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Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十五年法務省令第四十七号
46
建物の区分所有等に関する法律施行規則 (電磁的記録) 第一条 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「法」という。)第三十条第五項に規定する法務省令で定める電磁的記録は、電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって電子計算機による情報処理の用に供されるものに係る記録媒体をいう。第三条第一項第二号において同じ。)をもって調製するファイルに情報を記録したものとする。 (電磁的記録に記録された情報の内容を表示する方法) 第二条 法第三十三条第二項に規定する法務省令で定める方法は、当該電磁的記録に記録された情報の内容を紙面又は出力装置の映像面に表示する方法とする。 (電磁的方法) 第三条 法第三十九条第三項に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。 一 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であって、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報が記録されるもの 二 電磁的記録媒体をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法 2 前項各号に掲げる方法は、受信者がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものでなければならない。 (署名に代わる措置) 第四条 法第四十二条第四項に規定する法務省令で定める措置は、電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項の電子署名とする。 (電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾) 第五条 集会を招集する者は、法第四十五条第一項の規定により電磁的方法による決議をしようとするときは、あらかじめ、区分所有者に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。 2 前項の電磁的方法の種類及び内容は、次に掲げる事項とする。 一 第三条第一項各号に規定する電磁的方法のうち、送信者が使用するもの 二 ファイルへの記録の方式 3 第一項の規定による承諾を得た集会を招集する者は、区分所有者の全部又は一部から書面又は電磁的方法により電磁的方法による決議を拒む旨の申出があったときは、法第四十五条第一項に規定する決議を電磁的方法によってしてはならない。 ただし、当該申出をしたすべての区分所有者が再び第一項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。 (電磁的方法による通知又は催告に係る相手方の承諾等) 第六条 次に掲げる規定により電磁的方法による通知又は催告をしようとする者は、あらかじめ、当該通知又は催告の相手方に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。 一 法第六十一条第九項 二 法第六十一条第十二項 三 法第六十三条第二項 2 前項の電磁的方法の種類及び内容は、次に掲げる事項とする。 一 第三条第一項各号に規定する電磁的方法のうち、送信者が使用するもの 二 ファイルへの記録の方式 3 第一項の規定による承諾を得た者は、同項の相手方から書面又は電磁的方法により電磁的方法による通知又は催告を受けない旨の申出があったときは、当該相手方に対し、当該通知又は催告を電磁的方法によってしてはならない。 ただし、当該相手方が再び同項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。
民事
Heisei
Act
416AC0000000045_20230614_505AC0000000053.xml
平成十六年法律第四十五号
46
労働審判法 (目的) 第一条 この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。 (管轄) 第二条 労働審判手続に係る事件(以下「労働審判事件」という。)は、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所、個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所の管轄とする。 2 労働審判事件は、日本国内に相手方(法人その他の社団又は財団を除く。)の住所及び居所がないとき、又は住所及び居所が知れないときは、その最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 3 労働審判事件は、相手方が法人その他の社団又は財団(外国の社団又は財団を除く。)である場合において、日本国内にその事務所若しくは営業所がないとき、又はその事務所若しくは営業所の所在地が知れないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 労働審判事件は、相手方が外国の社団又は財団である場合において、日本国内にその事務所又は営業所がないときは、日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (移送) 第三条 裁判所は、労働審判事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。 2 裁判所は、労働審判事件がその管轄に属する場合においても、事件を処理するために適当と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。 (代理人) 第四条 労働審判手続については、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ代理人となることができない。 ただし、裁判所は、当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当と認めるときは、弁護士でない者を代理人とすることを許可することができる。 2 裁判所は、前項ただし書の規定による許可を取り消すことができる。 (労働審判手続の申立て) 第五条 当事者は、個別労働関係民事紛争の解決を図るため、裁判所に対し、労働審判手続の申立てをすることができる。 2 前項の申立ては、申立書を裁判所に提出してしなければならない。 3 前項の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当事者及び法定代理人 二 申立ての趣旨及び理由 (不適法な申立ての却下) 第六条 裁判所は、労働審判手続の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、その申立てを却下しなければならない。 (労働審判委員会) 第七条 裁判所は、労働審判官一人及び労働審判員二人で組織する労働審判委員会で労働審判手続を行う。 (労働審判官の指定) 第八条 労働審判官は、地方裁判所が当該地方裁判所の裁判官の中から指定する。 (労働審判員) 第九条 労働審判員は、この法律の定めるところにより、労働審判委員会が行う労働審判手続に関与し、中立かつ公正な立場において、労働審判事件を処理するために必要な職務を行う。 2 労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命する。 3 労働審判員は、非常勤とし、前項に規定するもののほか、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 4 労働審判員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。 (労働審判員の指定) 第十条 労働審判委員会を組織する労働審判員は、労働審判事件ごとに、裁判所が指定する。 2 裁判所は、前項の規定により労働審判員を指定するに当たっては、労働審判員の有する知識経験その他の事情を総合的に勘案し、労働審判委員会における労働審判員の構成について適正を確保するように配慮しなければならない。 (労働審判員の除斥) 第十一条 労働審判員の除斥については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第十一条並びに第十三条第二項、第四項、第八項及び第九項の規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。 2 労働審判員の除斥についての裁判は、労働審判員の所属する地方裁判所がする。 (決議等) 第十二条 労働審判委員会の決議は、過半数の意見による。 2 労働審判委員会の評議は、秘密とする。 (労働審判手続の指揮) 第十三条 労働審判手続は、労働審判官が指揮する。 (労働審判手続の期日等) 第十四条 労働審判官は、労働審判手続の期日を定めて、事件の関係人を呼び出さなければならない。 2 裁判所書記官は、前項の期日について、その経過の要領を記録上明らかにしなければならない。 3 裁判所書記官は、労働審判官が命じた場合には、第一項の期日について、調書を作成しなければならない。 (迅速な手続) 第十五条 労働審判委員会は、速やかに、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をしなければならない。 2 労働審判手続においては、特別の事情がある場合を除き、三回以内の期日において、審理を終結しなければならない。 (手続の非公開) 第十六条 労働審判手続は、公開しない。 ただし、労働審判委員会は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。 (証拠調べ等) 第十七条 労働審判委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。 2 証拠調べについては、民事訴訟の例による。 (調停が成立した場合の費用の負担) 第十八条 各当事者は、調停が成立した場合において、その支出した費用のうち調停条項中に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (審理の終結) 第十九条 労働審判委員会は、審理を終結するときは、労働審判手続の期日においてその旨を宣言しなければならない。 (労働審判) 第二十条 労働審判委員会は、審理の結果認められる当事者間の権利関係及び労働審判手続の経過を踏まえて、労働審判を行う。 2 労働審判においては、当事者間の権利関係を確認し、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じ、その他個別労働関係民事紛争の解決をするために相当と認める事項を定めることができる。 3 労働審判は、主文及び理由の要旨を記載した審判書を作成して行わなければならない。 4 前項の審判書は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、労働審判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。 5 前項の規定による審判書の送達については、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第一編第五章第四節(第百四条及び第百十条から第百十三条までを除く。)の規定を準用する。 6 労働審判委員会は、相当と認めるときは、第三項の規定にかかわらず、審判書の作成に代えて、すべての当事者が出頭する労働審判手続の期日において労働審判の主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、労働審判を行うことができる。 この場合においては、労働審判の効力は、告知された時に生ずる。 7 裁判所は、前項前段の規定により労働審判が行われたときは、裁判所書記官に、その主文及び理由の要旨を、調書に記載させなければならない。 (異議の申立て等) 第二十一条 当事者は、労働審判に対し、前条第四項の規定による審判書の送達又は同条第六項の規定による労働審判の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。 3 適法な異議の申立てがあったときは、労働審判は、その効力を失う。 4 適法な異議の申立てがないときは、労働審判は、裁判上の和解と同一の効力を有する。 5 前項の場合において、各当事者は、その支出した費用のうち労働審判に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (訴え提起の擬制) 第二十二条 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったときは、労働審判手続の申立てに係る請求については、当該労働審判手続の申立ての時に、当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 この場合において、当該請求について民事訴訟法第一編第二章第一節の規定により日本の裁判所が管轄権を有しないときは、提起があったものとみなされた訴えを却下するものとする。 2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされる事件(同項後段の規定により却下するものとされる訴えに係るものを除く。)は、同項の地方裁判所の管轄に属する。 3 第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、民事訴訟法第百三十七条、第百三十八条及び第百五十八条の規定の適用については、第五条第二項の申立書を訴状とみなす。 (労働審判の取消し) 第二十三条 第二十条第四項の規定により審判書を送達すべき場合において、次に掲げる事由があるときは、裁判所は、決定で、労働審判を取り消さなければならない。 一 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないこと。 二 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百七条第一項の規定により送達をすることができないこと。 三 外国においてすべき送達について、第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認められること。 四 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がないこと。 2 前条の規定は、前項の規定により労働審判が取り消された場合について準用する。 (労働審判をしない場合の労働審判事件の終了) 第二十四条 労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる。 2 第二十二条の規定は、前項の規定により労働審判事件が終了した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた」とあるのは、「労働審判事件が終了した際に当該労働審判事件が係属していた」と読み替えるものとする。 (労働審判手続の申立ての取下げ) 第二十四条の二 労働審判手続の申立ては、労働審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 (費用の負担) 第二十五条 裁判所は、労働審判事件が終了した場合(第十八条及び第二十一条第五項に規定する場合を除く。)において、必要と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件に関する手続の費用の負担を命ずる決定をすることができる。 (事件の記録の閲覧等) 第二十六条 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、労働審判事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は労働審判事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 民事訴訟法第九十一条第四項及び第五項並びに第九十二条の規定は、前項の記録について準用する。 (訴訟手続の中止) 第二十七条 労働審判手続の申立てがあった事件について訴訟が係属するときは、受訴裁判所は、労働審判事件が終了するまで訴訟手続を中止することができる。 (即時抗告) 第二十八条 第二十五条の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第六条、第二十一条第二項、第二十三条第一項及び第二十五条の規定による決定に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (当事者に対する住所、氏名等の秘匿) 第二十八条の二 労働審判手続における申立てその他の申述については、民事訴訟法第一編第八章の規定を準用する。 この場合において、同法第百三十三条第一項中「当事者」とあるのは「当事者又は参加人(労働審判法第二十九条第二項において準用する民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条の規定により労働審判手続に参加した者をいう。第百三十三条の四第一項、第二項及び第七項において同じ。)」と、同法第百三十三条の二第二項中「訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。第百三十三条の四第一項及び第二項において同じ。)」とあるのは「労働審判事件の記録」と、同法第百三十三条の四第一項中「者は、訴訟記録等」とあるのは「当事者若しくは参加人又は利害関係を疎明した第三者は、労働審判事件の記録」と、同条第二項中「当事者」とあるのは「当事者又は参加人」と、「訴訟記録等」とあるのは「労働審判事件の記録」と、同条第七項中「当事者」とあるのは「当事者若しくは参加人」と読み替えるものとする。 (非訟事件手続法及び民事調停法の準用) 第二十九条 特別の定めがある場合を除いて、労働審判事件に関しては、非訟事件手続法第二編の規定(同法第十二条(同法第十四条及び第十五条において準用する場合を含む。)、第二十七条、第四十条、第四十二条の二、第五十二条、第五十三条及び第六十五条の規定を除く。)を準用する。 この場合において、同法第四十三条第四項中「第二項」とあるのは、「労働審判法第五条第三項」と読み替えるものとする。 2 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条、第十二条、第十六条及び第三十六条の規定は、労働審判事件について準用する。 この場合において、同法第十一条中「調停の」とあるのは「労働審判手続の」と、「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停手続」とあるのは「労働審判手続」と、同法第十二条第一項中「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停の」とあるのは「調停又は労働審判の」と、「調停前の措置」とあるのは「調停又は労働審判前の措置」と、同法第三十六条第一項中「前二条」とあるのは「労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第三十一条及び第三十二条」と読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第三十条 この法律に定めるもののほか、労働審判手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (不出頭に対する制裁) 第三十一条 労働審判官の呼出しを受けた事件の関係人が正当な理由がなく出頭しないときは、裁判所は、五万円以下の過料に処する。 (措置違反に対する制裁) 第三十二条 当事者が正当な理由がなく第二十九条第二項において準用する民事調停法第十二条の規定による措置に従わないときは、裁判所は、十万円以下の過料に処する。 (評議の秘密を漏らす罪) 第三十三条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなく評議の経過又は労働審判官若しくは労働審判員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金に処する。 (人の秘密を漏らす罪) 第三十四条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第四十五号
46
労働審判法 (目的) 第一条 この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。 (管轄) 第二条 労働審判手続に係る事件(以下「労働審判事件」という。)は、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所、個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所の管轄とする。 2 労働審判事件は、日本国内に相手方(法人その他の社団又は財団を除く。)の住所及び居所がないとき、又は住所及び居所が知れないときは、その最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 3 労働審判事件は、相手方が法人その他の社団又は財団(外国の社団又は財団を除く。)である場合において、日本国内にその事務所若しくは営業所がないとき、又はその事務所若しくは営業所の所在地が知れないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 労働審判事件は、相手方が外国の社団又は財団である場合において、日本国内にその事務所又は営業所がないときは、日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (移送) 第三条 裁判所は、労働審判事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。 2 裁判所は、労働審判事件がその管轄に属する場合においても、事件を処理するために適当と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。 (代理人) 第四条 労働審判手続については、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ代理人となることができない。 ただし、裁判所は、当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当と認めるときは、弁護士でない者を代理人とすることを許可することができる。 2 裁判所は、前項ただし書の規定による許可を取り消すことができる。 (労働審判手続の申立て) 第五条 当事者は、個別労働関係民事紛争の解決を図るため、裁判所に対し、労働審判手続の申立てをすることができる。 2 前項の申立ては、申立書を裁判所に提出してしなければならない。 3 前項の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当事者及び法定代理人 二 申立ての趣旨及び理由 (不適法な申立ての却下) 第六条 裁判所は、労働審判手続の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、その申立てを却下しなければならない。 (労働審判委員会) 第七条 裁判所は、労働審判官一人及び労働審判員二人で組織する労働審判委員会で労働審判手続を行う。 (労働審判官の指定) 第八条 労働審判官は、地方裁判所が当該地方裁判所の裁判官の中から指定する。 (労働審判員) 第九条 労働審判員は、この法律の定めるところにより、労働審判委員会が行う労働審判手続に関与し、中立かつ公正な立場において、労働審判事件を処理するために必要な職務を行う。 2 労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命する。 3 労働審判員は、非常勤とし、前項に規定するもののほか、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 4 労働審判員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。 (労働審判員の指定) 第十条 労働審判委員会を組織する労働審判員は、労働審判事件ごとに、裁判所が指定する。 2 裁判所は、前項の規定により労働審判員を指定するに当たっては、労働審判員の有する知識経験その他の事情を総合的に勘案し、労働審判委員会における労働審判員の構成について適正を確保するように配慮しなければならない。 (労働審判員の除斥) 第十一条 労働審判員の除斥については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第十一条並びに第十三条第二項、第四項、第八項及び第九項の規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。 2 労働審判員の除斥についての裁判は、労働審判員の所属する地方裁判所がする。 (決議等) 第十二条 労働審判委員会の決議は、過半数の意見による。 2 労働審判委員会の評議は、秘密とする。 (労働審判手続の指揮) 第十三条 労働審判手続は、労働審判官が指揮する。 (労働審判手続の期日等) 第十四条 労働審判官は、労働審判手続の期日を定めて、事件の関係人を呼び出さなければならない。 2 裁判所書記官は、前項の期日について、その経過の要領を記録上明らかにしなければならない。 3 裁判所書記官は、労働審判官が命じた場合には、第一項の期日について、調書を作成しなければならない。 (迅速な手続) 第十五条 労働審判委員会は、速やかに、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をしなければならない。 2 労働審判手続においては、特別の事情がある場合を除き、三回以内の期日において、審理を終結しなければならない。 (手続の非公開) 第十六条 労働審判手続は、公開しない。 ただし、労働審判委員会は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。 (証拠調べ等) 第十七条 労働審判委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。 2 証拠調べについては、民事訴訟の例による。 (調停が成立した場合の費用の負担) 第十八条 各当事者は、調停が成立した場合において、その支出した費用のうち調停条項中に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (審理の終結) 第十九条 労働審判委員会は、審理を終結するときは、労働審判手続の期日においてその旨を宣言しなければならない。 (労働審判) 第二十条 労働審判委員会は、審理の結果認められる当事者間の権利関係及び労働審判手続の経過を踏まえて、労働審判を行う。 2 労働審判においては、当事者間の権利関係を確認し、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じ、その他個別労働関係民事紛争の解決をするために相当と認める事項を定めることができる。 3 労働審判は、主文及び理由の要旨を記載した審判書を作成して行わなければならない。 4 前項の審判書は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、労働審判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。 5 前項の規定による審判書の送達については、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第一編第五章第四節(第百四条及び第百十条から第百十三条までを除く。)の規定を準用する。 6 労働審判委員会は、相当と認めるときは、第三項の規定にかかわらず、審判書の作成に代えて、すべての当事者が出頭する労働審判手続の期日において労働審判の主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、労働審判を行うことができる。 この場合においては、労働審判の効力は、告知された時に生ずる。 7 裁判所は、前項前段の規定により労働審判が行われたときは、裁判所書記官に、その主文及び理由の要旨を、調書に記載させなければならない。 (異議の申立て等) 第二十一条 当事者は、労働審判に対し、前条第四項の規定による審判書の送達又は同条第六項の規定による労働審判の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。 3 適法な異議の申立てがあったときは、労働審判は、その効力を失う。 4 適法な異議の申立てがないときは、労働審判は、裁判上の和解と同一の効力を有する。 5 前項の場合において、各当事者は、その支出した費用のうち労働審判に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (訴え提起の擬制) 第二十二条 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったときは、労働審判手続の申立てに係る請求については、当該労働審判手続の申立ての時に、当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 この場合において、当該請求について民事訴訟法第一編第二章第一節の規定により日本の裁判所が管轄権を有しないときは、提起があったものとみなされた訴えを却下するものとする。 2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされる事件(同項後段の規定により却下するものとされる訴えに係るものを除く。)は、同項の地方裁判所の管轄に属する。 3 第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、民事訴訟法第百三十七条、第百三十八条及び第百五十八条の規定の適用については、第五条第二項の申立書を訴状とみなす。 (労働審判の取消し) 第二十三条 第二十条第四項の規定により審判書を送達すべき場合において、次に掲げる事由があるときは、裁判所は、決定で、労働審判を取り消さなければならない。 一 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないこと。 二 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百七条第一項の規定により送達をすることができないこと。 三 外国においてすべき送達について、第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認められること。 四 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がないこと。 2 前条の規定は、前項の規定により労働審判が取り消された場合について準用する。 (労働審判をしない場合の労働審判事件の終了) 第二十四条 労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる。 2 第二十二条の規定は、前項の規定により労働審判事件が終了した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた」とあるのは、「労働審判事件が終了した際に当該労働審判事件が係属していた」と読み替えるものとする。 (労働審判手続の申立ての取下げ) 第二十四条の二 労働審判手続の申立ては、労働審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 (費用の負担) 第二十五条 裁判所は、労働審判事件が終了した場合(第十八条及び第二十一条第五項に規定する場合を除く。)において、必要と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件に関する手続の費用の負担を命ずる決定をすることができる。 (事件の記録の閲覧等) 第二十六条 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、労働審判事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は労働審判事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 民事訴訟法第九十一条第四項及び第五項並びに第九十二条の規定は、前項の記録について準用する。 (訴訟手続の中止) 第二十七条 労働審判手続の申立てがあった事件について訴訟が係属するときは、受訴裁判所は、労働審判事件が終了するまで訴訟手続を中止することができる。 (即時抗告) 第二十八条 第二十五条の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第六条、第二十一条第二項、第二十三条第一項及び第二十五条の規定による決定に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (当事者に対する住所、氏名等の秘匿) 第二十八条の二 労働審判手続における申立てその他の申述については、民事訴訟法第一編第八章の規定を準用する。 この場合において、同法第百三十三条第一項中「当事者」とあるのは「当事者又は参加人(労働審判法第二十九条第二項において準用する民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条の規定により労働審判手続に参加した者をいう。第百三十三条の四第一項、第二項及び第七項において同じ。)」と、同法第百三十三条の二第二項中「訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。第百三十三条の四第一項及び第二項において同じ。)」とあるのは「労働審判事件の記録」と、同法第百三十三条の四第一項中「者は、訴訟記録等」とあるのは「当事者若しくは参加人又は利害関係を疎明した第三者は、労働審判事件の記録」と、同条第二項中「当事者」とあるのは「当事者又は参加人」と、「訴訟記録等」とあるのは「労働審判事件の記録」と、同条第七項中「当事者」とあるのは「当事者若しくは参加人」と読み替えるものとする。 (非訟事件手続法及び民事調停法の準用) 第二十九条 特別の定めがある場合を除いて、労働審判事件に関しては、非訟事件手続法第二編の規定(同法第十二条(同法第十四条及び第十五条において準用する場合を含む。)、第二十七条、第四十条、第四十二条の二、第五十二条、第五十三条及び第六十五条の規定を除く。)を準用する。 この場合において、同法第四十三条第四項中「第二項」とあるのは、「労働審判法第五条第三項」と読み替えるものとする。 2 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条、第十二条、第十六条及び第三十六条の規定は、労働審判事件について準用する。 この場合において、同法第十一条中「調停の」とあるのは「労働審判手続の」と、「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停手続」とあるのは「労働審判手続」と、同法第十二条第一項中「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停の」とあるのは「調停又は労働審判の」と、「調停前の措置」とあるのは「調停又は労働審判前の措置」と、同法第三十六条第一項中「前二条」とあるのは「労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第三十一条及び第三十二条」と読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第三十条 この法律に定めるもののほか、労働審判手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (不出頭に対する制裁) 第三十一条 労働審判官の呼出しを受けた事件の関係人が正当な理由がなく出頭しないときは、裁判所は、五万円以下の過料に処する。 (措置違反に対する制裁) 第三十二条 当事者が正当な理由がなく第二十九条第二項において準用する民事調停法第十二条の規定による措置に従わないときは、裁判所は、十万円以下の過料に処する。 (評議の秘密を漏らす罪) 第三十三条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなく評議の経過又は労働審判官若しくは労働審判員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金に処する。 (人の秘密を漏らす罪) 第三十四条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
民事
Heisei
Act
416AC0000000045_20251213_505AC0000000053.xml
平成十六年法律第四十五号
46
労働審判法 (目的) 第一条 この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。 (管轄) 第二条 労働審判手続に係る事件(以下「労働審判事件」という。)は、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所、個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所の管轄とする。 2 労働審判事件は、日本国内に相手方(法人その他の社団又は財団を除く。)の住所及び居所がないとき、又は住所及び居所が知れないときは、その最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 3 労働審判事件は、相手方が法人その他の社団又は財団(外国の社団又は財団を除く。)である場合において、日本国内にその事務所若しくは営業所がないとき、又はその事務所若しくは営業所の所在地が知れないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 労働審判事件は、相手方が外国の社団又は財団である場合において、日本国内にその事務所又は営業所がないときは、日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (移送) 第三条 裁判所は、労働審判事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。 2 裁判所は、労働審判事件がその管轄に属する場合においても、事件を処理するために適当と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。 (代理人) 第四条 労働審判手続については、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ代理人となることができない。 ただし、裁判所は、当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当と認めるときは、弁護士でない者を代理人とすることを許可することができる。 2 裁判所は、前項ただし書の規定による許可を取り消すことができる。 (労働審判手続の申立て) 第五条 当事者は、個別労働関係民事紛争の解決を図るため、裁判所に対し、労働審判手続の申立てをすることができる。 2 前項の申立ては、申立書を裁判所に提出してしなければならない。 3 前項の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当事者及び法定代理人 二 申立ての趣旨及び理由 (不適法な申立ての却下) 第六条 裁判所は、労働審判手続の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、その申立てを却下しなければならない。 (労働審判委員会) 第七条 裁判所は、労働審判官一人及び労働審判員二人で組織する労働審判委員会で労働審判手続を行う。 (労働審判官の指定) 第八条 労働審判官は、地方裁判所が当該地方裁判所の裁判官の中から指定する。 (労働審判員) 第九条 労働審判員は、この法律の定めるところにより、労働審判委員会が行う労働審判手続に関与し、中立かつ公正な立場において、労働審判事件を処理するために必要な職務を行う。 2 労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命する。 3 労働審判員は、非常勤とし、前項に規定するもののほか、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 4 労働審判員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。 (労働審判員の指定) 第十条 労働審判委員会を組織する労働審判員は、労働審判事件ごとに、裁判所が指定する。 2 裁判所は、前項の規定により労働審判員を指定するに当たっては、労働審判員の有する知識経験その他の事情を総合的に勘案し、労働審判委員会における労働審判員の構成について適正を確保するように配慮しなければならない。 (労働審判員の除斥) 第十一条 労働審判員の除斥については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第十一条並びに第十三条第二項、第四項、第八項及び第九項の規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。 2 労働審判員の除斥についての裁判は、労働審判員の所属する地方裁判所がする。 (決議等) 第十二条 労働審判委員会の決議は、過半数の意見による。 2 労働審判委員会の評議は、秘密とする。 (労働審判手続の指揮) 第十三条 労働審判手続は、労働審判官が指揮する。 (労働審判手続の期日等) 第十四条 労働審判官は、労働審判手続の期日を定めて、事件の関係人を呼び出さなければならない。 2 裁判所書記官は、前項の期日について、その経過の要領を記録上明らかにしなければならない。 3 裁判所書記官は、労働審判官が命じた場合には、第一項の期日について、調書を作成しなければならない。 (迅速な手続) 第十五条 労働審判委員会は、速やかに、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をしなければならない。 2 労働審判手続においては、特別の事情がある場合を除き、三回以内の期日において、審理を終結しなければならない。 (手続の非公開) 第十六条 労働審判手続は、公開しない。 ただし、労働審判委員会は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。 (証拠調べ等) 第十七条 労働審判委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。 2 証拠調べについては、民事訴訟の例による。 (調停が成立した場合の費用の負担) 第十八条 各当事者は、調停が成立した場合において、その支出した費用のうち調停条項中に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (審理の終結) 第十九条 労働審判委員会は、審理を終結するときは、労働審判手続の期日においてその旨を宣言しなければならない。 (労働審判) 第二十条 労働審判委員会は、審理の結果認められる当事者間の権利関係及び労働審判手続の経過を踏まえて、労働審判を行う。 2 労働審判においては、当事者間の権利関係を確認し、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じ、その他個別労働関係民事紛争の解決をするために相当と認める事項を定めることができる。 3 労働審判は、主文及び理由の要旨を記載した審判書を作成して行わなければならない。 4 前項の審判書は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、労働審判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。 5 前項の規定による審判書の送達については、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第一編第五章第四節(第百四条及び第百十条から第百十三条までを除く。)の規定を準用する。 6 労働審判委員会は、相当と認めるときは、第三項の規定にかかわらず、審判書の作成に代えて、すべての当事者が出頭する労働審判手続の期日において労働審判の主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、労働審判を行うことができる。 この場合においては、労働審判の効力は、告知された時に生ずる。 7 裁判所は、前項前段の規定により労働審判が行われたときは、裁判所書記官に、その主文及び理由の要旨を、調書に記載させなければならない。 (異議の申立て等) 第二十一条 当事者は、労働審判に対し、前条第四項の規定による審判書の送達又は同条第六項の規定による労働審判の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。 3 適法な異議の申立てがあったときは、労働審判は、その効力を失う。 4 適法な異議の申立てがないときは、労働審判は、裁判上の和解と同一の効力を有する。 5 前項の場合において、各当事者は、その支出した費用のうち労働審判に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (訴え提起の擬制) 第二十二条 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったときは、労働審判手続の申立てに係る請求については、当該労働審判手続の申立ての時に、当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 この場合において、当該請求について民事訴訟法第一編第二章第一節の規定により日本の裁判所が管轄権を有しないときは、提起があったものとみなされた訴えを却下するものとする。 2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされる事件(同項後段の規定により却下するものとされる訴えに係るものを除く。)は、同項の地方裁判所の管轄に属する。 3 第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、民事訴訟法第百三十七条、第百三十八条及び第百五十八条の規定の適用については、第五条第二項の申立書を訴状とみなす。 (労働審判の取消し) 第二十三条 第二十条第四項の規定により審判書を送達すべき場合において、次に掲げる事由があるときは、裁判所は、決定で、労働審判を取り消さなければならない。 一 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないこと。 二 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百七条第一項の規定により送達をすることができないこと。 三 外国においてすべき送達について、第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認められること。 四 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がないこと。 2 前条の規定は、前項の規定により労働審判が取り消された場合について準用する。 (労働審判をしない場合の労働審判事件の終了) 第二十四条 労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる。 2 第二十二条の規定は、前項の規定により労働審判事件が終了した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた」とあるのは、「労働審判事件が終了した際に当該労働審判事件が係属していた」と読み替えるものとする。 (労働審判手続の申立ての取下げ) 第二十四条の二 労働審判手続の申立ては、労働審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 (費用の負担) 第二十五条 裁判所は、労働審判事件が終了した場合(第十八条及び第二十一条第五項に規定する場合を除く。)において、必要と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件に関する手続の費用の負担を命ずる決定をすることができる。 (事件の記録の閲覧等) 第二十六条 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、労働審判事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は労働審判事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 民事訴訟法第九十一条第四項及び第五項並びに第九十二条の規定は、前項の記録について準用する。 (訴訟手続の中止) 第二十七条 労働審判手続の申立てがあった事件について訴訟が係属するときは、受訴裁判所は、労働審判事件が終了するまで訴訟手続を中止することができる。 (即時抗告) 第二十八条 第二十五条の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第六条、第二十一条第二項、第二十三条第一項及び第二十五条の規定による決定に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (当事者に対する住所、氏名等の秘匿) 第二十八条の二 労働審判手続における申立てその他の申述については、民事訴訟法第一編第八章の規定を準用する。 この場合において、同法第百三十三条第一項中「当事者」とあるのは「当事者又は参加人(労働審判法第二十九条第二項において準用する民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条の規定により労働審判手続に参加した者をいう。第百三十三条の四第一項、第二項及び第七項において同じ。)」と、同法第百三十三条の二第二項中「訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。第百三十三条の四第一項及び第二項において同じ。)」とあるのは「労働審判事件の記録」と、同法第百三十三条の四第一項中「者は、訴訟記録等」とあるのは「当事者若しくは参加人又は利害関係を疎明した第三者は、労働審判事件の記録」と、同条第二項中「当事者」とあるのは「当事者又は参加人」と、「訴訟記録等」とあるのは「労働審判事件の記録」と、同条第七項中「当事者」とあるのは「当事者若しくは参加人」と読み替えるものとする。 (非訟事件手続法及び民事調停法の準用) 第二十九条 特別の定めがある場合を除いて、労働審判事件に関しては、非訟事件手続法第二編の規定(同法第十二条(同法第十四条及び第十五条において準用する場合を含む。)、第二十七条、第四十条、第四十二条の二、第五十二条、第五十三条及び第六十五条の規定を除く。)を準用する。 この場合において、同法第四十三条第四項中「第二項」とあるのは、「労働審判法第五条第三項」と読み替えるものとする。 2 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条、第十二条、第十六条及び第三十六条の規定は、労働審判事件について準用する。 この場合において、同法第十一条中「調停の」とあるのは「労働審判手続の」と、「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停手続」とあるのは「労働審判手続」と、同法第十二条第一項中「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停の」とあるのは「調停又は労働審判の」と、「調停前の措置」とあるのは「調停又は労働審判前の措置」と、同法第三十六条第一項中「前二条」とあるのは「労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第三十一条及び第三十二条」と読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第三十条 この法律に定めるもののほか、労働審判手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (不出頭に対する制裁) 第三十一条 労働審判官の呼出しを受けた事件の関係人が正当な理由がなく出頭しないときは、裁判所は、五万円以下の過料に処する。 (措置違反に対する制裁) 第三十二条 当事者が正当な理由がなく第二十九条第二項において準用する民事調停法第十二条の規定による措置に従わないときは、裁判所は、十万円以下の過料に処する。 (評議の秘密を漏らす罪) 第三十三条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなく評議の経過又は労働審判官若しくは労働審判員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金に処する。 (人の秘密を漏らす罪) 第三十四条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
民事
Heisei
Act
416AC0000000045_20260524_504AC0000000048.xml
平成十六年法律第四十五号
46
労働審判法 (目的) 第一条 この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。 (管轄) 第二条 労働審判手続に係る事件(以下「労働審判事件」という。)は、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所、個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所の管轄とする。 2 労働審判事件は、日本国内に相手方(法人その他の社団又は財団を除く。)の住所及び居所がないとき、又は住所及び居所が知れないときは、その最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 3 労働審判事件は、相手方が法人その他の社団又は財団(外国の社団又は財団を除く。)である場合において、日本国内にその事務所若しくは営業所がないとき、又はその事務所若しくは営業所の所在地が知れないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 労働審判事件は、相手方が外国の社団又は財団である場合において、日本国内にその事務所又は営業所がないときは、日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (移送) 第三条 裁判所は、労働審判事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。 2 裁判所は、労働審判事件がその管轄に属する場合においても、事件を処理するために適当と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。 (代理人) 第四条 労働審判手続については、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ代理人となることができない。 ただし、裁判所は、当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当と認めるときは、弁護士でない者を代理人とすることを許可することができる。 2 裁判所は、前項ただし書の規定による許可を取り消すことができる。 (労働審判手続の申立て) 第五条 当事者は、個別労働関係民事紛争の解決を図るため、裁判所に対し、労働審判手続の申立てをすることができる。 2 前項の申立ては、申立書を裁判所に提出してしなければならない。 3 前項の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当事者及び法定代理人 二 申立ての趣旨及び理由 (不適法な申立ての却下) 第六条 裁判所は、労働審判手続の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、その申立てを却下しなければならない。 (労働審判委員会) 第七条 裁判所は、労働審判官一人及び労働審判員二人で組織する労働審判委員会で労働審判手続を行う。 (労働審判官の指定) 第八条 労働審判官は、地方裁判所が当該地方裁判所の裁判官の中から指定する。 (労働審判員) 第九条 労働審判員は、この法律の定めるところにより、労働審判委員会が行う労働審判手続に関与し、中立かつ公正な立場において、労働審判事件を処理するために必要な職務を行う。 2 労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命する。 3 労働審判員は、非常勤とし、前項に規定するもののほか、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 4 労働審判員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。 (労働審判員の指定) 第十条 労働審判委員会を組織する労働審判員は、労働審判事件ごとに、裁判所が指定する。 2 裁判所は、前項の規定により労働審判員を指定するに当たっては、労働審判員の有する知識経験その他の事情を総合的に勘案し、労働審判委員会における労働審判員の構成について適正を確保するように配慮しなければならない。 (労働審判員の除斥) 第十一条 労働審判員の除斥については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第十一条並びに第十三条第二項、第四項、第八項及び第九項の規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。 2 労働審判員の除斥についての裁判は、労働審判員の所属する地方裁判所がする。 (決議等) 第十二条 労働審判委員会の決議は、過半数の意見による。 2 労働審判委員会の評議は、秘密とする。 (労働審判手続の指揮) 第十三条 労働審判手続は、労働審判官が指揮する。 (労働審判手続の期日等) 第十四条 労働審判官は、労働審判手続の期日を定めて、事件の関係人を呼び出さなければならない。 2 裁判所書記官は、前項の期日について、その経過の要領を記録上明らかにしなければならない。 3 裁判所書記官は、労働審判官が命じた場合には、第一項の期日について、調書を作成しなければならない。 (迅速な手続) 第十五条 労働審判委員会は、速やかに、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をしなければならない。 2 労働審判手続においては、特別の事情がある場合を除き、三回以内の期日において、審理を終結しなければならない。 (手続の非公開) 第十六条 労働審判手続は、公開しない。 ただし、労働審判委員会は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。 (証拠調べ等) 第十七条 労働審判委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。 2 証拠調べについては、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第二編第四章(第百七十九条、第百八十二条、第百八十五条第一項後段、第二項及び第三項、第百八十八条、第百八十九条、第百九十二条から第百九十五条まで(これらの規定を同法第二百一条第五項、第二百十条及び第二百十六条において準用する場合を含む。)、第二百条、第二百二条(同法第二百十条において準用する場合を含む。)、第二百五条第二項、第二百六条(同法第二百十条において準用する場合を含む。)、第二百七条第二項、第二百八条、第二百九条、第二百十五条第二項、第二百十五条の二第二項から第四項まで、第二百十五条の四、第二百二十四条(同法第二百二十九条第二項、第二百三十一条の三第一項及び第二百三十二条第一項において準用する場合を含む。)、第二百二十五条、第二百二十七条第二項、第二百二十九条第四項から第六項まで、第二百三十条、第二百三十二条第二項及び第三項、第二百三十二条の二並びに第二百三十九条を除く。)の規定を準用する。 この場合において、同法第二百五条第三項中「事項又は前項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項」とあり、及び同法第二百十五条第四項中「事項又は第二項の規定によりファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された事項」とあるのは「事項」と、同法第二百三十一条の二第二項中「方法又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する方法」とあるのは「方法」と、同法第二百三十一条の三第二項中「若しくは送付し、又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する」とあるのは「又は送付する」と読み替えるものとする。 (調停が成立した場合の費用の負担) 第十八条 各当事者は、調停が成立した場合において、その支出した費用のうち調停条項中に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (審理の終結) 第十九条 労働審判委員会は、審理を終結するときは、労働審判手続の期日においてその旨を宣言しなければならない。 (労働審判) 第二十条 労働審判委員会は、審理の結果認められる当事者間の権利関係及び労働審判手続の経過を踏まえて、労働審判を行う。 2 労働審判においては、当事者間の権利関係を確認し、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じ、その他個別労働関係民事紛争の解決をするために相当と認める事項を定めることができる。 3 労働審判は、主文及び理由の要旨を記載した審判書を作成して行わなければならない。 4 前項の審判書は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、労働審判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。 5 前項の規定による審判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百条第二項、第百四条、第三款及び第四款を除く。)の規定を準用する。 6 労働審判委員会は、相当と認めるときは、第三項の規定にかかわらず、審判書の作成に代えて、すべての当事者が出頭する労働審判手続の期日において労働審判の主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、労働審判を行うことができる。 この場合においては、労働審判の効力は、告知された時に生ずる。 7 裁判所は、前項前段の規定により労働審判が行われたときは、裁判所書記官に、その主文及び理由の要旨を、調書に記載させなければならない。 (異議の申立て等) 第二十一条 当事者は、労働審判に対し、前条第四項の規定による審判書の送達又は同条第六項の規定による労働審判の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。 3 適法な異議の申立てがあったときは、労働審判は、その効力を失う。 4 適法な異議の申立てがないときは、労働審判は、裁判上の和解と同一の効力を有する。 5 前項の場合において、各当事者は、その支出した費用のうち労働審判に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (訴え提起の擬制) 第二十二条 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったときは、労働審判手続の申立てに係る請求については、当該労働審判手続の申立ての時に、当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 この場合において、当該請求について民事訴訟法第一編第二章第一節の規定により日本の裁判所が管轄権を有しないときは、提起があったものとみなされた訴えを却下するものとする。 2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされる事件(同項後段の規定により却下するものとされる訴えに係るものを除く。)は、同項の地方裁判所の管轄に属する。 3 第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、民事訴訟法第百三十七条から第百三十八条まで及び第百五十八条の規定の適用については、第五条第二項の申立書を訴状とみなす。 (労働審判の取消し) 第二十三条 第二十条第四項の規定により審判書を送達すべき場合において、次に掲げる事由があるときは、裁判所は、決定で、労働審判を取り消さなければならない。 一 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないこと。 二 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百七条第一項の規定により送達をすることができないこと。 三 外国においてすべき送達について、第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認められること。 四 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がないこと。 2 前条の規定は、前項の規定により労働審判が取り消された場合について準用する。 (労働審判をしない場合の労働審判事件の終了) 第二十四条 労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる。 2 第二十二条の規定は、前項の規定により労働審判事件が終了した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた」とあるのは、「労働審判事件が終了した際に当該労働審判事件が係属していた」と読み替えるものとする。 (労働審判手続の申立ての取下げ) 第二十四条の二 労働審判手続の申立ては、労働審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 (費用の負担) 第二十五条 裁判所は、労働審判事件が終了した場合(第十八条及び第二十一条第五項に規定する場合を除く。)において、必要と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件に関する手続の費用の負担を命ずる決定をすることができる。 (事件の記録の閲覧等) 第二十六条 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、労働審判事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は労働審判事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 2 民事訴訟法第九十一条第四項及び第五項並びに第九十二条(第九項及び第十項を除く。)の規定は、前項の記録について準用する。 (訴訟手続の中止) 第二十七条 労働審判手続の申立てがあった事件について訴訟が係属するときは、受訴裁判所は、労働審判事件が終了するまで訴訟手続を中止することができる。 (即時抗告) 第二十八条 第二十五条の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第六条、第二十一条第二項、第二十三条第一項及び第二十五条の規定による決定に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (当事者に対する住所、氏名等の秘匿) 第二十八条の二 労働審判手続における申立てその他の申述については、民事訴訟法第一編第八章(第百三十三条の二第五項及び第六項並びに第百三十三条の三第二項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、同法第百三十三条第一項中「当事者」とあるのは「当事者又は参加人(労働審判法第二十九条第二項において準用する民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条の規定により労働審判手続に参加した者をいう。第百三十三条の四第一項、第二項及び第七項において同じ。)」と、同条第三項中「訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは「労働審判事件の記録」と、「について訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは「の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付」と、同法第百三十三条の二第一項中「に係る訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付」と、同条第二項中「訴訟記録等中」とあるのは「労働審判事件の記録中」と、同項及び同条第三項中「に係る訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製」と、同法第百三十三条の三第一項中「記載され、又は記録された書面又は電磁的記録」とあるのは「記載された書面」と、「当該書面又は電磁的記録」とあるのは「当該書面」と、「又は電磁的記録その他これに類する書面又は電磁的記録に係る訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「その他これに類する書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付」と、同法第百三十三条の四第一項中「者は、訴訟記録等」とあるのは「当事者若しくは参加人又は利害関係を疎明した第三者は、労働審判事件の記録」と、同条第二項中「当事者」とあるのは「当事者又は参加人」と、「訴訟記録等の存する」とあるのは「労働審判事件の記録の存する」と、「訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製」と、同条第七項中「当事者」とあるのは「当事者若しくは参加人」と読み替えるものとする。 (非訟事件手続法及び民事調停法の準用) 第二十九条 特別の定めがある場合を除いて、労働審判事件に関しては、非訟事件手続法第二編の規定(同法第十二条(同法第十四条及び第十五条において準用する場合を含む。)、第二十七条、第四十条、第四十二条の二、第五十二条、第五十三条及び第六十五条の規定を除く。)を準用する。 この場合において、同法第四十三条第四項中「第二項」とあるのは、「労働審判法第五条第三項」と読み替えるものとする。 2 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条、第十二条、第十六条及び第三十六条の規定は、労働審判事件について準用する。 この場合において、同法第十一条中「調停の」とあるのは「労働審判手続の」と、「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停手続」とあるのは「労働審判手続」と、同法第十二条第一項中「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停の」とあるのは「調停又は労働審判の」と、「調停前の措置」とあるのは「調停又は労働審判前の措置」と、同法第三十六条第一項中「前二条」とあるのは「労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第三十一条及び第三十二条」と読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第三十条 この法律に定めるもののほか、労働審判手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (不出頭に対する制裁) 第三十一条 労働審判官の呼出しを受けた事件の関係人が正当な理由がなく出頭しないときは、裁判所は、五万円以下の過料に処する。 (措置違反に対する制裁) 第三十二条 当事者が正当な理由がなく第二十九条第二項において準用する民事調停法第十二条の規定による措置に従わないときは、裁判所は、十万円以下の過料に処する。 (評議の秘密を漏らす罪) 第三十三条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなく評議の経過又は労働審判官若しくは労働審判員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金に処する。 (人の秘密を漏らす罪) 第三十四条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第四十五号
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労働審判法 (目的) 第一条 この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。 (管轄) 第二条 労働審判手続に係る事件(以下「労働審判事件」という。)は、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所、個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所の管轄とする。 2 労働審判事件は、日本国内に相手方(法人その他の社団又は財団を除く。)の住所及び居所がないとき、又は住所及び居所が知れないときは、その最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 3 労働審判事件は、相手方が法人その他の社団又は財団(外国の社団又は財団を除く。)である場合において、日本国内にその事務所若しくは営業所がないとき、又はその事務所若しくは営業所の所在地が知れないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 労働審判事件は、相手方が外国の社団又は財団である場合において、日本国内にその事務所又は営業所がないときは、日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (移送) 第三条 裁判所は、労働審判事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。 2 裁判所は、労働審判事件がその管轄に属する場合においても、事件を処理するために適当と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。 (代理人) 第四条 労働審判手続については、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ代理人となることができない。 ただし、裁判所は、当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当と認めるときは、弁護士でない者を代理人とすることを許可することができる。 2 裁判所は、前項ただし書の規定による許可を取り消すことができる。 (労働審判手続の申立て) 第五条 当事者は、個別労働関係民事紛争の解決を図るため、裁判所に対し、労働審判手続の申立てをすることができる。 2 前項の申立ては、申立書を裁判所に提出してしなければならない。 3 前項の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当事者及び法定代理人 二 申立ての趣旨及び理由 (不適法な申立ての却下) 第六条 裁判所は、労働審判手続の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、その申立てを却下しなければならない。 (労働審判委員会) 第七条 裁判所は、労働審判官一人及び労働審判員二人で組織する労働審判委員会で労働審判手続を行う。 (労働審判官の指定) 第八条 労働審判官は、地方裁判所が当該地方裁判所の裁判官の中から指定する。 (労働審判員) 第九条 労働審判員は、この法律の定めるところにより、労働審判委員会が行う労働審判手続に関与し、中立かつ公正な立場において、労働審判事件を処理するために必要な職務を行う。 2 労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命する。 3 労働審判員は、非常勤とし、前項に規定するもののほか、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 4 労働審判員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。 (労働審判員の指定) 第十条 労働審判委員会を組織する労働審判員は、労働審判事件ごとに、裁判所が指定する。 2 裁判所は、前項の規定により労働審判員を指定するに当たっては、労働審判員の有する知識経験その他の事情を総合的に勘案し、労働審判委員会における労働審判員の構成について適正を確保するように配慮しなければならない。 (労働審判員の除斥) 第十一条 労働審判員の除斥については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第十一条並びに第十三条第二項、第四項、第八項及び第九項の規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。 2 労働審判員の除斥についての裁判は、労働審判員の所属する地方裁判所がする。 (決議等) 第十二条 労働審判委員会の決議は、過半数の意見による。 2 労働審判委員会の評議は、秘密とする。 (労働審判手続の指揮) 第十三条 労働審判手続は、労働審判官が指揮する。 (労働審判手続の期日等) 第十四条 労働審判官は、労働審判手続の期日を定めて、事件の関係人を呼び出さなければならない。 2 裁判所書記官は、前項の期日について、その経過の要領を裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)に備えられたファイル(第二十六条の二第二項及び第三項並びに第二十六条の三を除き、以下単に「ファイル」という。)に記録しなければならない。 3 裁判所書記官は、労働審判官が命じた場合には、第一項の期日について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。次項並びに第二十条第七項及び第八項において同じ。)を作成しなければならない。 4 裁判所書記官は、前項の規定により電子調書を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。 (迅速な手続) 第十五条 労働審判委員会は、速やかに、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をしなければならない。 2 労働審判手続においては、特別の事情がある場合を除き、三回以内の期日において、審理を終結しなければならない。 (手続の非公開) 第十六条 労働審判手続は、公開しない。 ただし、労働審判委員会は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。 (証拠調べ等) 第十七条 労働審判委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。 2 証拠調べについては、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第二編第四章(第百七十九条、第百八十二条、第百八十五条第一項後段及び第二項、第百八十八条、第百八十九条、第百九十二条から第百九十五条まで(これらの規定を同法第二百一条第五項、第二百十条及び第二百十六条において準用する場合を含む。)、第二百条、第二百二条(同法第二百十条において準用する場合を含む。)、第二百六条(同法第二百十条において準用する場合を含む。)、第二百七条第二項、第二百八条、第二百九条、第二百十五条の二第二項から第四項まで、第二百十五条の四、第二百二十四条(同法第二百二十九条第二項、第二百三十一条の三第一項及び第二百三十二条第一項において準用する場合を含む。)、第二百二十五条、第二百二十九条第四項から第六項まで、第二百三十条、第二百三十二条第二項及び第三項並びに第二百三十九条を除く。)の規定を準用する。 (調停が成立した場合の費用の負担) 第十八条 各当事者は、調停が成立した場合において、その支出した費用のうち調停条項中に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (審理の終結) 第十九条 労働審判委員会は、審理を終結するときは、労働審判手続の期日においてその旨を宣言しなければならない。 (労働審判) 第二十条 労働審判委員会は、審理の結果認められる当事者間の権利関係及び労働審判手続の経過を踏まえて、労働審判を行う。 2 労働審判においては、当事者間の権利関係を確認し、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じ、その他個別労働関係民事紛争の解決をするために相当と認める事項を定めることができる。 3 労働審判は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子審判書(労働審判の主文及び理由の要旨を記録した電磁的記録をいう。以下同じ。)を作成し、ファイルに記録して行わなければならない。 4 電子審判書(前項の規定によりファイルに記録されたものに限る。次項、次条第一項及び第二十三条第一項において同じ。)は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、労働審判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。 5 前項の規定による電子審判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条、第百九条の二第二項後段及び第四款を除く。)及び第二百五十五条第二項の規定を準用する。 6 労働審判委員会は、相当と認めるときは、第三項の規定にかかわらず、電子審判書の作成に代えて、全ての当事者が出頭する労働審判手続の期日において労働審判の主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、労働審判を行うことができる。 この場合においては、労働審判の効力は、告知された時に生ずる。 7 裁判所は、前項前段の規定により労働審判が行われたときは、裁判所書記官に、その主文及び理由の要旨を、電子調書に記録させなければならない。 8 前項の電子調書(第十四条第四項の規定によりファイルに記録されたものに限る。)は、当事者に送付しなければならない。 (異議の申立て等) 第二十一条 当事者は、労働審判に対し、前条第四項の規定による電子審判書の送達又は同条第六項の規定による労働審判の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。 2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。 3 適法な異議の申立てがあったときは、労働審判は、その効力を失う。 4 適法な異議の申立てがないときは、労働審判は、裁判上の和解と同一の効力を有する。 5 前項の場合において、各当事者は、その支出した費用のうち労働審判に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。 (訴え提起の擬制) 第二十二条 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったときは、労働審判手続の申立てに係る請求については、当該労働審判手続の申立ての時に、当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。 この場合において、当該請求について民事訴訟法第一編第二章第一節の規定により日本の裁判所が管轄権を有しないときは、提起があったものとみなされた訴えを却下するものとする。 2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされる事件(同項後段の規定により却下するものとされる訴えに係るものを除く。)は、同項の地方裁判所の管轄に属する。 3 第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、民事訴訟法第百三十七条から第百三十八条まで及び第百五十八条の規定の適用については、第五条第二項の申立書を訴状とみなす。 (労働審判の取消し) 第二十三条 第二十条第四項の規定により電子審判書を送達すべき場合において、次に掲げる事由があるときは、裁判所は、決定で、労働審判を取り消さなければならない。 一 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないこと(第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百九条の二の規定により送達をすることができる場合を除く。)。 二 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百七条第一項の規定により送達をすることができないこと。 三 外国においてすべき送達について、第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認められること。 四 第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がないこと。 2 前条の規定は、前項の規定により労働審判が取り消された場合について準用する。 (労働審判をしない場合の労働審判事件の終了) 第二十四条 労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる。 2 第二十二条の規定は、前項の規定により労働審判事件が終了した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた」とあるのは、「労働審判事件が終了した際に当該労働審判事件が係属していた」と読み替えるものとする。 (労働審判手続の申立ての取下げ) 第二十四条の二 労働審判手続の申立ては、労働審判が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。 (費用の負担) 第二十五条 裁判所は、労働審判事件が終了した場合(第十八条及び第二十一条第五項に規定する場合を除く。)において、必要と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件に関する手続の費用の負担を命ずる決定をすることができる。 2 前項の申立ては、労働審判事件が終了した日から十年以内にしなければならない。 (非電磁的事件記録の閲覧等) 第二十六条 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、非電磁的事件記録(労働審判事件の記録中次条第一項に規定する電磁的事件記録を除いた部分をいう。次項において同じ。)の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 2 民事訴訟法第九十一条第四項及び第五項並びに第九十二条(第九項及び第十項を除く。)の規定は、非電磁的事件記録について準用する。 (電磁的事件記録の閲覧等) 第二十六条の二 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的事件記録(労働審判事件の記録中この法律その他の法令の規定によりファイルに記録された事項に係る部分をいう。以下この条において同じ。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。 2 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、電磁的事件記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。 3 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的事件記録に記録されている事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が電磁的事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを交付し、又は当該事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が電磁的事件記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。 4 民事訴訟法第九十一条第五項及び第九十二条の規定は、電磁的事件記録について準用する。 (労働審判事件に関する事項の証明) 第二十六条の三 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、労働審判事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。 (訴訟手続の中止) 第二十七条 労働審判手続の申立てがあった事件について訴訟が係属するときは、受訴裁判所は、労働審判事件が終了するまで訴訟手続を中止することができる。 (即時抗告) 第二十八条 第二十五条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第六条、第二十一条第二項、第二十三条第一項及び第二十五条第一項の規定による決定に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (電子情報処理組織による申立て等) 第二十八条の二 労働審判手続における申立てその他の申述(次項及び次条において「申立て等」という。)については、民事訴訟法第百三十二条の十から第百三十二条の十二までの規定を準用する。 この場合において、同法第百三十二条の十第五項及び第六項並びに第百三十二条の十二第二項及び第三項中「送達」とあるのは「送達又は送付」と、同法第百三十二条の十一第一項第一号中「第五十四条第一項ただし書」とあるのは「労働審判法第四条第一項ただし書」と、同項第二号中「第二条」とあるのは「第九条において準用する同法第二条」と、同法第百三十二条の十二第一項第三号中「第百三十三条の二第二項」とあるのは「労働審判法第二十八条の三において読み替えて準用する第百三十三条の二第二項」と読み替えるものとする。 2 労働審判手続においてこの法律その他の法令の規定に基づき裁判所に提出された書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下この項において同じ。)(申立て等が書面等により行われたときにおける当該書面等を除く。)又は電磁的記録を記録した記録媒体に記載され、又は記録されている事項のファイルへの記録については、民事訴訟法第百三十二条の十三の規定を準用する。 この場合において、同条第三号中「第百三十三条の二第二項」とあるのは「労働審判法第二十八条の三において読み替えて準用する第百三十三条の二第二項」と、同条第四号中「第百三十三条の三第一項」とあるのは「労働審判法第二十八条の三において読み替えて準用する第百三十三条の三第一項」と読み替えるものとする。 (当事者に対する住所、氏名等の秘匿) 第二十八条の三 労働審判手続における申立て等については、民事訴訟法第一編第八章の規定を準用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第百三十三条第一項 当事者 当事者又は参加人(労働審判法第二十九条第二項において準用する民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条の規定により労働審判手続に参加した者をいう。第百三十三条の四第一項、第二項及び第七項において同じ。) 第百三十三条第三項 訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。以下この章において同じ。) 労働審判事件の記録 訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等 労働審判事件の記録の閲覧等(非電磁的事件記録(労働審判法第二十六条第一項に規定する非電磁的事件記録をいう。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付若しくは複製又は電磁的事件記録(同法第二十六条の二第一項に規定する電磁的事件記録をいう。次条において同じ。)の閲覧若しくは複写若しくはその内容の全部若しくは一部を証明した書面の交付若しくは電磁的記録の提供 第百三十三条の二第一項から第三項まで、第百三十三条の三第一項及び第百三十三条の四第二項 訴訟記録等の閲覧等 労働審判事件の記録の閲覧等 第百三十三条の二第二項 訴訟記録等中 労働審判事件の記録中 第百三十三条の二第五項 電磁的訴訟記録等(電磁的訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。) 電磁的事件記録 電磁的訴訟記録等から 電磁的事件記録から 第百三十三条の二第六項 電磁的訴訟記録等 電磁的事件記録 第百三十三条の四第一項 者は、訴訟記録等 当事者若しくは参加人又は利害関係を疎明した第三者は、労働審判事件の記録 第百三十三条の四第二項 当事者 当事者又は参加人 訴訟記録等の存する 労働審判事件の記録の存する 第百三十三条の四第七項 当事者 当事者若しくは参加人 (非訟事件手続法及び民事調停法の準用) 第二十九条 特別の定めがある場合を除いて、労働審判事件に関しては、非訟事件手続法第二編の規定(同法第十二条(同法第十四条及び第十五条において準用する場合を含む。)、第二十七条、第四十条、第四十二条、第四十二条の二、第五十二条、第五十三条、第六十五条及び第六十五条の二の規定を除く。)を準用する。 この場合において、同法第三十一条の二第一項中「前条第二項」とあるのは「労働審判法第十四条第四項」と、同法第三十八条中「非訟事件手続法第四十二条第一項」とあるのは「労働審判法第二十八条の二第一項」と、同法第四十三条第四項中「第二項」とあるのは「労働審判法第五条第三項」と読み替えるものとする。 2 民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条、第十二条、第十六条、第十六条の二及び第三十六条の規定は、労働審判事件について準用する。 この場合において、同法第十一条中「調停の」とあるのは「労働審判手続の」と、「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停手続」とあるのは「労働審判手続」と、同法第十二条第一項中「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停の」とあるのは「調停又は労働審判の」と、「調停前の措置」とあるのは「調停又は労働審判前の措置」と、同法第十六条の二第二項中「第二十二条」とあるのは「労働審判法第二十九条第一項」と、同法第三十六条第一項中「前二条」とあるのは「労働審判法第三十一条及び第三十二条」と読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第三十条 この法律に定めるもののほか、労働審判手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (不出頭に対する制裁) 第三十一条 労働審判官の呼出しを受けた事件の関係人が正当な理由がなく出頭しないときは、裁判所は、五万円以下の過料に処する。 (措置違反に対する制裁) 第三十二条 当事者が正当な理由がなく第二十九条第二項において準用する民事調停法第十二条の規定による措置に従わないときは、裁判所は、十万円以下の過料に処する。 (評議の秘密を漏らす罪) 第三十三条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなく評議の経過又は労働審判官若しくは労働審判員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金に処する。 (人の秘密を漏らす罪) 第三十四条 労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第七十五号
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破産法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。 2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。 3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。 4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。 5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。 6 この法律において「破産債権者」とは、破産債権を有する債権者をいう。 7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。 8 この法律において「財団債権者」とは、財団債権を有する債権者をいう。 9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。 10 この法律において「別除権者」とは、別除権を有する者をいう。 11 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。 12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。 13 この法律において「保全管理人」とは、第九十一条第一項の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。 14 この法律において「破産財団」とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。 (外国人の地位) 第三条 外国人又は外国法人は、破産手続、第十二章第一節の規定による免責手続(以下「免責手続」という。)及び同章第二節の規定による復権の手続(以下この章において「破産手続等」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。 (破産事件の管轄) 第四条 この法律の規定による破産手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。 2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。 第五条 破産事件は、債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 2 前項の規定による管轄裁判所がないときは、破産事件は、債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第八十三条第二項第二号及び第三項並びに第百六十一条第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「破産事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての破産手続開始の申立ては、親法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について破産事件等が係属しているときにおける親法人についての破産手続開始の申立ては、子株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 4 子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について破産事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての破産手続開始の申立ては、当該株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について破産事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての破産手続開始の申立ては、当該他の法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 6 第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について破産事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての破産手続開始の申立ては、当該法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について破産事件又は再生事件が係属している場合における当該法人についての破産手続開始の申立ては、当該法人の代表者の破産事件又は再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 7 第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について破産事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての破産手続開始の申立ては、当該破産事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 一 相互に連帯債務者の関係にある個人 二 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人 三 夫婦 8 第一項及び第二項の規定にかかわらず、破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 9 第一項及び第二項の規定にかかわらず、前項に規定する債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 10 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (専属管轄) 第六条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。 (破産事件の移送) 第七条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件(破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件)を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。 一 債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所 二 債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所 三 第五条第二項に規定する地方裁判所 四 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所 イ 第五条第三項から第七項までに規定する地方裁判所 ロ 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者。ハにおいて同じ。)の数が五百人以上であるときは、第五条第八項に規定する地方裁判所 ハ ロに規定する債権者の数が千人以上であるときは、第五条第九項に規定する地方裁判所 五 第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に破産事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所 (任意的口頭弁論等) 第八条 破産手続等に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 裁判所は、職権で、破産手続等に係る事件に関して必要な調査をすることができる。 (不服申立て) 第九条 破産手続等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 (公告等) 第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。 5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。 (事件に関する文書の閲覧等) 第十一条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が破産手続開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 債務者以外の利害関係人 第二十四条第一項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令、第百七十一条第一項の規定による保全処分又は破産手続開始の申立てについての裁判 二 債務者 破産手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分若しくは裁判 (支障部分の閲覧等の制限) 第十二条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、破産財団(破産手続開始前にあっては、債務者の財産)の管理又は換価に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した破産管財人又は保全管理人の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者(その者が保全管理人である場合にあっては、保全管理人又は破産管財人。次項において同じ。)に限ることができる。 一 第三十六条、第四十条第一項ただし書若しくは同条第二項において準用する同条第一項ただし書(これらの規定を第九十六条第一項において準用する場合を含む。)、第七十八条第二項(第九十三条第三項において準用する場合を含む。)、第八十四条(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第九十三条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等 二 第百五十七条第二項の規定による報告に係る文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、破産裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 (民事訴訟法の準用) 第十三条 特別の定めがある場合を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定(同法第八十七条の二の規定を除く。)を準用する。 (最高裁判所規則) 第十四条 この法律に定めるもののほか、破産手続等に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二章 破産手続の開始 第一節 破産手続開始の申立て (破産手続開始の原因) 第十五条 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。 (法人の破産手続開始の原因) 第十六条 債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 2 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。 (破産手続開始の原因の推定) 第十七条 債務者についての外国で開始された手続で破産手続に相当するものがある場合には、当該債務者に破産手続開始の原因となる事実があるものと推定する。 (破産手続開始の申立て) 第十八条 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 (法人の破産手続開始の申立て) 第十九条 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 一 一般社団法人又は一般財団法人 理事 二 株式会社又は相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。第百五十条第六項第三号において同じ。) 取締役 三 合名会社、合資会社又は合同会社 業務を執行する社員 2 前項各号に掲げる法人については、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができる。 3 前二項の規定により第一項各号に掲げる法人について破産手続開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 4 前三項の規定は、第一項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。 5 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の申立ての方式) 第二十条 破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。 2 債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 (破産手続開始の申立書の審査) 第二十一条 前条第一項の書面(以下この条において「破産手続開始の申立書」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い破産手続開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。 2 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 裁判所は、第三項の異議の申立てがあった場合において、破産手続開始の申立書に第一項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。 6 第一項又は前項の場合において、破産手続開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。 7 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の予納) 第二十二条 破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 2 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の仮支弁) 第二十三条 裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。 職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。 2 前条第一項の規定は、前項前段の規定により破産手続の費用を仮に国庫から支弁する場合には、適用しない。 (他の手続の中止命令等) 第二十四条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる手続又は第六号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第五号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る。 一 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「強制執行等」という。)の手続で、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権若しくは財団債権となるべきもの(以下この項及び次条第八項において「破産債権等」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの 二 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続で、破産債権等に基づくもの 三 債務者の財産関係の訴訟手続 四 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続 五 債務者の責任制限手続(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第三章又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五章、同法第四十三条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第四十三条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条及び第五十四条を除く。)若しくは船舶油濁等損害賠償保障法第五十一条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第五十一条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条、第四節及び第五十四条を除く。)の規定による責任制限手続をいう。第二百六十三条及び第二百六十四条第一項において同じ。) 六 債務者の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第百三条第五項及び第二百五十三条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「外国租税滞納処分」という。)で、破産債権等に基づくもの 2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第一項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 4 第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令) 第二十五条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第一号又は第六号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。 ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第九十一条第二項に規定する保全管理命令をした場合に限る。 2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。 3 包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続及び外国租税滞納処分(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。 4 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第三項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 6 包括的禁止命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 8 包括的禁止命令が発せられたときは、破産債権等(当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等) 第二十六条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。 2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 前条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令の解除) 第二十七条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。 この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で第二十五条第三項の規定により中止されていたものは、続行する。 2 前項の規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。 3 第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (債務者の財産に関する保全処分) 第二十八条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 裁判所が第一項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、破産手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (破産手続開始の申立ての取下げの制限) 第二十九条 破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、第二十四条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、前条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は第百七十一条第一項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 第二節 破産手続開始の決定 (破産手続開始の決定) 第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。 二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。 (破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等) 第三十一条 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 破産債権の届出をすべき期間 二 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会(第四項、第百三十六条第二項及び第三項並びに第百五十八条において「財産状況報告集会」という。)の期日 三 破産債権の調査をするための期間(第百十六条第二項の場合にあっては、破産債権の調査をするための期日) 2 前項第一号及び第三号の規定にかかわらず、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第一号の期間並びに同項第三号の期間及び期日を定めないことができる。 3 前項の場合において、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めなければならない。 4 第一項第二号の規定にかかわらず、裁判所は、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、同号の期日を定めないことができる。 5 第一項の場合において、知れている破産債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第四項本文及び第五項本文において準用する同条第三項第一号、第三十三条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者(同項本文の場合にあっては、同項本文に規定する議決権者。次条第二項において同じ。)に対する通知をせず、かつ、第百十一条、第百十二条又は第百十四条の規定により破産債権の届出をした破産債権者(以下「届出をした破産債権者」という。)を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。 (破産手続開始の公告等) 第三十二条 裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産管財人の氏名又は名称 三 前条第一項の規定により定めた期間又は期日 四 破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者(第三項第二号において「財産所持者等」という。)は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨 五 第二百四条第一項第二号の規定による簡易配当をすることが相当と認められる場合にあっては、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し前条第一項第三号の期間の満了時又は同号の期日の終了時までに異議を述べるべき旨 2 前条第五項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第四項本文及び第五項本文において準用する次項第一号、次条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者に対する通知をせず、かつ、届出をした破産債権者を債権者集会の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。 3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 一 破産管財人、破産者及び知れている破産債権者 二 知れている財産所持者等 三 第九十一条第二項に規定する保全管理命令があった場合における保全管理人 四 労働組合等(破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第七十八条第四項及び第百三十六条第三項において同じ。) 4 第一項第三号及び前項第一号の規定は、前条第三項の規定により同条第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めた場合について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 第一項第二号並びに第三項第一号及び第二号の規定は第一項第二号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第一項第三号及び第三項第一号の規定は第一項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合(前条第一項第一号の期間又は同項第二号の期日に変更を生じた場合に限る。)について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 (抗告) 第三十三条 破産手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第二十四条から第二十八条までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。 3 破産手続開始の決定をした裁判所は、第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第三項各号(第三号を除く。)に掲げる者にその主文を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 第三節 破産手続開始の効果 第一款 通則 (破産財団の範囲) 第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。 一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭 二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。 ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。 4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。 5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。 6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (法人の存続の擬制) 第三十五条 他の法律の規定により破産手続開始の決定によって解散した法人又は解散した法人で破産手続開始の決定を受けたものは、破産手続による清算の目的の範囲内において、破産手続が終了するまで存続するものとみなす。 (破産者の事業の継続) 第三十六条 破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。 (破産者の居住に係る制限) 第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 (破産者の引致) 第三十八条 裁判所は、必要と認めるときは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前二項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による引致を命ずる決定に対しては、破産者又は債務者は、即時抗告をすることができる。 5 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)中 勾 こう 引に関する規定は、第一項及び第二項の規定による引致について準用する。 (破産者に準ずる者への準用) 第三十九条 前二条の規定は、破産者の法定代理人及び支配人並びに破産者の理事、取締役、執行役及びこれらに準ずる者について準用する。 (破産者等の説明義務) 第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 一 破産者 二 破産者の代理人 三 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人 四 前号に掲げる者に準ずる者 五 破産者の従業者(第二号に掲げる者を除く。) 2 前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。 (破産者の重要財産開示義務) 第四十一条 破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (他の手続の失効等) 第四十二条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。 2 前項に規定する場合には、同項に規定する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続並びに外国租税滞納処分で、破産財団に属する財産に対して既にされているものは、破産財団に対してはその効力を失う。 ただし、同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については、破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。 3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は、財団債権とする。 5 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては、破産管財人を被告とする。 6 破産手続開始の決定があったときは、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)又は第三者からの情報取得手続(同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)の申立てはすることができず、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続はその効力を失う。 (国税滞納処分等の取扱い) 第四十三条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。 2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。 3 破産手続開始の決定があったときは、破産手続が終了するまでの間は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。 免責許可の申立てがあった後当該申立てについての裁判が確定するまでの間(破産手続開始の決定前に免責許可の申立てがあった場合にあっては、破産手続開始の決定後当該申立てについての裁判が確定するまでの間)も、同様とする。 (破産財団に関する訴えの取扱い) 第四十四条 破産手続開始の決定があったときは、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち破産債権に関しないものを受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 破産手続が終了したときは、破産管財人を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 5 破産者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産者は、当然訴訟手続を受継する。 (債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の取扱い) 第四十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七又は第四百二十四条第一項の規定により破産債権者又は財団債権者の提起した訴訟が破産手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産債権者又は財団債権者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、中断する。 5 前項の場合には、破産債権者又は財団債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産債権者又は財団債権者は、当然訴訟手続を受継する。 (行政庁に係属する事件の取扱い) 第四十六条 第四十四条の規定は、破産財団に関する事件で行政庁に係属するものについて準用する。 第二款 破産手続開始の効果 (開始後の法律行為の効力) 第四十七条 破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。 (開始後の権利取得の効力) 第四十八条 破産手続開始後に破産財団に属する財産に関して破産者の法律行為によらないで権利を取得しても、その権利の取得は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 前条第二項の規定は、破産手続開始の日における前項の権利の取得について準用する。 (開始後の登記及び登録の効力) 第四十九条 不動産又は船舶に関し破産手続開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 ただし、登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。 2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。 (開始後の破産者に対する弁済の効力) 第五十条 破産手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。 2 破産手続開始後に、その事実を知って破産者にした弁済は、破産財団が受けた利益の限度においてのみ、破産手続の関係において、その効力を主張することができる。 (善意又は悪意の推定) 第五十一条 前二条の規定の適用については、第三十二条第一項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 (共有関係) 第五十二条 数人が共同して財産権を有する場合において、共有者の中に破産手続開始の決定を受けた者があるときは、その共有に係る財産の分割の請求は、共有者の間で分割をしない旨の定めがあるときでも、することができる。 2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って破産者の持分を取得することができる。 (双務契約) 第五十三条 双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 2 前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。 この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。 3 前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第六百三十一条前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第六百四十二条第一項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。 第五十四条 前条第一項又は第二項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。 (継続的給付を目的とする双務契約) 第五十五条 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。 2 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。 3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。 (賃貸借契約等) 第五十六条 第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。 (委任契約) 第五十七条 委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法第六百五十五条の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。 (市場の相場がある商品の取引に係る契約) 第五十八条 取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。 2 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。 3 第五十四条第一項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。 4 第一項又は第二項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。 5 第一項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第二項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。 (交互計算) 第五十九条 交互計算は、当事者の一方について破産手続が開始されたときは、終了する。 この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。 2 前項の規定による請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し、相手方が有するときは破産債権とする。 (為替手形の引受け又は支払等) 第六十条 為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。 3 第五十一条の規定は、前二項の規定の適用について準用する。 (夫婦財産関係における管理者の変更等) 第六十一条 民法第七百五十八条第二項及び第三項並びに第七百五十九条の規定は配偶者の財産を管理する者につき破産手続が開始された場合について、同法第八百三十五条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。 第三款 取戻権 (取戻権) 第六十二条 破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。 (運送中の物品の売主等の取戻権) 第六十三条 売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。 ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。 2 前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。 3 第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。 この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。 (代償的取戻権) 第六十四条 破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。 2 前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。 第四款 別除権 (別除権) 第六十五条 別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。 2 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。 (留置権の取扱い) 第六十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。 2 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。 3 第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。 第五款 相殺権 (相殺権) 第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。 2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。 破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。 (相殺に供することができる破産債権の額) 第六十八条 破産債権者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、第百三条第二項各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。 2 前項の規定にかかわらず、破産債権者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。 (解除条件付債権を有する者による相殺) 第六十九条 解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。 (停止条件付債権等を有する者による寄託の請求) 第七十条 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。 敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。 (相殺の禁止) 第七十一条 破産債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担したとき。 二 支払不能になった後に契約によって負担する債務を専ら破産債権をもってする相殺に供する目的で破産者の財産の処分を内容とする契約を破産者との間で締結し、又は破産者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより破産者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産債権者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第七十二条 破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 破産者に対して債務を負担する者と破産者との間の契約 (破産管財人の催告権) 第七十三条 破産管財人は、第三十一条第一項第三号の期間が経過した後又は同号の期日が終了した後は、第六十七条の規定により相殺をすることができる破産債権者に対し、一月以上の期間を定め、その期間内に当該破産債権をもって相殺をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、破産債権者の負担する債務が弁済期にあるときに限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、破産債権者が同項の規定により定めた期間内に確答をしないときは、当該破産債権者は、破産手続の関係においては、当該破産債権についての相殺の効力を主張することができない。 第三章 破産手続の機関 第一節 破産管財人 第一款 破産管財人の選任及び監督 (破産管財人の選任) 第七十四条 破産管財人は、裁判所が選任する。 2 法人は、破産管財人となることができる。 (破産管財人に対する監督等) 第七十五条 破産管財人は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。 この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。 (数人の破産管財人の職務執行) 第七十六条 破産管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (破産管財人代理) 第七十七条 破産管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。 2 前項の破産管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 第二款 破産管財人の権限等 (破産管財人の権限) 第七十八条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。 2 破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 二 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却 三 営業又は事業の譲渡 四 商品の一括売却 五 借財 六 第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄 七 動産の任意売却 八 債権又は有価証券の譲渡 九 第五十三条第一項の規定による履行の請求 十 訴えの提起 十一 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 十二 権利の放棄 十三 財団債権、取戻権又は別除権の承認 十四 別除権の目的である財産の受戻し 十五 その他裁判所の指定する行為 3 前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 4 裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。 5 第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。 (破産財団の管理) 第七十九条 破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第八十条 破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。 (郵便物等の管理) 第八十一条 裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。 2 裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。 3 破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 第八十二条 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。 (破産管財人による調査等) 第八十三条 破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 2 破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 一 破産者が株式会社である場合 破産者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。) 二 破産者が株式会社以外のものである場合 破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社 3 破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。 (破産管財人の職務の執行の確保) 第八十四条 破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。 (破産管財人の注意義務) 第八十五条 破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 (破産管財人の情報提供努力義務) 第八十六条 破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。 (破産管財人の報酬等) 第八十七条 破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。 (破産管財人の任務終了の場合の報告義務等) 第八十八条 破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。 2 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。 3 第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。 4 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 5 前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。 6 第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 第八十九条 前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。 この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。 3 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 4 第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 (任務終了の場合の財産の管理) 第九十条 破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 2 破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。 ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。 第二節 保全管理人 (保全管理命令) 第九十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 3 前二項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 4 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 (保全管理命令に関する公告及び送達) 第九十二条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 2 保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。 (保全管理人の権限) 第九十三条 保全管理命令が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 第七十八条第二項から第六項までの規定は、保全管理人について準用する。 (保全管理人の任務終了の場合の報告義務) 第九十四条 保全管理人の任務が終了した場合には、保全管理人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 2 前項の場合において、保全管理人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の保全管理人又は破産管財人がしなければならない。 (保全管理人代理) 第九十五条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。 2 前項の規定による保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (準用) 第九十六条 第四十条の規定は保全管理人の請求について、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第七十四条第二項、第七十五条、第七十六条、第七十九条、第八十条、第八十二条から第八十五条まで、第八十七条第一項及び第二項並びに第九十条第一項の規定は保全管理人について、第八十七条第一項及び第二項の規定は保全管理人代理について準用する。 この場合において、第五十一条中「第三十二条第一項の規定による公告」とあるのは「第九十二条第一項の規定による公告」と、第九十条第一項中「後任の破産管財人」とあるのは「後任の保全管理人、破産管財人」と読み替えるものとする。 2 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。 一 保全管理命令が発せられた場合 第四十四条第一項から第三項まで 二 保全管理命令が効力を失った場合(破産手続開始の決定があった場合を除く。) 第四十四条第四項から第六項まで 第四章 破産債権 第一節 破産債権者の権利 (破産債権に含まれる請求権) 第九十七条 次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は、破産債権に含まれるものとする。 一 破産手続開始後の利息の請求権 二 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 三 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 四 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの 五 加算税(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第四号に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 六 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(以下「罰金等の請求権」という。) 七 破産手続参加の費用の請求権 八 第五十四条第一項(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権 九 第五十七条に規定する債権 十 第五十九条第一項の規定による請求権であって、相手方の有するもの 十一 第六十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する債権 十二 第百六十八条第二項第二号又は第三号に定める権利 (優先的破産債権) 第九十八条 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。 2 前項の場合において、優先的破産債権間の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 3 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、破産手続開始の時からさかのぼって計算する。 (劣後的破産債権等) 第九十九条 次に掲げる債権(以下「劣後的破産債権」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。 一 第九十七条第一号から第七号までに掲げる請求権 二 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する破産手続開始の時における法定利率による利息の額に相当する部分 三 破産手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分 四 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき第二号の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が破産手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分 2 破産債権者と破産者との間において、破産手続開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権(以下「約定劣後破産債権」という。)は、劣後的破産債権に後れる。 (破産債権の行使) 第百条 破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる行為によって破産債権である租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)を行使する場合については、適用しない。 一 破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分 二 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当 (給料の請求権等の弁済の許可) 第百一条 優先的破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第百九十五条第一項に規定する最後配当、第二百四条第一項に規定する簡易配当、第二百八条第一項に規定する同意配当又は第二百九条第一項に規定する中間配当の許可があるまでの間、破産管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。 ただし、その弁済により財団債権又は他の先順位若しくは同順位の優先的破産債権を有する者の利益を害するおそれがないときに限る。 2 破産管財人は、前項の破産債権者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。 この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。 (破産管財人による相殺) 第百二条 破産管財人は、破産財団に属する債権をもって破産債権と相殺することが破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。 (破産債権者の手続参加) 第百三条 破産債権者は、その有する破産債権をもって破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、破産債権の額は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 一 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの ハ 金額又は存続期間が不確定である定期金債権 二 前号に掲げる債権以外の債権 債権額 3 破産債権が期限付債権でその期限が破産手続開始後に到来すべきものであるときは、その破産債権は、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす。 4 破産債権が破産手続開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも、当該破産債権者は、その破産債権をもって破産手続に参加することができる。 5 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって破産手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定をいう。第百三十四条第二項において同じ。)を得なければならない。 (全部の履行をする義務を負う者が数人ある場合等の手続参加) 第百四条 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。 3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。 ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。 4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。 5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する。 (保証人の破産の場合の手続参加) 第百五条 保証人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき無限の責任を負う者の破産の場合の手続参加) 第百六条 法人の債務につき無限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき有限の責任を負う者の破産の場合の手続参加等) 第百七条 法人の債務につき有限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続に参加することができない。 この場合においては、当該法人が出資の請求について破産手続に参加することを妨げない。 2 法人の債務につき有限の責任を負う者がある場合において、当該法人について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、当該法人の債務につき有限の責任を負う者に対してその権利を行使することができない。 (別除権者等の手続参加) 第百八条 別除権者は、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の額についてのみ、破産債権者としてその権利を行使することができる。 ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。 2 破産財団に属しない破産者の財産につき特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 (外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加) 第百九条 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 (代理委員) 第百十条 破産債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。 2 代理委員は、これを選任した破産債権者のために、破産手続に属する一切の行為をすることができる。 3 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。 ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可を取り消すことができる。 第二節 破産債権の届出 (破産債権の届出) 第百十一条 破産手続に参加しようとする破産債権者は、第三十一条第一項第一号又は第三項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 一 各破産債権の額及び原因 二 優先的破産債権であるときは、その旨 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは、その旨 四 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項 2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。 一 別除権の目的である財産 二 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 3 前項の規定は、第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を有する者(以下「準別除権者」という。)について準用する。 (一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等) 第百十二条 破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第三十一条第一項第三号の期間(以下「一般調査期間」という。)の経過又は同号の期日(以下「一般調査期日」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。 2 前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 3 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に生じた破産債権については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。 4 第一項及び第二項の規定は、破産債権者が、その責めに帰することができない事由によって、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。 (届出名義の変更) 第百十三条 届出をした破産債権を取得した者は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。 2 前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (租税等の請求権等の届出) 第百十四条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。 一 租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 二 罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 第三節 破産債権の調査及び確定 第一款 通則 (破産債権者表の作成等) 第百十五条 裁判所書記官は、届出があった破産債権について、破産債権者表を作成しなければならない。 2 前項の破産債権者表には、各破産債権について、第百十一条第一項第一号から第四号まで及び第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。 3 破産債権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。 (破産債権の調査の方法) 第百十六条 裁判所による破産債権の調査は、次款の規定により、破産管財人が作成した認否書並びに破産債権者及び破産者の書面による異議に基づいてする。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必要があると認めるときは、第三款の規定により、破産債権の調査を、そのための期日における破産管財人の認否並びに破産債権者及び破産者の異議に基づいてすることができる。 3 裁判所は、第百二十一条の規定による一般調査期日における破産債権の調査の後であっても、第百十九条の規定による特別調査期間における書面による破産債権の調査をすることができ、必要があると認めるときは、第百十八条の規定による一般調査期間における書面による破産債権の調査の後であっても、第百二十二条の規定による特別調査期日における破産債権の調査をすることができる。 第二款 書面による破産債権の調査 (認否書の作成及び提出) 第百十七条 破産管財人は、一般調査期間が定められたときは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 一 破産債権の額 二 優先的破産債権であること。 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること。 四 別除権(第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 2 破産管財人は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の破産債権者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。 3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所の定める期限までに、前二項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 4 第一項の規定により同項の認否書に認否を記載すべき事項であって前項の規定により提出された認否書に認否の記載がないものがあるときは、破産管財人において当該事項を認めたものとみなす。 5 第二項の規定により第一項各号に掲げる事項についての認否を認否書に記載することができる破産債権について、第三項の規定により提出された認否書に当該事項の一部についての認否の記載があるときは、破産管財人において当該事項のうち当該認否書に認否の記載のないものを認めたものとみなす。 (一般調査期間における調査) 第百十八条 届出をした破産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第一項又は第二項に規定する破産債権についての同条第一項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。 2 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 4 前項の規定による送達は、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。 5 前項の規定による送達をした場合においては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。 (特別調査期間における調査) 第百十九条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に第百十二条第一項若しくは第三項の規定による届出があり、又は同条第四項において準用する同条第一項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、前項本文と同様とする。 3 第一項本文又は前項の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該破産債権を有する者の負担とする。 4 破産管財人は、特別調査期間に係る破産債権については、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。 この場合においては、同条第四項の規定を準用する。 5 届出をした破産債権者は前項の破産債権についての第百十七条第一項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 6 前条第三項から第五項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定があった場合における裁判書の送達について準用する。 (特別調査期間に関する費用の予納) 第百二十条 前条第一項本文又は第二項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第三項の破産債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 第一項の場合において、同項の破産債権を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。 6 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 第三款 期日における破産債権の調査 (一般調査期日における調査) 第百二十一条 破産管財人は、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者又はその代理人は、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。 3 破産者は、一般調査期日に出頭しなければならない。 ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 4 前項本文の規定により出頭した破産者は、第一項の破産債権の額について、異議を述べることができる。 5 第三項本文の規定により出頭した破産者は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。 6 前二項の規定は、第三項ただし書の代理人について準用する。 7 前各項の規定は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について一般調査期日において調査をすることにつき破産管財人及び破産債権者の異議がない場合について準用する。 8 一般調査期日における破産債権の調査は、破産管財人が出頭しなければ、することができない。 9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 10 裁判所は、一般調査期日における破産債権の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者に送達しなければならない。 11 第百十八条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定による送達について準用する。 (特別調査期日における調査) 第百二十二条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「特別調査期日」という。)を定めることができる。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 第百十九条第二項及び第三項、同条第六項において準用する第百十八条第三項から第五項まで、第百二十条並びに前条(第七項及び第九項を除く。)の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 (期日終了後の破産者の異議) 第百二十三条 破産者がその責めに帰することができない事由によって一般調査期日又は特別調査期日に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後一週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 2 前項に規定する一週間の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 第四款 破産債権の確定 (異議等のない破産債権の確定) 第百二十四条 第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内若しくは特別調査期間内又は一般調査期日若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。 2 裁判所書記官は、破産債権の調査の結果を破産債権者表に記載しなければならない。 3 第一項の規定により確定した事項についての破産債権者表の記載は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。 (破産債権査定決定) 第百二十五条 破産債権の調査において、破産債権の額又は優先的破産債権、劣後的破産債権若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下この条及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。 ただし、第百二十七条第一項並びに第百二十九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。 2 破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。 3 破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。 4 裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。 5 破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え) 第百二十六条 破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。 2 破産債権査定異議の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。 4 破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。 5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 6 同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。 7 破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。 (異議等のある破産債権に関する訴訟の受継) 第百二十七条 異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 2 第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。 (主張の制限) 第百二十八条 破産債権査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、破産債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。 (執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張) 第百二十九条 異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 2 前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 3 第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項及び第六項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。 この場合においては、第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、「異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項又は第百二十一条第二項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。 (破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載) 第百三十条 裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を破産債権者表に記載しなければならない。 (破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力) 第百三十一条 破産債権の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。 2 破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。 (訴訟費用の償還) 第百三十二条 破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。 (破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い) 第百三十三条 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 2 破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。 3 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。 4 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 5 破産手続が終了した際現に係属する第百二十七条第一項又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 6 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。 第五款 租税等の請求権等についての特例 第百三十四条 租税等の請求権及び罰金等の請求権については、第一款(第百十五条を除く。)から前款までの規定は、適用しない。 2 第百十四条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、破産管財人は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。 3 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする破産管財人は、当該届出があった請求権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時破産財団に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。 4 第二項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、破産管財人が第二項に規定する届出があったことを知った日から一月の不変期間内にしなければならない。 5 第百二十四条第二項の規定は第百十四条の規定による届出があった請求権について、第百二十八条、第百三十条、第百三十一条第一項及び前条第三項の規定は第二項の規定による異議又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。 第四節 債権者集会及び債権者委員会 第一款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第百三十五条 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 破産管財人 二 第百四十四条第二項に規定する債権者委員会 三 知れている破産債権者の総債権について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる破産債権を有する破産債権者 2 裁判所は、前項本文の申立てがない場合であっても、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。 (債権者集会の期日の呼出し等) 第百三十六条 債権者集会の期日には、破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者を呼び出さなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、届出をした破産債権者を呼び出すことを要しない。 2 前項本文の規定にかかわらず、届出をした破産債権者であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。 財産状況報告集会においては、第三十二条第三項の規定により通知を受けた者も、同様とする。 3 裁判所は、第三十二条第一項第三号及び第三項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会(財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。)の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。 4 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第一項本文及び前項の規定は、適用しない。 (債権者集会の指揮) 第百三十七条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 (債権者集会の決議) 第百三十八条 債権者集会の決議を要する事項を可決するには、議決権を行使することができる破産債権者(以下この款において「議決権者」という。)で債権者集会の期日に出席し又は次条第二項第二号に規定する書面等投票をしたものの議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 (決議に付する旨の決定) 第百三十九条 裁判所は、第百三十五条第一項各号に掲げる者が債権者集会の決議を要する事項を決議に付することを目的として同項本文の申立てをしたときは、当該事項を債権者集会の決議に付する旨の決定をする。 2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 一 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 二 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法 三 前二号に掲げる方法のうち議決権者が選択するものにより議決権を行使する方法。 この場合において、前号の期間の末日は、第一号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。 3 裁判所は、議決権行使の方法として前項第二号又は第三号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第二号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、当該通知をすることを要しない。 (債権者集会の期日を開く場合における議決権の額の定め方等) 第百四十条 裁判所が議決権行使の方法として前条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定によりその額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者、準別除権者又は停止条件付債権若しくは将来の請求権である破産債権を有する者(次項及び次条第一項第一号において「別除権者等」という。)を除く。) 確定した破産債権の額 二 次項本文の異議のない議決権を有する届出をした破産債権者 届出の額(別除権者又は準別除権者にあっては、第百十一条第二項第二号(同条第三項又は第百十四条において準用する場合を含む。)に掲げる額) 三 次項本文の異議のある議決権を有する届出をした破産債権者 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 届出をした破産債権者の前項の規定による議決権については、破産管財人又は届出をした破産債権者は、債権者集会の期日において、異議を述べることができる。 ただし、前節第四款の規定により破産債権の額が確定した届出をした破産債権者(別除権者等を除く。)の議決権については、この限りでない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項第三号の規定による定めを変更することができる。 (債権者集会の期日を開かない場合における議決権の額の定め方等) 第百四十一条 裁判所が議決権行使の方法として第百三十九条第二項第二号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定により破産債権の額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者等を除く。) 確定した破産債権の額 二 届出をした破産債権者(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第二号の規定による定めを変更することができる。 (破産債権者の議決権) 第百四十二条 破産債権者は、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権については、議決権を有しない。 2 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者及び第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、その弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (代理人による議決権行使) 第百四十三条 議決権者は、代理人をもってその議決権を行使することができる。 第二款 債権者委員会 (債権者委員会) 第百四十四条 裁判所は、破産債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、破産手続に関与することを承認することができる。 ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。 一 委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。 二 破産債権者の過半数が当該委員会が破産手続に関与することについて同意していると認められること。 三 当該委員会が破産債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、破産手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。 3 債権者委員会は、破産手続において、裁判所又は破産管財人に対して、意見を述べることができる。 4 債権者委員会に破産手続の円滑な進行に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した破産債権者の申立てにより、破産財団から当該破産債権者に対して相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。 この場合においては、当該費用の請求権は、財団債権とする。 5 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。 (債権者委員会の意見聴取) 第百四十五条 裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、破産管財人に対して、その旨を通知しなければならない。 2 破産管財人は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、破産財団に属する財産の管理及び処分に関する事項について、債権者委員会の意見を聴かなければならない。 (破産管財人の債権者委員会に対する報告義務) 第百四十六条 破産管財人は、第百五十三条第二項又は第百五十七条の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。 2 破産管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。 (破産管財人に対する報告命令) 第百四十七条 債権者委員会は、破産債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、破産管財人に破産財団に属する財産の管理及び処分に関し必要な事項について第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。 2 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、破産管財人に対し、第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。 第五章 財団債権 (財団債権となる請求権) 第百四十八条 次に掲げる請求権は、財団債権とする。 一 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 二 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権 三 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権及び第九十七条第五号に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から一年(その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの 四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権 五 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 六 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 七 第五十三条第一項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権 八 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(第五十三条第一項又は第二項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権 2 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、財団債権とする。 3 第百三条第二項及び第三項の規定は、第一項第七号及び前項に規定する財団債権について準用する。 この場合において、当該財団債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、当該債権の額は、当該債権が破産債権であるとした場合に第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる劣後的破産債権となるべき部分に相当する金額を控除した額とする。 4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 (使用人の給料等) 第百四十九条 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権とする。 2 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は、退職前三月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前三月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前三月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。 (社債管理者等の費用及び報酬) 第百五十条 社債管理者又は社債管理補助者が破産債権である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、破産手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の当該事務の処理に要する費用の請求権を財団債権とする旨の許可をすることができる。 2 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで破産債権である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が破産手続の円滑な進行に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 3 裁判所は、破産手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 4 前三項の規定による許可を得た請求権は、財団債権とする。 5 第一項から第三項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で破産債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。 一 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の受託会社 同項に規定する社債 二 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第五十四条の五に規定する社会医療法人債管理者又は同法第五十四条の五の二に規定する社会医療法人債管理補助者 同法第五十四条の二第一項に規定する社会医療法人債 三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の八に規定する投資法人債管理者又は同法第百三十九条の九の二第一項に規定する投資法人債管理補助者 同法第二条第十九項に規定する投資法人債 四 保険業法第六十一条の六に規定する社債管理者又は同法第六十一条の七の二に規定する社債管理補助者 相互会社が発行する社債 五 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百二十六条に規定する特定社債管理者又は同法第百二十七条の二第一項に規定する特定社債管理補助者 同法第二条第七項に規定する特定社債 (財団債権の取扱い) 第百五十一条 財団債権は、破産債権に先立って、弁済する。 (破産財団不足の場合の弁済方法等) 第百五十二条 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。 ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。 2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第百四十八条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。 第六章 破産財団の管理 第一節 破産者の財産状況の調査 (財産の価額の評定等) 第百五十三条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、破産財団に属する一切の財産につき、破産手続開始の時における価額を評定しなければならない。 この場合においては、破産者をその評定に立ち会わせることができる。 2 破産管財人は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに破産手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。 3 破産財団に属する財産の総額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合には、前項の規定にかかわらず、破産管財人は、裁判所の許可を得て、同項の貸借対照表の作成及び提出をしないことができる。 (別除権の目的の提示等) 第百五十四条 破産管財人は、別除権者に対し、当該別除権の目的である財産の提示を求めることができる。 2 破産管財人が前項の財産の評価をしようとするときは、別除権者は、これを拒むことができない。 (封印及び帳簿の閉鎖) 第百五十五条 破産管財人は、必要があると認めるときは、裁判所書記官、執行官又は公証人に、破産財団に属する財産に封印をさせ、又はその封印を除去させることができる。 2 裁判所書記官は、必要があると認めるときは、破産管財人の申出により、破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。 (破産財団に属する財産の引渡し) 第百五十六条 裁判所は、破産管財人の申立てにより、決定で、破産者に対し、破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の決定をする場合には、破産者を審尋しなければならない。 3 第一項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (裁判所への報告) 第百五十七条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。 一 破産手続開始に至った事情 二 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 三 第百七十七条第一項の規定による保全処分又は第百七十八条第一項に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無 四 その他破産手続に関し必要な事項 2 破産管財人は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 (財産状況報告集会への報告) 第百五十八条 財産状況報告集会においては、破産管財人は、前条第一項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。 (債権者集会への報告) 第百五十九条 破産管財人は、債権者集会がその決議で定めるところにより、破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない。 第二節 否認権 (破産債権者を害する行為の否認) 第百六十条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 二 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。 3 破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 (相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 第百六十一条 破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。 二 破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。 2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 一 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者 二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者 三 破産者の親族又は同居者 (特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 第百六十二条 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。 二 破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。 ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合 二 前項第一号に掲げる行為が破産者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合 3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。 (手形債務支払の場合等の例外) 第百六十三条 前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。 2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。 3 前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。 (権利変動の対抗要件の否認) 第百六十四条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、破産手続開始後、破産財団のためにこれを否認することができる。 ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。 2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。 (執行行為の否認) 第百六十五条 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。 (支払の停止を要件とする否認の制限) 第百六十六条 破産手続開始の申立ての日から一年以上前にした行為(第百六十条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。 (否認権行使の効果) 第百六十七条 否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。 2 第百六十条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 (破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 第百六十八条 第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存しない場合 財団債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付によって生じた利益が破産財団中に現存しない場合 破産債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 三 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び破産債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 破産管財人は、第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により財団債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権の回復) 第百六十九条 第百六十二条第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。 (転得者に対する否認権) 第百七十条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。 ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。 一 転得者が転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知っていたとき。 二 転得者が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。 ただし、転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。 (破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 第百七十条の二 破産者がした第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百六十八条第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 ただし、同項第一号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、財団債権者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第百六十八条第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。 5 破産管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百六十七条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により財団債権となる額(第百六十八条第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権に関する転得者の権利) 第百七十条の三 破産者がした第百六十二条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百六十九条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。 この場合には、前条第四項の規定を準用する。 (否認権のための保全処分) 第百七十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。 3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 前各項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 第百七十二条 前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。 2 破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。 3 破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。 4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。 (否認権の行使) 第百七十三条 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。 2 前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。 (否認の請求) 第百七十四条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。 3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。 4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 第百七十五条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。 4 第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。 同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。 5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 6 第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。 (否認権行使の期間) 第百七十六条 否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。 否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。 第三節 法人の役員の責任の追及等 (役員の財産に対する保全処分) 第百七十七条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 3 裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (役員の責任の査定の申立て等) 第百七十八条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 3 裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 4 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 5 役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。 (役員責任査定決定等) 第百七十九条 役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。 2 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。 3 役員責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (役員責任査定決定に対する異議の訴え) 第百八十条 役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 (役員責任査定決定の効力) 第百八十一条 前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (社員の出資責任) 第百八十二条 会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。 (匿名組合員の出資責任) 第百八十三条 匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。 第七章 破産財団の換価 第一節 通則 (換価の方法) 第百八十四条 第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。 2 破産管財人は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。 (別除権者が処分をすべき期間の指定) 第百八十五条 別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、破産管財人の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 別除権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 3 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第二節 担保権の消滅 (担保権消滅の許可の申立て) 第百八十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。 ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。 一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額 二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額 2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。 3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。 一 担保権の目的である財産の表示 二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称 四 消滅すべき担保権の表示 五 前号の担保権によって担保される債権の額 六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 七 前項の規定による協議の内容及びその経過 4 申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。 5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (担保権の実行の申立て) 第百八十七条 被申立担保権者は、前条第一項の申立てにつき異議があるときは、同条第五項の規定によりすべての被申立担保権者に申立書及び同条第四項の書面の送達がされた日から一月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができる。 2 裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。 3 破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条第一項第二号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。 4 被申立担保権者は、第一項の期間(第二項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第百九十条第六項の規定により第百八十九条第一項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。 5 第一項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面は提出されなかったものとみなす。 民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条又は同法第百九十二条において準用する同法第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。 6 第百八十九条第一項の不許可の決定が確定した後に、第一項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条第一項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第一項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出することができない。 (買受けの申出) 第百八十八条 被申立担保権者は、第百八十六条第一項の申立てにつき異議があるときは、前条第一項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第百八十六条第三項第一号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。 2 買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。 一 第百八十六条第三項第一号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称 二 破産管財人が第百八十六条第三項第一号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。) 三 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額 3 買受けの申出の額は、申立書に記載された第百八十六条第三項第二号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。 4 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、第二項第三号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第三項第二号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。 5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 6 前条第三項の規定は、買受けの申出について準用する。 7 買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第一項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。 8 破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条第一項の期間が経過した後、裁判所に対し、第百八十六条第三項第一号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。 この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。 9 前項の場合においては、破産管財人は、前条第一項の期間内にされた買受けの申出に係る第二項の書面を裁判所に提出しなければならない。 10 買受けの申出があったときは、破産管財人は、第百八十六条第一項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条第一項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第二項に規定する買受人)の同意を得なければならない。 (担保権消滅の許可の決定等) 第百八十九条 裁判所は、被申立担保権者が第百八十七条第一項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第百八十六条第一項の許可の決定をしなければならない。 一 前条第八項に規定する届出がされなかった場合 第百八十六条第三項第三号の売却の相手方 二 前条第八項に規定する届出がされた場合 同項に規定する買受希望者 2 前項第二号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第百八十六条第四項の書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。 この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。 3 第百八十六条第一項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第一項第二号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。 4 第百八十六条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第百八十六条第一項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (金銭の納付等) 第百九十条 前条第一項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。 一 前条第一項第一号に掲げる場合 第百八十六条第一項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額 二 前条第一項第二号に掲げる場合 同条第二項後段に規定する売得金の額から第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額 2 前項第二号の規定による金銭の納付があったときは、第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。 3 前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。 4 被申立担保権者の有する担保権は、第一項第一号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第二号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。 5 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 6 第一項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第一項の許可の決定を取り消さなければならない。 7 前項の場合には、買受人は、第二項の保証の返還を請求することができない。 (配当等の実施) 第百九十一条 裁判所は、前条第四項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る配当表に基づいて、その配当を実施しなければならない。 2 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条第四項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。 3 民事執行法第八十五条及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。 第三節 商事留置権の消滅 第百九十二条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が第三十六条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。 2 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。 3 第一項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。 4 前項の許可があった場合における第二項に規定する弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。 5 前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。 第八章 配当 第一節 通則 (配当の方法等) 第百九十三条 破産債権者は、この章の定めるところに従い、破産財団から、配当を受けることができる。 2 破産債権者は、破産管財人がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。 ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。 3 破産管財人は、配当をしたときは、その配当をした金額を破産債権者表に記載しなければならない。 (配当の順位等) 第百九十四条 配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第一号の優先的破産債権間においては第九十八条第二項に規定する優先順位による。 一 優先的破産債権 二 前号、次号及び第四号に掲げるもの以外の破産債権 三 劣後的破産債権 四 約定劣後破産債権 2 同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。 第二節 最後配当 (最後配当) 第百九十五条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。 2 破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。 3 裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。 (配当表) 第百九十六条 破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 一 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 二 最後配当の手続に参加することができる債権の額 三 最後配当をすることができる金額 2 前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。 3 破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。 4 前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。 (配当の公告等) 第百九十七条 破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (破産債権の除斥等) 第百九十八条 異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。 2 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 3 別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。 4 第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。 5 第三項の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表の更正) 第百九十九条 次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。 一 破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 二 前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 三 前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 2 前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表に対する異議) 第二百条 届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。 3 第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。 4 第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (配当額の定め及び通知) 第二百一条 破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 2 破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。 3 解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 4 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 5 第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。 この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 6 次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。 7 破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 (配当額の供託) 第二百二条 破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額 三 破産債権者が受け取らない配当額 (破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い) 第二百三条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 第三節 簡易配当 (簡易配当) 第二百四条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。 一 配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。 二 裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。 2 破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 4 第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (準用) 第二百五条 簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。 (簡易配当の許可の取消し) 第二百六条 破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。 この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。 (適用除外) 第二百七条 第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。 第四節 同意配当 第二百八条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「同意配当」という。)をすることを許可することができる。 この場合において、破産管財人の申立ては、届出をした破産債権者の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。 2 前項の規定による許可があった場合には、破産管財人は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の届出をした破産債権者に対して同意配当をすることができる。 3 同意配当については、第百九十六条第一項及び第二項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百八条第一項の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。 第五節 中間配当 (中間配当) 第二百九条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この節において「中間配当」という。)をすることができる。 2 破産管財人は、中間配当をするには、裁判所の許可を得なければならない。 3 中間配当については、第百九十六条第一項及び第二項、第百九十七条、第百九十八条第一項、第百九十九条第一項第一号及び第二号、第二百条、第二百一条第四項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百九条第二項の規定による許可」と、第百九十九条第一項各号及び第二百条第一項中「最後配当に関する除斥期間」とあるのは「第二百十条第一項に規定する中間配当に関する除斥期間」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額」とあるのは「第二百十一条の規定による配当率」と読み替えるものとする。 (別除権者の除斥等) 第二百十条 別除権者は、中間配当の手続に参加するには、前条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する期間(以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。)に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。 2 前項の規定は、準別除権者について準用する。 3 破産管財人は、第一項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき中間配当に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。 (配当率の定め及び通知) 第二百十一条 破産管財人は、第二百九条第三項において準用する第二百条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間配当の手続に参加することができる破産債権者に通知しなければならない。 (解除条件付債権の取扱い) 第二百十二条 解除条件付債権である破産債権については、相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。 2 前項の破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。 (除斥された破産債権等の後の配当における取扱い) 第二百十三条 第二百九条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する事項につき証明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった破産債権について、当該破産債権を有する破産債権者が最後配当に関する除斥期間又はその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明をしたときは、その中間配当において受けることができた額について、当該最後配当又はその中間配当の後に行われることがある中間配当において、他の同順位の破産債権者に先立って配当を受けることができる。 第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明又は疎明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった別除権者(準別除権者を含む。)がその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明及び疎明をしたときも、同様とする。 (配当額の寄託) 第二百十四条 中間配当を行おうとする破産管財人は、次に掲げる破産債権に対する配当額を寄託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって、第二百二条第一号に規定する手続が係属しているもの 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって、第二百十一条の規定による配当率の通知を発した時に第二百二条第二号に規定する手続が終了していないもの 三 中間配当に関する除斥期間内に第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による証明及び疎明があった債権のうち、当該疎明があった額に係る部分 四 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権 五 解除条件付債権である破産債権であって、第二百十二条第一項の規定による担保が供されていないもの 六 第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者が有する破産債権 2 前項第一号又は第二号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、第二百二条第一号又は第二号の規定により当該破産債権に対する配当額を供託するときは、破産管財人は、その寄託した配当額をこれを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 3 第一項第三号又は第四号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権を有する破産債権者又は別除権者(準別除権者を含む。)が第百九十八条第二項の規定に適合しなかったこと又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明をしなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかったときは、破産管財人は、その寄託した配当額の最後配当を他の破産債権者に対してしなければならない。 4 第一項第五号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権の条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、破産管財人は、その寄託した配当額を当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 5 第一項第六号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合における第二百一条第五項の規定の適用については、同項中「その定めた配当額が同号に」とあるのは「その定めた配当額及び破産管財人が第二百十四条第一項第六号の規定により寄託した同号に掲げる破産債権に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に」と、「当該配当額」とあるのは「当該合計額」とする。 第六節 追加配当 第二百十五条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した後(簡易配当にあっては第二百五条において準用する第二百条第一項に規定する期間を経過した後、同意配当にあっては第二百八条第一項の規定による許可があった後)、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたときは、破産管財人は、裁判所の許可を得て、最後配当、簡易配当又は同意配当とは別に、届出をした破産債権者に対し、この条の規定による配当(以下この条において「追加配当」という。)をしなければならない。 破産手続終結の決定があった後であっても、同様とする。 2 追加配当については、第二百一条第四項及び第五項、第二百二条並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第二百一条第五項中「第一項の規定」とあるのは「第二百十五条第四項の規定」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項」とあるのは「第二百十五条第五項」と読み替えるものとする。 3 追加配当は、最後配当、簡易配当又は同意配当について作成した配当表によってする。 4 破産管財人は、第一項の規定による許可があったときは、遅滞なく、追加配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 5 破産管財人は、前項の規定により定めた配当額を、追加配当の手続に参加することができる破産債権者(第二項において読み替えて準用する第二百一条第五項の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 6 追加配当をした場合には、破産管財人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 7 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、当該計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人がしなければならない。 第九章 破産手続の終了 (破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 2 前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 3 裁判所は、第一項の規定により破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨 4 第一項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第三十一条及び第三十二条の規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。 (破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定) 第二百十七条 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。 2 前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができる。 この場合においては、当該意見の聴取を目的とする第百三十五条第一項第二号又は第三号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。 3 前二項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 4 裁判所は、第一項の規定による破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項の申立てを棄却する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 第一項の規定による破産手続廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 7 第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 8 第一項の規定による破産手続廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十八条 裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 一 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 二 前号の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。 ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について同項第一号及び第二号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。 この場合における同項第一号及び第二号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「届出をした破産債権者」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。 3 裁判所は、第一項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 4 届出をした破産債権者は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 5 前条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定について準用する。 この場合において、同条第五項中「破産管財人」とあるのは、「破産者」と読み替えるものとする。 (破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十九条 法人である破産者が前条第一項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。 (破産手続終結の決定) 第二百二十条 裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第八十八条第四項の債権者集会が終結したとき、又は第八十九条第二項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 (破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力) 第二百二十一条 第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。 この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる。 2 前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。 第十章 相続財産の破産等に関する特則 第一節 相続財産の破産 (相続財産に関する破産事件の管轄) 第二百二十二条 相続財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、被相続人の相続開始の時の住所又は相続財産に属する財産が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 相続財産に関する破産事件は、被相続人の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、相続財産に関する破産事件は、相続財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 相続財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、相続財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (相続財産の破産手続開始の原因) 第二百二十三条 相続財産に対する第三十条第一項の規定の適用については、同項中「破産手続開始の原因となる事実があると認めるとき」とあるのは、「相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百二十四条 相続財産については、相続債権者又は受遺者のほか、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者(相続財産の管理に必要な行為をする権利を有する遺言執行者に限る。以下この節において同じ。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が相続財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 相続債権者又は受遺者 その有する債権の存在及び当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 二 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者 当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 (破産手続開始の申立期間) 第二百二十五条 相続財産については、民法第九百四十一条第一項の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、破産手続開始の申立てをすることができる。 ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が完了するまでの間も、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の決定前の相続の開始) 第二百二十六条 裁判所は、破産手続開始の申立て後破産手続開始の決定前に債務者について相続が開始したときは、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者の申立てにより、当該相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることができる。 2 前項に規定する続行の申立ては、相続が開始した後一月以内にしなければならない。 3 第一項に規定する破産手続は、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがなかった場合はその期間が経過した時に、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがあった場合で当該申立てを却下する裁判が確定したときはその時に、それぞれ終了する。 4 第一項に規定する続行の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 (破産手続開始の決定後の相続の開始) 第二百二十七条 裁判所は、破産手続開始の決定後に破産者について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百二十八条 相続財産についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (破産財団の範囲) 第二百二十九条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 この場合においては、被相続人が相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 2 相続人が相続財産の全部又は一部を処分した後に相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人が反対給付について有する権利は、破産財団に属する。 3 前項に規定する場合において、相続人が既に同項の反対給付を受けているときは、相続人は、当該反対給付を破産財団に返還しなければならない。 ただし、相続人が当該反対給付を受けた当時、破産手続開始の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは、その現に受けている利益を返還すれば足りる。 (相続人等の説明義務等) 第二百三十条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 被相続人の代理人であった者 二 相続人及びその代理人 三 相続財産の管理人、相続財産の清算人及び遺言執行者 2 前項の規定は、同項第二号又は第三号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、相続財産について破産手続開始の決定があった場合における相続人並びにその法定代理人及び支配人について準用する。 (相続債権者及び受遺者の地位) 第二百三十一条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続債権者の債権は、受遺者の債権に優先する。 (相続人の地位) 第二百三十二条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続人が被相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 この場合においては、相続人は、被相続人に対して有していた債権について、相続債権者と同一の権利を有する。 2 前項に規定する場合において、相続人が相続債権者に対して自己の固有財産をもって弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、相続人は、その出えんの額の範囲内において、当該相続債権者が被相続人に対して有していた権利を行使することができる。 (相続人の債権者の地位) 第二百三十三条 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係) 第二百三十四条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 (受遺者に対する担保の供与等の否認) 第二百三十五条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する破産債権者を害するときは、当該行為を否認することができる。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項の行為が同項の規定により否認された場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「破産債権者を害すること」とあるのは、「第二百三十五条第一項の破産債権者を害すること」と読み替えるものとする。 (否認後の残余財産の分配等) 第二百三十六条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、破産管財人は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百三十七条 相続財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、相続人がする。 2 相続人が数人あるときは、前項の申立ては、各相続人がすることができる。 第二節 相続人の破産 (破産者の単純承認又は相続放棄の効力等) 第二百三十八条 破産手続開始の決定前に破産者のために相続の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 2 破産管財人は、前項後段の規定にかかわらず、相続の放棄の効力を認めることができる。 この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から三月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百三十九条 相続人についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (相続債権者、受遺者及び相続人の債権者の地位) 第二百四十条 相続人について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の破産財団については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。 3 第二百二十五条に規定する期間内にされた破産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。 4 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、破産債権者としてその権利を行使することができない。 第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。 (限定承認又は財産分離の手続において相続債権者等が受けた弁済) 第二百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があった後に、限定承認又は財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 相続人の債権者が、相続人について破産手続開始の決定があった後に、財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合も、同様とする。 2 前項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済(相続人が数人ある場合には、当該破産手続開始の決定を受けた相続人の相続分に応じた部分に限る。次項において同じ。)と同一の割合の配当を受けるまでは、破産手続により、配当を受けることができない。 3 第一項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、前項の弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (限定承認又は財産分離等の後の相続財産の管理及び処分等) 第二百四十二条 相続人について破産手続開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、破産管財人は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。 限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。 2 破産管財人が前項の規定による相続財産の管理及び処分を終えた場合において、残余財産があるときは、その残余財産のうち当該相続人に帰属すべき部分は、当該相続人の固有財産とみなす。 この場合において、破産管財人は、その残余財産について、破産財団の財産目録及び貸借対照表を補充しなければならない。 3 第一項前段及び前項の規定は、第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有する場合及び第二百四十条第三項の場合について準用する。 第三節 受遺者の破産 (包括受遺者の破産) 第二百四十三条 前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 (特定遺贈の承認又は放棄) 第二百四十四条 破産手続開始の決定前に破産者のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。 2 民法第九百八十七条の規定は、前項の場合について準用する。 第十章の二 信託財産の破産に関する特則 (信託財産に関する破産事件の管轄) 第二百四十四条の二 信託財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 信託財産に関する破産事件は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、信託財産に関する破産事件は、信託財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 信託財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、信託財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (信託財産の破産手続開始の原因) 第二百四十四条の三 信託財産に対する第十五条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百四十四条の四 信託財産については、信託債権(信託法第二十一条第二項第二号に規定する信託債権をいう。次項第一号及び第二百四十四条の七において同じ。)を有する者又は受益者のほか、受託者又は信託財産管理者、信託財産法人管理人若しくは同法第百七十条第一項の管理人(以下「受託者等」と総称する。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が信託財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 信託債権を有する者又は受益者 その有する信託債権又は受益債権の存在及び当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 二 受託者等 当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 3 前項第二号の規定は、受託者等が一人であるとき、又は受託者等が数人ある場合において受託者等の全員が破産手続開始の申立てをしたときは、適用しない。 4 信託財産については、信託が終了した後であっても、残余財産の給付が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産財団の範囲) 第二百四十四条の五 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 (受託者等の説明義務等) 第二百四十四条の六 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 受託者等 二 会計監査人(信託法第二百四十八条第一項又は第二項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。) 2 前項の規定は、同項各号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等(個人である受託者等に限る。)について準用する。 4 第四十一条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等について準用する。 (信託債権者及び受益者の地位) 第二百四十四条の七 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、信託債権は、受益債権に優先する。 3 受益債権と約定劣後破産債権は、同順位とする。 ただし、信託行為の定めにより、約定劣後破産債権が受益債権に優先するものとすることができる。 (受託者の地位) 第二百四十四条の八 信託法第四十九条第一項(同法第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての破産手続との関係においては、金銭債権とみなす。 (固有財産等責任負担債務に係る債権者の地位) 第二百四十四条の九 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第二十二条第一項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係等) 第二百四十四条の十 信託財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、受託者等が信託財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 2 前項に規定する場合における第百六十一条第一項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 3 第一項に規定する場合における第百六十二条第一項第一号の規定の適用については、債権者が受託者等又は会計監査人であるときは、その債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 4 第一項に規定する場合における第百六十八条第二項及び第百七十条の二第二項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等がこれらの規定に規定する隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 (破産管財人の権限) 第二百四十四条の十一 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、破産管財人がする。 一 信託法第二十七条第一項又は第二項の規定による取消権の行使 二 信託法第三十一条第五項の規定による追認 三 信託法第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権の行使 四 信託法第三十二条第四項の規定による権利の行使 五 信託法第四十条又は第四十一条の規定による責任の追及 六 信託法第四十二条(同法第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除 七 信託法第二百二十六条第一項、第二百二十八条第一項又は第二百五十四条第一項の規定による責任の追及 2 前項の規定は、保全管理人について準用する。 3 第百七十七条の規定は信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等又は会計監査人の財産に対する保全処分について、第百七十八条から第百八十一条までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。 (保全管理命令) 第二百四十四条の十二 信託財産について破産手続開始の申立てがあった場合における第三章第二節の規定の適用については、第九十一条第一項中「債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産」とあり、並びに同項、第九十三条第一項及び第九十六条第二項中「債務者の財産」とあるのは、「信託財産に属する財産」とする。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百四十四条の十三 信託財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、受託者等がする。 2 受託者等が数人あるときは、前項の申立ては、各受託者等がすることができる。 3 信託財産の破産について第一項の申立てをするには、信託の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該信託を継続する手続をしなければならない。 第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則 (外国管財人との協力) 第二百四十五条 破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下この章において同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。 (外国管財人の権限等) 第二百四十六条 外国管財人は、債務者について破産手続開始の申立てをすることができる。 2 外国管財人は、前項の申立てをするときは、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 外国管財人は、破産者の破産手続において、債権者集会の期日に出席し、意見を述べることができる。 4 第一項の規定により外国管財人が破産手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、破産手続開始の決定があったときは第三十二条第一項の規定により公告すべき事項を、同項第二号又は第三号に掲げる事項に変更を生じたときはその旨を、破産手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。 (相互の手続参加) 第二百四十七条 外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる。 ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。 2 破産管財人は、届出をした破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。 3 破産管財人は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した破産債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。 ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。 第十二章 免責手続及び復権 第一節 免責手続 (免責許可の申立て) 第二百四十八条 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。 2 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる。 3 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 4 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。 ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。 5 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第二十条第二項の債権者一覧表を第三項本文の債権者名簿とみなす。 6 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第二百十八条第一項の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。 7 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。 一 第二百十八条第一項の申立て 当該申立ての棄却の決定 二 再生手続開始の申立て 当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定 (強制執行の禁止等) 第二百四十九条 免責許可の申立てがあり、かつ、第二百十六条第一項の規定による破産手続廃止の決定、第二百十七条第一項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第二百二十条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「破産債権に基づく強制執行等」という。)、破産債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。)はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分で破産者の財産に対して既にされているもの並びに破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 2 免責許可の決定が確定したときは、前項の規定により中止した破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分並びに破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。 3 第一項の場合において、次の各号に掲げる破産債権については、それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 一 第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権 免責許可の申立てについての決定 二 前号に掲げる請求権以外の破産債権 免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定 (免責についての調査及び報告) 第二百五十条 裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を書面で報告させることができる。 2 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。 (免責についての意見申述) 第二百五十一条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第三項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。 3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。 (免責許可の決定の要件等) 第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。 二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。 三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。 四 浪費又は 賭 と 博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。 五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。 六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。 七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。 八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。 九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。 十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。 イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日 ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日 ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日 十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。 2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 3 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 4 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (免責許可の決定の効力等) 第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。) 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。) 四 次に掲げる義務に係る請求権 イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務 ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務 ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務 ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務 ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。) 七 罰金等の請求権 2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。 3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (免責取消しの決定) 第二百五十四条 第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。 2 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び申立人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 3 第一項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。 6 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 7 前条第三項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。 第二節 復権 (復権) 第二百五十五条 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。 次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。 一 免責許可の決定が確定したとき。 二 第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。 三 再生計画認可の決定が確定したとき。 四 破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。 2 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。 3 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第一項第一号又は第三号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。 (復権の決定) 第二百五十六条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 3 破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 4 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に、その主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第十三章 雑則 (法人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十七条 法人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 2 前項の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 3 第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 4 第一項の債務者について保全管理命令が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。 5 前項の登記には、保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 6 第四項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 7 第一項の規定は、同項の破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 8 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 (個人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。 一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。 二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。 2 前項の規定は、当該破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 3 裁判所書記官は、第一項第二号の規定により破産手続開始の登記がされた権利について、第三十四条第四項の決定により破産財団に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 4 第一項第二号(第二項において準用する場合を含む。)及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 5 第一項第二号の規定は、信託財産について保全管理命令があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。 (保全処分に関する登記の嘱託) 第二百五十九条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 債務者の財産に属する権利で登記されたものに関し第二十八条第一項(第三十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第百七十一条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第一項若しくは第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (否認の登記) 第二百六十条 登記の原因である行為が否認されたときは、破産管財人は、否認の登記を申請しなければならない。 登記が否認されたときも、同様とする。 2 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。 一 当該否認の登記 二 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記 三 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記 3 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(破産手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の破産者への移転の登記をしなければならない。 4 裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、破産者について、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人が、第二項第二号に掲げる登記に係る権利を放棄し、否認の登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 (非課税) 第二百六十一条 第二百五十七条から前条までの規定による登記については、登録免許税を課さない。 (登録のある権利への準用) 第二百六十二条 第二百五十八条第一項第二号及び同条第二項において準用する同号(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)、同条第三項(同条第四項において同条第三項後段の規定を準用する場合を含む。)並びに前三条の規定は、登録のある権利について準用する。 (責任制限手続の廃止による破産手続の中止) 第二百六十三条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。 (責任制限手続の廃止の場合の措置) 第二百六十四条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により定めた期間又は期日を公告しなければならない。 3 知れている制限債権者には、第三十二条第一項第一号及び第二号並びに前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 4 破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者には、第二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間又は期日(当該期間又は期日に変更があった場合にあっては、変更後の期間又は期日)が第三十一条第一項第三号の規定により定めた期間又は期日と同一であるときは、届出をした破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 前三項の規定は第一項の規定により定めた債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について、第百十八条第三項から第五項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間を変更する決定があった場合について、第百二十一条第九項から第十一項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期日を変更する決定があった場合又は当該期日における債権の調査の延期若しくは続行の決定があった場合について準用する。 この場合において、第百十八条第三項及び第百二十一条第九項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者(第二百六十四条第一項の規定により定められた債権の届出をすべき期間の経過前にあっては、知れている制限債権者)、破産管財人」と、同条第十項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者、破産管財人」と読み替えるものとする。 6 第三十一条第二項及び第三項の規定は、第一項に規定する期間及び期日について準用する。 第十四章 罰則 (詐欺破産罪) 第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。 一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為 二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為 三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為 四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為 2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。 (特定の債権者に対する担保の供与等の罪) 第二百六十六条 債務者(相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。)が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等の特別背任罪) 第二百六十七条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 破産管財人又は保全管理人が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う役員又は職員に適用する。 (説明及び検査の拒絶等の罪) 第二百六十八条 第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。 2 第四十条第一項第二号から第五号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者、第二百三十条第一項各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第二号若しくは第三号に掲げる者(相続人を除く。)であった者又は第二百四十四条の六第一項各号に掲げる者若しくは同項各号に掲げる者であった者(以下この項において「説明義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第四項において「代表者等」という。)が、その説明義務者の業務に関し、第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。 説明義務者の代表者等が、その説明義務者の業務に関し、第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする。 3 破産者が第八十三条第一項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、相続財産について破産手続開始の決定があった場合において第二百三十条第一項第二号若しくは第三号に掲げる者が第八十三条第一項の規定による検査を拒んだとき又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合において受託者等が同項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 4 第八十三条第二項に規定する破産者の子会社等(同条第三項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第二項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は第八十三条第二項の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 (重要財産開示拒絶等の罪) 第二百六十九条 破産者(信託財産の破産にあっては、受託者等)が第四十一条(第二百四十四条の六第四項において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪) 第二百七十条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第百五十五条第二項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。 (審尋における説明拒絶等の罪) 第二百七十一条 債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等に対する職務妨害の罪) 第二百七十二条 偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (収賄罪) 第二百七十三条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄 賂 ろ を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。 4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 5 破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第百三十九条第二項第二号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 6 前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (贈賄罪) 第二百七十四条 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産者等に対する面会強請等の罪) 第二百七十五条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (国外犯) 第二百七十六条 第二百六十五条、第二百六十六条、第二百七十条、第二百七十二条及び第二百七十四条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 2 第二百六十七条及び第二百七十三条(第五項を除く。)の罪は、刑法第四条の例に従う。 3 第二百七十三条第五項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。 (両罰規定) 第二百七十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条(第一項を除く。)、第二百六十九条から第二百七十二条まで、第二百七十四条又は第二百七十五条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第七十五号
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破産法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。 2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。 3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。 4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。 5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。 6 この法律において「破産債権者」とは、破産債権を有する債権者をいう。 7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。 8 この法律において「財団債権者」とは、財団債権を有する債権者をいう。 9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。 10 この法律において「別除権者」とは、別除権を有する者をいう。 11 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。 12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。 13 この法律において「保全管理人」とは、第九十一条第一項の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。 14 この法律において「破産財団」とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。 (外国人の地位) 第三条 外国人又は外国法人は、破産手続、第十二章第一節の規定による免責手続(以下「免責手続」という。)及び同章第二節の規定による復権の手続(以下この章において「破産手続等」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。 (破産事件の管轄) 第四条 この法律の規定による破産手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。 2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。 第五条 破産事件は、債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 2 前項の規定による管轄裁判所がないときは、破産事件は、債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第八十三条第二項第二号及び第三項並びに第百六十一条第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「破産事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての破産手続開始の申立ては、親法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について破産事件等が係属しているときにおける親法人についての破産手続開始の申立ては、子株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 4 子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について破産事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての破産手続開始の申立ては、当該株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について破産事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての破産手続開始の申立ては、当該他の法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 6 第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について破産事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての破産手続開始の申立ては、当該法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について破産事件又は再生事件が係属している場合における当該法人についての破産手続開始の申立ては、当該法人の代表者の破産事件又は再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 7 第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について破産事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての破産手続開始の申立ては、当該破産事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 一 相互に連帯債務者の関係にある個人 二 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人 三 夫婦 8 第一項及び第二項の規定にかかわらず、破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 9 第一項及び第二項の規定にかかわらず、前項に規定する債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 10 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (専属管轄) 第六条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。 (破産事件の移送) 第七条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件(破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件)を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。 一 債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所 二 債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所 三 第五条第二項に規定する地方裁判所 四 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所 イ 第五条第三項から第七項までに規定する地方裁判所 ロ 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者。ハにおいて同じ。)の数が五百人以上であるときは、第五条第八項に規定する地方裁判所 ハ ロに規定する債権者の数が千人以上であるときは、第五条第九項に規定する地方裁判所 五 第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に破産事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所 (任意的口頭弁論等) 第八条 破産手続等に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 裁判所は、職権で、破産手続等に係る事件に関して必要な調査をすることができる。 (不服申立て) 第九条 破産手続等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 (公告等) 第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。 5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。 (事件に関する文書の閲覧等) 第十一条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が破産手続開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 債務者以外の利害関係人 第二十四条第一項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令、第百七十一条第一項の規定による保全処分又は破産手続開始の申立てについての裁判 二 債務者 破産手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分若しくは裁判 (支障部分の閲覧等の制限) 第十二条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、破産財団(破産手続開始前にあっては、債務者の財産)の管理又は換価に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した破産管財人又は保全管理人の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者(その者が保全管理人である場合にあっては、保全管理人又は破産管財人。次項において同じ。)に限ることができる。 一 第三十六条、第四十条第一項ただし書若しくは同条第二項において準用する同条第一項ただし書(これらの規定を第九十六条第一項において準用する場合を含む。)、第七十八条第二項(第九十三条第三項において準用する場合を含む。)、第八十四条(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第九十三条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等 二 第百五十七条第二項の規定による報告に係る文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、破産裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 (民事訴訟法の準用) 第十三条 特別の定めがある場合を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定(同法第八十七条の二の規定を除く。)を準用する。 (最高裁判所規則) 第十四条 この法律に定めるもののほか、破産手続等に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二章 破産手続の開始 第一節 破産手続開始の申立て (破産手続開始の原因) 第十五条 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。 (法人の破産手続開始の原因) 第十六条 債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 2 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。 (破産手続開始の原因の推定) 第十七条 債務者についての外国で開始された手続で破産手続に相当するものがある場合には、当該債務者に破産手続開始の原因となる事実があるものと推定する。 (破産手続開始の申立て) 第十八条 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 (法人の破産手続開始の申立て) 第十九条 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 一 一般社団法人又は一般財団法人 理事 二 株式会社又は相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。第百五十条第六項第三号において同じ。) 取締役 三 合名会社、合資会社又は合同会社 業務を執行する社員 2 前項各号に掲げる法人については、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができる。 3 前二項の規定により第一項各号に掲げる法人について破産手続開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 4 前三項の規定は、第一項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。 5 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の申立ての方式) 第二十条 破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。 2 債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 (破産手続開始の申立書の審査) 第二十一条 前条第一項の書面(以下この条において「破産手続開始の申立書」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い破産手続開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。 2 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 裁判所は、第三項の異議の申立てがあった場合において、破産手続開始の申立書に第一項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。 6 第一項又は前項の場合において、破産手続開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。 7 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の予納) 第二十二条 破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 2 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の仮支弁) 第二十三条 裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。 職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。 2 前条第一項の規定は、前項前段の規定により破産手続の費用を仮に国庫から支弁する場合には、適用しない。 (他の手続の中止命令等) 第二十四条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる手続又は第六号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第五号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る。 一 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「強制執行等」という。)の手続で、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権若しくは財団債権となるべきもの(以下この項及び次条第八項において「破産債権等」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの 二 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続で、破産債権等に基づくもの 三 債務者の財産関係の訴訟手続 四 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続 五 債務者の責任制限手続(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第三章又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五章、同法第四十三条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第四十三条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条及び第五十四条を除く。)若しくは船舶油濁等損害賠償保障法第五十一条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第五十一条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条、第四節及び第五十四条を除く。)の規定による責任制限手続をいう。第二百六十三条及び第二百六十四条第一項において同じ。) 六 債務者の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第百三条第五項及び第二百五十三条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「外国租税滞納処分」という。)で、破産債権等に基づくもの 2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第一項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 4 第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令) 第二十五条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第一号又は第六号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。 ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第九十一条第二項に規定する保全管理命令をした場合に限る。 2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。 3 包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続及び外国租税滞納処分(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。 4 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第三項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 6 包括的禁止命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 8 包括的禁止命令が発せられたときは、破産債権等(当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等) 第二十六条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。 2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 前条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令の解除) 第二十七条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。 この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で第二十五条第三項の規定により中止されていたものは、続行する。 2 前項の規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。 3 第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (債務者の財産に関する保全処分) 第二十八条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 裁判所が第一項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、破産手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (破産手続開始の申立ての取下げの制限) 第二十九条 破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、第二十四条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、前条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は第百七十一条第一項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 第二節 破産手続開始の決定 (破産手続開始の決定) 第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。 二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。 (破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等) 第三十一条 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 破産債権の届出をすべき期間 二 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会(第四項、第百三十六条第二項及び第三項並びに第百五十八条において「財産状況報告集会」という。)の期日 三 破産債権の調査をするための期間(第百十六条第二項の場合にあっては、破産債権の調査をするための期日) 2 前項第一号及び第三号の規定にかかわらず、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第一号の期間並びに同項第三号の期間及び期日を定めないことができる。 3 前項の場合において、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めなければならない。 4 第一項第二号の規定にかかわらず、裁判所は、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、同号の期日を定めないことができる。 5 第一項の場合において、知れている破産債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第四項本文及び第五項本文において準用する同条第三項第一号、第三十三条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者(同項本文の場合にあっては、同項本文に規定する議決権者。次条第二項において同じ。)に対する通知をせず、かつ、第百十一条、第百十二条又は第百十四条の規定により破産債権の届出をした破産債権者(以下「届出をした破産債権者」という。)を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。 (破産手続開始の公告等) 第三十二条 裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産管財人の氏名又は名称 三 前条第一項の規定により定めた期間又は期日 四 破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者(第三項第二号において「財産所持者等」という。)は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨 五 第二百四条第一項第二号の規定による簡易配当をすることが相当と認められる場合にあっては、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し前条第一項第三号の期間の満了時又は同号の期日の終了時までに異議を述べるべき旨 2 前条第五項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第四項本文及び第五項本文において準用する次項第一号、次条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者に対する通知をせず、かつ、届出をした破産債権者を債権者集会の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。 3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 一 破産管財人、破産者及び知れている破産債権者 二 知れている財産所持者等 三 第九十一条第二項に規定する保全管理命令があった場合における保全管理人 四 労働組合等(破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第七十八条第四項及び第百三十六条第三項において同じ。) 4 第一項第三号及び前項第一号の規定は、前条第三項の規定により同条第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めた場合について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 第一項第二号並びに第三項第一号及び第二号の規定は第一項第二号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第一項第三号及び第三項第一号の規定は第一項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合(前条第一項第一号の期間又は同項第二号の期日に変更を生じた場合に限る。)について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 (抗告) 第三十三条 破産手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第二十四条から第二十八条までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。 3 破産手続開始の決定をした裁判所は、第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第三項各号(第三号を除く。)に掲げる者にその主文を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 第三節 破産手続開始の効果 第一款 通則 (破産財団の範囲) 第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。 一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭 二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。 ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。 4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。 5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。 6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (法人の存続の擬制) 第三十五条 他の法律の規定により破産手続開始の決定によって解散した法人又は解散した法人で破産手続開始の決定を受けたものは、破産手続による清算の目的の範囲内において、破産手続が終了するまで存続するものとみなす。 (破産者の事業の継続) 第三十六条 破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。 (破産者の居住に係る制限) 第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 (破産者の引致) 第三十八条 裁判所は、必要と認めるときは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前二項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による引致を命ずる決定に対しては、破産者又は債務者は、即時抗告をすることができる。 5 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)中 勾 こう 引に関する規定は、第一項及び第二項の規定による引致について準用する。 (破産者に準ずる者への準用) 第三十九条 前二条の規定は、破産者の法定代理人及び支配人並びに破産者の理事、取締役、執行役及びこれらに準ずる者について準用する。 (破産者等の説明義務) 第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 一 破産者 二 破産者の代理人 三 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人 四 前号に掲げる者に準ずる者 五 破産者の従業者(第二号に掲げる者を除く。) 2 前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。 (破産者の重要財産開示義務) 第四十一条 破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (他の手続の失効等) 第四十二条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。 2 前項に規定する場合には、同項に規定する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続並びに外国租税滞納処分で、破産財団に属する財産に対して既にされているものは、破産財団に対してはその効力を失う。 ただし、同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については、破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。 3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は、財団債権とする。 5 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては、破産管財人を被告とする。 6 破産手続開始の決定があったときは、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)又は第三者からの情報取得手続(同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)の申立てはすることができず、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続はその効力を失う。 (国税滞納処分等の取扱い) 第四十三条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。 2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。 3 破産手続開始の決定があったときは、破産手続が終了するまでの間は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。 免責許可の申立てがあった後当該申立てについての裁判が確定するまでの間(破産手続開始の決定前に免責許可の申立てがあった場合にあっては、破産手続開始の決定後当該申立てについての裁判が確定するまでの間)も、同様とする。 (破産財団に関する訴えの取扱い) 第四十四条 破産手続開始の決定があったときは、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち破産債権に関しないものを受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 破産手続が終了したときは、破産管財人を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 5 破産者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産者は、当然訴訟手続を受継する。 (債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の取扱い) 第四十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七又は第四百二十四条第一項の規定により破産債権者又は財団債権者の提起した訴訟が破産手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産債権者又は財団債権者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、中断する。 5 前項の場合には、破産債権者又は財団債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産債権者又は財団債権者は、当然訴訟手続を受継する。 (行政庁に係属する事件の取扱い) 第四十六条 第四十四条の規定は、破産財団に関する事件で行政庁に係属するものについて準用する。 第二款 破産手続開始の効果 (開始後の法律行為の効力) 第四十七条 破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。 (開始後の権利取得の効力) 第四十八条 破産手続開始後に破産財団に属する財産に関して破産者の法律行為によらないで権利を取得しても、その権利の取得は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 前条第二項の規定は、破産手続開始の日における前項の権利の取得について準用する。 (開始後の登記及び登録の効力) 第四十九条 不動産又は船舶に関し破産手続開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 ただし、登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。 2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。 (開始後の破産者に対する弁済の効力) 第五十条 破産手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。 2 破産手続開始後に、その事実を知って破産者にした弁済は、破産財団が受けた利益の限度においてのみ、破産手続の関係において、その効力を主張することができる。 (善意又は悪意の推定) 第五十一条 前二条の規定の適用については、第三十二条第一項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 (共有関係) 第五十二条 数人が共同して財産権を有する場合において、共有者の中に破産手続開始の決定を受けた者があるときは、その共有に係る財産の分割の請求は、共有者の間で分割をしない旨の定めがあるときでも、することができる。 2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って破産者の持分を取得することができる。 (双務契約) 第五十三条 双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 2 前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。 この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。 3 前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第六百三十一条前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第六百四十二条第一項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。 第五十四条 前条第一項又は第二項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。 (継続的給付を目的とする双務契約) 第五十五条 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。 2 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。 3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。 (賃貸借契約等) 第五十六条 第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。 (委任契約) 第五十七条 委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法第六百五十五条の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。 (市場の相場がある商品の取引に係る契約) 第五十八条 取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。 2 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。 3 第五十四条第一項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。 4 第一項又は第二項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。 5 第一項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第二項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。 (交互計算) 第五十九条 交互計算は、当事者の一方について破産手続が開始されたときは、終了する。 この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。 2 前項の規定による請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し、相手方が有するときは破産債権とする。 (為替手形の引受け又は支払等) 第六十条 為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。 3 第五十一条の規定は、前二項の規定の適用について準用する。 (夫婦財産関係における管理者の変更等) 第六十一条 民法第七百五十八条第二項及び第三項並びに第七百五十九条の規定は配偶者の財産を管理する者につき破産手続が開始された場合について、同法第八百三十五条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。 第三款 取戻権 (取戻権) 第六十二条 破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。 (運送中の物品の売主等の取戻権) 第六十三条 売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。 ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。 2 前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。 3 第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。 この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。 (代償的取戻権) 第六十四条 破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。 2 前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。 第四款 別除権 (別除権) 第六十五条 別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。 2 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。 (留置権の取扱い) 第六十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。 2 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。 3 第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。 第五款 相殺権 (相殺権) 第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。 2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。 破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。 (相殺に供することができる破産債権の額) 第六十八条 破産債権者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、第百三条第二項各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。 2 前項の規定にかかわらず、破産債権者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。 (解除条件付債権を有する者による相殺) 第六十九条 解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。 (停止条件付債権等を有する者による寄託の請求) 第七十条 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。 敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。 (相殺の禁止) 第七十一条 破産債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担したとき。 二 支払不能になった後に契約によって負担する債務を専ら破産債権をもってする相殺に供する目的で破産者の財産の処分を内容とする契約を破産者との間で締結し、又は破産者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより破産者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産債権者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第七十二条 破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 破産者に対して債務を負担する者と破産者との間の契約 (破産管財人の催告権) 第七十三条 破産管財人は、第三十一条第一項第三号の期間が経過した後又は同号の期日が終了した後は、第六十七条の規定により相殺をすることができる破産債権者に対し、一月以上の期間を定め、その期間内に当該破産債権をもって相殺をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、破産債権者の負担する債務が弁済期にあるときに限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、破産債権者が同項の規定により定めた期間内に確答をしないときは、当該破産債権者は、破産手続の関係においては、当該破産債権についての相殺の効力を主張することができない。 第三章 破産手続の機関 第一節 破産管財人 第一款 破産管財人の選任及び監督 (破産管財人の選任) 第七十四条 破産管財人は、裁判所が選任する。 2 法人は、破産管財人となることができる。 (破産管財人に対する監督等) 第七十五条 破産管財人は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。 この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。 (数人の破産管財人の職務執行) 第七十六条 破産管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (破産管財人代理) 第七十七条 破産管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。 2 前項の破産管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 第二款 破産管財人の権限等 (破産管財人の権限) 第七十八条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。 2 破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 二 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権(二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和六年法律第三十八号)第二条第八項に規定する試掘権をいう。)、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却 三 営業又は事業の譲渡 四 商品の一括売却 五 借財 六 第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄 七 動産の任意売却 八 債権又は有価証券の譲渡 九 第五十三条第一項の規定による履行の請求 十 訴えの提起 十一 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 十二 権利の放棄 十三 財団債権、取戻権又は別除権の承認 十四 別除権の目的である財産の受戻し 十五 その他裁判所の指定する行為 3 前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 4 裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。 5 第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。 (破産財団の管理) 第七十九条 破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第八十条 破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。 (郵便物等の管理) 第八十一条 裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。 2 裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。 3 破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 第八十二条 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。 (破産管財人による調査等) 第八十三条 破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 2 破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 一 破産者が株式会社である場合 破産者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。) 二 破産者が株式会社以外のものである場合 破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社 3 破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。 (破産管財人の職務の執行の確保) 第八十四条 破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。 (破産管財人の注意義務) 第八十五条 破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 (破産管財人の情報提供努力義務) 第八十六条 破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。 (破産管財人の報酬等) 第八十七条 破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。 (破産管財人の任務終了の場合の報告義務等) 第八十八条 破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。 2 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。 3 第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。 4 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 5 前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。 6 第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 第八十九条 前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。 この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。 3 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 4 第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 (任務終了の場合の財産の管理) 第九十条 破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 2 破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。 ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。 第二節 保全管理人 (保全管理命令) 第九十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 3 前二項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 4 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 (保全管理命令に関する公告及び送達) 第九十二条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 2 保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。 (保全管理人の権限) 第九十三条 保全管理命令が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 第七十八条第二項から第六項までの規定は、保全管理人について準用する。 (保全管理人の任務終了の場合の報告義務) 第九十四条 保全管理人の任務が終了した場合には、保全管理人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 2 前項の場合において、保全管理人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の保全管理人又は破産管財人がしなければならない。 (保全管理人代理) 第九十五条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。 2 前項の規定による保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (準用) 第九十六条 第四十条の規定は保全管理人の請求について、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第七十四条第二項、第七十五条、第七十六条、第七十九条、第八十条、第八十二条から第八十五条まで、第八十七条第一項及び第二項並びに第九十条第一項の規定は保全管理人について、第八十七条第一項及び第二項の規定は保全管理人代理について準用する。 この場合において、第五十一条中「第三十二条第一項の規定による公告」とあるのは「第九十二条第一項の規定による公告」と、第九十条第一項中「後任の破産管財人」とあるのは「後任の保全管理人、破産管財人」と読み替えるものとする。 2 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。 一 保全管理命令が発せられた場合 第四十四条第一項から第三項まで 二 保全管理命令が効力を失った場合(破産手続開始の決定があった場合を除く。) 第四十四条第四項から第六項まで 第四章 破産債権 第一節 破産債権者の権利 (破産債権に含まれる請求権) 第九十七条 次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は、破産債権に含まれるものとする。 一 破産手続開始後の利息の請求権 二 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 三 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 四 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの 五 加算税(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第四号に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 六 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(以下「罰金等の請求権」という。) 七 破産手続参加の費用の請求権 八 第五十四条第一項(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権 九 第五十七条に規定する債権 十 第五十九条第一項の規定による請求権であって、相手方の有するもの 十一 第六十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する債権 十二 第百六十八条第二項第二号又は第三号に定める権利 (優先的破産債権) 第九十八条 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。 2 前項の場合において、優先的破産債権間の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 3 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、破産手続開始の時からさかのぼって計算する。 (劣後的破産債権等) 第九十九条 次に掲げる債権(以下「劣後的破産債権」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。 一 第九十七条第一号から第七号までに掲げる請求権 二 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する破産手続開始の時における法定利率による利息の額に相当する部分 三 破産手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分 四 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき第二号の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が破産手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分 2 破産債権者と破産者との間において、破産手続開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権(以下「約定劣後破産債権」という。)は、劣後的破産債権に後れる。 (破産債権の行使) 第百条 破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる行為によって破産債権である租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)を行使する場合については、適用しない。 一 破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分 二 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当 (給料の請求権等の弁済の許可) 第百一条 優先的破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第百九十五条第一項に規定する最後配当、第二百四条第一項に規定する簡易配当、第二百八条第一項に規定する同意配当又は第二百九条第一項に規定する中間配当の許可があるまでの間、破産管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。 ただし、その弁済により財団債権又は他の先順位若しくは同順位の優先的破産債権を有する者の利益を害するおそれがないときに限る。 2 破産管財人は、前項の破産債権者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。 この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。 (破産管財人による相殺) 第百二条 破産管財人は、破産財団に属する債権をもって破産債権と相殺することが破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。 (破産債権者の手続参加) 第百三条 破産債権者は、その有する破産債権をもって破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、破産債権の額は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 一 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの ハ 金額又は存続期間が不確定である定期金債権 二 前号に掲げる債権以外の債権 債権額 3 破産債権が期限付債権でその期限が破産手続開始後に到来すべきものであるときは、その破産債権は、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす。 4 破産債権が破産手続開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも、当該破産債権者は、その破産債権をもって破産手続に参加することができる。 5 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって破産手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定をいう。第百三十四条第二項において同じ。)を得なければならない。 (全部の履行をする義務を負う者が数人ある場合等の手続参加) 第百四条 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。 3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。 ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。 4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。 5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する。 (保証人の破産の場合の手続参加) 第百五条 保証人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき無限の責任を負う者の破産の場合の手続参加) 第百六条 法人の債務につき無限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき有限の責任を負う者の破産の場合の手続参加等) 第百七条 法人の債務につき有限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続に参加することができない。 この場合においては、当該法人が出資の請求について破産手続に参加することを妨げない。 2 法人の債務につき有限の責任を負う者がある場合において、当該法人について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、当該法人の債務につき有限の責任を負う者に対してその権利を行使することができない。 (別除権者等の手続参加) 第百八条 別除権者は、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の額についてのみ、破産債権者としてその権利を行使することができる。 ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。 2 破産財団に属しない破産者の財産につき特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 (外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加) 第百九条 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 (代理委員) 第百十条 破産債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。 2 代理委員は、これを選任した破産債権者のために、破産手続に属する一切の行為をすることができる。 3 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。 ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可を取り消すことができる。 第二節 破産債権の届出 (破産債権の届出) 第百十一条 破産手続に参加しようとする破産債権者は、第三十一条第一項第一号又は第三項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 一 各破産債権の額及び原因 二 優先的破産債権であるときは、その旨 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは、その旨 四 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項 2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。 一 別除権の目的である財産 二 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 3 前項の規定は、第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を有する者(以下「準別除権者」という。)について準用する。 (一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等) 第百十二条 破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第三十一条第一項第三号の期間(以下「一般調査期間」という。)の経過又は同号の期日(以下「一般調査期日」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。 2 前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 3 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に生じた破産債権については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。 4 第一項及び第二項の規定は、破産債権者が、その責めに帰することができない事由によって、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。 (届出名義の変更) 第百十三条 届出をした破産債権を取得した者は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。 2 前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (租税等の請求権等の届出) 第百十四条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。 一 租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 二 罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 第三節 破産債権の調査及び確定 第一款 通則 (破産債権者表の作成等) 第百十五条 裁判所書記官は、届出があった破産債権について、破産債権者表を作成しなければならない。 2 前項の破産債権者表には、各破産債権について、第百十一条第一項第一号から第四号まで及び第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。 3 破産債権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。 (破産債権の調査の方法) 第百十六条 裁判所による破産債権の調査は、次款の規定により、破産管財人が作成した認否書並びに破産債権者及び破産者の書面による異議に基づいてする。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必要があると認めるときは、第三款の規定により、破産債権の調査を、そのための期日における破産管財人の認否並びに破産債権者及び破産者の異議に基づいてすることができる。 3 裁判所は、第百二十一条の規定による一般調査期日における破産債権の調査の後であっても、第百十九条の規定による特別調査期間における書面による破産債権の調査をすることができ、必要があると認めるときは、第百十八条の規定による一般調査期間における書面による破産債権の調査の後であっても、第百二十二条の規定による特別調査期日における破産債権の調査をすることができる。 第二款 書面による破産債権の調査 (認否書の作成及び提出) 第百十七条 破産管財人は、一般調査期間が定められたときは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 一 破産債権の額 二 優先的破産債権であること。 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること。 四 別除権(第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 2 破産管財人は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の破産債権者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。 3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所の定める期限までに、前二項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 4 第一項の規定により同項の認否書に認否を記載すべき事項であって前項の規定により提出された認否書に認否の記載がないものがあるときは、破産管財人において当該事項を認めたものとみなす。 5 第二項の規定により第一項各号に掲げる事項についての認否を認否書に記載することができる破産債権について、第三項の規定により提出された認否書に当該事項の一部についての認否の記載があるときは、破産管財人において当該事項のうち当該認否書に認否の記載のないものを認めたものとみなす。 (一般調査期間における調査) 第百十八条 届出をした破産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第一項又は第二項に規定する破産債権についての同条第一項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。 2 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 4 前項の規定による送達は、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。 5 前項の規定による送達をした場合においては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。 (特別調査期間における調査) 第百十九条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に第百十二条第一項若しくは第三項の規定による届出があり、又は同条第四項において準用する同条第一項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、前項本文と同様とする。 3 第一項本文又は前項の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該破産債権を有する者の負担とする。 4 破産管財人は、特別調査期間に係る破産債権については、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。 この場合においては、同条第四項の規定を準用する。 5 届出をした破産債権者は前項の破産債権についての第百十七条第一項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 6 前条第三項から第五項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定があった場合における裁判書の送達について準用する。 (特別調査期間に関する費用の予納) 第百二十条 前条第一項本文又は第二項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第三項の破産債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 第一項の場合において、同項の破産債権を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。 6 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 第三款 期日における破産債権の調査 (一般調査期日における調査) 第百二十一条 破産管財人は、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者又はその代理人は、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。 3 破産者は、一般調査期日に出頭しなければならない。 ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 4 前項本文の規定により出頭した破産者は、第一項の破産債権の額について、異議を述べることができる。 5 第三項本文の規定により出頭した破産者は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。 6 前二項の規定は、第三項ただし書の代理人について準用する。 7 前各項の規定は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について一般調査期日において調査をすることにつき破産管財人及び破産債権者の異議がない場合について準用する。 8 一般調査期日における破産債権の調査は、破産管財人が出頭しなければ、することができない。 9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 10 裁判所は、一般調査期日における破産債権の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者に送達しなければならない。 11 第百十八条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定による送達について準用する。 (特別調査期日における調査) 第百二十二条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「特別調査期日」という。)を定めることができる。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 第百十九条第二項及び第三項、同条第六項において準用する第百十八条第三項から第五項まで、第百二十条並びに前条(第七項及び第九項を除く。)の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 (期日終了後の破産者の異議) 第百二十三条 破産者がその責めに帰することができない事由によって一般調査期日又は特別調査期日に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後一週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 2 前項に規定する一週間の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 第四款 破産債権の確定 (異議等のない破産債権の確定) 第百二十四条 第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内若しくは特別調査期間内又は一般調査期日若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。 2 裁判所書記官は、破産債権の調査の結果を破産債権者表に記載しなければならない。 3 第一項の規定により確定した事項についての破産債権者表の記載は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。 (破産債権査定決定) 第百二十五条 破産債権の調査において、破産債権の額又は優先的破産債権、劣後的破産債権若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下この条及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。 ただし、第百二十七条第一項並びに第百二十九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。 2 破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。 3 破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。 4 裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。 5 破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え) 第百二十六条 破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。 2 破産債権査定異議の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。 4 破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。 5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 6 同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。 7 破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。 (異議等のある破産債権に関する訴訟の受継) 第百二十七条 異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 2 第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。 (主張の制限) 第百二十八条 破産債権査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、破産債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。 (執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張) 第百二十九条 異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 2 前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 3 第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項及び第六項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。 この場合においては、第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、「異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項又は第百二十一条第二項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。 (破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載) 第百三十条 裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を破産債権者表に記載しなければならない。 (破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力) 第百三十一条 破産債権の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。 2 破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。 (訴訟費用の償還) 第百三十二条 破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。 (破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い) 第百三十三条 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 2 破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。 3 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。 4 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 5 破産手続が終了した際現に係属する第百二十七条第一項又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 6 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。 第五款 租税等の請求権等についての特例 第百三十四条 租税等の請求権及び罰金等の請求権については、第一款(第百十五条を除く。)から前款までの規定は、適用しない。 2 第百十四条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、破産管財人は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。 3 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする破産管財人は、当該届出があった請求権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時破産財団に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。 4 第二項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、破産管財人が第二項に規定する届出があったことを知った日から一月の不変期間内にしなければならない。 5 第百二十四条第二項の規定は第百十四条の規定による届出があった請求権について、第百二十八条、第百三十条、第百三十一条第一項及び前条第三項の規定は第二項の規定による異議又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。 第四節 債権者集会及び債権者委員会 第一款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第百三十五条 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 破産管財人 二 第百四十四条第二項に規定する債権者委員会 三 知れている破産債権者の総債権について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる破産債権を有する破産債権者 2 裁判所は、前項本文の申立てがない場合であっても、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。 (債権者集会の期日の呼出し等) 第百三十六条 債権者集会の期日には、破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者を呼び出さなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、届出をした破産債権者を呼び出すことを要しない。 2 前項本文の規定にかかわらず、届出をした破産債権者であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。 財産状況報告集会においては、第三十二条第三項の規定により通知を受けた者も、同様とする。 3 裁判所は、第三十二条第一項第三号及び第三項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会(財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。)の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。 4 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第一項本文及び前項の規定は、適用しない。 (債権者集会の指揮) 第百三十七条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 (債権者集会の決議) 第百三十八条 債権者集会の決議を要する事項を可決するには、議決権を行使することができる破産債権者(以下この款において「議決権者」という。)で債権者集会の期日に出席し又は次条第二項第二号に規定する書面等投票をしたものの議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 (決議に付する旨の決定) 第百三十九条 裁判所は、第百三十五条第一項各号に掲げる者が債権者集会の決議を要する事項を決議に付することを目的として同項本文の申立てをしたときは、当該事項を債権者集会の決議に付する旨の決定をする。 2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 一 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 二 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法 三 前二号に掲げる方法のうち議決権者が選択するものにより議決権を行使する方法。 この場合において、前号の期間の末日は、第一号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。 3 裁判所は、議決権行使の方法として前項第二号又は第三号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第二号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、当該通知をすることを要しない。 (債権者集会の期日を開く場合における議決権の額の定め方等) 第百四十条 裁判所が議決権行使の方法として前条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定によりその額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者、準別除権者又は停止条件付債権若しくは将来の請求権である破産債権を有する者(次項及び次条第一項第一号において「別除権者等」という。)を除く。) 確定した破産債権の額 二 次項本文の異議のない議決権を有する届出をした破産債権者 届出の額(別除権者又は準別除権者にあっては、第百十一条第二項第二号(同条第三項又は第百十四条において準用する場合を含む。)に掲げる額) 三 次項本文の異議のある議決権を有する届出をした破産債権者 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 届出をした破産債権者の前項の規定による議決権については、破産管財人又は届出をした破産債権者は、債権者集会の期日において、異議を述べることができる。 ただし、前節第四款の規定により破産債権の額が確定した届出をした破産債権者(別除権者等を除く。)の議決権については、この限りでない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項第三号の規定による定めを変更することができる。 (債権者集会の期日を開かない場合における議決権の額の定め方等) 第百四十一条 裁判所が議決権行使の方法として第百三十九条第二項第二号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定により破産債権の額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者等を除く。) 確定した破産債権の額 二 届出をした破産債権者(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第二号の規定による定めを変更することができる。 (破産債権者の議決権) 第百四十二条 破産債権者は、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権については、議決権を有しない。 2 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者及び第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、その弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (代理人による議決権行使) 第百四十三条 議決権者は、代理人をもってその議決権を行使することができる。 第二款 債権者委員会 (債権者委員会) 第百四十四条 裁判所は、破産債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、破産手続に関与することを承認することができる。 ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。 一 委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。 二 破産債権者の過半数が当該委員会が破産手続に関与することについて同意していると認められること。 三 当該委員会が破産債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、破産手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。 3 債権者委員会は、破産手続において、裁判所又は破産管財人に対して、意見を述べることができる。 4 債権者委員会に破産手続の円滑な進行に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した破産債権者の申立てにより、破産財団から当該破産債権者に対して相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。 この場合においては、当該費用の請求権は、財団債権とする。 5 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。 (債権者委員会の意見聴取) 第百四十五条 裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、破産管財人に対して、その旨を通知しなければならない。 2 破産管財人は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、破産財団に属する財産の管理及び処分に関する事項について、債権者委員会の意見を聴かなければならない。 (破産管財人の債権者委員会に対する報告義務) 第百四十六条 破産管財人は、第百五十三条第二項又は第百五十七条の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。 2 破産管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。 (破産管財人に対する報告命令) 第百四十七条 債権者委員会は、破産債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、破産管財人に破産財団に属する財産の管理及び処分に関し必要な事項について第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。 2 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、破産管財人に対し、第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。 第五章 財団債権 (財団債権となる請求権) 第百四十八条 次に掲げる請求権は、財団債権とする。 一 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 二 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権 三 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権及び第九十七条第五号に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から一年(その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの 四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権 五 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 六 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 七 第五十三条第一項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権 八 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(第五十三条第一項又は第二項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権 2 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、財団債権とする。 3 第百三条第二項及び第三項の規定は、第一項第七号及び前項に規定する財団債権について準用する。 この場合において、当該財団債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、当該債権の額は、当該債権が破産債権であるとした場合に第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる劣後的破産債権となるべき部分に相当する金額を控除した額とする。 4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 (使用人の給料等) 第百四十九条 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権とする。 2 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は、退職前三月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前三月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前三月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。 (社債管理者等の費用及び報酬) 第百五十条 社債管理者又は社債管理補助者が破産債権である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、破産手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の当該事務の処理に要する費用の請求権を財団債権とする旨の許可をすることができる。 2 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで破産債権である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が破産手続の円滑な進行に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 3 裁判所は、破産手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 4 前三項の規定による許可を得た請求権は、財団債権とする。 5 第一項から第三項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で破産債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。 一 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の受託会社 同項に規定する社債 二 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第五十四条の五に規定する社会医療法人債管理者又は同法第五十四条の五の二に規定する社会医療法人債管理補助者 同法第五十四条の二第一項に規定する社会医療法人債 三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の八に規定する投資法人債管理者又は同法第百三十九条の九の二第一項に規定する投資法人債管理補助者 同法第二条第十九項に規定する投資法人債 四 保険業法第六十一条の六に規定する社債管理者又は同法第六十一条の七の二に規定する社債管理補助者 相互会社が発行する社債 五 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百二十六条に規定する特定社債管理者又は同法第百二十七条の二第一項に規定する特定社債管理補助者 同法第二条第七項に規定する特定社債 (財団債権の取扱い) 第百五十一条 財団債権は、破産債権に先立って、弁済する。 (破産財団不足の場合の弁済方法等) 第百五十二条 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。 ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。 2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第百四十八条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。 第六章 破産財団の管理 第一節 破産者の財産状況の調査 (財産の価額の評定等) 第百五十三条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、破産財団に属する一切の財産につき、破産手続開始の時における価額を評定しなければならない。 この場合においては、破産者をその評定に立ち会わせることができる。 2 破産管財人は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに破産手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。 3 破産財団に属する財産の総額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合には、前項の規定にかかわらず、破産管財人は、裁判所の許可を得て、同項の貸借対照表の作成及び提出をしないことができる。 (別除権の目的の提示等) 第百五十四条 破産管財人は、別除権者に対し、当該別除権の目的である財産の提示を求めることができる。 2 破産管財人が前項の財産の評価をしようとするときは、別除権者は、これを拒むことができない。 (封印及び帳簿の閉鎖) 第百五十五条 破産管財人は、必要があると認めるときは、裁判所書記官、執行官又は公証人に、破産財団に属する財産に封印をさせ、又はその封印を除去させることができる。 2 裁判所書記官は、必要があると認めるときは、破産管財人の申出により、破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。 (破産財団に属する財産の引渡し) 第百五十六条 裁判所は、破産管財人の申立てにより、決定で、破産者に対し、破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の決定をする場合には、破産者を審尋しなければならない。 3 第一項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (裁判所への報告) 第百五十七条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。 一 破産手続開始に至った事情 二 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 三 第百七十七条第一項の規定による保全処分又は第百七十八条第一項に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無 四 その他破産手続に関し必要な事項 2 破産管財人は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 (財産状況報告集会への報告) 第百五十八条 財産状況報告集会においては、破産管財人は、前条第一項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。 (債権者集会への報告) 第百五十九条 破産管財人は、債権者集会がその決議で定めるところにより、破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない。 第二節 否認権 (破産債権者を害する行為の否認) 第百六十条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 二 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。 3 破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 (相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 第百六十一条 破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。 二 破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。 2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 一 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者 二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者 三 破産者の親族又は同居者 (特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 第百六十二条 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。 二 破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。 ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合 二 前項第一号に掲げる行為が破産者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合 3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。 (手形債務支払の場合等の例外) 第百六十三条 前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。 2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。 3 前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。 (権利変動の対抗要件の否認) 第百六十四条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、破産手続開始後、破産財団のためにこれを否認することができる。 ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。 2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。 (執行行為の否認) 第百六十五条 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。 (支払の停止を要件とする否認の制限) 第百六十六条 破産手続開始の申立ての日から一年以上前にした行為(第百六十条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。 (否認権行使の効果) 第百六十七条 否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。 2 第百六十条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 (破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 第百六十八条 第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存しない場合 財団債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付によって生じた利益が破産財団中に現存しない場合 破産債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 三 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び破産債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 破産管財人は、第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により財団債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権の回復) 第百六十九条 第百六十二条第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。 (転得者に対する否認権) 第百七十条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。 ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。 一 転得者が転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知っていたとき。 二 転得者が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。 ただし、転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。 (破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 第百七十条の二 破産者がした第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百六十八条第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 ただし、同項第一号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、財団債権者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第百六十八条第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。 5 破産管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百六十七条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により財団債権となる額(第百六十八条第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権に関する転得者の権利) 第百七十条の三 破産者がした第百六十二条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百六十九条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。 この場合には、前条第四項の規定を準用する。 (否認権のための保全処分) 第百七十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。 3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 前各項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 第百七十二条 前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。 2 破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。 3 破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。 4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。 (否認権の行使) 第百七十三条 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。 2 前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。 (否認の請求) 第百七十四条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。 3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。 4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 第百七十五条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。 4 第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。 同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。 5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 6 第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。 (否認権行使の期間) 第百七十六条 否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。 否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。 第三節 法人の役員の責任の追及等 (役員の財産に対する保全処分) 第百七十七条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 3 裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (役員の責任の査定の申立て等) 第百七十八条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 3 裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 4 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 5 役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。 (役員責任査定決定等) 第百七十九条 役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。 2 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。 3 役員責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (役員責任査定決定に対する異議の訴え) 第百八十条 役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 (役員責任査定決定の効力) 第百八十一条 前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (社員の出資責任) 第百八十二条 会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。 (匿名組合員の出資責任) 第百八十三条 匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。 第七章 破産財団の換価 第一節 通則 (換価の方法) 第百八十四条 第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。 2 破産管財人は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。 (別除権者が処分をすべき期間の指定) 第百八十五条 別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、破産管財人の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 別除権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 3 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第二節 担保権の消滅 (担保権消滅の許可の申立て) 第百八十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。 ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。 一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額 二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額 2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。 3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。 一 担保権の目的である財産の表示 二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称 四 消滅すべき担保権の表示 五 前号の担保権によって担保される債権の額 六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 七 前項の規定による協議の内容及びその経過 4 申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。 5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (担保権の実行の申立て) 第百八十七条 被申立担保権者は、前条第一項の申立てにつき異議があるときは、同条第五項の規定によりすべての被申立担保権者に申立書及び同条第四項の書面の送達がされた日から一月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができる。 2 裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。 3 破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条第一項第二号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。 4 被申立担保権者は、第一項の期間(第二項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第百九十条第六項の規定により第百八十九条第一項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。 5 第一項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面は提出されなかったものとみなす。 民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条又は同法第百九十二条において準用する同法第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。 6 第百八十九条第一項の不許可の決定が確定した後に、第一項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条第一項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第一項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出することができない。 (買受けの申出) 第百八十八条 被申立担保権者は、第百八十六条第一項の申立てにつき異議があるときは、前条第一項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第百八十六条第三項第一号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。 2 買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。 一 第百八十六条第三項第一号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称 二 破産管財人が第百八十六条第三項第一号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。) 三 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額 3 買受けの申出の額は、申立書に記載された第百八十六条第三項第二号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。 4 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、第二項第三号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第三項第二号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。 5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 6 前条第三項の規定は、買受けの申出について準用する。 7 買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第一項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。 8 破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条第一項の期間が経過した後、裁判所に対し、第百八十六条第三項第一号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。 この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。 9 前項の場合においては、破産管財人は、前条第一項の期間内にされた買受けの申出に係る第二項の書面を裁判所に提出しなければならない。 10 買受けの申出があったときは、破産管財人は、第百八十六条第一項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条第一項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第二項に規定する買受人)の同意を得なければならない。 (担保権消滅の許可の決定等) 第百八十九条 裁判所は、被申立担保権者が第百八十七条第一項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第百八十六条第一項の許可の決定をしなければならない。 一 前条第八項に規定する届出がされなかった場合 第百八十六条第三項第三号の売却の相手方 二 前条第八項に規定する届出がされた場合 同項に規定する買受希望者 2 前項第二号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第百八十六条第四項の書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。 この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。 3 第百八十六条第一項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第一項第二号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。 4 第百八十六条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第百八十六条第一項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (金銭の納付等) 第百九十条 前条第一項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。 一 前条第一項第一号に掲げる場合 第百八十六条第一項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額 二 前条第一項第二号に掲げる場合 同条第二項後段に規定する売得金の額から第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額 2 前項第二号の規定による金銭の納付があったときは、第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。 3 前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。 4 被申立担保権者の有する担保権は、第一項第一号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第二号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。 5 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 6 第一項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第一項の許可の決定を取り消さなければならない。 7 前項の場合には、買受人は、第二項の保証の返還を請求することができない。 (配当等の実施) 第百九十一条 裁判所は、前条第四項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る配当表に基づいて、その配当を実施しなければならない。 2 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条第四項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。 3 民事執行法第八十五条及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。 第三節 商事留置権の消滅 第百九十二条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が第三十六条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。 2 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。 3 第一項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。 4 前項の許可があった場合における第二項に規定する弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。 5 前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。 第八章 配当 第一節 通則 (配当の方法等) 第百九十三条 破産債権者は、この章の定めるところに従い、破産財団から、配当を受けることができる。 2 破産債権者は、破産管財人がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。 ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。 3 破産管財人は、配当をしたときは、その配当をした金額を破産債権者表に記載しなければならない。 (配当の順位等) 第百九十四条 配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第一号の優先的破産債権間においては第九十八条第二項に規定する優先順位による。 一 優先的破産債権 二 前号、次号及び第四号に掲げるもの以外の破産債権 三 劣後的破産債権 四 約定劣後破産債権 2 同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。 第二節 最後配当 (最後配当) 第百九十五条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。 2 破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。 3 裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。 (配当表) 第百九十六条 破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 一 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 二 最後配当の手続に参加することができる債権の額 三 最後配当をすることができる金額 2 前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。 3 破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。 4 前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。 (配当の公告等) 第百九十七条 破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (破産債権の除斥等) 第百九十八条 異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。 2 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 3 別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。 4 第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。 5 第三項の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表の更正) 第百九十九条 次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。 一 破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 二 前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 三 前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 2 前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表に対する異議) 第二百条 届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。 3 第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。 4 第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (配当額の定め及び通知) 第二百一条 破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 2 破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。 3 解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 4 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 5 第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。 この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 6 次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。 7 破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 (配当額の供託) 第二百二条 破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額 三 破産債権者が受け取らない配当額 (破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い) 第二百三条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 第三節 簡易配当 (簡易配当) 第二百四条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。 一 配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。 二 裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。 2 破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 4 第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (準用) 第二百五条 簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。 (簡易配当の許可の取消し) 第二百六条 破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。 この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。 (適用除外) 第二百七条 第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。 第四節 同意配当 第二百八条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「同意配当」という。)をすることを許可することができる。 この場合において、破産管財人の申立ては、届出をした破産債権者の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。 2 前項の規定による許可があった場合には、破産管財人は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の届出をした破産債権者に対して同意配当をすることができる。 3 同意配当については、第百九十六条第一項及び第二項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百八条第一項の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。 第五節 中間配当 (中間配当) 第二百九条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この節において「中間配当」という。)をすることができる。 2 破産管財人は、中間配当をするには、裁判所の許可を得なければならない。 3 中間配当については、第百九十六条第一項及び第二項、第百九十七条、第百九十八条第一項、第百九十九条第一項第一号及び第二号、第二百条、第二百一条第四項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百九条第二項の規定による許可」と、第百九十九条第一項各号及び第二百条第一項中「最後配当に関する除斥期間」とあるのは「第二百十条第一項に規定する中間配当に関する除斥期間」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額」とあるのは「第二百十一条の規定による配当率」と読み替えるものとする。 (別除権者の除斥等) 第二百十条 別除権者は、中間配当の手続に参加するには、前条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する期間(以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。)に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。 2 前項の規定は、準別除権者について準用する。 3 破産管財人は、第一項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき中間配当に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。 (配当率の定め及び通知) 第二百十一条 破産管財人は、第二百九条第三項において準用する第二百条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間配当の手続に参加することができる破産債権者に通知しなければならない。 (解除条件付債権の取扱い) 第二百十二条 解除条件付債権である破産債権については、相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。 2 前項の破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。 (除斥された破産債権等の後の配当における取扱い) 第二百十三条 第二百九条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する事項につき証明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった破産債権について、当該破産債権を有する破産債権者が最後配当に関する除斥期間又はその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明をしたときは、その中間配当において受けることができた額について、当該最後配当又はその中間配当の後に行われることがある中間配当において、他の同順位の破産債権者に先立って配当を受けることができる。 第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明又は疎明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった別除権者(準別除権者を含む。)がその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明及び疎明をしたときも、同様とする。 (配当額の寄託) 第二百十四条 中間配当を行おうとする破産管財人は、次に掲げる破産債権に対する配当額を寄託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって、第二百二条第一号に規定する手続が係属しているもの 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって、第二百十一条の規定による配当率の通知を発した時に第二百二条第二号に規定する手続が終了していないもの 三 中間配当に関する除斥期間内に第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による証明及び疎明があった債権のうち、当該疎明があった額に係る部分 四 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権 五 解除条件付債権である破産債権であって、第二百十二条第一項の規定による担保が供されていないもの 六 第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者が有する破産債権 2 前項第一号又は第二号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、第二百二条第一号又は第二号の規定により当該破産債権に対する配当額を供託するときは、破産管財人は、その寄託した配当額をこれを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 3 第一項第三号又は第四号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権を有する破産債権者又は別除権者(準別除権者を含む。)が第百九十八条第二項の規定に適合しなかったこと又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明をしなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかったときは、破産管財人は、その寄託した配当額の最後配当を他の破産債権者に対してしなければならない。 4 第一項第五号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権の条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、破産管財人は、その寄託した配当額を当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 5 第一項第六号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合における第二百一条第五項の規定の適用については、同項中「その定めた配当額が同号に」とあるのは「その定めた配当額及び破産管財人が第二百十四条第一項第六号の規定により寄託した同号に掲げる破産債権に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に」と、「当該配当額」とあるのは「当該合計額」とする。 第六節 追加配当 第二百十五条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した後(簡易配当にあっては第二百五条において準用する第二百条第一項に規定する期間を経過した後、同意配当にあっては第二百八条第一項の規定による許可があった後)、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたときは、破産管財人は、裁判所の許可を得て、最後配当、簡易配当又は同意配当とは別に、届出をした破産債権者に対し、この条の規定による配当(以下この条において「追加配当」という。)をしなければならない。 破産手続終結の決定があった後であっても、同様とする。 2 追加配当については、第二百一条第四項及び第五項、第二百二条並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第二百一条第五項中「第一項の規定」とあるのは「第二百十五条第四項の規定」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項」とあるのは「第二百十五条第五項」と読み替えるものとする。 3 追加配当は、最後配当、簡易配当又は同意配当について作成した配当表によってする。 4 破産管財人は、第一項の規定による許可があったときは、遅滞なく、追加配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 5 破産管財人は、前項の規定により定めた配当額を、追加配当の手続に参加することができる破産債権者(第二項において読み替えて準用する第二百一条第五項の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 6 追加配当をした場合には、破産管財人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 7 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、当該計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人がしなければならない。 第九章 破産手続の終了 (破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 2 前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 3 裁判所は、第一項の規定により破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨 4 第一項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第三十一条及び第三十二条の規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。 (破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定) 第二百十七条 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。 2 前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができる。 この場合においては、当該意見の聴取を目的とする第百三十五条第一項第二号又は第三号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。 3 前二項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 4 裁判所は、第一項の規定による破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項の申立てを棄却する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 第一項の規定による破産手続廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 7 第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 8 第一項の規定による破産手続廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十八条 裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 一 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 二 前号の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。 ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について同項第一号及び第二号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。 この場合における同項第一号及び第二号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「届出をした破産債権者」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。 3 裁判所は、第一項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 4 届出をした破産債権者は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 5 前条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定について準用する。 この場合において、同条第五項中「破産管財人」とあるのは、「破産者」と読み替えるものとする。 (破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十九条 法人である破産者が前条第一項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。 (破産手続終結の決定) 第二百二十条 裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第八十八条第四項の債権者集会が終結したとき、又は第八十九条第二項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 (破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力) 第二百二十一条 第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。 この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる。 2 前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。 第十章 相続財産の破産等に関する特則 第一節 相続財産の破産 (相続財産に関する破産事件の管轄) 第二百二十二条 相続財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、被相続人の相続開始の時の住所又は相続財産に属する財産が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 相続財産に関する破産事件は、被相続人の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、相続財産に関する破産事件は、相続財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 相続財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、相続財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (相続財産の破産手続開始の原因) 第二百二十三条 相続財産に対する第三十条第一項の規定の適用については、同項中「破産手続開始の原因となる事実があると認めるとき」とあるのは、「相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百二十四条 相続財産については、相続債権者又は受遺者のほか、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者(相続財産の管理に必要な行為をする権利を有する遺言執行者に限る。以下この節において同じ。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が相続財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 相続債権者又は受遺者 その有する債権の存在及び当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 二 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者 当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 (破産手続開始の申立期間) 第二百二十五条 相続財産については、民法第九百四十一条第一項の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、破産手続開始の申立てをすることができる。 ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が完了するまでの間も、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の決定前の相続の開始) 第二百二十六条 裁判所は、破産手続開始の申立て後破産手続開始の決定前に債務者について相続が開始したときは、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者の申立てにより、当該相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることができる。 2 前項に規定する続行の申立ては、相続が開始した後一月以内にしなければならない。 3 第一項に規定する破産手続は、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがなかった場合はその期間が経過した時に、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがあった場合で当該申立てを却下する裁判が確定したときはその時に、それぞれ終了する。 4 第一項に規定する続行の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 (破産手続開始の決定後の相続の開始) 第二百二十七条 裁判所は、破産手続開始の決定後に破産者について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百二十八条 相続財産についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (破産財団の範囲) 第二百二十九条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 この場合においては、被相続人が相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 2 相続人が相続財産の全部又は一部を処分した後に相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人が反対給付について有する権利は、破産財団に属する。 3 前項に規定する場合において、相続人が既に同項の反対給付を受けているときは、相続人は、当該反対給付を破産財団に返還しなければならない。 ただし、相続人が当該反対給付を受けた当時、破産手続開始の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは、その現に受けている利益を返還すれば足りる。 (相続人等の説明義務等) 第二百三十条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 被相続人の代理人であった者 二 相続人及びその代理人 三 相続財産の管理人、相続財産の清算人及び遺言執行者 2 前項の規定は、同項第二号又は第三号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、相続財産について破産手続開始の決定があった場合における相続人並びにその法定代理人及び支配人について準用する。 (相続債権者及び受遺者の地位) 第二百三十一条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続債権者の債権は、受遺者の債権に優先する。 (相続人の地位) 第二百三十二条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続人が被相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 この場合においては、相続人は、被相続人に対して有していた債権について、相続債権者と同一の権利を有する。 2 前項に規定する場合において、相続人が相続債権者に対して自己の固有財産をもって弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、相続人は、その出えんの額の範囲内において、当該相続債権者が被相続人に対して有していた権利を行使することができる。 (相続人の債権者の地位) 第二百三十三条 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係) 第二百三十四条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 (受遺者に対する担保の供与等の否認) 第二百三十五条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する破産債権者を害するときは、当該行為を否認することができる。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項の行為が同項の規定により否認された場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「破産債権者を害すること」とあるのは、「第二百三十五条第一項の破産債権者を害すること」と読み替えるものとする。 (否認後の残余財産の分配等) 第二百三十六条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、破産管財人は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百三十七条 相続財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、相続人がする。 2 相続人が数人あるときは、前項の申立ては、各相続人がすることができる。 第二節 相続人の破産 (破産者の単純承認又は相続放棄の効力等) 第二百三十八条 破産手続開始の決定前に破産者のために相続の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 2 破産管財人は、前項後段の規定にかかわらず、相続の放棄の効力を認めることができる。 この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から三月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百三十九条 相続人についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (相続債権者、受遺者及び相続人の債権者の地位) 第二百四十条 相続人について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の破産財団については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。 3 第二百二十五条に規定する期間内にされた破産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。 4 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、破産債権者としてその権利を行使することができない。 第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。 (限定承認又は財産分離の手続において相続債権者等が受けた弁済) 第二百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があった後に、限定承認又は財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 相続人の債権者が、相続人について破産手続開始の決定があった後に、財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合も、同様とする。 2 前項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済(相続人が数人ある場合には、当該破産手続開始の決定を受けた相続人の相続分に応じた部分に限る。次項において同じ。)と同一の割合の配当を受けるまでは、破産手続により、配当を受けることができない。 3 第一項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、前項の弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (限定承認又は財産分離等の後の相続財産の管理及び処分等) 第二百四十二条 相続人について破産手続開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、破産管財人は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。 限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。 2 破産管財人が前項の規定による相続財産の管理及び処分を終えた場合において、残余財産があるときは、その残余財産のうち当該相続人に帰属すべき部分は、当該相続人の固有財産とみなす。 この場合において、破産管財人は、その残余財産について、破産財団の財産目録及び貸借対照表を補充しなければならない。 3 第一項前段及び前項の規定は、第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有する場合及び第二百四十条第三項の場合について準用する。 第三節 受遺者の破産 (包括受遺者の破産) 第二百四十三条 前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 (特定遺贈の承認又は放棄) 第二百四十四条 破産手続開始の決定前に破産者のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。 2 民法第九百八十七条の規定は、前項の場合について準用する。 第十章の二 信託財産の破産に関する特則 (信託財産に関する破産事件の管轄) 第二百四十四条の二 信託財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 信託財産に関する破産事件は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、信託財産に関する破産事件は、信託財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 信託財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、信託財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (信託財産の破産手続開始の原因) 第二百四十四条の三 信託財産に対する第十五条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百四十四条の四 信託財産については、信託債権(信託法第二十一条第二項第二号に規定する信託債権をいう。次項第一号及び第二百四十四条の七において同じ。)を有する者又は受益者のほか、受託者又は信託財産管理者、信託財産法人管理人若しくは同法第百七十条第一項の管理人(以下「受託者等」と総称する。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が信託財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 信託債権を有する者又は受益者 その有する信託債権又は受益債権の存在及び当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 二 受託者等 当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 3 前項第二号の規定は、受託者等が一人であるとき、又は受託者等が数人ある場合において受託者等の全員が破産手続開始の申立てをしたときは、適用しない。 4 信託財産については、信託が終了した後であっても、残余財産の給付が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産財団の範囲) 第二百四十四条の五 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 (受託者等の説明義務等) 第二百四十四条の六 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 受託者等 二 会計監査人(信託法第二百四十八条第一項又は第二項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。) 2 前項の規定は、同項各号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等(個人である受託者等に限る。)について準用する。 4 第四十一条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等について準用する。 (信託債権者及び受益者の地位) 第二百四十四条の七 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、信託債権は、受益債権に優先する。 3 受益債権と約定劣後破産債権は、同順位とする。 ただし、信託行為の定めにより、約定劣後破産債権が受益債権に優先するものとすることができる。 (受託者の地位) 第二百四十四条の八 信託法第四十九条第一項(同法第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての破産手続との関係においては、金銭債権とみなす。 (固有財産等責任負担債務に係る債権者の地位) 第二百四十四条の九 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第二十二条第一項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係等) 第二百四十四条の十 信託財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、受託者等が信託財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 2 前項に規定する場合における第百六十一条第一項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 3 第一項に規定する場合における第百六十二条第一項第一号の規定の適用については、債権者が受託者等又は会計監査人であるときは、その債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 4 第一項に規定する場合における第百六十八条第二項及び第百七十条の二第二項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等がこれらの規定に規定する隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 (破産管財人の権限) 第二百四十四条の十一 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、破産管財人がする。 一 信託法第二十七条第一項又は第二項の規定による取消権の行使 二 信託法第三十一条第五項の規定による追認 三 信託法第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権の行使 四 信託法第三十二条第四項の規定による権利の行使 五 信託法第四十条又は第四十一条の規定による責任の追及 六 信託法第四十二条(同法第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除 七 信託法第二百二十六条第一項、第二百二十八条第一項又は第二百五十四条第一項の規定による責任の追及 2 前項の規定は、保全管理人について準用する。 3 第百七十七条の規定は信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等又は会計監査人の財産に対する保全処分について、第百七十八条から第百八十一条までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。 (保全管理命令) 第二百四十四条の十二 信託財産について破産手続開始の申立てがあった場合における第三章第二節の規定の適用については、第九十一条第一項中「債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産」とあり、並びに同項、第九十三条第一項及び第九十六条第二項中「債務者の財産」とあるのは、「信託財産に属する財産」とする。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百四十四条の十三 信託財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、受託者等がする。 2 受託者等が数人あるときは、前項の申立ては、各受託者等がすることができる。 3 信託財産の破産について第一項の申立てをするには、信託の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該信託を継続する手続をしなければならない。 第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則 (外国管財人との協力) 第二百四十五条 破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下この章において同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。 (外国管財人の権限等) 第二百四十六条 外国管財人は、債務者について破産手続開始の申立てをすることができる。 2 外国管財人は、前項の申立てをするときは、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 外国管財人は、破産者の破産手続において、債権者集会の期日に出席し、意見を述べることができる。 4 第一項の規定により外国管財人が破産手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、破産手続開始の決定があったときは第三十二条第一項の規定により公告すべき事項を、同項第二号又は第三号に掲げる事項に変更を生じたときはその旨を、破産手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。 (相互の手続参加) 第二百四十七条 外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる。 ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。 2 破産管財人は、届出をした破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。 3 破産管財人は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した破産債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。 ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。 第十二章 免責手続及び復権 第一節 免責手続 (免責許可の申立て) 第二百四十八条 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。 2 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる。 3 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 4 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。 ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。 5 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第二十条第二項の債権者一覧表を第三項本文の債権者名簿とみなす。 6 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第二百十八条第一項の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。 7 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。 一 第二百十八条第一項の申立て 当該申立ての棄却の決定 二 再生手続開始の申立て 当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定 (強制執行の禁止等) 第二百四十九条 免責許可の申立てがあり、かつ、第二百十六条第一項の規定による破産手続廃止の決定、第二百十七条第一項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第二百二十条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「破産債権に基づく強制執行等」という。)、破産債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。)はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分で破産者の財産に対して既にされているもの並びに破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 2 免責許可の決定が確定したときは、前項の規定により中止した破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分並びに破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。 3 第一項の場合において、次の各号に掲げる破産債権については、それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 一 第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権 免責許可の申立てについての決定 二 前号に掲げる請求権以外の破産債権 免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定 (免責についての調査及び報告) 第二百五十条 裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を書面で報告させることができる。 2 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。 (免責についての意見申述) 第二百五十一条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第三項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。 3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。 (免責許可の決定の要件等) 第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。 二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。 三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。 四 浪費又は 賭 と 博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。 五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。 六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。 七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。 八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。 九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。 十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。 イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日 ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日 ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日 十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。 2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 3 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 4 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (免責許可の決定の効力等) 第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。) 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。) 四 次に掲げる義務に係る請求権 イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務 ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務 ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務 ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務 ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。) 七 罰金等の請求権 2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。 3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (免責取消しの決定) 第二百五十四条 第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。 2 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び申立人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 3 第一項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。 6 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 7 前条第三項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。 第二節 復権 (復権) 第二百五十五条 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。 次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。 一 免責許可の決定が確定したとき。 二 第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。 三 再生計画認可の決定が確定したとき。 四 破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。 2 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。 3 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第一項第一号又は第三号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。 (復権の決定) 第二百五十六条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 3 破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 4 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に、その主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第十三章 雑則 (法人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十七条 法人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 2 前項の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 3 第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 4 第一項の債務者について保全管理命令が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。 5 前項の登記には、保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 6 第四項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 7 第一項の規定は、同項の破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 8 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 (個人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。 一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。 二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。 2 前項の規定は、当該破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 3 裁判所書記官は、第一項第二号の規定により破産手続開始の登記がされた権利について、第三十四条第四項の決定により破産財団に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 4 第一項第二号(第二項において準用する場合を含む。)及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 5 第一項第二号の規定は、信託財産について保全管理命令があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。 (保全処分に関する登記の嘱託) 第二百五十九条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 債務者の財産に属する権利で登記されたものに関し第二十八条第一項(第三十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第百七十一条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第一項若しくは第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (否認の登記) 第二百六十条 登記の原因である行為が否認されたときは、破産管財人は、否認の登記を申請しなければならない。 登記が否認されたときも、同様とする。 2 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。 一 当該否認の登記 二 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記 三 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記 3 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(破産手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の破産者への移転の登記をしなければならない。 4 裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、破産者について、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人が、第二項第二号に掲げる登記に係る権利を放棄し、否認の登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 (非課税) 第二百六十一条 第二百五十七条から前条までの規定による登記については、登録免許税を課さない。 (登録のある権利への準用) 第二百六十二条 第二百五十八条第一項第二号及び同条第二項において準用する同号(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)、同条第三項(同条第四項において同条第三項後段の規定を準用する場合を含む。)並びに前三条の規定は、登録のある権利について準用する。 (責任制限手続の廃止による破産手続の中止) 第二百六十三条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。 (責任制限手続の廃止の場合の措置) 第二百六十四条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により定めた期間又は期日を公告しなければならない。 3 知れている制限債権者には、第三十二条第一項第一号及び第二号並びに前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 4 破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者には、第二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間又は期日(当該期間又は期日に変更があった場合にあっては、変更後の期間又は期日)が第三十一条第一項第三号の規定により定めた期間又は期日と同一であるときは、届出をした破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 前三項の規定は第一項の規定により定めた債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について、第百十八条第三項から第五項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間を変更する決定があった場合について、第百二十一条第九項から第十一項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期日を変更する決定があった場合又は当該期日における債権の調査の延期若しくは続行の決定があった場合について準用する。 この場合において、第百十八条第三項及び第百二十一条第九項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者(第二百六十四条第一項の規定により定められた債権の届出をすべき期間の経過前にあっては、知れている制限債権者)、破産管財人」と、同条第十項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者、破産管財人」と読み替えるものとする。 6 第三十一条第二項及び第三項の規定は、第一項に規定する期間及び期日について準用する。 第十四章 罰則 (詐欺破産罪) 第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。 一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為 二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為 三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為 四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為 2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。 (特定の債権者に対する担保の供与等の罪) 第二百六十六条 債務者(相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。)が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等の特別背任罪) 第二百六十七条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 破産管財人又は保全管理人が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う役員又は職員に適用する。 (説明及び検査の拒絶等の罪) 第二百六十八条 第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。 2 第四十条第一項第二号から第五号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者、第二百三十条第一項各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第二号若しくは第三号に掲げる者(相続人を除く。)であった者又は第二百四十四条の六第一項各号に掲げる者若しくは同項各号に掲げる者であった者(以下この項において「説明義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第四項において「代表者等」という。)が、その説明義務者の業務に関し、第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。 説明義務者の代表者等が、その説明義務者の業務に関し、第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする。 3 破産者が第八十三条第一項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、相続財産について破産手続開始の決定があった場合において第二百三十条第一項第二号若しくは第三号に掲げる者が第八十三条第一項の規定による検査を拒んだとき又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合において受託者等が同項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 4 第八十三条第二項に規定する破産者の子会社等(同条第三項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第二項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は第八十三条第二項の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 (重要財産開示拒絶等の罪) 第二百六十九条 破産者(信託財産の破産にあっては、受託者等)が第四十一条(第二百四十四条の六第四項において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪) 第二百七十条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第百五十五条第二項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。 (審尋における説明拒絶等の罪) 第二百七十一条 債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等に対する職務妨害の罪) 第二百七十二条 偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (収賄罪) 第二百七十三条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄 賂 ろ を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。 4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 5 破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第百三十九条第二項第二号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 6 前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (贈賄罪) 第二百七十四条 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産者等に対する面会強請等の罪) 第二百七十五条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (国外犯) 第二百七十六条 第二百六十五条、第二百六十六条、第二百七十条、第二百七十二条及び第二百七十四条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 2 第二百六十七条及び第二百七十三条(第五項を除く。)の罪は、刑法第四条の例に従う。 3 第二百七十三条第五項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。 (両罰規定) 第二百七十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条(第一項を除く。)、第二百六十九条から第二百七十二条まで、第二百七十四条又は第二百七十五条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第七十五号
