0000000056.xml | 令和元年法律第四十八号 | 28 | 日本語教育の推進に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、日本語教育の推進が、我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる環境の整備に資するとともに、我が国に対する諸外国の理解と関心を深める上で重要であることに鑑み、日本語教育の推進に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び事業主の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他日本語教育の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現に資するとともに、諸外国との交流の促進並びに友好関係の維持及び発展に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「外国人等」とは、日本語に通じない外国人及び日本の国籍を有する者をいう。 2 この法律において「日本語教育」とは、外国人等が日本語を習得するために行われる教育その他の活動(外国人等に対して行われる日本語の普及を図るための活動を含む。)をいう。 (基本理念) 第三条 日本語教育の推進は、日本語教育を受けることを希望する外国人等に対し、その希望、置かれている状況及び能力に応じた日本語教育を受ける機会が最大限に確保されるよう行われなければならない。 2 日本語教育の推進は、日本語教育の水準の維持向上が図られるよう行われなければならない。 3 日本語教育の推進は、外国人等に係る教育及び労働、出入国管理その他の関連施策並びに外交政策との有機的な連携が図られ、総合的に行われなければならない。 4 日本語教育の推進は、国内における日本語教育が地域の活力の向上に寄与するものであるとの認識の下に行われなければならない。 5 日本語教育の推進は、海外における日本語教育を通じて我が国に対する諸外国の理解と関心を深め、諸外国との交流を促進するとともに、諸外国との友好関係の維持及び発展に寄与することとなるよう行われなければならない。 6 日本語教育の推進は、日本語を学習する意義についての外国人等の理解と関心が深められるように配慮して行われなければならない。 7 日本語教育の推進は、我が国に居住する幼児期及び学齢期(満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから満十五歳に達した日の属する学年の終わりまでの期間をいう。)にある外国人等の家庭における教育等において使用される言語の重要性に配慮して行われなければならない。 (国の責務) 第四条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、日本語教育の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、日本語教育の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (事業主の責務) 第六条 外国人等を雇用する事業主は、基本理念にのっとり、国又は地方公共団体が実施する日本語教育の推進に関する施策に協力するとともに、その雇用する外国人等及びその家族に対する日本語学習(日本語を習得するための学習をいう。以下同じ。)の機会の提供その他の日本語学習に関する支援に努めるものとする。 (連携の強化) 第七条 国及び地方公共団体は、国内における日本語教育が適切に行われるよう、関係省庁相互間その他関係機関、日本語教育を行う機関(日本語教育を行う学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校、同法第百二十四条に規定する専修学校及び同法第百三十四条第一項に規定する各種学校をいう。)を含む。以下同じ。)、外国人等を雇用する事業主、外国人等の生活支援を行う団体等の関係者相互間の連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。 2 国は、海外における日本語教育が持続的かつ適切に行われるよう、独立行政法人国際交流基金、日本語教育を行う機関、諸外国の行政機関及び教育機関等との連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。 (法制上の措置等) 第八条 政府は、日本語教育の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。 (資料の作成及び公表) 第九条 政府は、日本語教育の状況及び政府が日本語教育の推進に関して講じた施策に関する資料を作成し、適切な方法により随時公表しなければならない。 第二章 基本方針等 (基本方針) 第十条 政府は、日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。 2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 日本語教育の推進の基本的な方向に関する事項 二 日本語教育の推進の内容に関する事項 三 その他日本語教育の推進に関する重要事項 3 文部科学大臣及び外務大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。 4 文部科学大臣及び外務大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。 5 文部科学大臣及び外務大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない。 6 政府は、日本語教育を取り巻く環境の変化を勘案し、並びに日本語教育に関する施策の実施の状況についての調査、分析及び評価を踏まえ、おおむね五年ごとに基本方針に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。 7 第三項から第五項までの規定は、基本方針の変更について準用する。 (地方公共団体の基本的な方針) 第十一条 地方公共団体は、基本方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針を定めるよう努めるものとする。 第三章 基本的施策 第一節 国内における日本語教育の機会の拡充 (外国人等である幼児、児童、生徒等に対する日本語教育) 第十二条 国は、外国人等である幼児、児童、生徒等に対する生活に必要な日本語及び教科の指導等の充実その他の日本語教育の充実を図るため、これらの指導等の充実を可能とする教員等(教員及び学校において必要な支援を行う者をいう。以下この項において同じ。)の配置に係る制度の整備、教員等の養成及び研修の充実、就学の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、外国人等である幼児、児童、生徒等が生活に必要な日本語を習得することの重要性についてのその保護者の理解と関心を深めるため、必要な啓発活動を行うよう努めるものとする。 (外国人留学生等に対する日本語教育) 第十三条 国は、大学及び大学院に在学する外国人留学生等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)別表第一の四の表の留学の在留資格をもって在留する者及び日本の国籍を有する者であって我が国に留学しているものをいう。次項において同じ。)であって日本語を理解し、使用する能力(以下「日本語能力」という。)を必要とする職業に就くこと、我が国において教育研究を行うこと等を希望するものに対して就業、教育研究等に必要な日本語を習得させるための日本語教育の充実を図るために必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、外国人留学生等(大学及び大学院に在学する者を除く。)であって日本語能力を必要とする職業に就くこと又は我が国において進学することを希望するものに対して就業又は進学に必要な日本語を習得させるための日本語教育の充実を図るために必要な施策を講ずるものとする。 (外国人等である被用者等に対する日本語教育) 第十四条 国は、事業主がその雇用する外国人等(次項に規定する技能実習生を除く。)に対して、日本語学習の機会を提供するとともに、研修等により専門分野に関する日本語教育の充実を図ることができるよう、必要な支援を行うものとする。 2 国は、事業主等が技能実習生(出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の技能実習の在留資格をもって在留する者をいう。)に対して日本語能力の更なる向上の機会を提供することができるよう、教材の開発その他の日本語学習に関する必要な支援を行うものとする。 3 国は、定住者等(出入国管理及び難民認定法別表第二の上欄に掲げる在留資格をもって在留する者をいう。)が就労に必要な水準の日本語を習得することができるよう、必要な施策を講ずるものとする。 (難民等に対する日本語教育) 第十五条 国は、出入国管理及び難民認定法第六十一条の二第一項に規定する難民の認定又は同条第二項に規定する補完的保護対象者の認定を受けている外国人及びその家族並びに外国において一時的に 庇 ひ 護されていた外国人であって政府の方針により国際的動向を踏まえ我が国に受け入れたものが国内における定住のために必要とされる基礎的な日本語を習得することができるよう、学習の機会の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (地域における日本語教育) 第十六条 国は、地域における日本語教育の機会の拡充を図るため、日本語教室(専ら住民である外国人等に対して日本語教育を実施する事業をいう。以下この条において同じ。)の開始及び運営の支援、日本語教室における日本語教育に従事する者の養成及び使用される教材の開発等の支援、日本語教室を利用することが困難な者の日本語学習に係る環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。 (国民の理解と関心の増進) 第十七条 国は、国内における日本語教育が外国人等の日本語能力を向上させるとともに、共生社会の実現に資することを踏まえ、外国人等に対する日本語教育についての国民の理解と関心を深めるよう、日本語教育に関する広報活動の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。 第二節 海外における日本語教育の機会の拡充 (海外における外国人等に対する日本語教育) 第十八条 国は、海外における日本語教育が外国人等の我が国に対する理解と関心の増進、我が国の企業への就職の円滑化等に寄与するものであることに鑑み、各国における日本語教育の状況に応じて、持続的かつ適切に日本語教育が行われるよう、現地における日本語教育に関する体制及び基盤の整備の支援、海外における日本語教育に従事する者の養成並びに使用される教材(インターネットを通じて提供することができるものを含む。)の開発及び提供並びにその支援、海外において日本語教育を行う教育機関の活動及び日本語を学習する者の支援その他の必要な施策を講ずるよう努めるものとする。 2 国は、外国人等であって我が国への留学を希望するものが我が国の大学等で教育を受けるために必要な水準の日本語を習得することができるよう、必要な施策を講ずるものとする。 (海外に在留する邦人の子等に対する日本語教育) 第十九条 国は、海外に在留する邦人の子、海外に移住した邦人の子孫等に対する日本語教育の充実を図るため、これらの者に対する日本語教育を支援する体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。 第三節 日本語教育の水準の維持向上等 (日本語教育を行う機関における日本語教育の水準の維持向上) 第二十条 国は、日本語教育を行う機関における日本語教育の水準の維持向上を図るため、日本語教育を行う機関によるその日本語教育に従事する者に対する研修の機会の確保の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。 (日本語教育に従事する者の能力及び資質の向上等) 第二十一条 国は、日本語教育に従事する者の能力及び資質の向上並びに処遇の改善が図られるよう、日本語教育に従事する者の養成及び研修体制の整備、国内における日本語教師(日本語教育に関する専門的な知識及び技能を必要とする業務に従事する者をいう。以下この条において同じ。)の資格に関する仕組みの整備、日本語教師の養成に必要な高度かつ専門的な知識及び技能を有する者の養成その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、海外における日本語教育の水準の維持向上を図るため、外国人である日本語教師の海外における養成を支援するために必要な施策を講ずるよう努めるものとする。 (教育課程の編成に係る指針の策定等) 第二十二条 国は、日本語教育を受ける者の日本語能力に応じた効果的かつ適切な教育が行われるよう、教育課程の編成に係る指針の策定、指導方法及び教材の開発及び普及並びにその支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (日本語能力の評価) 第二十三条 国は、日本語教育を受ける者の日本語能力を適切に評価することができるよう、日本語能力の評価方法の開発その他の必要な施策を講ずるものとする。 第四節 日本語教育に関する調査研究等 (日本語教育に関する調査研究等) 第二十四条 国は、日本語教育の推進に関する施策を適正に策定し、及び実施するため、日本語教育の実態(海外におけるものを含む。)、効果的な日本語教育の方法、試験その他の日本語能力の適切な評価方法等について、調査研究、情報の収集及び提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (日本語教育に関する情報の提供等) 第二十五条 国は、外国人等が日本語教育に関して必要な情報を得られるよう、外国人等のために日本語教育に関する情報を集約し、当該集約した情報についてインターネットを通じて閲覧することを可能とするための措置、相談体制の整備に関する助言その他の必要な施策を講ずるものとする。 第五節 地方公共団体の施策 第二十六条 地方公共団体は、この章(第二節を除く。)に定める国の施策を勘案し、その地方公共団体の地域の状況に応じた日本語教育の推進のために必要な施策を実施するよう努めるものとする。 第四章 日本語教育推進会議等 (日本語教育推進会議) 第二十七条 政府は、文部科学省、外務省その他の関係行政機関(次項において「関係行政機関」という。)相互の調整を行うことにより、日本語教育の総合的、一体的かつ効果的な推進を図るため、日本語教育推進会議を設けるものとする。 2 関係行政機関は、日本語教育に関し専門的知識を有する者、日本語教育に従事する者及び日本語教育を受ける立場にある者によって構成する日本語教育推進関係者会議を設け、前項の調整を行うに際しては、その意見を聴くものとする。 (地方公共団体に置く日本語教育の推進に関する審議会等) 第二十八条 地方公共団体に、第十一条に規定する基本的な方針その他の日本語教育の推進に関する重要事項を調査審議させるため、条例で定めるところにより、審議会その他の合議制の機関を置くことができる。 | 教育 |
Reiwa | Act | 501AC0000000048_20270620_506AC0000000060.xml | 令和元年法律第四十八号 | 28 | 日本語教育の推進に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、日本語教育の推進が、我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる環境の整備に資するとともに、我が国に対する諸外国の理解と関心を深める上で重要であることに鑑み、日本語教育の推進に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び事業主の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他日本語教育の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現に資するとともに、諸外国との交流の促進並びに友好関係の維持及び発展に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「外国人等」とは、日本語に通じない外国人及び日本の国籍を有する者をいう。 2 この法律において「日本語教育」とは、外国人等が日本語を習得するために行われる教育その他の活動(外国人等に対して行われる日本語の普及を図るための活動を含む。)をいう。 (基本理念) 第三条 日本語教育の推進は、日本語教育を受けることを希望する外国人等に対し、その希望、置かれている状況及び能力に応じた日本語教育を受ける機会が最大限に確保されるよう行われなければならない。 2 日本語教育の推進は、日本語教育の水準の維持向上が図られるよう行われなければならない。 3 日本語教育の推進は、外国人等に係る教育及び労働、出入国管理その他の関連施策並びに外交政策との有機的な連携が図られ、総合的に行われなければならない。 4 日本語教育の推進は、国内における日本語教育が地域の活力の向上に寄与するものであるとの認識の下に行われなければならない。 5 日本語教育の推進は、海外における日本語教育を通じて我が国に対する諸外国の理解と関心を深め、諸外国との交流を促進するとともに、諸外国との友好関係の維持及び発展に寄与することとなるよう行われなければならない。 6 日本語教育の推進は、日本語を学習する意義についての外国人等の理解と関心が深められるように配慮して行われなければならない。 7 日本語教育の推進は、我が国に居住する幼児期及び学齢期(満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから満十五歳に達した日の属する学年の終わりまでの期間をいう。)にある外国人等の家庭における教育等において使用される言語の重要性に配慮して行われなければならない。 (国の責務) 第四条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、日本語教育の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、日本語教育の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (事業主の責務) 第六条 外国人等を雇用する事業主は、基本理念にのっとり、国又は地方公共団体が実施する日本語教育の推進に関する施策に協力するとともに、その雇用する外国人等及びその家族に対する日本語学習(日本語を習得するための学習をいう。以下同じ。)の機会の提供その他の日本語学習に関する支援に努めるものとする。 (連携の強化) 第七条 国及び地方公共団体は、国内における日本語教育が適切に行われるよう、関係省庁相互間その他関係機関、日本語教育を行う機関(日本語教育を行う学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校、同法第百二十四条に規定する専修学校及び同法第百三十四条第一項に規定する各種学校をいう。)を含む。以下同じ。)、外国人等を雇用する事業主、外国人等の生活支援を行う団体等の関係者相互間の連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。 2 国は、海外における日本語教育が持続的かつ適切に行われるよう、独立行政法人国際交流基金、日本語教育を行う機関、諸外国の行政機関及び教育機関等との連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。 (法制上の措置等) 第八条 政府は、日本語教育の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。 (資料の作成及び公表) 第九条 政府は、日本語教育の状況及び政府が日本語教育の推進に関して講じた施策に関する資料を作成し、適切な方法により随時公表しなければならない。 第二章 基本方針等 (基本方針) 第十条 政府は、日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。 2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 日本語教育の推進の基本的な方向に関する事項 二 日本語教育の推進の内容に関する事項 三 その他日本語教育の推進に関する重要事項 3 文部科学大臣及び外務大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。 4 文部科学大臣及び外務大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。 5 文部科学大臣及び外務大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない。 6 政府は、日本語教育を取り巻く環境の変化を勘案し、並びに日本語教育に関する施策の実施の状況についての調査、分析及び評価を踏まえ、おおむね五年ごとに基本方針に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。 7 第三項から第五項までの規定は、基本方針の変更について準用する。 (地方公共団体の基本的な方針) 第十一条 地方公共団体は、基本方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針を定めるよう努めるものとする。 第三章 基本的施策 第一節 国内における日本語教育の機会の拡充 (外国人等である幼児、児童、生徒等に対する日本語教育) 第十二条 国は、外国人等である幼児、児童、生徒等に対する生活に必要な日本語及び教科の指導等の充実その他の日本語教育の充実を図るため、これらの指導等の充実を可能とする教員等(教員及び学校において必要な支援を行う者をいう。以下この項において同じ。)の配置に係る制度の整備、教員等の養成及び研修の充実、就学の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、外国人等である幼児、児童、生徒等が生活に必要な日本語を習得することの重要性についてのその保護者の理解と関心を深めるため、必要な啓発活動を行うよう努めるものとする。 (外国人留学生等に対する日本語教育) 第十三条 国は、大学及び大学院に在学する外国人留学生等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)別表第一の四の表の留学の在留資格をもって在留する者及び日本の国籍を有する者であって我が国に留学しているものをいう。次項において同じ。)であって日本語を理解し、使用する能力(以下「日本語能力」という。)を必要とする職業に就くこと、我が国において教育研究を行うこと等を希望するものに対して就業、教育研究等に必要な日本語を習得させるための日本語教育の充実を図るために必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、外国人留学生等(大学及び大学院に在学する者を除く。)であって日本語能力を必要とする職業に就くこと又は我が国において進学することを希望するものに対して就業又は進学に必要な日本語を習得させるための日本語教育の充実を図るために必要な施策を講ずるものとする。 (外国人等である被用者等に対する日本語教育) 第十四条 国は、事業主がその雇用する外国人等(次項に規定する育成就労外国人を除く。)に対して、日本語学習の機会を提供するとともに、研修等により専門分野に関する日本語教育の充実を図ることができるよう、必要な支援を行うものとする。 2 国は、事業主等が育成就労外国人(出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の育成就労の在留資格をもって在留する者をいう。)に対して日本語能力の更なる向上の機会を提供することができるよう、教材の開発その他の日本語学習に関する必要な支援を行うものとする。 3 国は、定住者等(出入国管理及び難民認定法別表第二の上欄に掲げる在留資格をもって在留する者をいう。)が就労に必要な水準の日本語を習得することができるよう、必要な施策を講ずるものとする。 (難民等に対する日本語教育) 第十五条 国は、出入国管理及び難民認定法第六十一条の二第一項に規定する難民の認定又は同条第二項に規定する補完的保護対象者の認定を受けている外国人及びその家族並びに外国において一時的に 庇 ひ 護されていた外国人であって政府の方針により国際的動向を踏まえ我が国に受け入れたものが国内における定住のために必要とされる基礎的な日本語を習得することができるよう、学習の機会の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (地域における日本語教育) 第十六条 国は、地域における日本語教育の機会の拡充を図るため、日本語教室(専ら住民である外国人等に対して日本語教育を実施する事業をいう。以下この条において同じ。)の開始及び運営の支援、日本語教室における日本語教育に従事する者の養成及び使用される教材の開発等の支援、日本語教室を利用することが困難な者の日本語学習に係る環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。 (国民の理解と関心の増進) 第十七条 国は、国内における日本語教育が外国人等の日本語能力を向上させるとともに、共生社会の実現に資することを踏まえ、外国人等に対する日本語教育についての国民の理解と関心を深めるよう、日本語教育に関する広報活動の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。 第二節 海外における日本語教育の機会の拡充 (海外における外国人等に対する日本語教育) 第十八条 国は、海外における日本語教育が外国人等の我が国に対する理解と関心の増進、我が国の企業への就職の円滑化等に寄与するものであることに鑑み、各国における日本語教育の状況に応じて、持続的かつ適切に日本語教育が行われるよう、現地における日本語教育に関する体制及び基盤の整備の支援、海外における日本語教育に従事する者の養成並びに使用される教材(インターネットを通じて提供することができるものを含む。)の開発及び提供並びにその支援、海外において日本語教育を行う教育機関の活動及び日本語を学習する者の支援その他の必要な施策を講ずるよう努めるものとする。 2 国は、外国人等であって我が国への留学を希望するものが我が国の大学等で教育を受けるために必要な水準の日本語を習得することができるよう、必要な施策を講ずるものとする。 (海外に在留する邦人の子等に対する日本語教育) 第十九条 国は、海外に在留する邦人の子、海外に移住した邦人の子孫等に対する日本語教育の充実を図るため、これらの者に対する日本語教育を支援する体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。 第三節 日本語教育の水準の維持向上等 (日本語教育を行う機関における日本語教育の水準の維持向上) 第二十条 国は、日本語教育を行う機関における日本語教育の水準の維持向上を図るため、日本語教育を行う機関によるその日本語教育に従事する者に対する研修の機会の確保の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。 (日本語教育に従事する者の能力及び資質の向上等) 第二十一条 国は、日本語教育に従事する者の能力及び資質の向上並びに処遇の改善が図られるよう、日本語教育に従事する者の養成及び研修体制の整備、国内における日本語教師(日本語教育に関する専門的な知識及び技能を必要とする業務に従事する者をいう。以下この条において同じ。)の資格に関する仕組みの整備、日本語教師の養成に必要な高度かつ専門的な知識及び技能を有する者の養成その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、海外における日本語教育の水準の維持向上を図るため、外国人である日本語教師の海外における養成を支援するために必要な施策を講ずるよう努めるものとする。 (教育課程の編成に係る指針の策定等) 第二十二条 国は、日本語教育を受ける者の日本語能力に応じた効果的かつ適切な教育が行われるよう、教育課程の編成に係る指針の策定、指導方法及び教材の開発及び普及並びにその支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (日本語能力の評価) 第二十三条 国は、日本語教育を受ける者の日本語能力を適切に評価することができるよう、日本語能力の評価方法の開発その他の必要な施策を講ずるものとする。 第四節 日本語教育に関する調査研究等 (日本語教育に関する調査研究等) 第二十四条 国は、日本語教育の推進に関する施策を適正に策定し、及び実施するため、日本語教育の実態(海外におけるものを含む。)、効果的な日本語教育の方法、試験その他の日本語能力の適切な評価方法等について、調査研究、情報の収集及び提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (日本語教育に関する情報の提供等) 第二十五条 国は、外国人等が日本語教育に関して必要な情報を得られるよう、外国人等のために日本語教育に関する情報を集約し、当該集約した情報についてインターネットを通じて閲覧することを可能とするための措置、相談体制の整備に関する助言その他の必要な施策を講ずるものとする。 第五節 地方公共団体の施策 第二十六条 地方公共団体は、この章(第二節を除く。)に定める国の施策を勘案し、その地方公共団体の地域の状況に応じた日本語教育の推進のために必要な施策を実施するよう努めるものとする。 第四章 日本語教育推進会議等 (日本語教育推進会議) 第二十七条 政府は、文部科学省、外務省その他の関係行政機関(次項において「関係行政機関」という。)相互の調整を行うことにより、日本語教育の総合的、一体的かつ効果的な推進を図るため、日本語教育推進会議を設けるものとする。 2 関係行政機関は、日本語教育に関し専門的知識を有する者、日本語教育に従事する者及び日本語教育を受ける立場にある者によって構成する日本語教育推進関係者会議を設け、前項の調整を行うに際しては、その意見を聴くものとする。 (地方公共団体に置く日本語教育の推進に関する審議会等) 第二十八条 地方公共団体に、第十一条に規定する基本的な方針その他の日本語教育の推進に関する重要事項を調査審議させるため、条例で定めるところにより、審議会その他の合議制の機関を置くことができる。 | 教育 |
Reiwa | Act | 501AC0100000049_20190628_000000000000000.xml | 令和元年法律第四十九号 | 28 | 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本計画の策定その他の視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策の基本となる事項を定めること等により、視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進し、もって障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化(文字・活字文化振興法(平成十七年法律第九十一号)第二条に規定する文字・活字文化をいう。)の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「視覚障害者等」とは、視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、書籍(雑誌、新聞その他の刊行物を含む。以下同じ。)について、視覚による表現の認識が困難な者をいう。 2 この法律において「視覚障害者等が利用しやすい書籍」とは、点字図書、拡大図書その他の視覚障害者等がその内容を容易に認識することができる書籍をいう。 3 この法律において「視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等」とは、電子書籍その他の書籍に相当する文字、音声、点字等の電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。第十一条第二項及び第十二条第二項において同じ。)であって、電子計算機等を利用して視覚障害者等がその内容を容易に認識することができるものをいう。 (基本理念) 第三条 視覚障害者等の読書環境の整備の推進は、次に掲げる事項を旨として行われなければならない。 一 視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等が視覚障害者等の読書に係る利便性の向上に著しく資する特性を有することに鑑み、情報通信その他の分野における先端的な技術等を活用して視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等の普及が図られるとともに、視覚障害者等の需要を踏まえ、引き続き、視覚障害者等が利用しやすい書籍が提供されること。 二 視覚障害者等が利用しやすい書籍及び視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等(以下「視覚障害者等が利用しやすい書籍等」という。)の量的拡充及び質の向上が図られること。 三 視覚障害者等の障害の種類及び程度に応じた配慮がなされること。 (国の責務) 第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、第三条の基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (財政上の措置等) 第六条 政府は、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講じなければならない。 第二章 基本計画等 (基本計画) 第七条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(以下この章において「基本計画」という。)を定めなければならない。 2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 一 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策についての基本的な方針 二 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関し政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策 三 前二号に掲げるもののほか、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項 3 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、基本計画を策定しようとするときは、あらかじめ、経済産業大臣、総務大臣その他の関係行政機関の長に協議しなければならない。 4 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、基本計画を策定しようとするときは、あらかじめ、視覚障害者等その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。 5 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、基本計画を策定したときは、遅滞なく、これをインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。 6 前三項の規定は、基本計画の変更について準用する。 (地方公共団体の計画) 第八条 地方公共団体は、基本計画を勘案して、当該地方公共団体における視覚障害者等の読書環境の整備の状況等を踏まえ、当該地方公共団体における視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画を定めるよう努めなければならない。 2 地方公共団体は、前項の計画を定めようとするときは、あらかじめ、視覚障害者等その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 3 地方公共団体は、第一項の計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するよう努めなければならない。 4 前二項の規定は、第一項の計画の変更について準用する。 第三章 基本的施策 (視覚障害者等による図書館の利用に係る体制の整備等) 第九条 国及び地方公共団体は、公立図書館、大学及び高等専門学校の附属図書館並びに学校図書館(以下「公立図書館等」という。)並びに国立国会図書館について、各々の果たすべき役割に応じ、点字図書館とも連携して、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の円滑な利用のための支援の充実その他の視覚障害者等によるこれらの図書館の利用に係る体制の整備が行われるよう、必要な施策を講ずるものとする。 2 国及び地方公共団体は、点字図書館について、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実、公立図書館等に対する視覚障害者等が利用しやすい書籍等の利用に関する情報提供その他の視覚障害者等が利用しやすい書籍等を視覚障害者が十分かつ円滑に利用することができるようにするための取組の促進に必要な施策を講ずるものとする。 (インターネットを利用したサービスの提供体制の強化) 第十条 国及び地方公共団体は、視覚障害者等がインターネットを利用して全国各地に存する視覚障害者等が利用しやすい書籍等を十分かつ円滑に利用することができるようにするため、次に掲げる施策その他の必要な施策を講ずるものとする。 一 点字図書館等から著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第三十七条第二項又は第三項本文の規定により製作される視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等(以下「特定電子書籍等」という。)であってインターネットにより送信することができるもの及び当該点字図書館等の有する視覚障害者等が利用しやすい書籍等に関する情報の提供を受け、これらをインターネットにより視覚障害者等に提供する全国的なネットワークの運営に対する支援 二 視覚障害者等が利用しやすい書籍等に係るインターネットを利用したサービスの提供についての国立国会図書館、前号のネットワークを運営する者、公立図書館等、点字図書館及び特定電子書籍等の製作を行う者の間の連携の強化 (特定書籍及び特定電子書籍等の製作の支援) 第十一条 国及び地方公共団体は、著作権法第三十七条第一項又は第三項本文の規定により製作される視覚障害者等が利用しやすい書籍(以下「特定書籍」という。)及び特定電子書籍等の製作を支援するため、製作に係る基準の作成等のこれらの質の向上を図るための取組に対する支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、特定書籍及び特定電子書籍等の効率的な製作を促進するため、出版を行う者(次条及び第十八条において「出版者」という。)からの特定書籍又は特定電子書籍等の製作を行う者に対する書籍に係る電磁的記録の提供を促進するための環境の整備に必要な支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等の販売等の促進等) 第十二条 国は、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等の販売等が促進されるよう、技術の進歩を適切に反映した規格等の普及の促進、著作権者と出版者との契約に関する情報提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、書籍を購入した視覚障害者等からの求めに応じて出版者が当該書籍に係る電磁的記録の提供を行うことその他の出版者からの視覚障害者等に対する書籍に係る電磁的記録の提供を促進するため、その環境の整備に関する関係者間における検討に対する支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (外国からの視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等の入手のための環境の整備) 第十三条 国は、視覚障害者等が、盲人、視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約の枠組みに基づき、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等であってインターネットにより送信することができるものを外国から十分かつ円滑に入手することができるよう、その入手に関する相談体制の整備その他のその入手のための環境の整備について必要な施策を講ずるものとする。 (端末機器等及びこれに関する情報の入手の支援) 第十四条 国及び地方公共団体は、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等を利用するための端末機器等及びこれに関する情報を視覚障害者等が入手することを支援するため、必要な施策を講ずるものとする。 (情報通信技術の習得支援) 第十五条 国及び地方公共団体は、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等を利用するに当たって必要となる情報通信技術を視覚障害者等が習得することを支援するため、講習会及び巡回指導の実施の推進その他の必要な施策を講ずるものとする。 (研究開発の推進等) 第十六条 国は、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等及びこれを利用するための端末機器等について、視覚障害者等の利便性の一層の向上を図るため、これらに係る先端的な技術等に関する研究開発の推進及びその成果の普及に必要な施策を講ずるものとする。 (人材の育成等) 第十七条 国及び地方公共団体は、特定書籍及び特定電子書籍等の製作並びに公立図書館等、国立国会図書館及び点字図書館における視覚障害者等が利用しやすい書籍等の円滑な利用のための支援に係る人材の育成、資質の向上及び確保を図るため、研修の実施の推進、広報活動の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。 第四章 協議の場等 第十八条 国は、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策の効果的な推進を図るため、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、総務省その他の関係行政機関の職員、国立国会図書館、公立図書館等、点字図書館、第十条第一号のネットワークを運営する者、特定書籍又は特定電子書籍等の製作を行う者、出版者、視覚障害者等その他の関係者による協議の場を設けることその他関係者の連携協力に関し必要な措置を講ずるものとする。 | 教育 |
Reiwa | Act | 501AC1000000047_20210901_503AC0000000035.xml | 令和元年法律第四十七号 | 28 | 学校教育の情報化の推進に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、デジタル社会の発展に伴い、学校における情報通信技術の活用により学校教育が直面する課題の解決及び学校教育の一層の充実を図ることが重要となっていることに鑑み、全ての児童生徒がその状況に応じて効果的に教育を受けることができる環境の整備を図るため、学校教育の情報化の推進に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにし、及び学校教育の情報化の推進に関する計画の策定その他の必要な事項を定めることにより、学校教育の情報化の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって次代の社会を担う児童生徒の育成に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。 2 この法律において「学校教育の情報化」とは、学校の各教科等の指導等における情報通信技術の活用及び学校における情報教育(情報及び情報手段(電子計算機、情報通信ネットワークその他の情報処理又は情報の流通のための手段をいう。次条第一項において同じ。)を主体的に選択し、及びこれを活用する能力の育成を図るための教育をいう。第十四条において同じ。)の充実並びに学校事務(学校における事務をいう。以下同じ。)における情報通信技術の活用をいう。 3 この法律において「児童生徒」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。 4 この法律において「デジタル教材」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)として作成される教材をいう。 5 この法律において「デジタル教科書」とは、教科書に代えて、又は教科書として使用されるデジタル教材をいう。 (基本理念) 第三条 学校教育の情報化の推進は、情報通信技術の特性を生かして、個々の児童生徒の能力、特性等に応じた教育、双方向性のある教育(児童生徒の主体的な学習を促す教育をいう。)等が学校の教員による適切な指導を通じて行われることにより、各教科等の指導等において、情報及び情報手段を主体的に選択し、及びこれを活用する能力の体系的な育成その他の知識及び技能の習得等(心身の発達に応じて、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力を育み、主体的に学習に取り組む態度を養うことをいう。)が効果的に図られるよう行われなければならない。 2 学校教育の情報化の推進は、デジタル教科書その他のデジタル教材を活用した学習その他の情報通信技術を活用した学習とデジタル教材以外の教材を活用した学習、体験学習等とを適切に組み合わせること等により、多様な方法による学習が推進されるよう行われなければならない。 3 学校教育の情報化の推進は、全ての児童生徒が、その家庭の経済的な状況、居住する地域、障害の有無等にかかわらず、等しく、学校教育の情報化の恵沢を享受し、もって教育の機会均等が図られるよう行われなければならない。 4 学校教育の情報化の推進は、情報通信技術を活用した学校事務の効率化により、学校の教職員の負担が軽減され、児童生徒に対する教育の充実が図られるよう行われなければならない。 5 学校教育の情報化の推進は、児童生徒等の個人情報の適正な取扱い及びサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法(平成二十六年法律第百四号)第二条に規定するサイバーセキュリティをいう。第十七条において同じ。)の確保を図りつつ行われなければならない。 6 学校教育の情報化の推進は、児童生徒による情報通信技術の利用が児童生徒の健康、生活等に及ぼす影響に十分配慮して行われなければならない。 (国の責務) 第四条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、学校教育の情報化の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、学校教育の情報化の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。 (学校の設置者の責務) 第六条 学校の設置者は、基本理念にのっとり、その設置する学校における学校教育の情報化の推進のために必要な措置を講ずる責務を有する。 (法制上の措置等) 第七条 政府は、学校教育の情報化の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。 第二章 学校教育情報化推進計画等 (学校教育情報化推進計画) 第八条 文部科学大臣は、学校教育の情報化の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、学校教育の情報化の推進に関する計画(以下「学校教育情報化推進計画」という。)を定めなければならない。 2 学校教育情報化推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 一 学校教育の情報化の推進に関する基本的な方針 二 学校教育情報化推進計画の期間 三 学校教育情報化推進計画の目標 四 学校教育の情報化の推進に関する施策に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策 五 前各号に掲げるもののほか、学校教育の情報化の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項 3 学校教育情報化推進計画は、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第十七条第一項に規定する基本的な計画との調和が保たれたものでなければならない。 4 文部科学大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、学校教育情報化推進計画を変更するものとする。 5 文部科学大臣は、学校教育情報化推進計画を定め、又は変更しようとするときは、総務大臣、経済産業大臣その他の関係行政機関の長と協議しなければならない。 6 文部科学大臣は、学校教育情報化推進計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 (都道府県学校教育情報化推進計画等) 第九条 都道府県は、学校教育情報化推進計画を基本として、その都道府県の区域における学校教育の情報化の推進に関する施策についての計画(以下この条において「都道府県学校教育情報化推進計画」という。)を定めるよう努めなければならない。 2 市町村(特別区を含む。以下この条において同じ。)は、学校教育情報化推進計画(都道府県学校教育情報化推進計画が定められているときは、学校教育情報化推進計画及び都道府県学校教育情報化推進計画)を基本として、その市町村の区域における学校教育の情報化の推進に関する施策についての計画(次項において「市町村学校教育情報化推進計画」という。)を定めるよう努めなければならない。 3 都道府県又は市町村は、都道府県学校教育情報化推進計画又は市町村学校教育情報化推進計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。 第三章 学校教育の情報化の推進に関する施策 (デジタル教材等の開発及び普及の促進) 第十条 国は、情報通信技術を活用した多様な方法による学習を促進するため、デジタル教材等(デジタル教材及びデジタル教材を利用するための情報通信機器をいう。次項において同じ。)、情報通信技術を活用した教育方法等の開発及び普及の促進に必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、前項の施策を講ずるに当たっては、障害の有無にかかわらず全ての児童生徒が円滑に利用することができるデジタル教材等の開発の促進に必要な措置を講ずるものとする。 (教科書に係る制度の見直し) 第十一条 国は、前条第一項の学習を促進するため、教科書として使用することが適切な内容のデジタル教材について各教科等の授業においてデジタル教科書として使用することができるよう、その教育効果を検証しつつ、教科書に係る制度(教科書の位置付け及び教科書に係る検定、義務教育諸学校の児童生徒への教科書の無償の供与、教科書への掲載に係る著作物の利用等に関する制度をいう。次項において同じ。)について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。 2 国は、前項の措置の実施の状況等を踏まえ、学校における情報通信技術の活用のための環境の整備の状況等を考慮しつつ、教科書に係る制度の在り方について不断の見直しを行うものとする。 (障害のある児童生徒の教育環境の整備) 第十二条 国は、情報通信技術の活用により可能な限り障害のある児童生徒が障害のない児童生徒と共に教育を受けることができる環境の整備が図られるよう、必要な施策を講ずるものとする。 (相当の期間学校を欠席する児童生徒に対する教育の機会の確保) 第十三条 国は、情報通信技術の活用により疾病による療養その他の事由のため相当の期間学校を欠席する児童生徒に対する教育の機会の確保が図られるよう、必要な施策を講ずるものとする。 (学校の教職員の資質の向上) 第十四条 国は、情報通信技術を活用した効果的な教育方法の普及、情報通信技術の活用による教育方法の改善及び情報教育の充実並びに情報通信技術の活用による学校事務の効率化を図るため、学校の教員の養成及び学校の教職員の研修を通じたその資質の向上のために必要な施策を講ずるものとする。 (学校における情報通信技術の活用のための環境の整備) 第十五条 国は、デジタル教材の円滑な使用を確保するための情報通信機器その他の機器の導入及び情報通信ネットワークを利用できる環境の整備、学校事務に係る情報システムの構築その他の学校における情報通信技術の活用のための環境の整備に必要な施策を講ずるものとする。 (学習の継続的な支援等のための体制の整備) 第十六条 国は、児童生徒に対する学習の継続的な支援等が円滑に行われるよう、情報通信技術の活用により児童生徒の学習活動の状況等に関する情報を学校間及び学校の教職員間で適切に共有する体制を整備するために必要な施策を講ずるものとする。 (個人情報の保護等) 第十七条 国は、児童生徒及び学校の教職員が情報通信技術を適切にかつ安心して利用することができるよう、学校における児童生徒等の個人情報の適正な取扱い及びサイバーセキュリティの確保を図るため、学校におけるサイバーセキュリティに関する統一的な基準の策定、研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。 (人材の確保等) 第十八条 国は、学校の教職員による情報通信技術の活用を支援する人材の確保、養成及び資質の向上が図られるよう、必要な施策を講ずるものとする。 (調査研究等の推進) 第十九条 国は、デジタル教材の教育効果、情報通信技術の利用が児童生徒の健康、生活等に及ぼす影響等に関する調査研究、情報通信技術の進展に伴う新たなデジタル教材、教育方法等の研究開発等の推進及びその成果の普及に必要な施策を講ずるものとする。 (国民の理解と関心の増進) 第二十条 国は、学校教育の情報化の重要性に関する国民の理解と関心を深めるよう、学校教育の情報化に関する広報活動及び啓発活動の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。 (地方公共団体の施策) 第二十一条 地方公共団体は、第十条から前条までの国の施策を勘案し、その地方公共団体の地域の状況に応じた学校教育の情報化のための施策の推進を図るよう努めるものとする。 第四章 学校教育情報化推進会議 第二十二条 政府は、関係行政機関(文部科学省、総務省、経済産業省その他の関係行政機関をいう。次項において同じ。)相互の調整を行うことにより、学校教育の情報化の総合的、一体的かつ効果的な推進を図るため、学校教育情報化推進会議を設けるものとする。 2 関係行政機関は、学校教育の情報化に関し専門的知識を有する者によって構成する学校教育情報化推進専門家会議を設け、前項の調整を行うに際しては、その意見を聴くものとする。 | 教育 |
Reiwa | CabinetOrder | 501CO0000000049_20240401_506CO0000000096.xml | 令和元年政令第四十九号 | 28 | 大学等における修学の支援に関する法律施行令
(法第七条第二項第三号の政令で定める者等) 第一条 大学等における修学の支援に関する法律(以下「法」という。)第七条第二項第三号の政令で定める者は、次の各号に掲げる者のいずれかに該当する大学等の設置者とし、同号の政令で定める日は、当該者の当該各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める日とする。 一 法第十五条第一項の規定により法第七条第一項の確認(以下この条及び第五条において単に「確認」という。)を取り消された大学等の設置者が法人である場合において、当該確認の取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があった日前六十日以内にその役員であった者 当該確認の取消しの日 二 法第十五条第一項の規定による確認の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に、確認を辞退した大学等の設置者(当該確認の辞退について相当の理由がある者を除く。次号及び第四号において同じ。) 当該確認の辞退の日 三 法第十三条第二項の規定による検査が行われた日から聴聞決定予定日(当該検査の結果に基づき法第十五条第一項の規定による確認の取消しの処分に係る聴聞を行うか否かの決定をすることが見込まれる日として文部科学省令で定めるところにより法第七条第一項に規定する文部科学大臣等がその大学等の設置者に当該検査が行われた日から十日以内に特定の日を通知した場合における当該特定の日をいう。第五条において同じ。)までの間に、確認を辞退した大学等の設置者 当該確認の辞退の日 四 第二号に規定する期間内に確認を辞退した大学等の設置者が法人である場合において、同号の通知の日前六十日以内にその役員であった者 当該確認の辞退の日 五 大学等の設置者又はその役員であって、法若しくは法に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反した者 当該違反行為をした日 六 前号に掲げる者のほか、大学等の設置者又はその役員であって、確認又は法第十条の規定による減免費用(同条に規定する減免費用をいう。第四条において同じ。)の支弁に関し不正な行為をした者 当該行為をした日 2 法第七条第二項第四号の政令で定める者は、次の各号に掲げる者のいずれかに該当する個人とし、同号の政令で定める日は、当該者の当該各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める日とする。 一 法第十五条第一項の規定により確認を取り消された大学等の設置者 当該確認の取消しの日 二 前項各号(第五号にあっては、大学等の設置者の役員に係る部分を除く。)に掲げる者 当該各号に定める日 (授業料等減免の額) 第二条 確認大学等の設置者が行う授業料減免(法第八条第一項の規定による授業料の減免をいう。次条第一項において同じ。)の年額及び入学金減免(法第八条第一項の規定による入学金の減免をいう。次条第二項において同じ。)の額は、授業料等減免対象者に係る減免額算定基準額の次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額(第二号から第四号までに定める額に百円未満の端数がある場合には、これを百円に切り上げた額)とする。 一 一〇〇円未満 当該授業料等減免対象者が在学する確認大学等の授業料の年額(その額が次の表の上欄に掲げる学校等の区分に応じ、同表の中欄に定める額を超える場合には、同欄に定める額)及び入学金の額(その額が同表の上欄に掲げる学校等の区分に応じ、同表の下欄に定める額を超える場合には、同欄に定める額) 区分 授業料の年額 入学金の額 大学 地方公共団体、国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。以下この表において同じ。)又は公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。以下この表において同じ。)が設置する大学(短期大学を除く。以下この表において同じ。) 学部(夜間学部を除く。) 五三五、八〇〇円 二八二、〇〇〇円 夜間学部 二六七、九〇〇円 一四一、〇〇〇円 私立の大学 学部(夜間学部を除く。) 七〇〇、〇〇〇円 二六〇、〇〇〇円 夜間学部 三六〇、〇〇〇円 一四〇、〇〇〇円 短期大学 地方公共団体、国立大学法人又は公立大学法人が設置する短期大学 学科(夜間学科を除く。) 三九〇、〇〇〇円 一六九、二〇〇円 夜間学科 一九五、〇〇〇円 八四、六〇〇円 私立の短期大学 学科(夜間学科を除く。) 六二〇、〇〇〇円 二五〇、〇〇〇円 夜間学科 三六〇、〇〇〇円 一七〇、〇〇〇円 高等専門学校 地方公共団体、独立行政法人国立高等専門学校機構又は公立大学法人が設置する高等専門学校 学科 二三四、六〇〇円 八四、六〇〇円 私立の高等専門学校 学科 七〇〇、〇〇〇円 一三〇、〇〇〇円 専修学校 国、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、国立大学法人又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)が設置する専修学校(専門課程に限る。以下同じ。) 学科(夜間学科を除く。) 一六六、八〇〇円 七〇、〇〇〇円 夜間学科 八三、四〇〇円 三五、〇〇〇円 私立の専修学校 学科(夜間学科を除く。) 五九〇、〇〇〇円 一六〇、〇〇〇円 夜間学科 三九〇、〇〇〇円 一四〇、〇〇〇円 備考 一 大学の項において「夜間学部」とは、夜間において授業を行う学部をいう。 二 短期大学の項及び次号において「学科」には、法第二条第二項に規定する短期大学の専攻科を含む。 三 短期大学の項において「夜間学科」とは、夜間において授業を行う学科をいう。 四 高等専門学校の項において「学科」は、第四学年及び第五学年に限り、法第二条第二項に規定する高等専門学校の専攻科を含む。 五 専修学校の項において「夜間学科」とは、夜間において授業を行う学科をいう。 六 第一号の夜間学部、第三号の夜間学科及び前号の夜間学科には、いずれも昼間及び夜間の双方の時間帯において授業を行うものを含まない。 二 一〇〇円以上二五、六〇〇円未満 当該授業料等減免対象者が在学する確認大学等の前号に定める授業料の年額に三分の二を乗じた額及び同号に定める入学金の額に三分の二を乗じた額 三 二五、六〇〇円以上五一、三〇〇円未満 当該授業料等減免対象者が在学する確認大学等の第一号に定める授業料の年額に三分の一を乗じた額及び同号に定める入学金の額に三分の一を乗じた額 四 五一、三〇〇円以上一五四、五〇〇円未満 当該授業料等減免対象者が在学する確認大学等の第一号に定める授業料の年額に四分の一を乗じた額及び同号に定める入学金の額に四分の一を乗じた額 2 前項に規定する「減免額算定基準額」とは、授業料等減免対象者及びその生計を維持する者(以下この項において「生計維持者」という。)についてそれぞれ第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額(その額が零を下回る場合には、零とし、その額に百円未満の端数がある場合には、これを切り捨てた額とする。)(当該授業料等減免対象者又はその生計維持者が地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二百九十五条第一項各号に掲げる者又は同法附則第三条の三第四項の規定により同項に規定する市町村民税の所得割を課することができない者である場合には、零とする。)を合算した額をいう。 ただし、授業料等減免対象者又はその生計維持者が授業料等減免が行われる月の属する年度(当該月が四月から九月までの月であるときは、その前年度。以下この項において「授業料等減免実施年度」という。)分の同法の規定による市町村民税(同法の規定による特別区民税を含む。以下この項において同じ。)の同法第二百九十二条第一項第二号に掲げる所得割の賦課期日において同法の施行地に住所を有しないことその他の理由により本文の規定により難い場合として文部科学省令で定める場合については、文部科学省令で定めるところにより算定した額とする。 一 授業料等減免実施年度分の地方税法の規定による市町村民税に係る同法第三百十四条の三第二項に規定する課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額、同法附則第三十三条の二第五項に規定する上場株式等に係る課税配当所得等の金額、同法附則第三十三条の三第五項第一号に規定する土地等に係る課税事業所得等の金額、同法附則第三十四条第四項に規定する課税長期譲渡所得金額、同法附則第三十五条第五項に規定する課税短期譲渡所得金額、同法附則第三十五条の二第五項に規定する一般株式等に係る課税譲渡所得等の金額、同法附則第三十五条の二の二第五項に規定する上場株式等に係る課税譲渡所得等の金額並びに同法附則第三十五条の四第四項に規定する先物取引に係る課税雑所得等の金額、外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十四号)第八条第二項(同法第十二条第五項及び第十六条第二項において準用する場合を含む。)に規定する特例適用利子等の額(同法第八条第八項第四号(同法第十二条第七項及び第十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定により読み替えられた地方税法第三百十四条の二の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)及び外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律第八条第四項(同法第十二条第六項及び第十六条第三項において準用する場合を含む。)に規定する特例適用配当等の額(同法第八条第十一項第四号(同法第十二条第八項及び第十六条第五項において準用する場合を含む。)の規定により読み替えられた地方税法第三百十四条の二の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)並びに租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号)第三条の二の二第十項に規定する条約適用利子等の額(同条第十一項第四号の規定により読み替えられた地方税法第三百十四条の二の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)及び租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律第三条の二の二第十二項に規定する条約適用配当等の額(同条第十四項第四号の規定により読み替えられた地方税法第三百十四条の二の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)の合計額(当該授業料等減免対象者が当該授業料等減免実施年度の前年度の十二月三十一日においてその生計維持者の地方税法第二百九十二条第一項第九号に規定する扶養親族である場合において、当該授業料等減免対象者が当該授業料等減免実施年度の前年度の一月一日から三月三十一日までの間に十九歳に達した者であるときは、当該生計維持者については、当該合計額から十二万円を控除して得た金額)に百分の六を乗じた額 二 授業料等減免実施年度分の地方税法の規定による市町村民税に係る同法第三百十四条の六及び附則第三条の三第五項の規定により控除する額(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市により当該授業料等減免実施年度分の地方税法の規定による市町村民税の同法第二百九十二条第一項第二号に掲げる所得割を課される者については、当該額に四分の三を乗じた額) 3 大学の学部、短期大学の学科(法第二条第二項に規定する短期大学の専攻科を含む。)又は専修学校において通信による教育を受ける授業料等減免対象者に対する第一項の規定の適用については、同項第一号中「次の表の上欄に掲げる学校等の区分に応じ、同表の中欄に定める額を超える場合には、同欄に定める額」とあるのは「一三〇、〇〇〇円を超える場合には、一三〇、〇〇〇円」と、「同表の上欄に掲げる学校等の区分に応じ、同表の下欄に定める額を超える場合には、同欄に定める額」とあるのは「三〇、〇〇〇円を超える場合には、三〇、〇〇〇円」とする。 (授業料減免の期間等) 第三条 確認大学等の設置者は、次の各号に掲げる者に該当する授業料等減免対象者に対して、当該各号に定める月数を限度として、授業料減免を行うものとする。 一 過去に授業料減免を受けたことがない者 当該授業料等減免対象者がその在学する前条第一項第一号の表の上欄に掲げる学校等(次号において単に「学校等」という。)の正規の修業年限を満了するために必要な期間の月数(法第二条第二項に規定する短期大学の専攻科又は高等専門学校の専攻科の正規の修業年限を満了するために必要な期間の月数が二十四月を超える場合には、二十四月を超えない範囲で文部科学省令で定める月数とし、専修学校の正規の修業年限を満了するために必要な期間の月数が四十八月を超える場合には、四十八月を超えない範囲で文部科学省令で定める月数とする。次号において同じ。) 二 過去に授業料減免を受けたことがある者のうち学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百八条第九項、第百二十二条又は第百三十二条の規定により編入学した者その他の文部科学省令で定める者 当該授業料等減免対象者がその在学する学校等の正規の修業年限を満了するために必要な期間の月数(当該月数と当該授業料等減免対象者が過去に授業料減免を受けた期間の月数(以下この号において「過去減免期間月数」という。)とを合算した月数が七十二月を超える場合には、七十二月から当該過去減免期間月数を控除した月数) 2 確認大学等の設置者は、過去に入学金減免を受けたことがない授業料等減免対象者に対して、入学金減免を行うものとする。 (国の負担) 第四条 国は、法第十一条の規定により、毎年度、法第十条(第五号に係る部分に限る。)の規定により都道府県が支弁する減免費用の二分の一を負担する。 (法第十六条ただし書の政令で定める場合) 第五条 法第十六条ただし書の政令で定める場合は、法第十五条第一項の規定による確認の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があった日から当該処分をする日若しくは処分をしないことを決定する日までの間又は法第十三条第二項の規定による検査が行われた日から聴聞決定予定日までの間に確認大学等の設置者が確認を辞退した場合(当該確認の辞退について相当の理由がある場合を除く。)とする。 (文部科学省令への委任) 第六条 この政令に定めるもののほか、授業料等減免に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。 | 教育 |
Reiwa | CabinetOrder | 501CO0000000198_20210401_000000000000000.xml | 令和元年政令第百九十八号 | 28 | 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法第五条の規定により読み替えて適用する地方公務員法第五十八条第三項の規定により読み替えて適用する労働基準法第三十二条の四第三項の審議会等を定める政令
公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法第五条の規定により読み替えて適用する地方公務員法第五十八条第三項の規定により読み替えて適用する労働基準法第三十二条の四第三項の審議会等で政令で定めるものは、中央教育審議会とする。 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 501M60000080006_20240401_506M60000080013.xml | 令和元年文部科学省令第六号 | 28 | 大学等における修学の支援に関する法律施行規則
(短期大学及び高等専門学校の専攻科) 第一条 大学等における修学の支援に関する法律(以下「法」という。)第二条第二項の文部科学省令で定める短期大学の専攻科及び高等専門学校の専攻科は、学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)第六条第一項に規定する独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が定める要件を満たす専攻科(以下「認定専攻科」という。)とする。 (大学等の確認要件) 第二条 法第七条第二項第一号の文部科学省令で定める基準は、次の各号のいずれにも適合するものであることとする。 一 大学(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百三条に規定する大学を除き、短期大学の認定専攻科を含む。)、高等専門学校(第四学年、第五学年及び認定専攻科に限る。)及び専門学校(専門課程を置く専修学校をいい、専門課程に限る。以下同じ。)(以下「大学等」という。)の学部等(学部、学科又はこれらに準ずるもの(法第三条に規定する大学等における修学の支援の対象者が在学できないことが明らかにされているものを除く。)をいう。第三号ハ、第十条第二項第二号イ及び別表第二を除き、以下同じ。)ごとに、実務の経験を有する教員が担当する授業科目その他の実践的な教育が行われる授業科目(実践的な教育が行われる旨が第三号イに規定する授業計画書に記載されているものに限る。)の単位数又は授業時数が別表第一に定める基準数以上であること。 二 大学等の設置者(国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。次条第一号及び第四条第二項において同じ。)、独立行政法人国立高等専門学校機構、公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。次条第一号において同じ。)及び学校法人等(私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人及び同法第六十四条第四項に規定する法人をいう。次条第二号イ及びロにおいて同じ。)(第四号ロ及び第四条第三項において「大学等の設置及び運営を主たる目的とする法人」という。)に限る。)の役員(監事を除く。)のうちに、その任命又は選任の際現に当該大学等の設置者の役員又は職員でない者(第三項において「学外者」という。)が二人以上含まれること。 三 大学等において、客観性及び厳格性が確保された学修の成果に係る評価(イにおいて「成績評価」という。)の適正な管理に関する事項として次に掲げる事項を実施すること。 イ 毎年度、授業計画書(授業科目、授業の方法及び内容、年間の授業の計画、成績評価の方法及び基準その他の授業の実施に関する事項を記載したものをいう。)を公表すること。 ロ 大学等が定める適切な方法により学修の成果を評価して単位の授与又は履修の認定を行うこと。 ハ 学生等の履修科目に係る成績の平均を数値で表す客観的な指標又はこれに準ずるもの(以下「GPA等」という。)及びその算出方法の設定、公表及び適切な運用を行うとともに、別表第二備考第二号に規定する学部等ごとにGPA等の分布状況を把握すること。 ニ 卒業又は全課程の修了の認定に関する方針を公表するとともに、当該方針を踏まえ卒業又は全課程の修了の認定を行うこと。 四 次に掲げるものを公表すること。 イ 大学等の設置者(国及び地方公共団体を除く。)が関係法令の規定に基づき作成すべき財務諸表等(当該関係法令の規定に基づき財務諸表等の作成を要しないときは、貸借対照表及び収支計算書又はこれらに準ずる書類) ロ 大学等の設置者(大学等の設置及び運営を主たる目的とする法人に限る。)の役員(監事を除く。)の氏名が記載された名簿 ハ 学校教育法第百九条第一項(同法第百二十三条において準用する場合を含む。)に規定する点検及び評価の結果 ニ 学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第百七十二条の二第一項各号(同令第百七十九条において準用する場合を含む。)に掲げる情報(専門学校にあっては、同令第百八十九条において準用する同令第六十七条の規定による評価の結果及び様式第二号の一から様式第二号の四までの申請書に記載すべき情報) 2 前項第一号の実務の経験は、その者の担当する授業科目に関連する実務の経験でなければならない。 3 学外者である役員が再任される場合において、その最初の任命又は選任の際現に大学等の設置者の役員又は職員でなかったときの第一項第二号の規定の適用については、その再任の際現に当該大学等の設置者の役員又は職員でない者とみなす。 4 第一項第四号に規定する公表は、刊行物への掲載、インターネットの利用その他広く周知を図ることができる方法によって行うものとする。 第三条 法第七条第二項第二号の文部科学省令で定める基準は、次の各号のいずれかに適合するものであることとする。 一 大学等の設置者が国(国立大学法人及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)を含む。)又は地方公共団体(公立大学法人及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいい、公立大学法人を除く。)を含む。)であること。 二 次のイ又はロのいずれかに該当し、かつ、ハに該当すること。 イ 大学等の設置者の直前三年のいずれかの事業年度の収支計算書又はこれに準ずる書類において、学校法人会計基準(昭和四十六年文部省令第十八号)第二十条第二項に規定する当該会計年度の経常収支差額(学校法人等以外の大学等の設置者にあっては、これに準ずるもの)が零以上であること。 ロ 大学等の設置者の直前の事業年度の貸借対照表又はこれに準ずる書類において、(1)に掲げる資産の合計額から(2)に掲げる負債の合計額を控除した額(学校法人等以外の大学等の設置者にあっては、これに準ずるもの)が零以上であること。 (1) 学校法人会計基準別表第三に規定する特定資産、その他の固定資産のうち有価証券並びに流動資産のうち現金預金及び有価証券(以下この号において「運用資産」という。)並びに当該学校法人等が追加又は細分した小科目であって運用資産に準ずるもの (2) 学校法人会計基準別表第三に規定する固定負債のうち長期借入金、学校債及び長期未払金並びに流動負債のうち短期借入金、1年以内償還予定学校債、手形債務及び未払金(以下この号において「外部負債」という。)並びに当該学校法人等が追加又は細分した小科目であって外部負債に準ずるもの ハ 直近三年度のいずれかにおいて、大学等(短期大学の認定専攻科及び高等専門学校の認定専攻科を除く。以下この号において同じ。)の収容定員(昼間又は夜間において授業を行う学部、学科又はこれらに準ずるものが通信教育を併せ行う場合の当該通信教育(以下この号において「併設通信教育」という。)に係る収容定員を除く。以下この号及び附則第三条第三項において同じ。)の充足率(五月一日現在における収容定員の数に対する当該大学等に在学する学生等(併設通信教育に係る学生等を除く。)の数の比率をいう。同項において同じ。)が次の(1)又は(2)に掲げる大学等の区分に応じ、それぞれ(1)又は(2)に定める割合以上であること。 (1) 大学及び高等専門学校 八割 (2) 専門学校 五割 (大学等の確認要件の特例) 第四条 第二条第一項第一号の基準に適合しない学部等がその教育上の目的に照らし同号の基準に適合しないことについて合理的な理由があるときは、当該学部等は、同号の基準に適合したものとみなす。 2 大学等の設置者が国立大学法人法別表第一の第四欄に定める理事の員数が三人以下である国立大学法人であるときは、第二条第一項第二号の規定の適用については、同号中「二人以上含まれる」とあるのは「含まれる」とする。 3 大学等の設置者が大学等の設置及び運営を主たる目的とする法人以外の法人又は個人であるときは、第二条第一項第二号の基準に代えて、当該大学等の教育について当該大学等の職員でない者の意見を反映することができる組織(当該組織の設置及び運営を定める規程が作成されているものに限る。)の構成員のうちに、当該大学等の職員でない者が二人以上含まれることを基準とする。 4 確認大学等のうち、前条第二号ハに該当しない大学又は高等専門学校が、同号イ又はロのいずれかに該当し、かつ、次の各号に掲げる場合のいずれにも該当するときは、当該大学又は高等専門学校は前条第二号の基準に適合したものとみなす。 一 直前の年度に当該大学(別科及び専攻科並びに大学院を除く。)又は高等専門学校(専攻科を除く。)を卒業した者のうちに大学(別科を除く。)、高等専門学校又は専門学校に進学した者及び就職した者が占める割合が九割を超える場合 二 前条第二号ハの規定により算出した直近の年度の収容定員の充足率が五割以上である場合 5 確認大学等のうち、前条第二号ハに該当しない専門学校が、同号イ又はロのいずれかに該当し、かつ、地域の経済社会において重要な役割を担う専門的な知識又は技術を有する人材の養成を行うものとして法第七条第一項各号に掲げる者(以下「文部科学大臣等」という。)が認める場合には、当該専門学校は前条第二号の基準に適合したものとみなす。 (確認の申請等) 第五条 大学等の設置者は、法第七条第一項の確認(以下単に「確認」という。)を受けようとするときは、当該確認を受けようとする年度の五月初日から六月末日までに、文部科学大臣等に対し、様式第一号及び様式第二号の一から様式第二号の四までの申請書(以下「確認申請書」という。)を提出するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、確認を受けようとする大学等が学校教育法第四条第一項又は同法第百三十条第一項の認可(大学等の設置に係るものに限る。)を受けようとするものであるときは、当該認可を受けた後遅滞なく、確認申請書を提出するものとする。 3 確認大学等の設置者は、毎年六月末日までに、当該確認大学等に係る確認をした文部科学大臣等に対し、第一項の規定により提出した確認申請書に記載した事項についての直近の情報及び次の各号に掲げる事項を記載した確認申請書(第七条第二項及び附則第三条第二項において「更新確認申請書」という。)を提出するものとする。 一 当該確認大学等における前年度の授業料等減免対象者及び給付奨学生(独立行政法人日本学生支援機構に関する省令(平成十六年文部科学省令第二十三号。以下「機構省令」という。)第二十三条の四第四項に規定する給付奨学生をいう。以下同じ。)の数 二 前年度に第十五条第一項の規定により授業料等減免対象者としての認定の取消しを受けた者及び機構省令第二十三条の十第一項の規定により給付奨学生認定の取消しを受けた者の数 三 前年度に第十五条第三項及び機構省令第二十三条の十第三項の規定により学業成績が不振である旨の警告を受けた者の数 四 前年度に第十八条第一項第四号の規定により授業料等減免対象者としての認定の効力の停止を受けた者及び機構省令第二十三条の十二第一項第四号の規定により給付奨学生認定の効力の停止を受けた者の数 (聴聞決定予定日の通知) 第五条の二 大学等における修学の支援に関する法律施行令(以下「施行令」という。)第一条第一項第三号の規定による通知をするときは、法第十三条第二項の規定による検査が行われた日(以下この条において「検査日」という。)から十日以内に、検査日から起算して六十日以内の特定の日を通知するものとする。 (確認の公表) 第六条 法第七条第三項の規定により文部科学大臣等が公表する事項は、確認大学等の名称及び所在地並びにその設置者の名称及び主たる事務所の所在地とする。 (確認の通知等) 第七条 文部科学大臣等は、確認をしたときは、遅滞なく、その旨を当該確認を受けた大学等の設置者に通知するものとする。 2 確認大学等の設置者は、前項の規定により確認をした旨の通知を受け、又は第五条第三項の規定により更新確認申請書を提出したときは、遅滞なく、当該確認に係る確認申請書又は当該更新確認申請書(いずれも様式第二号の一から様式第二号の四までの申請書の部分に限る。)をインターネットの利用により公表するものとする。 (確認要件を満たさなくなった場合等の届出) 第八条 確認大学等の設置者は、法第九条第一項第一号又は第三号に該当することとなったときは遅滞なく、同項第二号に該当することとなったときは当該確認大学等に係る確認を辞退する一年前までに、その旨を当該確認大学等に係る確認をした文部科学大臣等に届け出なければならない。 2 法第九条第一項第三号の文部科学省令で定める事項は、確認大学等の名称及び所在地並びにその設置者の名称及び主たる事務所の所在地とする。 (授業料等減免対象者の認定のための選考) 第九条 法第八条第一項の規定による認定(以下「授業料等減免対象者としての認定」という。)は、授業料等減免を受けようとする学生等の申請に基づき、その在学する確認大学等の設置者が次条第一項に規定する選考により行うものとする。 2 前項の場合において、授業料等減免を受けようとする学生等が独立行政法人日本学生支援機構法(平成十五年法律第九十四号)第十七条の二第一項の規定により独立行政法人日本学生支援機構(以下「機構」という。)から学資支給金の支給対象者として認定を受けた者であるときは、当該学生等は、次条第一項に規定する選考の結果、その在学する確認大学等の設置者が授業料等減免対象者としての認定を行うべき者とみなす。 3 授業料等減免対象者としての認定は、授業料等減免を受けようとする学生等が日本国籍を有する者又は次の各号のいずれかに該当する者でなければ、行ってはならない。 一 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める法定特別永住者として本邦に在留する者 二 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)別表第一の四の表の家族滞在の在留資格をもって本邦に在留する者であって、次のいずれにも該当するもの イ 本邦で出生し、又は十二歳に達した日の属する学年の末日までに初めて本邦に上陸した者 ロ 本邦において、小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部及び中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部を卒業又は修了した者であって、次のいずれかに該当するもの (1) 本邦において、高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校の第三学年又は専修学校の高等課程(修業年限が三年以上のものに限る。)を卒業又は修了した者 (2) 学校教育法施行規則第百五十条第五号から第六号まで又は第百八十三条第二号に該当する者 ハ 大学等の卒業又は修了後、就労して引き続き本邦に在留する意思があると学校の長が認めた者 三 本邦における在留期間その他の事情を総合的に勘案して前号に掲げる者に準ずると学校の長が認めた者 四 出入国管理及び難民認定法別表第二の永住者、日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって本邦に在留する者 五 出入国管理及び難民認定法別表第二の定住者の在留資格をもって本邦に在留する者であって、同表の永住者又は永住者の配偶者等に準ずるとその在学する学校の長が認めたもの 第十条 授業料等減免を受けようとする者に係る選考(以下単に「選考」という。)は、次の各号のいずれにも該当しない学生等(以下「選考対象者」という。)について行うものとする。 一 過去に授業料等減免対象者としての認定を受けたことがある者(次号イ又はロに掲げる者であって過去に第十五条第一項に規定する授業料等減免対象者としての認定の取消しを受けたことがないものを除く。) 二 高等学校又は高等専門学校(第一学年から第三学年までに限る。)若しくは専修学校の高等課程(次項第一号イにおいて「高等学校等」という。)を初めて卒業又は修了した日の属する年度の翌年度の末日からその在学する確認大学等に入学(高等専門学校の第四学年への進級を含む。以下同じ。)した日(次のイ又はロに掲げる者にあっては、それぞれイ又はロに定める日とする。以下この号において同じ。)までの期間が二年を経過した者 イ 第二十条第一号の編入学、同条第二号の入学又は同条第三号の転学(以下この条において「編入学等」という。)をした者であって、編入学等の前に在学していた確認大学等に在学しなくなった日から当該編入学等をした日までの期間が一年を経過していないもの 編入学等の前に在学していた確認大学等に入学した日 ロ 確認を受けた短期大学の認定専攻科又は高等専門学校の認定専攻科に入学した者であって、当該入学前に在学していた確認大学等に在学しなくなった日から当該確認を受けた短期大学の認定専攻科又は高等専門学校の認定専攻科に入学した日までの期間が一年を経過していないもの 確認を受けた短期大学の認定専攻科又は高等専門学校の認定専攻科への入学前に在学していた確認大学等に入学した日 三 学校教育法施行規則第百五十条第一号、第二号又は第四号に該当する者となった日の属する年度の翌年度の末日からその在学する確認大学等に入学した日までの期間が二年を経過した者 四 機構省令第二十三条の二第一項第二号に規定する認定試験受験資格取得年度の初日から機構省令第二十一条第一項第二号に規定する認定試験合格者(次号において単に「認定試験合格者」という。)となった日の属する年度の末日までの期間が五年を経過した者(機構省令第二十三条の二第一項第二号に規定する機構確認者(次項第一号において単に「機構確認者」という。)を除く。) 五 認定試験合格者となった日の属する年度の翌年度の末日からその在学する確認大学等に入学した日までの期間が二年を経過した者 六 学校教育法施行規則第百五十条第六号又は同令第百八十三条第二号に該当する者であって、高等学校に在学しなくなった日の翌年度の末日からその在学する確認大学等に入学した日までの期間が二年を経過したもの 七 学校教育法施行規則第百五十条第七号又は同令第百八十三条第三号に該当する者であって、その在学する確認大学等に入学した日が二十歳に達した日の属する年度の翌年度の末日より後の日であるもの 八 確認大学等における学業成績が別表第二の上欄に定める廃止の区分に該当する者 九 二以上の確認大学等に在学する学生等にあっては、他の確認大学等において、前条第一項の申請を行っている者 2 選考は、次の各号に掲げる基準及び方法により行うものとする。 一 選考対象者(前項第二号イ又はロに掲げる者を除く。)のうち選考時において確認大学等への入学後一年を経過していない者にあっては、次のいずれかの基準(認定試験合格者のうち機構確認者にあっては、ロの基準)に該当するかどうかを判定する方法により、特に優れていると認められること。 イ 高等学校等における各教科に属する科目の学習の状況がおおむね十分満足できるものと総括的に評価されること、当該確認大学等の入学者を選抜するための試験の成績が当該試験を経て入学した者の上位二分の一の範囲に属すること又は認定試験合格者であること。 ロ 将来、社会で自立し、及び活躍する目標をもって、当該確認大学等における学修意欲を有することが文書、面談等により確認できること。 二 選考対象者のうち前号に該当しない者にあっては、次のいずれかの基準に該当するかどうかを判定する方法により、特に優れていると認められること。 イ GPA等がその在学する確認大学等(前項第二号イ又はロに掲げる者にあっては、編入学等の前に在学していた確認大学等及び確認を受けた短期大学の認定専攻科又は高等専門学校の認定専攻科への入学前に在学していた確認大学等を含む。ロにおいて同じ。)の学部等(別表第二備考第二号に規定する学部等をいう。)における上位二分の一の範囲に属すること。 ロ 次の(1)及び(2)(災害、傷病その他のやむを得ない事由によりその在学する確認大学等において修得した単位数(単位制によらない専門学校にあっては、履修科目の単位時間数。以下この号において同じ。)が標準単位数(別表第二備考第一号に規定する標準単位数をいう。以下この号において同じ。)に満たない者にあっては、(2)に限る。)に該当すること。 (1) その在学する確認大学等において修得した単位数が標準単位数以上であること。 (2) 将来、社会で自立し、及び活躍する目標をもって、当該確認大学等における学修意欲を有していることが文書、面談等により確認できること。 三 選考対象者及びその生計を維持する者(以下「生計維持者」という。)の収入及び資産の状況について、次に掲げるものがそれぞれ次に定める額に該当するかどうかを判定する方法により、極めて修学に困難があると認められること。 イ 減免額算定基準額(施行令第二条第二項に規定する減免額算定基準額をいう。以下同じ。) 次の(1)又は(2)に掲げる選考対象者の区分に応じ、それぞれ(1)又は(2)に定める額 (1) 多子世帯における生計維持者の扶養親族(施行令第二条第二項に規定する授業料等減免実施年度分の地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による市町村民税(同法の規定による特別区民税を含む。以下同じ。)に係る生計維持者の扶養親族(当該生計維持者が、同項ただし書に規定する市町村民税の所得割の賦課期日において同法の施行地に住所を有しない場合にあっては、これに準ずる者として適切と認められる者)をいい、生計維持者のいずれかの尊属である者及び扶養する生計維持者の年長者(生計維持者のいずれかの子である者を除く。)を除く。以下同じ。)である者又は特にその授業料に係る経済的負担の軽減の必要性が高いと認められるものとして文部科学大臣が別に公示する確認大学等の学部等(以下「公示対象学部等」という。)に在学する者 十五万四千五百円未満 (2) (1)に掲げる者以外の者 五万千三百円未満 ロ 選考対象者及びその生計維持者が有する資産(現金及びこれに準ずるもの、預貯金並びに有価証券をいう。以下同じ。)の合計額 二千万円未満(生計維持者が一人の場合にあっては、一千二百五十万円未満) 3 前項第二号の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者であって過去に授業料等減免対象者としての認定を受けたことがあるものに係る選考は、それぞれ当該各号に定める確認大学等における学業成績が別表第二に定める基準に該当するかどうかを判定する方法により行うものとする。 この場合において、当該判定の結果、当該学業成績が別表第二の上欄に定める廃止の区分に該当しないときは、特に優れていると認められることとする。 一 第一項第二号イに掲げる者 編入学等の前に在学していた確認大学等 二 第一項第二号ロに掲げる者 確認を受けた短期大学の認定専攻科又は高等専門学校の認定専攻科への入学前に在学していた確認大学等 4 生計維持者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者とする。 一 選考対象者に父母がいる場合 当該父母 二 選考対象者に父母がいない場合又は選考対象者が次に掲げる者である場合 当該選考対象者(当該選考対象者が主として他の者の収入により生計を維持している場合にあっては、当該他の者) イ 独立行政法人日本学生支援機構法施行令(平成十六年政令第二号。ロにおいて「機構法施行令」という。)第八条の二第二項に規定する里親に委託されていた者 ロ 機構法施行令第八条の二第二項に規定する児童養護施設に入所していた者 ハ 機構省令第三十九条各号のいずれかに該当する者 5 第二項第三号イ(1)の「多子世帯」とは、生計維持者の扶養親族の数が三以上である世帯をいう。 6 第二項第三号イ(1)の規定による公示は、インターネットの利用その他の適切な方法により行うものとする。 (認定の申請等) 第十一条 授業料等減免を受けようとする学生等は、その在学する確認大学等の定める日までに、申請書(以下この条から第十一条の三までにおいて「減免申請書」という。)を当該確認大学等(その者が同時に二以上の確認大学等に在学するときは、これらのうちいずれか一の確認大学等)に提出するものとする。 2 前項の場合において、入学金減免を受けようとする学生等は、確認大学等に入学(第二十条第一号の編入学、同条第二号の入学、同条第三号の転学及び同条第五号の入学を含む。以下この項、次条及び第十一条の三において同じ。)する前年度又は入学後三月以内の当該確認大学等の定める日までに、減免申請書を当該確認大学等に提出するものとする。 3 確認大学等の設置者は、第一項の規定による減免申請書の提出があったときは、当該減免申請書を提出した学生等に係る選考を行うものとする。 4 確認大学等の設置者は、前項の規定による選考のために必要があると認めるときは、減免申請書のほか、授業料等減免を受けようとする学生等に対し、必要な書類の提出を求めることができる。 5 確認大学等の設置者は、選考の結果、選考対象者が授業料等減免対象者としての認定を行うべき者であると認めるときは、授業料等減免対象者としての認定を行うとともに、当該授業料等減免対象者に対し、その旨並びに減免額算定基準額の区分(施行令第二条第一項各号に掲げる区分をいう。)及び授業料等減免の額を通知するものとする。 6 前項の場合において、授業料等減免の額が当該確認大学等の定める授業料等(授業料及び入学金をいう。以下この項において同じ。)の額未満となる場合は、授業料等減免対象者が当該確認大学等に納付すべき授業料等の額を通知するものとする。 7 確認大学等の設置者は、選考の結果、選考対象者が授業料等減免対象者としての認定を行うべき者でないと認めるときは、当該選考対象者に対し、その旨を通知するものとする。 (授業料減免の始期及び終期) 第十一条の二 授業料減免は、次の各号に掲げる授業料等減免対象者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める月分から授業料減免を行うべき事由が消滅した日の属する月分まで行うものとする。 一 確認大学等への入学年度の前年度又は入学後三月以内の確認大学等の定める日までに減免申請書を提出した者 当該確認大学等に入学した日の属する月 二 確認大学等に入学後三月を経過した後の七月から十二月までの当該確認大学等の定める日までに減免申請書を提出した者 当該減免申請書を提出した日の属する年の十月 三 確認大学等に入学後三月を経過した後の一月から六月までの当該確認大学等の定める日までに減免申請書を提出した者 当該減免申請書を提出した日の属する年の四月 (緊急に授業料減免を受けることが必要な授業料等減免対象者に対する授業料減免の始期の特例) 第十一条の三 第十九条第一項第二号に該当する授業料等減免対象者に対する授業料減免は、前条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる授業料等減免対象者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める月分から授業料減免を行うべき事由が消滅した日の属する月分まで行うものとする。 一 第十九条第一項第二号に規定する事由が生じた日(以下「事由発生日」という。)が入学前であり、入学後三月以内の日までに減免申請書を提出した者 当該確認大学等に入学した日の属する月 二 事由発生日が入学前であり、入学後三月を経過して減免申請書を提出した者 当該減免申請書を提出した日の属する月 三 事由発生日が入学後である者 当該減免申請書を提出した日の属する月 (授業料等減免対象者の学業成績の判定) 第十二条 確認大学等は、学年(短期大学(修業年限が二年のものに限り、認定専攻科を含む。)、高等専門学校(認定専攻科を含む。)及び専門学校(修業年限が二年以下のものに限る。)(第十六条第二号において「短期大学等」という。)については、学年の半期)ごとに、授業料等減免対象者の学業成績が別表第二に定める基準に該当するかどうかの判定(以下「適格認定における学業成績の判定」という。)を行うものとする。 (授業料等減免対象者等の収入額及び資産額等の判定等) 第十三条 確認大学等は、毎年、授業料等減免対象者及びその生計維持者に係る直近の減免額算定基準額及び資産の合計額がそれぞれ第十条第二項第三号イ及びロに定める額に該当するかどうかの判定並びに当該減免額算定基準額に応じた授業料減免の額の判定(以下「適格認定における収入額・資産額等の判定」という。)を行うものとする。 2 第十九条第一項第二号に掲げる場合に行う授業料等減免対象者及びその生計維持者に係る直近の減免額算定基準額が第十条第二項第三号イに定める額に該当するかどうかの判定及び当該減免額算定基準額に応じた授業料減免の額の判定は、事由発生日の属する年の翌々年に前項の規定により適格認定における収入額・資産額等の判定が行われるまでの間は、前項の規定にかかわらず、三月ごと(事由発生日から起算して十五月を経過した後にあっては、一年ごと)に行うものとする。 3 確認大学等は、授業料等減免対象者に対し、確認大学等が定めるところにより、適格認定における収入額・資産額等の判定のために必要な書類の提出を求めることができる。 4 第一項及び第二項の場合において、機構省令第二十三条の七第一項及び第二項の規定により機構が適格認定における収入額・資産額等の判定を行った者については、第一項及び第二項の規定により当該確認大学等が適格認定における収入額・資産額等の判定を行った者とみなす。 5 確認大学等の設置者は、授業料等減免対象者に対し、適格認定における収入額・資産額等の判定の結果を通知するものとする。 (授業料減免の額の変更) 第十四条 確認大学等の設置者は、適格認定における収入額・資産額等の判定の結果、授業料等減免対象者の授業料減免の額を変更すべきときは、毎年十月に当該授業料減免の額の変更を行うものとする。 2 確認大学等の設置者は、前条第二項の規定による判定の結果、授業料等減免対象者の授業料減免の額を変更すべきときは、前項の規定にかかわらず、当該判定を行った日の属する月に、当該授業料減免の額の変更を行うものとする。 3 確認大学等の設置者は、前二項に定めるもののほか、授業料等減免対象者の授業料減免の額を変更すべき事由が生じたときは、当該事由が生じた日の前日の属する月の翌月に、当該授業料減免の額の変更を行うものとする。 (生計維持者の変更等の届出) 第十四条の二 授業料等減免対象者は、その生計維持者の変更又は国籍若しくは在留資格の変更若しくは在留期間の更新があったときは、確認大学等が定めるところにより、当該変更又は更新のあった事項を確認大学等に届け出るものとする。 (認定の取消し等) 第十五条 確認大学等の設置者は、授業料等減免対象者が次の各号のいずれかに該当するときは、授業料等減免対象者としての認定を取り消すものとする。 一 偽りその他不正の手段により授業料等減免を受けたとき。 二 適格認定における学業成績の判定の結果、学業成績が別表第二の上欄に定める廃止の区分に該当するとき。 三 確認大学等から学校教育法施行規則第二十六条第二項に規定する退学又は停学(期間の定めのないもの又は三月以上の期間のものに限る。)の処分を受けたとき。 2 確認大学等の設置者は、前項の規定により授業料等減免対象者としての認定を取り消したときは、その者及び機構に対し、その旨を通知するものとする。 3 確認大学等は、適格認定における学業成績の判定の結果、当該学業成績が別表第二の上欄に定める警告の区分に該当するときは、当該授業料等減免対象者に対し、学業成績が不振である旨の警告を行うものとする。 第十六条 授業料等減免対象者が次の各号のいずれかに該当するものとして確認大学等の設置者が当該授業料等減免対象者としての認定を取り消したときは、当該授業料等減免対象者としての認定の効力が当該各号に定める日に遡って失われるものとする。 一 前条第一項第一号又は第三号に該当するとき 当該各号に該当するに至った日の属する学年の初日 二 前条第一項第二号に該当するもののうち学業成績が著しく不良であると認められるものであって、当該学業成績が著しく不良であることについて災害、傷病その他のやむを得ない事由があると認められないとき 当該学業成績に係る学年の初日(短期大学等にあっては、当該学業成績に係る学年の半期の初日) 第十七条 確認大学等の設置者は、第十五条第一項及び前条の規定により授業料等減免対象者としての認定を取り消したときは、遅滞なく、当該確認大学等に係る確認をした文部科学大臣等に対し、当該取消しの年月日並びに当該取り消された者の人数及び授業料等減免の額の合計額を届け出なければならない。 (認定の効力の停止等) 第十八条 授業料等減免対象者が次のいずれかに該当するときは、授業料等減免対象者としての認定の効力が停止されるものとする。 一 日本国籍を有しなくなり、第九条第三項各号のいずれにも該当しないとき(出入国管理及び難民認定法第二十二条の二第一項の規定により本邦に在留することができる期間内に第九条第三項各号に該当することとなった者を除く。)。 二 日本国籍を有せず、第九条第三項各号のいずれにも該当しなくなったとき。 三 確認大学等から休学を認められたとき。 四 確認大学等から学校教育法施行規則第二十六条第二項に規定する停学(三月未満の期間のものに限る。次項第三号において同じ。)又は訓告の処分を受けたとき。 五 適格認定における学業成績の判定の結果、学業成績が別表第二の上欄に定める停止の区分に該当するとき。 六 適格認定における収入額・資産額等の判定の結果、授業料等減免対象者及びその生計維持者に係る直近の減免額算定基準額又は資産の合計額がそれぞれ第十条第二項第三号イ又はロに定める額に該当しなくなったとき。 七 公示対象学部等に在学しなくなったとき(施行令第二条第二項本文に規定する方法によって算定した額が五万千三百円以上十五万四千五百円未満である者(第十条第五項に規定する多子世帯における生計維持者の扶養親族を除く。)に限る。)。 八 確認大学等の定める日までに第十三条第三項の規定により提出を求められた書類をその在学する確認大学等に提出しないとき。 九 確認大学等の定める日までに第十四条の二の規定による届出をその在学する確認大学等に対し行わないとき。 十 前九号に掲げる場合のほか、授業料等減免対象者としての認定の効力の停止について、授業料等減免対象者から申出があったとき。 2 前項の規定により授業料等減免対象者としての認定の効力が停止された授業料等減免対象者であって次の各号に掲げる者がそれぞれ当該各号に該当すると認められるときは、当該授業料等減免対象者としての認定の効力の停止が解除されるものとする。 一 前項第一号又は同項第二号に該当する者 日本国籍を有することとなったとき又は第九条第三項各号のいずれかに該当することとなったとき。 二 前項第三号に該当する者 確認大学等から復学を認められたとき。 三 前項第四号に該当する者のうち停学の処分を受けたもの 当該停学の処分を受けた日から当該停学の期間(当該停学の期間が一月未満の場合にあっては、一月)を経過したとき。 四 前項第四号に該当する者のうち訓告の処分を受けたもの 当該訓告の処分を受けた日から一月を経過したとき。 五 前項第五号に該当する者 同号に該当した後の最初に行われる適格認定における学業成績の判定の結果、学業成績が別表第二の上欄に定める廃止又は警告の区分に定める基準に該当しないこととなったとき。 六 前項第六号に該当する者 適格認定における収入額・資産額等の判定の結果、授業料等減免対象者及びその生計維持者に係る直近の減免額算定基準額及び資産の合計額がそれぞれ第十条第二項第三号イ及びロに定める額に該当することとなったとき又は公示対象学部に在学することとなったとき(施行令第二条第二項本文に規定する方法によって算定した額が五万千三百円以上十五万四千五百円未満である場合に限る。)。 七 前項第七号に該当する者 公示対象学部等に在学することとなったとき(施行令第二条第二項本文に規定する方法によって算定した額が五万千三百円以上十五万四千五百円未満である場合に限る。)又は適格認定における収入額・資産額等の判定の結果、授業料等減免対象者及びその生計維持者に係る直近の減免額算定基準額及び資産の合計額がそれぞれ第十条第二項第三号イ及びロに定める額に該当することとなったとき。 八 前項第八号に該当する者 第十三条第三項の規定による書類をその在学する確認大学等に提出したとき。 九 前項第九号に該当する者 届出事項(第十四条の二に規定する事項をいう。)をその在学する確認大学等に届け出たとき。 十 前項第十号に該当する者 授業料等減免対象者としての認定の効力の停止の解除について、授業料等減免対象者から申出があったとき。 3 確認大学等の設置者は、授業料等減免対象者が次の各号に該当するときは、その者及び機構に対し、その旨を通知するものとする。 一 第一項の規定により授業料等減免対象者としての認定の効力が停止されたとき。 二 前項の規定により授業料等減免対象者としての認定の効力の停止が解除されたとき。 4 第一項の規定により授業料等減免対象者としての認定の効力が停止され、又は第二項の規定により授業料等減免対象者としての認定の効力の停止が解除されたときは、当該停止又はその解除の日の前日の属する月の翌月から、授業料減免を停止又は再開するものとする。 5 前項の規定により授業料減免が停止された月から同項の規定により授業料減免が再開された月の前月までの月数は、施行令第三条第一項各号に定める月数に通算するものとする。 ただし、第一項第三号(同号及び同項第四号のいずれにも該当するときを除く。)の規定により授業料等減免対象者としての認定の効力が停止されたときは、当該通算をしないものとする。 (国内に住所を有しない者等に係る減免額算定基準額の算定) 第十九条 施行令第二条第二項ただし書の文部科学省令で定める場合は、次の各号に掲げる場合とする。 一 選考対象者若しくは授業料等減免対象者又はその生計維持者が施行令第二条第二項ただし書に規定する市町村民税の所得割の賦課期日において地方税法の施行地に住所を有しない場合 二 生計維持者の死亡、災害その他の予期しなかった事由が生じたことにより緊急に授業料等減免を受けること(既に授業料等減免対象者としての認定を受けている学生等にあっては、授業料減免の額を変更すること)が必要となった場合 三 選考対象者又は授業料等減免対象者が確認大学等に入学した日前一年以内に離職したことにより、授業料等減免を受けようとする年の収入の著しい減少が見込まれる場合(当該離職の日の属する年度又はその翌年度において市町村民税の所得割を課されている場合に限る。) 四 選考対象者又は授業料等減免対象者(第十条第五項に規定する多子世帯における生計維持者の扶養親族を除く。)が、公示対象学部等(大学(短期大学を除く。)又は高等専門学校の学部等に限る。)に在学する者(通信による教育を受ける者を除く。)である場合であって、施行令第二条第二項本文に規定する方法によって算定した額が五万千三百円以上十五万四千五百円未満であるとき。 2 施行令第二条第二項ただし書の文部科学省令で定めるところにより算定した額は、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。 一 前項第一号から第三号までに掲げる場合 次のイに掲げる額からロに掲げる額を控除した額(その額が零を下回る場合にあっては零とし、その額に百円未満の端数がある場合にあってはこれを切り捨てた額)(施行令第二条第二項本文に規定する市町村民税の所得割を課することができない者に準ずるものと認められる場合にあっては、零)とする。 イ 施行令第二条第二項第一号に規定する合計額に百分の六を乗じた額に準ずるものとして適切と認められるもの ロ 施行令第二条第二項第二号に規定する控除する額に準ずるものとして適切と認められるもの 二 前項第四号に掲げる場合 五万千二百円 (施行令第三条第一項第一号の文部科学省令で定める月数) 第十九条の二 施行令第三条第一項第一号の二十四月を超えない範囲で文部科学省令で定める月数は、二十四月とする。 ただし、認定専攻科に入学した日の属する月と授業料等減免を初めて受ける月が異なる場合は、二十四月から、認定専攻科に入学した日の属する月から授業料等減免を初めて受ける月の前月までの月数を控除した月数とする。 2 施行令第三条第一項第一号の四十八月を超えない範囲で文部科学省令で定める月数は、四十八月とする。 ただし、専門学校に入学した日の属する月と授業料等減免を初めて受ける月が異なる場合は、四十八月から、専門学校に入学した日の属する月から授業料等減免を初めて受ける月の前月までの月数を控除した月数とする。 (施行令第三条第一項第二号の文部科学省令で定める者) 第二十条 施行令第三条第一項第二号の文部科学省令で定める者は、過去に授業料等減免を受けたことがある者のうち次の各号に掲げる者とする。 一 学校教育法第百八条第九項、第百二十二条又は第百三十二条の規定により編入学した者 二 確認大学等(確認を受けた専門学校を除く。以下この号において同じ。)に在学した者(確認大学等を卒業又は修了した者を除く。)で引き続いて確認を受けた専門学校(修業年限が一年のものを除く。)の第二学年以上に入学した者 三 確認大学等の相互の間(学校の種類が同一のものの間に限る。)で転学した者 四 同一の確認大学等において、学部等の相互の間で転籍した者 五 短期大学の認定専攻科又は高等専門学校の認定専攻科に入学した者 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 502M60000080026_20210401_000000000000000.xml | 令和二年文部科学省令第二十六号 | 28 | 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法施行規則
(対象期間に含む期間等) 第一条 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下この項及び第六条第一項において「法」という。)第五条の規定により読み替えて適用する地方公務員法第五十八条第三項の規定により読み替えて適用する労働基準法(以下「読替え後の労働基準法」という。)第三十二条の四第一項第二号の対象期間(以下単に「対象期間」という。)を定めるに当たっては、当該対象期間には、読替え後の労働基準法第三十二条の四の規定により労働させる教育職員(法第二条第二項に規定する教育職員をいう。以下同じ。)の所属する学校を設置する市(特別区を含む。)町村又は都道府県の教育委員会が学校教育法施行令(昭和二十八年政令第三百四十号)第二十九条第一項の規定により定める学校の夏季、冬季、学年末、農繁期等における休業日等の期間(次項において「長期休業期間等」という。)を含めるものとする。 2 読替え後の労働基準法第三十二条の四第一項第四号の労働日及び当該労働日ごとの労働時間並びに同条第二項の各期間における労働日及び当該各期間における労働日ごとの労働時間の設定は、一日の勤務に割り振られる勤務時間を当該日における同条の規定を適用しない場合の正規の勤務時間(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号)第五条、第六条、第八条、第十一条及び第十二条の規定に相当する条例の規定による勤務時間をいう。)に比して短く設定する日(同法第八条の規定に相当する条例の規定に基づき勤務日のうち四時間の勤務時間を当該勤務日に割り振ることをやめて当該四時間の勤務時間を同法第六条第一項又は第四項の規定に相当する条例の規定により週休日とされた日において特に勤務することを命ずる必要がある日に割り振る場合における当該勤務日を除く。)について、当該日のいずれにも勤務時間を割り振らず、かつ、当該日を長期休業期間等において連続して設定する場合に限り、行うものとする。 (読替え後の労働基準法第三十二条の四第一項第五号の文部科学省令で定める事項) 第二条 読替え後の労働基準法第三十二条の四第一項の条例において定める同項第五号の文部科学省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 読替え後の労働基準法第三十二条の四において規定する期間の起算日 二 対象期間を定めることができる期間の範囲 (読替え後の労働基準法第三十二条の四第二項の文部科学省令で定める方法) 第三条 読替え後の労働基準法第三十二条の四第二項の各期間における労働日及び当該各期間における労働日ごとの労働時間は、条例の定めるところにより定めるものとする。 2 前項の条例に定めるところにより読替え後の労働基準法第三十二条の四第二項の各期間における労働日及び当該各期間における労働日ごとの労働時間を定めたときは、使用者は、これを同条の規定により労働させる教育職員に周知させるものとする。 (読替え後の労働基準法第三十二条の四第三項の文部科学省令で定める労働日数の限度等) 第四条 読替え後の労働基準法第三十二条の四第三項の文部科学省令で定める労働日数の限度は、勤務時間が割り振られる日の数について、対象期間が三箇月を超える場合は対象期間について一年当たり二百八十日とする。 ただし、対象期間が三箇月を超える場合において、当該対象期間の初日の前一年以内の日を含む三箇月を超える期間を対象期間として定めた場合(以下この項において当該対象期間を「旧対象期間」という。)において、一日の勤務に割り振られる勤務時間のうち最も長いものが旧対象期間において一日の勤務に割り振られていた勤務時間のうち最も長いもの若しくは九時間のいずれか長い時間を超え、又は一週間の勤務に割り振られる勤務時間のうち最も長いものが旧対象期間において一週間の勤務に割り振られていた勤務時間のうち最も長いもの若しくは四十八時間のいずれか長い時間を超えるときは、旧対象期間について一年当たりの勤務時間が割り振られていた日の数から一日を減じた日数又は二百八十日のいずれか少ない日数とする。 2 読替え後の労働基準法第三十二条の四第三項の文部科学省令で定める一日の労働時間の限度は、一日の勤務に割り振られる勤務時間について十時間とし、一週間の労働時間の限度は、一週間の勤務に割り振られる勤務時間について五十二時間とする。 この場合において、対象期間が三箇月を超えるときは、次の各号のいずれにも適合しなければならない。 一 対象期間において、その一週間の勤務に割り振られる勤務時間が四十八時間を超える週が連続する場合の週数が三以下であること。 二 対象期間をその初日から三箇月ごとに区分した各期間(三箇月未満の期間を生じたときは、当該期間)において、その一週間の勤務に割り振られる勤務時間が四十八時間を超える週の初日の数が三以下であること。 3 読替え後の労働基準法第三十二条の四第三項の文部科学省令で定める対象期間における連続して労働させる日数の限度は、勤務時間が割り振られる日の数について六日とし、同条第一項の条例で定めるところにより同項第三号の特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度は、勤務時間が割り振られる日の数について一週間に一日の勤務時間が割り振られない日が確保できる日数とする。 (育児等を行う者等への配慮) 第五条 使用者は、読替え後の労働基準法第三十二条の四の規定により教育職員に労働させる場合には、育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならない。 (法第七条第一項の指針で定める事項等) 第六条 法第七条の規定により文部科学大臣が定める指針(次項において単に「指針」という。)には、読替え後の労働基準法第三十二条の四の規定により教育職員に労働させる場合に当該教育職員の服務を監督する教育委員会が当該教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する事項を含むものとする。 2 使用者は、読替え後の労働基準法第三十二条の四の規定により教育職員に労働させる場合には、前項の規定に基づき文部科学大臣が指針に定める措置その他教育職員の健康及び福祉の確保を図るための措置を講ずるものとする。 | 教育 |
Reiwa | Act | 503AC0000000057_20230713_505AC0000000067.xml | 令和三年法律第五十七号 | 28 | 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、教育職員等による児童生徒性暴力等が児童生徒等の権利を著しく侵害し、児童生徒等に対し生涯にわたって回復し難い心理的外傷その他の心身に対する重大な影響を与えるものであることに鑑み、児童生徒等の尊厳を保持するため、児童生徒性暴力等の禁止について定めるとともに、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにし、基本指針の策定、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止に関する措置並びに教育職員等による児童生徒性暴力等の早期発見及び児童生徒性暴力等への対処に関する措置等について定め、あわせて、特定免許状失効者等に対する教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)の特例等について定めることにより、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を推進し、もって児童生徒等の権利利益の擁護に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校並びに就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。 2 この法律において「児童生徒等」とは、次に掲げる者をいう。 一 学校に在籍する幼児、児童又は生徒 二 十八歳未満の者(前号に該当する者を除く。) 3 この法律において「児童生徒性暴力等」とは、次に掲げる行為をいう。 一 児童生徒等に性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。以下この号において同じ。)をすること又は児童生徒等をして性交等をさせること(児童生徒等から暴行又は脅迫を受けて当該児童生徒等に性交等をした場合及び児童生徒等の心身に有害な影響を与えるおそれがないと認められる特別の事情がある場合を除く。)。 二 児童生徒等にわいせつな行為をすること又は児童生徒等をしてわいせつな行為をさせること(前号に掲げるものを除く。)。 三 刑法第百八十二条の罪、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号。次号において「児童ポルノ法」という。)第五条から第八条までの罪又は性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和五年法律第六十七号)第二条から第六条までの罪(児童生徒等に係るものに限る。)に当たる行為をすること(前二号に掲げるものを除く。)。 四 児童生徒等に次に掲げる行為(児童生徒等の心身に有害な影響を与えるものに限る。)であって児童生徒等を著しく羞恥させ、若しくは児童生徒等に不安を覚えさせるようなものをすること又は児童生徒等をしてそのような行為をさせること(前三号に掲げるものを除く。)。 イ 衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の性的な部位(児童ポルノ法第二条第三項第三号に規定する性的な部位をいう。)その他の身体の一部に触れること。 ロ 通常衣服で隠されている人の下着又は身体を撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。 五 児童生徒等に対し、性的羞恥心を害する言動であって、児童生徒等の心身に有害な影響を与えるものをすること(前各号に掲げるものを除く。)。 4 この法律において「児童生徒性暴力等の防止等」とは、児童生徒性暴力等の防止及び早期発見並びに児童生徒性暴力等への対処をいう。 5 この法律において「教育職員等」とは、教育職員(教育職員免許法第二条第一項に規定する教育職員をいう。以下同じ。)並びに学校の校長(園長を含む。)、副校長(副園長を含む。)、教頭、実習助手及び寄宿舎指導員をいう。 6 この法律において「特定免許状失効者等」とは、児童生徒性暴力等を行ったことにより教育職員免許法第十条第一項(第一号又は第二号に係る部分に限る。)の規定により免許状が失効した者及び児童生徒性暴力等を行ったことにより同法第十一条第一項又は第三項の規定により免許状取上げの処分を受けた者をいう。 (児童生徒性暴力等の禁止) 第三条 教育職員等は、児童生徒性暴力等をしてはならない。 (基本理念) 第四条 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策は、教育職員等による児童生徒性暴力等が全ての児童生徒等の心身の健全な発達に関係する重大な問題であるという基本的認識の下に行われなければならない。 2 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策は、児童生徒等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わず教育職員等による児童生徒性暴力等を根絶することを旨として行われなければならない。 3 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策は、被害を受けた児童生徒等を適切かつ迅速に保護することを旨として行われなければならない。 4 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策は、教育職員等による児童生徒性暴力等が懲戒免職の事由(解雇の事由として懲戒免職の事由に相当するものを含む。)となり得る行為であるのみならず、児童生徒等及びその保護者からの教育職員等に対する信頼を著しく低下させ、学校教育の信用を傷つけるものであることに鑑み、児童生徒性暴力等をした教育職員等に対する懲戒処分等について、適正かつ厳格な実施の徹底を図るための措置がとられることを旨として行われなければならない。 5 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策は、国、地方公共団体、学校、医療関係者その他の関係者の連携の下に行われなければならない。 (国の責務) 第五条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第六条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策について、国と協力しつつ、その地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (任命権者等の責務) 第七条 教育職員等を任命し、又は雇用する者は、基本理念にのっとり、教育職員等を任命し、又は雇用しようとするときは、第十五条第一項のデータベースを活用するものとする。 2 公立学校(地方公共団体が設置する学校をいう。次項において同じ。)の教育職員等の任命権者は、基本理念にのっとり、児童生徒性暴力等をした教育職員等に対する適正かつ厳格な懲戒処分の実施の徹底を図るものとする。 3 公立学校以外の学校の教育職員等を雇用する者は、基本理念にのっとり、児童生徒性暴力等をした教育職員等に対し、懲戒の実施その他の児童生徒性暴力等の再発の防止のために必要な措置を講ずるものとする。 (学校の設置者の責務) 第八条 学校の設置者は、基本理念にのっとり、その設置する学校における教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。 (学校の責務) 第九条 学校は、基本理念にのっとり、関係者との連携を図りつつ、学校全体で教育職員等による児童生徒性暴力等の防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童生徒等が教育職員等による児童生徒性暴力等を受けたと思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。 (教育職員等の責務) 第十条 教育職員等は、基本理念にのっとり、児童生徒性暴力等を行うことがないよう教育職員等としての倫理の保持を図るとともに、その勤務する学校に在籍する児童生徒等が教育職員等による児童生徒性暴力等を受けたと思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。 (法制上の措置等) 第十一条 国は、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を実施するために必要な法制上又は財政上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。 2 地方公共団体は、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を実施するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 第二章 基本指針 第十二条 文部科学大臣は、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な指針(以下この条において「基本指針」という。)を定めるものとする。 2 基本指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な方針 二 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策の内容に関する事項 三 その他学校において児童生徒等と接する業務に従事する者による児童生徒性暴力等の防止等に関する重要事項 3 文部科学大臣は、基本指針を定め、又は変更するときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議するものとする。 第三章 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止に関する措置 (教育職員等に対する啓発等) 第十三条 国及び地方公共団体は、教育職員等に対し、児童生徒等の人権、特性等に関する理解及び児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を深めるための研修及び啓発を行うものとする。 2 国及び地方公共団体は、教育職員の養成課程における児童生徒性暴力等の防止等に関する教育の充実その他必要な措置を講ずるものとする。 3 教育職員の養成課程を有する大学は、当該教育職員の養成課程を履修する学生が児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を深めるための措置その他必要な措置を講ずるものとする。 (児童生徒等に対する啓発) 第十四条 国、地方公共団体、学校の設置者及びその設置する学校は、児童生徒等の尊厳を保持するため、児童生徒等に対して、何人からも児童生徒性暴力等により自己の身体を侵害されることはあってはならないことについて周知徹底を図るとともに、特に教育職員等による児童生徒性暴力等が児童生徒等の権利を著しく侵害し、児童生徒等に対し生涯にわたって回復し難い心理的外傷その他の心身に対する重大な影響を与えるものであることに鑑み、児童生徒等に対して、教育職員等による児童生徒性暴力等により自己の身体を侵害されることはあってはならないこと及び被害を受けた児童生徒等に対して第二十条第一項(第二十一条において準用する場合を含む。)の保護及び支援が行われること等について周知徹底を図らなければならない。 (データベースの整備等) 第十五条 国は、特定免許状失効者等の氏名及び特定免許状失効者等に係る免許状の失効又は取上げの事由、その免許状の失効又は取上げの原因となった事実等に関する情報に係るデータベースの整備その他の特定免許状失効者等に関する正確な情報を把握するために必要な措置を講ずるものとする。 2 都道府県の教育委員会は、当該都道府県において教育職員の免許状を有する者が特定免許状失効者等となったときは、前項の情報を同項のデータベースに迅速に記録することその他必要な措置を講ずるものとする。 (児童生徒性暴力等対策連絡協議会) 第十六条 地方公共団体は、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、学校、教育委員会、都道府県警察その他の関係者により構成される児童生徒性暴力等対策連絡協議会を置くことができる。 第四章 教育職員等による児童生徒性暴力等の早期発見及び児童生徒性暴力等への対処に関する措置等 (教育職員等による児童生徒性暴力等の早期発見のための措置) 第十七条 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校における教育職員等による児童生徒性暴力等を早期に発見するため、当該学校に在籍する児童生徒等及び教育職員等に対する定期的な調査その他の必要な措置を講ずるものとする。 2 国及び地方公共団体は、教育職員等による児童生徒性暴力等に関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備等に必要な措置を講ずるものとする。 (教育職員等による児童生徒性暴力等に対する措置) 第十八条 教育職員等、地方公共団体の職員その他の児童生徒等からの相談に応じる者及び児童生徒等の保護者は、児童生徒等から教育職員等による児童生徒性暴力等に係る相談を受けた場合等において、教育職員等による児童生徒性暴力等の事実があると思われるときは、教育職員等による児童生徒性暴力等を受けたと思われる児童生徒等が在籍する学校又は当該学校の設置者への通報その他の適切な措置をとるものとする。 2 教育職員等、地方公共団体の職員その他の児童生徒等からの相談に応じる者は、前項に規定する場合において犯罪の疑いがあると思われるときは、速やかに、所轄警察署に通報するものとする。 3 教育職員等、地方公共団体の職員その他の児童生徒等からの相談に応じる者(公務員に限る。)は、第一項に規定する場合において犯罪があると思われるときは、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の定めるところにより告発をしなければならない。 4 学校は、第一項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童生徒等が教育職員等による児童生徒性暴力等を受けたと思われるときは、直ちに、当該学校の設置者にその旨を通報するとともに、当該教育職員等による児童生徒性暴力等の事実の有無の確認を行うための措置を講じ、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。 5 学校は、前項の措置を講ずるに当たり、児童生徒等の人権及び特性に配慮するとともに、その名誉及び尊厳を害しないよう注意しなければならない。 6 学校は、第四項の規定による報告をするまでの間、教育職員等による児童生徒性暴力等を受けたと思われる児童生徒等と当該教育職員等との接触を避ける等当該児童生徒等の保護に必要な措置を講ずるものとする。 7 学校は、第四項の場合において犯罪があると認めるときは、直ちに、所轄警察署に通報し、当該警察署と連携してこれに対処しなければならない。 (専門家の協力を得て行う調査) 第十九条 学校の設置者は、前条第四項の規定による報告を受けたときは、医療、心理、福祉及び法律に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、当該報告に係る事案について自ら必要な調査を行うものとする。 2 学校の設置者は、前項の調査を行うに当たり、児童生徒等の人権及び特性に配慮するとともに、その名誉及び尊厳を害しないよう注意しなければならない。 3 都道府県は、第一項の調査が適切に行われるよう、学校の設置者に対し、同項の専門的な知識を有する者に関する情報の提供その他の必要な助言をすることができる。 (学校に在籍する児童生徒等の保護及び支援等) 第二十条 学校の設置者及びその設置する学校は、医療、心理、福祉及び法律に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、教育職員等による児童生徒性暴力等を受けた当該学校に在籍する児童生徒等の保護及び支援並びにその保護者に対する支援を継続的に行うものとする。 2 学校の設置者及びその設置する学校は、前項に規定する児童生徒等と同じ学校に在籍する児童生徒等に対する心理に関する支援その他当該児童生徒等及びその保護者に対する必要な支援を行うものとする。 (教育職員等以外の学校において児童生徒等と接する業務に従事する者による児童生徒性暴力等への準用) 第二十一条 第十七条から前条までの規定は、教育職員等以外の学校において児童生徒等と接する業務(当該学校の管理下におけるものに限る。)に従事する者による児童生徒性暴力等(当該学校の児童生徒等に対するものに限る。)について準用する。 第五章 特定免許状失効者等に対する教育職員免許法の特例等 (特定免許状失効者等に対する教育職員免許法の特例) 第二十二条 特定免許状失効者等(教育職員免許法第五条第一項各号のいずれかに該当する者を除く。)については、その免許状の失効又は取上げの原因となった児童生徒性暴力等の内容等を踏まえ、当該特定免許状失効者等の改善更生の状況その他その後の事情により再び免許状を授与するのが適当であると認められる場合に限り、再び免許状を授与することができる。 2 都道府県の教育委員会は、前項の規定により再び免許状を授与するに当たっては、あらかじめ、都道府県教育職員免許状再授与審査会の意見を聴かなければならない。 3 都道府県の教育委員会は、教育職員免許法第十条第二項(同法第十一条第五項において準用する場合を含む。)の規定により特定免許状失効者等から失効した免許状の返納を受けることとなった都道府県の教育委員会その他の関係機関に対し、当該特定免許状失効者等に係る免許状の失効又は取上げの原因となった児童生徒性暴力等の内容等を調査するために必要な情報の提供を求めることができる。 (都道府県教育職員免許状再授与審査会) 第二十三条 前条第二項に規定する意見を述べる事務をつかさどらせるため、都道府県の教育委員会に、都道府県教育職員免許状再授与審査会を置く。 2 都道府県教育職員免許状再授与審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。 第六章 雑則 (政令への委任) 第二十四条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。 | 教育 |
Reiwa | CabinetOrder | 503CO0000000133_20240401_506CO0000000106.xml | 令和三年政令第百三十三号 | 28 | 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う学級編制の標準に関する経過措置に関する政令
(学級編制の標準に関する経過措置として毎年度政令で定める学年) 第一条 次の各号に掲げる期間における公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第二条第一項の規定により読み替えて適用する公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律第三条第二項の政令で定める学年は、当該各号に定める学年とする。 一 令和三年四月一日から令和四年三月三十一日までの間 小学校(義務教育学校の前期課程を含む。以下この条において同じ。)の第三学年から第六学年まで 二 令和四年四月一日から令和五年三月三十一日までの間 小学校の第四学年から第六学年まで 三 令和五年四月一日から令和六年三月三十一日までの間 小学校の第五学年及び第六学年 四 令和六年四月一日から令和七年三月三十一日までの間 小学校の第六学年 (公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令の経過措置) 第二条 改正法附則第二条第一項の規定の適用がある場合における公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令(昭和三十三年政令第二百二号)第四条第二項及び第三項並びに第八条第二項及び第三項の規定の適用については、同令第四条第二項中「法第三条第二項」とあるのは「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律(令和三年法律第十四号。次項並びに第八条第二項及び第三項において「改正法」という。)附則第二条第一項の規定により読み替えて適用する法第三条第二項」と、同条第三項及び同令第八条第三項中「法第四条第二項」とあるのは「改正法附則第二条第二項の規定により読み替えて適用する法第四条第二項」と、同条第二項中「法第三条第二項」とあるのは「改正法附則第二条第一項の規定により読み替えて適用する法第三条第二項」とする。 (義務教育費国庫負担法第二条ただし書及び第三条ただし書の規定に基づき教職員の給与及び報酬等に要する経費の国庫負担額の最高限度を定める政令の経過措置) 第三条 改正法附則第二条第一項の規定の適用がある場合における義務教育費国庫負担法第二条ただし書及び第三条ただし書の規定に基づき教職員の給与及び報酬等に要する経費の国庫負担額の最高限度を定める政令(平成十六年政令第百五十七号)第一条第五号、第九号、第十三号、第十七号及び第十九号の規定の適用については、同条第五号中「第二項本文」とあるのは「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律(令和三年法律第十四号。以下この条において「改正法」という。)附則第二条第一項の規定により読み替えて適用する標準法第三条第二項本文」と、同条第九号中「第二項本文」とあるのは「改正法附則第二条第一項の規定により読み替えて適用する標準法第三条第二項本文」と、同条第十三号、第十七号及び第十九号中「第四条第二項」とあるのは「改正法附則第二条第二項の規定により読み替えて適用する標準法第四条第二項」とする。 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 503M60000080045_20230401_000000000000000.xml | 令和三年文部科学省令第四十五号 | 28 | 特別支援学校設置基準
第一章 総則 (趣旨) 第一条 特別支援学校は、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)その他の法令の規定によるほか、この省令の定めるところにより設置するものとする。 2 この省令で定める設置基準は、特別支援学校を設置するのに必要な最低の基準とする。 3 特別支援学校の設置者は、特別支援学校の編制、施設及び設備等がこの省令で定める設置基準より低下した状態にならないようにすることはもとより、これらの水準の向上を図ることに努めなければならない。 (設置基準の特例) 第二条 高等部を置く特別支援学校で公立のものについては都道府県の教育委員会、私立のものについては都道府県知事(次項において「都道府県教育委員会等」という。)は、二以上の学科を設置する場合その他これに類する場合において、教育上支障がないと認めるときは、特別支援学校の編制、施設及び設備に関し、必要と認められる範囲内において、この省令に示す基準に準じて、別段の定めをすることができる。 2 専攻科及び別科の編制、施設及び設備等については、この省令に示す基準によらなければならない。 ただし、教育上支障がないと認めるときは、都道府県教育委員会等は、専攻科及び別科の編制、施設及び設備等に関し、必要と認められる範囲内において、この省令に示す基準に準じて、別段の定めをすることができる。 第二章 学科 (学科の種類) 第三条 特別支援学校の高等部の学科は、次のとおりとする。 一 普通教育を主とする学科 二 専門教育を主とする学科 第四条 前条第一号に定める学科は、普通科とする。 2 前条第二号に定める学科は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる学科その他専門教育を施す学科として適正な規模及び内容があると認められるものとする。 一 視覚障害者である生徒に対する教育を行う学科 イ 家庭に関する学科 ロ 音楽に関する学科 ハ 理療に関する学科 ニ 理学療法に関する学科 二 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う学科 イ 農業に関する学科 ロ 工業に関する学科 ハ 商業に関する学科 ニ 家庭に関する学科 ホ 美術に関する学科 ヘ 理容・美容に関する学科 ト 歯科技工に関する学科 三 知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。第六条第二項及び別表において同じ。)である生徒に対する教育を行う学科 イ 農業に関する学科 ロ 工業に関する学科 ハ 商業に関する学科 ニ 家庭に関する学科 ホ 産業一般に関する学科 第三章 編制 (一学級の幼児、児童又は生徒の数) 第五条 幼稚部の一学級の幼児数は、五人(視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由又は病弱(身体虚弱を含む。以下この条及び別表において同じ。)のうち二以上併せ有する幼児で学級を編制する場合にあっては、三人)以下とする。 ただし、特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合は、この限りでない。 2 小学部又は中学部の一学級の児童又は生徒の数は、六人(視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由又は病弱のうち二以上併せ有する児童又は生徒で学級を編制する場合にあっては、三人)以下とする。 ただし、特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合は、この限りでない。 3 高等部の一学級の生徒数は、八人(視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由又は病弱のうち二以上併せ有する生徒で学級を編制する場合にあっては、三人)以下とする。 ただし、特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合は、この限りでない。 (学級の編制) 第六条 特別支援学校の学級は、特別の事情がある場合を除いては、幼稚部にあっては、学年の初めの日の前日において同じ年齢にある幼児で編制するものとし、小学部、中学部及び高等部にあっては、同学年の児童又は生徒で編制するものとする。 2 特別支援学校の学級は、特別の事情がある場合を除いては、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者の別ごとに編制するものとする。 (教諭等の数等) 第七条 複数の部又は学科を設置する特別支援学校には、相当数の副校長又は教頭を置くものとする。 2 特別支援学校に置く主幹教諭、指導教諭又は教諭(次項において「教諭等」という。)の数は、一学級当たり一人以上とする。 3 教諭等は、特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合は、副校長若しくは教頭が兼ね、又は助教諭若しくは講師をもって代えることができる。 (養護教諭等) 第八条 特別支援学校には、幼児、児童及び生徒(以下「児童等」という。)の数等に応じ、相当数の養護をつかさどる主幹教諭、養護教諭その他の児童等の養護をつかさどる職員を置くよう努めなければならない。 (実習助手) 第九条 高等部を置く特別支援学校には、必要に応じて相当数の実習助手を置くものとする。 (事務職員の数) 第十条 特別支援学校には、部の設置の状況、児童等の数等に応じ、相当数の事務職員を置かなければならない。 (寄宿舎指導員の数) 第十一条 寄宿舎を設ける特別支援学校には、寄宿する児童等の数等に応じ、相当数の寄宿舎指導員を置かなければならない。 (他の学校の教員等との兼務) 第十二条 特別支援学校に置く教員等は、教育上必要と認められる場合は、他の学校の教員等と兼ねることができることとする。 第四章 施設及び設備 (一般的基準) 第十三条 特別支援学校の施設及び設備は、指導上、保健衛生上、安全上及び管理上適切なものでなければならない。 (校舎及び運動場の面積等) 第十四条 校舎及び運動場の面積は、法令に特別の定めがある場合を除き、別表に定める面積以上とする。 ただし、地域の実態その他により特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合は、この限りでない。 2 校舎及び運動場は、同一の敷地内又は隣接する位置に設けるものとする。 ただし、地域の実態その他により特別の事情があり、かつ、教育上及び安全上支障がない場合は、その他の適当な位置にこれを設けることができる。 (校舎に備えるべき施設) 第十五条 校舎には、少なくとも次に掲げる施設を備えるものとする。 ただし、特別の事情があるときは、教室と自立活動室及び保育室と遊戯室とは、それぞれ兼用することができる。 一 教室(普通教室、特別教室等とする。ただし、幼稚部にあっては、保育室及び遊戯室とする。) 二 自立活動室 三 図書室(小学部、中学部又は高等部を置く特別支援学校に限る。)、保健室 四 職員室 2 校舎には、前項に掲げる施設のほか、必要に応じて、専門教育を施すための施設を備えるものとする。 (その他の施設) 第十六条 特別支援学校には、校舎及び運動場のほか、小学部、中学部又は高等部を置く場合にあっては体育館を備えるものとする。 ただし、地域の実態その他により特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合は、この限りでない。 (校具及び教具) 第十七条 特別支援学校には、障害の種類及び程度、部及び学科の種類、学級数及び幼児、児童又は生徒の数等に応じ、指導上、保健衛生上及び安全上必要な種類及び数の校具及び教具を備えなければならない。 2 前項の校具及び教具は、常に改善し、補充しなければならない。 (他の学校等の施設及び設備の使用) 第十八条 特別支援学校は、特別の事情があり、かつ、教育上及び安全上支障がない場合は、他の学校等の施設及び設備を使用することができる。 | 教育 |
Reiwa | Act | 504AC0000000051_20221115_000000000000000.xml | 令和四年法律第五十一号 | 28 | 国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律
(目的) 第一条 この法律は、我が国の大学の国際競争力の強化及びイノベーションの創出(科学技術・イノベーション基本法(平成七年法律第百三十号)第二条第一項に規定するイノベーションの創出をいう。第三条第二項第五号において同じ。)の促進を図るためには、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学について研究及び研究成果の活用のための体制を強化することが重要であることに鑑み、当該体制の強化の推進に関する基本的な方針の作成、国際卓越研究大学(第四条第五項に規定する国際卓越研究大学をいう。以下この条において同じ。)の認定、国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化を目的とする事業の実施に関する計画の認可、当該事業に関する国立研究開発法人科学技術振興機構(以下「機構」という。)による助成等について定め、もって科学技術の水準の向上並びに学術及び社会の発展に寄与することを目的とする。 (大学における教育及び研究の特性への配慮) 第二条 国は、この法律の運用に当たっては、研究者の自主性の尊重その他の大学における教育及び研究の特性に常に配慮しなければならない。 (基本方針) 第三条 文部科学大臣は、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。 2 基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進の意義及び目標に関する事項 二 次条第一項の国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学であることの認定に関する基本的な事項 三 第五条第一項に規定する国際卓越研究大学研究等体制強化計画についての同項の認可に関する基本的な事項 四 第七条に規定する国際卓越研究大学研究等体制強化助成に関し、機構が遵守すべき基本的な事項 五 科学技術の振興及びイノベーションの創出の促進に関する施策その他の関連する施策との連携に関する基本的な事項 六 その他国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化の推進に関する重要事項 3 基本方針は、科学技術・イノベーション基本法第十二条第一項に規定する科学技術・イノベーション基本計画との調和が保たれたものでなければならない。 4 文部科学大臣は、基本方針を定め、又は変更しようとするときは、関係行政機関の長に協議するとともに、総合科学技術・イノベーション会議の意見を聴かなければならない。 5 文部科学大臣は、基本方針を定め、又は変更したときは、当該基本方針を公表しなければならない。 (国際卓越研究大学の認定) 第四条 大学の設置者は、申請により、当該大学が国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれるものであることの文部科学大臣の認定を受けることができる。 2 前項の認定を受けようとする大学の設置者は、文部科学省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に、次項各号のいずれにも該当していることを証する書類を添えて、文部科学大臣に提出しなければならない。 一 認定を受けようとする大学の設置者の名称及び主たる事務所の所在地 二 認定を受けようとする大学の名称及び所在地 三 その他文部科学省令で定める事項 3 文部科学大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、その申請に係る大学が次の各号のいずれにも該当していると認めるときは、その認定をするものとする。 一 国際的に卓越した研究の実績として文部科学省令で定めるものを有していること。 二 経済社会に変化をもたらす研究成果の活用の実績として文部科学省令で定めるものを有していること。 三 先端的、学際的又は総合的な研究の実施に係る教員組織及び研究環境が整備されていることその他研究の体制が国際的に卓越した研究を展開するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合していること。 四 大学の研究成果の提供を受けて当該成果を実用化しようとする民間事業者との連携協力のための体制が確保されていることその他研究成果の活用の体制が研究成果の経済社会における活用を促進するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合していること。 五 国内外の先端的な研究及び研究成果を活用した新たな事業の創出の動向、社会の要請その他の大学を取り巻く状況を踏まえて研究及び研究成果の活用に必要な資金及び人材の確保及び配分並びに知的財産権の取得及び活用を行う体制が構築されていることその他運営体制が研究及び研究成果の活用を計画的に推進するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合していること。 六 研究に関する業務の執行と管理運営に関する業務の執行との役割分担が適切に行われていることその他業務執行体制が研究及び研究成果の活用を組織的に推進するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合していること。 七 国際的に卓越した研究及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用を持続的に発展させるために必要な財政基盤として文部科学省令で定めるものを有していること。 4 文部科学大臣は、第一項の認定をしようとするときは、総合科学技術・イノベーション会議及び科学技術・学術審議会の意見を聴かなければならない。 5 文部科学大臣は、第一項の認定をしたときは、遅滞なく、当該認定を受けた大学(以下「国際卓越研究大学」という。)の名称その他文部科学省令で定める事項を公表しなければならない。 6 文部科学大臣は、国際卓越研究大学が第三項各号のいずれかに該当しなくなったと認めるときは、第一項の認定を取り消すことができる。 7 第四項及び第五項の規定は、前項の規定による認定の取消しについて準用する。 (国際卓越研究大学研究等体制強化計画の認可等) 第五条 国際卓越研究大学の設置者は、当該国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化を目的とする次項第二号イからホまでに掲げる事業の実施に関する計画(以下この条において「国際卓越研究大学研究等体制強化計画」という。)を作成し、文部科学省令で定めるところにより、文部科学大臣に提出して、その認可を受けることができる。 2 国際卓越研究大学研究等体制強化計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 研究及び研究成果の活用のための体制の強化の目標 二 前号の目標を達成するために行う次に掲げる事業の内容、実施方法及び実施時期 イ 国際的に卓越した科学技術に関する研究環境の整備充実 ロ 優秀な若年の研究者の育成及び活躍の推進に資する活動 ハ 国際的に卓越した能力を有する研究者及び研究の支援又は研究成果の活用のために必要な技術者その他の文部科学省令で定める人材(ニにおいて「技術者等」という。)の確保 ニ 技術者等の育成に資する活動 ホ 研究成果の活用のために必要な事業を行うための環境の整備充実 三 前号イからホまでに掲げる事業を実施するために必要な資金の額及びその調達方法 四 その他文部科学省令で定める事項 3 文部科学大臣は、第一項の認可の申請があった場合において、その申請に係る国際卓越研究大学研究等体制強化計画が次の各号のいずれにも該当するものであると認めるときは、その認可をするものとする。 一 基本方針に適合するものであること。 二 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。 三 当該国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に資するものであること。 4 文部科学大臣は、第一項の認可をしようとするときは、内閣総理大臣及び財務大臣に協議するとともに、総合科学技術・イノベーション会議及び科学技術・学術審議会の意見を聴かなければならない。 5 文部科学大臣は、第一項の認可をしたときは、文部科学省令で定めるところにより、当該認可に係る国際卓越研究大学研究等体制強化計画の概要を公表しなければならない。 6 第一項の認可を受けた国際卓越研究大学の設置者(以下「認可設置者」という。)は、当該認可に係る国際卓越研究大学研究等体制強化計画を変更しようとするときは、文部科学省令で定めるところにより、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 7 第三項から第五項までの規定は、前項の規定による変更の認可について準用する。 8 認可設置者は、第一項の認可に係る国際卓越研究大学研究等体制強化計画(第六項の規定による変更の認可があったときは、その変更後のもの。以下「認可計画」という。)に従い、第二項第二号イからホまでに掲げる事業を実施しなければならない。 (機構の業務の特例) 第六条 機構は、次に掲げる業務を行うことができる。 一 認可設置者が設置する国際卓越研究大学に対し、前条第二項第二号ハからホまでに掲げる事業に関する助成を行うこと。 二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。 (機構の助成) 第七条 機構は、認可設置者が設置する国際卓越研究大学に対し、次条第一項に規定する実施方針に従って、認可計画に記載された第五条第二項第二号イからホまでに掲げる事業に関する助成(次条第一項において「国際卓越研究大学研究等体制強化助成」という。)を行わなければならない。 (国際卓越研究大学研究等体制強化助成の実施に関する方針) 第八条 機構は、基本方針に即して、文部科学省令で定めるところにより、国際卓越研究大学研究等体制強化助成の実施方法及び実施条件その他の国際卓越研究大学研究等体制強化助成の実施に必要な事項に関する方針(以下この項及び第三項において「実施方針」という。)を定め、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 実施方針を変更しようとするときも、同様とする。 2 文部科学大臣は、前項の認可をしようとするときは、内閣総理大臣及び財務大臣に協議するとともに、総合科学技術・イノベーション会議の意見を聴かなければならない。 3 機構は、第一項の認可を受けたときは、その実施方針を公表しなければならない。 (定期報告) 第九条 認可設置者は、文部科学省令で定めるところにより、定期的に、認可計画の実施状況について、文部科学大臣に報告しなければならない。 (報告又は資料の提出) 第十条 文部科学大臣は、認可計画の円滑かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、認可設置者に対し、認可計画の実施状況に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。 (認可計画の認可の取消し) 第十一条 文部科学大臣は、認可設置者が次の各号のいずれかに該当するときは、第五条第一項の認可を取り消すことができる。 一 認可計画が第五条第三項各号のいずれかに該当しなくなったと認めるとき。 二 第五条第六項の規定による認可を受けないで認可計画を変更したとき。 三 認可計画に従って第五条第二項第二号イからホまでに掲げる事業を実施していないと認めるとき。 四 第九条の規定に違反したとき。 五 前条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。 2 第五条第四項の規定は、前項の規定による認可の取消しについて準用する。 3 文部科学大臣は、第一項の規定による認可の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。 (国の援助) 第十二条 国は、認可設置者に対し、認可計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な助言その他の援助を行うものとする。 | 教育 |
Reiwa | Act | 504AC1000000073_20220617_000000000000000.xml | 令和四年法律第七十三号 | 28 | 在外教育施設における教育の振興に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、在外教育施設が海外に在留する邦人である子(以下「在留邦人の子」という。)の教育を受ける機会の確保を図る上で重要な役割を果たしていることに鑑み、及び在外教育施設における教育を取り巻く環境の変化に対応するため、在外教育施設における教育の振興に関し、基本理念を定め、及び国の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他在外教育施設における教育の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、在外教育施設における教育の振興に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって次代の社会を担い、及び国際社会で活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に資するとともに、国際相互理解の増進に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校又は高等学校をいう。 2 この法律において「在外教育施設」とは、在留邦人の子のために海外に設置された教育施設であって、次のいずれかに該当するものをいう。 一 学校に相当するものとして文部科学大臣が告示する教育施設 二 前号に掲げるもののほか、学校における教育課程の一部を行う教育施設であって、在留邦人の子の心身の発達に応じて体系的な教育を組織的に行うために必要なものとして、次に掲げる事項に関し外務大臣が定める基準に適合するもの イ 教育施設の設置者 ロ 教育施設における国語教育その他教育の内容 ハ 教育施設に在籍する在留邦人の子の数 ニ 教育施設の教職員の確保の状況 ホ 教育施設の運営の体制 (基本理念) 第三条 在外教育施設における教育の振興は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。 一 在留邦人の子の教育を受ける機会の確保に万全を期すること。 二 在外教育施設における教育環境と学校における教育環境が同等の水準となることが確保されることを旨とすること。 三 在留邦人の子の異なる文化を尊重する態度の 涵 かん 養と我が国に対する諸外国の理解の増進が図られるようにすること。 (国の責務) 第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、在外教育施設における教育の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (連携の強化) 第五条 国は、在外教育施設における教育の振興に関する施策が円滑に実施されるよう、関係省庁相互間その他関係機関、在外教育施設の設置者等の間の連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。 (財政上の措置等) 第六条 政府は、在外教育施設における教育の振興に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講じなければならない。 第二章 基本方針 第七条 文部科学大臣及び外務大臣は、在外教育施設における教育の振興に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めなければならない。 2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 在外教育施設における教育の振興の基本的な方向に関する事項 二 在外教育施設における教育の振興の内容に関する事項 三 前二号に掲げるもののほか、在外教育施設における教育の振興に関する重要事項 3 文部科学大臣及び外務大臣は、在外教育施設における教育に関する状況の変化を勘案し、おおむね五年ごとに基本方針に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。 4 文部科学大臣及び外務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。 第三章 基本的施策 (在外教育施設の教職員の確保) 第八条 国は、地方公共団体の協力を得つつ、在外教育施設の教職員を確保するために必要な施策を講ずるものとする。 (在外教育施設の教職員に対する研修の充実等) 第九条 国は、在外教育施設の教職員に対する研修の充実その他のその資質の向上のために必要な施策を講ずるものとする。 (在外教育施設における教育の内容及び方法の充実強化) 第十条 国は、在外教育施設における教育の内容及び方法の充実強化が図られるよう、参考となる資料等の情報の提供、在外教育施設における情報通信技術の活用の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、前項の施策を講ずるに当たっては、在外教育施設における教育の内容がその所在する地域の特色を生かしたものとなるよう配慮するものとする。 (在外教育施設の適正かつ健全な運営の確保) 第十一条 国は、在外教育施設の適正かつ健全な運営の確保が図られるよう、在外教育施設の運営に係る相談体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。 (在外教育施設の安全対策等) 第十二条 国は、在外教育施設に在籍する在留邦人の子及びその教職員の安全の確保が図られるよう、在外教育施設の安全対策及びその所在する地域の安全に関する情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。 (在外教育施設を拠点とする国際的な交流の促進等) 第十三条 国は、在外教育施設を拠点とする国際的な交流の促進が図られるよう、在外教育施設における我が国の魅力の増進に資する活動(次項において「魅力増進活動」という。)の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、魅力増進活動に資する自主的な活動として、在外教育施設を拠点とした日本文化の紹介又は日本語の普及、在外教育施設における在留邦人の子以外の者であってその教育を受けることを希望するものの受入れその他の我が国に対する諸外国の理解の増進を図るための活動が行われる場合には、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うものとする。 (調査研究の推進等) 第十四条 国は、在外教育施設における教育の内容及び方法に関する研究その他の在外教育施設における教育に関する調査研究の推進並びにその成果の普及及び活用のために必要な施策を講ずるものとする。 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 504M60000080005_20220401_000000000000000.xml | 令和四年文部科学省令第五号 | 28 | 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律施行規則
(免許管理者による通知) 第一条 免許管理者(教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)第二条第二項に規定する免許管理者をいう。以下この条及び次条において同じ。)は、児童生徒性暴力等を行ったことにより同法第十条第一項(第一号又は第二号に係る部分に限る。)の規定により免許状が失効したとき、又は児童生徒性暴力等を行ったことにより同法第十一条第一項若しくは第三項の規定により免許状取上げの処分を行ったときは、その旨を免許状が失効した者又は免許状取上げの処分を受けた者の免許状を授与した授与権者(同法第五条第七項に規定する授与権者をいい、免許管理者を除く。)に通知するものとする。 (所轄庁による通知及び学校法人等による報告) 第二条 所轄庁(大学附置の国立学校(教育職員免許法第二条第三項に規定する国立学校をいう。次項において同じ。)又は公立学校(同条第三項に規定する公立学校をいう。以下この項及び次項において同じ。)の教育職員等(学校において児童生徒等と接する業務に従事する者を含み、免許状を有しない者を除く。以下この条において同じ。)にあってはその大学の学長、大学附置の学校以外の公立学校(幼保連携型認定こども園を除く。)の教育職員等にあってはその学校を所管する教育委員会、大学附置の学校以外の公立学校(幼保連携型認定こども園に限る。)の教育職員等にあってはその学校を所管する地方公共団体の長、私立学校(同法第二条第三項に規定する私立学校をいう。以下この条において同じ。)の教育職員等にあっては都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下この項において「指定都市等」という。)の区域内の幼保連携型認定こども園の教育職員等にあっては、当該指定都市等の長)をいう。以下この条において同じ。)は、教育職員等が、次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、速やかにその旨を免許管理者に通知するものとする(所轄庁が免許管理者である場合を除く。)。 一 児童生徒性暴力等を行ったことにより禁錮以上の刑に処せられたとき。 二 公立学校の教育職員等であって児童生徒性暴力等を行ったことにより懲戒免職の処分を受けたとき(懲戒免職の処分を行った者が免許管理者である場合を除く。)。 2 所轄庁(免許管理者を除く。)は、国立学校、公立学校(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人が設置するものに限る。)又は私立学校の教育職員等が児童生徒性暴力等を行い、前項第二号に規定する者の場合における懲戒免職の事由に相当する事由により解雇されたと認められる事実があると思料するときは、速やかにその旨を免許管理者に通知するものとする。 3 学校法人等(教育職員免許法第七条第二項に規定する学校法人等をいう。)は、その設置する私立学校の教育職員等について、第一項第一号に該当すると認めたとき、又は児童生徒性暴力等を行ったことにより当該教育職員等を解雇した場合において、当該解雇の事由が前項に定める事由に該当すると思料するときは、速やかにその旨を所轄庁に報告するものとする。 (都道府県教育職員免許状再授与審査会の委員) 第三条 都道府県教育職員免許状再授与審査会(以下「審査会」という。)の委員は、児童生徒性暴力等に関する学識経験を有する者のうちから、都道府県の教育委員会が任命する。 2 委員の任期は、二年とする。 ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 3 委員は、再任されることができる。 (会長) 第四条 審査会に会長を置き、委員の互選により選任する。 2 会長は、会務を総理し、審査会を代表する。 3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。 (議事) 第五条 審査会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。 2 審査会の議事は、会議に出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。 3 前項の規定にかかわらず、審査会は、都道府県の教育委員会に対し、特定免許状失効者等について、再び免許状を授与するのが適当であると認められる旨の意見を述べるに当たっては、出席委員全員から意見を聴いた上で、原則として、出席委員の全員一致をもって行うよう努めなければならない。 ただし、審査会において議論を尽くしても、出席委員全員の意見が一致しないときは、出席委員の過半数の同意を得た意見を審査会の意見とすることができる。 (雑則) 第六条 前三条に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、都道府県の教育委員会規則で定める。 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 504M60000080018_20220401_000000000000000.xml | 令和四年文部科学省令第十八号 | 28 | 高等学校卒業程度認定審査規則
(趣旨) 第一条 学校教育法(第三条及び第五条第一項第三号において「法」という。)第九十条第一項の規定に基づき、同条第二項の規定により大学に入学した者が、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかの認定のための審査(以下「高等学校卒業程度認定審査」という。)を行う場合は、この省令の定めるところによる。 (高等学校卒業程度認定審査の施行) 第二条 高等学校卒業程度認定審査は、毎年少なくとも一回、文部科学大臣が行う。 2 高等学校卒業程度認定審査の施行期日及び出願の期限は、あらかじめ、インターネットの利用その他の適切な方法により公示する。 (出願資格) 第三条 高等学校卒業程度認定審査を受けることができる者は、法第九十条第二項の規定により大学に入学した者(学校教育法施行規則の一部を改正する省令(平成十三年文部科学省令第八十号)による改正前の学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第六十九条第五号の規定により大学に入学した者を含む。)とする。 (審査の方法) 第四条 第一条に規定する認定は、文部科学大臣が別に定めるところにより、高等学校等(高等学校及び学校教育法施行規則第百五十四条各号に掲げる者が在学した学校等をいう。次条第一項第四号において同じ。)及び大学における学修の成果その他これに相当するものを審査して行う。 (出願手続) 第五条 高等学校卒業程度認定審査を受けようとする者は、出願書類に次の各号に掲げる書類を添えて、文部科学大臣に願い出なければならない。 一 履歴書一通 二 戸籍抄本又は住民票の写し一通(いずれも出願前六月以内に交付を受けたもの) 三 大学が発行する法第九十条第二項の規定により当該大学に入学したことを証する書面 四 高等学校等が発行する成績証明書その他の学修の成果を証する書面 五 大学が発行する成績証明書その他の学修の成果を証する書面 2 前項第二号から第五号までに掲げる書類は、やむを得ない事由があると文部科学大臣が特に認めた場合においては、他の証明書をもって代えることができる。 (認定審査合格者) 第六条 高等学校卒業程度認定審査に合格した者を認定審査合格者とする。 ただし、その者が十八歳に達していないときは、その者は、十八歳に達した日の翌日から認定審査合格者となるものとする。 (合格証書の授与等) 第七条 認定審査合格者(十八歳に達していない者を含む。第九条第三項において同じ。)に対しては、合格証書を授与する。 2 合格証書を有する者がその氏名若しくは本籍を変更し、又は合格証書を破損し、若しくは紛失した場合において、その事由を付して願い出たときは、合格証書を書き換え又は再交付する。 (合格証明書の交付) 第八条 認定審査合格者がその合格の証明を願い出たときは、合格証明書を交付する。 (不正の行為を行った者に対する処分) 第九条 文部科学大臣は、高等学校卒業程度認定審査に関して不正の行為を行った者に対して、その合格を無効とすることができる。 2 前項の規定により合格を無効にするときは、文部科学大臣は、その旨を直ちにその者に通知しなければならない。 3 第一項の規定による処分を受けた認定審査合格者は、直ちに合格証書及び合格証明書を返納しなければならない。 (雑則) 第十条 この省令に定めるもののほか、高等学校卒業程度認定審査の実施に関し必要な事項は、文部科学大臣が定める。 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 504M60000080021_20230401_505M60000080007.xml | 令和四年文部科学省令第二十一号 | 28 | 教育公務員特例法施行規則
(法第二十二条の四第二項第六号の教員研修計画に定める事項) 第一条 教育公務員特例法(以下「法」という。)第二十二条の四第二項第六号に規定する研修の実施に関し必要な事項として文部科学省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 公立の小学校等(法第十二条第一項に規定する小学校等をいう。以下同じ。)の校長及び教員(法第二十一条第二項に規定する校長及び教員をいう。以下同じ。)の研修実施者(法第二十条第一項に規定する研修実施者をいう。第四号において同じ。)と当該校長及び教員の研修に協力する大学その他の関係機関との連携に関する事項 二 研修の効率的な実施に当たって配慮すべき事項 三 研修の効果を検証するための方途に関する事項 四 その他研修実施者が必要と認める事項 (法第二十二条の五第一項の文部科学省令で定める記録の作成) 第二条 法第二十二条の五第一項に規定する研修等に関する記録は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をもって作成するものとする。 (法第二十二条の七第二項第二号の文部科学省令で定める者) 第三条 法第二十二条の七第二項第二号に規定する公立の小学校等の校長及び教員の研修に協力する大学その他の当該校長及び教員の資質の向上に関係する大学として文部科学省令で定める者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 公立の小学校等の校長及び教員の研修に協力する大学 二 任命権者(法第二十条第一項第一号に掲げる者については、同号に定める市町村教育委員会。以下この号において同じ。)により公立の小学校等の校長及び教員として採用された者であって、当該大学を卒業したものの数が当該任命権者が定める数以上である大学 (研究施設研究教育職員の管理監督職勤務上限年齢) 第四条 法第三十一条第一項の規定により読み替えて適用する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号。以下「読替え後の国家公務員法」という。)第八十一条の二第二項に規定する管理監督職勤務上限年齢は、国立教育政策研究所の長(以下「所長」という。)が申出(当該申出に当たっては、所長及び所長が指定する職員で構成する会議の議を経るものとする。第十条を除き、以下同じ。)をしたところを参酌して定めるものとする。 (研究施設研究教育職員が占める管理監督職に係る異動期間の延長の期間等) 第五条 読替え後の国家公務員法第八十一条の五第一項の規定により国家公務員法第八十一条の二第一項本文に規定する異動期間(次項において「異動期間」という。)を延長する場合における当該延長の期間は、所長が申出をしたところを参酌して定めるものとする。 2 前項の規定は、読替え後の国家公務員法第八十一条の五第二項の規定により同条第一項又は第二項の規定により延長された異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)を更に延長する場合における当該延長の期間、同条第三項の規定により異動期間を延長する場合における当該延長の期間及び同条第四項の規定により同条第一項若しくは第二項の規定により延長された異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)又は同条第三項若しくは第四項の規定により延長された異動期間(同条第一項から第四項までの規定により延長された期間を含む。)を更に延長する場合における当該延長の期間について準用する。 (研究施設研究教育職員の定年退職日) 第六条 読替え後の国家公務員法第八十一条の六第一項に規定する定年退職日は、所長が申出をしたところを参酌して定めるものとする。 (研究施設研究教育職員の定年) 第七条 読替え後の国家公務員法第八十一条の六第二項に規定する定年(以下「研究施設研究教育職員の定年」という。)は、所長が申出をしたところを参酌して定めるものとする。 (研究施設研究教育職員の勤務延長の期限等) 第八条 読替え後の国家公務員法第八十一条の七第一項の期限は、所長が申出をしたところを参酌して定めるものとする。 2 前項の規定は、読替え後の国家公務員法第八十一条の七第二項の期間について準用する。 (所長及び研究施設研究教育職員の選考) 第九条 法第三十五条において準用する法(次項及び次条において「準用教育公務員特例法」という。)第三条第二項の規定による所長の採用のための選考は、文部科学省組織令(平成十二年政令第二百五十一号)第八十一条第二項に規定する評議員会(次条において「評議員会」という。)が推薦をした者について行うものとする。 2 準用教育公務員特例法第三条第五項の規定による研究施設研究教育職員(法第三十一条第一項に規定する研究施設研究教育職員をいう。以下同じ。)の採用及び昇任のための選考は、所長が推薦をした者について行うものとする。 (所長の任期) 第十条 準用教育公務員特例法第七条に規定する任期は、所長が申出(当該申出に当たっては、評議員会の議を経るものとする。)をしたところを参酌して定めるものとする。 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 504M60000080037_20221115_000000000000000.xml | 令和四年文部科学省令第三十七号 | 28 | 国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律施行規則
(国際卓越研究大学の認定の申請) 第一条 国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律(以下「法」という。)第四条第二項の規定により同条第一項の認定(以下「認定」という。)の申請をしようとする者は、別記様式第一号による申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 2 法第四条第二項第三号の文部科学省令で定める事項は、認定を受けようとする大学の設置者を代表し、その業務を総理する者(次条第五項第一号及び別記様式第一号において「法人代表者」という。)の氏名とする。 (国際卓越研究大学の認定の基準) 第二条 法第四条第三項第一号の文部科学省令で定める実績は、我が国の国の機関において利用されている学術論文データベース(学術上の論文に関する情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。)に登録されている学術雑誌に掲載されている論文(以下この項において単に「論文」という。)であって、その著者が当該論文の公表(論文が掲載された学術雑誌が出版されること又はインターネット上で公開されることをいう。以下この項において同じ。)の時において申請大学(法第四条第一項の申請に係る大学をいう。以下同じ。)に属する研究者等(科学技術・イノベーション基本法(平成七年法律第百三十号)第二条第四項に規定する研究者等をいう。第三項第一号において同じ。)であり、かつ、その公表が認定を申請した日の属する年の前年又は前々年から起算して過去五年間に行われたもの(以下この項において「申請大学論文」という。)について、次の各号のいずれかに該当していることとする。 一 申請大学論文のうち上位十パーセント論文(認定を申請した日の属する年の前年又は前々年の末日において、他の論文により引用された数が、同一の年に公表された同一の研究分野の論文の上位百分の十の範囲に属する論文をいう。以下この号及び次号において同じ。)であるものの数がおおむね千本以上であり、かつ、申請大学論文の総数に占める上位十パーセント論文の数の割合がおおむね百分の十以上であること。 二 申請大学論文のうち上位十パーセント論文であるものの数を、認定を申請した日の属する年の前年又は前々年の五月一日において当該申請大学に属する教員の数(次項第二号において「申請大学教員数」という。)で除した数が、おおむね〇・六以上であること。 2 法第四条第三項第二号の文部科学省令で定める実績は、申請大学に係る共同研究等民間負担経費合計額(民間事業者との連携により行う共同研究及び受託事業(大学が民間事業者からの委託により研究開発その他の事業を行い、その経費を民間事業者が負担するものをいう。)について、認定を申請した日の属する年度の前年度又は前々年度から起算して過去五年度間に民間事業者が負担した経費の合計額をいう。以下この項において同じ。)が、次の各号のいずれかに該当していることとする。 一 共同研究等民間負担経費合計額を五で除した額が、おおむね十億円以上であること。 二 共同研究等民間負担経費合計額を五で除した額を申請大学教員数で除した額が、おおむね百万円以上であること。 3 法第四条第三項第三号の文部科学省令で定める基準は、同号に定めるもののほか、申請大学の研究の体制が、次の各号のいずれにも該当していることとする。 一 若年者、女性及び外国人(日本の国籍を有しない者をいう。次号において同じ。)である研究者等並びに研究事務者(研究又は研究成果の活用に関する業務の事務を行う者をいう。第五条第一項第三号において同じ。)の適切な処遇の確保が図られていること。 二 外国法人又は外国人に対する技術の提供等の状況の把握その他の研究開発等(研究開発又は研究開発の成果の普及若しくは実用化をいう。第五条第一項第二号において同じ。)を公正かつ適切に実施できる体制を有していること。 4 法第四条第三項第四号の文部科学省令で定める基準は、同号に定めるもののほか、申請大学において、国、地方公共団体及び科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成二十年法律第六十三号)第二条第九項に規定する研究開発法人との連携協力により研究成果の経済社会における活用を促進するために必要な体制が確保されており、かつ、当該申請大学の研究成果を活用した新たな事業の創出を支援する体制が適切に整備されていると認められることとする。 5 法第四条第三項第五号の文部科学省令で定める基準は、同号に定めるもののほか、申請大学の運営体制が、次の各号のいずれにも該当していることとする。 一 大学の教育研究活動、国内外の大学の経営、大学における国際化の推進、大学の研究成果の活用、大学に関する法律及び会計その他の大学の運営に関連する事項に関し、学識経験又は実務経験を有する者その他の大学の運営に関する多様な知識及び能力を有する者の参画する合議制の機関が設置され、当該合議制の機関が法人代表者の選任及び解任その他の当該申請大学の運営に関する重要事項を議決する権限を有すること。 二 当該申請大学の業務に関する監査が実効的に行われることを確保するための体制を有すること。 6 法第四条第三項第六号の文部科学省令で定める基準は、同号に定めるもののほか、申請大学の業務執行について、当該申請大学における教育研究に関する業務を掌理する役割及び当該申請大学の財務その他の管理運営の業務を掌理する役割が適切に分担されていることを前提とし、これらの役割を担う者の有機的な連携の下で効率的な業務執行が行われる体制が適切に確保されていることとする。 7 法第四条第三項第七号の文部科学省令で定める財政基盤は、申請大学に係る各年度の収入(当該申請大学の附属病院における医療に係る収入は除く。以下この項において「各年度収入」という。)から授業料収入、入学金収入その他の納付金収入及び基盤的運営経費支援収入(国又は地方公共団体からの運営費交付金、私立大学等経常費補助金その他の運営に係る基盤的な経費に対する支援に係る収入をいう。)の合計額を除いた額の各年度収入に占める割合について、認定を申請した日の属する年度の前年度又は前々年度から起算して過去五年度間における当該割合の合計を五で除した数が、おおむね百分の二十以上であることとする。 (国際卓越研究大学の公表) 第三条 法第四条第五項の規定により認定をしたときに公表しなければならないこととされる文部科学省令で定める事項は、当該認定をした年月日及び当該認定を受けた大学の設置者の名称とする。 2 前項の規定は、法第四条第七項の規定により準用する同条第六項の規定による国際卓越研究大学の認定の取消しがあった場合について準用する。 この場合において、「認定」とあるのは「認定の取消し」と読み替えるものとする。 (国際卓越研究大学研究等体制強化計画の認可の申請) 第四条 法第五条第一項の規定により同項の認可の申請をしようとする者は、別記様式第二号による申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 (国際卓越研究大学研究等体制強化計画の記載事項) 第五条 法第五条第二項第二号ハの文部科学省令で定める人材は、次に掲げる者とする。 一 研究の支援又は研究成果の活用のために必要な技術者(研究開発の補助を行う人材を含む。) 二 研究開発等に係る企画立案、資金の確保並びに知的財産権の取得及び活用その他の研究開発等に係る運営及び管理に係る業務(専門的な知識及び能力を必要とするものに限る。)に従事する者 三 前二号に掲げる者のほか、大学の運営に必要な資金の確保に関する業務に従事する者及び研究事務者 2 法第五条第二項第四号の文部科学省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 国際卓越研究大学研究等体制強化計画の期間 二 国際卓越研究大学研究等体制強化計画の期間終了後に持続的に研究及び研究成果の活用のための体制の強化を行うための体制の整備及び財源の確保に関する事項 三 前二号に掲げるもののほか、研究及び研究成果の活用のための体制の強化に当たり留意する事項 (認可計画の公表) 第六条 文部科学大臣は、法第五条第一項の認可(同条第六項の規定による変更の認可を含む。)をしたときは、同条第五項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定により、当該認可をした年月日、当該認可に係る国際卓越研究大学の名称、当該認可を受けた国際卓越研究大学の設置者の名称及び認可計画の概要をインターネットその他の方法により公表しなければならない。 (認可計画の変更の認可の申請) 第七条 法第五条第六項の規定により国際卓越研究大学研究等体制強化計画の変更の認可を受けようとする認可設置者は、別記様式第三号による申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 (実施方針の認可の申請) 第八条 機構は、法第八条第一項前段の規定により実施方針の認可を受けようとするときは、実施方針を記載した申請書を、文部科学大臣に提出しなければならない。 2 機構は、法第八条第一項後段の規定により実施方針の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及びその理由を記載した申請書を、文部科学大臣に提出しなければならない。 3 機構は、実施方針において、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 国際卓越研究大学研究等体制強化助成の実施方法及び実施条件 二 国際卓越研究大学研究等体制強化助成の業務に関連する業務との調整に関する事項 三 前二号に掲げるもののほか、国際卓越研究大学研究等体制強化助成の実施に必要な事項 (定期報告) 第九条 法第九条の規定により報告を行う認可設置者は、別記様式第四号による報告書を文部科学大臣に提出しなければならない。 2 前項の報告は、認可設置者が当該認可を受けた日の属する年度の末日から起算して一年を経過するごとに、その一年の期間ごとに一回行わなければならない。 | 教育 |
Reiwa | Act | 505AC0000000041_20240401_000000000000000.xml | 令和五年法律第四十一号 | 28 | 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、日本語に通じない外国人が我が国において生活するために必要な日本語を理解し、使用する能力を習得させるための教育(以下「日本語教育」という。)を行うことを目的とした課程(以下「日本語教育課程」という。)を置く教育機関(以下「日本語教育機関」という。)のうち一定の要件を満たすものを認定する制度を創設し、かつ、当該認定を受けた日本語教育機関において日本語教育を行う者の資格について定めることにより、日本語教育の適正かつ確実な実施を図り、もって我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる環境の整備に寄与することを目的とする。 第二章 日本語教育機関の認定 (認定) 第二条 日本語教育機関の設置者は、当該日本語教育機関について、申請により、日本語教育を適正かつ確実に実施することができる日本語教育機関である旨の文部科学大臣の認定を受けることができる。 2 前項の認定(以下この章において「認定」という。)を受けようとする日本語教育機関の設置者は、文部科学省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に、次項各号のいずれにも適合していることを証する書類その他の文部科学省令で定める書類を添えて、文部科学大臣に提出しなければならない。 一 認定を受けようとする日本語教育機関の設置者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地) 二 認定を受けようとする日本語教育機関の名称及び所在地 三 その他文部科学省令で定める事項 3 文部科学大臣は、認定の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、認定をするものとする。 一 認定を受けようとする日本語教育機関の設置者が、イ又はロに掲げるもののいずれかであること。 イ 国、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人、国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人、地方公共団体又は地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人 ロ (1)から(3)までのいずれにも該当するもの(イに掲げるものを除く。) (1) 日本語教育機関を経営するために必要な経済的基礎を有すること。 (2) 日本語教育機関を経営するために必要な知識又は経験を有すること(法人にあっては、認定を受けようとする日本語教育機関の経営を担当する役員が、当該知識又は経験を有すること。)。 (3) 社会的信望を有すること(法人にあっては、認定を受けようとする日本語教育機関の経営を担当する役員が、社会的信望を有する者であること。)。 二 認定を受けようとする日本語教育機関が、次に掲げる事項について文部科学省令で定める基準に適合すること。 イ 日本語教育課程を担当する教員及び職員の体制 ロ 施設及び設備 ハ 日本語教育課程の編成及び実施の方法 ニ 日本語に通じない生徒が我が国において学習を継続するために必要な学習上及び生活上の支援のための体制 4 次の各号のいずれかに該当する者は、認定を受けることができない。 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者 二 第十四条第一項又は第二項の規定により認定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者(認定を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員であった者でその取消しの日から五年を経過しないものを含む。) 三 法人であって、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの 5 文部科学大臣は、認定をしたときは、遅滞なく、第二項第一号及び第二号に掲げる事項その他の文部科学省令で定める事項を、インターネットの利用その他の方法により、日本語及び複数の外国語で公表するものとする。 (情報の公表) 第三条 認定を受けた日本語教育機関(以下「認定日本語教育機関」という。)の設置者は、日本語教育課程の授業科目及びその内容、生徒、教員及び職員の数、授業料その他の当該認定日本語教育機関における学習の環境に関する基本的な情報として文部科学省令で定める事項を、インターネットの利用その他の方法により、日本語で公表しなければならない。 2 認定日本語教育機関の設置者は、前項の規定による公表を複数の外国語で行うよう努めなければならない。 (名称の使用制限) 第四条 何人も、認定日本語教育機関でないものについて、認定日本語教育機関という名称又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。 (認定日本語教育機関の表示) 第五条 認定日本語教育機関の設置者は、生徒の募集のための広告その他の文部科学省令で定めるもの(次項において「広告等」という。)に、文部科学大臣の定める表示を付することができる。 2 何人も、前項の規定による場合を除くほか、広告等に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。 (変更の届出等) 第六条 認定日本語教育機関の設置者は、第二条第二項各号に掲げる事項を変更するときは、文部科学省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。 2 文部科学大臣は、第二条第五項に規定する事項について前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨をインターネットの利用その他の方法により、日本語及び複数の外国語で公表するものとする。 (認定日本語教育機関の教員) 第七条 認定日本語教育機関において日本語教育課程を担当する教員は、第十七条第一項の登録を受けた者でなければならない。 (日本語教育の実施状況に関する評価等) 第八条 認定日本語教育機関の設置者は、認定日本語教育機関における日本語教育の実施状況について、文部科学省令で定めるところにより、自ら点検及び評価を行い、その結果をインターネットの利用その他の方法により、日本語で公表しなければならない。 2 第三条第二項の規定は、前項の規定による公表について準用する。 (定期報告) 第九条 認定日本語教育機関の設置者は、認定日本語教育機関における日本語教育の実施状況について、文部科学省令で定めるところにより、毎年度、文部科学大臣に報告しなければならない。 2 文部科学大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、当該報告を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (帳簿の備付け等) 第十条 認定日本語教育機関の設置者は、認定日本語教育機関の運営状況について、文部科学省令で定めるところにより、帳簿を備え、これに文部科学省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。 (報告徴収) 第十一条 文部科学大臣は、認定日本語教育機関における日本語教育の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、認定日本語教育機関の設置者に対し、日本語教育の実施状況に関し必要な報告又は資料の提出を求めることができる。 (勧告及び命令) 第十二条 文部科学大臣は、認定日本語教育機関が第二条第三項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該認定日本語教育機関の設置者に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを勧告することができる。 2 文部科学大臣は、前項の規定による勧告を受けた認定日本語教育機関の設置者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該認定日本語教育機関の設置者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 (廃止の届出等) 第十三条 認定日本語教育機関の設置者は、当該認定日本語教育機関を廃止しようとするときは、文部科学省令で定めるところにより、その廃止しようとする日(以下この条において「廃止の日」という。)の六十日前までに、その旨及び廃止の日を文部科学大臣に届け出なければならない。 2 文部科学大臣は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨及び廃止の日をインターネットの利用その他の方法により、日本語及び複数の外国語で公表するものとする。 3 認定は、廃止の日として第一項の規定により届け出られた日以後は、その効力を失う。 (認定の取消し) 第十四条 文部科学大臣は、認定日本語教育機関の設置者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すものとする。 一 偽りその他不正の手段により認定を受けたとき。 二 第二条第四項第一号又は第三号のいずれかに該当するに至ったとき。 三 第十二条第二項の規定による命令に違反したとき。 2 文部科学大臣は、認定日本語教育機関の設置者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。 一 第三条第一項、第六条第一項、第八条第一項、第九条第一項又は第十条の規定に違反したとき。 二 第七条の規定に違反して、第十七条第一項の登録を受けた者以外の者に認定日本語教育機関の日本語教育課程を担当させたとき。 三 第十一条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出したとき。 3 文部科学大臣は、前二項の規定による認定の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨をインターネットの利用その他の方法により、日本語及び複数の外国語で公表するものとする。 (審議会等の意見の聴取等) 第十五条 文部科学大臣は、第二条第三項第二号の文部科学省令を制定し、又は改廃するときは、あらかじめ、法務大臣に協議するとともに、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。次項において同じ。)で政令で定めるものの意見を聴くものとする。 2 前項に規定する場合のほか、次に掲げる場合には、文部科学大臣は、あらかじめ、同項の政令で定める審議会等の意見を聴くものとする。 一 認定をするとき又は前条第二項の規定により認定を取り消すとき。 二 第十二条第一項の規定による勧告又は同条第二項の規定による命令をするとき。 (関係行政機関の長との協力) 第十六条 文部科学大臣及び法務大臣その他の関係行政機関の長は、認定日本語教育機関における日本語教育の適正かつ確実な実施を図るため、相互に連携を図りながら協力するものとする。 第三章 認定日本語教育機関の教員の資格 第一節 登録日本語教員 (登録) 第十七条 日本語教員試験(日本語教育を行うために必要な知識及び技能を有するかどうかを判定するために行う試験をいう。以下この章において同じ。)に合格し、かつ、実践研修(認定日本語教育機関において日本語教育を行うために必要な実践的な技術を習得するための研修をいう。以下この章において同じ。)を修了した者は、文部科学大臣の登録を受けることができる。 2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の登録(以下この節において「登録」という。)を受けることができない。 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者 二 第二十一条第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者 3 実践研修を修了した者と同等以上の技術を有する者として文部科学省令で定める要件に該当する者は、第一項の規定の適用については、実践研修を修了した者とみなす。 4 登録は、文部科学大臣が、日本語教員登録簿に氏名、生年月日その他の文部科学省令で定める事項を記載してするものとする。 5 日本語教員登録簿は、文部科学省に備える。 (登録証) 第十八条 文部科学大臣は、登録をしたときは、登録を受けた者(以下この節において「登録日本語教員」という。)に前条第四項に規定する事項を記載した登録証を交付する。 2 登録日本語教員が登録証を亡失し、又は登録証が滅失したときは、文部科学省令で定めるところにより、文部科学大臣に申請をして、登録証の再交付を受けることができる。 (登録事項の変更の届出等) 第十九条 登録日本語教員は、第十七条第四項に規定する事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。 2 登録日本語教員は、前項の規定による届出をするときは、当該届出に登録証を添えて提出し、その訂正を受けなければならない。 (登録等の手数料) 第二十条 登録を受けようとする者又は登録証の再交付若しくは訂正を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。 (登録の取消し) 第二十一条 文部科学大臣は、登録日本語教員が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すものとする。 一 偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。 二 第十七条第二項第一号に該当するに至ったとき。 2 文部科学大臣は、前項の規定により登録を取り消したときは、その登録を消除するものとする。 3 第一項の規定により登録を取り消された者は、その取消しの日から三十日以内に、文部科学大臣に登録証を返納しなければならない。 第二節 日本語教員試験 (日本語教員試験の内容等) 第二十二条 日本語教員試験においては、基礎試験及び応用試験を行うものとし、基礎試験にあっては日本語教育を行うために必要な基礎的な知識及び技能を有するかどうか、応用試験にあっては日本語教育を行うために必要な知識及び技能のうち応用に関するものを有するかどうかを判定するものとする。 2 日本語教員試験は、毎年一回以上、文部科学大臣が行う。 (試験の免除) 第二十三条 次の各号に掲げる者に対しては、その申請により、当該各号に定める試験を免除する。 一 文部科学大臣の登録を受けた者が実施する日本語教育を行うために必要な基礎的な知識及び技能を習得させるための課程(第六節において「養成課程」という。)を修了した者又は基礎試験に合格した者と同等以上の知識及び技能を有することを示す資格として文部科学省令で定めるものを有する者 基礎試験 二 応用試験に合格した者と同等以上の知識及び技能を有することを示す資格として文部科学省令で定めるものを有する者 応用試験 (受験の停止等) 第二十四条 文部科学大臣は、日本語教員試験に関して不正の行為があった場合には、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させ、又はその日本語教員試験を無効とすることができる。 (手数料) 第二十五条 日本語教員試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。 (文部科学省令への委任) 第二十六条 この節に定めるもののほか、基礎試験及び応用試験の科目、受験手続その他の日本語教員試験に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。 第三節 実践研修 第二十七条 実践研修は、認定日本語教育機関において日本語教育を行うために必要な実践的な技術を習得することを目的として、文部科学省令で定める科目について、文部科学大臣が行う。 2 実践研修を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。 3 前二項に定めるもののほか、受講手続その他の実践研修に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。 第四節 指定試験機関 (指定試験機関による試験事務の実施等) 第二十八条 文部科学大臣は、その指定する者(以下この節において「指定試験機関」という。)に、日本語教員試験の実施に関する事務(以下この節並びに第六十八条、第六十九条及び第七十一条第四号において「試験事務」という。)を行わせることができる。 2 指定試験機関は、試験事務の実施に関し第二十四条に規定する文部科学大臣の職権を行うことができる。 3 文部科学大臣は、第一項の規定により指定試験機関に試験事務を行わせるときは、試験事務を行わないものとする。 (指定の手続及び要件) 第二十九条 前条第一項の規定による指定(以下この節において「指定」という。)は、試験事務を行おうとする者の申請により行う。 2 指定を受けようとする者は、文部科学省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に、次項各号のいずれにも適合していることを証する書類その他の文部科学省令で定める書類を添えて、文部科学大臣に提出しなければならない。 一 指定を受けようとする者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地 二 その他文部科学省令で定める事項 3 文部科学大臣は、他に指定を受けた者がなく、かつ、指定の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。 一 職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が定められ、かつ、当該計画が試験事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。 二 指定を受けようとする者が、前号の計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有すること。 三 指定を受けようとする者が試験事務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって試験事務が不公正となるおそれがないこと。 4 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。 一 一般社団法人又は一般財団法人以外の者 二 第四十条第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者 三 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの イ 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者 ロ 第三十一条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して五年を経過しない者 ハ 第四十条第一項又は第二項の規定による取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該取消しを受けた法人の役員であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの 5 文部科学大臣は、指定をしたときは、第二項第一号に掲げる事項その他の文部科学省令で定める事項を官報で公示するものとする。 (変更の届出等) 第三十条 指定試験機関は、前条第二項各号に掲げる事項を変更するときは、文部科学省令で定めるところにより、その二週間前までに、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。 2 文部科学大臣は、前条第五項に規定する事項について前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示するものとする。 (役員の選任及び解任) 第三十一条 指定試験機関の役員の選任及び解任は、文部科学大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 文部科学大臣は、指定試験機関の役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは第三十四条第一項に規定する試験事務規程に違反する行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。 (試験委員) 第三十二条 指定試験機関は、日本語教育を行うために必要な知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、試験委員に行わせなければならない。 2 指定試験機関は、文部科学省令で定める要件を備える者のうちから試験委員を選任しなければならない。 3 指定試験機関は、試験委員を選任したときは、その日から二週間以内に、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。 試験委員を変更したときも、同様とする。 4 前条第二項の規定は、試験委員の解任について準用する。 (秘密保持義務等) 第三十三条 指定試験機関の役員若しくは職員(試験委員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあった者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 2 試験事務に従事する指定試験機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。 (試験事務規程) 第三十四条 指定試験機関は、試験事務の実施に関する規程(以下この条及び第四十条第二項第四号において「試験事務規程」という。)を定め、試験事務の開始前に、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 試験事務規程には、日本語教育を行うために必要な知識及び技能を有するかどうかの判定の基準その他文部科学省令で定める事項を定めなければならない。 3 文部科学大臣は、第一項の認可をした試験事務規程が試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、指定試験機関に対し、その試験事務規程を変更すべきことを命ずることができる。 (事業計画書の認可等) 第三十五条 指定試験機関は、文部科学省令で定めるところにより、毎事業年度、事業計画書及び収支予算書を作成し、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 指定試験機関は、毎事業年度、文部科学省令で定めるところにより、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に文部科学大臣に提出しなければならない。 (帳簿の備付け等) 第三十六条 指定試験機関は、試験事務について、文部科学省令で定めるところにより、帳簿を備え、これに文部科学省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。 (報告徴収及び立入検査) 第三十七条 文部科学大臣は、試験事務の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、指定試験機関に対し、試験事務に関し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、指定試験機関の事務所その他必要な場所に立ち入り、試験事務に関し質問させ、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (監督命令) 第三十八条 文部科学大臣は、試験事務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。 (試験事務の休廃止) 第三十九条 指定試験機関は、文部科学大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。 2 文部科学大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を官報で公示するものとする。 3 文部科学大臣が第一項の規定により試験事務の全部の廃止を許可したときは、指定は、その効力を失う。 (指定の取消し等) 第四十条 文部科学大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すものとする。 一 偽りその他不正の手段により指定を受けたとき。 二 第二十九条第四項第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 2 文部科学大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第二十九条第三項各号のいずれかに適合しなくなったと認められるとき。 二 第三十条第一項、第三十二条第一項から第三項まで、第三十五条、第三十六条又は前条第一項の規定に違反したとき。 三 第三十一条第二項(第三十二条第四項において準用する場合を含む。)、第三十四条第三項又は第三十八条の規定による命令に違反したとき。 四 第三十四条第一項の認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行ったとき。 五 第三十七条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。 六 第四十二条第一項の規定により付された条件に違反したとき。 3 文部科学大臣は、前二項の規定により指定を取り消し、又は試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報で公示するものとする。 (文部科学大臣による試験事務の実施等) 第四十一条 文部科学大臣は、指定試験機関が第三十九条第一項の許可を受けて試験事務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第二項の規定により指定試験機関に対し試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災その他の事由により試験事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、試験事務の全部又は一部を自ら行うものとする。 2 文部科学大臣は、前項の規定により試験事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた試験事務の全部若しくは一部を行わないこととするときは、その旨を官報で公示するものとする。 3 文部科学大臣が、第一項の規定により試験事務を行うこととし、第三十九条第一項の規定により試験事務の廃止を許可し、又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における試験事務の引継ぎその他の必要な事項は、文部科学省令で定める。 (指定等の条件) 第四十二条 文部科学大臣は、指定、第三十一条第一項、第三十四条第一項若しくは第三十五条第一項の認可又は第三十九条第一項の許可(次項において「指定等」という。)には、条件を付し、及びこれを変更することができる。 2 前項の条件は、指定等に係る事項の適正かつ確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、指定等を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。 (指定試験機関がした処分等に係る審査請求) 第四十三条 指定試験機関が行う試験事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、文部科学大臣に対し、審査請求をすることができる。 この場合において、文部科学大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。 (手数料) 第四十四条 指定試験機関が試験事務を行う場合においては、指定試験機関が行う日本語教員試験を受けようとする者は、第二十五条の規定にかかわらず、同条の政令で定める額の手数料を指定試験機関に納付しなければならない。 この場合において、納付された手数料は、指定試験機関の収入とする。 第五節 登録実践研修機関 (登録実践研修機関による研修事務の実施等) 第四十五条 文部科学大臣は、その登録を受けた者(以下この節において「登録実践研修機関」という。)に、実践研修の実施に関する事務(以下この節並びに第六十九条及び第七十一条第四号において「研修事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。 2 文部科学大臣は、前項の規定により登録実践研修機関に研修事務の全部又は一部を行わせるときは、当該研修事務の全部又は一部を行わないものとする。 (登録の手続及び要件) 第四十六条 前条第一項の登録(以下この節において「登録」という。)は、研修事務を行おうとする者の申請により行う。 2 登録を受けようとする者は、文部科学省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に、次項各号のいずれにも適合していることを証する書類その他の文部科学省令で定める書類を添えて、文部科学大臣に提出しなければならない。 一 登録を受けようとする者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地) 二 その他文部科学省令で定める事項 3 文部科学大臣は、登録の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、登録をするものとする。 一 登録を受けようとする者が実施する実践研修が、第二十七条第一項の文部科学省令で定める科目について行われるものであること。 二 登録を受けようとする者が実施する実践研修における前号の科目の指導時間数が、文部科学省令で定める時間数以上であること。 三 登録を受けようとする者が実施する実践研修における第一号の科目の指導が、当該科目の指導を行うために必要な資格及び経験として文部科学省令で定めるものを有する者により行われること。 4 次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者 二 第五十八条第一項又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者(登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員であった者でその取消しの日から五年を経過しないものを含む。) 三 法人であって、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの 5 登録は、文部科学大臣が、登録実践研修機関登録簿に第二項第一号に掲げる事項その他の文部科学省令で定める事項を記載してするものとする。 6 文部科学大臣は、登録をしたときは、前項に規定する事項(文部科学省令で定めるものを除く。)を官報で公示するものとする。 (変更の届出等) 第四十七条 登録実践研修機関は、前条第五項に規定する事項を変更するときは、文部科学省令で定めるところにより、その二週間前までに、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。 2 文部科学大臣は、前条第六項に規定する事項について前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示するものとする。 (役員の選任及び解任) 第四十八条 登録実践研修機関が法人である場合において、その役員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。 (研修事務規程) 第四十九条 登録実践研修機関は、研修事務の実施に関する規程(以下この条及び次条において「研修事務規程」という。)を定め、研修事務の開始前に、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 研修事務規程には、実践研修の実施の方法その他文部科学省令で定める事項を定めなければならない。 3 文部科学大臣は、第一項の認可をした研修事務規程が研修事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、登録実践研修機関に対し、その研修事務規程を変更すべきことを命ずることができる。 (研修事務の実施に係る義務) 第五十条 登録実践研修機関は、研修事務を、公正に、かつ、前条第一項の認可を受けた研修事務規程に従って実施しなければならない。 (定期報告) 第五十一条 登録実践研修機関は、研修事務の実施状況について、文部科学省令で定めるところにより、定期的に、文部科学大臣に報告しなければならない。 (財務諸表等の作成、備置き及び閲覧等) 第五十二条 登録実践研修機関は、毎事業年度、当該事業年度の終了後三月以内に、文部科学省令で定めるところにより、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項及び第七十三条において「財務諸表等」という。)を作成し、これに文部科学省令で定める事項を記載し、又は記録し、五年間事務所に備え置かなければならない。 2 実践研修を受けようとする者その他の利害関係人は、登録実践研修機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該登録実践研修機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を文部科学省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を登録実践研修機関の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と当該事項の提供を受けようとする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって文部科学省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (帳簿の備付け等) 第五十三条 登録実践研修機関は、研修事務について、文部科学省令で定めるところにより、帳簿を備え、これに文部科学省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。 (報告徴収及び立入検査) 第五十四条 文部科学大臣は、研修事務の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、登録実践研修機関に対し、研修事務に関し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、登録実践研修機関の事務所その他必要な場所に立ち入り、研修事務に関し質問させ、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (適合命令) 第五十五条 文部科学大臣は、登録実践研修機関が実施する実践研修が第四十六条第三項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該登録実践研修機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第五十六条 文部科学大臣は、登録実践研修機関が実施する研修事務が第五十条の規定に違反していると認めるときは、当該登録実践研修機関に対し、その研修事務の実施の方法を改善するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (研修事務の休廃止) 第五十七条 登録実践研修機関は、文部科学大臣の許可を受けなければ、研修事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。 2 文部科学大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を官報で公示するものとする。 3 文部科学大臣が第一項の規定により研修事務の全部の廃止を許可したときは、当該登録実践研修機関の登録は、その効力を失う。 (登録の取消し等) 第五十八条 文部科学大臣は、登録実践研修機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すものとする。 一 偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。 二 第四十六条第四項第一号又は第三号のいずれかに該当するに至ったとき。 2 文部科学大臣は、登録実践研修機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて研修事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第四十七条第一項、第四十八条、第五十一条、第五十二条第一項、第五十三条又は前条第一項の規定に違反したとき。 二 第四十九条第三項、第五十五条又は第五十六条の規定による命令に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第五十二条第二項の規定による請求を拒んだとき。 四 第五十四条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。 3 文部科学大臣は、前二項の規定により登録を取り消し、又は研修事務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報で公示するものとする。 (文部科学大臣による研修事務の実施等) 第五十九条 文部科学大臣は、登録実践研修機関が第五十七条第一項の許可を受けて研修事務の全部若しくは一部を休止し、若しくは廃止したとき、前条第一項若しくは第二項の規定により登録を取り消し、若しくは登録実践研修機関に対し研修事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は登録実践研修機関が天災その他の事由により研修事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、研修事務の全部又は一部を自ら行うことができる。 2 文部科学大臣は、前項の規定により研修事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた研修事務の全部若しくは一部を行わないこととするときは、その旨を官報で公示するものとする。 3 文部科学大臣が第一項の規定により研修事務を行うこととした場合における研修事務の引継ぎその他の必要な事項は、文部科学省令で定める。 (手数料) 第六十条 登録実践研修機関が研修事務を行う場合においては、登録実践研修機関が行う実践研修を受けようとする者は、第二十七条第二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより登録実践研修機関が文部科学大臣の認可を受けて定める額の手数料を当該登録実践研修機関に納付しなければならない。 この場合において、納付された手数料は、当該登録実践研修機関の収入とする。 第六節 登録日本語教員養成機関 (登録) 第六十一条 養成課程を実施しようとする者は、申請により、第二十三条第一号の登録(以下この節において「登録」という。)を受けることができる。 (登録の手続及び要件) 第六十二条 登録を受けようとする者は、文部科学省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に、次項各号のいずれにも適合していることを証する書類その他の文部科学省令で定める書類を添えて、文部科学大臣に提出しなければならない。 一 登録を受けようとする者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地) 二 その他文部科学省令で定める事項 2 文部科学大臣は、登録の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、登録をするものとする。 一 登録を受けようとする者が実施する養成課程が、日本語教育についての基礎的な知識及び技能の習得に必要な科目として文部科学省令で定めるものを含むものであること。 二 登録を受けようとする者が実施する養成課程に含まれる前号の科目の授業時間数が、文部科学省令で定める時間数以上であること。 三 登録を受けようとする者が実施する養成課程に含まれる第一号の科目の授業が、当該科目の教授を行うために必要な資格として文部科学省令で定めるものを有する者により行われること。 3 次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者 二 第六十六条第一項又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者(登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員であった者でその取消しの日から五年を経過しないものを含む。) 三 法人であって、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの 4 登録は、文部科学大臣が、登録日本語教員養成機関登録簿に第一項第一号に掲げる事項その他の文部科学省令で定める事項を記載してするものとする。 5 文部科学大臣は、登録をしたときは、前項に規定する事項(文部科学省令で定めるものを除く。)を官報で公示するものとする。 (養成業務規程) 第六十三条 登録を受けた者(以下この節において「登録日本語教員養成機関」という。)は、養成課程の実施に関する規程(以下この条において「養成業務規程」という。)を定め、養成課程の実施に関する業務(以下この節並びに第六十九条及び第七十一条第四号において「養成業務」という。)の開始前に、文部科学大臣に届け出なければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 養成業務規程には、養成課程の実施の方法、養成課程に関する料金その他文部科学省令で定める事項を定めなければならない。 3 文部科学大臣は、第一項の規定による届出のあった養成業務規程が養成業務の適正かつ確実な実施上不適当であり、又は不適当となったと認めるときは、その養成業務規程を変更すべきことを命ずることができる。 (養成業務の休廃止) 第六十四条 登録日本語教員養成機関は、養成業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、文部科学省令で定めるところにより、その休止し、又は廃止しようとする日(以下この項及び次項において「休止又は廃止の日」という。)の三十日前までに、その旨及び休止又は廃止の日を文部科学大臣に届け出なければならない。 2 文部科学大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨及び休止又は廃止の日を官報で公示するものとする。 3 第一項の規定による養成業務の全部の廃止の届出があったときは、当該登録日本語教員養成機関の登録は、その廃止しようとする日として届け出られた日以後は、その効力を失う。 (準用) 第六十五条 第四十七条、第四十八条及び第五十条から第五十六条までの規定は、登録日本語教員養成機関が養成業務を実施する場合について準用する。 この場合において、第四十七条第一項中「前条第五項」とあるのは「第六十二条第四項」と、同条第二項中「前条第六項」とあるのは「第六十二条第五項」と、第五十条中「前条第一項の認可を受けた研修事務規程」とあるのは「第六十三条第一項の規定により届け出た同項に規定する養成業務規程」と、第五十二条第二項中「実践研修を受けようと」とあるのは「養成課程を履修しようと」と、第五十五条中「第四十六条第三項各号」とあるのは「第六十二条第二項各号」と読み替えるものとする。 (登録の取消し等) 第六十六条 文部科学大臣は、登録日本語教員養成機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すものとする。 一 偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。 二 第六十二条第三項第一号又は第三号のいずれかに該当するに至ったとき。 2 文部科学大臣は、登録日本語教員養成機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて養成業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第六十三条第三項又は前条において準用する第五十五条若しくは第五十六条の規定による命令に違反したとき。 二 第六十四条第一項又は前条において準用する第四十七条第一項、第四十八条、第五十一条、第五十二条第一項若しくは第五十三条の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに前条において準用する第五十二条第二項の規定による請求を拒んだとき。 四 前条において準用する第五十四条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。 3 文部科学大臣は、前二項の規定により登録を取り消し、又は養成業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報で公示するものとする。 第四章 罰則 第六十七条 偽りその他不正の手段により第二条第一項の認定を受けたときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第六十八条 第三十三条第一項の規定に違反して、試験事務に関して知り得た秘密を漏らした者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。 第六十九条 第四十条第二項、第五十八条第二項又は第六十六条第二項の規定による試験事務、研修事務又は養成業務の全部又は一部の停止の命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。 第七十条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第六条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第十条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。 三 第十一条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出したとき。 第七十一条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第四条又は第五条第二項の規定に違反したとき。 二 第三十六条又は第五十三条(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。 三 第三十七条第一項又は第五十四条第一項(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。 四 第三十九条第一項若しくは第五十七条第一項の許可を受けないで、又は第六十四条第一項の規定による届出をしないで、試験事務、研修事務又は養成業務の全部を廃止したとき。 第七十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第六十七条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。 第七十三条 第五十二条第一項(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定に違反して財務諸表等を作成せず、財務諸表等に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、若しくは財務諸表等を備え置かず、又は正当な理由がないのに第五十二条第二項(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだときは、当該違反行為をした者は、二十万円以下の過料に処する。 第七十四条 第二十一条第三項の規定に違反して登録証を返納しなかった者は、十万円以下の過料に処する。 | 教育 |
Reiwa | CabinetOrder | 505CO0000000327_20240401_000000000000000.xml | 令和五年政令第三百二十七号 | 28 | 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律施行令
(審議会等で政令で定めるもの) 第一条 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(以下「法」という。)第十五条第一項の審議会等で政令で定めるものは、中央教育審議会とする。 (登録日本語教員に係る登録等の手数料) 第二条 法第二十条の政令で定める手数料の額は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める額とする。 一 法第十七条第一項の登録を受けようとする者 四千四百円 二 登録証の再交付又は訂正を受けようとする者 二千五百円 (日本語教員試験の手数料) 第三条 法第二十五条の政令で定める手数料の額は、一万八千九百円(法第二十三条の規定により、基礎試験及び応用試験が免除される場合にあっては五千九百円、これらのうちいずれかの試験が免除される場合にあっては一万七千三百円)とする。 (文部科学大臣が行う実践研修の手数料) 第四条 法第二十七条第二項の政令で定める手数料の額は、五万九百円とする。 (登録実践研修機関が行う実践研修に係る手数料の額の認可) 第五条 法第六十条の認可(以下この条において「認可」という。)を受けようとする登録実践研修機関は、認可を受けようとする手数料の額(認可を受けた手数料の額を変更しようとする場合にあっては、当該変更しようとする手数料の額)並びに研修事務の実施に要する費用の額及びその内訳その他の当該手数料の額を算定するために必要な事項として文部科学省令で定めるものを記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 2 文部科学大臣は、次の各号のいずれにも適合すると認めるときでなければ、認可をしてはならない。 一 手数料の額が当該研修事務の適正な実施に要する費用の額を超えないこと。 二 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 505M60000080019_20230401_000000000000000.xml | 令和五年文部科学省令第十九号 | 28 | 学校教育法施行令の一部を改正する政令の施行に伴う経過措置に関する省令
学校教育法施行令の一部を改正する政令(以下「改正令」という。)附則第二項の規定により改正令による改正後の学校教育法施行令(昭和二十八年政令第三百四十号)第二十六条第一項又は第二十七条の二第一項の規定による学則の変更の届出とみなされる学則の変更の認可の申請は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める時に届出とみなされるものとする。 一 市町村の教育委員会又は市町村が単独で若しくは他の市町村と共同して設立する公立大学法人の理事長が行う学則の変更の認可の申請 学則の変更がされた時 二 私立の学校の設置者が行う学則の変更の認可の申請 改正令の施行の時 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 505M60000080039_20240426_506M60000080018.xml | 令和五年文部科学省令第三十九号 | 28 | 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律施行規則
第一章 認定日本語教育機関の認定 (認定の申請) 第一条 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(以下「法」という。)第二条第二項の文部科学省令で定める書類は、次のとおりとする。 ただし、設置者が同条第三項第一号イに掲げるもの(国及び地方公共団体を除く。)である場合には第一号イ及び第三号から第五号までに掲げる書類を、国又は地方公共団体である場合には第一号及び第三号から第五号までに掲げる書類を除く。 一 設置者が法人である場合には、次に掲げる書類 イ 法人の定款又は寄附行為及び登記事項証明書 ロ 役員の氏名及び経歴を記載した書類 二 設置者が個人である場合には、その住民票の写し及び履歴書 三 設置者の資産及び負債の状況を示す書類 四 事業計画並びに経費の見積り及び維持方法に関する書類 五 認定(法第二条第一項の認定をいう。以下同じ。)に係る日本語教育課程(法第一条に規定する日本語教育課程をいう。以下同じ。)の実施以外の業務を行っている場合には、その業務の種類及び概要を記載した書類 六 教員及び職員の体制並びに校長(副校長を置く日本語教育機関(法第一条に規定する日本語教育機関をいう。以下同じ。)にあっては、副校長を含む。第三項において同じ。)、教員、事務を統括する職員及び留学のための課程(認定日本語教育機関認定基準(令和五年文部科学省令第四十号)第二条第一項に規定する留学のための課程をいう。以下同じ。)を置く日本語教育機関にあっては生活指導担当者の資格及び経歴を記載した書類 七 校地、校舎その他直接日本語教育(法第一条に規定する日本語教育をいう。以下同じ。)の用に供する土地及び建物(第五条において「校地校舎等」という。)の概要を記載した書類及び図面並びに当該土地及び建物の登記事項証明書その他の当該土地及び建物に関する権利関係を示す書類 八 設備の概要を記載した書類 九 日本語教育課程の内容及び修了要件並びに学習の評価方法を記載した書類 十 教材の一覧表 十一 入学者の募集及び選考に関する書類 十二 生徒の学習上及び生活上の支援のための体制の概要を記載した書類 十三 その他文部科学大臣が必要と認める書類 2 文部科学大臣は、前項各号に掲げる書類により証明すべき事実の確認に支障がないと認めるときは、当該書類の添付を省略させることができる。 3 法第二条第二項第三号の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする(留学のための課程を置かない日本語教育機関にあっては、第八号に掲げる事項を除く。)。 一 日本語教育機関の基本理念、目的及び目標 二 校長 三 教員の体制 四 事務を統括する職員 五 校地及び校舎 六 日本語教育課程の目的、目標、概要及び収容定員数 七 授業料その他の日本語教育機関が徴収する費用 八 生活指導担当者 九 学則 (学則) 第二条 前条第三項第九号の学則中には、少なくとも、次に掲げる事項(留学のための課程を置かない日本語教育機関にあっては、第十号に掲げる事項を除く。)を記載しなければならない。 一 日本語教育課程の修業期間、学期及び授業を行わない日に関する事項 二 教育課程及び授業日時数に関する事項 三 学習の評価及び日本語教育課程修了の要件に関する事項 四 収容定員に関する事項 五 教員及び職員の体制に関する事項 六 入学、退学、転学、休学及び卒業に関する事項 七 授業料、入学料その他の費用徴収及び返還に関する事項 八 賞罰に関する事項 九 寄宿舎を置く場合には、寄宿舎に関する事項 十 健康診断に関する事項 (認定の公表) 第三条 法第二条第五項の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 認定を受けた日本語教育機関の設置者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地) 二 認定を受けた日本語教育機関の名称及び所在地 三 認定を受けた日本語教育機関の基本理念、目的及び目標 四 認定の年月日 五 教員及び職員の体制の概要 六 日本語教育課程の目的、目標、概要及び収容定員数 七 授業料その他の認定を受けた日本語教育機関が徴収する費用 八 生徒の学習上及び生活上の支援のための体制の概要 (認定日本語教育機関による情報の公表) 第四条 法第三条第一項の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 認定日本語教育機関(法第三条第一項に規定する認定日本語教育機関をいう。以下同じ。)の設置者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地) 二 認定日本語教育機関の名称及び所在地 三 日本語教育課程の授業科目及びその内容 四 生徒、教員及び職員の数 五 授業料その他の認定日本語教育機関が徴収する費用 六 学則 2 認定日本語教育機関は、法第三条第一項の規定による情報の公表を行うに当たっては、当該情報について、当該認定日本語教育機関を他の認定日本語教育機関と混同するおそれのある表示その他の誤解を生じさせる表示又は虚偽の表示をしてはならない。 (認定日本語教育機関の表示) 第五条 法第五条第一項の文部科学省令で定めるものは、次のとおりとする。 一 生徒、教員又は職員の募集の広告又は文書 二 認定日本語教育機関の広告 三 宣伝用物品 四 認定日本語教育機関の校地校舎等 五 インターネットを利用した方法により公衆の閲覧に供する情報 2 認定日本語教育機関は、認定に係る日本語教育課程の実施その他の法に基づく業務以外の業務について、認定を受けたものと誤解を生じさせる表示をしてはならない。 (変更の届出) 第六条 法第六条第一項の規定による変更の届出は、次に掲げる事項を記載した届出書によってしなければならない。 一 当該届出に係る認定日本語教育機関の名称及び所在地 二 変更の内容及び理由 三 変更の年月日 2 法第六条第一項の規定による変更の届出のうち、日本語教育課程の新設又は収容定員数の変更に係る変更の届出にあっては、前項の届出書には、当該新設又は収容定員数の変更をする日本語教育課程に係る第一条第一項第六号から第十三号までに掲げる書類を添付しなければならない。 3 法第六条第一項の規定による変更の届出のうち、日本語教育課程の新設又は収容定員数の変更に係る変更の届出以外の届出にあっては、第一項の届出書には、第一条第一項各号に掲げる書類のうち当該変更事項に係る書類を添付しなければならない。 (点検及び評価) 第七条 認定日本語教育機関は、法第八条第一項に規定する点検及び評価を行うに当たっては、次に掲げる項目を設定するとともに、毎年一回以上、適当な体制を整えて行わなければならない。 一 認定日本語教育機関の目的及び目標の達成状況に関すること。 二 教員及び職員の組織運営に関すること。 三 施設及び設備に関すること。 四 日本語教育課程の編成及び実施に関すること。 五 卒業の認定及び学習の成果に関すること。 六 生徒への学習上及び生活上の支援に関すること。 七 教育活動等の改善を継続的に行う仕組みに関すること。 八 財務に関すること。 (第三者評価) 第八条 認定日本語教育機関は、その教育水準の向上に資するため、法第八条第一項の点検及び評価に加え、当該認定日本語教育機関における日本語教育の実施状況について、定期的に、日本語教育について相当の知見を有する第三者による評価を受け、その結果を公表するよう努めなければならない。 (定期報告) 第九条 法第九条第一項の報告は、毎年六月三十日までに、次に掲げる事項(留学のための課程を置かない認定日本語教育機関にあっては、第九号に掲げる事項を除く。)を記載した報告書を文部科学大臣に提出することにより行わなければならない。 一 設置者が法第二条第三項第一号ロに掲げるものである場合には、その収支並びに資産及び負債の状況 二 教員及び職員の体制の整備状況 三 施設及び設備の整備状況 四 日本語教育課程の編成、使用教材及び担当教員の状況 五 生徒の学習上及び生活上の支援の実施状況 六 入学者の数及び在学する生徒の数 七 生徒の授業への出席率 八 卒業した者の数並びに退学した者の数及びそのうち履修した日本語教育課程の目標の日本語を理解し、使用する能力を習得した者の数 九 進学者の数、就職者の数その他進学及び就職の状況 十 学習の成果(卒業時における生徒の日本語を理解し、使用する能力に関することを含む。)、これに係る評価の実施及び日本語教育課程の修了の要件の策定の状況 (帳簿の記載事項等) 第十条 法第十条の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする(留学のための課程を置かない認定日本語教育機関にあっては、第七号に掲げる事項を除く。)。 一 日本語教育課程の日課、教材一覧及び日ごとの活動状況 二 教員及び職員の氏名、履歴、出勤状況並びに担当学級又は担当の授業科目及び時間表 三 生徒の学習の状況の記録及び出席状況 四 入学者の募集、選考及び成績考査に関する事項 五 生徒の学習上及び生活上の支援の実施状況 六 資産、出納及び経費の予算決算並びに図書、機械器具その他の教具の目録に関する事項 七 生徒の健康の状況、医師その他の生徒の健康の保持増進に従事する者の勤務状況及び生徒の健康診断の実施状況 2 法第十条の帳簿は、記載の日から五年間保存しなければならない。 ただし、前項第三号の生徒の学習の状況の記録のうち入学、卒業等の学籍に関するものについては、その保存期間は、記載の日から二十年間とする。 (廃止の届出) 第十一条 法第十三条第一項の規定による廃止の届出は、次に掲げる事項を記載した届出書によってしなければならない。 一 廃止しようとする認定日本語教育機関の名称及び所在地 二 廃止しようとする年月日 三 廃止しようとする理由 (法務大臣との協議等) 第十二条 次に掲げる場合には、文部科学大臣は、あらかじめ、法務大臣に協議するものとする。 一 留学のための課程を置く日本語教育機関について、認定をするとき。 二 留学のための課程を置く認定日本語教育機関について、法第十四条第二項の規定により認定を取り消すとき。 2 文部科学大臣は、法第六条第一項の規定による変更の届出のうち、留学のための課程の新設、廃止又は収容定員数の変更に係るものがあったときは、遅滞なく、その旨を法務大臣に通知するものとする。 3 文部科学大臣は、留学のための課程を置く認定日本語教育機関に係る法第十三条第一項の規定による廃止の届出があったときは、遅滞なく、その旨を法務大臣に通知するものとする。 (関係行政機関の長との協力等) 第十三条 文部科学大臣は、法務大臣その他の関係行政機関の長に対し、認定日本語教育機関における日本語教育の適正かつ確実な実施に関し必要な情報の提供を行うことができる。 2 文部科学大臣は、法務大臣に対し、認定及び第六条第二項の変更の届出(留学のための課程に係るものに限る。)に係る事実の確認に関し必要な資料の提供その他の協力を求めることができる。 3 文部科学大臣は、法務大臣その他の関係行政機関の長から、認定日本語教育機関が法第二条第三項各号のいずれかに適合しなくなった旨の情報の提供を受けたときは、当該認定日本語教育機関に対し、速やかに、法第十一条の規定による報告又は資料の提供を求めるとともに、その結果を踏まえ、当該関係行政機関の長と連携協力して、必要があると認めるときは、法第十二条第一項の規定による勧告その他の必要な措置を講ずるものとする。 第二章 認定日本語教育機関の教員の資格 第一節 登録日本語教員 (登録日本語教員の登録の申請) 第十四条 法第十七条第一項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 氏名 二 生年月日 三 本籍地都道府県名(日本の国籍を有しない者にあっては、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十五に規定する国籍等。以下同じ。) 四 日本語教員試験(法第十七条第一項に規定する日本語教員試験をいう。以下同じ。)に合格した年月日及び合格証書の番号 五 実践研修(法第十七条第一項の実践研修をいう。以下同じ。)を修了した年月日及び当該実践研修の実施者の氏名又は名称(法第十七条第三項の規定の適用を受けようとする者にあっては、その旨) 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 戸籍の謄本若しくは抄本又は住民票の写し(住民基本台帳法第七条第五号に掲げる事項(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第十九条の三に規定する中長期在留者(第十八条において「中長期在留者」という。)及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(第十八条において「特別永住者」という。)については、住民基本台帳法第三十条の四十五に規定する国籍等)を記載したものに限る。第十七条第一項及び第二十七条第四項において同じ。)(出入国管理及び難民認定法第十九条の三各号に掲げる者については、旅券その他の身分を証する書類の写し。第十七条第一項及び第二十七条第四項において同じ。) 二 日本語教員試験の合格証書の写し 三 実践研修の修了証書の写し(法第十七条第三項の規定の適用を受けようとする者にあっては、修了証書の写しに代えて、次条の要件に該当することを証する書類) (実践研修を修了した者と同等以上の技術を有する者) 第十五条 法第十七条第三項の文部科学省令で定める要件は、外国の大学(これに準ずる教育機関を含む。以下同じ。)であって文部科学大臣が別に指定するものが実施する、日本語教育機関において日本語教育を行うために必要な実践的な技術を習得するための研修を修了した者であることとする。 (登録日本語教員登録簿の記載事項) 第十六条 法第十七条第四項の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 氏名 二 生年月日 三 本籍地都道府県名 四 登録番号及び登録年月日 五 日本語教員試験の合格の年月日及び合格証書の番号 六 実践研修の修了の年月日及び当該実践研修を実施した者の氏名又は名称(法第十七条第三項の規定の適用を受けた者にあっては、その旨) (登録証再交付の申請等) 第十七条 法第十八条第二項の規定による登録証の再交付の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書に戸籍の謄本若しくは抄本又は住民票の写しを添えてしなければならない。 一 氏名及び住所 二 生年月日 三 本籍地都道府県名 四 登録番号及び登録年月日 五 登録証を亡失し、又は登録証が滅失した事情 2 登録日本語教員(法第十八条第一項に規定する登録日本語教員をいう。以下同じ。)は、前項の申請をした後、失った登録証を発見したときは、速やかにこれを文部科学大臣に返納しなければならない。 (変更の届出) 第十八条 法第十九条第一項の規定による変更の届出は、次に掲げる事項を記載した届出書に戸籍の謄本又は抄本(中長期在留者及び特別永住者については住民票の写し(住民基本台帳法第三十条の四十五に規定する国籍等を記載したものに限る。)及び法第十九条第一項の規定による届出の事由を証する書類とし、出入国管理及び難民認定法第十九条の三各号に掲げる者については旅券その他の身分を証する書類の写し及び法第十九条第一項の規定による届出の事由を証する書類とする。)を添えてしなければならない。 一 当該届出に係る登録日本語教員の氏名、生年月日及び本籍地都道府県名 二 変更の内容及び理由 三 変更の年月日 (日本語教員登録簿の登録の訂正等) 第十九条 文部科学大臣は、法第十九条第一項の規定による変更の届出があったとき又は法第二十一条第一項の規定により登録日本語教員の登録を取り消したときは、日本語教員登録簿の当該登録日本語教員に関する登録を訂正し又は消除するとともに、それぞれ登録の訂正又は消除の理由及びその年月日を登録日本語教員登録簿に記載するものとする。 (登録等の手数料の納付) 第二十条 法第二十条の手数料は、第十四条第一項の申請書、第十七条第一項の申請書又は第十八条の届出書に収入印紙を貼って納めなければならない。 2 前項の規定により納付された手数料は、これを返還しない。 第二節 日本語教員試験 (試験の免除) 第二十一条 法第二十三条第一号の文部科学省令で定める資格は、次の各号のいずれかとする。 一 免除を受けようとする基礎試験が行われる日以前に行われた日本語教員試験の基礎試験の合格 二 外国の大学であって文部科学大臣が別に指定するものが実施する、日本語教育を行うために必要な基礎的な知識及び技能を習得させるための課程の修了 2 法第二十三条第二号の文部科学省令で定める資格は、別にこれを定める。 (試験の期日等の公表) 第二十二条 文部科学大臣(指定試験機関(法第二十八条第一項に規定する指定試験機関をいう。以下この節及び第四節において同じ。)が試験事務(法第二十八条第一項に規定する試験事務をいう。第四節において同じ。)を行う場合には、指定試験機関。第二十五条及び第二十七条において同じ。)は、日本語教員試験の期日及び場所並びに日本語教員試験申込書の提出期限その他必要な事項について、あらかじめ、インターネットの利用その他の適切な方法により公示するものとする。 (試験の実施方法等) 第二十三条 日本語教員試験は、筆記の方法により行う。 2 基礎試験及び応用試験のいずれにも合格し、又は免除を受けた者を日本語教員試験の合格者とする。 3 応用試験の合格者の判定は、その回の日本語教員試験における基礎試験に合格した者及び基礎試験の免除を受けた者について行うものとする。 (試験の科目) 第二十四条 基礎試験は、次に掲げる科目について行う。 一 社会・文化・地域基礎に関する科目 二 言語と社会基礎に関する科目 三 言語と心理基礎に関する科目 四 言語と教育基礎に関する科目 五 言語基礎に関する科目 2 応用試験は、次に掲げる科目について行う。 一 社会・文化・地域応用に関する科目 二 言語と社会応用に関する科目 三 言語と心理応用に関する科目 四 言語と教育応用に関する科目 五 言語応用に関する科目 六 前各号に掲げる科目に関する知識及び技能に係る総合的な能力に関する科目 (試験の受験手続) 第二十五条 日本語教員試験を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した日本語教員試験受験申込書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 氏名及び住所 二 生年月日 三 本籍地都道府県名 四 その他文部科学大臣が必要と認める事項 2 前項の場合において、法第二十三条の規定による基礎試験又は応用試験の免除を受けようとする者は、同項の日本語教員試験受験申込書に同条第一号又は第二号の資格を有することを証する書類を添付しなければならない。 (受験手数料の納付) 第二十六条 法第二十五条の手数料は、国に納付する場合には前条第一項の日本語教員試験受験申込書に当該手数料の額に相当する額の収入印紙を貼ることにより、指定試験機関に納付する場合には試験事務規程(法第三十四条第一項に規定する試験事務規程をいう。第四十条第一項において同じ。)で定めるところにより納付しなければならない。 (合格証書の交付等) 第二十七条 文部科学大臣は、日本語教員試験に合格した者に対し、合格証書を交付するものとする。 2 文部科学大臣は、基礎試験に合格した者(前項の規定により合格証書の交付を受ける者を除く。)に対し、基礎試験合格証明書を交付するものとする。 3 合格証書又は基礎試験合格証明書の交付を受けた者は、合格証書若しくは基礎試験合格証明書を亡失し、又は合格証書若しくは基礎試験合格証明書が滅失したときは、文部科学大臣に申請をして、その再交付を受けることができる。 4 前項の規定による申請は、次に掲げる事項を記載した申請書に戸籍の謄本若しくは抄本又は住民票の写しを添えてしなければならない。 一 申請者の氏名及び住所 二 生年月日 三 本籍地都道府県名 四 合格した日本語教員試験の受験番号及び受験年月日 五 合格証書若しくは基礎試験合格証明書を亡失し、又は合格証書若しくは基礎試験合格証明書が滅失した事情 第三節 実践研修 (実践研修の科目) 第二十八条 法第二十七条第一項の文部科学省令で定める科目は、次に掲げる科目とする。 一 オリエンテーションに関する科目 二 授業見学に関する科目 三 授業準備に関する科目 四 模擬授業に関する科目 五 教壇実習に関する科目 六 実践研修全体総括に関する科目 (実践研修の受講資格) 第二十九条 実践研修を受けることができる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 受けようとする実践研修が開始される日以前に行われた日本語教員試験の基礎試験に合格した者 二 養成課程(法第二十三条第一号に規定する養成課程をいう。第六節において同じ。)又は第二十一条第一項第二号の規定により文部科学大臣が指定する外国の大学が実施する日本語教育を行うために必要な基礎的な知識及び技能を習得させるための課程を修了した者及び修了する見込みの者 三 法第二十三条第一号の文部科学省令で定める資格を有する者 (実践研修の受講手続) 第三十条 実践研修を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した実践研修受講申込書を文部科学大臣(登録実践研修機関(法第四十五条第一項に規定する登録実践研修機関をいう。以下同じ。)が実施する実践研修にあっては、当該登録実践研修機関。第四号及び第三十二条において同じ。)に提出しなければならない。 一 氏名及び住所 二 生年月日 三 本籍地都道府県名 四 その他文部科学大臣が必要と認める事項 (受講手数料の納付) 第三十一条 法第二十七条第二項の手数料は、国に納付する場合には前条の実践研修受講申込書に当該手数料の額に相当する額の収入印紙を貼ることにより、登録実践研修機関に納付する場合には研修事務規程(法第四十九条第一項に規定する研修事務規程をいう。第五十五条第一項において同じ。)で定めるところにより納付しなければならない。 (修了証書の交付) 第三十二条 文部科学大臣は、実践研修を修了した者に対し、様式第一により作成した修了証書を交付するものとする。 第四節 指定試験機関 (受験停止等の処分の報告) 第三十三条 指定試験機関は、法第二十八条第二項の規定により法第二十四条に規定する文部科学大臣の職権を行ったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 処分の内容及び年月日 二 不正行為に関係ある者の本籍地都道府県名、住所、氏名及び生年月日 三 不正行為のあった試験の種別及び年月日 四 不正行為の内容 五 その他参考となる事項 (指定の申請) 第三十四条 法第二十九条第二項の文部科学省令で定める書類は、次のとおりとする。 一 定款及び登記事項証明書 二 試験事務の実施に関する計画を記載した書類 三 申請の日の属する事業年度の直前の事業年度の貸借対照表及び当該事業年度末の財産目録 四 申請の日の属する事業年度及び翌事業年度における事業計画書及び収支予算書 五 役員の氏名及び経歴を記載した書類 六 現に行っている業務の概要を記載した書類 2 法第二十九条第二項第二号の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 試験事務を行おうとする主たる事務所の名称及び所在地 二 試験事務を開始しようとする年月日 (指定の公示) 第三十五条 法第二十九条第五項の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 指定を受けた者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地 二 指定をした年月日 三 試験事務の開始の年月日 (変更の届出) 第三十六条 法第三十条第一項の規定による変更の届出は、次に掲げる事項を記載した届出書に変更の事実を証する書類を添えてしなければならない。 一 変更の内容及び理由 二 変更の年月日 (役員の選任等の認可の申請) 第三十七条 指定試験機関は、法第三十一条第一項の認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 選任に係る役員の氏名及び経歴又は解任に係る役員の氏名 二 選任又は解任の理由 (試験委員の要件) 第三十八条 法第三十二条第二項の文部科学省令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当する者であることとする。 一 大学(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学をいう。以下同じ。)(外国の大学を含む。)において日本語教育若しくは試験に関する科目を担当する教授若しくは准教授の職にあり、又はあった者 二 日本語教育又は試験に関する科目の研究により博士の学位(外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を授与された者 三 認定日本語教育機関において五年以上日本語教育課程を担当した経験を有する者 四 日本語教育を行うために必要な知識及び技能を有するかどうかを判定する試験又は日本語を理解し、使用する能力を有するかどうかを判定する試験に関する業務に五年以上従事した経験を有する者 (試験委員の選任等の届出) 第三十九条 法第三十二条第三項の規定による試験委員の選任及び変更の届出は、次に掲げる事項を記載した届出書によって行わなければならない。 一 選任した試験委員の氏名及び経歴又は変更した試験委員の氏名 二 選任又は変更の理由 三 選任し、又は変更した年月日 (試験事務規程の認可の申請) 第四十条 指定試験機関は、法第三十四条第一項前段の認可を受けようとするときは、その旨を記載した申請書に試験事務規程を添えて、これを文部科学大臣に提出しなければならない。 2 指定試験機関は、法第三十四条第一項後段の認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 変更の内容及び理由 二 変更の年月日 (試験事務規程の記載事項) 第四十一条 法第三十四条第二項の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 試験事務の実施の方法に関する事項 二 受験手数料の収納の方法に関する事項 三 試験事務に関して知り得た秘密の保持に関する事項 四 試験事務に関する帳簿及び書類の保存に関する事項 五 その他試験事務の実施に関し必要な事項 (事業計画等の認可の申請) 第四十二条 指定試験機関は、法第三十五条第一項前段の認可を受けようとするときは、その旨を記載した申請書に事業計画書及び収支予算書を添えて、これを文部科学大臣に提出しなければならない。 2 指定試験機関は、法第三十五条第一項後段の認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 変更の内容及び理由 二 変更の年月日 (事業報告書等の提出) 第四十三条 指定試験機関は、法第三十五条第二項の事業報告書及び収支決算書に貸借対照表及び財産目録を添えて文部科学大臣に提出しなければならない。 (試験事務に関する帳簿の記載事項等) 第四十四条 法第三十六条の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 試験年月日 二 試験地 三 受験者の受験番号、氏名、生年月日、本籍地都道府県名、住所並びに基礎試験及び日本語教員試験の合否の別 四 試験科目ごとの成績 五 基礎試験又は日本語教員試験に合格した者については、基礎試験合格証明書又は合格証書の番号 六 基礎試験又は日本語教員試験に合格した者については、合格年月日 2 法第三十六条の帳簿は、試験事務を廃止するまで保存しなければならない。 (試験結果の報告) 第四十五条 指定試験機関は、試験事務を実施したときは、遅滞なく次に掲げる事項を記載した報告書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 試験年月日 二 試験地 三 受験申込者の数 四 受験者の数 五 基礎試験及び日本語教員試験に合格した者の数 六 基礎試験及び日本語教員試験の合格年月日 2 前項の報告書には、日本語教員試験に合格した者の合格証書の番号、氏名、生年月日及び本籍地都道府県名を記載した合格者一覧表を添えなければならない。 (試験事務の休廃止の許可の申請) 第四十六条 指定試験機関は、法第三十九条第一項の許可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 休止し、又は廃止しようとする試験事務の範囲 二 休止し、又は廃止しようとする年月日 三 休止しようとする場合には、その期間 四 休止し、又は廃止しようとする理由 (指定試験機関の試験事務等の文部科学大臣への引継ぎ) 第四十七条 指定試験機関は、法第三十九条第一項の許可を受けて試験事務の全部若しくは一部を廃止したとき、法第四十条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消されたとき又は法第四十一条第一項の規定により文部科学大臣が試験事務の全部若しくは一部を自ら行うときは、次に掲げる事項を行わなければならない。 一 試験事務を文部科学大臣に引き継ぐこと。 二 試験事務に関する帳簿及び書類を文部科学大臣に引き継ぐこと。 三 その他文部科学大臣が必要と認める事項 (文部科学大臣の試験事務等の指定試験機関への引継ぎ) 第四十八条 文部科学大臣は、法第四十一条第一項の規定により行っている試験事務を行わないこととする場合には、当該試験事務を終止する日以後において、前条第二号の規定により提出された帳簿及び書類を指定試験機関に返還するものとする。 2 文部科学大臣は、前項に規定する場合又は法第二十八条第一項の規定による指定により自ら行っていた試験事務を行わないこととする場合には、試験事務の実施のために必要な帳簿及び書類を指定試験機関に送付するものとする。 第五節 登録実践研修機関 (登録実践研修機関の登録の申請) 第四十九条 法第四十六条第二項の文部科学省令で定める書類は、次のとおりとする。 一 登録(法第四十五条第一項の登録をいう。以下この節において同じ。)を受けようとする者が法人(国及び地方公共団体を除く。)である場合には、次に掲げる書類(登録を受けようとする者が独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人、国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人又は地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人(第六十六条において「独立行政法人等」という。)である場合には、イに掲げる書類を除く。) イ 定款又は寄附行為及び登記事項証明書 ロ 役員の氏名及び経歴を記載した書類 二 登録を受けようとする者が個人である場合には、住民票の写し及び履歴書 三 実践研修に関する次に掲げる事項を記載した書類 イ 実践研修において実施する科目、各科目の内容及び時間数 ロ 教壇実習を行う教育機関(第五十六条第四号において「教壇実習機関」という。)の概要 ハ 実践研修の指導を行う者の氏名、職名、経歴及び担当科目 ニ その他文部科学大臣が必要と認める事項 2 法第四十六条第二項第二号の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 研修事務(法第四十五条第一項に規定する研修事務をいう。以下この節において同じ。)を行おうとする主たる事務所の名称及び所在地 二 研修事務を開始しようとする年月日 (実践研修の時間数) 第五十条 法第四十六条第三項第二号の文部科学省令で定める時間数は、法第二十七第一項に規定する科目の合計で四十五単位時間(第二十八条第五号の教壇実習に関する科目二単位時間以上を含む。)とする。 この場合において、一単位時間は四十五分以上とする。 (実践研修の指導者の要件) 第五十一条 法第四十六条第三項第三号の文部科学省令で定める資格及び経験は、次の各号のいずれかとする。 一 日本語教育に関する学科を専攻し、又は日本語教育に関する科目の研究により学士、修士又は博士の学位(学校教育法第百四条第二項に規定する文部科学大臣の定める学位(専門職大学の前期課程を修了した者に対して授与されるものを除く。)及び同条第三項に規定する文部科学大臣の定める学位並びに外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。以下同じ。)を授与され、かつ、日本語教育に関する研究業績を有すること。 二 日本語教育に関する学科を専攻し、又は日本語教育に関する科目の研究により学士、修士又は博士の学位を授与され、かつ、大学その他の教育機関において登録日本語教員又は法第十七条第一項の登録を受けることを希望する者を対象とした研修又は授業の業務に一年以上従事した経験を有すること。 三 登録日本語教員の登録を受け、かつ、大学その他の教育機関において登録日本語教員又は法第十七条第一項の登録を受けることを希望する者を対象とした研修又は授業の業務に一年以上従事した経験を有すること。 四 登録日本語教員の登録を受け、かつ、認定日本語教育機関において三年以上日本語教育課程を担当した経験を有すること。 (登録実践研修機関登録簿の記載事項) 第五十二条 法第四十六条第五項の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 登録番号及び登録年月日 二 登録を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地) 三 研修事務を行う主たる事務所の名称及び所在地 四 研修事務を開始する年月日 2 法第四十六条第六項の文部科学省令で定める事項は、法人である登録実践研修機関の代表者の氏名とする。 (変更の届出) 第五十三条 法第四十七条第一項の規定による変更の届出は、次に掲げる事項を記載した届出書に変更の事実を証する書類を添えてしなければならない。 一 変更の内容及び理由 二 変更の年月日 (役員の選任等の届出) 第五十四条 法第四十八条の規定による役員の選任及び解任の届出は、次に掲げる事項を記載した届出書によって行わなければならない。 一 選任した役員の氏名及び経歴又は解任した役員の氏名 二 選任又は解任の理由 (研修事務規程の認可の申請) 第五十五条 登録実践研修機関は、法第四十九条第一項前段の認可を受けようとするときは、その旨を記載した申請書に研修事務規程を添えて、これを文部科学大臣に提出しなければならない。 2 登録実践研修機関は、法第四十九条第一項後段の認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 変更の内容及び理由 二 変更の年月日 (研修事務規程の記載事項) 第五十六条 法第四十九条第二項の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 研修事務を行う時間及び休日に関する事項 二 研修事務の実施体制に関する事項 三 研修事務を行う事務所に関する事項 四 教壇実習機関に関する事項 五 実践研修の日程及び公示方法に関する事項 六 実践研修の受講の申請に関する事項 七 実践研修の修了の要件に関する事項 八 修了証書の交付及び再交付に関する事項 九 手数料の収納及び返還の方法に関する事項 十 研修事務に係る経費の維持方法に関する事項 十一 研修事務の評価に関する事項 十二 研修事務に関して知り得た秘密の保持に関する事項 十三 法第五十二条第一項に規定する財務諸表等の作成、事務所への備置き及び同条第二項の規定による閲覧等に関する事項(同項に規定する費用を含む。) 十四 研修事務に関する帳簿及び書類の保存に関する事項 十五 不正な受講者の処分に関する事項 十六 その他研修事務の実施に関し必要な事項 (登録実践研修機関の報告) 第五十七条 登録実践研修機関は、毎年六月三十日までに、次に掲げる事項を記載した報告書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 実践研修を担当する指導者その他の職員の構成 二 施設及び設備 三 実践研修の実施内容 四 収支に関する事項 五 受講者の進路選択の支援その他の支援に関する事項 (事業報告書の作成) 第五十八条 登録実践研修機関は、法第五十二条第一項の事業報告書に、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 毎事業年度の実践研修の受講者の数 二 毎事業年度の実践研修の修了者の数及び修了時の成績 三 その他当該登録実践研修機関が必要と認める事項 (電磁的記録に記録された事項を表示する方法等) 第五十九条 法第五十二条第二項第三号の文部科学省令で定める方法は、電磁的記録に記録された事項を紙面又は出力装置の映像面に表示する方法とする。 2 法第五十二条第二項第四号の文部科学省令で定める方法は、次に掲げるもののうち、登録実践研修機関が定めるものとする。 一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの イ 登録実践研修機関(ロにおいて「送信者」という。)の使用に係る電子計算機と電磁的記録に記録された事項の提供を受けようとする者(以下この号及び次項において「受信者」という。)の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 ロ 送信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて受信者の閲覧に供し、当該受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法 二 電磁的記録媒体(電磁的記録に係る記録媒体をいう。)をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法 3 前項各号に掲げる方法は、受信者がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものでなければならない。 (研修事務に関する帳簿の記載事項等) 第六十条 法第五十三条の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 受講者の氏名、生年月日、本籍地都道府県名及び住所 二 受講者の成績 三 実践研修を修了した者については、修了証書の番号 四 実践研修を修了した者については、修了年月日 2 法第五十三条の帳簿は、研修事務を廃止するまで保存しなければならない。 (実践研修結果の報告) 第六十一条 登録実践研修機関は、研修事務を実施したときは、遅滞なく次に掲げる事項を記載した報告書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 受講者の数 二 修了者の数 三 修了の年月日 2 前項の報告書には、実践研修を修了した者の修了証書の番号、氏名、生年月日及び本籍地都道府県名を記載した修了者一覧表を添えなければならない。 (研修事務の休廃止の許可の申請) 第六十二条 登録実践研修機関は、法第五十七条第一項の許可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 休止し、又は廃止しようとする研修事務の範囲 二 休止し、又は廃止しようとする年月日 三 休止しようとする場合には、その期間 四 休止し、又は廃止しようとする理由 (登録実践研修機関の研修事務等の文部科学大臣への引継ぎ) 第六十三条 登録実践研修機関は、当該登録実践研修機関が行っていた研修事務の全部又は一部を法第五十九条第一項の規定により文部科学大臣が自ら行う場合には、次に掲げる事項を行わなければならない。 一 研修事務を文部科学大臣に引き継ぐこと。 二 研修事務に関する帳簿及び書類を文部科学大臣に引き継ぐこと。 三 その他文部科学大臣が必要と認める事項 2 前項の場合を除くほか、登録実践研修機関は、法第五十七条第一項の許可を受けて研修事務の全部を廃止したとき、又は法第五十八条第一項若しくは第二項の規定により登録を取り消されたときは、研修事務に関する帳簿及び書類を文部科学大臣に引き継がなければならない。 (文部科学大臣の研修事務等の登録実践研修機関への引継ぎ) 第六十四条 文部科学大臣は、自ら行っていた研修事務の全部若しくは一部を行わないものとする場合又は前条第二項の規定により研修事務に関する帳簿及び書類を引き継いだ場合において必要があると認めるときは、研修事務の実施のために必要な帳簿及び書類を登録実践研修機関に送付するものとする。 (実践研修の手数料の細目) 第六十五条 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律施行令第五条第一項の文部科学省令で定める事項は、認可を受けようとする手数料の額を算出する基礎となる人件費、事務費その他の経費、旅費(鉄道賃、船賃、航空賃及び車賃をいう。)、日当及び宿泊料の額並びに認可を受けようとする手数料の額の算出方法とする。 第六節 登録日本語教員養成機関 (登録日本語教員養成機関の登録の申請) 第六十六条 法第六十二条第一項の文部科学省令で定める書類は、次のとおりとする。 一 登録(法第二十三条第一号の登録をいう。以下この節において同じ。)を受けようとする者が法人(国及び地方公共団体を除く。)である場合には、次に掲げる書類(登録を受けようとする者が独立行政法人等である場合には、イに掲げる書類を除く。) イ 定款又は寄附行為及び登記事項証明書 ロ 役員の氏名及び経歴を記載した書類 二 登録を受けようとする者が個人である場合には、住民票の写し及び履歴書 三 養成課程に関する次に掲げる事項を記載した書類 イ 養成課程において実施する科目、各科目の内容及び時間数 ロ 養成課程の科目の授業を行う者の氏名、職名、経歴及び担当科目 ハ その他文部科学大臣が必要と認める事項 2 法第六十二条第一項第二号の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 養成業務(法第六十三条第一項に規定する養成業務をいう。以下この節において同じ。)を行おうとする主たる事務所の名称及び所在地 二 養成業務を開始しようとする年月日 (養成課程の科目及び時間数) 第六十七条 法第六十二条第二項第一号の文部科学省令で定める科目は、次に掲げる科目とする。 一 社会・文化・地域基礎に関する科目 二 言語と社会基礎に関する科目 三 言語と心理基礎に関する科目 四 言語と教育基礎に関する科目 五 言語基礎に関する科目 2 法第六十二条第二項第二号の文部科学省令で定める時間数は、同項第一号の科目の合計で三百七十五単位時間とする。 この場合において、一単位時間は四十五分以上とする。 (養成課程の教授者の要件) 第六十八条 法第六十二条第二項第三号の文部科学省令で定める資格は、次の各号のいずれかとする。 一 前条第一項各号に掲げる科目に関する科目の研究により修士又は博士の学位(学校教育法第百四条第三項に規定する文部科学大臣の定める学位及び外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を授与されたこと。 二 登録日本語教員の登録を受け、かつ、学士、修士又は博士の学位を授与されたこと。 (登録日本語教員養成機関登録簿の記載事項) 第六十九条 法第六十二条第四項の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 登録番号及び登録年月日 二 登録を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地) 三 養成業務を行う主たる事務所の名称及び所在地 四 養成業務を開始する年月日 2 法第六十二条第五項の文部科学省令で定める事項は、法人である登録日本語教員養成機関(法第六十三条第一項に規定する登録日本語教員養成機関をいう。以下この節において同じ。)の代表者の氏名とする。 (養成業務規程の届出) 第七十条 登録日本語教員養成機関は、法第六十三条第一項前段の規定による届出をするときは、その旨を記載した届出書に養成業務規程(同項に規定する養成業務規程をいう。)を添えて、これを文部科学大臣に提出しなければならない。 2 登録日本語教員養成機関は、法第六十三条第一項後段の規定による届出をするときは、次に掲げる事項を記載した届出書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 変更の内容及び理由 二 変更の年月日 (養成業務規程の記載事項) 第七十一条 法第六十三条第二項の文部科学省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 養成業務を行う時間及び休日に関する事項 二 養成業務の実施体制に関する事項 三 養成業務を行う事務所に関する事項 四 養成課程の日程及び公示方法に関する事項 五 養成課程の受講の申請に関する事項 六 養成課程の修了の要件に関する事項 七 修了証書の交付及び再交付に関する事項 八 料金の収納及び返還の方法に関する事項 九 養成業務に係る経費の維持方法に関する事項 十 養成業務の評価に関する事項 十一 養成業務に関して知り得た秘密の保持に関する事項 十二 法第六十五条において準用する法第五十二条第一項に規定する財務諸表等の作成、事務所への備置き及び同条第二項の規定による閲覧等に関する事項(同項に規定する費用を含む。) 十三 養成業務に関する帳簿及び書類の保存に関する事項 十四 不正な受講者の処分に関する事項 十五 その他養成業務の実施に関し必要な事項 (修了証書の交付) 第七十二条 登録日本語教員養成機関は、養成課程を修了した者に対し、様式第二により作成した修了証書を交付しなければならない。 (養成業務の休廃止の届出) 第七十三条 登録日本語教員養成機関は、法第六十四条第一項の規定による届出をするときは、次に掲げる事項を記載した届出書を文部科学大臣に提出しなければならない。 一 休止し、又は廃止しようとする養成業務の範囲 二 休止し、又は廃止しようとする年月日 三 休止しようとする場合には、その期間 四 休止し、又は廃止しようとする理由 (準用) 第七十四条 第五十三条、第五十四条及び第五十七条から第六十一条までの規定は、登録日本語教員養成機関が養成業務を実施する場合について準用する。 この場合において、第五十三条中「法第四十七条第一項」とあるのは「法第六十五条において準用する法第四十七条第一項」と、第五十四条中「法第四十八条」とあるのは「法第六十五条において準用する法第四十八条」と、第五十八条中「法第五十二条第一項」とあるのは「法第六十五条において準用する法第五十二条第一項」と、第五十九条第一項中「法第五十二条第二項第三号」とあるのは「法第六十五条において準用する法第五十二条第二項第三号」と、第五十九条第二項中「法第五十二条第二項第四号」とあるのは「法第六十五条において準用する法第五十二条第二項第四号」と、第六十条中「法第五十三条」とあるのは「法第六十五条において準用する法第五十三条」と読み替えるものとする。 第七節 雑則 (審議会等の意見の聴取) 第七十五条 文部科学大臣は、法第四十九条第一項の認可、同条第三項の規定による命令、法第五十五条若しくは第五十六条(これらの規定を法第六十五条において準用する場合を含む。)の規定による命令又は法第六十三条第三項の規定による命令をするときは、あらかじめ、法第十五条第一項の審議会等で政令で定めるものの意見を聴くものとする。 | 教育 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 505M60000080040_20240426_506M60000080018.xml | 令和五年文部科学省令第四十号 | 28 | 認定日本語教育機関認定基準
第一章 総則 (趣旨) 第一条 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(以下「法」という。)第二条第三項第二号の文部科学省令で定める基準(以下この条において「認定基準」という。)は、この省令の定めるところによる。 2 認定基準は、認定日本語教育機関(法第三条第一項に規定する認定日本語教育機関をいう。以下同じ。)の認定を受けるのに必要な最低の基準とする。 3 認定日本語教育機関は、この省令で定める認定基準より低下した状態にならないようにすることはもとより、法第八条第一項の点検及び評価の結果を踏まえ、日本語教育(法第一条に規定する日本語教育をいう。以下同じ。)について不断の見直しを行うことにより、その水準の維持向上を図ることに努めなければならない。 (定義) 第二条 この省令において「留学のための課程」とは、第十六条第一項第一号に掲げるものを目的とする日本語教育課程(法第一条に規定する日本語教育課程をいう。以下同じ。)をいう。 2 この省令において「就労のための課程」とは、第十六条第一項第二号に掲げるものを目的とする日本語教育課程をいう。 3 この省令において「生活のための課程」とは、第十六条第一項第三号に掲げるものを目的とする日本語教育課程をいう。 (基本組織) 第三条 認定日本語教育機関は、日本語教育課程の実施以外の業務を行う場合には、日本語教育を実施するための基本となる組織(次項において「基本組織」という。)を置かなければならない。 2 基本組織には、教育上必要な教員組織その他を備えなければならない。 第二章 教員及び職員の体制 (校長) 第四条 認定日本語教育機関には、当該認定日本語教育機関の業務をつかさどり、所属する教員及び職員を監督する者として、校長を置かなければならない。 2 校長となることができる者は、次のいずれにも該当する者とする。 一 認定日本語教育機関の運営に必要な識見を有し、かつ、教育に関する業務に原則として五年以上従事した者であること。 二 法第十七条第二項各号のいずれにも該当しない者であること。 三 校長としてふさわしい社会的信望を有すること。 3 認定日本語教育機関の校長が他の認定日本語教育機関の校長を兼ねる場合には、それぞれの認定日本語教育機関に、校長を助け、命を受けて当該認定日本語教育機関の業務をつかさどる者として、副校長(前項各号のいずれにも該当する者に限る。)を置かなければならない。 ただし、校長が隣地に立地する認定日本語教育機関の校長を兼ねる場合は、この限りでない。 (主任教員) 第五条 認定日本語教育機関には、日本語教育課程を担当する教員(以下「教員」という。)のうちから、教育課程の編成及び他の教員の指導に当たる者として、主任教員を置かなければならない。 2 主任教員となることができる者は、次のいずれにも該当する者とする。 一 教育課程の編成及び他の教員の指導を行うのに必要な知識及び技能を有すること。 二 当該認定日本語教育機関の本務等教員(日本語教育課程の編成その他の日本語教育課程に係る業務について責任を担う教員であって、専ら当該日本語教育課程を置く認定日本語教育機関の教育に従事するもの又はこれに相当する業務を担当し、かつ、本務として当該日本語教育課程を置く認定日本語教育機関の教育に従事するものをいう。以下この条及び次条において同じ。)であること。 三 認定日本語教育機関において、本務等教員として日本語教育に三年以上従事した経験を有すること。 四 当該認定日本語教育機関が就労のための課程又は生活のための課程を置く場合には、外国人を雇用する事業主、地方公共団体その他の関係者との連携体制の整備に必要な知識及び経験を有すること。 五 主任教員としてふさわしい社会的信望を有すること。 (教員数) 第六条 認定日本語教育機関における教員の数は、当該認定日本語教育機関に置かれる第十六条第一項各号に掲げる日本語教育課程の目的の別ごとに合計した収容定員数(就労のための課程又は生活のための課程にあっては、同時に授業を行う生徒の数。次項において同じ。)二十人につき一人以上でなければならない。 ただし、当該認定日本語教育機関における教員の数は、三人を下回ることはできない。 2 前項の規定により認定日本語教育機関に置かなければならない教員の数のうち、日本語教育課程の目的の別ごとに合計した収容定員数四十人につき一人以上は、本務等教員(専ら当該認定日本語教育機関における教育に従事する校長又は副校長が教員を兼ねる場合には、当該校長又は副校長を含む。以下この項において同じ。)でなければならない。 ただし、当該認定日本語教育機関(大学(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学をいう。以下同じ。)又は専門学校(専修学校(同法第百二十四条に規定する専修学校をいう。第十六条第一項第一号において同じ。)であって、専門課程(同法第百二十五条第一項に規定する専門課程をいう。第十六条第一項第一号において同じ。)を置くものをいう。第二十条第二項第一号及び第二号において同じ。)であって、教員以外の者が日本語教育課程に係る業務について責任を担うものを除く。)における教員の数のうち、本務等教員の数は、二人を下回ることはできない。 (担当授業時数) 第七条 各教員の一週間当たりの担当授業時数は、その指導の経験及び各認定日本語教育機関における職務の内容に応じて適切に定めなければならない。 この場合において、当該一週間当たりの担当授業時数は、二十五単位時間を超えてはならない。 (事務を統括する職員) 第八条 認定日本語教育機関には、職員のうちから、事務を統括する職員を置かなければならない。 2 事務を統括する職員となることができる者は、次のいずれにも該当する者とする。 一 認定日本語教育機関に関する事務を統括するのに必要な知識、技能及び経験を有すること。 二 事務を統括する職員としてふさわしい社会的信望を有すること。 (情報の公表及び評価等に関する体制) 第九条 認定日本語教育機関は、法第三条第一項の規定による情報の公表並びに法第八条第一項の規定による点検、評価及び結果の公表を行うために必要な体制を整備しなければならない。 (組織的な研修に関する体制) 第十条 認定日本語教育機関は、当該認定日本語教育機関の授業の内容及び方法の改善を図るための組織的かつ計画的な研修を実施するために必要な体制を整備しなければならない。 第三章 施設及び設備 (位置及び環境) 第十一条 認定日本語教育機関の校地及び校舎の位置及び環境は、教育上及び保健衛生上適切なものでなければならない。 (校地) 第十二条 認定日本語教育機関は、校舎その他必要な施設を保有するに必要な面積の校地を備えなければならない。 2 校地は、設置者の自己所有であり、かつ、負担附きでないものでなければならない。 ただし、これと同等と認められる場合は、この限りでない。 (校舎) 第十三条 認定日本語教育機関の校舎には、その設置する日本語教育課程の目的、組織及び生徒の数に応じ、教室、教員室、事務室、図書室、保健室その他必要な施設を備えなければならない。 ただし、留学のための課程を置かない認定日本語教育機関の校舎にあっては、近隣の図書館、学校その他の教育機関又は病院その他の医療機関との連携を図ることにより、生徒の図書の利用又はその健康の保持増進に支障がないと認められるときは、図書室又は保健室を備えないことができる。 2 校舎の面積は、百十五平方メートル以上であり、かつ、当該校舎で同時に授業を行う生徒一人当たり二・三平方メートル以上でなければならない。 3 校舎を複数の場所に設ける場合には、当該校舎を設置する場所は三箇所以内とし、かつ、それぞれの校舎間の距離がおおむね八百メートル以内の位置に配置しなければならない。 4 校舎は、設置者の自己所有であり、かつ、負担附きでないものでなければならない。 ただし、これと同等と認められる場合は、この限りでない。 (教室) 第十四条 前条第一項の教室は、日本語教育課程の目的、組織及び生徒の数に応じ、必要な数及び環境を備えなければならない。 2 教室には、机、椅子、黒板その他の授業に最低限必要な設備を備えなければならない。 3 教室の面積は、当該教室で同時に授業を行う生徒一人当たり一・五平方メートル以上でなければならない。 (設備) 第十五条 認定日本語教育機関は、生徒の数に応じ、必要な種類及び数の視聴覚教育機器、図書その他の設備を備えなければならない。 ただし、留学のための課程を置かない認定日本語教育機関にあっては、近隣の図書館、学校その他の教育機関との連携を図ることにより、生徒の図書の利用に支障がないと認められるときは、図書を備えないことができる。 第四章 日本語教育課程 (日本語教育課程の目的及び目標) 第十六条 認定日本語教育機関は、その設置する各日本語教育課程について、次の各号に掲げるもののいずれかを目的とし、当該目的に照らして適切な目標を設定しなければならない。 一 主として我が国の大学、高等専門学校(学校教育法第一条に規定する高等専門学校をいう。)又は専修学校の専門課程(第十八条第三項において「大学等」という。)において教育を受けること、我が国において就職することその他の目的のために我が国において日本語教育を受けることを希望して我が国に入国した者に対し、当該目的に必要な水準の日本語を理解し、使用する能力(以下「日本語能力」という。)を習得させるための教育を行うこと。 二 主として我が国において就労する者に対し、就労に必要な水準の日本語能力を習得させるための教育(前号に掲げるものを除く。)を行うこと。 三 我が国に居住する者に対し、日常生活に必要な水準の日本語能力を習得させるための教育(前二号に掲げるものを除く。)を行うこと。 2 認定日本語教育機関は、一以上の高度に自立して日本語を理解し、使用することができる水準以上の能力を習得させることを目標とした日本語教育課程を置かなければならない。 ただし、留学のための課程を置かない認定日本語教育機関にあっては、一以上の自立して日本語を理解し、使用することができる水準の能力を習得させることを目標とした日本語教育課程を置くことをもって足りる。 (修業期間) 第十七条 留学のための課程の修業期間は、一年以上でなければならない。 ただし、文部科学大臣が別に定める特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合は、六月以上とすることができる。 2 就労のための課程及び生活のための課程の修業期間は、当該日本語教育課程の目標を勘案して適切に定めなければならない。 (修業期間の始期及び終期) 第十八条 日本語教育課程の修業期間の始期及び終期は、校長が定める。 2 留学のための課程に係る前項の修業期間の始期は、年四回以内としなければならない。 3 留学のための課程であって、大学等において教育を受けること又は我が国において就職することを目的として我が国において日本語教育を受けることを希望して我が国に入国した者に対し、当該目的に必要な水準の日本語能力を習得させるための教育を行うことを目的とするものに係る第一項の修業期間の終期は、大学等の入学の時期又は就職の時期を勘案して適切に定めなければならない。 (一年間の授業期間) 第十九条 留学のための課程にあっては、一年間の授業を行う期間は、三十五週にわたることを原則とする。 (授業時数等) 第二十条 留学のための課程の授業時数は、一年間にわたり七百六十単位時間以上としなければならない。 ただし、第十七条第一項ただし書の規定により修業期間を一年未満とする場合には、その修業期間に応じて授業時数を減ずることができる。 2 生徒に日本語教育課程の授業科目以外の授業科目であって、次のいずれにも該当するものを履修させる場合は、当該授業科目の授業時数を前項本文に規定する授業時数に百六十単位時間まで算入することができる。 一 当該生徒が在籍する大学又は専門学校の設置者が、当該大学又は専門学校について法第二条第一項の認定を受け、かつ、当該大学又は専門学校が開設するものであること。 二 大学又は専門学校における学修に必要な日本語能力の向上に資するものであること。 三 当該生徒が履修する日本語教育課程との整合性及び連続性が確保されているものであること。 四 法第十七条第一項の登録を受けた者が補助者として生徒の学習上の支援を行うこと。 3 留学のための課程における一週間当たりの授業時数は、二十単位時間以上としなければならない。 4 留学のための課程における授業は、午前八時から午後六時までの間に行われることを原則とする。 5 就労のための課程及び生活のための課程の授業時数は、次の各号に掲げる当該日本語教育課程が目標とする日本語能力に応じ、それぞれ当該各号に定める授業時数以上としなければならない。 一 他の者の部分的な支援により基礎的な日本語を理解し、使用することができる水準の能力 百時間 二 基礎的な日本語を理解し、使用することができる水準の能力 二百時間 三 自立して日本語を理解し、使用することができる水準以上の能力 三百五十時間 (単位時間) 第二十一条 留学のための課程における一単位時間は、四十五分以上とする。 (授業科目) 第二十二条 認定日本語教育機関は、その設置する日本語教育課程の目的及び目標に応じ、かつ、生徒の日本語能力に応じて適切な授業科目を体系的に開設しなければならない。 2 前項の授業科目は、当該授業科目を担当する能力を有する教員により、適切な教材を用いて教授されなければならない。 3 認定日本語教育機関は、その設置する日本語教育課程において、生徒に対し、次に掲げるすべての活動を行わせなければならない。 一 日本語を聞く活動 二 日本語を読む活動 三 日本語を用いて他者と口頭でやり取りする活動 四 日本語を用いて他者に口頭で発表する活動 五 日本語を用いて書く活動 4 認定日本語教育機関は、その設置する日本語教育課程における学習(授業時間外に必要な学習を含む。)に支障のない範囲内で、生徒に対し、専門教育、職業教育その他の日本語教育以外の事項に関する授業を行うことができる。 (特別の日本語教育課程) 第二十三条 就労のための課程又は生活のための課程を置く認定日本語教育機関は、当該認定日本語教育機関が置く就労のための課程又は生活のための課程に在籍する生徒のうち、当該生徒の目的及び日本語能力に応じた特別の指導を行う必要があるものを教育する場合には、第二十条第五項及び前条第三項の規定にかかわらず、特別の日本語教育課程によることができる。 2 前項の特別の日本語教育課程の編成に当たっては、当該認定日本語教育機関が置く就労のための課程又は生活のための課程の授業科目又はその一部により体系的に編成するものとする。 (生徒の数) 第二十四条 認定日本語教育機関は、施設及び設備その他の条件を勘案して、その設置する各日本語教育課程(前条第一項の特別の日本語教育課程を除く。以下この条において同じ。)について、生徒の収容定員数を適切に定めなければならない。 2 認定日本語教育機関が設置する第十六条第一項各号に掲げる日本語教育課程の目的の別ごとに合計した収容定員数(以下この条において「合計収容定員数」という。)は、法第二条第一項の認定を受けた後最初の当該認定日本語教育機関が設置する日本語教育課程の修業期間の始期(第四項において「課程始期」という。)から一年を経過しない間はそれぞれ百人以下としなければならない。 3 認定日本語教育機関が、法第二条第一項の認定を受けた後において日本語教育課程を新設し、かつ、当該日本語教育課程(以下この項において「新設課程」という。)の目的と、当該認定日本語教育機関が新設課程の新設の際現に設置している新設課程以外の日本語教育課程の目的とが異なる場合は、新設課程に係る合計収容定員数については、前項の規定にかかわらず、新設課程の新設に係る法第六条第一項の規定による変更の届出後最初の新設課程の修業期間の始期(次項において「変更の届出後最初の課程始期」という。)から一年を経過しない間はそれぞれ百人以下としなければならない。 4 認定日本語教育機関は、課程始期(前項の場合には、変更の届出後最初の課程始期)から一年を経過するごとに、その経過する日の合計収容定員数に一・五を乗じて得られる数まで合計収容定員数を増加することができる。 ただし、在籍している生徒の数(休学その他の理由により学習を中断しており、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれる者の数を除く。)が合計収容定員数の八割を超えているときでなければ、合計収容定員数を増加することはできない。 5 認定日本語教育機関は、合計収容定員数を超えて当該目的の日本語教育課程に生徒を入学させてはならない。 ただし、文部科学大臣が、特別の事情があり、かつ、教育上支障がないと認める場合は、この限りでない。 6 認定日本語教育機関が一の授業科目について同時に授業を行う生徒の数は、二十人以下でなければならない。 ただし、生徒の日本語能力、教室の面積その他の施設及び設備の状況その他教育の質に関する事項に照らして、教育上支障がない場合は、次条第一項の講義により行う授業の生徒の数については、この限りでない。 (授業の方法) 第二十五条 認定日本語教育機関の授業は、講義、演習、実習若しくは実技のいずれかにより、又はこれらの併用により行うものとする。 2 就労のための課程又は生活のための課程を置く認定日本語教育機関は、文部科学大臣が別に定めるところにより、当該日本語教育課程に係る前項の授業を、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させることができる。 3 前項の授業の方法による授業科目の履修は、当該日本語教育課程の修了に必要な総授業時数の四分の三を超えてはならない。 4 就労のための課程又は生活のための課程を置く認定日本語教育機関は、文部科学大臣が別に定めるところにより、当該日本語教育課程に係る第一項の授業を、他の者と連携して、校舎以外の場所で恒常的に履修させることができる。 (入学者の募集) 第二十六条 認定日本語教育機関は、当該日本語教育課程に係る入学者の募集に当たり、入学を希望する者に対し、日本語教育機関(法第一条に規定する日本語教育機関をいう。)の選択に資する情報の提供を適切な方法により確実に行わなければならない。 (入学者の日本語能力等の確認) 第二十七条 留学のための課程を置く認定日本語教育機関は、当該日本語教育課程の目的及び目標に応じ、入学を希望する者の日本語能力及び学習意欲を試験その他の適切な方法により、確認しなければならない。 (修了の要件) 第二十八条 留学のための課程の修了の要件は、七百六十単位時間に修業期間の年数に相当する数を乗じて得た授業時数以上の授業科目を履修することのほか、認定日本語教育機関が定めなければならない。 この場合において、認定日本語教育機関は、試験その他の当該認定日本語教育機関が定める適切な方法により、生徒の学習の成果を評価しなければならない。 2 就労のための課程及び生活のための課程の修了の要件は、次の各号に掲げる生徒が目標とする日本語能力に応じ、それぞれ当該各号に定める授業時数以上の授業科目を履修することのほか、認定日本語教育機関が定めなければならない。 この場合において、認定日本語教育機関は、試験その他の当該認定日本語教育機関が定める適切な方法により、生徒の学習の成果を評価しなければならない。 一 他の者の部分的な支援により基礎的な日本語を理解し、使用することができる水準の能力 百時間 二 基礎的な日本語を理解し、使用することができる水準の能力 二百時間(入学の際現に前号に掲げる日本語能力を有する生徒については、百時間) 三 自立して日本語を理解し、使用することができる水準以上の能力 三百五十時間(入学の際現に第一号又は前号に掲げる日本語能力を有する生徒については、三百五十時間からそれぞれ当該各号に定める授業時数を減じた数) 3 前項の規定にかかわらず、第二十三条第一項の特別の日本語教育課程の修了の要件は、認定日本語教育機関が定めなければならない。 この場合において、認定日本語教育機関は、試験その他の当該認定日本語教育機関が定める適切な方法により学習の成果を評価しなければならない。 第五章 学習上及び生活上の支援体制 (学習上の支援体制) 第二十九条 認定日本語教育機関は、生徒の母語その他の当該生徒が使用する言語を用いた指導その他の学習の継続が困難である生徒の支援のために必要な体制を整備しなければならない。 (出席管理体制) 第三十条 認定日本語教育機関は、当該認定日本語教育機関の設置する日本語教育課程の生徒の出席状況を的確に把握し、及び授業への出席率が低い生徒に対する必要な指導を行うために必要な体制を整備しなければならない。 (災害等の場合の転学支援等) 第三十一条 認定日本語教育機関は、災害その他の事由により日本語教育を継続することが困難となる事態に備え、転学の支援のための計画の策定その他の当該日本語教育課程の生徒の学習の継続に必要な措置を講じなければならない。 (生活指導担当者等) 第三十二条 留学のための課程を置く認定日本語教育機関には、教員又は職員の中から、生活指導担当者として生徒の生活指導及び進路指導を行う者を置き、かつ、適切な生活指導、進路指導及び地方公共団体その他の関係機関との連携を行うことができる体制を整備しなければならない。 2 生活指導担当者となることができる者は、生徒の生活指導及び進路指導を行うのに必要な知識及び経験を有する者とする。 3 就労のための課程又は生活のための課程を置く認定日本語教育機関は、我が国における生活に必要な情報の提供、関係機関との連携その他の生徒の生活上の支援を行うための体制を整備しなければならない。 (健康診断の体制) 第三十三条 留学のための課程を置く認定日本語教育機関は、当該日本語教育課程の生徒の健康の保持増進を図るため、健康診断その他必要な措置を講じるための体制を整備しなければならない。 (在留を継続するための支援体制) 第三十四条 留学のための課程を置く認定日本語教育機関は、生徒が我が国に適正に在留し、学習を継続するために必要な支援を行うための体制を整備しなければならない。 (事業主等との連携体制) 第三十五条 就労のための課程を置く認定日本語教育機関は、外国人を雇用する事業主その他の関係者と連携した日本語教育課程の編成等に係る相当の実績に基づいて、それらの者との連携体制を整備しなければならない。 (地方公共団体等との連携体制) 第三十六条 生活のための課程を置く認定日本語教育機関は、地方公共団体その他の関係者と連携した日本語教育課程の編成等に係る相当の実績に基づいて、それらの者との連携体制を整備しなければならない。 | 教育 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 410M50000400008_20231228_505M60000400063.xml | 平成十年通商産業省令第八号 | 29 | 貿易関係貿易外取引等に関する省令
(許可の手続等) 第一条 経済産業大臣の許可を受けようとする次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる様式による許可申請書二通を、経済産業大臣に提出しなければならない。 一 次のイからハまでに掲げる支払等(支払又は支払の受領をいう。以下同じ。)について許可の申請をする者 別紙様式第一による支払等許可申請書 イ 外国為替令(以下「令」という。)第六条第二項の規定による経済産業大臣の許可を受けようとする居住者又は非居住者 ロ 令第六条第二項の規定による経済産業大臣の許可を受けるに際し、同条第三項の規定により二以上の規定による許可の申請を併せて行おうとする居住者又は非居住者 ハ 令第六条の二第四項の規定による経済産業大臣の許可を受けようとする同条第三項の規定により支払等について許可を受ける義務を課された者 二 次のイからハまでに掲げる特定資本取引を行うことについて許可の申請をする者 別紙様式第二による特定資本取引許可申請書 イ 令第十五条第二項の規定による経済産業大臣の許可を受けようとする居住者 ロ 令第十五条第二項の規定による経済産業大臣の許可を受けるに際し、同条第三項の規定により外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号。以下「法」という。)第二十四条第一項及び第二項の規定による許可の申請を併せて行おうとする居住者 ハ 令第十六条第二項の規定による経済産業大臣の許可を受けようとする同条第一項の規定により特定資本取引について許可を受ける義務を課された者 三 次のイ及びロに掲げる役務取引を行うことについて許可の申請をする者 別紙様式第三による役務取引許可申請書 イ 法第二十五条第一項若しくは第五項又は令第十八条第四項(役務取引に係るものに限る。)の規定による経済産業大臣の許可を受けようとする居住者又は非居住者 ロ 令第十八条の三第二項の規定による経済産業大臣の許可を受けようとする同条第一項の規定により役務取引について許可を受ける義務を課された者 三の二 令第十七条第二項の規定により法第二十五条第三項第一号に定める行為をすることについて許可の申請をする者 別紙様式第三の二による特定記録媒体等輸出等許可申請書 四 次のイ及びロに掲げる外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引(この号において「仲介貿易取引」という。)を行うことについて許可の申請をする者 別紙様式第四による仲介貿易取引許可申請書 イ 法第二十五条第四項又は令第十八条第四項(仲介貿易取引に係るものに限る。)の規定による経済産業大臣の許可を受けようとする居住者 ロ 令第十八条の三第二項の規定による経済産業大臣の許可を受けようとする同条第一項の規定により仲介貿易取引について許可を受ける義務を課された者 2 前項の申請書には、申請の理由を記載した書類一通及び事実を証する書類一通を添付しなければならない。 3 経済産業大臣は、第一項の申請(第三条の手続による場合を除く。)を許可したときは、当該申請書にその旨を記入し、許可証としてそのうち一通を申請者に交付するものとする。 (電子情報処理組織を使用した許可の手続等) 第一条の二 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条第一項の規定により電子情報処理組織(電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律(昭和五十二年法律第五十四号)第三条第一項の規定により当該電子情報処理組織とみなされる同法第二条第一号に規定する電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用して法第二十五条第一項の規定により経済産業大臣の許可を申請しようとする者は、前条第一項の規定にかかわらず、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下「専用電子計算機」という。)に備えられたファイルから入手可能な役務取引許可申請様式に記載すべき事項を当該申請をする者の使用に係る入出力装置(経済産業大臣が告示で定める基準に適合するものに限る。以下「特定入出力装置」という。)から入力しなければならない。 2 前項の申請をする場合には、事実を確認できる情報を特定入出力装置から入力し、及び専用電子計算機に備えられたファイルに記録し、又は事実を証する書類を経済産業大臣に提出しなければならない。 3 経済産業大臣は、第一項の申請をする者が前項の入力をしたときは、当該申請者が当該申請を行った日から当該申請に対する諾否の応答としての通知を受ける日までの期間、必要な限度において当該入力に係る事実を証する書類を提出させることができる。 4 経済産業大臣は、第一項の申請を許可したときは、別紙様式第六の二による役務取引許可証に記載すべき事項を専用電子計算機に備えられたファイルに記録するものとする。 5 経済産業大臣は、第一項の申請を許可した場合において、申請者の求めがあったときは、前項の規定にかかわらず、別紙様式第六の二による役務取引許可証にその旨を記入し、申請者に交付するものとする。 (申請者の届出) 第一条の三 前条第一項に規定する入力は、別紙様式第六の三による申請者届出書及び事実を証する書類を経済産業大臣に提出することによりあらかじめ届け出た者が行わなければならない。 2 前項の届出をした者は、届け出た事項に変更があったとき又は電子情報処理組織(専用電子計算機と特定入出力装置とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。次項において同じ。)の使用を廃止しようとするときは、速やかに別紙様式第六の三による申請者届出書にその旨を記入し、経済産業大臣に届け出なければならない。 3 経済産業大臣は、第一項の届出をした者が電子情報処理組織の使用を継続することが適当でないと認めるときは、電子情報処理組織の使用を停止することができる。 4 輸出貿易管理規則(昭和二十四年通商産業省令第六十四号)第一条の三第一項の規定により提出された届出又は輸入貿易管理規則(昭和二十四年通商産業省令第七十七号)第二条の三第一項の規定により提出された届出は、第一項の規定により提出された届出とみなす。 (有効期間の延長の手続等) 第二条 法第二十五条第一項、第四項若しくは第五項又は令第六条第二項、第六条の二第四項、第十五条第二項、第十六条第二項、第十七条第二項、第十八条第四項若しくは第十八条の三第二項の規定による経済産業大臣の許可の有効期間は、その許可をした日から六月とする。 2 経済産業大臣は、特に必要があると認めるときは、前項に規定する許可について、同項の期間と異なる有効期間を定め、又はその有効期間を延長することができる。 3 次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる場合に該当するときは、別紙様式第五による申請書二通を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 第一項に規定する許可を受けた者が前項の規定による有効期間の延長を申請しようとする場合 二 第一項に規定する許可を受けた者が当該許可に係る取引又は支払等の内容(当該許可証に記載された事項に限る。)の変更を申請しようとする場合 4 前項の申請書には、第一条第三項若しくは第四項、第一条の二第五項又は次条第四項の規定により交付された許可証一通、申請の理由を記載した書類一通及び事実を証する書類一通を添付しなければならない。 5 経済産業大臣は、第三項の申請(次条の手続による場合を除く。)を許可したときは、当該申請書にその旨を記入し、延長許可証又は変更許可証としてそのうち一通に前項の規定により提出された許可証を添付して申請者に交付するものとする。 (電子情報処理組織を使用した有効期間の延長の手続等) 第二条の二 第一条の二第四項の規定により経済産業大臣の許可(第三項の規定による許可を含む。)を受けた者(当該許可に関し第一条の二第五項の規定により役務取引許可証の交付を受けた者を除く。)は、次に掲げる場合に該当するときは、専用電子計算機に備えられたファイルに記録された当該許可に関する事項のうち延長又は変更しようとするものを特定入出力装置から入力しなければならない。 一 前条第二項の規定による有効期間の延長を申請しようとする場合 二 当該許可に係る取引又は支払等の内容(当該許可に関し専用電子計算機に備えられたファイルに記録された事項に限る。)の変更を申請しようとする場合 2 前項の申請をする場合には、事実を証する情報を特定入出力装置から入力し、及び専用電子計算機に備えられたファイルに記録し、又は事実を証する書類を経済産業大臣に提出しなければならない。 3 経済産業大臣は、第一項の申請を許可したときは、別紙様式第六の二による役務取引許可証に記載すべき事項を専用電子計算機に備えられたファイルに記録するものとする。 4 経済産業大臣は、第一項の申請を許可した場合において、申請者の求めがあったときは、前項の規定にかかわらず、別紙様式第六の二による役務取引許可証にその旨を記入し、申請者に交付するものとする。 第三条から第六条まで 削除 (特別の許可の申請手続等) 第七条 経済産業大臣は、必要があるときは、次の各号に掲げる手続について、この省令の規定にかかわらず、特別な手続を定めることができる。 一 法第二十五条第一項、第四項若しくは第五項又は令第六条第二項、第六条の二第四項、第十五条第二項、第十六条第二項、第十七条第二項、第十八条第四項若しくは第十八条の三第二項の規定による経済産業大臣の許可を受ける手続 二 第一条の三の規定による経済産業大臣への届出の手続 三 第二条の規定による経済産業大臣の許可を受ける手続 (銀行等、資金移動業者又は電子決済手段等取引業者等の確認事務の実施手続) 第八条 銀行等(法第十六条の二に規定する銀行等をいう。以下同じ。)、資金移動業者(資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二条第三項に規定する資金移動業者をいう。以下同じ。)又は電子決済手段等取引業者等(法第十六条の二に規定する電子決済手段等取引業者等をいう。以下同じ。)は、その顧客の支払等が法第十七条第一号に掲げる支払等又は同条第三号の規定に基づく令第七条第一号若しくは第二号に規定する取引に係る支払等に該当すると認められる場合には、当該顧客から当該取引又は支払等に係る許可証又は延長許可証若しくは変更許可証(第三項において「許可証等」という。)の提示を求め、経済産業大臣の許可を受けていることを確認の上、当該顧客と当該支払等に係る為替取引又は当該顧客の当該支払等に係る電子決済手段等の移転等(法第十六条の二に規定する電子決済手段等の移転等をいう。以下同じ。)を行うものとする。 2 銀行等、資金移動業者又は電子決済手段等取引業者等は、その顧客の支払等が法第十七条第三号の規定に基づく令第七条第四号に規定する貨物の輸入に係る支払等に該当すると認められる場合には、当該顧客から当該貨物の輸入に係る輸入承認証の提示を求め、経済産業大臣の輸入の承認を受けていることを確認の上、当該顧客と当該支払等に係る為替取引又は当該顧客の当該支払等に係る電子決済手段等の移転等を行うものとする。 3 銀行等、資金移動業者又は電子決済手段等取引業者等は、前二項の規定による確認の上その顧客と支払等に係る為替取引又はその顧客の支払等に係る電子決済手段等の移転等を行ったときは、当該顧客から提示を受けた許可証等又は輸入承認証の裏面の「銀行等、資金移動業者又は電子決済手段等取引業者等の記載欄」に当該支払等に係る為替取引又は当該支払等に係る電子決済手段等の移転等を行った年月日、金額及び確認を行った者を記入の上、当該許可証等又は輸入承認証を当該顧客に返還するものとする。 (許可を要しない役務取引等) 第九条 令第十七条第二項に規定する経済産業大臣が指定する行為は、次の各号のいずれかに該当する行為とする。 一 次項各号に掲げる取引に関する行為 二 法第二十五条第一項の許可を受けた居住者からその許可された取引により技術の提供を受けた者が行う当該許可に係る取引に関する行為 2 令第十七条第五項に規定する経済産業大臣が指定する取引は、次の各号のいずれかに該当する取引とする。 一 経済産業大臣が行う取引 二 令別表中欄に掲げる技術(宇宙開発に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協力に関する交換公文に基づき我が国に移転された技術を除く。)を本邦又は外国(輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号。以下「輸出令」という。)別表第三に掲げる地域に該当する外国をいう。以下この号において同じ。)において居住者又は外国の非居住者に提供することを目的とする取引であって、防衛大臣が行うもの 二の二 令別表中欄に掲げる技術を外国において防衛大臣に提供することを目的とする取引であって、居住者が行うもの 三 日本国政府が外国政府に対して行う賠償又は無償の経済協力若しくは技術協力に関する協定に基づいて居住者又は非居住者が行う役務取引 三の二 核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定又は核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定の追加議定書の実施のために国際原子力機関に対して行う技術を提供することを目的とする取引 三の三 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年法律第六十五号)第三十条で規定する国際機関の指定する者が、化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約で定める範囲内で、毒性物質若しくはこれと同等の毒性を有する物質又はこれらの物質の原料となる物質を取り扱う場所その他の場所であって国際機関が指定するものに立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査し、若しくは撮影し、関係者に質問し、又は試験のために必要な最小限度の分量に限り試料を無償で収去するときの当該国際機関が指定する者に対して行う技術を提供することを目的とする取引 四 法第二十五条第一項に規定する取引を行おうとする者が当該取引に係る申請の際にあらかじめ当該申請に係る取引により技術の提供を受けた者が当該技術を利用する者に当該技術を提供することを目的とする取引を行うことを明らかにして許可を受けた場合における、当該許可された取引により技術の提供を受けた者が行う当該利用する者に当該技術を提供することを目的とする取引 五 外国において提供を受けた令別表の一の項の中欄に掲げる技術(当該技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体の輸出、本邦内にある電気通信設備からの当該技術を内容とする情報の電気通信による送信又は当該技術を保有する本邦に存する者の出国により提供を受けたものを除く。)に係る取引であって、当該取引に際して、当該技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体の輸出、本邦内にある電気通信設備からの当該技術を内容とする情報の電気通信による送信又は当該技術を保有する本邦に存する者の当該取引のための出国を伴わないもの(以下「外国間等技術取引」という。)。 ただし、当該技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体の外国相互間の移動又は外国において受信されることを目的として当該外国以外の外国にある電気通信設備から行う当該技術を内容とする情報の送信を伴う取引であって、居住者が行うものを除く。 六 外国において提供を受けた令別表の二から一六までの項の中欄に掲げる技術(当該技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体の輸出、本邦内にある電気通信設備からの当該技術を内容とする情報の電気通信による送信又は当該技術を保有する本邦に存する者の出国により提供を受けたものを除く。)に係る外国間等技術取引。 ただし、当該技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体の外国(輸出令別表第三に掲げる地域以外の外国をいう。以下この号において同じ。)相互間の移動又は外国において受信されることを目的として当該外国以外の外国にある電気通信設備から行う当該技術を内容とする情報の送信を伴う取引であって居住者が行うもののうち、次のいずれかに該当するものを除く。 イ 当該技術が核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機であってその射程若しくは航続距離が三百キロメートル以上のもの(以下「核兵器等」という。)の開発、製造、使用又は貯蔵(以下「開発等」という。)のために利用されるおそれがある場合として経済産業大臣が告示で定めるとき。 ロ 当該技術が核兵器等の開発等のために利用されるおそれがある場合として経済産業大臣から許可の申請をすべき旨の通知を受けたとき。 七 前号に掲げるもののほか、令別表の一六の項に掲げる技術を提供することを目的とする取引であって、当該技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画若しくは記録媒体の提供若しくは電気通信による当該技術を内容とする情報の送信を伴わないもの又は次に掲げるいずれの場合にも(本邦又は外国(輸出令別表第三の二に掲げる地域以外の外国をいう。以下この号において同じ。)において居住者又は外国の非居住者に提供することを目的とする取引にあっては、イ、ロ及びニのいずれの場合にも)該当しないもの イ その技術が核兵器等の開発等のために利用されるおそれがある場合として経済産業大臣が告示で定めるとき。 ロ その技術が核兵器等の開発等のために利用されるおそれがあるものとして経済産業大臣から許可の申請をすべき旨の通知を受けたとき。 ハ その技術が輸出令別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物(核兵器等に該当するものを除く。ニにおいて同じ。)の開発、製造又は使用のために利用されるおそれがある場合として経済産業大臣が告示で定めるとき。 ニ その技術が輸出令別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物の開発、製造又は使用のために利用されるおそれがあるものとして経済産業大臣から許可の申請をすべき旨の通知を受けたとき。 八 削除 九 公知の技術を提供する取引又は技術を公知とするために当該技術を提供する取引(特定の者に提供することを目的として公知とする取引を除く。)であって、以下のいずれかに該当するもの イ 新聞、書籍、雑誌、カタログ、電気通信ネットワーク上のファイル等により、既に不特定多数の者に対して公開されている技術を提供する取引 ロ 学会誌、公開特許情報、公開シンポジウムの議事録等不特定多数の者が入手可能な技術を提供する取引 ハ 工場の見学コース、講演会、展示会等において不特定多数の者が入手又は聴講可能な技術を提供する取引 ニ ソースコードが公開されているプログラムを提供する取引 ホ 学会発表用の原稿又は展示会等での配布資料の送付、雑誌への投稿等、当該技術を不特定多数の者が入手又は閲覧可能とすることを目的とする取引 十 基礎科学分野の研究活動において技術を提供する取引 十一 工業所有権の出願又は登録を行うために、当該出願又は登録に必要な最小限の技術を提供する取引 十二 貨物の輸出に付随して提供される使用に係る技術(プログラム及び経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)であって、当該貨物の据付、操作、保守又は修理のための必要最小限のものを当該貨物の買主、荷受人又は需要者に対して提供する取引(輸出の許可を受けた日又は貨物の輸出契約の発効した日のいずれか遅い日以降に提供されるものに限る。)。 ただし、当該技術のうち、保守又は修理に係る技術の提供については、次のいずれかに該当するものを除く。 イ 当該貨物の性能、特性が当初提供したものよりも向上するもの ロ 修理技術であって、その内容が当該貨物の設計、製造技術と同等のもの ハ 令別表中欄に掲げる技術であって、貨物の設計、製造に必要な技術が含まれるもの 十三 プログラムの提供に付随して提供される使用に係る技術(プログラム及び経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)であって、当該プログラムのインストール、操作、保守又は修理のための必要最小限のものを当該プログラムの取引の相手方又は利用する者に対して提供する取引(役務取引の許可を受けた日又はプログラムの提供契約の発効した日のいずれか遅い日以降に提供されるものに限る。)。 ただし、当該技術のうち、保守又は修理に係る技術の提供については、次のいずれかに該当するものを除く。 イ プログラムの機能、特性が当初提供したものよりも向上するもの ロ 修理技術であって、その内容がプログラムの設計、製造技術と同等のもの ハ 令別表中欄に掲げる技術であって、プログラムの設計、製造に必要な技術が含まれるもの 十四 プログラムを提供する取引であって、次のいずれかに該当するもの イ 令別表中欄に掲げるプログラム(経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)であって、次の(一)及び(二)に該当するものを提供する取引。 ただし、外国(輸出令別表第三に掲げる地域以外の外国をいう。以下この号において同じ。)において提供する取引(販売されるものに限る。)又は外国の非居住者に提供する取引にあっては、第七号イ、ロ及びニのいずれかに(輸出令別表第三の二に掲げる地域に該当する外国において提供する取引(販売されるものに限る。)又は当該地域に該当する外国の非居住者に提供する取引にあっては、第七号イからニまでのいずれかに)該当するものを除く。 (一) 購入に関して何らの制限を受けず、店頭において又は郵便、信書便事業者(民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号。以下「信書便法」という。)第二条第六項に規定する一般信書便事業者又は同条第九項に規定する特定信書便事業者をいう。以下同じ。)による同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)若しくは電気通信の送信による注文により、販売店の在庫から販売されるもの又は使用者に対し何らの制限なく無償で提供されるもの (二) 当該プログラムの使用に際して当該プログラムの供給者又は販売店の技術支援が不要であるように設計されているもの ロ 削除 ハ 輸出令別表第一の中欄に掲げる貨物(経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)と同時に提供される当該貨物を使用するために特別に設計されたプログラムであって、いかなる形でもソースコードが提供されないものを提供する取引 ニ 役務取引許可を受けて提供したプログラムについて、次の(一)又は(二)に該当するプログラムを当初役務取引許可を受けた取引の相手方又は利用する者に対して提供する取引 (一) 許可を受けた範囲を超えない機能修正を行ったもの又は機能修正を行うためのもの (二) 本邦から輸出された貨物を本邦において修理した後再輸出される貨物と同時に提供されるプログラムであって、役務取引許可を受けて提供したものと同一のもの ホ 令別表の二又は四から一五までの項の中欄に掲げるプログラム(オブジェクトコードのものに限り、経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)の取引であって、貨物(輸出令別表第一の二又は四から一五までの項の中欄に掲げるものに限る。)の輸出に付随する据付、操作、保守若しくは修理のための必要最小限のもののうち、当該貨物の買主、荷受人又は需要者に対して提供する取引(輸出の許可を受けた日又は貨物の輸出契約の発効した日のいずれか遅い日以降に提供するものに限り、当該貨物の性能若しくは特性が当初提供したものより向上するもの又は当該貨物に対して新たな機能若しくは特性を提供するものを除く。) ヘ 令別表の二又は四から一五までの項の中欄に掲げるプログラム(オブジェクトコードのものに限り、経済産業大臣が告示で定めるものを除く。)の取引であって、プログラム(同表の二又は四から一五までの項の中欄に掲げるものに限る。)の提供に付随するインストール、操作、保守若しくは修理のための必要最小限のもののうち、当該提供に係るプログラムの取引の相手方又は利用する者に対して提供する取引(役務取引の許可を受けた日又は当該提供に係るプログラムの提供契約の発効した日のいずれか遅い日以降に提供するものに限り、当該提供に係るプログラムの性能若しくは特性が当初提供したものより向上するもの又は当該提供に係るプログラムに対して新たな機能若しくは特性を提供するものを除く。) 十五 本邦において原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第二条第二号に規定する原子力緊急事態又は同条第一号に規定する原子力災害等の災害が発生した場合における援助の用に供するため外国政府、国際機関等から輸入した貨物に付随して提供された使用に係る技術を、当該援助の終了後当該貨物の返送のための輸出に付随して提供する取引 十六 暗号メカニズム若しくは暗号アルゴリズム又はこれらの参照コードを提供する取引であって、国際標準の策定のための国際会議への出席又は提案若しくは意見表明において必要となるもの 3 令第十八条第一項に規定する経済産業省令で定める役務取引は、外国為替及び外国貿易法における主務大臣を定める政令(昭和五十五年政令第二百五十九号。次条第一項において「主務大臣政令」という。)第一条第一号イに掲げる取引又は同号ロに掲げる取引に該当する役務取引で次の各号の一に該当する取引とする。 一 令第十八条第一項に掲げる役務取引のうち、鉱産物(核原料物質及び核燃料物質を除く。)の加工又は貯蔵に係るもの及び当該役務取引の対価が一千万円相当額以内のもの 二 前項第一号から第三号までに掲げる取引 (報告) 第十条 令第十八条の四第一項第三号に規定する経済産業省令で定める支払等は、主務大臣政令第一条第一号に掲げる取引に直接伴ってする支払等並びに同条第三号ロ及びハに掲げる行為に直接伴ってする支払等とする。 2 令第十八条の六第一項に規定する経済産業省令で定める特定資本取引は、令第十四条第一項各号及び同条第二項の規定により読み替えて適用する同条第一項各号に掲げる契約に基づく取引とする。 3 経済産業大臣は、令第十八条の八第一項の規定に基づき報告を求める場合には、同項に規定する者又は関係人に対し通知する方法により報告を求める事項を明示して必要な報告書の提出を命ずるものとする。 4 経済産業大臣は、前項の規定による通知をすべき者の住所若しくは居所又は営業所若しくは事務所の所在地が確知できないときは、同項の規定による通知に代えて、告示により、報告を求める者及び事項を明らかにした上で、必要な報告書の提出を命ずることができる。 5 前二項の命令を受けた者は、遅滞なく、報告書を提出しなければならない。 (通知の送達等) 第十一条 令第六条の二第三項、第十六条第一項若しくは第十八条の三第一項又は前条第三項の規定による通知は、郵便若しくは信書便による送達又は交付送達により、その送達を受けるべき者の住所、居所又は営業所若しくは事務所に当該通知の内容を記載した文書を送達して行う。 2 通常の取扱いによる郵便又は信書便によって前項に規定する文書を発送した場合には、その郵便物又は信書便事業者が送達する信書便法第二条第三項に規定する信書便物は、通常到達すべきであった時に送達があったものと推定する。 3 経済産業大臣は、通常の取扱いによる郵便又は信書便によって第一項に規定する文書を発送する場合には、当該文書の送達を受けるべき者の氏名(法人にあっては、その名称)、あて先及び当該文書の発送の年月日を確認するに足りる記録を作成しておかなければならない。 4 第一項の交付送達は、当該行政機関の職員が同項に規定する文書を送達すべき場所において、その送達を受けるべき者に当該文書を交付して行う。 ただし、その送達を受けるべき者に異議がないときは、その他の場所において当該文書を交付することができる。 5 次の各号に掲げる場合には、第一項の交付送達は、前項の規定による交付に代え、当該各号に定める行為により行うことができる。 一 送達すべき場所において第一項に規定する文書を送達を受けるべき者に出会わない場合 その使用人その他の従業者又は同居の者で当該文書の受領について相当のわきまえのあるもの(次号において「使用人等」という。)に当該文書を交付すること。 二 第一項に規定する文書の送達を受けるべき者その他使用人等が送達すべき場所にいない場合又はこれらの者が正当な理由なく当該文書の受領を拒んだ場合 送達すべき場所に当該文書を差し置くこと。 6 第一項から第五項までの規定は、経済産業大臣が令第六条の二第五項、第十六条第三項又は第十八条の三第三項の規定による通知を行おうとする場合について準用する。 (経済産業大臣に対する税関長の通知) 第十二条 税関長は、令第十八条の二第二項の規定により、速やかに、令第十七条第二項の規定により経済産業大臣の許可を要する貨物について次の各号に掲げる事項を経済産業大臣に通知するものとする。 ただし、経済産業大臣が当該各号に掲げる事項の通知の必要がないと認めるときは、その必要がないと認める事項の通知を省略させることができる。 一 特定記録媒体等の輸出者の氏名又は名称及び住所 二 特定記録媒体等の仕向地 三 特定記録媒体等を積み込もうとする船舶又は航空機の名称又は登録番号 四 前各号に掲げる事項のほか、税関申告番号、令第十七条第二項の規定による許可に係る許可番号その他税関長への輸出の申告に係る事項 (換算の方法) 第十三条 令第六条第一項、令第六条の二第三項若しくは令第七条の二に規定する支払等、令第十六条第一項に規定する特定資本取引に係る支払等又は令第十八条第一項に規定する役務取引のうち電子決済手段等(法第六条第一項第九号に規定する電子決済手段等をいう。以下同じ。)によりされるものについて、当該規定を適用する場合における本邦通貨と電子決済手段等との間又は異種の電子決済手段等相互間の換算は、当該規定においてその額について当該換算をすべき支払等又は取引が行われる日の属する月の前月の末日の当該支払等又は取引の対象となる電子決済手段等の相場を用いる方法その他の合理的と認められる方法により行うものとする。 2 令第六条の二第二項に規定する支払等のうち電子決済手段等によりされるものについて、当該規定を適用する場合における本邦通貨と電子決済手段等との間又は異種の電子決済手段等相互間の換算は、当該規定においてその額について当該換算をすべき支払等が行われる日における当該支払等の対象となる電子決済手段等の相場を用いる方法その他の合理的と認められる方法により行うものとする。 第十四条 令第六条第一項に規定する支払等又は令第十八条第一項に規定する役務取引のうち外国通貨又は電子決済手段等以外の財産的価値(動産及び不動産を含む。以下「その他の財産的価値」という。)によりされるものについて、当該規定を適用する場合における本邦通貨とその他の財産的価値との間の換算は、当該規定においてその額について当該換算をすべき支払等又は取引が行われる日の属する月の前月の末日の当該支払等又は取引の対象となるその他の財産的価値の時価等の額を用いて行うものとする。 2 令第六条の二第二項に規定する支払等のうちその他の財産的価値によりされるものについて、当該規定を適用する場合における本邦通貨とその他の財産的価値との間の換算は、当該規定においてその額について当該換算をすべき支払等が行われる日における当該支払等の対象となるその他の財産的価値の時価等の額を用いて行うものとする。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 413M60000400105_20230701_505M60000400031.xml | 平成十三年経済産業省令第百五号 | 29 | 貿易保険法施行規則
