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| haiku
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dict |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
39,136 | 茄子食べていのちしづかに減りゆくか | 市川葉 | null | 春の家 | null | null | null | summer | {
"id": 1237,
"word": "茄子",
"kana": "なす",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"なすび",
"初茄子",
"長茄子"
]
} |
39,137 | 振れば出る缶のドロップ秋の山 | 市川葉 | null | 春の家 | null | null | null | autumn | {
"id": 1423,
"word": "秋の山",
"kana": "あきのやま",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"秋山",
"秋嶺",
"秋の峰",
"山澄む",
"山粧ふ",
"山の秋"
]
} |
39,138 | 狩の犬口辺弛びゐたりけり | 市川葉 | null | 春の家 | null | null | null | winter | {
"id": 2129,
"word": "狩",
"kana": "かり",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"猟解禁",
"狩猟",
"猟犬",
"猪狩",
"鹿狩",
"狩人",
"猟夫",
"狩の宿"
]
} |
39,139 | ヒヤシンス死者に時間のたつぷりと | 市川葉 | null | 春の家 | null | null | null | spring | {
"id": 491,
"word": "ヒヤシンス",
"kana": "ひやしんす",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"風信子"
]
} |
39,140 | 林檎咲く生前の景死後の景 | 市川葉 | null | 春の家 | null | null | null | spring | {
"id": 443,
"word": "林檎の花",
"kana": "りんごのはな",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"花林檎"
]
} |
39,141 | 夏掛や逢はねばひとに忘らるる | 市川葉 | null | 春の家 | null | null | null | summer | {
"id": 759,
"word": "夏蒲団",
"kana": "なつぶとん",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"夏衾",
"麻蒲団",
"夏掛"
]
} |
39,142 | 秋が来ますよこんばんはこんばんは | 市川葉 | null | 春の家 | null | null | null | autumn | {
"id": 1423,
"word": "秋の山",
"kana": "あきのやま",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"秋山",
"秋嶺",
"秋の峰",
"山澄む",
"山粧ふ",
"山の秋"
]
} |
39,144 | 夕蟬や躯の芯のなまぬるし | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | summer | {
"id": 1048,
"word": "蟬",
"kana": "せみ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"油蟬",
"みんみん",
"熊蟬",
"にいにい蟬",
"唖蟬",
"初蟬",
"朝蟬",
"夕蟬",
"夜蟬",
"蟬時雨",
"落蟬",
"蝉"
]
} |
39,145 | 木のすだま草のすだまや咳こんこん | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | winter | {
"id": 2166,
"word": "咳",
"kana": "せき",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"咳く",
"咳く"
]
} |
39,146 | 鍵盤を拭けば音立つ暮春かな | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | spring | {
"id": 40,
"word": "暮の春",
"kana": "くれのはる",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"暮春",
"春暮るる",
"春の果"
]
} |
39,147 | ひとつ寝ればひとつ賢く紅の花 | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | summer | {
"id": 1211,
"word": "紅花",
"kana": "べにばな",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"紅の花",
"紅藍花",
"紅粉花",
"末摘花"
]
} |
39,148 | 好きなもの帽子秋晴れ象の耳 | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | autumn | {
"id": 1382,
"word": "秋晴",
"kana": "あきばれ",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"秋の晴",
"秋日和"
]
} |
39,149 | 霧を来しをんなに霧のかをりふと | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | autumn | {
"id": 1418,
"word": "霧",
"kana": "きり",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"朝霧",
"夕霧",
"夜霧",
"山霧",
"川霧",
"狭霧",
"霧襖",
"霧雨",
"濃霧",
"霧笛"
]
} |
39,150 | 蜷の道だうだうめぐりして居ぬか | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | spring | {
"id": 380,
"word": "蜷",