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破産法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。 2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。 3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。 4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。 5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。 6 この法律において「破産債権者」とは、破産債権を有する債権者をいう。 7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。 8 この法律において「財団債権者」とは、財団債権を有する債権者をいう。 9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。 10 この法律において「別除権者」とは、別除権を有する者をいう。 11 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。 12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。 13 この法律において「保全管理人」とは、第九十一条第一項の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。 14 この法律において「破産財団」とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。 (外国人の地位) 第三条 外国人又は外国法人は、破産手続、第十二章第一節の規定による免責手続(以下「免責手続」という。)及び同章第二節の規定による復権の手続(以下この章において「破産手続等」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。 (破産事件の管轄) 第四条 この法律の規定による破産手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。 2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。 第五条 破産事件は、債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 2 前項の規定による管轄裁判所がないときは、破産事件は、債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第八十三条第二項第二号及び第三項並びに第百六十一条第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「破産事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての破産手続開始の申立ては、親法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について破産事件等が係属しているときにおける親法人についての破産手続開始の申立ては、子株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 4 子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について破産事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての破産手続開始の申立ては、当該株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について破産事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての破産手続開始の申立ては、当該他の法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 6 第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について破産事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての破産手続開始の申立ては、当該法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について破産事件又は再生事件が係属している場合における当該法人についての破産手続開始の申立ては、当該法人の代表者の破産事件又は再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 7 第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について破産事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての破産手続開始の申立ては、当該破産事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 一 相互に連帯債務者の関係にある個人 二 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人 三 夫婦 8 第一項及び第二項の規定にかかわらず、破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 9 第一項及び第二項の規定にかかわらず、前項に規定する債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 10 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (専属管轄) 第六条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。 (破産事件の移送) 第七条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件(破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件)を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。 一 債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所 二 債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所 三 第五条第二項に規定する地方裁判所 四 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所 イ 第五条第三項から第七項までに規定する地方裁判所 ロ 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者。ハにおいて同じ。)の数が五百人以上であるときは、第五条第八項に規定する地方裁判所 ハ ロに規定する債権者の数が千人以上であるときは、第五条第九項に規定する地方裁判所 五 第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に破産事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所 (任意的口頭弁論等) 第八条 破産手続等に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 裁判所は、職権で、破産手続等に係る事件に関して必要な調査をすることができる。 (不服申立て) 第九条 破産手続等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 (公告等) 第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。 5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。 (事件に関する文書の閲覧等) 第十一条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が破産手続開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 債務者以外の利害関係人 第二十四条第一項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令、第百七十一条第一項の規定による保全処分又は破産手続開始の申立てについての裁判 二 債務者 破産手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分若しくは裁判 (支障部分の閲覧等の制限) 第十二条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、破産財団(破産手続開始前にあっては、債務者の財産)の管理又は換価に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した破産管財人又は保全管理人の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者(その者が保全管理人である場合にあっては、保全管理人又は破産管財人。次項において同じ。)に限ることができる。 一 第三十六条、第四十条第一項ただし書若しくは同条第二項において準用する同条第一項ただし書(これらの規定を第九十六条第一項において準用する場合を含む。)、第七十八条第二項(第九十三条第三項において準用する場合を含む。)、第八十四条(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第九十三条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等 二 第百五十七条第二項の規定による報告に係る文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、破産裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 (民事訴訟法の準用) 第十三条 特別の定めがある場合を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定(同法第八十七条の二の規定を除く。)を準用する。 (最高裁判所規則) 第十四条 この法律に定めるもののほか、破産手続等に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二章 破産手続の開始 第一節 破産手続開始の申立て (破産手続開始の原因) 第十五条 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。 (法人の破産手続開始の原因) 第十六条 債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 2 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。 (破産手続開始の原因の推定) 第十七条 債務者についての外国で開始された手続で破産手続に相当するものがある場合には、当該債務者に破産手続開始の原因となる事実があるものと推定する。 (破産手続開始の申立て) 第十八条 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 (法人の破産手続開始の申立て) 第十九条 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 一 一般社団法人又は一般財団法人 理事 二 株式会社又は相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。第百五十条第六項第三号において同じ。) 取締役 三 合名会社、合資会社又は合同会社 業務を執行する社員 2 前項各号に掲げる法人については、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができる。 3 前二項の規定により第一項各号に掲げる法人について破産手続開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 4 前三項の規定は、第一項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。 5 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の申立ての方式) 第二十条 破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。 2 債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 (破産手続開始の申立書の審査) 第二十一条 前条第一項の書面(以下この条において「破産手続開始の申立書」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い破産手続開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。 2 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 裁判所は、第三項の異議の申立てがあった場合において、破産手続開始の申立書に第一項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。 6 第一項又は前項の場合において、破産手続開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。 7 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の予納) 第二十二条 破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 2 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の仮支弁) 第二十三条 裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。 職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。 2 前条第一項の規定は、前項前段の規定により破産手続の費用を仮に国庫から支弁する場合には、適用しない。 (他の手続の中止命令等) 第二十四条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる手続又は第六号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第五号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る。 一 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「強制執行等」という。)の手続で、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権若しくは財団債権となるべきもの(以下この項及び次条第八項において「破産債権等」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの 二 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続で、破産債権等に基づくもの 三 債務者の財産関係の訴訟手続 四 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続 五 債務者の責任制限手続(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第三章又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五章、同法第四十三条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第四十三条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条及び第五十四条を除く。)若しくは船舶油濁等損害賠償保障法第五十一条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第五十一条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条、第四節及び第五十四条を除く。)の規定による責任制限手続をいう。第二百六十三条及び第二百六十四条第一項において同じ。) 六 債務者の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第百三条第五項及び第二百五十三条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「外国租税滞納処分」という。)で、破産債権等に基づくもの 2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第一項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 4 第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令) 第二十五条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第一号又は第六号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。 ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第九十一条第二項に規定する保全管理命令をした場合に限る。 2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。 3 包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続及び外国租税滞納処分(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。 4 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第三項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 6 包括的禁止命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 8 包括的禁止命令が発せられたときは、破産債権等(当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等) 第二十六条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。 2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 前条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令の解除) 第二十七条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。 この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で第二十五条第三項の規定により中止されていたものは、続行する。 2 前項の規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。 3 第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (債務者の財産に関する保全処分) 第二十八条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 裁判所が第一項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、破産手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (破産手続開始の申立ての取下げの制限) 第二十九条 破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、第二十四条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、前条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は第百七十一条第一項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 第二節 破産手続開始の決定 (破産手続開始の決定) 第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。 二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。 (破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等) 第三十一条 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 破産債権の届出をすべき期間 二 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会(第四項、第百三十六条第二項及び第三項並びに第百五十八条において「財産状況報告集会」という。)の期日 三 破産債権の調査をするための期間(第百十六条第二項の場合にあっては、破産債権の調査をするための期日) 2 前項第一号及び第三号の規定にかかわらず、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第一号の期間並びに同項第三号の期間及び期日を定めないことができる。 3 前項の場合において、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めなければならない。 4 第一項第二号の規定にかかわらず、裁判所は、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、同号の期日を定めないことができる。 5 第一項の場合において、知れている破産債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第四項本文及び第五項本文において準用する同条第三項第一号、第三十三条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者(同項本文の場合にあっては、同項本文に規定する議決権者。次条第二項において同じ。)に対する通知をせず、かつ、第百十一条、第百十二条又は第百十四条の規定により破産債権の届出をした破産債権者(以下「届出をした破産債権者」という。)を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。 (破産手続開始の公告等) 第三十二条 裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産管財人の氏名又は名称 三 前条第一項の規定により定めた期間又は期日 四 破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者(第三項第二号において「財産所持者等」という。)は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨 五 第二百四条第一項第二号の規定による簡易配当をすることが相当と認められる場合にあっては、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し前条第一項第三号の期間の満了時又は同号の期日の終了時までに異議を述べるべき旨 2 前条第五項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第四項本文及び第五項本文において準用する次項第一号、次条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者に対する通知をせず、かつ、届出をした破産債権者を債権者集会の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。 3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 一 破産管財人、破産者及び知れている破産債権者 二 知れている財産所持者等 三 第九十一条第二項に規定する保全管理命令があった場合における保全管理人 四 労働組合等(破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第七十八条第四項及び第百三十六条第三項において同じ。) 4 第一項第三号及び前項第一号の規定は、前条第三項の規定により同条第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めた場合について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 第一項第二号並びに第三項第一号及び第二号の規定は第一項第二号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第一項第三号及び第三項第一号の規定は第一項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合(前条第一項第一号の期間又は同項第二号の期日に変更を生じた場合に限る。)について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 (抗告) 第三十三条 破産手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第二十四条から第二十八条までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。 3 破産手続開始の決定をした裁判所は、第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第三項各号(第三号を除く。)に掲げる者にその主文を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 第三節 破産手続開始の効果 第一款 通則 (破産財団の範囲) 第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。 一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭 二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。 ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。 4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。 5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。 6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (法人の存続の擬制) 第三十五条 他の法律の規定により破産手続開始の決定によって解散した法人又は解散した法人で破産手続開始の決定を受けたものは、破産手続による清算の目的の範囲内において、破産手続が終了するまで存続するものとみなす。 (破産者の事業の継続) 第三十六条 破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。 (破産者の居住に係る制限) 第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 (破産者の引致) 第三十八条 裁判所は、必要と認めるときは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前二項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による引致を命ずる決定に対しては、破産者又は債務者は、即時抗告をすることができる。 5 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)中 勾 こう 引に関する規定は、第一項及び第二項の規定による引致について準用する。 (破産者に準ずる者への準用) 第三十九条 前二条の規定は、破産者の法定代理人及び支配人並びに破産者の理事、取締役、執行役及びこれらに準ずる者について準用する。 (破産者等の説明義務) 第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 一 破産者 二 破産者の代理人 三 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人 四 前号に掲げる者に準ずる者 五 破産者の従業者(第二号に掲げる者を除く。) 2 前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。 (破産者の重要財産開示義務) 第四十一条 破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (他の手続の失効等) 第四十二条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。 2 前項に規定する場合には、同項に規定する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続並びに外国租税滞納処分で、破産財団に属する財産に対して既にされているものは、破産財団に対してはその効力を失う。 ただし、同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については、破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。 3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は、財団債権とする。 5 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては、破産管財人を被告とする。 6 破産手続開始の決定があったときは、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)又は第三者からの情報取得手続(同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)の申立てはすることができず、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続はその効力を失う。 (国税滞納処分等の取扱い) 第四十三条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。 2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。 3 破産手続開始の決定があったときは、破産手続が終了するまでの間は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。 免責許可の申立てがあった後当該申立てについての裁判が確定するまでの間(破産手続開始の決定前に免責許可の申立てがあった場合にあっては、破産手続開始の決定後当該申立てについての裁判が確定するまでの間)も、同様とする。 (破産財団に関する訴えの取扱い) 第四十四条 破産手続開始の決定があったときは、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち破産債権に関しないものを受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 破産手続が終了したときは、破産管財人を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 5 破産者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産者は、当然訴訟手続を受継する。 (債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の取扱い) 第四十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七又は第四百二十四条第一項の規定により破産債権者又は財団債権者の提起した訴訟が破産手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産債権者又は財団債権者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、中断する。 5 前項の場合には、破産債権者又は財団債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産債権者又は財団債権者は、当然訴訟手続を受継する。 (行政庁に係属する事件の取扱い) 第四十六条 第四十四条の規定は、破産財団に関する事件で行政庁に係属するものについて準用する。 第二款 破産手続開始の効果 (開始後の法律行為の効力) 第四十七条 破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。 (開始後の権利取得の効力) 第四十八条 破産手続開始後に破産財団に属する財産に関して破産者の法律行為によらないで権利を取得しても、その権利の取得は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 前条第二項の規定は、破産手続開始の日における前項の権利の取得について準用する。 (開始後の登記及び登録の効力) 第四十九条 不動産又は船舶に関し破産手続開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 ただし、登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。 2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。 (開始後の破産者に対する弁済の効力) 第五十条 破産手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。 2 破産手続開始後に、その事実を知って破産者にした弁済は、破産財団が受けた利益の限度においてのみ、破産手続の関係において、その効力を主張することができる。 (善意又は悪意の推定) 第五十一条 前二条の規定の適用については、第三十二条第一項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 (共有関係) 第五十二条 数人が共同して財産権を有する場合において、共有者の中に破産手続開始の決定を受けた者があるときは、その共有に係る財産の分割の請求は、共有者の間で分割をしない旨の定めがあるときでも、することができる。 2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って破産者の持分を取得することができる。 (双務契約) 第五十三条 双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 2 前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。 この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。 3 前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第六百三十一条前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第六百四十二条第一項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。 第五十四条 前条第一項又は第二項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。 (継続的給付を目的とする双務契約) 第五十五条 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。 2 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。 3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。 (賃貸借契約等) 第五十六条 第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。 (委任契約) 第五十七条 委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法第六百五十五条の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。 (市場の相場がある商品の取引に係る契約) 第五十八条 取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。 2 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。 3 第五十四条第一項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。 4 第一項又は第二項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。 5 第一項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第二項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。 (交互計算) 第五十九条 交互計算は、当事者の一方について破産手続が開始されたときは、終了する。 この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。 2 前項の規定による請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し、相手方が有するときは破産債権とする。 (為替手形の引受け又は支払等) 第六十条 為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。 3 第五十一条の規定は、前二項の規定の適用について準用する。 (夫婦財産関係における管理者の変更等) 第六十一条 民法第七百五十八条第二項及び第三項並びに第七百五十九条の規定は配偶者の財産を管理する者につき破産手続が開始された場合について、同法第八百三十五条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。 第三款 取戻権 (取戻権) 第六十二条 破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。 (運送中の物品の売主等の取戻権) 第六十三条 売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。 ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。 2 前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。 3 第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。 この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。 (代償的取戻権) 第六十四条 破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。 2 前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。 第四款 別除権 (別除権) 第六十五条 別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。 2 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。 (留置権の取扱い) 第六十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。 2 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。 3 第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。 第五款 相殺権 (相殺権) 第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。 2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。 破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。 (相殺に供することができる破産債権の額) 第六十八条 破産債権者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、第百三条第二項各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。 2 前項の規定にかかわらず、破産債権者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。 (解除条件付債権を有する者による相殺) 第六十九条 解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。 (停止条件付債権等を有する者による寄託の請求) 第七十条 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。 敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。 (相殺の禁止) 第七十一条 破産債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担したとき。 二 支払不能になった後に契約によって負担する債務を専ら破産債権をもってする相殺に供する目的で破産者の財産の処分を内容とする契約を破産者との間で締結し、又は破産者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより破産者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産債権者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第七十二条 破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 破産者に対して債務を負担する者と破産者との間の契約 (破産管財人の催告権) 第七十三条 破産管財人は、第三十一条第一項第三号の期間が経過した後又は同号の期日が終了した後は、第六十七条の規定により相殺をすることができる破産債権者に対し、一月以上の期間を定め、その期間内に当該破産債権をもって相殺をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、破産債権者の負担する債務が弁済期にあるときに限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、破産債権者が同項の規定により定めた期間内に確答をしないときは、当該破産債権者は、破産手続の関係においては、当該破産債権についての相殺の効力を主張することができない。 第三章 破産手続の機関 第一節 破産管財人 第一款 破産管財人の選任及び監督 (破産管財人の選任) 第七十四条 破産管財人は、裁判所が選任する。 2 法人は、破産管財人となることができる。 (破産管財人に対する監督等) 第七十五条 破産管財人は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。 この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。 (数人の破産管財人の職務執行) 第七十六条 破産管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (破産管財人代理) 第七十七条 破産管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。 2 前項の破産管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 第二款 破産管財人の権限等 (破産管財人の権限) 第七十八条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。 2 破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 二 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権(二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和六年法律第三十八号)第二条第八項に規定する試掘権をいう。)、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却 三 営業又は事業の譲渡 四 商品の一括売却 五 借財 六 第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄 七 動産の任意売却 八 債権又は有価証券の譲渡 九 第五十三条第一項の規定による履行の請求 十 訴えの提起 十一 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 十二 権利の放棄 十三 財団債権、取戻権又は別除権の承認 十四 別除権の目的である財産の受戻し 十五 その他裁判所の指定する行為 3 前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 4 裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。 5 第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。 (破産財団の管理) 第七十九条 破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第八十条 破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。 (郵便物等の管理) 第八十一条 裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。 2 裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。 3 破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 第八十二条 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。 (破産管財人による調査等) 第八十三条 破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 2 破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 一 破産者が株式会社である場合 破産者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。) 二 破産者が株式会社以外のものである場合 破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社 3 破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。 (破産管財人の職務の執行の確保) 第八十四条 破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。 (破産管財人の注意義務) 第八十五条 破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 (破産管財人の情報提供努力義務) 第八十六条 破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。 (破産管財人の報酬等) 第八十七条 破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。 (破産管財人の任務終了の場合の報告義務等) 第八十八条 破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。 2 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。 3 第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。 4 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 5 前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。 6 第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 第八十九条 前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。 この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。 3 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 4 第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 (任務終了の場合の財産の管理) 第九十条 破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 2 破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。 ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。 第二節 保全管理人 (保全管理命令) 第九十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 3 前二項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 4 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 (保全管理命令に関する公告及び送達) 第九十二条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 2 保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。 (保全管理人の権限) 第九十三条 保全管理命令が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 第七十八条第二項から第六項までの規定は、保全管理人について準用する。 (保全管理人の任務終了の場合の報告義務) 第九十四条 保全管理人の任務が終了した場合には、保全管理人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 2 前項の場合において、保全管理人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の保全管理人又は破産管財人がしなければならない。 (保全管理人代理) 第九十五条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。 2 前項の規定による保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (準用) 第九十六条 第四十条の規定は保全管理人の請求について、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第七十四条第二項、第七十五条、第七十六条、第七十九条、第八十条、第八十二条から第八十五条まで、第八十七条第一項及び第二項並びに第九十条第一項の規定は保全管理人について、第八十七条第一項及び第二項の規定は保全管理人代理について準用する。 この場合において、第五十一条中「第三十二条第一項の規定による公告」とあるのは「第九十二条第一項の規定による公告」と、第九十条第一項中「後任の破産管財人」とあるのは「後任の保全管理人、破産管財人」と読み替えるものとする。 2 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。 一 保全管理命令が発せられた場合 第四十四条第一項から第三項まで 二 保全管理命令が効力を失った場合(破産手続開始の決定があった場合を除く。) 第四十四条第四項から第六項まで 第四章 破産債権 第一節 破産債権者の権利 (破産債権に含まれる請求権) 第九十七条 次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は、破産債権に含まれるものとする。 一 破産手続開始後の利息の請求権 二 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 三 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 四 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの 五 加算税(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第四号に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 六 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(以下「罰金等の請求権」という。) 七 破産手続参加の費用の請求権 八 第五十四条第一項(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権 九 第五十七条に規定する債権 十 第五十九条第一項の規定による請求権であって、相手方の有するもの 十一 第六十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する債権 十二 第百六十八条第二項第二号又は第三号に定める権利 (優先的破産債権) 第九十八条 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。 2 前項の場合において、優先的破産債権間の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 3 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、破産手続開始の時からさかのぼって計算する。 (劣後的破産債権等) 第九十九条 次に掲げる債権(以下「劣後的破産債権」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。 一 第九十七条第一号から第七号までに掲げる請求権 二 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する破産手続開始の時における法定利率による利息の額に相当する部分 三 破産手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分 四 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき第二号の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が破産手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分 2 破産債権者と破産者との間において、破産手続開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権(以下「約定劣後破産債権」という。)は、劣後的破産債権に後れる。 (破産債権の行使) 第百条 破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる行為によって破産債権である租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)を行使する場合については、適用しない。 一 破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分 二 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当 (給料の請求権等の弁済の許可) 第百一条 優先的破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第百九十五条第一項に規定する最後配当、第二百四条第一項に規定する簡易配当、第二百八条第一項に規定する同意配当又は第二百九条第一項に規定する中間配当の許可があるまでの間、破産管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。 ただし、その弁済により財団債権又は他の先順位若しくは同順位の優先的破産債権を有する者の利益を害するおそれがないときに限る。 2 破産管財人は、前項の破産債権者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。 この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。 (破産管財人による相殺) 第百二条 破産管財人は、破産財団に属する債権をもって破産債権と相殺することが破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。 (破産債権者の手続参加) 第百三条 破産債権者は、その有する破産債権をもって破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、破産債権の額は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 一 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの ハ 金額又は存続期間が不確定である定期金債権 二 前号に掲げる債権以外の債権 債権額 3 破産債権が期限付債権でその期限が破産手続開始後に到来すべきものであるときは、その破産債権は、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす。 4 破産債権が破産手続開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも、当該破産債権者は、その破産債権をもって破産手続に参加することができる。 5 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって破産手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定をいう。第百三十四条第二項において同じ。)を得なければならない。 (全部の履行をする義務を負う者が数人ある場合等の手続参加) 第百四条 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。 3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。 ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。 4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。 5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する。 (保証人の破産の場合の手続参加) 第百五条 保証人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき無限の責任を負う者の破産の場合の手続参加) 第百六条 法人の債務につき無限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき有限の責任を負う者の破産の場合の手続参加等) 第百七条 法人の債務につき有限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続に参加することができない。 この場合においては、当該法人が出資の請求について破産手続に参加することを妨げない。 2 法人の債務につき有限の責任を負う者がある場合において、当該法人について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、当該法人の債務につき有限の責任を負う者に対してその権利を行使することができない。 (別除権者等の手続参加) 第百八条 別除権者は、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の額についてのみ、破産債権者としてその権利を行使することができる。 ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。 2 破産財団に属しない破産者の財産につき特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 (外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加) 第百九条 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 (代理委員) 第百十条 破産債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。 2 代理委員は、これを選任した破産債権者のために、破産手続に属する一切の行為をすることができる。 3 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。 ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可を取り消すことができる。 第二節 破産債権の届出 (破産債権の届出) 第百十一条 破産手続に参加しようとする破産債権者は、第三十一条第一項第一号又は第三項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 一 各破産債権の額及び原因 二 優先的破産債権であるときは、その旨 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは、その旨 四 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項 2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。 一 別除権の目的である財産 二 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 3 前項の規定は、第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を有する者(以下「準別除権者」という。)について準用する。 (一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等) 第百十二条 破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第三十一条第一項第三号の期間(以下「一般調査期間」という。)の経過又は同号の期日(以下「一般調査期日」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。 2 前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 3 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に生じた破産債権については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。 4 第一項及び第二項の規定は、破産債権者が、その責めに帰することができない事由によって、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。 (届出名義の変更) 第百十三条 届出をした破産債権を取得した者は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。 2 前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (租税等の請求権等の届出) 第百十四条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。 一 租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 二 罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 第三節 破産債権の調査及び確定 第一款 通則 (破産債権者表の作成等) 第百十五条 裁判所書記官は、届出があった破産債権について、破産債権者表を作成しなければならない。 2 前項の破産債権者表には、各破産債権について、第百十一条第一項第一号から第四号まで及び第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。 3 破産債権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。 (破産債権の調査の方法) 第百十六条 裁判所による破産債権の調査は、次款の規定により、破産管財人が作成した認否書並びに破産債権者及び破産者の書面による異議に基づいてする。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必要があると認めるときは、第三款の規定により、破産債権の調査を、そのための期日における破産管財人の認否並びに破産債権者及び破産者の異議に基づいてすることができる。 3 裁判所は、第百二十一条の規定による一般調査期日における破産債権の調査の後であっても、第百十九条の規定による特別調査期間における書面による破産債権の調査をすることができ、必要があると認めるときは、第百十八条の規定による一般調査期間における書面による破産債権の調査の後であっても、第百二十二条の規定による特別調査期日における破産債権の調査をすることができる。 第二款 書面による破産債権の調査 (認否書の作成及び提出) 第百十七条 破産管財人は、一般調査期間が定められたときは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 一 破産債権の額 二 優先的破産債権であること。 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること。 四 別除権(第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 2 破産管財人は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の破産債権者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。 3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所の定める期限までに、前二項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 4 第一項の規定により同項の認否書に認否を記載すべき事項であって前項の規定により提出された認否書に認否の記載がないものがあるときは、破産管財人において当該事項を認めたものとみなす。 5 第二項の規定により第一項各号に掲げる事項についての認否を認否書に記載することができる破産債権について、第三項の規定により提出された認否書に当該事項の一部についての認否の記載があるときは、破産管財人において当該事項のうち当該認否書に認否の記載のないものを認めたものとみなす。 (一般調査期間における調査) 第百十八条 届出をした破産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第一項又は第二項に規定する破産債権についての同条第一項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。 2 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 4 前項の規定による送達は、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。 5 前項の規定による送達をした場合においては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。 (特別調査期間における調査) 第百十九条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に第百十二条第一項若しくは第三項の規定による届出があり、又は同条第四項において準用する同条第一項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、前項本文と同様とする。 3 第一項本文又は前項の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該破産債権を有する者の負担とする。 4 破産管財人は、特別調査期間に係る破産債権については、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。 この場合においては、同条第四項の規定を準用する。 5 届出をした破産債権者は前項の破産債権についての第百十七条第一項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 6 前条第三項から第五項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定があった場合における裁判書の送達について準用する。 (特別調査期間に関する費用の予納) 第百二十条 前条第一項本文又は第二項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第三項の破産債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 第一項の場合において、同項の破産債権を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。 6 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 第三款 期日における破産債権の調査 (一般調査期日における調査) 第百二十一条 破産管財人は、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者又はその代理人は、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。 3 破産者は、一般調査期日に出頭しなければならない。 ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 4 前項本文の規定により出頭した破産者は、第一項の破産債権の額について、異議を述べることができる。 5 第三項本文の規定により出頭した破産者は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。 6 前二項の規定は、第三項ただし書の代理人について準用する。 7 前各項の規定は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について一般調査期日において調査をすることにつき破産管財人及び破産債権者の異議がない場合について準用する。 8 一般調査期日における破産債権の調査は、破産管財人が出頭しなければ、することができない。 9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 10 裁判所は、一般調査期日における破産債権の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者に送達しなければならない。 11 第百十八条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定による送達について準用する。 (特別調査期日における調査) 第百二十二条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「特別調査期日」という。)を定めることができる。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 第百十九条第二項及び第三項、同条第六項において準用する第百十八条第三項から第五項まで、第百二十条並びに前条(第七項及び第九項を除く。)の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 (期日終了後の破産者の異議) 第百二十三条 破産者がその責めに帰することができない事由によって一般調査期日又は特別調査期日に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後一週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 2 前項に規定する一週間の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 第四款 破産債権の確定 (異議等のない破産債権の確定) 第百二十四条 第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内若しくは特別調査期間内又は一般調査期日若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。 2 裁判所書記官は、破産債権の調査の結果を破産債権者表に記載しなければならない。 3 第一項の規定により確定した事項についての破産債権者表の記載は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。 (破産債権査定決定) 第百二十五条 破産債権の調査において、破産債権の額又は優先的破産債権、劣後的破産債権若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下この条及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。 ただし、第百二十七条第一項並びに第百二十九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。 2 破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。 3 破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。 4 裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。 5 破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え) 第百二十六条 破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。 2 破産債権査定異議の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。 4 破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。 5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 6 同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。 7 破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。 (異議等のある破産債権に関する訴訟の受継) 第百二十七条 異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 2 第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。 (主張の制限) 第百二十八条 破産債権査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、破産債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。 (執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張) 第百二十九条 異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 2 前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 3 第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項及び第六項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。 この場合においては、第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、「異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項又は第百二十一条第二項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。 (破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載) 第百三十条 裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を破産債権者表に記載しなければならない。 (破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力) 第百三十一条 破産債権の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。 2 破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。 (訴訟費用の償還) 第百三十二条 破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。 (破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い) 第百三十三条 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 2 破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。 3 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。 4 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 5 破産手続が終了した際現に係属する第百二十七条第一項又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 6 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。 第五款 租税等の請求権等についての特例 第百三十四条 租税等の請求権及び罰金等の請求権については、第一款(第百十五条を除く。)から前款までの規定は、適用しない。 2 第百十四条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、破産管財人は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。 3 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする破産管財人は、当該届出があった請求権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時破産財団に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。 4 第二項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、破産管財人が第二項に規定する届出があったことを知った日から一月の不変期間内にしなければならない。 5 第百二十四条第二項の規定は第百十四条の規定による届出があった請求権について、第百二十八条、第百三十条、第百三十一条第一項及び前条第三項の規定は第二項の規定による異議又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。 第四節 債権者集会及び債権者委員会 第一款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第百三十五条 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 破産管財人 二 第百四十四条第二項に規定する債権者委員会 三 知れている破産債権者の総債権について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる破産債権を有する破産債権者 2 裁判所は、前項本文の申立てがない場合であっても、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。 (債権者集会の期日の呼出し等) 第百三十六条 債権者集会の期日には、破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者を呼び出さなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、届出をした破産債権者を呼び出すことを要しない。 2 前項本文の規定にかかわらず、届出をした破産債権者であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。 財産状況報告集会においては、第三十二条第三項の規定により通知を受けた者も、同様とする。 3 裁判所は、第三十二条第一項第三号及び第三項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会(財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。)の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。 4 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第一項本文及び前項の規定は、適用しない。 (債権者集会の指揮) 第百三十七条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 (債権者集会の決議) 第百三十八条 債権者集会の決議を要する事項を可決するには、議決権を行使することができる破産債権者(以下この款において「議決権者」という。)で債権者集会の期日に出席し又は次条第二項第二号に規定する書面等投票をしたものの議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 (決議に付する旨の決定) 第百三十九条 裁判所は、第百三十五条第一項各号に掲げる者が債権者集会の決議を要する事項を決議に付することを目的として同項本文の申立てをしたときは、当該事項を債権者集会の決議に付する旨の決定をする。 2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 一 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 二 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法 三 前二号に掲げる方法のうち議決権者が選択するものにより議決権を行使する方法。 この場合において、前号の期間の末日は、第一号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。 3 裁判所は、議決権行使の方法として前項第二号又は第三号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第二号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、当該通知をすることを要しない。 (債権者集会の期日を開く場合における議決権の額の定め方等) 第百四十条 裁判所が議決権行使の方法として前条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定によりその額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者、準別除権者又は停止条件付債権若しくは将来の請求権である破産債権を有する者(次項及び次条第一項第一号において「別除権者等」という。)を除く。) 確定した破産債権の額 二 次項本文の異議のない議決権を有する届出をした破産債権者 届出の額(別除権者又は準別除権者にあっては、第百十一条第二項第二号(同条第三項又は第百十四条において準用する場合を含む。)に掲げる額) 三 次項本文の異議のある議決権を有する届出をした破産債権者 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 届出をした破産債権者の前項の規定による議決権については、破産管財人又は届出をした破産債権者は、債権者集会の期日において、異議を述べることができる。 ただし、前節第四款の規定により破産債権の額が確定した届出をした破産債権者(別除権者等を除く。)の議決権については、この限りでない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項第三号の規定による定めを変更することができる。 (債権者集会の期日を開かない場合における議決権の額の定め方等) 第百四十一条 裁判所が議決権行使の方法として第百三十九条第二項第二号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定により破産債権の額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者等を除く。) 確定した破産債権の額 二 届出をした破産債権者(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第二号の規定による定めを変更することができる。 (破産債権者の議決権) 第百四十二条 破産債権者は、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権については、議決権を有しない。 2 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者及び第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、その弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (代理人による議決権行使) 第百四十三条 議決権者は、代理人をもってその議決権を行使することができる。 第二款 債権者委員会 (債権者委員会) 第百四十四条 裁判所は、破産債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、破産手続に関与することを承認することができる。 ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。 一 委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。 二 破産債権者の過半数が当該委員会が破産手続に関与することについて同意していると認められること。 三 当該委員会が破産債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、破産手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。 3 債権者委員会は、破産手続において、裁判所又は破産管財人に対して、意見を述べることができる。 4 債権者委員会に破産手続の円滑な進行に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した破産債権者の申立てにより、破産財団から当該破産債権者に対して相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。 この場合においては、当該費用の請求権は、財団債権とする。 5 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。 (債権者委員会の意見聴取) 第百四十五条 裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、破産管財人に対して、その旨を通知しなければならない。 2 破産管財人は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、破産財団に属する財産の管理及び処分に関する事項について、債権者委員会の意見を聴かなければならない。 (破産管財人の債権者委員会に対する報告義務) 第百四十六条 破産管財人は、第百五十三条第二項又は第百五十七条の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。 2 破産管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。 (破産管財人に対する報告命令) 第百四十七条 債権者委員会は、破産債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、破産管財人に破産財団に属する財産の管理及び処分に関し必要な事項について第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。 2 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、破産管財人に対し、第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。 第五章 財団債権 (財団債権となる請求権) 第百四十八条 次に掲げる請求権は、財団債権とする。 一 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 二 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権 三 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権及び第九十七条第五号に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から一年(その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの 四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権 五 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 六 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 七 第五十三条第一項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権 八 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(第五十三条第一項又は第二項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権 2 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、財団債権とする。 3 第百三条第二項及び第三項の規定は、第一項第七号及び前項に規定する財団債権について準用する。 この場合において、当該財団債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、当該債権の額は、当該債権が破産債権であるとした場合に第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる劣後的破産債権となるべき部分に相当する金額を控除した額とする。 4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 (使用人の給料等) 第百四十九条 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権とする。 2 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は、退職前三月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前三月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前三月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。 (社債管理者等の費用及び報酬) 第百五十条 社債管理者又は社債管理補助者が破産債権である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、破産手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の当該事務の処理に要する費用の請求権を財団債権とする旨の許可をすることができる。 2 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで破産債権である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が破産手続の円滑な進行に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 3 裁判所は、破産手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 4 前三項の規定による許可を得た請求権は、財団債権とする。 5 第一項から第三項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で破産債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。 一 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の受託会社 同項に規定する社債 二 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第五十四条の五に規定する社会医療法人債管理者又は同法第五十四条の五の二に規定する社会医療法人債管理補助者 同法第五十四条の二第一項に規定する社会医療法人債 三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の八に規定する投資法人債管理者又は同法第百三十九条の九の二第一項に規定する投資法人債管理補助者 同法第二条第十九項に規定する投資法人債 四 保険業法第六十一条の六に規定する社債管理者又は同法第六十一条の七の二に規定する社債管理補助者 相互会社が発行する社債 五 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百二十六条に規定する特定社債管理者又は同法第百二十七条の二第一項に規定する特定社債管理補助者 同法第二条第七項に規定する特定社債 (財団債権の取扱い) 第百五十一条 財団債権は、破産債権に先立って、弁済する。 (破産財団不足の場合の弁済方法等) 第百五十二条 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。 ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。 2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第百四十八条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。 第六章 破産財団の管理 第一節 破産者の財産状況の調査 (財産の価額の評定等) 第百五十三条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、破産財団に属する一切の財産につき、破産手続開始の時における価額を評定しなければならない。 この場合においては、破産者をその評定に立ち会わせることができる。 2 破産管財人は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに破産手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。 3 破産財団に属する財産の総額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合には、前項の規定にかかわらず、破産管財人は、裁判所の許可を得て、同項の貸借対照表の作成及び提出をしないことができる。 (別除権の目的の提示等) 第百五十四条 破産管財人は、別除権者に対し、当該別除権の目的である財産の提示を求めることができる。 2 破産管財人が前項の財産の評価をしようとするときは、別除権者は、これを拒むことができない。 (封印及び帳簿の閉鎖) 第百五十五条 破産管財人は、必要があると認めるときは、裁判所書記官、執行官又は公証人に、破産財団に属する財産に封印をさせ、又はその封印を除去させることができる。 2 裁判所書記官は、必要があると認めるときは、破産管財人の申出により、破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。 (破産財団に属する財産の引渡し) 第百五十六条 裁判所は、破産管財人の申立てにより、決定で、破産者に対し、破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の決定をする場合には、破産者を審尋しなければならない。 3 第一項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (裁判所への報告) 第百五十七条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。 一 破産手続開始に至った事情 二 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 三 第百七十七条第一項の規定による保全処分又は第百七十八条第一項に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無 四 その他破産手続に関し必要な事項 2 破産管財人は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 (財産状況報告集会への報告) 第百五十八条 財産状況報告集会においては、破産管財人は、前条第一項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。 (債権者集会への報告) 第百五十九条 破産管財人は、債権者集会がその決議で定めるところにより、破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない。 第二節 否認権 (破産債権者を害する行為の否認) 第百六十条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 二 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。 3 破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 (相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 第百六十一条 破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。 二 破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。 2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 一 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者 二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者 三 破産者の親族又は同居者 (特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 第百六十二条 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。 二 破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。 ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合 二 前項第一号に掲げる行為が破産者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合 3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。 (手形債務支払の場合等の例外) 第百六十三条 前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。 2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。 3 前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。 (権利変動の対抗要件の否認) 第百六十四条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、破産手続開始後、破産財団のためにこれを否認することができる。 ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。 2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。 (執行行為の否認) 第百六十五条 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。 (支払の停止を要件とする否認の制限) 第百六十六条 破産手続開始の申立ての日から一年以上前にした行為(第百六十条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。 (否認権行使の効果) 第百六十七条 否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。 2 第百六十条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 (破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 第百六十八条 第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存しない場合 財団債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付によって生じた利益が破産財団中に現存しない場合 破産債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 三 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び破産債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 破産管財人は、第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により財団債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権の回復) 第百六十九条 第百六十二条第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。 (転得者に対する否認権) 第百七十条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。 ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。 一 転得者が転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知っていたとき。 二 転得者が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。 ただし、転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。 (破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 第百七十条の二 破産者がした第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百六十八条第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 ただし、同項第一号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、財団債権者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第百六十八条第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。 5 破産管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百六十七条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により財団債権となる額(第百六十八条第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権に関する転得者の権利) 第百七十条の三 破産者がした第百六十二条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百六十九条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。 この場合には、前条第四項の規定を準用する。 (否認権のための保全処分) 第百七十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。 3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 前各項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 第百七十二条 前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。 2 破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。 3 破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。 4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。 (否認権の行使) 第百七十三条 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。 2 前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。 (否認の請求) 第百七十四条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。 3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。 4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 第百七十五条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。 4 第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。 同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。 5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 6 第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。 (否認権行使の期間) 第百七十六条 否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。 否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。 第三節 法人の役員の責任の追及等 (役員の財産に対する保全処分) 第百七十七条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 3 裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (役員の責任の査定の申立て等) 第百七十八条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 3 裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 4 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 5 役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。 (役員責任査定決定等) 第百七十九条 役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。 2 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。 3 役員責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (役員責任査定決定に対する異議の訴え) 第百八十条 役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 (役員責任査定決定の効力) 第百八十一条 前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (社員の出資責任) 第百八十二条 会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。 (匿名組合員の出資責任) 第百八十三条 匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。 第七章 破産財団の換価 第一節 通則 (換価の方法) 第百八十四条 第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。 2 破産管財人は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。 (別除権者が処分をすべき期間の指定) 第百八十五条 別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、破産管財人の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 別除権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 3 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第二節 担保権の消滅 (担保権消滅の許可の申立て) 第百八十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。 ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。 一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額 二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額 2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。 3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。 一 担保権の目的である財産の表示 二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称 四 消滅すべき担保権の表示 五 前号の担保権によって担保される債権の額 六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 七 前項の規定による協議の内容及びその経過 4 申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。 5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (担保権の実行の申立て) 第百八十七条 被申立担保権者は、前条第一項の申立てにつき異議があるときは、同条第五項の規定によりすべての被申立担保権者に申立書及び同条第四項の書面の送達がされた日から一月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができる。 2 裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。 3 破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条第一項第二号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。 4 被申立担保権者は、第一項の期間(第二項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第百九十条第六項の規定により第百八十九条第一項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。 5 第一項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面は提出されなかったものとみなす。 民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条又は同法第百九十二条において準用する同法第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。 6 第百八十九条第一項の不許可の決定が確定した後に、第一項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条第一項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第一項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出することができない。 (買受けの申出) 第百八十八条 被申立担保権者は、第百八十六条第一項の申立てにつき異議があるときは、前条第一項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第百八十六条第三項第一号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。 2 買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。 一 第百八十六条第三項第一号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称 二 破産管財人が第百八十六条第三項第一号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。) 三 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額 3 買受けの申出の額は、申立書に記載された第百八十六条第三項第二号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。 4 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、第二項第三号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第三項第二号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。 5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 6 前条第三項の規定は、買受けの申出について準用する。 7 買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第一項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。 8 破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条第一項の期間が経過した後、裁判所に対し、第百八十六条第三項第一号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。 この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。 9 前項の場合においては、破産管財人は、前条第一項の期間内にされた買受けの申出に係る第二項の書面を裁判所に提出しなければならない。 10 買受けの申出があったときは、破産管財人は、第百八十六条第一項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条第一項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第二項に規定する買受人)の同意を得なければならない。 (担保権消滅の許可の決定等) 第百八十九条 裁判所は、被申立担保権者が第百八十七条第一項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第百八十六条第一項の許可の決定をしなければならない。 一 前条第八項に規定する届出がされなかった場合 第百八十六条第三項第三号の売却の相手方 二 前条第八項に規定する届出がされた場合 同項に規定する買受希望者 2 前項第二号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第百八十六条第四項の書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。 この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。 3 第百八十六条第一項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第一項第二号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。 4 第百八十六条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第百八十六条第一項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (金銭の納付等) 第百九十条 前条第一項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。 一 前条第一項第一号に掲げる場合 第百八十六条第一項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額 二 前条第一項第二号に掲げる場合 同条第二項後段に規定する売得金の額から第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額 2 前項第二号の規定による金銭の納付があったときは、第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。 3 前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。 4 被申立担保権者の有する担保権は、第一項第一号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第二号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。 5 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 6 第一項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第一項の許可の決定を取り消さなければならない。 7 前項の場合には、買受人は、第二項の保証の返還を請求することができない。 (配当等の実施) 第百九十一条 裁判所は、前条第四項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る配当表に基づいて、その配当を実施しなければならない。 2 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条第四項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。 3 民事執行法第八十五条及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。 第三節 商事留置権の消滅 第百九十二条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が第三十六条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。 2 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。 3 第一項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。 4 前項の許可があった場合における第二項に規定する弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。 5 前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。 第八章 配当 第一節 通則 (配当の方法等) 第百九十三条 破産債権者は、この章の定めるところに従い、破産財団から、配当を受けることができる。 2 破産債権者は、破産管財人がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。 ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。 3 破産管財人は、配当をしたときは、その配当をした金額を破産債権者表に記載しなければならない。 (配当の順位等) 第百九十四条 配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第一号の優先的破産債権間においては第九十八条第二項に規定する優先順位による。 一 優先的破産債権 二 前号、次号及び第四号に掲げるもの以外の破産債権 三 劣後的破産債権 四 約定劣後破産債権 2 同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。 第二節 最後配当 (最後配当) 第百九十五条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。 2 破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。 3 裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。 (配当表) 第百九十六条 破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 一 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 二 最後配当の手続に参加することができる債権の額 三 最後配当をすることができる金額 2 前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。 3 破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。 4 前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。 (配当の公告等) 第百九十七条 破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (破産債権の除斥等) 第百九十八条 異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。 2 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 3 別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。 4 第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。 5 第三項の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表の更正) 第百九十九条 次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。 一 破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 二 前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 三 前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 2 前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表に対する異議) 第二百条 届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。 3 第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。 4 第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (配当額の定め及び通知) 第二百一条 破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 2 破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。 3 解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 4 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 5 第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。 この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 6 次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。 7 破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 (配当額の供託) 第二百二条 破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額 三 破産債権者が受け取らない配当額 (破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い) 第二百三条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 第三節 簡易配当 (簡易配当) 第二百四条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。 一 配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。 二 裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。 2 破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 4 第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (準用) 第二百五条 簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。 (簡易配当の許可の取消し) 第二百六条 破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。 この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。 (適用除外) 第二百七条 第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。 第四節 同意配当 第二百八条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「同意配当」という。)をすることを許可することができる。 この場合において、破産管財人の申立ては、届出をした破産債権者の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。 2 前項の規定による許可があった場合には、破産管財人は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の届出をした破産債権者に対して同意配当をすることができる。 3 同意配当については、第百九十六条第一項及び第二項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百八条第一項の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。 第五節 中間配当 (中間配当) 第二百九条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この節において「中間配当」という。)をすることができる。 2 破産管財人は、中間配当をするには、裁判所の許可を得なければならない。 3 中間配当については、第百九十六条第一項及び第二項、第百九十七条、第百九十八条第一項、第百九十九条第一項第一号及び第二号、第二百条、第二百一条第四項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百九条第二項の規定による許可」と、第百九十九条第一項各号及び第二百条第一項中「最後配当に関する除斥期間」とあるのは「第二百十条第一項に規定する中間配当に関する除斥期間」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額」とあるのは「第二百十一条の規定による配当率」と読み替えるものとする。 (別除権者の除斥等) 第二百十条 別除権者は、中間配当の手続に参加するには、前条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する期間(以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。)に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。 2 前項の規定は、準別除権者について準用する。 3 破産管財人は、第一項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき中間配当に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。 (配当率の定め及び通知) 第二百十一条 破産管財人は、第二百九条第三項において準用する第二百条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間配当の手続に参加することができる破産債権者に通知しなければならない。 (解除条件付債権の取扱い) 第二百十二条 解除条件付債権である破産債権については、相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。 2 前項の破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。 (除斥された破産債権等の後の配当における取扱い) 第二百十三条 第二百九条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する事項につき証明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった破産債権について、当該破産債権を有する破産債権者が最後配当に関する除斥期間又はその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明をしたときは、その中間配当において受けることができた額について、当該最後配当又はその中間配当の後に行われることがある中間配当において、他の同順位の破産債権者に先立って配当を受けることができる。 第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明又は疎明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった別除権者(準別除権者を含む。)がその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明及び疎明をしたときも、同様とする。 (配当額の寄託) 第二百十四条 中間配当を行おうとする破産管財人は、次に掲げる破産債権に対する配当額を寄託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって、第二百二条第一号に規定する手続が係属しているもの 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって、第二百十一条の規定による配当率の通知を発した時に第二百二条第二号に規定する手続が終了していないもの 三 中間配当に関する除斥期間内に第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による証明及び疎明があった債権のうち、当該疎明があった額に係る部分 四 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権 五 解除条件付債権である破産債権であって、第二百十二条第一項の規定による担保が供されていないもの 六 第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者が有する破産債権 2 前項第一号又は第二号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、第二百二条第一号又は第二号の規定により当該破産債権に対する配当額を供託するときは、破産管財人は、その寄託した配当額をこれを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 3 第一項第三号又は第四号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権を有する破産債権者又は別除権者(準別除権者を含む。)が第百九十八条第二項の規定に適合しなかったこと又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明をしなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかったときは、破産管財人は、その寄託した配当額の最後配当を他の破産債権者に対してしなければならない。 4 第一項第五号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権の条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、破産管財人は、その寄託した配当額を当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 5 第一項第六号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合における第二百一条第五項の規定の適用については、同項中「その定めた配当額が同号に」とあるのは「その定めた配当額及び破産管財人が第二百十四条第一項第六号の規定により寄託した同号に掲げる破産債権に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に」と、「当該配当額」とあるのは「当該合計額」とする。 第六節 追加配当 第二百十五条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した後(簡易配当にあっては第二百五条において準用する第二百条第一項に規定する期間を経過した後、同意配当にあっては第二百八条第一項の規定による許可があった後)、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたときは、破産管財人は、裁判所の許可を得て、最後配当、簡易配当又は同意配当とは別に、届出をした破産債権者に対し、この条の規定による配当(以下この条において「追加配当」という。)をしなければならない。 破産手続終結の決定があった後であっても、同様とする。 2 追加配当については、第二百一条第四項及び第五項、第二百二条並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第二百一条第五項中「第一項の規定」とあるのは「第二百十五条第四項の規定」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項」とあるのは「第二百十五条第五項」と読み替えるものとする。 3 追加配当は、最後配当、簡易配当又は同意配当について作成した配当表によってする。 4 破産管財人は、第一項の規定による許可があったときは、遅滞なく、追加配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 5 破産管財人は、前項の規定により定めた配当額を、追加配当の手続に参加することができる破産債権者(第二項において読み替えて準用する第二百一条第五項の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 6 追加配当をした場合には、破産管財人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 7 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、当該計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人がしなければならない。 第九章 破産手続の終了 (破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 2 前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 3 裁判所は、第一項の規定により破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨 4 第一項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第三十一条及び第三十二条の規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。 (破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定) 第二百十七条 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。 2 前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができる。 この場合においては、当該意見の聴取を目的とする第百三十五条第一項第二号又は第三号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。 3 前二項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 4 裁判所は、第一項の規定による破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項の申立てを棄却する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 第一項の規定による破産手続廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 7 第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 8 第一項の規定による破産手続廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十八条 裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 一 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 二 前号の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。 ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について同項第一号及び第二号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。 この場合における同項第一号及び第二号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「届出をした破産債権者」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。 3 裁判所は、第一項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 4 届出をした破産債権者は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 5 前条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定について準用する。 この場合において、同条第五項中「破産管財人」とあるのは、「破産者」と読み替えるものとする。 (破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十九条 法人である破産者が前条第一項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。 (破産手続終結の決定) 第二百二十条 裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第八十八条第四項の債権者集会が終結したとき、又は第八十九条第二項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 (破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力) 第二百二十一条 第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。 この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる。 2 前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。 第十章 相続財産の破産等に関する特則 第一節 相続財産の破産 (相続財産に関する破産事件の管轄) 第二百二十二条 相続財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、被相続人の相続開始の時の住所又は相続財産に属する財産が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 相続財産に関する破産事件は、被相続人の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、相続財産に関する破産事件は、相続財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 相続財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、相続財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (相続財産の破産手続開始の原因) 第二百二十三条 相続財産に対する第三十条第一項の規定の適用については、同項中「破産手続開始の原因となる事実があると認めるとき」とあるのは、「相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百二十四条 相続財産については、相続債権者又は受遺者のほか、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者(相続財産の管理に必要な行為をする権利を有する遺言執行者に限る。以下この節において同じ。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が相続財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 相続債権者又は受遺者 その有する債権の存在及び当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 二 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者 当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 (破産手続開始の申立期間) 第二百二十五条 相続財産については、民法第九百四十一条第一項の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、破産手続開始の申立てをすることができる。 ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が完了するまでの間も、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の決定前の相続の開始) 第二百二十六条 裁判所は、破産手続開始の申立て後破産手続開始の決定前に債務者について相続が開始したときは、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者の申立てにより、当該相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることができる。 2 前項に規定する続行の申立ては、相続が開始した後一月以内にしなければならない。 3 第一項に規定する破産手続は、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがなかった場合はその期間が経過した時に、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがあった場合で当該申立てを却下する裁判が確定したときはその時に、それぞれ終了する。 4 第一項に規定する続行の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 (破産手続開始の決定後の相続の開始) 第二百二十七条 裁判所は、破産手続開始の決定後に破産者について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百二十八条 相続財産についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (破産財団の範囲) 第二百二十九条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 この場合においては、被相続人が相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 2 相続人が相続財産の全部又は一部を処分した後に相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人が反対給付について有する権利は、破産財団に属する。 3 前項に規定する場合において、相続人が既に同項の反対給付を受けているときは、相続人は、当該反対給付を破産財団に返還しなければならない。 ただし、相続人が当該反対給付を受けた当時、破産手続開始の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは、その現に受けている利益を返還すれば足りる。 (相続人等の説明義務等) 第二百三十条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 被相続人の代理人であった者 二 相続人及びその代理人 三 相続財産の管理人、相続財産の清算人及び遺言執行者 2 前項の規定は、同項第二号又は第三号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、相続財産について破産手続開始の決定があった場合における相続人並びにその法定代理人及び支配人について準用する。 (相続債権者及び受遺者の地位) 第二百三十一条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続債権者の債権は、受遺者の債権に優先する。 (相続人の地位) 第二百三十二条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続人が被相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 この場合においては、相続人は、被相続人に対して有していた債権について、相続債権者と同一の権利を有する。 2 前項に規定する場合において、相続人が相続債権者に対して自己の固有財産をもって弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、相続人は、その出えんの額の範囲内において、当該相続債権者が被相続人に対して有していた権利を行使することができる。 (相続人の債権者の地位) 第二百三十三条 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係) 第二百三十四条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 (受遺者に対する担保の供与等の否認) 第二百三十五条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する破産債権者を害するときは、当該行為を否認することができる。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項の行為が同項の規定により否認された場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「破産債権者を害すること」とあるのは、「第二百三十五条第一項の破産債権者を害すること」と読み替えるものとする。 (否認後の残余財産の分配等) 第二百三十六条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、破産管財人は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百三十七条 相続財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、相続人がする。 2 相続人が数人あるときは、前項の申立ては、各相続人がすることができる。 第二節 相続人の破産 (破産者の単純承認又は相続放棄の効力等) 第二百三十八条 破産手続開始の決定前に破産者のために相続の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 2 破産管財人は、前項後段の規定にかかわらず、相続の放棄の効力を認めることができる。 この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から三月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百三十九条 相続人についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (相続債権者、受遺者及び相続人の債権者の地位) 第二百四十条 相続人について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の破産財団については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。 3 第二百二十五条に規定する期間内にされた破産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。 4 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、破産債権者としてその権利を行使することができない。 第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。 (限定承認又は財産分離の手続において相続債権者等が受けた弁済) 第二百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があった後に、限定承認又は財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 相続人の債権者が、相続人について破産手続開始の決定があった後に、財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合も、同様とする。 2 前項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済(相続人が数人ある場合には、当該破産手続開始の決定を受けた相続人の相続分に応じた部分に限る。次項において同じ。)と同一の割合の配当を受けるまでは、破産手続により、配当を受けることができない。 3 第一項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、前項の弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (限定承認又は財産分離等の後の相続財産の管理及び処分等) 第二百四十二条 相続人について破産手続開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、破産管財人は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。 限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。 2 破産管財人が前項の規定による相続財産の管理及び処分を終えた場合において、残余財産があるときは、その残余財産のうち当該相続人に帰属すべき部分は、当該相続人の固有財産とみなす。 この場合において、破産管財人は、その残余財産について、破産財団の財産目録及び貸借対照表を補充しなければならない。 3 第一項前段及び前項の規定は、第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有する場合及び第二百四十条第三項の場合について準用する。 第三節 受遺者の破産 (包括受遺者の破産) 第二百四十三条 前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 (特定遺贈の承認又は放棄) 第二百四十四条 破産手続開始の決定前に破産者のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。 2 民法第九百八十七条の規定は、前項の場合について準用する。 第十章の二 信託財産の破産に関する特則 (信託財産に関する破産事件の管轄) 第二百四十四条の二 信託財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 信託財産に関する破産事件は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、信託財産に関する破産事件は、信託財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 信託財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、信託財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (信託財産の破産手続開始の原因) 第二百四十四条の三 信託財産に対する第十五条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百四十四条の四 信託財産については、信託債権(信託法第二十一条第二項第二号に規定する信託債権をいう。次項第一号及び第二百四十四条の七において同じ。)を有する者又は受益者のほか、受託者又は信託財産管理者、信託財産法人管理人若しくは同法第百七十条第一項の管理人(以下「受託者等」と総称する。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が信託財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 信託債権を有する者又は受益者 その有する信託債権又は受益債権の存在及び当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 二 受託者等 当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 3 前項第二号の規定は、受託者等が一人であるとき、又は受託者等が数人ある場合において受託者等の全員が破産手続開始の申立てをしたときは、適用しない。 4 信託財産については、信託が終了した後であっても、残余財産の給付が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産財団の範囲) 第二百四十四条の五 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 (受託者等の説明義務等) 第二百四十四条の六 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 受託者等 二 会計監査人(信託法第二百四十八条第一項又は第二項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。) 2 前項の規定は、同項各号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等(個人である受託者等に限る。)について準用する。 4 第四十一条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等について準用する。 (信託債権者及び受益者の地位) 第二百四十四条の七 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、信託債権は、受益債権に優先する。 3 受益債権と約定劣後破産債権は、同順位とする。 ただし、信託行為の定めにより、約定劣後破産債権が受益債権に優先するものとすることができる。 (受託者の地位) 第二百四十四条の八 信託法第四十九条第一項(同法第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての破産手続との関係においては、金銭債権とみなす。 (固有財産等責任負担債務に係る債権者の地位) 第二百四十四条の九 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第二十二条第一項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係等) 第二百四十四条の十 信託財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、受託者等が信託財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 2 前項に規定する場合における第百六十一条第一項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 3 第一項に規定する場合における第百六十二条第一項第一号の規定の適用については、債権者が受託者等又は会計監査人であるときは、その債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 4 第一項に規定する場合における第百六十八条第二項及び第百七十条の二第二項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等がこれらの規定に規定する隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 (破産管財人の権限) 第二百四十四条の十一 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、破産管財人がする。 一 信託法第二十七条第一項又は第二項の規定による取消権の行使 二 信託法第三十一条第五項の規定による追認 三 信託法第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権の行使 四 信託法第三十二条第四項の規定による権利の行使 五 信託法第四十条又は第四十一条の規定による責任の追及 六 信託法第四十二条(同法第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除 七 信託法第二百二十六条第一項、第二百二十八条第一項又は第二百五十四条第一項の規定による責任の追及 2 前項の規定は、保全管理人について準用する。 3 第百七十七条の規定は信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等又は会計監査人の財産に対する保全処分について、第百七十八条から第百八十一条までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。 (保全管理命令) 第二百四十四条の十二 信託財産について破産手続開始の申立てがあった場合における第三章第二節の規定の適用については、第九十一条第一項中「債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産」とあり、並びに同項、第九十三条第一項及び第九十六条第二項中「債務者の財産」とあるのは、「信託財産に属する財産」とする。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百四十四条の十三 信託財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、受託者等がする。 2 受託者等が数人あるときは、前項の申立ては、各受託者等がすることができる。 3 信託財産の破産について第一項の申立てをするには、信託の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該信託を継続する手続をしなければならない。 第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則 (外国管財人との協力) 第二百四十五条 破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下この章において同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。 (外国管財人の権限等) 第二百四十六条 外国管財人は、債務者について破産手続開始の申立てをすることができる。 2 外国管財人は、前項の申立てをするときは、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 外国管財人は、破産者の破産手続において、債権者集会の期日に出席し、意見を述べることができる。 4 第一項の規定により外国管財人が破産手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、破産手続開始の決定があったときは第三十二条第一項の規定により公告すべき事項を、同項第二号又は第三号に掲げる事項に変更を生じたときはその旨を、破産手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。 (相互の手続参加) 第二百四十七条 外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる。 ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。 2 破産管財人は、届出をした破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。 3 破産管財人は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した破産債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。 ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。 第十二章 免責手続及び復権 第一節 免責手続 (免責許可の申立て) 第二百四十八条 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。 2 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる。 3 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 4 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。 ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。 5 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第二十条第二項の債権者一覧表を第三項本文の債権者名簿とみなす。 6 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第二百十八条第一項の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。 7 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。 一 第二百十八条第一項の申立て 当該申立ての棄却の決定 二 再生手続開始の申立て 当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定 (強制執行の禁止等) 第二百四十九条 免責許可の申立てがあり、かつ、第二百十六条第一項の規定による破産手続廃止の決定、第二百十七条第一項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第二百二十条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「破産債権に基づく強制執行等」という。)、破産債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。)はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分で破産者の財産に対して既にされているもの並びに破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 2 免責許可の決定が確定したときは、前項の規定により中止した破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分並びに破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。 3 第一項の場合において、次の各号に掲げる破産債権については、それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 一 第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権 免責許可の申立てについての決定 二 前号に掲げる請求権以外の破産債権 免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定 (免責についての調査及び報告) 第二百五十条 裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を書面で報告させることができる。 2 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。 (免責についての意見申述) 第二百五十一条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第三項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。 3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。 (免責許可の決定の要件等) 第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。 二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。 三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。 四 浪費又は 賭 と 博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。 五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。 六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。 七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。 八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。 九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。 十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。 イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日 ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日 ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日 十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。 2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 3 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 4 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (免責許可の決定の効力等) 第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。) 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。) 四 次に掲げる義務に係る請求権 イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務 ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務 ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務 ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務 ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。) 七 罰金等の請求権 2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。 3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (免責取消しの決定) 第二百五十四条 第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。 2 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び申立人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 3 第一項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。 6 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 7 前条第三項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。 第二節 復権 (復権) 第二百五十五条 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。 次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。 一 免責許可の決定が確定したとき。 二 第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。 三 再生計画認可の決定が確定したとき。 四 破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。 2 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。 3 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第一項第一号又は第三号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。 (復権の決定) 第二百五十六条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 3 破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 4 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に、その主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第十三章 雑則 (法人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十七条 法人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 2 前項の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 3 第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 4 第一項の債務者について保全管理命令が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。 5 前項の登記には、保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 6 第四項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 7 第一項の規定は、同項の破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 8 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 (個人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。 一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。 二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。 2 前項の規定は、当該破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 3 裁判所書記官は、第一項第二号の規定により破産手続開始の登記がされた権利について、第三十四条第四項の決定により破産財団に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 4 第一項第二号(第二項において準用する場合を含む。)及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 5 第一項第二号の規定は、信託財産について保全管理命令があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。 (保全処分に関する登記の嘱託) 第二百五十九条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 債務者の財産に属する権利で登記されたものに関し第二十八条第一項(第三十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第百七十一条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第一項若しくは第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (否認の登記) 第二百六十条 登記の原因である行為が否認されたときは、破産管財人は、否認の登記を申請しなければならない。 登記が否認されたときも、同様とする。 2 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。 一 当該否認の登記 二 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記 三 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記 3 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(破産手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の破産者への移転の登記をしなければならない。 4 裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、破産者について、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人が、第二項第二号に掲げる登記に係る権利を放棄し、否認の登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 (非課税) 第二百六十一条 第二百五十七条から前条までの規定による登記については、登録免許税を課さない。 (登録のある権利への準用) 第二百六十二条 第二百五十八条第一項第二号及び同条第二項において準用する同号(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)、同条第三項(同条第四項において同条第三項後段の規定を準用する場合を含む。)並びに前三条の規定は、登録のある権利について準用する。 (責任制限手続の廃止による破産手続の中止) 第二百六十三条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。 (責任制限手続の廃止の場合の措置) 第二百六十四条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により定めた期間又は期日を公告しなければならない。 3 知れている制限債権者には、第三十二条第一項第一号及び第二号並びに前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 4 破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者には、第二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間又は期日(当該期間又は期日に変更があった場合にあっては、変更後の期間又は期日)が第三十一条第一項第三号の規定により定めた期間又は期日と同一であるときは、届出をした破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 前三項の規定は第一項の規定により定めた債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について、第百十八条第三項から第五項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間を変更する決定があった場合について、第百二十一条第九項から第十一項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期日を変更する決定があった場合又は当該期日における債権の調査の延期若しくは続行の決定があった場合について準用する。 この場合において、第百十八条第三項及び第百二十一条第九項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者(第二百六十四条第一項の規定により定められた債権の届出をすべき期間の経過前にあっては、知れている制限債権者)、破産管財人」と、同条第十項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者、破産管財人」と読み替えるものとする。 6 第三十一条第二項及び第三項の規定は、第一項に規定する期間及び期日について準用する。 第十四章 罰則 (詐欺破産罪) 第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。 一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為 二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為 三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為 四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為 2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。 (特定の債権者に対する担保の供与等の罪) 第二百六十六条 債務者(相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。)が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等の特別背任罪) 第二百六十七条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 破産管財人又は保全管理人が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う役員又は職員に適用する。 (説明及び検査の拒絶等の罪) 第二百六十八条 第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。 2 第四十条第一項第二号から第五号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者、第二百三十条第一項各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第二号若しくは第三号に掲げる者(相続人を除く。)であった者又は第二百四十四条の六第一項各号に掲げる者若しくは同項各号に掲げる者であった者(以下この項において「説明義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第四項において「代表者等」という。)が、その説明義務者の業務に関し、第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。 説明義務者の代表者等が、その説明義務者の業務に関し、第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする。 3 破産者が第八十三条第一項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、相続財産について破産手続開始の決定があった場合において第二百三十条第一項第二号若しくは第三号に掲げる者が第八十三条第一項の規定による検査を拒んだとき又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合において受託者等が同項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 4 第八十三条第二項に規定する破産者の子会社等(同条第三項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第二項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は第八十三条第二項の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 (重要財産開示拒絶等の罪) 第二百六十九条 破産者(信託財産の破産にあっては、受託者等)が第四十一条(第二百四十四条の六第四項において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪) 第二百七十条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第百五十五条第二項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。 (審尋における説明拒絶等の罪) 第二百七十一条 債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等に対する職務妨害の罪) 第二百七十二条 偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (収賄罪) 第二百七十三条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。 4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 5 破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第百三十九条第二項第二号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 6 前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (贈賄罪) 第二百七十四条 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産者等に対する面会強請等の罪) 第二百七十五条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (国外犯) 第二百七十六条 第二百六十五条、第二百六十六条、第二百七十条、第二百七十二条及び第二百七十四条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 2 第二百六十七条及び第二百七十三条(第五項を除く。)の罪は、刑法第四条の例に従う。 3 第二百七十三条第五項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。 (両罰規定) 第二百七十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条(第一項を除く。)、第二百六十九条から第二百七十二条まで、第二百七十四条又は第二百七十五条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
民事
Heisei
Act
416AC0000000075_20251213_505AC0000000053.xml
平成十六年法律第七十五号
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破産法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。 2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。 3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。 4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。 5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。 6 この法律において「破産債権者」とは、破産債権を有する債権者をいう。 7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。 8 この法律において「財団債権者」とは、財団債権を有する債権者をいう。 9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。 10 この法律において「別除権者」とは、別除権を有する者をいう。 11 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。 12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。 13 この法律において「保全管理人」とは、第九十一条第一項の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。 14 この法律において「破産財団」とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。 (外国人の地位) 第三条 外国人又は外国法人は、破産手続、第十二章第一節の規定による免責手続(以下「免責手続」という。)及び同章第二節の規定による復権の手続(以下この章において「破産手続等」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。 (破産事件の管轄) 第四条 この法律の規定による破産手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。 2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。 第五条 破産事件は、債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 2 前項の規定による管轄裁判所がないときは、破産事件は、債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第八十三条第二項第二号及び第三項並びに第百六十一条第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「破産事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての破産手続開始の申立ては、親法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について破産事件等が係属しているときにおける親法人についての破産手続開始の申立ては、子株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 4 子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について破産事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての破産手続開始の申立ては、当該株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について破産事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての破産手続開始の申立ては、当該他の法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 6 第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について破産事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての破産手続開始の申立ては、当該法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について破産事件又は再生事件が係属している場合における当該法人についての破産手続開始の申立ては、当該法人の代表者の破産事件又は再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 7 第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について破産事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての破産手続開始の申立ては、当該破産事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 一 相互に連帯債務者の関係にある個人 二 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人 三 夫婦 8 第一項及び第二項の規定にかかわらず、破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 9 第一項及び第二項の規定にかかわらず、前項に規定する債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 10 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (専属管轄) 第六条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。 (破産事件の移送) 第七条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件(破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件)を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。 一 債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所 二 債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所 三 第五条第二項に規定する地方裁判所 四 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所 イ 第五条第三項から第七項までに規定する地方裁判所 ロ 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者。ハにおいて同じ。)の数が五百人以上であるときは、第五条第八項に規定する地方裁判所 ハ ロに規定する債権者の数が千人以上であるときは、第五条第九項に規定する地方裁判所 五 第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に破産事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所 (任意的口頭弁論等) 第八条 破産手続等に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 裁判所は、職権で、破産手続等に係る事件に関して必要な調査をすることができる。 (不服申立て) 第九条 破産手続等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 (公告等) 第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。 5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。 (事件に関する文書の閲覧等) 第十一条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が破産手続開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 債務者以外の利害関係人 第二十四条第一項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令、第百七十一条第一項の規定による保全処分又は破産手続開始の申立てについての裁判 二 債務者 破産手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分若しくは裁判 (支障部分の閲覧等の制限) 第十二条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、破産財団(破産手続開始前にあっては、債務者の財産)の管理又は換価に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した破産管財人又は保全管理人の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者(その者が保全管理人である場合にあっては、保全管理人又は破産管財人。次項において同じ。)に限ることができる。 一 第三十六条、第四十条第一項ただし書若しくは同条第二項において準用する同条第一項ただし書(これらの規定を第九十六条第一項において準用する場合を含む。)、第七十八条第二項(第九十三条第三項において準用する場合を含む。)、第八十四条(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第九十三条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等 二 第百五十七条第二項の規定による報告に係る文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、破産裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 (民事訴訟法の準用) 第十三条 特別の定めがある場合を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定(同法第八十七条の二の規定を除く。)を準用する。 (最高裁判所規則) 第十四条 この法律に定めるもののほか、破産手続等に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二章 破産手続の開始 第一節 破産手続開始の申立て (破産手続開始の原因) 第十五条 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。 (法人の破産手続開始の原因) 第十六条 債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 2 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。 (破産手続開始の原因の推定) 第十七条 債務者についての外国で開始された手続で破産手続に相当するものがある場合には、当該債務者に破産手続開始の原因となる事実があるものと推定する。 (破産手続開始の申立て) 第十八条 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 (法人の破産手続開始の申立て) 第十九条 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 一 一般社団法人又は一般財団法人 理事 二 株式会社又は相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。第百五十条第六項第三号において同じ。) 取締役 三 合名会社、合資会社又は合同会社 業務を執行する社員 2 前項各号に掲げる法人については、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができる。 3 前二項の規定により第一項各号に掲げる法人について破産手続開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 4 前三項の規定は、第一項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。 5 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の申立ての方式) 第二十条 破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。 2 債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 (破産手続開始の申立書の審査) 第二十一条 前条第一項の書面(以下この条において「破産手続開始の申立書」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い破産手続開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。 2 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 裁判所は、第三項の異議の申立てがあった場合において、破産手続開始の申立書に第一項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。 6 第一項又は前項の場合において、破産手続開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。 7 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の予納) 第二十二条 破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 2 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の仮支弁) 第二十三条 裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。 職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。 2 前条第一項の規定は、前項前段の規定により破産手続の費用を仮に国庫から支弁する場合には、適用しない。 (他の手続の中止命令等) 第二十四条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる手続又は第六号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第五号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る。 一 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「強制執行等」という。)の手続で、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権若しくは財団債権となるべきもの(以下この項及び次条第八項において「破産債権等」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの 二 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続で、破産債権等に基づくもの 三 債務者の財産関係の訴訟手続 四 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続 五 債務者の責任制限手続(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第三章又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五章、同法第四十三条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第四十三条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条及び第五十四条を除く。)若しくは船舶油濁等損害賠償保障法第五十一条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第五十一条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条、第四節及び第五十四条を除く。)の規定による責任制限手続をいう。第二百六十三条及び第二百六十四条第一項において同じ。) 六 債務者の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第百三条第五項及び第二百五十三条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「外国租税滞納処分」という。)で、破産債権等に基づくもの 2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第一項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 4 第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令) 第二十五条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第一号又は第六号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。 ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第九十一条第二項に規定する保全管理命令をした場合に限る。 2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。 3 包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続及び外国租税滞納処分(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。 4 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第三項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 6 包括的禁止命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 8 包括的禁止命令が発せられたときは、破産債権等(当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等) 第二十六条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。 2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 前条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令の解除) 第二十七条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。 この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で第二十五条第三項の規定により中止されていたものは、続行する。 2 前項の規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。 3 第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (債務者の財産に関する保全処分) 第二十八条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 裁判所が第一項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、破産手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (破産手続開始の申立ての取下げの制限) 第二十九条 破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、第二十四条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、前条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は第百七十一条第一項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 第二節 破産手続開始の決定 (破産手続開始の決定) 第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。 二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。 (破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等) 第三十一条 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 破産債権の届出をすべき期間 二 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会(第四項、第百三十六条第二項及び第三項並びに第百五十八条において「財産状況報告集会」という。)の期日 三 破産債権の調査をするための期間(第百十六条第二項の場合にあっては、破産債権の調査をするための期日) 2 前項第一号及び第三号の規定にかかわらず、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第一号の期間並びに同項第三号の期間及び期日を定めないことができる。 3 前項の場合において、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めなければならない。 4 第一項第二号の規定にかかわらず、裁判所は、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、同号の期日を定めないことができる。 5 第一項の場合において、知れている破産債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第四項本文及び第五項本文において準用する同条第三項第一号、第三十三条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者(同項本文の場合にあっては、同項本文に規定する議決権者。次条第二項において同じ。)に対する通知をせず、かつ、第百十一条、第百十二条又は第百十四条の規定により破産債権の届出をした破産債権者(以下「届出をした破産債権者」という。)を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。 (破産手続開始の公告等) 第三十二条 裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産管財人の氏名又は名称 三 前条第一項の規定により定めた期間又は期日 四 破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者(第三項第二号において「財産所持者等」という。)は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨 五 第二百四条第一項第二号の規定による簡易配当をすることが相当と認められる場合にあっては、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し前条第一項第三号の期間の満了時又は同号の期日の終了時までに異議を述べるべき旨 2 前条第五項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第四項本文及び第五項本文において準用する次項第一号、次条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者に対する通知をせず、かつ、届出をした破産債権者を債権者集会の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。 3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 一 破産管財人、破産者及び知れている破産債権者 二 知れている財産所持者等 三 第九十一条第二項に規定する保全管理命令があった場合における保全管理人 四 労働組合等(破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第七十八条第四項及び第百三十六条第三項において同じ。) 4 第一項第三号及び前項第一号の規定は、前条第三項の規定により同条第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めた場合について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 第一項第二号並びに第三項第一号及び第二号の規定は第一項第二号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第一項第三号及び第三項第一号の規定は第一項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合(前条第一項第一号の期間又は同項第二号の期日に変更を生じた場合に限る。)について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 (抗告) 第三十三条 破産手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第二十四条から第二十八条までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。 3 破産手続開始の決定をした裁判所は、第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第三項各号(第三号を除く。)に掲げる者にその主文を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 第三節 破産手続開始の効果 第一款 通則 (破産財団の範囲) 第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。 一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭 二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。 ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。 4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。 5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。 6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (法人の存続の擬制) 第三十五条 他の法律の規定により破産手続開始の決定によって解散した法人又は解散した法人で破産手続開始の決定を受けたものは、破産手続による清算の目的の範囲内において、破産手続が終了するまで存続するものとみなす。 (破産者の事業の継続) 第三十六条 破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。 (破産者の居住に係る制限) 第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 (破産者の引致) 第三十八条 裁判所は、必要と認めるときは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前二項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による引致を命ずる決定に対しては、破産者又は債務者は、即時抗告をすることができる。 5 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)中 勾 こう 引に関する規定は、第一項及び第二項の規定による引致について準用する。 (破産者に準ずる者への準用) 第三十九条 前二条の規定は、破産者の法定代理人及び支配人並びに破産者の理事、取締役、執行役及びこれらに準ずる者について準用する。 (破産者等の説明義務) 第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 一 破産者 二 破産者の代理人 三 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人 四 前号に掲げる者に準ずる者 五 破産者の従業者(第二号に掲げる者を除く。) 2 前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。 (破産者の重要財産開示義務) 第四十一条 破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (他の手続の失効等) 第四十二条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。 2 前項に規定する場合には、同項に規定する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続並びに外国租税滞納処分で、破産財団に属する財産に対して既にされているものは、破産財団に対してはその効力を失う。 ただし、同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については、破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。 3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は、財団債権とする。 5 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては、破産管財人を被告とする。 6 破産手続開始の決定があったときは、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)又は第三者からの情報取得手続(同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)の申立てはすることができず、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続はその効力を失う。 (国税滞納処分等の取扱い) 第四十三条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。 2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。 3 破産手続開始の決定があったときは、破産手続が終了するまでの間は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。 免責許可の申立てがあった後当該申立てについての裁判が確定するまでの間(破産手続開始の決定前に免責許可の申立てがあった場合にあっては、破産手続開始の決定後当該申立てについての裁判が確定するまでの間)も、同様とする。 (破産財団に関する訴えの取扱い) 第四十四条 破産手続開始の決定があったときは、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち破産債権に関しないものを受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 破産手続が終了したときは、破産管財人を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 5 破産者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産者は、当然訴訟手続を受継する。 (債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の取扱い) 第四十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七又は第四百二十四条第一項の規定により破産債権者又は財団債権者の提起した訴訟が破産手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産債権者又は財団債権者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、中断する。 5 前項の場合には、破産債権者又は財団債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産債権者又は財団債権者は、当然訴訟手続を受継する。 (行政庁に係属する事件の取扱い) 第四十六条 第四十四条の規定は、破産財団に関する事件で行政庁に係属するものについて準用する。 第二款 破産手続開始の効果 (開始後の法律行為の効力) 第四十七条 破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。 (開始後の権利取得の効力) 第四十八条 破産手続開始後に破産財団に属する財産に関して破産者の法律行為によらないで権利を取得しても、その権利の取得は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 前条第二項の規定は、破産手続開始の日における前項の権利の取得について準用する。 (開始後の登記及び登録の効力) 第四十九条 不動産又は船舶に関し破産手続開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 ただし、登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。 2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。 (開始後の破産者に対する弁済の効力) 第五十条 破産手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。 2 破産手続開始後に、その事実を知って破産者にした弁済は、破産財団が受けた利益の限度においてのみ、破産手続の関係において、その効力を主張することができる。 (善意又は悪意の推定) 第五十一条 前二条の規定の適用については、第三十二条第一項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 (共有関係) 第五十二条 数人が共同して財産権を有する場合において、共有者の中に破産手続開始の決定を受けた者があるときは、その共有に係る財産の分割の請求は、共有者の間で分割をしない旨の定めがあるときでも、することができる。 2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って破産者の持分を取得することができる。 (双務契約) 第五十三条 双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 2 前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。 この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。 3 前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第六百三十一条前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第六百四十二条第一項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。 第五十四条 前条第一項又は第二項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。 (継続的給付を目的とする双務契約) 第五十五条 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。 2 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。 3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。 (賃貸借契約等) 第五十六条 第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。 (委任契約) 第五十七条 委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法第六百五十五条の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。 (市場の相場がある商品の取引に係る契約) 第五十八条 取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。 2 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。 3 第五十四条第一項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。 4 第一項又は第二項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。 5 第一項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第二項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。 (交互計算) 第五十九条 交互計算は、当事者の一方について破産手続が開始されたときは、終了する。 この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。 2 前項の規定による請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し、相手方が有するときは破産債権とする。 (為替手形の引受け又は支払等) 第六十条 為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。 3 第五十一条の規定は、前二項の規定の適用について準用する。 (夫婦財産関係における管理者の変更等) 第六十一条 民法第七百五十八条第二項及び第三項並びに第七百五十九条の規定は配偶者の財産を管理する者につき破産手続が開始された場合について、同法第八百三十五条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。 第三款 取戻権 (取戻権) 第六十二条 破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。 (運送中の物品の売主等の取戻権) 第六十三条 売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。 ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。 2 前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。 3 第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。 この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。 (代償的取戻権) 第六十四条 破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。 2 前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。 第四款 別除権 (別除権) 第六十五条 別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。 2 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。 (留置権の取扱い) 第六十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。 2 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。 3 第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。 第五款 相殺権 (相殺権) 第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。 2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。 破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。 (相殺に供することができる破産債権の額) 第六十八条 破産債権者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、第百三条第二項各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。 2 前項の規定にかかわらず、破産債権者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。 (解除条件付債権を有する者による相殺) 第六十九条 解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。 (停止条件付債権等を有する者による寄託の請求) 第七十条 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。 敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。 (相殺の禁止) 第七十一条 破産債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担したとき。 二 支払不能になった後に契約によって負担する債務を専ら破産債権をもってする相殺に供する目的で破産者の財産の処分を内容とする契約を破産者との間で締結し、又は破産者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより破産者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産債権者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第七十二条 破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 破産者に対して債務を負担する者と破産者との間の契約 (破産管財人の催告権) 第七十三条 破産管財人は、第三十一条第一項第三号の期間が経過した後又は同号の期日が終了した後は、第六十七条の規定により相殺をすることができる破産債権者に対し、一月以上の期間を定め、その期間内に当該破産債権をもって相殺をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、破産債権者の負担する債務が弁済期にあるときに限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、破産債権者が同項の規定により定めた期間内に確答をしないときは、当該破産債権者は、破産手続の関係においては、当該破産債権についての相殺の効力を主張することができない。 第三章 破産手続の機関 第一節 破産管財人 第一款 破産管財人の選任及び監督 (破産管財人の選任) 第七十四条 破産管財人は、裁判所が選任する。 2 法人は、破産管財人となることができる。 (破産管財人に対する監督等) 第七十五条 破産管財人は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。 この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。 (数人の破産管財人の職務執行) 第七十六条 破産管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (破産管財人代理) 第七十七条 破産管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。 2 前項の破産管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 第二款 破産管財人の権限等 (破産管財人の権限) 第七十八条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。 2 破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 二 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権(二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和六年法律第三十八号)第二条第八項に規定する試掘権をいう。)、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却 三 営業又は事業の譲渡 四 商品の一括売却 五 借財 六 第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄 七 動産の任意売却 八 債権又は有価証券の譲渡 九 第五十三条第一項の規定による履行の請求 十 訴えの提起 十一 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 十二 権利の放棄 十三 財団債権、取戻権又は別除権の承認 十四 別除権の目的である財産の受戻し 十五 その他裁判所の指定する行為 3 前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 4 裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。 5 第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。 (破産財団の管理) 第七十九条 破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第八十条 破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。 (郵便物等の管理) 第八十一条 裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。 2 裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。 3 破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 第八十二条 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。 (破産管財人による調査等) 第八十三条 破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 2 破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 一 破産者が株式会社である場合 破産者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。) 二 破産者が株式会社以外のものである場合 破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社 3 破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。 (破産管財人の職務の執行の確保) 第八十四条 破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。 (破産管財人の注意義務) 第八十五条 破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 (破産管財人の情報提供努力義務) 第八十六条 破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。 (破産管財人の報酬等) 第八十七条 破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。 (破産管財人の任務終了の場合の報告義務等) 第八十八条 破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。 2 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。 3 第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。 4 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 5 前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。 6 第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 第八十九条 前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。 この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。 3 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 4 第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 (任務終了の場合の財産の管理) 第九十条 破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 2 破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。 ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。 第二節 保全管理人 (保全管理命令) 第九十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 3 前二項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 4 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 (保全管理命令に関する公告及び送達) 第九十二条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 2 保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。 (保全管理人の権限) 第九十三条 保全管理命令が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 第七十八条第二項から第六項までの規定は、保全管理人について準用する。 (保全管理人の任務終了の場合の報告義務) 第九十四条 保全管理人の任務が終了した場合には、保全管理人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 2 前項の場合において、保全管理人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の保全管理人又は破産管財人がしなければならない。 (保全管理人代理) 第九十五条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。 2 前項の規定による保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (準用) 第九十六条 第四十条の規定は保全管理人の請求について、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第七十四条第二項、第七十五条、第七十六条、第七十九条、第八十条、第八十二条から第八十五条まで、第八十七条第一項及び第二項並びに第九十条第一項の規定は保全管理人について、第八十七条第一項及び第二項の規定は保全管理人代理について準用する。 この場合において、第五十一条中「第三十二条第一項の規定による公告」とあるのは「第九十二条第一項の規定による公告」と、第九十条第一項中「後任の破産管財人」とあるのは「後任の保全管理人、破産管財人」と読み替えるものとする。 2 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。 一 保全管理命令が発せられた場合 第四十四条第一項から第三項まで 二 保全管理命令が効力を失った場合(破産手続開始の決定があった場合を除く。) 第四十四条第四項から第六項まで 第四章 破産債権 第一節 破産債権者の権利 (破産債権に含まれる請求権) 第九十七条 次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は、破産債権に含まれるものとする。 一 破産手続開始後の利息の請求権 二 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 三 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 四 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの 五 加算税(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第四号に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 六 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(以下「罰金等の請求権」という。) 七 破産手続参加の費用の請求権 八 第五十四条第一項(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権 九 第五十七条に規定する債権 十 第五十九条第一項の規定による請求権であって、相手方の有するもの 十一 第六十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する債権 十二 第百六十八条第二項第二号又は第三号に定める権利 (優先的破産債権) 第九十八条 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。 2 前項の場合において、優先的破産債権間の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 3 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、破産手続開始の時からさかのぼって計算する。 (劣後的破産債権等) 第九十九条 次に掲げる債権(以下「劣後的破産債権」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。 一 第九十七条第一号から第七号までに掲げる請求権 二 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する破産手続開始の時における法定利率による利息の額に相当する部分 三 破産手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分 四 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき第二号の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が破産手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分 2 破産債権者と破産者との間において、破産手続開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権(以下「約定劣後破産債権」という。)は、劣後的破産債権に後れる。 (破産債権の行使) 第百条 破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる行為によって破産債権である租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)を行使する場合については、適用しない。 一 破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分 二 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当 (給料の請求権等の弁済の許可) 第百一条 優先的破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第百九十五条第一項に規定する最後配当、第二百四条第一項に規定する簡易配当、第二百八条第一項に規定する同意配当又は第二百九条第一項に規定する中間配当の許可があるまでの間、破産管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。 ただし、その弁済により財団債権又は他の先順位若しくは同順位の優先的破産債権を有する者の利益を害するおそれがないときに限る。 2 破産管財人は、前項の破産債権者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。 この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。 (破産管財人による相殺) 第百二条 破産管財人は、破産財団に属する債権をもって破産債権と相殺することが破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。 (破産債権者の手続参加) 第百三条 破産債権者は、その有する破産債権をもって破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、破産債権の額は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 一 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの ハ 金額又は存続期間が不確定である定期金債権 二 前号に掲げる債権以外の債権 債権額 3 破産債権が期限付債権でその期限が破産手続開始後に到来すべきものであるときは、その破産債権は、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす。 4 破産債権が破産手続開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも、当該破産債権者は、その破産債権をもって破産手続に参加することができる。 5 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって破産手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定をいう。第百三十四条第二項において同じ。)を得なければならない。 (全部の履行をする義務を負う者が数人ある場合等の手続参加) 第百四条 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。 3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。 ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。 4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。 5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する。 (保証人の破産の場合の手続参加) 第百五条 保証人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき無限の責任を負う者の破産の場合の手続参加) 第百六条 法人の債務につき無限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき有限の責任を負う者の破産の場合の手続参加等) 第百七条 法人の債務につき有限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続に参加することができない。 この場合においては、当該法人が出資の請求について破産手続に参加することを妨げない。 2 法人の債務につき有限の責任を負う者がある場合において、当該法人について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、当該法人の債務につき有限の責任を負う者に対してその権利を行使することができない。 (別除権者等の手続参加) 第百八条 別除権者は、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の額についてのみ、破産債権者としてその権利を行使することができる。 ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。 2 破産財団に属しない破産者の財産につき特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 (外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加) 第百九条 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 (代理委員) 第百十条 破産債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。 2 代理委員は、これを選任した破産債権者のために、破産手続に属する一切の行為をすることができる。 3 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。 ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可を取り消すことができる。 第二節 破産債権の届出 (破産債権の届出) 第百十一条 破産手続に参加しようとする破産債権者は、第三十一条第一項第一号又は第三項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 一 各破産債権の額及び原因 二 優先的破産債権であるときは、その旨 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは、その旨 四 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項 2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。 一 別除権の目的である財産 二 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 3 前項の規定は、第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を有する者(以下「準別除権者」という。)について準用する。 (一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等) 第百十二条 破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第三十一条第一項第三号の期間(以下「一般調査期間」という。)の経過又は同号の期日(以下「一般調査期日」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。 2 前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 3 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に生じた破産債権については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。 4 第一項及び第二項の規定は、破産債権者が、その責めに帰することができない事由によって、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。 (届出名義の変更) 第百十三条 届出をした破産債権を取得した者は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。 2 前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (租税等の請求権等の届出) 第百十四条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。 一 租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 二 罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 第三節 破産債権の調査及び確定 第一款 通則 (破産債権者表の作成等) 第百十五条 裁判所書記官は、届出があった破産債権について、破産債権者表を作成しなければならない。 2 前項の破産債権者表には、各破産債権について、第百十一条第一項第一号から第四号まで及び第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。 3 破産債権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。 (破産債権の調査の方法) 第百十六条 裁判所による破産債権の調査は、次款の規定により、破産管財人が作成した認否書並びに破産債権者及び破産者の書面による異議に基づいてする。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必要があると認めるときは、第三款の規定により、破産債権の調査を、そのための期日における破産管財人の認否並びに破産債権者及び破産者の異議に基づいてすることができる。 3 裁判所は、第百二十一条の規定による一般調査期日における破産債権の調査の後であっても、第百十九条の規定による特別調査期間における書面による破産債権の調査をすることができ、必要があると認めるときは、第百十八条の規定による一般調査期間における書面による破産債権の調査の後であっても、第百二十二条の規定による特別調査期日における破産債権の調査をすることができる。 第二款 書面による破産債権の調査 (認否書の作成及び提出) 第百十七条 破産管財人は、一般調査期間が定められたときは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 一 破産債権の額 二 優先的破産債権であること。 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること。 四 別除権(第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 2 破産管財人は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の破産債権者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。 3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所の定める期限までに、前二項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 4 第一項の規定により同項の認否書に認否を記載すべき事項であって前項の規定により提出された認否書に認否の記載がないものがあるときは、破産管財人において当該事項を認めたものとみなす。 5 第二項の規定により第一項各号に掲げる事項についての認否を認否書に記載することができる破産債権について、第三項の規定により提出された認否書に当該事項の一部についての認否の記載があるときは、破産管財人において当該事項のうち当該認否書に認否の記載のないものを認めたものとみなす。 (一般調査期間における調査) 第百十八条 届出をした破産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第一項又は第二項に規定する破産債権についての同条第一項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。 2 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 4 前項の規定による送達は、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。 5 前項の規定による送達をした場合においては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。 (特別調査期間における調査) 第百十九条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に第百十二条第一項若しくは第三項の規定による届出があり、又は同条第四項において準用する同条第一項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、前項本文と同様とする。 3 第一項本文又は前項の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該破産債権を有する者の負担とする。 4 破産管財人は、特別調査期間に係る破産債権については、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。 この場合においては、同条第四項の規定を準用する。 5 届出をした破産債権者は前項の破産債権についての第百十七条第一項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 6 前条第三項から第五項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定があった場合における裁判書の送達について準用する。 (特別調査期間に関する費用の予納) 第百二十条 前条第一項本文又は第二項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第三項の破産債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 第一項の場合において、同項の破産債権を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。 6 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 第三款 期日における破産債権の調査 (一般調査期日における調査) 第百二十一条 破産管財人は、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者又はその代理人は、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。 3 破産者は、一般調査期日に出頭しなければならない。 ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 4 前項本文の規定により出頭した破産者は、第一項の破産債権の額について、異議を述べることができる。 5 第三項本文の規定により出頭した破産者は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。 6 前二項の規定は、第三項ただし書の代理人について準用する。 7 前各項の規定は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について一般調査期日において調査をすることにつき破産管財人及び破産債権者の異議がない場合について準用する。 8 一般調査期日における破産債権の調査は、破産管財人が出頭しなければ、することができない。 9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 10 裁判所は、一般調査期日における破産債権の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者に送達しなければならない。 11 第百十八条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定による送達について準用する。 (特別調査期日における調査) 第百二十二条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「特別調査期日」という。)を定めることができる。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 第百十九条第二項及び第三項、同条第六項において準用する第百十八条第三項から第五項まで、第百二十条並びに前条(第七項及び第九項を除く。)の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 (期日終了後の破産者の異議) 第百二十三条 破産者がその責めに帰することができない事由によって一般調査期日又は特別調査期日に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後一週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 2 前項に規定する一週間の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 第四款 破産債権の確定 (異議等のない破産債権の確定) 第百二十四条 第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内若しくは特別調査期間内又は一般調査期日若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。 2 裁判所書記官は、破産債権の調査の結果を破産債権者表に記載しなければならない。 3 第一項の規定により確定した事項についての破産債権者表の記載は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。 (破産債権査定決定) 第百二十五条 破産債権の調査において、破産債権の額又は優先的破産債権、劣後的破産債権若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下この条及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。 ただし、第百二十七条第一項並びに第百二十九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。 2 破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。 3 破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。 4 裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。 5 破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え) 第百二十六条 破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。 2 破産債権査定異議の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。 4 破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。 5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 6 同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。 7 破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。 (異議等のある破産債権に関する訴訟の受継) 第百二十七条 異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 2 第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。 (主張の制限) 第百二十八条 破産債権査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、破産債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。 (執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張) 第百二十九条 異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 2 前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 3 第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項及び第六項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。 この場合においては、第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、「異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項又は第百二十一条第二項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。 (破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載) 第百三十条 裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を破産債権者表に記載しなければならない。 (破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力) 第百三十一条 破産債権の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。 2 破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。 (訴訟費用の償還) 第百三十二条 破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。 (破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い) 第百三十三条 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 2 破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。 3 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。 4 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 5 破産手続が終了した際現に係属する第百二十七条第一項又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 6 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。 第五款 租税等の請求権等についての特例 第百三十四条 租税等の請求権及び罰金等の請求権については、第一款(第百十五条を除く。)から前款までの規定は、適用しない。 2 第百十四条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、破産管財人は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。 3 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする破産管財人は、当該届出があった請求権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時破産財団に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。 4 第二項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、破産管財人が第二項に規定する届出があったことを知った日から一月の不変期間内にしなければならない。 5 第百二十四条第二項の規定は第百十四条の規定による届出があった請求権について、第百二十八条、第百三十条、第百三十一条第一項及び前条第三項の規定は第二項の規定による異議又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。 第四節 債権者集会及び債権者委員会 第一款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第百三十五条 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 破産管財人 二 第百四十四条第二項に規定する債権者委員会 三 知れている破産債権者の総債権について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる破産債権を有する破産債権者 2 裁判所は、前項本文の申立てがない場合であっても、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。 (債権者集会の期日の呼出し等) 第百三十六条 債権者集会の期日には、破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者を呼び出さなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、届出をした破産債権者を呼び出すことを要しない。 2 前項本文の規定にかかわらず、届出をした破産債権者であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。 財産状況報告集会においては、第三十二条第三項の規定により通知を受けた者も、同様とする。 3 裁判所は、第三十二条第一項第三号及び第三項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会(財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。)の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。 4 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第一項本文及び前項の規定は、適用しない。 (債権者集会の指揮) 第百三十七条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 (債権者集会の決議) 第百三十八条 債権者集会の決議を要する事項を可決するには、議決権を行使することができる破産債権者(以下この款において「議決権者」という。)で債権者集会の期日に出席し又は次条第二項第二号に規定する書面等投票をしたものの議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 (決議に付する旨の決定) 第百三十九条 裁判所は、第百三十五条第一項各号に掲げる者が債権者集会の決議を要する事項を決議に付することを目的として同項本文の申立てをしたときは、当該事項を債権者集会の決議に付する旨の決定をする。 2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 一 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 二 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法 三 前二号に掲げる方法のうち議決権者が選択するものにより議決権を行使する方法。 この場合において、前号の期間の末日は、第一号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。 3 裁判所は、議決権行使の方法として前項第二号又は第三号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第二号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、当該通知をすることを要しない。 (債権者集会の期日を開く場合における議決権の額の定め方等) 第百四十条 裁判所が議決権行使の方法として前条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定によりその額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者、準別除権者又は停止条件付債権若しくは将来の請求権である破産債権を有する者(次項及び次条第一項第一号において「別除権者等」という。)を除く。) 確定した破産債権の額 二 次項本文の異議のない議決権を有する届出をした破産債権者 届出の額(別除権者又は準別除権者にあっては、第百十一条第二項第二号(同条第三項又は第百十四条において準用する場合を含む。)に掲げる額) 三 次項本文の異議のある議決権を有する届出をした破産債権者 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 届出をした破産債権者の前項の規定による議決権については、破産管財人又は届出をした破産債権者は、債権者集会の期日において、異議を述べることができる。 ただし、前節第四款の規定により破産債権の額が確定した届出をした破産債権者(別除権者等を除く。)の議決権については、この限りでない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項第三号の規定による定めを変更することができる。 (債権者集会の期日を開かない場合における議決権の額の定め方等) 第百四十一条 裁判所が議決権行使の方法として第百三十九条第二項第二号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定により破産債権の額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者等を除く。) 確定した破産債権の額 二 届出をした破産債権者(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第二号の規定による定めを変更することができる。 (破産債権者の議決権) 第百四十二条 破産債権者は、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権については、議決権を有しない。 2 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者及び第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、その弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (代理人による議決権行使) 第百四十三条 議決権者は、代理人をもってその議決権を行使することができる。 第二款 債権者委員会 (債権者委員会) 第百四十四条 裁判所は、破産債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、破産手続に関与することを承認することができる。 ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。 一 委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。 二 破産債権者の過半数が当該委員会が破産手続に関与することについて同意していると認められること。 三 当該委員会が破産債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、破産手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。 3 債権者委員会は、破産手続において、裁判所又は破産管財人に対して、意見を述べることができる。 4 債権者委員会に破産手続の円滑な進行に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した破産債権者の申立てにより、破産財団から当該破産債権者に対して相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。 この場合においては、当該費用の請求権は、財団債権とする。 5 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。 (債権者委員会の意見聴取) 第百四十五条 裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、破産管財人に対して、その旨を通知しなければならない。 2 破産管財人は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、破産財団に属する財産の管理及び処分に関する事項について、債権者委員会の意見を聴かなければならない。 (破産管財人の債権者委員会に対する報告義務) 第百四十六条 破産管財人は、第百五十三条第二項又は第百五十七条の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。 2 破産管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。 (破産管財人に対する報告命令) 第百四十七条 債権者委員会は、破産債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、破産管財人に破産財団に属する財産の管理及び処分に関し必要な事項について第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。 2 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、破産管財人に対し、第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。 第五章 財団債権 (財団債権となる請求権) 第百四十八条 次に掲げる請求権は、財団債権とする。 一 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 二 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権 三 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権及び第九十七条第五号に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から一年(その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの 四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権 五 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 六 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 七 第五十三条第一項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権 八 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(第五十三条第一項又は第二項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権 2 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、財団債権とする。 3 第百三条第二項及び第三項の規定は、第一項第七号及び前項に規定する財団債権について準用する。 この場合において、当該財団債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、当該債権の額は、当該債権が破産債権であるとした場合に第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる劣後的破産債権となるべき部分に相当する金額を控除した額とする。 4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 (使用人の給料等) 第百四十九条 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権とする。 2 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は、退職前三月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前三月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前三月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。 (社債管理者等の費用及び報酬) 第百五十条 社債管理者又は社債管理補助者が破産債権である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、破産手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の当該事務の処理に要する費用の請求権を財団債権とする旨の許可をすることができる。 2 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで破産債権である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が破産手続の円滑な進行に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 3 裁判所は、破産手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 4 前三項の規定による許可を得た請求権は、財団債権とする。 5 第一項から第三項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で破産債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。 一 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の受託会社 同項に規定する社債 二 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第五十四条の五に規定する社会医療法人債管理者又は同法第五十四条の五の二に規定する社会医療法人債管理補助者 同法第五十四条の二第一項に規定する社会医療法人債 三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の八に規定する投資法人債管理者又は同法第百三十九条の九の二第一項に規定する投資法人債管理補助者 同法第二条第十九項に規定する投資法人債 四 保険業法第六十一条の六に規定する社債管理者又は同法第六十一条の七の二に規定する社債管理補助者 相互会社が発行する社債 五 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百二十六条に規定する特定社債管理者又は同法第百二十七条の二第一項に規定する特定社債管理補助者 同法第二条第七項に規定する特定社債 (財団債権の取扱い) 第百五十一条 財団債権は、破産債権に先立って、弁済する。 (破産財団不足の場合の弁済方法等) 第百五十二条 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。 ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。 2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第百四十八条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。 第六章 破産財団の管理 第一節 破産者の財産状況の調査 (財産の価額の評定等) 第百五十三条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、破産財団に属する一切の財産につき、破産手続開始の時における価額を評定しなければならない。 この場合においては、破産者をその評定に立ち会わせることができる。 2 破産管財人は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに破産手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。 3 破産財団に属する財産の総額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合には、前項の規定にかかわらず、破産管財人は、裁判所の許可を得て、同項の貸借対照表の作成及び提出をしないことができる。 (別除権の目的の提示等) 第百五十四条 破産管財人は、別除権者に対し、当該別除権の目的である財産の提示を求めることができる。 2 破産管財人が前項の財産の評価をしようとするときは、別除権者は、これを拒むことができない。 (封印及び帳簿の閉鎖) 第百五十五条 破産管財人は、必要があると認めるときは、裁判所書記官、執行官又は公証人に、破産財団に属する財産に封印をさせ、又はその封印を除去させることができる。 2 裁判所書記官は、必要があると認めるときは、破産管財人の申出により、破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。 (破産財団に属する財産の引渡し) 第百五十六条 裁判所は、破産管財人の申立てにより、決定で、破産者に対し、破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の決定をする場合には、破産者を審尋しなければならない。 3 第一項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (裁判所への報告) 第百五十七条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。 一 破産手続開始に至った事情 二 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 三 第百七十七条第一項の規定による保全処分又は第百七十八条第一項に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無 四 その他破産手続に関し必要な事項 2 破産管財人は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 (財産状況報告集会への報告) 第百五十八条 財産状況報告集会においては、破産管財人は、前条第一項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。 (債権者集会への報告) 第百五十九条 破産管財人は、債権者集会がその決議で定めるところにより、破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない。 第二節 否認権 (破産債権者を害する行為の否認) 第百六十条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 二 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。 3 破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 (相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 第百六十一条 破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。 二 破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。 2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 一 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者 二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者 三 破産者の親族又は同居者 (特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 第百六十二条 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。 二 破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。 ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合 二 前項第一号に掲げる行為が破産者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合 3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。 (手形債務支払の場合等の例外) 第百六十三条 前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。 2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。 3 前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。 (権利変動の対抗要件の否認) 第百六十四条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、破産手続開始後、破産財団のためにこれを否認することができる。 ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。 2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。 (執行行為の否認) 第百六十五条 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。 (支払の停止を要件とする否認の制限) 第百六十六条 破産手続開始の申立ての日から一年以上前にした行為(第百六十条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。 (否認権行使の効果) 第百六十七条 否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。 2 第百六十条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 (破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 第百六十八条 第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存しない場合 財団債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付によって生じた利益が破産財団中に現存しない場合 破産債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 三 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び破産債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 破産管財人は、第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により財団債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権の回復) 第百六十九条 第百六十二条第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。 (転得者に対する否認権) 第百七十条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。 ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。 一 転得者が転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知っていたとき。 二 転得者が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。 ただし、転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。 (破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 第百七十条の二 破産者がした第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百六十八条第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 ただし、同項第一号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、財団債権者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第百六十八条第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。 5 破産管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百六十七条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により財団債権となる額(第百六十八条第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権に関する転得者の権利) 第百七十条の三 破産者がした第百六十二条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百六十九条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。 この場合には、前条第四項の規定を準用する。 (否認権のための保全処分) 第百七十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。 3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 前各項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 第百七十二条 前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。 2 破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。 3 破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。 4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。 (否認権の行使) 第百七十三条 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。 2 前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。 (否認の請求) 第百七十四条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。 3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。 4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 第百七十五条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。 4 第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。 同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。 5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 6 第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。 (否認権行使の期間) 第百七十六条 否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。 否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。 第三節 法人の役員の責任の追及等 (役員の財産に対する保全処分) 第百七十七条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 3 裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (役員の責任の査定の申立て等) 第百七十八条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 3 裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 4 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 5 役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。 (役員責任査定決定等) 第百七十九条 役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。 2 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。 3 役員責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (役員責任査定決定に対する異議の訴え) 第百八十条 役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 (役員責任査定決定の効力) 第百八十一条 前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (社員の出資責任) 第百八十二条 会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。 (匿名組合員の出資責任) 第百八十三条 匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。 第七章 破産財団の換価 第一節 通則 (換価の方法) 第百八十四条 第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。 2 破産管財人は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。 (別除権者が処分をすべき期間の指定) 第百八十五条 別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、破産管財人の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 別除権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 3 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第二節 担保権の消滅 (担保権消滅の許可の申立て) 第百八十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。 ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。 一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額 二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額 2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。 3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。 一 担保権の目的である財産の表示 二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称 四 消滅すべき担保権の表示 五 前号の担保権によって担保される債権の額 六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 七 前項の規定による協議の内容及びその経過 4 申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。 5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (担保権の実行の申立て) 第百八十七条 被申立担保権者は、前条第一項の申立てにつき異議があるときは、同条第五項の規定によりすべての被申立担保権者に申立書及び同条第四項の書面の送達がされた日から一月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができる。 2 裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。 3 破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条第一項第二号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。 4 被申立担保権者は、第一項の期間(第二項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第百九十条第六項の規定により第百八十九条第一項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。 5 第一項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面は提出されなかったものとみなす。 民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条又は同法第百九十二条において準用する同法第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。 6 第百八十九条第一項の不許可の決定が確定した後に、第一項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条第一項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第一項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出することができない。 (買受けの申出) 第百八十八条 被申立担保権者は、第百八十六条第一項の申立てにつき異議があるときは、前条第一項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第百八十六条第三項第一号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。 2 買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。 一 第百八十六条第三項第一号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称 二 破産管財人が第百八十六条第三項第一号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。) 三 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額 3 買受けの申出の額は、申立書に記載された第百八十六条第三項第二号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。 4 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、第二項第三号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第三項第二号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。 5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 6 前条第三項の規定は、買受けの申出について準用する。 7 買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第一項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。 8 破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条第一項の期間が経過した後、裁判所に対し、第百八十六条第三項第一号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。 この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。 9 前項の場合においては、破産管財人は、前条第一項の期間内にされた買受けの申出に係る第二項の書面を裁判所に提出しなければならない。 10 買受けの申出があったときは、破産管財人は、第百八十六条第一項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条第一項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第二項に規定する買受人)の同意を得なければならない。 (担保権消滅の許可の決定等) 第百八十九条 裁判所は、被申立担保権者が第百八十七条第一項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第百八十六条第一項の許可の決定をしなければならない。 一 前条第八項に規定する届出がされなかった場合 第百八十六条第三項第三号の売却の相手方 二 前条第八項に規定する届出がされた場合 同項に規定する買受希望者 2 前項第二号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第百八十六条第四項の書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。 この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。 3 第百八十六条第一項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第一項第二号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。 4 第百八十六条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第百八十六条第一項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (金銭の納付等) 第百九十条 前条第一項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。 一 前条第一項第一号に掲げる場合 第百八十六条第一項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額 二 前条第一項第二号に掲げる場合 同条第二項後段に規定する売得金の額から第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額 2 前項第二号の規定による金銭の納付があったときは、第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。 3 前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。 4 被申立担保権者の有する担保権は、第一項第一号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第二号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。 5 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 6 第一項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第一項の許可の決定を取り消さなければならない。 7 前項の場合には、買受人は、第二項の保証の返還を請求することができない。 (配当等の実施) 第百九十一条 裁判所は、前条第四項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る配当表に基づいて、その配当を実施しなければならない。 2 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条第四項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。 3 民事執行法第八十五条及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。 第三節 商事留置権の消滅 第百九十二条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が第三十六条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。 2 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。 3 第一項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。 4 前項の許可があった場合における第二項に規定する弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。 5 前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。 第八章 配当 第一節 通則 (配当の方法等) 第百九十三条 破産債権者は、この章の定めるところに従い、破産財団から、配当を受けることができる。 2 破産債権者は、破産管財人がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。 ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。 3 破産管財人は、配当をしたときは、その配当をした金額を破産債権者表に記載しなければならない。 (配当の順位等) 第百九十四条 配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第一号の優先的破産債権間においては第九十八条第二項に規定する優先順位による。 一 優先的破産債権 二 前号、次号及び第四号に掲げるもの以外の破産債権 三 劣後的破産債権 四 約定劣後破産債権 2 同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。 第二節 最後配当 (最後配当) 第百九十五条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。 2 破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。 3 裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。 (配当表) 第百九十六条 破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 一 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 二 最後配当の手続に参加することができる債権の額 三 最後配当をすることができる金額 2 前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。 3 破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。 4 前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。 (配当の公告等) 第百九十七条 破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (破産債権の除斥等) 第百九十八条 異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。 2 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 3 別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。 4 第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。 5 第三項の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表の更正) 第百九十九条 次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。 一 破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 二 前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 三 前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 2 前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表に対する異議) 第二百条 届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。 3 第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。 4 第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (配当額の定め及び通知) 第二百一条 破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 2 破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。 3 解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 4 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 5 第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。 この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 6 次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。 7 破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 (配当額の供託) 第二百二条 破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額 三 破産債権者が受け取らない配当額 (破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い) 第二百三条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 第三節 簡易配当 (簡易配当) 第二百四条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。 一 配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。 二 裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。 2 破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 4 第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (準用) 第二百五条 簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。 (簡易配当の許可の取消し) 第二百六条 破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。 この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。 (適用除外) 第二百七条 第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。 第四節 同意配当 第二百八条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「同意配当」という。)をすることを許可することができる。 この場合において、破産管財人の申立ては、届出をした破産債権者の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。 2 前項の規定による許可があった場合には、破産管財人は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の届出をした破産債権者に対して同意配当をすることができる。 3 同意配当については、第百九十六条第一項及び第二項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百八条第一項の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。 第五節 中間配当 (中間配当) 第二百九条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この節において「中間配当」という。)をすることができる。 2 破産管財人は、中間配当をするには、裁判所の許可を得なければならない。 3 中間配当については、第百九十六条第一項及び第二項、第百九十七条、第百九十八条第一項、第百九十九条第一項第一号及び第二号、第二百条、第二百一条第四項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百九条第二項の規定による許可」と、第百九十九条第一項各号及び第二百条第一項中「最後配当に関する除斥期間」とあるのは「第二百十条第一項に規定する中間配当に関する除斥期間」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額」とあるのは「第二百十一条の規定による配当率」と読み替えるものとする。 (別除権者の除斥等) 第二百十条 別除権者は、中間配当の手続に参加するには、前条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する期間(以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。)に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。 2 前項の規定は、準別除権者について準用する。 3 破産管財人は、第一項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき中間配当に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。 (配当率の定め及び通知) 第二百十一条 破産管財人は、第二百九条第三項において準用する第二百条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間配当の手続に参加することができる破産債権者に通知しなければならない。 (解除条件付債権の取扱い) 第二百十二条 解除条件付債権である破産債権については、相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。 2 前項の破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。 (除斥された破産債権等の後の配当における取扱い) 第二百十三条 第二百九条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する事項につき証明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった破産債権について、当該破産債権を有する破産債権者が最後配当に関する除斥期間又はその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明をしたときは、その中間配当において受けることができた額について、当該最後配当又はその中間配当の後に行われることがある中間配当において、他の同順位の破産債権者に先立って配当を受けることができる。 第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明又は疎明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった別除権者(準別除権者を含む。)がその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明及び疎明をしたときも、同様とする。 (配当額の寄託) 第二百十四条 中間配当を行おうとする破産管財人は、次に掲げる破産債権に対する配当額を寄託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって、第二百二条第一号に規定する手続が係属しているもの 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって、第二百十一条の規定による配当率の通知を発した時に第二百二条第二号に規定する手続が終了していないもの 三 中間配当に関する除斥期間内に第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による証明及び疎明があった債権のうち、当該疎明があった額に係る部分 四 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権 五 解除条件付債権である破産債権であって、第二百十二条第一項の規定による担保が供されていないもの 六 第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者が有する破産債権 2 前項第一号又は第二号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、第二百二条第一号又は第二号の規定により当該破産債権に対する配当額を供託するときは、破産管財人は、その寄託した配当額をこれを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 3 第一項第三号又は第四号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権を有する破産債権者又は別除権者(準別除権者を含む。)が第百九十八条第二項の規定に適合しなかったこと又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明をしなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかったときは、破産管財人は、その寄託した配当額の最後配当を他の破産債権者に対してしなければならない。 4 第一項第五号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権の条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、破産管財人は、その寄託した配当額を当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 5 第一項第六号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合における第二百一条第五項の規定の適用については、同項中「その定めた配当額が同号に」とあるのは「その定めた配当額及び破産管財人が第二百十四条第一項第六号の規定により寄託した同号に掲げる破産債権に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に」と、「当該配当額」とあるのは「当該合計額」とする。 第六節 追加配当 第二百十五条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した後(簡易配当にあっては第二百五条において準用する第二百条第一項に規定する期間を経過した後、同意配当にあっては第二百八条第一項の規定による許可があった後)、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたときは、破産管財人は、裁判所の許可を得て、最後配当、簡易配当又は同意配当とは別に、届出をした破産債権者に対し、この条の規定による配当(以下この条において「追加配当」という。)をしなければならない。 破産手続終結の決定があった後であっても、同様とする。 2 追加配当については、第二百一条第四項及び第五項、第二百二条並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第二百一条第五項中「第一項の規定」とあるのは「第二百十五条第四項の規定」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項」とあるのは「第二百十五条第五項」と読み替えるものとする。 3 追加配当は、最後配当、簡易配当又は同意配当について作成した配当表によってする。 4 破産管財人は、第一項の規定による許可があったときは、遅滞なく、追加配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 5 破産管財人は、前項の規定により定めた配当額を、追加配当の手続に参加することができる破産債権者(第二項において読み替えて準用する第二百一条第五項の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 6 追加配当をした場合には、破産管財人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 7 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、当該計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人がしなければならない。 第九章 破産手続の終了 (破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 2 前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 3 裁判所は、第一項の規定により破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨 4 第一項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第三十一条及び第三十二条の規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。 (破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定) 第二百十七条 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。 2 前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができる。 この場合においては、当該意見の聴取を目的とする第百三十五条第一項第二号又は第三号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。 3 前二項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 4 裁判所は、第一項の規定による破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項の申立てを棄却する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 第一項の規定による破産手続廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 7 第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 8 第一項の規定による破産手続廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十八条 裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 一 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 二 前号の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。 ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について同項第一号及び第二号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。 この場合における同項第一号及び第二号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「届出をした破産債権者」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。 3 裁判所は、第一項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 4 届出をした破産債権者は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 5 前条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定について準用する。 この場合において、同条第五項中「破産管財人」とあるのは、「破産者」と読み替えるものとする。 (破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十九条 法人である破産者が前条第一項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。 (破産手続終結の決定) 第二百二十条 裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第八十八条第四項の債権者集会が終結したとき、又は第八十九条第二項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 (破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力) 第二百二十一条 第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。 この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる。 2 前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。 第十章 相続財産の破産等に関する特則 第一節 相続財産の破産 (相続財産に関する破産事件の管轄) 第二百二十二条 相続財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、被相続人の相続開始の時の住所又は相続財産に属する財産が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 相続財産に関する破産事件は、被相続人の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、相続財産に関する破産事件は、相続財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 相続財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、相続財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (相続財産の破産手続開始の原因) 第二百二十三条 相続財産に対する第三十条第一項の規定の適用については、同項中「破産手続開始の原因となる事実があると認めるとき」とあるのは、「相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百二十四条 相続財産については、相続債権者又は受遺者のほか、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者(相続財産の管理に必要な行為をする権利を有する遺言執行者に限る。以下この節において同じ。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が相続財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 相続債権者又は受遺者 その有する債権の存在及び当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 二 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者 当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 (破産手続開始の申立期間) 第二百二十五条 相続財産については、民法第九百四十一条第一項の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、破産手続開始の申立てをすることができる。 ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が完了するまでの間も、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の決定前の相続の開始) 第二百二十六条 裁判所は、破産手続開始の申立て後破産手続開始の決定前に債務者について相続が開始したときは、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者の申立てにより、当該相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることができる。 2 前項に規定する続行の申立ては、相続が開始した後一月以内にしなければならない。 3 第一項に規定する破産手続は、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがなかった場合はその期間が経過した時に、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがあった場合で当該申立てを却下する裁判が確定したときはその時に、それぞれ終了する。 4 第一項に規定する続行の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 (破産手続開始の決定後の相続の開始) 第二百二十七条 裁判所は、破産手続開始の決定後に破産者について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百二十八条 相続財産についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (破産財団の範囲) 第二百二十九条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 この場合においては、被相続人が相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 2 相続人が相続財産の全部又は一部を処分した後に相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人が反対給付について有する権利は、破産財団に属する。 3 前項に規定する場合において、相続人が既に同項の反対給付を受けているときは、相続人は、当該反対給付を破産財団に返還しなければならない。 ただし、相続人が当該反対給付を受けた当時、破産手続開始の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは、その現に受けている利益を返還すれば足りる。 (相続人等の説明義務等) 第二百三十条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 被相続人の代理人であった者 二 相続人及びその代理人 三 相続財産の管理人、相続財産の清算人及び遺言執行者 2 前項の規定は、同項第二号又は第三号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、相続財産について破産手続開始の決定があった場合における相続人並びにその法定代理人及び支配人について準用する。 (相続債権者及び受遺者の地位) 第二百三十一条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続債権者の債権は、受遺者の債権に優先する。 (相続人の地位) 第二百三十二条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続人が被相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 この場合においては、相続人は、被相続人に対して有していた債権について、相続債権者と同一の権利を有する。 2 前項に規定する場合において、相続人が相続債権者に対して自己の固有財産をもって弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、相続人は、その出えんの額の範囲内において、当該相続債権者が被相続人に対して有していた権利を行使することができる。 (相続人の債権者の地位) 第二百三十三条 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係) 第二百三十四条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 (受遺者に対する担保の供与等の否認) 第二百三十五条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する破産債権者を害するときは、当該行為を否認することができる。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項の行為が同項の規定により否認された場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「破産債権者を害すること」とあるのは、「第二百三十五条第一項の破産債権者を害すること」と読み替えるものとする。 (否認後の残余財産の分配等) 第二百三十六条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、破産管財人は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百三十七条 相続財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、相続人がする。 2 相続人が数人あるときは、前項の申立ては、各相続人がすることができる。 第二節 相続人の破産 (破産者の単純承認又は相続放棄の効力等) 第二百三十八条 破産手続開始の決定前に破産者のために相続の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 2 破産管財人は、前項後段の規定にかかわらず、相続の放棄の効力を認めることができる。 この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から三月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百三十九条 相続人についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (相続債権者、受遺者及び相続人の債権者の地位) 第二百四十条 相続人について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の破産財団については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。 3 第二百二十五条に規定する期間内にされた破産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。 4 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、破産債権者としてその権利を行使することができない。 第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。 (限定承認又は財産分離の手続において相続債権者等が受けた弁済) 第二百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があった後に、限定承認又は財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 相続人の債権者が、相続人について破産手続開始の決定があった後に、財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合も、同様とする。 2 前項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済(相続人が数人ある場合には、当該破産手続開始の決定を受けた相続人の相続分に応じた部分に限る。次項において同じ。)と同一の割合の配当を受けるまでは、破産手続により、配当を受けることができない。 3 第一項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、前項の弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (限定承認又は財産分離等の後の相続財産の管理及び処分等) 第二百四十二条 相続人について破産手続開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、破産管財人は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。 限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。 2 破産管財人が前項の規定による相続財産の管理及び処分を終えた場合において、残余財産があるときは、その残余財産のうち当該相続人に帰属すべき部分は、当該相続人の固有財産とみなす。 この場合において、破産管財人は、その残余財産について、破産財団の財産目録及び貸借対照表を補充しなければならない。 3 第一項前段及び前項の規定は、第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有する場合及び第二百四十条第三項の場合について準用する。 第三節 受遺者の破産 (包括受遺者の破産) 第二百四十三条 前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 (特定遺贈の承認又は放棄) 第二百四十四条 破産手続開始の決定前に破産者のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。 2 民法第九百八十七条の規定は、前項の場合について準用する。 第十章の二 信託財産の破産に関する特則 (信託財産に関する破産事件の管轄) 第二百四十四条の二 信託財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 信託財産に関する破産事件は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、信託財産に関する破産事件は、信託財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 信託財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、信託財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (信託財産の破産手続開始の原因) 第二百四十四条の三 信託財産に対する第十五条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百四十四条の四 信託財産については、信託債権(信託法第二十一条第二項第二号に規定する信託債権をいう。次項第一号及び第二百四十四条の七において同じ。)を有する者又は受益者のほか、受託者又は信託財産管理者、信託財産法人管理人若しくは同法第百七十条第一項の管理人(以下「受託者等」と総称する。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が信託財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 信託債権を有する者又は受益者 その有する信託債権又は受益債権の存在及び当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 二 受託者等 当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 3 前項第二号の規定は、受託者等が一人であるとき、又は受託者等が数人ある場合において受託者等の全員が破産手続開始の申立てをしたときは、適用しない。 4 信託財産については、信託が終了した後であっても、残余財産の給付が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産財団の範囲) 第二百四十四条の五 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 (受託者等の説明義務等) 第二百四十四条の六 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 受託者等 二 会計監査人(信託法第二百四十八条第一項又は第二項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。) 2 前項の規定は、同項各号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等(個人である受託者等に限る。)について準用する。 4 第四十一条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等について準用する。 (信託債権者及び受益者の地位) 第二百四十四条の七 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、信託債権は、受益債権に優先する。 3 受益債権と約定劣後破産債権は、同順位とする。 ただし、信託行為の定めにより、約定劣後破産債権が受益債権に優先するものとすることができる。 (受託者の地位) 第二百四十四条の八 信託法第四十九条第一項(同法第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての破産手続との関係においては、金銭債権とみなす。 (固有財産等責任負担債務に係る債権者の地位) 第二百四十四条の九 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第二十二条第一項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係等) 第二百四十四条の十 信託財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、受託者等が信託財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 2 前項に規定する場合における第百六十一条第一項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 3 第一項に規定する場合における第百六十二条第一項第一号の規定の適用については、債権者が受託者等又は会計監査人であるときは、その債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 4 第一項に規定する場合における第百六十八条第二項及び第百七十条の二第二項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等がこれらの規定に規定する隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 (破産管財人の権限) 第二百四十四条の十一 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、破産管財人がする。 一 信託法第二十七条第一項又は第二項の規定による取消権の行使 二 信託法第三十一条第五項の規定による追認 三 信託法第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権の行使 四 信託法第三十二条第四項の規定による権利の行使 五 信託法第四十条又は第四十一条の規定による責任の追及 六 信託法第四十二条(同法第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除 七 信託法第二百二十六条第一項、第二百二十八条第一項又は第二百五十四条第一項の規定による責任の追及 2 前項の規定は、保全管理人について準用する。 3 第百七十七条の規定は信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等又は会計監査人の財産に対する保全処分について、第百七十八条から第百八十一条までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。 (保全管理命令) 第二百四十四条の十二 信託財産について破産手続開始の申立てがあった場合における第三章第二節の規定の適用については、第九十一条第一項中「債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産」とあり、並びに同項、第九十三条第一項及び第九十六条第二項中「債務者の財産」とあるのは、「信託財産に属する財産」とする。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百四十四条の十三 信託財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、受託者等がする。 2 受託者等が数人あるときは、前項の申立ては、各受託者等がすることができる。 3 信託財産の破産について第一項の申立てをするには、信託の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該信託を継続する手続をしなければならない。 第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則 (外国管財人との協力) 第二百四十五条 破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下この章において同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。 (外国管財人の権限等) 第二百四十六条 外国管財人は、債務者について破産手続開始の申立てをすることができる。 2 外国管財人は、前項の申立てをするときは、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 外国管財人は、破産者の破産手続において、債権者集会の期日に出席し、意見を述べることができる。 4 第一項の規定により外国管財人が破産手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、破産手続開始の決定があったときは第三十二条第一項の規定により公告すべき事項を、同項第二号又は第三号に掲げる事項に変更を生じたときはその旨を、破産手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。 (相互の手続参加) 第二百四十七条 外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる。 ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。 2 破産管財人は、届出をした破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。 3 破産管財人は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した破産債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。 ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。 第十二章 免責手続及び復権 第一節 免責手続 (免責許可の申立て) 第二百四十八条 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。 2 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる。 3 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 4 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。 ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。 5 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第二十条第二項の債権者一覧表を第三項本文の債権者名簿とみなす。 6 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第二百十八条第一項の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。 7 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。 一 第二百十八条第一項の申立て 当該申立ての棄却の決定 二 再生手続開始の申立て 当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定 (強制執行の禁止等) 第二百四十九条 免責許可の申立てがあり、かつ、第二百十六条第一項の規定による破産手続廃止の決定、第二百十七条第一項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第二百二十条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「破産債権に基づく強制執行等」という。)、破産債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。)はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分で破産者の財産に対して既にされているもの並びに破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 2 免責許可の決定が確定したときは、前項の規定により中止した破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分並びに破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。 3 第一項の場合において、次の各号に掲げる破産債権については、それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 一 第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権 免責許可の申立てについての決定 二 前号に掲げる請求権以外の破産債権 免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定 (免責についての調査及び報告) 第二百五十条 裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を書面で報告させることができる。 2 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。 (免責についての意見申述) 第二百五十一条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第三項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。 3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。 (免責許可の決定の要件等) 第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。 二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。 三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。 四 浪費又は 賭 と 博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。 五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。 六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。 七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。 八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。 九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。 十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。 イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日 ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日 ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日 十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。 2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 3 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 4 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (免責許可の決定の効力等) 第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。) 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。) 四 次に掲げる義務に係る請求権 イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務 ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務 ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務 ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務 ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。) 七 罰金等の請求権 2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。 3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (免責取消しの決定) 第二百五十四条 第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。 2 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び申立人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 3 第一項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。 6 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 7 前条第三項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。 第二節 復権 (復権) 第二百五十五条 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。 次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。 一 免責許可の決定が確定したとき。 二 第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。 三 再生計画認可の決定が確定したとき。 四 破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。 2 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。 3 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第一項第一号又は第三号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。 (復権の決定) 第二百五十六条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 3 破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 4 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に、その主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第十三章 雑則 (法人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十七条 法人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 2 前項の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 3 第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 4 第一項の債務者について保全管理命令が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。 5 前項の登記には、保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 6 第四項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 7 第一項の規定は、同項の破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 8 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 (個人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。 一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。 二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。 2 前項の規定は、当該破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 3 裁判所書記官は、第一項第二号の規定により破産手続開始の登記がされた権利について、第三十四条第四項の決定により破産財団に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 4 第一項第二号(第二項において準用する場合を含む。)及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 5 第一項第二号の規定は、信託財産について保全管理命令があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。 (保全処分に関する登記の嘱託) 第二百五十九条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 債務者の財産に属する権利で登記されたものに関し第二十八条第一項(第三十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第百七十一条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第一項若しくは第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (否認の登記) 第二百六十条 登記の原因である行為が否認されたときは、破産管財人は、否認の登記を申請しなければならない。 登記が否認されたときも、同様とする。 2 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。 一 当該否認の登記 二 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記 三 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記 3 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(破産手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の破産者への移転の登記をしなければならない。 4 裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、破産者について、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人が、第二項第二号に掲げる登記に係る権利を放棄し、否認の登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 (非課税) 第二百六十一条 第二百五十七条から前条までの規定による登記については、登録免許税を課さない。 (登録のある権利への準用) 第二百六十二条 第二百五十八条第一項第二号及び同条第二項において準用する同号(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)、同条第三項(同条第四項において同条第三項後段の規定を準用する場合を含む。)並びに前三条の規定は、登録のある権利について準用する。 (責任制限手続の廃止による破産手続の中止) 第二百六十三条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。 (責任制限手続の廃止の場合の措置) 第二百六十四条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により定めた期間又は期日を公告しなければならない。 3 知れている制限債権者には、第三十二条第一項第一号及び第二号並びに前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 4 破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者には、第二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間又は期日(当該期間又は期日に変更があった場合にあっては、変更後の期間又は期日)が第三十一条第一項第三号の規定により定めた期間又は期日と同一であるときは、届出をした破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 前三項の規定は第一項の規定により定めた債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について、第百十八条第三項から第五項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間を変更する決定があった場合について、第百二十一条第九項から第十一項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期日を変更する決定があった場合又は当該期日における債権の調査の延期若しくは続行の決定があった場合について準用する。 この場合において、第百十八条第三項及び第百二十一条第九項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者(第二百六十四条第一項の規定により定められた債権の届出をすべき期間の経過前にあっては、知れている制限債権者)、破産管財人」と、同条第十項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者、破産管財人」と読み替えるものとする。 6 第三十一条第二項及び第三項の規定は、第一項に規定する期間及び期日について準用する。 第十四章 罰則 (詐欺破産罪) 第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。 一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為 二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為 三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為 四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為 2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。 (特定の債権者に対する担保の供与等の罪) 第二百六十六条 債務者(相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。)が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等の特別背任罪) 第二百六十七条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 破産管財人又は保全管理人が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う役員又は職員に適用する。 (説明及び検査の拒絶等の罪) 第二百六十八条 第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。 2 第四十条第一項第二号から第五号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者、第二百三十条第一項各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第二号若しくは第三号に掲げる者(相続人を除く。)であった者又は第二百四十四条の六第一項各号に掲げる者若しくは同項各号に掲げる者であった者(以下この項において「説明義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第四項において「代表者等」という。)が、その説明義務者の業務に関し、第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。 説明義務者の代表者等が、その説明義務者の業務に関し、第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする。 3 破産者が第八十三条第一項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、相続財産について破産手続開始の決定があった場合において第二百三十条第一項第二号若しくは第三号に掲げる者が第八十三条第一項の規定による検査を拒んだとき又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合において受託者等が同項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 4 第八十三条第二項に規定する破産者の子会社等(同条第三項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第二項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は第八十三条第二項の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 (重要財産開示拒絶等の罪) 第二百六十九条 破産者(信託財産の破産にあっては、受託者等)が第四十一条(第二百四十四条の六第四項において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪) 第二百七十条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第百五十五条第二項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。 (審尋における説明拒絶等の罪) 第二百七十一条 債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等に対する職務妨害の罪) 第二百七十二条 偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (収賄罪) 第二百七十三条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。 4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 5 破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第百三十九条第二項第二号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 6 前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (贈賄罪) 第二百七十四条 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産者等に対する面会強請等の罪) 第二百七十五条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (国外犯) 第二百七十六条 第二百六十五条、第二百六十六条、第二百七十条、第二百七十二条及び第二百七十四条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 2 第二百六十七条及び第二百七十三条(第五項を除く。)の罪は、刑法第四条の例に従う。 3 第二百七十三条第五項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。 (両罰規定) 第二百七十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条(第一項を除く。)、第二百六十九条から第二百七十二条まで、第二百七十四条又は第二百七十五条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第七十五号