(定義) 第一条 この省令において、「輸出契約」、「仲介貿易契約」、「技術提供契約」、「外国政府等」、「出資外国法人等」、「出資外国法人等販売契約」、「出資外国法人等仲介貿易契約」、「出資外国法人等技術提供契約」、「貿易代金貸付金債権等」、「輸出保証」、「前払購入契約」、「海外投資」、「海外事業資金貸付」、「海外事業資金貸付金債権等」、「信用状確認者」、「信用状発行者」、「保険契約等」、「保険金等」、「引受条件」、「前払金」又は「スワップ取引」とは、それぞれ貿易保険法(昭和二十五年法律第六十七号。以下「法」という。)第二条第一項、第三項、第五項、第九項から第十五項まで、若しくは第十七項から第十九項まで、第二十二条、第二十三条、第四十条第一項、第六十六条第二項又は第七十四条第二項に規定する輸出契約、仲介貿易契約、技術提供契約、外国政府等、出資外国法人等、出資外国法人等販売契約、出資外国法人等仲介貿易契約、出資外国法人等技術提供契約、貿易代金貸付金債権等、輸出保証、前払購入契約、海外投資、海外事業資金貸付、海外事業資金貸付金債権等、信用状確認者、信用状発行者、保険契約等、保険金等、引受条件、前払金又はスワップ取引をいう。 2 この省令において、「子会社」とは、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 一 本邦法人又は本邦人が発行済株式の総数、出資口数の総数又は出資価額の総額の百分の五十以上に相当する数又は額の株式又は出資を有する他の本邦法人又は本邦人 二 次のイ又はロに該当し、かつ、役員の総数の二分の一以上を本邦法人又は本邦人の役員又は職員が占める他の本邦法人又は本邦人 イ 当該他の本邦法人又は本邦人の発行済株式の総数、出資口数の総数又は出資価額の総額の百分の四十以上百分の五十未満に相当する数又は額の株式又は出資を当該本邦法人又は本邦人が有していること。 ロ 当該本邦法人又は本邦人の有する当該他の本邦法人又は本邦人の発行済株式の数、出資口数又は出資価額が、当該他の本邦法人又は本邦人の発行済株式の総数、出資口数の総数又は出資価額の総額の百分の二十以上百分の四十未満であって、かつ、他のいずれか一の者が有する当該他の本邦法人又は本邦人の発行済株式の数、出資口数又は出資価額以上であること。 (出資外国法人等) 第二条 法第二条第九項の経済産業省令で定める外国法人又は外国人は、次の各号のいずれかに該当するものとする。 一 発行済株式若しくは持分又はこれらに類似するもの(以下この条において「株式等」という。)の総数又は総額の百分の五十以上に相当する数又は額の株式等を本邦法人又は本邦人が有する外国法人又は外国人 二 次のイ又はロに該当し、かつ、役員その他これに相当する者(以下この条において「役員等」という。)の総数の二分の一以上を本邦法人又は本邦人の役員又は職員が占める外国法人又は外国人 イ 当該外国法人又は外国人の株式等の総数又は総額の百分の四十以上百分の五十未満に相当する数又は額の株式等を当該本邦法人又は本邦人が有していること。 ロ 当該本邦法人又は本邦人の有する当該外国法人又は外国人の株式等の数又は額が、当該外国法人又は外国人の株式等の総数又は総額の百分の二十以上百分の四十未満であって、かつ、他のいずれか一の者が有する当該外国法人又は外国人の株式等の数又は額以上であること。 三 株式等の総数又は総額の百分の五十以上に相当する数又は額の株式等を、子会社若しくは前二号に規定する外国法人若しくは外国人(以下この条において「子会社等」という。)又は子会社等及び当該本邦法人若しくは本邦人が有する外国法人又は外国人 四 次のイ又はロに該当し、かつ、役員等の総数の二分の一以上を、子会社等又は子会社等及び当該本邦法人若しくは本邦人の役員等又は職員が占める外国法人又は外国人 イ 当該外国法人又は外国人の株式等の総数又は総額の百分の四十以上百分の五十未満に相当する数又は額の株式等を、子会社等又は子会社等及び当該本邦法人若しくは本邦人が有していること。 ロ 子会社等又は子会社等及び当該本邦法人若しくは本邦人の有する当該外国法人又は外国人の株式等の数又は額が、当該外国法人又は外国人の株式等の総数又は総額の百分の二十以上百分の四十未満であって、かつ、他のいずれか一の者が有する当該外国法人又は外国人の株式等の数又は額以上であること。 五 本邦内で生産され、加工され又は集荷された貨物を一年以上継続して販売し、又は賃貸する外国法人又は外国人(本邦内で生産され、加工され又は集荷された貨物を販売し、又は賃貸する場合に限る。) (対外取引の健全な発達を図るために特に必要な事業) 第三条 法第二条第十八項の経済産業省令で定める事業は、次の各号に掲げる海外事業資金貸付の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。 一 法第二条第十八項第一号に掲げる海外事業資金貸付(出資外国法人等が行う国際機関、外国政府等、外国法人又は外国人に対する本邦外において行う事業に必要な資金に係るものに限る。) 本邦法人又は本邦人が輸出する貨物を使用する事業その他の対外取引に係る事業 二 法第二条第十八項第一号に掲げる海外事業資金貸付(出資外国法人等が行うものを除き、国際機関、外国政府等、外国法人又は外国人に対する本邦外において行う事業に必要な資金に係るものに限る。) 次のいずれかに該当する事業として経済産業大臣が認めるもの イ 本邦法人又は本邦人が輸出する貨物を使用する事業であって、我が国の輸出市場の開拓又は確保に著しく寄与する事業 ロ 我が国にとって重要な資源の本邦外における開発及び取得の促進に資する事業 ハ 海外投資に係る事業、地球環境の保全に特に寄与する本邦外において行う事業又は将来において成長発展が期待される分野に係る本邦外において行う事業であって、当該事業の促進が我が国の産業の国際競争力の維持又は向上に関する国の施策の推進を図るために特に必要なもの ニ 本邦外において行う事業に係る国際的な連携の確保又は国際社会において重要な課題(開発途上にある海外の地域に係るものを含む。)の解決に資する事業であって、国際社会における我が国の地位の向上に特に寄与するもの 三 法第二条第十八項第二号に掲げる海外事業資金貸付 対外取引の機会の創出、確保又は拡大に著しく寄与する事業であって、次のいずれかに該当するものとして経済産業大臣が認めるもの イ 本邦法人又は本邦人が輸出する船舶又は航空機を使用する事業 ロ 我が国の産業の国際競争力の維持又は向上を図るために必要な事業のうち、次に掲げるもの (1) 我が国にとって重要な物資又は技術の確保又は開発に資する事業 (2) 地球環境の保全に特に寄与する事業 (3) 著しい新規性を有する技術又は著しく創造的な経営管理方法を活用した事業であって、将来において成長発展が期待される分野に係るもの (外国法人に対する出資の認可の申請) 第四条 株式会社日本貿易保険(以下「会社」という。)は、外国法人に対する出資について法第十二条第四項の規定による認可を受けようとするときは、当該外国法人に対する出資についての次の各号に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 出資を必要とする理由 二 出資の額 三 出資の相手方 四 出資の方法 五 出資により取得した株式又は持分の処分 六 その他経済産業大臣が必要と認める事項 (経済産業大臣に通知する貿易保険又は再保険の引受け) 第五条 法第十六条第二項の経済産業省令で定める貿易保険の引受けは、次の各号に掲げる貿易保険の区分に応じ、当該各号に定める引受けとする。 一 普通貿易保険 輸出契約に基づく貨物の代金若しくは賃貸料、仲介貿易契約に基づく貨物の代金若しくは賃貸料又は技術提供契約に基づく技術若しくは労務の提供の対価の額(一の契約が、輸出契約、仲介貿易契約又は技術提供契約のうち二以上に該当する場合には、代金、賃貸料及び対価の額の合計額)が五百億円(代金、賃貸料又は対価の決済期間が二年以上の場合には、二百億円)を超えることが見込まれるものの引受け 二 出資外国法人等貿易保険 出資外国法人等販売契約に基づく貨物の代金若しくは賃貸料、出資外国法人等仲介貿易契約に基づく貨物の代金若しくは賃貸料又は出資外国法人等技術提供契約に基づく技術若しくは労務の提供の対価の額(一の契約が、出資外国法人等販売契約、出資外国法人等仲介貿易契約又は出資外国法人等技術提供契約のうち二以上に該当する場合には、代金、賃貸料及び対価の額の合計額)が五百億円(代金、賃貸料又は対価の決済期間が二年以上の場合には、二百億円)を超えることが見込まれるものの引受け 三 貿易代金貸付保険 貿易代金貸付金債権等の元本又は保証債務の額のうち保証の対象とされる借入金若しくは公債、社債その他これらに準ずる債券の元本の額が五百億円(元本の償還期間が二年以上の場合には、二百億円)を超えることが見込まれるものの引受け 四 輸出手形保険 手形金額が五百億円を超えることが見込まれるものの引受け 五 輸出保証保険 輸出保証の保証金額が五百億円を超えることが見込まれるものの引受け 六 前払購入保険 前払金の額が五百億円(前払金の返還期間が二年以上の場合には、二百億円)を超えることが見込まれるものの引受け 七 海外投資保険 保険契約に基づき塡補される損失の金額の限度額が二百億円を超えることが見込まれるものの引受け 八 海外事業資金貸付保険 海外事業資金貸付金債権等の元本又は保証債務の額のうち保証の対象とされる借入金若しくは公債、社債その他これらに準ずる債券の元本の額が二百億円を超えることが見込まれるものの引受け 九 スワップ取引保険 スワップ取引に係る貿易代金貸付金債権等の元本若しくは保証債務の額のうち保証の対象とされる借入金若しくは公債、社債その他これらに準ずる債券の元本の額が五百億円(元本の償還期間が二年以上の場合には、二百億円)を超えることが見込まれるもの又は海外事業資金貸付金債権等の元本若しくは保証債務の額のうち保証の対象とされる借入金若しくは公債、社債その他これらに準ずる債券の元本の額が二百億円を超えることが見込まれるものの引受け 十 信用状確認保険 信用状確認者が信用状発行者から償還を受けるべき金額が五百億円(償還を受けるべき金額の償還期間が二年以上の場合には、二百億円)を超えることが見込まれるものの引受け 2 法第十六条第二項の経済産業省令で定める再保険の引受けは、会社が引き受ける再保険の再保険金額が五百億円(再保険期間が二年以上の場合には、二百億円)を超えることが見込まれるものの引受けとする。 (会社の事業計画の認可の申請) 第六条 会社は、法第十八条前段の規定により事業計画の認可を受けようとするときは、事業計画を記載した申請書に資金計画書及び収支予算書を添えて、経済産業大臣に提出しなければならない。 2 会社は、法第十八条後段の規定により事業計画の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及び変更の理由を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 この場合において、当該変更が前項の規定により当該事業計画の認可を申請するときに添付した資金計画書又は収支予算書の変更を伴うときは、当該変更後の当該書類を添えなければならない。 (財務諸表) 第七条 法第二十条の経済産業省令で定める書類は、次の各号に掲げるものとする。 ただし、第四号に掲げる書類については、会社が作成した場合に限る。 一 株主資本等変動計算書 二 個別注記表 三 キャッシュ・フロー計算書 四 連結財務諸表(連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結注記表及び連結キャッシュ・フロー計算書をいう。) (責任準備金の算出方法書の認可の申請) 第八条 会社は、法第二十一条第一項の規定により認可を受けようとするときは、認可申請書に理由書その他の参考となるべき事項を記載した書類を添付して経済産業大臣に提出しなければならない。 (責任準備金の算出方法書の記載事項) 第九条 法第二十一条第二項に規定する経済産業省令で定める事項は、次の各号に掲げる事項とする。 一 未経過保険料の計算の方法(その計算の基礎となる係数を要する場合においては、その係数を含む。)に関する事項 二 異常危険準備金の計算の方法(その計算の基礎となる係数を要する場合においては、その係数を含む。)に関する次に掲げる事項 イ 支払原資の積立上限額 ロ 異常危険準備金の積立上限額 ハ 異常危険準備金の積立額 ニ イからハまでに掲げるもののほか、異常危険準備金の計算に必要な事項 三 その他保険数理に関して必要な事項 (責任準備金の算出方法書の審査基準) 第十条 法第二十一条第三項の経済産業省令で定める基準は、責任準備金の算出方法が、保険数理に基づき、合理的かつ妥当なものであることとする。 (責任準備金) 第十一条 会社は、毎事業年度末において、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める金額を法第二十一条第一項に規定する算出方法書に記載された方法に従って計算し、責任準備金として積み立てなければならない。 一 未経過保険料 収入保険料のうち、保険契約等に定めた保険期間のうち事業年度末においてまだ経過していない期間に対応する責任に相当する金額として算定した金額 二 異常危険準備金 保険契約等に基づく将来の債務を確実に履行するため、将来発生する危険に備えて算定した金額 2 前項の規定にかかわらず、会社が法第十三条の規定により会社が負う保険責任につき再保険を行った場合においては、当該再保険を行った部分に相当する責任準備金を積み立てないものとする。 (支払備金) 第十二条 会社は、毎事業年度末において、次に掲げるものの支払のために必要な金額を支払備金として積み立てなければならない。 一 支払の請求を受けた保険金等であって、費用として計上していないもの 二 支払事由の発生に係る通知(債務の履行遅滞に係る通知を除く。)を受けた保険金等であって、その支払の請求を受けていないもの 2 前項の規定にかかわらず、会社が法第十三条の規定により会社が負う保険責任につき再保険を行った場合においては、当該再保険を行った部分に相当する支払備金を積み立てないものとする。 第十三条 会社が前条の規定により積み立てなければならない金額は、次の各号に掲げる金額の合計額とする。 一 前条第一項第一号に掲げる保険金等の支払のために必要な金額として、毎事業年度末における当該保険金等の請求金額の合計額に相当する金額 二 前条第一項第二号に掲げる保険金等の支払のために必要な金額として、毎事業年度末における当該保険金等の額のうち、支払事由に応じて合理的な方法により算定した額の合計額に相当する金額 (国内社債の発行の認可の申請) 第十四条 会社は、国内社債(会社の社債のうち我が国において発行するものをいう。以下この条において同じ。)の発行について法第二十四条第一項の規定による認可を受けようとするときは、当該国内社債についての次の各号に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 国内社債の発行を必要とする理由 二 名称 三 発行の年月日 四 発行総額 五 各社債の金額 六 利率 七 償還の方法及び期限 八 利息の支払の方法及び期限 九 発行の価額 十 社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)の規定の適用があるときは、その旨 十一 募集の方法 十二 第二号から第十号までに掲げるもののほか、国内社債の社債券に記載した事項 (国外社債の発行の認可の申請) 第十五条 会社は、国外社債(会社の社債のうち我が国以外の地域において発行するものをいう。以下同じ。)の発行について法第二十四条第一項の規定による認可を受けようとするときは、当該国外社債についての次の各号に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 国外社債の発行を必要とする理由 二 前条第二号から第九号までに掲げる事項に相当する事項 三 種類 四 発行の方法 五 表示通貨 六 発行市場 七 第二号に掲げるもののほか、国外社債の社債券に記載した事項 (資金の借入れの認可の申請) 第十六条 会社は、資金の借入れについて法第二十四条第一項の規定による認可を受けようとするときは、資金の借入れについての次の各号に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 借入れを必要とする理由 二 借入金の額 三 借入先 四 利率 五 償還の方法及び期限 六 利息の支払の方法及び期限 七 その他経済産業大臣が必要と認める事項 (償還計画の認可の申請) 第十七条 会社は、法第二十七条前段の規定により償還計画の認可を受けようとするときは、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 社債の総額及び当該事業年度において発行するものの引受けの見込み 二 借入金の総額及び当該事業年度における借入見込額 三 社債及び借入金の償還の方法及び期限 四 その他経済産業大臣が必要と認める事項 2 会社は、法第二十七条後段の規定により償還計画の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及び変更の理由を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 (余裕金の運用) 第十八条 法第二十九条第五号の経済産業省令で定める方法は、外国政府及び国際機関の発行する有価証券であって外国通貨をもって表示されるものの取得とする。 (引受条件の届出) 第十九条 会社は、引受条件を定めたときは、その実施の日の十日前までに次の各号に掲げる事項を記載した届出書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 貿易保険の保険料率 二 手数料その他貿易保険の引受けに関連して保険料以外の金銭の納付をさせる場合にあっては、その内容 2 会社は、法第四十条第一項の規定により引受条件を変更しようとするときは、その実施の日の十日前までに、変更しようとする事項及びその理由を記載した届出書を経済産業大臣に提出しなければならない。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 413M60000400249_20161001_000000000000000.xml | 平成十三年経済産業省令第二百四十九号 | 29 | 輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令
輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号)第四条第一項第三号イの規定に基づき、輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合は、次に掲げるときとする。 一 その貨物の輸出に関する契約書若しくは輸出者が入手した文書、図画若しくは電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下これらを総称して単に「文書等」という。)において、当該貨物が核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機であってその射程若しくは航続距離が三百キロメートル以上のもの(以下本則において「核兵器等」という。)の開発、製造、使用若しくは貯蔵(以下「開発等」という。)若しくは別表に掲げる行為のために用いられることとなる旨記載され、若しくは記録されているとき、又は輸出者が、当該貨物が核兵器等の開発等若しくは別表に掲げる行為のために用いられることとなる旨輸入者若しくは需要者若しくはこれらの代理人(以下「輸入者等」という。)から連絡を受けたとき。 二 その貨物の輸出に関する契約書若しくは輸出者が入手した文書等のうち経済産業大臣が告示で定めるものにおいて、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行う旨記載され、若しくは記録されているとき、又は輸出者が、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行う旨輸入者等から連絡を受けたとき(当該貨物の用途並びに取引の条件及び態様から、当該貨物が核兵器等の開発等及び別表に掲げる行為以外のために用いられることが明らかなときを除く。)。 三 その貨物の輸出に関する契約書若しくは輸出者が入手した文書等のうち経済産業大臣が告示で定めるものにおいて、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行った旨記載され、若しくは記録されているとき、又は輸出者が、当該貨物の需要者が核兵器等の開発等を行った旨輸入者等から連絡を受けたとき(当該貨物の用途並びに取引の条件及び態様から、当該貨物が核兵器等の開発等及び別表に掲げる行為以外のために用いられることが明らかなときを除く。)。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | CabinetOrder | 417CO0000000018_20220101_503CO0000000186.xml | 平成十七年政令第十八号 | 29 | 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律施行令
(第一種特定原産地証明書の発給に係る経済連携協定) 第一条 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律(以下「法」という。)第二条第三項の政令で定める経済連携協定は、次のとおりとする。 一 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定 二 経済上の連携に関する日本国政府とマレーシア政府との間の協定 三 戦略的な経済上の連携に関する日本国とチリ共和国との間の協定 四 経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定 五 経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定 六 経済上の連携に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定 七 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定 八 経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定 九 日本国とスイス連邦との間の自由な貿易及び経済上の連携に関する協定 十 経済上の連携に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の協定 十一 日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定 十二 経済上の連携に関する日本国とペルー共和国との間の協定 十三 経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定 十四 経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定 十五 地域的な包括的経済連携協定 (第二種特定原産地証明書の作成に係る経済連携協定) 第二条 法第二条第四項の政令で定める経済連携協定は、次のとおりとする。 一 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定 二 日本国とスイス連邦との間の自由な貿易及び経済上の連携に関する協定 三 経済上の連携に関する日本国とペルー共和国との間の協定 四 地域的な包括的経済連携協定 (第一種原産品誓約書の交付に係る経済連携協定) 第三条 法第三条第五項の政令で定める経済連携協定は、第一条第九号、第十二号及び第十三号に掲げる経済連携協定とする。 (発給申請書等の保存) 第四条 第一条第一号から第十四号までに掲げる経済連携協定に係る法第五条の規定による発給申請書、第一種原産品誓約書及び資料の保存は、これらに係る法第二条第三項に規定する第一種特定原産地証明書(以下「第一種特定原産地証明書」という。)の発給の日の翌日から起算して、次の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の下欄に定める期間行うものとする。 一 第一条第一号から第五号まで、第八号及び第十一号から第十四号までに掲げる経済連携協定 五年 二 第一条第六号、第七号、第九号及び第十号に掲げる経済連携協定 三年 2 第一条第十五号に掲げる経済連携協定に係る法第五条の規定による発給申請書、第一種原産品誓約書及び資料の保存は、これらに係る第一種特定原産地証明書の発給の日から起算して三年間行うものとする。 (指定発給機関の指定の有効期間) 第五条 法第十二条第一項の政令で定める期間は、三年とする。 (情報提供の期間) 第六条 第一条第一号に掲げる経済連携協定に係る法第三十条第一項の政令で定める期間は、当該経済連携協定の締約国たる外国に第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が輸出された日以後最初に当該物品が法第二条第二項に規定する特定原産品(以下「特定原産品」という。)であるか否かに関する情報の提供を求められた場合にあってはその求めがあった日の翌日から起算して六月とし、当該情報の提供を行った後更に情報の提供を求められた場合にあってはその求めがあった日の翌日から起算して三月とする。 2 第一条第二号から第四号までに掲げる経済連携協定に係る法第三十条第一項の政令で定める期間は、当該経済連携協定の締約国たる外国に第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が輸出された日以後最初に当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求められた場合にあってはその求めを受けた日から起算して三月とし、当該情報の提供を行った後更に情報の提供を求められた場合にあってはその求めを受けた日から起算して二月とする。 3 第一条第五号から第八号まで、第十号から第十二号まで及び第十四号に掲げる経済連携協定に係る法第三十条第一項の政令で定める期間は、当該経済連携協定の締約国たる外国に第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が輸出された日以後最初に当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求められた場合にあってはその求めを受けた日の翌日から起算して次の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の中欄に定める期間とし、当該情報の提供を行った後更に情報の提供を求められた場合にあってはその求めを受けた日の翌日から起算して同表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の下欄に定める期間とする。 一 第一条第五号に掲げる経済連携協定 六月 四月 二 第一条第六号、第八号、第十一号及び第十二号に掲げる経済連携協定 三月 二月 三 第一条第七号に掲げる経済連携協定 三月 三月 四 第一条第十号に掲げる経済連携協定 九十日 九十日 五 第一条第十四号に掲げる経済連携協定 四月 二月 4 第一条第九号に掲げる経済連携協定に係る法第三十条第一項の政令で定める期間は、同項の情報の提供の求めがあった日から起算して十月とする。 ただし、当該経済連携協定の締約国等(法第二条第二項の締約国等をいう。第八項において同じ。)に第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が輸出された場合において、当該物品に係る情報の提供の求めに応ずる期間について個別に我が国と当該経済連携協定の締約国との間で合意をした期間があるときは、当該期間とする。 5 第一条第十三号に掲げる経済連携協定に係る法第三十条第一項の政令で定める期間は、同項の情報の提供の求めを受けた日から起算して四十五日とする。 ただし、当該経済連携協定の締約国たる外国に第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が輸出された場合において、当該物品に係る情報の提供の求めに応ずる期間について個別に我が国と当該外国との間で合意をした期間があるときは、当該期間とする。 6 第一条第十五号に掲げる経済連携協定に係る法第三十条第一項の政令で定める期間は、同項の情報の提供の求めを受けた日から起算して三十日以上九十日以下の範囲内において、当該経済連携協定の締約国が指定する期間とする。 7 第二条第一号に掲げる経済連携協定に係る法第三十条第三項の政令で定める期間は、当該経済連携協定の締約国たる外国に法第二条第四項に規定する第二種特定原産地証明書(以下「第二種特定原産地証明書」という。)が作成された物品が輸出された日以後最初に当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求められた場合にあってはその求めがあった日の翌日から起算して六月とし、当該情報の提供を行った後更に情報の提供を求められた場合にあってはその求めがあった日の翌日から起算して三月とする。 8 第二条第二号に掲げる経済連携協定に係る法第三十条第三項の政令で定める期間は、同項の情報の提供の求めがあった日から起算して十月とする。 ただし、当該経済連携協定の締約国等に第二種特定原産地証明書が作成された物品が輸出された場合において、当該物品に係る情報の提供の求めに応ずる期間について個別に我が国と当該経済連携協定の締約国との間で合意をした期間があるときは、当該期間とする。 9 第二条第三号に掲げる経済連携協定に係る法第三十条第三項の政令で定める期間は、当該経済連携協定の締約国たる外国に第二種特定原産地証明書が作成された物品が輸出された日以後最初に当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求められた場合にあってはその求めを受けた日の翌日から起算して三月とし、当該情報の提供を行った後更に情報の提供を求められた場合にあってはその求めを受けた日の翌日から起算して二月とする。 10 第二条第四号に掲げる経済連携協定に係る法第三十条第三項の政令で定める期間は、同項の情報の提供の求めを受けた日から起算して三十日以上九十日以下の範囲内において、当該経済連携協定の締約国が指定する期間とする。 (経済産業大臣の行う第一種特定原産地証明書の発給に係る手数料) 第七条 法第三十二条第一項の政令で定める額は、一件につき五千五百円(電子申請(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して行う申請をいう。第九条において同じ。)を行う場合にあっては、二千九百五十円)とする。 (指定発給機関の行う第一種特定原産地証明書の発給に係る手数料の額の認可) 第八条 法第三十二条第一項の規定による認可を受けようとする指定発給機関は、認可を受けようとする手数料の額及び法第八条第一項に規定する発給事務の実施に要する費用の額に関し経済産業省令で定める事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 手数料の額の変更の認可を受けようとするときも、同様とする。 2 経済産業大臣は、前項の認可の申請に係る手数料の額が次の各号のいずれにも適合すると認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。 一 当該発給事務の適正な実施に要する費用の額を超えないこと。 二 特定の者に対して不当に差別的でないこと。 (経済産業大臣の行う認定の更新に係る手数料) 第九条 法第三十二条第三項の政令で定める額は、一件につき五千円(電子申請を行う場合にあっては、四千五百五十円)とする。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 417M60000400007_20161001_000000000000000.xml | 平成十七年経済産業省令第七号 | 29 | 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律に基づく指定発給機関に関する省令
(用語) 第一条 この省令において使用する用語は、経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律(以下「法」という。)において使用する用語の例による。 (指定の申請等) 第二条 法第九条の指定の申請をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 二 行おうとする発給事務に係る経済連携協定及び物品の区分 三 発給事務を行おうとする事務所の名称及び所在地 四 発給事務を開始しようとする年月日 2 前項第三号及び第四号に掲げる事項が行おうとする発給事務に係る経済連携協定ごとに、又は物品の区分ごとに異なる場合には、当該事項を当該発給事務に係る経済連携協定ごとに、又は物品の区分ごとに記載しなければならない。 3 第一項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 定款の謄本及び登記事項証明書又はこれらに準ずるもの 二 最近の事業年度における財産目録及び貸借対照表又はこれらに準ずるもの 三 申請の日を含む事業年度及び翌事業年度における事業計画書及び収支予算書で発給事務に係る事項と他の業務に係る事項とを区分したもの 四 申請者が法第十条各号の規定に該当しないことを説明した書類 五 次に掲げる事項を記載した書類 イ 申請者が法人である場合には、役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。第四条第三項第一号ロにおいて同じ。)の氏名及び略歴 ロ 組織及び運営に関する事項 ハ 指定の申請に係る発給事務と類似する業務を行っている場合には、当該業務の実績 ニ ハに掲げるもののほか、発給事務以外の業務を行っている場合には、当該業務の種類及び概要 ホ 発給事務の実施に関する計画 ヘ 発給事務を行う者の氏名及び略歴 ト 申請者が議決権の過半数を実質的に所有している会社(以下この号及び第四条第三項第一号イにおいて「子会社」という。)及び申請者(申請者が子会社を有する場合は、当該子会社を含む。以下この号において同じ。)が議決権の百分の二十以上、百分の五十以下を実質的に所有し、かつ、申請者が人事、資金、技術、取引等の関係を通じて財務及び事業の方針(以下この号において「財務等方針」という。)に対して重要な影響を与えることができる会社(以下この号において「関連会社」という。)並びに申請者の業務の一部又は申請者の業務に関連する事業を行う一般社団法人その他の団体であって、申請者が出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて財務等方針の決定を支配し、又は財務等方針に対して重要な影響を与えることができるもの(以下この号において「関連一般社団法人」という。)の概要 チ 申請者が他の法人の子会社若しくは関連会社又は関連一般社団法人である場合には、当該他の法人の概要 リ その他参考となる事項 4 指定発給機関は、前項第五号イ、ニ又はヘに掲げる事項(ニに掲げる事項にあっては、発給事務以外の業務の種類に限る。)に変更があった場合は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。 (物品の区分) 第三条 法第九条の経済産業省令で定める物品の区分は、関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)別表の部ごとの区分とする。 (指定の基準) 第四条 法第十一条第一号の経済産業省令で定める基準であって経理的基礎に係るものは、次のとおりとする。 一 債務超過の状態にないこと。 二 発給事務を適確かつ円滑に実施するのに必要な資力を有していること。 2 法第十一条第一号の経済産業省令で定める基準であって技術的能力に係るものは、次のとおりとする。 一 発給事務を行う事務所ごとに、発給事務を行う者として次のいずれかに該当するもの二名以上を有していること。 イ 原産地証明書の発給に関し二年以上の実務経験を有する者 ロ イに掲げる者と同等以上の知識及び技術を有すると認められる者 二 発給事務を行う事務所ごとに、発給事務を適確かつ円滑に実施するのに必要な人員を配置していること。 3 法第十一条第二号の経済産業省令で定める基準は、次のとおりとする。 一 申請者が、特定の者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。 イ 申請者が他の株式会社の子会社であること。 ロ 申請者の役員に占める同一の者の役員又は職員(過去二年間にその同一の者の役員又は職員であった者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。 二 発給事務の実施に係る組織、発給事務の方法その他の発給事務を行うための体制が次に掲げる事項に適合するよう整備されていること。 イ 特定の者を不当に差別的に取り扱うものでないこと。 ロ 第一種特定原産地証明書の発給を受ける者との取引関係その他の利害関係の影響を受けないこと。 三 前二号に掲げるもののほか、発給事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれのないこと。 (指定の更新) 第五条 第二条第一項から第三項まで、第三条及び前条の規定は、法第十二条第一項の指定発給機関の指定の更新に準用する。 (名称等の変更の届出) 第六条 指定発給機関は、法第十三条の規定による届出をするときは、次に掲げる事項を記載した届出書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 変更後の名称若しくは住所又は発給事務を行う事務所の所在地 二 変更しようとする年月日 (発給事務規程) 第七条 指定発給機関は、法第十四条第一項前段の規定により発給事務規程の認可を受けようとするときは、その旨を記載した申請書に発給事務規程の案を添えて経済産業大臣に提出しなければならない。 2 指定発給機関は、法第十四条第一項後段の規定により発給事務規程の変更の認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 変更しようとする事項 二 変更しようとする年月日 三 変更の理由 3 法第十四条第二項の発給事務規程で定めるべき事項は、次のとおりとする。 一 発給事務を行う時間及び休日に関する事項 二 発給事務を行う事務所に関する事項 三 発給事務の実施方法に関する事項 四 手数料の収納に関する事項 五 発給事務を行う者の選任及び解任並びにその配置に関する事項 六 発給事務に関する秘密の保持に関する事項 七 発給事務に関する帳簿及び書類の管理に関する事項 八 発給事務に関する通報への対応に関する事項 九 会計処理に関する事項 十 前各号に掲げるもののほか、発給事務の実施に関し必要な事項 (帳簿) 第八条 法第十五条の経済産業省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 第一種特定原産地証明書の発給を申請した者の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに法人にあっては、その代表者の氏名 二 第一種特定原産地証明書の発給の申請を受けた年月日 三 第一種特定原産地証明書の発給の申請に係る物品の名称及び数量 四 証明資料提出者の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに法人にあっては、その代表者の氏名(第一種特定原産地証明書の発給に当たり証明資料提出者から資料が提出された場合に限る。) 五 証明資料提出者から資料の提出を受けた年月日(第一種特定原産地証明書の発給に当たり証明資料提出者から資料が提出された場合に限る。) 六 第一種特定原産地証明書の発給を行った年月日及び証明書番号 七 審査を行った者の氏名 2 法第十五条の帳簿は、発給事務を行う事務所ごとに作成して備え付け、当該帳簿の末尾に前項第二号又は第六号に掲げる事項が記載された日のいずれか遅い日から五年間保存しなければならない。 (経済産業大臣への報告) 第九条 法第十九条の報告は、次に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。 一 通知を行った証明書受給者又は特定証明資料提出者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 二 通知に係る第一種特定原産地証明書の証明書番号 三 証明書受給者又は特定証明資料提出者から受けた通知の内容 (発給事務の休廃止) 第十条 指定発給機関は、法第二十条の許可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 一 休止し、又は廃止しようとする発給事務の範囲 二 発給事務を休止し、又は廃止しようとする年月日 三 発給事務を休止しようとする場合にあっては、その期間 四 休止又は廃止の理由 (発給事務の引継ぎ) 第十一条 指定発給機関は、法第二十二条に規定する場合には、次に掲げる事項を行わなければならない。 一 発給事務を経済産業大臣に引き継ぐこと。 二 発給事務に関する帳簿及び書類を経済産業大臣に引き継ぐこと。 三 その他経済産業大臣が必要と認める事項 (発給事務の実施に要する費用の細目) 第十二条 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律施行令第八条第一項の経済産業省令で定める事項は、認可を受けようとする手数料の額を算出する基礎となる人件費及び事務費その他の経費の額並びに認可を受けようとする手数料の額の算出方法とする。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 417M60000400009_20240205_505M60000400064.xml | 平成十七年経済産業省令第九号 | 29 | 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律施行規則
(用語) 第一条 この省令において使用する用語は、経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律(以下「法」という。)において使用する用語の例による。 (法第三条第一項の経済産業省令で定める者) 第二条 法第三条第一項の経済産業省令で定める者は、次のとおりとする。 一 オーストラリアに輸出される物品の生産者であって、経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律施行令(平成十七年政令第十八号。以下「令」という。)第一条第十三号に掲げる経済連携協定(以下「日オーストラリア協定」という。)に基づく第一種特定原産地証明書の発給を申請しようとする者 二 令第一条第十五号に掲げる経済連携協定(以下「地域的な包括的経済連携協定」という。)の締約国に輸出される物品の生産者であって、地域的な包括的経済連携協定に基づく第一種特定原産地証明書の発給を申請しようとする者 (第一種特定原産地証明書の発給の申請) 第三条 法第三条第二項の経済産業省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 申請年月日 二 発給申請者の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに法人その他の団体にあっては、その代表者又は当該代表者から委任を受けた者の氏名 三 申請に係る経済連携協定の名称 四 申請に係る物品の生産者の氏名又は名称、住所及び連絡先(令第一条第一号に掲げる経済連携協定(以下「日メキシコ協定」という。)又は同条第十二号に掲げる経済連携協定(以下「日ペルー協定」という。)に係る申請を行う場合に限る。) 五 申請に係る物品の輸入者又は荷受人(日メキシコ協定又は日ペルー協定に係る申請を行う場合にあっては当該申請に係る物品の当該申請に係る経済連携協定の締約国における輸入者に限る。)の氏名又は名称及び住所 六 申請に係る物品の名称、数量及び関税番号(商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約第一条(a)に規定する商品の名称及び分類についての統一システムの番号をいう。以下同じ。) 七 申請に係る物品の仕入書の作成年月日(日メキシコ協定又は令第一条第九号に掲げる経済連携協定(以下「日スイス協定」という。)に係る申請を行う場合を除く。)及び当該仕入書に識別のための番号が付されている場合にあっては、その番号(日スイス協定に係る申請を行う場合を除く。) 八 法第三条第三項の規定により資料を提出する生産者の氏名又は名称及び住所(同項の規定により、申請に係る物品の生産者(第四条の二において「申請物品生産者」という。)が、当該物品が特定原産品であることを明らかにする資料を経済産業大臣(指定発給機関が発給事務を行う場合にあっては、当該指定発給機関。以下第六条の二までにおいて同じ。)に直接に提出する場合に限る。) 2 法第三条第一項の申請は、様式第一による発給申請書により行わなければならない。 3 法第三条第二項の規定による資料の提出は、同項の特定原産品であることを明らかにする資料に、申請に係る物品の仕入書の写し又はこれに準ずるものを添付して行わなければならない。 4 法第三条第五項の規定による第一種原産品誓約書の提出は、様式第一の二による書面を提出することにより行わなければならない。 5 法第三条第六項第四号の経済産業省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 第一種原産品誓約書を交付する者の連絡先及び法人その他の団体にあっては、その代表者又は当該代表者から委任を受けた者の氏名 二 法第三条第六項第三号の物品に係る関税番号 6 第三項の規定にかかわらず、第四条の二第二項の登録を受けた発給申請者は、申請に係る物品の仕入書の写し及びこれに準ずるものの添付を省略することができる。 ただし、経済産業大臣は、特に必要があると認めるときは、当該書類の提出を命ずることができる。 7 第三項の場合において、同種の物品に係る過去の申請の手続において申請に係る物品が特定原産品であることを明らかにする資料を既に提出した発給申請者は、その提出すべき資料に変更がないときは、その旨を示すことをもって当該資料の提出に代えることができる。 ただし、経済産業大臣は、特に必要があると認めるときは、当該資料の提出を命ずることができる。 8 法第六条第一項の規定に違反して同項の規定による通知又は法第七条第一項の規定に違反して同項の規定による書類の保存をしなかった証明書受給者は、一年を超えない範囲内において経済産業大臣が定める期間、前項本文の規定の適用を受けることができない。 (生産者による資料の提出) 第四条 法第三条第三項の資料の提出は、様式第二による書面及び同条第二項の特定原産品であることを明らかにする資料を提出することにより行わなければならない。 2 法第三条第三項の資料の提出については前条第七項及び第八項の規定を準用する。 この場合において、同条第八項中「第六条第一項」とあるのは、「第六条第二項」と読み替えるものとする。 3 生産者は、前項の規定により準用する前条第七項の特定原産品であることを明らかにする資料に変更がない場合であっても、当該資料に基づき特定原産品であることを明らかにすることを様式第二による書面で同意した期間以降に法第三条第一項の第一種特定原産地証明書の発給の申請が行われた場合には、再び様式第二による書面を提出しなければならない。 (第一種特定原産地証明書の発給の申請に係る事前登録) 第四条の二 発給申請者又は申請物品生産者は、法第三条第一項の申請に先立って、経済産業大臣に対し、様式第三の申請書に、次に掲げる書類を添付して、当該発給申請者又は申請物品生産者の情報(氏名又は名称、住所及び連絡先をいい、法人その他の団体にあってはその代表者又は当該代表者から委任を受けた者の氏名を含み、発給申請者にあっては第六条第三項の規定により第一種特定原産地証明書に印字される署名の形状を含む。)の登録を申請することができる。 一 発給申請者又は申請物品生産者が個人である場合にあっては、申請の日前三月以内に作成された戸籍の抄本若しくはこれに準ずるもの又は住民票の写し(外国人にあっては、在留カード若しくは特別永住者証明書の写し若しくは申請の日前三月以内に作成された住民票の写し又は在留資格を証するその他の書類で申請の日前三月以内に作成若しくは記載されたもの)及び印鑑証明書又はこれに準ずるもの 二 発給申請者又は申請物品生産者が法人その他の団体である場合にあっては、登記事項証明書又はこれに準ずるもの(当該団体の代表者から委任を受けた者が申請する場合にあっては、当該委任を受けたことを証する書面を含む。) 2 経済産業大臣は、前項の申請があった場合には、当該申請に虚偽があると認められるときを除き、同項の情報を事業者登録簿に登録するとともに登録した旨を当該申請をした発給申請者又は申請物品生産者に通知しなければならない。 3 前項の登録を受けた発給申請者又は申請物品生産者は、法第三条第一項の申請に先立って、当該発給申請者が輸出しようとする物品が当該物品の仕向国との間の経済連携協定(経済連携協定の規定により当該経済連携協定の締約国の関税法令が適用される当該締約国以外の外国を仕向国とする場合にあっては、当該締約国との間の経済連携協定)に基づく特定原産品に該当するかどうかについて経済産業大臣に確認を求めることができる。 4 前項の確認の申請は、経済産業大臣に対し、特定原産品であることを明らかにする資料を提出することにより行わなければならない。 5 経済産業大臣は、第三項の確認の申請があった場合には、前項の規定により提出された資料について審査を行い、第三項の物品が特定原産品であると認めるときは、当該発給申請者又は申請物品生産者に対し、特定原産品であることを確認する書面を交付しなければならない。 6 経済産業大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、前項の書面の交付の決定を取り消さなければならない。 一 当該書面の交付を受けた物品が特定原産品でなかったことが判明したとき。 二 前号に掲げるもののほか、特定原産品であることを明らかにする資料に記載された事項に変更があったことにより、当該書面の交付を受けた物品が特定原産品でなくなったと認めるとき。 7 第二項の登録を受けた発給申請者又は申請物品生産者は、登録された情報に変更があった場合又は同項の通知の日から起算して二年を経過した場合には、第一項第一号又は第二号に掲げる書類を経済産業大臣に提出しなければならない。 8 前項の規定に違反して、同項の書類の提出をしなかった発給申請者は、当該書類を提出するまでの間、第三条第六項本文の規定の適用を受けることができない。 (第一種特定原産地証明書の発給の審査) 第五条 経済産業大臣は、法第三条第一項の申請があった場合には、発給申請者又は証明資料提出者から提出された発給申請書及び資料又は第一種原産品誓約書に基づき、当該申請に係る物品が当該物品の仕向国との間の経済連携協定(経済連携協定の規定により当該経済連携協定の締約国の関税法令が適用される当該締約国以外の外国を仕向国とする場合にあっては、当該締約国との間の経済連携協定)に基づく特定原産品であるかどうかについて審査を行うものとする。 2 前項の場合において、経済産業大臣は、前条第二項の規定により登録された同条第一項の情報の内容又は同条第四項の規定により提出された特定原産品であることを明らかにする資料の内容を確認する必要があると認める場合その他前項の審査を適正に行うため特に必要があると認める場合には、関係者への照会その他必要な調査を行い、発給申請者、証明資料提出者若しくは第一種原産品誓約書交付者(以下この項において「発給申請者等」という。)に対して必要な報告を求め、又は発給申請者等の同意を得て、その職員をして実地に当該発給申請者等の設備若しくは書類その他物件を検査させることができる。 (第一種特定原産地証明書の発給) 第六条 経済産業大臣は、前条の規定により審査を行い、申請に係る物品が特定原産品であると認めるときは、遅滞なく、次の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとに、それぞれ同表の中欄に掲げる様式の標章を付した同表下欄に掲げる様式による第一種特定原産地証明書を発給しなければならない。 この場合において、経済産業大臣は、第一種特定原産地証明書に署名及び押印をするとともに、それぞれの第一種特定原産地証明書ごとに証明書番号を付すものとする。 一 日メキシコ協定 様式第四 様式第五 二 令第一条第二号に掲げる経済連携協定(以下「日マレーシア協定」という。) 様式第六 様式第七 三 令第一条第三号に掲げる経済連携協定(以下「日チリ協定」という。) 様式第八 様式第九 四 令第一条第四号に掲げる経済連携協定(以下「日タイ協定」という。) 様式第十 様式第十一 五 令第一条第五号に掲げる経済連携協定(以下「日インドネシア協定」という。) 様式第十二 様式第十三 六 令第一条第六号に掲げる経済連携協定(以下「日ブルネイ協定」という。) 様式第十四 様式第十五 七 令第一条第七号に掲げる経済連携協定(以下「日アセアン協定」という。) 様式第十六 様式第十七 八 令第一条第八号に掲げる経済連携協定(以下「日フィリピン協定」という。) 様式第十八 様式第十九 九 日スイス協定 様式第二十 様式第二十一 十 令第一条第十号に掲げる経済連携協定(以下「日ベトナム協定」という。) 様式第二十六 様式第二十七 十一 令第一条第十一号に掲げる経済連携協定(以下「日インド協定」という。) 様式第二十八 様式第二十九 十二 日ペルー協定 様式第三十 様式第三十一 十三 日オーストラリア協定 様式第三十二 様式第三十三 十四 令第一条第十四号に掲げる経済連携協定(以下「日モンゴル協定」という。) 様式第三十四 様式第三十五 十五 地域的な包括的経済連携協定 様式第三十六 様式第三十七 2 発給申請者は、第一種特定原産地証明書の発給を受けるにあたり、次に掲げる事項を行わなければならない。 一 第一種特定原産地証明書への英語による必要事項の記入 二 第一種特定原産地証明書への署名 3 経済産業大臣は、第一種特定原産地証明書を発給するに当たり第四条の二第二項の登録を受けた発給申請者の求めがあったときは、当該発給申請者に代わって前項各号に掲げる事項を行うものとする。 この場合において、経済産業大臣が行う同項第二号の署名は、第一種特定原産地証明書に発給申請者の署名の形状を印字することにより行うものとする。 4 経済産業大臣は、申請に係る物品が外国に向けて送り出された後に日ペルー協定に係る法第三条第一項の規定による発給の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、第一項の規定により第一種特定原産地証明書の発給をしなければならない。 一 第五条の規定による審査の結果、当該申請に係る物品が特定原産品であると認められること。 二 当該申請が日ペルー協定第五十五条第一項に掲げる場合のいずれかに該当すること。 5 経済産業大臣は、申請に係る物品が外国に向けて送り出された後に行われた申請に基づき第一種特定原産地証明書を発給する場合には、第一種特定原産地証明書にその旨を記入するものとする。 第六条の二 経済産業大臣は、同一の発給申請者に対し、日を同じくして同一の経済連携協定に係る二以上の第一種特定原産地証明書を発給するときは、当該発給申請者の求めに応じて、これを一の書面にまとめて発給することができる。 (第一種特定原産地証明書の発給に係る留意すべき事項) 第七条 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日メキシコ協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、メキシコ合衆国政府は、次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日メキシコ協定第四十四条第一項(a)の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日メキシコ協定第四十四条第一項(b)の規定に基づき、証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものその他受領の確認を伴う方法により質問書を送付すること。 ハ 日メキシコ協定第四十四条第一項(c)の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がメキシコ合衆国の税関当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、メキシコ合衆国による前号ロ又はハの方法による確認を受ける際には、日メキシコ協定第四十四条の規定を十分に読むべきこと。 三 証明書受給者又は特定証明資料提出者が、メキシコ合衆国の税関当局から日メキシコ協定第四十四条第一項(b)に規定する質問書(日メキシコ協定第四十四条第七項に規定する追加の質問書を含む。第十一号において同じ。)を受領した場合において、当該質問書を受領した日から四十五日以内にメキシコ合衆国の税関当局に到達するよう、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものその他受領の確認を伴う方法により回答を送付すべきこと、及び当該回答が当該質問書を受領した日から四十五日以内にメキシコ合衆国の税関当局に到達しなかったときは、当該質問書による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認されること。 四 前号の場合において、証明書受給者又は特定証明資料提出者が送付した回答が同号の期間内にメキシコ合衆国の税関当局に到達した場合であっても、当該回答が、当該質問書による確認の対象とされた物品が特定原産品であることを決定するための十分な情報を含まないときは、当該物品に対する関税上の特恵待遇が否認される可能性があること。 五 第三号の質問書において、メキシコ合衆国の税関当局が確認の対象となっている物品の材料に関する情報を要請した場合であって、当該物品に係る証明書受給者又は特定証明資料提出者が当該材料の生産者に対し当該材料が原産材料であるか否かに関する情報の提供を要請した場合には、当該材料の生産者は、当該物品に係る証明書受給者又は特定証明資料提出者を関与させることなく、当該情報を経済産業大臣に送付することができること。 六 メキシコ合衆国政府が、日メキシコ協定第四十四条第一項(c)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることに同意するか否かについて書面による回答を求めること。 七 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がメキシコ合衆国政府からの訪問を要請する書面を受領した日から二十日以内に回答がメキシコ合衆国政府に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から二十日以内にメキシコ合衆国政府に到達しなかったときは、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認されること。 八 日メキシコ協定第四十四条第一項(c)に規定する証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設の訪問が行われた場合において、当該証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 九 メキシコ合衆国政府が、日メキシコ協定第四十四条第一項に規定する確認を通じて得た情報に基づいて、当該確認を行った物品が特定原産品でないと決定し、当該物品に係る証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し書面による決定を送付してきた場合には、当該書面を受領した証明書受給者又は特定証明資料提出者は、メキシコ合衆国政府に対して追加の意見又は情報を提出することができること。 ただし、当該追加の意見又は情報が、当該決定を受領した日から三十日以内にメキシコ合衆国政府に到達しなければ、当該確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認されること。 十 その申請に係る物品が特定原産品である旨の虚偽の陳述を証明書受給者又は特定証明資料提出者が繰り返し行っていたことが、メキシコ合衆国の税関当局が行った確認を通じて明らかとなった場合には、メキシコ合衆国の税関当局は、当該証明書受給者又は特定証明資料提出者により輸出され又は生産される同種の物品については、当該物品が特定原産品であることを当該証明書受給者又は特定証明資料提出者がメキシコ合衆国の税関当局に対して証明するまでの間、関税上の特恵待遇を与えることを停止することができること。 十一 証明書受給者又は特定証明資料提出者に対するメキシコ合衆国政府からの連絡は英語により行われること、及び証明書受給者又は特定証明資料提出者からメキシコ合衆国政府に対する日メキシコ協定第四十四条第一項(b)に規定する質問書への回答は英語により行うこと。 十二 第一種特定原産地証明書は、メキシコ合衆国の税関当局によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日の翌日から十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 2 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日マレーシア協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、マレーシアの国際貿易産業省は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日マレーシア協定第四十三条の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日マレーシア協定第四十四条の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がマレーシアの国際貿易産業省の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、マレーシアの国際貿易産業省による前号ロの方法による確認を受ける際には、日マレーシア協定第四十四条及び第四十五条の規定を十分に読むべきこと。 三 マレーシアの国際貿易産業省が、日マレーシア協定第四十四条第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がマレーシアの国際貿易産業省からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がマレーシアの国際貿易産業省に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にマレーシアの国際貿易産業省に到達しなかったときは、マレーシアの国際貿易産業省は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日マレーシア協定第四十四条第一項(a)に規定する証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設の訪問が行われた場合において、当該証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、マレーシアの国際貿易産業省によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 3 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日チリ協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、チリ共和国の税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日チリ協定第四十七条の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日チリ協定第四十八条の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がチリ共和国の税関当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、チリ共和国の税関当局による前号ロの方法による確認を受ける際には、日チリ協定第四十八条及び第四十九条の規定を十分に読むべきこと。 三 チリ共和国の税関当局が、日チリ協定第四十八条第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がチリ共和国の税関当局からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がチリ共和国の税関当局に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にチリ共和国の税関当局に到達しなかったときは、チリ共和国の税関当局は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日チリ協定第四十八条第一項(a)に規定する証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設の訪問が行われた場合において、当該証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、チリ共和国の税関当局によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後一年を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 4 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日タイ協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、タイ王国の税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日タイ協定第四十三条の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日タイ協定第四十四条の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がタイ王国の税関当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、タイ王国の税関当局による前号ロの方法による確認を受ける際には、日タイ協定第四十四条及び第四十五条の規定を十分に読むべきこと。 三 タイ王国の税関当局が、日タイ協定第四十四条第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がタイ王国の税関当局からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がタイ王国の税関当局に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にタイ王国の税関当局に到達しなかったときは、タイ王国の税関当局は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日タイ協定第四十四条第一項(a)に規定する証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設の訪問が行われた場合において、当該証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、タイ王国の税関当局によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 5 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日インドネシア協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、インドネシア共和国の税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日インドネシア協定第四十三条の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日インドネシア協定第四十四条の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がインドネシア共和国の税関当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、インドネシア共和国の税関当局による前号ロの方法による確認を受ける際には、日インドネシア協定第四十四条及び第四十五条の規定を十分に読むべきこと。 三 インドネシア共和国の税関当局が、日インドネシア協定第四十四条第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がインドネシア共和国の税関当局からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がインドネシア共和国の税関当局に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にインドネシア共和国の税関当局に到達しなかったときは、インドネシア共和国の税関当局は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日インドネシア協定第四十四条第一項(a)に規定する証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設の訪問が行われた場合において、当該証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、インドネシア共和国によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 6 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日ブルネイ協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、ブルネイ・ダルサラーム国の外務貿易省は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日ブルネイ協定第四十条の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日ブルネイ協定第四十一条の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がブルネイ・ダルサラーム国の外務貿易省の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、ブルネイ・ダルサラーム国の外務貿易省による前号ロの方法による確認を受ける際には、日ブルネイ協定第四十一条及び第四十二条の規定を十分に読むべきこと。 三 ブルネイ・ダルサラーム国の外務貿易省が、日ブルネイ協定第四十一条第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がブルネイ・ダルサラーム国の外務貿易省からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がブルネイ・ダルサラーム国の外務貿易省に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にブルネイ・ダルサラーム国の外務貿易省に到達しなかったときは、ブルネイ・ダルサラーム国の外務貿易省は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日ブルネイ協定第四十一条第一項(a)に規定する証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設の訪問が行われた場合において、当該証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、ブルネイ・ダルサラーム国によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 7 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日アセアン協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、東南アジア諸国連合構成国(以下「アセアン構成国」という。)の締約国の税関当局又は関係当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日アセアン協定附属書四第六規則の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日アセアン協定附属書四第七規則の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がアセアン構成国の締約国の税関当局又は関係当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、アセアン構成国の締約国の税関当局又は関係当局による前号ロの方法による確認を受ける際には、日アセアン協定附属書四第七規則及び第八規則の規定を十分に読むべきこと。 三 アセアン構成国の締約国の税関当局又は関係当局が、日アセアン協定附属書四第七規則第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がアセアン構成国の締約国の税関当局又は関係当局からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がアセアン構成国の締約国の税関当局又は関係当局に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にアセアン構成国の締約国の税関当局又は関係当局に到達しなかったときは、アセアン構成国の締約国の税関当局又は関係当局は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日アセアン協定附属書四第七規則第一項(a)に規定する証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設の訪問が行われた場合において、当該証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、アセアン構成国の締約国によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後一年を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 8 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日フィリピン協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、フィリピン共和国の税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日フィリピン協定第四十三条の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日フィリピン協定第四十四条の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がフィリピン共和国の税関当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、フィリピン共和国の税関当局による前号ロの方法による確認を受ける際には、日フィリピン協定第四十四条及び第四十五条の規定を十分に読むべきこと。 三 フィリピン共和国の税関当局が、日フィリピン協定第四十四条第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がフィリピン共和国の税関当局からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がフィリピン共和国の税関当局に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にフィリピン共和国の税関当局に到達しなかったときは、フィリピン共和国の税関当局は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日フィリピン協定第四十四条第一項(a)に規定する証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設の訪問が行われた場合において、当該証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、フィリピン共和国によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後六月を経過する日又はフィリピン共和国の法令に基づくこれよりも長い期間の間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 9 法第四条第二項、第三項及び第五項の経済産業省令で定める事項は、日スイス協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、スイス連邦の税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日スイス協定附属書二第二十五条第二項の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日スイス協定附属書二第二十五条第八項の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がスイス連邦の税関当局の立会いの下に証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者の施設を当該証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者の同意を得て訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者は、スイス連邦の税関当局による前号の方法による確認を受ける際には、日スイス協定附属書二第二十五条の規定を十分に読むべきこと。 三 証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者が日スイス協定附属書二第二十五条第八項に規定する訪問を受けることを拒否したときは、スイス連邦の税関当局は当該訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 四 日スイス協定附属書二第二十五条第八項に規定する訪問が行われた場合において、当該訪問を受けた証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者が法第七条第一項又は第二項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 五 第一種特定原産地証明書は、スイス連邦の税関当局によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 10 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日ベトナム協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、ベトナム社会主義共和国の税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日ベトナム協定附属書三第六規則の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日ベトナム協定附属書三第七規則の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がベトナム社会主義共和国の税関当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、ベトナム社会主義共和国の税関当局による前号ロの方法による確認を受ける際には、日ベトナム協定附属書三第七規則及び第八規則の規定を十分に読むべきこと。 三 ベトナム社会主義共和国の税関当局が、日ベトナム協定附属書三第七規則第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がベトナム社会主義共和国の税関当局からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がベトナム社会主義共和国の税関当局に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にベトナム社会主義共和国の税関当局に到達しなかったときは、ベトナム社会主義共和国の税関当局は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日ベトナム協定附属書三第七規則第一項(a)に規定する訪問が行われた場合において、当該訪問を受けた証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、ベトナム社会主義共和国の税関当局によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後一年を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 11 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日インド協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、インド共和国の税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日インド協定附属書三第六節の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日インド協定附属書三第七節の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がインド共和国の税関当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、インド共和国の税関当局による前号ロの方法による確認を受ける際には、日インド協定附属書三第七節及び第八節の規定を十分に読むべきこと。 三 インド共和国の税関当局が、日インド協定附属書三第七節第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がインド共和国の税関当局からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がインド共和国の税関当局に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にインド共和国の税関当局に到達しなかったときは、インド共和国の税関当局は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日インド協定附属書三第七節第一項(a)に規定する訪問が行われた場合において、当該訪問を受けた証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、インド共和国の税関当局によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 12 法第四条第二項、第三項及び第五項の経済産業省令で定める事項は、日ペルー協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、ペルー共和国の通商観光省は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日ペルー協定第六十六条第二項(b)及び(c)の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日ペルー協定第六十六条第二項(d)の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がペルー共和国の通商観光省の立会いの下に証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者は、ペルー共和国の通商観光省による前号ロの方法による確認を受ける際には、日ペルー協定第六十六条の規定を十分に読むべきこと。 三 ペルー共和国の通商観光省が、日ペルー協定第六十六条第二項(d)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者は、日本国政府がペルー共和国の通商観光省からの訪問を要請する書面を受領した日の翌日から三十日以内に回答がペルー共和国の通商観光省に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者、特定証明資料提出者若しくは特定第一種原産品誓約書交付者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日の翌日から三十日以内にペルー共和国の通商観光省に到達しなかったときは、ペルー共和国の通商観光省は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日ペルー協定第六十六条第二項(d)に規定する訪問が行われた場合において、当該訪問を受けた証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者が法第七条第一項又は第二項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、ペルー共和国の税関当局によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 13 法第四条第二項、第三項及び第五項の経済産業省令で定める事項は、日オーストラリア協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、オーストラリアの税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日オーストラリア協定第三・二十一条第二項(b)の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日オーストラリア協定第三・二十一条第二項(c)の規定に基づき、証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ハ 日オーストラリア協定第三・二十一条第二項(d)の規定に基づき、証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者に対し、当該証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 二 証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者は、オーストラリアの税関当局による前号ハの方法による確認を受ける際には、日オーストラリア協定第三・二十二条及び第三・二十三条の規定を十分に読むべきこと。 三 オーストラリアが、日オーストラリア協定第三・二十一条第二項(d)に規定する訪問を書面により要請した場合において、日本国政府は、その施設に訪問を受ける証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、日本国政府から回答を求められた証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者は、日本国政府がオーストラリアからの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答がオーストラリアに到達するよう、速やかに日本国政府に回答すべきこと、及び当該証明書受給者、特定証明資料提出者若しくは特定第一種原産品誓約書交付者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内にオーストラリアに到達しなかったときは、オーストラリアは当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日オーストラリア協定第三・二十一条第二項(d)に規定する訪問が行われた場合において、当該訪問を受けた証明書受給者、特定証明資料提出者又は特定第一種原産品誓約書交付者が法第七条第一項又は第二項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、オーストラリアの税関当局によって、申請に係る物品がオーストラリアに向けて送り出される前に行われた申請に基づき発給されたものにあっては発給の日以後一年を経過する日までの間に、申請に係る物品がオーストラリアに向けて送り出された後に行われた申請に基づき発給されたものにあっては当該物品の船積みの日以後一年を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 14 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、日モンゴル協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、モンゴル国の税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 日モンゴル協定第三・十八条の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 日モンゴル協定第三・十九条の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣がモンゴル国の税関当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、モンゴル国の税関当局による前号ロの方法による確認を受ける際には、日モンゴル協定第三・十九条及び第三・二十条の規定を十分に読むべきこと。 三 モンゴル国の税関当局が、日モンゴル協定第三・十九条第一項(a)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府がモンゴル国の税関当局からの訪問を要請する書面を受領した日の翌日から三十日以内に回答がモンゴル国の税関当局に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日の翌日から三十日以内にモンゴル国の税関当局に到達しなかったときは、モンゴル国の税関当局は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 日モンゴル協定第三・十九条第一項(a)に規定する訪問が行われた場合において、当該訪問を受けた証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、モンゴル国の税関当局によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 15 法第四条第二項及び第三項の経済産業省令で定める事項は、地域的な包括的経済連携協定にあっては、次のとおりとする。 一 自国に輸入される第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品が特定原産品であるか否かを決定するため、地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局は次のいずれかの方法により確認を行うことができること。 イ 地域的な包括的経済連携協定第三・二十四条第一項(c)の規定に基づき、経済産業大臣に対し、当該物品が特定原産品であるか否かに関する情報の提供を求めること。 ロ 地域的な包括的経済連携協定第三・二十四条第一項(d)の規定に基づき、日本国政府に対し、経済産業大臣が地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局の立会いの下に証明書受給者又は特定証明資料提出者の施設を訪問することを通じて、当該物品が特定原産品であることを示す情報の収集及び提供を要請すること並びに当該物品の生産に使用された設備の確認を行うよう要請すること。 二 証明書受給者又は特定証明資料提出者は、地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局による前号ロの方法による確認を受ける際には、地域的な包括的経済連携協定第三・二十四条及び第三・二十五条の規定を十分に読むべきこと。 三 地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局が、地域的な包括的経済連携協定第三・二十四条第一項(d)に規定する訪問を書面により要請した場合において、経済産業大臣は、その施設に訪問を受ける証明書受給者又は特定証明資料提出者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かについて書面による回答を求めること。 四 前号の場合において、経済産業大臣から回答を求められた証明書受給者又は特定証明資料提出者は、日本国政府が当該地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局からの訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に回答が当該地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局に到達するよう、速やかに経済産業大臣に回答すべきこと、及び当該証明書受給者若しくは特定証明資料提出者が訪問を受けることを拒否したとき、又は日本国政府の回答が当該訪問を要請する書面を受領した日から三十日以内に当該地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局に到達しなかったときは、当該地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局は当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇を否認することができること。 五 地域的な包括的経済連携協定第三・二十四条第一項(d)に規定する訪問が行われた場合において、当該訪問を受けた証明書受給者又は特定証明資料提出者が法第七条第一項に規定する書類を保存していないことが明らかになった場合には、当該施設の訪問による確認の対象とされた物品に対する関税上の特恵待遇が否認される蓋然性が高いこと。 六 第一種特定原産地証明書は、地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局によって、当該第一種特定原産地証明書の発給の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 (再発給) 第八条 証明書受給者は、第一種特定原産地証明書を亡失し、滅失し、汚損し、若しくは破損し、又は第一種特定原産地証明書の記載に誤りが生じ、若しくは第一種特定原産地証明書に記載された事項に変更があったときは、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣(指定発給機関が発給した第一種特定原産地証明書については、当該指定発給機関。以下この条において同じ。)に提出し、その再発給を受けることができる。 一 申請年月日 二 申請者の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに法人その他の団体にあっては、その代表者又は当該代表者から委任を受けた者の氏名 三 亡失し、滅失し、汚損し、若しくは破損し、又は記載に誤りが生じ、若しくは記載された事項に変更があった第一種特定原産地証明書の証明書番号 四 亡失し、滅失し、汚損し、若しくは破損し、又は記載に誤りが生じ、若しくは記載された事項に変更があった事由 2 証明書受給者は、第一種特定原産地証明書を汚損し、若しくは破損し、又は第一種特定原産地証明書の記載に誤りが生じ、若しくは第一種特定原産地証明書に記載された事項に変更があったことにより前項の申請書を提出するときは、これに当該第一種特定原産地証明書を添付しなければならない。 3 証明書受給者は、第一種特定原産地証明書を亡失したことにより第一項の規定により第一種特定原産地証明書の再発給を受けた後、その亡失した第一種特定原産地証明書を発見したときは、遅滞なく、これを経済産業大臣に返納しなければならない。 4 経済産業大臣は、第一種特定原産地証明書が亡失し、滅失し、汚損し、又は破損した場合に、第一項の規定により第一種特定原産地証明書を再発給するときは、第一種特定原産地証明書にその旨を記入するものとする。 5 証明書受給者は、法第二十七条第一項の規定により、複合第一種特定原産地証明書(第六条の二(次項の規定により準用する場合を含む。)の書面をいう。以下この項及び第二十五条において同じ。)に係る第一種特定原産地証明書の一部の発給の決定が取り消された場合において、当該複合第一種特定原産地証明書を経済産業大臣に返納したときは、当該複合第一種特定原産地証明書に係る第一種特定原産地証明書のうち当該取消しに係るもの以外のものの再発給を受けることができる。 6 第六条の二の規定は、第一項及び前項の規定による再発給について準用する。 (第一種特定原産地証明書に係る特定原産品でなかったこと等の通知期間) 第九条 法第六条第一項の経済産業省令で定める期間は、同条第一項第一号又は第二項第一号に掲げる事実にあっては次の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の下欄に定める期間が経過した日の翌日までの期間とし、同条第一項第二号若しくは第三号又は第二項第二号に掲げる事実にあっては一年(日メキシコ協定に係るものについては、一年が経過した日の翌日までの期間)とする。 一 日メキシコ協定 五年 二 日マレーシア協定 五年 三 日チリ協定 五年 四 日タイ協定 五年 五 日インドネシア協定 五年 六 日ブルネイ協定 三年 七 日アセアン協定 三年 八 日フィリピン協定 五年 九 日スイス協定 三年 十 日ベトナム協定 三年 十一 日インド協定 五年 十二 日ペルー協定 五年 十三 日オーストラリア協定 五年 十四 日モンゴル協定 五年 十五 地域的な包括的経済連携協定 三年 (第一種特定原産地証明書に係る特定原産品でなかったこと等の通知先) 第十条 法第六条第一項の経済産業省令で定める者のうち、日メキシコ協定に係るものは、次のとおりとする。 一 メキシコ合衆国の税関当局 二 第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品の輸入者(証明書受給者が輸入者に当該第一種特定原産地証明書を提供した場合に限る。) 2 法第六条第二項の経済産業省令で定める者は、次のとおりとする。 一 メキシコ合衆国の税関当局(法第六条第二項の規定による通知が日メキシコ協定に基づき発給された第一種特定原産地証明書に係るものである場合に限る。) 二 法第六条第二項の規定による通知に係る第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品の輸出者 (第一種特定原産地証明書に係る特定原産品でなかったこと等の通知に係る軽微な事実) 第十一条 法第六条第一項の経済産業省令で定める軽微な事実は、次のとおりとする。 一 法第六条第一項第二号に掲げるもののうち、客観的に明白な誤記、誤植又は脱字に係るものであって、記載内容の正確性を失わない範囲のもの 二 法第六条第一項第三号に掲げるもののうち、第一種特定原産地証明書の趣旨の変更を伴わないもの 2 法第六条第二項の経済産業省令で定める軽微な事実は、客観的に明白な誤記、誤植又は脱字に係るものであって、記載内容の正確性を失わない範囲のものとする。 (第一種特定原産地証明書に係る書類の保存等) 第十二条 法第七条第一項の第一種特定原産地証明書の発給を受けた物品に関する書類で経済産業省令で定めるものは、次のとおりとする。 一 発給申請者の申請に係る物品の仕入書の写し又はこれに準ずるもの 二 発給申請者又は証明資料提出者の提出に係る当該物品が特定原産品であることを明らかにする資料の内容が事実であることを証するために必要な情報を含む書類又は当該物品に係る第一種原産品誓約書の写し 2 法第七条第一項の経済産業省令で定める期間は、次の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の下欄に定める期間が経過した日の翌日までの期間とする。 一 日メキシコ協定 五年 二 日マレーシア協定 五年 三 日チリ協定 五年 四 日タイ協定 五年 五 日インドネシア協定 五年 六 日ブルネイ協定 三年 七 日アセアン協定 三年 八 日フィリピン協定 五年 九 日スイス協定 三年 十 日ベトナム協定 三年 十一 日インド協定 五年 十二 日ペルー協定 五年 十三 日オーストラリア協定 五年 十四 日モンゴル協定 五年 十五 地域的な包括的経済連携協定 三年 3 法第七条第二項の第一種原産品誓約書に記載された物品に関する書類で経済産業省令で定めるものは、当該第一種原産品誓約書に記載された物品が特定原産品であることを誓約した内容が事実であることを証するために必要な情報を含む書類とする。 4 法第七条第二項の経済産業省令で定める期間は、当該第一種原産品誓約書に係る第一種特定原産地証明書の発給の日から起算して、当該発給に係る第二項の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の下欄に定める期間が経過した日の翌日までの期間とする。 (第二種特定原産地証明書の作成に係る認定の申請) 第十三条 法第七条の二第二項の経済産業省令で定める書類は、次のとおりとする。 一 認定申請者が個人である場合にあっては、申請の日前三月以内に作成された戸籍の抄本若しくはこれに準ずるもの又は住民票の写し(外国人にあっては、在留カード若しくは特別永住者証明書の写し若しくは申請の日前三月以内に作成された住民票の写し又は在留資格を証するその他の書類で申請の日前三月以内に作成若しくは記載されたもの)及び印鑑証明書又はこれに準ずるもの 二 認定申請者が法人その他の団体である場合にあっては、定款並びに登記事項証明書又はこれらに準ずるもの(当該団体の代表者から委任を受けた者が申請する場合にあっては、当該委任を受けたことを証する書面を含む。)並びに役員の氏名及び略歴を記載した書類 三 認定申請者が様式第二十二により作成した法第七条の三各号に該当しないことを誓約する書面 四 次の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の下欄に定める書類 イ 日メキシコ協定 日メキシコ協定、法及び法に基づく命令の規定を遵守する旨を説明した書類 ロ 日スイス協定 日スイス協定附属書二、法及び法に基づく命令の規定を遵守する旨を説明した書類 ハ 日ペルー協定 日ペルー協定、法及び法に基づく命令の規定を遵守する旨を説明した書類 ニ 地域的な包括的経済連携協定 地域的な包括的経済連携協定、法及び法に基づく命令の規定を遵守する旨を説明した書類 五 第二種特定原産地証明書の作成に係る経済連携協定の締約国等を仕向地とする輸出に関する実績及び計画を記載した書類 2 法第七条の二第二項第五号の経済産業省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 連絡先及び法人その他の団体にあっては、その代表者又は当該代表者から委任を受けた者が申請する場合にあっては、当該委任を受けた者の氏名 二 法第七条の二第二項第四号の物品に係る関税番号 三 第二種原産品誓約書交付者となる候補者の氏名又は名称及び住所(認定申請者が法第七条の二第二項第四号の物品の生産者でない場合であって、当該物品の生産者から第二種原産品誓約書の交付を受けて第二種特定原産地証明書を作成しようとする場合に限る。) 四 法第七条の四第一項に規定する認定の基準に適合している旨を説明する事項 3 法第七条の二第一項の申請は、様式第二十三による認定申請書により行わなければならない。 (認定の基準) 第十四条 法第七条の四第一項の経済産業省令で定める基準は、日メキシコ協定、日スイス協定、日ペルー協定及び地域的な包括的経済連携協定にあっては、次のとおりとする。 一 認定申請者が第一種特定原産地証明書の発給を定期的に受けていること。 二 認定申請者が個人である場合にあっては、当該認定申請者本人と次に掲げる者との間の連絡体制を整備していること。 イ 経済産業大臣 ロ 申請に係る物品の生産者(当該申請に係る物品について認定申請者が生産者でない物品が含まれる場合に限る。) 三 認定申請者が法人その他の団体である場合にあっては、次に掲げるすべての要件を満たしていること。 イ 本店又は主たる事務所に、次に掲げる者を配置していること。 (1) 第二種特定原産地証明書の作成に係る法令及び法令に基づく処分の遵守を確保する業務に係る責任者 (2) (1)の責任者及びロの業務を行う者を指揮し第二種特定原産地証明書の作成に関する業務を総括管理する統括責任者 ロ 第二種特定原産地証明書の作成に係る業務を行う事務所ごとに、当該業務を行う者として、次に掲げるいずれかの者を配置していること。 (1) 法第三条第二項若しくは第三項の資料又は第四条の二第四項の資料(以下このロにおいて総称して単に「資料」という。)の作成に関する事務に携わり、当該資料について第一種特定原産地証明書の発給又は当該資料に係る物品について第四条の二第五項の確認を受けた者 (2) 資料の作成に関する事務を法人その他の団体のために行った経験を有する者(当該法人その他の団体が当該作成に係る資料について第一種特定原産地証明書の発給又は当該作成に係る資料に係る物品について第四条の二第五項の確認を受けた場合に限る。) (3) 法第七条の二第一項の認定を受けた者(個人である場合であって、法第七条の十三の規定により認定を取り消されていない場合に限る。) (4) 第二種特定原産地証明書の作成に関する事務を法人その他の団体のために行った経験を有する者(当該法人その他の団体が法第七条の十三の規定により認定を取り消されていない場合に限る。) (5) (1)から(4)までに掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認められる者 ハ イ(2)の統括責任者が、イ(1)の責任者及びロの業務を行う者を指揮監督する権限を、当該法人その他の団体の内部規則において位置付けていること。 ただし、当該統括責任者とイ(1)の責任者及びロの業務を行う者との間の連絡体制が整備されていると認められるときは、この限りでない。 ニ 第二種特定原産地証明書の作成に係る業務を行う事務所ごとに、経済産業大臣との連絡体制を整備していること。 ホ 申請に係る物品について認定申請者が生産者でない物品が含まれる場合にあっては、認定申請者が当該物品に係る第二種特定原産地証明書の作成に係る業務を行う事務所ごとに、当該物品の生産者との連絡体制を整備していること。 (認定の通知等) 第十五条 経済産業大臣は、法第七条の四第一項の認定をしたときは、遅滞なく、当該認定に係る経済連携協定ごとの認定番号を記載した書面により、その旨を認定申請者に通知するものとする。 2 法第七条の四第二項の経済産業省令で定める事項は、日メキシコ協定にあっては、次のとおりとする。 一 認定輸出者は、輸出される物品に係る仕入書、納品書その他これらに類する書類であって当該物品について特定できるように記述したものに、日メキシコ協定第十条に規定する統一規則に定める申告文を押印又は印字することにより、第二種特定原産地証明書を英語で作成すること。 二 第二種特定原産地証明書は、メキシコ合衆国の税関当局によって、当該第二種特定原産地証明書の作成の日の翌日から十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 3 法第七条の四第二項の経済産業省令で定める事項は、日スイス協定にあっては、次のとおりとする。 一 認定輸出者は、輸出される物品に係る仕入書、納品書その他これらに類する書類であって当該物品について特定できるように記述したものに、日スイス協定附属書二の付録三に定める申告文を押印又は印字することにより、第二種特定原産地証明書を英語で作成すること。 二 第二種特定原産地証明書は、スイス連邦の税関当局によって、当該第二種特定原産地証明書の作成の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 4 法第七条の四第二項の経済産業省令で定める事項は、日ペルー協定にあっては、次のとおりとする。 一 認定輸出者は、輸出される物品に係る仕入書、納品書その他これらに類する書類であって当該物品について特定できるように記述したものに、日ペルー協定附属書四に定める申告文を押印又は印字することにより、第二種特定原産地証明書を英語で作成すること。 二 第二種特定原産地証明書は、ペルー共和国の税関当局によって、当該第二種特定原産地証明書の作成の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 5 法第七条の四第二項の経済産業省令で定める事項は、地域的な包括的経済連携協定にあっては、次のとおりとする。 一 認定輸出者は、輸出される物品に係る仕入書、納品書その他これらに類する書類であって当該物品について特定できるように記述したものに、地域的な包括的経済連携協定附属書三B必要的記載事項2原産地申告の規定に基づき、第二種特定原産地証明書を英語で作成すること。 二 第二種特定原産地証明書は、地域的な包括的経済連携協定の締約国の税関当局によって、当該第二種特定原産地証明書の作成の日以後十二月を経過する日までの間に行われる一回の輸入に限り受理されること。 (認定の有効期間) 第十六条 法第七条の五第一項の経済産業省令で定める期間は、法第七条の四第一項の認定をした日から三年とする。 2 前三条の規定(第十四条第一号を除く。)は、法第七条の五第一項の認定の更新に準用する。 (名称等の変更の届出) 第十七条 認定輸出者は、法第七条の六の規定による届出をするときは、様式第二十四の届出書を経済産業大臣に提出しなければならない。 (認定輸出者の帳簿) 第十八条 法第七条の七の帳簿は、認定を受けた経済連携協定ごとに、別表の第一号上欄に掲げる事項を記載した帳簿(次項において「第一号帳簿」という。)にあっては認定輸出者ごと、別表の第二号上欄に掲げる事項を記載した帳簿(次項において「第二号帳簿」という。)にあっては証明の用に供した第二種特定原産地証明書ごとに作成し、同表の上欄に掲げる事項を記載した帳簿ごとにそれぞれ同表の下欄に定める期間を経過する日までの間、保存しなければならない。 2 前項の場合において、認定輸出者が法人その他の団体であるときは、第一号帳簿にあっては本店又は主たる事務所、第二号帳簿にあっては当該第二号帳簿に係る第二種特定原産地証明書の作成に係る業務を行う事務所ごとに、備え付けなければならない。 3 法第七条の七の第二種特定原産地証明書の作成に関し経済産業省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 認定輸出者が個人である場合 別表の第一号上欄(ハを除く。)及び第二号上欄(ロを除く。)に掲げる事項 二 認定輸出者が法人その他の団体である場合 別表の第一号上欄及び第二号上欄に掲げる事項(本店又は主たる事務所と第二種特定原産地証明書の作成に係る業務を行う事務所が同一であり、かつ、他に第二種特定原産地証明書の作成に係る業務を行う事務所がない場合にあっては、同表の第一号上欄ハを除く。) (第二種原産品誓約書の作成) 第十九条 法第七条の八第一項の第二種原産品誓約書には、当該第二種原産品誓約書に記載された物品が特定原産品であることを誓約する旨及び次に掲げる事項を記載するものとする。 一 第二種原産品誓約書交付者の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに法人その他の団体にあっては、その代表者の氏名 二 第二種原産品誓約書の交付年月日 三 物品の品名及び当該物品に係る関税番号 四 第二種原産品誓約書が作成された物品に係る経済連携協定の名称 (第二種特定原産地証明書に係る特定原産品でなかったこと等の通知期間) 第二十条 法第七条の九第一項の経済産業省令で定める期間は、同項第一号に掲げる事実にあっては次の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の下欄に定める期間が経過した日の翌日までの期間とし、同項第二号又は第三号に掲げる事実にあっては一年(日メキシコ協定に係るものについては、一年が経過した日の翌日までの期間)とする。 一 日メキシコ協定 五年 二 日スイス協定 三年 三 日ペルー協定 五年 四 地域的な包括的経済連携協定 三年 (第二種特定原産地証明書に係る特定原産品でなかったこと等の通知に係る軽微な事実) 第二十一条 法第七条の九第一項の経済産業省令で定める軽微な事実は、次のとおりとする。 一 法第七条の九第一項第二号に掲げるもののうち、客観的に明白な誤記、誤植又は脱字に係るものであって、記載内容の正確性を失わない範囲のもの 二 法第七条の九第一項第三号に掲げるもののうち、第二種特定原産地証明書の趣旨の変更を伴わないもの (第二種特定原産地証明書に係る書類の保存等) 第二十二条 法第七条の十第一項の第二種特定原産地証明書を作成した物品に関する書類で経済産業省令で定めるものは、次のとおりとする。 一 第二種特定原産地証明書の写し 二 当該物品が特定原産品であることを明らかにする資料の内容が事実であることを証するために必要な情報を含む書類又は当該物品に係る第二種原産品誓約書 2 法第七条の十第一項の経済産業省令で定める期間は、次の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の下欄に定める期間が経過した日の翌日までの期間とする。 一 日メキシコ協定 五年 二 日スイス協定 三年 三 日ペルー協定 五年 四 地域的な包括的経済連携協定 三年 3 法第七条の十第二項の第二種原産品誓約書に記載された物品に関する書類で経済産業省令で定めるものは、当該第二種原産品誓約書に記載された物品が特定原産品であることを誓約した内容が事実であることを証するために必要な情報を含む書類とする。 4 法第七条の十第二項の経済産業省令で定める期間は、当該第二種原産品誓約書に係る第二種特定原産地証明書の作成の日から起算して、当該作成に係る第二項の表の上欄に掲げる経済連携協定ごとにそれぞれ同表の下欄に定める期間が経過した日の翌日までの期間とする。 (身分を示す証明書) 第二十三条 法第七条の十二第二項に規定する証明書は、様式第二十五によるものとする。 (認定の取消しの通知) 第二十四条 経済産業大臣は、法第七条の十三第一項の規定により認定を取り消したときは、その旨及びその理由を記載した書面によりその認定を受けていた者に通知しなければならない。 (複合第一種特定原産地証明書の返納) 第二十五条 法第二十七条第一項の規定により複合第一種特定原産地証明書に係る第一種特定原産地証明書の全部又は一部の発給の決定が取り消された場合の法第二十九条の規定による返納は、当該複合第一種特定原産地証明書の返納をもってするものとする。 (法第三十条第五項の経済産業省令で定める者) 第二十六条 法第三十条第五項の経済産業省令で定める者は、法第六条第一項又は第二項の通知に係る第一種特定原産地証明書に係るメキシコ合衆国の税関当局とする。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 418M60000400101_20161001_000000000000000.xml | 平成十八年経済産業省令第百一号 | 29 | 外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引に係る貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令
外国為替令(昭和五十五年政令第二百六十号)第十七条第三項第二号イに規定する外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引に係る貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合は、当該取引に関する契約書若しくは当該取引を行おうとする居住者(以下単に「居住者」という。)が入手した文書、図画若しくは電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)において、当該貨物が核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機であってその射程若しくは航続距離が三百キロメートル以上のもの(以下「核兵器等」という。)の開発、製造、使用若しくは貯蔵(以下「開発等」という。)若しくは輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令(平成十三年経済産業省令第二百四十九号)別表(以下「別表」という。)に掲げる行為のために用いられることとなる旨記載され、若しくは記録されているとき、又は居住者が、当該貨物が核兵器等の開発等若しくは別表に掲げる行為のために用いられることとなる旨当該取引の相手方となる非居住者若しくは需要者若しくはこれらの代理人から連絡を受けたときとする。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 418M60000400102_20161001_000000000000000.xml | 平成十八年経済産業省令第百二号 | 29 | 仮に陸揚げした貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令
輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号)第四条第一項第一号イに規定する仮に陸揚げした貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合は、輸出者が、当該貨物が核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機であってその射程若しくは航続距離が三百キロメートル以上のものの開発、製造、使用若しくは貯蔵又は輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令(平成十三年経済産業省令第二百四十九号)別表に掲げる行為のために用いられることとなる旨輸入者、需要者若しくはこれらの代理人から連絡を受けたときとする。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 419M60000400027_20231228_505M60000400063.xml | 平成十九年経済産業省令第二十七号 | 29 | 輸出入取引法施行規則
第一章 輸出に関する協定及び輸出組合の組合員の遵守すべき事項 (協定の締結の届出) 第一条 輸出入取引法(以下「法」という。)第五条第一項の規定により協定の締結の届出をしようとする者は、様式第一による届書に、次に掲げる書類を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 一 協定書の写し 二 協定を締結する理由を記載した書面 (協定の廃止の届出) 第二条 法第七条の規定により協定の廃止の届出をしようとする者は、様式第二による届書を経済産業大臣に提出しなければならない。 (組合員の遵守すべき事項の設定の届出) 第三条 法第十一条第二項の規定により組合員の遵守すべき事項の設定の届出をしようとする者は、様式第三による届書に、次に掲げる書類を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 一 組合員の遵守すべき事項を記載した書面 二 組合員の遵守すべき事項を設定する理由を記載した書面 三 組合員の遵守すべき事項の設定を議決した総会又は総代会の議事録の謄本 (組合員の遵守すべき事項の廃止の届出) 第四条 法第十一条第三項において準用する法第七条の規定により組合員の遵守すべき事項の廃止の届出をしようとする者は、様式第四による届書を経済産業大臣に提出しなければならない。 第二章 輸出組合又は輸入組合 第一節 届書等の提出 第五条 輸出組合又は輸入組合は、次の表の区分により届書を経済産業大臣に提出しなければならない。 提出すべき場合 提出すべき届書 提出期限 一 法第十六条第一項(法第十九条の六において準用する場合を含む。)の規定により組合員に出資をさせる輸出組合(以下「出資輸出組合」という。)又は組合員に出資をさせる輸入組合(以下「出資輸入組合」という。)に移行したとき 様式第五による届書(移行の日現在における組合員の氏名又は名称、住所及び組合員の出資口数を記載した書面を添付しなければならない。) 移行の日から二週間以内 二 法第十七条第一項(法第十九条の六において準用する場合を含む。)の規定により出資輸出組合以外の輸出組合(以下「非出資輸出組合」という。)又は出資輸入組合以外の輸入組合(以下「非出資輸入組合」という。)に移行したとき 様式第六による届書 移行の日から二週間以内 三 毎事業年度の事業報告書又は決算関係書類(法第十九条第一項(法第十九条の六において準用する場合を含む。第四十二条第二項を除き、以下同じ。)において準用する中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号。以下「協同組合法」という。)第四十条第二項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する決算関係書類をいう。以下同じ。)について総会又は総代会の承認を経たとき 様式第七による届書(事業報告書又は決算関係書類及び当該承認に関する議事録の謄本を添付しなければならない。) 当該承認の日から二週間以内 四 事業年度の中途において負担金に係る法第二十八条第二項の経済産業省令に係る事務を処理しなくなったとき(輸出組合に限る。) 様式第八による届書(当該事務の処理に関する報告書並びに当該事務の処理に係る負担金等に係る経理に関する財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、添付しなければならない。) 当該事務を処理しなくなった日から三週間以内 第二節 電磁的記録等 (電磁的記録) 第六条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第十条の二第三項第二号に規定する経済産業省令で定めるものは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。 (電磁的記録に記録された事項を表示する方法) 第七条 次に掲げる規定に規定する経済産業省令で定める方法は、次に掲げる規定の電磁的記録(法第十九条第一項において準用する協同組合法第十条の二第三項第二号に規定する電磁的記録をいう。以下同じ。)に記録された事項を紙面又は映像面に表示する方法とする。 一 法第十七条第二項(法第十九条の六において準用する場合を含む。以下同じ。)において準用する協同組合法第五十六条第二項第二号 二 法第十九条第一項において準用する協同組合法第十条の二第三項第二号 三 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十四条の二第二項第二号 四 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第五項において準用する会社法(平成十七年法律第八十六号)第三百八十九条第四項第二号 五 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の七第五項第二号(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。) 六 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第十二項第三号(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。) 七 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十一条第三項第二号 八 法第十九条第一項において準用する協同組合法第五十三条の四第四項第二号 九 法第十九条第二項(法第十九条の六において準用する場合を含む。以下同じ。)において準用する協同組合法第五十六条第二項第二号 十 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の四第二項第三号 十一 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の五第二項第三号 十二 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の五第十項第三号 十三 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の六第二項第三号 十四 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十四条第八項第三号 (電磁的方法) 第八条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第十一条第三項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第二十七条第八項において準用する場合を含む。)に規定する経済産業省令で定めるものは、次に掲げる方法とする。 一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの イ 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 ロ 送信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法 二 電磁的記録媒体(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって電子計算機による情報処理の用に供されるものに係る記録媒体をいう。)をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法 2 前項各号に掲げる方法は、受信者がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものでなければならない。 第三節 設立 (設立の認可の申請) 第九条 法第十四条第一項(法第十九条の六において準用する場合を含む。)の規定により設立の認可を受けようとする者は、様式第九による申請書に、次に掲げる書類を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 一 定款 二 事業計画書及び収支予算書 三 役員たるべき者の氏名、住所及び略歴を記載した書面 四 組合員たるべき者の氏名又は名称、住所及び出資輸出組合又は出資輸入組合を設立する場合の申請にあっては、組合員たるべき者の引き受けようとする出資口数を記載した書面 五 創立総会の議事録の謄本 (創立総会の議事録) 第十条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第二十七条第七項の規定による創立総会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 創立総会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 創立総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 創立総会が開催された日時及び場所 二 創立総会の議事の経過の要領及びその結果 三 創立総会に出席した発起人又は設立当時の役員の氏名又は名称 四 創立総会の議長の氏名 五 議事録の作成に係る職務を行った発起人の氏名又は名称 第四節 電磁的記録の備置きに関する特則 第十一条 次に掲げる規定に規定する経済産業省令で定めるものは、輸出組合又は輸入組合の使用に係る電子計算機を電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であって、当該電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて輸出組合又は輸入組合の従たる事務所において使用される電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法とする。 一 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十四条の二第三項 二 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の七第四項 三 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第十一項 四 法第十九条第一項において準用する協同組合法第五十三条の四第三項 第五節 役員 (役員の変更の届出) 第十二条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十五条の二の規定により役員の氏名又は住所の変更の届出をしようとする者は、様式第十による届書に、変更した事項を記載した書面並びに変更の年月日及び理由を記載した書面を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 (監査報告の作成) 第十三条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第二項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定及び法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第五項において準用する会社法第三百八十九条第二項の規定により経済産業省令で定める事項については、この条の定めるところによる。 2 監事は、その職務を適切に遂行するため、次に掲げる者との意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めなければならない。 この場合において、理事及び理事会は、監事の職務の執行のための必要な体制の整備に留意しなければならない。 一 当該輸出組合又は当該輸入組合の理事及び使用人 二 当該輸出組合又は当該輸入組合の子会社(法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十五条第六項に規定する子会社をいう。以下同じ。)の取締役、会計参与、執行役、業務を執行する社員、会社法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人 三 その他監事が適切に職務を遂行するに当たり意思疎通を図るべき者 3 前項の規定は、監事が公正不偏の態度及び独立の立場を保持することができなくなるおそれのある関係の創設及び維持を認めるものと解してはならない。 4 監事は、その職務の遂行に当たり、必要に応じ、当該輸出組合又は当該輸入組合の他の監事、当該輸出組合又は当該輸入組合の子会社の監査役その他これらに相当する者との意思疎通及び情報の交換を図るよう努めなければならない。 (監事の調査の対象) 第十四条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百八十四条(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する経済産業省令で定めるものは、電磁的記録その他の資料とする。 (監査の範囲が限定されている監事の調査の対象) 第十五条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第五項において準用する会社法第三百八十九条第三項に規定する経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 決算関係書類 二 前号に掲げるもののほか、これに準ずるもの (理事会の議事録) 第十六条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の七第一項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定による理事会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 理事会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 理事会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 理事会が開催された日時及び場所(当該理事会の場所を定めた場合に限り、当該場所に存しない役員又は組合員が当該理事会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。)又は方法(当該理事会の場所を定めなかった場合に限る。) 二 理事会が次に掲げるいずれかのものに該当するときは、その旨 イ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百八十三条第二項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定による監事の請求を受けて招集されたもの ロ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百八十三条第三項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定により監事が招集したもの ハ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の六第六項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)において準用する会社法第三百六十六条第二項の規定による理事の請求を受けて招集されたもの ニ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の六第六項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)において準用する会社法第三百六十六条第三項の規定により理事が招集したもの ホ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の六第六項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)において準用する会社法第三百六十七条第一項の規定による組合員の請求を受けて招集されたもの ヘ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の六第六項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)において準用する会社法第三百六十七条第三項において準用する同法第三百六十六条第三項の規定により組合員が招集したもの 三 理事会の議事の経過の要領及びその結果 四 決議を要する事項について特別の利害関係を有する理事があるときは、当該理事の氏名 五 次に掲げる規定により理事会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要 イ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百八十二条(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。) ロ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百八十三条第一項本文(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。) ハ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の六第六項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)において準用する会社法第三百六十七条第四項 ニ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条第三項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。) ホ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の五第四項 六 理事会に出席した役員又は組合員の氏名又は名称 七 理事会の議長の氏名 4 次の各号に掲げる場合には、理事会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。 一 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の六第四項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定により理事会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項 イ 理事会の決議があったものとみなされた事項の内容 ロ イの事項の提案をした理事の氏名 ハ 理事会の決議があったものとみなされた日 ニ 議事録の作成に係る職務を行った理事の氏名 二 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の六第五項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定により理事会への報告を要しないものとされた場合 次に掲げる事項 イ 理事会への報告を要しないものとされた事項の内容 ロ 理事会への報告を要しないものとされた日 ハ 議事録の作成に係る職務を行った理事の氏名 (電子署名) 第十七条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の七第二項(第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する経済産業省令で定める署名又は記名押印に代わる措置は、電子署名とする。 2 前項に規定する「電子署名」とは、電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。 一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること 二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること (役員の輸出組合又は輸入組合に対する損害賠償に係る報酬等の額の算定方法) 第十八条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の二第五項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する経済産業省令で定める方法により算定される額は、次に掲げる額の合計額とする。 一 役員がその在職中に報酬、賞与その他の職務執行の対価(当該役員が当該輸出組合又は当該輸入組合の使用人を兼ねている場合における当該使用人の報酬、賞与その他の職務執行の対価を含む。)として輸出組合又は輸入組合から受け、又は受けるべき財産上の利益(次号に定めるものを除く。)の額の事業年度(次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める日を含む事業年度及びその前の各事業年度に限る。)ごとの合計額(当該事業年度の期間が一年でない場合にあっては、当該合計額を一年当たりの額に換算した額)のうち最も高い額 イ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の二第五項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の総会の決議を行った場合 当該総会の決議の日 ロ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の二第九項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)において準用する会社法第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づいて責任を免除する旨の理事会の決議を行った場合 当該決議のあった日 ハ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の二第九項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)において準用する会社法第四百二十七条第一項の契約を締結した場合 責任の原因となる事実が生じた日(二以上の日がある場合にあっては、最も遅い日) 二 イに掲げる額をロに掲げる数で除して得た額 イ 次に掲げる額の合計額 (1) 当該役員が当該輸出組合又は当該輸入組合から受けた退職慰労金の額 (2) 当該役員が当該輸出組合又は当該輸入組合の使用人を兼ねていた場合における当該使用人としての退職手当のうち当該役員を兼ねていた期間の職務執行の対価である部分の額 (3) (1)又は(2)に掲げるものの性質を有する財産上の利益の額 ロ 当該役員がその職に就いていた年数(当該役員が次に掲げるものに該当する場合における次に定める数が当該年数を超えている場合にあっては、当該数) (1) 代表理事 六 (2) 代表理事以外の理事 四 (3) 監事 二 2 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の二第八項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する経済産業省令で定める財産上の利益とは、次に掲げるものとする。 一 退職慰労金 二 当該役員が当該輸出組合又は当該輸入組合の使用人を兼ねていたときは、当該使用人としての退職手当のうち当該役員を兼ねていた期間の職務執行の対価である部分 三 前二号に掲げるものの性質を有する財産上の利益 (役員のために締結される保険契約) 第十八条の二 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の六第一項に規定する経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 被保険者に保険者との間で保険契約を締結する輸出組合又は輸入組合を含む保険契約であって、当該輸出組合又は当該輸入組合がその業務に関連し第三者に生じた損害を賠償する責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって当該輸出組合又は当該輸入組合に生ずることのある損害を保険者が塡補することを主たる目的として締結されるもの 二 役員が第三者に生じた損害を賠償する責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって当該役員に生ずることのある損害(役員がその職務上の義務に違反し若しくは職務を怠ったことによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって当該役員に生ずることのある損害を除く。)を保険者が塡補することを目的として締結されるもの (責任追及等の訴えの提起の請求方法) 第十九条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十九条において準用する会社法第八百四十七条第一項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する経済産業省令で定める方法は、次に掲げる事項を記載した書面の提出又は当該事項の電磁的方法による提供とする。 一 被告となるべき者 二 請求の趣旨及び請求を特定するのに必要な事実 (訴えを提起しない理由の通知方法) 第二十条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十九条において準用する会社法第八百四十七条第四項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する経済産業省令で定める方法は、次に掲げる事項を記載した書面の提出又は当該事項の電磁的方法による提供とする。 一 輸出組合又は輸入組合が行った調査の内容(次号の判断の基礎とした資料を含む。) 二 請求対象者の責任又は義務の有無についての判断 三 請求対象者に責任又は義務があると判断した場合において、責任追及等の訴え(法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十九条において準用する会社法第八百四十七条第一項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する責任追及等の訴えをいう。)を提起しないときは、その理由 第六節 決算関係書類 第一款 総則 (会計慣行のしん酌) 第二十一条 第六節から第十節及び第六十六条から第六十九条までの用語の解釈及び規定の適用に関しては、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行その他の会計の慣行をしん酌しなければならない。 (金額の表示の単位) 第二十二条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第一項に規定する輸出組合又は輸入組合の成立の日における貸借対照表及び決算関係書類に係る事項の金額は、一円単位をもって表示するものとする。 (成立の日の貸借対照表) 第二十三条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第一項の規定により作成すべき貸借対照表は、輸出組合又は輸入組合の成立の日における会計帳簿に基づき作成しなければならない。 (各事業年度に係る決算関係書類) 第二十四条 各事業年度に係る決算関係書類の作成に係る期間は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間とする。 この場合において、当該期間は、一年(事業年度の末日を変更する場合における変更後の最初の事業年度については、一年六月)を超えることができない。 2 各事業年度に係る決算関係書類は、当該事業年度に係る会計帳簿に基づき作成しなければならない。 第二款 財産目録 第二十五条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第二項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定により各事業年度ごとに輸出組合又は輸入組合が作成すべき財産目録については、この条の定めるところによる。 2 前項の財産目録は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。 一 資産 二 負債 三 正味資産又は正味財産 3 資産の部又は負債の部の各項目は、当該項目に係る資産又は負債を示す適当な名称を付した項目に細分することができる。 第三款 貸借対照表 (通則) 第二十六条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第一項に規定する輸出組合又は輸入組合の成立の日における貸借対照表及び法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第二項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する各事業年度ごとに輸出組合又は輸入組合が作成すべき貸借対照表については、この款の定めるところによる。 (貸借対照表の区分) 第二十七条 貸借対照表は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。 一 資産 二 負債 三 純資産又は正味財産 2 資産の部又は負債の部の各項目は、当該項目に係る資産又は負債を示す適当な名称を付さなければならない。 (資産の部の区分) 第二十八条 資産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。 一 流動資産 二 固定資産 (負債の部の区分) 第二十九条 負債の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。 一 流動負債 二 固定負債 (純資産又は正味財産の部の区分) 第三十条 純資産又は正味財産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 出資金(出資輸出組合又は出資輸入組合に限る。) 二 組合積立金 三 剰余金 四 その他の純資産又は正味財産であって、純資産又は正味財産に属するもの 第四款 損益計算書 (通則) 第三十一条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第二項の規定により各事業年度ごとに輸出組合又は輸入組合が作成すべき損益計算書については、この款の定めるところによる。 (損益計算書の区分) 第三十二条 損益計算書は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない。 この場合において、各項目について細分することが適当な場合には、適当な項目に細分することができる。 一 事業収益 二 賦課金等収入(法第十九条第一項において準用する協同組合法第十二条第一項又は第十三条の規定に基づき徴収したものをいう。以下同じ。) 三 事業費用 四 一般管理費 五 事業外収益 六 事業外費用 七 特別利益 八 特別損失 2 事業収益に属する収益は、売上高、受取手数料、受取施設利用料、受取貸付利息、受取保管料、受取検査料その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。 3 賦課金等収入に属する収益は、賦課金収入、参加料収入その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。 4 事業費用に属する費用は、売上原価、販売費、購買費、生産・加工費、運送費、転貸支払利息その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。 5 一般管理費に属する費用は、人件費、業務費、諸税負担金その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。 6 事業外収益に属する収益は、受取利息(法第十一条第一項第七号の事業として受け入れたものを除く。)、外部出資に係る出資配当金の受入額その他の項目に細分しなければならない。 7 事業外費用に属する費用は、支払利息(法第十一条第一項第七号の事業として受け入れたものを除く。)、創立費償却、寄付金その他の項目に細分しなければならない。 8 特別利益に属する利益は、固定資産売却益、補助金収入(経常的経費に充てるべきものとして交付されたものを除く。)、前期損益修正益その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。 9 特別損失に属する損失は、固定資産売却損、固定資産圧縮損、減損損失、災害による損失、前期損益修正損その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。 10 第二項から前項までの規定にかかわらず、第二項から前項までに規定する各収益若しくは費用又は利益若しくは損失のうち、その金額が重要でないものについては、当該収益若しくは費用又は利益若しくは損失を細分しないこととすることができる。 11 輸出組合又は輸入組合が二以上の異なる種類の事業を行っている場合には、第一項第一号から第四号までに掲げる収益又は費用は、事業の種類ごとに区分することができる。 12 損益計算書の各項目は、当該項目に係る収益若しくは費用又は利益若しくは損失を示す適当な名称を付さなければならない。 第五款 剰余金処分案又は損失処理案 (通則) 第三十三条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第二項の規定により各事業年度ごとに輸出組合又は輸入組合が作成すべき剰余金処分案又は損失処理案については、この款の定めるところによる。 2 当期未処分損益金額と組合積立金の取崩額の合計額が零を超える場合であって、かつ、剰余金の処分がある場合には、次条の規定により剰余金処分案を作成しなければならない。 3 前項以外の場合には、第三十五条の規定により損失処理案を作成しなければならない。 (剰余金処分案の区分) 第三十四条 剰余金処分案は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない。 一 当期未処分剰余金又は当期未処理損失金 二 組合積立金取崩額(一定の目的のために設定した組合積立金について当該目的に従って取り崩した額を除く。) 三 剰余金処分額 四 次期繰越剰余金 (損失処理案の区分) 第三十五条 損失処理案は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない。 一 当期未処理損失金 二 損失てん補取崩額 三 次期繰越損失金 第七節 事業報告書 (通則) 第三十六条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第二項の規定により各事業年度ごとに輸出組合又は輸入組合が作成すべき事業報告書は、この節の定めるところによる。 (事業報告書の内容) 第三十七条 事業報告書は、次に掲げる事項を記載又は記録しなければならない。 一 輸出組合又は輸入組合の事業活動の概況に関する事項 二 輸出組合又は輸入組合の運営組織の状況に関する事項 三 その他輸出組合又は輸入組合の状況に関する重要な事項(決算関係書類の内容となる事項を除く。) (輸出組合又は輸入組合の事業活動の概況に関する事項) 第三十八条 前条第一号に規定する輸出組合又は輸入組合の事業活動の概況に関する事項とは、次に掲げる事項(当該輸出組合又は当該輸入組合が二以上の異なる種類の事業を行っている場合には、主要な事業別に区分された事項)とする。 一 当該事業年度の末日における主要な事業内容 二 当該事業年度における事業の経過及びその成果 三 当該事業年度における次に掲げる事項についての状況(重要なものに限る。) イ 増資及び資金の借入れその他の資金調達 ロ 輸出組合又は輸入組合が所有する施設の建設又は改修その他の設備投資 ハ 他の法人との業務上の提携 ニ 他の会社を子会社とすることとなる場合における当該他の会社の株式又は持分の取得又は処分 ホ 事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け、合併(当該合併後当該輸出組合又は当該輸入組合が存続するものに限る。)その他の組織の再編成 四 直前三事業年度(当該事業年度の末日において三事業年度が終了していない輸出組合又は輸入組合にあっては、成立後の各事業年度)の財産及び損益の状況 五 対処すべき重要な課題 六 前各号に掲げるもののほか、当該輸出組合又は当該輸入組合の現況に関する重要な事項 (輸出組合又は輸入組合の運営組織の状況に関する事項) 第三十九条 第三十七条第二号に規定する輸出組合又は輸入組合の運営組織の状況に関する事項とは、次に掲げる事項とする。 一 前事業年度における総会の開催状況に関する次に掲げる事項 イ 開催日時 ロ 出席した組合員(又は総代)の数 ハ 重要な事項の議決状況 二 組合員に関する次に掲げる事項 イ 組合員の数及びその増減 ロ 組合員の出資口数及びその増減 三 役員(直前の通常総会の日の翌日以降に在任していた者であって、当該事業年度の末日までに退任した者を含む。以下この条において同じ。)に関する次に掲げる事項 イ 役員の氏名 ロ 役員の当該輸出組合又は当該輸入組合における職制上の地位及び担当 ハ 役員が他の法人等の代表者その他これに類する者であるときは、その重要な事実 ニ 役員と当該輸出組合又は当該輸入組合との間で補償契約(法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の五第一項に規定する補償契約をいう。以下同じ。)を締結しているときは、次に掲げる事項 (1) 当該役員の氏名 (2) 当該補償契約の内容の概要(当該補償契約によって当該役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあっては、その内容を含む。) ホ 当該輸出組合又は当該輸入組合が役員に対して補償契約に基づき法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の五第一項第一号に掲げる費用を補償した場合において、当該輸出組合又は当該輸入組合が、当該事業年度において、当該役員が同号の職務の執行に関し法令の規定に違反したこと又は責任を負うことを知ったときは、その旨 ヘ 当該輸出組合又は当該輸入組合が役員に対して補償契約に基づき法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の五第一項第二号に掲げる損失を補償したときは、その旨及び補償した金額 ト 当該事業年度中に辞任した役員があるときは、次に掲げる事項 (1) 当該役員の氏名 (2) 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百四十五条第一項の意見があったときは、その意見の内容 (3) 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百四十五条第二項の理由があるときは、その理由 三の二 当該輸出組合又は当該輸入組合が保険者との間で役員賠償責任保険契約(法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十八条の六第一項に規定する役員賠償責任保険契約をいう。以下同じ。)を締結しているときは、次に掲げる事項 イ 当該役員賠償責任保険契約の被保険者の範囲 ロ 当該役員賠償責任保険契約の内容の概要(被保険者が実質的に保険料を負担している場合にあってはその負担割合、塡補の対象とされる保険事故の概要及び当該役員賠償責任保険契約によって被保険者である役員(当該輸出組合又は当該輸入組合の役員に限る。)の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあってはその内容を含む。) 四 職員の数及びその増減その他の職員の状況 五 業務運営の組織に関する次に掲げる事項 イ 当該輸出組合又は当該輸入組合の内部組織の構成を示す組織図(事業年度の末日後に変更があった場合には、当該変更事項を反映させたもの。) ロ 当該輸出組合又は当該輸入組合と緊密な協力関係にある組合員が構成する組織がある場合には、その主要なものの概要 六 主たる事務所、従たる事務所及び輸出組合又は輸入組合が所有する施設の種類ごとの主要な施設の名称及び所在地 七 子会社の状況に関する次に掲げる事項 イ 子会社の区分ごとの重要な子会社の商号又は名称、代表者名及び所在地 ロ イに掲げるものの資本金の額、当該輸出組合又は当該輸入組合の保有する議決権の比率及び主要な事業内容その他の子会社の概況 八 前各号に掲げるもののほか、当該輸出組合又は当該輸入組合の運営組織の状況に関する重要な事項 第八節 決算関係書類及び事業報告書の監査 第一款 通則 第四十条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第五項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定による監査については、この節の定めるところによる。 2 前項に規定する監査には、決算関係書類及び事業報告書に表示された情報と決算関係書類及び事業報告書に表示すべき情報との合致の程度を確かめ、かつ、その結果を利害関係者に伝達するための手続を含むものとする。 第二款 輸出組合又は輸入組合における監査 (監事の決算関係書類に係る監査報告の内容) 第四十一条 監事は、決算関係書類を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする監査報告を作成しなければならない。 一 監事の監査の方法及びその内容 二 決算関係書類(剰余金処分案又は損失処理案を除く。)が当該輸出組合又は当該輸入組合の財産及び損益の状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見 三 剰余金処分案又は損失処理案が法令又は定款に適合しているかどうかについての意見 四 剰余金処分案又は損失処理案が当該輸出組合又は当該輸入組合の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるときは、その旨 五 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由 六 追記情報 七 監査報告を作成した日 2 前項第六号に規定する追記情報とは、次に掲げる事項その他の事項のうち、監事の判断に関して説明を付す必要がある事項又は決算関係書類の内容のうち強調する必要がある事項とする。 一 正当な理由による会計方針の変更 二 重要な偶発事象 三 重要な後発事象 (監事の事業報告書に係る監査報告の内容) 第四十二条 監事は、事業報告書を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする監査報告を作成しなければならない。 一 監事の監査の方法及びその内容 二 事業報告書が法令又は定款に従い当該輸出組合又は当該輸入組合の状況を正しく示しているかどうかについての意見 三 当該輸出組合又は当該輸入組合の理事の職務の遂行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったときは、その事実 四 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由 五 監査報告を作成した日 2 前項の規定にかかわらず、監査権限限定輸出組合(法第十九条第一項において準用する協同組合法第二十七条第八項に規定する輸出組合をいう。)又は監査権限限定輸入組合(法第十九条の六において準用する法第十九条第一項において準用する協同組合法第二十七条第八項に規定する輸入組合をいう。)の監事は、前項各号に掲げる事項に代えて、事業報告書を監査する権限がないことを明らかにした監査報告を作成しなければならない。 (監事の監査報告の通知期限等) 第四十三条 特定監事は、次に掲げる日のいずれか遅い日までに、特定理事に対し、第四十一条第一項及び前条第一項に規定する監査報告の内容を通知しなければならない。 一 決算関係書類及び事業報告書の全部を受領した日から四週間を経過した日 二 特定理事及び特定監事の間で合意により定めた日があるときは、その日 2 決算関係書類及び事業報告書については、特定理事が前項の規定による監査報告の内容の通知を受けた日に、監事の監査を受けたものとする。 3 前項の規定にかかわらず、特定監事が第一項の規定により通知をすべき日までに同項の規定による監査報告の内容の通知をしない場合には、当該通知をすべき日に、決算関係書類及び事業報告書については、監事の監査を受けたものとみなす。 4 第一項及び第二項に規定する特定理事とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。 一 第一項の規定による通知を受ける者を定めた場合 当該通知を受ける者として定められた者 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査を受けるべき決算関係書類及び事業報告書の作成に関する業務を行った理事 5 第一項及び第三項に規定する特定監事とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。 一 第一項の規定による通知をすべき監事を定めた場合 当該通知をすべき者として定められた者 二 前号に掲げる場合以外の場合 すべての監事 第九節 決算関係書類及び事業報告書の組合員への提供 (決算関係書類の組合員への提供) 第四十四条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第七項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定により組合員に対して行う提供決算関係書類(次の各号に定めるものをいう。以下同じ。)の提供に関しては、この条の定めるところによる。 一 決算関係書類 二 決算関係書類に係る監事の監査報告があるときは、当該監査報告(二以上の監事が存する輸出組合又は輸入組合の各監事の監査報告の内容(監査報告を作成した日を除く。)が同一である場合にあっては、一又は二以上の監事の監査報告) 三 第四十三条第三項の規定により監査を受けたものとみなされたときは、その旨の記載又は記録をした書面又は電磁的記録 2 通常総会の招集通知(法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十九条第一項に規定する招集に係る通知をいう。以下同じ。)を次の各号に掲げる方法により行う場合にあっては、提供決算関係書類は、当該各号に定める方法により提供しなければならない。 一 書面の提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 提供決算関係書類が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項を記載した書面の提供 ロ 提供決算関係書類が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の提供 二 電磁的方法による提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 提供決算関係書類が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項の電磁的方法による提供 ロ 提供決算関係書類が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項の電磁的方法による提供 3 提供決算関係書類を提供する際には、当該事業年度より前の事業年度に係る決算関係書類に表示すべき事項(以下「過年度事項」という。)を併せて提供することができる。 この場合において、提供決算関係書類の提供をする時における過年度事項が会計方針の変更その他の正当な理由により当該事業年度より前の事業年度に係る通常総会において承認又は報告をしたものと異なるものとなっているときは、修正後の過年度事項を提供することを妨げない。 4 理事は、決算関係書類の内容とすべき事項について、通常総会の招集通知を発出した日から通常総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合における修正後の事項を組合員に周知させる方法を、当該招集通知と併せて通知することができる。 (事業報告書の組合員への提供) 第四十五条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十条第七項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定により組合員に対して行う提供事業報告書(次の各号に定めるものをいう。以下同じ。)の提供に関しては、この条の定めるところによる。 一 事業報告書 二 事業報告書に係る監事の監査報告があるときは、当該監査報告(二以上の監事が存する輸出組合又は輸入組合の各監事の監査報告の内容(監査報告を作成した日を除く。)が同一である場合にあっては、一又は二以上の監事の監査報告) 三 第四十三条第三項の規定により監査を受けたものとみなされたときは、その旨の記載又は記録をした書面又は電磁的記録 2 通常総会の招集通知を次の各号に掲げる方法により行う場合には、提供事業報告書は、当該各号に定める方法により提供しなければならない。 一 書面の提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 提供事業報告書が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項を記載した書面の提供 ロ 提供事業報告書が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の提供 二 電磁的方法による提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 提供事業報告書が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項の電磁的方法による提供 ロ 提供事業報告書が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項の電磁的方法による提供 3 事業報告書に表示すべき事項(次に掲げるものを除く。)に係る情報を、通常総会に係る招集通知を発出する時から通常総会の日から三月が経過する日までの間、継続して電磁的方法により組合員が提供を受けることができる状態に置く措置(第八条第一項第一号ロに掲げる方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置を使用する方法によって行われるものに限る。)をとる場合における前項の規定の適用については、当該事項につき同項各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により組合員に対して提供したものとみなす。 ただし、この項の措置をとる旨の定款の定めがある場合に限る。 一 第三十八条第一項第一号から第五号まで及び第三十九条第一号から第七号までに掲げる事項 二 事業報告に表示すべき事項(前号に掲げるものを除く。)につきこの項の措置をとることについて監事が異議を述べている場合における当該事項 4 前項の場合には、理事は、同項の措置をとるために使用する自動公衆送信装置のうち当該措置をとるための用に供する部分をインターネットにおいて識別するための文字、記号その他の符号又はこれらの結合であって、情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録することができるものを組合員に対して通知しなければならない。 5 第三項の規定により事業報告書に表示した事項の一部が組合員に対して第二項各号に定める方法により提供したものとみなされた場合において、監事が、現に組合員に対して提供される事業報告書が監査報告を作成するに際して監査をした事業報告書の一部であることを組合員に対して通知すべき旨を理事に請求したときは、理事は、その旨を組合員に対して通知しなければならない。 6 理事は、事業報告書の内容とすべき事項について、通常総会の招集通知を発出した日から通常総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合における修正後の事項を組合員に周知させる方法を、当該招集通知と併せて通知することができる。 第十節 会計帳簿 第一款 総則 第四十六条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十一条第一項の規定により輸出組合又は輸入組合が作成すべき会計帳簿に付すべき資産、負債及び純資産又は正味財産の価額その他会計帳簿の作成に関する事項については、この節の定めるところによる。 2 会計帳簿は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 第二款 資産及び負債の評価 (資産の評価) 第四十七条 資産については、この省令又は法以外の法令に別段の定めがある場合を除き、会計帳簿にその取得価額を付さなければならない。 2 償却すべき資産については、事業年度の末日(事業年度の末日以外の日において評価すべき場合にあっては、その日。以下同じ。)において、相当の償却をしなければならない。 3 次の各号に掲げる資産については、事業年度の末日において当該各号に定める価格を付すべき場合には、当該各号に定める価格を付さなければならない。 一 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い資産(当該資産の時価がその時の取得原価まで回復すると認められるものを除く。) 事業年度の末日における時価 二 事業年度の末日において予測することができない減損が生じた資産又は減損損失を認識すべき資産 その時の取得原価から相当の減額をした額 4 取立不能のおそれのある債権については、事業年度の末日においてその時に取り立てることができないと見込まれる額を控除しなければならない。 5 債権については、その取得価額が債権金額と異なる場合その他相当の理由がある場合には、適正な価格を付すことができる。 6 次に掲げる資産については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。 一 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より低い資産 二 市場価格のある資産(子会社の株式及び持分並びに満期まで所有する意図をもって保有する債券(満期まで所有する意図をもって取得したものに限る。)を除く。) 三 前二号に掲げる資産のほか、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な資産 (負債の評価) 第四十八条 負債については、この省令又は法以外の法令に別段の定めがある場合を除き、会計帳簿に債務額を付さなければならない。 2 次に掲げる負債については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。 一 次に掲げるもののほか将来の費用又は損失(収益の控除を含む。以下同じ。)の発生に備えて、その合理的な見積額のうち当該事業年度の負担に属する金額を費用又は損失として繰り入れることにより計上すべき引当金 イ 退職給付引当金(使用人が退職した後に当該使用人に退職一時金、退職年金その他これらに類する財産の支給をする場合における事業年度の末日において繰り入れるべき引当金をいう。) ロ 返品調整引当金(常時、販売する棚卸資産につき、当該販売の際の価額による買戻しに係る特約を結んでいる場合における事業年度の末日において繰り入れるべき引当金をいう。) 二 前号に掲げる負債のほか、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な負債 第三款 純資産 (設立時の出資金の額) 第四十九条 輸出組合(非出資輸出組合を除く。以下この款において同じ。)又は輸入組合(非出資輸入組合を除く。以下この款において同じ。)の設立(合併による設立を除く。以下この条において同じ。)時の出資金の額は、設立時に組合員になろうとする者が設立に際して引き受ける出資口数に出資一口の金額を乗じて得た額とする。 2 前項の出資金の額から、設立時に組合員になろうとする者が設立に際して履行した出資により輸出組合又は輸入組合に対し既に払込み又は給付がされた財産の価額を控除した額は、未払込出資金の科目に計上するものとする。 (出資金の額) 第五十条 輸出組合又は輸入組合の出資金の増加額は、次の各号に掲げる場合ごとに、当該各号に定める額とする。 一 新たに組合員になろうとする者が法第十二条の二(法第十九条の六において準用する場合を含む。)の規定により輸出組合又は輸入組合への加入に際して出資を引き受けた場合 当該引受出資口数に出資一口の金額を乗じて得た額 二 組合員が出資口数を増加させるために出資を引き受けた場合 当該増加する出資口数に出資一口の金額を乗じて得た額 2 前項の出資金の増加額から、同項各号に掲げる者が履行した出資により輸出組合又は輸入組合に対し既に払込み又は給付がされた財産の価額を控除した額は、未払込出資金の科目に計上するものとする。 3 輸出組合又は輸入組合の出資金の減少額は、次の各号に掲げる場合ごとに、当該各号に定める額とする。 一 輸出組合又は輸入組合が法第十九条第一項において準用する協同組合法第十九条第一項第一号から第三号まで、又は法第十九条第二項において準用する協同組合法第十八条の規定により脱退する組合員に対して持分の払戻しをする場合 当該脱退する組合員の引受出資口数に出資一口の金額を乗じて得た額 二 法第十九条第二項において準用する協同組合法第二十三条第一項の規定により組合員が出資口数を減少させる場合 当該減少する出資口数に出資一口の金額を乗じて得た額 三 輸出組合又は輸入組合が法第十九条第二項において準用する協同組合法第五十六条第一項に規定する出資一口の金額の減少を決議した場合 出資一口の金額の減少額に総出資口数を乗じて得た額 第十一節 総会の招集手続等 (総会の招集に係る情報通信の技術を利用する方法) 第五十一条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十七条第四項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)の経済産業省令で定める方法は、第八条第一項第二号に掲げる方法とする。 (総会又は総代会の招集の承認の申請) 第五十二条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十八条(法第十九条第一項において準用する協同組合法第四十二条第八項(法第十九条第一項において準用する協同組合法第五十五条第六項において準用する場合を含む。)及び同法第五十五条第六項において準用する場合を含む。)の規定により総会又は総代会の招集の承認を受けようとする者は、様式第十一による申請書に、総会の招集にあっては組合員の、総代会の招集にあっては総代の総数の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の同意を得たことを証する書面(役員改選の請求に係る場合は、その総数の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の連署があったことを証する書面)を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 (定款の変更の認可の申請) 第五十三条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第五十一条第二項の規定により定款の変更の認可を受けようとする者は、様式第十二による申請書に、次に掲げる書類を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 一 変更しようとする箇所を記載した書面 二 変更の理由を記載した書面 三 変更を議決した総会又は総代会の議事録の謄本 四 出資輸出組合又は出資輸入組合への移行に係るものにあっては、組合員の引き受けようとする出資口数を記載した書面 五 非出資輸出組合若しくは非出資輸入組合への移行又は出資輸出組合若しくは出資輸入組合の出資一口の金額の減少に係るものにあっては、法第十七条第二項(法第十九条の六において準用する場合を含む。)又は法第十九条第二項において準用する協同組合法第五十六条第一項の規定により作成した財産目録及び貸借対照表並びに同法第五十六条の二第二項の規定による公告及び催告(法第十九条第二項において準用する協同組合法第五十六条の二第三項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によってした出資輸出組合又は出資輸入組合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があったときは同法第五十六条の二第五項の規定による弁済、担保の提供又は財産の信託をしたことを証する書面 (規約等の変更の総会の決議を要しない事項) 第五十四条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第五十一条第四項の経済産業省令で定める事項は、関係法令の改正(条項の移動等当該法令に規定する内容の実質的な変更を伴わないものに限る。)に伴う規定の整理に関する事項とする。 (役員の説明義務) 第五十五条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第五十三条の二(法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する場合を含む。)に規定する経済産業省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 組合員が説明を求めた事項について説明をするために調査をすることが必要である場合(次に掲げる場合を除く。) イ 当該組合員が総会の日より相当の期間前に当該事項を輸出組合又は輸入組合に対して通知した場合 ロ 当該事項について説明をするために必要な調査が著しく容易である場合 二 組合員が説明を求めた事項について説明をすることにより輸出組合又は輸入組合その他の者(当該組合員を除く。)の権利を侵害することとなる場合 三 組合員が当該総会において実質的に同一の事項について繰り返して説明を求める場合 四 前三号に掲げる場合のほか、組合員が説明を求めた事項について説明をしないことにつき正当な理由がある場合 (総会の議事録) 第五十六条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第五十三条の四第一項の規定による総会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 総会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 総会が開催された日時及び場所(当該総会の場所を定めた場合に限り、当該場所に存しない役員又は組合員が当該総会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。)又は方法(当該総会の場所を定めなかった場合に限る。) 二 総会の議事の経過の要領及びその結果 三 次に掲げる規定により総会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要 イ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百四十五条第一項 ロ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百四十五条第二項 ハ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百八十四条 ニ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第三項において準用する会社法第三百八十七条第三項 ホ 法第十九条第一項において準用する協同組合法第三十六条の三第五項において準用する会社法第三百八十九条第三項 四 総会に出席した役員の氏名 五 総会の議長の氏名 六 議事録の作成に係る職務を行った理事の氏名 第十二節 余裕金運用の制限 第五十七条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第五十七条の五第二号の経済産業省令で定める有価証券は、次のとおりとする。 一 特別の法律により法人の発行する債券及び金融債 二 償還及び利払の遅延のない物上担保付又は一般担保付の社債 三 日本銀行が発行する出資証券 四 株式会社商工組合中央金庫が発行する株式 五 証券投資信託又は貸付信託の受益証券 第十三節 解散及び清算並びに合併 (合併の認可の申請) 第五十八条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十六条第一項の規定により合併の認可を受けようとする者は、様式第十三による申請書に、次に掲げる書類を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 一 合併後の輸出組合又は輸入組合の定款 二 合併後の輸出組合又は輸入組合の事業計画書 三 合併の理由及び経過を記載した書面 四 合併を議決した各輸出組合又は各輸入組合の総会の議事録の謄本 五 合併によって輸出組合又は輸入組合を設立する場合の申請にあっては、合併後の輸出組合又は輸入組合の役員たるべき者の氏名、住所及び略歴を記載した書面 六 出資輸出組合又は出資輸入組合が合併する場合の申請にあっては、合併する出資輸出組合又は出資輸入組合が作成した最終事業年度末日における財産目録及び貸借対照表(最終事業年度がない場合にあっては、合併の当事者たる輸出組合又は輸入組合の成立の日における貸借対照表)並びに法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の四第五項、同法第六十三条の五第七項及び同法第六十三条の六第五項において準用する同法第五十六条の二第二項の規定による公告及び催告(法第十九条第二項において準用する協同組合法第五十六条の二第三項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によってした出資輸出組合又は出資輸入組合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があったときは同法第五十六条の二第五項の規定による弁済、担保の提供又は財産の信託をしたことを証する書面 (吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合の事前開示事項) 第五十九条 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の四第一項に規定する吸収合併契約の内容その他経済産業省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十三条の二第四号に掲げる事項についての定め(当該定めがない場合にあっては、当該定めがないこと)の相当性に関する事項 二 吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合の組合員に対して交付する金銭等の全部又は一部が吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合の持分であるときは、当該吸収合併存続輸出組合又は当該吸収合併存続輸入組合の定款の定め 三 吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合の組合員に対して交付する金銭等の全部又は一部が吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合以外の法人等(法人その他の団体をいう。以下同じ。)の株式、持分、社債等その他これらに準ずるものである場合(当該吸収合併契約につき吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合の総組合員の同意を得た場合を除く。)において、次のイからハまでに掲げるときは、当該イからハまでに定める事項(当該事項が日本語以外の言語で表示されている場合にあっては、当該事項(氏名又は名称に係る事項を除く。)に相当する事項を日本語で表示した事項) イ 当該金銭等が当該法人等の株式、持分その他これらに準ずるものである場合 当該法人等の定款その他これに相当するもの ロ 当該法人等がその貸借対照表その他これに相当するものの内容を法令の規定に基づき公告(会社法第四百四十条第三項の措置に相当するものを含む。)をしているもの又は金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しているものでない場合 当該法人等の過去五年間の貸借対照表その他これに相当するもの(設立後五年を経過していない法人等にあっては、成立後の各事業年度に係るもの)の内容 ハ 当該法人等について登記(当該法人等が外国の法令に準拠して設立されたものであるときは、会社法第九百三十三条第一項の外国会社の登記又は外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律(明治三十一年法律第十四号)第二条の外国法人の登記に限る。)がされていない場合 次に掲げる事項 (1) 当該法人等を代表する者の氏名又は名称及び住所 (2) 当該法人等の取締役、会計参与、監査役その他の役員の氏名又は名称 四 吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び監査報告(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の輸出組合又は輸入組合の財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の四第一項各号に掲げる日のいずれか早い日(「吸収合併契約等備置開始日」という。以下この条において同じ。)後吸収合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 五 吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合(法第十八条各号(法第十九条の六において準用する場合を含む。)及び法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十二条第一項第一号から第四号までの事由による解散により清算をする輸出組合又は輸入組合並びに同法第六十九条において準用する会社法第四百七十五条第二号の規定により清算をする輸出組合又は輸入組合(以下それぞれ「清算輸出組合」又は「清算輸入組合」という。)を除く。)において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の輸出組合又は輸入組合の財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後吸収合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 六 吸収合併が効力を生ずる日以後における吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合の債務(法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の五第七項において準用する同法第五十六条の二第一項の規定により吸収合併について異議を述べることができる債権者に対して負担する債務に限る。)の履行の見込みに関する事項 七 吸収合併契約等備置開始日後、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 第六十条 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の四第二項第四号に規定する経済産業省令で定めるものは、吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合の定めたものとする。 (吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合の事前開示事項) 第六十一条 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の五第一項に規定する吸収合併契約の内容その他経済産業省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十三条の二第四号に掲げる事項についての定め(当該定めがない場合にあっては、当該定めがないこと)の相当性に関する事項 二 吸収合併消滅輸出組合(清算輸出組合を除く。)又は吸収合併消滅輸入組合(清算輸入組合を除く。)についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び監査報告(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の輸出組合又は輸入組合の財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の五第一項各号に掲げる日のいずれか早い日(「吸収合併契約等備置開始日」という。以下この条において同じ。)後吸収合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 三 吸収合併消滅輸出組合(清算輸出組合に限る。)又は吸収合併消滅輸入組合(清算輸入組合に限る。)が法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する会社法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表 四 吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の輸出組合又は輸入組合の財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後吸収合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 五 吸収合併が効力を生ずる日以後における吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合の債務(法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の五第七項において準用する同法第五十六条の二第一項の規定により吸収合併について異議を述べることができる債権者に対して負担する債務に限る。)の履行の見込みに関する事項 六 吸収合併契約等備置開始日後吸収合併が効力を生ずる日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合の事後開示事項) 第六十二条 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の五第八項に規定する経済産業省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 吸収合併が効力を生じた日 二 吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合における次に掲げる事項 イ 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の四第四項の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の四第五項において準用する同法第五十六条の二の規定による手続の経過 三 吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合における次に掲げる事項 イ 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の五第六項の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の五第七項において準用する同法第五十六条の二の規定による手続の経過 四 吸収合併により吸収合併存続輸出組合又は吸収合併存続輸入組合が吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合から承継した重要な権利義務に関する事項 五 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の四第一項の規定により吸収合併消滅輸出組合又は吸収合併消滅輸入組合が備え置いた書面又は電磁的記録に記載又は記録がされた事項(吸収合併契約の内容を除く。) 六 前各号に掲げるもののほか、吸収合併に関する重要な事項 (新設合併消滅輸出組合又は新設合併消滅輸入組合の事前開示事項) 第六十三条 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の六第一項に規定する新設合併契約の内容その他経済産業省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十三条の三第四号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項 二 他の新設合併消滅輸出組合(清算輸出組合を除く。以下この号において同じ。)又は新設合併消滅輸入組合(清算輸入組合を除く。以下この号において同じ。)についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び監査報告(最終事業年度がない場合にあっては、他の新設合併消滅輸出組合又は新設合併消滅輸入組合の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 他の新設合併消滅輸出組合又は新設合併消滅輸入組合において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、他の新設合併消滅輸出組合又は新設合併消滅輸入組合の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の輸出組合又は輸入組合の財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の六第一項各号に掲げる日のいずれか早い日(「新設合併契約等備置開始日」という。以下この条において同じ。)後新設合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 三 他の新設合併消滅輸出組合(清算輸出組合に限る。)又は新設合併消滅輸入組合(清算輸入組合に限る。)が法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する会社法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表 四 当該新設合併消滅輸出組合(清算輸出組合を除く。以下この号において同じ。)又は当該新設合併消滅輸入組合(清算輸入組合を除く。以下この号において同じ。)において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、当該新設合併消滅輸出組合又は当該新設合併消滅輸入組合の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の輸出組合又は輸入組合の財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(新設合併契約等備置開始日後新設合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 五 新設合併が効力を生ずる日以後における新設合併設立輸出組合又は新設合併設立輸入組合の債務(他の新設合併消滅輸出組合又は新設合併消滅輸入組合から承継する債務を除く。)の履行の見込みに関する事項 六 新設合併契約等備置開始日後、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (新設合併設立輸出組合又は新設合併設立輸入組合の事後開示事項) 第六十四条 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十四条第六項に規定する経済産業省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 新設合併が効力を生じた日 二 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の六第四項の規定による請求に係る手続の経過 三 法第十九条第二項において準用する協同組合法第六十三条の六第五項において準用する同法第五十六条の二の規定による手続の経過 四 新設合併により新設合併設立輸出組合又は新設合併設立輸入組合が新設合併消滅輸出組合又は新設合併消滅輸入組合から承継した重要な権利義務に関する事項 五 前各号に掲げるもののほか、新設合併に関する重要な事項 (解散の届出) 第六十五条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十二条第二項の規定により解散の届出をしようとする者は、様式第十四による届書を経済産業大臣に提出しなければならない。 (清算開始時の財産目録) 第六十六条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する会社法第四百九十二条第一項の規定により作成すべき財産目録については、この条の定めるところによる。 2 前項の財産目録に計上すべき財産については、その処分価格を付すことが困難な場合を除き、法第十八条各号(法第十九条の六において準用する場合を含む。)、法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十二条第一項各号及び同法第六十九条において準用する会社法第四百七十五条第二号に掲げる場合に該当することとなった日における処分価格を付さなければならない。 この場合において、清算輸出組合又は清算輸入組合の会計帳簿については、財産目録に付された価格を取得価額とみなす。 3 第一項の財産目録は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。 一 資産 二 負債 三 正味資産又は正味財産 4 資産の部又は負債の部の各項目は、当該項目に係る資産又は負債を示す適当な名称を付した項目に細分することができる。 (清算開始時の貸借対照表) 第六十七条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する会社法第四百九十二条第一項の規定により作成すべき貸借対照表については、この条の定めるところによる。 2 前項の貸借対照表は、財産目録に基づき作成しなければならない。 3 第一項の貸借対照表は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。 一 資産 二 負債 三 純資産又は正味財産 4 資産の部又は負債の部の各項目は、当該項目に係る資産又は負債を示す適当な名称を付した項目に細分することができる。 (各清算事業年度に係る事務報告書) 第六十八条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する同法第四十条第二項の規定により、清算輸出組合又は清算輸入組合が作成すべき事務報告書は、清算に関する事務の執行の状況に係る重要な事項をその内容としなければならない。 (決算報告) 第六十九条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第六十九条において準用する会社法第五百七条第一項の規定により作成すべき決算報告は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 この場合において、第一号及び第二号に掲げる事項については、適切な項目に細分することができる。 一 債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額 二 債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額 三 残余財産の額(支払税額がある場合には、その税額及び当該税額を控除した後の財産の額) 四 出資一口当たりの分配額 2 前項第四号に掲げる事項については、次に掲げる事項を注記しなければならない。 一 残余財産の分配を完了した日 二 残余財産の全部又は一部が金銭以外の財産である場合には、当該財産の種類及び価額 第十四節 不服の申出及び検査の請求 (不服の申出) 第七十条 法第十九条第一項において準用する協同組合法第百四条第一項の規定により不服の申出をしようとする者は、様式第十五による申出書に、不服の申出をする理由を記載した書面及び組合員であることを証する書面を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 (検査の請求) 第七十一条 法第十九条第一項又は法第二十八条の二第四項において準用する協同組合法第百五条第一項の規定により検査の請求をしようとする者は、様式第十六による請求書に、検査の請求をする理由を記載した書面及び総組合員又は負担金を納付した総輸出業者の十分の一以上の同意を得たことを証する書面を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 第三章 負担金の徴収等 (負担金の額及び徴収の方法についての認可の申請) 第七十二条 法第二十八条の二第二項前段の規定により負担金の額及び徴収の方法についての認可を受けようとする者は、様式第十七による申請書に、次に掲げる書類を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 一 徴収しようとする負担金の額及び徴収の方法を記載した書面 二 負担金を徴収する理由を記載した書面 三 負担金に係る事務の処理に関する計画書及び収支予算書 四 負担金の額及び徴収の方法について議決した総会又は総代会の議事録の謄本 2 法第二十八条の二第二項後段の規定により負担金の額又は徴収の方法の変更の認可を受けようとする者は、様式第十八による申請書に、次に掲げる書類を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 一 負担金の額又は徴収の方法の変更の内容を記載した書面 二 変更の理由を記載した書面 三 変更後の事務の処理に関する計画書及び収支予算書 四 変更について議決した総会又は総代会の議事録の謄本 (公告) 第七十三条 輸出入取引法施行令(昭和三十年政令第二百四十四号。以下「令」という。)第七条第一項又は第二項の規定による負担金の額及び徴収の方法又は財産目録、貸借対照表及び損益計算書の公告は、官報(公告を官報のほか法第十五条第三項の規定による定款の定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によってした輸出組合にあっては、これらの方法による公告)、経済産業公報及び通商弘報に掲載することによって行わなければならない。 (負担金等に係る書類の備付けの期間) 第七十四条 令第七条第三項の規定により書類等を備え、閲覧に供しなければならない期間は、負担金等に係る経理に関する収支予算書及び当該事務の処理に関する計画書にあっては同条第一項、同条第二項に規定する書類及び当該事務の処理に関する報告書にあっては同項の規定による公告の日から一年とする。 (負担金等の残余の額の処分の方法の承認の申請) 第七十五条 令第九条第二項の規定により処分の方法について承認を受けようとする者は、様式第十九による申請書に、次に掲げる書類を添え、経済産業大臣に提出しなければならない。 一 残余の額及び処分の方法を記載した書面 二 負担金を納付した者の氏名又は名称及び住所、その納付した負担金の額及び納付の年月日並びに分配に要する経費の額及び分配に関するその他の事項を記載した書面 三 負担金等に係る特別の勘定の債務を弁済したことを証する書面 四 処分の方法について議決した総会又は総代会の議事録の謄本 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 420M60000400057_20210711_503M60000400059.xml | 平成二十年経済産業省令第五十七号 | 29 | 輸出貨物が輸出貿易管理令別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物(核兵器等に該当するものを除く。)の開発、製造又は使用のために用いられるおそれがある場合を定める省令
輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号)第四条第一項第三号ハに規定する輸出貨物が同令別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物(同令第四条第一項第一号イにおいて定める核兵器等に該当するものを除く。以下同じ。)の開発、製造又は使用(以下単に「開発等」という。)のために用いられるおそれがある場合は、当該貨物の輸出に関する契約書若しくは輸出者が入手した文書、図画若しくは電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下これらを総称して単に「文書等」という。)において、当該輸出貨物が同欄に掲げる貨物の開発等のために用いられることとなる旨記載され、若しくは記録されているとき、又は輸出者が、当該輸出貨物が同欄に掲げる貨物の開発等のために用いられることとなる旨輸入者若しくは需要者若しくはこれらの代理人(以下「輸入者等」という。)から連絡を受けたときとする。 ただし、次のいずれかに掲げる場合はこの限りでない。 一 当該輸出貨物を用いて開発等される別表に掲げる貨物が産業、娯楽、スポーツ、狩猟又は救命の用に供される旨が文書等に記載され又は記録されている場合であり、かつ、輸出者が同表に掲げる貨物がこれらの用に供される旨輸入者等から連絡を受けている場合 二 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十四条の三に基づく在外邦人等の保護措置(同活動に付随して防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)第四条第一項第九号に基づき実施される事前の訓練を含む。)の用に供するために貨物の輸出を行う場合 三 自衛隊法第八十四条の四に基づく在外邦人等の輸送(同活動に付随して防衛省設置法第四条第一項第九号に基づき実施される事前の訓練を含む。)の用に供するために貨物の輸出を行う場合 四 自衛隊法第百条の五に基づく国賓等の輸送(同活動に付随して防衛省設置法第四条第一項第九号に基づき実施される事前の訓練を含む。)の用に供するために貨物の輸出を行う場合 五 自衛隊法第百条の六に基づく自衛隊がアメリカ合衆国軍隊に対して貨物の輸出を行う場合 六 自衛隊法第百条の八に基づく自衛隊がオーストラリア軍隊に対して貨物の輸出を行う場合 七 自衛隊法第百条の十に基づく自衛隊が英国軍隊に対して貨物の輸出を行う場合 八 自衛隊法第百条の十二に基づく自衛隊がフランス軍隊に対して貨物の輸出を行う場合 九 自衛隊法第百条の十四に基づく自衛隊がカナダ軍隊に対して貨物の輸出を行う場合 十 自衛隊法第百条の十六に基づく自衛隊がインド軍隊に対して貨物の輸出を行う場合 十一 国際緊急援助隊の派遣に関する法律(昭和六十二年法律第九十三号)に基づく国際緊急援助活動(同活動に付随して防衛省設置法第四条第一項第九号に基づき実施される事前の訓練を含む。)の用に供するために貨物の輸出を行う場合 十二 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)に基づく国際平和協力業務(同活動に付随して防衛省設置法第四条第一項第九号に基づき実施される事前の訓練を含む。)の用に供するために貨物の輸出を行う場合 十三 重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)に基づく後方支援活動及び捜索救助活動(同活動に付随して防衛省設置法第四条第一項第九号に基づき実施される事前の訓練を含む。)の用に供するために貨物の輸出を行う場合 十四 重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号)に基づく船舶検査活動並びにその実施に伴う後方支援活動及び協力支援活動の用に供するために貨物の輸出を行う場合 十五 武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律(平成十六年法律第百十三号)に基づく自衛隊による行動関連措置として貨物の輸出を行う場合 十六 武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律(平成十六年法律第百十六号)に基づく停船検査又は回航措置の用に供するために貨物の輸出を行う場合 十七 海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律(平成二十一年法律第五十五号)に基づく海上保安庁による海賊行為への対処及び自衛隊の部隊による海賊対処行動(当該海賊対処行動に付随して防衛省設置法第四条第一項第九号に基づき実施される事前の訓練を含む。)の用に供するために貨物の輸出を行う場合 十八 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律(平成二十七年法律第七十七号)に基づく協力支援活動及び捜索救助活動(同活動に付随して防衛省設置法第四条第一項第九号に基づき実施される事前の訓練を含む。)の用に供するために貨物の輸出を行う場合 十九 令和元年十二月二十七日の閣議決定「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について」に基づき自衛隊による情報収集活動及び不測の事態の発生など状況が変化する場合への対応の用に供するために貨物の輸出を行う場合 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 421M60000400060_20220501_504M60000400045.xml | 平成二十一年経済産業省令第六十号 | 29 | 輸出者等遵守基準を定める省令
第一条 外国為替及び外国貿易法(以下「法」という。)第五十五条の十第一項の輸出者等遵守基準は、次のとおりとする。 一 輸出者等(法第五十五条の十第一項の輸出者等をいう。次号及び第三条において同じ。)が遵守すべき基準 イ 法第二十五条第一項に規定する取引によって提供しようとする特定技術又は法第四十八条第一項の特定の地域を仕向地として輸出をしようとする同項の特定の種類の貨物が、特定重要貨物等に該当するかどうかの確認(以下この条において「該非確認」という。)についての責任者(以下この号及び次条において「該非確認責任者」という。)を選任すること。 ロ 輸出等(法第五十五条の十第一項の輸出等をいう。次号において同じ。)の業務(該非確認の業務を含む。次号において同じ。)に従事する者(該非確認責任者を含む。次号において「輸出等業務従事者」という。)に対し、最新の法及び法に基づく命令の周知その他関係法令の規定を遵守するために必要な指導を行うこと。 二 特定重要貨物等輸出者等(輸出者等のうち、特定重要貨物等の特定国における提供若しくは特定国の非居住者への提供を目的とする取引又は法第四十八条第一項の特定の地域を仕向地とする輸出を業として行う者をいう。以下同じ。)が遵守すべき基準 イ 当該特定重要貨物等輸出者等を代表する者の中から特定重要貨物等輸出者等の行う輸出等の業務を統括管理する責任者(以下この号及び次条において「統括責任者」という。)を選任すること。 ロ 当該特定重要貨物等輸出者等の組織内の輸出等の業務を行う部門の権限及び責任並びに複数の部門において輸出等の業務を行う場合にあっては当該部門間の関係を定めること。 ハ 該非確認に係る手続を定めること。 ニ 取引によって提供し、又は輸出をしようとする特定重要貨物等の用途(当該取引の相手方が提供を受け、又は当該特定重要貨物等の輸入者が輸入した当該特定重要貨物等を別の者に提供することをその用途とする場合には、当該別の者の用途を含む。以下同じ。)及び需要者等(技術取引の相手方若しくは技術を利用する者若しくは貨物の輸入者若しくは需要者又はこれらの代理人をいう。以下同じ。)を確認する手続を定め、当該手続に従って用途及び需要者等の確認を行うこと。 また、特定重要貨物等の用途及び技術を利用する者又は貨物の需要者の確認の適正な実施に当たり必要となる情報を、技術を利用する者又は貨物の需要者以外の者から入手する場合には、当該情報の信頼性を高めるための手続を定め、当該手続に従って用途及び技術を利用する者又は貨物の需要者の確認を行うこと。 ホ 特定重要貨物等の輸出等を行おうとする際に、当該特定重要貨物等の輸出等の業務に関する文書、図画若しくは電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下リにおいて同じ。)に記載され、又は記録された当該特定重要貨物等を特定する事項と輸出等を行おうとする当該特定重要貨物等が同一であることの確認を行うこと。 ヘ 輸出等の業務の適正な実施についての監査の体制及び定期的な監査の実施に係る手続を定め、当該手続に従って監査を定期的に実施するよう努めること。 ト 統括責任者及び輸出等業務従事者に対し、輸出等の業務の適正な実施のために必要な知識及び技能を習得させるための研修を行うよう努めること。 チ 子会社が輸出者等の特定重要貨物等の輸出等の業務に関わる場合には、当該業務を適正に実施させるため、当該子会社に対する指導及び研修並びに当該子会社の業務体制及び業務内容の確認(以下「指導等」という。)を行う体制及び手続を定め、当該手続に従って定期的に当該指導等を行うよう努めること。 リ 特定重要貨物等の輸出等の業務に関する文書、図画若しくは電磁的記録を適切な期間保存するよう努めること。 ヌ 関係法令に違反したとき、又は違反したおそれがあるときは、速やかに経済産業大臣に報告し、その再発防止のために必要な措置を講ずること。 第二条 特定重要貨物等輸出者等は、同一の者を該非確認責任者及び統括責任者に選任することができる。 第三条 輸出者等が個人である場合にあっては、第一条第一号ロ中「輸出等(法第五十五条の十第一項の輸出等をいう。次号において同じ。)の業務(該非確認の業務を含む。次号において同じ。)に従事する者(該非確認責任者を含む。次号において「輸出等業務従事者」という。)に対し、最新の法及び法に基づく命令の周知その他関係法令の規定を遵守するために必要な指導を行う」とあるのは「最新の法及び法に基づく命令その他関係法令の規定を遵守するために必要な情報を収集する」と、同条第二号ニ中「を確認する手続を定め、当該手続に従って用途及び需要者等の確認」とあるのは「の確認」と、「高めるための手続を定め、当該手続に従って」とあるのは「高めるための情報を入手し、」と読み替えるものとし、第一条第一号イ、第二号イからハまで及びヘからチまでの規定は、適用しない。 第四条 外国為替令(昭和五十五年政令第二百六十号)第十七条第五項の経済産業大臣が指定した取引又は輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号)第四条第一項に掲げる場合に該当する輸出のみを業として行う者にあっては、取引又は輸出を行うに当たっては、第一条第二号イからリまでの規定は、適用しない。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 421M60000400061_20161001_000000000000000.xml | 平成二十一年経済産業省令第六十一号 | 29 | 特定重要貨物等を定める省令
外国為替及び外国貿易法第五十五条の十第三項の特定重要貨物等は、外国為替令(昭和五十五年政令第二百六十号)別表の一から一五までの項の中欄に掲げる技術及び輸出貿易管理令(昭和二十四年政令第三百七十八号)別表第一の一から一五までの項の中欄に掲げる貨物とする。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 429M60000040031_20220401_502M60000040056.xml | 平成二十九年財務省令第三十一号 | 29 | 貿易保険法に規定する法人税に係る課税の特例に関する省令
1 貿易保険法(以下「法」という。)第三十七条第一項に規定する財務省令で定める金額は、当該事業年度(法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第十三条及び第十四条に規定する事業年度をいう。)終了の時において貿易保険法施行規則(平成十三年経済産業省令第百五号)第十条第一項の規定により積み立てる責任準備金の金額のうち、同項第二号に定める金額とする。 2 法第三十七条第五項に規定する財務省令で定める金銭債権は、株式会社日本貿易保険の会計に関する省令(平成二十九年経済産業省令第二十七号)第二条第二項に規定する非常事故代位債権とする。 | 外国為替・貿易 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 429M60000400027_20220701_504M60000400057.xml | 平成二十九年経済産業省令第二十七号 | 29 | 株式会社日本貿易保険の会計に関する省令
(目的) 第一条 この省令は、貿易保険法(以下「法」という。)の規定により委任された株式会社日本貿易保険(以下「会社」という。)の会計に関する事項その他の事項について、必要な事項を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 この省令において、「外国政府等」、「信用状発行者」、「保険金等」、「銀行等」、「入札者等」又は「保証対象債務」とは、それぞれ法第二条第五項若しくは第十九項、第二十三条、第五十七条第一項又は第六十二条第二項に規定する外国政府等、信用状発行者、保険金等、銀行等、入札者等又は保証対象債務をいう。 2 この省令において、「非常事故代位債権」とは、次に掲げる場合における保険金の支払に関して会社が法第四十二条の規定により取得した権利のうち金銭債権であって、債務繰延協定(当該債権に係る決済期限又は償還期限を延長することに関する国際約束をいう。)が締結されたもの(外国政府等に対するものに限る。)をいう。 一 普通貿易保険、出資外国法人等貿易保険、貿易代金貸付保険、輸出保証保険、前払購入保険、海外投資保険、海外事業資金貸付保険、スワップ取引保険又は信用状確認保険について法第四十四条第二項第一号の損失(同号イからヘまでのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、同項第二号の損失(同号イからハまでのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、同項第三号の損失(輸出者が同項第一号の損失(同号イからヘまでのいずれかに該当する事由により受ける損失に限る。)又は同項第二号の損失(同号イからハまでのいずれかに該当する事由により受ける損失に限る。)を受けたことによって受けた損失に限る。)、同項第四号の損失、法第四十八条第二項第一号の損失(同号イからヘまでのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、同項第二号の損失(同号イからハまでのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、同項第三号の損失、法第五十一条第二項の損失(同項第一号から第三号までのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、法第六十二条第二項の損失(同項第二号に該当する場合(主たる債務者たる入札者等が保証対象債務をその本旨に従って履行せず、又は履行することができなかった場合において、それが法第四十四条第二項第一号トからリまでに掲げる事由のうち、当該入札者等が債務不履行の責任を負わないものとして当事者が定めたものによるものであるときに限る。)において、保険契約の締結後に当該輸出保証の相手方から保証債務の履行の請求を受け、保証の条件に従いこれを履行したことにより受けた損失を除く。)、法第六十六条第二項の損失(同項第一号から第三号までのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、法第六十九条第二項の損失(同項第一号から第四号までのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、法第七十一条第二項の損失(同項第一号から第三号までのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、法第七十四条第二項の損失(同項第一号から第三号までのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)又は法第七十六条第二項の損失(信用状発行者の責めに帰すべき事由がない場合の損失に限る。)が生じた場合 二 輸出手形保険について銀行等が荷為替手形の満期において支払を受けることができなかった場合又は荷為替手形につき遡求を受けて支払った場合(荷為替手形の振出人の責めに帰すべき事由がない場合に限る。) 3 この省令において、「信用事故代位債権」とは、次に掲げる場合における保険金の支払に関して会社が法第四十二条の規定により取得した権利のうち金銭債権であって、外国政府等以外の者に対するものをいう。 一 前項第一号に掲げる貿易保険について法第四十四条第二項第一号の損失(同号チからヌまでのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、同項第二号の損失(同号ニ又はホのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、同項第三号の損失(輸出者が同項第一号の損失(同号チからヌまでのいずれかに該当する事由により受ける損失に限る。)又は同項第二号の損失(同号ニ又はホのいずれかに該当する事由により受ける損失に限る。)を受けたことによって受けた損失に限る。)、法第四十八条第二項第一号の損失(同号トからリまでのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、同項第二号の損失(同号ニ又はホのいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、法第五十一条第二項の損失(同項第四号又は第五号のいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、法第六十二条第二項の損失(同項第一号に該当する場合又は同項第二号に該当する場合(主たる債務者たる入札者等が保証対象債務をその本旨に従って履行せず、又は履行することができなかった場合において、それが法第四十四条第二項第一号チ又はリに掲げる事由のうち、当該入札者等が債務不履行の責任を負わないものとして当事者が定めたものによるものであるときに限る。)において、保険契約の締結後に当該輸出保証の相手方から保証債務の履行の請求を受け、保証の条件に従いこれを履行したことにより受けた損失に限る。)、法第六十六条第二項の損失(同項第四号又は第五号のいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、法第六十九条第二項の損失(同項第五号に該当する事由により受けた損失に限る。)、法第七十一条第二項の損失(同項第四号又は第五号のいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)、法第七十四条第二項の損失(同項第四号又は第五号のいずれかに該当する事由により受けた損失に限る。)又は法第七十六条第二項の損失(信用状発行者の責めに帰すべき事由がない場合の損失を除く。)が生じた場合 二 輸出手形保険について銀行等が荷為替手形の満期において支払を受けることができなかった場合又は荷為替手形につき遡求を受けて支払った場合(荷為替手形の振出人の責めに帰すべき事由がない場合を除く。) 4 この省令において、「非常事故代位見込債権」とは、貿易保険法施行規則(平成十三年経済産業省令第百五号)第十二条第一項各号に掲げる保険金等の支払(第二項第一号又は第二号に掲げる場合におけるものに限る。)に関して会社が法第四十二条の規定により取得することが見込まれる権利のうち金銭債権であって、外国政府等に対するものをいう。 5 この省令において、「譲受債権」とは、会社が保険契約者又は被保険者から譲り受けた外国政府等に対する金銭債権(貿易保険の保険契約に関するものに限る。)をいう。 (遵守義務) 第三条 会社は、この省令の定めるところにより、その会計を整理しなければならない。 ただし、特別の理由がある場合には、経済産業大臣の承認を受けて、この省令の定めるところと異なる整理をすることができる。 (会計原則) 第四条 会社は、次に掲げる基準に従ってその会計を処理しなければならない。 一 経営成績及び財政状態について、真実な内容を表示すること。 二 全ての取引について、正規の簿記の原則に従い、正確な会計帳簿を作成すること。 三 経営及び財政の状況を正確に判断することができるように必要な会計事実を明瞭に表示すること。 四 会計方針を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。 五 その他一般に公正妥当と認められる会計の原則に従うこと。 (財務諸表の様式) 第五条 会社は、別表第一の様式により貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表及びキャッシュ・フロー計算書を、別表第二の様式により連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結注記表及び連結キャッシュ・フロー計算書をそれぞれ作成しなければならない。 (保険代位債権等) 第六条 会社は、次に掲げる金銭債権を保険代位債権等として計上することができる。 一 法第四十二条の規定により取得した非常事故代位債権 二 非常事故代位見込債権 三 譲受債権 (信用事故代位債権の支払備金からの控除) 第七条 会社は、法第四十二条の規定により取得した信用事故代位債権については、事業年度末において、当該債権にかかる求償権の行使(裁判の判決又は当事者間の合意がないものを除く。)によって回収が見込まれる金額があるときは、当該事業年度の支払備金から当該金額を控除することができる。 | 外国為替・貿易 |
Reiwa | CabinetOrder | 504CO0000000179_20240401_506CO0000000159.xml | 令和四年政令第百七十九号 | 29 | 国際関係の緊急時に特定の国を原産地とする物品に課する関税に関する政令
関税暫定措置法第三条第一項(国際関係の緊急時に特定の国を原産地とする物品に課する関税率)に規定する政令で定める国は、次の表の上欄に掲げる国とし、同項に規定する政令で定める物品は、同表の中欄に掲げる物品とし、同項に規定する政令で定める期間は、同表の下欄に掲げる期間とする。 国名 物品 期間 ロシア 関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)別表に掲げる物品 令和四年四月二一日から令和七年三月三一日まで | 外国為替・貿易 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 504M60000400015_20240417_506M60000400034.xml | 令和四年経済産業省令第十五号 | 29 | 輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令
第一条 輸出貿易管理令(以下「輸出令」という。)別表第二の三第一号の二イに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当する物質及びこれらの物質を含む混合物(混合物にあっては、第一号から第六十号までに該当するいずれかの物質の含有量が全重量の九〇パーセントを超えるもの及び第六十一号から第百一号までに該当するいずれかの物質の含有量が全重量の九五パーセントを超えるものに限る。)とする。 一 アセチレン 二 アセトン 三 アンチモン 四 ベンズアルデヒド 五 ベンゾイン 六 塩素 七 ジシクロヘキシルアミン 八 エチレン 九 酸化エチレン 十 フルオロアパタイト 十一 硫化水素 十二 マンデル酸 十三 クロロメタン(別名塩化メチル) 十四 ヨウ化メチル 十五 メチルメルカプタン 十六 エチレングリコール(別名エタンジオール) 十七 シュウ酸ジクロリド(別名塩化オキサリル) 十八 硫化カリウム 十九 チオシアン酸カリウム 二十 塩化チオホスホリル 二十一 亜リン酸トリイソブチル 二十二 次亜塩素酸ナトリウム 二十三 三酸化硫黄 二十四 黄りん 二十五 赤りん 二十六 メタノール 二十七 エタノール 二十八 一―ブタノール 二十九 二―ブタノール 三十 イソブタノール 三十一 ターシャリーブタノール 三十二 シクロヘキサノール 三十三 水銀 三十四 塩化バリウム 三十五 硫酸 三十六 三・三―ジメチル―一―ブテン 三十七 ピバルアルデヒド 三十八 一―クロロ―二・二―ジメチルプロパン 三十九 二―メチルブテン 四十 二―クロロ―三―メチルブタン 四十一 ピナコール 四十二 二―メチル―二―ブテン 四十三 ブチルリチウム 四十四 メチルマグネシウムブロミド 四十五 ホルムアルデヒド 四十六 ジエタノールアミン 四十七 炭酸ジメチル 四十八 メチルジエタノールアミン塩酸塩 四十九 ジエチルアミン塩酸塩 五十 ジイソプロピルアミン塩酸塩 五十一 三―キヌクリジノン塩酸塩 五十二 三―キヌクリジノール塩酸塩 五十三 (R)―三―キヌクリジノール塩酸塩 五十四 N・N―ジエチルアミノエタノール塩酸塩 五十五 アンモニア 五十六 炭化カルシウム(別名カーバイド) 五十七 一酸化炭素 五十八 塩化水素 五十九 硫黄 六十 二酸化硫黄 六十一 三塩化アルミニウム 六十二 ジクロロメタン(別名二塩化メチレン) 六十三 N・N―ジメチルアニリン 六十四 臭化イソプロピル 六十五 イソプロピルエーテル 六十六 イソプロピルアミン 六十七 臭化カリウム 六十八 ピリジン 六十九 臭化ナトリウム 七十 金属ナトリウム 七十一 トリブチルアミン 七十二 トリエチルアミン 七十三 トリメチルアミン 七十四 ヒ素 七十五 三酸化二ヒ素 七十六 ビス(二―クロロエチル)エチルアミン塩酸塩 七十七 ビス(二―クロロエチル)メチルアミン塩酸塩 七十八 ベンジル 七十九 一―ブロモ―二―クロロエタン 八十 ジエチルエーテル 八十一 ジメチルエーテル 八十二 N・N―ジメチルアミノエタノール 八十三 一・二―ジクロロエタン(別名二塩化エチレン) 八十四 エチレングリコールモノメチルエーテル 八十五 ブロモエタン(別名臭化エチル) 八十六 クロロエタン(別名塩化エチル) 八十七 エチルアミン 八十八 ヘキサメチレンテトラミン 八十九 イソシアン酸メチル 九十 イソプロパノール 九十一 メチルアミン 九十二 ブロモメタン(別名臭化メチル) 九十三 ニトロメタン 九十四 ピクリン酸 九十五 二―メチルキノリン 九十六 亜リン酸トリブチル 九十七 トリス(二―クロロエチル)アミン塩酸塩 九十八 ジエチレントリアミン 九十九 ブチリルコリンエステラーゼ 百 三―ジメチルカルバモイルオキシ―一―メチルピリジニウムブロミド(別名臭化ピリドスチグミン) 百一 塩化オビドキシム 百二 N―(一―フェネチル―四―ピペリジル)プロピオンアニリド(別名フェンタニル)及びその塩類 百三 N―〔一―〔二―(四―エチル―五―オキソ―二―テトラゾリン―一―イル)エチル〕―四―(メトキシメチル)―四―ピペリジル〕プロピオンアニリド(別名アルフェンタニル)及びその塩類 百四 N―〔四―(メトキシメチル)―一―〔二―(二―チエニル)エチル〕―四―ピペリジル〕プロピオンアニリド(別名スフェンタニル)及びその塩類 百五 一―(二―メトキシカルボニルエチル)―四―(フェニルプロピオニルアミノ)ピペリジン―四―カルボン酸メチルエステル(別名レミフェンタニル)及びその塩類 百六 メチル=一―フェネチル―四―(N―フェニルプロパンアミド)ピペリジン―四―カルボキシラート及びその塩類 百七 四―アニリノ―一―フェネチルピペリジン 百八 一―フェネチルピペリジン―四―オン 第二条 輸出令別表第二の三第一号の二ロに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 反応器であって、容量が〇・一立方メートル超二〇立方メートル未満のもの 二 貯蔵容器であって、容量が〇・一立方メートルを超えるもの 三 熱交換器及び凝縮器であって、伝熱面積が〇・一五平方メートル超二〇平方メートル未満のもの 四 蒸留塔及び吸収塔であって、塔の内径が〇・一メートルを超えるもの 五 かくはん機であって、第一号に該当するものに用いるように設計されたもの 六 弁であって、呼び径が一〇A超であるもの 七 軸封をしたポンプ及びシールレスポンプであって、最高規定吐出し量が一時間につき〇・六立方メートルを超えるもの 八 真空ポンプであって、最高規定吐出し量が一時間につき一立方メートルを超えるもの並びにその部分品として設計されたケーシング、ケーシングライナー、インペラー、ローター及びジェットポンプノズルのうち、内容物と接触するすべての部分が次のいずれかに該当する材料で構成され、裏打ちされ、又は被覆されたもの イ ニッケル又はニッケルの含有量が全重量の四〇パーセントを超える合金 ロ ニッケルの含有量が全重量の二五パーセントを超え、かつ、クロムの含有量が全重量の二〇パーセントを超える合金 ハ ふっ素重合体 ニ ガラス ホ 黒鉛又はカーボングラファイト ヘ タンタル又はタンタル合金 ト チタン又はチタン合金 チ ジルコニウム又はジルコニウム合金 リ セラミック ヌ フェロシリコン ル ニオブ又はニオブ合金 九 床置き用のウォークイン型の囲い式局所排気装置であって、最小公称幅が二・五メートル以上のもの 十 化学物質の分析又は検知に用いられる装置並びにその部分品及び附属装置 十一 電解槽及びその部分品であって、次のいずれかに該当するもの イ クロルアルカリ電解槽(水銀電解槽、隔膜電解槽及びイオン交換膜電解槽を含む。以下同じ。) ロ チタン電極(他の金属酸化物でコーティングしたものを含む。)であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの ハ ニッケル電極(他の金属酸化物でコーティングしたものを含む。)であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの ニ チタン―ニッケルのバイポーラ電極(他の金属酸化物でコーティングしたものを含む。)であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの ホ アスベストの隔膜であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの ヘ ふっ素重合体を基材とした隔膜であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの ト ふっ素重合体を基材としたイオン交換膜であって、クロルアルカリ電解槽に使用するように特に設計したもの 十二 圧縮機であって、湿潤又は乾燥状態の塩素を圧縮するために特に設計したもの 第三条 輸出令別表第二の三第一号の二ハに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 物理的封じ込めに用いられる装置及びその部分品であって、次のいずれかに該当するもの イ クラス―Ⅱ安全キャビネット及びグローブボックス ロ 物理的封じ込めのレベルがP三又はP四である施設に使用される可能性のあるコンベンショナル方式又は乱流方式のクリーンルーム及び自己完結型ファン付きHEPAフィルターユニット 二 内容積が一〇リットル以上二〇リットル以下の発酵槽であって、生物系材料を扱うことができるもの 三 ローター容量が四リットル以上のバッチ式の遠心分離機であって、生物系材料を扱うことができるもの 四 物理的封じ込め施設において用いられる防護のための装置であって、ろ過及び給気式の全面型面体呼吸用防護具 五 核酸の合成又は核酸と核酸との結合を行うための装置であって、一部又は全体が自動化されたもののうち、五〇ベースを超える核酸を生成するように設計したもの 第四条 輸出令別表第二の三第二号(1)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ及びマイクロコントローラであって、次のいずれかに該当するもの イ 論理演算ユニットのアクセス幅のビット数が三二以上のものであって、浮動小数点演算処理を一秒間に五〇億以上実現できるもの ロ クロック周波数が二五メガヘルツを超えるもの ハ 並列プロセッサ用に設計したものであって、転送速度が二・五メガバイト毎秒を超える外部との相互接続のためのデータバス、命令バス又は直列通信ポートのいずれかを二以上有するもの 二 集積回路に用いられる記憶素子であって、次のいずれかに該当するもの イ プログラムを電気的に消去することができるプログラマブルロムであって、次のいずれかに該当するもの (一) フラッシュメモリーであって、パッケージ当たりの記憶容量が一六メガビットを超えるもの (二) (一)以外のプログラマブルロムであって、次のいずれかに該当するもの 1 パッケージ当たりの記憶容量が一メガビットを超えるもの 2 パッケージ当たりの記憶容量が二五六キロビットを超えるものであって、最大アクセス時間が八〇ナノ秒未満のもの ロ スタティック式のラムであって、次のいずれかに該当するもの (一) パッケージ当たりの記憶容量が一メガビットを超えるもの (二) パッケージ当たりの記憶容量が二五六キロビットを超えるものであって、最大アクセス時間が二五ナノ秒未満のもの 三 アナログデジタル変換器及びアナログデジタル変換用の集積回路であって、次のいずれかに該当するもの イ 分解能が八ビット以上一二ビット未満のものであって、出力ワードレートが二〇〇メガワード毎秒を超えるもの ロ 分解能が一二ビットのものであって、出力ワードレートが一〇五メガワード毎秒を超えるもの ハ 分解能が一二ビット超一四ビット以下のものであって、出力ワードレートが一〇メガワード毎秒を超えるもの ニ 分解能が一四ビットを超えるものであって、出力ワードレートが二・五メガワード毎秒を超えるもの 四 フィールドプログラマブルロジックデバイス(コンプレックスプログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、フィールドプログラマブルロジックアレイ及びフィールドプログラマブル相互接続用集積回路を含む。)であって、シングルエンド方式の最大デジタル入出力数が二〇〇以上七〇〇以下のもの 五 FFTプロセッサであって、複素点の数が一、〇二四のとき、高速フーリエ変換の定格実行時間が一ミリ秒未満のもの 六 カスタム集積回路であって、次のいずれかに該当するもの イ 端子数が一四四を超えるもの ロ 基本伝搬遅延時間が〇・四ナノ秒未満のもの 七 進行波真空電子デバイス(クライストロン及び進行波管並びにこれらから派生したものを含む。)であって、次のいずれかに該当するもの イ 空胴結合形のもの ロ ヘリックス形のもの、折返し導波形のもの及び蛇行導波管回路形のものであって、次のいずれかに該当するもの (一) 半オクターブ以上の瞬時帯域幅を有するものであって、キロワットで表した場合の平均出力電力の数値にギガヘルツで表した場合の最大動作周波数を乗じて得た数値が〇・二を超えるもの (二) 半オクターブ未満の瞬時帯域幅を有するものであって、キロワットで表した場合の平均出力電力の数値にギガヘルツで表した場合の最大動作周波数を乗じて得た数値が〇・四を超えるもの 八 四〇ギガヘルツを超える周波数で使用するために設計した弾力性のある導波管 九 表面弾性波及び疑似表面弾性波を利用するものであって、次のいずれかに該当するもの イ 搬送周波数が一ギガヘルツを超えるもの ロ 搬送周波数が一ギガヘルツ以下のものであって、次のいずれかに該当するもの (一) サイドローブに対するメインローブの電力の比が五五デシベルを超えるもの (二) マイクロ秒で表した場合の最大遅延時間の数値にメガヘルツで表した場合の帯域幅の数値を乗じて得た数値が一〇〇を超えるもの (三) 分散型遅延時間が一〇マイクロ秒を超えるもの 十 セル(バッテリー(シングルセルバッテリーを含む。)に組み込まれているものを除く。)であって、次のいずれかに該当するもの イ 一次セルであって、二〇度におけるエネルギー密度が五五〇ワット時毎キログラム以下のもの ロ 二次セルであって、二〇度におけるエネルギー密度が三五〇ワット時毎キログラム以下のもの 十一 一分を要しないで磁界を完全に形成させ又は消失させるように特に設計した超電導電磁石(ソレノイドコイル形のものを含む。)であって、次のイからハまでの全てに該当するもの イ 減磁の際に放出する最大エネルギーを減磁の持続時間で除して得た値が五〇〇キロジュール毎分を超えるもの ロ コイルの内径が二五〇ミリメートルを超えるもの ハ コイルの定格最大電流密度が三〇〇アンペア毎平方ミリメートルを超えるもの又は定格磁束密度が八テスラを超えるもの 十二 電磁エネルギーを貯蔵するための装置のうち、超電導材料を用いたものであって、次のイからニまでの全てに該当するもの イ 使用する超電導材料の臨界温度より低い温度で使用できるように特に設計したもの ロ 共振周波数が一メガヘルツを超えるもの ハ 貯蔵されるエネルギー密度が一メガジュール毎立方メートル以上のもの ニ エネルギー放出時間が一ミリ秒未満のもの 十三 セラミック及び金属構造の水素又は水素同位体サイラトロンであって、ピーク電流が五〇〇アンペア以上のもの 十四 化合物半導体を用いたデジタル方式の集積回路であって、等価ゲート数が二入力ゲート換算で三〇〇を超えるもの 十五 太陽電池セル、セル連結保護ガラス集成品、太陽電池パネル及び太陽光アレーであって、宇宙用に設計したもの 第五条 輸出令別表第二の三第二号(2)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 電子式の試験装置 二 計測用のデジタル磁気テープ記録装置であって、次のいずれかに該当するもの イ 装置間の最大転送速度が、六〇メガビット毎秒を超えるものであって、ヘリカル走査技術を用いたもの ロ 装置間の最大転送速度が、一二〇メガビット毎秒を超えるものであって、固定ヘッド技術を用いたもの ハ 宇宙用に設計したもの 三 デジタル方式のビデオ磁気テープ記録装置を変換して計測用のデジタル磁気テープ記録装置として使用できるように設計した装置であって、装置間の最大転送速度が六〇メガビット毎秒を超えるもの 四 アナログ方式のオシロスコープ及びその部分品であって、次のいずれかに該当するもの イ アナログ方式のオシロスコープであって、帯域幅が一ギガヘルツ以上のもの ロ 差し込みモジュールであって、個々の帯域幅が四ギガヘルツ以上のもの 五 繰り返し現象を分析するためのアナログ方式のサンプリングオシロスコープであって、実効帯域幅が四ギガヘルツを超えるもの 六 アナログデジタル変換技術を有するデジタル方式のオシロスコープ及び波形記憶装置であって、次のイからハまでの全てに該当するもの イ 単発の入力信号を一ナノ秒未満の間隔で連続してサンプリングできるように設計したもの ロ 分解能が八ビット以上のもの ハ 二五六以上のサンプルを記録することができるもの 第六条 輸出令別表第二の三第二号(3)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 周波数変換器であって、三〇〇ヘルツから六〇〇ヘルツの周波数範囲で動作するもの 二 質量分析計 三 フラッシュ放電型のエックス線装置及びそのために設計したパルス電源装置の部分品 四 パルス増幅器 五 遅延時間の発生又は時間間隔の測定のための装置であって、次のいずれかに該当するもの イ デジタル方式の遅延時間の発生のための装置であって、時間間隔が一マイクロ秒以上で、五〇ナノ秒以下の分解能を有するもの ロ 三以上のマルチチャネル又はモジュール式の時間間隔の測定のための装置及びクロノメータであって、時間間隔が一マイクロ秒以上で、五〇ナノ秒以下の分解能を有するもの 六 クロマトグラフ及び分光計 第七条 輸出令別表第二の三第二号(4)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 第四条又は輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令(平成三年通商産業省令第四十九号。以下「貨物等省令」という。)第六条第一号から第八号の四までのいずれかに該当する電子管、光学素子及びこれらの部分品の製造のために特に設計した装置 二 半導体素子及び集積回路並びにこれらの組立品の製造用に特に設計した装置であって、次のいずれかに該当するもの並びにこれらを組み込んだ装置及びこれらと同等の特性を有する装置 イ 半導体素子及び集積回路並びにこれらの組立品の製造用の材料の加工装置であって、次のいずれかに該当するもの (一) 多結晶シリコン及び貨物等省令第六条第十八号に該当する貨物の製造用の装置 (二) Ⅲ―Ⅴ族及びⅡ―Ⅵ族の半導体物質(貨物等省令第六条第十八号から第二十三号までのいずれかに該当するものに限る。)の製造のために特に設計した装置((三)に該当するものを除く。) (三) 結晶の引上げ装置及び炉であって、次のいずれかに該当するもの 1 アニール装置及び再結晶のための装置(定温炉を除く。)であって、〇・〇〇五平方メートル毎分を超える速度でウエハーを処理できるエネルギー移動率を有するもの 2 プログラム内蔵方式の結晶の引上げ装置であって、次のいずれかに該当するもの 一 るつぼを取り替えることなく再充塡できるもの 二 〇・二五メガパスカルを超える圧力で動作するもの 三 引き上げることができる結晶の直径が一〇〇ミリメートルを超えるもの (四) プログラム内蔵方式のエピタキシャル成長装置であって、次のいずれかに該当するもの 1 二〇〇ミリメートル以上にわたり厚さの許容差の絶対値が二・五パーセント未満となるシリコン膜を形成できるもの 2 ウエハー全体にわたり厚さの許容差の絶対値が三・五パーセント以下となるシリコン膜以外の膜を形成できるもの 3 処理中にウエハーを回転できるもの (五) 分子線エピタキシャル成長装置 (六) 真空環境でウエハーを搬送するために特に設計したロードロック機能を備え、かつ、磁気的に強化されたスパッタリング装置 (七) イオン注入、イオン増速拡散又は光増速拡散のために特に設計した装置であって、次のいずれかに該当するもの 1 パターン形成を行うことができるもの 2 ビームエネルギーが二〇〇キロエレクトロンボルトを超えるもの 3 ビームエネルギーが一〇キロエレクトロンボルト未満で使用できるように設計したもの 4 加熱した基板に酸素を注入できるもの (八) プログラム内蔵方式の異方性ドライエッチング用の装置であって、次のいずれかに該当するもの 1 バッチ方式のものであって、次のいずれかに該当するもの 一 終点検知機能を有するもの(発光分光式のものを除く。) 二 反応炉のエッチング圧力が二六・六六パスカル以下のもの 2 単一ウエハー方式のものであって、次のいずれかに該当するもの 一 終点検知機能を有するもの(発光分光式のものを除く。) 二 反応炉のエッチング圧力が二六・六六パスカル以下のもの 三 カセットツウカセット機能及びロードロック式のウエハー搬送機能を有するもの (九) 半導体素子製造用の化学的気相成長装置のうち、酸化物、窒化物、金属又は多結晶シリコンを堆積させることができるものであって、次のいずれかに該当するもの 1 〇・一メガパスカル未満の圧力で動作するもの 2 プラズマ増殖型のものであって、六〇パスカル未満の圧力で動作するもの並びに自動カセットツウカセット機能及びロードロック式のウエハー搬送機能を有するもの (十) マスク、レチクル又は半導体素子の製造用に特に設計又は改造した電子ビーム装置であって、次のいずれかに該当するもの 1 電子ビームを静電偏向させることができるもの 2 非ガウス形の電子ビーム形状を形成することができるもの 3 デジタルからアナログへの変換速度が三メガヘルツを超えるもの 4 デジタルからアナログへの変換精度が一二ビットを超えるもの 5 目標に対するビームの位置決めをフィードバック方式により行うものであって、位置決め精度の絶対値が一マイクロメートル以下のもの (十一) ウエハーの表面仕上げ装置であって、次のいずれかに該当するもの 1 一〇〇マイクロメートルより薄いウエハーの裏面を加工し、かつ、加工後のウエハーを剝離することができるように特に設計したもの 2 加工されたウエハーの表面粗さを、二シグマ値で二マイクロメートル以下に仕上げるために特に設計した装置 (十二) 単一又は複数の真空チャンバーを搭載した相互接続用の装置であって、本条に該当する装置を統合するように特に設計したもの (十三) レーザー光を使用したモノリシック集積回路の修理又はトリミング用のプログラム内蔵方式の装置であって、次のいずれかに該当するもの 1 位置決め精度の絶対値が一マイクロメートル未満のもの 2 照射面の直径(切り溝幅)が三マイクロメートル未満のもの ロ マスク、マスク基板、マスク製造装置及び画像転写装置であって、半導体素子及び集積回路並びにこれらの組立品の製造用のもののうち、次のいずれかに該当するもの (一) 完成したマスク及びレチクル(次のいずれかに該当するものを除く。) 1 第四条又は貨物等省令第六条第一号に該当しない集積回路を製造するためのもの 2 次の一及び二に該当するもの 一 設計寸法が二・五マイクロメートル以上のもの 二 製造用の装置又はソフトウェアによって使用目的を変更することができる特別な性質を有さないものとして設計したもの (二) マスク基板であって、次のいずれかに該当するもの 1 硬質表面で被覆したものであって、寸法が一二五ミリメートル四方を超えるもの 2 エックス線マスク用に特に設計したもの (三) 半導体素子又は集積回路のCADプログラムを動作させるために特に設計した装置(汎用の電子計算機を除く。) (四) マスク又はレチクル製造用の装置及びその附属品であって、次のいずれかに該当するもの 1 光学方式によるステップアンドリピート方式の露光装置であって、次のいずれかに該当するもの 一 一〇〇ミリメートル四方を超える範囲に連続してパターンを焼き付けることができるもの 二 一回で六ミリメートル四方を超える範囲にパターンを焼き付けることができるもの 三 二・五マイクロメートル未満の線幅を基板上のフォトレジストに焼き付けることができるもの 2 イオンビーム又はレーザービームリソグラフィを用いたマスク又はレチクル製造用の装置であって、二・五マイクロメートル未満の線幅を焼き付けることができるもの 3 マスク若しくはレチクルの改造又は欠陥除去用のペリクルの追加のための装置及びホルダー (五) マスク、レチクル又はペリクルの検査装置のうち、プログラム内蔵方式のものであって、次の1及び2に該当するもの 1 分解能が〇・二五マイクロメートル以下のもの 2 一軸又は二軸の座標上における六三・五ミリメートル以上の距離において、位置決め精度の絶対値が〇・七五マイクロメートル以下のもの (六) ウエハー製造用の露光装置であって、光学方式のもの又はエックス線を用いたもののうち、次のいずれかに該当するもの 1 二・五マイクロメートル未満の線幅を焼き付けることができるもの 2 位置決め精度の絶対値が〇・二五マイクロメートル(平均値に三シグマを加えたもの)未満のもの 3 機械間の重ね合わせ精度の絶対値が〇・三マイクロメートル以上のもの 4 光源の波長が四〇〇ナノメートル未満のもの (七) 電子ビーム装置、イオンビーム装置及びエックス線装置であって、二・五マイクロメートル未満の線幅を焼き付けることができるもの (八) レーザー発振器を用いた装置のうち、ウエハーに直接描画方式で二・五マイクロメートル未満の線幅を焼き付けることができるもの ハ 集積回路の組立用の装置であって、次のいずれかに該当するもの (一) プログラム内蔵方式のダイボンダーであって、次の1から3までの全てに該当するもの 1 ハイブリッド集積回路のために特に設計したもの 2 縦軸及び横軸に沿って三七・五ミリメートルを超えた移動ができるステージを有するもの 3 縦軸及び横軸に沿った面における配置の精度の絶対値が一〇マイクロメートル未満のもの (二) プログラム内蔵方式のダイボンダーであって、一回の動作で二以上の結線を行うことができるもの (三) パッケージのキャップを当該パッケージのキャップ以外の部分より高い温度に加熱できる装置のうち、次の1から3までの全てに該当するもの 1 半自動又は全自動のもの 2 毎分一パッケージ以上処理できるもの 3 貨物等省令第六条第一号から第八号の四までのいずれかに該当するセラミック集積回路のパッケージ用に特に設計したもの ニ 空気中における径が〇・三マイクロメートル以下の粒子の数を〇・〇二八三二立方メートル当たり一〇個以下とすることができるクリーンルーム用のフィルター及びその材料 第八条 輸出令別表第二の三第二号(5)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 第四条又は貨物等省令第六条第一号から第八号の四までのいずれかに該当する電子管及び光学素子並びにこれらの部分品の検査又は試験のために特に設計した装置 二 半導体素子及び集積回路並びにこれらの組立品のために特に設計した試験装置及び検査装置であって、次のいずれかに該当するもの並びにこれらを組み込んだ装置及びこれらと同等の特性を有する装置 イ 処理済みウエハー及び基板(プリント基板又はチップを除く。)の内部又は表面の〇・六マイクロメートル以下の欠陥、エラー又は汚損を自動的に検出するためのプログラム内蔵方式の検査装置であって、パターン比較のための画像の取得技術を用いたもの ロ プログラム内蔵方式の測定及び分析装置であって、次のいずれかに該当するもの (一) 半導体物質中の酸素又は炭素の含有量の測定用に特に設計したもの (二) 線幅の測定用のものであって、分解能が一マイクロメートル以下のもの (三) 一〇マイクロメートル以下の平面度の測定用に特に設計したものであって、分解能が一マイクロメートル以下のもの ハ プログラム内蔵方式のウエハープロービング試験装置であって、次のいずれかに該当するもの (一) 位置決め精度の絶対値が三・五マイクロメートル未満のもの (二) 端子数が六八を超える半導体素子及び集積回路を試験できるもの (三) 一ギガヘルツを超える周波数で試験できるもの ニ 試験装置であって、次のいずれかに該当するもの (一) 半導体素子及びパッケージに封入されていないダイの試験用に特に設計したもののうち、プログラム内蔵方式のものであって、一八ギガヘルツを超える周波数で試験ができるもの (二) 集積回路及びその組立品の試験用に特に設計したもののうち、プログラム内蔵方式のものであって、次のいずれかに該当する試験ができるもの 1 二〇メガヘルツを超えるパターンレートで実施するもの 2 一〇メガヘルツ超二〇メガヘルツ以下のパターンレートで実施するものであって、端子数が六八を超えるパッケージを対象とするもの (三) 一、二〇〇ナノメートルを超える波長でフォーカルプレーンアレーの性能を評価するために特に設計したもののうち、電子計算機による評価又はプログラム内蔵方式による評価を用いるものであって、次のいずれかに該当するもの 1 直径〇・一二ミリメートル未満の走査光スポットを用いるもの 2 光感度性能パラメータの計測用及び周波数応答、変調伝達関数、応答の均一度又はノイズの評価用に設計したもの 3 縦三二ライン画素、横三二ライン画素を超える画像を生成することができるアレーを評価するために設計したもの ホ レーザーシステム及び三キロエレクトロンボルト以下のエネルギーで動作するために設計した電子ビーム試験装置であって、通電状態の半導体素子を非接触のプローブで検査するためのもののうち、次のいずれかに該当するもの (一) ビームブランキング又は検出器を用いたストロボ機能を有するもの (二) 電圧測定用の電子分光計であって、分解能が〇・五ボルト未満であるもの (三) 集積回路の性能を解析するための電気試験用のもの ヘ マスク又は半導体素子の製造、修理、物理的レイアウト解析及び試験を行うことができるように特に設計した多機能式の集束イオンビーム装置のうち、プログラム内蔵方式のものであって、次の(一)及び(二)に該当するもの (一) 目標に対するビームの位置決めをフィードバック方式により行うものであって、位置決め精度の絶対値が一マイクロメートル以下のもの (二) デジタルアナログ変換精度が一二ビットを超えるもの ト レーザー発振器を用いた粒度測定装置であって、空気中の粒子の径及び分布を測定するために設計したもののうち、次の(一)及び(二)に該当するもの (一) 〇・〇二八三二立方メートル毎分以上の流速で〇・二マイクロメートル以下の粒子径を測定できるもの (二) 国際標準化機構が定めた規格(以下「国際規格」という。)ISO一四六四四―一で定めるクラス四又はそれ以上の空気清浄度を測定できるもの 第九条 輸出令別表第二の三第二号(6)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、一九三ナノメートルから三七〇ナノメートルまでの波長の光で使用するように最適化したポジ型レジストとする。 第十条 輸出令別表第二の三第二号(7)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 電子計算機及びその附属装置並びにこれらの部分品であって、七〇度超の温度まで使用できるように設計したもの 二 信号処理又は画像強調のための装置を組み込んだ電子計算機であって、加重最高性能が〇・〇一二八実効テラ演算以上のもの 三 電子計算機であって、一六以上のプロセッサを集合させることにより性能を向上させるために特に設計又は改造したもの 四 信号処理又は画像強調のための装置であって、加重最高性能が〇・〇一二八実効テラ演算以上のもの 五 第十一条に該当する端末インターフェース装置を組み込んだ装置 六 複数のデジタル電子計算機又はその附属装置の間でデータを転送するように特に設計したデジタル電子計算機の附属装置であって、データ転送速度が八〇メガバイト毎秒を超えるもの 七 アナログデジタル変換器が組み込まれたハイブリッド電子計算機及びその附属装置並びにこれらの部分品であって、次のイ及びロに該当するもの イ チャネル数が三二以上のもの ロ 符号ビットを除いた分解能が一四ビット以上のものであって、変換速度が二〇〇、〇〇〇回毎秒以上のもの 第十一条 輸出令別表第二の三第二号(8)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 通信装置であって、一二四度を超える温度又は零下五四度より低い温度で使用できるように特に設計したもの 二 伝送通信装置並びにその部分品及び附属品であって、次のいずれかに該当するもの イ デジタル技術(アナログ信号をデジタル信号に変換するものを含む。)を用いた装置であって、最高位多重化レベルにおいて四五メガビット毎秒を超える伝送速度又は九〇メガビット毎秒を超える総合伝送速度で使用できるように設計したもの ロ 九、六〇〇ビット毎秒を超えるデータ信号速度で使用できるモデム ハ デジタル伝送方式を用いた装置のうち、プログラム内蔵方式による回線の切替え機能を有するものであって、一ポート当たり八・五メガビット毎秒を超える伝送速度で使用できるもの ニ 次のいずれかを組み込んだ装置 (一) 三三メガビット毎秒を超える伝送速度で使用できるローカルエリアネットワーク用の装置及びそれに関連する共通の媒体 (二) 通信回路側のデータ信号速度が一回線当たり六四キロビット毎秒を超える通信制御装置 ホ レーザー発振器を用いたものであって、次のいずれかに該当するもの (一) 一、〇〇〇ナノメートルを超える波長のレーザー光を利用するもの (二) アナログ伝送方式を用いたものであって、帯域幅が四五メガヘルツを超えるもの (三) コヒーレント伝送方式を用いたもの (四) 光波長多重化技術を用いたもの (五) レーザー光を増幅する機能を有するもの ヘ 無線送信機及び無線受信機であって、次のいずれかに該当するもの (一) 人工衛星と地上局間で使用するものであって、三一ギガヘルツを超える周波数で動作するもの (二) (一)以外の用途に使用するものであって、二六・五ギガヘルツを超える周波数で動作するもの (三) 総合伝送速度が八・五メガビット毎秒を超えるものであって、四値を超える直交振幅変調技術を用いたもの (四) 総合伝送速度が八・五メガビット毎秒以下のものであって、一六値を超える直交振幅変調技術を用いたもの (五) 直交振幅変調技術以外のデジタル変調技術を用いたものであって、スペクトラム効率が三ビット毎秒毎ヘルツを超えるもの (六) 一・五メガヘルツ以上八七・五メガヘルツ以下の周波数範囲で使用できるもののうち、適応型の干渉信号抑圧技術を用いたものであって、干渉信号を一五デシベルを超えて抑圧することができるように設計したもの 三 電子式交換装置及びその附属装置のうち、プログラム内蔵方式のものであって、次のいずれかに該当するもの並びにこれらの部分品及び附属品 イ パケットモード動作用に設計したデータ交換装置並びにその部分品及び附属装置 ロ データグラム方式によりパケットデータのルート指定又は交換を行うもの ハ 回線交換のための多重レベルの優先権及びプリエンプションを設定する機能を有するもの ニ セルラー無線送受信機の呼を他の交換装置に自動的に切り替えるように設計したもの又は呼を複数の交換装置が共有する加入者データベースへ自動的に接続するように設計したもの ホ プログラム内蔵方式による回線の切替え機能を有するもののうち、一ポート当たり八・五メガビット毎秒を超える伝送速度で使用できるもの ヘ 非対応モード又は準対応モードのいずれかで動作する共通線信号機能を有するもの ト 経路選択方式がダイナミックルーティング方式のもの チ パケット交換機、回線交換機及びルーターであって、次のいずれかに該当するもの (一) 通信回路側のデータ信号速度が一回線当たり六四キロビット毎秒を超える通信制御装置 (二) 三三メガビット毎秒を超える伝送速度で使用できるローカルエリアネットワーク用の装置及びそれに関連する共通の媒体 リ 電気信号への変換を行わずに光信号の経路選択又は交換を行うことができるように設計したもの ヌ 非同期転送モード技術を用いたもの 四 長さが五〇メートルを超える光ファイバー及び光ファイバーケーブルであって、単一モード用に設計したもの 五 通信網を集中的に管理する機能を有する装置であって、ノードから受信したデータをダイナミックルーティング方式によるトラフィック制御のために処理するように設計したもの 六 フェーズドアレーアンテナであって、次のイからハまでの全てに該当するもの イ 一〇・五ギガヘルツを超える周波数で使用できるように設計したもの ロ 能動素子及び分散配置した部分品を含むもの ハ 電子的にビーム方向及び形状を操作できるように設計したもの 七 移動通信装置並びにその部分品及び附属品 八 無線中継通信装置であって、一九・七ギガヘルツ以上の周波数で使用するように設計したもの及びその部分品 第十二条 輸出令別表第二の三第二号(9)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、前条に掲げる貨物の試験装置とする。 第十三条 輸出令別表第二の三第二号(10)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、第十一条に該当する通信装置用の光ファイバーの材料として設計したガラスその他の材料のプリフォームとする。 第十四条 輸出令別表第二の三第二号(11)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、暗号装置及び暗号機能を実現するための部分品であって、貨物等省令第八条第九号(同号ヘを含む。)のいずれかに該当するものとする。 第十五条 輸出令別表第二の三第二号(12)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、音波を利用した装置であって、次のいずれかに該当するもの及びその部分品とする。 一 水中にある物体又は水底に埋もれた物体の探知又は位置の決定ができるもの 二 水底の地形又は水深を測定できるもの 三 船舶の位置を決定できるもの 第十六条 輸出令別表第二の三第二号(13)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 イメージ増強管及びその部分品であって、次のいずれかに該当するもの イ イメージ増強管であって、次の(一)から(三)までの全てに該当するもの (一) 四〇〇ナノメートル超一、〇五〇ナノメートル以下の波長範囲で最大感度を有するもの (二) 電子イメージの増倍機能を有するマイクロチャンネルプレートであって、隣接する二のチャンネルの中心間の距離が二五マイクロメートル未満のもの (三) 光電陰極が次のいずれかに該当するもの 1 主材料にマルチアルカリを用いたもの 2 主材料に 砒 ひ 化ガリウム又は 砒 ひ 化インジウムガリウムを用いたもの ロ 特に設計したマイクロチャンネルプレートであって、次の(一)及び(二)に該当するもの (一) 一のプレートにつき一五、〇〇〇以上のチャンネルを有するもの (二) 隣接する二のチャンネルの中心間の距離が二五マイクロメートル未満のもの 二 可視領域又は赤外線領域で動作する直視型のイメージング装置であって、第一号イに該当するイメージ増強管を組み込んだもの 第十七条 輸出令別表第二の三第二号(14)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、電子式のカメラであって、貨物等省令第九条第三号ニ(一)2又はホ(二)に該当するフォーカルプレーンアレーを組み込んだものとする。 第十八条 輸出令別表第二の三第二号(15)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 光学フィルターであって、次のいずれかに該当するもの イ 二五〇ナノメートルを超える波長の光について使用できるように設計したものであって、多層のコーティングをしたもののうち、次のいずれかに該当するもの (一) 透過させる光の帯域幅が半値全幅で一ナノメートル以下であり、かつ、透過率の最大値が九〇パーセント以上のもの (二) 透過させる光の帯域幅が半値全幅で〇・一ナノメートル以下であり、かつ、透過率の最大値が五〇パーセント以上のもの ロ 二五〇ナノメートルを超える波長の光について使用できるように設計したものであって、次の(一)から(四)までの全てに該当するもの (一) 透過させる光の波長を五〇〇ナノメートル以上変更することができるもの (二) 透過させる光の瞬時周波数の帯域幅が半値全幅で一・二五ナノメートル以下のもの (三) 〇・一ミリ秒以内に、一ナノメートル以下の精度で透過させる光の波長を再設定できるもの (四) 透過率の最大値が九一パーセント以上の波長帯の数が一のもの ハ 遮光スイッチ用のものであって、視野が三〇度以上であり、かつ、応答時間が一ナノ秒以下のもの 二 ふっ化物のファイバーケーブル及びそのための光ファイバーであって、一、〇〇〇ナノメートル超三、〇〇〇ナノメートル以下の波長範囲における光の減衰率が一キロメートル当たり四デシベル未満のもの 第十九条 輸出令別表第二の三第二号(16)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 二酸化炭素レーザー発振器であって、次のいずれかに該当するもの イ 持続波の定格出力が一〇キロワットを超えるもの ロ 一〇マイクロ秒を超えるパルス幅のパルスを発振するものであって、次のいずれかに該当するもの (一) 平均出力が一〇キロワットを超えるもの (二) パルスのピーク出力が一〇〇キロワットを超えるもの ハ 一〇マイクロ秒以下のパルス幅のパルスを発振するものであって、次のいずれかに該当するもの (一) 一パルス当たり五ジュールを超えるパルスを発振し、かつ、パルスのピーク出力が二・五キロワットを超えるもの (二) 平均出力が二・五キロワットを超えるもの 二 半導体レーザー発振器であって、次のいずれかに該当するもの イ 単一横モードのパルスを発振するように設計したものであって、次のいずれかに該当するもの (一) 平均出力が一〇〇ミリワットを超えるもの (二) 一、〇五〇ナノメートルを超える波長で使用するように設計したもの ロ 多重横モードのパルスを発振するように設計した半導体レーザー発振器及び個別の半導体レーザー発振器を集積化した半導体レーザーアレーであって、一、〇五〇ナノメートルを超える波長で使用するように設計したもの 三 ルビーレーザー発振器であって、一パルス当たり二〇ジュールを超えるパルスを発振するもの 四 波長可変レーザー発振器以外のパルスレーザー発振器であって、九七五ナノメートル超一、一五〇ナノメートル以下の波長範囲で使用するように設計したもののうち、次のいずれかに該当するもの イ 一ナノ秒以上一マイクロ秒以下のパルス幅のパルスを発振するものであって、次のいずれかに該当するもの (一) 単一横モードで発振するものであって、次のいずれかに該当するもの 1 ウォールプラグ効率が一二パーセントを超えるもののうち、平均出力が一〇ワットを超えるものであって、パルス繰り返し周波数が一キロヘルツを超えて動作するもの 2 平均出力が二〇ワットを超えるもの (二) 多重横モードで発振するものであって、次のいずれかに該当するもの 1 ウォールプラグ効率が一八パーセントを超えるものであって、平均出力が三〇ワットを超えるもの 2 ピーク出力が二〇〇メガワットを超えるもの 3 平均出力が五〇ワットを超えるもの ロ 一マイクロ秒を超えるパルス幅のパルスを発振するものであって、次のいずれかに該当するもの (一) 単一横モードで発振するものであって、次のいずれかに該当するもの 1 ウォールプラグ効率が一二パーセントを超えるもののうち、平均出力が一〇ワットを超えるものであって、パルス繰り返し周波数が一キロヘルツを超えて動作するもの 2 平均出力が二〇ワットを超えるもの (二) 多重横モードで発振するものであって、次のいずれかに該当するもの 1 ウォールプラグ効率が一八パーセントを超えるものであって、平均出力が三〇ワットを超えるもの 2 平均出力が五〇〇ワットを超えるもの 五 波長可変レーザー発振器以外の持続波レーザー発振器であって、九七五ナノメートル超一、一五〇ナノメートル以下の波長範囲で使用するように設計したもののうち、次のいずれかに該当するもの イ 単一横モードで発振するものであって、次のいずれかに該当するもの (一) ウォールプラグ効率が一二パーセントを超えるもののうち、平均出力が一〇ワットを超えるものであって、パルス繰り返し周波数が一キロヘルツを超えて動作するもの (二) 平均出力が五〇ワットを超えるもの ロ 多重横モードで発振するものであって、次のいずれかに該当するもの (一) ウォールプラグ効率が一八パーセントを超えるものであって、平均出力が三〇ワットを超えるもの (二) 平均出力が五〇〇ワットを超えるもの 六 波長可変レーザー発振器以外のレーザー発振器であって、一、四〇〇ナノメートル超一、五五五ナノメートル以下の波長範囲で使用するように設計したもののうち、次のいずれかに該当するもの イ 一パルス当たり一〇〇ミリジュールを超えるパルスを発振し、かつ、ピーク出力が一ワットを超えるもの ロ 平均出力又は持続波の定格出力が一ワットを超えるもの 七 自由電子レーザー発振器 第二十条 輸出令別表第二の三第二号(17)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 磁力計であって、感度(帯域周波数の平方根当たりで表した実効値をいう。)が一・〇ナノテスラ未満のもの 二 超電導材料を用いた部分品(ジョセフソン効果素子又は超電導量子干渉素子を含む。)を有するセンサーであって、次のイからハまでの全てに該当するもの イ 当該部分品に使用する超電導材料の臨界温度より低い温度で使用することができるように設計したもの ロ 一キロヘルツ以下の周波数の電磁場の変動を検出できるように設計したもの ハ 次のいずれかに該当するもの (一) 最小線幅が二マイクロメートル未満の薄膜超電導量子干渉素子を組み込んだものであって、入出力回路を有するもの (二) 磁場の変動速度が一秒につき一、〇〇〇、〇〇〇磁束量子を超える場合に使用できるように設計したもの (三) 磁気遮蔽を用いずに、地球磁場中で使用できるように設計したもの (四) 温度係数が温度一度当たり〇・一磁束量子未満のもの 第二十一条 輸出令別表第二の三第二号(18)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、地上用の重力計であって、次のいずれかに該当するものとする。 一 静止状態における測定精度の絶対値が一〇〇マイクロガル未満のもの 二 ウォルドン型のもの 第二十二条 輸出令別表第二の三第二号(19)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 航空機用のレーダー装置及びその部分品 二 宇宙用のレーザーレーダー(ライダーを含む。)であって、測量用又は気象観測用に特に設計したもの 三 回転翼航空機のために特に設計したミリ波の拡張型ビジョンレーダー撮像システムであって、次のイからニまでの全てに該当するもの イ 動作周波数が九四ギガヘルツのもの ロ 平均出力が二〇ミリワット未満のもの ハ レーダーのビーム幅が一度のもの ニ 動作範囲が一、五〇〇メートル以上のもの 第二十三条 輸出令別表第二の三第二号(20)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 地震波を検知する装置(三に該当するものを除く。) 二 放射線による影響を防止するように設計したテレビカメラ 三 地震波を検知及び分類し、震源の位置を判定するシステム 第二十四条 輸出令別表第二の三第二号(21)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、第十九条に掲げる貨物及びその部分品の試験装置、検査装置、製造用の装置及び工具並びにこれらの部分品及び附属品であって、次のいずれかに該当するものとする。 一 自由電子レーザー発振器用の磁気ウィグラーを製造、試験又は検査するためのもの 二 自由電子レーザー発振器用のフォトインジェクターを製造、試験又は検査するためのもの 三 自由電子レーザー発振器の縦方向の磁場を調整するためのもの 第二十五条 輸出令別表第二の三第二号(22)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 ビート長が五〇〇ミリメートル未満になるように改質した光検出器用の光ファイバー 二 光検出器の材料となる物質であって、亜鉛含有量がモル比で六パーセント以上のもの 第二十六条 輸出令別表第二の三第二号(23)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 ふっ化物であって、次のいずれかに該当するもの イ ふっ化化合物であって、純度が九九・九九九パーセント以上のもの ロ 貨物等省令第九条第十六号ト(一)に該当する化合物から形成したふっ化物ガラス 二 第十八条第二号に該当する光ファイバーのプリフォームであって、ふっ化物の純度が九九・九九九パーセント以上のもの 第二十七条 輸出令別表第二の三第二号(24)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、慣性航法装置、方向探知機及びアビオニクス装置並びにこれらの部分品とする。 第二十八条 輸出令別表第二の三第二号(25)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、航法装置及びアビオニクス装置の試験装置、検査装置及び製造用の装置とする。 第二十九条 輸出令別表第二の三第二号(26)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 水中用の観測装置であって、次のいずれかに該当するもの イ 潜水艇に搭載して遠隔操作ができるように特に設計又は改造したカメラ、照明装置、表示装置及び伝送通信装置から構成されるテレビジョン装置であって、空気中で計測された解像度が五〇〇本を超えるもの ロ 水中用のテレビカメラであって、空気中で計測された解像度が七〇〇本を超えるもの 二 水中用に特に設計又は改造した、幅が三五ミリメートル以上のフィルムを用いる静止画を撮影する写真機であって、オートフォーカス機能又はリモートフォーカス機能を有するもの 三 水中用に特に設計又は改造したストロボ法を用いた照明装置であって、一回のフラッシュ当たりのエネルギーが三〇〇ジュールを超えるもの 四 水中用のカメラ装置(第一号又は第二号に該当するものを除く。) 五 水中における活動用に設計した装置(第一号から第四号まで又は第八号から第十一号までのいずれかに該当するものを除く。) 六 船舶(ゴムボートを含む。)及びその部分品 七 船舶用のエンジン及びその部分品 八 自給式の水中呼吸用具及び関連装置(第十一号に該当するものを除く。) 九 救命胴衣、インフレーションカートリッジ、コンパス、ウェットスーツ、マスク、フィン、ウェイトベルト及び潜水用コンピュータ 十 水中用の照明装置(第三号に該当するものを除く。) 十一 エアーシリンダーに充塡するために設計したエアコンプレッサー及びろ過装置 十二 船舶用のボイラーであって、次のいずれかに該当するもの イ 炉の容積一立方メートル当たりの一時間の最大発熱量が七、〇七九、二〇〇キロジュール以上となるように設計したもの ロ 一時間の最大蒸気発生量をボイラーの乾燥重量で除して得た数値が〇・八三以上となるように設計したもの 十三 第十二号に該当する船舶用のボイラーの主要な部分品及び附属品 第三十条 輸出令別表第二の三第二号(27)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 トラック、トラクター及び自動車用のディーゼルエンジンであって、キロワットに換算した連続制動馬力が二九八以上のもの 二 装輪式のトラクターであって、積載量が九トン以上のもの並びにその主要な部分品及び附属品 三 トラクターであって、後輪の車軸の数が一又は二のもののうち、一の軸にかかる荷重が九トン以上のもの及びその主要な部分品 第三十一条 輸出令別表第二の三第二号(28)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 軍用機のうち、軍事作戦のために特別に装備又は改造していないものであって、次のいずれかに該当するもの イ レシプロエンジンを使用した輸送機 ロ 六〇〇馬力未満のレシプロエンジン又はターボプロップエンジンを使用した練習機 ハ レシプロエンジンを使用した多目的機 ニ 連絡機 ホ レシプロエンジンを使用した偵察機 二 航空機(第一号に該当するものを除く。) 三 航空機用のガスタービンエンジン及びその部分品 四 航空機の部分品(第三号又は第五号に該当するものを除く。) 五 航空機用の与圧呼吸機器及びその部分品 第三十二条 輸出令別表第二の三第二号(29)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、落下傘(可導式落下傘及びパラグライダーを含む。)並びにその部分品及び附属装置とする。 第三十三条 輸出令別表第二の三第二号(30)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、振動試験装置及びその部分品とする。 第三十四条 輸出令別表第二の三第二号(31)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 ガスタービンエンジンのブレードの肉厚を測定するために機械的方法以外の方法を用いて自動化した装置 二 レーザー加工、ウォータージェット加工、電解加工又は放電加工により貨物等省令第二十五条第三項第二号ルで規定する穴あけ加工を行うための工具、治具及び測定装置 三 セラミック製のコアを溶解除去する装置 四 セラミック製のコアの製造用の装置及び工具 五 セラミック製のシェル用のろう型を製作する装置 六 セラミック製のシェルの脱ろう及び焼成装置 第三十五条 輸出令別表第二の三第二号(32)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 アルキル化装置(第十五号に該当するものを除く。)及び異性化装置 二 多環芳香族炭化水素製造装置(水素化脱アルキル装置又はベンゼン製造装置を含む。) 三 原油常圧蒸留装置及び減圧蒸留装置 四 接触改質装置及び接触分解装置 五 遅延コーカー 六 フレキシコーカー 七 重油脱硫装置用の加熱炉 八 重油脱硫装置用の加熱炉用の容器 九 水素化精製装置(水素化脱硫装置を含み、第十号に該当するものを除く。) 十 ナフサ水素化精製装置 十一 重合装置 十二 アミンスクラビング装置(酸性ガス除去装置又はアミンガス処理装置を含む。)、硫黄回収装置、テールガス処理装置 十三 溶剤脱れき装置 十四 硫黄生産装置 十五 硫酸アルキル化装置及び硫酸再生装置 十六 熱分解装置(第五号又は第六号に該当するものを除く。) 十七 トランスアルキル化装置(不均化装置を含む。) 十八 ビスブレーカー 十九 減圧残油水素化分解装置 二十 流動接触分解で使用される触媒 二十一 水素化処理(水素化精製及び水素化分解を含む。)で使用される触媒 二十二 アルキル化で使用される触媒 二十三 接触改質で使用される触媒 第三十六条 輸出令別表第二の三第二号(33)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 量子計算機及びそれに使用するように特に設計した附属品並びにこれらに使用するように特に設計した部分品 二 量子の特性を利用した装置であって、次のいずれかに該当するもの イ 量子エレクトロニクス ロ 量子センサー ハ 量子処理ユニット ニ 量子ビット回路 ホ 量子ビットデバイス ヘ 量子レーダーシステム ト ポッケルスセル 第三十七条 輸出令別表第二の三第二号(34)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 走査型電子顕微鏡 二 走査オージェ顕微鏡 三 透過型電子顕微鏡 四 走査型力顕微鏡(原子間力顕微鏡を含む。) 五 前四号に該当する顕微鏡のために特に設計した装置(検出器を含む。)であって、次のいずれかに該当するもの イ エックス線光電子分光法を用いたもの ロ エネルギー分散型エックス線分光法を用いたもの 第三十八条 輸出令別表第二の三第二号(35)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 積層造形用の装置であって、次のイ又はロの方式を用いたもの イ パウダーベッド方式 ロ バインダージェッティング方式 二 積層造形用の装置であって、エネルギー材料の製造用のもの 三 積層造形用の装置であって、液槽光重合方式を用いたもの 四 粉末状の金属及び金属合金であって、第一号に該当する装置に使用することができるもの 第三十九条 輸出令別表第二の三第二号(36)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、有機発光ダイオード、有機電界効果トランジスター及び有機太陽電池(印刷方式により製造するものに限る。)の製造用の装置とする。 第四十条 輸出令別表第二の三第二号(37)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、シリコンの機械物性を用いた微小な電気機械システムの製造用の装置とする。 第四十一条 輸出令別表第二の三第二号(38)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 水素(太陽光、風力その他の再生可能エネルギーを利用して製造するものに限る。)を原料とする燃料 二 変換効率が三〇パーセントを超える太陽電池の製造用の装置 第四十二条 輸出令別表第二の三第二号(39)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、超高真空装置に用いられる真空ポンプ及び真空計とする。 第四十三条 輸出令別表第二の三第二号(40)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 極低温用に設計した冷却装置であって、四八時間以上一・一ケルビン未満の温度を維持するように設計したもの 二 前号に該当する冷却装置の附属装置及びその部分品であって、次のいずれかに該当するもの イ パルスチューブ ロ クライオスタット ハ デュワー瓶 ニ ガスハンドリングシステム ホ 圧縮機 ヘ 制御ユニット 第四十四条 輸出令別表第二の三第二号(41)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、機械的、熱的又は化学的手段により、封止された集積回路から蓋及び封止材料を除去するための装置とする。 第四十五条 輸出令別表第二の三第二号(42)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、四〇〇ナノメートル超一、六〇〇ナノメートル以下の波長範囲で量子収率が八〇パーセントを超える光検出器とする。 第四十六条 輸出令別表第二の三第二号(43)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 数値制御を行うことができる工作機械であって、いずれか一軸以上の直線軸の移動量が八メートルを超えるもの 二 数値制御を行うことができる工作機械であって、輪郭制御をすることができる軸数が二以上の電子制御装置を取り付けることができるもののうち、次のイ及びロに該当するもの(前号に該当するものを除く。) イ 輪郭制御をすることができる軸数が二以上のもの ロ 国際規格ISO二三〇/二(二〇〇六)で定める測定方法により直線軸の全長について測定したときの位置決め精度が次のいずれかに該当するもの (一) 旋削をすることができる工作機械であって、位置決め精度が〇・〇一五ミリメートル未満のもの (二) フライス削りをすることができる工作機械であって、位置決め精度が〇・〇一五ミリメートル未満のもの (三) 研削をすることができる工作機械であって、位置決め精度が〇・〇一五ミリメートル未満のもの 三 数値制御を行うことができる工作機械(金属、セラミック又は複合材料を加工することができるものに限る。)であって、輪郭制御をすることができる軸数が二以上の電子制御装置を取り付けることができるもののうち、次のいずれかに該当するもの(前二号に該当するものを除く。) イ 旋削、フライス削り又は研削をすることができる工作機械であって、輪郭制御をすることができる軸数が二以上のもののうち、次のいずれかに該当するもの (一) 加工中に中心線の他の軸に対する角度を変更することができるスピンドルを有するもの (二) スピンドルを一回転させた場合におけるスピンドルの軸方向の振れが〇・〇〇〇六ミリメートル未満のもの (三) スピンドルを一回転させた場合におけるスピンドルの半径方向の振れが〇・〇〇〇六ミリメートル未満のもの (四) 国際規格ISO二三〇/二(工作機械の試験通則第二部)四.三.四で定める測定方法により測定したときの回転軸の位置決め精度が〇・〇〇一度未満のもの ロ ワイヤ放電加工をすることができる工作機械であって、輪郭制御をすることができる軸数が五以上のもの 四 鏡面仕上げ用の工作機械(数値制御を行うことができるものを除く。)であって、次のいずれかに該当するもの及びそのために特に設計した部分品 イ シングルポイント切削工具を用いた旋盤であって、次の(一)から(五)までの全てに該当するもの (一) 直線軸の全長について測定したときの位置決め精度が測定距離三〇〇ミリメートル当たり〇・〇〇〇五ミリメートル未満のもの (二) 直線軸の全長について測定したときの両方向位置決めの繰返し性が測定距離三〇〇ミリメートル当たり〇・〇〇〇二五ミリメートル未満のもの (三) スピンドルを一回転させた場合におけるスピンドルの半径方向及び軸方向の振れが〇・〇〇〇四ミリメートル未満のもの (四) 全移動距離における真直度が二秒未満のもの (五) 国際規格ISO二三〇/一(工作機械の試験通則第一部)五.五で定める測定方法により測定した運動の直角度が移動距離三〇〇ミリメートル当たり〇・〇〇一ミリメートル未満のもの ロ フライカッティングをすることができる工作機械であって、次の(一)及び(二)に該当するもの (一) スピンドルを一回転させた場合におけるスピンドルの半径方向及び軸方向の振れが〇・〇〇〇四ミリメートル未満のもの (二) 全移動距離における真直度が二秒未満のもの 五 工作機械用の数値制御装置であって、次のいずれかに該当するもの イ 輪郭制御をすることができる軸数が四のもの ロ 輪郭制御をすることができる軸数が二以上のもののうち、軸の最小設定単位が〇・〇〇一ミリメートル未満のもの ハ 輪郭制御をすることができる軸数が二から四までのもののうち、CADデータを直接受信し、これを工作機械に対する加工命令として処理することができるもの 六 工作機械の軸の運動を制御するための回路素子又は集積回路を組み込んだ組立品であって、次のいずれかに該当するもの イ 輪郭制御をすることができる軸数が五以上のもの ロ 次のいずれかに該当する方法によって、加工中に工具経路、送り速度又はスピンドルデータを修正するために内部データを実時間で処理することができるもの (一) 計測サイクル及びソースデータへのアクセスにより、二軸以上の加工を行うためのパートプログラムデータを自動的に計算し、及び修正する方法 (二) 測定された複数の物理変数及び加工命令を変更するための計算モデルによる処理を用いることにより、工程を最適化する適応制御による方法 ハ CADデータを受信し、これを工作機械に対する加工命令として処理することができるもの 第四十七条 輸出令別表第二の三第二号(44)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 クローキング又は適応型の迷彩に用いられる材料 二 高エントロピー合金 三 ホイスラー化合物 四 キタエフ材料(キタエフ量子スピン液体を含む。) 第四十八条 輸出令別表第二の三第二号(45)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、導電性高分子、半導電性高分子及び電界発光の性質を有する高分子であって、次のいずれかに該当するものとする。 一 印刷方式に用いられるもの 二 有機エレクトロニクスに用いられるもの 第四十九条 輸出令別表第二の三第二号(46)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、暴動又は騒乱の鎮圧用の放水砲を用いた装置並びにそれに使用するように特に設計した部分品及び附属品とする。 第五十条 輸出令別表第二の三第二号(47)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、法令の執行の用に供する警棒及びこれに類するもの(こん棒及びトンファーを含む。)並びにむちとする。 第五十一条 輸出令別表第二の三第二号(48)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、警察用のヘルメット及び盾並びにこれらに使用するように特に設計した部分品とする。 第五十二条 輸出令別表第二の三第二号(49)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、法令の執行の用に供するものであって、次のいずれかに該当するもの並びにそれに使用するように特に設計した部分品及び附属品とする。 一 手錠 二 拘束衣 三 手かせ 四 足かせ 五 拘束のための器具(前各号に該当するものを除く。) 第五十三条 輸出令別表第二の三第二号(50)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 破砕流体 二 破砕流体の添加剤(プロパントを含む。) 三 水圧破砕に用いられる高圧ポンプ 第五十四条 輸出令別表第二の三第二号(51)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、装置として用いられる環状の磁石とする。 第五十五条 輸出令別表第二の三第二号(52)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 ホットセル 二 放射性物質の取扱いに適したグローブボックス 第五十六条 輸出令別表第二の三第二号(53)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 催涙剤(容器に入れた正味重量が二〇グラム以下のものを除く。)であって、次のいずれかに該当するもの イ クロロベンザルマロノニトリルの含有量が全重量の一%以下のもの ロ クロロアセトフェノンの含有量が全重量の一%以下のもの 二 くしゃみ剤(容器に入れた正味重量が八五・〇五グラム以下のものを除く。) 三 発煙弾及びその部分品 四 手りゅう弾及びその部分品 五 てき弾及びその部分品 六 爆薬 七 発煙筒その他の火工品及びその部分品(軍用及び民生用の両方に用いられるものに限る。) 第五十七条 輸出令別表第二の三第二号(54)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、指紋の採取に用いられるものであって、次のいずれかに該当するものとする。 一 粉末 二 染料 三 インク 第五十八条 輸出令別表第二の三第二号(55)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するもの及びその部分品とする。 一 個人用の線量計 二 鉱業、採石業、農業、医薬品製造業、医療業、獣医業、環境計量証明業、廃棄物処理業、食料品製造業その他の産業で使用される生命又は身体を防護するための装置 第五十九条 輸出令別表第二の三第二号(56)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 放射線の探知、監視又は測定のための装置 二 放射線写真用の装置 第六十条 輸出令別表第二の三第二号(57)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 ふっ素製造用の電解槽 二 粒子加速器 三 電気業用に設計したプロセス制御装置 四 フロンガス又は冷却水を用いた冷却装置であって、冷却能力が連続的に二九・三キロワット以上のもの 五 複合材料、繊維、プリプレグ又はプリフォームの製造用の装置 第六十一条 輸出令別表第二の三第二号(58)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次の各号の全てに該当する複合材料に用いられる繊維とする。 一 比弾性率が三、一八〇、〇〇〇メートル以上のもの 二 比強度が七六、二〇〇メートル以上のもの 第六十二条 輸出令別表第二の三第二号(59)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 ワクチンであって、貨物等省令第二条の二第一項に該当するもの、サキシトキシン又はリシンを含有するもの及びこれらに対して免疫の効果を得させるために設計したもの 二 免疫毒素であって、貨物等省令第二条の二第一項第三号若しくは第四号に該当するもの、サキシトキシン又はリシンを含有するもの 三 医療製品であって、次のいずれかを含有するもの イ 貨物等省令第二条の二第一項第三号又は第四号に該当するもの(ボツリヌス毒素若しくはコノトキシン又はこれらのサブユニットを除く。) ロ 遺伝子を改変した生物(意図的な分子操作によって核酸の塩基配列を生成し、又は改変されたものを含む。次号ハにおいて同じ。)であって、貨物等省令第二条の二第一項第三号(ボツリヌス毒素若しくはコノトキシンを除く。以下ロにおいて同じ。)に該当するもの、サキシトキシン若しくはリシン若しくはこれらのサブユニットを有するもの又は遺伝要素(染色体、ゲノム、プラスミド、トランスポゾン、ベクター及び復元可能な核酸断片を含む不活性化された組織体を含む。次号ハにおいて同じ。)であって、同項第三号に該当するもの、サキシトキシン若しくはリシン若しくはこれらのサブユニットの塩基配列を有するもの 四 医療製品であって、次のいずれかを含有するもの(前号に該当するものを除く。) イ ボツリヌス毒素又はそのサブユニット ロ コノトキシン又はそのサブユニット ハ 遺伝子を改変した生物であって、ボツリヌス毒素若しくはコノトキシン若しくはこれらのサブユニットを有するもの又は遺伝要素であって、ボツリヌス毒素若しくはコノトキシン若しくはこれらのサブユニットの塩基配列を有するもの 五 診断用又は食品検査用のキットであって、貨物等省令第二条の二第一項第三号又は第四号に該当するものを含有するもの 第六十三条 輸出令別表第二の三第二号(60)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 石油の掘削のために特別に設計された成形 炸 さく 薬(単一軸方向に作用し、一回のみ使用できるものに限る。)であって、爆発により穴をあけるもののうち、次のイからハまでの全てに該当するもの イ 輸出令別表第一の一の項(二)、(三)若しくは(四)又は貨物等省令第三条第七号、第四条第十六号若しくは第十三条第一項若しくは第二項に該当する貨物(以下「エネルギー源となる物質」という。)を調合したものを含有するもの ロ 均一に成形された円すい形のライナーを有するものであって、その開先の角度が九〇度以下のもの ハ 〇・〇一キログラム超〇・〇九キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有し、かつ、直径が一一四・三ミリメートル以下のもの 二 石油の掘削のために特別に設計された成形炸薬であって、〇・〇一キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの 三 導爆線及び導火管であって、一メートル当たり〇・〇六四キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの 四 作動薬包であって、爆燃性の物質中に、〇・七キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの 五 雷管及びその組立品であって、〇・〇一キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの 六 点火管であって、〇・〇一キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの 七 油井用薬包であって、〇・〇一五キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの 八 充塡又は圧塡により成形された市販の伝爆薬(ブースター)であって、一キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの 九 市販かつ既製のスラリー爆薬及びエマルション爆薬であって、一〇キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有し、かつ、当該物質の含有率が重量比で三五パーセント以下のもの 十 カッター及び切断具であって、三・五キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの 十一 火工品のうち、民生用途のために設計したものであって、三キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの 十二 市販の爆薬及び火工品であって、一キログラム以下のエネルギー源となる物質を含有するもの(前各号に掲げるものを除く。) 十三 気体の三ふっ化窒素 第六十四条 輸出令別表第二の三第二号(61)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 貨物等省令第二条第一項第一号又は第三号に該当する化学物質を含む混合物であって、次のいずれかに該当するもの イ 貨物等省令第二条第一項第三号ヘ、リからルまで、ヨ又はタに該当する化学物質の含有率が重量比で一〇パーセント以下のもの ロ 次のいずれかに該当する化学物質の含有率が重量比で三〇パーセント以下の混合物 (一) 貨物等省令第二条第一項第一号に該当する化学物質 (二) 貨物等省令第二条第一項第三号レからオまで又はヤに該当する化学物質 二 貨物等省令第二条第一項第二号又は第三号に該当する化学物質を含む混合物であって、次のいずれかに該当するもの イ 貨物等省令第二条第一項第二号イからハまでのいずれかに該当する化学物質の含有率が重量比で一パーセント以下のもの ロ 貨物等省令第二条第一項第三号ト、チ又はヲからカまでのいずれかに該当する化学物質の含有率が重量比で一〇パーセント以下のもの ハ 次のいずれかに該当する化学物質の含有率が重量比で三〇パーセント以下の混合物 (一) 貨物等省令第二条第一項第二号ニからトまでのいずれかに該当する化学物質 (二) 貨物等省令第二条第一項第三号クに該当する化学物質 三 医療用、分析用、診断用又は食品検査用のキットであって、貨物等省令第二条第一項各号に該当する化学物質を含有するもの 第六十五条 輸出令別表第二の三第二号(62)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、ポリアリーレンエーテルケトンであって、次のいずれかに該当するものとする。 一 ポリエーテルエーテルケトン 二 ポリエーテルケトンケトン 三 ポリエーテルケトン 四 ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン 第六十六条 輸出令別表第二の三第二号(63)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 硬化鋼又はタングステンカーバイドで構成された精密玉軸受で直径三ミリメートル以上のもの 二 モネル製の板 三 りん酸トリブチル 四 濃度が二〇重量パーセント以上の硝酸 五 ふっ素 六 アルファ線を放出する放射線核種 第六十七条 輸出令別表第二の三第二号(64)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、爆発物又は信管、雷管その他の起爆装置を自動的に探知し、かつ、識別するように設計した電子式の装置(人、書類、手荷物その他の個人の所持品、積荷又は郵便物を調べるための装置を含む。)であって、エックス線、電磁気その他の技術を利用したもの及びその部分品とする。 第六十八条 輸出令別表第二の三第二号(65)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、透視装置(人、書類、手荷物その他の個人の所持品、積荷又は郵便物を調べるための装置を含む。)であって、次の各号の全てに該当するもの及びその部分品とする。 一 動作周波数が三〇ギガヘルツ以上三、〇〇〇ギガヘルツ以下のもの 二 一〇〇メートルの距離における空間分解能が〇・一ミリラジアン以上一ミリラジアン以下のもの 第六十九条 輸出令別表第二の三第二号(66)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、軸受であって、次のいずれかに該当するものとする。 一 玉軸受であって、米国国家規格協会又は米国軸受製造者協会で定める精度がABEC―七、ABEC―七P、ABEC―七T若しくは産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)に基づく日本産業規格B一五一四―一号で定める精度の等級が四級以上のもの又はこれらと同等の精度を有するもののうち、次のいずれかに該当するもの イ 摂氏三〇〇度超の動作温度で使用できるように設計したもの ロ 潤滑剤を用いること又は部分品の改造により、ミリメートルで表した軸受の内径の数値に一分間当たりの回転数を乗じた値が二、三〇〇、〇〇〇を超えるように特に設計したもの 二 円すいころ軸受であって、米国国家規格協会又は米国軸受製造者協会で定める精度がClassA以上のもの又はそれと同等の精度を有するもののうち、次のいずれかに該当するもの イ 潤滑剤を用いること又は部分品の改造により、ミリメートルで表した軸受の内径の数値に一分間当たりの回転数を乗じた値が二、三〇〇、〇〇〇を超えるように特に設計したもの ロ 摂氏零下五四度未満又は摂氏一五〇度超の動作温度で使用できるように設計したもの 三 気体潤滑のフォイル軸受であって、摂氏二八八度以上の動作温度で使用できるように設計したもののうち、面圧が一メガパスカルを超えるもの 四 能動型の磁気軸受システム 五 ふっ素重合体のライニングを用いた自動調心軸受又はジャーナル滑り軸受であって、摂氏零下五四度未満又は摂氏一五〇度超の動作温度で使用できるように設計したもの 第七十条 輸出令別表第二の三第二号(67)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、ステンレス鋼、銅及びニッケルの合金その他ニッケル若しくはクロムのいずれかの含有量又はこれらの含有量の合計が全重量の一〇パーセント以上の合金鋼製の管、継手及び弁であって、次のいずれかに該当するものとする。 一 管及び継手であって、内径が二〇〇ミリメートル以上かつ最高使用圧力が三・四メガパスカル以上のもの 二 弁であって接続部の内径が二〇〇ミリメートル以上かつ最高使用圧力が一〇・三メガパスカル以上のもの 第七十一条 輸出令別表第二の三第二号(68)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、電磁力によって溶融した金属を移送することができるように設計したポンプとする。 第七十二条 輸出令別表第二の三第二号(69)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、可搬型の発電機のうち、次のいずれかに該当するもの及びこれに使用するように特に設計した部分品とする。 一 重量が二、二六八キログラム以下であって、車輪付きのもの 二 最大積載量が二・五トンの自動車により運搬できるもの 第七十三条 輸出令別表第二の三第二号(70)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、ベローズ弁とする。 第七十四条 輸出令別表第二の三第二号(71)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、歯車の製造用又は仕上げ用の機械であって、米国歯車製造業者協会で定める精度がAGMA一一を超える歯車の製造又は仕上げをすることができるものとする。 第七十五条 輸出令別表第二の三第二号(72)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、手動の寸法検査装置及び測定装置であって、次の各号の全てに該当するものとする。 一 測定軸の数が二以上のもの 二 いずれの測定軸においても、マイクロメートルで表した測定の不確かさの数値がミリメートルで表した当該測定軸の長さに〇・〇〇三を乗じて得た数値に三を加えた数値以下のもの 第七十六条 輸出令別表第二の三第二号(73)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、ロボットであって、プログラム又はデータの作成又は変更を行うために、一以上のセンサーから送信された情報をフィードバック制御により即時に処理することができるものとする。 第七十七条 輸出令別表第二の三第二号(74)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、第四十六条、第七十四条から第七十六条までに掲げる貨物に使用するように特に設計されたものであって、次のいずれかに該当するものとする。 一 少なくともスピンドル及び軸受から構成されるスピンドルの組立品であって、スピンドルを一回転させた場合におけるスピンドルの半径方向又は軸方向の振れがそれぞれ〇・〇〇〇六ミリメートル未満のもの 二 数値制御装置、工作機械又はフィードバック装置を第四十六条又は第七十四条から第七十六条までに規定するこれらの性能と同等以上の性能に到達させるために特に設計した電子回路のプリント基板 三 シングルポイントダイヤモンド工具のインサートであって、次のイからハまでの全てに該当するもの イ いずれの方向に四〇〇倍拡大した場合であっても損傷及び欠陥のない切削用の刃を有するもの ロ コーナ半径が〇・一ミリメートル以上五ミリメートル以下のもの ハ コーナ半径の真円度が〇・〇〇二ミリメートル未満のもの 第七十八条 輸出令別表第二の三第二号(75)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、アイソスタチックプレスとする。 第七十九条 輸出令別表第二の三第二号(76)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、油圧式の成形機、ベローズ成形用の型その他のベローズの製造用の装置とする。 第八十条 輸出令別表第二の三第二号(77)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 レーザー溶接機 二 ミグ溶接機 三 電子ビーム溶接機 第八十一条 輸出令別表第二の三第二号(78)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、モネル製の装置(弁、管及びタンクその他の容器を含む。)とする。 第八十二条 輸出令別表第二の三第二号(79)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、採鉱又は穿孔に用いられる大型の機械であって、次のいずれかに該当するものとする。 一 直径が六〇センチメートルを超える穴を穿孔することができるボーリング機械 二 鉱業で使用される土木機械 第八十三条 輸出令別表第二の三第二号(80)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、ニッケル又はアルミニウムにより部品を被覆するために設計した電気メッキ用の装置とする。 第八十四条 輸出令別表第二の三第二号(81)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、出力が三・七キロワット以上の電動機とともに使用するように設計した産業用のポンプとする。 第八十五条 輸出令別表第二の三第二号(82)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、高真空で使用するように特に設計した管、フランジ継手、弁、ガスケット及び関連装置とする。 第八十六条 輸出令別表第二の三第二号(83)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次のいずれかに該当するものとする。 一 絞りスピニング加工機 二 しごきスピニング加工機 第八十七条 輸出令別表第二の三第二号(84)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、遠心力式釣合い試験機(一面釣合い試験機を除く。)とする。 第八十八条 輸出令別表第二の三第二号(85)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、オーステナイト系ステンレス鋼製の板、弁、管及びタンクその他の容器とする。 第八十九条 輸出令別表第二の三第二号の二(1)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)別表(以下「関税率表」という。)第二五・〇八項に該当するもの 二 関税率表第二五・〇九項に該当するもの 三 関税率表第二五・一二項に該当するもの 四 関税率表第二五・一五項に該当するもの 五 関税率表第二五一八・二〇号に該当するもの 六 関税率表第二五一九・一〇号に該当するもの 七 関税率表第二五二〇・一〇号に該当するもの 八 関税率表第二五・二一項に該当するもの 九 関税率表第二五・二二項に該当するもの 十 関税率表第二五・二五項に該当するもの 十一 関税率表第二五・二六項に該当するもの 十二 関税率表第二五三〇・二〇号に該当するもの 第九十条 輸出令別表第二の三第二号の二(2)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第二七・〇一項、第二七・〇二項、第二七・〇三項及び第二七・〇四項に該当するもの 二 関税率表第二七〇七・三〇号に該当するもの 三 関税率表第二七〇八・二〇号に該当するもの 四 関税率表第二七一〇・一九号に該当するもの 五 関税率表第二七・一二項(第二七一二・二〇号を除く。)に該当するもの 六 関税率表第二七・一五項に該当するもの 第九十一条 輸出令別表第二の三第二号の二(3)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第二八〇四・一〇号、第二八〇四・三〇号、第二八〇四・六一号、第二八〇四・七〇号及び第二八〇四・八〇号に該当するもの 二 関税率表第二八・〇六項及び第二八一一・二九号に該当するもの 三 関税率表第二八一三・一〇号に該当するもの 四 関税率表第二八・一四項、第二八一五・一二号、第二八一八・三〇号、第二八一九・九〇号、第二八二〇・一〇号及び第二八二五・一〇号に該当するもの 五 関税率表第二八二七・三一号、第二八二七・三五号、第二八二八・九〇号、第二八・二九項(第二八二九・一九号を除く。)、第二八三二・二〇号、第二八三三・二四号、第二八三三・三〇号、第二八三四・一〇号、第二八三六・三〇号、第二八三六・五〇号、第二八三九・九〇号、第二八四〇・三〇号、第二八四一・五〇号及び第二八四一・八〇号に該当するもの 六 関税率表第二八・四三項(第二八四三・二一号及び第二八四三・九〇号を除く。)及び第二八・四七項に該当するもの 第九十二条 輸出令別表第二の三第二号の二(4)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第三二・〇一項に該当するもの 二 関税率表第三二・〇二項に該当するもの 三 関税率表第三二・〇三項、第三二〇四・九〇号、第三二・〇五項、第三二〇六・四一号及び第三二〇六・四九号に該当するもの 四 関税率表第三二・〇七項に該当するもの 五 関税率表第三二・〇八項、第三二・〇九項及び第三二・一〇項に該当するもの 六 関税率表第三二一二・九〇号に該当するもの 七 関税率表第三二・一四項に該当するもの 八 関税率表第三二・一五項(第三二一五・九〇号を除く。)に該当するもの 第九十三条 輸出令別表第二の三第二号の二(5)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第三四・〇三項に該当するものとする。 第九十四条 輸出令別表第二の三第二号の二(6)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第三五〇五・一〇号に該当するもの 二 関税率表第三五〇六・九九号に該当するもの 第九十五条 輸出令別表第二の三第二号の二(7)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第三七〇一・二〇号、第三七〇一・九一号、第三七・〇二項、第三七・〇三項、第三七・〇五項及び第三七・〇六項に該当するものとする。 第九十六条 輸出令別表第二の三第二号の二(8)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第三八〇一・二〇号に該当するもの 二 関税率表第三八〇六・二〇号に該当するもの 三 関税率表第三八・〇七項に該当するもの 四 関税率表第三八・〇九項に該当するもの 五 関税率表第三八・一〇項に該当するもの 六 関税率表第三八・一一項に該当するもの 七 関税率表第三八一二・二〇号に該当するもの 八 関税率表第三八・一三項に該当するもの 九 関税率表第三八・一四項に該当するもの 十 関税率表第三八・一五項に該当するもの 十一 関税率表第三八・一六項に該当するもの 十二 関税率表第三八・一七項に該当するもの 十三 関税率表第三八・一八項に該当するもの 十四 関税率表第三八・一九項に該当するもの 十五 関税率表第三八・二〇項に該当するもの 十六 関税率表第三八二三・一三号に該当するもの 十七 関税率表第三八二四・八一号、第三八二四・八四号及び第三八二四・九九号に該当するもの 十八 関税率表第三八二五・九〇号に該当するもの 十九 関税率表第三八・二六項に該当するもの 二十 関税率表第三八二七・九〇号に該当するもの 第九十七条 輸出令別表第二の三第二号の二(9)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第三九〇一・四〇号に該当するもの 二 関税率表第三九・〇二項(第三九〇二・一〇号を除く。)に該当するもの 三 関税率表第三九〇三・一九号及び第三九〇三・九〇号に該当するもの 四 関税率表第三九〇四・一〇号及び第三九〇四・五〇号に該当するもの 五 関税率表第三九・〇五項に該当するもの 六 関税率表第三九・〇六項に該当するもの 七 関税率表第三九〇七・二一号、第三九〇七・四〇号、第三九〇七・七〇号及び第三九〇七・九一号に該当するもの 八 関税率表第三九・〇八項に該当するもの 九 関税率表第三九・〇九項(第三九〇九・一〇号及び第三九〇九・三一号を除く。)に該当するもの 十 関税率表第三九一二・一一号、第三九一二・二〇号及び第三九一二・九〇号に該当するもの 十一 関税率表第三九一五・二〇号に該当するもの 十二 関税率表第三九一七・一〇号、第三九一七・二三号、第三九一七・三一号、第三九一七・三二号、第三九一七・三三号、第三九二〇・一〇号、第三九二〇・六一号、第三九二〇・六九号、第三九二〇・七三号、第三九二〇・九一号及び第三九二一・一九号に該当するもの 十三 関税率表第三九二二・九〇号に該当するもの 十四 関税率表第三九二五・二〇号に該当するもの 第九十八条 輸出令別表第二の三第二号の二(10)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第四〇・〇二項に該当するもの 二 関税率表第四〇・〇五項に該当するもの 三 関税率表第四〇〇六・一〇号及び第四〇〇八・二一号に該当するもの 四 関税率表第四〇〇九・一二号及び第四〇〇九・四一号に該当するもの 五 関税率表第四〇・一〇項に該当するもの 六 関税率表第四〇一一・二〇号及び第四〇一一・三〇号に該当するもの 七 関税率表第四〇・一二項に該当するもの 八 関税率表第四〇一六・九三号に該当するもの 第九十九条 輸出令別表第二の三第二号の二(11)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第四四・〇七項及び第四四〇八・一〇号に該当するもの 二 関税率表第四四一一・一三号及び第四四一一・九四号に該当するもの 三 関税率表第四四・一二項に該当するもの 四 関税率表第四四・一六項に該当するもの 五 関税率表第四四一八・四〇号及び第四四一八・七九号に該当するもの 第百条 輸出令別表第二の三第二号の二(12)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第四五・〇三項及び第四五・〇四項に該当するものとする。 第百一条 輸出令別表第二の三第二号の二(13)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第四七・〇一項に該当するもの 二 関税率表第四七・〇三項及び第四七・〇四項に該当するもの 三 関税率表第四七・〇五項に該当するもの 四 関税率表第四七・〇六項に該当するもの 五 関税率表第四七・〇七項に該当するもの 第百二条 輸出令別表第二の三第二号の二(14)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第四八〇二・二〇号、第四八〇二・四〇号、第四八〇二・五八号及び第四八〇二・六一号に該当するもの 二 関税率表第四八・〇四項に該当するもの 三 関税率表第四八・〇五項に該当するもの 四 関税率表第四八・〇六項に該当するもの 五 関税率表第四八・〇七項に該当するもの 六 関税率表第四八・〇八項に該当するもの 七 関税率表第四八・〇九項に該当するもの 八 関税率表第四八・一〇項に該当するもの 九 関税率表第四八・一一項(第四八一一・四一号及び第四八一一・四九号を除く。)に該当するもの 十 関税率表第四八一四・九〇号に該当するもの 十一 関税率表第四八一九・二〇号に該当するもの 十二 関税率表第四八・二二項に該当するもの 十三 関税率表第四八・二三項に該当するもの 第百三条 輸出令別表第二の三第二号の二(15)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第四九・〇六項に該当するものとする。 第百四条 輸出令別表第二の三第二号の二(16)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第五一・〇五項、第五一・〇六項、第五一・〇七項及び第五一・一二項に該当するものとする。 第百五条 輸出令別表第二の三第二号の二(17)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第五二・〇五項、第五二〇六・四二号、第五二〇九・一一号及び第五二・一一項に該当するものとする。 第百六条 輸出令別表第二の三第二号の二(18)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第五三・〇八項に該当するものとする。 第百七条 輸出令別表第二の三第二号の二(19)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第五四〇二・六三号に該当するもの 二 関税率表第五四・〇三項に該当するもの 三 関税率表第五四・〇四項に該当するもの 四 関税率表第五四〇七・三〇号に該当するもの 第百八条 輸出令別表第二の三第二号の二(20)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第五五・〇一項に該当するもの 二 関税率表第五五・〇二項に該当するもの 三 関税率表第五五・〇三項、第五五・〇六項、第五五一二・二一号及び第五五一二・九九号に該当するもの 四 関税率表第五五〇四・九〇号、第五五・〇七項及び第五五・一六項に該当するもの 第百九条 輸出令別表第二の三第二号の二(21)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第五六〇一・二九号及び第五六〇一・三〇号に該当するもの 二 関税率表第五六・〇四項に該当するもの 三 関税率表第五六・〇五項に該当するもの 四 関税率表第五六〇七・四一号に該当するもの 第百十条 輸出令別表第二の三第二号の二(22)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第五八〇一・二七号、第五八・〇三項及び第五八〇六・四〇号に該当するものとする。 第百十一条 輸出令別表第二の三第二号の二(23)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第五九・〇一項に該当するもの 二 関税率表第五九・〇五項に該当するもの 三 関税率表第五九・〇八項に該当するもの 四 関税率表第五九・一〇項に該当するもの 五 関税率表第五九・一一項(第五九一一・二〇号及び第五九一一・九〇号を除く。)に該当するもの 第百十二条 輸出令別表第二の三第二号の二(24)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第六〇〇一・九九号、第六〇・〇三項、第六〇〇五・三六号、第六〇〇五・四四号及び第六〇〇六・一〇号に該当するものとする。 第百十三条 輸出令別表第二の三第二号の二(25)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第六三・〇九項に該当するものとする。 第百十四条 輸出令別表第二の三第二号の二(26)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第六八〇二・九二号に該当するもの 二 関税率表第六八〇四・二三号に該当するもの 三 関税率表第六八・〇六項に該当するもの 四 関税率表第六八・〇七項に該当するもの 五 関税率表第六八〇九・一九号に該当するもの 六 関税率表第六八一〇・九一号に該当するもの 七 関税率表第六八・一一項に該当するもの 八 関税率表第六八・一三項に該当するもの 九 関税率表第六八一四・九〇号に該当するもの 第百十五条 輸出令別表第二の三第二号の二(27)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第六九・〇一項に該当するもの 二 関税率表第六九〇四・一〇号に該当するもの 三 関税率表第六九・〇五項に該当するもの 四 関税率表第六九・〇六項に該当するもの 五 関税率表第六九〇七・二二号及び第六九〇七・四〇号に該当するもの 六 関税率表第六九〇九・九〇号に該当するもの 第百十六条 輸出令別表第二の三第二号の二(28)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第七〇・〇二項に該当するもの 二 関税率表第七〇・〇三項に該当するもの 三 関税率表第七〇・〇四項に該当するもの 四 関税率表第七〇・〇五項に該当するもの 五 関税率表第七〇〇七・一一号及び第七〇〇七・二九号に該当するもの 六 関税率表第七〇一一・一〇号に該当するもの 第百十七条 輸出令別表第二の三第二号の二(29)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第七二〇二・九二号に該当するもの 二 関税率表第七二・〇七項、第七二・〇八項、第七二・〇九項、第七二・一〇項、第七二・一一項、第七二・一二項、第七二・一三項、第七二一五・五〇号及び第七二・一六項に該当するもの 三 関税率表第七二・一八項、第七二・一九項、第七二・二〇項、第七二二二・三〇号、第七二・二四項、第七二・二五項、第七二・二六項及び第七二二九・九〇号に該当するもの 四 関税率表第七二・二八項に該当するもの 第百十八条 輸出令別表第二の三第二号の二(30)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第七三〇一・二〇号に該当するもの 二 関税率表第七三〇四・一一号、第七三〇四・一九号、第七三〇四・二二号、第七三〇四・二三号、第七三〇四・二四号、第七三〇四・二九号、第七三・〇五項(第七三〇五・三一号及び第七三〇五・九〇号を除く。)、第七三〇六・一一号、第七三〇六・一九号及び第七三〇六・五〇号に該当するもの 三 関税率表第七三〇七・二二号に該当するもの 四 関税率表第七三・〇八項に該当するもの 五 関税率表第七三・〇九項に該当するもの 六 関税率表第七三・一〇項に該当するもの 七 関税率表第七三・一一項に該当するもの 八 関税率表第七三一四・一二号に該当するもの 九 関税率表第七三一八・二四号に該当するもの 十 関税率表第七三二〇・二〇号に該当するもの 十一 関税率表第七三二二・九〇号に該当するもの 十二 関税率表第七三二四・二九号に該当するもの 第百十九条 輸出令別表第二の三第二号の二(31)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第七四・〇七項、第七四・〇八項及び第七四・〇九項に該当するもの 二 関税率表第七四一一・二九号に該当するもの 三 関税率表第七四一五・二一号に該当するもの 第百二十条 輸出令別表第二の三第二号の二(32)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第七五・〇五項及び第七五・〇六項に該当するもの 二 関税率表第七五・〇七項に該当するもの 三 関税率表第七五・〇八項に該当するもの 第百二十一条 輸出令別表第二の三第二号の二(33)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第七六・〇五項に該当するもの 二 関税率表第七六〇六・九二号に該当するもの 三 関税率表第七六〇七・二〇号に該当するもの 四 関税率表第七六・一〇項に該当するもの 五 関税率表第七六・一一項に該当するもの 六 関税率表第七六・一二項に該当するもの 七 関税率表第七六・一三項に該当するもの 八 関税率表第七六一六・一〇号に該当するもの 第百二十二条 輸出令別表第二の三第二号の二(34)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第七八・〇四項に該当するものとする。 第百二十三条 輸出令別表第二の三第二号の二(35)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第七九・〇五項に該当するものとする。 第百二十四条 輸出令別表第二の三第二号の二(36)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第八〇・〇一項、第八〇・〇三項及び第八〇・〇七項に該当するものとする。 第百二十五条 輸出令別表第二の三第二号の二(37)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第八一〇一・一〇号、第八一・〇二項、第八一〇五・九〇号、第八一・〇九項、第八一一二・四一号及び第八一一二・四九号に該当するものとする。 第百二十六条 輸出令別表第二の三第二号の二(38)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第八二〇二・二〇号に該当するもの 二 関税率表第八二〇五・五九号、第八二〇七・一三号、第八二〇七・一九号、第八二〇七・六〇号及び第八二〇七・九〇号に該当するもの 三 関税率表第八二・〇八項に該当するもの 四 関税率表第八三〇一・二〇号及び第八三〇一・七〇号に該当するもの 五 関税率表第八三〇二・三〇号に該当するもの 六 関税率表第八三・〇七項に該当するもの 七 関税率表第八三・〇九項に該当するもの 第百二十七条 輸出令別表第二の三第二号の二(39)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第八四・〇二項に該当するもの 二 関税率表第八四・〇四項に該当するもの 三 関税率表第八四・〇五項に該当するもの 四 関税率表第八四・〇六項に該当するもの 五 関税率表第八四〇七・一〇号、第八四〇七・二一号、第八四〇七・二九号、第八四・〇八項及び第八四・〇九項(第八四〇九・九一号を除く。)に該当するもの 六 関税率表第八四・一〇項に該当するもの 七 関税率表第八四・一一項(第八四一一・八一号、第八四一一・八二号及び第八四一一・九九号を除く。)に該当するもの 八 関税率表第八四・一二項に該当するもの 九 関税率表第八四・一三項に該当するもの 十 関税率表第八四一四・一〇号及び第八四一四・九〇号に該当するもの 十一 関税率表第八四一五・八三号に該当するもの 十二 関税率表第八四・一六項に該当するもの 十三 関税率表第八四・一七項に該当するもの 十四 関税率表第八四一八・六九号に該当するもの 十五 関税率表第八四一九・一九号、第八四一九・四〇号、第八四一九・五〇号、第八四一九・六〇号、第八四一九・八九号及び第八四一九・九〇号に該当するもの 十六 関税率表第八四二〇・九九号に該当するもの 十七 関税率表第八四・二一項に該当するもの 十八 関税率表第八四二四・八九号及び第八四二四・九〇号に該当するもの 十九 関税率表第八四二五・一一号及び第八四二五・三一号に該当するもの 二十 関税率表第八四・二六項並びに第八四三一・四一号及び第八四三一・四九号(第八四・二六項の機械に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 二十一 関税率表第八四・二七項及び第八四三一・二〇号に該当するもの 二十二 関税率表第八四・二八項(第八四二八・一〇号、第八四二八・四〇号及び第八四二八・六〇号を除く。)及び第八四三一・三九号に該当するもの 二十三 関税率表第八四・二九項並びに第八四三一・四一号及び第八四三一・四九号(第八四・二九項の機械に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 二十四 関税率表第八四・三〇項及び第八四三一・四三号並びに第八四三一・四一号及び第八四三一・四九号(第八四・三〇項の機械に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 二十五 関税率表第八四三九・一〇号及び第八四三九・三〇号に該当するもの 二十六 関税率表第八四四〇・九〇号に該当するもの 二十七 関税率表第八四四一・三〇号に該当するもの 二十八 関税率表第八四四二・四〇号に該当するもの 二十九 関税率表第八四四三・一三号、第八四四三・一五号、第八四四三・一六号、第八四四三・一七号、第八四四三・一九号及び第八四四三・九一号に該当するもの 三十 関税率表第八四・四四項及び第八四四八・二〇号並びに第八四四八・一一号及び第八四四八・一九号(第八四・四四項の機械の補助機械に係るものに限る。)に該当するもの 三十一 関税率表第八四・四八項に該当するもの(前号に該当するものを除く。) 三十二 関税率表第八四五一・一〇号、第八四五一・二九号、第八四五一・三〇号及び第八四五一・九〇号に該当するもの 三十三 関税率表第八四・五三項に該当するもの 三十四 関税率表第八四・五四項に該当するもの 三十五 関税率表第八四五五・二二号及び第八四五五・三〇号に該当するもの 三十六 関税率表第八四・五六項及び第八四六六・九三号(第八四・五六項の機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品に係るものに限る。)に該当するもの 三十七 関税率表第八四・五七項及び第八四六六・九三号(第八四・五七項の機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品に係るものに限る。)に該当するもの 三十八 関税率表第八四・五八項及び第八四六六・九三号(第八四・五八項の機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品に係るものに限る。)に該当するもの 三十九 関税率表第八四・五九項及び第八四六六・九三号(第八四・五九項の機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品に係るものに限る。)に該当するもの 四十 関税率表第八四・六〇項及び第八四六六・九三号(第八四・六〇項の機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品に係るものに限る。)に該当するもの 四十一 関税率表第八四・六一項及び第八四六六・九三号(第八四・六一項の機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品に係るものに限る。)に該当するもの 四十二 関税率表第八四・六二項及び第八四六六・九四号(第八四・六二項の機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品に係るものに限る。)に該当するもの 四十三 関税率表第八四・六三項及び第八四六六・九四号(第八四・六三項の機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品に係るものに限る。)に該当するもの 四十四 関税率表第八四・六四項及び第八四六六・九一号に該当するもの 四十五 関税率表第八四・六五項及び第八四六六・九二号に該当するもの 四十六 関税率表第八四六六・一〇号、第八四六六・二〇号及び第八四六六・三〇号に該当するもの 四十七 関税率表第八四・六七項に該当するもの 四十八 関税率表第八四・六八項に該当するもの 四十九 関税率表第八四・七一項に該当するもの 五十 関税率表第八四・七二項(第八四七二・九〇号を除く。)に該当するもの 五十一 関税率表第八四・七三項に該当するもの 五十二 関税率表第八四・七四項に該当するもの 五十三 関税率表第八四・七五項に該当するもの 五十四 関税率表第八四・七七項に該当するもの 五十五 関税率表第八四・七九項(第八四七九・二〇号、第八四七九・四〇号、第八四七九・六〇号、第八四七九・七一号、第八四七九・七九号及び第八四七九・八三号を除く。)に該当するもの 五十六 関税率表第八四・八〇項に該当するもの 五十七 関税率表第八四・八一項(第八四八一・八〇号及び第八四八一・九〇号を除く。)に該当するもの 五十八 関税率表第八四・八二項に該当するもの 五十九 関税率表第八四・八三項に該当するもの 六十 関税率表第八四・八四項に該当するもの 六十一 関税率表第八四・八五項に該当するもの 六十二 関税率表第八四・八六項に該当するもの 六十三 関税率表第八四・八七項に該当するもの 第百二十八条 輸出令別表第二の三第二号の二(40)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第八五・〇一項、第八五・〇二項及び第八五・〇三項に該当するもの 二 関税率表第八五・〇四項に該当するもの 三 関税率表第八五・〇五項に該当するもの 四 関税率表第八五・〇六項に該当するもの 五 関税率表第八五・〇七項に該当するもの 六 関税率表第八五・一一項に該当するもの 七 関税率表第八五一二・二〇号及び第八五一二・九〇号に該当するもの 八 関税率表第八五・一四項に該当するもの 九 関税率表第八五・一五項に該当するもの 十 関税率表第八五一六・八〇号に該当するもの 十一 関税率表第八五一七・六一号、第八五一七・六二号、第八五一七・六九号、第八五一七・七一号及び第八五一七・七九号に該当するもの 十二 関税率表第八五二三・五一号に該当するもの 十三 関税率表第八五・二五項及び第八五・二九項(第八五・二五項の機械に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 十四 関税率表第八五・二六項及び第八五・二九項(第八五・二六項の機械に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 十五 関税率表第八五二七・二一号及び第八五・二九項(第八五・二七項の機械に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 十六 関税率表第八五二八・四九号及び第八五・二九項(第八五・二八項の機械に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 十七 関税率表第八五・二九項(第八五・二四項の機械に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 十八 関税率表第八五・三〇項に該当するもの 十九 関税率表第八五・三二項(第八五三二・二三号及び第八五三二・二五号を除く。)に該当するもの 二十 関税率表第八五・三三項(第八五三三・一〇号、第八五三三・三一号及び第八五三三・三九号を除く。)に該当するもの 二十一 関税率表第八五・三四項に該当するもの 二十二 関税率表第八五・三五項、第八五三六・四一号、第八五三六・四九号、第八五三六・五〇号、第八五三六・六九号、第八五三六・九〇号及び第八五三八・九〇号(第八五・三五項及び第八五・三六項の機器に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 二十三 関税率表第八五三七・一〇号及び第八五三八・一〇号並びに第八五三八・九〇号(第八五・三七項の機器に専ら又は主として使用する部分品に係るものに限る。)に該当するもの 二十四 関税率表第八五三九・二九号、第八五三九・三九号、第八五三九・四一号、第八五三九・五一号及び第八五三九・五二号に該当するもの 二十五 関税率表第八五・四〇項に該当するもの 二十六 関税率表第八五・四一項に該当するもの 二十七 関税率表第八五・四二項に該当するもの 二十八 関税率表第八五四三・一〇号、第八五四三・二〇号及び第八五四三・三〇号に該当するもの 二十九 関税率表第八五・四四項(第八五四四・一九号、第八五四四・二〇号及び第八五四四・四二号を除く。)に該当するもの 三十 関税率表第八五四五・二〇号に該当するもの 三十一 関税率表第八五・四七項に該当するもの 三十二 関税率表第八五・四八項に該当するもの 三十三 関税率表第八五・四九項に該当するもの 第百二十九条 輸出令別表第二の三第二号の二(41)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第八六・〇二項に該当するもの 二 関税率表第八六・〇四項に該当するもの 三 関税率表第八六・〇六項に該当するもの 第百三十条 輸出令別表第二の三第二号の二(42)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第八七〇一・二一号、第八七〇一・二二号、第八七〇一・二三号、第八七〇一・二四号及び第八七〇一・三〇号に該当するもの 二 関税率表第八七・〇三項に該当するもの(次のイからハまでのいずれかに該当するものを除く。) イ 関税率表第八七〇三・二一号、第八七〇三・二二号又は第八七〇三・三一号 ロ 関税率表第八七〇三・二三号(シリンダー容積が一、九〇〇立方センチメートル以下のものに限る。) ハ 関税率表第八七〇三・三二号(シリンダー容積が一、九〇〇立方センチメートル以下のものに限る。) 三 関税率表第八七・〇四項(第八七〇四・二一号に該当するものであって、シリンダー容積が一、九〇〇立方センチメートル以下のものを除く。)に該当するもの 四 関税率表第八七・〇五項に該当するもの 五 関税率表第八七〇九・九〇号に該当するもの 六 関税率表第八七一六・二〇号、第八七一六・三九号及び第八七一六・九〇号に該当するもの 第百三十一条 輸出令別表第二の三第二号の二(43)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第八八・〇一項及び第八八・〇七項(第八八・〇一項の物品の部分品に係るものに限る。)に該当するもの 二 関税率表第八八・〇二項及び第八八・〇七項(第八八・〇二項の物品の部分品に係るものに限る。)に該当するもの 三 関税率表第八八・〇四項に該当するもの 四 関税率表第八八・〇五項に該当するもの 五 関税率表第八八・〇六項及び第八八・〇七項(第八八・〇六項の物品の部分品に係るものに限る。)に該当するもの 第百三十二条 輸出令別表第二の三第二号の二(44)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第八九・〇三項及び第八九・〇五項(第八九〇五・一〇号を除く。)に該当するものとする。 第百三十三条 輸出令別表第二の三第二号の二(45)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第九〇〇一・一〇号に該当するもの 二 関税率表第九〇〇二・一一号及び第九〇〇二・一九号に該当するもの 三 関税率表第九〇・〇五項に該当するもの 四 関税率表第九〇〇六・三〇号に該当するもの 五 関税率表第九〇・〇七項に該当するもの 六 関税率表第九〇・一〇項に該当するもの 七 関税率表第九〇・一三項に該当するもの 八 関税率表第九〇・一四項に該当するもの 九 関税率表第九〇・一五項に該当するもの 十 関税率表第九〇・二四項に該当するもの 十一 関税率表第九〇二五・一九号及び第九〇二五・九〇号に該当するもの 十二 関税率表第九〇・二六項に該当するもの 十三 関税率表第九〇・二七項に該当するもの 十四 関税率表第九〇・二九項に該当するもの 十五 関税率表第九〇・三〇項に該当するもの 十六 関税率表第九〇・三一項に該当するもの 十七 関税率表第九〇三二・一〇号及び第九〇三二・八一号に該当するもの 第百三十四条 輸出令別表第二の三第二号の二(46)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第九四〇一・一〇号及び第九四〇一・二〇号に該当するもの 二 関税率表第九四〇三・三〇号に該当するもの 三 関税率表第九四・〇六項に該当するもの 第百三十五条 輸出令別表第二の三第二号の二(47)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第九五・〇三項に該当するものとする。 第百三十六条 輸出令別表第二の三第二号の二(48)に掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第九六・〇六項に該当するもの 二 関税率表第九六〇八・九一号に該当するもの 三 関税率表第九六一二・二〇号に該当するもの 第百三十七条 輸出令別表第二の三第三号イに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第二二・〇三項、第二二・〇四項(第二二〇四・二二号及び第二二〇四・三〇号を除く。)、第二二・〇五項、第二二・〇六項、第二二〇七・一〇号及び第二二・〇八項に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百三十八条 輸出令別表第二の三第三号ロに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第二四・〇二項(第二四〇二・二〇号を除く。)に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百三十九条 輸出令別表第二の三第三号ハに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第三三・〇三項、第三三・〇四項(第三三〇四・三〇号を除く。)及び第三三〇七・九〇号に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十条 輸出令別表第二の三第三号ニに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第四二・〇二項(第四二〇二・九二号を除く。)及び第四二〇三・四〇号に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十一条 輸出令別表第二の三第三号ホに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第四三・〇三項に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十二条 輸出令別表第二の三第三号ヘに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第五七類(第五七〇二・四九号を除く。)に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十三条 輸出令別表第二の三第三号トに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第五八・〇五項に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十四条 輸出令別表第二の三第三号チに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第六一一〇・三〇号、第六一・一二項、第六二〇六・一〇号、第六二一一・一一号から第六二一一・二〇号まで、第六二一三・九〇号、第六二一四・一〇号及び第六二一五・一〇号に該当するもの(十万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十五条 輸出令別表第二の三第三号リに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第六四〇一・九二号、第六四・〇二項(第六四〇二・二〇号及び第六四〇二・九一号を除く。)、第六四・〇三項、第六四・〇四項(第六四〇四・一九号を除く。)及び第六四〇五・一〇号に該当するもの(十万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十六条 輸出令別表第二の三第三号ヌに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第六五〇六・九九号に該当するもの(十万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十七条 輸出令別表第二の三第三号ルに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第六九・一一項及び第六九・一四項に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十八条 輸出令別表第二の三第三号ヲに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第七〇一三・二二号、第七〇一三・三三号、第七〇一三・四一号及び第七〇一三・九一号に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百四十九条 輸出令別表第二の三第三号ワに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第七一・〇一項、第七一〇二・一〇号、第七一・〇三項、第七一〇四・九一号、第七一・〇六項(第七一〇六・一〇号を除く。)、第七一〇八・一三号、第七一・一三項、第七一・一四項(第七一一四・一一号を除く。)、第七一一五・九〇号及び第七一・一六項に該当するもの(金を主たる材料とする物を除き、四万円を超えるものに限る。)とする。 第百五十条 輸出令別表第二の三第三号カに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第八四〇七・二一号、第八四〇七・二九号、第八四〇八・一〇号及び第八四〇九・九一号(船舶推進用エンジンに使用する部分品に限る。)に該当するもの(百三十万円を超えるものに限る。) 二 関税率表第八四七一・三〇号に該当するもの(四万円を超えるものに限る。) 第百五十一条 輸出令別表第二の三第三号ヨに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 関税率表第八七・〇三項に該当するもの(六百万円を超えるものに限る。) 二 関税率表第八七・〇六項(乗用自動車用のものに限る。)及び第八七〇七・一〇号に該当するもの(二百万円を超えるものに限る。) 三 関税率表第八七・一一項(第八七一一・一〇号を除く。)に該当するもの(六十万円を超えるものに限る。) 四 関税率表第八七一四・一〇号に該当するもの(二十万円を超えるものに限る。) 第百五十二条 輸出令別表第二の三第三号タに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第九〇・二〇項に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百五十三条 輸出令別表第二の三第三号レに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第九一・〇一項、第九一一一・一〇号、第九一一一・九〇号(特定金属(銀、金、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム及びルテニウムをいう。以下同じ。)又は特定金属を張った金属を使用したケースの部分品に限る。)及び第九一一三・一〇号に該当するもの(四万円を超えるものに限る。)とする。 第百五十四条 輸出令別表第二の三第三号ソに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第九二〇一・二〇号に該当するもの(二十万円を超えるものに限る。)とする。 第百五十五条 輸出令別表第二の三第三号ツに掲げる貨物であって、経済産業省令で定めるものは、関税率表第九七類に該当するもの(金貨その他金を主たる材料とする物を除き、四万円を超えるものに限る。)とする。 | 外国為替・貿易 |