"kana": "にな",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"みな",
"河貝子",
"海蜷",
"河蜷",
"蜷の道"
]
} |
39,151 | 野茨や老ゆることなき死者のこゑ | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | summer | {
"id": 1084,
"word": "茨の花",
"kana": "ばらのはな",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"花茨",
"野茨の花",
"花うばら"
]
} |
39,152 | 食ふことに費す時間冬銀河 | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | winter | {
"id": 1904,
"word": "冬の星",
"kana": "ふゆのほし",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"寒星",
"荒星",
"凍星",
"冬銀河",
"星冴ゆ",
"オリオン",
"寒昴",
"シリウス",
"天狼"
]
} |
39,153 | 馬蹄型磁石砂場の灼けてをり | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | summer | {
"id": 615,
"word": "灼く",
"kana": "やく",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"熱砂",
"熱風",
"炎熱"
]
} |
39,154 | 汗くさき背を慈しみつつ憎む | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | summer | {
"id": 882,
"word": "汗",
"kana": "あせ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"汗ばむ",
"玉の汗",
"汗疹",
"汗水",
"汗みどろ"
]
} |
39,155 | 夫ほどは呑気に死ねず立葵 | 市川葉 | null | 「鷹」 | null | null | null | summer | {
"id": 1182,
"word": "葵",
"kana": "あおい",
"old_kana": "あふひ",
"season": "summer",
"subtitle": [
"花葵",
"銭葵",
"蜀葵（からあおい）",
"立葵"
]
} |
39,157 | 金魚ならまだ飼えそうな持ち時間 | 髙橋悦子 | null | null | null | null | null | summer | {
"id": 1004,
"word": "金魚",
"kana": "きんぎょ",
"old_kana": "きんぎよ",
"season": "summer",
"subtitle": [
"和金",
"琉金",
"蘭鋳",
"出目金",
"金魚鉢"
]
} |
39,158 | ステテコや生きる心配死ぬ心配 | 髙橋悦子 | null | null | null | null | null | summer | {
"id": 2706,
"word": "すててこ",
"kana": "すててこ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": []
} |
39,159 | かにかくに還暦以後は大向日葵 | 髙橋悦子 | null | null | null | null | null | summer | {
"id": 1181,
"word": "向日葵",
"kana": "ひまわり",
"old_kana": "ひまはり",
"season": "summer",
"subtitle": [
"日車",
"日輪草",
"天蓋花",
"天竺葵"
]
} |
39,160 | 麦の秋会えば大きく手を振って | 髙橋悦子 | null | null | null | null | null | summer | {
"id": 591,
"word": "麦の秋",
"kana": "むぎのあき",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"麦秋",
"麦秋"
]
} |
39,161 | 誰だろうあのドアチャイム夏の霧 | 髙橋悦子 | null | null | null | null | null | summer | {
"id": 584,
"word": "夏",
"kana": "なつ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"三夏",
"九夏",
"炎帝",
"朱夏"
]
} |
39,162 | 蟬の穴のぞけば被爆の１６歳 | 伊達みえ子 | null | null | 作者の１６歳の実体験である。２０万人の人々が５千度の熱線を浴びたその日、作者は学徒動員で広島市郊外の工場にいて難を逃れた。そこに次々運ばれてくる被爆者の看護に携わったという。軍国の少女は日本の敗戦など思うはずもなく、少年は特攻隊を志願して散っていった。兄は南太平洋方面で戦死、市内にいた一家６人が被爆したという。その経緯は被爆体験集「木の葉のように焼かれて」４３集に収録されている。ひろしまの蟬の木夜は少年棲みみえ子広島の夏。無風の湿った暑さ、夜は魂となって少年たちの還ってくる「木」である。その中に兄上の魂もあるのではと心揺さぶられるのである。ヒロシマの椅子が足りない蟬しぐれみえ子原爆忌の慰霊祭「黙祷」の静寂を際立たせて蟬の声が聞こえる。２０１２年アメリカの大使が初めて慰霊祭に参列した。作者伊達みえ子氏は「私の原点はヒロシマだと思っている。」と言う。故小田保氏は「ヒロシマ」「８月」にこだわり続けて欲しいと励まされたという。パールバックは小説「神の手を制御せよ」を通して原爆を作った人々の中に、良心の呵責に怯え苦しんでいる人たちがいることを主人公に語らせている。註：故小田保氏・・「シベリア俘慮記抑留俳句選集」編者「海程」創刊同人広島市福山市出身写真提供＝フォトクラブ吉川 | 髙橋悦子 | null | summer | {
"id": 1048,
"word": "蟬",
"kana": "せみ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"油蟬",
"みんみん",
"熊蟬",
"にいにい蟬",
"唖蟬",
"初蟬",
"朝蟬",
"夕蟬",
"夜蟬",
"蟬時雨",
"落蟬",
"蝉"
]
} |