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破産法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。 2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。 3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。 4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。 5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。 6 この法律において「破産債権者」とは、破産債権を有する債権者をいう。 7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。 8 この法律において「財団債権者」とは、財団債権を有する債権者をいう。 9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。 10 この法律において「別除権者」とは、別除権を有する者をいう。 11 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。 12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。 13 この法律において「保全管理人」とは、第九十一条第一項の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。 14 この法律において「破産財団」とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。 (外国人の地位) 第三条 外国人又は外国法人は、破産手続、第十二章第一節の規定による免責手続(以下「免責手続」という。)及び同章第二節の規定による復権の手続(以下この章において「破産手続等」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。 (破産事件の管轄) 第四条 この法律の規定による破産手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。 2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。 第五条 破産事件は、債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 2 前項の規定による管轄裁判所がないときは、破産事件は、債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第八十三条第二項第二号及び第三項並びに第百六十一条第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「破産事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての破産手続開始の申立ては、親法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について破産事件等が係属しているときにおける親法人についての破産手続開始の申立ては、子株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 4 子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について破産事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての破産手続開始の申立ては、当該株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について破産事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての破産手続開始の申立ては、当該他の法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 6 第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について破産事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての破産手続開始の申立ては、当該法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について破産事件又は再生事件が係属している場合における当該法人についての破産手続開始の申立ては、当該法人の代表者の破産事件又は再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 7 第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について破産事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての破産手続開始の申立ては、当該破産事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 一 相互に連帯債務者の関係にある個人 二 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人 三 夫婦 8 第一項及び第二項の規定にかかわらず、破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 9 第一項及び第二項の規定にかかわらず、前項に規定する債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 10 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (専属管轄) 第六条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。 (破産事件の移送) 第七条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件(破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件)を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。 一 債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所 二 債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所 三 第五条第二項に規定する地方裁判所 四 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所 イ 第五条第三項から第七項までに規定する地方裁判所 ロ 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者。ハにおいて同じ。)の数が五百人以上であるときは、第五条第八項に規定する地方裁判所 ハ ロに規定する債権者の数が千人以上であるときは、第五条第九項に規定する地方裁判所 五 第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に破産事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所 (任意的口頭弁論等) 第八条 破産手続等に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 裁判所は、職権で、破産手続等に係る事件に関して必要な調査をすることができる。 (不服申立て) 第九条 破産手続等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 (公告等) 第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。 5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。 (事件に関する文書の閲覧等) 第十一条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が破産手続開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 債務者以外の利害関係人 第二十四条第一項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令、第百七十一条第一項の規定による保全処分又は破産手続開始の申立てについての裁判 二 債務者 破産手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分若しくは裁判 (支障部分の閲覧等の制限) 第十二条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、破産財団(破産手続開始前にあっては、債務者の財産)の管理又は換価に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した破産管財人又は保全管理人の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者(その者が保全管理人である場合にあっては、保全管理人又は破産管財人。次項において同じ。)に限ることができる。 一 第三十六条、第四十条第一項ただし書若しくは同条第二項において準用する同条第一項ただし書(これらの規定を第九十六条第一項において準用する場合を含む。)、第七十八条第二項(第九十三条第三項において準用する場合を含む。)、第八十四条(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第九十三条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等 二 第百五十七条第二項の規定による報告に係る文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、破産裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 (民事訴訟法の準用) 第十三条 特別の定めがある場合を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定(同法第八十七条の二の規定を除く。)を準用する。 (最高裁判所規則) 第十四条 この法律に定めるもののほか、破産手続等に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二章 破産手続の開始 第一節 破産手続開始の申立て (破産手続開始の原因) 第十五条 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。 (法人の破産手続開始の原因) 第十六条 債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 2 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。 (破産手続開始の原因の推定) 第十七条 債務者についての外国で開始された手続で破産手続に相当するものがある場合には、当該債務者に破産手続開始の原因となる事実があるものと推定する。 (破産手続開始の申立て) 第十八条 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 (法人の破産手続開始の申立て) 第十九条 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 一 一般社団法人又は一般財団法人 理事 二 株式会社又は相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。第百五十条第六項第三号において同じ。) 取締役 三 合名会社、合資会社又は合同会社 業務を執行する社員 2 前項各号に掲げる法人については、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができる。 3 前二項の規定により第一項各号に掲げる法人について破産手続開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 4 前三項の規定は、第一項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。 5 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の申立ての方式) 第二十条 破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。 2 債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 (破産手続開始の申立書の審査) 第二十一条 前条第一項の書面(以下この条において「破産手続開始の申立書」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い破産手続開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。 2 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 裁判所は、第三項の異議の申立てがあった場合において、破産手続開始の申立書に第一項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。 6 第一項又は前項の場合において、破産手続開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。 7 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の予納) 第二十二条 破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 2 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の仮支弁) 第二十三条 裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。 職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。 2 前条第一項の規定は、前項前段の規定により破産手続の費用を仮に国庫から支弁する場合には、適用しない。 (他の手続の中止命令等) 第二十四条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる手続又は第六号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第五号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る。 一 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「強制執行等」という。)の手続で、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権若しくは財団債権となるべきもの(以下この項及び次条第八項において「破産債権等」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの 二 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続で、破産債権等に基づくもの 三 債務者の財産関係の訴訟手続 四 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続 五 債務者の責任制限手続(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第三章又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五章、同法第四十三条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第四十三条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条及び第五十四条を除く。)若しくは船舶油濁等損害賠償保障法第五十一条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第五十一条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条、第四節及び第五十四条を除く。)の規定による責任制限手続をいう。第二百六十三条及び第二百六十四条第一項において同じ。) 六 債務者の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第百三条第五項及び第二百五十三条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「外国租税滞納処分」という。)で、破産債権等に基づくもの 2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第一項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 4 第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令) 第二十五条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第一号又は第六号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。 ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第九十一条第二項に規定する保全管理命令をした場合に限る。 2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。 3 包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続及び外国租税滞納処分(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。 4 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第三項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 6 包括的禁止命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 8 包括的禁止命令が発せられたときは、破産債権等(当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等) 第二十六条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。 2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 前条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令の解除) 第二十七条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。 この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で第二十五条第三項の規定により中止されていたものは、続行する。 2 前項の規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。 3 第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (債務者の財産に関する保全処分) 第二十八条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 裁判所が第一項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、破産手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (破産手続開始の申立ての取下げの制限) 第二十九条 破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、第二十四条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、前条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は第百七十一条第一項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 第二節 破産手続開始の決定 (破産手続開始の決定) 第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。 二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。 (破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等) 第三十一条 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 破産債権の届出をすべき期間 二 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会(第四項、第百三十六条第二項及び第三項並びに第百五十八条において「財産状況報告集会」という。)の期日 三 破産債権の調査をするための期間(第百十六条第二項の場合にあっては、破産債権の調査をするための期日) 2 前項第一号及び第三号の規定にかかわらず、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第一号の期間並びに同項第三号の期間及び期日を定めないことができる。 3 前項の場合において、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めなければならない。 4 第一項第二号の規定にかかわらず、裁判所は、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、同号の期日を定めないことができる。 5 第一項の場合において、知れている破産債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第四項本文及び第五項本文において準用する同条第三項第一号、第三十三条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者(同項本文の場合にあっては、同項本文に規定する議決権者。次条第二項において同じ。)に対する通知をせず、かつ、第百十一条、第百十二条又は第百十四条の規定により破産債権の届出をした破産債権者(以下「届出をした破産債権者」という。)を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。 (破産手続開始の公告等) 第三十二条 裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産管財人の氏名又は名称 三 前条第一項の規定により定めた期間又は期日 四 破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者(第三項第二号において「財産所持者等」という。)は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨 五 第二百四条第一項第二号の規定による簡易配当をすることが相当と認められる場合にあっては、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し前条第一項第三号の期間の満了時又は同号の期日の終了時までに異議を述べるべき旨 2 前条第五項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第四項本文及び第五項本文において準用する次項第一号、次条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者に対する通知をせず、かつ、届出をした破産債権者を債権者集会の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。 3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 一 破産管財人、破産者及び知れている破産債権者 二 知れている財産所持者等 三 第九十一条第二項に規定する保全管理命令があった場合における保全管理人 四 労働組合等(破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第七十八条第四項及び第百三十六条第三項において同じ。) 4 第一項第三号及び前項第一号の規定は、前条第三項の規定により同条第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めた場合について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 第一項第二号並びに第三項第一号及び第二号の規定は第一項第二号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第一項第三号及び第三項第一号の規定は第一項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合(前条第一項第一号の期間又は同項第二号の期日に変更を生じた場合に限る。)について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 (抗告) 第三十三条 破産手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第二十四条から第二十八条までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。 3 破産手続開始の決定をした裁判所は、第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第三項各号(第三号を除く。)に掲げる者にその主文を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 第三節 破産手続開始の効果 第一款 通則 (破産財団の範囲) 第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。 一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭 二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。 ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。 4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。 5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。 6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (法人の存続の擬制) 第三十五条 他の法律の規定により破産手続開始の決定によって解散した法人又は解散した法人で破産手続開始の決定を受けたものは、破産手続による清算の目的の範囲内において、破産手続が終了するまで存続するものとみなす。 (破産者の事業の継続) 第三十六条 破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。 (破産者の居住に係る制限) 第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 (破産者の引致) 第三十八条 裁判所は、必要と認めるときは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前二項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による引致を命ずる決定に対しては、破産者又は債務者は、即時抗告をすることができる。 5 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)中 勾 こう 引に関する規定は、第一項及び第二項の規定による引致について準用する。 (破産者に準ずる者への準用) 第三十九条 前二条の規定は、破産者の法定代理人及び支配人並びに破産者の理事、取締役、執行役及びこれらに準ずる者について準用する。 (破産者等の説明義務) 第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 一 破産者 二 破産者の代理人 三 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人 四 前号に掲げる者に準ずる者 五 破産者の従業者(第二号に掲げる者を除く。) 2 前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。 (破産者の重要財産開示義務) 第四十一条 破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (他の手続の失効等) 第四十二条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。 2 前項に規定する場合には、同項に規定する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続並びに外国租税滞納処分で、破産財団に属する財産に対して既にされているものは、破産財団に対してはその効力を失う。 ただし、同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については、破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。 3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は、財団債権とする。 5 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては、破産管財人を被告とする。 6 破産手続開始の決定があったときは、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)又は第三者からの情報取得手続(同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)の申立てはすることができず、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続はその効力を失う。 (国税滞納処分等の取扱い) 第四十三条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。 2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。 3 破産手続開始の決定があったときは、破産手続が終了するまでの間は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。 免責許可の申立てがあった後当該申立てについての裁判が確定するまでの間(破産手続開始の決定前に免責許可の申立てがあった場合にあっては、破産手続開始の決定後当該申立てについての裁判が確定するまでの間)も、同様とする。 (破産財団に関する訴えの取扱い) 第四十四条 破産手続開始の決定があったときは、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち破産債権に関しないものを受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 破産手続が終了したときは、破産管財人を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 5 破産者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産者は、当然訴訟手続を受継する。 (債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の取扱い) 第四十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七又は第四百二十四条第一項の規定により破産債権者又は財団債権者の提起した訴訟が破産手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産債権者又は財団債権者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、中断する。 5 前項の場合には、破産債権者又は財団債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産債権者又は財団債権者は、当然訴訟手続を受継する。 (行政庁に係属する事件の取扱い) 第四十六条 第四十四条の規定は、破産財団に関する事件で行政庁に係属するものについて準用する。 第二款 破産手続開始の効果 (開始後の法律行為の効力) 第四十七条 破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。 (開始後の権利取得の効力) 第四十八条 破産手続開始後に破産財団に属する財産に関して破産者の法律行為によらないで権利を取得しても、その権利の取得は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 前条第二項の規定は、破産手続開始の日における前項の権利の取得について準用する。 (開始後の登記及び登録の効力) 第四十九条 不動産又は船舶に関し破産手続開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 ただし、登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。 2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。 (開始後の破産者に対する弁済の効力) 第五十条 破産手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。 2 破産手続開始後に、その事実を知って破産者にした弁済は、破産財団が受けた利益の限度においてのみ、破産手続の関係において、その効力を主張することができる。 (善意又は悪意の推定) 第五十一条 前二条の規定の適用については、第三十二条第一項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 (共有関係) 第五十二条 数人が共同して財産権を有する場合において、共有者の中に破産手続開始の決定を受けた者があるときは、その共有に係る財産の分割の請求は、共有者の間で分割をしない旨の定めがあるときでも、することができる。 2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って破産者の持分を取得することができる。 (双務契約) 第五十三条 双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 2 前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。 この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。 3 前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第六百三十一条前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第六百四十二条第一項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。 第五十四条 前条第一項又は第二項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。 (継続的給付を目的とする双務契約) 第五十五条 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。 2 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。 3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。 (賃貸借契約等) 第五十六条 第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。 (委任契約) 第五十七条 委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法第六百五十五条の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。 (市場の相場がある商品の取引に係る契約) 第五十八条 取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。 2 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。 3 第五十四条第一項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。 4 第一項又は第二項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。 5 第一項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第二項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。 (交互計算) 第五十九条 交互計算は、当事者の一方について破産手続が開始されたときは、終了する。 この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。 2 前項の規定による請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し、相手方が有するときは破産債権とする。 (為替手形の引受け又は支払等) 第六十条 為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。 3 第五十一条の規定は、前二項の規定の適用について準用する。 (夫婦財産関係における管理者の変更等) 第六十一条 民法第七百五十八条第二項及び第三項並びに第七百五十九条の規定は配偶者の財産を管理する者につき破産手続が開始された場合について、同法第八百三十五条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。 第三款 取戻権 (取戻権) 第六十二条 破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。 (運送中の物品の売主等の取戻権) 第六十三条 売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。 ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。 2 前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。 3 第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。 この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。 (代償的取戻権) 第六十四条 破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。 2 前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。 第四款 別除権 (別除権) 第六十五条 別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。 2 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。 (留置権の取扱い) 第六十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。 2 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。 3 第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。 第五款 相殺権 (相殺権) 第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。 2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。 破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。 (相殺に供することができる破産債権の額) 第六十八条 破産債権者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、第百三条第二項各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。 2 前項の規定にかかわらず、破産債権者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。 (解除条件付債権を有する者による相殺) 第六十九条 解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。 (停止条件付債権等を有する者による寄託の請求) 第七十条 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。 敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。 (相殺の禁止) 第七十一条 破産債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担したとき。 二 支払不能になった後に契約によって負担する債務を専ら破産債権をもってする相殺に供する目的で破産者の財産の処分を内容とする契約を破産者との間で締結し、又は破産者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより破産者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産債権者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第七十二条 破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 破産者に対して債務を負担する者と破産者との間の契約 (破産管財人の催告権) 第七十三条 破産管財人は、第三十一条第一項第三号の期間が経過した後又は同号の期日が終了した後は、第六十七条の規定により相殺をすることができる破産債権者に対し、一月以上の期間を定め、その期間内に当該破産債権をもって相殺をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、破産債権者の負担する債務が弁済期にあるときに限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、破産債権者が同項の規定により定めた期間内に確答をしないときは、当該破産債権者は、破産手続の関係においては、当該破産債権についての相殺の効力を主張することができない。 第三章 破産手続の機関 第一節 破産管財人 第一款 破産管財人の選任及び監督 (破産管財人の選任) 第七十四条 破産管財人は、裁判所が選任する。 2 法人は、破産管財人となることができる。 (破産管財人に対する監督等) 第七十五条 破産管財人は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。 この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。 (数人の破産管財人の職務執行) 第七十六条 破産管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (破産管財人代理) 第七十七条 破産管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。 2 前項の破産管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 第二款 破産管財人の権限等 (破産管財人の権限) 第七十八条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。 2 破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 二 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権(二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和六年法律第三十八号)第二条第八項に規定する試掘権をいう。)、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却 三 営業又は事業の譲渡 四 商品の一括売却 五 借財 六 第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄 七 動産の任意売却 八 債権又は有価証券の譲渡 九 第五十三条第一項の規定による履行の請求 十 訴えの提起 十一 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 十二 権利の放棄 十三 財団債権、取戻権又は別除権の承認 十四 別除権の目的である財産の受戻し 十五 その他裁判所の指定する行為 3 前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 4 裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。 5 第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。 (破産財団の管理) 第七十九条 破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第八十条 破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。 (郵便物等の管理) 第八十一条 裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。 2 裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。 3 破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 第八十二条 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。 (破産管財人による調査等) 第八十三条 破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 2 破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 一 破産者が株式会社である場合 破産者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。) 二 破産者が株式会社以外のものである場合 破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社 3 破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。 (破産管財人の職務の執行の確保) 第八十四条 破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。 (破産管財人の注意義務) 第八十五条 破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 (破産管財人の情報提供努力義務) 第八十六条 破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。 (破産管財人の報酬等) 第八十七条 破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。 (破産管財人の任務終了の場合の報告義務等) 第八十八条 破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。 2 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。 3 第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。 4 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 5 前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。 6 第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 第八十九条 前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。 この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。 3 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 4 第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 (任務終了の場合の財産の管理) 第九十条 破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 2 破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。 ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。 第二節 保全管理人 (保全管理命令) 第九十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 3 前二項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 4 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 (保全管理命令に関する公告及び送達) 第九十二条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 2 保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。 (保全管理人の権限) 第九十三条 保全管理命令が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 第七十八条第二項から第六項までの規定は、保全管理人について準用する。 (保全管理人の任務終了の場合の報告義務) 第九十四条 保全管理人の任務が終了した場合には、保全管理人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 2 前項の場合において、保全管理人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の保全管理人又は破産管財人がしなければならない。 (保全管理人代理) 第九十五条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。 2 前項の規定による保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (準用) 第九十六条 第四十条の規定は保全管理人の請求について、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第七十四条第二項、第七十五条、第七十六条、第七十九条、第八十条、第八十二条から第八十五条まで、第八十七条第一項及び第二項並びに第九十条第一項の規定は保全管理人について、第八十七条第一項及び第二項の規定は保全管理人代理について準用する。 この場合において、第五十一条中「第三十二条第一項の規定による公告」とあるのは「第九十二条第一項の規定による公告」と、第九十条第一項中「後任の破産管財人」とあるのは「後任の保全管理人、破産管財人」と読み替えるものとする。 2 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。 一 保全管理命令が発せられた場合 第四十四条第一項から第三項まで 二 保全管理命令が効力を失った場合(破産手続開始の決定があった場合を除く。) 第四十四条第四項から第六項まで 第四章 破産債権 第一節 破産債権者の権利 (破産債権に含まれる請求権) 第九十七条 次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は、破産債権に含まれるものとする。 一 破産手続開始後の利息の請求権 二 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 三 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 四 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの 五 加算税(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第四号に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 六 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(以下「罰金等の請求権」という。) 七 破産手続参加の費用の請求権 八 第五十四条第一項(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権 九 第五十七条に規定する債権 十 第五十九条第一項の規定による請求権であって、相手方の有するもの 十一 第六十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する債権 十二 第百六十八条第二項第二号又は第三号に定める権利 (優先的破産債権) 第九十八条 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。 2 前項の場合において、優先的破産債権間の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 3 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、破産手続開始の時からさかのぼって計算する。 (劣後的破産債権等) 第九十九条 次に掲げる債権(以下「劣後的破産債権」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。 一 第九十七条第一号から第七号までに掲げる請求権 二 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する破産手続開始の時における法定利率による利息の額に相当する部分 三 破産手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分 四 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき第二号の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が破産手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分 2 破産債権者と破産者との間において、破産手続開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権(以下「約定劣後破産債権」という。)は、劣後的破産債権に後れる。 (破産債権の行使) 第百条 破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる行為によって破産債権である租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)を行使する場合については、適用しない。 一 破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分 二 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当 (給料の請求権等の弁済の許可) 第百一条 優先的破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第百九十五条第一項に規定する最後配当、第二百四条第一項に規定する簡易配当、第二百八条第一項に規定する同意配当又は第二百九条第一項に規定する中間配当の許可があるまでの間、破産管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。 ただし、その弁済により財団債権又は他の先順位若しくは同順位の優先的破産債権を有する者の利益を害するおそれがないときに限る。 2 破産管財人は、前項の破産債権者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。 この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。 (破産管財人による相殺) 第百二条 破産管財人は、破産財団に属する債権をもって破産債権と相殺することが破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。 (破産債権者の手続参加) 第百三条 破産債権者は、その有する破産債権をもって破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、破産債権の額は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 一 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの ハ 金額又は存続期間が不確定である定期金債権 二 前号に掲げる債権以外の債権 債権額 3 破産債権が期限付債権でその期限が破産手続開始後に到来すべきものであるときは、その破産債権は、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす。 4 破産債権が破産手続開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも、当該破産債権者は、その破産債権をもって破産手続に参加することができる。 5 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって破産手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定をいう。第百三十四条第二項において同じ。)を得なければならない。 (全部の履行をする義務を負う者が数人ある場合等の手続参加) 第百四条 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。 3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。 ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。 4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。 5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する。 (保証人の破産の場合の手続参加) 第百五条 保証人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき無限の責任を負う者の破産の場合の手続参加) 第百六条 法人の債務につき無限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき有限の責任を負う者の破産の場合の手続参加等) 第百七条 法人の債務につき有限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続に参加することができない。 この場合においては、当該法人が出資の請求について破産手続に参加することを妨げない。 2 法人の債務につき有限の責任を負う者がある場合において、当該法人について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、当該法人の債務につき有限の責任を負う者に対してその権利を行使することができない。 (別除権者等の手続参加) 第百八条 別除権者は、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の額についてのみ、破産債権者としてその権利を行使することができる。 ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。 2 破産財団に属しない破産者の財産につき特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 (外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加) 第百九条 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 (代理委員) 第百十条 破産債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。 2 代理委員は、これを選任した破産債権者のために、破産手続に属する一切の行為をすることができる。 3 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。 ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可を取り消すことができる。 第二節 破産債権の届出 (破産債権の届出) 第百十一条 破産手続に参加しようとする破産債権者は、第三十一条第一項第一号又は第三項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 一 各破産債権の額及び原因 二 優先的破産債権であるときは、その旨 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは、その旨 四 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項 2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。 一 別除権の目的である財産 二 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 3 前項の規定は、第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を有する者(以下「準別除権者」という。)について準用する。 (一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等) 第百十二条 破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第三十一条第一項第三号の期間(以下「一般調査期間」という。)の経過又は同号の期日(以下「一般調査期日」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。 2 前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 3 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に生じた破産債権については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。 4 第一項及び第二項の規定は、破産債権者が、その責めに帰することができない事由によって、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。 (届出名義の変更) 第百十三条 届出をした破産債権を取得した者は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。 2 前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (租税等の請求権等の届出) 第百十四条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。 一 租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 二 罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 第三節 破産債権の調査及び確定 第一款 通則 (破産債権者表の作成等) 第百十五条 裁判所書記官は、届出があった破産債権について、破産債権者表を作成しなければならない。 2 前項の破産債権者表には、各破産債権について、第百十一条第一項第一号から第四号まで及び第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。 3 破産債権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。 (破産債権の調査の方法) 第百十六条 裁判所による破産債権の調査は、次款の規定により、破産管財人が作成した認否書並びに破産債権者及び破産者の書面による異議に基づいてする。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必要があると認めるときは、第三款の規定により、破産債権の調査を、そのための期日における破産管財人の認否並びに破産債権者及び破産者の異議に基づいてすることができる。 3 裁判所は、第百二十一条の規定による一般調査期日における破産債権の調査の後であっても、第百十九条の規定による特別調査期間における書面による破産債権の調査をすることができ、必要があると認めるときは、第百十八条の規定による一般調査期間における書面による破産債権の調査の後であっても、第百二十二条の規定による特別調査期日における破産債権の調査をすることができる。 第二款 書面による破産債権の調査 (認否書の作成及び提出) 第百十七条 破産管財人は、一般調査期間が定められたときは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 一 破産債権の額 二 優先的破産債権であること。 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること。 四 別除権(第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 2 破産管財人は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の破産債権者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。 3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所の定める期限までに、前二項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 4 第一項の規定により同項の認否書に認否を記載すべき事項であって前項の規定により提出された認否書に認否の記載がないものがあるときは、破産管財人において当該事項を認めたものとみなす。 5 第二項の規定により第一項各号に掲げる事項についての認否を認否書に記載することができる破産債権について、第三項の規定により提出された認否書に当該事項の一部についての認否の記載があるときは、破産管財人において当該事項のうち当該認否書に認否の記載のないものを認めたものとみなす。 (一般調査期間における調査) 第百十八条 届出をした破産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第一項又は第二項に規定する破産債権についての同条第一項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。 2 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 4 前項の規定による送達は、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。 5 前項の規定による送達をした場合においては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。 (特別調査期間における調査) 第百十九条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に第百十二条第一項若しくは第三項の規定による届出があり、又は同条第四項において準用する同条第一項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、前項本文と同様とする。 3 第一項本文又は前項の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該破産債権を有する者の負担とする。 4 破産管財人は、特別調査期間に係る破産債権については、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。 この場合においては、同条第四項の規定を準用する。 5 届出をした破産債権者は前項の破産債権についての第百十七条第一項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 6 前条第三項から第五項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定があった場合における裁判書の送達について準用する。 (特別調査期間に関する費用の予納) 第百二十条 前条第一項本文又は第二項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第三項の破産債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 第一項の場合において、同項の破産債権を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。 6 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 第三款 期日における破産債権の調査 (一般調査期日における調査) 第百二十一条 破産管財人は、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者又はその代理人は、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。 3 破産者は、一般調査期日に出頭しなければならない。 ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 4 前項本文の規定により出頭した破産者は、第一項の破産債権の額について、異議を述べることができる。 5 第三項本文の規定により出頭した破産者は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。 6 前二項の規定は、第三項ただし書の代理人について準用する。 7 前各項の規定は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について一般調査期日において調査をすることにつき破産管財人及び破産債権者の異議がない場合について準用する。 8 一般調査期日における破産債権の調査は、破産管財人が出頭しなければ、することができない。 9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 10 裁判所は、一般調査期日における破産債権の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者に送達しなければならない。 11 第百十八条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定による送達について準用する。 (特別調査期日における調査) 第百二十二条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「特別調査期日」という。)を定めることができる。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 第百十九条第二項及び第三項、同条第六項において準用する第百十八条第三項から第五項まで、第百二十条並びに前条(第七項及び第九項を除く。)の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 (期日終了後の破産者の異議) 第百二十三条 破産者がその責めに帰することができない事由によって一般調査期日又は特別調査期日に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後一週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 2 前項に規定する一週間の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 第四款 破産債権の確定 (異議等のない破産債権の確定) 第百二十四条 第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内若しくは特別調査期間内又は一般調査期日若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。 2 裁判所書記官は、破産債権の調査の結果を破産債権者表に記載しなければならない。 3 第一項の規定により確定した事項についての破産債権者表の記載は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。 (破産債権査定決定) 第百二十五条 破産債権の調査において、破産債権の額又は優先的破産債権、劣後的破産債権若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下この条及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。 ただし、第百二十七条第一項並びに第百二十九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。 2 破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。 3 破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。 4 裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。 5 破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え) 第百二十六条 破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。 2 破産債権査定異議の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。 4 破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。 5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 6 同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。 7 破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。 (異議等のある破産債権に関する訴訟の受継) 第百二十七条 異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 2 第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。 (主張の制限) 第百二十八条 破産債権査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、破産債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。 (執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張) 第百二十九条 異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 2 前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 3 第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項及び第六項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。 この場合においては、第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、「異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項又は第百二十一条第二項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。 (破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載) 第百三十条 裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を破産債権者表に記載しなければならない。 (破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力) 第百三十一条 破産債権の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。 2 破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。 (訴訟費用の償還) 第百三十二条 破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。 (破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い) 第百三十三条 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 2 破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。 3 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。 4 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 5 破産手続が終了した際現に係属する第百二十七条第一項又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 6 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。 第五款 租税等の請求権等についての特例 第百三十四条 租税等の請求権及び罰金等の請求権については、第一款(第百十五条を除く。)から前款までの規定は、適用しない。 2 第百十四条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、破産管財人は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。 3 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする破産管財人は、当該届出があった請求権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時破産財団に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。 4 第二項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、破産管財人が第二項に規定する届出があったことを知った日から一月の不変期間内にしなければならない。 5 第百二十四条第二項の規定は第百十四条の規定による届出があった請求権について、第百二十八条、第百三十条、第百三十一条第一項及び前条第三項の規定は第二項の規定による異議又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。 第四節 債権者集会及び債権者委員会 第一款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第百三十五条 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 破産管財人 二 第百四十四条第二項に規定する債権者委員会 三 知れている破産債権者の総債権について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる破産債権を有する破産債権者 2 裁判所は、前項本文の申立てがない場合であっても、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。 (債権者集会の期日の呼出し等) 第百三十六条 債権者集会の期日には、破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者を呼び出さなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、届出をした破産債権者を呼び出すことを要しない。 2 前項本文の規定にかかわらず、届出をした破産債権者であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。 財産状況報告集会においては、第三十二条第三項の規定により通知を受けた者も、同様とする。 3 裁判所は、第三十二条第一項第三号及び第三項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会(財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。)の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。 4 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第一項本文及び前項の規定は、適用しない。 (債権者集会の指揮) 第百三十七条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 (債権者集会の決議) 第百三十八条 債権者集会の決議を要する事項を可決するには、議決権を行使することができる破産債権者(以下この款において「議決権者」という。)で債権者集会の期日に出席し又は次条第二項第二号に規定する書面等投票をしたものの議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 (決議に付する旨の決定) 第百三十九条 裁判所は、第百三十五条第一項各号に掲げる者が債権者集会の決議を要する事項を決議に付することを目的として同項本文の申立てをしたときは、当該事項を債権者集会の決議に付する旨の決定をする。 2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 一 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 二 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法 三 前二号に掲げる方法のうち議決権者が選択するものにより議決権を行使する方法。 この場合において、前号の期間の末日は、第一号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。 3 裁判所は、議決権行使の方法として前項第二号又は第三号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第二号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、当該通知をすることを要しない。 (債権者集会の期日を開く場合における議決権の額の定め方等) 第百四十条 裁判所が議決権行使の方法として前条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定によりその額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者、準別除権者又は停止条件付債権若しくは将来の請求権である破産債権を有する者(次項及び次条第一項第一号において「別除権者等」という。)を除く。) 確定した破産債権の額 二 次項本文の異議のない議決権を有する届出をした破産債権者 届出の額(別除権者又は準別除権者にあっては、第百十一条第二項第二号(同条第三項又は第百十四条において準用する場合を含む。)に掲げる額) 三 次項本文の異議のある議決権を有する届出をした破産債権者 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 届出をした破産債権者の前項の規定による議決権については、破産管財人又は届出をした破産債権者は、債権者集会の期日において、異議を述べることができる。 ただし、前節第四款の規定により破産債権の額が確定した届出をした破産債権者(別除権者等を除く。)の議決権については、この限りでない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項第三号の規定による定めを変更することができる。 (債権者集会の期日を開かない場合における議決権の額の定め方等) 第百四十一条 裁判所が議決権行使の方法として第百三十九条第二項第二号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定により破産債権の額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者等を除く。) 確定した破産債権の額 二 届出をした破産債権者(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第二号の規定による定めを変更することができる。 (破産債権者の議決権) 第百四十二条 破産債権者は、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権については、議決権を有しない。 2 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者及び第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、その弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (代理人による議決権行使) 第百四十三条 議決権者は、代理人をもってその議決権を行使することができる。 第二款 債権者委員会 (債権者委員会) 第百四十四条 裁判所は、破産債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、破産手続に関与することを承認することができる。 ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。 一 委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。 二 破産債権者の過半数が当該委員会が破産手続に関与することについて同意していると認められること。 三 当該委員会が破産債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、破産手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。 3 債権者委員会は、破産手続において、裁判所又は破産管財人に対して、意見を述べることができる。 4 債権者委員会に破産手続の円滑な進行に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した破産債権者の申立てにより、破産財団から当該破産債権者に対して相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。 この場合においては、当該費用の請求権は、財団債権とする。 5 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。 (債権者委員会の意見聴取) 第百四十五条 裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、破産管財人に対して、その旨を通知しなければならない。 2 破産管財人は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、破産財団に属する財産の管理及び処分に関する事項について、債権者委員会の意見を聴かなければならない。 (破産管財人の債権者委員会に対する報告義務) 第百四十六条 破産管財人は、第百五十三条第二項又は第百五十七条の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。 2 破産管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。 (破産管財人に対する報告命令) 第百四十七条 債権者委員会は、破産債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、破産管財人に破産財団に属する財産の管理及び処分に関し必要な事項について第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。 2 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、破産管財人に対し、第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。 第五章 財団債権 (財団債権となる請求権) 第百四十八条 次に掲げる請求権は、財団債権とする。 一 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 二 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権 三 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権及び第九十七条第五号に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から一年(その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの 四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権 五 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 六 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 七 第五十三条第一項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権 八 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(第五十三条第一項又は第二項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権 2 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、財団債権とする。 3 第百三条第二項及び第三項の規定は、第一項第七号及び前項に規定する財団債権について準用する。 この場合において、当該財団債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、当該債権の額は、当該債権が破産債権であるとした場合に第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる劣後的破産債権となるべき部分に相当する金額を控除した額とする。 4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 (使用人の給料等) 第百四十九条 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権とする。 2 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は、退職前三月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前三月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前三月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。 (社債管理者等の費用及び報酬) 第百五十条 社債管理者又は社債管理補助者が破産債権である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、破産手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の当該事務の処理に要する費用の請求権を財団債権とする旨の許可をすることができる。 2 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで破産債権である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が破産手続の円滑な進行に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 3 裁判所は、破産手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 4 前三項の規定による許可を得た請求権は、財団債権とする。 5 第一項から第三項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で破産債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。 一 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の受託会社 同項に規定する社債 二 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第五十四条の五に規定する社会医療法人債管理者又は同法第五十四条の五の二に規定する社会医療法人債管理補助者 同法第五十四条の二第一項に規定する社会医療法人債 三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の八に規定する投資法人債管理者又は同法第百三十九条の九の二第一項に規定する投資法人債管理補助者 同法第二条第十九項に規定する投資法人債 四 保険業法第六十一条の六に規定する社債管理者又は同法第六十一条の七の二に規定する社債管理補助者 相互会社が発行する社債 五 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百二十六条に規定する特定社債管理者又は同法第百二十七条の二第一項に規定する特定社債管理補助者 同法第二条第七項に規定する特定社債 (財団債権の取扱い) 第百五十一条 財団債権は、破産債権に先立って、弁済する。 (破産財団不足の場合の弁済方法等) 第百五十二条 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。 ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。 2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第百四十八条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。 第六章 破産財団の管理 第一節 破産者の財産状況の調査 (財産の価額の評定等) 第百五十三条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、破産財団に属する一切の財産につき、破産手続開始の時における価額を評定しなければならない。 この場合においては、破産者をその評定に立ち会わせることができる。 2 破産管財人は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに破産手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。 3 破産財団に属する財産の総額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合には、前項の規定にかかわらず、破産管財人は、裁判所の許可を得て、同項の貸借対照表の作成及び提出をしないことができる。 (別除権の目的の提示等) 第百五十四条 破産管財人は、別除権者に対し、当該別除権の目的である財産の提示を求めることができる。 2 破産管財人が前項の財産の評価をしようとするときは、別除権者は、これを拒むことができない。 (封印及び帳簿の閉鎖) 第百五十五条 破産管財人は、必要があると認めるときは、裁判所書記官、執行官又は公証人に、破産財団に属する財産に封印をさせ、又はその封印を除去させることができる。 2 裁判所書記官は、必要があると認めるときは、破産管財人の申出により、破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。 (破産財団に属する財産の引渡し) 第百五十六条 裁判所は、破産管財人の申立てにより、決定で、破産者に対し、破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の決定をする場合には、破産者を審尋しなければならない。 3 第一項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (裁判所への報告) 第百五十七条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。 一 破産手続開始に至った事情 二 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 三 第百七十七条第一項の規定による保全処分又は第百七十八条第一項に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無 四 その他破産手続に関し必要な事項 2 破産管財人は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 (財産状況報告集会への報告) 第百五十八条 財産状況報告集会においては、破産管財人は、前条第一項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。 (債権者集会への報告) 第百五十九条 破産管財人は、債権者集会がその決議で定めるところにより、破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない。 第二節 否認権 (破産債権者を害する行為の否認) 第百六十条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 二 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。 3 破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 (相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 第百六十一条 破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。 二 破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。 2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 一 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者 二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者 三 破産者の親族又は同居者 (特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 第百六十二条 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。 二 破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。 ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合 二 前項第一号に掲げる行為が破産者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合 3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。 (手形債務支払の場合等の例外) 第百六十三条 前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。 2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。 3 前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。 (権利変動の対抗要件の否認) 第百六十四条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、破産手続開始後、破産財団のためにこれを否認することができる。 ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。 2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。 (執行行為の否認) 第百六十五条 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。 (支払の停止を要件とする否認の制限) 第百六十六条 破産手続開始の申立ての日から一年以上前にした行為(第百六十条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。 (否認権行使の効果) 第百六十七条 否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。 2 第百六十条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 (破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 第百六十八条 第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存しない場合 財団債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付によって生じた利益が破産財団中に現存しない場合 破産債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 三 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び破産債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 破産管財人は、第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により財団債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権の回復) 第百六十九条 第百六十二条第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。 (転得者に対する否認権) 第百七十条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。 ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。 一 転得者が転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知っていたとき。 二 転得者が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。 ただし、転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。 (破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 第百七十条の二 破産者がした第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百六十八条第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 ただし、同項第一号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、財団債権者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第百六十八条第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。 5 破産管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百六十七条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により財団債権となる額(第百六十八条第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権に関する転得者の権利) 第百七十条の三 破産者がした第百六十二条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百六十九条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。 この場合には、前条第四項の規定を準用する。 (否認権のための保全処分) 第百七十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。 3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 前各項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 第百七十二条 前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。 2 破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。 3 破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。 4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。 (否認権の行使) 第百七十三条 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。 2 前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。 (否認の請求) 第百七十四条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。 3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。 4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 第百七十五条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。 4 第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。 同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。 5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 6 第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。 (否認権行使の期間) 第百七十六条 否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。 否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。 第三節 法人の役員の責任の追及等 (役員の財産に対する保全処分) 第百七十七条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 3 裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (役員の責任の査定の申立て等) 第百七十八条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 3 裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 4 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 5 役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。 (役員責任査定決定等) 第百七十九条 役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。 2 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。 3 役員責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (役員責任査定決定に対する異議の訴え) 第百八十条 役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 (役員責任査定決定の効力) 第百八十一条 前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (社員の出資責任) 第百八十二条 会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。 (匿名組合員の出資責任) 第百八十三条 匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。 第七章 破産財団の換価 第一節 通則 (換価の方法) 第百八十四条 第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。 2 破産管財人は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。 (別除権者が処分をすべき期間の指定) 第百八十五条 別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、破産管財人の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 別除権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 3 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第二節 担保権の消滅 (担保権消滅の許可の申立て) 第百八十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。 ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。 一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額 二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額 2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。 3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。 一 担保権の目的である財産の表示 二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称 四 消滅すべき担保権の表示 五 前号の担保権によって担保される債権の額 六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 七 前項の規定による協議の内容及びその経過 4 申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。 5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (担保権の実行の申立て) 第百八十七条 被申立担保権者は、前条第一項の申立てにつき異議があるときは、同条第五項の規定によりすべての被申立担保権者に申立書及び同条第四項の書面の送達がされた日から一月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができる。 2 裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。 3 破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条第一項第二号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。 4 被申立担保権者は、第一項の期間(第二項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第百九十条第六項の規定により第百八十九条第一項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。 5 第一項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面は提出されなかったものとみなす。 民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条又は同法第百九十二条において準用する同法第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。 6 第百八十九条第一項の不許可の決定が確定した後に、第一項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条第一項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第一項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出することができない。 (買受けの申出) 第百八十八条 被申立担保権者は、第百八十六条第一項の申立てにつき異議があるときは、前条第一項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第百八十六条第三項第一号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。 2 買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。 一 第百八十六条第三項第一号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称 二 破産管財人が第百八十六条第三項第一号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。) 三 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額 3 買受けの申出の額は、申立書に記載された第百八十六条第三項第二号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。 4 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、第二項第三号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第三項第二号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。 5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 6 前条第三項の規定は、買受けの申出について準用する。 7 買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第一項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。 8 破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条第一項の期間が経過した後、裁判所に対し、第百八十六条第三項第一号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。 この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。 9 前項の場合においては、破産管財人は、前条第一項の期間内にされた買受けの申出に係る第二項の書面を裁判所に提出しなければならない。 10 買受けの申出があったときは、破産管財人は、第百八十六条第一項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条第一項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第二項に規定する買受人)の同意を得なければならない。 (担保権消滅の許可の決定等) 第百八十九条 裁判所は、被申立担保権者が第百八十七条第一項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第百八十六条第一項の許可の決定をしなければならない。 一 前条第八項に規定する届出がされなかった場合 第百八十六条第三項第三号の売却の相手方 二 前条第八項に規定する届出がされた場合 同項に規定する買受希望者 2 前項第二号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第百八十六条第四項の書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。 この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。 3 第百八十六条第一項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第一項第二号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。 4 第百八十六条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第百八十六条第一項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (金銭の納付等) 第百九十条 前条第一項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。 一 前条第一項第一号に掲げる場合 第百八十六条第一項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額 二 前条第一項第二号に掲げる場合 同条第二項後段に規定する売得金の額から第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額 2 前項第二号の規定による金銭の納付があったときは、第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。 3 前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。 4 被申立担保権者の有する担保権は、第一項第一号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第二号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。 5 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 6 第一項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第一項の許可の決定を取り消さなければならない。 7 前項の場合には、買受人は、第二項の保証の返還を請求することができない。 (配当等の実施) 第百九十一条 裁判所は、前条第四項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る配当表に基づいて、その配当を実施しなければならない。 2 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条第四項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。 3 民事執行法第八十五条及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。 第三節 商事留置権の消滅 第百九十二条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が第三十六条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。 2 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。 3 第一項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。 4 前項の許可があった場合における第二項に規定する弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。 5 前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。 第八章 配当 第一節 通則 (配当の方法等) 第百九十三条 破産債権者は、この章の定めるところに従い、破産財団から、配当を受けることができる。 2 破産債権者は、破産管財人がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。 ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。 3 破産管財人は、配当をしたときは、その配当をした金額を破産債権者表に記載しなければならない。 (配当の順位等) 第百九十四条 配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第一号の優先的破産債権間においては第九十八条第二項に規定する優先順位による。 一 優先的破産債権 二 前号、次号及び第四号に掲げるもの以外の破産債権 三 劣後的破産債権 四 約定劣後破産債権 2 同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。 第二節 最後配当 (最後配当) 第百九十五条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。 2 破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。 3 裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。 (配当表) 第百九十六条 破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 一 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 二 最後配当の手続に参加することができる債権の額 三 最後配当をすることができる金額 2 前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。 3 破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。 4 前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。 (配当の公告等) 第百九十七条 破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (破産債権の除斥等) 第百九十八条 異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。 2 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 3 別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。 4 第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。 5 第三項の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表の更正) 第百九十九条 次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。 一 破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 二 前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 三 前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 2 前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表に対する異議) 第二百条 届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。 3 第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。 4 第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (配当額の定め及び通知) 第二百一条 破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 2 破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。 3 解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 4 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 5 第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。 この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 6 次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。 7 破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 (配当額の供託) 第二百二条 破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額 三 破産債権者が受け取らない配当額 (破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い) 第二百三条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 第三節 簡易配当 (簡易配当) 第二百四条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。 一 配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。 二 裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。 2 破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 4 第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (準用) 第二百五条 簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。 (簡易配当の許可の取消し) 第二百六条 破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。 この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。 (適用除外) 第二百七条 第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。 第四節 同意配当 第二百八条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「同意配当」という。)をすることを許可することができる。 この場合において、破産管財人の申立ては、届出をした破産債権者の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。 2 前項の規定による許可があった場合には、破産管財人は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の届出をした破産債権者に対して同意配当をすることができる。 3 同意配当については、第百九十六条第一項及び第二項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百八条第一項の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。 第五節 中間配当 (中間配当) 第二百九条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この節において「中間配当」という。)をすることができる。 2 破産管財人は、中間配当をするには、裁判所の許可を得なければならない。 3 中間配当については、第百九十六条第一項及び第二項、第百九十七条、第百九十八条第一項、第百九十九条第一項第一号及び第二号、第二百条、第二百一条第四項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百九条第二項の規定による許可」と、第百九十九条第一項各号及び第二百条第一項中「最後配当に関する除斥期間」とあるのは「第二百十条第一項に規定する中間配当に関する除斥期間」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額」とあるのは「第二百十一条の規定による配当率」と読み替えるものとする。 (別除権者の除斥等) 第二百十条 別除権者は、中間配当の手続に参加するには、前条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する期間(以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。)に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。 2 前項の規定は、準別除権者について準用する。 3 破産管財人は、第一項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき中間配当に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。 (配当率の定め及び通知) 第二百十一条 破産管財人は、第二百九条第三項において準用する第二百条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間配当の手続に参加することができる破産債権者に通知しなければならない。 (解除条件付債権の取扱い) 第二百十二条 解除条件付債権である破産債権については、相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。 2 前項の破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。 (除斥された破産債権等の後の配当における取扱い) 第二百十三条 第二百九条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する事項につき証明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった破産債権について、当該破産債権を有する破産債権者が最後配当に関する除斥期間又はその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明をしたときは、その中間配当において受けることができた額について、当該最後配当又はその中間配当の後に行われることがある中間配当において、他の同順位の破産債権者に先立って配当を受けることができる。 第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明又は疎明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった別除権者(準別除権者を含む。)がその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明及び疎明をしたときも、同様とする。 (配当額の寄託) 第二百十四条 中間配当を行おうとする破産管財人は、次に掲げる破産債権に対する配当額を寄託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって、第二百二条第一号に規定する手続が係属しているもの 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって、第二百十一条の規定による配当率の通知を発した時に第二百二条第二号に規定する手続が終了していないもの 三 中間配当に関する除斥期間内に第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による証明及び疎明があった債権のうち、当該疎明があった額に係る部分 四 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権 五 解除条件付債権である破産債権であって、第二百十二条第一項の規定による担保が供されていないもの 六 第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者が有する破産債権 2 前項第一号又は第二号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、第二百二条第一号又は第二号の規定により当該破産債権に対する配当額を供託するときは、破産管財人は、その寄託した配当額をこれを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 3 第一項第三号又は第四号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権を有する破産債権者又は別除権者(準別除権者を含む。)が第百九十八条第二項の規定に適合しなかったこと又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明をしなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかったときは、破産管財人は、その寄託した配当額の最後配当を他の破産債権者に対してしなければならない。 4 第一項第五号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権の条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、破産管財人は、その寄託した配当額を当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 5 第一項第六号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合における第二百一条第五項の規定の適用については、同項中「その定めた配当額が同号に」とあるのは「その定めた配当額及び破産管財人が第二百十四条第一項第六号の規定により寄託した同号に掲げる破産債権に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に」と、「当該配当額」とあるのは「当該合計額」とする。 第六節 追加配当 第二百十五条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した後(簡易配当にあっては第二百五条において準用する第二百条第一項に規定する期間を経過した後、同意配当にあっては第二百八条第一項の規定による許可があった後)、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたときは、破産管財人は、裁判所の許可を得て、最後配当、簡易配当又は同意配当とは別に、届出をした破産債権者に対し、この条の規定による配当(以下この条において「追加配当」という。)をしなければならない。 破産手続終結の決定があった後であっても、同様とする。 2 追加配当については、第二百一条第四項及び第五項、第二百二条並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第二百一条第五項中「第一項の規定」とあるのは「第二百十五条第四項の規定」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項」とあるのは「第二百十五条第五項」と読み替えるものとする。 3 追加配当は、最後配当、簡易配当又は同意配当について作成した配当表によってする。 4 破産管財人は、第一項の規定による許可があったときは、遅滞なく、追加配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 5 破産管財人は、前項の規定により定めた配当額を、追加配当の手続に参加することができる破産債権者(第二項において読み替えて準用する第二百一条第五項の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 6 追加配当をした場合には、破産管財人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 7 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、当該計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人がしなければならない。 第九章 破産手続の終了 (破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 2 前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 3 裁判所は、第一項の規定により破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨 4 第一項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第三十一条及び第三十二条の規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。 (破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定) 第二百十七条 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。 2 前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができる。 この場合においては、当該意見の聴取を目的とする第百三十五条第一項第二号又は第三号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。 3 前二項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 4 裁判所は、第一項の規定による破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項の申立てを棄却する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 第一項の規定による破産手続廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 7 第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 8 第一項の規定による破産手続廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十八条 裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 一 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 二 前号の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。 ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について同項第一号及び第二号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。 この場合における同項第一号及び第二号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「届出をした破産債権者」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。 3 裁判所は、第一項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 4 届出をした破産債権者は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 5 前条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定について準用する。 この場合において、同条第五項中「破産管財人」とあるのは、「破産者」と読み替えるものとする。 (破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十九条 法人である破産者が前条第一項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。 (破産手続終結の決定) 第二百二十条 裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第八十八条第四項の債権者集会が終結したとき、又は第八十九条第二項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 (破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力) 第二百二十一条 第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。 この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる。 2 前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。 第十章 相続財産の破産等に関する特則 第一節 相続財産の破産 (相続財産に関する破産事件の管轄) 第二百二十二条 相続財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、被相続人の相続開始の時の住所又は相続財産に属する財産が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 相続財産に関する破産事件は、被相続人の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、相続財産に関する破産事件は、相続財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 相続財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、相続財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (相続財産の破産手続開始の原因) 第二百二十三条 相続財産に対する第三十条第一項の規定の適用については、同項中「破産手続開始の原因となる事実があると認めるとき」とあるのは、「相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百二十四条 相続財産については、相続債権者又は受遺者のほか、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者(相続財産の管理に必要な行為をする権利を有する遺言執行者に限る。以下この節において同じ。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が相続財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 相続債権者又は受遺者 その有する債権の存在及び当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 二 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者 当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 (破産手続開始の申立期間) 第二百二十五条 相続財産については、民法第九百四十一条第一項の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、破産手続開始の申立てをすることができる。 ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が完了するまでの間も、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の決定前の相続の開始) 第二百二十六条 裁判所は、破産手続開始の申立て後破産手続開始の決定前に債務者について相続が開始したときは、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者の申立てにより、当該相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることができる。 2 前項に規定する続行の申立ては、相続が開始した後一月以内にしなければならない。 3 第一項に規定する破産手続は、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがなかった場合はその期間が経過した時に、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがあった場合で当該申立てを却下する裁判が確定したときはその時に、それぞれ終了する。 4 第一項に規定する続行の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 (破産手続開始の決定後の相続の開始) 第二百二十七条 裁判所は、破産手続開始の決定後に破産者について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百二十八条 相続財産についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (破産財団の範囲) 第二百二十九条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 この場合においては、被相続人が相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 2 相続人が相続財産の全部又は一部を処分した後に相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人が反対給付について有する権利は、破産財団に属する。 3 前項に規定する場合において、相続人が既に同項の反対給付を受けているときは、相続人は、当該反対給付を破産財団に返還しなければならない。 ただし、相続人が当該反対給付を受けた当時、破産手続開始の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは、その現に受けている利益を返還すれば足りる。 (相続人等の説明義務等) 第二百三十条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 被相続人の代理人であった者 二 相続人及びその代理人 三 相続財産の管理人、相続財産の清算人及び遺言執行者 2 前項の規定は、同項第二号又は第三号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、相続財産について破産手続開始の決定があった場合における相続人並びにその法定代理人及び支配人について準用する。 (相続債権者及び受遺者の地位) 第二百三十一条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続債権者の債権は、受遺者の債権に優先する。 (相続人の地位) 第二百三十二条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続人が被相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 この場合においては、相続人は、被相続人に対して有していた債権について、相続債権者と同一の権利を有する。 2 前項に規定する場合において、相続人が相続債権者に対して自己の固有財産をもって弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、相続人は、その出えんの額の範囲内において、当該相続債権者が被相続人に対して有していた権利を行使することができる。 (相続人の債権者の地位) 第二百三十三条 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係) 第二百三十四条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 (受遺者に対する担保の供与等の否認) 第二百三十五条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する破産債権者を害するときは、当該行為を否認することができる。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項の行為が同項の規定により否認された場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「破産債権者を害すること」とあるのは、「第二百三十五条第一項の破産債権者を害すること」と読み替えるものとする。 (否認後の残余財産の分配等) 第二百三十六条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、破産管財人は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百三十七条 相続財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、相続人がする。 2 相続人が数人あるときは、前項の申立ては、各相続人がすることができる。 第二節 相続人の破産 (破産者の単純承認又は相続放棄の効力等) 第二百三十八条 破産手続開始の決定前に破産者のために相続の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 2 破産管財人は、前項後段の規定にかかわらず、相続の放棄の効力を認めることができる。 この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から三月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百三十九条 相続人についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (相続債権者、受遺者及び相続人の債権者の地位) 第二百四十条 相続人について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の破産財団については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。 3 第二百二十五条に規定する期間内にされた破産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。 4 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、破産債権者としてその権利を行使することができない。 第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。 (限定承認又は財産分離の手続において相続債権者等が受けた弁済) 第二百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があった後に、限定承認又は財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 相続人の債権者が、相続人について破産手続開始の決定があった後に、財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合も、同様とする。 2 前項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済(相続人が数人ある場合には、当該破産手続開始の決定を受けた相続人の相続分に応じた部分に限る。次項において同じ。)と同一の割合の配当を受けるまでは、破産手続により、配当を受けることができない。 3 第一項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、前項の弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (限定承認又は財産分離等の後の相続財産の管理及び処分等) 第二百四十二条 相続人について破産手続開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、破産管財人は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。 限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。 2 破産管財人が前項の規定による相続財産の管理及び処分を終えた場合において、残余財産があるときは、その残余財産のうち当該相続人に帰属すべき部分は、当該相続人の固有財産とみなす。 この場合において、破産管財人は、その残余財産について、破産財団の財産目録及び貸借対照表を補充しなければならない。 3 第一項前段及び前項の規定は、第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有する場合及び第二百四十条第三項の場合について準用する。 第三節 受遺者の破産 (包括受遺者の破産) 第二百四十三条 前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 (特定遺贈の承認又は放棄) 第二百四十四条 破産手続開始の決定前に破産者のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。 2 民法第九百八十七条の規定は、前項の場合について準用する。 第十章の二 信託財産の破産に関する特則 (信託財産に関する破産事件の管轄) 第二百四十四条の二 信託財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 信託財産に関する破産事件は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、信託財産に関する破産事件は、信託財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 信託財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、信託財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (信託財産の破産手続開始の原因) 第二百四十四条の三 信託財産に対する第十五条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百四十四条の四 信託財産については、信託債権(信託法第二十一条第二項第二号に規定する信託債権をいう。次項第一号及び第二百四十四条の七において同じ。)を有する者又は受益者のほか、受託者又は信託財産管理者、信託財産法人管理人若しくは同法第百七十条第一項の管理人(以下「受託者等」と総称する。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が信託財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 信託債権を有する者又は受益者 その有する信託債権又は受益債権の存在及び当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 二 受託者等 当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 3 前項第二号の規定は、受託者等が一人であるとき、又は受託者等が数人ある場合において受託者等の全員が破産手続開始の申立てをしたときは、適用しない。 4 信託財産については、信託が終了した後であっても、残余財産の給付が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産財団の範囲) 第二百四十四条の五 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 (受託者等の説明義務等) 第二百四十四条の六 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 受託者等 二 会計監査人(信託法第二百四十八条第一項又は第二項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。) 2 前項の規定は、同項各号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等(個人である受託者等に限る。)について準用する。 4 第四十一条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等について準用する。 (信託債権者及び受益者の地位) 第二百四十四条の七 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、信託債権は、受益債権に優先する。 3 受益債権と約定劣後破産債権は、同順位とする。 ただし、信託行為の定めにより、約定劣後破産債権が受益債権に優先するものとすることができる。 (受託者の地位) 第二百四十四条の八 信託法第四十九条第一項(同法第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての破産手続との関係においては、金銭債権とみなす。 (固有財産等責任負担債務に係る債権者の地位) 第二百四十四条の九 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第二十二条第一項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係等) 第二百四十四条の十 信託財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、受託者等が信託財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 2 前項に規定する場合における第百六十一条第一項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 3 第一項に規定する場合における第百六十二条第一項第一号の規定の適用については、債権者が受託者等又は会計監査人であるときは、その債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 4 第一項に規定する場合における第百六十八条第二項及び第百七十条の二第二項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等がこれらの規定に規定する隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 (破産管財人の権限) 第二百四十四条の十一 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、破産管財人がする。 一 信託法第二十七条第一項又は第二項の規定による取消権の行使 二 信託法第三十一条第五項の規定による追認 三 信託法第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権の行使 四 信託法第三十二条第四項の規定による権利の行使 五 信託法第四十条又は第四十一条の規定による責任の追及 六 信託法第四十二条(同法第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除 七 信託法第二百二十六条第一項、第二百二十八条第一項又は第二百五十四条第一項の規定による責任の追及 2 前項の規定は、保全管理人について準用する。 3 第百七十七条の規定は信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等又は会計監査人の財産に対する保全処分について、第百七十八条から第百八十一条までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。 (保全管理命令) 第二百四十四条の十二 信託財産について破産手続開始の申立てがあった場合における第三章第二節の規定の適用については、第九十一条第一項中「債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産」とあり、並びに同項、第九十三条第一項及び第九十六条第二項中「債務者の財産」とあるのは、「信託財産に属する財産」とする。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百四十四条の十三 信託財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、受託者等がする。 2 受託者等が数人あるときは、前項の申立ては、各受託者等がすることができる。 3 信託財産の破産について第一項の申立てをするには、信託の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該信託を継続する手続をしなければならない。 第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則 (外国管財人との協力) 第二百四十五条 破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下この章において同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。 (外国管財人の権限等) 第二百四十六条 外国管財人は、債務者について破産手続開始の申立てをすることができる。 2 外国管財人は、前項の申立てをするときは、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 外国管財人は、破産者の破産手続において、債権者集会の期日に出席し、意見を述べることができる。 4 第一項の規定により外国管財人が破産手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、破産手続開始の決定があったときは第三十二条第一項の規定により公告すべき事項を、同項第二号又は第三号に掲げる事項に変更を生じたときはその旨を、破産手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。 (相互の手続参加) 第二百四十七条 外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる。 ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。 2 破産管財人は、届出をした破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。 3 破産管財人は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した破産債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。 ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。 第十二章 免責手続及び復権 第一節 免責手続 (免責許可の申立て) 第二百四十八条 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。 2 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる。 3 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 4 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。 ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。 5 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第二十条第二項の債権者一覧表を第三項本文の債権者名簿とみなす。 6 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第二百十八条第一項の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。 7 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。 一 第二百十八条第一項の申立て 当該申立ての棄却の決定 二 再生手続開始の申立て 当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定 (強制執行の禁止等) 第二百四十九条 免責許可の申立てがあり、かつ、第二百十六条第一項の規定による破産手続廃止の決定、第二百十七条第一項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第二百二十条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「破産債権に基づく強制執行等」という。)、破産債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。)はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分で破産者の財産に対して既にされているもの並びに破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 2 免責許可の決定が確定したときは、前項の規定により中止した破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分並びに破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。 3 第一項の場合において、次の各号に掲げる破産債権については、それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 一 第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権 免責許可の申立てについての決定 二 前号に掲げる請求権以外の破産債権 免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定 (免責についての調査及び報告) 第二百五十条 裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を書面で報告させることができる。 2 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。 (免責についての意見申述) 第二百五十一条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第三項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。 3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。 (免責許可の決定の要件等) 第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。 二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。 三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。 四 浪費又は 賭 と 博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。 五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。 六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。 七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。 八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。 九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。 十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。 イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日 ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日 ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日 十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。 2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 3 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 4 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (免責許可の決定の効力等) 第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。) 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。) 四 次に掲げる義務に係る請求権 イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務 ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務 ハ 民法第七百六十六条及び第七百六十六条の三(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務 ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務 ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。) 七 罰金等の請求権 2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。 3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (免責取消しの決定) 第二百五十四条 第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。 2 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び申立人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 3 第一項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。 6 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 7 前条第三項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。 第二節 復権 (復権) 第二百五十五条 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。 次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。 一 免責許可の決定が確定したとき。 二 第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。 三 再生計画認可の決定が確定したとき。 四 破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。 2 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。 3 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第一項第一号又は第三号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。 (復権の決定) 第二百五十六条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 3 破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 4 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に、その主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第十三章 雑則 (法人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十七条 法人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 2 前項の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 3 第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 4 第一項の債務者について保全管理命令が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。 5 前項の登記には、保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 6 第四項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 7 第一項の規定は、同項の破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 8 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 (個人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。 一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。 二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。 2 前項の規定は、当該破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 3 裁判所書記官は、第一項第二号の規定により破産手続開始の登記がされた権利について、第三十四条第四項の決定により破産財団に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 4 第一項第二号(第二項において準用する場合を含む。)及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 5 第一項第二号の規定は、信託財産について保全管理命令があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。 (保全処分に関する登記の嘱託) 第二百五十九条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 債務者の財産に属する権利で登記されたものに関し第二十八条第一項(第三十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第百七十一条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第一項若しくは第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (否認の登記) 第二百六十条 登記の原因である行為が否認されたときは、破産管財人は、否認の登記を申請しなければならない。 登記が否認されたときも、同様とする。 2 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。 一 当該否認の登記 二 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記 三 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記 3 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(破産手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の破産者への移転の登記をしなければならない。 4 裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、破産者について、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人が、第二項第二号に掲げる登記に係る権利を放棄し、否認の登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 (非課税) 第二百六十一条 第二百五十七条から前条までの規定による登記については、登録免許税を課さない。 (登録のある権利への準用) 第二百六十二条 第二百五十八条第一項第二号及び同条第二項において準用する同号(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)、同条第三項(同条第四項において同条第三項後段の規定を準用する場合を含む。)並びに前三条の規定は、登録のある権利について準用する。 (責任制限手続の廃止による破産手続の中止) 第二百六十三条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。 (責任制限手続の廃止の場合の措置) 第二百六十四条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により定めた期間又は期日を公告しなければならない。 3 知れている制限債権者には、第三十二条第一項第一号及び第二号並びに前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 4 破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者には、第二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間又は期日(当該期間又は期日に変更があった場合にあっては、変更後の期間又は期日)が第三十一条第一項第三号の規定により定めた期間又は期日と同一であるときは、届出をした破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 前三項の規定は第一項の規定により定めた債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について、第百十八条第三項から第五項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間を変更する決定があった場合について、第百二十一条第九項から第十一項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期日を変更する決定があった場合又は当該期日における債権の調査の延期若しくは続行の決定があった場合について準用する。 この場合において、第百十八条第三項及び第百二十一条第九項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者(第二百六十四条第一項の規定により定められた債権の届出をすべき期間の経過前にあっては、知れている制限債権者)、破産管財人」と、同条第十項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者、破産管財人」と読み替えるものとする。 6 第三十一条第二項及び第三項の規定は、第一項に規定する期間及び期日について準用する。 第十四章 罰則 (詐欺破産罪) 第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。 一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為 二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為 三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為 四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為 2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。 (特定の債権者に対する担保の供与等の罪) 第二百六十六条 債務者(相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。)が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等の特別背任罪) 第二百六十七条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 破産管財人又は保全管理人が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う役員又は職員に適用する。 (説明及び検査の拒絶等の罪) 第二百六十八条 第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。 2 第四十条第一項第二号から第五号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者、第二百三十条第一項各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第二号若しくは第三号に掲げる者(相続人を除く。)であった者又は第二百四十四条の六第一項各号に掲げる者若しくは同項各号に掲げる者であった者(以下この項において「説明義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第四項において「代表者等」という。)が、その説明義務者の業務に関し、第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。 説明義務者の代表者等が、その説明義務者の業務に関し、第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする。 3 破産者が第八十三条第一項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、相続財産について破産手続開始の決定があった場合において第二百三十条第一項第二号若しくは第三号に掲げる者が第八十三条第一項の規定による検査を拒んだとき又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合において受託者等が同項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 4 第八十三条第二項に規定する破産者の子会社等(同条第三項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第二項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は第八十三条第二項の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 (重要財産開示拒絶等の罪) 第二百六十九条 破産者(信託財産の破産にあっては、受託者等)が第四十一条(第二百四十四条の六第四項において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪) 第二百七十条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第百五十五条第二項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。 (審尋における説明拒絶等の罪) 第二百七十一条 債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等に対する職務妨害の罪) 第二百七十二条 偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (収賄罪) 第二百七十三条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。 4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 5 破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第百三十九条第二項第二号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 6 前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (贈賄罪) 第二百七十四条 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産者等に対する面会強請等の罪) 第二百七十五条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (国外犯) 第二百七十六条 第二百六十五条、第二百六十六条、第二百七十条、第二百七十二条及び第二百七十四条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 2 第二百六十七条及び第二百七十三条(第五項を除く。)の罪は、刑法第四条の例に従う。 3 第二百七十三条第五項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。 (両罰規定) 第二百七十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条(第一項を除く。)、第二百六十九条から第二百七十二条まで、第二百七十四条又は第二百七十五条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第七十五号
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破産法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。 2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。 3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。 4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。 5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。 6 この法律において「破産債権者」とは、破産債権を有する債権者をいう。 7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。 8 この法律において「財団債権者」とは、財団債権を有する債権者をいう。 9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。 10 この法律において「別除権者」とは、別除権を有する者をいう。 11 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。 12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。 13 この法律において「保全管理人」とは、第九十一条第一項の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。 14 この法律において「破産財団」とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。 (外国人の地位) 第三条 外国人又は外国法人は、破産手続、第十二章第一節の規定による免責手続(以下「免責手続」という。)及び同章第二節の規定による復権の手続(以下この章において「破産手続等」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。 (破産事件の管轄) 第四条 この法律の規定による破産手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。 2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。 第五条 破産事件は、債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 2 前項の規定による管轄裁判所がないときは、破産事件は、債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第八十三条第二項第二号及び第三項並びに第百六十一条第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「破産事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての破産手続開始の申立ては、親法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について破産事件等が係属しているときにおける親法人についての破産手続開始の申立ては、子株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 4 子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について破産事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての破産手続開始の申立ては、当該株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について破産事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての破産手続開始の申立ては、当該他の法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 6 第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について破産事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての破産手続開始の申立ては、当該法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について破産事件又は再生事件が係属している場合における当該法人についての破産手続開始の申立ては、当該法人の代表者の破産事件又は再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 7 第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について破産事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての破産手続開始の申立ては、当該破産事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 一 相互に連帯債務者の関係にある個人 二 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人 三 夫婦 8 第一項及び第二項の規定にかかわらず、破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 9 第一項及び第二項の規定にかかわらず、前項に規定する債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 10 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (専属管轄) 第六条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。 (破産事件の移送) 第七条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件(破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件)を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。 一 債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所 二 債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所 三 第五条第二項に規定する地方裁判所 四 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所 イ 第五条第三項から第七項までに規定する地方裁判所 ロ 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者。ハにおいて同じ。)の数が五百人以上であるときは、第五条第八項に規定する地方裁判所 ハ ロに規定する債権者の数が千人以上であるときは、第五条第九項に規定する地方裁判所 五 第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に破産事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所 (任意的口頭弁論等) 第八条 破産手続等に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 裁判所は、職権で、破産手続等に係る事件に関して必要な調査をすることができる。 (期日の呼出し) 第八条の二 破産手続等における期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。 2 呼出状の送達及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない者に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。 ただし、その者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。 (公示送達の方法) 第八条の三 破産手続等における公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。 (電子情報処理組織による申立て等) 第八条の四 破産手続等における申立てその他の申述(以下この条において「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び第四項において同じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項及び第三項において同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。 2 前項の規定によりされた申立て等については、当該申立て等を書面等をもってするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。 3 第一項の規定によりされた申立て等は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。 4 第一項の場合において、当該申立て等に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。 5 第一項の規定によりされた申立て等が第三項に規定するファイルに記録されたときは、第一項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。 6 第一項の規定によりされた申立て等に係るこの法律その他の法令の規定による事件に関する文書等の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付は、前項の書面をもってするものとする。 当該申立て等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。 (裁判書) 第八条の五 破産手続等に関する裁判の裁判書を作成する場合には、当該裁判書には、当該裁判に係る主文、当事者及び法定代理人並びに裁判所を記載しなければならない。 2 前項の裁判書を送達する場合には、当該送達は、当該裁判書の正本によってする。 (不服申立て) 第九条 破産手続等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 (公告等) 第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。 5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。 (事件に関する文書の閲覧等) 第十一条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が破産手続開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 債務者以外の利害関係人 第二十四条第一項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令、第百七十一条第一項の規定による保全処分又は破産手続開始の申立てについての裁判 二 債務者 破産手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分若しくは裁判 (支障部分の閲覧等の制限) 第十二条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、破産財団(破産手続開始前にあっては、債務者の財産)の管理又は換価に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した破産管財人又は保全管理人の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者(その者が保全管理人である場合にあっては、保全管理人又は破産管財人。次項において同じ。)に限ることができる。 一 第三十六条、第四十条第一項ただし書若しくは同条第二項において準用する同条第一項ただし書(これらの規定を第九十六条第一項において準用する場合を含む。)、第七十八条第二項(第九十三条第三項において準用する場合を含む。)、第八十四条(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第九十三条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等 二 第百五十七条第二項の規定による報告に係る文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、破産裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 (民事訴訟法の準用) 第十三条 特別の定めがある場合を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定(同法第七十一条第二項、第九十一条の二、第九十二条第九項及び第十項、第九十二条の二第二項、第九十四条、第百条第二項、第一編第五章第四節第三款、第百十一条、第一編第七章、第百三十三条の二第五項及び第六項、第百三十三条の三第二項、第百五十一条第三項、第百六十条第二項、第百八十五条第三項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項並びに第二百三十二条の二の規定を除く。)を準用する。 この場合において、別表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第十四条 この法律に定めるもののほか、破産手続等に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二章 破産手続の開始 第一節 破産手続開始の申立て (破産手続開始の原因) 第十五条 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。 (法人の破産手続開始の原因) 第十六条 債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 2 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。 (破産手続開始の原因の推定) 第十七条 債務者についての外国で開始された手続で破産手続に相当するものがある場合には、当該債務者に破産手続開始の原因となる事実があるものと推定する。 (破産手続開始の申立て) 第十八条 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 (法人の破産手続開始の申立て) 第十九条 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 一 一般社団法人又は一般財団法人 理事 二 株式会社又は相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。第百五十条第六項第三号において同じ。) 取締役 三 合名会社、合資会社又は合同会社 業務を執行する社員 2 前項各号に掲げる法人については、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができる。 3 前二項の規定により第一項各号に掲げる法人について破産手続開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 4 前三項の規定は、第一項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。 5 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の申立ての方式) 第二十条 破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。 2 債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 (破産手続開始の申立書の審査) 第二十一条 前条第一項の書面(以下この条において「破産手続開始の申立書」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い破産手続開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。 2 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 裁判所は、第三項の異議の申立てがあった場合において、破産手続開始の申立書に第一項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。 6 第一項又は前項の場合において、破産手続開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。 7 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の予納) 第二十二条 破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 2 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の仮支弁) 第二十三条 裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。 職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。 2 前条第一項の規定は、前項前段の規定により破産手続の費用を仮に国庫から支弁する場合には、適用しない。 (他の手続の中止命令等) 第二十四条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる手続又は第六号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第五号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る。 一 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「強制執行等」という。)の手続で、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権若しくは財団債権となるべきもの(以下この項及び次条第八項において「破産債権等」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの 二 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続で、破産債権等に基づくもの 三 債務者の財産関係の訴訟手続 四 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続 五 債務者の責任制限手続(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第三章又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五章、同法第四十三条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第四十三条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条及び第五十四条を除く。)若しくは船舶油濁等損害賠償保障法第五十一条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第五十一条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条、第四節及び第五十四条を除く。)の規定による責任制限手続をいう。第二百六十三条及び第二百六十四条第一項において同じ。) 六 債務者の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第百三条第五項及び第二百五十三条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「外国租税滞納処分」という。)で、破産債権等に基づくもの 2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第一項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 4 第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令) 第二十五条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第一号又は第六号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。 ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第九十一条第二項に規定する保全管理命令をした場合に限る。 2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。 3 包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続及び外国租税滞納処分(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。 4 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第三項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 6 包括的禁止命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 8 包括的禁止命令が発せられたときは、破産債権等(当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等) 第二十六条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。 2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 前条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令の解除) 第二十七条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。 この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で第二十五条第三項の規定により中止されていたものは、続行する。 2 前項の規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。 3 第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (債務者の財産に関する保全処分) 第二十八条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 裁判所が第一項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、破産手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (破産手続開始の申立ての取下げの制限) 第二十九条 破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、第二十四条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、前条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は第百七十一条第一項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 第二節 破産手続開始の決定 (破産手続開始の決定) 第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。 二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。 (破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等) 第三十一条 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 破産債権の届出をすべき期間 二 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会(第四項、第百三十六条第二項及び第三項並びに第百五十八条において「財産状況報告集会」という。)の期日 三 破産債権の調査をするための期間(第百十六条第二項の場合にあっては、破産債権の調査をするための期日) 2 前項第一号及び第三号の規定にかかわらず、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第一号の期間並びに同項第三号の期間及び期日を定めないことができる。 3 前項の場合において、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めなければならない。 4 第一項第二号の規定にかかわらず、裁判所は、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、同号の期日を定めないことができる。 5 第一項の場合において、知れている破産債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第四項本文及び第五項本文において準用する同条第三項第一号、第三十三条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者(同項本文の場合にあっては、同項本文に規定する議決権者。次条第二項において同じ。)に対する通知をせず、かつ、第百十一条、第百十二条又は第百十四条の規定により破産債権の届出をした破産債権者(以下「届出をした破産債権者」という。)を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。 (破産手続開始の公告等) 第三十二条 裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産管財人の氏名又は名称 三 前条第一項の規定により定めた期間又は期日 四 破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者(第三項第二号において「財産所持者等」という。)は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨 五 第二百四条第一項第二号の規定による簡易配当をすることが相当と認められる場合にあっては、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し前条第一項第三号の期間の満了時又は同号の期日の終了時までに異議を述べるべき旨 2 前条第五項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第四項本文及び第五項本文において準用する次項第一号、次条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者に対する通知をせず、かつ、届出をした破産債権者を債権者集会の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。 3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 一 破産管財人、破産者及び知れている破産債権者 二 知れている財産所持者等 三 第九十一条第二項に規定する保全管理命令があった場合における保全管理人 四 労働組合等(破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第七十八条第四項及び第百三十六条第三項において同じ。) 4 第一項第三号及び前項第一号の規定は、前条第三項の規定により同条第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めた場合について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 第一項第二号並びに第三項第一号及び第二号の規定は第一項第二号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第一項第三号及び第三項第一号の規定は第一項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合(前条第一項第一号の期間又は同項第二号の期日に変更を生じた場合に限る。)について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 (抗告) 第三十三条 破産手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第二十四条から第二十八条までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。 3 破産手続開始の決定をした裁判所は、第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第三項各号(第三号を除く。)に掲げる者にその主文を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 第三節 破産手続開始の効果 第一款 通則 (破産財団の範囲) 第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。 一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭 二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。 ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。 4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。 5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。 6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (法人の存続の擬制) 第三十五条 他の法律の規定により破産手続開始の決定によって解散した法人又は解散した法人で破産手続開始の決定を受けたものは、破産手続による清算の目的の範囲内において、破産手続が終了するまで存続するものとみなす。 (破産者の事業の継続) 第三十六条 破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。 (破産者の居住に係る制限) 第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 (破産者の引致) 第三十八条 裁判所は、必要と認めるときは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前二項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による引致を命ずる決定に対しては、破産者又は債務者は、即時抗告をすることができる。 5 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)中 勾 こう 引に関する規定は、第一項及び第二項の規定による引致について準用する。 (破産者に準ずる者への準用) 第三十九条 前二条の規定は、破産者の法定代理人及び支配人並びに破産者の理事、取締役、執行役及びこれらに準ずる者について準用する。 (破産者等の説明義務) 第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 一 破産者 二 破産者の代理人 三 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人 四 前号に掲げる者に準ずる者 五 破産者の従業者(第二号に掲げる者を除く。) 2 前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。 (破産者の重要財産開示義務) 第四十一条 破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (他の手続の失効等) 第四十二条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。 2 前項に規定する場合には、同項に規定する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続並びに外国租税滞納処分で、破産財団に属する財産に対して既にされているものは、破産財団に対してはその効力を失う。 ただし、同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については、破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。 3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は、財団債権とする。 5 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては、破産管財人を被告とする。 6 破産手続開始の決定があったときは、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)又は第三者からの情報取得手続(同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)の申立てはすることができず、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続はその効力を失う。 (国税滞納処分等の取扱い) 第四十三条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。 2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。 3 破産手続開始の決定があったときは、破産手続が終了するまでの間は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。 免責許可の申立てがあった後当該申立てについての裁判が確定するまでの間(破産手続開始の決定前に免責許可の申立てがあった場合にあっては、破産手続開始の決定後当該申立てについての裁判が確定するまでの間)も、同様とする。 (破産財団に関する訴えの取扱い) 第四十四条 破産手続開始の決定があったときは、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち破産債権に関しないものを受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 破産手続が終了したときは、破産管財人を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 5 破産者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産者は、当然訴訟手続を受継する。 (債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の取扱い) 第四十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七又は第四百二十四条第一項の規定により破産債権者又は財団債権者の提起した訴訟が破産手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産債権者又は財団債権者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、中断する。 5 前項の場合には、破産債権者又は財団債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産債権者又は財団債権者は、当然訴訟手続を受継する。 (行政庁に係属する事件の取扱い) 第四十六条 第四十四条の規定は、破産財団に関する事件で行政庁に係属するものについて準用する。 第二款 破産手続開始の効果 (開始後の法律行為の効力) 第四十七条 破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。 (開始後の権利取得の効力) 第四十八条 破産手続開始後に破産財団に属する財産に関して破産者の法律行為によらないで権利を取得しても、その権利の取得は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 前条第二項の規定は、破産手続開始の日における前項の権利の取得について準用する。 (開始後の登記及び登録の効力) 第四十九条 不動産又は船舶に関し破産手続開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 ただし、登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。 2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。 (開始後の破産者に対する弁済の効力) 第五十条 破産手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。 2 破産手続開始後に、その事実を知って破産者にした弁済は、破産財団が受けた利益の限度においてのみ、破産手続の関係において、その効力を主張することができる。 (善意又は悪意の推定) 第五十一条 前二条の規定の適用については、第三十二条第一項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 (共有関係) 第五十二条 数人が共同して財産権を有する場合において、共有者の中に破産手続開始の決定を受けた者があるときは、その共有に係る財産の分割の請求は、共有者の間で分割をしない旨の定めがあるときでも、することができる。 2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って破産者の持分を取得することができる。 (双務契約) 第五十三条 双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 2 前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。 この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。 3 前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第六百三十一条前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第六百四十二条第一項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。 第五十四条 前条第一項又は第二項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。 (継続的給付を目的とする双務契約) 第五十五条 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。 2 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。 3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。 (賃貸借契約等) 第五十六条 第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。 (委任契約) 第五十七条 委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法第六百五十五条の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。 (市場の相場がある商品の取引に係る契約) 第五十八条 取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。 2 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。 3 第五十四条第一項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。 4 第一項又は第二項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。 5 第一項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第二項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。 (交互計算) 第五十九条 交互計算は、当事者の一方について破産手続が開始されたときは、終了する。 この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。 2 前項の規定による請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し、相手方が有するときは破産債権とする。 (為替手形の引受け又は支払等) 第六十条 為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。 3 第五十一条の規定は、前二項の規定の適用について準用する。 (夫婦財産関係における管理者の変更等) 第六十一条 民法第七百五十八条第二項及び第三項並びに第七百五十九条の規定は配偶者の財産を管理する者につき破産手続が開始された場合について、同法第八百三十五条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。 第三款 取戻権 (取戻権) 第六十二条 破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。 (運送中の物品の売主等の取戻権) 第六十三条 売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。 ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。 2 前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。 3 第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。 この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。 (代償的取戻権) 第六十四条 破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。 2 前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。 第四款 別除権 (別除権) 第六十五条 別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。 2 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。 (留置権の取扱い) 第六十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。 2 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。 3 第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。 第五款 相殺権 (相殺権) 第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。 2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。 破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。 (相殺に供することができる破産債権の額) 第六十八条 破産債権者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、第百三条第二項各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。 2 前項の規定にかかわらず、破産債権者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。 (解除条件付債権を有する者による相殺) 第六十九条 解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。 (停止条件付債権等を有する者による寄託の請求) 第七十条 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。 敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。 (相殺の禁止) 第七十一条 破産債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担したとき。 二 支払不能になった後に契約によって負担する債務を専ら破産債権をもってする相殺に供する目的で破産者の財産の処分を内容とする契約を破産者との間で締結し、又は破産者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより破産者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産債権者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第七十二条 破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 破産者に対して債務を負担する者と破産者との間の契約 (破産管財人の催告権) 第七十三条 破産管財人は、第三十一条第一項第三号の期間が経過した後又は同号の期日が終了した後は、第六十七条の規定により相殺をすることができる破産債権者に対し、一月以上の期間を定め、その期間内に当該破産債権をもって相殺をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、破産債権者の負担する債務が弁済期にあるときに限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、破産債権者が同項の規定により定めた期間内に確答をしないときは、当該破産債権者は、破産手続の関係においては、当該破産債権についての相殺の効力を主張することができない。 第三章 破産手続の機関 第一節 破産管財人 第一款 破産管財人の選任及び監督 (破産管財人の選任) 第七十四条 破産管財人は、裁判所が選任する。 2 法人は、破産管財人となることができる。 (破産管財人に対する監督等) 第七十五条 破産管財人は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。 この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。 (数人の破産管財人の職務執行) 第七十六条 破産管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (破産管財人代理) 第七十七条 破産管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。 2 前項の破産管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 第二款 破産管財人の権限等 (破産管財人の権限) 第七十八条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。 2 破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 二 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権(二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和六年法律第三十八号)第二条第八項に規定する試掘権をいう。)、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却 三 営業又は事業の譲渡 四 商品の一括売却 五 借財 六 第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄 七 動産の任意売却 八 債権又は有価証券の譲渡 九 第五十三条第一項の規定による履行の請求 十 訴えの提起 十一 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 十二 権利の放棄 十三 財団債権、取戻権又は別除権の承認 十四 別除権の目的である財産の受戻し 十五 その他裁判所の指定する行為 3 前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 4 裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。 5 第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。 (破産財団の管理) 第七十九条 破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第八十条 破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。 (郵便物等の管理) 第八十一条 裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。 2 裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。 3 破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 第八十二条 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。 (破産管財人による調査等) 第八十三条 破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 2 破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 一 破産者が株式会社である場合 破産者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。) 二 破産者が株式会社以外のものである場合 破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社 3 破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。 (破産管財人の職務の執行の確保) 第八十四条 破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。 (破産管財人の注意義務) 第八十五条 破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 (破産管財人の情報提供努力義務) 第八十六条 破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。 (破産管財人の報酬等) 第八十七条 破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。 (破産管財人の任務終了の場合の報告義務等) 第八十八条 破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。 2 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。 3 第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。 4 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 5 前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。 6 第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 第八十九条 前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。 この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。 3 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 4 第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 (任務終了の場合の財産の管理) 第九十条 破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 2 破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。 ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。 第二節 保全管理人 (保全管理命令) 第九十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 3 前二項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 4 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 (保全管理命令に関する公告及び送達) 第九十二条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 2 保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。 (保全管理人の権限) 第九十三条 保全管理命令が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 第七十八条第二項から第六項までの規定は、保全管理人について準用する。 (保全管理人の任務終了の場合の報告義務) 第九十四条 保全管理人の任務が終了した場合には、保全管理人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 2 前項の場合において、保全管理人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の保全管理人又は破産管財人がしなければならない。 (保全管理人代理) 第九十五条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。 2 前項の規定による保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (準用) 第九十六条 第四十条の規定は保全管理人の請求について、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第七十四条第二項、第七十五条、第七十六条、第七十九条、第八十条、第八十二条から第八十五条まで、第八十七条第一項及び第二項並びに第九十条第一項の規定は保全管理人について、第八十七条第一項及び第二項の規定は保全管理人代理について準用する。 この場合において、第五十一条中「第三十二条第一項の規定による公告」とあるのは「第九十二条第一項の規定による公告」と、第九十条第一項中「後任の破産管財人」とあるのは「後任の保全管理人、破産管財人」と読み替えるものとする。 2 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。 一 保全管理命令が発せられた場合 第四十四条第一項から第三項まで 二 保全管理命令が効力を失った場合(破産手続開始の決定があった場合を除く。) 第四十四条第四項から第六項まで 第四章 破産債権 第一節 破産債権者の権利 (破産債権に含まれる請求権) 第九十七条 次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は、破産債権に含まれるものとする。 一 破産手続開始後の利息の請求権 二 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 三 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 四 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの 五 加算税(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第四号に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 六 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(以下「罰金等の請求権」という。) 七 破産手続参加の費用の請求権 八 第五十四条第一項(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権 九 第五十七条に規定する債権 十 第五十九条第一項の規定による請求権であって、相手方の有するもの 十一 第六十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する債権 十二 第百六十八条第二項第二号又は第三号に定める権利 (優先的破産債権) 第九十八条 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。 2 前項の場合において、優先的破産債権間の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 3 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、破産手続開始の時からさかのぼって計算する。 (劣後的破産債権等) 第九十九条 次に掲げる債権(以下「劣後的破産債権」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。 一 第九十七条第一号から第七号までに掲げる請求権 二 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する破産手続開始の時における法定利率による利息の額に相当する部分 三 破産手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分 四 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき第二号の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が破産手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分 2 破産債権者と破産者との間において、破産手続開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権(以下「約定劣後破産債権」という。)は、劣後的破産債権に後れる。 (破産債権の行使) 第百条 破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる行為によって破産債権である租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)を行使する場合については、適用しない。 一 破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分 二 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当 (給料の請求権等の弁済の許可) 第百一条 優先的破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第百九十五条第一項に規定する最後配当、第二百四条第一項に規定する簡易配当、第二百八条第一項に規定する同意配当又は第二百九条第一項に規定する中間配当の許可があるまでの間、破産管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。 ただし、その弁済により財団債権又は他の先順位若しくは同順位の優先的破産債権を有する者の利益を害するおそれがないときに限る。 2 破産管財人は、前項の破産債権者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。 この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。 (破産管財人による相殺) 第百二条 破産管財人は、破産財団に属する債権をもって破産債権と相殺することが破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。 (破産債権者の手続参加) 第百三条 破産債権者は、その有する破産債権をもって破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、破産債権の額は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 一 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの ハ 金額又は存続期間が不確定である定期金債権 二 前号に掲げる債権以外の債権 債権額 3 破産債権が期限付債権でその期限が破産手続開始後に到来すべきものであるときは、その破産債権は、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす。 4 破産債権が破産手続開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも、当該破産債権者は、その破産債権をもって破産手続に参加することができる。 5 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって破産手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定をいう。第百三十四条第二項において同じ。)を得なければならない。 (全部の履行をする義務を負う者が数人ある場合等の手続参加) 第百四条 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。 3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。 ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。 4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。 5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する。 (保証人の破産の場合の手続参加) 第百五条 保証人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき無限の責任を負う者の破産の場合の手続参加) 第百六条 法人の債務につき無限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき有限の責任を負う者の破産の場合の手続参加等) 第百七条 法人の債務につき有限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続に参加することができない。 この場合においては、当該法人が出資の請求について破産手続に参加することを妨げない。 2 法人の債務につき有限の責任を負う者がある場合において、当該法人について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、当該法人の債務につき有限の責任を負う者に対してその権利を行使することができない。 (別除権者等の手続参加) 第百八条 別除権者は、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の額についてのみ、破産債権者としてその権利を行使することができる。 ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。 2 破産財団に属しない破産者の財産につき特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 (外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加) 第百九条 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 (代理委員) 第百十条 破産債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。 2 代理委員は、これを選任した破産債権者のために、破産手続に属する一切の行為をすることができる。 3 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。 ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可を取り消すことができる。 第二節 破産債権の届出 (破産債権の届出) 第百十一条 破産手続に参加しようとする破産債権者は、第三十一条第一項第一号又は第三項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 一 各破産債権の額及び原因 二 優先的破産債権であるときは、その旨 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは、その旨 四 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項 2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。 一 別除権の目的である財産 二 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 3 前項の規定は、第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を有する者(以下「準別除権者」という。)について準用する。 (一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等) 第百十二条 破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第三十一条第一項第三号の期間(以下「一般調査期間」という。)の経過又は同号の期日(以下「一般調査期日」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。 2 前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 3 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に生じた破産債権については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。 4 第一項及び第二項の規定は、破産債権者が、その責めに帰することができない事由によって、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。 (届出名義の変更) 第百十三条 届出をした破産債権を取得した者は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。 2 前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (租税等の請求権等の届出) 第百十四条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。 一 租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 二 罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 第三節 破産債権の調査及び確定 第一款 通則 (破産債権者表の作成等) 第百十五条 裁判所書記官は、届出があった破産債権について、破産債権者表を作成しなければならない。 2 前項の破産債権者表には、各破産債権について、第百十一条第一項第一号から第四号まで及び第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。 3 破産債権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。 (破産債権の調査の方法) 第百十六条 裁判所による破産債権の調査は、次款の規定により、破産管財人が作成した認否書並びに破産債権者及び破産者の書面による異議に基づいてする。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必要があると認めるときは、第三款の規定により、破産債権の調査を、そのための期日における破産管財人の認否並びに破産債権者及び破産者の異議に基づいてすることができる。 3 裁判所は、第百二十一条の規定による一般調査期日における破産債権の調査の後であっても、第百十九条の規定による特別調査期間における書面による破産債権の調査をすることができ、必要があると認めるときは、第百十八条の規定による一般調査期間における書面による破産債権の調査の後であっても、第百二十二条の規定による特別調査期日における破産債権の調査をすることができる。 第二款 書面による破産債権の調査 (認否書の作成及び提出) 第百十七条 破産管財人は、一般調査期間が定められたときは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 一 破産債権の額 二 優先的破産債権であること。 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること。 四 別除権(第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 2 破産管財人は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の破産債権者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。 3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所の定める期限までに、前二項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 4 第一項の規定により同項の認否書に認否を記載すべき事項であって前項の規定により提出された認否書に認否の記載がないものがあるときは、破産管財人において当該事項を認めたものとみなす。 5 第二項の規定により第一項各号に掲げる事項についての認否を認否書に記載することができる破産債権について、第三項の規定により提出された認否書に当該事項の一部についての認否の記載があるときは、破産管財人において当該事項のうち当該認否書に認否の記載のないものを認めたものとみなす。 (一般調査期間における調査) 第百十八条 届出をした破産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第一項又は第二項に規定する破産債権についての同条第一項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。 2 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 4 前項の規定による送達は、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。 5 前項の規定による送達をした場合においては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。 (特別調査期間における調査) 第百十九条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に第百十二条第一項若しくは第三項の規定による届出があり、又は同条第四項において準用する同条第一項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、前項本文と同様とする。 3 第一項本文又は前項の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該破産債権を有する者の負担とする。 4 破産管財人は、特別調査期間に係る破産債権については、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。 この場合においては、同条第四項の規定を準用する。 5 届出をした破産債権者は前項の破産債権についての第百十七条第一項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 6 前条第三項から第五項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定があった場合における裁判書の送達について準用する。 (特別調査期間に関する費用の予納) 第百二十条 前条第一項本文又は第二項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第三項の破産債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 第一項の場合において、同項の破産債権を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。 6 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 第三款 期日における破産債権の調査 (一般調査期日における調査) 第百二十一条 破産管財人は、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者又はその代理人は、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。 3 破産者は、一般調査期日に出頭しなければならない。 ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 4 前項本文の規定により出頭した破産者は、第一項の破産債権の額について、異議を述べることができる。 5 第三項本文の規定により出頭した破産者は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。 6 前二項の規定は、第三項ただし書の代理人について準用する。 7 前各項の規定は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について一般調査期日において調査をすることにつき破産管財人及び破産債権者の異議がない場合について準用する。 8 一般調査期日における破産債権の調査は、破産管財人が出頭しなければ、することができない。 9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 10 裁判所は、一般調査期日における破産債権の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者に送達しなければならない。 11 第百十八条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定による送達について準用する。 (特別調査期日における調査) 第百二十二条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「特別調査期日」という。)を定めることができる。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 第百十九条第二項及び第三項、同条第六項において準用する第百十八条第三項から第五項まで、第百二十条並びに前条(第七項及び第九項を除く。)の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 (期日終了後の破産者の異議) 第百二十三条 破産者がその責めに帰することができない事由によって一般調査期日又は特別調査期日に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後一週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 2 前項に規定する一週間の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 第四款 破産債権の確定 (異議等のない破産債権の確定) 第百二十四条 第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内若しくは特別調査期間内又は一般調査期日若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。 2 裁判所書記官は、破産債権の調査の結果を破産債権者表に記載しなければならない。 3 第一項の規定により確定した事項についての破産債権者表の記載は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。 (破産債権査定決定) 第百二十五条 破産債権の調査において、破産債権の額又は優先的破産債権、劣後的破産債権若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下この条及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。 ただし、第百二十七条第一項並びに第百二十九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。 2 破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。 3 破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。 4 裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。 5 破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え) 第百二十六条 破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。 2 破産債権査定異議の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。 4 破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。 5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 6 同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。 7 破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。 (異議等のある破産債権に関する訴訟の受継) 第百二十七条 異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 2 第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。 (主張の制限) 第百二十八条 破産債権査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、破産債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。 (執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張) 第百二十九条 異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 2 前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 3 第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項及び第六項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。 この場合においては、第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、「異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項又は第百二十一条第二項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。 (破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載) 第百三十条 裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を破産債権者表に記載しなければならない。 (破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力) 第百三十一条 破産債権の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。 2 破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。 (訴訟費用の償還) 第百三十二条 破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。 (破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い) 第百三十三条 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 2 破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。 3 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。 4 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 5 破産手続が終了した際現に係属する第百二十七条第一項又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 6 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。 第五款 租税等の請求権等についての特例 第百三十四条 租税等の請求権及び罰金等の請求権については、第一款(第百十五条を除く。)から前款までの規定は、適用しない。 2 第百十四条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、破産管財人は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。 3 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする破産管財人は、当該届出があった請求権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時破産財団に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。 4 第二項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、破産管財人が第二項に規定する届出があったことを知った日から一月の不変期間内にしなければならない。 5 第百二十四条第二項の規定は第百十四条の規定による届出があった請求権について、第百二十八条、第百三十条、第百三十一条第一項及び前条第三項の規定は第二項の規定による異議又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。 第四節 債権者集会及び債権者委員会 第一款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第百三十五条 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 破産管財人 二 第百四十四条第二項に規定する債権者委員会 三 知れている破産債権者の総債権について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる破産債権を有する破産債権者 2 裁判所は、前項本文の申立てがない場合であっても、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。 (債権者集会の期日の呼出し等) 第百三十六条 債権者集会の期日には、破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者を呼び出さなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、届出をした破産債権者を呼び出すことを要しない。 2 前項本文の規定にかかわらず、届出をした破産債権者であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。 財産状況報告集会においては、第三十二条第三項の規定により通知を受けた者も、同様とする。 3 裁判所は、第三十二条第一項第三号及び第三項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会(財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。)の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。 4 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第一項本文及び前項の規定は、適用しない。 (債権者集会の指揮) 第百三十七条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 (債権者集会の決議) 第百三十八条 債権者集会の決議を要する事項を可決するには、議決権を行使することができる破産債権者(以下この款において「議決権者」という。)で債権者集会の期日に出席し又は次条第二項第二号に規定する書面等投票をしたものの議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 (決議に付する旨の決定) 第百三十九条 裁判所は、第百三十五条第一項各号に掲げる者が債権者集会の決議を要する事項を決議に付することを目的として同項本文の申立てをしたときは、当該事項を債権者集会の決議に付する旨の決定をする。 2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 一 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 二 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法 三 前二号に掲げる方法のうち議決権者が選択するものにより議決権を行使する方法。 この場合において、前号の期間の末日は、第一号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。 3 裁判所は、議決権行使の方法として前項第二号又は第三号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第二号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、当該通知をすることを要しない。 (債権者集会の期日を開く場合における議決権の額の定め方等) 第百四十条 裁判所が議決権行使の方法として前条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定によりその額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者、準別除権者又は停止条件付債権若しくは将来の請求権である破産債権を有する者(次項及び次条第一項第一号において「別除権者等」という。)を除く。) 確定した破産債権の額 二 次項本文の異議のない議決権を有する届出をした破産債権者 届出の額(別除権者又は準別除権者にあっては、第百十一条第二項第二号(同条第三項又は第百十四条において準用する場合を含む。)に掲げる額) 三 次項本文の異議のある議決権を有する届出をした破産債権者 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 届出をした破産債権者の前項の規定による議決権については、破産管財人又は届出をした破産債権者は、債権者集会の期日において、異議を述べることができる。 ただし、前節第四款の規定により破産債権の額が確定した届出をした破産債権者(別除権者等を除く。)の議決権については、この限りでない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項第三号の規定による定めを変更することができる。 (債権者集会の期日を開かない場合における議決権の額の定め方等) 第百四十一条 裁判所が議決権行使の方法として第百三十九条第二項第二号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定により破産債権の額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者等を除く。) 確定した破産債権の額 二 届出をした破産債権者(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第二号の規定による定めを変更することができる。 (破産債権者の議決権) 第百四十二条 破産債権者は、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権については、議決権を有しない。 2 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者及び第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、その弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (代理人による議決権行使) 第百四十三条 議決権者は、代理人をもってその議決権を行使することができる。 第二款 債権者委員会 (債権者委員会) 第百四十四条 裁判所は、破産債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、破産手続に関与することを承認することができる。 ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。 一 委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。 二 破産債権者の過半数が当該委員会が破産手続に関与することについて同意していると認められること。 三 当該委員会が破産債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、破産手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。 3 債権者委員会は、破産手続において、裁判所又は破産管財人に対して、意見を述べることができる。 4 債権者委員会に破産手続の円滑な進行に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した破産債権者の申立てにより、破産財団から当該破産債権者に対して相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。 この場合においては、当該費用の請求権は、財団債権とする。 5 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。 (債権者委員会の意見聴取) 第百四十五条 裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、破産管財人に対して、その旨を通知しなければならない。 2 破産管財人は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、破産財団に属する財産の管理及び処分に関する事項について、債権者委員会の意見を聴かなければならない。 (破産管財人の債権者委員会に対する報告義務) 第百四十六条 破産管財人は、第百五十三条第二項又は第百五十七条の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。 2 破産管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。 (破産管財人に対する報告命令) 第百四十七条 債権者委員会は、破産債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、破産管財人に破産財団に属する財産の管理及び処分に関し必要な事項について第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。 2 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、破産管財人に対し、第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。 第五章 財団債権 (財団債権となる請求権) 第百四十八条 次に掲げる請求権は、財団債権とする。 一 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 二 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権 三 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権及び第九十七条第五号に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から一年(その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの 四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権 五 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 六 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 七 第五十三条第一項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権 八 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(第五十三条第一項又は第二項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権 2 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、財団債権とする。 3 第百三条第二項及び第三項の規定は、第一項第七号及び前項に規定する財団債権について準用する。 この場合において、当該財団債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、当該債権の額は、当該債権が破産債権であるとした場合に第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる劣後的破産債権となるべき部分に相当する金額を控除した額とする。 4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 (使用人の給料等) 第百四十九条 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権とする。 2 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は、退職前三月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前三月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前三月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。 (社債管理者等の費用及び報酬) 第百五十条 社債管理者又は社債管理補助者が破産債権である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、破産手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の当該事務の処理に要する費用の請求権を財団債権とする旨の許可をすることができる。 2 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで破産債権である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が破産手続の円滑な進行に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 3 裁判所は、破産手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 4 前三項の規定による許可を得た請求権は、財団債権とする。 5 第一項から第三項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で破産債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。 一 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の受託会社 同項に規定する社債 二 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第五十四条の五に規定する社会医療法人債管理者又は同法第五十四条の五の二に規定する社会医療法人債管理補助者 同法第五十四条の二第一項に規定する社会医療法人債 三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の八に規定する投資法人債管理者又は同法第百三十九条の九の二第一項に規定する投資法人債管理補助者 同法第二条第十九項に規定する投資法人債 四 保険業法第六十一条の六に規定する社債管理者又は同法第六十一条の七の二に規定する社債管理補助者 相互会社が発行する社債 五 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百二十六条に規定する特定社債管理者又は同法第百二十七条の二第一項に規定する特定社債管理補助者 同法第二条第七項に規定する特定社債 (財団債権の取扱い) 第百五十一条 財団債権は、破産債権に先立って、弁済する。 (破産財団不足の場合の弁済方法等) 第百五十二条 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。 ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。 2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第百四十八条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。 第六章 破産財団の管理 第一節 破産者の財産状況の調査 (財産の価額の評定等) 第百五十三条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、破産財団に属する一切の財産につき、破産手続開始の時における価額を評定しなければならない。 この場合においては、破産者をその評定に立ち会わせることができる。 2 破産管財人は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに破産手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。 3 破産財団に属する財産の総額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合には、前項の規定にかかわらず、破産管財人は、裁判所の許可を得て、同項の貸借対照表の作成及び提出をしないことができる。 (別除権の目的の提示等) 第百五十四条 破産管財人は、別除権者に対し、当該別除権の目的である財産の提示を求めることができる。 2 破産管財人が前項の財産の評価をしようとするときは、別除権者は、これを拒むことができない。 (封印及び帳簿の閉鎖) 第百五十五条 破産管財人は、必要があると認めるときは、裁判所書記官、執行官又は公証人に、破産財団に属する財産に封印をさせ、又はその封印を除去させることができる。 2 裁判所書記官は、必要があると認めるときは、破産管財人の申出により、破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。 (破産財団に属する財産の引渡し) 第百五十六条 裁判所は、破産管財人の申立てにより、決定で、破産者に対し、破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の決定をする場合には、破産者を審尋しなければならない。 3 第一項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (裁判所への報告) 第百五十七条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。 一 破産手続開始に至った事情 二 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 三 第百七十七条第一項の規定による保全処分又は第百七十八条第一項に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無 四 その他破産手続に関し必要な事項 2 破産管財人は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 (財産状況報告集会への報告) 第百五十八条 財産状況報告集会においては、破産管財人は、前条第一項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。 (債権者集会への報告) 第百五十九条 破産管財人は、債権者集会がその決議で定めるところにより、破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない。 第二節 否認権 (破産債権者を害する行為の否認) 第百六十条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 二 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。 3 破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 (相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 第百六十一条 破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。 二 破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。 2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 一 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者 二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者 三 破産者の親族又は同居者 (特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 第百六十二条 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。 二 破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。 ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合 二 前項第一号に掲げる行為が破産者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合 3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。 (手形債務支払の場合等の例外) 第百六十三条 前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。 2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。 3 前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。 (権利変動の対抗要件の否認) 第百六十四条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、破産手続開始後、破産財団のためにこれを否認することができる。 ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。 2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。 (執行行為の否認) 第百六十五条 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。 (支払の停止を要件とする否認の制限) 第百六十六条 破産手続開始の申立ての日から一年以上前にした行為(第百六十条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。 (否認権行使の効果) 第百六十七条 否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。 2 第百六十条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 (破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 第百六十八条 第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存しない場合 財団債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付によって生じた利益が破産財団中に現存しない場合 破産債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 三 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び破産債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 破産管財人は、第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により財団債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権の回復) 第百六十九条 第百六十二条第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。 (転得者に対する否認権) 第百七十条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。 ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。 一 転得者が転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知っていたとき。 二 転得者が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。 ただし、転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。 (破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 第百七十条の二 破産者がした第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百六十八条第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 ただし、同項第一号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、財団債権者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第百六十八条第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。 5 破産管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百六十七条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により財団債権となる額(第百六十八条第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権に関する転得者の権利) 第百七十条の三 破産者がした第百六十二条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百六十九条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。 この場合には、前条第四項の規定を準用する。 (否認権のための保全処分) 第百七十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。 3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 前各項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 第百七十二条 前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。 2 破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。 3 破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。 4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。 (否認権の行使) 第百七十三条 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。 2 前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。 (否認の請求) 第百七十四条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。 3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。 4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 第百七十五条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。 4 第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。 同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。 5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 6 第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。 (否認権行使の期間) 第百七十六条 否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。 否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。 第三節 法人の役員の責任の追及等 (役員の財産に対する保全処分) 第百七十七条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 3 裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (役員の責任の査定の申立て等) 第百七十八条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 3 裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 4 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 5 役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。 (役員責任査定決定等) 第百七十九条 役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。 2 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。 3 役員責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (役員責任査定決定に対する異議の訴え) 第百八十条 役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 (役員責任査定決定の効力) 第百八十一条 前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (社員の出資責任) 第百八十二条 会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。 (匿名組合員の出資責任) 第百八十三条 匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。 第七章 破産財団の換価 第一節 通則 (換価の方法) 第百八十四条 第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。 2 破産管財人は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。 (別除権者が処分をすべき期間の指定) 第百八十五条 別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、破産管財人の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 別除権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 3 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第二節 担保権の消滅 (担保権消滅の許可の申立て) 第百八十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。 ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。 一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額 二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額 2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。 3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。 一 担保権の目的である財産の表示 二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称 四 消滅すべき担保権の表示 五 前号の担保権によって担保される債権の額 六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 七 前項の規定による協議の内容及びその経過 4 申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。 5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (担保権の実行の申立て) 第百八十七条 被申立担保権者は、前条第一項の申立てにつき異議があるときは、同条第五項の規定によりすべての被申立担保権者に申立書及び同条第四項の書面の送達がされた日から一月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができる。 2 裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。 3 破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条第一項第二号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。 4 被申立担保権者は、第一項の期間(第二項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第百九十条第六項の規定により第百八十九条第一項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。 5 第一項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面は提出されなかったものとみなす。 民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条又は同法第百九十二条において準用する同法第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。 6 第百八十九条第一項の不許可の決定が確定した後に、第一項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条第一項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第一項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出することができない。 (買受けの申出) 第百八十八条 被申立担保権者は、第百八十六条第一項の申立てにつき異議があるときは、前条第一項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第百八十六条第三項第一号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。 2 買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。 一 第百八十六条第三項第一号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称 二 破産管財人が第百八十六条第三項第一号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。) 三 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額 3 買受けの申出の額は、申立書に記載された第百八十六条第三項第二号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。 4 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、第二項第三号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第三項第二号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。 5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 6 前条第三項の規定は、買受けの申出について準用する。 7 買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第一項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。 8 破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条第一項の期間が経過した後、裁判所に対し、第百八十六条第三項第一号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。 この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。 9 前項の場合においては、破産管財人は、前条第一項の期間内にされた買受けの申出に係る第二項の書面を裁判所に提出しなければならない。 10 買受けの申出があったときは、破産管財人は、第百八十六条第一項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条第一項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第二項に規定する買受人)の同意を得なければならない。 (担保権消滅の許可の決定等) 第百八十九条 裁判所は、被申立担保権者が第百八十七条第一項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第百八十六条第一項の許可の決定をしなければならない。 一 前条第八項に規定する届出がされなかった場合 第百八十六条第三項第三号の売却の相手方 二 前条第八項に規定する届出がされた場合 同項に規定する買受希望者 2 前項第二号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第百八十六条第四項の書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。 この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。 3 第百八十六条第一項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第一項第二号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。 4 第百八十六条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第百八十六条第一項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (金銭の納付等) 第百九十条 前条第一項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。 一 前条第一項第一号に掲げる場合 第百八十六条第一項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額 二 前条第一項第二号に掲げる場合 同条第二項後段に規定する売得金の額から第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額 2 前項第二号の規定による金銭の納付があったときは、第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。 3 前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。 4 被申立担保権者の有する担保権は、第一項第一号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第二号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。 5 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 6 第一項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第一項の許可の決定を取り消さなければならない。 7 前項の場合には、買受人は、第二項の保証の返還を請求することができない。 (配当等の実施) 第百九十一条 裁判所は、前条第四項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る配当表に基づいて、その配当を実施しなければならない。 2 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条第四項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。 3 民事執行法第八十五条及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。 第三節 商事留置権の消滅 第百九十二条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が第三十六条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。 2 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。 3 第一項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。 4 前項の許可があった場合における第二項に規定する弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。 5 前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。 第八章 配当 第一節 通則 (配当の方法等) 第百九十三条 破産債権者は、この章の定めるところに従い、破産財団から、配当を受けることができる。 2 破産債権者は、破産管財人がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。 ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。 3 破産管財人は、配当をしたときは、その配当をした金額を破産債権者表に記載しなければならない。 (配当の順位等) 第百九十四条 配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第一号の優先的破産債権間においては第九十八条第二項に規定する優先順位による。 一 優先的破産債権 二 前号、次号及び第四号に掲げるもの以外の破産債権 三 劣後的破産債権 四 約定劣後破産債権 2 同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。 第二節 最後配当 (最後配当) 第百九十五条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。 2 破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。 3 裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。 (配当表) 第百九十六条 破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 一 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 二 最後配当の手続に参加することができる債権の額 三 最後配当をすることができる金額 2 前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。 3 破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。 4 前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。 (配当の公告等) 第百九十七条 破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (破産債権の除斥等) 第百九十八条 異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。 2 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 3 別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。 4 第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。 5 第三項の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表の更正) 第百九十九条 次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。 一 破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 二 前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 三 前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 2 前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表に対する異議) 第二百条 届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。 3 第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。 4 第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (配当額の定め及び通知) 第二百一条 破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 2 破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。 3 解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 4 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 5 第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。 この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 6 次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。 7 破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 (配当額の供託) 第二百二条 破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額 三 破産債権者が受け取らない配当額 (破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い) 第二百三条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 第三節 簡易配当 (簡易配当) 第二百四条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。 一 配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。 二 裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。 2 破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 4 第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (準用) 第二百五条 簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。 (簡易配当の許可の取消し) 第二百六条 破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。 この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。 (適用除外) 第二百七条 第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。 第四節 同意配当 第二百八条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「同意配当」という。)をすることを許可することができる。 この場合において、破産管財人の申立ては、届出をした破産債権者の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。 2 前項の規定による許可があった場合には、破産管財人は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の届出をした破産債権者に対して同意配当をすることができる。 3 同意配当については、第百九十六条第一項及び第二項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百八条第一項の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。 第五節 中間配当 (中間配当) 第二百九条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この節において「中間配当」という。)をすることができる。 2 破産管財人は、中間配当をするには、裁判所の許可を得なければならない。 3 中間配当については、第百九十六条第一項及び第二項、第百九十七条、第百九十八条第一項、第百九十九条第一項第一号及び第二号、第二百条、第二百一条第四項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百九条第二項の規定による許可」と、第百九十九条第一項各号及び第二百条第一項中「最後配当に関する除斥期間」とあるのは「第二百十条第一項に規定する中間配当に関する除斥期間」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額」とあるのは「第二百十一条の規定による配当率」と読み替えるものとする。 (別除権者の除斥等) 第二百十条 別除権者は、中間配当の手続に参加するには、前条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する期間(以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。)に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。 2 前項の規定は、準別除権者について準用する。 3 破産管財人は、第一項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき中間配当に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。 (配当率の定め及び通知) 第二百十一条 破産管財人は、第二百九条第三項において準用する第二百条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間配当の手続に参加することができる破産債権者に通知しなければならない。 (解除条件付債権の取扱い) 第二百十二条 解除条件付債権である破産債権については、相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。 2 前項の破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。 (除斥された破産債権等の後の配当における取扱い) 第二百十三条 第二百九条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する事項につき証明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった破産債権について、当該破産債権を有する破産債権者が最後配当に関する除斥期間又はその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明をしたときは、その中間配当において受けることができた額について、当該最後配当又はその中間配当の後に行われることがある中間配当において、他の同順位の破産債権者に先立って配当を受けることができる。 第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明又は疎明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった別除権者(準別除権者を含む。)がその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明及び疎明をしたときも、同様とする。 (配当額の寄託) 第二百十四条 中間配当を行おうとする破産管財人は、次に掲げる破産債権に対する配当額を寄託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって、第二百二条第一号に規定する手続が係属しているもの 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって、第二百十一条の規定による配当率の通知を発した時に第二百二条第二号に規定する手続が終了していないもの 三 中間配当に関する除斥期間内に第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による証明及び疎明があった債権のうち、当該疎明があった額に係る部分 四 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権 五 解除条件付債権である破産債権であって、第二百十二条第一項の規定による担保が供されていないもの 六 第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者が有する破産債権 2 前項第一号又は第二号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、第二百二条第一号又は第二号の規定により当該破産債権に対する配当額を供託するときは、破産管財人は、その寄託した配当額をこれを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 3 第一項第三号又は第四号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権を有する破産債権者又は別除権者(準別除権者を含む。)が第百九十八条第二項の規定に適合しなかったこと又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明をしなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかったときは、破産管財人は、その寄託した配当額の最後配当を他の破産債権者に対してしなければならない。 4 第一項第五号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権の条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、破産管財人は、その寄託した配当額を当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 5 第一項第六号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合における第二百一条第五項の規定の適用については、同項中「その定めた配当額が同号に」とあるのは「その定めた配当額及び破産管財人が第二百十四条第一項第六号の規定により寄託した同号に掲げる破産債権に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に」と、「当該配当額」とあるのは「当該合計額」とする。 第六節 追加配当 第二百十五条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した後(簡易配当にあっては第二百五条において準用する第二百条第一項に規定する期間を経過した後、同意配当にあっては第二百八条第一項の規定による許可があった後)、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたときは、破産管財人は、裁判所の許可を得て、最後配当、簡易配当又は同意配当とは別に、届出をした破産債権者に対し、この条の規定による配当(以下この条において「追加配当」という。)をしなければならない。 破産手続終結の決定があった後であっても、同様とする。 2 追加配当については、第二百一条第四項及び第五項、第二百二条並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第二百一条第五項中「第一項の規定」とあるのは「第二百十五条第四項の規定」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項」とあるのは「第二百十五条第五項」と読み替えるものとする。 3 追加配当は、最後配当、簡易配当又は同意配当について作成した配当表によってする。 4 破産管財人は、第一項の規定による許可があったときは、遅滞なく、追加配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 5 破産管財人は、前項の規定により定めた配当額を、追加配当の手続に参加することができる破産債権者(第二項において読み替えて準用する第二百一条第五項の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 6 追加配当をした場合には、破産管財人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 7 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、当該計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人がしなければならない。 第九章 破産手続の終了 (破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 2 前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 3 裁判所は、第一項の規定により破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨 4 第一項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第三十一条及び第三十二条の規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。 (破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定) 第二百十七条 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。 2 前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができる。 この場合においては、当該意見の聴取を目的とする第百三十五条第一項第二号又は第三号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。 3 前二項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 4 裁判所は、第一項の規定による破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項の申立てを棄却する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 第一項の規定による破産手続廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 7 第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 8 第一項の規定による破産手続廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十八条 裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 一 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 二 前号の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。 ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について同項第一号及び第二号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。 この場合における同項第一号及び第二号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「届出をした破産債権者」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。 3 裁判所は、第一項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 4 届出をした破産債権者は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 5 前条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定について準用する。 この場合において、同条第五項中「破産管財人」とあるのは、「破産者」と読み替えるものとする。 (破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十九条 法人である破産者が前条第一項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。 (破産手続終結の決定) 第二百二十条 裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第八十八条第四項の債権者集会が終結したとき、又は第八十九条第二項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 (破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力) 第二百二十一条 第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。 この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる。 2 前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。 第十章 相続財産の破産等に関する特則 第一節 相続財産の破産 (相続財産に関する破産事件の管轄) 第二百二十二条 相続財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、被相続人の相続開始の時の住所又は相続財産に属する財産が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 相続財産に関する破産事件は、被相続人の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、相続財産に関する破産事件は、相続財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 相続財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、相続財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (相続財産の破産手続開始の原因) 第二百二十三条 相続財産に対する第三十条第一項の規定の適用については、同項中「破産手続開始の原因となる事実があると認めるとき」とあるのは、「相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百二十四条 相続財産については、相続債権者又は受遺者のほか、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者(相続財産の管理に必要な行為をする権利を有する遺言執行者に限る。以下この節において同じ。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が相続財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 相続債権者又は受遺者 その有する債権の存在及び当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 二 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者 当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 (破産手続開始の申立期間) 第二百二十五条 相続財産については、民法第九百四十一条第一項の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、破産手続開始の申立てをすることができる。 ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が完了するまでの間も、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の決定前の相続の開始) 第二百二十六条 裁判所は、破産手続開始の申立て後破産手続開始の決定前に債務者について相続が開始したときは、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者の申立てにより、当該相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることができる。 2 前項に規定する続行の申立ては、相続が開始した後一月以内にしなければならない。 3 第一項に規定する破産手続は、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがなかった場合はその期間が経過した時に、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがあった場合で当該申立てを却下する裁判が確定したときはその時に、それぞれ終了する。 4 第一項に規定する続行の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 (破産手続開始の決定後の相続の開始) 第二百二十七条 裁判所は、破産手続開始の決定後に破産者について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百二十八条 相続財産についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (破産財団の範囲) 第二百二十九条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 この場合においては、被相続人が相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 2 相続人が相続財産の全部又は一部を処分した後に相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人が反対給付について有する権利は、破産財団に属する。 3 前項に規定する場合において、相続人が既に同項の反対給付を受けているときは、相続人は、当該反対給付を破産財団に返還しなければならない。 ただし、相続人が当該反対給付を受けた当時、破産手続開始の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは、その現に受けている利益を返還すれば足りる。 (相続人等の説明義務等) 第二百三十条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 被相続人の代理人であった者 二 相続人及びその代理人 三 相続財産の管理人、相続財産の清算人及び遺言執行者 2 前項の規定は、同項第二号又は第三号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、相続財産について破産手続開始の決定があった場合における相続人並びにその法定代理人及び支配人について準用する。 (相続債権者及び受遺者の地位) 第二百三十一条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続債権者の債権は、受遺者の債権に優先する。 (相続人の地位) 第二百三十二条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続人が被相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 この場合においては、相続人は、被相続人に対して有していた債権について、相続債権者と同一の権利を有する。 2 前項に規定する場合において、相続人が相続債権者に対して自己の固有財産をもって弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、相続人は、その出えんの額の範囲内において、当該相続債権者が被相続人に対して有していた権利を行使することができる。 (相続人の債権者の地位) 第二百三十三条 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係) 第二百三十四条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 (受遺者に対する担保の供与等の否認) 第二百三十五条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する破産債権者を害するときは、当該行為を否認することができる。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項の行為が同項の規定により否認された場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「破産債権者を害すること」とあるのは、「第二百三十五条第一項の破産債権者を害すること」と読み替えるものとする。 (否認後の残余財産の分配等) 第二百三十六条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、破産管財人は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百三十七条 相続財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、相続人がする。 2 相続人が数人あるときは、前項の申立ては、各相続人がすることができる。 第二節 相続人の破産 (破産者の単純承認又は相続放棄の効力等) 第二百三十八条 破産手続開始の決定前に破産者のために相続の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 2 破産管財人は、前項後段の規定にかかわらず、相続の放棄の効力を認めることができる。 この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から三月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百三十九条 相続人についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (相続債権者、受遺者及び相続人の債権者の地位) 第二百四十条 相続人について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の破産財団については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。 3 第二百二十五条に規定する期間内にされた破産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。 4 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、破産債権者としてその権利を行使することができない。 第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。 (限定承認又は財産分離の手続において相続債権者等が受けた弁済) 第二百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があった後に、限定承認又は財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 相続人の債権者が、相続人について破産手続開始の決定があった後に、財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合も、同様とする。 2 前項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済(相続人が数人ある場合には、当該破産手続開始の決定を受けた相続人の相続分に応じた部分に限る。次項において同じ。)と同一の割合の配当を受けるまでは、破産手続により、配当を受けることができない。 3 第一項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、前項の弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (限定承認又は財産分離等の後の相続財産の管理及び処分等) 第二百四十二条 相続人について破産手続開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、破産管財人は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。 限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。 2 破産管財人が前項の規定による相続財産の管理及び処分を終えた場合において、残余財産があるときは、その残余財産のうち当該相続人に帰属すべき部分は、当該相続人の固有財産とみなす。 この場合において、破産管財人は、その残余財産について、破産財団の財産目録及び貸借対照表を補充しなければならない。 3 第一項前段及び前項の規定は、第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有する場合及び第二百四十条第三項の場合について準用する。 第三節 受遺者の破産 (包括受遺者の破産) 第二百四十三条 前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 (特定遺贈の承認又は放棄) 第二百四十四条 破産手続開始の決定前に破産者のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。 2 民法第九百八十七条の規定は、前項の場合について準用する。 第十章の二 信託財産の破産に関する特則 (信託財産に関する破産事件の管轄) 第二百四十四条の二 信託財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 信託財産に関する破産事件は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、信託財産に関する破産事件は、信託財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 信託財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、信託財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (信託財産の破産手続開始の原因) 第二百四十四条の三 信託財産に対する第十五条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百四十四条の四 信託財産については、信託債権(信託法第二十一条第二項第二号に規定する信託債権をいう。次項第一号及び第二百四十四条の七において同じ。)を有する者又は受益者のほか、受託者又は信託財産管理者、信託財産法人管理人若しくは同法第百七十条第一項の管理人(以下「受託者等」と総称する。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が信託財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 信託債権を有する者又は受益者 その有する信託債権又は受益債権の存在及び当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 二 受託者等 当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 3 前項第二号の規定は、受託者等が一人であるとき、又は受託者等が数人ある場合において受託者等の全員が破産手続開始の申立てをしたときは、適用しない。 4 信託財産については、信託が終了した後であっても、残余財産の給付が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産財団の範囲) 第二百四十四条の五 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 (受託者等の説明義務等) 第二百四十四条の六 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 受託者等 二 会計監査人(信託法第二百四十八条第一項又は第二項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。) 2 前項の規定は、同項各号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等(個人である受託者等に限る。)について準用する。 4 第四十一条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等について準用する。 (信託債権者及び受益者の地位) 第二百四十四条の七 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、信託債権は、受益債権に優先する。 3 受益債権と約定劣後破産債権は、同順位とする。 ただし、信託行為の定めにより、約定劣後破産債権が受益債権に優先するものとすることができる。 (受託者の地位) 第二百四十四条の八 信託法第四十九条第一項(同法第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての破産手続との関係においては、金銭債権とみなす。 (固有財産等責任負担債務に係る債権者の地位) 第二百四十四条の九 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第二十二条第一項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係等) 第二百四十四条の十 信託財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、受託者等が信託財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 2 前項に規定する場合における第百六十一条第一項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 3 第一項に規定する場合における第百六十二条第一項第一号の規定の適用については、債権者が受託者等又は会計監査人であるときは、その債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 4 第一項に規定する場合における第百六十八条第二項及び第百七十条の二第二項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等がこれらの規定に規定する隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 (破産管財人の権限) 第二百四十四条の十一 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、破産管財人がする。 一 信託法第二十七条第一項又は第二項の規定による取消権の行使 二 信託法第三十一条第五項の規定による追認 三 信託法第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権の行使 四 信託法第三十二条第四項の規定による権利の行使 五 信託法第四十条又は第四十一条の規定による責任の追及 六 信託法第四十二条(同法第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除 七 信託法第二百二十六条第一項、第二百二十八条第一項又は第二百五十四条第一項の規定による責任の追及 2 前項の規定は、保全管理人について準用する。 3 第百七十七条の規定は信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等又は会計監査人の財産に対する保全処分について、第百七十八条から第百八十一条までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。 (保全管理命令) 第二百四十四条の十二 信託財産について破産手続開始の申立てがあった場合における第三章第二節の規定の適用については、第九十一条第一項中「債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産」とあり、並びに同項、第九十三条第一項及び第九十六条第二項中「債務者の財産」とあるのは、「信託財産に属する財産」とする。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百四十四条の十三 信託財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、受託者等がする。 2 受託者等が数人あるときは、前項の申立ては、各受託者等がすることができる。 3 信託財産の破産について第一項の申立てをするには、信託の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該信託を継続する手続をしなければならない。 第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則 (外国管財人との協力) 第二百四十五条 破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下この章において同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。 (外国管財人の権限等) 第二百四十六条 外国管財人は、債務者について破産手続開始の申立てをすることができる。 2 外国管財人は、前項の申立てをするときは、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 外国管財人は、破産者の破産手続において、債権者集会の期日に出席し、意見を述べることができる。 4 第一項の規定により外国管財人が破産手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、破産手続開始の決定があったときは第三十二条第一項の規定により公告すべき事項を、同項第二号又は第三号に掲げる事項に変更を生じたときはその旨を、破産手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。 (相互の手続参加) 第二百四十七条 外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる。 ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。 2 破産管財人は、届出をした破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。 3 破産管財人は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した破産債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。 ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。 第十二章 免責手続及び復権 第一節 免責手続 (免責許可の申立て) 第二百四十八条 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。 2 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる。 3 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 4 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。 ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。 5 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第二十条第二項の債権者一覧表を第三項本文の債権者名簿とみなす。 6 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第二百十八条第一項の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。 7 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。 一 第二百十八条第一項の申立て 当該申立ての棄却の決定 二 再生手続開始の申立て 当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定 (強制執行の禁止等) 第二百四十九条 免責許可の申立てがあり、かつ、第二百十六条第一項の規定による破産手続廃止の決定、第二百十七条第一項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第二百二十条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「破産債権に基づく強制執行等」という。)、破産債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。)はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分で破産者の財産に対して既にされているもの並びに破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 2 免責許可の決定が確定したときは、前項の規定により中止した破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分並びに破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。 3 第一項の場合において、次の各号に掲げる破産債権については、それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 一 第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権 免責許可の申立てについての決定 二 前号に掲げる請求権以外の破産債権 免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定 (免責についての調査及び報告) 第二百五十条 裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を書面で報告させることができる。 2 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。 (免責についての意見申述) 第二百五十一条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第三項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。 3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。 (免責許可の決定の要件等) 第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。 二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。 三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。 四 浪費又は 賭 と 博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。 五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。 六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。 七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。 八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。 九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。 十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。 イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日 ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日 ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日 十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。 2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 3 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 4 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (免責許可の決定の効力等) 第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。) 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。) 四 次に掲げる義務に係る請求権 イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務 ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務 ハ 民法第七百六十六条及び第七百六十六条の三(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務 ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務 ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。) 七 罰金等の請求権 2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。 3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (免責取消しの決定) 第二百五十四条 第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。 2 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び申立人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 3 第一項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。 6 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 7 前条第三項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。 第二節 復権 (復権) 第二百五十五条 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。 次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。 一 免責許可の決定が確定したとき。 二 第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。 三 再生計画認可の決定が確定したとき。 四 破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。 2 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。 3 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第一項第一号又は第三号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。 (復権の決定) 第二百五十六条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 3 破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 4 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に、その主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第十三章 雑則 (法人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十七条 法人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 2 前項の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 3 第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 4 第一項の債務者について保全管理命令が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。 5 前項の登記には、保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 6 第四項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 7 第一項の規定は、同項の破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 8 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 (個人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。 一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。 二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。 2 前項の規定は、当該破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 3 裁判所書記官は、第一項第二号の規定により破産手続開始の登記がされた権利について、第三十四条第四項の決定により破産財団に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 4 第一項第二号(第二項において準用する場合を含む。)及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 5 第一項第二号の規定は、信託財産について保全管理命令があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。 (保全処分に関する登記の嘱託) 第二百五十九条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 債務者の財産に属する権利で登記されたものに関し第二十八条第一項(第三十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第百七十一条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第一項若しくは第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (否認の登記) 第二百六十条 登記の原因である行為が否認されたときは、破産管財人は、否認の登記を申請しなければならない。 登記が否認されたときも、同様とする。 2 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。 一 当該否認の登記 二 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記 三 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記 3 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(破産手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の破産者への移転の登記をしなければならない。 4 裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、破産者について、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人が、第二項第二号に掲げる登記に係る権利を放棄し、否認の登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 (非課税) 第二百六十一条 第二百五十七条から前条までの規定による登記については、登録免許税を課さない。 (登録のある権利への準用) 第二百六十二条 第二百五十八条第一項第二号及び同条第二項において準用する同号(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)、同条第三項(同条第四項において同条第三項後段の規定を準用する場合を含む。)並びに前三条の規定は、登録のある権利について準用する。 (責任制限手続の廃止による破産手続の中止) 第二百六十三条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。 (責任制限手続の廃止の場合の措置) 第二百六十四条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により定めた期間又は期日を公告しなければならない。 3 知れている制限債権者には、第三十二条第一項第一号及び第二号並びに前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 4 破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者には、第二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間又は期日(当該期間又は期日に変更があった場合にあっては、変更後の期間又は期日)が第三十一条第一項第三号の規定により定めた期間又は期日と同一であるときは、届出をした破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 前三項の規定は第一項の規定により定めた債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について、第百十八条第三項から第五項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間を変更する決定があった場合について、第百二十一条第九項から第十一項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期日を変更する決定があった場合又は当該期日における債権の調査の延期若しくは続行の決定があった場合について準用する。 この場合において、第百十八条第三項及び第百二十一条第九項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者(第二百六十四条第一項の規定により定められた債権の届出をすべき期間の経過前にあっては、知れている制限債権者)、破産管財人」と、同条第十項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者、破産管財人」と読み替えるものとする。 6 第三十一条第二項及び第三項の規定は、第一項に規定する期間及び期日について準用する。 第十四章 罰則 (詐欺破産罪) 第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。 一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為 二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為 三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為 四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為 2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。 (特定の債権者に対する担保の供与等の罪) 第二百六十六条 債務者(相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。)が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等の特別背任罪) 第二百六十七条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 破産管財人又は保全管理人が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う役員又は職員に適用する。 (説明及び検査の拒絶等の罪) 第二百六十八条 第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。 2 第四十条第一項第二号から第五号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者、第二百三十条第一項各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第二号若しくは第三号に掲げる者(相続人を除く。)であった者又は第二百四十四条の六第一項各号に掲げる者若しくは同項各号に掲げる者であった者(以下この項において「説明義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第四項において「代表者等」という。)が、その説明義務者の業務に関し、第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。 説明義務者の代表者等が、その説明義務者の業務に関し、第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする。 3 破産者が第八十三条第一項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、相続財産について破産手続開始の決定があった場合において第二百三十条第一項第二号若しくは第三号に掲げる者が第八十三条第一項の規定による検査を拒んだとき又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合において受託者等が同項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 4 第八十三条第二項に規定する破産者の子会社等(同条第三項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第二項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は第八十三条第二項の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 (重要財産開示拒絶等の罪) 第二百六十九条 破産者(信託財産の破産にあっては、受託者等)が第四十一条(第二百四十四条の六第四項において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪) 第二百七十条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第百五十五条第二項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。 (審尋における説明拒絶等の罪) 第二百七十一条 債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等に対する職務妨害の罪) 第二百七十二条 偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (収賄罪) 第二百七十三条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。 4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 5 破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第百三十九条第二項第二号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 6 前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (贈賄罪) 第二百七十四条 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産者等に対する面会強請等の罪) 第二百七十五条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (国外犯) 第二百七十六条 第二百六十五条、第二百六十六条、第二百七十条、第二百七十二条及び第二百七十四条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 2 第二百六十七条及び第二百七十三条(第五項を除く。)の罪は、刑法第四条の例に従う。 3 第二百七十三条第五項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。 (両罰規定) 第二百七十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条(第一項を除く。)、第二百六十九条から第二百七十二条まで、第二百七十四条又は第二百七十五条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
民事
Heisei
Act
416AC0000000075_20260524_505AC0000000053.xml
平成十六年法律第七十五号
46
破産法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。 2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。 3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。 4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。 5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。 6 この法律において「破産債権者」とは、破産債権を有する債権者をいう。 7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。 8 この法律において「財団債権者」とは、財団債権を有する債権者をいう。 9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。 10 この法律において「別除権者」とは、別除権を有する者をいう。 11 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。 12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。 13 この法律において「保全管理人」とは、第九十一条第一項の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。 14 この法律において「破産財団」とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。 (外国人の地位) 第三条 外国人又は外国法人は、破産手続、第十二章第一節の規定による免責手続(以下「免責手続」という。)及び同章第二節の規定による復権の手続(以下この章において「破産手続等」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。 (破産事件の管轄) 第四条 この法律の規定による破産手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。 2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。 第五条 破産事件は、債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 2 前項の規定による管轄裁判所がないときは、破産事件は、債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第八十三条第二項第二号及び第三項並びに第百六十一条第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「破産事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての破産手続開始の申立ては、親法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について破産事件等が係属しているときにおける親法人についての破産手続開始の申立ては、子株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 4 子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について破産事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての破産手続開始の申立ては、当該株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について破産事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての破産手続開始の申立ては、当該他の法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 6 第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について破産事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての破産手続開始の申立ては、当該法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について破産事件又は再生事件が係属している場合における当該法人についての破産手続開始の申立ては、当該法人の代表者の破産事件又は再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 7 第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について破産事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての破産手続開始の申立ては、当該破産事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 一 相互に連帯債務者の関係にある個人 二 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人 三 夫婦 8 第一項及び第二項の規定にかかわらず、破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 9 第一項及び第二項の規定にかかわらず、前項に規定する債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 10 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (専属管轄) 第六条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。 (破産事件の移送) 第七条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件(破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件)を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。 一 債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所 二 債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所 三 第五条第二項に規定する地方裁判所 四 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所 イ 第五条第三項から第七項までに規定する地方裁判所 ロ 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者。ハにおいて同じ。)の数が五百人以上であるときは、第五条第八項に規定する地方裁判所 ハ ロに規定する債権者の数が千人以上であるときは、第五条第九項に規定する地方裁判所 五 第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に破産事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所 (任意的口頭弁論等) 第八条 破産手続等に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 裁判所は、職権で、破産手続等に係る事件に関して必要な調査をすることができる。 (期日の呼出し) 第八条の二 破産手続等における期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。 2 呼出状の送達及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない者に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。 ただし、その者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。 (公示送達の方法) 第八条の三 破産手続等における公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。 (電子情報処理組織による申立て等) 第八条の四 破産手続等における申立てその他の申述(以下この条において「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び第四項において同じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項及び第三項において同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。 2 前項の規定によりされた申立て等については、当該申立て等を書面等をもってするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。 3 第一項の規定によりされた申立て等は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。 4 第一項の場合において、当該申立て等に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。 5 第一項の規定によりされた申立て等が第三項に規定するファイルに記録されたときは、第一項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。 6 第一項の規定によりされた申立て等に係るこの法律その他の法令の規定による事件に関する文書等の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付は、前項の書面をもってするものとする。 当該申立て等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。 (裁判書) 第八条の五 破産手続等に関する裁判の裁判書を作成する場合には、当該裁判書には、当該裁判に係る主文、当事者及び法定代理人並びに裁判所を記載しなければならない。 2 前項の裁判書を送達する場合には、当該送達は、当該裁判書の正本によってする。 (不服申立て) 第九条 破産手続等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 (公告等) 第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。 5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。 (事件に関する文書の閲覧等) 第十一条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が破産手続開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 債務者以外の利害関係人 第二十四条第一項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令、第百七十一条第一項の規定による保全処分又は破産手続開始の申立てについての裁判 二 債務者 破産手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分若しくは裁判 (支障部分の閲覧等の制限) 第十二条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、破産財団(破産手続開始前にあっては、債務者の財産)の管理又は換価に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した破産管財人又は保全管理人の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者(その者が保全管理人である場合にあっては、保全管理人又は破産管財人。次項において同じ。)に限ることができる。 一 第三十六条、第四十条第一項ただし書若しくは同条第二項において準用する同条第一項ただし書(これらの規定を第九十六条第一項において準用する場合を含む。)、第七十八条第二項(第九十三条第三項において準用する場合を含む。)、第八十四条(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第九十三条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等 二 第百五十七条第二項の規定による報告に係る文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、破産裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 (民事訴訟法の準用) 第十三条 特別の定めがある場合を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定(同法第七十一条第二項、第九十一条の二、第九十二条第九項及び第十項、第九十二条の二第二項、第九十四条、第百条第二項、第一編第五章第四節第三款、第百十一条、第一編第七章、第百三十三条の二第五項及び第六項、第百三十三条の三第二項、第百五十一条第三項、第百六十条第二項、第百八十五条第三項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項並びに第二百三十二条の二の規定を除く。)を準用する。 この場合において、別表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第十四条 この法律に定めるもののほか、破産手続等に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二章 破産手続の開始 第一節 破産手続開始の申立て (破産手続開始の原因) 第十五条 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。 (法人の破産手続開始の原因) 第十六条 債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 2 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。 (破産手続開始の原因の推定) 第十七条 債務者についての外国で開始された手続で破産手続に相当するものがある場合には、当該債務者に破産手続開始の原因となる事実があるものと推定する。 (破産手続開始の申立て) 第十八条 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 (法人の破産手続開始の申立て) 第十九条 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 一 一般社団法人又は一般財団法人 理事 二 株式会社又は相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。第百五十条第六項第三号において同じ。) 取締役 三 合名会社、合資会社又は合同会社 業務を執行する社員 2 前項各号に掲げる法人については、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができる。 3 前二項の規定により第一項各号に掲げる法人について破産手続開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 4 前三項の規定は、第一項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。 5 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の申立ての方式) 第二十条 破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。 2 債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 (破産手続開始の申立書の審査) 第二十一条 前条第一項の書面(以下この条において「破産手続開始の申立書」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い破産手続開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。 2 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 裁判所は、第三項の異議の申立てがあった場合において、破産手続開始の申立書に第一項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。 6 第一項又は前項の場合において、破産手続開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。 7 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の予納) 第二十二条 破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 2 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の仮支弁) 第二十三条 裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。 職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。 2 前条第一項の規定は、前項前段の規定により破産手続の費用を仮に国庫から支弁する場合には、適用しない。 (他の手続の中止命令等) 第二十四条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる手続又は第六号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第五号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る。 一 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「強制執行等」という。)の手続で、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権若しくは財団債権となるべきもの(以下この項及び次条第八項において「破産債権等」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの 二 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続で、破産債権等に基づくもの 三 債務者の財産関係の訴訟手続 四 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続 五 債務者の責任制限手続(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第三章又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五章、同法第四十三条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第四十三条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条及び第五十四条を除く。)若しくは船舶油濁等損害賠償保障法第五十一条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第五十一条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条、第四節及び第五十四条を除く。)の規定による責任制限手続をいう。第二百六十三条及び第二百六十四条第一項において同じ。) 六 債務者の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第百三条第五項及び第二百五十三条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「外国租税滞納処分」という。)で、破産債権等に基づくもの 2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第一項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 4 第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令) 第二十五条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第一号又は第六号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。 ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第九十一条第二項に規定する保全管理命令をした場合に限る。 2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。 3 包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続及び外国租税滞納処分(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。 4 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第三項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 6 包括的禁止命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 8 包括的禁止命令が発せられたときは、破産債権等(当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等) 第二十六条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。 2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 前条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令の解除) 第二十七条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。 この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で第二十五条第三項の規定により中止されていたものは、続行する。 2 前項の規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。 3 第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (債務者の財産に関する保全処分) 第二十八条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 裁判所が第一項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、破産手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (破産手続開始の申立ての取下げの制限) 第二十九条 破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、第二十四条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、前条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は第百七十一条第一項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 第二節 破産手続開始の決定 (破産手続開始の決定) 第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。 二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。 (破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等) 第三十一条 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 破産債権の届出をすべき期間 二 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会(第四項、第百三十六条第二項及び第三項並びに第百五十八条において「財産状況報告集会」という。)の期日 三 破産債権の調査をするための期間(第百十六条第二項の場合にあっては、破産債権の調査をするための期日) 2 前項第一号及び第三号の規定にかかわらず、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第一号の期間並びに同項第三号の期間及び期日を定めないことができる。 3 前項の場合において、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めなければならない。 4 第一項第二号の規定にかかわらず、裁判所は、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、同号の期日を定めないことができる。 5 第一項の場合において、知れている破産債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第四項本文及び第五項本文において準用する同条第三項第一号、第三十三条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者(同項本文の場合にあっては、同項本文に規定する議決権者。次条第二項において同じ。)に対する通知をせず、かつ、第百十一条、第百十二条又は第百十四条の規定により破産債権の届出をした破産債権者(以下「届出をした破産債権者」という。)を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。 (破産手続開始の公告等) 第三十二条 裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産管財人の氏名又は名称 三 前条第一項の規定により定めた期間又は期日 四 破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者(第三項第二号において「財産所持者等」という。)は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨 五 第二百四条第一項第二号の規定による簡易配当をすることが相当と認められる場合にあっては、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し前条第一項第三号の期間の満了時又は同号の期日の終了時までに異議を述べるべき旨 2 前条第五項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第四項本文及び第五項本文において準用する次項第一号、次条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者に対する通知をせず、かつ、届出をした破産債権者を債権者集会の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。 3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 一 破産管財人、破産者及び知れている破産債権者 二 知れている財産所持者等 三 第九十一条第二項に規定する保全管理命令があった場合における保全管理人 四 労働組合等(破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第七十八条第四項及び第百三十六条第三項において同じ。) 4 第一項第三号及び前項第一号の規定は、前条第三項の規定により同条第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めた場合について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 第一項第二号並びに第三項第一号及び第二号の規定は第一項第二号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第一項第三号及び第三項第一号の規定は第一項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合(前条第一項第一号の期間又は同項第二号の期日に変更を生じた場合に限る。)について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 (抗告) 第三十三条 破産手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第二十四条から第二十八条までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。 3 破産手続開始の決定をした裁判所は、第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第三項各号(第三号を除く。)に掲げる者にその主文を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 第三節 破産手続開始の効果 第一款 通則 (破産財団の範囲) 第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。 一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭 二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。 ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。 4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。 5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。 6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (法人の存続の擬制) 第三十五条 他の法律の規定により破産手続開始の決定によって解散した法人又は解散した法人で破産手続開始の決定を受けたものは、破産手続による清算の目的の範囲内において、破産手続が終了するまで存続するものとみなす。 (破産者の事業の継続) 第三十六条 破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。 (破産者の居住に係る制限) 第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 (破産者の引致) 第三十八条 裁判所は、必要と認めるときは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前二項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による引致を命ずる決定に対しては、破産者又は債務者は、即時抗告をすることができる。 5 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)中 勾 こう 引に関する規定は、第一項及び第二項の規定による引致について準用する。 (破産者に準ずる者への準用) 第三十九条 前二条の規定は、破産者の法定代理人及び支配人並びに破産者の理事、取締役、執行役及びこれらに準ずる者について準用する。 (破産者等の説明義務) 第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 一 破産者 二 破産者の代理人 三 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人 四 前号に掲げる者に準ずる者 五 破産者の従業者(第二号に掲げる者を除く。) 2 前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。 (破産者の重要財産開示義務) 第四十一条 破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (他の手続の失効等) 第四十二条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。 2 前項に規定する場合には、同項に規定する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続並びに外国租税滞納処分で、破産財団に属する財産に対して既にされているものは、破産財団に対してはその効力を失う。 ただし、同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については、破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。 3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は、財団債権とする。 5 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては、破産管財人を被告とする。 6 破産手続開始の決定があったときは、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)又は第三者からの情報取得手続(同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)の申立てはすることができず、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続はその効力を失う。 (国税滞納処分等の取扱い) 第四十三条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。 2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。 3 破産手続開始の決定があったときは、破産手続が終了するまでの間は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。 免責許可の申立てがあった後当該申立てについての裁判が確定するまでの間(破産手続開始の決定前に免責許可の申立てがあった場合にあっては、破産手続開始の決定後当該申立てについての裁判が確定するまでの間)も、同様とする。 (破産財団に関する訴えの取扱い) 第四十四条 破産手続開始の決定があったときは、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち破産債権に関しないものを受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 破産手続が終了したときは、破産管財人を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 5 破産者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産者は、当然訴訟手続を受継する。 (債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の取扱い) 第四十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七又は第四百二十四条第一項の規定により破産債権者又は財団債権者の提起した訴訟が破産手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産債権者又は財団債権者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、中断する。 5 前項の場合には、破産債権者又は財団債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産債権者又は財団債権者は、当然訴訟手続を受継する。 (行政庁に係属する事件の取扱い) 第四十六条 第四十四条の規定は、破産財団に関する事件で行政庁に係属するものについて準用する。 第二款 破産手続開始の効果 (開始後の法律行為の効力) 第四十七条 破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。 (開始後の権利取得の効力) 第四十八条 破産手続開始後に破産財団に属する財産に関して破産者の法律行為によらないで権利を取得しても、その権利の取得は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 前条第二項の規定は、破産手続開始の日における前項の権利の取得について準用する。 (開始後の登記及び登録の効力) 第四十九条 不動産又は船舶に関し破産手続開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 ただし、登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。 2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。 (開始後の破産者に対する弁済の効力) 第五十条 破産手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。 2 破産手続開始後に、その事実を知って破産者にした弁済は、破産財団が受けた利益の限度においてのみ、破産手続の関係において、その効力を主張することができる。 (善意又は悪意の推定) 第五十一条 前二条の規定の適用については、第三十二条第一項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 (共有関係) 第五十二条 数人が共同して財産権を有する場合において、共有者の中に破産手続開始の決定を受けた者があるときは、その共有に係る財産の分割の請求は、共有者の間で分割をしない旨の定めがあるときでも、することができる。 2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って破産者の持分を取得することができる。 (双務契約) 第五十三条 双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 2 前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。 この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。 3 前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第六百三十一条前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第六百四十二条第一項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。 第五十四条 前条第一項又は第二項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。 (継続的給付を目的とする双務契約) 第五十五条 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。 2 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。 3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。 (賃貸借契約等) 第五十六条 第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。 (委任契約) 第五十七条 委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法第六百五十五条の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。 (市場の相場がある商品の取引に係る契約) 第五十八条 取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。 2 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。 3 第五十四条第一項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。 4 第一項又は第二項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。 5 第一項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第二項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。 (交互計算) 第五十九条 交互計算は、当事者の一方について破産手続が開始されたときは、終了する。 この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。 2 前項の規定による請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し、相手方が有するときは破産債権とする。 (為替手形の引受け又は支払等) 第六十条 為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。 3 第五十一条の規定は、前二項の規定の適用について準用する。 (夫婦財産関係における管理者の変更等) 第六十一条 民法第七百五十八条第二項及び第三項並びに第七百五十九条の規定は配偶者の財産を管理する者につき破産手続が開始された場合について、同法第八百三十五条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。 第三款 取戻権 (取戻権) 第六十二条 破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。 (運送中の物品の売主等の取戻権) 第六十三条 売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。 ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。 2 前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。 3 第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。 この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。 (代償的取戻権) 第六十四条 破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。 2 前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。 第四款 別除権 (別除権) 第六十五条 別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。 2 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。 (留置権の取扱い) 第六十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。 2 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。 3 第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。 第五款 相殺権 (相殺権) 第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。 2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。 破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。 (相殺に供することができる破産債権の額) 第六十八条 破産債権者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、第百三条第二項各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。 2 前項の規定にかかわらず、破産債権者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。 (解除条件付債権を有する者による相殺) 第六十九条 解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。 (停止条件付債権等を有する者による寄託の請求) 第七十条 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。 敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。 (相殺の禁止) 第七十一条 破産債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担したとき。 二 支払不能になった後に契約によって負担する債務を専ら破産債権をもってする相殺に供する目的で破産者の財産の処分を内容とする契約を破産者との間で締結し、又は破産者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより破産者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産債権者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第七十二条 破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 破産者に対して債務を負担する者と破産者との間の契約 (破産管財人の催告権) 第七十三条 破産管財人は、第三十一条第一項第三号の期間が経過した後又は同号の期日が終了した後は、第六十七条の規定により相殺をすることができる破産債権者に対し、一月以上の期間を定め、その期間内に当該破産債権をもって相殺をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、破産債権者の負担する債務が弁済期にあるときに限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、破産債権者が同項の規定により定めた期間内に確答をしないときは、当該破産債権者は、破産手続の関係においては、当該破産債権についての相殺の効力を主張することができない。 第三章 破産手続の機関 第一節 破産管財人 第一款 破産管財人の選任及び監督 (破産管財人の選任) 第七十四条 破産管財人は、裁判所が選任する。 2 法人は、破産管財人となることができる。 (破産管財人に対する監督等) 第七十五条 破産管財人は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。 この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。 (数人の破産管財人の職務執行) 第七十六条 破産管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (破産管財人代理) 第七十七条 破産管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。 2 前項の破産管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 第二款 破産管財人の権限等 (破産管財人の権限) 第七十八条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。 2 破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 二 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権(二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和六年法律第三十八号)第二条第八項に規定する試掘権をいう。)、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却 三 営業又は事業の譲渡 四 商品の一括売却 五 借財 六 第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄 七 動産の任意売却 八 債権又は有価証券の譲渡 九 第五十三条第一項の規定による履行の請求 十 訴えの提起 十一 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 十二 権利の放棄 十三 財団債権、取戻権又は別除権の承認 十四 別除権の目的である財産の受戻し 十五 その他裁判所の指定する行為 3 前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 4 裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。 5 第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。 (破産財団の管理) 第七十九条 破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第八十条 破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。 (郵便物等の管理) 第八十一条 裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。 2 裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。 3 破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 第八十二条 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。 (破産管財人による調査等) 第八十三条 破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 2 破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 一 破産者が株式会社である場合 破産者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。) 二 破産者が株式会社以外のものである場合 破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社 3 破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。 (破産管財人の職務の執行の確保) 第八十四条 破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。 (破産管財人の注意義務) 第八十五条 破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 (破産管財人の情報提供努力義務) 第八十六条 破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。 (破産管財人の報酬等) 第八十七条 破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。 (破産管財人の任務終了の場合の報告義務等) 第八十八条 破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。 2 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。 3 第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。 4 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 5 前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。 6 第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 第八十九条 前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。 この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。 3 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 4 第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 (任務終了の場合の財産の管理) 第九十条 破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 2 破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。 ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。 第二節 保全管理人 (保全管理命令) 第九十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 3 前二項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 4 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 (保全管理命令に関する公告及び送達) 第九十二条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 2 保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。 (保全管理人の権限) 第九十三条 保全管理命令が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 第七十八条第二項から第六項までの規定は、保全管理人について準用する。 (保全管理人の任務終了の場合の報告義務) 第九十四条 保全管理人の任務が終了した場合には、保全管理人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 2 前項の場合において、保全管理人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の保全管理人又は破産管財人がしなければならない。 (保全管理人代理) 第九十五条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。 2 前項の規定による保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (準用) 第九十六条 第四十条の規定は保全管理人の請求について、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第七十四条第二項、第七十五条、第七十六条、第七十九条、第八十条、第八十二条から第八十五条まで、第八十七条第一項及び第二項並びに第九十条第一項の規定は保全管理人について、第八十七条第一項及び第二項の規定は保全管理人代理について準用する。 この場合において、第五十一条中「第三十二条第一項の規定による公告」とあるのは「第九十二条第一項の規定による公告」と、第九十条第一項中「後任の破産管財人」とあるのは「後任の保全管理人、破産管財人」と読み替えるものとする。 2 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。 一 保全管理命令が発せられた場合 第四十四条第一項から第三項まで 二 保全管理命令が効力を失った場合(破産手続開始の決定があった場合を除く。) 第四十四条第四項から第六項まで 第四章 破産債権 第一節 破産債権者の権利 (破産債権に含まれる請求権) 第九十七条 次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は、破産債権に含まれるものとする。 一 破産手続開始後の利息の請求権 二 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 三 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 四 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの 五 加算税(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第四号に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 六 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(以下「罰金等の請求権」という。) 七 破産手続参加の費用の請求権 八 第五十四条第一項(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権 九 第五十七条に規定する債権 十 第五十九条第一項の規定による請求権であって、相手方の有するもの 十一 第六十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する債権 十二 第百六十八条第二項第二号又は第三号に定める権利 (優先的破産債権) 第九十八条 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。 2 前項の場合において、優先的破産債権間の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 3 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、破産手続開始の時からさかのぼって計算する。 (劣後的破産債権等) 第九十九条 次に掲げる債権(以下「劣後的破産債権」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。 一 第九十七条第一号から第七号までに掲げる請求権 二 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する破産手続開始の時における法定利率による利息の額に相当する部分 三 破産手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分 四 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき第二号の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が破産手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分 2 破産債権者と破産者との間において、破産手続開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権(以下「約定劣後破産債権」という。)は、劣後的破産債権に後れる。 (破産債権の行使) 第百条 破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる行為によって破産債権である租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)を行使する場合については、適用しない。 一 破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分 二 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当 (給料の請求権等の弁済の許可) 第百一条 優先的破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第百九十五条第一項に規定する最後配当、第二百四条第一項に規定する簡易配当、第二百八条第一項に規定する同意配当又は第二百九条第一項に規定する中間配当の許可があるまでの間、破産管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。 ただし、その弁済により財団債権又は他の先順位若しくは同順位の優先的破産債権を有する者の利益を害するおそれがないときに限る。 2 破産管財人は、前項の破産債権者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。 この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。 (破産管財人による相殺) 第百二条 破産管財人は、破産財団に属する債権をもって破産債権と相殺することが破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。 (破産債権者の手続参加) 第百三条 破産債権者は、その有する破産債権をもって破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、破産債権の額は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 一 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの ハ 金額又は存続期間が不確定である定期金債権 二 前号に掲げる債権以外の債権 債権額 3 破産債権が期限付債権でその期限が破産手続開始後に到来すべきものであるときは、その破産債権は、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす。 4 破産債権が破産手続開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも、当該破産債権者は、その破産債権をもって破産手続に参加することができる。 5 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって破産手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定をいう。第百三十四条第二項において同じ。)を得なければならない。 (全部の履行をする義務を負う者が数人ある場合等の手続参加) 第百四条 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。 3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。 ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。 4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。 5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する。 (保証人の破産の場合の手続参加) 第百五条 保証人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき無限の責任を負う者の破産の場合の手続参加) 第百六条 法人の債務につき無限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき有限の責任を負う者の破産の場合の手続参加等) 第百七条 法人の債務につき有限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続に参加することができない。 この場合においては、当該法人が出資の請求について破産手続に参加することを妨げない。 2 法人の債務につき有限の責任を負う者がある場合において、当該法人について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、当該法人の債務につき有限の責任を負う者に対してその権利を行使することができない。 (別除権者等の手続参加) 第百八条 別除権者は、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の額についてのみ、破産債権者としてその権利を行使することができる。 ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。 2 破産財団に属しない破産者の財産につき特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 (外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加) 第百九条 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 (代理委員) 第百十条 破産債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。 2 代理委員は、これを選任した破産債権者のために、破産手続に属する一切の行為をすることができる。 3 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。 ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可を取り消すことができる。 第二節 破産債権の届出 (破産債権の届出) 第百十一条 破産手続に参加しようとする破産債権者は、第三十一条第一項第一号又は第三項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 一 各破産債権の額及び原因 二 優先的破産債権であるときは、その旨 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは、その旨 四 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項 2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。 一 別除権の目的である財産 二 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 3 前項の規定は、第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を有する者(以下「準別除権者」という。)について準用する。 (一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等) 第百十二条 破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第三十一条第一項第三号の期間(以下「一般調査期間」という。)の経過又は同号の期日(以下「一般調査期日」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。 2 前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 3 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に生じた破産債権については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。 4 第一項及び第二項の規定は、破産債権者が、その責めに帰することができない事由によって、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。 (届出名義の変更) 第百十三条 届出をした破産債権を取得した者は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。 2 前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (租税等の請求権等の届出) 第百十四条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。 一 租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 二 罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 第三節 破産債権の調査及び確定 第一款 通則 (破産債権者表の作成等) 第百十五条 裁判所書記官は、届出があった破産債権について、破産債権者表を作成しなければならない。 2 前項の破産債権者表には、各破産債権について、第百十一条第一項第一号から第四号まで及び第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。 3 破産債権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。 (破産債権の調査の方法) 第百十六条 裁判所による破産債権の調査は、次款の規定により、破産管財人が作成した認否書並びに破産債権者及び破産者の書面による異議に基づいてする。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必要があると認めるときは、第三款の規定により、破産債権の調査を、そのための期日における破産管財人の認否並びに破産債権者及び破産者の異議に基づいてすることができる。 3 裁判所は、第百二十一条の規定による一般調査期日における破産債権の調査の後であっても、第百十九条の規定による特別調査期間における書面による破産債権の調査をすることができ、必要があると認めるときは、第百十八条の規定による一般調査期間における書面による破産債権の調査の後であっても、第百二十二条の規定による特別調査期日における破産債権の調査をすることができる。 第二款 書面による破産債権の調査 (認否書の作成及び提出) 第百十七条 破産管財人は、一般調査期間が定められたときは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 一 破産債権の額 二 優先的破産債権であること。 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること。 四 別除権(第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 2 破産管財人は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の破産債権者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。 3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所の定める期限までに、前二項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 4 第一項の規定により同項の認否書に認否を記載すべき事項であって前項の規定により提出された認否書に認否の記載がないものがあるときは、破産管財人において当該事項を認めたものとみなす。 5 第二項の規定により第一項各号に掲げる事項についての認否を認否書に記載することができる破産債権について、第三項の規定により提出された認否書に当該事項の一部についての認否の記載があるときは、破産管財人において当該事項のうち当該認否書に認否の記載のないものを認めたものとみなす。 (一般調査期間における調査) 第百十八条 届出をした破産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第一項又は第二項に規定する破産債権についての同条第一項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。 2 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 4 前項の規定による送達は、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。 5 前項の規定による送達をした場合においては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。 (特別調査期間における調査) 第百十九条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に第百十二条第一項若しくは第三項の規定による届出があり、又は同条第四項において準用する同条第一項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、前項本文と同様とする。 3 第一項本文又は前項の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該破産債権を有する者の負担とする。 4 破産管財人は、特別調査期間に係る破産債権については、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。 この場合においては、同条第四項の規定を準用する。 5 届出をした破産債権者は前項の破産債権についての第百十七条第一項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 6 前条第三項から第五項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定があった場合における裁判書の送達について準用する。 (特別調査期間に関する費用の予納) 第百二十条 前条第一項本文又は第二項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第三項の破産債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 第一項の場合において、同項の破産債権を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。 6 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 第三款 期日における破産債権の調査 (一般調査期日における調査) 第百二十一条 破産管財人は、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者又はその代理人は、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。 3 破産者は、一般調査期日に出頭しなければならない。 ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 4 前項本文の規定により出頭した破産者は、第一項の破産債権の額について、異議を述べることができる。 5 第三項本文の規定により出頭した破産者は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。 6 前二項の規定は、第三項ただし書の代理人について準用する。 7 前各項の規定は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について一般調査期日において調査をすることにつき破産管財人及び破産債権者の異議がない場合について準用する。 8 一般調査期日における破産債権の調査は、破産管財人が出頭しなければ、することができない。 9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 10 裁判所は、一般調査期日における破産債権の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者に送達しなければならない。 11 第百十八条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定による送達について準用する。 (映像等の送受信による通話の方法による一般調査期日) 第百二十一条の二 裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所並びに破産者、破産管財人及び届出をした破産債権者が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、一般調査期日における手続を行うことができる。 2 前項の一般調査期日に出頭しないでその手続に関与した破産者、破産管財人及び届出をした破産債権者は、その一般調査期日に出頭したものとみなす。 (特別調査期日における調査) 第百二十二条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「特別調査期日」という。)を定めることができる。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 第百十九条第二項及び第三項、同条第六項において準用する第百十八条第三項から第五項まで、第百二十条、第百二十一条(第七項及び第九項を除く。)並びに前条の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 (期日終了後の破産者の異議) 第百二十三条 破産者がその責めに帰することができない事由によって一般調査期日又は特別調査期日に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後一週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 2 前項に規定する一週間の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 第四款 破産債権の確定 (異議等のない破産債権の確定) 第百二十四条 第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内若しくは特別調査期間内又は一般調査期日若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。 2 裁判所書記官は、破産債権の調査の結果を破産債権者表に記載しなければならない。 3 第一項の規定により確定した事項についての破産債権者表の記載は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。 (破産債権査定決定) 第百二十五条 破産債権の調査において、破産債権の額又は優先的破産債権、劣後的破産債権若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下この条及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。 ただし、第百二十七条第一項並びに第百二十九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。 2 破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。 3 破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。 4 裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。 5 破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え) 第百二十六条 破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。 2 破産債権査定異議の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。 4 破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。 5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 6 同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。 7 破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。 (異議等のある破産債権に関する訴訟の受継) 第百二十七条 異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 2 第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。 (主張の制限) 第百二十八条 破産債権査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、破産債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。 (執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張) 第百二十九条 異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 2 前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 3 第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項及び第六項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。 この場合においては、第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、「異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項又は第百二十一条第二項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。 (破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載) 第百三十条 裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を破産債権者表に記載しなければならない。 (破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力) 第百三十一条 破産債権の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。 2 破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。 (訴訟費用の償還) 第百三十二条 破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。 (破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い) 第百三十三条 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 2 破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。 3 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。 4 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 5 破産手続が終了した際現に係属する第百二十七条第一項又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 6 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。 第五款 租税等の請求権等についての特例 第百三十四条 租税等の請求権及び罰金等の請求権については、第一款(第百十五条を除く。)から前款までの規定は、適用しない。 2 第百十四条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、破産管財人は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。 3 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする破産管財人は、当該届出があった請求権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時破産財団に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。 4 第二項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、破産管財人が第二項に規定する届出があったことを知った日から一月の不変期間内にしなければならない。 5 第百二十四条第二項の規定は第百十四条の規定による届出があった請求権について、第百二十八条、第百三十条、第百三十一条第一項及び前条第三項の規定は第二項の規定による異議又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。 第四節 債権者集会及び債権者委員会 第一款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第百三十五条 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 破産管財人 二 第百四十四条第二項に規定する債権者委員会 三 知れている破産債権者の総債権について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる破産債権を有する破産債権者 2 裁判所は、前項本文の申立てがない場合であっても、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。 (債権者集会の期日の呼出し等) 第百三十六条 債権者集会の期日には、破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者を呼び出さなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、届出をした破産債権者を呼び出すことを要しない。 2 前項本文の規定にかかわらず、届出をした破産債権者であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。 財産状況報告集会においては、第三十二条第三項の規定により通知を受けた者も、同様とする。 3 裁判所は、第三十二条第一項第三号及び第三項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会(財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。)の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。 4 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第一項本文及び前項の規定は、適用しない。 (映像等の送受信による通話の方法による債権者集会) 第百三十六条の二 裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所並びに破産者、破産管財人、届出をした破産債権者及び外国管財人(第二百四十五条第一項に規定する外国管財人をいう。次項において同じ。)が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、債権者集会の期日における手続を行うことができる。 2 前項の期日に出席しないでその手続に関与した破産者、破産管財人、届出をした破産債権者及び外国管財人は、その期日に出席したものとみなす。 (債権者集会の指揮) 第百三十七条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 (債権者集会の決議) 第百三十八条 債権者集会の決議を要する事項を可決するには、議決権を行使することができる破産債権者(以下この款において「議決権者」という。)で債権者集会の期日に出席し又は次条第二項第二号に規定する書面等投票をしたものの議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 (決議に付する旨の決定) 第百三十九条 裁判所は、第百三十五条第一項各号に掲げる者が債権者集会の決議を要する事項を決議に付することを目的として同項本文の申立てをしたときは、当該事項を債権者集会の決議に付する旨の決定をする。 2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 一 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 二 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法 三 前二号に掲げる方法のうち議決権者が選択するものにより議決権を行使する方法。 この場合において、前号の期間の末日は、第一号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。 3 裁判所は、議決権行使の方法として前項第二号又は第三号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第二号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、当該通知をすることを要しない。 (債権者集会の期日を開く場合における議決権の額の定め方等) 第百四十条 裁判所が議決権行使の方法として前条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定によりその額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者、準別除権者又は停止条件付債権若しくは将来の請求権である破産債権を有する者(次項及び次条第一項第一号において「別除権者等」という。)を除く。) 確定した破産債権の額 二 次項本文の異議のない議決権を有する届出をした破産債権者 届出の額(別除権者又は準別除権者にあっては、第百十一条第二項第二号(同条第三項又は第百十四条において準用する場合を含む。)に掲げる額) 三 次項本文の異議のある議決権を有する届出をした破産債権者 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 届出をした破産債権者の前項の規定による議決権については、破産管財人又は届出をした破産債権者は、債権者集会の期日において、異議を述べることができる。 ただし、前節第四款の規定により破産債権の額が確定した届出をした破産債権者(別除権者等を除く。)の議決権については、この限りでない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項第三号の規定による定めを変更することができる。 (債権者集会の期日を開かない場合における議決権の額の定め方等) 第百四十一条 裁判所が議決権行使の方法として第百三十九条第二項第二号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定により破産債権の額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者等を除く。) 確定した破産債権の額 二 届出をした破産債権者(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第二号の規定による定めを変更することができる。 (破産債権者の議決権) 第百四十二条 破産債権者は、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権については、議決権を有しない。 2 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者及び第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、その弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (代理人による議決権行使) 第百四十三条 議決権者は、代理人をもってその議決権を行使することができる。 第二款 債権者委員会 (債権者委員会) 第百四十四条 裁判所は、破産債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、破産手続に関与することを承認することができる。 ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。 一 委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。 二 破産債権者の過半数が当該委員会が破産手続に関与することについて同意していると認められること。 三 当該委員会が破産債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、破産手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。 3 債権者委員会は、破産手続において、裁判所又は破産管財人に対して、意見を述べることができる。 4 債権者委員会に破産手続の円滑な進行に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した破産債権者の申立てにより、破産財団から当該破産債権者に対して相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。 この場合においては、当該費用の請求権は、財団債権とする。 5 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。 (債権者委員会の意見聴取) 第百四十五条 裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、破産管財人に対して、その旨を通知しなければならない。 2 破産管財人は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、破産財団に属する財産の管理及び処分に関する事項について、債権者委員会の意見を聴かなければならない。 (破産管財人の債権者委員会に対する報告義務) 第百四十六条 破産管財人は、第百五十三条第二項又は第百五十七条の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。 2 破産管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。 (破産管財人に対する報告命令) 第百四十七条 債権者委員会は、破産債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、破産管財人に破産財団に属する財産の管理及び処分に関し必要な事項について第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。 2 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、破産管財人に対し、第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。 第五章 財団債権 (財団債権となる請求権) 第百四十八条 次に掲げる請求権は、財団債権とする。 一 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 二 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権 三 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権及び第九十七条第五号に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から一年(その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの 四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権 五 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 六 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 七 第五十三条第一項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権 八 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(第五十三条第一項又は第二項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権 2 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、財団債権とする。 3 第百三条第二項及び第三項の規定は、第一項第七号及び前項に規定する財団債権について準用する。 この場合において、当該財団債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、当該債権の額は、当該債権が破産債権であるとした場合に第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる劣後的破産債権となるべき部分に相当する金額を控除した額とする。 4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 (使用人の給料等) 第百四十九条 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権とする。 2 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は、退職前三月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前三月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前三月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。 (社債管理者等の費用及び報酬) 第百五十条 社債管理者又は社債管理補助者が破産債権である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、破産手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の当該事務の処理に要する費用の請求権を財団債権とする旨の許可をすることができる。 2 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで破産債権である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が破産手続の円滑な進行に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 3 裁判所は、破産手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 4 前三項の規定による許可を得た請求権は、財団債権とする。 5 第一項から第三項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で破産債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。 一 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の受託会社 同項に規定する社債 二 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第五十四条の五に規定する社会医療法人債管理者又は同法第五十四条の五の二に規定する社会医療法人債管理補助者 同法第五十四条の二第一項に規定する社会医療法人債 三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の八に規定する投資法人債管理者又は同法第百三十九条の九の二第一項に規定する投資法人債管理補助者 同法第二条第十九項に規定する投資法人債 四 保険業法第六十一条の六に規定する社債管理者又は同法第六十一条の七の二に規定する社債管理補助者 相互会社が発行する社債 五 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百二十六条に規定する特定社債管理者又は同法第百二十七条の二第一項に規定する特定社債管理補助者 同法第二条第七項に規定する特定社債 (財団債権の取扱い) 第百五十一条 財団債権は、破産債権に先立って、弁済する。 (破産財団不足の場合の弁済方法等) 第百五十二条 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。 ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。 2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第百四十八条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。 第六章 破産財団の管理 第一節 破産者の財産状況の調査 (財産の価額の評定等) 第百五十三条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、破産財団に属する一切の財産につき、破産手続開始の時における価額を評定しなければならない。 この場合においては、破産者をその評定に立ち会わせることができる。 2 破産管財人は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに破産手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。 3 破産財団に属する財産の総額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合には、前項の規定にかかわらず、破産管財人は、裁判所の許可を得て、同項の貸借対照表の作成及び提出をしないことができる。 (別除権の目的の提示等) 第百五十四条 破産管財人は、別除権者に対し、当該別除権の目的である財産の提示を求めることができる。 2 破産管財人が前項の財産の評価をしようとするときは、別除権者は、これを拒むことができない。 (封印及び帳簿の閉鎖) 第百五十五条 破産管財人は、必要があると認めるときは、裁判所書記官、執行官又は公証人に、破産財団に属する財産に封印をさせ、又はその封印を除去させることができる。 2 裁判所書記官は、必要があると認めるときは、破産管財人の申出により、破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。 (破産財団に属する財産の引渡し) 第百五十六条 裁判所は、破産管財人の申立てにより、決定で、破産者に対し、破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の決定をする場合には、破産者を審尋しなければならない。 3 第一項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (裁判所への報告) 第百五十七条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。 