Reiwa | MinisterialOrdinance | 505M60000440001_20240401_000000000000000.xml | 令和五年財務省・経済産業省令第一号 | 29 | 外国為替取引等取扱業者遵守基準を定める省令
(外国為替取引等取扱業者遵守基準) 第一条 外国為替取引等取扱業者(外国為替及び外国貿易法(以下「法」という。)第五十五条の九の二第一項に規定する外国為替取引等取扱業者をいう。以下同じ。)が遵守すべき基準は、次のとおりとする。 一 自らが行う法の適用を受ける外国為替取引等(法第五十五条の九の二第一項に規定する外国為替取引等をいう。以下同じ。)について、その業務の内容、顧客の属性及び犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成十九年法律第二十二号)第三条第三項に規定する犯罪収益移転危険度調査書その他の情報を総合的に勘案し、次に掲げる危険性を特定し、これらの危険性の程度(以下「危険度」という。)を分析し、及び評価し、その結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。以下同じ。)(以下「外国為替取引等取扱業者作成書面等」という。)を作成し、必要に応じて、見直しを行い、必要な変更を加えること。 イ 法第五十五条の九の二第二項各号に掲げる取引又は行為(その顧客の支払等(支払又は支払の受領をいう。以下同じ。)に係る為替取引(同項第三号に掲げる為替取引をいう。)を行う場合における当該顧客が行う支払等を含む。以下「規制対象取引等」という。)を法及び法の規定に基づく命令の規定に違反して行う危険性 ロ 規制対象取引等に該当するおそれがある取引又は行為を行う危険性 ハ 規制対象取引等を法及び法の規定に基づく命令の規定に違反することを免れるために偽装して行う危険性 二 外国為替取引等取扱業者作成書面等の内容を勘案し、危険度を十分に低減させるための方針を策定し、当該方針に基づき、危険度を十分に低減させるための対応方法を定め、これらを実施するための手順書(危険度を十分に低減させるために必要な事項並びに規制対象取引等を法及び法の規定に基づく命令の規定に違反して行い、規制対象取引等に該当するおそれがある取引若しくは行為を行い、又は法及び法の規定に基づく命令の規定に違反することを免れるために偽装して行う規制対象取引等を行ったことを認識した場合の対処方法を具体的に示した手順書をいう。以下同じ。)を作成し、当該手順書に従って外国為替取引等を行うこと。 三 前二号及び次条各号に定める事項に関し、外国為替取引等取扱業者の役職員(外国為替取引等に関連する業務に従事する役員及び職員をいう。)に対し研修を実施し、当該事項に関する知識を習得させること。 四 前三号及び次号イからハまでに掲げる事項の実施日、実施者、実施内容その他の当該事項が適切に実施されたことを確認するに足りる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成し、適切な期間保存すること。 五 前各号に掲げる事項の確実な実施を統括し、管理する者(以下「統括責任者」という。)を選任するとともに、統括責任者が次に掲げる事項を適切に実施することを確保すること。 イ 第二号に規定する方針、対応方法及び手順書を承認すること。 ロ 第二号に規定する対応方法及び手順書に基づく手続の実施状況の監視を行い、必要に応じ、当該対応方法を強化し、手順書の見直しを行うこと。 ハ 前各号に掲げる事項の確実な実施のために必要な措置を講じ、必要に応じ、講じた措置について役員会若しくはこれに相当するものの承認を受け、又は役員会若しくはこれに相当するものに報告すること。 六 前各号に掲げる事項を実施する部門のいずれからも独立した立場でこれらの部門を定期的に監査する監査部門(当該監査に係る事務を外部に委託する場合における委託先を含む。以下同じ。)を設置するとともに、当該監査部門が次に掲げる事項を適切に実施することを確保すること。 ただし、外国為替取引等取扱業者作成書面等の内容その他の事情を踏まえ、危険度を十分に低減させるために必要な事項について、独立した監査部門による監査を行う必要がないと認められる場合には、この限りでない。 イ 外国為替取引等取扱業者作成書面等における分析及び評価の適切性を検証すること。 ロ 外国為替取引等取扱業者作成書面等の内容を勘案した監査計画を立案し、当該監査計画に基づき法及び法の規定に基づく命令の規定の遵守状況並びに第二号に規定する対応方法及び手順書に基づく手続の実施状況について監査を行うとともに、必要に応じ、その監査結果に基づく助言を行うこと。 ハ イ及びロに掲げる事項の実施日、実施者、実施内容その他の当該事項が適切に実施されたことを確認するに足りる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成し、適切な期間保存すること。 (手順書の記載事項) 第二条 手順書には、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載するものとする。 一 法第十七条(法第十七条の三及び第十七条の四第一項において準用する場合を含む。ヘにおいて同じ。)の規定の適用を受ける者 次に掲げる事項 イ 特定の者等(主務大臣が指定するものをいう。以下同じ。)の名簿を作成し、適切に管理するために必要な事項 ロ 特定の者等に追加、変更又は削除があった場合において、当該追加、変更又は削除に係る情報を直ちに入手し、特定の者等の名簿を最新のものに保つために必要な事項 ハ 規制対象取引等その他の取引等(規制対象取引等、規制対象取引等に該当するおそれがあるもの並びに規制対象取引等を法及び法の規定に基づく命令の規定に違反することを免れるため偽装して行うものをいう。以下同じ。)(特定の者等との間で行う取引又は行為に関するものに限る。)に該当するか否かを確認するために必要な事項(危険度に応じて当該危険度を十分に低減させる措置に係る事項を含む。ニ及びホにおいて同じ。) ニ 規制対象取引等その他の取引等(特定の者等との間で行う取引又は行為に関するものを除く。)に該当するか否かを確認するために必要な事項 ホ 外国為替取引等取扱業者が行う顧客の支払等に係る為替取引(法第五十五条の九の二第一項に規定する為替取引をいう。)が規制対象取引等その他の取引等に該当しないこと又は必要な許可若しくは承認を受け、若しくは必要な届出後の所要の手続を完了していることを確認するために必要な事項 ヘ 法第十七条の規定による確認義務を履行するため、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二条第十九項に規定する為替取引分析業者その他の事業者に対し、当該確認義務の履行に係る業務の全部又は一部を委託する場合には、当該業務が適切に実施されることを確保するために必要な事項及び委託先が当該業務を適正かつ確実に遂行しているかを検証し、必要に応じ、改善させることその他の委託先に対する必要かつ適切な監督を行うために必要な事項 二 前号に掲げる者以外の者 同号イからニまでに掲げる事項 | 外国為替・貿易 |
Heisei | Rule | 411M50400000013_20190701_501M60400000003.xml | 平成十一年国家公安委員会規則第十三号 | 2 | 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定に基づく警察庁長官の意見の陳述等の実施に関する規則
(意見の陳述の実施) 第一条 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(以下「法」という。)第十二条第二項の規定による警察庁長官(以下「長官」という。)の公安調査庁長官に対する意見の陳述は、別記様式第一号の意見陳述書によるものとし、同条第三項の規定による長官の公安調査庁長官に対する意見の陳述は、別記様式第二号の意見陳述書によるものとする。 (立入検査等) 第二条 法第十四条第一項の規定による長官の都道府県警察に対する指示は、当該都道府県警察が調査すべき事項その他必要な事項を明らかにして、文書その他適当な方法によりするものとする。 2 法第十四条第二項の承認を得ようとする警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)は、別記様式第三号の立入検査承認申請書を長官に送付しなければならない。 ただし、緊急を要するときは、ファクシミリ装置を用いて当該立入検査承認申請書を送信する方法その他適当な方法によることができる。 3 前項の承認は、別記様式第四号の立入検査承認書を送付してするものとする。 ただし、緊急を要するときは、ファクシミリ装置を用いて当該立入検査承認書を送信する方法その他適当な方法によることができる。 4 法第十四条第四項の証票の様式は、別記様式第五号のとおりとする。 5 法第十四条第五項の規定による警察本部長の長官に対する報告は、別記様式第六号の立入検査結果報告書によるものとする。 | 刑事 |
Heisei | Rule | 411M51000000001_20210630_503M61000000002.xml | 平成十一年公安審査委員会規則第一号 | 2 | 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定に基づく規制措置の手続等に関する規則
(定義) 第一条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 「法」とは、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律をいう。 二 「委員会」とは、公安審査委員会をいう。 三 「委員長」及び「委員」とは、公安審査委員会の委員長及び委員をいう。 四 「職員」とは、公安審査委員会の委員補佐及び事務局におかれる職員をいう。 五 「被請求団体」とは、公安調査庁長官から法第五条第一項若しくは第四項又は法第八条の処分の請求をされた団体をいう。 六 「被処分団体」とは、公安審査委員会から法第五条第一項若しくは第四項又は法第八条の処分を受けた団体をいう。 (処分請求書等の記載事項) 第二条 処分請求書又は更新請求書には、法第十五条第一項又は法第二十六条第一項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 被請求団体の名称 二 被請求団体の主たる事務所の所在地 三 被請求団体の代表者又は主幹者の氏名、年齢、職業及び住所又は居所 2 前項第一号に掲げる事項が明らかでないときは、その団体を特定するに足りる事項を記載しなければならない。 3 第一項第二号又は第三号に掲げる事項が明らかでないときは、その旨を記載しなければならない。 4 公安調査庁長官は、処分請求書又は更新請求書に、法第五条第一項若しくは第四項又は法第八条の処分に関する意見を記載することができる。 (警察庁長官の意見) 第三条 法第十二条第二項又は第三項の規定による警察庁長官の意見については、その要旨を処分請求書又は更新請求書に記載しなければならない。 この場合において、その意見が書面でなされたものであるときは、これを処分請求書又は更新請求書に添付しなければならない。 (証拠書類等の目録等) 第四条 法第十五条第二項又は法第二十六条第二項に規定する請求の原因となる事実を証すべき証拠書類等又は更新の理由となる事実を証すべき証拠書類等については、目録を作成し、かつ、証明すべき事実との関係を明らかにした書面をこれに添付しなければならない。 (被請求団体の所有又は管理する土地又は建物に係る資料の提出等) 第五条 公安調査庁長官は、法第五条第一項又は第四項の処分を請求するときは、被請求団体が所有し又は管理する土地又は建物について、これを認めるに足りる資料を、法第十三条の書面とともに、委員会に提出しなければならない。 2 公安調査庁長官は、法第五条第一項又は第四項の処分を請求した後、被請求団体が所有し又は管理していることが判明した土地又は建物については、これを認めるに足りる資料を、法第十三条の書面とともに、速やかに委員会に提出しなければならない。 3 公安調査庁長官は、法第十三条の書面に記載された土地又は建物が被請求団体の所有し又は管理するものでなくなったと認めるときは、委員会に対し、その旨を通報しなければならない。 (資格の証明) 第六条 法第二十条第一項の規定により意見聴取の期日に出頭する役職員及び構成員は、委員会に対し、その資格を書面により証明しなければならない。 2 法第二十条第一項の規定により意見聴取の期日に出頭する代理人は、委員会に対し、その資格を被請求団体の代表者又は主幹者との連署による書面により証明しなければならない。 3 代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選任した団体は、書面でその旨を委員会に届けなければならない。 4 前三項の規定は、法第二十条第三項の規定により意見聴取の期日への出頭に代えて陳述書及び証拠書類等を提出する役職員、構成員及び代理人について準用する。 (陳述書等) 第七条 委員会は、必要があると認めるときは、法第十六条の意見聴取の期日に先立ち、被請求団体に対し、法第二十条第一項の規定により意見聴取の期日に出頭する者が当該処分を行うことについて意見を陳述した書面及び公安調査庁の職員に対し質問しようとする事項を記載した書面の提出を求めることができる。 2 前項に規定する書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 書面作成者の氏名 二 被請求団体の名称、主たる事務所の所在地並びに代表者又は主幹者の氏名及び住所又は居所 三 陳述又は質問の趣旨及び理由 四 書面提出の年月日 (意見聴取の会場における秩序の維持のための措置) 第八条 指名委員等は、意見聴取の会場における秩序を維持するため必要があると認めるときは、職員に、次に掲げる措置を執らせるものとする。 一 意見聴取の会場における傍聴席の数に相応する数の傍聴券を発行し、その所持者以外の者の入場を禁ずること。 二 傍聴人の被服若しくは所持品を検査し、又は危険物、拡声器その他意見聴取の会場に持ち込むことが適当でないと認める物の持込みを禁ずること、その他傍聴人の意見聴取の会場への入場又は退場に際し、傍聴人に対して意見聴取の秩序を維持するため必要な指示をすること。 三 前号の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同号の禁止に従わない者又は同号の指示に従わず、若しくは意見聴取における指名委員等の職務執行を妨げ、その他不当な行状をすると疑うに足りる顕著な事情が認められる者の入場を禁ずること。 2 指名委員等は、意見聴取の会場における秩序を維持するため、傍聴人に対し、次に掲げる事項の遵守を求めるものとする。 一 静粛に議事を聴くこと。 二 指名委員等の意見聴取の指揮を妨害すること、意見聴取において発言する者の発言を妨害すること等により意見聴取の進行を妨げないこと。 三 不当な行状をしないこと。 四 みだりに自席を離れないこと。 五 指名委員等の指示に従うこと。 (準用規定) 第九条 前条第一項第二号及び第二項の規定は、法第二十条第一項の規定により意見聴取の期日に出頭した者について準用する。 (意見聴取手続の非公開に関する措置) 第十条 指名委員等は、法第十六条ただし書の規定により意見聴取を公開しないこととする場合には、傍聴人にその旨を理由とともに告げて退場を命じ、公開しないこととする事由がなくなり再び公開すべき場合には、その旨を告げて傍聴人を入場させるものとする。 (写真撮影等の制限) 第十一条 意見聴取の期日における写真の撮影、録音又は放送は、指名委員等の許可を受けなければ、これをすることができない。 (質問等) 第十二条 指名委員等は、必要があると認めるときは、法第二十条第一項の規定により意見聴取の期日に出頭した者及び公安調査庁の職員に対し、質問を発することができる。 2 指名委員等は、議事の整理上必要があると認めるときは、陳述を制限することができる。 (証拠書類等の提出) 第十三条 法第二十条第一項及び第三項並びに法第二十六条第三項に規定する証拠書類等については、目録を作成し、かつ、証明すべき事実との関係を明らかにした書面をこれに添付しなければならない。 (速記者等) 第十四条 指名委員等は、意見聴取の期日において、速記者その他の補助者又は録音機その他の器具を使用することができる。 (意見聴取の終結) 第十五条 指名委員等は、法第二十二条の規定により決定をするに熟すると認めるときは、意見聴取を終結する。 (意見聴取期日調書) 第十六条 指名委員等は、意見聴取の終結後、次に掲げる事項を記載した意見聴取期日調書を速やかに作成し、これに署名押印しなければならない。 一 被請求団体の名称、主たる事務所の所在地並びに代表者又は主幹者の氏名及び住所又は居所 二 意見聴取の期日及び場所 三 指名委員等の職名及び氏名 四 法第二十条第一項の規定により意見聴取の期日に出頭した者の資格並びに氏名及び住所又は居所 五 意見聴取の期日に出席した公安調査庁の職員の職名及び氏名 六 意見聴取の経過 七 法第二十条第一項の規定により意見聴取の期日に出頭した者の意見の陳述の要旨及び提出した証拠書類等の標目 八 意見聴取の期日に出席した公安調査庁の職員の発言の要旨 九 意見聴取を公開しないこととした場合には、その旨及びその理由 十 その他重要な事項 2 第二条第二項及び第三項の規定は、前項第一号の事項について準用する。 3 意見聴取期日調書には、書面、図画、写真その他指名委員等が適当と認めるものを添付して調書の一部とすることができる。 (書類の作成) 第十七条 委員会の審査手続に関する書類は、特別の定めのある場合を除いては、委員会の事務局におかれる職員が作成し、委員長及び作成者が署名押印しなければならない。 (決定書) 第十八条 決定書は、委員長及び決定に関与した委員が作成する。 2 決定書には、次に掲げる事項を記載し、委員長及び決定に関与した委員が署名押印しなければならない。 一 主文 二 理由 三 被請求団体の名称、主たる事務所の所在地並びに代表者又は主幹者の氏名、年齢、職業及び住所又は居所 四 委員会の表示 五 年月日 3 第二条第二項及び第三項の規定は、前項第三号の事項について準用する。 4 法第五条第二項第五号及び第三項第六号に掲げる事項がある場合には、これを主文に記載しなければならない。 5 決定書に委員長が署名押印することができないときは、決定に関与した委員の一人がその事由を付記して署名押印し、委員が署名押印することができないときは、委員長がその事由を付記して署名押印しなければならない。 (処分の取消し) 第十九条 委員会は、法第五条第一項若しくは第四項又は法第八条の処分を取り消そうとするときは、公安調査庁長官の意見を聴くものとする。 2 前条第一項から第三項まで及び第五項の規定は、処分の取消しの決定について準用する。 この場合において、「被請求団体」とあるのは、「被処分団体」と読み替えるものとする。 (標章の様式) 第二十条 法第十一条第一項で定める標章は、別記様式第一号のとおりとする。 (標章の掲示等) 第二十一条 委員会は、職員に法第十一条第一項で定める標章を掲示させ又は取り除かせることができる。 2 前項の規定に基づき標章を掲示し又は取り除く職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 前項に規定する証票は、別記様式第二号のとおりとする。 | 刑事 |
Heisei | Act | 412AC0000000075_20240301_504AC0000000048.xml | 平成十二年法律第七十五号 | 2 | 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、犯罪により害を被った者(以下「被害者」という。)及びその遺族がその被害に係る刑事事件の審理の状況及び内容について深い関心を有するとともに、これらの者の受けた身体的、財産的被害その他の被害の回復には困難を伴う場合があることにかんがみ、刑事手続に付随するものとして、被害者及びその遺族の心情を尊重し、かつその被害の回復に資するための措置を定め、並びにこれらの者による損害賠償請求に係る紛争を簡易かつ迅速に解決することに資するための裁判手続の特例を定め、もってその権利利益の保護を図ることを目的とする。 第二章 公判手続の傍聴 第二条 刑事被告事件の係属する裁判所の裁判長は、当該被告事件の被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)又は当該被害者の法定代理人から、当該被告事件の公判手続の傍聴の申出があるときは、傍聴席及び傍聴を希望する者の数その他の事情を考慮しつつ、申出をした者が傍聴できるよう配慮しなければならない。 第三章 公判記録の閲覧及び謄写 (被害者等による公判記録の閲覧及び謄写) 第三条 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、閲覧又は謄写を求める理由が正当でないと認める場合及び犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して閲覧又は謄写をさせることが相当でないと認める場合を除き、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせるものとする。 2 裁判所は、前項の規定により謄写をさせる場合において、謄写した訴訟記録の使用目的を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。 3 第一項の規定により訴訟記録を閲覧し又は謄写した者は、閲覧又は謄写により知り得た事項を用いるに当たり、不当に関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し、又は捜査若しくは公判に支障を生じさせることのないよう注意しなければならない。 (同種余罪の被害者等による公判記録の閲覧及び謄写) 第四条 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、次に掲げる者から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、第一号又は第二号に掲げる者の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合であって、犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせることができる。 一 被告人又は共犯により被告事件に係る犯罪行為と同様の態様で継続的に又は反復して行われたこれと同一又は同種の罪の犯罪行為の被害者 二 前号に掲げる者が死亡した場合又はその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹 三 第一号に掲げる者の法定代理人 四 前三号に掲げる者から委託を受けた弁護士 2 前項の申出は、検察官を経由してしなければならない。 この場合においては、その申出をする者は、同項各号のいずれかに該当する者であることを疎明する資料を提出しなければならない。 3 検察官は、第一項の申出があったときは、裁判所に対し、意見を付してこれを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた資料があるときは、これを送付するものとする。 4 前条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写について準用する。 第四章 被害者参加旅費等 (被害者参加旅費等の支給) 第五条 被害者参加人(刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百十六条の三十三第三項に規定する被害者参加人をいう。以下同じ。)が同法第三百十六条の三十四第一項(同条第五項において準用する場合を含む。次条第二項において同じ。)の規定により公判期日又は公判準備に出席した場合には、法務大臣は、当該被害者参加人に対し、旅費、日当及び宿泊料を支給する。 2 前項の規定により支給する旅費、日当及び宿泊料(以下「被害者参加旅費等」という。)の額については、政令で定める。 (被害者参加旅費等の請求手続) 第六条 被害者参加旅費等の支給を受けようとする被害者参加人は、所定の請求書に法務省令で定める被害者参加旅費等の算定に必要な資料を添えて、これを、裁判所を経由して、法務大臣に提出しなければならない。 この場合において、必要な資料の全部又は一部を提出しなかった者は、その請求に係る被害者参加旅費等の額のうちその資料を提出しなかったため、その被害者参加旅費等の必要が明らかにされなかった部分の金額の支給を受けることができない。 2 裁判所は、前項の規定により請求書及び資料を受け取ったときは、当該被害者参加人が刑事訴訟法第三百十六条の三十四第一項の規定により公判期日又は公判準備に出席したことを証明する書面を添えて、これらを法務大臣に送付しなければならない。 3 第一項の規定による被害者参加旅費等の請求の期限については、政令で定める。 (協力の求め) 第七条 法務大臣は、被害者参加旅費等の支給に関し、裁判所に対して必要な協力を求めることができる。 (日本司法支援センターへの被害者参加旅費等の支給に係る法務大臣の権限に係る事務の委任) 第八条 次に掲げる法務大臣の権限に係る事務は、日本司法支援センター(総合法律支援法(平成十六年法律第七十四号)第十三条に規定する日本司法支援センターをいう。以下同じ。)に行わせるものとする。 一 第五条第一項の規定による被害者参加旅費等の支給 二 第六条第一項の規定による請求の受理 三 前条の規定による協力の求め 2 法務大臣は、日本司法支援センターが天災その他の事由により前項各号に掲げる権限に係る事務の全部又は一部を行うことが困難又は不適当となったと認めるときは、同項各号に掲げる権限の全部又は一部を自ら行うものとする。 3 法務大臣は、前項の規定により第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は前項の規定により自ら行っている第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。 4 法務大臣が、第二項の規定により第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は第二項の規定により自ら行っている第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととする場合における同項各号に掲げる権限に係る事務の引継ぎその他の必要な事項は、法務省令で定める。 (審査請求) 第九条 この法律の規定による日本司法支援センターの処分又はその不作為について不服がある者は、法務大臣に対して審査請求をすることができる。 この場合において、法務大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、日本司法支援センターの上級行政庁とみなす。 (法務省令への委任) 第十条 第五条から前条までに定めるもののほか、被害者参加旅費等の支給に関し必要な事項(第六条第一項及び第二項の規定により裁判所が行う手続に関する事項を除く。)は、法務省令で定める。 第五章 被害者参加弁護士の選定等 (被害者参加弁護士の選定の請求) 第十一条 刑事訴訟法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を弁護士に委託しようとする被害者参加人であって、その資力(その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額をいう。以下同じ。)から、手続への参加を許された刑事被告事件に係る犯罪行為により生じた負傷又は疾病の療養に要する費用その他の当該犯罪行為を原因として請求の日から六月以内に支出することとなると認められる費用の額(以下「療養費等の額」という。)を控除した額が基準額(標準的な六月間の必要生計費を勘案して一般に被害者参加弁護士(被害者参加人の委託を受けて同法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を行う弁護士をいう。以下同じ。)の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)に満たないものは、当該被告事件の係属する裁判所に対し、被害者参加弁護士を選定することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、日本司法支援センターを経由してしなければならない。 この場合においては、被害者参加人は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める書面を提出しなければならない。 一 その資力が基準額に満たない者 資力及びその内訳を申告する書面 二 前号に掲げる者以外の者 資力及び療養費等の額並びにこれらの内訳を申告する書面 3 日本司法支援センターは、第一項の規定による請求があったときは、裁判所に対し、これを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた書面を送付しなければならない。 (被害者参加弁護士の候補の指名及び通知) 第十二条 日本司法支援センターは、前条第一項の規定による請求があったときは、裁判所が選定する被害者参加弁護士の候補を指名し、裁判所に通知しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、日本司法支援センターは、次条第一項各号のいずれかに該当することが明らかであると認めるときは、前項の規定による指名及び通知をしないことができる。 この場合においては、日本司法支援センターは、裁判所にその旨を通知しなければならない。 3 日本司法支援センターは、第一項の規定による指名をするに当たっては、前条第一項の規定による請求をした者の意見を聴かなければならない。 (被害者参加弁護士の選定) 第十三条 裁判所は、第十一条第一項の規定による請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、当該被害者参加人のため被害者参加弁護士を選定するものとする。 一 請求が不適法であるとき。 二 請求をした者が第十一条第一項に規定する者に該当しないとき。 三 請求をした者がその責めに帰すべき事由により被害者参加弁護士の選定を取り消された者であるとき。 2 裁判所は、前項の規定により被害者参加弁護士を選定する場合において、必要があるときは、日本司法支援センターに対し、被害者参加弁護士の候補を指名して通知するよう求めることができる。 この場合においては、前条第一項及び第三項の規定を準用する。 (被害者参加弁護士の選定の効力) 第十四条 裁判所による被害者参加弁護士の選定は、審級ごとにしなければならない。 2 被害者参加弁護士の選定は、弁論が併合された事件についてもその効力を有する。 ただし、被害者参加人が手続への参加を許されていない事件については、この限りでない。 3 被害者参加弁護士の選定は、刑事訴訟法第三百十六条の三十三第三項の決定があったときは、その効力を失う。 4 裁判所により選定された被害者参加弁護士は、旅費、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。 5 前項の規定により被害者参加弁護士に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の額については、刑事訴訟法第三十八条第二項の規定により弁護人に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の例による。 (被害者参加弁護士の選定の取消し) 第十五条 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被害者参加弁護士の選定を取り消すことができる。 一 被害者参加人が自ら刑事訴訟法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を他の弁護士に委託したことその他の事由により被害者参加弁護士にその職務を行わせる必要がなくなったとき。 二 被害者参加人と被害者参加弁護士との利益が相反する状況にあり被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。 三 心身の故障その他の事由により、被害者参加弁護士が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となったとき。 四 被害者参加弁護士がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。 五 被害者参加弁護士に対する暴行、脅迫その他の被害者参加人の責めに帰すべき事由により被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。 2 裁判所は、前項第二号から第四号までに掲げる事由により被害者参加弁護士の選定を取り消したときは、更に被害者参加弁護士を選定するものとする。 この場合においては、第十三条第二項の規定を準用する。 (虚偽の申告書の提出に対する制裁) 第十六条 被害者参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は療養費等の額について虚偽の記載のある第十一条第二項各号に定める書面を提出したときは、十万円以下の過料に処する。 (費用の徴収) 第十七条 被害者参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は療養費等の額について虚偽の記載のある第十一条第二項各号に定める書面を提出したことによりその判断を誤らせたときは、裁判所は、決定で、当該被害者参加人から、被害者参加弁護士に支給した旅費、日当、宿泊料及び報酬の全部又は一部を徴収することができる。 2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、即時抗告に関する刑事訴訟法の規定を準用する。 3 費用賠償の裁判の執行に関する刑事訴訟法の規定は、第一項の決定の執行について準用する。 (刑事訴訟法の準用) 第十八条 刑事訴訟法第四十三条第三項及び第四項の規定は被害者参加弁護士の選定及びその取消しについて、同条第三項及び第四項並びに同法第四十四条第一項の規定は前条第一項の決定について、それぞれ準用する。 第六章 民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解 (民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解) 第十九条 刑事被告事件の被告人と被害者等は、両者の間における民事上の争い(当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。)について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴裁判所に対し、共同して当該合意の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。 2 前項の合意が被告人の被害者等に対する金銭の支払を内容とする場合において、被告人以外の者が被害者等に対し当該債務について保証する旨又は連帯して責任を負う旨を約したときは、その者も、同項の申立てとともに、被告人及び被害者等と共同してその旨の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。 3 前二項の規定による申立ては、弁論の終結までに、公判期日に出頭し、当該申立てに係る合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実を記載した書面を提出してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による申立てに係る合意を公判調書に記載したときは、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。 (和解記録) 第二十条 前条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、第三章及び刑事訴訟法第四十九条の規定にかかわらず、裁判所書記官に対し、当該公判調書(当該合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実が記載された部分に限る。)、当該申立てに係る前条第三項の書面その他の当該合意に関する記録(以下「和解記録」という。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 ただし、和解記録の閲覧及び謄写の請求は、和解記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 2 前項に規定する和解記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付の請求に関する裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二十一条の例により、和解記録についての秘密保護のための閲覧等の制限の手続については同法第九十二条の例による。 3 和解記録は、刑事被告事件の終結後は、当該被告事件の第一審裁判所において保管するものとする。 (民事訴訟法の準用) 第二十一条 前二条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編第三章第一節(選定当事者及び特別代理人に関する規定を除く。)及び第四節(第六十条を除く。)並びに第八章の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条第五項 当該事件並びにその事件 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続並びにその手続 第百三十三条の二第二項 訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録 和解記録(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十条第一項に規定する和解記録 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、和解記録 第百三十三条の四第二項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項又は第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 訴訟記録等 和解記録 第百三十三条の四第七項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 (個人特定事項の秘匿) 第二十二条 裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第二百七十一条の二第四項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項(同法第二百一条の二第一項に規定する個人特定事項をいう。以下同じ。)のうち起訴状抄本等(同法第二百七十一条の二第二項に規定する起訴状抄本等をいう。第四十二条第一項において同じ。)に記載がないもの(同法第二百七十一条の五第一項の決定により通知することとされたものを除く。第四十二条第一項において同じ。)が同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続において、前条において準用する民事訴訟法第百三十三条第二項に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。 刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第三百十二条の二第三項の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面(同法第三百十二条第四項に規定する訴因変更等請求書面をいう。第四十二条第一項において同じ。)に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等(同法第三百十二条の二第二項に規定する訴因変更等請求書面抄本等をいう。第四十二条第一項において同じ。)に記載がないもの(同法第三百十二条の二第四項において読み替えて準用する同法第二百七十一条の五第一項の決定により通知することとされたものを除く。第四十二条第一項において同じ。)が同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。 2 民事訴訟法第百三十三条第五項の規定は、前項の決定をする場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十二条第一項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「同法第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。 3 民事訴訟法第百三十三条の二第二項及び第百三十三条の四(第四項第二号を除く。)の規定は、第一項の決定があった場合について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 申立てにより、決定で 決定で 訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項 和解記録(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十条第一項に規定する和解記録をいう。第百三十三条の四第一項及び第二項において同じ。)中同法第二十二条第一項の決定(第百三十三条の四第一項及び第四項第一号において「秘匿決定」という。)に係る個人特定事項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 秘匿決定に係る秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、和解記録 第百三十三条の四第二項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項又は第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 訴訟記録等の存する 和解記録の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第四項第一号 秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第七項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 (執行文付与の訴え等の管轄の特則) 第二十三条 第十九条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に係る執行文付与の訴え、執行文付与に対する異議の訴え及び請求異議の訴えは、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十三条第二項(同法第三十四条第三項及び第三十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該被告事件の第一審裁判所(第一審裁判所が簡易裁判所である場合において、その和解に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)の管轄に専属する。 第七章 刑事訴訟手続に伴う犯罪被害者等の損害賠償請求に係る裁判手続の特例 第一節 損害賠償命令の申立て等 (損害賠償命令の申立て) 第二十四条 次に掲げる罪に係る刑事被告事件(刑事訴訟法第四百五十一条第一項の規定により更に審判をすることとされたものを除く。)の被害者又はその一般承継人は、当該被告事件の係属する裁判所(地方裁判所に限る。)に対し、その弁論の終結までに、損害賠償命令(当該被告事件に係る訴因として特定された事実を原因とする不法行為に基づく損害賠償の請求(これに附帯する損害賠償の請求を含む。)について、その賠償を被告人に命ずることをいう。以下同じ。)の申立てをすることができる。 一 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪又はその未遂罪 二 次に掲げる罪又はその未遂罪 イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十六条(不同意わいせつ)、第百七十七条(不同意性交等)又は第百七十九条(監護者わいせつ及び監護者性交等)の罪 ロ 刑法第二百二十条(逮捕及び監禁)の罪 ハ 刑法第二百二十四条から第二百二十七条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等)の罪 ニ イからハまでに掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(前号に掲げる罪を除く。) 2 損害賠償命令の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。 一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び刑事被告事件に係る訴因として特定された事実その他請求を特定するに足りる事実 3 前項の書面には、同項各号に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項以外の事項を記載してはならない。 (申立書の送達) 第二十五条 裁判所は、前条第二項の書面の提出を受けたときは、第二十八条第一項第一号の規定により損害賠償命令の申立てを却下する場合を除き、遅滞なく、当該書面を申立ての相手方である被告人に送達しなければならない。 (管轄に関する決定の効力) 第二十六条 刑事被告事件について刑事訴訟法第七条、第八条、第十一条第二項若しくは第十九条第一項の決定又は同法第十七条若しくは第十八条の規定による管轄移転の請求に対する決定があったときは、これらの決定により当該被告事件の審判を行うこととなった裁判所が、損害賠償命令の申立てについての審理及び裁判を行う。 (終局裁判の告知があるまでの取扱い) 第二十七条 損害賠償命令の申立てについての審理(請求の放棄及び認諾並びに和解(第十九条の規定による民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解を除く。)のための手続を含む。)及び裁判(次条第一項第一号又は第二号の規定によるものを除く。)は、刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでは、これを行わない。 2 裁判所は、前項に規定する終局裁判の告知があるまでの間、申立人に、当該刑事被告事件の公判期日を通知しなければならない。 (申立ての却下) 第二十八条 裁判所は、次に掲げる場合には、決定で、損害賠償命令の申立てを却下しなければならない。 一 損害賠償命令の申立てが不適法であると認めるとき(刑事被告事件に係る罰条が撤回又は変更されたため、当該被告事件が第二十四条第一項各号に掲げる罪に係るものに該当しなくなったときを除く。)。 二 刑事訴訟法第四条、第五条又は第十条第二項の決定により、刑事被告事件が地方裁判所以外の裁判所に係属することとなったとき。 三 刑事被告事件について、刑事訴訟法第三百二十九条若しくは第三百三十六条から第三百三十八条までの判決若しくは同法第三百三十九条の決定又は少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十五条の決定があったとき。 四 刑事被告事件について、刑事訴訟法第三百三十五条第一項に規定する有罪の言渡しがあった場合において、当該言渡しに係る罪が第二十四条第一項各号に掲げる罪に該当しないとき。 2 前項第一号に該当することを理由とする同項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の規定による場合のほか、第一項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。 (時効の完成猶予) 第二十九条 損害賠償命令の申立てについて、前条第一項の決定(同項第一号に該当することを理由とするものを除く。)の告知があったときは、当該告知を受けた時から六月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 第二節 審理及び裁判等 (任意的口頭弁論) 第三十条 損害賠償命令の申立てについての裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 前項の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。 (審理) 第三十一条 刑事被告事件について刑事訴訟法第三百三十五条第一項に規定する有罪の言渡しがあった場合(当該言渡しに係る罪が第二十四条第一項各号に掲げる罪に該当する場合に限る。)には、裁判所は、直ちに、損害賠償命令の申立てについての審理のための期日(以下「審理期日」という。)を開かなければならない。 ただし、直ちに審理期日を開くことが相当でないと認めるときは、裁判長は、速やかに、最初の審理期日を定めなければならない。 2 審理期日には、当事者を呼び出さなければならない。 3 損害賠償命令の申立てについては、特別の事情がある場合を除き、四回以内の審理期日において、審理を終結しなければならない。 4 裁判所は、最初の審理期日において、刑事被告事件の訴訟記録のうち必要でないと認めるものを除き、その取調べをしなければならない。 (審理の終結) 第三十二条 裁判所は、審理を終結するときは、審理期日においてその旨を宣言しなければならない。 (損害賠償命令) 第三十三条 損害賠償命令の申立てについての裁判(第二十八条第一項の決定を除く。以下この条から第三十五条までにおいて同じ。)は、次に掲げる事項を記載した決定書を作成して行わなければならない。 一 主文 二 請求の趣旨及び当事者の主張の要旨 三 理由の要旨 四 審理の終結の日 五 当事者及び法定代理人 六 裁判所 2 損害賠償命令については、裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。 3 第一項の決定書は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、損害賠償命令の申立てについての裁判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。 4 裁判所は、相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、決定書の作成に代えて、当事者が出頭する審理期日において主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、損害賠償命令の申立てについての裁判を行うことができる。 この場合においては、当該裁判の効力は、その告知がされた時に生ずる。 5 裁判所は、前項の規定により損害賠償命令の申立てについての裁判を行った場合には、裁判所書記官に、第一項各号に掲げる事項を調書に記載させなければならない。 第三節 異議等 (異議の申立て等) 第三十四条 当事者は、損害賠償命令の申立てについての裁判に対し、前条第三項の規定による送達又は同条第四項の規定による告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。 3 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、仮執行の宣言を付したものを除き、その効力を失う。 5 適法な異議の申立てがないときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、確定判決と同一の効力を有する。 6 民事訴訟法第三百五十八条及び第三百六十条の規定は、第一項の異議について準用する。 (訴え提起の擬制等) 第三十五条 損害賠償命令の申立てについての裁判に対し適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地(その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の普通裁判籍の所在地)を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 この場合においては、第二十四条第二項の書面を訴状と、第二十五条の規定による送達を訴状の送達とみなす。 2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、損害賠償命令の申立てに係る事件(以下「損害賠償命令事件」という。)に関する手続の費用は、訴訟費用の一部とする。 3 第一項の地方裁判所又は簡易裁判所は、その訴えに係る訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、決定で、これを管轄裁判所に移送しなければならない。 4 前項の規定による移送の決定及び当該移送の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (記録の送付等) 第三十六条 前条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、第三十一条第四項の規定により取り調べた当該被告事件の訴訟記録(以下「刑事関係記録」という。)中、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認めるもの、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認めるものその他前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。 2 裁判所書記官は、前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所の裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録(前項の規定により裁判所が特定したものを除く。)を送付しなければならない。 (異議後の民事訴訟手続における書証の申出の特例) 第三十七条 第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における前条第二項の規定により送付された記録についての書証の申出は、民事訴訟法第二百十九条の規定にかかわらず、書証とすべきものを特定することによりすることができる。 (異議後の判決) 第三十八条 仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合において、当該訴えについてすべき判決が損害賠償命令と符合するときは、その判決において、損害賠償命令を認可しなければならない。 ただし、損害賠償命令の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により損害賠償命令を認可する場合を除き、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における当該訴えについてすべき判決においては、損害賠償命令を取り消さなければならない。 3 民事訴訟法第三百六十三条の規定は、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における訴訟費用について準用する。 この場合において、同法第三百六十三条第一項中「異議を却下し、又は手形訴訟」とあるのは、「損害賠償命令」と読み替えるものとする。 第四節 民事訴訟手続への移行 第三十九条 裁判所は、最初の審理期日を開いた後、審理に日時を要するため第三十一条第三項に規定するところにより審理を終結することが困難であると認めるときは、申立てにより又は職権で、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をすることができる。 2 次に掲げる場合には、裁判所は、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をしなければならない。 一 刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでに、申立人から、損害賠償命令の申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があったとき。 二 損害賠償命令の申立てについての裁判の告知があるまでに、当事者から、当該申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があり、かつ、これについて相手方の同意があったとき。 3 前二項の決定及び第一項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。 4 第三十五条から第三十七条までの規定は、第一項又は第二項の規定により損害賠償命令事件が終了した場合について準用する。 第五節 補則 (損害賠償命令事件の記録の閲覧等) 第四十条 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は損害賠償命令事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 前項の規定は、損害賠償命令事件の記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について当事者又は利害関係を疎明した第三者の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、刑事関係記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)の請求については、裁判所が許可したときに限り、することができる。 4 裁判所は、当事者から刑事関係記録の閲覧等の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、不当な目的によるものと認める場合、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認める場合、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認める場合その他相当でないと認める場合を除き、その閲覧等を許可しなければならない。 5 裁判所は、利害関係を疎明した第三者から刑事関係記録の閲覧等の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、正当な理由がある場合であって、関係者の名誉又は生活の平穏を害するおそれの有無、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれの有無その他の事情を考慮して相当と認めるときは、その閲覧等を許可することができる。 6 損害賠償命令事件の記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、当該記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 7 第四項の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 8 第五項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。 (民事訴訟法の準用) 第四十一条 特別の定めがある場合を除き、損害賠償命令事件に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第二条、第十四条、第一編第二章第三節、第三章(第四十七条から第五十一条までを除く。)、第四章、第五章(第八十七条、第八十七条の二、第九十一条、第二節第二款、第百十六条及び第百十八条を除く。)、第六章から第八章まで、第二編第一章(第百三十四条、第百三十四条の二、第百三十七条第二項及び第三項、第百三十八条第一項、第百三十九条、第百四十条、第百四十五条並びに第百四十六条を除く。)、第三章(第百五十六条の二、第百五十七条の二、第百五十八条、第百五十九条第三項、第百六十一条第三項及び第三節を除く。)、第四章(第二百三十五条第一項ただし書及び第二百三十六条を除く。)、第五章(第二百四十九条から第二百五十五条まで並びに第二百五十九条第一項及び第二項を除く。)及び第六章(第二百六十二条第二項、第二百六十三条及び第二百六十六条第二項を除く。)、第三編第三章、第四編並びに第八編(第四百三条第一項第一号、第二号及び第四号から第六号までを除く。)の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。第百三十三条の四第一項及び第二項において同じ 損害賠償命令事件(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十五条第二項に規定する損害賠償命令事件をいう。)の記録(同法第三十六条第一項に規定する刑事関係記録に係る部分を除く。)又は同法第四十一条において準用する第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録(第百三十三条の四第一項及び第二項において「損害賠償命令事件の記録等」という 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、損害賠償命令事件の記録等 第百三十三条の四第二項 訴訟記録等 損害賠償命令事件の記録等 (個人特定事項の秘匿) 第四十二条 裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第二百七十一条の二第四項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、損害賠償命令事件に関する手続において、前条において準用する民事訴訟法第百三十三条第二項に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。 刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第三百十二条の二第三項の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないものが同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。 2 民事訴訟法第百三十三条第五項の規定は、前項の決定をする場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第四十二条第一項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「損害賠償命令事件(同法第三十五条第二項に規定する損害賠償命令事件をいう。)に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。 3 第一項の決定があった場合における第二十五条及び第三十五条第一項(第三十九条第四項において準用する場合を含む。第五項において同じ。)の規定の適用については、これらの規定中「書面を」とあるのは、「書面中第四十二条第一項の決定に係る個人特定事項が記載された部分について、当該個人特定事項に代えて同条第二項において読み替えて準用する民事訴訟法第百三十三条第五項前段の規定により定めた事項を記載した書面を」とする。 4 民事訴訟法第百三十三条の二第二項及び第百三十三条の四(第四項第二号を除く。)の規定は、第一項の決定があった場合について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 申立てにより、決定で 決定で 訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項 損害賠償命令事件(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十五条第二項に規定する損害賠償命令事件をいう。)の記録(同法第三十六条第一項に規定する刑事関係記録に係る部分を除く。)又は同法第四十一条において準用する第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録(第百三十三条の四第一項及び第二項において「損害賠償命令事件の記録等」という。)中同法第四十二条第一項の決定(第百三十三条の四第一項及び第四項第一号において「秘匿決定」という。)に係る個人特定事項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 秘匿決定に係る秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、損害賠償命令事件の記録等 第百三十三条の四第二項 訴訟記録等の存する 損害賠償命令事件の記録等の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百三十三条の四第四項第一号 秘匿対象者 個人特定事項に係る者 5 第一項の決定があった場合において、第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、損害賠償命令事件の記録(刑事関係記録を除く。)中、当該決定に係る個人特定事項が記載され、又は記録されたものであって、第三十五条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。 この場合における第三十六条第二項の規定の適用については、同項中「前項」とあるのは、「前項又は第四十二条第五項前段」とする。 第八章 雑則 (公判記録の閲覧及び謄写等の手数料) 第四十三条 第三条第一項又は第四条第一項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写の手数料については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)第七条から第十条まで及び別表第二の一の項から三の項までの規定(同表一の項上欄中「(事件の係属中に当事者等が請求するものを除く。)」とある部分を除く。)を準用する。 2 第六章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続の手数料については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び第七条から第十条まで並びに別表第一の九の項、一七の項及び一八の項(上欄(4)に係る部分に限る。)並びに別表第二の一の項から三の項までの規定(同表一の項上欄中「(事件の係属中に当事者等が請求するものを除く。)」とある部分を除く。)を準用する。 (損害賠償命令事件に関する手続の手数料等) 第四十四条 損害賠償命令の申立てをするには、二千円の手数料を納めなければならない。 2 民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び別表第一の一七の項の規定は、第三十四条第一項の規定による異議の申立ての手数料について準用する。 3 損害賠償命令の申立てをした者は、第三十五条第一項(第三十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、速やかに、民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び別表第一の一の項の規定により納めるべき手数料の額から損害賠償命令の申立てについて納めた手数料の額を控除した額の手数料を納めなければならない。 4 前三項に規定するもののほか、損害賠償命令事件に関する手続の費用については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律の規定を準用する。 (最高裁判所規則) 第四十五条 この法律に定めるもののほか、第三章に規定する訴訟記録の閲覧又は謄写、第六条第一項及び第二項の規定により裁判所が行う手続、第五章に規定する被害者参加弁護士の選定等、第六章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解並びに損害賠償命令事件に関する手続について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 | 刑事 |
Heisei | Act | 412AC0000000075_20251213_505AC0000000053.xml | 平成十二年法律第七十五号 | 2 | 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、犯罪により害を被った者(以下「被害者」という。)及びその遺族がその被害に係る刑事事件の審理の状況及び内容について深い関心を有するとともに、これらの者の受けた身体的、財産的被害その他の被害の回復には困難を伴う場合があることにかんがみ、刑事手続に付随するものとして、被害者及びその遺族の心情を尊重し、かつその被害の回復に資するための措置を定め、並びにこれらの者による損害賠償請求に係る紛争を簡易かつ迅速に解決することに資するための裁判手続の特例を定め、もってその権利利益の保護を図ることを目的とする。 第二章 公判手続の傍聴 第二条 刑事被告事件の係属する裁判所の裁判長は、当該被告事件の被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)又は当該被害者の法定代理人から、当該被告事件の公判手続の傍聴の申出があるときは、傍聴席及び傍聴を希望する者の数その他の事情を考慮しつつ、申出をした者が傍聴できるよう配慮しなければならない。 第三章 公判記録の閲覧及び謄写 (被害者等による公判記録の閲覧及び謄写) 第三条 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、閲覧又は謄写を求める理由が正当でないと認める場合及び犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して閲覧又は謄写をさせることが相当でないと認める場合を除き、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせるものとする。 2 裁判所は、前項の規定により謄写をさせる場合において、謄写した訴訟記録の使用目的を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。 3 第一項の規定により訴訟記録を閲覧し又は謄写した者は、閲覧又は謄写により知り得た事項を用いるに当たり、不当に関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し、又は捜査若しくは公判に支障を生じさせることのないよう注意しなければならない。 (同種余罪の被害者等による公判記録の閲覧及び謄写) 第四条 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、次に掲げる者から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、第一号又は第二号に掲げる者の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合であって、犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせることができる。 一 被告人又は共犯により被告事件に係る犯罪行為と同様の態様で継続的に又は反復して行われたこれと同一又は同種の罪の犯罪行為の被害者 二 前号に掲げる者が死亡した場合又はその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹 三 第一号に掲げる者の法定代理人 四 前三号に掲げる者から委託を受けた弁護士 2 前項の申出は、検察官を経由してしなければならない。 この場合においては、その申出をする者は、同項各号のいずれかに該当する者であることを疎明する資料を提出しなければならない。 3 検察官は、第一項の申出があったときは、裁判所に対し、意見を付してこれを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた資料があるときは、これを送付するものとする。 4 前条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写について準用する。 第四章 被害者参加旅費等 (被害者参加旅費等の支給) 第五条 被害者参加人(刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百十六条の三十三第三項に規定する被害者参加人をいう。以下同じ。)が同法第三百十六条の三十四第一項(同条第五項において準用する場合を含む。次条第二項において同じ。)の規定により公判期日又は公判準備に出席した場合には、法務大臣は、当該被害者参加人に対し、旅費、日当及び宿泊料を支給する。 2 前項の規定により支給する旅費、日当及び宿泊料(以下「被害者参加旅費等」という。)の額については、政令で定める。 (被害者参加旅費等の請求手続) 第六条 被害者参加旅費等の支給を受けようとする被害者参加人は、所定の請求書に法務省令で定める被害者参加旅費等の算定に必要な資料を添えて、これを、裁判所を経由して、法務大臣に提出しなければならない。 この場合において、必要な資料の全部又は一部を提出しなかった者は、その請求に係る被害者参加旅費等の額のうちその資料を提出しなかったため、その被害者参加旅費等の必要が明らかにされなかった部分の金額の支給を受けることができない。 2 裁判所は、前項の規定により請求書及び資料を受け取ったときは、当該被害者参加人が刑事訴訟法第三百十六条の三十四第一項の規定により公判期日又は公判準備に出席したことを証明する書面を添えて、これらを法務大臣に送付しなければならない。 3 第一項の規定による被害者参加旅費等の請求の期限については、政令で定める。 (協力の求め) 第七条 法務大臣は、被害者参加旅費等の支給に関し、裁判所に対して必要な協力を求めることができる。 (日本司法支援センターへの被害者参加旅費等の支給に係る法務大臣の権限に係る事務の委任) 第八条 次に掲げる法務大臣の権限に係る事務は、日本司法支援センター(総合法律支援法(平成十六年法律第七十四号)第十三条に規定する日本司法支援センターをいう。以下同じ。)に行わせるものとする。 一 第五条第一項の規定による被害者参加旅費等の支給 二 第六条第一項の規定による請求の受理 三 前条の規定による協力の求め 2 法務大臣は、日本司法支援センターが天災その他の事由により前項各号に掲げる権限に係る事務の全部又は一部を行うことが困難又は不適当となったと認めるときは、同項各号に掲げる権限の全部又は一部を自ら行うものとする。 3 法務大臣は、前項の規定により第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は前項の規定により自ら行っている第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。 4 法務大臣が、第二項の規定により第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は第二項の規定により自ら行っている第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととする場合における同項各号に掲げる権限に係る事務の引継ぎその他の必要な事項は、法務省令で定める。 (審査請求) 第九条 この法律の規定による日本司法支援センターの処分又はその不作為について不服がある者は、法務大臣に対して審査請求をすることができる。 この場合において、法務大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、日本司法支援センターの上級行政庁とみなす。 (法務省令への委任) 第十条 第五条から前条までに定めるもののほか、被害者参加旅費等の支給に関し必要な事項(第六条第一項及び第二項の規定により裁判所が行う手続に関する事項を除く。)は、法務省令で定める。 第五章 被害者参加弁護士の選定等 (被害者参加弁護士の選定の請求) 第十一条 刑事訴訟法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を弁護士に委託しようとする被害者参加人であって、その資力(その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額をいう。以下同じ。)から、手続への参加を許された刑事被告事件に係る犯罪行為により生じた負傷又は疾病の療養に要する費用その他の当該犯罪行為を原因として請求の日から六月以内に支出することとなると認められる費用の額(以下「療養費等の額」という。)を控除した額が基準額(標準的な六月間の必要生計費を勘案して一般に被害者参加弁護士(被害者参加人の委託を受けて同法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を行う弁護士をいう。以下同じ。)の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)に満たないものは、当該被告事件の係属する裁判所に対し、被害者参加弁護士を選定することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、日本司法支援センターを経由してしなければならない。 この場合においては、被害者参加人は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める書面を提出しなければならない。 一 その資力が基準額に満たない者 資力及びその内訳を申告する書面 二 前号に掲げる者以外の者 資力及び療養費等の額並びにこれらの内訳を申告する書面 3 日本司法支援センターは、第一項の規定による請求があったときは、裁判所に対し、これを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた書面を送付しなければならない。 (被害者参加弁護士の候補の指名及び通知) 第十二条 日本司法支援センターは、前条第一項の規定による請求があったときは、裁判所が選定する被害者参加弁護士の候補を指名し、裁判所に通知しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、日本司法支援センターは、次条第一項各号のいずれかに該当することが明らかであると認めるときは、前項の規定による指名及び通知をしないことができる。 この場合においては、日本司法支援センターは、裁判所にその旨を通知しなければならない。 3 日本司法支援センターは、第一項の規定による指名をするに当たっては、前条第一項の規定による請求をした者の意見を聴かなければならない。 (被害者参加弁護士の選定) 第十三条 裁判所は、第十一条第一項の規定による請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、当該被害者参加人のため被害者参加弁護士を選定するものとする。 一 請求が不適法であるとき。 二 請求をした者が第十一条第一項に規定する者に該当しないとき。 三 請求をした者がその責めに帰すべき事由により被害者参加弁護士の選定を取り消された者であるとき。 2 裁判所は、前項の規定により被害者参加弁護士を選定する場合において、必要があるときは、日本司法支援センターに対し、被害者参加弁護士の候補を指名して通知するよう求めることができる。 この場合においては、前条第一項及び第三項の規定を準用する。 (被害者参加弁護士の選定の効力) 第十四条 裁判所による被害者参加弁護士の選定は、審級ごとにしなければならない。 2 被害者参加弁護士の選定は、弁論が併合された事件についてもその効力を有する。 ただし、被害者参加人が手続への参加を許されていない事件については、この限りでない。 3 被害者参加弁護士の選定は、刑事訴訟法第三百十六条の三十三第三項の決定があったときは、その効力を失う。 4 裁判所により選定された被害者参加弁護士は、旅費、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。 5 前項の規定により被害者参加弁護士に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の額については、刑事訴訟法第三十八条第二項の規定により弁護人に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の例による。 (被害者参加弁護士の選定の取消し) 第十五条 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被害者参加弁護士の選定を取り消すことができる。 一 被害者参加人が自ら刑事訴訟法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を他の弁護士に委託したことその他の事由により被害者参加弁護士にその職務を行わせる必要がなくなったとき。 二 被害者参加人と被害者参加弁護士との利益が相反する状況にあり被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。 三 心身の故障その他の事由により、被害者参加弁護士が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となったとき。 四 被害者参加弁護士がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。 五 被害者参加弁護士に対する暴行、脅迫その他の被害者参加人の責めに帰すべき事由により被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。 2 裁判所は、前項第二号から第四号までに掲げる事由により被害者参加弁護士の選定を取り消したときは、更に被害者参加弁護士を選定するものとする。 この場合においては、第十三条第二項の規定を準用する。 (虚偽の申告書の提出に対する制裁) 第十六条 被害者参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は療養費等の額について虚偽の記載のある第十一条第二項各号に定める書面を提出したときは、十万円以下の過料に処する。 (費用の徴収) 第十七条 被害者参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は療養費等の額について虚偽の記載のある第十一条第二項各号に定める書面を提出したことによりその判断を誤らせたときは、裁判所は、決定で、当該被害者参加人から、被害者参加弁護士に支給した旅費、日当、宿泊料及び報酬の全部又は一部を徴収することができる。 2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、即時抗告に関する刑事訴訟法の規定を準用する。 3 費用賠償の裁判の執行に関する刑事訴訟法の規定は、第一項の決定の執行について準用する。 (刑事訴訟法の準用) 第十八条 刑事訴訟法第四十三条第三項及び第四項の規定は被害者参加弁護士の選定及びその取消しについて、同条第三項及び第四項並びに同法第四十四条第一項の規定は前条第一項の決定について、それぞれ準用する。 第六章 民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解 (民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解) 第十九条 刑事被告事件の被告人と被害者等は、両者の間における民事上の争い(当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。)について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴裁判所に対し、共同して当該合意の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。 2 前項の合意が被告人の被害者等に対する金銭の支払を内容とする場合において、被告人以外の者が被害者等に対し当該債務について保証する旨又は連帯して責任を負う旨を約したときは、その者も、同項の申立てとともに、被告人及び被害者等と共同してその旨の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。 3 前二項の規定による申立ては、弁論の終結までに、公判期日に出頭し、当該申立てに係る合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実を記載した書面を提出してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による申立てに係る合意を公判調書に記載したときは、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。 (和解記録) 第二十条 前条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、第三章及び刑事訴訟法第四十九条の規定にかかわらず、裁判所書記官に対し、当該公判調書(当該合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実が記載された部分に限る。)、当該申立てに係る前条第三項の書面その他の当該合意に関する記録(以下「和解記録」という。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 ただし、和解記録の閲覧及び謄写の請求は、和解記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 2 前項に規定する和解記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付の請求に関する裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二十一条の例により、和解記録についての秘密保護のための閲覧等の制限の手続については同法第九十二条の例による。 3 和解記録は、刑事被告事件の終結後は、当該被告事件の第一審裁判所において保管するものとする。 (民事訴訟法の準用) 第二十一条 前二条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編第三章第一節(選定当事者及び特別代理人に関する規定を除く。)及び第四節(第六十条を除く。)並びに第八章の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条第五項 当該事件並びにその事件 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続並びにその手続 第百三十三条の二第二項 訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録 和解記録(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十条第一項に規定する和解記録 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、和解記録 第百三十三条の四第二項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項又は第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 訴訟記録等 和解記録 第百三十三条の四第七項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 (個人特定事項の秘匿) 第二十二条 裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第二百七十一条の二第四項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項(同法第二百一条の二第一項に規定する個人特定事項をいう。以下同じ。)のうち起訴状抄本等(同法第二百七十一条の二第二項に規定する起訴状抄本等をいう。第四十二条第一項において同じ。)に記載がないもの(同法第二百七十一条の五第一項の決定により通知することとされたものを除く。第四十二条第一項において同じ。)が同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続において、前条において準用する民事訴訟法第百三十三条第二項に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。 刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第三百十二条の二第三項の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面(同法第三百十二条第四項に規定する訴因変更等請求書面をいう。第四十二条第一項において同じ。)に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等(同法第三百十二条の二第二項に規定する訴因変更等請求書面抄本等をいう。第四十二条第一項において同じ。)に記載がないもの(同法第三百十二条の二第四項において読み替えて準用する同法第二百七十一条の五第一項の決定により通知することとされたものを除く。第四十二条第一項において同じ。)が同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。 2 民事訴訟法第百三十三条第五項の規定は、前項の決定をする場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十二条第一項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「同法第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。 3 民事訴訟法第百三十三条の二第二項及び第百三十三条の四(第四項第二号を除く。)の規定は、第一項の決定があった場合について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 申立てにより、決定で 決定で 訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項 和解記録(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十条第一項に規定する和解記録をいう。第百三十三条の四第一項及び第二項において同じ。)中同法第二十二条第一項の決定(第百三十三条の四第一項及び第四項第一号において「秘匿決定」という。)に係る個人特定事項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 秘匿決定に係る秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、和解記録 第百三十三条の四第二項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項又は第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 訴訟記録等の存する 和解記録の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第四項第一号 秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第七項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 (執行文付与の訴え等の管轄の特則) 第二十三条 第十九条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に係る執行文付与の訴え、執行文付与に対する異議の訴え及び請求異議の訴えは、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十三条第二項(同法第三十四条第三項及び第三十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該被告事件の第一審裁判所(第一審裁判所が簡易裁判所である場合において、その和解に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)の管轄に専属する。 第七章 刑事訴訟手続に伴う犯罪被害者等の損害賠償請求に係る裁判手続の特例 第一節 損害賠償命令の申立て等 (損害賠償命令の申立て) 第二十四条 次に掲げる罪に係る刑事被告事件(刑事訴訟法第四百五十一条第一項の規定により更に審判をすることとされたものを除く。)の被害者又はその一般承継人は、当該被告事件の係属する裁判所(地方裁判所に限る。)に対し、その弁論の終結までに、損害賠償命令(当該被告事件に係る訴因として特定された事実を原因とする不法行為に基づく損害賠償の請求(これに附帯する損害賠償の請求を含む。)について、その賠償を被告人に命ずることをいう。以下同じ。)の申立てをすることができる。 一 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪又はその未遂罪 二 次に掲げる罪又はその未遂罪 イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十六条(不同意わいせつ)、第百七十七条(不同意性交等)又は第百七十九条(監護者わいせつ及び監護者性交等)の罪 ロ 刑法第二百二十条(逮捕及び監禁)の罪 ハ 刑法第二百二十四条から第二百二十七条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等)の罪 ニ イからハまでに掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(前号に掲げる罪を除く。) 2 損害賠償命令の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。 一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び刑事被告事件に係る訴因として特定された事実その他請求を特定するに足りる事実 3 前項の書面には、同項各号に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項以外の事項を記載してはならない。 (申立書の送達) 第二十五条 裁判所は、前条第二項の書面の提出を受けたときは、第二十八条第一項第一号の規定により損害賠償命令の申立てを却下する場合を除き、遅滞なく、当該書面を申立ての相手方である被告人に送達しなければならない。 (管轄に関する決定の効力) 第二十六条 刑事被告事件について刑事訴訟法第七条、第八条、第十一条第二項若しくは第十九条第一項の決定又は同法第十七条若しくは第十八条の規定による管轄移転の請求に対する決定があったときは、これらの決定により当該被告事件の審判を行うこととなった裁判所が、損害賠償命令の申立てについての審理及び裁判を行う。 (終局裁判の告知があるまでの取扱い) 第二十七条 損害賠償命令の申立てについての審理(請求の放棄及び認諾並びに和解(第十九条の規定による民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解を除く。)のための手続を含む。)及び裁判(次条第一項第一号又は第二号の規定によるものを除く。)は、刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでは、これを行わない。 2 裁判所は、前項に規定する終局裁判の告知があるまでの間、申立人に、当該刑事被告事件の公判期日を通知しなければならない。 (申立ての却下) 第二十八条 裁判所は、次に掲げる場合には、決定で、損害賠償命令の申立てを却下しなければならない。 一 損害賠償命令の申立てが不適法であると認めるとき(刑事被告事件に係る罰条が撤回又は変更されたため、当該被告事件が第二十四条第一項各号に掲げる罪に係るものに該当しなくなったときを除く。)。 二 刑事訴訟法第四条、第五条又は第十条第二項の決定により、刑事被告事件が地方裁判所以外の裁判所に係属することとなったとき。 三 刑事被告事件について、刑事訴訟法第三百二十九条若しくは第三百三十六条から第三百三十八条までの判決若しくは同法第三百三十九条の決定又は少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十五条の決定があったとき。 四 刑事被告事件について、刑事訴訟法第三百三十五条第一項に規定する有罪の言渡しがあった場合において、当該言渡しに係る罪が第二十四条第一項各号に掲げる罪に該当しないとき。 2 前項第一号に該当することを理由とする同項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の規定による場合のほか、第一項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。 (時効の完成猶予) 第二十九条 損害賠償命令の申立てについて、前条第一項の決定(同項第一号に該当することを理由とするものを除く。)の告知があったときは、当該告知を受けた時から六月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 第二節 審理及び裁判等 (任意的口頭弁論) 第三十条 損害賠償命令の申立てについての裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 前項の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。 (審理) 第三十一条 刑事被告事件について刑事訴訟法第三百三十五条第一項に規定する有罪の言渡しがあった場合(当該言渡しに係る罪が第二十四条第一項各号に掲げる罪に該当する場合に限る。)には、裁判所は、直ちに、損害賠償命令の申立てについての審理のための期日(以下「審理期日」という。)を開かなければならない。 ただし、直ちに審理期日を開くことが相当でないと認めるときは、裁判長は、速やかに、最初の審理期日を定めなければならない。 2 審理期日には、当事者を呼び出さなければならない。 3 損害賠償命令の申立てについては、特別の事情がある場合を除き、四回以内の審理期日において、審理を終結しなければならない。 4 裁判所は、最初の審理期日において、刑事被告事件の訴訟記録のうち必要でないと認めるものを除き、その取調べをしなければならない。 (審理の終結) 第三十二条 裁判所は、審理を終結するときは、審理期日においてその旨を宣言しなければならない。 (損害賠償命令) 第三十三条 損害賠償命令の申立てについての裁判(第二十八条第一項の決定を除く。以下この条から第三十五条までにおいて同じ。)は、次に掲げる事項を記載した決定書を作成して行わなければならない。 一 主文 二 請求の趣旨及び当事者の主張の要旨 三 理由の要旨 四 審理の終結の日 五 当事者及び法定代理人 六 裁判所 2 損害賠償命令については、裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。 3 第一項の決定書は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、損害賠償命令の申立てについての裁判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。 4 裁判所は、相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、決定書の作成に代えて、当事者が出頭する審理期日において主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、損害賠償命令の申立てについての裁判を行うことができる。 この場合においては、当該裁判の効力は、その告知がされた時に生ずる。 5 裁判所は、前項の規定により損害賠償命令の申立てについての裁判を行った場合には、裁判所書記官に、第一項各号に掲げる事項を調書に記載させなければならない。 第三節 異議等 (異議の申立て等) 第三十四条 当事者は、損害賠償命令の申立てについての裁判に対し、前条第三項の規定による送達又は同条第四項の規定による告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。 3 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、仮執行の宣言を付したものを除き、その効力を失う。 5 適法な異議の申立てがないときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、確定判決と同一の効力を有する。 6 民事訴訟法第三百五十八条及び第三百六十条の規定は、第一項の異議について準用する。 (訴え提起の擬制等) 第三十五条 損害賠償命令の申立てについての裁判に対し適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地(その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の普通裁判籍の所在地)を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 この場合においては、第二十四条第二項の書面を訴状と、第二十五条の規定による送達を訴状の送達とみなす。 2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、損害賠償命令の申立てに係る事件(以下「損害賠償命令事件」という。)に関する手続の費用は、訴訟費用の一部とする。 3 第一項の地方裁判所又は簡易裁判所は、その訴えに係る訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、決定で、これを管轄裁判所に移送しなければならない。 4 前項の規定による移送の決定及び当該移送の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (記録の送付等) 第三十六条 前条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、第三十一条第四項の規定により取り調べた当該被告事件の訴訟記録(以下「刑事関係記録」という。)中、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認めるもの、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認めるものその他前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。 2 裁判所書記官は、前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所の裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録(前項の規定により裁判所が特定したものを除く。)を送付しなければならない。 (異議後の民事訴訟手続における書証の申出の特例) 第三十七条 第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における前条第二項の規定により送付された記録についての書証の申出は、民事訴訟法第二百十九条の規定にかかわらず、書証とすべきものを特定することによりすることができる。 (異議後の判決) 第三十八条 仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合において、当該訴えについてすべき判決が損害賠償命令と符合するときは、その判決において、損害賠償命令を認可しなければならない。 ただし、損害賠償命令の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により損害賠償命令を認可する場合を除き、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における当該訴えについてすべき判決においては、損害賠償命令を取り消さなければならない。 3 民事訴訟法第三百六十三条の規定は、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における訴訟費用について準用する。 この場合において、同法第三百六十三条第一項中「異議を却下し、又は手形訴訟」とあるのは、「損害賠償命令」と読み替えるものとする。 第四節 民事訴訟手続への移行 第三十九条 裁判所は、最初の審理期日を開いた後、審理に日時を要するため第三十一条第三項に規定するところにより審理を終結することが困難であると認めるときは、申立てにより又は職権で、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をすることができる。 2 次に掲げる場合には、裁判所は、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をしなければならない。 一 刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでに、申立人から、損害賠償命令の申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があったとき。 二 損害賠償命令の申立てについての裁判の告知があるまでに、当事者から、当該申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があり、かつ、これについて相手方の同意があったとき。 3 前二項の決定及び第一項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。 4 第三十五条から第三十七条までの規定は、第一項又は第二項の規定により損害賠償命令事件が終了した場合について準用する。 第五節 補則 (損害賠償命令事件の記録の閲覧等) 第四十条 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は損害賠償命令事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 前項の規定は、損害賠償命令事件の記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について当事者又は利害関係を疎明した第三者の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、刑事関係記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)の請求については、裁判所が許可したときに限り、することができる。 4 裁判所は、当事者から刑事関係記録の閲覧等の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、不当な目的によるものと認める場合、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認める場合、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認める場合その他相当でないと認める場合を除き、その閲覧等を許可しなければならない。 5 裁判所は、利害関係を疎明した第三者から刑事関係記録の閲覧等の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、正当な理由がある場合であって、関係者の名誉又は生活の平穏を害するおそれの有無、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれの有無その他の事情を考慮して相当と認めるときは、その閲覧等を許可することができる。 6 損害賠償命令事件の記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、当該記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 7 第四項の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 8 第五項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。 (民事訴訟法の準用) 第四十一条 特別の定めがある場合を除き、損害賠償命令事件に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第二条、第十四条、第一編第二章第三節、第三章(第四十七条から第五十一条までを除く。)、第四章、第五章(第八十七条、第八十七条の二、第九十一条、第二節第二款、第百十六条及び第百十八条を除く。)、第六章から第八章まで、第二編第一章(第百三十四条、第百三十四条の二、第百三十七条第二項及び第三項、第百三十八条第一項、第百三十九条、第百四十条、第百四十五条並びに第百四十六条を除く。)、第三章(第百五十六条の二、第百五十七条の二、第百五十八条、第百五十九条第三項、第百六十一条第三項及び第三節を除く。)、第四章(第二百三十五条第一項ただし書及び第二百三十六条を除く。)、第五章(第二百四十九条から第二百五十五条まで並びに第二百五十九条第一項及び第二項を除く。)及び第六章(第二百六十二条第二項、第二百六十三条及び第二百六十六条第二項を除く。)、第三編第三章、第四編並びに第八編(第四百三条第一項第一号、第二号及び第四号から第六号までを除く。)の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。第百三十三条の四第一項及び第二項において同じ 損害賠償命令事件(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十五条第二項に規定する損害賠償命令事件をいう。)の記録(同法第三十六条第一項に規定する刑事関係記録に係る部分を除く。)又は同法第四十一条において準用する第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録(第百三十三条の四第一項及び第二項において「損害賠償命令事件の記録等」という 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、損害賠償命令事件の記録等 第百三十三条の四第二項 訴訟記録等 損害賠償命令事件の記録等 (個人特定事項の秘匿) 第四十二条 裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第二百七十一条の二第四項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、損害賠償命令事件に関する手続において、前条において準用する民事訴訟法第百三十三条第二項に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。 刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第三百十二条の二第三項の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないものが同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。 2 民事訴訟法第百三十三条第五項の規定は、前項の決定をする場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第四十二条第一項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「損害賠償命令事件(同法第三十五条第二項に規定する損害賠償命令事件をいう。)に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。 3 第一項の決定があった場合における第二十五条及び第三十五条第一項(第三十九条第四項において準用する場合を含む。第五項において同じ。)の規定の適用については、これらの規定中「書面を」とあるのは、「書面中第四十二条第一項の決定に係る個人特定事項が記載された部分について、当該個人特定事項に代えて同条第二項において読み替えて準用する民事訴訟法第百三十三条第五項前段の規定により定めた事項を記載した書面を」とする。 4 民事訴訟法第百三十三条の二第二項及び第百三十三条の四(第四項第二号を除く。)の規定は、第一項の決定があった場合について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 申立てにより、決定で 決定で 訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項 損害賠償命令事件(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十五条第二項に規定する損害賠償命令事件をいう。)の記録(同法第三十六条第一項に規定する刑事関係記録に係る部分を除く。)又は同法第四十一条において準用する第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録(第百三十三条の四第一項及び第二項において「損害賠償命令事件の記録等」という。)中同法第四十二条第一項の決定(第百三十三条の四第一項及び第四項第一号において「秘匿決定」という。)に係る個人特定事項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 秘匿決定に係る秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、損害賠償命令事件の記録等 第百三十三条の四第二項 訴訟記録等の存する 損害賠償命令事件の記録等の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百三十三条の四第四項第一号 秘匿対象者 個人特定事項に係る者 5 第一項の決定があった場合において、第三十五条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、損害賠償命令事件の記録(刑事関係記録を除く。)中、当該決定に係る個人特定事項が記載され、又は記録されたものであって、第三十五条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。 この場合における第三十六条第二項の規定の適用については、同項中「前項」とあるのは、「前項又は第四十二条第五項前段」とする。 第八章 雑則 (公判記録の閲覧及び謄写等の手数料) 第四十三条 第三条第一項又は第四条第一項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写の手数料については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)第七条から第十条まで及び別表第二の一の項から三の項までの規定(同表一の項上欄中「(事件の係属中に当事者等が請求するものを除く。)」とある部分を除く。)を準用する。 2 第六章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続の手数料については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び第七条から第十条まで並びに別表第一の九の項、一七の項及び一八の項(上欄(4)に係る部分に限る。)並びに別表第二の一の項から三の項までの規定(同表一の項上欄中「(事件の係属中に当事者等が請求するものを除く。)」とある部分を除く。)を準用する。 (損害賠償命令事件に関する手続の手数料等) 第四十四条 損害賠償命令の申立てをするには、二千円の手数料を納めなければならない。 2 民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び別表第一の一七の項の規定は、第三十四条第一項の規定による異議の申立ての手数料について準用する。 3 損害賠償命令の申立てをした者は、第三十五条第一項(第三十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、速やかに、民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び別表第一の一の項の規定により納めるべき手数料の額から損害賠償命令の申立てについて納めた手数料の額を控除した額の手数料を納めなければならない。 4 前三項に規定するもののほか、損害賠償命令事件に関する手続の費用については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律の規定を準用する。 (最高裁判所規則) 第四十五条 この法律に定めるもののほか、第三章に規定する訴訟記録の閲覧又は謄写、第六条第一項及び第二項の規定により裁判所が行う手続、第五章に規定する被害者参加弁護士の選定等、第六章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解並びに損害賠償命令事件に関する手続について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 | 刑事 |
Heisei | Act | 412AC0000000075_20260524_504AC0000000048.xml | 平成十二年法律第七十五号 | 2 | 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、犯罪により害を被った者(以下「被害者」という。)及びその遺族がその被害に係る刑事事件の審理の状況及び内容について深い関心を有するとともに、これらの者の受けた身体的、財産的被害その他の被害の回復には困難を伴う場合があることにかんがみ、刑事手続に付随するものとして、被害者及びその遺族の心情を尊重し、かつその被害の回復に資するための措置を定め、並びにこれらの者による損害賠償請求に係る紛争を簡易かつ迅速に解決することに資するための裁判手続の特例を定め、もってその権利利益の保護を図ることを目的とする。 第二章 公判手続の傍聴 第二条 刑事被告事件の係属する裁判所の裁判長は、当該被告事件の被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)又は当該被害者の法定代理人から、当該被告事件の公判手続の傍聴の申出があるときは、傍聴席及び傍聴を希望する者の数その他の事情を考慮しつつ、申出をした者が傍聴できるよう配慮しなければならない。 第三章 公判記録の閲覧及び謄写 (被害者等による公判記録の閲覧及び謄写) 第三条 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、閲覧又は謄写を求める理由が正当でないと認める場合及び犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して閲覧又は謄写をさせることが相当でないと認める場合を除き、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせるものとする。 2 裁判所は、前項の規定により謄写をさせる場合において、謄写した訴訟記録の使用目的を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。 3 第一項の規定により訴訟記録を閲覧し又は謄写した者は、閲覧又は謄写により知り得た事項を用いるに当たり、不当に関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し、又は捜査若しくは公判に支障を生じさせることのないよう注意しなければならない。 (同種余罪の被害者等による公判記録の閲覧及び謄写) 第四条 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、次に掲げる者から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、第一号又は第二号に掲げる者の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合であって、犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせることができる。 一 被告人又は共犯により被告事件に係る犯罪行為と同様の態様で継続的に又は反復して行われたこれと同一又は同種の罪の犯罪行為の被害者 二 前号に掲げる者が死亡した場合又はその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹 三 第一号に掲げる者の法定代理人 四 前三号に掲げる者から委託を受けた弁護士 2 前項の申出は、検察官を経由してしなければならない。 この場合においては、その申出をする者は、同項各号のいずれかに該当する者であることを疎明する資料を提出しなければならない。 3 検察官は、第一項の申出があったときは、裁判所に対し、意見を付してこれを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた資料があるときは、これを送付するものとする。 4 前条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写について準用する。 第四章 被害者参加旅費等 (被害者参加旅費等の支給) 第五条 被害者参加人(刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百十六条の三十三第三項に規定する被害者参加人をいう。以下同じ。)が同法第三百十六条の三十四第一項(同条第五項において準用する場合を含む。次条第二項において同じ。)の規定により公判期日又は公判準備に出席した場合には、法務大臣は、当該被害者参加人に対し、旅費、日当及び宿泊料を支給する。 2 前項の規定により支給する旅費、日当及び宿泊料(以下「被害者参加旅費等」という。)の額については、政令で定める。 (被害者参加旅費等の請求手続) 第六条 被害者参加旅費等の支給を受けようとする被害者参加人は、所定の請求書に法務省令で定める被害者参加旅費等の算定に必要な資料を添えて、これを、裁判所を経由して、法務大臣に提出しなければならない。 この場合において、必要な資料の全部又は一部を提出しなかった者は、その請求に係る被害者参加旅費等の額のうちその資料を提出しなかったため、その被害者参加旅費等の必要が明らかにされなかった部分の金額の支給を受けることができない。 2 裁判所は、前項の規定により請求書及び資料を受け取ったときは、当該被害者参加人が刑事訴訟法第三百十六条の三十四第一項の規定により公判期日又は公判準備に出席したことを証明する書面を添えて、これらを法務大臣に送付しなければならない。 3 第一項の規定による被害者参加旅費等の請求の期限については、政令で定める。 (協力の求め) 第七条 法務大臣は、被害者参加旅費等の支給に関し、裁判所に対して必要な協力を求めることができる。 (日本司法支援センターへの被害者参加旅費等の支給に係る法務大臣の権限に係る事務の委任) 第八条 次に掲げる法務大臣の権限に係る事務は、日本司法支援センター(総合法律支援法(平成十六年法律第七十四号)第十三条に規定する日本司法支援センターをいう。以下同じ。)に行わせるものとする。 一 第五条第一項の規定による被害者参加旅費等の支給 二 第六条第一項の規定による請求の受理 三 前条の規定による協力の求め 2 法務大臣は、日本司法支援センターが天災その他の事由により前項各号に掲げる権限に係る事務の全部又は一部を行うことが困難又は不適当となったと認めるときは、同項各号に掲げる権限の全部又は一部を自ら行うものとする。 3 法務大臣は、前項の規定により第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は前項の規定により自ら行っている第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。 4 法務大臣が、第二項の規定により第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は第二項の規定により自ら行っている第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととする場合における同項各号に掲げる権限に係る事務の引継ぎその他の必要な事項は、法務省令で定める。 (審査請求) 第九条 この法律の規定による日本司法支援センターの処分又はその不作為について不服がある者は、法務大臣に対して審査請求をすることができる。 この場合において、法務大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、日本司法支援センターの上級行政庁とみなす。 (法務省令への委任) 第十条 第五条から前条までに定めるもののほか、被害者参加旅費等の支給に関し必要な事項(第六条第一項及び第二項の規定により裁判所が行う手続に関する事項を除く。)は、法務省令で定める。 第五章 被害者参加弁護士の選定等 (被害者参加弁護士の選定の請求) 第十一条 刑事訴訟法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を弁護士に委託しようとする被害者参加人であって、その資力(その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額をいう。以下同じ。)から、手続への参加を許された刑事被告事件に係る犯罪行為により生じた負傷又は疾病の療養に要する費用その他の当該犯罪行為を原因として請求の日から六月以内に支出することとなると認められる費用の額(以下「療養費等の額」という。)を控除した額が基準額(標準的な六月間の必要生計費を勘案して一般に被害者参加弁護士(被害者参加人の委託を受けて同法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を行う弁護士をいう。以下同じ。)の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)に満たないものは、当該被告事件の係属する裁判所に対し、被害者参加弁護士を選定することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、日本司法支援センターを経由してしなければならない。 この場合においては、被害者参加人は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める書面を提出しなければならない。 一 その資力が基準額に満たない者 資力及びその内訳を申告する書面 二 前号に掲げる者以外の者 資力及び療養費等の額並びにこれらの内訳を申告する書面 3 日本司法支援センターは、第一項の規定による請求があったときは、裁判所に対し、これを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた書面を送付しなければならない。 (被害者参加弁護士の候補の指名及び通知) 第十二条 日本司法支援センターは、前条第一項の規定による請求があったときは、裁判所が選定する被害者参加弁護士の候補を指名し、裁判所に通知しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、日本司法支援センターは、次条第一項各号のいずれかに該当することが明らかであると認めるときは、前項の規定による指名及び通知をしないことができる。 この場合においては、日本司法支援センターは、裁判所にその旨を通知しなければならない。 3 日本司法支援センターは、第一項の規定による指名をするに当たっては、前条第一項の規定による請求をした者の意見を聴かなければならない。 (被害者参加弁護士の選定) 第十三条 裁判所は、第十一条第一項の規定による請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、当該被害者参加人のため被害者参加弁護士を選定するものとする。 一 請求が不適法であるとき。 二 請求をした者が第十一条第一項に規定する者に該当しないとき。 三 請求をした者がその責めに帰すべき事由により被害者参加弁護士の選定を取り消された者であるとき。 2 裁判所は、前項の規定により被害者参加弁護士を選定する場合において、必要があるときは、日本司法支援センターに対し、被害者参加弁護士の候補を指名して通知するよう求めることができる。 この場合においては、前条第一項及び第三項の規定を準用する。 (被害者参加弁護士の選定の効力) 第十四条 裁判所による被害者参加弁護士の選定は、審級ごとにしなければならない。 2 被害者参加弁護士の選定は、弁論が併合された事件についてもその効力を有する。 ただし、被害者参加人が手続への参加を許されていない事件については、この限りでない。 3 被害者参加弁護士の選定は、刑事訴訟法第三百十六条の三十三第三項の決定があったときは、その効力を失う。 4 裁判所により選定された被害者参加弁護士は、旅費、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。 5 前項の規定により被害者参加弁護士に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の額については、刑事訴訟法第三十八条第二項の規定により弁護人に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の例による。 (被害者参加弁護士の選定の取消し) 第十五条 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被害者参加弁護士の選定を取り消すことができる。 一 被害者参加人が自ら刑事訴訟法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を他の弁護士に委託したことその他の事由により被害者参加弁護士にその職務を行わせる必要がなくなったとき。 二 被害者参加人と被害者参加弁護士との利益が相反する状況にあり被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。 三 心身の故障その他の事由により、被害者参加弁護士が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となったとき。 四 被害者参加弁護士がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。 五 被害者参加弁護士に対する暴行、脅迫その他の被害者参加人の責めに帰すべき事由により被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。 2 裁判所は、前項第二号から第四号までに掲げる事由により被害者参加弁護士の選定を取り消したときは、更に被害者参加弁護士を選定するものとする。 この場合においては、第十三条第二項の規定を準用する。 (虚偽の申告書の提出に対する制裁) 第十六条 被害者参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は療養費等の額について虚偽の記載のある第十一条第二項各号に定める書面を提出したときは、十万円以下の過料に処する。 (費用の徴収) 第十七条 被害者参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は療養費等の額について虚偽の記載のある第十一条第二項各号に定める書面を提出したことによりその判断を誤らせたときは、裁判所は、決定で、当該被害者参加人から、被害者参加弁護士に支給した旅費、日当、宿泊料及び報酬の全部又は一部を徴収することができる。 2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、即時抗告に関する刑事訴訟法の規定を準用する。 3 費用賠償の裁判の執行に関する刑事訴訟法の規定は、第一項の決定の執行について準用する。 (刑事訴訟法の準用) 第十八条 刑事訴訟法第四十三条第三項及び第四項の規定は被害者参加弁護士の選定及びその取消しについて、同条第三項及び第四項並びに同法第四十四条第一項の規定は前条第一項の決定について、それぞれ準用する。 第六章 民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解 (民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解) 第十九条 刑事被告事件の被告人と被害者等は、両者の間における民事上の争い(当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。)について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴裁判所に対し、共同して当該合意の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。 2 前項の合意が被告人の被害者等に対する金銭の支払を内容とする場合において、被告人以外の者が被害者等に対し当該債務について保証する旨又は連帯して責任を負う旨を約したときは、その者も、同項の申立てとともに、被告人及び被害者等と共同してその旨の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。 3 前二項の規定による申立ては、弁論の終結までに、公判期日に出頭し、当該申立てに係る合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実を記載した書面を提出してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による申立てに係る合意を公判調書に記載したときは、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。 (和解記録) 第二十条 前条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、第三章及び刑事訴訟法第四十九条の規定にかかわらず、裁判所書記官に対し、当該公判調書(当該合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実が記載された部分に限る。)、当該申立てに係る前条第三項の書面その他の当該合意に関する記録(以下「和解記録」という。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 ただし、和解記録の閲覧及び謄写の請求は、和解記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 2 前項に規定する和解記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付の請求に関する裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二十一条の例により、和解記録についての秘密保護のための閲覧等の制限の手続については同法第九十二条第一項から第八項までの例による。 この場合において、同条第一項中「に係る訴訟記録の閲覧等(非電磁的訴訟記録の閲覧等又は電磁的訴訟記録の閲覧等をいう。第百三十三条第三項において同じ。)」とあるのは、「の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付」と読み替えるものとする。 3 和解記録は、刑事被告事件の終結後は、当該被告事件の第一審裁判所において保管するものとする。 (民事訴訟法の準用) 第二十一条 前二条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編第三章第一節(選定当事者及び特別代理人に関する規定を除く。)及び第四節(第六十条を除く。)並びに第八章(第百三十三条の二第五項及び第六項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条第二項 書面その他最高裁判所規則で定める方法 書面 第百三十三条第三項 訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録 和解記録(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十条第一項に規定する和解記録 について訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等をいう。以下この章において同じ。) の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条第五項 当該事件並びにその事件 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続並びにその手続 第百三十三条の二第一項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の二第二項 訴訟記録等中 和解記録中 第百三十三条の二第二項及び第三項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、和解記録 第百三十三条の四第二項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項又は第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 訴訟記録等の存する 和解記録の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第七項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 (個人特定事項の秘匿) 第二十二条 裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第二百七十一条の二第四項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項(同法第二百一条の二第一項に規定する個人特定事項をいう。以下同じ。)のうち起訴状抄本等(同法第二百七十一条の二第二項に規定する起訴状抄本等をいう。第四十六条第一項において同じ。)に記載がないもの(同法第二百七十一条の五第一項の決定により通知することとされたものを除く。第四十六条第一項において同じ。)が同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続において、前条において準用する民事訴訟法第百三十三条第二項に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。 刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第三百十二条の二第三項の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面(同法第三百十二条第四項に規定する訴因変更等請求書面をいう。第四十六条第一項において同じ。)に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等(同法第三百十二条の二第二項に規定する訴因変更等請求書面抄本等をいう。第四十六条第一項において同じ。)に記載がないもの(同法第三百十二条の二第四項において読み替えて準用する同法第二百七十一条の五第一項の決定により通知することとされたものを除く。第四十六条第一項において同じ。)が同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。 2 民事訴訟法第百三十三条第五項の規定は、前項の決定をする場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十二条第一項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「同法第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。 3 民事訴訟法第百三十三条の二第二項及び第百三十三条の四(第四項第二号を除く。)の規定は、第一項の決定があった場合について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 申立てにより、決定で 決定で 訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項 和解記録(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十条第一項に規定する和解記録をいう。第百三十三条の四第一項及び第二項において同じ。)中同法第二十二条第一項の決定(第百三十三条の四第一項及び第四項第一号において「秘匿決定」という。)に係る個人特定事項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 秘匿決定に係る秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、和解記録 第百三十三条の四第二項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項又は第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 訴訟記録等の存する 和解記録の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第四項第一号 秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第七項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 (執行文付与の訴え等の管轄の特則) 第二十三条 第十九条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に係る執行文付与の訴え、執行文付与に対する異議の訴え及び請求異議の訴えは、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十三条第二項(同法第三十四条第三項及び第三十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該被告事件の第一審裁判所(第一審裁判所が簡易裁判所である場合において、その和解に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)の管轄に専属する。 第七章 刑事訴訟手続に伴う犯罪被害者等の損害賠償請求に係る裁判手続の特例 第一節 損害賠償命令の申立て等 (損害賠償命令の申立て) 第二十四条 次に掲げる罪に係る刑事被告事件(刑事訴訟法第四百五十一条第一項の規定により更に審判をすることとされたものを除く。)の被害者又はその一般承継人は、当該被告事件の係属する裁判所(地方裁判所に限る。)に対し、その弁論の終結までに、損害賠償命令(当該被告事件に係る訴因として特定された事実を原因とする不法行為に基づく損害賠償の請求(これに附帯する損害賠償の請求を含む。)について、その賠償を被告人に命ずることをいう。以下同じ。)の申立てをすることができる。 一 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪又はその未遂罪 二 次に掲げる罪又はその未遂罪 イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十六条(不同意わいせつ)、第百七十七条(不同意性交等)又は第百七十九条(監護者わいせつ及び監護者性交等)の罪 ロ 刑法第二百二十条(逮捕及び監禁)の罪 ハ 刑法第二百二十四条から第二百二十七条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等)の罪 ニ イからハまでに掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(前号に掲げる罪を除く。) 2 損害賠償命令の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。 一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び刑事被告事件に係る訴因として特定された事実その他請求を特定するに足りる事実 3 前項の書面には、同項各号に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項以外の事項を記載してはならない。 (申立書の送達) 第二十五条 裁判所は、前条第二項の書面の提出を受けたときは、第二十八条第一項第一号の規定により損害賠償命令の申立てを却下する場合を除き、遅滞なく、当該書面を申立ての相手方である被告人に送達しなければならない。 (管轄に関する決定の効力) 第二十六条 刑事被告事件について刑事訴訟法第七条、第八条、第十一条第二項若しくは第十九条第一項の決定又は同法第十七条若しくは第十八条の規定による管轄移転の請求に対する決定があったときは、これらの決定により当該被告事件の審判を行うこととなった裁判所が、損害賠償命令の申立てについての審理及び裁判を行う。 (終局裁判の告知があるまでの取扱い) 第二十七条 損害賠償命令の申立てについての審理(請求の放棄及び認諾並びに和解(第十九条の規定による民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解を除く。)のための手続を含む。)及び裁判(次条第一項第一号又は第二号の規定によるものを除く。)は、刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでは、これを行わない。 2 裁判所は、前項に規定する終局裁判の告知があるまでの間、申立人に、当該刑事被告事件の公判期日を通知しなければならない。 (申立ての却下) 第二十八条 裁判所は、次に掲げる場合には、決定で、損害賠償命令の申立てを却下しなければならない。 一 損害賠償命令の申立てが不適法であると認めるとき(刑事被告事件に係る罰条が撤回又は変更されたため、当該被告事件が第二十四条第一項各号に掲げる罪に係るものに該当しなくなったときを除く。)。 二 刑事訴訟法第四条、第五条又は第十条第二項の決定により、刑事被告事件が地方裁判所以外の裁判所に係属することとなったとき。 三 刑事被告事件について、刑事訴訟法第三百二十九条若しくは第三百三十六条から第三百三十八条までの判決若しくは同法第三百三十九条の決定又は少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十五条の決定があったとき。 四 刑事被告事件について、刑事訴訟法第三百三十五条第一項に規定する有罪の言渡しがあった場合において、当該言渡しに係る罪が第二十四条第一項各号に掲げる罪に該当しないとき。 2 前項第一号に該当することを理由とする同項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の規定による場合のほか、第一項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。 (時効の完成猶予) 第二十九条 損害賠償命令の申立てについて、前条第一項の決定(同項第一号に該当することを理由とするものを除く。)の告知があったときは、当該告知を受けた時から六月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 (期日の呼出し) 第三十条 損害賠償命令の申立てに係る事件(以下「損害賠償命令事件」という。)に関する手続における期日の呼出しは、呼出状の送達、当該損害賠償命令事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。 2 呼出状の送達及び当該損害賠償命令事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない当事者、証人又は鑑定人に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。 ただし、これらの者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。 (公示送達の方法) 第三十一条 損害賠償命令事件に関する手続における公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。 (事件の記録の閲覧等) 第三十二条 第四十五条において準用する民事訴訟法第百三十二条の四第一項の処分の申立てをした者及び相手方(同項に規定する相手方をいう。次項において同じ。)は、裁判所書記官に対し、同条第一項の処分の申立てに係る事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は当該事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 前項の規定は、同項に規定する記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について申立人又は相手方の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 3 第一項に規定する記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、当該記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 (電子情報処理組織による申立て等) 第三十三条 損害賠償命令事件に関する手続における申立てその他の申述(以下この条において「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び第四項において同じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項及び第三項において同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。 2 前項の規定によりされた申立て等については、当該申立て等を書面等をもってするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。 3 第一項の規定によりされた申立て等は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。 4 第一項の場合において、当該申立て等に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。 5 第一項の規定によりされた申立て等が第三項に規定するファイルに記録されたときは、第一項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。 6 第一項の規定によりされた申立て等に係るこの法律その他の法令の規定による損害賠償命令事件の記録の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付は、前項の書面をもってするものとする。 当該申立て等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。 第二節 審理及び裁判等 (任意的口頭弁論) 第三十四条 損害賠償命令の申立てについての裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 前項の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。 (審理) 第三十五条 刑事被告事件について刑事訴訟法第三百三十五条第一項に規定する有罪の言渡しがあった場合(当該言渡しに係る罪が第二十四条第一項各号に掲げる罪に該当する場合に限る。)には、裁判所は、直ちに、損害賠償命令の申立てについての審理のための期日(以下「審理期日」という。)を開かなければならない。 ただし、直ちに審理期日を開くことが相当でないと認めるときは、裁判長は、速やかに、最初の審理期日を定めなければならない。 2 審理期日には、当事者を呼び出さなければならない。 3 損害賠償命令の申立てについては、特別の事情がある場合を除き、四回以内の審理期日において、審理を終結しなければならない。 4 裁判所は、最初の審理期日において、刑事被告事件の訴訟記録のうち必要でないと認めるものを除き、その取調べをしなければならない。 (審理の終結) 第三十六条 裁判所は、審理を終結するときは、審理期日においてその旨を宣言しなければならない。 (損害賠償命令) 第三十七条 損害賠償命令の申立てについての裁判(第二十八条第一項の決定を除く。以下この条から第三十九条までにおいて同じ。)は、次に掲げる事項を記載した決定書を作成して行わなければならない。 一 主文 二 請求の趣旨及び当事者の主張の要旨 三 理由の要旨 四 審理の終結の日 五 当事者及び法定代理人 六 裁判所 2 損害賠償命令については、裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。 3 第一項の決定書は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、損害賠償命令の申立てについての裁判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。 4 裁判所は、相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、決定書の作成に代えて、当事者が出頭する審理期日において主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、損害賠償命令の申立てについての裁判を行うことができる。 この場合においては、当該裁判の効力は、その告知がされた時に生ずる。 5 裁判所は、前項の規定により損害賠償命令の申立てについての裁判を行った場合には、裁判所書記官に、第一項各号に掲げる事項を調書に記載させなければならない。 第三節 異議等 (異議の申立て等) 第三十八条 当事者は、損害賠償命令の申立てについての裁判に対し、前条第三項の規定による送達又は同条第四項の規定による告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。 3 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、仮執行の宣言を付したものを除き、その効力を失う。 5 適法な異議の申立てがないときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、確定判決と同一の効力を有する。 6 民事訴訟法第三百五十八条及び第三百六十条の規定は、第一項の異議について準用する。 (訴え提起の擬制等) 第三十九条 損害賠償命令の申立てについての裁判に対し適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地(その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の普通裁判籍の所在地)を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 この場合においては、第二十四条第二項の書面を訴状と、第二十五条の規定による送達を訴状の送達とみなす。 2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、損害賠償命令事件に関する手続の費用は、訴訟費用の一部とする。 3 第一項の地方裁判所又は簡易裁判所は、その訴えに係る訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、決定で、これを管轄裁判所に移送しなければならない。 4 前項の規定による移送の決定及び当該移送の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (記録の送付等) 第四十条 前条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、第三十五条第四項の規定により取り調べた当該被告事件の訴訟記録(以下「刑事関係記録」という。)中、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認めるもの、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認めるものその他前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。 2 裁判所書記官は、前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所の裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録(前項の規定により裁判所が特定したものを除く。)を送付しなければならない。 (異議後の民事訴訟手続における書証の申出の特例) 第四十一条 第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における前条第二項の規定により送付された記録についての書証の申出は、民事訴訟法第二百十九条の規定にかかわらず、書証とすべきものを特定することによりすることができる。 (異議後の判決) 第四十二条 仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合において、当該訴えについてすべき判決が損害賠償命令と符合するときは、その判決において、損害賠償命令を認可しなければならない。 ただし、損害賠償命令の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により損害賠償命令を認可する場合を除き、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における当該訴えについてすべき判決においては、損害賠償命令を取り消さなければならない。 3 民事訴訟法第三百六十三条の規定は、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における訴訟費用について準用する。 この場合において、同法第三百六十三条第一項中「異議を却下し、又は手形訴訟」とあるのは、「損害賠償命令」と読み替えるものとする。 第四節 民事訴訟手続への移行 第四十三条 裁判所は、最初の審理期日を開いた後、審理に日時を要するため第三十五条第三項に規定するところにより審理を終結することが困難であると認めるときは、申立てにより又は職権で、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をすることができる。 2 次に掲げる場合には、裁判所は、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をしなければならない。 一 刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでに、申立人から、損害賠償命令の申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があったとき。 二 損害賠償命令の申立てについての裁判の告知があるまでに、当事者から、当該申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があり、かつ、これについて相手方の同意があったとき。 3 前二項の決定及び第一項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。 4 第三十九条から第四十一条までの規定は、第一項又は第二項の規定により損害賠償命令事件が終了した場合について準用する。 第五節 補則 (損害賠償命令事件の記録の閲覧等) 第四十四条 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は損害賠償命令事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 前項の規定は、損害賠償命令事件の記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について当事者又は利害関係を疎明した第三者の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、刑事関係記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)の請求については、裁判所が許可したときに限り、することができる。 4 裁判所は、当事者から刑事関係記録の閲覧等の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、不当な目的によるものと認める場合、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認める場合、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認める場合その他相当でないと認める場合を除き、その閲覧等を許可しなければならない。 5 裁判所は、利害関係を疎明した第三者から刑事関係記録の閲覧等の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、正当な理由がある場合であって、関係者の名誉又は生活の平穏を害するおそれの有無、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれの有無その他の事情を考慮して相当と認めるときは、その閲覧等を許可することができる。 6 損害賠償命令事件の記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、当該記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 7 第四項の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 8 第五項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。 (民事訴訟法の準用) 第四十五条 特別の定めがある場合を除き、損害賠償命令事件に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第二条、第十四条、第一編第二章第三節、第三章(第四十五条第五項各号及び第四十七条から第五十一条までを除く。)、第四章(第七十一条第二項を除く。)、第五章(第八十七条、第八十七条の二、第九十一条から第九十一条の三まで、第九十二条第九項及び第十項、第九十二条の二第二項、第二節第二款、第九十四条、第百条第二項、第四節第三款、第百十一条、第百十六条並びに第百十八条を除く。)、第六章(第百三十二条の六第三項及び第百三十二条の七を除く。)及び第八章(第百三十三条の二第五項及び第六項並びに第百三十三条の三第二項を除く。)、第二編第一章(第百三十四条、第百三十四条の二、第百三十七条第二項及び第三項、第百三十八条第一項、第百三十九条、第百四十条、第百四十五条並びに第百四十六条を除く。)、第三章(第百五十一条第三項、第百五十六条の二、第百五十七条の二、第百五十八条、第百五十九条第三項、第百六十条第二項、第百六十一条第三項及び第三節を除く。)、第四章(第百八十五条第三項、第百八十七条第三項及び第四項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項、第二百三十二条の二、第二百三十五条第一項ただし書並びに第二百三十六条を除く。)、第五章(第二百四十九条から第二百五十五条まで、第二百五十六条第三項各号並びに第二百五十九条第一項及び第二項を除く。)及び第六章(第二百六十二条第二項、第二百六十三条、第二百六十六条第二項及び第二百六十七条第二項を除く。)、第三編第三章、第四編並びに第九編(第四百三条第一項第一号、第二号及び第四号から第六号までを除く。)の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第四十五条第五項 次に掲げる 損害賠償命令事件(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十条第一項に規定する損害賠償命令事件をいう。以下同じ。)の記録(同法第四十条第一項に規定する刑事関係記録に係る部分を除く。以下同じ。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製の 第九十二条第一項 に係る訴訟記録の閲覧等(非電磁的訴訟記録の閲覧等又は電磁的訴訟記録の閲覧等をいう。第百三十三条第三項において同じ。) の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百十二条第一項本文 前条の規定による措置を開始した 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十一条の規定による掲示を始めた 第百十二条第一項ただし書 前条の規定による措置を開始した 当該掲示を始めた 第百十三条 書類又は電磁的記録 書類 記載又は記録 記載 第百十一条の規定による措置を開始した 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十一条の規定による掲示を始めた 第百二十八条第二項 第二百五十五条(第三百七十四条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による第二百五十五条第一項に規定する電子判決書又は電子調書 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十七条第一項の決定書 第百三十三条第二項 書面その他最高裁判所規則で定める方法 書面 第百三十三条第三項 訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。以下この章において同じ 損害賠償命令事件の記録又は犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第四十五条において準用する第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録(以下この章において「損害賠償命令事件の記録等」という について訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等をいう。以下この章において同じ。) の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の二第一項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の二第二項 訴訟記録等中 損害賠償命令事件の記録等中 第百三十三条の二第二項及び第三項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百三十三条の三第一項 記載され、又は記録された書面又は電磁的記録 記載された書面 当該書面又は電磁的記録 当該書面 又は電磁的記録その他これに類する書面又は電磁的記録に係る訴訟記録等の閲覧等 その他これに類する書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、損害賠償命令事件の記録等 第百三十三条の四第二項 訴訟記録等の存する 損害賠償命令事件の記録等の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百五十一条第二項及び第二百三十一条の二第二項 方法又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する方法 方法 第百六十条第一項 最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。以下同じ。) 調書 第百六十条第三項 前項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容に 調書の記載について 最高裁判所規則で定めるところにより、その異議があった旨を明らかにする措置を講じなければ 調書にその旨を記載しなければ 第百六十条第四項 第二項の規定によりファイルに記録された電子調書 調書 当該電子調書 当該調書 第百六十条の二第一項 前条第二項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容 調書の記載 第百六十条の二第二項 その旨をファイルに記録して 調書を作成して 第二百五条第三項 事項又は前項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項 事項 第二百十五条第四項 事項又は第二項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項 事項 第二百三十一条の三第二項 若しくは送付し、又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する 又は送付する 第二百五十六条第三項 電子呼出状(第九十四条第二項の規定によりファイルに記録されたものに限る。)により前項 前項 呼出しを行う場合 呼出し 次の各号に掲げる送達の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める 公示送達による場合を除き、送達をすべき場所に宛てて呼出状を発した 第二百六十一条第四項 電子調書 調書 記録しなければ 記載しなければ 第二百六十一条第五項 記録された電子調書 記載された調書の謄本 第二百六十七条第一項 について電子調書を作成し、これをファイルに記録した を調書に記載した その記録 その記載 第二百六十七条の二第一項 規定によりファイルに記録された電子調書 調書 (個人特定事項の秘匿) 第四十六条 裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第二百七十一条の二第四項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、損害賠償命令事件に関する手続において、前条において準用する民事訴訟法第百三十三条第二項に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。 刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第三百十二条の二第三項の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないものが同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。 2 民事訴訟法第百三十三条第五項の規定は、前項の決定をする場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第四十六条第一項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「損害賠償命令事件(同法第三十条第一項に規定する損害賠償命令事件をいう。)に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。 3 第一項の決定があった場合における第二十五条及び第三十九条第一項(第四十三条第四項において準用する場合を含む。第五項において同じ。)の規定の適用については、これらの規定中「書面を」とあるのは、「書面中第四十六条第一項の決定に係る個人特定事項が記載された部分について、当該個人特定事項に代えて同条第二項において読み替えて準用する民事訴訟法第百三十三条第五項前段の規定により定めた事項を記載した書面を」とする。 4 民事訴訟法第百三十三条の二第二項及び第百三十三条の四(第四項第二号を除く。)の規定は、第一項の決定があった場合について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 申立てにより、決定で 決定で 訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項 損害賠償命令事件(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十条第一項に規定する損害賠償命令事件をいう。)の記録(同法第四十条第一項に規定する刑事関係記録に係る部分を除く。)又は同法第四十五条において準用する第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録(第百三十三条の四第一項及び第二項において「損害賠償命令事件の記録等」という。)中同法第四十六条第一項の決定(第百三十三条の四第一項及び第四項第一号において「秘匿決定」という。)に係る個人特定事項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 秘匿決定に係る秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、損害賠償命令事件の記録等 第百三十三条の四第二項 訴訟記録等の存する 損害賠償命令事件の記録等の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百三十三条の四第四項第一号 秘匿対象者 個人特定事項に係る者 5 第一項の決定があった場合において、第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、損害賠償命令事件の記録(刑事関係記録を除く。)中、当該決定に係る個人特定事項が記載され、又は記録されたものであって、第三十九条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。 この場合における第四十条第二項の規定の適用については、同項中「前項」とあるのは、「前項又は第四十六条第五項前段」とする。 第八章 雑則 (公判記録の閲覧及び謄写等の手数料) 第四十七条 第三条第一項又は第四条第一項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写の手数料については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)第七条から第十条まで及び別表第三の一の項の規定(同項上欄中「(事件の係属中に当事者等が請求するものを除く。)」とある部分を除く。)を準用する。 2 第十九条第一項の規定による申立てをするには、二千円の手数料を納めなければならない。 3 第六章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続の手数料については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び第七条から第十条まで並びに別表第一の一七の項及び一八の項(上欄(4)に係る部分に限る。)並びに別表第三の一の項から三の項までの規定(同表一の項上欄中「(事件の係属中に当事者等が請求するものを除く。)」とある部分を除く。)を準用する。 (損害賠償命令事件に関する手続の手数料等) 第四十八条 損害賠償命令の申立てをするには、二千円の手数料を納めなければならない。 2 民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び別表第一の一七の項の規定は、第三十八条第一項の規定による異議の申立ての手数料について準用する。 3 損害賠償命令の申立てをした者は、第三十九条第一項(第四十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、速やかに、民事訴訟費用等に関する法律第三条第二項及び別表第二の一の項の規定により納めるべき手数料の額から損害賠償命令の申立てについて納めた手数料の額を控除した額の手数料を納めなければならない。 4 前三項に規定するもののほか、損害賠償命令事件に関する手続の費用については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律の規定を準用する。 (最高裁判所規則) 第四十九条 この法律に定めるもののほか、第三章に規定する訴訟記録の閲覧又は謄写、第六条第一項及び第二項の規定により裁判所が行う手続、第五章に規定する被害者参加弁護士の選定等、第六章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解並びに損害賠償命令事件に関する手続について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 | 刑事 |
Heisei | Act | 412AC0000000075_20280613_505AC0000000053.xml | 平成十二年法律第七十五号 | 2 | 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、犯罪により害を被った者(以下「被害者」という。)及びその遺族がその被害に係る刑事事件の審理の状況及び内容について深い関心を有するとともに、これらの者の受けた身体的、財産的被害その他の被害の回復には困難を伴う場合があることにかんがみ、刑事手続に付随するものとして、被害者及びその遺族の心情を尊重し、かつその被害の回復に資するための措置を定め、並びにこれらの者による損害賠償請求に係る紛争を簡易かつ迅速に解決することに資するための裁判手続の特例を定め、もってその権利利益の保護を図ることを目的とする。 第二章 公判手続の傍聴 第二条 刑事被告事件の係属する裁判所の裁判長は、当該被告事件の被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)又は当該被害者の法定代理人から、当該被告事件の公判手続の傍聴の申出があるときは、傍聴席及び傍聴を希望する者の数その他の事情を考慮しつつ、申出をした者が傍聴できるよう配慮しなければならない。 第三章 公判記録の閲覧及び謄写 (被害者等による公判記録の閲覧及び謄写) 第三条 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、閲覧又は謄写を求める理由が正当でないと認める場合及び犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して閲覧又は謄写をさせることが相当でないと認める場合を除き、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせるものとする。 2 裁判所は、前項の規定により謄写をさせる場合において、謄写した訴訟記録の使用目的を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。 3 第一項の規定により訴訟記録を閲覧し又は謄写した者は、閲覧又は謄写により知り得た事項を用いるに当たり、不当に関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し、又は捜査若しくは公判に支障を生じさせることのないよう注意しなければならない。 (同種余罪の被害者等による公判記録の閲覧及び謄写) 第四条 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、次に掲げる者から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、第一号又は第二号に掲げる者の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合であって、犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせることができる。 一 被告人又は共犯により被告事件に係る犯罪行為と同様の態様で継続的に又は反復して行われたこれと同一又は同種の罪の犯罪行為の被害者 二 前号に掲げる者が死亡した場合又はその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹 三 第一号に掲げる者の法定代理人 四 前三号に掲げる者から委託を受けた弁護士 2 前項の申出は、検察官を経由してしなければならない。 この場合においては、その申出をする者は、同項各号のいずれかに該当する者であることを疎明する資料を提出しなければならない。 3 検察官は、第一項の申出があったときは、裁判所に対し、意見を付してこれを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた資料があるときは、これを送付するものとする。 4 前条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写について準用する。 第四章 被害者参加旅費等 (被害者参加旅費等の支給) 第五条 被害者参加人(刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百十六条の三十三第三項に規定する被害者参加人をいう。以下同じ。)が同法第三百十六条の三十四第一項(同条第五項において準用する場合を含む。次条第二項において同じ。)の規定により公判期日又は公判準備に出席した場合には、法務大臣は、当該被害者参加人に対し、旅費、日当及び宿泊料を支給する。 2 前項の規定により支給する旅費、日当及び宿泊料(以下「被害者参加旅費等」という。)の額については、政令で定める。 (被害者参加旅費等の請求手続) 第六条 被害者参加旅費等の支給を受けようとする被害者参加人は、所定の請求書に法務省令で定める被害者参加旅費等の算定に必要な資料を添えて、これを、裁判所を経由して、法務大臣に提出しなければならない。 この場合において、必要な資料の全部又は一部を提出しなかった者は、その請求に係る被害者参加旅費等の額のうちその資料を提出しなかったため、その被害者参加旅費等の必要が明らかにされなかった部分の金額の支給を受けることができない。 2 裁判所は、前項の規定により請求書及び資料を受け取ったときは、当該被害者参加人が刑事訴訟法第三百十六条の三十四第一項の規定により公判期日又は公判準備に出席したことを証明する書面を添えて、これらを法務大臣に送付しなければならない。 3 第一項の規定による被害者参加旅費等の請求の期限については、政令で定める。 (協力の求め) 第七条 法務大臣は、被害者参加旅費等の支給に関し、裁判所に対して必要な協力を求めることができる。 (日本司法支援センターへの被害者参加旅費等の支給に係る法務大臣の権限に係る事務の委任) 第八条 次に掲げる法務大臣の権限に係る事務は、日本司法支援センター(総合法律支援法(平成十六年法律第七十四号)第十三条に規定する日本司法支援センターをいう。以下同じ。)に行わせるものとする。 一 第五条第一項の規定による被害者参加旅費等の支給 二 第六条第一項の規定による請求の受理 三 前条の規定による協力の求め 2 法務大臣は、日本司法支援センターが天災その他の事由により前項各号に掲げる権限に係る事務の全部又は一部を行うことが困難又は不適当となったと認めるときは、同項各号に掲げる権限の全部又は一部を自ら行うものとする。 3 法務大臣は、前項の規定により第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は前項の規定により自ら行っている第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。 4 法務大臣が、第二項の規定により第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は第二項の規定により自ら行っている第一項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととする場合における同項各号に掲げる権限に係る事務の引継ぎその他の必要な事項は、法務省令で定める。 (審査請求) 第九条 この法律の規定による日本司法支援センターの処分又はその不作為について不服がある者は、法務大臣に対して審査請求をすることができる。 この場合において、法務大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、日本司法支援センターの上級行政庁とみなす。 (法務省令への委任) 第十条 第五条から前条までに定めるもののほか、被害者参加旅費等の支給に関し必要な事項(第六条第一項及び第二項の規定により裁判所が行う手続に関する事項を除く。)は、法務省令で定める。 第五章 被害者参加弁護士の選定等 (被害者参加弁護士の選定の請求) 第十一条 刑事訴訟法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を弁護士に委託しようとする被害者参加人であって、その資力(その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額をいう。以下同じ。)から、手続への参加を許された刑事被告事件に係る犯罪行為により生じた負傷又は疾病の療養に要する費用その他の当該犯罪行為を原因として請求の日から六月以内に支出することとなると認められる費用の額(以下「療養費等の額」という。)を控除した額が基準額(標準的な六月間の必要生計費を勘案して一般に被害者参加弁護士(被害者参加人の委託を受けて同法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を行う弁護士をいう。以下同じ。)の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)に満たないものは、当該被告事件の係属する裁判所に対し、被害者参加弁護士を選定することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、日本司法支援センターを経由してしなければならない。 この場合においては、被害者参加人は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める書面を提出しなければならない。 一 その資力が基準額に満たない者 資力及びその内訳を申告する書面 二 前号に掲げる者以外の者 資力及び療養費等の額並びにこれらの内訳を申告する書面 3 日本司法支援センターは、第一項の規定による請求があったときは、裁判所に対し、これを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた書面を送付しなければならない。 (被害者参加弁護士の候補の指名及び通知) 第十二条 日本司法支援センターは、前条第一項の規定による請求があったときは、裁判所が選定する被害者参加弁護士の候補を指名し、裁判所に通知しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、日本司法支援センターは、次条第一項各号のいずれかに該当することが明らかであると認めるときは、前項の規定による指名及び通知をしないことができる。 この場合においては、日本司法支援センターは、裁判所にその旨を通知しなければならない。 3 日本司法支援センターは、第一項の規定による指名をするに当たっては、前条第一項の規定による請求をした者の意見を聴かなければならない。 (被害者参加弁護士の選定) 第十三条 裁判所は、第十一条第一項の規定による請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、当該被害者参加人のため被害者参加弁護士を選定するものとする。 一 請求が不適法であるとき。 二 請求をした者が第十一条第一項に規定する者に該当しないとき。 三 請求をした者がその責めに帰すべき事由により被害者参加弁護士の選定を取り消された者であるとき。 2 裁判所は、前項の規定により被害者参加弁護士を選定する場合において、必要があるときは、日本司法支援センターに対し、被害者参加弁護士の候補を指名して通知するよう求めることができる。 この場合においては、前条第一項及び第三項の規定を準用する。 (被害者参加弁護士の選定の効力) 第十四条 裁判所による被害者参加弁護士の選定は、審級ごとにしなければならない。 2 被害者参加弁護士の選定は、弁論が併合された事件についてもその効力を有する。 ただし、被害者参加人が手続への参加を許されていない事件については、この限りでない。 3 被害者参加弁護士の選定は、刑事訴訟法第三百十六条の三十三第三項の決定があったときは、その効力を失う。 4 裁判所により選定された被害者参加弁護士は、旅費、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。 5 前項の規定により被害者参加弁護士に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の額については、刑事訴訟法第三十八条第二項の規定により弁護人に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の例による。 (被害者参加弁護士の選定の取消し) 第十五条 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被害者参加弁護士の選定を取り消すことができる。 一 被害者参加人が自ら刑事訴訟法第三百十六条の三十四から第三百十六条の三十八までに規定する行為を他の弁護士に委託したことその他の事由により被害者参加弁護士にその職務を行わせる必要がなくなったとき。 二 被害者参加人と被害者参加弁護士との利益が相反する状況にあり被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。 三 心身の故障その他の事由により、被害者参加弁護士が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となったとき。 四 被害者参加弁護士がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。 五 被害者参加弁護士に対する暴行、脅迫その他の被害者参加人の責めに帰すべき事由により被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。 2 裁判所は、前項第二号から第四号までに掲げる事由により被害者参加弁護士の選定を取り消したときは、更に被害者参加弁護士を選定するものとする。 この場合においては、第十三条第二項の規定を準用する。 (虚偽の申告書の提出に対する制裁) 第十六条 被害者参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は療養費等の額について虚偽の記載のある第十一条第二項各号に定める書面を提出したときは、十万円以下の過料に処する。 (費用の徴収) 第十七条 被害者参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は療養費等の額について虚偽の記載のある第十一条第二項各号に定める書面を提出したことによりその判断を誤らせたときは、裁判所は、決定で、当該被害者参加人から、被害者参加弁護士に支給した旅費、日当、宿泊料及び報酬の全部又は一部を徴収することができる。 2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、即時抗告に関する刑事訴訟法の規定を準用する。 3 費用賠償の裁判の執行に関する刑事訴訟法の規定は、第一項の決定の執行について準用する。 (刑事訴訟法の準用) 第十八条 刑事訴訟法第四十三条第三項及び第四項の規定は被害者参加弁護士の選定及びその取消しについて、同条第三項及び第四項並びに同法第四十四条第一項の規定は前条第一項の決定について、それぞれ準用する。 第六章 民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解 (民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解) 第十九条 刑事被告事件の被告人と被害者等は、両者の間における民事上の争い(当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。)について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴裁判所に対し、共同して当該合意の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。 2 前項の合意が被告人の被害者等に対する金銭の支払を内容とする場合において、被告人以外の者が被害者等に対し当該債務について保証する旨又は連帯して責任を負う旨を約したときは、その者も、同項の申立てとともに、被告人及び被害者等と共同してその旨の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。 3 前二項の規定による申立ては、弁論の終結までに、公判期日に出頭し、当該申立てに係る合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実を記載した書面を提出してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による申立てに係る合意を公判調書に記載したときは、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。 (和解記録) 第二十条 前条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、第三章及び刑事訴訟法第四十九条の規定にかかわらず、裁判所書記官に対し、当該公判調書(当該合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実が記載された部分に限る。)、当該申立てに係る前条第三項の書面その他の当該合意に関する記録(以下「和解記録」という。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 ただし、和解記録の閲覧及び謄写の請求は、和解記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 2 前項に規定する和解記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付の請求に関する裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二十一条の例により、和解記録についての秘密保護のための閲覧等の制限の手続については同法第九十二条第一項から第八項までの例による。 この場合において、同条第一項中「に係る訴訟記録の閲覧等(非電磁的訴訟記録の閲覧等又は電磁的訴訟記録の閲覧等をいう。第百三十三条第三項において同じ。)」とあるのは、「の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付」と読み替えるものとする。 3 和解記録は、刑事被告事件の終結後は、当該被告事件の第一審裁判所において保管するものとする。 (民事訴訟法の準用) 第二十一条 前二条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編第三章第一節(選定当事者及び特別代理人に関する規定を除く。)及び第四節(第六十条を除く。)並びに第八章(第百三十三条の二第五項及び第六項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条第二項 書面その他最高裁判所規則で定める方法 書面 第百三十三条第三項 訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録 和解記録(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十条第一項に規定する和解記録 について訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等をいう。以下この章において同じ。) の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条第五項 当該事件並びにその事件 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続並びにその手続 第百三十三条の二第一項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の二第二項 訴訟記録等中 和解記録中 第百三十三条の二第二項及び第三項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、和解記録 第百三十三条の四第二項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項又は第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 訴訟記録等の存する 和解記録の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第七項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 (個人特定事項の秘匿) 第二十二条 裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第二百七十一条の二第四項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項(同法第二百一条の二第一項に規定する個人特定事項をいう。以下同じ。)のうち起訴状抄本等(同法第二百七十一条の二第二項に規定する起訴状抄本等をいう。第四十六条第一項において同じ。)に記載がないもの(同法第二百七十一条の五第一項の決定により通知することとされたものを除く。第四十六条第一項において同じ。)が同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続において、前条において準用する民事訴訟法第百三十三条第二項に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。 刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第三百十二条の二第三項の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面(同法第三百十二条第四項に規定する訴因変更等請求書面をいう。第四十六条第一項において同じ。)に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等(同法第三百十二条の二第二項に規定する訴因変更等請求書面抄本等をいう。第四十六条第一項において同じ。)に記載がないもの(同法第三百十二条の二第四項において読み替えて準用する同法第二百七十一条の五第一項の決定により通知することとされたものを除く。第四十六条第一項において同じ。)が同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。 2 民事訴訟法第百三十三条第五項の規定は、前項の決定をする場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十二条第一項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「同法第十九条及び第二十条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。 3 民事訴訟法第百三十三条の二第二項及び第百三十三条の四(第四項第二号を除く。)の規定は、第一項の決定があった場合について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 申立てにより、決定で 決定で 訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項 和解記録(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第二十条第一項に規定する和解記録をいう。第百三十三条の四第一項及び第二項において同じ。)中同法第二十二条第一項の決定(第百三十三条の四第一項及び第四項第一号において「秘匿決定」という。)に係る個人特定事項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 秘匿決定に係る秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、和解記録 第百三十三条の四第二項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項又は第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 訴訟記録等の存する 和解記録の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第四項第一号 秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第七項 当事者 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者 (執行文付与の訴え等の管轄の特則) 第二十三条 第十九条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に係る執行文付与の訴え、執行文付与に対する異議の訴え及び請求異議の訴えは、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十三条第二項(同法第三十四条第三項及び第三十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該被告事件の第一審裁判所(第一審裁判所が簡易裁判所である場合において、その和解に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)の管轄に専属する。 第七章 刑事訴訟手続に伴う犯罪被害者等の損害賠償請求に係る裁判手続の特例 第一節 損害賠償命令の申立て等 (損害賠償命令の申立て) 第二十四条 次に掲げる罪に係る刑事被告事件(刑事訴訟法第四百五十一条第一項の規定により更に審判をすることとされたものを除く。)の被害者又はその一般承継人は、当該被告事件の係属する裁判所(地方裁判所に限る。)に対し、その弁論の終結までに、損害賠償命令(当該被告事件に係る訴因として特定された事実を原因とする不法行為に基づく損害賠償の請求(これに附帯する損害賠償の請求を含む。)について、その賠償を被告人に命ずることをいう。以下同じ。)の申立てをすることができる。 一 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪又はその未遂罪 二 次に掲げる罪又はその未遂罪 イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十六条(不同意わいせつ)、第百七十七条(不同意性交等)又は第百七十九条(監護者わいせつ及び監護者性交等)の罪 ロ 刑法第二百二十条(逮捕及び監禁)の罪 ハ 刑法第二百二十四条から第二百二十七条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等)の罪 ニ イからハまでに掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(前号に掲げる罪を除く。) 2 損害賠償命令の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。 一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び刑事被告事件に係る訴因として特定された事実その他請求を特定するに足りる事実 3 前項の書面には、同項各号に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項以外の事項を記載してはならない。 (申立書の送達) 第二十五条 裁判所は、前条第二項の書面の提出を受けたときは、第二十八条第一項第一号の規定により損害賠償命令の申立てを却下する場合を除き、遅滞なく、当該書面を申立ての相手方である被告人に送達しなければならない。 (管轄に関する決定の効力) 第二十六条 刑事被告事件について刑事訴訟法第七条、第八条、第十一条第二項若しくは第十九条第一項の決定又は同法第十七条若しくは第十八条の規定による管轄移転の請求に対する決定があったときは、これらの決定により当該被告事件の審判を行うこととなった裁判所が、損害賠償命令の申立てについての審理及び裁判を行う。 (終局裁判の告知があるまでの取扱い) 第二十七条 損害賠償命令の申立てについての審理(請求の放棄及び認諾並びに和解(第十九条の規定による民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解を除く。)のための手続を含む。)及び裁判(次条第一項第一号又は第二号の規定によるものを除く。)は、刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでは、これを行わない。 2 裁判所は、前項に規定する終局裁判の告知があるまでの間、申立人に、当該刑事被告事件の公判期日を通知しなければならない。 (申立ての却下) 第二十八条 裁判所は、次に掲げる場合には、決定で、損害賠償命令の申立てを却下しなければならない。 一 損害賠償命令の申立てが不適法であると認めるとき(刑事被告事件に係る罰条が撤回又は変更されたため、当該被告事件が第二十四条第一項各号に掲げる罪に係るものに該当しなくなったときを除く。)。 二 刑事訴訟法第四条、第五条又は第十条第二項の決定により、刑事被告事件が地方裁判所以外の裁判所に係属することとなったとき。 三 刑事被告事件について、刑事訴訟法第三百二十九条若しくは第三百三十六条から第三百三十八条までの判決若しくは同法第三百三十九条の決定又は少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十五条の決定があったとき。 四 刑事被告事件について、刑事訴訟法第三百三十五条第一項に規定する有罪の言渡しがあった場合において、当該言渡しに係る罪が第二十四条第一項各号に掲げる罪に該当しないとき。 2 前項第一号に該当することを理由とする同項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の規定による場合のほか、第一項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。 (時効の完成猶予) 第二十九条 損害賠償命令の申立てについて、前条第一項の決定(同項第一号に該当することを理由とするものを除く。)の告知があったときは、当該告知を受けた時から六月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 (期日の呼出し) 第三十条 損害賠償命令の申立てに係る事件(以下「損害賠償命令事件」という。)に関する手続における期日の呼出しは、呼出状の送達、当該損害賠償命令事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。 2 呼出状の送達及び当該損害賠償命令事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない当事者、証人又は鑑定人に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。 ただし、これらの者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。 (公示送達の方法) 第三十一条 損害賠償命令事件に関する手続における公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。 (事件の記録の閲覧等) 第三十二条 第四十五条において準用する民事訴訟法第百三十二条の四第一項の処分の申立てをした者及び相手方(同項に規定する相手方をいう。次項において同じ。)は、裁判所書記官に対し、同条第一項の処分の申立てに係る事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は当該事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 前項の規定は、同項に規定する記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について申立人又は相手方の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 3 第一項に規定する記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、当該記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 (電子情報処理組織による申立て等) 第三十三条 損害賠償命令事件に関する手続における申立てその他の申述(以下この条において「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び第四項において同じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項及び第三項において同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。 2 前項の規定によりされた申立て等については、当該申立て等を書面等をもってするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。 3 第一項の規定によりされた申立て等は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。 4 第一項の場合において、当該申立て等に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。 5 第一項の規定によりされた申立て等が第三項に規定するファイルに記録されたときは、第一項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。 6 第一項の規定によりされた申立て等に係るこの法律その他の法令の規定による損害賠償命令事件の記録の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付は、前項の書面をもってするものとする。 当該申立て等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。 第二節 審理及び裁判等 (任意的口頭弁論) 第三十四条 損害賠償命令の申立てについての裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 前項の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。 (審理) 第三十五条 刑事被告事件について刑事訴訟法第三百三十五条第一項に規定する有罪の言渡しがあった場合(当該言渡しに係る罪が第二十四条第一項各号に掲げる罪に該当する場合に限る。)には、裁判所は、直ちに、損害賠償命令の申立てについての審理のための期日(以下「審理期日」という。)を開かなければならない。 ただし、直ちに審理期日を開くことが相当でないと認めるときは、裁判長は、速やかに、最初の審理期日を定めなければならない。 2 審理期日には、当事者を呼び出さなければならない。 3 損害賠償命令の申立てについては、特別の事情がある場合を除き、四回以内の審理期日において、審理を終結しなければならない。 4 裁判所は、最初の審理期日において、刑事被告事件の訴訟記録のうち必要でないと認めるものを除き、その取調べをしなければならない。 (審理の終結) 第三十六条 裁判所は、審理を終結するときは、審理期日においてその旨を宣言しなければならない。 (損害賠償命令) 第三十七条 損害賠償命令の申立てについての裁判(第二十八条第一項の決定を除く。以下この条から第三十九条までにおいて同じ。)は、次に掲げる事項を記載した決定書を作成して行わなければならない。 一 主文 二 請求の趣旨及び当事者の主張の要旨 三 理由の要旨 四 審理の終結の日 五 当事者及び法定代理人 六 裁判所 2 損害賠償命令については、裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。 3 第一項の決定書は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、損害賠償命令の申立てについての裁判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。 4 裁判所は、相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、決定書の作成に代えて、当事者が出頭する審理期日において主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、損害賠償命令の申立てについての裁判を行うことができる。 この場合においては、当該裁判の効力は、その告知がされた時に生ずる。 5 裁判所は、前項の規定により損害賠償命令の申立てについての裁判を行った場合には、裁判所書記官に、第一項各号に掲げる事項を調書に記載させなければならない。 第三節 異議等 (異議の申立て等) 第三十八条 当事者は、損害賠償命令の申立てについての裁判に対し、前条第三項の規定による送達又は同条第四項の規定による告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。 3 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、仮執行の宣言を付したものを除き、その効力を失う。 5 適法な異議の申立てがないときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、確定判決と同一の効力を有する。 6 民事訴訟法第三百五十八条及び第三百六十条の規定は、第一項の異議について準用する。 (訴え提起の擬制等) 第三十九条 損害賠償命令の申立てについての裁判に対し適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地(その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の普通裁判籍の所在地)を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 この場合においては、第二十四条第二項の書面を訴状と、第二十五条の規定による送達を訴状の送達とみなす。 2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、損害賠償命令事件に関する手続の費用は、訴訟費用の一部とする。 3 第一項の地方裁判所又は簡易裁判所は、その訴えに係る訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、決定で、これを管轄裁判所に移送しなければならない。 4 前項の規定による移送の決定及び当該移送の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (記録の送付等) 第四十条 前条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、第三十五条第四項の規定により取り調べた当該被告事件の訴訟記録(以下「刑事関係記録」という。)中、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認めるもの、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認めるものその他前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。 2 裁判所書記官は、前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所の裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録(前項の規定により裁判所が特定したものを除く。)を送付しなければならない。 (異議後の民事訴訟手続における書証の申出の特例) 第四十一条 第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における前条第二項の規定により送付された記録についての書証の申出は、民事訴訟法第二百十九条の規定にかかわらず、書証とすべきものを特定することによりすることができる。 (異議後の判決) 第四十二条 仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合において、当該訴えについてすべき判決が損害賠償命令と符合するときは、その判決において、損害賠償命令を認可しなければならない。 ただし、損害賠償命令の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により損害賠償命令を認可する場合を除き、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における当該訴えについてすべき判決においては、損害賠償命令を取り消さなければならない。 3 民事訴訟法第三百六十三条の規定は、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における訴訟費用について準用する。 この場合において、同法第三百六十三条第一項中「異議を却下し、又は手形訴訟」とあるのは、「損害賠償命令」と読み替えるものとする。 第四節 民事訴訟手続への移行 第四十三条 裁判所は、最初の審理期日を開いた後、審理に日時を要するため第三十五条第三項に規定するところにより審理を終結することが困難であると認めるときは、申立てにより又は職権で、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をすることができる。 2 次に掲げる場合には、裁判所は、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をしなければならない。 一 刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでに、申立人から、損害賠償命令の申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があったとき。 二 損害賠償命令の申立てについての裁判の告知があるまでに、当事者から、当該申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があり、かつ、これについて相手方の同意があったとき。 3 前二項の決定及び第一項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。 4 第三十九条から第四十一条までの規定は、第一項又は第二項の規定により損害賠償命令事件が終了した場合について準用する。 第五節 補則 (損害賠償命令事件の記録の閲覧等) 第四十四条 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は損害賠償命令事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 前項の規定は、損害賠償命令事件の記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について当事者又は利害関係を疎明した第三者の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、刑事関係記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)の請求については、裁判所が許可したときに限り、することができる。 4 裁判所は、当事者から刑事関係記録の閲覧等の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、不当な目的によるものと認める場合、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認める場合、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認める場合その他相当でないと認める場合を除き、その閲覧等を許可しなければならない。 5 裁判所は、利害関係を疎明した第三者から刑事関係記録の閲覧等の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、正当な理由がある場合であって、関係者の名誉又は生活の平穏を害するおそれの有無、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれの有無その他の事情を考慮して相当と認めるときは、その閲覧等を許可することができる。 6 損害賠償命令事件の記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、当該記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。 7 第四項の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 8 第五項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。 (民事訴訟法の準用) 第四十五条 特別の定めがある場合を除き、損害賠償命令事件に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第二条、第十四条、第一編第二章第三節、第三章(第四十五条第五項各号及び第四十七条から第五十一条までを除く。)、第四章(第七十一条第二項を除く。)、第五章(第八十七条、第八十七条の二、第九十一条から第九十一条の三まで、第九十二条第九項及び第十項、第九十二条の二第二項、第二節第二款、第九十四条、第百条第二項、第四節第三款、第百十一条、第百十六条並びに第百十八条を除く。)、第六章(第百三十二条の六第三項及び第百三十二条の七を除く。)及び第八章(第百三十三条の二第五項及び第六項並びに第百三十三条の三第二項を除く。)、第二編第一章(第百三十四条、第百三十四条の二、第百三十七条第二項及び第三項、第百三十八条第一項、第百三十九条、第百四十条、第百四十五条並びに第百四十六条を除く。)、第三章(第百五十一条第三項、第百五十六条の二、第百五十七条の二、第百五十八条、第百五十九条第三項、第百六十条第二項、第百六十一条第三項及び第三節を除く。)、第四章(第百八十五条第三項、第百八十七条第三項及び第四項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項、第二百三十二条の二、第二百三十五条第一項ただし書並びに第二百三十六条を除く。)、第五章(第二百四十九条から第二百五十五条まで、第二百五十六条第三項各号並びに第二百五十九条第一項及び第二項を除く。)及び第六章(第二百六十二条第二項、第二百六十三条、第二百六十六条第二項及び第二百六十七条第二項を除く。)、第三編第三章、第四編並びに第九編(第四百三条第一項第一号、第二号及び第四号から第六号までを除く。)の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第四十五条第五項 次に掲げる 損害賠償命令事件(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十条第一項に規定する損害賠償命令事件をいう。以下同じ。)の記録(同法第四十条第一項に規定する刑事関係記録に係る部分を除く。以下同じ。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製の 第九十二条第一項 に係る訴訟記録の閲覧等(非電磁的訴訟記録の閲覧等又は電磁的訴訟記録の閲覧等をいう。第百三十三条第三項において同じ。) の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百十二条第一項本文 前条の規定による措置を開始した 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十一条の規定による掲示を始めた 第百十二条第一項ただし書 前条の規定による措置を開始した 当該掲示を始めた 第百十三条 書類又は電磁的記録 書類 記載又は記録 記載 第百十一条の規定による措置を開始した 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十一条の規定による掲示を始めた 第百二十八条第二項 第二百五十五条(第三百七十四条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による第二百五十五条第一項に規定する電子判決書又は電子調書 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十七条第一項の決定書 第百三十三条第二項 書面その他最高裁判所規則で定める方法 書面 第百三十三条第三項 訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。以下この章において同じ 損害賠償命令事件の記録又は犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第四十五条において準用する第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録(以下この章において「損害賠償命令事件の記録等」という について訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等をいう。以下この章において同じ。) の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の二第一項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の二第二項 訴訟記録等中 損害賠償命令事件の記録等中 第百三十三条の二第二項及び第三項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百三十三条の三第一項 記載され、又は記録された書面又は電磁的記録 記載された書面 当該書面又は電磁的記録 当該書面 又は電磁的記録その他これに類する書面又は電磁的記録に係る訴訟記録等の閲覧等 その他これに類する書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、損害賠償命令事件の記録等 第百三十三条の四第二項 訴訟記録等の存する 損害賠償命令事件の記録等の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百五十一条第二項及び第二百三十一条の二第二項 方法又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する方法 方法 第百六十条第一項 最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。以下同じ。) 調書 第百六十条第三項 前項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容に 調書の記載について 最高裁判所規則で定めるところにより、その異議があった旨を明らかにする措置を講じなければ 調書にその旨を記載しなければ 第百六十条第四項 第二項の規定によりファイルに記録された電子調書 調書 当該電子調書 当該調書 第百六十条の二第一項 前条第二項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容 調書の記載 第百六十条の二第二項 その旨をファイルに記録して 調書を作成して 第二百五条第三項 事項又は前項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項 事項 第二百十五条第四項 事項又は第二項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項 事項 第二百三十一条の三第二項 若しくは送付し、又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する 又は送付する 第二百五十六条第三項 電子呼出状(第九十四条第二項の規定によりファイルに記録されたものに限る。)により前項 前項 呼出しを行う場合 呼出し 次の各号に掲げる送達の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める 公示送達による場合を除き、送達をすべき場所に宛てて呼出状を発した 第二百六十一条第四項 電子調書 調書 記録しなければ 記載しなければ 第二百六十一条第五項 記録された電子調書 記載された調書の謄本 第二百六十七条第一項 について電子調書を作成し、これをファイルに記録した を調書に記載した その記録 その記載 第二百六十七条の二第一項 規定によりファイルに記録された電子調書 調書 (個人特定事項の秘匿) 第四十六条 裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第二百七十一条の二第四項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、損害賠償命令事件に関する手続において、前条において準用する民事訴訟法第百三十三条第二項に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。 刑事被告事件の手続において刑事訴訟法第三百十二条の二第三項の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないものが同法第二百七十一条の二第一項第一号又は第二号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。 2 民事訴訟法第百三十三条第五項の規定は、前項の決定をする場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第四十六条第一項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「損害賠償命令事件(同法第三十条第一項に規定する損害賠償命令事件をいう。)に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。 3 第一項の決定があった場合における第二十五条及び第三十九条第一項(第四十三条第四項において準用する場合を含む。第五項において同じ。)の規定の適用については、これらの規定中「書面を」とあるのは、「書面中第四十六条第一項の決定に係る個人特定事項が記載された部分について、当該個人特定事項に代えて同条第二項において読み替えて準用する民事訴訟法第百三十三条第五項前段の規定により定めた事項を記載した書面を」とする。 4 民事訴訟法第百三十三条の二第二項及び第百三十三条の四(第四項第二号を除く。)の規定は、第一項の決定があった場合について準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条の二第二項 申立てにより、決定で 決定で 訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項 損害賠償命令事件(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三十条第一項に規定する損害賠償命令事件をいう。)の記録(同法第四十条第一項に規定する刑事関係記録に係る部分を除く。)又は同法第四十五条において準用する第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録(第百三十三条の四第一項及び第二項において「損害賠償命令事件の記録等」という。)中同法第四十六条第一項の決定(第百三十三条の四第一項及び第四項第一号において「秘匿決定」という。)に係る個人特定事項 に係る訴訟記録等の閲覧等 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 秘匿決定に係る秘匿対象者 個人特定事項に係る者 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、損害賠償命令事件の記録等 第百三十三条の四第二項 訴訟記録等の存する 損害賠償命令事件の記録等の存する 訴訟記録等の閲覧等 閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製 第百三十三条の四第四項第一号 秘匿対象者 個人特定事項に係る者 5 第一項の決定があった場合において、第三十九条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、損害賠償命令事件の記録(刑事関係記録を除く。)中、当該決定に係る個人特定事項が記載され、又は記録されたものであって、第三十九条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。 この場合における第四十条第二項の規定の適用については、同項中「前項」とあるのは、「前項又は第四十六条第五項前段」とする。 第八章 雑則 (公判記録の閲覧及び謄写等の手数料) 第四十七条 第三条第一項又は第四条第一項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写をするには、民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)別表第二の一の項下欄に掲げる額の手数料を納めなければならない。 2 第十九条第一項の規定による申立てをするには、二千円の手数料を納めなければならない。 3 第二十条第二項においてその例によることとされる民事訴訟法第百二十一条の決定に対する同法の規定による抗告の提起をするには、千円の手数料を納めなければならない。 4 第六章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続の手数料については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び第七条並びに別表第一の四五の項及び別表第二の一の項から三の項までの規定(同表一の項上欄中「(事件の係属中に当事者等が請求するものを除く。)」とある部分を除く。)を準用する。 5 損害賠償命令の申立てをするには、二千円の手数料を納めなければならない。 6 第三十八条第一項の規定による異議の申立てをするには、民事訴訟費用等に関する法律別表第一の四五の項下欄に掲げる額の手数料を納めなければならない。 7 損害賠償命令の申立てをした者は、第三十九条第一項(第四十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、速やかに、民事訴訟費用等に関する法律第三条第一項及び別表第一の一の項の規定により納めるべき手数料の額から損害賠償命令の申立てについて納めた手数料の額を控除した額の手数料を納めなければならない。 (手数料の納付方法) 第四十八条 手数料は、申立書又は申立ての趣意を記載した調書に収入印紙を貼って納めなければならない。 ただし、最高裁判所規則で定める場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、現金をもって納めることができる。 (過納手数料の還付等) 第四十九条 手数料が過大に納められた場合においては、裁判所書記官は、申立てにより、過大に納められた手数料の額に相当する金額の金銭を還付しなければならない。 2 前項の申立ては、一の手数料に係る申立ての申立人が二人以上ある場合においては、当該各申立人がすることができる。 3 第一項の申立ては、その申立てをすることができる事由が生じた日から五年以内にしなければならない。 4 第一項の申立てについてされた裁判所書記官の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、その裁判所書記官の所属する裁判所に異議を申し立てることができる。 5 手数料還付事件(第一項の申立て及びその申立てについての裁判所書記官の処分並びに前項の規定による異議の申立て及びその異議の申立てについての裁判に係る事件をいう。以下この条において同じ。)に関する手続における期日の呼出しについては、第三十条の規定を準用する。 6 手数料還付事件に関する手続における期日及び期間については、民事訴訟法第九十五条から第九十七条までの規定を準用する。 7 手数料還付事件に関する手続における送達及び手続の中止については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百条第二項、第三款及び第百十一条を除く。)及び第百三十条から第百三十二条まで(同条第一項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、同法第百十二条第一項本文中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた」と、同項ただし書中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「当該掲示を始めた」と読み替えるものとする。 8 前項において準用する民事訴訟法第百十条第一項の規定による公示送達については、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。 9 手数料還付事件に関する手続における申立てその他の申述については、第三十三条の規定を準用する。 10 特別の定めがある場合を除き、手数料還付事件に関しては、その性質に反しない限り、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第二編(第二十七条、第三十一条第二項、第三十一条の二、第三十二条の二、第三十四条第四項、第三十八条、第四十条、第四十二条及び第五十七条第三項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第二十八条第一項 第七十一条第八項 第七十一条第二項(同法第七十二条後段において準用する場合を含む。)及び第八項 準用する」と 準用する」と、「ついて、同条第二項の規定は前項の申立てについて」とあるのは「ついて」と 訴訟が」とあるのは「事件が 準用する。この場合において、同条第二項中「訴訟費用の負担の裁判が確定した」とあるのは、「訴訟が完結した」と読み替えるものとする」とあるのは「準用する 第三十一条第一項 最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。) 調書 裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)に備えられたファイル(第三十二条の二第二項及び第三項並びに第三十二条の三第一項を除き、以下単に「ファイル」という。)に記録する 記録上明らかにする 第三十二条の三第一項 交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供する 交付する 第三十三条第五項 第九十二条の二第二項の規定は第一項の規定による書面による意見の陳述について、同法第九十二条の五の規定は 第九十二条の五の規定は、 、それぞれ準用する 準用する 同法第九十二条の二第二項中「前項」とあり、及び同法第九十二条の五第二項 同条第二項 第五十三条第一項 第百八十二条 第百八十二条、第百八十五条第三項 第百八十九条まで 第百八十九条まで、第二百五条第二項 第二百八条 第二百八条、第二百十五条第二項 を含む。)及び第二百二十九条第四項 を含む。)、第二百二十七条第二項(同法第二百三十一条の三第一項において準用する場合を含む。)、第二百二十九条第四項及び第二百三十二条の二 準用する。 準用する。この場合において、同法第二百五条第三項中「事項又は前項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項」とあり、及び同法第二百十五条第四項中「事項又は第二項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項」とあるのは「事項」と、同法第二百三十一条の二第二項中「方法又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する方法」とあるのは「方法」と、同法第二百三十一条の三第二項中「若しくは送付し、又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する」とあるのは「又は送付する」と読み替えるものとする。 第五十七条第一項 電子裁判書(最高裁判所規則で定めるところにより、非訟事件における裁判の内容を裁判所が記録した電磁的記録をいう。以下同じ。) 裁判書 最高裁判所規則で定めるところにより、主文、当事者及び法定代理人並びに裁判所を記録した電磁的記録(第三項において「電子裁判書に代わる電磁的記録」という。)を作成し、又は電子調書に主文を記録することをもって、電子裁判書 手数料還付事件の申立書又は調書に主文を記載することをもって、裁判書 第五十七条第二項 電子裁判書 裁判書 記録しなければ 記載しなければ 第五十八条第二項及び第六十一条第二項 最高裁判所規則で定めるところにより、電子裁判書 裁判書 第六十三条第二項 あるのは、「非訟事件の手続の期日 あるのは「手数料還付事件の手続の期日」と、「電子調書」とあるのは「調書」と、「記録しなければ」とあるのは「記載しなければ 第七十四条第一項第六号 記録すべき 記載すべき (再使用証明) 第五十条 前条第一項の申立てにおいて、第四十八条の規定により納めた収入印紙を当該裁判所における他の手数料の納付について再使用したい旨の申出があったときは、金銭による還付に代えて、還付の日から一年以内に限り再使用をすることができる旨の裁判所書記官の証明を付して還付すべき金額に相当する収入印紙を交付することができる。 2 前項の証明の付された収入印紙の交付を受けた者が、同項の証明に係る期間内に、当該収入印紙を提出してその額に相当する金額の金銭の還付を受けたい旨の申立てをしたときは、同項の裁判所の裁判所書記官は、当該収入印紙の額に相当する金額の金銭を還付しなければならない。 3 前条第四項から第十項までの規定は、前項の規定による裁判所書記官の処分について準用する。 (損害賠償命令事件に関する手続の費用) 第五十一条 損害賠償命令事件に関する手続の費用については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律(同法第八条から第十条までを除く。)の規定を準用する。 この場合において、同法第十一条第一項第一号中「給付(郵便物の料金及び民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者又は同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務に関する料金に充てるものを除く。)」とあるのは、「給付」と読み替えるものとする。 2 裁判所は、郵便物の料金又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務に関する料金に充てるための費用に限り、金銭に代えて郵便切手又は最高裁判所が定めるこれに類する証票(次項及び第五項において「郵便切手等」という。)で予納させることができる。 3 前項の規定により予納させた郵便切手等の管理に関する事務は、最高裁判所が指定する裁判所書記官が取り扱う。 4 前項の裁判所書記官の責任については、物品管理法(昭和三十一年法律第百十三号)に規定する物品管理職員の責任の例による。 5 前二項に定めるもののほか、第三項の郵便切手等の管理について必要な事項は、最高裁判所が定める。 (最高裁判所規則) 第五十二条 この法律に定めるもののほか、第三章に規定する訴訟記録の閲覧又は謄写、第六条第一項及び第二項の規定により裁判所が行う手続、第五章に規定する被害者参加弁護士の選定等、第六章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解並びに損害賠償命令事件に関する手続について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 | 刑事 |
Heisei | Rule | 412M50400000005_20240401_506M60400000007.xml | 平成十二年国家公安委員会規則第五号 | 2 | 犯罪収益に係る没収保全等を請求することができる司法警察員の指定に関する規則
(没収保全等を請求することができる司法警察員) 第一条 警察庁の警察官のうち、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「法」という。)第二十三条第一項の国家公安委員会が指定する警部以上の者は、次に掲げるものとする。 一 警察庁長官又は警察庁次長の職にある者 二 生活安全局、刑事局、交通局、警備局又はサイバー警察局の警部以上の階級にある警察官 三 管区警察局長又は四国警察支局長の職にある者 四 管区警察局(東北管区警察局、中部管区警察局、中国四国管区警察局及び九州管区警察局を除く。)の広域調整部の警部以上の階級にある警察官 五 東北管区警察局、中部管区警察局、中国四国管区警察局及び九州管区警察局の総務監察・広域調整部の部長、高速道路管理官及び災害対策官の職にある者並びに広域調整第一課及び広域調整第二課の警部以上の階級にある警察官 六 関東管区警察局サイバー特別捜査部の警部以上の階級にある警察官 七 四国警察支局の高速道路管理官及び災害対策官の職にある者並びに広域調整課の警部以上の階級にある警察官 (証票) 第二条 前条各号に掲げる者は、法第二十二条第一項又は第二項に規定する処分の請求をするに当たり、裁判官の要求があったときは、国家公安委員会が交付する別記様式の証票を提示しなければならない。 | 刑事 |
Heisei | Rule | 412M50400000013_20240401_506M60400000007.xml | 平成十二年国家公安委員会規則第十三号 | 2 | 通信傍受規則
第一章 総則 (目的) 第一条 この規則は、警察官が犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成十一年法律第百三十七号。以下「法」という。)の規定による通信の傍受を行うに当たって守るべき方法、手続その他通信の傍受に関し必要な事項を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 法に定めるもののほか、この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 令状記載傍受 法第三条第一項の規定による傍受をいう。 二 スポット傍受 法第十四条第一項の規定による傍受をいう。 三 第十四条外国語等通信 法第十四条第二項に規定する通信をいう。 四 外国語等傍受 法第十四条第二項の規定による傍受をいう。 五 他犯罪通信 法第十五条に規定する通信をいう。 六 他犯罪傍受 法第十五条の規定による傍受をいう。 七 令状記載再生 法第二十一条第三項の規定による再生であって、傍受すべき通信に該当する通信に係るものをいう。 八 スポット再生 法第二十一条第三項の規定による再生であって、傍受すべき通信に該当するかどうか明らかでない通信に係るものをいう。 九 第二十一条外国語等通信 法第二十一条第四項に規定する通信をいう。 十 外国語等再生 法第二十一条第四項の規定による再生をいう。 十一 他犯罪再生 法第二十一条第五項の規定による再生をいう。 十二 傍受記録作成用媒体 法第二十四条第一項後段若しくは第二十六条第二項の規定により記録をした記録媒体又は法第二十五条第三項の規定により作成した記録媒体の複製をいう。 十三 通信記録物等 傍受の原記録以外の傍受をした通信(法第二十一条第一項又は第二十三条第四項の規定により再生をした通信及びこれらの規定による復号により復元された通信を含む。以下この号において同じ。)の記録をした記録媒体及びその複製その他記録の内容の全部又は一部をそのまま記録した物又は書面並びに傍受をした通信の内容の全部又は一部を要約して記載し又は記録した物又は書面をいう。 第二章 通信傍受の実施の手続等 (令状請求の手続) 第三条 傍受令状の請求は、傍受の理由及び必要その他傍受令状請求書に記載すべき事項について十分に検討してその検討結果を順を経て警察本部長(警視総監又は道府県警察本部長をいう。以下同じ。)に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。 2 前項の請求をするときは、傍受の理由及び必要があることを疎明する参考人供述調書、捜査報告書その他の資料並びに傍受の実施の方法及び場所その他傍受令状請求書の記載事項を明らかにする資料を添えて行わなければならない。 3 法第四条第三項の請求は、当該請求の相当性その他傍受令状請求書に記載すべき事項について十分に検討してその検討結果を順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。 4 前項の請求をするときは、当該請求が相当であることを疎明する捜査報告書その他の資料及び次に掲げる事項(法第二十条第一項の許可の請求をする場合にあっては、第一号に掲げる事項)を明らかにする資料を添えて行わなければならない。 一 通信管理者等に関する事項 二 傍受の実施に用いるものとして指定する特定電子計算機を特定するに足りる事項 5 法第五条第四項後段の申立ては、当該申立ての相当性その他傍受令状請求書に記載すべき事項について十分に検討してその検討結果を順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。 6 前項の申立てをするときは、当該申立てが相当であることを疎明する捜査報告書その他の資料及び次に掲げる事項を明らかにする資料を添えて行わなければならない。 一 指定期間における傍受の実施の場所 二 指定期間以外の期間における傍受の実施の場所 7 第一項若しくは第三項の請求又は第五項の申立てをするに当たっては、当該請求又は申立てをしようとする指定警察官(法第四条第一項の規定に基づき国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警視以上の警察官をいう。以下同じ。)その他の当該事件の捜査全般の状況を把握している警察官が裁判官の下に出頭し、裁判官の求めに応じ、陳述し、又は書類その他の物を提示しなければならない。 (傍受ができる期間の延長請求の手続) 第四条 傍受ができる期間の延長の請求は、延長を必要とする事由及び延長を求める期間について十分に検討してその検討結果を順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。 2 前項の請求をするときは、その必要があることを疎明する捜査報告書その他の資料を添えて行わなければならない。 3 前条第七項の規定は、第一項の請求をする場合について準用する。 (捜査主任官等) 第五条 傍受を行う事件の捜査については、警察本部長が捜査主任官を指名しなければならない。 2 捜査主任官は、警察本部長の指揮を受け、傍受の実施、再生の実施、通信記録物等の管理その他の通信の傍受に関する事務を統括するものとする。 3 警察本部長は、傍受の実施ごとに、警部以上の警察官の中から傍受実施主任官を指名するものとする。 4 傍受実施主任官は、捜査主任官の命を受け、傍受の実施及び再生の実施並びにこれらに付随する事務に従事する職員を指揮監督するものとする。 5 警察本部長は、通信記録物等の管理に関する捜査主任官の職務を補助させるため、警部補以上の警察官の中から通信記録物等管理者を指名するものとする。 (傍受指導官) 第六条 警察本部長は、捜査の適正を確保するための指導に関する事務を所掌する警察本部(警視庁及び道府県警察本部をいう。)の課(課に準ずるものを含む。)に所属する警部以上の警察官の中から傍受指導官を指名するものとする。 2 傍受指導官は、傍受の実施及び再生の実施並びにこれらに付随する事務に従事する職員に対して、適正な傍受の実施及び再生の実施に必要な指導教養を行うものとする。 3 傍受指導官は、法第二十三条第一項の規定による傍受の実施及び同条第四項の規定による再生の実施に当たっては、警察通信職員と相互に緊密に連絡し、及び協力して、当該傍受の実施の場所における特定電子計算機の使用方法に関する助言その他の適正な傍受の実施及び再生の実施に必要な助言及び指導を行うものとする。 (特定電子計算機の保管等) 第七条 特定電子計算機は、警察庁、管区警察局、東京都警察情報通信部又は北海道警察情報通信部において保管するものとする。 2 警察通信職員は、法第二十三条第一項の規定による傍受の実施に当たっては、当該傍受の実施の場所において、当該傍受の実施に用いるものとして指定された特定電子計算機の設置その他の特定電子計算機の適正な供用の開始のために必要な措置を講じなければならない。 (最小化等に関する指示) 第八条 傍受の実施(法第二十条第一項又は第二十三条第一項第二号の規定によるものを除く。以下この項及び次項において同じ。)に当たっては、警察本部長は、あらかじめ、次に掲げる事項について、捜査主任官に対し、文書により指示しなければならない。 一 第十三条第五項、第六項及び第八項の規定により警察本部長が指定する時間 二 報道の取材のための通信が行われていると認めた場合に留意すべき事項 三 前二号に掲げるもののほか、傍受の実施の適正を確保するための事項 2 捜査主任官は、傍受の実施をしている場合においては、傍受実施主任官に、前項の文書の写しを携帯させなければならない。 3 前二項の規定は、再生の実施について準用する。 この場合において、第一項第一号中「第十三条第五項、第六項及び第八項」とあるのは「第十四条第五項、第六項及び第八項(同条第九項の規定によりこれらの規定の例によることとされる場合を含む。)」と、「時間」とあるのは「時間又は部分」と、同項第二号中「報道」とあるのは「再生に係る通信が報道」と、「が行われている」とあるのは「に該当する」と読み替えるものとする。 (傍受令状の記載事項の厳守) 第九条 傍受の実施又は再生の実施に当たっては、傍受令状に記載されている傍受すべき通信、傍受の実施の対象とすべき通信手段、傍受の実施の方法及び場所、傍受ができる期間、傍受の実施に関する条件その他傍受令状に記載されている事項を厳格に遵守しなければならない。 (傍受日誌) 第十条 傍受の実施又は再生の実施に当たっては、逐次、法第二十七条第一項各号若しくは第二項各号又は第二十八条第一項各号若しくは第二項各号に掲げる事項その他当該傍受の実施又は再生の実施の状況を警察本部長が定める様式の書面に記載するものとする。 (通信事業者等に対する配慮) 第十一条 傍受の実施又は再生の実施(法第二十三条第四項の規定によるものを除く。)に当たっては、通信事業者等の規模、電気通信設備の概要その他の通信事業者等の事情を理解し、通信事業者等に必要な限度を超えて迷惑を及ぼさないように特に注意しなければならない。 2 電気通信設備に接続する傍受又は再生のための機器については、電気通信設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないものを使用するものとする。 (立会い) 第十二条 傍受の実施(法第二十条第一項又は第二十三条第一項の規定によるものを除く。)に当たっては、あらかじめ、立会人に対し、次に掲げる事項について説明しなければならない。 一 法第十三条、法第二十五条その他の立会人に係る主要な法令の規定 二 傍受令状に記載されている傍受の実施の対象とすべき通信手段、傍受の実施の方法及び場所、傍受ができる期間並びに傍受の実施に関する条件 三 傍受のための機器の概要及びその使用方法 四 第八条第一項第一号に掲げる事項 五 法第二十五条第一項の封印の具体的方法に関する事項 六 前各号に掲げるもののほか、立会人が適切な立会いをするため参考となるべき事項 2 法第十三条第二項の規定による立会人の意見が述べられたときは、これを勘案して、必要に応じ、傍受の実施の適正を確保するための措置を講じなければならない。 3 前項に規定する場合においては、立会人に意見書の提出を求めなければならない。 4 立会いをしていた期間中に立会人の意見が述べられなかったときは、立会人にその旨を記載した意見書の提出を求めなければならない。 5 前各項の規定は、法第二十一条第一項の規定による再生の実施について準用する。 この場合において、第一項第一号中「法第十三条」とあるのは「法第二十一条第一項において準用する法第十三条」と、同項第三号中「傍受」とあるのは「再生」と、同項第四号中「第八条第一項第一号」とあるのは「第八条第三項において読み替えて準用する同条第一項第一号」と、同項第五号中「法第二十五条第一項」とあるのは「法第二十五条第二項」と、第二項中「法第十三条第二項」とあるのは「法第二十一条第一項において準用する法第十三条第二項」と読み替えるものとする。 (スポット傍受) 第十三条 スポット傍受は、スポット傍受の開始時からあらかじめ設定した時間が経過すると自動的にスポット傍受が中断される機能、スポット傍受をしている旨を標示する機能その他スポット傍受の適正を確保するための機能を有する機器を用いて行うものとする。 2 スポット傍受に当たっては、犯罪の組織的背景、既に傍受をされた通信の内容その他スポット傍受をしている通信の該当性判断に資する事項を考慮しなければならない。 3 傍受の実施の開始時に現に通話が行われているとき又は傍受の実施の間に通話が開始されたときは、スポット傍受を開始するものとする。 4 スポット傍受をしている場合において、次の各号に掲げる通信が行われていると認めるに至ったときは、スポット傍受を終了し、それぞれ当該各号に定める傍受を開始するものとする。 一 傍受すべき通信に該当することが明らかである通信 令状記載傍受 二 第十四条外国語等通信 外国語等傍受 三 他犯罪通信 他犯罪傍受 5 スポット傍受を開始した場合においては、前項の規定により同項各号に定める傍受を開始し、又は第七項の規定によりスポット傍受を終了したときを除き、スポット傍受の開始時からあらかじめ警察本部長が指定した時間内にスポット傍受を中断しなければならない。 6 前項の規定によりスポット傍受を中断した時点からあらかじめ警察本部長が指定した時間が経過した後において、当該スポット傍受を中断した時点において現に行われていた通話と同一の通話が行われており、傍受すべき通信に該当するかどうかを判断するため必要があると認めるときは、スポット傍受を開始するものとする。 7 スポット傍受をしている場合において、第四項各号のいずれにも該当しない通信であって傍受すべき通信に該当しないことが明らかであるものが行われていると認めるに至ったときは、直ちに、スポット傍受を終了しなければならない。 8 前項の規定によりスポット傍受を終了した時又は第十五条第二項の規定により傍受を終了した時に現に行われていた通話が傍受の終了時からあらかじめ警察本部長が指定した時間を超えて継続しており、当該傍受の終了時における通信と内容の異なる通信が行われていないかどうかを確認するため必要があると認めるときは、スポット傍受を開始するものとする。 (スポット再生) 第十四条 スポット再生は、スポット再生の開始時からあらかじめ設定した時間が経過し、又はスポット再生を開始した部分からあらかじめ設定した部分までの範囲を表示すると自動的にスポット再生が中断される機能、スポット再生をしている旨を標示する機能その他スポット再生の適正を確保するための機能を有する機器を用いて行うものとする。 2 スポット再生に当たっては、犯罪の組織的背景、既に再生をされた通信の内容その他スポット再生をしている通信の該当性判断に資する事項を考慮しなければならない。 3 再生の実施をするときは、通話ごとに、スポット再生を開始するものとする。 4 スポット再生をしている場合において、当該スポット再生に係る通信が次の各号に掲げる通信のいずれかに該当すると認めるに至ったときは、スポット再生を終了し、それぞれ当該各号に定める再生を開始するものとする。 一 傍受すべき通信に該当することが明らかである通信 令状記載再生 二 第二十一条外国語等通信 外国語等再生 三 他犯罪通信 他犯罪再生 5 スポット再生を開始した場合においては、前項の規定により同項各号に定める再生を開始し、又は第七項の規定によりスポット再生を終了したときを除き、スポット再生の開始時からあらかじめ警察本部長が指定した時間内又はスポット再生を開始した部分からあらかじめ警察本部長が指定した部分までの範囲内においてスポット再生を中断しなければならない。 6 前項の規定によりスポット再生を中断した時点からあらかじめ警察本部長が指定した時間が経過した後又は同項の規定によりスポット再生を中断した部分からあらかじめ警察本部長が指定した部分までの範囲を通信の内容を知ることができない状態で表示した後において、当該スポット再生を中断した時点又は部分における当該スポット再生に係る通信と同一の通話の機会に行われた通信について法第二十条第一項の規定により一時的保存をされた暗号化信号であって法第二十一条第一項の規定による復号をされていないものがあり、傍受すべき通信に該当するかどうかを判断するため必要があると認めるときは、スポット再生を開始するものとする。 7 スポット再生をしている場合において、当該スポット再生に係る通信が第四項各号のいずれにも該当しない通信であって傍受すべき通信に該当しないことが明らかであるものに該当すると認めるに至ったときは、直ちに、スポット再生を終了しなければならない。 8 前項の規定によりスポット再生を終了した時又は次条第三項において読み替えて準用する同条第二項の規定により再生を終了した時における当該再生に係る通信と同一の通話の機会に行われた通信について、再生の終了時からあらかじめ警察本部長が指定した時間が経過した後又は再生を終了した部分からあらかじめ警察本部長が指定した部分までの範囲を通信の内容を知ることができない状態で表示した後も、法第二十条第一項の規定により一時的保存をされた暗号化信号であって法第二十一条第一項の規定による復号をされていないものがあり、当該再生の終了時における通信と内容の異なる通信が行われていなかったかどうかを確認するため必要があると認めるときは、スポット再生を開始するものとする。 9 法第二十三条第四項の規定によりその例によることとされる法第二十一条第三項の規定による再生であって、傍受すべき通信に該当するかどうか明らかでない通信に係るものについては、前各項の規定の例による。 (令状記載傍受等) 第十五条 第十三条第四項各号のいずれかに定める傍受をしている場合において、当該各号に掲げる通信以外の通信であって同項各号のいずれかに掲げるものが行われていると認めるに至ったときは、当該傍受を終了し、それぞれ当該各号に定める傍受を開始するものとする。 2 第十三条第四項各号のいずれかに定める傍受をしている場合において、同項各号のいずれにも該当しない通信であって傍受すべき通信に該当するかどうか明らかでないものが行われていると認めるに至ったときは、直ちに、当該傍受を終了してスポット傍受を開始するものとし、同項各号のいずれにも該当しない通信であって傍受すべき通信に該当しないことが明らかであるものが行われていると認めるに至ったときは、直ちに、傍受を終了しなければならない。 3 前二項の規定は、前条第四項各号(同条第九項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)のいずれかに定める再生をしている場合について準用する。 この場合において、前二項中「おいて、」とあるのは「おいて、当該再生に係る通信が」と、「が行われている」とあるのは「に該当する」と、前項中「スポット傍受」とあるのは「スポット再生」と、「ものとし、」とあるのは「ものとし、当該再生に係る通信が」と読み替えるものとする。 (外国語等通信についての該当性判断) 第十六条 法第十四条第二項後段又は第二十一条第四項後段(法第二十三条第四項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定による傍受すべき通信に該当するかどうかの判断のために行う翻訳、復号又は復元及び翻訳、復号又は復元がなされた通信の内容の聴取又は閲覧は、必要最小限度の範囲で行うようにしなければならない。 2 第十四条外国語等通信又は第二十一条外国語等通信であって、傍受の実施(法第二十三条第一項の規定によるものを除く。)の場所(指定期間以外の期間における傍受の実施の場所が定められているときは、その場所)でその内容を容易に復元することができる方法を用いて行われたものについては、当該場所の状況を考慮して適当であると認めるときは、当該場所において立会人の立会いを得て前項の復元若しくは閲覧、法第十四条第二項後段若しくは第二十一条第四項後段の規定による傍受すべき通信に該当するかどうかの判断又は傍受記録の作成を行わなければならない。 3 第一項の翻訳、復号又は復元の嘱託をする場合は、当該嘱託を受ける者が通信の秘密を不当に害することなく、かつ、捜査の妨げとならないようにするための措置を講じなければならない。 4 第一項の翻訳、復号又は復元及び聴取又は閲覧については、これらを行った者の氏名、これらが行われた年月日、傍受又は再生をされた通信のうちこれらが行われた部分その他これらが行われた状況を明らかにするために必要な事項を書面に記録しておかなければならない。 (相手方の電話番号等の探知等) 第十七条 法第十七条第三項又は第二十条第四項(法第二十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による要請は、当該要請に係る通信を特定するために必要な事項を告知して行うものとする。 第三章 通信傍受の記録等 (傍受の原記録用媒体への署名等) 第十八条 法第二十五条第一項又は第二項の規定により記録媒体の封印を求めようとするときは、あらかじめ、当該記録媒体の外面に、当該記録媒体に対する記録を終了した年月日時分及びそれが法第二十四条第一項前段の規定により記録をした記録媒体である旨を記載して署名押印しなければならない。 2 法第二十六条第一項の規定による記録を終了したときは、直ちに、当該記録をした記録媒体の外面に、当該記録を終了した年月日時分及びそれが同項の規定により記録をした記録媒体である旨を記載して署名押印しなければならない。 3 犯罪捜査のための通信傍受に関する規則(平成十二年最高裁判所規則第六号。以下「最高裁判所規則」という。)第九条に規定する書面の様式は、別記様式第一号のとおりとする。 (傍受記録用の複製の作成) 第十九条 法第二十五条第三項の規定による複製の作成は、傍受の実施の場所(指定期間以外の期間における傍受の実施の場所が定められているときは、その場所)において立会人の立会いを得て行わなければならない。 (傍受記録作成用媒体への署名等) 第二十条 法第二十四条第一項後段若しくは第二十六条第二項の規定による記録又は法第二十五条第三項の規定による複製の作成が終了したときは、直ちに、傍受記録作成用媒体の外面に、当該記録又は作成が終了した年月日時分及びそれが傍受記録作成用媒体である旨を記載して署名押印しなければならない。 (傍受の実施の状況を記載した書面等の提出) 第二十一条 法第二十七条第一項又は第二十八条第一項に規定する書面の様式は、別記様式第二号のとおりとする。 2 法第二十七条第二項又は第二十八条第二項に規定する書面の様式は、別記様式第三号のとおりとする。 3 第一項の書面を裁判官に提出するときは、第十二条第三項又は第四項(同条第五項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の意見書を添えて行わなければならない。 4 傍受の実施又は再生の実施の間に外国語等傍受又は外国語等再生(法第二十三条第四項の規定によりその例によることとされる法第二十一条第四項の規定による再生を含む。)をした場合において、当該傍受の実施又は再生の実施に関し第一項又は第二項の書面を裁判官に提出した後に当該外国語等傍受又は外国語等再生をした通信が他犯罪通信に該当すると認められるに至ったときにおける当該他犯罪通信に該当すると認められる通信についての法第二十七条第一項若しくは第二項又は第二十八条第一項若しくは第二項の規定により提出しなければならない書面の様式は、別記様式第四号のとおりとする。 (傍受調書) 第二十二条 傍受の実施をしたときは、その状況(再生の実施をしたときは、傍受の実施及び再生の実施の状況)を明らかにした傍受調書を作成しなければならない。 (傍受記録の作成) 第二十三条 傍受記録の作成は、傍受記録作成用媒体に記録されている通信のうち、法第二十九条第三項各号又は第四項各号に掲げる通信の記録を当該傍受記録作成用媒体に残し、それ以外の通信の記録を消去することにより、行うものとする。 2 傍受記録を作成した場合において、他に通信記録物等があるときは、捜査主任官は、通信記録物等管理者にその記録の全部を消去させなければならない。 ただし、当該通信記録物等が、傍受記録に記録された通信の内容の全部又は一部を要約して記載した捜査書類であって、傍受記録を作成する前に行った捜査の経過を示すために特に必要なものである場合には、この限りでない。 3 傍受記録から記録を消去したときは、捜査主任官は、通信記録物等管理者に通信記録物等の当該記録に係る部分の記録の全部を消去させなければならない。 4 法第二十七条第一項若しくは第二項又は第二十八条第一項若しくは第二項の規定により書面を裁判官に提出した後において、傍受記録から記録を消去したときは、速やかに、通信記録消去通知書(別記様式第五号)により、当該裁判官に通知しなければならない。 (通信記録物等の作成等) 第二十四条 通信記録物等の作成は、必要最小限度の範囲にとどめなければならない。 2 記録媒体に対する法第二十四条第一項後段又は第二十六条第二項の規定による記録、法第二十五条第三項の規定による複製の作成、傍受記録の作成その他通信記録物等の作成が終了したときは、速やかに、記録媒体作成調書、複製等作成調書、傍受記録作成調書その他通信記録物等の作成の状況を明らかにした書類を作成するとともに、その旨を通信記録物等管理者に通知しなければならない。 3 通信記録物等管理者は、警察本部長が定める様式の簿冊により、通信記録物等の作成、保管及び出納の状況、その記録の消去の状況その他その適正な管理のために必要な事項を明らかにしておかなければならない。 4 通信記録物等が刑事手続において使用する必要がなくなったときは、捜査主任官は、速やかに、通信記録物等管理者にその記録の全部を消去させなければならない。 (通信の当事者に対する通知) 第二十五条 法第三十条第一項の書面の様式は、別記様式第六号のとおりとする。 2 最高裁判所規則第十三条の書面の様式は、別記様式第七号のとおりとする。 (通知を発しなければならない期間の延長) 第二十六条 法第三十条第二項ただし書(同条第三項後段において準用する場合を含む。)の規定による請求は、指定警察官がこれを行うものとする。 2 前項の請求は、順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。 3 第一項の請求は、通知期間延長請求書(別記様式第八号)により行わなければならない。 4 第一項の請求をするときは、通知によって捜査が妨げられるおそれがあることを疎明する捜査報告書その他の資料を添えて行わなければならない。 (警察官が保管する傍受記録の聴取及び閲覧等) 第二十七条 警察官が保管する傍受記録に係る法第三十一条の規定による聴取、閲覧又は複製の作成については、当該傍受記録に係る聴取、閲覧又は複製の作成をしようとする者が法第三十条第一項の通知を受けた通信の当事者であることを確認しなければならない。 2 前項の聴取、閲覧又は複製の作成は、必要な態勢を確立した上で、警察施設において警察職員を立ち会わせ、その他所要の措置を講じて行わせるようにしなければならない。 (傍受の原記録の聴取及び閲覧等の請求) 第二十八条 法第三十二条第三項の規定による聴取、閲覧又は複製の作成の請求は、指定警察官がこれを行うものとする。 2 前項の請求は、順を経て警察本部長に報告し、事前にその承認を受けて行わなければならない。 3 第一項の請求は、傍受の原記録聴取等請求書(別記様式第九号)により行わなければならない。 4 第一項の請求をするときは、法第三十二条第三項に規定する聴取、閲覧又は複製の作成の理由があることを疎明する捜査報告書その他の資料を添えて行わなければならない。 第四章 補則 (通信傍受手続簿) 第二十九条 次の各号に掲げる措置を執った場合においては、通信傍受手続簿(別記様式第十号)によりその手続等を明らかにしておかなければならない。 一 傍受令状の請求 二 傍受の処分の着手 三 傍受ができる期間の延長の請求 四 法第二十五条第四項又は第二十六条第四項の規定による記録媒体の提出 五 法第二十七条第一項若しくは第二項又は第二十八条第一項若しくは第二項の規定による書面の提出 六 傍受記録の作成 七 法第三十条の規定による通知 八 法第三十条第二項ただし書(同条第三項後段において準用する場合を含む。)の規定による請求 九 法第三十一条の規定により通信の当事者に傍受記録の聴取及び閲覧等をさせること 十 法第三十二条第三項の規定による請求 (関東管区警察局の警察官が行う傍受及び再生への適用) 第三十条 関東管区警察局の警察官(警察法第六十一条の三第一項の規定による指示により派遣された者を含む。)が行う傍受及び再生に関する次の表の上欄に掲げる規定の適用については、同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 第三条第一項 警察本部長(警視総監又は道府県警察本部長をいう。以下同じ。) 関東管区警察局長 第三条第三項及び第五項、第四条第一項、第五条第一項から第三項まで及び第五項、第六条第一項、第八条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)、第十条、第十三条第五項、第六項及び第八項、第十四条第五項、第六項及び第八項、第二十四条第三項、第二十六条第二項並びに第二十八条第二項 警察本部長 関東管区警察局長 第六条第一項 捜査の適正を確保するための指導に関する事務を所掌する警察本部(警視庁及び道府県警察本部をいう。)の課(課に準ずるものを含む。) 関東管区警察局広域調整部広域調整第一課 2 警察庁の警察官のうち、法第四条第一項の国家公安委員会が指定する警視以上の者は、次に掲げるものとする。 一 関東管区警察局長の職にある者 二 関東管区警察局サイバー特別捜査部の警視以上の階級にある警察官 3 前項各号に掲げる者は、傍受令状の請求をするに当たり、裁判官の要求があったときは、国家公安委員会が交付する別記様式第十一号の証票を提示しなければならない。 | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 413M60000010015_20210331_503M60000010017.xml | 平成十三年法務省令第十五号 | 2 | 保護司の選考に関する規則
(保護司選考会の設置等) 第一条 保護司法(昭和二十五年法律第二百四号。以下「法」という。)第五条第一項の規定により保護観察所に置かれる保護司選考会(以下「選考会」という。)の名称及び選考地域は、別表のとおりとする。 (所掌事務) 第二条 選考会は、法第三条第四項及び第十二条第三項の規定により保護観察所の長の諮問に応じて保護司の委嘱及び解嘱に関する意見を述べる。 2 選考会は、前項のほか、保護区及び保護司の定数、保護司の人材確保その他保護司活動の充実強化に関し、保護観察所の長の諮問に応じて意見を述べることができる。 (委員) 第三条 選考会の委員は、次の各号に掲げる者のうちから、法務大臣が委嘱する。 一 地方裁判所長 二 家庭裁判所長 三 検事正 四 弁護士会長 五 矯正施設の長の代表 六 保護司代表 七 都道府県公安委員会委員長 八 都道府県教育委員会教育長 九 地方社会福祉審議会委員長 十 地方労働審議会会長 十一 学識経験者 2 前項第十一号に掲げる者である委員の任期は、二年とする。 ただし、再任を妨げない。 3 委員は、非常勤とする。 (会長) 第四条 選考会の会長は、委員の互選により選任する。 2 会長は、会務を総理し、選考会を代表する。 3 会長に事故があるときは、あらかじめ委員のうちから互選された者が、その職務を代理する。 (会議) 第五条 会長は、保護司の委嘱又は解嘱につき諮問を受けたときは、速やかに委員を招集して会議を開催し、意見を答申しなければならない。 第六条 選考会は委員の過半数が出席しなければ、議事を開き、議決をすることができない。 2 選考会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。 第七条 選考会の議事については、議事録を作り、出席した会長及び委員二人以上が確認し、その氏名を記載しなければならない。 (会議の開催が困難である場合の特例) 第七条の二 会長は、災害の発生、感染症のまん延その他のやむを得ない事由により第五条の会議の開催が困難であると認められる場合には、全ての委員に対し、書面又はこれに代わる電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。次項において同じ。)により、選考会の議事について意見を求めることをもって同条の会議の開催に代えることができる。 2 前項の場合において、委員の過半数から書面又はこれに代わる電磁的記録により意見の提出があったときは、第六条の規定にかかわらず、選考会の議事は、意見を提出した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。 3 前項の議事についての前条の規定の適用については、同条中「出席した会長及び委員二人以上」とあるのは「会長」とする。 (庶務) 第八条 選考会の庶務は、保護観察所企画調整課において処理する。 第九条 選考会に幹事一人を置く。 2 幹事は、保護観察所の企画調整課長をもって充て、会長の命を受けて庶務に従事する。 (推薦手続) 第十条 法第三条第三項に規定する保護司の推薦は、別に定めるところにより保護観察所の長が保護司候補者推薦名簿を作成し、地方更生保護委員会を経由して、法務大臣に提出して行うものとする。 (欠格条項) 第十条の二 法第四条第三号の法務省令で定める者は、精神の機能の障害により保護司の職務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。 (解嘱手続) 第十一条 法第十二条第二項の規定による解嘱については、第十条を準用する。 | 刑事 |
Heisei | Act | 414AC0000000066_20240610_505AC0000000056.xml | 平成十四年法律第六十六号 | 2 | 国際受刑者移送法
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、外国において外国刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている日本国民等及び日本国において懲役又は禁 錮 こ の確定裁判を受けその執行として拘禁されている外国人について、国際的な協力の下に、その本国において当該確定裁判の執行の共助をすることにより、その改善更生及び円滑な社会復帰を促進することの重要性にかんがみ、並びに日本国が締結した刑を言い渡された者の移送及び確定裁判の執行の共助について定める条約(以下単に「条約」という。)を実施するため、当該日本国民等が受けた外国刑の確定裁判及び当該外国人が受けた懲役又は禁錮の確定裁判の執行の共助等について必要な事項を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 外国刑 懲役又は禁錮に相当する外国の法令による刑をいう。 二 共助刑 受入移送犯罪に係る確定裁判の執行の共助として日本国が執行する外国刑をいう。 三 日本国民等 日本の国籍を有する者及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)をいう。 四 締約国の国民等 条約の締約国たる外国(以下「締約国」という。)の国籍を有する者及び条約に基づき当該締約国がその国民とみなす者をいう。 五 受入移送 条約に基づき、締約国において外国刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている日本国民等の引渡しを当該締約国から受けて、当該確定裁判の執行の共助をすることをいう。 六 送出移送 条約に基づき、日本国において懲役又は禁錮の確定裁判を受けその執行として拘禁されている締約国の国民等を日本国から当該締約国に引き渡して、当該確定裁判の執行の共助を嘱託することをいう。 七 裁判国 日本国から受入移送の要請をしようとする締約国及び日本国からその要請をした締約国並びに日本国に対してその要請をした締約国をいう。 八 執行国 日本国から送出移送の要請をしようとする締約国及び日本国からその要請をした締約国並びに日本国に対してその要請をした締約国をいう。 九 受入受刑者 裁判国において外国刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている日本国民等及び受入移送により引渡しを受けた日本国民等であって外国刑の確定裁判の執行の共助が終わるまでの者をいう。 十 送出受刑者 日本国において懲役又は禁錮の確定裁判を受けその執行として拘禁されている締約国の国民等及び送出移送により引き渡した締約国の国民等であって懲役又は禁錮の確定裁判の執行の共助が終わるまでの者をいう。 十一 受入移送犯罪 受入移送において執行の共助の対象とされる外国刑の確定裁判により受入受刑者が犯したものと認められた犯罪をいう。 十二 送出移送犯罪 送出移送において執行の共助の対象とされる懲役又は禁錮の確定裁判により送出受刑者が犯したものと認められた犯罪をいう。 (要請の発受等) 第三条 受入移送及び送出移送の要請の発受並びに条約の実施に関し必要な締約国との間の文書及び通知の発受は、外務大臣が行う。 ただし、緊急その他特別の事情がある場合において、外務大臣が同意したときは、法務大臣が行うものとする。 (要請を受けた外務大臣の措置) 第四条 外務大臣は、締約国から受入移送又は送出移送の要請を受理したときは、要請書に関係書類を添付し、意見を付して法務大臣に送付しなければならない。 第二章 受入移送 (受入移送の実施) 第五条 受入移送は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これをすることができる。 一 受入受刑者の同意がないとき。 二 受入受刑者が十四歳に満たないとき。 三 受入移送犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば禁錮以上の刑が定められている罪に当たるものでないとき。 四 受入移送犯罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき、又はその事件について、日本国の裁判所において言い渡された無罪の裁判が確定したとき、日本国の裁判所において禁錮以上の刑に処せられその刑の全部若しくは一部の執行を受けたとき若しくはその刑の全部の執行を受けないこととなっていないとき。 (同意の確認) 第六条 前条第一号の同意は、次の各号のいずれかに掲げる職員が確認するものとする。 この場合において、当該職員は、受入受刑者をして、第十六条及び第十七条の規定に関する事項その他法務省令で定める事項を記載した書面に、当該職員の面前で、署名押印させるものとする。 一 法務大臣の委任を受けた外国に駐在する日本国の大使、公使若しくは領事官又はこれらの者が指定する職員 二 法務大臣が指定する職員 (法務大臣の措置) 第七条 法務大臣は、裁判国から受入移送の要請があった場合において、第五条各号のいずれにも該当せず、かつ、要請に応ずることが相当であると認めるときは、東京地方検察庁検事正に対し関係書類を送付して、受入移送をすることができる場合に該当するかどうかについて東京地方裁判所に審査の請求をすることを命じなければならない。 2 裁判国から受入移送の要請がない場合において、法務大臣が、第五条各号のいずれにも該当せず、かつ、裁判国に対し受入移送の要請をすることが相当であると認めるときも、前項と同様とする。 3 法務大臣は、前項の規定に基づき審査の請求をすることを命じようとするときは、あらかじめ外務大臣の意見を聴かなければならない。 (審査の請求) 第八条 東京地方検察庁の検察官は、前条第一項又は第二項の命令があったときは、速やかに、東京地方裁判所に対し、受入移送をすることができる場合に該当するかどうかについて審査の請求をしなければならない。 2 前項の審査の請求は書面で行い、当該書面に関係書類を添付しなければならない。 (東京地方裁判所の審査) 第九条 東京地方裁判所は、前条の審査の請求を受けたときは、速やかに、審査を開始し、決定をするものとする。 (東京地方裁判所の決定) 第十条 東京地方裁判所は、前条の規定による審査の結果に基づいて、次の区別に従い、決定をしなければならない。 一 審査の請求が不適法であるときは、これを却下する決定 二 受入移送をすることができない場合に該当するときは、その旨の決定 三 受入移送をすることができる場合に該当するときは、その旨の決定 2 東京地方裁判所は、前項の決定をしたときは、速やかに、東京地方検察庁の検察官に裁判書の謄本を送達するとともに、関係書類を返還しなければならない。 (裁判書の謄本等の法務大臣への提出) 第十一条 東京地方検察庁検事正は、前条第二項の規定により、裁判書の謄本が東京地方検察庁の検察官に送達されたときは、速やかに、関係書類とともに、これを法務大臣に提出しなければならない。 (裁判国に対する受入移送の要請) 第十二条 法務大臣は、裁判国から受入移送の要請がない場合において、第十条第一項第三号の決定があり、かつ、相当であると認めるときは、裁判国に対し受入移送の要請をすることができる。 (法務大臣の受入移送命令) 第十三条 法務大臣は、裁判国から受入移送の要請があった場合において第十条第一項第三号の決定があったとき、又は前条の規定により裁判国に対し受入移送の要請をした場合において裁判国から要請に応ずる旨の通知があったときは、東京地方検察庁検事正に対し、当該要請に係る受入移送を命じなければならない。 ただし、受入移送を命ずることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 (受入受刑者に対する通知) 第十四条 法務大臣は、第十二条の規定により裁判国に対して受入移送の要請をしたとき及び前条の規定により受入移送の命令をしたときは、当該受入受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 裁判国から要請があった場合又は第六条の規定に基づき受入受刑者の同意を確認した場合において、受入移送をしないこととしたときも、同様とする。 (受入移送命令の方式) 第十五条 第十三条の命令は書面によるものとし、当該書面に関係書類の謄本を添付しなければならない。 2 前項の書面には、受入受刑者の氏名、年齢、裁判国の名称、受入移送犯罪の名称、外国刑の刑期、引渡しを受ける日及び場所並びに引致すべき刑事施設を記載し、法務大臣が記名押印しなければならない。 (共助刑の執行方法) 第十六条 第十三条の命令により裁判国から受入受刑者の引渡しを受けたときは、次の各号に掲げる受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の区分に応じ、当該各号に掲げる種類の共助刑を執行することにより、受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判の執行の共助をするものとする。 一 外国刑が懲役に相当する刑であるとき 当該受入受刑者を刑事施設に拘置して所定の作業を行わせること。 二 前号に掲げる場合に該当しないとき 当該受入受刑者を刑事施設に拘置すること。 2 受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑が二以上あるときは、これらを一の共助刑として執行する。 この場合における共助刑の種類は、当該外国刑のすべてが懲役に相当する刑であるときは、前項第一号に掲げるものとし、当該外国刑のいずれかが懲役に相当する刑でないときは、同項第二号に掲げるものとする。 (共助刑の期間) 第十七条 共助刑の期間は、次の各号に掲げる受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の区分に応じ、当該各号に掲げるものとする。 一 外国刑(二以上あるときは、そのいずれか)が無期であるとき 無期 二 前号に掲げる場合に該当しないとき 次のイ又はロに掲げる裁判国において当該外国刑の執行が開始された日(二以上あるときは、当該日のうち最も早い日。以下同じ。)から受入受刑者の拘禁をすることができるとされる最終日までの日数(裁判国においてその執行としての拘禁をしていないとされる日数を除く。)の区分に応じ、当該イ又はロに定める期間 イ 裁判国において当該外国刑の執行が開始された日から三十年を経過する日までの日数を超えるとき 当該三十年を経過する日までの日数 ロ 裁判国において当該外国刑の執行が開始された日から三十年を経過する日までの日数を超えないとき 当該最終日までの日数 2 受入受刑者が十八歳に満たないときに共助刑に係る外国刑(二以上あるときは、それらの全て)の言渡しを受けた者である場合における前項の規定の適用については、同項第二号中「三十年」とあるのは、「二十年」とする。 (共助刑の刑期の計算) 第十八条 共助刑の刑期は、裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行が開始された日(二以上あるときは、当該日のうち最も早い日)の午前零時に応当する日本国における時刻の属する日から起算する。 2 裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行としての拘禁をしていないとされる日数及び第十三条の命令により裁判国から受入受刑者の引渡しを受けた後に当該受入受刑者を拘禁していない日数は、共助刑の刑期に算入しない。 (受入収容状の発付等) 第十九条 東京地方検察庁の検察官は、第十三条の命令があったときは、受入収容状を発しなければならない。 2 前項の受入収容状には、第十五条第二項に掲げる事項を記載し、東京地方検察庁の検察官が記名押印しなければならない。 3 第一項の受入収容状は、 勾 こう 引状と同一の効力を有するものとし、東京地方検察庁の検察官の指揮によって刑事施設の長又はその指名する刑事施設の職員が執行する。 4 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第七十三条第一項前段及び第七十四条の規定は、第一項の受入収容状の執行について準用する。 この場合において、これらの規定中「被告人」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第九号の受入受刑者」と、同法第七十三条第一項前段中「勾引状」とあり、及び同法第七十四条中「勾引状又は勾留状」とあるのは「国際受刑者移送法第十九条第一項の受入収容状」と、同法第七十三条第一項前段中「裁判所その他の場所」とあるのは「刑事施設」と読み替えるものとする。 (共助刑の執行指揮) 第二十条 共助刑の執行は、東京地方検察庁の検察官が指揮する。 2 前項の指揮は書面で行い、当該書面に第十五条第一項の書面の謄本及び関係書類の謄本を添付しなければならない。 (刑法等の適用) 第二十一条 共助刑の執行に関しては、第十六条第一項第一号の共助刑の執行を受ける者を懲役に処せられた者と、同項第二号の共助刑の執行を受ける者を禁錮に処せられた者と、同項第一号の共助刑を懲役と、同項第二号の共助刑を禁錮とそれぞれみなして、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二十二条、第二十四条、第二十八条、第二十九条、第三十一条から第三十三条まで及び第三十四条第一項、刑事訴訟法第四百七十四条、第四百八十条から第四百八十二条まで、第四百八十四条から第四百八十九条まで、第五百二条から第五百四条まで、第五百七条から第五百十条まで、第五百十二条、第五百十三条第一項、第二項及び第九項から第十一項まで並びに第五百十四条から第五百十六条まで、少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第二条第一項、第二十七条第一項、第五十六条、第五十七条、第六十一条、第六十七条第四項(第五十六条第一項及び第二項に係る部分に限る。)及び第六十八条本文並びに更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第三条、第四条第二項、第十一条から第十四条まで、第十六条、第二十三条から第三十条まで、第三十三条、第三十四条第一項、第三十五条から第四十条まで、第四十八条、第四十九条第一項及び第三項、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第二項及び第三項、第五十三条第二項及び第三項、第五十四条第二項、第五十五条から第五十八条まで、第六十条から第六十五条の四まで、第七十五条から第七十七条まで、第八十二条、第八十四条から第八十八条の二まで並びに第九十一条から第九十八条までの規定を適用する。 この場合において、刑法第二十八条中「三分の一」とあるのは「三分の一(国際受刑者移送法第二条第七号の裁判国(以下「裁判国」という。)において同法第二条第十一号の受入移送犯罪(以下「受入移送犯罪」という。)に係る確定裁判において言い渡された同法第二条第一号の外国刑(以下「外国刑」という。)の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)」と、「十年」とあるのは「十年(裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)」と、同法第三十二条中「刑の言渡しが確定した後」とあるのは「国際受刑者移送法第十三条の命令により裁判国から引渡しを受けた後」と、刑事訴訟法第四百七十四条中「二以上の」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第二号の共助刑(以下「共助刑」という。)と」と、「その重いもの」とあり、及び「重い刑」とあるのは「共助刑」と、「他の刑」とあるのは「主刑」と、同法第四百八十条及び第四百八十二条中「刑の言渡をした裁判所に対応する検察庁」とあるのは「東京地方検察庁」と、同法第四百八十七条中「刑名」とあるのは「共助刑の種類」と、同法第五百二条中「裁判の執行を受ける者」とあるのは「共助刑の執行を受ける者」と、「言渡しをした裁判所」とあるのは「東京地方裁判所」と、同法第五百十三条第一項中「裁判の執行を受ける者若しくは裁判の執行の対象となるものの所在若しくは状況に関する資料、裁判の執行を受ける者の資産に関する資料、裁判の執行の対象となるもの若しくは裁判の執行を受ける者の財産を管理するために使用されている物又は第四百九十条第二項の規定によりその規定に従うこととされる民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により金銭の支払を目的とする債権についての強制執行の目的となる物若しくはそれ以外の物であつて当該強制執行の手続において執行官による取上げの対象となるべきもの」とあるのは「共助刑の執行を受ける者の所在又は状況に関する資料」と、少年法第二十七条第一項中「保護処分の継続中、本人に対して有罪判決が確定した」とあり、及び同法第五十七条中「保護処分の継続中、懲役、禁錮又は拘留の刑が確定した」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第二号の共助刑の執行を受ける者が保護処分の継続中である」とし、その他これらの規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。 (仮釈放の特則) 第二十二条 十八歳に満たないときに共助刑に係る外国刑(二以上あるときは、それらの全て)の言渡しを受けた受入受刑者については、次の期間(裁判国において当該外国刑の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)を経過した後、仮釈放をすることができる。 一 無期の共助刑については七年 二 有期の共助刑については、その刑期の三分の一 (施設の長の通告義務の特則) 第二十三条 刑事施設の長は、第二十条第一項の指揮があった場合において、受入受刑者が第二十一条の規定により適用される刑法第二十八条又はこの法律第二十二条に掲げる期間を既に経過しているときは、速やかに、その旨を地方更生保護委員会に通告しなければならない。 (仮釈放期間の終了の特則) 第二十四条 第二十二条に規定する受入受刑者が無期の共助刑についての仮釈放後、その処分を取り消されないで十年を経過したときは、共助刑の執行を受け終わったものとする。 2 第二十二条に規定する受入受刑者が有期の共助刑についての仮釈放後、その処分を取り消されないで仮釈放前に共助刑の執行を受けた期間(裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)と同一の期間又は共助刑の刑期を経過したときは、そのいずれか早い時期において、共助刑の執行を受け終わったものとする。 (共助刑の執行の減軽等) 第二十五条 中央更生保護審査会は、法務大臣に対し、受入受刑者に対する共助刑の執行の減軽又は免除の実施について申出をすることができる。 2 法務大臣は、前項の申出があったときは、当該受入受刑者に対して共助刑の執行の減軽又は免除をすることができる。 3 法務大臣は、前項の規定により共助刑の執行の減軽又は免除をしたときは、共助刑の執行の減軽状又は共助刑の執行の免除状を当該受入受刑者に下付しなければならない。 4 恩赦法(昭和二十二年法律第二十号)第十一条及び更生保護法第九十条の規定は、共助刑の執行の減軽又は免除について準用する。 この場合において、恩赦法第十一条中「有罪の言渡」とあるのは「国際受刑者移送法第十三条の命令」と、「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権」とあるのは「同法第二十五条第二項の規定による共助刑の執行の減軽又は免除」と、更生保護法第九十条第一項中「前条の申出」とあり、及び同条第二項中「特赦、減刑又は刑の執行の免除の申出」とあるのは「国際受刑者移送法第二十五条第一項の申出」と読み替えるものとする。 (外国刑の確定裁判の執行不能等の通知を受けた法務大臣の措置等) 第二十六条 裁判国において受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判(二以上あるときは、それらのすべて)が取り消された場合その他その執行ができなくなった場合において、裁判国からその旨の通知があったときは、法務大臣は、第十三条の命令を撤回し、直ちに、東京地方検察庁検事正に当該受入受刑者の釈放を命じなければならない。 2 東京地方検察庁の検察官は、前項の規定による釈放の命令があったときは、直ちに、当該受入受刑者を釈放しなければならない。 3 第一項に規定する場合を除き、裁判国から、受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑について、減刑その他の事由により当該外国刑の種類又は裁判国において受入受刑者の拘禁をすることができるとされる最終日を変更する旨の通知があったときは、当該通知に基づき、第十六条及び第十七条の定めるところに従い、共助刑の種類及び期間を変更するものとする。 (裁判国に対する通知) 第二十七条 法務大臣は、受入受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、裁判国にその旨を通知しなければならない。 一 共助刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなったとき。 二 共助刑の執行が終わる前に死亡し、又は逃走したとき。 第三章 送出移送 (送出移送の実施) 第二十八条 送出移送は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これをすることができる。 一 送出受刑者の同意がないとき。 二 送出移送犯罪に係る行為が執行国内において行われたとした場合において、その行為が執行国の法令によれば罪に当たるものでないとき。 三 送出移送犯罪について刑事訴訟法第三百五十条の請求又は送出移送犯罪に係る事件について上訴権回復若しくは再審の請求若しくは非常上告の手続が日本国の裁判所に係属するとき。 四 送出移送犯罪について特赦の出願若しくは上申がなされ、又は送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された懲役若しくは禁錮について減刑若しくは刑の執行の免除の出願若しくは上申がなされ、その手続が終了していないとき。 五 送出移送犯罪に係る懲役又は禁錮の確定裁判において罰金、没収又は追徴が併科されている場合において、その執行を終わらず、又は執行を受けないこととなっていないとき。 六 送出移送犯罪以外の罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき、又はその事件について送出受刑者が日本国の裁判所において刑に処せられ、その執行を終わらず、若しくは執行を受けないこととなっていないとき。 (条約の内容の告知) 第二十九条 刑事施設の長は、当該刑事施設に収容されている締約国の国民等に対して言い渡された懲役又は禁錮の裁判が確定したときは、速やかに、その者に対し条約に定める事項のうち重要なものを告知しなければならない。 締約国の国民等が懲役又は禁錮の裁判を言い渡されその確定裁判の執行のため刑事施設に収容されたときも、同様とする。 (送出受刑者に対する通知) 第三十条 法務大臣は、送出受刑者が送出移送の申出をした場合において、条約に基づき日本国が当該送出受刑者の執行国となるべき国に対し行うこととされる通知をしたときは、当該送出受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 (送出受刑者の同意) 第三十一条 送出受刑者は、第二十八条第一号の同意をするときは、その収容されている刑事施設の長又はその指定する職員の立会いの下に、法務省令で定める事項を記載した書面に署名押印しなければならない。 2 刑事施設の長は、送出受刑者が前項の書面に署名押印したときは、速やかに、当該書面を法務大臣に提出しなければならない。 (同意の確認のための接見) 第三十二条 刑事施設の長は、締約国の大使、公使、領事官その他領事任務を遂行する者又は締約国が指定する当該締約国の公務員が、条約に基づき送出受刑者が送出移送に同意しているかどうかを確認するためにその者との接見を求めるときは、これを許さなければならない。 2 前項の接見は、法令の範囲内で行うものとする。 (執行国に対する送出移送の要請) 第三十三条 法務大臣は、第二十八条各号のいずれにも該当せず、かつ、相当であると認めるときは、執行国に対し送出移送の要請をすることができる。 2 法務大臣は、前項の要請をしようとするときは、あらかじめ外務大臣の意見を聴かなければならない。 (法務大臣の送出移送決定等) 第三十四条 法務大臣は、執行国から送出移送の要請があった場合において第二十八条各号のいずれにも該当しないとき、又は前条第一項の規定により執行国に対し送出移送の要請をした場合において執行国から要請に応ずる旨の通知があったときは、送出移送の決定をしなければならない。 ただし、送出移送をすることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 法務大臣は、前項の決定をしたときは、送出受刑者が収容されている刑事施設の長に対し、当該決定に係る引渡しを命じなければならない。 3 法務大臣は、第一項ただし書の規定により送出移送をしないこととするときは、あらかじめ外務大臣と協議しなければならない。 (送出受刑者に対する通知) 第三十五条 法務大臣は、第三十三条第一項の規定により執行国に対し送出移送の要請をしたとき及び前条第二項の規定により引渡しの命令をしたときは、当該送出受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 執行国から要請があった場合又は第三十一条第一項の規定に基づく送出受刑者の同意があった場合において、送出移送をしないこととしたときも、同様とする。 (送出移送の実施に関する準用規定) 第三十六条 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第十六条第一項、第三項及び第四項、第十九条第一項、第二十条第一項並びに第二十一条の規定は、第三十四条第二項の命令により送出受刑者を執行国に引き渡す場合について準用する。 この場合において、同法第十六条第一項中「第十四条第一項の規定による引渡の命令」とあり、及び同法第二十条第一項中「第十七条第一項又は第五項の規定による逃亡犯罪人の引渡の指揮」とあるのは「国際受刑者移送法第三十四条第二項の命令」と、同法第十六条第四項中「逃亡犯罪人の氏名、引渡犯罪名、請求国の名称、引渡の場所、引渡の期限及び発付の年月日」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第十号の送出受刑者(以下「送出受刑者」という。)の氏名、年齢、国籍、同法第二条第八号の執行国(以下「執行国」という。)の名称、同法第二条第十二号の送出移送犯罪の名称、刑名、刑期、引渡日及び引渡しの場所」と、同法第十九条第一項中「第十六条第三項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十六条の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第十六条第三項」と、同法第十九条第一項、第二十条第一項及び第二十一条中「請求国」とあるのは「執行国」と、同法第二十条第一項中「示して逃亡犯罪人の」とあるのは「示して送出受刑者の」と、「逃亡犯罪人を」とあるのは「送出受刑者を」と、同法第二十一条中「前条第一項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十六条の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第二十条第一項」と、「逃亡犯罪人」とあるのは「送出受刑者」と読み替えるものとする。 (送出移送をした場合における懲役又は禁錮の執行の終了) 第三十七条 送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された懲役又は禁錮の執行は、執行国においてその執行の共助が終わった日の午前零時に応当する日本国における時刻の属する日に終了したものとする。 (執行国に対する通知) 第三十八条 法務大臣は、送出受刑者が第三十四条第二項の命令により執行国に引き渡された後に、その者について次の各号のいずれかの事由が生じた場合には、直ちに、執行国にその旨を通知しなければならない。 一 刑事訴訟法第三百五十条の請求、上訴権回復、再審、非常上告又は同法第五百二条の申立ての手続により、送出移送犯罪に係る懲役若しくは禁錮の確定裁判の執行をすることができなくなったとき、又は刑の種類若しくは送出受刑者を拘禁することができる最終日に変更が生じたとき。 二 送出移送犯罪について大赦、特赦若しくは政令による減刑又は送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された懲役若しくは禁錮について減刑若しくは刑の執行の免除があったとき。 第四章 雑則 (受入受刑者の送還) 第三十九条 法務大臣は、第十三条の命令により裁判国から引渡しを受けた受入受刑者(第二十一条の規定により適用される刑法第二十八条又はこの法律第二十二条の規定により仮釈放中の者を除く。)について、受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判の再審の審判に出頭する場合その他やむを得ない事情があると認める場合において、裁判国からの要請があるときは、当該受入受刑者が収容されている刑事施設の長に対し、裁判国への引渡し(以下本条において「送還」という。)を命ずることができる。 2 法務大臣は、前項の規定により送還の命令をしたときは、当該受入受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 3 第一項の命令により送還をしたときは、受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判の執行の共助は終了するものとする。 4 逃亡犯罪人引渡法第十六条第一項、第三項及び第四項、第十九条第一項、第二十条第一項並びに第二十一条の規定は、第一項の命令により送還をする場合について準用する。 この場合において、同法第十六条第一項中「第十四条第一項の規定による引渡の命令」とあり、及び同法第二十条第一項中「第十七条第一項又は第五項の規定による逃亡犯罪人の引渡の指揮」とあるのは「国際受刑者移送法第三十九条第一項の命令」と、同法第十六条第四項中「逃亡犯罪人の氏名、引渡犯罪名、請求国の名称、引渡の場所、引渡の期限及び発付の年月日」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第九号の受入受刑者(以下「受入受刑者」という。)の氏名、年齢、同法第二条第七号の裁判国(以下「裁判国」という。)の名称、同法第二条第十一号の受入移送犯罪の名称、同法第二条第一号の外国刑の刑期、引渡日及び引渡しの場所」と、同法第十九条第一項中「第十六条第三項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十九条第四項の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第十六条第三項」と、同法第十九条第一項、第二十条第一項及び第二十一条中「請求国」とあるのは「裁判国」と、同法第二十条第一項中「示して逃亡犯罪人の」とあるのは「示して受入受刑者の」と、「逃亡犯罪人を」とあるのは「受入受刑者を」と、同法第二十一条中「前条第一項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十九条第四項の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第二十条第一項」と、「逃亡犯罪人」とあるのは「受入受刑者」と読み替えるものとする。 (執行国における拘禁等の取扱い) 第四十条 第三十四条第二項の命令により執行国に引渡しをした者であって、次に掲げるものについて、日本国において送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された懲役又は禁錮の執行をするときは、執行国において当該確定裁判の執行の共助としての拘禁をしたとされる期間については、当該懲役又は禁錮の執行を受け終えたものとする。 一 送出移送犯罪に係る懲役又は禁錮の確定裁判の再審の審判に出頭するため、執行国から引渡しを受けた者 二 逃走その他の事由により執行国による送出移送犯罪に係る懲役又は禁錮の確定裁判の執行の共助としての拘禁、保護観察その他これに相当する措置を行うことができなくなった者 (刑法第五条ただし書の特則) 第四十一条 第十三条の命令により裁判国から引渡しを受けた日本国民等を、その引渡し後に公訴が提起された受入移送犯罪に係る事件について刑に処するときは、刑法第五条ただし書の規定にかかわらず、その刑の執行を免除するものとする。 第四十二条 削除 (受入移送に関する費用) 第四十三条 第十三条の命令により裁判国から受入受刑者の引渡しを受けた場合において、当該受入受刑者を裁判国から日本国に護送するために要した費用のうち、日本国が支出した受入受刑者に係る交通費は、受入受刑者の負担とする。 ただし、法務大臣は、受入受刑者が貧困のためこれを完納することができないことが明らかであるときは、政令で定めるところにより、その全部又は一部を免除することができる。 (出入国管理及び難民認定法等の特則) 第四十四条 特別永住者が第十三条の命令により本邦に上陸した場合には、当該特別永住者は、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第九条第一項の規定による上陸許可の証印を受けて上陸したものとみなす。 2 第三十四条第二項の命令により本邦から出国した送出受刑者に対して入管法第四十七条第五項後段(入管法第四十八条第十項及び第四十九条第七項において準用する場合を含む。)の規定により退去強制令書が発付されていた場合には、当該送出受刑者は、入管法第五条第一項第五号の二、第九号及び第十号の適用については、当該退去強制令書により本邦からの退去を強制された者とみなす。 この場合において、同項第九号中「退去の日から」とあるのは、「出国した日から」と読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第四十五条 この法律に定めるもののほか、東京地方裁判所の審査に関する手続について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (通過護送の承認に関する法務大臣の措置) 第四十六条 法務大臣は、外国から外交機関を経由して、当該外国の官憲が、当該外国又は他の外国において外国刑の確定裁判を受けた者を、その執行の共助のために、日本国内を通過して護送することの承認の要請があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを承認することができる。 一 当該外国刑の確定裁判により認められた犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。 二 当該外国刑の確定裁判を受けた者が日本国民であるとき。 2 法務大臣は、外国刑の確定裁判を受けた者について、条約に基づき、締約国から前項の承認の要請があったときは、同項各号のいずれかに該当する場合を除き、これを承認しなければならない。 3 法務大臣は、第一項の承認をするかどうかについてあらかじめ外務大臣と協議しなければならない。 (施行細則) 第四十七条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施の手続その他その執行について必要な細則は、法務省令で定める。 | 刑事 |