39,163 | 陸送のカヌーを降ろす春隣 | 瀬川紅司 | null | 航海図 | 「春隣」という季語が、なんといきいき聞こえることだろう。春を待つ日本人独特の心境を、季語「春隣」は端的に言い表している。バンダナとジーンズの若々しい青年であろうか、それともアウトドア派の熟年であろうか。水と光の揺らめき、芽吹き前の梢の線、早春の息吹の瑞瑞しさに惹かれる。「カヌー」という「物」が伝える静と動、青春讃歌の１７音である。１９８２年発行の「野田知佑」著カヌー紀行文が思い出される。彼が示した日本の清流はあれからどうなっているのであろうか。作者瀬川紅司は、２０１２年刊行の句集『航海図』の後書きでこのように語っている。軽い思いつきで俳句を始めた頃、西東三鬼先生から「モノに言わせなさい」と教えられた。それから３０数年後、三橋敏雄先生から同じことを言われた。それから手探りの中で分ったことがあった。「モノ」の本質や姿形を見るのは眼球だけではないこと、そして継続は力だけでは成し得ないという事である。八人が艇庫にもどる揚雲雀卒業の日の自転車に油差す夜汽車着き鉄の匂の雪落す金春通り秋蝶の速さで行く『月の河』にこにこと来る闘病の毛糸帽鳥帰る空スカラ座の非常口『航海図』いずれも「モノ」がはっきりと見え、明るさ、希望の中に味わい深さを感じるのである。 | 髙橋悦子 | null | winter | {
"id": 1895,
"word": "春近し",
"kana": "はるちかし",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"春隣",
"春信"
]
} |
39,164 | 赤とんぼじっとしたまま明日どうする | 風天 | null | 赤とんぼ | 作者を知らずこの句に接した時、「山頭火」か「放哉」の作品ではないかと感じた。作者は本名「田所康雄」。映画「寅さん」で親しまれたあの「渥美清」である。彼が世を去って既に十八年の歳月が流れた。没後２年の２００９年、渥美清句集『赤とんぼ』は、森英介編、本阿弥秀雄氏によって発行され、彼が俳人であったことが知らされた。掲句はありのままの人柄が「つぶやき」のように伝わってくる。「明日どうする」と、とんぼに問いかけ、小さないのちとの交感に切なさを覚える。それは静かなドラマの一風景のようだ。俳句の師を持たず、結社にも属さず、俳人である姿はごく身近な人も知らなかったという。「田所康雄」という「素」に戻って俳句に向き合っていたのであろう。「チョウチョかトンボのように好きなところへ出掛けて生涯を終われるなら、末は野たれ死んでもいいんじゃないんですかね」彼が残した言葉である。（ＮＨＫ２００７年放送、アーカイブスから）役者として「山頭火」や「放哉」を演じてみたいという願いを持っていたという。山田洋次映画監督は句集の序文の中で「渥美さんは、時として哲学者のように思索的であり、ある時は詩人のように美しい言葉を語る人である」と語っている。蓋あけたような天で九月かな風天「九月だなオイさくら！蓋あけたような空だぞ」あの声が聞こえてくる。あっぱれな明るさだ。冬めいてションベンの湯気ほっかりとげじげじにもあるうぬぼれ生きることコスモスひょろりふたおやもういない | 髙橋悦子 | null | autumn | {
"id": 1629,
"word": "赤蜻蛉",
"kana": "あかとんぼ",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"あきつ",
"秋茜"
]
} |
39,165 | 映りたきものを映して冬の沼 | 石倉夏生 | null | null | null | null | null | winter | {
"id": 1958,
"word": "氷湖",
"kana": "ひょうこ",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"湖氷る",
"冬の湖",
"冬の沼"
]
} |
39,166 | 登高やみんな似てくる素老人 | 安西篤 | null | 秋の道（タオ） | 老いの本質に言及した奇妙な味わいの一句である。「登高」の長寿を願うという本意が巧みに効用し、肩書も役割も脱ぎ捨てた「素老人」の語感が絶妙な働きを示している。ところで厚労省の最新のデータの平均寿命によると、女性は世界１位で86・61歳。男性は80・21歳で世界４位。まさに長寿国日本である。我々はみんな死ぬまで加齢の途上にあるが、老齢の本質をどう捉え、どう立ち向かうかは、はなはだ心許ないのである。一人一人にとって初体験の領域だからである。掲句の作者は「みんな似てくる」と断定したが、それは表情や姿勢などの肉体的な類似か、それとも言動に関わる精神的な相似のことか、多分、両面の酷似の指摘なのであろう。確かに幼少期から同じような衣食住のなか、同じような教育を受け、激動の起伏を生き抜いて来て、老齢に至れば、みんなそっくりで当然なのだ。それは異端の個性よりも、同類同列の安堵感ゆえに、類は友を呼ぶ仕儀となるのであろう。何年か前に掲句の作者の「高齢化時代の俳句」というテーマの講話を拝聴したことがある。犀利に構築された論旨で、俳壇高齢化の現状分析と高齢化世代の俳句の諸相を、超高齢の著名俳人諸氏の作品を引例しつつ解説し、高齢者の俳句の課題について、独自の老齢観を展開した内容であった。再び掲句に戻れば、我々多くの世代が定年退職して素老人となった。めでたいような怖いような素老人である。とはいえ、俳句の視点でいえば、似た者同士の個性発揮も実力発揮も、長寿時代のこんにちでは、次へのスタートラインに並んだに過ぎないのかも知れぬ。掲句もそれを示唆していると思えるのである。 | 石倉夏生 | null | autumn | {
"id": 1546,
"word": "高きに登る",
"kana": "たかきにのぼる",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"登高"
]
} |
39,167 | 人間探求派のわれを呼ぶ牛蛙 | 和知喜八 | null | 川蟬 | 俳句思潮の遠い歴史の奥で「人間探求派」の呼称が浮上したのは昭和１4年のことである。辛酸な戦争の終結のあとの俳壇に、桑原武夫の「第二芸術論」のハードパンチが放たれたのが昭和２１年。そしてこれらのキーワードの中心にいた一人が、加藤楸邨であつた。後年、楸邨山脈と言わしめたほどに、俳誌「寒雷」には、金子兜太、森澄雄をはじめ、若き日の俳人たちが結集し、前述の第二芸術論争の反立と作品的結実も含めて、白熱した作句行為を展開していたに違いないのである。和知喜八もその中の一人であった。伝説的なエピソードがある。当時の喜八は絶えず重厚なテーマに没入し、職場俳句、社会性俳句の旗手として脚光を浴び、楸邨に「スッポンの喜八」と呼ばれるほどに、主題への拘泥は執拗かつ強靭であったという。まさに食らいついたら離さない。実作一筋のストイックで粘液質な作句姿勢だったのであろう。喜八は昭和３３年に自らも俳誌「響焰」を創刊し、7巻の句集を遺して平成１６年に他界したが、どの句集のどのページを開いても、作風に底流している精神は、対象を通して人間を見据える、つまり人間探求に終始していたのである。掲出句を再読するたびに、長い歳月を楸邨に同道し、その俳句精神を濃密に受け継ぎ、生涯堅持した志向への自負と矜持を牛蛙に託した、強い決意を感知するのである。さらに句意を探れば、楸邨への敬意とともに、自らを鼓舞しつつ同じ人間探求派の同志への限りないエールであった、と気づくのである。 | 石倉夏生 | null | spring | {