一 破産手続開始に至った事情 二 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 三 第百七十七条第一項の規定による保全処分又は第百七十八条第一項に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無 四 その他破産手続に関し必要な事項 2 破産管財人は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 (財産状況報告集会への報告) 第百五十八条 財産状況報告集会においては、破産管財人は、前条第一項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。 (債権者集会への報告) 第百五十九条 破産管財人は、債権者集会がその決議で定めるところにより、破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない。 第二節 否認権 (破産債権者を害する行為の否認) 第百六十条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 二 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。 3 破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 (相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 第百六十一条 破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。 二 破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。 2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 一 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者 二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者 三 破産者の親族又は同居者 (特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 第百六十二条 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。 二 破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。 ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合 二 前項第一号に掲げる行為が破産者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合 3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。 (手形債務支払の場合等の例外) 第百六十三条 前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。 2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。 3 前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。 (権利変動の対抗要件の否認) 第百六十四条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、破産手続開始後、破産財団のためにこれを否認することができる。 ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。 2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。 (執行行為の否認) 第百六十五条 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。 (支払の停止を要件とする否認の制限) 第百六十六条 破産手続開始の申立ての日から一年以上前にした行為(第百六十条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。 (否認権行使の効果) 第百六十七条 否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。 2 第百六十条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 (破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 第百六十八条 第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存しない場合 財団債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付によって生じた利益が破産財団中に現存しない場合 破産債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 三 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び破産債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 破産管財人は、第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により財団債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権の回復) 第百六十九条 第百六十二条第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。 (転得者に対する否認権) 第百七十条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。 ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。 一 転得者が転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知っていたとき。 二 転得者が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。 ただし、転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。 (破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 第百七十条の二 破産者がした第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百六十八条第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 ただし、同項第一号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、財団債権者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第百六十八条第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。 5 破産管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百六十七条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により財団債権となる額(第百六十八条第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権に関する転得者の権利) 第百七十条の三 破産者がした第百六十二条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百六十九条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。 この場合には、前条第四項の規定を準用する。 (否認権のための保全処分) 第百七十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。 3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 前各項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 第百七十二条 前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。 2 破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。 3 破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。 4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。 (否認権の行使) 第百七十三条 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。 2 前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。 (否認の請求) 第百七十四条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。 3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。 4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 第百七十五条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。 4 第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。 同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。 5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 6 第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。 (否認権行使の期間) 第百七十六条 否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。 否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。 第三節 法人の役員の責任の追及等 (役員の財産に対する保全処分) 第百七十七条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 3 裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (役員の責任の査定の申立て等) 第百七十八条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 3 裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 4 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 5 役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。 (役員責任査定決定等) 第百七十九条 役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。 2 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。 3 役員責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (役員責任査定決定に対する異議の訴え) 第百八十条 役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 (役員責任査定決定の効力) 第百八十一条 前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (社員の出資責任) 第百八十二条 会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。 (匿名組合員の出資責任) 第百八十三条 匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。 第七章 破産財団の換価 第一節 通則 (換価の方法) 第百八十四条 第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。 2 破産管財人は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。 (別除権者が処分をすべき期間の指定) 第百八十五条 別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、破産管財人の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 別除権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 3 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第二節 担保権の消滅 (担保権消滅の許可の申立て) 第百八十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。 ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。 一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額 二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額 2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。 3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。 一 担保権の目的である財産の表示 二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称 四 消滅すべき担保権の表示 五 前号の担保権によって担保される債権の額 六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 七 前項の規定による協議の内容及びその経過 4 申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。 5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (担保権の実行の申立て) 第百八十七条 被申立担保権者は、前条第一項の申立てにつき異議があるときは、同条第五項の規定によりすべての被申立担保権者に申立書及び同条第四項の書面の送達がされた日から一月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を裁判所に提出することができる。 2 裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。 3 破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条第一項第二号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。 4 被申立担保権者は、第一項の期間(第二項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第百九十条第六項の規定により第百八十九条第一項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。 5 第一項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面は提出されなかったものとみなす。 民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条又は同法第百九十二条において準用する同法第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。 6 第百八十九条第一項の不許可の決定が確定した後に、第一項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条第一項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第一項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出することができない。 (買受けの申出) 第百八十八条 被申立担保権者は、第百八十六条第一項の申立てにつき異議があるときは、前条第一項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第百八十六条第三項第一号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。 2 買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。 一 第百八十六条第三項第一号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称 二 破産管財人が第百八十六条第三項第一号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。) 三 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額 3 買受けの申出の額は、申立書に記載された第百八十六条第三項第二号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。 4 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、第二項第三号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第三項第二号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。 5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 6 前条第三項の規定は、買受けの申出について準用する。 7 買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第一項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。 8 破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条第一項の期間が経過した後、裁判所に対し、第百八十六条第三項第一号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。 この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。 9 前項の場合においては、破産管財人は、前条第一項の期間内にされた買受けの申出に係る第二項の書面を裁判所に提出しなければならない。 10 買受けの申出があったときは、破産管財人は、第百八十六条第一項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条第一項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第二項に規定する買受人)の同意を得なければならない。 (担保権消滅の許可の決定等) 第百八十九条 裁判所は、被申立担保権者が第百八十七条第一項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第百八十六条第一項の許可の決定をしなければならない。 一 前条第八項に規定する届出がされなかった場合 第百八十六条第三項第三号の売却の相手方 二 前条第八項に規定する届出がされた場合 同項に規定する買受希望者 2 前項第二号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第百八十六条第四項の書面に記載された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。 この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。 3 第百八十六条第一項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第一項第二号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。 4 第百八十六条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第百八十六条第一項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (金銭の納付等) 第百九十条 前条第一項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。 一 前条第一項第一号に掲げる場合 第百八十六条第一項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額 二 前条第一項第二号に掲げる場合 同条第二項後段に規定する売得金の額から第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額 2 前項第二号の規定による金銭の納付があったときは、第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。 3 前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。 4 被申立担保権者の有する担保権は、第一項第一号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第二号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。 5 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 6 第一項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第一項の許可の決定を取り消さなければならない。 7 前項の場合には、買受人は、第二項の保証の返還を請求することができない。 (配当等の実施) 第百九十一条 裁判所は、前条第四項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る配当表に基づいて、その配当を実施しなければならない。 2 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条第四項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。 3 民事執行法第八十五条から第八十六条まで及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。 第三節 商事留置権の消滅 第百九十二条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が第三十六条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。 2 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。 3 第一項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。 4 前項の許可があった場合における第二項に規定する弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。 5 前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。 第八章 配当 第一節 通則 (配当の方法等) 第百九十三条 破産債権者は、この章の定めるところに従い、破産財団から、配当を受けることができる。 2 破産債権者は、破産管財人がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。 ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。 3 破産管財人は、配当をしたときは、その配当をした金額を破産債権者表に記載しなければならない。 (配当の順位等) 第百九十四条 配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第一号の優先的破産債権間においては第九十八条第二項に規定する優先順位による。 一 優先的破産債権 二 前号、次号及び第四号に掲げるもの以外の破産債権 三 劣後的破産債権 四 約定劣後破産債権 2 同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。 第二節 最後配当 (最後配当) 第百九十五条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。 2 破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。 3 裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。 (配当表) 第百九十六条 破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 一 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 二 最後配当の手続に参加することができる債権の額 三 最後配当をすることができる金額 2 前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。 3 破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。 4 前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。 (配当の公告等) 第百九十七条 破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (破産債権の除斥等) 第百九十八条 異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。 2 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 3 別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。 4 第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。 5 第三項の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表の更正) 第百九十九条 次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。 一 破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 二 前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 三 前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 2 前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表に対する異議) 第二百条 届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。 3 第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。 4 第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (配当額の定め及び通知) 第二百一条 破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 2 破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。 3 解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 4 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 5 第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。 この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 6 次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。 7 破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 (配当額の供託) 第二百二条 破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額 三 破産債権者が受け取らない配当額 (破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い) 第二百三条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 第三節 簡易配当 (簡易配当) 第二百四条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。 一 配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。 二 裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。 2 破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 4 第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (準用) 第二百五条 簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。 (簡易配当の許可の取消し) 第二百六条 破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。 この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。 (適用除外) 第二百七条 第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。 第四節 同意配当 第二百八条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「同意配当」という。)をすることを許可することができる。 この場合において、破産管財人の申立ては、届出をした破産債権者の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。 2 前項の規定による許可があった場合には、破産管財人は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の届出をした破産債権者に対して同意配当をすることができる。 3 同意配当については、第百九十六条第一項及び第二項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百八条第一項の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。 第五節 中間配当 (中間配当) 第二百九条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この節において「中間配当」という。)をすることができる。 2 破産管財人は、中間配当をするには、裁判所の許可を得なければならない。 3 中間配当については、第百九十六条第一項及び第二項、第百九十七条、第百九十八条第一項、第百九十九条第一項第一号及び第二号、第二百条、第二百一条第四項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百九条第二項の規定による許可」と、第百九十九条第一項各号及び第二百条第一項中「最後配当に関する除斥期間」とあるのは「第二百十条第一項に規定する中間配当に関する除斥期間」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額」とあるのは「第二百十一条の規定による配当率」と読み替えるものとする。 (別除権者の除斥等) 第二百十条 別除権者は、中間配当の手続に参加するには、前条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する期間(以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。)に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。 2 前項の規定は、準別除権者について準用する。 3 破産管財人は、第一項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき中間配当に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。 (配当率の定め及び通知) 第二百十一条 破産管財人は、第二百九条第三項において準用する第二百条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間配当の手続に参加することができる破産債権者に通知しなければならない。 (解除条件付債権の取扱い) 第二百十二条 解除条件付債権である破産債権については、相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。 2 前項の破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。 (除斥された破産債権等の後の配当における取扱い) 第二百十三条 第二百九条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する事項につき証明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった破産債権について、当該破産債権を有する破産債権者が最後配当に関する除斥期間又はその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明をしたときは、その中間配当において受けることができた額について、当該最後配当又はその中間配当の後に行われることがある中間配当において、他の同順位の破産債権者に先立って配当を受けることができる。 第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明又は疎明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった別除権者(準別除権者を含む。)がその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明及び疎明をしたときも、同様とする。 (配当額の寄託) 第二百十四条 中間配当を行おうとする破産管財人は、次に掲げる破産債権に対する配当額を寄託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって、第二百二条第一号に規定する手続が係属しているもの 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって、第二百十一条の規定による配当率の通知を発した時に第二百二条第二号に規定する手続が終了していないもの 三 中間配当に関する除斥期間内に第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による証明及び疎明があった債権のうち、当該疎明があった額に係る部分 四 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権 五 解除条件付債権である破産債権であって、第二百十二条第一項の規定による担保が供されていないもの 六 第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者が有する破産債権 2 前項第一号又は第二号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、第二百二条第一号又は第二号の規定により当該破産債権に対する配当額を供託するときは、破産管財人は、その寄託した配当額をこれを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 3 第一項第三号又は第四号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権を有する破産債権者又は別除権者(準別除権者を含む。)が第百九十八条第二項の規定に適合しなかったこと又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明をしなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかったときは、破産管財人は、その寄託した配当額の最後配当を他の破産債権者に対してしなければならない。 4 第一項第五号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権の条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、破産管財人は、その寄託した配当額を当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 5 第一項第六号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合における第二百一条第五項の規定の適用については、同項中「その定めた配当額が同号に」とあるのは「その定めた配当額及び破産管財人が第二百十四条第一項第六号の規定により寄託した同号に掲げる破産債権に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に」と、「当該配当額」とあるのは「当該合計額」とする。 第六節 追加配当 第二百十五条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した後(簡易配当にあっては第二百五条において準用する第二百条第一項に規定する期間を経過した後、同意配当にあっては第二百八条第一項の規定による許可があった後)、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたときは、破産管財人は、裁判所の許可を得て、最後配当、簡易配当又は同意配当とは別に、届出をした破産債権者に対し、この条の規定による配当(以下この条において「追加配当」という。)をしなければならない。 破産手続終結の決定があった後であっても、同様とする。 2 追加配当については、第二百一条第四項及び第五項、第二百二条並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第二百一条第五項中「第一項の規定」とあるのは「第二百十五条第四項の規定」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項」とあるのは「第二百十五条第五項」と読み替えるものとする。 3 追加配当は、最後配当、簡易配当又は同意配当について作成した配当表によってする。 4 破産管財人は、第一項の規定による許可があったときは、遅滞なく、追加配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 5 破産管財人は、前項の規定により定めた配当額を、追加配当の手続に参加することができる破産債権者(第二項において読み替えて準用する第二百一条第五項の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 6 追加配当をした場合には、破産管財人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 7 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、当該計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人がしなければならない。 第九章 破産手続の終了 (破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 2 前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 3 裁判所は、第一項の規定により破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨 4 第一項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第三十一条及び第三十二条の規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。 (破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定) 第二百十七条 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。 2 前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができる。 この場合においては、当該意見の聴取を目的とする第百三十五条第一項第二号又は第三号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。 3 前二項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 4 裁判所は、第一項の規定による破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項の申立てを棄却する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 第一項の規定による破産手続廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 7 第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 8 第一項の規定による破産手続廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十八条 裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 一 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 二 前号の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。 ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について同項第一号及び第二号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。 この場合における同項第一号及び第二号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「届出をした破産債権者」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。 3 裁判所は、第一項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 4 届出をした破産債権者は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 5 前条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定について準用する。 この場合において、同条第五項中「破産管財人」とあるのは、「破産者」と読み替えるものとする。 (破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十九条 法人である破産者が前条第一項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。 (破産手続終結の決定) 第二百二十条 裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第八十八条第四項の債権者集会が終結したとき、又は第八十九条第二項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 (破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力) 第二百二十一条 第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。 この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる。 2 前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。 第十章 相続財産の破産等に関する特則 第一節 相続財産の破産 (相続財産に関する破産事件の管轄) 第二百二十二条 相続財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、被相続人の相続開始の時の住所又は相続財産に属する財産が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 相続財産に関する破産事件は、被相続人の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、相続財産に関する破産事件は、相続財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 相続財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、相続財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (相続財産の破産手続開始の原因) 第二百二十三条 相続財産に対する第三十条第一項の規定の適用については、同項中「破産手続開始の原因となる事実があると認めるとき」とあるのは、「相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百二十四条 相続財産については、相続債権者又は受遺者のほか、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者(相続財産の管理に必要な行為をする権利を有する遺言執行者に限る。以下この節において同じ。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が相続財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 相続債権者又は受遺者 その有する債権の存在及び当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 二 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者 当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 (破産手続開始の申立期間) 第二百二十五条 相続財産については、民法第九百四十一条第一項の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、破産手続開始の申立てをすることができる。 ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が完了するまでの間も、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の決定前の相続の開始) 第二百二十六条 裁判所は、破産手続開始の申立て後破産手続開始の決定前に債務者について相続が開始したときは、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者の申立てにより、当該相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることができる。 2 前項に規定する続行の申立ては、相続が開始した後一月以内にしなければならない。 3 第一項に規定する破産手続は、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがなかった場合はその期間が経過した時に、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがあった場合で当該申立てを却下する裁判が確定したときはその時に、それぞれ終了する。 4 第一項に規定する続行の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 (破産手続開始の決定後の相続の開始) 第二百二十七条 裁判所は、破産手続開始の決定後に破産者について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百二十八条 相続財産についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (破産財団の範囲) 第二百二十九条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 この場合においては、被相続人が相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 2 相続人が相続財産の全部又は一部を処分した後に相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人が反対給付について有する権利は、破産財団に属する。 3 前項に規定する場合において、相続人が既に同項の反対給付を受けているときは、相続人は、当該反対給付を破産財団に返還しなければならない。 ただし、相続人が当該反対給付を受けた当時、破産手続開始の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは、その現に受けている利益を返還すれば足りる。 (相続人等の説明義務等) 第二百三十条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 被相続人の代理人であった者 二 相続人及びその代理人 三 相続財産の管理人、相続財産の清算人及び遺言執行者 2 前項の規定は、同項第二号又は第三号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、相続財産について破産手続開始の決定があった場合における相続人並びにその法定代理人及び支配人について準用する。 (相続債権者及び受遺者の地位) 第二百三十一条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続債権者の債権は、受遺者の債権に優先する。 (相続人の地位) 第二百三十二条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続人が被相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 この場合においては、相続人は、被相続人に対して有していた債権について、相続債権者と同一の権利を有する。 2 前項に規定する場合において、相続人が相続債権者に対して自己の固有財産をもって弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、相続人は、その出えんの額の範囲内において、当該相続債権者が被相続人に対して有していた権利を行使することができる。 (相続人の債権者の地位) 第二百三十三条 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係) 第二百三十四条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 (受遺者に対する担保の供与等の否認) 第二百三十五条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する破産債権者を害するときは、当該行為を否認することができる。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項の行為が同項の規定により否認された場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「破産債権者を害すること」とあるのは、「第二百三十五条第一項の破産債権者を害すること」と読み替えるものとする。 (否認後の残余財産の分配等) 第二百三十六条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、破産管財人は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百三十七条 相続財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、相続人がする。 2 相続人が数人あるときは、前項の申立ては、各相続人がすることができる。 第二節 相続人の破産 (破産者の単純承認又は相続放棄の効力等) 第二百三十八条 破産手続開始の決定前に破産者のために相続の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 2 破産管財人は、前項後段の規定にかかわらず、相続の放棄の効力を認めることができる。 この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から三月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百三十九条 相続人についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (相続債権者、受遺者及び相続人の債権者の地位) 第二百四十条 相続人について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の破産財団については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。 3 第二百二十五条に規定する期間内にされた破産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。 4 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、破産債権者としてその権利を行使することができない。 第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。 (限定承認又は財産分離の手続において相続債権者等が受けた弁済) 第二百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があった後に、限定承認又は財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 相続人の債権者が、相続人について破産手続開始の決定があった後に、財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合も、同様とする。 2 前項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済(相続人が数人ある場合には、当該破産手続開始の決定を受けた相続人の相続分に応じた部分に限る。次項において同じ。)と同一の割合の配当を受けるまでは、破産手続により、配当を受けることができない。 3 第一項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、前項の弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (限定承認又は財産分離等の後の相続財産の管理及び処分等) 第二百四十二条 相続人について破産手続開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、破産管財人は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。 限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。 2 破産管財人が前項の規定による相続財産の管理及び処分を終えた場合において、残余財産があるときは、その残余財産のうち当該相続人に帰属すべき部分は、当該相続人の固有財産とみなす。 この場合において、破産管財人は、その残余財産について、破産財団の財産目録及び貸借対照表を補充しなければならない。 3 第一項前段及び前項の規定は、第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有する場合及び第二百四十条第三項の場合について準用する。 第三節 受遺者の破産 (包括受遺者の破産) 第二百四十三条 前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 (特定遺贈の承認又は放棄) 第二百四十四条 破産手続開始の決定前に破産者のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。 2 民法第九百八十七条の規定は、前項の場合について準用する。 第十章の二 信託財産の破産に関する特則 (信託財産に関する破産事件の管轄) 第二百四十四条の二 信託財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 信託財産に関する破産事件は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、信託財産に関する破産事件は、信託財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 信託財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、信託財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (信託財産の破産手続開始の原因) 第二百四十四条の三 信託財産に対する第十五条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百四十四条の四 信託財産については、信託債権(信託法第二十一条第二項第二号に規定する信託債権をいう。次項第一号及び第二百四十四条の七において同じ。)を有する者又は受益者のほか、受託者又は信託財産管理者、信託財産法人管理人若しくは同法第百七十条第一項の管理人(以下「受託者等」と総称する。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が信託財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 信託債権を有する者又は受益者 その有する信託債権又は受益債権の存在及び当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 二 受託者等 当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 3 前項第二号の規定は、受託者等が一人であるとき、又は受託者等が数人ある場合において受託者等の全員が破産手続開始の申立てをしたときは、適用しない。 4 信託財産については、信託が終了した後であっても、残余財産の給付が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産財団の範囲) 第二百四十四条の五 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 (受託者等の説明義務等) 第二百四十四条の六 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 受託者等 二 会計監査人(信託法第二百四十八条第一項又は第二項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。) 2 前項の規定は、同項各号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等(個人である受託者等に限る。)について準用する。 4 第四十一条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等について準用する。 (信託債権者及び受益者の地位) 第二百四十四条の七 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、信託債権は、受益債権に優先する。 3 受益債権と約定劣後破産債権は、同順位とする。 ただし、信託行為の定めにより、約定劣後破産債権が受益債権に優先するものとすることができる。 (受託者の地位) 第二百四十四条の八 信託法第四十九条第一項(同法第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての破産手続との関係においては、金銭債権とみなす。 (固有財産等責任負担債務に係る債権者の地位) 第二百四十四条の九 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第二十二条第一項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係等) 第二百四十四条の十 信託財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、受託者等が信託財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 2 前項に規定する場合における第百六十一条第一項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 3 第一項に規定する場合における第百六十二条第一項第一号の規定の適用については、債権者が受託者等又は会計監査人であるときは、その債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 4 第一項に規定する場合における第百六十八条第二項及び第百七十条の二第二項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等がこれらの規定に規定する隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 (破産管財人の権限) 第二百四十四条の十一 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、破産管財人がする。 一 信託法第二十七条第一項又は第二項の規定による取消権の行使 二 信託法第三十一条第五項の規定による追認 三 信託法第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権の行使 四 信託法第三十二条第四項の規定による権利の行使 五 信託法第四十条又は第四十一条の規定による責任の追及 六 信託法第四十二条(同法第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除 七 信託法第二百二十六条第一項、第二百二十八条第一項又は第二百五十四条第一項の規定による責任の追及 2 前項の規定は、保全管理人について準用する。 3 第百七十七条の規定は信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等又は会計監査人の財産に対する保全処分について、第百七十八条から第百八十一条までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。 (保全管理命令) 第二百四十四条の十二 信託財産について破産手続開始の申立てがあった場合における第三章第二節の規定の適用については、第九十一条第一項中「債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産」とあり、並びに同項、第九十三条第一項及び第九十六条第二項中「債務者の財産」とあるのは、「信託財産に属する財産」とする。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百四十四条の十三 信託財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、受託者等がする。 2 受託者等が数人あるときは、前項の申立ては、各受託者等がすることができる。 3 信託財産の破産について第一項の申立てをするには、信託の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該信託を継続する手続をしなければならない。 第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則 (外国管財人との協力) 第二百四十五条 破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下この章において同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。 (外国管財人の権限等) 第二百四十六条 外国管財人は、債務者について破産手続開始の申立てをすることができる。 2 外国管財人は、前項の申立てをするときは、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 外国管財人は、破産者の破産手続において、債権者集会の期日に出席し、意見を述べることができる。 4 第一項の規定により外国管財人が破産手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、破産手続開始の決定があったときは第三十二条第一項の規定により公告すべき事項を、同項第二号又は第三号に掲げる事項に変更を生じたときはその旨を、破産手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。 (相互の手続参加) 第二百四十七条 外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる。 ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。 2 破産管財人は、届出をした破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。 3 破産管財人は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した破産債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。 ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。 第十二章 免責手続及び復権 第一節 免責手続 (免責許可の申立て) 第二百四十八条 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。 2 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる。 3 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 4 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。 ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。 5 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第二十条第二項の債権者一覧表を第三項本文の債権者名簿とみなす。 6 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第二百十八条第一項の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。 7 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。 一 第二百十八条第一項の申立て 当該申立ての棄却の決定 二 再生手続開始の申立て 当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定 (強制執行の禁止等) 第二百四十九条 免責許可の申立てがあり、かつ、第二百十六条第一項の規定による破産手続廃止の決定、第二百十七条第一項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第二百二十条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「破産債権に基づく強制執行等」という。)、破産債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。)はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分で破産者の財産に対して既にされているもの並びに破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 2 免責許可の決定が確定したときは、前項の規定により中止した破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分並びに破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。 3 第一項の場合において、次の各号に掲げる破産債権については、それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 一 第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権 免責許可の申立てについての決定 二 前号に掲げる請求権以外の破産債権 免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定 (免責についての調査及び報告) 第二百五十条 裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を書面で報告させることができる。 2 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。 (免責についての意見申述) 第二百五十一条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第三項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。 3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。 (免責許可の決定の要件等) 第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。 二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。 三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。 四 浪費又は 賭 と 博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。 五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。 六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。 七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。 八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。 九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。 十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。 イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日 ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日 ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日 十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。 2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 3 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び破産管財人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 4 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (免責許可の決定の効力等) 第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。) 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。) 四 次に掲げる義務に係る請求権 イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務 ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務 ハ 民法第七百六十六条及び第七百六十六条の三(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務 ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務 ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。) 七 罰金等の請求権 2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。 3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (免責取消しの決定) 第二百五十四条 第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。 2 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を破産者及び申立人に、その決定の主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 3 第一項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。 6 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 7 前条第三項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。 第二節 復権 (復権) 第二百五十五条 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。 次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。 一 免責許可の決定が確定したとき。 二 第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。 三 再生計画認可の決定が確定したとき。 四 破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。 2 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。 3 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第一項第一号又は第三号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。 (復権の決定) 第二百五十六条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 3 破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 4 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に、その主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第十三章 雑則 (法人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十七条 法人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 2 前項の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 3 第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 4 第一項の債務者について保全管理命令が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。 5 前項の登記には、保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 6 第四項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 7 第一項の規定は、同項の破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 8 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 (個人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。 一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。 二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。 2 前項の規定は、当該破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 3 裁判所書記官は、第一項第二号の規定により破産手続開始の登記がされた権利について、第三十四条第四項の決定により破産財団に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 4 第一項第二号(第二項において準用する場合を含む。)及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 5 第一項第二号の規定は、信託財産について保全管理命令があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。 (保全処分に関する登記の嘱託) 第二百五十九条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 債務者の財産に属する権利で登記されたものに関し第二十八条第一項(第三十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第百七十一条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第一項若しくは第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (否認の登記) 第二百六十条 登記の原因である行為が否認されたときは、破産管財人は、否認の登記を申請しなければならない。 登記が否認されたときも、同様とする。 2 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。 一 当該否認の登記 二 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記 三 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記 3 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(破産手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の破産者への移転の登記をしなければならない。 4 裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、破産者について、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人が、第二項第二号に掲げる登記に係る権利を放棄し、否認の登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 (非課税) 第二百六十一条 第二百五十七条から前条までの規定による登記については、登録免許税を課さない。 (登録のある権利への準用) 第二百六十二条 第二百五十八条第一項第二号及び同条第二項において準用する同号(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)、同条第三項(同条第四項において同条第三項後段の規定を準用する場合を含む。)並びに前三条の規定は、登録のある権利について準用する。 (責任制限手続の廃止による破産手続の中止) 第二百六十三条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。 (責任制限手続の廃止の場合の措置) 第二百六十四条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により定めた期間又は期日を公告しなければならない。 3 知れている制限債権者には、第三十二条第一項第一号及び第二号並びに前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 4 破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者には、第二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間又は期日(当該期間又は期日に変更があった場合にあっては、変更後の期間又は期日)が第三十一条第一項第三号の規定により定めた期間又は期日と同一であるときは、届出をした破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 前三項の規定は第一項の規定により定めた債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について、第百十八条第三項から第五項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間を変更する決定があった場合について、第百二十一条第九項から第十一項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期日を変更する決定があった場合又は当該期日における債権の調査の延期若しくは続行の決定があった場合について準用する。 この場合において、第百十八条第三項及び第百二十一条第九項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者(第二百六十四条第一項の規定により定められた債権の届出をすべき期間の経過前にあっては、知れている制限債権者)、破産管財人」と、同条第十項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者、破産管財人」と読み替えるものとする。 6 第三十一条第二項及び第三項の規定は、第一項に規定する期間及び期日について準用する。 第十四章 罰則 (詐欺破産罪) 第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。 一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為 二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為 三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為 四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為 2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。 (特定の債権者に対する担保の供与等の罪) 第二百六十六条 債務者(相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。)が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等の特別背任罪) 第二百六十七条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 破産管財人又は保全管理人が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う役員又は職員に適用する。 (説明及び検査の拒絶等の罪) 第二百六十八条 第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。 2 第四十条第一項第二号から第五号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者、第二百三十条第一項各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第二号若しくは第三号に掲げる者(相続人を除く。)であった者又は第二百四十四条の六第一項各号に掲げる者若しくは同項各号に掲げる者であった者(以下この項において「説明義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第四項において「代表者等」という。)が、その説明義務者の業務に関し、第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。 説明義務者の代表者等が、その説明義務者の業務に関し、第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする。 3 破産者が第八十三条第一項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、相続財産について破産手続開始の決定があった場合において第二百三十条第一項第二号若しくは第三号に掲げる者が第八十三条第一項の規定による検査を拒んだとき又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合において受託者等が同項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 4 第八十三条第二項に規定する破産者の子会社等(同条第三項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第二項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は第八十三条第二項の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 (重要財産開示拒絶等の罪) 第二百六十九条 破産者(信託財産の破産にあっては、受託者等)が第四十一条(第二百四十四条の六第四項において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪) 第二百七十条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第百五十五条第二項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。 (審尋における説明拒絶等の罪) 第二百七十一条 債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等に対する職務妨害の罪) 第二百七十二条 偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (収賄罪) 第二百七十三条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。 4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 5 破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第百三十九条第二項第二号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 6 前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (贈賄罪) 第二百七十四条 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産者等に対する面会強請等の罪) 第二百七十五条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (国外犯) 第二百七十六条 第二百六十五条、第二百六十六条、第二百七十条、第二百七十二条及び第二百七十四条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 2 第二百六十七条及び第二百七十三条(第五項を除く。)の罪は、刑法第四条の例に従う。 3 第二百七十三条第五項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。 (両罰規定) 第二百七十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条(第一項を除く。)、第二百六十九条から第二百七十二条まで、第二百七十四条又は第二百七十五条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
民事
Heisei
Act
416AC0000000075_20280613_505AC0000000053.xml
平成十六年法律第七十五号
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破産法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。 2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。 3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。 4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。 5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。 6 この法律において「破産債権者」とは、破産債権を有する債権者をいう。 7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。 8 この法律において「財団債権者」とは、財団債権を有する債権者をいう。 9 この法律において「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により行使することができる権利をいう。 10 この法律において「別除権者」とは、別除権を有する者をいう。 11 この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。 12 この法律において「破産管財人」とは、破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。 13 この法律において「保全管理人」とは、第九十一条第一項の規定により債務者の財産に関し管理を命じられた者をいう。 14 この法律において「破産財団」とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。 (外国人の地位) 第三条 外国人又は外国法人は、破産手続、第十二章第一節の規定による免責手続(以下「免責手続」という。)及び同章第二節の規定による復権の手続(以下この章において「破産手続等」と総称する。)に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。 (破産事件の管轄) 第四条 この法律の規定による破産手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。 2 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。 第五条 破産事件は、債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 2 前項の規定による管轄裁判所がないときは、破産事件は、債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第八十三条第二項第二号及び第三項並びに第百六十一条第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「破産事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百六十一条第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての破産手続開始の申立ては、親法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について破産事件等が係属しているときにおける親法人についての破産手続開始の申立ては、子株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 4 子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について破産事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての破産手続開始の申立ては、当該株式会社の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について破産事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての破産手続開始の申立ては、当該他の法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 6 第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について破産事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての破産手続開始の申立ては、当該法人の破産事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について破産事件又は再生事件が係属している場合における当該法人についての破産手続開始の申立ては、当該法人の代表者の破産事件又は再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 7 第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について破産事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての破産手続開始の申立ては、当該破産事件が係属している地方裁判所にもすることができる。 一 相互に連帯債務者の関係にある個人 二 相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人 三 夫婦 8 第一項及び第二項の規定にかかわらず、破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 9 第一項及び第二項の規定にかかわらず、前項に規定する債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、破産手続開始の申立てをすることができる。 10 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (専属管轄) 第六条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。 (破産事件の移送) 第七条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、破産事件(破産事件の債務者又は破産者による免責許可の申立てがある場合にあっては、破産事件及び当該免責許可の申立てに係る事件)を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。 一 債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所 二 債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所 三 第五条第二項に規定する地方裁判所 四 次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所 イ 第五条第三項から第七項までに規定する地方裁判所 ロ 破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者。ハにおいて同じ。)の数が五百人以上であるときは、第五条第八項に規定する地方裁判所 ハ ロに規定する債権者の数が千人以上であるときは、第五条第九項に規定する地方裁判所 五 第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に破産事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所 (任意的口頭弁論等) 第八条 破産手続等に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。 2 裁判所は、職権で、破産手続等に係る事件に関して必要な調査をすることができる。 (不服申立て) 第九条 破産手続等に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 (公告等) 第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。 ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。 4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。 5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。 (事件に関する文書の閲覧等) 第十一条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。次条第一項において同じ。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び第十二条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 (ファイル記録事項の閲覧等) 第十一条の二 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、この法律の規定に基づき裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)に備えられたファイル(次項及び第三項並びに次条を除き、以下単に「ファイル」という。)に記録された事項(以下この条及び第十二条第六項において「ファイル記録事項」という。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、ファイル記録事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。 3 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、ファイル記録事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容がファイル記録事項と同一であることを証明したものを交付し、又はファイル記録事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容がファイル記録事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。 (事件に関する事項の証明) 第十一条の三 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。 (閲覧等の特則) 第十一条の四 前三条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、これらの規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が破産手続開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 債務者以外の利害関係人 第二十四条第一項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令、第百七十一条第一項の規定による保全処分又は破産手続開始の申立てについての裁判 二 債務者 破産手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分若しくは裁判 (支障部分の閲覧等の制限) 第十二条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この項から第三項までにおいて「閲覧等」という。)を行うことにより、破産財団(破産手続開始前にあっては、債務者の財産)の管理又は換価に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この項から第三項までにおいて「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した破産管財人又は保全管理人の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者(その者が保全管理人である場合にあっては、保全管理人又は破産管財人。次項において同じ。)に限ることができる。 一 第三十六条、第四十条第一項ただし書若しくは同条第二項において準用する同条第一項ただし書(これらの規定を第九十六条第一項において準用する場合を含む。)、第七十八条第二項(第九十三条第三項において準用する場合を含む。)、第八十四条(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第九十三条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等 二 第百五十七条第二項の規定による報告に係る文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、破産裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 6 前各項の規定は、ファイル記録事項について準用する。 この場合において、第一項中「謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製」とあるのは、「複写又はその内容の全部若しくは一部を証明した書面の交付若しくはその内容の全部若しくは一部を証明した電磁的記録の提供」と読み替えるものとする。 (民事訴訟法の準用) 第十三条 特別の定めがある場合を除き、破産手続等に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定を準用する。 この場合において、同法第百三十二条の十一第一項第一号中「第五十四条第一項ただし書の許可を得て訴訟代理人となったものを除く。)」とあるのは「弁護士に限る。)又は破産管財人、保全管理人、破産管財人代理若しくは保全管理人代理として選任を受けた者」と、「当該委任」とあるのは「当該委任又は選任」と、同項第二号中「第二条」とあるのは「第九条において準用する同法第二条」と読み替えるものとする。 (最高裁判所規則) 第十四条 この法律に定めるもののほか、破産手続等に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二章 破産手続の開始 第一節 破産手続開始の申立て (破産手続開始の原因) 第十五条 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。 2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。 (法人の破産手続開始の原因) 第十六条 債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 2 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。 (破産手続開始の原因の推定) 第十七条 債務者についての外国で開始された手続で破産手続に相当するものがある場合には、当該債務者に破産手続開始の原因となる事実があるものと推定する。 (破産手続開始の申立て) 第十八条 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 (法人の破産手続開始の申立て) 第十九条 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、破産手続開始の申立てをすることができる。 一 一般社団法人又は一般財団法人 理事 二 株式会社又は相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。第百五十条第六項第三号において同じ。) 取締役 三 合名会社、合資会社又は合同会社 業務を執行する社員 2 前項各号に掲げる法人については、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができる。 3 前二項の規定により第一項各号に掲げる法人について破産手続開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 4 前三項の規定は、第一項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。 5 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の申立ての方式) 第二十条 破産手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。 2 債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者一覧表を裁判所に提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者一覧表を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 (破産手続開始の申立書の審査) 第二十一条 前条第一項の書面(以下この条において「破産手続開始の申立書」という。)に同項に規定する事項が記載されていない場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命ずる処分をしなければならない。 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い破産手続開始の申立ての手数料を納付しない場合も、同様とする。 2 前項の処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 裁判所は、第三項の異議の申立てがあった場合において、破産手続開始の申立書に第一項の処分において補正を命じた不備以外の不備があると認めるときは、相当の期間を定め、その期間内に当該不備を補正すべきことを命じなければならない。 6 第一項又は前項の場合において、破産手続開始の申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、破産手続開始の申立書を却下しなければならない。 7 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の予納) 第二十二条 破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 2 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (費用の仮支弁) 第二十三条 裁判所は、申立人の資力、破産財団となるべき財産の状況その他の事情を考慮して、申立人及び利害関係人の利益の保護のため特に必要と認めるときは、破産手続の費用を仮に国庫から支弁することができる。 職権で破産手続開始の決定をした場合も、同様とする。 2 前条第一項の規定は、前項前段の規定により破産手続の費用を仮に国庫から支弁する場合には、適用しない。 (他の手続の中止命令等) 第二十四条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる手続又は第六号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限り、第五号に掲げる責任制限手続については責任制限手続開始の決定がされていない場合に限る。 一 債務者の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え、仮処分又は一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この節において「強制執行等」という。)の手続で、債務者につき破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権若しくは財団債権となるべきもの(以下この項及び次条第八項において「破産債権等」という。)に基づくもの又は破産債権等を被担保債権とするもの 二 債務者の財産に対して既にされている企業担保権の実行手続で、破産債権等に基づくもの 三 債務者の財産関係の訴訟手続 四 債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続 五 債務者の責任制限手続(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)第三章又は船舶油濁等損害賠償保障法(昭和五十年法律第九十五号)第五章、同法第四十三条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第四十三条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条及び第五十四条を除く。)若しくは船舶油濁等損害賠償保障法第五十一条第五項において準用する同法第三十一条及び第三十二条並びに同法第五十一条第六項において準用する船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第三章(第九条、第十条、第十六条、第四節及び第五十四条を除く。)の規定による責任制限手続をいう。第二百六十三条及び第二百六十四条第一項において同じ。) 六 債務者の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第百三条第五項及び第二百五十三条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「外国租税滞納処分」という。)で、破産債権等に基づくもの 2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第一項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 4 第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書(第十三条において準用する民事訴訟法第百二十二条において準用する同法第二百五十二条第一項の規定により作成された電磁的記録であって、第十三条において準用する同法第百二十二条において準用する同法第二百五十三条第二項の規定によりファイルに記録されたものをいう。以下同じ。)を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令) 第二十五条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第一号又は第六号の規定による中止の命令によっては破産手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等及び国税滞納処分(国税滞納処分の例による処分を含み、交付要求を除く。以下同じ。)の禁止を命ずることができる。 ただし、事前に又は同時に、債務者の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第九十一条第二項に規定する保全管理命令をした場合に限る。 2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する強制執行等又は国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。 3 包括的禁止命令が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等の手続及び外国租税滞納処分(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。 4 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 裁判所は、第九十一条第二項に規定する保全管理命令が発せられた場合において、債務者の財産の管理及び処分をするために特に必要があると認めるときは、保全管理人の申立てにより、担保を立てさせて、第三項の規定により中止した強制執行等の手続又は外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。 6 包括的禁止命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 8 包括的禁止命令が発せられたときは、破産債権等(当該包括的禁止命令により強制執行等又は国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等) 第二十六条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その電子裁判書を債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている債権者及び債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。 2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、債務者に対する電子裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 前条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 (包括的禁止命令の解除) 第二十七条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。 この場合において、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続で第二十五条第三項の規定により中止されていたものは、続行する。 2 前項の規定は、裁判所が国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。 3 第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (債務者の財産に関する保全処分) 第二十八条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 裁判所が第一項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、破産手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (破産手続開始の申立ての取下げの制限) 第二十九条 破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、第二十四条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、前条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は第百七十一条第一項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 第二節 破産手続開始の決定 (破産手続開始の決定) 第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。 一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。 二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。 (破産手続開始の決定と同時に定めるべき事項等) 第三十一条 裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 破産債権の届出をすべき期間 二 破産者の財産状況を報告するために招集する債権者集会(第四項、第百三十六条第二項及び第三項並びに第百五十八条において「財産状況報告集会」という。)の期日 三 破産債権の調査をするための期間(第百十六条第二項の場合にあっては、破産債権の調査をするための期日) 2 前項第一号及び第三号の規定にかかわらず、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがあると認めるときは、同項第一号の期間並びに同項第三号の期間及び期日を定めないことができる。 3 前項の場合において、裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するおそれがなくなったと認めるときは、速やかに、第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めなければならない。 4 第一項第二号の規定にかかわらず、裁判所は、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して財産状況報告集会を招集することを相当でないと認めるときは、同号の期日を定めないことができる。 5 第一項の場合において、知れている破産債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第四項本文及び第五項本文において準用する同条第三項第一号、第三十三条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者(同項本文の場合にあっては、同項本文に規定する議決権者。次条第二項において同じ。)に対する通知をせず、かつ、第百十一条、第百十二条又は第百十四条の規定により破産債権の届出をした破産債権者(以下「届出をした破産債権者」という。)を債権者集会の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。 (破産手続開始の公告等) 第三十二条 裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産管財人の氏名又は名称 三 前条第一項の規定により定めた期間又は期日 四 破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者(第三項第二号において「財産所持者等」という。)は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨 五 第二百四条第一項第二号の規定による簡易配当をすることが相当と認められる場合にあっては、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し前条第一項第三号の期間の満了時又は同号の期日の終了時までに異議を述べるべき旨 2 前条第五項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第四項本文及び第五項本文において準用する次項第一号、次条第三項本文並びに第百三十九条第三項本文の規定による破産債権者に対する通知をせず、かつ、届出をした破産債権者を債権者集会の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。 3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 一 破産管財人、破産者及び知れている破産債権者 二 知れている財産所持者等 三 第九十一条第二項に規定する保全管理命令があった場合における保全管理人 四 労働組合等(破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第七十八条第四項及び第百三十六条第三項において同じ。) 4 第一項第三号及び前項第一号の規定は、前条第三項の規定により同条第一項第一号の期間及び同項第三号の期間又は期日を定めた場合について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 第一項第二号並びに第三項第一号及び第二号の規定は第一項第二号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第一項第三号及び第三項第一号の規定は第一項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合(前条第一項第一号の期間又は同項第二号の期日に変更を生じた場合に限る。)について準用する。 ただし、同条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 (抗告) 第三十三条 破産手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 第二十四条から第二十八条までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。 3 破産手続開始の決定をした裁判所は、第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第三項各号(第三号を除く。)に掲げる者にその主文を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、知れている破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 第三節 破産手続開始の効果 第一款 通則 (破産財団の範囲) 第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 2 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。 一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭 二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。 ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。 4 裁判所は、破産手続開始の決定があった時から当該決定が確定した日以後一月を経過する日までの間、破産者の申立てにより又は職権で、決定で、破産者の生活の状況、破産手続開始の時において破産者が有していた前項各号に掲げる財産の種類及び額、破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができる。 5 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、破産管財人の意見を聴かなければならない。 6 第四項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 7 第四項の決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (法人の存続の擬制) 第三十五条 他の法律の規定により破産手続開始の決定によって解散した法人又は解散した法人で破産手続開始の決定を受けたものは、破産手続による清算の目的の範囲内において、破産手続が終了するまで存続するものとみなす。 (破産者の事業の継続) 第三十六条 破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる。 (破産者の居住に係る制限) 第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。 2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。 (破産者の引致) 第三十八条 裁判所は、必要と認めるときは、破産者の引致を命ずることができる。 2 破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。 3 前二項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による引致を命ずる決定に対しては、破産者又は債務者は、即時抗告をすることができる。 5 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)中 勾 こう 引に関する規定は、第一項及び第二項の規定による引致について準用する。 (破産者に準ずる者への準用) 第三十九条 前二条の規定は、破産者の法定代理人及び支配人並びに破産者の理事、取締役、執行役及びこれらに準ずる者について準用する。 (破産者等の説明義務) 第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。 一 破産者 二 破産者の代理人 三 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人 四 前号に掲げる者に準ずる者 五 破産者の従業者(第二号に掲げる者を除く。) 2 前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。 (破産者の重要財産開示義務) 第四十一条 破産者は、破産手続開始の決定後遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (他の手続の失効等) 第四十二条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。 2 前項に規定する場合には、同項に規定する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続並びに外国租税滞納処分で、破産財団に属する財産に対して既にされているものは、破産財団に対してはその効力を失う。 ただし、同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については、破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。 3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は、財団債権とする。 5 第二項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては、破産管財人を被告とする。 6 破産手続開始の決定があったときは、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)又は第三者からの情報取得手続(同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続をいう。以下この項並びに第二百四十九条第一項及び第二項において同じ。)の申立てはすることができず、破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続はその効力を失う。 (国税滞納処分等の取扱い) 第四十三条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。 2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。 3 破産手続開始の決定があったときは、破産手続が終了するまでの間は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。 免責許可の申立てがあった後当該申立てについての裁判が確定するまでの間(破産手続開始の決定前に免責許可の申立てがあった場合にあっては、破産手続開始の決定後当該申立てについての裁判が確定するまでの間)も、同様とする。 (破産財団に関する訴えの取扱い) 第四十四条 破産手続開始の決定があったときは、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち破産債権に関しないものを受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 破産手続が終了したときは、破産管財人を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。 5 破産者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産者は、当然訴訟手続を受継する。 (債権者代位訴訟及び詐害行為取消訴訟の取扱い) 第四十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七又は第四百二十四条第一項の規定により破産債権者又は財団債権者の提起した訴訟が破産手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。 2 破産管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 3 前項の場合においては、相手方の破産債権者又は財団債権者に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。 4 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、中断する。 5 前項の場合には、破産債権者又は財団債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。 この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。 6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、破産債権者又は財団債権者は、当然訴訟手続を受継する。 (行政庁に係属する事件の取扱い) 第四十六条 第四十四条の規定は、破産財団に関する事件で行政庁に係属するものについて準用する。 第二款 破産手続開始の効果 (開始後の法律行為の効力) 第四十七条 破産者が破産手続開始後に破産財団に属する財産に関してした法律行為は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 破産者が破産手続開始の日にした法律行為は、破産手続開始後にしたものと推定する。 (開始後の権利取得の効力) 第四十八条 破産手続開始後に破産財団に属する財産に関して破産者の法律行為によらないで権利を取得しても、その権利の取得は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 2 前条第二項の規定は、破産手続開始の日における前項の権利の取得について準用する。 (開始後の登記及び登録の効力) 第四十九条 不動産又は船舶に関し破産手続開始前に生じた登記原因に基づき破産手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、破産手続の関係においては、その効力を主張することができない。 ただし、登記権利者が破産手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。 2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。 (開始後の破産者に対する弁済の効力) 第五十条 破産手続開始後に、その事実を知らないで破産者にした弁済は、破産手続の関係においても、その効力を主張することができる。 2 破産手続開始後に、その事実を知って破産者にした弁済は、破産財団が受けた利益の限度においてのみ、破産手続の関係において、その効力を主張することができる。 (善意又は悪意の推定) 第五十一条 前二条の規定の適用については、第三十二条第一項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。 (共有関係) 第五十二条 数人が共同して財産権を有する場合において、共有者の中に破産手続開始の決定を受けた者があるときは、その共有に係る財産の分割の請求は、共有者の間で分割をしない旨の定めがあるときでも、することができる。 2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って破産者の持分を取得することができる。 (双務契約) 第五十三条 双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、破産管財人は、契約の解除をし、又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。 2 前項の場合には、相手方は、破産管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。 この場合において、破産管財人がその期間内に確答をしないときは、契約の解除をしたものとみなす。 3 前項の規定は、相手方又は破産管財人が民法第六百三十一条前段の規定により解約の申入れをすることができる場合又は同法第六百四十二条第一項前段の規定により契約の解除をすることができる場合について準用する。 第五十四条 前条第一項又は第二項の規定により契約の解除があった場合には、相手方は、損害の賠償について破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項に規定する場合において、相手方は、破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存するときは、その返還を請求することができ、現存しないときは、その価額について財団債権者としてその権利を行使することができる。 (継続的給付を目的とする双務契約) 第五十五条 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。 2 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。 3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。 (賃貸借契約等) 第五十六条 第五十三条第一項及び第二項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合には、相手方の有する請求権は、財団債権とする。 (委任契約) 第五十七条 委任者について破産手続が開始された場合において、受任者は、民法第六百五十五条の規定による破産手続開始の通知を受けず、かつ、破産手続開始の事実を知らないで委任事務を処理したときは、これによって生じた債権について、破産債権者としてその権利を行使することができる。 (市場の相場がある商品の取引に係る契約) 第五十八条 取引所の相場その他の市場の相場がある商品の取引に係る契約であって、その取引の性質上特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができないものについて、その時期が破産手続開始後に到来すべきときは、当該契約は、解除されたものとみなす。 2 前項の場合において、損害賠償の額は、履行地又はその地の相場の標準となるべき地における同種の取引であって同一の時期に履行すべきものの相場と当該契約における商品の価格との差額によって定める。 3 第五十四条第一項の規定は、前項の規定による損害の賠償について準用する。 4 第一項又は第二項に定める事項について当該取引所又は市場における別段の定めがあるときは、その定めに従う。 5 第一項の取引を継続して行うためにその当事者間で締結された基本契約において、その基本契約に基づいて行われるすべての同項の取引に係る契約につき生ずる第二項に規定する損害賠償の債権又は債務を差引計算して決済する旨の定めをしたときは、請求することができる損害賠償の額の算定については、その定めに従う。 (交互計算) 第五十九条 交互計算は、当事者の一方について破産手続が開始されたときは、終了する。 この場合においては、各当事者は、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。 2 前項の規定による請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し、相手方が有するときは破産債権とする。 (為替手形の引受け又は支払等) 第六十条 為替手形の振出人又は裏書人について破産手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、破産債権者としてその権利を行使することができる。 2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。 3 第五十一条の規定は、前二項の規定の適用について準用する。 (夫婦財産関係における管理者の変更等) 第六十一条 民法第七百五十八条第二項及び第三項並びに第七百五十九条の規定は配偶者の財産を管理する者につき破産手続が開始された場合について、同法第八百三十五条の規定は親権を行う者につき破産手続が開始された場合について準用する。 第三款 取戻権 (取戻権) 第六十二条 破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。 (運送中の物品の売主等の取戻権) 第六十三条 売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。 ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。 2 前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。 3 第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。 この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。 (代償的取戻権) 第六十四条 破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。 破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。 2 前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。 第四款 別除権 (別除権) 第六十五条 別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。 2 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。 (留置権の取扱い) 第六十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。 2 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。 3 第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う。 第五款 相殺権 (相殺権) 第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。 2 破産債権者の有する債権が破産手続開始の時において期限付若しくは解除条件付であるとき、又は第百三条第二項第一号に掲げるものであるときでも、破産債権者が前項の規定により相殺をすることを妨げない。 破産債権者の負担する債務が期限付若しくは条件付であるとき、又は将来の請求権に関するものであるときも、同様とする。 (相殺に供することができる破産債権の額) 第六十八条 破産債権者が前条の規定により相殺をする場合の破産債権の額は、第百三条第二項各号に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。 2 前項の規定にかかわらず、破産債権者の有する債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、その破産債権者は、その債権の債権額から第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる部分の額を控除した額の限度においてのみ、相殺をすることができる。 (解除条件付債権を有する者による相殺) 第六十九条 解除条件付債権を有する者が相殺をするときは、その相殺によって消滅する債務の額について、破産財団のために、担保を供し、又は寄託をしなければならない。 (停止条件付債権等を有する者による寄託の請求) 第七十条 停止条件付債権又は将来の請求権を有する者は、破産者に対する債務を弁済する場合には、後に相殺をするため、その債権額の限度において弁済額の寄託を請求することができる。 敷金の返還請求権を有する者が破産者に対する賃料債務を弁済する場合も、同様とする。 (相殺の禁止) 第七十一条 破産債権者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に破産財団に対して債務を負担したとき。 二 支払不能になった後に契約によって負担する債務を専ら破産債権をもってする相殺に供する目的で破産者の財産の処分を内容とする契約を破産者との間で締結し、又は破産者に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより破産者に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産者に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産債権者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第七十二条 破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 破産手続開始の申立てがあった後に破産債権を取得した場合であって、その取得の当時、破産手続開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する破産債権の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは破産手続開始の申立てがあったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 破産手続開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 破産者に対して債務を負担する者と破産者との間の契約 (破産管財人の催告権) 第七十三条 破産管財人は、第三十一条第一項第三号の期間が経過した後又は同号の期日が終了した後は、第六十七条の規定により相殺をすることができる破産債権者に対し、一月以上の期間を定め、その期間内に当該破産債権をもって相殺をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、破産債権者の負担する債務が弁済期にあるときに限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、破産債権者が同項の規定により定めた期間内に確答をしないときは、当該破産債権者は、破産手続の関係においては、当該破産債権についての相殺の効力を主張することができない。 第三章 破産手続の機関 第一節 破産管財人 第一款 破産管財人の選任及び監督 (破産管財人の選任) 第七十四条 破産管財人は、裁判所が選任する。 2 法人は、破産管財人となることができる。 (破産管財人に対する監督等) 第七十五条 破産管財人は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、破産管財人が破産財団に属する財産の管理及び処分を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産管財人を解任することができる。 この場合においては、その破産管財人を審尋しなければならない。 (数人の破産管財人の職務執行) 第七十六条 破産管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 2 破産管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (破産管財人代理) 第七十七条 破産管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の破産管財人代理を選任することができる。 2 前項の破産管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 第二款 破産管財人の権限等 (破産管財人の権限) 第七十八条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。 2 破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却 二 鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権(二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和六年法律第三十八号)第二条第八項に規定する試掘権をいう。)、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却 三 営業又は事業の譲渡 四 商品の一括売却 五 借財 六 第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄 七 動産の任意売却 八 債権又は有価証券の譲渡 九 第五十三条第一項の規定による履行の請求 十 訴えの提起 十一 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 十二 権利の放棄 十三 財団債権、取戻権又は別除権の承認 十四 別除権の目的である財産の受戻し 十五 その他裁判所の指定する行為 3 前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 4 裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。 5 第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。 (破産財団の管理) 第七十九条 破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第八十条 破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。 (郵便物等の管理) 第八十一条 裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。 2 裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。 3 破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 第八十二条 破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。 (破産管財人による調査等) 第八十三条 破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 2 破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。 一 破産者が株式会社である場合 破産者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。) 二 破産者が株式会社以外のものである場合 破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社 3 破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。 (破産管財人の職務の執行の確保) 第八十四条 破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。 (破産管財人の注意義務) 第八十五条 破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 (破産管財人の情報提供努力義務) 第八十六条 破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。 (破産管財人の報酬等) 第八十七条 破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。 (破産管財人の任務終了の場合の報告義務等) 第八十八条 破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。 2 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。 3 第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。 4 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 5 前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。 6 第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 第八十九条 前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。 この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。 3 破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。 4 第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。 (任務終了の場合の財産の管理) 第九十条 破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。 2 破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。 ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。 第二節 保全管理人 (保全管理命令) 第九十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、破産手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 2 裁判所は、前項の規定による処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。 3 前二項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 4 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 5 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 (保全管理命令に関する公告及び送達) 第九十二条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。 保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。 2 保全管理命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。 (保全管理人の権限) 第九十三条 保全管理命令が発せられたときは、債務者の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。 ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 第七十八条第二項から第六項までの規定は、保全管理人について準用する。 (保全管理人の任務終了の場合の報告義務) 第九十四条 保全管理人の任務が終了した場合には、保全管理人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 2 前項の場合において、保全管理人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の保全管理人又は破産管財人がしなければならない。 (保全管理人代理) 第九十五条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。 2 前項の規定による保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (準用) 第九十六条 第四十条の規定は保全管理人の請求について、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定は保全管理命令が発せられた場合について、第七十四条第二項、第七十五条、第七十六条、第七十九条、第八十条、第八十二条から第八十五条まで、第八十七条第一項及び第二項並びに第九十条第一項の規定は保全管理人について、第八十七条第一項及び第二項の規定は保全管理人代理について準用する。 この場合において、第五十一条中「第三十二条第一項の規定による公告」とあるのは「第九十二条第一項の規定による公告」と、第九十条第一項中「後任の破産管財人」とあるのは「後任の保全管理人、破産管財人」と読み替えるものとする。 2 債務者の財産に関する訴訟手続及び債務者の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。 一 保全管理命令が発せられた場合 第四十四条第一項から第三項まで 二 保全管理命令が効力を失った場合(破産手続開始の決定があった場合を除く。) 第四十四条第四項から第六項まで 第四章 破産債権 第一節 破産債権者の権利 (破産債権に含まれる請求権) 第九十七条 次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は、破産債権に含まれるものとする。 一 破産手続開始後の利息の請求権 二 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権 三 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 四 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの 五 加算税(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第四号に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権又はこれらに類する共助対象外国租税の請求権 六 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(以下「罰金等の請求権」という。) 七 破産手続参加の費用の請求権 八 第五十四条第一項(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権 九 第五十七条に規定する債権 十 第五十九条第一項の規定による請求権であって、相手方の有するもの 十一 第六十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する債権 十二 第百六十八条第二項第二号又は第三号に定める権利 (優先的破産債権) 第九十八条 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。 2 前項の場合において、優先的破産債権間の優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによる。 3 優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、破産手続開始の時からさかのぼって計算する。 (劣後的破産債権等) 第九十九条 次に掲げる債権(以下「劣後的破産債権」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。 一 第九十七条第一号から第七号までに掲げる請求権 二 破産手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもののうち、破産手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する破産手続開始の時における法定利率による利息の額に相当する部分 三 破産手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもののうち、その債権額と破産手続開始の時における評価額との差額に相当する部分 四 金額及び存続期間が確定している定期金債権のうち、各定期金につき第二号の規定に準じて算定される額の合計額(その額を各定期金の合計額から控除した額が破産手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その超過額を加算した額)に相当する部分 2 破産債権者と破産者との間において、破産手続開始前に、当該債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権(以下「約定劣後破産債権」という。)は、劣後的破産債権に後れる。 (破産債権の行使) 第百条 破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる行為によって破産債権である租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)を行使する場合については、適用しない。 一 破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分 二 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当 (給料の請求権等の弁済の許可) 第百一条 優先的破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権について届出をした破産債権者が、これらの破産債権の弁済を受けなければその生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、最初に第百九十五条第一項に規定する最後配当、第二百四条第一項に規定する簡易配当、第二百八条第一項に規定する同意配当又は第二百九条第一項に規定する中間配当の許可があるまでの間、破産管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。 ただし、その弁済により財団債権又は他の先順位若しくは同順位の優先的破産債権を有する者の利益を害するおそれがないときに限る。 2 破産管財人は、前項の破産債権者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。 この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。 (破産管財人による相殺) 第百二条 破産管財人は、破産財団に属する債権をもって破産債権と相殺することが破産債権者の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。 (破産債権者の手続参加) 第百三条 破産債権者は、その有する破産債権をもって破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、破産債権の額は、次に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める額とする。 一 次に掲げる債権 破産手続開始の時における評価額 イ 金銭の支払を目的としない債権 ロ 金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの ハ 金額又は存続期間が不確定である定期金債権 二 前号に掲げる債権以外の債権 債権額 3 破産債権が期限付債権でその期限が破産手続開始後に到来すべきものであるときは、その破産債権は、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなす。 4 破産債権が破産手続開始の時において条件付債権又は将来の請求権であるときでも、当該破産債権者は、その破産債権をもって破産手続に参加することができる。 5 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって破産手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定をいう。第百三十四条第二項において同じ。)を得なければならない。 (全部の履行をする義務を負う者が数人ある場合等の手続参加) 第百四条 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。 2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。 3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。 ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。 4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。 5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する。 (保証人の破産の場合の手続参加) 第百五条 保証人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき無限の責任を負う者の破産の場合の手続参加) 第百六条 法人の債務につき無限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 (法人の債務につき有限の責任を負う者の破産の場合の手続参加等) 第百七条 法人の債務につき有限の責任を負う者について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、破産手続に参加することができない。 この場合においては、当該法人が出資の請求について破産手続に参加することを妨げない。 2 法人の債務につき有限の責任を負う者がある場合において、当該法人について破産手続開始の決定があったときは、当該法人の債権者は、当該法人の債務につき有限の責任を負う者に対してその権利を行使することができない。 (別除権者等の手続参加) 第百八条 別除権者は、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権については、その別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の額についてのみ、破産債権者としてその権利を行使することができる。 ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。 2 破産財団に属しない破産者の財産につき特別の先取特権、質権若しくは抵当権を有する者又は破産者につき更に破産手続開始の決定があった場合における前の破産手続において破産債権を有する者も、前項と同様とする。 (外国で弁済を受けた破産債権者の手続参加) 第百九条 破産債権者は、破産手続開始の決定があった後に、破産財団に属する財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 (代理委員) 第百十条 破産債権者は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。 2 代理委員は、これを選任した破産債権者のために、破産手続に属する一切の行為をすることができる。 3 代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。 ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可を取り消すことができる。 第二節 破産債権の届出 (破産債権の届出) 第百十一条 破産手続に参加しようとする破産債権者は、第三十一条第一項第一号又は第三項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。 一 各破産債権の額及び原因 二 優先的破産債権であるときは、その旨 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは、その旨 四 自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項 2 別除権者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。 一 別除権の目的である財産 二 別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 3 前項の規定は、第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を有する者(以下「準別除権者」という。)について準用する。 (一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等) 第百十二条 破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第三十一条第一項第三号の期間(以下「一般調査期間」という。)の経過又は同号の期日(以下「一般調査期日」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。 2 前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 3 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に生じた破産債権については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。 4 第一項及び第二項の規定は、破産債権者が、その責めに帰することができない事由によって、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。 (届出名義の変更) 第百十三条 届出をした破産債権を取得した者は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。 2 前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (租税等の請求権等の届出) 第百十四条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。 この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。 一 租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 二 罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの 第三節 破産債権の調査及び確定 第一款 通則 (電子破産債権者表の作成等) 第百十五条 裁判所書記官は、届出があった破産債権について、最高裁判所規則で定めるところにより、電子破産債権者表(破産債権の調査の対象及び結果を明らかにするとともに、確定した破産債権に関する事項を明らかにするために裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。以下同じ。)を作成しなければならない。 2 電子破産債権者表には、各破産債権について、第百十一条第一項第一号から第四号まで及び第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記録しなければならない。 3 裁判所書記官は、第一項の規定により電子破産債権者表を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。 4 電子破産債権者表(前項の規定によりファイルに記録されたものに限る。以下同じ。)の内容に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでも更正する処分をすることができる。 5 前項の規定による更正の処分は、最高裁判所規則で定めるところにより、その旨をファイルに記録してしなければならない。 6 民事訴訟法第七十一条第四項、第五項及び第八項の規定は、第四項の規定による更正の処分又は同項の申立てを却下する処分及びこれらに対する異議の申立てについて準用する。 (破産債権の調査の方法) 第百十六条 裁判所による破産債権の調査は、次款の規定により、破産管財人が作成した認否書並びに破産債権者及び破産者の書面による異議に基づいてする。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、必要があると認めるときは、第三款の規定により、破産債権の調査を、そのための期日における破産管財人の認否並びに破産債権者及び破産者の異議に基づいてすることができる。 3 裁判所は、第百二十一条の規定による一般調査期日における破産債権の調査の後であっても、第百十九条の規定による特別調査期間における書面による破産債権の調査をすることができ、必要があると認めるときは、第百十八条の規定による一般調査期間における書面による破産債権の調査の後であっても、第百二十二条の規定による特別調査期日における破産債権の調査をすることができる。 第二款 書面による破産債権の調査 (認否書の作成及び提出) 第百十七条 破産管財人は、一般調査期間が定められたときは、債権届出期間内に届出があった破産債権について、次に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。 一 破産債権の額 二 優先的破産債権であること。 三 劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること。 四 別除権(第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を含む。)の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 2 破産管財人は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更(他の破産債権者の利益を害すべき事項の変更に限る。以下この節において同じ。)があった破産債権についても、前項各号に掲げる事項(当該届出事項の変更があった場合にあっては、変更後の同項各号に掲げる事項。以下この節において同じ。)についての認否を同項の認否書に記載することができる。 3 破産管財人は、一般調査期間前の裁判所の定める期限までに、前二項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。 4 第一項の規定により同項の認否書に認否を記載すべき事項であって前項の規定により提出された認否書に認否の記載がないものがあるときは、破産管財人において当該事項を認めたものとみなす。 5 第二項の規定により第一項各号に掲げる事項についての認否を認否書に記載することができる破産債権について、第三項の規定により提出された認否書に当該事項の一部についての認否の記載があるときは、破産管財人において当該事項のうち当該認否書に認否の記載のないものを認めたものとみなす。 (一般調査期間における調査) 第百十八条 届出をした破産債権者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第一項又は第二項に規定する破産債権についての同条第一項各号に掲げる事項について、書面で、異議を述べることができる。 2 破産者は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前項の破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 3 裁判所は、一般調査期間を変更する決定をしたときは、その電子裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 4 前項の規定による送達は、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。 5 前項の規定による送達をした場合においては、その郵便物等が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。 (特別調査期間における調査) 第百十九条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にその届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、その調査をするための期間(以下「特別調査期間」という。)を定めなければならない。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に第百十二条第一項若しくは第三項の規定による届出があり、又は同条第四項において準用する同条第一項の規定による届出事項の変更があった破産債権についても、前項本文と同様とする。 3 第一項本文又は前項の場合には、特別調査期間に関する費用は、当該破産債権を有する者の負担とする。 4 破産管財人は、特別調査期間に係る破産債権については、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否を記載した認否書を作成し、特別調査期間前の裁判所の定める期限までに、これを裁判所に提出しなければならない。 この場合においては、同条第四項の規定を準用する。 5 届出をした破産債権者は前項の破産債権についての第百十七条第一項各号に掲げる事項について、破産者は当該破産債権の額について、特別調査期間内に、裁判所に対し、書面で、異議を述べることができる。 6 前条第三項から第五項までの規定は、特別調査期間を定める決定又はこれを変更する決定があった場合における電子裁判書の送達について準用する。 (特別調査期間に関する費用の予納) 第百二十条 前条第一項本文又は第二項の場合には、裁判所書記官は、相当の期間を定め、同条第三項の破産債権を有する者に対し、同項の費用の予納を命じなければならない。 2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。 3 第一項の規定による処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、異議の申立てをすることができる。 4 前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。 5 第一項の場合において、同項の破産債権を有する者が同項の費用の予納をしないときは、裁判所は、決定で、その者がした破産債権の届出又は届出事項の変更に係る届出を却下しなければならない。 6 前項の規定による却下の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 第三款 期日における破産債権の調査 (一般調査期日における調査) 第百二十一条 破産管財人は、一般調査期日が定められたときは、当該一般調査期日に出頭し、債権届出期間内に届出があった破産債権について、第百十七条第一項各号に掲げる事項についての認否をしなければならない。 2 届出をした破産債権者又はその代理人は、一般調査期日に出頭し、前項の破産債権についての同項に規定する事項について、異議を述べることができる。 3 破産者は、一般調査期日に出頭しなければならない。 ただし、正当な事由があるときは、代理人を出頭させることができる。 4 前項本文の規定により出頭した破産者は、第一項の破産債権の額について、異議を述べることができる。 5 第三項本文の規定により出頭した破産者は、必要な事項に関し意見を述べなければならない。 6 前二項の規定は、第三項ただし書の代理人について準用する。 7 前各項の規定は、債権届出期間の経過後に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について一般調査期日において調査をすることにつき破産管財人及び破産債権者の異議がない場合について準用する。 8 一般調査期日における破産債権の調査は、破産管財人が出頭しなければ、することができない。 9 裁判所は、一般調査期日を変更する決定をしたときは、その電子裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者(債権届出期間の経過前にあっては、知れている破産債権者)に送達しなければならない。 10 裁判所は、一般調査期日における破産債権の調査の延期又は続行の決定をしたときは、当該一般調査期日において言渡しをした場合を除き、その電子裁判書を破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者に送達しなければならない。 11 第百十八条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定による送達について準用する。 (映像等の送受信による通話の方法による一般調査期日) 第百二十一条の二 裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所並びに破産者、破産管財人及び届出をした破産債権者が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、一般調査期日における手続を行うことができる。 2 前項の一般調査期日に出頭しないでその手続に関与した破産者、破産管財人及び届出をした破産債権者は、その一般調査期日に出頭したものとみなす。 (特別調査期日における調査) 第百二十二条 裁判所は、債権届出期間の経過後、一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があり、又は届出事項の変更があった破産債権について、必要があると認めるときは、その調査をするための期日(以下「特別調査期日」という。)を定めることができる。 ただし、当該破産債権について、破産管財人が第百十七条第三項の規定により提出された認否書に同条第一項各号に掲げる事項の全部若しくは一部についての認否を記載している場合又は一般調査期日において調査をすることについて破産管財人及び破産債権者の異議がない場合は、この限りでない。 2 第百十九条第二項及び第三項、同条第六項において準用する第百十八条第三項から第五項まで、第百二十条、第百二十一条(第七項及び第九項を除く。)並びに前条の規定は、前項本文の場合における特別調査期日について準用する。 (期日終了後の破産者の異議) 第百二十三条 破産者がその責めに帰することができない事由によって一般調査期日又は特別調査期日に出頭することができなかったときは、破産者は、その事由が消滅した後一週間以内に限り、裁判所に対し、当該一般調査期日又は特別調査期日における調査に係る破産債権の額について、書面で、異議を述べることができる。 2 前項に規定する一週間の期間は、伸長し、又は短縮することができない。 第四款 破産債権の確定 (異議等のない破産債権の確定) 第百二十四条 第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内若しくは特別調査期間内又は一般調査期日若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。 2 裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、破産債権の調査の結果を電子破産債権者表に記録しなければならない。 3 第一項の規定により確定した事項についての電子破産債権者表の記録は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。 (破産債権査定決定) 第百二十五条 破産債権の調査において、破産債権の額又は優先的破産債権、劣後的破産債権若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下この条及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。 ただし、第百二十七条第一項並びに第百二十九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。 2 破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。 3 破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。 4 裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。 5 破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え) 第百二十六条 破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。 2 破産債権査定異議の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。 4 破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。 5 破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。 6 同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。 7 破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。 (異議等のある破産債権に関する訴訟の受継) 第百二十七条 異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。 2 第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。 (主張の制限) 第百二十八条 破産債権査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、電子破産債権者表に記録されている事項のみを主張することができる。 (執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張) 第百二十九条 異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。 2 前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 3 第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項及び第六項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。 この場合においては、第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、「異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と読み替えるものとする。 4 前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項又は第百二十一条第二項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。 (破産債権の確定に関する訴訟の結果の記録) 第百三十条 裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てがあった場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を電子破産債権者表に記録しなければならない。 (破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力) 第百三十一条 破産債権の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。 2 破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。 (訴訟費用の償還) 第百三十二条 破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。 (破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い) 第百三十三条 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 2 破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。 3 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。 4 破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 5 破産手続が終了した際現に係属する第百二十七条第一項又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。 6 前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。 第五款 租税等の請求権等についての特例 第百三十四条 租税等の請求権及び罰金等の請求権については、第一款(第百十五条を除く。)から前款までの規定は、適用しない。 2 第百十四条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因(共助対象外国租税の請求権にあっては、共助実施決定)が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、破産管財人は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。 3 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする破産管財人は、当該届出があった請求権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。 当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時破産財団に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。 4 第二項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、破産管財人が第二項に規定する届出があったことを知った日から一月の不変期間内にしなければならない。 5 第百二十四条第二項の規定は第百十四条の規定による届出があった請求権について、第百二十八条、第百三十条、第百三十一条第一項及び前条第三項の規定は第二項の規定による異議又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。 第四節 債権者集会及び債権者委員会 第一款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第百三十五条 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、債権者集会を招集しなければならない。 ただし、知れている破産債権者の数その他の事情を考慮して債権者集会を招集することを相当でないと認めるときは、この限りでない。 一 破産管財人 二 第百四十四条第二項に規定する債権者委員会 三 知れている破産債権者の総債権について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる破産債権を有する破産債権者 2 裁判所は、前項本文の申立てがない場合であっても、相当と認めるときは、債権者集会を招集することができる。 (債権者集会の期日の呼出し等) 第百三十六条 債権者集会の期日には、破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者を呼び出さなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、届出をした破産債権者を呼び出すことを要しない。 2 前項本文の規定にかかわらず、届出をした破産債権者であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。 財産状況報告集会においては、第三十二条第三項の規定により通知を受けた者も、同様とする。 3 裁判所は、第三十二条第一項第三号及び第三項の規定により財産状況報告集会の期日の公告及び通知をするほか、各債権者集会(財産状況報告集会を除く。以下この項において同じ。)の期日及び会議の目的である事項を公告し、かつ、各債権者集会の期日を労働組合等に通知しなければならない。 4 債権者集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第一項本文及び前項の規定は、適用しない。 (映像等の送受信による通話の方法による債権者集会) 第百三十六条の二 裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所並びに破産者、破産管財人、届出をした破産債権者及び外国管財人(第二百四十五条第一項に規定する外国管財人をいう。次項において同じ。)が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、債権者集会の期日における手続を行うことができる。 2 前項の期日に出席しないでその手続に関与した破産者、破産管財人、届出をした破産債権者及び外国管財人は、その期日に出席したものとみなす。 (債権者集会の指揮) 第百三十七条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 (債権者集会の決議) 第百三十八条 債権者集会の決議を要する事項を可決するには、議決権を行使することができる破産債権者(以下この款において「議決権者」という。)で債権者集会の期日に出席し又は次条第二項第二号に規定する書面等投票をしたものの議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 (決議に付する旨の決定) 第百三十九条 裁判所は、第百三十五条第一項各号に掲げる者が債権者集会の決議を要する事項を決議に付することを目的として同項本文の申立てをしたときは、当該事項を債権者集会の決議に付する旨の決定をする。 2 裁判所は、前項の決議に付する旨の決定において、議決権者の議決権行使の方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。 一 債権者集会の期日において議決権を行使する方法 二 書面等投票(書面その他の最高裁判所規則で定める方法のうち裁判所の定めるものによる投票をいう。)により裁判所の定める期間内に議決権を行使する方法 三 前二号に掲げる方法のうち議決権者が選択するものにより議決権を行使する方法。 この場合において、前号の期間の末日は、第一号の債権者集会の期日より前の日でなければならない。 3 裁判所は、議決権行使の方法として前項第二号又は第三号に掲げる方法を定めたときは、その旨を公告し、かつ、議決権者に対して、同項第二号に規定する書面等投票は裁判所の定める期間内に限りすることができる旨を通知しなければならない。 ただし、第三十一条第五項の決定があったときは、当該通知をすることを要しない。 (債権者集会の期日を開く場合における議決権の額の定め方等) 第百四十条 裁判所が議決権行使の方法として前条第二項第一号又は第三号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定によりその額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者、準別除権者又は停止条件付債権若しくは将来の請求権である破産債権を有する者(次項及び次条第一項第一号において「別除権者等」という。)を除く。) 確定した破産債権の額 二 次項本文の異議のない議決権を有する届出をした破産債権者 届出の額(別除権者又は準別除権者にあっては、第百十一条第二項第二号(同条第三項又は第百十四条において準用する場合を含む。)に掲げる額) 三 次項本文の異議のある議決権を有する届出をした破産債権者 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 届出をした破産債権者の前項の規定による議決権については、破産管財人又は届出をした破産債権者は、債権者集会の期日において、異議を述べることができる。 ただし、前節第四款の規定により破産債権の額が確定した届出をした破産債権者(別除権者等を除く。)の議決権については、この限りでない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項第三号の規定による定めを変更することができる。 (債権者集会の期日を開かない場合における議決権の額の定め方等) 第百四十一条 裁判所が議決権行使の方法として第百三十九条第二項第二号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額に応じて、議決権を行使することができる。 一 前節第四款の規定により破産債権の額が確定した破産債権を有する届出をした破産債権者(別除権者等を除く。) 確定した破産債権の額 二 届出をした破産債権者(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。 ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第二号の規定による定めを変更することができる。 (破産債権者の議決権) 第百四十二条 破産債権者は、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権については、議決権を有しない。 2 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者及び第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、その弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (代理人による議決権行使) 第百四十三条 議決権者は、代理人をもってその議決権を行使することができる。 第二款 債権者委員会 (債権者委員会) 第百四十四条 裁判所は、破産債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、破産手続に関与することを承認することができる。 ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。 一 委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。 二 破産債権者の過半数が当該委員会が破産手続に関与することについて同意していると認められること。 三 当該委員会が破産債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、破産手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。 3 債権者委員会は、破産手続において、裁判所又は破産管財人に対して、意見を述べることができる。 4 債権者委員会に破産手続の円滑な進行に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した破産債権者の申立てにより、破産財団から当該破産債権者に対して相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。 この場合においては、当該費用の請求権は、財団債権とする。 5 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。 (債権者委員会の意見聴取) 第百四十五条 裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、破産管財人に対して、その旨を通知しなければならない。 2 破産管財人は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、破産財団に属する財産の管理及び処分に関する事項について、債権者委員会の意見を聴かなければならない。 (破産管財人の債権者委員会に対する報告義務) 第百四十六条 破産管財人は、第百五十三条第二項又は第百五十七条の規定により報告書等(報告書、財産目録又は貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を債権者委員会にも提出しなければならない。 2 破産管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項(同条第六項において読み替えて準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に規定する支障部分に該当する部分があると主張して同条第一項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を債権者委員会に提出すれば足りる。 3 破産管財人は、前二項の規定による報告書等の提出に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、債権者委員会の承諾を得て、当該報告書等に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって最高裁判所規則で定めるものをいう。)により提供することができる。 この場合において、破産管財人は、これらの規定による報告書等の提出をしたものとみなす。 (破産管財人に対する報告命令) 第百四十七条 債権者委員会は、破産債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、破産管財人に破産財団に属する財産の管理及び処分に関し必要な事項について第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。 2 前項の規定による申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、破産管財人に対し、第百五十七条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。 第五章 財団債権 (財団債権となる請求権) 第百四十八条 次に掲げる請求権は、財団債権とする。 一 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権 二 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権 三 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権及び第九十七条第五号に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から一年(その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの 四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権 五 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 六 委任の終了又は代理権の消滅の後、急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権 七 第五十三条第一項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権 八 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(第五十三条第一項又は第二項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権 2 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、財団債権とする。 3 第百三条第二項及び第三項の規定は、第一項第七号及び前項に規定する財団債権について準用する。 この場合において、当該財団債権が無利息債権又は定期金債権であるときは、当該債権の額は、当該債権が破産債権であるとした場合に第九十九条第一項第二号から第四号までに掲げる劣後的破産債権となるべき部分に相当する金額を控除した額とする。 4 保全管理人が債務者の財産に関し権限に基づいてした行為によって生じた請求権は、財団債権とする。 (使用人の給料等) 第百四十九条 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は、財団債権とする。 2 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は、退職前三月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前三月間の給料の総額より少ない場合にあっては、破産手続開始前三月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。 (社債管理者等の費用及び報酬) 第百五十条 社債管理者又は社債管理補助者が破産債権である社債の管理に関する事務を行おうとする場合には、裁判所は、破産手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、当該社債管理者又は社債管理補助者の当該事務の処理に要する費用の請求権を財団債権とする旨の許可をすることができる。 2 社債管理者又は社債管理補助者が前項の許可を得ないで破産債権である社債の管理に関する事務を行った場合であっても、裁判所は、当該社債管理者又は社債管理補助者が破産手続の円滑な進行に貢献したと認められるときは、当該事務の処理に要した費用の償還請求権のうちその貢献の程度を考慮して相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 3 裁判所は、破産手続開始後の原因に基づいて生じた社債管理者又は社債管理補助者の報酬の請求権のうち相当と認める額を財団債権とする旨の許可をすることができる。 4 前三項の規定による許可を得た請求権は、財団債権とする。 5 第一項から第三項までの規定による許可の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 6 前各項の規定は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める債権で破産債権であるものの管理に関する事務につき生ずる費用又は報酬に係る請求権について準用する。 一 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の受託会社 同項に規定する社債 二 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第五十四条の五に規定する社会医療法人債管理者又は同法第五十四条の五の二に規定する社会医療法人債管理補助者 同法第五十四条の二第一項に規定する社会医療法人債 三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の八に規定する投資法人債管理者又は同法第百三十九条の九の二第一項に規定する投資法人債管理補助者 同法第二条第十九項に規定する投資法人債 四 保険業法第六十一条の六に規定する社債管理者又は同法第六十一条の七の二に規定する社債管理補助者 相互会社が発行する社債 五 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百二十六条に規定する特定社債管理者又は同法第百二十七条の二第一項に規定する特定社債管理補助者 同法第二条第七項に規定する特定社債 (財団債権の取扱い) 第百五十一条 財団債権は、破産債権に先立って、弁済する。 (破産財団不足の場合の弁済方法等) 第百五十二条 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。 ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。 2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第百四十八条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する。 第六章 破産財団の管理 第一節 破産者の財産状況の調査 (財産の価額の評定等) 第百五十三条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、破産財団に属する一切の財産につき、破産手続開始の時における価額を評定しなければならない。 この場合においては、破産者をその評定に立ち会わせることができる。 2 破産管財人は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに破産手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。 3 破産財団に属する財産の総額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合には、前項の規定にかかわらず、破産管財人は、裁判所の許可を得て、同項の貸借対照表の作成及び提出をしないことができる。 (別除権の目的の提示等) 第百五十四条 破産管財人は、別除権者に対し、当該別除権の目的である財産の提示を求めることができる。 2 破産管財人が前項の財産の評価をしようとするときは、別除権者は、これを拒むことができない。 (封印及び帳簿の閉鎖) 第百五十五条 破産管財人は、必要があると認めるときは、裁判所書記官、執行官又は公証人に、破産財団に属する財産に封印をさせ、又はその封印を除去させることができる。 2 裁判所書記官は、必要があると認めるときは、破産管財人の申出により、破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。 (破産財団に属する財産の引渡し) 第百五十六条 裁判所は、破産管財人の申立てにより、決定で、破産者に対し、破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の決定をする場合には、破産者を審尋しなければならない。 3 第一項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 第一項の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (裁判所への報告) 第百五十七条 破産管財人は、破産手続開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。 一 破産手続開始に至った事情 二 破産者及び破産財団に関する経過及び現状 三 第百七十七条第一項の規定による保全処分又は第百七十八条第一項に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無 四 その他破産手続に関し必要な事項 2 破産管財人は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。 (財産状況報告集会への報告) 第百五十八条 財産状況報告集会においては、破産管財人は、前条第一項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。 (債権者集会への報告) 第百五十九条 破産管財人は、債権者集会がその決議で定めるところにより、破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない。 第二節 否認権 (破産債権者を害する行為の否認) 第百六十条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 二 破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。 ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。 3 破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 (相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 第百六十一条 破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。 二 破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。 2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 一 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者 二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者 三 破産者の親族又は同居者 (特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 第百六十二条 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。 一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。 ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。 二 破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。 ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合 二 前項第一号に掲げる行為が破産者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合 3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。 (手形債務支払の場合等の例外) 第百六十三条 前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。 2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。 3 前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。 (権利変動の対抗要件の否認) 第百六十四条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、破産手続開始後、破産財団のためにこれを否認することができる。 ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。 2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。 (執行行為の否認) 第百六十五条 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。 (支払の停止を要件とする否認の制限) 第百六十六条 破産手続開始の申立ての日から一年以上前にした行為(第百六十条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。 (否認権行使の効果) 第百六十七条 否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。 2 第百六十条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。 (破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 第百六十八条 第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存しない場合 財団債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 一 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利 二 破産者の受けた反対給付によって生じた利益が破産財団中に現存しない場合 破産債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利 三 破産者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が破産財団中に現存する場合 財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び破産債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 破産管財人は、第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により財団債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権の回復) 第百六十九条 第百六十二条第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。 (転得者に対する否認権) 第百七十条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。 ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。 一 転得者が転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知っていたとき。 二 転得者が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。 ただし、転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。 (破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 第百七十条の二 破産者がした第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百六十八条第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 ただし、同項第一号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、財団債権者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第百六十八条第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 4 第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。 5 破産管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百六十七条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により財団債権となる額(第百六十八条第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。 (相手方の債権に関する転得者の権利) 第百七十条の三 破産者がした第百六十二条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百六十九条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。 この場合には、前条第四項の規定を準用する。 (否認権のための保全処分) 第百七十一条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。 3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 前各項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 第百七十二条 前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。 2 破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。 3 破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。 4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。 (否認権の行使) 第百七十三条 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。 2 前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。 (否認の請求) 第百七十四条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。 3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。 4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 第百七十五条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。 4 第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。 同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。 5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 6 第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。 (否認権行使の期間) 第百七十六条 否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。 否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。 第三節 法人の役員の責任の追及等 (役員の財産に対する保全処分) 第百七十七条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 3 裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 4 第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 7 第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。 (役員の責任の査定の申立て等) 第百七十八条 裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 3 裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 4 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 5 役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。 (役員責任査定決定等) 第百七十九条 役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。 2 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。 3 役員責任査定決定があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (役員責任査定決定に対する異議の訴え) 第百八十条 役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。 3 第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 (役員責任査定決定の効力) 第百八十一条 前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (社員の出資責任) 第百八十二条 会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。 (匿名組合員の出資責任) 第百八十三条 匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。 第七章 破産財団の換価 第一節 通則 (換価の方法) 第百八十四条 第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。 2 破産管財人は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、別除権の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、別除権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、破産管財人は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、別除権は、寄託された代金につき存する。 (別除権者が処分をすべき期間の指定) 第百八十五条 別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、破産管財人の申立てにより、別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 別除権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 3 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 4 第一項の申立てについての裁判及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第二節 担保権の消滅 (担保権消滅の許可の申立て) 第百八十六条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。 ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。 一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額 二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額 2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。 3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。 一 担保権の目的である財産の表示 二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称 四 消滅すべき担保権の表示 五 前号の担保権によって担保される債権の額 六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額) 七 前項の規定による協議の内容及びその経過 4 第一項の申立てをするときは、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を裁判所に提出しなければならない。 5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面又は電磁的記録を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (担保権の実行の申立て) 第百八十七条 被申立担保権者は、前条第一項の申立てにつき異議があるときは、同条第五項の規定により全ての被申立担保権者に申立書及び同条第四項の書面又は電磁的記録の送達がされた日から一月以内に、担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録を裁判所に提出することができる。 2 裁判所は、被申立担保権者につきやむを得ない事由がある場合に限り、当該被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。 3 破産管財人と被申立担保権者との間に売得金及び組入金の額(前条第一項第二号に掲げる場合にあっては、売得金の額)について合意がある場合には、当該被申立担保権者は、担保権の実行の申立てをすることができない。 4 被申立担保権者は、第一項の期間(第二項の規定により伸長されたときは、その伸長された期間。以下この節において同じ。)が経過した後は、第百九十条第六項の規定により第百八十九条第一項の許可の決定が取り消され、又は同項の不許可の決定が確定した場合を除き、担保権の実行の申立てをすることができない。 5 第一項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録が提出された後に、当該担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、当該書面又は電磁的記録は提出されなかったものとみなす。 民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条又は同法第百九十二条において準用する同法第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定により同項の担保権の実行の手続が取り消された場合も、同様とする。 6 第百八十九条第一項の不許可の決定が確定した後に、第一項の担保権の実行の申立てが取り下げられ、又は却下された場合において、破産管財人が前条第一項の申立てをしたときは、当該担保権の実行の申立てをした被申立担保権者は、第一項の規定にかかわらず、同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録を提出することができない。 (買受けの申出) 第百八十八条 被申立担保権者は、第百八十六条第一項の申立てにつき異議があるときは、前条第一項の期間内に、破産管財人に対し、当該被申立担保権者又は他の者が第百八十六条第三項第一号の財産を買い受ける旨の申出(以下この節において「買受けの申出」という。)をすることができる。 2 買受けの申出は、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。 一 第百八十六条第三項第一号の財産を買い受けようとする者(以下この節において「買受希望者」という。)の氏名又は名称 二 破産管財人が第百八十六条第三項第一号の財産の売却によって買受希望者から取得することができる金銭の額(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において買受希望者の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「買受けの申出の額」という。) 三 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額 3 買受けの申出の額は、申立書に記載された第百八十六条第三項第二号の売得金の額にその二十分の一に相当する額を加えた額以上でなければならない。 4 第百八十六条第三項第一号の財産が複数あるときは、第二項第三号の買受けの申出の額の各財産ごとの内訳の額は、当該各財産につき、同条第三項第二号の売得金の額の各財産ごとの内訳の額を下回ってはならない。 5 買受希望者は、買受けの申出に際し、最高裁判所規則で定める額及び方法による保証を破産管財人に提供しなければならない。 6 前条第三項の規定は、買受けの申出について準用する。 7 買受けの申出をした者(その者以外の者が買受希望者である場合にあっては、当該買受希望者)は、前条第一項の期間内は、当該買受けの申出を撤回することができる。 8 破産管財人は、買受けの申出があったときは、前条第一項の期間が経過した後、裁判所に対し、第百八十六条第三項第一号の財産を買受希望者に売却する旨の届出をしなければならない。 この場合において、買受けの申出が複数あったときは、最高の買受けの申出の額に係る買受希望者(最高の買受けの申出の額に係る買受けの申出が複数あった場合にあっては、そのうち最も先にされたものに係る買受希望者)に売却する旨の届出をしなければならない。 9 前項の場合においては、破産管財人は、前条第一項の期間内にされた買受けの申出に係る第二項の書面を裁判所に提出しなければならない。 10 買受けの申出があったときは、破産管財人は、第百八十六条第一項の申立てを取り下げるには、買受希望者(次条第一項の許可の決定が確定した後にあっては、同条第二項に規定する買受人)の同意を得なければならない。 (担保権消滅の許可の決定等) 第百八十九条 裁判所は、被申立担保権者が第百八十七条第一項の期間内に同項の担保権の実行の申立てをしたことを証する書面又は電磁的記録を提出したことにより不許可の決定をする場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を当該許可に係る売却の相手方とする第百八十六条第一項の許可の決定をしなければならない。 一 前条第八項に規定する届出がされなかった場合 第百八十六条第三項第三号の売却の相手方 二 前条第八項に規定する届出がされた場合 同項に規定する買受希望者 2 前項第二号に掲げる場合において、同項の許可の決定が確定したときは、破産管財人と当該許可に係る同号に定める買受希望者(以下この節において「買受人」という。)との間で、第百八十六条第四項の書面又は電磁的記録に記載され、又は記録された内容と同一の内容(売却の相手方を除く。)の売買契約が締結されたものとみなす。 この場合においては、買受けの申出の額を売買契約の売得金の額とみなす。 3 第百八十六条第一項の申立てについての裁判があった場合には、その裁判が確定するまでの間、買受希望者(第一項第二号に定める買受希望者を除く。)は、当該買受希望者に係る買受けの申出を撤回することができる。 4 第百八十六条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第百八十六条第一項の申立てについての裁判又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 (金銭の納付等) 第百九十条 前条第一項の許可の決定が確定したときは、当該許可に係る売却の相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額に相当する金銭を裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。 一 前条第一項第一号に掲げる場合 第百八十六条第一項各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額 二 前条第一項第二号に掲げる場合 同条第二項後段に規定する売得金の額から第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額を控除した額 2 前項第二号の規定による金銭の納付があったときは、第百八十八条第五項の規定により買受人が提供した保証の額に相当する金銭は、売得金に充てる。 3 前項の場合には、破産管財人は、同項の保証の額に相当する金銭を直ちに裁判所に納付しなければならない。 4 被申立担保権者の有する担保権は、第一項第一号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付があった時に、同項第二号の場合にあっては同号の規定による金銭の納付及び前項の規定による金銭の納付があった時に、それぞれ消滅する。 5 前項に規定する金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 6 第一項の規定による金銭の納付がなかったときは、裁判所は、前条第一項の許可の決定を取り消さなければならない。 7 前項の場合には、買受人は、第二項の保証の返還を請求することができない。 (配当等の実施) 第百九十一条 裁判所は、前条第四項に規定する金銭の納付があった場合には、次項に規定する場合を除き、当該金銭の被申立担保権者に対する配当に係る電子配当表(第四項において準用する民事執行法第八十五条第三項の規定により作成された電磁的記録であって、第四項において準用する同条第五項の規定によりファイルに記録されたものをいう。)に基づいて、その配当を実施しなければならない。 2 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって前条第四項に規定する金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権を弁済することができる場合には、裁判所は、最高裁判所規則で定めるところにより、当該金銭の電子交付計算書(裁判所が、最高裁判所規則で定めるところにより、弁済金及び剰余金を交付するために、当該金銭の額、各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額並びに弁済金の交付の順位及び額を記録して作成する電磁的記録をいう。次項において同じ。)を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を破産管財人に交付する。 3 裁判所は、前項の規定により電子交付計算書を作成した場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。 4 民事執行法第八十五条から第八十六条まで及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は第二項の規定による弁済金の交付の手続について準用する。 第三節 商事留置権の消滅 第百九十二条 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が第三十六条の規定により継続されている事業に必要なものであるとき、その他当該財産の回復が破産財団の価値の維持又は増加に資するときは、破産管財人は、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。 2 前項の規定による請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。 3 第一項の規定による請求及び前項に規定する弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。 4 前項の許可があった場合における第二項に規定する弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の規定による請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。 5 前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項に規定する弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。 第八章 配当 第一節 通則 (配当の方法等) 第百九十三条 破産債権者は、この章の定めるところに従い、破産財団から、配当を受けることができる。 2 破産債権者は、破産管財人がその職務を行う場所において配当を受けなければならない。 ただし、破産管財人と破産債権者との合意により別段の定めをすることを妨げない。 3 破産管財人は、配当をしたときは、その配当をした金額を記載した報告書を裁判所に提出しなければならない。 この場合においては、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、当該報告書に記載された金額を電子破産債権者表に記録しなければならない。 (配当の順位等) 第百九十四条 配当の順位は、破産債権間においては次に掲げる順位に、第一号の優先的破産債権間においては第九十八条第二項に規定する優先順位による。 一 優先的破産債権 二 前号、次号及び第四号に掲げるもの以外の破産債権 三 劣後的破産債権 四 約定劣後破産債権 2 同一順位において配当をすべき破産債権については、それぞれその債権の額の割合に応じて、配当をする。 第二節 最後配当 (最後配当) 第百九十五条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。 2 破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。 3 裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。 (配当表) 第百九十六条 破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。 一 最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所 二 最後配当の手続に参加することができる債権の額 三 最後配当をすることができる金額 2 前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。 3 破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。 4 前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。 (配当の公告等) 第百九十七条 破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (破産債権の除斥等) 第百九十八条 異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。 2 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。 3 別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。 4 第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。 5 第三項の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表の更正) 第百九十九条 次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。 一 電子破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。 二 前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 三 前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。 2 前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。 (配当表に対する異議) 第二百条 届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。 2 裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。 3 第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条の二第一項の規定により利害関係人がその電子裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。 4 第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 (配当額の定め及び通知) 第二百一条 破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 2 破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。 3 解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 4 第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。 5 第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。 この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 6 次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。 7 破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 (配当額の供託) 第二百二条 破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額 三 破産債権者が受け取らない配当額 (破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い) 第二百三条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。 第三節 簡易配当 (簡易配当) 第二百四条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。 一 配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。 二 裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。 三 前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。 2 破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 4 第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。 (準用) 第二百五条 簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。 (簡易配当の許可の取消し) 第二百六条 破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。 この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。 (適用除外) 第二百七条 第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。 第四節 同意配当 第二百八条 裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、破産管財人の申立てがあったときは、最後配当に代えてこの条の規定による配当(以下この章及び次章において「同意配当」という。)をすることを許可することができる。 この場合において、破産管財人の申立ては、届出をした破産債権者の全員が、破産管財人が定めた配当表、配当額並びに配当の時期及び方法について同意している場合に限り、することができる。 2 前項の規定による許可があった場合には、破産管財人は、同項後段の配当表、配当額並びに配当の時期及び方法に従い、同項後段の届出をした破産債権者に対して同意配当をすることができる。 3 同意配当については、第百九十六条第一項及び第二項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく」とあるのは「あらかじめ」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百八条第一項の規定による許可があった時に」と読み替えるものとする。 第五節 中間配当 (中間配当) 第二百九条 破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了前において、配当をするのに適当な破産財団に属する金銭があると認めるときは、最後配当に先立って、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この節において「中間配当」という。)をすることができる。 2 破産管財人は、中間配当をするには、裁判所の許可を得なければならない。 3 中間配当については、第百九十六条第一項及び第二項、第百九十七条、第百九十八条第一項、第百九十九条第一項第一号及び第二号、第二百条、第二百一条第四項並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第百九十六条第一項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百九条第二項の規定による許可」と、第百九十九条第一項各号及び第二百条第一項中「最後配当に関する除斥期間」とあるのは「第二百十条第一項に規定する中間配当に関する除斥期間」と、第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額」とあるのは「第二百十一条の規定による配当率」と読み替えるものとする。 (別除権者の除斥等) 第二百十条 別除権者は、中間配当の手続に参加するには、前条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する期間(以下この節において「中間配当に関する除斥期間」という。)に、破産管財人に対し、当該別除権の目的である財産の処分に着手したことを証明し、かつ、当該処分によって弁済を受けることができない債権の額を疎明しなければならない。 2 前項の規定は、準別除権者について準用する。 3 破産管財人は、第一項(前項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき中間配当に関する除斥期間内に証明及び疎明があったときは、直ちに、配当表を更正しなければならない。 (配当率の定め及び通知) 第二百十一条 破産管財人は、第二百九条第三項において準用する第二百条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てについての決定があった後)、遅滞なく、配当率を定めて、その配当率を中間配当の手続に参加することができる破産債権者に通知しなければならない。 (解除条件付債権の取扱い) 第二百十二条 解除条件付債権である破産債権については、相当の担保を供しなければ、中間配当を受けることができない。 2 前項の破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、同項の規定により供した担保は、その効力を失う。 (除斥された破産債権等の後の配当における取扱い) 第二百十三条 第二百九条第三項において準用する第百九十八条第一項に規定する事項につき証明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった破産債権について、当該破産債権を有する破産債権者が最後配当に関する除斥期間又はその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明をしたときは、その中間配当において受けることができた額について、当該最後配当又はその中間配当の後に行われることがある中間配当において、他の同順位の破産債権者に先立って配当を受けることができる。 第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明又は疎明をしなかったことにより中間配当の手続に参加することができなかった別除権者(準別除権者を含む。)がその中間配当の後に行われることがある中間配当に関する除斥期間内に当該事項につき証明及び疎明をしたときも、同様とする。 (配当額の寄託) 第二百十四条 中間配当を行おうとする破産管財人は、次に掲げる破産債権に対する配当額を寄託しなければならない。 一 異議等のある破産債権であって、第二百二条第一号に規定する手続が係属しているもの 二 租税等の請求権又は罰金等の請求権であって、第二百十一条の規定による配当率の通知を発した時に第二百二条第二号に規定する手続が終了していないもの 三 中間配当に関する除斥期間内に第二百十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による証明及び疎明があった債権のうち、当該疎明があった額に係る部分 四 停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権 五 解除条件付債権である破産債権であって、第二百十二条第一項の規定による担保が供されていないもの 六 第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者が有する破産債権 2 前項第一号又は第二号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、第二百二条第一号又は第二号の規定により当該破産債権に対する配当額を供託するときは、破産管財人は、その寄託した配当額をこれを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。 3 第一項第三号又は第四号の規定により当該各号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権を有する破産債権者又は別除権者(準別除権者を含む。)が第百九十八条第二項の規定に適合しなかったこと又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項につき証明をしなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかったときは、破産管財人は、その寄託した配当額の最後配当を他の破産債権者に対してしなければならない。 4 第一項第五号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合において、当該破産債権の条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、破産管財人は、その寄託した配当額を当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。 5 第一項第六号の規定により同号に掲げる破産債権に対する配当額を寄託した場合における第二百一条第五項の規定の適用については、同項中「その定めた配当額が同号に」とあるのは「その定めた配当額及び破産管財人が第二百十四条第一項第六号の規定により寄託した同号に掲げる破産債権に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に」と、「当該配当額」とあるのは「当該合計額」とする。 第六節 追加配当 第二百十五条 第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した後(簡易配当にあっては第二百五条において準用する第二百条第一項に規定する期間を経過した後、同意配当にあっては第二百八条第一項の規定による許可があった後)、新たに配当に充てることができる相当の財産があることが確認されたときは、破産管財人は、裁判所の許可を得て、最後配当、簡易配当又は同意配当とは別に、届出をした破産債権者に対し、この条の規定による配当(以下この条において「追加配当」という。)をしなければならない。 破産手続終結の決定があった後であっても、同様とする。 2 追加配当については、第二百一条第四項及び第五項、第二百二条並びに第二百三条の規定を準用する。 この場合において、第二百一条第五項中「第一項の規定」とあるのは「第二百十五条第四項の規定」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項」とあるのは「第二百十五条第五項」と読み替えるものとする。 3 追加配当は、最後配当、簡易配当又は同意配当について作成した配当表によってする。 4 破産管財人は、第一項の規定による許可があったときは、遅滞なく、追加配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。 5 破産管財人は、前項の規定により定めた配当額を、追加配当の手続に参加することができる破産債権者(第二項において読み替えて準用する第二百一条第五項の規定により追加配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。 6 追加配当をした場合には、破産管財人は、遅滞なく、裁判所に書面による計算の報告をしなければならない。 7 前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、当該計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人がしなければならない。 第九章 破産手続の終了 (破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。 2 前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 3 裁判所は、第一項の規定により破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 一 破産手続開始の決定の主文 二 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨 4 第一項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 6 第三十一条及び第三十二条の規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。 (破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定) 第二百十七条 裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。 この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。 2 前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面による方法その他最高裁判所規則で定める方法により破産債権者の意見を聴くことができる。 この場合においては、当該意見の聴取を目的とする第百三十五条第一項第二号又は第三号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。 3 前二項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。 4 裁判所は、第一項の規定による破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その電子裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項の申立てを棄却する決定をしたときは、その電子裁判書を破産管財人に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 第一項の規定による破産手続廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 7 第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 8 第一項の規定による破産手続廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十八条 裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。 一 破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。 二 前号の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。 ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。 2 前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について同項第一号及び第二号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。 この場合における同項第一号及び第二号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「届出をした破産債権者」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。 3 裁判所は、第一項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 4 届出をした破産債権者は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 5 前条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定について準用する。 この場合において、同条第五項中「破産管財人」とあるのは、「破産者」と読み替えるものとする。 (破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 第二百十九条 法人である破産者が前条第一項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。 (破産手続終結の決定) 第二百二十条 裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第八十八条第四項の債権者集会が終結したとき、又は第八十九条第二項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。 (破産手続廃止後又は破産手続終結後の電子破産債権者表の記録の効力) 第二百二十一条 第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、電子破産債権者表の記録は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。 この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、電子破産債権者表の記録により強制執行をすることができる。 2 前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。 第十章 相続財産の破産等に関する特則 第一節 相続財産の破産 (相続財産に関する破産事件の管轄) 第二百二十二条 相続財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、被相続人の相続開始の時の住所又は相続財産に属する財産が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 相続財産に関する破産事件は、被相続人の相続開始の時の住所地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、相続財産に関する破産事件は、相続財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 相続財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、相続財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (相続財産の破産手続開始の原因) 第二百二十三条 相続財産に対する第三十条第一項の規定の適用については、同項中「破産手続開始の原因となる事実があると認めるとき」とあるのは、「相続財産をもって相続債権者及び受遺者に対する債務を完済することができないと認めるとき」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百二十四条 相続財産については、相続債権者又は受遺者のほか、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者(相続財産の管理に必要な行為をする権利を有する遺言執行者に限る。以下この節において同じ。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が相続財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 相続債権者又は受遺者 その有する債権の存在及び当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 二 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者 当該相続財産の破産手続開始の原因となる事実 (破産手続開始の申立期間) 第二百二十五条 相続財産については、民法第九百四十一条第一項の規定により財産分離の請求をすることができる間に限り、破産手続開始の申立てをすることができる。 ただし、限定承認又は財産分離があったときは、相続債権者及び受遺者に対する弁済が完了するまでの間も、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産手続開始の決定前の相続の開始) 第二百二十六条 裁判所は、破産手続開始の申立て後破産手続開始の決定前に債務者について相続が開始したときは、相続債権者、受遺者、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者の申立てにより、当該相続財産についてその破産手続を続行する旨の決定をすることができる。 2 前項に規定する続行の申立ては、相続が開始した後一月以内にしなければならない。 3 第一項に規定する破産手続は、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがなかった場合はその期間が経過した時に、前項の期間内に第一項に規定する続行の申立てがあった場合で当該申立てを却下する裁判が確定したときはその時に、それぞれ終了する。 4 第一項に規定する続行の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 (破産手続開始の決定後の相続の開始) 第二百二十七条 裁判所は、破産手続開始の決定後に破産者について相続が開始したときは、当該相続財産についてその破産手続を続行する。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百二十八条 相続財産についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (破産財団の範囲) 第二百二十九条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 この場合においては、被相続人が相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 2 相続人が相続財産の全部又は一部を処分した後に相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人が反対給付について有する権利は、破産財団に属する。 3 前項に規定する場合において、相続人が既に同項の反対給付を受けているときは、相続人は、当該反対給付を破産財団に返還しなければならない。 ただし、相続人が当該反対給付を受けた当時、破産手続開始の原因となる事実又は破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは、その現に受けている利益を返還すれば足りる。 (相続人等の説明義務等) 第二百三十条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 被相続人の代理人であった者 二 相続人及びその代理人 三 相続財産の管理人、相続財産の清算人及び遺言執行者 2 前項の規定は、同項第二号又は第三号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、相続財産について破産手続開始の決定があった場合における相続人並びにその法定代理人及び支配人について準用する。 (相続債権者及び受遺者の地位) 第二百三十一条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続債権者の債権は、受遺者の債権に優先する。 (相続人の地位) 第二百三十二条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合には、相続人が被相続人に対して有していた権利は、消滅しなかったものとみなす。 この場合においては、相続人は、被相続人に対して有していた債権について、相続債権者と同一の権利を有する。 2 前項に規定する場合において、相続人が相続債権者に対して自己の固有財産をもって弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、相続人は、その出えんの額の範囲内において、当該相続債権者が被相続人に対して有していた権利を行使することができる。 (相続人の債権者の地位) 第二百三十三条 相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係) 第二百三十四条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 (受遺者に対する担保の供与等の否認) 第二百三十五条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、受遺者に対する担保の供与又は債務の消滅に関する行為がその債権に優先する債権を有する破産債権者を害するときは、当該行為を否認することができる。 2 第百六十七条第二項の規定は、前項の行為が同項の規定により否認された場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「破産債権者を害すること」とあるのは、「第二百三十五条第一項の破産債権者を害すること」と読み替えるものとする。 (否認後の残余財産の分配等) 第二百三十六条 相続財産について破産手続開始の決定があった場合において、被相続人、相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者が相続財産に関してした行為が否認されたときは、破産管財人は、相続債権者に弁済をした後、否認された行為の相手方にその権利の価額に応じて残余財産を分配しなければならない。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百三十七条 相続財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、相続人がする。 2 相続人が数人あるときは、前項の申立ては、各相続人がすることができる。 第二節 相続人の破産 (破産者の単純承認又は相続放棄の効力等) 第二百三十八条 破産手続開始の決定前に破産者のために相続の開始があった場合において、破産者が破産手続開始の決定後にした単純承認は、破産財団に対しては、限定承認の効力を有する。 破産者が破産手続開始の決定後にした相続の放棄も、同様とする。 2 破産管財人は、前項後段の規定にかかわらず、相続の放棄の効力を認めることができる。 この場合においては、相続の放棄があったことを知った時から三月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (限定承認又は財産分離の手続との関係) 第二百三十九条 相続人についての破産手続開始の決定は、限定承認又は財産分離を妨げない。 ただし、当該相続人のみが相続財産につき債務の弁済に必要な行為をする権限を有するときは、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定し、又は破産手続終結の決定があるまでの間は、限定承認又は財産分離の手続は、中止する。 (相続債権者、受遺者及び相続人の債権者の地位) 第二百四十条 相続人について破産手続開始の決定があった場合には、相続債権者及び受遺者は、財産分離があったとき、又は相続財産について破産手続開始の決定があったときでも、その債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、相続財産について破産手続開始の決定があったときは、相続人の債権者の債権は、相続人の破産財団については、相続債権者及び受遺者の債権に優先する。 3 第二百二十五条に規定する期間内にされた破産手続開始の申立てにより相続人について破産手続開始の決定があったときは、相続人の固有財産については相続人の債権者の債権が相続債権者及び受遺者の債権に優先し、相続財産については相続債権者及び受遺者の債権が相続人の債権者の債権に優先する。 4 相続人について破産手続開始の決定があり、かつ、当該相続人が限定承認をしたときは、相続債権者及び受遺者は、相続人の固有財産について、破産債権者としてその権利を行使することができない。 第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有するときも、同様とする。 (限定承認又は財産分離の手続において相続債権者等が受けた弁済) 第二百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続人について破産手続開始の決定があった後に、限定承認又は財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の額について破産手続に参加することができる。 相続人の債権者が、相続人について破産手続開始の決定があった後に、財産分離の手続において権利を行使したことにより、破産債権について弁済を受けた場合も、同様とする。 2 前項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済(相続人が数人ある場合には、当該破産手続開始の決定を受けた相続人の相続分に応じた部分に限る。次項において同じ。)と同一の割合の配当を受けるまでは、破産手続により、配当を受けることができない。 3 第一項の相続債権者若しくは受遺者又は相続人の債権者は、前項の弁済を受けた債権の額については、議決権を行使することができない。 (限定承認又は財産分離等の後の相続財産の管理及び処分等) 第二百四十二条 相続人について破産手続開始の決定があった後、当該相続人が限定承認をしたとき、又は当該相続人について財産分離があったときは、破産管財人は、当該相続人の固有財産と分別して相続財産の管理及び処分をしなければならない。 限定承認又は財産分離があった後に相続人について破産手続開始の決定があったときも、同様とする。 2 破産管財人が前項の規定による相続財産の管理及び処分を終えた場合において、残余財産があるときは、その残余財産のうち当該相続人に帰属すべき部分は、当該相続人の固有財産とみなす。 この場合において、破産管財人は、その残余財産について、破産財団の財産目録及び貸借対照表を補充しなければならない。 3 第一項前段及び前項の規定は、第二百三十八条第一項の規定により限定承認の効力を有する場合及び第二百四十条第三項の場合について準用する。 第三節 受遺者の破産 (包括受遺者の破産) 第二百四十三条 前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 (特定遺贈の承認又は放棄) 第二百四十四条 破産手続開始の決定前に破産者のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。 2 民法第九百八十七条の規定は、前項の場合について準用する。 第十章の二 信託財産の破産に関する特則 (信託財産に関する破産事件の管轄) 第二百四十四条の二 信託財産についてのこの法律の規定による破産手続開始の申立ては、信託財産に属する財産又は受託者の住所が日本国内にあるときに限り、することができる。 2 信託財産に関する破産事件は、受託者の住所地(受託者が数人ある場合にあっては、そのいずれかの住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 前項の規定による管轄裁判所がないときは、信託財産に関する破産事件は、信託財産に属する財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 4 信託財産に関する破産事件に対する第五条第八項及び第九項並びに第七条第五号の規定の適用については、第五条第八項及び第九項中「第一項及び第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項及び第三項」と、第七条第五号中「同条第一項又は第二項」とあるのは「第二百四十四条の二第二項又は第三項」とする。 5 前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、信託財産に関する破産事件は、先に破産手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。 (信託財産の破産手続開始の原因) 第二百四十四条の三 信託財産に対する第十五条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(受託者が、信託財産責任負担債務につき、信託財産に属する財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。 (破産手続開始の申立て) 第二百四十四条の四 信託財産については、信託債権(信託法第二十一条第二項第二号に規定する信託債権をいう。次項第一号及び第二百四十四条の七において同じ。)を有する者又は受益者のほか、受託者又は信託財産管理者、信託財産法人管理人若しくは同法第百七十条第一項の管理人(以下「受託者等」と総称する。)も、破産手続開始の申立てをすることができる。 2 次の各号に掲げる者が信託財産について破産手続開始の申立てをするときは、それぞれ当該各号に定める事実を疎明しなければならない。 一 信託債権を有する者又は受益者 その有する信託債権又は受益債権の存在及び当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 二 受託者等 当該信託財産の破産手続開始の原因となる事実 3 前項第二号の規定は、受託者等が一人であるとき、又は受託者等が数人ある場合において受託者等の全員が破産手続開始の申立てをしたときは、適用しない。 4 信託財産については、信託が終了した後であっても、残余財産の給付が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。 (破産財団の範囲) 第二百四十四条の五 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、破産手続開始の時において信託財産に属する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。 (受託者等の説明義務等) 第二百四十四条の六 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げる者は、破産管財人若しくは債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。 一 受託者等 二 会計監査人(信託法第二百四十八条第一項又は第二項の会計監査人をいう。以下この章において同じ。) 2 前項の規定は、同項各号に掲げる者であった者について準用する。 3 第三十七条及び第三十八条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等(個人である受託者等に限る。)について準用する。 4 第四十一条の規定は、信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等について準用する。 (信託債権者及び受益者の地位) 第二百四十四条の七 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、信託債権を有する者及び受益者は、受託者について破産手続開始の決定があったときでも、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続に参加することができる。 2 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、信託債権は、受益債権に優先する。 3 受益債権と約定劣後破産債権は、同順位とする。 ただし、信託行為の定めにより、約定劣後破産債権が受益債権に優先するものとすることができる。 (受託者の地位) 第二百四十四条の八 信託法第四十九条第一項(同法第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、信託財産についての破産手続との関係においては、金銭債権とみなす。 (固有財産等責任負担債務に係る債権者の地位) 第二百四十四条の九 信託財産について破産手続開始の決定があったときは、固有財産等責任負担債務(信託法第二十二条第一項に規定する固有財産等責任負担債務をいう。)に係る債権を有する者は、破産債権者としてその権利を行使することができない。 (否認権に関する規定の適用関係等) 第二百四十四条の十 信託財産について破産手続開始の決定があった場合における第六章第二節の規定の適用については、受託者等が信託財産に関してした行為は、破産者がした行為とみなす。 2 前項に規定する場合における第百六十一条第一項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 3 第一項に規定する場合における第百六十二条第一項第一号の規定の適用については、債権者が受託者等又は会計監査人であるときは、その債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。 4 第一項に規定する場合における第百六十八条第二項及び第百七十条の二第二項の規定の適用については、当該行為の相手方が受託者等又は会計監査人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、受託者等がこれらの規定に規定する隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。 (破産管財人の権限) 第二百四十四条の十一 信託財産について破産手続開始の決定があった場合には、次に掲げるものは、破産管財人がする。 一 信託法第二十七条第一項又は第二項の規定による取消権の行使 二 信託法第三十一条第五項の規定による追認 三 信託法第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権の行使 四 信託法第三十二条第四項の規定による権利の行使 五 信託法第四十条又は第四十一条の規定による責任の追及 六 信託法第四十二条(同法第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による責任の免除 七 信託法第二百二十六条第一項、第二百二十八条第一項又は第二百五十四条第一項の規定による責任の追及 2 前項の規定は、保全管理人について準用する。 3 第百七十七条の規定は信託財産について破産手続開始の決定があった場合における受託者等又は会計監査人の財産に対する保全処分について、第百七十八条から第百八十一条までの規定は信託財産についての破産手続における受託者等又は会計監査人の責任に基づく損失のてん補又は原状の回復の請求権の査定について、それぞれ準用する。 (保全管理命令) 第二百四十四条の十二 信託財産について破産手続開始の申立てがあった場合における第三章第二節の規定の適用については、第九十一条第一項中「債務者(法人である場合に限る。以下この節、第百四十八条第四項及び第百五十二条第二項において同じ。)の財産」とあり、並びに同項、第九十三条第一項及び第九十六条第二項中「債務者の財産」とあるのは、「信託財産に属する財産」とする。 (破産債権者の同意による破産手続廃止の申立て) 第二百四十四条の十三 信託財産の破産についての第二百十八条第一項の申立ては、受託者等がする。 2 受託者等が数人あるときは、前項の申立ては、各受託者等がすることができる。 3 信託財産の破産について第一項の申立てをするには、信託の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該信託を継続する手続をしなければならない。 第十一章 外国倒産処理手続がある場合の特則 (外国管財人との協力) 第二百四十五条 破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この章において同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下この章において同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。 (外国管財人の権限等) 第二百四十六条 外国管財人は、債務者について破産手続開始の申立てをすることができる。 2 外国管財人は、前項の申立てをするときは、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 外国管財人は、破産者の破産手続において、債権者集会の期日に出席し、意見を述べることができる。 4 第一項の規定により外国管財人が破産手続開始の申立てをした場合において、包括的禁止命令又はこれを変更し、若しくは取り消す旨の決定があったときはその主文を、破産手続開始の決定があったときは第三十二条第一項の規定により公告すべき事項を、同項第二号又は第三号に掲げる事項に変更を生じたときはその旨を、破産手続開始の決定を取り消す決定が確定したときはその主文を、それぞれ外国管財人に通知しなければならない。 (相互の手続参加) 第二百四十七条 外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる。 ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。 2 破産管財人は、届出をした破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。 3 破産管財人は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した破産債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。 ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。 第十二章 免責手続及び復権 第一節 免責手続 (免責許可の申立て) 第二百四十八条 個人である債務者(破産手続開始の決定後にあっては、破産者。第四項を除き、以下この節において同じ。)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後一月を経過する日までの間に、破産裁判所に対し、免責許可の申立てをすることができる。 2 前項の債務者(以下この節において「債務者」という。)は、その責めに帰することができない事由により同項に規定する期間内に免責許可の申立てをすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、当該申立てをすることができる。 3 免責許可の申立てをするには、最高裁判所規則で定める事項を記載した債権者名簿を提出しなければならない。 ただし、当該申立てと同時に債権者名簿を提出することができないときは、当該申立ての後遅滞なくこれを提出すれば足りる。 4 債務者が破産手続開始の申立てをした場合には、当該申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなす。 ただし、当該債務者が破産手続開始の申立ての際に反対の意思を表示しているときは、この限りでない。 5 前項本文の規定により免責許可の申立てをしたものとみなされたときは、第二十条第二項の債権者一覧表を第三項本文の債権者名簿とみなす。 6 債務者は、免責許可の申立てをしたときは、第二百十八条第一項の申立て又は再生手続開始の申立てをすることができない。 7 債務者は、次の各号に掲げる申立てをしたときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該各号に定める決定が確定した後でなければ、免責許可の申立てをすることができない。 一 第二百十八条第一項の申立て 当該申立ての棄却の決定 二 再生手続開始の申立て 当該申立ての棄却、再生手続廃止又は再生計画不認可の決定 (強制執行の禁止等) 第二百四十九条 免責許可の申立てがあり、かつ、第二百十六条第一項の規定による破産手続廃止の決定、第二百十七条第一項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第二百二十条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、当該申立てについての裁判が確定するまでの間は、破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「破産債権に基づく強制執行等」という。)、破産債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。)はすることができず、破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分で破産者の財産に対して既にされているもの並びに破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 2 免責許可の決定が確定したときは、前項の規定により中止した破産債権に基づく強制執行等の手続又は処分並びに破産債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。 3 第一項の場合において、次の各号に掲げる破産債権については、それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 一 第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権 免責許可の申立てについての決定 二 前号に掲げる請求権以外の破産債権 免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定 (免責についての調査及び報告) 第二百五十条 裁判所は、破産管財人に、第二百五十二条第一項各号に掲げる事由の有無又は同条第二項の規定による免責許可の決定をするかどうかの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をさせ、その結果を報告させることができる。 2 破産者は、前項に規定する事項について裁判所が行う調査又は同項の規定により破産管財人が行う調査に協力しなければならない。 (免責についての意見申述) 第二百五十一条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第二百五十三条第一項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第四項及び第二百五十四条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。 3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。 (免責許可の決定の要件等) 第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。 二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。 三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。 四 浪費又は 賭 と 博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。 五 破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。 六 業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。 七 虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。 八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。 九 不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。 十 次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。 イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日 ロ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日 ハ 民事再生法第二百三十五条第一項(同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日 十一 第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。 2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 3 免責許可の決定があった場合には、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、その主文を記録した電磁的記録を作成し、これをファイルに記録しなければならない。 4 裁判所は、免責許可の決定をしたときは、直ちに、その電子裁判書を破産者及び破産管財人に、前項の規定によりファイルに記録された電磁的記録を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、電子裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 5 裁判所は、免責不許可の決定をしたときは、直ちに、その電子裁判書を破産者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 免責許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 8 免責許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。 (免責許可の決定の効力等) 第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。 ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。 一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。) 二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権 三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。) 四 次に掲げる義務に係る請求権 イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務 ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務 ハ 民法第七百六十六条及び第七百六十六条の三(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務 ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務 ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの 五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権 六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。) 七 罰金等の請求権 2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。 3 免責許可の決定が確定した場合において、電子破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、これに免責許可の決定が確定した旨を記録しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (免責取消しの決定) 第二百五十四条 第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは、裁判所は、破産債権者の申立てにより又は職権で、免責取消しの決定をすることができる。 破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において、破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも、同様とする。 2 免責取消しの決定があった場合には、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、その主文を記録した電磁的記録を作成し、これをファイルに記録しなければならない。 3 裁判所は、免責取消しの決定をしたときは、直ちに、その電子裁判書を破産者及び申立人に、前項の規定によりファイルに記録された電磁的記録を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、電子裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 4 第一項の申立てについての裁判及び職権による免責取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 免責取消しの決定が確定したときは、免責許可の決定は、その効力を失う。 7 免責取消しの決定が確定した場合において、免責許可の決定の確定後免責取消しの決定が確定するまでの間に生じた原因に基づいて破産者に対する債権を有するに至った者があるときは、その者は、新たな破産手続において、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 8 前条第三項の規定は、免責取消しの決定が確定した場合について準用する。 第二節 復権 (復権) 第二百五十五条 破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。 次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。 一 免責許可の決定が確定したとき。 二 第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。 三 再生計画認可の決定が確定したとき。 四 破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。 2 前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。 3 免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第一項第一号又は第三号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。 (復権の決定) 第二百五十六条 破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。 2 裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。 3 破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。 4 第一項の申立てについての裁判があった場合には、裁判所書記官は、最高裁判所規則で定めるところにより、その主文を記録した電磁的記録を作成し、これをファイルに記録しなければならない。 5 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その電子裁判書を破産者に、前項の規定によりファイルに記録された電磁的記録を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。 この場合において、電子裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 6 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。 第十三章 雑則 (法人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十七条 法人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。 2 前項の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 3 第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 4 第一項の債務者について保全管理命令が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。 5 前項の登記には、保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。 6 第四項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。 7 第一項の規定は、同項の破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 8 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 (個人の破産手続に関する登記の嘱託等) 第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。 一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。 二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。 2 前項の規定は、当該破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。 3 裁判所書記官は、第一項第二号の規定により破産手続開始の登記がされた権利について、第三十四条第四項の決定により破産財団に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 4 第一項第二号(第二項において準用する場合を含む。)及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。 5 第一項第二号の規定は、信託財産について保全管理命令があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。 (保全処分に関する登記の嘱託) 第二百五十九条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 債務者の財産に属する権利で登記されたものに関し第二十八条第一項(第三十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第百七十一条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第一項若しくは第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。 2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (否認の登記) 第二百六十条 登記の原因である行為が否認されたときは、破産管財人は、否認の登記を申請しなければならない。 登記が否認されたときも、同様とする。 2 登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。 一 当該否認の登記 二 否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記 三 前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記 3 前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(破産手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の破産者への移転の登記をしなければならない。 4 裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、破産者について、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定したとき、又は破産手続終結の決定があったときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。 破産管財人が、第二項第二号に掲げる登記に係る権利を放棄し、否認の登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。 (非課税) 第二百六十一条 第二百五十七条から前条までの規定による登記については、登録免許税を課さない。 (登録のある権利への準用) 第二百六十二条 第二百五十八条第一項第二号及び同条第二項において準用する同号(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)、同条第三項(同条第四項において同条第三項後段の規定を準用する場合を含む。)並びに前三条の規定は、登録のある権利について準用する。 (責任制限手続の廃止による破産手続の中止) 第二百六十三条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定があったときは、破産手続は、その決定が確定するまで中止する。 (責任制限手続の廃止の場合の措置) 第二百六十四条 破産者のために開始した責任制限手続について責任制限手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、制限債権者のために、債権の届出をすべき期間及び債権の調査をするための期間又は期日を定めなければならない。 2 裁判所は、前項の規定により定めた期間又は期日を公告しなければならない。 3 知れている制限債権者には、第三十二条第一項第一号及び第二号並びに前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 4 破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者には、第二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。 ただし、第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間又は期日(当該期間又は期日に変更があった場合にあっては、変更後の期間又は期日)が第三十一条第一項第三号の規定により定めた期間又は期日と同一であるときは、届出をした破産債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。 5 前三項の規定は第一項の規定により定めた債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について、第百十八条第三項から第五項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期間を変更する決定があった場合について、第百二十一条第九項から第十一項までの規定は第一項の規定により定めた債権の調査をするための期日を変更する決定があった場合又は当該期日における債権の調査の延期若しくは続行の決定があった場合について準用する。 この場合において、第百十八条第三項及び第百二十一条第九項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者(第二百六十四条第一項の規定により定められた債権の届出をすべき期間の経過前にあっては、知れている制限債権者)、破産管財人」と、同条第十項中「破産管財人」とあるのは「届出をした制限債権者、破産管財人」と読み替えるものとする。 6 第三十一条第二項及び第三項の規定は、第一項に規定する期間及び期日について準用する。 第十四章 罰則 (詐欺破産罪) 第二百六十五条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、破産手続開始の決定が確定したときは、同様とする。 一 債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し、又は損壊する行為 二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為 三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為 四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為 2 前項に規定するもののほか、債務者について破産手続開始の決定がされ、又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。 (特定の債権者に対する担保の供与等の罪) 第二百六十六条 債務者(相続財産の破産にあっては相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人又は遺言執行者を、信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。)が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、破産手続開始の決定が確定したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等の特別背任罪) 第二百六十七条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 破産管財人又は保全管理人が法人であるときは、前項の規定は、破産管財人又は保全管理人の職務を行う役員又は職員に適用する。 (説明及び検査の拒絶等の罪) 第二百六十八条 第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。 2 第四十条第一項第二号から第五号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者、第二百三十条第一項各号に掲げる者(相続人を除く。)若しくは同項第二号若しくは第三号に掲げる者(相続人を除く。)であった者又は第二百四十四条の六第一項各号に掲げる者若しくは同項各号に掲げる者であった者(以下この項において「説明義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下この項及び第四項において「代表者等」という。)が、その説明義務者の業務に関し、第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、前項前段と同様とする。 説明義務者の代表者等が、その説明義務者の業務に関し、第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときも、同様とする。 3 破産者が第八十三条第一項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、相続財産について破産手続開始の決定があった場合において第二百三十条第一項第二号若しくは第三号に掲げる者が第八十三条第一項の規定による検査を拒んだとき又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合において受託者等が同項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 4 第八十三条第二項に規定する破産者の子会社等(同条第三項において破産者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その破産者の子会社等の業務に関し、同条第二項(第九十六条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による説明を拒み、若しくは虚偽の説明をし、又は第八十三条第二項の規定による検査を拒んだときも、第一項前段と同様とする。 (重要財産開示拒絶等の罪) 第二百六十九条 破産者(信託財産の破産にあっては、受託者等)が第四十一条(第二百四十四条の六第四項において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出を拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪) 第二百七十条 破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産、信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産)の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者(相続財産の破産にあっては相続財産、信託財産の破産にあっては信託財産)について破産手続開始の決定が確定したときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第百五十五条第二項の規定により閉鎖された破産財団に関する帳簿を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、同様とする。 (審尋における説明拒絶等の罪) 第二百七十一条 債務者が、破産手続開始の申立て(債務者以外の者がしたものを除く。)又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産管財人等に対する職務妨害の罪) 第二百七十二条 偽計又は威力を用いて、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (収賄罪) 第二百七十三条 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理(次項において「破産管財人等」という。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前項の場合において、その破産管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 3 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、破産管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 破産管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その破産管財人又は保全管理人の職務に関し、破産管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。 4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 5 破産債権者若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、債権者集会の期日における議決権の行使又は第百三十九条第二項第二号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 6 前各項の場合において、犯人又は法人である破産管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (贈賄罪) 第二百七十四条 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (破産者等に対する面会強請等の罪) 第二百七十五条 破産者(個人である破産者に限り、相続財産の破産にあっては、相続人。以下この条において同じ。)又はその親族その他の者に破産債権(免責手続の終了後にあっては、免責されたものに限る。以下この条において同じ。)を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (国外犯) 第二百七十六条 第二百六十五条、第二百六十六条、第二百七十条、第二百七十二条及び第二百七十四条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 2 第二百六十七条及び第二百七十三条(第五項を除く。)の罪は、刑法第四条の例に従う。 3 第二百七十三条第五項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。 (両罰規定) 第二百七十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条(第一項を除く。)、第二百六十九条から第二百七十二条まで、第二百七十四条又は第二百七十五条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第百二十三号
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不動産登記法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることにより、国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 不動産 土地又は建物をいう。 二 不動産の表示 不動産についての第二十七条第一号、第三号若しくは第四号、第三十四条第一項各号、第四十三条第一項、第四十四条第一項各号又は第五十八条第一項各号に規定する登記事項をいう。 三 表示に関する登記 不動産の表示に関する登記をいう。 四 権利に関する登記 不動産についての次条各号に掲げる権利に関する登記をいう。 五 登記記録 表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 六 登記事項 この法律の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。 七 表題部 登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。 八 権利部 登記記録のうち、権利に関する登記が記録される部分をいう。 九 登記簿 登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)をもって調製するものをいう。 十 表題部所有者 所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者をいう。 十一 登記名義人 登記記録の権利部に、次条各号に掲げる権利について権利者として記録されている者をいう。 十二 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 十三 登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。 十四 登記識別情報 第二十二条本文の規定により登記名義人が登記を申請する場合において、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。 十五 変更の登記 登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記をいう。 十六 更正の登記 登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記をいう。 十七 地番 第三十五条の規定により一筆の土地ごとに付す番号をいう。 十八 地目 土地の用途による分類であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 十九 地積 一筆の土地の面積であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 二十 表題登記 表示に関する登記のうち、当該不動産について表題部に最初にされる登記をいう。 二十一 家屋番号 第四十五条の規定により一個の建物ごとに付す番号をいう。 二十二 区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第四条第二項の規定により共用部分とされたものを含む。)をいう。 二十三 附属建物 表題登記がある建物に附属する建物であって、当該表題登記がある建物と一体のものとして一個の建物として登記されるものをいう。 二十四 抵当証券 抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第一条第一項に規定する抵当証券をいう。 (登記することができる権利等) 第三条 登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。 一 所有権 二 地上権 三 永小作権 四 地役権 五 先取特権 六 質権 七 抵当権 八 賃借権 九 配偶者居住権 十 採石権(採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条、第七十条第二項及び第八十二条において同じ。) (権利の順位) 第四条 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。 2 付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。 (登記がないことを主張することができない第三者) 第五条 詐欺又は強迫によって登記の申請を妨げた第三者は、その登記がないことを主張することができない。 2 他人のために登記を申請する義務を負う第三者は、その登記がないことを主張することができない。 ただし、その登記の登記原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ。)が自己の登記の登記原因の後に生じたときは、この限りでない。 第二章 登記所及び登記官 (登記所) 第六条 登記の事務は、不動産の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。 2 不動産が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務省令で定めるところにより、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、当該不動産に関する登記の事務をつかさどる登記所を指定する。 3 前項に規定する場合において、同項の指定がされるまでの間、登記の申請は、当該二以上の登記所のうち、一の登記所にすることができる。 (事務の委任) 第七条 法務大臣は、一の登記所の管轄に属する事務を他の登記所に委任することができる。 (事務の停止) 第八条 法務大臣は、登記所においてその事務を停止しなければならない事由が生じたときは、期間を定めて、その停止を命ずることができる。 (登記官) 第九条 登記所における事務は、登記官(登記所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。 (登記官の除斥) 第十条 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。以下この条において同じ。)が登記の申請人であるときは、当該登記官は、当該登記をすることができない。 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族が申請人を代表して申請するときも、同様とする。 第三章 登記記録等 (登記) 第十一条 登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行う。 (登記記録の作成) 第十二条 登記記録は、表題部及び権利部に区分して作成する。 (登記記録の滅失と回復) 第十三条 法務大臣は、登記記録の全部又は一部が滅失したときは、登記官に対し、一定の期間を定めて、当該登記記録の回復に必要な処分を命ずることができる。 (地図等) 第十四条 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。 2 前項の地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。 3 第一項の建物所在図は、一個又は二個以上の建物ごとに作成し、各建物の位置及び家屋番号を表示するものとする。 4 第一項の規定にかかわらず、登記所には、同項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。 5 前項の地図に準ずる図面は、一筆又は二筆以上の土地ごとに土地の位置、形状及び地番を表示するものとする。 6 第一項の地図及び建物所在図並びに第四項の地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる。 (法務省令への委任) 第十五条 この章に定めるもののほか、登記簿及び登記記録並びに地図、建物所在図及び地図に準ずる図面の記録方法その他の登記の事務に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第四章 登記手続 第一節 総則 (当事者の申請又は嘱託による登記) 第十六条 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 第二条第十四号、第五条、第六条第三項、第十条及びこの章(この条、第二十七条、第二十八条、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第四十一条、第四十三条から第四十六条まで、第五十一条第五項及び第六項、第五十三条第二項、第五十六条、第五十八条第一項及び第四項、第五十九条第一号、第三号から第六号まで及び第八号、第六十六条、第六十七条、第七十一条、第七十三条第一項第二号から第四号まで、第二項及び第三項、第七十六条から第七十六条の四まで、第七十六条の六、第七十八条から第八十六条まで、第八十八条、第九十条から第九十二条まで、第九十四条、第九十五条第一項、第九十六条、第九十七条、第九十八条第二項、第百一条、第百二条、第百六条、第百八条、第百十二条、第百十四条から第百十七条まで並びに第百十八条第二項、第五項及び第六項を除く。)の規定は、官庁又は公署の嘱託による登記の手続について準用する。 (代理権の不消滅) 第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。 一 本人の死亡 二 本人である法人の合併による消滅 三 本人である受託者の信託に関する任務の終了 四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更 (申請の方法) 第十八条 登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法 二 申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法 (受付) 第十九条 登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。 2 同一の不動産に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。 3 登記官は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。 この場合において、同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。 (登記の順序) 第二十条 登記官は、同一の不動産に関し権利に関する登記の申請が二以上あったときは、これらの登記を受付番号の順序に従ってしなければならない。 (登記識別情報の通知) 第二十一条 登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。 ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。 (登記識別情報の提供) 第二十二条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。 ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。 (事前通知等) 第二十三条 登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。 この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。 2 登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。 3 前二項の規定は、登記官が第二十五条(第十号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。 4 第一項の規定は、同項に規定する場合において、次の各号のいずれかに掲げるときは、適用しない。 一 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。 二 当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。 (登記官による本人確認) 第二十四条 登記官は、登記の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する申請人又はその代表者若しくは代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。 (申請の却下) 第二十五条 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。 三 申請に係る登記が既に登記されているとき。 四 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 五 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。 六 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。 七 申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。 八 申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。 九 第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。 十 第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。 十一 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。 十二 登録免許税を納付しないとき。 十三 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。 (政令への委任) 第二十六条 この章に定めるもののほか、申請情報の提供の方法並びに申請情報と併せて提供することが必要な情報及びその提供の方法その他の登記申請の手続に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 表示に関する登記 第一款 通則 (表示に関する登記の登記事項) 第二十七条 土地及び建物の表示に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記原因及びその日付 二 登記の年月日 三 所有権の登記がない不動産(共用部分(区分所有法第四条第二項に規定する共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記又は団地共用部分(区分所有法第六十七条第一項に規定する団地共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記がある建物を除く。)については、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分 四 前三号に掲げるもののほか、不動産を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの (職権による表示に関する登記) 第二十八条 表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。 (登記官による調査) 第二十九条 登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。 2 登記官は、前項の調査をする場合において、必要があると認めるときは、日出から日没までの間に限り、当該不動産を検査し、又は当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示を求め、若しくは質問をすることができる。 この場合において、登記官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 (一般承継人による申請) 第三十条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。 (表題部所有者の氏名等の変更の登記又は更正の登記) 第三十一条 表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は、申請することができない。 (表題部所有者の変更等に関する登記手続) 第三十二条 表題部所有者又はその持分についての変更は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない。 (表題部所有者の更正の登記等) 第三十三条 不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができない。 2 前項の場合において、当該不動産の所有者は、当該表題部所有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 3 不動産の表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記は、当該共有者以外の者は、申請することができない。 4 前項の更正の登記をする共有者は、当該更正の登記によってその持分を更正することとなる他の共有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 第二款 土地の表示に関する登記 (土地の表示に関する登記の登記事項) 第三十四条 土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字 二 地番 三 地目 四 地積 2 前項第三号の地目及び同項第四号の地積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (地番) 第三十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。 (土地の表題登記の申請) 第三十六条 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 (地目又は地積の変更の登記の申請) 第三十七条 地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 (土地の表題部の更正の登記の申請) 第三十八条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 (分筆又は合筆の登記) 第三十九条 分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 2 登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。 3 登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。 (分筆に伴う権利の消滅の登記) 第四十条 登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (合筆の登記の制限) 第四十一条 次に掲げる合筆の登記は、することができない。 一 相互に接続していない土地の合筆の登記 二 地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記 四 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地の合筆の登記 五 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記 六 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地(権利に関する登記であって、合筆後の土地の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある土地を除く。)の合筆の登記 (土地の滅失の登記の申請) 第四十二条 土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から一月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない。 (河川区域内の土地の登記) 第四十三条 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第六条第一項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)の河川区域内の土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号及び第三十四条第一項各号に掲げるもののほか、第一号に掲げる土地である旨及び第二号から第五号までに掲げる土地にあってはそれぞれその旨とする。 一 河川法第六条第一項の河川区域内の土地 二 河川法第六条第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の高規格堤防特別区域内の土地 三 河川法第六条第三項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の樹林帯区域内の土地 四 河川法第二十六条第四項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の特定樹林帯区域内の土地 五 河川法第五十八条の二第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の河川立体区域内の土地 2 土地の全部又は一部が前項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地となったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 土地の全部又は一部が第一項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地でなくなったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記の抹消を登記所に嘱託しなければならない。 4 土地の一部について前二項の規定により登記の嘱託をするときは、河川管理者は、当該土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該土地の分筆の登記を登記所に嘱託することができる。 5 第一項各号の河川区域内の土地の全部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の滅失の登記を登記所に嘱託しなければならない。 6 第一項各号の河川区域内の土地の一部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の地積に関する変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 第三款 建物の表示に関する登記 (建物の表示に関する登記の登記事項) 第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番) 二 家屋番号 三 建物の種類、構造及び床面積 四 建物の名称があるときは、その名称 五 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積 六 建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨 七 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積 八 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称 九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権 2 前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (家屋番号) 第四十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、一個の建物ごとに家屋番号を付さなければならない。 (敷地権である旨の登記) 第四十六条 登記官は、表示に関する登記のうち、区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をするときは、当該敷地権の目的である土地の登記記録について、職権で、当該登記記録中の所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。 (建物の表題登記の申請) 第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。 (区分建物についての建物の表題登記の申請方法) 第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。 4 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。 (合体による登記等の申請) 第四十九条 二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請しなければならない。 この場合において、第二号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者、第四号に掲げる場合にあっては当該表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。以下この条において同じ。)の表題部所有者、第六号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者及び当該表題登記がある建物の表題部所有者をそれぞれ当該合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならない。 一 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び表題登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該表題登記がある建物の表題部所有者 二 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 三 合体前の二以上の建物がいずれも表題登記がある建物であるとき。 当該建物の表題部所有者 四 合体前の二以上の建物が表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 五 合体前の二以上の建物がいずれも所有権の登記がある建物であるとき。 当該建物の所有権の登記名義人 六 合体前の三以上の建物が表題登記がない建物、表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 2 第四十七条並びに前条第一項及び第二項の規定は、二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において合体前の建物がいずれも表題登記がない建物であるときの当該建物についての表題登記の申請について準用する。 この場合において、第四十七条第一項中「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の建物となった場合における当該合体後の建物についての合体時の所有者又は当該合体後の建物が区分建物以外の表題登記がない建物である場合において当該合体時の所有者から所有権を取得した者」と、同条第二項中「区分建物である建物を新築した場合」とあり、及び前条第一項中「区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の区分建物となった場合」と、同項中「当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物」とあるのは「当該合体後の区分建物が属する一棟の建物」と読み替えるものとする。 3 第一項第一号、第二号又は第六号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後当該合体前の表題登記がない建物の所有者から当該合体後の建物について合体前の表題登記がない建物の所有権に相当する持分を取得した者は、その持分の取得の日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 4 第一項各号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同項第六号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後に合体前の表題登記がある建物の表題部所有者又は合体前の所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 (合体に伴う権利の消滅の登記) 第五十条 登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (建物の表題部の変更の登記) 第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。 6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。 (区分建物となったことによる建物の表題部の変更の登記) 第五十二条 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となったことにより当該表題登記がある建物が区分建物になった場合における当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請は、当該新築に係る区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、当該新築に係る区分建物の所有者に代わって、当該新築に係る区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 いずれも表題登記がある二以上の建物(区分建物を除く。)が増築その他の工事により相互に接続して区分建物になった場合における当該表題登記がある二以上の建物についての表題部の変更の登記の申請は、一括してしなければならない。 4 前項の場合において、当該表題登記がある二以上の建物のうち、表題登記がある一の建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、表題登記がある他の建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある他の建物について表題部の変更の登記を申請することができる。 (建物の表題部の更正の登記) 第五十三条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)以外の者は、申請することができない。 2 第五十一条第五項及び第六項の規定は、建物が区分建物である場合における同条第五項に規定する登記事項に関する表題部の更正の登記について準用する。 (建物の分割、区分又は合併の登記) 第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。) 三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。 3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 (特定登記) 第五十五条 登記官は、敷地権付き区分建物(区分建物に関する敷地権の登記がある建物をいう。第七十三条第一項及び第三項、第七十四条第二項並びに第七十六条第一項において同じ。)のうち特定登記(所有権等の登記以外の権利に関する登記であって、第七十三条第一項の規定により敷地権についてされた登記としての効力を有するものをいう。以下この条において同じ。)があるものについて、第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記をする場合において、当該変更の登記の申請情報と併せて特定登記に係る権利の登記名義人(当該特定登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該変更の登記後の当該建物又は当該敷地権の目的であった土地について当該特定登記に係る権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該特定登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る建物又は土地について当該特定登記に係る権利が消滅した旨を登記しなければならない。 2 前項の規定は、特定登記がある建物について敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該更正の登記」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、特定登記がある建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「当該建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該合体による登記等又は当該建物の合併の登記」と読み替えるものとする。 4 第一項の規定は、特定登記がある建物の滅失の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「建物の滅失の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該建物の滅失の登記」と、「当該建物又は当該敷地権の目的であった土地」とあるのは「当該敷地権の目的であった土地」と、「当該承諾に係る建物又は土地」とあるのは「当該土地」と読み替えるものとする。 (建物の合併の登記の制限) 第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。 一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記 二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記 四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記 五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記 (建物の滅失の登記の申請) 第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。 (共用部分である旨の登記等) 第五十八条 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。)及び第四十四条第一項各号(第六号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 共用部分である旨の登記にあっては、当該共用部分である建物が当該建物の属する一棟の建物以外の一棟の建物に属する建物の区分所有者の共用に供されるものであるときは、その旨 二 団地共用部分である旨の登記にあっては、当該団地共用部分を共用すべき者の所有する建物(当該建物が区分建物であるときは、当該建物が属する一棟の建物) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 3 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)の承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することができない。 4 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。 5 第一項各号に掲げる登記事項についての変更の登記又は更正の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の所有者以外の者は、申請することができない。 6 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には、当該建物の所有者は、当該規約の廃止の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 7 前項の規約を廃止した後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 第三節 権利に関する登記 第一款 通則 (権利に関する登記の登記事項) 第五十九条 権利に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申請の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 登記に係る権利の権利者の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分 五 登記の目的である権利の消滅に関する定めがあるときは、その定め 六 共有物分割禁止の定め(共有物若しくは所有権以外の財産権について民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条第一項ただし書(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)若しくは第九百八条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合若しくは同条第一項の規定により被相続人が遺言で共有物若しくは所有権以外の財産権について分割を禁止した場合における共有物若しくは所有権以外の財産権の分割を禁止する定め又は同条第四項の規定により家庭裁判所が遺産である共有物若しくは所有権以外の財産権についてした分割を禁止する審判をいう。第六十五条において同じ。)があるときは、その定め 七 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請した者(以下「代位者」という。)があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因 八 第二号に掲げるもののほか、権利の順位を明らかにするために必要な事項として法務省令で定めるもの (共同申請) 第六十条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 (登記原因証明情報の提供) 第六十一条 権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。 (一般承継人による申請) 第六十二条 登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該権利に関する登記を申請することができる。 (判決による登記等) 第六十三条 第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。 2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。 3 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる。 (登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等) 第六十四条 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。 2 抵当証券が発行されている場合における債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、債務者が単独で申請することができる。 (共有物分割禁止の定めの登記) 第六十五条 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。 (権利の変更の登記又は更正の登記) 第六十六条 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。 (登記の更正) 第六十七条 登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人。第三項及び第七十一条第一項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、登記権利者、登記義務者又は登記名義人がそれぞれ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 2 登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。 ただし、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この項において同じ。)がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 3 登記官が前項の登記の更正をしたときは、その旨を登記権利者及び登記義務者に通知しなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 4 第一項及び前項の通知は、代位者にもしなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 (登記の抹消) 第六十八条 権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の抹消につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (死亡又は解散による登記の抹消) 第六十九条 権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。 (買戻しの特約に関する登記の抹消) 第六十九条の二 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (除権決定による登記の抹消等) 第七十条 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が知れないためその者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十九条に規定する公示催告の申立てをすることができる。 2 前項の登記が地上権、永小作権、質権、賃借権若しくは採石権に関する登記又は買戻しの特約に関する登記であり、かつ、登記された存続期間又は買戻しの期間が満了している場合において、相当の調査が行われたと認められるものとして法務省令で定める方法により調査を行ってもなお共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が判明しないときは、その者の所在が知れないものとみなして、同項の規定を適用する。 3 前二項の場合において、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定があったときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独で第一項の登記の抹消を申請することができる。 4 第一項に規定する場合において、登記権利者が先取特権、質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。 同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。 (解散した法人の担保権に関する登記の抹消) 第七十条の二 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき法人が解散し、前条第二項に規定する方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しないためその法人と共同して先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することができない場合において、被担保債権の弁済期から三十年を経過し、かつ、その法人の解散の日から三十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (職権による登記の抹消) 第七十一条 登記官は、権利に関する登記を完了した後に当該登記が第二十五条第一号から第三号まで又は第十三号に該当することを発見したときは、登記権利者及び登記義務者並びに登記上の利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、当該登記の抹消について異議のある者がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。 2 登記官は、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、法務省令で定めるところにより、前項の通知に代えて、通知をすべき内容を公告しなければならない。 3 登記官は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 登記官は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登記を抹消しなければならない。 (抹消された登記の回復) 第七十二条 抹消された登記(権利に関する登記に限る。)の回復は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の回復につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (敷地権付き区分建物に関する登記等) 第七十三条 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記は、第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有する。 ただし、次に掲げる登記は、この限りでない。 一 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をする前に登記されたもの(担保権に係る権利に関する登記にあっては、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この号において同じ。)が当該敷地権となった土地の権利についてされた担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものを除く。) 二 敷地権付き区分建物についての所有権に係る仮登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 三 敷地権付き区分建物についての質権又は抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 四 敷地権付き区分建物についての所有権又は質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生じた後に生じたもの(区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない場合(以下この条において「分離処分禁止の場合」という。)を除く。) 2 第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には、敷地権の移転の登記又は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該土地が敷地権の目的となった後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は敷地権についての仮登記若しくは質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該土地が敷地権の目的となる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 3 敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は当該建物のみの所有権についての仮登記若しくは当該建物のみを目的とする質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 第二款 所有権に関する登記 (所有権の登記の登記事項) 第七十三条の二 所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 所有権の登記名義人が法人であるときは、会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。)その他の特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの 二 所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときは、その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるもの 2 前項各号に掲げる登記事項についての登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の保存の登記) 第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。 一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人 二 所有権を有することが確定判決によって確認された者 三 収用(土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者 2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。 この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。 (表題登記がない不動産についてする所有権の保存の登記) 第七十五条 登記官は、前条第一項第二号又は第三号に掲げる者の申請に基づいて表題登記がない不動産について所有権の保存の登記をするときは、当該不動産に関する不動産の表示のうち法務省令で定めるものを登記しなければならない。 (所有権の保存の登記の登記事項等) 第七十六条 所有権の保存の登記においては、第五十九条第三号の規定にかかわらず、登記原因及びその日付を登記することを要しない。 ただし、敷地権付き区分建物について第七十四条第二項の規定により所有権の保存の登記をする場合は、この限りでない。 2 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をするときは、職権で、所有権の保存の登記をしなければならない。 3 前条の規定は、表題登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をする場合について準用する。 (相続等による所有権の移転の登記の申請) 第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。 2 前項前段の規定による登記(民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされたものに限る。次条第四項において同じ。)がされた後に遺産の分割があったときは、当該遺産の分割によって当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 3 前二項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 (相続人である旨の申出等) 第七十六条の三 前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。 2 前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。 3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項を所有権の登記に付記することができる。 4 第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(前条第一項前段の規定による登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 5 前項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、同項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 6 第一項の規定による申出の手続及び第三項の規定による登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の登記の抹消) 第七十七条 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がない場合に限り、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 第三款 用益権に関する登記 (地上権の登記の登記事項) 第七十八条 地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 地上権設定の目的 二 地代又はその支払時期の定めがあるときは、その定め 三 存続期間又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条第一項前段若しくは第二十三条第一項若しくは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成二十五年法律第六十一号)第七条第一項の定めがあるときは、その定め 四 地上権設定の目的が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物の所有であるときは、その旨 五 民法第二百六十九条の二第一項前段に規定する地上権の設定にあっては、その目的である地下又は空間の上下の範囲及び同項後段の定めがあるときはその定め (永小作権の登記の登記事項) 第七十九条 永小作権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 小作料 二 存続期間又は小作料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 民法第二百七十二条ただし書の定めがあるときは、その定め 四 前二号に規定するもののほか、永小作人の権利又は義務に関する定めがあるときは、その定め (地役権の登記の登記事項等) 第八十条 承役地(民法第二百八十五条第一項に規定する承役地をいう。以下この条において同じ。)についてする地役権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 要役地(民法第二百八十一条第一項に規定する要役地をいう。以下この条において同じ。) 二 地役権設定の目的及び範囲 三 民法第二百八十一条第一項ただし書若しくは第二百八十五条第一項ただし書の別段の定め又は同法第二百八十六条の定めがあるときは、その定め 2 前項の登記においては、第五十九条第四号の規定にかかわらず、地役権者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。 4 登記官は、承役地に地役権の設定の登記をしたときは、要役地について、職権で、法務省令で定める事項を登記しなければならない。 (賃借権の登記等の登記事項) 第八十一条 賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 賃料 二 存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるときは、その定め 四 敷金があるときは、その旨 五 賃貸人が財産の処分につき行為能力の制限を受けた者又は財産の処分の権限を有しない者であるときは、その旨 六 土地の賃借権設定の目的が建物の所有であるときは、その旨 七 前号に規定する場合において建物が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物であるときは、その旨 八 借地借家法第二十二条第一項前段、第二十三条第一項、第三十八条第一項前段若しくは第三十九条第一項、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十二条第一項又は大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第七条第一項の定めがあるときは、その定め (配偶者居住権の登記の登記事項) 第八十一条の二 配偶者居住権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 第三者に居住建物(民法第千二十八条第一項に規定する居住建物をいう。)の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときは、その定め (採石権の登記の登記事項) 第八十二条 採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 採石権の内容又は採石料若しくはその支払時期の定めがあるときは、その定め 第四款 担保権等に関する登記 (担保権の登記の登記事項) 第八十三条 先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 債権額(一定の金額を目的としない債権については、その価額) 二 債務者の氏名又は名称及び住所 三 所有権以外の権利を目的とするときは、その目的となる権利 四 二以上の不動産に関する権利を目的とするときは、当該二以上の不動産及び当該権利 五 外国通貨で第一号の債権額を指定した債権を担保する質権若しくは転質又は抵当権の登記にあっては、本邦通貨で表示した担保限度額 2 登記官は、前項第四号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、共同担保目録を作成することができる。 (債権の一部譲渡による担保権の移転の登記等の登記事項) 第八十四条 債権の一部について譲渡又は代位弁済がされた場合における先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の移転の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、当該譲渡又は代位弁済の目的である債権の額とする。 (不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十五条 不動産工事の先取特権の保存の登記においては、第八十三条第一項第一号の債権額として工事費用の予算額を登記事項とする。 (建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十六条 建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記については、当該建物の所有者となるべき者を登記義務者とみなす。 この場合においては、第二十二条本文の規定は、適用しない。 2 前項の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第三号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 新築する建物並びに当該建物の種類、構造及び床面積は設計書による旨 二 登記義務者の氏名又は名称及び住所 3 前項第一号の規定は、所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記について準用する。 (建物の建築が完了した場合の登記) 第八十七条 前条第一項の登記をした場合において、建物の建築が完了したときは、当該建物の所有者は、遅滞なく、所有権の保存の登記を申請しなければならない。 2 前条第三項の登記をした場合において、附属建物の建築が完了したときは、当該附属建物が属する建物の所有権の登記名義人は、遅滞なく、当該附属建物の新築による建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。 (抵当権の登記の登記事項) 第八十八条 抵当権(根抵当権(民法第三百九十八条の二第一項の規定による抵当権をいう。以下同じ。)を除く。)の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 利息に関する定めがあるときは、その定め 二 民法第三百七十五条第二項に規定する損害の賠償額の定めがあるときは、その定め 三 債権に付した条件があるときは、その条件 四 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 五 抵当証券発行の定めがあるときは、その定め 六 前号の定めがある場合において元本又は利息の弁済期又は支払場所の定めがあるときは、その定め 2 根抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第一号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 担保すべき債権の範囲及び極度額 二 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 三 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、その定め 四 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがあるときは、その定め (抵当権の順位の変更の登記等) 第八十九条 抵当権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同してしなければならない。 2 前項の規定は、民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがある場合の当該定めの登記の申請について準用する。 (抵当権の処分の登記) 第九十条 第八十三条及び第八十八条の規定は、民法第三百七十六条第一項の規定により抵当権を他の債権のための担保とし、又は抵当権を譲渡し、若しくは放棄する場合の登記について準用する。 (共同抵当の代位の登記) 第九十一条 民法第三百九十三条の規定による代位の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価及び当該弁済を受けた額とする。 2 第八十三条及び第八十八条の規定は、前項の登記について準用する。 (根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限) 第九十二条 民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。 (根抵当権の元本の確定の登記) 第九十三条 民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第三号若しくは第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登記は、第六十条の規定にかかわらず、当該根抵当権の登記名義人が単独で申請することができる。 ただし、同項第三号又は第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合における申請は、当該根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せてしなければならない。 (抵当証券に関する登記) 第九十四条 登記官は、抵当証券を交付したときは、職権で、抵当証券交付の登記をしなければならない。 2 抵当証券法第一条第二項の申請があった場合において、同法第五条第二項の嘱託を受けた登記所の登記官が抵当証券を作成したときは、当該登記官は、職権で、抵当証券作成の登記をしなければならない。 3 前項の場合において、同項の申請を受けた登記所の登記官は、抵当証券を交付したときは抵当証券交付の登記を、同項の申請を却下したときは抵当証券作成の登記の抹消を同項の登記所に嘱託しなければならない。 4 第二項の規定による抵当証券作成の登記をした不動産について、前項の規定による嘱託により抵当証券交付の登記をしたときは、当該抵当証券交付の登記は、当該抵当証券作成の登記をした時にさかのぼってその効力を生ずる。 (質権の登記等の登記事項) 第九十五条 質権又は転質の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間の定めがあるときは、その定め 二 利息に関する定めがあるときは、その定め 三 違約金又は賠償額の定めがあるときは、その定め 四 債権に付した条件があるときは、その条件 五 民法第三百四十六条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 六 民法第三百五十九条の規定によりその設定行為について別段の定め(同法第三百五十六条又は第三百五十七条に規定するものに限る。)があるときは、その定め 七 民法第三百六十一条において準用する同法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 2 第八十八条第二項及び第八十九条から第九十三条までの規定は、質権について準用する。 この場合において、第九十条及び第九十一条第二項中「第八十八条」とあるのは、「第九十五条第一項又は同条第二項において準用する第八十八条第二項」と読み替えるものとする。 (買戻しの特約の登記の登記事項) 第九十六条 買戻しの特約の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額)及び契約の費用並びに買戻しの期間の定めがあるときはその定めとする。 第五款 信託に関する登記 (信託の登記の登記事項) 第九十七条 信託の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所 二 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め 三 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 四 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 五 信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨 六 信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨 七 公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条に規定する公益信託であるときは、その旨 八 信託の目的 九 信託財産の管理方法 十 信託の終了の事由 十一 その他の信託の条項 2 前項第二号から第六号までに掲げる事項のいずれかを登記したときは、同項第一号の受益者(同項第四号に掲げる事項を登記した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 登記官は、第一項各号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託目録を作成することができる。 (信託の登記の申請方法等) 第九十八条 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記は、受託者が単独で申請することができる。 3 信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請することができる。 (代位による信託の登記の申請) 第九十九条 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。 (受託者の変更による登記等) 第百条 受託者の任務が死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。第百二条第二項において同じ。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する不動産についてする受託者の変更による権利の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者が単独で申請することができる。 2 受託者が二人以上ある場合において、そのうち少なくとも一人の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する不動産についてする当該受託者の任務の終了による権利の変更の登記は、第六十条の規定にかかわらず、他の受託者が単独で申請することができる。 (職権による信託の変更の登記) 第百一条 登記官は、信託財産に属する不動産について次に掲げる登記をするときは、職権で、信託の変更の登記をしなければならない。 一 信託法第七十五条第一項又は第二項の規定による権利の移転の登記 二 信託法第八十六条第四項本文の規定による権利の変更の登記 三 受託者である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記 (嘱託による信託の変更の登記) 第百二条 裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があったとき、信託管理人若しくは受益者代理人の選任若しくは解任の裁判があったとき、又は信託の変更を命ずる裁判があったときは、職権で、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 主務官庁は、受託者を解任したとき、信託管理人若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 (信託の変更の登記の申請) 第百三条 前二条に規定するもののほか、第九十七条第一項各号に掲げる登記事項について変更があったときは、受託者は、遅滞なく、信託の変更の登記を申請しなければならない。 2 第九十九条の規定は、前項の信託の変更の登記の申請について準用する。 (信託の登記の抹消) 第百四条 信託財産に属する不動産に関する権利が移転、変更又は消滅により信託財産に属しないこととなった場合における信託の登記の抹消の申請は、当該権利の移転の登記若しくは変更の登記又は当該権利の登記の抹消の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記の抹消は、受託者が単独で申請することができる。 (権利の変更の登記等の特則) 第百四条の二 信託の併合又は分割により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該権利に係る当該一の信託についての信託の登記の抹消及び当該他の信託についての信託の登記の申請は、信託の併合又は分割による権利の変更の登記の申請と同時にしなければならない。 信託の併合又は分割以外の事由により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。 2 信託財産に属する不動産についてする次の表の上欄に掲げる場合における権利の変更の登記(第九十八条第三項の登記を除く。)については、同表の中欄に掲げる者を登記権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登記義務者とする。 この場合において、受益者(信託管理人がある場合にあっては、信託管理人。以下この項において同じ。)については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 一 不動産に関する権利が固有財産に属する財産から信託財産に属する財産となった場合 受益者 受託者 二 不動産に関する権利が信託財産に属する財産から固有財産に属する財産となった場合 受託者 受益者 三 不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合 当該他の信託の受益者及び受託者 当該一の信託の受益者及び受託者 第六款 仮登記 (仮登記) 第百五条 仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。 一 第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。 二 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。 (仮登記に基づく本登記の順位) 第百六条 仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。 (仮登記の申請方法) 第百七条 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。 2 仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 (仮登記を命ずる処分) 第百八条 裁判所は、仮登記の登記権利者の申立てにより、仮登記を命ずる処分をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、仮登記の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 第一項の申立てに係る事件は、不動産の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 非訟事件手続法第二条及び第二編(同法第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第五十九条、第六十六条第一項及び第二項並びに第七十二条を除く。)の規定は、前項の即時抗告について準用する。 (仮登記に基づく本登記) 第百九条 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。 (仮登記の抹消) 第百十条 仮登記の抹消は、第六十条の規定にかかわらず、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。 仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。 第七款 仮処分に関する登記 (仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十一条 所有権について民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記(同条第二項に規定する保全仮登記(以下「保全仮登記」という。)とともにしたものを除く。以下この条において同じ。)がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権の登記(仮登記を除く。)を申請する場合においては、当該債権者は、当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができる。 2 前項の規定は、所有権以外の権利について民事保全法第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする当該権利の移転又は消滅に関し登記(仮登記を除く。)を申請する場合について準用する。 3 登記官は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申請に基づいて当該処分禁止の登記に後れる登記を抹消するときは、職権で、当該処分禁止の登記も抹消しなければならない。 (保全仮登記に基づく本登記の順位) 第百十二条 保全仮登記に基づいて本登記をした場合は、当該本登記の順位は、当該保全仮登記の順位による。 (保全仮登記に係る仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十三条 不動産の使用又は収益をする権利について保全仮登記がされた後、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者が本登記を申請する場合においては、当該債権者は、所有権以外の不動産の使用若しくは収益をする権利又は当該権利を目的とする権利に関する登記であって当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れるものの抹消を単独で申請することができる。 (処分禁止の登記の抹消) 第百十四条 登記官は、保全仮登記に基づく本登記をするときは、職権で、当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記を抹消しなければならない。 第八款 官庁又は公署が関与する登記等 (公売処分による登記) 第百十五条 官庁又は公署は、公売処分をした場合において、登記権利者の請求があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を登記所に嘱託しなければならない。 一 公売処分による権利の移転の登記 二 公売処分により消滅した権利の登記の抹消 三 滞納処分に関する差押えの登記の抹消 (官庁又は公署の嘱託による登記) 第百十六条 国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 (官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報) 第百十七条 登記官は、官庁又は公署が登記権利者(登記をすることによって登記名義人となる者に限る。以下この条において同じ。)のためにした登記の嘱託に基づいて登記を完了したときは、速やかに、当該登記権利者のために登記識別情報を当該官庁又は公署に通知しなければならない。 2 前項の規定により登記識別情報の通知を受けた官庁又は公署は、遅滞なく、これを同項の登記権利者に通知しなければならない。 (収用による登記) 第百十八条 不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。 2 国又は地方公共団体が起業者であるときは、官庁又は公署は、遅滞なく、前項の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 前二項の規定は、不動産に関する所有権以外の権利の収用による権利の消滅の登記について準用する。 4 土地の収用による権利の移転の登記を申請する場合には、当該収用により消滅した権利又は失効した差押え、仮差押え若しくは仮処分に関する登記を指定しなければならない。 この場合において、権利の移転の登記をするときは、登記官は、職権で、当該指定に係る登記を抹消しなければならない。 5 登記官は、建物の収用による所有権の移転の登記をするときは、職権で、当該建物を目的とする所有権等の登記以外の権利に関する登記を抹消しなければならない。 第三項の登記をする場合において同項の権利を目的とする権利に関する登記についても、同様とする。 6 登記官は、第一項の登記をするときは、職権で、裁決手続開始の登記を抹消しなければならない。 第五章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付等) 第百十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。 3 前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。 4 第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。 ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。 5 第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。 6 登記官は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、登記記録に記録されている者(自然人であるものに限る。)の住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがあるものとして法務省令で定める場合において、その者からの申出があったときは、法務省令で定めるところにより、第一項及び第二項に規定する各書面に当該住所に代わるものとして法務省令で定める事項を記載しなければならない。 (地図の写しの交付等) 第百二十条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図、建物所在図又は地図に準ずる図面(以下この条において「地図等」という。)の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図等(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 3 前条第三項から第五項までの規定は、地図等について準用する。 (登記簿の附属書類の写しの交付等) 第百二十一条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)のうち政令で定める図面の全部又は一部の写し(これらの図面が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類のうち前項の図面(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の閲覧を請求することができる。 3 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(第一項の図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 4 前項の規定にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 5 第百十九条第三項から第五項までの規定は、登記簿の附属書類について準用する。 (法務省令への委任) 第百二十二条 この法律に定めるもののほか、登記簿、地図、建物所在図及び地図に準ずる図面並びに登記簿の附属書類(第百五十四条及び第百五十五条において「登記簿等」という。)の公開に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第六章 筆界特定 第一節 総則 (定義) 第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。 二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。 三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。 四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。 五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。 (筆界特定の事務) 第百二十四条 筆界特定の事務は、対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局がつかさどる。 2 第六条第二項及び第三項の規定は、筆界特定の事務について準用する。 この場合において、同条第二項中「不動産」とあるのは「対象土地」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、「法務局若しくは地方法務局」とあるのは「法務局」と、同条第三項中「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と読み替えるものとする。 (筆界特定登記官) 第百二十五条 筆界特定は、筆界特定登記官(登記官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が行う。 (筆界特定登記官の除斥) 第百二十六条 筆界特定登記官が次の各号のいずれかに該当する者であるときは、当該筆界特定登記官は、対象土地について筆界特定を行うことができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 (筆界調査委員) 第百二十七条 法務局及び地方法務局に、筆界特定について必要な事実の調査を行い、筆界特定登記官に意見を提出させるため、筆界調査委員若干人を置く。 2 筆界調査委員は、前項の職務を行うのに必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから、法務局又は地方法務局の長が任命する。 3 筆界調査委員の任期は、二年とする。 4 筆界調査委員は、再任されることができる。 5 筆界調査委員は、非常勤とする。 (筆界調査委員の欠格事由) 第百二十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、筆界調査委員となることができない。 一 禁 錮 こ 以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 二 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)又は土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)の規定による懲戒処分により、弁護士会からの除名又は司法書士若しくは土地家屋調査士の業務の禁止の処分を受けた者でこれらの処分を受けた日から三年を経過しないもの 三 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者 2 筆界調査委員が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、当然失職する。 (筆界調査委員の解任) 第百二十九条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その筆界調査委員を解任することができる。 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。 二 職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行があると認められるとき。 (標準処理期間) 第百三十条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定の申請がされてから筆界特定登記官が筆界特定をするまでに通常要すべき標準的な期間を定め、法務局又は地方法務局における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。 第二節 筆界特定の手続 第一款 筆界特定の申請 (筆界特定の申請) 第百三十一条 土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。 2 地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し、当該対象土地の筆界(第十四条第一項の地図に表示されないものに限る。)について、筆界特定の申請をすることができる。 3 筆界特定の申請は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申請の趣旨 二 筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所 三 対象土地に係る第三十四条第一項第一号及び第二号に掲げる事項(表題登記がない土地にあっては、同項第一号に掲げる事項) 四 対象土地について筆界特定を必要とする理由 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 4 筆界特定の申請人は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。 5 第十八条の規定は、筆界特定の申請について準用する。 この場合において、同条中「不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)」とあるのは「第百三十一条第三項各号に掲げる事項に係る情報(第二号、第百三十二条第一項第四号及び第百五十条において「筆界特定申請情報」という。)」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、同条第二号中「申請情報」とあるのは「筆界特定申請情報」と読み替えるものとする。 (申請の却下) 第百三十二条 筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。 二 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 三 申請が前条第三項の規定に違反するとき。 四 筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。 五 申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。 六 対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。 七 対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。 ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。 八 手数料を納付しないとき。 九 第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。 2 前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。 (筆界特定の申請の通知) 第百三十三条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、その旨を次に掲げる者(以下「関係人」という。)に通知しなければならない。 ただし、前条第一項の規定により当該申請を却下すべき場合は、この限りでない。 一 対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの 二 関係土地の所有権登記名義人等 2 前項本文の場合において、関係人の所在が判明しないときは、同項本文の規定による通知を、関係人の氏名又は名称、通知をすべき事項及び当該事項を記載した書面をいつでも関係人に交付する旨を対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の掲示場に掲示することによって行うことができる。 この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知が関係人に到達したものとみなす。 第二款 筆界の調査等 (筆界調査委員の指定等) 第百三十四条 法務局又は地方法務局の長は、前条第一項本文の規定による公告及び通知がされたときは、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を行うべき筆界調査委員を指定しなければならない。 2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の筆界調査委員に指定することができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 3 第一項の規定による指定を受けた筆界調査委員が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、筆界特定登記官の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 4 法務局又は地方法務局の長は、その職員に、筆界調査委員による事実の調査を補助させることができる。 (筆界調査委員による事実の調査) 第百三十五条 筆界調査委員は、前条第一項の規定による指定を受けたときは、対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査をすること、筆界特定の申請人若しくは関係人又はその他の者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることその他対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査をすることができる。 2 筆界調査委員は、前項の事実の調査に当たっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定を目的とするものでないことに留意しなければならない。 (測量及び実地調査) 第百三十六条 筆界調査委員は、対象土地の測量又は実地調査を行うときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を筆界特定の申請人及び関係人に通知して、これに立ち会う機会を与えなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (立入調査) 第百三十七条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査を行う場合において、必要があると認めるときは、その必要の限度において、筆界調査委員又は第百三十四条第四項の職員(以下この条において「筆界調査委員等」という。)に、他人の土地に立ち入らせることができる。 2 法務局又は地方法務局の長は、前項の規定により筆界調査委員等を他人の土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を当該土地の占有者に通知しなければならない。 3 第一項の規定により宅地又は垣、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合には、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。 4 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。 5 土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。 6 第一項の規定による立入りをする場合には、筆界調査委員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 7 国は、第一項の規定による立入りによって損失を受けた者があるときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。 (関係行政機関等に対する協力依頼) 第百三十八条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係のある公私の団体に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。 (意見又は資料の提出) 第百三十九条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定の申請人及び関係人は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について、意見又は資料を提出することができる。 この場合において、筆界特定登記官が意見又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。 2 前項の規定による意見又は資料の提出は、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により行うことができる。 (意見聴取等の期日) 第百四十条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、第百三十三条第一項本文の規定による公告をした時から筆界特定をするまでの間に、筆界特定の申請人及び関係人に対し、あらかじめ期日及び場所を通知して、対象土地の筆界について、意見を述べ、又は資料(電磁的記録を含む。)を提出する機会を与えなければならない。 2 筆界特定登記官は、前項の期日において、適当と認める者に、参考人としてその知っている事実を陳述させることができる。 3 筆界調査委員は、第一項の期日に立ち会うものとする。 この場合において、筆界調査委員は、筆界特定登記官の許可を得て、筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人に対し質問を発することができる。 4 筆界特定登記官は、第一項の期日の経過を記載した調書を作成し、当該調書において当該期日における筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。 5 前項の調書は、電磁的記録をもって作成することができる。 6 第百三十三条第二項の規定は、第一項の規定による通知について準用する。 (調書等の閲覧) 第百四十一条 筆界特定の申請人及び関係人は、第百三十三条第一項本文の規定による公告があった時から第百四十四条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされるまでの間、筆界特定登記官に対し、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 この場合において、筆界特定登記官は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。 2 筆界特定登記官は、前項の閲覧について、日時及び場所を指定することができる。 第三節 筆界特定 (筆界調査委員の意見の提出) 第百四十二条 筆界調査委員は、第百四十条第一項の期日の後、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を終了したときは、遅滞なく、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界特定についての意見を提出しなければならない。 (筆界特定) 第百四十三条 筆界特定登記官は、前条の規定により筆界調査委員の意見が提出されたときは、その意見を踏まえ、登記記録、地図又は地図に準ずる図面及び登記簿の附属書類の内容、対象土地及び関係土地の地形、地目、面積及び形状並びに工作物、囲障又は境界標の有無その他の状況及びこれらの設置の経緯その他の事情を総合的に考慮して、対象土地の筆界特定をし、その結論及び理由の要旨を記載した筆界特定書を作成しなければならない。 2 筆界特定書においては、図面及び図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものにより、筆界特定の内容を表示しなければならない。 3 筆界特定書は、電磁的記録をもって作成することができる。 (筆界特定の通知等) 第百四十四条 筆界特定登記官は、筆界特定をしたときは、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、法務省令で定める方法)により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、法務省令で定めるところにより、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (筆界特定手続記録の保管) 第百四十五条 前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。)は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管する。 第四節 雑則 (手続費用の負担等) 第百四十六条 筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。)は、筆界特定の申請人の負担とする。 2 筆界特定の申請人が二人ある場合において、その一人が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、等しい割合で手続費用を負担する。 3 筆界特定の申請人が二人以上ある場合において、その全員が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、その持分(所有権の登記がある一筆の土地にあっては第五十九条第四号の持分、所有権の登記がない一筆の土地にあっては第二十七条第三号の持分。次項において同じ。)の割合に応じて手続費用を負担する。 4 筆界特定の申請人が三人以上ある場合において、その一人又は二人以上が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人又は二人以上が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、対象土地のいずれかの土地の一人の所有権登記名義人等である筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額を負担し、対象土地のいずれかの土地の二人以上の所有権登記名義人等である各筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額についてその持分の割合に応じてこれを負担する。 5 筆界特定登記官は、筆界特定の申請人に手続費用の概算額を予納させなければならない。 (筆界確定訴訟における釈明処分の特則) 第百四十七条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起されたときは、裁判所は、当該訴えに係る訴訟において、訴訟関係を明瞭にするため、登記官に対し、当該筆界特定に係る筆界特定手続記録の送付を嘱託することができる。 民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起された後、当該訴えに係る筆界について筆界特定がされたときも、同様とする。 (筆界確定訴訟の判決との関係) 第百四十八条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは、当該筆界特定は、当該判決と抵触する範囲において、その効力を失う。 (筆界特定書等の写しの交付等) 第百四十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部(以下この条及び第百五十四条において「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。 3 第百十九条第三項及び第四項の規定は、前二項の手数料について準用する。 (法務省令への委任) 第百五十条 この章に定めるもののほか、筆界特定申請情報の提供の方法、筆界特定手続記録の公開その他の筆界特定の手続に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第七章 雑則 (情報の提供の求め) 第百五十一条 登記官は、職権による登記をし、又は第十四条第一項の地図を作成するために必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、その対象となる不動産の所有者等(所有権が帰属し、又は帰属していた自然人又は法人(法人でない社団又は財団を含む。)をいう。)に関する情報の提供を求めることができる。 (登記識別情報の安全確保) 第百五十二条 登記官は、その取り扱う登記識別情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の登記識別情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 2 登記官その他の不動産登記の事務に従事する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所に勤務する法務事務官又はその職にあった者は、その事務に関して知り得た登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らしてはならない。 (行政手続法の適用除外) 第百五十三条 登記官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。 (行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外) 第百五十四条 登記簿等及び筆界特定書等については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。 (個人情報の保護に関する法律の適用除外) 第百五十五条 登記簿等に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。 (審査請求) 第百五十六条 登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。 2 審査請求は、登記官を経由してしなければならない。 (審査請求事件の処理) 第百五十七条 登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合を除き、審査請求の日から三日以内に、意見を付して事件を前条第一項の法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。 この場合において、当該法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。 3 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、登記官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか登記上の利害関係人に通知しなければならない。 4 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、前項の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができる。 5 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。 6 前条第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五十七条第二項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「不動産登記法第百五十七条第二項の意見」とする。 (行政不服審査法の適用除外) 第百五十八条 行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、第百五十六条第一項の審査請求については、適用しない。 第八章 罰則 (秘密を漏らした罪) 第百五十九条 第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 (虚偽の登記名義人確認情報を提供した罪) 第百六十条 第二十三条第四項第一号(第十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による情報の提供をする場合において、虚偽の情報を提供したときは、当該違反行為をした者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 (不正に登記識別情報を取得等した罪) 第百六十一条 登記簿に不実の記録をさせることとなる登記の申請又は嘱託の用に供する目的で、登記識別情報を取得した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。 2 不正に取得された登記識別情報を、前項の目的で保管した者も、同項と同様とする。 (検査の妨害等の罪) 第百六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第二十九条第二項(第十六条第二項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。 二 第二十九条第二項の規定による文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示をせず、若しくは虚偽の文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものを提示し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。 三 第百三十七条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げたとき。 (両罰規定) 第百六十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百六十条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料) 第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第百二十三号