Heisei | Act | 414AC0000000066_20250516_505AC0000000028.xml | 平成十四年法律第六十六号 | 2 | 国際受刑者移送法
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、外国において外国刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている日本国民等及び日本国において懲役又は禁 錮 こ の確定裁判を受けその執行として拘禁されている外国人について、国際的な協力の下に、その本国において当該確定裁判の執行の共助をすることにより、その改善更生及び円滑な社会復帰を促進することの重要性にかんがみ、並びに日本国が締結した刑を言い渡された者の移送及び確定裁判の執行の共助について定める条約(以下単に「条約」という。)を実施するため、当該日本国民等が受けた外国刑の確定裁判及び当該外国人が受けた懲役又は禁錮の確定裁判の執行の共助等について必要な事項を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 外国刑 懲役又は禁錮に相当する外国の法令による刑をいう。 二 共助刑 受入移送犯罪に係る確定裁判の執行の共助として日本国が執行する外国刑をいう。 三 日本国民等 日本の国籍を有する者及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)をいう。 四 締約国の国民等 条約の締約国たる外国(以下「締約国」という。)の国籍を有する者及び条約に基づき当該締約国がその国民とみなす者をいう。 五 受入移送 条約に基づき、締約国において外国刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている日本国民等の引渡しを当該締約国から受けて、当該確定裁判の執行の共助をすることをいう。 六 送出移送 条約に基づき、日本国において懲役又は禁錮の確定裁判を受けその執行として拘禁されている締約国の国民等を日本国から当該締約国に引き渡して、当該確定裁判の執行の共助を嘱託することをいう。 七 裁判国 日本国から受入移送の要請をしようとする締約国及び日本国からその要請をした締約国並びに日本国に対してその要請をした締約国をいう。 八 執行国 日本国から送出移送の要請をしようとする締約国及び日本国からその要請をした締約国並びに日本国に対してその要請をした締約国をいう。 九 受入受刑者 裁判国において外国刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている日本国民等及び受入移送により引渡しを受けた日本国民等であって外国刑の確定裁判の執行の共助が終わるまでの者をいう。 十 送出受刑者 日本国において懲役又は禁錮の確定裁判を受けその執行として拘禁されている締約国の国民等及び送出移送により引き渡した締約国の国民等であって懲役又は禁錮の確定裁判の執行の共助が終わるまでの者をいう。 十一 受入移送犯罪 受入移送において執行の共助の対象とされる外国刑の確定裁判により受入受刑者が犯したものと認められた犯罪をいう。 十二 送出移送犯罪 送出移送において執行の共助の対象とされる懲役又は禁錮の確定裁判により送出受刑者が犯したものと認められた犯罪をいう。 (要請の発受等) 第三条 受入移送及び送出移送の要請の発受並びに条約の実施に関し必要な締約国との間の文書及び通知の発受は、外務大臣が行う。 ただし、緊急その他特別の事情がある場合において、外務大臣が同意したときは、法務大臣が行うものとする。 (要請を受けた外務大臣の措置) 第四条 外務大臣は、締約国から受入移送又は送出移送の要請を受理したときは、要請書に関係書類を添付し、意見を付して法務大臣に送付しなければならない。 第二章 受入移送 (受入移送の実施) 第五条 受入移送は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これをすることができる。 一 受入受刑者の同意がないとき。 二 受入受刑者が十四歳に満たないとき。 三 受入移送犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば禁錮以上の刑が定められている罪に当たるものでないとき。 四 受入移送犯罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき、又はその事件について、日本国の裁判所において言い渡された無罪の裁判が確定したとき、日本国の裁判所において禁錮以上の刑に処せられその刑の全部若しくは一部の執行を受けたとき若しくはその刑の全部の執行を受けないこととなっていないとき。 (同意の確認) 第六条 前条第一号の同意は、次の各号のいずれかに掲げる職員が確認するものとする。 この場合において、当該職員は、受入受刑者をして、第十六条及び第十七条の規定に関する事項その他法務省令で定める事項を記載した書面に、当該職員の面前で、署名押印させるものとする。 一 法務大臣の委任を受けた外国に駐在する日本国の大使、公使若しくは領事官又はこれらの者が指定する職員 二 法務大臣が指定する職員 (法務大臣の措置) 第七条 法務大臣は、裁判国から受入移送の要請があった場合において、第五条各号のいずれにも該当せず、かつ、要請に応ずることが相当であると認めるときは、東京地方検察庁検事正に対し関係書類を送付して、受入移送をすることができる場合に該当するかどうかについて東京地方裁判所に審査の請求をすることを命じなければならない。 2 裁判国から受入移送の要請がない場合において、法務大臣が、第五条各号のいずれにも該当せず、かつ、裁判国に対し受入移送の要請をすることが相当であると認めるときも、前項と同様とする。 3 法務大臣は、前項の規定に基づき審査の請求をすることを命じようとするときは、あらかじめ外務大臣の意見を聴かなければならない。 (審査の請求) 第八条 東京地方検察庁の検察官は、前条第一項又は第二項の命令があったときは、速やかに、東京地方裁判所に対し、受入移送をすることができる場合に該当するかどうかについて審査の請求をしなければならない。 2 前項の審査の請求は書面で行い、当該書面に関係書類を添付しなければならない。 (東京地方裁判所の審査) 第九条 東京地方裁判所は、前条の審査の請求を受けたときは、速やかに、審査を開始し、決定をするものとする。 (東京地方裁判所の決定) 第十条 東京地方裁判所は、前条の規定による審査の結果に基づいて、次の区別に従い、決定をしなければならない。 一 審査の請求が不適法であるときは、これを却下する決定 二 受入移送をすることができない場合に該当するときは、その旨の決定 三 受入移送をすることができる場合に該当するときは、その旨の決定 2 東京地方裁判所は、前項の決定をしたときは、速やかに、東京地方検察庁の検察官に裁判書の謄本を送達するとともに、関係書類を返還しなければならない。 (裁判書の謄本等の法務大臣への提出) 第十一条 東京地方検察庁検事正は、前条第二項の規定により、裁判書の謄本が東京地方検察庁の検察官に送達されたときは、速やかに、関係書類とともに、これを法務大臣に提出しなければならない。 (裁判国に対する受入移送の要請) 第十二条 法務大臣は、裁判国から受入移送の要請がない場合において、第十条第一項第三号の決定があり、かつ、相当であると認めるときは、裁判国に対し受入移送の要請をすることができる。 (法務大臣の受入移送命令) 第十三条 法務大臣は、裁判国から受入移送の要請があった場合において第十条第一項第三号の決定があったとき、又は前条の規定により裁判国に対し受入移送の要請をした場合において裁判国から要請に応ずる旨の通知があったときは、東京地方検察庁検事正に対し、当該要請に係る受入移送を命じなければならない。 ただし、受入移送を命ずることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 (受入受刑者に対する通知) 第十四条 法務大臣は、第十二条の規定により裁判国に対して受入移送の要請をしたとき及び前条の規定により受入移送の命令をしたときは、当該受入受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 裁判国から要請があった場合又は第六条の規定に基づき受入受刑者の同意を確認した場合において、受入移送をしないこととしたときも、同様とする。 (受入移送命令の方式) 第十五条 第十三条の命令は書面によるものとし、当該書面に関係書類の謄本を添付しなければならない。 2 前項の書面には、受入受刑者の氏名、年齢、裁判国の名称、受入移送犯罪の名称、外国刑の刑期、引渡しを受ける日及び場所並びに引致すべき刑事施設を記載し、法務大臣が記名押印しなければならない。 (共助刑の執行方法) 第十六条 第十三条の命令により裁判国から受入受刑者の引渡しを受けたときは、次の各号に掲げる受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の区分に応じ、当該各号に掲げる種類の共助刑を執行することにより、受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判の執行の共助をするものとする。 一 外国刑が懲役に相当する刑であるとき 当該受入受刑者を刑事施設に拘置して所定の作業を行わせること。 二 前号に掲げる場合に該当しないとき 当該受入受刑者を刑事施設に拘置すること。 2 受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑が二以上あるときは、これらを一の共助刑として執行する。 この場合における共助刑の種類は、当該外国刑のすべてが懲役に相当する刑であるときは、前項第一号に掲げるものとし、当該外国刑のいずれかが懲役に相当する刑でないときは、同項第二号に掲げるものとする。 (共助刑の期間) 第十七条 共助刑の期間は、次の各号に掲げる受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の区分に応じ、当該各号に掲げるものとする。 一 外国刑(二以上あるときは、そのいずれか)が無期であるとき 無期 二 前号に掲げる場合に該当しないとき 次のイ又はロに掲げる裁判国において当該外国刑の執行が開始された日(二以上あるときは、当該日のうち最も早い日。以下同じ。)から受入受刑者の拘禁をすることができるとされる最終日までの日数(裁判国においてその執行としての拘禁をしていないとされる日数を除く。)の区分に応じ、当該イ又はロに定める期間 イ 裁判国において当該外国刑の執行が開始された日から三十年を経過する日までの日数を超えるとき 当該三十年を経過する日までの日数 ロ 裁判国において当該外国刑の執行が開始された日から三十年を経過する日までの日数を超えないとき 当該最終日までの日数 2 受入受刑者が十八歳に満たないときに共助刑に係る外国刑(二以上あるときは、それらの全て)の言渡しを受けた者である場合における前項の規定の適用については、同項第二号中「三十年」とあるのは、「二十年」とする。 (共助刑の刑期の計算) 第十八条 共助刑の刑期は、裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行が開始された日(二以上あるときは、当該日のうち最も早い日)の午前零時に応当する日本国における時刻の属する日から起算する。 2 裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行としての拘禁をしていないとされる日数及び第十三条の命令により裁判国から受入受刑者の引渡しを受けた後に当該受入受刑者を拘禁していない日数は、共助刑の刑期に算入しない。 (受入収容状の発付等) 第十九条 東京地方検察庁の検察官は、第十三条の命令があったときは、受入収容状を発しなければならない。 2 前項の受入収容状には、第十五条第二項に掲げる事項を記載し、東京地方検察庁の検察官が記名押印しなければならない。 3 第一項の受入収容状は、 勾 こう 引状と同一の効力を有するものとし、東京地方検察庁の検察官の指揮によって刑事施設の長又はその指名する刑事施設の職員が執行する。 4 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第七十三条第一項前段及び第七十四条の規定は、第一項の受入収容状の執行について準用する。 この場合において、これらの規定中「被告人」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第九号の受入受刑者」と、同法第七十三条第一項前段中「勾引状」とあり、及び同法第七十四条中「勾引状又は勾留状」とあるのは「国際受刑者移送法第十九条第一項の受入収容状」と、同法第七十三条第一項前段中「裁判所その他の場所」とあるのは「刑事施設」と読み替えるものとする。 (共助刑の執行指揮) 第二十条 共助刑の執行は、東京地方検察庁の検察官が指揮する。 2 前項の指揮は書面で行い、当該書面に第十五条第一項の書面の謄本及び関係書類の謄本を添付しなければならない。 (刑法等の適用) 第二十一条 共助刑の執行に関しては、第十六条第一項第一号の共助刑の執行を受ける者を懲役に処せられた者と、同項第二号の共助刑の執行を受ける者を禁錮に処せられた者と、同項第一号の共助刑を懲役と、同項第二号の共助刑を禁錮とそれぞれみなして、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二十二条、第二十四条、第二十八条、第二十九条、第三十一条から第三十三条まで及び第三十四条第一項、刑事訴訟法第四百七十四条、第四百八十条から第四百八十二条まで、第四百八十四条から第四百八十五条まで、第四百八十六条から第四百八十九条まで、第五百二条から第五百四条まで、第五百七条から第五百十条まで、第五百十二条、第五百十三条第一項、第二項及び第九項から第十一項まで並びに第五百十四条から第五百十六条まで、少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第二条第一項、第二十七条第一項、第五十六条、第五十七条、第六十一条、第六十七条第四項(第五十六条第一項及び第二項に係る部分に限る。)及び第六十八条本文並びに更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第三条、第四条第二項、第十一条から第十四条まで、第十六条、第二十三条から第三十条まで、第三十三条、第三十四条第一項、第三十五条から第四十条まで、第四十八条、第四十九条第一項及び第三項、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第二項及び第三項、第五十三条第二項及び第三項、第五十四条第二項、第五十五条から第五十八条まで、第六十条から第六十五条の四まで、第七十五条から第七十七条まで、第八十二条、第八十四条から第八十八条の二まで並びに第九十一条から第九十八条までの規定を適用する。 この場合において、刑法第二十八条中「三分の一」とあるのは「三分の一(国際受刑者移送法第二条第七号の裁判国(以下「裁判国」という。)において同法第二条第十一号の受入移送犯罪(以下「受入移送犯罪」という。)に係る確定裁判において言い渡された同法第二条第一号の外国刑(以下「外国刑」という。)の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)」と、「十年」とあるのは「十年(裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)」と、同法第三十二条中「刑の言渡しが確定した後」とあるのは「国際受刑者移送法第十三条の命令により裁判国から引渡しを受けた後」と、刑事訴訟法第四百七十四条中「二以上の」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第二号の共助刑(以下「共助刑」という。)と」と、「その重いもの」とあり、及び「重い刑」とあるのは「共助刑」と、「他の刑」とあるのは「主刑」と、同法第四百八十条及び第四百八十二条中「刑の言渡をした裁判所に対応する検察庁」とあるのは「東京地方検察庁」と、同法第四百八十七条中「刑名」とあるのは「共助刑の種類」と、同法第五百二条中「裁判の執行を受ける者」とあるのは「共助刑の執行を受ける者」と、「言渡しをした裁判所」とあるのは「東京地方裁判所」と、同法第五百十三条第一項中「裁判の執行を受ける者若しくは裁判の執行の対象となるものの所在若しくは状況に関する資料、裁判の執行を受ける者の資産に関する資料、裁判の執行の対象となるもの若しくは裁判の執行を受ける者の財産を管理するために使用されている物又は第四百九十条第二項の規定によりその規定に従うこととされる民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により金銭の支払を目的とする債権についての強制執行の目的となる物若しくはそれ以外の物であつて当該強制執行の手続において執行官による取上げの対象となるべきもの」とあるのは「共助刑の執行を受ける者の所在又は状況に関する資料」と、少年法第二十七条第一項中「保護処分の継続中、本人に対して有罪判決が確定した」とあり、及び同法第五十七条中「保護処分の継続中、懲役、禁錮又は拘留の刑が確定した」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第二号の共助刑の執行を受ける者が保護処分の継続中である」とし、その他これらの規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。 (仮釈放の特則) 第二十二条 十八歳に満たないときに共助刑に係る外国刑(二以上あるときは、それらの全て)の言渡しを受けた受入受刑者については、次の期間(裁判国において当該外国刑の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)を経過した後、仮釈放をすることができる。 一 無期の共助刑については七年 二 有期の共助刑については、その刑期の三分の一 (施設の長の通告義務の特則) 第二十三条 刑事施設の長は、第二十条第一項の指揮があった場合において、受入受刑者が第二十一条の規定により適用される刑法第二十八条又はこの法律第二十二条に掲げる期間を既に経過しているときは、速やかに、その旨を地方更生保護委員会に通告しなければならない。 (仮釈放期間の終了の特則) 第二十四条 第二十二条に規定する受入受刑者が無期の共助刑についての仮釈放後、その処分を取り消されないで十年を経過したときは、共助刑の執行を受け終わったものとする。 2 第二十二条に規定する受入受刑者が有期の共助刑についての仮釈放後、その処分を取り消されないで仮釈放前に共助刑の執行を受けた期間(裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)と同一の期間又は共助刑の刑期を経過したときは、そのいずれか早い時期において、共助刑の執行を受け終わったものとする。 (共助刑の執行の減軽等) 第二十五条 中央更生保護審査会は、法務大臣に対し、受入受刑者に対する共助刑の執行の減軽又は免除の実施について申出をすることができる。 2 法務大臣は、前項の申出があったときは、当該受入受刑者に対して共助刑の執行の減軽又は免除をすることができる。 3 法務大臣は、前項の規定により共助刑の執行の減軽又は免除をしたときは、共助刑の執行の減軽状又は共助刑の執行の免除状を当該受入受刑者に下付しなければならない。 4 恩赦法(昭和二十二年法律第二十号)第十一条及び更生保護法第九十条の規定は、共助刑の執行の減軽又は免除について準用する。 この場合において、恩赦法第十一条中「有罪の言渡」とあるのは「国際受刑者移送法第十三条の命令」と、「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権」とあるのは「同法第二十五条第二項の規定による共助刑の執行の減軽又は免除」と、更生保護法第九十条第一項中「前条の申出」とあり、及び同条第二項中「特赦、減刑又は刑の執行の免除の申出」とあるのは「国際受刑者移送法第二十五条第一項の申出」と読み替えるものとする。 (外国刑の確定裁判の執行不能等の通知を受けた法務大臣の措置等) 第二十六条 裁判国において受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判(二以上あるときは、それらのすべて)が取り消された場合その他その執行ができなくなった場合において、裁判国からその旨の通知があったときは、法務大臣は、第十三条の命令を撤回し、直ちに、東京地方検察庁検事正に当該受入受刑者の釈放を命じなければならない。 2 東京地方検察庁の検察官は、前項の規定による釈放の命令があったときは、直ちに、当該受入受刑者を釈放しなければならない。 3 第一項に規定する場合を除き、裁判国から、受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑について、減刑その他の事由により当該外国刑の種類又は裁判国において受入受刑者の拘禁をすることができるとされる最終日を変更する旨の通知があったときは、当該通知に基づき、第十六条及び第十七条の定めるところに従い、共助刑の種類及び期間を変更するものとする。 (裁判国に対する通知) 第二十七条 法務大臣は、受入受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、裁判国にその旨を通知しなければならない。 一 共助刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなったとき。 二 共助刑の執行が終わる前に死亡し、又は逃走したとき。 第三章 送出移送 (送出移送の実施) 第二十八条 送出移送は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これをすることができる。 一 送出受刑者の同意がないとき。 二 送出移送犯罪に係る行為が執行国内において行われたとした場合において、その行為が執行国の法令によれば罪に当たるものでないとき。 三 送出移送犯罪について刑事訴訟法第三百五十条の請求又は送出移送犯罪に係る事件について上訴権回復若しくは再審の請求若しくは非常上告の手続が日本国の裁判所に係属するとき。 四 送出移送犯罪について特赦の出願若しくは上申がなされ、又は送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された懲役若しくは禁錮について減刑若しくは刑の執行の免除の出願若しくは上申がなされ、その手続が終了していないとき。 五 送出移送犯罪に係る懲役又は禁錮の確定裁判において罰金、没収又は追徴が併科されている場合において、その執行を終わらず、又は執行を受けないこととなっていないとき。 六 送出移送犯罪以外の罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき、又はその事件について送出受刑者が日本国の裁判所において刑に処せられ、その執行を終わらず、若しくは執行を受けないこととなっていないとき。 (条約の内容の告知) 第二十九条 刑事施設の長は、当該刑事施設に収容されている締約国の国民等に対して言い渡された懲役又は禁錮の裁判が確定したときは、速やかに、その者に対し条約に定める事項のうち重要なものを告知しなければならない。 締約国の国民等が懲役又は禁錮の裁判を言い渡されその確定裁判の執行のため刑事施設に収容されたときも、同様とする。 (送出受刑者に対する通知) 第三十条 法務大臣は、送出受刑者が送出移送の申出をした場合において、条約に基づき日本国が当該送出受刑者の執行国となるべき国に対し行うこととされる通知をしたときは、当該送出受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 (送出受刑者の同意) 第三十一条 送出受刑者は、第二十八条第一号の同意をするときは、その収容されている刑事施設の長又はその指定する職員の立会いの下に、法務省令で定める事項を記載した書面に署名押印しなければならない。 2 刑事施設の長は、送出受刑者が前項の書面に署名押印したときは、速やかに、当該書面を法務大臣に提出しなければならない。 (同意の確認のための接見) 第三十二条 刑事施設の長は、締約国の大使、公使、領事官その他領事任務を遂行する者又は締約国が指定する当該締約国の公務員が、条約に基づき送出受刑者が送出移送に同意しているかどうかを確認するためにその者との接見を求めるときは、これを許さなければならない。 2 前項の接見は、法令の範囲内で行うものとする。 (執行国に対する送出移送の要請) 第三十三条 法務大臣は、第二十八条各号のいずれにも該当せず、かつ、相当であると認めるときは、執行国に対し送出移送の要請をすることができる。 2 法務大臣は、前項の要請をしようとするときは、あらかじめ外務大臣の意見を聴かなければならない。 (法務大臣の送出移送決定等) 第三十四条 法務大臣は、執行国から送出移送の要請があった場合において第二十八条各号のいずれにも該当しないとき、又は前条第一項の規定により執行国に対し送出移送の要請をした場合において執行国から要請に応ずる旨の通知があったときは、送出移送の決定をしなければならない。 ただし、送出移送をすることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 法務大臣は、前項の決定をしたときは、送出受刑者が収容されている刑事施設の長に対し、当該決定に係る引渡しを命じなければならない。 3 法務大臣は、第一項ただし書の規定により送出移送をしないこととするときは、あらかじめ外務大臣と協議しなければならない。 (送出受刑者に対する通知) 第三十五条 法務大臣は、第三十三条第一項の規定により執行国に対し送出移送の要請をしたとき及び前条第二項の規定により引渡しの命令をしたときは、当該送出受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 執行国から要請があった場合又は第三十一条第一項の規定に基づく送出受刑者の同意があった場合において、送出移送をしないこととしたときも、同様とする。 (送出移送の実施に関する準用規定) 第三十六条 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第十六条第一項、第三項及び第四項、第十九条第一項、第二十条第一項並びに第二十一条の規定は、第三十四条第二項の命令により送出受刑者を執行国に引き渡す場合について準用する。 この場合において、同法第十六条第一項中「第十四条第一項の規定による引渡の命令」とあり、及び同法第二十条第一項中「第十七条第一項又は第五項の規定による逃亡犯罪人の引渡の指揮」とあるのは「国際受刑者移送法第三十四条第二項の命令」と、同法第十六条第四項中「逃亡犯罪人の氏名、引渡犯罪名、請求国の名称、引渡の場所、引渡の期限及び発付の年月日」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第十号の送出受刑者(以下「送出受刑者」という。)の氏名、年齢、国籍、同法第二条第八号の執行国(以下「執行国」という。)の名称、同法第二条第十二号の送出移送犯罪の名称、刑名、刑期、引渡日及び引渡しの場所」と、同法第十九条第一項中「第十六条第三項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十六条の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第十六条第三項」と、同法第十九条第一項、第二十条第一項及び第二十一条中「請求国」とあるのは「執行国」と、同法第二十条第一項中「示して逃亡犯罪人の」とあるのは「示して送出受刑者の」と、「逃亡犯罪人を」とあるのは「送出受刑者を」と、同法第二十一条中「前条第一項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十六条の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第二十条第一項」と、「逃亡犯罪人」とあるのは「送出受刑者」と読み替えるものとする。 (送出移送をした場合における懲役又は禁錮の執行の終了) 第三十七条 送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された懲役又は禁錮の執行は、執行国においてその執行の共助が終わった日の午前零時に応当する日本国における時刻の属する日に終了したものとする。 (執行国に対する通知) 第三十八条 法務大臣は、送出受刑者が第三十四条第二項の命令により執行国に引き渡された後に、その者について次の各号のいずれかの事由が生じた場合には、直ちに、執行国にその旨を通知しなければならない。 一 刑事訴訟法第三百五十条の請求、上訴権回復、再審、非常上告又は同法第五百二条の申立ての手続により、送出移送犯罪に係る懲役若しくは禁錮の確定裁判の執行をすることができなくなったとき、又は刑の種類若しくは送出受刑者を拘禁することができる最終日に変更が生じたとき。 二 送出移送犯罪について大赦、特赦若しくは政令による減刑又は送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された懲役若しくは禁錮について減刑若しくは刑の執行の免除があったとき。 第四章 雑則 (受入受刑者の送還) 第三十九条 法務大臣は、第十三条の命令により裁判国から引渡しを受けた受入受刑者(第二十一条の規定により適用される刑法第二十八条又はこの法律第二十二条の規定により仮釈放中の者を除く。)について、受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判の再審の審判に出頭する場合その他やむを得ない事情があると認める場合において、裁判国からの要請があるときは、当該受入受刑者が収容されている刑事施設の長に対し、裁判国への引渡し(以下本条において「送還」という。)を命ずることができる。 2 法務大臣は、前項の規定により送還の命令をしたときは、当該受入受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 3 第一項の命令により送還をしたときは、受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判の執行の共助は終了するものとする。 4 逃亡犯罪人引渡法第十六条第一項、第三項及び第四項、第十九条第一項、第二十条第一項並びに第二十一条の規定は、第一項の命令により送還をする場合について準用する。 この場合において、同法第十六条第一項中「第十四条第一項の規定による引渡の命令」とあり、及び同法第二十条第一項中「第十七条第一項又は第五項の規定による逃亡犯罪人の引渡の指揮」とあるのは「国際受刑者移送法第三十九条第一項の命令」と、同法第十六条第四項中「逃亡犯罪人の氏名、引渡犯罪名、請求国の名称、引渡の場所、引渡の期限及び発付の年月日」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第九号の受入受刑者(以下「受入受刑者」という。)の氏名、年齢、同法第二条第七号の裁判国(以下「裁判国」という。)の名称、同法第二条第十一号の受入移送犯罪の名称、同法第二条第一号の外国刑の刑期、引渡日及び引渡しの場所」と、同法第十九条第一項中「第十六条第三項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十九条第四項の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第十六条第三項」と、同法第十九条第一項、第二十条第一項及び第二十一条中「請求国」とあるのは「裁判国」と、同法第二十条第一項中「示して逃亡犯罪人の」とあるのは「示して受入受刑者の」と、「逃亡犯罪人を」とあるのは「受入受刑者を」と、同法第二十一条中「前条第一項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十九条第四項の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第二十条第一項」と、「逃亡犯罪人」とあるのは「受入受刑者」と読み替えるものとする。 (執行国における拘禁等の取扱い) 第四十条 第三十四条第二項の命令により執行国に引渡しをした者であって、次に掲げるものについて、日本国において送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された懲役又は禁錮の執行をするときは、執行国において当該確定裁判の執行の共助としての拘禁をしたとされる期間については、当該懲役又は禁錮の執行を受け終えたものとする。 一 送出移送犯罪に係る懲役又は禁錮の確定裁判の再審の審判に出頭するため、執行国から引渡しを受けた者 二 逃走その他の事由により執行国による送出移送犯罪に係る懲役又は禁錮の確定裁判の執行の共助としての拘禁、保護観察その他これに相当する措置を行うことができなくなった者 (刑法第五条ただし書の特則) 第四十一条 第十三条の命令により裁判国から引渡しを受けた日本国民等を、その引渡し後に公訴が提起された受入移送犯罪に係る事件について刑に処するときは、刑法第五条ただし書の規定にかかわらず、その刑の執行を免除するものとする。 第四十二条 削除 (受入移送に関する費用) 第四十三条 第十三条の命令により裁判国から受入受刑者の引渡しを受けた場合において、当該受入受刑者を裁判国から日本国に護送するために要した費用のうち、日本国が支出した受入受刑者に係る交通費は、受入受刑者の負担とする。 ただし、法務大臣は、受入受刑者が貧困のためこれを完納することができないことが明らかであるときは、政令で定めるところにより、その全部又は一部を免除することができる。 (出入国管理及び難民認定法等の特則) 第四十四条 特別永住者が第十三条の命令により本邦に上陸した場合には、当該特別永住者は、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第九条第一項の規定による上陸許可の証印を受けて上陸したものとみなす。 2 第三十四条第二項の命令により本邦から出国した送出受刑者に対して入管法第四十七条第五項後段(入管法第四十八条第十項及び第四十九条第七項において準用する場合を含む。)の規定により退去強制令書が発付されていた場合には、当該送出受刑者は、入管法第五条第一項第五号の二、第九号及び第十号の適用については、当該退去強制令書により本邦からの退去を強制された者とみなす。 この場合において、同項第九号中「退去の日から」とあるのは、「出国した日から」と読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第四十五条 この法律に定めるもののほか、東京地方裁判所の審査に関する手続について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (通過護送の承認に関する法務大臣の措置) 第四十六条 法務大臣は、外国から外交機関を経由して、当該外国の官憲が、当該外国又は他の外国において外国刑の確定裁判を受けた者を、その執行の共助のために、日本国内を通過して護送することの承認の要請があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを承認することができる。 一 当該外国刑の確定裁判により認められた犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。 二 当該外国刑の確定裁判を受けた者が日本国民であるとき。 2 法務大臣は、外国刑の確定裁判を受けた者について、条約に基づき、締約国から前項の承認の要請があったときは、同項各号のいずれかに該当する場合を除き、これを承認しなければならない。 3 法務大臣は、第一項の承認をするかどうかについてあらかじめ外務大臣と協議しなければならない。 (施行細則) 第四十七条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施の手続その他その執行について必要な細則は、法務省令で定める。 | 刑事 |
Heisei | Act | 414AC0000000066_20250601_504AC0000000068.xml | 平成十四年法律第六十六号 | 2 | 国際受刑者移送法
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、外国において外国刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている日本国民等及び日本国において拘禁刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている外国人について、国際的な協力の下に、その本国において当該確定裁判の執行の共助をすることにより、その改善更生及び円滑な社会復帰を促進することの重要性に鑑み、並びに日本国が締結した刑を言い渡された者の移送及び確定裁判の執行の共助について定める条約(以下単に「条約」という。)を実施するため、当該日本国民等が受けた外国刑の確定裁判及び当該外国人が受けた拘禁刑の確定裁判の執行の共助等について必要な事項を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 外国刑 拘禁刑に相当する外国の法令による刑をいう。 二 共助刑 受入移送犯罪に係る確定裁判の執行の共助として日本国が執行する外国刑をいう。 三 日本国民等 日本の国籍を有する者及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)をいう。 四 締約国の国民等 条約の締約国たる外国(以下「締約国」という。)の国籍を有する者及び条約に基づき当該締約国がその国民とみなす者をいう。 五 受入移送 条約に基づき、締約国において外国刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている日本国民等の引渡しを当該締約国から受けて、当該確定裁判の執行の共助をすることをいう。 六 送出移送 条約に基づき、日本国において拘禁刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている締約国の国民等を日本国から当該締約国に引き渡して、当該確定裁判の執行の共助を嘱託することをいう。 七 裁判国 日本国から受入移送の要請をしようとする締約国及び日本国からその要請をした締約国並びに日本国に対してその要請をした締約国をいう。 八 執行国 日本国から送出移送の要請をしようとする締約国及び日本国からその要請をした締約国並びに日本国に対してその要請をした締約国をいう。 九 受入受刑者 裁判国において外国刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている日本国民等及び受入移送により引渡しを受けた日本国民等であって外国刑の確定裁判の執行の共助が終わるまでの者をいう。 十 送出受刑者 日本国において拘禁刑の確定裁判を受けその執行として拘禁されている締約国の国民等及び送出移送により引き渡した締約国の国民等であって拘禁刑の確定裁判の執行の共助が終わるまでの者をいう。 十一 受入移送犯罪 受入移送において執行の共助の対象とされる外国刑の確定裁判により受入受刑者が犯したものと認められた犯罪をいう。 十二 送出移送犯罪 送出移送において執行の共助の対象とされる拘禁刑の確定裁判により送出受刑者が犯したものと認められた犯罪をいう。 (要請の発受等) 第三条 受入移送及び送出移送の要請の発受並びに条約の実施に関し必要な締約国との間の文書及び通知の発受は、外務大臣が行う。 ただし、緊急その他特別の事情がある場合において、外務大臣が同意したときは、法務大臣が行うものとする。 (要請を受けた外務大臣の措置) 第四条 外務大臣は、締約国から受入移送又は送出移送の要請を受理したときは、要請書に関係書類を添付し、意見を付して法務大臣に送付しなければならない。 第二章 受入移送 (受入移送の実施) 第五条 受入移送は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これをすることができる。 一 受入受刑者の同意がないとき。 二 受入受刑者が十四歳に満たないとき。 三 受入移送犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば拘禁刑以上の刑が定められている罪に当たるものでないとき。 四 受入移送犯罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき、又はその事件について、日本国の裁判所において言い渡された無罪の裁判が確定したとき、日本国の裁判所において拘禁刑以上の刑に処せられその刑の全部若しくは一部の執行を受けたとき若しくはその刑の全部の執行を受けないこととなっていないとき。 (同意の確認) 第六条 前条第一号の同意は、次の各号のいずれかに掲げる職員が確認するものとする。 この場合において、当該職員は、受入受刑者をして、第十六条及び第十七条の規定に関する事項その他法務省令で定める事項を記載した書面に、当該職員の面前で、署名押印させるものとする。 一 法務大臣の委任を受けた外国に駐在する日本国の大使、公使若しくは領事官又はこれらの者が指定する職員 二 法務大臣が指定する職員 (法務大臣の措置) 第七条 法務大臣は、裁判国から受入移送の要請があった場合において、第五条各号のいずれにも該当せず、かつ、要請に応ずることが相当であると認めるときは、東京地方検察庁検事正に対し関係書類を送付して、受入移送をすることができる場合に該当するかどうかについて東京地方裁判所に審査の請求をすることを命じなければならない。 2 裁判国から受入移送の要請がない場合において、法務大臣が、第五条各号のいずれにも該当せず、かつ、裁判国に対し受入移送の要請をすることが相当であると認めるときも、前項と同様とする。 3 法務大臣は、前項の規定に基づき審査の請求をすることを命じようとするときは、あらかじめ外務大臣の意見を聴かなければならない。 (審査の請求) 第八条 東京地方検察庁の検察官は、前条第一項又は第二項の命令があったときは、速やかに、東京地方裁判所に対し、受入移送をすることができる場合に該当するかどうかについて審査の請求をしなければならない。 2 前項の審査の請求は書面で行い、当該書面に関係書類を添付しなければならない。 (東京地方裁判所の審査) 第九条 東京地方裁判所は、前条の審査の請求を受けたときは、速やかに、審査を開始し、決定をするものとする。 (東京地方裁判所の決定) 第十条 東京地方裁判所は、前条の規定による審査の結果に基づいて、次の区別に従い、決定をしなければならない。 一 審査の請求が不適法であるときは、これを却下する決定 二 受入移送をすることができない場合に該当するときは、その旨の決定 三 受入移送をすることができる場合に該当するときは、その旨の決定 2 東京地方裁判所は、前項の決定をしたときは、速やかに、東京地方検察庁の検察官に裁判書の謄本を送達するとともに、関係書類を返還しなければならない。 (裁判書の謄本等の法務大臣への提出) 第十一条 東京地方検察庁検事正は、前条第二項の規定により、裁判書の謄本が東京地方検察庁の検察官に送達されたときは、速やかに、関係書類とともに、これを法務大臣に提出しなければならない。 (裁判国に対する受入移送の要請) 第十二条 法務大臣は、裁判国から受入移送の要請がない場合において、第十条第一項第三号の決定があり、かつ、相当であると認めるときは、裁判国に対し受入移送の要請をすることができる。 (法務大臣の受入移送命令) 第十三条 法務大臣は、裁判国から受入移送の要請があった場合において第十条第一項第三号の決定があったとき、又は前条の規定により裁判国に対し受入移送の要請をした場合において裁判国から要請に応ずる旨の通知があったときは、東京地方検察庁検事正に対し、当該要請に係る受入移送を命じなければならない。 ただし、受入移送を命ずることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 (受入受刑者に対する通知) 第十四条 法務大臣は、第十二条の規定により裁判国に対して受入移送の要請をしたとき及び前条の規定により受入移送の命令をしたときは、当該受入受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 裁判国から要請があった場合又は第六条の規定に基づき受入受刑者の同意を確認した場合において、受入移送をしないこととしたときも、同様とする。 (受入移送命令の方式) 第十五条 第十三条の命令は書面によるものとし、当該書面に関係書類の謄本を添付しなければならない。 2 前項の書面には、受入受刑者の氏名、年齢、裁判国の名称、受入移送犯罪の名称、外国刑の刑期、引渡しを受ける日及び場所並びに引致すべき刑事施設を記載し、法務大臣が記名押印しなければならない。 (共助刑の執行方法) 第十六条 第十三条の命令により裁判国から受入受刑者の引渡しを受けたときは、当該受入受刑者を刑事施設に拘置することにより、受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判の執行の共助をするものとする。 この場合において、当該受入受刑者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。 2 受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑が二以上あるときは、これらを一の共助刑として執行する。 (共助刑の期間) 第十七条 共助刑の期間は、次の各号に掲げる受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の区分に応じ、当該各号に掲げるものとする。 一 外国刑(二以上あるときは、そのいずれか)が無期であるとき 無期 二 前号に掲げる場合に該当しないとき 次のイ又はロに掲げる裁判国において当該外国刑の執行が開始された日(二以上あるときは、当該日のうち最も早い日。以下同じ。)から受入受刑者の拘禁をすることができるとされる最終日までの日数(裁判国においてその執行としての拘禁をしていないとされる日数を除く。)の区分に応じ、当該イ又はロに定める期間 イ 裁判国において当該外国刑の執行が開始された日から三十年を経過する日までの日数を超えるとき 当該三十年を経過する日までの日数 ロ 裁判国において当該外国刑の執行が開始された日から三十年を経過する日までの日数を超えないとき 当該最終日までの日数 2 受入受刑者が十八歳に満たないときに共助刑に係る外国刑(二以上あるときは、それらの全て)の言渡しを受けた者である場合における前項の規定の適用については、同項第二号中「三十年」とあるのは、「二十年」とする。 (共助刑の刑期の計算) 第十八条 共助刑の刑期は、裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行が開始された日(二以上あるときは、当該日のうち最も早い日)の午前零時に応当する日本国における時刻の属する日から起算する。 2 裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行としての拘禁をしていないとされる日数及び第十三条の命令により裁判国から受入受刑者の引渡しを受けた後に当該受入受刑者を拘禁していない日数は、共助刑の刑期に算入しない。 (受入収容状の発付等) 第十九条 東京地方検察庁の検察官は、第十三条の命令があったときは、受入収容状を発しなければならない。 2 前項の受入収容状には、第十五条第二項に掲げる事項を記載し、東京地方検察庁の検察官が記名押印しなければならない。 3 第一項の受入収容状は、 勾 こう 引状と同一の効力を有するものとし、東京地方検察庁の検察官の指揮によって刑事施設の長又はその指名する刑事施設の職員が執行する。 4 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第七十三条第一項前段及び第七十四条の規定は、第一項の受入収容状の執行について準用する。 この場合において、これらの規定中「被告人」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第九号の受入受刑者」と、同法第七十三条第一項前段中「勾引状」とあり、及び同法第七十四条中「勾引状又は勾留状」とあるのは「国際受刑者移送法第十九条第一項の受入収容状」と、同法第七十三条第一項前段中「裁判所その他の場所」とあるのは「刑事施設」と読み替えるものとする。 (共助刑の執行指揮) 第二十条 共助刑の執行は、東京地方検察庁の検察官が指揮する。 2 前項の指揮は書面で行い、当該書面に第十五条第一項の書面の謄本及び関係書類の謄本を添付しなければならない。 (刑法等の適用) 第二十一条 共助刑の執行に関しては、第十六条第一項の規定による共助刑の執行を受ける者を拘禁刑に処せられた者と、共助刑を拘禁刑とそれぞれみなして、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二十二条、第二十四条、第二十八条、第二十九条、第三十一条から第三十三条まで及び第三十四条第一項、刑事訴訟法第四百七十四条、第四百八十条から第四百八十二条まで、第四百八十四条から第四百八十五条まで、第四百八十六条から第四百八十九条まで、第五百二条から第五百四条まで、第五百七条から第五百十条まで、第五百十二条、第五百十三条第一項、第二項及び第九項から第十一項まで並びに第五百十四条から第五百十六条まで、少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第二条第一項、第二十七条第一項、第五十六条、第五十七条、第六十一条、第六十七条第四項(第五十六条第一項及び第二項に係る部分に限る。)及び第六十八条本文並びに更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第三条、第四条第二項、第十一条から第十四条まで、第十六条、第二十三条から第三十条まで、第三十三条、第三十四条第一項、第三十五条から第四十条まで、第四十八条、第四十九条第一項及び第三項、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第二項及び第三項、第五十三条第二項及び第三項、第五十四条第二項、第五十五条から第五十八条まで、第六十条から第六十五条の四まで、第七十五条から第七十七条まで、第八十二条、第八十四条から第八十八条の二まで並びに第九十一条から第九十八条までの規定を適用する。 この場合において、刑法第二十八条中「三分の一」とあるのは「三分の一(国際受刑者移送法第二条第七号の裁判国(以下「裁判国」という。)において同法第二条第十一号の受入移送犯罪(以下「受入移送犯罪」という。)に係る確定裁判において言い渡された同法第二条第一号の外国刑(以下「外国刑」という。)の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)」と、「十年」とあるのは「十年(裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)」と、同法第三十二条中「刑の言渡しが確定した後」とあるのは「国際受刑者移送法第十三条の命令により裁判国から引渡しを受けた後」と、刑事訴訟法第四百七十四条中「二以上の」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第二号の共助刑(以下「共助刑」という。)と」と、「その重いもの」とあり、及び「重い刑」とあるのは「共助刑」と、「他の刑」とあるのは「主刑」と、同法第四百八十条及び第四百八十二条中「刑の言渡しをした裁判所に対応する検察庁」とあるのは「東京地方検察庁」と、同法第四百八十七条中「刑名」とあるのは「刑名(共助刑である場合はその旨)」と、同法第五百二条中「裁判の執行を受ける者」とあるのは「共助刑の執行を受ける者」と、「言渡しをした裁判所」とあるのは「東京地方裁判所」と、同法第五百十三条第一項中「裁判の執行を受ける者若しくは裁判の執行の対象となるものの所在若しくは状況に関する資料、裁判の執行を受ける者の資産に関する資料、裁判の執行の対象となるもの若しくは裁判の執行を受ける者の財産を管理するために使用されている物又は第四百九十条第二項の規定によりその規定に従うこととされる民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により金銭の支払を目的とする債権についての強制執行の目的となる物若しくはそれ以外の物であつて当該強制執行の手続において執行官による取上げの対象となるべきもの」とあるのは「共助刑の執行を受ける者の所在又は状況に関する資料」と、少年法第二十七条第一項中「保護処分の継続中、本人に対して有罪判決が確定した」とあり、及び同法第五十七条中「保護処分の継続中、拘禁刑又は拘留の刑が確定した」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第二号の共助刑の執行を受ける者が保護処分の継続中である」とし、その他これらの規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。 (仮釈放の特則) 第二十二条 十八歳に満たないときに共助刑に係る外国刑(二以上あるときは、それらの全て)の言渡しを受けた受入受刑者については、次の期間(裁判国において当該外国刑の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)を経過した後、仮釈放をすることができる。 一 無期の共助刑については七年 二 有期の共助刑については、その刑期の三分の一 (施設の長の通告義務の特則) 第二十三条 刑事施設の長は、第二十条第一項の指揮があった場合において、受入受刑者が第二十一条の規定により適用される刑法第二十八条又はこの法律第二十二条に掲げる期間を既に経過しているときは、速やかに、その旨を地方更生保護委員会に通告しなければならない。 (仮釈放期間の終了の特則) 第二十四条 第二十二条に規定する受入受刑者が無期の共助刑についての仮釈放後、その処分を取り消されないで十年を経過したときは、共助刑の執行を受け終わったものとする。 2 第二十二条に規定する受入受刑者が有期の共助刑についての仮釈放後、その処分を取り消されないで仮釈放前に共助刑の執行を受けた期間(裁判国において受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑の執行としての拘禁をしたとされる日数を含む。)と同一の期間又は共助刑の刑期を経過したときは、そのいずれか早い時期において、共助刑の執行を受け終わったものとする。 (共助刑の執行の減軽等) 第二十五条 中央更生保護審査会は、法務大臣に対し、受入受刑者に対する共助刑の執行の減軽又は免除の実施について申出をすることができる。 2 法務大臣は、前項の申出があったときは、当該受入受刑者に対して共助刑の執行の減軽又は免除をすることができる。 3 法務大臣は、前項の規定により共助刑の執行の減軽又は免除をしたときは、共助刑の執行の減軽状又は共助刑の執行の免除状を当該受入受刑者に下付しなければならない。 4 恩赦法(昭和二十二年法律第二十号)第十一条及び更生保護法第九十条の規定は、共助刑の執行の減軽又は免除について準用する。 この場合において、恩赦法第十一条中「有罪の言渡」とあるのは「国際受刑者移送法第十三条の命令」と、「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権」とあるのは「同法第二十五条第二項の規定による共助刑の執行の減軽又は免除」と、更生保護法第九十条第一項中「前条の申出」とあり、及び同条第二項中「特赦、減刑又は刑の執行の免除の申出」とあるのは「国際受刑者移送法第二十五条第一項の申出」と読み替えるものとする。 (外国刑の確定裁判の執行不能等の通知を受けた法務大臣の措置等) 第二十六条 裁判国において受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判(二以上あるときは、それらの全て)が取り消された場合その他その執行ができなくなった場合において、裁判国からその旨の通知があったときは、法務大臣は、第十三条の命令を撤回し、直ちに、東京地方検察庁検事正に当該受入受刑者の釈放を命じなければならない。 2 東京地方検察庁の検察官は、前項の規定による釈放の命令があったときは、直ちに、当該受入受刑者を釈放しなければならない。 3 第一項に規定する場合を除き、裁判国から、受入移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された外国刑について、減刑その他の事由により裁判国において受入受刑者の拘禁をすることができるとされる最終日を変更する旨の通知があったときは、当該通知に基づき、第十七条の定めるところに従い、共助刑の期間を変更するものとする。 (裁判国に対する通知) 第二十七条 法務大臣は、受入受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、裁判国にその旨を通知しなければならない。 一 共助刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなったとき。 二 共助刑の執行が終わる前に死亡し、又は逃走したとき。 第三章 送出移送 (送出移送の実施) 第二十八条 送出移送は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これをすることができる。 一 送出受刑者の同意がないとき。 二 送出移送犯罪に係る行為が執行国内において行われたとした場合において、その行為が執行国の法令によれば罪に当たるものでないとき。 三 送出移送犯罪について刑事訴訟法第三百五十条の請求又は送出移送犯罪に係る事件について上訴権回復若しくは再審の請求若しくは非常上告の手続が日本国の裁判所に係属するとき。 四 送出移送犯罪について特赦の出願若しくは上申がなされ、又は送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された拘禁刑について減刑若しくは刑の執行の免除の出願若しくは上申がなされ、その手続が終了していないとき。 五 送出移送犯罪に係る拘禁刑の確定裁判において罰金、没収又は追徴が併科されている場合において、その執行を終わらず、又は執行を受けないこととなっていないとき。 六 送出移送犯罪以外の罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき、又はその事件について送出受刑者が日本国の裁判所において刑に処せられ、その執行を終わらず、若しくは執行を受けないこととなっていないとき。 (条約の内容の告知) 第二十九条 刑事施設の長は、当該刑事施設に収容されている締約国の国民等に対して言い渡された拘禁刑の裁判が確定したときは、速やかに、その者に対し条約に定める事項のうち重要なものを告知しなければならない。 締約国の国民等が拘禁刑の裁判を言い渡されその確定裁判の執行のため刑事施設に収容されたときも、同様とする。 (送出受刑者に対する通知) 第三十条 法務大臣は、送出受刑者が送出移送の申出をした場合において、条約に基づき日本国が当該送出受刑者の執行国となるべき国に対し行うこととされる通知をしたときは、当該送出受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 (送出受刑者の同意) 第三十一条 送出受刑者は、第二十八条第一号の同意をするときは、その収容されている刑事施設の長又はその指定する職員の立会いの下に、法務省令で定める事項を記載した書面に署名押印しなければならない。 2 刑事施設の長は、送出受刑者が前項の書面に署名押印したときは、速やかに、当該書面を法務大臣に提出しなければならない。 (同意の確認のための接見) 第三十二条 刑事施設の長は、締約国の大使、公使、領事官その他領事任務を遂行する者又は締約国が指定する当該締約国の公務員が、条約に基づき送出受刑者が送出移送に同意しているかどうかを確認するためにその者との接見を求めるときは、これを許さなければならない。 2 前項の接見は、法令の範囲内で行うものとする。 (執行国に対する送出移送の要請) 第三十三条 法務大臣は、第二十八条各号のいずれにも該当せず、かつ、相当であると認めるときは、執行国に対し送出移送の要請をすることができる。 2 法務大臣は、前項の要請をしようとするときは、あらかじめ外務大臣の意見を聴かなければならない。 (法務大臣の送出移送決定等) 第三十四条 法務大臣は、執行国から送出移送の要請があった場合において第二十八条各号のいずれにも該当しないとき、又は前条第一項の規定により執行国に対し送出移送の要請をした場合において執行国から要請に応ずる旨の通知があったときは、送出移送の決定をしなければならない。 ただし、送出移送をすることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 法務大臣は、前項の決定をしたときは、送出受刑者が収容されている刑事施設の長に対し、当該決定に係る引渡しを命じなければならない。 3 法務大臣は、第一項ただし書の規定により送出移送をしないこととするときは、あらかじめ外務大臣と協議しなければならない。 (送出受刑者に対する通知) 第三十五条 法務大臣は、第三十三条第一項の規定により執行国に対し送出移送の要請をしたとき及び前条第二項の規定により引渡しの命令をしたときは、当該送出受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 執行国から要請があった場合又は第三十一条第一項の規定に基づく送出受刑者の同意があった場合において、送出移送をしないこととしたときも、同様とする。 (送出移送の実施に関する準用規定) 第三十六条 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第十六条第一項、第三項及び第四項、第十九条第一項、第二十条第一項並びに第二十一条の規定は、第三十四条第二項の命令により送出受刑者を執行国に引き渡す場合について準用する。 この場合において、同法第十六条第一項中「第十四条第一項の規定による引渡の命令」とあり、及び同法第二十条第一項中「第十七条第一項又は第五項の規定による逃亡犯罪人の引渡の指揮」とあるのは「国際受刑者移送法第三十四条第二項の命令」と、同法第十六条第四項中「逃亡犯罪人の氏名、引渡犯罪名、請求国の名称、引渡の場所、引渡の期限及び発付の年月日」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第十号の送出受刑者(以下「送出受刑者」という。)の氏名、年齢、国籍、同法第二条第八号の執行国(以下「執行国」という。)の名称、同法第二条第十二号の送出移送犯罪の名称、刑名、刑期、引渡日及び引渡しの場所」と、同法第十九条第一項中「第十六条第三項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十六条の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第十六条第三項」と、同法第十九条第一項、第二十条第一項及び第二十一条中「請求国」とあるのは「執行国」と、同法第二十条第一項中「示して逃亡犯罪人の」とあるのは「示して送出受刑者の」と、「逃亡犯罪人を」とあるのは「送出受刑者を」と、同法第二十一条中「前条第一項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十六条の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第二十条第一項」と、「逃亡犯罪人」とあるのは「送出受刑者」と読み替えるものとする。 (送出移送をした場合における拘禁刑の執行の終了) 第三十七条 送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された拘禁刑の執行は、執行国においてその執行の共助が終わった日の午前零時に応当する日本国における時刻の属する日に終了したものとする。 (執行国に対する通知) 第三十八条 法務大臣は、送出受刑者が第三十四条第二項の命令により執行国に引き渡された後に、その者について次の各号のいずれかの事由が生じた場合には、直ちに、執行国にその旨を通知しなければならない。 一 刑事訴訟法第三百五十条の請求、上訴権回復、再審、非常上告又は同法第五百二条の申立ての手続により、送出移送犯罪に係る拘禁刑の確定裁判の執行をすることができなくなったとき、又は送出受刑者を拘禁することができる最終日に変更が生じたとき。 二 送出移送犯罪について大赦、特赦若しくは政令による減刑又は送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された拘禁刑について減刑若しくは刑の執行の免除があったとき。 第四章 雑則 (受入受刑者の送還) 第三十九条 法務大臣は、第十三条の命令により裁判国から引渡しを受けた受入受刑者(第二十一条の規定により適用される刑法第二十八条又はこの法律第二十二条の規定により仮釈放中の者を除く。)について、受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判の再審の審判に出頭する場合その他やむを得ない事情があると認める場合において、裁判国からの要請があるときは、当該受入受刑者が収容されている刑事施設の長に対し、裁判国への引渡し(以下本条において「送還」という。)を命ずることができる。 2 法務大臣は、前項の規定により送還の命令をしたときは、当該受入受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 3 第一項の命令により送還をしたときは、受入移送犯罪に係る外国刑の確定裁判の執行の共助は終了するものとする。 4 逃亡犯罪人引渡法第十六条第一項、第三項及び第四項、第十九条第一項、第二十条第一項並びに第二十一条の規定は、第一項の命令により送還をする場合について準用する。 この場合において、同法第十六条第一項中「第十四条第一項の規定による引渡の命令」とあり、及び同法第二十条第一項中「第十七条第一項又は第五項の規定による逃亡犯罪人の引渡の指揮」とあるのは「国際受刑者移送法第三十九条第一項の命令」と、同法第十六条第四項中「逃亡犯罪人の氏名、引渡犯罪名、請求国の名称、引渡の場所、引渡の期限及び発付の年月日」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第九号の受入受刑者(以下「受入受刑者」という。)の氏名、年齢、同法第二条第七号の裁判国(以下「裁判国」という。)の名称、同法第二条第十一号の受入移送犯罪の名称、同法第二条第一号の外国刑の刑期、引渡日及び引渡しの場所」と、同法第十九条第一項中「第十六条第三項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十九条第四項の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第十六条第三項」と、同法第十九条第一項、第二十条第一項及び第二十一条中「請求国」とあるのは「裁判国」と、同法第二十条第一項中「示して逃亡犯罪人の」とあるのは「示して受入受刑者の」と、「逃亡犯罪人を」とあるのは「受入受刑者を」と、同法第二十一条中「前条第一項」とあるのは「国際受刑者移送法第三十九条第四項の規定により準用される逃亡犯罪人引渡法第二十条第一項」と、「逃亡犯罪人」とあるのは「受入受刑者」と読み替えるものとする。 (執行国における拘禁等の取扱い) 第四十条 第三十四条第二項の命令により執行国に引渡しをした者であって、次に掲げるものについて、日本国において送出移送犯罪に係る確定裁判において言い渡された拘禁刑の執行をするときは、執行国において当該確定裁判の執行の共助としての拘禁をしたとされる期間については、当該拘禁刑の執行を受け終えたものとする。 一 送出移送犯罪に係る拘禁刑の確定裁判の再審の審判に出頭するため、執行国から引渡しを受けた者 二 逃走その他の事由により執行国による送出移送犯罪に係る拘禁刑の確定裁判の執行の共助としての拘禁、保護観察その他これに相当する措置を行うことができなくなった者 (刑法第五条ただし書の特則) 第四十一条 第十三条の命令により裁判国から引渡しを受けた日本国民等を、その引渡し後に公訴が提起された受入移送犯罪に係る事件について刑に処するときは、刑法第五条ただし書の規定にかかわらず、その刑の執行を免除するものとする。 第四十二条 削除 (受入移送に関する費用) 第四十三条 第十三条の命令により裁判国から受入受刑者の引渡しを受けた場合において、当該受入受刑者を裁判国から日本国に護送するために要した費用のうち、日本国が支出した受入受刑者に係る交通費は、受入受刑者の負担とする。 ただし、法務大臣は、受入受刑者が貧困のためこれを完納することができないことが明らかであるときは、政令で定めるところにより、その全部又は一部を免除することができる。 (出入国管理及び難民認定法等の特則) 第四十四条 特別永住者が第十三条の命令により本邦に上陸した場合には、当該特別永住者は、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第九条第一項の規定による上陸許可の証印を受けて上陸したものとみなす。 2 第三十四条第二項の命令により本邦から出国した送出受刑者に対して入管法第四十七条第五項後段(入管法第四十八条第十項及び第四十九条第七項において準用する場合を含む。)の規定により退去強制令書が発付されていた場合には、当該送出受刑者は、入管法第五条第一項第五号の二、第九号及び第十号の適用については、当該退去強制令書により本邦からの退去を強制された者とみなす。 この場合において、同項第九号中「退去の日から」とあるのは、「出国した日から」と読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第四十五条 この法律に定めるもののほか、東京地方裁判所の審査に関する手続について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (通過護送の承認に関する法務大臣の措置) 第四十六条 法務大臣は、外国から外交機関を経由して、当該外国の官憲が、当該外国又は他の外国において外国刑の確定裁判を受けた者を、その執行の共助のために、日本国内を通過して護送することの承認の要請があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを承認することができる。 一 当該外国刑の確定裁判により認められた犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。 二 当該外国刑の確定裁判を受けた者が日本国民であるとき。 2 法務大臣は、外国刑の確定裁判を受けた者について、条約に基づき、締約国から前項の承認の要請があったときは、同項各号のいずれかに該当する場合を除き、これを承認しなければならない。 3 法務大臣は、第一項の承認をするかどうかについてあらかじめ外務大臣と協議しなければならない。 (施行細則) 第四十七条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施の手続その他その執行について必要な細則は、法務省令で定める。 | 刑事 |
Heisei | Act | 414AC0000000067_20221229_504AC0000000097.xml | 平成十四年法律第六十七号 | 2 | 公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律
(定義) 第一条 この法律において「公衆等脅迫目的の犯罪行為」とは、公衆又は国若しくは地方公共団体若しくは外国政府等(外国の政府若しくは地方公共団体又は条約その他の国際約束により設立された国際機関をいう。)を脅迫する目的をもって行われる犯罪行為であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 一 人を殺害し、若しくは凶器の使用その他人の身体に重大な危害を及ぼす方法によりその身体を傷害し、又は人を略取し、若しくは誘拐し、若しくは人質にする行為 二 航空機又は船舶に係る次に掲げる行為 イ 航行中の航空機を墜落させ、転覆させ、若しくは覆没させ、又はその航行に危険を生じさせる行為 ロ 航行中の船舶を沈没させ、若しくは転覆させ、又はその航行に危険を生じさせる行為 ハ 暴行若しくは脅迫を用い、又はその他の方法により人を抵抗不能の状態に陥れて、航行中の航空機若しくは船舶を強取し、又はほしいままにその運航を支配する行為 ニ 爆発物を爆発させ、放火し、又はその他の方法により、航空機若しくは船舶を破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為 三 爆発物を爆発させ、放火し、又はその他次に掲げるものに重大な危害を及ぼす方法により、これを破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為 イ 電車、自動車その他の人若しくは物の運送に用いる車両であって、公用若しくは公衆の利用に供するもの又はその運行の用に供する施設(ロに該当するものを除く。) ロ 道路、公園、駅その他の公衆の利用に供する施設 ハ 電気若しくはガスを供給するための施設、水道施設若しくは下水道施設又は電気通信を行うための施設であって、公用又は公衆の利用に供するもの ニ 石油、可燃性天然ガス、石炭又は核燃料である物質若しくはその原料となる物質を生産し、精製その他の燃料とするための処理をし、輸送し、又は貯蔵するための施設 ホ 建造物(イからニまでに該当するものを除く。) 2 この法律において「特定犯罪行為」とは、次の各号のいずれかに該当する犯罪行為をいう。 一 国際的に保護される者(国際的に保護される者(外交官を含む。)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約第一条1に規定する国際的に保護される者をいう。第五号において同じ。)を殺害し、若しくは凶器の使用その他その身体に重大な危害を及ぼす方法によりその身体を傷害し、又はその者を略取し、若しくは誘拐し、若しくは人質にする行為 二 人を殺害し、又は凶器の使用その他人の身体に重大な危害を及ぼす方法によりその身体を傷害する行為であって、次のいずれかに該当するもの(前号に該当するものを除く。) イ 航行中の民間航空機(民間航空の用に供する航空機をいう。以下この項において同じ。)内の人に対して行われるもの(当該民間航空機の安全な航行を損なうおそれがあるものに限る。) ロ 航行中の民間船舶(公用に供する船舶以外の船舶をいう。以下この項において同じ。)内の人に対して行われるもの(当該民間船舶の安全な航行を損なうおそれがあるものに限る。) ハ 国際空港(航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第十九項に規定する国際航空運送事業の用に供される飛行場又はこれに相当する外国の飛行場をいう。以下このハ及び第八号ロにおいて同じ。)において行われるもの(当該国際空港における安全を損なうおそれがあるものに限る。) ニ 固定プラットフォーム(大陸棚に所在する固定プラットフォームの安全に対する不法な行為の防止に関する議定書第一条3に規定する固定プラットフォームをいう。以下このニ及び第十号ハにおいて同じ。)において行われるもの(当該固定プラットフォームの安全を損なうおそれがあるものに限る。) 三 公共施設等(前項第三号イからニまでに掲げるもの、同号ホに掲げるもの(公用又は公衆の利用に供するものに限る。)又は人若しくは物の運送に用いる航空機若しくは船舶であって公用若しくは公衆の利用に供するものをいう。)において、次に掲げる方法のいずれかにより、人を殺害し、又は人の身体を傷害する行為(前二号に該当するものを除く。) イ 爆発物を爆発させる方法 ロ 火炎びんの使用等の処罰に関する法律(昭和四十七年法律第十七号)第一条に規定する火炎びんを使用する方法 ハ 細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律(昭和五十七年法律第六十一号)第二条第三項に規定する生物兵器又は同条第四項に規定する毒素兵器を使用して、当該生物兵器又は当該毒素兵器に充塡された同条第一項に規定する生物剤又は同条第二項に規定する毒素を発散させる方法 ニ 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年法律第六十五号)第二条第二項に規定する化学兵器を使用して、当該化学兵器に充塡され、又は当該化学兵器の内部で生成された同条第一項に規定する毒性物質又はこれと同等の毒性を有する物質を発散させる方法 ホ サリン等による人身被害の防止に関する法律(平成七年法律第七十八号)第二条に規定するサリン等を発散させる方法 四 放射線を発散させる等の方法(放射性物質(放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律(平成十九年法律第三十八号)第二条第三項に規定する放射性物質をいう。)をみだりに取り扱うこと若しくは原子核分裂等装置(同条第四項に規定する原子核分裂等装置をいう。)をみだりに操作することにより、又はその他不当な方法で、核燃料物質(同条第一項に規定する核燃料物質をいう。)の原子核分裂の連鎖反応を引き起こし、又は放射線(同条第二項に規定する放射線をいう。)を発散させる方法をいう。第九号において同じ。)により、人を殺害し、又は人の身体を傷害する行為(第一号及び第二号に該当するものを除く。) 五 次のイからホまでに掲げる行為であって、国際的に保護される者の用に供する当該イからホまでに定めるものに関して行われ、当該国際的に保護される者の身体又は自由を害するおそれがあるもの イ 前項第二号イに掲げる行為 同号イに規定する航空機 ロ 前項第二号ロに掲げる行為 同号ロに規定する船舶 ハ 前項第二号ハに掲げる行為 同号ハに規定する航空機又は船舶 ニ 前項第二号ニに掲げる行為 同号ニに規定する航空機又は船舶 ホ 前項第三号に掲げる行為(同号イ、ロ又はホに係る部分に限る。) 同号イ、ロ又はホに掲げるもの 六 前項第二号イ又はハに掲げる行為であって、民間航空機に関して行われるもの(前号(同号イ及びハに係る部分に限る。)に該当するものを除く。) 七 前項第二号ロ又はハに掲げる行為であって、民間船舶に関して行われるもの(第五号(同号ロ及びハに係る部分に限る。)に該当するものを除く。) 八 前項第二号ニに掲げる行為であって、次のいずれかに該当するもの(第五号(同号ニに係る部分に限る。)に該当するものを除く。) イ 民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約第二条(b)の規定により業務中の民間航空機とみなされる民間航空機(ロにおいて「業務中の民間航空機」という。)に関して行われるもの ロ 国際空港にある民間航空機(業務中の民間航空機に該当するものを除く。)に関して行われるもの(当該国際空港における安全を損なうおそれがあるものに限る。) ハ 航行中の民間船舶に関して行われるもの 九 前項第二号ニ又は同項第三号に掲げる行為であって、放射線を発散させる等の方法により行われるもの(第五号(同号ニ及びホに係る部分に限る。)及び前号に該当するものを除く。) 十 爆発物を爆発させ、放火し、又はその他次のイからハまでに掲げるものに重大な危害を及ぼす方法により、これを破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為のうち、当該イからハまでに定めるおそれがあるもの イ 民間航空機の運航の用に供する飛行場の設備又は航空保安施設 民間航空機の安全な航行を損なうおそれ ロ 民間船舶の運航の用に供する航路標識(航路標識法(昭和二十四年法律第九十九号)第一条第二項に規定する航路標識をいう。) 民間船舶の安全な航行を損なうおそれ ハ 固定プラットフォーム 当該固定プラットフォームの安全を損なうおそれ (公衆等脅迫目的の犯罪行為等を実行しようとする者による資金等を提供させる行為) 第二条 公衆等脅迫目的の犯罪行為又は特定犯罪行為(以下「公衆等脅迫目的の犯罪行為等」という。)を実行しようとする者が、その実行のために利用する目的で、資金若しくはその実行に資するその他利益(資金以外の土地、建物、物品、役務その他の利益をいう。以下同じ。)の提供を勧誘し、若しくは要請し、又はその他の方法により、これらの資金又はその他利益を提供させたときは、十二年以下の懲役若しくは千二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。 (公衆等脅迫目的の犯罪行為等を実行しようとする者以外の者による資金等の提供等) 第三条 公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行を容易にする目的で、これを実行しようとする者に対し、資金又はその実行に資するその他利益を提供した者は、十二年以下の懲役又は千二百万円以下の罰金に処する。 2 公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行を容易にする目的で、当該公衆等脅迫目的の犯罪行為等に係る前項の罪を実行しようとする者に対し、資金又は当該公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行に資するその他利益を提供した者は、十年以下の懲役又は千万円以下の罰金に処する。 当該公衆等脅迫目的の犯罪行為等に係る同項の罪を実行しようとする者が、その罪の実行のために利用する目的で、その提供を受けたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 前項後段に規定するもののほか、第一項の罪を実行しようとする者が、その実行のために利用する目的で、資金若しくはその実行に資するその他利益の提供を勧誘し、若しくは要請し、又はその他の方法により、これらの資金又はその他利益を提供させたときは、七年以下の懲役若しくは七百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 前三項の罪の未遂は、罰する。 第四条 前条第一項の罪の実行を容易にする目的で、これを実行しようとする者に対し、資金又はその実行に資するその他利益を提供した者は、七年以下の懲役又は七百万円以下の罰金に処する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。 第五条 前二条に規定するもののほか、公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行のために利用されるものとして、資金又はその他利益を提供した者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 2 第三条に規定するもののほか、公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行のために利用されるものとして、資金若しくはその他利益の提供を勧誘し、若しくは要請し、又はその他の方法により、これらの資金又はその他利益を提供させた者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 前二項の罪の未遂は、罰する。 (自首) 第六条 第二条から前条までの罪を犯した者が当該罪に係る公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行の着手前に自首したときは、その刑を減軽し、又は免除する。 (国外犯) 第七条 第二条から第五条までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条及び第四条の二の例に従う。 (両罰規定) 第八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第二条から第五条までの罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。 | 刑事 |
Heisei | Act | 414AC0000000067_20250601_504AC0000000068.xml | 平成十四年法律第六十七号 | 2 | 公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律
(定義) 第一条 この法律において「公衆等脅迫目的の犯罪行為」とは、公衆又は国若しくは地方公共団体若しくは外国政府等(外国の政府若しくは地方公共団体又は条約その他の国際約束により設立された国際機関をいう。)を脅迫する目的をもって行われる犯罪行為であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 一 人を殺害し、若しくは凶器の使用その他人の身体に重大な危害を及ぼす方法によりその身体を傷害し、又は人を略取し、若しくは誘拐し、若しくは人質にする行為 二 航空機又は船舶に係る次に掲げる行為 イ 航行中の航空機を墜落させ、転覆させ、若しくは覆没させ、又はその航行に危険を生じさせる行為 ロ 航行中の船舶を沈没させ、若しくは転覆させ、又はその航行に危険を生じさせる行為 ハ 暴行若しくは脅迫を用い、又はその他の方法により人を抵抗不能の状態に陥れて、航行中の航空機若しくは船舶を強取し、又はほしいままにその運航を支配する行為 ニ 爆発物を爆発させ、放火し、又はその他の方法により、航空機若しくは船舶を破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為 三 爆発物を爆発させ、放火し、又はその他次に掲げるものに重大な危害を及ぼす方法により、これを破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為 イ 電車、自動車その他の人若しくは物の運送に用いる車両であって、公用若しくは公衆の利用に供するもの又はその運行の用に供する施設(ロに該当するものを除く。) ロ 道路、公園、駅その他の公衆の利用に供する施設 ハ 電気若しくはガスを供給するための施設、水道施設若しくは下水道施設又は電気通信を行うための施設であって、公用又は公衆の利用に供するもの ニ 石油、可燃性天然ガス、石炭又は核燃料である物質若しくはその原料となる物質を生産し、精製その他の燃料とするための処理をし、輸送し、又は貯蔵するための施設 ホ 建造物(イからニまでに該当するものを除く。) 2 この法律において「特定犯罪行為」とは、次の各号のいずれかに該当する犯罪行為をいう。 一 国際的に保護される者(国際的に保護される者(外交官を含む。)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約第一条1に規定する国際的に保護される者をいう。第五号において同じ。)を殺害し、若しくは凶器の使用その他その身体に重大な危害を及ぼす方法によりその身体を傷害し、又はその者を略取し、若しくは誘拐し、若しくは人質にする行為 二 人を殺害し、又は凶器の使用その他人の身体に重大な危害を及ぼす方法によりその身体を傷害する行為であって、次のいずれかに該当するもの(前号に該当するものを除く。) イ 航行中の民間航空機(民間航空の用に供する航空機をいう。以下この項において同じ。)内の人に対して行われるもの(当該民間航空機の安全な航行を損なうおそれがあるものに限る。) ロ 航行中の民間船舶(公用に供する船舶以外の船舶をいう。以下この項において同じ。)内の人に対して行われるもの(当該民間船舶の安全な航行を損なうおそれがあるものに限る。) ハ 国際空港(航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第十九項に規定する国際航空運送事業の用に供される飛行場又はこれに相当する外国の飛行場をいう。以下このハ及び第八号ロにおいて同じ。)において行われるもの(当該国際空港における安全を損なうおそれがあるものに限る。) ニ 固定プラットフォーム(大陸棚に所在する固定プラットフォームの安全に対する不法な行為の防止に関する議定書第一条3に規定する固定プラットフォームをいう。以下このニ及び第十号ハにおいて同じ。)において行われるもの(当該固定プラットフォームの安全を損なうおそれがあるものに限る。) 三 公共施設等(前項第三号イからニまでに掲げるもの、同号ホに掲げるもの(公用又は公衆の利用に供するものに限る。)又は人若しくは物の運送に用いる航空機若しくは船舶であって公用若しくは公衆の利用に供するものをいう。)において、次に掲げる方法のいずれかにより、人を殺害し、又は人の身体を傷害する行為(前二号に該当するものを除く。) イ 爆発物を爆発させる方法 ロ 火炎びんの使用等の処罰に関する法律(昭和四十七年法律第十七号)第一条に規定する火炎びんを使用する方法 ハ 細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律(昭和五十七年法律第六十一号)第二条第三項に規定する生物兵器又は同条第四項に規定する毒素兵器を使用して、当該生物兵器又は当該毒素兵器に充塡された同条第一項に規定する生物剤又は同条第二項に規定する毒素を発散させる方法 ニ 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年法律第六十五号)第二条第二項に規定する化学兵器を使用して、当該化学兵器に充塡され、又は当該化学兵器の内部で生成された同条第一項に規定する毒性物質又はこれと同等の毒性を有する物質を発散させる方法 ホ サリン等による人身被害の防止に関する法律(平成七年法律第七十八号)第二条に規定するサリン等を発散させる方法 四 放射線を発散させる等の方法(放射性物質(放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律(平成十九年法律第三十八号)第二条第三項に規定する放射性物質をいう。)をみだりに取り扱うこと若しくは原子核分裂等装置(同条第四項に規定する原子核分裂等装置をいう。)をみだりに操作することにより、又はその他不当な方法で、核燃料物質(同条第一項に規定する核燃料物質をいう。)の原子核分裂の連鎖反応を引き起こし、又は放射線(同条第二項に規定する放射線をいう。)を発散させる方法をいう。第九号において同じ。)により、人を殺害し、又は人の身体を傷害する行為(第一号及び第二号に該当するものを除く。) 五 次のイからホまでに掲げる行為であって、国際的に保護される者の用に供する当該イからホまでに定めるものに関して行われ、当該国際的に保護される者の身体又は自由を害するおそれがあるもの イ 前項第二号イに掲げる行為 同号イに規定する航空機 ロ 前項第二号ロに掲げる行為 同号ロに規定する船舶 ハ 前項第二号ハに掲げる行為 同号ハに規定する航空機又は船舶 ニ 前項第二号ニに掲げる行為 同号ニに規定する航空機又は船舶 ホ 前項第三号に掲げる行為(同号イ、ロ又はホに係る部分に限る。) 同号イ、ロ又はホに掲げるもの 六 前項第二号イ又はハに掲げる行為であって、民間航空機に関して行われるもの(前号(同号イ及びハに係る部分に限る。)に該当するものを除く。) 七 前項第二号ロ又はハに掲げる行為であって、民間船舶に関して行われるもの(第五号(同号ロ及びハに係る部分に限る。)に該当するものを除く。) 八 前項第二号ニに掲げる行為であって、次のいずれかに該当するもの(第五号(同号ニに係る部分に限る。)に該当するものを除く。) イ 民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約第二条(b)の規定により業務中の民間航空機とみなされる民間航空機(ロにおいて「業務中の民間航空機」という。)に関して行われるもの ロ 国際空港にある民間航空機(業務中の民間航空機に該当するものを除く。)に関して行われるもの(当該国際空港における安全を損なうおそれがあるものに限る。) ハ 航行中の民間船舶に関して行われるもの 九 前項第二号ニ又は同項第三号に掲げる行為であって、放射線を発散させる等の方法により行われるもの(第五号(同号ニ及びホに係る部分に限る。)及び前号に該当するものを除く。) 十 爆発物を爆発させ、放火し、又はその他次のイからハまでに掲げるものに重大な危害を及ぼす方法により、これを破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為のうち、当該イからハまでに定めるおそれがあるもの イ 民間航空機の運航の用に供する飛行場の設備又は航空保安施設 民間航空機の安全な航行を損なうおそれ ロ 民間船舶の運航の用に供する航路標識(航路標識法(昭和二十四年法律第九十九号)第一条第二項に規定する航路標識をいう。) 民間船舶の安全な航行を損なうおそれ ハ 固定プラットフォーム 当該固定プラットフォームの安全を損なうおそれ (公衆等脅迫目的の犯罪行為等を実行しようとする者による資金等を提供させる行為) 第二条 公衆等脅迫目的の犯罪行為又は特定犯罪行為(以下「公衆等脅迫目的の犯罪行為等」という。)を実行しようとする者が、その実行のために利用する目的で、資金若しくはその実行に資するその他利益(資金以外の土地、建物、物品、役務その他の利益をいう。以下同じ。)の提供を勧誘し、若しくは要請し、又はその他の方法により、これらの資金又はその他利益を提供させたときは、十二年以下の拘禁刑若しくは千二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。 (公衆等脅迫目的の犯罪行為等を実行しようとする者以外の者による資金等の提供等) 第三条 公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行を容易にする目的で、これを実行しようとする者に対し、資金又はその実行に資するその他利益を提供した者は、十二年以下の拘禁刑又は千二百万円以下の罰金に処する。 2 公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行を容易にする目的で、当該公衆等脅迫目的の犯罪行為等に係る前項の罪を実行しようとする者に対し、資金又は当該公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行に資するその他利益を提供した者は、十年以下の拘禁刑又は千万円以下の罰金に処する。 当該公衆等脅迫目的の犯罪行為等に係る同項の罪を実行しようとする者が、その罪の実行のために利用する目的で、その提供を受けたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 前項後段に規定するもののほか、第一項の罪を実行しようとする者が、その実行のために利用する目的で、資金若しくはその実行に資するその他利益の提供を勧誘し、若しくは要請し、又はその他の方法により、これらの資金又はその他利益を提供させたときは、七年以下の拘禁刑若しくは七百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 前三項の罪の未遂は、罰する。 第四条 前条第一項の罪の実行を容易にする目的で、これを実行しようとする者に対し、資金又はその実行に資するその他利益を提供した者は、七年以下の拘禁刑又は七百万円以下の罰金に処する。 2 前項の罪の未遂は、罰する。 第五条 前二条に規定するもののほか、公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行のために利用されるものとして、資金又はその他利益を提供した者は、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 2 第三条に規定するもののほか、公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行のために利用されるものとして、資金若しくはその他利益の提供を勧誘し、若しくは要請し、又はその他の方法により、これらの資金又はその他利益を提供させた者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 前二項の罪の未遂は、罰する。 (自首) 第六条 第二条から前条までの罪を犯した者が当該罪に係る公衆等脅迫目的の犯罪行為等の実行の着手前に自首したときは、その刑を減軽し、又は免除する。 (国外犯) 第七条 第二条から第五条までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条及び第四条の二の例に従う。 (両罰規定) 第八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第二条から第五条までの罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。 | 刑事 |
Heisei | CabinetOrder | 414CO0000000349_20240401_505CO0000000163.xml | 平成十四年政令第三百四十九号 | 2 | 国際受刑者移送法施行令
(法第二十一条の規定による刑法等の適用に関する技術的読替え) 第一条 国際受刑者移送法(以下「法」という。)第二十一条の規定による次の表の第一欄に掲げる法律の規定の適用については、同表の第一欄に掲げる法律の同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 刑法(明治四十年法律第四十五号) 第三十二条 その執行 同法第二条第二号の共助刑の執行 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号) 第五百三条 第五百条及び前二条 前条 第五百四条 第五百条、第五百一条及び第五百二条 第五百二条 第五百七条、第五百八条、第五百九条第一項、第五百十条第一項及び第三項、第五百十二条、第五百十四条並びに第五百十五条第四項 裁判の 共助刑の 第五百十三条第一項 「裁判の執行を受ける者」 「共助刑の執行を受ける者」 「裁判の執行」 「共助刑の執行」 第五百十三条第九項及び第十項 第一項及び第六項 第一項 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号) 第五十六条第三項 刑法第十二条第二項又は第十三条第二項 国際受刑者移送法第十六条第一項 第六十一条 家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者 少年のとき犯した国際受刑者移送法第二条第十一号の受入移送犯罪により同条第五号の受入移送による引渡しを受けた者 第六十七条第四項 特定少年 特定少年(十八歳以上の少年をいう。次条において同じ。) 第六十八条本文 特定少年のとき犯した罪により公訴を提起された場合における同条 特定少年のとき犯した国際受刑者移送法第二条第十一号の受入移送犯罪により同条第五号の受入移送による引渡しを受けた場合における第六十一条 更生保護法(平成十九年法律第八十八号) 第二十三条第一項第二号 第三十五条第一項(第四十二条及び第四十七条の三において準用する場合を含む。) 第三十五条第一項 第二十三条第一項第三号 第三十九条第四項(第四十二条及び第四十七条の三において準用する場合を含む。) 第三十九条第四項 第三十三条 少年法第五十八条第一項 国際受刑者移送法第二十二条 第三十九条第一項 刑法第二十八条の規定による仮釈放を許す処分及び同法第三十条の規定による仮出場を許す処分 刑法第二十八条の規定による仮釈放を許す処分 第五十条第一項第三号 第三十九条第三項(第四十二条において準用する場合を含む。)又は第七十八条の二第一項において準用する第六十八条の七第一項 第三十九条第三項 第五十条第一項第四号 第三十九条第三項(第四十二条及び第四十七条の三において準用する場合を含む。)又は第六十八条の七第一項(第七十八条の二第一項において準用する場合を含む。) 第三十九条第三項 第五十条第一項第五号 転居(第四十七条の二の決定又は少年法第六十四条第二項の規定により定められた期間(以下「収容可能期間」という。)の満了により釈放された場合に前号の規定により居住することとされている住居に転居する場合を除く。) 転居 第五十一条第二項 次条に定める場合を除き、第五十二条 第五十二条 第七十二条第一項及び第七十三条の二第一項、刑法第二十六条の二、第二十七条の五及び第二十九条第一項並びに少年法第二十六条の四第一項及び第六十六条第一項 刑法第二十九条第一項 第五十四条第二項 懲役若しくは禁錮の刑の執行のため収容している者を釈放するとき、刑の一部の執行猶予の言渡しを受けてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったこと(その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった時に他に執行すべき懲役又は禁錮の刑があるときは、その刑の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなったこと。次条第二項において同じ。)により保護観察付一部猶予者を釈放するとき、又は第四十一条若しくは第四十七条の二の決定若しくは収容可能期間の満了により保護処分 懲役又は禁錮の刑 第五十五条第二項 懲役若しくは禁錮の刑の執行のため収容している者について第三十九条第一項の決定による釈放の時までに特別遵守事項(その者が保護観察付一部猶予者である場合には、猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を含む。)が定められたとき、保護観察付一部猶予者についてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったことによる釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき、又は保護処分の執行のため収容している者について第四十一条の決定による釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき、若しくは第四十七条の二の決定若しくは収容可能期間の満了 懲役又は禁錮の刑の執行のため収容している者について、第三十九条第一項の決定 第六十三条第八項 第六十八条の三第一項、第七十三条第一項、第七十三条の四第一項、第七十六条第一項又は第八十条第一項 第七十六条第一項 第六十三条第九項 第七十一条の規定による申請、第七十三条の二第一項の決定又は第七十五条第一項の決定 第七十五条第一項の決定 第八十四条 第八十二条第一項、第八十三条及び前条第一項 第八十二条第一項 第八十五条第一項及び第四項並びに第八十六条第二項及び第三項 刑事上の手続 国際受刑者移送法第十三条の規定による命令 第八十五条第一項第二号 懲役、禁錮又は拘留の刑 国際受刑者移送法第二十五条第二項の規定による共助刑 第八十六条第一項 前条第一項各号 前条第一項第一号又は第二号 同項第一号、第二号、第五号又は第九号 同項第一号又は第二号 第八十六条第二項 前条第一項各号 前条第一項第一号又は第二号 第九十七条第一項 特赦、特定の者に対する減刑、刑の執行の免除及び特定の者に対する復権 国際受刑者移送法第二十五条第二項の規定による共助刑の執行の減軽及び免除 (法第四十三条ただし書の規定による交通費の免除) 第二条 法第四十三条ただし書の規定による交通費の免除を受けようとする受入受刑者は、その釈放の時までに、その氏名、免除を求める額その他の法務省令で定める事項を記載した書面を法務大臣に提出して、その申請をしなければならない。 2 前項の免除は、受入受刑者の釈放の時にこれを行う。 ただし、釈放の時に免除を行うことができないやむを得ない事情があるときは、釈放後速やかにこれを行うものとする。 | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 414M60000010037_20231201_505M60000010043.xml | 平成十四年法務省令第三十七号 | 2 | 更生保護施設における処遇の基準等に関する規則
第一章 総則 (趣旨) 第一条 更生保護事業法(以下「法」という。)第四十六条第一項第二号の更生保護施設の規模及び構造の基準、同項第三号の幹部職員の資格又は経験並びに第四十九条の二第四号の更生保護施設における処遇の基準は、この省令の定めるところによる。 (定義) 第二条 この規則において使用する用語は、特別の定めのある場合を除き、法において使用する用語の例による。 第二章 処遇の基準 (処遇規程及び保護の実施) 第三条 更生保護施設においては、その施設で行う処遇の方法を明らかにする規程(以下「処遇規程」という。)を定めなければならない。 2 保護観察所の長から法令の規定に基づく保護の委託を受けたときは、委託の趣旨に従い、かつ、法第四十九条の二及び処遇規程の定めるところにより、速やかにその保護を行わなければならない。 3 被保護者から保護の申出を受けた場合において、当該被保護者が現に改善更生のための保護を必要としていると認めたときは、法第四十九条の二及び処遇規程の定めるところにより、その改善更生のため最も適切と認められる保護を行うものとする。 (処遇の一般原則) 第四条 被保護者に対しては、常に懇切で誠意ある態度で接するほか、次に掲げる事項に留意して個別的又は集団的に処遇しなければならない。 一 法第四十九条の二第二号に規定する処遇の計画(以下「処遇計画」という。)に従って、被保護者に最もふさわしい方法を用いて生活指導又は特定の犯罪的傾向を改善するための援助等を行うことにより、自律及び協調の精神を会得させ、その他健全な社会生活に適応するために必要な態度、習慣及び能力を養わせること。 二 読書の指導、教養講座の開催その他の方法で、被保護者の教養を高めることに努めること。 三 就労の意欲を喚起し、その習慣を身に付けさせるように指導するとともに、被保護者の希望、適性、心身の状況等に十分配慮し、公共職業安定所等の協力を得るなどの方法により、当該被保護者に適した職業が得られるように努めること。 四 浪費を慎み、その所有する金品は、改善更生に役立てるため適切に使用し、又は貯蓄するように指導すること。 五 努めて親族との融和を図るなどして、生活環境の改善又は調整を図ること。 2 被保護者のうち保護観察に付されているものに対し遵守すべき事項を守るように補導するに当たっては、保護観察所の長の処遇の方針に従わなければならない。 (秘密の保持) 第五条 更生保護施設において保護の業務に従事する者は、業務上知り得た被保護者及びその関係者の秘密を保持し、その名誉の尊重に努めなければならない。 (関係機関等との連携) 第六条 更生保護施設においては、処遇の適正を図るため、保護を委託した保護観察所の長と常時密接な連携を保ち、その保護の内容が適当でないか又は十分でないと認めるに至ったときは、速やかに当該保護観察所の長に連絡しなければならない。 2 被保護者に対しては、その改善更生のために、親族からの援助又は公共の衛生福祉に関する機関その他の機関からの保護を受けさせることが適当であると認める場合には、その援助又は保護が受けられるように、あっせんをしなければならない。 (保護の開始) 第七条 保護を始めるに当たっては、速やかに被保護者と面接し、保護の内容を懇切に説明するとともに、自立に向けた更生計画を立てるように指導するものとする。 2 処遇計画は、前項による更生計画のほか、被保護者の身上関係、犯罪及び非行関係、家族関係等を総合的に判断して、保護の開始後速やかに定めるものとする。 3 保護観察所の長の委託に基づいて保護を開始する場合には、処遇計画を定めるに当たり、その意見を聞かなければならない。 4 前各項のほか、被保護者に対し、更生保護施設において守らなければならない事項を説示し、誓約その他の方法によりこれを守らせるように努めるものとする。 (居室の指定) 第八条 被保護者に宿泊場所を供与するときは、健康で規律ある共同生活を維持するため、当該被保護者の性別、年齢、性格、心身の状況、前歴、行状及び処遇の方針に留意して居室(専ら被保護者の宿泊の用に供する部屋をいう。以下同じ。)を指定しなければならない。 (食事) 第九条 被保護者に給与する食事は、衛生的に調理され、健康の維持に必要な熱量と成分を含み、味覚を豊かにしたものでなければならない。 2 食事は、更生保護施設内で調理して給与するものとする。 ただし、被保護者が十分な理由に基づいて外食を希望し、又はやむを得ない事情のため施設内で調理し若しくは給与することができない場合は、この限りでない。 3 更生保護施設内で宿泊場所の供与に併せて給与する食事は、一週間ごとにその献立の予定を立て、予定表を食堂その他の適当な場所に掲示しなければならない。 (清潔の保持) 第十条 被保護者に宿泊場所を供与するときは、身体及び生活環境を清潔に保持するため、次に掲げる事項を実施しなければならない。 一 被保護者を、一週間に三回以上入浴させること。 二 衣類、寝具及び携帯品につき、必要な日光消毒、洗濯、乾燥及び整頓を怠りなく行わせること。 三 食器は、使用の都度よく洗い消毒すること。 四 調理室又は調理場、食堂及び便所には、必要に応じて殺虫剤又は消毒剤を散布すること。 五 前各号に掲げるもののほか、施設の内外にわたり必要な清掃並びに塵芥及び汚物の処理を励行し、施設の衛生の管理に努めること。 (健康の管理) 第十一条 常に被保護者の健康に留意し、これを維持増進させるように努めなければならない。 2 通常の家庭常備薬及び包帯その他の応急手当の材料を備え付けておき、かつ、被保護者が病気になり、又は負傷した場合に速やかに医療機関から診察、治療、入院等の必要な措置を受けられるようにあらかじめ医療機関と協議をするなどの準備を整えておかなければならない。 (被保護者の安全への配慮) 第十一条の二 被保護者の処遇に当たっては、その安全への配慮に努めなければならない。 (レクリエーション) 第十二条 被保護者には、努めて健全なレクリエーションの機会を与えなければならない。 (作業及び作業賃金) 第十三条 更生保護施設において職業訓練その他の作業に従事させた被保護者に支払う賃金については、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の規定に従わなければならない。 (金品の保管) 第十四条 被保護者からその所有する金品の保管の依頼を受ける場合には、当該被保護者に立ち会わせてその種類及び数量を明らかにし、当該被保護者に保管証を交付しなければならない。 2 被保護者から現金又は有価証券の保管の依頼を受け、これを預金し、又は信託するときは、当該被保護者の名義で行い、その通帳等を保管するものとする。 3 前二項の規定により保管した金品は、被保護者の申出があったときは、理由を確かめて当該被保護者に返還するものとする。 (金品の給与及び貸与) 第十五条 保護観察所の長の委託に基づかないで被保護者に金品を給与し、又は貸与するときは、その改善更生を保護する立場から、その使途及び弁済の見込み並びに処遇の公平及び当該被保護者の自助の精神に対する影響を考慮しなければならない。 2 保護観察所の長の委託に基づき、又は基づかないで被保護者に金品を給与し、又は貸与するときは、当該被保護者から受領証又は借用証を受け取るものとする。 3 貸与した金品の返還を受けたときは、それを証する書面を交付しなければならない。 (感染症発生時の処置) 第十六条 更生保護施設内に感染症その他感染性の疾病が発生し、又は発生するおそれがあるときは、直ちに医師又は保健所に連絡してその指示を受け、病者に治療を受けさせ、そのまん延を防止し、又は予防を厳にするなど、応急適切な処置を講じなければならない。 (災害予防の訓練) 第十七条 火事、地震その他の非常災害に備えるため、災害予防及び危難防止について具体的計画を立て、職員及び被保護者にこれを周知徹底させるほか、これに基づき定期的に避難その他の必要な訓練を行わなければならない。 (費用の徴収の制限) 第十八条 被保護者の保護に要した費用のうち、保護観察所の長の委託に基づく保護に要した費用については、これを被保護者から徴収してはならない。 2 前項の規定は、第三条第三項の保護を行った場合において、被保護者からその費用の償還を受けることを妨げるものではない。 第三章 規模及び構造の基準 (施設の合目的性) 第十九条 更生保護施設の規模及び構造は、その事業の内容に応じて、その目的が円滑に達成されるため適当なものでなければならない。 (事務室及び相談室) 第二十条 更生保護施設には、被保護者の保護に関する事務に専用する事務室及び被保護者を着席させてその相談に応ずることのできる専用の相談室を設けなければならない。 (居室、食堂等) 第二十一条 更生保護施設には、前条に規定するもののほか、居室、食堂、調理室又は調理場、洗面所、洗濯室又は洗濯場、浴室及び便所を設けなければならない。 2 男子と女子の双方を収容する場合は、男子の居住区画と女子の居住区画とを分けて設けなければならない。 3 居室は、成人の用に供するものと少年の用に供するものとを各別に設けなければならない。 4 各居室の定員は四人以下とし、かつ、各居室の居住面積は一人当たり三・三平方メートル以上でなければならない。 5 居室及び食堂は、採光及び換気がよく、保健衛生に適するものでなければならない。 6 調理室又は調理場において火気を使用する部分は、不燃材料を用いなければならない。 7 各居室の定員の合計(以下「収容定員」という。)に相応する食器及び寝具を整えておかなければならない。 8 洗面所及び便所は、それぞれ、収容定員の五分の一に相当する者が同時に使用できるように設備されていなければならない。 (静養室) 第二十二条 収容定員が五十人を超える更生保護施設には、病気になり、又は負傷した被保護者を一時静養させるための専用の静養室を設けなければならない。 (集会室及びレクリエーションの設備) 第二十三条 更生保護施設には、被保護者の処遇のための専用の集会室を設け、かつ、レクリエーションの設備を整えなければならない。 (地域交流室) 第二十三条の二 更生保護施設には、被保護者の処遇に関する地域住民との交流、関係団体との協議等を行うための地域交流室を設けなければならない。 ただし、前条に定める集会室を使用することをもって足りる場合は、この限りではない。 (宿直室又は職員宿舎の設置) 第二十四条 更生保護施設には、通常の勤務時間外における被保護者の保護等の業務に従事する職員のための宿直室又は職員宿舎を設けなければならない。 (施設の安全) 第二十五条 更生保護施設は、被保護者が日常その施設内で安全に起居及び通行することができ、かつ、非常災害の場合には安全にその施設から退避することができるものでなければならない。 2 更生保護施設には、消火用具及び災害用備蓄用品を備え、いつでも使用できるように配置しておかなければならない。 (作業の設備) 第二十六条 被保護者に職業訓練その他の作業を行わせる更生保護施設には、居室とは別に、作業所又は作業室を設けなければならない。 2 前項の規定は、被保護者に、一時その居室で軽易な作業を行わせることを妨げるものではない。 3 更生保護施設内において作業の用に供する機械、器具その他の設備は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)及びこれに基づく命令の規定に適合するものでなければならない。 第四章 幹部職員 (幹部職員の配置) 第二十七条 更生保護施設には、実務に当たる幹部職員として、その実務の執行を総括する責任者(以下「施設長」という。)及び被保護者の生活指導を行いその相談に応ずる責任者(以下「補導主任」という。)を置かなければならない。 2 施設長は、第三十条の資格を有し、かつ、被保護者の処遇上支障がないと法務大臣が認めたときは、当該更生保護施設の補導主任を兼ねることができる。 (幹部職員の一般的要件) 第二十八条 実務に当たる幹部職員は、人格高潔で思慮円熟し、指導力を持ち、被保護者に対する処遇に関する熱意及び能力を有する者でなければならない。 (施設長の資格又は経験) 第二十九条 施設長は、前条に掲げる要件を備えるほか、次の各号の一に該当する者でなければならない。 一 実務の執行を総括するために必要な能力を有する者であって、犯罪をした者及び非行のある少年の更生保護に関する事業に二年以上従事したもの 二 前号に準ずる者であって、法務大臣が施設長として適当な者と認めたもの (補導主任の資格又は経験) 第三十条 補導主任は、第二十八条に掲げる要件を備えるほか、次の各号の一に該当する者でなければならない。 一 教育学、心理学又は更生保護に関係のあるその他の学科について相当な教養を有する者であって、犯罪をした者及び非行のある少年の更生保護の実務に二年以上従事したもの 二 前号に準ずる者であって、法務大臣が補導主任として適当な者と認めたもの | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 415M60000010015_20240401_506M60000010010.xml | 平成十五年法務省令第十五号 | 2 | 国際受刑者移送法施行規則
(条約に基づく通知) 第一条 法務大臣は、受入受刑者から受入移送の申出があった場合において、裁判国に対し当該受入受刑者に係る情報の提供の要請をしたときは、日本国が締結した刑を言い渡された者の移送及び確定裁判の執行の共助について定める条約に基づき、当該受入受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。 (受入移送同意書) 第二条 国際受刑者移送法(以下「法」という。)第六条の規定による同意の確認は、受入移送同意書(別記第一号様式)により行わなければならない。 2 法第六条の法務省令で定める事項は、受入移送同意書に記載されている事項とする。 3 法第六条の規定に基づき受入受刑者が署名押印すべき場合に、署名することができないときは同条の規定に基づき同意を確認した職員が代書し、押印することができないときは指印させなければならない。 4 職員が代書した場合には、その事由を第一項の受入移送同意書に記載して署名押印しなければならない。 (犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則を適用する場合の読替え) 第三条 法第二十一条の規定により更生保護法(平成十九年法律第八十八号)の規定を適用する場合における犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則(平成二十年法務省令第二十八号)第一章(第一条及び第二条を除く。)、第二章第一節(第七条第三項及び第四項、第十一条第二項、第十二条第二項、第十三条、第十四条、第十五条第二項並びに第二十九条から第三十一条までを除く。)、第三章第一節(第四十五条、第四十九条、第五十条の二、第五十一条、第五十二条第八項、第五十五条第四項、第六十三条及び第六十四条を除く。)、第四節(第九十二条第二項、第九十八条及び第九十九条を除く。)及び第七節、第四章(第百十四条及び第百十四条の二を除く。)、第五章並びに第六章(第百二十五条を除く。)の規定の適用については、法第十六条第一項第一号の共助刑の執行を受ける者を懲役に処せられた者と、同項第二号の共助刑の執行を受ける者を禁錮に処せられた者と、同項第一号の共助刑を懲役と、同項第二号の共助刑を禁錮とそれぞれみなす。 この場合において、同規則第七条第一項第二号及び第九十二条第一項第三号中「刑名」とあるのは「国際受刑者移送法第二条第二号の共助刑の種類」と、同規則第七条第一項第三号中「少年法第五十八条第一項」とあるのは「国際受刑者移送法第二十二条」と、同規則第三十二条第一項第四号中「恩赦」とあるのは「国際受刑者移送法第二十五条第二項の規定による共助刑の執行の減軽又は免除」と、同規則第百十八条第二項中「刑事上の手続又は保護処分」とあるのは「国際受刑者移送法第十三条の命令」とする。 (法第二十三条の通告の方式) 第四条 法第二十三条の通告は、次に掲げる事項を記載した書面によらなければならない。 一 受入受刑者の氏名及び年齢 二 法第二十一条の規定により適用される刑法(明治四十年法律第四十五号)第二十八条又は法第二十二条に掲げる期間(以下「法定期間」という。)の末日 三 釈放後の生活計画 四 その他参考となる事項 (仮釈放の申出のための審査の時期) 第五条 法第二十条第一項の指揮があった場合において、法定期間の末日を既に経過しているとき、又は法定期間の末日までの期間が著しく短いときの受入受刑者に係る仮釈放を許すべき旨の申出のための最初の審査は、第三条の規定により適用される犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則第十一条第一項の規定にかかわらず、収容後、遅滞なくこれを行わなければならない。 (共助刑の執行の減軽等) 第六条 法第二十五条第一項に規定する中央更生保護審査会の申出は、刑事施設(法第二十一条の規定により適用される少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十六条第三項の規定により少年院において共助刑を執行する場合における当該少年院を含む。以下第七条、第九条、第十条及び第十三条第三項において同じ。)若しくは保護観察所の長又は東京地方検察庁の検察官の上申があった者に対してこれを行うものとする。 第七条 次に掲げる者は、職権で、中央更生保護審査会に共助刑の執行の減軽又は免除の上申をすることができる。 一 刑事施設に収容され、又は刑事施設に附置された労役場若しくは監置場に留置されている受入受刑者については、その刑事施設の長 二 保護観察に付されている受入受刑者については、その保護観察をつかさどる保護観察所の長 三 その他の受入受刑者については、東京地方検察庁の検察官 2 前項各号に掲げる刑事施設若しくは保護観察所の長又は東京地方検察庁の検察官は、本人から共助刑の執行の減軽又は免除の出願があったときは、意見を付して中央更生保護審査会にその上申をしなければならない。 第八条 共助刑の執行の減軽又は免除の上申書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 法第十五条第一項の書面の謄本 二 共助刑の刑期計算書 三 受入移送犯罪の情状、本人の性行、共助刑受刑中の行状、将来の生計その他参考となるべき事項に関する調査書類 2 本人の出願により上申をする場合には、前項の書類のほかその願書を添付しなければならない。 3 法第十五条第一項の書面の原本の滅失又は破損によって当該書面の謄本を添付することができないときは、東京地方検察庁の検察官が自己の調査に基づき作成した書面で法第十三条の命令の内容並びに法第十五条第一項の書面の原本が滅失し又は破損したこと及びその理由を示すものをもって、これに代えることができる。 第九条 共助刑の執行の減軽又は免除の出願は、法第十八条第一項の起算日の後次の期間を経過した後でなければ、これをすることができない。 ただし、中央更生保護審査会は、本人の願いにより、期間の短縮を許可することができる。 一 有期の共助刑については、その刑期の三分の一に相当する期間。 ただし、その期間が一年に満たないときは、一年とする。 二 無期の共助刑については、十年 2 法第十八条第二項に規定する日数のうち逃走を理由とするものは、前項第一号及び第二号の期間にこれを算入しない。 3 第一項ただし書の願いをするには、願書をその願いに係る共助刑の執行の減軽又は免除について上申をすることができる刑事施設若しくは保護観察所の長又は東京地方検察庁の検察官に差し出さなければならない。 4 第七条第二項の規定は、第一項ただし書の願いがあった場合にこれを準用する。 第十条 刑事施設若しくは保護観察所の長又は東京地方検察庁の検察官が本人の出願によりした共助刑の執行の減軽又は免除の上申が理由のないときは、その出願の日から一年を経過した後でなければ、更に出願をすることができない。 第十一条 共助刑の執行の減軽又は免除の願書には、次に掲げる事項を記載し、かつ戸籍の謄本又は抄本を添付しなければならない。 一 出願者の氏名、出生年月日、職業、本籍及び住居 二 外国刑の言渡しをした裁判所の名称及びその年月日 三 受入移送犯罪の名称、犯数、共助刑の種類及び刑期 四 共助刑の執行の状況 五 上申を求める共助刑の執行の減軽又は免除の別 六 出願の理由 2 前項の規定は、第九条第一項ただし書の許可を受ける場合にこれを準用する。 第十二条 中央更生保護審査会は、共助刑の執行の減軽又は免除の上申が理由のないときは、上申をした者にその旨を通知しなければならない。 2 前項の通知を受けた者は、出願者にその旨を通知しなければならない。 第十三条 法務大臣は、共助刑の執行の減軽又は免除をしたときは、中央更生保護審査会をして、東京地方検察庁の検察官に共助刑の執行の減軽状又は共助刑の執行の免除状(以下「共助刑の執行の減軽状等」という。)を送付させる。 2 共助刑の執行の減軽状等の送付を受けた東京地方検察庁の検察官は、自ら上申をしたものであるときは、直ちにこれを本人に交付し、その他の場合においては、速やかにこれを上申をした者に送付し、上申をした者は、直ちにこれを本人に交付しなければならない。 3 上申をした者は、仮釈放中の受入受刑者に共助刑の執行の減軽状等を交付したときは、その旨を刑事施設の長に通知しなければならない。 4 第二項に規定する共助刑の執行の減軽状等の交付及び前項の通知は、これを本人の住居のある地を管轄する保護観察所の長、本人の住居のある地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検察官又は本人が収容されている刑事施設(本人が刑事施設に附置された労役場又は監置場に留置されている場合における当該刑事施設を含む。)若しくは少年院の長に嘱託することができる。 第十四条 共助刑の執行の減軽状等を本人に交付した者は、速やかにその旨を法務大臣に報告しなければならない。 (受刑者移送条約告知書) 第十五条 法第二十九条の規定による日本国が締結した刑を言い渡された者の移送及び確定裁判の執行の共助について定める条約の内容の告知は、受刑者移送に関する条約の主な内容に関する告知書(別記第二号様式)により行うものとする。 2 前項の書面には、可能な限り、本人の理解する言語による翻訳文を添付しなければならない。 (送出移送同意書) 第十六条 法第三十一条の同意は、送出移送同意書(別記第三号様式)により行わなければならない。 2 法第三十一条第一項の法務省令で定める事項は、送出移送同意書に記載されている事項とする。 3 第一項の送出移送同意書には、可能な限り、本人の理解する言語による翻訳文を添付しなければならない。 4 第二条第三項及び第四項の規定は、送出受刑者が第一項の送出移送同意書に署名押印する場合について準用する。 (法務大臣への報告) 第十七条 法第三十八条第一号に該当する場合には、同号に規定する手続により裁判をした裁判所に対応する検察庁の長は、直ちに、法務大臣にその旨を報告しなければならない。 (交通費の免除手続) 第十八条 国際受刑者移送法施行令(以下「令」という。)第二条第一項の申請は、交通費免除申請書(別記第四号様式)により行わなければならない。 2 令第二条第一項の法務省令で定める事項は、交通費免除申請書に記載すべき事項とする。 3 法務大臣は、交通費の免除をする場合には、免除する金額及び免除の日付を明らかにした書面を令第二条第一項の申請をした受入受刑者に交付しなければならない。 | 刑事 |
Heisei | CabinetOrder | 416CO0000000310_20150801_000000000000000.xml | 平成十六年政令第三百十号 | 2 | 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律施行令
(病院又は診療所に準ずる機関) 第一条 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「法」という。)第二条第五項の病院又は診療所に準ずるものとして政令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第八十八条第一項に規定する指定訪問看護事業者 二 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス事業者(同法第八条第四項に規定する訪問看護を行う者に限る。)又は同法第五十三条第一項に規定する指定介護予防サービス事業者(同法第八条の二第三項に規定する介護予防訪問看護を行う者に限る。) (精神保健判定医名簿への記載) 第二条 厚生労働大臣は、次の各号のいずれにも該当する者のうち、本人の同意を得たものについて、その氏名その他の厚生労働省令で定める事項を法第六条第二項の名簿(以下「精神保健判定医名簿」という。)に記載するものとする。 一 法第六条第二項の規定に基づき精神保健判定医名簿を送付する際現に精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号。以下「精神保健福祉法」という。)第十八条第一項の規定による指定を受けている者であって、当該精神保健判定医名簿を送付する年度の前年度の末日において、厚生労働省令で定める期間以上の期間当該指定を受けていたもの 二 次のいずれかに該当する者 イ 精神保健福祉法第二十七条第一項若しくは第二項、第二十九条の二第一項又は第二十九条の四第二項の規定による診察に従事した経験(厚生労働省令で定める程度のものに限る。)を有する者であって、厚生労働省令で定める研修(当該精神保健判定医名簿を送付する年の十一月一日前三年以内に行われたものに限る。)の課程を修了したもの ロ 精神保健審判員として、法第四十二条第一項、第五十一条第一項、第五十六条第一項又は第六十一条第一項の裁判をした経験(厚生労働省令で定める程度のものに限る。)を有する者 ハ 法第三十七条第一項、第五十二条、第五十七条又は第六十二条第一項に規定する鑑定を行った経験(厚生労働省令で定める程度のものに限る。)を有する者 2 厚生労働大臣は、前項各号のいずれにも該当する者のほか、当該者と同等以上の学識経験を有すると認める者の氏名その他の同項の厚生労働省令で定める事項を、本人の同意を得て、精神保健判定医名簿に記載することができる。 (精神保健参与員候補者名簿への記載) 第三条 厚生労働大臣は、次の各号のいずれにも該当する者のうち、本人の同意を得たものについて、その氏名その他の厚生労働省令で定める事項を法第十五条第二項の名簿(以下「精神保健参与員候補者名簿」という。)に記載するものとする。 一 法第十五条第二項の規定に基づき精神保健参与員候補者名簿を送付する際現に精神保健福祉士法(平成九年法律第百三十一号)第二十八条の規定による登録を受けている者 二 次のいずれかに該当する者 イ 当該精神保健参与員候補者名簿を送付する年度の前年度の末日において、精神保健福祉士法第二十八条の規定による登録を受けて同法第二条に規定する相談援助の業務に従事している期間が厚生労働省令で定める期間以上である者であって、厚生労働省令で定める研修(当該精神保健参与員候補者名簿を送付する年の十一月一日前三年以内に行われたものに限る。)の課程を修了したもの ロ 精神保健参与員として、法第三十六条(法第五十三条、第五十八条及び第六十三条において準用する場合を含む。)の規定により審判に関与した経験(厚生労働省令で定める程度のものに限る。)を有する者 2 厚生労働大臣は、前項各号のいずれにも該当する者のほか、当該者と同等以上の専門的知識及び技術を有すると認める者の氏名その他の同項の厚生労働省令で定める事項を、本人の同意を得て、精神保健参与員候補者名簿に記載することができる。 (精神保健判定医名簿及び精神保健参与員候補者名簿の送付) 第四条 厚生労働大臣は、毎年十一月一日までに、法第六条第二項の規定に基づく精神保健判定医名簿の送付及び法第十五条第二項の規定に基づく精神保健参与員候補者名簿の送付をしなければならない。 (社会復帰調整官の資格) 第五条 法第二十条第三項の精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識を有する者として政令で定めるものは、次の各号のいずれかに該当する者とする。 一 精神保健福祉士 二 次のイからニまでに掲げる者であって、精神障害者に関する当該イからニまでに定める業務に従事した経験を有するもの イ 保健師 保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第二条に規定する業務 ロ 看護師 保健師助産師看護師法第五条に規定する業務 ハ 作業療法士 理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年法律第百三十七号)第二条第四項に規定する業務 ニ 社会福祉士 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)第二条第一項に規定する業務 三 法務大臣が前二号に掲げる者と同等以上の精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識を有すると認める者 (医療に関する審査機関) 第六条 法第八十四条第三項の政令で定める医療に関する審査機関は、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)第二十一条第一項に規定する特別審査委員会及び国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第四十五条第六項に規定する厚生労働大臣が指定する法人に設置される診療報酬の審査に関する組織とする。 (入院対象者を外出させることができる場合) 第七条 法第百条第一項第三号の政令で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。 一 法第四十二条第一項第一号又は第六十一条第一項第一号の決定により入院している者(以下「入院対象者」という。)に適切な精神障害の医療を受けさせるために他の医療施設に通院させる必要がある場合 二 入院対象者の近親者の葬式へ出席する場合、近親者が負傷又は疾病により重態であって当該入院対象者を訪問させることが適当であると認められる場合その他の社会生活上の重要な用務がある場合であって、当該入院対象者が入院している指定入院医療機関に勤務する精神保健指定医による診察の結果、当該入院対象者の症状に照らし支障がないと認められるとき。 (入院対象者を外泊させることができる場合) 第八条 法第百条第二項第二号の政令で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。 一 入院対象者に適切な精神障害の医療を受けさせるために他の医療施設に入院させる必要がある場合 二 入院対象者の近親者の葬式へ出席する場合、近親者が負傷又は疾病により重態であって当該入院対象者を訪問させることが適当であると認められる場合その他の社会生活上の重要な用務がある場合であって、当該入院対象者が入院している指定入院医療機関に勤務する精神保健指定医による診察の結果、当該入院対象者の症状に照らし支障がないと認められるとき。 (他の医療施設への入院時における届出) 第九条 指定入院医療機関の管理者は、法第百条第三項の規定により入院対象者を他の医療施設に入院させたときは、速やかに、次に掲げる事項を厚生労働大臣及び主務省令で定める保護観察所の長に届け出なければならない。 一 当該入院対象者の氏名 二 当該他の医療施設の名称、所在地及び電話番号その他の連絡先 三 当該他の医療施設に入院させた日時 四 当該他の医療施設に入院させた理由 2 指定入院医療機関の管理者は、法第百条第三項の規定により他の医療施設に入院させた入院対象者が当該他の医療施設から退院したときは、速やかに、その旨及び退院した日時を厚生労働大臣及び前項の主務省令で定める保護観察所の長に届け出なければならない。 (国の負担) 第十条 指定入院医療機関の設置に要する費用に係る法第百二条の規定による国の負担は、各年度において指定入院医療機関の設置者がその設置のために支弁した費用の額から、その年度におけるその費用のための寄附金その他の収入の額を控除した額につき、厚生労働大臣が定める基準に従って行う。 2 指定入院医療機関の運営に要する費用に係る法第百二条の規定による国の負担は、各年度において指定入院医療機関の設置者がその運営のために支弁した費用の額から、その年度におけるその費用のための診療収入その他の収入の額を控除した額につき、厚生労働大臣が定める基準に従って行う。 3 前項の規定により控除しなければならない額が、その年度において指定入院医療機関の設置者がその運営のために支弁した費用の額を超過したときは、その超過額は、後年度における支弁額から控除する。 (処遇の実施計画の記載事項) 第十一条 法第百四条第一項に規定する実施計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。 一 地域社会における処遇(指定通院医療機関の管理者による医療、社会復帰調整官が実施する精神保健観察並びに指定通院医療機関の管理者による法第九十一条の規定に基づく援助、都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)による精神保健福祉法第四十七条又は第四十九条、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第二十九条その他の精神障害者の保健又は福祉に関する法令の規定に基づく援助その他法第四十二条第一項第二号又は第五十一条第一項第二号の決定を受けた者(以下「通院対象者」という。)に対してなされる援助をいう。以下同じ。)の実施により達成しようとする目標 二 指定通院医療機関の管理者による医療に関する次に掲げる事項 イ 指定通院医療機関の名称及び所在地 ロ 医療を担当する医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士その他の者の氏名 ハ 医療の内容及び方法 ニ その他医療を行う上での留意事項 三 社会復帰調整官が実施する精神保健観察に関する次に掲げる事項 イ 精神保健観察を実施する社会復帰調整官の氏名 ロ 精神保健観察の内容及び方法 ハ その他精神保健観察を行う上での留意事項 四 指定通院医療機関の管理者による法第九十一条の規定に基づく援助、都道府県及び市町村による精神障害者の保健又は福祉に関する法令の規定に基づく援助その他通院対象者に対してなされる援助に関する次に掲げる事項 イ 援助を実施する機関の名称及び所在地 ロ 援助を担当する者の氏名 ハ 援助の内容及び方法 ニ その他援助を行う上での留意事項 五 地域社会における処遇に関する通院対象者の希望 六 地域社会における処遇の実施に関する関係機関相互間の緊密な連携を確保するため必要な事項 七 その他地域社会における処遇の内容及び方法として主務省令で定める事項 (会議) 第十二条 保護観察所の長は、法第百四条第一項又は第三項に規定する協議を行うため会議を開催する必要があると認めるときは、通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関の管理者並びに当該通院対象者の居住地を管轄する都道府県知事及び市町村長(特別区の長を含む。以下同じ。)又はこれらの者の指名する職員の出席を求めることができる。 同条第一項に規定する実施計画に基づく地域社会における処遇の適正かつ円滑な実施のため会議を開催する必要があると認めるときも、同様とする。 2 保護観察所の長は、必要があると認めるときは、前項に規定する者のほか、通院対象者に対して援助を行う者その他の適当な者に対し、同項の会議への出席を依頼することができる。 3 通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関の管理者並びに当該通院対象者の居住地を管轄する都道府県知事及び市町村長は、必要があると認めるときは、保護観察所の長に対し、第一項の会議の開催を求めることができる。 (主務省令への委任) 第十三条 この政令に定めるもののほか、法及びこの政令の実施について必要な事項は、主務省令で定める。 (主務省令) 第十四条 この政令における主務省令は、法務省令・厚生労働省令とする。 (権限の委任) 第十五条 この政令に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。 2 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。 | 刑事 |
Heisei | CabinetOrder | 416CO0000000353_20150801_000000000000000.xml | 平成十六年政令第三百五十三号 | 2 | 国際捜査共助等に関する法律施行令
(国内受刑者に係る受刑者証人移送の要請に関する読替え) 第一条 国際捜査共助等に関する法律(以下「法」という。)第十九条第二項の規定による法第十四条第五項の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十四条第五項 第一項、第三項又は前項の規定による送付を受けた場合 第十九条第一項の決定をする場合 証拠の使用又は返還に関し 国内受刑者に係る受刑者証人移送に関し (受入移送拘禁状による外国受刑者の拘禁に関する読替え) 第二条 法第二十三条第二項の規定による逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える逃亡犯罪人引渡法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第六条第一項及び第三項並びに第七条第一項 東京高等検察庁の検察官 検察官 第六条第一項 前条の拘禁許可状 国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項の受入移送拘禁状(以下「受入移送拘禁状」という。) 第六条第二項及び第三項並びに第七条第一項 拘禁許可状 受入移送拘禁状 2 法第二十三条第二項の規定による刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える刑事訴訟法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第七十一条 検察事務官又は司法警察職員 検察事務官、警察官、海上保安官又は海上保安官補(以下「検察事務官等」という。) 勾引状若しくは勾留状 国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項の受入移送拘禁状(以下「受入移送拘禁状」という。) 検察事務官若しくは司法警察職員 検察事務官等 第七十三条第三項、第七十四条及び第百二十六条 勾引状又は勾留状 受入移送拘禁状 第七十三条第三項 前二項 国際捜査共助等に関する法律第二十三条第二項において準用する逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第六条第二項 公訴事実の要旨及び令状 受入移送拘禁状 第七十三条第三項ただし書 令状は 受入移送拘禁状は 第百二十六条 検察事務官又は司法警察職員 検察事務官等 (外国受刑者の拘禁の停止の取消しに関する読替え) 第三条 法第二十五条第三項の規定による逃亡犯罪人引渡法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える逃亡犯罪人引渡法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第二十二条第三項及び第四項 東京高等検察庁の検察官 検察官 第二十二条第三項 前項 国際捜査共助等に関する法律第二十五条第二項 第二十二条第四項 拘禁許可状 国際捜査共助等に関する法律第二十三条第一項の受入移送拘禁状 | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 416M60000100150_20161001_000000000000000.xml | 平成十六年厚生労働省令第百五十号 | 2 | 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第六条第二項の名簿及び同法第十五条第二項の名簿に関する省令
(精神保健判定医名簿に記載すべき事項) 第一条 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律施行令(以下「令」という。)第二条第一項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 氏名 二 生年月日 三 連絡先(電話番号を含む。) 四 精神保健指定医の指定を受けた年月日 五 精神保健指定医の指定を受けている期間 六 令第二条第一項各号のいずれにも該当する者にあっては、同項第二号イ、ロ又はハのいずれに該当するかの別 七 令第二条第二項の規定に基づき厚生労働大臣が同条第一項各号のいずれにも該当する者と同等以上の学識経験を有すると認める者にあっては、当該学識経験を有すると認めた理由 八 勤務先の名称 (令第二条第一項の期間及び程度) 第二条 令第二条第一項第一号の厚生労働省令で定める期間は、五年(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号。以下「精神保健福祉法」という。)第十九条の二第二項の規定により精神保健指定医の職務を停止されていた期間を除く。)とする。 2 令第二条第一項第二号イの厚生労働省令で定める程度は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「法」という。)第六条第二項の規定に基づき精神保健判定医名簿を送付する年の四月一日前二年以内において、精神保健福祉法第二十七条第一項若しくは第二項、第二十九条の二第一項又は第二十九条の四第二項の規定による診察に従事した経験を有することとする。 3 令第二条第一項第二号ロの厚生労働省令で定める程度は、法第六条第二項の規定に基づき精神保健判定医名簿を送付する年の一月一日前二年以内において、精神保健審判員として、法第四十二条第一項、第五十一条第一項、第五十六条第一項又は第六十一条第一項の裁判をした経験を有することとする。 4 令第二条第一項第二号ハの厚生労働省令で定める程度は、法第六条第二項の規定に基づき精神保健判定医名簿を送付する年の一月一日前二年以内において、法第三十七条第一項、第五十二条、第五十七条又は第六十二条第一項に規定する鑑定を行った経験を有することとする。 (精神保健判定医名簿に記載のある者の精神保健指定医の指定を取り消した場合等の最高裁判所への通知) 第三条 厚生労働大臣は、法第六条第二項の規定に基づき送付した精神保健判定医名簿に記載のある者について、当該精神保健判定医名簿を送付した年の翌年の末日までに、精神保健福祉法第十九条の二第一項又は第二項の規定により、精神保健指定医の指定を取り消し、又は精神保健指定医の職務の停止を命じたときは、速やかに、その者の氏名及び処分の年月日を最高裁判所に通知するものとする。 (精神保健参与員候補者名簿に記載すべき事項) 第四条 令第三条第一項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 氏名 二 生年月日 三 連絡先(電話番号を含む。) 四 精神保健福祉士の登録を受けた年月日 五 精神保健福祉士の登録を受けて相談援助の業務に従事している期間 六 令第三条第一項各号のいずれにも該当する者にあっては、同項第二号イ又はロのいずれに該当するかの別 七 令第三条第二項の規定に基づき厚生労働大臣が同条第一項各号のいずれにも該当する者と同等以上の専門的知識及び技術を有すると認める者にあっては、当該専門的知識及び技術を有すると認めた理由 八 勤務先の名称 (令第三条第一項の期間及び程度) 第五条 令第三条第一項第二号イの厚生労働省令で定める期間は、五年(精神保健福祉士法(平成九年法律第百三十一号)第三十二条第二項の規定により精神保健福祉士の名称の使用を停止されていた期間を除く。)とする。 2 令第三条第一項第二号ロの厚生労働省令で定める程度は、法第十五条第二項の規定に基づき精神保健参与員候補者名簿を送付する年の一月一日前二年以内において、精神保健参与員として、法第三十六条(法第五十三条、第五十八条及び第六十三条において準用する場合を含む。)の規定により審判に関与した経験を有することとする。 (精神保健参与員候補者名簿に記載のある者の精神保健福祉士の登録を取り消した場合等の地方裁判所への通知) 第六条 厚生労働大臣は、法第十五条第二項の規定に基づき送付した精神保健参与員候補者名簿に記載のある者について、当該精神保健参与員候補者名簿を送付した年の翌年の末日までに、精神保健福祉士法第三十二条第一項又は第二項の規定により、精神保健福祉士の登録を取り消し、又は精神保健福祉士の名称の使用の停止を命じたときは、速やかに、その者の氏名及び処分の年月日を当該精神保健参与員候補者名簿を送付した地方裁判所に通知するものとする。 (精神保健判定医養成研修等の実施等) 第七条 令第二条第一項第二号イの厚生労働省令で定める研修(以下「精神保健判定医養成研修」という。)及び第三条第一項第二号イの厚生労働省令で定める研修(以下「精神保健参与員候補者養成研修」という。)は、厚生労働大臣が実施するものとする。 2 精神保健判定医養成研修及び精神保健参与員候補者養成研修には、それぞれ、当該各研修の課程を修了したことのない者のための課程(以下「初回研修」という。)及びその他の者のための課程(以下「継続研修」という。)を置くものとする。 3 精神保健判定医養成研修及び精神保健参与員候補者養成研修の初回研修及び継続研修の科目及び時間数は、別表のとおりとする。 4 厚生労働大臣は、精神保健判定医養成研修及び精神保健参与員候補者養成研修を、厚生労働大臣の指定する者(以下「研修実施者」という。)に行わせることができる。 (指定の申請) 第八条 前条第四項の指定は、精神保健判定医養成研修及び精神保健参与員候補者養成研修を行おうとする者の申請により行う。 2 前項の申請を行おうとする者(以下「申請者」という。)は、次の各号に掲げる書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。 一 申請者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)を記載した申請書 二 申請者が法人であるときは、収支予算を記載した書類 三 申請者が法人であるときは、定款、寄附行為その他の基本約款 四 研修の実施に関する計画を記載した書類 五 その他指定に関し厚生労働大臣が必要と認める書類 (指定の基準等) 第九条 第七条第四項の指定は、次の各号のいずれにも適合していると認められる者について行う。 一 精神保健判定医養成研修及び精神保健参与員候補者養成研修を行うのに必要かつ適切な組織及び能力を有する者であること。 二 第八条第二項第四号の研修の実施に関する計画が適切なものであること。 (欠格事由) 第十条 厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合には、申請者を研修実施者として指定することができない。 一 申請者(法人にあっては、その役員)が法第七条各号のいずれかに該当する者である場合 二 申請者が、第十三条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない場合 (変更の届出) 第十一条 研修実施者は、第八条第二項各号に掲げる書類の記載内容に変更があったときは、その変更に係る事項を記載した書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。 (報告の提出等) 第十二条 研修実施者は、毎事業年度終了後二月以内に、事業報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない。 2 厚生労働大臣は、精神保健判定医養成研修又は精神保健参与員候補者養成研修の実施に関し必要があると認めるときは、研修実施者に対して報告を求めることができる。 3 厚生労働大臣は、精神保健判定医養成研修又は精神保健参与員候補者養成研修の内容その他の当該研修の実施に関する事項について適当でないと認めるときは、研修実施者に対して必要な指示をすることができる。 (指定の取消し) 第十三条 厚生労働大臣は、研修実施者が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すことができる。 一 偽りその他不正の行為により指定を受けたとき。 二 第九条各号のいずれかに適合しなくなったとき。 三 第十条各号のいずれかに該当するとき。 四 正当な事由がないのに精神保健判定医養成研修又は精神保健参与員候補者養成研修を実施しなかったとき。 五 前条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。 六 前条第三項の規定による指示に従わないとき。 (指定の辞退の届出) 第十四条 研修実施者は、その指定を辞退しようとするときは、辞退の日の一年前までに、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。 (修了証の交付等) 第十五条 研修実施者は、その実施に係る精神保健判定医養成研修又は精神保健参与員候補者養成研修の課程を修了した者に対して、当該課程を修了したことを証する書面(以下「修了証」という。)を交付しなければならない。 2 研修実施者は、精神保健判定医養成研修又は精神保健参与員候補者養成研修を実施した時は、その終了後二週間以内に、前項の規定に基づき修了証を交付した者の氏名、生年月日、修了した研修の課程及び修了年月日を記載した名簿を厚生労働大臣に提出しなければならない。 | 刑事 |
Heisei | Act | 417AC0000000050_20240401_505AC0000000063.xml | 平成十七年法律第五十号 | 2 | 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律
第一編 総則 第一章 通則 (目的) 第一条 この法律は、刑事収容施設(刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設をいう。)の適正な管理運営を図るとともに、被収容者、被留置者及び海上保安被留置者の人権を尊重しつつ、これらの者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 被収容者 刑事施設に収容されている者をいう。 二 被留置者 留置施設に留置されている者をいう。 三 海上保安被留置者 海上保安留置施設に留置されている者をいう。 四 受刑者 懲役受刑者、禁 錮 こ 受刑者又は拘留受刑者をいう。 五 懲役受刑者 懲役の刑(国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第十六条第一項第一号の共助刑を含む。以下同じ。)の執行のため拘置されている者をいう。 六 禁錮受刑者 禁錮の刑(国際受刑者移送法第十六条第一項第二号の共助刑を含む。以下同じ。)の執行のため拘置されている者をいう。 七 拘留受刑者 拘留の刑の執行のため拘置されている者をいう。 八 未決拘禁者 被逮捕者、被 勾 こう 留者その他未決の者として拘禁されている者をいう。 九 被逮捕者 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により逮捕されて留置されている者をいう。 十 被勾留者 刑事訴訟法の規定により勾留されている者をいう。 十一 死刑確定者 死刑の言渡しを受けて拘置されている者をいう。 十二 各種被収容者 被収容者であって、受刑者、未決拘禁者及び死刑確定者以外のものをいう。 第二章 刑事施設 (刑事施設) 第三条 刑事施設は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者 二 刑事訴訟法の規定により、逮捕された者であって、留置されるもの 三 刑事訴訟法の規定により勾留される者 四 死刑の言渡しを受けて拘置される者 五 前各号に掲げる者のほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者 (被収容者の分離) 第四条 被収容者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者としての地位を有する受刑者、死刑確定者及び各種被収容者の別 三 懲役受刑者、禁錮受刑者及び拘留受刑者の別 2 前項の規定にかかわらず、受刑者に第九十二条又は第九十三条に規定する作業として他の被収容者に接して食事の配給その他の作業を行わせるため必要があるときは、同項第二号及び第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 3 第一項の規定にかかわらず、適当と認めるときは、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。次編第二章において同じ。)外に限り、同項第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第五条 法務大臣は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各刑事施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (意見聴取) 第六条 刑事施設の長は、その刑事施設の適正な運営に資するため必要な意見を関係する公務所及び公私の団体の職員並びに学識経験のある者から聴くことに努めなければならない。 (刑事施設視察委員会) 第七条 刑事施設に、刑事施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた刑事施設を視察し、その運営に関し、刑事施設の長に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第八条 委員会は、委員十人以内で組織する。 2 委員は、人格識見が高く、かつ、刑事施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命する。 3 委員の任期は、一年とする。 ただし、再任を妨げない。 4 委員は、非常勤とする。 5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第九条 刑事施設の長は、刑事施設の運営の状況について、法務省令で定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、刑事施設の運営の状況を把握するため、委員による刑事施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、刑事施設の長に対し、委員による被収容者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 刑事施設の長は、前項の視察及び被収容者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、被収容者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第十条 法務大臣は、毎年、委員会が刑事施設の長に対して述べた意見及びこれを受けて刑事施設の長が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (裁判官及び検察官の巡視) 第十一条 裁判官及び検察官は、刑事施設を巡視することができる。 (参観) 第十二条 刑事施設の長は、その刑事施設の参観を申し出る者がある場合において相当と認めるときは、これを許すことができる。 (刑務官) 第十三条 刑務官は、法務省令で定めるところにより、法務大臣が刑事施設の職員のうちから指定する。 2 刑務官の階級は、法務省令でこれを定める。 3 刑務官には、被収容者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被収容者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 第三章 留置施設 (留置施設) 第十四条 都道府県警察に、留置施設を設置する。 2 留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)及び刑事訴訟法の規定により、都道府県警察の警察官が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者で、次条第一項の規定の適用を受けて刑事訴訟法の規定により勾留されるもの 三 前二号に掲げる者のほか、法令の規定により留置施設に留置することができることとされる者 第十五条 第三条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。 一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者(これらの刑の執行以外の逮捕、勾留その他の事由により刑事訴訟法その他の法令の規定に基づいて拘禁される者としての地位を有するものを除く。) 二 死刑の言渡しを受けて拘置される者 三 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第十七条の四第一項、少年院法(平成二十六年法律第五十八号)第百三十三条第二項又は少年鑑別所法(平成二十六年法律第五十九号)第百二十三条の規定により仮に収容される者 四 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第五条第一項、第十七条第二項若しくは第二十五条第一項、国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項又は国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律(平成十九年法律第三十七号)第二十一条第一項若しくは第三十五条第一項の規定により拘禁される者 2 法務大臣は、国家公安委員会に対し、前項の規定による留置に関する留置施設の運営の状況について説明を求め、又は同項の規定により留置された者の処遇について意見を述べることができる。 (留置業務管理者等) 第十六条 留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「留置業務管理者」という。)は、警視庁、道府県警察本部又は方面本部(第二十条において「警察本部」という。)に置かれる留置施設にあっては警視以上の階級にある警察官のうちから警視総監、道府県警察本部長又は方面本部長(以下「警察本部長」という。)が指名する者とし、警察署に置かれる留置施設にあっては警察署長とする。 2 留置施設に係る留置業務に従事する警察官(以下「留置担当官」という。)には、被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (被留置者の分離) 第十七条 被留置者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者としての地位を有する者か否かの別 2 前項の規定にかかわらず、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要がある場合において、被留置者の処遇上支障を生ずるおそれがないと認めるときは、同項第二号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第十八条 警察本部長は、都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面以外の方面にあっては、方面公安委員会。以下「公安委員会」という。)の定めるところにより、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (巡察) 第十九条 警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、被留置者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指名する職員に留置施設を巡察させるものとする。 (留置施設視察委員会) 第二十条 警察本部に、留置施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた警察本部に係る都道府県警察の管轄区域内にある留置施設(道警察本部にあってはその所在地を包括する方面の区域内にある留置施設、方面本部にあっては当該方面の区域内にある留置施設)を視察し、その運営に関し、留置業務管理者に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第二十一条 委員会の委員(以下この条及び次条第二項において「委員」という。)は、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、公安委員会が任命する。 2 委員は、非常勤とする。 3 委員又は委員であった者は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 4 前三項に定めるもののほか、委員の定数及び任期その他委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。 この場合において、委員の定数及び任期については、国家公安委員会の定める基準を参酌するものとする。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第二十二条 留置業務管理者は、留置施設の運営の状況(第百九十条第一項又は第二百八条第一項の規定による措置に関する事項を含む。)について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、留置施設の運営の状況を把握するため、委員による留置施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、留置業務管理者に対し、委員による被留置者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 留置業務管理者は、前項の視察及び被留置者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第二百二十二条の規定にかかわらず、被留置者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第二十三条 警察本部長は、毎年、委員会が留置業務管理者に対して述べた意見及びこれを受けて留置業務管理者が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十四条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第四章 海上保安留置施設 (海上保安留置施設) 第二十五条 管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に、海上保安留置施設を設置する。 2 海上保安留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 ただし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設には、やむを得ない事由により、管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設に速やかに留置することができない場合に限り、留置することができる。 一 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)及び刑事訴訟法の規定により、海上保安官又は海上保安官補が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者のほか、法令の規定により海上保安留置施設に留置することができることとされる者 (海上保安留置業務管理者等) 第二十六条 海上保安留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「海上保安留置業務管理者」という。)は、管区海上保安本部に置かれる海上保安留置施設にあっては管区海上保安本部長が指名する海上保安官とし、管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設にあっては当該事務所の長とし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設にあっては当該船舶の船長とする。 2 海上保安留置施設に係る留置業務に従事する海上保安官及び海上保安官補(以下「海上保安留置担当官」という。)には、海上保安被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに海上保安被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 海上保安留置担当官は、その海上保安留置施設に留置されている海上保安被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (海上保安被留置者の分離) 第二十七条 海上保安被留置者は、性別に従い、互いに分離するものとする。 (実地監査) 第二十八条 海上保安庁長官は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各海上保安留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十九条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、海上保安留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第二編 被収容者等の処遇 第一章 処遇の原則 (受刑者の処遇の原則) 第三十条 受刑者の処遇は、その者の年齢、資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。 (未決拘禁者の処遇の原則) 第三十一条 未決拘禁者の処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走及び罪証の隠滅の防止並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。 (死刑確定者の処遇の原則) 第三十二条 死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。 2 死刑確定者に対しては、必要に応じ、民間の篤志家の協力を求め、その心情の安定に資すると認められる助言、講話その他の措置を執るものとする。 第二章 刑事施設における被収容者の処遇 第一節 収容の開始 (収容開始時の告知) 第三十三条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始に際し、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その刑事施設に収容されている被収容者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第四十八条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為、儀式行事及び教 誨 かい に関する事項 五 書籍等(書籍、雑誌、新聞紙その他の文書図画(信書を除く。)をいう。以下同じ。)の閲覧に関する事項 六 第七十四条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 懲罰に関する事項 九 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 十 第百六十三条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十一 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第三十四条 刑務官は、被収容者について、その刑事施設における収容の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被収容者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の刑務官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の刑務官がその検査を行うことができない場合には、男子の刑務官が刑事施設の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 (未決拘禁者の処遇の態様) 第三十五条 未決拘禁者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合における処遇を除く。次条第一項及び第三十七条第一項において同じ。)は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(死刑確定者としての地位を有するものを除く。)の居室は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、単独室とし、それ以外の場合にあっても、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 3 未決拘禁者は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、居室外においても相互に接触させてはならない。 (死刑確定者の処遇の態様) 第三十六条 死刑確定者の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 死刑確定者の居室は、単独室とする。 3 死刑確定者は、居室外においても、第三十二条第一項に定める処遇の原則に照らして有益と認められる場合を除き、相互に接触させてはならない。 (各種被収容者の処遇の態様) 第三十七条 各種被収容者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 各種被収容者の居室は、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯等) 第三十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる時間帯を定め、これを被収容者に告知するものとする。 一 食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯 二 受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)については、第八十六条第一項に規定する矯正処遇等の時間帯及び余暇に充てられるべき時間帯 (余暇活動の援助等) 第三十九条 刑事施設の長は、被収容者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇に充てられるべき時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。次項において同じ。)において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。以下同じ。)を行うことを許すものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯等における活動について、援助を与えるものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第四十条 被収容者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、刑事施設における日常生活に必要なもの(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被収容者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は 嗜 し 好品(酒類を除く。以下同じ。)を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第四十一条 刑事施設の長は、受刑者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 室内装飾品 四 嗜好品 五 日用品、文房具その他の刑事施設における日常生活に用いる物品 2 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が、前項各号に掲げる物品及び寝具について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに第十二節の規定により禁止される場合を除き、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (補正器具等の自弁等) 第四十二条 被収容者には、次に掲げる物品については、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 自己契約作業を行うのに必要な物品 三 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 四 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の際に使用する衣類その他の物品 五 その他法務省令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被収容者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第四十三条 第四十条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被収容者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被収容者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第四十四条 刑事施設の職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被収容者が収容される際に所持する現金及び物品 二 被収容者が収容中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(刑事施設の長から支給された物品を除く。) 三 被収容者に交付するため当該被収容者以外の者が刑事施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (収容時の所持物品等の処分) 第四十五条 刑事施設の長は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被収容者に対し、その物品について、親族(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 前項の規定により物品の処分を求めた場合において、被収容者が相当の期間内にその処分をしないときは、刑事施設の長は、これを売却してその代金を領置する。 ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。 (差入物の引取り等) 第四十六条 刑事施設の長は、第四十四条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品を持参し、又は送付した者(以下「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被収容者に交付することにより、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その受刑者に交付することにより、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるものであるとき。 三 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁により使用し、若しくは摂取することができることとされる物品又は釈放の際に必要と認められる物品(以下「自弁物品等」という。)以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、刑事施設の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、刑事施設の長は、被収容者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 前条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 7 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被収容者がその交付を受けることを拒んだ場合には、刑事施設の長は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第四十七条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるものは、被収容者に引き渡す。 一 第四十四条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第四十五条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第四十四条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被収容者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、刑事施設の長が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第四十四条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第二号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第四十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、保管私物(被収容者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被収容者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者の保管私物(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「保管総量」という。)が保管限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて保管することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるとき、又は被収容者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「領置総量」という。)が領置限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて領置することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるときは、当該被収容者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 4 刑事施設の長は、被収容者が保管私物について領置することを求めた場合において、相当と認めるときは、これを領置することができる。 ただし、領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 5 刑事施設の長は、前項の規定により領置している物品について、被収容者がその引渡しを求めた場合には、これを引き渡すものとする。 ただし、保管総量が保管限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 (領置金の使用) 第四十九条 刑事施設の長は、被収容者が、自弁物品等を購入し、又は刑事施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用については、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第五十条 刑事施設の長は、被収容者が、保管私物又は領置されている金品(第百三十三条(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(当該刑事施設に収容されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。次号において同じ。)により、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、交付により、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (差入れ等に関する制限) 第五十一条 刑事施設の長は、この節に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による被収容者に対する金品の交付及び被収容者による自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (領置物の引渡し) 第五十二条 刑事施設の長は、被収容者の釈放の際、領置している金品をその者に引き渡すものとする。 (釈放者の遺留物) 第五十三条 釈放された被収容者の遺留物(刑事施設に遺留した金品をいう。以下この章において同じ。)は、その釈放の日から起算して六月を経過する日までに、その者からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。 2 前項の期間内でも、刑事施設の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。 (逃走者等の遺留物) 第五十四条 被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 2 前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。 (死亡者の遺留物) 第五十五条 死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。以下この章において同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。 2 死亡した被収容者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百七十六条の規定による通知をすることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 第一項の遺留物は、第百七十六条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。 4 第五十三条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第五十六条 刑事施設においては、被収容者の心身の状況を把握することに努め、被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第五十七条 被収容者には、日曜日その他法務省令で定める日を除き、できる限り戸外で、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 ただし、公判期日への出頭その他の事情により刑事施設の執務時間内にその機会を与えることができないときは、この限りでない。 (被収容者の清潔義務) 第五十八条 被収容者は、身体、着衣及び所持品並びに居室その他日常使用する場所を清潔にしなければならない。 (入浴) 第五十九条 被収容者には、法務省令で定めるところにより、刑事施設における保健衛生上適切な入浴を行わせる。 (調髪及びひげそり) 第六十条 受刑者には、法務省令で定めるところにより、調髪及びひげそりを行わせる。 2 刑事施設の長は、受刑者が自弁により調髪を行いたい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、これを許すことができる。 3 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (健康診断) 第六十一条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始後速やかに、及び毎年一回以上定期的に、法務省令で定めるところにより、健康診断を行わなければならない。 刑事施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 2 被収容者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第六十二条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、刑事施設の職員である医師等(医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 刑事施設の長は、前項に規定する場合において、傷病の種類又は程度等に応じ必要と認めるときは、刑事施設の職員でない医師等による診療を行うことができる。 3 刑事施設の長は、前二項の規定により診療を行う場合において、必要に応じ被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第六十三条 刑事施設の長は、負傷し、又は疾病にかかっている被収容者が、刑事施設の職員でない医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、刑事施設に収容される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被収容者の医療上適当であると認めるときは、刑事施設内において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被収容者に対して刑事施設において診療を行うため必要があるときは、刑事施設の職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、刑事施設の長が法務省令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 刑事施設の長は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により刑事施設の長が行う措置に従わないとき、前項の規定により刑事施設の長が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (感染症予防上の措置) 第六十四条 刑事施設の長は、刑事施設内における感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要がある場合には、被収容者に対し、第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条の規定による診療その他必要な医療上の措置を執るほか、予防接種、当該疾病を感染させるおそれがなくなるまでの間の隔離その他法務省令で定める措置を執るものとする。 (養護のための措置等) 第六十五条 刑事施設の長は、老人、妊産婦、身体虚弱者その他の養護を必要とする被収容者について、その養護を必要とする事情に応じ、傷病者のための措置に準じた措置を執るものとする。 2 刑事施設の長は、被収容者が出産するときは、やむを得ない場合を除き、刑事施設の外の病院、診療所又は助産所に入院させるものとする。 (子の養育) 第六十六条 刑事施設の長は、女子の被収容者がその子を刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、相当と認めるときは、その子が一歳に達するまで、これを許すことができる。 2 刑事施設の長は、被収容者が、前項の規定により養育され一歳に達した子について、引き続いて刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、その被収容者の心身の状況に照らして、又はその子を養育する上で、特に必要があるときは、引き続き六月間に限り、これを許すことができる。 3 被収容者が前二項の規定により子を養育している場合には、その子の養育に必要な物品を貸与し、又は支給する。 4 前項に規定する場合において、被収容者が、その子の養育に必要な物品について、自弁のものを使用し、若しくは摂取し、又はその子に使用させ、若しくは摂取させたい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障がない限り、これを許すものとする。 5 被収容者が第一項又は第二項の規定により養育している子については、被収容者の例により、健康診断、診療その他の必要な措置を執るものとする。 第七節 宗教上の行為等 (一人で行う宗教上の行為) 第六十七条 被収容者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 (宗教上の儀式行事及び教誨) 第六十八条 刑事施設の長は、被収容者が宗教家(民間の篤志家に限る。以下この項において同じ。)の行う宗教上の儀式行事に参加し、又は宗教家の行う宗教上の教誨を受けることができる機会を設けるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合には、被収容者に前項に規定する儀式行事に参加させず、又は同項に規定する教誨を受けさせないことができる。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第六十九条 被収容者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節及び第十二節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第七十条 刑事施設の長は、被収容者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、被収容者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被収容者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (新聞紙に関する制限) 第七十一条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (時事の報道に接する機会の付与等) 第七十二条 刑事施設の長は、被収容者に対し、日刊新聞紙の備付け、報道番組の放送その他の方法により、できる限り、主要な時事の報道に接する機会を与えるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、第三十九条第二項の規定による援助の措置として、刑事施設に書籍等を備え付けるものとする。 この場合において、備え付けた書籍等の閲覧の方法は、刑事施設の長が定める。 第九節 規律及び秩序の維持 (刑事施設の規律及び秩序) 第七十三条 刑事施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被収容者の収容を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第七十四条 刑事施設の長は、被収容者が遵守すべき事項(以下この章において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 刑事施設の職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被収容者の収容の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 刑事施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 刑事施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 正当な理由なく、第九十二条若しくは第九十三条に規定する作業を怠り、又は第八十五条第一項各号、第百三条若しくは第百四条に規定する指導を拒んではならないこと。 十 前各号に掲げるもののほか、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十一 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項又は第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、刑事施設の長又はその指定する職員は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第七十五条 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、刑事施設内において、被収容者以外の者(弁護人又は刑事訴訟法第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (受刑者の隔離) 第七十六条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者を他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 一 他の被収容者と接触することにより刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 他の被収容者から危害を加えられるおそれがあり、これを避けるために他に方法がないとき。 2 前項の規定による隔離の期間は、三月とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、一月ごとにこれを更新することができる。 3 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 4 第一項の規定により受刑者を隔離している場合には、刑事施設の長は、三月に一回以上定期的に、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 (制止等の措置) 第七十七条 刑務官は、被収容者が自身を傷つけ若しくは他人に危害を加え、逃走し、刑事施設の職員の職務の執行を妨げ、その他刑事施設の規律及び秩序を著しく害する行為をし、又はこれらの行為をしようとする場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その被収容者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 2 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その行為をする者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 一 刑事施設に侵入し、その設備を損壊し、刑事施設の職員の職務執行を妨げ、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 二 刑務官の要求を受けたのに刑事施設から退去しないとき。 三 被収容者の逃走又は刑事施設の職員の職務執行の妨害を、現場で、援助し、あおり、又は唆すとき。 四 被収容者に危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 3 前二項の措置に必要な警備用具については、法務省令で定める。 (捕縄、手錠及び拘束衣の使用) 第七十八条 刑務官は、被収容者を護送する場合又は被収容者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 刑務官は、被収容者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、刑事施設の長の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄又は手錠と同時に使用することはできない。 3 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、拘束衣を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 4 拘束衣の使用の期間は、三時間とする。 ただし、刑事施設の長は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 5 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、拘束衣の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 6 被収容者に拘束衣を使用し、又はその使用の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 7 捕縄、手錠及び拘束衣の制式は、法務省令で定める。 (保護室への収容) 第七十九条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、刑事施設の長の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 刑務官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、その被収容者を保護室に収容することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 3 保護室への収容の期間は、七十二時間以内とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。 4 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、保護室への収容の必要がなくなったときは、直ちにその収容を中止させなければならない。 5 被収容者を保護室に収容し、又はその収容の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 6 保護室の構造及び設備の基準は、法務省令で定める。 (武器の携帯及び使用) 第八十条 刑務官は、法務省令で定める場合に限り、小型武器を携帯することができる。 2 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 暴動を起こし、又はまさに起こそうとするとき。 二 他人に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 凶器を携帯し、刑務官が放棄を命じたのに、これに従わないとき。 五 刑務官の制止に従わず、又は刑務官に対し暴行若しくは集団による威力を用いて、逃走し、若しくは逃走しようとし、又は他の被収容者の逃走を助けるとき。 3 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 被収容者が暴動を起こし、又はまさに起こそうとする場合において、その現場で、これらに参加し、又はこれらを援助するとき。 二 被収容者に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 銃器、爆発物その他の凶器を携帯し、又は使用して、刑事施設に侵入し、若しくはその設備を損壊し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 五 暴行又は脅迫を用いて、被収容者を奪取し、若しくは解放し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 4 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条若しくは第三十七条に該当する場合又は次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、人に危害を加えてはならない。 一 刑務官において他に被収容者の第二項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 二 刑務官において他に被収容者以外の者の前項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 ただし、同項第二号に掲げる場合以外の場合にあっては、その者が刑務官の制止に従わないで当該行為を行うときに限る。 (収容のための連戻し) 第八十一条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める時から四十八時間以内に着手したときに限り、これを連れ戻すことができる。 一 逃走したとき 逃走の時 二 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日時 (災害時の応急用務) 第八十二条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内にある者の生命又は身体の保護のため必要があると認める場合には、被収容者を刑事施設内又はこれに近接する区域における消火、人命の救助その他の応急の用務に就かせることができる。 2 第百条から第百二条までの規定は、被収容者が前項の規定により応急の用務に就いて死亡し、負傷し、又は疾病にかかった場合について準用する。 (災害時の避難及び解放) 第八十三条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内において避難の方法がないときは、被収容者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被収容者を護送することができないときは、刑事施設の長は、その者を刑事施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、刑事施設の外にある被収容者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 矯正処遇の実施等 第一款 通則 (矯正処遇) 第八十四条 受刑者には、矯正処遇として、第九十二条又は第九十三条に規定する作業を行わせ、並びに第百三条及び第百四条に規定する指導を行う。 2 矯正処遇は、処遇要領(矯正処遇の目標並びにその基本的な内容及び方法を受刑者ごとに定める矯正処遇の実施の要領をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)に基づいて行うものとする。 3 処遇要領は、法務省令で定めるところにより、刑事施設の長が受刑者の年齢を考慮し、その資質及び環境の調査の結果に基づき定めるものとする。 4 処遇要領は、必要に応じ、受刑者の希望を参酌して定めるものとする。 これを変更しようとするときも、同様とする。 5 矯正処遇は、必要に応じ、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識及び技術を活用して行うものとする。 (被害者等の心情等の考慮) 第八十四条の二 刑事施設の長は、処遇要領を定めるに当たっては、法務省令で定めるところにより、被害者等(受刑者が刑を言い渡される理由となった犯罪により害を被った者(以下この項において「被害者」という。)又はその法定代理人若しくは被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下この節において同じ。)の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 処遇要領を変更しようとするときも、同様とする。 2 刑事施設の長は、矯正処遇を行うに当たっては、前項の心情及び状況並びに次項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める受刑者について、被害者等から、被害に関する心情、被害者等の置かれている状況又は当該受刑者の生活及び行動に関する意見(以下この節において「心情等」という。)を述べたい旨の申出があったときは、法務省令で定めるところにより、当該心情等を聴取するものとする。 ただし、当該被害に係る事件の性質、当該被害者等と当該受刑者との関係その他の被害者等に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (刑執行開始時及び釈放前の指導等) 第八十五条 受刑者には、矯正処遇を行うほか、次の各号に掲げる期間において、当該各号に定める指導を行う。 一 刑の執行開始後の法務省令で定める期間 受刑の意義その他矯正処遇の実施の基礎となる事項並びに刑事施設における生活及び行動に関する指導 二 釈放前における法務省令で定める期間 釈放後の社会生活において直ちに必要となる知識の付与その他受刑者の帰住及び釈放後の生活に関する指導 2 前項第二号に掲げる期間における受刑者の処遇は、できる限り、これにふさわしい設備と環境を備えた場所で行うものとし、必要に応じ、第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊を許し、その他円滑な社会復帰を図るため必要な措置を執るものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、第一項各号に定める指導を行う日及び時間を定める。 (集団処遇) 第八十六条 矯正処遇及び前条第一項の規定による指導(以下「矯正処遇等」という。)は、その効果的な実施を図るため、必要に応じ、受刑者を集団に編成して行うものとする。 2 前項の場合において特に必要があるときは、第四条第一項の規定にかかわらず、居室外に限り、同項第一号に掲げる別による分離をしないことができる。 (刑事施設外処遇) 第八十七条 矯正処遇等は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 (制限の緩和) 第八十八条 受刑者の自発性及び自律性を 涵 かん 養するため、刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限は、法務省令で定めるところにより、第三十条の目的を達成する見込みが高まるに従い、順次緩和されるものとする。 2 前項の場合において、第三十条の目的を達成する見込みが特に高いと認められる受刑者の処遇は、法務省令で定めるところにより、開放的施設(収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の一部を設けず、又は講じない刑事施設の全部又は一部で法務大臣が指定するものをいう。以下同じ。)で行うことができる。 (優遇措置) 第八十九条 刑事施設の長は、受刑者の改善更生の意欲を喚起するため、次に掲げる処遇について、法務省令で定めるところにより、一定の期間ごとの受刑態度の評価に応じた優遇措置を講ずるものとする。 一 第四十条第二項の規定により物品を貸与し、又は支給すること。 二 第四十一条第一項の規定により自弁の物品の使用又は摂取を許すこと。 三 第百十一条の面会をすることができる時間又は回数を定めること。 四 その他法務省令で定める処遇 (社会との連携) 第九十条 刑事施設の長は、受刑者の処遇を行うに当たり必要があると認めるときは、受刑者の親族、民間の篤志家、関係行政機関その他の者に対し、協力を求めるものとする。 2 前項の協力をした者は、その協力を行うに当たって知り得た受刑者に関する秘密を漏らしてはならない。 (公務所等への照会) 第九十一条 刑事施設の長は、受刑者の資質及び環境の調査のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 第二款 作業 (懲役受刑者の作業) 第九十二条 懲役受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この節において同じ。)に行わせる作業は、懲役受刑者ごとに、刑事施設の長が指定する。 (禁錮受刑者等の作業) 第九十三条 刑事施設の長は、禁錮受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この節において同じ。)又は拘留受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。)が刑事施設の長の指定する作業を行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、その作業を行うことを許すことができる。 (作業の実施) 第九十四条 作業は、できる限り、受刑者の勤労意欲を高め、これに職業上有用な知識及び技能を習得させるように実施するものとする。 2 受刑者に職業に関する免許若しくは資格を取得させ、又は職業に必要な知識及び技能を習得させる必要がある場合において、相当と認めるときは、これらを目的とする訓練を作業として実施する。 (作業の条件等) 第九十五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、一日の作業時間及び作業を行わない日を定める。 2 刑事施設の長は、作業を行う受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置を講じなければならない。 3 受刑者は、前項の規定により刑事施設の長が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。 4 第二項の規定により刑事施設の長が講ずべき措置及び前項の規定により受刑者が守らなければならない事項は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に定める労働者の安全及び衛生を確保するため事業者が講ずべき措置及び労働者が守らなければならない事項に準じて、法務大臣が定める。 (外部通勤作業) 第九十六条 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した懲役受刑者又は禁錮受刑者が、第八十八条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため必要があるときは、刑事施設の職員の同行なしに、その受刑者を刑事施設の外の事業所(以下この条において「外部事業所」という。)に通勤させて作業を行わせることができる。 2 前項の規定による作業(以下「外部通勤作業」という。)は、外部事業所の業務に従事し、又は外部事業所が行う職業訓練を受けることによって行う。 3 受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、当該外部事業所の事業主(以下この条において「外部事業主」という。)との間において、受刑者の行う作業の種類、作業時間、受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置その他外部通勤作業の実施に関し必要な事項について、取決めを行わなければならない。 4 刑事施設の長は、受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、あらかじめ、その受刑者が外部通勤作業に関し遵守すべき事項(以下この条において「特別遵守事項」という。)を定め、これをその受刑者に告知するものとする。 5 特別遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 指定された経路及び方法により移動しなければならないこと。 二 指定された時刻までに刑事施設に帰着しなければならないこと。 三 正当な理由なく、外部通勤作業を行う場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。 四 外部事業主による作業上の指示に従わなければならないこと。 五 正当な理由なく、犯罪性のある者その他接触することにより矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と接触してはならないこと。 6 刑事施設の長は、外部通勤作業を行う受刑者が遵守事項又は特別遵守事項を遵守しなかった場合その他外部通勤作業を不適当とする事由があると認める場合には、これを中止することができる。 (作業収入) 第九十七条 作業の実施による収入は、国庫に帰属する。 (作業報奨金) 第九十八条 刑事施設の長は、作業を行った受刑者に対しては、釈放の際(その者が受刑者以外の被収容者となったときは、その際)に、その時における報奨金計算額に相当する金額の作業報奨金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、毎月、その月の前月において受刑者が行った作業に対応する金額として、法務大臣が定める基準に従い、その作業の成績その他就業に関する事項を考慮して算出した金額を報奨金計算額に加算するものとする。 ただし、釈放の日の属する月における作業に係る加算は、釈放の時に行う。 3 前項の基準は、作業の種類及び内容、作業に要する知識及び技能の程度等を考慮して定める。 4 刑事施設の長は、受刑者がその釈放前に作業報奨金の支給を受けたい旨の申出をした場合において、その使用の目的が、自弁物品等の購入、親族の生計の援助、被害者に対する損害賠償への充当等相当なものであると認めるときは、第一項の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、その支給の時における報奨金計算額に相当する金額の範囲内で、申出の額の全部又は一部の金額を支給することができる。 この場合には、その支給額に相当する金額を報奨金計算額から減額する。 5 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに刑事施設に収容されなかったときは、その者の報奨金計算額は、零とする。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 外部通勤作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 (遺族等への給付) 第九十九条 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その時に釈放したとするならばその受刑者に支給すべき作業報奨金に相当する金額を支給するものとする。 (手当金) 第百条 刑事施設の長は、受刑者が作業上死亡した場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者がその負傷又は疾病により死亡したときを含む。)には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、死亡手当金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が治った場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が治ったときを含む。)において、身体に障害が残ったときは、法務省令で定めるところにより、その者に障害手当金を支給するものとする。 ただし、その者が故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったときは、その全部又は一部を支給しないことができる。 3 前二項の規定により支給する手当金の額は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)に基づく災害補償の額に関する基準を参酌して法務省令で定める基準に従い算出した金額とする。 4 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が釈放の時になお治っていない場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が釈放の時になお治っていないときを含む。)において、その傷病の性質、程度その他の状況を考慮して相当と認められるときは、法務省令で定めるところにより、その者に特別手当金を支給するものとする。 (損害賠償との調整) 第百一条 国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律による損害賠償の責任を負う場合において、前条の手当金を支給したときは、同一の事由については、国は、その価額の限度においてその損害賠償の責任を免れる。 2 前項に規定する場合において、前条の手当金の支給を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法、民法その他の法律による損害賠償を受けたときは、国は、その価額の限度において同条の手当金の支給の義務を免れる。 (手当金の支給を受ける権利の保護等) 第百二条 第百条の手当金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 2 第百条の手当金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課してはならない。 第三款 各種指導 (改善指導) 第百三条 刑事施設の長は、受刑者に対し、犯罪の責任を自覚させ、健康な心身を培わせ、並びに社会生活に適応するのに必要な知識及び生活態度を習得させるため必要な指導を行うものとする。 2 次に掲げる事情を有することにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対し前項の指導を行うに当たっては、その事情の改善に資するよう特に配慮しなければならない。 一 麻薬、覚せい剤その他の薬物に対する依存があること。 二 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員であること。 三 その他法務省令で定める事情 3 刑事施設の長は、第一項の指導を行うに当たっては、被害者等の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第八十四条の二第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被害者等から、第八十四条の二第三項の規定により聴取した心情等を受刑者に伝達することを希望する旨の申出があったときは、第一項の指導を行うに当たり、当該心情等を受刑者に伝達するものとする。 ただし、その伝達をすることが当該受刑者の改善更生を妨げるおそれがあるときその他当該被害に係る事件の性質、矯正処遇の実施状況その他の処遇に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (教科指導) 第百四条 刑事施設の長は、社会生活の基礎となる学力を欠くことにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対しては、教科指導(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による学校教育の内容に準ずる内容の指導をいう。次項において同じ。)を行うものとする。 2 刑事施設の長は、前項に規定するもののほか、学力の向上を図ることが円滑な社会復帰に特に資すると認められる受刑者に対し、その学力の状況に応じた教科指導を行うことができる。 (指導の日及び時間) 第百五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、前二条の規定による指導を行う日及び時間を定める。 第四款 社会復帰支援等 (社会復帰支援) 第百六条 刑事施設の長は、受刑者の円滑な社会復帰を図るため、釈放後に自立した生活を営む上での困難を有する受刑者に対しては、その意向を尊重しつつ、次に掲げる支援を行うものとする。 一 適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。 二 医療及び療養を受けることを助けること。 三 就業又は修学を助けること。 四 前三号に掲げるもののほか、受刑者が健全な社会生活を営むために必要な援助を行うこと。 2 前項の支援は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 3 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、矯正処遇の実施状況、第八十四条の二第三項の規定により聴取した心情等その他の被害者等に関する事情及び受刑者が社会復帰をするに際し支援を必要とする事情を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、保護観察所の長と連携を図るように努めなければならない。 (外出及び外泊) 第百六条の二 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した懲役受刑者又は禁錮受刑者が、第八十八条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため、刑事施設の外において、その者が、釈放後の住居又は就業先の確保その他の一身上の重要な用務を行い、更生保護に関係のある者を訪問し、その他その釈放後の社会生活に有用な体験をする必要があると認めるときは、刑事施設の職員の同行なしに、外出し、又は七日以内の期間を定めて外泊することを許すことができる。 ただし、外泊については、その受刑者に係る刑が六月以上執行されている場合に限る。 2 第九十六条第四項、第五項(第四号を除く。)及び第六項の規定は、前項の規定による外出及び外泊について準用する。 (刑期不算入) 第百七条 前条第一項の規定による外泊をした者が、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかった場合には、その外泊の期間は、刑期に算入しない。 ただし、自己の責めに帰することのできない事由によって帰着することができなかった場合は、この限りでない。 (外出等に要する費用) 第百八条 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊に要する費用については、受刑者が負担することができない場合又は刑事施設の長が相当と認める場合には、その全部又は一部を国庫の負担とする。 第五款 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百九条 未決拘禁者としての地位を有する受刑者についての第八十四条第一項及び第八十九条の規定の適用については、第八十四条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「未決の者としての地位を損なわない限度で、かつ、その拘禁の期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」と、第八十九条第三号中「第百十一条」とあるのは「第百十九条において準用する第百十一条」とする。 2 未決拘禁者としての地位を有する受刑者については、第八十六条から第八十八条まで、第九十六条、第百六条第二項及び第百六条の二から前条までの規定は、適用しない。 第十一節 外部交通 第一款 受刑者についての留意事項 第百十条 この節の定めるところにより、受刑者に対し、外部交通(面会、信書の発受及び第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)を行うことを許し、又はこれを禁止し、差し止め、若しくは制限するに当たっては、適正な外部交通が受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資するものであることに留意しなければならない。 第二款 面会 第一目 受刑者 (面会の相手方) 第百十一条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 受刑者の更生保護に関係のある者、受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百十二条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 ただし、受刑者が次に掲げる者と面会する場合には、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、この限りでない。 一 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第百十三条 刑事施設の職員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、受刑者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 受刑者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第一項の規定による制限に違反する行為 ロ 刑事施設の規律及び秩序を害する行為 二 受刑者又は面会の相手方が次のイからホまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの ニ 受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれのあるもの ホ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 刑事施設の長は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第百十四条 刑事施設の長は、受刑者の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一月につき二回を下回ってはならない。 第二目 未決拘禁者 (面会の相手方) 第百十五条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されない場合は、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第百十六条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者の弁護人等以外の者との面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、その立会い並びに録音及び録画(次項において「立会い等」という。)をさせないことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定にかかわらず、未決拘禁者の第百十二条各号に掲げる者との面会については、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、立会い等をさせてはならない。 (面会の一時停止及び終了) 第百十七条 第百十三条(第一項第二号ホを除く。)の規定は、未決拘禁者の面会について準用する。 この場合において、同項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と読み替えるものとする。 (面会に関する制限) 第百十八条 未決拘禁者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の刑事施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 刑事施設の長は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、刑事施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の場所について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 第百十四条の規定は、未決拘禁者と弁護人等以外の者との面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百十九条 第百十一条、第百十三条、第百十四条、第百十六条及び前条第一項から第四項までの規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者の面会について準用する。 この場合において、第百十一条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、第百十四条第一項中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (面会の相手方) 第百二十条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 死刑確定者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 面会により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百二十一条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、死刑確定者の訴訟の準備その他の正当な利益の保護のためその立会い又は録音若しくは録画をさせないことを適当とする事情がある場合において、相当と認めるときは、この限りでない。 (面会の一時停止及び終了等) 第百二十二条 第百十三条(第一項第二号ニを除く。)及び第百十四条の規定は、死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百二十三条 第百十三条、第百十八条、第百二十条及び第百二十一条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、第百二十条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百二十一条中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (面会の相手方) 第百二十四条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項及び次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 (各種被収容者の面会の立会い等) 第百二十五条 第百十二条、第百十三条(第一項第二号ニ及びホを除く。)及び第百十四条の規定は、各種被収容者の面会について準用する。 この場合において、第百十二条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百十四条第二項中「一月につき二回」とあるのは「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三款 信書の発受 第一目 受刑者 (発受を許す信書) 第百二十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査) 第百二十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 受刑者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 二 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対して発する信書 三 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。)との間で発受する信書 (信書の発受の禁止) 第百二十八条 刑事施設の長は、犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することにより、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く。)については、受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第百二十九条 刑事施設の長は、第百二十七条の規定による検査の結果、受刑者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第二項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 発受によって、受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、受刑者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び受刑者が弁護士との間で発受する信書であってその受刑者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号までのいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第百三十条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、受刑者が発信を申請する信書の通数並びに受刑者の信書の発受の方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により受刑者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一月につき四通を下回ってはならない。 (発信に要する費用) 第百三十一条 信書の発信に要する費用については、受刑者が負担することができない場合において、刑事施設の長が発信の目的に照らし相当と認めるときは、その全部又は一部を国庫の負担とする。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第百三十二条 刑事施設の長は、第百二十八条、第百二十九条又は第百四十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第百二十九条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 刑事施設の長は、第百二十九条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された受刑者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 受刑者が、第五十四条第一項各号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、受刑者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは、「第百三十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、受刑者の釈放若しくは死亡の日又は受刑者が第五十四条第一項各号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (受刑者作成の文書図画) 第百三十三条 刑事施設の長は、受刑者が、その作成した文書図画(信書を除く。)を他の者に交付することを申請した場合には、その交付につき、受刑者が発する信書に準じて検査その他の措置を執ることができる。 第二目 未決拘禁者 (発受を許す信書) 第百三十四条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の検査) 第百三十五条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 未決拘禁者が弁護人等から受ける信書 二 未決拘禁者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 三 未決拘禁者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士から受ける信書 3 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、前二項の規定にかかわらず、第一項の検査を行わせないことができる。 (信書の内容による差止め等) 第百三十六条 第百二十九条から第百三十三条までの規定は、未決拘禁者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十五条」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 (発受を許す信書) 第百三十七条 刑事施設の長は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の発受の禁止等) 第百三十八条 第百二十八条から第百三十三条まで及び第百三十五条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十八条において準用する第百三十五条」と、同項第六号中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、同条第二項中「場合」とあるのは「場合又は信書の発受によって罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるものである場合」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、第百三十二条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (発受を許す信書) 第百三十九条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、次に掲げる信書を発受することを許すものとする。 一 死刑確定者の親族との間で発受する信書 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため発受する信書 三 発受により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる信書 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる信書以外の信書の発受について、その発受の相手方との交友関係の維持その他その発受を必要とする事情があり、かつ、その発受により刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (信書の検査) 第百四十条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 第百二十七条第二項の規定は、前項の検査について準用する。 (信書の内容による差止め等) 第百四十一条 第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十条」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百四十二条 第百二十九条から第百三十三条まで、第百三十五条第一項及び第二項並びに第百三十九条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十二条において準用する第百三十五条第一項及び第二項」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と、第百三十九条第一項中「、この目」とあるのは「、次目」と、「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (発受を許す信書) 第百四十三条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査等) 第百四十四条 第百二十七条、第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、各種被収容者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十七条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四款 被告人又は被疑者である被収容者の面会及び信書の発受 第百四十五条 被告人又は被疑者である被収容者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)が弁護人等と面会し、又は弁護人等との間において信書の発受をする場合については、第二款第二目又は前款第二目中の未決拘禁者の弁護人等との面会又は信書の発受に関する規定(第百三十六条において準用する第百二十九条第一項第六号を除く。)の例による。 第五款 電話等による通信 (電話等による通信) 第百四十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この款において同じ。)に対し、第八十八条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その者の改善更生又は円滑な社会復帰に資すると認めるときその他相当と認めるときは、電話その他政令で定める電気通信の方法による通信を行うことを許すことができる。 2 第百三十一条の規定は、前項の通信について準用する。 (通信の確認等) 第百四十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、前条第一項の通信の内容を確認するため、その通信を受けさせ、又はその内容を記録させることができる。 2 第百十三条第一項(第一号イを除く。)及び第二項の規定は、前条第一項の通信について準用する。 第六款 外国語による面会等 第百四十八条 刑事施設の長は、被収容者又はその面会等(面会又は第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会等を許すものとする。 この場合において、発言又は通信の内容を確認するため通訳又は翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 3 被収容者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会等又は信書の発受を許さない。 第十二節 賞罰 (褒賞) 第百四十九条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、法務省令で定めるところにより、賞金又は賞品の授与その他の方法により褒賞を行うことができる。 一 人命を救助したとき。 二 第八十二条第一項に規定する応急の用務に服して、功労があったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、賞揚に値する行為をしたとき。 (懲罰の要件等) 第百五十条 刑事施設の長は、被収容者が、遵守事項若しくは第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項を遵守せず、又は第七十四条第三項の規定に基づき刑事施設の職員が行った指示に従わなかった場合には、その被収容者に懲罰を科することができる。 2 懲罰を科するに当たっては、懲罰を科せられるべき行為(以下この節において「反則行為」という。)をした被収容者の年齢、心身の状態及び行状、反則行為の性質、軽重、動機及び刑事施設の運営に及ぼした影響、反則行為後におけるその被収容者の態度、受刑者にあっては懲罰がその者の改善更生に及ぼす影響その他の事情を考慮しなければならない。 3 懲罰は、反則行為を抑制するのに必要な限度を超えてはならない。 (懲罰の種類) 第百五十一条 受刑者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第九十三条の規定による作業の十日以内の停止 三 第四十一条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 四 書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。第三項第三号及び次条第一項第三号において同じ。)の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 五 報奨金計算額の三分の一以内の削減 六 三十日以内(懲罰を科する時に二十歳以上の者について、特に情状が重い場合には、六十日以内)の閉居 2 前項第二号から第五号までの懲罰にあっては二種類以上を併せて、同項第六号の懲罰(以下この節において「閉居罰」という。)にあっては同項第五号の懲罰と併せて科することができる。 3 受刑者以外の被収容者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 三 書籍等の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 四 閉居罰 4 前項第二号及び第三号の懲罰は、併せて科することができる。 (閉居罰の内容) 第百五十二条 閉居罰においては、次に掲げる行為を停止し、法務省令で定めるところにより、居室内において謹慎させる。 一 第四十一条の規定により自弁の物品(刑事施設の長が指定する物品を除く。)を使用し、又は摂取すること。 二 宗教上の儀式行事に参加し、又は他の被収容者と共に宗教上の教誨を受けること。 三 書籍等を閲覧すること。 四 自己契約作業を行うこと。 五 面会すること(弁護人等と面会する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 六 信書を発受すること(弁護人等との間で信書を発受する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 2 閉居罰を科されている被収容者については、第五十七条の規定にかかわらず、その健康の保持に支障を生じない限度において、法務省令で定める基準に従い、運動を制限する。 3 閉居罰を科されている受刑者には、謹慎の趣旨に反しない限度において、矯正処遇等を行うものとする。 (反則行為に係る物の国庫への帰属) 第百五十三条 刑事施設の長は、懲罰を科する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、次に掲げる物を国庫に帰属させることができる。 ただし、反則行為をした被収容者以外の者に属する物については、この限りでない。 一 反則行為を組成した物 二 反則行為の用に供し、又は供しようとした物 三 反則行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は反則行為の報酬として得た物 四 前号に掲げる物の対価として得た物 (反則行為の調査) 第百五十四条 刑事施設の長は、被収容者が反則行為をした疑いがあると思料する場合には、反則行為の有無及び第百五十条第二項の規定により考慮すべき事情並びに前条の規定による処分の要件の有無について、できる限り速やかに調査を行わなければならない。 2 刑事施設の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑務官に、被収容者の身体、着衣、所持品及び居室を検査させ、並びにその所持品を取り上げて一時保管させることができる。 3 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 4 刑事施設の長は、受刑者について、反則行為をした疑いがあると思料する場合において、必要があるときは、法務省令で定めるところにより、他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 5 前項の規定による隔離の期間は、二週間とする。 ただし、刑事施設の長は、やむを得ない事由があると認めるときは、二週間に限り、その期間を延長することができる。 6 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 (懲罰を科する手続) 第百五十五条 刑事施設の長は、被収容者に懲罰を科そうとする場合には、法務省令で定めるところにより、その聴取をする三人以上の職員を指名した上、その被収容者に対し、弁解の機会を与えなければならない。 この場合においては、その被収容者に対し、あらかじめ、書面で、弁解をすべき日時又は期限及び懲罰(第百五十三条の規定による処分を含む。次項及び次条において同じ。)の原因となる事実の要旨を通知するとともに、被収容者を補佐すべき者を刑事施設の職員のうちから指名しなければならない。 2 前項前段の規定による指名を受けた職員は、懲罰を科することの適否及び科すべき懲罰の内容について協議し、これらの事項についての意見及び被収容者の弁解の内容を記載した報告書を刑事施設の長に提出しなければならない。 (懲罰の執行) 第百五十六条 刑事施設の長は、懲罰を科するときは、被収容者に対し、懲罰の内容及び懲罰の原因として認定した事実の要旨を告知した上、直ちにその執行をするものとする。 ただし、反省の情が著しい場合その他相当の理由がある場合には、その執行を延期し、又はその全部若しくは一部の執行を免除することができる。 2 刑事施設の長は、閉居罰の執行に当たっては、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 第十三節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第百五十七条 次に掲げる刑事施設の長の措置に不服がある者は、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第四十九条の規定による領置されている現金の使用又は第五十条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第六十三条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 四 第六十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第七十条第一項又は第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第七十条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第七十六条第一項の規定による隔離 八 第九十八条第一項の規定による作業報奨金の支給に関する処分 九 第百条第二項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金の支給に関する処分 十 第百条第四項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給に関する処分 十一 第百二十八条(第百三十八条において準用する場合を含む。)の規定又は第百二十九条、第百三十条第一項若しくは第百三十三条(これらの規定を第百三十六条(第百四十五条においてその例による場合を含む。次号において同じ。)、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 十二 第百三十二条第五項前段(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(第百三十二条第三項(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による引渡しに係るものに限る。) 十三 第百四十八条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 十四 第百五十条第一項の規定による懲罰 十五 第百五十三条の規定による物を国庫に帰属させる処分 十六 第百五十四条第四項の規定による隔離 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、これを行う者が自らしなければならない。 (審査の申請期間) 第百五十八条 審査の申請は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 2 天災その他前項の期間内に審査の申請をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、審査の申請をすることができる。 3 刑事施設の長が誤って法定の期間よりも長い期間を審査の申請期間として教示した場合において、その教示された期間内に審査の申請がされたときは、その審査の申請は、法定の期間内にされたものとみなす。 (行政不服審査法の準用) 第百五十九条 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは、「職権で」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (調査) 第百六十条 矯正管区の長は、職権で、審査の申請に関して必要な調査をするものとする。 2 矯正管区の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑事施設の長に対し、報告若しくは資料その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、審査の申請人その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。 (裁決) 第百六十一条 矯正管区の長は、審査の申請を受けたときは、できる限り九十日以内に裁決をするよう努めるものとする。 2 行政不服審査法第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請の裁決について準用する。 この場合において、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは、「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第百六十二条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、法務大臣に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び前条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (矯正管区の長に対する事実の申告) 第百六十三条 被収容者は、自己に対する刑事施設の職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項並びに第百六十条並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 (通知) 第百六十四条 前条第一項の規定による申告が適法であるときは、矯正管区の長は、その申告に係る事実の有無について確認し、その結果をその申告をした者に通知するものとする。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 2 前条第一項の規定による申告が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、矯正管区の長は、その旨をその申告をした者に通知するものとする。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第五十条第一項及び第三項の規定は、前二項の規定による通知について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 4 矯正管区の長は、前条第一項に規定する事実があったことを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置その他の措置を執るものとする。 (法務大臣に対する事実の申告) 第百六十五条 被収容者は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、法務大臣に対し、第百六十三条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに前条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (法務大臣に対する苦情の申出) 第百六十六条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 法務大臣は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 (監査官に対する苦情の申出) 第百六十七条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、刑事施設の職員を立ち会わせてはならない。 4 前条第三項の規定は、監査官が苦情の申出を受けた場合について準用する。 (刑事施設の長に対する苦情の申出) 第百六十八条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、刑事施設の長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 被収容者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、刑事施設の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。 4 第百六十六条第三項の規定は、刑事施設の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第百六十九条 刑事施設の長は、被収容者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第百六十三条第一項若しくは第百六十五条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は法務大臣若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を刑事施設の職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第百七十条 刑事施設の職員は、被収容者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十四節 釈放 (受刑者の釈放) 第百七十一条 受刑者の釈放は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に、できる限り速やかに行う。 一 釈放すべき日があらかじめ定められている場合 その日の午前中 二 不定期刑の終了による場合 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第四十四条第二項の通知が刑事施設に到達した日の翌日の午前中 三 政令で行われる恩赦による場合であって、当該恩赦に係る政令の規定の公布の日が釈放すべき日となる場合 その日のうち 四 前三号に掲げる場合以外の場合 釈放の根拠となる文書が刑事施設に到達した時から十時間以内 (被勾留者の釈放) 第百七十二条 被勾留者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この条において同じ。)の釈放は、次に掲げる事由が生じた後直ちに行う。 一 被告人の勾留の期間が満了したこと。 二 刑事訴訟法第三百四十五条の規定により勾留状が効力を失ったこと(被勾留者が公判廷にある場合に限る。)。 三 検察官の釈放の指揮又は通知を受けたこと。 (その他の被収容者の釈放) 第百七十三条 前二条の規定によるもののほか、被収容者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 (傷病による滞留) 第百七十四条 刑事施設の長は、釈放すべき被収容者が刑事施設内において医療を受けている場合において、釈放によってその生命に危険が及び、又はその健康に回復し難い重大な障害が生ずるおそれがあるときは、その者が刑事施設に一時とどまることを許すことができる。 2 前項の規定により刑事施設にとどまる者の処遇については、その性質に反しない限り、各種被収容者に関する規定を準用する。 (帰住旅費等の支給) 第百七十五条 釈放される被収容者に対しては、その帰住を助けるため必要な旅費又は衣類を支給するものとする。 第十五節 死亡 (死亡の通知) 第百七十六条 刑事施設の長は、被収容者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物、支給すべき作業報奨金に相当する金額若しくは死亡手当金又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 (死体に関する措置) 第百七十七条 被収容者が死亡した場合において、その死体の埋葬又は火葬を行う者がないときは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第九条の規定にかかわらず、その埋葬又は火葬は、刑事施設の長が行うものとする。 2 前項に定めるもののほか、被収容者の死体に関する措置については、法務省令で定める。 第十六節 死刑の執行 (死刑の執行) 第百七十八条 死刑は、刑事施設内の刑場において執行する。 2 日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日及び十二月二十九日から十二月三十一日までの日には、死刑を執行しない。 (解縄) 第百七十九条 死刑を執行するときは、絞首された者の死亡を確認してから五分を経過した後に絞縄を解くものとする。 第三章 留置施設における被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第百八十条 留置業務管理者は、被留置者に対し、その留置施設における留置の開始に際し、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その留置施設に留置されている被留置者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第百九十五条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百十一条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百三十一条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、内閣府令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第百八十一条 留置担当官は、被留置者について、その留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の留置担当官が留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様等 (処遇の態様) 第百八十二条 被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の内閣府令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百十二条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 (留置施設における矯正処遇) 第百八十三条 留置施設においては、受刑者としての地位を有する被留置者(以下この章において「被留置受刑者」という。)について、矯正処遇は行わない。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯) 第百八十四条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを被留置者に告知するものとする。 (活動の援助) 第百八十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者に対し、知的、教育的及び娯楽的活動その他の活動について、援助を与えるように努めなければならない。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第百八十六条 被留置者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、留置施設における日常生活に必要なもの(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被留置者には、前項に定めるもののほか、内閣府令で定めるところにより、必要に応じ、留置施設における日常生活に用いる物品(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜好品を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第百八十七条 留置業務管理者は、被留置者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 嗜好品 四 日用品、文房具その他の留置施設における日常生活に用いる物品 (補正器具等の自弁等) 第百八十八条 被留置者には、次に掲げる物品については、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 三 その他内閣府令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被留置者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第百八十九条 第百八十六条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被留置者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被留置者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 (反則行為があった場合の自弁の物品に関する措置) 第百九十条 留置業務管理者は、被留置者が次に掲げる行為(第二百八条第一項において「反則行為」という。)を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、第百八十七条第三号に掲げる物品について、三日を超えない期間に限り、自弁のものの摂取を許さないことができる。 一 犯罪行為 二 他人に対する粗野若しくは乱暴な言動又は他人に対し迷惑を及ぼす行為 三 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為 四 留置施設の安全を害するおそれのある行為 五 留置施設内の衛生を害する行為 2 第百五十条第二項及び第三項、第百五十三条、第百五十四条第一項から第三項まで、第百五十五条並びに第百五十六条第一項の規定は、留置業務管理者による被留置者に対する前項の措置について準用する。 この場合において、第百五十条第二項中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第百五十三条中「刑事施設の規律」とあるのは「留置施設の規律」と、「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第百五十四条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第三項中「第三十四条第二項」とあるのは「第百八十一条第二項」と、第百五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、「刑事施設の職員」とあるのは「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 3 第一項の措置は、いやしくも都道府県警察がする捜査の目的のためにこれを用いてはならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第百九十一条 留置業務に従事する職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 被留置者に交付するため当該被留置者以外の者が留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第百九十二条 留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第百九十三条 留置業務管理者は、第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被留置者に交付することにより、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 交付の相手方が被留置受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その被留置受刑者に交付することにより、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁物品等以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、留置業務管理者は、被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第百九十四条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、被留置者に引き渡す。 一 第百九十一条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第百九十二条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第百九十一条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第百九十一条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第三号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第百九十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、保管私物(被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者の保管私物(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は被留置者について領置している物品(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第百九十六条 留置業務管理者は、被留置者が、自弁物品等を購入し、又は留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第百九十七条 留置業務管理者は、被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百二十七条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。第三号において同じ。)により、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、交付により、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第百九十八条 第五十一条の規定は留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は被留置者の遺留物(留置施設に遺留した金品をいう。第二百三十九条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「次章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第百九十九条 留置施設においては、被留置者の心身の状況を把握することに努め、被留置者の健康及び留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (健康診断等) 第二百条 留置業務管理者は、留置担当官に、被留置者から、その留置施設における留置の開始に際し、疾病、外傷等の有無その他の健康状態につき事情を聴取させなければならない。 2 留置業務管理者は、被留置者に対し、おおむね一月につき二回、内閣府令で定めるところにより、当該留置業務管理者が委嘱する医師による健康診断を行わなければならない。 留置施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 3 被留置者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第二百一条 留置業務管理者は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、当該留置業務管理者が委嘱する医師等による診療を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 留置業務管理者は、前項の規定により診療を行う場合において、被留置者を病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被留置者を病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第二百二条 留置業務管理者は、負傷し、又は疾病にかかっている被留置者が、当該留置業務管理者が委嘱する医師等以外の医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、留置施設に留置される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被留置者の医療上適当であると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、留置施設内又は留置業務管理者が適当と認める病院若しくは診療所において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 留置業務管理者は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被留置者に対して診療を行うため必要があるときは、留置業務に従事する職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、留置業務管理者が内閣府令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 留置業務管理者は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により留置業務管理者が行う措置に従わないとき、前項の規定により留置業務管理者が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (調髪及びひげそり) 第二百三条 留置業務管理者は、被留置者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百四条 第五十七条から第五十九条までの規定は被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は留置業務管理者による被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十七条ただし書及び第五十九条中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「留置施設内」と、「第六十一条」とあるのは「第二百条第二項及び第三項」と、「第六十二条」とあるのは「第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「留置施設の外」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五条 被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百六条 被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百七条 留置業務管理者は、被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (反則行為があった場合の自弁の書籍等に関する措置) 第二百八条 留置業務管理者は、被留置者が反則行為を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、内閣府令で定める自弁の書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。)について、三日を超えない期間に限り、その閲覧を許さないことができる。 2 第百九十条第二項及び第三項の規定は、被留置者に対する前項の措置について準用する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百九条 第七十一条の規定は留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条の規定は留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与等の措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第七十二条第二項中「第三十九条第二項」とあるのは「第百八十五条」と、「刑事施設に」とあるのは「留置施設に」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (留置施設の規律及び秩序) 第二百十条 留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百十一条 留置業務管理者は、被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、留置業務管理者又はその指定する留置業務に従事する職員は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第二百十二条 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第百八十一条第二項の規定は、前項の規定による女子の被留置者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、留置施設内において、被留置者以外の者(弁護人等を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の使用) 第二百十三条 留置担当官は、被留置者を護送する場合又は被留置者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、内閣府令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 留置施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 留置担当官は、被留置者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄、手錠又は防声具と同時に使用することはできない。 3 保護室が設置されていない留置施設においては、留置担当官は、被留置者が留置担当官の制止に従わず大声を発し続けて、留置施設内の平穏な生活を乱す場合において、他にこれを抑止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、防声具を使用することができる。 この場合において、その被留置者が防声具を取り外し、又は損壊することを防ぐため必要があるときは、その使用と同時に捕縄又は手錠を使用することができる。 4 前二項に規定する場合において、留置業務管理者の命令を待ついとまがないときは、留置担当官は、その命令を待たないで、拘束衣又は防声具(前項後段の規定により使用する捕縄又は手錠を含む。)を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を留置業務管理者に報告しなければならない。 5 拘束衣及び防声具の使用の期間は、三時間とする。 ただし、拘束衣の使用については、留置業務管理者は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 6 留置業務管理者は、前項の期間中であっても、拘束衣又は防声具の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 7 被留置者に拘束衣若しくは防声具を使用し、又は拘束衣の使用の期間を更新した場合には、留置業務管理者は、速やかに、その被留置者の健康状態について、当該留置業務管理者が委嘱する医師の意見を聴かなければならない。 8 捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の制式は、内閣府令で定める。 (保護室への収容) 第二百十四条 留置担当官は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、留置業務管理者の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 留置担当官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 留置施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 第七十九条第二項から第六項までの規定は、被留置者の保護室への収容について準用する。 この場合において、同条第二項から第五項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第五項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該留置業務管理者が委嘱する医師」と、同条第六項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と読み替えるものとする。 (災害時の避難及び解放) 第二百十五条 留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、留置施設内において避難の方法がないときは、被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被留置者を護送することができないときは、留置業務管理者は、その者を留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、留置施設の外にある被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、留置施設又は留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百十六条 留置業務管理者は、被留置受刑者以外の被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (被留置受刑者の面会の相手方) 第二百十七条 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 一 被留置受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 被留置受刑者の更生保護に関係のある者、被留置受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により被留置受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又はその被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百十八条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、被留置者の次に掲げる者との面会については、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百十九条 留置業務に従事する職員は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 四 被留置受刑者又はその面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれのあるもの ロ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第二百二十条 被留置者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の留置施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 留置業務管理者は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、留置施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 留置業務管理者は、第一項の面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の場所について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 留置業務管理者は、被留置者と弁護人等以外の者との面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 6 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一日につき一回を下回ってはならない。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百二十一条 留置業務管理者は、被留置者に対し、この款又は第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百二十二条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の発受の禁止) 第二百二十三条 留置業務管理者は、犯罪性のある者その他被留置受刑者が信書を発受することにより、留置施設の規律及び秩序を害し、又は被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがある者(被留置受刑者の親族を除く。)については、被留置受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第二百二十四条 留置業務管理者は、第二百二十二条の規定による検査の結果、被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 七 被留置受刑者が発受する信書について、その発受によって、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第二百二十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、被留置者が発信を申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)の通数並びに被留置者の信書の発受の方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により被留置者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一日につき一通を下回ってはならない。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百二十六条 留置業務管理者は、第二百二十三条、第二百二十四条又は第二百二十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第二百二十四条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 留置業務管理者は、第二百二十四条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 留置業務管理者は、被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等(内閣府令で定める遺族その他の者をいう。第二百三十九条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 被留置者が、第百九十八条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百二十六条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、被留置者の釈放若しくは死亡の日又は被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百二十七条 第百三十一条の規定は被留置者の信書について、第百三十三条の規定は被留置者の文書図画について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百三十一条中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百二十八条 留置業務管理者は、被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 3 被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百二十九条 次に掲げる留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、警察本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第百八十七条又は第百九十条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第百九十条第二項(第二百八条第二項において準用する場合を含む。)において準用する第百五十三条の規定による物を都道府県に帰属させる処分 三 第百九十六条の規定による領置されている現金の使用又は第百九十七条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 四 第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 五 第二百五条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 六 第二百七条第一項若しくは第二百八条第一項の規定又は第二百九条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 七 第二百七条第二項の規定による費用を負担させる処分 八 第二百二十三条、第二百二十四条若しくは第二百二十五条第一項の規定又は第二百二十七条において準用する第百三十三条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 九 第二百二十六条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 十 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百三十条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、公安委員会に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (警察本部長に対する事実の申告) 第二百三十一条 被留置者は、自己に対する留置業務に従事する職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、警察本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠、拘束衣又は防声具の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (公安委員会に対する事実の申告) 第二百三十二条 被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、公安委員会に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (警察本部長に対する苦情の申出) 第二百三十三条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、警察本部長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の警察本部長に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百三十四条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 (留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百三十五条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百三十六条 留置業務管理者は、被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百三十一条第一項若しくは第二百三十二条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は警察本部長若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を留置業務に従事する職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百二十二条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百三十七条 留置業務に従事する職員は、被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百三十八条 第百七十一条から第百七十三条までの規定は被留置者の釈放について、第百七十五条の規定は釈放される被留置者について、それぞれ準用する。 この場合において、第百七十一条第二号及び第四号中「刑事施設」とあるのは、「留置施設」と読み替えるものとする。 第十三節 死亡 第二百三十九条 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第十四節 法務大臣との協議 第二百四十条 内閣総理大臣は、被勾留者及び受刑者の処遇の斉一を図るため、被勾留者である被留置者及び被留置受刑者の処遇に関し内閣府令を制定し、又は改廃するに当たっては、法務大臣と協議するものとする。 第四章 海上保安留置施設における海上保安被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第二百四十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第二百五十条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百六十二条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百七十七条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、国土交通省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第二百四十二条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者について、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の海上保安被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の海上保安留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の海上保安留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の海上保安留置担当官が海上保安留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 第二百四十三条 海上保安被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の国土交通省令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(海上保安被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として海上保安留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百六十四条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(海上保安留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 第三節 起居動作の時間帯 第二百四十四条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを海上保安被留置者に告知するものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 第二百四十五条 第百八十六条から第百八十九条までの規定は、海上保安留置施設における海上保安被留置者に対する物品の貸与及び支給並びに自弁について準用する。 この場合において、第百八十六条第二項、第百八十七条及び第百八十八条第一項第三号中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第百八十七条中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、「、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き」とあるのは「を除き」と読み替えるものとする。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第二百四十六条 海上保安留置担当官は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 海上保安被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 海上保安被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(海上保安留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 海上保安被留置者に交付するため当該海上保安被留置者以外の者が海上保安留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第二百四十七条 海上保安留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、海上保安被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第二百四十八条 海上保安留置業務管理者は、第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 海上保安被留置者に交付することにより、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 四 自弁物品等以外の物品であるとき。 五 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第三号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、海上保安留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第五号に該当するものについては、海上保安留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第四号又は第五号に該当するもの(同項第一号から第三号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、海上保安被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、海上保安留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第二百四十九条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、海上保安被留置者に引き渡す。 一 第二百四十六条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第二百四十七条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第二百四十六条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(海上保安被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、海上保安留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第二百四十六条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号又は第三号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第二百五十条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、保管私物(海上保安被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び海上保安被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、海上保安留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の保管私物(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は海上保安被留置者について領置している物品(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該海上保安被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は海上保安被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は海上保安被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第二百五十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、自弁物品等を購入し、又は海上保安留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第二百五十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百七十三条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その海上保安留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。)により、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百五十三条 第五十一条の規定は海上保安留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は海上保安留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は海上保安被留置者の遺留物(海上保安留置施設に遺留した金品をいう。第二百八十五条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「第四章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第二百五十四条 海上保安留置施設においては、海上保安被留置者の心身の状況を把握することに努め、海上保安被留置者の健康及び海上保安留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第二百五十五条 海上保安被留置者には、国土交通省令で定めるところにより、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百五十六条 第五十八条、第五十九条、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定は海上保安被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあり、並びに第二百二条第一項及び第三項並びに第二百三条中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十九条中「刑事施設」とあり、並びに第二百条第一項及び第二百二条第一項中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「海上保安留置施設内」と、「第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条」とあるのは「第二百五十六条において準用する第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「海上保安留置施設の外」と、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百条第一項中「留置担当官」とあり、及び第二百二条第二項中「留置業務に従事する職員」とあるのは「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五十七条 海上保安被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百五十八条 海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百五十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、海上保安被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十条 第七十一条の規定は海上保安留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条第一項の規定は海上保安留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (海上保安留置施設の規律及び秩序) 第二百六十一条 海上保安留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、海上保安被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百六十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 海上保安留置担当官の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の海上保安被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 海上保安留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 海上保安留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、海上保安留置業務管理者又は海上保安留置担当官は、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、海上保安被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (災害時の避難及び解放) 第二百六十三条 海上保安留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設内において避難の方法がないときは、海上保安被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、海上保安被留置者を護送することができないときは、海上保安留置業務管理者は、その者を海上保安留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設の外にある海上保安被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、海上保安留置施設又は海上保安留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十四条 第七十五条の規定は海上保安留置担当官による海上保安被留置者の身体、着衣、所持品及び居室の検査並びに所持品の保管並びに海上保安被留置者以外の者の着衣及び携帯品の検査並びに携帯品の保管について、第七十八条の規定は海上保安留置担当官による捕縄、手錠及び拘束衣の使用について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十五条第一項及び第三項並びに第七十八条第一項第三号中「刑事施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第七十五条第二項中「第三十四条第二項」とあるのは「第二百四十二条第二項」と、第七十八条第一項、第二項及び第六項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、同条第一項及び第七項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条第二項から第六項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該海上保安留置業務管理者が委嘱する医師」と読み替えるものとする。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百六十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百六十六条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 海上保安留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、海上保安被留置者の次に掲げる者との面会については、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百六十七条 海上保安留置担当官は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、海上保安被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条において準用する第二百二十条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 2 海上保安留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (留置施設に関する規定の準用) 第二百六十八条 第二百二十条の規定は、海上保安被留置者の面会について準用する。 この場合において、同条第一項及び第三項から第五項までの規定中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、同条第三項から第五項までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第四項及び第五項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と読み替えるものとする。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百六十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、この款又は第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百七十条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 海上保安被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の海上保安被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の内容による差止め等) 第二百七十一条 海上保安留置業務管理者は、前条の規定による検査の結果、海上保安被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、海上保安被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び海上保安被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその海上保安被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百七十二条 海上保安留置業務管理者は、前条又は第二百七十四条第三項の規定により信書の発受を差し止め、又は禁止した場合にはその信書を、前条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、前条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等(国土交通省令で定める遺族その他の者をいう。第二百八十五条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された海上保安被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 海上保安被留置者が、第二百五十三条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、海上保安被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百七十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、海上保安被留置者の釈放若しくは死亡の日又は海上保安被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百七十三条 第百三十一条の規定は海上保安被留置者の信書について、第百三十三条の規定は海上保安被留置者の文書図画について、第二百二十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者の信書に関する制限について、それぞれ準用する。 この場合において、第百三十一条及び第百三十三条中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百二十五条第一項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百七十四条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 3 海上保安被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百七十五条 次に掲げる海上保安留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第二百四十五条において準用する第百八十七条の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第二百五十一条の規定による領置されている現金の使用又は第二百五十二条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第二百五十六条において準用する第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は第二百五十六条において準用する第二百二条第四項の規定による診療の中止 四 第二百五十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第二百五十九条第一項の規定又は第二百六十条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第二百五十九条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第二百七十一条の規定又は第二百七十三条において準用する第百三十三条若しくは第二百二十五条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の差止め又は制限 八 第二百七十二条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 九 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百七十六条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、海上保安庁長官に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (管区海上保安本部長に対する事実の申告) 第二百七十七条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置担当官による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (海上保安庁長官に対する事実の申告) 第二百七十八条 海上保安被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、海上保安庁長官に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (海上保安庁長官に対する苦情の申出) 第二百七十九条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、海上保安庁長官に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の海上保安庁長官に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百八十条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第二十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 (海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百八十一条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、海上保安留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百八十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百七十七条第一項若しくは第二百七十八条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は海上保安庁長官若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を海上保安留置担当官に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百七十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百八十三条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百八十四条 海上保安被留置者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 2 第百七十五条の規定は、釈放される海上保安被留置者について準用する。 第十三節 死亡 第二百八十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第三編 補則 第一章 代替収容の場合における刑事訴訟法等の適用 第二百八十六条 第十五条第一項の規定により留置施設に留置される者については、留置施設を刑事施設と、留置業務管理者を刑事施設の長と、留置担当官を刑事施設職員とみなして、刑事訴訟法第六十四条第一項、第六十五条第三項、第七十条第二項、第七十三条第二項、第七十八条、第八十条後段、第九十八条第一項及び第二項、第九十八条の二、第九十八条の十七第一項(第一号及び第二号に係る部分に限る。)及び第四項、第九十八条の二十第五項(第二号に係る部分に限る。)、第九十八条の二十一第三項(第二号に係る部分に限る。)、第二百八十六条の二、第三百四十三条の二、第三百六十六条、第三百六十七条並びに第四百八十一条第二項、更生保護法第十三条(同法第二十二条、第二十五条第三項、第三十六条第三項(同法第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第六十三条第十項、第七十三条第五項、第七十三条の四第三項及び第七十六条第四項において準用する場合を含む。)、第二十七条第三項、第三十三条、第三十五条第二項、第三十六条第二項(同法第三十七条第三項(同法第四十五条において準用する場合を含む。)及び第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第三十九条第四項、第四十四条、第五十四条第二項、第五十五条第二項、第八十二条、第八十六条、第九十条第二項及び第九十三条並びに民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二条第三項の規定を適用する。 第二章 労役場及び監置場 (労役場及び監置場の附置等) 第二百八十七条 労役場及び監置場は、それぞれ、法務大臣が指定する刑事施設に附置する。 2 監置の裁判の執行を受ける者は、最寄りの地に監置場がないとき、又は最寄りの監置場に留置の余力がないときは、刑事施設内の特に区別した場所に留置することができる。 3 労役場及び監置場については、第五条、第六条、第十一条及び第十二条の規定を準用する。 4 刑事施設視察委員会は、刑事施設に附置された労役場及び監置場の運営に関しても、第七条第二項に規定する事務を行うものとする。 この場合においては、第九条及び第十条の規定を準用する。 (労役場留置者の処遇) 第二百八十八条 労役場に留置されている者(以下「労役場留置者」という。)の処遇については、その性質に反しない限り、前編第二章中の懲役受刑者に関する規定を準用する。 (被監置者の処遇) 第二百八十九条 監置場に留置されている者(以下「監置場留置者」という。)の処遇については、前編第二章(第四十一条第二項並びに第十一節第二款第六目及び第三款第六目を除く。)中の各種被収容者に関する規定を準用する。 2 監置場留置者の自弁の物品の使用及び摂取については、第四十一条の規定を準用する。 この場合において、同条第一項中「(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)」とあるのは「(衣類、日用品及び文房具並びに次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と、同条第二項中「前項各号に掲げる物品及び寝具」とあるのは「衣類、日用品及び文房具(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と読み替えるものとする。 3 監置場留置者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第一目及び第三款第一目の規定を準用する。 4 監置場留置者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第三目及び第三款第三目の規定を準用する。 5 監置の裁判の執行のため第二百八十七条第二項の規定により刑事施設に留置されている者については、第四十一条第二項並びに前編第二章第十一節第二款第六目及び第三款第六目の規定にかかわらず、前三項の規定を準用する。 6 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の被留置受刑者に関する規定を準用する。 7 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の未決拘禁者としての地位を有する被留置受刑者に関する規定を準用する。 第三章 司法警察職員 第二百九十条 刑事施設の長は、刑事施設における犯罪(労役場及び監置場における犯罪を含む。次項において同じ。)について、刑事訴訟法の規定による司法警察員としての職務を行う。 2 刑事施設の職員(刑事施設の長を除く。)であって、刑事施設の長がその刑事施設の所在地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは、刑事施設における犯罪について、法務大臣の定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員としての職務を行う。 第四章 条約の効力 第二百九十一条 この法律に規定する面会及び信書の発受に関する事項について条約に別段の定めがあるときは、その規定による。 第五章 罰則 第二百九十二条 第二十一条第三項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 第二百九十三条 第八十三条第二項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定により解放された被収容者、労役場留置者又は監置場留置者が、第八十三条第三項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、二年以下の懲役に処する。 2 刑事施設に収容されている受刑者が次の各号のいずれかに該当するときは、三年以下の拘禁刑に処する。 一 外部通勤作業の場合において、そのための通勤の日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 二 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の場合において、その外出の日又は外泊の期間の末日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 3 第二百十五条第二項の規定により解放された被留置者が、同条第三項の規定に違反して留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 4 第二百六十三条第二項の規定により解放された海上保安被留置者が、同条第三項の規定に違反して海上保安留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 | 刑事 |
Heisei | Act | 417AC0000000050_20250516_505AC0000000028.xml | 平成十七年法律第五十号 | 2 | 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律