"id": 325,
"word": "牛蛙",
"kana": "うしかえる",
"old_kana": "うしかへる",
"season": "spring",
"subtitle": [
"食用蛙"
]
} |
39,168 | 希望が丘緑ヶ丘より賀状くる | 宇多喜代子 | null | 記憶 | 一読、瞬時にイメージの湧きあがる一句である。文意は平明かつ簡潔な内容を示し、差出人の地域名を並列に置いたことで多量の賀状が連想され、相手を思い描きながら眺めている新年の新鮮な気分と、めでたい正月の一場面が浮上してくる。ところが二読三読しつつ作者の作意を想像していると、一筋縄ではない作者の、主題の屈折を感じるのである。冒頭のとおり文意は事実を述べただけである。しかし文意の奥に広がる句意の深淵を探っていると、今まで明るい日差しに溢れた賀状の二つの地域が急速に翳り、平和な光景の精彩感がみるみる失われてくるのである。戦後の復興期から高度成長期にかけて、急速に宅地開発が続いた。丘陵を削り緑地を拓き、掲句に象徴されるような、文字通り希望溢れる新興住宅地が全国的に出現したのである。それは規格品的ではあったが、結果として一億総中流の文化的な生活を享受できたのである。しかし私の住む団地もそうだが、平成の現在は、残された老夫婦の家々がほとんどである。今や、「希望が丘」や「緑ヶ丘」の、希望も緑も変質し、高齢化傾向は老老介護を筆頭に老齢対策にじわじわと波及しているのである。いま掲句の句意の読みの一つとして私感を前述したが、作者をひとたび離れた作品は、理解も解釈も読者の自在であり、それが俳句の醍醐味であるのだが、当然その要因は短さにある。いうまでもなく俳句は唯々諾々と短いのではない。作者の決意として志として短いのである。それゆえに作意も文意も句意も、作者から読者への伝達の過程でつねに変転するのであろう。掲句もその好例の一句といえるのである。 | 石倉夏生 | null | new_year | {
"id": 2447,
"word": "賀状",
"kana": "がじょう",
"old_kana": "がじやう",
"season": "new_year",
"subtitle": [
"年賀状",
"年始状"
]
} |
39,174 | 憲法九条座敷に椿象（かめむし）いる気配 | 安西篤 | null | 秋の道（タオ） | null | null | null | autumn | {
"id": 1650,
"word": "放屁虫",
"kana": "へひりむし",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"へつぴりむし",
"へこきむし",
"椿象",
"亀虫"
]
} |
39,180 | 創（はじめ）にことばそしてはじまる初景色 | 安西篤 | null | 秋の道（タオ） | null | null | null | new_year | {
"id": 2417,
"word": "初景色",
"kana": "はつげしき",
"old_kana": null,
"season": "new_year",
"subtitle": []
} |
39,204 | 頑なに木瘤は朽ちず昭和の日 | 安西篤 | null | 秋の道（タオ） | null | null | null | spring | {
"id": 2783,
"word": "昭和の日",
"kana": "しょうわのひ",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": []
} |
39,207 | 冬薔薇その旋律のまま凍てし | 安西篤 | null | 秋の道（タオ） | null | null | null | winter | {
"id": 2319,
"word": "冬薔薇",
"kana": "ふゆそうび",
"old_kana": "ふゆさうび",
"season": "winter",
"subtitle": [
"冬薔薇",
"寒薔薇"
]
} |
39,208 | 戦後とは次の戦前多喜二の忌 | 安西篤 | null | 秋の道（タオ） | null | null | null | spring | {
"id": 307,
"word": "多喜二忌",
"kana": "たきじき",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"多喜二の忌"
]
} |
39,216 | 天狼星（シリウス）や兜太どっこい生きている | 安西篤 | null | 秋の道（タオ） | null | null | null | winter | {
"id": 1904,
"word": "冬の星",
"kana": "ふゆのほし",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"寒星",
"荒星",
"凍星",
"冬銀河",
"星冴ゆ",
"オリオン",
"寒昴",
"シリウス",
"天狼"
]
} |
39,218 | ベートーベン我が精神の黴ぬぐふ | 中村正幸 | null | 深海 | null | null | null | summer | {
"id": 1333,
"word": "黴",
"kana": "かび",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"青黴",
"毛黴",
"麹黴",
"黴の宿",
"黴の香"
]
} |
39,220 | 春愁のいつも何かに触れてをり | 中村正幸 | null | 深海 | null | null | null | spring | {
"id": 231,
"word": "春愁",
"kana": "しゅんしゅう",
"old_kana": "しゆんしう",
"season": "spring",
"subtitle": [
"春愁",
"春愁ふ",
"春かなし",
"春思"
]
} |
39,221 | 剝落の駅名撫づる帰省かな | 中村正幸 | null | 深海 | null | null | null | summer | {
"id": 678,
"word": "帰省",
"kana": "きせい",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"帰省子"
]
} |
39,222 | 春愁や裏返しても薬瓶 | 中村正幸 | null | 深海 | null | null | null | spring | {
"id": 231,
"word": "春愁",
"kana": "しゅんしゅう",
"old_kana": "しゆんしう",
"season": "spring",
"subtitle": [