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不動産登記法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることにより、国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 不動産 土地又は建物をいう。 二 不動産の表示 不動産についての第二十七条第一号、第三号若しくは第四号、第三十四条第一項各号、第四十三条第一項、第四十四条第一項各号又は第五十八条第一項各号に規定する登記事項をいう。 三 表示に関する登記 不動産の表示に関する登記をいう。 四 権利に関する登記 不動産についての次条各号に掲げる権利に関する登記をいう。 五 登記記録 表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 六 登記事項 この法律の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。 七 表題部 登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。 八 権利部 登記記録のうち、権利に関する登記が記録される部分をいう。 九 登記簿 登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)をもって調製するものをいう。 十 表題部所有者 所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者をいう。 十一 登記名義人 登記記録の権利部に、次条各号に掲げる権利について権利者として記録されている者をいう。 十二 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 十三 登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。 十四 登記識別情報 第二十二条本文の規定により登記名義人が登記を申請する場合において、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。 十五 変更の登記 登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記をいう。 十六 更正の登記 登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記をいう。 十七 地番 第三十五条の規定により一筆の土地ごとに付す番号をいう。 十八 地目 土地の用途による分類であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 十九 地積 一筆の土地の面積であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 二十 表題登記 表示に関する登記のうち、当該不動産について表題部に最初にされる登記をいう。 二十一 家屋番号 第四十五条の規定により一個の建物ごとに付す番号をいう。 二十二 区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第四条第二項の規定により共用部分とされたものを含む。)をいう。 二十三 附属建物 表題登記がある建物に附属する建物であって、当該表題登記がある建物と一体のものとして一個の建物として登記されるものをいう。 二十四 抵当証券 抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第一条第一項に規定する抵当証券をいう。 (登記することができる権利等) 第三条 登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。 一 所有権 二 地上権 三 永小作権 四 地役権 五 先取特権 六 質権 七 抵当権 八 賃借権 九 配偶者居住権 十 採石権(採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条、第七十条第二項及び第八十二条において同じ。) (権利の順位) 第四条 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。 2 付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。 (登記がないことを主張することができない第三者) 第五条 詐欺又は強迫によって登記の申請を妨げた第三者は、その登記がないことを主張することができない。 2 他人のために登記を申請する義務を負う第三者は、その登記がないことを主張することができない。 ただし、その登記の登記原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ。)が自己の登記の登記原因の後に生じたときは、この限りでない。 第二章 登記所及び登記官 (登記所) 第六条 登記の事務は、不動産の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。 2 不動産が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務省令で定めるところにより、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、当該不動産に関する登記の事務をつかさどる登記所を指定する。 3 前項に規定する場合において、同項の指定がされるまでの間、登記の申請は、当該二以上の登記所のうち、一の登記所にすることができる。 (事務の委任) 第七条 法務大臣は、一の登記所の管轄に属する事務を他の登記所に委任することができる。 (事務の停止) 第八条 法務大臣は、登記所においてその事務を停止しなければならない事由が生じたときは、期間を定めて、その停止を命ずることができる。 (登記官) 第九条 登記所における事務は、登記官(登記所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。 (登記官の除斥) 第十条 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。以下この条において同じ。)が登記の申請人であるときは、当該登記官は、当該登記をすることができない。 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族が申請人を代表して申請するときも、同様とする。 第三章 登記記録等 (登記) 第十一条 登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行う。 (登記記録の作成) 第十二条 登記記録は、表題部及び権利部に区分して作成する。 (登記記録の滅失と回復) 第十三条 法務大臣は、登記記録の全部又は一部が滅失したときは、登記官に対し、一定の期間を定めて、当該登記記録の回復に必要な処分を命ずることができる。 (地図等) 第十四条 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。 2 前項の地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。 3 第一項の建物所在図は、一個又は二個以上の建物ごとに作成し、各建物の位置及び家屋番号を表示するものとする。 4 第一項の規定にかかわらず、登記所には、同項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。 5 前項の地図に準ずる図面は、一筆又は二筆以上の土地ごとに土地の位置、形状及び地番を表示するものとする。 6 第一項の地図及び建物所在図並びに第四項の地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる。 (法務省令への委任) 第十五条 この章に定めるもののほか、登記簿及び登記記録並びに地図、建物所在図及び地図に準ずる図面の記録方法その他の登記の事務に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第四章 登記手続 第一節 総則 (当事者の申請又は嘱託による登記) 第十六条 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 第二条第十四号、第五条、第六条第三項、第十条及びこの章(この条、第二十七条、第二十八条、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第四十一条、第四十三条から第四十六条まで、第五十一条第五項及び第六項、第五十三条第二項、第五十六条、第五十八条第一項及び第四項、第五十九条第一号、第三号から第六号まで及び第八号、第六十六条、第六十七条、第七十一条、第七十三条第一項第二号から第四号まで、第二項及び第三項、第七十六条から第七十六条の四まで、第七十六条の六、第七十八条から第八十六条まで、第八十八条、第九十条から第九十二条まで、第九十四条、第九十五条第一項、第九十六条、第九十七条、第九十八条第二項、第百一条、第百二条、第百六条、第百八条、第百十二条、第百十四条から第百十七条まで並びに第百十八条第二項、第五項及び第六項を除く。)の規定は、官庁又は公署の嘱託による登記の手続について準用する。 (代理権の不消滅) 第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。 一 本人の死亡 二 本人である法人の合併による消滅 三 本人である受託者の信託に関する任務の終了 四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更 (申請の方法) 第十八条 登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法 二 申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法 (受付) 第十九条 登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。 2 同一の不動産に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。 3 登記官は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。 この場合において、同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。 (登記の順序) 第二十条 登記官は、同一の不動産に関し権利に関する登記の申請が二以上あったときは、これらの登記を受付番号の順序に従ってしなければならない。 (登記識別情報の通知) 第二十一条 登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。 ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。 (登記識別情報の提供) 第二十二条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。 ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。 (事前通知等) 第二十三条 登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。 この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。 2 登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。 3 前二項の規定は、登記官が第二十五条(第十号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。 4 第一項の規定は、同項に規定する場合において、次の各号のいずれかに掲げるときは、適用しない。 一 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。 二 当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。 (登記官による本人確認) 第二十四条 登記官は、登記の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する申請人又はその代表者若しくは代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。 (申請の却下) 第二十五条 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。 三 申請に係る登記が既に登記されているとき。 四 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 五 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。 六 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。 七 申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。 八 申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。 九 第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。 十 第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。 十一 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。 十二 登録免許税を納付しないとき。 十三 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。 (政令への委任) 第二十六条 この章に定めるもののほか、申請情報の提供の方法並びに申請情報と併せて提供することが必要な情報及びその提供の方法その他の登記申請の手続に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 表示に関する登記 第一款 通則 (表示に関する登記の登記事項) 第二十七条 土地及び建物の表示に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記原因及びその日付 二 登記の年月日 三 所有権の登記がない不動産(共用部分(区分所有法第四条第二項に規定する共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記又は団地共用部分(区分所有法第六十七条第一項に規定する団地共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記がある建物を除く。)については、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分 四 前三号に掲げるもののほか、不動産を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの (職権による表示に関する登記) 第二十八条 表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。 (登記官による調査) 第二十九条 登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。 2 登記官は、前項の調査をする場合において、必要があると認めるときは、日出から日没までの間に限り、当該不動産を検査し、又は当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示を求め、若しくは質問をすることができる。 この場合において、登記官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 (一般承継人による申請) 第三十条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。 (表題部所有者の氏名等の変更の登記又は更正の登記) 第三十一条 表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は、申請することができない。 (表題部所有者の変更等に関する登記手続) 第三十二条 表題部所有者又はその持分についての変更は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない。 (表題部所有者の更正の登記等) 第三十三条 不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができない。 2 前項の場合において、当該不動産の所有者は、当該表題部所有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 3 不動産の表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記は、当該共有者以外の者は、申請することができない。 4 前項の更正の登記をする共有者は、当該更正の登記によってその持分を更正することとなる他の共有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 第二款 土地の表示に関する登記 (土地の表示に関する登記の登記事項) 第三十四条 土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字 二 地番 三 地目 四 地積 2 前項第三号の地目及び同項第四号の地積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (地番) 第三十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。 (土地の表題登記の申請) 第三十六条 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 (地目又は地積の変更の登記の申請) 第三十七条 地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 (土地の表題部の更正の登記の申請) 第三十八条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 (分筆又は合筆の登記) 第三十九条 分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 2 登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。 3 登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。 (分筆に伴う権利の消滅の登記) 第四十条 登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (合筆の登記の制限) 第四十一条 次に掲げる合筆の登記は、することができない。 一 相互に接続していない土地の合筆の登記 二 地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記 四 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地の合筆の登記 五 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記 六 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地(権利に関する登記であって、合筆後の土地の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある土地を除く。)の合筆の登記 (土地の滅失の登記の申請) 第四十二条 土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から一月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない。 (河川区域内の土地の登記) 第四十三条 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第六条第一項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)の河川区域内の土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号及び第三十四条第一項各号に掲げるもののほか、第一号に掲げる土地である旨及び第二号から第五号までに掲げる土地にあってはそれぞれその旨とする。 一 河川法第六条第一項の河川区域内の土地 二 河川法第六条第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の高規格堤防特別区域内の土地 三 河川法第六条第三項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の樹林帯区域内の土地 四 河川法第二十六条第四項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の特定樹林帯区域内の土地 五 河川法第五十八条の二第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の河川立体区域内の土地 2 土地の全部又は一部が前項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地となったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 土地の全部又は一部が第一項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地でなくなったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記の抹消を登記所に嘱託しなければならない。 4 土地の一部について前二項の規定により登記の嘱託をするときは、河川管理者は、当該土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該土地の分筆の登記を登記所に嘱託することができる。 5 第一項各号の河川区域内の土地の全部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の滅失の登記を登記所に嘱託しなければならない。 6 第一項各号の河川区域内の土地の一部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の地積に関する変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 第三款 建物の表示に関する登記 (建物の表示に関する登記の登記事項) 第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番) 二 家屋番号 三 建物の種類、構造及び床面積 四 建物の名称があるときは、その名称 五 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積 六 建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨 七 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積 八 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称 九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権 2 前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (家屋番号) 第四十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、一個の建物ごとに家屋番号を付さなければならない。 (敷地権である旨の登記) 第四十六条 登記官は、表示に関する登記のうち、区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をするときは、当該敷地権の目的である土地の登記記録について、職権で、当該登記記録中の所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。 (建物の表題登記の申請) 第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。 (区分建物についての建物の表題登記の申請方法) 第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。 4 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。 (合体による登記等の申請) 第四十九条 二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請しなければならない。 この場合において、第二号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者、第四号に掲げる場合にあっては当該表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。以下この条において同じ。)の表題部所有者、第六号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者及び当該表題登記がある建物の表題部所有者をそれぞれ当該合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならない。 一 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び表題登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該表題登記がある建物の表題部所有者 二 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 三 合体前の二以上の建物がいずれも表題登記がある建物であるとき。 当該建物の表題部所有者 四 合体前の二以上の建物が表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 五 合体前の二以上の建物がいずれも所有権の登記がある建物であるとき。 当該建物の所有権の登記名義人 六 合体前の三以上の建物が表題登記がない建物、表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 2 第四十七条並びに前条第一項及び第二項の規定は、二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において合体前の建物がいずれも表題登記がない建物であるときの当該建物についての表題登記の申請について準用する。 この場合において、第四十七条第一項中「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の建物となった場合における当該合体後の建物についての合体時の所有者又は当該合体後の建物が区分建物以外の表題登記がない建物である場合において当該合体時の所有者から所有権を取得した者」と、同条第二項中「区分建物である建物を新築した場合」とあり、及び前条第一項中「区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の区分建物となった場合」と、同項中「当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物」とあるのは「当該合体後の区分建物が属する一棟の建物」と読み替えるものとする。 3 第一項第一号、第二号又は第六号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後当該合体前の表題登記がない建物の所有者から当該合体後の建物について合体前の表題登記がない建物の所有権に相当する持分を取得した者は、その持分の取得の日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 4 第一項各号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同項第六号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後に合体前の表題登記がある建物の表題部所有者又は合体前の所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 (合体に伴う権利の消滅の登記) 第五十条 登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (建物の表題部の変更の登記) 第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。 6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。 (区分建物となったことによる建物の表題部の変更の登記) 第五十二条 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となったことにより当該表題登記がある建物が区分建物になった場合における当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請は、当該新築に係る区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、当該新築に係る区分建物の所有者に代わって、当該新築に係る区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 いずれも表題登記がある二以上の建物(区分建物を除く。)が増築その他の工事により相互に接続して区分建物になった場合における当該表題登記がある二以上の建物についての表題部の変更の登記の申請は、一括してしなければならない。 4 前項の場合において、当該表題登記がある二以上の建物のうち、表題登記がある一の建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、表題登記がある他の建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある他の建物について表題部の変更の登記を申請することができる。 (建物の表題部の更正の登記) 第五十三条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)以外の者は、申請することができない。 2 第五十一条第五項及び第六項の規定は、建物が区分建物である場合における同条第五項に規定する登記事項に関する表題部の更正の登記について準用する。 (建物の分割、区分又は合併の登記) 第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。) 三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。 3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 (特定登記) 第五十五条 登記官は、敷地権付き区分建物(区分建物に関する敷地権の登記がある建物をいう。第七十三条第一項及び第三項、第七十四条第二項並びに第七十六条第一項において同じ。)のうち特定登記(所有権等の登記以外の権利に関する登記であって、第七十三条第一項の規定により敷地権についてされた登記としての効力を有するものをいう。以下この条において同じ。)があるものについて、第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記をする場合において、当該変更の登記の申請情報と併せて特定登記に係る権利の登記名義人(当該特定登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該変更の登記後の当該建物又は当該敷地権の目的であった土地について当該特定登記に係る権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該特定登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る建物又は土地について当該特定登記に係る権利が消滅した旨を登記しなければならない。 2 前項の規定は、特定登記がある建物について敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該更正の登記」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、特定登記がある建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「当該建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該合体による登記等又は当該建物の合併の登記」と読み替えるものとする。 4 第一項の規定は、特定登記がある建物の滅失の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「建物の滅失の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該建物の滅失の登記」と、「当該建物又は当該敷地権の目的であった土地」とあるのは「当該敷地権の目的であった土地」と、「当該承諾に係る建物又は土地」とあるのは「当該土地」と読み替えるものとする。 (建物の合併の登記の制限) 第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。 一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記 二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記 四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記 五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記 (建物の滅失の登記の申請) 第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。 (共用部分である旨の登記等) 第五十八条 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。)及び第四十四条第一項各号(第六号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 共用部分である旨の登記にあっては、当該共用部分である建物が当該建物の属する一棟の建物以外の一棟の建物に属する建物の区分所有者の共用に供されるものであるときは、その旨 二 団地共用部分である旨の登記にあっては、当該団地共用部分を共用すべき者の所有する建物(当該建物が区分建物であるときは、当該建物が属する一棟の建物) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 3 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)の承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することができない。 4 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。 5 第一項各号に掲げる登記事項についての変更の登記又は更正の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の所有者以外の者は、申請することができない。 6 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には、当該建物の所有者は、当該規約の廃止の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 7 前項の規約を廃止した後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 第三節 権利に関する登記 第一款 通則 (権利に関する登記の登記事項) 第五十九条 権利に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申請の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 登記に係る権利の権利者の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分 五 登記の目的である権利の消滅に関する定めがあるときは、その定め 六 共有物分割禁止の定め(共有物若しくは所有権以外の財産権について民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条第一項ただし書(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)若しくは第九百八条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合若しくは同条第一項の規定により被相続人が遺言で共有物若しくは所有権以外の財産権について分割を禁止した場合における共有物若しくは所有権以外の財産権の分割を禁止する定め又は同条第四項の規定により家庭裁判所が遺産である共有物若しくは所有権以外の財産権についてした分割を禁止する審判をいう。第六十五条において同じ。)があるときは、その定め 七 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請した者(以下「代位者」という。)があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因 八 第二号に掲げるもののほか、権利の順位を明らかにするために必要な事項として法務省令で定めるもの (共同申請) 第六十条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 (登記原因証明情報の提供) 第六十一条 権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。 (一般承継人による申請) 第六十二条 登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該権利に関する登記を申請することができる。 (判決による登記等) 第六十三条 第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。 2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。 3 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる。 (登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等) 第六十四条 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。 2 抵当証券が発行されている場合における債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、債務者が単独で申請することができる。 (共有物分割禁止の定めの登記) 第六十五条 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。 (権利の変更の登記又は更正の登記) 第六十六条 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。 (登記の更正) 第六十七条 登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人。第三項及び第七十一条第一項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、登記権利者、登記義務者又は登記名義人がそれぞれ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 2 登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。 ただし、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この項において同じ。)がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 3 登記官が前項の登記の更正をしたときは、その旨を登記権利者及び登記義務者に通知しなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 4 第一項及び前項の通知は、代位者にもしなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 (登記の抹消) 第六十八条 権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の抹消につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (死亡又は解散による登記の抹消) 第六十九条 権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。 (買戻しの特約に関する登記の抹消) 第六十九条の二 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (除権決定による登記の抹消等) 第七十条 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が知れないためその者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十九条に規定する公示催告の申立てをすることができる。 2 前項の登記が地上権、永小作権、質権、賃借権若しくは採石権に関する登記又は買戻しの特約に関する登記であり、かつ、登記された存続期間又は買戻しの期間が満了している場合において、相当の調査が行われたと認められるものとして法務省令で定める方法により調査を行ってもなお共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が判明しないときは、その者の所在が知れないものとみなして、同項の規定を適用する。 3 前二項の場合において、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定があったときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独で第一項の登記の抹消を申請することができる。 4 第一項に規定する場合において、登記権利者が先取特権、質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。 同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。 (解散した法人の担保権に関する登記の抹消) 第七十条の二 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき法人が解散し、前条第二項に規定する方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しないためその法人と共同して先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することができない場合において、被担保債権の弁済期から三十年を経過し、かつ、その法人の解散の日から三十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (職権による登記の抹消) 第七十一条 登記官は、権利に関する登記を完了した後に当該登記が第二十五条第一号から第三号まで又は第十三号に該当することを発見したときは、登記権利者及び登記義務者並びに登記上の利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、当該登記の抹消について異議のある者がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。 2 登記官は、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、法務省令で定めるところにより、前項の通知に代えて、通知をすべき内容を公告しなければならない。 3 登記官は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 登記官は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登記を抹消しなければならない。 (抹消された登記の回復) 第七十二条 抹消された登記(権利に関する登記に限る。)の回復は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の回復につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (敷地権付き区分建物に関する登記等) 第七十三条 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記は、第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有する。 ただし、次に掲げる登記は、この限りでない。 一 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をする前に登記されたもの(担保権に係る権利に関する登記にあっては、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この号において同じ。)が当該敷地権となった土地の権利についてされた担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものを除く。) 二 敷地権付き区分建物についての所有権に係る仮登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 三 敷地権付き区分建物についての質権又は抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 四 敷地権付き区分建物についての所有権又は質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生じた後に生じたもの(区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない場合(以下この条において「分離処分禁止の場合」という。)を除く。) 2 第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には、敷地権の移転の登記又は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該土地が敷地権の目的となった後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は敷地権についての仮登記若しくは質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該土地が敷地権の目的となる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 3 敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は当該建物のみの所有権についての仮登記若しくは当該建物のみを目的とする質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 第二款 所有権に関する登記 (所有権の登記の登記事項) 第七十三条の二 所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 所有権の登記名義人が法人であるときは、会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。)その他の特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの 二 所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときは、その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるもの 2 前項各号に掲げる登記事項についての登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の保存の登記) 第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。 一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人 二 所有権を有することが確定判決によって確認された者 三 収用(土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者 2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。 この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。 (表題登記がない不動産についてする所有権の保存の登記) 第七十五条 登記官は、前条第一項第二号又は第三号に掲げる者の申請に基づいて表題登記がない不動産について所有権の保存の登記をするときは、当該不動産に関する不動産の表示のうち法務省令で定めるものを登記しなければならない。 (所有権の保存の登記の登記事項等) 第七十六条 所有権の保存の登記においては、第五十九条第三号の規定にかかわらず、登記原因及びその日付を登記することを要しない。 ただし、敷地権付き区分建物について第七十四条第二項の規定により所有権の保存の登記をする場合は、この限りでない。 2 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をするときは、職権で、所有権の保存の登記をしなければならない。 3 前条の規定は、表題登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をする場合について準用する。 (相続等による所有権の移転の登記の申請) 第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。 2 前項前段の規定による登記(民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされたものに限る。次条第四項において同じ。)がされた後に遺産の分割があったときは、当該遺産の分割によって当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 3 前二項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 (相続人である旨の申出等) 第七十六条の三 前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。 2 前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。 3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項を所有権の登記に付記することができる。 4 第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(前条第一項前段の規定による登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 5 前項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、同項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 6 第一項の規定による申出の手続及び第三項の規定による登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の登記の抹消) 第七十七条 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がない場合に限り、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 第三款 用益権に関する登記 (地上権の登記の登記事項) 第七十八条 地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 地上権設定の目的 二 地代又はその支払時期の定めがあるときは、その定め 三 存続期間又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条第一項前段若しくは第二十三条第一項若しくは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成二十五年法律第六十一号)第七条第一項の定めがあるときは、その定め 四 地上権設定の目的が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物の所有であるときは、その旨 五 民法第二百六十九条の二第一項前段に規定する地上権の設定にあっては、その目的である地下又は空間の上下の範囲及び同項後段の定めがあるときはその定め (永小作権の登記の登記事項) 第七十九条 永小作権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 小作料 二 存続期間又は小作料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 民法第二百七十二条ただし書の定めがあるときは、その定め 四 前二号に規定するもののほか、永小作人の権利又は義務に関する定めがあるときは、その定め (地役権の登記の登記事項等) 第八十条 承役地(民法第二百八十五条第一項に規定する承役地をいう。以下この条において同じ。)についてする地役権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 要役地(民法第二百八十一条第一項に規定する要役地をいう。以下この条において同じ。) 二 地役権設定の目的及び範囲 三 民法第二百八十一条第一項ただし書若しくは第二百八十五条第一項ただし書の別段の定め又は同法第二百八十六条の定めがあるときは、その定め 2 前項の登記においては、第五十九条第四号の規定にかかわらず、地役権者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。 4 登記官は、承役地に地役権の設定の登記をしたときは、要役地について、職権で、法務省令で定める事項を登記しなければならない。 (賃借権の登記等の登記事項) 第八十一条 賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 賃料 二 存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるときは、その定め 四 敷金があるときは、その旨 五 賃貸人が財産の処分につき行為能力の制限を受けた者又は財産の処分の権限を有しない者であるときは、その旨 六 土地の賃借権設定の目的が建物の所有であるときは、その旨 七 前号に規定する場合において建物が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物であるときは、その旨 八 借地借家法第二十二条第一項前段、第二十三条第一項、第三十八条第一項前段若しくは第三十九条第一項、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十二条第一項又は大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第七条第一項の定めがあるときは、その定め (配偶者居住権の登記の登記事項) 第八十一条の二 配偶者居住権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 第三者に居住建物(民法第千二十八条第一項に規定する居住建物をいう。)の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときは、その定め (採石権の登記の登記事項) 第八十二条 採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 採石権の内容又は採石料若しくはその支払時期の定めがあるときは、その定め 第四款 担保権等に関する登記 (担保権の登記の登記事項) 第八十三条 先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 債権額(一定の金額を目的としない債権については、その価額) 二 債務者の氏名又は名称及び住所 三 所有権以外の権利を目的とするときは、その目的となる権利 四 二以上の不動産に関する権利を目的とするときは、当該二以上の不動産及び当該権利 五 外国通貨で第一号の債権額を指定した債権を担保する質権若しくは転質又は抵当権の登記にあっては、本邦通貨で表示した担保限度額 2 登記官は、前項第四号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、共同担保目録を作成することができる。 (債権の一部譲渡による担保権の移転の登記等の登記事項) 第八十四条 債権の一部について譲渡又は代位弁済がされた場合における先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の移転の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、当該譲渡又は代位弁済の目的である債権の額とする。 (不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十五条 不動産工事の先取特権の保存の登記においては、第八十三条第一項第一号の債権額として工事費用の予算額を登記事項とする。 (建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十六条 建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記については、当該建物の所有者となるべき者を登記義務者とみなす。 この場合においては、第二十二条本文の規定は、適用しない。 2 前項の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第三号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 新築する建物並びに当該建物の種類、構造及び床面積は設計書による旨 二 登記義務者の氏名又は名称及び住所 3 前項第一号の規定は、所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記について準用する。 (建物の建築が完了した場合の登記) 第八十七条 前条第一項の登記をした場合において、建物の建築が完了したときは、当該建物の所有者は、遅滞なく、所有権の保存の登記を申請しなければならない。 2 前条第三項の登記をした場合において、附属建物の建築が完了したときは、当該附属建物が属する建物の所有権の登記名義人は、遅滞なく、当該附属建物の新築による建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。 (抵当権の登記の登記事項) 第八十八条 抵当権(根抵当権(民法第三百九十八条の二第一項の規定による抵当権をいう。以下同じ。)を除く。)の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 利息に関する定めがあるときは、その定め 二 民法第三百七十五条第二項に規定する損害の賠償額の定めがあるときは、その定め 三 債権に付した条件があるときは、その条件 四 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 五 抵当証券発行の定めがあるときは、その定め 六 前号の定めがある場合において元本又は利息の弁済期又は支払場所の定めがあるときは、その定め 2 根抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第一号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 担保すべき債権の範囲及び極度額 二 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 三 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、その定め 四 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがあるときは、その定め (抵当権の順位の変更の登記等) 第八十九条 抵当権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同してしなければならない。 2 前項の規定は、民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがある場合の当該定めの登記の申請について準用する。 (抵当権の処分の登記) 第九十条 第八十三条及び第八十八条の規定は、民法第三百七十六条第一項の規定により抵当権を他の債権のための担保とし、又は抵当権を譲渡し、若しくは放棄する場合の登記について準用する。 (共同抵当の代位の登記) 第九十一条 民法第三百九十三条の規定による代位の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価及び当該弁済を受けた額とする。 2 第八十三条及び第八十八条の規定は、前項の登記について準用する。 (根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限) 第九十二条 民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。 (根抵当権の元本の確定の登記) 第九十三条 民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第三号若しくは第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登記は、第六十条の規定にかかわらず、当該根抵当権の登記名義人が単独で申請することができる。 ただし、同項第三号又は第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合における申請は、当該根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せてしなければならない。 (抵当証券に関する登記) 第九十四条 登記官は、抵当証券を交付したときは、職権で、抵当証券交付の登記をしなければならない。 2 抵当証券法第一条第二項の申請があった場合において、同法第五条第二項の嘱託を受けた登記所の登記官が抵当証券を作成したときは、当該登記官は、職権で、抵当証券作成の登記をしなければならない。 3 前項の場合において、同項の申請を受けた登記所の登記官は、抵当証券を交付したときは抵当証券交付の登記を、同項の申請を却下したときは抵当証券作成の登記の抹消を同項の登記所に嘱託しなければならない。 4 第二項の規定による抵当証券作成の登記をした不動産について、前項の規定による嘱託により抵当証券交付の登記をしたときは、当該抵当証券交付の登記は、当該抵当証券作成の登記をした時にさかのぼってその効力を生ずる。 (質権の登記等の登記事項) 第九十五条 質権又は転質の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間の定めがあるときは、その定め 二 利息に関する定めがあるときは、その定め 三 違約金又は賠償額の定めがあるときは、その定め 四 債権に付した条件があるときは、その条件 五 民法第三百四十六条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 六 民法第三百五十九条の規定によりその設定行為について別段の定め(同法第三百五十六条又は第三百五十七条に規定するものに限る。)があるときは、その定め 七 民法第三百六十一条において準用する同法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 2 第八十八条第二項及び第八十九条から第九十三条までの規定は、質権について準用する。 この場合において、第九十条及び第九十一条第二項中「第八十八条」とあるのは、「第九十五条第一項又は同条第二項において準用する第八十八条第二項」と読み替えるものとする。 (買戻しの特約の登記の登記事項) 第九十六条 買戻しの特約の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額)及び契約の費用並びに買戻しの期間の定めがあるときはその定めとする。 第五款 信託に関する登記 (信託の登記の登記事項) 第九十七条 信託の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所 二 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め 三 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 四 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 五 信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨 六 信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨 七 公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条に規定する公益信託であるときは、その旨 八 信託の目的 九 信託財産の管理方法 十 信託の終了の事由 十一 その他の信託の条項 2 前項第二号から第六号までに掲げる事項のいずれかを登記したときは、同項第一号の受益者(同項第四号に掲げる事項を登記した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 登記官は、第一項各号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託目録を作成することができる。 (信託の登記の申請方法等) 第九十八条 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記は、受託者が単独で申請することができる。 3 信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請することができる。 (代位による信託の登記の申請) 第九十九条 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。 (受託者の変更による登記等) 第百条 受託者の任務が死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。第百二条第二項において同じ。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する不動産についてする受託者の変更による権利の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者が単独で申請することができる。 2 受託者が二人以上ある場合において、そのうち少なくとも一人の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する不動産についてする当該受託者の任務の終了による権利の変更の登記は、第六十条の規定にかかわらず、他の受託者が単独で申請することができる。 (職権による信託の変更の登記) 第百一条 登記官は、信託財産に属する不動産について次に掲げる登記をするときは、職権で、信託の変更の登記をしなければならない。 一 信託法第七十五条第一項又は第二項の規定による権利の移転の登記 二 信託法第八十六条第四項本文の規定による権利の変更の登記 三 受託者である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記 (嘱託による信託の変更の登記) 第百二条 裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があったとき、信託管理人若しくは受益者代理人の選任若しくは解任の裁判があったとき、又は信託の変更を命ずる裁判があったときは、職権で、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 主務官庁は、受託者を解任したとき、信託管理人若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 (信託の変更の登記の申請) 第百三条 前二条に規定するもののほか、第九十七条第一項各号に掲げる登記事項について変更があったときは、受託者は、遅滞なく、信託の変更の登記を申請しなければならない。 2 第九十九条の規定は、前項の信託の変更の登記の申請について準用する。 (信託の登記の抹消) 第百四条 信託財産に属する不動産に関する権利が移転、変更又は消滅により信託財産に属しないこととなった場合における信託の登記の抹消の申請は、当該権利の移転の登記若しくは変更の登記又は当該権利の登記の抹消の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記の抹消は、受託者が単独で申請することができる。 (権利の変更の登記等の特則) 第百四条の二 信託の併合又は分割により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該権利に係る当該一の信託についての信託の登記の抹消及び当該他の信託についての信託の登記の申請は、信託の併合又は分割による権利の変更の登記の申請と同時にしなければならない。 信託の併合又は分割以外の事由により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。 2 信託財産に属する不動産についてする次の表の上欄に掲げる場合における権利の変更の登記(第九十八条第三項の登記を除く。)については、同表の中欄に掲げる者を登記権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登記義務者とする。 この場合において、受益者(信託管理人がある場合にあっては、信託管理人。以下この項において同じ。)については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 一 不動産に関する権利が固有財産に属する財産から信託財産に属する財産となった場合 受益者 受託者 二 不動産に関する権利が信託財産に属する財産から固有財産に属する財産となった場合 受託者 受益者 三 不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合 当該他の信託の受益者及び受託者 当該一の信託の受益者及び受託者 第六款 仮登記 (仮登記) 第百五条 仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。 一 第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。 二 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。 (仮登記に基づく本登記の順位) 第百六条 仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。 (仮登記の申請方法) 第百七条 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。 2 仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 (仮登記を命ずる処分) 第百八条 裁判所は、仮登記の登記権利者の申立てにより、仮登記を命ずる処分をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、仮登記の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 第一項の申立てに係る事件は、不動産の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 非訟事件手続法第二条及び第二編(同法第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第五十九条、第六十六条第一項及び第二項並びに第七十二条を除く。)の規定は、前項の即時抗告について準用する。 (仮登記に基づく本登記) 第百九条 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。 (仮登記の抹消) 第百十条 仮登記の抹消は、第六十条の規定にかかわらず、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。 仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。 第七款 仮処分に関する登記 (仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十一条 所有権について民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記(同条第二項に規定する保全仮登記(以下「保全仮登記」という。)とともにしたものを除く。以下この条において同じ。)がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権の登記(仮登記を除く。)を申請する場合においては、当該債権者は、当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができる。 2 前項の規定は、所有権以外の権利について民事保全法第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする当該権利の移転又は消滅に関し登記(仮登記を除く。)を申請する場合について準用する。 3 登記官は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申請に基づいて当該処分禁止の登記に後れる登記を抹消するときは、職権で、当該処分禁止の登記も抹消しなければならない。 (保全仮登記に基づく本登記の順位) 第百十二条 保全仮登記に基づいて本登記をした場合は、当該本登記の順位は、当該保全仮登記の順位による。 (保全仮登記に係る仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十三条 不動産の使用又は収益をする権利について保全仮登記がされた後、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者が本登記を申請する場合においては、当該債権者は、所有権以外の不動産の使用若しくは収益をする権利又は当該権利を目的とする権利に関する登記であって当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れるものの抹消を単独で申請することができる。 (処分禁止の登記の抹消) 第百十四条 登記官は、保全仮登記に基づく本登記をするときは、職権で、当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記を抹消しなければならない。 第八款 官庁又は公署が関与する登記等 (公売処分による登記) 第百十五条 官庁又は公署は、公売処分をした場合において、登記権利者の請求があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を登記所に嘱託しなければならない。 一 公売処分による権利の移転の登記 二 公売処分により消滅した権利の登記の抹消 三 滞納処分に関する差押えの登記の抹消 (官庁又は公署の嘱託による登記) 第百十六条 国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 (官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報) 第百十七条 登記官は、官庁又は公署が登記権利者(登記をすることによって登記名義人となる者に限る。以下この条において同じ。)のためにした登記の嘱託に基づいて登記を完了したときは、速やかに、当該登記権利者のために登記識別情報を当該官庁又は公署に通知しなければならない。 2 前項の規定により登記識別情報の通知を受けた官庁又は公署は、遅滞なく、これを同項の登記権利者に通知しなければならない。 (収用による登記) 第百十八条 不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。 2 国又は地方公共団体が起業者であるときは、官庁又は公署は、遅滞なく、前項の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 前二項の規定は、不動産に関する所有権以外の権利の収用による権利の消滅の登記について準用する。 4 土地の収用による権利の移転の登記を申請する場合には、当該収用により消滅した権利又は失効した差押え、仮差押え若しくは仮処分に関する登記を指定しなければならない。 この場合において、権利の移転の登記をするときは、登記官は、職権で、当該指定に係る登記を抹消しなければならない。 5 登記官は、建物の収用による所有権の移転の登記をするときは、職権で、当該建物を目的とする所有権等の登記以外の権利に関する登記を抹消しなければならない。 第三項の登記をする場合において同項の権利を目的とする権利に関する登記についても、同様とする。 6 登記官は、第一項の登記をするときは、職権で、裁決手続開始の登記を抹消しなければならない。 第五章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付等) 第百十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。 3 前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。 4 第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。 ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。 5 第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。 6 登記官は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、登記記録に記録されている者(自然人であるものに限る。)の住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがあるものとして法務省令で定める場合において、その者からの申出があったときは、法務省令で定めるところにより、第一項及び第二項に規定する各書面に当該住所に代わるものとして法務省令で定める事項を記載しなければならない。 (地図の写しの交付等) 第百二十条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図、建物所在図又は地図に準ずる図面(以下この条において「地図等」という。)の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図等(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 3 前条第三項から第五項までの規定は、地図等について準用する。 (登記簿の附属書類の写しの交付等) 第百二十一条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)のうち政令で定める図面の全部又は一部の写し(これらの図面が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類のうち前項の図面(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の閲覧を請求することができる。 3 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(第一項の図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 4 前項の規定にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 5 第百十九条第三項から第五項までの規定は、登記簿の附属書類について準用する。 (法務省令への委任) 第百二十二条 この法律に定めるもののほか、登記簿、地図、建物所在図及び地図に準ずる図面並びに登記簿の附属書類(第百五十四条及び第百五十五条において「登記簿等」という。)の公開に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第六章 筆界特定 第一節 総則 (定義) 第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。 二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。 三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。 四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。 五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。 (筆界特定の事務) 第百二十四条 筆界特定の事務は、対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局がつかさどる。 2 第六条第二項及び第三項の規定は、筆界特定の事務について準用する。 この場合において、同条第二項中「不動産」とあるのは「対象土地」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、「法務局若しくは地方法務局」とあるのは「法務局」と、同条第三項中「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と読み替えるものとする。 (筆界特定登記官) 第百二十五条 筆界特定は、筆界特定登記官(登記官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が行う。 (筆界特定登記官の除斥) 第百二十六条 筆界特定登記官が次の各号のいずれかに該当する者であるときは、当該筆界特定登記官は、対象土地について筆界特定を行うことができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 (筆界調査委員) 第百二十七条 法務局及び地方法務局に、筆界特定について必要な事実の調査を行い、筆界特定登記官に意見を提出させるため、筆界調査委員若干人を置く。 2 筆界調査委員は、前項の職務を行うのに必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから、法務局又は地方法務局の長が任命する。 3 筆界調査委員の任期は、二年とする。 4 筆界調査委員は、再任されることができる。 5 筆界調査委員は、非常勤とする。 (筆界調査委員の欠格事由) 第百二十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、筆界調査委員となることができない。 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 二 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)又は土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)の規定による懲戒処分により、弁護士会からの除名又は司法書士若しくは土地家屋調査士の業務の禁止の処分を受けた者でこれらの処分を受けた日から三年を経過しないもの 三 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者 2 筆界調査委員が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、当然失職する。 (筆界調査委員の解任) 第百二十九条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その筆界調査委員を解任することができる。 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。 二 職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行があると認められるとき。 (標準処理期間) 第百三十条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定の申請がされてから筆界特定登記官が筆界特定をするまでに通常要すべき標準的な期間を定め、法務局又は地方法務局における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。 第二節 筆界特定の手続 第一款 筆界特定の申請 (筆界特定の申請) 第百三十一条 土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。 2 地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し、当該対象土地の筆界(第十四条第一項の地図に表示されないものに限る。)について、筆界特定の申請をすることができる。 3 筆界特定の申請は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申請の趣旨 二 筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所 三 対象土地に係る第三十四条第一項第一号及び第二号に掲げる事項(表題登記がない土地にあっては、同項第一号に掲げる事項) 四 対象土地について筆界特定を必要とする理由 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 4 筆界特定の申請人は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。 5 第十八条の規定は、筆界特定の申請について準用する。 この場合において、同条中「不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)」とあるのは「第百三十一条第三項各号に掲げる事項に係る情報(第二号、第百三十二条第一項第四号及び第百五十条において「筆界特定申請情報」という。)」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、同条第二号中「申請情報」とあるのは「筆界特定申請情報」と読み替えるものとする。 (申請の却下) 第百三十二条 筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。 二 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 三 申請が前条第三項の規定に違反するとき。 四 筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。 五 申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。 六 対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。 七 対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。 ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。 八 手数料を納付しないとき。 九 第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。 2 前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。 (筆界特定の申請の通知) 第百三十三条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、その旨を次に掲げる者(以下「関係人」という。)に通知しなければならない。 ただし、前条第一項の規定により当該申請を却下すべき場合は、この限りでない。 一 対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの 二 関係土地の所有権登記名義人等 2 前項本文の場合において、関係人の所在が判明しないときは、同項本文の規定による通知を、関係人の氏名又は名称、通知をすべき事項及び当該事項を記載した書面をいつでも関係人に交付する旨を対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の掲示場に掲示することによって行うことができる。 この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知が関係人に到達したものとみなす。 第二款 筆界の調査等 (筆界調査委員の指定等) 第百三十四条 法務局又は地方法務局の長は、前条第一項本文の規定による公告及び通知がされたときは、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を行うべき筆界調査委員を指定しなければならない。 2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の筆界調査委員に指定することができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 3 第一項の規定による指定を受けた筆界調査委員が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、筆界特定登記官の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 4 法務局又は地方法務局の長は、その職員に、筆界調査委員による事実の調査を補助させることができる。 (筆界調査委員による事実の調査) 第百三十五条 筆界調査委員は、前条第一項の規定による指定を受けたときは、対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査をすること、筆界特定の申請人若しくは関係人又はその他の者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることその他対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査をすることができる。 2 筆界調査委員は、前項の事実の調査に当たっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定を目的とするものでないことに留意しなければならない。 (測量及び実地調査) 第百三十六条 筆界調査委員は、対象土地の測量又は実地調査を行うときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を筆界特定の申請人及び関係人に通知して、これに立ち会う機会を与えなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (立入調査) 第百三十七条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査を行う場合において、必要があると認めるときは、その必要の限度において、筆界調査委員又は第百三十四条第四項の職員(以下この条において「筆界調査委員等」という。)に、他人の土地に立ち入らせることができる。 2 法務局又は地方法務局の長は、前項の規定により筆界調査委員等を他人の土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を当該土地の占有者に通知しなければならない。 3 第一項の規定により宅地又は垣、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合には、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。 4 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。 5 土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。 6 第一項の規定による立入りをする場合には、筆界調査委員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 7 国は、第一項の規定による立入りによって損失を受けた者があるときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。 (関係行政機関等に対する協力依頼) 第百三十八条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係のある公私の団体に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。 (意見又は資料の提出) 第百三十九条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定の申請人及び関係人は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について、意見又は資料を提出することができる。 この場合において、筆界特定登記官が意見又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。 2 前項の規定による意見又は資料の提出は、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により行うことができる。 (意見聴取等の期日) 第百四十条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、第百三十三条第一項本文の規定による公告をした時から筆界特定をするまでの間に、筆界特定の申請人及び関係人に対し、あらかじめ期日及び場所を通知して、対象土地の筆界について、意見を述べ、又は資料(電磁的記録を含む。)を提出する機会を与えなければならない。 2 筆界特定登記官は、前項の期日において、適当と認める者に、参考人としてその知っている事実を陳述させることができる。 3 筆界調査委員は、第一項の期日に立ち会うものとする。 この場合において、筆界調査委員は、筆界特定登記官の許可を得て、筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人に対し質問を発することができる。 4 筆界特定登記官は、第一項の期日の経過を記載した調書を作成し、当該調書において当該期日における筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。 5 前項の調書は、電磁的記録をもって作成することができる。 6 第百三十三条第二項の規定は、第一項の規定による通知について準用する。 (調書等の閲覧) 第百四十一条 筆界特定の申請人及び関係人は、第百三十三条第一項本文の規定による公告があった時から第百四十四条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされるまでの間、筆界特定登記官に対し、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 この場合において、筆界特定登記官は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。 2 筆界特定登記官は、前項の閲覧について、日時及び場所を指定することができる。 第三節 筆界特定 (筆界調査委員の意見の提出) 第百四十二条 筆界調査委員は、第百四十条第一項の期日の後、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を終了したときは、遅滞なく、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界特定についての意見を提出しなければならない。 (筆界特定) 第百四十三条 筆界特定登記官は、前条の規定により筆界調査委員の意見が提出されたときは、その意見を踏まえ、登記記録、地図又は地図に準ずる図面及び登記簿の附属書類の内容、対象土地及び関係土地の地形、地目、面積及び形状並びに工作物、囲障又は境界標の有無その他の状況及びこれらの設置の経緯その他の事情を総合的に考慮して、対象土地の筆界特定をし、その結論及び理由の要旨を記載した筆界特定書を作成しなければならない。 2 筆界特定書においては、図面及び図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものにより、筆界特定の内容を表示しなければならない。 3 筆界特定書は、電磁的記録をもって作成することができる。 (筆界特定の通知等) 第百四十四条 筆界特定登記官は、筆界特定をしたときは、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、法務省令で定める方法)により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、法務省令で定めるところにより、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (筆界特定手続記録の保管) 第百四十五条 前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。)は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管する。 第四節 雑則 (手続費用の負担等) 第百四十六条 筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。)は、筆界特定の申請人の負担とする。 2 筆界特定の申請人が二人ある場合において、その一人が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、等しい割合で手続費用を負担する。 3 筆界特定の申請人が二人以上ある場合において、その全員が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、その持分(所有権の登記がある一筆の土地にあっては第五十九条第四号の持分、所有権の登記がない一筆の土地にあっては第二十七条第三号の持分。次項において同じ。)の割合に応じて手続費用を負担する。 4 筆界特定の申請人が三人以上ある場合において、その一人又は二人以上が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人又は二人以上が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、対象土地のいずれかの土地の一人の所有権登記名義人等である筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額を負担し、対象土地のいずれかの土地の二人以上の所有権登記名義人等である各筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額についてその持分の割合に応じてこれを負担する。 5 筆界特定登記官は、筆界特定の申請人に手続費用の概算額を予納させなければならない。 (筆界確定訴訟における釈明処分の特則) 第百四十七条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起されたときは、裁判所は、当該訴えに係る訴訟において、訴訟関係を明瞭にするため、登記官に対し、当該筆界特定に係る筆界特定手続記録の送付を嘱託することができる。 民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起された後、当該訴えに係る筆界について筆界特定がされたときも、同様とする。 (筆界確定訴訟の判決との関係) 第百四十八条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは、当該筆界特定は、当該判決と抵触する範囲において、その効力を失う。 (筆界特定書等の写しの交付等) 第百四十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部(以下この条及び第百五十四条において「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。 3 第百十九条第三項及び第四項の規定は、前二項の手数料について準用する。 (法務省令への委任) 第百五十条 この章に定めるもののほか、筆界特定申請情報の提供の方法、筆界特定手続記録の公開その他の筆界特定の手続に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第七章 雑則 (情報の提供の求め) 第百五十一条 登記官は、職権による登記をし、又は第十四条第一項の地図を作成するために必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、その対象となる不動産の所有者等(所有権が帰属し、又は帰属していた自然人又は法人(法人でない社団又は財団を含む。)をいう。)に関する情報の提供を求めることができる。 (登記識別情報の安全確保) 第百五十二条 登記官は、その取り扱う登記識別情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の登記識別情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 2 登記官その他の不動産登記の事務に従事する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所に勤務する法務事務官又はその職にあった者は、その事務に関して知り得た登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らしてはならない。 (行政手続法の適用除外) 第百五十三条 登記官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。 (行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外) 第百五十四条 登記簿等及び筆界特定書等については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。 (個人情報の保護に関する法律の適用除外) 第百五十五条 登記簿等に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。 (審査請求) 第百五十六条 登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。 2 審査請求は、登記官を経由してしなければならない。 (審査請求事件の処理) 第百五十七条 登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合を除き、審査請求の日から三日以内に、意見を付して事件を前条第一項の法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。 この場合において、当該法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。 3 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、登記官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか登記上の利害関係人に通知しなければならない。 4 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、前項の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができる。 5 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。 6 前条第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五十七条第二項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「不動産登記法第百五十七条第二項の意見」とする。 (行政不服審査法の適用除外) 第百五十八条 行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、第百五十六条第一項の審査請求については、適用しない。 第八章 罰則 (秘密を漏らした罪) 第百五十九条 第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。 (虚偽の登記名義人確認情報を提供した罪) 第百六十条 第二十三条第四項第一号(第十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による情報の提供をする場合において、虚偽の情報を提供したときは、当該違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 (不正に登記識別情報を取得等した罪) 第百六十一条 登記簿に不実の記録をさせることとなる登記の申請又は嘱託の用に供する目的で、登記識別情報を取得した者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。 2 不正に取得された登記識別情報を、前項の目的で保管した者も、同項と同様とする。 (検査の妨害等の罪) 第百六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第二十九条第二項(第十六条第二項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。 二 第二十九条第二項の規定による文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示をせず、若しくは虚偽の文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものを提示し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。 三 第百三十七条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げたとき。 (両罰規定) 第百六十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百六十条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料) 第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
416AC0000000123_20260202_503AC0000000024.xml
平成十六年法律第百二十三号
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不動産登記法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることにより、国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 不動産 土地又は建物をいう。 二 不動産の表示 不動産についての第二十七条第一号、第三号若しくは第四号、第三十四条第一項各号、第四十三条第一項、第四十四条第一項各号又は第五十八条第一項各号に規定する登記事項をいう。 三 表示に関する登記 不動産の表示に関する登記をいう。 四 権利に関する登記 不動産についての次条各号に掲げる権利に関する登記をいう。 五 登記記録 表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 六 登記事項 この法律の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。 七 表題部 登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。 八 権利部 登記記録のうち、権利に関する登記が記録される部分をいう。 九 登記簿 登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)をもって調製するものをいう。 十 表題部所有者 所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者をいう。 十一 登記名義人 登記記録の権利部に、次条各号に掲げる権利について権利者として記録されている者をいう。 十二 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 十三 登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。 十四 登記識別情報 第二十二条本文の規定により登記名義人が登記を申請する場合において、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。 十五 変更の登記 登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記をいう。 十六 更正の登記 登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記をいう。 十七 地番 第三十五条の規定により一筆の土地ごとに付す番号をいう。 十八 地目 土地の用途による分類であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 十九 地積 一筆の土地の面積であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 二十 表題登記 表示に関する登記のうち、当該不動産について表題部に最初にされる登記をいう。 二十一 家屋番号 第四十五条の規定により一個の建物ごとに付す番号をいう。 二十二 区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第四条第二項の規定により共用部分とされたものを含む。)をいう。 二十三 附属建物 表題登記がある建物に附属する建物であって、当該表題登記がある建物と一体のものとして一個の建物として登記されるものをいう。 二十四 抵当証券 抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第一条第一項に規定する抵当証券をいう。 (登記することができる権利等) 第三条 登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。 一 所有権 二 地上権 三 永小作権 四 地役権 五 先取特権 六 質権 七 抵当権 八 賃借権 九 配偶者居住権 十 採石権(採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条、第七十条第二項及び第八十二条において同じ。) (権利の順位) 第四条 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。 2 付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。 (登記がないことを主張することができない第三者) 第五条 詐欺又は強迫によって登記の申請を妨げた第三者は、その登記がないことを主張することができない。 2 他人のために登記を申請する義務を負う第三者は、その登記がないことを主張することができない。 ただし、その登記の登記原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ。)が自己の登記の登記原因の後に生じたときは、この限りでない。 第二章 登記所及び登記官 (登記所) 第六条 登記の事務は、不動産の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。 2 不動産が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務省令で定めるところにより、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、当該不動産に関する登記の事務をつかさどる登記所を指定する。 3 前項に規定する場合において、同項の指定がされるまでの間、登記の申請は、当該二以上の登記所のうち、一の登記所にすることができる。 (事務の委任) 第七条 法務大臣は、一の登記所の管轄に属する事務を他の登記所に委任することができる。 (事務の停止) 第八条 法務大臣は、登記所においてその事務を停止しなければならない事由が生じたときは、期間を定めて、その停止を命ずることができる。 (登記官) 第九条 登記所における事務は、登記官(登記所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。 (登記官の除斥) 第十条 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。以下この条において同じ。)が登記の申請人であるときは、当該登記官は、当該登記をすることができない。 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族が申請人を代表して申請するときも、同様とする。 第三章 登記記録等 (登記) 第十一条 登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行う。 (登記記録の作成) 第十二条 登記記録は、表題部及び権利部に区分して作成する。 (登記記録の滅失と回復) 第十三条 法務大臣は、登記記録の全部又は一部が滅失したときは、登記官に対し、一定の期間を定めて、当該登記記録の回復に必要な処分を命ずることができる。 (地図等) 第十四条 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。 2 前項の地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。 3 第一項の建物所在図は、一個又は二個以上の建物ごとに作成し、各建物の位置及び家屋番号を表示するものとする。 4 第一項の規定にかかわらず、登記所には、同項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。 5 前項の地図に準ずる図面は、一筆又は二筆以上の土地ごとに土地の位置、形状及び地番を表示するものとする。 6 第一項の地図及び建物所在図並びに第四項の地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる。 (法務省令への委任) 第十五条 この章に定めるもののほか、登記簿及び登記記録並びに地図、建物所在図及び地図に準ずる図面の記録方法その他の登記の事務に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第四章 登記手続 第一節 総則 (当事者の申請又は嘱託による登記) 第十六条 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 第二条第十四号、第五条、第六条第三項、第十条及びこの章(この条、第二十七条、第二十八条、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第四十一条、第四十三条から第四十六条まで、第五十一条第五項及び第六項、第五十三条第二項、第五十六条、第五十八条第一項及び第四項、第五十九条第一号、第三号から第六号まで及び第八号、第六十六条、第六十七条、第七十一条、第七十三条第一項第二号から第四号まで、第二項及び第三項、第七十六条から第七十六条の四まで、第七十六条の六、第七十八条から第八十六条まで、第八十八条、第九十条から第九十二条まで、第九十四条、第九十五条第一項、第九十六条、第九十七条、第九十八条第二項、第百一条、第百二条、第百六条、第百八条、第百十二条、第百十四条から第百十七条まで並びに第百十八条第二項、第五項及び第六項を除く。)の規定は、官庁又は公署の嘱託による登記の手続について準用する。 (代理権の不消滅) 第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。 一 本人の死亡 二 本人である法人の合併による消滅 三 本人である受託者の信託に関する任務の終了 四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更 (申請の方法) 第十八条 登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法 二 申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法 (受付) 第十九条 登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。 2 同一の不動産に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。 3 登記官は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。 この場合において、同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。 (登記の順序) 第二十条 登記官は、同一の不動産に関し権利に関する登記の申請が二以上あったときは、これらの登記を受付番号の順序に従ってしなければならない。 (登記識別情報の通知) 第二十一条 登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。 ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。 (登記識別情報の提供) 第二十二条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。 ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。 (事前通知等) 第二十三条 登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。 この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。 2 登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。 3 前二項の規定は、登記官が第二十五条(第十号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。 4 第一項の規定は、同項に規定する場合において、次の各号のいずれかに掲げるときは、適用しない。 一 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。 二 当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。 (登記官による本人確認) 第二十四条 登記官は、登記の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する申請人又はその代表者若しくは代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。 (申請の却下) 第二十五条 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。 三 申請に係る登記が既に登記されているとき。 四 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 五 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。 六 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。 七 申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。 八 申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。 九 第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。 十 第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。 十一 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。 十二 登録免許税を納付しないとき。 十三 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。 (政令への委任) 第二十六条 この章に定めるもののほか、申請情報の提供の方法並びに申請情報と併せて提供することが必要な情報及びその提供の方法その他の登記申請の手続に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 表示に関する登記 第一款 通則 (表示に関する登記の登記事項) 第二十七条 土地及び建物の表示に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記原因及びその日付 二 登記の年月日 三 所有権の登記がない不動産(共用部分(区分所有法第四条第二項に規定する共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記又は団地共用部分(区分所有法第六十七条第一項に規定する団地共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記がある建物を除く。)については、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分 四 前三号に掲げるもののほか、不動産を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの (職権による表示に関する登記) 第二十八条 表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。 (登記官による調査) 第二十九条 登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。 2 登記官は、前項の調査をする場合において、必要があると認めるときは、日出から日没までの間に限り、当該不動産を検査し、又は当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示を求め、若しくは質問をすることができる。 この場合において、登記官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 (一般承継人による申請) 第三十条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。 (表題部所有者の氏名等の変更の登記又は更正の登記) 第三十一条 表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は、申請することができない。 (表題部所有者の変更等に関する登記手続) 第三十二条 表題部所有者又はその持分についての変更は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない。 (表題部所有者の更正の登記等) 第三十三条 不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができない。 2 前項の場合において、当該不動産の所有者は、当該表題部所有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 3 不動産の表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記は、当該共有者以外の者は、申請することができない。 4 前項の更正の登記をする共有者は、当該更正の登記によってその持分を更正することとなる他の共有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 第二款 土地の表示に関する登記 (土地の表示に関する登記の登記事項) 第三十四条 土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字 二 地番 三 地目 四 地積 2 前項第三号の地目及び同項第四号の地積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (地番) 第三十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。 (土地の表題登記の申請) 第三十六条 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 (地目又は地積の変更の登記の申請) 第三十七条 地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 (土地の表題部の更正の登記の申請) 第三十八条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 (分筆又は合筆の登記) 第三十九条 分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 2 登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。 3 登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。 (分筆に伴う権利の消滅の登記) 第四十条 登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (合筆の登記の制限) 第四十一条 次に掲げる合筆の登記は、することができない。 一 相互に接続していない土地の合筆の登記 二 地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記 四 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地の合筆の登記 五 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記 六 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地(権利に関する登記であって、合筆後の土地の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある土地を除く。)の合筆の登記 (土地の滅失の登記の申請) 第四十二条 土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から一月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない。 (河川区域内の土地の登記) 第四十三条 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第六条第一項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)の河川区域内の土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号及び第三十四条第一項各号に掲げるもののほか、第一号に掲げる土地である旨及び第二号から第五号までに掲げる土地にあってはそれぞれその旨とする。 一 河川法第六条第一項の河川区域内の土地 二 河川法第六条第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の高規格堤防特別区域内の土地 三 河川法第六条第三項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の樹林帯区域内の土地 四 河川法第二十六条第四項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の特定樹林帯区域内の土地 五 河川法第五十八条の二第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の河川立体区域内の土地 2 土地の全部又は一部が前項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地となったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 土地の全部又は一部が第一項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地でなくなったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記の抹消を登記所に嘱託しなければならない。 4 土地の一部について前二項の規定により登記の嘱託をするときは、河川管理者は、当該土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該土地の分筆の登記を登記所に嘱託することができる。 5 第一項各号の河川区域内の土地の全部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の滅失の登記を登記所に嘱託しなければならない。 6 第一項各号の河川区域内の土地の一部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の地積に関する変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 第三款 建物の表示に関する登記 (建物の表示に関する登記の登記事項) 第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番) 二 家屋番号 三 建物の種類、構造及び床面積 四 建物の名称があるときは、その名称 五 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積 六 建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨 七 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積 八 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称 九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権 2 前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (家屋番号) 第四十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、一個の建物ごとに家屋番号を付さなければならない。 (敷地権である旨の登記) 第四十六条 登記官は、表示に関する登記のうち、区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をするときは、当該敷地権の目的である土地の登記記録について、職権で、当該登記記録中の所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。 (建物の表題登記の申請) 第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。 (区分建物についての建物の表題登記の申請方法) 第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。 4 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。 (合体による登記等の申請) 第四十九条 二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請しなければならない。 この場合において、第二号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者、第四号に掲げる場合にあっては当該表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。以下この条において同じ。)の表題部所有者、第六号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者及び当該表題登記がある建物の表題部所有者をそれぞれ当該合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならない。 一 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び表題登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該表題登記がある建物の表題部所有者 二 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 三 合体前の二以上の建物がいずれも表題登記がある建物であるとき。 当該建物の表題部所有者 四 合体前の二以上の建物が表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 五 合体前の二以上の建物がいずれも所有権の登記がある建物であるとき。 当該建物の所有権の登記名義人 六 合体前の三以上の建物が表題登記がない建物、表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 2 第四十七条並びに前条第一項及び第二項の規定は、二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において合体前の建物がいずれも表題登記がない建物であるときの当該建物についての表題登記の申請について準用する。 この場合において、第四十七条第一項中「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の建物となった場合における当該合体後の建物についての合体時の所有者又は当該合体後の建物が区分建物以外の表題登記がない建物である場合において当該合体時の所有者から所有権を取得した者」と、同条第二項中「区分建物である建物を新築した場合」とあり、及び前条第一項中「区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の区分建物となった場合」と、同項中「当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物」とあるのは「当該合体後の区分建物が属する一棟の建物」と読み替えるものとする。 3 第一項第一号、第二号又は第六号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後当該合体前の表題登記がない建物の所有者から当該合体後の建物について合体前の表題登記がない建物の所有権に相当する持分を取得した者は、その持分の取得の日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 4 第一項各号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同項第六号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後に合体前の表題登記がある建物の表題部所有者又は合体前の所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 (合体に伴う権利の消滅の登記) 第五十条 登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (建物の表題部の変更の登記) 第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。 6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。 (区分建物となったことによる建物の表題部の変更の登記) 第五十二条 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となったことにより当該表題登記がある建物が区分建物になった場合における当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請は、当該新築に係る区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、当該新築に係る区分建物の所有者に代わって、当該新築に係る区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 いずれも表題登記がある二以上の建物(区分建物を除く。)が増築その他の工事により相互に接続して区分建物になった場合における当該表題登記がある二以上の建物についての表題部の変更の登記の申請は、一括してしなければならない。 4 前項の場合において、当該表題登記がある二以上の建物のうち、表題登記がある一の建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、表題登記がある他の建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある他の建物について表題部の変更の登記を申請することができる。 (建物の表題部の更正の登記) 第五十三条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)以外の者は、申請することができない。 2 第五十一条第五項及び第六項の規定は、建物が区分建物である場合における同条第五項に規定する登記事項に関する表題部の更正の登記について準用する。 (建物の分割、区分又は合併の登記) 第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。) 三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。 3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 (特定登記) 第五十五条 登記官は、敷地権付き区分建物(区分建物に関する敷地権の登記がある建物をいう。第七十三条第一項及び第三項、第七十四条第二項並びに第七十六条第一項において同じ。)のうち特定登記(所有権等の登記以外の権利に関する登記であって、第七十三条第一項の規定により敷地権についてされた登記としての効力を有するものをいう。以下この条において同じ。)があるものについて、第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記をする場合において、当該変更の登記の申請情報と併せて特定登記に係る権利の登記名義人(当該特定登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該変更の登記後の当該建物又は当該敷地権の目的であった土地について当該特定登記に係る権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該特定登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る建物又は土地について当該特定登記に係る権利が消滅した旨を登記しなければならない。 2 前項の規定は、特定登記がある建物について敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該更正の登記」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、特定登記がある建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「当該建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該合体による登記等又は当該建物の合併の登記」と読み替えるものとする。 4 第一項の規定は、特定登記がある建物の滅失の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「建物の滅失の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該建物の滅失の登記」と、「当該建物又は当該敷地権の目的であった土地」とあるのは「当該敷地権の目的であった土地」と、「当該承諾に係る建物又は土地」とあるのは「当該土地」と読み替えるものとする。 (建物の合併の登記の制限) 第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。 一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記 二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記 四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記 五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記 (建物の滅失の登記の申請) 第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。 (共用部分である旨の登記等) 第五十八条 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。)及び第四十四条第一項各号(第六号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 共用部分である旨の登記にあっては、当該共用部分である建物が当該建物の属する一棟の建物以外の一棟の建物に属する建物の区分所有者の共用に供されるものであるときは、その旨 二 団地共用部分である旨の登記にあっては、当該団地共用部分を共用すべき者の所有する建物(当該建物が区分建物であるときは、当該建物が属する一棟の建物) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 3 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)の承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することができない。 4 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。 5 第一項各号に掲げる登記事項についての変更の登記又は更正の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の所有者以外の者は、申請することができない。 6 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には、当該建物の所有者は、当該規約の廃止の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 7 前項の規約を廃止した後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 第三節 権利に関する登記 第一款 通則 (権利に関する登記の登記事項) 第五十九条 権利に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申請の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 登記に係る権利の権利者の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分 五 登記の目的である権利の消滅に関する定めがあるときは、その定め 六 共有物分割禁止の定め(共有物若しくは所有権以外の財産権について民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条第一項ただし書(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)若しくは第九百八条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合若しくは同条第一項の規定により被相続人が遺言で共有物若しくは所有権以外の財産権について分割を禁止した場合における共有物若しくは所有権以外の財産権の分割を禁止する定め又は同条第四項の規定により家庭裁判所が遺産である共有物若しくは所有権以外の財産権についてした分割を禁止する審判をいう。第六十五条において同じ。)があるときは、その定め 七 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請した者(以下「代位者」という。)があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因 八 第二号に掲げるもののほか、権利の順位を明らかにするために必要な事項として法務省令で定めるもの (共同申請) 第六十条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 (登記原因証明情報の提供) 第六十一条 権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。 (一般承継人による申請) 第六十二条 登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該権利に関する登記を申請することができる。 (判決による登記等) 第六十三条 第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。 2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。 3 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる。 (登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等) 第六十四条 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。 2 抵当証券が発行されている場合における債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、債務者が単独で申請することができる。 (共有物分割禁止の定めの登記) 第六十五条 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。 (権利の変更の登記又は更正の登記) 第六十六条 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。 (登記の更正) 第六十七条 登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人。第三項及び第七十一条第一項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、登記権利者、登記義務者又は登記名義人がそれぞれ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 2 登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。 ただし、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この項において同じ。)がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 3 登記官が前項の登記の更正をしたときは、その旨を登記権利者及び登記義務者に通知しなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 4 第一項及び前項の通知は、代位者にもしなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 (登記の抹消) 第六十八条 権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の抹消につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (死亡又は解散による登記の抹消) 第六十九条 権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。 (買戻しの特約に関する登記の抹消) 第六十九条の二 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (除権決定による登記の抹消等) 第七十条 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が知れないためその者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十九条に規定する公示催告の申立てをすることができる。 2 前項の登記が地上権、永小作権、質権、賃借権若しくは採石権に関する登記又は買戻しの特約に関する登記であり、かつ、登記された存続期間又は買戻しの期間が満了している場合において、相当の調査が行われたと認められるものとして法務省令で定める方法により調査を行ってもなお共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が判明しないときは、その者の所在が知れないものとみなして、同項の規定を適用する。 3 前二項の場合において、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定があったときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独で第一項の登記の抹消を申請することができる。 4 第一項に規定する場合において、登記権利者が先取特権、質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。 同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。 (解散した法人の担保権に関する登記の抹消) 第七十条の二 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき法人が解散し、前条第二項に規定する方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しないためその法人と共同して先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することができない場合において、被担保債権の弁済期から三十年を経過し、かつ、その法人の解散の日から三十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (職権による登記の抹消) 第七十一条 登記官は、権利に関する登記を完了した後に当該登記が第二十五条第一号から第三号まで又は第十三号に該当することを発見したときは、登記権利者及び登記義務者並びに登記上の利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、当該登記の抹消について異議のある者がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。 2 登記官は、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、法務省令で定めるところにより、前項の通知に代えて、通知をすべき内容を公告しなければならない。 3 登記官は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 登記官は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登記を抹消しなければならない。 (抹消された登記の回復) 第七十二条 抹消された登記(権利に関する登記に限る。)の回復は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の回復につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (敷地権付き区分建物に関する登記等) 第七十三条 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記は、第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有する。 ただし、次に掲げる登記は、この限りでない。 一 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をする前に登記されたもの(担保権に係る権利に関する登記にあっては、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この号において同じ。)が当該敷地権となった土地の権利についてされた担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものを除く。) 二 敷地権付き区分建物についての所有権に係る仮登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 三 敷地権付き区分建物についての質権又は抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 四 敷地権付き区分建物についての所有権又は質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生じた後に生じたもの(区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない場合(以下この条において「分離処分禁止の場合」という。)を除く。) 2 第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には、敷地権の移転の登記又は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該土地が敷地権の目的となった後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は敷地権についての仮登記若しくは質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該土地が敷地権の目的となる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 3 敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は当該建物のみの所有権についての仮登記若しくは当該建物のみを目的とする質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 第二款 所有権に関する登記 (所有権の登記の登記事項) 第七十三条の二 所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 所有権の登記名義人が法人であるときは、会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。)その他の特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの 二 所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときは、その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるもの 2 前項各号に掲げる登記事項についての登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の保存の登記) 第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。 一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人 二 所有権を有することが確定判決によって確認された者 三 収用(土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者 2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。 この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。 (表題登記がない不動産についてする所有権の保存の登記) 第七十五条 登記官は、前条第一項第二号又は第三号に掲げる者の申請に基づいて表題登記がない不動産について所有権の保存の登記をするときは、当該不動産に関する不動産の表示のうち法務省令で定めるものを登記しなければならない。 (所有権の保存の登記の登記事項等) 第七十六条 所有権の保存の登記においては、第五十九条第三号の規定にかかわらず、登記原因及びその日付を登記することを要しない。 ただし、敷地権付き区分建物について第七十四条第二項の規定により所有権の保存の登記をする場合は、この限りでない。 2 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をするときは、職権で、所有権の保存の登記をしなければならない。 3 前条の規定は、表題登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をする場合について準用する。 (相続等による所有権の移転の登記の申請) 第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。 2 前項前段の規定による登記(民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされたものに限る。次条第四項において同じ。)がされた後に遺産の分割があったときは、当該遺産の分割によって当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 3 前二項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 (相続人である旨の申出等) 第七十六条の三 前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。 2 前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。 3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項を所有権の登記に付記することができる。 4 第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(前条第一項前段の規定による登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 5 前項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、同項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 6 第一項の規定による申出の手続及び第三項の規定による登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の登記の抹消) 第七十七条 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がない場合に限り、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 第三款 用益権に関する登記 (地上権の登記の登記事項) 第七十八条 地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 地上権設定の目的 二 地代又はその支払時期の定めがあるときは、その定め 三 存続期間又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条第一項前段若しくは第二十三条第一項若しくは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成二十五年法律第六十一号)第七条第一項の定めがあるときは、その定め 四 地上権設定の目的が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物の所有であるときは、その旨 五 民法第二百六十九条の二第一項前段に規定する地上権の設定にあっては、その目的である地下又は空間の上下の範囲及び同項後段の定めがあるときはその定め (永小作権の登記の登記事項) 第七十九条 永小作権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 小作料 二 存続期間又は小作料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 民法第二百七十二条ただし書の定めがあるときは、その定め 四 前二号に規定するもののほか、永小作人の権利又は義務に関する定めがあるときは、その定め (地役権の登記の登記事項等) 第八十条 承役地(民法第二百八十五条第一項に規定する承役地をいう。以下この条において同じ。)についてする地役権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 要役地(民法第二百八十一条第一項に規定する要役地をいう。以下この条において同じ。) 二 地役権設定の目的及び範囲 三 民法第二百八十一条第一項ただし書若しくは第二百八十五条第一項ただし書の別段の定め又は同法第二百八十六条の定めがあるときは、その定め 2 前項の登記においては、第五十九条第四号の規定にかかわらず、地役権者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。 4 登記官は、承役地に地役権の設定の登記をしたときは、要役地について、職権で、法務省令で定める事項を登記しなければならない。 (賃借権の登記等の登記事項) 第八十一条 賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 賃料 二 存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるときは、その定め 四 敷金があるときは、その旨 五 賃貸人が財産の処分につき行為能力の制限を受けた者又は財産の処分の権限を有しない者であるときは、その旨 六 土地の賃借権設定の目的が建物の所有であるときは、その旨 七 前号に規定する場合において建物が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物であるときは、その旨 八 借地借家法第二十二条第一項前段、第二十三条第一項、第三十八条第一項前段若しくは第三十九条第一項、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十二条第一項又は大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第七条第一項の定めがあるときは、その定め (配偶者居住権の登記の登記事項) 第八十一条の二 配偶者居住権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 第三者に居住建物(民法第千二十八条第一項に規定する居住建物をいう。)の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときは、その定め (採石権の登記の登記事項) 第八十二条 採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 採石権の内容又は採石料若しくはその支払時期の定めがあるときは、その定め 第四款 担保権等に関する登記 (担保権の登記の登記事項) 第八十三条 先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 債権額(一定の金額を目的としない債権については、その価額) 二 債務者の氏名又は名称及び住所 三 所有権以外の権利を目的とするときは、その目的となる権利 四 二以上の不動産に関する権利を目的とするときは、当該二以上の不動産及び当該権利 五 外国通貨で第一号の債権額を指定した債権を担保する質権若しくは転質又は抵当権の登記にあっては、本邦通貨で表示した担保限度額 2 登記官は、前項第四号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、共同担保目録を作成することができる。 (債権の一部譲渡による担保権の移転の登記等の登記事項) 第八十四条 債権の一部について譲渡又は代位弁済がされた場合における先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の移転の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、当該譲渡又は代位弁済の目的である債権の額とする。 (不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十五条 不動産工事の先取特権の保存の登記においては、第八十三条第一項第一号の債権額として工事費用の予算額を登記事項とする。 (建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十六条 建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記については、当該建物の所有者となるべき者を登記義務者とみなす。 この場合においては、第二十二条本文の規定は、適用しない。 2 前項の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第三号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 新築する建物並びに当該建物の種類、構造及び床面積は設計書による旨 二 登記義務者の氏名又は名称及び住所 3 前項第一号の規定は、所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記について準用する。 (建物の建築が完了した場合の登記) 第八十七条 前条第一項の登記をした場合において、建物の建築が完了したときは、当該建物の所有者は、遅滞なく、所有権の保存の登記を申請しなければならない。 2 前条第三項の登記をした場合において、附属建物の建築が完了したときは、当該附属建物が属する建物の所有権の登記名義人は、遅滞なく、当該附属建物の新築による建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。 (抵当権の登記の登記事項) 第八十八条 抵当権(根抵当権(民法第三百九十八条の二第一項の規定による抵当権をいう。以下同じ。)を除く。)の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 利息に関する定めがあるときは、その定め 二 民法第三百七十五条第二項に規定する損害の賠償額の定めがあるときは、その定め 三 債権に付した条件があるときは、その条件 四 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 五 抵当証券発行の定めがあるときは、その定め 六 前号の定めがある場合において元本又は利息の弁済期又は支払場所の定めがあるときは、その定め 2 根抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第一号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 担保すべき債権の範囲及び極度額 二 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 三 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、その定め 四 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがあるときは、その定め (抵当権の順位の変更の登記等) 第八十九条 抵当権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同してしなければならない。 2 前項の規定は、民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがある場合の当該定めの登記の申請について準用する。 (抵当権の処分の登記) 第九十条 第八十三条及び第八十八条の規定は、民法第三百七十六条第一項の規定により抵当権を他の債権のための担保とし、又は抵当権を譲渡し、若しくは放棄する場合の登記について準用する。 (共同抵当の代位の登記) 第九十一条 民法第三百九十三条の規定による代位の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価及び当該弁済を受けた額とする。 2 第八十三条及び第八十八条の規定は、前項の登記について準用する。 (根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限) 第九十二条 民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。 (根抵当権の元本の確定の登記) 第九十三条 民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第三号若しくは第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登記は、第六十条の規定にかかわらず、当該根抵当権の登記名義人が単独で申請することができる。 ただし、同項第三号又は第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合における申請は、当該根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せてしなければならない。 (抵当証券に関する登記) 第九十四条 登記官は、抵当証券を交付したときは、職権で、抵当証券交付の登記をしなければならない。 2 抵当証券法第一条第二項の申請があった場合において、同法第五条第二項の嘱託を受けた登記所の登記官が抵当証券を作成したときは、当該登記官は、職権で、抵当証券作成の登記をしなければならない。 3 前項の場合において、同項の申請を受けた登記所の登記官は、抵当証券を交付したときは抵当証券交付の登記を、同項の申請を却下したときは抵当証券作成の登記の抹消を同項の登記所に嘱託しなければならない。 4 第二項の規定による抵当証券作成の登記をした不動産について、前項の規定による嘱託により抵当証券交付の登記をしたときは、当該抵当証券交付の登記は、当該抵当証券作成の登記をした時にさかのぼってその効力を生ずる。 (質権の登記等の登記事項) 第九十五条 質権又は転質の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間の定めがあるときは、その定め 二 利息に関する定めがあるときは、その定め 三 違約金又は賠償額の定めがあるときは、その定め 四 債権に付した条件があるときは、その条件 五 民法第三百四十六条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 六 民法第三百五十九条の規定によりその設定行為について別段の定め(同法第三百五十六条又は第三百五十七条に規定するものに限る。)があるときは、その定め 七 民法第三百六十一条において準用する同法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 2 第八十八条第二項及び第八十九条から第九十三条までの規定は、質権について準用する。 この場合において、第九十条及び第九十一条第二項中「第八十八条」とあるのは、「第九十五条第一項又は同条第二項において準用する第八十八条第二項」と読み替えるものとする。 (買戻しの特約の登記の登記事項) 第九十六条 買戻しの特約の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額)及び契約の費用並びに買戻しの期間の定めがあるときはその定めとする。 第五款 信託に関する登記 (信託の登記の登記事項) 第九十七条 信託の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所 二 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め 三 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 四 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 五 信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨 六 信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨 七 公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条に規定する公益信託であるときは、その旨 八 信託の目的 九 信託財産の管理方法 十 信託の終了の事由 十一 その他の信託の条項 2 前項第二号から第六号までに掲げる事項のいずれかを登記したときは、同項第一号の受益者(同項第四号に掲げる事項を登記した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 登記官は、第一項各号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託目録を作成することができる。 (信託の登記の申請方法等) 第九十八条 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記は、受託者が単独で申請することができる。 3 信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請することができる。 (代位による信託の登記の申請) 第九十九条 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。 (受託者の変更による登記等) 第百条 受託者の任務が死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。第百二条第二項において同じ。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する不動産についてする受託者の変更による権利の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者が単独で申請することができる。 2 受託者が二人以上ある場合において、そのうち少なくとも一人の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する不動産についてする当該受託者の任務の終了による権利の変更の登記は、第六十条の規定にかかわらず、他の受託者が単独で申請することができる。 (職権による信託の変更の登記) 第百一条 登記官は、信託財産に属する不動産について次に掲げる登記をするときは、職権で、信託の変更の登記をしなければならない。 一 信託法第七十五条第一項又は第二項の規定による権利の移転の登記 二 信託法第八十六条第四項本文の規定による権利の変更の登記 三 受託者である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記 (嘱託による信託の変更の登記) 第百二条 裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があったとき、信託管理人若しくは受益者代理人の選任若しくは解任の裁判があったとき、又は信託の変更を命ずる裁判があったときは、職権で、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 主務官庁は、受託者を解任したとき、信託管理人若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 (信託の変更の登記の申請) 第百三条 前二条に規定するもののほか、第九十七条第一項各号に掲げる登記事項について変更があったときは、受託者は、遅滞なく、信託の変更の登記を申請しなければならない。 2 第九十九条の規定は、前項の信託の変更の登記の申請について準用する。 (信託の登記の抹消) 第百四条 信託財産に属する不動産に関する権利が移転、変更又は消滅により信託財産に属しないこととなった場合における信託の登記の抹消の申請は、当該権利の移転の登記若しくは変更の登記又は当該権利の登記の抹消の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記の抹消は、受託者が単独で申請することができる。 (権利の変更の登記等の特則) 第百四条の二 信託の併合又は分割により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該権利に係る当該一の信託についての信託の登記の抹消及び当該他の信託についての信託の登記の申請は、信託の併合又は分割による権利の変更の登記の申請と同時にしなければならない。 信託の併合又は分割以外の事由により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。 2 信託財産に属する不動産についてする次の表の上欄に掲げる場合における権利の変更の登記(第九十八条第三項の登記を除く。)については、同表の中欄に掲げる者を登記権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登記義務者とする。 この場合において、受益者(信託管理人がある場合にあっては、信託管理人。以下この項において同じ。)については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 一 不動産に関する権利が固有財産に属する財産から信託財産に属する財産となった場合 受益者 受託者 二 不動産に関する権利が信託財産に属する財産から固有財産に属する財産となった場合 受託者 受益者 三 不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合 当該他の信託の受益者及び受託者 当該一の信託の受益者及び受託者 第六款 仮登記 (仮登記) 第百五条 仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。 一 第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。 二 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。 (仮登記に基づく本登記の順位) 第百六条 仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。 (仮登記の申請方法) 第百七条 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。 2 仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 (仮登記を命ずる処分) 第百八条 裁判所は、仮登記の登記権利者の申立てにより、仮登記を命ずる処分をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、仮登記の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 第一項の申立てに係る事件は、不動産の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 非訟事件手続法第二条及び第二編(同法第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第五十九条、第六十六条第一項及び第二項並びに第七十二条を除く。)の規定は、前項の即時抗告について準用する。 (仮登記に基づく本登記) 第百九条 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。 (仮登記の抹消) 第百十条 仮登記の抹消は、第六十条の規定にかかわらず、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。 仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。 第七款 仮処分に関する登記 (仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十一条 所有権について民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記(同条第二項に規定する保全仮登記(以下「保全仮登記」という。)とともにしたものを除く。以下この条において同じ。)がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権の登記(仮登記を除く。)を申請する場合においては、当該債権者は、当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができる。 2 前項の規定は、所有権以外の権利について民事保全法第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする当該権利の移転又は消滅に関し登記(仮登記を除く。)を申請する場合について準用する。 3 登記官は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申請に基づいて当該処分禁止の登記に後れる登記を抹消するときは、職権で、当該処分禁止の登記も抹消しなければならない。 (保全仮登記に基づく本登記の順位) 第百十二条 保全仮登記に基づいて本登記をした場合は、当該本登記の順位は、当該保全仮登記の順位による。 (保全仮登記に係る仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十三条 不動産の使用又は収益をする権利について保全仮登記がされた後、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者が本登記を申請する場合においては、当該債権者は、所有権以外の不動産の使用若しくは収益をする権利又は当該権利を目的とする権利に関する登記であって当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れるものの抹消を単独で申請することができる。 (処分禁止の登記の抹消) 第百十四条 登記官は、保全仮登記に基づく本登記をするときは、職権で、当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記を抹消しなければならない。 第八款 官庁又は公署が関与する登記等 (公売処分による登記) 第百十五条 官庁又は公署は、公売処分をした場合において、登記権利者の請求があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を登記所に嘱託しなければならない。 一 公売処分による権利の移転の登記 二 公売処分により消滅した権利の登記の抹消 三 滞納処分に関する差押えの登記の抹消 (官庁又は公署の嘱託による登記) 第百十六条 国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 (官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報) 第百十七条 登記官は、官庁又は公署が登記権利者(登記をすることによって登記名義人となる者に限る。以下この条において同じ。)のためにした登記の嘱託に基づいて登記を完了したときは、速やかに、当該登記権利者のために登記識別情報を当該官庁又は公署に通知しなければならない。 2 前項の規定により登記識別情報の通知を受けた官庁又は公署は、遅滞なく、これを同項の登記権利者に通知しなければならない。 (収用による登記) 第百十八条 不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。 2 国又は地方公共団体が起業者であるときは、官庁又は公署は、遅滞なく、前項の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 前二項の規定は、不動産に関する所有権以外の権利の収用による権利の消滅の登記について準用する。 4 土地の収用による権利の移転の登記を申請する場合には、当該収用により消滅した権利又は失効した差押え、仮差押え若しくは仮処分に関する登記を指定しなければならない。 この場合において、権利の移転の登記をするときは、登記官は、職権で、当該指定に係る登記を抹消しなければならない。 5 登記官は、建物の収用による所有権の移転の登記をするときは、職権で、当該建物を目的とする所有権等の登記以外の権利に関する登記を抹消しなければならない。 第三項の登記をする場合において同項の権利を目的とする権利に関する登記についても、同様とする。 6 登記官は、第一項の登記をするときは、職権で、裁決手続開始の登記を抹消しなければならない。 第五章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付等) 第百十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。 3 前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。 4 第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。 ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。 5 第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。 6 登記官は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、登記記録に記録されている者(自然人であるものに限る。)の住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがあるものとして法務省令で定める場合において、その者からの申出があったときは、法務省令で定めるところにより、第一項及び第二項に規定する各書面に当該住所に代わるものとして法務省令で定める事項を記載しなければならない。 (所有不動産記録証明書の交付等) 第百十九条の二 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、自らが所有権の登記名義人(これに準ずる者として法務省令で定めるものを含む。)として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは、その旨)を証明した書面(以下この条において「所有不動産記録証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、被承継人に係る所有不動産記録証明書の交付を請求することができる。 3 前二項の交付の請求は、法務大臣の指定する登記所の登記官に対し、法務省令で定めるところにより、することができる。 4 前条第三項及び第四項の規定は、所有不動産記録証明書の手数料について準用する。 (地図の写しの交付等) 第百二十条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図、建物所在図又は地図に準ずる図面(以下この条において「地図等」という。)の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図等(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 3 第百十九条第三項から第五項までの規定は、地図等について準用する。 (登記簿の附属書類の写しの交付等) 第百二十一条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)のうち政令で定める図面の全部又は一部の写し(これらの図面が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類のうち前項の図面(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の閲覧を請求することができる。 3 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(第一項の図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 4 前項の規定にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 5 第百十九条第三項から第五項までの規定は、登記簿の附属書類について準用する。 (法務省令への委任) 第百二十二条 この法律に定めるもののほか、登記簿、地図、建物所在図及び地図に準ずる図面並びに登記簿の附属書類(第百五十四条及び第百五十五条において「登記簿等」という。)の公開に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第六章 筆界特定 第一節 総則 (定義) 第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。 二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。 三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。 四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。 五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。 (筆界特定の事務) 第百二十四条 筆界特定の事務は、対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局がつかさどる。 2 第六条第二項及び第三項の規定は、筆界特定の事務について準用する。 この場合において、同条第二項中「不動産」とあるのは「対象土地」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、「法務局若しくは地方法務局」とあるのは「法務局」と、同条第三項中「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と読み替えるものとする。 (筆界特定登記官) 第百二十五条 筆界特定は、筆界特定登記官(登記官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が行う。 (筆界特定登記官の除斥) 第百二十六条 筆界特定登記官が次の各号のいずれかに該当する者であるときは、当該筆界特定登記官は、対象土地について筆界特定を行うことができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 (筆界調査委員) 第百二十七条 法務局及び地方法務局に、筆界特定について必要な事実の調査を行い、筆界特定登記官に意見を提出させるため、筆界調査委員若干人を置く。 2 筆界調査委員は、前項の職務を行うのに必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから、法務局又は地方法務局の長が任命する。 3 筆界調査委員の任期は、二年とする。 4 筆界調査委員は、再任されることができる。 5 筆界調査委員は、非常勤とする。 (筆界調査委員の欠格事由) 第百二十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、筆界調査委員となることができない。 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 二 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)又は土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)の規定による懲戒処分により、弁護士会からの除名又は司法書士若しくは土地家屋調査士の業務の禁止の処分を受けた者でこれらの処分を受けた日から三年を経過しないもの 三 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者 2 筆界調査委員が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、当然失職する。 (筆界調査委員の解任) 第百二十九条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その筆界調査委員を解任することができる。 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。 二 職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行があると認められるとき。 (標準処理期間) 第百三十条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定の申請がされてから筆界特定登記官が筆界特定をするまでに通常要すべき標準的な期間を定め、法務局又は地方法務局における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。 第二節 筆界特定の手続 第一款 筆界特定の申請 (筆界特定の申請) 第百三十一条 土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。 2 地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し、当該対象土地の筆界(第十四条第一項の地図に表示されないものに限る。)について、筆界特定の申請をすることができる。 3 筆界特定の申請は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申請の趣旨 二 筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所 三 対象土地に係る第三十四条第一項第一号及び第二号に掲げる事項(表題登記がない土地にあっては、同項第一号に掲げる事項) 四 対象土地について筆界特定を必要とする理由 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 4 筆界特定の申請人は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。 5 第十八条の規定は、筆界特定の申請について準用する。 この場合において、同条中「不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)」とあるのは「第百三十一条第三項各号に掲げる事項に係る情報(第二号、第百三十二条第一項第四号及び第百五十条において「筆界特定申請情報」という。)」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、同条第二号中「申請情報」とあるのは「筆界特定申請情報」と読み替えるものとする。 (申請の却下) 第百三十二条 筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。 二 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 三 申請が前条第三項の規定に違反するとき。 四 筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。 五 申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。 六 対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。 七 対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。 ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。 八 手数料を納付しないとき。 九 第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。 2 前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。 (筆界特定の申請の通知) 第百三十三条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、その旨を次に掲げる者(以下「関係人」という。)に通知しなければならない。 ただし、前条第一項の規定により当該申請を却下すべき場合は、この限りでない。 一 対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの 二 関係土地の所有権登記名義人等 2 前項本文の場合において、関係人の所在が判明しないときは、同項本文の規定による通知を、関係人の氏名又は名称、通知をすべき事項及び当該事項を記載した書面をいつでも関係人に交付する旨を対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の掲示場に掲示することによって行うことができる。 この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知が関係人に到達したものとみなす。 第二款 筆界の調査等 (筆界調査委員の指定等) 第百三十四条 法務局又は地方法務局の長は、前条第一項本文の規定による公告及び通知がされたときは、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を行うべき筆界調査委員を指定しなければならない。 2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の筆界調査委員に指定することができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 3 第一項の規定による指定を受けた筆界調査委員が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、筆界特定登記官の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 4 法務局又は地方法務局の長は、その職員に、筆界調査委員による事実の調査を補助させることができる。 (筆界調査委員による事実の調査) 第百三十五条 筆界調査委員は、前条第一項の規定による指定を受けたときは、対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査をすること、筆界特定の申請人若しくは関係人又はその他の者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることその他対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査をすることができる。 2 筆界調査委員は、前項の事実の調査に当たっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定を目的とするものでないことに留意しなければならない。 (測量及び実地調査) 第百三十六条 筆界調査委員は、対象土地の測量又は実地調査を行うときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を筆界特定の申請人及び関係人に通知して、これに立ち会う機会を与えなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (立入調査) 第百三十七条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査を行う場合において、必要があると認めるときは、その必要の限度において、筆界調査委員又は第百三十四条第四項の職員(以下この条において「筆界調査委員等」という。)に、他人の土地に立ち入らせることができる。 2 法務局又は地方法務局の長は、前項の規定により筆界調査委員等を他人の土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を当該土地の占有者に通知しなければならない。 3 第一項の規定により宅地又は垣、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合には、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。 4 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。 5 土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。 6 第一項の規定による立入りをする場合には、筆界調査委員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 7 国は、第一項の規定による立入りによって損失を受けた者があるときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。 (関係行政機関等に対する協力依頼) 第百三十八条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係のある公私の団体に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。 (意見又は資料の提出) 第百三十九条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定の申請人及び関係人は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について、意見又は資料を提出することができる。 この場合において、筆界特定登記官が意見又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。 2 前項の規定による意見又は資料の提出は、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により行うことができる。 (意見聴取等の期日) 第百四十条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、第百三十三条第一項本文の規定による公告をした時から筆界特定をするまでの間に、筆界特定の申請人及び関係人に対し、あらかじめ期日及び場所を通知して、対象土地の筆界について、意見を述べ、又は資料(電磁的記録を含む。)を提出する機会を与えなければならない。 2 筆界特定登記官は、前項の期日において、適当と認める者に、参考人としてその知っている事実を陳述させることができる。 3 筆界調査委員は、第一項の期日に立ち会うものとする。 この場合において、筆界調査委員は、筆界特定登記官の許可を得て、筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人に対し質問を発することができる。 4 筆界特定登記官は、第一項の期日の経過を記載した調書を作成し、当該調書において当該期日における筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。 5 前項の調書は、電磁的記録をもって作成することができる。 6 第百三十三条第二項の規定は、第一項の規定による通知について準用する。 (調書等の閲覧) 第百四十一条 筆界特定の申請人及び関係人は、第百三十三条第一項本文の規定による公告があった時から第百四十四条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされるまでの間、筆界特定登記官に対し、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 この場合において、筆界特定登記官は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。 2 筆界特定登記官は、前項の閲覧について、日時及び場所を指定することができる。 第三節 筆界特定 (筆界調査委員の意見の提出) 第百四十二条 筆界調査委員は、第百四十条第一項の期日の後、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を終了したときは、遅滞なく、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界特定についての意見を提出しなければならない。 (筆界特定) 第百四十三条 筆界特定登記官は、前条の規定により筆界調査委員の意見が提出されたときは、その意見を踏まえ、登記記録、地図又は地図に準ずる図面及び登記簿の附属書類の内容、対象土地及び関係土地の地形、地目、面積及び形状並びに工作物、囲障又は境界標の有無その他の状況及びこれらの設置の経緯その他の事情を総合的に考慮して、対象土地の筆界特定をし、その結論及び理由の要旨を記載した筆界特定書を作成しなければならない。 2 筆界特定書においては、図面及び図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものにより、筆界特定の内容を表示しなければならない。 3 筆界特定書は、電磁的記録をもって作成することができる。 (筆界特定の通知等) 第百四十四条 筆界特定登記官は、筆界特定をしたときは、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、法務省令で定める方法)により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、法務省令で定めるところにより、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (筆界特定手続記録の保管) 第百四十五条 前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。)は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管する。 第四節 雑則 (手続費用の負担等) 第百四十六条 筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。)は、筆界特定の申請人の負担とする。 2 筆界特定の申請人が二人ある場合において、その一人が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、等しい割合で手続費用を負担する。 3 筆界特定の申請人が二人以上ある場合において、その全員が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、その持分(所有権の登記がある一筆の土地にあっては第五十九条第四号の持分、所有権の登記がない一筆の土地にあっては第二十七条第三号の持分。次項において同じ。)の割合に応じて手続費用を負担する。 4 筆界特定の申請人が三人以上ある場合において、その一人又は二人以上が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人又は二人以上が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、対象土地のいずれかの土地の一人の所有権登記名義人等である筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額を負担し、対象土地のいずれかの土地の二人以上の所有権登記名義人等である各筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額についてその持分の割合に応じてこれを負担する。 5 筆界特定登記官は、筆界特定の申請人に手続費用の概算額を予納させなければならない。 (筆界確定訴訟における釈明処分の特則) 第百四十七条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起されたときは、裁判所は、当該訴えに係る訴訟において、訴訟関係を明瞭にするため、登記官に対し、当該筆界特定に係る筆界特定手続記録の送付を嘱託することができる。 民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起された後、当該訴えに係る筆界について筆界特定がされたときも、同様とする。 (筆界確定訴訟の判決との関係) 第百四十八条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは、当該筆界特定は、当該判決と抵触する範囲において、その効力を失う。 (筆界特定書等の写しの交付等) 第百四十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部(以下この条及び第百五十四条において「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。 3 第百十九条第三項及び第四項の規定は、前二項の手数料について準用する。 (法務省令への委任) 第百五十条 この章に定めるもののほか、筆界特定申請情報の提供の方法、筆界特定手続記録の公開その他の筆界特定の手続に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第七章 雑則 (情報の提供の求め) 第百五十一条 登記官は、職権による登記をし、又は第十四条第一項の地図を作成するために必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、その対象となる不動産の所有者等(所有権が帰属し、又は帰属していた自然人又は法人(法人でない社団又は財団を含む。)をいう。)に関する情報の提供を求めることができる。 (登記識別情報の安全確保) 第百五十二条 登記官は、その取り扱う登記識別情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の登記識別情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 2 登記官その他の不動産登記の事務に従事する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所に勤務する法務事務官又はその職にあった者は、その事務に関して知り得た登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らしてはならない。 (行政手続法の適用除外) 第百五十三条 登記官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。 (行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外) 第百五十四条 登記簿等及び筆界特定書等については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。 (個人情報の保護に関する法律の適用除外) 第百五十五条 登記簿等に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。 (審査請求) 第百五十六条 登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。 2 審査請求は、登記官を経由してしなければならない。 (審査請求事件の処理) 第百五十七条 登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合を除き、審査請求の日から三日以内に、意見を付して事件を前条第一項の法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。 この場合において、当該法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。 3 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、登記官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか登記上の利害関係人に通知しなければならない。 4 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、前項の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができる。 5 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。 6 前条第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五十七条第二項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「不動産登記法第百五十七条第二項の意見」とする。 (行政不服審査法の適用除外) 第百五十八条 行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、第百五十六条第一項の審査請求については、適用しない。 第八章 罰則 (秘密を漏らした罪) 第百五十九条 第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。 (虚偽の登記名義人確認情報を提供した罪) 第百六十条 第二十三条第四項第一号(第十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による情報の提供をする場合において、虚偽の情報を提供したときは、当該違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 (不正に登記識別情報を取得等した罪) 第百六十一条 登記簿に不実の記録をさせることとなる登記の申請又は嘱託の用に供する目的で、登記識別情報を取得した者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。 2 不正に取得された登記識別情報を、前項の目的で保管した者も、同項と同様とする。 (検査の妨害等の罪) 第百六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第二十九条第二項(第十六条第二項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。 二 第二十九条第二項の規定による文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示をせず、若しくは虚偽の文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものを提示し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。 三 第百三十七条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げたとき。 (両罰規定) 第百六十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百六十条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料) 第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
416AC0000000123_20260401_503AC0000000024.xml
平成十六年法律第百二十三号
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不動産登記法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることにより、国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 不動産 土地又は建物をいう。 二 不動産の表示 不動産についての第二十七条第一号、第三号若しくは第四号、第三十四条第一項各号、第四十三条第一項、第四十四条第一項各号又は第五十八条第一項各号に規定する登記事項をいう。 三 表示に関する登記 不動産の表示に関する登記をいう。 四 権利に関する登記 不動産についての次条各号に掲げる権利に関する登記をいう。 五 登記記録 表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 六 登記事項 この法律の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。 七 表題部 登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。 八 権利部 登記記録のうち、権利に関する登記が記録される部分をいう。 九 登記簿 登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)をもって調製するものをいう。 十 表題部所有者 所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者をいう。 十一 登記名義人 登記記録の権利部に、次条各号に掲げる権利について権利者として記録されている者をいう。 十二 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 十三 登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。 十四 登記識別情報 第二十二条本文の規定により登記名義人が登記を申請する場合において、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。 十五 変更の登記 登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記をいう。 十六 更正の登記 登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記をいう。 十七 地番 第三十五条の規定により一筆の土地ごとに付す番号をいう。 十八 地目 土地の用途による分類であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 十九 地積 一筆の土地の面積であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 二十 表題登記 表示に関する登記のうち、当該不動産について表題部に最初にされる登記をいう。 二十一 家屋番号 第四十五条の規定により一個の建物ごとに付す番号をいう。 二十二 区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第四条第二項の規定により共用部分とされたものを含む。)をいう。 二十三 附属建物 表題登記がある建物に附属する建物であって、当該表題登記がある建物と一体のものとして一個の建物として登記されるものをいう。 二十四 抵当証券 抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第一条第一項に規定する抵当証券をいう。 (登記することができる権利等) 第三条 登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。 一 所有権 二 地上権 三 永小作権 四 地役権 五 先取特権 六 質権 七 抵当権 八 賃借権 九 配偶者居住権 十 採石権(採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条、第七十条第二項及び第八十二条において同じ。) (権利の順位) 第四条 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。 2 付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。 (登記がないことを主張することができない第三者) 第五条 詐欺又は強迫によって登記の申請を妨げた第三者は、その登記がないことを主張することができない。 2 他人のために登記を申請する義務を負う第三者は、その登記がないことを主張することができない。 ただし、その登記の登記原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ。)が自己の登記の登記原因の後に生じたときは、この限りでない。 第二章 登記所及び登記官 (登記所) 第六条 登記の事務は、不動産の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。 2 不動産が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務省令で定めるところにより、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、当該不動産に関する登記の事務をつかさどる登記所を指定する。 3 前項に規定する場合において、同項の指定がされるまでの間、登記の申請は、当該二以上の登記所のうち、一の登記所にすることができる。 (事務の委任) 第七条 法務大臣は、一の登記所の管轄に属する事務を他の登記所に委任することができる。 (事務の停止) 第八条 法務大臣は、登記所においてその事務を停止しなければならない事由が生じたときは、期間を定めて、その停止を命ずることができる。 (登記官) 第九条 登記所における事務は、登記官(登記所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。 (登記官の除斥) 第十条 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。以下この条において同じ。)が登記の申請人であるときは、当該登記官は、当該登記をすることができない。 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族が申請人を代表して申請するときも、同様とする。 第三章 登記記録等 (登記) 第十一条 登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行う。 (登記記録の作成) 第十二条 登記記録は、表題部及び権利部に区分して作成する。 (登記記録の滅失と回復) 第十三条 法務大臣は、登記記録の全部又は一部が滅失したときは、登記官に対し、一定の期間を定めて、当該登記記録の回復に必要な処分を命ずることができる。 (地図等) 第十四条 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。 2 前項の地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。 3 第一項の建物所在図は、一個又は二個以上の建物ごとに作成し、各建物の位置及び家屋番号を表示するものとする。 4 第一項の規定にかかわらず、登記所には、同項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。 5 前項の地図に準ずる図面は、一筆又は二筆以上の土地ごとに土地の位置、形状及び地番を表示するものとする。 6 第一項の地図及び建物所在図並びに第四項の地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる。 (法務省令への委任) 第十五条 この章に定めるもののほか、登記簿及び登記記録並びに地図、建物所在図及び地図に準ずる図面の記録方法その他の登記の事務に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第四章 登記手続 第一節 総則 (当事者の申請又は嘱託による登記) 第十六条 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 第二条第十四号、第五条、第六条第三項、第十条及びこの章(この条、第二十七条、第二十八条、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第四十一条、第四十三条から第四十六条まで、第五十一条第五項及び第六項、第五十三条第二項、第五十六条、第五十八条第一項及び第四項、第五十九条第一号、第三号から第六号まで及び第八号、第六十六条、第六十七条、第七十一条、第七十三条第一項第二号から第四号まで、第二項及び第三項、第七十六条から第七十六条の四まで、第七十六条の六、第七十八条から第八十六条まで、第八十八条、第九十条から第九十二条まで、第九十四条、第九十五条第一項、第九十六条、第九十七条、第九十八条第二項、第百一条、第百二条、第百六条、第百八条、第百十二条、第百十四条から第百十七条まで並びに第百十八条第二項、第五項及び第六項を除く。)の規定は、官庁又は公署の嘱託による登記の手続について準用する。 (代理権の不消滅) 第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。 一 本人の死亡 二 本人である法人の合併による消滅 三 本人である受託者の信託に関する任務の終了 四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更 (申請の方法) 第十八条 登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法 二 申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法 (受付) 第十九条 登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。 2 同一の不動産に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。 3 登記官は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。 この場合において、同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。 (登記の順序) 第二十条 登記官は、同一の不動産に関し権利に関する登記の申請が二以上あったときは、これらの登記を受付番号の順序に従ってしなければならない。 (登記識別情報の通知) 第二十一条 登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。 ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。 (登記識別情報の提供) 第二十二条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。 ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。 (事前通知等) 第二十三条 登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。 この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。 2 登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。 3 前二項の規定は、登記官が第二十五条(第十号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。 4 第一項の規定は、同項に規定する場合において、次の各号のいずれかに掲げるときは、適用しない。 一 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。 二 当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。 (登記官による本人確認) 第二十四条 登記官は、登記の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する申請人又はその代表者若しくは代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。 (申請の却下) 第二十五条 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。 三 申請に係る登記が既に登記されているとき。 四 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 五 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。 六 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。 七 申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十六条の五、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。 八 申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。 九 第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。 十 第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。 十一 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。 十二 登録免許税を納付しないとき。 十三 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。 (政令への委任) 第二十六条 この章に定めるもののほか、申請情報の提供の方法並びに申請情報と併せて提供することが必要な情報及びその提供の方法その他の登記申請の手続に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 表示に関する登記 第一款 通則 (表示に関する登記の登記事項) 第二十七条 土地及び建物の表示に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記原因及びその日付 二 登記の年月日 三 所有権の登記がない不動産(共用部分(区分所有法第四条第二項に規定する共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記又は団地共用部分(区分所有法第六十七条第一項に規定する団地共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記がある建物を除く。)については、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分 四 前三号に掲げるもののほか、不動産を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの (職権による表示に関する登記) 第二十八条 表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。 (登記官による調査) 第二十九条 登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。 2 登記官は、前項の調査をする場合において、必要があると認めるときは、日出から日没までの間に限り、当該不動産を検査し、又は当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示を求め、若しくは質問をすることができる。 この場合において、登記官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 (一般承継人による申請) 第三十条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。 (表題部所有者の氏名等の変更の登記又は更正の登記) 第三十一条 表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は、申請することができない。 (表題部所有者の変更等に関する登記手続) 第三十二条 表題部所有者又はその持分についての変更は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない。 (表題部所有者の更正の登記等) 第三十三条 不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができない。 2 前項の場合において、当該不動産の所有者は、当該表題部所有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 3 不動産の表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記は、当該共有者以外の者は、申請することができない。 4 前項の更正の登記をする共有者は、当該更正の登記によってその持分を更正することとなる他の共有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 第二款 土地の表示に関する登記 (土地の表示に関する登記の登記事項) 第三十四条 土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字 二 地番 三 地目 四 地積 2 前項第三号の地目及び同項第四号の地積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (地番) 第三十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。 (土地の表題登記の申請) 第三十六条 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 (地目又は地積の変更の登記の申請) 第三十七条 地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 (土地の表題部の更正の登記の申請) 第三十八条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 (分筆又は合筆の登記) 第三十九条 分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 2 登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。 3 登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。 (分筆に伴う権利の消滅の登記) 第四十条 登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (合筆の登記の制限) 第四十一条 次に掲げる合筆の登記は、することができない。 一 相互に接続していない土地の合筆の登記 二 地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記 四 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地の合筆の登記 五 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記 六 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地(権利に関する登記であって、合筆後の土地の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある土地を除く。)の合筆の登記 (土地の滅失の登記の申請) 第四十二条 土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から一月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない。 (河川区域内の土地の登記) 第四十三条 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第六条第一項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)の河川区域内の土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号及び第三十四条第一項各号に掲げるもののほか、第一号に掲げる土地である旨及び第二号から第五号までに掲げる土地にあってはそれぞれその旨とする。 一 河川法第六条第一項の河川区域内の土地 二 河川法第六条第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の高規格堤防特別区域内の土地 三 河川法第六条第三項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の樹林帯区域内の土地 四 河川法第二十六条第四項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の特定樹林帯区域内の土地 五 河川法第五十八条の二第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の河川立体区域内の土地 2 土地の全部又は一部が前項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地となったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 土地の全部又は一部が第一項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地でなくなったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記の抹消を登記所に嘱託しなければならない。 4 土地の一部について前二項の規定により登記の嘱託をするときは、河川管理者は、当該土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該土地の分筆の登記を登記所に嘱託することができる。 5 第一項各号の河川区域内の土地の全部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の滅失の登記を登記所に嘱託しなければならない。 6 第一項各号の河川区域内の土地の一部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の地積に関する変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 第三款 建物の表示に関する登記 (建物の表示に関する登記の登記事項) 第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番) 二 家屋番号 三 建物の種類、構造及び床面積 四 建物の名称があるときは、その名称 五 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積 六 建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨 七 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積 八 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称 九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権 2 前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (家屋番号) 第四十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、一個の建物ごとに家屋番号を付さなければならない。 (敷地権である旨の登記) 第四十六条 登記官は、表示に関する登記のうち、区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をするときは、当該敷地権の目的である土地の登記記録について、職権で、当該登記記録中の所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。 (建物の表題登記の申請) 第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。 (区分建物についての建物の表題登記の申請方法) 第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。 4 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。 (合体による登記等の申請) 第四十九条 二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請しなければならない。 この場合において、第二号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者、第四号に掲げる場合にあっては当該表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。以下この条において同じ。)の表題部所有者、第六号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者及び当該表題登記がある建物の表題部所有者をそれぞれ当該合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならない。 一 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び表題登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該表題登記がある建物の表題部所有者 二 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 三 合体前の二以上の建物がいずれも表題登記がある建物であるとき。 当該建物の表題部所有者 四 合体前の二以上の建物が表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 五 合体前の二以上の建物がいずれも所有権の登記がある建物であるとき。 当該建物の所有権の登記名義人 六 合体前の三以上の建物が表題登記がない建物、表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 2 第四十七条並びに前条第一項及び第二項の規定は、二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において合体前の建物がいずれも表題登記がない建物であるときの当該建物についての表題登記の申請について準用する。 この場合において、第四十七条第一項中「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の建物となった場合における当該合体後の建物についての合体時の所有者又は当該合体後の建物が区分建物以外の表題登記がない建物である場合において当該合体時の所有者から所有権を取得した者」と、同条第二項中「区分建物である建物を新築した場合」とあり、及び前条第一項中「区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の区分建物となった場合」と、同項中「当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物」とあるのは「当該合体後の区分建物が属する一棟の建物」と読み替えるものとする。 3 第一項第一号、第二号又は第六号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後当該合体前の表題登記がない建物の所有者から当該合体後の建物について合体前の表題登記がない建物の所有権に相当する持分を取得した者は、その持分の取得の日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 4 第一項各号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同項第六号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後に合体前の表題登記がある建物の表題部所有者又は合体前の所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 (合体に伴う権利の消滅の登記) 第五十条 登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (建物の表題部の変更の登記) 第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。 6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。 (区分建物となったことによる建物の表題部の変更の登記) 第五十二条 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となったことにより当該表題登記がある建物が区分建物になった場合における当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請は、当該新築に係る区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、当該新築に係る区分建物の所有者に代わって、当該新築に係る区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 いずれも表題登記がある二以上の建物(区分建物を除く。)が増築その他の工事により相互に接続して区分建物になった場合における当該表題登記がある二以上の建物についての表題部の変更の登記の申請は、一括してしなければならない。 4 前項の場合において、当該表題登記がある二以上の建物のうち、表題登記がある一の建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、表題登記がある他の建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある他の建物について表題部の変更の登記を申請することができる。 (建物の表題部の更正の登記) 第五十三条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)以外の者は、申請することができない。 2 第五十一条第五項及び第六項の規定は、建物が区分建物である場合における同条第五項に規定する登記事項に関する表題部の更正の登記について準用する。 (建物の分割、区分又は合併の登記) 第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。) 三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。 3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 (特定登記) 第五十五条 登記官は、敷地権付き区分建物(区分建物に関する敷地権の登記がある建物をいう。第七十三条第一項及び第三項、第七十四条第二項並びに第七十六条第一項において同じ。)のうち特定登記(所有権等の登記以外の権利に関する登記であって、第七十三条第一項の規定により敷地権についてされた登記としての効力を有するものをいう。以下この条において同じ。)があるものについて、第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記をする場合において、当該変更の登記の申請情報と併せて特定登記に係る権利の登記名義人(当該特定登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該変更の登記後の当該建物又は当該敷地権の目的であった土地について当該特定登記に係る権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該特定登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る建物又は土地について当該特定登記に係る権利が消滅した旨を登記しなければならない。 2 前項の規定は、特定登記がある建物について敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該更正の登記」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、特定登記がある建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「当該建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該合体による登記等又は当該建物の合併の登記」と読み替えるものとする。 4 第一項の規定は、特定登記がある建物の滅失の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「建物の滅失の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該建物の滅失の登記」と、「当該建物又は当該敷地権の目的であった土地」とあるのは「当該敷地権の目的であった土地」と、「当該承諾に係る建物又は土地」とあるのは「当該土地」と読み替えるものとする。 (建物の合併の登記の制限) 第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。 一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記 二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記 四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記 五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記 (建物の滅失の登記の申請) 第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。 (共用部分である旨の登記等) 第五十八条 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。)及び第四十四条第一項各号(第六号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 共用部分である旨の登記にあっては、当該共用部分である建物が当該建物の属する一棟の建物以外の一棟の建物に属する建物の区分所有者の共用に供されるものであるときは、その旨 二 団地共用部分である旨の登記にあっては、当該団地共用部分を共用すべき者の所有する建物(当該建物が区分建物であるときは、当該建物が属する一棟の建物) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 3 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)の承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することができない。 4 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。 5 第一項各号に掲げる登記事項についての変更の登記又は更正の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の所有者以外の者は、申請することができない。 6 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には、当該建物の所有者は、当該規約の廃止の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 7 前項の規約を廃止した後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 第三節 権利に関する登記 第一款 通則 (権利に関する登記の登記事項) 第五十九条 権利に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申請の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 登記に係る権利の権利者の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分 五 登記の目的である権利の消滅に関する定めがあるときは、その定め 六 共有物分割禁止の定め(共有物若しくは所有権以外の財産権について民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条第一項ただし書(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)若しくは第九百八条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合若しくは同条第一項の規定により被相続人が遺言で共有物若しくは所有権以外の財産権について分割を禁止した場合における共有物若しくは所有権以外の財産権の分割を禁止する定め又は同条第四項の規定により家庭裁判所が遺産である共有物若しくは所有権以外の財産権についてした分割を禁止する審判をいう。第六十五条において同じ。)があるときは、その定め 七 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請した者(以下「代位者」という。)があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因 八 第二号に掲げるもののほか、権利の順位を明らかにするために必要な事項として法務省令で定めるもの (共同申請) 第六十条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 (登記原因証明情報の提供) 第六十一条 権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。 (一般承継人による申請) 第六十二条 登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該権利に関する登記を申請することができる。 (判決による登記等) 第六十三条 第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。 2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。 3 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる。 (登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等) 第六十四条 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。 2 抵当証券が発行されている場合における債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、債務者が単独で申請することができる。 (共有物分割禁止の定めの登記) 第六十五条 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。 (権利の変更の登記又は更正の登記) 第六十六条 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。 (登記の更正) 第六十七条 登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人。第三項及び第七十一条第一項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、登記権利者、登記義務者又は登記名義人がそれぞれ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 2 登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。 ただし、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この項において同じ。)がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 3 登記官が前項の登記の更正をしたときは、その旨を登記権利者及び登記義務者に通知しなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 4 第一項及び前項の通知は、代位者にもしなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 (登記の抹消) 第六十八条 権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の抹消につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (死亡又は解散による登記の抹消) 第六十九条 権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。 (買戻しの特約に関する登記の抹消) 第六十九条の二 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (除権決定による登記の抹消等) 第七十条 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が知れないためその者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十九条に規定する公示催告の申立てをすることができる。 2 前項の登記が地上権、永小作権、質権、賃借権若しくは採石権に関する登記又は買戻しの特約に関する登記であり、かつ、登記された存続期間又は買戻しの期間が満了している場合において、相当の調査が行われたと認められるものとして法務省令で定める方法により調査を行ってもなお共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が判明しないときは、その者の所在が知れないものとみなして、同項の規定を適用する。 3 前二項の場合において、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定があったときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独で第一項の登記の抹消を申請することができる。 4 第一項に規定する場合において、登記権利者が先取特権、質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。 同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。 (解散した法人の担保権に関する登記の抹消) 第七十条の二 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき法人が解散し、前条第二項に規定する方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しないためその法人と共同して先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することができない場合において、被担保債権の弁済期から三十年を経過し、かつ、その法人の解散の日から三十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (職権による登記の抹消) 第七十一条 登記官は、権利に関する登記を完了した後に当該登記が第二十五条第一号から第三号まで又は第十三号に該当することを発見したときは、登記権利者及び登記義務者並びに登記上の利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、当該登記の抹消について異議のある者がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。 2 登記官は、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、法務省令で定めるところにより、前項の通知に代えて、通知をすべき内容を公告しなければならない。 3 登記官は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 登記官は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登記を抹消しなければならない。 (抹消された登記の回復) 第七十二条 抹消された登記(権利に関する登記に限る。)の回復は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の回復につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (敷地権付き区分建物に関する登記等) 第七十三条 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記は、第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有する。 ただし、次に掲げる登記は、この限りでない。 一 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をする前に登記されたもの(担保権に係る権利に関する登記にあっては、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この号において同じ。)が当該敷地権となった土地の権利についてされた担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものを除く。) 二 敷地権付き区分建物についての所有権に係る仮登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 三 敷地権付き区分建物についての質権又は抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 四 敷地権付き区分建物についての所有権又は質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生じた後に生じたもの(区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない場合(以下この条において「分離処分禁止の場合」という。)を除く。) 2 第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には、敷地権の移転の登記又は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該土地が敷地権の目的となった後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は敷地権についての仮登記若しくは質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該土地が敷地権の目的となる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 3 敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は当該建物のみの所有権についての仮登記若しくは当該建物のみを目的とする質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 第二款 所有権に関する登記 (所有権の登記の登記事項) 第七十三条の二 所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 所有権の登記名義人が法人であるときは、会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。)その他の特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの 二 所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときは、その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるもの 2 前項各号に掲げる登記事項についての登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の保存の登記) 第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。 一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人 二 所有権を有することが確定判決によって確認された者 三 収用(土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者 2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。 この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。 (表題登記がない不動産についてする所有権の保存の登記) 第七十五条 登記官は、前条第一項第二号又は第三号に掲げる者の申請に基づいて表題登記がない不動産について所有権の保存の登記をするときは、当該不動産に関する不動産の表示のうち法務省令で定めるものを登記しなければならない。 (所有権の保存の登記の登記事項等) 第七十六条 所有権の保存の登記においては、第五十九条第三号の規定にかかわらず、登記原因及びその日付を登記することを要しない。 ただし、敷地権付き区分建物について第七十四条第二項の規定により所有権の保存の登記をする場合は、この限りでない。 2 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をするときは、職権で、所有権の保存の登記をしなければならない。 3 前条の規定は、表題登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をする場合について準用する。 (相続等による所有権の移転の登記の申請) 第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。 2 前項前段の規定による登記(民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされたものに限る。次条第四項において同じ。)がされた後に遺産の分割があったときは、当該遺産の分割によって当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 3 前二項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 (相続人である旨の申出等) 第七十六条の三 前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。 2 前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。 3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項を所有権の登記に付記することができる。 4 第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(前条第一項前段の規定による登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 5 前項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、同項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 6 第一項の規定による申出の手続及び第三項の規定による登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の登記名義人についての符号の表示) 第七十六条の四 登記官は、所有権の登記名義人(法務省令で定めるものに限る。)が権利能力を有しないこととなったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、当該所有権の登記名義人についてその旨を示す符号を表示することができる。 (所有権の登記名義人の氏名等の変更の登記の申請) 第七十六条の五 所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったときは、当該所有権の登記名義人は、その変更があった日から二年以内に、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記を申請しなければならない。 (職権による氏名等の変更の登記) 第七十六条の六 登記官は、所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記をすることができる。 ただし、当該所有権の登記名義人が自然人であるときは、その申出があるときに限る。 (所有権の登記の抹消) 第七十七条 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がない場合に限り、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 第三款 用益権に関する登記 (地上権の登記の登記事項) 第七十八条 地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 地上権設定の目的 二 地代又はその支払時期の定めがあるときは、その定め 三 存続期間又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条第一項前段若しくは第二十三条第一項若しくは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成二十五年法律第六十一号)第七条第一項の定めがあるときは、その定め 四 地上権設定の目的が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物の所有であるときは、その旨 五 民法第二百六十九条の二第一項前段に規定する地上権の設定にあっては、その目的である地下又は空間の上下の範囲及び同項後段の定めがあるときはその定め (永小作権の登記の登記事項) 第七十九条 永小作権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 小作料 二 存続期間又は小作料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 民法第二百七十二条ただし書の定めがあるときは、その定め 四 前二号に規定するもののほか、永小作人の権利又は義務に関する定めがあるときは、その定め (地役権の登記の登記事項等) 第八十条 承役地(民法第二百八十五条第一項に規定する承役地をいう。以下この条において同じ。)についてする地役権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 要役地(民法第二百八十一条第一項に規定する要役地をいう。以下この条において同じ。) 二 地役権設定の目的及び範囲 三 民法第二百八十一条第一項ただし書若しくは第二百八十五条第一項ただし書の別段の定め又は同法第二百八十六条の定めがあるときは、その定め 2 前項の登記においては、第五十九条第四号の規定にかかわらず、地役権者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。 4 登記官は、承役地に地役権の設定の登記をしたときは、要役地について、職権で、法務省令で定める事項を登記しなければならない。 (賃借権の登記等の登記事項) 第八十一条 賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 賃料 二 存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるときは、その定め 四 敷金があるときは、その旨 五 賃貸人が財産の処分につき行為能力の制限を受けた者又は財産の処分の権限を有しない者であるときは、その旨 六 土地の賃借権設定の目的が建物の所有であるときは、その旨 七 前号に規定する場合において建物が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物であるときは、その旨 八 借地借家法第二十二条第一項前段、第二十三条第一項、第三十八条第一項前段若しくは第三十九条第一項、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十二条第一項又は大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第七条第一項の定めがあるときは、その定め (配偶者居住権の登記の登記事項) 第八十一条の二 配偶者居住権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 第三者に居住建物(民法第千二十八条第一項に規定する居住建物をいう。)の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときは、その定め (採石権の登記の登記事項) 第八十二条 採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 採石権の内容又は採石料若しくはその支払時期の定めがあるときは、その定め 第四款 担保権等に関する登記 (担保権の登記の登記事項) 第八十三条 先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 債権額(一定の金額を目的としない債権については、その価額) 二 債務者の氏名又は名称及び住所 三 所有権以外の権利を目的とするときは、その目的となる権利 四 二以上の不動産に関する権利を目的とするときは、当該二以上の不動産及び当該権利 五 外国通貨で第一号の債権額を指定した債権を担保する質権若しくは転質又は抵当権の登記にあっては、本邦通貨で表示した担保限度額 2 登記官は、前項第四号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、共同担保目録を作成することができる。 (債権の一部譲渡による担保権の移転の登記等の登記事項) 第八十四条 債権の一部について譲渡又は代位弁済がされた場合における先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の移転の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、当該譲渡又は代位弁済の目的である債権の額とする。 (不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十五条 不動産工事の先取特権の保存の登記においては、第八十三条第一項第一号の債権額として工事費用の予算額を登記事項とする。 (建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十六条 建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記については、当該建物の所有者となるべき者を登記義務者とみなす。 この場合においては、第二十二条本文の規定は、適用しない。 2 前項の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第三号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 新築する建物並びに当該建物の種類、構造及び床面積は設計書による旨 二 登記義務者の氏名又は名称及び住所 3 前項第一号の規定は、所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記について準用する。 (建物の建築が完了した場合の登記) 第八十七条 前条第一項の登記をした場合において、建物の建築が完了したときは、当該建物の所有者は、遅滞なく、所有権の保存の登記を申請しなければならない。 2 前条第三項の登記をした場合において、附属建物の建築が完了したときは、当該附属建物が属する建物の所有権の登記名義人は、遅滞なく、当該附属建物の新築による建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。 (抵当権の登記の登記事項) 第八十八条 抵当権(根抵当権(民法第三百九十八条の二第一項の規定による抵当権をいう。以下同じ。)を除く。)の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 利息に関する定めがあるときは、その定め 二 民法第三百七十五条第二項に規定する損害の賠償額の定めがあるときは、その定め 三 債権に付した条件があるときは、その条件 四 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 五 抵当証券発行の定めがあるときは、その定め 六 前号の定めがある場合において元本又は利息の弁済期又は支払場所の定めがあるときは、その定め 2 根抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第一号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 担保すべき債権の範囲及び極度額 二 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 三 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、その定め 四 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがあるときは、その定め (抵当権の順位の変更の登記等) 第八十九条 抵当権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同してしなければならない。 2 前項の規定は、民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがある場合の当該定めの登記の申請について準用する。 (抵当権の処分の登記) 第九十条 第八十三条及び第八十八条の規定は、民法第三百七十六条第一項の規定により抵当権を他の債権のための担保とし、又は抵当権を譲渡し、若しくは放棄する場合の登記について準用する。 (共同抵当の代位の登記) 第九十一条 民法第三百九十三条の規定による代位の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価及び当該弁済を受けた額とする。 2 第八十三条及び第八十八条の規定は、前項の登記について準用する。 (根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限) 第九十二条 民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。 (根抵当権の元本の確定の登記) 第九十三条 民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第三号若しくは第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登記は、第六十条の規定にかかわらず、当該根抵当権の登記名義人が単独で申請することができる。 ただし、同項第三号又は第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合における申請は、当該根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せてしなければならない。 (抵当証券に関する登記) 第九十四条 登記官は、抵当証券を交付したときは、職権で、抵当証券交付の登記をしなければならない。 2 抵当証券法第一条第二項の申請があった場合において、同法第五条第二項の嘱託を受けた登記所の登記官が抵当証券を作成したときは、当該登記官は、職権で、抵当証券作成の登記をしなければならない。 3 前項の場合において、同項の申請を受けた登記所の登記官は、抵当証券を交付したときは抵当証券交付の登記を、同項の申請を却下したときは抵当証券作成の登記の抹消を同項の登記所に嘱託しなければならない。 4 第二項の規定による抵当証券作成の登記をした不動産について、前項の規定による嘱託により抵当証券交付の登記をしたときは、当該抵当証券交付の登記は、当該抵当証券作成の登記をした時にさかのぼってその効力を生ずる。 (質権の登記等の登記事項) 第九十五条 質権又は転質の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間の定めがあるときは、その定め 二 利息に関する定めがあるときは、その定め 三 違約金又は賠償額の定めがあるときは、その定め 四 債権に付した条件があるときは、その条件 五 民法第三百四十六条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 六 民法第三百五十九条の規定によりその設定行為について別段の定め(同法第三百五十六条又は第三百五十七条に規定するものに限る。)があるときは、その定め 七 民法第三百六十一条において準用する同法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 2 第八十八条第二項及び第八十九条から第九十三条までの規定は、質権について準用する。 この場合において、第九十条及び第九十一条第二項中「第八十八条」とあるのは、「第九十五条第一項又は同条第二項において準用する第八十八条第二項」と読み替えるものとする。 (買戻しの特約の登記の登記事項) 第九十六条 買戻しの特約の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額)及び契約の費用並びに買戻しの期間の定めがあるときはその定めとする。 第五款 信託に関する登記 (信託の登記の登記事項) 第九十七条 信託の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所 二 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め 三 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 四 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 五 信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨 六 信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨 七 公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条に規定する公益信託であるときは、その旨 八 信託の目的 九 信託財産の管理方法 十 信託の終了の事由 十一 その他の信託の条項 2 前項第二号から第六号までに掲げる事項のいずれかを登記したときは、同項第一号の受益者(同項第四号に掲げる事項を登記した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 登記官は、第一項各号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託目録を作成することができる。 (信託の登記の申請方法等) 第九十八条 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記は、受託者が単独で申請することができる。 3 信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請することができる。 (代位による信託の登記の申請) 第九十九条 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。 (受託者の変更による登記等) 第百条 受託者の任務が死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。第百二条第二項において同じ。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する不動産についてする受託者の変更による権利の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者が単独で申請することができる。 2 受託者が二人以上ある場合において、そのうち少なくとも一人の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する不動産についてする当該受託者の任務の終了による権利の変更の登記は、第六十条の規定にかかわらず、他の受託者が単独で申請することができる。 (職権による信託の変更の登記) 第百一条 登記官は、信託財産に属する不動産について次に掲げる登記をするときは、職権で、信託の変更の登記をしなければならない。 一 信託法第七十五条第一項又は第二項の規定による権利の移転の登記 二 信託法第八十六条第四項本文の規定による権利の変更の登記 三 受託者である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記 (嘱託による信託の変更の登記) 第百二条 裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があったとき、信託管理人若しくは受益者代理人の選任若しくは解任の裁判があったとき、又は信託の変更を命ずる裁判があったときは、職権で、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 主務官庁は、受託者を解任したとき、信託管理人若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 (信託の変更の登記の申請) 第百三条 前二条に規定するもののほか、第九十七条第一項各号に掲げる登記事項について変更があったときは、受託者は、遅滞なく、信託の変更の登記を申請しなければならない。 2 第九十九条の規定は、前項の信託の変更の登記の申請について準用する。 (信託の登記の抹消) 第百四条 信託財産に属する不動産に関する権利が移転、変更又は消滅により信託財産に属しないこととなった場合における信託の登記の抹消の申請は、当該権利の移転の登記若しくは変更の登記又は当該権利の登記の抹消の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記の抹消は、受託者が単独で申請することができる。 (権利の変更の登記等の特則) 第百四条の二 信託の併合又は分割により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該権利に係る当該一の信託についての信託の登記の抹消及び当該他の信託についての信託の登記の申請は、信託の併合又は分割による権利の変更の登記の申請と同時にしなければならない。 信託の併合又は分割以外の事由により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。 2 信託財産に属する不動産についてする次の表の上欄に掲げる場合における権利の変更の登記(第九十八条第三項の登記を除く。)については、同表の中欄に掲げる者を登記権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登記義務者とする。 この場合において、受益者(信託管理人がある場合にあっては、信託管理人。以下この項において同じ。)については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 一 不動産に関する権利が固有財産に属する財産から信託財産に属する財産となった場合 受益者 受託者 二 不動産に関する権利が信託財産に属する財産から固有財産に属する財産となった場合 受託者 受益者 三 不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合 当該他の信託の受益者及び受託者 当該一の信託の受益者及び受託者 第六款 仮登記 (仮登記) 第百五条 仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。 一 第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。 二 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。 (仮登記に基づく本登記の順位) 第百六条 仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。 (仮登記の申請方法) 第百七条 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。 2 仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 (仮登記を命ずる処分) 第百八条 裁判所は、仮登記の登記権利者の申立てにより、仮登記を命ずる処分をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、仮登記の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 第一項の申立てに係る事件は、不動産の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 非訟事件手続法第二条及び第二編(同法第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第五十九条、第六十六条第一項及び第二項並びに第七十二条を除く。)の規定は、前項の即時抗告について準用する。 (仮登記に基づく本登記) 第百九条 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。 (仮登記の抹消) 第百十条 仮登記の抹消は、第六十条の規定にかかわらず、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。 仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。 第七款 仮処分に関する登記 (仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十一条 所有権について民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記(同条第二項に規定する保全仮登記(以下「保全仮登記」という。)とともにしたものを除く。以下この条において同じ。)がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権の登記(仮登記を除く。)を申請する場合においては、当該債権者は、当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができる。 2 前項の規定は、所有権以外の権利について民事保全法第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする当該権利の移転又は消滅に関し登記(仮登記を除く。)を申請する場合について準用する。 3 登記官は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申請に基づいて当該処分禁止の登記に後れる登記を抹消するときは、職権で、当該処分禁止の登記も抹消しなければならない。 (保全仮登記に基づく本登記の順位) 第百十二条 保全仮登記に基づいて本登記をした場合は、当該本登記の順位は、当該保全仮登記の順位による。 (保全仮登記に係る仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十三条 不動産の使用又は収益をする権利について保全仮登記がされた後、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者が本登記を申請する場合においては、当該債権者は、所有権以外の不動産の使用若しくは収益をする権利又は当該権利を目的とする権利に関する登記であって当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れるものの抹消を単独で申請することができる。 (処分禁止の登記の抹消) 第百十四条 登記官は、保全仮登記に基づく本登記をするときは、職権で、当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記を抹消しなければならない。 第八款 官庁又は公署が関与する登記等 (公売処分による登記) 第百十五条 官庁又は公署は、公売処分をした場合において、登記権利者の請求があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を登記所に嘱託しなければならない。 一 公売処分による権利の移転の登記 二 公売処分により消滅した権利の登記の抹消 三 滞納処分に関する差押えの登記の抹消 (官庁又は公署の嘱託による登記) 第百十六条 国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 (官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報) 第百十七条 登記官は、官庁又は公署が登記権利者(登記をすることによって登記名義人となる者に限る。以下この条において同じ。)のためにした登記の嘱託に基づいて登記を完了したときは、速やかに、当該登記権利者のために登記識別情報を当該官庁又は公署に通知しなければならない。 2 前項の規定により登記識別情報の通知を受けた官庁又は公署は、遅滞なく、これを同項の登記権利者に通知しなければならない。 (収用による登記) 第百十八条 不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。 2 国又は地方公共団体が起業者であるときは、官庁又は公署は、遅滞なく、前項の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 前二項の規定は、不動産に関する所有権以外の権利の収用による権利の消滅の登記について準用する。 4 土地の収用による権利の移転の登記を申請する場合には、当該収用により消滅した権利又は失効した差押え、仮差押え若しくは仮処分に関する登記を指定しなければならない。 この場合において、権利の移転の登記をするときは、登記官は、職権で、当該指定に係る登記を抹消しなければならない。 5 登記官は、建物の収用による所有権の移転の登記をするときは、職権で、当該建物を目的とする所有権等の登記以外の権利に関する登記を抹消しなければならない。 第三項の登記をする場合において同項の権利を目的とする権利に関する登記についても、同様とする。 6 登記官は、第一項の登記をするときは、職権で、裁決手続開始の登記を抹消しなければならない。 第五章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付等) 第百十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。 3 前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。 4 第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。 ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。 5 第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。 6 登記官は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、登記記録に記録されている者(自然人であるものに限る。)の住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがあるものとして法務省令で定める場合において、その者からの申出があったときは、法務省令で定めるところにより、第一項及び第二項に規定する各書面に当該住所に代わるものとして法務省令で定める事項を記載しなければならない。 (所有不動産記録証明書の交付等) 第百十九条の二 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、自らが所有権の登記名義人(これに準ずる者として法務省令で定めるものを含む。)として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは、その旨)を証明した書面(以下この条において「所有不動産記録証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、被承継人に係る所有不動産記録証明書の交付を請求することができる。 3 前二項の交付の請求は、法務大臣の指定する登記所の登記官に対し、法務省令で定めるところにより、することができる。 4 前条第三項及び第四項の規定は、所有不動産記録証明書の手数料について準用する。 (地図の写しの交付等) 第百二十条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図、建物所在図又は地図に準ずる図面(以下この条において「地図等」という。)の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図等(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 3 第百十九条第三項から第五項までの規定は、地図等について準用する。 (登記簿の附属書類の写しの交付等) 第百二十一条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)のうち政令で定める図面の全部又は一部の写し(これらの図面が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類のうち前項の図面(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の閲覧を請求することができる。 3 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(第一項の図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 4 前項の規定にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 5 第百十九条第三項から第五項までの規定は、登記簿の附属書類について準用する。 (法務省令への委任) 第百二十二条 この法律に定めるもののほか、登記簿、地図、建物所在図及び地図に準ずる図面並びに登記簿の附属書類(第百五十四条及び第百五十五条において「登記簿等」という。)の公開に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第六章 筆界特定 第一節 総則 (定義) 第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。 二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。 三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。 四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。 五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。 (筆界特定の事務) 第百二十四条 筆界特定の事務は、対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局がつかさどる。 2 第六条第二項及び第三項の規定は、筆界特定の事務について準用する。 この場合において、同条第二項中「不動産」とあるのは「対象土地」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、「法務局若しくは地方法務局」とあるのは「法務局」と、同条第三項中「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と読み替えるものとする。 (筆界特定登記官) 第百二十五条 筆界特定は、筆界特定登記官(登記官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が行う。 (筆界特定登記官の除斥) 第百二十六条 筆界特定登記官が次の各号のいずれかに該当する者であるときは、当該筆界特定登記官は、対象土地について筆界特定を行うことができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 (筆界調査委員) 第百二十七条 法務局及び地方法務局に、筆界特定について必要な事実の調査を行い、筆界特定登記官に意見を提出させるため、筆界調査委員若干人を置く。 2 筆界調査委員は、前項の職務を行うのに必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから、法務局又は地方法務局の長が任命する。 3 筆界調査委員の任期は、二年とする。 4 筆界調査委員は、再任されることができる。 5 筆界調査委員は、非常勤とする。 (筆界調査委員の欠格事由) 第百二十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、筆界調査委員となることができない。 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 二 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)又は土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)の規定による懲戒処分により、弁護士会からの除名又は司法書士若しくは土地家屋調査士の業務の禁止の処分を受けた者でこれらの処分を受けた日から三年を経過しないもの 三 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者 2 筆界調査委員が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、当然失職する。 (筆界調査委員の解任) 第百二十九条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その筆界調査委員を解任することができる。 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。 二 職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行があると認められるとき。 (標準処理期間) 第百三十条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定の申請がされてから筆界特定登記官が筆界特定をするまでに通常要すべき標準的な期間を定め、法務局又は地方法務局における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。 第二節 筆界特定の手続 第一款 筆界特定の申請 (筆界特定の申請) 第百三十一条 土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。 2 地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し、当該対象土地の筆界(第十四条第一項の地図に表示されないものに限る。)について、筆界特定の申請をすることができる。 3 筆界特定の申請は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申請の趣旨 二 筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所 三 対象土地に係る第三十四条第一項第一号及び第二号に掲げる事項(表題登記がない土地にあっては、同項第一号に掲げる事項) 四 対象土地について筆界特定を必要とする理由 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 4 筆界特定の申請人は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。 5 第十八条の規定は、筆界特定の申請について準用する。 この場合において、同条中「不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)」とあるのは「第百三十一条第三項各号に掲げる事項に係る情報(第二号、第百三十二条第一項第四号及び第百五十条において「筆界特定申請情報」という。)」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、同条第二号中「申請情報」とあるのは「筆界特定申請情報」と読み替えるものとする。 (申請の却下) 第百三十二条 筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。 二 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 三 申請が前条第三項の規定に違反するとき。 四 筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。 五 申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。 六 対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。 七 対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。 ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。 八 手数料を納付しないとき。 九 第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。 2 前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。 (筆界特定の申請の通知) 第百三十三条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、その旨を次に掲げる者(以下「関係人」という。)に通知しなければならない。 ただし、前条第一項の規定により当該申請を却下すべき場合は、この限りでない。 一 対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの 二 関係土地の所有権登記名義人等 2 前項本文の場合において、関係人の所在が判明しないときは、同項本文の規定による通知を、関係人の氏名又は名称、通知をすべき事項及び当該事項を記載した書面をいつでも関係人に交付する旨を対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の掲示場に掲示することによって行うことができる。 この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知が関係人に到達したものとみなす。 第二款 筆界の調査等 (筆界調査委員の指定等) 第百三十四条 法務局又は地方法務局の長は、前条第一項本文の規定による公告及び通知がされたときは、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を行うべき筆界調査委員を指定しなければならない。 2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の筆界調査委員に指定することができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 3 第一項の規定による指定を受けた筆界調査委員が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、筆界特定登記官の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 4 法務局又は地方法務局の長は、その職員に、筆界調査委員による事実の調査を補助させることができる。 (筆界調査委員による事実の調査) 第百三十五条 筆界調査委員は、前条第一項の規定による指定を受けたときは、対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査をすること、筆界特定の申請人若しくは関係人又はその他の者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることその他対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査をすることができる。 2 筆界調査委員は、前項の事実の調査に当たっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定を目的とするものでないことに留意しなければならない。 (測量及び実地調査) 第百三十六条 筆界調査委員は、対象土地の測量又は実地調査を行うときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を筆界特定の申請人及び関係人に通知して、これに立ち会う機会を与えなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (立入調査) 第百三十七条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査を行う場合において、必要があると認めるときは、その必要の限度において、筆界調査委員又は第百三十四条第四項の職員(以下この条において「筆界調査委員等」という。)に、他人の土地に立ち入らせることができる。 2 法務局又は地方法務局の長は、前項の規定により筆界調査委員等を他人の土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を当該土地の占有者に通知しなければならない。 3 第一項の規定により宅地又は垣、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合には、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。 4 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。 5 土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。 6 第一項の規定による立入りをする場合には、筆界調査委員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 7 国は、第一項の規定による立入りによって損失を受けた者があるときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。 (関係行政機関等に対する協力依頼) 第百三十八条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係のある公私の団体に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。 (意見又は資料の提出) 第百三十九条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定の申請人及び関係人は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について、意見又は資料を提出することができる。 この場合において、筆界特定登記官が意見又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。 2 前項の規定による意見又は資料の提出は、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により行うことができる。 (意見聴取等の期日) 第百四十条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、第百三十三条第一項本文の規定による公告をした時から筆界特定をするまでの間に、筆界特定の申請人及び関係人に対し、あらかじめ期日及び場所を通知して、対象土地の筆界について、意見を述べ、又は資料(電磁的記録を含む。)を提出する機会を与えなければならない。 2 筆界特定登記官は、前項の期日において、適当と認める者に、参考人としてその知っている事実を陳述させることができる。 3 筆界調査委員は、第一項の期日に立ち会うものとする。 この場合において、筆界調査委員は、筆界特定登記官の許可を得て、筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人に対し質問を発することができる。 4 筆界特定登記官は、第一項の期日の経過を記載した調書を作成し、当該調書において当該期日における筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。 5 前項の調書は、電磁的記録をもって作成することができる。 6 第百三十三条第二項の規定は、第一項の規定による通知について準用する。 (調書等の閲覧) 第百四十一条 筆界特定の申請人及び関係人は、第百三十三条第一項本文の規定による公告があった時から第百四十四条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされるまでの間、筆界特定登記官に対し、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 この場合において、筆界特定登記官は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。 2 筆界特定登記官は、前項の閲覧について、日時及び場所を指定することができる。 第三節 筆界特定 (筆界調査委員の意見の提出) 第百四十二条 筆界調査委員は、第百四十条第一項の期日の後、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を終了したときは、遅滞なく、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界特定についての意見を提出しなければならない。 (筆界特定) 第百四十三条 筆界特定登記官は、前条の規定により筆界調査委員の意見が提出されたときは、その意見を踏まえ、登記記録、地図又は地図に準ずる図面及び登記簿の附属書類の内容、対象土地及び関係土地の地形、地目、面積及び形状並びに工作物、囲障又は境界標の有無その他の状況及びこれらの設置の経緯その他の事情を総合的に考慮して、対象土地の筆界特定をし、その結論及び理由の要旨を記載した筆界特定書を作成しなければならない。 2 筆界特定書においては、図面及び図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものにより、筆界特定の内容を表示しなければならない。 3 筆界特定書は、電磁的記録をもって作成することができる。 (筆界特定の通知等) 第百四十四条 筆界特定登記官は、筆界特定をしたときは、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、法務省令で定める方法)により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、法務省令で定めるところにより、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (筆界特定手続記録の保管) 第百四十五条 前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。)は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管する。 第四節 雑則 (手続費用の負担等) 第百四十六条 筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。)は、筆界特定の申請人の負担とする。 2 筆界特定の申請人が二人ある場合において、その一人が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、等しい割合で手続費用を負担する。 3 筆界特定の申請人が二人以上ある場合において、その全員が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、その持分(所有権の登記がある一筆の土地にあっては第五十九条第四号の持分、所有権の登記がない一筆の土地にあっては第二十七条第三号の持分。次項において同じ。)の割合に応じて手続費用を負担する。 4 筆界特定の申請人が三人以上ある場合において、その一人又は二人以上が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人又は二人以上が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、対象土地のいずれかの土地の一人の所有権登記名義人等である筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額を負担し、対象土地のいずれかの土地の二人以上の所有権登記名義人等である各筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額についてその持分の割合に応じてこれを負担する。 5 筆界特定登記官は、筆界特定の申請人に手続費用の概算額を予納させなければならない。 (筆界確定訴訟における釈明処分の特則) 第百四十七条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起されたときは、裁判所は、当該訴えに係る訴訟において、訴訟関係を明瞭にするため、登記官に対し、当該筆界特定に係る筆界特定手続記録の送付を嘱託することができる。 民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起された後、当該訴えに係る筆界について筆界特定がされたときも、同様とする。 (筆界確定訴訟の判決との関係) 第百四十八条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは、当該筆界特定は、当該判決と抵触する範囲において、その効力を失う。 (筆界特定書等の写しの交付等) 第百四十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部(以下この条及び第百五十四条において「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。 3 第百十九条第三項及び第四項の規定は、前二項の手数料について準用する。 (法務省令への委任) 第百五十条 この章に定めるもののほか、筆界特定申請情報の提供の方法、筆界特定手続記録の公開その他の筆界特定の手続に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第七章 雑則 (情報の提供の求め) 第百五十一条 登記官は、職権による登記をし、又は第十四条第一項の地図を作成するために必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、その対象となる不動産の所有者等(所有権が帰属し、又は帰属していた自然人又は法人(法人でない社団又は財団を含む。)をいう。)に関する情報の提供を求めることができる。 (登記識別情報の安全確保) 第百五十二条 登記官は、その取り扱う登記識別情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の登記識別情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 2 登記官その他の不動産登記の事務に従事する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所に勤務する法務事務官又はその職にあった者は、その事務に関して知り得た登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らしてはならない。 (行政手続法の適用除外) 第百五十三条 登記官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。 (行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外) 第百五十四条 登記簿等及び筆界特定書等については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。 (個人情報の保護に関する法律の適用除外) 第百五十五条 登記簿等に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。 (審査請求) 第百五十六条 登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。 2 審査請求は、登記官を経由してしなければならない。 (審査請求事件の処理) 第百五十七条 登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合を除き、審査請求の日から三日以内に、意見を付して事件を前条第一項の法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。 この場合において、当該法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。 3 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、登記官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか登記上の利害関係人に通知しなければならない。 4 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、前項の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができる。 5 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。 6 前条第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五十七条第二項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「不動産登記法第百五十七条第二項の意見」とする。 (行政不服審査法の適用除外) 第百五十八条 行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、第百五十六条第一項の審査請求については、適用しない。 第八章 罰則 (秘密を漏らした罪) 第百五十九条 第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。 (虚偽の登記名義人確認情報を提供した罪) 第百六十条 第二十三条第四項第一号(第十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による情報の提供をする場合において、虚偽の情報を提供したときは、当該違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 (不正に登記識別情報を取得等した罪) 第百六十一条 登記簿に不実の記録をさせることとなる登記の申請又は嘱託の用に供する目的で、登記識別情報を取得した者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。 2 不正に取得された登記識別情報を、前項の目的で保管した者も、同項と同様とする。 (検査の妨害等の罪) 第百六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第二十九条第二項(第十六条第二項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。 二 第二十九条第二項の規定による文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示をせず、若しくは虚偽の文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものを提示し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。 三 第百三十七条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げたとき。 (両罰規定) 第百六十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百六十条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料) 第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。 2 第七十六条の五の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、五万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
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平成十六年法律第百二十三号
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不動産登記法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることにより、国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 不動産 土地又は建物をいう。 二 不動産の表示 不動産についての第二十七条第一号、第三号若しくは第四号、第三十四条第一項各号、第四十三条第一項、第四十四条第一項各号又は第五十八条第一項各号に規定する登記事項をいう。 三 表示に関する登記 不動産の表示に関する登記をいう。 四 権利に関する登記 不動産についての次条各号に掲げる権利に関する登記をいう。 五 登記記録 表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 六 登記事項 この法律の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。 七 表題部 登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。 八 権利部 登記記録のうち、権利に関する登記が記録される部分をいう。 九 登記簿 登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)をもって調製するものをいう。 十 表題部所有者 所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者をいう。 十一 登記名義人 登記記録の権利部に、次条各号に掲げる権利について権利者として記録されている者をいう。 十二 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 十三 登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。 十四 登記識別情報 第二十二条本文の規定により登記名義人が登記を申請する場合において、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。 十五 変更の登記 登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記をいう。 十六 更正の登記 登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記をいう。 十七 地番 第三十五条の規定により一筆の土地ごとに付す番号をいう。 十八 地目 土地の用途による分類であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 十九 地積 一筆の土地の面積であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 二十 表題登記 表示に関する登記のうち、当該不動産について表題部に最初にされる登記をいう。 二十一 家屋番号 第四十五条の規定により一個の建物ごとに付す番号をいう。 二十二 区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第四条第二項の規定により共用部分とされたものを含む。)をいう。 二十三 附属建物 表題登記がある建物に附属する建物であって、当該表題登記がある建物と一体のものとして一個の建物として登記されるものをいう。 二十四 抵当証券 抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第一条第一項に規定する抵当証券をいう。 (登記することができる権利等) 第三条 登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。 一 所有権 二 地上権 三 永小作権 四 地役権 五 先取特権 六 質権 七 抵当権 八 賃借権 九 配偶者居住権 十 採石権(採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条、第七十条第二項及び第八十二条において同じ。) (権利の順位) 第四条 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。 2 付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。 (登記がないことを主張することができない第三者) 第五条 詐欺又は強迫によって登記の申請を妨げた第三者は、その登記がないことを主張することができない。 2 他人のために登記を申請する義務を負う第三者は、その登記がないことを主張することができない。 ただし、その登記の登記原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ。)が自己の登記の登記原因の後に生じたときは、この限りでない。 第二章 登記所及び登記官 (登記所) 第六条 登記の事務は、不動産の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。 2 不動産が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務省令で定めるところにより、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、当該不動産に関する登記の事務をつかさどる登記所を指定する。 3 前項に規定する場合において、同項の指定がされるまでの間、登記の申請は、当該二以上の登記所のうち、一の登記所にすることができる。 (事務の委任) 第七条 法務大臣は、一の登記所の管轄に属する事務を他の登記所に委任することができる。 (事務の停止) 第八条 法務大臣は、登記所においてその事務を停止しなければならない事由が生じたときは、期間を定めて、その停止を命ずることができる。 (登記官) 第九条 登記所における事務は、登記官(登記所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。 (登記官の除斥) 第十条 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。以下この条において同じ。)が登記の申請人であるときは、当該登記官は、当該登記をすることができない。 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族が申請人を代表して申請するときも、同様とする。 第三章 登記記録等 (登記) 第十一条 登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行う。 (登記記録の作成) 第十二条 登記記録は、表題部及び権利部に区分して作成する。 (登記記録の滅失と回復) 第十三条 法務大臣は、登記記録の全部又は一部が滅失したときは、登記官に対し、一定の期間を定めて、当該登記記録の回復に必要な処分を命ずることができる。 (地図等) 第十四条 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。 2 前項の地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。 3 第一項の建物所在図は、一個又は二個以上の建物ごとに作成し、各建物の位置及び家屋番号を表示するものとする。 4 第一項の規定にかかわらず、登記所には、同項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。 5 前項の地図に準ずる図面は、一筆又は二筆以上の土地ごとに土地の位置、形状及び地番を表示するものとする。 6 第一項の地図及び建物所在図並びに第四項の地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる。 (法務省令への委任) 第十五条 この章に定めるもののほか、登記簿及び登記記録並びに地図、建物所在図及び地図に準ずる図面の記録方法その他の登記の事務に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第四章 登記手続 第一節 総則 (当事者の申請又は嘱託による登記) 第十六条 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 第二条第十四号、第五条、第六条第三項、第十条及びこの章(この条、第二十七条、第二十八条、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第四十一条、第四十三条から第四十六条まで、第五十一条第五項及び第六項、第五十三条第二項、第五十六条、第五十八条第一項及び第四項、第五十九条第一号、第三号から第六号まで及び第八号、第六十六条、第六十七条、第七十一条、第七十三条第一項第二号から第四号まで、第二項及び第三項、第七十六条から第七十六条の四まで、第七十六条の六、第七十八条から第八十六条まで、第八十八条、第九十条から第九十二条まで、第九十四条、第九十五条第一項、第九十六条、第九十七条、第九十八条第二項、第百一条、第百二条、第百六条、第百八条、第百十二条、第百十四条から第百十七条まで並びに第百十八条第二項、第五項及び第六項を除く。)の規定は、官庁又は公署の嘱託による登記の手続について準用する。 (代理権の不消滅) 第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。 一 本人の死亡 二 本人である法人の合併による消滅 三 本人である受託者の信託に関する任務の終了 四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更 (申請の方法) 第十八条 登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法 二 申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法 (受付) 第十九条 登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。 2 同一の不動産に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。 3 登記官は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。 この場合において、同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。 (登記の順序) 第二十条 登記官は、同一の不動産に関し権利に関する登記の申請が二以上あったときは、これらの登記を受付番号の順序に従ってしなければならない。 (登記識別情報の通知) 第二十一条 登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。 ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。 (登記識別情報の提供) 第二十二条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。 ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。 (事前通知等) 第二十三条 登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。 この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。 2 登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。 3 前二項の規定は、登記官が第二十五条(第十号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。 4 第一項の規定は、同項に規定する場合において、次の各号のいずれかに掲げるときは、適用しない。 一 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。 二 当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。 (登記官による本人確認) 第二十四条 登記官は、登記の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する申請人又はその代表者若しくは代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。 (申請の却下) 第二十五条 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。 三 申請に係る登記が既に登記されているとき。 四 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 五 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。 六 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。 七 申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十六条の五、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。 八 申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。 九 第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。 十 第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。 十一 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。 十二 登録免許税を納付しないとき。 十三 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。 (政令への委任) 第二十六条 この章に定めるもののほか、申請情報の提供の方法並びに申請情報と併せて提供することが必要な情報及びその提供の方法その他の登記申請の手続に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 表示に関する登記 第一款 通則 (表示に関する登記の登記事項) 第二十七条 土地及び建物の表示に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記原因及びその日付 二 登記の年月日 三 所有権の登記がない不動産(共用部分(区分所有法第四条第二項に規定する共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記又は団地共用部分(区分所有法第六十七条第一項に規定する団地共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記がある建物を除く。)については、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分 四 前三号に掲げるもののほか、不動産を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの (職権による表示に関する登記) 第二十八条 表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。 (登記官による調査) 第二十九条 登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。 2 登記官は、前項の調査をする場合において、必要があると認めるときは、日出から日没までの間に限り、当該不動産を検査し、又は当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示を求め、若しくは質問をすることができる。 この場合において、登記官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 (一般承継人による申請) 第三十条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。 (表題部所有者の氏名等の変更の登記又は更正の登記) 第三十一条 表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は、申請することができない。 (表題部所有者の変更等に関する登記手続) 第三十二条 表題部所有者又はその持分についての変更は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない。 (表題部所有者の更正の登記等) 第三十三条 不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができない。 2 前項の場合において、当該不動産の所有者は、当該表題部所有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 3 不動産の表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記は、当該共有者以外の者は、申請することができない。 4 前項の更正の登記をする共有者は、当該更正の登記によってその持分を更正することとなる他の共有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 第二款 土地の表示に関する登記 (土地の表示に関する登記の登記事項) 第三十四条 土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字 二 地番 三 地目 四 地積 2 前項第三号の地目及び同項第四号の地積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (地番) 第三十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。 (土地の表題登記の申請) 第三十六条 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 (地目又は地積の変更の登記の申請) 第三十七条 地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 (土地の表題部の更正の登記の申請) 第三十八条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 (分筆又は合筆の登記) 第三十九条 分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 2 登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。 3 登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。 (分筆に伴う権利の消滅の登記) 第四十条 登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (合筆の登記の制限) 第四十一条 次に掲げる合筆の登記は、することができない。 一 相互に接続していない土地の合筆の登記 二 地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記 四 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地の合筆の登記 五 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記 六 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地(権利に関する登記であって、合筆後の土地の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある土地を除く。)の合筆の登記 (土地の滅失の登記の申請) 第四十二条 土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から一月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない。 (河川区域内の土地の登記) 第四十三条 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第六条第一項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)の河川区域内の土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号及び第三十四条第一項各号に掲げるもののほか、第一号に掲げる土地である旨及び第二号から第五号までに掲げる土地にあってはそれぞれその旨とする。 一 河川法第六条第一項の河川区域内の土地 二 河川法第六条第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の高規格堤防特別区域内の土地 三 河川法第六条第三項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の樹林帯区域内の土地 四 河川法第二十六条第四項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の特定樹林帯区域内の土地 五 河川法第五十八条の二第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の河川立体区域内の土地 2 土地の全部又は一部が前項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地となったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 土地の全部又は一部が第一項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地でなくなったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記の抹消を登記所に嘱託しなければならない。 4 土地の一部について前二項の規定により登記の嘱託をするときは、河川管理者は、当該土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該土地の分筆の登記を登記所に嘱託することができる。 5 第一項各号の河川区域内の土地の全部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の滅失の登記を登記所に嘱託しなければならない。 6 第一項各号の河川区域内の土地の一部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の地積に関する変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 第三款 建物の表示に関する登記 (建物の表示に関する登記の登記事項) 第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番) 二 家屋番号 三 建物の種類、構造及び床面積 四 建物の名称があるときは、その名称 五 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積 六 建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨 七 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積 八 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称 九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権 2 前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (家屋番号) 第四十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、一個の建物ごとに家屋番号を付さなければならない。 (敷地権である旨の登記) 第四十六条 登記官は、表示に関する登記のうち、区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をするときは、当該敷地権の目的である土地の登記記録について、職権で、当該登記記録中の所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。 (建物の表題登記の申請) 第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。 (区分建物についての建物の表題登記の申請方法) 第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。 4 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。 (合体による登記等の申請) 第四十九条 二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請しなければならない。 この場合において、第二号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者、第四号に掲げる場合にあっては当該表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。以下この条において同じ。)の表題部所有者、第六号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者及び当該表題登記がある建物の表題部所有者をそれぞれ当該合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならない。 一 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び表題登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該表題登記がある建物の表題部所有者 二 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 三 合体前の二以上の建物がいずれも表題登記がある建物であるとき。 当該建物の表題部所有者 四 合体前の二以上の建物が表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 五 合体前の二以上の建物がいずれも所有権の登記がある建物であるとき。 当該建物の所有権の登記名義人 六 合体前の三以上の建物が表題登記がない建物、表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 2 第四十七条並びに前条第一項及び第二項の規定は、二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において合体前の建物がいずれも表題登記がない建物であるときの当該建物についての表題登記の申請について準用する。 この場合において、第四十七条第一項中「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の建物となった場合における当該合体後の建物についての合体時の所有者又は当該合体後の建物が区分建物以外の表題登記がない建物である場合において当該合体時の所有者から所有権を取得した者」と、同条第二項中「区分建物である建物を新築した場合」とあり、及び前条第一項中「区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の区分建物となった場合」と、同項中「当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物」とあるのは「当該合体後の区分建物が属する一棟の建物」と読み替えるものとする。 3 第一項第一号、第二号又は第六号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後当該合体前の表題登記がない建物の所有者から当該合体後の建物について合体前の表題登記がない建物の所有権に相当する持分を取得した者は、その持分の取得の日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 4 第一項各号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同項第六号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後に合体前の表題登記がある建物の表題部所有者又は合体前の所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 (合体に伴う権利の消滅の登記) 第五十条 登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (建物の表題部の変更の登記) 第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。 6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。 (区分建物となったことによる建物の表題部の変更の登記) 第五十二条 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となったことにより当該表題登記がある建物が区分建物になった場合における当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請は、当該新築に係る区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、当該新築に係る区分建物の所有者に代わって、当該新築に係る区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 いずれも表題登記がある二以上の建物(区分建物を除く。)が増築その他の工事により相互に接続して区分建物になった場合における当該表題登記がある二以上の建物についての表題部の変更の登記の申請は、一括してしなければならない。 4 前項の場合において、当該表題登記がある二以上の建物のうち、表題登記がある一の建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、表題登記がある他の建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある他の建物について表題部の変更の登記を申請することができる。 (建物の表題部の更正の登記) 第五十三条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)以外の者は、申請することができない。 2 第五十一条第五項及び第六項の規定は、建物が区分建物である場合における同条第五項に規定する登記事項に関する表題部の更正の登記について準用する。 (建物の分割、区分又は合併の登記) 第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。) 三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。 3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 (特定登記) 第五十五条 登記官は、敷地権付き区分建物(区分建物に関する敷地権の登記がある建物をいう。第七十三条第一項及び第三項、第七十四条第二項並びに第七十六条第一項において同じ。)のうち特定登記(所有権等の登記以外の権利に関する登記であって、第七十三条第一項の規定により敷地権についてされた登記としての効力を有するものをいう。以下この条において同じ。)があるものについて、第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記をする場合において、当該変更の登記の申請情報と併せて特定登記に係る権利の登記名義人(当該特定登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該変更の登記後の当該建物又は当該敷地権の目的であった土地について当該特定登記に係る権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該特定登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る建物又は土地について当該特定登記に係る権利が消滅した旨を登記しなければならない。 2 前項の規定は、特定登記がある建物について敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該更正の登記」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、特定登記がある建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「当該建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該合体による登記等又は当該建物の合併の登記」と読み替えるものとする。 4 第一項の規定は、特定登記がある建物の滅失の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「建物の滅失の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該建物の滅失の登記」と、「当該建物又は当該敷地権の目的であった土地」とあるのは「当該敷地権の目的であった土地」と、「当該承諾に係る建物又は土地」とあるのは「当該土地」と読み替えるものとする。 (建物の合併の登記の制限) 第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。 一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記 二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記 四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記 五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記 (建物の滅失の登記の申請) 第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。 (共用部分である旨の登記等) 第五十八条 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。)及び第四十四条第一項各号(第六号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 共用部分である旨の登記にあっては、当該共用部分である建物が当該建物の属する一棟の建物以外の一棟の建物に属する建物の区分所有者の共用に供されるものであるときは、その旨 二 団地共用部分である旨の登記にあっては、当該団地共用部分を共用すべき者の所有する建物(当該建物が区分建物であるときは、当該建物が属する一棟の建物) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 3 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)の承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することができない。 4 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。 5 第一項各号に掲げる登記事項についての変更の登記又は更正の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の所有者以外の者は、申請することができない。 6 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には、当該建物の所有者は、当該規約の廃止の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 7 前項の規約を廃止した後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 第三節 権利に関する登記 第一款 通則 (権利に関する登記の登記事項) 第五十九条 権利に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申請の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 登記に係る権利の権利者の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分 五 登記の目的である権利の消滅に関する定めがあるときは、その定め 六 共有物分割禁止の定め(共有物若しくは所有権以外の財産権について民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条第一項ただし書(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)若しくは第九百八条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合若しくは同条第一項の規定により被相続人が遺言で共有物若しくは所有権以外の財産権について分割を禁止した場合における共有物若しくは所有権以外の財産権の分割を禁止する定め又は同条第四項の規定により家庭裁判所が遺産である共有物若しくは所有権以外の財産権についてした分割を禁止する審判をいう。第六十五条において同じ。)があるときは、その定め 七 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請した者(以下「代位者」という。)があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因 八 第二号に掲げるもののほか、権利の順位を明らかにするために必要な事項として法務省令で定めるもの (共同申請) 第六十条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 (登記原因証明情報の提供) 第六十一条 権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。 (一般承継人による申請) 第六十二条 登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該権利に関する登記を申請することができる。 (判決による登記等) 第六十三条 第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。 2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。 3 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる。 (登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等) 第六十四条 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。 2 抵当証券が発行されている場合における債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、債務者が単独で申請することができる。 (共有物分割禁止の定めの登記) 第六十五条 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。 (権利の変更の登記又は更正の登記) 第六十六条 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。 (登記の更正) 第六十七条 登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人。第三項及び第七十一条第一項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、登記権利者、登記義務者又は登記名義人がそれぞれ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 2 登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。 ただし、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この項において同じ。)がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 3 登記官が前項の登記の更正をしたときは、その旨を登記権利者及び登記義務者に通知しなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 4 第一項及び前項の通知は、代位者にもしなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 (登記の抹消) 第六十八条 権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の抹消につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (死亡又は解散による登記の抹消) 第六十九条 権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。 (買戻しの特約に関する登記の抹消) 第六十九条の二 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (除権決定による登記の抹消等) 第七十条 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が知れないためその者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十九条に規定する公示催告の申立てをすることができる。 2 前項の登記が地上権、永小作権、質権、賃借権若しくは採石権に関する登記又は買戻しの特約に関する登記であり、かつ、登記された存続期間又は買戻しの期間が満了している場合において、相当の調査が行われたと認められるものとして法務省令で定める方法により調査を行ってもなお共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が判明しないときは、その者の所在が知れないものとみなして、同項の規定を適用する。 3 前二項の場合において、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定があったときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独で第一項の登記の抹消を申請することができる。 4 第一項に規定する場合において、登記権利者が先取特権、質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。 同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。 (解散した法人の担保権に関する登記の抹消) 第七十条の二 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき法人が解散し、前条第二項に規定する方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しないためその法人と共同して先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することができない場合において、被担保債権の弁済期から三十年を経過し、かつ、その法人の解散の日から三十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (職権による登記の抹消) 第七十一条 登記官は、権利に関する登記を完了した後に当該登記が第二十五条第一号から第三号まで又は第十三号に該当することを発見したときは、登記権利者及び登記義務者並びに登記上の利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、当該登記の抹消について異議のある者がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。 2 登記官は、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、法務省令で定めるところにより、前項の通知に代えて、通知をすべき内容を公告しなければならない。 3 登記官は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 登記官は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登記を抹消しなければならない。 (抹消された登記の回復) 第七十二条 抹消された登記(権利に関する登記に限る。)の回復は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の回復につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (敷地権付き区分建物に関する登記等) 第七十三条 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記は、第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有する。 ただし、次に掲げる登記は、この限りでない。 一 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をする前に登記されたもの(担保権に係る権利に関する登記にあっては、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この号において同じ。)が当該敷地権となった土地の権利についてされた担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものを除く。) 二 敷地権付き区分建物についての所有権に係る仮登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 三 敷地権付き区分建物についての質権又は抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 四 敷地権付き区分建物についての所有権又は質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生じた後に生じたもの(区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない場合(以下この条において「分離処分禁止の場合」という。)を除く。) 2 第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には、敷地権の移転の登記又は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該土地が敷地権の目的となった後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は敷地権についての仮登記若しくは質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該土地が敷地権の目的となる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 3 敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は当該建物のみの所有権についての仮登記若しくは当該建物のみを目的とする質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 第二款 所有権に関する登記 (所有権の登記の登記事項) 第七十三条の二 所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 所有権の登記名義人が法人であるときは、会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。)その他の特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの 二 所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときは、その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるもの 2 前項各号に掲げる登記事項についての登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の保存の登記) 第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。 一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人 二 所有権を有することが確定判決によって確認された者 三 収用(土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者 2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。 この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。 (表題登記がない不動産についてする所有権の保存の登記) 第七十五条 登記官は、前条第一項第二号又は第三号に掲げる者の申請に基づいて表題登記がない不動産について所有権の保存の登記をするときは、当該不動産に関する不動産の表示のうち法務省令で定めるものを登記しなければならない。 (所有権の保存の登記の登記事項等) 第七十六条 所有権の保存の登記においては、第五十九条第三号の規定にかかわらず、登記原因及びその日付を登記することを要しない。 ただし、敷地権付き区分建物について第七十四条第二項の規定により所有権の保存の登記をする場合は、この限りでない。 2 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をするときは、職権で、所有権の保存の登記をしなければならない。 3 前条の規定は、表題登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をする場合について準用する。 (相続等による所有権の移転の登記の申請) 第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。 2 前項前段の規定による登記(民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされたものに限る。次条第四項において同じ。)がされた後に遺産の分割があったときは、当該遺産の分割によって当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 3 前二項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 (相続人である旨の申出等) 第七十六条の三 前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。 2 前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。 3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項を所有権の登記に付記することができる。 4 第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(前条第一項前段の規定による登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 5 前項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、同項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 6 第一項の規定による申出の手続及び第三項の規定による登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の登記名義人についての符号の表示) 第七十六条の四 登記官は、所有権の登記名義人(法務省令で定めるものに限る。)が権利能力を有しないこととなったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、当該所有権の登記名義人についてその旨を示す符号を表示することができる。 (所有権の登記名義人の氏名等の変更の登記の申請) 第七十六条の五 所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったときは、当該所有権の登記名義人は、その変更があった日から二年以内に、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記を申請しなければならない。 (職権による氏名等の変更の登記) 第七十六条の六 登記官は、所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記をすることができる。 ただし、当該所有権の登記名義人が自然人であるときは、その申出があるときに限る。 (所有権の登記の抹消) 第七十七条 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がない場合に限り、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 第三款 用益権に関する登記 (地上権の登記の登記事項) 第七十八条 地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 地上権設定の目的 二 地代又はその支払時期の定めがあるときは、その定め 三 存続期間又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条第一項前段若しくは第二十三条第一項若しくは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成二十五年法律第六十一号)第七条第一項の定めがあるときは、その定め 四 地上権設定の目的が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物の所有であるときは、その旨 五 民法第二百六十九条の二第一項前段に規定する地上権の設定にあっては、その目的である地下又は空間の上下の範囲及び同項後段の定めがあるときはその定め (永小作権の登記の登記事項) 第七十九条 永小作権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 小作料 二 存続期間又は小作料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 民法第二百七十二条ただし書の定めがあるときは、その定め 四 前二号に規定するもののほか、永小作人の権利又は義務に関する定めがあるときは、その定め (地役権の登記の登記事項等) 第八十条 承役地(民法第二百八十五条第一項に規定する承役地をいう。以下この条において同じ。)についてする地役権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 要役地(民法第二百八十一条第一項に規定する要役地をいう。以下この条において同じ。) 二 地役権設定の目的及び範囲 三 民法第二百八十一条第一項ただし書若しくは第二百八十五条第一項ただし書の別段の定め又は同法第二百八十六条の定めがあるときは、その定め 2 前項の登記においては、第五十九条第四号の規定にかかわらず、地役権者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。 4 登記官は、承役地に地役権の設定の登記をしたときは、要役地について、職権で、法務省令で定める事項を登記しなければならない。 (賃借権の登記等の登記事項) 第八十一条 賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 賃料 二 存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるときは、その定め 四 敷金があるときは、その旨 五 賃貸人が財産の処分につき行為能力の制限を受けた者又は財産の処分の権限を有しない者であるときは、その旨 六 土地の賃借権設定の目的が建物の所有であるときは、その旨 七 前号に規定する場合において建物が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物であるときは、その旨 八 借地借家法第二十二条第一項前段、第二十三条第一項、第三十八条第一項前段若しくは第三十九条第一項、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十二条第一項又は大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第七条第一項の定めがあるときは、その定め (配偶者居住権の登記の登記事項) 第八十一条の二 配偶者居住権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 第三者に居住建物(民法第千二十八条第一項に規定する居住建物をいう。)の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときは、その定め (採石権の登記の登記事項) 第八十二条 採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 採石権の内容又は採石料若しくはその支払時期の定めがあるときは、その定め 第四款 担保権等に関する登記 (担保権の登記の登記事項) 第八十三条 先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 債権額(一定の金額を目的としない債権については、その価額) 二 債務者の氏名又は名称及び住所 三 所有権以外の権利を目的とするときは、その目的となる権利 四 二以上の不動産に関する権利を目的とするときは、当該二以上の不動産及び当該権利 五 外国通貨で第一号の債権額を指定した債権を担保する質権若しくは転質又は抵当権の登記にあっては、本邦通貨で表示した担保限度額 2 登記官は、前項第四号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、共同担保目録を作成することができる。 (債権の一部譲渡による担保権の移転の登記等の登記事項) 第八十四条 債権の一部について譲渡又は代位弁済がされた場合における先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の移転の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、当該譲渡又は代位弁済の目的である債権の額とする。 (不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十五条 不動産工事の先取特権の保存の登記においては、第八十三条第一項第一号の債権額として工事費用の予算額を登記事項とする。 (建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十六条 建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記については、当該建物の所有者となるべき者を登記義務者とみなす。 この場合においては、第二十二条本文の規定は、適用しない。 2 前項の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第三号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 新築する建物並びに当該建物の種類、構造及び床面積は設計書による旨 二 登記義務者の氏名又は名称及び住所 3 前項第一号の規定は、所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記について準用する。 (建物の建築が完了した場合の登記) 第八十七条 前条第一項の登記をした場合において、建物の建築が完了したときは、当該建物の所有者は、遅滞なく、所有権の保存の登記を申請しなければならない。 2 前条第三項の登記をした場合において、附属建物の建築が完了したときは、当該附属建物が属する建物の所有権の登記名義人は、遅滞なく、当該附属建物の新築による建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。 (抵当権の登記の登記事項) 第八十八条 抵当権(根抵当権(民法第三百九十八条の二第一項の規定による抵当権をいう。以下同じ。)を除く。)の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 利息に関する定めがあるときは、その定め 二 民法第三百七十五条第二項に規定する損害の賠償額の定めがあるときは、その定め 三 債権に付した条件があるときは、その条件 四 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 五 抵当証券発行の定めがあるときは、その定め 六 前号の定めがある場合において元本又は利息の弁済期又は支払場所の定めがあるときは、その定め 2 根抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第一号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 担保すべき債権の範囲及び極度額 二 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 三 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、その定め 四 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがあるときは、その定め (抵当権の順位の変更の登記等) 第八十九条 抵当権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同してしなければならない。 2 前項の規定は、民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがある場合の当該定めの登記の申請について準用する。 (抵当権の処分の登記) 第九十条 第八十三条及び第八十八条の規定は、民法第三百七十六条第一項の規定により抵当権を他の債権のための担保とし、又は抵当権を譲渡し、若しくは放棄する場合の登記について準用する。 (共同抵当の代位の登記) 第九十一条 民法第三百九十三条の規定による代位の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価及び当該弁済を受けた額とする。 2 第八十三条及び第八十八条の規定は、前項の登記について準用する。 (根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限) 第九十二条 民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。 (根抵当権の元本の確定の登記) 第九十三条 民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第三号若しくは第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登記は、第六十条の規定にかかわらず、当該根抵当権の登記名義人が単独で申請することができる。 ただし、同項第三号又は第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合における申請は、当該根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せてしなければならない。 (抵当証券に関する登記) 第九十四条 登記官は、抵当証券を交付したときは、職権で、抵当証券交付の登記をしなければならない。 2 抵当証券法第一条第二項の申請があった場合において、同法第五条第二項の嘱託を受けた登記所の登記官が抵当証券を作成したときは、当該登記官は、職権で、抵当証券作成の登記をしなければならない。 3 前項の場合において、同項の申請を受けた登記所の登記官は、抵当証券を交付したときは抵当証券交付の登記を、同項の申請を却下したときは抵当証券作成の登記の抹消を同項の登記所に嘱託しなければならない。 4 第二項の規定による抵当証券作成の登記をした不動産について、前項の規定による嘱託により抵当証券交付の登記をしたときは、当該抵当証券交付の登記は、当該抵当証券作成の登記をした時にさかのぼってその効力を生ずる。 (質権の登記等の登記事項) 第九十五条 質権又は転質の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間の定めがあるときは、その定め 二 利息に関する定めがあるときは、その定め 三 違約金又は賠償額の定めがあるときは、その定め 四 債権に付した条件があるときは、その条件 五 民法第三百四十六条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 六 民法第三百五十九条の規定によりその設定行為について別段の定め(同法第三百五十六条又は第三百五十七条に規定するものに限る。)があるときは、その定め 七 民法第三百六十一条において準用する同法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 2 第八十八条第二項及び第八十九条から第九十三条までの規定は、質権について準用する。 この場合において、第九十条及び第九十一条第二項中「第八十八条」とあるのは、「第九十五条第一項又は同条第二項において準用する第八十八条第二項」と読み替えるものとする。 (買戻しの特約の登記の登記事項) 第九十六条 買戻しの特約の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額)及び契約の費用並びに買戻しの期間の定めがあるときはその定めとする。 第五款 信託に関する登記 (信託の登記の登記事項) 第九十七条 信託の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所 二 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め 三 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 四 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 五 信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨 六 信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨 七 公益信託に関する法律(令和六年法律第三十号)第二条第一項第一号に規定する公益信託であるときは、その旨 八 信託の目的 九 信託財産の管理方法 十 信託の終了の事由 十一 その他の信託の条項 2 前項第二号から第六号までに掲げる事項のいずれかを登記したときは、同項第一号の受益者(同項第四号に掲げる事項を登記した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 登記官は、第一項各号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託目録を作成することができる。 (信託の登記の申請方法等) 第九十八条 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記は、受託者が単独で申請することができる。 3 信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請することができる。 (代位による信託の登記の申請) 第九十九条 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。 (受託者の変更による登記等) 第百条 受託者の任務が死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。第百二条第二項において同じ。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する不動産についてする受託者の変更による権利の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者が単独で申請することができる。 2 受託者が二人以上ある場合において、そのうち少なくとも一人の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する不動産についてする当該受託者の任務の終了による権利の変更の登記は、第六十条の規定にかかわらず、他の受託者が単独で申請することができる。 (職権による信託の変更の登記) 第百一条 登記官は、信託財産に属する不動産について次に掲げる登記をするときは、職権で、信託の変更の登記をしなければならない。 一 信託法第七十五条第一項又は第二項の規定による権利の移転の登記 二 信託法第八十六条第四項本文の規定による権利の変更の登記 三 受託者である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記 (嘱託による信託の変更の登記) 第百二条 裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があったとき、信託管理人若しくは受益者代理人の選任若しくは解任の裁判があったとき、又は信託の変更を命ずる裁判があったときは、職権で、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 主務官庁は、受託者を解任したとき、信託管理人若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 (信託の変更の登記の申請) 第百三条 前二条に規定するもののほか、第九十七条第一項各号に掲げる登記事項について変更があったときは、受託者は、遅滞なく、信託の変更の登記を申請しなければならない。 2 第九十九条の規定は、前項の信託の変更の登記の申請について準用する。 (信託の登記の抹消) 第百四条 信託財産に属する不動産に関する権利が移転、変更又は消滅により信託財産に属しないこととなった場合における信託の登記の抹消の申請は、当該権利の移転の登記若しくは変更の登記又は当該権利の登記の抹消の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記の抹消は、受託者が単独で申請することができる。 (権利の変更の登記等の特則) 第百四条の二 信託の併合又は分割により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該権利に係る当該一の信託についての信託の登記の抹消及び当該他の信託についての信託の登記の申請は、信託の併合又は分割による権利の変更の登記の申請と同時にしなければならない。 信託の併合又は分割以外の事由により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。 2 信託財産に属する不動産についてする次の表の上欄に掲げる場合における権利の変更の登記(第九十八条第三項の登記を除く。)については、同表の中欄に掲げる者を登記権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登記義務者とする。 この場合において、受益者(信託管理人がある場合にあっては、信託管理人。以下この項において同じ。)については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 一 不動産に関する権利が固有財産に属する財産から信託財産に属する財産となった場合 受益者 受託者 二 不動産に関する権利が信託財産に属する財産から固有財産に属する財産となった場合 受託者 受益者 三 不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合 当該他の信託の受益者及び受託者 当該一の信託の受益者及び受託者 第六款 仮登記 (仮登記) 第百五条 仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。 一 第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。 二 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。 (仮登記に基づく本登記の順位) 第百六条 仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。 (仮登記の申請方法) 第百七条 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。 2 仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 (仮登記を命ずる処分) 第百八条 裁判所は、仮登記の登記権利者の申立てにより、仮登記を命ずる処分をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、仮登記の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 第一項の申立てに係る事件は、不動産の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 非訟事件手続法第二条及び第二編(同法第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第五十九条、第六十六条第一項及び第二項並びに第七十二条を除く。)の規定は、前項の即時抗告について準用する。 (仮登記に基づく本登記) 第百九条 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。 (仮登記の抹消) 第百十条 仮登記の抹消は、第六十条の規定にかかわらず、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。 仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。 第七款 仮処分に関する登記 (仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十一条 所有権について民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記(同条第二項に規定する保全仮登記(以下「保全仮登記」という。)とともにしたものを除く。以下この条において同じ。)がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権の登記(仮登記を除く。)を申請する場合においては、当該債権者は、当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができる。 2 前項の規定は、所有権以外の権利について民事保全法第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする当該権利の移転又は消滅に関し登記(仮登記を除く。)を申請する場合について準用する。 3 登記官は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申請に基づいて当該処分禁止の登記に後れる登記を抹消するときは、職権で、当該処分禁止の登記も抹消しなければならない。 (保全仮登記に基づく本登記の順位) 第百十二条 保全仮登記に基づいて本登記をした場合は、当該本登記の順位は、当該保全仮登記の順位による。 (保全仮登記に係る仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十三条 不動産の使用又は収益をする権利について保全仮登記がされた後、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者が本登記を申請する場合においては、当該債権者は、所有権以外の不動産の使用若しくは収益をする権利又は当該権利を目的とする権利に関する登記であって当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れるものの抹消を単独で申請することができる。 (処分禁止の登記の抹消) 第百十四条 登記官は、保全仮登記に基づく本登記をするときは、職権で、当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記を抹消しなければならない。 第八款 官庁又は公署が関与する登記等 (公売処分による登記) 第百十五条 官庁又は公署は、公売処分をした場合において、登記権利者の請求があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を登記所に嘱託しなければならない。 一 公売処分による権利の移転の登記 二 公売処分により消滅した権利の登記の抹消 三 滞納処分に関する差押えの登記の抹消 (官庁又は公署の嘱託による登記) 第百十六条 国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 (官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報) 第百十七条 登記官は、官庁又は公署が登記権利者(登記をすることによって登記名義人となる者に限る。以下この条において同じ。)のためにした登記の嘱託に基づいて登記を完了したときは、速やかに、当該登記権利者のために登記識別情報を当該官庁又は公署に通知しなければならない。 2 前項の規定により登記識別情報の通知を受けた官庁又は公署は、遅滞なく、これを同項の登記権利者に通知しなければならない。 (収用による登記) 第百十八条 不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。 2 国又は地方公共団体が起業者であるときは、官庁又は公署は、遅滞なく、前項の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 前二項の規定は、不動産に関する所有権以外の権利の収用による権利の消滅の登記について準用する。 4 土地の収用による権利の移転の登記を申請する場合には、当該収用により消滅した権利又は失効した差押え、仮差押え若しくは仮処分に関する登記を指定しなければならない。 この場合において、権利の移転の登記をするときは、登記官は、職権で、当該指定に係る登記を抹消しなければならない。 5 登記官は、建物の収用による所有権の移転の登記をするときは、職権で、当該建物を目的とする所有権等の登記以外の権利に関する登記を抹消しなければならない。 第三項の登記をする場合において同項の権利を目的とする権利に関する登記についても、同様とする。 6 登記官は、第一項の登記をするときは、職権で、裁決手続開始の登記を抹消しなければならない。 第五章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付等) 第百十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。 3 前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。 4 第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。 ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。 5 第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。 6 登記官は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、登記記録に記録されている者(自然人であるものに限る。)の住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがあるものとして法務省令で定める場合において、その者からの申出があったときは、法務省令で定めるところにより、第一項及び第二項に規定する各書面に当該住所に代わるものとして法務省令で定める事項を記載しなければならない。 (所有不動産記録証明書の交付等) 第百十九条の二 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、自らが所有権の登記名義人(これに準ずる者として法務省令で定めるものを含む。)として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは、その旨)を証明した書面(以下この条において「所有不動産記録証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、被承継人に係る所有不動産記録証明書の交付を請求することができる。 3 前二項の交付の請求は、法務大臣の指定する登記所の登記官に対し、法務省令で定めるところにより、することができる。 4 前条第三項及び第四項の規定は、所有不動産記録証明書の手数料について準用する。 (地図の写しの交付等) 第百二十条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図、建物所在図又は地図に準ずる図面(以下この条において「地図等」という。)の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図等(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 3 第百十九条第三項から第五項までの規定は、地図等について準用する。 (登記簿の附属書類の写しの交付等) 第百二十一条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)のうち政令で定める図面の全部又は一部の写し(これらの図面が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類のうち前項の図面(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の閲覧を請求することができる。 3 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(第一項の図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 4 前項の規定にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 5 第百十九条第三項から第五項までの規定は、登記簿の附属書類について準用する。 (法務省令への委任) 第百二十二条 この法律に定めるもののほか、登記簿、地図、建物所在図及び地図に準ずる図面並びに登記簿の附属書類(第百五十四条及び第百五十五条において「登記簿等」という。)の公開に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第六章 筆界特定 第一節 総則 (定義) 第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。 二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。 三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。 四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。 五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。 (筆界特定の事務) 第百二十四条 筆界特定の事務は、対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局がつかさどる。 2 第六条第二項及び第三項の規定は、筆界特定の事務について準用する。 この場合において、同条第二項中「不動産」とあるのは「対象土地」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、「法務局若しくは地方法務局」とあるのは「法務局」と、同条第三項中「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と読み替えるものとする。 (筆界特定登記官) 第百二十五条 筆界特定は、筆界特定登記官(登記官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が行う。 (筆界特定登記官の除斥) 第百二十六条 筆界特定登記官が次の各号のいずれかに該当する者であるときは、当該筆界特定登記官は、対象土地について筆界特定を行うことができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 (筆界調査委員) 第百二十七条 法務局及び地方法務局に、筆界特定について必要な事実の調査を行い、筆界特定登記官に意見を提出させるため、筆界調査委員若干人を置く。 2 筆界調査委員は、前項の職務を行うのに必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから、法務局又は地方法務局の長が任命する。 3 筆界調査委員の任期は、二年とする。 4 筆界調査委員は、再任されることができる。 5 筆界調査委員は、非常勤とする。 (筆界調査委員の欠格事由) 第百二十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、筆界調査委員となることができない。 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 二 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)又は土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)の規定による懲戒処分により、弁護士会からの除名又は司法書士若しくは土地家屋調査士の業務の禁止の処分を受けた者でこれらの処分を受けた日から三年を経過しないもの 三 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者 2 筆界調査委員が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、当然失職する。 (筆界調査委員の解任) 第百二十九条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その筆界調査委員を解任することができる。 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。 二 職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行があると認められるとき。 (標準処理期間) 第百三十条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定の申請がされてから筆界特定登記官が筆界特定をするまでに通常要すべき標準的な期間を定め、法務局又は地方法務局における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。 第二節 筆界特定の手続 第一款 筆界特定の申請 (筆界特定の申請) 第百三十一条 土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。 2 地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し、当該対象土地の筆界(第十四条第一項の地図に表示されないものに限る。)について、筆界特定の申請をすることができる。 3 筆界特定の申請は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申請の趣旨 二 筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所 三 対象土地に係る第三十四条第一項第一号及び第二号に掲げる事項(表題登記がない土地にあっては、同項第一号に掲げる事項) 四 対象土地について筆界特定を必要とする理由 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 4 筆界特定の申請人は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。 5 第十八条の規定は、筆界特定の申請について準用する。 この場合において、同条中「不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)」とあるのは「第百三十一条第三項各号に掲げる事項に係る情報(第二号、第百三十二条第一項第四号及び第百五十条において「筆界特定申請情報」という。)」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、同条第二号中「申請情報」とあるのは「筆界特定申請情報」と読み替えるものとする。 (申請の却下) 第百三十二条 筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。 二 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 三 申請が前条第三項の規定に違反するとき。 四 筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。 五 申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。 六 対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。 七 対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。 ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。 八 手数料を納付しないとき。 九 第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。 2 前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。 (筆界特定の申請の通知) 第百三十三条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、その旨を次に掲げる者(以下「関係人」という。)に通知しなければならない。 ただし、前条第一項の規定により当該申請を却下すべき場合は、この限りでない。 一 対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの 二 関係土地の所有権登記名義人等 2 前項本文の場合において、関係人の所在が判明しないときは、同項本文の規定による通知を、関係人の氏名又は名称、通知をすべき事項及び当該事項を記載した書面をいつでも関係人に交付する旨を対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の掲示場に掲示することによって行うことができる。 この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知が関係人に到達したものとみなす。 第二款 筆界の調査等 (筆界調査委員の指定等) 第百三十四条 法務局又は地方法務局の長は、前条第一項本文の規定による公告及び通知がされたときは、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を行うべき筆界調査委員を指定しなければならない。 2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の筆界調査委員に指定することができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 3 第一項の規定による指定を受けた筆界調査委員が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、筆界特定登記官の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 4 法務局又は地方法務局の長は、その職員に、筆界調査委員による事実の調査を補助させることができる。 (筆界調査委員による事実の調査) 第百三十五条 筆界調査委員は、前条第一項の規定による指定を受けたときは、対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査をすること、筆界特定の申請人若しくは関係人又はその他の者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることその他対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査をすることができる。 2 筆界調査委員は、前項の事実の調査に当たっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定を目的とするものでないことに留意しなければならない。 (測量及び実地調査) 第百三十六条 筆界調査委員は、対象土地の測量又は実地調査を行うときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を筆界特定の申請人及び関係人に通知して、これに立ち会う機会を与えなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (立入調査) 第百三十七条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査を行う場合において、必要があると認めるときは、その必要の限度において、筆界調査委員又は第百三十四条第四項の職員(以下この条において「筆界調査委員等」という。)に、他人の土地に立ち入らせることができる。 2 法務局又は地方法務局の長は、前項の規定により筆界調査委員等を他人の土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を当該土地の占有者に通知しなければならない。 3 第一項の規定により宅地又は垣、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合には、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。 4 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。 5 土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。 6 第一項の規定による立入りをする場合には、筆界調査委員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 7 国は、第一項の規定による立入りによって損失を受けた者があるときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。 (関係行政機関等に対する協力依頼) 第百三十八条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係のある公私の団体に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。 (意見又は資料の提出) 第百三十九条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定の申請人及び関係人は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について、意見又は資料を提出することができる。 この場合において、筆界特定登記官が意見又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。 2 前項の規定による意見又は資料の提出は、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により行うことができる。 (意見聴取等の期日) 第百四十条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、第百三十三条第一項本文の規定による公告をした時から筆界特定をするまでの間に、筆界特定の申請人及び関係人に対し、あらかじめ期日及び場所を通知して、対象土地の筆界について、意見を述べ、又は資料(電磁的記録を含む。)を提出する機会を与えなければならない。 2 筆界特定登記官は、前項の期日において、適当と認める者に、参考人としてその知っている事実を陳述させることができる。 3 筆界調査委員は、第一項の期日に立ち会うものとする。 この場合において、筆界調査委員は、筆界特定登記官の許可を得て、筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人に対し質問を発することができる。 4 筆界特定登記官は、第一項の期日の経過を記載した調書を作成し、当該調書において当該期日における筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。 5 前項の調書は、電磁的記録をもって作成することができる。 6 第百三十三条第二項の規定は、第一項の規定による通知について準用する。 (調書等の閲覧) 第百四十一条 筆界特定の申請人及び関係人は、第百三十三条第一項本文の規定による公告があった時から第百四十四条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされるまでの間、筆界特定登記官に対し、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 この場合において、筆界特定登記官は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。 2 筆界特定登記官は、前項の閲覧について、日時及び場所を指定することができる。 第三節 筆界特定 (筆界調査委員の意見の提出) 第百四十二条 筆界調査委員は、第百四十条第一項の期日の後、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を終了したときは、遅滞なく、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界特定についての意見を提出しなければならない。 (筆界特定) 第百四十三条 筆界特定登記官は、前条の規定により筆界調査委員の意見が提出されたときは、その意見を踏まえ、登記記録、地図又は地図に準ずる図面及び登記簿の附属書類の内容、対象土地及び関係土地の地形、地目、面積及び形状並びに工作物、囲障又は境界標の有無その他の状況及びこれらの設置の経緯その他の事情を総合的に考慮して、対象土地の筆界特定をし、その結論及び理由の要旨を記載した筆界特定書を作成しなければならない。 2 筆界特定書においては、図面及び図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものにより、筆界特定の内容を表示しなければならない。 3 筆界特定書は、電磁的記録をもって作成することができる。 (筆界特定の通知等) 第百四十四条 筆界特定登記官は、筆界特定をしたときは、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、法務省令で定める方法)により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、法務省令で定めるところにより、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (筆界特定手続記録の保管) 第百四十五条 前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。)は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管する。 第四節 雑則 (手続費用の負担等) 第百四十六条 筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。)は、筆界特定の申請人の負担とする。 2 筆界特定の申請人が二人ある場合において、その一人が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、等しい割合で手続費用を負担する。 3 筆界特定の申請人が二人以上ある場合において、その全員が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、その持分(所有権の登記がある一筆の土地にあっては第五十九条第四号の持分、所有権の登記がない一筆の土地にあっては第二十七条第三号の持分。次項において同じ。)の割合に応じて手続費用を負担する。 4 筆界特定の申請人が三人以上ある場合において、その一人又は二人以上が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人又は二人以上が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、対象土地のいずれかの土地の一人の所有権登記名義人等である筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額を負担し、対象土地のいずれかの土地の二人以上の所有権登記名義人等である各筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額についてその持分の割合に応じてこれを負担する。 5 筆界特定登記官は、筆界特定の申請人に手続費用の概算額を予納させなければならない。 (筆界確定訴訟における釈明処分の特則) 第百四十七条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起されたときは、裁判所は、当該訴えに係る訴訟において、訴訟関係を明瞭にするため、登記官に対し、当該筆界特定に係る筆界特定手続記録の送付を嘱託することができる。 民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起された後、当該訴えに係る筆界について筆界特定がされたときも、同様とする。 (筆界確定訴訟の判決との関係) 第百四十八条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは、当該筆界特定は、当該判決と抵触する範囲において、その効力を失う。 (筆界特定書等の写しの交付等) 第百四十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部(以下この条及び第百五十四条において「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。 3 第百十九条第三項及び第四項の規定は、前二項の手数料について準用する。 (法務省令への委任) 第百五十条 この章に定めるもののほか、筆界特定申請情報の提供の方法、筆界特定手続記録の公開その他の筆界特定の手続に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第七章 雑則 (情報の提供の求め) 第百五十一条 登記官は、職権による登記をし、又は第十四条第一項の地図を作成するために必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、その対象となる不動産の所有者等(所有権が帰属し、又は帰属していた自然人又は法人(法人でない社団又は財団を含む。)をいう。)に関する情報の提供を求めることができる。 (登記識別情報の安全確保) 第百五十二条 登記官は、その取り扱う登記識別情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の登記識別情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 2 登記官その他の不動産登記の事務に従事する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所に勤務する法務事務官又はその職にあった者は、その事務に関して知り得た登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らしてはならない。 (行政手続法の適用除外) 第百五十三条 登記官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。 (行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外) 第百五十四条 登記簿等及び筆界特定書等については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。 (個人情報の保護に関する法律の適用除外) 第百五十五条 登記簿等に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。 (審査請求) 第百五十六条 登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。 2 審査請求は、登記官を経由してしなければならない。 (審査請求事件の処理) 第百五十七条 登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合を除き、審査請求の日から三日以内に、意見を付して事件を前条第一項の法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。 この場合において、当該法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。 3 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、登記官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか登記上の利害関係人に通知しなければならない。 4 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、前項の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができる。 5 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。 6 前条第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五十七条第二項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「不動産登記法第百五十七条第二項の意見」とする。 (行政不服審査法の適用除外) 第百五十八条 行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、第百五十六条第一項の審査請求については、適用しない。 第八章 罰則 (秘密を漏らした罪) 第百五十九条 第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。 (虚偽の登記名義人確認情報を提供した罪) 第百六十条 第二十三条第四項第一号(第十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による情報の提供をする場合において、虚偽の情報を提供したときは、当該違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 (不正に登記識別情報を取得等した罪) 第百六十一条 登記簿に不実の記録をさせることとなる登記の申請又は嘱託の用に供する目的で、登記識別情報を取得した者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。 2 不正に取得された登記識別情報を、前項の目的で保管した者も、同項と同様とする。 (検査の妨害等の罪) 第百六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第二十九条第二項(第十六条第二項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。 二 第二十九条第二項の規定による文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示をせず、若しくは虚偽の文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものを提示し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。 三 第百三十七条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げたとき。 (両罰規定) 第百六十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百六十条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料) 第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。 2 第七十六条の五の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、五万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
416AC0000000123_20260615_505AC0000000063.xml
平成十六年法律第百二十三号