第一編 総則 第一章 通則 (目的) 第一条 この法律は、刑事収容施設(刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設をいう。)の適正な管理運営を図るとともに、被収容者、被留置者及び海上保安被留置者の人権を尊重しつつ、これらの者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 被収容者 刑事施設に収容されている者をいう。 二 被留置者 留置施設に留置されている者をいう。 三 海上保安被留置者 海上保安留置施設に留置されている者をいう。 四 受刑者 懲役受刑者、禁 錮 こ 受刑者又は拘留受刑者をいう。 五 懲役受刑者 懲役の刑(国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第十六条第一項第一号の共助刑を含む。以下同じ。)の執行のため拘置されている者をいう。 六 禁錮受刑者 禁錮の刑(国際受刑者移送法第十六条第一項第二号の共助刑を含む。以下同じ。)の執行のため拘置されている者をいう。 七 拘留受刑者 拘留の刑の執行のため拘置されている者をいう。 八 未決拘禁者 被逮捕者、被 勾 こう 留者その他未決の者として拘禁されている者をいう。 九 被逮捕者 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により逮捕されて留置されている者をいう。 十 被勾留者 刑事訴訟法の規定により勾留されている者をいう。 十一 死刑確定者 死刑の言渡しを受けて拘置されている者をいう。 十二 各種被収容者 被収容者であって、受刑者、未決拘禁者及び死刑確定者以外のものをいう。 第二章 刑事施設 (刑事施設) 第三条 刑事施設は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者 二 刑事訴訟法の規定により、逮捕された者であって、留置されるもの 三 刑事訴訟法の規定により勾留される者 四 死刑の言渡しを受けて拘置される者 五 前各号に掲げる者のほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者 (被収容者の分離) 第四条 被収容者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者としての地位を有する受刑者、死刑確定者及び各種被収容者の別 三 懲役受刑者、禁錮受刑者及び拘留受刑者の別 2 前項の規定にかかわらず、受刑者に第九十二条又は第九十三条に規定する作業として他の被収容者に接して食事の配給その他の作業を行わせるため必要があるときは、同項第二号及び第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 3 第一項の規定にかかわらず、適当と認めるときは、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。次編第二章において同じ。)外に限り、同項第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第五条 法務大臣は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各刑事施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (意見聴取) 第六条 刑事施設の長は、その刑事施設の適正な運営に資するため必要な意見を関係する公務所及び公私の団体の職員並びに学識経験のある者から聴くことに努めなければならない。 (刑事施設視察委員会) 第七条 刑事施設に、刑事施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた刑事施設を視察し、その運営に関し、刑事施設の長に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第八条 委員会は、委員十人以内で組織する。 2 委員は、人格識見が高く、かつ、刑事施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命する。 3 委員の任期は、一年とする。 ただし、再任を妨げない。 4 委員は、非常勤とする。 5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第九条 刑事施設の長は、刑事施設の運営の状況について、法務省令で定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、刑事施設の運営の状況を把握するため、委員による刑事施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、刑事施設の長に対し、委員による被収容者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 刑事施設の長は、前項の視察及び被収容者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、被収容者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第十条 法務大臣は、毎年、委員会が刑事施設の長に対して述べた意見及びこれを受けて刑事施設の長が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (裁判官及び検察官の巡視) 第十一条 裁判官及び検察官は、刑事施設を巡視することができる。 (参観) 第十二条 刑事施設の長は、その刑事施設の参観を申し出る者がある場合において相当と認めるときは、これを許すことができる。 (刑務官) 第十三条 刑務官は、法務省令で定めるところにより、法務大臣が刑事施設の職員のうちから指定する。 2 刑務官の階級は、法務省令でこれを定める。 3 刑務官には、被収容者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被収容者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 第三章 留置施設 (留置施設) 第十四条 都道府県警察に、留置施設を設置する。 2 留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)及び刑事訴訟法の規定により、都道府県警察の警察官が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者で、次条第一項の規定の適用を受けて刑事訴訟法の規定により勾留されるもの 三 前二号に掲げる者のほか、法令の規定により留置施設に留置することができることとされる者 第十五条 第三条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。 一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者(これらの刑の執行以外の逮捕、勾留その他の事由により刑事訴訟法その他の法令の規定に基づいて拘禁される者としての地位を有するものを除く。) 二 死刑の言渡しを受けて拘置される者 三 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第十七条の四第一項、少年院法(平成二十六年法律第五十八号)第百三十三条第二項又は少年鑑別所法(平成二十六年法律第五十九号)第百二十三条の規定により仮に収容される者 四 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第五条第一項、第十七条第二項若しくは第二十五条第一項、国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項又は国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律(平成十九年法律第三十七号)第二十一条第一項若しくは第三十五条第一項の規定により拘禁される者 2 法務大臣は、国家公安委員会に対し、前項の規定による留置に関する留置施設の運営の状況について説明を求め、又は同項の規定により留置された者の処遇について意見を述べることができる。 (留置業務管理者等) 第十六条 留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「留置業務管理者」という。)は、警視庁、道府県警察本部又は方面本部(第二十条において「警察本部」という。)に置かれる留置施設にあっては警視以上の階級にある警察官のうちから警視総監、道府県警察本部長又は方面本部長(以下「警察本部長」という。)が指名する者とし、警察署に置かれる留置施設にあっては警察署長とする。 2 留置施設に係る留置業務に従事する警察官(以下「留置担当官」という。)には、被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (被留置者の分離) 第十七条 被留置者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者としての地位を有する者か否かの別 2 前項の規定にかかわらず、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要がある場合において、被留置者の処遇上支障を生ずるおそれがないと認めるときは、同項第二号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第十八条 警察本部長は、都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面以外の方面にあっては、方面公安委員会。以下「公安委員会」という。)の定めるところにより、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (巡察) 第十九条 警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、被留置者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指名する職員に留置施設を巡察させるものとする。 (留置施設視察委員会) 第二十条 警察本部に、留置施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた警察本部に係る都道府県警察の管轄区域内にある留置施設(道警察本部にあってはその所在地を包括する方面の区域内にある留置施設、方面本部にあっては当該方面の区域内にある留置施設)を視察し、その運営に関し、留置業務管理者に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第二十一条 委員会の委員(以下この条及び次条第二項において「委員」という。)は、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、公安委員会が任命する。 2 委員は、非常勤とする。 3 委員又は委員であった者は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 4 前三項に定めるもののほか、委員の定数及び任期その他委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。 この場合において、委員の定数及び任期については、国家公安委員会の定める基準を参酌するものとする。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第二十二条 留置業務管理者は、留置施設の運営の状況(第百九十条第一項又は第二百八条第一項の規定による措置に関する事項を含む。)について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、留置施設の運営の状況を把握するため、委員による留置施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、留置業務管理者に対し、委員による被留置者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 留置業務管理者は、前項の視察及び被留置者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第二百二十二条の規定にかかわらず、被留置者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第二十三条 警察本部長は、毎年、委員会が留置業務管理者に対して述べた意見及びこれを受けて留置業務管理者が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十四条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第四章 海上保安留置施設 (海上保安留置施設) 第二十五条 管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に、海上保安留置施設を設置する。 2 海上保安留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 ただし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設には、やむを得ない事由により、管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設に速やかに留置することができない場合に限り、留置することができる。 一 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)及び刑事訴訟法の規定により、海上保安官又は海上保安官補が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者のほか、法令の規定により海上保安留置施設に留置することができることとされる者 (海上保安留置業務管理者等) 第二十六条 海上保安留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「海上保安留置業務管理者」という。)は、管区海上保安本部に置かれる海上保安留置施設にあっては管区海上保安本部長が指名する海上保安官とし、管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設にあっては当該事務所の長とし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設にあっては当該船舶の船長とする。 2 海上保安留置施設に係る留置業務に従事する海上保安官及び海上保安官補(以下「海上保安留置担当官」という。)には、海上保安被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに海上保安被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 海上保安留置担当官は、その海上保安留置施設に留置されている海上保安被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (海上保安被留置者の分離) 第二十七条 海上保安被留置者は、性別に従い、互いに分離するものとする。 (実地監査) 第二十八条 海上保安庁長官は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各海上保安留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十九条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、海上保安留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第二編 被収容者等の処遇 第一章 処遇の原則 (受刑者の処遇の原則) 第三十条 受刑者の処遇は、その者の年齢、資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。 (未決拘禁者の処遇の原則) 第三十一条 未決拘禁者の処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走及び罪証の隠滅の防止並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。 (死刑確定者の処遇の原則) 第三十二条 死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。 2 死刑確定者に対しては、必要に応じ、民間の篤志家の協力を求め、その心情の安定に資すると認められる助言、講話その他の措置を執るものとする。 第二章 刑事施設における被収容者の処遇 第一節 収容の開始 (収容開始時の告知) 第三十三条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始に際し、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その刑事施設に収容されている被収容者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第四十八条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為、儀式行事及び教 誨 かい に関する事項 五 書籍等(書籍、雑誌、新聞紙その他の文書図画(信書を除く。)をいう。以下同じ。)の閲覧に関する事項 六 第七十四条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 懲罰に関する事項 九 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 十 第百六十三条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十一 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第三十四条 刑務官は、被収容者について、その刑事施設における収容の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被収容者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の刑務官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の刑務官がその検査を行うことができない場合には、男子の刑務官が刑事施設の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 (未決拘禁者の処遇の態様) 第三十五条 未決拘禁者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合における処遇を除く。次条第一項及び第三十七条第一項において同じ。)は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(死刑確定者としての地位を有するものを除く。)の居室は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、単独室とし、それ以外の場合にあっても、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 3 未決拘禁者は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、居室外においても相互に接触させてはならない。 (死刑確定者の処遇の態様) 第三十六条 死刑確定者の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 死刑確定者の居室は、単独室とする。 3 死刑確定者は、居室外においても、第三十二条第一項に定める処遇の原則に照らして有益と認められる場合を除き、相互に接触させてはならない。 (各種被収容者の処遇の態様) 第三十七条 各種被収容者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 各種被収容者の居室は、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯等) 第三十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる時間帯を定め、これを被収容者に告知するものとする。 一 食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯 二 受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)については、第八十六条第一項に規定する矯正処遇等の時間帯及び余暇に充てられるべき時間帯 (余暇活動の援助等) 第三十九条 刑事施設の長は、被収容者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇に充てられるべき時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。次項において同じ。)において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。以下同じ。)を行うことを許すものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯等における活動について、援助を与えるものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第四十条 被収容者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、刑事施設における日常生活に必要なもの(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被収容者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は 嗜 し 好品(酒類を除く。以下同じ。)を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第四十一条 刑事施設の長は、受刑者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 室内装飾品 四 嗜好品 五 日用品、文房具その他の刑事施設における日常生活に用いる物品 2 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が、前項各号に掲げる物品及び寝具について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに第十二節の規定により禁止される場合を除き、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (補正器具等の自弁等) 第四十二条 被収容者には、次に掲げる物品については、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 自己契約作業を行うのに必要な物品 三 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 四 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の際に使用する衣類その他の物品 五 その他法務省令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被収容者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第四十三条 第四十条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被収容者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被収容者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第四十四条 刑事施設の職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被収容者が収容される際に所持する現金及び物品 二 被収容者が収容中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(刑事施設の長から支給された物品を除く。) 三 被収容者に交付するため当該被収容者以外の者が刑事施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (収容時の所持物品等の処分) 第四十五条 刑事施設の長は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被収容者に対し、その物品について、親族(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 前項の規定により物品の処分を求めた場合において、被収容者が相当の期間内にその処分をしないときは、刑事施設の長は、これを売却してその代金を領置する。 ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。 (差入物の引取り等) 第四十六条 刑事施設の長は、第四十四条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品を持参し、又は送付した者(以下「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被収容者に交付することにより、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その受刑者に交付することにより、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるものであるとき。 三 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁により使用し、若しくは摂取することができることとされる物品又は釈放の際に必要と認められる物品(以下「自弁物品等」という。)以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、刑事施設の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、刑事施設の長は、被収容者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 前条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 7 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被収容者がその交付を受けることを拒んだ場合には、刑事施設の長は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第四十七条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるものは、被収容者に引き渡す。 一 第四十四条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第四十五条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第四十四条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被収容者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、刑事施設の長が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第四十四条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第二号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第四十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、保管私物(被収容者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被収容者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者の保管私物(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「保管総量」という。)が保管限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて保管することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるとき、又は被収容者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「領置総量」という。)が領置限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて領置することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるときは、当該被収容者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 4 刑事施設の長は、被収容者が保管私物について領置することを求めた場合において、相当と認めるときは、これを領置することができる。 ただし、領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 5 刑事施設の長は、前項の規定により領置している物品について、被収容者がその引渡しを求めた場合には、これを引き渡すものとする。 ただし、保管総量が保管限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 (領置金の使用) 第四十九条 刑事施設の長は、被収容者が、自弁物品等を購入し、又は刑事施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用については、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第五十条 刑事施設の長は、被収容者が、保管私物又は領置されている金品(第百三十三条(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(当該刑事施設に収容されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。次号において同じ。)により、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、交付により、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (差入れ等に関する制限) 第五十一条 刑事施設の長は、この節に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による被収容者に対する金品の交付及び被収容者による自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (領置物の引渡し) 第五十二条 刑事施設の長は、被収容者の釈放の際、領置している金品をその者に引き渡すものとする。 (釈放者の遺留物) 第五十三条 釈放された被収容者の遺留物(刑事施設に遺留した金品をいう。以下この章において同じ。)は、その釈放の日から起算して六月を経過する日までに、その者からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。 2 前項の期間内でも、刑事施設の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。 (逃走者等の遺留物) 第五十四条 被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 2 前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。 (死亡者の遺留物) 第五十五条 死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。以下この章において同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。 2 死亡した被収容者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百七十六条の規定による通知をすることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 第一項の遺留物は、第百七十六条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。 4 第五十三条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第五十六条 刑事施設においては、被収容者の心身の状況を把握することに努め、被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第五十七条 被収容者には、日曜日その他法務省令で定める日を除き、できる限り戸外で、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 ただし、公判期日への出頭その他の事情により刑事施設の執務時間内にその機会を与えることができないときは、この限りでない。 (被収容者の清潔義務) 第五十八条 被収容者は、身体、着衣及び所持品並びに居室その他日常使用する場所を清潔にしなければならない。 (入浴) 第五十九条 被収容者には、法務省令で定めるところにより、刑事施設における保健衛生上適切な入浴を行わせる。 (調髪及びひげそり) 第六十条 受刑者には、法務省令で定めるところにより、調髪及びひげそりを行わせる。 2 刑事施設の長は、受刑者が自弁により調髪を行いたい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、これを許すことができる。 3 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (健康診断) 第六十一条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始後速やかに、及び毎年一回以上定期的に、法務省令で定めるところにより、健康診断を行わなければならない。 刑事施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 2 被収容者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第六十二条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、刑事施設の職員である医師等(医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 刑事施設の長は、前項に規定する場合において、傷病の種類又は程度等に応じ必要と認めるときは、刑事施設の職員でない医師等による診療を行うことができる。 3 刑事施設の長は、前二項の規定により診療を行う場合において、必要に応じ被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第六十三条 刑事施設の長は、負傷し、又は疾病にかかっている被収容者が、刑事施設の職員でない医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、刑事施設に収容される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被収容者の医療上適当であると認めるときは、刑事施設内において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被収容者に対して刑事施設において診療を行うため必要があるときは、刑事施設の職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、刑事施設の長が法務省令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 刑事施設の長は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により刑事施設の長が行う措置に従わないとき、前項の規定により刑事施設の長が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (感染症予防上の措置) 第六十四条 刑事施設の長は、刑事施設内における感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要がある場合には、被収容者に対し、第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条の規定による診療その他必要な医療上の措置を執るほか、予防接種、当該疾病を感染させるおそれがなくなるまでの間の隔離その他法務省令で定める措置を執るものとする。 (養護のための措置等) 第六十五条 刑事施設の長は、老人、妊産婦、身体虚弱者その他の養護を必要とする被収容者について、その養護を必要とする事情に応じ、傷病者のための措置に準じた措置を執るものとする。 2 刑事施設の長は、被収容者が出産するときは、やむを得ない場合を除き、刑事施設の外の病院、診療所又は助産所に入院させるものとする。 (子の養育) 第六十六条 刑事施設の長は、女子の被収容者がその子を刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、相当と認めるときは、その子が一歳に達するまで、これを許すことができる。 2 刑事施設の長は、被収容者が、前項の規定により養育され一歳に達した子について、引き続いて刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、その被収容者の心身の状況に照らして、又はその子を養育する上で、特に必要があるときは、引き続き六月間に限り、これを許すことができる。 3 被収容者が前二項の規定により子を養育している場合には、その子の養育に必要な物品を貸与し、又は支給する。 4 前項に規定する場合において、被収容者が、その子の養育に必要な物品について、自弁のものを使用し、若しくは摂取し、又はその子に使用させ、若しくは摂取させたい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障がない限り、これを許すものとする。 5 被収容者が第一項又は第二項の規定により養育している子については、被収容者の例により、健康診断、診療その他の必要な措置を執るものとする。 第七節 宗教上の行為等 (一人で行う宗教上の行為) 第六十七条 被収容者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 (宗教上の儀式行事及び教誨) 第六十八条 刑事施設の長は、被収容者が宗教家(民間の篤志家に限る。以下この項において同じ。)の行う宗教上の儀式行事に参加し、又は宗教家の行う宗教上の教誨を受けることができる機会を設けるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合には、被収容者に前項に規定する儀式行事に参加させず、又は同項に規定する教誨を受けさせないことができる。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第六十九条 被収容者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節及び第十二節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第七十条 刑事施設の長は、被収容者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、被収容者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被収容者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (新聞紙に関する制限) 第七十一条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (時事の報道に接する機会の付与等) 第七十二条 刑事施設の長は、被収容者に対し、日刊新聞紙の備付け、報道番組の放送その他の方法により、できる限り、主要な時事の報道に接する機会を与えるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、第三十九条第二項の規定による援助の措置として、刑事施設に書籍等を備え付けるものとする。 この場合において、備え付けた書籍等の閲覧の方法は、刑事施設の長が定める。 第九節 規律及び秩序の維持 (刑事施設の規律及び秩序) 第七十三条 刑事施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被収容者の収容を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第七十四条 刑事施設の長は、被収容者が遵守すべき事項(以下この章において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 刑事施設の職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被収容者の収容の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 刑事施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 刑事施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 正当な理由なく、第九十二条若しくは第九十三条に規定する作業を怠り、又は第八十五条第一項各号、第百三条若しくは第百四条に規定する指導を拒んではならないこと。 十 前各号に掲げるもののほか、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十一 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項又は第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、刑事施設の長又はその指定する職員は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第七十五条 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、刑事施設内において、被収容者以外の者(弁護人又は刑事訴訟法第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (受刑者の隔離) 第七十六条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者を他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 一 他の被収容者と接触することにより刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 他の被収容者から危害を加えられるおそれがあり、これを避けるために他に方法がないとき。 2 前項の規定による隔離の期間は、三月とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、一月ごとにこれを更新することができる。 3 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 4 第一項の規定により受刑者を隔離している場合には、刑事施設の長は、三月に一回以上定期的に、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 (制止等の措置) 第七十七条 刑務官は、被収容者が自身を傷つけ若しくは他人に危害を加え、逃走し、刑事施設の職員の職務の執行を妨げ、その他刑事施設の規律及び秩序を著しく害する行為をし、又はこれらの行為をしようとする場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その被収容者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 2 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その行為をする者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 一 刑事施設に侵入し、その設備を損壊し、刑事施設の職員の職務執行を妨げ、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 二 刑務官の要求を受けたのに刑事施設から退去しないとき。 三 被収容者の逃走又は刑事施設の職員の職務執行の妨害を、現場で、援助し、あおり、又は唆すとき。 四 被収容者に危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 3 前二項の措置に必要な警備用具については、法務省令で定める。 (捕縄、手錠及び拘束衣の使用) 第七十八条 刑務官は、被収容者を護送する場合又は被収容者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 刑務官は、被収容者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、刑事施設の長の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄又は手錠と同時に使用することはできない。 3 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、拘束衣を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 4 拘束衣の使用の期間は、三時間とする。 ただし、刑事施設の長は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 5 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、拘束衣の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 6 被収容者に拘束衣を使用し、又はその使用の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 7 捕縄、手錠及び拘束衣の制式は、法務省令で定める。 (保護室への収容) 第七十九条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、刑事施設の長の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 刑務官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、その被収容者を保護室に収容することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 3 保護室への収容の期間は、七十二時間以内とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。 4 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、保護室への収容の必要がなくなったときは、直ちにその収容を中止させなければならない。 5 被収容者を保護室に収容し、又はその収容の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 6 保護室の構造及び設備の基準は、法務省令で定める。 (武器の携帯及び使用) 第八十条 刑務官は、法務省令で定める場合に限り、小型武器を携帯することができる。 2 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 暴動を起こし、又はまさに起こそうとするとき。 二 他人に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 凶器を携帯し、刑務官が放棄を命じたのに、これに従わないとき。 五 刑務官の制止に従わず、又は刑務官に対し暴行若しくは集団による威力を用いて、逃走し、若しくは逃走しようとし、又は他の被収容者の逃走を助けるとき。 3 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 被収容者が暴動を起こし、又はまさに起こそうとする場合において、その現場で、これらに参加し、又はこれらを援助するとき。 二 被収容者に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 銃器、爆発物その他の凶器を携帯し、又は使用して、刑事施設に侵入し、若しくはその設備を損壊し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 五 暴行又は脅迫を用いて、被収容者を奪取し、若しくは解放し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 4 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条若しくは第三十七条に該当する場合又は次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、人に危害を加えてはならない。 一 刑務官において他に被収容者の第二項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 二 刑務官において他に被収容者以外の者の前項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 ただし、同項第二号に掲げる場合以外の場合にあっては、その者が刑務官の制止に従わないで当該行為を行うときに限る。 (収容のための連戻し) 第八十一条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める時から四十八時間以内に着手したときに限り、これを連れ戻すことができる。 一 逃走したとき 逃走の時 二 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日時 (災害時の応急用務) 第八十二条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内にある者の生命又は身体の保護のため必要があると認める場合には、被収容者を刑事施設内又はこれに近接する区域における消火、人命の救助その他の応急の用務に就かせることができる。 2 第百条から第百二条までの規定は、被収容者が前項の規定により応急の用務に就いて死亡し、負傷し、又は疾病にかかった場合について準用する。 (災害時の避難及び解放) 第八十三条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内において避難の方法がないときは、被収容者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被収容者を護送することができないときは、刑事施設の長は、その者を刑事施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、刑事施設の外にある被収容者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 矯正処遇の実施等 第一款 通則 (矯正処遇) 第八十四条 受刑者には、矯正処遇として、第九十二条又は第九十三条に規定する作業を行わせ、並びに第百三条及び第百四条に規定する指導を行う。 2 矯正処遇は、処遇要領(矯正処遇の目標並びにその基本的な内容及び方法を受刑者ごとに定める矯正処遇の実施の要領をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)に基づいて行うものとする。 3 処遇要領は、法務省令で定めるところにより、刑事施設の長が受刑者の年齢を考慮し、その資質及び環境の調査の結果に基づき定めるものとする。 4 処遇要領は、必要に応じ、受刑者の希望を参酌して定めるものとする。 これを変更しようとするときも、同様とする。 5 矯正処遇は、必要に応じ、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識及び技術を活用して行うものとする。 (被害者等の心情等の考慮) 第八十四条の二 刑事施設の長は、処遇要領を定めるに当たっては、法務省令で定めるところにより、被害者等(受刑者が刑を言い渡される理由となった犯罪により害を被った者(以下この項において「被害者」という。)又はその法定代理人若しくは被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下この節において同じ。)の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 処遇要領を変更しようとするときも、同様とする。 2 刑事施設の長は、矯正処遇を行うに当たっては、前項の心情及び状況並びに次項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める受刑者について、被害者等から、被害に関する心情、被害者等の置かれている状況又は当該受刑者の生活及び行動に関する意見(以下この節において「心情等」という。)を述べたい旨の申出があったときは、法務省令で定めるところにより、当該心情等を聴取するものとする。 ただし、当該被害に係る事件の性質、当該被害者等と当該受刑者との関係その他の被害者等に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (刑執行開始時及び釈放前の指導等) 第八十五条 受刑者には、矯正処遇を行うほか、次の各号に掲げる期間において、当該各号に定める指導を行う。 一 刑の執行開始後の法務省令で定める期間 受刑の意義その他矯正処遇の実施の基礎となる事項並びに刑事施設における生活及び行動に関する指導 二 釈放前における法務省令で定める期間 釈放後の社会生活において直ちに必要となる知識の付与その他受刑者の帰住及び釈放後の生活に関する指導 2 前項第二号に掲げる期間における受刑者の処遇は、できる限り、これにふさわしい設備と環境を備えた場所で行うものとし、必要に応じ、第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊を許し、その他円滑な社会復帰を図るため必要な措置を執るものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、第一項各号に定める指導を行う日及び時間を定める。 (集団処遇) 第八十六条 矯正処遇及び前条第一項の規定による指導(以下「矯正処遇等」という。)は、その効果的な実施を図るため、必要に応じ、受刑者を集団に編成して行うものとする。 2 前項の場合において特に必要があるときは、第四条第一項の規定にかかわらず、居室外に限り、同項第一号に掲げる別による分離をしないことができる。 (刑事施設外処遇) 第八十七条 矯正処遇等は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 (制限の緩和) 第八十八条 受刑者の自発性及び自律性を 涵 かん 養するため、刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限は、法務省令で定めるところにより、第三十条の目的を達成する見込みが高まるに従い、順次緩和されるものとする。 2 前項の場合において、第三十条の目的を達成する見込みが特に高いと認められる受刑者の処遇は、法務省令で定めるところにより、開放的施設(収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の一部を設けず、又は講じない刑事施設の全部又は一部で法務大臣が指定するものをいう。以下同じ。)で行うことができる。 (優遇措置) 第八十九条 刑事施設の長は、受刑者の改善更生の意欲を喚起するため、次に掲げる処遇について、法務省令で定めるところにより、一定の期間ごとの受刑態度の評価に応じた優遇措置を講ずるものとする。 一 第四十条第二項の規定により物品を貸与し、又は支給すること。 二 第四十一条第一項の規定により自弁の物品の使用又は摂取を許すこと。 三 第百十一条の面会をすることができる時間又は回数を定めること。 四 その他法務省令で定める処遇 (社会との連携) 第九十条 刑事施設の長は、受刑者の処遇を行うに当たり必要があると認めるときは、受刑者の親族、民間の篤志家、関係行政機関その他の者に対し、協力を求めるものとする。 2 前項の協力をした者は、その協力を行うに当たって知り得た受刑者に関する秘密を漏らしてはならない。 (公務所等への照会) 第九十一条 刑事施設の長は、受刑者の資質及び環境の調査のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 第二款 作業 (懲役受刑者の作業) 第九十二条 懲役受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この節において同じ。)に行わせる作業は、懲役受刑者ごとに、刑事施設の長が指定する。 (禁錮受刑者等の作業) 第九十三条 刑事施設の長は、禁錮受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この節において同じ。)又は拘留受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。)が刑事施設の長の指定する作業を行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、その作業を行うことを許すことができる。 (作業の実施) 第九十四条 作業は、できる限り、受刑者の勤労意欲を高め、これに職業上有用な知識及び技能を習得させるように実施するものとする。 2 受刑者に職業に関する免許若しくは資格を取得させ、又は職業に必要な知識及び技能を習得させる必要がある場合において、相当と認めるときは、これらを目的とする訓練を作業として実施する。 (作業の条件等) 第九十五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、一日の作業時間及び作業を行わない日を定める。 2 刑事施設の長は、作業を行う受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置を講じなければならない。 3 受刑者は、前項の規定により刑事施設の長が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。 4 第二項の規定により刑事施設の長が講ずべき措置及び前項の規定により受刑者が守らなければならない事項は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に定める労働者の安全及び衛生を確保するため事業者が講ずべき措置及び労働者が守らなければならない事項に準じて、法務大臣が定める。 (外部通勤作業) 第九十六条 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した懲役受刑者又は禁錮受刑者が、第八十八条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため必要があるときは、刑事施設の職員の同行なしに、その受刑者を刑事施設の外の事業所(以下この条において「外部事業所」という。)に通勤させて作業を行わせることができる。 2 前項の規定による作業(以下「外部通勤作業」という。)は、外部事業所の業務に従事し、又は外部事業所が行う職業訓練を受けることによって行う。 3 受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、当該外部事業所の事業主(以下この条において「外部事業主」という。)との間において、受刑者の行う作業の種類、作業時間、受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置その他外部通勤作業の実施に関し必要な事項について、取決めを行わなければならない。 4 刑事施設の長は、受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、あらかじめ、その受刑者が外部通勤作業に関し遵守すべき事項(以下この条において「特別遵守事項」という。)を定め、これをその受刑者に告知するものとする。 5 特別遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 指定された経路及び方法により移動しなければならないこと。 二 指定された時刻までに刑事施設に帰着しなければならないこと。 三 正当な理由なく、外部通勤作業を行う場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。 四 外部事業主による作業上の指示に従わなければならないこと。 五 正当な理由なく、犯罪性のある者その他接触することにより矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と接触してはならないこと。 6 刑事施設の長は、外部通勤作業を行う受刑者が遵守事項又は特別遵守事項を遵守しなかった場合その他外部通勤作業を不適当とする事由があると認める場合には、これを中止することができる。 (作業収入) 第九十七条 作業の実施による収入は、国庫に帰属する。 (作業報奨金) 第九十八条 刑事施設の長は、作業を行った受刑者に対しては、釈放の際(その者が受刑者以外の被収容者となったときは、その際)に、その時における報奨金計算額に相当する金額の作業報奨金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、毎月、その月の前月において受刑者が行った作業に対応する金額として、法務大臣が定める基準に従い、その作業の成績その他就業に関する事項を考慮して算出した金額を報奨金計算額に加算するものとする。 ただし、釈放の日の属する月における作業に係る加算は、釈放の時に行う。 3 前項の基準は、作業の種類及び内容、作業に要する知識及び技能の程度等を考慮して定める。 4 刑事施設の長は、受刑者がその釈放前に作業報奨金の支給を受けたい旨の申出をした場合において、その使用の目的が、自弁物品等の購入、親族の生計の援助、被害者に対する損害賠償への充当等相当なものであると認めるときは、第一項の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、その支給の時における報奨金計算額に相当する金額の範囲内で、申出の額の全部又は一部の金額を支給することができる。 この場合には、その支給額に相当する金額を報奨金計算額から減額する。 5 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに刑事施設に収容されなかったときは、その者の報奨金計算額は、零とする。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 外部通勤作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 (遺族等への給付) 第九十九条 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その時に釈放したとするならばその受刑者に支給すべき作業報奨金に相当する金額を支給するものとする。 (手当金) 第百条 刑事施設の長は、受刑者が作業上死亡した場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者がその負傷又は疾病により死亡したときを含む。)には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、死亡手当金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が治った場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が治ったときを含む。)において、身体に障害が残ったときは、法務省令で定めるところにより、その者に障害手当金を支給するものとする。 ただし、その者が故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったときは、その全部又は一部を支給しないことができる。 3 前二項の規定により支給する手当金の額は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)に基づく災害補償の額に関する基準を参酌して法務省令で定める基準に従い算出した金額とする。 4 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が釈放の時になお治っていない場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が釈放の時になお治っていないときを含む。)において、その傷病の性質、程度その他の状況を考慮して相当と認められるときは、法務省令で定めるところにより、その者に特別手当金を支給するものとする。 (損害賠償との調整) 第百一条 国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律による損害賠償の責任を負う場合において、前条の手当金を支給したときは、同一の事由については、国は、その価額の限度においてその損害賠償の責任を免れる。 2 前項に規定する場合において、前条の手当金の支給を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法、民法その他の法律による損害賠償を受けたときは、国は、その価額の限度において同条の手当金の支給の義務を免れる。 (手当金の支給を受ける権利の保護等) 第百二条 第百条の手当金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 2 第百条の手当金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課してはならない。 第三款 各種指導 (改善指導) 第百三条 刑事施設の長は、受刑者に対し、犯罪の責任を自覚させ、健康な心身を培わせ、並びに社会生活に適応するのに必要な知識及び生活態度を習得させるため必要な指導を行うものとする。 2 次に掲げる事情を有することにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対し前項の指導を行うに当たっては、その事情の改善に資するよう特に配慮しなければならない。 一 麻薬、覚せい剤その他の薬物に対する依存があること。 二 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員であること。 三 その他法務省令で定める事情 3 刑事施設の長は、第一項の指導を行うに当たっては、被害者等の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第八十四条の二第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被害者等から、第八十四条の二第三項の規定により聴取した心情等を受刑者に伝達することを希望する旨の申出があったときは、第一項の指導を行うに当たり、当該心情等を受刑者に伝達するものとする。 ただし、その伝達をすることが当該受刑者の改善更生を妨げるおそれがあるときその他当該被害に係る事件の性質、矯正処遇の実施状況その他の処遇に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (教科指導) 第百四条 刑事施設の長は、社会生活の基礎となる学力を欠くことにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対しては、教科指導(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による学校教育の内容に準ずる内容の指導をいう。次項において同じ。)を行うものとする。 2 刑事施設の長は、前項に規定するもののほか、学力の向上を図ることが円滑な社会復帰に特に資すると認められる受刑者に対し、その学力の状況に応じた教科指導を行うことができる。 (指導の日及び時間) 第百五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、前二条の規定による指導を行う日及び時間を定める。 第四款 社会復帰支援等 (社会復帰支援) 第百六条 刑事施設の長は、受刑者の円滑な社会復帰を図るため、釈放後に自立した生活を営む上での困難を有する受刑者に対しては、その意向を尊重しつつ、次に掲げる支援を行うものとする。 一 適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。 二 医療及び療養を受けることを助けること。 三 就業又は修学を助けること。 四 前三号に掲げるもののほか、受刑者が健全な社会生活を営むために必要な援助を行うこと。 2 前項の支援は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 3 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、矯正処遇の実施状況、第八十四条の二第三項の規定により聴取した心情等その他の被害者等に関する事情及び受刑者が社会復帰をするに際し支援を必要とする事情を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、保護観察所の長と連携を図るように努めなければならない。 (外出及び外泊) 第百六条の二 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した懲役受刑者又は禁錮受刑者が、第八十八条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため、刑事施設の外において、その者が、釈放後の住居又は就業先の確保その他の一身上の重要な用務を行い、更生保護に関係のある者を訪問し、その他その釈放後の社会生活に有用な体験をする必要があると認めるときは、刑事施設の職員の同行なしに、外出し、又は七日以内の期間を定めて外泊することを許すことができる。 ただし、外泊については、その受刑者に係る刑が六月以上執行されている場合に限る。 2 第九十六条第四項、第五項(第四号を除く。)及び第六項の規定は、前項の規定による外出及び外泊について準用する。 (刑期不算入) 第百七条 前条第一項の規定による外泊をした者が、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかった場合には、その外泊の期間は、刑期に算入しない。 ただし、自己の責めに帰することのできない事由によって帰着することができなかった場合は、この限りでない。 (外出等に要する費用) 第百八条 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊に要する費用については、受刑者が負担することができない場合又は刑事施設の長が相当と認める場合には、その全部又は一部を国庫の負担とする。 第五款 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百九条 未決拘禁者としての地位を有する受刑者についての第八十四条第一項及び第八十九条の規定の適用については、第八十四条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「未決の者としての地位を損なわない限度で、かつ、その拘禁の期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」と、第八十九条第三号中「第百十一条」とあるのは「第百十九条において準用する第百十一条」とする。 2 未決拘禁者としての地位を有する受刑者については、第八十六条から第八十八条まで、第九十六条、第百六条第二項及び第百六条の二から前条までの規定は、適用しない。 第十一節 外部交通 第一款 受刑者についての留意事項 第百十条 この節の定めるところにより、受刑者に対し、外部交通(面会、信書の発受及び第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)を行うことを許し、又はこれを禁止し、差し止め、若しくは制限するに当たっては、適正な外部交通が受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資するものであることに留意しなければならない。 第二款 面会 第一目 受刑者 (面会の相手方) 第百十一条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 受刑者の更生保護に関係のある者、受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百十二条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 ただし、受刑者が次に掲げる者と面会する場合には、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、この限りでない。 一 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第百十三条 刑事施設の職員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、受刑者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 受刑者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第一項の規定による制限に違反する行為 ロ 刑事施設の規律及び秩序を害する行為 二 受刑者又は面会の相手方が次のイからホまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの ニ 受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれのあるもの ホ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 刑事施設の長は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第百十四条 刑事施設の長は、受刑者の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一月につき二回を下回ってはならない。 第二目 未決拘禁者 (面会の相手方) 第百十五条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されない場合は、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第百十六条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者の弁護人等以外の者との面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、その立会い並びに録音及び録画(次項において「立会い等」という。)をさせないことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定にかかわらず、未決拘禁者の第百十二条各号に掲げる者との面会については、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、立会い等をさせてはならない。 (面会の一時停止及び終了) 第百十七条 第百十三条(第一項第二号ホを除く。)の規定は、未決拘禁者の面会について準用する。 この場合において、同項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と読み替えるものとする。 (面会に関する制限) 第百十八条 未決拘禁者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の刑事施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 刑事施設の長は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、刑事施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の場所について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 第百十四条の規定は、未決拘禁者と弁護人等以外の者との面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百十九条 第百十一条、第百十三条、第百十四条、第百十六条及び前条第一項から第四項までの規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者の面会について準用する。 この場合において、第百十一条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、第百十四条第一項中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (面会の相手方) 第百二十条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 死刑確定者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 面会により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百二十一条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、死刑確定者の訴訟の準備その他の正当な利益の保護のためその立会い又は録音若しくは録画をさせないことを適当とする事情がある場合において、相当と認めるときは、この限りでない。 (面会の一時停止及び終了等) 第百二十二条 第百十三条(第一項第二号ニを除く。)及び第百十四条の規定は、死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百二十三条 第百十三条、第百十八条、第百二十条及び第百二十一条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、第百二十条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百二十一条中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (面会の相手方) 第百二十四条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項及び次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 (各種被収容者の面会の立会い等) 第百二十五条 第百十二条、第百十三条(第一項第二号ニ及びホを除く。)及び第百十四条の規定は、各種被収容者の面会について準用する。 この場合において、第百十二条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百十四条第二項中「一月につき二回」とあるのは「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三款 信書の発受 第一目 受刑者 (発受を許す信書) 第百二十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査) 第百二十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 受刑者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 二 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対して発する信書 三 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。)との間で発受する信書 (信書の発受の禁止) 第百二十八条 刑事施設の長は、犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することにより、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く。)については、受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第百二十九条 刑事施設の長は、第百二十七条の規定による検査の結果、受刑者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第二項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 発受によって、受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、受刑者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び受刑者が弁護士との間で発受する信書であってその受刑者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号までのいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第百三十条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、受刑者が発信を申請する信書の通数並びに受刑者の信書の発受の方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により受刑者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一月につき四通を下回ってはならない。 (発信に要する費用) 第百三十一条 信書の発信に要する費用については、受刑者が負担することができない場合において、刑事施設の長が発信の目的に照らし相当と認めるときは、その全部又は一部を国庫の負担とする。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第百三十二条 刑事施設の長は、第百二十八条、第百二十九条又は第百四十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第百二十九条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 刑事施設の長は、第百二十九条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された受刑者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 受刑者が、第五十四条第一項各号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、受刑者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは、「第百三十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、受刑者の釈放若しくは死亡の日又は受刑者が第五十四条第一項各号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (受刑者作成の文書図画) 第百三十三条 刑事施設の長は、受刑者が、その作成した文書図画(信書を除く。)を他の者に交付することを申請した場合には、その交付につき、受刑者が発する信書に準じて検査その他の措置を執ることができる。 第二目 未決拘禁者 (発受を許す信書) 第百三十四条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の検査) 第百三十五条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 未決拘禁者が弁護人等から受ける信書 二 未決拘禁者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 三 未決拘禁者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士から受ける信書 3 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、前二項の規定にかかわらず、第一項の検査を行わせないことができる。 (信書の内容による差止め等) 第百三十六条 第百二十九条から第百三十三条までの規定は、未決拘禁者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十五条」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 (発受を許す信書) 第百三十七条 刑事施設の長は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の発受の禁止等) 第百三十八条 第百二十八条から第百三十三条まで及び第百三十五条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十八条において準用する第百三十五条」と、同項第六号中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、同条第二項中「場合」とあるのは「場合又は信書の発受によって罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるものである場合」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、第百三十二条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (発受を許す信書) 第百三十九条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、次に掲げる信書を発受することを許すものとする。 一 死刑確定者の親族との間で発受する信書 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため発受する信書 三 発受により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる信書 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる信書以外の信書の発受について、その発受の相手方との交友関係の維持その他その発受を必要とする事情があり、かつ、その発受により刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (信書の検査) 第百四十条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 第百二十七条第二項の規定は、前項の検査について準用する。 (信書の内容による差止め等) 第百四十一条 第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十条」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百四十二条 第百二十九条から第百三十三条まで、第百三十五条第一項及び第二項並びに第百三十九条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十二条において準用する第百三十五条第一項及び第二項」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と、第百三十九条第一項中「、この目」とあるのは「、次目」と、「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (発受を許す信書) 第百四十三条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査等) 第百四十四条 第百二十七条、第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、各種被収容者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十七条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四款 被告人又は被疑者である被収容者の面会及び信書の発受 第百四十五条 被告人又は被疑者である被収容者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)が弁護人等と面会し、又は弁護人等との間において信書の発受をする場合については、第二款第二目又は前款第二目中の未決拘禁者の弁護人等との面会又は信書の発受に関する規定(第百三十六条において準用する第百二十九条第一項第六号を除く。)の例による。 第五款 電話等による通信 (電話等による通信) 第百四十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この款において同じ。)に対し、第八十八条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その者の改善更生又は円滑な社会復帰に資すると認めるときその他相当と認めるときは、電話その他政令で定める電気通信の方法による通信を行うことを許すことができる。 2 第百三十一条の規定は、前項の通信について準用する。 (通信の確認等) 第百四十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、前条第一項の通信の内容を確認するため、その通信を受けさせ、又はその内容を記録させることができる。 2 第百十三条第一項(第一号イを除く。)及び第二項の規定は、前条第一項の通信について準用する。 第六款 外国語による面会等 第百四十八条 刑事施設の長は、被収容者又はその面会等(面会又は第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会等を許すものとする。 この場合において、発言又は通信の内容を確認するため通訳又は翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 3 被収容者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会等又は信書の発受を許さない。 第十二節 賞罰 (褒賞) 第百四十九条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、法務省令で定めるところにより、賞金又は賞品の授与その他の方法により褒賞を行うことができる。 一 人命を救助したとき。 二 第八十二条第一項に規定する応急の用務に服して、功労があったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、賞揚に値する行為をしたとき。 (懲罰の要件等) 第百五十条 刑事施設の長は、被収容者が、遵守事項若しくは第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項を遵守せず、又は第七十四条第三項の規定に基づき刑事施設の職員が行った指示に従わなかった場合には、その被収容者に懲罰を科することができる。 2 懲罰を科するに当たっては、懲罰を科せられるべき行為(以下この節において「反則行為」という。)をした被収容者の年齢、心身の状態及び行状、反則行為の性質、軽重、動機及び刑事施設の運営に及ぼした影響、反則行為後におけるその被収容者の態度、受刑者にあっては懲罰がその者の改善更生に及ぼす影響その他の事情を考慮しなければならない。 3 懲罰は、反則行為を抑制するのに必要な限度を超えてはならない。 (懲罰の種類) 第百五十一条 受刑者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第九十三条の規定による作業の十日以内の停止 三 第四十一条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 四 書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。第三項第三号及び次条第一項第三号において同じ。)の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 五 報奨金計算額の三分の一以内の削減 六 三十日以内(懲罰を科する時に二十歳以上の者について、特に情状が重い場合には、六十日以内)の閉居 2 前項第二号から第五号までの懲罰にあっては二種類以上を併せて、同項第六号の懲罰(以下この節において「閉居罰」という。)にあっては同項第五号の懲罰と併せて科することができる。 3 受刑者以外の被収容者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 三 書籍等の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 四 閉居罰 4 前項第二号及び第三号の懲罰は、併せて科することができる。 (閉居罰の内容) 第百五十二条 閉居罰においては、次に掲げる行為を停止し、法務省令で定めるところにより、居室内において謹慎させる。 一 第四十一条の規定により自弁の物品(刑事施設の長が指定する物品を除く。)を使用し、又は摂取すること。 二 宗教上の儀式行事に参加し、又は他の被収容者と共に宗教上の教誨を受けること。 三 書籍等を閲覧すること。 四 自己契約作業を行うこと。 五 面会すること(弁護人等と面会する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 六 信書を発受すること(弁護人等との間で信書を発受する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 2 閉居罰を科されている被収容者については、第五十七条の規定にかかわらず、その健康の保持に支障を生じない限度において、法務省令で定める基準に従い、運動を制限する。 3 閉居罰を科されている受刑者には、謹慎の趣旨に反しない限度において、矯正処遇等を行うものとする。 (反則行為に係る物の国庫への帰属) 第百五十三条 刑事施設の長は、懲罰を科する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、次に掲げる物を国庫に帰属させることができる。 ただし、反則行為をした被収容者以外の者に属する物については、この限りでない。 一 反則行為を組成した物 二 反則行為の用に供し、又は供しようとした物 三 反則行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は反則行為の報酬として得た物 四 前号に掲げる物の対価として得た物 (反則行為の調査) 第百五十四条 刑事施設の長は、被収容者が反則行為をした疑いがあると思料する場合には、反則行為の有無及び第百五十条第二項の規定により考慮すべき事情並びに前条の規定による処分の要件の有無について、できる限り速やかに調査を行わなければならない。 2 刑事施設の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑務官に、被収容者の身体、着衣、所持品及び居室を検査させ、並びにその所持品を取り上げて一時保管させることができる。 3 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 4 刑事施設の長は、受刑者について、反則行為をした疑いがあると思料する場合において、必要があるときは、法務省令で定めるところにより、他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 5 前項の規定による隔離の期間は、二週間とする。 ただし、刑事施設の長は、やむを得ない事由があると認めるときは、二週間に限り、その期間を延長することができる。 6 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 (懲罰を科する手続) 第百五十五条 刑事施設の長は、被収容者に懲罰を科そうとする場合には、法務省令で定めるところにより、その聴取をする三人以上の職員を指名した上、その被収容者に対し、弁解の機会を与えなければならない。 この場合においては、その被収容者に対し、あらかじめ、書面で、弁解をすべき日時又は期限及び懲罰(第百五十三条の規定による処分を含む。次項及び次条において同じ。)の原因となる事実の要旨を通知するとともに、被収容者を補佐すべき者を刑事施設の職員のうちから指名しなければならない。 2 前項前段の規定による指名を受けた職員は、懲罰を科することの適否及び科すべき懲罰の内容について協議し、これらの事項についての意見及び被収容者の弁解の内容を記載した報告書を刑事施設の長に提出しなければならない。 (懲罰の執行) 第百五十六条 刑事施設の長は、懲罰を科するときは、被収容者に対し、懲罰の内容及び懲罰の原因として認定した事実の要旨を告知した上、直ちにその執行をするものとする。 ただし、反省の情が著しい場合その他相当の理由がある場合には、その執行を延期し、又はその全部若しくは一部の執行を免除することができる。 2 刑事施設の長は、閉居罰の執行に当たっては、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 第十三節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第百五十七条 次に掲げる刑事施設の長の措置に不服がある者は、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第四十九条の規定による領置されている現金の使用又は第五十条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第六十三条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 四 第六十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第七十条第一項又は第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第七十条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第七十六条第一項の規定による隔離 八 第九十八条第一項の規定による作業報奨金の支給に関する処分 九 第百条第二項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金の支給に関する処分 十 第百条第四項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給に関する処分 十一 第百二十八条(第百三十八条において準用する場合を含む。)の規定又は第百二十九条、第百三十条第一項若しくは第百三十三条(これらの規定を第百三十六条(第百四十五条においてその例による場合を含む。次号において同じ。)、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 十二 第百三十二条第五項前段(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(第百三十二条第三項(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による引渡しに係るものに限る。) 十三 第百四十八条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 十四 第百五十条第一項の規定による懲罰 十五 第百五十三条の規定による物を国庫に帰属させる処分 十六 第百五十四条第四項の規定による隔離 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、これを行う者が自らしなければならない。 (審査の申請期間) 第百五十八条 審査の申請は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 2 天災その他前項の期間内に審査の申請をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、審査の申請をすることができる。 3 刑事施設の長が誤って法定の期間よりも長い期間を審査の申請期間として教示した場合において、その教示された期間内に審査の申請がされたときは、その審査の申請は、法定の期間内にされたものとみなす。 (行政不服審査法の準用) 第百五十九条 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは、「職権で」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (調査) 第百六十条 矯正管区の長は、職権で、審査の申請に関して必要な調査をするものとする。 2 矯正管区の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑事施設の長に対し、報告若しくは資料その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、審査の申請人その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。 (裁決) 第百六十一条 矯正管区の長は、審査の申請を受けたときは、できる限り九十日以内に裁決をするよう努めるものとする。 2 行政不服審査法第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請の裁決について準用する。 この場合において、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは、「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第百六十二条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、法務大臣に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び前条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (矯正管区の長に対する事実の申告) 第百六十三条 被収容者は、自己に対する刑事施設の職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項並びに第百六十条並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 (通知) 第百六十四条 前条第一項の規定による申告が適法であるときは、矯正管区の長は、その申告に係る事実の有無について確認し、その結果をその申告をした者に通知するものとする。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 2 前条第一項の規定による申告が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、矯正管区の長は、その旨をその申告をした者に通知するものとする。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第五十条第一項及び第三項の規定は、前二項の規定による通知について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 4 矯正管区の長は、前条第一項に規定する事実があったことを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置その他の措置を執るものとする。 (法務大臣に対する事実の申告) 第百六十五条 被収容者は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、法務大臣に対し、第百六十三条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに前条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (法務大臣に対する苦情の申出) 第百六十六条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 法務大臣は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 (監査官に対する苦情の申出) 第百六十七条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、刑事施設の職員を立ち会わせてはならない。 4 前条第三項の規定は、監査官が苦情の申出を受けた場合について準用する。 (刑事施設の長に対する苦情の申出) 第百六十八条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、刑事施設の長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 被収容者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、刑事施設の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。 4 第百六十六条第三項の規定は、刑事施設の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第百六十九条 刑事施設の長は、被収容者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第百六十三条第一項若しくは第百六十五条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は法務大臣若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を刑事施設の職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第百七十条 刑事施設の職員は、被収容者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十四節 釈放 (受刑者の釈放) 第百七十一条 受刑者の釈放は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に、できる限り速やかに行う。 一 釈放すべき日があらかじめ定められている場合 その日の午前中 二 不定期刑の終了による場合 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第四十四条第二項の通知が刑事施設に到達した日の翌日の午前中 三 政令で行われる恩赦による場合であって、当該恩赦に係る政令の規定の公布の日が釈放すべき日となる場合 その日のうち 四 前三号に掲げる場合以外の場合 釈放の根拠となる文書が刑事施設に到達した時から十時間以内 (被勾留者の釈放) 第百七十二条 被勾留者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この条において同じ。)の釈放は、次に掲げる事由が生じた後直ちに行う。 一 被告人の勾留の期間が満了したこと。 二 刑事訴訟法第三百四十五条(同法第四百四条において準用する場合を含む。)、第四百三条の三第二項又は第四百三条の四第二項の規定により勾留状が効力を失ったこと(被勾留者が公判廷にある場合に限る。)。 三 検察官の釈放の指揮又は通知を受けたこと。 (その他の被収容者の釈放) 第百七十三条 前二条の規定によるもののほか、被収容者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 (傷病による滞留) 第百七十四条 刑事施設の長は、釈放すべき被収容者が刑事施設内において医療を受けている場合において、釈放によってその生命に危険が及び、又はその健康に回復し難い重大な障害が生ずるおそれがあるときは、その者が刑事施設に一時とどまることを許すことができる。 2 前項の規定により刑事施設にとどまる者の処遇については、その性質に反しない限り、各種被収容者に関する規定を準用する。 (帰住旅費等の支給) 第百七十五条 釈放される被収容者に対しては、その帰住を助けるため必要な旅費又は衣類を支給するものとする。 第十五節 死亡 (死亡の通知) 第百七十六条 刑事施設の長は、被収容者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物、支給すべき作業報奨金に相当する金額若しくは死亡手当金又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 (死体に関する措置) 第百七十七条 被収容者が死亡した場合において、その死体の埋葬又は火葬を行う者がないときは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第九条の規定にかかわらず、その埋葬又は火葬は、刑事施設の長が行うものとする。 2 前項に定めるもののほか、被収容者の死体に関する措置については、法務省令で定める。 第十六節 死刑の執行 (死刑の執行) 第百七十八条 死刑は、刑事施設内の刑場において執行する。 2 日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日及び十二月二十九日から十二月三十一日までの日には、死刑を執行しない。 (解縄) 第百七十九条 死刑を執行するときは、絞首された者の死亡を確認してから五分を経過した後に絞縄を解くものとする。 第三章 留置施設における被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第百八十条 留置業務管理者は、被留置者に対し、その留置施設における留置の開始に際し、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その留置施設に留置されている被留置者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第百九十五条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百十一条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百三十一条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、内閣府令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第百八十一条 留置担当官は、被留置者について、その留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の留置担当官が留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様等 (処遇の態様) 第百八十二条 被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の内閣府令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百十二条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 (留置施設における矯正処遇) 第百八十三条 留置施設においては、受刑者としての地位を有する被留置者(以下この章において「被留置受刑者」という。)について、矯正処遇は行わない。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯) 第百八十四条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを被留置者に告知するものとする。 (活動の援助) 第百八十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者に対し、知的、教育的及び娯楽的活動その他の活動について、援助を与えるように努めなければならない。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第百八十六条 被留置者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、留置施設における日常生活に必要なもの(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被留置者には、前項に定めるもののほか、内閣府令で定めるところにより、必要に応じ、留置施設における日常生活に用いる物品(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜好品を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第百八十七条 留置業務管理者は、被留置者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 嗜好品 四 日用品、文房具その他の留置施設における日常生活に用いる物品 (補正器具等の自弁等) 第百八十八条 被留置者には、次に掲げる物品については、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 三 その他内閣府令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被留置者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第百八十九条 第百八十六条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被留置者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被留置者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 (反則行為があった場合の自弁の物品に関する措置) 第百九十条 留置業務管理者は、被留置者が次に掲げる行為(第二百八条第一項において「反則行為」という。)を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、第百八十七条第三号に掲げる物品について、三日を超えない期間に限り、自弁のものの摂取を許さないことができる。 一 犯罪行為 二 他人に対する粗野若しくは乱暴な言動又は他人に対し迷惑を及ぼす行為 三 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為 四 留置施設の安全を害するおそれのある行為 五 留置施設内の衛生を害する行為 2 第百五十条第二項及び第三項、第百五十三条、第百五十四条第一項から第三項まで、第百五十五条並びに第百五十六条第一項の規定は、留置業務管理者による被留置者に対する前項の措置について準用する。 この場合において、第百五十条第二項中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第百五十三条中「刑事施設の規律」とあるのは「留置施設の規律」と、「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第百五十四条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第三項中「第三十四条第二項」とあるのは「第百八十一条第二項」と、第百五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、「刑事施設の職員」とあるのは「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 3 第一項の措置は、いやしくも都道府県警察がする捜査の目的のためにこれを用いてはならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第百九十一条 留置業務に従事する職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 被留置者に交付するため当該被留置者以外の者が留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第百九十二条 留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第百九十三条 留置業務管理者は、第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被留置者に交付することにより、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 交付の相手方が被留置受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その被留置受刑者に交付することにより、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁物品等以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、留置業務管理者は、被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第百九十四条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、被留置者に引き渡す。 一 第百九十一条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第百九十二条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第百九十一条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第百九十一条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第三号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第百九十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、保管私物(被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者の保管私物(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は被留置者について領置している物品(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第百九十六条 留置業務管理者は、被留置者が、自弁物品等を購入し、又は留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第百九十七条 留置業務管理者は、被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百二十七条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。第三号において同じ。)により、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、交付により、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第百九十八条 第五十一条の規定は留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は被留置者の遺留物(留置施設に遺留した金品をいう。第二百三十九条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「次章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第百九十九条 留置施設においては、被留置者の心身の状況を把握することに努め、被留置者の健康及び留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (健康診断等) 第二百条 留置業務管理者は、留置担当官に、被留置者から、その留置施設における留置の開始に際し、疾病、外傷等の有無その他の健康状態につき事情を聴取させなければならない。 2 留置業務管理者は、被留置者に対し、おおむね一月につき二回、内閣府令で定めるところにより、当該留置業務管理者が委嘱する医師による健康診断を行わなければならない。 留置施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 3 被留置者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第二百一条 留置業務管理者は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、当該留置業務管理者が委嘱する医師等による診療を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 留置業務管理者は、前項の規定により診療を行う場合において、被留置者を病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被留置者を病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第二百二条 留置業務管理者は、負傷し、又は疾病にかかっている被留置者が、当該留置業務管理者が委嘱する医師等以外の医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、留置施設に留置される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被留置者の医療上適当であると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、留置施設内又は留置業務管理者が適当と認める病院若しくは診療所において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 留置業務管理者は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被留置者に対して診療を行うため必要があるときは、留置業務に従事する職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、留置業務管理者が内閣府令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 留置業務管理者は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により留置業務管理者が行う措置に従わないとき、前項の規定により留置業務管理者が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (調髪及びひげそり) 第二百三条 留置業務管理者は、被留置者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百四条 第五十七条から第五十九条までの規定は被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は留置業務管理者による被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十七条ただし書及び第五十九条中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「留置施設内」と、「第六十一条」とあるのは「第二百条第二項及び第三項」と、「第六十二条」とあるのは「第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「留置施設の外」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五条 被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百六条 被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百七条 留置業務管理者は、被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (反則行為があった場合の自弁の書籍等に関する措置) 第二百八条 留置業務管理者は、被留置者が反則行為を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、内閣府令で定める自弁の書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。)について、三日を超えない期間に限り、その閲覧を許さないことができる。 2 第百九十条第二項及び第三項の規定は、被留置者に対する前項の措置について準用する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百九条 第七十一条の規定は留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条の規定は留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与等の措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第七十二条第二項中「第三十九条第二項」とあるのは「第百八十五条」と、「刑事施設に」とあるのは「留置施設に」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (留置施設の規律及び秩序) 第二百十条 留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百十一条 留置業務管理者は、被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、留置業務管理者又はその指定する留置業務に従事する職員は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第二百十二条 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第百八十一条第二項の規定は、前項の規定による女子の被留置者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、留置施設内において、被留置者以外の者(弁護人等を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の使用) 第二百十三条 留置担当官は、被留置者を護送する場合又は被留置者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、内閣府令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 留置施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 留置担当官は、被留置者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄、手錠又は防声具と同時に使用することはできない。 3 保護室が設置されていない留置施設においては、留置担当官は、被留置者が留置担当官の制止に従わず大声を発し続けて、留置施設内の平穏な生活を乱す場合において、他にこれを抑止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、防声具を使用することができる。 この場合において、その被留置者が防声具を取り外し、又は損壊することを防ぐため必要があるときは、その使用と同時に捕縄又は手錠を使用することができる。 4 前二項に規定する場合において、留置業務管理者の命令を待ついとまがないときは、留置担当官は、その命令を待たないで、拘束衣又は防声具(前項後段の規定により使用する捕縄又は手錠を含む。)を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を留置業務管理者に報告しなければならない。 5 拘束衣及び防声具の使用の期間は、三時間とする。 ただし、拘束衣の使用については、留置業務管理者は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 6 留置業務管理者は、前項の期間中であっても、拘束衣又は防声具の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 7 被留置者に拘束衣若しくは防声具を使用し、又は拘束衣の使用の期間を更新した場合には、留置業務管理者は、速やかに、その被留置者の健康状態について、当該留置業務管理者が委嘱する医師の意見を聴かなければならない。 8 捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の制式は、内閣府令で定める。 (保護室への収容) 第二百十四条 留置担当官は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、留置業務管理者の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 留置担当官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 留置施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 第七十九条第二項から第六項までの規定は、被留置者の保護室への収容について準用する。 この場合において、同条第二項から第五項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第五項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該留置業務管理者が委嘱する医師」と、同条第六項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と読み替えるものとする。 (災害時の避難及び解放) 第二百十五条 留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、留置施設内において避難の方法がないときは、被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被留置者を護送することができないときは、留置業務管理者は、その者を留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、留置施設の外にある被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、留置施設又は留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百十六条 留置業務管理者は、被留置受刑者以外の被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (被留置受刑者の面会の相手方) 第二百十七条 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 一 被留置受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 被留置受刑者の更生保護に関係のある者、被留置受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により被留置受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又はその被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百十八条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、被留置者の次に掲げる者との面会については、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百十九条 留置業務に従事する職員は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 四 被留置受刑者又はその面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれのあるもの ロ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第二百二十条 被留置者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の留置施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 留置業務管理者は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、留置施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 留置業務管理者は、第一項の面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の場所について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 留置業務管理者は、被留置者と弁護人等以外の者との面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 6 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一日につき一回を下回ってはならない。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百二十一条 留置業務管理者は、被留置者に対し、この款又は第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百二十二条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の発受の禁止) 第二百二十三条 留置業務管理者は、犯罪性のある者その他被留置受刑者が信書を発受することにより、留置施設の規律及び秩序を害し、又は被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがある者(被留置受刑者の親族を除く。)については、被留置受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第二百二十四条 留置業務管理者は、第二百二十二条の規定による検査の結果、被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 七 被留置受刑者が発受する信書について、その発受によって、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第二百二十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、被留置者が発信を申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)の通数並びに被留置者の信書の発受の方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により被留置者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一日につき一通を下回ってはならない。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百二十六条 留置業務管理者は、第二百二十三条、第二百二十四条又は第二百二十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第二百二十四条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 留置業務管理者は、第二百二十四条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 留置業務管理者は、被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等(内閣府令で定める遺族その他の者をいう。第二百三十九条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 被留置者が、第百九十八条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百二十六条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、被留置者の釈放若しくは死亡の日又は被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百二十七条 第百三十一条の規定は被留置者の信書について、第百三十三条の規定は被留置者の文書図画について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百三十一条中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百二十八条 留置業務管理者は、被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 3 被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百二十九条 次に掲げる留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、警察本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第百八十七条又は第百九十条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第百九十条第二項(第二百八条第二項において準用する場合を含む。)において準用する第百五十三条の規定による物を都道府県に帰属させる処分 三 第百九十六条の規定による領置されている現金の使用又は第百九十七条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 四 第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 五 第二百五条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 六 第二百七条第一項若しくは第二百八条第一項の規定又は第二百九条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 七 第二百七条第二項の規定による費用を負担させる処分 八 第二百二十三条、第二百二十四条若しくは第二百二十五条第一項の規定又は第二百二十七条において準用する第百三十三条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 九 第二百二十六条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 十 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百三十条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、公安委員会に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (警察本部長に対する事実の申告) 第二百三十一条 被留置者は、自己に対する留置業務に従事する職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、警察本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠、拘束衣又は防声具の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (公安委員会に対する事実の申告) 第二百三十二条 被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、公安委員会に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (警察本部長に対する苦情の申出) 第二百三十三条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、警察本部長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の警察本部長に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百三十四条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 (留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百三十五条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百三十六条 留置業務管理者は、被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百三十一条第一項若しくは第二百三十二条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は警察本部長若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を留置業務に従事する職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百二十二条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百三十七条 留置業務に従事する職員は、被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百三十八条 第百七十一条から第百七十三条までの規定は被留置者の釈放について、第百七十五条の規定は釈放される被留置者について、それぞれ準用する。 この場合において、第百七十一条第二号及び第四号中「刑事施設」とあるのは、「留置施設」と読み替えるものとする。 第十三節 死亡 第二百三十九条 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第十四節 法務大臣との協議 第二百四十条 内閣総理大臣は、被勾留者及び受刑者の処遇の斉一を図るため、被勾留者である被留置者及び被留置受刑者の処遇に関し内閣府令を制定し、又は改廃するに当たっては、法務大臣と協議するものとする。 第四章 海上保安留置施設における海上保安被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第二百四十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第二百五十条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百六十二条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百七十七条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、国土交通省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第二百四十二条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者について、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の海上保安被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の海上保安留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の海上保安留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の海上保安留置担当官が海上保安留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 第二百四十三条 海上保安被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の国土交通省令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(海上保安被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として海上保安留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百六十四条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(海上保安留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 第三節 起居動作の時間帯 第二百四十四条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを海上保安被留置者に告知するものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 第二百四十五条 第百八十六条から第百八十九条までの規定は、海上保安留置施設における海上保安被留置者に対する物品の貸与及び支給並びに自弁について準用する。 この場合において、第百八十六条第二項、第百八十七条及び第百八十八条第一項第三号中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第百八十七条中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、「、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き」とあるのは「を除き」と読み替えるものとする。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第二百四十六条 海上保安留置担当官は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 海上保安被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 海上保安被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(海上保安留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 海上保安被留置者に交付するため当該海上保安被留置者以外の者が海上保安留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第二百四十七条 海上保安留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、海上保安被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第二百四十八条 海上保安留置業務管理者は、第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 海上保安被留置者に交付することにより、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 四 自弁物品等以外の物品であるとき。 五 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第三号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、海上保安留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第五号に該当するものについては、海上保安留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第四号又は第五号に該当するもの(同項第一号から第三号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、海上保安被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、海上保安留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第二百四十九条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、海上保安被留置者に引き渡す。 一 第二百四十六条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第二百四十七条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第二百四十六条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(海上保安被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、海上保安留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第二百四十六条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号又は第三号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第二百五十条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、保管私物(海上保安被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び海上保安被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、海上保安留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の保管私物(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は海上保安被留置者について領置している物品(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該海上保安被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は海上保安被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は海上保安被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第二百五十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、自弁物品等を購入し、又は海上保安留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第二百五十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百七十三条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その海上保安留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。)により、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百五十三条 第五十一条の規定は海上保安留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は海上保安留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は海上保安被留置者の遺留物(海上保安留置施設に遺留した金品をいう。第二百八十五条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「第四章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第二百五十四条 海上保安留置施設においては、海上保安被留置者の心身の状況を把握することに努め、海上保安被留置者の健康及び海上保安留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第二百五十五条 海上保安被留置者には、国土交通省令で定めるところにより、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百五十六条 第五十八条、第五十九条、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定は海上保安被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあり、並びに第二百二条第一項及び第三項並びに第二百三条中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十九条中「刑事施設」とあり、並びに第二百条第一項及び第二百二条第一項中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「海上保安留置施設内」と、「第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条」とあるのは「第二百五十六条において準用する第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「海上保安留置施設の外」と、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百条第一項中「留置担当官」とあり、及び第二百二条第二項中「留置業務に従事する職員」とあるのは「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五十七条 海上保安被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百五十八条 海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百五十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、海上保安被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十条 第七十一条の規定は海上保安留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条第一項の規定は海上保安留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (海上保安留置施設の規律及び秩序) 第二百六十一条 海上保安留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、海上保安被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百六十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 海上保安留置担当官の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の海上保安被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 海上保安留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 海上保安留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、海上保安留置業務管理者又は海上保安留置担当官は、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、海上保安被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (災害時の避難及び解放) 第二百六十三条 海上保安留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設内において避難の方法がないときは、海上保安被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、海上保安被留置者を護送することができないときは、海上保安留置業務管理者は、その者を海上保安留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設の外にある海上保安被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、海上保安留置施設又は海上保安留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十四条 第七十五条の規定は海上保安留置担当官による海上保安被留置者の身体、着衣、所持品及び居室の検査並びに所持品の保管並びに海上保安被留置者以外の者の着衣及び携帯品の検査並びに携帯品の保管について、第七十八条の規定は海上保安留置担当官による捕縄、手錠及び拘束衣の使用について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十五条第一項及び第三項並びに第七十八条第一項第三号中「刑事施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第七十五条第二項中「第三十四条第二項」とあるのは「第二百四十二条第二項」と、第七十八条第一項、第二項及び第六項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、同条第一項及び第七項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条第二項から第六項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該海上保安留置業務管理者が委嘱する医師」と読み替えるものとする。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百六十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百六十六条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 海上保安留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、海上保安被留置者の次に掲げる者との面会については、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百六十七条 海上保安留置担当官は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、海上保安被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条において準用する第二百二十条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 2 海上保安留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (留置施設に関する規定の準用) 第二百六十八条 第二百二十条の規定は、海上保安被留置者の面会について準用する。 この場合において、同条第一項及び第三項から第五項までの規定中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、同条第三項から第五項までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第四項及び第五項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と読み替えるものとする。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百六十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、この款又は第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百七十条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 海上保安被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の海上保安被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の内容による差止め等) 第二百七十一条 海上保安留置業務管理者は、前条の規定による検査の結果、海上保安被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、海上保安被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び海上保安被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその海上保安被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百七十二条 海上保安留置業務管理者は、前条又は第二百七十四条第三項の規定により信書の発受を差し止め、又は禁止した場合にはその信書を、前条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、前条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等(国土交通省令で定める遺族その他の者をいう。第二百八十五条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された海上保安被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 海上保安被留置者が、第二百五十三条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、海上保安被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百七十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、海上保安被留置者の釈放若しくは死亡の日又は海上保安被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百七十三条 第百三十一条の規定は海上保安被留置者の信書について、第百三十三条の規定は海上保安被留置者の文書図画について、第二百二十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者の信書に関する制限について、それぞれ準用する。 この場合において、第百三十一条及び第百三十三条中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百二十五条第一項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百七十四条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 3 海上保安被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百七十五条 次に掲げる海上保安留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第二百四十五条において準用する第百八十七条の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第二百五十一条の規定による領置されている現金の使用又は第二百五十二条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第二百五十六条において準用する第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は第二百五十六条において準用する第二百二条第四項の規定による診療の中止 四 第二百五十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第二百五十九条第一項の規定又は第二百六十条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第二百五十九条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第二百七十一条の規定又は第二百七十三条において準用する第百三十三条若しくは第二百二十五条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の差止め又は制限 八 第二百七十二条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 九 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百七十六条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、海上保安庁長官に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (管区海上保安本部長に対する事実の申告) 第二百七十七条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置担当官による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (海上保安庁長官に対する事実の申告) 第二百七十八条 海上保安被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、海上保安庁長官に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (海上保安庁長官に対する苦情の申出) 第二百七十九条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、海上保安庁長官に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の海上保安庁長官に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百八十条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第二十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 (海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百八十一条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、海上保安留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百八十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百七十七条第一項若しくは第二百七十八条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は海上保安庁長官若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を海上保安留置担当官に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百七十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百八十三条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百八十四条 海上保安被留置者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 2 第百七十五条の規定は、釈放される海上保安被留置者について準用する。 第十三節 死亡 第二百八十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第三編 補則 第一章 代替収容の場合における刑事訴訟法等の適用 第二百八十六条 第十五条第一項の規定により留置施設に留置される者については、留置施設を刑事施設と、留置業務管理者を刑事施設の長と、留置担当官を刑事施設職員とみなして、刑事訴訟法第六十四条第一項、第六十五条第三項、第七十条第二項、第七十三条第二項、第七十八条、第八十条後段、第九十八条第一項及び第二項、第九十八条の二、第九十八条の十七第一項(第一号及び第二号に係る部分に限る。)及び第四項、第九十八条の二十第五項(第二号に係る部分に限る。)、第九十八条の二十一第三項(第二号に係る部分に限る。)、第二百八十六条の二、第三百四十三条の二、第三百六十六条、第三百六十七条並びに第四百八十一条第二項、更生保護法第十三条(同法第二十二条、第二十五条第三項、第三十六条第三項(同法第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第六十三条第十項、第七十三条第五項、第七十三条の四第三項及び第七十六条第四項において準用する場合を含む。)、第二十七条第三項、第三十三条、第三十五条第二項、第三十六条第二項(同法第三十七条第三項(同法第四十五条において準用する場合を含む。)及び第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第三十九条第四項、第四十四条、第五十四条第二項、第五十五条第二項、第八十二条、第八十六条、第九十条第二項及び第九十三条並びに民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二条第三項の規定を適用する。 第二章 労役場及び監置場 (労役場及び監置場の附置等) 第二百八十七条 労役場及び監置場は、それぞれ、法務大臣が指定する刑事施設に附置する。 2 監置の裁判の執行を受ける者は、最寄りの地に監置場がないとき、又は最寄りの監置場に留置の余力がないときは、刑事施設内の特に区別した場所に留置することができる。 3 労役場及び監置場については、第五条、第六条、第十一条及び第十二条の規定を準用する。 4 刑事施設視察委員会は、刑事施設に附置された労役場及び監置場の運営に関しても、第七条第二項に規定する事務を行うものとする。 この場合においては、第九条及び第十条の規定を準用する。 (労役場留置者の処遇) 第二百八十八条 労役場に留置されている者(以下「労役場留置者」という。)の処遇については、その性質に反しない限り、前編第二章中の懲役受刑者に関する規定を準用する。 (被監置者の処遇) 第二百八十九条 監置場に留置されている者(以下「監置場留置者」という。)の処遇については、前編第二章(第四十一条第二項並びに第十一節第二款第六目及び第三款第六目を除く。)中の各種被収容者に関する規定を準用する。 2 監置場留置者の自弁の物品の使用及び摂取については、第四十一条の規定を準用する。 この場合において、同条第一項中「(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)」とあるのは「(衣類、日用品及び文房具並びに次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と、同条第二項中「前項各号に掲げる物品及び寝具」とあるのは「衣類、日用品及び文房具(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と読み替えるものとする。 3 監置場留置者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第一目及び第三款第一目の規定を準用する。 4 監置場留置者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第三目及び第三款第三目の規定を準用する。 5 監置の裁判の執行のため第二百八十七条第二項の規定により刑事施設に留置されている者については、第四十一条第二項並びに前編第二章第十一節第二款第六目及び第三款第六目の規定にかかわらず、前三項の規定を準用する。 6 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の被留置受刑者に関する規定を準用する。 7 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の未決拘禁者としての地位を有する被留置受刑者に関する規定を準用する。 第三章 司法警察職員 第二百九十条 刑事施設の長は、刑事施設における犯罪(労役場及び監置場における犯罪を含む。次項において同じ。)について、刑事訴訟法の規定による司法警察員としての職務を行う。 2 刑事施設の職員(刑事施設の長を除く。)であって、刑事施設の長がその刑事施設の所在地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは、刑事施設における犯罪について、法務大臣の定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員としての職務を行う。 第四章 条約の効力 第二百九十一条 この法律に規定する面会及び信書の発受に関する事項について条約に別段の定めがあるときは、その規定による。 第五章 罰則 第二百九十二条 第二十一条第三項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 第二百九十三条 第八十三条第二項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定により解放された被収容者、労役場留置者又は監置場留置者が、第八十三条第三項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、二年以下の懲役に処する。 2 刑事施設に収容されている受刑者が次の各号のいずれかに該当するときは、三年以下の拘禁刑に処する。 一 外部通勤作業の場合において、そのための通勤の日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 二 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の場合において、その外出の日又は外泊の期間の末日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 3 第二百十五条第二項の規定により解放された被留置者が、同条第三項の規定に違反して留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 4 第二百六十三条第二項の規定により解放された海上保安被留置者が、同条第三項の規定に違反して海上保安留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 | 刑事 |
Heisei | Act | 417AC0000000050_20250601_504AC0000000067.xml | 平成十七年法律第五十号 | 2 | 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律
第一編 総則 第一章 通則 (目的) 第一条 この法律は、刑事収容施設(刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設をいう。)の適正な管理運営を図るとともに、被収容者、被留置者及び海上保安被留置者の人権を尊重しつつ、これらの者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 被収容者 刑事施設に収容されている者をいう。 二 被留置者 留置施設に留置されている者をいう。 三 海上保安被留置者 海上保安留置施設に留置されている者をいう。 四 受刑者 拘禁刑受刑者又は拘留受刑者をいう。 五 拘禁刑受刑者 拘禁刑(国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第十六条第一項の規定により執行する共助刑を含む。次条第一号及び第十五条第一項第一号において同じ。)の執行のため拘置されている者をいう。 六 拘留受刑者 拘留の刑の執行のため拘置されている者をいう。 七 未決拘禁者 被逮捕者、被勾留者その他未決の者として拘禁されている者をいう。 八 被逮捕者 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により逮捕されて留置されている者をいう。 九 被勾留者 刑事訴訟法の規定により勾留されている者をいう。 十 死刑確定者 死刑の言渡しを受けて拘置されている者をいう。 十一 各種被収容者 被収容者であって、受刑者、未決拘禁者及び死刑確定者以外のものをいう。 第二章 刑事施設 (刑事施設) 第三条 刑事施設は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 拘禁刑又は拘留の刑の執行のため拘置される者 二 刑事訴訟法の規定により、逮捕された者であって、留置されるもの 三 刑事訴訟法の規定により勾留される者 四 死刑の言渡しを受けて拘置される者 五 前各号に掲げる者のほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者 (被収容者の分離) 第四条 被収容者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者としての地位を有する受刑者、死刑確定者及び各種被収容者の別 三 拘禁刑受刑者及び拘留受刑者の別 2 前項の規定にかかわらず、受刑者に第九十三条に規定する作業として他の被収容者に接して食事の配給その他の作業を行わせるため必要があるときは、同項第二号及び第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 3 第一項の規定にかかわらず、適当と認めるときは、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。次編第二章において同じ。)外に限り、同項第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第五条 法務大臣は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各刑事施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (意見聴取) 第六条 刑事施設の長は、その刑事施設の適正な運営に資するため必要な意見を関係する公務所及び公私の団体の職員並びに学識経験のある者から聴くことに努めなければならない。 (刑事施設視察委員会) 第七条 刑事施設に、刑事施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた刑事施設を視察し、その運営に関し、刑事施設の長に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第八条 委員会は、委員十人以内で組織する。 2 委員は、人格識見が高く、かつ、刑事施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命する。 3 委員の任期は、一年とする。 ただし、再任を妨げない。 4 委員は、非常勤とする。 5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第九条 刑事施設の長は、刑事施設の運営の状況について、法務省令で定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、刑事施設の運営の状況を把握するため、委員による刑事施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、刑事施設の長に対し、委員による被収容者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 刑事施設の長は、前項の視察及び被収容者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、被収容者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第十条 法務大臣は、毎年、委員会が刑事施設の長に対して述べた意見及びこれを受けて刑事施設の長が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (裁判官及び検察官の巡視) 第十一条 裁判官及び検察官は、刑事施設を巡視することができる。 (参観) 第十二条 刑事施設の長は、その刑事施設の参観を申し出る者がある場合において相当と認めるときは、これを許すことができる。 (刑務官) 第十三条 刑務官は、法務省令で定めるところにより、法務大臣が刑事施設の職員のうちから指定する。 2 刑務官の階級は、法務省令でこれを定める。 3 刑務官には、被収容者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被収容者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 第三章 留置施設 (留置施設) 第十四条 都道府県警察に、留置施設を設置する。 2 留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)及び刑事訴訟法の規定により、都道府県警察の警察官が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者で、次条第一項の規定の適用を受けて刑事訴訟法の規定により勾留されるもの 三 前二号に掲げる者のほか、法令の規定により留置施設に留置することができることとされる者 第十五条 第三条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。 一 拘禁刑又は拘留の刑の執行のため拘置される者(これらの刑の執行以外の逮捕、勾留その他の事由により刑事訴訟法その他の法令の規定に基づいて拘禁される者としての地位を有するものを除く。) 二 死刑の言渡しを受けて拘置される者 三 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第十七条の四第一項、少年院法(平成二十六年法律第五十八号)第百三十三条第二項又は少年鑑別所法(平成二十六年法律第五十九号)第百二十三条の規定により仮に収容される者 四 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第五条第一項、第十七条第二項若しくは第二十五条第一項、国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項又は国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律(平成十九年法律第三十七号)第二十一条第一項若しくは第三十五条第一項の規定により拘禁される者 2 法務大臣は、国家公安委員会に対し、前項の規定による留置に関する留置施設の運営の状況について説明を求め、又は同項の規定により留置された者の処遇について意見を述べることができる。 (留置業務管理者等) 第十六条 留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「留置業務管理者」という。)は、警視庁、道府県警察本部又は方面本部(第二十条において「警察本部」という。)に置かれる留置施設にあっては警視以上の階級にある警察官のうちから警視総監、道府県警察本部長又は方面本部長(以下「警察本部長」という。)が指名する者とし、警察署に置かれる留置施設にあっては警察署長とする。 2 留置施設に係る留置業務に従事する警察官(以下「留置担当官」という。)には、被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (被留置者の分離) 第十七条 被留置者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者としての地位を有する者か否かの別 2 前項の規定にかかわらず、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要がある場合において、被留置者の処遇上支障を生ずるおそれがないと認めるときは、同項第二号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第十八条 警察本部長は、都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面以外の方面にあっては、方面公安委員会。以下「公安委員会」という。)の定めるところにより、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (巡察) 第十九条 警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、被留置者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指名する職員に留置施設を巡察させるものとする。 (留置施設視察委員会) 第二十条 警察本部に、留置施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた警察本部に係る都道府県警察の管轄区域内にある留置施設(道警察本部にあってはその所在地を包括する方面の区域内にある留置施設、方面本部にあっては当該方面の区域内にある留置施設)を視察し、その運営に関し、留置業務管理者に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第二十一条 委員会の委員(以下この条及び次条第二項において「委員」という。)は、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、公安委員会が任命する。 2 委員は、非常勤とする。 3 委員又は委員であった者は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 4 前三項に定めるもののほか、委員の定数及び任期その他委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。 この場合において、委員の定数及び任期については、国家公安委員会の定める基準を参酌するものとする。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第二十二条 留置業務管理者は、留置施設の運営の状況(第百九十条第一項又は第二百八条第一項の規定による措置に関する事項を含む。)について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、留置施設の運営の状況を把握するため、委員による留置施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、留置業務管理者に対し、委員による被留置者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 留置業務管理者は、前項の視察及び被留置者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第二百二十二条の規定にかかわらず、被留置者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第二十三条 警察本部長は、毎年、委員会が留置業務管理者に対して述べた意見及びこれを受けて留置業務管理者が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十四条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第四章 海上保安留置施設 (海上保安留置施設) 第二十五条 管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に、海上保安留置施設を設置する。 2 海上保安留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 ただし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設には、やむを得ない事由により、管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設に速やかに留置することができない場合に限り、留置することができる。 一 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)及び刑事訴訟法の規定により、海上保安官又は海上保安官補が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者のほか、法令の規定により海上保安留置施設に留置することができることとされる者 (海上保安留置業務管理者等) 第二十六条 海上保安留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「海上保安留置業務管理者」という。)は、管区海上保安本部に置かれる海上保安留置施設にあっては管区海上保安本部長が指名する海上保安官とし、管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設にあっては当該事務所の長とし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設にあっては当該船舶の船長とする。 2 海上保安留置施設に係る留置業務に従事する海上保安官及び海上保安官補(以下「海上保安留置担当官」という。)には、海上保安被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに海上保安被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 海上保安留置担当官は、その海上保安留置施設に留置されている海上保安被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (海上保安被留置者の分離) 第二十七条 海上保安被留置者は、性別に従い、互いに分離するものとする。 (実地監査) 第二十八条 海上保安庁長官は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各海上保安留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十九条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、海上保安留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第二編 被収容者等の処遇 第一章 処遇の原則 (受刑者の処遇の原則) 第三十条 受刑者の処遇は、その者の年齢、資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。 (未決拘禁者の処遇の原則) 第三十一条 未決拘禁者の処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走及び罪証の隠滅の防止並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。 (死刑確定者の処遇の原則) 第三十二条 死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。 2 死刑確定者に対しては、必要に応じ、民間の篤志家の協力を求め、その心情の安定に資すると認められる助言、講話その他の措置を執るものとする。 第二章 刑事施設における被収容者の処遇 第一節 収容の開始 (収容開始時の告知) 第三十三条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始に際し、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その刑事施設に収容されている被収容者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第四十八条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為、儀式行事及び教 誨 かい に関する事項 五 書籍等(書籍、雑誌、新聞紙その他の文書図画(信書を除く。)をいう。以下同じ。)の閲覧に関する事項 六 第七十四条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 懲罰に関する事項 九 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 十 第百六十三条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十一 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第三十四条 刑務官は、被収容者について、その刑事施設における収容の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被収容者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の刑務官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の刑務官がその検査を行うことができない場合には、男子の刑務官が刑事施設の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 (未決拘禁者の処遇の態様) 第三十五条 未決拘禁者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合における処遇を除く。次条第一項及び第三十七条第一項において同じ。)は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(死刑確定者としての地位を有するものを除く。)の居室は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、単独室とし、それ以外の場合にあっても、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 3 未決拘禁者は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、居室外においても相互に接触させてはならない。 (死刑確定者の処遇の態様) 第三十六条 死刑確定者の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 死刑確定者の居室は、単独室とする。 3 死刑確定者は、居室外においても、第三十二条第一項に定める処遇の原則に照らして有益と認められる場合を除き、相互に接触させてはならない。 (各種被収容者の処遇の態様) 第三十七条 各種被収容者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 各種被収容者の居室は、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯等) 第三十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる時間帯を定め、これを被収容者に告知するものとする。 一 食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯 二 受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)については、第八十七条第一項に規定する矯正処遇等の時間帯及び余暇に充てられるべき時間帯 (余暇活動の援助等) 第三十九条 刑事施設の長は、被収容者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇に充てられるべき時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。次項において同じ。)において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。以下同じ。)を行うことを許すものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯等における活動について、援助を与えるものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第四十条 被収容者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、刑事施設における日常生活に必要なもの(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被収容者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は 嗜 し 好品(酒類を除く。以下同じ。)を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第四十一条 刑事施設の長は、受刑者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 室内装飾品 四 嗜好品 五 日用品、文房具その他の刑事施設における日常生活に用いる物品 2 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が、前項各号に掲げる物品及び寝具について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに第十二節の規定により禁止される場合を除き、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (補正器具等の自弁等) 第四十二条 被収容者には、次に掲げる物品については、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 自己契約作業を行うのに必要な物品 三 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 四 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の際に使用する衣類その他の物品 五 その他法務省令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被収容者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第四十三条 第四十条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被収容者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被収容者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第四十四条 刑事施設の職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被収容者が収容される際に所持する現金及び物品 二 被収容者が収容中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(刑事施設の長から支給された物品を除く。) 三 被収容者に交付するため当該被収容者以外の者が刑事施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (収容時の所持物品等の処分) 第四十五条 刑事施設の長は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被収容者に対し、その物品について、親族(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 前項の規定により物品の処分を求めた場合において、被収容者が相当の期間内にその処分をしないときは、刑事施設の長は、これを売却してその代金を領置する。 ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。 (差入物の引取り等) 第四十六条 刑事施設の長は、第四十四条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品を持参し、又は送付した者(以下「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被収容者に交付することにより、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その受刑者に交付することにより、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるものであるとき。 三 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁により使用し、若しくは摂取することができることとされる物品又は釈放の際に必要と認められる物品(以下「自弁物品等」という。)以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、刑事施設の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、刑事施設の長は、被収容者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 前条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 7 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被収容者がその交付を受けることを拒んだ場合には、刑事施設の長は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第四十七条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるものは、被収容者に引き渡す。 一 第四十四条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第四十五条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第四十四条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被収容者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、刑事施設の長が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第四十四条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第二号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第四十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、保管私物(被収容者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被収容者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者の保管私物(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「保管総量」という。)が保管限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて保管することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるとき、又は被収容者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「領置総量」という。)が領置限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて領置することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるときは、当該被収容者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 4 刑事施設の長は、被収容者が保管私物について領置することを求めた場合において、相当と認めるときは、これを領置することができる。 ただし、領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 5 刑事施設の長は、前項の規定により領置している物品について、被収容者がその引渡しを求めた場合には、これを引き渡すものとする。 ただし、保管総量が保管限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 (領置金の使用) 第四十九条 刑事施設の長は、被収容者が、自弁物品等を購入し、又は刑事施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用については、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第五十条 刑事施設の長は、被収容者が、保管私物又は領置されている金品(第百三十三条(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(当該刑事施設に収容されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。次号において同じ。)により、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、交付により、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (差入れ等に関する制限) 第五十一条 刑事施設の長は、この節に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による被収容者に対する金品の交付及び被収容者による自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (領置物の引渡し) 第五十二条 刑事施設の長は、被収容者の釈放の際、領置している金品をその者に引き渡すものとする。 (釈放者の遺留物) 第五十三条 釈放された被収容者の遺留物(刑事施設に遺留した金品をいう。以下この章において同じ。)は、その釈放の日から起算して六月を経過する日までに、その者からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。 2 前項の期間内でも、刑事施設の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。 (逃走者等の遺留物) 第五十四条 被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 2 前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。 (死亡者の遺留物) 第五十五条 死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。以下この章において同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。 2 死亡した被収容者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百七十六条の規定による通知をすることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 第一項の遺留物は、第百七十六条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。 4 第五十三条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第五十六条 刑事施設においては、被収容者の心身の状況を把握することに努め、被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第五十七条 被収容者には、日曜日その他法務省令で定める日を除き、できる限り戸外で、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 ただし、公判期日への出頭その他の事情により刑事施設の執務時間内にその機会を与えることができないときは、この限りでない。 (被収容者の清潔義務) 第五十八条 被収容者は、身体、着衣及び所持品並びに居室その他日常使用する場所を清潔にしなければならない。 (入浴) 第五十九条 被収容者には、法務省令で定めるところにより、刑事施設における保健衛生上適切な入浴を行わせる。 (調髪及びひげそり) 第六十条 受刑者には、法務省令で定めるところにより、調髪及びひげそりを行わせる。 2 刑事施設の長は、受刑者が自弁により調髪を行いたい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、これを許すことができる。 3 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (健康診断) 第六十一条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始後速やかに、及び毎年一回以上定期的に、法務省令で定めるところにより、健康診断を行わなければならない。 刑事施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 2 被収容者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第六十二条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、刑事施設の職員である医師等(医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 刑事施設の長は、前項に規定する場合において、傷病の種類又は程度等に応じ必要と認めるときは、刑事施設の職員でない医師等による診療を行うことができる。 3 刑事施設の長は、前二項の規定により診療を行う場合において、必要に応じ被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第六十三条 刑事施設の長は、負傷し、又は疾病にかかっている被収容者が、刑事施設の職員でない医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、刑事施設に収容される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被収容者の医療上適当であると認めるときは、刑事施設内において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被収容者に対して刑事施設において診療を行うため必要があるときは、刑事施設の職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、刑事施設の長が法務省令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 刑事施設の長は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により刑事施設の長が行う措置に従わないとき、前項の規定により刑事施設の長が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (感染症予防上の措置) 第六十四条 刑事施設の長は、刑事施設内における感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要がある場合には、被収容者に対し、第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条の規定による診療その他必要な医療上の措置を執るほか、予防接種、当該疾病を感染させるおそれがなくなるまでの間の隔離その他法務省令で定める措置を執るものとする。 (養護のための措置等) 第六十五条 刑事施設の長は、老人、妊産婦、身体虚弱者その他の養護を必要とする被収容者について、その養護を必要とする事情に応じ、傷病者のための措置に準じた措置を執るものとする。 2 刑事施設の長は、被収容者が出産するときは、やむを得ない場合を除き、刑事施設の外の病院、診療所又は助産所に入院させるものとする。 (子の養育) 第六十六条 刑事施設の長は、女子の被収容者がその子を刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、相当と認めるときは、その子が一歳に達するまで、これを許すことができる。 2 刑事施設の長は、被収容者が、前項の規定により養育され一歳に達した子について、引き続いて刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、その被収容者の心身の状況に照らして、又はその子を養育する上で、特に必要があるときは、引き続き六月間に限り、これを許すことができる。 3 被収容者が前二項の規定により子を養育している場合には、その子の養育に必要な物品を貸与し、又は支給する。 4 前項に規定する場合において、被収容者が、その子の養育に必要な物品について、自弁のものを使用し、若しくは摂取し、又はその子に使用させ、若しくは摂取させたい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障がない限り、これを許すものとする。 5 被収容者が第一項又は第二項の規定により養育している子については、被収容者の例により、健康診断、診療その他の必要な措置を執るものとする。 第七節 宗教上の行為等 (一人で行う宗教上の行為) 第六十七条 被収容者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 (宗教上の儀式行事及び教誨) 第六十八条 刑事施設の長は、被収容者が宗教家(民間の篤志家に限る。以下この項において同じ。)の行う宗教上の儀式行事に参加し、又は宗教家の行う宗教上の教誨を受けることができる機会を設けるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合には、被収容者に前項に規定する儀式行事に参加させず、又は同項に規定する教誨を受けさせないことができる。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第六十九条 被収容者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節及び第十二節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第七十条 刑事施設の長は、被収容者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、被収容者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被収容者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (新聞紙に関する制限) 第七十一条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (時事の報道に接する機会の付与等) 第七十二条 刑事施設の長は、被収容者に対し、日刊新聞紙の備付け、報道番組の放送その他の方法により、できる限り、主要な時事の報道に接する機会を与えるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、第三十九条第二項の規定による援助の措置として、刑事施設に書籍等を備え付けるものとする。 この場合において、備え付けた書籍等の閲覧の方法は、刑事施設の長が定める。 第九節 規律及び秩序の維持 (刑事施設の規律及び秩序) 第七十三条 刑事施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被収容者の収容を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第七十四条 刑事施設の長は、被収容者が遵守すべき事項(以下この章において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 刑事施設の職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被収容者の収容の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 刑事施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 刑事施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 正当な理由なく、第九十三条に規定する作業を怠り、又は第八十六条第一項各号、第百三条若しくは第百四条に規定する指導を拒んではならないこと。 十 前各号に掲げるもののほか、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十一 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項又は第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、刑事施設の長又はその指定する職員は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第七十五条 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、刑事施設内において、被収容者以外の者(弁護人又は刑事訴訟法第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (受刑者の隔離) 第七十六条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者を他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 一 他の被収容者と接触することにより刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 他の被収容者から危害を加えられるおそれがあり、これを避けるために他に方法がないとき。 2 前項の規定による隔離の期間は、三月とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、一月ごとにこれを更新することができる。 3 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 4 第一項の規定により受刑者を隔離している場合には、刑事施設の長は、三月に一回以上定期的に、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 (制止等の措置) 第七十七条 刑務官は、被収容者が自身を傷つけ若しくは他人に危害を加え、逃走し、刑事施設の職員の職務の執行を妨げ、その他刑事施設の規律及び秩序を著しく害する行為をし、又はこれらの行為をしようとする場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その被収容者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 2 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その行為をする者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 一 刑事施設に侵入し、その設備を損壊し、刑事施設の職員の職務執行を妨げ、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 二 刑務官の要求を受けたのに刑事施設から退去しないとき。 三 被収容者の逃走又は刑事施設の職員の職務執行の妨害を、現場で、援助し、あおり、又は唆すとき。 四 被収容者に危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 3 前二項の措置に必要な警備用具については、法務省令で定める。 (捕縄、手錠及び拘束衣の使用) 第七十八条 刑務官は、被収容者を護送する場合又は被収容者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 刑務官は、被収容者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、刑事施設の長の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄又は手錠と同時に使用することはできない。 3 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、拘束衣を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 4 拘束衣の使用の期間は、三時間とする。 ただし、刑事施設の長は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 5 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、拘束衣の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 6 被収容者に拘束衣を使用し、又はその使用の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 7 捕縄、手錠及び拘束衣の制式は、法務省令で定める。 (保護室への収容) 第七十九条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、刑事施設の長の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 刑務官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、その被収容者を保護室に収容することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 3 保護室への収容の期間は、七十二時間以内とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。 4 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、保護室への収容の必要がなくなったときは、直ちにその収容を中止させなければならない。 5 被収容者を保護室に収容し、又はその収容の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 6 保護室の構造及び設備の基準は、法務省令で定める。 (武器の携帯及び使用) 第八十条 刑務官は、法務省令で定める場合に限り、小型武器を携帯することができる。 2 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 暴動を起こし、又はまさに起こそうとするとき。 二 他人に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 凶器を携帯し、刑務官が放棄を命じたのに、これに従わないとき。 五 刑務官の制止に従わず、又は刑務官に対し暴行若しくは集団による威力を用いて、逃走し、若しくは逃走しようとし、又は他の被収容者の逃走を助けるとき。 3 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 被収容者が暴動を起こし、又はまさに起こそうとする場合において、その現場で、これらに参加し、又はこれらを援助するとき。 二 被収容者に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 銃器、爆発物その他の凶器を携帯し、又は使用して、刑事施設に侵入し、若しくはその設備を損壊し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 五 暴行又は脅迫を用いて、被収容者を奪取し、若しくは解放し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 4 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条若しくは第三十七条に該当する場合又は次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、人に危害を加えてはならない。 一 刑務官において他に被収容者の第二項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 二 刑務官において他に被収容者以外の者の前項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 ただし、同項第二号に掲げる場合以外の場合にあっては、その者が刑務官の制止に従わないで当該行為を行うときに限る。 (収容のための連戻し) 第八十一条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める時から四十八時間以内に着手したときに限り、これを連れ戻すことができる。 一 逃走したとき 逃走の時 二 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日時 (災害時の応急用務) 第八十二条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内にある者の生命又は身体の保護のため必要があると認める場合には、被収容者を刑事施設内又はこれに近接する区域における消火、人命の救助その他の応急の用務に就かせることができる。 2 第百条から第百二条までの規定は、被収容者が前項の規定により応急の用務に就いて死亡し、負傷し、又は疾病にかかった場合について準用する。 (災害時の避難及び解放) 第八十三条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内において避難の方法がないときは、被収容者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被収容者を護送することができないときは、刑事施設の長は、その者を刑事施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、刑事施設の外にある被収容者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 矯正処遇の実施等 第一款 通則 (矯正処遇) 第八十四条 受刑者には、矯正処遇として、第九十三条に規定する作業を行わせ、並びに第百三条及び第百四条に規定する指導を行う。 2 矯正処遇は、処遇要領(矯正処遇の目標並びにその基本的な内容及び方法を受刑者ごとに定める矯正処遇の実施の要領をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)に基づいて行うものとする。 3 処遇要領は、法務省令で定めるところにより、刑事施設の長が受刑者の年齢を考慮し、その資質及び環境の調査の結果に基づき、できる限り速やかに定めるものとし、矯正処遇の目標並びに第九十三条に規定する作業並びに第百三条及び第百四条に規定する指導ごとの内容及び方法をできる限り具体的に記載するものとする。 4 処遇要領は、必要に応じ、受刑者の希望を参酌して定めるものとする。 これを変更しようとするときも、同様とする。 5 刑事施設の長は、第二項の規定にかかわらず、処遇要領を定めるまでの間は、受刑者の年齢、その時点において把握している資質及び環境を考慮し、必要と認められる範囲内において、法務省令で定めるところにより、矯正処遇を行うものとする。 6 矯正処遇は、必要に応じ、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識及び技術を活用して行うものとする。 (被害者等の心情等の考慮) 第八十五条 刑事施設の長は、処遇要領を定めるに当たっては、法務省令で定めるところにより、被害者等(受刑者が刑を言い渡される理由となった犯罪により害を被った者(以下この項において「被害者」という。)又はその法定代理人若しくは被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下この節において同じ。)の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 処遇要領を変更しようとするときも、同様とする。 2 刑事施設の長は、矯正処遇を行うに当たっては、前項の心情及び状況並びに次項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める受刑者について、被害者等から、被害に関する心情、被害者等の置かれている状況又は当該受刑者の生活及び行動に関する意見(以下この節において「心情等」という。)を述べたい旨の申出があったときは、法務省令で定めるところにより、当該心情等を聴取するものとする。 ただし、当該被害に係る事件の性質、当該被害者等と当該受刑者との関係その他の被害者等に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (刑執行開始時及び釈放前の指導等) 第八十六条 受刑者には、矯正処遇を行うほか、次の各号に掲げる期間において、当該各号に定める指導を行う。 一 刑の執行開始後の法務省令で定める期間 受刑の意義その他矯正処遇の実施の基礎となる事項並びに刑事施設における生活及び行動に関する指導 二 釈放前における法務省令で定める期間 釈放後の社会生活において直ちに必要となる知識の付与その他受刑者の帰住及び釈放後の生活に関する指導 2 前項第二号に掲げる期間における受刑者の処遇は、できる限り、これにふさわしい設備と環境を備えた場所で行うものとし、必要に応じ、第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊を許し、その他円滑な社会復帰を図るため必要な措置を執るものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、第一項各号に定める指導を行う日及び時間を定める。 (集団処遇) 第八十七条 矯正処遇及び前条第一項の規定による指導(以下「矯正処遇等」という。)は、その効果的な実施を図るため、必要に応じ、受刑者を集団に編成して行うものとする。 2 前項の場合において特に必要があるときは、第四条第一項の規定にかかわらず、居室外に限り、同項第一号に掲げる別による分離をしないことができる。 (刑事施設外処遇) 第八十八条 矯正処遇等は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 (制限の緩和) 第八十九条 受刑者の自発性及び自律性を 涵 かん 養するため、刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限は、法務省令で定めるところにより、第三十条の目的を達成する見込みが高まるに従い、順次緩和されるものとする。 2 前項の場合において、第三十条の目的を達成する見込みが特に高いと認められる受刑者の処遇は、法務省令で定めるところにより、開放的施設(収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の一部を設けず、又は講じない刑事施設の全部又は一部で法務大臣が指定するものをいう。以下同じ。)で行うことができる。 (優遇措置) 第九十条 刑事施設の長は、受刑者の改善更生の意欲を喚起するため、次に掲げる処遇について、法務省令で定めるところにより、一定の期間ごとの受刑態度の評価に応じた優遇措置を講ずるものとする。 一 第四十条第二項の規定により物品を貸与し、又は支給すること。 二 第四十一条第一項の規定により自弁の物品の使用又は摂取を許すこと。 三 第百十一条の面会をすることができる時間又は回数を定めること。 四 その他法務省令で定める処遇 (社会との連携) 第九十一条 刑事施設の長は、受刑者の処遇を行うに当たり必要があると認めるときは、受刑者の親族、民間の篤志家、関係行政機関その他の者に対し、協力を求めるものとする。 2 前項の協力をした者は、その協力を行うに当たって知り得た受刑者に関する秘密を漏らしてはならない。 (公務所等への照会) 第九十二条 刑事施設の長は、受刑者の資質及び環境の調査のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 第二款 作業 (受刑者の作業) 第九十三条 刑事施設の長は、受刑者に対し、その改善更生及び円滑な社会復帰を図るため必要と認められる場合には、作業を行わせるものとする。 ただし、作業を行わせることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 (作業の実施) 第九十四条 作業は、できる限り、受刑者の勤労意欲を高め、これに職業上有用な知識及び技能を習得させるように実施するものとする。 2 刑事施設の長は、職業に関する免許若しくは資格を取得させ、又は職業に必要な知識及び技能を習得させることが改善更生及び円滑な社会復帰に資すると認められる受刑者に対し、相当と認めるときは、これらを目的とする訓練を作業として実施する。 (作業の条件等) 第九十五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、作業を行う日及び時間を定める。 2 刑事施設の長は、作業を行う受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置を講じなければならない。 3 受刑者は、前項の規定により刑事施設の長が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。 4 第二項の規定により刑事施設の長が講ずべき措置及び前項の規定により受刑者が守らなければならない事項は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に定める労働者の安全及び衛生を確保するため事業者が講ずべき措置及び労働者が守らなければならない事項に準じて、法務大臣が定める。 (外部通勤作業) 第九十六条 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した拘禁刑受刑者が、第八十九条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため必要があるときは、刑事施設の職員の同行なしに、その受刑者を刑事施設の外の事業所(以下この条において「外部事業所」という。)に通勤させて作業を行わせることができる。 2 前項の規定による作業(以下「外部通勤作業」という。)は、外部事業所の業務に従事し、又は外部事業所が行う職業訓練を受けることによって行う。 3 受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、当該外部事業所の事業主(以下この条において「外部事業主」という。)との間において、受刑者の行う作業の種類、作業時間、受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置その他外部通勤作業の実施に関し必要な事項について、取決めを行わなければならない。 4 刑事施設の長は、受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、あらかじめ、その受刑者が外部通勤作業に関し遵守すべき事項(以下この条において「特別遵守事項」という。)を定め、これをその受刑者に告知するものとする。 5 特別遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 指定された経路及び方法により移動しなければならないこと。 二 指定された時刻までに刑事施設に帰着しなければならないこと。 三 正当な理由なく、外部通勤作業を行う場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。 四 外部事業主による作業上の指示に従わなければならないこと。 五 正当な理由なく、犯罪性のある者その他接触することにより矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と接触してはならないこと。 6 刑事施設の長は、外部通勤作業を行う受刑者が遵守事項又は特別遵守事項を遵守しなかった場合その他外部通勤作業を不適当とする事由があると認める場合には、これを中止することができる。 (作業収入) 第九十七条 作業の実施による収入は、国庫に帰属する。 (作業報奨金) 第九十八条 刑事施設の長は、作業を行った受刑者に対しては、釈放の際(その者が受刑者以外の被収容者となったときは、その際)に、その時における報奨金計算額に相当する金額の作業報奨金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、毎月、その月の前月において受刑者が行った作業に対応する金額として、法務大臣が定める基準に従い、その作業の成績その他就業に関する事項を考慮して算出した金額を報奨金計算額に加算するものとする。 ただし、釈放の日の属する月における作業に係る加算は、釈放の時に行う。 3 前項の基準は、作業の種類及び内容、作業に要する知識及び技能の程度等を考慮して定める。 4 刑事施設の長は、受刑者がその釈放前に作業報奨金の支給を受けたい旨の申出をした場合において、その使用の目的が、自弁物品等の購入、親族の生計の援助、被害者に対する損害賠償への充当等相当なものであると認めるときは、第一項の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、その支給の時における報奨金計算額に相当する金額の範囲内で、申出の額の全部又は一部の金額を支給することができる。 この場合には、その支給額に相当する金額を報奨金計算額から減額する。 5 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに刑事施設に収容されなかったときは、その者の報奨金計算額は、零とする。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 外部通勤作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 (遺族等への給付) 第九十九条 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その時に釈放したとするならばその受刑者に支給すべき作業報奨金に相当する金額を支給するものとする。 (手当金) 第百条 刑事施設の長は、受刑者が作業上死亡した場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者がその負傷又は疾病により死亡したときを含む。)には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、死亡手当金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が治った場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が治ったときを含む。)において、身体に障害が残ったときは、法務省令で定めるところにより、その者に障害手当金を支給するものとする。 ただし、その者が故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったときは、その全部又は一部を支給しないことができる。 3 前二項の規定により支給する手当金の額は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)に基づく災害補償の額に関する基準を参酌して法務省令で定める基準に従い算出した金額とする。 4 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が釈放の時になお治っていない場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が釈放の時になお治っていないときを含む。)において、その傷病の性質、程度その他の状況を考慮して相当と認められるときは、法務省令で定めるところにより、その者に特別手当金を支給するものとする。 (損害賠償との調整) 第百一条 国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律による損害賠償の責任を負う場合において、前条の手当金を支給したときは、同一の事由については、国は、その価額の限度においてその損害賠償の責任を免れる。 2 前項に規定する場合において、前条の手当金の支給を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法、民法その他の法律による損害賠償を受けたときは、国は、その価額の限度において同条の手当金の支給の義務を免れる。 (手当金の支給を受ける権利の保護等) 第百二条 第百条の手当金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 2 第百条の手当金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課してはならない。 第三款 各種指導 (改善指導) 第百三条 刑事施設の長は、受刑者に対し、犯罪の責任を自覚させ、健康な心身を培わせ、並びに社会生活に適応するのに必要な知識及び生活態度を習得させるため必要な指導を行うものとする。 2 次に掲げる事情を有することにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対し前項の指導を行うに当たっては、その事情の改善に資するよう特に配慮しなければならない。 一 麻薬、覚せい剤その他の薬物に対する依存があること。 二 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員であること。 三 その他法務省令で定める事情 3 刑事施設の長は、第一項の指導を行うに当たっては、被害者等の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第八十五条第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被害者等から、第八十五条第三項の規定により聴取した心情等を受刑者に伝達することを希望する旨の申出があったときは、第一項の指導を行うに当たり、当該心情等を受刑者に伝達するものとする。 ただし、その伝達をすることが当該受刑者の改善更生を妨げるおそれがあるときその他当該被害に係る事件の性質、矯正処遇の実施状況その他の処遇に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (教科指導) 第百四条 刑事施設の長は、社会生活の基礎となる学力を欠くことにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対しては、教科指導(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による学校教育の内容に準ずる内容の指導をいう。次項において同じ。)を行うものとする。 2 刑事施設の長は、前項に規定するもののほか、学力の向上を図ることが円滑な社会復帰に特に資すると認められる受刑者に対し、その学力の状況に応じた教科指導を行うことができる。 (指導の日及び時間) 第百五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、前二条の規定による指導を行う日及び時間を定める。 第四款 社会復帰支援等 (社会復帰支援) 第百六条 刑事施設の長は、受刑者の円滑な社会復帰を図るため、釈放後に自立した生活を営む上での困難を有する受刑者に対しては、その意向を尊重しつつ、次に掲げる支援を行うものとする。 一 適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。 二 医療及び療養を受けることを助けること。 三 就業又は修学を助けること。 四 前三号に掲げるもののほか、受刑者が健全な社会生活を営むために必要な援助を行うこと。 2 前項の支援は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 3 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、矯正処遇の実施状況、第八十五条第三項の規定により聴取した心情等その他の被害者等に関する事情及び受刑者が社会復帰をするに際し支援を必要とする事情を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、保護観察所の長と連携を図るように努めなければならない。 (外出及び外泊) 第百六条の二 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した拘禁刑受刑者が、第八十九条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため、刑事施設の外において、その者が、釈放後の住居又は就業先の確保その他の一身上の重要な用務を行い、更生保護に関係のある者を訪問し、その他その釈放後の社会生活に有用な体験をする必要があると認めるときは、刑事施設の職員の同行なしに、外出し、又は七日以内の期間を定めて外泊することを許すことができる。 ただし、外泊については、その受刑者に係る刑が六月以上執行されている場合に限る。 2 第九十六条第四項、第五項(第四号を除く。)及び第六項の規定は、前項の規定による外出及び外泊について準用する。 (刑期不算入) 第百七条 前条第一項の規定による外泊をした者が、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかった場合には、その外泊の期間は、刑期に算入しない。 ただし、自己の責めに帰することのできない事由によって帰着することができなかった場合は、この限りでない。 (外出等に要する費用) 第百八条 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊に要する費用については、受刑者が負担することができない場合又は刑事施設の長が相当と認める場合には、その全部又は一部を国庫の負担とする。 第五款 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百九条 未決拘禁者としての地位を有する受刑者についての第八十四条第一項及び第九十条の規定の適用については、第八十四条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「未決の者としての地位を損なわない限度で、かつ、その拘禁の期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」と、第九十条第三号中「第百十一条」とあるのは「第百十九条において準用する第百十一条」とする。 2 未決拘禁者としての地位を有する受刑者については、第八十七条から第八十九条まで、第九十六条、第百六条第二項及び第百六条の二から前条までの規定は、適用しない。 第十一節 外部交通 第一款 受刑者についての留意事項 第百十条 この節の定めるところにより、受刑者に対し、外部交通(面会、信書の発受及び第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)を行うことを許し、又はこれを禁止し、差し止め、若しくは制限するに当たっては、適正な外部交通が受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資するものであることに留意しなければならない。 第二款 面会 第一目 受刑者 (面会の相手方) 第百十一条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 受刑者の更生保護に関係のある者、受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百十二条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 ただし、受刑者が次に掲げる者と面会する場合には、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、この限りでない。 一 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第百十三条 刑事施設の職員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、受刑者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 受刑者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第一項の規定による制限に違反する行為 ロ 刑事施設の規律及び秩序を害する行為 二 受刑者又は面会の相手方が次のイからホまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの ニ 受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれのあるもの ホ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 刑事施設の長は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第百十四条 刑事施設の長は、受刑者の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一月につき二回を下回ってはならない。 第二目 未決拘禁者 (面会の相手方) 第百十五条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されない場合は、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第百十六条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者の弁護人等以外の者との面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、その立会い並びに録音及び録画(次項において「立会い等」という。)をさせないことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定にかかわらず、未決拘禁者の第百十二条各号に掲げる者との面会については、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、立会い等をさせてはならない。 (面会の一時停止及び終了) 第百十七条 第百十三条(第一項第二号ホを除く。)の規定は、未決拘禁者の面会について準用する。 この場合において、同項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と読み替えるものとする。 (面会に関する制限) 第百十八条 未決拘禁者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の刑事施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 刑事施設の長は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、刑事施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の場所について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 第百十四条の規定は、未決拘禁者と弁護人等以外の者との面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百十九条 第百十一条、第百十三条、第百十四条、第百十六条及び前条第一項から第四項までの規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者の面会について準用する。 この場合において、第百十一条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、第百十四条第一項中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (面会の相手方) 第百二十条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 死刑確定者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 面会により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百二十一条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、死刑確定者の訴訟の準備その他の正当な利益の保護のためその立会い又は録音若しくは録画をさせないことを適当とする事情がある場合において、相当と認めるときは、この限りでない。 (面会の一時停止及び終了等) 第百二十二条 第百十三条(第一項第二号ニを除く。)及び第百十四条の規定は、死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百二十三条 第百十三条、第百十八条、第百二十条及び第百二十一条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、第百二十条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百二十一条中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (面会の相手方) 第百二十四条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項及び次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 (各種被収容者の面会の立会い等) 第百二十五条 第百十二条、第百十三条(第一項第二号ニ及びホを除く。)及び第百十四条の規定は、各種被収容者の面会について準用する。 この場合において、第百十二条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百十四条第二項中「一月につき二回」とあるのは「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三款 信書の発受 第一目 受刑者 (発受を許す信書) 第百二十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査) 第百二十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 受刑者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 二 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対して発する信書 三 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。)との間で発受する信書 (信書の発受の禁止) 第百二十八条 刑事施設の長は、犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することにより、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く。)については、受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第百二十九条 刑事施設の長は、第百二十七条の規定による検査の結果、受刑者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第二項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 発受によって、受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、受刑者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び受刑者が弁護士との間で発受する信書であってその受刑者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号までのいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第百三十条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、受刑者が発信を申請する信書の通数並びに受刑者の信書の発受の方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により受刑者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一月につき四通を下回ってはならない。 (発信に要する費用) 第百三十一条 信書の発信に要する費用については、受刑者が負担することができない場合において、刑事施設の長が発信の目的に照らし相当と認めるときは、その全部又は一部を国庫の負担とする。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第百三十二条 刑事施設の長は、第百二十八条、第百二十九条又は第百四十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第百二十九条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 刑事施設の長は、第百二十九条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された受刑者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 受刑者が、第五十四条第一項各号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、受刑者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは、「第百三十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、受刑者の釈放若しくは死亡の日又は受刑者が第五十四条第一項各号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (受刑者作成の文書図画) 第百三十三条 刑事施設の長は、受刑者が、その作成した文書図画(信書を除く。)を他の者に交付することを申請した場合には、その交付につき、受刑者が発する信書に準じて検査その他の措置を執ることができる。 第二目 未決拘禁者 (発受を許す信書) 第百三十四条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の検査) 第百三十五条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 未決拘禁者が弁護人等から受ける信書 二 未決拘禁者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 三 未決拘禁者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士から受ける信書 3 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、前二項の規定にかかわらず、第一項の検査を行わせないことができる。 (信書の内容による差止め等) 第百三十六条 第百二十九条から第百三十三条までの規定は、未決拘禁者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十五条」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 (発受を許す信書) 第百三十七条 刑事施設の長は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の発受の禁止等) 第百三十八条 第百二十八条から第百三十三条まで及び第百三十五条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十八条において準用する第百三十五条」と、同項第六号中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、同条第二項中「場合」とあるのは「場合又は信書の発受によって罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるものである場合」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、第百三十二条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (発受を許す信書) 第百三十九条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、次に掲げる信書を発受することを許すものとする。 一 死刑確定者の親族との間で発受する信書 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため発受する信書 三 発受により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる信書 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる信書以外の信書の発受について、その発受の相手方との交友関係の維持その他その発受を必要とする事情があり、かつ、その発受により刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (信書の検査) 第百四十条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 第百二十七条第二項の規定は、前項の検査について準用する。 (信書の内容による差止め等) 第百四十一条 第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十条」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百四十二条 第百二十九条から第百三十三条まで、第百三十五条第一項及び第二項並びに第百三十九条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十二条において準用する第百三十五条第一項及び第二項」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と、第百三十九条第一項中「、この目」とあるのは「、次目」と、「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (発受を許す信書) 第百四十三条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査等) 第百四十四条 第百二十七条、第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、各種被収容者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十七条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四款 被告人又は被疑者である被収容者の面会及び信書の発受 第百四十五条 被告人又は被疑者である被収容者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)が弁護人等と面会し、又は弁護人等との間において信書の発受をする場合については、第二款第二目又は前款第二目中の未決拘禁者の弁護人等との面会又は信書の発受に関する規定(第百三十六条において準用する第百二十九条第一項第六号を除く。)の例による。 第五款 電話等による通信 (電話等による通信) 第百四十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この款において同じ。)に対し、第八十九条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その者の改善更生又は円滑な社会復帰に資すると認めるときその他相当と認めるときは、電話その他政令で定める電気通信の方法による通信を行うことを許すことができる。 2 第百三十一条の規定は、前項の通信について準用する。 (通信の確認等) 第百四十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、前条第一項の通信の内容を確認するため、その通信を受けさせ、又はその内容を記録させることができる。 2 第百十三条第一項(第一号イを除く。)及び第二項の規定は、前条第一項の通信について準用する。 第六款 外国語による面会等 第百四十八条 刑事施設の長は、被収容者又はその面会等(面会又は第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会等を許すものとする。 この場合において、発言又は通信の内容を確認するため通訳又は翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 3 被収容者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会等又は信書の発受を許さない。 第十二節 賞罰 (褒賞) 第百四十九条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、法務省令で定めるところにより、賞金又は賞品の授与その他の方法により褒賞を行うことができる。 一 人命を救助したとき。 二 第八十二条第一項に規定する応急の用務に服して、功労があったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、賞揚に値する行為をしたとき。 (懲罰の要件等) 第百五十条 刑事施設の長は、被収容者が、遵守事項若しくは第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項を遵守せず、又は第七十四条第三項の規定に基づき刑事施設の職員が行った指示に従わなかった場合には、その被収容者に懲罰を科することができる。 2 懲罰を科するに当たっては、懲罰を科せられるべき行為(以下この節において「反則行為」という。)をした被収容者の年齢、心身の状態及び行状、反則行為の性質、軽重、動機及び刑事施設の運営に及ぼした影響、反則行為後におけるその被収容者の態度、受刑者にあっては懲罰がその者の改善更生に及ぼす影響その他の事情を考慮しなければならない。 3 懲罰は、反則行為を抑制するのに必要な限度を超えてはならない。 (懲罰の種類) 第百五十一条 受刑者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第四十一条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 三 書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。第三項第三号及び次条第一項第三号において同じ。)の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 四 報奨金計算額の三分の一以内の削減 五 三十日以内(懲罰を科する時に二十歳以上の者について、特に情状が重い場合には、六十日以内)の閉居 2 前項第二号から第四号までの懲罰にあっては二種類以上を併せて、同項第五号の懲罰(以下この節において「閉居罰」という。)にあっては同項第四号の懲罰と併せて科することができる。 3 受刑者以外の被収容者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 三 書籍等の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 四 閉居罰 4 前項第二号及び第三号の懲罰は、併せて科することができる。 (閉居罰の内容) 第百五十二条 閉居罰においては、次に掲げる行為を停止し、法務省令で定めるところにより、居室内において謹慎させる。 一 第四十一条の規定により自弁の物品(刑事施設の長が指定する物品を除く。)を使用し、又は摂取すること。 二 宗教上の儀式行事に参加し、又は他の被収容者と共に宗教上の教誨を受けること。 三 書籍等を閲覧すること。 四 自己契約作業を行うこと。 五 面会すること(弁護人等と面会する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 六 信書を発受すること(弁護人等との間で信書を発受する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 2 閉居罰を科されている被収容者については、第五十七条の規定にかかわらず、その健康の保持に支障を生じない限度において、法務省令で定める基準に従い、運動を制限する。 3 閉居罰を科されている受刑者には、謹慎の趣旨に反しない限度において、矯正処遇等を行うものとする。 (反則行為に係る物の国庫への帰属) 第百五十三条 刑事施設の長は、懲罰を科する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、次に掲げる物を国庫に帰属させることができる。 ただし、反則行為をした被収容者以外の者に属する物については、この限りでない。 一 反則行為を組成した物 二 反則行為の用に供し、又は供しようとした物 三 反則行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は反則行為の報酬として得た物 四 前号に掲げる物の対価として得た物 (反則行為の調査) 第百五十四条 刑事施設の長は、被収容者が反則行為をした疑いがあると思料する場合には、反則行為の有無及び第百五十条第二項の規定により考慮すべき事情並びに前条の規定による処分の要件の有無について、できる限り速やかに調査を行わなければならない。 2 刑事施設の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑務官に、被収容者の身体、着衣、所持品及び居室を検査させ、並びにその所持品を取り上げて一時保管させることができる。 3 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 4 刑事施設の長は、受刑者について、反則行為をした疑いがあると思料する場合において、必要があるときは、法務省令で定めるところにより、他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 5 前項の規定による隔離の期間は、二週間とする。 ただし、刑事施設の長は、やむを得ない事由があると認めるときは、二週間に限り、その期間を延長することができる。 6 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 (懲罰を科する手続) 第百五十五条 刑事施設の長は、被収容者に懲罰を科そうとする場合には、法務省令で定めるところにより、その聴取をする三人以上の職員を指名した上、その被収容者に対し、弁解の機会を与えなければならない。 この場合においては、その被収容者に対し、あらかじめ、書面で、弁解をすべき日時又は期限及び懲罰(第百五十三条の規定による処分を含む。次項及び次条において同じ。)の原因となる事実の要旨を通知するとともに、被収容者を補佐すべき者を刑事施設の職員のうちから指名しなければならない。 2 前項前段の規定による指名を受けた職員は、懲罰を科することの適否及び科すべき懲罰の内容について協議し、これらの事項についての意見及び被収容者の弁解の内容を記載した報告書を刑事施設の長に提出しなければならない。 (懲罰の執行) 第百五十六条 刑事施設の長は、懲罰を科するときは、被収容者に対し、懲罰の内容及び懲罰の原因として認定した事実の要旨を告知した上、直ちにその執行をするものとする。 ただし、反省の情が著しい場合その他相当の理由がある場合には、その執行を延期し、又はその全部若しくは一部の執行を免除することができる。 2 刑事施設の長は、閉居罰の執行に当たっては、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 第十三節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第百五十七条 次に掲げる刑事施設の長の措置に不服がある者は、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第四十九条の規定による領置されている現金の使用又は第五十条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第六十三条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 四 第六十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第七十条第一項又は第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第七十条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第七十六条第一項の規定による隔離 八 第九十八条第一項の規定による作業報奨金の支給に関する処分 九 第百条第二項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金の支給に関する処分 十 第百条第四項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給に関する処分 十一 第百二十八条(第百三十八条において準用する場合を含む。)の規定又は第百二十九条、第百三十条第一項若しくは第百三十三条(これらの規定を第百三十六条(第百四十五条においてその例による場合を含む。次号において同じ。)、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 十二 第百三十二条第五項前段(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(第百三十二条第三項(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による引渡しに係るものに限る。) 十三 第百四十八条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 十四 第百五十条第一項の規定による懲罰 十五 第百五十三条の規定による物を国庫に帰属させる処分 十六 第百五十四条第四項の規定による隔離 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、これを行う者が自らしなければならない。 (審査の申請期間) 第百五十八条 審査の申請は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 2 天災その他前項の期間内に審査の申請をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、審査の申請をすることができる。 3 刑事施設の長が誤って法定の期間よりも長い期間を審査の申請期間として教示した場合において、その教示された期間内に審査の申請がされたときは、その審査の申請は、法定の期間内にされたものとみなす。 (行政不服審査法の準用) 第百五十九条 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは、「職権で」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (調査) 第百六十条 矯正管区の長は、職権で、審査の申請に関して必要な調査をするものとする。 2 矯正管区の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑事施設の長に対し、報告若しくは資料その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、審査の申請人その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。 (裁決) 第百六十一条 矯正管区の長は、審査の申請を受けたときは、できる限り九十日以内に裁決をするよう努めるものとする。 2 行政不服審査法第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請の裁決について準用する。 この場合において、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは、「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第百六十二条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、法務大臣に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び前条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (矯正管区の長に対する事実の申告) 第百六十三条 被収容者は、自己に対する刑事施設の職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項並びに第百六十条並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 (通知) 第百六十四条 前条第一項の規定による申告が適法であるときは、矯正管区の長は、その申告に係る事実の有無について確認し、その結果をその申告をした者に通知するものとする。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 2 前条第一項の規定による申告が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、矯正管区の長は、その旨をその申告をした者に通知するものとする。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第五十条第一項及び第三項の規定は、前二項の規定による通知について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 4 矯正管区の長は、前条第一項に規定する事実があったことを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置その他の措置を執るものとする。 (法務大臣に対する事実の申告) 第百六十五条 被収容者は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、法務大臣に対し、第百六十三条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに前条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (法務大臣に対する苦情の申出) 第百六十六条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 法務大臣は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 (監査官に対する苦情の申出) 第百六十七条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、刑事施設の職員を立ち会わせてはならない。 4 前条第三項の規定は、監査官が苦情の申出を受けた場合について準用する。 (刑事施設の長に対する苦情の申出) 第百六十八条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、刑事施設の長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 被収容者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、刑事施設の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。 4 第百六十六条第三項の規定は、刑事施設の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第百六十九条 刑事施設の長は、被収容者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第百六十三条第一項若しくは第百六十五条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は法務大臣若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を刑事施設の職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第百七十条 刑事施設の職員は、被収容者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十四節 釈放 (受刑者の釈放) 第百七十一条 受刑者の釈放は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に、できる限り速やかに行う。 一 釈放すべき日があらかじめ定められている場合 その日の午前中 二 不定期刑の終了による場合 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第四十四条第二項の通知が刑事施設に到達した日の翌日の午前中 三 政令で行われる恩赦による場合であって、当該恩赦に係る政令の規定の公布の日が釈放すべき日となる場合 その日のうち 四 前三号に掲げる場合以外の場合 釈放の根拠となる文書が刑事施設に到達した時から十時間以内 (被勾留者の釈放) 第百七十二条 被勾留者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この条において同じ。)の釈放は、次に掲げる事由が生じた後直ちに行う。 一 被告人の勾留の期間が満了したこと。 二 刑事訴訟法第三百四十五条(同法第四百四条において準用する場合を含む。)、第四百三条の三第二項又は第四百三条の四第二項の規定により勾留状が効力を失ったこと(被勾留者が公判廷にある場合に限る。)。 三 検察官の釈放の指揮又は通知を受けたこと。 (その他の被収容者の釈放) 第百七十三条 前二条の規定によるもののほか、被収容者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 (傷病による滞留) 第百七十四条 刑事施設の長は、釈放すべき被収容者が刑事施設内において医療を受けている場合において、釈放によってその生命に危険が及び、又はその健康に回復し難い重大な障害が生ずるおそれがあるときは、その者が刑事施設に一時とどまることを許すことができる。 2 前項の規定により刑事施設にとどまる者の処遇については、その性質に反しない限り、各種被収容者に関する規定を準用する。 (帰住旅費等の支給) 第百七十五条 釈放される被収容者に対しては、その帰住を助けるため必要な旅費又は衣類を支給するものとする。 第十五節 死亡 (死亡の通知) 第百七十六条 刑事施設の長は、被収容者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物、支給すべき作業報奨金に相当する金額若しくは死亡手当金又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 (死体に関する措置) 第百七十七条 被収容者が死亡した場合において、その死体の埋葬又は火葬を行う者がないときは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第九条の規定にかかわらず、その埋葬又は火葬は、刑事施設の長が行うものとする。 2 前項に定めるもののほか、被収容者の死体に関する措置については、法務省令で定める。 第十六節 死刑の執行 (死刑の執行) 第百七十八条 死刑は、刑事施設内の刑場において執行する。 2 日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日及び十二月二十九日から十二月三十一日までの日には、死刑を執行しない。 (解縄) 第百七十九条 死刑を執行するときは、絞首された者の死亡を確認してから五分を経過した後に絞縄を解くものとする。 第三章 留置施設における被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第百八十条 留置業務管理者は、被留置者に対し、その留置施設における留置の開始に際し、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その留置施設に留置されている被留置者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第百九十五条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百十一条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百三十一条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、内閣府令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第百八十一条 留置担当官は、被留置者について、その留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の留置担当官が留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様等 (処遇の態様) 第百八十二条 被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の内閣府令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百十二条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 (留置施設における矯正処遇) 第百八十三条 留置施設においては、受刑者としての地位を有する被留置者(以下この章において「被留置受刑者」という。)について、矯正処遇は行わない。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯) 第百八十四条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを被留置者に告知するものとする。 (活動の援助) 第百八十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者に対し、知的、教育的及び娯楽的活動その他の活動について、援助を与えるように努めなければならない。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第百八十六条 被留置者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、留置施設における日常生活に必要なもの(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被留置者には、前項に定めるもののほか、内閣府令で定めるところにより、必要に応じ、留置施設における日常生活に用いる物品(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜好品を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第百八十七条 留置業務管理者は、被留置者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 嗜好品 四 日用品、文房具その他の留置施設における日常生活に用いる物品 (補正器具等の自弁等) 第百八十八条 被留置者には、次に掲げる物品については、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 三 その他内閣府令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被留置者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第百八十九条 第百八十六条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被留置者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被留置者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 (反則行為があった場合の自弁の物品に関する措置) 第百九十条 留置業務管理者は、被留置者が次に掲げる行為(第二百八条第一項において「反則行為」という。)を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、第百八十七条第三号に掲げる物品について、三日を超えない期間に限り、自弁のものの摂取を許さないことができる。 一 犯罪行為 二 他人に対する粗野若しくは乱暴な言動又は他人に対し迷惑を及ぼす行為 三 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為 四 留置施設の安全を害するおそれのある行為 五 留置施設内の衛生を害する行為 2 第百五十条第二項及び第三項、第百五十三条、第百五十四条第一項から第三項まで、第百五十五条並びに第百五十六条第一項の規定は、留置業務管理者による被留置者に対する前項の措置について準用する。 この場合において、第百五十条第二項中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第百五十三条中「刑事施設の規律」とあるのは「留置施設の規律」と、「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第百五十四条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第三項中「第三十四条第二項」とあるのは「第百八十一条第二項」と、第百五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、「刑事施設の職員」とあるのは「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 3 第一項の措置は、いやしくも都道府県警察がする捜査の目的のためにこれを用いてはならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第百九十一条 留置業務に従事する職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 被留置者に交付するため当該被留置者以外の者が留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第百九十二条 留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第百九十三条 留置業務管理者は、第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被留置者に交付することにより、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 交付の相手方が被留置受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その被留置受刑者に交付することにより、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁物品等以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、留置業務管理者は、被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第百九十四条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、被留置者に引き渡す。 一 第百九十一条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第百九十二条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第百九十一条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第百九十一条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第三号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第百九十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、保管私物(被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者の保管私物(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は被留置者について領置している物品(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第百九十六条 留置業務管理者は、被留置者が、自弁物品等を購入し、又は留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第百九十七条 留置業務管理者は、被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百二十七条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。第三号において同じ。)により、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、交付により、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第百九十八条 第五十一条の規定は留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は被留置者の遺留物(留置施設に遺留した金品をいう。第二百三十九条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「次章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第百九十九条 留置施設においては、被留置者の心身の状況を把握することに努め、被留置者の健康及び留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (健康診断等) 第二百条 留置業務管理者は、留置担当官に、被留置者から、その留置施設における留置の開始に際し、疾病、外傷等の有無その他の健康状態につき事情を聴取させなければならない。 2 留置業務管理者は、被留置者に対し、おおむね一月につき二回、内閣府令で定めるところにより、当該留置業務管理者が委嘱する医師による健康診断を行わなければならない。 留置施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 3 被留置者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第二百一条 留置業務管理者は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、当該留置業務管理者が委嘱する医師等による診療を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 留置業務管理者は、前項の規定により診療を行う場合において、被留置者を病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被留置者を病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第二百二条 留置業務管理者は、負傷し、又は疾病にかかっている被留置者が、当該留置業務管理者が委嘱する医師等以外の医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、留置施設に留置される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被留置者の医療上適当であると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、留置施設内又は留置業務管理者が適当と認める病院若しくは診療所において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 留置業務管理者は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被留置者に対して診療を行うため必要があるときは、留置業務に従事する職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、留置業務管理者が内閣府令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 留置業務管理者は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により留置業務管理者が行う措置に従わないとき、前項の規定により留置業務管理者が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (調髪及びひげそり) 第二百三条 留置業務管理者は、被留置者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百四条 第五十七条から第五十九条までの規定は被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は留置業務管理者による被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十七条ただし書及び第五十九条中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「留置施設内」と、「第六十一条」とあるのは「第二百条第二項及び第三項」と、「第六十二条」とあるのは「第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「留置施設の外」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五条 被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百六条 被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百七条 留置業務管理者は、被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (反則行為があった場合の自弁の書籍等に関する措置) 第二百八条 留置業務管理者は、被留置者が反則行為を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、内閣府令で定める自弁の書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。)について、三日を超えない期間に限り、その閲覧を許さないことができる。 2 第百九十条第二項及び第三項の規定は、被留置者に対する前項の措置について準用する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百九条 第七十一条の規定は留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条の規定は留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与等の措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第七十二条第二項中「第三十九条第二項」とあるのは「第百八十五条」と、「刑事施設に」とあるのは「留置施設に」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (留置施設の規律及び秩序) 第二百十条 留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百十一条 留置業務管理者は、被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、留置業務管理者又はその指定する留置業務に従事する職員は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第二百十二条 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第百八十一条第二項の規定は、前項の規定による女子の被留置者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、留置施設内において、被留置者以外の者(弁護人等を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の使用) 第二百十三条 留置担当官は、被留置者を護送する場合又は被留置者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、内閣府令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 留置施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 留置担当官は、被留置者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄、手錠又は防声具と同時に使用することはできない。 3 保護室が設置されていない留置施設においては、留置担当官は、被留置者が留置担当官の制止に従わず大声を発し続けて、留置施設内の平穏な生活を乱す場合において、他にこれを抑止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、防声具を使用することができる。 この場合において、その被留置者が防声具を取り外し、又は損壊することを防ぐため必要があるときは、その使用と同時に捕縄又は手錠を使用することができる。 4 前二項に規定する場合において、留置業務管理者の命令を待ついとまがないときは、留置担当官は、その命令を待たないで、拘束衣又は防声具(前項後段の規定により使用する捕縄又は手錠を含む。)を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を留置業務管理者に報告しなければならない。 5 拘束衣及び防声具の使用の期間は、三時間とする。 ただし、拘束衣の使用については、留置業務管理者は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 6 留置業務管理者は、前項の期間中であっても、拘束衣又は防声具の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 7 被留置者に拘束衣若しくは防声具を使用し、又は拘束衣の使用の期間を更新した場合には、留置業務管理者は、速やかに、その被留置者の健康状態について、当該留置業務管理者が委嘱する医師の意見を聴かなければならない。 8 捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の制式は、内閣府令で定める。 (保護室への収容) 第二百十四条 留置担当官は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、留置業務管理者の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 留置担当官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 留置施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 第七十九条第二項から第六項までの規定は、被留置者の保護室への収容について準用する。 この場合において、同条第二項から第五項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第五項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該留置業務管理者が委嘱する医師」と、同条第六項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と読み替えるものとする。 (災害時の避難及び解放) 第二百十五条 留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、留置施設内において避難の方法がないときは、被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被留置者を護送することができないときは、留置業務管理者は、その者を留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、留置施設の外にある被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、留置施設又は留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百十六条 留置業務管理者は、被留置受刑者以外の被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (被留置受刑者の面会の相手方) 第二百十七条 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 一 被留置受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 被留置受刑者の更生保護に関係のある者、被留置受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により被留置受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又はその被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百十八条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、被留置者の次に掲げる者との面会については、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百十九条 留置業務に従事する職員は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 四 被留置受刑者又はその面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれのあるもの ロ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第二百二十条 被留置者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の留置施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 留置業務管理者は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、留置施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 留置業務管理者は、第一項の面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の場所について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 留置業務管理者は、被留置者と弁護人等以外の者との面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 6 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一日につき一回を下回ってはならない。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百二十一条 留置業務管理者は、被留置者に対し、この款又は第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百二十二条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の発受の禁止) 第二百二十三条 留置業務管理者は、犯罪性のある者その他被留置受刑者が信書を発受することにより、留置施設の規律及び秩序を害し、又は被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがある者(被留置受刑者の親族を除く。)については、被留置受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第二百二十四条 留置業務管理者は、第二百二十二条の規定による検査の結果、被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 七 被留置受刑者が発受する信書について、その発受によって、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第二百二十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、被留置者が発信を申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)の通数並びに被留置者の信書の発受の方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により被留置者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一日につき一通を下回ってはならない。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百二十六条 留置業務管理者は、第二百二十三条、第二百二十四条又は第二百二十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第二百二十四条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 留置業務管理者は、第二百二十四条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 留置業務管理者は、被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等(内閣府令で定める遺族その他の者をいう。第二百三十九条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 被留置者が、第百九十八条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百二十六条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、被留置者の釈放若しくは死亡の日又は被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百二十七条 第百三十一条の規定は被留置者の信書について、第百三十三条の規定は被留置者の文書図画について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百三十一条中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百二十八条 留置業務管理者は、被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 3 被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百二十九条 次に掲げる留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、警察本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第百八十七条又は第百九十条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第百九十条第二項(第二百八条第二項において準用する場合を含む。)において準用する第百五十三条の規定による物を都道府県に帰属させる処分 三 第百九十六条の規定による領置されている現金の使用又は第百九十七条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 四 第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 五 第二百五条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 六 第二百七条第一項若しくは第二百八条第一項の規定又は第二百九条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 七 第二百七条第二項の規定による費用を負担させる処分 八 第二百二十三条、第二百二十四条若しくは第二百二十五条第一項の規定又は第二百二十七条において準用する第百三十三条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 九 第二百二十六条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 十 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百三十条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、公安委員会に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (警察本部長に対する事実の申告) 第二百三十一条 被留置者は、自己に対する留置業務に従事する職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、警察本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠、拘束衣又は防声具の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (公安委員会に対する事実の申告) 第二百三十二条 被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、公安委員会に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (警察本部長に対する苦情の申出) 第二百三十三条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、警察本部長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の警察本部長に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百三十四条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 (留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百三十五条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百三十六条 留置業務管理者は、被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百三十一条第一項若しくは第二百三十二条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は警察本部長若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を留置業務に従事する職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百二十二条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百三十七条 留置業務に従事する職員は、被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百三十八条 第百七十一条から第百七十三条までの規定は被留置者の釈放について、第百七十五条の規定は釈放される被留置者について、それぞれ準用する。 この場合において、第百七十一条第二号及び第四号中「刑事施設」とあるのは、「留置施設」と読み替えるものとする。 第十三節 死亡 第二百三十九条 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第十四節 法務大臣との協議 第二百四十条 内閣総理大臣は、被勾留者及び受刑者の処遇の斉一を図るため、被勾留者である被留置者及び被留置受刑者の処遇に関し内閣府令を制定し、又は改廃するに当たっては、法務大臣と協議するものとする。 第四章 海上保安留置施設における海上保安被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第二百四十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第二百五十条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百六十二条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百七十七条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、国土交通省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第二百四十二条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者について、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の海上保安被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の海上保安留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の海上保安留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の海上保安留置担当官が海上保安留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 第二百四十三条 海上保安被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の国土交通省令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(海上保安被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として海上保安留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百六十四条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(海上保安留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 第三節 起居動作の時間帯 第二百四十四条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを海上保安被留置者に告知するものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 第二百四十五条 第百八十六条から第百八十九条までの規定は、海上保安留置施設における海上保安被留置者に対する物品の貸与及び支給並びに自弁について準用する。 この場合において、第百八十六条第二項、第百八十七条及び第百八十八条第一項第三号中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第百八十七条中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、「、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き」とあるのは「を除き」と読み替えるものとする。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第二百四十六条 海上保安留置担当官は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 海上保安被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 海上保安被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(海上保安留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 海上保安被留置者に交付するため当該海上保安被留置者以外の者が海上保安留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第二百四十七条 海上保安留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、海上保安被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第二百四十八条 海上保安留置業務管理者は、第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 海上保安被留置者に交付することにより、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 四 自弁物品等以外の物品であるとき。 五 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第三号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、海上保安留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第五号に該当するものについては、海上保安留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第四号又は第五号に該当するもの(同項第一号から第三号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、海上保安被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、海上保安留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第二百四十九条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、海上保安被留置者に引き渡す。 一 第二百四十六条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第二百四十七条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第二百四十六条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(海上保安被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、海上保安留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第二百四十六条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号又は第三号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第二百五十条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、保管私物(海上保安被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び海上保安被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、海上保安留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の保管私物(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は海上保安被留置者について領置している物品(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該海上保安被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は海上保安被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は海上保安被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第二百五十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、自弁物品等を購入し、又は海上保安留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第二百五十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百七十三条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その海上保安留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。)により、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百五十三条 第五十一条の規定は海上保安留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は海上保安留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は海上保安被留置者の遺留物(海上保安留置施設に遺留した金品をいう。第二百八十五条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「第四章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第二百五十四条 海上保安留置施設においては、海上保安被留置者の心身の状況を把握することに努め、海上保安被留置者の健康及び海上保安留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第二百五十五条 海上保安被留置者には、国土交通省令で定めるところにより、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百五十六条 第五十八条、第五十九条、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定は海上保安被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあり、並びに第二百二条第一項及び第三項並びに第二百三条中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十九条中「刑事施設」とあり、並びに第二百条第一項及び第二百二条第一項中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「海上保安留置施設内」と、「第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条」とあるのは「第二百五十六条において準用する第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「海上保安留置施設の外」と、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百条第一項中「留置担当官」とあり、及び第二百二条第二項中「留置業務に従事する職員」とあるのは「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五十七条 海上保安被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百五十八条 海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百五十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、海上保安被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十条 第七十一条の規定は海上保安留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条第一項の規定は海上保安留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (海上保安留置施設の規律及び秩序) 第二百六十一条 海上保安留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、海上保安被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百六十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 海上保安留置担当官の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の海上保安被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 海上保安留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 海上保安留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、海上保安留置業務管理者又は海上保安留置担当官は、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、海上保安被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (災害時の避難及び解放) 第二百六十三条 海上保安留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設内において避難の方法がないときは、海上保安被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、海上保安被留置者を護送することができないときは、海上保安留置業務管理者は、その者を海上保安留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設の外にある海上保安被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、海上保安留置施設又は海上保安留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十四条 第七十五条の規定は海上保安留置担当官による海上保安被留置者の身体、着衣、所持品及び居室の検査並びに所持品の保管並びに海上保安被留置者以外の者の着衣及び携帯品の検査並びに携帯品の保管について、第七十八条の規定は海上保安留置担当官による捕縄、手錠及び拘束衣の使用について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十五条第一項及び第三項並びに第七十八条第一項第三号中「刑事施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第七十五条第二項中「第三十四条第二項」とあるのは「第二百四十二条第二項」と、第七十八条第一項、第二項及び第六項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、同条第一項及び第七項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条第二項から第六項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該海上保安留置業務管理者が委嘱する医師」と読み替えるものとする。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百六十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百六十六条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 海上保安留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、海上保安被留置者の次に掲げる者との面会については、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百六十七条 海上保安留置担当官は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、海上保安被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条において準用する第二百二十条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 2 海上保安留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (留置施設に関する規定の準用) 第二百六十八条 第二百二十条の規定は、海上保安被留置者の面会について準用する。 この場合において、同条第一項及び第三項から第五項までの規定中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、同条第三項から第五項までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第四項及び第五項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と読み替えるものとする。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百六十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、この款又は第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百七十条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 海上保安被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の海上保安被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の内容による差止め等) 第二百七十一条 海上保安留置業務管理者は、前条の規定による検査の結果、海上保安被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、海上保安被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び海上保安被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその海上保安被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百七十二条 海上保安留置業務管理者は、前条又は第二百七十四条第三項の規定により信書の発受を差し止め、又は禁止した場合にはその信書を、前条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、前条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等(国土交通省令で定める遺族その他の者をいう。第二百八十五条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された海上保安被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 海上保安被留置者が、第二百五十三条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、海上保安被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百七十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、海上保安被留置者の釈放若しくは死亡の日又は海上保安被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百七十三条 第百三十一条の規定は海上保安被留置者の信書について、第百三十三条の規定は海上保安被留置者の文書図画について、第二百二十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者の信書に関する制限について、それぞれ準用する。 この場合において、第百三十一条及び第百三十三条中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百二十五条第一項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百七十四条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 3 海上保安被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百七十五条 次に掲げる海上保安留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第二百四十五条において準用する第百八十七条の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第二百五十一条の規定による領置されている現金の使用又は第二百五十二条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第二百五十六条において準用する第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は第二百五十六条において準用する第二百二条第四項の規定による診療の中止 四 第二百五十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第二百五十九条第一項の規定又は第二百六十条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第二百五十九条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第二百七十一条の規定又は第二百七十三条において準用する第百三十三条若しくは第二百二十五条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の差止め又は制限 八 第二百七十二条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 九 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百七十六条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、海上保安庁長官に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (管区海上保安本部長に対する事実の申告) 第二百七十七条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置担当官による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (海上保安庁長官に対する事実の申告) 第二百七十八条 海上保安被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、海上保安庁長官に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (海上保安庁長官に対する苦情の申出) 第二百七十九条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、海上保安庁長官に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の海上保安庁長官に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百八十条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第二十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 (海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百八十一条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、海上保安留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百八十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百七十七条第一項若しくは第二百七十八条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は海上保安庁長官若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を海上保安留置担当官に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百七十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百八十三条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百八十四条 海上保安被留置者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 2 第百七十五条の規定は、釈放される海上保安被留置者について準用する。 第十三節 死亡 第二百八十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第三編 補則 第一章 代替収容の場合における刑事訴訟法等の適用 第二百八十六条 第十五条第一項の規定により留置施設に留置される者については、留置施設を刑事施設と、留置業務管理者を刑事施設の長と、留置担当官を刑事施設職員とみなして、刑事訴訟法第六十四条第一項、第六十五条第三項、第七十条第二項、第七十三条第二項、第七十八条、第八十条後段、第九十八条第一項及び第二項、第九十八条の二、第九十八条の十七第一項(第一号及び第二号に係る部分に限る。)及び第四項、第九十八条の二十第五項(第二号に係る部分に限る。)、第九十八条の二十一第三項(第二号に係る部分に限る。)、第二百八十六条の二、第三百四十三条の二、第三百六十六条、第三百六十七条並びに第四百八十一条第二項、更生保護法第十三条(同法第二十二条、第二十五条第三項、第三十六条第三項(同法第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第六十三条第十項、第七十三条第五項、第七十三条の四第三項及び第七十六条第四項において準用する場合を含む。)、第二十七条第三項、第三十三条、第三十五条第二項、第三十六条第二項(同法第三十七条第三項(同法第四十五条において準用する場合を含む。)及び第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第三十九条第四項、第四十四条、第五十四条第二項、第五十五条第二項、第八十二条、第八十六条、第九十条第二項及び第九十三条並びに民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二条第三項の規定を適用する。 第二章 労役場及び監置場 (労役場及び監置場の附置等) 第二百八十七条 労役場及び監置場は、それぞれ、法務大臣が指定する刑事施設に附置する。 2 監置の裁判の執行を受ける者は、最寄りの地に監置場がないとき、又は最寄りの監置場に留置の余力がないときは、刑事施設内の特に区別した場所に留置することができる。 3 労役場及び監置場については、第五条、第六条、第十一条及び第十二条の規定を準用する。 4 刑事施設視察委員会は、刑事施設に附置された労役場及び監置場の運営に関しても、第七条第二項に規定する事務を行うものとする。 この場合においては、第九条及び第十条の規定を準用する。 (労役場留置者の処遇) 第二百八十八条 労役場に留置されている者(以下「労役場留置者」という。)に行わせる作業は、労役場留置者ごとに、当該労役場が附置された刑事施設の長が指定する。 2 労役場が附置された刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、一日の作業時間及び作業を行わない日を定める。 3 前二項に定めるもののほか、労役場留置者の処遇については、その性質に反しない限り、前編第二章中の受刑者に関する規定を準用する。 この場合において、第七十四条第二項第九号中「第九十三条に規定する作業を怠り、又は第八十六条第一項各号、第百三条若しくは第百四条に規定する指導を拒んではならない」とあるのは、「第二百八十八条第一項に規定する作業を怠ってはならない」と読み替えるものとする。 (被監置者の処遇) 第二百八十九条 監置場に留置されている者(以下「監置場留置者」という。)の処遇については、前編第二章(第四十一条第二項並びに第十一節第二款第六目及び第三款第六目を除く。)中の各種被収容者に関する規定を準用する。 2 監置場留置者の自弁の物品の使用及び摂取については、第四十一条の規定を準用する。 この場合において、同条第一項中「(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)」とあるのは「(衣類、日用品及び文房具並びに次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と、同条第二項中「前項各号に掲げる物品及び寝具」とあるのは「衣類、日用品及び文房具(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と読み替えるものとする。 3 監置場留置者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第一目及び第三款第一目の規定を準用する。 4 監置場留置者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第三目及び第三款第三目の規定を準用する。 5 監置の裁判の執行のため第二百八十七条第二項の規定により刑事施設に留置されている者については、第四十一条第二項並びに前編第二章第十一節第二款第六目及び第三款第六目の規定にかかわらず、前三項の規定を準用する。 6 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の被留置受刑者に関する規定を準用する。 7 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の未決拘禁者としての地位を有する被留置受刑者に関する規定を準用する。 第三章 司法警察職員 第二百九十条 刑事施設の長は、刑事施設における犯罪(労役場及び監置場における犯罪を含む。次項において同じ。)について、刑事訴訟法の規定による司法警察員としての職務を行う。 2 刑事施設の職員(刑事施設の長を除く。)であって、刑事施設の長がその刑事施設の所在地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは、刑事施設における犯罪について、法務大臣の定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員としての職務を行う。 第四章 条約の効力 第二百九十一条 この法律に規定する面会及び信書の発受に関する事項について条約に別段の定めがあるときは、その規定による。 第五章 罰則 第二百九十二条 第二十一条第三項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。 第二百九十三条 第八十三条第二項(第二百八十八条第三項及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定により解放された被収容者、労役場留置者又は監置場留置者が、第八十三条第三項(第二百八十八条第三項及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。 2 刑事施設に収容されている受刑者が次の各号のいずれかに該当するときは、三年以下の拘禁刑に処する。 一 外部通勤作業の場合において、そのための通勤の日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 二 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の場合において、その外出の日又は外泊の期間の末日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 3 第二百十五条第二項の規定により解放された被留置者が、同条第三項の規定に違反して留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 4 第二百六十三条第二項の規定により解放された海上保安被留置者が、同条第三項の規定に違反して海上保安留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 | 刑事 |