"春愁",
"春愁ふ",
"春かなし",
"春思"
]
} |
39,223 | 走りゆく蟻夕焼けしこと知らず | 中村正幸 | null | 深海 | null | null | null | summer | {
"id": 1068,
"word": "蟻",
"kana": "あり",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"山蟻",
"蟻の道",
"蟻の塔",
"蟻塚",
"蟻の列",
"蟻の門渡り"
]
} |
39,224 | 接岸の流氷なほも陸を押す | 中村正幸 | null | 深海 | null | null | null | spring | {
"id": 110,
"word": "流氷",
"kana": "りゅうひょう",
"old_kana": "りうひよう",
"season": "spring",
"subtitle": [
"氷流る",
"流氷期"
]
} |
39,225 | 受験生みな深海の貌をもつ | 中村正幸 | null | 深海 | null | null | null | spring | {
"id": 113,
"word": "受験",
"kana": "じゅけん",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"受験生",
"受験期",
"試験",
"入学試験",
"卒業試験",
"及第",
"落第",
"大試験"
]
} |
39,226 | 美しき汗の時間を共有す | 中村正幸 | null | 深海 | null | null | null | summer | {
"id": 882,
"word": "汗",
"kana": "あせ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"汗ばむ",
"玉の汗",
"汗疹",
"汗水",
"汗みどろ"
]
} |
39,227 | 何の淋しさ梨剝く指の濡れしまま | 中村正幸 | null | 深海 | null | null | null | autumn | {
"id": 1661,
"word": "梨",
"kana": "なし",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"有の実",
"水梨",
"洋梨 ラ",
"フランス"
]
} |
39,228 | 埋火のほか父の眼を知らざりし | 中村正幸 | null | 系譜 | null | null | null | winter | {
"id": 2090,
"word": "炭",
"kana": "すみ",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"炭火",
"埋火",
"消炭",
"炭斗",
"炭篭",
"炭売",
"炭屋",
"炭俵"
]
} |
39,229 | 元日の闇に時間の充満す | 中村正幸 | null | 系譜 | null | null | null | new_year | {
"id": 2390,
"word": "元日",
"kana": "がんじつ",
"old_kana": "ぐわんじつ",
"season": "new_year",
"subtitle": [
"お元日",
"日の始め",
"鶏日"
]
} |
39,230 | 大夏天充実感即孤独感 | 中村正幸 | null | 系譜 | null | null | null | summer | {
"id": 621,
"word": "夏の空",
"kana": "なつのそら",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"夏空",
"夏の天",
"夏天"
]
} |
39,231 | するすると蜘蛛下り時間くだかるる | 中村正幸 | null | 系譜 | null | null | null | summer | {
"id": 1071,
"word": "蜘蛛",
"kana": "くも",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"袋蜘蛛",
"蜘蛛の囲",
"蜘蛛の巣",
"蜘蛛の糸",
"蜘蛛の子",
"女郎蜘蛛"
]
} |
39,232 | 月の前全人格が影となる | 中村正幸 | null | 系譜 | null | null | null | autumn | {
"id": 1389,
"word": "月",
"kana": "つき",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"初月",
"二日月",
"三日月",
"新月",
"弦月",
"夕月",
"宵月",
"夕月夜",
"有明月",
"昼の月",
"遅月",
"月白",
"月夜",
"月の出",
"月光",
"月明り",
"月影"
]
} |
39,233 | 梨の皮切るるがごとく子ばなれす | 中村正幸 | null | 系譜（中村正幸） | null | null | null | autumn | {
"id": 1661,
"word": "梨",
"kana": "なし",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"有の実",
"水梨",
"洋梨 ラ",
"フランス"
]
} |
39,234 | 色即是空空即是色寒卵 | 中村正幸 | null | 系譜（中村正幸） | null | null | null | winter | {
"id": 2032,
"word": "寒卵",
"kana": "かんたまご",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": []
} |
39,235 | ていねいな人の一生冬桜 | 中村正幸 | null | 系譜（中村正幸） | null | null | null | winter | {
"id": 2318,
"word": "冬桜",
"kana": "ふゆざくら",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"寒桜",
"緋寒桜",
"寒緋桜"
]
} |
39,236 | 生くるとは遺さるること野分中 | 中村正幸 | null | 系譜（中村正幸） | null | null | null | autumn | {
"id": 1408,
"word": "野分",
"kana": "のわき",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"野分",
"野分立つ",
"野分中",
"野分後",
"夕野分",
"野分雲",
"野分晴"
]
} |
39,237 | 父の日の父の世界に踏み込まず | 中村正幸 | null | 系譜（中村正幸） | null | null | null | summer | {