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不動産登記法 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることにより、国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 不動産 土地又は建物をいう。 二 不動産の表示 不動産についての第二十七条第一号、第三号若しくは第四号、第三十四条第一項各号、第四十三条第一項、第四十四条第一項各号又は第五十八条第一項各号に規定する登記事項をいう。 三 表示に関する登記 不動産の表示に関する登記をいう。 四 権利に関する登記 不動産についての次条各号に掲げる権利に関する登記をいう。 五 登記記録 表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 六 登記事項 この法律の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。 七 表題部 登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。 八 権利部 登記記録のうち、権利に関する登記が記録される部分をいう。 九 登記簿 登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)をもって調製するものをいう。 十 表題部所有者 所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者をいう。 十一 登記名義人 登記記録の権利部に、次条各号に掲げる権利について権利者として記録されている者をいう。 十二 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 十三 登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。 十四 登記識別情報 第二十二条本文の規定により登記名義人が登記を申請する場合において、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。 十五 変更の登記 登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記をいう。 十六 更正の登記 登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記をいう。 十七 地番 第三十五条の規定により一筆の土地ごとに付す番号をいう。 十八 地目 土地の用途による分類であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 十九 地積 一筆の土地の面積であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。 二十 表題登記 表示に関する登記のうち、当該不動産について表題部に最初にされる登記をいう。 二十一 家屋番号 第四十五条の規定により一個の建物ごとに付す番号をいう。 二十二 区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第四条第二項の規定により共用部分とされたものを含む。)をいう。 二十三 附属建物 表題登記がある建物に附属する建物であって、当該表題登記がある建物と一体のものとして一個の建物として登記されるものをいう。 二十四 抵当証券 抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第一条第一項に規定する抵当証券をいう。 (登記することができる権利等) 第三条 登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。 一 所有権 二 地上権 三 永小作権 四 地役権 五 先取特権 六 質権 七 抵当権 八 賃借権 九 配偶者居住権 十 採石権(採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条、第七十条第二項及び第八十二条において同じ。) (権利の順位) 第四条 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。 2 付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。 (登記がないことを主張することができない第三者) 第五条 詐欺又は強迫によって登記の申請を妨げた第三者は、その登記がないことを主張することができない。 2 他人のために登記を申請する義務を負う第三者は、その登記がないことを主張することができない。 ただし、その登記の登記原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ。)が自己の登記の登記原因の後に生じたときは、この限りでない。 第二章 登記所及び登記官 (登記所) 第六条 登記の事務は、不動産の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。 2 不動産が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務省令で定めるところにより、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、当該不動産に関する登記の事務をつかさどる登記所を指定する。 3 前項に規定する場合において、同項の指定がされるまでの間、登記の申請は、当該二以上の登記所のうち、一の登記所にすることができる。 (事務の委任) 第七条 法務大臣は、一の登記所の管轄に属する事務を他の登記所に委任することができる。 (事務の停止) 第八条 法務大臣は、登記所においてその事務を停止しなければならない事由が生じたときは、期間を定めて、その停止を命ずることができる。 (登記官) 第九条 登記所における事務は、登記官(登記所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。 (登記官の除斥) 第十条 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。以下この条において同じ。)が登記の申請人であるときは、当該登記官は、当該登記をすることができない。 登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族が申請人を代表して申請するときも、同様とする。 第三章 登記記録等 (登記) 第十一条 登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行う。 (登記記録の作成) 第十二条 登記記録は、表題部及び権利部に区分して作成する。 (登記記録の滅失と回復) 第十三条 法務大臣は、登記記録の全部又は一部が滅失したときは、登記官に対し、一定の期間を定めて、当該登記記録の回復に必要な処分を命ずることができる。 (地図等) 第十四条 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。 2 前項の地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。 3 第一項の建物所在図は、一個又は二個以上の建物ごとに作成し、各建物の位置及び家屋番号を表示するものとする。 4 第一項の規定にかかわらず、登記所には、同項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。 5 前項の地図に準ずる図面は、一筆又は二筆以上の土地ごとに土地の位置、形状及び地番を表示するものとする。 6 第一項の地図及び建物所在図並びに第四項の地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる。 (法務省令への委任) 第十五条 この章に定めるもののほか、登記簿及び登記記録並びに地図、建物所在図及び地図に準ずる図面の記録方法その他の登記の事務に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第四章 登記手続 第一節 総則 (当事者の申請又は嘱託による登記) 第十六条 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 第二条第十四号、第五条、第六条第三項、第十条及びこの章(この条、第二十七条、第二十八条、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第四十一条、第四十三条から第四十六条まで、第五十一条第五項及び第六項、第五十三条第二項、第五十六条、第五十八条第一項及び第四項、第五十九条第一号、第三号から第六号まで及び第八号、第六十六条、第六十七条、第七十一条、第七十三条第一項第二号から第四号まで、第二項及び第三項、第七十六条から第七十六条の四まで、第七十六条の六、第七十八条から第八十六条まで、第八十八条、第九十条から第九十二条まで、第九十四条、第九十五条第一項、第九十六条、第九十七条、第九十八条第二項、第百一条、第百二条、第百六条、第百八条、第百十二条、第百十四条から第百十七条まで並びに第百十八条第二項、第五項及び第六項を除く。)の規定は、官庁又は公署の嘱託による登記の手続について準用する。 (代理権の不消滅) 第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。 一 本人の死亡 二 本人である法人の合併による消滅 三 本人である受託者の信託に関する任務の終了 四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更 (申請の方法) 第十八条 登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法 二 申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法 (受付) 第十九条 登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。 2 同一の不動産に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。 3 登記官は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。 この場合において、同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。 (登記の順序) 第二十条 登記官は、同一の不動産に関し権利に関する登記の申請が二以上あったときは、これらの登記を受付番号の順序に従ってしなければならない。 (登記識別情報の通知) 第二十一条 登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。 ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。 (登記識別情報の提供) 第二十二条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。 ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。 (事前通知等) 第二十三条 登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。 この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。 2 登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。 3 前二項の規定は、登記官が第二十五条(第十号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。 4 第一項の規定は、同項に規定する場合において、次の各号のいずれかに掲げるときは、適用しない。 一 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。 二 当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。 (登記官による本人確認) 第二十四条 登記官は、登記の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する申請人又はその代表者若しくは代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。 (申請の却下) 第二十五条 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。 三 申請に係る登記が既に登記されているとき。 四 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 五 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。 六 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。 七 申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十六条の五、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。 八 申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。 九 第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。 十 第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。 十一 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。 十二 登録免許税を納付しないとき。 十三 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。 (政令への委任) 第二十六条 この章に定めるもののほか、申請情報の提供の方法並びに申請情報と併せて提供することが必要な情報及びその提供の方法その他の登記申請の手続に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 表示に関する登記 第一款 通則 (表示に関する登記の登記事項) 第二十七条 土地及び建物の表示に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記原因及びその日付 二 登記の年月日 三 所有権の登記がない不動産(共用部分(区分所有法第四条第二項に規定する共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記又は団地共用部分(区分所有法第六十七条第一項に規定する団地共用部分をいう。以下同じ。)である旨の登記がある建物を除く。)については、所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分 四 前三号に掲げるもののほか、不動産を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの (職権による表示に関する登記) 第二十八条 表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。 (登記官による調査) 第二十九条 登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。 2 登記官は、前項の調査をする場合において、必要があると認めるときは、日出から日没までの間に限り、当該不動産を検査し、又は当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示を求め、若しくは質問をすることができる。 この場合において、登記官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 (一般承継人による申請) 第三十条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。 (表題部所有者の氏名等の変更の登記又は更正の登記) 第三十一条 表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は、申請することができない。 (表題部所有者の変更等に関する登記手続) 第三十二条 表題部所有者又はその持分についての変更は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない。 (表題部所有者の更正の登記等) 第三十三条 不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができない。 2 前項の場合において、当該不動産の所有者は、当該表題部所有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 3 不動産の表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記は、当該共有者以外の者は、申請することができない。 4 前項の更正の登記をする共有者は、当該更正の登記によってその持分を更正することとなる他の共有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。 第二款 土地の表示に関する登記 (土地の表示に関する登記の登記事項) 第三十四条 土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字 二 地番 三 地目 四 地積 2 前項第三号の地目及び同項第四号の地積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (地番) 第三十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。 (土地の表題登記の申請) 第三十六条 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 (地目又は地積の変更の登記の申請) 第三十七条 地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。 (土地の表題部の更正の登記の申請) 第三十八条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 (分筆又は合筆の登記) 第三十九条 分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 2 登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。 3 登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。 (分筆に伴う権利の消滅の登記) 第四十条 登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (合筆の登記の制限) 第四十一条 次に掲げる合筆の登記は、することができない。 一 相互に接続していない土地の合筆の登記 二 地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記 四 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地の合筆の登記 五 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記 六 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地(権利に関する登記であって、合筆後の土地の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある土地を除く。)の合筆の登記 (土地の滅失の登記の申請) 第四十二条 土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から一月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない。 (河川区域内の土地の登記) 第四十三条 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第六条第一項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)の河川区域内の土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号及び第三十四条第一項各号に掲げるもののほか、第一号に掲げる土地である旨及び第二号から第五号までに掲げる土地にあってはそれぞれその旨とする。 一 河川法第六条第一項の河川区域内の土地 二 河川法第六条第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の高規格堤防特別区域内の土地 三 河川法第六条第三項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の樹林帯区域内の土地 四 河川法第二十六条第四項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の特定樹林帯区域内の土地 五 河川法第五十八条の二第二項(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の河川立体区域内の土地 2 土地の全部又は一部が前項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地となったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 土地の全部又は一部が第一項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地でなくなったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記の抹消を登記所に嘱託しなければならない。 4 土地の一部について前二項の規定により登記の嘱託をするときは、河川管理者は、当該土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該土地の分筆の登記を登記所に嘱託することができる。 5 第一項各号の河川区域内の土地の全部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の滅失の登記を登記所に嘱託しなければならない。 6 第一項各号の河川区域内の土地の一部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の地積に関する変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 第三款 建物の表示に関する登記 (建物の表示に関する登記の登記事項) 第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番) 二 家屋番号 三 建物の種類、構造及び床面積 四 建物の名称があるときは、その名称 五 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積 六 建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨 七 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積 八 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称 九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権 2 前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (家屋番号) 第四十五条 登記所は、法務省令で定めるところにより、一個の建物ごとに家屋番号を付さなければならない。 (敷地権である旨の登記) 第四十六条 登記官は、表示に関する登記のうち、区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をするときは、当該敷地権の目的である土地の登記記録について、職権で、当該登記記録中の所有権、地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。 (建物の表題登記の申請) 第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。 2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。 (区分建物についての建物の表題登記の申請方法) 第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。 4 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。 (合体による登記等の申請) 第四十九条 二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請しなければならない。 この場合において、第二号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者、第四号に掲げる場合にあっては当該表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。以下この条において同じ。)の表題部所有者、第六号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者及び当該表題登記がある建物の表題部所有者をそれぞれ当該合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならない。 一 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び表題登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該表題登記がある建物の表題部所有者 二 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 三 合体前の二以上の建物がいずれも表題登記がある建物であるとき。 当該建物の表題部所有者 四 合体前の二以上の建物が表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 五 合体前の二以上の建物がいずれも所有権の登記がある建物であるとき。 当該建物の所有権の登記名義人 六 合体前の三以上の建物が表題登記がない建物、表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 2 第四十七条並びに前条第一項及び第二項の規定は、二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において合体前の建物がいずれも表題登記がない建物であるときの当該建物についての表題登記の申請について準用する。 この場合において、第四十七条第一項中「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の建物となった場合における当該合体後の建物についての合体時の所有者又は当該合体後の建物が区分建物以外の表題登記がない建物である場合において当該合体時の所有者から所有権を取得した者」と、同条第二項中「区分建物である建物を新築した場合」とあり、及び前条第一項中「区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合」とあるのは「いずれも表題登記がない二以上の建物が合体して一個の区分建物となった場合」と、同項中「当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物」とあるのは「当該合体後の区分建物が属する一棟の建物」と読み替えるものとする。 3 第一項第一号、第二号又は第六号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後当該合体前の表題登記がない建物の所有者から当該合体後の建物について合体前の表題登記がない建物の所有権に相当する持分を取得した者は、その持分の取得の日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 4 第一項各号に掲げる場合において、当該二以上の建物(同項第六号に掲げる場合にあっては、当該三以上の建物)が合体して一個の建物となった後に合体前の表題登記がある建物の表題部所有者又は合体前の所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、合体による登記等を申請しなければならない。 (合体に伴う権利の消滅の登記) 第五十条 登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。 (建物の表題部の変更の登記) 第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。 5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。 6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。 (区分建物となったことによる建物の表題部の変更の登記) 第五十二条 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となったことにより当該表題登記がある建物が区分建物になった場合における当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請は、当該新築に係る区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。 2 前項の場合において、当該表題登記がある建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、当該新築に係る区分建物の所有者に代わって、当該新築に係る区分建物についての表題登記を申請することができる。 3 いずれも表題登記がある二以上の建物(区分建物を除く。)が増築その他の工事により相互に接続して区分建物になった場合における当該表題登記がある二以上の建物についての表題部の変更の登記の申請は、一括してしなければならない。 4 前項の場合において、当該表題登記がある二以上の建物のうち、表題登記がある一の建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人は、表題登記がある他の建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある他の建物について表題部の変更の登記を申請することができる。 (建物の表題部の更正の登記) 第五十三条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)以外の者は、申請することができない。 2 第五十一条第五項及び第六項の規定は、建物が区分建物である場合における同条第五項に規定する登記事項に関する表題部の更正の登記について準用する。 (建物の分割、区分又は合併の登記) 第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。) 三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。 3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 (特定登記) 第五十五条 登記官は、敷地権付き区分建物(区分建物に関する敷地権の登記がある建物をいう。第七十三条第一項及び第三項、第七十四条第二項並びに第七十六条第一項において同じ。)のうち特定登記(所有権等の登記以外の権利に関する登記であって、第七十三条第一項の規定により敷地権についてされた登記としての効力を有するものをいう。以下この条において同じ。)があるものについて、第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記をする場合において、当該変更の登記の申請情報と併せて特定登記に係る権利の登記名義人(当該特定登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該変更の登記後の当該建物又は当該敷地権の目的であった土地について当該特定登記に係る権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該特定登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る建物又は土地について当該特定登記に係る権利が消滅した旨を登記しなければならない。 2 前項の規定は、特定登記がある建物について敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「敷地権の不存在を原因とする表題部の更正の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該更正の登記」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、特定登記がある建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「当該建物の合体又は合併により当該建物が敷地権のない建物となる場合における合体による登記等又は建物の合併の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該合体による登記等又は当該建物の合併の登記」と読み替えるものとする。 4 第一項の規定は、特定登記がある建物の滅失の登記について準用する。 この場合において、同項中「第四十四条第一項第九号の敷地利用権が区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができるものとなったことにより敷地権の変更の登記」とあるのは「建物の滅失の登記」と、「当該変更の登記」とあるのは「当該建物の滅失の登記」と、「当該建物又は当該敷地権の目的であった土地」とあるのは「当該敷地権の目的であった土地」と、「当該承諾に係る建物又は土地」とあるのは「当該土地」と読み替えるものとする。 (建物の合併の登記の制限) 第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。 一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記 二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記 四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記 五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記 (建物の滅失の登記の申請) 第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。 (共用部分である旨の登記等) 第五十八条 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。)及び第四十四条第一項各号(第六号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 共用部分である旨の登記にあっては、当該共用部分である建物が当該建物の属する一棟の建物以外の一棟の建物に属する建物の区分所有者の共用に供されるものであるときは、その旨 二 団地共用部分である旨の登記にあっては、当該団地共用部分を共用すべき者の所有する建物(当該建物が区分建物であるときは、当該建物が属する一棟の建物) 2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。 3 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)の承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することができない。 4 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。 5 第一項各号に掲げる登記事項についての変更の登記又は更正の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の所有者以外の者は、申請することができない。 6 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には、当該建物の所有者は、当該規約の廃止の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 7 前項の規約を廃止した後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。 第三節 権利に関する登記 第一款 通則 (権利に関する登記の登記事項) 第五十九条 権利に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申請の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 登記に係る権利の権利者の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分 五 登記の目的である権利の消滅に関する定めがあるときは、その定め 六 共有物分割禁止の定め(共有物若しくは所有権以外の財産権について民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条第一項ただし書(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)若しくは第九百八条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合若しくは同条第一項の規定により被相続人が遺言で共有物若しくは所有権以外の財産権について分割を禁止した場合における共有物若しくは所有権以外の財産権の分割を禁止する定め又は同条第四項の規定により家庭裁判所が遺産である共有物若しくは所有権以外の財産権についてした分割を禁止する審判をいう。第六十五条において同じ。)があるときは、その定め 七 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請した者(以下「代位者」という。)があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因 八 第二号に掲げるもののほか、権利の順位を明らかにするために必要な事項として法務省令で定めるもの (共同申請) 第六十条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 (登記原因証明情報の提供) 第六十一条 権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。 (一般承継人による申請) 第六十二条 登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該権利に関する登記を申請することができる。 (判決による登記等) 第六十三条 第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。 2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。 3 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる。 (登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等) 第六十四条 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。 2 抵当証券が発行されている場合における債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、債務者が単独で申請することができる。 (共有物分割禁止の定めの登記) 第六十五条 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。 (権利の変更の登記又は更正の登記) 第六十六条 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。 (登記の更正) 第六十七条 登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人。第三項及び第七十一条第一項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、登記権利者、登記義務者又は登記名義人がそれぞれ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 2 登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。 ただし、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この項において同じ。)がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 3 登記官が前項の登記の更正をしたときは、その旨を登記権利者及び登記義務者に通知しなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 4 第一項及び前項の通知は、代位者にもしなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 (登記の抹消) 第六十八条 権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の抹消につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (死亡又は解散による登記の抹消) 第六十九条 権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。 (買戻しの特約に関する登記の抹消) 第六十九条の二 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (除権決定による登記の抹消等) 第七十条 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が知れないためその者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十九条に規定する公示催告の申立てをすることができる。 2 前項の登記が地上権、永小作権、質権、賃借権若しくは採石権に関する登記又は買戻しの特約に関する登記であり、かつ、登記された存続期間又は買戻しの期間が満了している場合において、相当の調査が行われたと認められるものとして法務省令で定める方法により調査を行ってもなお共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在が判明しないときは、その者の所在が知れないものとみなして、同項の規定を適用する。 3 前二項の場合において、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定があったときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独で第一項の登記の抹消を申請することができる。 4 第一項に規定する場合において、登記権利者が先取特権、質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。 同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。 (解散した法人の担保権に関する登記の抹消) 第七十条の二 登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき法人が解散し、前条第二項に規定する方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しないためその法人と共同して先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することができない場合において、被担保債権の弁済期から三十年を経過し、かつ、その法人の解散の日から三十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、単独で当該登記の抹消を申請することができる。 (職権による登記の抹消) 第七十一条 登記官は、権利に関する登記を完了した後に当該登記が第二十五条第一号から第三号まで又は第十三号に該当することを発見したときは、登記権利者及び登記義務者並びに登記上の利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、当該登記の抹消について異議のある者がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。 2 登記官は、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、法務省令で定めるところにより、前項の通知に代えて、通知をすべき内容を公告しなければならない。 3 登記官は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 登記官は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登記を抹消しなければならない。 (抹消された登記の回復) 第七十二条 抹消された登記(権利に関する登記に限る。)の回復は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の回復につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 (敷地権付き区分建物に関する登記等) 第七十三条 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記は、第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有する。 ただし、次に掲げる登記は、この限りでない。 一 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をする前に登記されたもの(担保権に係る権利に関する登記にあっては、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この号において同じ。)が当該敷地権となった土地の権利についてされた担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものを除く。) 二 敷地権付き区分建物についての所有権に係る仮登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 三 敷地権付き区分建物についての質権又は抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの 四 敷地権付き区分建物についての所有権又は質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生じた後に生じたもの(区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない場合(以下この条において「分離処分禁止の場合」という。)を除く。) 2 第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には、敷地権の移転の登記又は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該土地が敷地権の目的となった後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は敷地権についての仮登記若しくは質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該土地が敷地権の目的となる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 3 敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。 ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)又は当該建物のみの所有権についての仮登記若しくは当該建物のみを目的とする質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたものは、この限りでない。 第二款 所有権に関する登記 (所有権の登記の登記事項) 第七十三条の二 所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 所有権の登記名義人が法人であるときは、会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。)その他の特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの 二 所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときは、その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるもの 2 前項各号に掲げる登記事項についての登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の保存の登記) 第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。 一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人 二 所有権を有することが確定判決によって確認された者 三 収用(土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者 2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。 この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。 (表題登記がない不動産についてする所有権の保存の登記) 第七十五条 登記官は、前条第一項第二号又は第三号に掲げる者の申請に基づいて表題登記がない不動産について所有権の保存の登記をするときは、当該不動産に関する不動産の表示のうち法務省令で定めるものを登記しなければならない。 (所有権の保存の登記の登記事項等) 第七十六条 所有権の保存の登記においては、第五十九条第三号の規定にかかわらず、登記原因及びその日付を登記することを要しない。 ただし、敷地権付き区分建物について第七十四条第二項の規定により所有権の保存の登記をする場合は、この限りでない。 2 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をするときは、職権で、所有権の保存の登記をしなければならない。 3 前条の規定は、表題登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をする場合について準用する。 (相続等による所有権の移転の登記の申請) 第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。 2 前項前段の規定による登記(民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされたものに限る。次条第四項において同じ。)がされた後に遺産の分割があったときは、当該遺産の分割によって当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 3 前二項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 (相続人である旨の申出等) 第七十六条の三 前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。 2 前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。 3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項を所有権の登記に付記することができる。 4 第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(前条第一項前段の規定による登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。 5 前項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、同項の規定による登記がされた場合には、適用しない。 6 第一項の規定による申出の手続及び第三項の規定による登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (所有権の登記名義人についての符号の表示) 第七十六条の四 登記官は、所有権の登記名義人(法務省令で定めるものに限る。)が権利能力を有しないこととなったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、当該所有権の登記名義人についてその旨を示す符号を表示することができる。 (所有権の登記名義人の氏名等の変更の登記の申請) 第七十六条の五 所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったときは、当該所有権の登記名義人は、その変更があった日から二年以内に、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記を申請しなければならない。 (職権による氏名等の変更の登記) 第七十六条の六 登記官は、所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記をすることができる。 ただし、当該所有権の登記名義人が自然人であるときは、その申出があるときに限る。 (所有権の登記の抹消) 第七十七条 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がない場合に限り、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 第三款 用益権に関する登記 (地上権の登記の登記事項) 第七十八条 地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 地上権設定の目的 二 地代又はその支払時期の定めがあるときは、その定め 三 存続期間又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条第一項前段若しくは第二十三条第一項若しくは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成二十五年法律第六十一号)第七条第一項の定めがあるときは、その定め 四 地上権設定の目的が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物の所有であるときは、その旨 五 民法第二百六十九条の二第一項前段に規定する地上権の設定にあっては、その目的である地下又は空間の上下の範囲及び同項後段の定めがあるときはその定め (永小作権の登記の登記事項) 第七十九条 永小作権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 小作料 二 存続期間又は小作料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 民法第二百七十二条ただし書の定めがあるときは、その定め 四 前二号に規定するもののほか、永小作人の権利又は義務に関する定めがあるときは、その定め (地役権の登記の登記事項等) 第八十条 承役地(民法第二百八十五条第一項に規定する承役地をいう。以下この条において同じ。)についてする地役権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 要役地(民法第二百八十一条第一項に規定する要役地をいう。以下この条において同じ。) 二 地役権設定の目的及び範囲 三 民法第二百八十一条第一項ただし書若しくは第二百八十五条第一項ただし書の別段の定め又は同法第二百八十六条の定めがあるときは、その定め 2 前項の登記においては、第五十九条第四号の規定にかかわらず、地役権者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。 4 登記官は、承役地に地役権の設定の登記をしたときは、要役地について、職権で、法務省令で定める事項を登記しなければならない。 (賃借権の登記等の登記事項) 第八十一条 賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 賃料 二 存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるときは、その定め 四 敷金があるときは、その旨 五 賃貸人が財産の処分につき行為能力の制限を受けた者又は財産の処分の権限を有しない者であるときは、その旨 六 土地の賃借権設定の目的が建物の所有であるときは、その旨 七 前号に規定する場合において建物が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物であるときは、その旨 八 借地借家法第二十二条第一項前段、第二十三条第一項、第三十八条第一項前段若しくは第三十九条第一項、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十二条第一項又は大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第七条第一項の定めがあるときは、その定め (配偶者居住権の登記の登記事項) 第八十一条の二 配偶者居住権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 第三者に居住建物(民法第千二十八条第一項に規定する居住建物をいう。)の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときは、その定め (採石権の登記の登記事項) 第八十二条 採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間 二 採石権の内容又は採石料若しくはその支払時期の定めがあるときは、その定め 第四款 担保権等に関する登記 (担保権の登記の登記事項) 第八十三条 先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 債権額(一定の金額を目的としない債権については、その価額) 二 債務者の氏名又は名称及び住所 三 所有権以外の権利を目的とするときは、その目的となる権利 四 二以上の不動産に関する権利を目的とするときは、当該二以上の不動産及び当該権利 五 外国通貨で第一号の債権額を指定した債権を担保する質権若しくは転質又は抵当権の登記にあっては、本邦通貨で表示した担保限度額 2 登記官は、前項第四号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、共同担保目録を作成することができる。 (債権の一部譲渡による担保権の移転の登記等の登記事項) 第八十四条 債権の一部について譲渡又は代位弁済がされた場合における先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の移転の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、当該譲渡又は代位弁済の目的である債権の額とする。 (不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十五条 不動産工事の先取特権の保存の登記においては、第八十三条第一項第一号の債権額として工事費用の予算額を登記事項とする。 (建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記) 第八十六条 建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記については、当該建物の所有者となるべき者を登記義務者とみなす。 この場合においては、第二十二条本文の規定は、適用しない。 2 前項の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第三号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 新築する建物並びに当該建物の種類、構造及び床面積は設計書による旨 二 登記義務者の氏名又は名称及び住所 3 前項第一号の規定は、所有権の登記がある建物の附属建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の保存の登記について準用する。 (建物の建築が完了した場合の登記) 第八十七条 前条第一項の登記をした場合において、建物の建築が完了したときは、当該建物の所有者は、遅滞なく、所有権の保存の登記を申請しなければならない。 2 前条第三項の登記をした場合において、附属建物の建築が完了したときは、当該附属建物が属する建物の所有権の登記名義人は、遅滞なく、当該附属建物の新築による建物の表題部の変更の登記を申請しなければならない。 (抵当権の登記の登記事項) 第八十八条 抵当権(根抵当権(民法第三百九十八条の二第一項の規定による抵当権をいう。以下同じ。)を除く。)の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 利息に関する定めがあるときは、その定め 二 民法第三百七十五条第二項に規定する損害の賠償額の定めがあるときは、その定め 三 債権に付した条件があるときは、その条件 四 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 五 抵当証券発行の定めがあるときは、その定め 六 前号の定めがある場合において元本又は利息の弁済期又は支払場所の定めがあるときは、その定め 2 根抵当権の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号(第一号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 担保すべき債権の範囲及び極度額 二 民法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 三 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、その定め 四 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがあるときは、その定め (抵当権の順位の変更の登記等) 第八十九条 抵当権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同してしなければならない。 2 前項の規定は、民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがある場合の当該定めの登記の申請について準用する。 (抵当権の処分の登記) 第九十条 第八十三条及び第八十八条の規定は、民法第三百七十六条第一項の規定により抵当権を他の債権のための担保とし、又は抵当権を譲渡し、若しくは放棄する場合の登記について準用する。 (共同抵当の代位の登記) 第九十一条 民法第三百九十三条の規定による代位の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価及び当該弁済を受けた額とする。 2 第八十三条及び第八十八条の規定は、前項の登記について準用する。 (根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限) 第九十二条 民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。 (根抵当権の元本の確定の登記) 第九十三条 民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第三号若しくは第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登記は、第六十条の規定にかかわらず、当該根抵当権の登記名義人が単独で申請することができる。 ただし、同項第三号又は第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合における申請は、当該根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せてしなければならない。 (抵当証券に関する登記) 第九十四条 登記官は、抵当証券を交付したときは、職権で、抵当証券交付の登記をしなければならない。 2 抵当証券法第一条第二項の申請があった場合において、同法第五条第二項の嘱託を受けた登記所の登記官が抵当証券を作成したときは、当該登記官は、職権で、抵当証券作成の登記をしなければならない。 3 前項の場合において、同項の申請を受けた登記所の登記官は、抵当証券を交付したときは抵当証券交付の登記を、同項の申請を却下したときは抵当証券作成の登記の抹消を同項の登記所に嘱託しなければならない。 4 第二項の規定による抵当証券作成の登記をした不動産について、前項の規定による嘱託により抵当証券交付の登記をしたときは、当該抵当証券交付の登記は、当該抵当証券作成の登記をした時にさかのぼってその効力を生ずる。 (質権の登記等の登記事項) 第九十五条 質権又は転質の登記の登記事項は、第五十九条各号及び第八十三条第一項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 存続期間の定めがあるときは、その定め 二 利息に関する定めがあるときは、その定め 三 違約金又は賠償額の定めがあるときは、その定め 四 債権に付した条件があるときは、その条件 五 民法第三百四十六条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 六 民法第三百五十九条の規定によりその設定行為について別段の定め(同法第三百五十六条又は第三百五十七条に規定するものに限る。)があるときは、その定め 七 民法第三百六十一条において準用する同法第三百七十条ただし書の別段の定めがあるときは、その定め 2 第八十八条第二項及び第八十九条から第九十三条までの規定は、質権について準用する。 この場合において、第九十条及び第九十一条第二項中「第八十八条」とあるのは、「第九十五条第一項又は同条第二項において準用する第八十八条第二項」と読み替えるものとする。 (買戻しの特約の登記の登記事項) 第九十六条 買戻しの特約の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額)及び契約の費用並びに買戻しの期間の定めがあるときはその定めとする。 第五款 信託に関する登記 (信託の登記の登記事項) 第九十七条 信託の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。 一 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所 二 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め 三 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 四 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所 五 信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨 六 信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨 七 公益信託に関する法律(令和六年法律第三十号)第二条第一項第一号に規定する公益信託であるときは、その旨 八 信託の目的 九 信託財産の管理方法 十 信託の終了の事由 十一 その他の信託の条項 2 前項第二号から第六号までに掲げる事項のいずれかを登記したときは、同項第一号の受益者(同項第四号に掲げる事項を登記した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。 3 登記官は、第一項各号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託目録を作成することができる。 (信託の登記の申請方法等) 第九十八条 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記は、受託者が単独で申請することができる。 3 信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請することができる。 (代位による信託の登記の申請) 第九十九条 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。 (受託者の変更による登記等) 第百条 受託者の任務が死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。第百二条第二項において同じ。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する不動産についてする受託者の変更による権利の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者が単独で申請することができる。 2 受託者が二人以上ある場合において、そのうち少なくとも一人の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する不動産についてする当該受託者の任務の終了による権利の変更の登記は、第六十条の規定にかかわらず、他の受託者が単独で申請することができる。 (職権による信託の変更の登記) 第百一条 登記官は、信託財産に属する不動産について次に掲げる登記をするときは、職権で、信託の変更の登記をしなければならない。 一 信託法第七十五条第一項又は第二項の規定による権利の移転の登記 二 信託法第八十六条第四項本文の規定による権利の変更の登記 三 受託者である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記 (嘱託による信託の変更の登記) 第百二条 裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があったとき、信託管理人若しくは受益者代理人の選任若しくは解任の裁判があったとき、又は信託の変更を命ずる裁判があったときは、職権で、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 主務官庁は、受託者を解任したとき、信託管理人若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 (信託の変更の登記の申請) 第百三条 前二条に規定するもののほか、第九十七条第一項各号に掲げる登記事項について変更があったときは、受託者は、遅滞なく、信託の変更の登記を申請しなければならない。 2 第九十九条の規定は、前項の信託の変更の登記の申請について準用する。 (信託の登記の抹消) 第百四条 信託財産に属する不動産に関する権利が移転、変更又は消滅により信託財産に属しないこととなった場合における信託の登記の抹消の申請は、当該権利の移転の登記若しくは変更の登記又は当該権利の登記の抹消の申請と同時にしなければならない。 2 信託の登記の抹消は、受託者が単独で申請することができる。 (権利の変更の登記等の特則) 第百四条の二 信託の併合又は分割により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該権利に係る当該一の信託についての信託の登記の抹消及び当該他の信託についての信託の登記の申請は、信託の併合又は分割による権利の変更の登記の申請と同時にしなければならない。 信託の併合又は分割以外の事由により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。 2 信託財産に属する不動産についてする次の表の上欄に掲げる場合における権利の変更の登記(第九十八条第三項の登記を除く。)については、同表の中欄に掲げる者を登記権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登記義務者とする。 この場合において、受益者(信託管理人がある場合にあっては、信託管理人。以下この項において同じ。)については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 一 不動産に関する権利が固有財産に属する財産から信託財産に属する財産となった場合 受益者 受託者 二 不動産に関する権利が信託財産に属する財産から固有財産に属する財産となった場合 受託者 受益者 三 不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合 当該他の信託の受益者及び受託者 当該一の信託の受益者及び受託者 第六款 仮登記 (仮登記) 第百五条 仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。 一 第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。 二 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。 (仮登記に基づく本登記の順位) 第百六条 仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。 (仮登記の申請方法) 第百七条 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。 2 仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 (仮登記を命ずる処分) 第百八条 裁判所は、仮登記の登記権利者の申立てにより、仮登記を命ずる処分をすることができる。 2 前項の申立てをするときは、仮登記の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 第一項の申立てに係る事件は、不動産の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 非訟事件手続法第二条及び第二編(同法第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第五十九条、第六十六条第一項及び第二項並びに第七十二条を除く。)の規定は、前項の即時抗告について準用する。 (仮登記に基づく本登記) 第百九条 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。 2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。 (仮登記の抹消) 第百十条 仮登記の抹消は、第六十条の規定にかかわらず、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。 仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。 第七款 仮処分に関する登記 (仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十一条 所有権について民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記(同条第二項に規定する保全仮登記(以下「保全仮登記」という。)とともにしたものを除く。以下この条において同じ。)がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権の登記(仮登記を除く。)を申請する場合においては、当該債権者は、当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができる。 2 前項の規定は、所有権以外の権利について民事保全法第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする当該権利の移転又は消滅に関し登記(仮登記を除く。)を申請する場合について準用する。 3 登記官は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申請に基づいて当該処分禁止の登記に後れる登記を抹消するときは、職権で、当該処分禁止の登記も抹消しなければならない。 (保全仮登記に基づく本登記の順位) 第百十二条 保全仮登記に基づいて本登記をした場合は、当該本登記の順位は、当該保全仮登記の順位による。 (保全仮登記に係る仮処分の登記に後れる登記の抹消) 第百十三条 不動産の使用又は収益をする権利について保全仮登記がされた後、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者が本登記を申請する場合においては、当該債権者は、所有権以外の不動産の使用若しくは収益をする権利又は当該権利を目的とする権利に関する登記であって当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れるものの抹消を単独で申請することができる。 (処分禁止の登記の抹消) 第百十四条 登記官は、保全仮登記に基づく本登記をするときは、職権で、当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記を抹消しなければならない。 第八款 官庁又は公署が関与する登記等 (公売処分による登記) 第百十五条 官庁又は公署は、公売処分をした場合において、登記権利者の請求があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を登記所に嘱託しなければならない。 一 公売処分による権利の移転の登記 二 公売処分により消滅した権利の登記の抹消 三 滞納処分に関する差押えの登記の抹消 (官庁又は公署の嘱託による登記) 第百十六条 国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。 (官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報) 第百十七条 登記官は、官庁又は公署が登記権利者(登記をすることによって登記名義人となる者に限る。以下この条において同じ。)のためにした登記の嘱託に基づいて登記を完了したときは、速やかに、当該登記権利者のために登記識別情報を当該官庁又は公署に通知しなければならない。 2 前項の規定により登記識別情報の通知を受けた官庁又は公署は、遅滞なく、これを同項の登記権利者に通知しなければならない。 (収用による登記) 第百十八条 不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。 2 国又は地方公共団体が起業者であるときは、官庁又は公署は、遅滞なく、前項の登記を登記所に嘱託しなければならない。 3 前二項の規定は、不動産に関する所有権以外の権利の収用による権利の消滅の登記について準用する。 4 土地の収用による権利の移転の登記を申請する場合には、当該収用により消滅した権利又は失効した差押え、仮差押え若しくは仮処分に関する登記を指定しなければならない。 この場合において、権利の移転の登記をするときは、登記官は、職権で、当該指定に係る登記を抹消しなければならない。 5 登記官は、建物の収用による所有権の移転の登記をするときは、職権で、当該建物を目的とする所有権等の登記以外の権利に関する登記を抹消しなければならない。 第三項の登記をする場合において同項の権利を目的とする権利に関する登記についても、同様とする。 6 登記官は、第一項の登記をするときは、職権で、裁決手続開始の登記を抹消しなければならない。 第五章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付等) 第百十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。 3 前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。 4 第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。 ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。 5 第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。 6 登記官は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、登記記録に記録されている者(自然人であるものに限る。)の住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがあるものとして法務省令で定める場合において、その者からの申出があったときは、法務省令で定めるところにより、第一項及び第二項に規定する各書面に当該住所に代わるものとして法務省令で定める事項を記載しなければならない。 (所有不動産記録証明書の交付等) 第百十九条の二 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、自らが所有権の登記名義人(これに準ずる者として法務省令で定めるものを含む。)として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは、その旨)を証明した書面(以下この条において「所有不動産記録証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、被承継人に係る所有不動産記録証明書の交付を請求することができる。 3 前二項の交付の請求は、法務大臣の指定する登記所の登記官に対し、法務省令で定めるところにより、することができる。 4 前条第三項及び第四項の規定は、所有不動産記録証明書の手数料について準用する。 (地図の写しの交付等) 第百二十条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図、建物所在図又は地図に準ずる図面(以下この条において「地図等」という。)の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図等(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 3 第百十九条第三項から第五項までの規定は、地図等について準用する。 (登記簿の附属書類の写しの交付等) 第百二十一条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)のうち政令で定める図面の全部又は一部の写し(これらの図面が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類のうち前項の図面(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の閲覧を請求することができる。 3 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(第一項の図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 4 前項の規定にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 5 第百十九条第三項から第五項までの規定は、登記簿の附属書類について準用する。 (法務省令への委任) 第百二十二条 この法律に定めるもののほか、登記簿、地図、建物所在図及び地図に準ずる図面並びに登記簿の附属書類(第百五十四条及び第百五十五条において「登記簿等」という。)の公開に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第六章 筆界特定 第一節 総則 (定義) 第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。 二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。 三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。 四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。 五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。 (筆界特定の事務) 第百二十四条 筆界特定の事務は、対象土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局がつかさどる。 2 第六条第二項及び第三項の規定は、筆界特定の事務について準用する。 この場合において、同条第二項中「不動産」とあるのは「対象土地」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、「法務局若しくは地方法務局」とあるのは「法務局」と、同条第三項中「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と読み替えるものとする。 (筆界特定登記官) 第百二十五条 筆界特定は、筆界特定登記官(登記官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が行う。 (筆界特定登記官の除斥) 第百二十六条 筆界特定登記官が次の各号のいずれかに該当する者であるときは、当該筆界特定登記官は、対象土地について筆界特定を行うことができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 (筆界調査委員) 第百二十七条 法務局及び地方法務局に、筆界特定について必要な事実の調査を行い、筆界特定登記官に意見を提出させるため、筆界調査委員若干人を置く。 2 筆界調査委員は、前項の職務を行うのに必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから、法務局又は地方法務局の長が任命する。 3 筆界調査委員の任期は、二年とする。 4 筆界調査委員は、再任されることができる。 5 筆界調査委員は、非常勤とする。 (筆界調査委員の欠格事由) 第百二十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、筆界調査委員となることができない。 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 二 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)又は土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)の規定による懲戒処分により、弁護士会からの除名又は司法書士若しくは土地家屋調査士の業務の禁止の処分を受けた者でこれらの処分を受けた日から三年を経過しないもの 三 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者 2 筆界調査委員が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、当然失職する。 (筆界調査委員の解任) 第百二十九条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その筆界調査委員を解任することができる。 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。 二 職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行があると認められるとき。 (標準処理期間) 第百三十条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定の申請がされてから筆界特定登記官が筆界特定をするまでに通常要すべき標準的な期間を定め、法務局又は地方法務局における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。 第二節 筆界特定の手続 第一款 筆界特定の申請 (筆界特定の申請) 第百三十一条 土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。 2 地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し、当該対象土地の筆界(第十四条第一項の地図に表示されないものに限る。)について、筆界特定の申請をすることができる。 3 筆界特定の申請は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申請の趣旨 二 筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所 三 対象土地に係る第三十四条第一項第一号及び第二号に掲げる事項(表題登記がない土地にあっては、同項第一号に掲げる事項) 四 対象土地について筆界特定を必要とする理由 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 4 筆界特定の申請人は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。 5 第十八条の規定は、筆界特定の申請について準用する。 この場合において、同条中「不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)」とあるのは「第百三十一条第三項各号に掲げる事項に係る情報(第二号、第百三十二条第一項第四号及び第百五十条において「筆界特定申請情報」という。)」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、同条第二号中「申請情報」とあるのは「筆界特定申請情報」と読み替えるものとする。 (申請の却下) 第百三十二条 筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。 二 申請の権限を有しない者の申請によるとき。 三 申請が前条第三項の規定に違反するとき。 四 筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。 五 申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。 六 対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。 七 対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。 ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。 八 手数料を納付しないとき。 九 第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。 2 前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。 (筆界特定の申請の通知) 第百三十三条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、その旨を次に掲げる者(以下「関係人」という。)に通知しなければならない。 ただし、前条第一項の規定により当該申請を却下すべき場合は、この限りでない。 一 対象土地の所有権登記名義人等であって筆界特定の申請人以外のもの 二 関係土地の所有権登記名義人等 2 前項本文の場合において、関係人の所在が判明しないときは、同項本文の規定による通知を、次に掲げる事項を法務省令で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置くとともに、当該事項が記載された書面を対象土地の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局の掲示場に掲示し、又は当該事項を対象土地の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局の事務所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置をとることによって行うことができる。 この場合においては、当該措置を開始した日から二週間を経過したときに、当該通知が関係人に到達したものとみなす。 一 関係人の氏名又は名称 二 通知をすべき事項 三 前号の事項を記載した書面をいつでも関係人に交付する旨 第二款 筆界の調査等 (筆界調査委員の指定等) 第百三十四条 法務局又は地方法務局の長は、前条第一項本文の規定による公告及び通知がされたときは、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を行うべき筆界調査委員を指定しなければならない。 2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の筆界調査委員に指定することができない。 一 対象土地又は関係土地のうちいずれかの土地の所有権の登記名義人(仮登記の登記名義人を含む。以下この号において同じ。)、表題部所有者若しくは所有者又は所有権以外の権利の登記名義人若しくは当該権利を有する者 二 前号に掲げる者の配偶者又は四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。次号において同じ。) 三 第一号に掲げる者の代理人若しくは代表者(代理人又は代表者であった者を含む。)又はその配偶者若しくは四親等内の親族 3 第一項の規定による指定を受けた筆界調査委員が数人あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、筆界特定登記官の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 4 法務局又は地方法務局の長は、その職員に、筆界調査委員による事実の調査を補助させることができる。 (筆界調査委員による事実の調査) 第百三十五条 筆界調査委員は、前条第一項の規定による指定を受けたときは、対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査をすること、筆界特定の申請人若しくは関係人又はその他の者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることその他対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査をすることができる。 2 筆界調査委員は、前項の事実の調査に当たっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定を目的とするものでないことに留意しなければならない。 (測量及び実地調査) 第百三十六条 筆界調査委員は、対象土地の測量又は実地調査を行うときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を筆界特定の申請人及び関係人に通知して、これに立ち会う機会を与えなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (立入調査) 第百三十七条 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が対象土地又は関係土地その他の土地の測量又は実地調査を行う場合において、必要があると認めるときは、その必要の限度において、筆界調査委員又は第百三十四条第四項の職員(以下この条において「筆界調査委員等」という。)に、他人の土地に立ち入らせることができる。 2 法務局又は地方法務局の長は、前項の規定により筆界調査委員等を他人の土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を当該土地の占有者に通知しなければならない。 3 第一項の規定により宅地又は垣、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合には、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。 4 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。 5 土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。 6 第一項の規定による立入りをする場合には、筆界調査委員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 7 国は、第一項の規定による立入りによって損失を受けた者があるときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。 (関係行政機関等に対する協力依頼) 第百三十八条 法務局又は地方法務局の長は、筆界特定のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係のある公私の団体に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。 (意見又は資料の提出) 第百三十九条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定の申請人及び関係人は、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界について、意見又は資料を提出することができる。 この場合において、筆界特定登記官が意見又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。 2 前項の規定による意見又は資料の提出は、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により行うことができる。 (意見聴取等の期日) 第百四十条 筆界特定の申請があったときは、筆界特定登記官は、第百三十三条第一項本文の規定による公告をした時から筆界特定をするまでの間に、筆界特定の申請人及び関係人に対し、あらかじめ期日及び場所を通知して、対象土地の筆界について、意見を述べ、又は資料(電磁的記録を含む。)を提出する機会を与えなければならない。 2 筆界特定登記官は、前項の期日において、適当と認める者に、参考人としてその知っている事実を陳述させることができる。 3 筆界調査委員は、第一項の期日に立ち会うものとする。 この場合において、筆界調査委員は、筆界特定登記官の許可を得て、筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人に対し質問を発することができる。 4 筆界特定登記官は、第一項の期日の経過を記載した調書を作成し、当該調書において当該期日における筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。 5 前項の調書は、電磁的記録をもって作成することができる。 6 第百三十三条第二項の規定は、第一項の規定による通知について準用する。 (調書等の閲覧) 第百四十一条 筆界特定の申請人及び関係人は、第百三十三条第一項本文の規定による公告があった時から第百四十四条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされるまでの間、筆界特定登記官に対し、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 この場合において、筆界特定登記官は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。 2 筆界特定登記官は、前項の閲覧について、日時及び場所を指定することができる。 第三節 筆界特定 (筆界調査委員の意見の提出) 第百四十二条 筆界調査委員は、第百四十条第一項の期日の後、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査を終了したときは、遅滞なく、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界特定についての意見を提出しなければならない。 (筆界特定) 第百四十三条 筆界特定登記官は、前条の規定により筆界調査委員の意見が提出されたときは、その意見を踏まえ、登記記録、地図又は地図に準ずる図面及び登記簿の附属書類の内容、対象土地及び関係土地の地形、地目、面積及び形状並びに工作物、囲障又は境界標の有無その他の状況及びこれらの設置の経緯その他の事情を総合的に考慮して、対象土地の筆界特定をし、その結論及び理由の要旨を記載した筆界特定書を作成しなければならない。 2 筆界特定書においては、図面及び図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものにより、筆界特定の内容を表示しなければならない。 3 筆界特定書は、電磁的記録をもって作成することができる。 (筆界特定の通知等) 第百四十四条 筆界特定登記官は、筆界特定をしたときは、遅滞なく、筆界特定の申請人に対し、筆界特定書の写しを交付する方法(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、法務省令で定める方法)により当該筆界特定書の内容を通知するとともに、法務省令で定めるところにより、筆界特定をした旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。 2 第百三十三条第二項の規定は、前項の規定による通知について準用する。 (筆界特定手続記録の保管) 第百四十五条 前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。)は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管する。 第四節 雑則 (手続費用の負担等) 第百四十六条 筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。)は、筆界特定の申請人の負担とする。 2 筆界特定の申請人が二人ある場合において、その一人が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、等しい割合で手続費用を負担する。 3 筆界特定の申請人が二人以上ある場合において、その全員が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、その持分(所有権の登記がある一筆の土地にあっては第五十九条第四号の持分、所有権の登記がない一筆の土地にあっては第二十七条第三号の持分。次項において同じ。)の割合に応じて手続費用を負担する。 4 筆界特定の申請人が三人以上ある場合において、その一人又は二人以上が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人又は二人以上が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、対象土地のいずれかの土地の一人の所有権登記名義人等である筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額を負担し、対象土地のいずれかの土地の二人以上の所有権登記名義人等である各筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額についてその持分の割合に応じてこれを負担する。 5 筆界特定登記官は、筆界特定の申請人に手続費用の概算額を予納させなければならない。 (筆界確定訴訟における釈明処分の特則) 第百四十七条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起されたときは、裁判所は、当該訴えに係る訴訟において、訴訟関係を明瞭にするため、登記官に対し、当該筆界特定に係る筆界特定手続記録の送付を嘱託することができる。 民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起された後、当該訴えに係る筆界について筆界特定がされたときも、同様とする。 (筆界確定訴訟の判決との関係) 第百四十八条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定したときは、当該筆界特定は、当該判決と抵触する範囲において、その効力を失う。 (筆界特定書等の写しの交付等) 第百四十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部(以下この条及び第百五十四条において「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。 ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。 3 第百十九条第三項及び第四項の規定は、前二項の手数料について準用する。 (法務省令への委任) 第百五十条 この章に定めるもののほか、筆界特定申請情報の提供の方法、筆界特定手続記録の公開その他の筆界特定の手続に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第七章 雑則 (情報の提供の求め) 第百五十一条 登記官は、職権による登記をし、又は第十四条第一項の地図を作成するために必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、その対象となる不動産の所有者等(所有権が帰属し、又は帰属していた自然人又は法人(法人でない社団又は財団を含む。)をいう。)に関する情報の提供を求めることができる。 (登記識別情報の安全確保) 第百五十二条 登記官は、その取り扱う登記識別情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の登記識別情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 2 登記官その他の不動産登記の事務に従事する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所に勤務する法務事務官又はその職にあった者は、その事務に関して知り得た登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らしてはならない。 (行政手続法の適用除外) 第百五十三条 登記官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。 (行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外) 第百五十四条 登記簿等及び筆界特定書等については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。 (個人情報の保護に関する法律の適用除外) 第百五十五条 登記簿等に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。 (審査請求) 第百五十六条 登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。 2 審査請求は、登記官を経由してしなければならない。 (審査請求事件の処理) 第百五十七条 登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合を除き、審査請求の日から三日以内に、意見を付して事件を前条第一項の法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。 この場合において、当該法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。 3 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、登記官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか登記上の利害関係人に通知しなければならない。 4 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、前項の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができる。 5 前条第一項の法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、登記官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。 6 前条第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五十七条第二項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「不動産登記法第百五十七条第二項の意見」とする。 (行政不服審査法の適用除外) 第百五十八条 行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、第百五十六条第一項の審査請求については、適用しない。 第八章 罰則 (秘密を漏らした罪) 第百五十九条 第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。 (虚偽の登記名義人確認情報を提供した罪) 第百六十条 第二十三条第四項第一号(第十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による情報の提供をする場合において、虚偽の情報を提供したときは、当該違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 (不正に登記識別情報を取得等した罪) 第百六十一条 登記簿に不実の記録をさせることとなる登記の申請又は嘱託の用に供する目的で、登記識別情報を取得した者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。 2 不正に取得された登記識別情報を、前項の目的で保管した者も、同項と同様とする。 (検査の妨害等の罪) 第百六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第二十九条第二項(第十六条第二項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。 二 第二十九条第二項の規定による文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示をせず、若しくは虚偽の文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものを提示し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。 三 第百三十七条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げたとき。 (両罰規定) 第百六十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百六十条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料) 第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。 2 第七十六条の五の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、五万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
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平成十六年政令第三百七十九号
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不動産登記令 第一章 総則 (趣旨) 第一条 この政令は、不動産登記法(以下「法」という。)の規定による不動産についての登記に関し必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第二条 この政令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 添付情報 登記の申請をする場合において、法第二十二条本文若しくは第六十一条の規定、次章の規定又はその他の法令の規定によりその申請情報と併せて登記所に提供しなければならないものとされている情報をいう。 二 土地所在図 一筆の土地の所在を明らかにする図面であって、法務省令で定めるところにより作成されるものをいう。 三 地積測量図 一筆の土地の地積に関する測量の結果を明らかにする図面であって、法務省令で定めるところにより作成されるものをいう。 四 地役権図面 地役権設定の範囲が承役地の一部である場合における当該地役権設定の範囲を明らかにする図面であって、法務省令で定めるところにより作成されるものをいう。 五 建物図面 一個の建物の位置を明らかにする図面であって、法務省令で定めるところにより作成されるものをいう。 六 各階平面図 一個の建物の各階ごとの平面の形状を明らかにする図面であって、法務省令で定めるところにより作成されるものをいう。 七 嘱託情報 法第十六条第一項に規定する登記の嘱託において、同条第二項において準用する法第十八条の規定により嘱託者が登記所に提供しなければならない情報をいう。 八 順位事項 法第五十九条第八号の規定により権利の順位を明らかにするために必要な事項として法務省令で定めるものをいう。 第二章 申請情報及び添付情報 (申請情報) 第三条 登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない法第十八条の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。 一 申請人の氏名又は名称及び住所 二 申請人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって登記を申請するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、申請人が代位者である旨、当該他人の氏名又は名称及び住所並びに代位原因 五 登記の目的 六 登記原因及びその日付(所有権の保存の登記を申請する場合にあっては、法第七十四条第二項の規定により敷地権付き区分建物について申請するときに限る。) 七 土地の表示に関する登記又は土地についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項 イ 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字 ロ 地番(土地の表題登記を申請する場合、法第七十四条第一項第二号又は第三号に掲げる者が表題登記がない土地について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない土地について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合を除く。) ハ 地目 ニ 地積 八 建物の表示に関する登記又は建物についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項 イ 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番) ロ 家屋番号(建物の表題登記(合体による登記等における合体後の建物についての表題登記を含む。)を申請する場合、法第七十四条第一項第二号又は第三号に掲げる者が表題登記がない建物について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない建物について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合を除く。) ハ 建物の種類、構造及び床面積 ニ 建物の名称があるときは、その名称 ホ 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積 ヘ 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積(トに掲げる事項を申請情報の内容とする場合(ロに規定する場合を除く。)を除く。) ト 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称 九 表題登記又は権利の保存、設定若しくは移転の登記(根質権、根抵当権及び信託の登記を除く。)を申請する場合において、表題部所有者又は登記名義人となる者が二人以上であるときは、当該表題部所有者又は登記名義人となる者ごとの持分 十 法第三十条の規定により表示に関する登記を申請するときは、申請人が表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人である旨 十一 権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項 イ 申請人が登記権利者又は登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人)でないとき(第四号並びにロ及びハの場合を除く。)は、登記権利者、登記義務者又は登記名義人の氏名又は名称及び住所 ロ 法第六十二条の規定により登記を申請するときは、申請人が登記権利者、登記義務者又は登記名義人の相続人その他の一般承継人である旨 ハ ロの場合において、登記名義人となる登記権利者の相続人その他の一般承継人が申請するときは、登記権利者の氏名又は名称及び一般承継の時における住所 ニ 登記の目的である権利の消滅に関する定め又は共有物分割禁止の定めがあるときは、その定め ホ 権利の一部を移転する登記を申請するときは、移転する権利の一部 ヘ 敷地権付き区分建物についての所有権、一般の先取特権、質権又は抵当権に関する登記(法第七十三条第三項ただし書に規定する登記を除く。)を申請するときは、次に掲げる事項 (1) 敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目及び地積 (2) 敷地権の種類及び割合 ト 所有権の保存若しくは移転の登記を申請するとき又は所有権の登記がない不動産について所有権の処分の制限の登記を嘱託するときは、次に掲げる事項 (1) 所有権の登記名義人となる者が法人であるときは、法第七十三条の二第一項第一号に規定する特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの(別表において「法人識別事項」という。) (2) 所有権の登記名義人となる者が国内に住所を有しないときは、法第七十三条の二第一項第二号に規定する国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるもの(別表において「国内連絡先事項」という。) 十二 申請人が法第二十二条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、当該登記識別情報を提供することができない理由 十三 前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の申請情報欄に掲げる事項 (申請情報の作成及び提供) 第四条 申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるときは、この限りでない。 (一の申請情報による登記の申請) 第五条 合体による登記等の申請は、一の申請情報によってしなければならない。 この場合において、法第四十九条第一項後段の規定により併せて所有権の登記の申請をするときは、これと当該合体による登記等の申請とは、一の申請情報によってしなければならない。 2 信託の登記の申請と当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請とは、一の申請情報によってしなければならない。 3 法第百四条第一項の規定による信託の登記の抹消の申請と信託財産に属する不動産に関する権利の移転の登記若しくは変更の登記又は当該権利の登記の抹消の申請とは、一の申請情報によってしなければならない。 4 法第百四条の二第一項の規定による信託の登記の抹消及び信託の登記の申請と権利の変更の登記の申請とは、一の申請情報によってしなければならない。 (申請情報の一部の省略) 第六条 次の各号に掲げる規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、不動産を識別するために必要な事項として法第二十七条第四号の法務省令で定めるもの(次項において「不動産識別事項」という。)を申請情報の内容としたときは、当該各号に定める事項を申請情報の内容とすることを要しない。 一 第三条第七号 同号に掲げる事項 二 第三条第八号 同号に掲げる事項 三 第三条第十一号ヘ(1) 敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目及び地積 2 第三条第十三号の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、不動産識別事項を申請情報の内容としたときは、次に掲げる事項を申請情報の内容とすることを要しない。 一 別表の十三の項申請情報欄ロに掲げる当該所有権の登記がある建物の家屋番号 二 別表の十三の項申請情報欄ハ(1)に掲げる当該合体前の建物の家屋番号 三 別表の十八の項申請情報欄に掲げる当該区分所有者が所有する建物の家屋番号 四 別表の十九の項申請情報欄イに掲げる当該建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番並びに当該建物の家屋番号 五 別表の三十五の項申請情報欄又は同表の三十六の項申請情報欄に掲げる当該要役地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該要役地の地番、地目及び地積 六 別表の四十二の項申請情報欄イ、同表の四十六の項申請情報欄イ、同表の四十九の項申請情報欄イ、同表の五十の項申請情報欄ロ、同表の五十五の項申請情報欄イ、同表の五十八の項申請情報欄イ又は同表の五十九の項申請情報欄ロに掲げる他の登記所の管轄区域内にある不動産についての第三条第七号及び第八号に掲げる事項 七 別表の四十二の項申請情報欄ロ(1)、同表の四十六の項申請情報欄ハ(1)、同表の四十七の項申請情報欄ホ(1)、同表の四十九の項申請情報欄ハ(1)若しくはヘ(1)、同表の五十五の項申請情報欄ハ(1)、同表の五十六の項申請情報欄ニ(1)又は同表の五十八の項申請情報欄ハ(1)若しくはヘ(1)に掲げる当該土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番 八 別表の四十二の項申請情報欄ロ(2)、同表の四十六の項申請情報欄ハ(2)、同表の四十七の項申請情報欄ホ(2)、同表の四十九の項申請情報欄ハ(2)若しくはヘ(2)、同表の五十五の項申請情報欄ハ(2)、同表の五十六の項申請情報欄ニ(2)又は同表の五十八の項申請情報欄ハ(2)若しくはヘ(2)に掲げる当該建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番並びに当該建物の家屋番号 (添付情報) 第七条 登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 申請人が法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報 イ 会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下このイにおいて同じ。)を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 二 代理人によって登記を申請するとき(法務省令で定める場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報 三 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、代位原因を証する情報 四 法第三十条の規定により表示に関する登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。第十六条第二項及び第十七条第一項を除き、以下同じ。)、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 五 権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる情報 イ 法第六十二条の規定により登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) ロ 登記原因を証する情報。 ただし、次の(1)又は(2)に掲げる場合にあっては当該(1)又は(2)に定めるものに限るものとし、別表の登記欄に掲げる登記を申請する場合(次の(1)又は(2)に掲げる場合を除く。)にあっては同表の添付情報欄に規定するところによる。 (1) 法第六十三条第一項に規定する確定判決による登記を申請するとき 執行力のある確定判決の判決書の正本(執行力のある確定判決と同一の効力を有するものの正本を含む。以下同じ。) (2) 法第百八条に規定する仮登記を命ずる処分があり、法第百七条第一項の規定による仮登記を申請するとき 当該仮登記を命ずる処分の決定書の正本 ハ 登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、当該第三者が許可し、同意し、又は承諾したことを証する情報 六 前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報 2 前項第一号及び第二号の規定は、不動産に関する国の機関の所管に属する権利について命令又は規則により指定された官庁又は公署の職員が登記の嘱託をする場合には、適用しない。 3 次に掲げる場合には、第一項第五号ロの規定にかかわらず、登記原因を証する情報を提供することを要しない。 一 法第六十九条の二の規定により買戻しの特約に関する登記の抹消を申請する場合 二 所有権の保存の登記を申請する場合(敷地権付き区分建物について法第七十四条第二項の規定により所有権の保存の登記を申請する場合を除く。) 三 法第百十一条第一項の規定により民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記(保全仮登記とともにしたものを除く。次号において同じ。)に後れる登記の抹消を申請する場合 四 法第百十一条第二項において準用する同条第一項の規定により処分禁止の登記に後れる登記の抹消を申請する場合 五 法第百十三条の規定により保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れる登記の抹消を申請する場合 (登記名義人が登記識別情報を提供しなければならない登記等) 第八条 法第二十二条の政令で定める登記は、次のとおりとする。 ただし、確定判決による登記を除く。 一 所有権の登記がある土地の合筆の登記 二 所有権の登記がある建物の合体による登記等 三 所有権の登記がある建物の合併の登記 四 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記 五 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消 六 質権又は抵当権の順位の変更の登記 七 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の定めの登記 八 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記 九 仮登記の登記名義人が単独で申請する仮登記の抹消 2 前項の登記のうち次の各号に掲げるものの申請については、当該各号に定める登記識別情報を提供すれば足りる。 一 所有権の登記がある土地の合筆の登記 当該合筆に係る土地のうちいずれか一筆の土地の所有権の登記名義人の登記識別情報 二 登記名義人が同一である所有権の登記がある建物の合体による登記等 当該合体に係る建物のうちいずれか一個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報 三 所有権の登記がある建物の合併の登記 当該合併に係る建物のうちいずれか一個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報 (添付情報の一部の省略) 第九条 第七条第一項第六号の規定により申請情報と併せて住所を証する情報(住所について変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を含む。以下この条において同じ。)を提供しなければならないものとされている場合において、その申請情報と併せて法務省令で定める情報を提供したときは、同号の規定にかかわらず、その申請情報と併せて当該住所を証する情報を提供することを要しない。 第三章 電子情報処理組織を使用する方法による登記申請の手続 (添付情報の提供方法) 第十条 電子情報処理組織を使用する方法(法第十八条第一号の規定による電子情報処理組織を使用する方法をいう。以下同じ。)により登記を申請するときは、法務省令で定めるところにより、申請情報と併せて添付情報を送信しなければならない。 (登記事項証明書に代わる情報の送信) 第十一条 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合において、登記事項証明書を併せて提供しなければならないものとされているときは、法務大臣の定めるところに従い、登記事項証明書の提供に代えて、登記官が電気通信回線による登記情報の提供に関する法律(平成十一年法律第二百二十六号)第二条第一項に規定する登記情報の送信を同法第三条第二項に規定する指定法人から受けるために必要な情報を送信しなければならない。 (電子署名) 第十二条 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請するときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。以下同じ。)を行わなければならない。 2 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合における添付情報は、作成者による電子署名が行われているものでなければならない。 (表示に関する登記の添付情報の特則) 第十三条 前条第二項の規定にかかわらず、電子情報処理組織を使用する方法により表示に関する登記を申請する場合において、当該申請の添付情報(申請人又はその代表者若しくは代理人が作成したもの並びに土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図を除く。)が書面に記載されているときは、当該書面に記載された情報を電磁的記録に記録したものを添付情報とすることができる。 この場合において、当該電磁的記録は、当該電磁的記録を作成した者による電子署名が行われているものでなければならない。 2 前項の場合において、当該申請人は、登記官が定めた相当の期間内に、登記官に当該書面を提示しなければならない。 (電子証明書の送信) 第十四条 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合において、電子署名が行われている情報を送信するときは、電子証明書(電子署名を行った者を確認するために用いられる事項が当該者に係るものであることを証明するために作成された電磁的記録をいう。)であって法務省令で定めるものを併せて送信しなければならない。 第四章 書面を提出する方法による登記申請の手続 (添付情報の提供方法) 第十五条 書面を提出する方法(法第十八条第二号の規定により申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を登記所に提出する方法をいう。)により登記を申請するときは、申請情報を記載した書面に添付情報を記載した書面(添付情報のうち電磁的記録で作成されているものにあっては、法務省令で定めるところにより当該添付情報を記録した磁気ディスクを含む。)を添付して提出しなければならない。 この場合において、第十二条第二項及び前条の規定は、添付情報を記録した磁気ディスクを提出する場合について準用する。 (申請情報を記載した書面への記名押印等) 第十六条 申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。 2 前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。次条第一項において同じ。)又は登記官が作成するものに限る。以下同じ。)を添付しなければならない。 3 前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。 4 官庁又は公署が登記の嘱託をする場合における嘱託情報を記載した書面については、第二項の規定は、適用しない。 5 第十二条第一項及び第十四条の規定は、法務省令で定めるところにより申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により登記を申請する場合について準用する。 (代表者の資格を証する情報を記載した書面の期間制限等) 第十七条 第七条第一項第一号ロ又は第二号に掲げる情報を記載した書面であって、市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、作成後三月以内のものでなければならない。 2 前項の規定は、官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、適用しない。 (代理人の権限を証する情報を記載した書面への記名押印等) 第十八条 委任による代理人によって登記を申請する場合には、申請人又はその代表者は、法務省令で定める場合を除き、当該代理人の権限を証する情報を記載した書面に記名押印しなければならない。 復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。 2 前項の場合において、代理人(復代理人を含む。)の権限を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。 3 前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。 4 第二項の規定は、官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、適用しない。 (承諾を証する情報を記載した書面への記名押印等) 第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号の規定又はその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならない同意又は承諾を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、その作成者が記名押印しなければならない。 2 前項の書面には、官庁又は公署の作成に係る場合その他法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。 第五章 雑則 (登記すべきものでないとき) 第二十条 法第二十五条第十三号の政令で定める登記すべきものでないときは、次のとおりとする。 一 申請が不動産以外のものについての登記を目的とするとき。 二 申請に係る登記をすることによって表題部所有者又は登記名義人となる者(別表の十二の項申請情報欄ロに規定する被承継人及び第三条第十一号ハに規定する登記権利者を除く。)が権利能力を有しないとき。 三 申請が法第三十二条、第四十一条、第五十六条、第七十三条第二項若しくは第三項、第八十条第三項又は第九十二条の規定により登記することができないとき。 四 申請が一個の不動産の一部についての登記(承役地についてする地役権の登記を除く。)を目的とするとき。 五 申請に係る登記の目的である権利が他の権利の全部又は一部を目的とする場合において、当該他の権利の全部又は一部が登記されていないとき。 六 同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされた場合(法第十九条第二項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)において、申請に係る登記の目的である権利が相互に矛盾するとき。 七 申請に係る登記の目的である権利が同一の不動産について既にされた登記の目的である権利と矛盾するとき。 八 前各号に掲げるもののほか、申請に係る登記が民法その他の法令の規定により無効とされることが申請情報若しくは添付情報又は登記記録から明らかであるとき。 (写しの交付を請求することができる図面) 第二十一条 法第百二十一条第一項の政令で定める図面は、土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図とする。 2 法第百四十九条第一項の政令で定める図面は、筆界調査委員が作成した測量図その他の筆界特定の手続において測量又は実地調査に基づいて作成された図面(法第百四十三条第二項の図面を除く。)とする。 (登記識別情報に関する証明) 第二十二条 登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、登記識別情報が有効であることの証明その他の登記識別情報に関する証明を請求することができる。 2 法第百十九条第三項及び第四項の規定は、前項の請求について準用する。 3 前二項に定めるもののほか、第一項の証明に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (事件の送付) 第二十三条 法第百五十七条第二項の規定による事件の送付は、審査請求書の正本によってする。 (意見書の提出等) 第二十四条 法第百五十七条第二項の意見を記載した書面(次項において「意見書」という。)は、正本及び当該意見を送付すべき審査請求人の数に行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員の数を加えた数に相当する通数の副本を提出しなければならない。 2 法第百五十七条第二項後段の規定による意見の送付は、意見書の副本によってする。 (行政不服審査法施行令の規定の読替え) 第二十五条 法第百五十六条第一項の審査請求に関する行政不服審査法施行令(平成二十七年政令第三百九十一号)の規定の適用については、同令第六条第二項中「法第二十九条第五項」とあるのは「不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五十七条第六項の規定により読み替えて適用する法第二十九条第五項」と、「弁明書の送付」とあるのは「不動産登記法第百五十七条第二項に規定する意見の送付」と、「弁明書の副本」とあるのは「不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第二十四条第一項に規定する意見書の副本」とする。 (登記の嘱託) 第二十六条 この政令(第二条第七号を除く。)に規定する登記の申請に関する法の規定には当該規定を法第十六条第二項において準用する場合を含むものとし、この政令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」にはそれぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。 (法務省令への委任) 第二十七条 この政令に定めるもののほか、法及びこの政令の施行に関し必要な事項は、法務省令で定める。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十六年厚生労働省令第九十九号
46
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号)第三条第二項に規定する医師の診断書に記載すべき事項は、当該医師による診断を受けた者に係る次の各号に掲げる事項とする。 一 住所、氏名及び生年月日 二 生物学的な性別及びその判定の根拠 三 家庭環境、生活歴及び現病歴 四 生物学的な性別としての社会的な適合状況 五 心理的には生物学的な性別とは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有すること並びにその判定の根拠 六 医療機関における受診歴並びに治療の経過及び結果 七 他の性別としての身体的及び社会的な適合状況 八 診断書の作成年月日 九 診断書を作成した医師の氏名 十 その他参考となる事項
民事
Heisei
Rule
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平成十六年国家公安委員会規則第十八号
46
配偶者からの暴力等による被害を自ら防止するための警察本部長等による援助に関する規則 (援助) 第一条 警視総監若しくは道府県警察本部長(道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面については、方面本部長)又は警察署長(以下「警察本部長等」という。)が、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(以下「法」という。)第八条の二(法第二十八条の二において読み替えて準用する場合を含む。)の援助を受けたい旨の申出を受けた場合において、当該申出を相当と認めて行う援助は、次に掲げる措置のうち、適当なものを採ることにより行うものとする。 一 当該申出をした者(以下「申出者」という。)に対し、当該申出者が配偶者からの暴力等(法第六条に規定する配偶者からの暴力又は法第二十八条の二に規定する関係にある相手からの暴力(身体に対する暴力に限る。)をいう。以下同じ。)による被害を自ら防止するため、当該申出者の状況に応じて避難その他の措置を教示すること。 二 配偶者からの暴力等が行われた場合における当該配偶者若しくは配偶者であった者又は法第二十八条の二に規定する関係にある相手若しくは同条に規定する関係にある相手であった者(以下「加害者」という。)に当該申出者の住所又は居所を知られないようにすること。 三 当該申出者が配偶者からの暴力等による被害を防止するための交渉(以下「被害防止交渉」という。)を円滑に行うための措置で、次に掲げるもの イ 当該申出者に対し、被害防止交渉を行う際の心構え、交渉方法その他の被害防止交渉に関する事項について助言すること。 ロ 加害者に対し、被害防止交渉を行うため、必要な事項の連絡を行うこと。 ハ 被害防止交渉を行う場所として警察施設を利用させること。 四 その他申出に係る配偶者からの暴力等による被害を自ら防止するために適当と認める援助 (援助申出書) 第二条 警察本部長等は、前条の援助に係る申出につき適当な措置を採るに当たり、当該申出の内容その他の当該申出者に係る状況を確認するため別記様式の援助申出書の提出を求めるものとする。
民事
Heisei
Act
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平成十七年法律第八十六号
46
会社法 第一編 総則 第一章 通則 (趣旨) 第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。 二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。 三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 子会社 ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの 四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 親会社 ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの 五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。 六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。 イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。 七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。 八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。 九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。 十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。 十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。 十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。 十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。 十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。 十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。 十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。 二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。 二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。 二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。 二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。 二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。 二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。 イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社 二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。 二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。 二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。 三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。 三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。 三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。 三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。 (法人格) 第三条 会社は、法人とする。 (住所) 第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。 (商行為) 第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。 第二章 会社の商号 (商号) 第六条 会社は、その名称を商号とする。 2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。 3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 第九条 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三章 会社の使用人等 第一節 会社の使用人 (支配人) 第十条 会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。 (支配人の代理権) 第十一条 支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (支配人の競業の禁止) 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自ら営業を行うこと。 二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。 四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (表見支配人) 第十三条 会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第十四条 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。 2 前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第十五条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 第二節 会社の代理商 (通知義務) 第十六条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。 (代理商の競業の禁止) 第十七条 代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (通知を受ける権限) 第十八条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。 (契約の解除) 第十九条 会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。 (代理商の留置権) 第二十条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。 第四章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等 (譲渡会社の競業の禁止) 第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。 2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。 (譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等) 第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。 事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。 3 譲受会社が第一項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。 (譲受会社による債務の引受け) 第二十三条 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。 2 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 (詐害事業譲渡に係る譲受会社に対する債務の履行の請求) 第二十三条の二 譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って事業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、その譲受会社が事業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 譲受会社が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 事業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。 3 譲渡会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受会社に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。 (商人との間での事業の譲渡又は譲受け) 第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する譲渡人とみなして、同法第十七条から第十八条の二までの規定を適用する。 この場合において、同条第三項中「又は再生手続開始の決定」とあるのは、「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とする。 2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前三条の規定を適用する。 この場合において、前条第三項中「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とあるのは、「又は再生手続開始の決定」とする。 第二編 株式会社 第一章 設立 第一節 総則 第二十五条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法 2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。 第二節 定款の作成 (定款の作成) 第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額 五 発起人の氏名又は名称及び住所 第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。) 二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称 三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称 四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。) 第二十九条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第三十一条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 4 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第一項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。 第三節 出資 (設立時発行株式に関する事項の決定) 第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数 二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額 三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。 (定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 9 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。 10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第一号及び第二号に掲げる事項 二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項 三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。) 11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 発起人 二 第二十八条第二号の財産の譲渡人 三 設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。) 四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの (出資の履行) 第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (設立時発行株式の株主となる権利の譲渡) 第三十五条 前条第一項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (設立時発行株式の株主となる権利の喪失) 第三十六条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。 3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。 (発行可能株式総数の定め等) 第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。 3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。 ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 第四節 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 3 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。 一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。) 二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。) 三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。) 4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。 第三十九条 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。 4 第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。 5 第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。 (設立時役員等の選任の方法の特則) 第四十一条 前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)の選任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時役員等の解任) 第四十二条 発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第四項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第四十三条 設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査等委員である設立時取締役又は設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。 (設立時取締役等の解任の方法の特則) 第四十四条 前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く。次項及び第四項において同じ。)の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。第四項において同じ。)を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 3 前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 4 前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 5 前各項の規定は、第四十一条第一項の規定により選任された設立時監査等委員である設立時取締役及び同条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。 この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。 (設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則) 第四十五条 株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。 一 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任 二 監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役の全部又は一部の選任又は解任 これらの取締役となる設立時取締役の選任又は解任 三 会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任 四 監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任 五 会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 第五節 設立時取締役等による調査 第四十六条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 出資の履行が完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。 3 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。 第六節 設立時代表取締役等の選定等 (設立時代表取締役の選定等) 第四十七条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 (設立時委員の選定等) 第四十八条 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。 一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。 イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者 ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者 ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者 二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。 三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。 ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。 3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 第七節 株式会社の成立 (株式会社の成立) 第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (株式の引受人の権利) 第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第五十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。 2 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 第八節 発起人等の責任等 (出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 第五十二条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。 一 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 (出資の履行を仮装した場合の責任等) 第五十二条の二 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払 二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 4 発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。 5 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (発起人等の損害賠償責任) 第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (発起人等の連帯責任) 第五十四条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第五十五条 第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (株式会社不成立の場合の責任) 第五十六条 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。 第九節 募集による設立 第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集 (設立時発行株式を引き受ける者の募集) 第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。 2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (設立時募集株式に関する事項の決定) 第五十八条 発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。) 二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。) 三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間 四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日 2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。 (設立時募集株式の申込み) 第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名 二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項 三 発起人が出資した財産の価額 四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。 3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする設立時募集株式の数 4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (設立時募集株式の割当て) 第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。 2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。 (設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第六十一条 前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (設立時募集株式の引受け) 第六十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。 一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数 二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数 (設立時募集株式の払込金額の払込み) 第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。 2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。 (払込金の保管証明) 第六十四条 第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。 2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。 第二款 創立総会等 (創立総会の招集) 第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。 2 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。 (創立総会の権限) 第六十六条 創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。 (創立総会の招集の決定) 第六十七条 発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 創立総会の日時及び場所 二 創立総会の目的である事項 三 創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 (創立総会の招集の通知) 第六十八条 創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合 3 発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 7 前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (招集手続の省略) 第六十九条 前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七十条 発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 第七十一条 発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 3 発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の数) 第七十二条 設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。 3 前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。 (創立総会の決議) 第七十三条 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 3 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。 4 創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第七十四条 設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。 3 第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。 7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (書面による議決権の行使) 第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。 2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (議決権の不統一行使) 第七十七条 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (発起人の説明義務) 第七十八条 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第七十九条 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (延期又は続行の決議) 第八十条 創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。 (議事録) 第八十一条 創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。 3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会の決議の省略) 第八十二条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。 2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会への報告の省略) 第八十三条 発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第八十四条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類創立総会の招集及び決議) 第八十五条 前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。 2 種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 3 前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (創立総会に関する規定の準用) 第八十六条 第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。 この場合において、第六十七条第一項第三号及び第四号並びに第二項、第六十八条第一項及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第三項及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項及び第三項、第七十七条、第七十八条本文並びに第八十二条第一項中「設立時株主」とあるのは、「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と読み替えるものとする。 第三款 設立に関する事項の報告 第八十七条 発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。 2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容 二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容 第四款 設立時取締役等の選任及び解任 (設立時取締役等の選任) 第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 (累積投票による設立時取締役の選任) 第八十九条 創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、設立時株主(設立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (種類創立総会の決議による設立時取締役等の選任) 第九十条 第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。 2 前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時取締役等の解任) 第九十一条 第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 第九十二条 第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「取締役を」とあるのは「監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役を」と、「設立時取締役」とあるのは「設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役」とする。 4 第一項及び第二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役について準用する。 第五款 設立時取締役等による調査 (設立時取締役等による調査) 第九十三条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 発起人による出資の履行及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 3 設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 (設立時取締役等が発起人である場合の特則) 第九十四条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)の全部又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。 2 前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 第六款 定款の変更 (発起人による定款の変更の禁止) 第九十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。 (創立総会における定款の変更) 第九十六条 第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。 (設立時発行株式の引受けの取消し) 第九十七条 創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 (創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 (定款の変更の手続の特則) 第九十九条 設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。 一 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。 二 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。 第百条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主 2 前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 第百一条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式の種類の追加 二 株式の内容の変更 三 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加 2 前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。 第七款 設立手続等の特則等 (設立手続等の特則) 第百二条 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。 2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。 3 設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。 4 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 5 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。 6 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 (払込みを仮装した設立時募集株式の引受人の責任) 第百二条の二 設立時募集株式の引受人は、前条第三項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。 2 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (発起人の責任等) 第百三条 第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号に」とする。 2 第百二条第三項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第一項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 4 第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前三項の規定を適用する。 第二章 株式 第一節 総則 (株主の責任) 第百四条 株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 (株主の権利) 第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (共有者による権利の行使) 第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (株式の内容についての特別の定め) 第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に掲げる事項 イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨 ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨 ロ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ヘ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項 ト イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 (異なる種類の株式) 第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。 ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。 一 剰余金の配当 二 残余財産の分配 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。 2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。 一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容 二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項 イ 株主総会において議決権を行使することができる事項 ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項 イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法 ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項 ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項 イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数 ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。 この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。 (株主の平等) 第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。 (定款の変更の手続の特則) 第百十条 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、株主全員の同意を得なければならない。 第百十一条 種類株式発行会社がある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該種類の株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 2 種類株式発行会社がある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合には、当該定款の変更は、次に掲げる種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の株式の種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の種類株主 (取締役の選任等に関する種類株式の定款の定めの廃止の特則) 第百十二条 第百八条第二項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは、廃止されたものとみなす。 2 前項の規定は、第百八条第二項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定款の定めについて準用する。 (発行可能株式総数) 第百十三条 株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。 2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。 3 次に掲げる場合には、当該定款の変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 一 公開会社が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合 二 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合 4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 (発行可能種類株式総数) 第百十四条 定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数を下ることができない。 2 ある種類の株式についての次に掲げる数の合計数は、当該種類の株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 一 取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 二 取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)が第百七十条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 三 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数 (議決権制限株式の発行数) 第百十五条 種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第百十六条 次の各号に掲げる場合には、反対株主は、株式会社に対し、自己の有する当該各号に定める株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 全部の株式 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 第百十一条第二項各号に規定する株式 三 次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式(第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがあるものに限る。)を有する種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 当該種類の株式 イ 株式の併合又は株式の分割 ロ 第百八十五条に規定する株式無償割当て ハ 単元株式数についての定款の変更 ニ 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ホ 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ヘ 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 前項各号の行為をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該行為に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 第一項各号の行為をしようとする株式会社は、当該行為が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「効力発生日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める株式の株主に対し、当該行為をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式会社が第一項各号の行為を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百十七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めがある株式会社をいう。以下同じ。)は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第百十八条 次の各号に掲げる定款の変更をする場合には、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 全部の新株予約権 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 当該種類の株式を目的とする新株予約権 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この節において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項各号に掲げる定款の変更をしようとする株式会社は、当該定款の変更が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「定款変更日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、当該定款の変更を行う旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、定款変更日の二十日前の日から定款変更日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券(第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券をいう。以下この項及び次条第八項において同じ。)が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 株式会社が第一項各号に掲げる定款の変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第百十九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、定款変更日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、定款変更日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、定款変更日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、定款変更日に、その効力を生ずる。 7 株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、その新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (株主等の権利の行使に関する利益の供与) 第百二十条 株式会社は、何人に対しても、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。)の株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。 2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。 株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。 3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。 この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。 4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。以下この項において同じ。)として法務省令で定める者は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。 ただし、その者(当該利益の供与をした取締役を除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第二節 株主名簿 (株主名簿) 第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 株主の氏名又は名称及び住所 二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 三 第一号の株主が株式を取得した日 四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号 (株主名簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百二十二条 前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (株主名簿管理人) 第百二十三条 株式会社は、株主名簿管理人(株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百二十四条 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 3 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。 ただし、定款に当該基準日及び当該事項について定めがあるときは、この限りでない。 4 基準日株主が行使することができる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、当該基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を当該権利を行使することができる者と定めることができる。 ただし、当該株式の基準日株主の権利を害することができない。 5 第一項から第三項までの規定は、第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者について準用する。 (株主名簿の備置き及び閲覧等) 第百二十五条 株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の株主名簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (株主に対する通知等) 第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 第三節 株式の譲渡等 第一款 株式の譲渡 (株式の譲渡) 第百二十七条 株主は、その有する株式を譲渡することができる。 (株券発行会社の株式の譲渡) 第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。 2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。 (自己株式の処分に関する特則) 第百二十九条 株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。 (株式の譲渡の対抗要件) 第百三十条 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 (権利の推定等) 第百三十一条 株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。 2 株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十二条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 株式を発行した場合 二 当該株式会社の株式を取得した場合 三 自己株式を処分した場合 2 株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 (株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十三条 株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 第百三十四条 前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。 二 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。 三 当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。 四 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。 (親会社株式の取得の禁止) 第百三十五条 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合 二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合 三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合 3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。 第二款 株式の譲渡に係る承認手続 (株主からの承認の請求) 第百三十六条 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (株式取得者からの承認の請求) 第百三十七条 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第百三十八条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称 ハ 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの株式取得者の氏名又は名称 ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 (譲渡等の承認の決定等) 第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社又は指定買取人による買取り) 第百四十条 株式会社は、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 対象株式を買い取る旨 二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。 5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式会社による買取りの通知) 第百四十一条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を決定したときは、譲渡等承認請求者に対し、これらの事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額(一株当たりの純資産額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下同じ。)に前条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をその本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、前条第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、当該株券発行会社に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、株券発行会社は、前条第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (指定買取人による買取りの通知) 第百四十二条 指定買取人は、第百四十条第四項の規定による指定を受けたときは、譲渡等承認請求者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 指定買取人として指定を受けた旨 二 指定買取人が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 指定買取人は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額に同項第二号の対象株式の数を乗じて得た額を株式会社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、指定買取人に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、指定買取人は、第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (譲渡等承認請求の撤回) 第百四十三条 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 2 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百四十四条 第百四十一条第一項の規定による通知があった場合には、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格は、株式会社と譲渡等承認請求者との協議によって定める。 2 株式会社又は譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に第百四十条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をもって当該対象株式の売買価格とする。 6 第百四十一条第二項の規定による供託をした場合において、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格が確定したときは、株式会社は、供託した金銭に相当する額を限度として、売買代金の全部又は一部を支払ったものとみなす。 7 前各項の規定は、第百四十二条第一項の規定による通知があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第二項中「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第四項及び第五項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、前項中「第百四十一条第二項」とあるのは「第百四十二条第二項」と、「第百四十条第一項第二号」とあるのは「同条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と読み替えるものとする。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第百四十五条 次に掲げる場合には、株式会社は、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 一 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の規定による請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百三十九条第二項の規定による通知をしなかった場合 二 株式会社が第百三十九条第二項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十一条第一項の規定による通知をしなかった場合(指定買取人が第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十二条第一項の規定による通知をした場合を除く。) 三 前二号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第三款 株式の質入れ (株式の質入れ) 第百四十六条 株主は、その有する株式に質権を設定することができる。 2 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 (株式の質入れの対抗要件) 第百四十七条 株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができない。 3 民法第三百六十四条の規定は、株式については、適用しない。 (株主名簿の記載等) 第百四十八条 株式に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である株式 (株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第百四十九条 前条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録株式質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録株式質権者についての株主名簿に記載され、若しくは記録された同条各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (登録株式質権者に対する通知等) 第百五十条 株式会社が登録株式質権者に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該登録株式質権者の住所(当該登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式の質入れの効果) 第百五十一条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、株式を目的とする質権は、当該行為によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)について存在する。 一 第百六十七条第一項の規定による取得請求権付株式の取得 二 第百七十条第一項の規定による取得条項付株式の取得 三 第百七十三条第一項の規定による第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 四 株式の併合 五 株式の分割 六 第百八十五条に規定する株式無償割当て 七 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 八 剰余金の配当 九 残余財産の分配 十 組織変更 十一 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 十二 株式交換 十三 株式移転 十四 株式の取得(第一号から第三号までに掲げる行為を除く。) 2 特別支配株主(第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。第百五十四条第三項において同じ。)が株式売渡請求(第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。)により売渡株式(第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。以下この項において同じ。)の取得をした場合には、売渡株式を目的とする質権は、当該取得によって当該売渡株式の株主が受けることのできる金銭について存在する。 第百五十二条 株式会社(株券発行会社を除く。以下この条において同じ。)は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる行為をした場合(これらの行為に際して当該株式会社が株式を交付する場合に限る。)又は同項第六号に掲げる行為をした場合において、同項の質権の質権者が登録株式質権者(第二百十八条第五項の規定による請求により第百四十八条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録されたものを除く。以下この款において同じ。)であるときは、前条第一項の株主が受けることができる株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 株式会社は、株式の併合をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、併合した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、分割した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 第百五十三条 株券発行会社は、前条第一項に規定する場合には、第百五十一条第一項の株主が受ける株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 2 株券発行会社は、前条第二項に規定する場合には、併合した株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 3 株券発行会社は、前条第三項に規定する場合には、分割した株式について新たに発行する株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 第百五十四条 登録株式質権者は、第百五十一条第一項の金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 第百五十一条第一項第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十四号に掲げる行為 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 四 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 五 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第百五十一条第二項に規定する場合において、第一項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該特別支配株主に同条第二項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第四款 信託財産に属する株式についての対抗要件等 第百五十四条の二 株式については、当該株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、当該株式が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第百二十一条第一号の株主は、その有する株式が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 株主名簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百二十二条第一項及び第百三十二条の規定の適用については、第百二十二条第一項中「記録された株主名簿記載事項」とあるのは「記録された株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」と、第百三十二条中「株主名簿記載事項」とあるのは「株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 第四節 株式会社による自己の株式の取得 第一款 総則 第百五十五条 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた場合 二 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求があった場合 三 次条第一項の決議があった場合 四 第百六十六条第一項の規定による請求があった場合 五 第百七十一条第一項の決議があった場合 六 第百七十六条第一項の規定による請求をした場合 七 第百九十二条第一項の規定による請求があった場合 八 第百九十七条第三項各号に掲げる事項を定めた場合 九 第二百三十四条第四項各号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を定めた場合 十 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合 十一 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十二 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十三 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第二款 株主との合意による取得 第一目 総則 (株式の取得に関する事項の決定) 第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額 三 株式を取得することができる期間 2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。 (取得価格等の決定) 第百五十七条 株式会社は、前条第一項の規定による決定に従い株式を取得しようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数) 二 株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の総額 四 株式の譲渡しの申込みの期日 2 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 3 第一項の株式の取得の条件は、同項の規定による決定ごとに、均等に定めなければならない。 (株主に対する通知等) 第百五十八条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、前条第一項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 公開会社においては、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (譲渡しの申込み) 第百五十九条 前条第一項の規定による通知を受けた株主は、その有する株式の譲渡しの申込みをしようとするときは、株式会社に対し、その申込みに係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにしなければならない。 2 株式会社は、第百五十七条第一項第四号の期日において、前項の株主が申込みをした株式の譲受けを承諾したものとみなす。 ただし、同項の株主が申込みをした株式の総数(以下この項において「申込総数」という。)が同条第一項第一号の数(以下この項において「取得総数」という。)を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に前項の株主が申込みをした株式の数を乗じて得た数(その数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)の株式の譲受けを承諾したものとみなす。 第二目 特定の株主からの取得 (特定の株主からの取得) 第百六十条 株式会社は、第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第百五十八条第一項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。 2 株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。 3 前項の株主は、第一項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。 4 第一項の特定の株主は、第百五十六条第一項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、第一項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 5 第一項の特定の株主を定めた場合における第百五十八条第一項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第百六十条第一項の特定の株主」とする。 (市場価格のある株式の取得の特則) 第百六十一条 前条第二項及び第三項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。 (相続人等からの取得の特則) 第百六十二条 第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 株式会社が公開会社である場合 二 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合 (子会社からの株式の取得) 第百六十三条 株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。 この場合においては、第百五十七条から第百六十条までの規定は、適用しない。 (特定の株主からの取得に関する定款の定め) 第百六十四条 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第百六十条第一項の規定による決定をするときは同条第二項及び第三項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。 2 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 第三目 市場取引等による株式の取得 第百六十五条 第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 2 取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。 第三款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得 第一目 取得請求権付株式の取得の請求 (取得の請求) 第百六十六条 取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。 ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第二号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第一項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。 ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。 (効力の発生) 第百六十七条 株式会社は、前条第一項の規定による請求の日に、その請求に係る取得請求権付株式を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした株主は、その請求の日に、第百七条第二項第二号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第五号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 二 第百七条第二項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 前項第四号に掲げる場合において、同号に規定する他の株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 この場合においては、株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を前条第一項の規定による請求をした株主に対して交付しなければならない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 4 前項の規定は、当該株式会社の社債及び新株予約権について端数がある場合について準用する。 この場合において、同項第二号中「一株当たり純資産額」とあるのは、「法務省令で定める額」と読み替えるものとする。 第二目 取得条項付株式の取得 (取得する日の決定) 第百六十八条 第百七条第二項第三号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第百七条第二項第三号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主)及びその登録株式質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する株式の決定等) 第百六十九条 株式会社は、第百七条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第百七十条 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第五項において同じ。)に、取得条項付株式(同条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項において同じ。)を取得する。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 次の各号に掲げる場合には、取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日に、同号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第六号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第三号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの社債の社債権者 二 第百七条第二項第三号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第三号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第百六十八条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 4 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 前各項の規定は、取得条項付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第三号ニからトまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が同号イの事由が生じた日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、適用しない。 第四款 全部取得条項付種類株式の取得 (全部取得条項付種類株式の取得に関する決定) 第百七十一条 全部取得条項付種類株式(第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定めがある種類の株式をいう。以下この款において同じ。)を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる。 この場合においては、当該株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等を交付するときは、当該金銭等(以下この条において「取得対価」という。)についての次に掲げる事項 イ 当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法 ロ 当該取得対価が当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 二 前号に規定する場合には、全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項 三 株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(以下この款において「取得日」という。) 2 前項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社を除く。)の有する全部取得条項付種類株式の数に応じて取得対価を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 取締役は、第一項の株主総会において、全部取得条項付種類株式の全部を取得することを必要とする理由を説明しなければならない。 (全部取得条項付種類株式の取得対価等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十一条の二 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から取得日後六箇月を経過する日までの間、前条第一項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 前条第一項の株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百七十二条第二項の規定による通知の日又は同条第三項の公告の日のいずれか早い日 2 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (全部取得条項付種類株式の取得をやめることの請求) 第百七十一条の三 第百七十一条第一項の規定による全部取得条項付種類株式の取得が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該全部取得条項付種類株式の取得をやめることを請求することができる。 (裁判所に対する価格の決定の申立て) 第百七十二条 第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。 一 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 2 株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。 (効力の発生) 第百七十三条 株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主(前条第一項の申立てをした株主を除く。)は、取得日に、第百七十一条第一項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第百七十一条第一項第一号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第百七十一条第一項第一号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第百七十一条第一項第一号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 (全部取得条項付種類株式の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十三条の二 株式会社は、取得日後遅滞なく、株式会社が取得した全部取得条項付種類株式の数その他の全部取得条項付種類株式の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、取得日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 全部取得条項付種類株式を取得した株式会社の株主又は取得日に全部取得条項付種類株式の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五款 相続人等に対する売渡しの請求 (相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め) 第百七十四条 株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。 (売渡しの請求の決定) 第百七十五条 株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式を有する者の氏名又は名称 2 前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 (売渡しの請求) 第百七十六条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。 ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百七十七条 前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。 2 株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。 5 第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。 第六款 株式の消却 第百七十八条 株式会社は、自己株式を消却することができる。 この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第四節の二 特別支配株主の株式等売渡請求 (株式等売渡請求) 第百七十九条 株式会社の特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を当該株式会社以外の者及び当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人(以下この条及び次条第一項において「特別支配株主完全子法人」という。)が有している場合における当該者をいう。以下同じ。)は、当該株式会社の株主(当該株式会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 2 特別支配株主は、前項の規定による請求(以下この章及び第八百四十六条の二第二項第一号において「株式売渡請求」という。)をするときは、併せて、その株式売渡請求に係る株式を発行している株式会社(以下「対象会社」という。)の新株予約権の新株予約権者(対象会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する対象会社の新株予約権の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 3 特別支配株主は、新株予約権付社債に付された新株予約権について前項の規定による請求(以下「新株予約権売渡請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式等売渡請求の方法) 第百七十九条の二 株式売渡請求は、次に掲げる事項を定めてしなければならない。 一 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 二 株式売渡請求によりその有する対象会社の株式を売り渡す株主(以下「売渡株主」という。)に対して当該株式(以下この章において「売渡株式」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 三 売渡株主に対する前号の金銭の割当てに関する事項 四 株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求(その新株予約権売渡請求に係る新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前条第三項の規定による請求を含む。以下同じ。)をするときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 特別支配株主完全子法人に対して新株予約権売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 ロ 新株予約権売渡請求によりその有する対象会社の新株予約権を売り渡す新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」という。)に対して当該新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、前条第三項の規定による請求をするときは、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この編において「売渡新株予約権」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 ハ 売渡新株予約権者に対するロの金銭の割当てに関する事項 五 特別支配株主が売渡株式(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式及び売渡新株予約権。以下「売渡株式等」という。)を取得する日(以下この節において「取得日」という。) 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 対象会社が種類株式発行会社である場合には、特別支配株主は、対象会社の発行する種類の株式の内容に応じ、前項第三号に掲げる事項として、同項第二号の金銭の割当てについて売渡株式の種類ごとに異なる取扱いを行う旨及び当該異なる取扱いの内容を定めることができる。 3 第一項第三号に掲げる事項についての定めは、売渡株主の有する売渡株式の数(前項に規定する定めがある場合にあっては、各種類の売渡株式の数)に応じて金銭を交付することを内容とするものでなければならない。 (対象会社の承認) 第百七十九条の三 特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。 2 対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。 3 取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 4 対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (売渡株主等に対する通知等) 第百七十九条の四 対象会社は、前条第一項の承認をしたときは、取得日の二十日前までに、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事項を通知しなければならない。 一 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。) 当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項 二 売渡株式の登録株式質権者(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式の登録株式質権者及び売渡新株予約権の登録新株予約権質権者(第二百七十条第一項に規定する登録新株予約権質権者をいう。)) 当該承認をした旨 2 前項の規定による通知(売渡株主に対してするものを除く。)は、公告をもってこれに代えることができる。 3 対象会社が第一項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、特別支配株主から売渡株主等に対し、株式等売渡請求がされたものとみなす。 4 第一項の規定による通知又は第二項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株式等売渡請求に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の五 対象会社は、前条第一項第一号の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日から取得日後六箇月(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日後一年)を経過する日までの間、次に掲げる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 特別支配株主の氏名又は名称及び住所 二 第百七十九条の二第一項各号に掲げる事項 三 第百七十九条の三第一項の承認をした旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 売渡株主等は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式等売渡請求の撤回) 第百七十九条の六 特別支配株主は、第百七十九条の三第一項の承認を受けた後は、取得日の前日までに対象会社の承諾を得た場合に限り、売渡株式等の全部について株式等売渡請求を撤回することができる。 2 取締役会設置会社が前項の承諾をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 3 対象会社は、第一項の承諾をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 4 対象会社は、第一項の承諾をしたときは、遅滞なく、売渡株主等に対し、当該承諾をした旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 6 対象会社が第四項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、株式等売渡請求は、売渡株式等の全部について撤回されたものとみなす。 7 第四項の規定による通知又は第五項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 8 前各項の規定は、新株予約権売渡請求のみを撤回する場合について準用する。 この場合において、第四項中「売渡株主等」とあるのは、「売渡新株予約権者」と読み替えるものとする。 (売渡株式等の取得をやめることの請求) 第百七十九条の七 次に掲げる場合において、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 株式売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡株主に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第二号又は第三号に掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 2 次に掲げる場合において、売渡新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡新株予約権者は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 新株予約権売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡新株予約権者に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第四号ロ又はハに掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 (売買価格の決定の申立て) 第百七十九条の八 株式等売渡請求があった場合には、売渡株主等は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、その有する売渡株式等の売買価格の決定の申立てをすることができる。 2 特別支配株主は、裁判所の決定した売買価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 3 特別支配株主は、売渡株式等の売買価格の決定があるまでは、売渡株主等に対し、当該特別支配株主が公正な売買価格と認める額を支払うことができる。 (売渡株式等の取得) 第百七十九条の九 株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。 2 前項の規定により特別支配株主が取得した売渡株式等が譲渡制限株式又は譲渡制限新株予約権(第二百四十三条第二項第二号に規定する譲渡制限新株予約権をいう。)であるときは、対象会社は、当該特別支配株主が当該売渡株式等を取得したことについて、第百三十七条第一項又は第二百六十三条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 (売渡株式等の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の十 対象会社は、取得日後遅滞なく、株式等売渡請求により特別支配株主が取得した売渡株式等の数その他の株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 対象会社は、取得日から六箇月間(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日から一年間)、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 取得日に売渡株主等であった者は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五節 株式の併合等 第一款 株式の併合 (株式の併合) 第百八十条 株式会社は、株式の併合をすることができる。 2 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 併合の割合 二 株式の併合がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。) 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類 四 効力発生日における発行可能株式総数 3 前項第四号の発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 4 取締役は、第二項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 (株主に対する通知等) 第百八十一条 株式会社は、効力発生日の二週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、前条第二項第三号の種類の種類株主。以下この款において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生) 第百八十二条 株主は、効力発生日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。 2 株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、第百八十条第二項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の二 株式の併合(単元株式数(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式の単元株式数。以下この項において同じ。)を定款で定めている場合にあっては、当該単元株式数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数に一に満たない端数が生ずるものに限る。以下この款において同じ。)をする株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、同項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 第百八十条第二項の株主総会(株式の併合をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。第百八十二条の四第二項において同じ。)の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百八十二条の四第三項の規定により読み替えて適用する第百八十一条第一項の規定による株主に対する通知の日又は第百八十一条第二項の公告の日のいずれか早い日 2 株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式の併合をやめることの請求) 第百八十二条の三 株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。 (反対株主の株式買取請求) 第百八十二条の四 株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第百八十条第二項の株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 株式会社が株式の併合をする場合における株主に対する通知についての第百八十一条第一項の規定の適用については、同項中「二週間」とあるのは、「二十日」とする。 4 第一項の規定による請求(以下この款において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 5 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 6 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 7 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百八十二条の五 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の六 株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の発行済株式)の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第二款 株式の分割 (株式の分割) 第百八十三条 株式会社は、株式の分割をすることができる。 2 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日 二 株式の分割がその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類 (効力の発生等) 第百八十四条 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第二項第三号の種類の種類株主)は、同項第二号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。 2 株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。 第三款 株式無償割当て (株式無償割当て) 第百八十五条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。 (株式無償割当てに関する事項の決定) 第百八十六条 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式無償割当ての効力の発生等) 第百八十七条 前条第一項第一号の株式の割当てを受けた株主は、同項第二号の日に、同項第一号の株式の株主となる。 2 株式会社は、前条第一項第二号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。 第六節 単元株式数 第一款 総則 (単元株式数) 第百八十八条 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。 2 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。 3 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。 (単元未満株式についての権利の制限等) 第百八十九条 単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。 2 株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。 一 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の交付を受ける権利 二 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利 三 第百八十五条に規定する株式無償割当てを受ける権利 四 第百九十二条第一項の規定により単元未満株式を買い取ることを請求する権利 五 残余財産の分配を受ける権利 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める権利 3 株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。 (理由の開示) 第百九十条 単元株式数を定める場合には、取締役は、当該単元株式数を定める定款の変更を目的とする株主総会において、当該単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければならない。 (定款変更手続の特則) 第百九十一条 株式会社は、次のいずれにも該当する場合には、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数。以下この条において同じ。)を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることができる。 一 株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設けるものであること。 二 イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと。 イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数 ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数) 第二款 単元未満株主の買取請求 (単元未満株式の買取りの請求) 第百九十二条 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 第一項の規定による請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、当該請求を撤回することができる。 (単元未満株式の価格の決定) 第百九十三条 前条第一項の規定による請求があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該請求に係る単元未満株式の価格とする。 一 当該単元未満株式が市場価格のある株式である場合 当該単元未満株式の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社と前条第一項の規定による請求をした単元未満株主との協議によって定める額 2 前項第二号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした単元未満株主又は株式会社は、当該請求をした日から二十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって当該単元未満株式の価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、同項第二号に掲げる場合において、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項第二号の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に前条第一項の規定による請求に係る単元未満株式の数を乗じて得た額をもって当該単元未満株式の価格とする。 6 前条第一項の規定による請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式につき前条第一項の規定による請求があったときは、株券と引換えに、その請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第三款 単元未満株主の売渡請求 第百九十四条 株式会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求(単元未満株主が有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを請求することをいう。以下この条において同じ。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 2 単元未満株式売渡請求は、当該単元未満株主に売り渡す単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合を除き、自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。 4 第百九十二条第三項及び前条第一項から第六項までの規定は、単元未満株式売渡請求について準用する。 第四款 単元株式数の変更等 第百九十五条 株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。 2 前項の規定により定款の変更をした場合には、株式会社は、当該定款の変更の効力が生じた日以後遅滞なく、その株主(種類株式発行会社にあっては、同項の規定により単元株式数を変更した種類の種類株主)に対し、当該定款の変更をした旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第七節 株主に対する通知の省略等 (株主に対する通知の省略) 第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。 3 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。 (株式の競売) 第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。 一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの 二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。 一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者 二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者 (利害関係人の異議) 第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。 5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。 第八節 募集株式の発行等 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。) 二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法 三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項 2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。 2 前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 3 第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。 3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百二条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集株式の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集株式の数 三 第一項第二号の期日 5 第百九十九条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 (取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則) 第二百二条の二 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 募集株式を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 2 前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、同項中「前項各号」とあるのは、「前項各号(第二号及び第四号を除く。)及び第二百二条の二第一項各号」とする。 この場合においては、第二百条及び前条の規定は、適用しない。 3 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 第二款 募集株式の割当て (募集株式の申込み) 第二百三条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集株式の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集株式の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集株式の割当て) 第二百四条 株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 募集株式が譲渡制限株式である場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 株式会社は、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集株式の数を通知しなければならない。 4 第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集株式の割当てを受ける権利を失う。 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第二百五条 前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、第二百三条第二項の申込みをし、又は第一項の契約を締結することができない。 4 前項に規定する場合における前条第三項並びに第二百六条の二第一項、第三項及び第四項の規定の適用については、前条第三項及び第二百六条の二第一項中「第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)」とあり、同条第三項中「同項に規定する期日」とあり、並びに同条第四項中「第一項に規定する期日」とあるのは、「割当日」とする。 5 指名委員会等設置会社における第三項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (募集株式の引受け) 第二百六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集株式の数について募集株式の引受人となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集株式の数 二 前条第一項の契約により募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集株式の数 (公開会社における募集株式の割当て等の特則) 第二百六条の二 公開会社は、募集株式の引受人について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第四項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数 二 当該募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 4 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第二項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集株式の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、第一項に規定する期日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集株式の割当て又は当該特定引受人との間の第二百五条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 5 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 第三款 金銭以外の財産の出資 第二百七条 株式会社は、第百九十九条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。以下この条において同じ。)は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該募集株式の引受人が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 募集株式の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第四款 出資の履行等 (出資の履行) 第二百八条 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者を除く。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、それぞれの募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。 3 募集株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 4 出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は、株式会社に対抗することができない。 5 募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。 (株主となる時期等) 第二百九条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。 一 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日 2 募集株式の引受人は、第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百十三条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した募集株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の募集株式を譲り受けた者は、当該募集株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。 第五款 募集株式の発行等をやめることの請求 第二百十条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。 一 当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合 二 当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合 第六款 募集に係る責任等 (引受けの無効又は取消しの制限) 第二百十一条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第二百五条第一項の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 募集株式の引受人は、第二百九条第一項の規定により株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として募集株式の引受けの取消しをすることができない。 (不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任) 第二百十二条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合 当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額 二 第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第二号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百十三条 前条第一項第二号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該募集株式の引受人の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百七条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百七条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 募集株式の引受人がその給付した現物出資財産についての前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う場合において、次の各号に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (出資の履行を仮装した募集株式の引受人の責任) 第二百十三条の二 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百八条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した払込金額の全額の支払 二 第二百八条第二項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した現物出資財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該現物出資財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (出資の履行を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百十三条の三 前条第一項各号に掲げる場合には、募集株式の引受人が出資の履行を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 募集株式の引受人が前条第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九節 株券 第一款 総則 (株券を発行する旨の定款の定め) 第二百十四条 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。 (株券の発行) 第二百十五条 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない。 2 株券発行会社は、株式の併合をしたときは、第百八十条第二項第二号の日以後遅滞なく、併合した株式に係る株券を発行しなければならない。 3 株券発行会社は、株式の分割をしたときは、第百八十三条第二項第二号の日以後遅滞なく、分割した株式に係る株券(既に発行されているものを除く。)を発行しなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができる。 (株券の記載事項) 第二百十六条 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株券発行会社の商号 二 当該株券に係る株式の数 三 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨 四 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容 (株券不所持の申出) 第二百十七条 株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該株式に係る株券が発行されているときは、当該株主は、当該株券を株券発行会社に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、前項前段の株式に係る株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の株式に係る株券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された株券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした株主は、いつでも、株券発行会社に対し、第二項前段の株式に係る株券を発行することを請求することができる。 この場合において、第二項後段の規定により提出された株券があるときは、株券の発行に要する費用は、当該株主の負担とする。 (株券を発行する旨の定款の定めの廃止) 第二百十八条 株券発行会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、当該定款の変更の効力が生ずる日の二週間前までに、次に掲げる事項を公告し、かつ、株主及び登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨 二 定款の変更がその効力を生ずる日 三 前号の日において当該株式会社の株券は無効となる旨 2 株券発行会社の株式に係る株券は、前項第二号の日に無効となる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合には、同項第二号の日の二週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し、同項第一号及び第二号に掲げる事項を通知すれば足りる。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項に規定する場合には、株式の質権者(登録株式質権者を除く。)は、同項第二号の日の前日までに、株券発行会社に対し、第百四十八条各号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 第二款 株券の提出等 (株券の提出に関する公告等) 第二百十九条 株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(第四号の二に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「株券提出日」という。)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。 一 第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式) 二 株式の併合 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式) 三 第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 当該全部取得条項付種類株式 四 取得条項付株式の取得 当該取得条項付株式 四の二 第百七十九条の三第一項の承認 売渡株式 五 組織変更 全部の株式 六 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の株式 七 株式交換 全部の株式 八 株式移転 全部の株式 2 株券発行会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為(第二号に掲げる行為をする場合にあっては、株式売渡請求に係る売渡株式の取得)によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。 一 前項第一号から第四号までに掲げる行為 当該株券発行会社 二 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 六 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。 4 第一項第四号の二の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株券の提出をすることができない場合) 第二百二十条 前条第一項各号に掲げる行為をした場合において、株券を提出することができない者があるときは、株券発行会社は、その者の請求により、利害関係人に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を公告することができる。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 株券発行会社が前項の規定による公告をした場合において、同項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、前条第二項各号に定める者は、前項の請求をした者に対し、同条第二項の金銭等を交付することができる。 3 第一項の規定による公告の費用は、同項の請求をした者の負担とする。 第三款 株券喪失登録 (株券喪失登録簿) 第二百二十一条 株券発行会社(株式会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした日の翌日から起算して一年を経過していない場合における当該株式会社を含む。以下この款(第二百二十三条、第二百二十七条及び第二百二十八条第二項を除く。)において同じ。)は、株券喪失登録簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この款において「株券喪失登録簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第二百二十三条の規定による請求に係る株券(第二百十八条第二項又は第二百十九条第三項の規定により無効となった株券及び株式の発行又は自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における当該株式に係る株券を含む。以下この款(第二百二十八条を除く。)において同じ。)の番号 二 前号の株券を喪失した者の氏名又は名称及び住所 三 第一号の株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載され、又は記録されている者(以下この款において「名義人」という。)の氏名又は名称及び住所 四 第一号の株券につき前三号に掲げる事項を記載し、又は記録した日(以下この款において「株券喪失登録日」という。) (株券喪失登録簿に関する事務の委託) 第二百二十二条 株券発行会社における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿に」とする。 (株券喪失登録の請求) 第二百二十三条 株券を喪失した者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録すること(以下「株券喪失登録」という。)を請求することができる。 (名義人等に対する通知) 第二百二十四条 株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者(以下この款において「株券喪失登録者」という。)が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第二百二十一条第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。 (株券を所持する者による抹消の申請) 第二百二十五条 株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。 ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。 3 第一項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による通知の日から二週間を経過した日に、第二項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第一項の規定による申請をした者に返還しなければならない。 (株券喪失登録者による抹消の申請) 第二百二十六条 株券喪失登録者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、株券喪失登録(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合にあっては、前条第二項の規定により提出された株券についての株券喪失登録を除く。)の抹消を申請することができる。 2 前項の規定による申請を受けた株券発行会社は、当該申請を受けた日に、当該申請に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消) 第二百二十七条 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合には、株券発行会社は、当該定款の変更の効力が生ずる日に、株券喪失登録(当該株券喪失登録がされた株券に係る株式の名義人が株券喪失登録者であるものに限り、第二百二十五条第二項の規定により提出された株券についてのものを除く。)を抹消しなければならない。 (株券の無効) 第二百二十八条 株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。 2 前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。 (異議催告手続との関係) 第二百二十九条 株券喪失登録者が第二百二十条第一項の請求をした場合には、株券発行会社は、同項の期間の末日が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過する日前に到来するときに限り、同項の規定による公告をすることができる。 2 株券発行会社が第二百二十条第一項の規定による公告をするときは、当該株券発行会社は、当該公告をした日に、当該公告に係る株券についての株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券喪失登録の効力) 第二百三十条 株券発行会社は、次に掲げる日のいずれか早い日(以下この条において「登録抹消日」という。)までの間は、株券喪失登録がされた株券に係る株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することができない。 一 当該株券喪失登録が抹消された日 二 株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日 2 株券発行会社は、登録抹消日後でなければ、株券喪失登録がされた株券を再発行することができない。 3 株券喪失登録者が株券喪失登録をした株券に係る株式の名義人でないときは、当該株式の株主は、登録抹消日までの間は、株主総会又は種類株主総会において議決権を行使することができない。 4 株券喪失登録がされた株券に係る株式については、第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をすることができない。 (株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等) 第二百三十一条 株券発行会社は、株券喪失登録簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (株券喪失登録者に対する通知等) 第二百三十二条 株券発行会社が株券喪失登録者に対してする通知又は催告は、株券喪失登録簿に記載し、又は記録した当該株券喪失登録者の住所(当該株券喪失登録者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を株券発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (適用除外) 第二百三十三条 非訟事件手続法第四編の規定は、株券については、適用しない。 第十節 雑則 (一に満たない端数の処理) 第二百三十四条 次の各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の株式を交付する場合において、その者に対し交付しなければならない当該株式会社の株式の数に一株に満たない端数があるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を当該者に交付しなければならない。 一 第百七十条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 二 第百七十三条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 当該株式会社の株主 四 第二百七十五条第一項の規定による新株予約権の取得 第二百三十六条第一項第七号イの新株予約権の新株予約権者 五 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 合併後消滅する会社の株主又は社員 六 合併契約に基づく設立時発行株式の発行 合併後消滅する会社の株主又は社員 七 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 株式交換をする株式会社の株主 八 株式移転計画に基づく設立時発行株式の発行 株式移転をする株式会社の株主 九 株式交付 株式交付親会社(第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。)に株式交付に際して株式交付子会社(同号に規定する株式交付子会社をいう。)の株式又は新株予約権等(同項第七号に規定する新株予約権等をいう。)を譲り渡した者 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 前項の規定により第一項の株式を売却した場合における同項の規定の適用については、同項中「競売により」とあるのは、「売却により」とする。 4 株式会社は、第二項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 5 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 6 第一項から第四項までの規定は、第一項各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の社債又は新株予約権を交付するときについて準用する。 第二百三十五条 株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。 2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。 第三章 新株予約権 第一節 総則 (新株予約権の内容) 第二百三十六条 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法 三 金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 当該新株予約権を行使することができる期間 五 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項 六 譲渡による当該新株予約権の取得について当該株式会社の承認を要することとするときは、その旨 七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法 ニ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法 ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ヘ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項 チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件 イ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社 ロ 吸収分割 吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する株式会社 ハ 新設分割 新設分割により設立する株式会社 ニ 株式交換 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社 ホ 株式移転 株式移転により設立する株式会社 九 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨 十 当該新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)に係る新株予約権証券を発行することとするときは、その旨 十一 前号に規定する場合において、新株予約権者が第二百九十条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の数は、当該新株予約権付社債についての社債の金額ごとに、均等に定めなければならない。 3 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第一項第二号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨 4 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第四号又は第五号ロに定める事項についての決定」と、同項第一号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第二号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (共有者による権利の行使) 第二百三十七条 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該新株予約権についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該新株予約権についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 新株予約権の発行 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集新株予約権の内容及び数 二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法 四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日 六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項 七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め 2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百三十九条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限 二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。 3 第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百四十一条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数 三 第一項第二号の期日 5 第二百三十八条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 第二款 募集新株予約権の割当て (募集新株予約権の申込み) 第二百四十二条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集新株予約権の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、申込者(募集新株予約権のみの申込みをした者に限る。)は、その申込みに係る募集新株予約権を付した新株予約権付社債の引受けの申込みをしたものとみなす。 7 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 8 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集新株予約権の割当て) 第二百四十三条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権(新株予約権であって、譲渡による当該新株予約権の取得について株式会社の承認を要する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)である場合 3 株式会社は、割当日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数(当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 4 第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集新株予約権の割当てを受ける権利を失う。 (募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則) 第二百四十四条 前二条の規定は、募集新株予約権を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前項の規定の適用については、同項中「の引受け」とあるのは、「及び当該募集新株予約権を付した社債の総額の引受け」とする。 3 第一項に規定する場合において、次に掲げるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式であるとき。 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権であるとき。 (公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則) 第二百四十四条の二 公開会社は、募集新株予約権の割当てを受けた申込者又は前条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者(以下この項において「引受人」と総称する。)について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第五項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数 二 前号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数 2 前項第一号に規定する「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式その他募集新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式として法務省令で定める株式をいう。 3 第一項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 5 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第三項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集新株予約権の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、割当日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は当該特定引受人との間の前条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 6 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (新株予約権者となる日) 第二百四十五条 次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集新株予約権 二 第二百四十四条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集新株予約権 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。 第三款 募集新株予約権に係る払込み 第二百四十六条 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。 3 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。 第四款 募集新株予約権の発行をやめることの請求 第二百四十七条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。 一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合 二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合 第五款 雑則 第二百四十八条 第六百七十六条から第六百八十条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。 第三節 新株予約権原簿 (新株予約権原簿) 第二百四十九条 株式会社は、新株予約権を発行した日以後遅滞なく、新株予約権原簿を作成し、次の各号に掲げる新株予約権の区分に応じ、当該各号に定める事項(以下「新株予約権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 無記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権(以下この章において「無記名新株予約権」という。) 当該新株予約権証券の番号並びに当該無記名新株予約権の内容及び数 二 無記名式の新株予約権付社債券(証券発行新株予約権付社債(新株予約権付社債であって、当該新株予約権付社債についての社債につき社債券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)に係る社債券をいう。以下同じ。)が発行されている新株予約権付社債(以下この章において「無記名新株予約権付社債」という。)に付された新株予約権 当該新株予約権付社債券の番号並びに当該新株予約権の内容及び数 三 前二号に掲げる新株予約権以外の新株予約権 次に掲げる事項 イ 新株予約権者の氏名又は名称及び住所 ロ イの新株予約権者の有する新株予約権の内容及び数 ハ イの新株予約権者が新株予約権を取得した日 ニ ロの新株予約権が証券発行新株予約権(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であって、当該新株予約権に係る新株予約権証券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、当該新株予約権(新株予約権証券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権証券の番号 ホ ロの新株予約権が証券発行新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権を付した新株予約権付社債(新株予約権付社債券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権付社債券の番号 (新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第二百五十条 前条第三号イの新株予約権者は、株式会社に対し、当該新株予約権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該新株予約権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の管理) 第二百五十一条 株式会社が新株予約権を発行している場合における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿に」とする。 (新株予約権原簿の備置き及び閲覧等) 第二百五十二条 株式会社は、新株予約権原簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の新株予約権原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (新株予約権者に対する通知等) 第二百五十三条 株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該新株予約権者の住所(当該新株予約権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を新株予約権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が新株予約権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 第四節 新株予約権の譲渡等 第一款 新株予約権の譲渡 (新株予約権の譲渡) 第二百五十四条 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 (証券発行新株予約権の譲渡) 第二百五十五条 証券発行新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権(株式会社が有する自己の新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の処分による証券発行新株予約権の譲渡については、この限りでない。 2 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権付社債(株式会社が有する自己の新株予約権付社債をいう。以下この条及び次条において同じ。)の処分による当該自己新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、この限りでない。 (自己新株予約権の処分に関する特則) 第二百五十六条 株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。 3 株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。 4 第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。 (新株予約権の譲渡の対抗要件) 第二百五十七条 新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 3 第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (権利の推定等) 第二百五十八条 新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 2 新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 4 新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百五十九条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該株式会社の新株予約権を取得した場合 二 自己新株予約権を処分した場合 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百六十条 新株予約権を当該新株予約権を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「新株予約権取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該新株予約権に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第二百六十一条 前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。 二 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。 三 当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。 第二款 新株予約権の譲渡の制限 (新株予約権者からの承認の請求) 第二百六十二条 譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (新株予約権取得者からの承認の請求) 第二百六十三条 譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第二百六十四条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第二百六十二条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの新株予約権取得者の氏名又は名称 (譲渡等の承認の決定等) 第二百六十五条 株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第二百六十六条 株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。 ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 第三款 新株予約権の質入れ (新株予約権の質入れ) 第二百六十七条 新株予約権者は、その有する新株予約権に質権を設定することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 4 証券発行新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 5 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (新株予約権の質入れの対抗要件) 第二百六十八条 新株予約権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 3 第一項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 (新株予約権原簿の記載等) 第二百六十九条 新株予約権に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である新株予約権 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百七十条 前条第一項各号に掲げる事項が新株予約権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録新株予約権質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録新株予約権質権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (登録新株予約権質権者に対する通知等) 第二百七十一条 株式会社が登録新株予約権質権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該登録新株予約権質権者の住所(当該登録新株予約権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (新株予約権の質入れの効果) 第二百七十二条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、新株予約権を目的とする質権は、当該行為によって当該新株予約権の新株予約権者が受けることのできる金銭等について存在する。 一 新株予約権の取得 二 組織変更 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 四 吸収分割 五 新設分割 六 株式交換 七 株式移転 2 登録新株予約権質権者は、前項の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 3 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録新株予約権質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 新株予約権の取得 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 4 前三項の規定は、特別支配株主が新株予約権売渡請求により売渡新株予約権の取得をした場合について準用する。 この場合において、前項中「当該各号に定める者」とあるのは、「当該特別支配株主」と読み替えるものとする。 5 新株予約権付社債に付された新株予約権(第二百三十六条第一項第三号の財産が当該新株予約権付社債についての社債であるものであって、当該社債の償還額が当該新株予約権についての同項第二号の価額以上であるものに限る。)を目的とする質権は、当該新株予約権の行使をすることにより当該新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式について存在する。 第四款 信託財産に属する新株予約権についての対抗要件等 第二百七十二条の二 新株予約権については、当該新株予約権が信託財産に属する旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該新株予約権が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第二百四十九条第三号イの新株予約権者は、その有する新株予約権が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 新株予約権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第二百五十条第一項及び第二百五十九条第一項の規定の適用については、第二百五十条第一項中「記録された新株予約権原簿記載事項」とあるのは「記録された新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」と、第二百五十九条第一項中「新株予約権原簿記載事項」とあるのは「新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第五節 株式会社による自己の新株予約権の取得 第一款 募集事項の定めに基づく新株予約権の取得 (取得する日の決定) 第二百七十三条 取得条項付新株予約権(第二百三十六条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の内容として同号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第二百三十六条第一項第七号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付新株予約権の新株予約権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する新株予約権の決定等) 第二百七十四条 株式会社は、新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、その取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付新株予約権は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに、当該取得条項付新株予約権を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第二百七十五条 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第三項において同じ。)に、取得条項付新株予約権(同条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項及び第三項において同じ。)を取得する。 一 第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 前項の規定により株式会社が取得する取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、当該新株予約権付社債についての社債を取得する。 3 次の各号に掲げる場合には、取得条項付新株予約権の新株予約権者(当該株式会社を除く。)は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、同号に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの株式の株主 二 第二百三十六条第一項第七号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの社債の社債権者 三 第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの他の新株予約権の新株予約権者 四 第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項についての定めがある場合 同号トの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第二百七十三条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 5 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第二款 新株予約権の消却 第二百七十六条 株式会社は、自己新株予約権を消却することができる。 この場合においては、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第六節 新株予約権無償割当て (新株予約権無償割当て) 第二百七十七条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。 (新株予約権無償割当てに関する事項の決定) 第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法 二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法 三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日 四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (新株予約権無償割当ての効力の発生等) 第二百七十九条 前条第一項第一号の新株予約権の割当てを受けた株主は、同項第三号の日に、同項第一号の新株予約権の新株予約権者(同項第二号に規定する場合にあっては、同項第一号の新株予約権の新株予約権者及び同項第二号の社債の社債権者)となる。 2 株式会社は、前条第一項第三号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた新株予約権の内容及び数(同項第二号に規定する場合にあっては、当該株主が割当てを受けた社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知がされた場合において、前条第一項第一号の新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の末日が当該通知の日から二週間を経過する日前に到来するときは、同号の期間は、当該通知の日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。 第七節 新株予約権の行使 第一款 総則 (新株予約権の行使) 第二百八十条 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数 二 新株予約権を行使する日 2 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。 3 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。 この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。 4 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 5 第三項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 6 株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。 (新株予約権の行使に際しての払込み) 第二百八十一条 金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第二号の価額の全額を払い込まなければならない。 2 金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第三号の財産を給付しなければならない。 この場合において、当該財産の価額が同項第二号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。 3 新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 (株主となる時期等) 第二百八十二条 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (一に満たない端数の処理) 第二百八十三条 新株予約権を行使した場合において、当該新株予約権の新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数があるときは、株式会社は、当該新株予約権者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を交付しなければならない。 ただし、第二百三十六条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合は、この限りでない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 第二款 金銭以外の財産の出資 第二百八十四条 株式会社は、第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項についての定めがある新株予約権が行使された場合には、第二百八十一条第二項の規定による給付があった後、遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 第一項の新株予約権の新株予約権者は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 行使された新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該新株予約権者が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 新株予約権者 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第三款 責任 (不公正な払込金額で新株予約権を引き受けた者等の責任) 第二百八十五条 新株予約権を行使した新株予約権者は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 第二百三十八条第一項第二号に規定する場合において、募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととすることが著しく不公正な条件であるとき(取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役。次号において同じ。)と通じて新株予約権を引き受けた場合に限る。) 当該新株予約権の公正な価額 二 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合において、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたとき 当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額 三 第二百八十二条第一項の規定により株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第三号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百八十六条 前条第一項第三号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該新株予約権者の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百八十四条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百八十四条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 新株予約権者がその給付した現物出資財産についての前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う場合において、次に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (新株予約権に係る払込み等を仮装した新株予約権者等の責任) 第二百八十六条の二 新株予約権を行使した新株予約権者であって次の各号に掲げる者に該当するものは、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百四十六条第一項の規定による払込み(同条第二項の規定により当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付を含む。)を仮装した者又は当該払込みが仮装されたことを知って、若しくは重大な過失により知らないで募集新株予約権を譲り受けた者 払込みが仮装された払込金額の全額の支払(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付が仮装された場合にあっては、当該財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)) 二 第二百八十一条第一項又は第二項後段の規定による払込みを仮装した者 払込みを仮装した金銭の全額の支払 三 第二百八十一条第二項前段の規定による給付を仮装した者 給付を仮装した金銭以外の財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により同項に規定する新株予約権者の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (新株予約権に係る払込み等を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百八十六条の三 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に定める行為をする義務を負う場合には、当該各号の払込み又は給付を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込み又は当該給付を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第四款 雑則 第二百八十七条 第二百七十六条第一項の場合のほか、新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。 第八節 新株予約権に係る証券 第一款 新株予約権証券 (新株予約権証券の発行) 第二百八十八条 株式会社は、証券発行新株予約権を発行した日以後遅滞なく、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を発行しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、新株予約権者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を発行しないことができる。 (新株予約権証券の記載事項) 第二百八十九条 新株予約権証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株式会社の商号 二 当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権の内容及び数 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百九十条 証券発行新株予約権の新株予約権者は、第二百三十六条第一項第十一号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の新株予約権証券を無記名式とし、又はその無記名式の新株予約権証券を記名式とすることを請求することができる。 (新株予約権証券の喪失) 第二百九十一条 新株予約権証券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 新株予約権証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 第二款 新株予約権付社債券 第二百九十二条 証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券には、第六百九十七条第一項の規定により記載すべき事項のほか、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の内容及び数を記載しなければならない。 2 証券発行新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは、株式会社は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券と引換えに社債の償還をすることを請求することができない。 この場合においては、株式会社は、社債の償還をするのと引換えに、当該新株予約権付社債券の提示を求め、当該新株予約権付社債券に社債の償還をした旨を記載することができる。 第三款 新株予約権証券等の提出 (新株予約権証券の提出に関する公告等) 第二百九十三条 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、当該各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この款において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該行為の効力が生ずる日(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「新株予約権証券提出日」という。)までに当該株式会社に対し当該新株予約権証券を提出しなければならない旨を新株予約権証券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 第百七十九条の三第一項の承認 売渡新株予約権 一の二 取得条項付新株予約権の取得 当該取得条項付新株予約権 二 組織変更 全部の新株予約権 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の新株予約権 四 吸収分割 第七百五十八条第五号イに規定する吸収分割契約新株予約権 五 新設分割 第七百六十三条第一項第十号イに規定する新設分割計画新株予約権 六 株式交換 第七百六十八条第一項第四号イに規定する株式交換契約新株予約権 七 株式移転 第七百七十三条第一項第九号イに規定する株式移転計画新株予約権 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、新株予約権証券提出日までに当該株式会社に対して新株予約権証券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該新株予約権証券の提出があるまでの間、当該行為(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、新株予約権売渡請求に係る売渡新株予約権の取得)によって当該新株予約権証券に係る新株予約権の新株予約権者が交付を受けることができる金銭等の交付を拒むことができる。 一 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 二 取得条項付新株予約権の取得 当該株式会社 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 吸収分割 第七百五十八条第一号に規定する吸収分割承継株式会社 六 新設分割 第七百六十三条第一項第一号に規定する新設分割設立株式会社 七 株式交換 第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全親株式会社 八 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券は、新株予約権証券提出日に無効となる。 4 第一項第一号の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 5 第二百二十条の規定は、第一項各号に掲げる行為をした場合において、新株予約権証券を提出することができない者があるときについて準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは、「第二百九十三条第二項各号」と読み替えるものとする。 (無記名式の新株予約権証券等が提出されない場合) 第二百九十四条 第百三十二条の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券(無記名式のものに限る。以下この条において同じ。)が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式に係る第百二十一条第一号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを要しない。 2 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式の株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 3 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる当該他の新株予約権(無記名新株予約権を除く。)に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 4 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 5 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債(無記名新株予約権付社債を除く。)に付された新株予約権に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 6 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 第四章 機関 第一節 株主総会及び種類株主総会等 第一款 株主総会 (株主総会の権限) 第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (株主総会の招集) 第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。 (株主による招集の請求) 第二百九十七条 総株主の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 4 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合 (株主総会の招集の決定) 第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主総会の日時及び場所 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。 3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第二号に掲げる事項」とする。 4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 (株主総会の招集の通知) 第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 株式会社が取締役会設置会社である場合 3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第三百一条 取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。 第三百二条 取締役は、第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。 3 取締役は、第一項に規定する場合には、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 取締役は、第一項に規定する場合において、第二百九十九条第三項の承諾をしていない株主から株主総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (株主提案権) 第三百三条 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 3 公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第二項の一定の事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 第三百四条 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第一項において同じ。)につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第三百五条 株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。 2 公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。 4 取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。 この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 四 定款の変更に関する二以上の議案 当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。 5 前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。 ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。 6 第一項から第三項までの規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (株主総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第三百六条 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」とする。 3 前二項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 4 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第三項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第三項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第三項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (議決権の数) 第三百八条 株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。 (株主総会の決議) 第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百四十条第二項及び第五項の株主総会 二 第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。) 三 第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会 四 第百八十条第二項の株主総会 五 第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会 六 第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会 七 第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。) 八 第四百二十五条第一項の株主総会 九 第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。) イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。 ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 十 第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。) 十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会 二 第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。) 三 第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。) 4 前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第三百十条 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。 3 第一項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 8 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第三百十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 3 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない。 4 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第三百十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社に提供して行う。 2 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 4 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 5 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (議決権の不統一行使) 第三百十三条 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 2 取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の三日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。 3 株式会社は、第一項の株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (取締役等の説明義務) 第三百十四条 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第三百十五条 株主総会の議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 株主総会の議長は、その命令に従わない者その他当該株主総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (株主総会に提出された資料等の調査) 第三百十六条 株主総会においては、その決議によって、取締役、会計参与、監査役、監査役会及び会計監査人が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第二百九十七条の規定により招集された株主総会においては、その決議によって、株式会社の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第三百十七条 株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第二百九十八条及び第二百九十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第三百十八条 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 5 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (株主総会の決議の省略) 第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。 2 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 5 第一項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。 (株主総会への報告の省略) 第三百二十条 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。 第二款 種類株主総会 (種類株主総会の権限) 第三百二十一条 種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 (ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会) 第三百二十二条 種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。) イ 株式の種類の追加 ロ 株式の内容の変更 ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加 一の二 第百七十九条の三第一項の承認 二 株式の併合又は株式の分割 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 四 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 五 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 六 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 七 合併 八 吸収分割 九 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 十 新設分割 十一 株式交換 十二 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 十三 株式移転 十四 株式交付 2 種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。 3 第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。 ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。 4 ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第三百二十三条 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類株主総会の決議) 第三百二十四条 種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第百九十九条第四項及び第二百条第四項の種類株主総会 三 第二百三十八条第四項及び第二百三十九条第四項の種類株主総会 四 第三百二十二条第一項の種類株主総会 五 第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会 六 第七百九十五条第四項の種類株主総会 七 第八百十六条の三第三項の種類株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第七百八十三条第三項及び第八百四条第三項の種類株主総会 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条 前款(第二百九十五条第一項及び第二項、第二百九十六条第一項及び第二項並びに第三百九条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第二百九十七条第一項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百八条第一項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百十八条第四項及び第三百十九条第三項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。 第三款 電子提供措置 (電子提供措置をとる旨の定款の定め) 第三百二十五条の二 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 株主総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類 (電子提供措置) 第三百二十五条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項 二 第三百一条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第三百二条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項 四 第三百五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百三十七条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百四十四条第六項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、取締役が第二百九十九条第一項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 3 第一項の規定にかかわらず、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第一項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第二十七条の三十の二に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (株主総会の招集の通知等の特則) 第三百二十五条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第二百九十九条第一項の規定の適用については、同項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「二週間」とする。 2 第二百九十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第二項又は第三項の通知には、第二百九十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 電子提供措置をとっているときは、その旨 二 前条第三項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第二百九十九条第一項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第三百五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第三百二十五条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。 4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第三百二十五条の六 第三百二十五条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第七号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条の七 第三百二十五条の三から前条まで(第三百二十五条の三第一項(第五号及び第六号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第三百二十五条の五第一項及び第三項から第五項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第三百二十五条の三第一項中「第二百九十九条第二項各号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項各号」と、「同条第一項」とあるのは「同条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次項、次条及び第三百二十五条の五において同じ。)」と、「第二百九十八条第一項各号」とあるのは「第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合に限る。)」と、「第三百一条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項」と、「第三百二条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百二条第一項」と、「第三百五条第一項」とあるのは「第三百五条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次条第四項において同じ。)」と、同条第二項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第三百二十五条の六までにおいて同じ。)」と、第三百二十五条の四第二項中「第二百九十九条第四項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第四項」と、「第二百九十九条第二項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項」と、「第二百九十八条第一項第五号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十八条第一項第五号」と、「同項第一号から第四号まで」とあるのは「第三百二十五条において準用する同項第一号から第四号まで」と、同条第三項中「第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項及び第三百二条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 株主総会以外の機関の設置 (株主総会以外の機関の設置) 第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。 2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。 (取締役会等の設置義務等) 第三百二十七条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。 一 公開会社 二 監査役会設置会社 三 監査等委員会設置会社 四 指名委員会等設置会社 2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。 5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。 6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。 (社外取締役の設置義務) 第三百二十七条の二 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならない。 (大会社における監査役会等の設置義務) 第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。 2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。 第三節 役員及び会計監査人の選任及び解任 第一款 選任 (選任) 第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。 2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。 3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (株式会社と役員等との関係) 第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (取締役の資格等) 第三百三十一条 次に掲げる者は、取締役となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。 3 監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。 5 取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。 6 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。 第三百三十一条の二 成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした取締役の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (取締役の任期) 第三百三十二条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 4 監査等委員である取締役の任期については、第一項ただし書の規定は、適用しない。 5 第一項本文の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 6 指名委員会等設置会社の取締役についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 7 前各項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 三 その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。) (会計参与の資格等) 第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。 2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。 一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者 (会計参与の任期) 第三百三十四条 第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。 2 前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (監査役の資格等) 第三百三十五条 第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。 2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。 (監査役の任期) 第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 4 前三項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 三 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 四 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 (会計監査人の資格等) 第三百三十七条 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第三百三十八条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 第二款 解任 (解任) 第三百三十九条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監査役等による会計監査人の解任) 第三百四十条 監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。 4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。 5 監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 6 指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 第三款 選任及び解任の手続に関する特則 (役員の選任及び解任の株主総会の決議) 第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (累積投票による取締役の選任) 第三百四十二条 株主総会の目的である事項が二人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、株式会社に対し、第三項から第五項までに規定するところにより取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の株主総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第三百八条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、取締役の選任の決議については、株主は、その有する株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の株式)につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 6 前条の規定は、前三項に規定するところにより選任された取締役の解任の決議については、適用しない。 (監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十二条の二 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監査等委員である取締役を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任について監査等委員会の意見を述べることができる。 (監査役の選任に関する監査役の同意等) 第三百四十三条 取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。 4 第三百四十一条の規定は、監査役の解任の決議については、適用しない。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第三百四十四条 監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。 2 監査役が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 (監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等) 第三百四十四条の二 取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。 2 監査等委員会は、取締役に対し、監査等委員である取締役の選任を株主総会の目的とすること又は監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 第三百四十一条の規定は、監査等委員である取締役の解任の決議については、適用しない。 (会計参与等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十五条 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は監査役について、前二項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。 5 第一項の規定は会計監査人について、第二項及び第三項の規定は会計監査人を辞任した者及び第三百四十条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。 8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。 (種類株主総会における取締役又は監査役の選任等) 第三百四十七条 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十二条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十四条の二第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十二条第一項及び第三百三十九条第一項中「株主総会の決議」とあるのは「株主総会(第四十一条第一項の規定により又は第九十条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)については、当該取締役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該取締役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))の決議」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項及び第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十四条の二第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 2 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十三条第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(監査役については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により又は第九十条第二項において準用する同条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された監査役については、当該監査役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該監査役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十三条第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 第四節 取締役 (業務の執行) 第三百四十八条 取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、取締役は、次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 五 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 4 大会社においては、取締役は、前項第四号に掲げる事項を決定しなければならない。 (業務の執行の社外取締役への委託) 第三百四十八条の二 株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 2 指名委員会等設置会社と執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他執行役が指名委員会等設置会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該指名委員会等設置会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該指名委員会等設置会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 3 前二項の規定により委託された業務の執行は、第二条第十五号イに規定する株式会社の業務の執行に該当しないものとする。 ただし、社外取締役が業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の指揮命令により当該委託された業務を執行したときは、この限りでない。 (株式会社の代表) 第三百四十九条 取締役は、株式会社を代表する。 ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。 3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。 4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第三百五十条 株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表取締役に欠員を生じた場合の措置) 第三百五十一条 代表取締役が欠けた場合又は定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表取締役は、新たに選定された代表取締役(次項の一時代表取締役の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表取締役としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表取締役の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表取締役の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (取締役の職務を代行する者の権限) 第三百五十二条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百五十三条 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、株式会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができる。 (表見代表取締役) 第三百五十四条 株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (取締役の報告義務) 第三百五十七条 取締役は、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第三百五十八条 株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、次に掲げる株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 一 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 二 発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社及び検査役の選任の申立てをした株主に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百五十九条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (株主による取締役の行為の差止め) 第三百六十条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (取締役の報酬等) 第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容 2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。 4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。 5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。 6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。 7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。 ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。 一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの 二 監査等委員会設置会社 第五節 取締役会 第一款 権限等 (取締役会の権限等) 第三百六十二条 取締役会は、すべての取締役で組織する。 2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役会設置会社の業務執行の決定 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。 (取締役会設置会社の取締役の権限) 第三百六十三条 次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。 一 代表取締役 二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの 2 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 (取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百六十四条 第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。 (競業及び取締役会設置会社との取引等の制限) 第三百六十五条 取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 2 取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百六十六条 取締役会は、各取締役が招集する。 ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。 (株主による招集の請求) 第三百六十七条 取締役会設置会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った株主は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる。 (招集手続) 第三百六十八条 取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (取締役会の決議) 第三百六十九条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。 3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (取締役会の決議の省略) 第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。 2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。 (取締役会への報告の省略) 第三百七十二条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、適用しない。 3 指名委員会等設置会社についての前二項の規定の適用については、第一項中「監査役又は会計監査人」とあるのは「会計監査人又は執行役」と、「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「取締役」と、前項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百十七条第四項」とする。 (特別取締役による取締役会の決議) 第三百七十三条 第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。 一 取締役の数が六人以上であること。 二 取締役のうち一人以上が社外取締役であること。 2 前項の規定による特別取締役による議決の定めがある場合には、特別取締役以外の取締役は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することを要しない。 この場合における第三百六十六条第一項本文及び第三百六十八条の規定の適用については、第三百六十六条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各特別取締役(第三百七十三条第一項に規定する特別取締役をいう。第三百六十八条において同じ。)」と、第三百六十八条第一項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各特別取締役」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「特別取締役及び」とする。 3 特別取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければならない。 4 第三百六十六条(第一項本文を除く。)、第三百六十七条、第三百六十九条第一項、第三百七十条及び第三百九十九条の十四の規定は、第二項の取締役会については、適用しない。 第六節 会計参与 (会計参与の権限) 第三百七十四条 会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。 この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。 2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。 6 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。 (会計参与の報告義務) 第三百七十五条 会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。 (取締役会への出席) 第三百七十六条 取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は、第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。 この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 会計参与設置会社において、前項の取締役会を招集する者は、当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各会計参与に対してその通知を発しなければならない。 3 会計参与設置会社において、第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは、会計参与の全員の同意を得なければならない。 (株主総会における意見の陳述) 第三百七十七条 第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。 2 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役」とする。 (会計参与による計算書類等の備置き等) 第三百七十八条 会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 (会計参与の報酬等) 第三百七十九条 会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 会計参与が二人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定める。 3 会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十条 会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該会計参与設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七節 監査役 (監査役の権限) 第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。 この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (取締役への報告義務) 第三百八十二条 監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。 (取締役会への出席義務等) 第三百八十三条 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。 2 監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。 4 前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 (監査役による取締役の行為の差止め) 第三百八十五条 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百八十六条 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合 二 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第三号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合 三 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第四号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合 2 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監査役設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 三 株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第三号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (監査役の報酬等) 第三百八十七条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。 3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十八条 監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (定款の定めによる監査範囲の限定) 第三百八十九条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 3 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 4 第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 5 第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 6 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。 7 第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。 第八節 監査役会 第一款 権限等 第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。 2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。 ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。 一 監査報告の作成 二 常勤の監査役の選定及び解職 三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定 3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。 4 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十一条 監査役会は、各監査役が招集する。 (招集手続) 第三百九十二条 監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (監査役会の決議) 第三百九十三条 監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。 2 監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十四条 監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査役会への報告の省略) 第三百九十五条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。 第九節 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第三百九十六条 会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者 三 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 6 指名委員会等設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。 (監査役に対する報告) 第三百九十七条 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。 2 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 (定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 第三百九十八条 第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会又は監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与) 第三百九十九条 取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。 第九節の二 監査等委員会 第一款 権限等 (監査等委員会の権限等) 第三百九十九条の二 監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。 2 監査等委員は、取締役でなければならない。 3 監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 三 第三百四十二条の二第四項及び第三百六十一条第六項に規定する監査等委員会の意見の決定 4 監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査等委員会による調査) 第三百九十九条の三 監査等委員会が選定する監査等委員は、いつでも、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は監査等委員会設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査等委員会が選定する監査等委員は、監査等委員会の職務を執行するため必要があるときは、監査等委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査等委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査等委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第三百九十九条の四 監査等委員は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百九十九条の五 監査等委員は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものについて法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その旨を株主総会に報告しなければならない。 (監査等委員による取締役の行為の差止め) 第三百九十九条の六 監査等委員は、取締役が監査等委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査等委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査等委員会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百九十九条の七 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて監査等委員会設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査等委員会が選定する監査等委員 2 前項の規定にかかわらず、取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査等委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該監査等委員会設置会社に対して効力を有する。 3 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査等委員が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員会設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査等委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 監査等委員会設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査等委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十九条の八 監査等委員会は、各監査等委員が招集する。 (招集手続等) 第三百九十九条の九 監査等委員会を招集するには、監査等委員は、監査等委員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査等委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査等委員会は、監査等委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)は、監査等委員会の要求があったときは、監査等委員会に出席し、監査等委員会が求めた事項について説明をしなければならない。 (監査等委員会の決議) 第三百九十九条の十 監査等委員会の決議は、議決に加わることができる監査等委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する監査等委員は、議決に加わることができない。 3 監査等委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査等委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 監査等委員会の決議に参加した監査等委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十九条の十一 監査等委員会設置会社は、監査等委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査等委員会設置会社の債権者が取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査等委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査等委員会への報告の省略) 第三百九十九条の十二 取締役、会計参与又は会計監査人が監査等委員の全員に対して監査等委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査等委員会へ報告することを要しない。 第三款 監査等委員会設置会社の取締役会の権限等 (監査等委員会設置会社の取締役会の権限) 第三百九十九条の十三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第一項の規定による委託 七 第三百六十一条第七項の規定による同項の事項の決定 八 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項の承認 九 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 十 第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定 十一 前項第六号に掲げる事項 十二 補償契約(第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。第四百十六条第四項第十四号において同じ。)の内容の決定 十三 役員等賠償責任保険契約(第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。第四百十六条第四項第十五号において同じ。)の内容の決定 十四 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十五 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十六 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十七 合併契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十八 吸収分割契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 新設分割計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 株式交換契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 株式移転計画の内容の決定 二十二 株式交付計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。 (監査等委員会による取締役会の招集) 第三百九十九条の十四 監査等委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる。 第十節 指名委員会等及び執行役 第一款 委員の選定、執行役の選任等 (委員の選定等) 第四百条 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。 2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。 3 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。 4 監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。 (委員の解職等) 第四百一条 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 2 前条第一項に規定する各委員会の委員の員数(定款で四人以上の員数を定めたときは、その員数)が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した委員は、新たに選定された委員(次項の一時委員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお委員としての権利義務を有する。 3 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時委員の職務を行うべき者を選任することができる。 4 裁判所は、前項の一時委員の職務を行うべき者を選任した場合には、指名委員会等設置会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (執行役の選任等) 第四百二条 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。 2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。 3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。 4 第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は、執行役について準用する。 5 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。 6 執行役は、取締役を兼ねることができる。 7 執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。 8 前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (執行役の解任等) 第四百三条 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、指名委員会等設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 3 第四百一条第二項から第四項までの規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。 第二款 指名委員会等の権限等 (指名委員会等の権限等) 第四百四条 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。 2 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 3 報酬委員会は、第三百六十一条第一項並びに第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。 執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。 4 委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査委員会による調査) 第四百五条 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第四百六条 監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (監査委員による執行役等の行為の差止め) 第四百七条 監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第四百八条 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が指名委員会等設置会社を代表する。 一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて指名委員会等設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員 2 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該指名委員会等設置会社に対して効力を有する。 3 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。 一 指名委員会等設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 指名委員会等設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (報酬委員会による報酬の決定の方法等) 第四百九条 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。 2 報酬委員会は、第四百四条第三項の規定による決定をするには、前項の方針に従わなければならない。 3 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の個人別の報酬等とする場合には、その内容として、当該各号に定める事項について決定しなければならない。 ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第一号に掲げるものでなければならない。 一 額が確定しているもの 個人別の額 二 額が確定していないもの 個人別の具体的な算定方法 三 当該株式会社の募集株式 当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 四 当該株式会社の募集新株予約権 当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 五 次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭 当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 執行役等が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 執行役等が引き受ける当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 六 金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。) 個人別の具体的な内容 第三款 指名委員会等の運営 (招集権者) 第四百十条 指名委員会等は、当該指名委員会等の各委員が招集する。 (招集手続等) 第四百十一条 指名委員会等を招集するには、その委員は、指名委員会等の日の一週間(これを下回る期間を取締役会で定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該指名委員会等の各委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、指名委員会等は、当該指名委員会等の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 執行役等は、指名委員会等の要求があったときは、当該指名委員会等に出席し、当該指名委員会等が求めた事項について説明をしなければならない。 (指名委員会等の決議) 第四百十二条 指名委員会等の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。 3 指名委員会等の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 指名委員会等の決議に参加した委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第四百十三条 指名委員会等設置会社は、指名委員会等の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 指名委員会等設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 4 前項の規定は、指名委員会等設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 5 裁判所は、第三項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該指名委員会等設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の許可をすることができない。 (指名委員会等への報告の省略) 第四百十四条 執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して指名委員会等に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を指名委員会等へ報告することを要しない。 第四款 指名委員会等設置会社の取締役の権限等 (指名委員会等設置会社の取締役の権限) 第四百十五条 指名委員会等設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、指名委員会等設置会社の業務を執行することができない。 (指名委員会等設置会社の取締役会の権限) 第四百十六条 指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項 ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役 ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 執行役等の職務の執行の監督 2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第二項の規定による委託 七 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認 八 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 九 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職 十 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任 十一 第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定 十二 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職 十三 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 十四 補償契約の内容の決定 十五 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 十六 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十七 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十八 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十二 株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十三 株式移転計画の内容の決定 二十四 株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 (指名委員会等設置会社の取締役会の運営) 第四百十七条 指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。 2 執行役は、前条第一項第一号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 この場合において、当該請求があった日から五日以内に、当該請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締役会を招集することができる。 3 指名委員会等がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該指名委員会等の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 4 執行役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 この場合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。 5 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければならない。 第五款 執行役の権限等 (執行役の権限) 第四百十八条 執行役は、次に掲げる職務を行う。 一 第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定 二 指名委員会等設置会社の業務の執行 (執行役の監査委員に対する報告義務等) 第四百十九条 執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。 2 第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとする。 3 第三百五十七条の規定は、指名委員会等設置会社については、適用しない。 (代表執行役) 第四百二十条 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。 この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。 2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 3 第三百四十九条第四項及び第五項の規定は代表執行役について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第四百一条第二項から第四項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。 (表見代表執行役) 第四百二十一条 指名委員会等設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他指名委員会等設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (株主による執行役の行為の差止め) 第四百二十二条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 第十一節 役員等の損害賠償責任 (役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役 二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役 三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。) 4 前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。 (株式会社に対する損害賠償責任の免除) 第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。 一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表取締役又は代表執行役 六 ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四 ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二 二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。 当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。 5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。 この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。 (取締役等による免除に関する定款の定め) 第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 5 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 6 公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 7 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 8 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (取締役が自己のためにした取引に関する特則) 第四百二十八条 第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第四百三十条 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第四百三十条の二 株式会社が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該株式会社が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 株式会社は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該株式会社が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該株式会社に対して第四百二十三条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した株式会社が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 取締役会設置会社においては、補償契約に基づく補償をした取締役及び当該補償を受けた取締役は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 5 前項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、同項中「取締役会設置会社においては、補償契約」とあるのは、「補償契約」と読み替えるものとする。 6 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四百二十三条第三項並びに第四百二十八条第一項の規定は、株式会社と取締役又は執行役との間の補償契約については、適用しない。 7 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第四百三十条の三 株式会社が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 2 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四百二十三条第三項の規定は、株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、取締役又は執行役を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿等 第一款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (会計帳簿の提出命令) 第四百三十四条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第二款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会) 3 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の株主への提供) 第四百三十七条 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時株主総会への提出等) 第四百三十八条 次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置会社の特則) 第四百三十九条 会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (計算書類の公告) 第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。 (臨時計算書類) 第四百四十一条 株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。 一 臨時決算日における貸借対照表 二 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間に係る損益計算書 2 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社においては、臨時計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役又は会計監査人(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会及び会計監査人、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会及び会計監査人)の監査を受けなければならない。 3 取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 4 次の各号に掲げる株式会社においては、当該各号に定める臨時計算書類は、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、臨時計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社(いずれも取締役会設置会社を除く。) 第二項の監査を受けた臨時計算書類 二 取締役会設置会社 前項の承認を受けた臨時計算書類 三 前二号に掲げるもの以外の株式会社 第一項の臨時計算書類 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第四百四十二条 株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 株式会社は、次の各号に掲げる計算書類等の写しを、当該各号に定める期間、その支店に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 一 前項第一号に掲げる計算書類等 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間 二 前項第二号に掲げる計算書類等 同号の臨時計算書類を作成した日から三年間 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の計算書類等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (計算書類等の提出命令) 第四百四十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 連結計算書類 第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。 2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。 4 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。 5 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役会の承認を受けなければならない。 6 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前項の承認を受けた連結計算書類を提供しなければならない。 7 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。 一 取締役会設置会社である会計監査人設置会社 第五項の承認を受けた連結計算書類 二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第四項の監査を受けた連結計算書類 第三節 資本金の額等 第一款 総則 (資本金の額及び準備金の額) 第四百四十五条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。 5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (剰余金の額) 第四百四十六条 株式会社の剰余金の額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 資産の額 ロ 自己株式の帳簿価額の合計額 ハ 負債の額 ニ 資本金及び準備金の額の合計額 ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を控除して得た額 三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第一項第二号の額を除く。) 四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第四百四十八条第一項第二号の額を除く。) 五 最終事業年度の末日後に第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額 六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額 イ 第四百五十四条第一項第一号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。) ロ 第四百五十四条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額 ハ 第四百五十六条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額 七 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 第二款 資本金の額の減少等 第一目 資本金の額の減少等 (資本金の額の減少) 第四百四十七条 株式会社は、資本金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する資本金の額 二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額 三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (準備金の額の減少) 第四百四十八条 株式会社は、準備金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する準備金の額 二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額 三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (債権者の異議) 第四百四十九条 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。 ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。 一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。 二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金等の額の減少の内容 二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。 ただし、第二項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。 一 資本金の額の減少 第四百四十七条第一項第三号の日 二 準備金の額の減少 前条第一項第三号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。 第二目 資本金の額の増加等 (資本金の額の増加) 第四百五十条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 (準備金の額の増加) 第四百五十一条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 第三目 剰余金についてのその他の処分 第四百五十二条 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることができる。 この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならない。 第四節 剰余金の配当 (株主に対する剰余金の配当) 第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。 (剰余金の配当に関する事項の決定) 第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額 二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項 三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日 2 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 4 配当財産が金銭以外の財産であるときは、株式会社は、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めることができる。 ただし、第一号の期間の末日は、第一項第三号の日以前の日でなければならない。 一 株主に対して金銭分配請求権(当該配当財産に代えて金銭を交付することを株式会社に対して請求する権利をいう。以下この章において同じ。)を与えるときは、その旨及び金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 5 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る。以下この項において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合における中間配当についての第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 (金銭分配請求権の行使) 第四百五十五条 前条第四項第一号に規定する場合には、株式会社は、同号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた配当財産に代えて、当該配当財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該配当財産の価額とする。 一 当該配当財産が市場価格のある財産である場合 当該配当財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第四百五十六条 第四百五十四条第四項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第二項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた配当財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 (配当財産の交付の方法等) 第四百五十七条 配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭及び前条の規定により支払う金銭を含む。以下この条において同じ。)は、株主名簿に記載し、又は記録した株主(登録株式質権者を含む。以下この条において同じ。)の住所又は株主が株式会社に通知した場所(第三項において「住所等」という。)において、これを交付しなければならない。 2 前項の規定による配当財産の交付に要する費用は、株式会社の負担とする。 ただし、株主の責めに帰すべき事由によってその費用が増加したときは、その増加額は、株主の負担とする。 3 前二項の規定は、日本に住所等を有しない株主に対する配当財産の交付については、適用しない。 (適用除外) 第四百五十八条 第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。 第五節 剰余金の配当等を決定する機関の特則 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め) 第四百五十九条 会計監査人設置会社(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役以外の取締役)の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。 一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項 二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項 三 第四百五十二条後段の事項 四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。 ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。 (株主の権利の制限) 第四百六十条 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 第六節 剰余金の配当等に関する責任 (配当等の制限) 第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 四 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 五 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 七 第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り 八 剰余金の配当 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。 一 剰余金の額 二 臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額 イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 三 自己株式の帳簿価額 四 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 五 第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 六 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (剰余金の配当等に関する責任) 第四百六十二条 前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。 一 前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) 二 前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 三 前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役 四 前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 五 前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 六 前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。 3 第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。 ただし、前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。 (株主に対する求償権の制限等) 第四百六十三条 前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (買取請求に応じて株式を取得した場合の責任) 第四百六十四条 株式会社が第百十六条第一項又は第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。 ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (欠損が生じた場合の責任) 第四百六十五条 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号、第四号及び第六号に掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当該各号に定める額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 四 第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 五 第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 六 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 七 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 八 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 九 次のイ又はロに掲げる規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより当該イ又はロに定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 イ 第二百三十四条第四項 同条第一項各号に定める者 ロ 第二百三十五条第二項において準用する第二百三十四条第四項 株主 十 剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く。) 当該剰余金の配当についての第四百四十六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額 イ 定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当 ロ 第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 ハ 第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第六章 定款の変更 第四百六十六条 株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七章 事業の譲渡等 (事業譲渡等の承認等) 第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 二の二 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該株式会社が、効力発生日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け 四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約 五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。 ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。 イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項第三号に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会社の株式が含まれるときは、取締役は、同項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 (事業譲渡等の承認を要しない場合) 第四百六十八条 前条の規定は、同条第一項第一号から第四号までに掲げる行為(以下この章において「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しない。 2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないときは、適用しない。 一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に前条第一項第三号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第四百六十九条 事業譲渡等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。 二 前条第二項に規定する場合(同条第三項に規定する場合を除く。) 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 事業譲渡等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該事業譲渡等に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該事業譲渡等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、事業譲渡等をする旨(第四百六十七条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第三号に掲げる行為をする旨及び同条第二項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合 二 事業譲渡等をする株式会社が第四百六十七条第一項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この章において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 事業譲渡等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第四百七十条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 第一項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 第一項の株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第八章 解散 (解散の事由) 第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判 (休眠会社のみなし解散) 第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (株式会社の継続) 第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。 (解散した株式会社の合併等の制限) 第四百七十四条 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第九章 清算 第一節 総則 第一款 清算の開始 (清算の開始原因) 第四百七十五条 株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算株式会社の能力) 第四百七十六条 前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二款 清算株式会社の機関 第一目 株主総会以外の機関の設置 第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。 3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。 4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならない。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社であって、前項の規定の適用があるものにおいては、監査等委員である取締役が監査役となる。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社であって、第四項の規定の適用があるものにおいては、監査委員が監査役となる。 7 第四章第二節の規定は、清算株式会社については、適用しない。 第二目 清算人の就任及び解任並びに監査役の退任 (清算人の就任) 第四百七十八条 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。 一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 株主総会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。 7 第三百三十五条第三項の規定にかかわらず、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算株式会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 一 その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 三 第二条第十六号ハからホまでに掲げる要件 8 第三百三十条、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は清算人について、第三百三十一条第五項の規定は清算人会設置会社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第四百七十九条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該清算株式会社である株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 3 公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監査役の退任) 第四百八十条 清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 2 第三百三十六条の規定は、清算株式会社の監査役については、適用しない。 第三目 清算人の職務等 (清算人の職務) 第四百八十一条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第四百八十二条 清算人は、清算株式会社(清算人会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第三百五十三条から第三百五十七条(第三項を除く。)まで、第三百六十条並びに第三百六十一条第一項及び第四項の規定は、清算人(同条の規定については、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「第四百八十三条第六項において準用する第三百四十九条第四項」と、第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表清算人(第四百八十三条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第三百六十条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と読み替えるものとする。 (清算株式会社の代表) 第四百八十三条 清算人は、清算株式会社を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算株式会社を代表する。 3 清算株式会社(清算人会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は株主総会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第四百七十八条第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる。 5 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 第三百四十九条第四項及び第五項並びに第三百五十一条の規定は代表清算人について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算株式会社についての破産手続の開始) 第四百八十四条 清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算株式会社が既に債権者に支払い、又は株主に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第四百八十五条 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算株式会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任) 第四百八十六条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人 二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第四百八十七条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 二 第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 虚偽の登記 四 虚偽の公告 (清算人及び監査役の連帯責任) 第四百八十八条 清算人又は監査役が清算株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第四百三十条の規定は、適用しない。 第四目 清算人会 (清算人会の権限等) 第四百八十九条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置会社の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第四百八十三条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第四百八十三条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置会社の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置会社の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第三百六十三条第二項、第三百六十四条及び第三百六十五条の規定は、清算人会設置会社について準用する。 この場合において、第三百六十三条第二項中「前項各号」とあるのは「第四百八十九条第七項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会」とあるのは「清算人会」と、第三百六十四条中「第三百五十三条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十三条」と、「取締役会は」とあるのは「清算人会は」と、第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条」と、「「取締役会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第四百九十条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第三百六十七条及び第三百六十八条の規定は、清算人会設置会社における清算人会の招集について準用する。 この場合において、第三百六十七条第一項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、「取締役が」とあるのは「清算人が」と、同条第二項中「取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)」とあるのは「清算人(第四百九十条第一項ただし書に規定する場合にあっては、同条第二項に規定する招集権者)」と、同条第三項及び第四項中「前条第三項」とあるのは「第四百九十条第三項」と、第三百六十八条第一項中「各取締役」とあるのは「各清算人」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と読み替えるものとする。 5 第三百六十九条から第三百七十一条までの規定は、清算人会設置会社における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第三百六十九条第一項中「取締役の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「取締役」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第五項中「取締役であって」とあるのは「清算人であって」と、第三百七十条中「取締役が」とあるのは「清算人が」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、第三百七十一条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、同条第四項中「役員又は執行役」とあるのは「清算人又は監査役」と読み替えるものとする。 6 第三百七十二条第一項及び第二項の規定は、清算人会設置会社における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「取締役、会計参与、監査役又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監査役」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第二項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百八十九条第八項において準用する第三百六十三条第二項」と読み替えるものとする。 第五目 取締役等に関する規定の適用 第四百九十一条 清算株式会社については、第二章(第百五十五条を除く。)、第三章、第四章第一節、第三百三十五条第二項、第三百四十三条第一項及び第二項、第三百四十五条第四項において準用する同条第三項、第三百五十九条、同章第七節及び第八節並びに第七章の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は取締役会設置会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に関する規定として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に適用があるものとする。 第三款 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第四百九十二条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第四百九十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第四百九十四条 清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算株式会社は、第一項の貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第四百九十五条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置会社においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第四百九十六条 清算株式会社は、第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、定時株主総会の日の一週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、その本店に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 清算株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該清算株式会社の貸借対照表等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (貸借対照表等の定時株主総会への提出等) 第四百九十七条 次の各号に掲げる清算株式会社においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百九十五条第一項に規定する監査役設置会社(清算人会設置会社を除く。) 同項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置会社 第四百九十五条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算株式会社 第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第四百九十八条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第四百九十四条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四款 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第五百一条 清算株式会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算株式会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第五百二条 清算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第五百三条 清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算株式会社の残余財産を株主の一部に分配した場合には、当該株主の受けた分配と同一の割合の分配を当該株主以外の株主に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五款 残余財産の分配 (残余財産の分配に関する事項の決定) 第五百四条 清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 残余財産の種類 二 株主に対する残余財産の割当てに関する事項 2 前項に規定する場合において、残余財産の分配について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、清算株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、残余財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該清算株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 (残余財産が金銭以外の財産である場合) 第五百五条 株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権(当該残余財産に代えて金銭を交付することを清算株式会社に対して請求する権利をいう。以下この条において同じ。)を有する。 この場合において、清算株式会社は、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 2 前項に規定する場合には、清算株式会社は、同項第一号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 3 清算株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた残余財産に代えて、当該残余財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該残余財産の価額とする。 一 当該残余財産が市場価格のある財産である場合 当該残余財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 清算株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第五百六条 前条第一項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、清算株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第三項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた残余財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 第六款 清算事務の終了等 第五百七条 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 第七款 帳簿資料の保存 第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 第八款 適用除外等 第五百九条 次に掲げる規定は、清算株式会社については、適用しない。 一 第百五十五条 二 第五章第二節第二款(第四百三十五条第四項、第四百四十条第三項、第四百四十二条及び第四百四十三条を除く。)及び第三款並びに第三節から第五節まで 三 第五編第四章及び第四章の二並びに同編第五章中株式交換、株式移転及び株式交付の手続に係る部分 2 第二章第四節の二の規定は、対象会社が清算株式会社である場合には、適用しない。 3 清算株式会社は、無償で取得する場合その他法務省令で定める場合に限り、当該清算株式会社の株式を取得することができる。 第二節 特別清算 第一款 特別清算の開始 (特別清算開始の原因) 第五百十条 裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づき、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。 一 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。 二 債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること。 (特別清算開始の申立て) 第五百十一条 債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。 2 清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。 (他の手続の中止命令等) 第五百十二条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続又は第三号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。 一 清算株式会社についての破産手続 二 清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。) 三 清算株式会社の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第五百十八条の二及び第五百七十一条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(第五百十五条第一項において「外国租税滞納処分」という。) 2 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と同様とする。 (特別清算開始の申立ての取下げの制限) 第五百十三条 特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 (特別清算開始の命令) 第五百十四条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。 一 特別清算の手続の費用の予納がないとき。 二 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。 四 不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 (他の手続の中止等) 第五百十五条 特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)若しくは第三者からの情報取得手続(同法第二百五条第一項第一号、第二百六条第一項又は第二百七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続(破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え及び仮処分の手続並びに外国租税滞納処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続については、この限りでない。 2 特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続又は処分は、特別清算の手続の関係においては、その効力を失う。 3 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第五百十六条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。 (相殺の禁止) 第五百十七条 協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。 二 支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第五百十八条 清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約 (共助対象外国租税債権者の手続参加) 第五百十八条の二 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。 第二款 裁判所による監督及び調査 (裁判所による監督) 第五百十九条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。 3 前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。 (裁判所による調査) 第五百二十条 裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。 (裁判所への財産目録等の提出) 第五百二十一条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。 ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (調査命令) 第五百二十二条 裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。 一 特別清算開始に至った事情 二 清算株式会社の業務及び財産の状況 三 第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 四 第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 五 第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。 六 その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの 2 清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定による留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、前項の債権の額に算入しない。 3 公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 第三款 清算人 (清算人の公平誠実義務) 第五百二十三条 特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。 (清算人の解任等) 第五百二十四条 裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。 2 清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。 3 清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。 (清算人代理) 第五百二十五条 清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。 2 前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (清算人の報酬等) 第五百二十六条 清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定は、清算人代理について準用する。 第四款 監督委員 (監督委員の選任等) 第五百二十七条 裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。 2 法人は、監督委員となることができる。 (監督委員に対する監督等) 第五百二十八条 監督委員は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。 (二人以上の監督委員の職務執行) 第五百二十九条 監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 (監督委員による調査等) 第五百三十条 監督委員は、いつでも、清算株式会社の清算人及び監査役並びに支配人その他の使用人に対し、事業の報告を求め、又は清算株式会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 2 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、清算株式会社の子会社に対し、事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (監督委員の注意義務) 第五百三十一条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 (監督委員の報酬等) 第五百三十二条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 監督委員は、その選任後、清算株式会社に対する債権又は清算株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。 3 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。 第五款 調査委員 (調査委員の選任等) 第五百三十三条 裁判所は、調査命令をする場合には、当該調査命令において、一人又は二人以上の調査委員を選任し、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければならない。 (監督委員に関する規定の準用) 第五百三十四条 前款(第五百二十七条第一項及び第五百二十九条ただし書を除く。)の規定は、調査委員について準用する。 第六款 清算株式会社の行為の制限等 (清算株式会社の行為の制限) 第五百三十五条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されているときは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。 一 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。) 二 借財 三 訴えの提起 四 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 五 権利の放棄 六 その他裁判所の指定する行為 2 前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 3 第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (事業の譲渡の制限等) 第五百三十六条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 三 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 2 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 3 第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。 (債務の弁済の制限) 第五百三十七条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。 (換価の方法) 第五百三十八条 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産の換価をすることができる。 この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。 2 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」という。)は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第五百三十九条 担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 第七款 清算の監督上必要な処分等 (清算株式会社の財産に関する保全処分) 第五百四十条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 3 裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (株主名簿の記載等の禁止) 第五百四十一条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の財産に対する保全処分) 第五百四十二条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の責任の免除の禁止) 第五百四十三条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止の処分をすることができる。 (役員等の責任の免除の取消し) 第五百四十四条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。 不正の目的によってした対象役員等の責任の免除についても、同様とする。 2 前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。 3 第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使することができない。 当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第五百四十五条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。 2 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 3 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 4 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了したときは、終了する。 第八款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第五百四十六条 債権者集会は、特別清算の実行上必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 債権者集会は、次条第三項の規定により招集する場合を除き、清算株式会社が招集する。 (債権者による招集の請求) 第五百四十七条 債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者の協定債権の総額の十分の一以上に当たる協定債権を有する協定債権者は、清算株式会社に対し、債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、債権者集会の招集を請求することができる。 2 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額は、前項の協定債権の額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした協定債権者は、裁判所の許可を得て、債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から六週間以内の日を債権者集会の日とする債権者集会の招集の通知が発せられない場合 (債権者集会の招集等の決定) 第五百四十八条 債権者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 債権者集会の日時及び場所 二 債権者集会の目的である事項 三 債権者集会に出席しない協定債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 清算株式会社が債権者集会を招集する場合には、当該清算株式会社は、各協定債権について債権者集会における議決権の行使の許否及びその額を定めなければならない。 3 清算株式会社以外の者が債権者集会を招集する場合には、その招集者は、清算株式会社に対し、前項に規定する事項を定めることを請求しなければならない。 この場合において、その請求があったときは、清算株式会社は、同項に規定する事項を定めなければならない。 4 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者は、その担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額については、議決権を有しない。 5 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権については、議決権を有しない。 (債権者集会の招集の通知) 第五百四十九条 債権者集会を招集するには、招集者は、債権者集会の日の二週間前までに、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者及び清算株式会社に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者であって一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有するものについて準用する。 (債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第五百五十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者に対し、当該協定債権者が有する協定債権について第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項及び議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(次項において「債権者集会参考書類」という。)並びに協定債権者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした協定債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、協定債権者の請求があったときは、これらの書類を当該協定債権者に交付しなければならない。 第五百五十一条 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、協定債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合において、第五百四十九条第二項の承諾をしていない協定債権者から債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該協定債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (債権者集会の指揮等) 第五百五十二条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 2 債権者集会を招集しようとするときは、招集者は、あらかじめ、第五百四十八条第一項各号に掲げる事項及び同条第二項又は第三項の規定により定められた事項を裁判所に届け出なければならない。 (異議を述べられた議決権の取扱い) 第五百五十三条 債権者集会において、第五百四十八条第二項又は第三項の規定により各協定債権について定められた事項について、当該協定債権を有する者又は他の協定債権者が異議を述べたときは、裁判所がこれを定める。 (債権者集会の決議) 第五百五十四条 債権者集会において決議をする事項を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者(議決権を行使することができる協定債権者をいう。以下この款及び次款において同じ。)の過半数の同意 二 出席した議決権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意 2 第五百五十八条第一項の規定によりその有する議決権の一部のみを前項の事項に同意するものとして行使した議決権者(その余の議決権を行使しなかったものを除く。)があるときの同項第一号の規定の適用については、当該議決権者一人につき、出席した議決権者の数に一を、同意をした議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。 3 債権者集会は、第五百四十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第五百五十五条 協定債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該協定債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第五百五十六条 債権者集会に出席しない協定債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五百五十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (議決権の不統一行使) 第五百五十八条 協定債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の協定債権者が他人のために協定債権を有する者でないときは、当該協定債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (担保権を有する債権者等の出席等) 第五百五十九条 債権者集会又は招集者は、次に掲げる債権者の出席を求め、その意見を聴くことができる。 この場合において、債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有する債権者 (延期又は続行の決議) 第五百六十条 債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第五百四十八条(第四項を除く。)及び第五百四十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五百六十一条 債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (清算人の調査結果等の債権者集会に対する報告) 第五百六十二条 特別清算開始の命令があった場合において、第四百九十二条第一項に規定する清算人が清算株式会社の財産の現況についての調査を終了して財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を作成したときは、清算株式会社は、遅滞なく、債権者集会を招集し、当該債権者集会に対して、清算株式会社の業務及び財産の状況の調査の結果並びに財産目録等の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みに関して意見を述べなければならない。 ただし、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法によりその報告すべき事項及び当該意見の内容を債権者に周知させることが適当であると認めるときは、この限りでない。 第九款 協定 (協定の申出) 第五百六十三条 清算株式会社は、債権者集会に対し、協定の申出をすることができる。 (協定の条項) 第五百六十四条 協定においては、協定債権者の権利(第五百二十二条第二項に規定する担保権を除く。)の全部又は一部の変更に関する条項を定めなければならない。 2 協定債権者の権利の全部又は一部を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準を定めなければならない。 (協定による権利の変更) 第五百六十五条 協定による権利の変更の内容は、協定債権者の間では平等でなければならない。 ただし、不利益を受ける協定債権者の同意がある場合又は少額の協定債権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他協定債権者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。 (担保権を有する債権者等の参加) 第五百六十六条 清算株式会社は、協定案の作成に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる債権者の参加を求めることができる。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を有する債権者 (協定の可決の要件) 第五百六十七条 第五百五十四条第一項の規定にかかわらず、債権者集会において協定を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者の過半数の同意 二 議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意 2 第五百五十四条第二項の規定は、前項第一号の規定の適用について準用する。 (協定の認可の申立て) 第五百六十八条 協定が可決されたときは、清算株式会社は、遅滞なく、裁判所に対し、協定の認可の申立てをしなければならない。 (協定の認可又は不認可の決定) 第五百六十九条 前条の申立てがあった場合には、裁判所は、次項の場合を除き、協定の認可の決定をする。 2 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、協定の不認可の決定をする。 一 特別清算の手続又は協定が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。 ただし、特別清算の手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。 二 協定が遂行される見込みがないとき。 三 協定が不正の方法によって成立するに至ったとき。 四 協定が債権者の一般の利益に反するとき。 (協定の効力発生の時期) 第五百七十条 協定は、認可の決定の確定により、その効力を生ずる。 (協定の効力範囲) 第五百七十一条 協定は、清算株式会社及びすべての協定債権者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。 2 協定は、第五百二十二条第二項に規定する債権者が有する同項に規定する担保権、協定債権者が清算株式会社の保証人その他清算株式会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び清算株式会社以外の者が協定債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。 3 協定の認可の決定が確定したときは、協定債権者の権利は、協定の定めに従い、変更される。 4 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての協定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (協定の内容の変更) 第五百七十二条 協定の実行上必要があるときは、協定の内容を変更することができる。 この場合においては、第五百六十三条から前条までの規定を準用する。 第十款 特別清算の終了 (特別清算終結の決定) 第五百七十三条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合には、清算人、監査役、債権者、株主又は調査委員の申立てにより、特別清算終結の決定をする。 一 特別清算が結了したとき。 二 特別清算の必要がなくなったとき。 (破産手続開始の決定) 第五百七十四条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。 一 協定の見込みがないとき。 二 協定の実行の見込みがないとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反するとき。 2 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。 一 協定が否決されたとき。 二 協定の不認可の決定が確定したとき。 3 前二項の規定により破産手続開始の決定があった場合における破産法第七十一条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第七十二条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第百六十条(第一項第一号を除く。)、第百六十二条(第一項第二号を除く。)、第百六十三条第二項、第百六十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六十六条並びに第百六十七条第二項(同法第百七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。 一 特別清算開始の申立ての前に特別清算開始の命令の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがある場合 当該破産手続開始の申立て 二 前号に掲げる場合以外の場合 特別清算開始の申立て 4 第一項又は第二項の規定により破産手続開始の決定があったときは、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権は、財団債権とする。 第三編 持分会社 第一章 設立 (定款の作成) 第五百七十五条 合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第五百七十六条 持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 社員の氏名又は名称及び住所 五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準 2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 第五百七十七条 前条に規定するもののほか、持分会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (合同会社の設立時の出資の履行) 第五百七十八条 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。 (持分会社の成立) 第五百七十九条 持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第二章 社員 第一節 社員の責任等 (社員の責任) 第五百八十条 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合 二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。) 2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員の抗弁) 第五百八十一条 社員が持分会社の債務を弁済する責任を負う場合には、社員は、持分会社が主張することができる抗弁をもって当該持分会社の債権者に対抗することができる。 2 前項に規定する場合において、持分会社がその債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって持分会社がその債務を免れるべき限度において、社員は、当該債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (社員の出資に係る責任) 第五百八十二条 社員が金銭を出資の目的とした場合において、その出資をすることを怠ったときは、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 2 社員が債権を出資の目的とした場合において、当該債権の債務者が弁済期に弁済をしなかったときは、当該社員は、その弁済をする責任を負う。 この場合においては、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (社員の責任を変更した場合の特則) 第五百八十三条 有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。 2 有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 3 無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。 4 前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (無限責任社員となることを許された未成年者の行為能力) 第五百八十四条 持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。 第二節 持分の譲渡等 (持分の譲渡) 第五百八十五条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 2 前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。 3 第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。 4 前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (持分の全部の譲渡をした社員の責任) 第五百八十六条 持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 第五百八十七条 持分会社は、その持分の全部又は一部を譲り受けることができない。 2 持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には、当該持分は、当該持分会社がこれを取得した時に、消滅する。 第三節 誤認行為の責任 (無限責任社員であると誤認させる行為等をした有限責任社員の責任) 第五百八十八条 合資会社の有限責任社員が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の有限責任社員がその責任の限度を誤認させる行為(前項の行為を除く。)をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員であると誤認させる行為をした者の責任) 第五百八十九条 合名会社又は合資会社の社員でない者が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合名会社又は合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の社員でない者が自己を有限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 第三章 管理 第一節 総則 (業務の執行) 第五百九十条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。 2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。 ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。 (業務を執行する社員を定款で定めた場合) 第五百九十一条 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。 この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。 4 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 5 前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。 6 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (社員の持分会社の業務及び財産状況に関する調査) 第五百九十二条 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、各社員は、持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況を調査することができる。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに同項の規定による調査をすることを制限する旨を定めることができない。 第二節 業務を執行する社員 (業務を執行する社員と持分会社との関係) 第五百九十三条 業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。 2 業務を執行する社員は、法令及び定款を遵守し、持分会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 3 業務を執行する社員は、持分会社又は他の社員の請求があるときは、いつでもその職務の執行の状況を報告し、その職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 4 民法第六百四十六条から第六百五十条までの規定は、業務を執行する社員と持分会社との関係について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条第一項、第六百四十八条第二項、第六百四十八条の二、第六百四十九条及び第六百五十条中「委任事務」とあるのは「その職務」と、同法第六百四十八条第三項第一号中「委任事務」とあり、及び同項第二号中「委任」とあるのは「前項の職務」と読み替えるものとする。 