Heisei | Act | 417AC0000000050_20260524_504AC0000000048.xml | 平成十七年法律第五十号 | 2 | 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律
第一編 総則 第一章 通則 (目的) 第一条 この法律は、刑事収容施設(刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設をいう。)の適正な管理運営を図るとともに、被収容者、被留置者及び海上保安被留置者の人権を尊重しつつ、これらの者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 被収容者 刑事施設に収容されている者をいう。 二 被留置者 留置施設に留置されている者をいう。 三 海上保安被留置者 海上保安留置施設に留置されている者をいう。 四 受刑者 拘禁刑受刑者又は拘留受刑者をいう。 五 拘禁刑受刑者 拘禁刑(国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第十六条第一項の規定により執行する共助刑を含む。次条第一号及び第十五条第一項第一号において同じ。)の執行のため拘置されている者をいう。 六 拘留受刑者 拘留の刑の執行のため拘置されている者をいう。 七 未決拘禁者 被逮捕者、被勾留者その他未決の者として拘禁されている者をいう。 八 被逮捕者 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により逮捕されて留置されている者をいう。 九 被勾留者 刑事訴訟法の規定により勾留されている者をいう。 十 死刑確定者 死刑の言渡しを受けて拘置されている者をいう。 十一 各種被収容者 被収容者であって、受刑者、未決拘禁者及び死刑確定者以外のものをいう。 第二章 刑事施設 (刑事施設) 第三条 刑事施設は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 拘禁刑又は拘留の刑の執行のため拘置される者 二 刑事訴訟法の規定により、逮捕された者であって、留置されるもの 三 刑事訴訟法の規定により勾留される者 四 死刑の言渡しを受けて拘置される者 五 前各号に掲げる者のほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者 (被収容者の分離) 第四条 被収容者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者としての地位を有する受刑者、死刑確定者及び各種被収容者の別 三 拘禁刑受刑者及び拘留受刑者の別 2 前項の規定にかかわらず、受刑者に第九十三条に規定する作業として他の被収容者に接して食事の配給その他の作業を行わせるため必要があるときは、同項第二号及び第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 3 第一項の規定にかかわらず、適当と認めるときは、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。次編第二章において同じ。)外に限り、同項第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第五条 法務大臣は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各刑事施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (意見聴取) 第六条 刑事施設の長は、その刑事施設の適正な運営に資するため必要な意見を関係する公務所及び公私の団体の職員並びに学識経験のある者から聴くことに努めなければならない。 (刑事施設視察委員会) 第七条 刑事施設に、刑事施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた刑事施設を視察し、その運営に関し、刑事施設の長に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第八条 委員会は、委員十人以内で組織する。 2 委員は、人格識見が高く、かつ、刑事施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命する。 3 委員の任期は、一年とする。 ただし、再任を妨げない。 4 委員は、非常勤とする。 5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第九条 刑事施設の長は、刑事施設の運営の状況について、法務省令で定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、刑事施設の運営の状況を把握するため、委員による刑事施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、刑事施設の長に対し、委員による被収容者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 刑事施設の長は、前項の視察及び被収容者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、被収容者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第十条 法務大臣は、毎年、委員会が刑事施設の長に対して述べた意見及びこれを受けて刑事施設の長が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (裁判官及び検察官の巡視) 第十一条 裁判官及び検察官は、刑事施設を巡視することができる。 (参観) 第十二条 刑事施設の長は、その刑事施設の参観を申し出る者がある場合において相当と認めるときは、これを許すことができる。 (刑務官) 第十三条 刑務官は、法務省令で定めるところにより、法務大臣が刑事施設の職員のうちから指定する。 2 刑務官の階級は、法務省令でこれを定める。 3 刑務官には、被収容者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被収容者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 第三章 留置施設 (留置施設) 第十四条 都道府県警察に、留置施設を設置する。 2 留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)及び刑事訴訟法の規定により、都道府県警察の警察官が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者で、次条第一項の規定の適用を受けて刑事訴訟法の規定により勾留されるもの 三 前二号に掲げる者のほか、法令の規定により留置施設に留置することができることとされる者 第十五条 第三条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。 一 拘禁刑又は拘留の刑の執行のため拘置される者(これらの刑の執行以外の逮捕、勾留その他の事由により刑事訴訟法その他の法令の規定に基づいて拘禁される者としての地位を有するものを除く。) 二 死刑の言渡しを受けて拘置される者 三 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第十七条の四第一項、少年院法(平成二十六年法律第五十八号)第百三十三条第二項又は少年鑑別所法(平成二十六年法律第五十九号)第百二十三条の規定により仮に収容される者 四 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第五条第一項、第十七条第二項若しくは第二十五条第一項、国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項又は国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律(平成十九年法律第三十七号)第二十一条第一項若しくは第三十五条第一項の規定により拘禁される者 2 法務大臣は、国家公安委員会に対し、前項の規定による留置に関する留置施設の運営の状況について説明を求め、又は同項の規定により留置された者の処遇について意見を述べることができる。 (留置業務管理者等) 第十六条 留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「留置業務管理者」という。)は、警視庁、道府県警察本部又は方面本部(第二十条において「警察本部」という。)に置かれる留置施設にあっては警視以上の階級にある警察官のうちから警視総監、道府県警察本部長又は方面本部長(以下「警察本部長」という。)が指名する者とし、警察署に置かれる留置施設にあっては警察署長とする。 2 留置施設に係る留置業務に従事する警察官(以下「留置担当官」という。)には、被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (被留置者の分離) 第十七条 被留置者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者としての地位を有する者か否かの別 2 前項の規定にかかわらず、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要がある場合において、被留置者の処遇上支障を生ずるおそれがないと認めるときは、同項第二号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第十八条 警察本部長は、都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面以外の方面にあっては、方面公安委員会。以下「公安委員会」という。)の定めるところにより、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (巡察) 第十九条 警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、被留置者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指名する職員に留置施設を巡察させるものとする。 (留置施設視察委員会) 第二十条 警察本部に、留置施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた警察本部に係る都道府県警察の管轄区域内にある留置施設(道警察本部にあってはその所在地を包括する方面の区域内にある留置施設、方面本部にあっては当該方面の区域内にある留置施設)を視察し、その運営に関し、留置業務管理者に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第二十一条 委員会の委員(以下この条及び次条第二項において「委員」という。)は、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、公安委員会が任命する。 2 委員は、非常勤とする。 3 委員又は委員であった者は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 4 前三項に定めるもののほか、委員の定数及び任期その他委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。 この場合において、委員の定数及び任期については、国家公安委員会の定める基準を参酌するものとする。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第二十二条 留置業務管理者は、留置施設の運営の状況(第百九十条第一項又は第二百八条第一項の規定による措置に関する事項を含む。)について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、留置施設の運営の状況を把握するため、委員による留置施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、留置業務管理者に対し、委員による被留置者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 留置業務管理者は、前項の視察及び被留置者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第二百二十二条の規定にかかわらず、被留置者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第二十三条 警察本部長は、毎年、委員会が留置業務管理者に対して述べた意見及びこれを受けて留置業務管理者が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十四条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第四章 海上保安留置施設 (海上保安留置施設) 第二十五条 管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に、海上保安留置施設を設置する。 2 海上保安留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 ただし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設には、やむを得ない事由により、管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設に速やかに留置することができない場合に限り、留置することができる。 一 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)及び刑事訴訟法の規定により、海上保安官又は海上保安官補が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者のほか、法令の規定により海上保安留置施設に留置することができることとされる者 (海上保安留置業務管理者等) 第二十六条 海上保安留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「海上保安留置業務管理者」という。)は、管区海上保安本部に置かれる海上保安留置施設にあっては管区海上保安本部長が指名する海上保安官とし、管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設にあっては当該事務所の長とし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設にあっては当該船舶の船長とする。 2 海上保安留置施設に係る留置業務に従事する海上保安官及び海上保安官補(以下「海上保安留置担当官」という。)には、海上保安被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに海上保安被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 海上保安留置担当官は、その海上保安留置施設に留置されている海上保安被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (海上保安被留置者の分離) 第二十七条 海上保安被留置者は、性別に従い、互いに分離するものとする。 (実地監査) 第二十八条 海上保安庁長官は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各海上保安留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十九条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、海上保安留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第二編 被収容者等の処遇 第一章 処遇の原則 (受刑者の処遇の原則) 第三十条 受刑者の処遇は、その者の年齢、資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。 (未決拘禁者の処遇の原則) 第三十一条 未決拘禁者の処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走及び罪証の隠滅の防止並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。 (死刑確定者の処遇の原則) 第三十二条 死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。 2 死刑確定者に対しては、必要に応じ、民間の篤志家の協力を求め、その心情の安定に資すると認められる助言、講話その他の措置を執るものとする。 第二章 刑事施設における被収容者の処遇 第一節 収容の開始 (収容開始時の告知) 第三十三条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始に際し、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その刑事施設に収容されている被収容者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第四十八条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為、儀式行事及び教 誨 かい に関する事項 五 書籍等(書籍、雑誌、新聞紙その他の文書図画(信書を除く。)をいう。以下同じ。)の閲覧に関する事項 六 第七十四条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 懲罰に関する事項 九 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 十 第百六十三条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十一 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第三十四条 刑務官は、被収容者について、その刑事施設における収容の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被収容者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の刑務官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の刑務官がその検査を行うことができない場合には、男子の刑務官が刑事施設の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 (未決拘禁者の処遇の態様) 第三十五条 未決拘禁者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合における処遇を除く。次条第一項及び第三十七条第一項において同じ。)は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(死刑確定者としての地位を有するものを除く。)の居室は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、単独室とし、それ以外の場合にあっても、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 3 未決拘禁者は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、居室外においても相互に接触させてはならない。 (死刑確定者の処遇の態様) 第三十六条 死刑確定者の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 死刑確定者の居室は、単独室とする。 3 死刑確定者は、居室外においても、第三十二条第一項に定める処遇の原則に照らして有益と認められる場合を除き、相互に接触させてはならない。 (各種被収容者の処遇の態様) 第三十七条 各種被収容者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 各種被収容者の居室は、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯等) 第三十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる時間帯を定め、これを被収容者に告知するものとする。 一 食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯 二 受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)については、第八十七条第一項に規定する矯正処遇等の時間帯及び余暇に充てられるべき時間帯 (余暇活動の援助等) 第三十九条 刑事施設の長は、被収容者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇に充てられるべき時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。次項において同じ。)において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。以下同じ。)を行うことを許すものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯等における活動について、援助を与えるものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第四十条 被収容者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、刑事施設における日常生活に必要なもの(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被収容者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は 嗜 し 好品(酒類を除く。以下同じ。)を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第四十一条 刑事施設の長は、受刑者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 室内装飾品 四 嗜好品 五 日用品、文房具その他の刑事施設における日常生活に用いる物品 2 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が、前項各号に掲げる物品及び寝具について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに第十二節の規定により禁止される場合を除き、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (補正器具等の自弁等) 第四十二条 被収容者には、次に掲げる物品については、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 自己契約作業を行うのに必要な物品 三 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 四 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の際に使用する衣類その他の物品 五 その他法務省令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被収容者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第四十三条 第四十条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被収容者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被収容者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第四十四条 刑事施設の職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被収容者が収容される際に所持する現金及び物品 二 被収容者が収容中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(刑事施設の長から支給された物品を除く。) 三 被収容者に交付するため当該被収容者以外の者が刑事施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (収容時の所持物品等の処分) 第四十五条 刑事施設の長は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被収容者に対し、その物品について、親族(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 前項の規定により物品の処分を求めた場合において、被収容者が相当の期間内にその処分をしないときは、刑事施設の長は、これを売却してその代金を領置する。 ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。 (差入物の引取り等) 第四十六条 刑事施設の長は、第四十四条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品を持参し、又は送付した者(以下「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被収容者に交付することにより、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その受刑者に交付することにより、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるものであるとき。 三 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁により使用し、若しくは摂取することができることとされる物品又は釈放の際に必要と認められる物品(以下「自弁物品等」という。)以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、刑事施設の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、刑事施設の長は、被収容者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 前条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 7 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被収容者がその交付を受けることを拒んだ場合には、刑事施設の長は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第四十七条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるものは、被収容者に引き渡す。 一 第四十四条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第四十五条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第四十四条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被収容者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、刑事施設の長が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第四十四条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第二号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第四十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、保管私物(被収容者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被収容者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者の保管私物(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「保管総量」という。)が保管限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて保管することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるとき、又は被収容者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「領置総量」という。)が領置限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて領置することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるときは、当該被収容者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 4 刑事施設の長は、被収容者が保管私物について領置することを求めた場合において、相当と認めるときは、これを領置することができる。 ただし、領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 5 刑事施設の長は、前項の規定により領置している物品について、被収容者がその引渡しを求めた場合には、これを引き渡すものとする。 ただし、保管総量が保管限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 (領置金の使用) 第四十九条 刑事施設の長は、被収容者が、自弁物品等を購入し、又は刑事施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用については、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第五十条 刑事施設の長は、被収容者が、保管私物又は領置されている金品(第百三十三条(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(当該刑事施設に収容されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。次号において同じ。)により、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、交付により、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (差入れ等に関する制限) 第五十一条 刑事施設の長は、この節に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による被収容者に対する金品の交付及び被収容者による自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (領置物の引渡し) 第五十二条 刑事施設の長は、被収容者の釈放の際、領置している金品をその者に引き渡すものとする。 (釈放者の遺留物) 第五十三条 釈放された被収容者の遺留物(刑事施設に遺留した金品をいう。以下この章において同じ。)は、その釈放の日から起算して六月を経過する日までに、その者からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。 2 前項の期間内でも、刑事施設の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。 (逃走者等の遺留物) 第五十四条 被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 2 前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。 (死亡者の遺留物) 第五十五条 死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。以下この章において同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。 2 死亡した被収容者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百七十六条の規定による通知をすることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 第一項の遺留物は、第百七十六条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。 4 第五十三条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第五十六条 刑事施設においては、被収容者の心身の状況を把握することに努め、被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第五十七条 被収容者には、日曜日その他法務省令で定める日を除き、できる限り戸外で、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 ただし、公判期日への出頭その他の事情により刑事施設の執務時間内にその機会を与えることができないときは、この限りでない。 (被収容者の清潔義務) 第五十八条 被収容者は、身体、着衣及び所持品並びに居室その他日常使用する場所を清潔にしなければならない。 (入浴) 第五十九条 被収容者には、法務省令で定めるところにより、刑事施設における保健衛生上適切な入浴を行わせる。 (調髪及びひげそり) 第六十条 受刑者には、法務省令で定めるところにより、調髪及びひげそりを行わせる。 2 刑事施設の長は、受刑者が自弁により調髪を行いたい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、これを許すことができる。 3 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (健康診断) 第六十一条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始後速やかに、及び毎年一回以上定期的に、法務省令で定めるところにより、健康診断を行わなければならない。 刑事施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 2 被収容者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第六十二条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、刑事施設の職員である医師等(医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 刑事施設の長は、前項に規定する場合において、傷病の種類又は程度等に応じ必要と認めるときは、刑事施設の職員でない医師等による診療を行うことができる。 3 刑事施設の長は、前二項の規定により診療を行う場合において、必要に応じ被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第六十三条 刑事施設の長は、負傷し、又は疾病にかかっている被収容者が、刑事施設の職員でない医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、刑事施設に収容される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被収容者の医療上適当であると認めるときは、刑事施設内において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被収容者に対して刑事施設において診療を行うため必要があるときは、刑事施設の職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、刑事施設の長が法務省令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 刑事施設の長は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により刑事施設の長が行う措置に従わないとき、前項の規定により刑事施設の長が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (感染症予防上の措置) 第六十四条 刑事施設の長は、刑事施設内における感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要がある場合には、被収容者に対し、第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条の規定による診療その他必要な医療上の措置を執るほか、予防接種、当該疾病を感染させるおそれがなくなるまでの間の隔離その他法務省令で定める措置を執るものとする。 (養護のための措置等) 第六十五条 刑事施設の長は、老人、妊産婦、身体虚弱者その他の養護を必要とする被収容者について、その養護を必要とする事情に応じ、傷病者のための措置に準じた措置を執るものとする。 2 刑事施設の長は、被収容者が出産するときは、やむを得ない場合を除き、刑事施設の外の病院、診療所又は助産所に入院させるものとする。 (子の養育) 第六十六条 刑事施設の長は、女子の被収容者がその子を刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、相当と認めるときは、その子が一歳に達するまで、これを許すことができる。 2 刑事施設の長は、被収容者が、前項の規定により養育され一歳に達した子について、引き続いて刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、その被収容者の心身の状況に照らして、又はその子を養育する上で、特に必要があるときは、引き続き六月間に限り、これを許すことができる。 3 被収容者が前二項の規定により子を養育している場合には、その子の養育に必要な物品を貸与し、又は支給する。 4 前項に規定する場合において、被収容者が、その子の養育に必要な物品について、自弁のものを使用し、若しくは摂取し、又はその子に使用させ、若しくは摂取させたい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障がない限り、これを許すものとする。 5 被収容者が第一項又は第二項の規定により養育している子については、被収容者の例により、健康診断、診療その他の必要な措置を執るものとする。 第七節 宗教上の行為等 (一人で行う宗教上の行為) 第六十七条 被収容者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 (宗教上の儀式行事及び教誨) 第六十八条 刑事施設の長は、被収容者が宗教家(民間の篤志家に限る。以下この項において同じ。)の行う宗教上の儀式行事に参加し、又は宗教家の行う宗教上の教誨を受けることができる機会を設けるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合には、被収容者に前項に規定する儀式行事に参加させず、又は同項に規定する教誨を受けさせないことができる。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第六十九条 被収容者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節及び第十二節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第七十条 刑事施設の長は、被収容者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、被収容者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被収容者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (新聞紙に関する制限) 第七十一条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (時事の報道に接する機会の付与等) 第七十二条 刑事施設の長は、被収容者に対し、日刊新聞紙の備付け、報道番組の放送その他の方法により、できる限り、主要な時事の報道に接する機会を与えるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、第三十九条第二項の規定による援助の措置として、刑事施設に書籍等を備え付けるものとする。 この場合において、備え付けた書籍等の閲覧の方法は、刑事施設の長が定める。 第九節 規律及び秩序の維持 (刑事施設の規律及び秩序) 第七十三条 刑事施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被収容者の収容を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第七十四条 刑事施設の長は、被収容者が遵守すべき事項(以下この章において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 刑事施設の職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被収容者の収容の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 刑事施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 刑事施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 正当な理由なく、第九十三条に規定する作業を怠り、又は第八十六条第一項各号、第百三条若しくは第百四条に規定する指導を拒んではならないこと。 十 前各号に掲げるもののほか、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十一 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項又は第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、刑事施設の長又はその指定する職員は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第七十五条 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、刑事施設内において、被収容者以外の者(弁護人又は刑事訴訟法第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (受刑者の隔離) 第七十六条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者を他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 一 他の被収容者と接触することにより刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 他の被収容者から危害を加えられるおそれがあり、これを避けるために他に方法がないとき。 2 前項の規定による隔離の期間は、三月とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、一月ごとにこれを更新することができる。 3 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 4 第一項の規定により受刑者を隔離している場合には、刑事施設の長は、三月に一回以上定期的に、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 (制止等の措置) 第七十七条 刑務官は、被収容者が自身を傷つけ若しくは他人に危害を加え、逃走し、刑事施設の職員の職務の執行を妨げ、その他刑事施設の規律及び秩序を著しく害する行為をし、又はこれらの行為をしようとする場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その被収容者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 2 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その行為をする者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 一 刑事施設に侵入し、その設備を損壊し、刑事施設の職員の職務執行を妨げ、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 二 刑務官の要求を受けたのに刑事施設から退去しないとき。 三 被収容者の逃走又は刑事施設の職員の職務執行の妨害を、現場で、援助し、あおり、又は唆すとき。 四 被収容者に危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 3 前二項の措置に必要な警備用具については、法務省令で定める。 (捕縄、手錠及び拘束衣の使用) 第七十八条 刑務官は、被収容者を護送する場合又は被収容者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 刑務官は、被収容者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、刑事施設の長の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄又は手錠と同時に使用することはできない。 3 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、拘束衣を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 4 拘束衣の使用の期間は、三時間とする。 ただし、刑事施設の長は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 5 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、拘束衣の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 6 被収容者に拘束衣を使用し、又はその使用の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 7 捕縄、手錠及び拘束衣の制式は、法務省令で定める。 (保護室への収容) 第七十九条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、刑事施設の長の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 刑務官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、その被収容者を保護室に収容することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 3 保護室への収容の期間は、七十二時間以内とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。 4 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、保護室への収容の必要がなくなったときは、直ちにその収容を中止させなければならない。 5 被収容者を保護室に収容し、又はその収容の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 6 保護室の構造及び設備の基準は、法務省令で定める。 (武器の携帯及び使用) 第八十条 刑務官は、法務省令で定める場合に限り、小型武器を携帯することができる。 2 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 暴動を起こし、又はまさに起こそうとするとき。 二 他人に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 凶器を携帯し、刑務官が放棄を命じたのに、これに従わないとき。 五 刑務官の制止に従わず、又は刑務官に対し暴行若しくは集団による威力を用いて、逃走し、若しくは逃走しようとし、又は他の被収容者の逃走を助けるとき。 3 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 被収容者が暴動を起こし、又はまさに起こそうとする場合において、その現場で、これらに参加し、又はこれらを援助するとき。 二 被収容者に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 銃器、爆発物その他の凶器を携帯し、又は使用して、刑事施設に侵入し、若しくはその設備を損壊し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 五 暴行又は脅迫を用いて、被収容者を奪取し、若しくは解放し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 4 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条若しくは第三十七条に該当する場合又は次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、人に危害を加えてはならない。 一 刑務官において他に被収容者の第二項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 二 刑務官において他に被収容者以外の者の前項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 ただし、同項第二号に掲げる場合以外の場合にあっては、その者が刑務官の制止に従わないで当該行為を行うときに限る。 (収容のための連戻し) 第八十一条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める時から四十八時間以内に着手したときに限り、これを連れ戻すことができる。 一 逃走したとき 逃走の時 二 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日時 (災害時の応急用務) 第八十二条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内にある者の生命又は身体の保護のため必要があると認める場合には、被収容者を刑事施設内又はこれに近接する区域における消火、人命の救助その他の応急の用務に就かせることができる。 2 第百条から第百二条までの規定は、被収容者が前項の規定により応急の用務に就いて死亡し、負傷し、又は疾病にかかった場合について準用する。 (災害時の避難及び解放) 第八十三条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内において避難の方法がないときは、被収容者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被収容者を護送することができないときは、刑事施設の長は、その者を刑事施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、刑事施設の外にある被収容者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 矯正処遇の実施等 第一款 通則 (矯正処遇) 第八十四条 受刑者には、矯正処遇として、第九十三条に規定する作業を行わせ、並びに第百三条及び第百四条に規定する指導を行う。 2 矯正処遇は、処遇要領(矯正処遇の目標並びにその基本的な内容及び方法を受刑者ごとに定める矯正処遇の実施の要領をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)に基づいて行うものとする。 3 処遇要領は、法務省令で定めるところにより、刑事施設の長が受刑者の年齢を考慮し、その資質及び環境の調査の結果に基づき、できる限り速やかに定めるものとし、矯正処遇の目標並びに第九十三条に規定する作業並びに第百三条及び第百四条に規定する指導ごとの内容及び方法をできる限り具体的に記載するものとする。 4 処遇要領は、必要に応じ、受刑者の希望を参酌して定めるものとする。 これを変更しようとするときも、同様とする。 5 刑事施設の長は、第二項の規定にかかわらず、処遇要領を定めるまでの間は、受刑者の年齢、その時点において把握している資質及び環境を考慮し、必要と認められる範囲内において、法務省令で定めるところにより、矯正処遇を行うものとする。 6 矯正処遇は、必要に応じ、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識及び技術を活用して行うものとする。 (被害者等の心情等の考慮) 第八十五条 刑事施設の長は、処遇要領を定めるに当たっては、法務省令で定めるところにより、被害者等(受刑者が刑を言い渡される理由となった犯罪により害を被った者(以下この項において「被害者」という。)又はその法定代理人若しくは被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下この節において同じ。)の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 処遇要領を変更しようとするときも、同様とする。 2 刑事施設の長は、矯正処遇を行うに当たっては、前項の心情及び状況並びに次項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める受刑者について、被害者等から、被害に関する心情、被害者等の置かれている状況又は当該受刑者の生活及び行動に関する意見(以下この節において「心情等」という。)を述べたい旨の申出があったときは、法務省令で定めるところにより、当該心情等を聴取するものとする。 ただし、当該被害に係る事件の性質、当該被害者等と当該受刑者との関係その他の被害者等に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (刑執行開始時及び釈放前の指導等) 第八十六条 受刑者には、矯正処遇を行うほか、次の各号に掲げる期間において、当該各号に定める指導を行う。 一 刑の執行開始後の法務省令で定める期間 受刑の意義その他矯正処遇の実施の基礎となる事項並びに刑事施設における生活及び行動に関する指導 二 釈放前における法務省令で定める期間 釈放後の社会生活において直ちに必要となる知識の付与その他受刑者の帰住及び釈放後の生活に関する指導 2 前項第二号に掲げる期間における受刑者の処遇は、できる限り、これにふさわしい設備と環境を備えた場所で行うものとし、必要に応じ、第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊を許し、その他円滑な社会復帰を図るため必要な措置を執るものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、第一項各号に定める指導を行う日及び時間を定める。 (集団処遇) 第八十七条 矯正処遇及び前条第一項の規定による指導(以下「矯正処遇等」という。)は、その効果的な実施を図るため、必要に応じ、受刑者を集団に編成して行うものとする。 2 前項の場合において特に必要があるときは、第四条第一項の規定にかかわらず、居室外に限り、同項第一号に掲げる別による分離をしないことができる。 (刑事施設外処遇) 第八十八条 矯正処遇等は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 (制限の緩和) 第八十九条 受刑者の自発性及び自律性を 涵 かん 養するため、刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限は、法務省令で定めるところにより、第三十条の目的を達成する見込みが高まるに従い、順次緩和されるものとする。 2 前項の場合において、第三十条の目的を達成する見込みが特に高いと認められる受刑者の処遇は、法務省令で定めるところにより、開放的施設(収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の一部を設けず、又は講じない刑事施設の全部又は一部で法務大臣が指定するものをいう。以下同じ。)で行うことができる。 (優遇措置) 第九十条 刑事施設の長は、受刑者の改善更生の意欲を喚起するため、次に掲げる処遇について、法務省令で定めるところにより、一定の期間ごとの受刑態度の評価に応じた優遇措置を講ずるものとする。 一 第四十条第二項の規定により物品を貸与し、又は支給すること。 二 第四十一条第一項の規定により自弁の物品の使用又は摂取を許すこと。 三 第百十一条の面会をすることができる時間又は回数を定めること。 四 その他法務省令で定める処遇 (社会との連携) 第九十一条 刑事施設の長は、受刑者の処遇を行うに当たり必要があると認めるときは、受刑者の親族、民間の篤志家、関係行政機関その他の者に対し、協力を求めるものとする。 2 前項の協力をした者は、その協力を行うに当たって知り得た受刑者に関する秘密を漏らしてはならない。 (公務所等への照会) 第九十二条 刑事施設の長は、受刑者の資質及び環境の調査のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 第二款 作業 (受刑者の作業) 第九十三条 刑事施設の長は、受刑者に対し、その改善更生及び円滑な社会復帰を図るため必要と認められる場合には、作業を行わせるものとする。 ただし、作業を行わせることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 (作業の実施) 第九十四条 作業は、できる限り、受刑者の勤労意欲を高め、これに職業上有用な知識及び技能を習得させるように実施するものとする。 2 刑事施設の長は、職業に関する免許若しくは資格を取得させ、又は職業に必要な知識及び技能を習得させることが改善更生及び円滑な社会復帰に資すると認められる受刑者に対し、相当と認めるときは、これらを目的とする訓練を作業として実施する。 (作業の条件等) 第九十五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、作業を行う日及び時間を定める。 2 刑事施設の長は、作業を行う受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置を講じなければならない。 3 受刑者は、前項の規定により刑事施設の長が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。 4 第二項の規定により刑事施設の長が講ずべき措置及び前項の規定により受刑者が守らなければならない事項は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に定める労働者の安全及び衛生を確保するため事業者が講ずべき措置及び労働者が守らなければならない事項に準じて、法務大臣が定める。 (外部通勤作業) 第九十六条 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した拘禁刑受刑者が、第八十九条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため必要があるときは、刑事施設の職員の同行なしに、その受刑者を刑事施設の外の事業所(以下この条において「外部事業所」という。)に通勤させて作業を行わせることができる。 2 前項の規定による作業(以下「外部通勤作業」という。)は、外部事業所の業務に従事し、又は外部事業所が行う職業訓練を受けることによって行う。 3 受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、当該外部事業所の事業主(以下この条において「外部事業主」という。)との間において、受刑者の行う作業の種類、作業時間、受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置その他外部通勤作業の実施に関し必要な事項について、取決めを行わなければならない。 4 刑事施設の長は、受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、あらかじめ、その受刑者が外部通勤作業に関し遵守すべき事項(以下この条において「特別遵守事項」という。)を定め、これをその受刑者に告知するものとする。 5 特別遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 指定された経路及び方法により移動しなければならないこと。 二 指定された時刻までに刑事施設に帰着しなければならないこと。 三 正当な理由なく、外部通勤作業を行う場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。 四 外部事業主による作業上の指示に従わなければならないこと。 五 正当な理由なく、犯罪性のある者その他接触することにより矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と接触してはならないこと。 6 刑事施設の長は、外部通勤作業を行う受刑者が遵守事項又は特別遵守事項を遵守しなかった場合その他外部通勤作業を不適当とする事由があると認める場合には、これを中止することができる。 (作業収入) 第九十七条 作業の実施による収入は、国庫に帰属する。 (作業報奨金) 第九十八条 刑事施設の長は、作業を行った受刑者に対しては、釈放の際(その者が受刑者以外の被収容者となったときは、その際)に、その時における報奨金計算額に相当する金額の作業報奨金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、毎月、その月の前月において受刑者が行った作業に対応する金額として、法務大臣が定める基準に従い、その作業の成績その他就業に関する事項を考慮して算出した金額を報奨金計算額に加算するものとする。 ただし、釈放の日の属する月における作業に係る加算は、釈放の時に行う。 3 前項の基準は、作業の種類及び内容、作業に要する知識及び技能の程度等を考慮して定める。 4 刑事施設の長は、受刑者がその釈放前に作業報奨金の支給を受けたい旨の申出をした場合において、その使用の目的が、自弁物品等の購入、親族の生計の援助、被害者に対する損害賠償への充当等相当なものであると認めるときは、第一項の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、その支給の時における報奨金計算額に相当する金額の範囲内で、申出の額の全部又は一部の金額を支給することができる。 この場合には、その支給額に相当する金額を報奨金計算額から減額する。 5 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに刑事施設に収容されなかったときは、その者の報奨金計算額は、零とする。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 外部通勤作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 (遺族等への給付) 第九十九条 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その時に釈放したとするならばその受刑者に支給すべき作業報奨金に相当する金額を支給するものとする。 (手当金) 第百条 刑事施設の長は、受刑者が作業上死亡した場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者がその負傷又は疾病により死亡したときを含む。)には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、死亡手当金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が治った場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が治ったときを含む。)において、身体に障害が残ったときは、法務省令で定めるところにより、その者に障害手当金を支給するものとする。 ただし、その者が故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったときは、その全部又は一部を支給しないことができる。 3 前二項の規定により支給する手当金の額は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)に基づく災害補償の額に関する基準を参酌して法務省令で定める基準に従い算出した金額とする。 4 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が釈放の時になお治っていない場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が釈放の時になお治っていないときを含む。)において、その傷病の性質、程度その他の状況を考慮して相当と認められるときは、法務省令で定めるところにより、その者に特別手当金を支給するものとする。 (損害賠償との調整) 第百一条 国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律による損害賠償の責任を負う場合において、前条の手当金を支給したときは、同一の事由については、国は、その価額の限度においてその損害賠償の責任を免れる。 2 前項に規定する場合において、前条の手当金の支給を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法、民法その他の法律による損害賠償を受けたときは、国は、その価額の限度において同条の手当金の支給の義務を免れる。 (手当金の支給を受ける権利の保護等) 第百二条 第百条の手当金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 2 第百条の手当金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課してはならない。 第三款 各種指導 (改善指導) 第百三条 刑事施設の長は、受刑者に対し、犯罪の責任を自覚させ、健康な心身を培わせ、並びに社会生活に適応するのに必要な知識及び生活態度を習得させるため必要な指導を行うものとする。 2 次に掲げる事情を有することにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対し前項の指導を行うに当たっては、その事情の改善に資するよう特に配慮しなければならない。 一 麻薬、覚せい剤その他の薬物に対する依存があること。 二 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員であること。 三 その他法務省令で定める事情 3 刑事施設の長は、第一項の指導を行うに当たっては、被害者等の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第八十五条第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被害者等から、第八十五条第三項の規定により聴取した心情等を受刑者に伝達することを希望する旨の申出があったときは、第一項の指導を行うに当たり、当該心情等を受刑者に伝達するものとする。 ただし、その伝達をすることが当該受刑者の改善更生を妨げるおそれがあるときその他当該被害に係る事件の性質、矯正処遇の実施状況その他の処遇に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (教科指導) 第百四条 刑事施設の長は、社会生活の基礎となる学力を欠くことにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対しては、教科指導(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による学校教育の内容に準ずる内容の指導をいう。次項において同じ。)を行うものとする。 2 刑事施設の長は、前項に規定するもののほか、学力の向上を図ることが円滑な社会復帰に特に資すると認められる受刑者に対し、その学力の状況に応じた教科指導を行うことができる。 (指導の日及び時間) 第百五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、前二条の規定による指導を行う日及び時間を定める。 第四款 社会復帰支援等 (社会復帰支援) 第百六条 刑事施設の長は、受刑者の円滑な社会復帰を図るため、釈放後に自立した生活を営む上での困難を有する受刑者に対しては、その意向を尊重しつつ、次に掲げる支援を行うものとする。 一 適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。 二 医療及び療養を受けることを助けること。 三 就業又は修学を助けること。 四 前三号に掲げるもののほか、受刑者が健全な社会生活を営むために必要な援助を行うこと。 2 前項の支援は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 3 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、矯正処遇の実施状況、第八十五条第三項の規定により聴取した心情等その他の被害者等に関する事情及び受刑者が社会復帰をするに際し支援を必要とする事情を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、保護観察所の長と連携を図るように努めなければならない。 (外出及び外泊) 第百六条の二 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した拘禁刑受刑者が、第八十九条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため、刑事施設の外において、その者が、釈放後の住居又は就業先の確保その他の一身上の重要な用務を行い、更生保護に関係のある者を訪問し、その他その釈放後の社会生活に有用な体験をする必要があると認めるときは、刑事施設の職員の同行なしに、外出し、又は七日以内の期間を定めて外泊することを許すことができる。 ただし、外泊については、その受刑者に係る刑が六月以上執行されている場合に限る。 2 第九十六条第四項、第五項(第四号を除く。)及び第六項の規定は、前項の規定による外出及び外泊について準用する。 (刑期不算入) 第百七条 前条第一項の規定による外泊をした者が、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかった場合には、その外泊の期間は、刑期に算入しない。 ただし、自己の責めに帰することのできない事由によって帰着することができなかった場合は、この限りでない。 (外出等に要する費用) 第百八条 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊に要する費用については、受刑者が負担することができない場合又は刑事施設の長が相当と認める場合には、その全部又は一部を国庫の負担とする。 第五款 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百九条 未決拘禁者としての地位を有する受刑者についての第八十四条第一項及び第九十条の規定の適用については、第八十四条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「未決の者としての地位を損なわない限度で、かつ、その拘禁の期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」と、第九十条第三号中「第百十一条」とあるのは「第百十九条において準用する第百十一条」とする。 2 未決拘禁者としての地位を有する受刑者については、第八十七条から第八十九条まで、第九十六条、第百六条第二項及び第百六条の二から前条までの規定は、適用しない。 第十一節 外部交通 第一款 受刑者についての留意事項 第百十条 この節の定めるところにより、受刑者に対し、外部交通(面会、信書の発受及び第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)を行うことを許し、又はこれを禁止し、差し止め、若しくは制限するに当たっては、適正な外部交通が受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資するものであることに留意しなければならない。 第二款 面会 第一目 受刑者 (面会の相手方) 第百十一条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 受刑者の更生保護に関係のある者、受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百十二条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 ただし、受刑者が次に掲げる者と面会する場合には、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、この限りでない。 一 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第百十三条 刑事施設の職員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、受刑者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 受刑者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第一項の規定による制限に違反する行為 ロ 刑事施設の規律及び秩序を害する行為 二 受刑者又は面会の相手方が次のイからホまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの ニ 受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれのあるもの ホ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 刑事施設の長は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第百十四条 刑事施設の長は、受刑者の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一月につき二回を下回ってはならない。 第二目 未決拘禁者 (面会の相手方) 第百十五条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されない場合は、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第百十六条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者の弁護人等以外の者との面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、その立会い並びに録音及び録画(次項において「立会い等」という。)をさせないことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定にかかわらず、未決拘禁者の第百十二条各号に掲げる者との面会については、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、立会い等をさせてはならない。 (面会の一時停止及び終了) 第百十七条 第百十三条(第一項第二号ホを除く。)の規定は、未決拘禁者の面会について準用する。 この場合において、同項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と読み替えるものとする。 (面会に関する制限) 第百十八条 未決拘禁者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の刑事施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 刑事施設の長は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、刑事施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の場所について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 第百十四条の規定は、未決拘禁者と弁護人等以外の者との面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百十九条 第百十一条、第百十三条、第百十四条、第百十六条及び前条第一項から第四項までの規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者の面会について準用する。 この場合において、第百十一条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、第百十四条第一項中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (面会の相手方) 第百二十条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 死刑確定者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 面会により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百二十一条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、死刑確定者の訴訟の準備その他の正当な利益の保護のためその立会い又は録音若しくは録画をさせないことを適当とする事情がある場合において、相当と認めるときは、この限りでない。 (面会の一時停止及び終了等) 第百二十二条 第百十三条(第一項第二号ニを除く。)及び第百十四条の規定は、死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百二十三条 第百十三条、第百十八条、第百二十条及び第百二十一条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、第百二十条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百二十一条中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (面会の相手方) 第百二十四条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項及び次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 (各種被収容者の面会の立会い等) 第百二十五条 第百十二条、第百十三条(第一項第二号ニ及びホを除く。)及び第百十四条の規定は、各種被収容者の面会について準用する。 この場合において、第百十二条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百十四条第二項中「一月につき二回」とあるのは「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三款 信書の発受 第一目 受刑者 (発受を許す信書) 第百二十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査) 第百二十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 受刑者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 二 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対して発する信書 三 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。)との間で発受する信書 (信書の発受の禁止) 第百二十八条 刑事施設の長は、犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することにより、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く。)については、受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第百二十九条 刑事施設の長は、第百二十七条の規定による検査の結果、受刑者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第二項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 発受によって、受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、受刑者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び受刑者が弁護士との間で発受する信書であってその受刑者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号までのいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第百三十条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、受刑者が発信を申請する信書の通数並びに受刑者の信書の発受の方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により受刑者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一月につき四通を下回ってはならない。 (発信に要する費用) 第百三十一条 信書の発信に要する費用については、受刑者が負担することができない場合において、刑事施設の長が発信の目的に照らし相当と認めるときは、その全部又は一部を国庫の負担とする。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第百三十二条 刑事施設の長は、第百二十八条、第百二十九条又は第百四十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第百二十九条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 刑事施設の長は、第百二十九条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された受刑者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 受刑者が、第五十四条第一項各号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、受刑者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは、「第百三十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、受刑者の釈放若しくは死亡の日又は受刑者が第五十四条第一項各号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (受刑者作成の文書図画) 第百三十三条 刑事施設の長は、受刑者が、その作成した文書図画(信書を除く。)を他の者に交付することを申請した場合には、その交付につき、受刑者が発する信書に準じて検査その他の措置を執ることができる。 第二目 未決拘禁者 (発受を許す信書) 第百三十四条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の検査) 第百三十五条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 未決拘禁者が弁護人等から受ける信書 二 未決拘禁者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 三 未決拘禁者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士から受ける信書 3 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、前二項の規定にかかわらず、第一項の検査を行わせないことができる。 (信書の内容による差止め等) 第百三十六条 第百二十九条から第百三十三条までの規定は、未決拘禁者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十五条」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 (発受を許す信書) 第百三十七条 刑事施設の長は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の発受の禁止等) 第百三十八条 第百二十八条から第百三十三条まで及び第百三十五条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十八条において準用する第百三十五条」と、同項第六号中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、同条第二項中「場合」とあるのは「場合又は信書の発受によって罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるものである場合」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、第百三十二条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (発受を許す信書) 第百三十九条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、次に掲げる信書を発受することを許すものとする。 一 死刑確定者の親族との間で発受する信書 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため発受する信書 三 発受により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる信書 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる信書以外の信書の発受について、その発受の相手方との交友関係の維持その他その発受を必要とする事情があり、かつ、その発受により刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (信書の検査) 第百四十条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 第百二十七条第二項の規定は、前項の検査について準用する。 (信書の内容による差止め等) 第百四十一条 第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十条」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百四十二条 第百二十九条から第百三十三条まで、第百三十五条第一項及び第二項並びに第百三十九条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十二条において準用する第百三十五条第一項及び第二項」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と、第百三十九条第一項中「、この目」とあるのは「、次目」と、「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (発受を許す信書) 第百四十三条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査等) 第百四十四条 第百二十七条、第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、各種被収容者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十七条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四款 被告人又は被疑者である被収容者の面会及び信書の発受 第百四十五条 被告人又は被疑者である被収容者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)が弁護人等と面会し、又は弁護人等との間において信書の発受をする場合については、第二款第二目又は前款第二目中の未決拘禁者の弁護人等との面会又は信書の発受に関する規定(第百三十六条において準用する第百二十九条第一項第六号を除く。)の例による。 第五款 電話等による通信 (電話等による通信) 第百四十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この款において同じ。)に対し、第八十九条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その者の改善更生又は円滑な社会復帰に資すると認めるときその他相当と認めるときは、電話その他政令で定める電気通信の方法による通信を行うことを許すことができる。 2 第百三十一条の規定は、前項の通信について準用する。 (通信の確認等) 第百四十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、前条第一項の通信の内容を確認するため、その通信を受けさせ、又はその内容を記録させることができる。 2 第百十三条第一項(第一号イを除く。)及び第二項の規定は、前条第一項の通信について準用する。 第六款 外国語による面会等 第百四十八条 刑事施設の長は、被収容者又はその面会等(面会又は第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会等を許すものとする。 この場合において、発言又は通信の内容を確認するため通訳又は翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 3 被収容者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会等又は信書の発受を許さない。 第十二節 賞罰 (褒賞) 第百四十九条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、法務省令で定めるところにより、賞金又は賞品の授与その他の方法により褒賞を行うことができる。 一 人命を救助したとき。 二 第八十二条第一項に規定する応急の用務に服して、功労があったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、賞揚に値する行為をしたとき。 (懲罰の要件等) 第百五十条 刑事施設の長は、被収容者が、遵守事項若しくは第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項を遵守せず、又は第七十四条第三項の規定に基づき刑事施設の職員が行った指示に従わなかった場合には、その被収容者に懲罰を科することができる。 2 懲罰を科するに当たっては、懲罰を科せられるべき行為(以下この節において「反則行為」という。)をした被収容者の年齢、心身の状態及び行状、反則行為の性質、軽重、動機及び刑事施設の運営に及ぼした影響、反則行為後におけるその被収容者の態度、受刑者にあっては懲罰がその者の改善更生に及ぼす影響その他の事情を考慮しなければならない。 3 懲罰は、反則行為を抑制するのに必要な限度を超えてはならない。 (懲罰の種類) 第百五十一条 受刑者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第四十一条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 三 書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。第三項第三号及び次条第一項第三号において同じ。)の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 四 報奨金計算額の三分の一以内の削減 五 三十日以内(懲罰を科する時に二十歳以上の者について、特に情状が重い場合には、六十日以内)の閉居 2 前項第二号から第四号までの懲罰にあっては二種類以上を併せて、同項第五号の懲罰(以下この節において「閉居罰」という。)にあっては同項第四号の懲罰と併せて科することができる。 3 受刑者以外の被収容者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 三 書籍等の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 四 閉居罰 4 前項第二号及び第三号の懲罰は、併せて科することができる。 (閉居罰の内容) 第百五十二条 閉居罰においては、次に掲げる行為を停止し、法務省令で定めるところにより、居室内において謹慎させる。 一 第四十一条の規定により自弁の物品(刑事施設の長が指定する物品を除く。)を使用し、又は摂取すること。 二 宗教上の儀式行事に参加し、又は他の被収容者と共に宗教上の教誨を受けること。 三 書籍等を閲覧すること。 四 自己契約作業を行うこと。 五 面会すること(弁護人等と面会する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 六 信書を発受すること(弁護人等との間で信書を発受する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 2 閉居罰を科されている被収容者については、第五十七条の規定にかかわらず、その健康の保持に支障を生じない限度において、法務省令で定める基準に従い、運動を制限する。 3 閉居罰を科されている受刑者には、謹慎の趣旨に反しない限度において、矯正処遇等を行うものとする。 (反則行為に係る物の国庫への帰属) 第百五十三条 刑事施設の長は、懲罰を科する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、次に掲げる物を国庫に帰属させることができる。 ただし、反則行為をした被収容者以外の者に属する物については、この限りでない。 一 反則行為を組成した物 二 反則行為の用に供し、又は供しようとした物 三 反則行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は反則行為の報酬として得た物 四 前号に掲げる物の対価として得た物 (反則行為の調査) 第百五十四条 刑事施設の長は、被収容者が反則行為をした疑いがあると思料する場合には、反則行為の有無及び第百五十条第二項の規定により考慮すべき事情並びに前条の規定による処分の要件の有無について、できる限り速やかに調査を行わなければならない。 2 刑事施設の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑務官に、被収容者の身体、着衣、所持品及び居室を検査させ、並びにその所持品を取り上げて一時保管させることができる。 3 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 4 刑事施設の長は、受刑者について、反則行為をした疑いがあると思料する場合において、必要があるときは、法務省令で定めるところにより、他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 5 前項の規定による隔離の期間は、二週間とする。 ただし、刑事施設の長は、やむを得ない事由があると認めるときは、二週間に限り、その期間を延長することができる。 6 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 (懲罰を科する手続) 第百五十五条 刑事施設の長は、被収容者に懲罰を科そうとする場合には、法務省令で定めるところにより、その聴取をする三人以上の職員を指名した上、その被収容者に対し、弁解の機会を与えなければならない。 この場合においては、その被収容者に対し、あらかじめ、書面で、弁解をすべき日時又は期限及び懲罰(第百五十三条の規定による処分を含む。次項及び次条において同じ。)の原因となる事実の要旨を通知するとともに、被収容者を補佐すべき者を刑事施設の職員のうちから指名しなければならない。 2 前項前段の規定による指名を受けた職員は、懲罰を科することの適否及び科すべき懲罰の内容について協議し、これらの事項についての意見及び被収容者の弁解の内容を記載した報告書を刑事施設の長に提出しなければならない。 (懲罰の執行) 第百五十六条 刑事施設の長は、懲罰を科するときは、被収容者に対し、懲罰の内容及び懲罰の原因として認定した事実の要旨を告知した上、直ちにその執行をするものとする。 ただし、反省の情が著しい場合その他相当の理由がある場合には、その執行を延期し、又はその全部若しくは一部の執行を免除することができる。 2 刑事施設の長は、閉居罰の執行に当たっては、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 第十三節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第百五十七条 次に掲げる刑事施設の長の措置に不服がある者は、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第四十九条の規定による領置されている現金の使用又は第五十条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第六十三条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 四 第六十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第七十条第一項又は第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第七十条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第七十六条第一項の規定による隔離 八 第九十八条第一項の規定による作業報奨金の支給に関する処分 九 第百条第二項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金の支給に関する処分 十 第百条第四項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給に関する処分 十一 第百二十八条(第百三十八条において準用する場合を含む。)の規定又は第百二十九条、第百三十条第一項若しくは第百三十三条(これらの規定を第百三十六条(第百四十五条においてその例による場合を含む。次号において同じ。)、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 十二 第百三十二条第五項前段(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(第百三十二条第三項(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による引渡しに係るものに限る。) 十三 第百四十八条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 十四 第百五十条第一項の規定による懲罰 十五 第百五十三条の規定による物を国庫に帰属させる処分 十六 第百五十四条第四項の規定による隔離 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、これを行う者が自らしなければならない。 (審査の申請期間) 第百五十八条 審査の申請は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 2 天災その他前項の期間内に審査の申請をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、審査の申請をすることができる。 3 刑事施設の長が誤って法定の期間よりも長い期間を審査の申請期間として教示した場合において、その教示された期間内に審査の申請がされたときは、その審査の申請は、法定の期間内にされたものとみなす。 (行政不服審査法の準用) 第百五十九条 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは、「職権で」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (調査) 第百六十条 矯正管区の長は、職権で、審査の申請に関して必要な調査をするものとする。 2 矯正管区の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑事施設の長に対し、報告若しくは資料その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、審査の申請人その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。 (裁決) 第百六十一条 矯正管区の長は、審査の申請を受けたときは、できる限り九十日以内に裁決をするよう努めるものとする。 2 行政不服審査法第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請の裁決について準用する。 この場合において、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは、「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第百六十二条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、法務大臣に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び前条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (矯正管区の長に対する事実の申告) 第百六十三条 被収容者は、自己に対する刑事施設の職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項並びに第百六十条並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 (通知) 第百六十四条 前条第一項の規定による申告が適法であるときは、矯正管区の長は、その申告に係る事実の有無について確認し、その結果をその申告をした者に通知するものとする。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 2 前条第一項の規定による申告が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、矯正管区の長は、その旨をその申告をした者に通知するものとする。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第五十条第一項及び第三項の規定は、前二項の規定による通知について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 4 矯正管区の長は、前条第一項に規定する事実があったことを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置その他の措置を執るものとする。 (法務大臣に対する事実の申告) 第百六十五条 被収容者は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、法務大臣に対し、第百六十三条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに前条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (法務大臣に対する苦情の申出) 第百六十六条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 法務大臣は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 (監査官に対する苦情の申出) 第百六十七条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、刑事施設の職員を立ち会わせてはならない。 4 前条第三項の規定は、監査官が苦情の申出を受けた場合について準用する。 (刑事施設の長に対する苦情の申出) 第百六十八条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、刑事施設の長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 被収容者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、刑事施設の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。 4 第百六十六条第三項の規定は、刑事施設の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第百六十九条 刑事施設の長は、被収容者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第百六十三条第一項若しくは第百六十五条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は法務大臣若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を刑事施設の職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第百七十条 刑事施設の職員は、被収容者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十四節 釈放 (受刑者の釈放) 第百七十一条 受刑者の釈放は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に、できる限り速やかに行う。 一 釈放すべき日があらかじめ定められている場合 その日の午前中 二 不定期刑の終了による場合 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第四十四条第二項の通知が刑事施設に到達した日の翌日の午前中 三 政令で行われる恩赦による場合であって、当該恩赦に係る政令の規定の公布の日が釈放すべき日となる場合 その日のうち 四 前三号に掲げる場合以外の場合 釈放の根拠となる文書が刑事施設に到達した時から十時間以内 (被勾留者の釈放) 第百七十二条 被勾留者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この条において同じ。)の釈放は、次に掲げる事由が生じた後直ちに行う。 一 被告人の勾留の期間が満了したこと。 二 刑事訴訟法第三百四十五条(同法第四百四条において準用する場合を含む。)、第四百三条の三第二項又は第四百三条の四第二項の規定により勾留状が効力を失ったこと(被勾留者が公判廷にある場合に限る。)。 三 検察官の釈放の指揮又は通知を受けたこと。 (その他の被収容者の釈放) 第百七十三条 前二条の規定によるもののほか、被収容者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 (傷病による滞留) 第百七十四条 刑事施設の長は、釈放すべき被収容者が刑事施設内において医療を受けている場合において、釈放によってその生命に危険が及び、又はその健康に回復し難い重大な障害が生ずるおそれがあるときは、その者が刑事施設に一時とどまることを許すことができる。 2 前項の規定により刑事施設にとどまる者の処遇については、その性質に反しない限り、各種被収容者に関する規定を準用する。 (帰住旅費等の支給) 第百七十五条 釈放される被収容者に対しては、その帰住を助けるため必要な旅費又は衣類を支給するものとする。 第十五節 死亡 (死亡の通知) 第百七十六条 刑事施設の長は、被収容者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物、支給すべき作業報奨金に相当する金額若しくは死亡手当金又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 (死体に関する措置) 第百七十七条 被収容者が死亡した場合において、その死体の埋葬又は火葬を行う者がないときは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第九条の規定にかかわらず、その埋葬又は火葬は、刑事施設の長が行うものとする。 2 前項に定めるもののほか、被収容者の死体に関する措置については、法務省令で定める。 第十六節 死刑の執行 (死刑の執行) 第百七十八条 死刑は、刑事施設内の刑場において執行する。 2 日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日及び十二月二十九日から十二月三十一日までの日には、死刑を執行しない。 (解縄) 第百七十九条 死刑を執行するときは、絞首された者の死亡を確認してから五分を経過した後に絞縄を解くものとする。 第三章 留置施設における被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第百八十条 留置業務管理者は、被留置者に対し、その留置施設における留置の開始に際し、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その留置施設に留置されている被留置者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第百九十五条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百十一条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百三十一条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、内閣府令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第百八十一条 留置担当官は、被留置者について、その留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の留置担当官が留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様等 (処遇の態様) 第百八十二条 被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の内閣府令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百十二条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 (留置施設における矯正処遇) 第百八十三条 留置施設においては、受刑者としての地位を有する被留置者(以下この章において「被留置受刑者」という。)について、矯正処遇は行わない。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯) 第百八十四条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを被留置者に告知するものとする。 (活動の援助) 第百八十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者に対し、知的、教育的及び娯楽的活動その他の活動について、援助を与えるように努めなければならない。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第百八十六条 被留置者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、留置施設における日常生活に必要なもの(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被留置者には、前項に定めるもののほか、内閣府令で定めるところにより、必要に応じ、留置施設における日常生活に用いる物品(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜好品を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第百八十七条 留置業務管理者は、被留置者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 嗜好品 四 日用品、文房具その他の留置施設における日常生活に用いる物品 (補正器具等の自弁等) 第百八十八条 被留置者には、次に掲げる物品については、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 三 その他内閣府令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被留置者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第百八十九条 第百八十六条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被留置者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被留置者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 (反則行為があった場合の自弁の物品に関する措置) 第百九十条 留置業務管理者は、被留置者が次に掲げる行為(第二百八条第一項において「反則行為」という。)を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、第百八十七条第三号に掲げる物品について、三日を超えない期間に限り、自弁のものの摂取を許さないことができる。 一 犯罪行為 二 他人に対する粗野若しくは乱暴な言動又は他人に対し迷惑を及ぼす行為 三 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為 四 留置施設の安全を害するおそれのある行為 五 留置施設内の衛生を害する行為 2 第百五十条第二項及び第三項、第百五十三条、第百五十四条第一項から第三項まで、第百五十五条並びに第百五十六条第一項の規定は、留置業務管理者による被留置者に対する前項の措置について準用する。 この場合において、第百五十条第二項中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第百五十三条中「刑事施設の規律」とあるのは「留置施設の規律」と、「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第百五十四条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第三項中「第三十四条第二項」とあるのは「第百八十一条第二項」と、第百五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、「刑事施設の職員」とあるのは「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 3 第一項の措置は、いやしくも都道府県警察がする捜査の目的のためにこれを用いてはならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第百九十一条 留置業務に従事する職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 被留置者に交付するため当該被留置者以外の者が留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第百九十二条 留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第百九十三条 留置業務管理者は、第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被留置者に交付することにより、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 交付の相手方が被留置受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その被留置受刑者に交付することにより、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁物品等以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、留置業務管理者は、被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第百九十四条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、被留置者に引き渡す。 一 第百九十一条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第百九十二条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第百九十一条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第百九十一条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第三号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第百九十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、保管私物(被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者の保管私物(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は被留置者について領置している物品(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第百九十六条 留置業務管理者は、被留置者が、自弁物品等を購入し、又は留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第百九十七条 留置業務管理者は、被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百二十七条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。第三号において同じ。)により、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、交付により、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第百九十八条 第五十一条の規定は留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は被留置者の遺留物(留置施設に遺留した金品をいう。第二百三十九条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「次章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第百九十九条 留置施設においては、被留置者の心身の状況を把握することに努め、被留置者の健康及び留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (健康診断等) 第二百条 留置業務管理者は、留置担当官に、被留置者から、その留置施設における留置の開始に際し、疾病、外傷等の有無その他の健康状態につき事情を聴取させなければならない。 2 留置業務管理者は、被留置者に対し、おおむね一月につき二回、内閣府令で定めるところにより、当該留置業務管理者が委嘱する医師による健康診断を行わなければならない。 留置施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 3 被留置者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第二百一条 留置業務管理者は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、当該留置業務管理者が委嘱する医師等による診療を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 留置業務管理者は、前項の規定により診療を行う場合において、被留置者を病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被留置者を病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第二百二条 留置業務管理者は、負傷し、又は疾病にかかっている被留置者が、当該留置業務管理者が委嘱する医師等以外の医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、留置施設に留置される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被留置者の医療上適当であると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、留置施設内又は留置業務管理者が適当と認める病院若しくは診療所において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 留置業務管理者は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被留置者に対して診療を行うため必要があるときは、留置業務に従事する職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、留置業務管理者が内閣府令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 留置業務管理者は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により留置業務管理者が行う措置に従わないとき、前項の規定により留置業務管理者が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (調髪及びひげそり) 第二百三条 留置業務管理者は、被留置者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百四条 第五十七条から第五十九条までの規定は被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は留置業務管理者による被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十七条ただし書及び第五十九条中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「留置施設内」と、「第六十一条」とあるのは「第二百条第二項及び第三項」と、「第六十二条」とあるのは「第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「留置施設の外」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五条 被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百六条 被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百七条 留置業務管理者は、被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (反則行為があった場合の自弁の書籍等に関する措置) 第二百八条 留置業務管理者は、被留置者が反則行為を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、内閣府令で定める自弁の書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。)について、三日を超えない期間に限り、その閲覧を許さないことができる。 2 第百九十条第二項及び第三項の規定は、被留置者に対する前項の措置について準用する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百九条 第七十一条の規定は留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条の規定は留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与等の措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第七十二条第二項中「第三十九条第二項」とあるのは「第百八十五条」と、「刑事施設に」とあるのは「留置施設に」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (留置施設の規律及び秩序) 第二百十条 留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百十一条 留置業務管理者は、被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、留置業務管理者又はその指定する留置業務に従事する職員は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第二百十二条 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第百八十一条第二項の規定は、前項の規定による女子の被留置者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、留置施設内において、被留置者以外の者(弁護人等を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の使用) 第二百十三条 留置担当官は、被留置者を護送する場合又は被留置者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、内閣府令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 留置施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 留置担当官は、被留置者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄、手錠又は防声具と同時に使用することはできない。 3 保護室が設置されていない留置施設においては、留置担当官は、被留置者が留置担当官の制止に従わず大声を発し続けて、留置施設内の平穏な生活を乱す場合において、他にこれを抑止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、防声具を使用することができる。 この場合において、その被留置者が防声具を取り外し、又は損壊することを防ぐため必要があるときは、その使用と同時に捕縄又は手錠を使用することができる。 4 前二項に規定する場合において、留置業務管理者の命令を待ついとまがないときは、留置担当官は、その命令を待たないで、拘束衣又は防声具(前項後段の規定により使用する捕縄又は手錠を含む。)を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を留置業務管理者に報告しなければならない。 5 拘束衣及び防声具の使用の期間は、三時間とする。 ただし、拘束衣の使用については、留置業務管理者は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 6 留置業務管理者は、前項の期間中であっても、拘束衣又は防声具の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 7 被留置者に拘束衣若しくは防声具を使用し、又は拘束衣の使用の期間を更新した場合には、留置業務管理者は、速やかに、その被留置者の健康状態について、当該留置業務管理者が委嘱する医師の意見を聴かなければならない。 8 捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の制式は、内閣府令で定める。 (保護室への収容) 第二百十四条 留置担当官は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、留置業務管理者の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 留置担当官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 留置施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 第七十九条第二項から第六項までの規定は、被留置者の保護室への収容について準用する。 この場合において、同条第二項から第五項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第五項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該留置業務管理者が委嘱する医師」と、同条第六項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と読み替えるものとする。 (災害時の避難及び解放) 第二百十五条 留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、留置施設内において避難の方法がないときは、被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被留置者を護送することができないときは、留置業務管理者は、その者を留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、留置施設の外にある被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、留置施設又は留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百十六条 留置業務管理者は、被留置受刑者以外の被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (被留置受刑者の面会の相手方) 第二百十七条 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 一 被留置受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 被留置受刑者の更生保護に関係のある者、被留置受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により被留置受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又はその被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百十八条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、被留置者の次に掲げる者との面会については、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百十九条 留置業務に従事する職員は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 四 被留置受刑者又はその面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれのあるもの ロ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第二百二十条 被留置者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の留置施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 留置業務管理者は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、留置施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 留置業務管理者は、第一項の面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の場所について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 留置業務管理者は、被留置者と弁護人等以外の者との面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 6 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一日につき一回を下回ってはならない。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百二十一条 留置業務管理者は、被留置者に対し、この款又は第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百二十二条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の発受の禁止) 第二百二十三条 留置業務管理者は、犯罪性のある者その他被留置受刑者が信書を発受することにより、留置施設の規律及び秩序を害し、又は被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがある者(被留置受刑者の親族を除く。)については、被留置受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第二百二十四条 留置業務管理者は、第二百二十二条の規定による検査の結果、被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 七 被留置受刑者が発受する信書について、その発受によって、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第二百二十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、被留置者が発信を申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)の通数並びに被留置者の信書の発受の方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により被留置者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一日につき一通を下回ってはならない。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百二十六条 留置業務管理者は、第二百二十三条、第二百二十四条又は第二百二十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第二百二十四条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 留置業務管理者は、第二百二十四条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 留置業務管理者は、被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等(内閣府令で定める遺族その他の者をいう。第二百三十九条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 被留置者が、第百九十八条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百二十六条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、被留置者の釈放若しくは死亡の日又は被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百二十七条 第百三十一条の規定は被留置者の信書について、第百三十三条の規定は被留置者の文書図画について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百三十一条中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百二十八条 留置業務管理者は、被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 3 被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百二十九条 次に掲げる留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、警察本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第百八十七条又は第百九十条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第百九十条第二項(第二百八条第二項において準用する場合を含む。)において準用する第百五十三条の規定による物を都道府県に帰属させる処分 三 第百九十六条の規定による領置されている現金の使用又は第百九十七条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 四 第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 五 第二百五条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 六 第二百七条第一項若しくは第二百八条第一項の規定又は第二百九条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 七 第二百七条第二項の規定による費用を負担させる処分 八 第二百二十三条、第二百二十四条若しくは第二百二十五条第一項の規定又は第二百二十七条において準用する第百三十三条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 九 第二百二十六条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 十 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百三十条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、公安委員会に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (警察本部長に対する事実の申告) 第二百三十一条 被留置者は、自己に対する留置業務に従事する職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、警察本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠、拘束衣又は防声具の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (公安委員会に対する事実の申告) 第二百三十二条 被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、公安委員会に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (警察本部長に対する苦情の申出) 第二百三十三条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、警察本部長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の警察本部長に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百三十四条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 (留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百三十五条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百三十六条 留置業務管理者は、被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百三十一条第一項若しくは第二百三十二条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は警察本部長若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を留置業務に従事する職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百二十二条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百三十七条 留置業務に従事する職員は、被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百三十八条 第百七十一条から第百七十三条までの規定は被留置者の釈放について、第百七十五条の規定は釈放される被留置者について、それぞれ準用する。 この場合において、第百七十一条第二号及び第四号中「刑事施設」とあるのは、「留置施設」と読み替えるものとする。 第十三節 死亡 第二百三十九条 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第十四節 法務大臣との協議 第二百四十条 内閣総理大臣は、被勾留者及び受刑者の処遇の斉一を図るため、被勾留者である被留置者及び被留置受刑者の処遇に関し内閣府令を制定し、又は改廃するに当たっては、法務大臣と協議するものとする。 第四章 海上保安留置施設における海上保安被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第二百四十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第二百五十条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百六十二条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百七十七条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、国土交通省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第二百四十二条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者について、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の海上保安被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の海上保安留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の海上保安留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の海上保安留置担当官が海上保安留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 第二百四十三条 海上保安被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の国土交通省令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(海上保安被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として海上保安留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百六十四条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(海上保安留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 第三節 起居動作の時間帯 第二百四十四条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを海上保安被留置者に告知するものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 第二百四十五条 第百八十六条から第百八十九条までの規定は、海上保安留置施設における海上保安被留置者に対する物品の貸与及び支給並びに自弁について準用する。 この場合において、第百八十六条第二項、第百八十七条及び第百八十八条第一項第三号中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第百八十七条中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、「、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き」とあるのは「を除き」と読み替えるものとする。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第二百四十六条 海上保安留置担当官は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 海上保安被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 海上保安被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(海上保安留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 海上保安被留置者に交付するため当該海上保安被留置者以外の者が海上保安留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第二百四十七条 海上保安留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、海上保安被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第二百四十八条 海上保安留置業務管理者は、第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 海上保安被留置者に交付することにより、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 四 自弁物品等以外の物品であるとき。 五 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第三号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、海上保安留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第五号に該当するものについては、海上保安留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第四号又は第五号に該当するもの(同項第一号から第三号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、海上保安被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、海上保安留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第二百四十九条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、海上保安被留置者に引き渡す。 一 第二百四十六条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第二百四十七条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第二百四十六条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(海上保安被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、海上保安留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第二百四十六条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号又は第三号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第二百五十条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、保管私物(海上保安被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び海上保安被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、海上保安留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の保管私物(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は海上保安被留置者について領置している物品(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該海上保安被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は海上保安被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は海上保安被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第二百五十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、自弁物品等を購入し、又は海上保安留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第二百五十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百七十三条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その海上保安留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。)により、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百五十三条 第五十一条の規定は海上保安留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は海上保安留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は海上保安被留置者の遺留物(海上保安留置施設に遺留した金品をいう。第二百八十五条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「第四章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第二百五十四条 海上保安留置施設においては、海上保安被留置者の心身の状況を把握することに努め、海上保安被留置者の健康及び海上保安留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第二百五十五条 海上保安被留置者には、国土交通省令で定めるところにより、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百五十六条 第五十八条、第五十九条、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定は海上保安被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあり、並びに第二百二条第一項及び第三項並びに第二百三条中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十九条中「刑事施設」とあり、並びに第二百条第一項及び第二百二条第一項中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「海上保安留置施設内」と、「第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条」とあるのは「第二百五十六条において準用する第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「海上保安留置施設の外」と、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百条第一項中「留置担当官」とあり、及び第二百二条第二項中「留置業務に従事する職員」とあるのは「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五十七条 海上保安被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百五十八条 海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百五十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、海上保安被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十条 第七十一条の規定は海上保安留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条第一項の規定は海上保安留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (海上保安留置施設の規律及び秩序) 第二百六十一条 海上保安留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、海上保安被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百六十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 海上保安留置担当官の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の海上保安被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 海上保安留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 海上保安留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、海上保安留置業務管理者又は海上保安留置担当官は、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、海上保安被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (災害時の避難及び解放) 第二百六十三条 海上保安留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設内において避難の方法がないときは、海上保安被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、海上保安被留置者を護送することができないときは、海上保安留置業務管理者は、その者を海上保安留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設の外にある海上保安被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、海上保安留置施設又は海上保安留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十四条 第七十五条の規定は海上保安留置担当官による海上保安被留置者の身体、着衣、所持品及び居室の検査並びに所持品の保管並びに海上保安被留置者以外の者の着衣及び携帯品の検査並びに携帯品の保管について、第七十八条の規定は海上保安留置担当官による捕縄、手錠及び拘束衣の使用について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十五条第一項及び第三項並びに第七十八条第一項第三号中「刑事施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第七十五条第二項中「第三十四条第二項」とあるのは「第二百四十二条第二項」と、第七十八条第一項、第二項及び第六項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、同条第一項及び第七項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条第二項から第六項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該海上保安留置業務管理者が委嘱する医師」と読み替えるものとする。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百六十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百六十六条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 海上保安留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、海上保安被留置者の次に掲げる者との面会については、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百六十七条 海上保安留置担当官は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、海上保安被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条において準用する第二百二十条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 2 海上保安留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (留置施設に関する規定の準用) 第二百六十八条 第二百二十条の規定は、海上保安被留置者の面会について準用する。 この場合において、同条第一項及び第三項から第五項までの規定中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、同条第三項から第五項までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第四項及び第五項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と読み替えるものとする。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百六十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、この款又は第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百七十条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 海上保安被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の海上保安被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の内容による差止め等) 第二百七十一条 海上保安留置業務管理者は、前条の規定による検査の結果、海上保安被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、海上保安被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び海上保安被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその海上保安被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百七十二条 海上保安留置業務管理者は、前条又は第二百七十四条第三項の規定により信書の発受を差し止め、又は禁止した場合にはその信書を、前条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、前条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等(国土交通省令で定める遺族その他の者をいう。第二百八十五条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された海上保安被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 海上保安被留置者が、第二百五十三条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、海上保安被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百七十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、海上保安被留置者の釈放若しくは死亡の日又は海上保安被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百七十三条 第百三十一条の規定は海上保安被留置者の信書について、第百三十三条の規定は海上保安被留置者の文書図画について、第二百二十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者の信書に関する制限について、それぞれ準用する。 この場合において、第百三十一条及び第百三十三条中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百二十五条第一項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百七十四条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 3 海上保安被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百七十五条 次に掲げる海上保安留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第二百四十五条において準用する第百八十七条の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第二百五十一条の規定による領置されている現金の使用又は第二百五十二条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第二百五十六条において準用する第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は第二百五十六条において準用する第二百二条第四項の規定による診療の中止 四 第二百五十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第二百五十九条第一項の規定又は第二百六十条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第二百五十九条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第二百七十一条の規定又は第二百七十三条において準用する第百三十三条若しくは第二百二十五条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の差止め又は制限 八 第二百七十二条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 九 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百七十六条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、海上保安庁長官に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (管区海上保安本部長に対する事実の申告) 第二百七十七条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置担当官による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (海上保安庁長官に対する事実の申告) 第二百七十八条 海上保安被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、海上保安庁長官に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (海上保安庁長官に対する苦情の申出) 第二百七十九条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、海上保安庁長官に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の海上保安庁長官に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百八十条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第二十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 (海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百八十一条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、海上保安留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百八十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百七十七条第一項若しくは第二百七十八条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は海上保安庁長官若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を海上保安留置担当官に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百七十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百八十三条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百八十四条 海上保安被留置者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 2 第百七十五条の規定は、釈放される海上保安被留置者について準用する。 第十三節 死亡 第二百八十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第三編 補則 第一章 代替収容の場合における刑事訴訟法等の適用 第二百八十六条 第十五条第一項の規定により留置施設に留置される者については、留置施設を刑事施設と、留置業務管理者を刑事施設の長と、留置担当官を刑事施設職員とみなして、刑事訴訟法第六十四条第一項、第六十五条第三項、第七十条第二項、第七十三条第二項、第七十八条、第八十条後段、第九十八条第一項及び第二項、第九十八条の二、第九十八条の十七第一項(第一号及び第二号に係る部分に限る。)及び第四項、第九十八条の二十第五項(第二号に係る部分に限る。)、第九十八条の二十一第三項(第二号に係る部分に限る。)、第二百八十六条の二、第三百四十三条の二、第三百六十六条、第三百六十七条並びに第四百八十一条第二項、更生保護法第十三条(同法第二十二条、第二十五条第三項、第三十六条第三項(同法第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第六十三条第十項、第七十三条第五項、第七十三条の四第三項及び第七十六条第四項において準用する場合を含む。)、第二十七条第三項、第三十三条、第三十五条第二項、第三十六条第二項(同法第三十七条第三項(同法第四十五条において準用する場合を含む。)及び第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第三十九条第四項、第四十四条、第五十四条第二項、第五十五条第二項、第八十二条、第八十六条、第九十条第二項及び第九十三条並びに民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第九十九条第三項の規定を適用する。 第二章 労役場及び監置場 (労役場及び監置場の附置等) 第二百八十七条 労役場及び監置場は、それぞれ、法務大臣が指定する刑事施設に附置する。 2 監置の裁判の執行を受ける者は、最寄りの地に監置場がないとき、又は最寄りの監置場に留置の余力がないときは、刑事施設内の特に区別した場所に留置することができる。 3 労役場及び監置場については、第五条、第六条、第十一条及び第十二条の規定を準用する。 4 刑事施設視察委員会は、刑事施設に附置された労役場及び監置場の運営に関しても、第七条第二項に規定する事務を行うものとする。 この場合においては、第九条及び第十条の規定を準用する。 (労役場留置者の処遇) 第二百八十八条 労役場に留置されている者(以下「労役場留置者」という。)に行わせる作業は、労役場留置者ごとに、当該労役場が附置された刑事施設の長が指定する。 2 労役場が附置された刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、一日の作業時間及び作業を行わない日を定める。 3 前二項に定めるもののほか、労役場留置者の処遇については、その性質に反しない限り、前編第二章中の受刑者に関する規定を準用する。 この場合において、第七十四条第二項第九号中「第九十三条に規定する作業を怠り、又は第八十六条第一項各号、第百三条若しくは第百四条に規定する指導を拒んではならない」とあるのは、「第二百八十八条第一項に規定する作業を怠ってはならない」と読み替えるものとする。 (被監置者の処遇) 第二百八十九条 監置場に留置されている者(以下「監置場留置者」という。)の処遇については、前編第二章(第四十一条第二項並びに第十一節第二款第六目及び第三款第六目を除く。)中の各種被収容者に関する規定を準用する。 2 監置場留置者の自弁の物品の使用及び摂取については、第四十一条の規定を準用する。 この場合において、同条第一項中「(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)」とあるのは「(衣類、日用品及び文房具並びに次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と、同条第二項中「前項各号に掲げる物品及び寝具」とあるのは「衣類、日用品及び文房具(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と読み替えるものとする。 3 監置場留置者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第一目及び第三款第一目の規定を準用する。 4 監置場留置者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第三目及び第三款第三目の規定を準用する。 5 監置の裁判の執行のため第二百八十七条第二項の規定により刑事施設に留置されている者については、第四十一条第二項並びに前編第二章第十一節第二款第六目及び第三款第六目の規定にかかわらず、前三項の規定を準用する。 6 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の被留置受刑者に関する規定を準用する。 7 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の未決拘禁者としての地位を有する被留置受刑者に関する規定を準用する。 第三章 司法警察職員 第二百九十条 刑事施設の長は、刑事施設における犯罪(労役場及び監置場における犯罪を含む。次項において同じ。)について、刑事訴訟法の規定による司法警察員としての職務を行う。 2 刑事施設の職員(刑事施設の長を除く。)であって、刑事施設の長がその刑事施設の所在地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは、刑事施設における犯罪について、法務大臣の定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員としての職務を行う。 第四章 条約の効力 第二百九十一条 この法律に規定する面会及び信書の発受に関する事項について条約に別段の定めがあるときは、その規定による。 第五章 罰則 第二百九十二条 第二十一条第三項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。 第二百九十三条 第八十三条第二項(第二百八十八条第三項及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定により解放された被収容者、労役場留置者又は監置場留置者が、第八十三条第三項(第二百八十八条第三項及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。 2 刑事施設に収容されている受刑者が次の各号のいずれかに該当するときは、三年以下の拘禁刑に処する。 一 外部通勤作業の場合において、そのための通勤の日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 二 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の場合において、その外出の日又は外泊の期間の末日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 3 第二百十五条第二項の規定により解放された被留置者が、同条第三項の規定に違反して留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 4 第二百六十三条第二項の規定により解放された海上保安被留置者が、同条第三項の規定に違反して海上保安留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 | 刑事 |
Heisei | Act | 417AC0000000050_20260615_505AC0000000063.xml | 平成十七年法律第五十号 | 2 | 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律
第一編 総則 第一章 通則 (目的) 第一条 この法律は、刑事収容施設(刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設をいう。)の適正な管理運営を図るとともに、被収容者、被留置者及び海上保安被留置者の人権を尊重しつつ、これらの者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 被収容者 刑事施設に収容されている者をいう。 二 被留置者 留置施設に留置されている者をいう。 三 海上保安被留置者 海上保安留置施設に留置されている者をいう。 四 受刑者 拘禁刑受刑者又は拘留受刑者をいう。 五 拘禁刑受刑者 拘禁刑(国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第十六条第一項の規定により執行する共助刑を含む。次条第一号及び第十五条第一項第一号において同じ。)の執行のため拘置されている者をいう。 六 拘留受刑者 拘留の刑の執行のため拘置されている者をいう。 七 未決拘禁者 被逮捕者、被勾留者その他未決の者として拘禁されている者をいう。 八 被逮捕者 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により逮捕されて留置されている者をいう。 九 被勾留者 刑事訴訟法の規定により勾留されている者をいう。 十 死刑確定者 死刑の言渡しを受けて拘置されている者をいう。 十一 各種被収容者 被収容者であって、受刑者、未決拘禁者及び死刑確定者以外のものをいう。 第二章 刑事施設 (刑事施設) 第三条 刑事施設は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 拘禁刑又は拘留の刑の執行のため拘置される者 二 刑事訴訟法の規定により、逮捕された者であって、留置されるもの 三 刑事訴訟法の規定により勾留される者 四 死刑の言渡しを受けて拘置される者 五 前各号に掲げる者のほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者 (被収容者の分離) 第四条 被収容者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。)、未決拘禁者としての地位を有する受刑者、死刑確定者及び各種被収容者の別 三 拘禁刑受刑者及び拘留受刑者の別 2 前項の規定にかかわらず、受刑者に第九十三条に規定する作業として他の被収容者に接して食事の配給その他の作業を行わせるため必要があるときは、同項第二号及び第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 3 第一項の規定にかかわらず、適当と認めるときは、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。次編第二章において同じ。)外に限り、同項第三号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第五条 法務大臣は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各刑事施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (意見聴取) 第六条 刑事施設の長は、その刑事施設の適正な運営に資するため必要な意見を関係する公務所及び公私の団体の職員並びに学識経験のある者から聴くことに努めなければならない。 (刑事施設視察委員会) 第七条 刑事施設に、刑事施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた刑事施設を視察し、その運営に関し、刑事施設の長に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第八条 委員会は、委員十人以内で組織する。 2 委員は、人格識見が高く、かつ、刑事施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命する。 3 委員の任期は、一年とする。 ただし、再任を妨げない。 4 委員は、非常勤とする。 5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第九条 刑事施設の長は、刑事施設の運営の状況について、法務省令で定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、刑事施設の運営の状況を把握するため、委員による刑事施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、刑事施設の長に対し、委員による被収容者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 刑事施設の長は、前項の視察及び被収容者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、被収容者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第十条 法務大臣は、毎年、委員会が刑事施設の長に対して述べた意見及びこれを受けて刑事施設の長が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (裁判官及び検察官の巡視) 第十一条 裁判官及び検察官は、刑事施設を巡視することができる。 (参観) 第十二条 刑事施設の長は、その刑事施設の参観を申し出る者がある場合において相当と認めるときは、これを許すことができる。 (刑務官) 第十三条 刑務官は、法務省令で定めるところにより、法務大臣が刑事施設の職員のうちから指定する。 2 刑務官の階級は、法務省令でこれを定める。 3 刑務官には、被収容者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被収容者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 第三章 留置施設 (留置施設) 第十四条 都道府県警察に、留置施設を設置する。 2 留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 一 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)及び刑事訴訟法の規定により、都道府県警察の警察官が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者で、次条第一項の規定の適用を受けて刑事訴訟法の規定により勾留されるもの 三 前二号に掲げる者のほか、法令の規定により留置施設に留置することができることとされる者 第十五条 第三条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。 一 拘禁刑又は拘留の刑の執行のため拘置される者(これらの刑の執行以外の逮捕、勾留その他の事由により刑事訴訟法その他の法令の規定に基づいて拘禁される者としての地位を有するものを除く。) 二 死刑の言渡しを受けて拘置される者 三 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第十七条の四第一項、少年院法(平成二十六年法律第五十八号)第百三十三条第二項又は少年鑑別所法(平成二十六年法律第五十九号)第百二十三条の規定により仮に収容される者 四 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)第五条第一項、第十七条第二項若しくは第二十五条第一項、国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項又は国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律(平成十九年法律第三十七号)第二十一条第一項若しくは第三十五条第一項の規定により拘禁される者 2 法務大臣は、国家公安委員会に対し、前項の規定による留置に関する留置施設の運営の状況について説明を求め、又は同項の規定により留置された者の処遇について意見を述べることができる。 (留置業務管理者等) 第十六条 留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「留置業務管理者」という。)は、警視庁、道府県警察本部又は方面本部(第二十条において「警察本部」という。)に置かれる留置施設にあっては警視以上の階級にある警察官のうちから警視総監、道府県警察本部長又は方面本部長(以下「警察本部長」という。)が指名する者とし、警察署に置かれる留置施設にあっては警察署長とする。 2 留置施設に係る留置業務に従事する警察官(以下「留置担当官」という。)には、被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (被留置者の分離) 第十七条 被留置者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。 一 性別 二 受刑者としての地位を有する者か否かの別 2 前項の規定にかかわらず、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要がある場合において、被留置者の処遇上支障を生ずるおそれがないと認めるときは、同項第二号に掲げる別による分離をしないことができる。 (実地監査) 第十八条 警察本部長は、都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面以外の方面にあっては、方面公安委員会。以下「公安委員会」という。)の定めるところにより、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (巡察) 第十九条 警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、被留置者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指名する職員に留置施設を巡察させるものとする。 (留置施設視察委員会) 第二十条 警察本部に、留置施設視察委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、その置かれた警察本部に係る都道府県警察の管轄区域内にある留置施設(道警察本部にあってはその所在地を包括する方面の区域内にある留置施設、方面本部にあっては当該方面の区域内にある留置施設)を視察し、その運営に関し、留置業務管理者に対して意見を述べるものとする。 (組織等) 第二十一条 委員会の委員(以下この条及び次条第二項において「委員」という。)は、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、公安委員会が任命する。 2 委員は、非常勤とする。 3 委員又は委員であった者は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 4 前三項に定めるもののほか、委員の定数及び任期その他委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。 この場合において、委員の定数及び任期については、国家公安委員会の定める基準を参酌するものとする。 (委員会に対する情報の提供及び委員の視察等) 第二十二条 留置業務管理者は、留置施設の運営の状況(第百九十条第一項又は第二百八条第一項の規定による措置に関する事項を含む。)について、公安委員会の定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。 2 委員会は、留置施設の運営の状況を把握するため、委員による留置施設の視察をすることができる。 この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、留置業務管理者に対し、委員による被留置者との面接の実施について協力を求めることができる。 3 留置業務管理者は、前項の視察及び被留置者との面接について、必要な協力をしなければならない。 4 第二百二十二条の規定にかかわらず、被留置者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。 (委員会の意見等の公表) 第二十三条 警察本部長は、毎年、委員会が留置業務管理者に対して述べた意見及びこれを受けて留置業務管理者が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十四条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第四章 海上保安留置施設 (海上保安留置施設) 第二十五条 管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶に、海上保安留置施設を設置する。 2 海上保安留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。 ただし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設には、やむを得ない事由により、管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設に速やかに留置することができない場合に限り、留置することができる。 一 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)及び刑事訴訟法の規定により、海上保安官又は海上保安官補が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの 二 前号に掲げる者のほか、法令の規定により海上保安留置施設に留置することができることとされる者 (海上保安留置業務管理者等) 第二十六条 海上保安留置施設に係る留置業務を管理する者(以下「海上保安留置業務管理者」という。)は、管区海上保安本部に置かれる海上保安留置施設にあっては管区海上保安本部長が指名する海上保安官とし、管区海上保安本部の事務所に置かれる海上保安留置施設にあっては当該事務所の長とし、海上保安庁の船舶に置かれる海上保安留置施設にあっては当該船舶の船長とする。 2 海上保安留置施設に係る留置業務に従事する海上保安官及び海上保安官補(以下「海上保安留置担当官」という。)には、海上保安被留置者の人権に関する理解を深めさせ、並びに海上保安被留置者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。 3 海上保安留置担当官は、その海上保安留置施設に留置されている海上保安被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。 (海上保安被留置者の分離) 第二十七条 海上保安被留置者は、性別に従い、互いに分離するものとする。 (実地監査) 第二十八条 海上保安庁長官は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各海上保安留置施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二十九条 第六条、第十一条及び第十二条の規定は、海上保安留置施設について準用する。 この場合において、第六条及び第十二条中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 第二編 被収容者等の処遇 第一章 処遇の原則 (受刑者の処遇の原則) 第三十条 受刑者の処遇は、その者の年齢、資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。 (未決拘禁者の処遇の原則) 第三十一条 未決拘禁者の処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走及び罪証の隠滅の防止並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。 (死刑確定者の処遇の原則) 第三十二条 死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。 2 死刑確定者に対しては、必要に応じ、民間の篤志家の協力を求め、その心情の安定に資すると認められる助言、講話その他の措置を執るものとする。 第二章 刑事施設における被収容者の処遇 第一節 収容の開始 (収容開始時の告知) 第三十三条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始に際し、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その刑事施設に収容されている被収容者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第四十八条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為、儀式行事及び教 誨 かい に関する事項 五 書籍等(書籍、雑誌、新聞紙その他の文書図画(信書を除く。)をいう。以下同じ。)の閲覧に関する事項 六 第七十四条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 懲罰に関する事項 九 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 十 第百六十三条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十一 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第三十四条 刑務官は、被収容者について、その刑事施設における収容の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被収容者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の刑務官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の刑務官がその検査を行うことができない場合には、男子の刑務官が刑事施設の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 (未決拘禁者の処遇の態様) 第三十五条 未決拘禁者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合における処遇を除く。次条第一項及び第三十七条第一項において同じ。)は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(死刑確定者としての地位を有するものを除く。)の居室は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、単独室とし、それ以外の場合にあっても、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 3 未決拘禁者は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、居室外においても相互に接触させてはならない。 (死刑確定者の処遇の態様) 第三十六条 死刑確定者の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 死刑確定者の居室は、単独室とする。 3 死刑確定者は、居室外においても、第三十二条第一項に定める処遇の原則に照らして有益と認められる場合を除き、相互に接触させてはならない。 (各種被収容者の処遇の態様) 第三十七条 各種被収容者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)の処遇は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 各種被収容者の居室は、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯等) 第三十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる時間帯を定め、これを被収容者に告知するものとする。 一 食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯 二 受刑者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この章において同じ。)については、第八十七条第一項に規定する矯正処遇等の時間帯及び余暇に充てられるべき時間帯 (余暇活動の援助等) 第三十九条 刑事施設の長は、被収容者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇に充てられるべき時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。次項において同じ。)において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。以下同じ。)を行うことを許すものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯等における活動について、援助を与えるものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第四十条 被収容者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、刑事施設における日常生活に必要なもの(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被収容者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品(第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は 嗜 し 好品(酒類を除く。以下同じ。)を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第四十一条 刑事施設の長は、受刑者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 室内装飾品 四 嗜好品 五 日用品、文房具その他の刑事施設における日常生活に用いる物品 2 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が、前項各号に掲げる物品及び寝具について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに第十二節の規定により禁止される場合を除き、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (補正器具等の自弁等) 第四十二条 被収容者には、次に掲げる物品については、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 自己契約作業を行うのに必要な物品 三 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 四 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の際に使用する衣類その他の物品 五 その他法務省令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被収容者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第四十三条 第四十条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被収容者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被収容者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第四十四条 刑事施設の職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被収容者が収容される際に所持する現金及び物品 二 被収容者が収容中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(刑事施設の長から支給された物品を除く。) 三 被収容者に交付するため当該被収容者以外の者が刑事施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (収容時の所持物品等の処分) 第四十五条 刑事施設の長は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被収容者に対し、その物品について、親族(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 前項の規定により物品の処分を求めた場合において、被収容者が相当の期間内にその処分をしないときは、刑事施設の長は、これを売却してその代金を領置する。 ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。 (差入物の引取り等) 第四十六条 刑事施設の長は、第四十四条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品を持参し、又は送付した者(以下「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被収容者に交付することにより、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その受刑者に交付することにより、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるものであるとき。 三 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁により使用し、若しくは摂取することができることとされる物品又は釈放の際に必要と認められる物品(以下「自弁物品等」という。)以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、刑事施設の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、刑事施設の長は、被収容者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 前条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 7 第四十四条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被収容者がその交付を受けることを拒んだ場合には、刑事施設の長は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第四十七条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるものは、被収容者に引き渡す。 一 第四十四条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第四十五条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第四十四条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被収容者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、刑事施設の長が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被収容者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第四十四条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第二号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第四十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、保管私物(被収容者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被収容者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者の保管私物(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「保管総量」という。)が保管限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて保管することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるとき、又は被収容者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この節において「領置総量」という。)が領置限度量(被収容者としての地位の別ごとに被収容者一人当たりについて領置することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この節において同じ。)を超えるときは、当該被収容者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。 4 刑事施設の長は、被収容者が保管私物について領置することを求めた場合において、相当と認めるときは、これを領置することができる。 ただし、領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 5 刑事施設の長は、前項の規定により領置している物品について、被収容者がその引渡しを求めた場合には、これを引き渡すものとする。 ただし、保管総量が保管限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。 (領置金の使用) 第四十九条 刑事施設の長は、被収容者が、自弁物品等を購入し、又は刑事施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用については、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第五十条 刑事施設の長は、被収容者が、保管私物又は領置されている金品(第百三十三条(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(当該刑事施設に収容されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。次号において同じ。)により、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、交付により、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (差入れ等に関する制限) 第五十一条 刑事施設の長は、この節に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による被収容者に対する金品の交付及び被収容者による自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (領置物の引渡し) 第五十二条 刑事施設の長は、被収容者の釈放の際、領置している金品をその者に引き渡すものとする。 (釈放者の遺留物) 第五十三条 釈放された被収容者の遺留物(刑事施設に遺留した金品をいう。以下この章において同じ。)は、その釈放の日から起算して六月を経過する日までに、その者からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。 2 前項の期間内でも、刑事施設の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。 (逃走者等の遺留物) 第五十四条 被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 2 前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。 (死亡者の遺留物) 第五十五条 死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。以下この章において同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。 2 死亡した被収容者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百七十六条の規定による通知をすることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 第一項の遺留物は、第百七十六条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。 4 第五十三条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第五十六条 刑事施設においては、被収容者の心身の状況を把握することに努め、被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第五十七条 被収容者には、日曜日その他法務省令で定める日を除き、できる限り戸外で、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 ただし、公判期日への出頭その他の事情により刑事施設の執務時間内にその機会を与えることができないときは、この限りでない。 (被収容者の清潔義務) 第五十八条 被収容者は、身体、着衣及び所持品並びに居室その他日常使用する場所を清潔にしなければならない。 (入浴) 第五十九条 被収容者には、法務省令で定めるところにより、刑事施設における保健衛生上適切な入浴を行わせる。 (調髪及びひげそり) 第六十条 受刑者には、法務省令で定めるところにより、調髪及びひげそりを行わせる。 2 刑事施設の長は、受刑者が自弁により調髪を行いたい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、これを許すことができる。 3 刑事施設の長は、受刑者以外の被収容者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。 (健康診断) 第六十一条 刑事施設の長は、被収容者に対し、その刑事施設における収容の開始後速やかに、及び毎年一回以上定期的に、法務省令で定めるところにより、健康診断を行わなければならない。 刑事施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 2 被収容者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第六十二条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、刑事施設の職員である医師等(医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 刑事施設の長は、前項に規定する場合において、傷病の種類又は程度等に応じ必要と認めるときは、刑事施設の職員でない医師等による診療を行うことができる。 3 刑事施設の長は、前二項の規定により診療を行う場合において、必要に応じ被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被収容者を刑事施設の外の病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第六十三条 刑事施設の長は、負傷し、又は疾病にかかっている被収容者が、刑事施設の職員でない医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、刑事施設に収容される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被収容者の医療上適当であると認めるときは、刑事施設内において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被収容者に対して刑事施設において診療を行うため必要があるときは、刑事施設の職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、刑事施設の長が法務省令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 刑事施設の長は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により刑事施設の長が行う措置に従わないとき、前項の規定により刑事施設の長が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (感染症予防上の措置) 第六十四条 刑事施設の長は、刑事施設内における感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要がある場合には、被収容者に対し、第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条の規定による診療その他必要な医療上の措置を執るほか、予防接種、当該疾病を感染させるおそれがなくなるまでの間の隔離その他法務省令で定める措置を執るものとする。 (養護のための措置等) 第六十五条 刑事施設の長は、老人、妊産婦、身体虚弱者その他の養護を必要とする被収容者について、その養護を必要とする事情に応じ、傷病者のための措置に準じた措置を執るものとする。 2 刑事施設の長は、被収容者が出産するときは、やむを得ない場合を除き、刑事施設の外の病院、診療所又は助産所に入院させるものとする。 (子の養育) 第六十六条 刑事施設の長は、女子の被収容者がその子を刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、相当と認めるときは、その子が一歳に達するまで、これを許すことができる。 2 刑事施設の長は、被収容者が、前項の規定により養育され一歳に達した子について、引き続いて刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、その被収容者の心身の状況に照らして、又はその子を養育する上で、特に必要があるときは、引き続き六月間に限り、これを許すことができる。 3 被収容者が前二項の規定により子を養育している場合には、その子の養育に必要な物品を貸与し、又は支給する。 4 前項に規定する場合において、被収容者が、その子の養育に必要な物品について、自弁のものを使用し、若しくは摂取し、又はその子に使用させ、若しくは摂取させたい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障がない限り、これを許すものとする。 5 被収容者が第一項又は第二項の規定により養育している子については、被収容者の例により、健康診断、診療その他の必要な措置を執るものとする。 第七節 宗教上の行為等 (一人で行う宗教上の行為) 第六十七条 被収容者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 (宗教上の儀式行事及び教誨) 第六十八条 刑事施設の長は、被収容者が宗教家(民間の篤志家に限る。以下この項において同じ。)の行う宗教上の儀式行事に参加し、又は宗教家の行う宗教上の教誨を受けることができる機会を設けるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合には、被収容者に前項に規定する儀式行事に参加させず、又は同項に規定する教誨を受けさせないことができる。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第六十九条 被収容者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節及び第十二節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第七十条 刑事施設の長は、被収容者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被収容者が受刑者である場合において、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 三 被収容者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、被収容者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被収容者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (新聞紙に関する制限) 第七十一条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 (時事の報道に接する機会の付与等) 第七十二条 刑事施設の長は、被収容者に対し、日刊新聞紙の備付け、報道番組の放送その他の方法により、できる限り、主要な時事の報道に接する機会を与えるように努めなければならない。 2 刑事施設の長は、第三十九条第二項の規定による援助の措置として、刑事施設に書籍等を備え付けるものとする。 この場合において、備え付けた書籍等の閲覧の方法は、刑事施設の長が定める。 第九節 規律及び秩序の維持 (刑事施設の規律及び秩序) 第七十三条 刑事施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被収容者の収容を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第七十四条 刑事施設の長は、被収容者が遵守すべき事項(以下この章において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被収容者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 刑事施設の職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被収容者の収容の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 刑事施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 刑事施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 正当な理由なく、第九十三条に規定する作業を怠り、又は第八十六条第一項各号、第百三条若しくは第百四条に規定する指導を拒んではならないこと。 十 前各号に掲げるもののほか、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十一 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項又は第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、刑事施設の長又はその指定する職員は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第七十五条 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被収容者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、刑事施設内において、被収容者以外の者(弁護人又は刑事訴訟法第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (受刑者の隔離) 第七十六条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者を他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 一 他の被収容者と接触することにより刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 他の被収容者から危害を加えられるおそれがあり、これを避けるために他に方法がないとき。 2 前項の規定による隔離の期間は、三月とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、一月ごとにこれを更新することができる。 3 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 4 第一項の規定により受刑者を隔離している場合には、刑事施設の長は、三月に一回以上定期的に、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 (制止等の措置) 第七十七条 刑務官は、被収容者が自身を傷つけ若しくは他人に危害を加え、逃走し、刑事施設の職員の職務の執行を妨げ、その他刑事施設の規律及び秩序を著しく害する行為をし、又はこれらの行為をしようとする場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その被収容者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 2 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その行為をする者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。 一 刑事施設に侵入し、その設備を損壊し、刑事施設の職員の職務執行を妨げ、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 二 刑務官の要求を受けたのに刑事施設から退去しないとき。 三 被収容者の逃走又は刑事施設の職員の職務執行の妨害を、現場で、援助し、あおり、又は唆すとき。 四 被収容者に危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 3 前二項の措置に必要な警備用具については、法務省令で定める。 (捕縄、手錠及び拘束衣の使用) 第七十八条 刑務官は、被収容者を護送する場合又は被収容者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 刑務官は、被収容者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、刑事施設の長の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄又は手錠と同時に使用することはできない。 3 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、拘束衣を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 4 拘束衣の使用の期間は、三時間とする。 ただし、刑事施設の長は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 5 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、拘束衣の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 6 被収容者に拘束衣を使用し、又はその使用の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 7 捕縄、手錠及び拘束衣の制式は、法務省令で定める。 (保護室への収容) 第七十九条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、刑事施設の長の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 刑務官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、その被収容者を保護室に収容することができる。 この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 3 保護室への収容の期間は、七十二時間以内とする。 ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。 4 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、保護室への収容の必要がなくなったときは、直ちにその収容を中止させなければならない。 5 被収容者を保護室に収容し、又はその収容の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 6 保護室の構造及び設備の基準は、法務省令で定める。 (武器の携帯及び使用) 第八十条 刑務官は、法務省令で定める場合に限り、小型武器を携帯することができる。 2 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 暴動を起こし、又はまさに起こそうとするとき。 二 他人に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 凶器を携帯し、刑務官が放棄を命じたのに、これに従わないとき。 五 刑務官の制止に従わず、又は刑務官に対し暴行若しくは集団による威力を用いて、逃走し、若しくは逃走しようとし、又は他の被収容者の逃走を助けるとき。 3 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。 一 被収容者が暴動を起こし、又はまさに起こそうとする場合において、その現場で、これらに参加し、又はこれらを援助するとき。 二 被収容者に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。 三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。 四 銃器、爆発物その他の凶器を携帯し、又は使用して、刑事施設に侵入し、若しくはその設備を損壊し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 五 暴行又は脅迫を用いて、被収容者を奪取し、若しくは解放し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。 4 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条若しくは第三十七条に該当する場合又は次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、人に危害を加えてはならない。 一 刑務官において他に被収容者の第二項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 二 刑務官において他に被収容者以外の者の前項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。 ただし、同項第二号に掲げる場合以外の場合にあっては、その者が刑務官の制止に従わないで当該行為を行うときに限る。 (収容のための連戻し) 第八十一条 刑務官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める時から四十八時間以内に着手したときに限り、これを連れ戻すことができる。 一 逃走したとき 逃走の時 二 第九十六条第一項の規定による作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日時 (災害時の応急用務) 第八十二条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内にある者の生命又は身体の保護のため必要があると認める場合には、被収容者を刑事施設内又はこれに近接する区域における消火、人命の救助その他の応急の用務に就かせることができる。 2 第百条から第百二条までの規定は、被収容者が前項の規定により応急の用務に就いて死亡し、負傷し、又は疾病にかかった場合について準用する。 (災害時の避難及び解放) 第八十三条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内において避難の方法がないときは、被収容者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被収容者を護送することができないときは、刑事施設の長は、その者を刑事施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、刑事施設の外にある被収容者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 矯正処遇の実施等 第一款 通則 (矯正処遇) 第八十四条 受刑者には、矯正処遇として、第九十三条に規定する作業を行わせ、並びに第百三条及び第百四条に規定する指導を行う。 2 矯正処遇は、処遇要領(矯正処遇の目標並びにその基本的な内容及び方法を受刑者ごとに定める矯正処遇の実施の要領をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)に基づいて行うものとする。 3 処遇要領は、法務省令で定めるところにより、刑事施設の長が受刑者の年齢を考慮し、その資質及び環境の調査の結果に基づき、できる限り速やかに定めるものとし、矯正処遇の目標並びに第九十三条に規定する作業並びに第百三条及び第百四条に規定する指導ごとの内容及び方法をできる限り具体的に記載するものとする。 4 処遇要領は、必要に応じ、受刑者の希望を参酌して定めるものとする。 これを変更しようとするときも、同様とする。 5 刑事施設の長は、第二項の規定にかかわらず、処遇要領を定めるまでの間は、受刑者の年齢、その時点において把握している資質及び環境を考慮し、必要と認められる範囲内において、法務省令で定めるところにより、矯正処遇を行うものとする。 6 矯正処遇は、必要に応じ、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識及び技術を活用して行うものとする。 (被害者等の心情等の考慮) 第八十五条 刑事施設の長は、処遇要領を定めるに当たっては、法務省令で定めるところにより、被害者等(受刑者が刑を言い渡される理由となった犯罪により害を被った者(以下この項において「被害者」という。)又はその法定代理人若しくは被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下この節において同じ。)の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 処遇要領を変更しようとするときも、同様とする。 2 刑事施設の長は、矯正処遇を行うに当たっては、前項の心情及び状況並びに次項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める受刑者について、被害者等から、被害に関する心情、被害者等の置かれている状況又は当該受刑者の生活及び行動に関する意見(以下この節において「心情等」という。)を述べたい旨の申出があったときは、法務省令で定めるところにより、当該心情等を聴取するものとする。 ただし、当該被害に係る事件の性質、当該被害者等と当該受刑者との関係その他の被害者等に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (刑執行開始時及び釈放前の指導等) 第八十六条 受刑者には、矯正処遇を行うほか、次の各号に掲げる期間において、当該各号に定める指導を行う。 一 刑の執行開始後の法務省令で定める期間 受刑の意義その他矯正処遇の実施の基礎となる事項並びに刑事施設における生活及び行動に関する指導 二 釈放前における法務省令で定める期間 釈放後の社会生活において直ちに必要となる知識の付与その他受刑者の帰住及び釈放後の生活に関する指導 2 前項第二号に掲げる期間における受刑者の処遇は、できる限り、これにふさわしい設備と環境を備えた場所で行うものとし、必要に応じ、第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊を許し、その他円滑な社会復帰を図るため必要な措置を執るものとする。 3 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、第一項各号に定める指導を行う日及び時間を定める。 (集団処遇) 第八十七条 矯正処遇及び前条第一項の規定による指導(以下「矯正処遇等」という。)は、その効果的な実施を図るため、必要に応じ、受刑者を集団に編成して行うものとする。 2 前項の場合において特に必要があるときは、第四条第一項の規定にかかわらず、居室外に限り、同項第一号に掲げる別による分離をしないことができる。 (刑事施設外処遇) 第八十八条 矯正処遇等は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 (制限の緩和) 第八十九条 受刑者の自発性及び自律性を 涵 かん 養するため、刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限は、法務省令で定めるところにより、第三十条の目的を達成する見込みが高まるに従い、順次緩和されるものとする。 2 前項の場合において、第三十条の目的を達成する見込みが特に高いと認められる受刑者の処遇は、法務省令で定めるところにより、開放的施設(収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の一部を設けず、又は講じない刑事施設の全部又は一部で法務大臣が指定するものをいう。以下同じ。)で行うことができる。 (優遇措置) 第九十条 刑事施設の長は、受刑者の改善更生の意欲を喚起するため、次に掲げる処遇について、法務省令で定めるところにより、一定の期間ごとの受刑態度の評価に応じた優遇措置を講ずるものとする。 一 第四十条第二項の規定により物品を貸与し、又は支給すること。 二 第四十一条第一項の規定により自弁の物品の使用又は摂取を許すこと。 三 第百十一条の面会をすることができる時間又は回数を定めること。 四 その他法務省令で定める処遇 (社会との連携) 第九十一条 刑事施設の長は、受刑者の処遇を行うに当たり必要があると認めるときは、受刑者の親族、民間の篤志家、関係行政機関その他の者に対し、協力を求めるものとする。 2 前項の協力をした者は、その協力を行うに当たって知り得た受刑者に関する秘密を漏らしてはならない。 (公務所等への照会) 第九十二条 刑事施設の長は、受刑者の資質及び環境の調査のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 第二款 作業 (受刑者の作業) 第九十三条 刑事施設の長は、受刑者に対し、その改善更生及び円滑な社会復帰を図るため必要と認められる場合には、作業を行わせるものとする。 ただし、作業を行わせることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 (作業の実施) 第九十四条 作業は、できる限り、受刑者の勤労意欲を高め、これに職業上有用な知識及び技能を習得させるように実施するものとする。 2 刑事施設の長は、職業に関する免許若しくは資格を取得させ、又は職業に必要な知識及び技能を習得させることが改善更生及び円滑な社会復帰に資すると認められる受刑者に対し、相当と認めるときは、これらを目的とする訓練を作業として実施する。 (作業の条件等) 第九十五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、作業を行う日及び時間を定める。 2 刑事施設の長は、作業を行う受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置を講じなければならない。 3 受刑者は、前項の規定により刑事施設の長が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。 4 第二項の規定により刑事施設の長が講ずべき措置及び前項の規定により受刑者が守らなければならない事項は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に定める労働者の安全及び衛生を確保するため事業者が講ずべき措置及び労働者が守らなければならない事項に準じて、法務大臣が定める。 (外部通勤作業) 第九十六条 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した拘禁刑受刑者が、第八十九条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため必要があるときは、刑事施設の職員の同行なしに、その受刑者を刑事施設の外の事業所(以下この条において「外部事業所」という。)に通勤させて作業を行わせることができる。 2 前項の規定による作業(以下「外部通勤作業」という。)は、外部事業所の業務に従事し、又は外部事業所が行う職業訓練を受けることによって行う。 3 受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、当該外部事業所の事業主(以下この条において「外部事業主」という。)との間において、受刑者の行う作業の種類、作業時間、受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置その他外部通勤作業の実施に関し必要な事項について、取決めを行わなければならない。 4 刑事施設の長は、受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、あらかじめ、その受刑者が外部通勤作業に関し遵守すべき事項(以下この条において「特別遵守事項」という。)を定め、これをその受刑者に告知するものとする。 5 特別遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 指定された経路及び方法により移動しなければならないこと。 二 指定された時刻までに刑事施設に帰着しなければならないこと。 三 正当な理由なく、外部通勤作業を行う場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。 四 外部事業主による作業上の指示に従わなければならないこと。 五 正当な理由なく、犯罪性のある者その他接触することにより矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と接触してはならないこと。 6 刑事施設の長は、外部通勤作業を行う受刑者が遵守事項又は特別遵守事項を遵守しなかった場合その他外部通勤作業を不適当とする事由があると認める場合には、これを中止することができる。 (作業収入) 第九十七条 作業の実施による収入は、国庫に帰属する。 (作業報奨金) 第九十八条 刑事施設の長は、作業を行った受刑者に対しては、釈放の際(その者が受刑者以外の被収容者となったときは、その際)に、その時における報奨金計算額に相当する金額の作業報奨金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、毎月、その月の前月において受刑者が行った作業に対応する金額として、法務大臣が定める基準に従い、その作業の成績その他就業に関する事項を考慮して算出した金額を報奨金計算額に加算するものとする。 ただし、釈放の日の属する月における作業に係る加算は、釈放の時に行う。 3 前項の基準は、作業の種類及び内容、作業に要する知識及び技能の程度等を考慮して定める。 4 刑事施設の長は、受刑者がその釈放前に作業報奨金の支給を受けたい旨の申出をした場合において、その使用の目的が、自弁物品等の購入、親族の生計の援助、被害者に対する損害賠償への充当等相当なものであると認めるときは、第一項の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、その支給の時における報奨金計算額に相当する金額の範囲内で、申出の額の全部又は一部の金額を支給することができる。 この場合には、その支給額に相当する金額を報奨金計算額から減額する。 5 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに刑事施設に収容されなかったときは、その者の報奨金計算額は、零とする。 一 逃走したとき 逃走した日 二 第八十三条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日 三 外部通勤作業又は第百六条の二第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日 (遺族等への給付) 第九十九条 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その時に釈放したとするならばその受刑者に支給すべき作業報奨金に相当する金額を支給するものとする。 (手当金) 第百条 刑事施設の長は、受刑者が作業上死亡した場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者がその負傷又は疾病により死亡したときを含む。)には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、死亡手当金を支給するものとする。 2 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が治った場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が治ったときを含む。)において、身体に障害が残ったときは、法務省令で定めるところにより、その者に障害手当金を支給するものとする。 ただし、その者が故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったときは、その全部又は一部を支給しないことができる。 3 前二項の規定により支給する手当金の額は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)に基づく災害補償の額に関する基準を参酌して法務省令で定める基準に従い算出した金額とする。 4 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が釈放の時になお治っていない場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が釈放の時になお治っていないときを含む。)において、その傷病の性質、程度その他の状況を考慮して相当と認められるときは、法務省令で定めるところにより、その者に特別手当金を支給するものとする。 (損害賠償との調整) 第百一条 国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律による損害賠償の責任を負う場合において、前条の手当金を支給したときは、同一の事由については、国は、その価額の限度においてその損害賠償の責任を免れる。 2 前項に規定する場合において、前条の手当金の支給を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法、民法その他の法律による損害賠償を受けたときは、国は、その価額の限度において同条の手当金の支給の義務を免れる。 (手当金の支給を受ける権利の保護等) 第百二条 第百条の手当金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 2 第百条の手当金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課してはならない。 第三款 各種指導 (改善指導) 第百三条 刑事施設の長は、受刑者に対し、犯罪の責任を自覚させ、健康な心身を培わせ、並びに社会生活に適応するのに必要な知識及び生活態度を習得させるため必要な指導を行うものとする。 2 次に掲げる事情を有することにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対し前項の指導を行うに当たっては、その事情の改善に資するよう特に配慮しなければならない。 一 麻薬、覚せい剤その他の薬物に対する依存があること。 二 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員であること。 三 その他法務省令で定める事情 3 刑事施設の長は、第一項の指導を行うに当たっては、被害者等の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況及び第八十五条第三項の規定により聴取した心情等を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被害者等から、第八十五条第三項の規定により聴取した心情等を受刑者に伝達することを希望する旨の申出があったときは、第一項の指導を行うに当たり、当該心情等を受刑者に伝達するものとする。 ただし、その伝達をすることが当該受刑者の改善更生を妨げるおそれがあるときその他当該被害に係る事件の性質、矯正処遇の実施状況その他の処遇に関する事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 (教科指導) 第百四条 刑事施設の長は、社会生活の基礎となる学力を欠くことにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対しては、教科指導(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による学校教育の内容に準ずる内容の指導をいう。次項において同じ。)を行うものとする。 2 刑事施設の長は、前項に規定するもののほか、学力の向上を図ることが円滑な社会復帰に特に資すると認められる受刑者に対し、その学力の状況に応じた教科指導を行うことができる。 (指導の日及び時間) 第百五条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、前二条の規定による指導を行う日及び時間を定める。 第四款 社会復帰支援等 (社会復帰支援) 第百六条 刑事施設の長は、受刑者の円滑な社会復帰を図るため、釈放後に自立した生活を営む上での困難を有する受刑者に対しては、その意向を尊重しつつ、次に掲げる支援を行うものとする。 一 適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。 二 医療及び療養を受けることを助けること。 三 就業又は修学を助けること。 四 前三号に掲げるもののほか、受刑者が健全な社会生活を営むために必要な援助を行うこと。 2 前項の支援は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。 3 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、矯正処遇の実施状況、第八十五条第三項の規定により聴取した心情等その他の被害者等に関する事情及び受刑者が社会復帰をするに際し支援を必要とする事情を考慮するものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の支援を行うに当たっては、保護観察所の長と連携を図るように努めなければならない。 (外出及び外泊) 第百六条の二 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した拘禁刑受刑者が、第八十九条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため、刑事施設の外において、その者が、釈放後の住居又は就業先の確保その他の一身上の重要な用務を行い、更生保護に関係のある者を訪問し、その他その釈放後の社会生活に有用な体験をする必要があると認めるときは、刑事施設の職員の同行なしに、外出し、又は七日以内の期間を定めて外泊することを許すことができる。 ただし、外泊については、その受刑者に係る刑が六月以上執行されている場合に限る。 2 第九十六条第四項、第五項(第四号を除く。)及び第六項の規定は、前項の規定による外出及び外泊について準用する。 (刑期不算入) 第百七条 前条第一項の規定による外泊をした者が、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかった場合には、その外泊の期間は、刑期に算入しない。 ただし、自己の責めに帰することのできない事由によって帰着することができなかった場合は、この限りでない。 (外出等に要する費用) 第百八条 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊に要する費用については、受刑者が負担することができない場合又は刑事施設の長が相当と認める場合には、その全部又は一部を国庫の負担とする。 第五款 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百九条 未決拘禁者としての地位を有する受刑者についての第八十四条第一項及び第九十条の規定の適用については、第八十四条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「未決の者としての地位を損なわない限度で、かつ、その拘禁の期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」と、第九十条第三号中「第百十一条」とあるのは「第百十九条において準用する第百十一条」とする。 2 未決拘禁者としての地位を有する受刑者については、第八十七条から第八十九条まで、第九十六条、第百六条第二項及び第百六条の二から前条までの規定は、適用しない。 第十一節 外部交通 第一款 受刑者についての留意事項 第百十条 この節の定めるところにより、受刑者に対し、外部交通(面会、信書の発受及び第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)を行うことを許し、又はこれを禁止し、差し止め、若しくは制限するに当たっては、適正な外部交通が受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資するものであることに留意しなければならない。 第二款 面会 第一目 受刑者 (面会の相手方) 第百十一条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 受刑者の更生保護に関係のある者、受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百十二条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 ただし、受刑者が次に掲げる者と面会する場合には、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、この限りでない。 一 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第百十三条 刑事施設の職員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、受刑者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 受刑者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第一項の規定による制限に違反する行為 ロ 刑事施設の規律及び秩序を害する行為 二 受刑者又は面会の相手方が次のイからホまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの ニ 受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれのあるもの ホ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 刑事施設の長は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第百十四条 刑事施設の長は、受刑者の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一月につき二回を下回ってはならない。 第二目 未決拘禁者 (面会の相手方) 第百十五条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されない場合は、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第百十六条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者の弁護人等以外の者との面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、その立会い並びに録音及び録画(次項において「立会い等」という。)をさせないことができる。 2 刑事施設の長は、前項の規定にかかわらず、未決拘禁者の第百十二条各号に掲げる者との面会については、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、立会い等をさせてはならない。 (面会の一時停止及び終了) 第百十七条 第百十三条(第一項第二号ホを除く。)の規定は、未決拘禁者の面会について準用する。 この場合において、同項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と読み替えるものとする。 (面会に関する制限) 第百十八条 未決拘禁者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の刑事施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 刑事施設の長は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、刑事施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 刑事施設の長は、第一項の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の場所について、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 第百十四条の規定は、未決拘禁者と弁護人等以外の者との面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 第百十九条 第百十一条、第百十三条、第百十四条、第百十六条及び前条第一項から第四項までの規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者の面会について準用する。 この場合において、第百十一条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、第百十四条第一項中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (面会の相手方) 第百二十条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 一 死刑確定者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 面会により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (面会の立会い等) 第百二十一条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 ただし、死刑確定者の訴訟の準備その他の正当な利益の保護のためその立会い又は録音若しくは録画をさせないことを適当とする事情がある場合において、相当と認めるときは、この限りでない。 (面会の一時停止及び終了等) 第百二十二条 第百十三条(第一項第二号ニを除く。)及び第百十四条の規定は、死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、同条第二項中「一月につき二回」とあるのは、「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百二十三条 第百十三条、第百十八条、第百二十条及び第百二十一条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の面会について準用する。 この場合において、第百十三条第一項中「各号のいずれか」とあるのは「各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)」と、同項第二号ニ中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、第百二十条第一項中「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と、第百二十一条中「面会に」とあるのは「面会(弁護人等との面会を除く。)に」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (面会の相手方) 第百二十四条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項及び次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 (各種被収容者の面会の立会い等) 第百二十五条 第百十二条、第百十三条(第一項第二号ニ及びホを除く。)及び第百十四条の規定は、各種被収容者の面会について準用する。 この場合において、第百十二条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百十四条第二項中「一月につき二回」とあるのは「一日につき一回」と読み替えるものとする。 第三款 信書の発受 第一目 受刑者 (発受を許す信書) 第百二十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査) 第百二十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 受刑者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 二 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対して発する信書 三 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。)との間で発受する信書 (信書の発受の禁止) 第百二十八条 刑事施設の長は、犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することにより、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く。)については、受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第百二十九条 刑事施設の長は、第百二十七条の規定による検査の結果、受刑者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第二項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 発受によって、受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、受刑者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び受刑者が弁護士との間で発受する信書であってその受刑者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号までのいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第百三十条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、受刑者が発信を申請する信書の通数並びに受刑者の信書の発受の方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により受刑者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一月につき四通を下回ってはならない。 (発信に要する費用) 第百三十一条 信書の発信に要する費用については、受刑者が負担することができない場合において、刑事施設の長が発信の目的に照らし相当と認めるときは、その全部又は一部を国庫の負担とする。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第百三十二条 刑事施設の長は、第百二十八条、第百二十九条又は第百四十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第百二十九条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 刑事施設の長は、第百二十九条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された受刑者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 受刑者が、第五十四条第一項各号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、受刑者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは、「第百三十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、受刑者の釈放若しくは死亡の日又は受刑者が第五十四条第一項各号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (受刑者作成の文書図画) 第百三十三条 刑事施設の長は、受刑者が、その作成した文書図画(信書を除く。)を他の者に交付することを申請した場合には、その交付につき、受刑者が発する信書に準じて検査その他の措置を執ることができる。 第二目 未決拘禁者 (発受を許す信書) 第百三十四条 刑事施設の長は、未決拘禁者(受刑者又は死刑確定者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の検査) 第百三十五条 刑事施設の長は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 未決拘禁者が弁護人等から受ける信書 二 未決拘禁者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書 三 未決拘禁者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士から受ける信書 3 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、前二項の規定にかかわらず、第一項の検査を行わせないことができる。 (信書の内容による差止め等) 第百三十六条 第百二十九条から第百三十三条までの規定は、未決拘禁者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十五条」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第三目 未決拘禁者としての地位を有する受刑者 (発受を許す信書) 第百三十七条 刑事施設の長は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。 (信書の発受の禁止等) 第百三十八条 第百二十八条から第百三十三条まで及び第百三十五条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する受刑者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百三十八条において準用する第百三十五条」と、同項第六号中「生ずる」とあるのは「生じ、又は罪証の隠滅の結果を生ずる」と、同条第二項中「場合」とあるのは「場合又は信書の発受によって罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるものである場合」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、第百三十二条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四目 死刑確定者 (発受を許す信書) 第百三十九条 刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、次に掲げる信書を発受することを許すものとする。 一 死刑確定者の親族との間で発受する信書 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため発受する信書 三 発受により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる信書 2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる信書以外の信書の発受について、その発受の相手方との交友関係の維持その他その発受を必要とする事情があり、かつ、その発受により刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 (信書の検査) 第百四十条 刑事施設の長は、その指名する職員に、死刑確定者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 第百二十七条第二項の規定は、前項の検査について準用する。 (信書の内容による差止め等) 第百四十一条 第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十条」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第五目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者 第百四十二条 第百二十九条から第百三十三条まで、第百三十五条第一項及び第二項並びに第百三十九条の規定は、未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十九条第一項中「第百二十七条」とあるのは「第百四十二条において準用する第百三十五条第一項及び第二項」と、同項第六号中「受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障」とあるのは「罪証の隠滅の結果」と、同条第二項中「第三号まで」とあるのは「第三号まで又は第六号」と、第百三十条第一項中「申請する信書」とあるのは「申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)」と、同条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と、第百三十九条第一項中「、この目」とあるのは「、次目」と、「場合」とあるのは「場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合」と、同条第二項中「ときは」とあるのは「ときは、刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き」と読み替えるものとする。 第六目 各種被収容者 (発受を許す信書) 第百四十三条 刑事施設の長は、各種被収容者に対し、この目、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 (信書の検査等) 第百四十四条 第百二十七条、第百二十九条(第一項第六号を除く。)及び第百三十条から第百三十三条までの規定は、各種被収容者が発受する信書について準用する。 この場合において、第百二十七条第一項中「、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の」とあるのは「その他の」と、第百三十条第二項中「一月につき四通」とあるのは「一日につき一通」と、第百三十二条第一項中「第百二十八条、第百二十九条」とあるのは「第百二十九条」と、同条第五項第二号及び第七項中「第五十四条第一項各号」とあるのは「第五十四条第一項第一号又は第二号」と、同条第六項中「第五十四条第一項」とあるのは「第五十四条第一項(第三号を除く。)」と読み替えるものとする。 第四款 被告人又は被疑者である被収容者の面会及び信書の発受 第百四十五条 被告人又は被疑者である被収容者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)が弁護人等と面会し、又は弁護人等との間において信書の発受をする場合については、第二款第二目又は前款第二目中の未決拘禁者の弁護人等との面会又は信書の発受に関する規定(第百三十六条において準用する第百二十九条第一項第六号を除く。)の例による。 第五款 電話等による通信 (電話等による通信) 第百四十六条 刑事施設の長は、受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この款において同じ。)に対し、第八十九条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その者の改善更生又は円滑な社会復帰に資すると認めるときその他相当と認めるときは、電話その他政令で定める電気通信の方法による通信を行うことを許すことができる。 2 第百三十一条の規定は、前項の通信について準用する。 (通信の確認等) 第百四十七条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、前条第一項の通信の内容を確認するため、その通信を受けさせ、又はその内容を記録させることができる。 2 第百十三条第一項(第一号イを除く。)及び第二項の規定は、前条第一項の通信について準用する。 第六款 外国語による面会等 第百四十八条 刑事施設の長は、被収容者又はその面会等(面会又は第百四十六条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会等を許すものとする。 この場合において、発言又は通信の内容を確認するため通訳又は翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 2 刑事施設の長は、被収容者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その被収容者にその費用を負担させることができる。 3 被収容者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会等又は信書の発受を許さない。 第十二節 賞罰 (褒賞) 第百四十九条 刑事施設の長は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、法務省令で定めるところにより、賞金又は賞品の授与その他の方法により褒賞を行うことができる。 一 人命を救助したとき。 二 第八十二条第一項に規定する応急の用務に服して、功労があったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、賞揚に値する行為をしたとき。 (懲罰の要件等) 第百五十条 刑事施設の長は、被収容者が、遵守事項若しくは第九十六条第四項(第百六条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項を遵守せず、又は第七十四条第三項の規定に基づき刑事施設の職員が行った指示に従わなかった場合には、その被収容者に懲罰を科することができる。 2 懲罰を科するに当たっては、懲罰を科せられるべき行為(以下この節において「反則行為」という。)をした被収容者の年齢、心身の状態及び行状、反則行為の性質、軽重、動機及び刑事施設の運営に及ぼした影響、反則行為後におけるその被収容者の態度、受刑者にあっては懲罰がその者の改善更生に及ぼす影響その他の事情を考慮しなければならない。 3 懲罰は、反則行為を抑制するのに必要な限度を超えてはならない。 (懲罰の種類) 第百五十一条 受刑者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第四十一条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 三 書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。第三項第三号及び次条第一項第三号において同じ。)の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 四 報奨金計算額の三分の一以内の削減 五 三十日以内(懲罰を科する時に二十歳以上の者について、特に情状が重い場合には、六十日以内)の閉居 2 前項第二号から第四号までの懲罰にあっては二種類以上を併せて、同項第五号の懲罰(以下この節において「閉居罰」という。)にあっては同項第四号の懲罰と併せて科することができる。 3 受刑者以外の被収容者に科する懲罰の種類は、次のとおりとする。 一 戒告 二 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止 三 書籍等の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止 四 閉居罰 4 前項第二号及び第三号の懲罰は、併せて科することができる。 (閉居罰の内容) 第百五十二条 閉居罰においては、次に掲げる行為を停止し、法務省令で定めるところにより、居室内において謹慎させる。 一 第四十一条の規定により自弁の物品(刑事施設の長が指定する物品を除く。)を使用し、又は摂取すること。 二 宗教上の儀式行事に参加し、又は他の被収容者と共に宗教上の教誨を受けること。 三 書籍等を閲覧すること。 四 自己契約作業を行うこと。 五 面会すること(弁護人等と面会する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 六 信書を発受すること(弁護人等との間で信書を発受する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。 2 閉居罰を科されている被収容者については、第五十七条の規定にかかわらず、その健康の保持に支障を生じない限度において、法務省令で定める基準に従い、運動を制限する。 3 閉居罰を科されている受刑者には、謹慎の趣旨に反しない限度において、矯正処遇等を行うものとする。 (反則行為に係る物の国庫への帰属) 第百五十三条 刑事施設の長は、懲罰を科する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、次に掲げる物を国庫に帰属させることができる。 ただし、反則行為をした被収容者以外の者に属する物については、この限りでない。 一 反則行為を組成した物 二 反則行為の用に供し、又は供しようとした物 三 反則行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は反則行為の報酬として得た物 四 前号に掲げる物の対価として得た物 (反則行為の調査) 第百五十四条 刑事施設の長は、被収容者が反則行為をした疑いがあると思料する場合には、反則行為の有無及び第百五十条第二項の規定により考慮すべき事情並びに前条の規定による処分の要件の有無について、できる限り速やかに調査を行わなければならない。 2 刑事施設の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑務官に、被収容者の身体、着衣、所持品及び居室を検査させ、並びにその所持品を取り上げて一時保管させることができる。 3 第三十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の被収容者の身体及び着衣の検査について準用する。 4 刑事施設の長は、受刑者について、反則行為をした疑いがあると思料する場合において、必要があるときは、法務省令で定めるところにより、他の被収容者から隔離することができる。 この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。 5 前項の規定による隔離の期間は、二週間とする。 ただし、刑事施設の長は、やむを得ない事由があると認めるときは、二週間に限り、その期間を延長することができる。 6 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。 (懲罰を科する手続) 第百五十五条 刑事施設の長は、被収容者に懲罰を科そうとする場合には、法務省令で定めるところにより、その聴取をする三人以上の職員を指名した上、その被収容者に対し、弁解の機会を与えなければならない。 この場合においては、その被収容者に対し、あらかじめ、書面で、弁解をすべき日時又は期限及び懲罰(第百五十三条の規定による処分を含む。次項及び次条において同じ。)の原因となる事実の要旨を通知するとともに、被収容者を補佐すべき者を刑事施設の職員のうちから指名しなければならない。 2 前項前段の規定による指名を受けた職員は、懲罰を科することの適否及び科すべき懲罰の内容について協議し、これらの事項についての意見及び被収容者の弁解の内容を記載した報告書を刑事施設の長に提出しなければならない。 (懲罰の執行) 第百五十六条 刑事施設の長は、懲罰を科するときは、被収容者に対し、懲罰の内容及び懲罰の原因として認定した事実の要旨を告知した上、直ちにその執行をするものとする。 ただし、反省の情が著しい場合その他相当の理由がある場合には、その執行を延期し、又はその全部若しくは一部の執行を免除することができる。 2 刑事施設の長は、閉居罰の執行に当たっては、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。 第十三節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第百五十七条 次に掲げる刑事施設の長の措置に不服がある者は、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第四十九条の規定による領置されている現金の使用又は第五十条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第六十三条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 四 第六十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第七十条第一項又は第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第七十条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第七十六条第一項の規定による隔離 八 第九十八条第一項の規定による作業報奨金の支給に関する処分 九 第百条第二項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金の支給に関する処分 十 第百条第四項(第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給に関する処分 十一 第百二十八条(第百三十八条において準用する場合を含む。)の規定又は第百二十九条、第百三十条第一項若しくは第百三十三条(これらの規定を第百三十六条(第百四十五条においてその例による場合を含む。次号において同じ。)、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 十二 第百三十二条第五項前段(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(第百三十二条第三項(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による引渡しに係るものに限る。) 十三 第百四十八条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 十四 第百五十条第一項の規定による懲罰 十五 第百五十三条の規定による物を国庫に帰属させる処分 十六 第百五十四条第四項の規定による隔離 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、これを行う者が自らしなければならない。 (審査の申請期間) 第百五十八条 審査の申請は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 2 天災その他前項の期間内に審査の申請をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、審査の申請をすることができる。 3 刑事施設の長が誤って法定の期間よりも長い期間を審査の申請期間として教示した場合において、その教示された期間内に審査の申請がされたときは、その審査の申請は、法定の期間内にされたものとみなす。 (行政不服審査法の準用) 第百五十九条 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは、「職権で」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (調査) 第百六十条 矯正管区の長は、職権で、審査の申請に関して必要な調査をするものとする。 2 矯正管区の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑事施設の長に対し、報告若しくは資料その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、審査の申請人その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。 (裁決) 第百六十一条 矯正管区の長は、審査の申請を受けたときは、できる限り九十日以内に裁決をするよう努めるものとする。 2 行政不服審査法第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請の裁決について準用する。 この場合において、同法第五十一条第三項中「総務省令」とあるのは、「法務省令」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第百六十二条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、法務大臣に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び前条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「総務省令」とあるのは「法務省令」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (矯正管区の長に対する事実の申告) 第百六十三条 被収容者は、自己に対する刑事施設の職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項並びに第百六十条並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 (通知) 第百六十四条 前条第一項の規定による申告が適法であるときは、矯正管区の長は、その申告に係る事実の有無について確認し、その結果をその申告をした者に通知するものとする。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 2 前条第一項の規定による申告が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、矯正管区の長は、その旨をその申告をした者に通知するものとする。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第五十条第一項及び第三項の規定は、前二項の規定による通知について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 4 矯正管区の長は、前条第一項に規定する事実があったことを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置その他の措置を執るものとする。 (法務大臣に対する事実の申告) 第百六十五条 被収容者は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、法務大臣に対し、第百六十三条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに前条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (法務大臣に対する苦情の申出) 第百六十六条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 法務大臣は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。 ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。 (監査官に対する苦情の申出) 第百六十七条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、刑事施設の職員を立ち会わせてはならない。 4 前条第三項の規定は、監査官が苦情の申出を受けた場合について準用する。 (刑事施設の長に対する苦情の申出) 第百六十八条 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、刑事施設の長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。 3 被収容者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、刑事施設の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。 4 第百六十六条第三項の規定は、刑事施設の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第百六十九条 刑事施設の長は、被収容者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第百六十三条第一項若しくは第百六十五条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は法務大臣若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を刑事施設の職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第百二十七条(第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条(第百三十八条及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第百七十条 刑事施設の職員は、被収容者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十四節 釈放 (受刑者の釈放) 第百七十一条 受刑者の釈放は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に、できる限り速やかに行う。 一 釈放すべき日があらかじめ定められている場合 その日の午前中 二 不定期刑の終了による場合 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第四十四条第二項の通知が刑事施設に到達した日の翌日の午前中 三 政令で行われる恩赦による場合であって、当該恩赦に係る政令の規定の公布の日が釈放すべき日となる場合 その日のうち 四 前三号に掲げる場合以外の場合 釈放の根拠となる文書が刑事施設に到達した時から十時間以内 (被勾留者の釈放) 第百七十二条 被勾留者(刑事施設に収容されているものに限る。以下この条において同じ。)の釈放は、次に掲げる事由が生じた後直ちに行う。 一 被告人の勾留の期間が満了したこと。 二 刑事訴訟法第三百四十五条(同法第四百四条において準用する場合を含む。)、第四百三条の三第二項又は第四百三条の四第二項の規定により勾留状が効力を失ったこと(被勾留者が公判廷にある場合に限る。)。 三 検察官の釈放の指揮又は通知を受けたこと。 (その他の被収容者の釈放) 第百七十三条 前二条の規定によるもののほか、被収容者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 (傷病による滞留) 第百七十四条 刑事施設の長は、釈放すべき被収容者が刑事施設内において医療を受けている場合において、釈放によってその生命に危険が及び、又はその健康に回復し難い重大な障害が生ずるおそれがあるときは、その者が刑事施設に一時とどまることを許すことができる。 2 前項の規定により刑事施設にとどまる者の処遇については、その性質に反しない限り、各種被収容者に関する規定を準用する。 (帰住旅費等の支給) 第百七十五条 釈放される被収容者に対しては、その帰住を助けるため必要な旅費又は衣類を支給するものとする。 第十五節 死亡 (死亡の通知) 第百七十六条 刑事施設の長は、被収容者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物、支給すべき作業報奨金に相当する金額若しくは死亡手当金又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 (死体に関する措置) 第百七十七条 被収容者が死亡した場合において、その死体の埋葬又は火葬を行う者がないときは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第九条の規定にかかわらず、その埋葬又は火葬は、刑事施設の長が行うものとする。 2 前項に定めるもののほか、被収容者の死体に関する措置については、法務省令で定める。 第十六節 死刑の執行 (死刑の執行) 第百七十八条 死刑は、刑事施設内の刑場において執行する。 2 日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日及び十二月二十九日から十二月三十一日までの日には、死刑を執行しない。 (解縄) 第百七十九条 死刑を執行するときは、絞首された者の死亡を確認してから五分を経過した後に絞縄を解くものとする。 第三章 留置施設における被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第百八十条 留置業務管理者は、被留置者に対し、その留置施設における留置の開始に際し、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 その留置施設に留置されている被留置者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第百九十五条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百十一条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百三十一条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、内閣府令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第百八十一条 留置担当官は、被留置者について、その留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の留置担当官が留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様等 (処遇の態様) 第百八十二条 被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の内閣府令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百十二条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 (留置施設における矯正処遇) 第百八十三条 留置施設においては、受刑者としての地位を有する被留置者(以下この章において「被留置受刑者」という。)について、矯正処遇は行わない。 第三節 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯) 第百八十四条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを被留置者に告知するものとする。 (活動の援助) 第百八十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者に対し、知的、教育的及び娯楽的活動その他の活動について、援助を与えるように努めなければならない。 第四節 物品の貸与等及び自弁 (物品の貸与等) 第百八十六条 被留置者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この節において同じ。)であって、留置施設における日常生活に必要なもの(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。 一 衣類及び寝具 二 食事及び湯茶 三 日用品、筆記具その他の物品 2 被留置者には、前項に定めるもののほか、内閣府令で定めるところにより、必要に応じ、留置施設における日常生活に用いる物品(第百八十八条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜好品を支給することができる。 (自弁の物品の使用等) 第百八十七条 留置業務管理者は、被留置者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)について自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 一 衣類 二 食料品及び飲料 三 嗜好品 四 日用品、文房具その他の留置施設における日常生活に用いる物品 (補正器具等の自弁等) 第百八十八条 被留置者には、次に掲げる物品については、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。 一 眼鏡その他の補正器具 二 信書を発するのに必要な封筒その他の物品 三 その他内閣府令で定める物品 2 前項各号に掲げる物品について、被留置者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。 (物品の貸与等の基準) 第百八十九条 第百八十六条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、被留置者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、被留置者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。 (反則行為があった場合の自弁の物品に関する措置) 第百九十条 留置業務管理者は、被留置者が次に掲げる行為(第二百八条第一項において「反則行為」という。)を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、第百八十七条第三号に掲げる物品について、三日を超えない期間に限り、自弁のものの摂取を許さないことができる。 一 犯罪行為 二 他人に対する粗野若しくは乱暴な言動又は他人に対し迷惑を及ぼす行為 三 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為 四 留置施設の安全を害するおそれのある行為 五 留置施設内の衛生を害する行為 2 第百五十条第二項及び第三項、第百五十三条、第百五十四条第一項から第三項まで、第百五十五条並びに第百五十六条第一項の規定は、留置業務管理者による被留置者に対する前項の措置について準用する。 この場合において、第百五十条第二項中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第百五十三条中「刑事施設の規律」とあるのは「留置施設の規律」と、「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第百五十四条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第三項中「第三十四条第二項」とあるのは「第百八十一条第二項」と、第百五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、「刑事施設の職員」とあるのは「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 3 第一項の措置は、いやしくも都道府県警察がする捜査の目的のためにこれを用いてはならない。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第百九十一条 留置業務に従事する職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 被留置者に交付するため当該被留置者以外の者が留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第百九十二条 留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第百九十三条 留置業務管理者は、第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 被留置者に交付することにより、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 交付の相手方が被留置受刑者であり、かつ、差入人が親族以外の者である場合において、その被留置受刑者に交付することにより、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 四 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 五 自弁物品等以外の物品であるとき。 六 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第四号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第六号に該当するものについては、留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第五号又は第六号に該当するもの(同項第一号から第四号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、留置業務管理者は、被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により留置業務管理者が被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第百九十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第百九十四条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、被留置者に引き渡す。 一 第百九十一条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第百九十二条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第百九十一条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第百九十一条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号、第三号又は第四号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第百九十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、保管私物(被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者の保管私物(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は被留置者について領置している物品(内閣府令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(被留置者としての地位の別ごとに被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第百九十六条 留置業務管理者は、被留置者が、自弁物品等を購入し、又は留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第百九十七条 留置業務管理者は、被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百二十七条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。第三号において同じ。)により、留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、交付により、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第百九十八条 第五十一条の規定は留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は被留置者の遺留物(留置施設に遺留した金品をいう。第二百三十九条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「次章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第百九十九条 留置施設においては、被留置者の心身の状況を把握することに努め、被留置者の健康及び留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (健康診断等) 第二百条 留置業務管理者は、留置担当官に、被留置者から、その留置施設における留置の開始に際し、疾病、外傷等の有無その他の健康状態につき事情を聴取させなければならない。 2 留置業務管理者は、被留置者に対し、おおむね一月につき二回、内閣府令で定めるところにより、当該留置業務管理者が委嘱する医師による健康診断を行わなければならない。 留置施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。 3 被留置者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。 この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。 (診療等) 第二百一条 留置業務管理者は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、当該留置業務管理者が委嘱する医師等による診療を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。 ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。 一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。 二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。 2 留置業務管理者は、前項の規定により診療を行う場合において、被留置者を病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは被留置者を病院又は診療所に入院させることができる。 (指名医による診療) 第二百二条 留置業務管理者は、負傷し、又は疾病にかかっている被留置者が、当該留置業務管理者が委嘱する医師等以外の医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、留置施設に留置される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その被留置者の医療上適当であると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、留置施設内又は留置業務管理者が適当と認める病院若しくは診療所において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。 2 留置業務管理者は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその被留置者に対して診療を行うため必要があるときは、留置業務に従事する職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。 3 指名医は、その診療に際し、留置業務管理者が内閣府令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。 4 留置業務管理者は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により留置業務管理者が行う措置に従わないとき、前項の規定により留置業務管理者が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。 (調髪及びひげそり) 第二百三条 留置業務管理者は、被留置者が調髪又はひげそりを行いたい旨の申出をした場合には、内閣府令で定めるところにより、これを許すものとする。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百四条 第五十七条から第五十九条までの規定は被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は留置業務管理者による被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、第五十七条ただし書及び第五十九条中「刑事施設」とあるのは「留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「留置施設内」と、「第六十一条」とあるのは「第二百条第二項及び第三項」と、「第六十二条」とあるのは「第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「留置施設の外」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五条 被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百六条 被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百七条 留置業務管理者は、被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 三 被留置者が被留置受刑者である場合において、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (反則行為があった場合の自弁の書籍等に関する措置) 第二百八条 留置業務管理者は、被留置者が反則行為を行った場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、内閣府令で定める自弁の書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。)について、三日を超えない期間に限り、その閲覧を許さないことができる。 2 第百九十条第二項及び第三項の規定は、被留置者に対する前項の措置について準用する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百九条 第七十一条の規定は留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条の規定は留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与等の措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「留置施設の管理運営」と、第七十二条第二項中「第三十九条第二項」とあるのは「第百八十五条」と、「刑事施設に」とあるのは「留置施設に」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (留置施設の規律及び秩序) 第二百十条 留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百十一条 留置業務管理者は、被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 留置業務に従事する職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、留置業務管理者又はその指定する留置業務に従事する職員は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (身体の検査等) 第二百十二条 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、被留置者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。 2 第百八十一条第二項の規定は、前項の規定による女子の被留置者の身体及び着衣の検査について準用する。 3 留置担当官は、留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、留置施設内において、被留置者以外の者(弁護人等を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。 4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。 (捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の使用) 第二百十三条 留置担当官は、被留置者を護送する場合又は被留置者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、内閣府令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。 一 逃走すること。 二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。 三 留置施設の設備、器具その他の物を損壊すること。 2 留置担当官は、被留置者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、拘束衣を使用することができる。 ただし、捕縄、手錠又は防声具と同時に使用することはできない。 3 保護室が設置されていない留置施設においては、留置担当官は、被留置者が留置担当官の制止に従わず大声を発し続けて、留置施設内の平穏な生活を乱す場合において、他にこれを抑止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、防声具を使用することができる。 この場合において、その被留置者が防声具を取り外し、又は損壊することを防ぐため必要があるときは、その使用と同時に捕縄又は手錠を使用することができる。 4 前二項に規定する場合において、留置業務管理者の命令を待ついとまがないときは、留置担当官は、その命令を待たないで、拘束衣又は防声具(前項後段の規定により使用する捕縄又は手錠を含む。)を使用することができる。 この場合には、速やかに、その旨を留置業務管理者に報告しなければならない。 5 拘束衣及び防声具の使用の期間は、三時間とする。 ただし、拘束衣の使用については、留置業務管理者は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。 6 留置業務管理者は、前項の期間中であっても、拘束衣又は防声具の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。 7 被留置者に拘束衣若しくは防声具を使用し、又は拘束衣の使用の期間を更新した場合には、留置業務管理者は、速やかに、その被留置者の健康状態について、当該留置業務管理者が委嘱する医師の意見を聴かなければならない。 8 捕縄、手錠、拘束衣及び防声具の制式は、内閣府令で定める。 (保護室への収容) 第二百十四条 留置担当官は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、留置業務管理者の命令により、その者を保護室に収容することができる。 一 自身を傷つけるおそれがあるとき。 二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、留置施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。 イ 留置担当官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。 ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。 ハ 留置施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。 2 第七十九条第二項から第六項までの規定は、被留置者の保護室への収容について準用する。 この場合において、同条第二項から第五項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第二項中「刑務官」とあるのは「留置担当官」と、同条第五項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該留置業務管理者が委嘱する医師」と、同条第六項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と読み替えるものとする。 (災害時の避難及び解放) 第二百十五条 留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、留置施設内において避難の方法がないときは、被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、被留置者を護送することができないときは、留置業務管理者は、その者を留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、留置施設の外にある被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、留置施設又は留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百十六条 留置業務管理者は、被留置受刑者以外の被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (被留置受刑者の面会の相手方) 第二百十七条 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 一 被留置受刑者の親族 二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 三 被留置受刑者の更生保護に関係のある者、被留置受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により被留置受刑者の改善更生に資すると認められる者 2 留置業務管理者は、被留置受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生じ、又はその被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 この場合においては、前条ただし書の規定を準用する。