"id": 898,
"word": "父の日",
"kana": "ちちのひ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": []
} |
39,238 | 白桃にをさまらぬものしたたりぬ | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | spring | {
"id": 439,
"word": "桃の花",
"kana": "もものはな",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"白桃",
"緋桃"
]
} |
39,238 | 白桃にをさまらぬものしたたりぬ | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | autumn | {
"id": 1660,
"word": "桃",
"kana": "もものみ",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"桃の実",
"白桃",
"水密桃"
]
} |
39,239 | 正月の位置に万物つきにけり | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | new_year | {
"id": 2385,
"word": "正月",
"kana": "しょうがつ",
"old_kana": "しやうぐわつ",
"season": "new_year",
"subtitle": [
"お正月",
"祝月",
"元月"
]
} |
39,240 | 人間といふ淋しさに注連飾る | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | winter | {
"id": 1973,
"word": "注連飾る",
"kana": "しめかざる",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": []
} |
39,241 | ねんねこのどこをついても笑ひけり | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | winter | {
"id": 1995,
"word": "ねんねこ",
"kana": "ねんねこ",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"ねんねこばんてん"
]
} |
39,242 | 祈り知るもののしづけさ一冬木 | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | winter | {
"id": 2343,
"word": "冬木",
"kana": "ふゆき",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"冬木立",
"冬木影",
"冬木道",
"冬木宿"
]
} |
39,243 | 入れし刃をしめつけてをり茄子の紺 | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | summer | {
"id": 1237,
"word": "茄子",
"kana": "なす",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"なすび",
"初茄子",
"長茄子"
]
} |
39,244 | 箸置きに涼しく箸の横たはる | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | summer | {
"id": 616,
"word": "涼し",
"kana": "すずし",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"朝涼",
"夕涼",
"晩涼",
"夜涼",
"涼風"
]
} |
39,245 | 人の眼を遊び場とせり熱帯魚 | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | summer | {
"id": 1005,
"word": "熱帯魚",
"kana": "ねったいぎょ",
"old_kana": "ねつたいぎよ",
"season": "summer",
"subtitle": [
"闘魚",
"天使魚"
]
} |
39,246 | わが触るるまでは冬木でありにけり | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | winter | {
"id": 2343,
"word": "冬木",
"kana": "ふゆき",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"冬木立",
"冬木影",
"冬木道",
"冬木宿"
]
} |
39,247 | あをあをと空のかたむく冬怒濤 | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | winter | {
"id": 1950,
"word": "冬の波",
"kana": "ふゆのなみ",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"冬浪",
"冬涛",
"寒涛",
"冬怒濤"
]
} |
39,248 | 万物の生死西日のすわりをり | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | summer | {
"id": 652,
"word": "西日",
"kana": "にしび",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"大西日"
]
} |
39,249 | 万緑の大きな息の中にあり | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | summer | {
"id": 1131,
"word": "万緑",
"kana": "ばんりょく",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": []
} |
39,250 | 描きかけの枯木の枝が鳴りつづけ | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | winter | {
"id": 2346,
"word": "枯木",
"kana": "かれき",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"裸木",
"枯枝",
"枯木立",
"枯木道",
"枯木山",
"枯木宿",
"枯木星"