5 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (競業の禁止) 第五百九十四条 業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承認を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 持分会社の事業と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 業務を執行する社員が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定する。 (利益相反取引の制限) 第五百九十五条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。 二 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項各号の取引については、適用しない。 (業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任) 第五百九十六条 業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (業務を執行する有限責任社員の第三者に対する損害賠償責任) 第五百九十七条 業務を執行する有限責任社員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該有限責任社員は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が業務を執行する社員である場合の特則) 第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。 2 第五百九十三条から前条までの規定は、前項の規定により選任された社員の職務を行うべき者について準用する。 (持分会社の代表) 第五百九十九条 業務を執行する社員は、持分会社を代表する。 ただし、他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の業務を執行する社員が二人以上ある場合には、業務を執行する社員は、各自、持分会社を代表する。 3 持分会社は、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から持分会社を代表する社員を定めることができる。 4 持分会社を代表する社員は、持分会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (持分会社を代表する社員等の行為についての損害賠償責任) 第六百条 持分会社は、持分会社を代表する社員その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (持分会社と社員との間の訴えにおける会社の代表) 第六百一条 第五百九十九条第四項の規定にかかわらず、持分会社が社員に対し、又は社員が持分会社に対して訴えを提起する場合において、当該訴えについて持分会社を代表する者(当該社員を除く。)が存しないときは、当該社員以外の社員の過半数をもって、当該訴えについて持分会社を代表する者を定めることができる。 第六百二条 第五百九十九条第一項の規定にかかわらず、社員が持分会社に対して社員の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において、持分会社が当該請求の日から六十日以内に当該訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、当該訴えについて持分会社を代表することができる。 ただし、当該訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該持分会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 第三節 業務を執行する社員の職務を代行する者 第六百三条 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、持分会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、持分会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 第四章 社員の加入及び退社 第一節 社員の加入 (社員の加入) 第六百四条 持分会社は、新たに社員を加入させることができる。 2 持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる。 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となろうとする者が同項の定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、当該払込み又は給付を完了した時に、合同会社の社員となる。 (加入した社員の責任) 第六百五条 持分会社の成立後に加入した社員は、その加入前に生じた持分会社の債務についても、これを弁済する責任を負う。 第二節 社員の退社 (任意退社) 第六百六条 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。 この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第六百七条 社員は、前条、第六百九条第一項、第六百四十二条第二項及び第八百四十五条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡 四 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。) 七 後見開始の審判を受けたこと。 八 除名 2 持分会社は、その社員が前項第五号から第七号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる。 (相続及び合併の場合の特則) 第六百八条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。 2 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。 3 第一項の定款の定めがある場合には、持分会社は、同項の一般承継人が持分を承継した時に、当該一般承継人に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものであって、出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該出資に係る払込み又は給付の履行をする責任を負う。 5 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した持分についての権利を行使する者一人を定めなければ、当該持分についての権利を行使することができない。 ただし、持分会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (持分の差押債権者による退社) 第六百九条 社員の持分を差し押さえた債権者は、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができる。 この場合においては、当該債権者は、六箇月前までに持分会社及び当該社員にその予告をしなければならない。 2 前項後段の予告は、同項の社員が、同項の債権者に対し、弁済し、又は相当の担保を提供したときは、その効力を失う。 3 第一項後段の予告をした同項の債権者は、裁判所に対し、持分の払戻しの請求権の保全に関し必要な処分をすることを申し立てることができる。 (退社に伴う定款のみなし変更) 第六百十条 第六百六条、第六百七条第一項、前条第一項又は第六百四十二条第二項の規定により社員が退社した場合(第八百四十五条の規定により社員が退社したものとみなされる場合を含む。)には、持分会社は、当該社員が退社した時に、当該社員に係る定款の定めを廃止する定款の変更をしたものとみなす。 (退社に伴う持分の払戻し) 第六百十一条 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。 ただし、第六百八条第一項及び第二項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。 2 退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。 3 退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 4 退社の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 5 社員が除名により退社した場合における第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「退社の時」とあるのは、「除名の訴えを提起した時」とする。 6 前項に規定する場合には、持分会社は、除名の訴えを提起した日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 7 社員の持分の差押えは、持分の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 (退社した社員の責任) 第六百十二条 退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (商号変更の請求) 第六百十三条 持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第六百十四条 持分会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第六百十五条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 持分会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の提出命令) 第六百十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三節 計算書類 (計算書類の作成及び保存) 第六百十七条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。 3 計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 持分会社は、計算書類を作成した時から十年間、これを保存しなければならない。 (計算書類の閲覧等) 第六百十八条 持分会社の社員は、当該持分会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 計算書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 計算書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時に同項各号に掲げる請求をすることを制限する旨を定めることができない。 (計算書類の提出命令) 第六百十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 資本金の額の減少 第六百二十条 持分会社は、損失のてん補のために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により減少する資本金の額は、損失の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えることができない。 第五節 利益の配当 (利益の配当) 第六百二十一条 社員は、持分会社に対し、利益の配当を請求することができる。 2 持分会社は、利益の配当を請求する方法その他の利益の配当に関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、利益の配当を請求する権利に対しても、その効力を有する。 (社員の損益分配の割合) 第六百二十二条 損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失の一方についてのみ分配の割合についての定めを定款で定めたときは、その割合は、利益及び損失の分配に共通であるものと推定する。 (有限責任社員の利益の配当に関する責任) 第六百二十三条 持分会社が利益の配当により有限責任社員に対して交付した金銭等の帳簿価額(以下この項において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額(持分会社の利益の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この章において同じ。)を超える場合には、当該利益の配当を受けた有限責任社員は、当該持分会社に対し、連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 2 前項に規定する場合における同項の利益の配当を受けた有限責任社員についての第五百八十条第二項の規定の適用については、同項中「を限度として」とあるのは、「及び第六百二十三条第一項の配当額が同項の利益額を超過する額(同項の義務を履行した額を除く。)の合計額を限度として」とする。 第六節 出資の払戻し 第六百二十四条 社員は、持分会社に対し、既に出資として払込み又は給付をした金銭等の払戻し(以下この編において「出資の払戻し」という。)を請求することができる。 この場合において、当該金銭等が金銭以外の財産であるときは、当該財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求することを妨げない。 2 持分会社は、出資の払戻しを請求する方法その他の出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、出資の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 第七節 合同会社の計算等に関する特則 第一款 計算書類の閲覧に関する特則 第六百二十五条 合同会社の債権者は、当該合同会社の営業時間内は、いつでも、その計算書類(作成した日から五年以内のものに限る。)について第六百十八条第一項各号に掲げる請求をすることができる。 第二款 資本金の額の減少に関する特則 (出資の払戻し又は持分の払戻しを行う場合の資本金の額の減少) 第六百二十六条 合同会社は、第六百二十条第一項の場合のほか、出資の払戻し又は持分の払戻しのために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により出資の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十二条第二項に規定する出資払戻額から出資の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 3 第一項の規定により持分の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十五条第一項に規定する持分払戻額から持分の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 4 前二項に規定する「剰余金額」とは、第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(第四款及び第五款において同じ。)。 一 資産の額 二 負債の額 三 資本金の額 四 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (債権者の異議) 第六百二十七条 合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金の額の減少の内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 資本金の額の減少は、前各項の手続が終了した日に、その効力を生ずる。 第三款 利益の配当に関する特則 (利益の配当の制限) 第六百二十八条 合同会社は、利益の配当により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十一条第一項の規定による請求を拒むことができる。 (利益の配当に関する責任) 第六百二十九条 合同会社が前条の規定に違反して利益の配当をした場合には、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、利益の配当をした日における利益額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十条 前条第一項に規定する場合において、利益の配当を受けた社員は、配当額が利益の配当をした日における利益額を超えることにつき善意であるときは、当該配当額について、当該利益の配当に関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、利益の配当を受けた社員に対し、配当額(当該配当額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 3 第六百二十三条第二項の規定は、合同会社の社員については、適用しない。 (欠損が生じた場合の責任) 第六百三十一条 合同会社が利益の配当をした場合において、当該利益の配当をした日の属する事業年度の末日に欠損額(合同会社の欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、その欠損額(当該欠損額が配当額を超えるときは、当該配当額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 第四款 出資の払戻しに関する特則 (出資の払戻しの制限) 第六百三十二条 第六百二十四条第一項の規定にかかわらず、合同会社の社員は、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、同項前段の規定による請求をすることができない。 2 合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「出資払戻額」という。)が、第六百二十四条第一項前段の規定による請求をした日における剰余金額(第六百二十六条第一項の資本金の額の減少をした場合にあっては、その減少をした後の剰余金額。以下この款において同じ。)又は前項の出資の価額を減少した額のいずれか少ない額を超える場合には、当該出資の払戻しをすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十四条第一項前段の規定による請求を拒むことができる。 (出資の払戻しに関する社員の責任) 第六百三十三条 合同会社が前条の規定に違反して出資の払戻しをした場合には、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該出資の払戻しを受けた社員と連帯して、当該出資払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、出資の払戻しをした日における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十四条 前条第一項に規定する場合において、出資の払戻しを受けた社員は、出資払戻額が出資の払戻しをした日における剰余金額を超えることにつき善意であるときは、当該出資払戻額について、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、出資の払戻しを受けた社員に対し、出資払戻額(当該出資払戻額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 第五款 退社に伴う持分の払戻しに関する特則 (債権者の異議) 第六百三十五条 合同会社が持分の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「持分払戻額」という。)が当該持分の払戻しをする日における剰余金額を超える場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、持分の払戻しについて異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月(持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合にあっては、二箇月)を下ることができない。 一 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、この限りでない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該持分の払戻しについて承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合において、当該持分の払戻しをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (業務を執行する社員の責任) 第六百三十六条 合同会社が前条の規定に違反して持分の払戻しをした場合には、当該持分の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該持分の払戻しを受けた社員と連帯して、当該持分払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、持分の払戻しに関する業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、持分の払戻しをした時における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 第六章 定款の変更 (定款の変更) 第六百三十七条 持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。 (定款の変更による持分会社の種類の変更) 第六百三十八条 合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 二 その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更 合資会社 三 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 2 合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 3 合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 三 その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更 合資会社 (合資会社の社員の退社による定款のみなし変更) 第六百三十九条 合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなす。 2 合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなす。 (定款の変更時の出資の履行) 第六百四十条 第六百三十八条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる定款の変更をする場合において、当該定款の変更をする持分会社の社員が当該定款の変更後の合同会社に対する出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更は、当該払込み及び給付が完了した日に、その効力を生ずる。 2 前条第二項の規定により合同会社となる定款の変更をしたものとみなされた場合において、社員がその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更をしたものとみなされた日から一箇月以内に、当該払込み又は給付を完了しなければならない。 ただし、当該期間内に、合名会社又は合資会社となる定款の変更をした場合は、この限りでない。 第七章 解散 (解散の事由) 第六百四十一条 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 総社員の同意 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判 (持分会社の継続) 第六百四十二条 持分会社は、前条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、次章の規定による清算が結了するまで、社員の全部又は一部の同意によって、持分会社を継続することができる。 2 前項の場合には、持分会社を継続することについて同意しなかった社員は、持分会社が継続することとなった日に、退社する。 (解散した持分会社の合併等の制限) 第六百四十三条 持分会社が解散した場合には、当該持分会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第八章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第六百四十四条 持分会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第六百四十一条第五号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算持分会社の能力) 第六百四十五条 前条の規定により清算をする持分会社(以下「清算持分会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算人 (清算人の設置) 第六百四十六条 清算持分会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 (清算人の就任) 第六百四十七条 次に掲げる者は、清算持分会社の清算人となる。 一 業務を執行する社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員(業務を執行する社員を定款で定めた場合にあっては、その社員)の過半数の同意によって定める者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第六百四十一条第四号又は第七号に掲げる事由によって解散した清算持分会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第六百四十四条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算持分会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 (清算人の解任) 第六百四十八条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、解任することができる。 2 前項の規定による解任は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、社員その他利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 (清算人の職務) 第六百四十九条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第六百五十条 清算人は、清算持分会社の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、社員が二人以上ある場合には、清算持分会社の事業の全部又は一部の譲渡は、社員の過半数をもって決定する。 (清算人と清算持分会社との関係) 第六百五十一条 清算持分会社と清算人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 第五百九十三条第二項、第五百九十四条及び第五百九十五条の規定は、清算人について準用する。 この場合において、第五百九十四条第一項及び第五百九十五条第一項中「当該社員以外の社員」とあるのは、「社員(当該清算人が社員である場合にあっては、当該清算人以外の社員)」と読み替えるものとする。 (清算人の清算持分会社に対する損害賠償責任) 第六百五十二条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第六百五十三条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が清算人である場合の特則) 第六百五十四条 法人が清算人である場合には、当該法人は、当該清算人の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を社員に通知しなければならない。 2 前三条の規定は、前項の規定により選任された清算人の職務を行うべき者について準用する。 (清算持分会社の代表) 第六百五十五条 清算人は、清算持分会社を代表する。 ただし、他に清算持分会社を代表する清算人その他清算持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算持分会社を代表する。 3 清算持分会社は、定款又は定款の定めに基づく清算人(第六百四十七条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選によって、清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 4 第六百四十七条第一項第一号の規定により業務を執行する社員が清算人となる場合において、持分会社を代表する社員を定めていたときは、当該持分会社を代表する社員が清算持分会社を代表する清算人となる。 5 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 6 第五百九十九条第四項及び第五項の規定は清算持分会社を代表する清算人について、第六百三条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は清算持分会社を代表する清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算持分会社についての破産手続の開始) 第六百五十六条 清算持分会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算持分会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算持分会社が既に債権者に支払い、又は社員に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第六百五十七条 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算持分会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第六百五十八条 清算人は、その就任後遅滞なく、清算持分会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この節において「財産目録等」という。)を作成し、各社員にその内容を通知しなければならない。 2 清算持分会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 3 清算持分会社は、社員の請求により、毎月清算の状況を報告しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第六百五十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第六百六十条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この項及び次条において同じ。)は、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算持分会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第六百六十一条 清算持分会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算持分会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算持分会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算持分会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第六百六十二条 清算持分会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算持分会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (出資の履行の請求) 第六百六十三条 清算持分会社に現存する財産がその債務を完済するのに足りない場合において、その出資の全部又は一部を履行していない社員があるときは、当該出資に係る定款の定めにかかわらず、当該清算持分会社は、当該社員に出資させることができる。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第六百六十四条 清算持分会社は、当該清算持分会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を社員に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第六百六十五条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この条において同じ。)の債権者(知れている債権者を除く。)であって第六百六十条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算持分会社の残余財産を社員の一部に分配した場合には、当該社員の受けた分配と同一の割合の分配を当該社員以外の社員に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五節 残余財産の分配 (残余財産の分配の割合) 第六百六十六条 残余財産の分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 第六節 清算事務の終了等 第六百六十七条 清算持分会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならない。 2 社員が一箇月以内に前項の計算について異議を述べなかったときは、社員は、当該計算の承認をしたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 第七節 任意清算 (財産の処分の方法) 第六百六十八条 持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、定款又は総社員の同意によって、当該持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合における当該持分会社の財産の処分の方法を定めることができる。 2 第二節から前節までの規定は、前項の財産の処分の方法を定めた持分会社については、適用しない。 (財産目録等の作成) 第六百六十九条 前条第一項の財産の処分の方法を定めた持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、解散の日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 2 前条第一項の財産の処分の方法を定めていない持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合において、解散後に同項の財産の処分の方法を定めたときは、清算持分会社は、当該財産の処分の方法を定めた日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 (債権者の異議) 第六百七十条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合には、その解散後の清算持分会社の債権者は、当該清算持分会社に対し、当該財産の処分の方法について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、清算持分会社は、解散の日(前条第二項に規定する場合にあっては、当該財産の処分の方法を定めた日)から二週間以内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 第六百六十八条第一項の財産の処分の方法に従い清算をする旨 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、清算持分会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該財産の処分の方法について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、清算持分会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 (持分の差押債権者の同意等) 第六百七十一条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合において、社員の持分を差し押さえた債権者があるときは、その解散後の清算持分会社がその財産の処分をするには、その債権者の同意を得なければならない。 2 前項の清算持分会社が同項の規定に違反してその財産の処分をしたときは、社員の持分を差し押さえた債権者は、当該清算持分会社に対し、その持分に相当する金額の支払を請求することができる。 第八節 帳簿資料の保存 第六百七十二条 清算人(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、清算持分会社を代表する社員)は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算持分会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、定款で又は社員の過半数をもって帳簿資料を保存する者を定めた場合には、その者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより、第一項の清算人又は前項の規定により帳簿資料を保存する者に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 前項の規定により選任された者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 5 第三項の規定による選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 第九節 社員の責任の消滅時効 第六百七十三条 第五百八十条に規定する社員の責任は、清算持分会社の本店の所在地における解散の登記をした後五年以内に請求又は請求の予告をしない清算持分会社の債権者に対しては、その登記後五年を経過した時に消滅する。 2 前項の期間の経過後であっても、社員に分配していない残余財産があるときは、清算持分会社の債権者は、清算持分会社に対して弁済を請求することができる。 第十節 適用除外等 (適用除外) 第六百七十四条 次に掲げる規定は、清算持分会社については、適用しない。 一 第四章第一節 二 第六百六条、第六百七条第一項(第三号及び第四号を除く。)及び第六百九条 三 第五章第三節(第六百十七条第四項、第六百十八条及び第六百十九条を除く。)から第六節まで及び第七節第二款 四 第六百三十八条第一項第三号及び第二項第二号 (相続及び合併による退社の特則) 第六百七十五条 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、第六百八条第一項の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。 この場合においては、同条第四項及び第五項の規定を準用する。 第四編 社債 第一章 総則 (募集社債に関する事項の決定) 第六百七十六条 会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この編において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集社債の総額 二 各募集社債の金額 三 募集社債の利率 四 募集社債の償還の方法及び期限 五 利息支払の方法及び期限 六 社債券を発行するときは、その旨 七 社債権者が第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 七の二 社債管理者を定めないこととするときは、その旨 八 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨 八の二 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨 九 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法 十 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日 十一 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日 十二 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (募集社債の申込み) 第六百七十七条 会社は、前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 会社の商号 二 当該募集に係る前条各号に掲げる事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数 三 会社が前条第九号の最低金額を定めたときは、希望する払込金額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集社債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集社債の割当て) 第六百七十八条 会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。 この場合において、会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 会社は、第六百七十六条第十号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければならない。 (募集社債の申込み及び割当てに関する特則) 第六百七十九条 前二条の規定は、募集社債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (募集社債の社債権者) 第六百八十条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集社債の社債権者となる。 一 申込者 会社の割り当てた募集社債 二 前条の契約により募集社債の総額を引き受けた者 その者が引き受けた募集社債 (社債原簿) 第六百八十一条 会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「社債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第六百七十六条第三号から第八号の二までに掲げる事項その他の社債の内容を特定するものとして法務省令で定める事項(以下この編において「種類」という。) 二 種類ごとの社債の総額及び各社債の金額 三 各社債と引換えに払い込まれた金銭の額及び払込みの日 四 社債権者(無記名社債(無記名式の社債券が発行されている社債をいう。以下この編において同じ。)の社債権者を除く。)の氏名又は名称及び住所 五 前号の社債権者が各社債を取得した日 六 社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数 七 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第六百八十二条 社債権者(無記名社債の社債権者を除く。)は、社債を発行した会社(以下この編において「社債発行会社」という。)に対し、当該社債権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された社債原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該社債原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (社債原簿管理人) 第六百八十三条 会社は、社債原簿管理人(会社に代わって社債原簿の作成及び備置きその他の社債原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (社債原簿の備置き及び閲覧等) 第六百八十四条 社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 社債権者その他の法務省令で定める者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社債原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社債原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 社債発行会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 当該請求を行う者が社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 三 当該請求を行う者が、過去二年以内において、社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 社債発行会社が株式会社である場合には、当該社債発行会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該社債発行会社の社債原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (社債権者に対する通知等) 第六百八十五条 社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告は、社債原簿に記載し、又は記録した当該社債権者の住所(当該社債権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該社債発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該社債発行会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を社債権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、社債発行会社が社債の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第七百二十条第一項の通知に際して社債権者に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (共有者による権利の行使) 第六百八十六条 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該社債についての権利を行使する者一人を定め、会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該社債についての権利を行使することができない。 ただし、会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (社債券を発行する場合の社債の譲渡) 第六百八十七条 社債券を発行する旨の定めがある社債の譲渡は、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の譲渡の対抗要件) 第六百八十八条 社債の譲渡は、その社債を取得した者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合における前項の規定の適用については、同項中「社債発行会社その他の第三者」とあるのは、「社債発行会社」とする。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (権利の推定等) 第六百八十九条 社債券の占有者は、当該社債券に係る社債についての権利を適法に有するものと推定する。 2 社債券の交付を受けた者は、当該社債券に係る社債についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十条 社債発行会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の社債の社債権者に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該社債発行会社の社債を取得した場合 二 当該社債発行会社が有する自己の社債を処分した場合 2 前項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十一条 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)は、当該社債発行会社に対し、当該社債に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した社債の社債権者として社債原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債券を発行する場合の社債の質入れ) 第六百九十二条 社債券を発行する旨の定めがある社債の質入れは、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の質入れの対抗要件) 第六百九十三条 社債の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、社債券を発行する旨の定めがある社債の質権者は、継続して当該社債に係る社債券を占有しなければ、その質権をもって社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する社債原簿の記載等) 第六百九十四条 社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、次に掲げる事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である社債 2 前項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第六百九十五条 前条第一項各号に掲げる事項が社債原簿に記載され、又は記録された質権者は、社債発行会社に対し、当該質権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (信託財産に属する社債についての対抗要件等) 第六百九十五条の二 社債については、当該社債が信託財産に属する旨を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、当該社債が信託財産に属することを社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第六百八十一条第四号の社債権者は、その有する社債が信託財産に属するときは、社債発行会社に対し、その旨を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 社債原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第六百八十二条第一項及び第六百九十条第一項の規定の適用については、第六百八十二条第一項中「記録された社債原簿記載事項」とあるのは「記録された社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」と、第六百九十条第一項中「社債原簿記載事項」とあるのは「社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある社債については、適用しない。 (社債券の発行) 第六百九十六条 社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければならない。 (社債券の記載事項) 第六百九十七条 社債券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 社債発行会社の商号 二 当該社債券に係る社債の金額 三 当該社債券に係る社債の種類 2 社債券には、利札を付することができる。 (記名式と無記名式との間の転換) 第六百九十八条 社債券が発行されている社債の社債権者は、第六百七十六条第七号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の社債券を無記名式とし、又はその無記名式の社債券を記名式とすることを請求することができる。 (社債券の喪失) 第六百九十九条 社債券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 社債券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 (利札が欠けている場合における社債の償還) 第七百条 社債発行会社は、社債券が発行されている社債をその償還の期限前に償還する場合において、これに付された利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければならない。 ただし、当該請求権が弁済期にある場合は、この限りでない。 2 前項の利札の所持人は、いつでも、社債発行会社に対し、これと引換えに同項の規定により控除しなければならない額の支払を請求することができる。 (社債の償還請求権等の消滅時効) 第七百一条 社債の償還請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 社債の利息の請求権及び前条第二項の規定による請求権は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 第二章 社債管理者 (社債管理者の設置) 第七百二条 会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合は、この限りでない。 (社債管理者の資格) 第七百三条 社債管理者は、次に掲げる者でなければならない。 一 銀行 二 信託会社 三 前二号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして法務省令で定める者 (社債管理者の義務) 第七百四条 社債管理者は、社債権者のために、公平かつ誠実に社債の管理を行わなければならない。 2 社債管理者は、社債権者に対し、善良な管理者の注意をもって社債の管理を行わなければならない。 (社債管理者の権限等) 第七百五条 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。 この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。 3 前項前段の規定による請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 第七百六条 社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、第二号に掲げる行為については、第六百七十六条第八号に掲げる事項についての定めがあるときは、この限りでない。 一 当該社債の全部についてするその支払の猶予、その債務若しくはその債務の不履行によって生じた責任の免除又は和解(次号に掲げる行為を除く。) 二 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(前条第一項の行為を除く。) 2 社債管理者は、前項ただし書の規定により社債権者集会の決議によらずに同項第二号に掲げる行為をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 3 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項各号に掲げる行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (特別代理人の選任) 第七百七条 社債権者と社債管理者との利益が相反する場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする必要があるときは、裁判所は、社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任しなければならない。 (社債管理者等の行為の方式) 第七百八条 社債管理者又は前条の特別代理人が社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、個別の社債権者を表示することを要しない。 (二以上の社債管理者がある場合の特則) 第七百九条 二以上の社債管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 2 前項に規定する場合において、社債管理者が第七百五条第一項の弁済を受けたときは、社債管理者は、社債権者に対し、連帯して、当該弁済の額を支払う義務を負う。 (社債管理者の責任) 第七百十条 社債管理者は、この法律又は社債権者集会の決議に違反する行為をしたときは、社債権者に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 社債管理者は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に、次に掲げる行為をしたときは、社債権者に対し、損害を賠償する責任を負う。 ただし、当該社債管理者が誠実にすべき社債の管理を怠らなかったこと又は当該損害が当該行為によって生じたものでないことを証明したときは、この限りでない。 一 当該社債管理者の債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けること。 二 当該社債管理者と法務省令で定める特別の関係がある者に対して当該社債管理者の債権を譲り渡すこと(当該特別の関係がある者が当該債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けた場合に限る。)。 三 当該社債管理者が社債発行会社に対する債権を有する場合において、契約によって負担する債務を専ら当該債権をもってする相殺に供する目的で社債発行会社の財産の処分を内容とする契約を社債発行会社との間で締結し、又は社債発行会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結し、かつ、これにより社債発行会社に対し負担した債務と当該債権とを相殺すること。 四 当該社債管理者が社債発行会社に対して債務を負担する場合において、社債発行会社に対する債権を譲り受け、かつ、当該債務と当該債権とを相殺すること。 (社債管理者の辞任) 第七百十一条 社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任することができる。 この場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、第七百二条の規定による委託に係る契約に定めた事由があるときは、辞任することができる。 ただし、当該契約に事務を承継する社債管理者に関する定めがないときは、この限りでない。 3 第一項の規定にかかわらず、社債管理者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (社債管理者が辞任した場合の責任) 第七百十二条 第七百十条第二項の規定は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に前条第二項の規定により辞任した社債管理者について準用する。 (社債管理者の解任) 第七百十三条 裁判所は、社債管理者がその義務に違反したとき、その事務処理に不適任であるときその他正当な理由があるときは、社債発行会社又は社債権者集会の申立てにより、当該社債管理者を解任することができる。 (社債管理者の事務の承継) 第七百十四条 社債管理者が次のいずれかに該当することとなった場合において、他に社債管理者がないときは、社債発行会社は、事務を承継する社債管理者を定め、社債権者のために、社債の管理を行うことを委託しなければならない。 この場合においては、社債発行会社は、社債権者集会の同意を得るため、遅滞なく、これを招集し、かつ、その同意を得ることができなかったときは、その同意に代わる裁判所の許可の申立てをしなければならない。 一 第七百三条各号に掲げる者でなくなったとき。 二 第七百十一条第三項の規定により辞任したとき。 三 前条の規定により解任されたとき。 四 解散したとき。 2 社債発行会社は、前項前段に規定する場合において、同項各号のいずれかに該当することとなった日後二箇月以内に、同項後段の規定による招集をせず、又は同項後段の申立てをしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 3 第一項前段に規定する場合において、やむを得ない事由があるときは、利害関係人は、裁判所に対し、事務を承継する社債管理者の選任の申立てをすることができる。 4 社債発行会社は、第一項前段の規定により事務を承継する社債管理者を定めた場合(社債権者集会の同意を得た場合を除く。)又は前項の規定による事務を承継する社債管理者の選任があった場合には、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 第二章の二 社債管理補助者 (社債管理補助者の設置) 第七百十四条の二 会社は、第七百二条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。 ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。 (社債管理補助者の資格) 第七百十四条の三 社債管理補助者は、第七百三条各号に掲げる者その他法務省令で定める者でなければならない。 (社債管理補助者の権限等) 第七百十四条の四 社債管理補助者は、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 二 強制執行又は担保権の実行の手続における配当要求 三 第四百九十九条第一項の期間内に債権の申出をすること。 2 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に定める範囲内において、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 社債に係る債権の弁済を受けること。 二 第七百五条第一項の行為(前項各号及び前号に掲げる行為を除く。) 三 第七百六条第一項各号に掲げる行為 四 社債発行会社が社債の総額について期限の利益を喪失することとなる行為 3 前項の場合において、社債管理補助者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 前項第二号に掲げる行為であって、次に掲げるもの イ 当該社債の全部についてするその支払の請求 ロ 当該社債の全部に係る債権に基づく強制執行、仮差押え又は仮処分 ハ 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(イ及びロに掲げる行為を除く。) 二 前項第三号及び第四号に掲げる行為 4 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に従い、社債の管理に関する事項を社債権者に報告し、又は社債権者がこれを知ることができるようにする措置をとらなければならない。 5 第七百五条第二項及び第三項の規定は、第二項第一号に掲げる行為をする権限を有する社債管理補助者について準用する。 (二以上の社債管理補助者がある場合の特則) 第七百十四条の五 二以上の社債管理補助者があるときは、社債管理補助者は、各自、その権限に属する行為をしなければならない。 2 社債管理補助者が社債権者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の社債管理補助者も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (社債管理者等との関係) 第七百十四条の六 第七百二条の規定による委託に係る契約又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の効力が生じた場合には、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約は、終了する。 (社債管理者に関する規定の準用) 第七百十四条の七 第七百四条、第七百七条、第七百八条、第七百十条第一項、第七百十一条、第七百十三条及び第七百十四条の規定は、社債管理補助者について準用する。 この場合において、第七百四条中「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、同項中「社債権者に対し、連帯して」とあるのは「社債権者に対し」と、第七百十一条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「において」と、同条第二項中「第七百二条」とあるのは「第七百十四条の二」と、第七百十四条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「には」と、「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、「第七百三条各号に掲げる」とあるのは「第七百十四条の三に規定する」と、「解散した」とあるのは「死亡し、又は解散した」と読み替えるものとする。 第三章 社債権者集会 (社債権者集会の構成) 第七百十五条 社債権者は、社債の種類ごとに社債権者集会を組織する。 (社債権者集会の権限) 第七百十六条 社債権者集会は、この法律に規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。 (社債権者集会の招集) 第七百十七条 社債権者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 社債権者集会は、次項又は次条第三項の規定により招集する場合を除き、社債発行会社又は社債管理者が招集する。 3 次に掲げる場合には、社債管理補助者は、社債権者集会を招集することができる。 一 次条第一項の規定による請求があった場合 二 第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意を得るため必要がある場合 (社債権者による招集の請求) 第七百十八条 ある種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者は、社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に対し、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、社債権者集会の招集を請求することができる。 2 社債発行会社が有する自己の当該種類の社債の金額の合計額は、前項に規定する社債の総額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした社債権者は、裁判所の許可を得て、社債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間以内の日を社債権者集会の日とする社債権者集会の招集の通知が発せられない場合 4 第一項の規定による請求又は前項の規定による招集をしようとする無記名社債の社債権者は、その社債券を社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に提示しなければならない。 (社債権者集会の招集の決定) 第七百十九条 社債権者集会を招集する者(以下この章において「招集者」という。)は、社債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社債権者集会の日時及び場所 二 社債権者集会の目的である事項 三 社債権者集会に出席しない社債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債権者集会の招集の通知) 第七百二十条 社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の二週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては社債管理者又は社債管理補助者に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 社債発行会社が無記名式の社債券を発行している場合において、社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の三週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を公告しなければならない。 5 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、招集者が社債発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 (社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七百二十一条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている社債権者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「社債権者集会参考書類」という。)及び社債権者が議決権を行使するための書面(以下この章において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした社債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社債権者の請求があったときは、これらの書類を当該社債権者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、社債権者集会の日の一週間前までに無記名社債の社債権者の請求があったときは、直ちに、社債権者集会参考書類及び議決権行使書面を当該社債権者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、社債権者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第七百二十二条 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第七百二十条第二項の承諾をした社債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第七百二十条第二項の承諾をしていない社債権者から社債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の額等) 第七百二十三条 社債権者は、社債権者集会において、その有する当該種類の社債の金額の合計額(償還済みの額を除く。)に応じて、議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、社債発行会社は、その有する自己の社債については、議決権を有しない。 3 議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は、社債権者集会の日の一週間前までに、その社債券を招集者に提示しなければならない。 (社債権者集会の決議) 第七百二十四条 社債権者集会において決議をする事項を可決するには、出席した議決権者(議決権を行使することができる社債権者をいう。以下この章において同じ。)の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債権者集会において次に掲げる事項を可決するには、議決権者の議決権の総額の五分の一以上で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意がなければならない。 一 第七百六条第一項各号に掲げる行為に関する事項 二 第七百六条第一項、第七百十四条の四第三項(同条第二項第三号に掲げる行為に係る部分に限る。)、第七百三十六条第一項、第七百三十七条第一項ただし書及び第七百三十八条の規定により社債権者集会の決議を必要とする事項 3 社債権者集会は、第七百十九条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第七百二十五条 社債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第七百二十六条 社債権者集会に出席しない社債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七百二十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (議決権の不統一行使) 第七百二十八条 社債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、社債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の社債権者が他人のために社債を有する者でないときは、当該社債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (社債発行会社の代表者の出席等) 第七百二十九条 社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者は、その代表者若しくは代理人を社債権者集会に出席させ、又は書面により意見を述べることができる。 ただし、社債管理者又は社債管理補助者にあっては、その社債権者集会が第七百七条(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の特別代理人の選任について招集されたものであるときは、この限りでない。 2 社債権者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、社債発行会社に対し、その代表者又は代理人の出席を求めることができる。 この場合において、社債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第七百三十条 社債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第七百十九条及び第七百二十条の規定は、適用しない。 (議事録) 第七百三十一条 社債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 社債発行会社は、社債権者集会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社債権者集会の決議の認可の申立て) 第七百三十二条 社債権者集会の決議があったときは、招集者は、当該決議があった日から一週間以内に、裁判所に対し、当該決議の認可の申立てをしなければならない。 (社債権者集会の決議の不認可) 第七百三十三条 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、社債権者集会の決議の認可をすることができない。 一 社債権者集会の招集の手続又はその決議の方法が法令又は第六百七十六条の募集のための当該社債発行会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料に記載され、若しくは記録された事項に違反するとき。 二 決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。 三 決議が著しく不公正であるとき。 四 決議が社債権者の一般の利益に反するとき。 (社債権者集会の決議の効力) 第七百三十四条 社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 社債権者集会の決議は、当該種類の社債を有するすべての社債権者に対してその効力を有する。 (社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定の公告) 第七百三十五条 社債発行会社は、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定があった場合には、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。 (社債権者集会の決議の省略) 第七百三十五条の二 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。 2 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。 (代表社債権者の選任等) 第七百三十六条 社債権者集会においては、その決議によって、当該種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の千分の一以上に当たる社債を有する社債権者の中から、一人又は二人以上の代表社債権者を選任し、これに社債権者集会において決議をする事項についての決定を委任することができる。 2 第七百十八条第二項の規定は、前項に規定する社債の総額について準用する。 3 代表社債権者が二人以上ある場合において、社債権者集会において別段の定めを行わなかったときは、第一項に規定する事項についての決定は、その過半数をもって行う。 (社債権者集会の決議の執行) 第七百三十七条 社債権者集会の決議は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が執行する。 ただし、社債権者集会の決議によって別に社債権者集会の決議を執行する者を定めたときは、この限りでない。 一 社債管理者がある場合 社債管理者 二 社債管理補助者がある場合において、社債管理補助者の権限に属する行為に関する事項を可決する旨の社債権者集会の決議があったとき 社債管理補助者 三 前二号に掲げる場合以外の場合 代表社債権者 2 第七百五条第一項から第三項まで、第七百八条及び第七百九条の規定は、代表社債権者又は前項ただし書の規定により定められた社債権者集会の決議を執行する者(以下この章において「決議執行者」という。)が社債権者集会の決議を執行する場合について準用する。 (代表社債権者等の解任等) 第七百三十八条 社債権者集会においては、その決議によって、いつでも、代表社債権者若しくは決議執行者を解任し、又はこれらの者に委任した事項を変更することができる。 (社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失) 第七百三十九条 社債発行会社が社債の利息の支払を怠ったとき、又は定期に社債の一部を償還しなければならない場合においてその償還を怠ったときは、社債権者集会の決議に基づき、当該決議を執行する者は、社債発行会社に対し、一定の期間内にその弁済をしなければならない旨及び当該期間内にその弁済をしないときは当該社債の総額について期限の利益を喪失する旨を書面により通知することができる。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の決議を執行する者は、同項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、社債発行会社の承諾を得て、同項の規定により通知する事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該決議を執行する者は、当該書面による通知をしたものとみなす。 3 社債発行会社は、第一項の期間内に同項の弁済をしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 (債権者の異議手続の特則) 第七百四十条 第四百四十九条、第六百二十七条、第六百三十五条、第六百七十条、第七百七十九条(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条(第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十六条の八の規定により社債権者が異議を述べるには、社債権者集会の決議によらなければならない。 この場合においては、裁判所は、利害関係人の申立てにより、社債権者のために異議を述べることができる期間を伸長することができる。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、社債権者のために、異議を述べることができる。 ただし、第七百二条の規定による委託に係る契約に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 社債発行会社における第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百八十九条第二項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百九十九条第二項(第八百二条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第八百十条第二項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第八百十六条の八第二項の規定の適用については、第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項、第七百九十九条第二項及び第八百十六条の八第二項中「知れている債権者」とあるのは「知れている債権者(社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては、当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」と、第七百八十九条第二項及び第八百十条第二項中「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)」とあるのは「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限り、社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」とする。 (社債管理者等の報酬等) 第七百四十一条 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者に対して与えるべき報酬、その事務処理のために要する費用及びその支出の日以後における利息並びにその事務処理のために自己の過失なくして受けた損害の賠償額は、社債発行会社との契約に定めがある場合を除き、裁判所の許可を得て、社債発行会社の負担とすることができる。 2 前項の許可の申立ては、社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者がする。 3 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者は、第一項の報酬、費用及び利息並びに損害の賠償額に関し、第七百五条第一項(第七百三十七条第二項において準用する場合を含む。)又は第七百十四条の四第二項第一号の弁済を受けた額について、社債権者に先立って弁済を受ける権利を有する。 (社債権者集会等の費用の負担) 第七百四十二条 社債権者集会に関する費用は、社債発行会社の負担とする。 2 第七百三十二条の申立てに関する費用は、社債発行会社の負担とする。 ただし、裁判所は、社債発行会社その他利害関係人の申立てにより又は職権で、当該費用の全部又は一部について、招集者その他利害関係人の中から別に負担者を定めることができる。 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付 第一章 組織変更 第一節 通則 (組織変更計画の作成) 第七百四十三条 会社は、組織変更をすることができる。 この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。 第二節 株式会社の組織変更 (株式会社の組織変更計画) 第七百四十四条 株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 組織変更後持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 組織変更後持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、組織変更後持分会社の定款で定める事項 五 組織変更後持分会社が組織変更に際して組織変更をする株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(組織変更後持分会社の持分を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債であるときは、当該社債の種類(第百七条第二項第二号ロに規定する社債の種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の株主(組織変更をする株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、組織変更後持分会社が組織変更に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 九 組織変更がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 組織変更後持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 組織変更後持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 組織変更後持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (株式会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十五条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、組織変更後持分会社の社員となる。 4 前条第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号イの社債の社債権者となる。 5 組織変更をする株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百七十九条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第三節 持分会社の組織変更 (持分会社の組織変更計画) 第七百四十六条 持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項 三 組織変更後株式会社の取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称 ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 組織変更後株式会社の監査役の氏名 ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称 五 組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 六 組織変更をする持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭等(組織変更後株式会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債等(社債及び新株予約権をいう。以下この編において同じ。)以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする持分会社の社員に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 九 効力発生日 2 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 (持分会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十七条 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、株式会社となる。 2 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 4 次の各号に掲げる場合には、組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、第七百八十一条第二項において準用する第七百七十九条(第二項第二号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第二章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 株式会社が存続する吸収合併 (株式会社が存続する吸収合併契約) 第七百四十九条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である吸収合併存続会社(以下この編において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併により消滅する会社(以下この編において「吸収合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して吸収合併存続株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの吸収合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収合併存続株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 六 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続株式会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 5 前条第一項第四号イに規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、効力発生日に、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号イの吸収合併存続株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 持分会社が存続する吸収合併 (持分会社が存続する吸収合併契約) 第七百五十一条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である吸収合併存続会社(以下この節において「吸収合併存続持分会社」という。)及び吸収合併消滅会社の商号及び住所 二 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員が吸収合併に際して吸収合併存続持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収合併存続持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等(吸収合併存続持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続持分会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 七 効力発生日 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続持分会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (持分会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十二条 吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第三節 新設合併 第一款 株式会社を設立する新設合併 (株式会社を設立する新設合併契約) 第七百五十三条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社(以下この編において「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する会社(以下この編において「新設合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 株式会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立株式会社の定款で定める事項 四 新設合併設立株式会社の設立時取締役の氏名 五 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設合併設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設合併設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して株式会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅持分会社」という。)の社員に対して交付するその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設合併設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立株式会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して新設合併設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの新設合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設合併設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、新設合併消滅株式会社の全部又は一部が種類株式発行会社であるときは、新設合併消滅会社は、新設合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第七号に掲げる事項(新設合併消滅株式会社の株主に係る事項に限る。次項において同じ。)として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して新設合併設立株式会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、新設合併設立株式会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第七号に掲げる事項についての定めは、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて新設合併設立株式会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第九号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「新設合併設立株式会社の株式」とあるのは、「新設合併設立株式会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十四条 新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、前条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立株式会社の成立の日に、消滅する。 5 前条第一項第十号イに規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号イの新設合併設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第二款 持分会社を設立する新設合併 (持分会社を設立する新設合併契約) 第七百五十五条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併設立会社が持分会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併消滅会社の商号及び住所 二 持分会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 三 新設合併設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 四 新設合併設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 五 前二号に掲げるもののほか、新設合併設立持分会社の定款で定める事項 六 新設合併設立持分会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立持分会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立持分会社が合名会社であるときは、前項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設合併設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設合併設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十六条 新設合併設立持分会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設合併設立持分会社の社員となる。 3 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の社債の社債権者となる。 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立持分会社の成立の日に、消滅する。 第三章 会社分割 第一節 吸収分割 第一款 通則 (吸収分割契約の締結) 第七百五十七条 会社(株式会社又は合同会社に限る。)は、吸収分割をすることができる。 この場合においては、当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下この編において「吸収分割承継会社」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に権利義務を承継させる吸収分割 (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百五十八条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割をする会社(以下この編において「吸収分割会社」という。)及び株式会社である吸収分割承継会社(以下この編において「吸収分割承継株式会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継株式会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である吸収分割会社(以下この編において「吸収分割株式会社」という。)及び吸収分割承継株式会社の株式並びに吸収分割株式会社の新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式を吸収分割承継株式会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収分割承継株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 五 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該吸収分割承継株式会社の新株予約権の交付を受ける吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「吸収分割契約新株予約権」という。)の内容 ロ 吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収分割承継株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 吸収分割契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収分割承継株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収分割承継株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 七 吸収分割がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 八 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継株式会社の株式(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継株式会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継株式会社の株式のみであるものに限る。) (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百五十九条 吸収分割承継株式会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継株式会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 次の各号に掲げる場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第四号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第四号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第四号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第四号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 9 前条第五号に規定する場合には、効力発生日に、吸収分割契約新株予約権は、消滅し、当該吸収分割契約新株予約権の新株予約権者は、同条第六号に掲げる事項についての定めに従い、同条第五号ロの吸収分割承継株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第三款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割 (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百六十条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が持分会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割会社及び持分会社である吸収分割承継会社(以下この節において「吸収分割承継持分会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継持分会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(吸収分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社の株式を吸収分割承継持分会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割会社が吸収分割に際して吸収分割承継持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収分割承継持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 五 吸収分割承継持分会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等(吸収分割承継持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 効力発生日 七 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継持分会社の持分(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継持分会社の持分に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継持分会社の持分のみであるものに限る。) (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百六十一条 吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 9 前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第二節 新設分割 第一款 通則 (新設分割計画の作成) 第七百六十二条 一又は二以上の株式会社又は合同会社は、新設分割をすることができる。 この場合においては、新設分割計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合には、当該二以上の株式会社又は合同会社は、共同して新設分割計画を作成しなければならない。 第二款 株式会社を設立する新設分割 (株式会社を設立する新設分割計画) 第七百六十三条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、新設分割設立株式会社の定款で定める事項 三 新設分割設立株式会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設分割設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設分割設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設分割設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設分割設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 新設分割設立株式会社が新設分割により新設分割をする会社(以下この編において「新設分割会社」という。)から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である新設分割会社(以下この編において「新設分割株式会社」という。)の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対して交付するその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設分割設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設分割設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該新設分割設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該新設分割設立株式会社の新株予約権の交付を受ける新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「新設分割計画新株予約権」という。)の内容 ロ 新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する新設分割設立株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 新設分割計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設分割設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設分割設立株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。) 2 新設分割設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 (株式会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十四条 新設分割設立株式会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立株式会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第十二号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立株式会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 9 次の各号に掲げる場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前二項の規定の適用については、第八項中「新設分割計画の定め」とあるのは「同項第七号に掲げる事項についての定め」と、前項中「新設分割計画の定め」とあるのは「前条第一項第九号に掲げる事項についての定め」とする。 11 前条第一項第十号に規定する場合には、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画新株予約権は、消滅し、当該新設分割計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号ロの新設分割設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第三款 持分会社を設立する新設分割 (持分会社を設立する新設分割計画) 第七百六十五条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割設立会社が持分会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 新設分割設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 新設分割設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、新設分割設立持分会社の定款で定める事項 五 新設分割設立持分会社が新設分割により新設分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(新設分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立持分会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設分割株式会社が新設分割設立持分会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立持分会社の持分(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立持分会社の持分のみであるものに限る。) 2 新設分割設立持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設分割設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設分割設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十六条 新設分割設立持分会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立持分会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立持分会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設分割設立持分会社の社員となる。 9 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同号の社債の社債権者となる。 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前項の規定の適用については、同項中「新設分割計画の定めに従い、同号」とあるのは、「同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号」とする。 第四章 株式交換及び株式移転 第一節 株式交換 第一款 通則 (株式交換契約の締結) 第七百六十七条 株式会社は、株式交換をすることができる。 この場合においては、当該株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(株式会社又は合同会社に限る。以下この編において「株式交換完全親会社」という。)との間で、株式交換契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に発行済株式を取得させる株式交換 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百六十八条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容 ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 六 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百六十九条 株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親株式会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親株式会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 次の各号に掲げる場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第四号に規定する場合には、効力発生日に、株式交換契約新株予約権は、消滅し、当該株式交換契約新株予約権の新株予約権者は、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号ロの株式交換完全親株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第四号ハに規定する場合には、株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第三款 合同会社に発行済株式を取得させる株式交換 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百七十条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が合同会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換完全子会社及び合同会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親合同会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全子会社の株主が株式交換に際して株式交換完全親合同会社の社員となるときは、当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 株式交換完全親合同会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(株式交換完全親合同会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 効力発生日 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親合同会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百七十一条 株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親合同会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親合同会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親合同会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、株式交換完全親合同会社の社員となる。 この場合においては、株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 前各項の規定は、第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第二節 株式移転 (株式移転計画の作成) 第七百七十二条 一又は二以上の株式会社は、株式移転をすることができる。 この場合においては、株式移転計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合には、当該二以上の株式会社は、共同して株式移転計画を作成しなければならない。 (株式移転計画) 第七百七十三条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項 三 株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名 ハ 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 六 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 八 前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項 九 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容 ロ 株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十 前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項 2 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式移転の効力の発生等) 第七百七十四条 株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、株式移転完全子会社の発行済株式の全部を取得する。 2 株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第九号に規定する場合には、株式移転設立完全親会社の成立の日に、株式移転計画新株予約権は、消滅し、当該株式移転計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十号に掲げる事項についての定めに従い、同項第九号ロの株式移転設立完全親会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第九号ハに規定する場合には、株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 第四章の二 株式交付 (株式交付計画の作成) 第七百七十四条の二 株式会社は、株式交付をすることができる。 この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。 (株式交付計画) 第七百七十四条の三 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所 二 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限 三 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 四 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項 五 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法 八 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 九 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 十 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日 十一 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み) 第七百七十四条の四 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式交付親会社の商号 二 株式交付計画の内容 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て) 第七百七十四条の五 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。 この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則) 第七百七十四条の六 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (株式交付子会社の株式の譲渡し) 第七百七十四条の七 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。 一 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数 二 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数 2 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの無効又は取消しの制限) 第七百七十四条の八 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、第七百七十四条の四第二項の申込み、第七百七十四条の五第一項の規定による割当て及び第七百七十四条の六の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人は、第七百七十四条の十一第二項の規定により株式交付親会社の株式の株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として株式交付子会社の株式の譲渡しの取消しをすることができない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用) 第七百七十四条の九 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。 この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。 (申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合) 第七百七十四条の十 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。 この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 (株式交付の効力の発生等) 第七百七十四条の十一 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。 2 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合 二 株式交付を中止した場合 三 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合 四 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合 6 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。 第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続 第一節 組織変更の手続 第一款 株式会社の手続 (組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百七十五条 組織変更をする株式会社は、組織変更計画備置開始日から組織変更がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)までの間、組織変更計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 組織変更計画について組織変更をする株式会社の総株主の同意を得た日 二 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第七百七十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百七十九条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 組織変更をする株式会社の株主及び債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式会社の組織変更計画の承認等) 第七百七十六条 組織変更をする株式会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該株式会社の総株主の同意を得なければならない。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新株予約権買取請求) 第七百七十七条 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この款において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 組織変更をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その新株予約権の新株予約権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、組織変更をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 組織変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百七十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と組織変更をする株式会社(効力発生日後にあっては、組織変更後持分会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は組織変更後持分会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 組織変更後持分会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 組織変更をする株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 組織変更をする株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 組織変更をする株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百七十九条 組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。 2 組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 組織変更をする旨 二 組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (組織変更の効力発生日の変更) 第七百八十条 組織変更をする株式会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、組織変更をする株式会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この款及び第七百四十五条の規定を適用する。 第二款 持分会社の手続 第七百八十一条 組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第七百七十九条(第二項第二号を除く。)及び前条の規定は、組織変更をする持分会社について準用する。 この場合において、第七百七十九条第三項中「組織変更をする株式会社」とあるのは「組織変更をする持分会社(合同会社に限る。)」と、前条第三項中「及び第七百四十五条」とあるのは「並びに第七百四十七条及び次条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 吸収合併等の手続 第一款 吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百八十二条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 吸収合併契約 二 吸収分割株式会社 吸収分割契約 三 株式交換完全子会社 株式交換契約 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百八十五条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百八十七条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第七百八十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百八十三条 消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第一項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。 3 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。 5 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者(次条第二項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第七百八十七条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。 6 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (吸収合併契約等の承認を要しない場合) 第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。 2 前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百八十四条の二 次に掲げる場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項に規定する場合は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十一条第一項第三号若しくは第四号、第七百五十八条第四号、第七百六十条第四号若しくは第五号、第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号又は第七百七十条第一項第三号若しくは第四号に掲げる事項が消滅株式会社等又は存続会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第七百八十三条第二項に規定する場合 二 第七百八十四条第二項に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 消滅株式会社等が公開会社である場合 二 消滅株式会社等が第七百八十三条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百八十六条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第七百八十七条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 吸収合併 第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 吸収分割承継会社が株式会社である場合における吸収分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換完全親会社が株式会社である場合における株式交換完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 吸収合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百八十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百八十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併消滅株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者) 三 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 存続会社等の商号及び住所 三 消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(吸収分割をする場合における不法行為によって生じた吸収分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収合併等の効力発生日の変更) 第七百九十条 消滅株式会社等は、存続会社等との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、消滅株式会社等は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節並びに第七百五十条、第七百五十二条、第七百五十九条、第七百六十一条、第七百六十九条及び第七百七十一条の規定を適用する。 (吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十一条 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 吸収分割株式会社 吸収分割により吸収分割承継会社が承継した吸収分割株式会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式交換完全子会社 株式交換により株式交換完全親会社が取得した株式交換完全子会社の株式の数その他の株式交換に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式交換完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「効力発生日に株式交換完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第七百九十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イの株式の取得 二 第七百五十八条第八号ロ又は第七百六十条第七号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第七百九十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 二 吸収分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)及び第七百九十条の規定は、吸収合併消滅持分会社又は合同会社である吸収分割会社(以下この節において「吸収分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、第七百八十九条第一項第二号中「債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「吸収合併消滅持分会社(吸収合併存続会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は吸収分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 吸収合併存続会社、吸収分割承継会社及び株式交換完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十四条 吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百九十五条 存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 一 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の債務の額として法務省令で定める額(次号において「承継債務額」という。)が吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産の額として法務省令で定める額(同号において「承継資産額」という。)を超える場合 二 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等(吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合 三 株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(株式交換完全親株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交換完全親株式会社が取得する株式交換完全子会社の株式の額として法務省令で定める額を超える場合 3 承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 4 存続株式会社等が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併等は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対して交付する金銭等が吸収合併存続株式会社の株式である場合 第七百四十九条第一項第二号イの種類の株式 二 吸収分割会社に対して交付する金銭等が吸収分割承継株式会社の株式である場合 第七百五十八条第四号イの種類の株式 三 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式である場合 第七百六十八条第一項第二号イの種類の株式 (吸収合併契約等の承認を要しない場合等) 第七百九十六条 前条第一項から第三項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。 2 前条第一項から第三項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同条第二項各号に掲げる場合又は前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第七百九十七条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百九十六条の二 次に掲げる場合において、存続株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、存続株式会社等の株主は、存続株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び前条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十八条第四号又は第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項が存続株式会社等又は消滅会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百九十七条 吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第七百九十六条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該存続株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 存続株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに消滅会社等の商号及び住所(第七百九十五条第三項に規定する場合にあっては、吸収合併等をする旨、消滅会社等の商号及び住所並びに同項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 存続株式会社等が公開会社である場合 二 存続株式会社等が第七百九十五条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、存続株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、存続株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百九十八条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と存続株式会社等との間に協議が調ったときは、存続株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は存続株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 存続株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 存続株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該存続株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百九十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者 三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者 2 前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 消滅会社等の商号及び住所 三 存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (消滅会社等の株主等に対して交付する金銭等が存続株式会社等の親会社株式である場合の特則) 第八百条 第百三十五条第一項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この項において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の親会社株式(同条第一項に規定する親会社株式をいう。以下この条において同じ。)である場合には、当該存続株式会社等は、吸収合併等に際して消滅会社等の株主等に対して交付する当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得することができる。 2 第百三十五条第三項の規定にかかわらず、前項の存続株式会社等は、効力発生日までの間は、存続株式会社等の親会社株式を保有することができる。 ただし、吸収合併等を中止したときは、この限りでない。 (吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百一条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続株式会社が承継した吸収合併消滅会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収分割承継株式会社(合同会社が吸収分割をする場合における当該吸収分割承継株式会社に限る。)は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割合同会社と共同して、吸収分割により吸収分割承継株式会社が承継した吸収分割合同会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる存続株式会社等は、効力発生日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併存続株式会社 第一項の書面又は電磁的記録 二 吸収分割承継株式会社 前項又は第七百九十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式交換完全親株式会社 第七百九十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 吸収合併存続株式会社の株主及び債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、吸収分割承継株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式交換完全親株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株式交換完全親株式会社の株主)」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 第八百二条 次の各号に掲げる行為をする持分会社(以下この条において「存続持分会社等」という。)は、当該各号に定める場合には、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について存続持分会社等の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 第七百五十一条第一項第二号に規定する場合 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第七百六十条第四号に規定する場合 三 株式交換による株式会社の発行済株式の全部の取得 第七百七十条第一項第二号に規定する場合 2 第七百九十九条(第二項第三号を除く。)及び第八百条の規定は、存続持分会社等について準用する。 この場合において、第七百九十九条第一項第三号中「株式交換完全親株式会社の株式」とあるのは「株式交換完全親合同会社の持分」と、「場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合」とあるのは「場合」と読み替えるものとする。 第三節 新設合併等の手続 第一款 新設合併消滅会社、新設分割会社及び株式移転完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百三条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、新設合併契約等備置開始日から新設合併設立会社、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立会社」という。)の成立の日後六箇月を経過する日(新設合併消滅株式会社にあっては、新設合併設立会社の成立の日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「新設合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 新設合併契約 二 新設分割株式会社 新設分割計画 三 株式移転完全子会社 株式移転計画 2 前項に規定する「新設合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 新設合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百六条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、新設分割計画の作成の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式移転完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約等の承認) 第八百四条 消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新設合併設立会社が持分会社である場合には、新設合併契約について新設合併消滅株式会社の総株主の同意を得なければならない。 3 新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社が種類株式発行会社である場合において、新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設合併設立株式会社又は株式移転設立完全親会社の株式等の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは、当該新設合併又は株式移転は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 消滅株式会社等は、第一項の株主総会の決議の日(第二項に規定する場合にあっては、同項の総株主の同意を得た日)から二週間以内に、その登録株式質権者(次条に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第八百八条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、新設合併、新設分割又は株式移転(以下この節において「新設合併等」という。)をする旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新設分割計画の承認を要しない場合) 第八百五条 前条第一項の規定は、新設分割により新設分割設立会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が新設分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を新設分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (新設合併等をやめることの請求) 第八百五条の二 新設合併等が法令又は定款に違反する場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、当該新設合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条に規定する場合は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百六条 新設合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第八百四条第二項に規定する場合 二 第八百五条に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第八百四条第一項の株主総会(新設合併等をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。)に先立って当該新設合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該新設合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日から二週間以内に、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設分割会社又は株式移転完全子会社(以下この節において「消滅会社等」という。)及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 新設合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第八百八条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 新設合併 第七百五十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 新設分割(新設分割設立会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ハに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転 次に掲げる新株予約権のうち、第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日(同条第二項に規定する場合にあっては同項の総株主の同意を得た日、第八百五条に規定する場合にあっては新設分割計画の作成の日)から二週間以内に、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、新設合併等をする旨並びに他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 新設分割設立会社が株式会社である場合における新設分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 新設合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第八百九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、新設合併等について異議を述べることができる。 一 新設合併をする場合 新設合併消滅株式会社の債権者 二 新設分割をする場合 新設分割後新設分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として新設分割設立会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない新設分割株式会社の債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者) 三 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併等をする旨 二 他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所 三 消滅株式会社等の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(新設分割をする場合における不法行為によって生じた新設分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十一条 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日後遅滞なく、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 新設分割株式会社 新設分割により新設分割設立会社が承継した新設分割株式会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式移転完全子会社 株式移転により株式移転設立完全親会社が取得した株式移転完全子会社の株式の数その他の株式移転に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、新設分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式移転完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の成立の日に株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第八百十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イの株式の取得 二 第七百六十三条第一項第十二号ロ又は第七百六十五条第一項第八号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第八百十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、新設合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 新設合併 二 新設分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第八百十条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)の規定は、新設合併消滅持分会社又は合同会社である新設分割会社(以下この節において「新設分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、同条第一項第二号中「債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「新設合併消滅持分会社(新設合併設立会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は新設分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 新設合併設立会社、新設分割設立会社及び株式移転設立完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (株式会社の設立の特則) 第八百十四条 第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)の規定は、新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立株式会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立株式会社の定款は、消滅会社等が作成する。 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十五条 新設合併設立株式会社は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立株式会社が承継した新設合併消滅会社の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設分割設立株式会社(一又は二以上の合同会社のみが新設分割をする場合における当該新設分割設立株式会社に限る。)は、その成立の日後遅滞なく、新設分割合同会社と共同して、新設分割により新設分割設立株式会社が承継した新設分割合同会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる設立株式会社は、その成立の日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併設立株式会社 第一項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 新設分割設立株式会社 前項又は第八百十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式移転設立完全親会社 第八百十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 新設合併設立株式会社の株主及び債権者は、新設合併設立株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、新設分割設立株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式移転設立完全親会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び新株予約権者」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 (持分会社の設立の特則) 第八百十六条 第五百七十五条及び第五百七十八条の規定は、新設合併設立持分会社又は新設分割設立持分会社(次項において「設立持分会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立持分会社の定款は、消滅会社等が作成する。 第四節 株式交付の手続 (株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の二 株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式交付計画の承認等) 第八百十六条の三 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 2 株式交付親会社が株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 3 株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式 二 株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式 (株式交付計画の承認を要しない場合等) 第八百十六条の四 前条第一項及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同項に規定する場合又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 (株式交付をやめることの請求) 第八百十六条の五 株式交付が法令又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。 ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百十六条の六 株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に掲げる場合以外の場合 全ての株主 3 株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨並びに株式交付子会社の商号及び住所を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 株式交付親会社が公開会社である場合 二 株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百十六条の七 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十六条の八 株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。 2 前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 株式交付をする旨 二 株式交付子会社の商号及び住所 三 株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (株式交付の効力発生日の変更) 第八百十六条の九 株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。 3 第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 4 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。 5 株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。 6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。 この場合において、第四項中「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十及び前項」と読み替えるものとする。 (株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の十 株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六編 外国会社 (外国会社の日本における代表者) 第八百十七条 外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。 この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。 2 外国会社の日本における代表者は、当該外国会社の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 3 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 4 外国会社は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (登記前の継続取引の禁止等) 第八百十八条 外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (貸借対照表に相当するものの公告) 第八百十九条 外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)は、法務省令で定めるところにより、第四百三十八条第二項の承認と同種の手続又はこれに類似する手続の終結後遅滞なく、貸借対照表に相当するものを日本において公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である外国会社は、前項に規定する貸借対照表に相当するものの要旨を公告することで足りる。 3 前項の外国会社は、法務省令で定めるところにより、第一項の手続の終結後遅滞なく、同項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報を、当該手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により日本において不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない外国会社については、前三項の規定は、適用しない。 (日本に住所を有する日本における代表者の退任) 第八百二十条 外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 2 債権者が前項の期間内に異議を述べたときは、同項の外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、同項の退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 3 第一項の退任は、前二項の手続が終了した後にその登記をすることによって、その効力を生ずる。 (擬似外国会社) 第八百二十一条 日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (日本にある外国会社の財産についての清算) 第八百二十二条 裁判所は、次に掲げる場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、日本にある外国会社の財産の全部について清算の開始を命ずることができる。 一 外国会社が第八百二十七条第一項の規定による命令を受けた場合 二 外国会社が日本において取引を継続してすることをやめた場合 2 前項の場合には、裁判所は、清算人を選任する。 3 第四百七十六条、第二編第九章第一節第二款、第四百九十二条、同節第四款及び第五百八条の規定並びに同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 4 第八百二十条の規定は、外国会社が第一項の清算の開始を命じられた場合において、当該外国会社の日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、適用しない。 (他の法律の適用関係) 第八百二十三条 外国会社は、他の法律の適用については、日本における同種の会社又は最も類似する会社とみなす。 ただし、他の法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第七編 雑則 第一章 会社の解散命令等 第一節 会社の解散命令 (会社の解散命令) 第八百二十四条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (会社の財産に関する保全処分) 第八百二十五条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「会社」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第八百二十六条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令 第八百二十七条 裁判所は、次に掲げる場合には、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、外国会社が日本において取引を継続してすることの禁止又はその日本に設けられた営業所の閉鎖を命ずることができる。 一 外国会社の事業が不法な目的に基づいて行われたとき。 二 外国会社が正当な理由がないのに外国会社の登記の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 外国会社が正当な理由がないのに支払を停止したとき。 四 外国会社の日本における代表者その他その業務を執行する者が、法令で定める外国会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 第八百二十四条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、第八百二十四条第二項中「前項」とあり、同条第三項及び第四項中「第一項」とあり、並びに第八百二十五条第一項中「前条第一項」とあるのは「第八百二十七条第一項」と、前条中「第八百二十四条第一項」とあるのは「次条第一項」と、「同項第三号」とあるのは「同項第四号」と読み替えるものとする。 第二章 訴訟 第一節 会社の組織に関する訴え (会社の組織に関する行為の無効の訴え) 第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内 二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内) 三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) 四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内) 五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者 五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 (新株発行等の不存在の確認の訴え) 第八百二十九条 次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 一 株式会社の成立後における株式の発行 二 自己株式の処分 三 新株予約権の発行 (株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (株主総会等の決議の取消しの訴え) 第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。 一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (持分会社の設立の取消しの訴え) 第八百三十二条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。 一 社員が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員 二 社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき 当該債権者 (会社の解散の訴え) 第八百三十三条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。 一 株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。 2 やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。 (被告) 第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社 二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社 三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社 四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社 六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社 七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社 八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社 九 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割契約をした会社 十 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社及び新設分割により設立する会社 十一 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換契約をした会社 十二 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社 十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社 十三 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社 十四 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社 十五 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 十六 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社 十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社 十八 第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社 十九 第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員 二十 株式会社の解散の訴え 当該株式会社 二十一 持分会社の解散の訴え 当該持分会社 (訴えの管轄及び移送) 第八百三十五条 会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。 3 前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。 (担保提供命令) 第八百三十六条 会社の組織に関する訴えであって、株主又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百三十七条 同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百三十八条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第八百三十九条 会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (新株発行の無効判決の効力) 第八百四十条 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)を返還することを請求することができる。 2 前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。 3 前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。 4 第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。 5 第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 6 前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 (自己株式の処分の無効判決の効力) 第八百四十一条 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「株式」とあるのは、「自己株式」と読み替えるものとする。 (新株予約権発行の無効判決の効力) 第八百四十二条 新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。 2 第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「株主」とあるのは「新株予約権者」と、同条第四項中「株式」とあるのは「新株予約権」と、同条第五項及び第六項中「登録株式質権者」とあるのは「登録新株予約権質権者」と読み替えるものとする。 (合併又は会社分割の無効判決の効力) 第八百四十三条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 会社の吸収合併 吸収合併後存続する会社 二 会社の新設合併 新設合併により設立する会社 三 会社の吸収分割 吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社 四 会社の新設分割 新設分割により設立する会社 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。 ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。 3 第一項及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。 4 各会社の第一項の債務の負担部分又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (株式交換又は株式移転の無効判決の効力) 第八百四十四条 株式会社の株式交換又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換又は株式移転をする株式会社(以下この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。 この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。 3 前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。 ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。 (株式交付の無効判決の効力) 第八百四十四条の二 株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。 この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。 (持分会社の設立の無効又は取消しの判決の効力) 第八百四十五条 持分会社の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条 会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え (売渡株式等の取得の無効の訴え) 第八百四十六条の二 株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。 2 前項の訴え(以下この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。 一 取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者 二 取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役又は執行役。以下この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役若しくは清算人 (被告) 第八百四十六条の三 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百四十六条の四 売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第八百四十六条の五 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役又は清算人であるときは、この限りでない。 2 被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百四十六条の六 同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百四十六条の七 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効の判決の効力) 第八百四十六条の八 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条の九 売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二節 株式会社における責任追及等の訴え (株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 (旧株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条の二 次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。以下この条において同じ。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該株式会社の株式交換又は株式移転 当該株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併 当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」とする。 3 旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該完全親会社の株式交換又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 4 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 5 第三項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、第三項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該完全親会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 6 株式交換等完全子会社が第一項又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求(以下この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 7 株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 8 第一項、第三項及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 9 株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」とする。 (最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え) 第八百四十七条の三 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 特定責任追及の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合 二 当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合 2 前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。 一 完全親会社 二 株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社及びその完全子会社等(株式会社がその株式又は持分の全部を有する法人をいう。以下この条及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該他の株式会社(完全親会社を除く。) 3 前項第二号の場合において、同号の他の株式会社及びその完全子会社等又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。 4 第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項及び同条第七項において同じ。)。 5 最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。 6 公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、「株式会社」とする。 7 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。 8 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 9 第一項及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 10 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」とする。 (責任追及等の訴えに係る訴訟費用等) 第八百四十七条の四 第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 2 株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第八百四十八条 責任追及等の訴えは、株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第八百四十九条 株主等又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合又は同条第三項第一号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第二号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為又は同条第三項第一号の株式交換若しくは株式移転若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。)であって、当該完全親会社の株式交換若しくは株式移転又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。) 適格旧株主 二 最終完全親会社等 当該最終完全親会社等の株主 3 株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。 5 株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 6 株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 7 株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 8 第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、これらの規定中「のほか」とあるのは、「に代えて」とする。 9 公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、第五項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは「株主に通知し」と、第六項及び第七項中「公告又は通知」とあるのは「通知」とする。 10 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。 一 株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合 適格旧株主 二 最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合 当該最終完全親会社等の株主 11 前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、同項中「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、「当該各号に定める者に通知し」とする。 (和解) 第八百四十九条の二 株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 第八百五十条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (株主でなくなった者の訴訟追行) 第八百五十一条 責任追及等の訴えを提起した株主又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。 一 その者が当該株式会社の株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。 二 その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。 2 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(この項又は次項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「当該完全親会社」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 (費用等の請求) 第八百五十二条 責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。 (再審の訴え) 第八百五十三条 責任追及等の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 一 株主又は株式会社等 責任追及等の訴え 二 適格旧株主 責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。) 三 最終完全親会社等の株主 特定責任追及の訴え 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三節 株式会社の役員の解任の訴え (株式会社の役員の解任の訴え) 第八百五十四条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該株式会社である株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 2 公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 4 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 (被告) 第八百五十五条 前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百五十六条 株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第四節 特別清算に関する訴え (役員等の責任の免除の取消しの訴えの管轄) 第八百五十七条 第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。 (役員等責任査定決定に対する異議の訴え) 第八百五十八条 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。 3 第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 第五節 持分会社の社員の除名の訴え等 (持分会社の社員の除名の訴え) 第八百五十九条 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。 一 出資の義務を履行しないこと。 二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。 三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。 四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。 五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。 (持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え) 第八百六十条 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。 一 前条各号に掲げる事由があるとき。 二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。 (被告) 第八百六十一条 次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。 一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員 二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員 (訴えの管轄) 第八百六十二条 持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え (清算持分会社の財産処分の取消しの訴え) 第八百六十三条 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。 一 第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の債権者 二 第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者 2 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、同法第四百二十四条の五第一号中「債務者」とあるのは「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、同条第二号並びに同法第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中「債務者」とあるのは「清算持分会社」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十四条 前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方又は転得者を被告とする。 第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え (社債発行会社の弁済等の取消しの訴え) 第八百六十五条 社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 2 前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。 同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 3 第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。 ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。 4 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項及び前項本文の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、「債権者を害すること」とあるのは「その行為が著しく不公正であること」と、同法第四百二十四条の五各号中「債権者を害すること」とあるのは「著しく不公正であること」と、同法第四百二十五条中「債権者」とあるのは「社債権者」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十六条 前条第一項又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方又は転得者を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百六十七条 第八百六十五条第一項又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三章 非訟 第一節 総則 (非訟事件の管轄) 第八百六十八条 この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 一 当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 二 当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付 3 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 5 第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 6 第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第八百六十九条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第八百七十条 裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定 当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者 二 清算人、社債管理者又は社債管理補助者の解任についての裁判 当該清算人、社債管理者又は社債管理補助者 三 第三十三条第七項の規定による裁判 設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人 四 第二百七条第七項又は第二百八十四条第七項の規定による裁判 当該株式会社及び第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者 五 第四百五十五条第二項第二号又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判 当該株主 六 第四百五十六条又は第五百六条の規定による裁判 当該株主 七 第七百三十二条の規定による裁判 利害関係人 八 第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判 社債を発行した会社 九 第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判 社債を発行した会社 十 第八百二十四条第一項の規定による裁判 当該会社 十一 第八百二十七条第一項の規定による裁判 当該外国会社 2 裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判 当該株式会社 二 第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項の規定による株式又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定 価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 三 第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定 売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 四 第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定 当該株式会社 五 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定 特別支配株主 六 第八百四十三条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした会社 (申立書の写しの送付等) 第八百七十条の二 裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。 2 前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。 3 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。 4 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。 ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。 6 裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。 7 裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。 8 前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。 (理由の付記) 第八百七十一条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判 二 第八百七十四条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第八百七十二条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第六百九条第三項又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判 申立人、株主及び株式会社 三 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判 申立人、新株予約権者及び株式会社 四 第八百七十条第一項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) 五 第八百七十条第二項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者 (抗告状の写しの送付等) 第八百七十二条の二 裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 この場合においては、第八百七十条の二第二項及び第三項の規定を準用する。 2 第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。 (原裁判の執行停止) 第八百七十三条 第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第八百七十四条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者若しくは社債管理補助者の特別代理人又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者の選任又は選定の裁判 二 第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第八百七十五条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第八百七十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則 (審問等の必要的併合) 第八百七十七条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問及び裁判は、併合してしなければならない。 (裁判の効力) 第八百七十八条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。 2 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。 第三節 特別清算の手続に関する特則 第一款 通則 (特別清算事件の管轄) 第八百七十九条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 2 前項に規定する株式会社又は親法人及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 3 前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。 4 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 (特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送) 第八百八十条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。 2 通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。 (疎明) 第八百八十一条 第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。 (理由の付記) 第八百八十二条 特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。 ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。 2 特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。 (裁判書の送達) 第八百八十三条 この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条を除く。)の規定を準用する。 (不服申立て) 第八百八十四条 特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 2 前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。 (公告) 第八百八十五条 この節の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 (事件に関する文書の閲覧等) 第八百八十六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 清算株式会社以外の利害関係人 第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分又は特別清算開始の申立てについての裁判 二 清算株式会社 特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判 5 非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。 (支障部分の閲覧等の制限) 第八百八十七条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び清算株式会社に限ることができる。 一 第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等 二 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則 (特別清算開始の申立て) 第八百八十八条 債権者又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。 2 債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。 3 特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 4 前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (他の手続の中止命令) 第八百八十九条 裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 2 前項の中止の命令及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (特別清算開始の命令) 第八百九十条 裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。 2 特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。 4 特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。 5 特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。 6 特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第八百九十一条 裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。 2 裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則 (調査命令) 第八百九十二条 裁判所は、調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。 2 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算人の解任及び報酬等) 第八百九十三条 裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。 2 第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (監督委員の解任及び報酬等) 第八百九十四条 裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。 2 第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (調査委員の解任及び報酬等) 第八百九十五条 前条の規定は、調査委員について準用する。 (事業の譲渡の許可の申立て) 第八百九十六条 清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。 2 裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第八百九十七条 第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 前項の裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算株式会社の財産に関する保全処分等) 第八百九十八条 裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。 一 第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分 二 第五百四十一条第一項又は第二項の規定による処分 三 第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分 四 第五百四十三条の規定による処分 2 前項各号に掲げる裁判及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第八百九十九条 清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。 4 役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (債権者集会の招集の許可の申立てについての裁判) 第九百条 第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (協定の認可又は不認可の決定) 第九百一条 利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。 2 共助対象外国租税の請求権について、協定において減免その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。 3 第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 4 第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 5 前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則 (特別清算終結の申立てについての裁判) 第九百二条 特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 2 特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 3 特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。 4 特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 第四節 外国会社の清算の手続に関する特則 (特別清算の手続に関する規定の準用) 第九百三条 前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第九百四条 裁判所は、第八百二十四条第一項又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (会社の財産に関する保全処分についての特則) 第九百五条 裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社又は外国会社の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社又は外国会社の負担とする。 第九百六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四章 登記 第一節 総則 (通則) 第九百七条 この法律の規定により登記すべき事項(第九百三十八条第三項の保全処分の登記に係る事項を除く。)は、当事者の申請又は裁判所書記官の嘱託により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。 (登記の効力) 第九百八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (変更の登記及び消滅の登記) 第九百九条 この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。 (登記の期間) 第九百十条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二節 会社の登記 (株式会社の設立の登記) 第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日) 二 発起人が定めた日 2 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 創立総会の終結の日 二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 発行可能株式総数 七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容) 八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数 九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数 十 株券発行会社であるときは、その旨 十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項 イ 新株予約権の数 ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号まで(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)に掲げる事項 ハ 第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め ニ ロ及びハに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件 ホ 第二百三十六条第一項第七号及び第二百三十八条第一項第二号に掲げる事項 ヘ 第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法) 十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 十三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名 十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。) 十五 取締役会設置会社であるときは、その旨 十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所 十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨 ロ 監査役の氏名 十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨 十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項 イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨 ロ 特別取締役の氏名 ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 二十二 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名 ロ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ハ 第三百九十九条の十三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨 二十三 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名 ハ 代表執行役の氏名及び住所 二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 二十五 第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 二十六 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 二十七 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 二十八 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 二十九 第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合名会社の設立の登記) 第九百十二条 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。) 七 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合資会社の設立の登記) 第九百十三条 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別 七 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額 八 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。) 九 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 十 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十二 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合同会社の設立の登記) 第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称 七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所 八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 九 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十一 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (変更の登記) 第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 一 新株予約権の行使 二 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。) (他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記) 第九百十六条 会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 株式会社 第九百十一条第三項各号に掲げる事項 二 合名会社 第九百十二条各号に掲げる事項 三 合資会社 第九百十三条各号に掲げる事項 四 合同会社 第九百十四条各号に掲げる事項 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第九百十七条 次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 一 株式会社 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役 二 合名会社 社員 三 合資会社 社員 四 合同会社 業務を執行する社員 (支配人の登記) 第九百十八条 会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 (持分会社の種類の変更の登記) 第九百十九条 持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。 (組織変更の登記) 第九百二十条 会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第九百二十一条 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。 (新設合併の登記) 第九百二十二条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ヘ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第二項の総株主の同意を得た日 ロ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ハ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ニ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (吸収分割の登記) 第九百二十三条 会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。 (新設分割の登記) 第九百二十四条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ヘ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ホ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (株式移転の登記) 第九百二十五条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。 一 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 二 株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 三 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 四 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 五 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 六 株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日) (解散の登記) 第九百二十六条 第四百七十一条第一号から第三号まで又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。 (継続の登記) 第九百二十七条 第四百七十三条、第六百四十二条第一項又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人の登記) 第九百二十八条 第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨 2 第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名又は名称及び住所 二 清算持分会社を代表する清算人の氏名又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。) 三 清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名及び住所 3 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 4 第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第九百二十九条 清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 一 清算株式会社 第五百七条第三項の承認の日 二 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日) 三 清算持分会社(合同会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日 第九百三十条から第九百三十二条まで 削除 第三節 外国会社の登記 (外国会社の登記) 第九百三十三条 外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。 一 日本に営業所を設けていない場合 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下この節において同じ。)の住所地 二 日本に営業所を設けた場合 当該営業所の所在地 2 外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 外国会社の設立の準拠法 二 日本における代表者の氏名及び住所 三 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法 四 前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 五 第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め 六 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め 七 第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 3 外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。 4 第九百十五条及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。 この場合において、これらの規定中「二週間」とあるのは「三週間」と、「本店の所在地」とあるのは「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と読み替えるものとする。 5 前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。 (日本における代表者の選任の登記等) 第九百三十四条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。 (日本における代表者の住所の移転の登記等) 第九百三十五条 日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。 (日本における営業所の設置の登記等) 第九百三十六条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。 第四節 登記の嘱託 (裁判による登記の嘱託) 第九百三十七条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 会社の設立の無効の訴え ロ 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え ハ 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この節において同じ。)の発行の無効の訴え ニ 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え ホ 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え ヘ 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え ト 株主総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 株主総会等の決議の取消しの訴え チ 持分会社の設立の取消しの訴え リ 会社の解散の訴え ヌ 株式会社の役員の解任の訴え ル 持分会社の社員の除名の訴え ヲ 持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判(次条第二項第一号に規定する裁判を除く。) ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判(次条第二項第二号に規定する裁判を除く。) ニ 清算人又は代表清算人若しくは清算持分会社を代表する清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判(次条第二項第三号に規定する裁判を除く。) ホ 清算人の解任の裁判(次条第二項第四号に規定する裁判を除く。) 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第八百二十四条第一項の規定による会社の解散を命ずる裁判 2 第八百二十七条第一項の規定による外国会社の日本における取引の継続の禁止又は営業所の閉鎖を命ずる裁判が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、次の各号に掲げる外国会社の区分に応じ、当該各号に定める地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 日本に営業所を設けていない外国会社 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地 二 日本に営業所を設けている外国会社 当該営業所の所在地 3 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社についての解散の登記及び組織変更をする会社についての回復の登記 二 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社についての変更の登記及び吸収合併により消滅する会社についての回復の登記 三 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社についての解散の登記及び新設合併により消滅する会社についての回復の登記 四 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記 五 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社についての変更の登記及び新設分割により設立する会社についての解散の登記 六 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換をする株式会社(第七百六十八条第一項第四号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)及び株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社についての変更の登記 七 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社(第七百七十三条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)についての変更の登記及び株式移転により設立する株式会社についての解散の登記 八 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社についての変更の登記 (特別清算に関する裁判による登記の嘱託) 第九百三十八条 次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始の命令があったとき 特別清算開始の登記 二 特別清算開始の命令を取り消す決定が確定したとき 特別清算開始の取消しの登記 三 特別清算終結の決定が確定したとき 特別清算終結の登記 2 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始後における第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判があったとき。 二 前号の裁判を取り消す裁判があったとき。 三 特別清算開始後における清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判があったとき。 四 特別清算開始後における清算人の解任の裁判があったとき。 五 前号の裁判を取り消す裁判が確定したとき。 3 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 清算株式会社の財産に属する権利で登記されたものに関し第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 4 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 5 前二項の規定は、登録のある権利について準用する。 6 前各項の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五章 公告 第一節 総則 (会社の公告方法) 第九百三十九条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告 2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 3 会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。 (電子公告の公告期間等) 第九百四十条 株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告 当該特定の日 二 第四百四十条第一項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 前三号に掲げる公告以外の公告 当該公告の開始後一箇月を経過する日 2 外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下この章において「公告期間」という。)中公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。 一 公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は会社に正当な事由があること。 二 公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。 三 会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。 第二節 電子公告調査機関 (電子公告調査) 第九百四十一条 この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。 (登録) 第九百四十二条 前条の登録(以下この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。 2 登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (欠格事由) 第九百四十三条 次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 この節の規定若しくは農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項及び第三十四条の二十三第四項、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の二十八第六項(同法第四十三条第三項並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項、第八十条第一項及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第四十五条の二第六項、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第四十条の二第六項、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十三条の二十の二第六項、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項(同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)第十五条第六項(同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条の二及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百九十四条第四項、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二十条第四項、第六十一条第七項、第六十二条の二十五第七項及び第六十三条の二十第七項並びに労働者協同組合法(令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 二 第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三 法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの (登録基準) 第九百四十四条 法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。 この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。 一 電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。 イ 当該電子計算機及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。 ロ 当該電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。 ハ 当該電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。 二 電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。 2 登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。 一 登録年月日及び登録番号 二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 三 登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地 (登録の更新) 第九百四十五条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。 (調査の義務等) 第九百四十六条 調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。 2 調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。 3 調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下この節において「調査委託者」という。)の商号その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。 4 調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。 (電子公告調査を行うことができない場合) 第九百四十七条 調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告又はその者若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。 一 当該調査機関 二 当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。) 三 理事等又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人 四 理事等又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。)又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人 (事業所の変更の届出) 第九百四十八条 調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。 (業務規程) 第九百四十九条 調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。 (業務の休廃止) 第九百五十条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。 (財務諸表等の備置き及び閲覧等) 第九百五十一条 調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (適合命令) 第九百五十二条 法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第九百五十三条 法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと又は電子公告調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (登録の取消し等) 第九百五十四条 法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第九百四十三条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 二 第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで、第九百五十一条第一項又は次条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号又は次条第二項各号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。 四 第九百五十二条又は前条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。 五 不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。 (調査記録簿等の記載等) 第九百五十五条 調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求 二 調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (調査記録簿等の引継ぎ) 第九百五十六条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。 2 前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。 (法務大臣による電子公告調査の業務の実施) 第九百五十七条 法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災その他の事由によって電子公告調査の業務の全部又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。 2 法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、法務省令で定める。 3 第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (報告及び検査) 第九百五十八条 法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (公示) 第九百五十九条 法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一 登録をしたとき。 二 第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。 三 第九百四十八条又は第九百五十条の届出があったとき。 四 第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 五 第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。 第八編 罰則 (取締役等の特別背任罪) 第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時監査役 三 取締役、会計参与、監査役又は執行役 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者 六 支配人 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算株式会社の清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者 三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 四 清算人代理 五 監督委員 六 調査委員 (代表社債権者等の特別背任罪) 第九百六十一条 代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (未遂罪) 第九百六十二条 前二条の罪の未遂は、罰する。 (会社財産を危うくする罪) 第九百六十三条 第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 第九百六十条第一項第三号から第五号までに掲げる者が、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会若しくは種類株主総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときも、前項と同様とする。 3 検査役が、第二十八条各号、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときも、第一項と同様とする。 4 第九十四条第一項の規定により選任された者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときも、第一項と同様とする。 5 第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。 一 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得したとき。 二 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。 三 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第九百六十四条 次に掲げる者が、株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集をするに当たり、会社の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者 二 持分会社の業務を執行する社員 三 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者 四 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集の委託を受けた者 2 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。 (預合いの罪) 第九百六十五条 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者が、株式の発行に係る払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 預合いに応じた者も、同様とする。 (株式の超過発行の罪) 第九百六十六条 次に掲げる者が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時執行役 三 取締役、執行役又は清算株式会社の清算人 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)又は第四百三条第三項において準用する第四百一条第三項の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を行うべき者 (取締役等の贈収賄罪) 第九百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第九百六十条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 第九百六十一条に規定する者 三 会計監査人又は第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 (株主等の権利の行使に関する贈収賄罪) 第九百六十八条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会における発言又は議決権の行使 二 第二百十条若しくは第二百四十七条、第二百九十七条第一項若しくは第四項、第三百三条第一項若しくは第二項、第三百四条、第三百五条第一項若しくは第三百六条第一項若しくは第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百五十八条第一項、第三百六十条第一項若しくは第二項(これらの規定を第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)、第四百二十二条第一項若しくは第二項、第四百二十六条第七項、第四百三十三条第一項若しくは第四百七十九条第二項に規定する株主の権利の行使、第五百十一条第一項若しくは第五百二十二条第一項に規定する株主若しくは債権者の権利の行使又は第五百四十七条第一項若しくは第三項に規定する債権者の権利の行使 三 社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者の権利の行使 四 第八百二十八条第一項、第八百二十九条から第八百三十一条まで、第八百三十三条第一項、第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項、第八百四十七条の三第七項若しくは第九項、第八百五十三条、第八百五十四条又は第八百五十八条に規定する訴えの提起(株主等(第八百四十七条の四第二項に規定する株主等をいう。次号において同じ。)、株式会社の債権者又は新株予約権若しくは新株予約権付社債を有する者がするものに限る。) 五 第八百四十九条第一項の規定による株主等の訴訟参加 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。 (没収及び追徴) 第九百六十九条 第九百六十七条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (株主等の権利の行使に関する利益供与の罪) 第九百七十条 第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。第三項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。 3 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において第一項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。 4 前二項の罪を犯した者が、その実行について第一項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 5 前三項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。 6 第一項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。 (国外犯) 第九百七十一条 第九百六十条から第九百六十三条まで、第九百六十五条、第九百六十六条、第九百六十七条第一項、第九百六十八条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 第九百六十七条第二項、第九百六十八条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第九百七十二条 第九百六十条、第九百六十一条、第九百六十三条から第九百六十六条まで、第九百六十七条第一項又は第九百七十条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第九百六十二条の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (業務停止命令違反の罪) 第九百七十三条 第九百五十四条の規定による電子公告調査(第九百四十二条第一項に規定する電子公告調査をいう。以下同じ。)の業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (虚偽届出等の罪) 第九百七十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第九百五十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 二 第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項若しくは第九百五十六条第二項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者 三 第九百五十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 (両罰規定) 第九百七十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁、株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、株主名簿、株券喪失登録簿、新株予約権原簿、社債原簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第四百三十五条第二項若しくは第四百九十四条第一項の附属明細書、会計参与報告、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第百二十二条第一項、第百四十九条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第一項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第一項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第一項、第二百五十条第一項、第二百七十条第一項、第六百八十二条第一項、第六百九十五条第一項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第一項、第七百九十四条第一項、第八百一条第一項若しくは第二項、第八百三条第一項、第八百十一条第一項、第八百十五条第一項若しくは第二項、第八百十六条の二第一項若しくは第八百十六条の十第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第三十一条第一項の規定、第七十四条第六項、第七十五条第三項、第七十六条第四項、第八十一条第二項若しくは第八十二条第二項(これらの規定を第八十六条において準用する場合を含む。)、第百二十五条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第二項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第二項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第二項、第二百三十一条第一項若しくは第二百五十二条第一項、第三百十条第六項、第三百十一条第三項、第三百十二条第四項、第三百十八条第二項若しくは第三項若しくは第三百十九条第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百七十一条第一項(第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)、第三百七十八条第一項、第三百九十四条第一項、第三百九十九条の十一第一項、第四百十三条第一項、第四百四十二条第一項若しくは第二項、第四百九十六条第一項、第六百八十四条第一項、第七百三十一条第二項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第二項、第七百九十四条第一項、第八百一条第三項、第八百三条第一項、第八百十一条第二項、第八百十五条第三項、第八百十六条の二第一項又は第八百十六条の十第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 正当な理由がないのに、株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会において、株主又は設立時株主の求めた事項について説明をしなかったとき。 十 第百三十五条第一項の規定に違反して株式を取得したとき、又は同条第三項の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。 十一 第百七十八条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の消却をしたとき。 十二 第百九十七条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の競売又は売却をしたとき。 十三 株式、新株予約権又は社債の発行の日前に株券、新株予約権証券又は社債券を発行したとき。 十四 第二百十五条第一項、第二百八十八条第一項又は第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく、株券、新株予約権証券又は社債券を発行しなかったとき。 十五 株券、新株予約権証券又は社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 十六 第二百二十五条第四項、第二百二十六条第二項、第二百二十七条又は第二百二十九条第二項の規定に違反して、株券喪失登録を抹消しなかったとき。 十七 第二百三十条第一項の規定に違反して、株主名簿に記載し、又は記録したとき。 十八 第二百九十六条第一項の規定又は第三百七条第一項第一号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)若しくは第三百五十九条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、株主総会を招集しなかったとき。 十八の二 第三百三条第一項又は第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会又は種類株主総会の目的としなかったとき。 十九 第三百二十五条の三第一項(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十九の二 第三百二十七条の二の規定に違反して、社外取締役を選任しなかったとき。 十九の三 第三百三十一条第六項の規定に違反して、社外取締役を監査等委員である取締役の過半数に選任しなかったとき。 二十 第三百三十五条第三項の規定に違反して、社外監査役を監査役の半数以上に選任しなかったとき。 二十一 第三百四十三条第二項(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第三百四十四条の二第二項(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会若しくは種類株主総会の目的とせず、又はその請求に係る議案を株主総会若しくは種類株主総会に提出しなかったとき。 二十二 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 二十三 第三百六十五条第二項(第四百十九条第二項及び第四百八十九条第八項において準用する場合を含む。)又は第四百三十条の二第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、取締役会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 二十四 第三百九十条第三項の規定に違反して、常勤の監査役を選定しなかったとき。 二十五 第四百四十五条第三項若しくは第四項の規定に違反して資本準備金若しくは準備金を計上せず、又は第四百四十八条の規定に違反して準備金の額の減少をしたとき。 二十六 第四百四十九条第二項若しくは第五項、第六百二十七条第二項若しくは第五項、第六百三十五条第二項若しくは第五項、第六百七十条第二項若しくは第五項、第七百七十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十六条の八第二項若しくは第五項又は第八百二十条第一項若しくは第二項の規定に違反して、資本金若しくは準備金の額の減少、持分の払戻し、持分会社の財産の処分、組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付又は外国会社の日本における代表者の全員の退任をしたとき。 二十七 第四百八十四条第一項若しくは第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠ったとき、又は第五百十一条第二項の規定に違反して特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。 二十八 清算の結了を遅延させる目的で、第四百九十九条第一項、第六百六十条第一項又は第六百七十条第二項の期間を不当に定めたとき。 二十九 第五百条第一項、第五百三十七条第一項又は第六百六十一条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 三十 第五百二条又は第六百六十四条の規定に違反して、清算株式会社又は清算持分会社の財産を分配したとき。 三十一 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の規定に違反したとき。 三十二 第五百四十条第一項若しくは第二項又は第五百四十二条第一項若しくは第二項の規定による保全処分に違反したとき。 三十三 第七百二条の規定に違反して社債を発行し、又は第七百十四条第一項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者を定めなかったとき。 三十四 第八百二十七条第一項の規定による裁判所の命令に違反したとき。 三十五 第九百四十一条の規定に違反して、電子公告調査を求めなかったとき。 第九百七十七条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 第九百五十一条第一項の規定に違反して、財務諸表等(同項に規定する財務諸表等をいう。以下同じ。)を備え置かず、又は財務諸表等に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者 三 正当な理由がないのに、第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第九百七十八条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第六条第三項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者 二 第七条の規定に違反して、会社であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第八条第一項の規定に違反して、他の会社(外国会社を含む。)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者 第九百七十九条 会社の成立前に当該会社の名義を使用して事業をした者は、会社の設立の登録免許税の額に相当する過料に処する。 2 第八百十八条第一項又は第八百二十一条第一項の規定に違反して取引をした者も、前項と同様とする。
民事
Heisei
Act
417AC0000000086_20241121_506AC0000000032.xml
平成十七年法律第八十六号
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会社法 第一編 総則 第一章 通則 (趣旨) 第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。 二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。 三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 子会社 ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの 四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 親会社 ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの 五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。 六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。 イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。 七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。 八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。 九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。 十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。 十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。 十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。 十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。 十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。 十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。 十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。 二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。 二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。 二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。 二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。 二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。 二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。 イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社 二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。 二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。 二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。 三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。 三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。 三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。 三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。 (法人格) 第三条 会社は、法人とする。 (住所) 第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。 (商行為) 第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。 第二章 会社の商号 (商号) 第六条 会社は、その名称を商号とする。 2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。 3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 第九条 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三章 会社の使用人等 第一節 会社の使用人 (支配人) 第十条 会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。 (支配人の代理権) 第十一条 支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (支配人の競業の禁止) 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自ら営業を行うこと。 二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。 四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (表見支配人) 第十三条 会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第十四条 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。 2 前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第十五条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 第二節 会社の代理商 (通知義務) 第十六条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。 (代理商の競業の禁止) 第十七条 代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (通知を受ける権限) 第十八条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。 (契約の解除) 第十九条 会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。 (代理商の留置権) 第二十条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。 第四章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等 (譲渡会社の競業の禁止) 第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。 2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。 (譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等) 第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。 事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。 3 譲受会社が第一項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。 (譲受会社による債務の引受け) 第二十三条 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。 2 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 (詐害事業譲渡に係る譲受会社に対する債務の履行の請求) 第二十三条の二 譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って事業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、その譲受会社が事業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 譲受会社が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 事業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。 3 譲渡会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受会社に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。 (商人との間での事業の譲渡又は譲受け) 第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する譲渡人とみなして、同法第十七条から第十八条の二までの規定を適用する。 この場合において、同条第三項中「又は再生手続開始の決定」とあるのは、「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とする。 2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前三条の規定を適用する。 この場合において、前条第三項中「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とあるのは、「又は再生手続開始の決定」とする。 第二編 株式会社 第一章 設立 第一節 総則 第二十五条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法 2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。 第二節 定款の作成 (定款の作成) 第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額 五 発起人の氏名又は名称及び住所 第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。) 二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称 三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称 四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。) 第二十九条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第三十一条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 4 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第一項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。 第三節 出資 (設立時発行株式に関する事項の決定) 第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数 二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額 三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。 (定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 9 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。 10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第一号及び第二号に掲げる事項 二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項 三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。) 11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 発起人 二 第二十八条第二号の財産の譲渡人 三 設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。) 四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの (出資の履行) 第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (設立時発行株式の株主となる権利の譲渡) 第三十五条 前条第一項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (設立時発行株式の株主となる権利の喪失) 第三十六条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。 3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。 (発行可能株式総数の定め等) 第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。 3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。 ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 第四節 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 3 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。 一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。) 二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。) 三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。) 4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。 第三十九条 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。 4 第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。 5 第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。 (設立時役員等の選任の方法の特則) 第四十一条 前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)の選任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時役員等の解任) 第四十二条 発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第四項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第四十三条 設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査等委員である設立時取締役又は設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。 (設立時取締役等の解任の方法の特則) 第四十四条 前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く。次項及び第四項において同じ。)の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。第四項において同じ。)を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 3 前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 4 前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 5 前各項の規定は、第四十一条第一項の規定により選任された設立時監査等委員である設立時取締役及び同条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。 この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。 (設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則) 第四十五条 株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。 一 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任 二 監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役の全部又は一部の選任又は解任 これらの取締役となる設立時取締役の選任又は解任 三 会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任 四 監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任 五 会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 第五節 設立時取締役等による調査 第四十六条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 出資の履行が完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。 3 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。 第六節 設立時代表取締役等の選定等 (設立時代表取締役の選定等) 第四十七条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 (設立時委員の選定等) 第四十八条 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。 一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。 イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者 ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者 ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者 二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。 三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。 ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。 3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 第七節 株式会社の成立 (株式会社の成立) 第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (株式の引受人の権利) 第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第五十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。 2 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 第八節 発起人等の責任等 (出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 第五十二条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。 一 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 (出資の履行を仮装した場合の責任等) 第五十二条の二 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払 二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 4 発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。 5 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (発起人等の損害賠償責任) 第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (発起人等の連帯責任) 第五十四条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第五十五条 第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (株式会社不成立の場合の責任) 第五十六条 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。 第九節 募集による設立 第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集 (設立時発行株式を引き受ける者の募集) 第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。 2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (設立時募集株式に関する事項の決定) 第五十八条 発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。) 二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。) 三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間 四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日 2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。 (設立時募集株式の申込み) 第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名 二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項 三 発起人が出資した財産の価額 四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。 3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする設立時募集株式の数 4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (設立時募集株式の割当て) 第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。 2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。 (設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第六十一条 前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (設立時募集株式の引受け) 第六十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。 一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数 二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数 (設立時募集株式の払込金額の払込み) 第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。 2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。 (払込金の保管証明) 第六十四条 第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。 2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。 第二款 創立総会等 (創立総会の招集) 第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。 2 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。 (創立総会の権限) 第六十六条 創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。 (創立総会の招集の決定) 第六十七条 発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 創立総会の日時及び場所 二 創立総会の目的である事項 三 創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 (創立総会の招集の通知) 第六十八条 創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合 3 発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 7 前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (招集手続の省略) 第六十九条 前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七十条 発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 第七十一条 発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 3 発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の数) 第七十二条 設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。 3 前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。 (創立総会の決議) 第七十三条 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 3 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。 4 創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第七十四条 設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。 3 第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。 7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (書面による議決権の行使) 第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。 2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (議決権の不統一行使) 第七十七条 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (発起人の説明義務) 第七十八条 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第七十九条 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (延期又は続行の決議) 第八十条 創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。 (議事録) 第八十一条 創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。 3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会の決議の省略) 第八十二条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。 2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会への報告の省略) 第八十三条 発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第八十四条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類創立総会の招集及び決議) 第八十五条 前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。 2 種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 3 前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (創立総会に関する規定の準用) 第八十六条 第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。 この場合において、第六十七条第一項第三号及び第四号並びに第二項、第六十八条第一項及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第三項及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項及び第三項、第七十七条、第七十八条本文並びに第八十二条第一項中「設立時株主」とあるのは、「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と読み替えるものとする。 第三款 設立に関する事項の報告 第八十七条 発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。 2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容 二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容 第四款 設立時取締役等の選任及び解任 (設立時取締役等の選任) 第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 (累積投票による設立時取締役の選任) 第八十九条 創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、設立時株主(設立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (種類創立総会の決議による設立時取締役等の選任) 第九十条 第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。 2 前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時取締役等の解任) 第九十一条 第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 第九十二条 第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「取締役を」とあるのは「監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役を」と、「設立時取締役」とあるのは「設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役」とする。 4 第一項及び第二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役について準用する。 第五款 設立時取締役等による調査 (設立時取締役等による調査) 第九十三条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 発起人による出資の履行及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 3 設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 (設立時取締役等が発起人である場合の特則) 第九十四条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)の全部又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。 2 前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 第六款 定款の変更 (発起人による定款の変更の禁止) 第九十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。 (創立総会における定款の変更) 第九十六条 第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。 (設立時発行株式の引受けの取消し) 第九十七条 創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 (創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 (定款の変更の手続の特則) 第九十九条 設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。 一 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。 二 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。 第百条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主 2 前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 第百一条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式の種類の追加 二 株式の内容の変更 三 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加 2 前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。 第七款 設立手続等の特則等 (設立手続等の特則) 第百二条 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。 2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。 3 設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。 4 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 5 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。 6 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 (払込みを仮装した設立時募集株式の引受人の責任) 第百二条の二 設立時募集株式の引受人は、前条第三項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。 2 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (発起人の責任等) 第百三条 第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号に」とする。 2 第百二条第三項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第一項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 4 第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前三項の規定を適用する。 第二章 株式 第一節 総則 (株主の責任) 第百四条 株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 (株主の権利) 第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (共有者による権利の行使) 第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (株式の内容についての特別の定め) 第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に掲げる事項 イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨 ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨 ロ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ヘ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項 ト イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 (異なる種類の株式) 第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。 ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。 一 剰余金の配当 二 残余財産の分配 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。 2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。 一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容 二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項 イ 株主総会において議決権を行使することができる事項 ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項 イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法 ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項 ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項 イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数 ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。 この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。 (株主の平等) 第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。 (定款の変更の手続の特則) 第百十条 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、株主全員の同意を得なければならない。 第百十一条 種類株式発行会社がある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該種類の株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 2 種類株式発行会社がある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合には、当該定款の変更は、次に掲げる種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の株式の種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の種類株主 (取締役の選任等に関する種類株式の定款の定めの廃止の特則) 第百十二条 第百八条第二項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは、廃止されたものとみなす。 2 前項の規定は、第百八条第二項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定款の定めについて準用する。 (発行可能株式総数) 第百十三条 株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。 2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。 3 次に掲げる場合には、当該定款の変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 一 公開会社が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合 二 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合 4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 (発行可能種類株式総数) 第百十四条 定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数を下ることができない。 2 ある種類の株式についての次に掲げる数の合計数は、当該種類の株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 一 取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 二 取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)が第百七十条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 三 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数 (議決権制限株式の発行数) 第百十五条 種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第百十六条 次の各号に掲げる場合には、反対株主は、株式会社に対し、自己の有する当該各号に定める株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 全部の株式 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 第百十一条第二項各号に規定する株式 三 次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式(第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがあるものに限る。)を有する種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 当該種類の株式 イ 株式の併合又は株式の分割 ロ 第百八十五条に規定する株式無償割当て ハ 単元株式数についての定款の変更 ニ 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ホ 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ヘ 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 前項各号の行為をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該行為に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 第一項各号の行為をしようとする株式会社は、当該行為が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「効力発生日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める株式の株主に対し、当該行為をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式会社が第一項各号の行為を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百十七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めがある株式会社をいう。以下同じ。)は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第百十八条 次の各号に掲げる定款の変更をする場合には、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 全部の新株予約権 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 当該種類の株式を目的とする新株予約権 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この節において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項各号に掲げる定款の変更をしようとする株式会社は、当該定款の変更が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「定款変更日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、当該定款の変更を行う旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、定款変更日の二十日前の日から定款変更日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券(第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券をいう。以下この項及び次条第八項において同じ。)が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 株式会社が第一項各号に掲げる定款の変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第百十九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、定款変更日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、定款変更日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、定款変更日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、定款変更日に、その効力を生ずる。 7 株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、その新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (株主等の権利の行使に関する利益の供与) 第百二十条 株式会社は、何人に対しても、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。)の株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。 2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。 株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。 3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。 この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。 4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。以下この項において同じ。)として法務省令で定める者は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。 ただし、その者(当該利益の供与をした取締役を除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第二節 株主名簿 (株主名簿) 第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 株主の氏名又は名称及び住所 二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 三 第一号の株主が株式を取得した日 四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号 (株主名簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百二十二条 前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (株主名簿管理人) 第百二十三条 株式会社は、株主名簿管理人(株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百二十四条 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 3 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。 ただし、定款に当該基準日及び当該事項について定めがあるときは、この限りでない。 4 基準日株主が行使することができる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、当該基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を当該権利を行使することができる者と定めることができる。 ただし、当該株式の基準日株主の権利を害することができない。 5 第一項から第三項までの規定は、第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者について準用する。 (株主名簿の備置き及び閲覧等) 第百二十五条 株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の株主名簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (株主に対する通知等) 第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 第三節 株式の譲渡等 第一款 株式の譲渡 (株式の譲渡) 第百二十七条 株主は、その有する株式を譲渡することができる。 (株券発行会社の株式の譲渡) 第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。 2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。 (自己株式の処分に関する特則) 第百二十九条 株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。 (株式の譲渡の対抗要件) 第百三十条 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 (権利の推定等) 第百三十一条 株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。 2 株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十二条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 株式を発行した場合 二 当該株式会社の株式を取得した場合 三 自己株式を処分した場合 2 株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 (株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十三条 株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 第百三十四条 前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。 二 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。 三 当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。 四 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。 (親会社株式の取得の禁止) 第百三十五条 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合 二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合 三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合 3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。 第二款 株式の譲渡に係る承認手続 (株主からの承認の請求) 第百三十六条 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (株式取得者からの承認の請求) 第百三十七条 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第百三十八条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称 ハ 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの株式取得者の氏名又は名称 ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 (譲渡等の承認の決定等) 第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社又は指定買取人による買取り) 第百四十条 株式会社は、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 対象株式を買い取る旨 二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。 5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式会社による買取りの通知) 第百四十一条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を決定したときは、譲渡等承認請求者に対し、これらの事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額(一株当たりの純資産額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下同じ。)に前条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をその本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、前条第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、当該株券発行会社に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、株券発行会社は、前条第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (指定買取人による買取りの通知) 第百四十二条 指定買取人は、第百四十条第四項の規定による指定を受けたときは、譲渡等承認請求者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 指定買取人として指定を受けた旨 二 指定買取人が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 指定買取人は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額に同項第二号の対象株式の数を乗じて得た額を株式会社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、指定買取人に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、指定買取人は、第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (譲渡等承認請求の撤回) 第百四十三条 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 2 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百四十四条 第百四十一条第一項の規定による通知があった場合には、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格は、株式会社と譲渡等承認請求者との協議によって定める。 2 株式会社又は譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に第百四十条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をもって当該対象株式の売買価格とする。 6 第百四十一条第二項の規定による供託をした場合において、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格が確定したときは、株式会社は、供託した金銭に相当する額を限度として、売買代金の全部又は一部を支払ったものとみなす。 7 前各項の規定は、第百四十二条第一項の規定による通知があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第二項中「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第四項及び第五項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、前項中「第百四十一条第二項」とあるのは「第百四十二条第二項」と、「第百四十条第一項第二号」とあるのは「同条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と読み替えるものとする。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第百四十五条 次に掲げる場合には、株式会社は、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 一 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の規定による請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百三十九条第二項の規定による通知をしなかった場合 二 株式会社が第百三十九条第二項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十一条第一項の規定による通知をしなかった場合(指定買取人が第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十二条第一項の規定による通知をした場合を除く。) 三 前二号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第三款 株式の質入れ (株式の質入れ) 第百四十六条 株主は、その有する株式に質権を設定することができる。 2 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 (株式の質入れの対抗要件) 第百四十七条 株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができない。 3 民法第三百六十四条の規定は、株式については、適用しない。 (株主名簿の記載等) 第百四十八条 株式に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である株式 (株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第百四十九条 前条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録株式質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録株式質権者についての株主名簿に記載され、若しくは記録された同条各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (登録株式質権者に対する通知等) 第百五十条 株式会社が登録株式質権者に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該登録株式質権者の住所(当該登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式の質入れの効果) 第百五十一条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、株式を目的とする質権は、当該行為によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)について存在する。 一 第百六十七条第一項の規定による取得請求権付株式の取得 二 第百七十条第一項の規定による取得条項付株式の取得 三 第百七十三条第一項の規定による第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 四 株式の併合 五 株式の分割 六 第百八十五条に規定する株式無償割当て 七 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 八 剰余金の配当 九 残余財産の分配 十 組織変更 十一 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 十二 株式交換 十三 株式移転 十四 株式の取得(第一号から第三号までに掲げる行為を除く。) 2 特別支配株主(第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。第百五十四条第三項において同じ。)が株式売渡請求(第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。)により売渡株式(第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。以下この項において同じ。)の取得をした場合には、売渡株式を目的とする質権は、当該取得によって当該売渡株式の株主が受けることのできる金銭について存在する。 第百五十二条 株式会社(株券発行会社を除く。以下この条において同じ。)は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる行為をした場合(これらの行為に際して当該株式会社が株式を交付する場合に限る。)又は同項第六号に掲げる行為をした場合において、同項の質権の質権者が登録株式質権者(第二百十八条第五項の規定による請求により第百四十八条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録されたものを除く。以下この款において同じ。)であるときは、前条第一項の株主が受けることができる株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 株式会社は、株式の併合をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、併合した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、分割した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 第百五十三条 株券発行会社は、前条第一項に規定する場合には、第百五十一条第一項の株主が受ける株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 2 株券発行会社は、前条第二項に規定する場合には、併合した株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 3 株券発行会社は、前条第三項に規定する場合には、分割した株式について新たに発行する株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 第百五十四条 登録株式質権者は、第百五十一条第一項の金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 第百五十一条第一項第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十四号に掲げる行為 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 四 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 五 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第百五十一条第二項に規定する場合において、第一項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該特別支配株主に同条第二項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第四款 信託財産に属する株式についての対抗要件等 第百五十四条の二 株式については、当該株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、当該株式が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第百二十一条第一号の株主は、その有する株式が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 株主名簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百二十二条第一項及び第百三十二条の規定の適用については、第百二十二条第一項中「記録された株主名簿記載事項」とあるのは「記録された株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」と、第百三十二条中「株主名簿記載事項」とあるのは「株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 第四節 株式会社による自己の株式の取得 第一款 総則 第百五十五条 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた場合 二 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求があった場合 三 次条第一項の決議があった場合 四 第百六十六条第一項の規定による請求があった場合 五 第百七十一条第一項の決議があった場合 六 第百七十六条第一項の規定による請求をした場合 七 第百九十二条第一項の規定による請求があった場合 八 第百九十七条第三項各号に掲げる事項を定めた場合 九 第二百三十四条第四項各号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を定めた場合 十 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合 十一 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十二 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十三 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第二款 株主との合意による取得 第一目 総則 (株式の取得に関する事項の決定) 第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額 三 株式を取得することができる期間 2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。 (取得価格等の決定) 第百五十七条 株式会社は、前条第一項の規定による決定に従い株式を取得しようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数) 二 株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の総額 四 株式の譲渡しの申込みの期日 2 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 3 第一項の株式の取得の条件は、同項の規定による決定ごとに、均等に定めなければならない。 (株主に対する通知等) 第百五十八条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、前条第一項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 公開会社においては、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (譲渡しの申込み) 第百五十九条 前条第一項の規定による通知を受けた株主は、その有する株式の譲渡しの申込みをしようとするときは、株式会社に対し、その申込みに係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにしなければならない。 2 株式会社は、第百五十七条第一項第四号の期日において、前項の株主が申込みをした株式の譲受けを承諾したものとみなす。 ただし、同項の株主が申込みをした株式の総数(以下この項において「申込総数」という。)が同条第一項第一号の数(以下この項において「取得総数」という。)を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に前項の株主が申込みをした株式の数を乗じて得た数(その数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)の株式の譲受けを承諾したものとみなす。 第二目 特定の株主からの取得 (特定の株主からの取得) 第百六十条 株式会社は、第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第百五十八条第一項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。 2 株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。 3 前項の株主は、第一項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。 4 第一項の特定の株主は、第百五十六条第一項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、第一項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 5 第一項の特定の株主を定めた場合における第百五十八条第一項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第百六十条第一項の特定の株主」とする。 (市場価格のある株式の取得の特則) 第百六十一条 前条第二項及び第三項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。 (相続人等からの取得の特則) 第百六十二条 第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 株式会社が公開会社である場合 二 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合 (子会社からの株式の取得) 第百六十三条 株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。 この場合においては、第百五十七条から第百六十条までの規定は、適用しない。 (特定の株主からの取得に関する定款の定め) 第百六十四条 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第百六十条第一項の規定による決定をするときは同条第二項及び第三項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。 2 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 第三目 市場取引等による株式の取得 第百六十五条 第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 2 取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。 第三款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得 第一目 取得請求権付株式の取得の請求 (取得の請求) 第百六十六条 取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。 ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第二号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第一項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。 ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。 (効力の発生) 第百六十七条 株式会社は、前条第一項の規定による請求の日に、その請求に係る取得請求権付株式を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした株主は、その請求の日に、第百七条第二項第二号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第五号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 二 第百七条第二項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 前項第四号に掲げる場合において、同号に規定する他の株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 この場合においては、株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を前条第一項の規定による請求をした株主に対して交付しなければならない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 4 前項の規定は、当該株式会社の社債及び新株予約権について端数がある場合について準用する。 この場合において、同項第二号中「一株当たり純資産額」とあるのは、「法務省令で定める額」と読み替えるものとする。 第二目 取得条項付株式の取得 (取得する日の決定) 第百六十八条 第百七条第二項第三号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第百七条第二項第三号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主)及びその登録株式質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する株式の決定等) 第百六十九条 株式会社は、第百七条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第百七十条 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第五項において同じ。)に、取得条項付株式(同条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項において同じ。)を取得する。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 次の各号に掲げる場合には、取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日に、同号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第六号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第三号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの社債の社債権者 二 第百七条第二項第三号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第三号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第百六十八条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 4 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 前各項の規定は、取得条項付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第三号ニからトまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が同号イの事由が生じた日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、適用しない。 第四款 全部取得条項付種類株式の取得 (全部取得条項付種類株式の取得に関する決定) 第百七十一条 全部取得条項付種類株式(第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定めがある種類の株式をいう。以下この款において同じ。)を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる。 この場合においては、当該株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等を交付するときは、当該金銭等(以下この条において「取得対価」という。)についての次に掲げる事項 イ 当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法 ロ 当該取得対価が当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 二 前号に規定する場合には、全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項 三 株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(以下この款において「取得日」という。) 2 前項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社を除く。)の有する全部取得条項付種類株式の数に応じて取得対価を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 取締役は、第一項の株主総会において、全部取得条項付種類株式の全部を取得することを必要とする理由を説明しなければならない。 (全部取得条項付種類株式の取得対価等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十一条の二 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から取得日後六箇月を経過する日までの間、前条第一項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 前条第一項の株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百七十二条第二項の規定による通知の日又は同条第三項の公告の日のいずれか早い日 2 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (全部取得条項付種類株式の取得をやめることの請求) 第百七十一条の三 第百七十一条第一項の規定による全部取得条項付種類株式の取得が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該全部取得条項付種類株式の取得をやめることを請求することができる。 (裁判所に対する価格の決定の申立て) 第百七十二条 第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。 一 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 2 株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。 (効力の発生) 第百七十三条 株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主(前条第一項の申立てをした株主を除く。)は、取得日に、第百七十一条第一項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第百七十一条第一項第一号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第百七十一条第一項第一号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第百七十一条第一項第一号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 (全部取得条項付種類株式の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十三条の二 株式会社は、取得日後遅滞なく、株式会社が取得した全部取得条項付種類株式の数その他の全部取得条項付種類株式の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、取得日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 全部取得条項付種類株式を取得した株式会社の株主又は取得日に全部取得条項付種類株式の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五款 相続人等に対する売渡しの請求 (相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め) 第百七十四条 株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。 (売渡しの請求の決定) 第百七十五条 株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式を有する者の氏名又は名称 2 前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 (売渡しの請求) 第百七十六条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。 ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百七十七条 前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。 2 株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。 5 第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。 第六款 株式の消却 第百七十八条 株式会社は、自己株式を消却することができる。 この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第四節の二 特別支配株主の株式等売渡請求 (株式等売渡請求) 第百七十九条 株式会社の特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を当該株式会社以外の者及び当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人(以下この条及び次条第一項において「特別支配株主完全子法人」という。)が有している場合における当該者をいう。以下同じ。)は、当該株式会社の株主(当該株式会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 2 特別支配株主は、前項の規定による請求(以下この章及び第八百四十六条の二第二項第一号において「株式売渡請求」という。)をするときは、併せて、その株式売渡請求に係る株式を発行している株式会社(以下「対象会社」という。)の新株予約権の新株予約権者(対象会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する対象会社の新株予約権の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 3 特別支配株主は、新株予約権付社債に付された新株予約権について前項の規定による請求(以下「新株予約権売渡請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式等売渡請求の方法) 第百七十九条の二 株式売渡請求は、次に掲げる事項を定めてしなければならない。 一 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 二 株式売渡請求によりその有する対象会社の株式を売り渡す株主(以下「売渡株主」という。)に対して当該株式(以下この章において「売渡株式」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 三 売渡株主に対する前号の金銭の割当てに関する事項 四 株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求(その新株予約権売渡請求に係る新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前条第三項の規定による請求を含む。以下同じ。)をするときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 特別支配株主完全子法人に対して新株予約権売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 ロ 新株予約権売渡請求によりその有する対象会社の新株予約権を売り渡す新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」という。)に対して当該新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、前条第三項の規定による請求をするときは、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この編において「売渡新株予約権」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 ハ 売渡新株予約権者に対するロの金銭の割当てに関する事項 五 特別支配株主が売渡株式(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式及び売渡新株予約権。以下「売渡株式等」という。)を取得する日(以下この節において「取得日」という。) 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 対象会社が種類株式発行会社である場合には、特別支配株主は、対象会社の発行する種類の株式の内容に応じ、前項第三号に掲げる事項として、同項第二号の金銭の割当てについて売渡株式の種類ごとに異なる取扱いを行う旨及び当該異なる取扱いの内容を定めることができる。 3 第一項第三号に掲げる事項についての定めは、売渡株主の有する売渡株式の数(前項に規定する定めがある場合にあっては、各種類の売渡株式の数)に応じて金銭を交付することを内容とするものでなければならない。 (対象会社の承認) 第百七十九条の三 特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。 2 対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。 3 取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 4 対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (売渡株主等に対する通知等) 第百七十九条の四 対象会社は、前条第一項の承認をしたときは、取得日の二十日前までに、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事項を通知しなければならない。 一 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。) 当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項 二 売渡株式の登録株式質権者(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式の登録株式質権者及び売渡新株予約権の登録新株予約権質権者(第二百七十条第一項に規定する登録新株予約権質権者をいう。)) 当該承認をした旨 2 前項の規定による通知(売渡株主に対してするものを除く。)は、公告をもってこれに代えることができる。 3 対象会社が第一項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、特別支配株主から売渡株主等に対し、株式等売渡請求がされたものとみなす。 4 第一項の規定による通知又は第二項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株式等売渡請求に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の五 対象会社は、前条第一項第一号の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日から取得日後六箇月(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日後一年)を経過する日までの間、次に掲げる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 特別支配株主の氏名又は名称及び住所 二 第百七十九条の二第一項各号に掲げる事項 三 第百七十九条の三第一項の承認をした旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 売渡株主等は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式等売渡請求の撤回) 第百七十九条の六 特別支配株主は、第百七十九条の三第一項の承認を受けた後は、取得日の前日までに対象会社の承諾を得た場合に限り、売渡株式等の全部について株式等売渡請求を撤回することができる。 2 取締役会設置会社が前項の承諾をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 3 対象会社は、第一項の承諾をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 4 対象会社は、第一項の承諾をしたときは、遅滞なく、売渡株主等に対し、当該承諾をした旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 6 対象会社が第四項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、株式等売渡請求は、売渡株式等の全部について撤回されたものとみなす。 7 第四項の規定による通知又は第五項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 8 前各項の規定は、新株予約権売渡請求のみを撤回する場合について準用する。 この場合において、第四項中「売渡株主等」とあるのは、「売渡新株予約権者」と読み替えるものとする。 (売渡株式等の取得をやめることの請求) 第百七十九条の七 次に掲げる場合において、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 株式売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡株主に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第二号又は第三号に掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 2 次に掲げる場合において、売渡新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡新株予約権者は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 新株予約権売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡新株予約権者に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第四号ロ又はハに掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 (売買価格の決定の申立て) 第百七十九条の八 株式等売渡請求があった場合には、売渡株主等は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、その有する売渡株式等の売買価格の決定の申立てをすることができる。 2 特別支配株主は、裁判所の決定した売買価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 3 特別支配株主は、売渡株式等の売買価格の決定があるまでは、売渡株主等に対し、当該特別支配株主が公正な売買価格と認める額を支払うことができる。 (売渡株式等の取得) 第百七十九条の九 株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。 2 前項の規定により特別支配株主が取得した売渡株式等が譲渡制限株式又は譲渡制限新株予約権(第二百四十三条第二項第二号に規定する譲渡制限新株予約権をいう。)であるときは、対象会社は、当該特別支配株主が当該売渡株式等を取得したことについて、第百三十七条第一項又は第二百六十三条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 (売渡株式等の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の十 対象会社は、取得日後遅滞なく、株式等売渡請求により特別支配株主が取得した売渡株式等の数その他の株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 対象会社は、取得日から六箇月間(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日から一年間)、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 取得日に売渡株主等であった者は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五節 株式の併合等 第一款 株式の併合 (株式の併合) 第百八十条 株式会社は、株式の併合をすることができる。 2 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 併合の割合 二 株式の併合がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。) 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類 四 効力発生日における発行可能株式総数 3 前項第四号の発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 4 取締役は、第二項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 (株主に対する通知等) 第百八十一条 株式会社は、効力発生日の二週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、前条第二項第三号の種類の種類株主。以下この款において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生) 第百八十二条 株主は、効力発生日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。 2 株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、第百八十条第二項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の二 株式の併合(単元株式数(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式の単元株式数。以下この項において同じ。)を定款で定めている場合にあっては、当該単元株式数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数に一に満たない端数が生ずるものに限る。以下この款において同じ。)をする株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、同項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 第百八十条第二項の株主総会(株式の併合をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。第百八十二条の四第二項において同じ。)の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百八十二条の四第三項の規定により読み替えて適用する第百八十一条第一項の規定による株主に対する通知の日又は第百八十一条第二項の公告の日のいずれか早い日 2 株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式の併合をやめることの請求) 第百八十二条の三 株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。 (反対株主の株式買取請求) 第百八十二条の四 株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第百八十条第二項の株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 株式会社が株式の併合をする場合における株主に対する通知についての第百八十一条第一項の規定の適用については、同項中「二週間」とあるのは、「二十日」とする。 4 第一項の規定による請求(以下この款において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 5 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 6 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 7 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百八十二条の五 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の六 株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の発行済株式)の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第二款 株式の分割 (株式の分割) 第百八十三条 株式会社は、株式の分割をすることができる。 2 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日 二 株式の分割がその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類 (効力の発生等) 第百八十四条 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第二項第三号の種類の種類株主)は、同項第二号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。 2 株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。 第三款 株式無償割当て (株式無償割当て) 第百八十五条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。 (株式無償割当てに関する事項の決定) 第百八十六条 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式無償割当ての効力の発生等) 第百八十七条 前条第一項第一号の株式の割当てを受けた株主は、同項第二号の日に、同項第一号の株式の株主となる。 2 株式会社は、前条第一項第二号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。 第六節 単元株式数 第一款 総則 (単元株式数) 第百八十八条 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。 2 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。 3 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。 (単元未満株式についての権利の制限等) 第百八十九条 単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。 2 株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。 一 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の交付を受ける権利 二 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利 三 第百八十五条に規定する株式無償割当てを受ける権利 四 第百九十二条第一項の規定により単元未満株式を買い取ることを請求する権利 五 残余財産の分配を受ける権利 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める権利 3 株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。 (理由の開示) 第百九十条 単元株式数を定める場合には、取締役は、当該単元株式数を定める定款の変更を目的とする株主総会において、当該単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければならない。 (定款変更手続の特則) 第百九十一条 株式会社は、次のいずれにも該当する場合には、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数。以下この条において同じ。)を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることができる。 一 株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設けるものであること。 二 イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと。 イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数 ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数) 第二款 単元未満株主の買取請求 (単元未満株式の買取りの請求) 第百九十二条 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 第一項の規定による請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、当該請求を撤回することができる。 (単元未満株式の価格の決定) 第百九十三条 前条第一項の規定による請求があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該請求に係る単元未満株式の価格とする。 一 当該単元未満株式が市場価格のある株式である場合 当該単元未満株式の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社と前条第一項の規定による請求をした単元未満株主との協議によって定める額 2 前項第二号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした単元未満株主又は株式会社は、当該請求をした日から二十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって当該単元未満株式の価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、同項第二号に掲げる場合において、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項第二号の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に前条第一項の規定による請求に係る単元未満株式の数を乗じて得た額をもって当該単元未満株式の価格とする。 6 前条第一項の規定による請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式につき前条第一項の規定による請求があったときは、株券と引換えに、その請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第三款 単元未満株主の売渡請求 第百九十四条 株式会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求(単元未満株主が有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを請求することをいう。以下この条において同じ。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 2 単元未満株式売渡請求は、当該単元未満株主に売り渡す単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合を除き、自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。 4 第百九十二条第三項及び前条第一項から第六項までの規定は、単元未満株式売渡請求について準用する。 第四款 単元株式数の変更等 第百九十五条 株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。 2 前項の規定により定款の変更をした場合には、株式会社は、当該定款の変更の効力が生じた日以後遅滞なく、その株主(種類株式発行会社にあっては、同項の規定により単元株式数を変更した種類の種類株主)に対し、当該定款の変更をした旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第七節 株主に対する通知の省略等 (株主に対する通知の省略) 第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。 3 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。 (株式の競売) 第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。 一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの 二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。 一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者 二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者 (利害関係人の異議) 第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。 5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。 第八節 募集株式の発行等 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。) 二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法 三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項 2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。 2 前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 3 第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。 3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百二条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集株式の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集株式の数 三 第一項第二号の期日 5 第百九十九条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 (取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則) 第二百二条の二 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 募集株式を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 2 前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、同項中「前項各号」とあるのは、「前項各号(第二号及び第四号を除く。)及び第二百二条の二第一項各号」とする。 この場合においては、第二百条及び前条の規定は、適用しない。 3 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 第二款 募集株式の割当て (募集株式の申込み) 第二百三条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集株式の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集株式の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集株式の割当て) 第二百四条 株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 募集株式が譲渡制限株式である場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 株式会社は、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集株式の数を通知しなければならない。 4 第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集株式の割当てを受ける権利を失う。 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第二百五条 前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、第二百三条第二項の申込みをし、又は第一項の契約を締結することができない。 4 前項に規定する場合における前条第三項並びに第二百六条の二第一項、第三項及び第四項の規定の適用については、前条第三項及び第二百六条の二第一項中「第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)」とあり、同条第三項中「同項に規定する期日」とあり、並びに同条第四項中「第一項に規定する期日」とあるのは、「割当日」とする。 5 指名委員会等設置会社における第三項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (募集株式の引受け) 第二百六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集株式の数について募集株式の引受人となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集株式の数 二 前条第一項の契約により募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集株式の数 (公開会社における募集株式の割当て等の特則) 第二百六条の二 公開会社は、募集株式の引受人について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第四項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数 二 当該募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 4 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第二項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集株式の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、第一項に規定する期日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集株式の割当て又は当該特定引受人との間の第二百五条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 5 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 第三款 金銭以外の財産の出資 第二百七条 株式会社は、第百九十九条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。以下この条において同じ。)は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該募集株式の引受人が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 募集株式の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第四款 出資の履行等 (出資の履行) 第二百八条 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者を除く。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、それぞれの募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。 3 募集株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 4 出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は、株式会社に対抗することができない。 5 募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。 (株主となる時期等) 第二百九条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。 一 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日 2 募集株式の引受人は、第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百十三条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した募集株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の募集株式を譲り受けた者は、当該募集株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。 第五款 募集株式の発行等をやめることの請求 第二百十条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。 一 当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合 二 当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合 第六款 募集に係る責任等 (引受けの無効又は取消しの制限) 第二百十一条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第二百五条第一項の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 募集株式の引受人は、第二百九条第一項の規定により株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として募集株式の引受けの取消しをすることができない。 (不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任) 第二百十二条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合 当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額 二 第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第二号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百十三条 前条第一項第二号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該募集株式の引受人の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百七条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百七条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 募集株式の引受人がその給付した現物出資財産についての前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う場合において、次の各号に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (出資の履行を仮装した募集株式の引受人の責任) 第二百十三条の二 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百八条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した払込金額の全額の支払 二 第二百八条第二項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した現物出資財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該現物出資財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (出資の履行を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百十三条の三 前条第一項各号に掲げる場合には、募集株式の引受人が出資の履行を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 募集株式の引受人が前条第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九節 株券 第一款 総則 (株券を発行する旨の定款の定め) 第二百十四条 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。 (株券の発行) 第二百十五条 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない。 2 株券発行会社は、株式の併合をしたときは、第百八十条第二項第二号の日以後遅滞なく、併合した株式に係る株券を発行しなければならない。 3 株券発行会社は、株式の分割をしたときは、第百八十三条第二項第二号の日以後遅滞なく、分割した株式に係る株券(既に発行されているものを除く。)を発行しなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができる。 (株券の記載事項) 第二百十六条 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株券発行会社の商号 二 当該株券に係る株式の数 三 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨 四 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容 (株券不所持の申出) 第二百十七条 株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該株式に係る株券が発行されているときは、当該株主は、当該株券を株券発行会社に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、前項前段の株式に係る株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の株式に係る株券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された株券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした株主は、いつでも、株券発行会社に対し、第二項前段の株式に係る株券を発行することを請求することができる。 この場合において、第二項後段の規定により提出された株券があるときは、株券の発行に要する費用は、当該株主の負担とする。 (株券を発行する旨の定款の定めの廃止) 第二百十八条 株券発行会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、当該定款の変更の効力が生ずる日の二週間前までに、次に掲げる事項を公告し、かつ、株主及び登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨 二 定款の変更がその効力を生ずる日 三 前号の日において当該株式会社の株券は無効となる旨 2 株券発行会社の株式に係る株券は、前項第二号の日に無効となる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合には、同項第二号の日の二週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し、同項第一号及び第二号に掲げる事項を通知すれば足りる。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項に規定する場合には、株式の質権者(登録株式質権者を除く。)は、同項第二号の日の前日までに、株券発行会社に対し、第百四十八条各号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 第二款 株券の提出等 (株券の提出に関する公告等) 第二百十九条 株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(第四号の二に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「株券提出日」という。)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。 一 第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式) 二 株式の併合 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式) 三 第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 当該全部取得条項付種類株式 四 取得条項付株式の取得 当該取得条項付株式 四の二 第百七十九条の三第一項の承認 売渡株式 五 組織変更 全部の株式 六 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の株式 七 株式交換 全部の株式 八 株式移転 全部の株式 2 株券発行会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為(第二号に掲げる行為をする場合にあっては、株式売渡請求に係る売渡株式の取得)によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。 一 前項第一号から第四号までに掲げる行為 当該株券発行会社 二 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 六 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。 4 第一項第四号の二の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株券の提出をすることができない場合) 第二百二十条 前条第一項各号に掲げる行為をした場合において、株券を提出することができない者があるときは、株券発行会社は、その者の請求により、利害関係人に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を公告することができる。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 株券発行会社が前項の規定による公告をした場合において、同項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、前条第二項各号に定める者は、前項の請求をした者に対し、同条第二項の金銭等を交付することができる。 3 第一項の規定による公告の費用は、同項の請求をした者の負担とする。 第三款 株券喪失登録 (株券喪失登録簿) 第二百二十一条 株券発行会社(株式会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした日の翌日から起算して一年を経過していない場合における当該株式会社を含む。以下この款(第二百二十三条、第二百二十七条及び第二百二十八条第二項を除く。)において同じ。)は、株券喪失登録簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この款において「株券喪失登録簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第二百二十三条の規定による請求に係る株券(第二百十八条第二項又は第二百十九条第三項の規定により無効となった株券及び株式の発行又は自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における当該株式に係る株券を含む。以下この款(第二百二十八条を除く。)において同じ。)の番号 二 前号の株券を喪失した者の氏名又は名称及び住所 三 第一号の株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載され、又は記録されている者(以下この款において「名義人」という。)の氏名又は名称及び住所 四 第一号の株券につき前三号に掲げる事項を記載し、又は記録した日(以下この款において「株券喪失登録日」という。) (株券喪失登録簿に関する事務の委託) 第二百二十二条 株券発行会社における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿に」とする。 (株券喪失登録の請求) 第二百二十三条 株券を喪失した者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録すること(以下「株券喪失登録」という。)を請求することができる。 (名義人等に対する通知) 第二百二十四条 株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者(以下この款において「株券喪失登録者」という。)が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第二百二十一条第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。 (株券を所持する者による抹消の申請) 第二百二十五条 株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。 ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。 3 第一項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による通知の日から二週間を経過した日に、第二項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第一項の規定による申請をした者に返還しなければならない。 (株券喪失登録者による抹消の申請) 第二百二十六条 株券喪失登録者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、株券喪失登録(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合にあっては、前条第二項の規定により提出された株券についての株券喪失登録を除く。)の抹消を申請することができる。 2 前項の規定による申請を受けた株券発行会社は、当該申請を受けた日に、当該申請に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消) 第二百二十七条 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合には、株券発行会社は、当該定款の変更の効力が生ずる日に、株券喪失登録(当該株券喪失登録がされた株券に係る株式の名義人が株券喪失登録者であるものに限り、第二百二十五条第二項の規定により提出された株券についてのものを除く。)を抹消しなければならない。 (株券の無効) 第二百二十八条 株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。 2 前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。 (異議催告手続との関係) 第二百二十九条 株券喪失登録者が第二百二十条第一項の請求をした場合には、株券発行会社は、同項の期間の末日が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過する日前に到来するときに限り、同項の規定による公告をすることができる。 2 株券発行会社が第二百二十条第一項の規定による公告をするときは、当該株券発行会社は、当該公告をした日に、当該公告に係る株券についての株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券喪失登録の効力) 第二百三十条 株券発行会社は、次に掲げる日のいずれか早い日(以下この条において「登録抹消日」という。)までの間は、株券喪失登録がされた株券に係る株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することができない。 一 当該株券喪失登録が抹消された日 二 株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日 2 株券発行会社は、登録抹消日後でなければ、株券喪失登録がされた株券を再発行することができない。 3 株券喪失登録者が株券喪失登録をした株券に係る株式の名義人でないときは、当該株式の株主は、登録抹消日までの間は、株主総会又は種類株主総会において議決権を行使することができない。 4 株券喪失登録がされた株券に係る株式については、第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をすることができない。 (株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等) 第二百三十一条 株券発行会社は、株券喪失登録簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (株券喪失登録者に対する通知等) 第二百三十二条 株券発行会社が株券喪失登録者に対してする通知又は催告は、株券喪失登録簿に記載し、又は記録した当該株券喪失登録者の住所(当該株券喪失登録者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を株券発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (適用除外) 第二百三十三条 非訟事件手続法第四編の規定は、株券については、適用しない。 第十節 雑則 (一に満たない端数の処理) 第二百三十四条 次の各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の株式を交付する場合において、その者に対し交付しなければならない当該株式会社の株式の数に一株に満たない端数があるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を当該者に交付しなければならない。 一 第百七十条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 二 第百七十三条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 当該株式会社の株主 四 第二百七十五条第一項の規定による新株予約権の取得 第二百三十六条第一項第七号イの新株予約権の新株予約権者 五 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 合併後消滅する会社の株主又は社員 六 合併契約に基づく設立時発行株式の発行 合併後消滅する会社の株主又は社員 七 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 株式交換をする株式会社の株主 八 株式移転計画に基づく設立時発行株式の発行 株式移転をする株式会社の株主 九 株式交付 株式交付親会社(第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。)に株式交付に際して株式交付子会社(同号に規定する株式交付子会社をいう。)の株式又は新株予約権等(同項第七号に規定する新株予約権等をいう。)を譲り渡した者 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 前項の規定により第一項の株式を売却した場合における同項の規定の適用については、同項中「競売により」とあるのは、「売却により」とする。 4 株式会社は、第二項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 5 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 6 第一項から第四項までの規定は、第一項各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の社債又は新株予約権を交付するときについて準用する。 第二百三十五条 株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。 2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。 第三章 新株予約権 第一節 総則 (新株予約権の内容) 第二百三十六条 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法 三 金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 当該新株予約権を行使することができる期間 五 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項 六 譲渡による当該新株予約権の取得について当該株式会社の承認を要することとするときは、その旨 七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法 ニ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法 ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ヘ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項 チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件 イ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社 ロ 吸収分割 吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する株式会社 ハ 新設分割 新設分割により設立する株式会社 ニ 株式交換 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社 ホ 株式移転 株式移転により設立する株式会社 九 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨 十 当該新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)に係る新株予約権証券を発行することとするときは、その旨 十一 前号に規定する場合において、新株予約権者が第二百九十条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の数は、当該新株予約権付社債についての社債の金額ごとに、均等に定めなければならない。 3 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第一項第二号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨 4 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第四号又は第五号ロに定める事項についての決定」と、同項第一号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第二号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (共有者による権利の行使) 第二百三十七条 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該新株予約権についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該新株予約権についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 新株予約権の発行 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集新株予約権の内容及び数 二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法 四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日 六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項 七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め 2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百三十九条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限 二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。 3 第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百四十一条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数 三 第一項第二号の期日 5 第二百三十八条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 第二款 募集新株予約権の割当て (募集新株予約権の申込み) 第二百四十二条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集新株予約権の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、申込者(募集新株予約権のみの申込みをした者に限る。)は、その申込みに係る募集新株予約権を付した新株予約権付社債の引受けの申込みをしたものとみなす。 7 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 8 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集新株予約権の割当て) 第二百四十三条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権(新株予約権であって、譲渡による当該新株予約権の取得について株式会社の承認を要する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)である場合 3 株式会社は、割当日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数(当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 4 第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集新株予約権の割当てを受ける権利を失う。 (募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則) 第二百四十四条 前二条の規定は、募集新株予約権を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前項の規定の適用については、同項中「の引受け」とあるのは、「及び当該募集新株予約権を付した社債の総額の引受け」とする。 3 第一項に規定する場合において、次に掲げるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式であるとき。 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権であるとき。 (公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則) 第二百四十四条の二 公開会社は、募集新株予約権の割当てを受けた申込者又は前条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者(以下この項において「引受人」と総称する。)について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第五項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数 二 前号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数 2 前項第一号に規定する「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式その他募集新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式として法務省令で定める株式をいう。 3 第一項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 5 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第三項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集新株予約権の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、割当日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は当該特定引受人との間の前条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 6 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (新株予約権者となる日) 第二百四十五条 次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集新株予約権 二 第二百四十四条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集新株予約権 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。 第三款 募集新株予約権に係る払込み 第二百四十六条 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。 3 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。 第四款 募集新株予約権の発行をやめることの請求 第二百四十七条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。 一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合 二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合 第五款 雑則 第二百四十八条 第六百七十六条から第六百八十条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。 第三節 新株予約権原簿 (新株予約権原簿) 第二百四十九条 株式会社は、新株予約権を発行した日以後遅滞なく、新株予約権原簿を作成し、次の各号に掲げる新株予約権の区分に応じ、当該各号に定める事項(以下「新株予約権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 無記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権(以下この章において「無記名新株予約権」という。) 当該新株予約権証券の番号並びに当該無記名新株予約権の内容及び数 二 無記名式の新株予約権付社債券(証券発行新株予約権付社債(新株予約権付社債であって、当該新株予約権付社債についての社債につき社債券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)に係る社債券をいう。以下同じ。)が発行されている新株予約権付社債(以下この章において「無記名新株予約権付社債」という。)に付された新株予約権 当該新株予約権付社債券の番号並びに当該新株予約権の内容及び数 三 前二号に掲げる新株予約権以外の新株予約権 次に掲げる事項 イ 新株予約権者の氏名又は名称及び住所 ロ イの新株予約権者の有する新株予約権の内容及び数 ハ イの新株予約権者が新株予約権を取得した日 ニ ロの新株予約権が証券発行新株予約権(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であって、当該新株予約権に係る新株予約権証券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、当該新株予約権(新株予約権証券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権証券の番号 ホ ロの新株予約権が証券発行新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権を付した新株予約権付社債(新株予約権付社債券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権付社債券の番号 (新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第二百五十条 前条第三号イの新株予約権者は、株式会社に対し、当該新株予約権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該新株予約権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の管理) 第二百五十一条 株式会社が新株予約権を発行している場合における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿に」とする。 (新株予約権原簿の備置き及び閲覧等) 第二百五十二条 株式会社は、新株予約権原簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の新株予約権原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (新株予約権者に対する通知等) 第二百五十三条 株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該新株予約権者の住所(当該新株予約権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を新株予約権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が新株予約権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 第四節 新株予約権の譲渡等 第一款 新株予約権の譲渡 (新株予約権の譲渡) 第二百五十四条 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 (証券発行新株予約権の譲渡) 第二百五十五条 証券発行新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権(株式会社が有する自己の新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の処分による証券発行新株予約権の譲渡については、この限りでない。 2 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権付社債(株式会社が有する自己の新株予約権付社債をいう。以下この条及び次条において同じ。)の処分による当該自己新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、この限りでない。 (自己新株予約権の処分に関する特則) 第二百五十六条 株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。 3 株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。 4 第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。 (新株予約権の譲渡の対抗要件) 第二百五十七条 新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 3 第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (権利の推定等) 第二百五十八条 新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 2 新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 4 新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百五十九条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該株式会社の新株予約権を取得した場合 二 自己新株予約権を処分した場合 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百六十条 新株予約権を当該新株予約権を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「新株予約権取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該新株予約権に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第二百六十一条 前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。 二 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。 三 当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。 第二款 新株予約権の譲渡の制限 (新株予約権者からの承認の請求) 第二百六十二条 譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (新株予約権取得者からの承認の請求) 第二百六十三条 譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第二百六十四条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第二百六十二条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの新株予約権取得者の氏名又は名称 (譲渡等の承認の決定等) 第二百六十五条 株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第二百六十六条 株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。 ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 第三款 新株予約権の質入れ (新株予約権の質入れ) 第二百六十七条 新株予約権者は、その有する新株予約権に質権を設定することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 4 証券発行新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 5 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (新株予約権の質入れの対抗要件) 第二百六十八条 新株予約権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 3 第一項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 (新株予約権原簿の記載等) 第二百六十九条 新株予約権に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である新株予約権 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百七十条 前条第一項各号に掲げる事項が新株予約権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録新株予約権質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録新株予約権質権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (登録新株予約権質権者に対する通知等) 第二百七十一条 株式会社が登録新株予約権質権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該登録新株予約権質権者の住所(当該登録新株予約権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (新株予約権の質入れの効果) 第二百七十二条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、新株予約権を目的とする質権は、当該行為によって当該新株予約権の新株予約権者が受けることのできる金銭等について存在する。 一 新株予約権の取得 二 組織変更 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 四 吸収分割 五 新設分割 六 株式交換 七 株式移転 2 登録新株予約権質権者は、前項の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 3 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録新株予約権質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 新株予約権の取得 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 4 前三項の規定は、特別支配株主が新株予約権売渡請求により売渡新株予約権の取得をした場合について準用する。 この場合において、前項中「当該各号に定める者」とあるのは、「当該特別支配株主」と読み替えるものとする。 5 新株予約権付社債に付された新株予約権(第二百三十六条第一項第三号の財産が当該新株予約権付社債についての社債であるものであって、当該社債の償還額が当該新株予約権についての同項第二号の価額以上であるものに限る。)を目的とする質権は、当該新株予約権の行使をすることにより当該新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式について存在する。 第四款 信託財産に属する新株予約権についての対抗要件等 第二百七十二条の二 新株予約権については、当該新株予約権が信託財産に属する旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該新株予約権が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第二百四十九条第三号イの新株予約権者は、その有する新株予約権が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 新株予約権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第二百五十条第一項及び第二百五十九条第一項の規定の適用については、第二百五十条第一項中「記録された新株予約権原簿記載事項」とあるのは「記録された新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」と、第二百五十九条第一項中「新株予約権原簿記載事項」とあるのは「新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第五節 株式会社による自己の新株予約権の取得 第一款 募集事項の定めに基づく新株予約権の取得 (取得する日の決定) 第二百七十三条 取得条項付新株予約権(第二百三十六条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の内容として同号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第二百三十六条第一項第七号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付新株予約権の新株予約権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する新株予約権の決定等) 第二百七十四条 株式会社は、新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、その取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付新株予約権は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに、当該取得条項付新株予約権を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第二百七十五条 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第三項において同じ。)に、取得条項付新株予約権(同条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項及び第三項において同じ。)を取得する。 一 第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 前項の規定により株式会社が取得する取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、当該新株予約権付社債についての社債を取得する。 3 次の各号に掲げる場合には、取得条項付新株予約権の新株予約権者(当該株式会社を除く。)は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、同号に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの株式の株主 二 第二百三十六条第一項第七号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの社債の社債権者 三 第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの他の新株予約権の新株予約権者 四 第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項についての定めがある場合 同号トの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第二百七十三条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 5 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第二款 新株予約権の消却 第二百七十六条 株式会社は、自己新株予約権を消却することができる。 この場合においては、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第六節 新株予約権無償割当て (新株予約権無償割当て) 第二百七十七条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。 (新株予約権無償割当てに関する事項の決定) 第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法 二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法 三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日 四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (新株予約権無償割当ての効力の発生等) 第二百七十九条 前条第一項第一号の新株予約権の割当てを受けた株主は、同項第三号の日に、同項第一号の新株予約権の新株予約権者(同項第二号に規定する場合にあっては、同項第一号の新株予約権の新株予約権者及び同項第二号の社債の社債権者)となる。 2 株式会社は、前条第一項第三号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた新株予約権の内容及び数(同項第二号に規定する場合にあっては、当該株主が割当てを受けた社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知がされた場合において、前条第一項第一号の新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の末日が当該通知の日から二週間を経過する日前に到来するときは、同号の期間は、当該通知の日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。 第七節 新株予約権の行使 第一款 総則 (新株予約権の行使) 第二百八十条 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数 二 新株予約権を行使する日 2 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。 3 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。 この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。 4 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 5 第三項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 6 株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。 (新株予約権の行使に際しての払込み) 第二百八十一条 金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第二号の価額の全額を払い込まなければならない。 2 金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第三号の財産を給付しなければならない。 この場合において、当該財産の価額が同項第二号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。 3 新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 (株主となる時期等) 第二百八十二条 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (一に満たない端数の処理) 第二百八十三条 新株予約権を行使した場合において、当該新株予約権の新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数があるときは、株式会社は、当該新株予約権者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を交付しなければならない。 ただし、第二百三十六条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合は、この限りでない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 第二款 金銭以外の財産の出資 第二百八十四条 株式会社は、第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項についての定めがある新株予約権が行使された場合には、第二百八十一条第二項の規定による給付があった後、遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 第一項の新株予約権の新株予約権者は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 行使された新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該新株予約権者が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 新株予約権者 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第三款 責任 (不公正な払込金額で新株予約権を引き受けた者等の責任) 第二百八十五条 新株予約権を行使した新株予約権者は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 第二百三十八条第一項第二号に規定する場合において、募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととすることが著しく不公正な条件であるとき(取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役。次号において同じ。)と通じて新株予約権を引き受けた場合に限る。) 当該新株予約権の公正な価額 二 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合において、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたとき 当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額 三 第二百八十二条第一項の規定により株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第三号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百八十六条 前条第一項第三号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該新株予約権者の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百八十四条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百八十四条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 新株予約権者がその給付した現物出資財産についての前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う場合において、次に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (新株予約権に係る払込み等を仮装した新株予約権者等の責任) 第二百八十六条の二 新株予約権を行使した新株予約権者であって次の各号に掲げる者に該当するものは、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百四十六条第一項の規定による払込み(同条第二項の規定により当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付を含む。)を仮装した者又は当該払込みが仮装されたことを知って、若しくは重大な過失により知らないで募集新株予約権を譲り受けた者 払込みが仮装された払込金額の全額の支払(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付が仮装された場合にあっては、当該財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)) 二 第二百八十一条第一項又は第二項後段の規定による払込みを仮装した者 払込みを仮装した金銭の全額の支払 三 第二百八十一条第二項前段の規定による給付を仮装した者 給付を仮装した金銭以外の財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により同項に規定する新株予約権者の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (新株予約権に係る払込み等を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百八十六条の三 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に定める行為をする義務を負う場合には、当該各号の払込み又は給付を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込み又は当該給付を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第四款 雑則 第二百八十七条 第二百七十六条第一項の場合のほか、新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。 第八節 新株予約権に係る証券 第一款 新株予約権証券 (新株予約権証券の発行) 第二百八十八条 株式会社は、証券発行新株予約権を発行した日以後遅滞なく、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を発行しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、新株予約権者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を発行しないことができる。 (新株予約権証券の記載事項) 第二百八十九条 新株予約権証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株式会社の商号 二 当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権の内容及び数 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百九十条 証券発行新株予約権の新株予約権者は、第二百三十六条第一項第十一号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の新株予約権証券を無記名式とし、又はその無記名式の新株予約権証券を記名式とすることを請求することができる。 (新株予約権証券の喪失) 第二百九十一条 新株予約権証券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 新株予約権証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 第二款 新株予約権付社債券 第二百九十二条 証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券には、第六百九十七条第一項の規定により記載すべき事項のほか、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の内容及び数を記載しなければならない。 2 証券発行新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは、株式会社は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券と引換えに社債の償還をすることを請求することができない。 この場合においては、株式会社は、社債の償還をするのと引換えに、当該新株予約権付社債券の提示を求め、当該新株予約権付社債券に社債の償還をした旨を記載することができる。 第三款 新株予約権証券等の提出 (新株予約権証券の提出に関する公告等) 第二百九十三条 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、当該各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この款において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該行為の効力が生ずる日(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「新株予約権証券提出日」という。)までに当該株式会社に対し当該新株予約権証券を提出しなければならない旨を新株予約権証券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 第百七十九条の三第一項の承認 売渡新株予約権 一の二 取得条項付新株予約権の取得 当該取得条項付新株予約権 二 組織変更 全部の新株予約権 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の新株予約権 四 吸収分割 第七百五十八条第五号イに規定する吸収分割契約新株予約権 五 新設分割 第七百六十三条第一項第十号イに規定する新設分割計画新株予約権 六 株式交換 第七百六十八条第一項第四号イに規定する株式交換契約新株予約権 七 株式移転 第七百七十三条第一項第九号イに規定する株式移転計画新株予約権 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、新株予約権証券提出日までに当該株式会社に対して新株予約権証券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該新株予約権証券の提出があるまでの間、当該行為(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、新株予約権売渡請求に係る売渡新株予約権の取得)によって当該新株予約権証券に係る新株予約権の新株予約権者が交付を受けることができる金銭等の交付を拒むことができる。 一 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 二 取得条項付新株予約権の取得 当該株式会社 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 吸収分割 第七百五十八条第一号に規定する吸収分割承継株式会社 六 新設分割 第七百六十三条第一項第一号に規定する新設分割設立株式会社 七 株式交換 第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全親株式会社 八 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券は、新株予約権証券提出日に無効となる。 