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百十八条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、被留置者の次に掲げる者との面会については、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百十九条 留置業務に従事する職員は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 四 被留置受刑者又はその面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれのあるもの ロ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの 2 留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (面会に関する制限) 第二百二十条 被留置者の弁護人等との面会の日及び時間帯は、日曜日その他政令で定める日以外の日の留置施設の執務時間内とする。 2 前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。 3 留置業務管理者は、弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、留置施設の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。 4 留置業務管理者は、第一項の面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の場所について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 5 留置業務管理者は、被留置者と弁護人等以外の者との面会に関し、内閣府令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる。 6 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一日につき一回を下回ってはならない。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百二十一条 留置業務管理者は、被留置者に対し、この款又は第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百二十二条 留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 留置業務管理者は、留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の発受の禁止) 第二百二十三条 留置業務管理者は、犯罪性のある者その他被留置受刑者が信書を発受することにより、留置施設の規律及び秩序を害し、又は被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがある者(被留置受刑者の親族を除く。)については、被留置受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。 ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。 (信書の内容による差止め等) 第二百二十四条 留置業務管理者は、第二百二十二条の規定による検査の結果、被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 七 被留置受刑者が発受する信書について、その発受によって、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (信書に関する制限) 第二百二十五条 留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日及び時間帯、被留置者が発信を申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く。)の通数並びに被留置者の信書の発受の方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 前項の規定により被留置者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一日につき一通を下回ってはならない。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百二十六条 留置業務管理者は、第二百二十三条、第二百二十四条又は第二百二十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第二百二十四条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 留置業務管理者は、第二百二十四条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 留置業務管理者は、被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等(内閣府令で定める遺族その他の者をいう。第二百三十九条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 被留置者が、第百九十八条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十三条第一項、第五十四条第一項及び第五十五条第三項中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百十五条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百三十九条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百二十六条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、被留置者の釈放若しくは死亡の日又は被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、その留置施設の属する都道府県に帰属する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百二十七条 第百三十一条の規定は被留置者の信書について、第百三十三条の規定は被留置者の文書図画について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百三十一条中「国庫」とあるのは「その留置施設の属する都道府県」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百二十八条 留置業務管理者は、被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 2 留置業務管理者は、被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、内閣府令で定めるところにより、その被留置者にその費用を負担させることができる。 3 被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百二十九条 次に掲げる留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、警察本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第百八十七条又は第百九十条第一項の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第百九十条第二項(第二百八条第二項において準用する場合を含む。)において準用する第百五十三条の規定による物を都道府県に帰属させる処分 三 第百九十六条の規定による領置されている現金の使用又は第百九十七条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 四 第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止 五 第二百五条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 六 第二百七条第一項若しくは第二百八条第一項の規定又は第二百九条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 七 第二百七条第二項の規定による費用を負担させる処分 八 第二百二十三条、第二百二十四条若しくは第二百二十五条第一項の規定又は第二百二十七条において準用する第百三十三条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限 九 第二百二十六条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 十 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「総務省令」とあるのは「内閣府令」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百三十条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、公安委員会に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「総務省令」とあるのは「内閣府令」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (警察本部長に対する事実の申告) 第二百三十一条 被留置者は、自己に対する留置業務に従事する職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、警察本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠、拘束衣又は防声具の使用 三 違法又は不当な保護室への収容 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (公安委員会に対する事実の申告) 第二百三十二条 被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、公安委員会に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「公安委員会」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百三十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (警察本部長に対する苦情の申出) 第二百三十三条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、警察本部長に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の警察本部長に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百三十四条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「留置業務に従事する職員」と読み替えるものとする。 (留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百三十五条 被留置者は、自己に対する留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百三十六条 留置業務管理者は、被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百三十一条第一項若しくは第二百三十二条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は警察本部長若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を留置業務に従事する職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百二十二条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百三十七条 留置業務に従事する職員は、被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百三十八条 第百七十一条から第百七十三条までの規定は被留置者の釈放について、第百七十五条の規定は釈放される被留置者について、それぞれ準用する。 この場合において、第百七十一条第二号及び第四号中「刑事施設」とあるのは、「留置施設」と読み替えるものとする。 第十三節 死亡 第二百三十九条 留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第十四節 法務大臣との協議 第二百四十条 内閣総理大臣は、被勾留者及び受刑者の処遇の斉一を図るため、被勾留者である被留置者及び被留置受刑者の処遇に関し内閣府令を制定し、又は改廃するに当たっては、法務大臣と協議するものとする。 第四章 海上保安留置施設における海上保安被留置者の処遇 第一節 留置の開始 (留置開始時の告知) 第二百四十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。 一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項 二 第二百五十条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項 三 保健衛生及び医療に関する事項 四 宗教上の行為に関する事項 五 書籍等の閲覧に関する事項 六 第二百六十二条第一項に規定する遵守事項 七 面会及び信書の発受に関する事項 八 審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項 九 第二百七十七条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項 十 苦情の申出に関する事項 2 前項の規定による告知は、国土交通省令で定めるところにより、書面で行う。 (識別のための身体検査) 第二百四十二条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者について、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。 その後必要が生じたときも、同様とする。 2 女子の海上保安被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の海上保安留置担当官がこれを行わなければならない。 ただし、女子の海上保安留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の海上保安留置担当官が海上保安留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。 第二節 処遇の態様 第二百四十三条 海上保安被留置者の処遇(運動、入浴又は面会の場合その他の国土交通省令で定める場合における処遇を除く。)は、居室(海上保安被留置者が主として休息及び就寝のため使用する場所として海上保安留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条及び第二百六十四条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。 2 未決拘禁者(海上保安留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。 3 未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。 第三節 起居動作の時間帯 第二百四十四条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを海上保安被留置者に告知するものとする。 第四節 物品の貸与等及び自弁 第二百四十五条 第百八十六条から第百八十九条までの規定は、海上保安留置施設における海上保安被留置者に対する物品の貸与及び支給並びに自弁について準用する。 この場合において、第百八十六条第二項、第百八十七条及び第百八十八条第一項第三号中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第百八十七条中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、「、第百九十条の規定により禁止される場合並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き」とあるのは「を除き」と読み替えるものとする。 第五節 金品の取扱い (金品の検査) 第二百四十六条 海上保安留置担当官は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。 一 海上保安被留置者が留置される際に所持する現金及び物品 二 海上保安被留置者が留置中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(海上保安留置業務管理者から支給された物品を除く。) 三 海上保安被留置者に交付するため当該海上保安被留置者以外の者が海上保安留置施設に持参し、又は送付した現金及び物品 (留置時の所持物品等の処分) 第二百四十七条 海上保安留置業務管理者は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、海上保安被留置者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 一 保管に不便なものであるとき。 二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。 三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。 2 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 (差入物の引取り等) 第二百四十八条 海上保安留置業務管理者は、第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 一 海上保安被留置者に交付することにより、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。 二 交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。 三 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。 四 自弁物品等以外の物品であるとき。 五 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。 2 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第三号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、海上保安留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。 3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。 4 第二項に規定する物品であって、第一項第五号に該当するものについては、海上保安留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。 ただし、売却できないものは、廃棄することができる。 5 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第四号又は第五号に該当するもの(同項第一号から第三号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。 6 第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。 7 第二百四十六条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、海上保安被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、海上保安留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。 この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。 (物品の引渡し及び領置) 第二百四十九条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、海上保安被留置者に引き渡す。 一 第二百四十六条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第二百四十七条第一項各号のいずれにも該当しないもの 二 第二百四十六条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(海上保安被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。) 2 次に掲げる金品は、海上保安留置業務管理者が領置する。 一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの 二 第二百四十六条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号又は第三号のいずれにも該当しないもの (保管私物等) 第二百五十条 海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、保管私物(海上保安被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び海上保安被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、海上保安留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の保管私物(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は海上保安被留置者について領置している物品(国土交通省令で定めるものを除く。)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該海上保安被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。 腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。 3 第四十五条第二項の規定は前項の規定により海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は海上保安被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は海上保安被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。 この場合において、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは、「海上保安留置業務管理者」と読み替えるものとする。 (領置金の使用) 第二百五十一条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、自弁物品等を購入し、又は海上保安留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。 ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。 (保管私物又は領置金品の交付) 第二百五十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、保管私物又は領置されている金品(第二百七十三条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(その海上保安留置施設に留置されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。 一 交付(その相手方が親族であるものを除く。)により、海上保安留置施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百五十三条 第五十一条の規定は海上保安留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は海上保安留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条、第五十四条(第一項第三号を除く。)及び第五十五条の規定は海上保安被留置者の遺留物(海上保安留置施設に遺留した金品をいう。第二百八十五条において同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条中「この節」とあるのは「第四章第五節」と、同条及び第五十五条第一項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十一条及び第五十二条中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第五十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と、第五十三条第二項及び第五十五条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と読み替えるものとする。 第六節 保健衛生及び医療 (保健衛生及び医療の原則) 第二百五十四条 海上保安留置施設においては、海上保安被留置者の心身の状況を把握することに努め、海上保安被留置者の健康及び海上保安留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。 (運動) 第二百五十五条 海上保安被留置者には、国土交通省令で定めるところにより、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百五十六条 第五十八条、第五十九条、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定は海上保安被留置者について、第六十四条及び第六十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十九条及び第六十四条中「法務省令」とあり、並びに第二百二条第一項及び第三項並びに第二百三条中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、第五十九条中「刑事施設」とあり、並びに第二百条第一項及び第二百二条第一項中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第六十四条中「刑事施設内」とあるのは「海上保安留置施設内」と、「第六十一条の規定による健康診断又は第六十二条」とあるのは「第二百五十六条において準用する第二百一条」と、第六十五条第二項中「刑事施設の外」とあるのは「海上保安留置施設の外」と、第二百条第一項及び第二百一条から第二百三条までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百条第一項中「留置担当官」とあり、及び第二百二条第二項中「留置業務に従事する職員」とあるのは「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 第七節 宗教上の行為 第二百五十七条 海上保安被留置者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。 ただし、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。 第八節 書籍等の閲覧 (自弁の書籍等の閲覧) 第二百五十八条 海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。 第二百五十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。 一 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 二 海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 この場合において、海上保安被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十条 第七十一条の規定は海上保安留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条第一項の規定は海上保安留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十一条中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条及び第七十二条第一項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、第七十一条中「刑事施設の管理運営」とあるのは「海上保安留置施設の管理運営」と読み替えるものとする。 第九節 規律及び秩序の維持 (海上保安留置施設の規律及び秩序) 第二百六十一条 海上保安留置施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。 2 前項の目的を達成するため執る措置は、海上保安被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。 (遵守事項等) 第二百六十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。 2 遵守事項は、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。 一 犯罪行為をしてはならないこと。 二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。 三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。 四 海上保安留置担当官の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。 五 自己又は他の海上保安被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。 六 海上保安留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。 七 海上保安留置施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。 八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。 九 前各号に掲げるもののほか、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 十 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。 3 前二項のほか、海上保安留置業務管理者又は海上保安留置担当官は、海上保安留置施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、海上保安被留置者に対し、その生活及び行動について指示することができる。 (災害時の避難及び解放) 第二百六十三条 海上保安留置業務管理者は、地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設内において避難の方法がないときは、海上保安被留置者を適当な場所に護送しなければならない。 2 前項の場合において、海上保安被留置者を護送することができないときは、海上保安留置業務管理者は、その者を海上保安留置施設から解放することができる。 地震、火災その他の災害に際し、海上保安留置施設の外にある海上保安被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。 3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、海上保安留置施設又は海上保安留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。 (刑事施設に関する規定の準用) 第二百六十四条 第七十五条の規定は海上保安留置担当官による海上保安被留置者の身体、着衣、所持品及び居室の検査並びに所持品の保管並びに海上保安被留置者以外の者の着衣及び携帯品の検査並びに携帯品の保管について、第七十八条の規定は海上保安留置担当官による捕縄、手錠及び拘束衣の使用について、それぞれ準用する。 この場合において、第七十五条第一項及び第三項並びに第七十八条第一項第三号中「刑事施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、第七十五条第二項中「第三十四条第二項」とあるのは「第二百四十二条第二項」と、第七十八条第一項、第二項及び第六項中「被収容者」とあるのは「海上保安被留置者」と、同条第一項及び第七項中「法務省令」とあるのは「国土交通省令」と、同条第二項から第六項までの規定中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同項中「刑事施設の職員である医師」とあるのは「当該海上保安留置業務管理者が委嘱する医師」と読み替えるものとする。 第十節 外部交通 第一款 面会 (面会の相手方) 第二百六十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。 (弁護人等以外の者との面会の立会い等) 第二百六十六条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者の面会(弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。 3 海上保安留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、海上保安被留置者の次に掲げる者との面会については、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い並びに録音及び録画をさせてはならない。 一 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員 二 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (面会の一時停止及び終了) 第二百六十七条 海上保安留置担当官は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。 この場合においては、面会の一時停止のため、海上保安被留置者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。 一 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。 イ 次条において準用する第二百二十条第五項の規定による制限に違反する行為 ロ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する行為 二 海上保安被留置者又は面会の相手方が次のイからハまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。 イ 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できないもの ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの ハ 海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの 三 未決拘禁者又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。 2 海上保安留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。 (留置施設に関する規定の準用) 第二百六十八条 第二百二十条の規定は、海上保安被留置者の面会について準用する。 この場合において、同条第一項及び第三項から第五項までの規定中「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と、同条第三項から第五項までの規定中「留置業務管理者」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第四項及び第五項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と読み替えるものとする。 第二款 信書の発受 (発受を許す信書) 第二百六十九条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、この款又は第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。 ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。 (信書の検査) 第二百七十条 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。 3 次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。 ただし、第一号ハ及び第二号ロに掲げる信書について、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。 一 海上保安被留置者が次に掲げる者から受ける信書 イ 弁護人等 ロ 国又は地方公共団体の機関 ハ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。) 二 未決拘禁者以外の海上保安被留置者が次に掲げる者に対して発する信書 イ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関 ロ 自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士 (信書の内容による差止め等) 第二百七十一条 海上保安留置業務管理者は、前条の規定による検査の結果、海上保安被留置者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。 同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。 一 暗号の使用その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できない内容のものであるとき。 二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。 三 発受によって、海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。 四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。 五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。 六 未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。 2 前項の規定にかかわらず、海上保安被留置者が国又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び海上保安被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその海上保安被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号まで又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。 (発受を禁止した信書等の取扱い) 第二百七十二条 海上保安留置業務管理者は、前条又は第二百七十四条第三項の規定により信書の発受を差し止め、又は禁止した場合にはその信書を、前条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。 2 海上保安留置業務管理者は、前条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。 3 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。 4 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等(国土交通省令で定める遺族その他の者をいう。第二百八十五条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。 5 前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。 次に掲げる場合において、その引渡しにより海上保安留置施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。 一 釈放された海上保安被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 二 海上保安被留置者が、第二百五十三条において準用する第五十四条第一項第一号又は第二号のいずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。 6 第五十三条第一項、第五十四条第一項(第三号を除く。)並びに第五十五条第二項及び第三項の規定は、海上保安被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。 この場合において、第五十四条第一項第二号中「第八十三条第二項」とあるのは「第二百六十三条第二項」と、第五十五条第二項及び第三項中「第百七十六条」とあるのは「第二百八十五条」と、同条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「第二百七十二条第四項の申請」と読み替えるものとする。 7 第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、海上保安被留置者の釈放若しくは死亡の日又は海上保安被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。 (刑事施設及び留置施設に関する規定の準用) 第二百七十三条 第百三十一条の規定は海上保安被留置者の信書について、第百三十三条の規定は海上保安被留置者の文書図画について、第二百二十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者の信書に関する制限について、それぞれ準用する。 この場合において、第百三十一条及び第百三十三条中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第二百二十五条第一項中「内閣府令」とあるのは「国土交通省令」と、「留置施設」とあるのは「海上保安留置施設」と読み替えるものとする。 第三款 外国語による面会等 第二百七十四条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。 この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 2 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。 この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。 3 海上保安被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会又は信書の発受を許さない。 第十一節 不服申立て 第一款 審査の申請及び再審査の申請 (審査の申請) 第二百七十五条 次に掲げる海上保安留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、審査の申請をすることができる。 一 第二百四十五条において準用する第百八十七条の規定による自弁の物品の使用又は摂取を許さない処分 二 第二百五十一条の規定による領置されている現金の使用又は第二百五十二条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分 三 第二百五十六条において準用する第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は第二百五十六条において準用する第二百二条第四項の規定による診療の中止 四 第二百五十七条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限 五 第二百五十九条第一項の規定又は第二百六十条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限 六 第二百五十九条第二項の規定による費用を負担させる処分 七 第二百七十一条の規定又は第二百七十三条において準用する第百三十三条若しくは第二百二十五条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の差止め又は制限 八 第二百七十二条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る。) 九 前条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分 2 前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条並びに第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十五条第一項及び第二項、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項及び第三項、第五十一条並びに第五十二条第一項及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「総務省令」とあるのは「国土交通省令」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (再審査の申請) 第二百七十六条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、海上保安庁長官に対し、再審査の申請をすることができる。 2 前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条及び第百六十一条第一項並びに行政不服審査法第十五条、第十八条第三項、第十九条第二項及び第四項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第六項、第二十六条、第二十七条、第三十九条、第四十六条第一項本文及び第二項(第二号を除く。)、第四十七条(ただし書及び第二号を除く。)、第四十八条、第五十条第一項、第五十一条、第五十二条第一項及び第二項、第六十二条第二項並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。 この場合において、第百六十条及び第百六十一条第一項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同法第二十五条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第五十一条第三項中「総務省令」とあるのは「国土交通省令」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第二款 事実の申告 (管区海上保安本部長に対する事実の申告) 第二百七十七条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置担当官による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、その事実を申告することができる。 一 身体に対する違法な有形力の行使 二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用 2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条、第三十九条並びに第五十条第一項及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百五十八条第三項及び第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、同条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「管区海上保安本部長」と、同項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 (海上保安庁長官に対する事実の申告) 第二百七十八条 海上保安被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、海上保安庁長官に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。 2 前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。 3 第百五十七条第二項、第百五十八条第二項、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十三条、第二十七条、第三十九条及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。 この場合において、第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項中「矯正管区の長」とあるのは「海上保安庁長官」と、第百六十条第二項中「刑事施設の長」とあるのは「海上保安留置業務管理者」と、第百六十四条第四項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 第三款 苦情の申出 (海上保安庁長官に対する苦情の申出) 第二百七十九条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、海上保安庁長官に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項及び第百六十六条第三項の規定は、前項の海上保安庁長官に対する苦情の申出について準用する。 (監査官に対する苦情の申出) 第二百八十条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第二十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。 この場合において、同条第三項中「刑事施設の職員」とあるのは、「海上保安留置担当官」と読み替えるものとする。 (海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出) 第二百八十一条 海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、海上保安留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。 2 第百五十七条第二項、第百六十六条第三項及び第百六十八条第三項の規定は、前項の海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。 第四款 雑則 (秘密申立て) 第二百八十二条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第二百七十七条第一項若しくは第二百七十八条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は海上保安庁長官若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を海上保安留置担当官に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。 2 第二百七十条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。 (不利益取扱いの禁止) 第二百八十三条 海上保安留置担当官は、海上保安被留置者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。 第十二節 釈放 第二百八十四条 海上保安被留置者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。 2 第百七十五条の規定は、釈放される海上保安被留置者について準用する。 第十三節 死亡 第二百八十五条 海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。 第三編 補則 第一章 代替収容の場合における刑事訴訟法等の適用 第二百八十六条 第十五条第一項の規定により留置施設に留置される者については、留置施設を刑事施設と、留置業務管理者を刑事施設の長と、留置担当官を刑事施設職員とみなして、刑事訴訟法第六十四条第一項、第六十五条第三項、第七十条第二項、第七十三条第二項、第七十八条、第八十条後段、第九十八条第一項及び第二項、第九十八条の二、第九十八条の十七第一項(第一号及び第二号に係る部分に限る。)及び第四項、第九十八条の二十第五項(第二号に係る部分に限る。)、第九十八条の二十一第三項(第二号に係る部分に限る。)、第二百八十六条の二、第三百四十三条の二、第三百六十六条、第三百六十七条並びに第四百八十一条第二項、更生保護法第十三条(同法第二十二条、第二十五条第三項、第三十六条第三項(同法第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第六十三条第十項、第七十三条第五項、第七十三条の四第三項及び第七十六条第四項において準用する場合を含む。)、第二十七条第三項、第三十三条、第三十五条第二項、第三十六条第二項(同法第三十七条第三項(同法第四十五条において準用する場合を含む。)及び第三十九条第五項において準用する場合を含む。)、第三十九条第四項、第四十四条、第五十四条第二項、第五十五条第二項、第八十二条、第八十六条、第九十条第二項及び第九十三条並びに民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第九十九条第三項の規定を適用する。 第二章 労役場及び監置場 (労役場及び監置場の附置等) 第二百八十七条 労役場及び監置場は、それぞれ、法務大臣が指定する刑事施設に附置する。 2 監置の裁判の執行を受ける者は、最寄りの地に監置場がないとき、又は最寄りの監置場に留置の余力がないときは、刑事施設内の特に区別した場所に留置することができる。 3 労役場及び監置場については、第五条、第六条、第十一条及び第十二条の規定を準用する。 4 刑事施設視察委員会は、刑事施設に附置された労役場及び監置場の運営に関しても、第七条第二項に規定する事務を行うものとする。 この場合においては、第九条及び第十条の規定を準用する。 (労役場留置者の処遇) 第二百八十八条 労役場に留置されている者(以下「労役場留置者」という。)に行わせる作業は、労役場留置者ごとに、当該労役場が附置された刑事施設の長が指定する。 2 労役場が附置された刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、一日の作業時間及び作業を行わない日を定める。 3 前二項に定めるもののほか、労役場留置者の処遇については、その性質に反しない限り、前編第二章中の受刑者に関する規定を準用する。 この場合において、第七十四条第二項第九号中「第九十三条に規定する作業を怠り、又は第八十六条第一項各号、第百三条若しくは第百四条に規定する指導を拒んではならない」とあるのは、「第二百八十八条第一項に規定する作業を怠ってはならない」と読み替えるものとする。 (被監置者の処遇) 第二百八十九条 監置場に留置されている者(以下「監置場留置者」という。)の処遇については、前編第二章(第四十一条第二項並びに第十一節第二款第六目及び第三款第六目を除く。)中の各種被収容者に関する規定を準用する。 2 監置場留置者の自弁の物品の使用及び摂取については、第四十一条の規定を準用する。 この場合において、同条第一項中「(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)」とあるのは「(衣類、日用品及び文房具並びに次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と、同条第二項中「前項各号に掲げる物品及び寝具」とあるのは「衣類、日用品及び文房具(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)」と読み替えるものとする。 3 監置場留置者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第一目及び第三款第一目の規定を準用する。 4 監置場留置者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、前編第二章第十一節第二款第三目及び第三款第三目の規定を準用する。 5 監置の裁判の執行のため第二百八十七条第二項の規定により刑事施設に留置されている者については、第四十一条第二項並びに前編第二章第十一節第二款第六目及び第三款第六目の規定にかかわらず、前三項の規定を準用する。 6 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の被留置受刑者に関する規定を準用する。 7 監置の裁判の執行のため第十五条第一項及び第二百八十七条第二項の規定により留置施設に留置されている者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、前編第三章第十節の規定にかかわらず、その性質に反しない限り、同節中の未決拘禁者としての地位を有する被留置受刑者に関する規定を準用する。 第三章 司法警察職員 第二百九十条 刑事施設の長は、刑事施設における犯罪(労役場及び監置場における犯罪を含む。次項において同じ。)について、刑事訴訟法の規定による司法警察員としての職務を行う。 2 刑事施設の職員(刑事施設の長を除く。)であって、刑事施設の長がその刑事施設の所在地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは、刑事施設における犯罪について、法務大臣の定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員としての職務を行う。 第四章 条約の効力 第二百九十一条 この法律に規定する面会及び信書の発受に関する事項について条約に別段の定めがあるときは、その規定による。 第五章 罰則 第二百九十二条 第二十一条第三項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。 第二百九十三条 第八十三条第二項(第二百八十八条第三項及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定により解放された被収容者、労役場留置者又は監置場留置者が、第八十三条第三項(第二百八十八条第三項及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。 2 刑事施設に収容されている受刑者が次の各号のいずれかに該当するときは、三年以下の拘禁刑に処する。 一 外部通勤作業の場合において、そのための通勤の日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 二 第百六条の二第一項の規定による外出又は外泊の場合において、その外出の日又は外泊の期間の末日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。 3 第二百十五条第二項の規定により解放された被留置者が、同条第三項の規定に違反して留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 4 第二百六十三条第二項の規定により解放された海上保安被留置者が、同条第三項の規定に違反して海上保安留置施設又は指定された場所に出頭しないときも、第一項と同様とする。 | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 417M60000100117_20230401_505M60000100048.xml | 平成十七年厚生労働省令第百十七号 | 2 | 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律に基づく指定医療機関等に関する省令
(指定医療機関の指定) 第一条 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「法」という。)第十六条第一項の指定を受けようとする病院の開設者(国を除く。)は、次に掲げる事項を記載した書面をその所在地を管轄する地方厚生局長(以下「管轄地方厚生局長」という。)に提出しなければならない。 一 病院の名称及び所在地 二 開設者の名称及び住所 三 管理者の氏名 四 法第八十一条第一項の医療を主として担当する医師の氏名及び略歴 五 法第八十一条第一項の医療を行うために必要な設備の概要 2 法第十六条第二項の指定を受けようとする病院若しくは診療所又は薬局の開設者(国を除く。)は、次に掲げる事項を記載した書面を管轄地方厚生局長に提出しなければならない。 一 病院若しくは診療所又は薬局の名称及び所在地 二 開設者の氏名又は名称及び住所 三 管理者の氏名 四 病院又は診療所にあっては、法第八十一条第一項の医療を主として担当する医師の氏名及び略歴 五 病院又は診療所にあっては、法第八十一条第一項の医療を行うために必要な設備の概要 六 薬局にあっては、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第六十三条第三項第一号の指定を受けている旨 七 法第八十一条第一項の医療を連携して行う他の指定通院医療機関がある場合は、当該指定通院医療機関の名称、所在地及び連携して行う医療の内容の概要 3 法第十六条第二項の指定を受けようとする心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律施行令(平成十六年政令第三百十号。以下「令」という。)第一条各号に掲げる事業者(以下「指定訪問看護事業者等」という。)であって国以外のものは、次に掲げる事項を記載した書面を管轄地方厚生局長に提出しなければならない。 一 指定訪問看護事業者等の名称及び主たる事務所の所在地 二 当該申請に係る指定訪問看護事業者等が当該指定に係る訪問看護事業又は居宅サービス事業(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第八条第四項に規定する訪問看護を行う事業に限る。)若しくは介護予防サービス事業(同法第八条の二第三項に規定する介護予防訪問看護を行う事業に限る。)を行う事業所(以下「訪問看護ステーション」という。)の名称及び所在地 三 管理者の氏名 四 当該訪問看護ステーションにおいて当該指定に係る訪問看護又は居宅サービス(介護保険法第八条第四項に規定する訪問看護若しくは同法第八条の二第三項に規定する介護予防訪問看護に限る。)に従事する職員の定数 五 法第八十一条第一項の医療を連携して行う指定通院医療機関の名称及び所在地 (指定入院医療機関の指定の基準) 第二条 法第十六条第一項の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。 一 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第二十一条第一項及び第二十三条第一項の基準を満たしていること。 ただし、当該医療機関における精神障害を有する者に対する医療及び保護の体制、当該医療機関の管理運営の状況、当該医療機関の地域における役割等を勘案し指定入院医療機関として指定することが適当であると認められる病院については、この限りでない。 二 精神障害の特性に応じ、円滑な社会復帰を促進するために必要な医療を適切に実施することができる態勢を整えていること。 三 専ら法第四十二条第一項第一号又は第六十一条第一項第一号の決定を受けた者に医療を実施するための病棟を設置していること。 四 前号の病棟に次に掲げる者を置いていること。 イ 医師 ロ 看護師又は准看護師(常時勤務する者に限る。) ハ 作業療法士 ニ 精神保健福祉士 ホ 心理学に関する専門的知識及び技術により、心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う能力を有すると認められる者(以下「臨床心理技術者」という。) (指定通院医療機関の指定の基準) 第三条 法第十六条第二項の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。 一 病院又は診療所にあっては、次に掲げる者を置いていること。 イ 看護師又は准看護師 ロ 作業療法士、精神保健福祉士又は臨床心理技術者 二 病院又は診療所にあっては、精神障害の特性に応じ、円滑な社会復帰を促進するために必要な医療を適切に実施することができる態勢を整えていること。 三 薬局にあっては、当該薬局が健康保険法第六十三条第三項第一号の指定を受けていること。 四 訪問看護ステーションにあっては、法第八十一条第一項の医療を連携して行う指定通院医療機関があること。 (指定医療機関の名称変更等の際の届出) 第四条 指定医療機関の開設者(国を除く。)は、次に掲げる事項に該当するに至ったときは、その事項及び年月日を、速やかに、管轄地方厚生局長に届け出なければならない。 一 病院又は診療所にあっては第一条第一項各号又は第二項第一号、第二号、第三号、第四号、第五号若しくは第七号に掲げる事項に、薬局にあっては同項第一号、第二号、第三号又は第六号に掲げる事項に、指定訪問看護事業者等にあっては同条第三項各号に掲げる事項に変更があったとき。 二 指定医療機関の業務の全部又は一部を休止し又は再開しようとするとき。 三 医療法第二十四条、第二十八条若しくは第二十九条第一項、第二項、第三項若しくは第四項、健康保険法第九十五条、介護保険法第七十七条第一項、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第七十二条第四項、第七十五条第一項若しくは第七十五条の二第一項、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成二十五年法律第八十五号)第二十三条、第四十八条若しくは第四十九条又は臨床研究法(平成二十九年法律第十六号)第二十条に規定する処分を受けたとき。 (診療報酬の請求) 第五条 厚生労働大臣が法第八十四条第一項の規定により診療報酬の審査を行うこととしている場合においては、指定医療機関は、療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令(昭和五十一年厚生省令第三十六号)の定めるところにより、当該指定医療機関が行った医療に係る診療報酬を請求するものとする。 (常時勤務する精神保健指定医) 第六条 法第八十六条に規定する指定医療機関に常時勤務する精神保健指定医は、一日に八時間以上、かつ、一週間に四日以上当該指定医療機関において精神障害の診断又は治療に従事する者でなければならない。 (診療録の記載事項) 第七条 法第八十八条の厚生労働省令で定める事項は、次の各号に掲げる記載の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項とする。 一 法第四十九条第一項又は第二項の規定により入院を継続させて法による医療を行う必要があるかどうかの判定に係る記載 イ 入院後の症状又は状態像の経過の概要 ロ 今後の治療方針 二 法第九十二条第三項に規定する行動の制限を行う必要があるかどうかの判定に係る記載 イ 法第九十二条第三項の規定により精神保健指定医が必要と認めて行った行動の制限の内容 ロ 当該行動の制限を開始した年月日及び時刻並びに解除した年月日及び時刻 ハ 当該行動の制限を行ったときの症状 三 法第百条第一項第一号の規定により外出させて経過を見ることが適当かどうかの判定に係る記載 イ 入院後の症状又は状態像の経過の概要 ロ 今後の治療方針 四 法第百条第二項第一号の規定により外泊させて経過を見ることが適当かどうかの判定に係る記載 イ 入院後の症状又は状態像の経過の概要 ロ 今後の治療方針 五 法第百十条第一項第一号の規定により法による医療を行う必要があるかどうかの判定に係る記載 入院によらない医療における症状又は状態像の経過の概要 六 法第百十条第一項第二号の規定により入院をさせて法による医療を行う必要があるかどうかの判定に係る記載 入院によらない医療における症状又は状態像の経過の概要 七 法第百十条第二項の規定により入院によらない医療を行う期間を延長して法による医療を行う必要があるかどうかの判定に係る記載 イ 入院によらない医療における症状又は状態像の経過の概要 ロ 今後の治療方針 (処遇改善の請求) 第八条 法第九十五条の規定による請求は、次の各号に掲げる事項に関し、法第四十二条第一項第一号又は第六十一条第一項第一号の決定により入院している者(以下「入院対象者」という。)が入院している指定入院医療機関の所在地を管轄する地方厚生局長を経由して申し立てることにより行うものとする。 一 入院対象者の氏名及び生年月日 二 請求人が入院対象者本人でない場合にあっては、その者の住所、氏名及び入院対象者との続柄 三 入院対象者が入院している指定入院医療機関の名称 四 必要な措置の内容及び理由 五 請求年月日 | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 417M60000100118_20161001_000000000000000.xml | 平成十七年厚生労働省令第百十八号 | 2 | 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第百三条第一項及び心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律施行令第十五条の規定により地方厚生局長に委任する権限を定める省令
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「法」という。)第百三条第一項及び心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律施行令(以下「令」という。)第十五条第一項の規定により、次に掲げる厚生労働大臣の権限は、地方厚生局長に委任する。 ただし、厚生労働大臣が第一号に掲げる権限(法第十八条に係るものに限る。)及び第四号から第七号までに掲げる権限を自ら行うことを妨げない。 一 法第十六条から第十八条までに規定する権限 二 法第四十三条第三項及び第四項に規定する権限(第五十一条第三項及び第六十一条第四項において準用する場合を含む。) 三 法第七十九条に規定する権限 四 法第八十二条第二項に規定する権限 五 法第八十五条に規定する権限 六 法第九十七条第一項に規定する権限 七 法第九十八条に規定する権限 八 令第九条に規定する権限 | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 417M60000110002_20161001_000000000000000.xml | 平成十七年法務省・厚生労働省令第二号 | 2 | 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律施行規則
第一章 審判 (生活環境の調査) 第一条 保護観察所の長は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「法」という。)第三十八条(法第五十三条、第五十八条及び第六十三条において準用する場合を含む。)の規定により裁判所から法第二条第二項に規定する対象者の生活環境の調査及びその結果の報告を求められたときは、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による審判の手続等に関する規則(平成十六年最高裁判所規則第十三号。以下「規則」という。)第五十八条第一項(規則第七十六条、第八十二条及び第八十八条において準用する場合を含む。)の規定による裁判所の指示に従い、当該対象者に関する次の各号に掲げる事項について調査を行うものとする。 一 住居の状況 二 生計の状況 三 家族の状況 四 近隣の状況 五 過去の生活及び治療の状況 六 住居周辺の地域における指定通院医療機関の状況 七 利用可能な精神障害者の保健又は福祉に関する援助等の内容 八 その他生活環境に関する事項 (医療を受けるべき指定医療機関の通知) 第二条 法第四十三条第三項(法第五十一条第三項及び第六十一条第四項において準用する場合を含む。)の通知は、次の各号に掲げる事項を記載した書面でするものとする。 一 医療を受けるべき指定医療機関の名称及び所在地 二 医療を受けるべき指定医療機関を定めた年月日 三 法第四十二条第一項第一号若しくは第二号、第五十一条第一項第二号又は第六十一条第一項第一号の決定を受けた者の氏名及び生年月日 四 当該者が受けるべき医療が入院による医療又は入院によらない医療のいずれであるかの別 2 法第四十三条第四項(法第五十一条第三項及び第六十一条第四項において準用する場合を含む。)の通知は、次の各号に掲げる事項を記載した書面でするものとする。 一 変更後の指定医療機関の名称及び所在地 二 指定医療機関を変更した年月日 三 変更後の指定医療機関において医療を受けるべき者の氏名及び生年月日 四 当該者が受けるべき医療が入院による医療又は入院によらない医療のいずれであるかの別 五 変更前の指定医療機関の名称及び所在地 六 変更前の指定医療機関を定めた年月日 (保護観察所の名称等の通知) 第三条 保護観察所の長は、法第四十三条第三項(法第六十一条第四項において準用する場合を含む。)の規定により法第四十二条第一項第一号又は第六十一条第一項第一号の決定(以下「入院決定」という。)を受けた者が入院による医療を受けるべき指定入院医療機関について通知を受けたときは、速やかに、当該指定入院医療機関の管理者に対し、当該入院決定を受けた者について法第百一条に規定する生活環境の調整(以下「生活環境の調整」という。)を行う保護観察所の名称及び所在地を通知するものとする。 2 入院決定を受けた者の生活環境の調整を行う保護観察所に変更があったときは、変更前の保護観察所の長は、速やかに、当該入院決定を受けた者が入院している指定入院医療機関の管理者に対し、変更後の保護観察所の名称及び所在地を通知するものとする。 (退院の許可の申立ての通知等) 第四条 指定入院医療機関の管理者は、入院決定により入院している者(以下「入院対象者」という。)について、法第四十九条第一項又は第二項の規定による申立てをしようとするときは、あらかじめ、当該入院対象者の生活環境の調整を行う保護観察所の長に対し、その旨を通知するものとする。 2 前項の通知を受けた保護観察所の長は、速やかに、当該通知をした指定入院医療機関の管理者に対し、当該入院対象者について、法第四十九条第一項又は第二項に規定する場合に該当するか否かについての意見及びその理由を、書面で提出するものとする。 3 指定入院医療機関の管理者は、入院対象者について、法第四十九条第一項又は第二項の規定による申立てをしたときは、速やかに、当該入院対象者の生活環境の調整を行う保護観察所の長に対し、その旨を通知するものとする。 当該申立てに対して法第五十一条第一項第一号若しくは第三号又は第二項の決定があったときも、同様とする。 第五条 指定入院医療機関の管理者は、入院対象者について、規則第七十四条の規定により法第五十条の申立てがあった旨の通知を受けたときは、速やかに、当該入院対象者の生活環境の調整を行う保護観察所の長に対し、その旨を通知するものとする。 当該申立てに対して法第五十一条第一項第一号若しくは第三号又は第二項の決定があったとき及び当該申立てが取り下げられたときも、同様とする。 (処遇の終了の申立てに関する通知等) 第六条 保護観察所の長は、法第四十二条第一項第二号又は第五十一条第一項第二号の決定を受けた者(以下「通院対象者」という。)について、法第五十四条第一項若しくは第二項又は第五十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てをしようとするときは、あらかじめ、当該通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関(病院又は診療所に限る。第三項、次条、第十三条及び第十四条第一項において同じ。)の管理者に対し、その旨を通知するものとする。 ただし、緊急を要するとき及び法第百十条第一項又は第二項の規定による通知を受けたときは、この限りでない。 2 前項本文の通知を受けた指定通院医療機関の管理者は、速やかに、当該通知をした保護観察所の長に対し、当該通院対象者について、法第百十条第一項第一号若しくは第二号に該当するか否か、又は同条第二項に規定する場合に該当するか否かについての意見及びその理由を、書面で提出するものとする。 3 保護観察所の長は、通院対象者について、法第五十四条第一項若しくは第二項又は第五十九条第一項若しくは第二項の規定による申立てをしたときは、速やかに、当該通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関の管理者に対し、その旨を通知するものとする。 当該申立てに対して法第五十六条第一項若しくは第二項又は第六十一条第一項若しくは第二項の決定があったとき及び当該申立てを取り下げたときも、同様とする。 第七条 保護観察所の長は、通院対象者について、規則第八十条の規定により法第五十五条の申立てがあった旨の通知を受けたときは、速やかに、当該通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関の管理者に対し、その旨を通知するものとする。 当該申立てに対して法第五十六条第一項又は第二項の決定があったとき及び当該申立てが取り下げられたときも、同様とする。 第二章 医療 (令第九条第一項の主務省令で定める保護観察所) 第八条 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律施行令(以下「令」という。)第九条第一項の主務省令で定める保護観察所は、同項の入院対象者の生活環境の調整を行う保護観察所とする。 (保護観察所の長に対する通報) 第九条 指定入院医療機関の管理者は、入院決定を受けた者について、次の各号のいずれかの事実を知ったときは、速やかに、当該入院決定を受けた者の生活環境の調整を行う保護観察所の長に対し、その旨を通報するものとする。 一 当該指定入院医療機関から無断で退去したこと(法第百条第一項又は第二項の規定により外出又は外泊している者が同条第一項に規定する医学的管理の下から無断で離れたことを含む。)。 二 当該指定入院医療機関から無断で退去した場合(前号に規定する医学的管理の下から無断で離れた場合を含む。)において、その後再び指定入院医療機関に入院することとなったこと(法第九十九条第一項の規定により連れ戻されたことを含む。)。 三 刑事事件又は少年の保護事件に関する法令の規定によりその身体を拘束されたこと。 四 刑事事件又は少年の保護事件に関する法令の規定による身体の拘束を解かれたこと。 (入院対象者の死亡に関する届出等) 第十条 指定入院医療機関の管理者は、入院対象者が死亡したときは、速やかに、当該指定入院医療機関の所在地を管轄する地方厚生局長に対し、その旨を届け出なければならない。 2 前項の届出を受けた地方厚生局長は、速やかに、当該届出に係る入院対象者に対して法第四十二条第一項第一号又は第二号の決定をした地方裁判所及び当該入院対象者の生活環境の調整を行う保護観察所の長に対し、その旨を通知しなければならない。 (生活環境の調整計画) 第十一条 保護観察所の長は、生活環境の調整を行うに当たっては、入院決定を受けた者から退院後の生活に関する希望を聴いた上で、調整計画を定めるとともに、生活環境の調整の状況に応じ、当該調整計画について必要な見直しを行うものとする。 2 保護観察所の長は、前項の調整計画の策定又は見直しを行うために必要があると認めるときは、指定入院医療機関の管理者に協力を求めることができる。 3 第一項の調整計画には、次の各号に掲げる事項に関する調整の方針を記載するものとする。 一 退院後の住居 二 退院後の生計の確保 三 保護者その他家族との関係 四 退院後に必要となる医療の内容 五 退院後に必要となる援助の内容 六 その他調整すべき事項 (処遇の実施計画の案) 第十二条 入院決定を受けた者の生活環境の調整を行う保護観察所の長は、当該生活環境の調整の状況に応じ、当該入院決定を受けた者について法第五十一条第一項第二号の決定があった場合における法第百四条第一項に規定する実施計画(以下「処遇の実施計画」という。)の案を作成するものとする。 (指定通院医療機関の候補) 第十三条 入院決定を受けた者の生活環境の調整を行う保護観察所の長は、処遇の実施計画の案の作成その他生活環境の調整を行うため必要があると認めるときは、当該入院決定を受けた者が入院している指定入院医療機関の所在地を管轄する地方厚生局長に対し、当該入院決定を受けた者について法第五十一条第一項第二号の決定があった場合に入院によらない医療を行うことが相当と認められる指定通院医療機関を定めるよう求めるものとする。 この場合において、保護観察所の長は、当該地方厚生局長に対し、当該入院決定を受けた者の生活環境の調整の状況を通知するものとする。 2 前項の求めを受けた地方厚生局長は、当該入院決定を受けた者について法第五十一条第一項第二号の決定があった場合に入院によらない医療を行うことを相当と認める指定通院医療機関を定め、当該指定通院医療機関の管理者に対し、その旨を通知するとともに、前項の保護観察所の長に対し、当該指定通院医療機関の名称及び所在地を通知するものとする。 (生活環境の調整のための会議) 第十四条 入院決定を受けた者の生活環境の調整を行う保護観察所の長は、当該入院決定を受けた者について、処遇の実施計画の案の作成その他生活環境の調整を行うため会議を開催する必要があると認めるときは、前条第二項の規定により定められた指定通院医療機関の管理者並びに当該入院決定を受けた者の居住地を管轄する都道府県知事及び市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)又はこれらの者の指名する職員の出席を求めることができる。 2 入院決定を受けた者の生活環境の調整を行う保護観察所の長は、処遇の実施計画の案の作成その他生活環境の調整を行うため必要があると認めるときは、前項に規定する者のほか、当該入院決定を受けた者に対して援助を行う者その他の適当な者に対し、同項の会議への出席を依頼することができる。 第三章 地域社会における処遇 (処遇の実施計画の記載事項) 第十五条 令第十一条第七号の主務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 医療のため緊急を要する場合における対応方法 二 法による医療が終了した後における医療及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)その他の精神障害者の保健又は福祉に関する法令の規定に基づく援助等の確保に関し必要な事項 (処遇の実施計画の作成等) 第十六条 法第百四条第一項又は第三項の規定により保護観察所の長から協議を求められた通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関の管理者並びに当該通院対象者の居住地を管轄する都道府県知事及び市町村長は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める事項につき、意見を提出するものとする。 一 指定通院医療機関の管理者 令第十一条第一号(指定通院医療機関の管理者による医療及び援助に関する事項に限る。)、第二号及び第四号(指定通院医療機関の管理者による援助に関する事項に限る。)に掲げる事項その他指定通院医療機関の管理者が実施する処遇に関する事項 二 都道府県知事及び市町村長 令第十一条第一号及び第四号(いずれも都道府県及び市町村(特別区を含む。)による援助に関する事項に限る。)に掲げる事項その他都道府県知事及び市町村長が実施する処遇に関する事項 (処遇の実施計画の通知) 第十七条 保護観察所の長は、処遇の実施計画を定めたときは、通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関の管理者並びに当該通院対象者の居住地を管轄する都道府県知事及び市町村長に対し、当該処遇の実施計画の内容を通知するものとする。 処遇の実施計画について見直しを行ったときも、同様とする。 (保護観察所の長による報告の求め) 第十八条 保護観察所の長は、法第百六条第一項に規定する精神保健観察を実施するため必要があると認めるときは、通院対象者に対して入院によらない医療を行う指定通院医療機関の管理者並びに当該通院対象者の居住地を管轄する都道府県知事及び市町村長に対し、当該通院対象者が必要な医療を受けているか否か及びその生活の状況について報告を求めるものとする。 (居住地の通知) 第十九条 通院対象者から法第百七条の規定による居住地の届出を受けた保護観察所の長は、速やかに、当該通院対象者に対して法第四十二条第一項第二号又は第五十一条第一項第二号の決定をした地方裁判所の所在地を管轄する地方厚生局長並びに当該通院対象者の居住地を管轄する都道府県知事及び市町村長に対し、その旨を通知するものとする。 (転居の届出) 第二十条 法第百七条第二号の規定による転居の届出をするときは、次の各号に掲げる事項を明らかにして行うものとする。 一 通院対象者の氏名、生年月日及び居住地 二 転居先 三 転居の理由 四 転居の予定日 2 前項の届出を受けた保護観察所の長は、速やかに、当該保護観察所の所在地を管轄する地方厚生局長並びに当該届出に係る転居先を管轄する都道府県知事及び市町村長に対し、その旨を通知するものとする。 3 保護観察所の長は、第一項の届出に係る転居先における医療又は援助を確保するため必要があると認めるときは、法第百八条第二項の規定により、指定通院医療機関の管理者並びに当該転居先を管轄する都道府県知事及び市町村長に対し、必要な協力を求めるものとする。 (長期の旅行の期間) 第二十一条 法第百七条第二号に規定する長期の旅行は、その期間が旅行の初日から起算して二週間以上のものをいうものとする。 (長期の旅行の届出) 第二十二条 法第百七条第二号の規定による長期の旅行の届出をするときは、次の各号に掲げる事項を明らかにして行うものとする。 一 通院対象者の氏名、生年月日及び居住地 二 旅行先 三 旅行の目的 四 旅行の予定期間 五 旅行中に受ける医療及び援助の予定 2 保護観察所の長は、前項の届出に係る旅行先における医療又は援助を確保するため必要があると認めるときは、法第百八条第二項の規定により、指定通院医療機関の管理者並びに当該旅行先を管轄する都道府県知事及び市町村長に対し、必要な協力を求めるものとする。 (保護観察所の長に対する通知等) 第二十三条 法第百十条第一項の規定による通知は、次の各号に掲げる事項を記載した書面でするものとする。 ただし、緊急を要するときは、この限りでない。 一 通院対象者の氏名及び生年月日 二 法第百十条第一項第一号又は第二号に該当する旨及びその理由 第二十四条 法第百十条第二項の規定による通知は、次の各号に掲げる事項を記載した書面でするものとする。 一 通院対象者の氏名及び生年月日 二 法第百十条第二項に規定する場合に該当する旨及びその理由 第二十五条 法第百十一条の規定による通報は、次の各号に掲げる事項を記載した書面でするものとする。 ただし、緊急を要するときは、この限りでない。 一 通院対象者の氏名及び生年月日 二 法第四十三条第二項(法第五十一条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反する事実又は法第百七条各号に掲げる事項を守らない事実があると認める旨及びその事実の内容 第四章 雑則 (社会復帰調整官の証票) 第二十六条 社会復帰調整官は、法第十九条各号に掲げる事務に従事する場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人から請求があったときは、これを呈示しなければならない。 | 刑事 |
Heisei | Act | 418AC0000000087_20221101_502AC0000000033.xml | 平成十八年法律第八十七号 | 2 | 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)第十三条第二項各号に掲げる罪の犯罪行為(以下「対象犯罪行為」という。)により財産的被害を受けた者に対して、没収された犯罪被害財産、追徴されたその価額に相当する財産及び外国譲与財産により被害回復給付金を支給することによって、その財産的被害の回復を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 犯罪被害財産 組織的犯罪処罰法第十三条第二項に規定する犯罪被害財産をいう。 二 被害回復給付金 給付資金から支給される金銭であって、支給対象犯罪行為により失われた財産の価額を基礎として次章第二節又は第三節の規定によりその金額が算出されるものをいう。 三 給付資金 組織的犯罪処罰法第十三条第三項の規定により没収された犯罪被害財産の換価若しくは取立てにより得られた金銭(当該犯罪被害財産が金銭であるときは、その金銭)、組織的犯罪処罰法第十六条第二項の規定により追徴された犯罪被害財産の価額に相当する金銭又は第三十六条第一項の規定による外国譲与財産の換価若しくは取立てにより得られた金銭(当該外国譲与財産が金銭であるときは、その金銭)であって、検察官が保管するものをいう。 四 支給対象犯罪行為 第五条第一項又は第三十五条第一項の規定によりその範囲が定められる対象犯罪行為をいう。 五 外国犯罪被害財産等 外国の法令による裁判又は命令その他の処分により没収された財産又は追徴された価額に相当する金銭(日本国の裁判所が言い渡した組織的犯罪処罰法第十三条第三項の規定による犯罪被害財産の没収の確定裁判の執行として没収された財産及び組織的犯罪処罰法第十六条第二項の規定による犯罪被害財産の価額の追徴の確定裁判の執行として追徴された価額に相当する金銭を除く。)であって、日本国の法令によれば対象犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産若しくは当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産又はそれらの価額に相当する金銭に当たるものをいう。 六 外国譲与財産 外国犯罪被害財産等又はその換価若しくは取立てにより得られた金銭であって、外国から譲与を受けたものをいう。 七 費用 この法律の規定による公告及び通知に要する費用その他の給付資金から支弁すべきものとして法務省令で定める費用をいう。 八 費用等 費用及び第二十六条第一項(第三十九条において準用する場合を含む。)に規定する被害回復事務管理人の報酬をいう。 第二章 被害回復給付金の支給 第一節 通則 (被害回復給付金の支給) 第三条 国は、この法律の定めるところにより、支給対象犯罪行為により害を被った者(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)であってこれにより財産を失ったものに対し、被害回復給付金を支給する。 2 国は、前項に規定する者(以下「対象被害者」という。)について、相続その他の一般承継があったときは、この法律の定めるところにより、その相続人その他の一般承継人に対し、被害回復給付金を支給する。 (被害回復給付金の支給を受けることができない者) 第四条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、被害回復給付金の支給を受けることができない。 一 支給対象犯罪行為により失われた財産(当該財産が二人以上の者の共有に属するときは、その持分。以下この条、第九条第一項第二号及び第三号並びに第十条第二項において同じ。)の価額に相当する損害の全部について、そのてん補又は賠償がされた場合(当該支給対象犯罪行為により当該財産を失った対象被害者又はその一般承継人以外の者により当該てん補又は賠償がされた場合に限る。)における当該支給対象犯罪行為により当該財産を失った対象被害者又はその一般承継人 二 支給対象犯罪行為を実行した者若しくはこれに共犯として加功した者、支給対象犯罪行為に関連して不正な利益を得た者、支給対象犯罪行為により財産を失ったことについて自己に不法な原因がある者その他被害回復給付金の支給を受けることが社会通念上適切でない者又は対象被害者がこれらの者のいずれかに該当する場合におけるその一般承継人 第二節 犯罪被害財産支給手続 第一款 手続の開始等 (支給対象犯罪行為の範囲を定める処分等) 第五条 検察官は、犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判が確定したときは、支給対象犯罪行為の範囲を定めなければならない。 2 前項に規定する支給対象犯罪行為の範囲は、次に掲げる対象犯罪行為について、その罪の種類、時期及び態様、これを実行した者、犯罪被害財産の形成の経緯その他の事情を考慮して定めるものとする。 一 犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の理由とされた事実に係る対象犯罪行為及びこれと一連の犯行として行われた対象犯罪行為 二 犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の理由とされた事実に係る犯罪行為が対象犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産に関して行われたものである場合における当該対象犯罪行為及びこれと一連の犯行として行われた対象犯罪行為 3 検察官は、前二項の規定により支給対象犯罪行為の範囲を二以上に区分して定めたときは、その範囲ごとに、第一項に規定する没収の裁判で示された犯罪被害財産(一の犯罪被害財産が異なる支給対象犯罪行為の範囲に属する対象犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産又は当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産から形成されたものであって額又は数量により区分することができないものである場合においては、当該犯罪被害財産の換価又は取立てにより得られる金銭の価額)又は同項に規定する追徴の裁判で示された犯罪被害財産の価額を区分するものとする。 (犯罪被害財産支給手続の開始) 第六条 検察官は、前条第一項に規定する裁判で示された犯罪被害財産又はその価額について、これを給付資金として保管するに至ったときは、遅滞なく、当該給付資金から被害回復給付金を支給するための手続(以下「犯罪被害財産支給手続」という。)を開始する旨の決定をするものとする。 ただし、その時点における給付資金をもっては犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他その時点においては犯罪被害財産支給手続を開始することが相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 検察官は、外国から前条第一項に規定する裁判の執行として没収された財産若しくはその換価若しくは取立てにより得られた金銭又は当該裁判の執行として追徴された価額に相当する金銭の譲与を受けるため特に必要があると認めるときは、前項本文の規定にかかわらず、これを給付資金として保管する前に、犯罪被害財産支給手続を開始する旨の決定をすることができる。 3 前二項の決定は、前条第三項に規定する場合にあっては、支給対象犯罪行為の範囲ごとにするものとする。 4 検察官は、確定した二以上の犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判について前条第一項の規定により定められた支給対象犯罪行為の範囲が同一であるときは、これらの裁判で示された犯罪被害財産又はその価額(既に犯罪被害財産支給手続が開始されているものを除く。)を同一の裁判で示された犯罪被害財産又はその価額とみなして、第一項又は第二項の決定をすることができる。 (公告等) 第七条 検察官は、犯罪被害財産支給手続を開始する旨の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項(前条第二項の規定により犯罪被害財産支給手続を開始した場合にあっては、第四号に掲げる事項を除く。)を官報に掲載して公告しなければならない。 一 犯罪被害財産支給手続を開始した旨 二 犯罪被害財産支給手続を行う検察官が所属する検察庁 三 支給対象犯罪行為の範囲 四 当該決定の時における給付資金の額 五 支給申請期間 六 その他法務省令で定める事項 2 前項第五号に掲げる支給申請期間は、同項の規定による公告があった日の翌日から起算して三十日以上でなければならない。 3 検察官は、対象被害者又はその一般承継人であって知れているものに対し、第一項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、被害回復給付金の支給を受けることができない者であることが明らかである者については、この限りでない。 4 前三項に規定するもののほか、第一項の規定による公告及び前項の規定による通知に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (犯罪被害財産支給手続の不開始) 第八条 検察官は、犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに足りる給付資金を保管することとなる見込みがないと認めるときは、犯罪被害財産支給手続を開始しない旨の決定をするものとする。 2 検察官は、前項の決定をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。 第二款 支給の申請及び裁定等 (支給の申請) 第九条 被害回復給付金の支給を受けようとする者は、支給申請期間内に、法務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に第一号及び第二号に掲げる事項を疎明するに足りる資料を添付して、検察官に申請をしなければならない。 一 申請人が対象被害者又はその一般承継人であることの基礎となる事実 二 支給対象犯罪行為により失われた財産の価額 三 控除対象額(支給対象犯罪行為により失われた財産の価額に相当する損害について、その填補又は賠償がされた場合(当該支給対象犯罪行為により当該財産を失った対象被害者又はその一般承継人以外の者により当該填補又は賠償がされた場合に限る。)における当該填補額及び賠償額を合算した額をいう。以下同じ。) 四 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定による申請をした対象被害者について、当該申請に対する次条又は第十一条の規定による裁定が確定するまでの間に一般承継があったときは、当該対象被害者の一般承継人は、支給申請期間が経過した後であっても、当該一般承継があった日から六十日以内に限り、被害回復給付金の支給の申請をすることができる。 この場合において、当該一般承継人は、法務省令で定めるところにより、同項に規定する申請書に同項第一号及び第二号に掲げる事項を疎明するに足りる資料を添付して、これを検察官に提出しなければならない。 3 前二項の規定による申請その他この法律に基づく手続を代理人によりしようとする者は、法定代理人により手続をしようとする場合を除き、弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。)を代理人としなければならない。 (裁定) 第十条 検察官は、前条第一項の規定による申請があった場合において、支給申請期間が経過したとき(その時点において、第五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分が確定していないときは、当該処分が確定したとき)は、遅滞なく、その申請人が被害回復給付金の支給を受けることができる者に該当するか否かの裁定をしなければならない。 前条第二項の規定による申請があった場合において、当該申請に係る一般承継があった日から六十日が経過したとき(その時点において、第五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分が確定していないときは、当該処分が確定したとき)も、同様とする。 2 検察官は、被害回復給付金の支給を受けることができる者に該当する旨の裁定(以下「資格裁定」という。)をするに当たっては、その犯罪被害額(支給対象犯罪行為により失われた財産の価額から控除対象額を控除して検察官が定める額をいう。以下同じ。)を定めなければならない。 この場合において、資格裁定を受ける者で次の各号に掲げる者に該当するものが二人以上ある場合におけるその者に係る犯罪被害額は、当該各号に定める額とする。 一 同一の支給対象犯罪行為により同一の財産を失った対象被害者又はその一般承継人 当該財産の価額から控除対象額を控除して検察官が定める額を当該対象被害者又はその一般承継人の数(同一の対象被害者の一般承継人が二人以上あるときは、これらを一人とみなす。)で除して得た額(同一の対象被害者の一般承継人が二人以上ある場合における当該一般承継人については、この額を当該一般承継人の数で除して得た額) 二 前号に掲げる者のほか、同一の対象被害者の一般承継人 当該対象被害者に係る支給対象犯罪行為により失われた財産の価額から控除対象額を控除して検察官が定める額を当該一般承継人の数で除して得た額 3 前項後段に規定する場合において、当該資格裁定を受ける者のうちに各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合について合意をした者があるときは、同項後段の規定にかかわらず、当該合意をした者に係る犯罪被害額は、同項後段の規定により算出された額のうちこれらの者に係るものを合算した額に当該合意において定められた各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合を乗じて得た額とする。 第十一条 検察官は、被害回復給付金の支給の申請が支給申請期間(第九条第二項の規定による申請にあっては、一般承継があった日から六十日)が経過した後にされたものであるとき、その他不適法であって補正することができないものであるときは、その申請を却下する旨の裁定をしなければならない。 2 検察官は、申請人が、第二十八条第一項の規定による報告、文書その他の物件の提出又は出頭を命ぜられた場合において、正当な理由がなくてこれに応じないときは、その申請を却下する旨の裁定をすることができる。 (裁定の方式等) 第十二条 前二条の規定による裁定は、書面をもって行い、かつ、理由を付し、当該裁定をした検察官がこれに記名押印をしなければならない。 2 検察官は、裁定書の謄本を申請人に送達しなければならない。 3 前項の規定にかかわらず、送達を受けるべき者の所在が知れないとき、その他裁定書の謄本を送達することができないときは、検察官が裁定書の謄本を保管し、いつでもその送達を受けるべき者に交付すべき旨を当該検察官が所属する検察庁の掲示場に掲示することをもって同項の規定による送達に代えることができる。 この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過した時に同項の規定による送達があったものとみなす。 (裁定表の作成等) 第十三条 検察官は、第十条又は第十一条の規定による裁定をしたときは、次に掲げる事項を記載した裁定表を作成し、申請人の閲覧に供するため、これを当該検察官が所属する検察庁に備え置かなければならない。 一 資格裁定を受けた者の氏名又は名称及び当該資格裁定において定められた犯罪被害額(資格裁定を受けた者がないときは、その旨) 二 その他法務省令で定める事項 第三款 支給の実施等 (支給の実施等) 第十四条 検察官は、すべての申請に対する第十条又は第十一条の規定による裁定、第二十六条第一項の規定による被害回復事務管理人の報酬の決定及び犯罪被害財産支給手続に要する費用の額が確定したとき(第六条第二項の規定により犯罪被害財産支給手続を開始した場合であって、当該確定の時点において、同条第一項に規定する犯罪被害財産又はその価額についてこれを給付資金として保管するに至っていないときは、当該給付資金を保管するに至ったとき)は、遅滞なく、資格裁定を受けた者に対し、被害回復給付金の支給をしなければならない。 2 前項の規定により支給する被害回復給付金の額は、資格裁定により定めた犯罪被害額の総額(以下この項及び第十六条第二項において「総犯罪被害額」という。)が、給付資金の額から犯罪被害財産支給手続に要する費用等の額を控除した額を超えるときは、この額に当該資格裁定を受けた者に係る犯罪被害額の総犯罪被害額に対する割合を乗じて得た額(その額に一円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)とし、その他のときは、当該犯罪被害額とする。 3 検察官は、第一項の規定により支給する被害回復給付金の額を裁定表に記載し、法務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。 4 検察官は、第一項の規定にかかわらず、被害回復給付金の支給を受けることができる者の所在が知れないことその他の事由により当該被害回復給付金の支給をすることができないときは、第三十一条第一項に規定する期間が経過するまでの間、当該被害回復給付金に相当する金銭を保管するものとする。 この場合において、当該保管に係る金銭は、第二十六条第一項及び第三十四条の規定の適用については、給付資金に含まれないものとする。 (裁定等確定前の支給) 第十五条 検察官は、前条第一項に規定する裁定、報酬の決定又は費用の額の一部が確定していない場合であっても、資格裁定を受けた者(当該資格裁定が確定している者に限る。)に対し、被害回復給付金の支給を受けることができると見込まれる者の利益を害しないことが明らかであると認められる額の範囲内において相当と認める額の被害回復給付金の支給をすることができる。 2 検察官は、前項の規定により被害回復給付金を支給した場合において、前条第一項に規定する裁定、報酬の決定及び費用の額のすべてが確定したときは、遅滞なく、資格裁定を受けた者に対し、同条第二項の規定により算出される支給すべき被害回復給付金の額から前項の規定により支給された被害回復給付金の額を控除した額の被害回復給付金の支給をしなければならない。 3 前条第三項及び第四項の規定は、前項の規定により支給する被害回復給付金について準用する。 この場合において、同条第三項中「額」とあるのは、「額(次条第一項の規定により支給された被害回復給付金の額を含む。)」と読み替えるものとする。 (追加支給) 第十六条 検察官は、犯罪被害財産支給手続において、第十四条第一項に規定する裁定、報酬の決定及び費用の額が確定し、かつ、資格裁定を受けたすべての者について被害回復給付金の支給等(同項、前条第一項若しくは第二項若しくはこの項の規定による被害回復給付金の支給又は第十四条第四項前段(前条第三項及びこの条第三項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による被害回復給付金に相当する金銭の保管をいう。第十八条及び第二十一条第一項第一号から第三号までにおいて同じ。)をした後に、当該犯罪被害財産支給手続に係る給付資金を新たに保管するに至った場合(当該犯罪被害財産支給手続の終了後にこれを保管するに至った場合を含む。)において、既に支給した被害回復給付金(第十四条第四項前段の規定により被害回復給付金に相当する金銭が保管された場合においては、当該金銭を含む。次項において「既支給被害回復給付金」という。)の額が犯罪被害額に満たないときは、当該資格裁定を受けた者に対し、当該新たに保管するに至った給付資金から被害回復給付金の支給をしなければならない。 ただし、その時点における給付資金をもってはその支給に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他その時点においては被害回復給付金の支給をすることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 前項の規定により支給する被害回復給付金の額は、総犯罪被害残額(総犯罪被害額から既支給被害回復給付金の額の総額を控除した額をいう。以下この項において同じ。)が、前項に規定する給付資金の額から費用等の額(既支給被害回復給付金の算出において控除した費用等の額を除く。)を控除した額を超えるときは、この額に資格裁定を受けた者に係る犯罪被害残額(犯罪被害額から既支給被害回復給付金の額を控除した額をいう。以下この項において同じ。)の総犯罪被害残額に対する割合を乗じて得た額(その額に一円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)とし、その他のときは、犯罪被害残額とする。 3 第十四条第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により支給する被害回復給付金について準用する。 (資格裁定確定後の一般承継人に対する被害回復給付金の支給) 第十七条 検察官は、資格裁定が確定した者について一般承継があった場合において、その者に支給すべき被害回復給付金でまだ支給していないものがあるときは、その者の一般承継人であって当該一般承継があった日から六十日以内に届出をしたものに対し、未支給の被害回復給付金の支給をしなければならない。 この場合において、当該一般承継人は、法務省令で定めるところにより、届出書を検察官に提出しなければならない。 2 前項の規定により届出をした一般承継人が二人以上ある場合における当該一般承継人に支給する被害回復給付金の額は、同項に規定する未支給の被害回復給付金の額を当該一般承継人の数で除して得た額(その額に一円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)とする。 ただし、当該一般承継人のうちに各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合について合意をした者があるときは、当該合意をした者に支給する被害回復給付金の額は、この項本文の規定により算出された額のうちこれらの者に係るものを合算した額に当該合意において定められた各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合を乗じて得た額(その額に一円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)とする。 第四款 特別支給手続 (特別支給手続) 第十八条 検察官は、前三款の規定による手続において、次の各号のいずれかに該当するときは、遅滞なく、当該手続における支給申請期間(第九条第二項の規定による申請にあっては、一般承継があった日から六十日)内に被害回復給付金の支給の申請をしなかった者又は前条第一項に規定する一般承継人で同項の届出をしなかったものに対して残余給付資金(被害回復給付金の支給等に係る手続が終了した後の残余の給付資金をいう。以下同じ。)から被害回復給付金を支給するための手続(以下「特別支給手続」という。)を開始する旨の決定をするものとする。 ただし、その時点において見込まれる残余給付資金をもっては特別支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他その時点においては特別支給手続を開始することが相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 第九条第一項の規定による申請がないとき。 二 第十四条第一項に規定する裁定、報酬の決定及び費用の額が確定した場合において、次のイ又はロのいずれかに該当するとき。 イ 第十条の規定による資格裁定を受けた者がないとき。 ロ 第十条の規定による資格裁定を受けたすべての者について被害回復給付金の支給等をしてもなお給付資金に残余が生ずることが明らかであると認めるとき。 (公告等) 第十九条 検察官は、特別支給手続を開始する旨の決定をしたときは、直ちに、法務省令で定めるところにより、前三款の規定による手続において公告した第七条第一項第二号及び第三号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を官報に掲載して公告しなければならない。 一 特別支給手続を開始した旨 二 残余給付資金の額(当該決定の時においてその額が確定していないときは、残余給付資金として見込まれる額) 三 特別支給申請期間(特別支給手続に係る支給申請期間をいう。以下同じ。) 四 その他法務省令で定める事項 2 前項第三号に掲げる特別支給申請期間は、同項の規定による公告があった日の翌日から起算して三十日以上でなければならない。 3 検察官は、対象被害者又はその一般承継人であって知れているものに対し、第一項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、被害回復給付金の支給を受けることができない者であることが明らかである者及び既に第七条第三項本文の規定により通知を受けた者については、この限りでない。 4 前三項に規定するもののほか、第一項の規定による公告及び前項の規定による通知に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (準用) 第二十条 前二款の規定は、特別支給手続について準用する。 この場合において、第九条第一項及び第二項、第十条第一項並びに第十一条第一項中「支給申請期間」とあるのは「特別支給申請期間」と、第十条第一項中「経過したとき(その時点において、第五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分が確定していないときは、当該処分が確定したとき)」とあるのは「経過したとき」と、第十四条第二項及び第四項中「給付資金」とあるのは「残余給付資金」と読み替えるものとする。 第五款 手続の終了 第二十一条 検察官は、次の各号のいずれかに該当するときは、犯罪被害財産支給手続を終了する旨の決定をするものとする。 一 次のイ又はロに掲げる規定により犯罪被害財産支給手続を開始した場合において、被害回復給付金の支給等をする前に、当該イ又はロに定める事由に該当するとき。 イ 第六条第一項 給付資金をもって犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認める場合において、新たに給付資金を保管することとなる見込みがないとき。 ロ 第六条第二項 犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに足りる給付資金を保管することとなる見込みがないと認めるとき。 二 被害回復給付金の支給等をして給付資金に残余が生じなかった場合において、新たに給付資金を保管することとなる見込みがないとき。 三 被害回復給付金の支給等をして残余給付資金が生じた場合において、当該残余給付資金をもっては特別支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他特別支給手続を開始することが相当でないと認めるとき。 四 特別支給手続を開始した場合において、前条において準用する第九条第一項の規定による申請がないとき。 五 特別支給手続において、すべての申請に対する前条において準用する第十条又は第十一条の規定による裁定、当該手続に係る第二十六条第一項の規定による被害回復事務管理人の報酬の決定及び当該手続に要する費用の額が確定した場合において、次のイからハまでのいずれかに該当するとき。 イ 前条において準用する第十条の規定による資格裁定を受けた者がないとき。 ロ 前条において準用する第十条の規定による資格裁定を受けたすべての者について、被害回復給付金の特別支給等(前条において準用する第十四条第一項、第十五条第一項若しくは第二項若しくは第十六条第一項の規定による被害回復給付金の支給又は前条において準用する第十四条第四項前段(第十五条第三項及び第十六条第三項において準用する場合を含む。)の規定による被害回復給付金に相当する金銭の保管をいう。以下この号において同じ。)をしたとき(当該被害回復給付金の特別支給等に係る額が犯罪被害額に達した場合に限る。)。 ハ ロに掲げる場合を除き、前条において準用する第十条の規定による資格裁定を受けたすべての者について被害回復給付金の特別支給等をした場合において、新たに給付資金を保管することとなる見込みがないとき。 六 前各号に掲げる場合を除き、給付資金をもって犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認める場合において、新たに給付資金を保管することとなる見込みがないとき。 2 検察官は、前項の規定により犯罪被害財産支給手続を終了する旨の決定をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。 第六款 被害回復事務管理人 (被害回復事務管理人の選任等) 第二十二条 検察官は、弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。)の中から、一人又は数人の被害回復事務管理人を選任し、次に掲げる事務の全部又は一部を行わせることができる。 一 第七条第三項又は第十九条第三項の規定による通知に関する事務 二 第十条又は第十一条(これらの規定を第二十条において準用する場合を含む。)の規定による裁定のための審査に関する事務 三 第十三条(第二十条において準用する場合を含む。)の規定による裁定表の作成又は第十四条第三項(第十五条第三項及び第十六条第三項(これらの規定を第二十条において準用する場合を含む。)並びに第二十条において準用する場合を含む。)若しくは第二十六条第三項の規定による裁定表への記載に関する事務 四 その他法務省令で定める事務(第四十条第一項各号に掲げる処分、決定及び裁定を除く。) 2 検察官は、被害回復事務管理人を選任したときは、法務省令で定めるところにより、その氏名又は名称、被害回復事務(前項の規定により被害回復事務管理人に行わせることとした事務をいう。以下同じ。)の範囲その他法務省令で定める事項を公告しなければならない。 (被害回復事務管理人の義務等) 第二十三条 被害回復事務管理人は、公平かつ誠実に被害回復事務を行わなければならない。 2 検察官は、被害回復事務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、被害回復事務管理人に対し、その事務に関し報告をさせることができる。 3 検察官は、被害回復事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は適正を欠いていると認めるときは、被害回復事務管理人に対し、その事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを指示することができる。 4 検察官は、被害回復事務管理人が前項の措置を講じないとき、その他重要な事由があるときは、被害回復事務管理人を解任することができる。 5 第三項の規定による指示については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三十六条の三の規定は、適用しない。 (訴訟記録の使用等) 第二十四条 検察官は、被害回復事務を行うため必要があると認めるときは、被害回復事務管理人に対し、支給対象犯罪行為に係る被告事件の終結後の訴訟記録を使用させるものとする。 2 検察官は、被害回復事務を行うため必要があると認める場合であって、相当と認めるときは、被害回復事務管理人に対し、支給対象犯罪行為に係る訴訟に関する記録(前項の訴訟記録を除く。)を使用させることができる。 (事務の結果の報告) 第二十五条 第二十二条第一項第二号に掲げる事務を行う被害回復事務管理人は、当該事務を終えたときは、遅滞なく、検察官に対し、書面により、その結果を報告しなければならない。 (被害回復事務管理人の報酬等) 第二十六条 被害回復事務管理人は、給付資金から、費用の前払及び検察官が定める報酬を受けることができる。 2 第十二条第一項及び第二項の規定は、前項の規定による報酬の決定について準用する。 この場合において、同条第二項中「裁定書」とあるのは「報酬決定書」と、「申請人」とあるのは「被害回復事務管理人」と読み替えるものとする。 3 検察官は、第一項の規定による報酬の決定をしたときは、その報酬の額を裁定表に記載しなければならない。 (被害回復事務管理人の秘密保持義務等) 第二十七条 被害回復事務管理人(弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人である場合には、その社員又は使用人である弁護士であって被害回復事務を行うもの。以下この条において同じ。)又は被害回復事務管理人であった者は、被害回復事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 2 被害回復事務管理人は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。 第七款 雑則 (調査) 第二十八条 検察官は、犯罪被害財産支給手続における事務を行うため必要があると認めるときは、申請人その他の関係人に対して、報告、文書その他の物件の提出若しくは出頭を命じ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して、必要な事項の報告を求めることができる。 2 被害回復事務管理人は、被害回復事務を行うため必要があると認めるときは、申請人その他の関係人に対して、報告、文書その他の物件の提出若しくは出頭を求め、又は公務所若しくは公私の団体に照会して、必要な事項の報告を求めることができる。 (損害賠償請求権等との関係) 第二十九条 被害回復給付金を支給したときは、その支給を受けた者が有する支給対象犯罪行為に係る損害賠償請求権その他の請求権は、その支給を受けた額の限度において消滅する。 (不正利得の徴収等) 第三十条 犯罪被害財産支給手続において、偽りその他不正の手段により被害回復給付金の支給を受けた者があるときは、検察官は、国税滞納処分の例により、その者から、その支給を受けた被害回復給付金の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。 2 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。 3 第一項の規定により徴収した金銭は、当該犯罪被害財産支給手続において、第三款及び第四款の規定により被害回復給付金を支給するについては、その徴収の時に新たに保管するに至った給付資金とみなす。 (権利の消滅等) 第三十一条 犯罪被害財産支給手続において、被害回復給付金の支給を受ける権利は、第十四条第三項(第十五条第三項及び第十六条第三項(これらの規定を第二十条において準用する場合を含む。)並びに第二十条において準用する場合を含む。)の規定による公告があった時から六月間行使しないときは、消滅する。 2 前項の規定により消滅した権利に係る保管金(第十四条第四項前段(第十五条第三項及び第十六条第三項(これらの規定を第二十条において準用する場合を含む。)並びに第二十条において準用する場合を含む。)の規定により保管している金銭をいう。)は、当該犯罪被害財産支給手続において、第三款及び第四款の規定により被害回復給付金を支給するについては、その消滅の時に新たに保管するに至った給付資金とみなす。 (被害回復給付金の支給を受ける権利の保護) 第三十二条 被害回復給付金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 ただし、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。 (戸籍事項の無料証明) 第三十三条 市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。)は、検察官若しくは被害回復事務管理人又は被害回復給付金の支給を受けようとする者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、対象被害者若しくはその一般承継人又は資格裁定が確定した者の一般承継人の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。 (一般会計への繰入れ) 第三十四条 検察官は、第八条第一項又は第二十一条第一項の決定が確定した場合において、その確定の時に給付資金を保管しているときは、これを一般会計の歳入に繰り入れるものとする。 2 犯罪被害財産支給手続が終了した後に第十六条第一項(第二十条において準用する場合を含む。)の規定により被害回復給付金を支給した場合において、その支給が終了した時に給付資金を保管しているときも、前項と同様とする。 第三節 外国譲与財産支給手続 (支給対象犯罪行為の範囲を定める処分等) 第三十五条 検察官は、外国譲与財産により被害回復給付金を支給しようとするときは、支給対象犯罪行為の範囲を定めなければならない。 2 前項に規定する支給対象犯罪行為の範囲は、同項の外国譲与財産に係る第二条第五号の対象犯罪行為及びこれと一連の犯行として行われた対象犯罪行為について、その罪の種類、時期及び態様、これを実行した者、外国犯罪被害財産等の形成の経緯その他の事情を考慮して定めるものとする。 3 検察官は、前二項の規定により支給対象犯罪行為の範囲を二以上に区分して定めたときは、その範囲ごとに、第一項の外国譲与財産(一の外国譲与財産が異なる支給対象犯罪行為の範囲に属する対象犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産又は当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産から形成されたものであって額又は数量により区分することができないものである場合においては、当該外国譲与財産の換価又は取立てにより得られる金銭の価額)を区分するものとする。 (外国譲与財産の処分) 第三十六条 検察官は、外国譲与財産が金銭以外の財産であるときは、その換価又は取立てをしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、外国譲与財産の価額が著しく低い場合において、当該外国譲与財産の売却につき買受人がないとき、又は売却しても買受人がないことが明らかであるときは、これを廃棄することができる。 (外国譲与財産支給手続の開始) 第三十七条 検察官は、第三十五条第一項の規定により支給対象犯罪行為の範囲を定めた場合において、同項の外国譲与財産について、これを給付資金として保管するに至ったときは、遅滞なく、当該給付資金から被害回復給付金を支給するための手続(以下「外国譲与財産支給手続」という。)を開始する旨の決定をするものとする。 ただし、その時点における給付資金をもっては外国譲与財産支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他その時点においては外国譲与財産支給手続を開始することが相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 検察官は、外国から外国犯罪被害財産等又はその換価若しくは取立てにより得られた金銭の譲与を受けるため特に必要があると認めるときは、前項本文の規定にかかわらず、これを給付資金として保管する前に、外国譲与財産支給手続を開始する旨の決定をすることができる。 3 前二項の決定は、第三十五条第三項に規定する場合にあっては、支給対象犯罪行為の範囲ごとにするものとする。 4 検察官は、二以上の外国譲与財産について第三十五条第一項の規定により定められた支給対象犯罪行為の範囲が同一であるときは、これらの外国譲与財産(既に外国譲与財産支給手続が開始されているものを除く。)を同一の外国譲与財産とみなして、第一項又は第二項の決定をすることができる。 5 検察官は、外国譲与財産について第三十五条第一項の規定により定められた支給対象犯罪行為の範囲と犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判について第五条第一項の規定により定められた支給対象犯罪行為の範囲とが同一であるときは、これらの外国譲与財産(既に外国譲与財産支給手続が開始されているものを除く。)及び犯罪被害財産又はその価額(既に犯罪被害財産支給手続が開始されているものを除く。)を同一の外国譲与財産とみなして、第一項又は第二項の決定をすることができる。 (外国譲与財産支給手続の不開始) 第三十八条 検察官は、外国譲与財産支給手続に要する費用等を支弁するのに足りる給付資金を保管することとなる見込みがないと認めるときは、外国譲与財産支給手続を開始しない旨の決定をするものとする。 2 検察官は、前項の決定をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。 (準用) 第三十九条 前節(第五条、第六条及び第八条を除く。)の規定は、外国譲与財産支給手続について準用する。 この場合において、第七条第一項中「前条第二項」とあるのは「第三十七条第二項」と、第十条第一項及び第二十条中「第五条第一項」とあるのは「第三十五条第一項」と、第十四条第一項及び第二十一条第一項第一号ロ中「第六条第二項」とあるのは「第三十七条第二項」と、第十四条第一項中「犯罪被害財産又はその価額」とあるのは「外国譲与財産」と、第二十一条第一項第一号イ中「第六条第一項」とあるのは「第三十七条第一項」と、第二十四条第二項中「除く。)」とあるのは「除く。)及び外国譲与財産に係る外国の法令による裁判又は命令その他の処分に関する記録」と、第三十四条第一項中「第八条第一項」とあるのは「第三十八条第一項」と読み替えるものとする。 第三章 不服申立て等 (検察庁の長に対する審査の申立て) 第四十条 次の各号に掲げる処分、決定、裁定その他の行為(以下「処分等」という。)に不服がある者は、それぞれ当該各号に定める日から起算して三十日以内に、当該処分等をした検察官が所属する検察庁の長に対し、審査の申立てをすることができる。 一 第五条第一項又は第三十五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分 当該処分の公告があった日の翌日 二 第八条第一項、第二十一条第一項(前条において準用する場合を含む。)又は第三十八条第一項の決定 当該決定の公告があった日の翌日 三 第十条又は第十一条(これらの規定を第二十条(前条において準用する場合を含む。)及び前条において準用する場合を含む。)の規定による裁定 裁定書の謄本の送達があった日の翌日 四 第二十六条第一項(前条において準用する場合を含む。)の規定による被害回復事務管理人の報酬の決定 報酬決定書の謄本の送達があった日の翌日 五 前各号に掲げるもののほか、この法律に基づく手続に係る検察官の行為で法務省令で定めるもの 法務省令で定める日 2 前項の規定にかかわらず、正当な理由があるときは、その期間を経過した後であっても、審査の申立てをすることができる。 第四十条の二 この法律又はこの法律に基づく法務省令の規定により検察官に対して処分等についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、検察官の不作為(この法律又はこの法律に基づく法務省令の規定による申請に対して何らの処分等をもしないことをいう。以下同じ。)がある場合には、当該不作為に係る検察官が所属する検察庁の長に対し、当該不作為についての審査の申立てをすることができる。 (審査申立書の提出) 第四十条の三 前二条の規定による審査の申立ては、法務省令で定めるところにより、審査申立書を提出してしなければならない。 2 第四十条第一項各号に掲げる処分等についての審査申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 審査の申立てに係る処分等の内容 二 審査の申立ての趣旨及び理由 三 その他法務省令で定める事項 3 前条に規定する不作為についての審査申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該不作為に係る処分等についての申請の内容及び年月日 二 その他法務省令で定める事項 (審理の方式) 第四十条の四 審査の申立ての審理は、書面による。 (他の申請人への通知等) 第四十一条 検察庁の長は、第四十条第一項第三号に掲げる裁定についての審査の申立てが他の申請人に対する裁定についてされたものであるときは、当該他の申請人に対し、その旨を通知し、かつ、意見を記載した書面を提出する機会を与えなければならない。 (裁決) 第四十二条 検察庁の長は、第四十条第一項の規定による審査の申立てについては、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める裁決をしなければならない。 一 当該審査の申立てが第四十条第一項に規定する期間が経過した後にされたものである場合その他不適法である場合 当該審査の申立てを却下する裁決 二 当該審査の申立てが理由がない場合 当該審査の申立てを棄却する裁決 三 当該審査の申立てに係る処分等が事実上の行為以外のものである場合において、その申立てが理由があるとき 当該審査の申立てに係る第四十条第一項各号に掲げる処分等を取り消し、又は変更する裁決 四 前号の規定により、検察庁の長以外の検察官がしたこの法律又はこの法律に基づく法務省令の規定による申請を却下し、又は棄却する処分等を取り消す場合において、当該申請に対して一定の処分等をすべきものと認めるとき 当該処分等に係る検察官に対し、当該処分等をすべき旨を命ずる裁決 五 第三号の規定により、検察庁の長がしたこの法律又はこの法律に基づく法務省令の規定による申請を却下し、又は棄却する処分等を取り消す場合において、当該申請に対して一定の処分等をすべきものと認めるとき 当該処分等をする裁決 六 当該審査の申立てに係る処分等が検察庁の長以外の検察官のした事実上の行為である場合において、その申立てが理由があるとき 当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為に係る検察官に対し、当該事実上の行為を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずる裁決 七 当該審査の申立てに係る処分等が検察庁の長のした事実上の行為である場合において、その申立てが理由があるとき 当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為を撤廃し、又はこれを変更する裁決 2 前項第三号、第六号又は第七号の場合において、検察庁の長は、審査申立人の不利益に当該処分等を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべきことを命じ、若しくはこれを変更することはできない。 第四十二条の二 検察庁の長は、第四十条の二の規定による審査の申立てについては、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める裁決をしなければならない。 一 当該審査の申立てが不作為に係る処分等についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合 当該審査の申立てを却下する裁決 二 当該審査の申立てが理由がない場合 当該審査の申立てを棄却する裁決 三 当該審査の申立てに係る不作為が検察庁の長以外の検察官によるものである場合において、その申立てが理由があるとき 当該不作為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該申請に対して一定の処分等をすべきものと認めるときは、当該不作為に係る検察官に対し、当該処分等をすべき旨を命ずる裁決 四 当該審査の申立てに係る不作為が検察庁の長によるものである場合において、その申立てが理由があるとき 当該不作為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該申請に対して一定の処分等をすべきものと認めるときは、当該処分等をする裁決 (裁定の方式等に関する規定の準用) 第四十三条 第十二条の規定は、第四十二条第一項各号及び前条各号に定める裁決について準用する。 この場合において、第十二条中「検察官」とあるのは「検察庁の長」と、同条第二項及び第三項中「裁定書」とあるのは「裁決書」と、同条第二項中「申請人」とあるのは「審査申立人(当該審査の申立てが他の申請人に対する裁定についてされたものであるときは、審査申立人及び当該他の申請人)」と読み替えるものとする。 (行政不服審査法の準用) 第四十四条 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十条から第十五条まで、第十八条第三項、第二十一条、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第四項から第七項まで、第二十六条から第二十八条まで、第三十条第二項及び第三項、第三十二条から第三十六条まで、第三十八条第一項から第五項まで、第三十九条、第五十一条第四項、第五十二条第一項から第三項まで並びに第五十三条の規定は、第四十条第一項及び第四十条の二の規定による審査の申立てについて準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替えられる行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十一条第二項 第九条第一項の規定により指名された者(以下「審理員」という。) 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第四十条第一項又は第四十条の二の規定による審査の申立てがされた検察庁の長(以下「審査庁」という。) 第十三条第一項及び第二項、第二十八条、第三十条第二項及び第三項、第三十二条第三項、第三十三条から第三十六条まで、第三十八条第一項から第三項まで及び第五項並びに第三十九条 審理員 審査庁 第十四条 第十九条に規定する審査請求書又は第二十一条第二項に規定する審査請求録取書 審査申立書 第十五条第六項 権利 権利(被害回復給付金の支給を受ける権利を除く。) 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 審査申立書 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第四十条第一項に規定する期間 第二十一条第一項 審査請求書を提出し、又は処分庁等に対し第十九条第二項から第五項までに規定する事項を陳述する 審査申立書を提出する 第二十一条第二項 審査請求書又は審査請求録取書(前条後段の規定により陳述の内容を録取した書面をいう。第二十九条第一項及び第五十五条において同じ。) 審査申立書 第二十一条第三項 審査請求書を提出し、又は処分庁に対し当該事項を陳述した 審査申立書を提出した 第二十二条第一項 審査請求書を処分庁又は審査庁 審査申立書を審査庁 第二十二条第五項 審査請求書又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書 審査申立書 第二十三条(見出しを含む。) 審査請求書 審査申立書 第二十三条 第十九条 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第四十条の三 第二十五条第二項 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁 審査庁 第二十五条第七項 あったとき、又は審理員から第四十条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出された あった 第三十条第二項 第四十条及び第四十二条第一項を除き、以下 以下 第三十条第三項 審査請求人から反論書の提出があったときはこれを参加人及び処分庁等に、参加人 参加人 これを審査請求人及び処分庁等に、それぞれ 、これを審査請求人に 第三十八条第一項 参加人は、第四十一条第一項又は第二項の規定により審理手続が終結するまでの間 参加人は 第二十九条第四項各号に掲げる書面又は第三十二条第一項若しくは第二項若しくは 第三十二条第一項若しくは第二項又は 当該書面若しくは当該書類 当該書類 第五十一条第四項 参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。) 参加人 第五十二条第三項 法令の規定により公示された処分 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第四十条第一項第一号に掲げる処分又は同項第二号に掲げる決定 当該処分が取り消され、又は変更された旨を公示しなければ 法務省令で定めるところにより、当該処分又は決定が取り消され、又は変更された旨を公告しなければ (審査請求の制限) 第四十五条 第四十条第一項各号に掲げる処分等及び第四十条の二に規定する不作為については、審査請求をすることができない。 (訴訟との関係) 第四十六条 第四十条第一項各号に掲げる処分等の取消しの訴えは、当該処分等についての審査の申立てに対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。 (訴訟の特例) 第四十七条 第四十条第一項各号に掲げる処分等の取消しの訴え及び当該処分等に係る第四十二条第一項各号に定める裁決の取消しの訴えは、当該処分等をした検察官が所属する検察庁の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 第四十条の二に規定する不作為に係る第四十二条の二各号に定める裁決の取消しの訴えは、当該不作為に係る検察官が所属する検察庁の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 3 前二項に規定する処分等又は裁決の取消しの訴えは、第四十三条において準用する第十二条第二項の規定による裁決書の謄本の送達を受けた日から三十日を経過したときは、提起することができない。 4 前項の期間は、不変期間とする。 5 国は、第一項に規定する訴えが、他の申請人に対する第四十条第一項第三号に掲げる裁定又は当該裁定に係る第四十二条第一項各号に定める裁決の取消しを求めるものであるときは、遅滞なく、当該他の申請人に対し、訴訟告知をしなければならない。 (取消裁決等があった場合の申請等の効力) 第四十八条 第五条第一項若しくは第三十五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分(以下この条において「旧処分」という。)を取り消す裁決若しくは旧処分を取り消す判決が確定した場合において改めて支給対象犯罪行為の範囲を定める処分(以下この条において「新処分」という。)がされたとき、又は旧処分を変更する裁決(以下この条において「変更裁決」という。)が確定したときは、旧処分に基づいて申請人が行った申請その他の行為(以下この条において「申請等」という。)又は申請人に対して行われた調査その他の行為(以下この条において「調査等」という。)は、新処分又は変更裁決に基づいて申請人が行った申請等又は申請人に対して行われた調査等とみなす。 第四章 雑則 (法務省令への委任) 第四十九条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、法務省令で定める。 第五章 罰則 第五十条 第二十七条第一項(第三十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 第五十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第九条第一項又は第二項(これらの規定を第二十条(第三十九条において準用する場合を含む。)及び第三十九条において準用する場合を含む。)に規定する申請書又は資料に虚偽の記載をして提出した者 二 第十七条第一項(第二十条(第三十九条において準用する場合を含む。)及び第三十九条において準用する場合を含む。次号において同じ。)に規定する届出書に虚偽の記載をして提出した者 三 第二十八条第一項(第三十九条において準用する場合を含む。)の規定により報告若しくは文書の提出を命ぜられて、又は第二十八条第二項(第三十九条において準用する場合を含む。)の規定により報告若しくは文書の提出を求められて、虚偽の報告をし、又は虚偽の記載をした文書を提出した者(申請人又は第十七条第一項の規定により届出をした者に限る。) 2 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同項の刑を科する。 3 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。 | 刑事 |
Heisei | Act | 418AC0000000087_20250601_504AC0000000068.xml | 平成十八年法律第八十七号 | 2 | 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)第十三条第二項各号に掲げる罪の犯罪行為(以下「対象犯罪行為」という。)により財産的被害を受けた者に対して、没収された犯罪被害財産、追徴されたその価額に相当する財産及び外国譲与財産により被害回復給付金を支給することによって、その財産的被害の回復を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 犯罪被害財産 組織的犯罪処罰法第十三条第二項に規定する犯罪被害財産をいう。 二 被害回復給付金 給付資金から支給される金銭であって、支給対象犯罪行為により失われた財産の価額を基礎として次章第二節又は第三節の規定によりその金額が算出されるものをいう。 三 給付資金 組織的犯罪処罰法第十三条第三項の規定により没収された犯罪被害財産の換価若しくは取立てにより得られた金銭(当該犯罪被害財産が金銭であるときは、その金銭)、組織的犯罪処罰法第十六条第二項の規定により追徴された犯罪被害財産の価額に相当する金銭又は第三十六条第一項の規定による外国譲与財産の換価若しくは取立てにより得られた金銭(当該外国譲与財産が金銭であるときは、その金銭)であって、検察官が保管するものをいう。 四 支給対象犯罪行為 第五条第一項又は第三十五条第一項の規定によりその範囲が定められる対象犯罪行為をいう。 五 外国犯罪被害財産等 外国の法令による裁判又は命令その他の処分により没収された財産又は追徴された価額に相当する金銭(日本国の裁判所が言い渡した組織的犯罪処罰法第十三条第三項の規定による犯罪被害財産の没収の確定裁判の執行として没収された財産及び組織的犯罪処罰法第十六条第二項の規定による犯罪被害財産の価額の追徴の確定裁判の執行として追徴された価額に相当する金銭を除く。)であって、日本国の法令によれば対象犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産若しくは当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産又はそれらの価額に相当する金銭に当たるものをいう。 六 外国譲与財産 外国犯罪被害財産等又はその換価若しくは取立てにより得られた金銭であって、外国から譲与を受けたものをいう。 七 費用 この法律の規定による公告及び通知に要する費用その他の給付資金から支弁すべきものとして法務省令で定める費用をいう。 八 費用等 費用及び第二十六条第一項(第三十九条において準用する場合を含む。)に規定する被害回復事務管理人の報酬をいう。 第二章 被害回復給付金の支給 第一節 通則 (被害回復給付金の支給) 第三条 国は、この法律の定めるところにより、支給対象犯罪行為により害を被った者(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)であってこれにより財産を失ったものに対し、被害回復給付金を支給する。 2 国は、前項に規定する者(以下「対象被害者」という。)について、相続その他の一般承継があったときは、この法律の定めるところにより、その相続人その他の一般承継人に対し、被害回復給付金を支給する。 (被害回復給付金の支給を受けることができない者) 第四条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、被害回復給付金の支給を受けることができない。 一 支給対象犯罪行為により失われた財産(当該財産が二人以上の者の共有に属するときは、その持分。以下この条、第九条第一項第二号及び第三号並びに第十条第二項において同じ。)の価額に相当する損害の全部について、そのてん補又は賠償がされた場合(当該支給対象犯罪行為により当該財産を失った対象被害者又はその一般承継人以外の者により当該てん補又は賠償がされた場合に限る。)における当該支給対象犯罪行為により当該財産を失った対象被害者又はその一般承継人 二 支給対象犯罪行為を実行した者若しくはこれに共犯として加功した者、支給対象犯罪行為に関連して不正な利益を得た者、支給対象犯罪行為により財産を失ったことについて自己に不法な原因がある者その他被害回復給付金の支給を受けることが社会通念上適切でない者又は対象被害者がこれらの者のいずれかに該当する場合におけるその一般承継人 第二節 犯罪被害財産支給手続 第一款 手続の開始等 (支給対象犯罪行為の範囲を定める処分等) 第五条 検察官は、犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判が確定したときは、支給対象犯罪行為の範囲を定めなければならない。 2 前項に規定する支給対象犯罪行為の範囲は、次に掲げる対象犯罪行為について、その罪の種類、時期及び態様、これを実行した者、犯罪被害財産の形成の経緯その他の事情を考慮して定めるものとする。 一 犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の理由とされた事実に係る対象犯罪行為及びこれと一連の犯行として行われた対象犯罪行為 二 犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の理由とされた事実に係る犯罪行為が対象犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産に関して行われたものである場合における当該対象犯罪行為及びこれと一連の犯行として行われた対象犯罪行為 3 検察官は、前二項の規定により支給対象犯罪行為の範囲を二以上に区分して定めたときは、その範囲ごとに、第一項に規定する没収の裁判で示された犯罪被害財産(一の犯罪被害財産が異なる支給対象犯罪行為の範囲に属する対象犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産又は当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産から形成されたものであって額又は数量により区分することができないものである場合においては、当該犯罪被害財産の換価又は取立てにより得られる金銭の価額)又は同項に規定する追徴の裁判で示された犯罪被害財産の価額を区分するものとする。 (犯罪被害財産支給手続の開始) 第六条 検察官は、前条第一項に規定する裁判で示された犯罪被害財産又はその価額について、これを給付資金として保管するに至ったときは、遅滞なく、当該給付資金から被害回復給付金を支給するための手続(以下「犯罪被害財産支給手続」という。)を開始する旨の決定をするものとする。 ただし、その時点における給付資金をもっては犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他その時点においては犯罪被害財産支給手続を開始することが相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 検察官は、外国から前条第一項に規定する裁判の執行として没収された財産若しくはその換価若しくは取立てにより得られた金銭又は当該裁判の執行として追徴された価額に相当する金銭の譲与を受けるため特に必要があると認めるときは、前項本文の規定にかかわらず、これを給付資金として保管する前に、犯罪被害財産支給手続を開始する旨の決定をすることができる。 3 前二項の決定は、前条第三項に規定する場合にあっては、支給対象犯罪行為の範囲ごとにするものとする。 4 検察官は、確定した二以上の犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判について前条第一項の規定により定められた支給対象犯罪行為の範囲が同一であるときは、これらの裁判で示された犯罪被害財産又はその価額(既に犯罪被害財産支給手続が開始されているものを除く。)を同一の裁判で示された犯罪被害財産又はその価額とみなして、第一項又は第二項の決定をすることができる。 (公告等) 第七条 検察官は、犯罪被害財産支給手続を開始する旨の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項(前条第二項の規定により犯罪被害財産支給手続を開始した場合にあっては、第四号に掲げる事項を除く。)を官報に掲載して公告しなければならない。 一 犯罪被害財産支給手続を開始した旨 二 犯罪被害財産支給手続を行う検察官が所属する検察庁 三 支給対象犯罪行為の範囲 四 当該決定の時における給付資金の額 五 支給申請期間 六 その他法務省令で定める事項 2 前項第五号に掲げる支給申請期間は、同項の規定による公告があった日の翌日から起算して三十日以上でなければならない。 3 検察官は、対象被害者又はその一般承継人であって知れているものに対し、第一項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、被害回復給付金の支給を受けることができない者であることが明らかである者については、この限りでない。 4 前三項に規定するもののほか、第一項の規定による公告及び前項の規定による通知に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (犯罪被害財産支給手続の不開始) 第八条 検察官は、犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに足りる給付資金を保管することとなる見込みがないと認めるときは、犯罪被害財産支給手続を開始しない旨の決定をするものとする。 2 検察官は、前項の決定をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。 第二款 支給の申請及び裁定等 (支給の申請) 第九条 被害回復給付金の支給を受けようとする者は、支給申請期間内に、法務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に第一号及び第二号に掲げる事項を疎明するに足りる資料を添付して、検察官に申請をしなければならない。 一 申請人が対象被害者又はその一般承継人であることの基礎となる事実 二 支給対象犯罪行為により失われた財産の価額 三 控除対象額(支給対象犯罪行為により失われた財産の価額に相当する損害について、その填補又は賠償がされた場合(当該支給対象犯罪行為により当該財産を失った対象被害者又はその一般承継人以外の者により当該填補又は賠償がされた場合に限る。)における当該填補額及び賠償額を合算した額をいう。以下同じ。) 四 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定による申請をした対象被害者について、当該申請に対する次条又は第十一条の規定による裁定が確定するまでの間に一般承継があったときは、当該対象被害者の一般承継人は、支給申請期間が経過した後であっても、当該一般承継があった日から六十日以内に限り、被害回復給付金の支給の申請をすることができる。 この場合において、当該一般承継人は、法務省令で定めるところにより、同項に規定する申請書に同項第一号及び第二号に掲げる事項を疎明するに足りる資料を添付して、これを検察官に提出しなければならない。 3 前二項の規定による申請その他この法律に基づく手続を代理人によりしようとする者は、法定代理人により手続をしようとする場合を除き、弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。)を代理人としなければならない。 (裁定) 第十条 検察官は、前条第一項の規定による申請があった場合において、支給申請期間が経過したとき(その時点において、第五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分が確定していないときは、当該処分が確定したとき)は、遅滞なく、その申請人が被害回復給付金の支給を受けることができる者に該当するか否かの裁定をしなければならない。 前条第二項の規定による申請があった場合において、当該申請に係る一般承継があった日から六十日が経過したとき(その時点において、第五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分が確定していないときは、当該処分が確定したとき)も、同様とする。 2 検察官は、被害回復給付金の支給を受けることができる者に該当する旨の裁定(以下「資格裁定」という。)をするに当たっては、その犯罪被害額(支給対象犯罪行為により失われた財産の価額から控除対象額を控除して検察官が定める額をいう。以下同じ。)を定めなければならない。 この場合において、資格裁定を受ける者で次の各号に掲げる者に該当するものが二人以上ある場合におけるその者に係る犯罪被害額は、当該各号に定める額とする。 一 同一の支給対象犯罪行為により同一の財産を失った対象被害者又はその一般承継人 当該財産の価額から控除対象額を控除して検察官が定める額を当該対象被害者又はその一般承継人の数(同一の対象被害者の一般承継人が二人以上あるときは、これらを一人とみなす。)で除して得た額(同一の対象被害者の一般承継人が二人以上ある場合における当該一般承継人については、この額を当該一般承継人の数で除して得た額) 二 前号に掲げる者のほか、同一の対象被害者の一般承継人 当該対象被害者に係る支給対象犯罪行為により失われた財産の価額から控除対象額を控除して検察官が定める額を当該一般承継人の数で除して得た額 3 前項後段に規定する場合において、当該資格裁定を受ける者のうちに各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合について合意をした者があるときは、同項後段の規定にかかわらず、当該合意をした者に係る犯罪被害額は、同項後段の規定により算出された額のうちこれらの者に係るものを合算した額に当該合意において定められた各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合を乗じて得た額とする。 第十一条 検察官は、被害回復給付金の支給の申請が支給申請期間(第九条第二項の規定による申請にあっては、一般承継があった日から六十日)が経過した後にされたものであるとき、その他不適法であって補正することができないものであるときは、その申請を却下する旨の裁定をしなければならない。 2 検察官は、申請人が、第二十八条第一項の規定による報告、文書その他の物件の提出又は出頭を命ぜられた場合において、正当な理由がなくてこれに応じないときは、その申請を却下する旨の裁定をすることができる。 (裁定の方式等) 第十二条 前二条の規定による裁定は、書面をもって行い、かつ、理由を付し、当該裁定をした検察官がこれに記名押印をしなければならない。 2 検察官は、裁定書の謄本を申請人に送達しなければならない。 3 前項の規定にかかわらず、送達を受けるべき者の所在が知れないとき、その他裁定書の謄本を送達することができないときは、検察官が裁定書の謄本を保管し、いつでもその送達を受けるべき者に交付すべき旨を当該検察官が所属する検察庁の掲示場に掲示することをもって同項の規定による送達に代えることができる。 この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過した時に同項の規定による送達があったものとみなす。 (裁定表の作成等) 第十三条 検察官は、第十条又は第十一条の規定による裁定をしたときは、次に掲げる事項を記載した裁定表を作成し、申請人の閲覧に供するため、これを当該検察官が所属する検察庁に備え置かなければならない。 一 資格裁定を受けた者の氏名又は名称及び当該資格裁定において定められた犯罪被害額(資格裁定を受けた者がないときは、その旨) 二 その他法務省令で定める事項 第三款 支給の実施等 (支給の実施等) 第十四条 検察官は、すべての申請に対する第十条又は第十一条の規定による裁定、第二十六条第一項の規定による被害回復事務管理人の報酬の決定及び犯罪被害財産支給手続に要する費用の額が確定したとき(第六条第二項の規定により犯罪被害財産支給手続を開始した場合であって、当該確定の時点において、同条第一項に規定する犯罪被害財産又はその価額についてこれを給付資金として保管するに至っていないときは、当該給付資金を保管するに至ったとき)は、遅滞なく、資格裁定を受けた者に対し、被害回復給付金の支給をしなければならない。 2 前項の規定により支給する被害回復給付金の額は、資格裁定により定めた犯罪被害額の総額(以下この項及び第十六条第二項において「総犯罪被害額」という。)が、給付資金の額から犯罪被害財産支給手続に要する費用等の額を控除した額を超えるときは、この額に当該資格裁定を受けた者に係る犯罪被害額の総犯罪被害額に対する割合を乗じて得た額(その額に一円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)とし、その他のときは、当該犯罪被害額とする。 3 検察官は、第一項の規定により支給する被害回復給付金の額を裁定表に記載し、法務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。 4 検察官は、第一項の規定にかかわらず、被害回復給付金の支給を受けることができる者の所在が知れないことその他の事由により当該被害回復給付金の支給をすることができないときは、第三十一条第一項に規定する期間が経過するまでの間、当該被害回復給付金に相当する金銭を保管するものとする。 この場合において、当該保管に係る金銭は、第二十六条第一項及び第三十四条の規定の適用については、給付資金に含まれないものとする。 (裁定等確定前の支給) 第十五条 検察官は、前条第一項に規定する裁定、報酬の決定又は費用の額の一部が確定していない場合であっても、資格裁定を受けた者(当該資格裁定が確定している者に限る。)に対し、被害回復給付金の支給を受けることができると見込まれる者の利益を害しないことが明らかであると認められる額の範囲内において相当と認める額の被害回復給付金の支給をすることができる。 2 検察官は、前項の規定により被害回復給付金を支給した場合において、前条第一項に規定する裁定、報酬の決定及び費用の額のすべてが確定したときは、遅滞なく、資格裁定を受けた者に対し、同条第二項の規定により算出される支給すべき被害回復給付金の額から前項の規定により支給された被害回復給付金の額を控除した額の被害回復給付金の支給をしなければならない。 3 前条第三項及び第四項の規定は、前項の規定により支給する被害回復給付金について準用する。 この場合において、同条第三項中「額」とあるのは、「額(次条第一項の規定により支給された被害回復給付金の額を含む。)」と読み替えるものとする。 (追加支給) 第十六条 検察官は、犯罪被害財産支給手続において、第十四条第一項に規定する裁定、報酬の決定及び費用の額が確定し、かつ、資格裁定を受けたすべての者について被害回復給付金の支給等(同項、前条第一項若しくは第二項若しくはこの項の規定による被害回復給付金の支給又は第十四条第四項前段(前条第三項及びこの条第三項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による被害回復給付金に相当する金銭の保管をいう。第十八条及び第二十一条第一項第一号から第三号までにおいて同じ。)をした後に、当該犯罪被害財産支給手続に係る給付資金を新たに保管するに至った場合(当該犯罪被害財産支給手続の終了後にこれを保管するに至った場合を含む。)において、既に支給した被害回復給付金(第十四条第四項前段の規定により被害回復給付金に相当する金銭が保管された場合においては、当該金銭を含む。次項において「既支給被害回復給付金」という。)の額が犯罪被害額に満たないときは、当該資格裁定を受けた者に対し、当該新たに保管するに至った給付資金から被害回復給付金の支給をしなければならない。 ただし、その時点における給付資金をもってはその支給に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他その時点においては被害回復給付金の支給をすることが相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 前項の規定により支給する被害回復給付金の額は、総犯罪被害残額(総犯罪被害額から既支給被害回復給付金の額の総額を控除した額をいう。以下この項において同じ。)が、前項に規定する給付資金の額から費用等の額(既支給被害回復給付金の算出において控除した費用等の額を除く。)を控除した額を超えるときは、この額に資格裁定を受けた者に係る犯罪被害残額(犯罪被害額から既支給被害回復給付金の額を控除した額をいう。以下この項において同じ。)の総犯罪被害残額に対する割合を乗じて得た額(その額に一円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)とし、その他のときは、犯罪被害残額とする。 3 第十四条第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により支給する被害回復給付金について準用する。 (資格裁定確定後の一般承継人に対する被害回復給付金の支給) 第十七条 検察官は、資格裁定が確定した者について一般承継があった場合において、その者に支給すべき被害回復給付金でまだ支給していないものがあるときは、その者の一般承継人であって当該一般承継があった日から六十日以内に届出をしたものに対し、未支給の被害回復給付金の支給をしなければならない。 この場合において、当該一般承継人は、法務省令で定めるところにより、届出書を検察官に提出しなければならない。 2 前項の規定により届出をした一般承継人が二人以上ある場合における当該一般承継人に支給する被害回復給付金の額は、同項に規定する未支給の被害回復給付金の額を当該一般承継人の数で除して得た額(その額に一円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)とする。 ただし、当該一般承継人のうちに各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合について合意をした者があるときは、当該合意をした者に支給する被害回復給付金の額は、この項本文の規定により算出された額のうちこれらの者に係るものを合算した額に当該合意において定められた各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合を乗じて得た額(その額に一円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)とする。 第四款 特別支給手続 (特別支給手続) 第十八条 検察官は、前三款の規定による手続において、次の各号のいずれかに該当するときは、遅滞なく、当該手続における支給申請期間(第九条第二項の規定による申請にあっては、一般承継があった日から六十日)内に被害回復給付金の支給の申請をしなかった者又は前条第一項に規定する一般承継人で同項の届出をしなかったものに対して残余給付資金(被害回復給付金の支給等に係る手続が終了した後の残余の給付資金をいう。以下同じ。)から被害回復給付金を支給するための手続(以下「特別支給手続」という。)を開始する旨の決定をするものとする。 ただし、その時点において見込まれる残余給付資金をもっては特別支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他その時点においては特別支給手続を開始することが相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 第九条第一項の規定による申請がないとき。 二 第十四条第一項に規定する裁定、報酬の決定及び費用の額が確定した場合において、次のイ又はロのいずれかに該当するとき。 イ 第十条の規定による資格裁定を受けた者がないとき。 ロ 第十条の規定による資格裁定を受けたすべての者について被害回復給付金の支給等をしてもなお給付資金に残余が生ずることが明らかであると認めるとき。 (公告等) 第十九条 検察官は、特別支給手続を開始する旨の決定をしたときは、直ちに、法務省令で定めるところにより、前三款の規定による手続において公告した第七条第一項第二号及び第三号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を官報に掲載して公告しなければならない。 一 特別支給手続を開始した旨 二 残余給付資金の額(当該決定の時においてその額が確定していないときは、残余給付資金として見込まれる額) 三 特別支給申請期間(特別支給手続に係る支給申請期間をいう。以下同じ。) 四 その他法務省令で定める事項 2 前項第三号に掲げる特別支給申請期間は、同項の規定による公告があった日の翌日から起算して三十日以上でなければならない。 3 検察官は、対象被害者又はその一般承継人であって知れているものに対し、第一項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、被害回復給付金の支給を受けることができない者であることが明らかである者及び既に第七条第三項本文の規定により通知を受けた者については、この限りでない。 4 前三項に規定するもののほか、第一項の規定による公告及び前項の規定による通知に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (準用) 第二十条 前二款の規定は、特別支給手続について準用する。 この場合において、第九条第一項及び第二項、第十条第一項並びに第十一条第一項中「支給申請期間」とあるのは「特別支給申請期間」と、第十条第一項中「経過したとき(その時点において、第五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分が確定していないときは、当該処分が確定したとき)」とあるのは「経過したとき」と、第十四条第二項及び第四項中「給付資金」とあるのは「残余給付資金」と読み替えるものとする。 第五款 手続の終了 第二十一条 検察官は、次の各号のいずれかに該当するときは、犯罪被害財産支給手続を終了する旨の決定をするものとする。 一 次のイ又はロに掲げる規定により犯罪被害財産支給手続を開始した場合において、被害回復給付金の支給等をする前に、当該イ又はロに定める事由に該当するとき。 イ 第六条第一項 給付資金をもって犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認める場合において、新たに給付資金を保管することとなる見込みがないとき。 ロ 第六条第二項 犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに足りる給付資金を保管することとなる見込みがないと認めるとき。 二 被害回復給付金の支給等をして給付資金に残余が生じなかった場合において、新たに給付資金を保管することとなる見込みがないとき。 三 被害回復給付金の支給等をして残余給付資金が生じた場合において、当該残余給付資金をもっては特別支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他特別支給手続を開始することが相当でないと認めるとき。 四 特別支給手続を開始した場合において、前条において準用する第九条第一項の規定による申請がないとき。 五 特別支給手続において、すべての申請に対する前条において準用する第十条又は第十一条の規定による裁定、当該手続に係る第二十六条第一項の規定による被害回復事務管理人の報酬の決定及び当該手続に要する費用の額が確定した場合において、次のイからハまでのいずれかに該当するとき。 イ 前条において準用する第十条の規定による資格裁定を受けた者がないとき。 ロ 前条において準用する第十条の規定による資格裁定を受けたすべての者について、被害回復給付金の特別支給等(前条において準用する第十四条第一項、第十五条第一項若しくは第二項若しくは第十六条第一項の規定による被害回復給付金の支給又は前条において準用する第十四条第四項前段(第十五条第三項及び第十六条第三項において準用する場合を含む。)の規定による被害回復給付金に相当する金銭の保管をいう。以下この号において同じ。)をしたとき(当該被害回復給付金の特別支給等に係る額が犯罪被害額に達した場合に限る。)。 ハ ロに掲げる場合を除き、前条において準用する第十条の規定による資格裁定を受けたすべての者について被害回復給付金の特別支給等をした場合において、新たに給付資金を保管することとなる見込みがないとき。 六 前各号に掲げる場合を除き、給付資金をもって犯罪被害財産支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認める場合において、新たに給付資金を保管することとなる見込みがないとき。 2 検察官は、前項の規定により犯罪被害財産支給手続を終了する旨の決定をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。 第六款 被害回復事務管理人 (被害回復事務管理人の選任等) 第二十二条 検察官は、弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。)の中から、一人又は数人の被害回復事務管理人を選任し、次に掲げる事務の全部又は一部を行わせることができる。 一 第七条第三項又は第十九条第三項の規定による通知に関する事務 二 第十条又は第十一条(これらの規定を第二十条において準用する場合を含む。)の規定による裁定のための審査に関する事務 三 第十三条(第二十条において準用する場合を含む。)の規定による裁定表の作成又は第十四条第三項(第十五条第三項及び第十六条第三項(これらの規定を第二十条において準用する場合を含む。)並びに第二十条において準用する場合を含む。)若しくは第二十六条第三項の規定による裁定表への記載に関する事務 四 その他法務省令で定める事務(第四十条第一項各号に掲げる処分、決定及び裁定を除く。) 2 検察官は、被害回復事務管理人を選任したときは、法務省令で定めるところにより、その氏名又は名称、被害回復事務(前項の規定により被害回復事務管理人に行わせることとした事務をいう。以下同じ。)の範囲その他法務省令で定める事項を公告しなければならない。 (被害回復事務管理人の義務等) 第二十三条 被害回復事務管理人は、公平かつ誠実に被害回復事務を行わなければならない。 2 検察官は、被害回復事務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、被害回復事務管理人に対し、その事務に関し報告をさせることができる。 3 検察官は、被害回復事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は適正を欠いていると認めるときは、被害回復事務管理人に対し、その事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを指示することができる。 4 検察官は、被害回復事務管理人が前項の措置を講じないとき、その他重要な事由があるときは、被害回復事務管理人を解任することができる。 5 第三項の規定による指示については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三十六条の三の規定は、適用しない。 (訴訟記録の使用等) 第二十四条 検察官は、被害回復事務を行うため必要があると認めるときは、被害回復事務管理人に対し、支給対象犯罪行為に係る被告事件の終結後の訴訟記録を使用させるものとする。 2 検察官は、被害回復事務を行うため必要があると認める場合であって、相当と認めるときは、被害回復事務管理人に対し、支給対象犯罪行為に係る訴訟に関する記録(前項の訴訟記録を除く。)を使用させることができる。 (事務の結果の報告) 第二十五条 第二十二条第一項第二号に掲げる事務を行う被害回復事務管理人は、当該事務を終えたときは、遅滞なく、検察官に対し、書面により、その結果を報告しなければならない。 (被害回復事務管理人の報酬等) 第二十六条 被害回復事務管理人は、給付資金から、費用の前払及び検察官が定める報酬を受けることができる。 2 第十二条第一項及び第二項の規定は、前項の規定による報酬の決定について準用する。 この場合において、同条第二項中「裁定書」とあるのは「報酬決定書」と、「申請人」とあるのは「被害回復事務管理人」と読み替えるものとする。 3 検察官は、第一項の規定による報酬の決定をしたときは、その報酬の額を裁定表に記載しなければならない。 (被害回復事務管理人の秘密保持義務等) 第二十七条 被害回復事務管理人(弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人である場合には、その社員又は使用人である弁護士であって被害回復事務を行うもの。以下この条において同じ。)又は被害回復事務管理人であった者は、被害回復事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 2 被害回復事務管理人は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。 第七款 雑則 (調査) 第二十八条 検察官は、犯罪被害財産支給手続における事務を行うため必要があると認めるときは、申請人その他の関係人に対して、報告、文書その他の物件の提出若しくは出頭を命じ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して、必要な事項の報告を求めることができる。 2 被害回復事務管理人は、被害回復事務を行うため必要があると認めるときは、申請人その他の関係人に対して、報告、文書その他の物件の提出若しくは出頭を求め、又は公務所若しくは公私の団体に照会して、必要な事項の報告を求めることができる。 (損害賠償請求権等との関係) 第二十九条 被害回復給付金を支給したときは、その支給を受けた者が有する支給対象犯罪行為に係る損害賠償請求権その他の請求権は、その支給を受けた額の限度において消滅する。 (不正利得の徴収等) 第三十条 犯罪被害財産支給手続において、偽りその他不正の手段により被害回復給付金の支給を受けた者があるときは、検察官は、国税滞納処分の例により、その者から、その支給を受けた被害回復給付金の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。 2 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。 3 第一項の規定により徴収した金銭は、当該犯罪被害財産支給手続において、第三款及び第四款の規定により被害回復給付金を支給するについては、その徴収の時に新たに保管するに至った給付資金とみなす。 (権利の消滅等) 第三十一条 犯罪被害財産支給手続において、被害回復給付金の支給を受ける権利は、第十四条第三項(第十五条第三項及び第十六条第三項(これらの規定を第二十条において準用する場合を含む。)並びに第二十条において準用する場合を含む。)の規定による公告があった時から六月間行使しないときは、消滅する。 2 前項の規定により消滅した権利に係る保管金(第十四条第四項前段(第十五条第三項及び第十六条第三項(これらの規定を第二十条において準用する場合を含む。)並びに第二十条において準用する場合を含む。)の規定により保管している金銭をいう。)は、当該犯罪被害財産支給手続において、第三款及び第四款の規定により被害回復給付金を支給するについては、その消滅の時に新たに保管するに至った給付資金とみなす。 (被害回復給付金の支給を受ける権利の保護) 第三十二条 被害回復給付金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 ただし、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。 (戸籍事項の無料証明) 第三十三条 市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。)は、検察官若しくは被害回復事務管理人又は被害回復給付金の支給を受けようとする者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、対象被害者若しくはその一般承継人又は資格裁定が確定した者の一般承継人の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。 (一般会計への繰入れ) 第三十四条 検察官は、第八条第一項又は第二十一条第一項の決定が確定した場合において、その確定の時に給付資金を保管しているときは、これを一般会計の歳入に繰り入れるものとする。 2 犯罪被害財産支給手続が終了した後に第十六条第一項(第二十条において準用する場合を含む。)の規定により被害回復給付金を支給した場合において、その支給が終了した時に給付資金を保管しているときも、前項と同様とする。 第三節 外国譲与財産支給手続 (支給対象犯罪行為の範囲を定める処分等) 第三十五条 検察官は、外国譲与財産により被害回復給付金を支給しようとするときは、支給対象犯罪行為の範囲を定めなければならない。 2 前項に規定する支給対象犯罪行為の範囲は、同項の外国譲与財産に係る第二条第五号の対象犯罪行為及びこれと一連の犯行として行われた対象犯罪行為について、その罪の種類、時期及び態様、これを実行した者、外国犯罪被害財産等の形成の経緯その他の事情を考慮して定めるものとする。 3 検察官は、前二項の規定により支給対象犯罪行為の範囲を二以上に区分して定めたときは、その範囲ごとに、第一項の外国譲与財産(一の外国譲与財産が異なる支給対象犯罪行為の範囲に属する対象犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産又は当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産から形成されたものであって額又は数量により区分することができないものである場合においては、当該外国譲与財産の換価又は取立てにより得られる金銭の価額)を区分するものとする。 (外国譲与財産の処分) 第三十六条 検察官は、外国譲与財産が金銭以外の財産であるときは、その換価又は取立てをしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、外国譲与財産の価額が著しく低い場合において、当該外国譲与財産の売却につき買受人がないとき、又は売却しても買受人がないことが明らかであるときは、これを廃棄することができる。 (外国譲与財産支給手続の開始) 第三十七条 検察官は、第三十五条第一項の規定により支給対象犯罪行為の範囲を定めた場合において、同項の外国譲与財産について、これを給付資金として保管するに至ったときは、遅滞なく、当該給付資金から被害回復給付金を支給するための手続(以下「外国譲与財産支給手続」という。)を開始する旨の決定をするものとする。 ただし、その時点における給付資金をもっては外国譲与財産支給手続に要する費用等を支弁するのに不足すると認めるとき、その他その時点においては外国譲与財産支給手続を開始することが相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 検察官は、外国から外国犯罪被害財産等又はその換価若しくは取立てにより得られた金銭の譲与を受けるため特に必要があると認めるときは、前項本文の規定にかかわらず、これを給付資金として保管する前に、外国譲与財産支給手続を開始する旨の決定をすることができる。 3 前二項の決定は、第三十五条第三項に規定する場合にあっては、支給対象犯罪行為の範囲ごとにするものとする。 4 検察官は、二以上の外国譲与財産について第三十五条第一項の規定により定められた支給対象犯罪行為の範囲が同一であるときは、これらの外国譲与財産(既に外国譲与財産支給手続が開始されているものを除く。)を同一の外国譲与財産とみなして、第一項又は第二項の決定をすることができる。 5 検察官は、外国譲与財産について第三十五条第一項の規定により定められた支給対象犯罪行為の範囲と犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判について第五条第一項の規定により定められた支給対象犯罪行為の範囲とが同一であるときは、これらの外国譲与財産(既に外国譲与財産支給手続が開始されているものを除く。)及び犯罪被害財産又はその価額(既に犯罪被害財産支給手続が開始されているものを除く。)を同一の外国譲与財産とみなして、第一項又は第二項の決定をすることができる。 (外国譲与財産支給手続の不開始) 第三十八条 検察官は、外国譲与財産支給手続に要する費用等を支弁するのに足りる給付資金を保管することとなる見込みがないと認めるときは、外国譲与財産支給手続を開始しない旨の決定をするものとする。 2 検察官は、前項の決定をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。 (準用) 第三十九条 前節(第五条、第六条及び第八条を除く。)の規定は、外国譲与財産支給手続について準用する。 この場合において、第七条第一項中「前条第二項」とあるのは「第三十七条第二項」と、第十条第一項及び第二十条中「第五条第一項」とあるのは「第三十五条第一項」と、第十四条第一項及び第二十一条第一項第一号ロ中「第六条第二項」とあるのは「第三十七条第二項」と、第十四条第一項中「犯罪被害財産又はその価額」とあるのは「外国譲与財産」と、第二十一条第一項第一号イ中「第六条第一項」とあるのは「第三十七条第一項」と、第二十四条第二項中「除く。)」とあるのは「除く。)及び外国譲与財産に係る外国の法令による裁判又は命令その他の処分に関する記録」と、第三十四条第一項中「第八条第一項」とあるのは「第三十八条第一項」と読み替えるものとする。 第三章 不服申立て等 (検察庁の長に対する審査の申立て) 第四十条 次の各号に掲げる処分、決定、裁定その他の行為(以下「処分等」という。)に不服がある者は、それぞれ当該各号に定める日から起算して三十日以内に、当該処分等をした検察官が所属する検察庁の長に対し、審査の申立てをすることができる。 一 第五条第一項又は第三十五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分 当該処分の公告があった日の翌日 二 第八条第一項、第二十一条第一項(前条において準用する場合を含む。)又は第三十八条第一項の決定 当該決定の公告があった日の翌日 三 第十条又は第十一条(これらの規定を第二十条(前条において準用する場合を含む。)及び前条において準用する場合を含む。)の規定による裁定 裁定書の謄本の送達があった日の翌日 四 第二十六条第一項(前条において準用する場合を含む。)の規定による被害回復事務管理人の報酬の決定 報酬決定書の謄本の送達があった日の翌日 五 前各号に掲げるもののほか、この法律に基づく手続に係る検察官の行為で法務省令で定めるもの 法務省令で定める日 2 前項の規定にかかわらず、正当な理由があるときは、その期間を経過した後であっても、審査の申立てをすることができる。 第四十条の二 この法律又はこの法律に基づく法務省令の規定により検察官に対して処分等についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、検察官の不作為(この法律又はこの法律に基づく法務省令の規定による申請に対して何らの処分等をもしないことをいう。以下同じ。)がある場合には、当該不作為に係る検察官が所属する検察庁の長に対し、当該不作為についての審査の申立てをすることができる。 (審査申立書の提出) 第四十条の三 前二条の規定による審査の申立ては、法務省令で定めるところにより、審査申立書を提出してしなければならない。 2 第四十条第一項各号に掲げる処分等についての審査申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 審査の申立てに係る処分等の内容 二 審査の申立ての趣旨及び理由 三 その他法務省令で定める事項 3 前条に規定する不作為についての審査申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該不作為に係る処分等についての申請の内容及び年月日 二 その他法務省令で定める事項 (審理の方式) 第四十条の四 審査の申立ての審理は、書面による。 (他の申請人への通知等) 第四十一条 検察庁の長は、第四十条第一項第三号に掲げる裁定についての審査の申立てが他の申請人に対する裁定についてされたものであるときは、当該他の申請人に対し、その旨を通知し、かつ、意見を記載した書面を提出する機会を与えなければならない。 (裁決) 第四十二条 検察庁の長は、第四十条第一項の規定による審査の申立てについては、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める裁決をしなければならない。 一 当該審査の申立てが第四十条第一項に規定する期間が経過した後にされたものである場合その他不適法である場合 当該審査の申立てを却下する裁決 二 当該審査の申立てが理由がない場合 当該審査の申立てを棄却する裁決 三 当該審査の申立てに係る処分等が事実上の行為以外のものである場合において、その申立てが理由があるとき 当該審査の申立てに係る第四十条第一項各号に掲げる処分等を取り消し、又は変更する裁決 四 前号の規定により、検察庁の長以外の検察官がしたこの法律又はこの法律に基づく法務省令の規定による申請を却下し、又は棄却する処分等を取り消す場合において、当該申請に対して一定の処分等をすべきものと認めるとき 当該処分等に係る検察官に対し、当該処分等をすべき旨を命ずる裁決 五 第三号の規定により、検察庁の長がしたこの法律又はこの法律に基づく法務省令の規定による申請を却下し、又は棄却する処分等を取り消す場合において、当該申請に対して一定の処分等をすべきものと認めるとき 当該処分等をする裁決 六 当該審査の申立てに係る処分等が検察庁の長以外の検察官のした事実上の行為である場合において、その申立てが理由があるとき 当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為に係る検察官に対し、当該事実上の行為を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずる裁決 七 当該審査の申立てに係る処分等が検察庁の長のした事実上の行為である場合において、その申立てが理由があるとき 当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為を撤廃し、又はこれを変更する裁決 2 前項第三号、第六号又は第七号の場合において、検察庁の長は、審査申立人の不利益に当該処分等を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべきことを命じ、若しくはこれを変更することはできない。 第四十二条の二 検察庁の長は、第四十条の二の規定による審査の申立てについては、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める裁決をしなければならない。 一 当該審査の申立てが不作為に係る処分等についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合 当該審査の申立てを却下する裁決 二 当該審査の申立てが理由がない場合 当該審査の申立てを棄却する裁決 三 当該審査の申立てに係る不作為が検察庁の長以外の検察官によるものである場合において、その申立てが理由があるとき 当該不作為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該申請に対して一定の処分等をすべきものと認めるときは、当該不作為に係る検察官に対し、当該処分等をすべき旨を命ずる裁決 四 当該審査の申立てに係る不作為が検察庁の長によるものである場合において、その申立てが理由があるとき 当該不作為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該申請に対して一定の処分等をすべきものと認めるときは、当該処分等をする裁決 (裁定の方式等に関する規定の準用) 第四十三条 第十二条の規定は、第四十二条第一項各号及び前条各号に定める裁決について準用する。 この場合において、第十二条中「検察官」とあるのは「検察庁の長」と、同条第二項及び第三項中「裁定書」とあるのは「裁決書」と、同条第二項中「申請人」とあるのは「審査申立人(当該審査の申立てが他の申請人に対する裁定についてされたものであるときは、審査申立人及び当該他の申請人)」と読み替えるものとする。 (行政不服審査法の準用) 第四十四条 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十条から第十五条まで、第十八条第三項、第二十一条、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十五条第一項、第二項及び第四項から第七項まで、第二十六条から第二十八条まで、第三十条第二項及び第三項、第三十二条から第三十六条まで、第三十八条第一項から第五項まで、第三十九条、第五十一条第四項、第五十二条第一項から第三項まで並びに第五十三条の規定は、第四十条第一項及び第四十条の二の規定による審査の申立てについて準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替えられる行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十一条第二項 第九条第一項の規定により指名された者(以下「審理員」という。) 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第四十条第一項又は第四十条の二の規定による審査の申立てがされた検察庁の長(以下「審査庁」という。) 第十三条第一項及び第二項、第二十八条、第三十条第二項及び第三項、第三十二条第三項、第三十三条から第三十六条まで、第三十八条第一項から第三項まで及び第五項並びに第三十九条 審理員 審査庁 第十四条 第十九条に規定する審査請求書又は第二十一条第二項に規定する審査請求録取書 審査申立書 第十五条第六項 権利 権利(被害回復給付金の支給を受ける権利を除く。) 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 審査申立書 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第四十条第一項に規定する期間 第二十一条第一項 審査請求書を提出し、又は処分庁等に対し第十九条第二項から第五項までに規定する事項を陳述する 審査申立書を提出する 第二十一条第二項 審査請求書又は審査請求録取書(前条後段の規定により陳述の内容を録取した書面をいう。第二十九条第一項及び第五十五条において同じ。) 審査申立書 第二十一条第三項 審査請求書を提出し、又は処分庁に対し当該事項を陳述した 審査申立書を提出した 第二十二条第一項 審査請求書を処分庁又は審査庁 審査申立書を審査庁 第二十二条第五項 審査請求書又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書 審査申立書 第二十三条(見出しを含む。) 審査請求書 審査申立書 第二十三条 第十九条 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第四十条の三 第二十五条第二項 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁 審査庁 第二十五条第七項 あったとき、又は審理員から第四十条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出された あった 第三十条第二項 第四十条及び第四十二条第一項を除き、以下 以下 第三十条第三項 審査請求人から反論書の提出があったときはこれを参加人及び処分庁等に、参加人 参加人 これを審査請求人及び処分庁等に、それぞれ 、これを審査請求人に 第三十八条第一項 参加人は、第四十一条第一項又は第二項の規定により審理手続が終結するまでの間 参加人は 第二十九条第四項各号に掲げる書面又は第三十二条第一項若しくは第二項若しくは 第三十二条第一項若しくは第二項又は 当該書面若しくは当該書類 当該書類 第五十一条第四項 参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。) 参加人 第五十二条第三項 法令の規定により公示された処分 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第四十条第一項第一号に掲げる処分又は同項第二号に掲げる決定 当該処分が取り消され、又は変更された旨を公示しなければ 法務省令で定めるところにより、当該処分又は決定が取り消され、又は変更された旨を公告しなければ (審査請求の制限) 第四十五条 第四十条第一項各号に掲げる処分等及び第四十条の二に規定する不作為については、審査請求をすることができない。 (訴訟との関係) 第四十六条 第四十条第一項各号に掲げる処分等の取消しの訴えは、当該処分等についての審査の申立てに対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。 (訴訟の特例) 第四十七条 第四十条第一項各号に掲げる処分等の取消しの訴え及び当該処分等に係る第四十二条第一項各号に定める裁決の取消しの訴えは、当該処分等をした検察官が所属する検察庁の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 第四十条の二に規定する不作為に係る第四十二条の二各号に定める裁決の取消しの訴えは、当該不作為に係る検察官が所属する検察庁の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 3 前二項に規定する処分等又は裁決の取消しの訴えは、第四十三条において準用する第十二条第二項の規定による裁決書の謄本の送達を受けた日から三十日を経過したときは、提起することができない。 4 前項の期間は、不変期間とする。 5 国は、第一項に規定する訴えが、他の申請人に対する第四十条第一項第三号に掲げる裁定又は当該裁定に係る第四十二条第一項各号に定める裁決の取消しを求めるものであるときは、遅滞なく、当該他の申請人に対し、訴訟告知をしなければならない。 (取消裁決等があった場合の申請等の効力) 第四十八条 第五条第一項若しくは第三十五条第一項の規定による支給対象犯罪行為の範囲を定める処分(以下この条において「旧処分」という。)を取り消す裁決若しくは旧処分を取り消す判決が確定した場合において改めて支給対象犯罪行為の範囲を定める処分(以下この条において「新処分」という。)がされたとき、又は旧処分を変更する裁決(以下この条において「変更裁決」という。)が確定したときは、旧処分に基づいて申請人が行った申請その他の行為(以下この条において「申請等」という。)又は申請人に対して行われた調査その他の行為(以下この条において「調査等」という。)は、新処分又は変更裁決に基づいて申請人が行った申請等又は申請人に対して行われた調査等とみなす。 第四章 雑則 (法務省令への委任) 第四十九条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、法務省令で定める。 第五章 罰則 第五十条 第二十七条第一項(第三十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 第五十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第九条第一項又は第二項(これらの規定を第二十条(第三十九条において準用する場合を含む。)及び第三十九条において準用する場合を含む。)に規定する申請書又は資料に虚偽の記載をして提出した者 二 第十七条第一項(第二十条(第三十九条において準用する場合を含む。)及び第三十九条において準用する場合を含む。次号において同じ。)に規定する届出書に虚偽の記載をして提出した者 三 第二十八条第一項(第三十九条において準用する場合を含む。)の規定により報告若しくは文書の提出を命ぜられて、又は第二十八条第二項(第三十九条において準用する場合を含む。)の規定により報告若しくは文書の提出を求められて、虚偽の報告をし、又は虚偽の記載をした文書を提出した者(申請人又は第十七条第一項の規定により届出をした者に限る。) 2 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同項の刑を科する。 3 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。 | 刑事 |
Heisei | CabinetOrder | 418CO0000000192_20210901_503CO0000000221.xml | 平成十八年政令第百九十二号 | 2 | 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律施行令
(公告の方法) 第一条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「法」という。)の規定による公告は、次の各号に掲げる区分に応じ、その公告すべき事項を当該各号に定める場所に十四日間掲示してするものとする。 一 法第四十六条第二項(同条第七項(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)並びに法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)及び第五十五条第二項(法第百三十二条第六項(法第百三十六条(法第百四十五条(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定によりその例によることとされる場合を含む。)、第百三十八条(法第二百八十八条及び第二百八十九条第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第百四十一条、第百四十二条、第百四十四条、第二百八十八条及び第二百八十九条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による公告 刑事施設の公衆の見やすい場所 二 法第百九十三条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定並びに法第百九十八条及び第二百二十六条第六項(法第二百八十九条第六項及び第七項において準用する場合を含む。)において準用する法第五十五条第二項の規定による公告 留置施設の置かれる警視庁、道府県警察本部若しくは方面本部又は警察署の公衆の見やすい場所 三 法第二百四十八条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定並びに法第二百五十三条及び第二百七十二条第六項において準用する法第五十五条第二項の規定による公告 海上保安留置施設の置かれる管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所(海上保安留置施設が海上保安庁の船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部又は管区海上保安本部の事務所)の公衆の見やすい場所 (面会が制限される日) 第二条 法第百十八条第一項(法第百十九条(法第二百八十九条第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)及び第百二十三条において準用する場合並びに法第百四十五条(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定によりその例によることとされる場合を含む。)に規定する政令で定める日及び法第二百六十八条において準用する法第二百二十条第一項に規定する政令で定める日は、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日及び十二月二十九日から十二月三十一日までの日とする。 2 法第二百二十条第一項(法第二百八十九条第六項及び第七項において準用する場合を含む。)に規定する政令で定める日は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第四条の二第一項の規定に基づき条例で定められた留置施設の属する都道府県の休日(日曜日を除く。)とする。 (矯正管区の長に対する審査の申請に関する読替え) 第三条 法第百五十九条(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十五条第一項 相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者 相続人 第十五条第三項 相続人その他の者 相続人 審査庁 審査庁(審査の申請がされた行政庁をいう。以下同じ。) 第十五条第四項及び第五項 相続人その他の者 相続人 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第百五十七条第一項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百五十八条第一項及び第二項(これらの規定を同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)に規定する期間 第十九条第二項第一号 居所 居所(刑事施設に収容され、又は刑事施設に附置された労役場若しくは監置場に留置されている者にあっては、当該刑事施設の名称) 第十九条第二項第三号 処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定) 処分 第十九条第二項第五号 処分庁 処分庁(処分をした行政庁をいう。以下同じ。) 第十九条第四項 若しくは財団である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査請求をする場合 又は財団である場合 又は前項各号に掲げる に掲げる 若しくは管理人、総代又は代理人 又は管理人 第二十二条第一項 処分庁又は審査庁 審査庁 第二十二条第五項 前各項 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百五十九条(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)において準用する第一項 又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書が審査庁 が審査庁 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百五十七条第一項又は同法第百五十九条において準用する第十九条第二項若しくは第四項 第二十五条第二項 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁 審査庁 第二十五条第六項 から第四項までの場合 の場合 第三十九条 審理員 審査庁 (矯正管区の長に対する審査の申請の裁決に関する読替え) 第四条 法第百六十一条第二項(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第四十五条第一項 審査庁 審査庁(審査の申請がされた行政庁をいう。以下同じ。) 第四十六条第一項本文 場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十六条第二項第一号 処分庁の 処分庁(処分をした行政庁をいう。以下同じ。)の 第四十七条本文 場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十八条 前条 前条(ただし書及び第二号を除く。) 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 第五十条第三項 及び再審査請求期間(第六十二条に規定する期間をいう。) 並びに刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第百六十二条第二項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)並びに同法第百六十二条第三項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)において準用する同法第百五十八条第二項及びこの法律第六十二条第二項に規定する期間 第五十一条第一項 (当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第四十六条第一項及び第四十七条の規定による裁決にあっては、審査請求人及び処分の相手方)に送達された に送達された 第五十一条第四項 参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。) 処分庁 (法務大臣に対する再審査の申請に関する読替え) 第五条 法第百六十二条第三項(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第百六十二条第二項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。) 同項 第百六十二条第二項 第百六十条及び第百六十一条第一項 矯正管区の長 法務大臣 第百六十条第二項 刑事施設の長 刑事施設の長若しくは矯正管区の長 2 法第百六十二条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十五条第一項 相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者 相続人 第十五条第三項 相続人その他の者 相続人 審査庁 再審査庁(再審査の申請がされた行政庁をいう。以下同じ。) 第十五条第四項及び第五項 相続人その他の者 相続人 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第百六十二条第一項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十二条第二項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)並びに同法第百六十二条第三項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)において準用する同法第百五十八条第二項及びこの法律第六十二条第二項に規定する期間 第十九条第二項第一号 居所 居所(刑事施設に収容され、又は刑事施設に附置された労役場若しくは監置場に留置されている者にあっては、当該刑事施設の名称) 第十九条第二項第三号 審査請求に係る処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定) 原裁決(審査の申請についての裁決をいう。以下同じ。) 第十九条第二項第五号 処分庁 処分庁(処分をした行政庁をいう。以下同じ。) 第十九条第四項 若しくは財団である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査請求をする場合 又は財団である場合 又は前項各号に掲げる に掲げる 若しくは管理人、総代又は代理人 又は管理人 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十二条第一項又は同条第三項において準用する第十九条第二項若しくは第四項 第二十五条第二項 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁 再審査庁 第二十五条第六項 から第四項までの場合 の場合 第三十九条 審理員 再審査庁 第四十六条第一項本文 場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十七条本文 場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十八条 前条 前条(ただし書及び第二号を除く。) 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 第五十一条第一項 (当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第四十六条第一項及び第四十七条の規定による裁決にあっては、審査請求人及び処分の相手方)に送達された に送達された 第五十一条第四項 参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。) 処分庁 (矯正管区の長に対する事実の申告の書面の記載事項) 第六条 法第百六十三条第一項(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による申告の書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 申告をする者の氏名及び年齢並びに刑事施設の名称 二 申告に係る事実 三 申告に係る事実があった年月日 四 刑事施設の長の教示の有無及びその内容 五 申告の年月日 (矯正管区の長に対する事実の申告に関する読替え) 第七条 法第百六十三条第三項(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第百六十三条第二項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。) 2 法第百六十三条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第百六十三条第一項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十三条第二項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)及び同法第百六十三条第三項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 第二十二条第一項 処分につき、処分庁 行為につき、刑事施設の長 処分庁又は審査庁 申告先 第二十二条第五項 前各項 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十三条第三項において準用する第一項 審査請求書又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書 同条第一項の書面 審査庁 申告先 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十三条第一項 審査庁 申告先である行政庁 第二十七条第一項 裁決 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十四条第一項又は第二項(これらの規定を同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による通知 第三十九条 審理員 申告先である行政庁 (矯正管区の長による通知に関する読替え) 第八条 法第百六十四条第三項(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百六十一条第一項 審査の申請 第百六十三条第一項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による申告 2 法第百六十四条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第五十条第一項 審査庁 申告先である行政庁 裁決書 通知書 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 第五十条第三項 審査庁は、再審査請求 申告先である行政庁は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第百六十五条第一項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による申告 裁決書に再審査請求 通知書に当該申告 再審査請求をすべき行政庁及び再審査請求期間(第六十二条に規定する期間をいう。) 当該申告をすべき行政庁並びに同法第百六十五条第二項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)及び同法第百六十五条第三項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 (法務大臣に対する事実の申告の書面の記載事項) 第九条 法第百六十五条第一項(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による申告の書面には、第六条第一号、第二号及び第五号に掲げる事項のほか、法第百六十四条第一項又は第二項(これらの規定を法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による通知を受けた年月日を記載しなければならない。 (法務大臣に対する事実の申告に関する読替え) 第十条 法第百六十五条第三項(法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第百六十五条第二項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。) 第百六十条、第百六十一条第一項並びに第百六十四条第一項、第二項及び第四項 矯正管区の長 法務大臣 第百六十条第二項 刑事施設の長 刑事施設の長若しくは矯正管区の長 第百六十一条第一項 裁決 第百六十五条第三項(第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 2 法第百六十五条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第百六十五条第一項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十五条第二項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)及び同法第百六十五条第三項(同法第二百八十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。以下同じ。)において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十五条第一項 審査庁 申告先である行政庁 第二十七条第一項 裁決 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十五条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 第三十九条 審理員 申告先である行政庁 第五十条第一項 裁決は 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第百六十五条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知は 審査庁 申告先である行政庁 裁決書 通知書 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 (警察本部長に対する審査の申請に関する読替え) 第十一条 法第二百二十九条第三項の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第二百二十九条第二項 2 法第二百二十九条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十五条第一項 相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者 相続人 第十五条第三項 相続人その他の者 相続人 審査庁 審査庁(審査の申請がされた行政庁をいう。以下同じ。) 第十五条第四項及び第五項 相続人その他の者 相続人 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二百二十九条第一項の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百二十九条第二項及び同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 第十九条第二項第一号 居所 居所(留置施設に留置されている者にあっては、当該留置施設の置かれる警視庁、道府県警察本部若しくは方面本部又は警察署の名称) 第十九条第二項第三号 処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定) 処分 第十九条第二項第五号 処分庁 処分庁(処分をした行政庁をいう。以下同じ。) 第十九条第四項 若しくは財団である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査請求をする場合 又は財団である場合 又は前項各号に掲げる に掲げる 若しくは管理人、総代又は代理人 又は管理人 第二十二条第一項 処分庁又は審査庁 審査庁 第二十二条第五項 前各項 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百二十九条第三項において準用する第一項 又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書が審査庁 が審査庁 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百二十九条第一項又は同条第三項において準用する第十九条第二項若しくは第四項 第二十五条第二項 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁 審査庁 第二十五条第六項 から第四項までの場合 の場合 第三十九条 審理員 審査庁 第四十六条第一項本文 場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十七条本文 場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十八条 前条 前条(ただし書及び第二号を除く。) 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 第五十条第三項 及び再審査請求期間(第六十二条に規定する期間をいう。) 並びに刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十条第二項並びに同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項及びこの法律第六十二条第二項に規定する期間 第五十一条第一項 (当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第四十六条第一項及び第四十七条の規定による裁決にあっては、審査請求人及び処分の相手方)に送達された に送達された 第五十一条第四項 参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。) 処分庁 (公安委員会に対する再審査の申請に関する読替え) 第十二条 法第二百三十条第三項の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第二百三十条第二項 2 法第二百三十条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十五条第一項 相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者 相続人 第十五条第三項 相続人その他の者 相続人 審査庁 再審査庁(再審査の申請がされた行政庁をいう。以下同じ。) 第十五条第四項及び第五項 相続人その他の者 相続人 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二百三十条第一項の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十条第二項並びに同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項及びこの法律第六十二条第二項に規定する期間 第十九条第二項第一号 居所 居所(留置施設に留置されている者にあっては、当該留置施設の置かれる警視庁、道府県警察本部若しくは方面本部又は警察署の名称) 第十九条第二項第三号 審査請求に係る処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定) 原裁決(審査の申請についての裁決をいう。以下同じ。) 第十九条第二項第五号 処分庁 処分庁(処分をした行政庁をいう。以下同じ。) 第十九条第四項 若しくは財団である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査請求をする場合 又は財団である場合 又は前項各号に掲げる に掲げる 若しくは管理人、総代又は代理人 又は管理人 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十条第一項又は同条第三項において準用する第十九条第二項若しくは第四項 第二十五条第二項 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁 再審査庁 第二十五条第六項 から第四項までの場合 の場合 第三十九条 審理員 再審査庁 第四十六条第一項本文 場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十七条本文 場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十八条 前条 前条(ただし書及び第二号を除く。) 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 第五十一条第一項 (当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第四十六条第一項及び第四十七条の規定による裁決にあっては、審査請求人及び処分の相手方)に送達された に送達された 第五十一条第四項 参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。) 処分庁 (警察本部長に対する事実の申告の書面の記載事項) 第十三条 法第二百三十一条第一項の規定による申告の書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 申告をする者の氏名及び年齢並びに留置施設の置かれる警視庁、道府県警察本部若しくは方面本部又は警察署の名称 二 申告に係る事実 三 申告に係る事実があった年月日 四 留置業務管理者の教示の有無及びその内容 五 申告の年月日 (警察本部長に対する事実の申告に関する読替え) 第十四条 法第二百三十一条第三項の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第二百三十一条第二項 第百六十一条第一項 裁決 第二百三十一条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 2 法第二百三十一条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二百三十一条第一項の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十一条第二項及び同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 第二十二条第一項 処分につき、処分庁 行為につき、留置業務管理者 処分庁又は審査庁 申告先 第二十二条第五項 前各項 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十一条第三項において準用する第一項 審査請求書又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書 同条第一項の書面 審査庁 申告先 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十一条第一項 審査庁 申告先である行政庁 第二十七条第一項 裁決 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十一条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 第三十九条 審理員 申告先である行政庁 第五十条第一項 裁決は 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十一条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知は 審査庁 申告先である行政庁 裁決書 通知書 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 第五十条第三項 審査庁は、再審査請求 申告先である行政庁は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十二条第一項の規定による申告 裁決を 同法第二百三十一条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を 裁決書に再審査請求 通知書に当該申告 再審査請求をすべき行政庁及び再審査請求期間(第六十二条に規定する期間をいう。) 当該申告をすべき行政庁並びに同法第二百三十二条第二項及び同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 (公安委員会に対する事実の申告の書面の記載事項) 第十五条 法第二百三十二条第一項の規定による申告の書面には、第十三条第一号、第二号及び第五号に掲げる事項のほか、法第二百三十一条第三項において準用する法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた年月日を記載しなければならない。 (公安委員会に対する事実の申告に関する読替え) 第十六条 法第二百三十二条第三項の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第二百三十二条第二項 第百六十一条第一項 裁決 第二百三十二条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 2 法第二百三十二条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二百三十二条第一項の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十二条第二項及び同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十二条第一項 審査庁 申告先である行政庁 第二十七条第一項 裁決 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十二条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 第三十九条 審理員 申告先である行政庁 第五十条第一項 裁決は 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百三十二条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知は 審査庁 申告先である行政庁 裁決書 通知書 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 (管区海上保安本部長に対する審査の申請に関する読替え) 第十七条 法第二百七十五条第三項の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第二百七十五条第二項 2 法第二百七十五条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十五条第一項 相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者 相続人 第十五条第三項 相続人その他の者 相続人 審査庁 審査庁(審査の申請がされた行政庁をいう。以下同じ。) 第十五条第四項及び第五項 相続人その他の者 相続人 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二百七十五条第一項の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十五条第二項及び同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 第十九条第二項第一号 居所 居所(海上保安留置施設に留置されている者にあっては、当該海上保安留置施設の置かれる管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶の名称) 第十九条第二項第三号 処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定) 処分 第十九条第二項第五号 処分庁 処分庁(処分をした行政庁をいう。以下同じ。) 第十九条第四項 若しくは財団である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査請求をする場合 又は財団である場合 又は前項各号に掲げる に掲げる 若しくは管理人、総代又は代理人 又は管理人 第二十二条第一項 処分庁又は審査庁 審査庁 第二十二条第五項 前各項 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十五条第三項において準用する第一項 又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書が審査庁 が審査庁 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十五条第一項又は同条第三項において準用する第十九条第二項若しくは第四項 第二十五条第二項 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁 審査庁 第二十五条第六項 から第四項までの場合 の場合 第三十九条 審理員 審査庁 第四十六条第一項本文 場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十七条本文 場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十八条 前条 前条(ただし書及び第二号を除く。) 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 第五十条第三項 及び再審査請求期間(第六十二条に規定する期間をいう。) 並びに刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十六条第二項並びに同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項及びこの法律第六十二条第二項に規定する期間 第五十一条第一項 (当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第四十六条第一項及び第四十七条の規定による裁決にあっては、審査請求人及び処分の相手方)に送達された に送達された 第五十一条第四項 参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。) 処分庁 (海上保安庁長官に対する再審査の申請に関する読替え) 第十八条 法第二百七十六条第三項の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第二百七十六条第二項 2 法第二百七十六条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十五条第一項 相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者 相続人 第十五条第三項 相続人その他の者 相続人 審査庁 再審査庁(再審査の申請がされた行政庁をいう。以下同じ。) 第十五条第四項及び第五項 相続人その他の者 相続人 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二百七十六条第一項の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十六条第二項並びに同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項及びこの法律第六十二条第二項に規定する期間 第十九条第二項第一号 居所 居所(海上保安留置施設に留置されている者にあっては、当該海上保安留置施設の置かれる管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶の名称) 第十九条第二項第三号 審査請求に係る処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定) 原裁決(審査の申請についての裁決をいう。以下同じ。) 第十九条第二項第五号 処分庁 処分庁(処分をした行政庁をいう。以下同じ。) 第十九条第四項 若しくは財団である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査請求をする場合 又は財団である場合 又は前項各号に掲げる に掲げる 若しくは管理人、総代又は代理人 又は管理人 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十六条第一項又は同条第三項において準用する第十九条第二項若しくは第四項 第二十五条第二項 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁 再審査庁 第二十五条第六項 から第四項までの場合 の場合 第三十九条 審理員 再審査庁 第四十六条第一項本文 場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十七条本文 場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。) 場合 第四十八条 前条 前条(ただし書及び第二号を除く。) 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 第五十一条第一項 (当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第四十六条第一項及び第四十七条の規定による裁決にあっては、審査請求人及び処分の相手方)に送達された に送達された 第五十一条第四項 参加人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。) 処分庁 (管区海上保安本部長に対する事実の申告の書面の記載事項) 第十九条 法第二百七十七条第一項の規定による申告の書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 申告をする者の氏名及び年齢並びに海上保安留置施設の置かれる管区海上保安本部、管区海上保安本部の事務所又は海上保安庁の船舶の名称 二 申告に係る事実 三 申告に係る事実があった年月日 四 海上保安留置業務管理者の教示の有無及びその内容 五 申告の年月日 (管区海上保安本部長に対する事実の申告に関する読替え) 第二十条 法第二百七十七条第三項の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第二百七十七条第二項 第百六十一条第一項 裁決 第二百七十七条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 2 法第二百七十七条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二百七十七条第一項の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十七条第二項及び同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 第二十二条第一項 処分につき、処分庁 行為につき、海上保安留置業務管理者 処分庁又は審査庁 申告先 第二十二条第五項 前各項 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十七条第三項において準用する第一項 審査請求書又は再調査の請求書若しくは再調査の請求録取書 同条第一項の書面 審査庁 申告先 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十七条第一項 審査庁 申告先である行政庁 第二十七条第一項 裁決 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十七条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 第三十九条 審理員 申告先である行政庁 第五十条第一項 裁決は 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十七条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知は 審査庁 申告先である行政庁 裁決書 通知書 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 第五十条第三項 審査庁は、再審査請求 申告先である行政庁は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十八条第一項の規定による申告 裁決を 同法第二百七十七条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を 裁決書に再審査請求 通知書に当該申告 再審査請求をすべき行政庁及び再審査請求期間(第六十二条に規定する期間をいう。) 当該申告をすべき行政庁並びに同法第二百七十八条第二項及び同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 (海上保安庁長官に対する事実の申告の書面の記載事項) 第二十一条 法第二百七十八条第一項の規定による申告の書面には、第十九条第一号、第二号及び第五号に掲げる事項のほか、法第二百七十七条第三項において準用する法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知を受けた年月日を記載しなければならない。 (海上保安庁長官に対する事実の申告に関する読替え) 第二十二条 法第二百七十八条第三項の規定による法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第百五十八条第二項 前項 第二百七十八条第二項 第百六十一条第一項 裁決 第二百七十八条第三項において準用する第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 2 法第二百七十八条第三項の規定による行政不服審査法の規定の準用についての技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える行政不服審査法の規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十八条第三項 次条に規定する審査請求書 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二百七十八条第一項の書面 前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。) 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十八条第二項及び同条第三項において準用する同法第百五十八条第二項に規定する期間 第二十三条 第十九条 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十八条第一項 審査庁 申告先である行政庁 第二十七条第一項 裁決 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十八条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知 第三十九条 審理員 申告先である行政庁 第五十条第一項 裁決は 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百七十八条第三項において準用する同法第百六十四条第一項又は第二項の規定による通知は 審査庁 申告先である行政庁 裁決書 通知書 第五十条第一項第四号 理由(第一号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。) 理由 (釈放の事由) 第二十三条 法第百七十三条(法第二百三十八条及び第二百八十九条第一項において準用する場合を含む。)及び第二百八十四条第一項に規定する政令で定める事由は、次のとおりとする。 一 法第三条第二号若しくは第五号、第十四条第二項第一号若しくは第三号(被 勾 こう 留者を除く。)又は第二十五条第二項第一号若しくは第二号に掲げる者について、裁判官、検察官、司法警察員その他のその者の身体の拘束について権限を有する者の釈放の指揮又は通知を受けたこと。 二 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百六十七条第一項(同法第二百二十四条第二項において準ずる場合及び他の法律において準用する場合を含む。)の規定により留置されている者について、あらかじめ定められた留置の期間が満了したこと。 | 刑事 |
Heisei | CabinetOrder | 418CO0000000287_20150801_000000000000000.xml | 平成十八年政令第二百八十七号 | 2 | 刑事訴訟法第三十六条の二の資産及び同法第三十六条の三第一項の基準額を定める政令
(法第三十六条の二の資産) 第一条 刑事訴訟法(以下「法」という。)第三十六条の二に規定する政令で定める資産は、次に掲げるものとする。 一 小切手法(昭和八年法律第五十七号)第六条第三項の規定により金融機関が自己あてに振り出した小切手 二 農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合又は水産加工業協同組合連合会に対する貯金 三 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十八条又は船員法(昭和二十二年法律第百号)第三十四条の規定により管理される労働者又は船員の貯蓄金 四 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第九十八条第一項若しくは地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)第百十二条第一項に規定する組合に対する組合員の貯金又は私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)第二十六条第一項に規定する事業団に対する加入者の貯金 (法第三十六条の三第一項の基準額) 第二条 法第三十六条の三第一項に規定する政令で定める額は、五十万円とする。 | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 418M60000010048_20240401_506M60000010027.xml | 平成十八年法務省令第四十八号 | 2 | 更生保護施設整備費補助金及び更生保護事業費補助金交付規則
(通則) 第一条 更生保護事業法(以下「法」という。)第五十八条の規定に基づき国が更生保護法人に対して交付する更生保護施設整備費補助金及び更生保護事業費補助金(以下「補助金」と総称する。)の交付については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律及び補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令の定めによるほか、この規則の定めるところによる。 (補助の対象及び限度) 第二条 更生保護施設整備費補助金の交付の対象となる事業は、次に掲げるものとする。 一 法第二条第七項に規定する更生保護施設に係る次の整備事業 イ 土地、建物又は構築物の購入 ロ 土地の整備、建物若しくは構築物の新築、増築、改築、模様替え若しくは補修又は建物附属設備の新設若しくは補修(模様替え及び補修については軽微なものを除く。) 二 前号に掲げる事業を助成する事業 2 前項第一号に掲げる事業に係る補助金の額は、当該事業に必要な経費の三分の二に相当する額を限度とする。 3 第一項第二号に掲げる事業に係る補助金の額は、助成の対象となる事業に必要な経費の三分の二に相当する額又は当該助成に充てられる額のいずれか少ない額(助成の対象となる事業が複数ある場合においては、それぞれの事業について、同様の方法により算出した額の合計額)を限度とする。 第二条の二 更生保護事業費補助金の交付の対象となる事業は、次に掲げるものとする。 一 法第二条第三項に規定する通所・訪問型保護事業における金品を給与する事業(就職時の身元保証を得るために要する経費を給与するものに限る。) 二 前号に掲げる事業を助成する事業 2 前項第一号に掲げる事業に係る補助金の額は、当該事業に必要な経費の二分の一に相当する額を限度とする。 3 第一項第二号に掲げる事業に係る補助金の額は、助成の対象となる事業に必要な経費の二分の一に相当する額又は当該助成に充てられる額のいずれか少ない額(助成の対象となる事業が複数ある場合においては、それぞれの事業について、同様の方法により算出した額の合計額)を限度とする。 (申請の手続) 第三条 更生保護法人は、補助金の交付を受けようとするときは、毎年四月三十日までに法務大臣に対し、当該年度の補助金の交付の対象となる事業(以下「補助事業」という。)に係る補助金の交付を別に定める書面により申請しなければならない。 ただし、緊急を要する場合その他特別の事情があるときは、この期日を経過した後であっても、申請を行うことができる。 (決定の通知) 第四条 法務大臣は、更生保護法人から補助金の交付の申請があったときは、審査の上、補助金の交付の決定を行い、速やかに決定の内容及び交付の条件を書面により当該更生保護法人に通知するものとする。 (申請の取下げ) 第五条 更生保護法人は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第九条第一項の規定により補助金の交付の申請を取り下げようとするときは、交付の決定の通知を受けた日から十日以内にその旨を記載した書面を法務大臣に提出しなければならない。 (契約の方式) 第六条 更生保護法人は、補助事業の実施に関し、売買、請負その他の契約をするときは、一般競争に付さなければならない。 ただし、補助事業の運営上、一般競争に付すことが困難又は不適当である場合は、指名競争に付し、又は随意契約によることができる。 (計画変更の承認) 第七条 更生保護法人は、次の各号の一に該当する補助事業の変更をするときは、あらかじめ、別に定める申請書により法務大臣の承認を受けなければならない。 一 補助事業に要する経費の配分額の変更(それぞれの配分額の十分の一に相当する金額を超えない範囲の変更を除く。)をするとき。 二 補助事業の内容の変更(補助事業の当初の目的を変更しない範囲の軽微な変更を除く。)をするとき。 2 法務大臣は、前項の承認をする場合において必要があるときは、交付の決定の内容を変更し、又は条件を付することができる。 (補助事業の中止又は廃止) 第八条 更生保護法人は、補助事業を中止し、又は廃止するときは、あらかじめ、別に定める申請書により法務大臣の承認を受けなければならない。 (事業遅延の届出) 第九条 更生保護法人は、補助事業が予定の期間内に完了しないことが明らかになったとき又はその遂行が困難となったときは、速やかに別に定める書面により法務大臣に報告し、その指示を受けなければならない。 (状況の報告) 第十条 更生保護法人は、補助事業の遂行状況について法務大臣から報告を求められたときは、速やかにその状況を別に定める書面により報告しなければならない。 (実績の報告) 第十一条 更生保護法人は、補助事業が完了したときは、その日から一月以内又は翌年度の四月十日のいずれか早い期日までに別に定める書面により法務大臣に報告しなければならない。 ただし、報告の期日について、あらかじめ法務大臣の承認を受けたときは、その期日までとする。 2 前項の報告書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 補助事業に要した経費の支払の事実又は支払義務の確定を証する書類の写し 二 補助事業に関する収支決算書 三 前二号に掲げるもののほか、補助事業の実施状況を示す書類 (補助金の額の確定等) 第十二条 法務大臣は、前条の報告を受けた場合において、報告書等の書類の審査及び必要に応じて行う現地調査等により、その報告に係る補助事業の実施結果が補助金の交付の決定の内容及びこれに付した条件に適合すると認めたときは、交付すべき補助金の額を確定し、速やかに当該更生保護法人に通知するものとする。 2 法務大臣は、更生保護法人に交付すべき補助金の額を確定した場合において、既にその額を超える補助金が交付されているときは、その超える部分の補助金の返還を命ずるものとする。 3 前項の補助金の返還期限は、当該命令のなされた日から二十日以内とし、納期日までに納付がない場合には、その未納付額に対して、納期日の翌日から納付の日までの期間に応じ、年十・九五パーセントの割合で計算した延滞金を徴収するものとする。 (交付決定の取消等) 第十三条 法務大臣は、第八条の補助事業の中止又は廃止の申請があった場合及び次に掲げる場合には、第四条の交付の決定の全部若しくは一部を取り消し、又は変更することができる。 一 更生保護法人が法令又はこれに基づく法務大臣の処分若しくは指示に違反した場合 二 更生保護法人が補助金を補助事業以外の用途に使用した場合 三 更生保護法人が補助事業に関して不正、怠慢、その他不適当な行為をした場合 四 交付の決定後生じた事情の変更等により、補助事業の全部又は一部を継続する必要がなくなった場合 2 法務大臣は、前項の取消しをした場合において、当該取消しに係る部分に関し、既に補助金が交付されているときは、当該補助金の全部又は一部の返還を命ずるものとする。 3 法務大臣は、前項の返還を命ずるときは、命令に係る補助金の受領の日から納付の日までの期間に応じ、年十・九五パーセントの割合で計算した加算金の納付を併せて命ずるものとする。 4 第二項に基づく補助金の返還については、前条第三項の規定を準用する。 (概算払) 第十四条 法務大臣は、必要があると認めるときは、補助金の全部又は一部について概算払をすることができる。 (財産処分の制限等) 第十五条 更生保護法人は、補助事業(第二条第一項第一号の補助事業に限る。)により取得し、又は効用の増加した財産を法務大臣の承認を受けないで補助金の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供してはならない。 ただし、当該財産についての法第四十七条第一項の規定による認可若しくは当該財産の処分につき定款の変更を要する場合における法第二十七条第一項の規定による認可又は法第四十七条第三項の規定による承認があった場合は、この限りでない。 2 法務大臣は、更生保護法人が補助事業(第二条第一項第一号の補助事業に限る。)により取得し、又は効用の増加した財産を処分することにより収入を得たときは、その収入の全部又は一部を国に納付させることができる。 (補助金の経理) 第十六条 更生保護法人は、補助事業についての収入及び支出を明らかにした帳簿を備え付け、他の経理と区分して収入額及び支出額を記載し、補助金の使途を明らかにしておかなければならない。 2 更生保護法人は、前項の帳簿及び補助事業についての支出の事実を証する書類を補助事業の完了の日の属する年度の終了後五年間保存しなければならない。 (間接補助金交付の際付すべき条件) 第十七条 第二条第一項第二号又は第二条の二第一項第二号に掲げる事業を行う更生保護法人は、当該事業の実施に際し、第五条から第十三条までの規定並びに第十五条及び第十六条の規定に準ずる条件を付さなければならない。 | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 418M60000010057_20240401_506M60000010025.xml | 平成十八年法務省令第五十七号 | 2 | 刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則
第一章 総則 (趣旨) 第一条 この規則は、刑事施設及び被収容者の処遇に関し、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号。以下「法」という。)の規定による委任に基づく事項その他法の施行に必要な事項を定めるものとする。 (刑事施設視察委員会の名称) 第二条 刑事施設視察委員会(以下「委員会」という。)の名称は、視察委員会という文字にその置かれる刑事施設の名称を冠したものとする。 (委員長) 第三条 委員会に委員長を置き、委員の互選によってこれを定める。 2 委員長は、委員会の会務を総理する。 3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。 (委員会の議事) 第四条 委員会の会議は、委員長が招集する。 2 委員会は、委員の過半数の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。 3 前二項に定めるもののほか、委員会の議事に関し必要な事項は、委員会が定める。 (委員会の庶務) 第五条 委員会の庶務は、その置かれる刑事施設の庶務課において処理する。 (委員会に対する情報の提供) 第六条 刑事施設の長は、毎年度、その年度における最初の委員会の会議において、刑事施設に関する次に掲げる事項について、刑事施設の運営の状況を把握するのに必要な情報を記載した書面を提出するものとする。 一 敷地及び建物の概況 二 収容定員及び収容人員の推移 三 職員定員及びその充足の状況 四 参観の許否の状況 五 法第四十条の規定による物品の貸与及び支給並びに法第四十一条の規定による自弁の物品の使用又は摂取の許否の状況 六 被収容者に対して講じた保健衛生上及び医療上の措置の状況 七 宗教家による宗教上の儀式行事及び教 誨 かい の実施の状況 八 自弁の書籍等(書籍、雑誌、新聞紙その他の文書図画(信書を除く。)をいう。以下同じ。)の閲覧の禁止又は制限の状況 九 規律及び秩序を維持するために執った措置の状況 十 民間の篤志家、関係行政機関その他の者による受刑者の処遇に関する協力の状況 十一 矯正処遇等(矯正処遇及び法第八十五条第一項の規定による指導をいう。以下同じ。)の実施の状況 十二 法第百六条第一項の規定による支援の実施の状況 十三 被収容者による面会、信書の発受及び法第百四十六条第一項に規定する通信の許否、禁止、差止め又は制限の状況 十四 懲罰の科罰の状況 十五 審査の申請、再審査の申請、法第百六十三条第一項又は第百六十五条第一項の規定による申告及び苦情の申出の状況並びにそれらの処理の結果 十六 仮釈放及び仮出場を許すべき旨の申出の状況 2 刑事施設の長は、次に掲げる場合には、委員会の会議において、その状況を把握するのに必要な情報を記載した書面を提出するものとする。 一 刑事施設の運営の状況に相当程度の変更があった場合 二 委員会から刑事施設の運営の状況について説明を求められた場合 三 委員会の意見を受けて措置を講じた場合 (委員会の意見の反映) 第六条の二 刑事施設の長は、できる限り、委員会が述べた意見を刑事施設の運営に反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 (刑務官の指定) 第七条 刑務官は、次に掲げる者のうちから指定する。 一 刑事施設の長 二 刑事施設の職員(刑事施設の長を除く。)であって、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)別表第四イ公安職俸給表(一)の適用を受ける法務事務官 (刑務官の階級) 第八条 刑務官の階級は、矯正監、矯正長、矯正副長、看守長、副看守長、看守部長及び看守とする。 第二章 収容の開始 (収容開始時の告知の方法等) 第九条 法第三十三条の規定による告知を行う際には、同条第一項第六号及び第八号から第十一号までに掲げる事項については、刑事施設の職員により、その概要を口頭で説明するものとする。 2 法第三十三条第二項の書面は、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。以下同じ。)に備え付けるものとする。 3 刑事施設の長は、法第三十三条の規定による告知を行った後、告知した内容に変更があった場合には、その都度、被収容者に対し、変更された内容を書面で告知しなければならない。 この場合においては、前二項の規定を準用する。 (識別のための身体検査の方法) 第十条 法第三十四条第一項の規定による検査は、次に掲げる方法により行うものとする。 一 顔写真の撮影 二 身体の特徴の見分 三 指紋の採取 四 手の静脈の電子計算機の用に供される画像情報の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によっては認識することができない方法をいう。)による採取 第三章 処遇の態様 (法第三十五条第一項に規定する法務省令で定める場合) 第十一条 法第三十五条第一項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 運動、入浴又は面会の場合 二 健康診断又は診療の場合 三 前二号に掲げる場合のほか、居室において行うことが困難な処遇を行う場合 第四章 起居動作の時間帯等 (起居動作の時間帯) 第十二条 法第三十八条第一号に掲げる時間帯は、次の各号に規定する時間帯について次に掲げる基準に従い定めるほか、居室に在室していることを確認するための点検の時間帯について定めるものとする。 一 食事の時間帯は、朝食については午前六時三十分から午前八時三十分までの間で、昼食については午前十一時から午後一時までの間で、夕食については午後四時から午後七時までの間で定めること。 二 就寝の時間帯は、午後九時から翌日の午前八時までの間で、連続する八時間以上の時間帯を定めること。 三 運動の時間帯は、午前七時から午後五時までの間で定めること。 ただし、居室内において運動を行う機会を与えるときは、午前七時から午後七時までの間で定めることができる。 四 入浴の時間帯は、午前七時から午後九時までの間で定めること。 2 法第三十八条第二号に掲げる時間帯は、次に掲げる基準に従い定めるものとする。 一 矯正処遇等の時間帯は、午前七時から午後七時までの間で定め、矯正処遇等を行う時間が六時間を超えるときは、その途中に、二十分以上の休憩の時間帯を定めること。 二 余暇に充てられるべき時間帯(以下「余暇時間帯」という。)は、矯正処遇等を行う日においては、二時間以上の時間帯を定めること。 3 法第三十八条各号に掲げる時間帯は、受刑者について、作業の性質、製造作業に係る製品の納期限その他の事情から必要があるときは、前二項各号に掲げる基準によらないで定めることができる。 (余暇活動の援助) 第十三条 法第三十九条第二項の規定による援助は、次項に定めるところによるほか、運動競技その他の複数の被収容者が共同で参加することができる活動の企画、刑事施設に備え付けた書籍等、運動器具、遊具その他の物品の貸与その他余暇時間帯等(受刑者にあっては余暇時間帯をいい、その他の被収容者にあっては食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯以外の時間帯をいう。以下同じ。)における活動を行うのに必要かつ適切な措置を講ずることにより行うものとする。 2 受刑者の余暇時間帯における教育的活動に要する費用については、刑事施設の長がその活動の内容に照らして相当と認めるときは、その全部又は一部を国庫の負担とする。 第五章 物品の貸与等及び自弁 (室内装飾品の貸与等) 第十四条 被収容者には、室内装飾品は、法第八十九条の規定による優遇措置(以下「優遇措置」という。)として貸与するほか、その者の処遇上特に適当と認める場合に限り、貸与することができるものとする。 2 被収容者には、 嗜 し 好品は、優遇措置として支給するほか、受刑者の処遇として特別な行事を行う場合並びに国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)第二条に規定する国民の祝日、一月二日及び一月三日に限り、支給することができるものとする。 3 前二項に定めるもののほか、法第四十条第二項の規定により被収容者に貸与し、又は支給する物品の品名及びその貸与又は支給の基準は、法務大臣が定める。 (受刑者の自弁の物品の使用等) 第十五条 受刑者には、法第四十一条第一項各号に掲げる物品(法第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。以下この条及び次条において同じ。)について、この条の定めるところにより、必要な数量の範囲内で、自弁のものの使用又は摂取を許すことができるものとする。 2 受刑者には、法第四十一条第一項第一号に掲げる物品は、下着(法務大臣が定める品名のものに限る。)及び靴下について、自弁のものの使用を許し、寝衣について、優遇措置として自弁のものの使用を許すものとするほか、それら以外の物品については、護送する場合及び外部通勤作業(法第九十六条第一項の規定による作業をいう。以下同じ。)を行わせる場合において適当と認めるときに限り、自弁のものの使用を許すことができるものとする。 3 受刑者には、法第四十一条第一項第二号及び第四号に掲げる物品は、法務大臣が定める品名のものについて、優遇措置として自弁のものの摂取を許すほか、外部通勤作業を行わせる場合、法第百六条の二第一項の規定により外出又は外泊を許す場合その他法務大臣が定める場合において適当と認めるときに限り、自弁のものの摂取を許すことができるものとする。 4 受刑者には、法第四十一条第一項第三号に掲げる物品は、法務大臣が定める品名のものについて、優遇措置として自弁のものの使用を許すほか、その者の処遇上適当と認める場合に限り、自弁のものの使用を許すことができるものとする。 5 受刑者には、法第四十一条第一項第五号に掲げる物品は、サンダル、座布団及び余暇時間帯における娯楽的活動に用いる物品(法務大臣が定める品名のものに限る。)について、優遇措置として自弁のものの使用を許すほか、次に掲げる物品(法務大臣が定める品名のものに限る。)について、自弁のものの使用を許すことができるものとする。 一 タオル、石けん、洗髪剤、洗顔用具、調髪用具、靴その他の日用品 二 文房具その他の余暇時間帯における知的及び教育的活動に用いる物品 三 手袋、マスクその他の身体に装着する物品(衣類を除く。)であって、受刑者の健康状態その他の事情に照らして使用することが必要なもの 6 受刑者には、法第四十一条第一項各号に掲げる物品についての自弁のものの使用及び摂取は、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合並びに法第二編第二章第十二節の規定により禁止される場合には、これを許さないものとする。 受刑者としての地位に照らして使用又は摂取を許すことが適当でない物品についても、同様とする。 7 前各項に定めるもののほか、法第四十一条第一項の規定により受刑者に自弁の物品の使用又は摂取を許す基準は、法務大臣が定める。 (受刑者以外の被収容者の自弁の物品の使用等) 第十六条 受刑者以外の被収容者には、法第四十一条第一項各号に掲げる物品及び寝具について、この条の定めるところにより、必要な数量の範囲内で、自弁のものの使用又は摂取を許すものとする。 2 受刑者以外の被収容者には、法第四十一条第一項第三号に掲げる物品は、法務大臣が定める品名のものについて、自弁のものの使用を許すものとする。 3 受刑者以外の被収容者には、法第四十一条第一項第四号に掲げる物品は、たばこ以外の物品について、自弁のものの摂取を許すものとする。 4 受刑者以外の被収容者には、法第四十一条第一項第五号に掲げる物品は、次に掲げる物品(法務大臣が定める品名のものに限る。)について、自弁のものの使用又は摂取を許すものとする。 一 タオル、石けん、洗髪剤、洗顔用具、調髪用具、サンダル、座布団、ハンガーその他の日用品 二 文房具、遊具その他の余暇時間帯等における知的、教育的及び娯楽的活動に用いる物品 三 手袋、マスクその他の身体に装着する物品(衣類を除く。)であって、受刑者以外の被収容者の健康状態その他の事情に照らして使用することが必要なもの (法第四十二条第一項第五号に規定する法務省令で定める物品) 第十七条 法第四十二条第一項第五号に規定する法務省令で定める物品は、次に掲げる物品とする。 一 印紙及び印鑑 二 かつら(法第百六条の二第一項の規定により外出し、又は外泊する場合、裁判所に出頭する場合その他の刑事施設の長がかつらの着用を許すことが適当と認める場合に限る。) 第六章 金品の取扱い (差入れの申出書の提出等) 第十八条 刑事施設の長は、被収容者に金品を交付しようとする者に対し、次に掲げる事項について、これを記載した申出書の提出を求め、又は質問することができる。 一 氏名、生年月日、住所、電話番号及び職業 二 交付の相手方である被収容者の氏名及びその者との関係 三 交付しようとする現金の額又は物品の品名及び数量 2 刑事施設の長は、前項に規定する者に対し、同項第一号及び第二号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。 (保管私物の保管方法) 第十九条 法第四十八条第一項に規定する保管私物(以下この条及び次条において「保管私物」という。)は、刑事施設の長が指定する居室内又は居室外の棚、容器その他の保管設備に保管させるものとする。 2 保管私物を居室外の保管設備に保管させるときは、被収容者に、一日に一回以上、その設備に保管私物を出し入れする機会を与えなければならない。 ただし、居室棟外の保管設備について、次に掲げる日にその機会を与えることが刑事施設の管理運営上困難であるときは、この限りでない。 一 日曜日 二 土曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日、一月二日、一月三日及び十二月二十九日から十二月三十一日までの日 三 法務大臣が定める七月から九月までの間の前二号に掲げる日を除いて連続する三日 四 刑事施設の長が、一月につき四日の範囲内で、その刑事施設において矯正処遇等のうち専ら作業(連日作業(炊事、食事の配給又は畜産に関する作業その他その性質上連日行うことが必要な作業をいう。以下同じ。)を除く。)以外のものを行う日として定める日 (法第四十八条第二項に規定する法務省令で定めるもの) 第二十条 法第四十八条第二項に規定する保管私物及び被収容者について領置している物品から除くものとして法務省令で定めるものは、次に掲げる物品とする。 一 被収容者が当事者である係属中の裁判所の事件に関する記録その他の書類又はその写し 二 眼鏡その他の補正器具 (差入れ等に関する制限) 第二十一条 法第五十一条の規定による被収容者に対する金品の交付及び被収容者による自弁物品等の購入についての制限は、次に掲げる制限をすることにより行うことができるものとする。 一 次のイ又はロに掲げる事項についての制限 イ 被収容者に対する金品の交付の申出及び被収容者による自弁物品等の購入の申請の日及び時間帯 ロ 一人の者が一定の期間内に一人の被収容者に交付する物品の種類ごとの数量及び被収容者が一定の期間内に購入する自弁物品等の種類ごとの数量 二 被収容者に交付しようとする物品又は被収容者が購入しようとする自弁物品等であって、刑事施設の長が定める種類のものについて、刑事施設の長が指定する事業者から購入するものに制限すること。 (法第五十五条第一項に規定する法務省令で定める遺族その他の者) 第二十二条 法第五十五条第一項に規定する法務省令で定める遺族その他の者は、次に掲げる者とする。 一 被収容者が指定した者(一人に限る。) 二 被収容者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹 三 被収容者がその国籍を有する外国の大使、公使、領事官その他領事任務を遂行する者 (死亡者の遺留物の引渡し) 第二十三条 死亡した被収容者の遺留物(刑事施設に遺留した金品をいう。以下同じ。)は、前条各号に掲げる者のうち、最初にその引渡しを申請した者に引き渡すものとする。 ただし、第九十二条第一項各号に掲げる順序に従いその者より先順位の者に対し法第百七十六条の規定による通知を行った場合(その者がその遺留物の交付を申請しない旨の意思表示をしたときを除く。)において、相当の期間内に、その者からその引渡しの申請があったときは、その遺留物は、その者に引き渡す。 第七章 保健衛生及び医療 (法第五十七条に規定する法務省令で定める日等) 第二十四条 法第五十七条に規定する法務省令で定める日は、次に掲げる日とする。 一 第十九条第二項第二号から第四号までに掲げる日 二 三十分以上矯正処遇として運動を行う日であって、刑事施設の長が、一週間につき三日の範囲内で定める日 2 被収容者には、一日に三十分以上、かつ、できる限り長時間、運動の機会を与えるものとする。 (入浴の回数等) 第二十五条 被収容者には、収容の開始後速やかに、及び一週間に二回以上(閉居罰(法第百五十一条第一項第六号の懲罰をいう。以下同じ。)を科されている者については、一週間に一回以上)、入浴を行わせる。 2 女子の被収容者の入浴の立会いは、女子の職員が行わなければならない。 (受刑者の調髪及びひげそりの回数等) 第二十六条 男子の受刑者には、刑の執行開始後速やかに、及びおおむね一月に一回、調髪を行わせる。 2 男子の受刑者には、刑の執行開始後速やかに、及び一週間に二回以上(閉居罰を科されている者については、一週間に一回以上)、ひげそりを行わせる。 3 女子の受刑者には、必要があるときに、調髪及び顔そりを行わせる。 4 前三項の規定にかかわらず、受刑者が調髪又はひげそりを行わないことを希望する場合において、その宗教、その者が国籍を有する国における風俗慣習、釈放の時期その他の事情を考慮して相当と認めるときは、調髪又はひげそりを行わせないものとする。 5 受刑者に行わせる調髪の髪型の基準は、法務大臣が定める。 (受刑者以外の被収容者の調髪及びひげそりの回数等) 第二十七条 受刑者以外の被収容者であって男子であるものには、おおむね二月に一回以上、調髪を行うことを許すものとする。 2 受刑者以外の被収容者であって女子であるものには、おおむね三月に一回以上、調髪を行うことを許すものとする。 3 受刑者以外の被収容者であって男子であるものには、一週間に二回以上(閉居罰を科されている者については、一週間に一回以上)、ひげそりを行うことを許すものとする。 4 受刑者以外の被収容者であって女子であるものには、一月に一回以上、顔そりを行うことを許すものとする。 5 受刑者以外の被収容者の行う調髪(自弁により行うものを除く。)の髪型の基準は、法務大臣が定める。 (調髪及びひげそりの方法の基準) 第二十八条 被収容者の行う調髪、ひげそり及び顔そりの方法の基準は、法務大臣が定める。 (健康診断の事項) 第二十九条 法第六十一条第一項前段の規定による健康診断は、次に掲げる事項について行うものとする。 ただし、第一号、第三号(体重の測定を除く。)及び第五号から第十一号までに掲げる事項については、医師が法務大臣が定める基準に従い必要でないと認めるときは、健康診断を省略することができる。 一 既往歴、生活歴及び家族の病歴の調査 二 自覚症状及び他覚症状の検査 三 身長及び体重の測定並びに視力及び聴力の検査 四 血圧の測定 五 尿中の糖及び 蛋 たん 白の有無の検査 六 胸部エックス線検査 七 血色素量及び赤血球数の検査 八 血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)及びガンマ―グルタミルトランスペプチダーゼ(γ―GTP)の検査 九 血清総コレステロール、高比重リポ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)及び血清トリグリセライドの量の検査 十 血糖検査 十一 心電図検査 2 法第六十一条第一項後段の規定による健康診断は、前項第二号に掲げる事項のほか、医師が必要と認める事項について行うものとする。 (指名医の遵守事項) 第三十条 刑事施設の長は、法第六十三条第一項の規定による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を受けることを許す場合には、同項の診療を行う医師又は歯科医師に対し、次に掲げる事項を具体的に指示するものとする。 一 正当な理由なく、診療を行う場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。 二 診療に用いる器具、材料、薬剤その他の物品について、刑事施設の長が指定するもの以外のものを使用してはならないこと。 三 被収容者と金品の授受をしてはならないこと。 四 被収容者と診療のため必要な範囲を明らかに逸脱した会話をしてはならないこと。 五 前各号に掲げるもののほか、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項 (法第六十四条に規定する法務省令で定める措置) 第三十一条 法第六十四条に規定する法務省令で定める措置は、次に掲げる措置とする。 一 感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある飲食物、衣類その他の物品についての消毒、廃棄その他病原体の繁殖及び飛散を防止する措置 二 作業を行わせないこと。 三 入浴又は調髪を行わせないこと。 (一般用医薬品の自弁) 第三十二条 法務大臣が指定する刑事施設においては、刑事施設の長は、被収容者に対し、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第四条第五項第四号に規定する一般用医薬品(法務大臣が定める品名のものに限る。)であって、被収容者の健康状態に照らして、使用することが必要となる可能性があり、かつ、使用することがその健康を害するおそれが少ないものについて、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、必要な数量の範囲内で、自弁のものを使用するために保管することを許すものとする。 2 被収容者が前項の規定により保管する一般用医薬品は、必要があるときにその使用を不当に妨げることにならない限りにおいて、刑事施設の長が指定する居室内又は居室外の棚、容器その他の保管設備に保管させるものとする。 第八章 書籍等の閲覧 (翻訳の費用の負担) 第三十三条 法第七十条第二項に規定する翻訳の費用は、書籍等の閲覧の目的及び被収容者の負担能力に照らしてその者に負担させることが相当と認められるときに限り、その者に負担させることができるものとする。 ただし、被収容者が次の各号のいずれかに該当する者である場合は、特別の事情があるときを除き、この限りでない。 一 国語を読解する能力を有しない者 二 点字によらなければ書籍等を閲覧できない者 (新聞紙に関する制限) 第三十四条 法第七十一条の規定による被収容者が取得することができる新聞紙の範囲の制限は、時事に関する事項を総合して報道する日刊新聞紙について、刑事施設の長が指定する二紙以上の新聞紙のうち、被収容者が選択する一紙以上の新聞紙に制限することにより行うことができるものとする。 時事に関する事項を総合して報道する日刊新聞紙以外の日刊新聞紙についても、同様とする。 2 法第七十一条の規定による被収容者が取得することができる新聞紙の取得方法の制限は、日刊新聞紙について、刑事施設の長が指定する事業者からの一月以上の継続的な購入に制限することにより行うことができるものとする。 第九章 規律及び秩序の維持 (法第七十六条第一項に規定する法務省令で定める場合) 第三十五条 法第七十六条第一項に規定する法務省令で定める場合は、第十一条各号に掲げる場合とする。 (警備用具) 第三十六条 法第七十七条第一項又は第二項の措置に必要な警備用具は、次に掲げるものとする。 一 警棒 二 警じょう 三 さすまた 四 盾 五 催涙弾及び着色弾並びにこれらの発射機 六 催涙スプレー (捕縄及び手錠の使用方法) 第三十七条 被収容者を護送する場合に使用することができる手錠は、被収容者が法第七十八条第一項各号のいずれかの行為をするおそれがある場合を除き、別表第一に定める第一種の手錠とする。 2 被収容者に捕縄を使用する場合には、血液の循環を著しく妨げることとならないよう留意しなければならない。 (捕縄、手錠及び拘束衣の制式) 第三十八条 捕縄、手錠及び拘束衣の制式は、別表第一のとおりとする。 (保護室の構造及び設備の基準) 第三十九条 保護室の構造及び設備の基準は、次のとおりとする。 一 収容された者の身体を傷つけにくい構造及び設備を有すること。 二 損壊し、又は汚損しにくい構造及び設備を有すること。 三 防音上有効な構造及び設備を有すること。 四 室内の視察に支障がない構造及び設備を有すること。 五 適当な換気、採光、照明、保温、防湿及び排水のための構造及び設備を有すること。 (法第八十条第一項に規定する法務省令で定める場合) 第四十条 法第八十条第一項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 被収容者が法第八十条第二項各号のいずれかに該当することとなり、又は被収容者以外の者が同条第三項各号のいずれかに該当することとなるおそれがある場合において、刑事施設の長が小型武器を携帯することを命令したとき。 二 前号に規定する場合において、小型武器を携帯することについて、刑事施設の長の命令を待ついとまがないとき。 三 刑事施設の長の命令により、小型武器の使用の訓練又は点検、整備若しくは運搬を行う場合 (捕縄の使用等の報告) 第四十一条 刑務官は、次に掲げる場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。 一 被収容者が法第七十八条第一項各号のいずれかの行為をするおそれがある場合において、捕縄又は手錠を使用したとき。 二 前条第二号に掲げる場合において、小型武器を携帯したとき。 三 武器を使用したとき。 (応急の用務に就いて死亡等した被収容者に対する手当金) 第四十二条 第六十一条から第六十三条までの規定は、被収容者が法第八十二条第一項の規定により応急の用務に就いて死亡し、負傷し、又は疾病にかかった場合に同条第二項において準用する法第百条の規定により支給する手当金について準用する。 第十章 矯正処遇の実施等 (処遇要領の策定等) 第四十三条 処遇要領(法第八十四条第二項に規定する処遇要領をいう。以下この条において同じ。)は、法第八十五条第一項第一号に定める指導(以下「開始時指導」という。)が終了するまでに定めるものとする。 2 刑事施設の長は、処遇要領を定めるに当たっては、判決書の謄本の閲覧その他の方法により、被害者等(法第八十四条の二第一項に規定する被害者等をいう。以下同じ。)の被害に関する心情及び被害者等の置かれている状況を調査するものとする。 3 刑事施設の長は、開始時指導が終了するまでに法第八十四条の二第三項の規定による心情等の聴取をしていないときは、前項の規定による調査の結果に基づき処遇要領を定めるものとする。 4 刑事施設の長は、次に掲げる事情その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、処遇要領を変更するものとする。 一 矯正処遇の進展状況 二 被害者等の被害に関する心情又は被害者等の置かれている状況の変化 三 法第八十四条の二第三項の規定により心情等を聴取したこと。 5 前四項に定めるもののほか、処遇要領の策定及び変更に関し必要な事項は、法務大臣が定める。 (法第八十四条の二第三項に規定する法務省令で定める受刑者) 第四十三条の二 法第八十四条の二第三項に規定する法務省令で定める受刑者は、全ての受刑者とする。 (被害者等の心情等の聴取の申出書の提出等) 第四十三条の三 刑事施設の長は、法第八十四条の二第三項の申出をした者(以下この条において「申出人」という。)に対し、次に掲げる事項について、これを記載した申出書の提出を求め、又は質問することができる。 一 氏名又は名称、住所又は居所及び電話番号 二 申出に係る受刑者を特定するに足りる事項 三 申出人が法第八十四条の二第一項に規定する被害者でない場合においては、その者との関係 2 刑事施設の長は、申出人に対し、前項各号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。 (被害者等の心情等の聴取の方法等) 第四十三条の四 法第八十四条の二第三項の規定による心情等の聴取は、被害者等の陳述の内容を録取することにより行うものとする。 ただし、被害者等があらかじめ法第百三条第四項の申出をしないことを明らかにしているとき又は被害者等の心身の状況その他の事情を考慮し相当と認めるときは、当該心情等を記載した書面の提出を受けることにより行うことができる。 2 刑事施設の長は、前項本文に規定する方法による心情等の聴取を、その指名する職員に行わせることができる。 ただし、被害者等の住所又は居所が当該刑事施設の所在地から遠隔の地にある場合には、当該住所又は居所を考慮して相当と認める刑事施設の長に依頼し、当該刑事施設の長又はその指名する職員に行わせることができる。 3 法第八十四条の二第三項の規定による心情等の聴取に当たっては、被害者等の心身の状況に配慮するものとする。 4 刑事施設の長は、法第八十四条の二第三項ただし書の規定により心情等を聴取しないこととしたときは、同項の申出をした被害者等に対し、その旨を通知するものとする。 (法第八十五条第一項第一号に規定する法務省令で定める期間) 第四十四条 法第八十五条第一項第一号に規定する法務省令で定める期間は、二週間とする。 2 刑の執行開始後、受刑者を他の刑事施設に移送する場合において、移送元の刑事施設において開始時指導を行わないときは、移送元の刑事施設に収容されている期間は、前項の期間に算入しない。 3 刑事施設の長は、前二項の規定にかかわらず、開始時指導の進展状況、受刑者の年齢、執行すべき刑期、刑事施設への収容歴その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、開始時指導を行う期間を延長し、又は短縮することができる。 (法第八十五条第一項第二号に規定する法務省令で定める期間) 第四十五条 法第八十五条第一項第二号に規定する法務省令で定める期間は、二週間とする。 2 刑事施設の長は、前項の規定にかかわらず、受刑者が刑事施設に収容されていた期間その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、法第八十五条第一項第二号に定める指導を行う期間を延長し、又は短縮することができる。 (矯正処遇等を行う日) 第四十六条 法第八十五条第一項、第百三条又は第百四条の規定による指導(以下「矯正指導」という。)を行う日は、次に掲げる日以外の日を定めるものとする。 一 第十九条第二項第一号から第三号までに掲げる日 二 受刑者がその配偶者又は二親等内の血族が死亡したことを知り、服喪を希望する場合において、その日から一週間以内の刑事施設の長が指定する日 2 作業(連日作業を除く。次項において同じ。)を行わない日は、前項各号及び第十九条第二項第四号に掲げる日とする。 3 前二項の規定にかかわらず、矯正指導を行う場所の確保、製造作業に係る製品の納期限その他の事情から必要があるときは、第一項第一号及び第十九条第二項第四号に掲げる日を矯正指導又は作業を行う日と定めることができる。 この場合において、その日に六時間以上作業を行うときは、その作業を行う受刑者には、できる限り、その日から一月以内の前項に規定する日以外の日を作業を行わない日と定めるものとする。 4 連日作業を行う受刑者については、第二項に規定する日の日数及び一日の作業時間を考慮し、作業を行わない日を定めるものとする。 (矯正処遇等を行う時間) 第四十七条 矯正指導及び作業を行う時間は、これらを合算して一日につき八時間を超えない範囲内で定めるものとする。 2 前項の規定にかかわらず、矯正指導を行う場所の確保、製造作業に係る製品の納期限その他の事情から必要があるときは、矯正指導及び作業を行う時間は、これらを合算して一日につき十二時間を超えない範囲内で、同項の範囲を超えて定めることができる。 (制限の緩和) 第四十八条 刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限は、開始時指導が終了した受刑者について、第一種、第二種、第三種又は第四種の区分(以下「制限区分」という。)を指定し、又はその指定を変更し、その制限区分の指定に応じ次条に定めるところにより処遇を行うことにより、順次緩和するものとする。 2 刑事施設の長は、開始時指導を終了した後速やかに、法第三十条の目的を達成する見込みを評価し、その評価に応じて、制限区分を指定するものとする。 3 刑事施設の長は、定期的に、及び随時、前項の見込みを評価し、適当であると認めるときは、その評価に応じて、制限区分の指定を変更するものとする。 (居室の指定等) 第四十九条 第一種の制限区分に指定されている受刑者の居室は、収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の全部又は一部を設けず、又は講じない室を指定するものとする。 2 第二種又は第三種の制限区分に指定されている受刑者の居室は、刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがない場合において、処遇上適当と認めるときに限り、前項の室を指定することができるものとする。 3 第一種又は第二種の制限区分に指定されている受刑者については、矯正処遇等は、主として居室棟外の適当な場所で行うものとし、処遇上適当と認めるときは法第八十七条の規定により刑事施設の外の適当な場所で行うことができるものとする。 4 第三種の制限区分に指定されている受刑者については、矯正処遇等は、刑事施設内において、主として居室棟外の適当な場所で行うものとする。 5 第四種の制限区分に指定されている受刑者については、矯正処遇等は、刑事施設内において、特に必要がある場合を除き、居室棟内で行うものとする。 6 法第七十五条第一項の規定による検査、法第百十二条本文の規定による面会の立会い又はその状況の録音若しくは録画その他の刑事施設の規律及び秩序を維持するための措置は、個別具体の事情から実施する必要があると認める場合を除き、刑事施設の長が制限区分に応じた実施の頻度及び態様の基準として定めるところに従い、実施するものとする。 (第四種の制限区分に係る留意事項) 第四十九条の二 刑事施設の長は、第四種の制限区分に指定されている受刑者(法の規定により隔離されている者を除く。)に対し、上位の制限区分に指定を変更することができるよう働きかけを行うとともに、できる限り集団処遇の機会を付与するよう努めるものとする。 (開放的施設における処遇) 第五十条 法第八十八条第二項の規定による開放的施設での処遇は、第一種の制限区分に指定されている受刑者について行うことができるものとする。 (制限区分の指定の手続等) 第五十一条 前四条に定めるもののほか、制限区分の指定及びその指定の変更の手続その他刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限の緩和に関し必要な事項は、法務大臣が定める。 (法第八十九条第四号に規定する法務省令で定める処遇) 第五十二条 法第八十九条第四号に規定する法務省令で定める処遇は、次に掲げる処遇とする。 一 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を定めること。 二 余暇時間帯において、テレビ若しくはビデオを視聴し、又は刑事施設の長が企画する活動に参加することを許すことその他の刑事施設の長が定める処遇 (優遇措置) 第五十三条 優遇措置は、次に定めるところにより、受刑者について、その受刑態度の評価に基づき優遇区分を指定し、その区分に応じて処遇を行うことにより、講ずるものとする。 一 優遇区分は、第一類、第二類、第三類、第四類及び第五類の区分とする。 二 刑事施設の長は、四月から九月まで又は十月から翌年三月までの期間(以下「評価期間」という。)の初日以前から継続して刑事施設において刑の執行を受けている受刑者又は評価期間の末日に優遇区分の指定を受けている受刑者であって、その評価期間内に一月以上刑の執行を受けたものについて、その評価期間が経過した後十日以内に、その評価期間における受刑態度の評価に基づき、優遇区分を指定するものとする。 三 刑事施設の長は、前号に規定する受刑者に対しその評価期間が経過した後に法第百四十九条の規定による褒賞を行った場合において、必要があると認めるときは、その評価期間における受刑態度に加えて、その褒賞に係る行為の内容その他の事情を評価し、その評価に基づき、優遇区分を指定し、又は優遇区分の指定を上位の優遇区分の指定に変更することができるものとする。 四 刑事施設の長は、第二号に規定する受刑者がその評価期間が経過した後に反則行為(懲罰を科せられるべき行為をいう。以下同じ。)をした場合において、必要があると認めるときは、その評価期間における受刑態度に加えて、その反則行為の性質、軽重及び動機、反則行為後におけるその者の態度その他の事情を評価し、その評価に基づき、優遇区分を指定し、又は優遇区分の指定を下位の優遇区分の指定に変更することができるものとする。 五 前二号の規定により優遇区分を指定し、又は優遇区分の指定を変更した場合には、受刑者に対して褒賞を行った日又は受刑者がその反則行為をした日の属する評価期間に係る優遇区分の指定を行うに当たっては、その褒賞を行わず、又はその反則行為をしなかったものとして、受刑態度を評価しなければならないものとする。 ただし、第三号の規定により優遇区分を指定し、又は優遇区分の指定を変更した場合において、相当と認めるときは、この限りでない。 六 刑事施設の長は、刑事施設における刑の執行の開始の日(刑事施設において残刑の執行が開始された場合には、その開始の日)から起算して六月を経過する日の属する月の翌月の初日まで継続して刑事施設において刑の執行を受けている受刑者であって、優遇区分の指定を受けていないものについて、第二号の規定により優遇区分を指定すべき場合を除き、その日に、懲罰を科されたことがある場合には第五類の優遇区分を、懲罰を科されたことがない場合であって受刑態度が不良であることを示す事由として法務大臣が定める事由がある場合には第四類の優遇区分を、それら以外の場合には第三類の優遇区分を指定するものとする。 七 刑事施設の長は、前号の規定により第三類又は第四類の優遇区分に指定されている受刑者に懲罰を科した場合には、優遇区分の指定を第五類の優遇区分の指定に変更するものとする。 八 優遇区分の指定は、次に掲げる場合には、その効力を失うものとする。 イ 刑事施設の長が次に優遇区分を指定し、又はその指定を変更したとき。 ロ 受刑者が刑事施設から釈放されたとき。 九 第一類から第四類までの優遇区分に指定されている受刑者には、法及びこの規則の規定の範囲内で、次条に定めるところによる処遇を行うものとする。 (処遇内容) 第五十四条 第一類の優遇区分に指定されている受刑者には、次に掲げる処遇を行うものとする。 一 法第四十条第二項の規定により、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品を貸与し、又は一月に一回以上、嗜好品を支給すること。 二 法第四十一条第一項の規定により、寝衣、室内装飾品、サンダル、座布団及び余暇時間帯における娯楽的活動に用いる物品について、自弁のものの使用を許すこと。 三 法第四十一条第一項の規定により、食料品及び飲料について一月に一回以上、嗜好品について一月に二回以上、自弁のものの摂取を許すこと。 四 面会をすることができる時間を第一類の優遇区分に指定されている受刑者以外の受刑者が面会をすることができる時間のおおむね二倍に定めること。 五 面会をすることができる回数を一月につき七回以上に定めること。 六 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を一月につき十通以上に定めること。 七 刑事施設の長が第一類の優遇区分に指定されている受刑者に行う処遇として定めるもの 2 第二類の優遇区分に指定されている受刑者には、次に掲げる処遇を行うものとする。 一 法第四十一条第一項の規定により、室内装飾品、サンダル及び座布団について、自弁のものの使用を許すこと。 二 法第四十一条第一項の規定により、嗜好品について、一月に二回以上、自弁のものの摂取を許すこと。 三 面会をすることができる回数を一月につき五回以上に定めること。 四 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を一月につき七通以上に定めること。 五 刑事施設の長が第二類の優遇区分に指定されている受刑者に行う処遇として定めるもの 3 第三類の優遇区分に指定されている受刑者には、次に掲げる処遇を行うものとする。 一 法第四十一条第一項の規定により、室内装飾品、サンダル及び座布団について、自弁のものの使用を許すこと。 二 法第四十一条第一項の規定により、嗜好品について、一月に一回以上、自弁のものの摂取を許すこと。 三 面会をすることができる回数を一月につき三回以上に定めること。 四 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を一月につき五通以上に定めること。 五 刑事施設の長が第三類の優遇区分に指定されている受刑者に行う処遇として定めるもの 4 第四類の優遇区分に指定されている受刑者には、次に掲げる処遇を行うものとする。 一 受刑者が発信を申請することができる信書の通数を一月につき五通以上に定めること。 二 刑事施設の長が第四類の優遇区分に指定されている受刑者に行う処遇として定めるもの (優遇区分の指定の手続等) 第五十五条 前三条に定めるもののほか、優遇区分の指定及びその指定の変更の手続その他優遇措置に関し必要な事項は、法務大臣が定める。 (禁錮受刑者等の作業) 第五十六条 禁 錮 こ 受刑者又は拘留受刑者には、刑事施設の管理運営上支障を生じるおそれがある場合を除き、法第九十三条に規定する作業を行うことを許すものとする。 ただし、正当な理由なく、作業を怠ったことがある者については、この限りでない。 2 法第九十三条の規定により作業を行うことを許された者は、作業を行わないことを希望する場合には、二週間前までに申し出なければならない。 (法第九十六条第一項に規定する法務省令で定める事由) 第五十七条 法第九十六条第一項に規定する法務省令で定める事由は、次に掲げる事由とする。 一 法第八十八条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていること。 二 第一種又は第二種の制限区分に指定されていること。 三 仮釈放を許す決定がされていること。 (位置把握装置の携帯又は装着) 第五十七条の二 刑事施設の長は、外部通勤作業を行わせる場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、外部通勤作業を行う受刑者が位置把握装置(その者の位置を把握できる小型軽量な装置をいう。以下この条及び第六十五条の二において同じ。)を携帯し、又は装着することを条件とすることができる。 一 外部通勤作業を行っている間の位置を随時把握することができる状態に置く措置を執る必要があると認められること。 二 位置把握装置を携帯し、又は装着することが、外部通勤作業の目的を妨げないこと。 (外部事業主との取決め) 第五十八条 法第九十六条第三項の規定による外部事業主との間の取決めは、次に掲げる事項について行うものとする。 一 外部通勤作業を行わせる期間 二 受刑者の行う作業の種類及び内容並びに作業時間 三 受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置 四 外部事業主による受刑者の指導監督の方法 五 前各号に掲げるもののほか、外部通勤作業の実施に関し必要な事項 2 前項の取決めは、書面で行うものとする。 (報奨金計算額の加算) 第五十九条 法第九十八条第二項本文の規定による加算は、毎月十五日までに行うものとする。 2 刑事施設の長は、前項の加算を行ったときは、遅滞なく、その加算に係る金額を受刑者に告知するものとする。 3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、法第九十八条第二項ただし書の規定による加算に係る金額をその者に告知するものとする。 (釈放前における作業報奨金の支給) 第六十条 法第九十八条第四項の規定により支給する金額は、その支給の時における報奨金計算額の二分の一を超えてはならない。 ただし、その範囲を超えた金額を支給することがその使用の目的に照らして適当であると特に認めるときは、この限りでない。 (作業報奨金に相当する金額等の支給) 第六十一条 法第九十九条又は第百条第一項の規定による作業報奨金に相当する金額又は死亡手当金の支給については、第二十三条の規定を準用する。 2 法第百条第二項の規定による障害手当金の支給は、被収容者が治った後遅滞なく行い、法第百条第四項の規定による特別手当金の支給は、釈放の際に行うものとする。 (死亡手当金及び障害手当金の額の算出の基準) 第六十二条 法第百条第一項又は第二項の規定により支給する死亡手当金及び障害手当金の額は、この条に定めるところにより算出する金額を基準とする。 2 死亡手当金及び障害手当金の額の算出の基礎となる額(以下この条において「支給基礎日額」という。)は、四千二十円とする。 3 死亡手当金の額は、支給基礎日額に千六十を乗じて得た金額とする。 4 障害手当金の額は、別表第二に定める障害の等級に応じ、支給基礎日額に同表に定める倍数を乗じて得た金額とする。 5 別表第二に定める程度の障害が二以上ある場合の障害の等級は、重い障害に応ずる等級による。 6 次に掲げる場合の等級は、次の各号のうち最も有利なものによる。 一 第十三級以上に該当する障害が二以上ある場合には、前項の規定による等級の一級上位の等級 二 第八級以上に該当する障害が二以上ある場合には、前項の規定による等級の二級上位の等級 三 第五級以上に該当する障害が二以上ある場合には、前項の規定による等級の三級上位の等級 7 前項第一号の規定による障害手当金の額は、それぞれの障害に応ずる等級による障害手当金の額を合算した額を超えてはならない。 8 別表第二に定める各等級の障害に該当しない障害であって、同表に定める各等級の障害に相当するものは、同表に定める当該等級の障害とする。 9 既に障害のある受刑者が、法による支給の原因となる負傷又は疾病によって同一部位について障害の程度を加重した場合において行う障害手当金の額の算出については、その者の加重後の障害の等級に応ずる障害手当金の額から、加重前の障害の等級に応ずる障害手当金の額を差し引くものとする。 (特別手当金の額等) 第六十三条 法第百条第四項の規定により支給する特別手当金の額は、被収容者が治った場合において身体に残ると予想される障害を身体に残った障害とみなし、前条第二項及び第四項から第九項までの規定に準じて算出した金額とする。 ただし、受刑者が故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったときは、その全部又は一部を支給しないことができる。 (法第百三条第二項第三号に規定する法務省令で定める事情) 第六十四条 法第百三条第二項第三号に規定する法務省令で定める事情は、次に掲げる事情とする。 一 人の生命又は身体を害する罪により刑の執行を受けている者について、その被害者及びその親族その他の関係者に対する謝罪の意識が低いこと。 二 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十六条、第百七十七条、第百七十九条から第百八十一条まで、第二百二十五条(わいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第二百二十六条の二第三項(わいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第二百二十七条第三項(わいせつの目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、第二百二十八条(同法第二百二十五条、第二百二十六条の二第三項又は第二百二十七条第三項に係る部分に限る。)、第二百四十一条第一項若しくは第三項又は第二百四十三条(同法第二百四十一条第三項に係る部分に限る。)の罪の原因となる認知の偏り又は自己統制力の不足があること。 三 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第百十六条第一項、第百十七条第一項若しくは第二項、第百十七条の二第一項(第一号、第三号及び第四号に係る部分に限る。)、第百十七条の二の二第一項(第一号、第三号、第七号及び第八号に係る部分に限る。)、第百十七条の三、第百十七条の四第一項(第二号に係る部分に限る。)、第百十七条の五第一項(第一号に係る部分に限る。)、第百十八条第一項(第一号及び第四号から第六号までに係る部分に限る。)、第二項(第一号に係る部分に限る。)若しくは第三項若しくは第百十九条第一項(第一号から第六号まで、第十号、第十二号及び第十四号から第二十号まで(第一号、第二号及び第十八号については、自動車を運転する行為に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)若しくは第二項(第一号から第三号まで(第二号及び第三号については、自動車を運転する行為に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成二十五年法律第八十六号)第二条から第五条までの罪を犯した者について、交通安全に関する意識が低いこと。 四 職場における人間関係に適応するのに必要な心構え及び行動様式が身に付いていないこと。 (被害者等の心情等の伝達の方法等) 第六十四条の二 法第百三条第四項の規定による心情等の伝達は、刑事施設の職員により、口頭で行うものとする。 2 刑事施設の長は、法第百三条第四項の申出をした被害者等に対し、その心情等を受刑者に伝達したときはその旨及び伝達した日を、同項ただし書の規定により心情等の伝達をしないこととしたときはその旨を通知するものとする。 (法第百六条の二第一項に規定する法務省令で定める事由) 第六十五条 法第百六条の二第一項に規定する法務省令で定める事由は、次に掲げる事由とする。 一 法第八十八条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていること。 二 第一種の制限区分に指定されていること。 三 仮釈放を許す決定がされていること。 (位置把握装置の携帯又は装着) 第六十五条の二 刑事施設の長は、法第百六条の二第一項の規定により外出又は外泊を許す場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、同項の規定による外出又は外泊(以下この条において「外出等」という。)をする受刑者が位置把握装置を携帯し、又は装着することを条件とすることができる。 一 外出等をしている間の位置を随時把握することができる状態に置く措置を執る必要があると認められること。 二 位置把握装置を携帯し、又は装着することが、外出等の目的を妨げないこと。 第十一章 外部交通 (面会の相手方の届出) 第六十六条 刑事施設の長は、受刑者及び死刑確定者に対し、面会の申出をすることが予想される者について、次に掲げる事項を届け出るよう求めることができる。 一 氏名、生年月日、住所及び職業 二 自己との関係 三 予想される面会の目的 四 その他刑事施設の長が必要と認める事項 2 刑事施設の長は、前項の場合において、必要があると認めるときは、受刑者及び死刑確定者に対し、同項各号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。 (面会の申出書の提出) 第六十七条 刑事施設の長は、被収容者との面会の申出をする者に対し、次の各号(受刑者及び死刑確定者以外の被収容者との面会の場合にあっては、第一号及び第二号に限る。次項において同じ。)に掲げる事項を記載した申出書の提出を求めることができる。 一 氏名、生年月日、住所及び職業 二 面会を希望する被収容者の氏名及びその者との関係 三 面会の目的 2 刑事施設の長は、前項の場合において、必要があると認めるときは、被収容者との面会の申出をする者に対し、同項各号に掲げる事項を証明する書類その他の物件の提出又は提示を求めることができる。 (面会の相手方の確認) 第六十八条 刑事施設の長は、被収容者との面会の申出があったときは、被収容者に対して、その申出をした者の氏名及び被収容者との関係について質問することができる。 (面会の相手方の人数の制限) 第六十九条 法第百十四条第一項(法第百十八条第五項(法第百二十三条において準用する場合を含む。)、第百十九条、第百二十二条及び第百二十五条において準用する場合を含む。第七十二条及び第七十三条において同じ。)の規定により被収容者の面会の相手方の人数について制限をするときは、その人数は、三人を下回ってはならない。 (面会の場所の制限) 第七十条 被収容者の面会の場所は、刑事施設の長が指定するものとする。 2 被収容者の面会の場所は、被収容者と面会の相手方との間を仕切る設備を有する室(以下「仕切り室」という。)とする。 ただし、次に掲げる場合(受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)以外の被収容者の面会にあっては、第一号に掲げる場合に限る。)において、刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがないときは、この限りでない。 一 被収容者が病室に収容されている場合その他の法務大臣が定める場合 二 親族と面会する場合その他の仕切り室以外の場所で面会することを適当とする事情がある場合 (面会の日の制限) 第七十一条 刑事施設の長は、被収容者としての地位の別ごとに、その刑事施設において面会(弁護人又は刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)との面会を除く。)を許す日(以下この条及び次条において「面会日」という。)を定めるものとする。 2 一月につき面会日として定める日数は、その月の日数からその月の第十九条第二項第一号及び第二号に掲げる日の日数を差し引いた日数を下回ってはならない。 3 各月の面会日は、その月の初日の一月前までに被収容者に告知するとともに、その月の初日の一月前から刑事施設の公衆の見やすい場所に掲示する方法その他の方法により公告するものとする。 (面会の時間帯の制限) 第七十二条 法第百十四条第一項の規定により被収容者の面会の時間帯について制限をするときは、その時間は、一日につき六時間(第十九条第二項第一号及び第二号に掲げる日を面会日として定めるときは、四時間)を下回ってはならない。 (面会の時間の制限) 第七十三条 法第百十四条第一項の規定により被収容者の面会の時間について制限をするときは、その時間は、三十分を下回ってはならない。 ただし、面会の申出の状況、面会の場所として指定する室の数その他の事情に照らしてやむを得ないと認めるときは、五分を下回らない範囲内で、三十分を下回る時間に制限することができる。 (面会の回数の制限) 第七十四条 法第百十四条第一項(法第百二十二条及び第百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による被告人又は被疑者である被収容者であって未決拘禁者としての地位を有しないものの面会の回数についての制限は、弁護人等以外の者との面会の回数について行うことができるものとする。 (面会の相手方の遵守事項の掲示) 第七十五条 刑事施設の長は、被収容者の面会の相手方(弁護人等を除く。)が遵守すべき次に掲げる事項を具体的に明らかにして刑事施設内の見やすい場所に掲示するものとする。 一 法第百十三条第一項第一号イ又はロ(これらの規定を法第百十七条、第百十九条、第百二十二条、第百二十三条及び第百二十五条において準用する場合を含む。)に該当する行為をしてはならないこと。 二 法第百十三条第一項第二号イからハまで(これらの規定を法第百十七条、第百十九条、第百二十二条、第百二十三条及び第百二十五条において準用する場合を含む。)、ニ(法第百十七条、第百十九条及び第百二十三条において準用する場合を含む。)及びホ(法第百十九条、第百二十二条及び第百二十三条において準用する場合を含む。)に該当する内容の発言をしてはならないこと。 (信書の発受の相手方の届出) 第七十六条 刑事施設の長は、受刑者及び死刑確定者に対し、信書を発受することが予想される者について、次に掲げる事項を届け出るよう求めることができる。 一 氏名、生年月日、住所及び職業 二 自己との関係 三 予想される信書の発受の目的 四 その他刑事施設の長が必要と認める事項 2 第六十六条第二項の規定は、前項の規定により届出を求めた場合について準用する。 (信書の作成要領の制限) 第七十七条 法第百三十条第一項(法第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。次条から第八十条までにおいて同じ。)の規定による被収容者が発する信書の作成要領についての制限は、次に掲げる事項(弁護人等に対して発する信書については、第二号に掲げる事項を除く。)について行うことができるものとする。 一 信書の用紙及び封筒の規格並びに信書の作成に用いる筆記具の種類 二 一通の信書に用いる用紙の枚数 三 一枚の用紙に記載する字数その他信書の検査を円滑に行うために必要な記載方法 2 被収容者が発する信書に用いる用紙の枚数について制限をするときは、その枚数は、五枚を下回ってはならない。 3 被収容者が発する信書の一枚の用紙に記載する字数について制限をするときは、その字数は、四百字を下回ってはならない。 (信書の発信の申請の日及び時間帯の制限) 第七十八条 刑事施設の長は、法第百三十条第一項の規定により被収容者がする信書の発信の申請の日及び時間帯について制限をする場合にも、緊急の発信の必要があるときは、その発信の申請を受け付けなければならない。 (発信を申請する信書の通数の制限) 第七十九条 法第百三十条第一項の規定による被収容者が発信を申請する信書の通数についての制限は、次に掲げる信書以外の信書について行うことができるものとする。 一 委員会に対して提出する書面 二 審査の申請、再審査の申請、法第百六十三条第一項又は第百六十五条第一項の規定による申告及び苦情の申出の書面 三 被告人又は被疑者である被収容者であって未決拘禁者としての地位を有しないものについて、弁護人等に対して発する信書 (信書の発受の方法の制限) 第八十条 法第百三十条第一項の規定による被収容者が信書を発する方法についての制限は、次に掲げる方法に制限することにより行うことができるものとする。 一 郵便(郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第四十四条に規定する特殊取扱(速達及び年賀特別郵便の取扱いを除く。)によるものを除く。)による方法 二 電報による方法(緊急の必要がある場合及び弁護人等に対して信書を発する場合に限る。) 2 法第百三十条第一項の規定による被収容者が信書を受ける方法についての制限は、次に掲げる方法に制限することにより行うことができるものとする。 一 郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便による方法 二 電報による方法 (複数の被収容者にあてた信書等の取扱い) 第八十一条 複数の被収容者にあてた信書であって、被収容者が受けることを許すものは、そのうちの一人に交付する。 2 被収容者にあてた信書であって、被収容者が受けることを許すもののうち、紙以外の物品にその内容が記載されたもの、音を発する装置の付いたものその他信書以外の物品としての性質を有するものについて、法第四十七条第一項の規定によりその者に引き渡すこととならない場合には、法第百二十八条(法第百三十八条において準用する場合を含む。)、第百二十九条(法第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)又は第百四十八条第三項の規定によりその者がこれを受けることを禁止し、又は差し止める場合を除き、その者に、その物品の提示その他の方法によりその内容(法第百二十九条の規定により削除し、又は抹消すべき箇所を除く。)を了知させるものとする。 (死亡者の発受禁止信書等の引渡し) 第八十二条 法第百三十二条第一項又は第二項(これらの規定を法第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製(法第百三十二条第五項(法第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定により引き渡さないこととされたものを除く。第九十二条第一項及び第九十八条において「発受禁止信書等」という。)については、第二十三条の規定を準用する。 (法第百四十六条第一項に規定する法務省令で定める事由) 第八十三条 法第百四十六条第一項に規定する法務省令で定める事由は、次に掲げる事由とする。 一 法第八十八条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていること。 二 第一種又は第二種の制限区分に指定されていること。 三 法第八十五条第一項第二号に定める指導を受けていること。 四 面会することが極めて困難である親族と法第百四十六条第一項に規定する通信を行うことが人道上の観点から特に必要と認められること。 五 法第百四十六条第一項に規定する通信の相手方が第二十二条第三号に掲げる者であること。 (翻訳等の費用の負担) 第八十四条 法第百四十八条第一項後段又は第二項後段に規定する通訳又は翻訳の費用は、次に掲げる場合を除き、面会等(面会又は法第百四十六条第一項の規定による通信をいう。以下この条において同じ。)又は信書の発受の目的及び被収容者の負担能力に照らしてその者に負担させることが相当と認められる特別の事情があるときに限り、その者に負担させることができるものとする。 一 被収容者がその国籍を有する外国の大使、公使、領事官その他領事任務を遂行する者と面会し、又はその者との間で信書の発受をする場合 二 次に掲げる場合において、被収容者がその費用を負担することができないとき。 イ 被収容者が次に掲げる者と面会する場合 (1) 被収容者の親族 (2) 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被収容者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会等をすることが必要な者 (3) 受刑者について、その更生保護に関係のある者、その釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会等又は信書の発受によりその改善更生に資すると認められる者 (4) 死刑確定者について、面会によりその者の心情の安定に資すると認められる者 ロ 被収容者が次に掲げる信書の発受をする場合 (1) 被収容者の親族との間で発受する信書 (2) 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の被収容者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため発受する信書 (3) 受刑者について、その更生保護に関係のある者又はその釈放後にこれを雇用しようとする者との間で発受する信書その他信書の発受によりその改善更生に資すると認められる信書 (4) 死刑確定者について、信書の発受によりその心情の安定に資すると認められる信書 第十二章 賞罰 (褒賞) 第八十五条 法第百四十九条の規定による褒賞は、次に掲げるものの授与により行うものとする。 一 賞詞 二 賞票 三 一万円以下の賞金 四 一万円以下の金額に相当する賞品 (閉居罰の執行方法) 第八十六条 閉居罰を科されている受刑者の居室は、単独室とする。 ただし、刑事施設の長が閉居罰の執行に支障がないと認めるときは、この限りでない。 2 刑事施設の長は、閉居罰を科されている被収容者について、法に定めるところによるほか、謹慎させるため必要な限度で、その生活及び行動を制限することができる。 (運動の機会の付与) 第八十七条 閉居罰を科されている被収容者に運動の機会を与える日数は、一週間につき一日を下回ってはならない。 (反則行為をした疑いがある受刑者の隔離) 第八十八条 法第百五十四条第四項の規定による隔離は、受刑者がした疑いが現に存する反則行為が二以上ある場合であっても、一回に限り、これを行うことができるものとする。 ただし、それらの反則行為に係る調査を並行して行うことが困難であるときは、この限りでない。 (法第百五十四条第四項に規定する法務省令で定める場合) 第八十九条 法第百五十四条第四項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 第十一条第一号及び第二号に掲げる場合 二 反則行為についての取調べの場合 三 前二号に掲げる場合のほか、居室において行うことが困難な処遇を行う場合 (弁解の方法) 第九十条 法第百五十五条の規定による弁解は、これを聴取する職員の面前に出頭し、口頭で行うものとする。 ただし、被収容者は、職員の面前に出頭して口頭で行うことに代えて、弁解を記載した書面を提出し、又は被収容者を補佐する職員が弁解を録取する方法により弁解を行うことができる。 第十三章 釈放及び死亡 (刑の執行停止事由の通報) 第九十一条 刑事施設の長は、受刑者について、刑の執行を停止すべき事由があると思料するときは、検察官に対し、その旨を通報するものとする。 (死亡の通知) 第九十二条 法第百七十六条の規定による通知は、次に掲げる順序に従い、先順位にある一人の者に対して行うものとする。 ただし、交付すべき遺留物、支給すべき作業報奨金に相当する金額若しくは死亡手当金又は発受禁止信書等がある場合において、通知を受けた者がその交付又は支給を申請しない旨の意思を表示したときは、同順序に従い、その者と同順位又は下位の順位にある他の者のうち、先順位にある一人の者に対しても行うものとする。 一 第二十二条第一号に掲げる者 二 配偶者 三 子 四 父母 五 孫 六 祖父母 七 兄弟姉妹 八 第二十二条第三号に掲げる者 2 外国の国籍を有する被収容者が死亡した場合には、刑事施設の長は、第二十二条第三号に掲げる者に対し、前項に定めるところにより法第百七十六条の規定による通知を行うべき場合以外の場合においても、その旨を通知しなければならない。 (検視) 第九十三条 刑事施設の長は、被収容者が死亡したときは、その死体を検視するものとする。 2 刑事施設の長は、前項の検視の結果、変死又は変死の疑いがあると認めるときは、検察官及び警察官たる司法警察員に対し、その旨を通報しなければならない。 (死体の埋葬等) 第九十四条 刑事施設の長が被収容者の死体の埋葬を行うときは、その死体は、刑事施設の長が管理し、又は使用する墓地の墳墓に埋葬するものとする。 2 刑事施設の長が被収容者の死体の火葬を行うときは、その焼骨は、刑事施設の長が管理し、又は使用する墓地の墳墓又は納骨堂に埋蔵し、又は収蔵するものとする。 第十四章 労役場及び監置場 (労役場等への準用) 第九十五条 第六条及び第六条の二の規定は、刑事施設に附置された労役場及び監置場の運営について準用する。 (労役場留置者) 第九十六条 労役場に留置されている者については、その性質に反しない限り、この規則中の懲役受刑者に関する規定を準用する。 (被監置者) 第九十七条 監置場に留置されている者(以下「監置場留置者」という。)については、この規則(第一章、第十六条及び第十一章を除く。)中の各種被収容者に関する規定を準用する。 2 監置場留置者の自弁の物品の使用及び摂取については、第十五条及び第十六条の規定を準用する。 この場合において、第十五条第一項中「物品(法第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。以下この条及び次条において同じ。)」とあるのは「物品(衣類、日用品及び文房具並びに法第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。以下この条において同じ。)」と、同条第七項中「法第四十一条第一項」とあるのは「法第二百八十九条第二項において準用する法第四十一条第一項」と、第十六条第一項中「法第四十一条第一項各号に掲げる物品及び寝具」とあるのは「衣類、日用品及び文房具(法第四十二条第一項各号に掲げる物品を除く。以下この条において同じ。)」と読み替えるものとする。 3 監置場留置者(次項に規定する者を除く。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、第十一章中の受刑者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。)に関する規定を準用する。 4 監置場留置者(刑事訴訟法の規定による勾留中に監置の裁判の執行を受けたものに限る。)の面会及び信書の発受については、その性質に反しない限り、第十一章中の未決拘禁者としての地位を有する受刑者に関する規定を準用する。 5 監置の裁判の執行のため法第二百八十七条第二項の規定により刑事施設に留置されている者については、第十六条及び第十一章の規定にかかわらず、前三項の規定を準用する。 第十五章 雑則 第九十八条 第二十二条、第二十三条及び第九十二条第一項の規定は、国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)第二十条第四項の規定により同法第一条第二号に定める要請国の官憲に引き渡した受刑者が死亡した場合におけるその者に係る遺留物、作業報奨金又は発受禁止信書等について準用する。 | 刑事 |
Heisei | MinisterialOrdinance | 418M60000010077_20221101_504M60000010040.xml | 平成十八年法務省令第七十七号 | 2 | 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律施行規則