]
} |
39,251 | 淋しさに水母は海を刺しにけり | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | summer | {
"id": 1026,
"word": "海月",
"kana": "くらげ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"水母",
"水月"
]
} |
39,252 | 闇ふるひ落して白し夏衣 | 中村正幸 | null | 万物 | null | null | null | summer | {
"id": 682,
"word": "夏衣",
"kana": "なつごろも",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"夏衣",
"夏着",
"夏物"
]
} |
39,253 | 野の色のうるみ出しけり七日粥 | 中村正幸 | null | 絶海 | null | null | null | new_year | {
"id": 2545,
"word": "七種粥",
"kana": "ななくさがゆ",
"old_kana": null,
"season": "new_year",
"subtitle": [
"七日粥",
"薺粥"
]
} |
39,254 | 握りたる鮎のちからが押し返す | 中村正幸 | null | 絶海 | null | null | null | summer | {
"id": 1001,
"word": "鮎",
"kana": "あゆ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"香魚",
"年魚",
"鮎の宿"
]
} |
39,255 | 人に振るハンカチいつか我に振る | 中村正幸 | null | 絶海 | null | null | null | summer | {
"id": 705,
"word": "汗拭ひ",
"kana": "あせぬぐい",
"old_kana": "あせぬぐひ",
"season": "summer",
"subtitle": [
"ハンカチーフ",
"ハンカチ",
"汗ふき",
"汗手拭"
]
} |
39,256 | 空蟬の背を月光のなほも裂く | 中村正幸 | null | 絶海 | null | null | null | summer | {
"id": 1049,
"word": "空蟬",
"kana": "うつせみ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"蟬の殻",
"蟬の脱殻"
]
} |
39,257 | 人間の折目折目の汗を拭く | 中村正幸 | null | 絶海 | null | null | null | summer | {
"id": 882,
"word": "汗",
"kana": "あせ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"汗ばむ",
"玉の汗",
"汗疹",
"汗水",
"汗みどろ"
]
} |
39,258 | 八月を見つめつづける柱かな | 中村正幸 | null | 絶海 | null | null | null | autumn | {
"id": 1339,
"word": "八月",
"kana": "はちがつ",
"old_kana": "はちぐわつ",
"season": "autumn",
"subtitle": []
} |
39,259 | 振り向かぬ距離となりけり秋遍路 | 中村正幸 | null | 絶海 | null | null | null | autumn | {
"id": 1557,
"word": "秋遍路",
"kana": "あきへんろ",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": []
} |
39,260 | 絶海のしづけさにあり寒卵 | 中村正幸 | null | 絶海 | null | null | null | winter | {
"id": 2032,
"word": "寒卵",
"kana": "かんたまご",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": []
} |
39,261 | 冬麗の真綿のやうな睡魔かな | 中村正幸 | null | 絶海 | null | null | null | winter | {
"id": 1899,
"word": "冬晴",
"kana": "ふゆばれ",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"冬日和",
"冬麗",
"冬うらら"
]
} |
39,262 | 鷹の座は断崖にあり天の川 | 伊藤通明 | null | null | null | null | null | autumn | {
"id": 1404,
"word": "天の川",
"kana": "あまのがわ",
"old_kana": "あまのがは",
"season": "autumn",
"subtitle": [
"銀河",
"銀漢",
"星河"
]
} |
39,265 | 煮れば香る葱よりわが名疲れたり | 横須賀洋子 | null | 叱言 | null | null | null | winter | {
"id": 2365,
"word": "葱",
"kana": "ねぎ",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"葱",
"一文字",
"根深",
"葉葱",
"葱畑"
]
} |
39,266 | 愛情もアイスクリームも喉通る | 横須賀洋子 | null | 叱言 | null | null | null | summer | {
"id": 739,
"word": "氷菓",
"kana": "ひょうか",
"old_kana": "ひようくわ",
"season": "summer",
"subtitle": [
"氷菓子",
"アイスキャンデー",
"アイスクリーム",
"ソフトクリーム"
]
} |
39,267 | 赤貧のご落胤なり金亀子 | 横須賀洋子 | null | 叱言 | null | null | null | summer | {
"id": 1039,
"word": "金亀子",
"kana": "こがねむし",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"黄金虫",
"かなぶん",
"ぶんぶん",
"ぶんぶん虫"
]
} |
39,268 | この場合花も命も丸洗い | 横須賀洋子 | null | あんがい | null | null | null | spring | {
"id": 405,
"word": "花",
"kana": "はな",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"花盛り",
"花明り",
"花影",
"花時",
"花過ぎ",
"花の雨",
"花の山",
"花の昼",
"花の雲",
"花埃",
"花便り",
"花の宿",
"花片"
]
} |
39,269 | ひまわりの前頭葉に水かける | 横須賀洋子 | null | あんがい | null | null | null | summer | {
"id": 1181,
"word": "向日葵",
"kana": "ひまわり",
"old_kana": "ひまはり",
"season": "summer",
"subtitle": [
"日車",
"日輪草",
"天蓋花",
"天竺葵"
]
} |
39,270 | ガリレオと呼ばれて廻る扇風機 | 横須賀洋子 | null | あんがい | null | null | null | summer | {
"id": 784,
"word": "扇風機",
"kana": "せんぷうき",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": []
} |
39,271 | つけまつげして耐えている鰻の日 | 横須賀洋子 | null | あんがい | null | null | null | summer | {
"id": 1019,
"word": "鰻",
"kana": "うなぎ",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"鰻"
]
} |
39,272 | 小春日の耳がぴこぴこすれ違う | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | winter | {
"id": 1860,
"word": "小春",
"kana": "こはる",
"old_kana": null,
"season": "winter",
"subtitle": [
"小春日",
"小春日和",
"小六月"
]
} |
39,273 | 声出して咲いたか咲いた桃の花 | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | spring | {
"id": 439,
"word": "桃の花",
"kana": "もものはな",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"白桃",
"緋桃"
]
} |
39,274 | 黄金週間泣いてみるのもひまつぶし | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | spring | {
"id": 2812,
"word": "ゴールデンウィーク",
"kana": "ごーるでんうぃーく",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": [
"黄金週間"
]
} |
39,275 | メロン切るどの神経を断ちますか | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | summer | {
"id": 1236,
"word": "メロン",
"kana": "めろん",
"old_kana": null,
"season": "summer",
"subtitle": [
"マスクメロン",
"西洋メロン"
]
} |
39,276 | 亀鳴けり歳時記を出たばっかりに | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | spring | {
"id": 321,
"word": "亀鳴く",
"kana": "かめなく",
"old_kana": null,
"season": "spring",
"subtitle": []
} |
39,277 | 長き夜の向う三軒ひとりずつ | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | autumn | {
"id": 1361,
"word": "夜長",
"kana": "よなが",
"old_kana": null,
"season": "autumn",
"subtitle": [
"長き夜",
"夜長し"
]
} |
39,278 | 人工の骨も身の内西瓜割る | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | summer | {
"id": 1232,
"word": "西瓜",
"kana": "すいか",
"old_kana": "すいくわ",
"season": "summer",
"subtitle": [
"西瓜畑",
"西瓜番"
]
} |
39,279 | 金魚死す全身打撲らしい | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | summer | {
"id": 1004,
"word": "金魚",
"kana": "きんぎょ",
"old_kana": "きんぎよ",
"season": "summer",
"subtitle": [
"和金",
"琉金",
"蘭鋳",
"出目金",
"金魚鉢"
]
} |
39,280 | 臘梅に天の神様のおもらし | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | winter | {
"id": 2315,
"word": "臘梅",
"kana": "ろうばい",
"old_kana": "らふばい",
"season": "winter",
"subtitle": [
"唐梅"
]
} |
39,281 | 紅葉かつ散る漱石を一括り | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | autumn | {
"id": 1680,
"word": "紅葉",
"kana": "もみじ",
"old_kana": "もみぢ",
"season": "autumn",
"subtitle": [
"紅葉",
"もみづる",
"色葉",
"夕紅葉",
"村紅葉",
"谷紅葉",
"紅葉山",
"紅葉川"
]
} |
39,282 | 西瓜叩く甘い返事があれば買う | 横須賀洋子 | null | おおいとⅡ | null | null | null | summer | {
"id": 1232,
"word": "西瓜",
"kana": "すいか",
"old_kana": "すいくわ",
"season": "summer",
"subtitle": [
"西瓜畑",
"西瓜番"
]
} |
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