第一章 総則 (目的) 第一条 この規則は、犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律(以下「法」という。)及び犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第四十四条において準用する行政不服審査法第三十八条第四項の規定により納付すべき手数料に関する政令(平成二十七年政令第三百九十三号。次条及び第三十九条において「令」という。)の委任に基づく事項を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 この規則において使用する用語は、特別の定めのある場合を除くほか、法及び令において使用する用語の例による。 (費用) 第三条 法第二条第七号の法務省令で定める費用は、次に掲げるものとする。 一 法又はこの規則の規定による公告又は通知若しくは送達に要する費用 二 犯罪被害財産支給手続等(犯罪被害財産支給手続又は外国譲与財産支給手続をいう。以下同じ。)を開始した場合に法又はこの規則の規定により公告した事項を周知させるための広報に要する費用 三 法第二十八条(法第三十九条において準用する場合を含む。)の規定による調査に要する通信費、謝金その他の費用 四 前各号に掲げるもののほか、犯罪被害財産支給手続等に要する費用 (公告等) 第四条 法及びこの規則の規定による公告(法第七条第一項及び第十九条第一項(これらの規定を法第三十九条において準用する場合を含む。)の規定並びに第六条第二項及び第二十条第二項(これらの規定を第三十一条において準用する場合を含む。)並びに第四十一条の規定による公告を除く。)は、官報に掲載してするものとする。 ただし、官報に掲載するに足りる費用を支弁するのに不足すると認めるとき、その他相当と認めるときは、犯罪被害財産支給手続等を行う検察官が所属する検察庁の掲示場に三十日間掲示することをもって、これに代えることができる。 2 法及びこの規則の規定による通知は、郵便、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者又は同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)その他適宜の方法によりするものとする。 (申請書等の記載事項等) 第五条 法及びこの規則の規定により提出する申請書、届出書、閲覧請求書又は審査申立書には、申請、届出、請求又は審査の申立ての年月日を記載し、記名押印又は自ら署名をしなければならない。 第二章 被害回復給付金の支給 第一節 犯罪被害財産支給手続 第一款 手続の開始等 (開始決定の公告等) 第六条 法第七条第一項第六号の法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 犯罪被害財産支給手続を開始する旨の決定(次号及び第四号において「開始決定」という。)の年月日 三 開始決定に係る犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判をした裁判所、当該裁判があった年月日及びこれが確定した年月日、当該裁判を受けた被告人の氏名又は名称並びに当該没収又は追徴の理由とされた事実の要旨及び罪名 四 法第六条第二項又は第四項の規定により開始決定をしたときは、その旨 五 対象犯罪行為が支給対象犯罪行為の範囲に属するか否かについての判断の参考となるべき事項 六 その他必要な事項 2 検察官は、法第七条第一項の規定により公告した同項第二号、第三号又は第五号に掲げる事項に変更を生じたときは、その旨、変更に係る事項その他必要な事項を官報に掲載して公告しなければならない。 3 検察官は、支給申請期間中に新たに給付資金を保管するに至った場合において、必要と認めるときは、その旨、給付資金の総額その他必要な事項を公告しなければならない。 (不開始決定の公告事項) 第七条 法第八条第二項の規定による公告は、同項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 犯罪被害財産支給手続を開始しない旨の決定(以下この条において「不開始決定」という。)の表示 二 不開始決定の年月日 三 不開始決定に係る犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判をした裁判所、当該裁判があった年月日及びこれが確定した年月日、当該裁判を受けた被告人の氏名又は名称並びに当該没収又は追徴の理由とされた事実の要旨及び罪名 四 不開始決定をした理由 五 不開始決定をした検察官が所属する検察庁 六 その他必要な事項 第二款 支給の申請 (申請書の記載事項等) 第八条 法第九条第一項第四号の法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 申請人が自然人であるときは、その氏名、生年月日及び住所 三 申請人が法人又は法人でない団体で代表者若しくは管理人の定めがあるもの(以下「法人等」という。)であるときは、その名称及び住所並びに代表者又は管理人の氏名、生年月日及び住所 四 申請人が対象被害者の一般承継人であるときは、一般承継の理由及びその年月日並びに当該対象被害者との関係 五 代理人によって申請をするときは、当該代理人の氏名及び生年月日又は名称並びに住所(代理人が弁護士であるときは当該弁護士の氏名並びに事務所の名称及び所在地、代理人が弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人であるときは当該弁護士法人又は当該弁護士・外国法事務弁護士共同法人の名称及び所在地並びにその業務を担当する弁護士の氏名。第十二条第一項第四号、第十七条第二項第四号及び第十八条第一項第五号において同じ。) 六 申請人又は代理人の郵便番号、電話番号(ファクシミリの番号を含む。)その他これらの者が法及びこの規則の規定による通知、書面の送達又は報告、文書その他の物件の提出若しくは出頭の命令若しくは求めを受けるために必要な事項 七 控除対象額があるときは、当該填補又は賠償があった年月日、当該填補又は賠償をした者の氏名又は名称及びその者と犯人との関係、当該填補又は賠償を受けた者の氏名又は名称及びその者と対象被害者又はその一般承継人との関係並びに当該填補又は賠償の額の内訳 八 他の申請人又は申請人となるべき者(以下「他の申請人等」という。)との間で各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合について合意があるときは、当該他の申請人等の氏名又は名称、住所、郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。)並びに当該合意の内容 九 被害回復給付金の払渡しを受ける機関その他のその払渡しを受けるために必要な事項 2 申請書は、別記様式第一によるものとする。 (申請書に添付すべき資料等) 第九条 法第九条第一項及び第二項に規定する申請書に添付すべき資料は、次に掲げるものとする。 一 申請書に記載されている申請人(申請人が法人等である場合にあっては、その代表者又は管理人)及び申請人の代理人(弁護士、弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を除く。)の氏名、生年月日及び住所と同一の氏名、生年月日及び住所が記載されている運転免許証等(運転免許証、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第十九条の三に規定する在留カード、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第七条第一項に規定する特別永住者証明書又は行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。以下同じ。)で申請の日において有効なものの写しその他これらの者が本人であることを確認するに足りる書類(以下「自然人に係る本人確認書類」という。) 二 申請人が法人等であるときは、申請書に記載されている当該法人等の名称及び住所並びに代表者又は管理人の氏名と同一の名称及び住所並びに氏名が記載されている登記事項証明書又は印鑑登録証明書で申請日前六月以内に作成されたものその他その者が本人であることを確認するに足りる書類(以下「法人等に係る本人確認書類」という。) 三 申請人(申請人が対象被害者の一般承継人である場合にあっては、その被承継人)が対象被害者であることの基礎となる事実を疎明するに足りる資料 四 申請人が対象被害者の一般承継人であるときは、一般承継の理由及びその年月日並びに対象被害者との関係を明らかにする戸籍の謄本若しくは抄本又は法人の登記事項証明書で申請日前六月以内に作成されたものその他申請人が一般承継人であることの基礎となる事実を疎明するに足りる資料 五 代理人によって申請をするときは、代理権を証する資料 六 法第九条第一項第二号に掲げる事項を疎明するに足りる資料 七 控除対象額があるときは、前条第一項第七号に掲げる事項を明らかにする資料 八 他の申請人等との間で各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合について合意があるときは、前条第一項第八号に掲げる事項を明らかにする資料 (記載の省略等) 第十条 検察官は、相当と認めるときは、申請書に記載すべき事項について、その記載を省略させ、若しくは他の申請人が提出した申請書の記載を引用して記載させ、又は申請書に添付すべき資料について、その添付を省略させ、若しくはこれに代わるべき資料を添付させることができる。 (申請事項に変更があった場合の届出) 第十一条 申請人は、申請書を提出した後、申請書に記載すべき事項に変更が生じたときは、速やかに、変更に係る事項を記載した届出書に当該事項を明らかにする資料(第九条各号に掲げるものに限る。)を添付して、これを検察官に提出しなければならない。 第三款 裁定等 (裁定書の記載事項等) 第十二条 裁定書に記載すべき事項は、次に掲げるものとする。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 申請人の氏名又は名称及び住所 三 申請人が法人等であるときは、その法人等の代表者又は管理人の氏名及び住所 四 代理人があるときは、その代理人の氏名又は名称及び住所 五 裁定の年月日 六 裁定の結果及びその理由 2 裁定書は、別記様式第二によるものとする。 (裁定書の謄本の送達) 第十三条 裁定書の謄本の送達は、郵便若しくは信書便による送達又は犯罪被害財産支給手続を行う検察官が所属する検察庁において交付する方法による送達(第十五条において「交付送達」という。)により行うものとする。 2 裁定書の謄本の送達に当たっては、裁定書謄本送付書又は裁定書謄本交付書を添付するものとする。 (郵便又は信書便による送達) 第十四条 検察官は、郵便又は信書便により裁定書の謄本を送達をする場合において必要があると認めるときは、特殊取扱いによる郵便又は信書便の役務のうち特殊取扱いによる郵便に準ずるものにより行うものとする。 2 検察官は、郵便又は信書便により裁定書の謄本を発送したときは、その送達を受けるべき者の氏名又は名称、あて先、送達方法及び発送の年月日を確認するに足りる記録を作成しなければならない。 (交付送達) 第十五条 交付送達は、その送達を受けるべき者に、受領確認書と引換えに裁定書の謄本を交付して行うものとする。 2 前条第二項の規定は、交付送達をした場合に準用する。 この場合において、同項中「あて先、送達方法及び発送の年月日」とあるのは、「送達方法及び送達の年月日」と読み替えるものとする。 (裁定表の記載事項等) 第十六条 法第十三条第二号の法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 資格裁定を受けた年月日 三 資格裁定に係る支給対象犯罪行為の要旨 四 裁定表を作成した時における給付資金の額及び総犯罪被害額 2 裁定表は、別記様式第三によるものとする。 (裁定表の閲覧) 第十七条 申請人又はその代理人は、裁定表の閲覧を請求することができる。 2 裁定表の閲覧をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した閲覧請求書を検察官に提出しなければならない。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 申請人が自然人である場合において当該申請人が請求人であるときは、その氏名、生年月日及び住所 三 申請人が法人等である場合において当該申請人が請求人であるときは、その名称及び住所並びに代表者又は管理人の氏名、生年月日及び住所 四 申請人の代理人が請求人であるときは、当該申請人の氏名又は名称及び住所並びに当該代理人の氏名及び生年月日又は名称並びに住所 五 閲覧を請求する事項 六 閲覧の目的 七 閲覧を希望する日時 3 閲覧請求書は、別記様式第四によるものとする。 4 裁定表の閲覧をしようとする者(弁護士を除く。)は、検察官に対し、閲覧請求書に記載されている当該者の氏名、生年月日及び住所と同一の氏名、生年月日及び住所が記載されている運転免許証等で請求の日において有効なものその他その者が本人であることを確認するに足りる書類を提示しなければならない。 5 検察官は、閲覧を請求する事項が他の申請人に対する裁定であって既に法第四十条第一項に規定する期間が経過したものであるとき、その他正当な理由がないと認めるときは、裁定表の閲覧の請求を拒否しなければならない。 6 検察官は、裁定表の閲覧について、日時、場所、時間及び方法を指定することができる。 7 検察官は、裁定表の閲覧について、裁定表の破棄、写真撮影その他不法な行為を防ぐため必要があると認めるときは、検察庁の職員をこれに立ち会わせることその他適当な措置を講じなければならない。 8 弁護士(弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。)である代理人は、検察官の許可を受けて、自己の使用人その他の者に裁定表の閲覧をさせることができる。 第四款 支給の実施 (資格裁定確定後の一般承継人の届出) 第十八条 法第十七条第一項に規定する届出書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 届出人が自然人であるときは、その氏名、生年月日及び住所 三 届出人が法人等であるときは、その名称及び住所並びに代表者又は管理人の氏名、生年月日及び住所 四 一般承継の理由及びその年月日並びに資格裁定が確定した者との関係 五 代理人によって届出をするときは、当該代理人の氏名及び生年月日又は名称並びに住所 六 届出人又は代理人の郵便番号、電話番号(ファクシミリの番号を含む。)その他これらの者が法及びこの規則の規定による通知又は報告、文書その他の物件の提出若しくは出頭の命令を受けるために必要な事項 七 他の届出人又は届出人となるべき者(以下「他の届出人等」という。)との間で各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合について合意があるときは、当該他の届出人等の氏名又は名称、住所、郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。)並びに当該合意の内容 八 被害回復給付金の払渡しを受ける機関その他のその払渡しを受けるために必要な事項 2 前項に規定する届出書は、別記様式第五によるものとする。 3 第一項に規定する届出書には、次に掲げる資料を添付しなければならない。 一 届出書に記載されている届出人(届出人が法人等である場合にあっては、その代表者又は管理人)及び届出人の代理人(弁護士、弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を除く。)の氏名、生年月日及び住所と同一の氏名、生年月日及び住所が記載されている自然人に係る本人確認書類 二 届出人が法人等であるときは、届出書に記載されている当該法人等の名称及び住所並びに代表者又は管理人の氏名と同一の名称及び住所並びに氏名が記載されている法人等に係る本人確認書類 三 一般承継の理由及びその年月日並びに資格裁定が確定した者との関係を明らかにする戸籍の謄本若しくは抄本又は法人の登記事項証明書であって届出日前六月以内に作成されたものその他届出人が一般承継人であることの基礎となる事実を明らかにする資料 四 代理人によって届出をするときは、代理権を証する資料 五 他の届出人等との間で各人が支給を受けるべき被害回復給付金の額の割合について合意があるときは、第一項第七号に掲げる事項を明らかにする資料 4 第十条の規定は、法第十七条第一項の規定による届出について準用する。 (届出事項に変更があった場合の届出) 第十九条 届出人は、前条第一項に規定する届出書を提出した後、当該届出書に記載すべき事項に変更が生じたときは、速やかに、変更に係る事項を記載した届出書に当該事項を明らかにする資料(同条第三項各号に掲げるものに限る。)を添付して、これを検察官に提出しなければならない。 第五款 特別支給手続 (開始決定の公告等) 第二十条 法第十九条第一項第四号の法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 特別支給手続を開始する旨の決定(次号において「開始決定」という。)の年月日 三 開始決定に係る犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判をした裁判所、当該裁判があった年月日及びこれが確定した年月日、当該裁判を受けた被告人の氏名又は名称並びに当該没収又は追徴の理由とされた事実の要旨及び罪名 四 対象犯罪行為が支給対象犯罪行為の範囲に属するか否かについての判断の参考となるべき事項 五 その他必要な事項 2 検察官は、法第十九条第一項の規定により公告した法第七条第一項第二号又は法第十九条第一項第三号に掲げる事項に変更を生じたときは、その旨、変更に係る事項その他必要な事項を官報に掲載して公告しなければならない。 3 検察官は、特別支給申請期間中に新たに給付資金を保管するに至った場合において、必要と認めるときは、その旨、残余給付資金の総額その他必要な事項を公告しなければならない。 (準用) 第二十一条 前三款の規定は、特別支給手続について準用する。 この場合において、第八条第一項中「法第九条第一項第四号」とあるのは「法第二十条において準用する法第九条第一項第四号」と、第九条中「法第九条第一項及び第二項」とあるのは「法第二十条において準用する法第九条第一項及び第二項」と、同条第六号中「法第九条第一項第二号」とあるのは「法第二十条において準用する法第九条第一項第二号」と、第十六条第一項中「法第十三条第二号」とあるのは「法第二十条において準用する法第十三条第二号」と、同項第四号中「給付資金」とあるのは「残余給付資金」と、第十八条第一項及び第四項中「法第十七条第一項」とあるのは「法第二十条において準用する法第十七条第一項」と読み替えるものとする。 第六款 手続の終了 (終了決定の公告事項) 第二十二条 法第二十一条第二項の規定による公告は、同項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 犯罪被害財産支給手続を終了する旨の決定(次号及び第四号において「終了決定」という。)の年月日 三 終了決定をした理由 四 終了決定をした検察官が所属する検察庁 五 その他必要な事項 第七款 被害回復事務管理人 (被害回復事務管理人の選任等) 第二十三条 検察官は、被害回復事務管理人を選任したときは、当該被害回復事務管理人に対し、その選任を証する書面(別記様式第六)を交付しなければならない。 2 弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人が被害回復事務管理人に選任されたときは、当該弁護士法人又は当該弁護士・外国法事務弁護士共同法人は、その社員又は使用人である弁護士のうち被害回復事務を行うべき者を指名し、その者の氏名を検察官に届け出なければならない。 3 被害回復事務管理人(被害回復事務管理人が弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人である場合には、当該弁護士法人又は当該弁護士・外国法事務弁護士共同法人が被害回復事務を行うべき者として指名した社員又は使用人である弁護士)は、被害回復事務の実施に当たっては、第一項の書面を携帯し、関係者から請求があったときは、これを提示しなければならない。 4 被害回復事務管理人は、正当な理由があるときは、検察官の許可を得て辞任することができる。 (被害回復事務管理人に行わせる事務) 第二十四条 法第二十二条第一項第四号の法務省令で定める事務は、次に掲げるものとする。 一 支給対象犯罪行為の範囲を定めるための調査に関する事務その他犯罪被害財産支給手続の準備のために必要な事務 二 法及びこの規則の規定による申請又は届出の受付及びこれに関する事務 三 その他犯罪被害財産支給手続を実施するために必要があるとして検察官が指定する事務 (被害回復事務管理人の選任の公告等) 第二十五条 法第二十二条第二項の法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 選任の年月日 三 被害回復事務管理人の事務所の所在地 四 その他必要な事項 2 検察官は、被害回復事務管理人の氏名若しくは名称若しくは事務所の所在地又は被害回復事務の範囲に変更を生じたときは、その旨、変更に係る事項その他必要な事項を公告しなければならない。 (訴訟記録等の使用等) 第二十六条 検察官は、被害回復事務管理人に法第二十四条の規定により支給対象犯罪行為に係る被告事件の終結後の訴訟記録その他の支給対象犯罪行為に係る訴訟に関する記録(以下「訴訟記録等」という。)を使用させる場合には、その日時、場所、時間及び方法を指定することができる。 2 被害回復事務管理人は、訴訟記録等及びその複製等(複製その他当該訴訟記録等の全部又は一部をそのまま記録した物及び書面をいう。以下同じ。)を適正に管理し、その保管をみだりに他人にゆだねてはならない。 3 被害回復事務管理人は、訴訟記録等及びその複製等を、被害回復事務を行うために使用する目的以外の目的で人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供してはならない。 (申請書等の送付) 第二十七条 第二十四条第二号に掲げる事務を行う被害回復事務管理人は、同号に規定する申請又は届出を受け付けた場合には、速やかに、申請書又は届出書及びこれらに添付された資料を検察官に送付しなければならない。 (費用支出原因行為の事前承認) 第二十八条 被害回復事務管理人は、費用の支出の原因となる契約その他の行為をするに当たっては、事前に検察官の承認を受けなければならない。 (被害回復事務管理人の報酬等) 第二十九条 検察官は、被害回復事務管理人の報酬を定めるに当たっては、その職務執行の対価として相当と認める額を定めるものとする。 2 報酬決定書に記載すべき事項は、次に掲げるものとする。 一 犯罪被害財産支給手続の表示 二 被害回復事務管理人の氏名又は名称及び事務所の所在地 三 報酬決定の年月日 四 報酬決定の結果及びその理由 3 報酬決定書は、別記様式第七によるものとする。 4 第十三条から第十五条までの規定は、報酬決定書の謄本の送達について準用する。 この場合において、第十三条(見出しを含む。)、第十四条及び第十五条第一項中「裁定書の」とあるのは「報酬決定書の」と、第十三条第二項中「裁定書謄本送付書又は裁定書謄本交付書」とあるのは「報酬決定書謄本送付書又は報酬決定書謄本交付書」と読み替えるものとする。 5 検察官は、被害回復事務管理人の報酬を決定した場合において、法第十三条に規定する裁定表がまだ作成されていないときは、当該報酬の額を記載した裁定表を作成し、これを当該検察官が所属する検察庁に備え置かなければならない。 第二節 外国譲与財産支給手続 (不開始決定の公告事項) 第三十条 法第三十八条第二項の規定による公告は、同項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 外国譲与財産支給手続を開始しない旨の決定(以下この条において「不開始決定」という。)の表示 二 不開始決定の年月日 三 不開始決定に係る法第二条第五号に規定する外国及び対象犯罪行為に係る事実の要旨 四 不開始決定をした理由 五 不開始決定をした検察官が所属する検察庁 六 その他必要な事項 (準用) 第三十一条 前節(第七条を除く。)の規定は、外国譲与財産支給手続について準用する。 この場合において、第六条第一項中「法第七条第一項第六号」とあるのは「法第三十九条において準用する法第七条第一項第六号」と、同項第三号及び第二十条第一項第三号中「犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴の裁判をした裁判所、当該裁判があった年月日及びこれが確定した年月日、当該裁判を受けた被告人の氏名又は名称並びに当該没収又は追徴の理由とされた事実の要旨及び罪名」とあるのは「法第二条第五号に規定する外国及び対象犯罪行為に係る事実の要旨」と、第六条第一項第四号中「法第六条第二項又は第四項」とあるのは「法第三十七条第二項、第四項又は第五項」と、同条第二項中「法第七条第一項」とあるのは「法第三十九条において準用する法第七条第一項」と、第八条第一項中「法第九条第一項第四号」とあるのは「法第三十九条において準用する法第九条第一項第四号」と、第九条中「法第九条第一項及び第二項」とあるのは「法第三十九条において準用する法第九条第一項及び第二項」と、同条第六号中「法第九条第一項第二号」とあるのは「法第三十九条において準用する法第九条第一項第二号」と、第十六条第一項中「法第十三条第二号」とあるのは「法第三十九条において準用する法第十三条第二号」と、第十八条第一項及び第四項中「法第十七条第一項」とあるのは「法第三十九条において準用する法第十七条第一項」と、第二十条第一項中「法第十九条第一項第四号」とあるのは「法第三十九条において準用する法第十九条第一項第四号」と、同条第二項中「法第十九条第一項の規定」とあるのは「法第三十九条において準用する法第十九条第一項の規定」と、「法第七条第一項第二号」とあるのは「法第三十九条において準用する法第七条第一項第二号」と、「法第十九条第一項第三号」とあるのは「法第三十九条において準用する法第十九条第一項第三号」と、第二十一条中「法第二十条」とあるのは「法第二十条(法第三十九条において準用する場合を含む。)」と、第二十二条中「法第二十一条第二項」とあるのは「法第三十九条において準用する法第二十一条第二項」と、第二十四条中「法第二十二条第一項第四号」とあるのは「法第三十九条において準用する法第二十二条第一項第四号」と、第二十五条第一項中「法第二十二条第二項」とあるのは「法第三十九条において準用する法第二十二条第二項」と、第二十六条第一項中「法第二十四条」とあるのは「法第三十九条において準用する法第二十四条」と、「という。)」とあるのは「という。)及び外国譲与財産に係る外国の法令による裁判又は命令その他の処分に係る記録(以下「外国訴訟記録等」という。)」と、同条第二項及び第三項中「及びその」とあるのは「及び外国訴訟記録等並びにそれらの」と、第二十九条第五項中「法第十三条」とあるのは「法第三十九条において準用する法第十三条」と読み替えるものとする。 第三章 不服申立て等 (代表者等の資格の証明等) 第三十二条 審査申立人の代表者若しくは管理人、総代又は代理人の資格は、第三十五条の規定の適用がある場合のほか、書面で証明しなければならない。 法第四十四条において準用する行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十二条第二項ただし書に規定する特別の委任についても、同様とする。 2 審査申立人は、代表者若しくは管理人、総代又は代理人がその資格を失ったときは、書面でその旨を審査庁に届け出なければならない。 3 前二項の規定は、参加人の代表者若しくは管理人又は代理人の資格について準用する。 この場合において、第一項中「第三十五条の規定の適用がある場合のほか、書面」とあるのは「書面」と、「第十二条第二項ただし書」とあるのは「第十三条第四項ただし書」と、前項中「審査申立人」とあるのは「参加人」と、「、総代又は」とあるのは「又は」と読み替えるものとする。 (検察庁の長に対する審査の申立て) 第三十三条 法第四十条第一項第五号の法務省令で定める検察官の行為は、次の各号に掲げるものとし、同項第五号の法務省令で定める日は、次の各号に掲げる検察官の行為の区分に応じ、当該各号に定める日とする。 一 法第十七条第一項に規定する要件を欠くものとして同項に規定する未支給の被害回復給付金の支給をしない旨の決定 当該決定があったことを知った日の翌日 二 法第二十三条第四項の規定による被害回復事務管理人を解任する旨の決定 当該決定があったことを知った日の翌日 三 前二号に掲げるもののほか、法に基づく手続に係る検察官の行為で処分その他公権力の行使に当たるもの 当該行為があったことを知った日の翌日 (審査申立書の記載事項) 第三十四条 法第四十条の三第二項第三号の法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 犯罪被害財産支給手続若しくは外国譲与財産支給手続の表示又は第七条第一号若しくは第三十条第一号に規定する決定の表示 二 審査申立人の氏名又は名称及び住所 三 法第四十条第一項第一号若しくは第二号に定める公告があった日、同項第三号若しくは第四号に定める送達があった日又は前条各号に定める決定若しくは行為があったことを知った日 四 審査の申立てに係る処分等をした検察官の教示の有無及びその内容 2 法第四十条の三第三項第二号の法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 犯罪被害財産支給手続又は外国譲与財産支給手続の表示 二 審査申立人の氏名又は名称及び住所 3 審査申立人が、法人等である場合、総代を互選した場合又は代理人によって審査の申立てをする場合には、審査申立書には、法第四十条の三第二項第一号及び第二号並びに第一項各号に掲げる事項又は法第四十条の三第三項第一号及び前項各号に掲げる事項のほか、その代表者若しくは管理人、総代又は代理人の氏名及び住所(代理人が弁護士であるときは当該弁護士の氏名並びに事務所の名称及び所在地、代理人が弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人であるときは当該弁護士法人又は当該弁護士・外国法事務弁護士共同法人の名称及び所在地並びにその業務を担当する弁護士の氏名)を記載しなければならない。 4 法第四十条第一項第一号から第四号まで又は前条各号に掲げる処分等についての審査申立書には、法第四十条の三第二項第一号及び第二号に掲げる事項並びに第一項及び前項に規定する事項のほか、法第四十条第一項に規定する期間を経過した後に審査の申立てをする場合においては、同条第二項に規定する正当な理由を記載しなければならない。 (審査申立書に添付すべき書面) 第三十五条 審査申立書には、審査申立人が法人等である場合にあっては代表者又は管理人の資格を証する書面を、審査申立人が総代を互選した場合にあっては総代の資格を証する書面を、審査申立人が代理人によって審査の申立てをする場合にあっては代理人の資格を証する書面を、それぞれ添付しなければならない。 (意見書の提出) 第三十六条 法第四十四条において読み替えて準用する行政不服審査法第三十条第二項に規定する意見書(次項において「意見書」という。)は、正本及び当該意見書を送付すべき審査申立人の数に相当する通数の副本を提出しなければならない。 2 法第四十四条において読み替えて準用する行政不服審査法第三十条第三項の規定による意見書の送付は、意見書の副本によってする。 (交付の求め) 第三十七条 法第四十四条において読み替えて準用する行政不服審査法第三十八条第一項の規定による交付の求めは、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。 一 交付に係る法第四十四条において読み替えて準用する行政不服審査法第三十八条第一項に規定する書類(以下「対象書類」という。)又は交付に係る同項に規定する電磁的記録(以下「対象電磁的記録」という。)を特定するに足りる事項 二 対象書類又は対象電磁的記録について求める交付の方法(次条各号に掲げる交付の方法をいう。) (交付の方法) 第三十八条 法第四十四条において読み替えて準用する行政不服審査法第三十八条第一項の規定による交付は、次のいずれかの方法によってする。 一 対象書類の写しの交付にあっては、当該対象書類を複写機により用紙の片面又は両面に白黒又はカラーで複写したものの交付 二 対象電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付にあっては、当該事項を用紙の片面又は両面に白黒又はカラーで出力したものの交付 (手数料の納付) 第三十九条 令第一条第二項の法務省令で定める書面は、次に掲げる事項を記載した手数料納付書とする。 一 手数料の額 二 対象書類又は対象電磁的記録 三 交付に係る用紙の枚数 四 手数料の納付の年月日 (裁定書の記載事項等の準用) 第四十条 第十二条第一項(第三十一条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定は裁決書の記載事項について、第十三条から第十五条まで(これらの規定を第三十一条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定は裁決書の謄本の送達について、それぞれ準用する。 この場合において、第十二条の見出し及び同条第一項中「裁定書」とあるのは「裁決書」と、同項第一号及び第十三条第一項中「犯罪被害財産支給手続」とあるのは「審査の申立手続」と、第十二条第一項第二号中「申請人」とあるのは「審査申立人(当該審査の申立てが他の申請人に対する裁定についてされたものであるときは、審査申立人及び当該他の申請人)」と、「住所」とあるのは「審査申立人の住所」と、同項第三号中「申請人」とあるのは「審査申立人」と、第十三条(見出しを含む。)、第十四条及び第十五条第一項中「裁定書の」とあるのは「裁決書の」と、第十三条第一項及び第十四条中「検察官」とあるのは「検察庁の長」と、第十三条第二項中「裁定書謄本送付書又は裁定書謄本交付書」とあるのは「裁決書謄本送付書又は裁決書謄本交付書」と読み替えるものとする。 (支給対象犯罪行為の範囲を定める処分が取り消された場合等における公告) 第四十一条 検察官は、法第四十条第一項第一号に掲げる処分を取り消し、若しくは変更する裁決又は当該処分を取り消す判決が確定して支給対象犯罪行為の範囲を新たに定め、又は変更したときは、当該支給対象犯罪行為の範囲その他必要な事項を官報に掲載して公告しなければならない。 | 刑事 |
Heisei | Act | 419AC0000000022_20240401_504AC0000000097.xml | 平成十九年法律第二十二号 | 2 | 犯罪による収益の移転防止に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、犯罪による収益が組織的な犯罪を助長するために使用されるとともに、これが移転して事業活動に用いられることにより健全な経済活動に重大な悪影響を与えるものであること、及び犯罪による収益の移転が没収、追徴その他の手続によりこれを剝奪し、又は犯罪による被害の回復に充てることを困難にするものであることから、犯罪による収益の移転を防止すること(以下「犯罪による収益の移転防止」という。)が極めて重要であることに鑑み、特定事業者による顧客等の本人特定事項(第四条第一項第一号に規定する本人特定事項をいう。第三条第一項において同じ。)等の確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置を講ずることにより、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)及び国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九十四号。以下「麻薬特例法」という。)による措置と相まって、犯罪による収益の移転防止を図り、併せてテロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約等の的確な実施を確保し、もって国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「犯罪による収益」とは、組織的犯罪処罰法第二条第四項に規定する犯罪収益等又は麻薬特例法第二条第五項に規定する薬物犯罪収益等をいう。 2 この法律において「特定事業者」とは、次に掲げる者をいう。 一 銀行 二 信用金庫 三 信用金庫連合会 四 労働金庫 五 労働金庫連合会 六 信用協同組合 七 信用協同組合連合会 八 農業協同組合 九 農業協同組合連合会 十 漁業協同組合 十一 漁業協同組合連合会 十二 水産加工業協同組合 十三 水産加工業協同組合連合会 十四 農林中央金庫 十五 株式会社商工組合中央金庫 十六 株式会社日本政策投資銀行 十七 保険会社 十八 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第七項に規定する外国保険会社等 十九 保険業法第二条第十八項に規定する少額短期保険業者 二十 共済水産業協同組合連合会 二十一 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項に規定する金融商品取引業者 二十二 金融商品取引法第二条第三十項に規定する証券金融会社 二十三 金融商品取引法第六十三条第五項に規定する特例業務届出者 二十四 金融商品取引法第六十三条の九第四項に規定する海外投資家等特例業務届出者 二十五 信託会社 二十六 信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第五十条の二第一項の登録を受けた者 二十七 不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第二条第五項に規定する不動産特定共同事業者(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関であって、不動産特定共同事業法第二条第四項に規定する不動産特定共同事業を営むものを含む。)、同条第七項に規定する小規模不動産特定共同事業者、同条第九項に規定する特例事業者又は同条第十一項に規定する適格特例投資家限定事業者 二十八 無尽会社 二十九 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第二項に規定する貸金業者 三十 貸金業法第二条第一項第五号に規定する者のうち政令で定める者 三十の二 資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二条第一項に規定する前払式支払手段発行者のうち同法第十一条の二第一項の届出をした者 三十一 資金決済に関する法律第二条第三項に規定する資金移動業者 三十一の二 資金決済に関する法律第二条第十二項に規定する電子決済手段等取引業者 三十一の三 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第十八項に規定する電子決済等取扱業者 三十一の四 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十五条の三の二第一項に規定する信用金庫電子決済等取扱業者 三十一の五 協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の四の四第一項に規定する信用協同組合電子決済等取扱業者 三十二 資金決済に関する法律第二条第十六項に規定する暗号資産交換業者 三十三 商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第二条第二十三項に規定する商品先物取引業者 三十四 社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する振替機関(同法第四十八条の規定により振替機関とみなされる日本銀行を含む。) 三十五 社債、株式等の振替に関する法律第二条第四項に規定する口座管理機関 三十六 電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第二項に規定する電子債権記録機関 三十七 独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構 三十八 本邦において両替業務(業として外国通貨(本邦通貨以外の通貨をいう。)又は旅行小切手の売買を行うことをいう。)を行う者 三十九 顧客に対し、その指定する機械類その他の物品を購入してその賃貸(政令で定めるものに限る。)をする業務を行う者 四十 それを提示し又は通知して、特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務提供事業者(役務の提供の事業を営む者をいう。以下この号において同じ。)から有償で役務の提供を受けることができるカードその他の物又は番号、記号その他の符号(以下「クレジットカード等」という。)をこれにより商品若しくは権利を購入しようとする者又は役務の提供を受けようとする者(以下「利用者たる顧客」という。)に交付し又は付与し、当該利用者たる顧客が当該クレジットカード等を提示し又は通知して特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務提供事業者から有償で役務の提供を受けたときは、当該販売業者又は役務提供事業者に当該商品若しくは権利の代金又は当該役務の対価に相当する額の金銭を直接に又は第三者を経由して交付するとともに、当該利用者たる顧客から、あらかじめ定められた時期までに当該代金若しくは当該対価の合計額の金銭を受領し、又はあらかじめ定められた時期ごとに当該合計額を基礎としてあらかじめ定められた方法により算定して得た額の金銭を受領する業務を行う者 四十一 特定複合観光施設区域整備法(平成三十年法律第八十号)第二条第九項に規定するカジノ事業者 四十二 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第二条第三号に規定する宅地建物取引業者(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関であって、宅地建物取引業法第二条第二号に規定する宅地建物取引業(別表において単に「宅地建物取引業」という。)を営むもの(第二十二条第一項第十六号において「みなし宅地建物取引業者」という。)を含む。) 四十三 金、白金その他の政令で定める貴金属若しくはダイヤモンドその他の政令で定める宝石又はこれらの製品(以下「貴金属等」という。)の売買を業として行う者 四十四 顧客に対し、自己の居所若しくは事務所の所在地を当該顧客が郵便物(民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物並びに大きさ及び重量が郵便物に類似する貨物を含む。以下同じ。)を受け取る場所として用い、又は自己の電話番号を当該顧客が連絡先の電話番号として用いることを許諾し、当該自己の居所若しくは事務所において当該顧客宛ての郵便物を受け取ってこれを当該顧客に引き渡し、又は当該顧客宛ての当該電話番号に係る電話(ファクシミリ装置による通信を含む。以下同じ。)を受けてその内容を当該顧客に連絡し、若しくは当該顧客宛ての若しくは当該顧客からの当該電話番号に係る電話を当該顧客が指定する電話番号に自動的に転送する役務を提供する業務を行う者 四十五 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)又は弁護士法人(外国法事務弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。) 四十六 司法書士又は司法書士法人 四十七 行政書士又は行政書士法人 四十八 公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人 四十九 税理士又は税理士法人 3 この法律において「顧客等」とは、顧客(前項第四十号に掲げる特定事業者にあっては、利用者たる顧客)又はこれに準ずる者として政令で定める者をいう。 (国家公安委員会の責務等) 第三条 国家公安委員会は、特定事業者による顧客等の本人特定事項等の確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置が的確に行われることを確保するため、特定事業者に対し犯罪による収益の移転に係る手口に関する情報の提供その他の援助を行うとともに、犯罪による収益の移転防止の重要性について国民の理解を深めるよう努めるものとする。 2 国家公安委員会は、特定事業者により届け出られた疑わしい取引に関する情報その他の犯罪による収益に関する情報が、刑事事件の捜査及び犯則事件の調査並びに犯罪による収益の移転防止に関する国際的な情報交換その他の協力に有効に活用されるよう、迅速かつ的確にその集約、整理及び分析を行うものとする。 3 国家公安委員会は、毎年、犯罪による収益の移転に係る手口その他の犯罪による収益の移転の状況に関する調査及び分析を行った上で、特定事業者その他の事業者が行う取引の種別ごとに、当該取引による犯罪による収益の移転の危険性の程度その他の当該調査及び分析の結果を記載した犯罪収益移転危険度調査書を作成し、これを公表するものとする。 4 国家公安委員会は、第二項の規定による情報の集約、整理及び分析並びに前項の規定による調査及び分析を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関、特定事業者その他の関係者に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。 5 前項に定めるもののほか、国家公安委員会その他の関係行政機関及び地方公共団体の関係機関は、犯罪による収益の移転防止について相互に協力するものとする。 第二章 特定事業者による措置 (取引時確認等) 第四条 特定事業者(第二条第二項第四十五号に掲げる特定事業者(第十二条において「弁護士等」という。)を除く。以下同じ。)は、顧客等との間で、別表の上欄に掲げる特定事業者の区分に応じそれぞれ同表の中欄に定める業務(以下「特定業務」という。)のうち同表の下欄に定める取引(次項第二号において「特定取引」といい、同項前段に規定する取引に該当するものを除く。)を行うに際しては、主務省令で定める方法により、当該顧客等について、次に掲げる事項の確認を行わなければならない。 一 本人特定事項(自然人にあっては氏名、住居(本邦内に住居を有しない外国人で政令で定めるものにあっては、主務省令で定める事項)及び生年月日をいい、法人にあっては名称及び本店又は主たる事務所の所在地をいう。以下同じ。) 二 取引を行う目的 三 当該顧客等が自然人である場合にあっては職業、当該顧客等が法人である場合にあっては事業の内容 四 当該顧客等が法人である場合において、その事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして主務省令で定める者があるときにあっては、その者の本人特定事項 2 特定事業者は、顧客等との間で、特定業務のうち次の各号のいずれかに該当する取引を行うに際しては、主務省令で定めるところにより、当該顧客等について、前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が政令で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況(第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者にあっては、前項各号に掲げる事項)の確認を行わなければならない。 この場合において、第一号イ又はロに掲げる取引に際して行う同項第一号に掲げる事項の確認は、第一号イ又はロに規定する関連取引時確認を行った際に採った当該事項の確認の方法とは異なる方法により行うものとし、資産及び収入の状況の確認は、第八条第一項又は第二項の規定による届出を行うべき場合に該当するかどうかの判断に必要な限度において行うものとする。 一 次のいずれかに該当する取引として政令で定めるもの イ 取引の相手方が、その取引に関連する他の取引の際に行われた前項若しくはこの項(これらの規定を第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第四項の規定による確認(ロにおいて「関連取引時確認」という。)に係る顧客等又は代表者等(第六項に規定する代表者等をいう。ロにおいて同じ。)になりすましている疑いがある場合における当該取引 ロ 関連取引時確認が行われた際に当該関連取引時確認に係る事項を偽っていた疑いがある顧客等(その代表者等が当該事項を偽っていた疑いがある顧客等を含む。)との取引 二 特定取引のうち、犯罪による収益の移転防止に関する制度の整備が十分に行われていないと認められる国又は地域として政令で定めるもの(以下この号において「特定国等」という。)に居住し又は所在する顧客等との間におけるものその他特定国等に居住し又は所在する者に対する財産の移転を伴うもの 三 前二号に掲げるもののほか、犯罪による収益の移転防止のために厳格な顧客管理を行う必要性が特に高いと認められる取引として政令で定めるもの 3 第一項の規定は、当該特定事業者が他の取引の際に既に同項又は前項(これらの規定を第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による確認(当該確認について第六条の規定による確認記録の作成及び保存をしている場合におけるものに限る。)を行っている顧客等との取引(これに準ずるものとして政令で定める取引を含む。)であって政令で定めるものについては、適用しない。 4 特定事業者は、顧客等について第一項又は第二項の規定による確認を行う場合において、会社の代表者が当該会社のために当該特定事業者との間で第一項又は第二項前段に規定する取引(以下「特定取引等」という。)を行うときその他の当該特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人が当該顧客等と異なるとき(次項に規定する場合を除く。)は、当該顧客等の当該確認に加え、当該特定取引等の任に当たっている自然人についても、主務省令で定めるところにより、その者の本人特定事項の確認を行わなければならない。 5 特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人が顧客等と異なる場合であって、当該顧客等が国、地方公共団体、人格のない社団又は財団その他政令で定めるもの(以下この項において「国等」という。)であるときには、第一項又は第二項の規定の適用については、次の表の第一欄に掲げる顧客等の区分に応じ、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句とする。 国等(人格のない社団又は財団を除く。) 第一項 次に 第一号に 第一項第一号 本人特定事項 当該特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人の本人特定事項 第二項 前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が政令で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況(第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者にあっては、前項各号に掲げる事項) 前項第一号に掲げる事項 人格のない社団又は財団 第一項 次に 第一号から第三号までに 第一項第一号 本人特定事項 当該特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人の本人特定事項 第一項第三号 当該顧客等が自然人である場合にあっては職業、当該顧客等が法人である場合にあっては事業の内容 事業の内容 第二項 前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が政令で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況(第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者にあっては、前項各号に掲げる事項) 前項第一号から第三号までに掲げる事項 6 顧客等及び代表者等(前二項に規定する現に特定取引等の任に当たっている自然人をいう。以下同じ。)は、特定事業者が第一項若しくは第二項(これらの規定を前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第四項の規定による確認(以下「取引時確認」という。)を行う場合において、当該特定事業者に対して、当該取引時確認に係る事項を偽ってはならない。 (特定事業者の免責) 第五条 特定事業者は、顧客等又は代表者等が特定取引等を行う際に取引時確認に応じないときは、当該顧客等又は代表者等がこれに応ずるまでの間、当該特定取引等に係る義務の履行を拒むことができる。 (確認記録の作成義務等) 第六条 特定事業者は、取引時確認を行った場合には、直ちに、主務省令で定める方法により、当該取引時確認に係る事項、当該取引時確認のためにとった措置その他の主務省令で定める事項に関する記録(以下「確認記録」という。)を作成しなければならない。 2 特定事業者は、確認記録を、特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、七年間保存しなければならない。 (取引記録等の作成義務等) 第七条 特定事業者(次項に規定する特定事業者を除く。)は、特定業務に係る取引を行った場合には、少額の取引その他の政令で定める取引を除き、直ちに、主務省令で定める方法により、顧客等の確認記録を検索するための事項、当該取引の期日及び内容その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成しなければならない。 2 第二条第二項第四十六号から第四十九号までに掲げる特定事業者は、特定受任行為の代理等(別表第二条第二項第四十六号に掲げる者の項の中欄に規定する特定受任行為の代理等をいう。以下この条及び次条第二項において同じ。)を行った場合には、その価額が少額である財産の処分の代理その他の政令で定める特定受任行為の代理等を除き、直ちに、主務省令で定める方法により、顧客等の確認記録を検索するための事項、当該特定受任行為の代理等を行った期日及び内容その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成しなければならない。 3 特定事業者は、前二項に規定する記録(以下「取引記録等」という。)を、当該取引又は特定受任行為の代理等の行われた日から七年間保存しなければならない。 (疑わしい取引の届出等) 第八条 特定事業者(第二条第二項第四十六号から第四十九号までに掲げる特定事業者を除く。)は、特定業務に係る取引について、当該取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるかどうか、又は顧客等が当該取引に関し組織的犯罪処罰法第十条の罪若しくは麻薬特例法第六条の罪に当たる行為を行っている疑いがあるかどうかを判断し、これらの疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならない。 2 第二条第二項第四十七号から第四十九号までに掲げる特定事業者は、特定受任行為の代理等について、当該特定受任行為の代理等において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるかどうか、又は顧客等が当該特定受任行為の代理等に関し組織的犯罪処罰法第十条の罪若しくは麻薬特例法第六条の罪に当たる行為を行っている疑いがあるかどうかを判断し、これらの疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならない。 ただし、当該事項に次の各号に掲げる特定事業者の区分に応じ、当該各号に定める法律の規定により漏らしてはならないこととされる事項が含まれる場合は、この限りでない。 一 第二条第二項第四十七号に掲げる特定事業者 行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十二条 二 第二条第二項第四十八号に掲げる特定事業者 公認会計士法第二十七条(同法第十六条の二第六項において準用する場合を含む。) 三 第二条第二項第四十九号に掲げる特定事業者 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第三十八条 3 前二項の規定による判断は、第一項の取引又は前項の特定受任行為の代理等(以下この項において「取引等」という。)に係る取引時確認の結果、当該取引等の態様その他の事情及び第三条第三項に規定する犯罪収益移転危険度調査書の内容を勘案し、かつ、主務省令で定める項目に従って当該取引等に疑わしい点があるかどうかを確認する方法その他の主務省令で定める方法により行わなければならない。 4 特定事業者(その役員及び使用人を含む。)は、第一項又は第二項の規定による届出(以下「疑わしい取引の届出」という。)を行おうとすること又は行ったことを当該疑わしい取引の届出に係る顧客等又はその者の関係者に漏らしてはならない。 5 行政庁(都道府県知事又は都道府県公安委員会に限る。)は、疑わしい取引の届出を受けたときは、速やかに、当該疑わしい取引の届出に係る事項を主務大臣に通知するものとする。 6 行政庁(都道府県知事及び都道府県公安委員会を除く。)又は前項の主務大臣(国家公安委員会を除く。)は、疑わしい取引の届出又は同項の通知を受けたときは、速やかに、当該疑わしい取引の届出又は通知に係る事項を国家公安委員会に通知するものとする。 (外国所在為替取引業者との契約締結の際の確認) 第九条 特定事業者(第二条第二項第一号から第十五号まで及び第三十一号に掲げる特定事業者に限る。次条において同じ。)は、外国所在為替取引業者(外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。以下同じ。)に所在して業として為替取引を行う者をいう。以下同じ。)との間で、為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際しては、主務省令で定める方法により、当該外国所在為替取引業者について、次に掲げる事項の確認を行わなければならない。 一 当該外国所在為替取引業者が、第四条、前三条及び次条の規定による措置に相当する措置(以下この号において「取引時確認等相当措置」という。)を的確に行うために必要な営業所その他の施設並びに取引時確認等相当措置の実施を統括管理する者を当該外国所在為替取引業者の所在する国又は当該所在する国以外の外国に置き、かつ、取引時確認等相当措置の実施に関し、第十五条から第十八条までに規定する行政庁の職務に相当する職務を行う当該所在する国又は当該外国の機関の適切な監督を受けている状態(次号において単に「監督を受けている状態」という。)にあることその他の取引時確認等相当措置を的確に行うために必要な基準として主務省令で定める基準に適合する体制を整備していること。 二 当該外国所在為替取引業者が、業として為替取引を行う者であって監督を受けている状態にないものとの間で為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結していないこと。 (外国為替取引に係る通知義務) 第十条 特定事業者は、顧客と本邦から外国(政令で定める国又は地域を除く。以下この条において同じ。)へ向けた支払に係る為替取引(小切手の振出しその他の政令で定める方法によるものを除く。)を行う場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者(当該政令で定める国又は地域に所在するものを除く。以下この条において同じ。)に委託するときは、当該顧客及び当該顧客の支払の相手方に係る本人特定事項その他の事項で主務省令で定めるものを通知して行わなければならない。 2 特定事業者は、他の特定事業者から前項又はこの項の規定による通知を受けて本邦から外国へ向けた支払の委託又は再委託を受けた場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者に再委託するときは、当該通知に係る事項を通知して行わなければならない。 3 特定事業者は、外国所在為替取引業者からこの条の規定に相当する外国の法令の規定による通知を受けて外国から本邦へ向けた支払又は外国から他の外国へ向けた支払の委託又は再委託を受けた場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者に再委託するときは、当該通知に係る事項(主務省令で定める事項に限る。)を通知して行わなければならない。 4 特定事業者は、他の特定事業者から前項又はこの項の規定による通知を受けて外国から本邦へ向けた支払又は外国から他の外国へ向けた支払の再委託を受けた場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者に再委託するときは、当該通知に係る事項(主務省令で定める事項に限る。)を通知して行わなければならない。 (外国所在電子決済手段等取引業者との契約締結の際の確認) 第十条の二 特定事業者(第二条第二項第三十一号の二に掲げる特定事業者並びに資金決済に関する法律第六十二条の八第二項の規定により同法第二条第十二項に規定する電子決済手段等取引業者とみなされる第二条第二項第一号から第十五号まで及び第三十一号に掲げる特定事業者に限る。次条及び第二十二条第二項第二号において「電子決済手段等取引業者」という。)は、外国所在電子決済手段等取引業者(外国に所在して電子決済手段関連業務(同法第二条第十一項に規定する電子決済手段関連業務をいう。)と同種類の業務を行う者をいう。以下この条において同じ。)との間で、電子決済手段(同法第二条第五項に規定する電子決済手段をいい、同条第九項に規定する特定信託受益権を除く。以下同じ。)の移転(同条第十項に規定する電子決済手段の交換等に伴うものを除く。以下同じ。)を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際しては、主務省令で定める方法により、当該外国所在電子決済手段等取引業者について、次に掲げる事項の確認を行わなければならない。 一 当該外国所在電子決済手段等取引業者が、第四条、第六条から第八条まで及び次条の規定による措置に相当する措置(以下この号において「取引時確認等相当措置」という。)を的確に行うために必要な営業所その他の施設並びに取引時確認等相当措置の実施を統括管理する者を当該外国所在電子決済手段等取引業者の所在する国又は当該所在する国以外の外国に置き、かつ、取引時確認等相当措置の実施に関し、第十五条から第十八条までに規定する行政庁の職務に相当する職務を行う当該所在する国又は当該外国の機関の適切な監督を受けている状態(次号において単に「監督を受けている状態」という。)にあることその他の取引時確認等相当措置を的確に行うために必要な基準として主務省令で定める基準に適合する体制を整備していること。 二 当該外国所在電子決済手段等取引業者が、外国所在電子決済手段等取引業者であって監督を受けている状態にないものとの間で電子決済手段の移転を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結していないこと。 (電子決済手段の移転に係る通知義務) 第十条の三 電子決済手段等取引業者は、顧客から依頼を受けて電子決済手段の移転を行う場合において、当該移転を受取顧客(当該移転を受ける者であって、他の電子決済手段等取引業者又は外国電子決済手段等取引業者(資金決済に関する法律第二条第十三項に規定する外国電子決済手段等取引業者をいい、政令で定める国又は地域に所在するものを除く。)(以下この条において「他の電子決済手段等取引業者等」という。)の顧客として電子決済手段の管理を当該他の電子決済手段等取引業者等に委託しているものをいう。以下この条及び第二十二条第二項第二号において同じ。)に対して行うとき、又は受取顧客に対する当該移転を他の電子決済手段等取引業者等に委託するときは、当該依頼を行った顧客及び当該受取顧客に係る本人特定事項その他の事項で主務省令で定めるものを当該受取顧客のために当該移転に係る電子決済手段の管理をする他の電子決済手段等取引業者等(当該委託を受けた者を除く。)又は当該委託を受けた者に通知して行わなければならない。 2 電子決済手段等取引業者は、他の電子決済手段等取引業者等からこの条の規定又はこれに相当する外国の法令の規定による通知を受けて電子決済手段の移転の委託又は再委託を受けた場合において、当該移転を受取顧客に対して行うとき、又は受取顧客に対する当該移転を他の電子決済手段等取引業者等に再委託するときは、当該通知に係る事項(主務省令で定める事項に限る。)を当該受取顧客のために当該移転に係る電子決済手段の管理をする他の電子決済手段等取引業者等(当該再委託を受けた者を除く。)又は当該再委託を受けた者に通知して行わなければならない。 (外国所在暗号資産交換業者との契約締結の際の確認) 第十条の四 第二条第二項第三十二号に掲げる特定事業者(以下「暗号資産交換業者」という。)は、外国所在暗号資産交換業者(外国に所在して暗号資産交換業(資金決済に関する法律第二条第十五項に規定する暗号資産交換業をいう。)と同種類の業務を行う者をいう。以下この条において同じ。)との間で、暗号資産(同法第二条第十四項に規定する暗号資産をいう。以下同じ。)の移転(同法第二条第十五項に規定する暗号資産の交換等に伴うものを除く。以下同じ。)を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際しては、主務省令で定める方法により、当該外国所在暗号資産交換業者について、次に掲げる事項の確認を行わなければならない。 一 当該外国所在暗号資産交換業者が、第四条、第六条から第八条まで及び次条の規定による措置に相当する措置(以下この号において「取引時確認等相当措置」という。)を的確に行うために必要な営業所その他の施設並びに取引時確認等相当措置の実施を統括管理する者を当該外国所在暗号資産交換業者の所在する国又は当該所在する国以外の外国に置き、かつ、取引時確認等相当措置の実施に関し、第十五条から第十八条までに規定する行政庁の職務に相当する職務を行う当該所在する国又は当該外国の機関の適切な監督を受けている状態(次号において単に「監督を受けている状態」という。)にあることその他の取引時確認等相当措置を的確に行うために必要な基準として主務省令で定める基準に適合する体制を整備していること。 二 当該外国所在暗号資産交換業者が、外国所在暗号資産交換業者であって監督を受けている状態にないものとの間で暗号資産の移転を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結していないこと。 (暗号資産の移転に係る通知義務) 第十条の五 暗号資産交換業者は、顧客から依頼を受けて暗号資産の移転を行う場合において、当該移転を受取顧客(当該移転を受ける者であって、他の暗号資産交換業者又は外国暗号資産交換業者(資金決済に関する法律第二条第十七項に規定する外国暗号資産交換業者をいい、政令で定める国又は地域に所在するものを除く。)(以下この条において「他の暗号資産交換業者等」という。)の顧客として暗号資産の管理を当該他の暗号資産交換業者等に委託しているものをいう。以下この条及び第二十二条第二項第三号において同じ。)に対して行うとき、又は受取顧客に対する当該移転を他の暗号資産交換業者等に委託するときは、当該依頼を行った顧客及び当該受取顧客に係る本人特定事項その他の事項で主務省令で定めるものを当該受取顧客のために当該移転に係る暗号資産の管理をする他の暗号資産交換業者等(当該委託を受けた者を除く。)又は当該委託を受けた者に通知して行わなければならない。 2 暗号資産交換業者は、他の暗号資産交換業者等からこの条の規定又はこれに相当する外国の法令の規定による通知を受けて暗号資産の移転の委託又は再委託を受けた場合において、当該移転を受取顧客に対して行うとき、又は受取顧客に対する当該移転を他の暗号資産交換業者等に再委託するときは、当該通知に係る事項(主務省令で定める事項に限る。)を当該受取顧客のために当該移転に係る暗号資産の管理をする他の暗号資産交換業者等(当該再委託を受けた者を除く。)又は当該再委託を受けた者に通知して行わなければならない。 (取引時確認等を的確に行うための措置) 第十一条 特定事業者は、取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置(以下この条において「取引時確認等の措置」という。)を的確に行うため、当該取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保つための措置を講ずるものとするほか、次に掲げる措置を講ずるように努めなければならない。 一 使用人に対する教育訓練の実施 二 取引時確認等の措置の実施に関する規程の作成 三 取引時確認等の措置の的確な実施のために必要な監査その他の業務を統括管理する者の選任 四 その他第三条第三項に規定する犯罪収益移転危険度調査書の内容を勘案して講ずべきものとして主務省令で定める措置 (弁護士等による取引時確認等に相当する措置) 第十二条 弁護士等による取引時確認、確認記録の作成及び保存、取引記録等の作成及び保存並びにこれらを的確に行うための措置に相当する措置については、第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者の例に準じて日本弁護士連合会の会則で定めるところによる。 2 第五条の規定は、前項の規定により定められた日本弁護士連合会の会則の規定により弁護士等が行う取引時確認に相当する措置について準用する。 3 政府及び日本弁護士連合会は、犯罪による収益の移転防止に関し、相互に協力するものとする。 第三章 疑わしい取引に関する情報の提供等 (捜査機関等への情報提供等) 第十三条 国家公安委員会は、疑わしい取引の届出に係る事項、特定複合観光施設区域整備法第百九条第一項の規定による届出に係る事項、第八条、この条及び次条に規定する国家公安委員会の職務に相当する職務を行う外国の機関から提供された情報並びにこれらを整理し又は分析した結果(以下「疑わしい取引に関する情報」という。)が検察官、検察事務官若しくは司法警察職員又は国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関職員、徴税吏員、公正取引委員会の職員(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第百一条第一項の指定を受けた者に限る。)若しくは証券取引等監視委員会の職員(以下この条において「検察官等」という。)による組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イ若しくはロ若しくは同項第二号ニに掲げる罪、組織的犯罪処罰法第十条第三項の罪、麻薬特例法第二条第二項各号に掲げる罪又は麻薬特例法第六条第三項の罪に係る刑事事件の捜査又は犯則事件の調査に資すると認めるときは、これを検察官等に提供するものとする。 2 検察官等は、前項に規定する罪に係る刑事事件の捜査又は犯則事件の調査のため必要があると認めるときは、国家公安委員会に対し、疑わしい取引に関する情報の記録の閲覧若しくは謄写又はその写しの送付を求めることができる。 (外国の機関への情報提供) 第十四条 国家公安委員会は、前条第一項に規定する外国の機関に対し、その職務(第八条、前条及びこの条に規定する国家公安委員会の職務に相当するものに限る。次項において同じ。)の遂行に資すると認める疑わしい取引に関する情報を提供することができる。 2 前項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供については、当該疑わしい取引に関する情報が前条第一項に規定する外国の機関の職務の遂行以外に使用されず、かつ、次項の規定による同意がなければ外国の刑事事件の捜査(その対象たる犯罪事実が特定された後のものに限る。)又は審判(以下この条において「捜査等」という。)に使用されないよう適切な措置がとられなければならない。 3 国家公安委員会は、外国からの要請があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第一項の規定により提供した疑わしい取引に関する情報を当該要請に係る刑事事件の捜査等に使用することについて同意をすることができる。 一 当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪が政治犯罪であるとき、又は当該要請が政治犯罪について捜査等を行う目的で行われたものと認められるとき。 二 国際約束(第一項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供に関する国際約束をいう。第五項において同じ。)に別段の定めがある場合を除き、当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。 三 日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。 4 国家公安委員会は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第一号及び第二号に該当しないことについて法務大臣の確認を、同項第三号に該当しないことについて外務大臣の確認を、それぞれ受けなければならない。 5 第一項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供が、疑わしい取引に関する情報を使用することができる外国の刑事事件の捜査等(政治犯罪についての捜査等以外の捜査等に限る。)の範囲を定めた国際約束に基づいて行われたときは、その範囲内における当該疑わしい取引に関する情報の使用については、第三項の同意があるものとみなす。 第四章 監督 (報告) 第十五条 行政庁は、この法律の施行に必要な限度において、特定事業者に対しその業務に関して報告又は資料の提出を求めることができる。 (立入検査) 第十六条 行政庁は、この法律の施行に必要な限度において、当該職員に特定事業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、帳簿書類その他の物件を検査させ、又はその業務に関し関係人に質問させることができる。 2 前項の規定により立入検査をする当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 4 第一項の規定は、特定事業者である日本銀行については、適用しない。 (指導等) 第十七条 行政庁は、この法律に定める特定事業者による措置の適正かつ円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、特定事業者に対し、必要な指導、助言及び勧告をすることができる。 (是正命令) 第十八条 行政庁は、特定事業者がその業務に関して第四条第一項若しくは第二項(これらの規定を同条第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)若しくは第四項、第六条、第七条、第八条第一項から第四項まで又は第九条から第十条の五までの規定に違反していると認めるときは、当該特定事業者に対し、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (国家公安委員会の意見の陳述) 第十九条 国家公安委員会は、特定事業者がその業務に関して前条に規定する規定に違反していると認めるときは、行政庁(都道府県公安委員会を除く。以下この条において同じ。)に対し、当該特定事業者に対し前条の規定による命令を行うべき旨又は他の法令の規定により当該違反を理由として業務の停止その他の処分を行うことができる場合にあっては、当該特定事業者に対し当該処分を行うべき旨の意見を述べることができる。 2 国家公安委員会は、前項の規定により意見を述べるため必要な限度において、特定事業者に対しその業務に関して報告若しくは資料の提出を求め、又は相当と認める都道府県警察に必要な調査を行うことを指示することができる。 3 前項の指示を受けた都道府県警察の警視総監又は道府県警察本部長は、同項の調査を行うため特に必要があると認められるときは、あらかじめ国家公安委員会の承認を得て、当該職員に、特定事業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、帳簿書類その他の物件を検査させ、又はその業務に関し関係人に質問させることができる。 この場合においては、第十六条第二項から第四項までの規定を準用する。 4 国家公安委員会は、前項の承認をしようとするときは、あらかじめ、行政庁(行政庁が都道府県知事である場合にあっては、主務大臣を経由して当該都道府県知事)にその旨を通知しなければならない。 5 前項の通知を受けた行政庁は、政令で定めるところにより、国家公安委員会に対し、第十六条第一項の規定による権限の行使と第三項の規定による都道府県警察の権限の行使との調整を図るため必要な協議を求めることができる。 この場合において、国家公安委員会は、その求めに応じなければならない。 第五章 雑則 (主務省令への委任) 第二十条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、主務省令で定める。 (経過措置) 第二十一条 この法律の規定に基づき政令又は主務省令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令又は主務省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。 (行政庁等) 第二十二条 この法律における行政庁は、次の各号に掲げる特定事業者の区分に応じ、当該特定事業者に係る事項に関して、それぞれ当該各号に定める者とする。 一 第二条第二項第一号から第三号まで、第六号、第七号、第十七号から第十九号まで、第二十一号から第二十六号まで、第二十八号から第三十二号まで及び第四十八号に掲げる特定事業者 内閣総理大臣 二 第二条第二項第四号及び第五号に掲げる特定事業者 内閣総理大臣及び厚生労働大臣 三 第二条第二項第八号及び第九号に掲げる特定事業者 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十八条第一項に規定する行政庁 四 第二条第二項第十号から第十三号まで及び第二十号に掲げる特定事業者 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十七条第一項に規定する行政庁 五 第二条第二項第十四号に掲げる特定事業者 農林水産大臣及び内閣総理大臣 六 第二条第二項第十五号に掲げる特定事業者 株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)第五十六条第二項に規定する主務大臣 七 第二条第二項第十六号に掲げる特定事業者 株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)第二十九条第一項に規定する主務大臣 八 第二条第二項第二十七号に掲げる特定事業者 不動産特定共同事業法第七十三条第一項に規定する主務大臣 九 第二条第二項第三十三号に掲げる特定事業者 商品先物取引法第三百五十四条第一項に規定する主務大臣 十 第二条第二項第三十四号から第三十六号までに掲げる特定事業者(次号に掲げる者を除く。) 内閣総理大臣及び法務大臣 十一 第二条第二項第三十四号及び第三十五号に掲げる特定事業者のうち国債を取り扱う者 内閣総理大臣、法務大臣及び財務大臣 十二 第二条第二項第三十七号に掲げる特定事業者及び同項第四十四号に掲げる特定事業者のうち顧客宛ての電話を受けてその内容を当該顧客に連絡し、又は顧客宛ての若しくは顧客からの電話を当該顧客が指定する電話番号に自動的に転送する役務を提供する業務を行う者 総務大臣 十三 第二条第二項第三十八号及び第四十九号に掲げる特定事業者 財務大臣 十四 第二条第二項第三十九号、第四十号及び第四十三号に掲げる特定事業者並びに同項第四十四号に掲げる特定事業者のうち顧客宛ての郵便物を受け取ってこれを当該顧客に引き渡す役務を提供する業務を行う者 経済産業大臣 十五 第二条第二項第四十一号に掲げる特定事業者 カジノ管理委員会 十六 第二条第二項第四十二号に掲げる特定事業者 宅地建物取引業法第三条第一項の免許をした国土交通大臣又は都道府県知事(みなし宅地建物取引業者である特定事業者にあっては、国土交通大臣) 十七 第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者 法務大臣 十八 第二条第二項第四十七号に掲げる特定事業者 都道府県知事 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項に関する行政庁は、同項に定める行政庁及び財務大臣とする。 一 第九条に規定する特定事業者(第二条第二項第十五号に掲げる特定事業者を除く。)に係る第九条及び第十条に定める事項 二 電子決済手段等取引業者に係る第十条の二に定める事項及び第十条の三に定める事項(電子決済手段等取引業者が顧客から受取顧客(他の電子決済手段等取引業者の顧客である者に限る。)に対する電子決済手段の移転の依頼を受けた場合であって、そのための電子決済手段の移転(委託又は再委託を受けた電子決済手段等取引業者によって行われるものを含む。)が本邦内においてのみ行われるときに係るものを除く。) 三 暗号資産交換業者に係る第十条の四に定める事項及び第十条の五に定める事項(暗号資産交換業者が顧客から受取顧客(他の暗号資産交換業者の顧客である者に限る。)に対する暗号資産の移転の依頼を受けた場合であって、そのための暗号資産の移転(委託又は再委託を受けた暗号資産交換業者によって行われるものを含む。)が本邦内においてのみ行われるときに係るものを除く。) 3 第一項の規定にかかわらず、特定事業者のうち金融商品取引法第三十三条の二に規定する登録を受けた者が登録金融機関業務(同法第三十三条の三第一項第六号イに規定する登録金融機関業務をいう。第六項第二号において同じ。)を行う場合には、当該登録金融機関業務に係る事項に関する行政庁は、内閣総理大臣とする。 4 第一項の規定にかかわらず、第二条第二項第四十三号に掲げる特定事業者のうち古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第三条の許可(同法第二条第二項第一号に係るものに限る。)を受けた者が同法第二条第一項の古物である貴金属等の売買の業務を行う場合及び第二条第二項第四十三号に掲げる特定事業者のうち質屋営業法(昭和二十五年法律第百五十八号)第二条第一項の許可を受けた者が同法第十八条第一項の流質物である貴金属等の売却の業務を行う場合には、これらの業務に係る事項に関する行政庁は、都道府県公安委員会とする。 この場合において、道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。 5 内閣総理大臣は、この法律による権限(金融庁の所掌に係るものに限り、政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。 6 金融庁長官は、前項の規定により委任された権限(第八条、第十七条及び第十八条に関するものを除く。次項において「金融庁長官権限」という。)のうち、次に掲げる行為に係るものを証券取引等監視委員会に委任する。 ただし、報告又は資料の提出を命ずる権限は、金融庁長官が自ら行うことを妨げない。 一 第二条第二項第二十一号、第二十三号及び第二十四号に掲げる特定事業者による行為 二 登録金融機関業務に係る行為 7 金融庁長官は、政令で定めるところにより、金融庁長官権限のうち、第二条第二項第二十二号、第三十四号及び第三十五号に掲げる特定事業者による行為(前項各号に掲げる行為を除く。)に係るものを証券取引等監視委員会に委任することができる。 8 前二項の場合において、証券取引等監視委員会が行う報告又は資料の提出の命令についての審査請求は、証券取引等監視委員会に対してのみ行うことができる。 9 この法律に規定する行政庁の権限に属する事務(この法律の規定により都道府県知事又は都道府県公安委員会の権限に属することとされている事務を除く。)の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。 10 前各項に規定するもののほか、第八条及び第十五条から第十九条までの規定による行政庁の権限の行使に関して必要な事項は、政令で定める。 (主務大臣等) 第二十三条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。 一 次のイからホまでに掲げる特定事業者の区分に応じ、当該特定事業者に係る事項(次号から第四号までに掲げる事項を除く。)に関して、それぞれ当該イからホまでに定める大臣又は委員会 イ ロからホまでに掲げる特定事業者以外の特定事業者 前条第一項に定める行政庁である大臣又は委員会 ロ 第二条第二項第八号及び第九号に掲げる特定事業者 農業協同組合法第九十八条第二項に規定する主務大臣 ハ 第二条第二項第十号から第十三号まで及び第二十号に掲げる特定事業者 水産業協同組合法第百二十七条第二項に規定する主務大臣 ニ 第二条第二項第四十二号に掲げる特定事業者 国土交通大臣 ホ 第二条第二項第四十七号に掲げる特定事業者 総務大臣 二 前条第二項各号に掲げる事項 前号イからハまでに定める大臣及び財務大臣 三 前条第三項に規定する特定事業者に係る同項に規定する事項 内閣総理大臣 四 前条第四項に規定する特定事業者に係る同項に規定する事項 国家公安委員会 2 この法律における主務省令は、内閣総理大臣、総務大臣、法務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣が共同で発する命令とする。 (事務の区分) 第二十四条 この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務のうち次に掲げる者に係るものは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 一 農業協同組合法第十条第一項第三号の事業を行う農業協同組合及び農業協同組合連合会 二 水産業協同組合法第十一条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合 三 水産業協同組合法第八十七条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合連合会 四 水産業協同組合法第九十三条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合 五 水産業協同組合法第九十七条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合連合会 第六章 罰則 第二十五条 第十八条の規定による命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第二十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第十五条若しくは第十九条第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。 二 第十六条第一項若しくは第十九条第三項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。 第二十七条 顧客等又は代表者等の本人特定事項を隠蔽する目的で、第四条第六項の規定に違反する行為(当該顧客等又は代表者等の本人特定事項に係るものに限る。)をしたときは、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第二十八条 他人になりすまして特定事業者(第二条第二項第一号から第十五号まで及び第三十七号に掲げる特定事業者に限る。以下この条において同じ。)との間における預貯金契約(別表第二条第二項第一号から第三十八号までに掲げる者の項の下欄に規定する預貯金契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、当該預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報その他特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるために必要なものとして政令で定めるもの(以下この条において「預貯金通帳等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第二十八条の二 他人になりすまして第二条第二項第三十号の二に掲げる特定事業者(以下この項において「高額電子移転可能型前払式支払手段発行者」という。)との間における高額電子移転可能型前払式支払手段利用契約(高額電子移転可能型前払式支払手段発行者が顧客に資金決済に関する法律第三条第八項に規定する高額電子移転可能型前払式支払手段を利用させることを内容とする契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、高額電子移転可能型前払式支払手段発行者において高額電子移転可能型前払式支払手段利用契約に係る役務の提供を受ける者を他の者と区別して識別することができるように付される符号その他の当該役務の提供を受けるために必要な情報(以下この条において「高額電子移転可能型前払式支払手段利用情報」という。)の提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、高額電子移転可能型前払式支払手段利用情報の提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に高額電子移転可能型前払式支払手段利用情報を提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、高額電子移転可能型前払式支払手段利用情報を提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第二十九条 他人になりすまして第二条第二項第三十一号に掲げる特定事業者(以下この項において「資金移動業者」という。)との間における為替取引により送金をし若しくは送金を受け取ること又はこれらを第三者にさせることを目的として、当該為替取引に係る送金の受取用のカード、送金又はその受取に必要な情報その他資金移動業者との間における為替取引による送金又はその受取に必要なものとして政令で定めるもの(以下「為替取引カード等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、為替取引カード等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第二十九条の二 他人になりすまして特定事業者(第二条第二項第三十一号の二に掲げる特定事業者並びに資金決済に関する法律第六十二条の八第二項の規定により同法第二条第十二項に規定する電子決済手段等取引業者とみなされる第二条第二項第一号から第十五号まで、第二十五号及び第三十一号に掲げる特定事業者に限る。以下この項において「電子決済手段等取引業者」という。)との間における電子決済手段等取引契約(同法第二条第十項各号に掲げる行為を行うことを内容とする契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、電子決済手段等取引業者において電子決済手段等取引契約に係る役務の提供を受ける者を他の者と区別して識別することができるように付される符号その他の当該役務の提供を受けるために必要な情報(以下この条において「電子決済手段等取引用情報」という。)の提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、電子決済手段等取引用情報の提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に電子決済手段等取引用情報を提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、電子決済手段等取引用情報を提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第二十九条の三 他人になりすまして特定事業者(第二条第二項第三十一号の三から第三十一号の五までに掲げる特定事業者に限る。以下この項において「電子決済等取扱業者等」という。)との間における電子決済等利用契約(銀行法第二条第十七項各号、信用金庫法第八十五条の三第二項各号又は協同組合による金融事業に関する法律第六条の四の三第二項各号に掲げる行為を行うことを内容とする契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、電子決済等取扱業者等において電子決済等利用契約に係る役務の提供を受ける者を他の者と区別して識別することができるように付される符号その他の当該役務の提供を受けるために必要な情報(以下この条において「電子決済等利用情報」という。)の提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、電子決済等利用情報の提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に電子決済等利用情報を提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、電子決済等利用情報を提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第三十条 他人になりすまして暗号資産交換業者との間における暗号資産交換契約(資金決済に関する法律第二条第十五項各号に掲げる行為を行うことを内容とする契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、暗号資産交換業者において暗号資産交換契約に係る役務の提供を受ける者を他の者と区別して識別することができるように付される符号その他の当該役務の提供を受けるために必要な情報(以下この条において「暗号資産交換用情報」という。)の提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、暗号資産交換用情報の提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に暗号資産交換用情報を提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、暗号資産交換用情報を提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第三十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。 一 第二十五条 三億円以下の罰金刑 二 第二十六条 二億円以下の罰金刑 三 第二十七条 同条の罰金刑 (金融商品取引法の準用) 第三十二条 金融商品取引法第九章の規定は、第二十二条第六項各号に掲げる行為に係る第二十七条及び前条第三号に規定する罪の事件について準用する。 | 刑事 |
Heisei | Act | 419AC0000000022_20250601_504AC0000000068.xml | 平成十九年法律第二十二号 | 2 | 犯罪による収益の移転防止に関する法律
第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、犯罪による収益が組織的な犯罪を助長するために使用されるとともに、これが移転して事業活動に用いられることにより健全な経済活動に重大な悪影響を与えるものであること、及び犯罪による収益の移転が没収、追徴その他の手続によりこれを剝奪し、又は犯罪による被害の回復に充てることを困難にするものであることから、犯罪による収益の移転を防止すること(以下「犯罪による収益の移転防止」という。)が極めて重要であることに鑑み、特定事業者による顧客等の本人特定事項(第四条第一項第一号に規定する本人特定事項をいう。第三条第一項において同じ。)等の確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置を講ずることにより、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)及び国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九十四号。以下「麻薬特例法」という。)による措置と相まって、犯罪による収益の移転防止を図り、併せてテロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約等の的確な実施を確保し、もって国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「犯罪による収益」とは、組織的犯罪処罰法第二条第四項に規定する犯罪収益等又は麻薬特例法第二条第五項に規定する薬物犯罪収益等をいう。 2 この法律において「特定事業者」とは、次に掲げる者をいう。 一 銀行 二 信用金庫 三 信用金庫連合会 四 労働金庫 五 労働金庫連合会 六 信用協同組合 七 信用協同組合連合会 八 農業協同組合 九 農業協同組合連合会 十 漁業協同組合 十一 漁業協同組合連合会 十二 水産加工業協同組合 十三 水産加工業協同組合連合会 十四 農林中央金庫 十五 株式会社商工組合中央金庫 十六 株式会社日本政策投資銀行 十七 保険会社 十八 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第七項に規定する外国保険会社等 十九 保険業法第二条第十八項に規定する少額短期保険業者 二十 共済水産業協同組合連合会 二十一 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項に規定する金融商品取引業者 二十二 金融商品取引法第二条第三十項に規定する証券金融会社 二十三 金融商品取引法第六十三条第五項に規定する特例業務届出者 二十四 金融商品取引法第六十三条の九第四項に規定する海外投資家等特例業務届出者 二十五 信託会社 二十六 信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第五十条の二第一項の登録を受けた者 二十七 不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第二条第五項に規定する不動産特定共同事業者(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関であって、不動産特定共同事業法第二条第四項に規定する不動産特定共同事業を営むものを含む。)、同条第七項に規定する小規模不動産特定共同事業者、同条第九項に規定する特例事業者又は同条第十一項に規定する適格特例投資家限定事業者 二十八 無尽会社 二十九 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第二項に規定する貸金業者 三十 貸金業法第二条第一項第五号に規定する者のうち政令で定める者 三十の二 資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二条第一項に規定する前払式支払手段発行者のうち同法第十一条の二第一項の届出をした者 三十一 資金決済に関する法律第二条第三項に規定する資金移動業者 三十一の二 資金決済に関する法律第二条第十二項に規定する電子決済手段等取引業者 三十一の三 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第十八項に規定する電子決済等取扱業者 三十一の四 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十五条の三の二第一項に規定する信用金庫電子決済等取扱業者 三十一の五 協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の四の四第一項に規定する信用協同組合電子決済等取扱業者 三十二 資金決済に関する法律第二条第十六項に規定する暗号資産交換業者 三十三 商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第二条第二十三項に規定する商品先物取引業者 三十四 社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する振替機関(同法第四十八条の規定により振替機関とみなされる日本銀行を含む。) 三十五 社債、株式等の振替に関する法律第二条第四項に規定する口座管理機関 三十六 電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第二項に規定する電子債権記録機関 三十七 独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構 三十八 本邦において両替業務(業として外国通貨(本邦通貨以外の通貨をいう。)又は旅行小切手の売買を行うことをいう。)を行う者 三十九 顧客に対し、その指定する機械類その他の物品を購入してその賃貸(政令で定めるものに限る。)をする業務を行う者 四十 それを提示し又は通知して、特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務提供事業者(役務の提供の事業を営む者をいう。以下この号において同じ。)から有償で役務の提供を受けることができるカードその他の物又は番号、記号その他の符号(以下「クレジットカード等」という。)をこれにより商品若しくは権利を購入しようとする者又は役務の提供を受けようとする者(以下「利用者たる顧客」という。)に交付し又は付与し、当該利用者たる顧客が当該クレジットカード等を提示し又は通知して特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務提供事業者から有償で役務の提供を受けたときは、当該販売業者又は役務提供事業者に当該商品若しくは権利の代金又は当該役務の対価に相当する額の金銭を直接に又は第三者を経由して交付するとともに、当該利用者たる顧客から、あらかじめ定められた時期までに当該代金若しくは当該対価の合計額の金銭を受領し、又はあらかじめ定められた時期ごとに当該合計額を基礎としてあらかじめ定められた方法により算定して得た額の金銭を受領する業務を行う者 四十一 特定複合観光施設区域整備法(平成三十年法律第八十号)第二条第九項に規定するカジノ事業者 四十二 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第二条第三号に規定する宅地建物取引業者(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関であって、宅地建物取引業法第二条第二号に規定する宅地建物取引業(別表において単に「宅地建物取引業」という。)を営むもの(第二十二条第一項第十六号において「みなし宅地建物取引業者」という。)を含む。) 四十三 金、白金その他の政令で定める貴金属若しくはダイヤモンドその他の政令で定める宝石又はこれらの製品(以下「貴金属等」という。)の売買を業として行う者 四十四 顧客に対し、自己の居所若しくは事務所の所在地を当該顧客が郵便物(民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物並びに大きさ及び重量が郵便物に類似する貨物を含む。以下同じ。)を受け取る場所として用い、又は自己の電話番号を当該顧客が連絡先の電話番号として用いることを許諾し、当該自己の居所若しくは事務所において当該顧客宛ての郵便物を受け取ってこれを当該顧客に引き渡し、又は当該顧客宛ての当該電話番号に係る電話(ファクシミリ装置による通信を含む。以下同じ。)を受けてその内容を当該顧客に連絡し、若しくは当該顧客宛ての若しくは当該顧客からの当該電話番号に係る電話を当該顧客が指定する電話番号に自動的に転送する役務を提供する業務を行う者 四十五 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)又は弁護士法人(外国法事務弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。) 四十六 司法書士又は司法書士法人 四十七 行政書士又は行政書士法人 四十八 公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人 四十九 税理士又は税理士法人 3 この法律において「顧客等」とは、顧客(前項第四十号に掲げる特定事業者にあっては、利用者たる顧客)又はこれに準ずる者として政令で定める者をいう。 (国家公安委員会の責務等) 第三条 国家公安委員会は、特定事業者による顧客等の本人特定事項等の確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置が的確に行われることを確保するため、特定事業者に対し犯罪による収益の移転に係る手口に関する情報の提供その他の援助を行うとともに、犯罪による収益の移転防止の重要性について国民の理解を深めるよう努めるものとする。 2 国家公安委員会は、特定事業者により届け出られた疑わしい取引に関する情報その他の犯罪による収益に関する情報が、刑事事件の捜査及び犯則事件の調査並びに犯罪による収益の移転防止に関する国際的な情報交換その他の協力に有効に活用されるよう、迅速かつ的確にその集約、整理及び分析を行うものとする。 3 国家公安委員会は、毎年、犯罪による収益の移転に係る手口その他の犯罪による収益の移転の状況に関する調査及び分析を行った上で、特定事業者その他の事業者が行う取引の種別ごとに、当該取引による犯罪による収益の移転の危険性の程度その他の当該調査及び分析の結果を記載した犯罪収益移転危険度調査書を作成し、これを公表するものとする。 4 国家公安委員会は、第二項の規定による情報の集約、整理及び分析並びに前項の規定による調査及び分析を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関、特定事業者その他の関係者に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。 5 前項に定めるもののほか、国家公安委員会その他の関係行政機関及び地方公共団体の関係機関は、犯罪による収益の移転防止について相互に協力するものとする。 第二章 特定事業者による措置 (取引時確認等) 第四条 特定事業者(第二条第二項第四十五号に掲げる特定事業者(第十二条において「弁護士等」という。)を除く。以下同じ。)は、顧客等との間で、別表の上欄に掲げる特定事業者の区分に応じそれぞれ同表の中欄に定める業務(以下「特定業務」という。)のうち同表の下欄に定める取引(次項第二号において「特定取引」といい、同項前段に規定する取引に該当するものを除く。)を行うに際しては、主務省令で定める方法により、当該顧客等について、次に掲げる事項の確認を行わなければならない。 一 本人特定事項(自然人にあっては氏名、住居(本邦内に住居を有しない外国人で政令で定めるものにあっては、主務省令で定める事項)及び生年月日をいい、法人にあっては名称及び本店又は主たる事務所の所在地をいう。以下同じ。) 二 取引を行う目的 三 当該顧客等が自然人である場合にあっては職業、当該顧客等が法人である場合にあっては事業の内容 四 当該顧客等が法人である場合において、その事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして主務省令で定める者があるときにあっては、その者の本人特定事項 2 特定事業者は、顧客等との間で、特定業務のうち次の各号のいずれかに該当する取引を行うに際しては、主務省令で定めるところにより、当該顧客等について、前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が政令で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況(第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者にあっては、前項各号に掲げる事項)の確認を行わなければならない。 この場合において、第一号イ又はロに掲げる取引に際して行う同項第一号に掲げる事項の確認は、第一号イ又はロに規定する関連取引時確認を行った際に採った当該事項の確認の方法とは異なる方法により行うものとし、資産及び収入の状況の確認は、第八条第一項又は第二項の規定による届出を行うべき場合に該当するかどうかの判断に必要な限度において行うものとする。 一 次のいずれかに該当する取引として政令で定めるもの イ 取引の相手方が、その取引に関連する他の取引の際に行われた前項若しくはこの項(これらの規定を第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第四項の規定による確認(ロにおいて「関連取引時確認」という。)に係る顧客等又は代表者等(第六項に規定する代表者等をいう。ロにおいて同じ。)になりすましている疑いがある場合における当該取引 ロ 関連取引時確認が行われた際に当該関連取引時確認に係る事項を偽っていた疑いがある顧客等(その代表者等が当該事項を偽っていた疑いがある顧客等を含む。)との取引 二 特定取引のうち、犯罪による収益の移転防止に関する制度の整備が十分に行われていないと認められる国又は地域として政令で定めるもの(以下この号において「特定国等」という。)に居住し又は所在する顧客等との間におけるものその他特定国等に居住し又は所在する者に対する財産の移転を伴うもの 三 前二号に掲げるもののほか、犯罪による収益の移転防止のために厳格な顧客管理を行う必要性が特に高いと認められる取引として政令で定めるもの 3 第一項の規定は、当該特定事業者が他の取引の際に既に同項又は前項(これらの規定を第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による確認(当該確認について第六条の規定による確認記録の作成及び保存をしている場合におけるものに限る。)を行っている顧客等との取引(これに準ずるものとして政令で定める取引を含む。)であって政令で定めるものについては、適用しない。 4 特定事業者は、顧客等について第一項又は第二項の規定による確認を行う場合において、会社の代表者が当該会社のために当該特定事業者との間で第一項又は第二項前段に規定する取引(以下「特定取引等」という。)を行うときその他の当該特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人が当該顧客等と異なるとき(次項に規定する場合を除く。)は、当該顧客等の当該確認に加え、当該特定取引等の任に当たっている自然人についても、主務省令で定めるところにより、その者の本人特定事項の確認を行わなければならない。 5 特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人が顧客等と異なる場合であって、当該顧客等が国、地方公共団体、人格のない社団又は財団その他政令で定めるもの(以下この項において「国等」という。)であるときには、第一項又は第二項の規定の適用については、次の表の第一欄に掲げる顧客等の区分に応じ、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句とする。 国等(人格のない社団又は財団を除く。) 第一項 次に 第一号に 第一項第一号 本人特定事項 当該特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人の本人特定事項 第二項 前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が政令で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況(第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者にあっては、前項各号に掲げる事項) 前項第一号に掲げる事項 人格のない社団又は財団 第一項 次に 第一号から第三号までに 第一項第一号 本人特定事項 当該特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人の本人特定事項 第一項第三号 当該顧客等が自然人である場合にあっては職業、当該顧客等が法人である場合にあっては事業の内容 事業の内容 第二項 前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が政令で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況(第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者にあっては、前項各号に掲げる事項) 前項第一号から第三号までに掲げる事項 6 顧客等及び代表者等(前二項に規定する現に特定取引等の任に当たっている自然人をいう。以下同じ。)は、特定事業者が第一項若しくは第二項(これらの規定を前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第四項の規定による確認(以下「取引時確認」という。)を行う場合において、当該特定事業者に対して、当該取引時確認に係る事項を偽ってはならない。 (特定事業者の免責) 第五条 特定事業者は、顧客等又は代表者等が特定取引等を行う際に取引時確認に応じないときは、当該顧客等又は代表者等がこれに応ずるまでの間、当該特定取引等に係る義務の履行を拒むことができる。 (確認記録の作成義務等) 第六条 特定事業者は、取引時確認を行った場合には、直ちに、主務省令で定める方法により、当該取引時確認に係る事項、当該取引時確認のためにとった措置その他の主務省令で定める事項に関する記録(以下「確認記録」という。)を作成しなければならない。 2 特定事業者は、確認記録を、特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、七年間保存しなければならない。 (取引記録等の作成義務等) 第七条 特定事業者(次項に規定する特定事業者を除く。)は、特定業務に係る取引を行った場合には、少額の取引その他の政令で定める取引を除き、直ちに、主務省令で定める方法により、顧客等の確認記録を検索するための事項、当該取引の期日及び内容その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成しなければならない。 2 第二条第二項第四十六号から第四十九号までに掲げる特定事業者は、特定受任行為の代理等(別表第二条第二項第四十六号に掲げる者の項の中欄に規定する特定受任行為の代理等をいう。以下この条及び次条第二項において同じ。)を行った場合には、その価額が少額である財産の処分の代理その他の政令で定める特定受任行為の代理等を除き、直ちに、主務省令で定める方法により、顧客等の確認記録を検索するための事項、当該特定受任行為の代理等を行った期日及び内容その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成しなければならない。 3 特定事業者は、前二項に規定する記録(以下「取引記録等」という。)を、当該取引又は特定受任行為の代理等の行われた日から七年間保存しなければならない。 (疑わしい取引の届出等) 第八条 特定事業者(第二条第二項第四十六号から第四十九号までに掲げる特定事業者を除く。)は、特定業務に係る取引について、当該取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるかどうか、又は顧客等が当該取引に関し組織的犯罪処罰法第十条の罪若しくは麻薬特例法第六条の罪に当たる行為を行っている疑いがあるかどうかを判断し、これらの疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならない。 2 第二条第二項第四十七号から第四十九号までに掲げる特定事業者は、特定受任行為の代理等について、当該特定受任行為の代理等において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるかどうか、又は顧客等が当該特定受任行為の代理等に関し組織的犯罪処罰法第十条の罪若しくは麻薬特例法第六条の罪に当たる行為を行っている疑いがあるかどうかを判断し、これらの疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならない。 ただし、当該事項に次の各号に掲げる特定事業者の区分に応じ、当該各号に定める法律の規定により漏らしてはならないこととされる事項が含まれる場合は、この限りでない。 一 第二条第二項第四十七号に掲げる特定事業者 行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十二条 二 第二条第二項第四十八号に掲げる特定事業者 公認会計士法第二十七条(同法第十六条の二第六項において準用する場合を含む。) 三 第二条第二項第四十九号に掲げる特定事業者 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第三十八条 3 前二項の規定による判断は、第一項の取引又は前項の特定受任行為の代理等(以下この項において「取引等」という。)に係る取引時確認の結果、当該取引等の態様その他の事情及び第三条第三項に規定する犯罪収益移転危険度調査書の内容を勘案し、かつ、主務省令で定める項目に従って当該取引等に疑わしい点があるかどうかを確認する方法その他の主務省令で定める方法により行わなければならない。 4 特定事業者(その役員及び使用人を含む。)は、第一項又は第二項の規定による届出(以下「疑わしい取引の届出」という。)を行おうとすること又は行ったことを当該疑わしい取引の届出に係る顧客等又はその者の関係者に漏らしてはならない。 5 行政庁(都道府県知事又は都道府県公安委員会に限る。)は、疑わしい取引の届出を受けたときは、速やかに、当該疑わしい取引の届出に係る事項を主務大臣に通知するものとする。 6 行政庁(都道府県知事及び都道府県公安委員会を除く。)又は前項の主務大臣(国家公安委員会を除く。)は、疑わしい取引の届出又は同項の通知を受けたときは、速やかに、当該疑わしい取引の届出又は通知に係る事項を国家公安委員会に通知するものとする。 (外国所在為替取引業者との契約締結の際の確認) 第九条 特定事業者(第二条第二項第一号から第十五号まで及び第三十一号に掲げる特定事業者に限る。次条において同じ。)は、外国所在為替取引業者(外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。以下同じ。)に所在して業として為替取引を行う者をいう。以下同じ。)との間で、為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際しては、主務省令で定める方法により、当該外国所在為替取引業者について、次に掲げる事項の確認を行わなければならない。 一 当該外国所在為替取引業者が、第四条、前三条及び次条の規定による措置に相当する措置(以下この号において「取引時確認等相当措置」という。)を的確に行うために必要な営業所その他の施設並びに取引時確認等相当措置の実施を統括管理する者を当該外国所在為替取引業者の所在する国又は当該所在する国以外の外国に置き、かつ、取引時確認等相当措置の実施に関し、第十五条から第十八条までに規定する行政庁の職務に相当する職務を行う当該所在する国又は当該外国の機関の適切な監督を受けている状態(次号において単に「監督を受けている状態」という。)にあることその他の取引時確認等相当措置を的確に行うために必要な基準として主務省令で定める基準に適合する体制を整備していること。 二 当該外国所在為替取引業者が、業として為替取引を行う者であって監督を受けている状態にないものとの間で為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結していないこと。 (外国為替取引に係る通知義務) 第十条 特定事業者は、顧客と本邦から外国(政令で定める国又は地域を除く。以下この条において同じ。)へ向けた支払に係る為替取引(小切手の振出しその他の政令で定める方法によるものを除く。)を行う場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者(当該政令で定める国又は地域に所在するものを除く。以下この条において同じ。)に委託するときは、当該顧客及び当該顧客の支払の相手方に係る本人特定事項その他の事項で主務省令で定めるものを通知して行わなければならない。 2 特定事業者は、他の特定事業者から前項又はこの項の規定による通知を受けて本邦から外国へ向けた支払の委託又は再委託を受けた場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者に再委託するときは、当該通知に係る事項を通知して行わなければならない。 3 特定事業者は、外国所在為替取引業者からこの条の規定に相当する外国の法令の規定による通知を受けて外国から本邦へ向けた支払又は外国から他の外国へ向けた支払の委託又は再委託を受けた場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者に再委託するときは、当該通知に係る事項(主務省令で定める事項に限る。)を通知して行わなければならない。 4 特定事業者は、他の特定事業者から前項又はこの項の規定による通知を受けて外国から本邦へ向けた支払又は外国から他の外国へ向けた支払の再委託を受けた場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者に再委託するときは、当該通知に係る事項(主務省令で定める事項に限る。)を通知して行わなければならない。 (外国所在電子決済手段等取引業者との契約締結の際の確認) 第十条の二 特定事業者(第二条第二項第三十一号の二に掲げる特定事業者並びに資金決済に関する法律第六十二条の八第二項の規定により同法第二条第十二項に規定する電子決済手段等取引業者とみなされる第二条第二項第一号から第十五号まで及び第三十一号に掲げる特定事業者に限る。次条及び第二十二条第二項第二号において「電子決済手段等取引業者」という。)は、外国所在電子決済手段等取引業者(外国に所在して電子決済手段関連業務(同法第二条第十一項に規定する電子決済手段関連業務をいう。)と同種類の業務を行う者をいう。以下この条において同じ。)との間で、電子決済手段(同法第二条第五項に規定する電子決済手段をいい、同条第九項に規定する特定信託受益権を除く。以下同じ。)の移転(同条第十項に規定する電子決済手段の交換等に伴うものを除く。以下同じ。)を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際しては、主務省令で定める方法により、当該外国所在電子決済手段等取引業者について、次に掲げる事項の確認を行わなければならない。 一 当該外国所在電子決済手段等取引業者が、第四条、第六条から第八条まで及び次条の規定による措置に相当する措置(以下この号において「取引時確認等相当措置」という。)を的確に行うために必要な営業所その他の施設並びに取引時確認等相当措置の実施を統括管理する者を当該外国所在電子決済手段等取引業者の所在する国又は当該所在する国以外の外国に置き、かつ、取引時確認等相当措置の実施に関し、第十五条から第十八条までに規定する行政庁の職務に相当する職務を行う当該所在する国又は当該外国の機関の適切な監督を受けている状態(次号において単に「監督を受けている状態」という。)にあることその他の取引時確認等相当措置を的確に行うために必要な基準として主務省令で定める基準に適合する体制を整備していること。 二 当該外国所在電子決済手段等取引業者が、外国所在電子決済手段等取引業者であって監督を受けている状態にないものとの間で電子決済手段の移転を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結していないこと。 (電子決済手段の移転に係る通知義務) 第十条の三 電子決済手段等取引業者は、顧客から依頼を受けて電子決済手段の移転を行う場合において、当該移転を受取顧客(当該移転を受ける者であって、他の電子決済手段等取引業者又は外国電子決済手段等取引業者(資金決済に関する法律第二条第十三項に規定する外国電子決済手段等取引業者をいい、政令で定める国又は地域に所在するものを除く。)(以下この条において「他の電子決済手段等取引業者等」という。)の顧客として電子決済手段の管理を当該他の電子決済手段等取引業者等に委託しているものをいう。以下この条及び第二十二条第二項第二号において同じ。)に対して行うとき、又は受取顧客に対する当該移転を他の電子決済手段等取引業者等に委託するときは、当該依頼を行った顧客及び当該受取顧客に係る本人特定事項その他の事項で主務省令で定めるものを当該受取顧客のために当該移転に係る電子決済手段の管理をする他の電子決済手段等取引業者等(当該委託を受けた者を除く。)又は当該委託を受けた者に通知して行わなければならない。 2 電子決済手段等取引業者は、他の電子決済手段等取引業者等からこの条の規定又はこれに相当する外国の法令の規定による通知を受けて電子決済手段の移転の委託又は再委託を受けた場合において、当該移転を受取顧客に対して行うとき、又は受取顧客に対する当該移転を他の電子決済手段等取引業者等に再委託するときは、当該通知に係る事項(主務省令で定める事項に限る。)を当該受取顧客のために当該移転に係る電子決済手段の管理をする他の電子決済手段等取引業者等(当該再委託を受けた者を除く。)又は当該再委託を受けた者に通知して行わなければならない。 (外国所在暗号資産交換業者との契約締結の際の確認) 第十条の四 第二条第二項第三十二号に掲げる特定事業者(以下「暗号資産交換業者」という。)は、外国所在暗号資産交換業者(外国に所在して暗号資産交換業(資金決済に関する法律第二条第十五項に規定する暗号資産交換業をいう。)と同種類の業務を行う者をいう。以下この条において同じ。)との間で、暗号資産(同法第二条第十四項に規定する暗号資産をいう。以下同じ。)の移転(同法第二条第十五項に規定する暗号資産の交換等に伴うものを除く。以下同じ。)を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際しては、主務省令で定める方法により、当該外国所在暗号資産交換業者について、次に掲げる事項の確認を行わなければならない。 一 当該外国所在暗号資産交換業者が、第四条、第六条から第八条まで及び次条の規定による措置に相当する措置(以下この号において「取引時確認等相当措置」という。)を的確に行うために必要な営業所その他の施設並びに取引時確認等相当措置の実施を統括管理する者を当該外国所在暗号資産交換業者の所在する国又は当該所在する国以外の外国に置き、かつ、取引時確認等相当措置の実施に関し、第十五条から第十八条までに規定する行政庁の職務に相当する職務を行う当該所在する国又は当該外国の機関の適切な監督を受けている状態(次号において単に「監督を受けている状態」という。)にあることその他の取引時確認等相当措置を的確に行うために必要な基準として主務省令で定める基準に適合する体制を整備していること。 二 当該外国所在暗号資産交換業者が、外国所在暗号資産交換業者であって監督を受けている状態にないものとの間で暗号資産の移転を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結していないこと。 (暗号資産の移転に係る通知義務) 第十条の五 暗号資産交換業者は、顧客から依頼を受けて暗号資産の移転を行う場合において、当該移転を受取顧客(当該移転を受ける者であって、他の暗号資産交換業者又は外国暗号資産交換業者(資金決済に関する法律第二条第十七項に規定する外国暗号資産交換業者をいい、政令で定める国又は地域に所在するものを除く。)(以下この条において「他の暗号資産交換業者等」という。)の顧客として暗号資産の管理を当該他の暗号資産交換業者等に委託しているものをいう。以下この条及び第二十二条第二項第三号において同じ。)に対して行うとき、又は受取顧客に対する当該移転を他の暗号資産交換業者等に委託するときは、当該依頼を行った顧客及び当該受取顧客に係る本人特定事項その他の事項で主務省令で定めるものを当該受取顧客のために当該移転に係る暗号資産の管理をする他の暗号資産交換業者等(当該委託を受けた者を除く。)又は当該委託を受けた者に通知して行わなければならない。 2 暗号資産交換業者は、他の暗号資産交換業者等からこの条の規定又はこれに相当する外国の法令の規定による通知を受けて暗号資産の移転の委託又は再委託を受けた場合において、当該移転を受取顧客に対して行うとき、又は受取顧客に対する当該移転を他の暗号資産交換業者等に再委託するときは、当該通知に係る事項(主務省令で定める事項に限る。)を当該受取顧客のために当該移転に係る暗号資産の管理をする他の暗号資産交換業者等(当該再委託を受けた者を除く。)又は当該再委託を受けた者に通知して行わなければならない。 (取引時確認等を的確に行うための措置) 第十一条 特定事業者は、取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置(以下この条において「取引時確認等の措置」という。)を的確に行うため、当該取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保つための措置を講ずるものとするほか、次に掲げる措置を講ずるように努めなければならない。 一 使用人に対する教育訓練の実施 二 取引時確認等の措置の実施に関する規程の作成 三 取引時確認等の措置の的確な実施のために必要な監査その他の業務を統括管理する者の選任 四 その他第三条第三項に規定する犯罪収益移転危険度調査書の内容を勘案して講ずべきものとして主務省令で定める措置 (弁護士等による取引時確認等に相当する措置) 第十二条 弁護士等による取引時確認、確認記録の作成及び保存、取引記録等の作成及び保存並びにこれらを的確に行うための措置に相当する措置については、第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者の例に準じて日本弁護士連合会の会則で定めるところによる。 2 第五条の規定は、前項の規定により定められた日本弁護士連合会の会則の規定により弁護士等が行う取引時確認に相当する措置について準用する。 3 政府及び日本弁護士連合会は、犯罪による収益の移転防止に関し、相互に協力するものとする。 第三章 疑わしい取引に関する情報の提供等 (捜査機関等への情報提供等) 第十三条 国家公安委員会は、疑わしい取引の届出に係る事項、特定複合観光施設区域整備法第百九条第一項の規定による届出に係る事項、第八条、この条及び次条に規定する国家公安委員会の職務に相当する職務を行う外国の機関から提供された情報並びにこれらを整理し又は分析した結果(以下「疑わしい取引に関する情報」という。)が検察官、検察事務官若しくは司法警察職員又は国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関職員、徴税吏員、公正取引委員会の職員(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第百一条第一項の指定を受けた者に限る。)若しくは証券取引等監視委員会の職員(以下この条において「検察官等」という。)による組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イ若しくはロ若しくは同項第二号ニに掲げる罪、組織的犯罪処罰法第十条第三項の罪、麻薬特例法第二条第二項各号に掲げる罪又は麻薬特例法第六条第三項の罪に係る刑事事件の捜査又は犯則事件の調査に資すると認めるときは、これを検察官等に提供するものとする。 2 検察官等は、前項に規定する罪に係る刑事事件の捜査又は犯則事件の調査のため必要があると認めるときは、国家公安委員会に対し、疑わしい取引に関する情報の記録の閲覧若しくは謄写又はその写しの送付を求めることができる。 (外国の機関への情報提供) 第十四条 国家公安委員会は、前条第一項に規定する外国の機関に対し、その職務(第八条、前条及びこの条に規定する国家公安委員会の職務に相当するものに限る。次項において同じ。)の遂行に資すると認める疑わしい取引に関する情報を提供することができる。 2 前項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供については、当該疑わしい取引に関する情報が前条第一項に規定する外国の機関の職務の遂行以外に使用されず、かつ、次項の規定による同意がなければ外国の刑事事件の捜査(その対象たる犯罪事実が特定された後のものに限る。)又は審判(以下この条において「捜査等」という。)に使用されないよう適切な措置がとられなければならない。 3 国家公安委員会は、外国からの要請があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第一項の規定により提供した疑わしい取引に関する情報を当該要請に係る刑事事件の捜査等に使用することについて同意をすることができる。 一 当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪が政治犯罪であるとき、又は当該要請が政治犯罪について捜査等を行う目的で行われたものと認められるとき。 二 国際約束(第一項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供に関する国際約束をいう。第五項において同じ。)に別段の定めがある場合を除き、当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。 三 日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。 4 国家公安委員会は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第一号及び第二号に該当しないことについて法務大臣の確認を、同項第三号に該当しないことについて外務大臣の確認を、それぞれ受けなければならない。 5 第一項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供が、疑わしい取引に関する情報を使用することができる外国の刑事事件の捜査等(政治犯罪についての捜査等以外の捜査等に限る。)の範囲を定めた国際約束に基づいて行われたときは、その範囲内における当該疑わしい取引に関する情報の使用については、第三項の同意があるものとみなす。 第四章 監督 (報告) 第十五条 行政庁は、この法律の施行に必要な限度において、特定事業者に対しその業務に関して報告又は資料の提出を求めることができる。 (立入検査) 第十六条 行政庁は、この法律の施行に必要な限度において、当該職員に特定事業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、帳簿書類その他の物件を検査させ、又はその業務に関し関係人に質問させることができる。 2 前項の規定により立入検査をする当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 4 第一項の規定は、特定事業者である日本銀行については、適用しない。 (指導等) 第十七条 行政庁は、この法律に定める特定事業者による措置の適正かつ円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、特定事業者に対し、必要な指導、助言及び勧告をすることができる。 (是正命令) 第十八条 行政庁は、特定事業者がその業務に関して第四条第一項若しくは第二項(これらの規定を同条第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)若しくは第四項、第六条、第七条、第八条第一項から第四項まで又は第九条から第十条の五までの規定に違反していると認めるときは、当該特定事業者に対し、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (国家公安委員会の意見の陳述) 第十九条 国家公安委員会は、特定事業者がその業務に関して前条に規定する規定に違反していると認めるときは、行政庁(都道府県公安委員会を除く。以下この条において同じ。)に対し、当該特定事業者に対し前条の規定による命令を行うべき旨又は他の法令の規定により当該違反を理由として業務の停止その他の処分を行うことができる場合にあっては、当該特定事業者に対し当該処分を行うべき旨の意見を述べることができる。 2 国家公安委員会は、前項の規定により意見を述べるため必要な限度において、特定事業者に対しその業務に関して報告若しくは資料の提出を求め、又は相当と認める都道府県警察に必要な調査を行うことを指示することができる。 3 前項の指示を受けた都道府県警察の警視総監又は道府県警察本部長は、同項の調査を行うため特に必要があると認められるときは、あらかじめ国家公安委員会の承認を得て、当該職員に、特定事業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、帳簿書類その他の物件を検査させ、又はその業務に関し関係人に質問させることができる。 この場合においては、第十六条第二項から第四項までの規定を準用する。 4 国家公安委員会は、前項の承認をしようとするときは、あらかじめ、行政庁(行政庁が都道府県知事である場合にあっては、主務大臣を経由して当該都道府県知事)にその旨を通知しなければならない。 5 前項の通知を受けた行政庁は、政令で定めるところにより、国家公安委員会に対し、第十六条第一項の規定による権限の行使と第三項の規定による都道府県警察の権限の行使との調整を図るため必要な協議を求めることができる。 この場合において、国家公安委員会は、その求めに応じなければならない。 第五章 雑則 (主務省令への委任) 第二十条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、主務省令で定める。 (経過措置) 第二十一条 この法律の規定に基づき政令又は主務省令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令又は主務省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。 (行政庁等) 第二十二条 この法律における行政庁は、次の各号に掲げる特定事業者の区分に応じ、当該特定事業者に係る事項に関して、それぞれ当該各号に定める者とする。 一 第二条第二項第一号から第三号まで、第六号、第七号、第十七号から第十九号まで、第二十一号から第二十六号まで、第二十八号から第三十二号まで及び第四十八号に掲げる特定事業者 内閣総理大臣 二 第二条第二項第四号及び第五号に掲げる特定事業者 内閣総理大臣及び厚生労働大臣 三 第二条第二項第八号及び第九号に掲げる特定事業者 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十八条第一項に規定する行政庁 四 第二条第二項第十号から第十三号まで及び第二十号に掲げる特定事業者 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十七条第一項に規定する行政庁 五 第二条第二項第十四号に掲げる特定事業者 農林水産大臣及び内閣総理大臣 六 第二条第二項第十五号に掲げる特定事業者 株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)第五十六条第二項に規定する主務大臣 七 第二条第二項第十六号に掲げる特定事業者 株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)第二十九条第一項に規定する主務大臣 八 第二条第二項第二十七号に掲げる特定事業者 不動産特定共同事業法第七十三条第一項に規定する主務大臣 九 第二条第二項第三十三号に掲げる特定事業者 商品先物取引法第三百五十四条第一項に規定する主務大臣 十 第二条第二項第三十四号から第三十六号までに掲げる特定事業者(次号に掲げる者を除く。) 内閣総理大臣及び法務大臣 十一 第二条第二項第三十四号及び第三十五号に掲げる特定事業者のうち国債を取り扱う者 内閣総理大臣、法務大臣及び財務大臣 十二 第二条第二項第三十七号に掲げる特定事業者及び同項第四十四号に掲げる特定事業者のうち顧客宛ての電話を受けてその内容を当該顧客に連絡し、又は顧客宛ての若しくは顧客からの電話を当該顧客が指定する電話番号に自動的に転送する役務を提供する業務を行う者 総務大臣 十三 第二条第二項第三十八号及び第四十九号に掲げる特定事業者 財務大臣 十四 第二条第二項第三十九号、第四十号及び第四十三号に掲げる特定事業者並びに同項第四十四号に掲げる特定事業者のうち顧客宛ての郵便物を受け取ってこれを当該顧客に引き渡す役務を提供する業務を行う者 経済産業大臣 十五 第二条第二項第四十一号に掲げる特定事業者 カジノ管理委員会 十六 第二条第二項第四十二号に掲げる特定事業者 宅地建物取引業法第三条第一項の免許をした国土交通大臣又は都道府県知事(みなし宅地建物取引業者である特定事業者にあっては、国土交通大臣) 十七 第二条第二項第四十六号に掲げる特定事業者 法務大臣 十八 第二条第二項第四十七号に掲げる特定事業者 都道府県知事 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項に関する行政庁は、同項に定める行政庁及び財務大臣とする。 一 第九条に規定する特定事業者(第二条第二項第十五号に掲げる特定事業者を除く。)に係る第九条及び第十条に定める事項 二 電子決済手段等取引業者に係る第十条の二に定める事項及び第十条の三に定める事項(電子決済手段等取引業者が顧客から受取顧客(他の電子決済手段等取引業者の顧客である者に限る。)に対する電子決済手段の移転の依頼を受けた場合であって、そのための電子決済手段の移転(委託又は再委託を受けた電子決済手段等取引業者によって行われるものを含む。)が本邦内においてのみ行われるときに係るものを除く。) 三 暗号資産交換業者に係る第十条の四に定める事項及び第十条の五に定める事項(暗号資産交換業者が顧客から受取顧客(他の暗号資産交換業者の顧客である者に限る。)に対する暗号資産の移転の依頼を受けた場合であって、そのための暗号資産の移転(委託又は再委託を受けた暗号資産交換業者によって行われるものを含む。)が本邦内においてのみ行われるときに係るものを除く。) 3 第一項の規定にかかわらず、特定事業者のうち金融商品取引法第三十三条の二に規定する登録を受けた者が登録金融機関業務(同法第三十三条の三第一項第六号イに規定する登録金融機関業務をいう。第六項第二号において同じ。)を行う場合には、当該登録金融機関業務に係る事項に関する行政庁は、内閣総理大臣とする。 4 第一項の規定にかかわらず、第二条第二項第四十三号に掲げる特定事業者のうち古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第三条の許可(同法第二条第二項第一号に係るものに限る。)を受けた者が同法第二条第一項の古物である貴金属等の売買の業務を行う場合及び第二条第二項第四十三号に掲げる特定事業者のうち質屋営業法(昭和二十五年法律第百五十八号)第二条第一項の許可を受けた者が同法第十八条第一項の流質物である貴金属等の売却の業務を行う場合には、これらの業務に係る事項に関する行政庁は、都道府県公安委員会とする。 この場合において、道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。 5 内閣総理大臣は、この法律による権限(金融庁の所掌に係るものに限り、政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。 6 金融庁長官は、前項の規定により委任された権限(第八条、第十七条及び第十八条に関するものを除く。次項において「金融庁長官権限」という。)のうち、次に掲げる行為に係るものを証券取引等監視委員会に委任する。 ただし、報告又は資料の提出を命ずる権限は、金融庁長官が自ら行うことを妨げない。 一 第二条第二項第二十一号、第二十三号及び第二十四号に掲げる特定事業者による行為 二 登録金融機関業務に係る行為 7 金融庁長官は、政令で定めるところにより、金融庁長官権限のうち、第二条第二項第二十二号、第三十四号及び第三十五号に掲げる特定事業者による行為(前項各号に掲げる行為を除く。)に係るものを証券取引等監視委員会に委任することができる。 8 前二項の場合において、証券取引等監視委員会が行う報告又は資料の提出の命令についての審査請求は、証券取引等監視委員会に対してのみ行うことができる。 9 この法律に規定する行政庁の権限に属する事務(この法律の規定により都道府県知事又は都道府県公安委員会の権限に属することとされている事務を除く。)の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。 10 前各項に規定するもののほか、第八条及び第十五条から第十九条までの規定による行政庁の権限の行使に関して必要な事項は、政令で定める。 (主務大臣等) 第二十三条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。 一 次のイからホまでに掲げる特定事業者の区分に応じ、当該特定事業者に係る事項(次号から第四号までに掲げる事項を除く。)に関して、それぞれ当該イからホまでに定める大臣又は委員会 イ ロからホまでに掲げる特定事業者以外の特定事業者 前条第一項に定める行政庁である大臣又は委員会 ロ 第二条第二項第八号及び第九号に掲げる特定事業者 農業協同組合法第九十八条第二項に規定する主務大臣 ハ 第二条第二項第十号から第十三号まで及び第二十号に掲げる特定事業者 水産業協同組合法第百二十七条第二項に規定する主務大臣 ニ 第二条第二項第四十二号に掲げる特定事業者 国土交通大臣 ホ 第二条第二項第四十七号に掲げる特定事業者 総務大臣 二 前条第二項各号に掲げる事項 前号イからハまでに定める大臣及び財務大臣 三 前条第三項に規定する特定事業者に係る同項に規定する事項 内閣総理大臣 四 前条第四項に規定する特定事業者に係る同項に規定する事項 国家公安委員会 2 この法律における主務省令は、内閣総理大臣、総務大臣、法務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣が共同で発する命令とする。 (事務の区分) 第二十四条 この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務のうち次に掲げる者に係るものは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 一 農業協同組合法第十条第一項第三号の事業を行う農業協同組合及び農業協同組合連合会 二 水産業協同組合法第十一条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合 三 水産業協同組合法第八十七条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合連合会 四 水産業協同組合法第九十三条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合 五 水産業協同組合法第九十七条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合連合会 第六章 罰則 第二十五条 第十八条の規定による命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第二十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第十五条若しくは第十九条第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。 二 第十六条第一項若しくは第十九条第三項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。 第二十七条 顧客等又は代表者等の本人特定事項を隠蔽する目的で、第四条第六項の規定に違反する行為(当該顧客等又は代表者等の本人特定事項に係るものに限る。)をしたときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第二十八条 他人になりすまして特定事業者(第二条第二項第一号から第十五号まで及び第三十七号に掲げる特定事業者に限る。以下この条において同じ。)との間における預貯金契約(別表第二条第二項第一号から第三十八号までに掲げる者の項の下欄に規定する預貯金契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、当該預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報その他特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるために必要なものとして政令で定めるもの(以下この条において「預貯金通帳等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第二十八条の二 他人になりすまして第二条第二項第三十号の二に掲げる特定事業者(以下この項において「高額電子移転可能型前払式支払手段発行者」という。)との間における高額電子移転可能型前払式支払手段利用契約(高額電子移転可能型前払式支払手段発行者が顧客に資金決済に関する法律第三条第八項に規定する高額電子移転可能型前払式支払手段を利用させることを内容とする契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、高額電子移転可能型前払式支払手段発行者において高額電子移転可能型前払式支払手段利用契約に係る役務の提供を受ける者を他の者と区別して識別することができるように付される符号その他の当該役務の提供を受けるために必要な情報(以下この条において「高額電子移転可能型前払式支払手段利用情報」という。)の提供を受けた者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、高額電子移転可能型前払式支払手段利用情報の提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に高額電子移転可能型前払式支払手段利用情報を提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、高額電子移転可能型前払式支払手段利用情報を提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第二十九条 他人になりすまして第二条第二項第三十一号に掲げる特定事業者(以下この項において「資金移動業者」という。)との間における為替取引により送金をし若しくは送金を受け取ること又はこれらを第三者にさせることを目的として、当該為替取引に係る送金の受取用のカード、送金又はその受取に必要な情報その他資金移動業者との間における為替取引による送金又はその受取に必要なものとして政令で定めるもの(以下「為替取引カード等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、為替取引カード等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第二十九条の二 他人になりすまして特定事業者(第二条第二項第三十一号の二に掲げる特定事業者並びに資金決済に関する法律第六十二条の八第二項の規定により同法第二条第十二項に規定する電子決済手段等取引業者とみなされる第二条第二項第一号から第十五号まで、第二十五号及び第三十一号に掲げる特定事業者に限る。以下この項において「電子決済手段等取引業者」という。)との間における電子決済手段等取引契約(同法第二条第十項各号に掲げる行為を行うことを内容とする契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、電子決済手段等取引業者において電子決済手段等取引契約に係る役務の提供を受ける者を他の者と区別して識別することができるように付される符号その他の当該役務の提供を受けるために必要な情報(以下この条において「電子決済手段等取引用情報」という。)の提供を受けた者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、電子決済手段等取引用情報の提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に電子決済手段等取引用情報を提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、電子決済手段等取引用情報を提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第二十九条の三 他人になりすまして特定事業者(第二条第二項第三十一号の三から第三十一号の五までに掲げる特定事業者に限る。以下この項において「電子決済等取扱業者等」という。)との間における電子決済等利用契約(銀行法第二条第十七項各号、信用金庫法第八十五条の三第二項各号又は協同組合による金融事業に関する法律第六条の四の三第二項各号に掲げる行為を行うことを内容とする契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、電子決済等取扱業者等において電子決済等利用契約に係る役務の提供を受ける者を他の者と区別して識別することができるように付される符号その他の当該役務の提供を受けるために必要な情報(以下この条において「電子決済等利用情報」という。)の提供を受けた者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、電子決済等利用情報の提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に電子決済等利用情報を提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、電子決済等利用情報を提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第三十条 他人になりすまして暗号資産交換業者との間における暗号資産交換契約(資金決済に関する法律第二条第十五項各号に掲げる行為を行うことを内容とする契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、暗号資産交換業者において暗号資産交換契約に係る役務の提供を受ける者を他の者と区別して識別することができるように付される符号その他の当該役務の提供を受けるために必要な情報(以下この条において「暗号資産交換用情報」という。)の提供を受けた者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、暗号資産交換用情報の提供を受けた者も、同様とする。 2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に暗号資産交換用情報を提供した者も、同項と同様とする。 通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、暗号資産交換用情報を提供した者も、同様とする。 3 業として前二項の罪に当たる行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 4 第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 第三十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。 一 第二十五条 三億円以下の罰金刑 二 第二十六条 二億円以下の罰金刑 三 第二十七条 同条の罰金刑 (金融商品取引法の準用) 第三十二条 金融商品取引法第九章の規定は、第二十二条第六項各号に掲げる行為に係る第二十七条及び前条第三号に規定する罪の事件について準用する。 | 刑事 |
Heisei | Act | 419AC0000000088_20240401_504AC0100000052.xml | 平成十九年法律第八十八号 | 2 | 更生保護法
第一章 総則 第一節 目的等 (目的) 第一条 この法律は、犯罪をした者及び非行のある少年に対し、社会内において適切な処遇を行うことにより、再び犯罪をすることを防ぎ、又はその非行をなくし、これらの者が善良な社会の一員として自立し、改善更生することを助けるとともに、恩赦の適正な運用を図るほか、犯罪予防の活動の促進等を行い、もって、社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進することを目的とする。 (国の責務等) 第二条 国は、前条の目的の実現に資する活動であって民間の団体又は個人により自発的に行われるものを促進し、これらの者と連携協力するとともに、更生保護に対する国民の理解を深め、かつ、その協力を得るように努めなければならない。 2 地方公共団体は、前項の活動が地域社会の安全及び住民福祉の向上に寄与するものであることにかんがみ、これに対して必要な協力をすることができる。 3 国民は、前条の目的を達成するため、その地位と能力に応じた寄与をするように努めなければならない。 (運用の基準) 第三条 犯罪をした者又は非行のある少年に対してこの法律の規定によりとる措置は、当該措置を受ける者の性格、年齢、経歴、心身の状況、家庭環境、交友関係、被害者等(犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為により害を被った者(以下この条において「被害者」という。)又はその法定代理人若しくは被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況等を十分に考慮して、当該措置を受ける者に最もふさわしい方法により、その改善更生のために必要かつ相当な限度において行うものとする。 第二節 中央更生保護審査会 (設置及び所掌事務) 第四条 法務省に、中央更生保護審査会(以下「審査会」という。)を置く。 2 審査会は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 特赦、特定の者に対する減刑、刑の執行の免除又は特定の者に対する復権の実施についての申出をすること。 二 地方更生保護委員会がした決定について、この法律及び行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の定めるところにより、審査を行い、裁決をすること。 三 前二号に掲げるもののほか、この法律又は他の法律によりその権限に属させられた事項を処理すること。 (審査会の組織) 第五条 審査会は、委員長及び委員四人をもって組織する。 (委員長及び委員の任命) 第六条 委員長及び委員は、優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、法務大臣が任命する。 2 委員長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、法務大臣は、前項の規定にかかわらず、委員長又は委員を任命することができる。 3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。 この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、法務大臣は、その委員長又は委員を罷免しなければならない。 4 委員長及び委員の任命については、そのうち三人以上が同一の政党に属する者となることとなってはならない。 (委員長及び委員の任期) 第七条 委員長及び委員の任期は、三年とする。 ただし、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。 (委員長及び委員の服務等) 第八条 委員のうち二人は、非常勤とする。 2 委員長及び委員は、在任中、政党その他の政治団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。 3 委員長及び常勤の委員は、在任中、法務大臣の許可がある場合を除き、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。 4 委員長及び委員の給与は、別に法律で定める。 (委員長及び委員の罷免) 第九条 法務大臣は、委員長又は委員が破産手続開始の決定を受け、又は禁 錮 こ 以上の刑に処せられたときは、その委員長又は委員を罷免しなければならない。 2 法務大臣は、委員長若しくは委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員長若しくは委員に職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるにふさわしくない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、その委員長又は委員を罷免することができる。 3 法務大臣は、委員長及び委員のうち三人以上が同一の政党に属することとなったときは、同一の政党に属する者が二人になるように、両議院の同意を得て、委員長又は委員を罷免するものとする。 4 前項の規定は、政党所属関係に異動のなかった委員長又は委員の地位に影響を及ぼすものではない。 (委員長) 第十条 委員長は、会務を総理し、審査会を代表する。 2 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長が定める順序により、常勤の委員が委員長の職務を行う。 (会議等) 第十一条 審査会は、委員長が招集する。 2 審査会は、委員長及び半数以上の委員の出席がなければ、議事を開き、議決することができない。 3 審査会の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。 4 審査会がその権能として行う調査又は第四条第二項第二号に規定する審査のための審理は、審査会の指名により、委員長又は一人の委員で行うことができる。 5 委員長に事故がある場合における第二項の規定の適用については、前条第二項の規定により委員長の職務を行う常勤の委員は、委員長とみなす。 (審問) 第十二条 審査会は、その所掌事務に属する事項の調査において、必要があると認めるときは、法務省令で定めるところにより、関係人を呼び出し、審問することができる。 2 前項の規定による呼出しに応じないため再度同項の規定による呼出しを受けた者が、正当な理由がないのにこれに応じないときは、十万円以下の過料に処する。 3 第一項の規定による呼出しに応じた者に対しては、政令で定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料を支給する。 ただし、正当な理由がないのに陳述を拒んだ者に対しては、この限りでない。 (記録等の提出の求め) 第十三条 審査会は、その所掌事務に属する事項の調査において、必要があると認めるときは、裁判所、検察官、刑事施設の長、少年院の長、地方更生保護委員会及び保護観察所の長に対し、記録、書類、意見書及び報告書の提出を求めることができる。 (協力の求め) 第十四条 審査会は、その所掌事務を遂行するため、官公署、学校、病院、公共の衛生福祉に関する機関その他の者(以下「関係機関等」という。)に対し、必要な協力を求めることができる。 (政令への委任) 第十五条 第四条から第十一条までに規定するもののほか、審査会の組織に関し必要な事項は、政令で定める。 第三節 地方更生保護委員会 (所掌事務) 第十六条 地方更生保護委員会(以下「地方委員会」という。)は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二十八条の行政官庁として、仮釈放を許し、又はその処分を取り消すこと。 二 刑法第三十条の行政官庁として、仮出場を許すこと。 三 少年院からの仮退院又は退院を許すこと。 四 少年院からの仮退院中の者について、少年院に戻して収容する旨の決定の申請をし、又は仮退院を許す処分を取り消すこと。 五 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十二条第一項又は同条第一項及び第二項の規定により言い渡された刑(以下「不定期刑」という。)について、その執行を受け終わったものとする処分をすること。 六 保護観察所の事務を監督すること。 七 前各号に掲げるもののほか、この法律又は他の法律によりその権限に属させられた事項を処理すること。 (地方委員会の組織) 第十七条 地方委員会は、三人以上政令で定める人数以内の委員をもって組織する。 (委員の任期) 第十八条 委員の任期は、三年とする。 (委員長) 第十九条 地方委員会に、委員長を置く。 委員長は、委員のうちから法務大臣が命ずる。 2 委員長は、会務を総理し、その地方委員会を代表する。 3 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長が定める順序により、他の委員が委員長の職務を行う。 (事務局) 第二十条 地方委員会に、事務局を置く。 2 事務局の内部組織は、法務省令で定める。 (委員会議) 第二十一条 地方委員会の所掌事務の処理は、第二十三条第一項の規定により三人の委員をもって構成する合議体で権限を行う場合その他法令に特別の定めがある場合を除き、委員の全員をもって構成する会議の議決による。 2 前項の会議は、委員長が招集する。 3 第一項の会議は、委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き、議決することができない。 4 第一項の会議の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。 ただし、五人未満の委員をもって組織される地方委員会において、出席者が二人であるときは、その意見の一致したところによる。 (記録等の提出の求めに関する規定の準用) 第二十二条 第十三条の規定は、前条第一項の会議の調査について準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (合議体) 第二十三条 地方委員会は、次に掲げる事項については、三人の委員をもって構成する合議体で、その権限を行う。 一 この法律又は他の法律の規定により決定をもってすることとされている処分 二 第三十五条第一項(第四十二条及び第四十七条の三において準用する場合を含む。)の規定による審理の開始に係る判断 三 第三十九条第四項(第四十二条及び第四十七条の三において準用する場合を含む。)の規定による審理の再開に係る判断 四 第七十一条の規定による申請 2 前項の合議体の議事は、その構成員の過半数で決する。 3 第一項の合議体がその権能として行う調査は、その構成員である委員又は保護観察官をして行わせることができる。 (合議体による審理) 第二十四条 前条第一項の合議体は、同項第一号に掲げる処分又は同項第四号に掲げる申請をするか否かを判断するには、審理を行わなければならない。 (審理における調査) 第二十五条 第二十三条第一項の合議体は、前条の審理において必要があると認めるときは、審理の対象とされている者(以下「審理対象者」という。)との面接、関係人に対する質問その他の方法により、調査を行うことができる。 2 前項の調査を行う者は、その事務所以外の場所において当該調査を行う場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第十二条及び第十三条の規定は、第一項の調査について準用する。 この場合において、同条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第十二条第一項の規定による呼出し及び審問は、第二十三条第三項の規定にかかわらず、保護観察官をして行わせることができない。 (決定書) 第二十六条 第二十三条第一項の合議体の決定は、決定書を作成してしなければならない。 (決定の告知) 第二十七条 前条の決定は、当該決定の対象とされた者に対し、これを告知することによって、その効力を生ずる。 2 前項の決定の告知は、その対象とされた者に対して当該決定を言い渡し、又は相当と認める方法により決定書の謄本をその者に送付して、行うものとする。 ただし、急速を要するときは、法務省令で定める方法によることができる。 3 第一項の決定の対象とされた者が刑事施設に収容され、若しくは労役場に留置されている場合又は少年院に収容されている場合において、決定書の謄本を当該刑事施設(労役場に留置されている場合には、当該労役場が附置された刑事施設)の長又は少年院の長に送付したときは、当該決定の対象とされた者に対する送付があったものとみなす。 4 決定書の謄本を、第一項の決定の対象とされた者が第五十条第一項第四号の規定により居住すべき住居(第五十一条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所が定められている場合には、当該場所)に宛てて、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして法務大臣が定めるものに付して発送した場合においては、その発送の日から五日を経過した日に当該決定の対象とされた者に対する送付があったものとみなす。 (協力の求めに関する規定の準用) 第二十八条 第十四条の規定は、地方委員会について準用する。 第四節 保護観察所 (所掌事務) 第二十九条 保護観察所は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 保護観察を実施すること。 二 犯罪の予防を図るため、世論を啓発し、社会環境の改善に努め、及び地域住民の活動を促進すること。 三 前二号に掲げるもののほか、この法律その他の法令によりその権限に属させられた事項を処理すること。 (協力等の求め) 第三十条 保護観察所の長は、その所掌事務を遂行するため、関係機関等に対し、必要な援助及び協力を求めることができる。 第五節 保護観察官及び保護司 (保護観察官) 第三十一条 地方委員会の事務局及び保護観察所に、保護観察官を置く。 2 保護観察官は、医学、心理学、教育学、社会学その他の更生保護に関する専門的知識に基づき、保護観察、調査、生活環境の調整その他犯罪をした者及び非行のある少年の更生保護並びに犯罪の予防に関する事務に従事する。 (保護司) 第三十二条 保護司は、保護観察官で十分でないところを補い、地方委員会又は保護観察所の長の指揮監督を受けて、保護司法(昭和二十五年法律第二百四号)の定めるところに従い、それぞれ地方委員会又は保護観察所の所掌事務に従事するものとする。 第二章 仮釈放等 第一節 仮釈放及び仮出場 (法定期間経過の通告) 第三十三条 刑事施設の長又は少年院の長は、懲役又は禁錮の刑の執行のため収容している者について、刑法第二十八条又は少年法第五十八条第一項に規定する期間が経過したときは、その旨を地方委員会に通告しなければならない。 (仮釈放及び仮出場の申出) 第三十四条 刑事施設の長又は少年院の長は、懲役又は禁錮の刑の執行のため収容している者について、前条の期間が経過し、かつ、法務省令で定める基準に該当すると認めるときは、地方委員会に対し、仮釈放を許すべき旨の申出をしなければならない。 2 刑事施設の長は、拘留の刑の執行のため収容している者又は労役場に留置している者について、法務省令で定める基準に該当すると認めるときは、地方委員会に対し、仮出場を許すべき旨の申出をしなければならない。 (申出によらない審理の開始等) 第三十五条 地方委員会は、前条の申出がない場合であっても、必要があると認めるときは、仮釈放又は仮出場を許すか否かに関する審理を開始することができる。 2 地方委員会は、前項の規定により審理を開始するに当たっては、あらかじめ、審理の対象となるべき者が収容されている刑事施設(労役場に留置されている場合には、当該労役場が附置された刑事施設)の長又は少年院の長の意見を聴かなければならない。 第三十六条 地方委員会は、前条第一項の規定により審理を開始するか否かを判断するため必要があると認めるときは、審理の対象となるべき者との面接、関係人に対する質問その他の方法により、調査を行うことができる。 2 前項の調査を行うに当たっては、審理の対象となるべき者が収容されている刑事施設(労役場に留置されている場合には、当該労役場が附置された刑事施設)又は少年院の職員から参考となる事項について聴取し、及びこれらの者に面接への立会いその他の協力を求めることができる。 3 第十三条及び第二十五条第二項の規定は、第一項の調査について準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (仮釈放の審理における委員による面接等) 第三十七条 地方委員会は、仮釈放を許すか否かに関する審理においては、その構成員である委員をして、審理対象者と面接させなければならない。 ただし、その者の重い疾病若しくは傷害により面接を行うことが困難であると認められるとき又は法務省令で定める場合であって面接の必要がないと認められるときは、この限りでない。 2 地方委員会は、仮釈放を許すか否かに関する審理において必要があると認めるときは、審理対象者について、保護観察所の長に対し、事項を定めて、第八十二条第一項の規定による生活環境の調整を行うことを求めることができる。 3 前条第二項の規定は、仮釈放を許すか否かに関する審理における調査について準用する。 (被害者等の意見等の聴取) 第三十八条 地方委員会は、仮釈放を許すか否かに関する審理を行うに当たり、法務省令で定めるところにより、審理対象者が刑を言い渡される理由となった犯罪に係る被害者等から、審理対象者の仮釈放、仮釈放中の保護観察及び第八十二条第一項の規定による生活環境の調整に関する意見並びに被害に関する心情(以下この条において「意見等」という。)を述べたい旨の申出があったときは、当該意見等を聴取するものとする。 ただし、当該被害に係る事件の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 地方委員会は、前項の被害者等の居住地を管轄する保護観察所の長に対し、同項の申出の受理に関する事務及び同項の規定による意見等の聴取を円滑に実施するための事務を嘱託することができる。 3 地方委員会は、第一項の規定により仮釈放中の保護観察に関する意見を聴取した場合において、同項の審理対象者について刑法第二十八条の規定による仮釈放を許す処分をしたときは、当該審理対象者の仮釈放中の保護観察をつかさどることとなる保護観察所の長に対し、当該意見その他の仮釈放中の保護観察の実施に必要な事項を通知するものとする。 4 地方委員会は、第一項の規定により第八十二条第一項の規定による生活環境の調整に関する意見を聴取した場合において、必要があると認めるときは、第一項の審理対象者について同条第一項の規定による生活環境の調整を行う保護観察所の長に対し、当該意見その他の同項の規定による生活環境の調整の実施に必要な事項を通知するものとする。 (仮釈放及び仮出場を許す処分) 第三十九条 刑法第二十八条の規定による仮釈放を許す処分及び同法第三十条の規定による仮出場を許す処分は、地方委員会の決定をもってするものとする。 2 地方委員会は、仮釈放又は仮出場を許す処分をするに当たっては、釈放すべき日を定めなければならない。 3 地方委員会は、仮釈放を許す処分をするに当たっては、第五十一条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定める場合その他特別の事情がある場合を除き、第八十二条第一項の規定による住居の調整の結果に基づき、仮釈放を許される者が居住すべき住居を特定するものとする。 4 地方委員会は、第一項の決定をした場合において、当該決定を受けた者について、その釈放までの間に、刑事施設の規律及び秩序を害する行為をしたこと、予定されていた釈放後の住居、就業先その他の生活環境に著しい変化が生じたことその他その釈放が相当でないと認められる特別の事情が生じたと認めるときは、仮釈放又は仮出場を許すか否かに関する審理を再開しなければならない。 この場合においては、当該決定は、その効力を失う。 5 第三十六条の規定は、前項の規定による審理の再開に係る判断について準用する。 (仮釈放中の保護観察) 第四十条 仮釈放を許された者は、仮釈放の期間中、保護観察に付する。 第二節 少年院からの仮退院 (仮退院を許す処分) 第四十一条 地方委員会は、保護処分の執行のため少年院に収容されている者(第六十八条の五第一項に規定する収容中の特定保護観察処分少年を除く。第四十六条第一項において同じ。)について、少年院法(平成二十六年法律第五十八号)第十六条に規定する処遇の段階が最高段階に達し、仮に退院させることが改善更生のために相当であると認めるとき、その他仮に退院させることが改善更生のために特に必要であると認めるときは、決定をもって、仮退院を許すものとする。 (準用) 第四十二条 第三十五条から第三十八条まで、第三十九条第二項から第五項まで及び第四十条の規定は、少年院からの仮退院について準用する。 この場合において、第三十五条第一項中「前条」とあるのは「少年院法第百三十五条」と、第三十八条第一項中「刑」とあるのは「保護処分」と、「犯罪」とあるのは「犯罪又は刑罰法令に触れる行為」と読み替えるものとする。 第三節 収容中の者の不定期刑の終了 (刑事施設等に収容中の者の不定期刑の終了の申出) 第四十三条 刑事施設の長又は少年院の長は、不定期刑の執行のため収容している者について、その刑の短期が経過し、かつ、刑の執行を終了するのを相当と認めるときは、地方委員会に対し、刑の執行を受け終わったものとすべき旨の申出をしなければならない。 (刑事施設等に収容中の者の不定期刑の終了の処分) 第四十四条 地方委員会は、前条に規定する者について、同条の申出があった場合において、刑の執行を終了するのを相当と認めるときは、決定をもって、刑の執行を受け終わったものとしなければならない。 2 地方委員会は、前項の決定をしたときは、速やかに、その対象とされた者が収容されている刑事施設の長又は少年院の長に対し、その旨を書面で通知するとともに、当該決定を受けた者に対し、当該決定をした旨の証明書を交付しなければならない。 3 第一項の決定の対象とされた者の刑期は、前項の通知が刑事施設又は少年院に到達した日に終了するものとする。 (準用) 第四十五条 第三十七条の規定は、前条第一項の決定をするか否かに関する審理について準用する。 第四節 収容中の者の退院 (少年法第二十四条第一項第三号又は第六十四条第一項第三号の保護処分の執行のため少年院に収容中の者の退院を許す処分) 第四十六条 地方委員会は、保護処分の執行のため少年院に収容されている者について、少年院の長の申出があった場合において、退院させてその保護処分を終了させるのを相当と認めるとき(二十三歳を超えて少年院に収容されている者については、少年院法第百三十九条第一項に規定する事由に該当しなくなったと認めるときその他退院させてその保護処分を終了させるのを相当と認めるとき)は、決定をもって、これを許さなければならない。 2 地方委員会は、前項の決定をしたときは、当該決定を受けた者に対し、当該決定をした旨の証明書を交付しなければならない。 (準用) 第四十七条 第三十七条の規定は、前条第一項の決定をするか否かに関する審理について準用する。 (収容中の特定保護観察処分少年の退院を許す処分) 第四十七条の二 地方委員会は、第六十八条の五第一項に規定する収容中の特定保護観察処分少年について、少年院法第十六条に規定する処遇の段階が最高段階に達し、退院させて再び保護観察を実施することが改善更生のために相当であると認めるとき、その他退院させて再び保護観察を実施することが改善更生のために特に必要であると認めるときは、決定をもって、その退院を許すものとする。 (準用) 第四十七条の三 第三十五条、第三十六条、第三十七条第二項及び第三項、第三十八条並びに第三十九条第二項から第五項までの規定は、前条の規定による少年院からの退院について準用する。 この場合において、第三十五条第一項中「前条」とあるのは「少年院法第百三十六条の二」と、第三十八条第一項中「刑」とあるのは「保護処分」と、「犯罪」とあるのは「犯罪又は刑罰法令に触れる行為」と、第三十九条第三項中「ものとする」とあるのは「ことができる」と読み替えるものとする。 第三章 保護観察 第一節 通則 (保護観察の対象者) 第四十八条 次に掲げる者(以下「保護観察対象者」という。)に対する保護観察の実施については、この章の定めるところによる。 一 少年法第二十四条第一項第一号又は第六十四条第一項第一号若しくは第二号の保護処分に付されている者(以下「保護観察処分少年」という。) 二 少年院からの仮退院を許されて第四十二条において準用する第四十条の規定により保護観察に付されている者(以下「少年院仮退院者」という。) 三 仮釈放を許されて第四十条の規定により保護観察に付されている者(以下「仮釈放者」という。) 四 刑法第二十五条の二第一項若しくは第二十七条の三第一項又は薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(平成二十五年法律第五十号)第四条第一項の規定により保護観察に付されている者(以下「保護観察付執行猶予者」という。) (保護観察の実施方法) 第四十九条 保護観察は、保護観察対象者の改善更生を図ることを目的として、その犯罪又は非行に結び付く要因及び改善更生に資する事項を的確に把握しつつ、第五十七条及び第六十五条の三第一項に規定する指導監督並びに第五十八条に規定する補導援護を行うことにより実施するものとする。 2 保護観察処分少年又は少年院仮退院者に対する保護観察は、保護処分の趣旨を踏まえ、その者の健全な育成を期して実施しなければならない。 3 保護観察所の長は、保護観察を適切に実施するため、保護観察対象者の改善更生に資する援助を行う関係機関等に対し第三十条の規定により必要な情報の提供を求めるなどして、当該関係機関等との間の緊密な連携の確保に努めるものとする。 (一般遵守事項) 第五十条 保護観察対象者は、次に掲げる事項(以下「一般遵守事項」という。)を遵守しなければならない。 一 再び犯罪をすることがないよう、又は非行をなくすよう健全な生活態度を保持すること。 二 次に掲げる事項を守り、保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受けること。 イ 保護観察官又は保護司の呼出し又は訪問を受けたときは、これに応じ、面接を受けること。 ロ 保護観察官又は保護司から、労働又は通学の状況、収入又は支出の状況、家庭環境、交友関係その他の生活の実態を示す事実であって指導監督を行うため把握すべきものを明らかにするよう求められたときは、これに応じ、その事実を申告し、又はこれに関する資料を提示すること。 ハ 保護観察官又は保護司から、健全な生活態度を保持するために実行し、又は継続している行動の状況、特定の犯罪的傾向を改善するための専門的な援助を受けることに関してとった行動の状況、被害者等の被害を回復し、又は軽減するためにとった行動の状況その他の行動の状況を示す事実であって指導監督を行うため把握すべきものを明らかにするよう求められたときは、これに応じ、その事実を申告し、又はこれに関する資料を提示すること。 三 保護観察に付されたときは、速やかに、住居を定め、その地を管轄する保護観察所の長にその届出をすること(第三十九条第三項(第四十二条において準用する場合を含む。)又は第七十八条の二第一項において準用する第六十八条の七第一項の規定により住居を特定された場合及び次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除く。)。 四 前号の届出に係る住居(第三十九条第三項(第四十二条及び第四十七条の三において準用する場合を含む。)又は第六十八条の七第一項(第七十八条の二第一項において準用する場合を含む。)の規定により住居を特定された場合には当該住居、次号の転居の許可を受けた場合には当該許可に係る住居)に居住すること(次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除く。)。 五 転居(第四十七条の二の決定又は少年法第六十四条第二項の規定により定められた期間(以下「収容可能期間」という。)の満了により釈放された場合に前号の規定により居住することとされている住居に転居する場合を除く。)又は七日以上の旅行をするときは、あらかじめ、保護観察所の長の許可を受けること。 2 刑法第二十七条の三第一項又は薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しを受けた者(以下「保護観察付一部猶予者」という。)が仮釈放中の保護観察に引き続きこれらの規定による保護観察に付されたときは、第七十八条の二第一項において準用する第六十八条の七第一項の規定により住居を特定された場合及び次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除き、仮釈放中の保護観察の終了時に居住することとされていた前項第三号の届出に係る住居(第三十九条第三項の規定により住居を特定された場合には当該住居、前項第五号の転居の許可を受けた場合には当該許可に係る住居)につき、同項第三号の届出をしたものとみなす。 (特別遵守事項) 第五十一条 保護観察対象者は、一般遵守事項のほか、遵守すべき特別の事項(以下「特別遵守事項」という。)が定められたときは、これを遵守しなければならない。 2 特別遵守事項は、次条に定める場合を除き、第五十二条の定めるところにより、これに違反した場合に第七十二条第一項及び第七十三条の二第一項、刑法第二十六条の二、第二十七条の五及び第二十九条第一項並びに少年法第二十六条の四第一項及び第六十六条第一項に規定する処分がされることがあることを踏まえ、次に掲げる事項について、保護観察対象者の改善更生のために特に必要と認められる範囲内において、具体的に定めるものとする。 一 犯罪性のある者との交際、いかがわしい場所への出入り、遊興による浪費、過度の飲酒その他の犯罪又は非行に結び付くおそれのある特定の行動をしてはならないこと。 二 労働に従事すること、通学することその他の再び犯罪をすることがなく又は非行のない健全な生活態度を保持するために必要と認められる特定の行動を実行し、又は継続すること。 三 七日未満の旅行、離職、身分関係の異動その他の指導監督を行うため事前に把握しておくことが特に重要と認められる生活上又は身分上の特定の事項について、緊急の場合を除き、あらかじめ、保護観察官又は保護司に申告すること。 四 医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識に基づく特定の犯罪的傾向を改善するための体系化された手順による処遇として法務大臣が定めるものを受けること。 五 法務大臣が指定する施設、保護観察対象者を監護すべき者の居宅その他の改善更生のために適当と認められる特定の場所であって、宿泊の用に供されるものに一定の期間宿泊して指導監督を受けること。 六 善良な社会の一員としての意識の 涵 かん 養及び規範意識の向上に資する地域社会の利益の増進に寄与する社会的活動を一定の時間行うこと。 七 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者が行う特定の犯罪的傾向を改善するための専門的な援助であって法務大臣が定める基準に適合するものを受けること。 八 その他指導監督を行うため特に必要な事項 (特別遵守事項の特則) 第五十一条の二 薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しを受けた者については、次条第四項の定めるところにより、規制薬物等(同法第二条第一項に規定する規制薬物等をいう。以下同じ。)の使用を反復する犯罪的傾向を改善するための前条第二項第四号に規定する処遇を受けることを猶予期間中の保護観察における特別遵守事項として定めなければならない。 ただし、これに違反した場合に刑法第二十七条の五に規定する処分がされることがあることを踏まえ、その改善更生のために特に必要とは認められないときは、この限りでない。 2 第四項の場合を除き、前項の規定により定められた猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に取り消す場合における第五十三条第四項の規定の適用については、同項中「必要」とあるのは、「特に必要」とする。 3 第一項の規定は、同項に規定する者について、次条第二項及び第三項の定めるところにより仮釈放中の保護観察における特別遵守事項を釈放の時までに定める場合に準用する。 この場合において、第一項ただし書中「第二十七条の五」とあるのは、「第二十九条第一項」と読み替えるものとする。 4 第一項に規定する者について、仮釈放を許す旨の決定をした場合においては、前項の規定による仮釈放中の保護観察における特別遵守事項の設定及び第一項の規定による猶予期間中の保護観察における特別遵守事項の設定は、釈放の時までに行うものとする。 5 前項の場合において、第三項において準用する第一項の規定により定められた仮釈放中の保護観察における特別遵守事項を釈放までの間に取り消す場合における第五十三条第二項の規定の適用については、同項中「必要」とあるのは、「特に必要」とし、第一項の規定により定められた猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を釈放までの間に取り消す場合における同条第四項の規定の適用については、同項中「刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に、必要」とあるのは、「釈放までの間に、特に必要」とする。 (特別遵守事項の設定及び変更) 第五十二条 保護観察所の長は、保護観察処分少年について、法務省令で定めるところにより、少年法第二十四条第一項第一号又は第六十四条第一項第一号若しくは第二号の保護処分をした家庭裁判所の意見を聴き、これに基づいて、特別遵守事項を定めることができる。 これを変更するときも、同様とする。 2 地方委員会は、少年院仮退院者又は仮釈放者について、保護観察所の長の申出により、法務省令で定めるところにより、決定をもって、特別遵守事項を定めることができる。 保護観察所の長の申出により、これを変更するときも、同様とする。 3 前項の場合において、少年院からの仮退院又は仮釈放を許す旨の決定による釈放の時までに特別遵守事項を定め、又は変更するときは、保護観察所の長の申出を要しないものとする。 4 地方委員会は、保護観察付一部猶予者について、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始の時までに、法務省令で定めるところにより、決定をもって、特別遵守事項(猶予期間中の保護観察における特別遵守事項に限る。以下この項及び次条第四項において同じ。)を定め、又は変更することができる。 この場合において、仮釈放中の保護観察付一部猶予者について、特別遵守事項を定め、又は変更するときは、保護観察所の長の申出によらなければならない。 5 保護観察所の長は、刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付されている保護観察付執行猶予者について、その保護観察の開始に際し、法務省令で定めるところにより、同項の規定により保護観察に付する旨の言渡しをした裁判所の意見を聴き、これに基づいて、特別遵守事項を定めることができる。 6 保護観察所の長は、前項の場合のほか、保護観察付執行猶予者について、法務省令で定めるところにより、当該保護観察所の所在地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に対し、定めようとする又は変更しようとする特別遵守事項の内容を示すとともに、必要な資料を提示して、その意見を聴いた上、特別遵守事項を定め、又は変更することができる。 ただし、当該裁判所が不相当とする旨の意見を述べたものについては、この限りでない。 (特別遵守事項の取消し) 第五十三条 保護観察所の長は、保護観察処分少年又は保護観察付執行猶予者について定められている特別遵守事項(遵守すべき期間が定められている特別遵守事項であって当該期間が満了したものその他その性質上一定の事実が生ずるまでの間遵守すべきこととされる特別遵守事項であって当該事実が生じたものを除く。以下この条において同じ。)につき、必要がなくなったと認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを取り消すものとする。 2 地方委員会は、保護観察所の長の申出により、少年院仮退院者又は仮釈放者について定められている特別遵守事項につき、必要がなくなったと認めるときは、法務省令で定めるところにより、決定をもって、これを取り消すものとする。 3 前条第三項の規定は、前項の規定により特別遵守事項を取り消す場合について準用する。 4 地方委員会は、保護観察付一部猶予者について定められている特別遵守事項につき、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に、必要がなくなったと認めるときは、法務省令で定めるところにより、決定をもって、これを取り消すものとする。 この場合において、仮釈放中の保護観察付一部猶予者について定められている特別遵守事項を取り消すときは、保護観察所の長の申出によらなければならない。 (一般遵守事項の通知) 第五十四条 保護観察所の長は、少年法第二十四条第一項第一号若しくは第六十四条第一項第一号若しくは第二号の保護処分があったとき又は刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しがあったときは、法務省令で定めるところにより、保護観察処分少年又は保護観察付執行猶予者に対し、一般遵守事項の内容を記載した書面を交付しなければならない。 2 刑事施設の長又は少年院の長は、第三十九条第一項の決定により懲役若しくは禁錮の刑の執行のため収容している者を釈放するとき、刑の一部の執行猶予の言渡しを受けてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったこと(その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった時に他に執行すべき懲役又は禁錮の刑があるときは、その刑の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなったこと。次条第二項において同じ。)により保護観察付一部猶予者を釈放するとき、又は第四十一条若しくは第四十七条の二の決定若しくは収容可能期間の満了により保護処分の執行のため収容している者を釈放するときは、法務省令で定めるところにより、その者に対し、一般遵守事項の内容を記載した書面を交付しなければならない。 (特別遵守事項の通知) 第五十五条 保護観察所の長は、保護観察対象者について、特別遵守事項が定められ、又は変更されたときは、法務省令で定めるところにより、当該保護観察対象者に対し、当該特別遵守事項の内容を記載した書面を交付しなければならない。 ただし、次項に規定する場合については、この限りでない。 2 刑事施設の長又は少年院の長は、懲役若しくは禁錮の刑の執行のため収容している者について第三十九条第一項の決定による釈放の時までに特別遵守事項(その者が保護観察付一部猶予者である場合には、猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を含む。)が定められたとき、保護観察付一部猶予者についてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったことによる釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき、又は保護処分の執行のため収容している者について第四十一条の決定による釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき、若しくは第四十七条の二の決定若しくは収容可能期間の満了による釈放の時までに特別遵守事項が定められたときは、法務省令で定めるところにより、その釈放の時に当該特別遵守事項(釈放の時までに変更された場合には、変更後のもの)の内容を記載した書面を交付しなければならない。 ただし、その釈放の時までに当該特別遵守事項が取り消されたときは、この限りでない。 (生活行動指針) 第五十六条 保護観察所の長は、保護観察対象者について、保護観察における指導監督を適切に行うため必要があると認めるときは、法務省令で定めるところにより、当該保護観察対象者の改善更生に資する生活又は行動の指針(以下「生活行動指針」という。)を定めることができる。 2 保護観察所の長は、前項の規定により生活行動指針を定めたときは、法務省令で定めるところにより、保護観察対象者に対し、当該生活行動指針の内容を記載した書面を交付しなければならない。 3 保護観察対象者は、第一項の規定により生活行動指針が定められたときは、これに即して生活し、及び行動するよう努めなければならない。 (指導監督の方法) 第五十七条 保護観察における指導監督は、次に掲げる方法によって行うものとする。 一 面接その他の適当な方法により保護観察対象者と接触を保ち、その行状を把握すること。 二 保護観察対象者が一般遵守事項及び特別遵守事項(以下「遵守事項」という。)を遵守し、並びに生活行動指針に即して生活し、及び行動するよう、必要な指示その他の措置をとること(第四号に定めるものを除く。)。 三 特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を実施すること。 四 保護観察対象者が、更生保護事業法の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者が行う特定の犯罪的傾向を改善するための専門的な援助であって法務大臣が定める基準に適合するものを受けるよう、必要な指示その他の措置をとること。 五 保護観察対象者が、当該保護観察対象者が刑又は保護処分を言い渡される理由となった犯罪又は刑罰法令に触れる行為に係る被害者等の被害の回復又は軽減に誠実に努めるよう、必要な指示その他の措置をとること。 2 保護観察所の長は、前項の指導監督を適切に行うため特に必要があると認めるときは、保護観察対象者に対し、当該指導監督に適した宿泊場所を供与することができる。 3 保護観察所の長は、第一項第四号に規定する措置をとろうとするときは、あらかじめ、同号に規定する援助を受けることが保護観察対象者の意思に反しないことを確認するとともに、当該援助を提供することについて、これを行う者に協議しなければならない。 ただし、第五十一条第二項第七号の規定により当該援助を受けることを特別遵守事項として定めている場合は、保護観察対象者の意思に反しないことを確認することを要しない。 4 保護観察所の長は、第一項第四号に規定する措置をとったときは、同号に規定する援助の状況を把握するとともに、当該援助を行う者と必要な協議を行うものとする。 5 第五十一条第二項第四号に規定する処遇を受けることを特別遵守事項として定められた保護観察対象者について、第一項第四号に規定する措置をとったときは、当該処遇は、当該保護観察対象者が受けた同号に規定する援助の内容に応じ、その処遇の一部を受け終わったものとして実施することができる。 6 保護観察所の長は、第一項第五号に規定する措置をとる場合において、第三十八条第三項の規定により同項に規定する事項が通知され又は第六十五条第一項の規定により同項に規定する心情等を聴取したときは、当該通知された事項又は当該聴取した心情等を踏まえるものとする。 (補導援護の方法) 第五十八条 保護観察における補導援護は、保護観察対象者が自立した生活を営むことができるようにするため、その自助の責任を踏まえつつ、次に掲げる方法によって行うものとする。 一 適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。 二 医療及び療養を受けることを助けること。 三 職業を補導し、及び就職を助けること。 四 教養訓練の手段を得ることを助けること。 五 生活環境を改善し、及び調整すること。 六 社会生活に適応させるために必要な生活指導を行うこと。 七 前各号に掲げるもののほか、保護観察対象者が健全な社会生活を営むために必要な助言その他の措置をとること。 (保護者に対する措置) 第五十九条 保護観察所の長は、必要があると認めるときは、保護観察に付されている少年(少年法第二条第一項に規定する少年であって、保護観察処分少年又は少年院仮退院者に限る。)の保護者(同条第二項に規定する保護者をいう。)に対し、その少年の監護に関する責任を自覚させ、その改善更生に資するため、指導、助言その他の適当な措置をとることができる。 (保護観察の管轄) 第六十条 保護観察は、保護観察対象者の居住地(住居がないか、又は明らかでないときは、現在地又は明らかである最後の居住地若しくは所在地)を管轄する保護観察所がつかさどる。 (保護観察の実施者) 第六十一条 保護観察における指導監督及び補導援護は、保護観察対象者の特性、とるべき措置の内容その他の事情を勘案し、保護観察官又は保護司をして行わせるものとする。 2 前項の補導援護は、保護観察対象者の改善更生を図るため有効かつ適切であると認められる場合には、更生保護事業法の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者に委託して行うことができる。 (応急の救護) 第六十二条 保護観察所の長は、保護観察対象者が、適切な医療、食事、住居その他の健全な社会生活を営むために必要な手段を得ることができないため、その改善更生が妨げられるおそれがある場合には、当該保護観察対象者が公共の衛生福祉に関する機関その他の機関からその目的の範囲内で必要な応急の救護を得られるよう、これを援護しなければならない。 2 前項の規定による援護によっては必要な応急の救護が得られない場合には、保護観察所の長は、予算の範囲内で、自らその救護を行うものとする。 3 前項の救護は、更生保護事業法の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者に委託して行うことができる。 4 保護観察所の長は、第一項又は第二項の規定による措置をとるに当たっては、保護観察対象者の自助の責任の自覚を損なわないよう配慮しなければならない。 (出頭の命令及び引致) 第六十三条 地方委員会又は保護観察所の長は、その職務を行うため必要があると認めるときは、保護観察対象者に対し、出頭を命ずることができる。 2 保護観察所の長は、保護観察対象者について、次の各号のいずれかに該当すると認める場合には、裁判官のあらかじめ発する引致状により、当該保護観察対象者を引致することができる。 一 正当な理由がないのに、第五十条第一項第四号に規定する住居に居住しないとき(第五十一条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合には、当該場所に宿泊しないとき)。 二 遵守事項を遵守しなかったことを疑うに足りる十分な理由があり、かつ、正当な理由がないのに、前項の規定による出頭の命令に応ぜず、又は応じないおそれがあるとき。 3 地方委員会は、少年院仮退院者又は仮釈放者について、前項各号のいずれかに該当すると認める場合には、裁判官のあらかじめ発する引致状により、当該少年院仮退院者又は仮釈放者を引致することができる。 4 第二項の引致状は保護観察所の長の請求により、前項の引致状は地方委員会の請求により、その所在地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官が発する。 5 第二項又は第三項の引致状は、判事補が一人で発することができる。 6 第二項又は第三項の引致状は、保護観察官に執行させるものとする。 ただし、保護観察官に執行させることが困難であるときは、警察官にその執行を嘱託することができる。 7 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第六十四条、第七十三条第一項前段及び第三項、第七十四条並びに第七十六条第一項本文及び第三項の規定(勾引に関する部分に限る。)は、第二項又は第三項の引致状及びこれらの規定による保護観察対象者の引致について準用する。 この場合において、同法第六十四条第一項中「罪名、公訴事実の要旨」とあり、同法第七十三条第三項中「公訴事実の要旨」とあり、及び同法第七十六条第一項本文中「公訴事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨並びに貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨」とあるのは「引致の理由」と、同法第六十四条第一項中「裁判長又は受命裁判官」とあるのは「裁判官」と、同法第七十四条中「刑事施設」とあるのは「刑事施設又は少年鑑別所」と、同法第七十六条第三項中「告知及び前項の教示」とあるのは「告知」と、「合議体の構成員又は裁判所書記官」とあるのは「地方更生保護委員会が引致した場合においては委員又は保護観察官、保護観察所の長が引致した場合においては保護観察官」と読み替えるものとする。 8 第二項又は第三項の引致状により引致された者については、引致すべき場所に引致された時から二十四時間以内に釈放しなければならない。 ただし、その時間内に第六十八条の三第一項、第七十三条第一項、第七十三条の四第一項、第七十六条第一項又は第八十条第一項の規定によりその者が留置されたときは、この限りでない。 9 地方委員会が行う第一項の規定による命令、第三項の規定による引致に係る判断及び前項本文の規定による釈放に係る判断は、三人の委員をもって構成する合議体(第七十一条の規定による申請、第七十三条の二第一項の決定又は第七十五条第一項の決定をするか否かに関する審理の開始後においては、当該審理を担当する合議体)で行う。 ただし、前項本文の規定による釈放に係る地方委員会の判断については、急速を要するときは、あらかじめ地方委員会が指名する一人の委員で行うことができる。 10 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は前項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は前項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (保護観察のための調査) 第六十四条 保護観察所の長は、保護観察のための調査において、必要があると認めるときは、関係人に対し、質問をし、及び資料の提示を求めることができる。 2 前項の規定による質問及び資料の提示の求めは、保護観察官又は保護司をして行わせるものとする。 3 第二十五条第二項の規定は、第一項の規定による質問及び資料の提示の求めについて準用する。 (被害者等の心情等の聴取及び伝達) 第六十五条 保護観察所の長は、法務省令で定めるところにより、保護観察対象者が刑又は保護処分を言い渡される理由となった犯罪又は刑罰法令に触れる行為に係る被害者等から、被害に関する心情、当該被害者等の置かれている状況又は保護観察対象者の生活若しくは行動に関する意見(以下この条において「心情等」という。)を述べたい旨の申出があったときは、当該心情等を聴取するものとする。 ただし、当該被害に係る事件の性質その他の事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 保護観察所の長は、法務省令で定めるところにより、保護観察対象者について、前項の被害者等から、同項の規定により聴取した心情等の伝達の申出があったときは、当該保護観察対象者に伝達するものとする。 ただし、その伝達をすることが当該保護観察対象者の改善更生を妨げるおそれがあり、又は当該被害に係る事件の性質、保護観察の実施状況その他の事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 3 保護観察所の長は、第一項の被害者等の居住地を管轄する他の保護観察所の長に対し、前二項の申出の受理及び第一項の規定による心情等の聴取に関する事務を嘱託することができる。 この場合において、前項ただし書の規定により当該保護観察所の長が心情等の伝達をしないこととするときは、あらかじめ、当該他の保護観察所の長の意見を聴かなければならない。 第一節の二 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に関する特則 (保護観察の実施方法) 第六十五条の二 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に対する保護観察は、その改善更生を図るためその依存を改善することが重要であることに鑑み、これに資する医療又は援助を行う病院、公共の衛生福祉に関する機関その他の者との緊密な連携を確保しつつ実施しなければならない。 (指導監督の方法) 第六十五条の三 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に対する保護観察における指導監督は、第五十七条第一項に掲げるもののほか、次に掲げる方法によって行うことができる。 一 規制薬物等に対する依存の改善に資する医療を受けるよう、必要な指示その他の措置をとること。 二 公共の衛生福祉に関する機関その他の適当な者が行う規制薬物等に対する依存を改善するための専門的な援助であって法務大臣が定める基準に適合するものを受けるよう、必要な指示その他の措置をとること。 2 第五十七条第三項及び第四項の規定は前項各号に規定する措置について、同条第五項の規定は前項第二号に規定する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条第三項及び第四項中「援助」とあるのは「医療又は援助」と、同条第五項中「第五十一条第二項第四号に規定する処遇」とあるのは「規制薬物等の使用を反復する犯罪的傾向を改善するための第五十一条第二項第四号に規定する処遇」と読み替えるものとする。 第六十五条の四 保護観察所の長は、規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者について、第三十条の規定により病院、公共の衛生福祉に関する機関その他の者に対し病状、治療状況その他の必要な情報の提供を求めるなどして、その保護観察における指導監督が当該保護観察対象者の心身の状況を的確に把握した上で行われるよう必要な措置をとるものとする。 第二節 保護観察処分少年 (少年法第二十四条第一項第一号の保護処分の期間) 第六十六条 保護観察処分少年(少年法第二十四条第一項第一号の保護処分に付されているものに限る。次条及び第六十八条において同じ。)に対する保護観察の期間は、当該保護観察処分少年が二十歳に達するまで(その期間が二年に満たない場合には、二年)とする。 ただし、同条第三項の規定により保護観察の期間が定められたときは、当該期間とする。 (警告及び少年法第二十六条の四第一項の決定の申請) 第六十七条 保護観察所の長は、保護観察処分少年が、遵守事項を遵守しなかったと認めるときは、当該保護観察処分少年に対し、これを遵守するよう警告を発することができる。 2 保護観察所の長は、前項の警告を受けた保護観察処分少年が、なお遵守事項を遵守せず、その程度が重いと認めるときは、少年法第二十六条の四第一項の決定の申請をすることができる。 (家庭裁判所への通告等) 第六十八条 保護観察所の長は、保護観察処分少年について、新たに少年法第三条第一項第三号に掲げる事由があると認めるときは、家庭裁判所に通告することができる。 2 前項の規定による通告があった場合において、当該通告に係る保護観察処分少年が十八歳以上であるときは、これを十八歳に満たない少年法第二条第一項の少年とみなして、同法第二章の規定を適用する。 3 家庭裁判所は、前項の規定により十八歳に満たない少年法第二条第一項の少年とみなされる保護観察処分少年に対して同法第二十四条第一項第一号又は第三号の保護処分をする場合において、当該保護観察処分少年が二十歳以上であるときは、保護処分の決定と同時に、その者が二十三歳を超えない期間内において、保護観察の期間又は少年院に収容する期間を定めなければならない。 (少年法第六十六条第一項の決定の申請) 第六十八条の二 保護観察所の長は、特定保護観察処分少年(保護観察処分少年のうち、少年法第六十四条第一項第二号の保護処分に付されているものをいう。以下同じ。)が、遵守事項を遵守せず、その程度が重いと認めるときは、同法第六十六条第一項の決定の申請をすることができる。 ただし、当該特定保護観察処分少年について、その収容可能期間が満了しているときは、この限りでない。 (留置) 第六十八条の三 保護観察所の長は、第六十三条第二項の引致状により引致した特定保護観察処分少年について、前条の規定による申請をするか否かに関する審理を開始する必要があると認めるときは、当該特定保護観察処分少年を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 前項の規定による留置の期間は、引致すべき場所に引致した日から起算して十日以内とする。 ただし、その期間中であっても、前条の規定による申請をする必要がなくなったときその他留置の必要がなくなったときは、直ちに特定保護観察処分少年を釈放しなければならない。 3 保護観察所の長は、第一項の規定により留置されている特定保護観察処分少年について、前条の規定による申請をしたときは、前項の規定にかかわらず、当該申請に係る家庭裁判所からの決定の通知があるまでの間又は少年法第六十六条第二項の規定によりその例によることとされる同法第十七条第一項第二号の観護の措置がとられるまでの間、継続して留置することができる。 ただし、留置の期間は、通じて二十日を超えることができない。 4 第一項の規定による留置については、審査請求をすることができない。 (収容中の特定保護観察処分少年の保護観察の停止) 第六十八条の四 特定保護観察処分少年について、少年法第六十六条第一項の決定があったときは、第四十七条の二の決定による釈放までの間又は収容可能期間の満了までの間、当該特定保護観察処分少年の保護観察は、停止するものとする。 2 前項の規定により保護観察を停止されている特定保護観察処分少年については、第四十九条、第五十条、第五十一条第一項、第五十二条、第五十三条、第五十六条から第五十八条まで、第六十条から第六十五条の四まで、第六十八条の二、第六十九条及び第七十条の規定は、適用しない。 3 特定保護観察処分少年の保護観察の期間は、少年法第六十六条第一項の決定によってその進行を停止し、第四十七条の二の決定により釈放された時又は収容可能期間が満了した時からその進行を始める。 (収容中の特定保護観察処分少年に係る特別遵守事項の設定等) 第六十八条の五 地方委員会は、少年法第六十六条第一項の決定により少年院に収容されている特定保護観察処分少年(以下「収容中の特定保護観察処分少年」という。)について、第四十七条の二の決定による釈放の時又は収容可能期間の満了の時までに、法務省令で定めるところにより、決定をもって、特別遵守事項を定め、又は変更することができる。 2 地方委員会は、収容中の特定保護観察処分少年について定められている特別遵守事項につき、必要がなくなったと認めるときは、第四十七条の二の決定による釈放までの間又は収容可能期間の満了までの間に、法務省令で定めるところにより、決定をもって、これを取り消すものとする。 3 収容中の特定保護観察処分少年について、少年法第六十六条第一項の決定があったときにその者に対する保護観察をつかさどっていた保護観察所の長(第四十七条の三において準用する第三十九条第三項の規定又は第六十八条の七第一項の規定により当該収容中の特定保護観察処分少年の住居が特定された場合には、その地を管轄する保護観察所の長)は、その保護観察の実施状況その他の事情を考慮し必要があると認めるときは、特別遵守事項の設定、変更又は取消しに関し、地方委員会に対して意見を述べるものとする。 (収容時又は収容中における特定保護観察処分少年に係る少年院の長との連携) 第六十八条の六 特定保護観察処分少年が少年法第六十六条第一項の決定により少年院に収容されたときは、当該決定があったときにその者に対する保護観察をつかさどっていた保護観察所の長は、その保護観察の実施状況その他の事情を考慮し、少年院における矯正教育に関し、少年院の長に対して意見を述べるものとする。 2 前条第三項の保護観察所の長は、収容中の特定保護観察処分少年について、少年院における矯正教育の状況を把握するとともに、必要があると認めるときは、第四十七条の二の決定による釈放後又は収容可能期間の満了後の保護観察の実施に関し、少年院の長の意見を聴くものとする。 (収容中の特定保護観察処分少年の住居の特定) 第六十八条の七 地方委員会は、収容中の特定保護観察処分少年について、収容可能期間の満了の時までに、第八十二条第一項の規定による住居の調整の結果に基づき、法務省令で定めるところにより、決定をもって、その者が居住すべき住居を特定することができる。 2 地方委員会は、前項の決定をした場合において、当該決定を受けた者について、収容可能期間の満了までの間に、当該決定により特定された住居に居住することが相当でないと認められる事情が生じたと認めるときは、法務省令で定めるところにより、決定をもって、住居の特定を取り消すものとする。 3 第三十六条第二項の規定は前二項の決定に関する審理における調査について、第三十七条第二項の規定は当該審理について、それぞれ準用する。 (保護観察の解除) 第六十九条 保護観察所の長は、保護観察処分少年について、保護観察を継続する必要がなくなったと認めるときは、保護観察を解除するものとする。 (保護観察の一時解除) 第七十条 保護観察所の長は、保護観察処分少年について、その改善更生に資すると認めるときは、期間を定めて、保護観察を一時的に解除することができる。 2 前項の規定により保護観察を一時的に解除されている保護観察処分少年については、第四十九条、第五十一条、第五十二条から第五十九条まで、第六十一条、第六十二条、第六十五条から第六十五条の四まで及び第六十七条から第六十八条の二までの規定は、適用しない。 3 第一項の規定により保護観察を一時的に解除されている保護観察処分少年に対する第五十条第一項及び第六十三条の規定の適用については、同項中「以下「一般遵守事項」という」とあるのは「第二号ロ及びハ並びに第三号に掲げる事項を除く」と、同項第二号中「守り、保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受ける」とあるのは「守る」と、同項第五号中「転居(第四十七条の二の決定又は少年法第六十四条第二項の規定により定められた期間(以下「収容可能期間」という。)の満了により釈放された場合に前号の規定により居住することとされている住居に転居する場合を除く。)又は七日以上の旅行」とあるのは「転居」と、第六十三条第二項第二号中「遵守事項」とあるのは「第七十条第三項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項に掲げる事項」とする。 4 第一項の規定による処分があったときは、その処分を受けた保護観察処分少年について定められている特別遵守事項は、その処分と同時に取り消されたものとみなす。 5 保護観察所の長は、第一項の規定により保護観察を一時的に解除されている保護観察処分少年について、再び保護観察を実施する必要があると認めるときは、同項の規定による処分を取り消さなければならない。 6 前項の場合において、保護観察所の長は、保護観察処分少年が第一項の規定により保護観察を一時的に解除されている間に第三項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項に掲げる事項を遵守しなかったことを理由として、第六十七条第一項の規定による警告を発し、又は同条第二項若しくは第六十八条の二の規定による申請をすることができない。 第三節 少年院仮退院者 (少年院への戻し収容の申請) 第七十一条 地方委員会は、保護観察所の長の申出により、少年院仮退院者(少年法第二十四条第一項第三号の保護処分に付されているものに限る。以下この条から第七十三条までにおいて同じ。)が遵守事項を遵守しなかったと認めるときは、当該少年院仮退院者を少年院に送致した家庭裁判所に対し、これを少年院に戻して収容する旨の決定の申請をすることができる。 ただし、二十三歳に達している少年院仮退院者については、少年院法第百三十九条第一項に規定する事由に該当すると認めるときに限る。 (少年院への戻し収容の決定) 第七十二条 前条の申請を受けた家庭裁判所は、当該申請に係る少年院仮退院者について、相当と認めるときは、これを少年院に戻して収容する旨の決定をすることができる。 2 家庭裁判所は、前項の決定をする場合において、二十三歳に満たない少年院仮退院者を二十歳を超えて少年院に収容する必要があると認めるときは、当該決定と同時に、その者が二十三歳を超えない期間内において、少年院に収容する期間を定めることができる。 その者が既に二十歳に達しているときは、当該決定と同時に、二十三歳を超えない期間内において、少年院に収容する期間を定めなければならない。 3 家庭裁判所は、二十三歳に達している少年院仮退院者について第一項の決定をするときは、当該決定と同時に、その者が二十六歳を超えない期間内において、少年院に収容する期間を定めなければならない。 4 家庭裁判所は、第一項の決定に係る事件の審理に当たっては、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識を有する者及び保護観察所の長の意見を聴かなければならない。 5 前三項に定めるもののほか、第一項の決定に係る事件の手続は、その性質に反しない限り、十八歳に満たない少年の保護処分に係る事件の手続の例による。 (留置) 第七十三条 地方委員会は、第六十三条第二項又は第三項の引致状により引致された少年院仮退院者について、第七十一条の申出があり同条の規定による申請をするか否かに関する審理を開始するときは、当該少年院仮退院者を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 前項の規定による留置の期間は、引致すべき場所に引致された日から起算して十日以内とする。 ただし、その期間中であっても、留置の必要がなくなったと認めるときは、直ちに少年院仮退院者を釈放しなければならない。 3 第一項の規定による留置及び前項ただし書の規定による釈放に係る判断は、三人の委員をもって構成する合議体(第七十一条の規定による申請をするか否かに関する審理の開始後においては、当該審理を担当する合議体)で行う。 ただし、急速を要するときは、あらかじめ地方委員会が指名する一人の委員で行うことができる。 4 第六十八条の三第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により留置されている少年院仮退院者及びその留置について準用する。 この場合において、同条第三項中「前条」とあるのは「第七十一条」と、「少年法第六十六条第二項」とあるのは「第七十二条第五項」と読み替えるものとする。 5 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は第三項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は第三項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (少年法第六十四条第一項第三号の保護処分に付されている少年院仮退院者の仮退院の取消し) 第七十三条の二 地方委員会は、保護観察所の長の申出により、少年院仮退院者(少年法第六十四条第一項第三号の保護処分に付されているものに限る。第七十三条の四第一項において同じ。)が遵守事項を遵守せず、少年院に収容するのを相当と認めるときは、決定をもって、第四十一条の規定による仮退院を許す処分を取り消すものとする。 2 前項の規定により仮退院を許す処分が取り消されたときは、仮退院中の日数は、少年法第六十四条第三項の規定により定められた期間に算入するものとする。 (決定の執行) 第七十三条の三 地方委員会は、前条第一項の決定をしたときは、保護観察官をして、その決定を執行させるものとする。 ただし、必要があると認めるときは、刑事施設の長、少年鑑別所の長又は保護観察所の長にその執行を嘱託することができる。 2 地方委員会は、前項の執行のため必要があると認めるときは、前条第一項の決定を受けた者に対し、出頭を命ずることができる。 3 地方委員会は、前条第一項の決定を受けた者について、正当な理由がないのに、前項の規定による出頭の命令に応ぜず、又は応じないおそれがあるときは、裁判官のあらかじめ発する引致状により、当該者を引致することができる。 4 第六十三条第四項から第八項までの規定は、前項の引致状及び同項の規定による前条第一項の決定を受けた者の引致について準用する。 この場合において、第六十三条第四項中「第二項の引致状は保護観察所の長の請求により、前項の引致状は」とあるのは「第七十三条の三第三項の引致状は、」と、同条第七項中「地方更生保護委員会が引致した場合においては委員又は保護観察官、保護観察所の長が引致した場合においては保護観察官」とあるのは「委員又は保護観察官」と、同条第八項ただし書中「第六十八条の三第一項、第七十三条第一項、第七十三条の四第一項、第七十六条第一項又は第八十条第一項の規定によりその者が留置された」とあるのは「第七十三条の三第一項の規定による執行が開始された」と読み替えるものとする。 5 地方委員会が行う第一項の規定による執行に係る判断、第二項の規定による命令、第三項の規定による引致に係る判断及び前項において準用する第六十三条第八項本文の規定による釈放に係る判断は、三人の委員をもって構成する合議体で行う。 ただし、前項において準用する同条第八項本文の規定による釈放に係る地方委員会の判断については、急速を要するときは、あらかじめ地方委員会が指名する一人の委員で行うことができる。 6 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は前項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は前項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (少年法第六十四条第一項第三号の保護処分に付されている少年院仮退院者の留置) 第七十三条の四 地方委員会は、第六十三条第二項又は第三項の引致状により引致された少年院仮退院者について、第七十三条の二第一項の申出があり同項の決定をするか否かに関する審理を開始するときは、当該少年院仮退院者を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 第六十八条の三第四項並びに第七十三条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による留置について準用する。 この場合において、同条第三項中「第七十一条の規定による申請」とあるのは、「第七十三条の二第一項の決定」と読み替えるものとする。 3 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は前項において準用する第七十三条第三項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は前項において準用する第七十三条第三項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (少年院仮退院者の退院を許す処分) 第七十四条 地方委員会は、少年院仮退院者について、保護観察所の長の申出があった場合において、保護観察を継続する必要がなくなったと認めるとき(二十三歳を超える少年院仮退院者については、少年院法第百三十九条第一項に規定する事由に該当しなくなったと認めるときその他保護観察を継続する必要がなくなったと認めるとき)は、決定をもって、退院を許さなければならない。 2 第四十六条第二項の規定は、前項の決定について準用する。 第四節 仮釈放者 (仮釈放の取消し) 第七十五条 刑法第二十九条第一項の規定による仮釈放の取消しは、仮釈放者に対する保護観察をつかさどる保護観察所の所在地を管轄する地方委員会が、決定をもってするものとする。 2 刑法第二十九条第一項第四号に該当することを理由とする前項の決定は、保護観察所の長の申出によらなければならない。 3 刑事訴訟法第四百八十四条から第四百八十九条までの規定は、仮釈放を取り消された者の収容について適用があるものとする。 (留置) 第七十六条 地方委員会は、第六十三条第二項又は第三項の引致状により引致された仮釈放者について、刑法第二十九条第一項第一号から第三号までに該当する場合であって前条第一項の決定をするか否かに関する審理を開始する必要があると認めるとき、又は同条第二項の申出がありその審理を開始するときは、当該仮釈放者を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 前項の規定により仮釈放者が留置された場合において、その者の仮釈放が取り消されたときは、刑法第二十九条第三項の規定にかかわらず、その留置の日数は、刑期に算入するものとする。 3 第六十八条の三第四項並びに第七十三条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による留置について準用する。 この場合において、同条第三項中「第七十一条の規定による申請」とあるのは、「第七十五条第一項の決定」と読み替えるものとする。 4 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は前項において準用する第七十三条第三項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は前項において準用する第七十三条第三項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (保護観察の停止) 第七十七条 地方委員会は、保護観察所の長の申出により、仮釈放者の所在が判明しないため保護観察が実施できなくなったと認めるときは、決定をもって、保護観察を停止することができる。 2 前項の規定により保護観察を停止されている仮釈放者の所在が判明したときは、その所在の地を管轄する地方委員会は、直ちに、決定をもって、その停止を解かなければならない。 3 前項の決定は、急速を要するときは、第二十三条第一項の規定にかかわらず、一人の委員ですることができる。 4 第一項の規定により保護観察を停止されている仮釈放者が第六十三条第二項又は第三項の引致状により引致されたときは、第二項の決定があったものとみなす。 5 仮釈放者の刑期は、第一項の決定によってその進行を停止し、第二項の決定があった時からその進行を始める。 6 地方委員会は、仮釈放者が第一項の規定により保護観察を停止されている間に遵守事項を遵守しなかったことを理由として、仮釈放の取消しをすることができない。 7 地方委員会は、第一項の決定をした後、保護観察の停止の理由がなかったことが明らかになったときは、決定をもって、同項の決定を取り消さなければならない。 8 前項の規定により第一項の決定が取り消された場合における仮釈放者の刑期の計算については、第五項の規定は、適用しない。 (仮釈放者の不定期刑の終了) 第七十八条 地方委員会は、不定期刑に処せられ、仮釈放を許されている者であって、仮釈放前又は仮釈放中にその刑の短期が経過したものについて、保護観察所の長の申出により、刑の執行を終了するのを相当と認めるときは、少年法第五十九条第二項の規定にかかわらず、決定をもって、刑の執行を受け終わったものとしなければならない。 2 第四十六条第二項の規定は、前項の決定について準用する。 第五節 保護観察付執行猶予者 (保護観察付一部猶予者の住居の特定) 第七十八条の二 第六十八条の七第一項及び第二項の規定は、保護観察付一部猶予者について準用する。 この場合において、同条第一項及び第二項中「収容可能期間の満了」とあるのは、「刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始」と読み替えるものとする。 2 第三十六条第二項の規定は前項において準用する第六十八条の七第一項及び第二項の決定に関する審理における調査について、第三十七条第二項の規定は当該審理について、それぞれ準用する。 (検察官への申出) 第七十九条 保護観察所の長は、保護観察付執行猶予者について、刑法第二十六条の二第二号又は第二十七条の五第二号の規定により刑の執行猶予の言渡しを取り消すべきものと認めるときは、刑事訴訟法第三百四十九条第一項に規定する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に対応する検察庁の検察官に対し、書面で、同条第二項に規定する申出をしなければならない。 (留置) 第八十条 保護観察所の長は、第六十三条第二項の引致状により引致した保護観察付執行猶予者について、前条の申出をするか否かに関する審理を開始する必要があると認めるときは、当該保護観察付執行猶予者を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 前項の規定による留置の期間は、引致すべき場所に引致した日から起算して十日以内とする。 ただし、その期間中であっても、前条の申出をする必要がなくなったとき、検察官が刑事訴訟法第三百四十九条第一項の請求をしないことが明らかになったときその他留置の必要がなくなったときは、直ちに保護観察付執行猶予者を釈放しなければならない。 3 第一項の規定により留置されている保護観察付執行猶予者について、刑事訴訟法第三百四十九条第一項の請求があったときは、前項の規定にかかわらず、同法第三百四十九条の二第一項の決定の告知があるまでの間、継続して留置することができる。 ただし、留置の期間は、通じて二十日を超えることができない。 4 刑事訴訟法第三百四十九条の二第二項の規定による口頭弁論の請求があったときは、裁判所は、決定をもって、十日間に限り、前項ただし書の期間を延長することができる。 この場合において、その決定の告知については、同法による決定の告知の例による。 5 第三項に規定する決定が保護観察付執行猶予者の刑の執行猶予の言渡しを取り消すものであるときは、同項の規定にかかわらず、その決定が確定するまでの間、その者を継続して留置することができる。 6 第一項の規定により保護観察付執行猶予者が留置された場合において、その刑の執行猶予の言渡しが取り消されたときは、その留置の日数は、刑期に算入するものとする。 7 第六十八条の三第四項の規定は、第一項の規定による留置について準用する。 (保護観察の仮解除) 第八十一条 刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による保護観察を仮に解除する処分は、保護観察所の長が、保護観察付執行猶予者について、遵守事項及び生活行動指針の遵守状況その他法務省令で定める事項を考慮し、現に健全な生活態度を保持しており、保護観察を仮に解除しても、当該生活態度を保持し、善良な社会の一員として自立し、改善更生することができると認めるときにするものとする。 2 刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定により保護観察を仮に解除されている保護観察付執行猶予者については、第四十九条、第五十一条から第五十八条まで、第六十一条、第六十二条、第六十五条から第六十五条の四まで、第七十九条及び前条の規定は、適用しない。 3 刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定により保護観察を仮に解除されている保護観察付執行猶予者に対する第五十条及び第六十三条の規定の適用については、第五十条第一項中「以下「一般遵守事項」という」とあるのは「第二号ロ及びハ並びに第三号に掲げる事項を除く」と、同項第二号中「守り、保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受ける」とあるのは「守る」と、同項第五号中「転居(第四十七条の二の決定又は少年法第六十四条第二項の規定により定められた期間(以下「収容可能期間」という。)の満了により釈放された場合に前号の規定により居住することとされている住居に転居する場合を除く。)又は七日以上の旅行」とあるのは「転居」と、第六十三条第二項第二号中「遵守事項」とあるのは「第八十一条第三項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項に掲げる事項」とする。 4 第一項に規定する処分があったときは、その処分を受けた保護観察付執行猶予者について定められている特別遵守事項は、その処分と同時に取り消されたものとみなす。 5 保護観察所の長は、刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定により保護観察を仮に解除されている保護観察付執行猶予者について、その行状に鑑み再び保護観察を実施する必要があると認めるときは、これらの規定による処分を取り消さなければならない。 第四章 生活環境の調整 (収容中の者に対する生活環境の調整) 第八十二条 保護観察所の長は、刑の執行のため刑事施設に収容されている者又は刑若しくは保護処分の執行のため少年院に収容されている者(以下「収容中の者」と総称する。)について、その社会復帰を円滑にするため必要があると認めるときは、その者の家族その他の関係人を訪問して協力を求めることその他の方法により、釈放後の住居、就業先その他の生活環境の調整を行うものとする。 2 地方委員会は、前項の規定による調整が有効かつ適切に行われるよう、保護観察所の長に対し、調整を行うべき住居、就業先その他の生活環境に関する事項について必要な指導及び助言を行うほか、同項の規定による調整が複数の保護観察所において行われる場合における当該保護観察所相互間の連絡調整を行うものとする。 3 地方委員会は、前項の措置をとるに当たって必要があると認めるときは、収容中の者との面接、関係人に対する質問その他の方法により、調査を行うことができる。 4 第二十五条第二項及び第三十六条第二項の規定は、前項の調査について準用する。 (保護観察付執行猶予の裁判確定前の生活環境の調整) 第八十三条 保護観察所の長は、刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しを受け、その裁判が確定するまでの者について、保護観察を円滑に開始するため必要があると認めるときは、その者の同意を得て、前条第一項に規定する方法により、その者の住居、就業先その他の生活環境の調整を行うことができる。 (勾留中の被疑者に対する生活環境の調整) 第八十三条の二 保護観察所の長は、勾留されている被疑者であって検察官が罪を犯したと認めたものについて、身体の拘束を解かれた場合の社会復帰を円滑にするため必要があると認めるときは、その者の同意を得て、第八十二条第一項に規定する方法により、釈放後の住居、就業先その他の生活環境の調整を行うことができる。 2 保護観察所の長は、前項の規定による調整を行うに当たっては、同項の被疑者の刑事上の手続に関与している検察官の意見を聴かなければならない。 3 保護観察所の長は、前項に規定する検察官が捜査に支障を生ずるおそれがあり相当でない旨の意見を述べたときは、第一項の規定による調整を行うことができない。 (準用) 第八十四条 第六十一条第一項の規定は、第八十二条第一項、第八十三条及び前条第一項の規定による措置について準用する。 第五章 更生緊急保護等 第一節 更生緊急保護 (更生緊急保護) 第八十五条 この節において「更生緊急保護」とは、次に掲げる者が、刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解かれた後、親族からの援助を受けることができず、若しくは公共の衛生福祉に関する機関その他の機関から医療、宿泊、職業その他の保護を受けることができない場合又はこれらの援助若しくは保護のみによっては改善更生することができないと認められる場合に、緊急に、その者に対し、金品を給与し、又は貸与し、宿泊場所を供与し、宿泊場所への帰住、医療、療養、就職又は教養訓練を助け、職業を補導し、社会生活に適応させるために必要な生活指導を行い、生活環境の改善又は調整を図ること等により、その者が進んで法律を守る善良な社会の一員となることを援護し、その速やかな改善更生を保護することをいう。 一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行を終わった者 二 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行の免除を得た者 三 懲役又は禁錮につき刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、その裁判が確定するまでの者 四 前号に掲げる者のほか、懲役又は禁錮につき刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、保護観察に付されなかった者 五 懲役又は禁錮につき刑の一部の執行猶予の言渡しを受け、その猶予の期間中保護観察に付されなかった者であって、その刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わったもの 六 検察官が直ちに訴追を必要としないと認めた者 七 罰金又は科料の言渡しを受けた者 八 労役場から出場し、又は仮出場を許された者 九 少年院から退院し、又は仮退院を許された者(保護観察に付されている者を除く。) 2 更生緊急保護は、その対象となる者の改善更生のために必要な限度で、国の責任において、行うものとする。 3 更生緊急保護は、保護観察所の長が、自ら行い、又は更生保護事業法の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者に委託して行うものとする。 4 更生緊急保護は、その対象となる者が刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解かれた後六月を超えない範囲内において、その意思に反しない場合に限り、行うものとする。 ただし、その者の改善更生を保護するため特に必要があると認められるときは、第一項の措置のうち、金品の給与又は貸与及び宿泊場所の供与については更に六月を、その他のものについては更に一年六月を、それぞれ超えない範囲内において、これを行うことができる。 5 更生緊急保護を行うに当たっては、その対象となる者が公共の衛生福祉に関する機関その他の機関から必要な保護を受けることができるようあっせんするとともに、更生緊急保護の効率化に努めて、その期間の短縮と費用の節減を図らなければならない。 6 更生緊急保護に関し職業のあっせんの必要があると認められるときは、公共職業安定所は、更生緊急保護を行う者の協力を得て、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)の規定に基づき、更生緊急保護の対象となる者の能力に適当な職業をあっせんすることに努めるものとする。 (更生緊急保護の開始等) 第八十六条 更生緊急保護は、前条第一項各号に掲げる者の申出があった場合において、保護観察所の長がその必要があると認めたときに限り、行うものとする。 収容中の者から申出があり、その者が同項第一号、第二号、第五号又は第九号に掲げる者(第八十八条の二において「刑執行終了者等」という。)に該当することとなった場合において、保護観察所の長が必要があると認めたときも、同様とする。 2 検察官、刑事施設の長又は少年院の長は、前条第一項各号に掲げる者について、刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解く場合において、必要があると認めるときは、その者に対し、この節に定める更生緊急保護の制度及び申出の手続について教示しなければならない。 収容中の者について、必要があると認めるときも、同様とする。 3 保護観察所の長は、更生緊急保護を行う必要があるか否かを判断するに当たっては、その申出をした者の刑事上の手続に関与した検察官又はその者が収容されていた刑事施設(労役場に留置されていた場合には、当該労役場が附置された刑事施設)の長若しくは少年院の長の意見を聴かなければならない。 ただし、仮釈放の期間の満了によって前条第一項第一号に該当した者又は仮退院の終了により同項第九号に該当した者については、この限りでない。 (費用の支弁) 第八十七条 国は、法務大臣が財務大臣と協議して定める基準に従い、第八十五条第三項の規定による委託によって生ずる費用を支弁する。 2 前項に規定する委託は、同項の規定により国が支弁する金額が予算の金額を超えない範囲内においてしなければならない。 第二節 刑執行停止中の者に対する措置 第八十八条 保護観察所の長は、刑事訴訟法第四百八十条又は第四百八十二条の規定により刑の執行を停止されている者について、検察官の請求があったときは、その者に対し、第五十七条第一項(第一号に係る部分に限る。)、第五十八条、第六十一条及び第六十二条の規定の例により、適当と認める指導監督、補導援護並びに応急の救護及びその援護の措置をとることができる。 第五章の二 更生保護に関するその他の援助 (刑執行終了者等に対する援助) 第八十八条の二 保護観察所の長は、刑執行終了者等の改善更生を図るため必要があると認めるときは、その者の意思に反しないことを確認した上で、その者に対し、更生保護に関する専門的知識を活用し、情報の提供、助言その他の必要な援助を行うことができる。 (更生保護に関する地域援助) 第八十八条の三 保護観察所の長は、地域社会における犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生並びに犯罪の予防に寄与するため、地域住民又は関係機関等からの相談に応じ、更生保護に関する専門的知識を活用し、情報の提供、助言その他の必要な援助を行うものとする。 第六章 恩赦の申出 (恩赦の申出) 第八十九条 恩赦法(昭和二十二年法律第二十号)第十二条に規定する審査会の申出は、法務大臣に対してするものとする。 (申出のための調査等) 第九十条 審査会は、前条の申出をする場合には、あらかじめ、申出の対象となるべき者の性格、行状、違法な行為をするおそれの有無、その者に対する社会の感情その他の事項について、必要な調査を行わなければならない。 2 審査会は、刑事施設若しくは少年院に収容されている者又は労役場に留置されている者について、特赦、減刑又は刑の執行の免除の申出をする場合には、その者が、社会の安全及び秩序を脅かすことなく釈放されるに適するかどうかを考慮しなければならない。 第七章 審査請求等 第一節 行政手続法の適用除外 第九十一条 この法律の規定による処分及び行政指導については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章から第四章の二までの規定は、適用しない。 第二節 審査請求 (審査請求) 第九十二条 この法律の規定により地方委員会が決定をもってした処分に不服がある者は、審査会に対し、審査請求をすることができる。 (審査請求書の提出) 第九十三条 刑事施設に収容され、若しくは労役場に留置されている者又は少年院に収容されている者の審査請求は、審査請求書を当該刑事施設(労役場に留置されている場合には、当該労役場が附置された刑事施設。以下この条において同じ。)の長又は少年院の長に提出してすることができる。 2 刑事施設の長又は少年院の長は、前項の規定により審査請求書の提出を受けたときは、直ちに、審査請求書を審査会及び地方委員会に送付しなければならない。 3 第一項の場合における行政不服審査法第十八条の規定による審査請求の期間の計算については、刑事施設の長又は少年院の長に審査請求書を提出した時に審査請求があったものとみなす。 (執行停止) 第九十四条 審査会に対する審査請求に関する行政不服審査法第二十五条第三項の規定の適用については、同項本文中「、処分庁の意見を聴取した上」とあるのは「又は職権で」と、同項ただし書中「処分の効力、処分の執行又は手続の続行」とあるのは「処分の執行」とする。 (裁決をすべき期間) 第九十五条 審査会は、審査請求がされた日(行政不服審査法第二十三条の規定により不備を補正すべきことを命じた場合にあっては、当該不備が補正された日)から六十日以内に裁決をしなければならない。 (審査請求と訴訟との関係) 第九十六条 この法律の規定により地方委員会が決定をもってした処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。 (行政不服審査法の特例) 第九十六条の二 この法律の規定による処分又はその不作為についての審査請求に係る行政不服審査法第三十八条第一項に規定する提出書類等又は同法第七十八条第一項に規定する主張書面若しくは資料であって、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第百二十四条第一項の規定により同法第五章第四節の規定を適用しないこととされた同法第六十条第一項に規定する保有個人情報が記載され、又は記録されたものについての行政不服審査法の規定の適用については、同法第三十八条第一項前段中「又は当該書面若しくは当該書類の写し若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求める」とあるのは「を求める」と、同項後段及び同法第七十八条第一項後段中「閲覧又は交付」とあるのは「閲覧」と、同法第三十八条第二項及び第七十八条第二項中「閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧又は交付」とあるのは「閲覧をさせようとするときは、当該閲覧」と、同条第一項前段中「若しくは資料の閲覧」とあるのは「又は資料の閲覧」と、「又は当該主張書面若しくは当該資料の写し若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求める」とあるのは「を求める」とし、同法第三十八条第四項及び第五項並びに第七十八条第四項及び第五項の規定は、適用しない。 2 第五十二条第一項、第五項又は第六項の規定による保護観察所の長の処分についての審査請求については、行政不服審査法第二章第四節の規定は、適用しない。 第八章 雑則 (記録の保存等) 第九十七条 審査会は特赦、特定の者に対する減刑、刑の執行の免除及び特定の者に対する復権についてした申出に関する記録を、地方委員会はこの法律の規定により決定をもってすることとされている処分に係る審理及び決定に関する記録を、それぞれ、政令で定めるところにより保存しなければならない。 2 審査会及び地方委員会は、前項の記録の閲覧を求める者があるときは、これをその者の閲覧に供さなければならない。 ただし、同項の申出若しくは審理の対象とされた者の改善更生を妨げ、又は関係人の名誉若しくは生活の平穏を害するおそれがあるときは、閲覧を拒むことができる。 (費用の徴収) 第九十八条 保護観察所の長は、第六十一条第二項(第八十八条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定による委託及び第六十二条第二項(第八十八条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定による応急の救護に要した費用並びに第八十七条第一項の費用を、期限を指定して、その費用を要した措置を受けた者又はその扶養義務者から徴収しなければならない。 ただし、これらの者が、その費用を負担することができないと認めるときは、この限りでない。 2 前項の規定による費用の徴収は、徴収されるべき者の居住地又は財産所在地の市町村(特別区を含む。以下同じ。)に嘱託することができる。 3 政府は、前項の規定により、市町村に対し費用の徴収を嘱託した場合においては、その徴収金額の百分の四に相当する金額を、その市町村に交付しなければならない。 4 第二項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 (省令への委任) 第九十九条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、法務省令で定める。 | 刑事 |
Heisei | Act | 419AC0000000088_20250516_505AC0000000028.xml | 平成十九年法律第八十八号 | 2 | 更生保護法
第一章 総則 第一節 目的等 (目的) 第一条 この法律は、犯罪をした者及び非行のある少年に対し、社会内において適切な処遇を行うことにより、再び犯罪をすることを防ぎ、又はその非行をなくし、これらの者が善良な社会の一員として自立し、改善更生することを助けるとともに、恩赦の適正な運用を図るほか、犯罪予防の活動の促進等を行い、もって、社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進することを目的とする。 (国の責務等) 第二条 国は、前条の目的の実現に資する活動であって民間の団体又は個人により自発的に行われるものを促進し、これらの者と連携協力するとともに、更生保護に対する国民の理解を深め、かつ、その協力を得るように努めなければならない。 2 地方公共団体は、前項の活動が地域社会の安全及び住民福祉の向上に寄与するものであることにかんがみ、これに対して必要な協力をすることができる。 3 国民は、前条の目的を達成するため、その地位と能力に応じた寄与をするように努めなければならない。 (運用の基準) 第三条 犯罪をした者又は非行のある少年に対してこの法律の規定によりとる措置は、当該措置を受ける者の性格、年齢、経歴、心身の状況、家庭環境、交友関係、被害者等(犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為により害を被った者(以下この条において「被害者」という。)又はその法定代理人若しくは被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)の被害に関する心情、被害者等の置かれている状況等を十分に考慮して、当該措置を受ける者に最もふさわしい方法により、その改善更生のために必要かつ相当な限度において行うものとする。 第二節 中央更生保護審査会 (設置及び所掌事務) 第四条 法務省に、中央更生保護審査会(以下「審査会」という。)を置く。 2 審査会は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 特赦、特定の者に対する減刑、刑の執行の免除又は特定の者に対する復権の実施についての申出をすること。 二 地方更生保護委員会がした決定について、この法律及び行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の定めるところにより、審査を行い、裁決をすること。 三 前二号に掲げるもののほか、この法律又は他の法律によりその権限に属させられた事項を処理すること。 (審査会の組織) 第五条 審査会は、委員長及び委員四人をもって組織する。 (委員長及び委員の任命) 第六条 委員長及び委員は、優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、法務大臣が任命する。 2 委員長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、法務大臣は、前項の規定にかかわらず、委員長又は委員を任命することができる。 3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。 この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、法務大臣は、その委員長又は委員を罷免しなければならない。 4 委員長及び委員の任命については、そのうち三人以上が同一の政党に属する者となることとなってはならない。 (委員長及び委員の任期) 第七条 委員長及び委員の任期は、三年とする。 ただし、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。 (委員長及び委員の服務等) 第八条 委員のうち二人は、非常勤とする。 2 委員長及び委員は、在任中、政党その他の政治団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。 3 委員長及び常勤の委員は、在任中、法務大臣の許可がある場合を除き、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。 4 委員長及び委員の給与は、別に法律で定める。 (委員長及び委員の罷免) 第九条 法務大臣は、委員長又は委員が破産手続開始の決定を受け、又は禁 錮 こ 以上の刑に処せられたときは、その委員長又は委員を罷免しなければならない。 2 法務大臣は、委員長若しくは委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員長若しくは委員に職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるにふさわしくない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、その委員長又は委員を罷免することができる。 3 法務大臣は、委員長及び委員のうち三人以上が同一の政党に属することとなったときは、同一の政党に属する者が二人になるように、両議院の同意を得て、委員長又は委員を罷免するものとする。 4 前項の規定は、政党所属関係に異動のなかった委員長又は委員の地位に影響を及ぼすものではない。 (委員長) 第十条 委員長は、会務を総理し、審査会を代表する。 2 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長が定める順序により、常勤の委員が委員長の職務を行う。 (会議等) 第十一条 審査会は、委員長が招集する。 2 審査会は、委員長及び半数以上の委員の出席がなければ、議事を開き、議決することができない。 3 審査会の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。 4 審査会がその権能として行う調査又は第四条第二項第二号に規定する審査のための審理は、審査会の指名により、委員長又は一人の委員で行うことができる。 5 委員長に事故がある場合における第二項の規定の適用については、前条第二項の規定により委員長の職務を行う常勤の委員は、委員長とみなす。 (審問) 第十二条 審査会は、その所掌事務に属する事項の調査において、必要があると認めるときは、法務省令で定めるところにより、関係人を呼び出し、審問することができる。 2 前項の規定による呼出しに応じないため再度同項の規定による呼出しを受けた者が、正当な理由がないのにこれに応じないときは、十万円以下の過料に処する。 3 第一項の規定による呼出しに応じた者に対しては、政令で定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料を支給する。 ただし、正当な理由がないのに陳述を拒んだ者に対しては、この限りでない。 (記録等の提出の求め) 第十三条 審査会は、その所掌事務に属する事項の調査において、必要があると認めるときは、裁判所、検察官、刑事施設の長、少年院の長、地方更生保護委員会及び保護観察所の長に対し、記録、書類、意見書及び報告書の提出を求めることができる。 (協力の求め) 第十四条 審査会は、その所掌事務を遂行するため、官公署、学校、病院、公共の衛生福祉に関する機関その他の者(以下「関係機関等」という。)に対し、必要な協力を求めることができる。 (政令への委任) 第十五条 第四条から第十一条までに規定するもののほか、審査会の組織に関し必要な事項は、政令で定める。 第三節 地方更生保護委員会 (所掌事務) 第十六条 地方更生保護委員会(以下「地方委員会」という。)は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二十八条の行政官庁として、仮釈放を許し、又はその処分を取り消すこと。 二 刑法第三十条の行政官庁として、仮出場を許すこと。 三 少年院からの仮退院又は退院を許すこと。 四 少年院からの仮退院中の者について、少年院に戻して収容する旨の決定の申請をし、又は仮退院を許す処分を取り消すこと。 五 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十二条第一項又は同条第一項及び第二項の規定により言い渡された刑(以下「不定期刑」という。)について、その執行を受け終わったものとする処分をすること。 六 保護観察所の事務を監督すること。 七 前各号に掲げるもののほか、この法律又は他の法律によりその権限に属させられた事項を処理すること。 (地方委員会の組織) 第十七条 地方委員会は、三人以上政令で定める人数以内の委員をもって組織する。 (委員の任期) 第十八条 委員の任期は、三年とする。 (委員長) 第十九条 地方委員会に、委員長を置く。 委員長は、委員のうちから法務大臣が命ずる。 2 委員長は、会務を総理し、その地方委員会を代表する。 3 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長が定める順序により、他の委員が委員長の職務を行う。 (事務局) 第二十条 地方委員会に、事務局を置く。 2 事務局の内部組織は、法務省令で定める。 (委員会議) 第二十一条 地方委員会の所掌事務の処理は、第二十三条第一項の規定により三人の委員をもって構成する合議体で権限を行う場合その他法令に特別の定めがある場合を除き、委員の全員をもって構成する会議の議決による。 2 前項の会議は、委員長が招集する。 3 第一項の会議は、委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き、議決することができない。 4 第一項の会議の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。 ただし、五人未満の委員をもって組織される地方委員会において、出席者が二人であるときは、その意見の一致したところによる。 (記録等の提出の求めに関する規定の準用) 第二十二条 第十三条の規定は、前条第一項の会議の調査について準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (合議体) 第二十三条 地方委員会は、次に掲げる事項については、三人の委員をもって構成する合議体で、その権限を行う。 一 この法律又は他の法律の規定により決定をもってすることとされている処分 二 第三十五条第一項(第四十二条及び第四十七条の三において準用する場合を含む。)の規定による審理の開始に係る判断 三 第三十九条第四項(第四十二条及び第四十七条の三において準用する場合を含む。)の規定による審理の再開に係る判断 四 第七十一条の規定による申請 2 前項の合議体の議事は、その構成員の過半数で決する。 3 第一項の合議体がその権能として行う調査は、その構成員である委員又は保護観察官をして行わせることができる。 (合議体による審理) 第二十四条 前条第一項の合議体は、同項第一号に掲げる処分又は同項第四号に掲げる申請をするか否かを判断するには、審理を行わなければならない。 (審理における調査) 第二十五条 第二十三条第一項の合議体は、前条の審理において必要があると認めるときは、審理の対象とされている者(以下「審理対象者」という。)との面接、関係人に対する質問その他の方法により、調査を行うことができる。 2 前項の調査を行う者は、その事務所以外の場所において当該調査を行う場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第十二条及び第十三条の規定は、第一項の調査について準用する。 この場合において、同条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第十二条第一項の規定による呼出し及び審問は、第二十三条第三項の規定にかかわらず、保護観察官をして行わせることができない。 (決定書) 第二十六条 第二十三条第一項の合議体の決定は、決定書を作成してしなければならない。 (決定の告知) 第二十七条 前条の決定は、当該決定の対象とされた者に対し、これを告知することによって、その効力を生ずる。 2 前項の決定の告知は、その対象とされた者に対して当該決定を言い渡し、又は相当と認める方法により決定書の謄本をその者に送付して、行うものとする。 ただし、急速を要するときは、法務省令で定める方法によることができる。 3 第一項の決定の対象とされた者が刑事施設に収容され、若しくは労役場に留置されている場合又は少年院に収容されている場合において、決定書の謄本を当該刑事施設(労役場に留置されている場合には、当該労役場が附置された刑事施設)の長又は少年院の長に送付したときは、当該決定の対象とされた者に対する送付があったものとみなす。 4 決定書の謄本を、第一項の決定の対象とされた者が第五十条第一項第四号の規定により居住すべき住居(第五十一条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所が定められている場合には、当該場所)に宛てて、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして法務大臣が定めるものに付して発送した場合においては、その発送の日から五日を経過した日に当該決定の対象とされた者に対する送付があったものとみなす。 (協力の求めに関する規定の準用) 第二十八条 第十四条の規定は、地方委員会について準用する。 第四節 保護観察所 (所掌事務) 第二十九条 保護観察所は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 保護観察を実施すること。 二 犯罪の予防を図るため、世論を啓発し、社会環境の改善に努め、及び地域住民の活動を促進すること。 三 前二号に掲げるもののほか、この法律その他の法令によりその権限に属させられた事項を処理すること。 (協力等の求め) 第三十条 保護観察所の長は、その所掌事務を遂行するため、関係機関等に対し、必要な援助及び協力を求めることができる。 第五節 保護観察官及び保護司 (保護観察官) 第三十一条 地方委員会の事務局及び保護観察所に、保護観察官を置く。 2 保護観察官は、医学、心理学、教育学、社会学その他の更生保護に関する専門的知識に基づき、保護観察、調査、生活環境の調整その他犯罪をした者及び非行のある少年の更生保護並びに犯罪の予防に関する事務に従事する。 (保護司) 第三十二条 保護司は、保護観察官で十分でないところを補い、地方委員会又は保護観察所の長の指揮監督を受けて、保護司法(昭和二十五年法律第二百四号)の定めるところに従い、それぞれ地方委員会又は保護観察所の所掌事務に従事するものとする。 第二章 仮釈放等 第一節 仮釈放及び仮出場 (法定期間経過の通告) 第三十三条 刑事施設の長又は少年院の長は、懲役又は禁錮の刑の執行のため収容している者について、刑法第二十八条又は少年法第五十八条第一項に規定する期間が経過したときは、その旨を地方委員会に通告しなければならない。 (仮釈放及び仮出場の申出) 第三十四条 刑事施設の長又は少年院の長は、懲役又は禁錮の刑の執行のため収容している者について、前条の期間が経過し、かつ、法務省令で定める基準に該当すると認めるときは、地方委員会に対し、仮釈放を許すべき旨の申出をしなければならない。 2 刑事施設の長は、拘留の刑の執行のため収容している者又は労役場に留置している者について、法務省令で定める基準に該当すると認めるときは、地方委員会に対し、仮出場を許すべき旨の申出をしなければならない。 (申出によらない審理の開始等) 第三十五条 地方委員会は、前条の申出がない場合であっても、必要があると認めるときは、仮釈放又は仮出場を許すか否かに関する審理を開始することができる。 2 地方委員会は、前項の規定により審理を開始するに当たっては、あらかじめ、審理の対象となるべき者が収容されている刑事施設(労役場に留置されている場合には、当該労役場が附置された刑事施設)の長又は少年院の長の意見を聴かなければならない。 第三十六条 地方委員会は、前条第一項の規定により審理を開始するか否かを判断するため必要があると認めるときは、審理の対象となるべき者との面接、関係人に対する質問その他の方法により、調査を行うことができる。 2 前項の調査を行うに当たっては、審理の対象となるべき者が収容されている刑事施設(労役場に留置されている場合には、当該労役場が附置された刑事施設)又は少年院の職員から参考となる事項について聴取し、及びこれらの者に面接への立会いその他の協力を求めることができる。 3 第十三条及び第二十五条第二項の規定は、第一項の調査について準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (仮釈放の審理における委員による面接等) 第三十七条 地方委員会は、仮釈放を許すか否かに関する審理においては、その構成員である委員をして、審理対象者と面接させなければならない。 ただし、その者の重い疾病若しくは傷害により面接を行うことが困難であると認められるとき又は法務省令で定める場合であって面接の必要がないと認められるときは、この限りでない。 2 地方委員会は、仮釈放を許すか否かに関する審理において必要があると認めるときは、審理対象者について、保護観察所の長に対し、事項を定めて、第八十二条第一項の規定による生活環境の調整を行うことを求めることができる。 3 前条第二項の規定は、仮釈放を許すか否かに関する審理における調査について準用する。 (被害者等の意見等の聴取) 第三十八条 地方委員会は、仮釈放を許すか否かに関する審理を行うに当たり、法務省令で定めるところにより、審理対象者が刑を言い渡される理由となった犯罪に係る被害者等から、審理対象者の仮釈放、仮釈放中の保護観察及び第八十二条第一項の規定による生活環境の調整に関する意見並びに被害に関する心情(以下この条において「意見等」という。)を述べたい旨の申出があったときは、当該意見等を聴取するものとする。 ただし、当該被害に係る事件の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 地方委員会は、前項の被害者等の居住地を管轄する保護観察所の長に対し、同項の申出の受理に関する事務及び同項の規定による意見等の聴取を円滑に実施するための事務を嘱託することができる。 3 地方委員会は、第一項の規定により仮釈放中の保護観察に関する意見を聴取した場合において、同項の審理対象者について刑法第二十八条の規定による仮釈放を許す処分をしたときは、当該審理対象者の仮釈放中の保護観察をつかさどることとなる保護観察所の長に対し、当該意見その他の仮釈放中の保護観察の実施に必要な事項を通知するものとする。 4 地方委員会は、第一項の規定により第八十二条第一項の規定による生活環境の調整に関する意見を聴取した場合において、必要があると認めるときは、第一項の審理対象者について同条第一項の規定による生活環境の調整を行う保護観察所の長に対し、当該意見その他の同項の規定による生活環境の調整の実施に必要な事項を通知するものとする。 (仮釈放及び仮出場を許す処分) 第三十九条 刑法第二十八条の規定による仮釈放を許す処分及び同法第三十条の規定による仮出場を許す処分は、地方委員会の決定をもってするものとする。 2 地方委員会は、仮釈放又は仮出場を許す処分をするに当たっては、釈放すべき日を定めなければならない。 3 地方委員会は、仮釈放を許す処分をするに当たっては、第五十一条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定める場合その他特別の事情がある場合を除き、第八十二条第一項の規定による住居の調整の結果に基づき、仮釈放を許される者が居住すべき住居を特定するものとする。 4 地方委員会は、第一項の決定をした場合において、当該決定を受けた者について、その釈放までの間に、刑事施設の規律及び秩序を害する行為をしたこと、予定されていた釈放後の住居、就業先その他の生活環境に著しい変化が生じたことその他その釈放が相当でないと認められる特別の事情が生じたと認めるときは、仮釈放又は仮出場を許すか否かに関する審理を再開しなければならない。 この場合においては、当該決定は、その効力を失う。 5 第三十六条の規定は、前項の規定による審理の再開に係る判断について準用する。 (仮釈放中の保護観察) 第四十条 仮釈放を許された者は、仮釈放の期間中、保護観察に付する。 第二節 少年院からの仮退院 (仮退院を許す処分) 第四十一条 地方委員会は、保護処分の執行のため少年院に収容されている者(第六十八条の五第一項に規定する収容中の特定保護観察処分少年を除く。第四十六条第一項において同じ。)について、少年院法(平成二十六年法律第五十八号)第十六条に規定する処遇の段階が最高段階に達し、仮に退院させることが改善更生のために相当であると認めるとき、その他仮に退院させることが改善更生のために特に必要であると認めるときは、決定をもって、仮退院を許すものとする。 (準用) 第四十二条 第三十五条から第三十八条まで、第三十九条第二項から第五項まで及び第四十条の規定は、少年院からの仮退院について準用する。 この場合において、第三十五条第一項中「前条」とあるのは「少年院法第百三十五条」と、第三十八条第一項中「刑」とあるのは「保護処分」と、「犯罪」とあるのは「犯罪又は刑罰法令に触れる行為」と読み替えるものとする。 第三節 収容中の者の不定期刑の終了 (刑事施設等に収容中の者の不定期刑の終了の申出) 第四十三条 刑事施設の長又は少年院の長は、不定期刑の執行のため収容している者について、その刑の短期が経過し、かつ、刑の執行を終了するのを相当と認めるときは、地方委員会に対し、刑の執行を受け終わったものとすべき旨の申出をしなければならない。 (刑事施設等に収容中の者の不定期刑の終了の処分) 第四十四条 地方委員会は、前条に規定する者について、同条の申出があった場合において、刑の執行を終了するのを相当と認めるときは、決定をもって、刑の執行を受け終わったものとしなければならない。 2 地方委員会は、前項の決定をしたときは、速やかに、その対象とされた者が収容されている刑事施設の長又は少年院の長に対し、その旨を書面で通知するとともに、当該決定を受けた者に対し、当該決定をした旨の証明書を交付しなければならない。 3 第一項の決定の対象とされた者の刑期は、前項の通知が刑事施設又は少年院に到達した日に終了するものとする。 (準用) 第四十五条 第三十七条の規定は、前条第一項の決定をするか否かに関する審理について準用する。 第四節 収容中の者の退院 (少年法第二十四条第一項第三号又は第六十四条第一項第三号の保護処分の執行のため少年院に収容中の者の退院を許す処分) 第四十六条 地方委員会は、保護処分の執行のため少年院に収容されている者について、少年院の長の申出があった場合において、退院させてその保護処分を終了させるのを相当と認めるとき(二十三歳を超えて少年院に収容されている者については、少年院法第百三十九条第一項に規定する事由に該当しなくなったと認めるときその他退院させてその保護処分を終了させるのを相当と認めるとき)は、決定をもって、これを許さなければならない。 2 地方委員会は、前項の決定をしたときは、当該決定を受けた者に対し、当該決定をした旨の証明書を交付しなければならない。 (準用) 第四十七条 第三十七条の規定は、前条第一項の決定をするか否かに関する審理について準用する。 (収容中の特定保護観察処分少年の退院を許す処分) 第四十七条の二 地方委員会は、第六十八条の五第一項に規定する収容中の特定保護観察処分少年について、少年院法第十六条に規定する処遇の段階が最高段階に達し、退院させて再び保護観察を実施することが改善更生のために相当であると認めるとき、その他退院させて再び保護観察を実施することが改善更生のために特に必要であると認めるときは、決定をもって、その退院を許すものとする。 (準用) 第四十七条の三 第三十五条、第三十六条、第三十七条第二項及び第三項、第三十八条並びに第三十九条第二項から第五項までの規定は、前条の規定による少年院からの退院について準用する。 この場合において、第三十五条第一項中「前条」とあるのは「少年院法第百三十六条の二」と、第三十八条第一項中「刑」とあるのは「保護処分」と、「犯罪」とあるのは「犯罪又は刑罰法令に触れる行為」と、第三十九条第三項中「ものとする」とあるのは「ことができる」と読み替えるものとする。 第三章 保護観察 第一節 通則 (保護観察の対象者) 第四十八条 次に掲げる者(以下「保護観察対象者」という。)に対する保護観察の実施については、この章の定めるところによる。 一 少年法第二十四条第一項第一号又は第六十四条第一項第一号若しくは第二号の保護処分に付されている者(以下「保護観察処分少年」という。) 二 少年院からの仮退院を許されて第四十二条において準用する第四十条の規定により保護観察に付されている者(以下「少年院仮退院者」という。) 三 仮釈放を許されて第四十条の規定により保護観察に付されている者(以下「仮釈放者」という。) 四 刑法第二十五条の二第一項若しくは第二十七条の三第一項又は薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(平成二十五年法律第五十号)第四条第一項の規定により保護観察に付されている者(以下「保護観察付執行猶予者」という。) (保護観察の実施方法) 第四十九条 保護観察は、保護観察対象者の改善更生を図ることを目的として、その犯罪又は非行に結び付く要因及び改善更生に資する事項を的確に把握しつつ、第五十七条及び第六十五条の三第一項に規定する指導監督並びに第五十八条に規定する補導援護を行うことにより実施するものとする。 2 保護観察処分少年又は少年院仮退院者に対する保護観察は、保護処分の趣旨を踏まえ、その者の健全な育成を期して実施しなければならない。 3 保護観察所の長は、保護観察を適切に実施するため、保護観察対象者の改善更生に資する援助を行う関係機関等に対し第三十条の規定により必要な情報の提供を求めるなどして、当該関係機関等との間の緊密な連携の確保に努めるものとする。 (一般遵守事項) 第五十条 保護観察対象者は、次に掲げる事項(以下「一般遵守事項」という。)を遵守しなければならない。 一 再び犯罪をすることがないよう、又は非行をなくすよう健全な生活態度を保持すること。 二 次に掲げる事項を守り、保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受けること。 イ 保護観察官又は保護司の呼出し又は訪問を受けたときは、これに応じ、面接を受けること。 ロ 保護観察官又は保護司から、労働又は通学の状況、収入又は支出の状況、家庭環境、交友関係その他の生活の実態を示す事実であって指導監督を行うため把握すべきものを明らかにするよう求められたときは、これに応じ、その事実を申告し、又はこれに関する資料を提示すること。 ハ 保護観察官又は保護司から、健全な生活態度を保持するために実行し、又は継続している行動の状況、特定の犯罪的傾向を改善するための専門的な援助を受けることに関してとった行動の状況、被害者等の被害を回復し、又は軽減するためにとった行動の状況その他の行動の状況を示す事実であって指導監督を行うため把握すべきものを明らかにするよう求められたときは、これに応じ、その事実を申告し、又はこれに関する資料を提示すること。 三 保護観察に付されたときは、速やかに、住居を定め、その地を管轄する保護観察所の長にその届出をすること(第三十九条第三項(第四十二条において準用する場合を含む。)又は第七十八条の二第一項において準用する第六十八条の七第一項の規定により住居を特定された場合及び次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除く。)。 四 前号の届出に係る住居(第三十九条第三項(第四十二条及び第四十七条の三において準用する場合を含む。)又は第六十八条の七第一項(第七十八条の二第一項において準用する場合を含む。)の規定により住居を特定された場合には当該住居、次号の転居の許可を受けた場合には当該許可に係る住居)に居住すること(次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除く。)。 五 転居(第四十七条の二の決定又は少年法第六十四条第二項の規定により定められた期間(以下「収容可能期間」という。)の満了により釈放された場合に前号の規定により居住することとされている住居に転居する場合を除く。)又は七日以上の旅行をするときは、あらかじめ、保護観察所の長の許可を受けること。 2 刑法第二十七条の三第一項又は薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しを受けた者(以下「保護観察付一部猶予者」という。)が仮釈放中の保護観察に引き続きこれらの規定による保護観察に付されたときは、第七十八条の二第一項において準用する第六十八条の七第一項の規定により住居を特定された場合及び次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除き、仮釈放中の保護観察の終了時に居住することとされていた前項第三号の届出に係る住居(第三十九条第三項の規定により住居を特定された場合には当該住居、前項第五号の転居の許可を受けた場合には当該許可に係る住居)につき、同項第三号の届出をしたものとみなす。 (特別遵守事項) 第五十一条 保護観察対象者は、一般遵守事項のほか、遵守すべき特別の事項(以下「特別遵守事項」という。)が定められたときは、これを遵守しなければならない。 2 特別遵守事項は、次条に定める場合を除き、第五十二条の定めるところにより、これに違反した場合に第七十二条第一項及び第七十三条の二第一項、刑法第二十六条の二、第二十七条の五及び第二十九条第一項並びに少年法第二十六条の四第一項及び第六十六条第一項に規定する処分がされることがあることを踏まえ、次に掲げる事項について、保護観察対象者の改善更生のために特に必要と認められる範囲内において、具体的に定めるものとする。 一 犯罪性のある者との交際、いかがわしい場所への出入り、遊興による浪費、過度の飲酒その他の犯罪又は非行に結び付くおそれのある特定の行動をしてはならないこと。 二 労働に従事すること、通学することその他の再び犯罪をすることがなく又は非行のない健全な生活態度を保持するために必要と認められる特定の行動を実行し、又は継続すること。 三 七日未満の旅行、離職、身分関係の異動その他の指導監督を行うため事前に把握しておくことが特に重要と認められる生活上又は身分上の特定の事項について、緊急の場合を除き、あらかじめ、保護観察官又は保護司に申告すること。 四 医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識に基づく特定の犯罪的傾向を改善するための体系化された手順による処遇として法務大臣が定めるものを受けること。 五 法務大臣が指定する施設、保護観察対象者を監護すべき者の居宅その他の改善更生のために適当と認められる特定の場所であって、宿泊の用に供されるものに一定の期間宿泊して指導監督を受けること。 六 善良な社会の一員としての意識の 涵 かん 養及び規範意識の向上に資する地域社会の利益の増進に寄与する社会的活動を一定の時間行うこと。 七 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者が行う特定の犯罪的傾向を改善するための専門的な援助であって法務大臣が定める基準に適合するものを受けること。 八 その他指導監督を行うため特に必要な事項 (特別遵守事項の特則) 第五十一条の二 薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しを受けた者については、次条第四項の定めるところにより、規制薬物等(同法第二条第一項に規定する規制薬物等をいう。以下同じ。)の使用を反復する犯罪的傾向を改善するための前条第二項第四号に規定する処遇を受けることを猶予期間中の保護観察における特別遵守事項として定めなければならない。 ただし、これに違反した場合に刑法第二十七条の五に規定する処分がされることがあることを踏まえ、その改善更生のために特に必要とは認められないときは、この限りでない。 2 第四項の場合を除き、前項の規定により定められた猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に取り消す場合における第五十三条第四項の規定の適用については、同項中「必要」とあるのは、「特に必要」とする。 3 第一項の規定は、同項に規定する者について、次条第二項及び第三項の定めるところにより仮釈放中の保護観察における特別遵守事項を釈放の時までに定める場合に準用する。 この場合において、第一項ただし書中「第二十七条の五」とあるのは、「第二十九条第一項」と読み替えるものとする。 4 第一項に規定する者について、仮釈放を許す旨の決定をした場合においては、前項の規定による仮釈放中の保護観察における特別遵守事項の設定及び第一項の規定による猶予期間中の保護観察における特別遵守事項の設定は、釈放の時までに行うものとする。 5 前項の場合において、第三項において準用する第一項の規定により定められた仮釈放中の保護観察における特別遵守事項を釈放までの間に取り消す場合における第五十三条第二項の規定の適用については、同項中「必要」とあるのは、「特に必要」とし、第一項の規定により定められた猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を釈放までの間に取り消す場合における同条第四項の規定の適用については、同項中「刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に、必要」とあるのは、「釈放までの間に、特に必要」とする。 (特別遵守事項の設定及び変更) 第五十二条 保護観察所の長は、保護観察処分少年について、法務省令で定めるところにより、少年法第二十四条第一項第一号又は第六十四条第一項第一号若しくは第二号の保護処分をした家庭裁判所の意見を聴き、これに基づいて、特別遵守事項を定めることができる。 これを変更するときも、同様とする。 2 地方委員会は、少年院仮退院者又は仮釈放者について、保護観察所の長の申出により、法務省令で定めるところにより、決定をもって、特別遵守事項を定めることができる。 保護観察所の長の申出により、これを変更するときも、同様とする。 3 前項の場合において、少年院からの仮退院又は仮釈放を許す旨の決定による釈放の時までに特別遵守事項を定め、又は変更するときは、保護観察所の長の申出を要しないものとする。 4 地方委員会は、保護観察付一部猶予者について、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始の時までに、法務省令で定めるところにより、決定をもって、特別遵守事項(猶予期間中の保護観察における特別遵守事項に限る。以下この項及び次条第四項において同じ。)を定め、又は変更することができる。 この場合において、仮釈放中の保護観察付一部猶予者について、特別遵守事項を定め、又は変更するときは、保護観察所の長の申出によらなければならない。 5 保護観察所の長は、刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付されている保護観察付執行猶予者について、その保護観察の開始に際し、法務省令で定めるところにより、同項の規定により保護観察に付する旨の言渡しをした裁判所の意見を聴き、これに基づいて、特別遵守事項を定めることができる。 6 保護観察所の長は、前項の場合のほか、保護観察付執行猶予者について、法務省令で定めるところにより、当該保護観察所の所在地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に対し、定めようとする又は変更しようとする特別遵守事項の内容を示すとともに、必要な資料を提示して、その意見を聴いた上、特別遵守事項を定め、又は変更することができる。 ただし、当該裁判所が不相当とする旨の意見を述べたものについては、この限りでない。 (特別遵守事項の取消し) 第五十三条 保護観察所の長は、保護観察処分少年又は保護観察付執行猶予者について定められている特別遵守事項(遵守すべき期間が定められている特別遵守事項であって当該期間が満了したものその他その性質上一定の事実が生ずるまでの間遵守すべきこととされる特別遵守事項であって当該事実が生じたものを除く。以下この条において同じ。)につき、必要がなくなったと認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを取り消すものとする。 2 地方委員会は、保護観察所の長の申出により、少年院仮退院者又は仮釈放者について定められている特別遵守事項につき、必要がなくなったと認めるときは、法務省令で定めるところにより、決定をもって、これを取り消すものとする。 3 前条第三項の規定は、前項の規定により特別遵守事項を取り消す場合について準用する。 4 地方委員会は、保護観察付一部猶予者について定められている特別遵守事項につき、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に、必要がなくなったと認めるときは、法務省令で定めるところにより、決定をもって、これを取り消すものとする。 この場合において、仮釈放中の保護観察付一部猶予者について定められている特別遵守事項を取り消すときは、保護観察所の長の申出によらなければならない。 (一般遵守事項の通知) 第五十四条 保護観察所の長は、少年法第二十四条第一項第一号若しくは第六十四条第一項第一号若しくは第二号の保護処分があったとき又は刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しがあったときは、法務省令で定めるところにより、保護観察処分少年又は保護観察付執行猶予者に対し、一般遵守事項の内容を記載した書面を交付しなければならない。 2 刑事施設の長又は少年院の長は、第三十九条第一項の決定により懲役若しくは禁錮の刑の執行のため収容している者を釈放するとき、刑の一部の執行猶予の言渡しを受けてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったこと(その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった時に他に執行すべき懲役又は禁錮の刑があるときは、その刑の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなったこと。次条第二項において同じ。)により保護観察付一部猶予者を釈放するとき、又は第四十一条若しくは第四十七条の二の決定若しくは収容可能期間の満了により保護処分の執行のため収容している者を釈放するときは、法務省令で定めるところにより、その者に対し、一般遵守事項の内容を記載した書面を交付しなければならない。 (特別遵守事項の通知) 第五十五条 保護観察所の長は、保護観察対象者について、特別遵守事項が定められ、又は変更されたときは、法務省令で定めるところにより、当該保護観察対象者に対し、当該特別遵守事項の内容を記載した書面を交付しなければならない。 ただし、次項に規定する場合については、この限りでない。 2 刑事施設の長又は少年院の長は、懲役若しくは禁錮の刑の執行のため収容している者について第三十九条第一項の決定による釈放の時までに特別遵守事項(その者が保護観察付一部猶予者である場合には、猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を含む。)が定められたとき、保護観察付一部猶予者についてその刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、若しくはその執行を受けることがなくなったことによる釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき、又は保護処分の執行のため収容している者について第四十一条の決定による釈放の時までに特別遵守事項が定められたとき、若しくは第四十七条の二の決定若しくは収容可能期間の満了による釈放の時までに特別遵守事項が定められたときは、法務省令で定めるところにより、その釈放の時に当該特別遵守事項(釈放の時までに変更された場合には、変更後のもの)の内容を記載した書面を交付しなければならない。 ただし、その釈放の時までに当該特別遵守事項が取り消されたときは、この限りでない。 (生活行動指針) 第五十六条 保護観察所の長は、保護観察対象者について、保護観察における指導監督を適切に行うため必要があると認めるときは、法務省令で定めるところにより、当該保護観察対象者の改善更生に資する生活又は行動の指針(以下「生活行動指針」という。)を定めることができる。 2 保護観察所の長は、前項の規定により生活行動指針を定めたときは、法務省令で定めるところにより、保護観察対象者に対し、当該生活行動指針の内容を記載した書面を交付しなければならない。 3 保護観察対象者は、第一項の規定により生活行動指針が定められたときは、これに即して生活し、及び行動するよう努めなければならない。 (指導監督の方法) 第五十七条 保護観察における指導監督は、次に掲げる方法によって行うものとする。 一 面接その他の適当な方法により保護観察対象者と接触を保ち、その行状を把握すること。 二 保護観察対象者が一般遵守事項及び特別遵守事項(以下「遵守事項」という。)を遵守し、並びに生活行動指針に即して生活し、及び行動するよう、必要な指示その他の措置をとること(第四号に定めるものを除く。)。 三 特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を実施すること。 四 保護観察対象者が、更生保護事業法の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者が行う特定の犯罪的傾向を改善するための専門的な援助であって法務大臣が定める基準に適合するものを受けるよう、必要な指示その他の措置をとること。 五 保護観察対象者が、当該保護観察対象者が刑又は保護処分を言い渡される理由となった犯罪又は刑罰法令に触れる行為に係る被害者等の被害の回復又は軽減に誠実に努めるよう、必要な指示その他の措置をとること。 2 保護観察所の長は、前項の指導監督を適切に行うため特に必要があると認めるときは、保護観察対象者に対し、当該指導監督に適した宿泊場所を供与することができる。 3 保護観察所の長は、第一項第四号に規定する措置をとろうとするときは、あらかじめ、同号に規定する援助を受けることが保護観察対象者の意思に反しないことを確認するとともに、当該援助を提供することについて、これを行う者に協議しなければならない。 ただし、第五十一条第二項第七号の規定により当該援助を受けることを特別遵守事項として定めている場合は、保護観察対象者の意思に反しないことを確認することを要しない。 4 保護観察所の長は、第一項第四号に規定する措置をとったときは、同号に規定する援助の状況を把握するとともに、当該援助を行う者と必要な協議を行うものとする。 5 第五十一条第二項第四号に規定する処遇を受けることを特別遵守事項として定められた保護観察対象者について、第一項第四号に規定する措置をとったときは、当該処遇は、当該保護観察対象者が受けた同号に規定する援助の内容に応じ、その処遇の一部を受け終わったものとして実施することができる。 6 保護観察所の長は、第一項第五号に規定する措置をとる場合において、第三十八条第三項の規定により同項に規定する事項が通知され又は第六十五条第一項の規定により同項に規定する心情等を聴取したときは、当該通知された事項又は当該聴取した心情等を踏まえるものとする。 (補導援護の方法) 第五十八条 保護観察における補導援護は、保護観察対象者が自立した生活を営むことができるようにするため、その自助の責任を踏まえつつ、次に掲げる方法によって行うものとする。 一 適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。 二 医療及び療養を受けることを助けること。 三 職業を補導し、及び就職を助けること。 四 教養訓練の手段を得ることを助けること。 五 生活環境を改善し、及び調整すること。 六 社会生活に適応させるために必要な生活指導を行うこと。 七 前各号に掲げるもののほか、保護観察対象者が健全な社会生活を営むために必要な助言その他の措置をとること。 (保護者に対する措置) 第五十九条 保護観察所の長は、必要があると認めるときは、保護観察に付されている少年(少年法第二条第一項に規定する少年であって、保護観察処分少年又は少年院仮退院者に限る。)の保護者(同条第二項に規定する保護者をいう。)に対し、その少年の監護に関する責任を自覚させ、その改善更生に資するため、指導、助言その他の適当な措置をとることができる。 (保護観察の管轄) 第六十条 保護観察は、保護観察対象者の居住地(住居がないか、又は明らかでないときは、現在地又は明らかである最後の居住地若しくは所在地)を管轄する保護観察所がつかさどる。 (保護観察の実施者) 第六十一条 保護観察における指導監督及び補導援護は、保護観察対象者の特性、とるべき措置の内容その他の事情を勘案し、保護観察官又は保護司をして行わせるものとする。 2 前項の補導援護は、保護観察対象者の改善更生を図るため有効かつ適切であると認められる場合には、更生保護事業法の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者に委託して行うことができる。 (応急の救護) 第六十二条 保護観察所の長は、保護観察対象者が、適切な医療、食事、住居その他の健全な社会生活を営むために必要な手段を得ることができないため、その改善更生が妨げられるおそれがある場合には、当該保護観察対象者が公共の衛生福祉に関する機関その他の機関からその目的の範囲内で必要な応急の救護を得られるよう、これを援護しなければならない。 2 前項の規定による援護によっては必要な応急の救護が得られない場合には、保護観察所の長は、予算の範囲内で、自らその救護を行うものとする。 3 前項の救護は、更生保護事業法の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者に委託して行うことができる。 4 保護観察所の長は、第一項又は第二項の規定による措置をとるに当たっては、保護観察対象者の自助の責任の自覚を損なわないよう配慮しなければならない。 (出頭の命令及び引致) 第六十三条 地方委員会又は保護観察所の長は、その職務を行うため必要があると認めるときは、保護観察対象者に対し、出頭を命ずることができる。 2 保護観察所の長は、保護観察対象者について、次の各号のいずれかに該当すると認める場合には、裁判官のあらかじめ発する引致状により、当該保護観察対象者を引致することができる。 一 正当な理由がないのに、第五十条第一項第四号に規定する住居に居住しないとき(第五十一条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合には、当該場所に宿泊しないとき)。 二 遵守事項を遵守しなかったことを疑うに足りる十分な理由があり、かつ、正当な理由がないのに、前項の規定による出頭の命令に応ぜず、又は応じないおそれがあるとき。 3 地方委員会は、少年院仮退院者又は仮釈放者について、前項各号のいずれかに該当すると認める場合には、裁判官のあらかじめ発する引致状により、当該少年院仮退院者又は仮釈放者を引致することができる。 4 第二項の引致状は保護観察所の長の請求により、前項の引致状は地方委員会の請求により、その所在地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官が発する。 5 第二項又は第三項の引致状は、判事補が一人で発することができる。 6 第二項又は第三項の引致状は、保護観察官に執行させるものとする。 ただし、保護観察官に執行させることが困難であるときは、警察官にその執行を嘱託することができる。 7 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第六十四条、第七十三条第一項前段及び第三項、第七十四条並びに第七十六条第一項本文及び第三項の規定(勾引に関する部分に限る。)は、第二項又は第三項の引致状及びこれらの規定による保護観察対象者の引致について準用する。 この場合において、同法第六十四条第一項中「罪名、公訴事実の要旨」とあり、同法第七十三条第三項中「公訴事実の要旨」とあり、及び同法第七十六条第一項本文中「公訴事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨並びに貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨」とあるのは「引致の理由」と、同法第六十四条第一項中「裁判長又は受命裁判官」とあるのは「裁判官」と、同法第七十四条中「刑事施設」とあるのは「刑事施設又は少年鑑別所」と、同法第七十六条第三項中「告知及び前項の教示」とあるのは「告知」と、「合議体の構成員又は裁判所書記官」とあるのは「地方更生保護委員会が引致した場合においては委員又は保護観察官、保護観察所の長が引致した場合においては保護観察官」と読み替えるものとする。 8 第二項又は第三項の引致状により引致された者については、引致すべき場所に引致された時から二十四時間以内に釈放しなければならない。 ただし、その時間内に第六十八条の三第一項、第七十三条第一項、第七十三条の四第一項、第七十六条第一項又は第八十条第一項の規定によりその者が留置されたときは、この限りでない。 9 地方委員会が行う第一項の規定による命令、第三項の規定による引致に係る判断及び前項本文の規定による釈放に係る判断は、三人の委員をもって構成する合議体(第七十一条の規定による申請、第七十三条の二第一項の決定又は第七十五条第一項の決定をするか否かに関する審理の開始後においては、当該審理を担当する合議体)で行う。 ただし、前項本文の規定による釈放に係る地方委員会の判断については、急速を要するときは、あらかじめ地方委員会が指名する一人の委員で行うことができる。 10 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は前項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は前項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (保護観察のための調査) 第六十四条 保護観察所の長は、保護観察のための調査において、必要があると認めるときは、関係人に対し、質問をし、及び資料の提示を求めることができる。 2 前項の規定による質問及び資料の提示の求めは、保護観察官又は保護司をして行わせるものとする。 3 第二十五条第二項の規定は、第一項の規定による質問及び資料の提示の求めについて準用する。 (被害者等の心情等の聴取及び伝達) 第六十五条 保護観察所の長は、法務省令で定めるところにより、保護観察対象者が刑又は保護処分を言い渡される理由となった犯罪又は刑罰法令に触れる行為に係る被害者等から、被害に関する心情、当該被害者等の置かれている状況又は保護観察対象者の生活若しくは行動に関する意見(以下この条において「心情等」という。)を述べたい旨の申出があったときは、当該心情等を聴取するものとする。 ただし、当該被害に係る事件の性質その他の事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 2 保護観察所の長は、法務省令で定めるところにより、保護観察対象者について、前項の被害者等から、同項の規定により聴取した心情等の伝達の申出があったときは、当該保護観察対象者に伝達するものとする。 ただし、その伝達をすることが当該保護観察対象者の改善更生を妨げるおそれがあり、又は当該被害に係る事件の性質、保護観察の実施状況その他の事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。 3 保護観察所の長は、第一項の被害者等の居住地を管轄する他の保護観察所の長に対し、前二項の申出の受理及び第一項の規定による心情等の聴取に関する事務を嘱託することができる。 この場合において、前項ただし書の規定により当該保護観察所の長が心情等の伝達をしないこととするときは、あらかじめ、当該他の保護観察所の長の意見を聴かなければならない。 第一節の二 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に関する特則 (保護観察の実施方法) 第六十五条の二 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に対する保護観察は、その改善更生を図るためその依存を改善することが重要であることに鑑み、これに資する医療又は援助を行う病院、公共の衛生福祉に関する機関その他の者との緊密な連携を確保しつつ実施しなければならない。 (指導監督の方法) 第六十五条の三 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に対する保護観察における指導監督は、第五十七条第一項に掲げるもののほか、次に掲げる方法によって行うことができる。 一 規制薬物等に対する依存の改善に資する医療を受けるよう、必要な指示その他の措置をとること。 二 公共の衛生福祉に関する機関その他の適当な者が行う規制薬物等に対する依存を改善するための専門的な援助であって法務大臣が定める基準に適合するものを受けるよう、必要な指示その他の措置をとること。 2 第五十七条第三項及び第四項の規定は前項各号に規定する措置について、同条第五項の規定は前項第二号に規定する措置について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条第三項及び第四項中「援助」とあるのは「医療又は援助」と、同条第五項中「第五十一条第二項第四号に規定する処遇」とあるのは「規制薬物等の使用を反復する犯罪的傾向を改善するための第五十一条第二項第四号に規定する処遇」と読み替えるものとする。 第六十五条の四 保護観察所の長は、規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者について、第三十条の規定により病院、公共の衛生福祉に関する機関その他の者に対し病状、治療状況その他の必要な情報の提供を求めるなどして、その保護観察における指導監督が当該保護観察対象者の心身の状況を的確に把握した上で行われるよう必要な措置をとるものとする。 第二節 保護観察処分少年 (少年法第二十四条第一項第一号の保護処分の期間) 第六十六条 保護観察処分少年(少年法第二十四条第一項第一号の保護処分に付されているものに限る。次条及び第六十八条において同じ。)に対する保護観察の期間は、当該保護観察処分少年が二十歳に達するまで(その期間が二年に満たない場合には、二年)とする。 ただし、同条第三項の規定により保護観察の期間が定められたときは、当該期間とする。 (警告及び少年法第二十六条の四第一項の決定の申請) 第六十七条 保護観察所の長は、保護観察処分少年が、遵守事項を遵守しなかったと認めるときは、当該保護観察処分少年に対し、これを遵守するよう警告を発することができる。 2 保護観察所の長は、前項の警告を受けた保護観察処分少年が、なお遵守事項を遵守せず、その程度が重いと認めるときは、少年法第二十六条の四第一項の決定の申請をすることができる。 (家庭裁判所への通告等) 第六十八条 保護観察所の長は、保護観察処分少年について、新たに少年法第三条第一項第三号に掲げる事由があると認めるときは、家庭裁判所に通告することができる。 2 前項の規定による通告があった場合において、当該通告に係る保護観察処分少年が十八歳以上であるときは、これを十八歳に満たない少年法第二条第一項の少年とみなして、同法第二章の規定を適用する。 3 家庭裁判所は、前項の規定により十八歳に満たない少年法第二条第一項の少年とみなされる保護観察処分少年に対して同法第二十四条第一項第一号又は第三号の保護処分をする場合において、当該保護観察処分少年が二十歳以上であるときは、保護処分の決定と同時に、その者が二十三歳を超えない期間内において、保護観察の期間又は少年院に収容する期間を定めなければならない。 (少年法第六十六条第一項の決定の申請) 第六十八条の二 保護観察所の長は、特定保護観察処分少年(保護観察処分少年のうち、少年法第六十四条第一項第二号の保護処分に付されているものをいう。以下同じ。)が、遵守事項を遵守せず、その程度が重いと認めるときは、同法第六十六条第一項の決定の申請をすることができる。 ただし、当該特定保護観察処分少年について、その収容可能期間が満了しているときは、この限りでない。 (留置) 第六十八条の三 保護観察所の長は、第六十三条第二項の引致状により引致した特定保護観察処分少年について、前条の規定による申請をするか否かに関する審理を開始する必要があると認めるときは、当該特定保護観察処分少年を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 前項の規定による留置の期間は、引致すべき場所に引致した日から起算して十日以内とする。 ただし、その期間中であっても、前条の規定による申請をする必要がなくなったときその他留置の必要がなくなったときは、直ちに特定保護観察処分少年を釈放しなければならない。 3 保護観察所の長は、第一項の規定により留置されている特定保護観察処分少年について、前条の規定による申請をしたときは、前項の規定にかかわらず、当該申請に係る家庭裁判所からの決定の通知があるまでの間又は少年法第六十六条第二項の規定によりその例によることとされる同法第十七条第一項第二号の観護の措置がとられるまでの間、継続して留置することができる。 ただし、留置の期間は、通じて二十日を超えることができない。 4 第一項の規定による留置については、審査請求をすることができない。 (収容中の特定保護観察処分少年の保護観察の停止) 第六十八条の四 特定保護観察処分少年について、少年法第六十六条第一項の決定があったときは、第四十七条の二の決定による釈放までの間又は収容可能期間の満了までの間、当該特定保護観察処分少年の保護観察は、停止するものとする。 2 前項の規定により保護観察を停止されている特定保護観察処分少年については、第四十九条、第五十条、第五十一条第一項、第五十二条、第五十三条、第五十六条から第五十八条まで、第六十条から第六十五条の四まで、第六十八条の二、第六十九条及び第七十条の規定は、適用しない。 3 特定保護観察処分少年の保護観察の期間は、少年法第六十六条第一項の決定によってその進行を停止し、第四十七条の二の決定により釈放された時又は収容可能期間が満了した時からその進行を始める。 (収容中の特定保護観察処分少年に係る特別遵守事項の設定等) 第六十八条の五 地方委員会は、少年法第六十六条第一項の決定により少年院に収容されている特定保護観察処分少年(以下「収容中の特定保護観察処分少年」という。)について、第四十七条の二の決定による釈放の時又は収容可能期間の満了の時までに、法務省令で定めるところにより、決定をもって、特別遵守事項を定め、又は変更することができる。 2 地方委員会は、収容中の特定保護観察処分少年について定められている特別遵守事項につき、必要がなくなったと認めるときは、第四十七条の二の決定による釈放までの間又は収容可能期間の満了までの間に、法務省令で定めるところにより、決定をもって、これを取り消すものとする。 3 収容中の特定保護観察処分少年について、少年法第六十六条第一項の決定があったときにその者に対する保護観察をつかさどっていた保護観察所の長(第四十七条の三において準用する第三十九条第三項の規定又は第六十八条の七第一項の規定により当該収容中の特定保護観察処分少年の住居が特定された場合には、その地を管轄する保護観察所の長)は、その保護観察の実施状況その他の事情を考慮し必要があると認めるときは、特別遵守事項の設定、変更又は取消しに関し、地方委員会に対して意見を述べるものとする。 (収容時又は収容中における特定保護観察処分少年に係る少年院の長との連携) 第六十八条の六 特定保護観察処分少年が少年法第六十六条第一項の決定により少年院に収容されたときは、当該決定があったときにその者に対する保護観察をつかさどっていた保護観察所の長は、その保護観察の実施状況その他の事情を考慮し、少年院における矯正教育に関し、少年院の長に対して意見を述べるものとする。 2 前条第三項の保護観察所の長は、収容中の特定保護観察処分少年について、少年院における矯正教育の状況を把握するとともに、必要があると認めるときは、第四十七条の二の決定による釈放後又は収容可能期間の満了後の保護観察の実施に関し、少年院の長の意見を聴くものとする。 (収容中の特定保護観察処分少年の住居の特定) 第六十八条の七 地方委員会は、収容中の特定保護観察処分少年について、収容可能期間の満了の時までに、第八十二条第一項の規定による住居の調整の結果に基づき、法務省令で定めるところにより、決定をもって、その者が居住すべき住居を特定することができる。 2 地方委員会は、前項の決定をした場合において、当該決定を受けた者について、収容可能期間の満了までの間に、当該決定により特定された住居に居住することが相当でないと認められる事情が生じたと認めるときは、法務省令で定めるところにより、決定をもって、住居の特定を取り消すものとする。 3 第三十六条第二項の規定は前二項の決定に関する審理における調査について、第三十七条第二項の規定は当該審理について、それぞれ準用する。 (保護観察の解除) 第六十九条 保護観察所の長は、保護観察処分少年について、保護観察を継続する必要がなくなったと認めるときは、保護観察を解除するものとする。 (保護観察の一時解除) 第七十条 保護観察所の長は、保護観察処分少年について、その改善更生に資すると認めるときは、期間を定めて、保護観察を一時的に解除することができる。 2 前項の規定により保護観察を一時的に解除されている保護観察処分少年については、第四十九条、第五十一条、第五十二条から第五十九条まで、第六十一条、第六十二条、第六十五条から第六十五条の四まで及び第六十七条から第六十八条の二までの規定は、適用しない。 3 第一項の規定により保護観察を一時的に解除されている保護観察処分少年に対する第五十条第一項及び第六十三条の規定の適用については、同項中「以下「一般遵守事項」という」とあるのは「第二号ロ及びハ並びに第三号に掲げる事項を除く」と、同項第二号中「守り、保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受ける」とあるのは「守る」と、同項第五号中「転居(第四十七条の二の決定又は少年法第六十四条第二項の規定により定められた期間(以下「収容可能期間」という。)の満了により釈放された場合に前号の規定により居住することとされている住居に転居する場合を除く。)又は七日以上の旅行」とあるのは「転居」と、第六十三条第二項第二号中「遵守事項」とあるのは「第七十条第三項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項に掲げる事項」とする。 4 第一項の規定による処分があったときは、その処分を受けた保護観察処分少年について定められている特別遵守事項は、その処分と同時に取り消されたものとみなす。 5 保護観察所の長は、第一項の規定により保護観察を一時的に解除されている保護観察処分少年について、再び保護観察を実施する必要があると認めるときは、同項の規定による処分を取り消さなければならない。 6 前項の場合において、保護観察所の長は、保護観察処分少年が第一項の規定により保護観察を一時的に解除されている間に第三項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項に掲げる事項を遵守しなかったことを理由として、第六十七条第一項の規定による警告を発し、又は同条第二項若しくは第六十八条の二の規定による申請をすることができない。 第三節 少年院仮退院者 (少年院への戻し収容の申請) 第七十一条 地方委員会は、保護観察所の長の申出により、少年院仮退院者(少年法第二十四条第一項第三号の保護処分に付されているものに限る。以下この条から第七十三条までにおいて同じ。)が遵守事項を遵守しなかったと認めるときは、当該少年院仮退院者を少年院に送致した家庭裁判所に対し、これを少年院に戻して収容する旨の決定の申請をすることができる。 ただし、二十三歳に達している少年院仮退院者については、少年院法第百三十九条第一項に規定する事由に該当すると認めるときに限る。 (少年院への戻し収容の決定) 第七十二条 前条の申請を受けた家庭裁判所は、当該申請に係る少年院仮退院者について、相当と認めるときは、これを少年院に戻して収容する旨の決定をすることができる。 2 家庭裁判所は、前項の決定をする場合において、二十三歳に満たない少年院仮退院者を二十歳を超えて少年院に収容する必要があると認めるときは、当該決定と同時に、その者が二十三歳を超えない期間内において、少年院に収容する期間を定めることができる。 その者が既に二十歳に達しているときは、当該決定と同時に、二十三歳を超えない期間内において、少年院に収容する期間を定めなければならない。 3 家庭裁判所は、二十三歳に達している少年院仮退院者について第一項の決定をするときは、当該決定と同時に、その者が二十六歳を超えない期間内において、少年院に収容する期間を定めなければならない。 4 家庭裁判所は、第一項の決定に係る事件の審理に当たっては、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識を有する者及び保護観察所の長の意見を聴かなければならない。 5 前三項に定めるもののほか、第一項の決定に係る事件の手続は、その性質に反しない限り、十八歳に満たない少年の保護処分に係る事件の手続の例による。 (留置) 第七十三条 地方委員会は、第六十三条第二項又は第三項の引致状により引致された少年院仮退院者について、第七十一条の申出があり同条の規定による申請をするか否かに関する審理を開始するときは、当該少年院仮退院者を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 前項の規定による留置の期間は、引致すべき場所に引致された日から起算して十日以内とする。 ただし、その期間中であっても、留置の必要がなくなったと認めるときは、直ちに少年院仮退院者を釈放しなければならない。 3 第一項の規定による留置及び前項ただし書の規定による釈放に係る判断は、三人の委員をもって構成する合議体(第七十一条の規定による申請をするか否かに関する審理の開始後においては、当該審理を担当する合議体)で行う。 ただし、急速を要するときは、あらかじめ地方委員会が指名する一人の委員で行うことができる。 4 第六十八条の三第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により留置されている少年院仮退院者及びその留置について準用する。 この場合において、同条第三項中「前条」とあるのは「第七十一条」と、「少年法第六十六条第二項」とあるのは「第七十二条第五項」と読み替えるものとする。 5 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は第三項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は第三項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (少年法第六十四条第一項第三号の保護処分に付されている少年院仮退院者の仮退院の取消し) 第七十三条の二 地方委員会は、保護観察所の長の申出により、少年院仮退院者(少年法第六十四条第一項第三号の保護処分に付されているものに限る。第七十三条の四第一項において同じ。)が遵守事項を遵守せず、少年院に収容するのを相当と認めるときは、決定をもって、第四十一条の規定による仮退院を許す処分を取り消すものとする。 2 前項の規定により仮退院を許す処分が取り消されたときは、仮退院中の日数は、少年法第六十四条第三項の規定により定められた期間に算入するものとする。 (決定の執行) 第七十三条の三 地方委員会は、前条第一項の決定をしたときは、保護観察官をして、その決定を執行させるものとする。 ただし、必要があると認めるときは、刑事施設の長、少年鑑別所の長又は保護観察所の長にその執行を嘱託することができる。 2 地方委員会は、前項の執行のため必要があると認めるときは、前条第一項の決定を受けた者に対し、出頭を命ずることができる。 3 地方委員会は、前条第一項の決定を受けた者について、正当な理由がないのに、前項の規定による出頭の命令に応ぜず、又は応じないおそれがあるときは、裁判官のあらかじめ発する引致状により、当該者を引致することができる。 4 第六十三条第四項から第八項までの規定は、前項の引致状及び同項の規定による前条第一項の決定を受けた者の引致について準用する。 この場合において、第六十三条第四項中「第二項の引致状は保護観察所の長の請求により、前項の引致状は」とあるのは「第七十三条の三第三項の引致状は、」と、同条第七項中「地方更生保護委員会が引致した場合においては委員又は保護観察官、保護観察所の長が引致した場合においては保護観察官」とあるのは「委員又は保護観察官」と、同条第八項ただし書中「第六十八条の三第一項、第七十三条第一項、第七十三条の四第一項、第七十六条第一項又は第八十条第一項の規定によりその者が留置された」とあるのは「第七十三条の三第一項の規定による執行が開始された」と読み替えるものとする。 5 地方委員会が行う第一項の規定による執行に係る判断、第二項の規定による命令、第三項の規定による引致に係る判断及び前項において準用する第六十三条第八項本文の規定による釈放に係る判断は、三人の委員をもって構成する合議体で行う。 ただし、前項において準用する同条第八項本文の規定による釈放に係る地方委員会の判断については、急速を要するときは、あらかじめ地方委員会が指名する一人の委員で行うことができる。 6 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は前項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は前項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (少年法第六十四条第一項第三号の保護処分に付されている少年院仮退院者の留置) 第七十三条の四 地方委員会は、第六十三条第二項又は第三項の引致状により引致された少年院仮退院者について、第七十三条の二第一項の申出があり同項の決定をするか否かに関する審理を開始するときは、当該少年院仮退院者を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 第六十八条の三第四項並びに第七十三条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による留置について準用する。 この場合において、同条第三項中「第七十一条の規定による申請」とあるのは、「第七十三条の二第一項の決定」と読み替えるものとする。 3 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は前項において準用する第七十三条第三項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は前項において準用する第七十三条第三項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (少年院仮退院者の退院を許す処分) 第七十四条 地方委員会は、少年院仮退院者について、保護観察所の長の申出があった場合において、保護観察を継続する必要がなくなったと認めるとき(二十三歳を超える少年院仮退院者については、少年院法第百三十九条第一項に規定する事由に該当しなくなったと認めるときその他保護観察を継続する必要がなくなったと認めるとき)は、決定をもって、退院を許さなければならない。 2 第四十六条第二項の規定は、前項の決定について準用する。 第四節 仮釈放者 (仮釈放の取消し) 第七十五条 刑法第二十九条第一項の規定による仮釈放の取消しは、仮釈放者に対する保護観察をつかさどる保護観察所の所在地を管轄する地方委員会が、決定をもってするものとする。 2 刑法第二十九条第一項第四号に該当することを理由とする前項の決定は、保護観察所の長の申出によらなければならない。 3 刑事訴訟法第四百八十四条から第四百八十五条まで及び第四百八十六条から第四百八十九条までの規定は、仮釈放を取り消された者の収容について適用があるものとする。 (留置) 第七十六条 地方委員会は、第六十三条第二項又は第三項の引致状により引致された仮釈放者について、刑法第二十九条第一項第一号から第三号までに該当する場合であって前条第一項の決定をするか否かに関する審理を開始する必要があると認めるとき、又は同条第二項の申出がありその審理を開始するときは、当該仮釈放者を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 前項の規定により仮釈放者が留置された場合において、その者の仮釈放が取り消されたときは、刑法第二十九条第三項の規定にかかわらず、その留置の日数は、刑期に算入するものとする。 3 第六十八条の三第四項並びに第七十三条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による留置について準用する。 この場合において、同条第三項中「第七十一条の規定による申請」とあるのは、「第七十五条第一項の決定」と読み替えるものとする。 4 第十三条、第二十三条第三項並びに第二十五条第一項及び第二項の規定は前項において準用する第七十三条第三項に規定する措置のための合議体又は委員による調査について、第二十三条第二項の規定は前項において準用する第七十三条第三項の合議体の議事について、それぞれ準用する。 この場合において、第十三条中「、地方更生保護委員会及び保護観察所の長」とあるのは、「及び保護観察所の長」と読み替えるものとする。 (保護観察の停止) 第七十七条 地方委員会は、保護観察所の長の申出により、仮釈放者の所在が判明しないため保護観察が実施できなくなったと認めるときは、決定をもって、保護観察を停止することができる。 2 前項の規定により保護観察を停止されている仮釈放者の所在が判明したときは、その所在の地を管轄する地方委員会は、直ちに、決定をもって、その停止を解かなければならない。 3 前項の決定は、急速を要するときは、第二十三条第一項の規定にかかわらず、一人の委員ですることができる。 4 第一項の規定により保護観察を停止されている仮釈放者が第六十三条第二項又は第三項の引致状により引致されたときは、第二項の決定があったものとみなす。 5 仮釈放者の刑期は、第一項の決定によってその進行を停止し、第二項の決定があった時からその進行を始める。 6 地方委員会は、仮釈放者が第一項の規定により保護観察を停止されている間に遵守事項を遵守しなかったことを理由として、仮釈放の取消しをすることができない。 7 地方委員会は、第一項の決定をした後、保護観察の停止の理由がなかったことが明らかになったときは、決定をもって、同項の決定を取り消さなければならない。 8 前項の規定により第一項の決定が取り消された場合における仮釈放者の刑期の計算については、第五項の規定は、適用しない。 (仮釈放者の不定期刑の終了) 第七十八条 地方委員会は、不定期刑に処せられ、仮釈放を許されている者であって、仮釈放前又は仮釈放中にその刑の短期が経過したものについて、保護観察所の長の申出により、刑の執行を終了するのを相当と認めるときは、少年法第五十九条第二項の規定にかかわらず、決定をもって、刑の執行を受け終わったものとしなければならない。 2 第四十六条第二項の規定は、前項の決定について準用する。 第五節 保護観察付執行猶予者 (保護観察付一部猶予者の住居の特定) 第七十八条の二 第六十八条の七第一項及び第二項の規定は、保護観察付一部猶予者について準用する。 この場合において、同条第一項及び第二項中「収容可能期間の満了」とあるのは、「刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始」と読み替えるものとする。 2 第三十六条第二項の規定は前項において準用する第六十八条の七第一項及び第二項の決定に関する審理における調査について、第三十七条第二項の規定は当該審理について、それぞれ準用する。 (検察官への申出) 第七十九条 保護観察所の長は、保護観察付執行猶予者について、刑法第二十六条の二第二号又は第二十七条の五第二号の規定により刑の執行猶予の言渡しを取り消すべきものと認めるときは、刑事訴訟法第三百四十九条第一項に規定する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に対応する検察庁の検察官に対し、書面で、同条第二項に規定する申出をしなければならない。 (留置) 第八十条 保護観察所の長は、第六十三条第二項の引致状により引致した保護観察付執行猶予者について、前条の申出をするか否かに関する審理を開始する必要があると認めるときは、当該保護観察付執行猶予者を刑事施設又は少年鑑別所に留置することができる。 2 前項の規定による留置の期間は、引致すべき場所に引致した日から起算して十日以内とする。 ただし、その期間中であっても、前条の申出をする必要がなくなったとき、検察官が刑事訴訟法第三百四十九条第一項の請求をしないことが明らかになったときその他留置の必要がなくなったときは、直ちに保護観察付執行猶予者を釈放しなければならない。 3 第一項の規定により留置されている保護観察付執行猶予者について、刑事訴訟法第三百四十九条第一項の請求があったときは、前項の規定にかかわらず、同法第三百四十九条の二第一項の決定の告知があるまでの間、継続して留置することができる。 ただし、留置の期間は、通じて二十日を超えることができない。 4 刑事訴訟法第三百四十九条の二第二項の規定による口頭弁論の請求があったときは、裁判所は、決定をもって、十日間に限り、前項ただし書の期間を延長することができる。 この場合において、その決定の告知については、同法による決定の告知の例による。 5 第三項に規定する決定が保護観察付執行猶予者の刑の執行猶予の言渡しを取り消すものであるときは、同項の規定にかかわらず、その決定が確定するまでの間、その者を継続して留置することができる。 6 第一項の規定により保護観察付執行猶予者が留置された場合において、その刑の執行猶予の言渡しが取り消されたときは、その留置の日数は、刑期に算入するものとする。 7 第六十八条の三第四項の規定は、第一項の規定による留置について準用する。 (保護観察の仮解除) 第八十一条 刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による保護観察を仮に解除する処分は、保護観察所の長が、保護観察付執行猶予者について、遵守事項及び生活行動指針の遵守状況その他法務省令で定める事項を考慮し、現に健全な生活態度を保持しており、保護観察を仮に解除しても、当該生活態度を保持し、善良な社会の一員として自立し、改善更生することができると認めるときにするものとする。 2 刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定により保護観察を仮に解除されている保護観察付執行猶予者については、第四十九条、第五十一条から第五十八条まで、第六十一条、第六十二条、第六十五条から第六十五条の四まで、第七十九条及び前条の規定は、適用しない。 3 刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定により保護観察を仮に解除されている保護観察付執行猶予者に対する第五十条及び第六十三条の規定の適用については、第五十条第一項中「以下「一般遵守事項」という」とあるのは「第二号ロ及びハ並びに第三号に掲げる事項を除く」と、同項第二号中「守り、保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受ける」とあるのは「守る」と、同項第五号中「転居(第四十七条の二の決定又は少年法第六十四条第二項の規定により定められた期間(以下「収容可能期間」という。)の満了により釈放された場合に前号の規定により居住することとされている住居に転居する場合を除く。)又は七日以上の旅行」とあるのは「転居」と、第六十三条第二項第二号中「遵守事項」とあるのは「第八十一条第三項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項に掲げる事項」とする。 4 第一項に規定する処分があったときは、その処分を受けた保護観察付執行猶予者について定められている特別遵守事項は、その処分と同時に取り消されたものとみなす。 5 保護観察所の長は、刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定により保護観察を仮に解除されている保護観察付執行猶予者について、その行状に鑑み再び保護観察を実施する必要があると認めるときは、これらの規定による処分を取り消さなければならない。 第四章 生活環境の調整 (収容中の者に対する生活環境の調整) 第八十二条 保護観察所の長は、刑の執行のため刑事施設に収容されている者又は刑若しくは保護処分の執行のため少年院に収容されている者(以下「収容中の者」と総称する。)について、その社会復帰を円滑にするため必要があると認めるときは、その者の家族その他の関係人を訪問して協力を求めることその他の方法により、釈放後の住居、就業先その他の生活環境の調整を行うものとする。 2 地方委員会は、前項の規定による調整が有効かつ適切に行われるよう、保護観察所の長に対し、調整を行うべき住居、就業先その他の生活環境に関する事項について必要な指導及び助言を行うほか、同項の規定による調整が複数の保護観察所において行われる場合における当該保護観察所相互間の連絡調整を行うものとする。 3 地方委員会は、前項の措置をとるに当たって必要があると認めるときは、収容中の者との面接、関係人に対する質問その他の方法により、調査を行うことができる。 4 第二十五条第二項及び第三十六条第二項の規定は、前項の調査について準用する。 (保護観察付執行猶予の裁判確定前の生活環境の調整) 第八十三条 保護観察所の長は、刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しを受け、その裁判が確定するまでの者について、保護観察を円滑に開始するため必要があると認めるときは、その者の同意を得て、前条第一項に規定する方法により、その者の住居、就業先その他の生活環境の調整を行うことができる。 (勾留中の被疑者に対する生活環境の調整) 第八十三条の二 保護観察所の長は、勾留されている被疑者であって検察官が罪を犯したと認めたものについて、身体の拘束を解かれた場合の社会復帰を円滑にするため必要があると認めるときは、その者の同意を得て、第八十二条第一項に規定する方法により、釈放後の住居、就業先その他の生活環境の調整を行うことができる。 2 保護観察所の長は、前項の規定による調整を行うに当たっては、同項の被疑者の刑事上の手続に関与している検察官の意見を聴かなければならない。 3 保護観察所の長は、前項に規定する検察官が捜査に支障を生ずるおそれがあり相当でない旨の意見を述べたときは、第一項の規定による調整を行うことができない。 (準用) 第八十四条 第六十一条第一項の規定は、第八十二条第一項、第八十三条及び前条第一項の規定による措置について準用する。 第五章 更生緊急保護等 第一節 更生緊急保護 (更生緊急保護) 第八十五条 この節において「更生緊急保護」とは、次に掲げる者が、刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解かれた後、親族からの援助を受けることができず、若しくは公共の衛生福祉に関する機関その他の機関から医療、宿泊、職業その他の保護を受けることができない場合又はこれらの援助若しくは保護のみによっては改善更生することができないと認められる場合に、緊急に、その者に対し、金品を給与し、又は貸与し、宿泊場所を供与し、宿泊場所への帰住、医療、療養、就職又は教養訓練を助け、職業を補導し、社会生活に適応させるために必要な生活指導を行い、生活環境の改善又は調整を図ること等により、その者が進んで法律を守る善良な社会の一員となることを援護し、その速やかな改善更生を保護することをいう。 一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行を終わった者 二 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行の免除を得た者 三 懲役又は禁錮につき刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、その裁判が確定するまでの者 四 前号に掲げる者のほか、懲役又は禁錮につき刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、保護観察に付されなかった者 五 懲役又は禁錮につき刑の一部の執行猶予の言渡しを受け、その猶予の期間中保護観察に付されなかった者であって、その刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わったもの 六 検察官が直ちに訴追を必要としないと認めた者 七 罰金又は科料の言渡しを受けた者 八 労役場から出場し、又は仮出場を許された者 九 少年院から退院し、又は仮退院を許された者(保護観察に付されている者を除く。) 2 更生緊急保護は、その対象となる者の改善更生のために必要な限度で、国の責任において、行うものとする。 3 更生緊急保護は、保護観察所の長が、自ら行い、又は更生保護事業法の規定により更生保護事業を営む者その他の適当な者に委託して行うものとする。 4 更生緊急保護は、その対象となる者が刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解かれた後六月を超えない範囲内において、その意思に反しない場合に限り、行うものとする。 ただし、その者の改善更生を保護するため特に必要があると認められるときは、第一項の措置のうち、金品の給与又は貸与及び宿泊場所の供与については更に六月を、その他のものについては更に一年六月を、それぞれ超えない範囲内において、これを行うことができる。 5 更生緊急保護を行うに当たっては、その対象となる者が公共の衛生福祉に関する機関その他の機関から必要な保護を受けることができるようあっせんするとともに、更生緊急保護の効率化に努めて、その期間の短縮と費用の節減を図らなければならない。 6 更生緊急保護に関し職業のあっせんの必要があると認められるときは、公共職業安定所は、更生緊急保護を行う者の協力を得て、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)の規定に基づき、更生緊急保護の対象となる者の能力に適当な職業をあっせんすることに努めるものとする。 (更生緊急保護の開始等) 第八十六条 更生緊急保護は、前条第一項各号に掲げる者の申出があった場合において、保護観察所の長がその必要があると認めたときに限り、行うものとする。 収容中の者から申出があり、その者が同項第一号、第二号、第五号又は第九号に掲げる者(第八十八条の二において「刑執行終了者等」という。)に該当することとなった場合において、保護観察所の長が必要があると認めたときも、同様とする。 2 検察官、刑事施設の長又は少年院の長は、前条第一項各号に掲げる者について、刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解く場合において、必要があると認めるときは、その者に対し、この節に定める更生緊急保護の制度及び申出の手続について教示しなければならない。 収容中の者について、必要があると認めるときも、同様とする。 3 保護観察所の長は、更生緊急保護を行う必要があるか否かを判断するに当たっては、その申出をした者の刑事上の手続に関与した検察官又はその者が収容されていた刑事施設(労役場に留置されていた場合には、当該労役場が附置された刑事施設)の長若しくは少年院の長の意見を聴かなければならない。 ただし、仮釈放の期間の満了によって前条第一項第一号に該当した者又は仮退院の終了により同項第九号に該当した者については、この限りでない。 (費用の支弁) 第八十七条 国は、法務大臣が財務大臣と協議して定める基準に従い、第八十五条第三項の規定による委託によって生ずる費用を支弁する。 2 前項に規定する委託は、同項の規定により国が支弁する金額が予算の金額を超えない範囲内においてしなければならない。 第二節 刑執行停止中の者に対する措置 第八十八条 保護観察所の長は、刑事訴訟法第四百八十条又は第四百八十二条の規定により刑の執行を停止されている者について、検察官の請求があったときは、その者に対し、第五十七条第一項(第一号に係る部分に限る。)、第五十八条、第六十一条及び第六十二条の規定の例により、適当と認める指導監督、補導援護並びに応急の救護及びその援護の措置をとることができる。 第五章の二 更生保護に関するその他の援助 (刑執行終了者等に対する援助) 第八十八条の二 保護観察所の長は、刑執行終了者等の改善更生を図るため必要があると認めるときは、その者の意思に反しないことを確認した上で、その者に対し、更生保護に関する専門的知識を活用し、情報の提供、助言その他の必要な援助を行うことができる。 (更生保護に関する地域援助) 第八十八条の三 保護観察所の長は、地域社会における犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生並びに犯罪の予防に寄与するため、地域住民又は関係機関等からの相談に応じ、更生保護に関する専門的知識を活用し、情報の提供、助言その他の必要な援助を行うものとする。 第六章 恩赦の申出 (恩赦の申出) 第八十九条 恩赦法(昭和二十二年法律第二十号)第十二条に規定する審査会の申出は、法務大臣に対してするものとする。 (申出のための調査等) 第九十条 審査会は、前条の申出をする場合には、あらかじめ、申出の対象となるべき者の性格、行状、違法な行為をするおそれの有無、その者に対する社会の感情その他の事項について、必要な調査を行わなければならない。 2 審査会は、刑事施設若しくは少年院に収容されている者又は労役場に留置されている者について、特赦、減刑又は刑の執行の免除の申出をする場合には、その者が、社会の安全及び秩序を脅かすことなく釈放されるに適するかどうかを考慮しなければならない。 第七章 審査請求等 第一節 行政手続法の適用除外 第九十一条 この法律の規定による処分及び行政指導については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章から第四章の二までの規定は、適用しない。 第二節 審査請求 (審査請求) 第九十二条 この法律の規定により地方委員会が決定をもってした処分に不服がある者は、審査会に対し、審査請求をすることができる。 (審査請求書の提出) 第九十三条 刑事施設に収容され、若しくは労役場に留置されている者又は少年院に収容されている者の審査請求は、審査請求書を当該刑事施設(労役場に留置されている場合には、当該労役場が附置された刑事施設。以下この条において同じ。)の長又は少年院の長に提出してすることができる。 2 刑事施設の長又は少年院の長は、前項の規定により審査請求書の提出を受けたときは、直ちに、審査請求書を審査会及び地方委員会に送付しなければならない。 3 第一項の場合における行政不服審査法第十八条の規定による審査請求の期間の計算については、刑事施設の長又は少年院の長に審査請求書を提出した時に審査請求があったものとみなす。 (執行停止) 第九十四条 審査会に対する審査請求に関する行政不服審査法第二十五条第三項の規定の適用については、同項本文中「、処分庁の意見を聴取した上」とあるのは「又は職権で」と、同項ただし書中「処分の効力、処分の執行又は手続の続行」とあるのは「処分の執行」とする。 (裁決をすべき期間) 第九十五条 審査会は、審査請求がされた日(行政不服審査法第二十三条の規定により不備を補正すべきことを命じた場合にあっては、当該不備が補正された日)から六十日以内に裁決をしなければならない。 (審査請求と訴訟との関係) 第九十六条 この法律の規定により地方委員会が決定をもってした処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。 (行政不服審査法の特例) 第九十六条の二 この法律の規定による処分又はその不作為についての審査請求に係る行政不服審査法第三十八条第一項に規定する提出書類等又は同法第七十八条第一項に規定する主張書面若しくは資料であって、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第百二十四条第一項の規定により同法第五章第四節の規定を適用しないこととされた同法第六十条第一項に規定する保有個人情報が記載され、又は記録されたものについての行政不服審査法の規定の適用については、同法第三十八条第一項前段中「又は当該書面若しくは当該書類の写し若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求める」とあるのは「を求める」と、同項後段及び同法第七十八条第一項後段中「閲覧又は交付」とあるのは「閲覧」と、同法第三十八条第二項及び第七十八条第二項中「閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧又は交付」とあるのは「閲覧をさせようとするときは、当該閲覧」と、同条第一項前段中「若しくは資料の閲覧」とあるのは「又は資料の閲覧」と、「又は当該主張書面若しくは当該資料の写し若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求める」とあるのは「を求める」とし、同法第三十八条第四項及び第五項並びに第七十八条第四項及び第五項の規定は、適用しない。 2 第五十二条第一項、第五項又は第六項の規定による保護観察所の長の処分についての審査請求については、行政不服審査法第二章第四節の規定は、適用しない。 第八章 雑則 (記録の保存等) 第九十七条 審査会は特赦、特定の者に対する減刑、刑の執行の免除及び特定の者に対する復権についてした申出に関する記録を、地方委員会はこの法律の規定により決定をもってすることとされている処分に係る審理及び決定に関する記録を、それぞれ、政令で定めるところにより保存しなければならない。 2 審査会及び地方委員会は、前項の記録の閲覧を求める者があるときは、これをその者の閲覧に供さなければならない。 ただし、同項の申出若しくは審理の対象とされた者の改善更生を妨げ、又は関係人の名誉若しくは生活の平穏を害するおそれがあるときは、閲覧を拒むことができる。 (費用の徴収) 第九十八条 保護観察所の長は、第六十一条第二項(第八十八条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定による委託及び第六十二条第二項(第八十八条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定による応急の救護に要した費用並びに第八十七条第一項の費用を、期限を指定して、その費用を要した措置を受けた者又はその扶養義務者から徴収しなければならない。 ただし、これらの者が、その費用を負担することができないと認めるときは、この限りでない。 2 前項の規定による費用の徴収は、徴収されるべき者の居住地又は財産所在地の市町村(特別区を含む。以下同じ。)に嘱託することができる。 3 政府は、前項の規定により、市町村に対し費用の徴収を嘱託した場合においては、その徴収金額の百分の四に相当する金額を、その市町村に交付しなければならない。 4 第二項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 (省令への委任) 第九十九条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、法務省令で定める。 | 刑事 |
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