4 第一項第一号の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 5 第二百二十条の規定は、第一項各号に掲げる行為をした場合において、新株予約権証券を提出することができない者があるときについて準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは、「第二百九十三条第二項各号」と読み替えるものとする。 (無記名式の新株予約権証券等が提出されない場合) 第二百九十四条 第百三十二条の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券(無記名式のものに限る。以下この条において同じ。)が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式に係る第百二十一条第一号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを要しない。 2 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式の株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 3 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる当該他の新株予約権(無記名新株予約権を除く。)に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 4 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 5 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債(無記名新株予約権付社債を除く。)に付された新株予約権に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 6 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 第四章 機関 第一節 株主総会及び種類株主総会等 第一款 株主総会 (株主総会の権限) 第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (株主総会の招集) 第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。 (株主による招集の請求) 第二百九十七条 総株主の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 4 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合 (株主総会の招集の決定) 第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主総会の日時及び場所 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。 3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第二号に掲げる事項」とする。 4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 (株主総会の招集の通知) 第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 株式会社が取締役会設置会社である場合 3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第三百一条 取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。 第三百二条 取締役は、第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。 3 取締役は、第一項に規定する場合には、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 取締役は、第一項に規定する場合において、第二百九十九条第三項の承諾をしていない株主から株主総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (株主提案権) 第三百三条 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 3 公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第二項の一定の事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 第三百四条 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第一項において同じ。)につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第三百五条 株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。 2 公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。 4 取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。 この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 四 定款の変更に関する二以上の議案 当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。 5 前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。 ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。 6 第一項から第三項までの規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (株主総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第三百六条 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」とする。 3 前二項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 4 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第三項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第三項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第三項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (議決権の数) 第三百八条 株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。 (株主総会の決議) 第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百四十条第二項及び第五項の株主総会 二 第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。) 三 第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会 四 第百八十条第二項の株主総会 五 第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会 六 第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会 七 第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。) 八 第四百二十五条第一項の株主総会 九 第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。) イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。 ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 十 第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。) 十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会 二 第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。) 三 第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。) 4 前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第三百十条 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。 3 第一項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 8 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第三百十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 3 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない。 4 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第三百十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社に提供して行う。 2 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 4 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 5 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (議決権の不統一行使) 第三百十三条 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 2 取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の三日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。 3 株式会社は、第一項の株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (取締役等の説明義務) 第三百十四条 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第三百十五条 株主総会の議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 株主総会の議長は、その命令に従わない者その他当該株主総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (株主総会に提出された資料等の調査) 第三百十六条 株主総会においては、その決議によって、取締役、会計参与、監査役、監査役会及び会計監査人が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第二百九十七条の規定により招集された株主総会においては、その決議によって、株式会社の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第三百十七条 株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第二百九十八条及び第二百九十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第三百十八条 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 5 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (株主総会の決議の省略) 第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。 2 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 5 第一項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。 (株主総会への報告の省略) 第三百二十条 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。 第二款 種類株主総会 (種類株主総会の権限) 第三百二十一条 種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 (ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会) 第三百二十二条 種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。) イ 株式の種類の追加 ロ 株式の内容の変更 ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加 一の二 第百七十九条の三第一項の承認 二 株式の併合又は株式の分割 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 四 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 五 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 六 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 七 合併 八 吸収分割 九 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 十 新設分割 十一 株式交換 十二 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 十三 株式移転 十四 株式交付 2 種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。 3 第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。 ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。 4 ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第三百二十三条 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類株主総会の決議) 第三百二十四条 種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第百九十九条第四項及び第二百条第四項の種類株主総会 三 第二百三十八条第四項及び第二百三十九条第四項の種類株主総会 四 第三百二十二条第一項の種類株主総会 五 第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会 六 第七百九十五条第四項の種類株主総会 七 第八百十六条の三第三項の種類株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第七百八十三条第三項及び第八百四条第三項の種類株主総会 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条 前款(第二百九十五条第一項及び第二項、第二百九十六条第一項及び第二項並びに第三百九条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第二百九十七条第一項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百八条第一項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百十八条第四項及び第三百十九条第三項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。 第三款 電子提供措置 (電子提供措置をとる旨の定款の定め) 第三百二十五条の二 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 株主総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類 (電子提供措置) 第三百二十五条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項 二 第三百一条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第三百二条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項 四 第三百五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百三十七条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百四十四条第六項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、取締役が第二百九十九条第一項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 3 第一項の規定にかかわらず、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第一項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第二十七条の三十の二に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (株主総会の招集の通知等の特則) 第三百二十五条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第二百九十九条第一項の規定の適用については、同項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「二週間」とする。 2 第二百九十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第二項又は第三項の通知には、第二百九十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 電子提供措置をとっているときは、その旨 二 前条第三項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第二百九十九条第一項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第三百五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第三百二十五条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。 4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第三百二十五条の六 第三百二十五条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第七号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条の七 第三百二十五条の三から前条まで(第三百二十五条の三第一項(第五号及び第六号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第三百二十五条の五第一項及び第三項から第五項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第三百二十五条の三第一項中「第二百九十九条第二項各号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項各号」と、「同条第一項」とあるのは「同条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次項、次条及び第三百二十五条の五において同じ。)」と、「第二百九十八条第一項各号」とあるのは「第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合に限る。)」と、「第三百一条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項」と、「第三百二条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百二条第一項」と、「第三百五条第一項」とあるのは「第三百五条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次条第四項において同じ。)」と、同条第二項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第三百二十五条の六までにおいて同じ。)」と、第三百二十五条の四第二項中「第二百九十九条第四項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第四項」と、「第二百九十九条第二項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項」と、「第二百九十八条第一項第五号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十八条第一項第五号」と、「同項第一号から第四号まで」とあるのは「第三百二十五条において準用する同項第一号から第四号まで」と、同条第三項中「第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項及び第三百二条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 株主総会以外の機関の設置 (株主総会以外の機関の設置) 第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。 2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。 (取締役会等の設置義務等) 第三百二十七条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。 一 公開会社 二 監査役会設置会社 三 監査等委員会設置会社 四 指名委員会等設置会社 2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。 5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。 6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。 (社外取締役の設置義務) 第三百二十七条の二 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならない。 (大会社における監査役会等の設置義務) 第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。 2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。 第三節 役員及び会計監査人の選任及び解任 第一款 選任 (選任) 第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。 2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。 3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (株式会社と役員等との関係) 第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (取締役の資格等) 第三百三十一条 次に掲げる者は、取締役となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。 3 監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。 5 取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。 6 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。 第三百三十一条の二 成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした取締役の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (取締役の任期) 第三百三十二条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 4 監査等委員である取締役の任期については、第一項ただし書の規定は、適用しない。 5 第一項本文の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 6 指名委員会等設置会社の取締役についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 7 前各項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 三 その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。) (会計参与の資格等) 第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。 2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。 一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者 (会計参与の任期) 第三百三十四条 第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。 2 前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (監査役の資格等) 第三百三十五条 第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。 2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。 (監査役の任期) 第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 4 前三項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 三 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 四 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 (会計監査人の資格等) 第三百三十七条 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第三百三十八条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 第二款 解任 (解任) 第三百三十九条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監査役等による会計監査人の解任) 第三百四十条 監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。 4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。 5 監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 6 指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 第三款 選任及び解任の手続に関する特則 (役員の選任及び解任の株主総会の決議) 第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (累積投票による取締役の選任) 第三百四十二条 株主総会の目的である事項が二人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、株式会社に対し、第三項から第五項までに規定するところにより取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の株主総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第三百八条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、取締役の選任の決議については、株主は、その有する株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の株式)につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 6 前条の規定は、前三項に規定するところにより選任された取締役の解任の決議については、適用しない。 (監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十二条の二 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監査等委員である取締役を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任について監査等委員会の意見を述べることができる。 (監査役の選任に関する監査役の同意等) 第三百四十三条 取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。 4 第三百四十一条の規定は、監査役の解任の決議については、適用しない。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第三百四十四条 監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。 2 監査役が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 (監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等) 第三百四十四条の二 取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。 2 監査等委員会は、取締役に対し、監査等委員である取締役の選任を株主総会の目的とすること又は監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 第三百四十一条の規定は、監査等委員である取締役の解任の決議については、適用しない。 (会計参与等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十五条 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は監査役について、前二項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。 5 第一項の規定は会計監査人について、第二項及び第三項の規定は会計監査人を辞任した者及び第三百四十条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。 8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。 (種類株主総会における取締役又は監査役の選任等) 第三百四十七条 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十二条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十四条の二第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十二条第一項及び第三百三十九条第一項中「株主総会の決議」とあるのは「株主総会(第四十一条第一項の規定により又は第九十条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)については、当該取締役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該取締役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))の決議」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項及び第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十四条の二第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 2 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十三条第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(監査役については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により又は第九十条第二項において準用する同条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された監査役については、当該監査役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該監査役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十三条第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 第四節 取締役 (業務の執行) 第三百四十八条 取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、取締役は、次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 五 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 4 大会社においては、取締役は、前項第四号に掲げる事項を決定しなければならない。 (業務の執行の社外取締役への委託) 第三百四十八条の二 株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 2 指名委員会等設置会社と執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他執行役が指名委員会等設置会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該指名委員会等設置会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該指名委員会等設置会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 3 前二項の規定により委託された業務の執行は、第二条第十五号イに規定する株式会社の業務の執行に該当しないものとする。 ただし、社外取締役が業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の指揮命令により当該委託された業務を執行したときは、この限りでない。 (株式会社の代表) 第三百四十九条 取締役は、株式会社を代表する。 ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。 3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。 4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第三百五十条 株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表取締役に欠員を生じた場合の措置) 第三百五十一条 代表取締役が欠けた場合又は定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表取締役は、新たに選定された代表取締役(次項の一時代表取締役の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表取締役としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表取締役の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表取締役の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (取締役の職務を代行する者の権限) 第三百五十二条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百五十三条 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、株式会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができる。 (表見代表取締役) 第三百五十四条 株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (取締役の報告義務) 第三百五十七条 取締役は、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第三百五十八条 株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、次に掲げる株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 一 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 二 発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社及び検査役の選任の申立てをした株主に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百五十九条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (株主による取締役の行為の差止め) 第三百六十条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (取締役の報酬等) 第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容 2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。 4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。 5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。 6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。 7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。 ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。 一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの 二 監査等委員会設置会社 第五節 取締役会 第一款 権限等 (取締役会の権限等) 第三百六十二条 取締役会は、すべての取締役で組織する。 2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役会設置会社の業務執行の決定 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。 (取締役会設置会社の取締役の権限) 第三百六十三条 次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。 一 代表取締役 二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの 2 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 (取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百六十四条 第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。 (競業及び取締役会設置会社との取引等の制限) 第三百六十五条 取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 2 取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百六十六条 取締役会は、各取締役が招集する。 ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。 (株主による招集の請求) 第三百六十七条 取締役会設置会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った株主は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる。 (招集手続) 第三百六十八条 取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (取締役会の決議) 第三百六十九条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。 3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (取締役会の決議の省略) 第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。 2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。 (取締役会への報告の省略) 第三百七十二条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、適用しない。 3 指名委員会等設置会社についての前二項の規定の適用については、第一項中「監査役又は会計監査人」とあるのは「会計監査人又は執行役」と、「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「取締役」と、前項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百十七条第四項」とする。 (特別取締役による取締役会の決議) 第三百七十三条 第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。 一 取締役の数が六人以上であること。 二 取締役のうち一人以上が社外取締役であること。 2 前項の規定による特別取締役による議決の定めがある場合には、特別取締役以外の取締役は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することを要しない。 この場合における第三百六十六条第一項本文及び第三百六十八条の規定の適用については、第三百六十六条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各特別取締役(第三百七十三条第一項に規定する特別取締役をいう。第三百六十八条において同じ。)」と、第三百六十八条第一項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各特別取締役」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「特別取締役及び」とする。 3 特別取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければならない。 4 第三百六十六条(第一項本文を除く。)、第三百六十七条、第三百六十九条第一項、第三百七十条及び第三百九十九条の十四の規定は、第二項の取締役会については、適用しない。 第六節 会計参与 (会計参与の権限) 第三百七十四条 会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。 この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。 2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。 6 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。 (会計参与の報告義務) 第三百七十五条 会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。 (取締役会への出席) 第三百七十六条 取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は、第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。 この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 会計参与設置会社において、前項の取締役会を招集する者は、当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各会計参与に対してその通知を発しなければならない。 3 会計参与設置会社において、第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは、会計参与の全員の同意を得なければならない。 (株主総会における意見の陳述) 第三百七十七条 第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。 2 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役」とする。 (会計参与による計算書類等の備置き等) 第三百七十八条 会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 (会計参与の報酬等) 第三百七十九条 会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 会計参与が二人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定める。 3 会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十条 会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該会計参与設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七節 監査役 (監査役の権限) 第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。 この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (取締役への報告義務) 第三百八十二条 監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。 (取締役会への出席義務等) 第三百八十三条 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。 2 監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。 4 前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 (監査役による取締役の行為の差止め) 第三百八十五条 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百八十六条 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合 二 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第三号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合 三 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第四号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合 2 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監査役設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 三 株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第三号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (監査役の報酬等) 第三百八十七条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。 3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十八条 監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (定款の定めによる監査範囲の限定) 第三百八十九条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 3 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 4 第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 5 第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 6 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。 7 第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。 第八節 監査役会 第一款 権限等 第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。 2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。 ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。 一 監査報告の作成 二 常勤の監査役の選定及び解職 三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定 3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。 4 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十一条 監査役会は、各監査役が招集する。 (招集手続) 第三百九十二条 監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (監査役会の決議) 第三百九十三条 監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。 2 監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十四条 監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査役会への報告の省略) 第三百九十五条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。 第九節 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第三百九十六条 会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者 三 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 6 指名委員会等設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。 (監査役に対する報告) 第三百九十七条 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。 2 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 (定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 第三百九十八条 第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会又は監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与) 第三百九十九条 取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。 第九節の二 監査等委員会 第一款 権限等 (監査等委員会の権限等) 第三百九十九条の二 監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。 2 監査等委員は、取締役でなければならない。 3 監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 三 第三百四十二条の二第四項及び第三百六十一条第六項に規定する監査等委員会の意見の決定 4 監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査等委員会による調査) 第三百九十九条の三 監査等委員会が選定する監査等委員は、いつでも、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は監査等委員会設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査等委員会が選定する監査等委員は、監査等委員会の職務を執行するため必要があるときは、監査等委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査等委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査等委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第三百九十九条の四 監査等委員は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百九十九条の五 監査等委員は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものについて法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その旨を株主総会に報告しなければならない。 (監査等委員による取締役の行為の差止め) 第三百九十九条の六 監査等委員は、取締役が監査等委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査等委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査等委員会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百九十九条の七 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて監査等委員会設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査等委員会が選定する監査等委員 2 前項の規定にかかわらず、取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査等委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該監査等委員会設置会社に対して効力を有する。 3 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査等委員が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員会設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査等委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 監査等委員会設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査等委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十九条の八 監査等委員会は、各監査等委員が招集する。 (招集手続等) 第三百九十九条の九 監査等委員会を招集するには、監査等委員は、監査等委員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査等委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査等委員会は、監査等委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)は、監査等委員会の要求があったときは、監査等委員会に出席し、監査等委員会が求めた事項について説明をしなければならない。 (監査等委員会の決議) 第三百九十九条の十 監査等委員会の決議は、議決に加わることができる監査等委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する監査等委員は、議決に加わることができない。 3 監査等委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査等委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 監査等委員会の決議に参加した監査等委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十九条の十一 監査等委員会設置会社は、監査等委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査等委員会設置会社の債権者が取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査等委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査等委員会への報告の省略) 第三百九十九条の十二 取締役、会計参与又は会計監査人が監査等委員の全員に対して監査等委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査等委員会へ報告することを要しない。 第三款 監査等委員会設置会社の取締役会の権限等 (監査等委員会設置会社の取締役会の権限) 第三百九十九条の十三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第一項の規定による委託 七 第三百六十一条第七項の規定による同項の事項の決定 八 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項の承認 九 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 十 第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定 十一 前項第六号に掲げる事項 十二 補償契約(第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。第四百十六条第四項第十四号において同じ。)の内容の決定 十三 役員等賠償責任保険契約(第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。第四百十六条第四項第十五号において同じ。)の内容の決定 十四 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十五 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十六 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十七 合併契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十八 吸収分割契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 新設分割計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 株式交換契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 株式移転計画の内容の決定 二十二 株式交付計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。 (監査等委員会による取締役会の招集) 第三百九十九条の十四 監査等委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる。 第十節 指名委員会等及び執行役 第一款 委員の選定、執行役の選任等 (委員の選定等) 第四百条 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。 2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。 3 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。 4 監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。 (委員の解職等) 第四百一条 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 2 前条第一項に規定する各委員会の委員の員数(定款で四人以上の員数を定めたときは、その員数)が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した委員は、新たに選定された委員(次項の一時委員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお委員としての権利義務を有する。 3 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時委員の職務を行うべき者を選任することができる。 4 裁判所は、前項の一時委員の職務を行うべき者を選任した場合には、指名委員会等設置会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (執行役の選任等) 第四百二条 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。 2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。 3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。 4 第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は、執行役について準用する。 5 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。 6 執行役は、取締役を兼ねることができる。 7 執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。 8 前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (執行役の解任等) 第四百三条 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、指名委員会等設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 3 第四百一条第二項から第四項までの規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。 第二款 指名委員会等の権限等 (指名委員会等の権限等) 第四百四条 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。 2 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 3 報酬委員会は、第三百六十一条第一項並びに第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。 執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。 4 委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査委員会による調査) 第四百五条 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第四百六条 監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (監査委員による執行役等の行為の差止め) 第四百七条 監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第四百八条 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が指名委員会等設置会社を代表する。 一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて指名委員会等設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員 2 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該指名委員会等設置会社に対して効力を有する。 3 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。 一 指名委員会等設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 指名委員会等設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (報酬委員会による報酬の決定の方法等) 第四百九条 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。 2 報酬委員会は、第四百四条第三項の規定による決定をするには、前項の方針に従わなければならない。 3 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の個人別の報酬等とする場合には、その内容として、当該各号に定める事項について決定しなければならない。 ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第一号に掲げるものでなければならない。 一 額が確定しているもの 個人別の額 二 額が確定していないもの 個人別の具体的な算定方法 三 当該株式会社の募集株式 当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 四 当該株式会社の募集新株予約権 当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 五 次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭 当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 執行役等が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 執行役等が引き受ける当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 六 金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。) 個人別の具体的な内容 第三款 指名委員会等の運営 (招集権者) 第四百十条 指名委員会等は、当該指名委員会等の各委員が招集する。 (招集手続等) 第四百十一条 指名委員会等を招集するには、その委員は、指名委員会等の日の一週間(これを下回る期間を取締役会で定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該指名委員会等の各委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、指名委員会等は、当該指名委員会等の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 執行役等は、指名委員会等の要求があったときは、当該指名委員会等に出席し、当該指名委員会等が求めた事項について説明をしなければならない。 (指名委員会等の決議) 第四百十二条 指名委員会等の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。 3 指名委員会等の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 指名委員会等の決議に参加した委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第四百十三条 指名委員会等設置会社は、指名委員会等の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 指名委員会等設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 4 前項の規定は、指名委員会等設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 5 裁判所は、第三項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該指名委員会等設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の許可をすることができない。 (指名委員会等への報告の省略) 第四百十四条 執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して指名委員会等に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を指名委員会等へ報告することを要しない。 第四款 指名委員会等設置会社の取締役の権限等 (指名委員会等設置会社の取締役の権限) 第四百十五条 指名委員会等設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、指名委員会等設置会社の業務を執行することができない。 (指名委員会等設置会社の取締役会の権限) 第四百十六条 指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項 ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役 ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 執行役等の職務の執行の監督 2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第二項の規定による委託 七 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認 八 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 九 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職 十 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任 十一 第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定 十二 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職 十三 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 十四 補償契約の内容の決定 十五 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 十六 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十七 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十八 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十二 株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十三 株式移転計画の内容の決定 二十四 株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 (指名委員会等設置会社の取締役会の運営) 第四百十七条 指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。 2 執行役は、前条第一項第一号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 この場合において、当該請求があった日から五日以内に、当該請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締役会を招集することができる。 3 指名委員会等がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該指名委員会等の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 4 執行役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 この場合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。 5 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければならない。 第五款 執行役の権限等 (執行役の権限) 第四百十八条 執行役は、次に掲げる職務を行う。 一 第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定 二 指名委員会等設置会社の業務の執行 (執行役の監査委員に対する報告義務等) 第四百十九条 執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。 2 第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとする。 3 第三百五十七条の規定は、指名委員会等設置会社については、適用しない。 (代表執行役) 第四百二十条 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。 この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。 2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 3 第三百四十九条第四項及び第五項の規定は代表執行役について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第四百一条第二項から第四項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。 (表見代表執行役) 第四百二十一条 指名委員会等設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他指名委員会等設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (株主による執行役の行為の差止め) 第四百二十二条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 第十一節 役員等の損害賠償責任 (役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役 二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役 三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。) 4 前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。 (株式会社に対する損害賠償責任の免除) 第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。 一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表取締役又は代表執行役 六 ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四 ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二 二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。 当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。 5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。 この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。 (取締役等による免除に関する定款の定め) 第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 5 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 6 公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 7 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 8 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (取締役が自己のためにした取引に関する特則) 第四百二十八条 第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第四百三十条 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第四百三十条の二 株式会社が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該株式会社が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 株式会社は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該株式会社が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該株式会社に対して第四百二十三条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した株式会社が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 取締役会設置会社においては、補償契約に基づく補償をした取締役及び当該補償を受けた取締役は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 5 前項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、同項中「取締役会設置会社においては、補償契約」とあるのは、「補償契約」と読み替えるものとする。 6 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四百二十三条第三項並びに第四百二十八条第一項の規定は、株式会社と取締役又は執行役との間の補償契約については、適用しない。 7 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第四百三十条の三 株式会社が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 2 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四百二十三条第三項の規定は、株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、取締役又は執行役を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿等 第一款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (会計帳簿の提出命令) 第四百三十四条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第二款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会) 3 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の株主への提供) 第四百三十七条 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時株主総会への提出等) 第四百三十八条 次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置会社の特則) 第四百三十九条 会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (計算書類の公告) 第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。 (臨時計算書類) 第四百四十一条 株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。 一 臨時決算日における貸借対照表 二 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間に係る損益計算書 2 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社においては、臨時計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役又は会計監査人(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会及び会計監査人、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会及び会計監査人)の監査を受けなければならない。 3 取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 4 次の各号に掲げる株式会社においては、当該各号に定める臨時計算書類は、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、臨時計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社(いずれも取締役会設置会社を除く。) 第二項の監査を受けた臨時計算書類 二 取締役会設置会社 前項の承認を受けた臨時計算書類 三 前二号に掲げるもの以外の株式会社 第一項の臨時計算書類 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第四百四十二条 株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 株式会社は、次の各号に掲げる計算書類等の写しを、当該各号に定める期間、その支店に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 一 前項第一号に掲げる計算書類等 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間 二 前項第二号に掲げる計算書類等 同号の臨時計算書類を作成した日から三年間 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の計算書類等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (計算書類等の提出命令) 第四百四十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 連結計算書類 第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。 2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。 4 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。 5 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役会の承認を受けなければならない。 6 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前項の承認を受けた連結計算書類を提供しなければならない。 7 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。 一 取締役会設置会社である会計監査人設置会社 第五項の承認を受けた連結計算書類 二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第四項の監査を受けた連結計算書類 第三節 資本金の額等 第一款 総則 (資本金の額及び準備金の額) 第四百四十五条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。 5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (剰余金の額) 第四百四十六条 株式会社の剰余金の額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 資産の額 ロ 自己株式の帳簿価額の合計額 ハ 負債の額 ニ 資本金及び準備金の額の合計額 ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を控除して得た額 三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第一項第二号の額を除く。) 四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第四百四十八条第一項第二号の額を除く。) 五 最終事業年度の末日後に第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額 六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額 イ 第四百五十四条第一項第一号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。) ロ 第四百五十四条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額 ハ 第四百五十六条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額 七 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 第二款 資本金の額の減少等 第一目 資本金の額の減少等 (資本金の額の減少) 第四百四十七条 株式会社は、資本金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する資本金の額 二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額 三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (準備金の額の減少) 第四百四十八条 株式会社は、準備金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する準備金の額 二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額 三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (債権者の異議) 第四百四十九条 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。 ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。 一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。 二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金等の額の減少の内容 二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。 ただし、第二項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。 一 資本金の額の減少 第四百四十七条第一項第三号の日 二 準備金の額の減少 前条第一項第三号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。 第二目 資本金の額の増加等 (資本金の額の増加) 第四百五十条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 (準備金の額の増加) 第四百五十一条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 第三目 剰余金についてのその他の処分 第四百五十二条 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることができる。 この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならない。 第四節 剰余金の配当 (株主に対する剰余金の配当) 第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。 (剰余金の配当に関する事項の決定) 第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額 二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項 三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日 2 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 4 配当財産が金銭以外の財産であるときは、株式会社は、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めることができる。 ただし、第一号の期間の末日は、第一項第三号の日以前の日でなければならない。 一 株主に対して金銭分配請求権(当該配当財産に代えて金銭を交付することを株式会社に対して請求する権利をいう。以下この章において同じ。)を与えるときは、その旨及び金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 5 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る。以下この項において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合における中間配当についての第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 (金銭分配請求権の行使) 第四百五十五条 前条第四項第一号に規定する場合には、株式会社は、同号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた配当財産に代えて、当該配当財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該配当財産の価額とする。 一 当該配当財産が市場価格のある財産である場合 当該配当財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第四百五十六条 第四百五十四条第四項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第二項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた配当財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 (配当財産の交付の方法等) 第四百五十七条 配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭及び前条の規定により支払う金銭を含む。以下この条において同じ。)は、株主名簿に記載し、又は記録した株主(登録株式質権者を含む。以下この条において同じ。)の住所又は株主が株式会社に通知した場所(第三項において「住所等」という。)において、これを交付しなければならない。 2 前項の規定による配当財産の交付に要する費用は、株式会社の負担とする。 ただし、株主の責めに帰すべき事由によってその費用が増加したときは、その増加額は、株主の負担とする。 3 前二項の規定は、日本に住所等を有しない株主に対する配当財産の交付については、適用しない。 (適用除外) 第四百五十八条 第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。 第五節 剰余金の配当等を決定する機関の特則 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め) 第四百五十九条 会計監査人設置会社(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役以外の取締役)の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。 一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項 二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項 三 第四百五十二条後段の事項 四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。 ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。 (株主の権利の制限) 第四百六十条 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 第六節 剰余金の配当等に関する責任 (配当等の制限) 第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 四 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 五 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 七 第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り 八 剰余金の配当 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。 一 剰余金の額 二 臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額 イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 三 自己株式の帳簿価額 四 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 五 第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 六 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (剰余金の配当等に関する責任) 第四百六十二条 前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。 一 前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) 二 前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 三 前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役 四 前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 五 前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 六 前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。 3 第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。 ただし、前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。 (株主に対する求償権の制限等) 第四百六十三条 前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (買取請求に応じて株式を取得した場合の責任) 第四百六十四条 株式会社が第百十六条第一項又は第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。 ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (欠損が生じた場合の責任) 第四百六十五条 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号、第四号及び第六号に掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当該各号に定める額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 四 第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 五 第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 六 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 七 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 八 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 九 次のイ又はロに掲げる規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより当該イ又はロに定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 イ 第二百三十四条第四項 同条第一項各号に定める者 ロ 第二百三十五条第二項において準用する第二百三十四条第四項 株主 十 剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く。) 当該剰余金の配当についての第四百四十六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額 イ 定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当 ロ 第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 ハ 第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第六章 定款の変更 第四百六十六条 株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七章 事業の譲渡等 (事業譲渡等の承認等) 第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 二の二 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該株式会社が、効力発生日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け 四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約 五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。 ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。 イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項第三号に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会社の株式が含まれるときは、取締役は、同項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 (事業譲渡等の承認を要しない場合) 第四百六十八条 前条の規定は、同条第一項第一号から第四号までに掲げる行為(以下この章において「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しない。 2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないときは、適用しない。 一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に前条第一項第三号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第四百六十九条 事業譲渡等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。 二 前条第二項に規定する場合(同条第三項に規定する場合を除く。) 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 事業譲渡等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該事業譲渡等に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該事業譲渡等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、事業譲渡等をする旨(第四百六十七条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第三号に掲げる行為をする旨及び同条第二項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合 二 事業譲渡等をする株式会社が第四百六十七条第一項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この章において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 事業譲渡等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第四百七十条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 第一項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 第一項の株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第八章 解散 (解散の事由) 第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判 (休眠会社のみなし解散) 第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (株式会社の継続) 第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。 (解散した株式会社の合併等の制限) 第四百七十四条 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第九章 清算 第一節 総則 第一款 清算の開始 (清算の開始原因) 第四百七十五条 株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算株式会社の能力) 第四百七十六条 前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二款 清算株式会社の機関 第一目 株主総会以外の機関の設置 第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。 3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。 4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならない。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社であって、前項の規定の適用があるものにおいては、監査等委員である取締役が監査役となる。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社であって、第四項の規定の適用があるものにおいては、監査委員が監査役となる。 7 第四章第二節の規定は、清算株式会社については、適用しない。 第二目 清算人の就任及び解任並びに監査役の退任 (清算人の就任) 第四百七十八条 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。 一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 株主総会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。 7 第三百三十五条第三項の規定にかかわらず、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算株式会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 一 その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 三 第二条第十六号ハからホまでに掲げる要件 8 第三百三十条、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は清算人について、第三百三十一条第五項の規定は清算人会設置会社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第四百七十九条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該清算株式会社である株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 3 公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監査役の退任) 第四百八十条 清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 2 第三百三十六条の規定は、清算株式会社の監査役については、適用しない。 第三目 清算人の職務等 (清算人の職務) 第四百八十一条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第四百八十二条 清算人は、清算株式会社(清算人会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第三百五十三条から第三百五十七条(第三項を除く。)まで、第三百六十条並びに第三百六十一条第一項及び第四項の規定は、清算人(同条の規定については、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「第四百八十三条第六項において準用する第三百四十九条第四項」と、第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表清算人(第四百八十三条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第三百六十条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と読み替えるものとする。 (清算株式会社の代表) 第四百八十三条 清算人は、清算株式会社を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算株式会社を代表する。 3 清算株式会社(清算人会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は株主総会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第四百七十八条第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる。 5 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 第三百四十九条第四項及び第五項並びに第三百五十一条の規定は代表清算人について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算株式会社についての破産手続の開始) 第四百八十四条 清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算株式会社が既に債権者に支払い、又は株主に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第四百八十五条 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算株式会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任) 第四百八十六条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人 二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第四百八十七条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 二 第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 虚偽の登記 四 虚偽の公告 (清算人及び監査役の連帯責任) 第四百八十八条 清算人又は監査役が清算株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第四百三十条の規定は、適用しない。 第四目 清算人会 (清算人会の権限等) 第四百八十九条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置会社の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第四百八十三条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第四百八十三条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置会社の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置会社の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第三百六十三条第二項、第三百六十四条及び第三百六十五条の規定は、清算人会設置会社について準用する。 この場合において、第三百六十三条第二項中「前項各号」とあるのは「第四百八十九条第七項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会」とあるのは「清算人会」と、第三百六十四条中「第三百五十三条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十三条」と、「取締役会は」とあるのは「清算人会は」と、第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条」と、「「取締役会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第四百九十条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第三百六十七条及び第三百六十八条の規定は、清算人会設置会社における清算人会の招集について準用する。 この場合において、第三百六十七条第一項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、「取締役が」とあるのは「清算人が」と、同条第二項中「取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)」とあるのは「清算人(第四百九十条第一項ただし書に規定する場合にあっては、同条第二項に規定する招集権者)」と、同条第三項及び第四項中「前条第三項」とあるのは「第四百九十条第三項」と、第三百六十八条第一項中「各取締役」とあるのは「各清算人」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と読み替えるものとする。 5 第三百六十九条から第三百七十一条までの規定は、清算人会設置会社における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第三百六十九条第一項中「取締役の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「取締役」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第五項中「取締役であって」とあるのは「清算人であって」と、第三百七十条中「取締役が」とあるのは「清算人が」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、第三百七十一条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、同条第四項中「役員又は執行役」とあるのは「清算人又は監査役」と読み替えるものとする。 6 第三百七十二条第一項及び第二項の規定は、清算人会設置会社における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「取締役、会計参与、監査役又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監査役」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第二項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百八十九条第八項において準用する第三百六十三条第二項」と読み替えるものとする。 第五目 取締役等に関する規定の適用 第四百九十一条 清算株式会社については、第二章(第百五十五条を除く。)、第三章、第四章第一節、第三百三十五条第二項、第三百四十三条第一項及び第二項、第三百四十五条第四項において準用する同条第三項、第三百五十九条、同章第七節及び第八節並びに第七章の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は取締役会設置会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に関する規定として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に適用があるものとする。 第三款 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第四百九十二条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第四百九十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第四百九十四条 清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算株式会社は、第一項の貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第四百九十五条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置会社においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第四百九十六条 清算株式会社は、第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、定時株主総会の日の一週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、その本店に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 清算株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該清算株式会社の貸借対照表等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (貸借対照表等の定時株主総会への提出等) 第四百九十七条 次の各号に掲げる清算株式会社においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百九十五条第一項に規定する監査役設置会社(清算人会設置会社を除く。) 同項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置会社 第四百九十五条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算株式会社 第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第四百九十八条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第四百九十四条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四款 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第五百一条 清算株式会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算株式会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第五百二条 清算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第五百三条 清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算株式会社の残余財産を株主の一部に分配した場合には、当該株主の受けた分配と同一の割合の分配を当該株主以外の株主に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五款 残余財産の分配 (残余財産の分配に関する事項の決定) 第五百四条 清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 残余財産の種類 二 株主に対する残余財産の割当てに関する事項 2 前項に規定する場合において、残余財産の分配について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、清算株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、残余財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該清算株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 (残余財産が金銭以外の財産である場合) 第五百五条 株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権(当該残余財産に代えて金銭を交付することを清算株式会社に対して請求する権利をいう。以下この条において同じ。)を有する。 この場合において、清算株式会社は、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 2 前項に規定する場合には、清算株式会社は、同項第一号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 3 清算株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた残余財産に代えて、当該残余財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該残余財産の価額とする。 一 当該残余財産が市場価格のある財産である場合 当該残余財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 清算株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第五百六条 前条第一項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、清算株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第三項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた残余財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 第六款 清算事務の終了等 第五百七条 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 第七款 帳簿資料の保存 第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 第八款 適用除外等 第五百九条 次に掲げる規定は、清算株式会社については、適用しない。 一 第百五十五条 二 第五章第二節第二款(第四百三十五条第四項、第四百四十条第三項、第四百四十二条及び第四百四十三条を除く。)及び第三款並びに第三節から第五節まで 三 第五編第四章及び第四章の二並びに同編第五章中株式交換、株式移転及び株式交付の手続に係る部分 2 第二章第四節の二の規定は、対象会社が清算株式会社である場合には、適用しない。 3 清算株式会社は、無償で取得する場合その他法務省令で定める場合に限り、当該清算株式会社の株式を取得することができる。 第二節 特別清算 第一款 特別清算の開始 (特別清算開始の原因) 第五百十条 裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づき、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。 一 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。 二 債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること。 (特別清算開始の申立て) 第五百十一条 債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。 2 清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。 (他の手続の中止命令等) 第五百十二条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続又は第三号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。 一 清算株式会社についての破産手続 二 清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。) 三 清算株式会社の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第五百十八条の二及び第五百七十一条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(第五百十五条第一項において「外国租税滞納処分」という。) 2 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と同様とする。 (特別清算開始の申立ての取下げの制限) 第五百十三条 特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 (特別清算開始の命令) 第五百十四条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。 一 特別清算の手続の費用の予納がないとき。 二 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。 四 不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 (他の手続の中止等) 第五百十五条 特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)若しくは第三者からの情報取得手続(同法第二百五条第一項第一号、第二百六条第一項又は第二百七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続(破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え及び仮処分の手続並びに外国租税滞納処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続については、この限りでない。 2 特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続又は処分は、特別清算の手続の関係においては、その効力を失う。 3 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第五百十六条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。 (相殺の禁止) 第五百十七条 協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。 二 支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第五百十八条 清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約 (共助対象外国租税債権者の手続参加) 第五百十八条の二 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。 第二款 裁判所による監督及び調査 (裁判所による監督) 第五百十九条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。 3 前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。 (裁判所による調査) 第五百二十条 裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。 (裁判所への財産目録等の提出) 第五百二十一条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。 ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (調査命令) 第五百二十二条 裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。 一 特別清算開始に至った事情 二 清算株式会社の業務及び財産の状況 三 第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 四 第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 五 第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。 六 その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの 2 清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定による留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、前項の債権の額に算入しない。 3 公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 第三款 清算人 (清算人の公平誠実義務) 第五百二十三条 特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。 (清算人の解任等) 第五百二十四条 裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。 2 清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。 3 清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。 (清算人代理) 第五百二十五条 清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。 2 前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (清算人の報酬等) 第五百二十六条 清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定は、清算人代理について準用する。 第四款 監督委員 (監督委員の選任等) 第五百二十七条 裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。 2 法人は、監督委員となることができる。 (監督委員に対する監督等) 第五百二十八条 監督委員は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。 (二人以上の監督委員の職務執行) 第五百二十九条 監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 (監督委員による調査等) 第五百三十条 監督委員は、いつでも、清算株式会社の清算人及び監査役並びに支配人その他の使用人に対し、事業の報告を求め、又は清算株式会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 2 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、清算株式会社の子会社に対し、事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (監督委員の注意義務) 第五百三十一条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 (監督委員の報酬等) 第五百三十二条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 監督委員は、その選任後、清算株式会社に対する債権又は清算株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。 3 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。 第五款 調査委員 (調査委員の選任等) 第五百三十三条 裁判所は、調査命令をする場合には、当該調査命令において、一人又は二人以上の調査委員を選任し、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければならない。 (監督委員に関する規定の準用) 第五百三十四条 前款(第五百二十七条第一項及び第五百二十九条ただし書を除く。)の規定は、調査委員について準用する。 第六款 清算株式会社の行為の制限等 (清算株式会社の行為の制限) 第五百三十五条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されているときは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。 一 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。) 二 借財 三 訴えの提起 四 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 五 権利の放棄 六 その他裁判所の指定する行為 2 前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 3 第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (事業の譲渡の制限等) 第五百三十六条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 三 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 2 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 3 第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。 (債務の弁済の制限) 第五百三十七条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。 (換価の方法) 第五百三十八条 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産の換価をすることができる。 この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。 2 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」という。)は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第五百三十九条 担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 第七款 清算の監督上必要な処分等 (清算株式会社の財産に関する保全処分) 第五百四十条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 3 裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (株主名簿の記載等の禁止) 第五百四十一条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の財産に対する保全処分) 第五百四十二条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の責任の免除の禁止) 第五百四十三条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止の処分をすることができる。 (役員等の責任の免除の取消し) 第五百四十四条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。 不正の目的によってした対象役員等の責任の免除についても、同様とする。 2 前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。 3 第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使することができない。 当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第五百四十五条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。 2 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 3 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 4 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了したときは、終了する。 第八款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第五百四十六条 債権者集会は、特別清算の実行上必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 債権者集会は、次条第三項の規定により招集する場合を除き、清算株式会社が招集する。 (債権者による招集の請求) 第五百四十七条 債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者の協定債権の総額の十分の一以上に当たる協定債権を有する協定債権者は、清算株式会社に対し、債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、債権者集会の招集を請求することができる。 2 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額は、前項の協定債権の額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした協定債権者は、裁判所の許可を得て、債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から六週間以内の日を債権者集会の日とする債権者集会の招集の通知が発せられない場合 (債権者集会の招集等の決定) 第五百四十八条 債権者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 債権者集会の日時及び場所 二 債権者集会の目的である事項 三 債権者集会に出席しない協定債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 清算株式会社が債権者集会を招集する場合には、当該清算株式会社は、各協定債権について債権者集会における議決権の行使の許否及びその額を定めなければならない。 3 清算株式会社以外の者が債権者集会を招集する場合には、その招集者は、清算株式会社に対し、前項に規定する事項を定めることを請求しなければならない。 この場合において、その請求があったときは、清算株式会社は、同項に規定する事項を定めなければならない。 4 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者は、その担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額については、議決権を有しない。 5 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権については、議決権を有しない。 (債権者集会の招集の通知) 第五百四十九条 債権者集会を招集するには、招集者は、債権者集会の日の二週間前までに、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者及び清算株式会社に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者であって一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有するものについて準用する。 (債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第五百五十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者に対し、当該協定債権者が有する協定債権について第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項及び議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(次項において「債権者集会参考書類」という。)並びに協定債権者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした協定債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、協定債権者の請求があったときは、これらの書類を当該協定債権者に交付しなければならない。 第五百五十一条 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、協定債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合において、第五百四十九条第二項の承諾をしていない協定債権者から債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該協定債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (債権者集会の指揮等) 第五百五十二条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 2 債権者集会を招集しようとするときは、招集者は、あらかじめ、第五百四十八条第一項各号に掲げる事項及び同条第二項又は第三項の規定により定められた事項を裁判所に届け出なければならない。 (異議を述べられた議決権の取扱い) 第五百五十三条 債権者集会において、第五百四十八条第二項又は第三項の規定により各協定債権について定められた事項について、当該協定債権を有する者又は他の協定債権者が異議を述べたときは、裁判所がこれを定める。 (債権者集会の決議) 第五百五十四条 債権者集会において決議をする事項を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者(議決権を行使することができる協定債権者をいう。以下この款及び次款において同じ。)の過半数の同意 二 出席した議決権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意 2 第五百五十八条第一項の規定によりその有する議決権の一部のみを前項の事項に同意するものとして行使した議決権者(その余の議決権を行使しなかったものを除く。)があるときの同項第一号の規定の適用については、当該議決権者一人につき、出席した議決権者の数に一を、同意をした議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。 3 債権者集会は、第五百四十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第五百五十五条 協定債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該協定債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第五百五十六条 債権者集会に出席しない協定債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五百五十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (議決権の不統一行使) 第五百五十八条 協定債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の協定債権者が他人のために協定債権を有する者でないときは、当該協定債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (担保権を有する債権者等の出席等) 第五百五十九条 債権者集会又は招集者は、次に掲げる債権者の出席を求め、その意見を聴くことができる。 この場合において、債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有する債権者 (延期又は続行の決議) 第五百六十条 債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第五百四十八条(第四項を除く。)及び第五百四十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五百六十一条 債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (清算人の調査結果等の債権者集会に対する報告) 第五百六十二条 特別清算開始の命令があった場合において、第四百九十二条第一項に規定する清算人が清算株式会社の財産の現況についての調査を終了して財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を作成したときは、清算株式会社は、遅滞なく、債権者集会を招集し、当該債権者集会に対して、清算株式会社の業務及び財産の状況の調査の結果並びに財産目録等の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みに関して意見を述べなければならない。 ただし、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法によりその報告すべき事項及び当該意見の内容を債権者に周知させることが適当であると認めるときは、この限りでない。 第九款 協定 (協定の申出) 第五百六十三条 清算株式会社は、債権者集会に対し、協定の申出をすることができる。 (協定の条項) 第五百六十四条 協定においては、協定債権者の権利(第五百二十二条第二項に規定する担保権を除く。)の全部又は一部の変更に関する条項を定めなければならない。 2 協定債権者の権利の全部又は一部を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準を定めなければならない。 (協定による権利の変更) 第五百六十五条 協定による権利の変更の内容は、協定債権者の間では平等でなければならない。 ただし、不利益を受ける協定債権者の同意がある場合又は少額の協定債権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他協定債権者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。 (担保権を有する債権者等の参加) 第五百六十六条 清算株式会社は、協定案の作成に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる債権者の参加を求めることができる。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を有する債権者 (協定の可決の要件) 第五百六十七条 第五百五十四条第一項の規定にかかわらず、債権者集会において協定を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者の過半数の同意 二 議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意 2 第五百五十四条第二項の規定は、前項第一号の規定の適用について準用する。 (協定の認可の申立て) 第五百六十八条 協定が可決されたときは、清算株式会社は、遅滞なく、裁判所に対し、協定の認可の申立てをしなければならない。 (協定の認可又は不認可の決定) 第五百六十九条 前条の申立てがあった場合には、裁判所は、次項の場合を除き、協定の認可の決定をする。 2 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、協定の不認可の決定をする。 一 特別清算の手続又は協定が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。 ただし、特別清算の手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。 二 協定が遂行される見込みがないとき。 三 協定が不正の方法によって成立するに至ったとき。 四 協定が債権者の一般の利益に反するとき。 (協定の効力発生の時期) 第五百七十条 協定は、認可の決定の確定により、その効力を生ずる。 (協定の効力範囲) 第五百七十一条 協定は、清算株式会社及びすべての協定債権者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。 2 協定は、第五百二十二条第二項に規定する債権者が有する同項に規定する担保権、協定債権者が清算株式会社の保証人その他清算株式会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び清算株式会社以外の者が協定債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。 3 協定の認可の決定が確定したときは、協定債権者の権利は、協定の定めに従い、変更される。 4 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての協定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (協定の内容の変更) 第五百七十二条 協定の実行上必要があるときは、協定の内容を変更することができる。 この場合においては、第五百六十三条から前条までの規定を準用する。 第十款 特別清算の終了 (特別清算終結の決定) 第五百七十三条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合には、清算人、監査役、債権者、株主又は調査委員の申立てにより、特別清算終結の決定をする。 一 特別清算が結了したとき。 二 特別清算の必要がなくなったとき。 (破産手続開始の決定) 第五百七十四条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。 一 協定の見込みがないとき。 二 協定の実行の見込みがないとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反するとき。 2 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。 一 協定が否決されたとき。 二 協定の不認可の決定が確定したとき。 3 前二項の規定により破産手続開始の決定があった場合における破産法第七十一条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第七十二条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第百六十条(第一項第一号を除く。)、第百六十二条(第一項第二号を除く。)、第百六十三条第二項、第百六十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六十六条並びに第百六十七条第二項(同法第百七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。 一 特別清算開始の申立ての前に特別清算開始の命令の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがある場合 当該破産手続開始の申立て 二 前号に掲げる場合以外の場合 特別清算開始の申立て 4 第一項又は第二項の規定により破産手続開始の決定があったときは、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権は、財団債権とする。 第三編 持分会社 第一章 設立 (定款の作成) 第五百七十五条 合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第五百七十六条 持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 社員の氏名又は名称及び住所 五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準 2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 第五百七十七条 前条に規定するもののほか、持分会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (合同会社の設立時の出資の履行) 第五百七十八条 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。 (持分会社の成立) 第五百七十九条 持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第二章 社員 第一節 社員の責任等 (社員の責任) 第五百八十条 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合 二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。) 2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員の抗弁) 第五百八十一条 社員が持分会社の債務を弁済する責任を負う場合には、社員は、持分会社が主張することができる抗弁をもって当該持分会社の債権者に対抗することができる。 2 前項に規定する場合において、持分会社がその債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって持分会社がその債務を免れるべき限度において、社員は、当該債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (社員の出資に係る責任) 第五百八十二条 社員が金銭を出資の目的とした場合において、その出資をすることを怠ったときは、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 2 社員が債権を出資の目的とした場合において、当該債権の債務者が弁済期に弁済をしなかったときは、当該社員は、その弁済をする責任を負う。 この場合においては、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (社員の責任を変更した場合の特則) 第五百八十三条 有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。 2 有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 3 無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。 4 前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (無限責任社員となることを許された未成年者の行為能力) 第五百八十四条 持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。 第二節 持分の譲渡等 (持分の譲渡) 第五百八十五条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 2 前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。 3 第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。 4 前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (持分の全部の譲渡をした社員の責任) 第五百八十六条 持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 第五百八十七条 持分会社は、その持分の全部又は一部を譲り受けることができない。 2 持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には、当該持分は、当該持分会社がこれを取得した時に、消滅する。 第三節 誤認行為の責任 (無限責任社員であると誤認させる行為等をした有限責任社員の責任) 第五百八十八条 合資会社の有限責任社員が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の有限責任社員がその責任の限度を誤認させる行為(前項の行為を除く。)をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員であると誤認させる行為をした者の責任) 第五百八十九条 合名会社又は合資会社の社員でない者が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合名会社又は合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の社員でない者が自己を有限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 第三章 管理 第一節 総則 (業務の執行) 第五百九十条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。 2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。 ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。 (業務を執行する社員を定款で定めた場合) 第五百九十一条 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。 この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。 4 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 5 前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。 6 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (社員の持分会社の業務及び財産状況に関する調査) 第五百九十二条 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、各社員は、持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況を調査することができる。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに同項の規定による調査をすることを制限する旨を定めることができない。 第二節 業務を執行する社員 (業務を執行する社員と持分会社との関係) 第五百九十三条 業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。 2 業務を執行する社員は、法令及び定款を遵守し、持分会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 3 業務を執行する社員は、持分会社又は他の社員の請求があるときは、いつでもその職務の執行の状況を報告し、その職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 4 民法第六百四十六条から第六百五十条までの規定は、業務を執行する社員と持分会社との関係について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条第一項、第六百四十八条第二項、第六百四十八条の二、第六百四十九条及び第六百五十条中「委任事務」とあるのは「その職務」と、同法第六百四十八条第三項第一号中「委任事務」とあり、及び同項第二号中「委任」とあるのは「前項の職務」と読み替えるものとする。 5 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (競業の禁止) 第五百九十四条 業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承認を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 持分会社の事業と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 業務を執行する社員が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定する。 (利益相反取引の制限) 第五百九十五条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。 二 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項各号の取引については、適用しない。 (業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任) 第五百九十六条 業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (業務を執行する有限責任社員の第三者に対する損害賠償責任) 第五百九十七条 業務を執行する有限責任社員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該有限責任社員は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が業務を執行する社員である場合の特則) 第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。 2 第五百九十三条から前条までの規定は、前項の規定により選任された社員の職務を行うべき者について準用する。 (持分会社の代表) 第五百九十九条 業務を執行する社員は、持分会社を代表する。 ただし、他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の業務を執行する社員が二人以上ある場合には、業務を執行する社員は、各自、持分会社を代表する。 3 持分会社は、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から持分会社を代表する社員を定めることができる。 4 持分会社を代表する社員は、持分会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (持分会社を代表する社員等の行為についての損害賠償責任) 第六百条 持分会社は、持分会社を代表する社員その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (持分会社と社員との間の訴えにおける会社の代表) 第六百一条 第五百九十九条第四項の規定にかかわらず、持分会社が社員に対し、又は社員が持分会社に対して訴えを提起する場合において、当該訴えについて持分会社を代表する者(当該社員を除く。)が存しないときは、当該社員以外の社員の過半数をもって、当該訴えについて持分会社を代表する者を定めることができる。 第六百二条 第五百九十九条第一項の規定にかかわらず、社員が持分会社に対して社員の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において、持分会社が当該請求の日から六十日以内に当該訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、当該訴えについて持分会社を代表することができる。 ただし、当該訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該持分会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 第三節 業務を執行する社員の職務を代行する者 第六百三条 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、持分会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、持分会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 第四章 社員の加入及び退社 第一節 社員の加入 (社員の加入) 第六百四条 持分会社は、新たに社員を加入させることができる。 2 持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる。 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となろうとする者が同項の定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、当該払込み又は給付を完了した時に、合同会社の社員となる。 (加入した社員の責任) 第六百五条 持分会社の成立後に加入した社員は、その加入前に生じた持分会社の債務についても、これを弁済する責任を負う。 第二節 社員の退社 (任意退社) 第六百六条 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。 この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第六百七条 社員は、前条、第六百九条第一項、第六百四十二条第二項及び第八百四十五条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡 四 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。) 七 後見開始の審判を受けたこと。 八 除名 2 持分会社は、その社員が前項第五号から第七号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる。 (相続及び合併の場合の特則) 第六百八条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。 2 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。 3 第一項の定款の定めがある場合には、持分会社は、同項の一般承継人が持分を承継した時に、当該一般承継人に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものであって、出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該出資に係る払込み又は給付の履行をする責任を負う。 5 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した持分についての権利を行使する者一人を定めなければ、当該持分についての権利を行使することができない。 ただし、持分会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (持分の差押債権者による退社) 第六百九条 社員の持分を差し押さえた債権者は、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができる。 この場合においては、当該債権者は、六箇月前までに持分会社及び当該社員にその予告をしなければならない。 2 前項後段の予告は、同項の社員が、同項の債権者に対し、弁済し、又は相当の担保を提供したときは、その効力を失う。 3 第一項後段の予告をした同項の債権者は、裁判所に対し、持分の払戻しの請求権の保全に関し必要な処分をすることを申し立てることができる。 (退社に伴う定款のみなし変更) 第六百十条 第六百六条、第六百七条第一項、前条第一項又は第六百四十二条第二項の規定により社員が退社した場合(第八百四十五条の規定により社員が退社したものとみなされる場合を含む。)には、持分会社は、当該社員が退社した時に、当該社員に係る定款の定めを廃止する定款の変更をしたものとみなす。 (退社に伴う持分の払戻し) 第六百十一条 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。 ただし、第六百八条第一項及び第二項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。 2 退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。 3 退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 4 退社の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 5 社員が除名により退社した場合における第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「退社の時」とあるのは、「除名の訴えを提起した時」とする。 6 前項に規定する場合には、持分会社は、除名の訴えを提起した日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 7 社員の持分の差押えは、持分の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 (退社した社員の責任) 第六百十二条 退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (商号変更の請求) 第六百十三条 持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第六百十四条 持分会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第六百十五条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 持分会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の提出命令) 第六百十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三節 計算書類 (計算書類の作成及び保存) 第六百十七条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。 3 計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 持分会社は、計算書類を作成した時から十年間、これを保存しなければならない。 (計算書類の閲覧等) 第六百十八条 持分会社の社員は、当該持分会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 計算書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 計算書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時に同項各号に掲げる請求をすることを制限する旨を定めることができない。 (計算書類の提出命令) 第六百十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 資本金の額の減少 第六百二十条 持分会社は、損失のてん補のために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により減少する資本金の額は、損失の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えることができない。 第五節 利益の配当 (利益の配当) 第六百二十一条 社員は、持分会社に対し、利益の配当を請求することができる。 2 持分会社は、利益の配当を請求する方法その他の利益の配当に関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、利益の配当を請求する権利に対しても、その効力を有する。 (社員の損益分配の割合) 第六百二十二条 損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失の一方についてのみ分配の割合についての定めを定款で定めたときは、その割合は、利益及び損失の分配に共通であるものと推定する。 (有限責任社員の利益の配当に関する責任) 第六百二十三条 持分会社が利益の配当により有限責任社員に対して交付した金銭等の帳簿価額(以下この項において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額(持分会社の利益の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この章において同じ。)を超える場合には、当該利益の配当を受けた有限責任社員は、当該持分会社に対し、連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 2 前項に規定する場合における同項の利益の配当を受けた有限責任社員についての第五百八十条第二項の規定の適用については、同項中「を限度として」とあるのは、「及び第六百二十三条第一項の配当額が同項の利益額を超過する額(同項の義務を履行した額を除く。)の合計額を限度として」とする。 第六節 出資の払戻し 第六百二十四条 社員は、持分会社に対し、既に出資として払込み又は給付をした金銭等の払戻し(以下この編において「出資の払戻し」という。)を請求することができる。 この場合において、当該金銭等が金銭以外の財産であるときは、当該財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求することを妨げない。 2 持分会社は、出資の払戻しを請求する方法その他の出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、出資の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 第七節 合同会社の計算等に関する特則 第一款 計算書類の閲覧に関する特則 第六百二十五条 合同会社の債権者は、当該合同会社の営業時間内は、いつでも、その計算書類(作成した日から五年以内のものに限る。)について第六百十八条第一項各号に掲げる請求をすることができる。 第二款 資本金の額の減少に関する特則 (出資の払戻し又は持分の払戻しを行う場合の資本金の額の減少) 第六百二十六条 合同会社は、第六百二十条第一項の場合のほか、出資の払戻し又は持分の払戻しのために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により出資の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十二条第二項に規定する出資払戻額から出資の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 3 第一項の規定により持分の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十五条第一項に規定する持分払戻額から持分の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 4 前二項に規定する「剰余金額」とは、第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(第四款及び第五款において同じ。)。 一 資産の額 二 負債の額 三 資本金の額 四 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (債権者の異議) 第六百二十七条 合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金の額の減少の内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 資本金の額の減少は、前各項の手続が終了した日に、その効力を生ずる。 第三款 利益の配当に関する特則 (利益の配当の制限) 第六百二十八条 合同会社は、利益の配当により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十一条第一項の規定による請求を拒むことができる。 (利益の配当に関する責任) 第六百二十九条 合同会社が前条の規定に違反して利益の配当をした場合には、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、利益の配当をした日における利益額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十条 前条第一項に規定する場合において、利益の配当を受けた社員は、配当額が利益の配当をした日における利益額を超えることにつき善意であるときは、当該配当額について、当該利益の配当に関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、利益の配当を受けた社員に対し、配当額(当該配当額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 3 第六百二十三条第二項の規定は、合同会社の社員については、適用しない。 (欠損が生じた場合の責任) 第六百三十一条 合同会社が利益の配当をした場合において、当該利益の配当をした日の属する事業年度の末日に欠損額(合同会社の欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、その欠損額(当該欠損額が配当額を超えるときは、当該配当額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 第四款 出資の払戻しに関する特則 (出資の払戻しの制限) 第六百三十二条 第六百二十四条第一項の規定にかかわらず、合同会社の社員は、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、同項前段の規定による請求をすることができない。 2 合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「出資払戻額」という。)が、第六百二十四条第一項前段の規定による請求をした日における剰余金額(第六百二十六条第一項の資本金の額の減少をした場合にあっては、その減少をした後の剰余金額。以下この款において同じ。)又は前項の出資の価額を減少した額のいずれか少ない額を超える場合には、当該出資の払戻しをすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十四条第一項前段の規定による請求を拒むことができる。 (出資の払戻しに関する社員の責任) 第六百三十三条 合同会社が前条の規定に違反して出資の払戻しをした場合には、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該出資の払戻しを受けた社員と連帯して、当該出資払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、出資の払戻しをした日における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十四条 前条第一項に規定する場合において、出資の払戻しを受けた社員は、出資払戻額が出資の払戻しをした日における剰余金額を超えることにつき善意であるときは、当該出資払戻額について、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、出資の払戻しを受けた社員に対し、出資払戻額(当該出資払戻額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 第五款 退社に伴う持分の払戻しに関する特則 (債権者の異議) 第六百三十五条 合同会社が持分の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「持分払戻額」という。)が当該持分の払戻しをする日における剰余金額を超える場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、持分の払戻しについて異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月(持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合にあっては、二箇月)を下ることができない。 一 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、この限りでない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該持分の払戻しについて承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合において、当該持分の払戻しをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (業務を執行する社員の責任) 第六百三十六条 合同会社が前条の規定に違反して持分の払戻しをした場合には、当該持分の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該持分の払戻しを受けた社員と連帯して、当該持分払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、持分の払戻しに関する業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、持分の払戻しをした時における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 第六章 定款の変更 (定款の変更) 第六百三十七条 持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。 (定款の変更による持分会社の種類の変更) 第六百三十八条 合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 二 その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更 合資会社 三 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 2 合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 3 合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 三 その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更 合資会社 (合資会社の社員の退社による定款のみなし変更) 第六百三十九条 合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなす。 2 合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなす。 (定款の変更時の出資の履行) 第六百四十条 第六百三十八条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる定款の変更をする場合において、当該定款の変更をする持分会社の社員が当該定款の変更後の合同会社に対する出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更は、当該払込み及び給付が完了した日に、その効力を生ずる。 2 前条第二項の規定により合同会社となる定款の変更をしたものとみなされた場合において、社員がその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更をしたものとみなされた日から一箇月以内に、当該払込み又は給付を完了しなければならない。 ただし、当該期間内に、合名会社又は合資会社となる定款の変更をした場合は、この限りでない。 第七章 解散 (解散の事由) 第六百四十一条 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 総社員の同意 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判 (持分会社の継続) 第六百四十二条 持分会社は、前条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、次章の規定による清算が結了するまで、社員の全部又は一部の同意によって、持分会社を継続することができる。 2 前項の場合には、持分会社を継続することについて同意しなかった社員は、持分会社が継続することとなった日に、退社する。 (解散した持分会社の合併等の制限) 第六百四十三条 持分会社が解散した場合には、当該持分会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第八章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第六百四十四条 持分会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第六百四十一条第五号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算持分会社の能力) 第六百四十五条 前条の規定により清算をする持分会社(以下「清算持分会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算人 (清算人の設置) 第六百四十六条 清算持分会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 (清算人の就任) 第六百四十七条 次に掲げる者は、清算持分会社の清算人となる。 一 業務を執行する社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員(業務を執行する社員を定款で定めた場合にあっては、その社員)の過半数の同意によって定める者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第六百四十一条第四号又は第七号に掲げる事由によって解散した清算持分会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第六百四十四条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算持分会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 (清算人の解任) 第六百四十八条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、解任することができる。 2 前項の規定による解任は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、社員その他利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 (清算人の職務) 第六百四十九条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第六百五十条 清算人は、清算持分会社の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、社員が二人以上ある場合には、清算持分会社の事業の全部又は一部の譲渡は、社員の過半数をもって決定する。 (清算人と清算持分会社との関係) 第六百五十一条 清算持分会社と清算人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 第五百九十三条第二項、第五百九十四条及び第五百九十五条の規定は、清算人について準用する。 この場合において、第五百九十四条第一項及び第五百九十五条第一項中「当該社員以外の社員」とあるのは、「社員(当該清算人が社員である場合にあっては、当該清算人以外の社員)」と読み替えるものとする。 (清算人の清算持分会社に対する損害賠償責任) 第六百五十二条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第六百五十三条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が清算人である場合の特則) 第六百五十四条 法人が清算人である場合には、当該法人は、当該清算人の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を社員に通知しなければならない。 2 前三条の規定は、前項の規定により選任された清算人の職務を行うべき者について準用する。 (清算持分会社の代表) 第六百五十五条 清算人は、清算持分会社を代表する。 ただし、他に清算持分会社を代表する清算人その他清算持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算持分会社を代表する。 3 清算持分会社は、定款又は定款の定めに基づく清算人(第六百四十七条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選によって、清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 4 第六百四十七条第一項第一号の規定により業務を執行する社員が清算人となる場合において、持分会社を代表する社員を定めていたときは、当該持分会社を代表する社員が清算持分会社を代表する清算人となる。 5 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 6 第五百九十九条第四項及び第五項の規定は清算持分会社を代表する清算人について、第六百三条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は清算持分会社を代表する清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算持分会社についての破産手続の開始) 第六百五十六条 清算持分会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算持分会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算持分会社が既に債権者に支払い、又は社員に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第六百五十七条 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算持分会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第六百五十八条 清算人は、その就任後遅滞なく、清算持分会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この節において「財産目録等」という。)を作成し、各社員にその内容を通知しなければならない。 2 清算持分会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 3 清算持分会社は、社員の請求により、毎月清算の状況を報告しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第六百五十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第六百六十条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この項及び次条において同じ。)は、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算持分会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第六百六十一条 清算持分会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算持分会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算持分会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算持分会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第六百六十二条 清算持分会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算持分会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (出資の履行の請求) 第六百六十三条 清算持分会社に現存する財産がその債務を完済するのに足りない場合において、その出資の全部又は一部を履行していない社員があるときは、当該出資に係る定款の定めにかかわらず、当該清算持分会社は、当該社員に出資させることができる。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第六百六十四条 清算持分会社は、当該清算持分会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を社員に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第六百六十五条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この条において同じ。)の債権者(知れている債権者を除く。)であって第六百六十条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算持分会社の残余財産を社員の一部に分配した場合には、当該社員の受けた分配と同一の割合の分配を当該社員以外の社員に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五節 残余財産の分配 (残余財産の分配の割合) 第六百六十六条 残余財産の分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 第六節 清算事務の終了等 第六百六十七条 清算持分会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならない。 2 社員が一箇月以内に前項の計算について異議を述べなかったときは、社員は、当該計算の承認をしたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 第七節 任意清算 (財産の処分の方法) 第六百六十八条 持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、定款又は総社員の同意によって、当該持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合における当該持分会社の財産の処分の方法を定めることができる。 2 第二節から前節までの規定は、前項の財産の処分の方法を定めた持分会社については、適用しない。 (財産目録等の作成) 第六百六十九条 前条第一項の財産の処分の方法を定めた持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、解散の日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 2 前条第一項の財産の処分の方法を定めていない持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合において、解散後に同項の財産の処分の方法を定めたときは、清算持分会社は、当該財産の処分の方法を定めた日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 (債権者の異議) 第六百七十条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合には、その解散後の清算持分会社の債権者は、当該清算持分会社に対し、当該財産の処分の方法について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、清算持分会社は、解散の日(前条第二項に規定する場合にあっては、当該財産の処分の方法を定めた日)から二週間以内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 第六百六十八条第一項の財産の処分の方法に従い清算をする旨 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、清算持分会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該財産の処分の方法について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、清算持分会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 (持分の差押債権者の同意等) 第六百七十一条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合において、社員の持分を差し押さえた債権者があるときは、その解散後の清算持分会社がその財産の処分をするには、その債権者の同意を得なければならない。 2 前項の清算持分会社が同項の規定に違反してその財産の処分をしたときは、社員の持分を差し押さえた債権者は、当該清算持分会社に対し、その持分に相当する金額の支払を請求することができる。 第八節 帳簿資料の保存 第六百七十二条 清算人(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、清算持分会社を代表する社員)は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算持分会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、定款で又は社員の過半数をもって帳簿資料を保存する者を定めた場合には、その者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより、第一項の清算人又は前項の規定により帳簿資料を保存する者に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 前項の規定により選任された者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 5 第三項の規定による選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 第九節 社員の責任の消滅時効 第六百七十三条 第五百八十条に規定する社員の責任は、清算持分会社の本店の所在地における解散の登記をした後五年以内に請求又は請求の予告をしない清算持分会社の債権者に対しては、その登記後五年を経過した時に消滅する。 2 前項の期間の経過後であっても、社員に分配していない残余財産があるときは、清算持分会社の債権者は、清算持分会社に対して弁済を請求することができる。 第十節 適用除外等 (適用除外) 第六百七十四条 次に掲げる規定は、清算持分会社については、適用しない。 一 第四章第一節 二 第六百六条、第六百七条第一項(第三号及び第四号を除く。)及び第六百九条 三 第五章第三節(第六百十七条第四項、第六百十八条及び第六百十九条を除く。)から第六節まで及び第七節第二款 四 第六百三十八条第一項第三号及び第二項第二号 (相続及び合併による退社の特則) 第六百七十五条 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、第六百八条第一項の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。 この場合においては、同条第四項及び第五項の規定を準用する。 第四編 社債 第一章 総則 (募集社債に関する事項の決定) 第六百七十六条 会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この編において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集社債の総額 二 各募集社債の金額 三 募集社債の利率 四 募集社債の償還の方法及び期限 五 利息支払の方法及び期限 六 社債券を発行するときは、その旨 七 社債権者が第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 七の二 社債管理者を定めないこととするときは、その旨 八 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨 八の二 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨 九 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法 十 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日 十一 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日 十二 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (募集社債の申込み) 第六百七十七条 会社は、前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 会社の商号 二 当該募集に係る前条各号に掲げる事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数 三 会社が前条第九号の最低金額を定めたときは、希望する払込金額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集社債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集社債の割当て) 第六百七十八条 会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。 この場合において、会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 会社は、第六百七十六条第十号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければならない。 (募集社債の申込み及び割当てに関する特則) 第六百七十九条 前二条の規定は、募集社債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (募集社債の社債権者) 第六百八十条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集社債の社債権者となる。 一 申込者 会社の割り当てた募集社債 二 前条の契約により募集社債の総額を引き受けた者 その者が引き受けた募集社債 (社債原簿) 第六百八十一条 会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「社債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第六百七十六条第三号から第八号の二までに掲げる事項その他の社債の内容を特定するものとして法務省令で定める事項(以下この編において「種類」という。) 二 種類ごとの社債の総額及び各社債の金額 三 各社債と引換えに払い込まれた金銭の額及び払込みの日 四 社債権者(無記名社債(無記名式の社債券が発行されている社債をいう。以下この編において同じ。)の社債権者を除く。)の氏名又は名称及び住所 五 前号の社債権者が各社債を取得した日 六 社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数 七 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第六百八十二条 社債権者(無記名社債の社債権者を除く。)は、社債を発行した会社(以下この編において「社債発行会社」という。)に対し、当該社債権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された社債原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該社債原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (社債原簿管理人) 第六百八十三条 会社は、社債原簿管理人(会社に代わって社債原簿の作成及び備置きその他の社債原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (社債原簿の備置き及び閲覧等) 第六百八十四条 社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 社債権者その他の法務省令で定める者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社債原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社債原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 社債発行会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 当該請求を行う者が社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 三 当該請求を行う者が、過去二年以内において、社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 社債発行会社が株式会社である場合には、当該社債発行会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該社債発行会社の社債原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (社債権者に対する通知等) 第六百八十五条 社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告は、社債原簿に記載し、又は記録した当該社債権者の住所(当該社債権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該社債発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該社債発行会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を社債権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、社債発行会社が社債の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第七百二十条第一項の通知に際して社債権者に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (共有者による権利の行使) 第六百八十六条 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該社債についての権利を行使する者一人を定め、会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該社債についての権利を行使することができない。 ただし、会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (社債券を発行する場合の社債の譲渡) 第六百八十七条 社債券を発行する旨の定めがある社債の譲渡は、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の譲渡の対抗要件) 第六百八十八条 社債の譲渡は、その社債を取得した者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合における前項の規定の適用については、同項中「社債発行会社その他の第三者」とあるのは、「社債発行会社」とする。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (権利の推定等) 第六百八十九条 社債券の占有者は、当該社債券に係る社債についての権利を適法に有するものと推定する。 2 社債券の交付を受けた者は、当該社債券に係る社債についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十条 社債発行会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の社債の社債権者に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該社債発行会社の社債を取得した場合 二 当該社債発行会社が有する自己の社債を処分した場合 2 前項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十一条 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)は、当該社債発行会社に対し、当該社債に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した社債の社債権者として社債原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債券を発行する場合の社債の質入れ) 第六百九十二条 社債券を発行する旨の定めがある社債の質入れは、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の質入れの対抗要件) 第六百九十三条 社債の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、社債券を発行する旨の定めがある社債の質権者は、継続して当該社債に係る社債券を占有しなければ、その質権をもって社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する社債原簿の記載等) 第六百九十四条 社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、次に掲げる事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である社債 2 前項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第六百九十五条 前条第一項各号に掲げる事項が社債原簿に記載され、又は記録された質権者は、社債発行会社に対し、当該質権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (信託財産に属する社債についての対抗要件等) 第六百九十五条の二 社債については、当該社債が信託財産に属する旨を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、当該社債が信託財産に属することを社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第六百八十一条第四号の社債権者は、その有する社債が信託財産に属するときは、社債発行会社に対し、その旨を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 社債原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第六百八十二条第一項及び第六百九十条第一項の規定の適用については、第六百八十二条第一項中「記録された社債原簿記載事項」とあるのは「記録された社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」と、第六百九十条第一項中「社債原簿記載事項」とあるのは「社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある社債については、適用しない。 (社債券の発行) 第六百九十六条 社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければならない。 (社債券の記載事項) 第六百九十七条 社債券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 社債発行会社の商号 二 当該社債券に係る社債の金額 三 当該社債券に係る社債の種類 2 社債券には、利札を付することができる。 (記名式と無記名式との間の転換) 第六百九十八条 社債券が発行されている社債の社債権者は、第六百七十六条第七号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の社債券を無記名式とし、又はその無記名式の社債券を記名式とすることを請求することができる。 (社債券の喪失) 第六百九十九条 社債券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 社債券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 (利札が欠けている場合における社債の償還) 第七百条 社債発行会社は、社債券が発行されている社債をその償還の期限前に償還する場合において、これに付された利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければならない。 ただし、当該請求権が弁済期にある場合は、この限りでない。 2 前項の利札の所持人は、いつでも、社債発行会社に対し、これと引換えに同項の規定により控除しなければならない額の支払を請求することができる。 (社債の償還請求権等の消滅時効) 第七百一条 社債の償還請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 社債の利息の請求権及び前条第二項の規定による請求権は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 第二章 社債管理者 (社債管理者の設置) 第七百二条 会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合は、この限りでない。 (社債管理者の資格) 第七百三条 社債管理者は、次に掲げる者でなければならない。 一 銀行 二 信託会社 三 前二号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして法務省令で定める者 (社債管理者の義務) 第七百四条 社債管理者は、社債権者のために、公平かつ誠実に社債の管理を行わなければならない。 2 社債管理者は、社債権者に対し、善良な管理者の注意をもって社債の管理を行わなければならない。 (社債管理者の権限等) 第七百五条 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。 この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。 3 前項前段の規定による請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 第七百六条 社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、第二号に掲げる行為については、第六百七十六条第八号に掲げる事項についての定めがあるときは、この限りでない。 一 当該社債の全部についてするその支払の猶予、その債務若しくはその債務の不履行によって生じた責任の免除又は和解(次号に掲げる行為を除く。) 二 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(前条第一項の行為を除く。) 2 社債管理者は、前項ただし書の規定により社債権者集会の決議によらずに同項第二号に掲げる行為をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 3 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項各号に掲げる行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (特別代理人の選任) 第七百七条 社債権者と社債管理者との利益が相反する場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする必要があるときは、裁判所は、社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任しなければならない。 (社債管理者等の行為の方式) 第七百八条 社債管理者又は前条の特別代理人が社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、個別の社債権者を表示することを要しない。 (二以上の社債管理者がある場合の特則) 第七百九条 二以上の社債管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 2 前項に規定する場合において、社債管理者が第七百五条第一項の弁済を受けたときは、社債管理者は、社債権者に対し、連帯して、当該弁済の額を支払う義務を負う。 (社債管理者の責任) 第七百十条 社債管理者は、この法律又は社債権者集会の決議に違反する行為をしたときは、社債権者に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 社債管理者は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に、次に掲げる行為をしたときは、社債権者に対し、損害を賠償する責任を負う。 ただし、当該社債管理者が誠実にすべき社債の管理を怠らなかったこと又は当該損害が当該行為によって生じたものでないことを証明したときは、この限りでない。 一 当該社債管理者の債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けること。 二 当該社債管理者と法務省令で定める特別の関係がある者に対して当該社債管理者の債権を譲り渡すこと(当該特別の関係がある者が当該債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けた場合に限る。)。 三 当該社債管理者が社債発行会社に対する債権を有する場合において、契約によって負担する債務を専ら当該債権をもってする相殺に供する目的で社債発行会社の財産の処分を内容とする契約を社債発行会社との間で締結し、又は社債発行会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結し、かつ、これにより社債発行会社に対し負担した債務と当該債権とを相殺すること。 四 当該社債管理者が社債発行会社に対して債務を負担する場合において、社債発行会社に対する債権を譲り受け、かつ、当該債務と当該債権とを相殺すること。 (社債管理者の辞任) 第七百十一条 社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任することができる。 この場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、第七百二条の規定による委託に係る契約に定めた事由があるときは、辞任することができる。 ただし、当該契約に事務を承継する社債管理者に関する定めがないときは、この限りでない。 3 第一項の規定にかかわらず、社債管理者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (社債管理者が辞任した場合の責任) 第七百十二条 第七百十条第二項の規定は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に前条第二項の規定により辞任した社債管理者について準用する。 (社債管理者の解任) 第七百十三条 裁判所は、社債管理者がその義務に違反したとき、その事務処理に不適任であるときその他正当な理由があるときは、社債発行会社又は社債権者集会の申立てにより、当該社債管理者を解任することができる。 (社債管理者の事務の承継) 第七百十四条 社債管理者が次のいずれかに該当することとなった場合において、他に社債管理者がないときは、社債発行会社は、事務を承継する社債管理者を定め、社債権者のために、社債の管理を行うことを委託しなければならない。 この場合においては、社債発行会社は、社債権者集会の同意を得るため、遅滞なく、これを招集し、かつ、その同意を得ることができなかったときは、その同意に代わる裁判所の許可の申立てをしなければならない。 一 第七百三条各号に掲げる者でなくなったとき。 二 第七百十一条第三項の規定により辞任したとき。 三 前条の規定により解任されたとき。 四 解散したとき。 2 社債発行会社は、前項前段に規定する場合において、同項各号のいずれかに該当することとなった日後二箇月以内に、同項後段の規定による招集をせず、又は同項後段の申立てをしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 3 第一項前段に規定する場合において、やむを得ない事由があるときは、利害関係人は、裁判所に対し、事務を承継する社債管理者の選任の申立てをすることができる。 4 社債発行会社は、第一項前段の規定により事務を承継する社債管理者を定めた場合(社債権者集会の同意を得た場合を除く。)又は前項の規定による事務を承継する社債管理者の選任があった場合には、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 第二章の二 社債管理補助者 (社債管理補助者の設置) 第七百十四条の二 会社は、第七百二条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。 ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。 (社債管理補助者の資格) 第七百十四条の三 社債管理補助者は、第七百三条各号に掲げる者その他法務省令で定める者でなければならない。 (社債管理補助者の権限等) 第七百十四条の四 社債管理補助者は、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 二 強制執行又は担保権の実行の手続における配当要求 三 第四百九十九条第一項の期間内に債権の申出をすること。 2 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に定める範囲内において、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 社債に係る債権の弁済を受けること。 二 第七百五条第一項の行為(前項各号及び前号に掲げる行為を除く。) 三 第七百六条第一項各号に掲げる行為 四 社債発行会社が社債の総額について期限の利益を喪失することとなる行為 3 前項の場合において、社債管理補助者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 前項第二号に掲げる行為であって、次に掲げるもの イ 当該社債の全部についてするその支払の請求 ロ 当該社債の全部に係る債権に基づく強制執行、仮差押え又は仮処分 ハ 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(イ及びロに掲げる行為を除く。) 二 前項第三号及び第四号に掲げる行為 4 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に従い、社債の管理に関する事項を社債権者に報告し、又は社債権者がこれを知ることができるようにする措置をとらなければならない。 5 第七百五条第二項及び第三項の規定は、第二項第一号に掲げる行為をする権限を有する社債管理補助者について準用する。 (二以上の社債管理補助者がある場合の特則) 第七百十四条の五 二以上の社債管理補助者があるときは、社債管理補助者は、各自、その権限に属する行為をしなければならない。 2 社債管理補助者が社債権者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の社債管理補助者も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (社債管理者等との関係) 第七百十四条の六 第七百二条の規定による委託に係る契約又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の効力が生じた場合には、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約は、終了する。 (社債管理者に関する規定の準用) 第七百十四条の七 第七百四条、第七百七条、第七百八条、第七百十条第一項、第七百十一条、第七百十三条及び第七百十四条の規定は、社債管理補助者について準用する。 この場合において、第七百四条中「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、同項中「社債権者に対し、連帯して」とあるのは「社債権者に対し」と、第七百十一条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「において」と、同条第二項中「第七百二条」とあるのは「第七百十四条の二」と、第七百十四条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「には」と、「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、「第七百三条各号に掲げる」とあるのは「第七百十四条の三に規定する」と、「解散した」とあるのは「死亡し、又は解散した」と読み替えるものとする。 第三章 社債権者集会 (社債権者集会の構成) 第七百十五条 社債権者は、社債の種類ごとに社債権者集会を組織する。 (社債権者集会の権限) 第七百十六条 社債権者集会は、この法律に規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。 (社債権者集会の招集) 第七百十七条 社債権者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 社債権者集会は、次項又は次条第三項の規定により招集する場合を除き、社債発行会社又は社債管理者が招集する。 3 次に掲げる場合には、社債管理補助者は、社債権者集会を招集することができる。 一 次条第一項の規定による請求があった場合 二 第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意を得るため必要がある場合 (社債権者による招集の請求) 第七百十八条 ある種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者は、社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に対し、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、社債権者集会の招集を請求することができる。 2 社債発行会社が有する自己の当該種類の社債の金額の合計額は、前項に規定する社債の総額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした社債権者は、裁判所の許可を得て、社債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間以内の日を社債権者集会の日とする社債権者集会の招集の通知が発せられない場合 4 第一項の規定による請求又は前項の規定による招集をしようとする無記名社債の社債権者は、その社債券を社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に提示しなければならない。 (社債権者集会の招集の決定) 第七百十九条 社債権者集会を招集する者(以下この章において「招集者」という。)は、社債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社債権者集会の日時及び場所 二 社債権者集会の目的である事項 三 社債権者集会に出席しない社債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債権者集会の招集の通知) 第七百二十条 社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の二週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては社債管理者又は社債管理補助者に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 社債発行会社が無記名式の社債券を発行している場合において、社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の三週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を公告しなければならない。 5 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、招集者が社債発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 (社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七百二十一条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている社債権者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「社債権者集会参考書類」という。)及び社債権者が議決権を行使するための書面(以下この章において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした社債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社債権者の請求があったときは、これらの書類を当該社債権者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、社債権者集会の日の一週間前までに無記名社債の社債権者の請求があったときは、直ちに、社債権者集会参考書類及び議決権行使書面を当該社債権者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、社債権者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第七百二十二条 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第七百二十条第二項の承諾をした社債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第七百二十条第二項の承諾をしていない社債権者から社債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の額等) 第七百二十三条 社債権者は、社債権者集会において、その有する当該種類の社債の金額の合計額(償還済みの額を除く。)に応じて、議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、社債発行会社は、その有する自己の社債については、議決権を有しない。 3 議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は、社債権者集会の日の一週間前までに、その社債券を招集者に提示しなければならない。 (社債権者集会の決議) 第七百二十四条 社債権者集会において決議をする事項を可決するには、出席した議決権者(議決権を行使することができる社債権者をいう。以下この章において同じ。)の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債権者集会において次に掲げる事項を可決するには、議決権者の議決権の総額の五分の一以上で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意がなければならない。 一 第七百六条第一項各号に掲げる行為に関する事項 二 第七百六条第一項、第七百十四条の四第三項(同条第二項第三号に掲げる行為に係る部分に限る。)、第七百三十六条第一項、第七百三十七条第一項ただし書及び第七百三十八条の規定により社債権者集会の決議を必要とする事項 3 社債権者集会は、第七百十九条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第七百二十五条 社債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第七百二十六条 社債権者集会に出席しない社債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七百二十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (議決権の不統一行使) 第七百二十八条 社債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、社債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の社債権者が他人のために社債を有する者でないときは、当該社債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (社債発行会社の代表者の出席等) 第七百二十九条 社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者は、その代表者若しくは代理人を社債権者集会に出席させ、又は書面により意見を述べることができる。 ただし、社債管理者又は社債管理補助者にあっては、その社債権者集会が第七百七条(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の特別代理人の選任について招集されたものであるときは、この限りでない。 2 社債権者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、社債発行会社に対し、その代表者又は代理人の出席を求めることができる。 この場合において、社債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第七百三十条 社債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第七百十九条及び第七百二十条の規定は、適用しない。 (議事録) 第七百三十一条 社債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 社債発行会社は、社債権者集会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社債権者集会の決議の認可の申立て) 第七百三十二条 社債権者集会の決議があったときは、招集者は、当該決議があった日から一週間以内に、裁判所に対し、当該決議の認可の申立てをしなければならない。 (社債権者集会の決議の不認可) 第七百三十三条 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、社債権者集会の決議の認可をすることができない。 一 社債権者集会の招集の手続又はその決議の方法が法令又は第六百七十六条の募集のための当該社債発行会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料に記載され、若しくは記録された事項に違反するとき。 二 決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。 三 決議が著しく不公正であるとき。 四 決議が社債権者の一般の利益に反するとき。 (社債権者集会の決議の効力) 第七百三十四条 社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 社債権者集会の決議は、当該種類の社債を有するすべての社債権者に対してその効力を有する。 (社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定の公告) 第七百三十五条 社債発行会社は、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定があった場合には、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。 (社債権者集会の決議の省略) 第七百三十五条の二 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。 2 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。 (代表社債権者の選任等) 第七百三十六条 社債権者集会においては、その決議によって、当該種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の千分の一以上に当たる社債を有する社債権者の中から、一人又は二人以上の代表社債権者を選任し、これに社債権者集会において決議をする事項についての決定を委任することができる。 2 第七百十八条第二項の規定は、前項に規定する社債の総額について準用する。 3 代表社債権者が二人以上ある場合において、社債権者集会において別段の定めを行わなかったときは、第一項に規定する事項についての決定は、その過半数をもって行う。 (社債権者集会の決議の執行) 第七百三十七条 社債権者集会の決議は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が執行する。 ただし、社債権者集会の決議によって別に社債権者集会の決議を執行する者を定めたときは、この限りでない。 一 社債管理者がある場合 社債管理者 二 社債管理補助者がある場合において、社債管理補助者の権限に属する行為に関する事項を可決する旨の社債権者集会の決議があったとき 社債管理補助者 三 前二号に掲げる場合以外の場合 代表社債権者 2 第七百五条第一項から第三項まで、第七百八条及び第七百九条の規定は、代表社債権者又は前項ただし書の規定により定められた社債権者集会の決議を執行する者(以下この章において「決議執行者」という。)が社債権者集会の決議を執行する場合について準用する。 (代表社債権者等の解任等) 第七百三十八条 社債権者集会においては、その決議によって、いつでも、代表社債権者若しくは決議執行者を解任し、又はこれらの者に委任した事項を変更することができる。 (社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失) 第七百三十九条 社債発行会社が社債の利息の支払を怠ったとき、又は定期に社債の一部を償還しなければならない場合においてその償還を怠ったときは、社債権者集会の決議に基づき、当該決議を執行する者は、社債発行会社に対し、一定の期間内にその弁済をしなければならない旨及び当該期間内にその弁済をしないときは当該社債の総額について期限の利益を喪失する旨を書面により通知することができる。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の決議を執行する者は、同項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、社債発行会社の承諾を得て、同項の規定により通知する事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該決議を執行する者は、当該書面による通知をしたものとみなす。 3 社債発行会社は、第一項の期間内に同項の弁済をしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 (債権者の異議手続の特則) 第七百四十条 第四百四十九条、第六百二十七条、第六百三十五条、第六百七十条、第七百七十九条(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条(第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十六条の八の規定により社債権者が異議を述べるには、社債権者集会の決議によらなければならない。 この場合においては、裁判所は、利害関係人の申立てにより、社債権者のために異議を述べることができる期間を伸長することができる。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、社債権者のために、異議を述べることができる。 ただし、第七百二条の規定による委託に係る契約に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 社債発行会社における第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百八十九条第二項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百九十九条第二項(第八百二条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第八百十条第二項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第八百十六条の八第二項の規定の適用については、第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項、第七百九十九条第二項及び第八百十六条の八第二項中「知れている債権者」とあるのは「知れている債権者(社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては、当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」と、第七百八十九条第二項及び第八百十条第二項中「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)」とあるのは「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限り、社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」とする。 (社債管理者等の報酬等) 第七百四十一条 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者に対して与えるべき報酬、その事務処理のために要する費用及びその支出の日以後における利息並びにその事務処理のために自己の過失なくして受けた損害の賠償額は、社債発行会社との契約に定めがある場合を除き、裁判所の許可を得て、社債発行会社の負担とすることができる。 2 前項の許可の申立ては、社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者がする。 3 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者は、第一項の報酬、費用及び利息並びに損害の賠償額に関し、第七百五条第一項(第七百三十七条第二項において準用する場合を含む。)又は第七百十四条の四第二項第一号の弁済を受けた額について、社債権者に先立って弁済を受ける権利を有する。 (社債権者集会等の費用の負担) 第七百四十二条 社債権者集会に関する費用は、社債発行会社の負担とする。 2 第七百三十二条の申立てに関する費用は、社債発行会社の負担とする。 ただし、裁判所は、社債発行会社その他利害関係人の申立てにより又は職権で、当該費用の全部又は一部について、招集者その他利害関係人の中から別に負担者を定めることができる。 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付 第一章 組織変更 第一節 通則 (組織変更計画の作成) 第七百四十三条 会社は、組織変更をすることができる。 この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。 第二節 株式会社の組織変更 (株式会社の組織変更計画) 第七百四十四条 株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 組織変更後持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 組織変更後持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、組織変更後持分会社の定款で定める事項 五 組織変更後持分会社が組織変更に際して組織変更をする株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(組織変更後持分会社の持分を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債であるときは、当該社債の種類(第百七条第二項第二号ロに規定する社債の種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の株主(組織変更をする株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、組織変更後持分会社が組織変更に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 九 組織変更がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 組織変更後持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 組織変更後持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 組織変更後持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (株式会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十五条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、組織変更後持分会社の社員となる。 4 前条第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号イの社債の社債権者となる。 5 組織変更をする株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百七十九条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第三節 持分会社の組織変更 (持分会社の組織変更計画) 第七百四十六条 持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項 三 組織変更後株式会社の取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称 ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 組織変更後株式会社の監査役の氏名 ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称 五 組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 六 組織変更をする持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭等(組織変更後株式会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債等(社債及び新株予約権をいう。以下この編において同じ。)以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする持分会社の社員に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 九 効力発生日 2 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 (持分会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十七条 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、株式会社となる。 2 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 4 次の各号に掲げる場合には、組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、第七百八十一条第二項において準用する第七百七十九条(第二項第二号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第二章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 株式会社が存続する吸収合併 (株式会社が存続する吸収合併契約) 第七百四十九条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である吸収合併存続会社(以下この編において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併により消滅する会社(以下この編において「吸収合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して吸収合併存続株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの吸収合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収合併存続株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 六 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続株式会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 5 前条第一項第四号イに規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、効力発生日に、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号イの吸収合併存続株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 持分会社が存続する吸収合併 (持分会社が存続する吸収合併契約) 第七百五十一条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である吸収合併存続会社(以下この節において「吸収合併存続持分会社」という。)及び吸収合併消滅会社の商号及び住所 二 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員が吸収合併に際して吸収合併存続持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収合併存続持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等(吸収合併存続持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続持分会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 七 効力発生日 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続持分会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (持分会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十二条 吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第三節 新設合併 第一款 株式会社を設立する新設合併 (株式会社を設立する新設合併契約) 第七百五十三条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社(以下この編において「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する会社(以下この編において「新設合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 株式会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立株式会社の定款で定める事項 四 新設合併設立株式会社の設立時取締役の氏名 五 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設合併設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設合併設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して株式会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅持分会社」という。)の社員に対して交付するその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設合併設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立株式会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して新設合併設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの新設合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設合併設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、新設合併消滅株式会社の全部又は一部が種類株式発行会社であるときは、新設合併消滅会社は、新設合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第七号に掲げる事項(新設合併消滅株式会社の株主に係る事項に限る。次項において同じ。)として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して新設合併設立株式会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、新設合併設立株式会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第七号に掲げる事項についての定めは、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて新設合併設立株式会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第九号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「新設合併設立株式会社の株式」とあるのは、「新設合併設立株式会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十四条 新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、前条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立株式会社の成立の日に、消滅する。 5 前条第一項第十号イに規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号イの新設合併設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第二款 持分会社を設立する新設合併 (持分会社を設立する新設合併契約) 第七百五十五条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併設立会社が持分会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併消滅会社の商号及び住所 二 持分会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 三 新設合併設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 四 新設合併設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 五 前二号に掲げるもののほか、新設合併設立持分会社の定款で定める事項 六 新設合併設立持分会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立持分会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立持分会社が合名会社であるときは、前項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設合併設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設合併設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十六条 新設合併設立持分会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設合併設立持分会社の社員となる。 3 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の社債の社債権者となる。 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立持分会社の成立の日に、消滅する。 第三章 会社分割 第一節 吸収分割 第一款 通則 (吸収分割契約の締結) 第七百五十七条 会社(株式会社又は合同会社に限る。)は、吸収分割をすることができる。 この場合においては、当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下この編において「吸収分割承継会社」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に権利義務を承継させる吸収分割 (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百五十八条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割をする会社(以下この編において「吸収分割会社」という。)及び株式会社である吸収分割承継会社(以下この編において「吸収分割承継株式会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継株式会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である吸収分割会社(以下この編において「吸収分割株式会社」という。)及び吸収分割承継株式会社の株式並びに吸収分割株式会社の新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式を吸収分割承継株式会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収分割承継株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 五 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該吸収分割承継株式会社の新株予約権の交付を受ける吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「吸収分割契約新株予約権」という。)の内容 ロ 吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収分割承継株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 吸収分割契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収分割承継株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収分割承継株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 七 吸収分割がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 八 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継株式会社の株式(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継株式会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継株式会社の株式のみであるものに限る。) (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百五十九条 吸収分割承継株式会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継株式会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 次の各号に掲げる場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第四号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第四号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第四号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第四号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 9 前条第五号に規定する場合には、効力発生日に、吸収分割契約新株予約権は、消滅し、当該吸収分割契約新株予約権の新株予約権者は、同条第六号に掲げる事項についての定めに従い、同条第五号ロの吸収分割承継株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第三款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割 (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百六十条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が持分会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割会社及び持分会社である吸収分割承継会社(以下この節において「吸収分割承継持分会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継持分会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(吸収分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社の株式を吸収分割承継持分会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割会社が吸収分割に際して吸収分割承継持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収分割承継持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 五 吸収分割承継持分会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等(吸収分割承継持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 効力発生日 七 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継持分会社の持分(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継持分会社の持分に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継持分会社の持分のみであるものに限る。) (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百六十一条 吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 9 前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第二節 新設分割 第一款 通則 (新設分割計画の作成) 第七百六十二条 一又は二以上の株式会社又は合同会社は、新設分割をすることができる。 この場合においては、新設分割計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合には、当該二以上の株式会社又は合同会社は、共同して新設分割計画を作成しなければならない。 第二款 株式会社を設立する新設分割 (株式会社を設立する新設分割計画) 第七百六十三条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、新設分割設立株式会社の定款で定める事項 三 新設分割設立株式会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設分割設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設分割設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設分割設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設分割設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 新設分割設立株式会社が新設分割により新設分割をする会社(以下この編において「新設分割会社」という。)から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である新設分割会社(以下この編において「新設分割株式会社」という。)の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対して交付するその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設分割設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設分割設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該新設分割設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該新設分割設立株式会社の新株予約権の交付を受ける新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「新設分割計画新株予約権」という。)の内容 ロ 新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する新設分割設立株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 新設分割計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設分割設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設分割設立株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。) 2 新設分割設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 (株式会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十四条 新設分割設立株式会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立株式会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第十二号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立株式会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 9 次の各号に掲げる場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前二項の規定の適用については、第八項中「新設分割計画の定め」とあるのは「同項第七号に掲げる事項についての定め」と、前項中「新設分割計画の定め」とあるのは「前条第一項第九号に掲げる事項についての定め」とする。 11 前条第一項第十号に規定する場合には、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画新株予約権は、消滅し、当該新設分割計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号ロの新設分割設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第三款 持分会社を設立する新設分割 (持分会社を設立する新設分割計画) 第七百六十五条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割設立会社が持分会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 新設分割設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 新設分割設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、新設分割設立持分会社の定款で定める事項 五 新設分割設立持分会社が新設分割により新設分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(新設分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立持分会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設分割株式会社が新設分割設立持分会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立持分会社の持分(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立持分会社の持分のみであるものに限る。) 2 新設分割設立持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設分割設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設分割設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十六条 新設分割設立持分会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立持分会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立持分会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設分割設立持分会社の社員となる。 9 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同号の社債の社債権者となる。 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前項の規定の適用については、同項中「新設分割計画の定めに従い、同号」とあるのは、「同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号」とする。 第四章 株式交換及び株式移転 第一節 株式交換 第一款 通則 (株式交換契約の締結) 第七百六十七条 株式会社は、株式交換をすることができる。 この場合においては、当該株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(株式会社又は合同会社に限る。以下この編において「株式交換完全親会社」という。)との間で、株式交換契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に発行済株式を取得させる株式交換 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百六十八条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容 ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 六 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百六十九条 株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親株式会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親株式会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 次の各号に掲げる場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第四号に規定する場合には、効力発生日に、株式交換契約新株予約権は、消滅し、当該株式交換契約新株予約権の新株予約権者は、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号ロの株式交換完全親株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第四号ハに規定する場合には、株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第三款 合同会社に発行済株式を取得させる株式交換 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百七十条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が合同会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換完全子会社及び合同会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親合同会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全子会社の株主が株式交換に際して株式交換完全親合同会社の社員となるときは、当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 株式交換完全親合同会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(株式交換完全親合同会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 効力発生日 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親合同会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百七十一条 株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親合同会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親合同会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親合同会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、株式交換完全親合同会社の社員となる。 この場合においては、株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 前各項の規定は、第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第二節 株式移転 (株式移転計画の作成) 第七百七十二条 一又は二以上の株式会社は、株式移転をすることができる。 この場合においては、株式移転計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合には、当該二以上の株式会社は、共同して株式移転計画を作成しなければならない。 (株式移転計画) 第七百七十三条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項 三 株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名 ハ 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 六 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 八 前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項 九 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容 ロ 株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十 前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項 2 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式移転の効力の発生等) 第七百七十四条 株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、株式移転完全子会社の発行済株式の全部を取得する。 2 株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第九号に規定する場合には、株式移転設立完全親会社の成立の日に、株式移転計画新株予約権は、消滅し、当該株式移転計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十号に掲げる事項についての定めに従い、同項第九号ロの株式移転設立完全親会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第九号ハに規定する場合には、株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 第四章の二 株式交付 (株式交付計画の作成) 第七百七十四条の二 株式会社は、株式交付をすることができる。 この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。 (株式交付計画) 第七百七十四条の三 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所 二 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限 三 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 四 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項 五 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法 八 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 九 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 十 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日 十一 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み) 第七百七十四条の四 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式交付親会社の商号 二 株式交付計画の内容 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て) 第七百七十四条の五 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。 この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則) 第七百七十四条の六 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (株式交付子会社の株式の譲渡し) 第七百七十四条の七 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。 一 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数 二 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数 2 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの無効又は取消しの制限) 第七百七十四条の八 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、第七百七十四条の四第二項の申込み、第七百七十四条の五第一項の規定による割当て及び第七百七十四条の六の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人は、第七百七十四条の十一第二項の規定により株式交付親会社の株式の株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として株式交付子会社の株式の譲渡しの取消しをすることができない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用) 第七百七十四条の九 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。 この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。 (申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合) 第七百七十四条の十 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。 この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 (株式交付の効力の発生等) 第七百七十四条の十一 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。 2 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合 二 株式交付を中止した場合 三 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合 四 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合 6 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。 第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続 第一節 組織変更の手続 第一款 株式会社の手続 (組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百七十五条 組織変更をする株式会社は、組織変更計画備置開始日から組織変更がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)までの間、組織変更計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 組織変更計画について組織変更をする株式会社の総株主の同意を得た日 二 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第七百七十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百七十九条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 組織変更をする株式会社の株主及び債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式会社の組織変更計画の承認等) 第七百七十六条 組織変更をする株式会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該株式会社の総株主の同意を得なければならない。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新株予約権買取請求) 第七百七十七条 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この款において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 組織変更をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その新株予約権の新株予約権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、組織変更をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 組織変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百七十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と組織変更をする株式会社(効力発生日後にあっては、組織変更後持分会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は組織変更後持分会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 組織変更後持分会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 組織変更をする株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 組織変更をする株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 組織変更をする株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百七十九条 組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。 2 組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 組織変更をする旨 二 組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (組織変更の効力発生日の変更) 第七百八十条 組織変更をする株式会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、組織変更をする株式会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この款及び第七百四十五条の規定を適用する。 第二款 持分会社の手続 第七百八十一条 組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第七百七十九条(第二項第二号を除く。)及び前条の規定は、組織変更をする持分会社について準用する。 この場合において、第七百七十九条第三項中「組織変更をする株式会社」とあるのは「組織変更をする持分会社(合同会社に限る。)」と、前条第三項中「及び第七百四十五条」とあるのは「並びに第七百四十七条及び次条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 吸収合併等の手続 第一款 吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百八十二条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 吸収合併契約 二 吸収分割株式会社 吸収分割契約 三 株式交換完全子会社 株式交換契約 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百八十五条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百八十七条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第七百八十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百八十三条 消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第一項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。 3 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。 5 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者(次条第二項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第七百八十七条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。 6 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (吸収合併契約等の承認を要しない場合) 第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。 2 前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百八十四条の二 次に掲げる場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項に規定する場合は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十一条第一項第三号若しくは第四号、第七百五十八条第四号、第七百六十条第四号若しくは第五号、第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号又は第七百七十条第一項第三号若しくは第四号に掲げる事項が消滅株式会社等又は存続会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第七百八十三条第二項に規定する場合 二 第七百八十四条第二項に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 消滅株式会社等が公開会社である場合 二 消滅株式会社等が第七百八十三条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百八十六条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第七百八十七条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 吸収合併 第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 吸収分割承継会社が株式会社である場合における吸収分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換完全親会社が株式会社である場合における株式交換完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 吸収合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百八十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百八十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併消滅株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者) 三 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 存続会社等の商号及び住所 三 消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(吸収分割をする場合における不法行為によって生じた吸収分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収合併等の効力発生日の変更) 第七百九十条 消滅株式会社等は、存続会社等との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、消滅株式会社等は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節並びに第七百五十条、第七百五十二条、第七百五十九条、第七百六十一条、第七百六十九条及び第七百七十一条の規定を適用する。 (吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十一条 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 吸収分割株式会社 吸収分割により吸収分割承継会社が承継した吸収分割株式会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式交換完全子会社 株式交換により株式交換完全親会社が取得した株式交換完全子会社の株式の数その他の株式交換に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式交換完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「効力発生日に株式交換完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第七百九十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イの株式の取得 二 第七百五十八条第八号ロ又は第七百六十条第七号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第七百九十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 二 吸収分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)及び第七百九十条の規定は、吸収合併消滅持分会社又は合同会社である吸収分割会社(以下この節において「吸収分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、第七百八十九条第一項第二号中「債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「吸収合併消滅持分会社(吸収合併存続会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は吸収分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 吸収合併存続会社、吸収分割承継会社及び株式交換完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十四条 吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百九十五条 存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 一 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の債務の額として法務省令で定める額(次号において「承継債務額」という。)が吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産の額として法務省令で定める額(同号において「承継資産額」という。)を超える場合 二 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等(吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合 三 株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(株式交換完全親株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交換完全親株式会社が取得する株式交換完全子会社の株式の額として法務省令で定める額を超える場合 3 承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 4 存続株式会社等が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併等は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対して交付する金銭等が吸収合併存続株式会社の株式である場合 第七百四十九条第一項第二号イの種類の株式 二 吸収分割会社に対して交付する金銭等が吸収分割承継株式会社の株式である場合 第七百五十八条第四号イの種類の株式 三 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式である場合 第七百六十八条第一項第二号イの種類の株式 (吸収合併契約等の承認を要しない場合等) 第七百九十六条 前条第一項から第三項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。 2 前条第一項から第三項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同条第二項各号に掲げる場合又は前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第七百九十七条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百九十六条の二 次に掲げる場合において、存続株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、存続株式会社等の株主は、存続株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び前条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十八条第四号又は第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項が存続株式会社等又は消滅会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百九十七条 吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第七百九十六条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該存続株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 存続株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに消滅会社等の商号及び住所(第七百九十五条第三項に規定する場合にあっては、吸収合併等をする旨、消滅会社等の商号及び住所並びに同項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 存続株式会社等が公開会社である場合 二 存続株式会社等が第七百九十五条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、存続株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、存続株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百九十八条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と存続株式会社等との間に協議が調ったときは、存続株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は存続株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 存続株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 存続株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該存続株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百九十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者 三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者 2 前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 消滅会社等の商号及び住所 三 存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (消滅会社等の株主等に対して交付する金銭等が存続株式会社等の親会社株式である場合の特則) 第八百条 第百三十五条第一項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この項において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の親会社株式(同条第一項に規定する親会社株式をいう。以下この条において同じ。)である場合には、当該存続株式会社等は、吸収合併等に際して消滅会社等の株主等に対して交付する当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得することができる。 2 第百三十五条第三項の規定にかかわらず、前項の存続株式会社等は、効力発生日までの間は、存続株式会社等の親会社株式を保有することができる。 ただし、吸収合併等を中止したときは、この限りでない。 (吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百一条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続株式会社が承継した吸収合併消滅会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収分割承継株式会社(合同会社が吸収分割をする場合における当該吸収分割承継株式会社に限る。)は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割合同会社と共同して、吸収分割により吸収分割承継株式会社が承継した吸収分割合同会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる存続株式会社等は、効力発生日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併存続株式会社 第一項の書面又は電磁的記録 二 吸収分割承継株式会社 前項又は第七百九十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式交換完全親株式会社 第七百九十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 吸収合併存続株式会社の株主及び債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、吸収分割承継株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式交換完全親株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株式交換完全親株式会社の株主)」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 第八百二条 次の各号に掲げる行為をする持分会社(以下この条において「存続持分会社等」という。)は、当該各号に定める場合には、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について存続持分会社等の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 第七百五十一条第一項第二号に規定する場合 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第七百六十条第四号に規定する場合 三 株式交換による株式会社の発行済株式の全部の取得 第七百七十条第一項第二号に規定する場合 2 第七百九十九条(第二項第三号を除く。)及び第八百条の規定は、存続持分会社等について準用する。 この場合において、第七百九十九条第一項第三号中「株式交換完全親株式会社の株式」とあるのは「株式交換完全親合同会社の持分」と、「場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合」とあるのは「場合」と読み替えるものとする。 第三節 新設合併等の手続 第一款 新設合併消滅会社、新設分割会社及び株式移転完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百三条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、新設合併契約等備置開始日から新設合併設立会社、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立会社」という。)の成立の日後六箇月を経過する日(新設合併消滅株式会社にあっては、新設合併設立会社の成立の日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「新設合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 新設合併契約 二 新設分割株式会社 新設分割計画 三 株式移転完全子会社 株式移転計画 2 前項に規定する「新設合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 新設合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百六条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、新設分割計画の作成の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式移転完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約等の承認) 第八百四条 消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新設合併設立会社が持分会社である場合には、新設合併契約について新設合併消滅株式会社の総株主の同意を得なければならない。 3 新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社が種類株式発行会社である場合において、新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設合併設立株式会社又は株式移転設立完全親会社の株式等の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは、当該新設合併又は株式移転は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 消滅株式会社等は、第一項の株主総会の決議の日(第二項に規定する場合にあっては、同項の総株主の同意を得た日)から二週間以内に、その登録株式質権者(次条に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第八百八条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、新設合併、新設分割又は株式移転(以下この節において「新設合併等」という。)をする旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新設分割計画の承認を要しない場合) 第八百五条 前条第一項の規定は、新設分割により新設分割設立会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が新設分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を新設分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (新設合併等をやめることの請求) 第八百五条の二 新設合併等が法令又は定款に違反する場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、当該新設合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条に規定する場合は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百六条 新設合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第八百四条第二項に規定する場合 二 第八百五条に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第八百四条第一項の株主総会(新設合併等をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。)に先立って当該新設合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該新設合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日から二週間以内に、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設分割会社又は株式移転完全子会社(以下この節において「消滅会社等」という。)及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 新設合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第八百八条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 新設合併 第七百五十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 新設分割(新設分割設立会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ハに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転 次に掲げる新株予約権のうち、第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日(同条第二項に規定する場合にあっては同項の総株主の同意を得た日、第八百五条に規定する場合にあっては新設分割計画の作成の日)から二週間以内に、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、新設合併等をする旨並びに他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 新設分割設立会社が株式会社である場合における新設分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 新設合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第八百九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、新設合併等について異議を述べることができる。 一 新設合併をする場合 新設合併消滅株式会社の債権者 二 新設分割をする場合 新設分割後新設分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として新設分割設立会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない新設分割株式会社の債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者) 三 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併等をする旨 二 他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所 三 消滅株式会社等の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(新設分割をする場合における不法行為によって生じた新設分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十一条 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日後遅滞なく、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 新設分割株式会社 新設分割により新設分割設立会社が承継した新設分割株式会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式移転完全子会社 株式移転により株式移転設立完全親会社が取得した株式移転完全子会社の株式の数その他の株式移転に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、新設分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式移転完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の成立の日に株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第八百十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イの株式の取得 二 第七百六十三条第一項第十二号ロ又は第七百六十五条第一項第八号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第八百十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、新設合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 新設合併 二 新設分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第八百十条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)の規定は、新設合併消滅持分会社又は合同会社である新設分割会社(以下この節において「新設分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、同条第一項第二号中「債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「新設合併消滅持分会社(新設合併設立会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は新設分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 新設合併設立会社、新設分割設立会社及び株式移転設立完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (株式会社の設立の特則) 第八百十四条 第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)の規定は、新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立株式会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立株式会社の定款は、消滅会社等が作成する。 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十五条 新設合併設立株式会社は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立株式会社が承継した新設合併消滅会社の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設分割設立株式会社(一又は二以上の合同会社のみが新設分割をする場合における当該新設分割設立株式会社に限る。)は、その成立の日後遅滞なく、新設分割合同会社と共同して、新設分割により新設分割設立株式会社が承継した新設分割合同会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる設立株式会社は、その成立の日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併設立株式会社 第一項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 新設分割設立株式会社 前項又は第八百十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式移転設立完全親会社 第八百十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 新設合併設立株式会社の株主及び債権者は、新設合併設立株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、新設分割設立株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式移転設立完全親会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び新株予約権者」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 (持分会社の設立の特則) 第八百十六条 第五百七十五条及び第五百七十八条の規定は、新設合併設立持分会社又は新設分割設立持分会社(次項において「設立持分会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立持分会社の定款は、消滅会社等が作成する。 第四節 株式交付の手続 (株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の二 株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式交付計画の承認等) 第八百十六条の三 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 2 株式交付親会社が株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 3 株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式 二 株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式 (株式交付計画の承認を要しない場合等) 第八百十六条の四 前条第一項及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同項に規定する場合又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 (株式交付をやめることの請求) 第八百十六条の五 株式交付が法令又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。 ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百十六条の六 株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に掲げる場合以外の場合 全ての株主 3 株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨並びに株式交付子会社の商号及び住所を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 株式交付親会社が公開会社である場合 二 株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百十六条の七 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十六条の八 株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。 2 前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 株式交付をする旨 二 株式交付子会社の商号及び住所 三 株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (株式交付の効力発生日の変更) 第八百十六条の九 株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。 3 第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 4 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。 5 株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。 6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。 この場合において、第四項中「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十及び前項」と読み替えるものとする。 (株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の十 株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六編 外国会社 (外国会社の日本における代表者) 第八百十七条 外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。 この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。 2 外国会社の日本における代表者は、当該外国会社の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 3 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 4 外国会社は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (登記前の継続取引の禁止等) 第八百十八条 外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (貸借対照表に相当するものの公告) 第八百十九条 外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)は、法務省令で定めるところにより、第四百三十八条第二項の承認と同種の手続又はこれに類似する手続の終結後遅滞なく、貸借対照表に相当するものを日本において公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である外国会社は、前項に規定する貸借対照表に相当するものの要旨を公告することで足りる。 3 前項の外国会社は、法務省令で定めるところにより、第一項の手続の終結後遅滞なく、同項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報を、当該手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により日本において不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない外国会社については、前三項の規定は、適用しない。 (日本に住所を有する日本における代表者の退任) 第八百二十条 外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 2 債権者が前項の期間内に異議を述べたときは、同項の外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、同項の退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 3 第一項の退任は、前二項の手続が終了した後にその登記をすることによって、その効力を生ずる。 (擬似外国会社) 第八百二十一条 日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (日本にある外国会社の財産についての清算) 第八百二十二条 裁判所は、次に掲げる場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、日本にある外国会社の財産の全部について清算の開始を命ずることができる。 一 外国会社が第八百二十七条第一項の規定による命令を受けた場合 二 外国会社が日本において取引を継続してすることをやめた場合 2 前項の場合には、裁判所は、清算人を選任する。 3 第四百七十六条、第二編第九章第一節第二款、第四百九十二条、同節第四款及び第五百八条の規定並びに同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 4 第八百二十条の規定は、外国会社が第一項の清算の開始を命じられた場合において、当該外国会社の日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、適用しない。 (他の法律の適用関係) 第八百二十三条 外国会社は、他の法律の適用については、日本における同種の会社又は最も類似する会社とみなす。 ただし、他の法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第七編 雑則 第一章 会社の解散命令等 第一節 会社の解散命令 (会社の解散命令) 第八百二十四条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (会社の財産に関する保全処分) 第八百二十五条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「会社」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第八百二十六条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令 第八百二十七条 裁判所は、次に掲げる場合には、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、外国会社が日本において取引を継続してすることの禁止又はその日本に設けられた営業所の閉鎖を命ずることができる。 一 外国会社の事業が不法な目的に基づいて行われたとき。 二 外国会社が正当な理由がないのに外国会社の登記の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 外国会社が正当な理由がないのに支払を停止したとき。 四 外国会社の日本における代表者その他その業務を執行する者が、法令で定める外国会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 第八百二十四条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、第八百二十四条第二項中「前項」とあり、同条第三項及び第四項中「第一項」とあり、並びに第八百二十五条第一項中「前条第一項」とあるのは「第八百二十七条第一項」と、前条中「第八百二十四条第一項」とあるのは「次条第一項」と、「同項第三号」とあるのは「同項第四号」と読み替えるものとする。 第二章 訴訟 第一節 会社の組織に関する訴え (会社の組織に関する行為の無効の訴え) 第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内 二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内) 三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) 四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内) 五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者 五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 (新株発行等の不存在の確認の訴え) 第八百二十九条 次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 一 株式会社の成立後における株式の発行 二 自己株式の処分 三 新株予約権の発行 (株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (株主総会等の決議の取消しの訴え) 第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。 一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (持分会社の設立の取消しの訴え) 第八百三十二条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。 一 社員が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員 二 社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき 当該債権者 (会社の解散の訴え) 第八百三十三条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。 一 株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。 2 やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。 (被告) 第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社 二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社 三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社 四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社 六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社 七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社 八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社 九 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割契約をした会社 十 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社及び新設分割により設立する会社 十一 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換契約をした会社 十二 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社 十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社 十三 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社 十四 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社 十五 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 十六 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社 十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社 十八 第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社 十九 第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員 二十 株式会社の解散の訴え 当該株式会社 二十一 持分会社の解散の訴え 当該持分会社 (訴えの管轄及び移送) 第八百三十五条 会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。 3 前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。 (担保提供命令) 第八百三十六条 会社の組織に関する訴えであって、株主又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百三十七条 同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百三十八条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第八百三十九条 会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (新株発行の無効判決の効力) 第八百四十条 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)を返還することを請求することができる。 2 前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。 3 前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。 4 第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。 5 第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 6 前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 (自己株式の処分の無効判決の効力) 第八百四十一条 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「株式」とあるのは、「自己株式」と読み替えるものとする。 (新株予約権発行の無効判決の効力) 第八百四十二条 新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。 2 第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「株主」とあるのは「新株予約権者」と、同条第四項中「株式」とあるのは「新株予約権」と、同条第五項及び第六項中「登録株式質権者」とあるのは「登録新株予約権質権者」と読み替えるものとする。 (合併又は会社分割の無効判決の効力) 第八百四十三条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 会社の吸収合併 吸収合併後存続する会社 二 会社の新設合併 新設合併により設立する会社 三 会社の吸収分割 吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社 四 会社の新設分割 新設分割により設立する会社 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。 ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。 3 第一項及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。 4 各会社の第一項の債務の負担部分又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (株式交換又は株式移転の無効判決の効力) 第八百四十四条 株式会社の株式交換又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換又は株式移転をする株式会社(以下この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。 この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。 3 前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。 ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。 (株式交付の無効判決の効力) 第八百四十四条の二 株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。 この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。 (持分会社の設立の無効又は取消しの判決の効力) 第八百四十五条 持分会社の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条 会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え (売渡株式等の取得の無効の訴え) 第八百四十六条の二 株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。 2 前項の訴え(以下この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。 一 取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者 二 取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役又は執行役。以下この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役若しくは清算人 (被告) 第八百四十六条の三 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百四十六条の四 売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第八百四十六条の五 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役又は清算人であるときは、この限りでない。 2 被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百四十六条の六 同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百四十六条の七 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効の判決の効力) 第八百四十六条の八 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条の九 売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二節 株式会社における責任追及等の訴え (株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 (旧株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条の二 次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。以下この条において同じ。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該株式会社の株式交換又は株式移転 当該株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併 当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」とする。 3 旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該完全親会社の株式交換又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 4 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 5 第三項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、第三項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該完全親会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 6 株式交換等完全子会社が第一項又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求(以下この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 7 株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 8 第一項、第三項及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 9 株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」とする。 (最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え) 第八百四十七条の三 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 特定責任追及の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合 二 当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合 2 前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。 一 完全親会社 二 株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社及びその完全子会社等(株式会社がその株式又は持分の全部を有する法人をいう。以下この条及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該他の株式会社(完全親会社を除く。) 3 前項第二号の場合において、同号の他の株式会社及びその完全子会社等又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。 4 第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項及び同条第七項において同じ。)。 5 最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。 6 公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、「株式会社」とする。 7 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。 8 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 9 第一項及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 10 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」とする。 (責任追及等の訴えに係る訴訟費用等) 第八百四十七条の四 第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 2 株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第八百四十八条 責任追及等の訴えは、株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第八百四十九条 株主等又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合又は同条第三項第一号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第二号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為又は同条第三項第一号の株式交換若しくは株式移転若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。)であって、当該完全親会社の株式交換若しくは株式移転又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。) 適格旧株主 二 最終完全親会社等 当該最終完全親会社等の株主 3 株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。 5 株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 6 株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 7 株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 8 第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、これらの規定中「のほか」とあるのは、「に代えて」とする。 9 公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、第五項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは「株主に通知し」と、第六項及び第七項中「公告又は通知」とあるのは「通知」とする。 10 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。 一 株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合 適格旧株主 二 最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合 当該最終完全親会社等の株主 11 前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、同項中「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、「当該各号に定める者に通知し」とする。 (和解) 第八百四十九条の二 株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 第八百五十条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (株主でなくなった者の訴訟追行) 第八百五十一条 責任追及等の訴えを提起した株主又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。 一 その者が当該株式会社の株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。 二 その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。 2 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(この項又は次項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「当該完全親会社」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 (費用等の請求) 第八百五十二条 責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。 (再審の訴え) 第八百五十三条 責任追及等の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 一 株主又は株式会社等 責任追及等の訴え 二 適格旧株主 責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。) 三 最終完全親会社等の株主 特定責任追及の訴え 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三節 株式会社の役員の解任の訴え (株式会社の役員の解任の訴え) 第八百五十四条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該株式会社である株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 2 公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 4 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 (被告) 第八百五十五条 前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百五十六条 株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第四節 特別清算に関する訴え (役員等の責任の免除の取消しの訴えの管轄) 第八百五十七条 第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。 (役員等責任査定決定に対する異議の訴え) 第八百五十八条 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。 3 第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 第五節 持分会社の社員の除名の訴え等 (持分会社の社員の除名の訴え) 第八百五十九条 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。 一 出資の義務を履行しないこと。 二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。 三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。 四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。 五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。 (持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え) 第八百六十条 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。 一 前条各号に掲げる事由があるとき。 二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。 (被告) 第八百六十一条 次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。 一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員 二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員 (訴えの管轄) 第八百六十二条 持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え (清算持分会社の財産処分の取消しの訴え) 第八百六十三条 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。 一 第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の債権者 二 第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者 2 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、同法第四百二十四条の五第一号中「債務者」とあるのは「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、同条第二号並びに同法第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中「債務者」とあるのは「清算持分会社」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十四条 前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方又は転得者を被告とする。 第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え (社債発行会社の弁済等の取消しの訴え) 第八百六十五条 社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 2 前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。 同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 3 第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。 ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。 4 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項及び前項本文の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、「債権者を害すること」とあるのは「その行為が著しく不公正であること」と、同法第四百二十四条の五各号中「債権者を害すること」とあるのは「著しく不公正であること」と、同法第四百二十五条中「債権者」とあるのは「社債権者」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十六条 前条第一項又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方又は転得者を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百六十七条 第八百六十五条第一項又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三章 非訟 第一節 総則 (非訟事件の管轄) 第八百六十八条 この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 一 当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 二 当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付 3 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 5 第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 6 第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第八百六十九条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第八百七十条 裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定 当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者 二 清算人、社債管理者又は社債管理補助者の解任についての裁判 当該清算人、社債管理者又は社債管理補助者 三 第三十三条第七項の規定による裁判 設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人 四 第二百七条第七項又は第二百八十四条第七項の規定による裁判 当該株式会社及び第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者 五 第四百五十五条第二項第二号又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判 当該株主 六 第四百五十六条又は第五百六条の規定による裁判 当該株主 七 第七百三十二条の規定による裁判 利害関係人 八 第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判 社債を発行した会社 九 第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判 社債を発行した会社 十 第八百二十四条第一項の規定による裁判 当該会社 十一 第八百二十七条第一項の規定による裁判 当該外国会社 2 裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判 当該株式会社 二 第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項の規定による株式又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定 価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 三 第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定 売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 四 第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定 当該株式会社 五 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定 特別支配株主 六 第八百四十三条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした会社 (申立書の写しの送付等) 第八百七十条の二 裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。 2 前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。 3 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。 4 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。 ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。 6 裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。 7 裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。 8 前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。 (理由の付記) 第八百七十一条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判 二 第八百七十四条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第八百七十二条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第六百九条第三項又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判 申立人、株主及び株式会社 三 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判 申立人、新株予約権者及び株式会社 四 第八百七十条第一項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) 五 第八百七十条第二項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者 (抗告状の写しの送付等) 第八百七十二条の二 裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 この場合においては、第八百七十条の二第二項及び第三項の規定を準用する。 2 第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。 (原裁判の執行停止) 第八百七十三条 第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第八百七十四条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者若しくは社債管理補助者の特別代理人又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者の選任又は選定の裁判 二 第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第八百七十五条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第八百七十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則 (審問等の必要的併合) 第八百七十七条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問及び裁判は、併合してしなければならない。 (裁判の効力) 第八百七十八条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。 2 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。 第三節 特別清算の手続に関する特則 第一款 通則 (特別清算事件の管轄) 第八百七十九条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 2 前項に規定する株式会社又は親法人及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 3 前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。 4 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 (特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送) 第八百八十条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。 2 通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。 (疎明) 第八百八十一条 第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。 (理由の付記) 第八百八十二条 特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。 ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。 2 特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。 (裁判書の送達) 第八百八十三条 この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条を除く。)の規定を準用する。 (不服申立て) 第八百八十四条 特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 2 前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。 (公告) 第八百八十五条 この節の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 (事件に関する文書の閲覧等) 第八百八十六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 清算株式会社以外の利害関係人 第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分又は特別清算開始の申立てについての裁判 二 清算株式会社 特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判 5 非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。 (支障部分の閲覧等の制限) 第八百八十七条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び清算株式会社に限ることができる。 一 第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等 二 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則 (特別清算開始の申立て) 第八百八十八条 債権者又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。 2 債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。 3 特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 4 前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (他の手続の中止命令) 第八百八十九条 裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 2 前項の中止の命令及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (特別清算開始の命令) 第八百九十条 裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。 2 特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。 4 特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。 5 特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。 6 特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第八百九十一条 裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。 2 裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則 (調査命令) 第八百九十二条 裁判所は、調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。 2 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算人の解任及び報酬等) 第八百九十三条 裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。 2 第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (監督委員の解任及び報酬等) 第八百九十四条 裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。 2 第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (調査委員の解任及び報酬等) 第八百九十五条 前条の規定は、調査委員について準用する。 (事業の譲渡の許可の申立て) 第八百九十六条 清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。 2 裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第八百九十七条 第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 前項の裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算株式会社の財産に関する保全処分等) 第八百九十八条 裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。 一 第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分 二 第五百四十一条第一項又は第二項の規定による処分 三 第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分 四 第五百四十三条の規定による処分 2 前項各号に掲げる裁判及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第八百九十九条 清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。 4 役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (債権者集会の招集の許可の申立てについての裁判) 第九百条 第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (協定の認可又は不認可の決定) 第九百一条 利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。 2 共助対象外国租税の請求権について、協定において減免その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。 3 第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 4 第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 5 前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則 (特別清算終結の申立てについての裁判) 第九百二条 特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 2 特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 3 特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。 4 特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 第四節 外国会社の清算の手続に関する特則 (特別清算の手続に関する規定の準用) 第九百三条 前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第九百四条 裁判所は、第八百二十四条第一項又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (会社の財産に関する保全処分についての特則) 第九百五条 裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社又は外国会社の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社又は外国会社の負担とする。 第九百六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四章 登記 第一節 総則 (通則) 第九百七条 この法律の規定により登記すべき事項(第九百三十八条第三項の保全処分の登記に係る事項を除く。)は、当事者の申請又は裁判所書記官の嘱託により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。 (登記の効力) 第九百八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (変更の登記及び消滅の登記) 第九百九条 この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。 (登記の期間) 第九百十条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二節 会社の登記 (株式会社の設立の登記) 第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日) 二 発起人が定めた日 2 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 創立総会の終結の日 二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 発行可能株式総数 七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容) 八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数 九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数 十 株券発行会社であるときは、その旨 十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項 イ 新株予約権の数 ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号まで(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)に掲げる事項 ハ 第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め ニ ロ及びハに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件 ホ 第二百三十六条第一項第七号及び第二百三十八条第一項第二号に掲げる事項 ヘ 第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法) 十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 十三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名 十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。) 十五 取締役会設置会社であるときは、その旨 十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所 十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨 ロ 監査役の氏名 十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨 十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項 イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨 ロ 特別取締役の氏名 ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 二十二 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名 ロ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ハ 第三百九十九条の十三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨 二十三 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名 ハ 代表執行役の氏名及び住所 二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 二十五 第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 二十六 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 二十七 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 二十八 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 二十九 第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合名会社の設立の登記) 第九百十二条 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。) 七 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合資会社の設立の登記) 第九百十三条 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別 七 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額 八 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。) 九 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 十 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十二 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合同会社の設立の登記) 第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称 七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所 八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 九 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十一 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (変更の登記) 第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 一 新株予約権の行使 二 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。) (他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記) 第九百十六条 会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 株式会社 第九百十一条第三項各号に掲げる事項 二 合名会社 第九百十二条各号に掲げる事項 三 合資会社 第九百十三条各号に掲げる事項 四 合同会社 第九百十四条各号に掲げる事項 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第九百十七条 次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 一 株式会社 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役 二 合名会社 社員 三 合資会社 社員 四 合同会社 業務を執行する社員 (支配人の登記) 第九百十八条 会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 (持分会社の種類の変更の登記) 第九百十九条 持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。 (組織変更の登記) 第九百二十条 会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第九百二十一条 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。 (新設合併の登記) 第九百二十二条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ヘ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第二項の総株主の同意を得た日 ロ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ハ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ニ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (吸収分割の登記) 第九百二十三条 会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。 (新設分割の登記) 第九百二十四条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ヘ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ホ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (株式移転の登記) 第九百二十五条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。 一 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 二 株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 三 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 四 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 五 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 六 株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日) (解散の登記) 第九百二十六条 第四百七十一条第一号から第三号まで又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。 (継続の登記) 第九百二十七条 第四百七十三条、第六百四十二条第一項又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人の登記) 第九百二十八条 第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨 2 第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名又は名称及び住所 二 清算持分会社を代表する清算人の氏名又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。) 三 清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名及び住所 3 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 4 第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第九百二十九条 清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 一 清算株式会社 第五百七条第三項の承認の日 二 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日) 三 清算持分会社(合同会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日 第九百三十条から第九百三十二条まで 削除 第三節 外国会社の登記 (外国会社の登記) 第九百三十三条 外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。 一 日本に営業所を設けていない場合 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下この節において同じ。)の住所地 二 日本に営業所を設けた場合 当該営業所の所在地 2 外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 外国会社の設立の準拠法 二 日本における代表者の氏名及び住所 三 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法 四 前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 五 第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め 六 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め 七 第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 3 外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。 4 第九百十五条及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。 この場合において、これらの規定中「二週間」とあるのは「三週間」と、「本店の所在地」とあるのは「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と読み替えるものとする。 5 前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。 (日本における代表者の選任の登記等) 第九百三十四条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。 (日本における代表者の住所の移転の登記等) 第九百三十五条 日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。 (日本における営業所の設置の登記等) 第九百三十六条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。 第四節 登記の嘱託 (裁判による登記の嘱託) 第九百三十七条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 会社の設立の無効の訴え ロ 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え ハ 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この節において同じ。)の発行の無効の訴え ニ 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え ホ 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え ヘ 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え ト 株主総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 株主総会等の決議の取消しの訴え チ 持分会社の設立の取消しの訴え リ 会社の解散の訴え ヌ 株式会社の役員の解任の訴え ル 持分会社の社員の除名の訴え ヲ 持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判(次条第二項第一号に規定する裁判を除く。) ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判(次条第二項第二号に規定する裁判を除く。) ニ 清算人又は代表清算人若しくは清算持分会社を代表する清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判(次条第二項第三号に規定する裁判を除く。) ホ 清算人の解任の裁判(次条第二項第四号に規定する裁判を除く。) 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第八百二十四条第一項の規定による会社の解散を命ずる裁判 2 第八百二十七条第一項の規定による外国会社の日本における取引の継続の禁止又は営業所の閉鎖を命ずる裁判が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、次の各号に掲げる外国会社の区分に応じ、当該各号に定める地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 日本に営業所を設けていない外国会社 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地 二 日本に営業所を設けている外国会社 当該営業所の所在地 3 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社についての解散の登記及び組織変更をする会社についての回復の登記 二 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社についての変更の登記及び吸収合併により消滅する会社についての回復の登記 三 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社についての解散の登記及び新設合併により消滅する会社についての回復の登記 四 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記 五 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社についての変更の登記及び新設分割により設立する会社についての解散の登記 六 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換をする株式会社(第七百六十八条第一項第四号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)及び株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社についての変更の登記 七 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社(第七百七十三条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)についての変更の登記及び株式移転により設立する株式会社についての解散の登記 八 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社についての変更の登記 (特別清算に関する裁判による登記の嘱託) 第九百三十八条 次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始の命令があったとき 特別清算開始の登記 二 特別清算開始の命令を取り消す決定が確定したとき 特別清算開始の取消しの登記 三 特別清算終結の決定が確定したとき 特別清算終結の登記 2 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始後における第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判があったとき。 二 前号の裁判を取り消す裁判があったとき。 三 特別清算開始後における清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判があったとき。 四 特別清算開始後における清算人の解任の裁判があったとき。 五 前号の裁判を取り消す裁判が確定したとき。 3 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 清算株式会社の財産に属する権利で登記されたものに関し第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 4 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 5 前二項の規定は、登録のある権利について準用する。 6 前各項の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五章 公告 第一節 総則 (会社の公告方法) 第九百三十九条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告 2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 3 会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。 (電子公告の公告期間等) 第九百四十条 株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告 当該特定の日 二 第四百四十条第一項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 前三号に掲げる公告以外の公告 当該公告の開始後一箇月を経過する日 2 外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下この章において「公告期間」という。)中公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。 一 公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は会社に正当な事由があること。 二 公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。 三 会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。 第二節 電子公告調査機関 (電子公告調査) 第九百四十一条 この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。 (登録) 第九百四十二条 前条の登録(以下この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。 2 登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (欠格事由) 第九百四十三条 次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 この節の規定若しくは農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項及び第三十四条の二十三第四項、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の二十八第六項(同法第四十三条第三項並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項、第八十条第一項及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第四十五条の二第六項、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第四十条の二第六項、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十三条の二十の二第六項、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項(同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)第十五条第六項(同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条の二及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百九十四条第四項、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二十条第四項、第六十一条第七項、第六十二条の二十五第七項及び第六十三条の二十第七項並びに労働者協同組合法(令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 二 第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三 法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの (登録基準) 第九百四十四条 法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。 この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。 一 電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。 イ 当該電子計算機及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。 ロ 当該電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。 ハ 当該電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。 二 電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。 2 登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。 一 登録年月日及び登録番号 二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 三 登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地 (登録の更新) 第九百四十五条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。 (調査の義務等) 第九百四十六条 調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。 2 調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。 3 調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下この節において「調査委託者」という。)の商号その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。 4 調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。 (電子公告調査を行うことができない場合) 第九百四十七条 調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告又はその者若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。 一 当該調査機関 二 当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。) 三 理事等又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人 四 理事等又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。)又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人 (事業所の変更の届出) 第九百四十八条 調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。 (業務規程) 第九百四十九条 調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。 (業務の休廃止) 第九百五十条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。 (財務諸表等の備置き及び閲覧等) 第九百五十一条 調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (適合命令) 第九百五十二条 法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第九百五十三条 法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと又は電子公告調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (登録の取消し等) 第九百五十四条 法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第九百四十三条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 二 第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで、第九百五十一条第一項又は次条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号又は次条第二項各号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。 四 第九百五十二条又は前条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。 五 不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。 (調査記録簿等の記載等) 第九百五十五条 調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求 二 調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (調査記録簿等の引継ぎ) 第九百五十六条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。 2 前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。 (法務大臣による電子公告調査の業務の実施) 第九百五十七条 法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災その他の事由によって電子公告調査の業務の全部又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。 2 法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、法務省令で定める。 3 第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (報告及び検査) 第九百五十八条 法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (公示) 第九百五十九条 法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一 登録をしたとき。 二 第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。 三 第九百四十八条又は第九百五十条の届出があったとき。 四 第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 五 第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。 第八編 罰則 (取締役等の特別背任罪) 第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時監査役 三 取締役、会計参与、監査役又は執行役 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者 六 支配人 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算株式会社の清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者 三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 四 清算人代理 五 監督委員 六 調査委員 (代表社債権者等の特別背任罪) 第九百六十一条 代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (未遂罪) 第九百六十二条 前二条の罪の未遂は、罰する。 (会社財産を危うくする罪) 第九百六十三条 第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 第九百六十条第一項第三号から第五号までに掲げる者が、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会若しくは種類株主総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときも、前項と同様とする。 3 検査役が、第二十八条各号、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときも、第一項と同様とする。 4 第九十四条第一項の規定により選任された者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときも、第一項と同様とする。 5 第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。 一 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得したとき。 二 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。 三 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第九百六十四条 次に掲げる者が、株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集をするに当たり、会社の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者 二 持分会社の業務を執行する社員 三 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者 四 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集の委託を受けた者 2 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。 (預合いの罪) 第九百六十五条 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者が、株式の発行に係る払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 預合いに応じた者も、同様とする。 (株式の超過発行の罪) 第九百六十六条 次に掲げる者が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時執行役 三 取締役、執行役又は清算株式会社の清算人 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)又は第四百三条第三項において準用する第四百一条第三項の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を行うべき者 (取締役等の贈収賄罪) 第九百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第九百六十条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 第九百六十一条に規定する者 三 会計監査人又は第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 (株主等の権利の行使に関する贈収賄罪) 第九百六十八条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会における発言又は議決権の行使 二 第二百十条若しくは第二百四十七条、第二百九十七条第一項若しくは第四項、第三百三条第一項若しくは第二項、第三百四条、第三百五条第一項若しくは第三百六条第一項若しくは第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百五十八条第一項、第三百六十条第一項若しくは第二項(これらの規定を第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)、第四百二十二条第一項若しくは第二項、第四百二十六条第七項、第四百三十三条第一項若しくは第四百七十九条第二項に規定する株主の権利の行使、第五百十一条第一項若しくは第五百二十二条第一項に規定する株主若しくは債権者の権利の行使又は第五百四十七条第一項若しくは第三項に規定する債権者の権利の行使 三 社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者の権利の行使 四 第八百二十八条第一項、第八百二十九条から第八百三十一条まで、第八百三十三条第一項、第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項、第八百四十七条の三第七項若しくは第九項、第八百五十三条、第八百五十四条又は第八百五十八条に規定する訴えの提起(株主等(第八百四十七条の四第二項に規定する株主等をいう。次号において同じ。)、株式会社の債権者又は新株予約権若しくは新株予約権付社債を有する者がするものに限る。) 五 第八百四十九条第一項の規定による株主等の訴訟参加 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。 (没収及び追徴) 第九百六十九条 第九百六十七条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (株主等の権利の行使に関する利益供与の罪) 第九百七十条 第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。第三項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。 3 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において第一項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。 4 前二項の罪を犯した者が、その実行について第一項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 5 前三項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。 6 第一項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。 (国外犯) 第九百七十一条 第九百六十条から第九百六十三条まで、第九百六十五条、第九百六十六条、第九百六十七条第一項、第九百六十八条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 第九百六十七条第二項、第九百六十八条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第九百七十二条 第九百六十条、第九百六十一条、第九百六十三条から第九百六十六条まで、第九百六十七条第一項又は第九百七十条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第九百六十二条の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (業務停止命令違反の罪) 第九百七十三条 第九百五十四条の規定による電子公告調査(第九百四十二条第一項に規定する電子公告調査をいう。以下同じ。)の業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (虚偽届出等の罪) 第九百七十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第九百五十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 二 第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項若しくは第九百五十六条第二項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者 三 第九百五十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 (両罰規定) 第九百七十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁、株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、株主名簿、株券喪失登録簿、新株予約権原簿、社債原簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第四百三十五条第二項若しくは第四百九十四条第一項の附属明細書、会計参与報告、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第百二十二条第一項、第百四十九条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第一項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第一項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第一項、第二百五十条第一項、第二百七十条第一項、第六百八十二条第一項、第六百九十五条第一項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第一項、第七百九十四条第一項、第八百一条第一項若しくは第二項、第八百三条第一項、第八百十一条第一項、第八百十五条第一項若しくは第二項、第八百十六条の二第一項若しくは第八百十六条の十第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第三十一条第一項の規定、第七十四条第六項、第七十五条第三項、第七十六条第四項、第八十一条第二項若しくは第八十二条第二項(これらの規定を第八十六条において準用する場合を含む。)、第百二十五条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第二項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第二項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第二項、第二百三十一条第一項若しくは第二百五十二条第一項、第三百十条第六項、第三百十一条第三項、第三百十二条第四項、第三百十八条第二項若しくは第三項若しくは第三百十九条第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百七十一条第一項(第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)、第三百七十八条第一項、第三百九十四条第一項、第三百九十九条の十一第一項、第四百十三条第一項、第四百四十二条第一項若しくは第二項、第四百九十六条第一項、第六百八十四条第一項、第七百三十一条第二項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第二項、第七百九十四条第一項、第八百一条第三項、第八百三条第一項、第八百十一条第二項、第八百十五条第三項、第八百十六条の二第一項又は第八百十六条の十第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 正当な理由がないのに、株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会において、株主又は設立時株主の求めた事項について説明をしなかったとき。 十 第百三十五条第一項の規定に違反して株式を取得したとき、又は同条第三項の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。 十一 第百七十八条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の消却をしたとき。 十二 第百九十七条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の競売又は売却をしたとき。 十三 株式、新株予約権又は社債の発行の日前に株券、新株予約権証券又は社債券を発行したとき。 十四 第二百十五条第一項、第二百八十八条第一項又は第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく、株券、新株予約権証券又は社債券を発行しなかったとき。 十五 株券、新株予約権証券又は社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 十六 第二百二十五条第四項、第二百二十六条第二項、第二百二十七条又は第二百二十九条第二項の規定に違反して、株券喪失登録を抹消しなかったとき。 十七 第二百三十条第一項の規定に違反して、株主名簿に記載し、又は記録したとき。 十八 第二百九十六条第一項の規定又は第三百七条第一項第一号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)若しくは第三百五十九条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、株主総会を招集しなかったとき。 十八の二 第三百三条第一項又は第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会又は種類株主総会の目的としなかったとき。 十九 第三百二十五条の三第一項(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十九の二 第三百二十七条の二の規定に違反して、社外取締役を選任しなかったとき。 十九の三 第三百三十一条第六項の規定に違反して、社外取締役を監査等委員である取締役の過半数に選任しなかったとき。 二十 第三百三十五条第三項の規定に違反して、社外監査役を監査役の半数以上に選任しなかったとき。 二十一 第三百四十三条第二項(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第三百四十四条の二第二項(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会若しくは種類株主総会の目的とせず、又はその請求に係る議案を株主総会若しくは種類株主総会に提出しなかったとき。 二十二 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 二十三 第三百六十五条第二項(第四百十九条第二項及び第四百八十九条第八項において準用する場合を含む。)又は第四百三十条の二第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、取締役会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 二十四 第三百九十条第三項の規定に違反して、常勤の監査役を選定しなかったとき。 二十五 第四百四十五条第三項若しくは第四項の規定に違反して資本準備金若しくは準備金を計上せず、又は第四百四十八条の規定に違反して準備金の額の減少をしたとき。 二十六 第四百四十九条第二項若しくは第五項、第六百二十七条第二項若しくは第五項、第六百三十五条第二項若しくは第五項、第六百七十条第二項若しくは第五項、第七百七十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十六条の八第二項若しくは第五項又は第八百二十条第一項若しくは第二項の規定に違反して、資本金若しくは準備金の額の減少、持分の払戻し、持分会社の財産の処分、組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付又は外国会社の日本における代表者の全員の退任をしたとき。 二十七 第四百八十四条第一項若しくは第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠ったとき、又は第五百十一条第二項の規定に違反して特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。 二十八 清算の結了を遅延させる目的で、第四百九十九条第一項、第六百六十条第一項又は第六百七十条第二項の期間を不当に定めたとき。 二十九 第五百条第一項、第五百三十七条第一項又は第六百六十一条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 三十 第五百二条又は第六百六十四条の規定に違反して、清算株式会社又は清算持分会社の財産を分配したとき。 三十一 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の規定に違反したとき。 三十二 第五百四十条第一項若しくは第二項又は第五百四十二条第一項若しくは第二項の規定による保全処分に違反したとき。 三十三 第七百二条の規定に違反して社債を発行し、又は第七百十四条第一項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者を定めなかったとき。 三十四 第八百二十七条第一項の規定による裁判所の命令に違反したとき。 三十五 第九百四十一条の規定に違反して、電子公告調査を求めなかったとき。 第九百七十七条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 第九百五十一条第一項の規定に違反して、財務諸表等(同項に規定する財務諸表等をいう。以下同じ。)を備え置かず、又は財務諸表等に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者 三 正当な理由がないのに、第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第九百七十八条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第六条第三項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者 二 第七条の規定に違反して、会社であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第八条第一項の規定に違反して、他の会社(外国会社を含む。)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者 第九百七十九条 会社の成立前に当該会社の名義を使用して事業をした者は、会社の設立の登録免許税の額に相当する過料に処する。 2 第八百十八条第一項又は第八百二十一条第一項の規定に違反して取引をした者も、前項と同様とする。
民事
Heisei
Act
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平成十七年法律第八十六号
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会社法 第一編 総則 第一章 通則 (趣旨) 第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。 二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。 三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 子会社 ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの 四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 親会社 ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの 五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。 六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。 イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。 七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。 八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。 九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。 十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。 十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。 十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。 十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。 十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。 十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。 十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。 二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。 二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。 二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。 二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。 二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。 二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。 イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社 二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。 二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。 二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。 三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。 三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。 三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。 三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。 (法人格) 第三条 会社は、法人とする。 (住所) 第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。 (商行為) 第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。 第二章 会社の商号 (商号) 第六条 会社は、その名称を商号とする。 2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。 3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 第九条 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三章 会社の使用人等 第一節 会社の使用人 (支配人) 第十条 会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。 (支配人の代理権) 第十一条 支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (支配人の競業の禁止) 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自ら営業を行うこと。 二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。 四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (表見支配人) 第十三条 会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第十四条 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。 2 前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第十五条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 第二節 会社の代理商 (通知義務) 第十六条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。 (代理商の競業の禁止) 第十七条 代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (通知を受ける権限) 第十八条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。 (契約の解除) 第十九条 会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。 (代理商の留置権) 第二十条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。 第四章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等 (譲渡会社の競業の禁止) 第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。 2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。 (譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等) 第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。 事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。 3 譲受会社が第一項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。 (譲受会社による債務の引受け) 第二十三条 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。 2 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 (詐害事業譲渡に係る譲受会社に対する債務の履行の請求) 第二十三条の二 譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って事業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、その譲受会社が事業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 譲受会社が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 事業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。 3 譲渡会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受会社に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。 (商人との間での事業の譲渡又は譲受け) 第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する譲渡人とみなして、同法第十七条から第十八条の二までの規定を適用する。 この場合において、同条第三項中「又は再生手続開始の決定」とあるのは、「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とする。 2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前三条の規定を適用する。 この場合において、前条第三項中「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とあるのは、「又は再生手続開始の決定」とする。 第二編 株式会社 第一章 設立 第一節 総則 第二十五条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法 2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。 第二節 定款の作成 (定款の作成) 第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額 五 発起人の氏名又は名称及び住所 第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。) 二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称 三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称 四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。) 第二十九条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第三十一条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 4 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第一項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。 第三節 出資 (設立時発行株式に関する事項の決定) 第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数 二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額 三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。 (定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 9 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。 10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第一号及び第二号に掲げる事項 二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項 三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。) 11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 発起人 二 第二十八条第二号の財産の譲渡人 三 設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。) 四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの (出資の履行) 第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (設立時発行株式の株主となる権利の譲渡) 第三十五条 前条第一項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (設立時発行株式の株主となる権利の喪失) 第三十六条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。 3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。 (発行可能株式総数の定め等) 第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。 3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。 ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 第四節 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 3 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。 一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。) 二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。) 三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。) 4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。 第三十九条 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。 4 第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。 5 第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。 (設立時役員等の選任の方法の特則) 第四十一条 前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)の選任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時役員等の解任) 第四十二条 発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第四項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第四十三条 設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査等委員である設立時取締役又は設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。 (設立時取締役等の解任の方法の特則) 第四十四条 前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く。次項及び第四項において同じ。)の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。第四項において同じ。)を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 3 前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 4 前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 5 前各項の規定は、第四十一条第一項の規定により選任された設立時監査等委員である設立時取締役及び同条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。 この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。 (設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則) 第四十五条 株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。 一 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任 二 監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役の全部又は一部の選任又は解任 これらの取締役となる設立時取締役の選任又は解任 三 会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任 四 監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任 五 会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 第五節 設立時取締役等による調査 第四十六条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 出資の履行が完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。 3 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。 第六節 設立時代表取締役等の選定等 (設立時代表取締役の選定等) 第四十七条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 (設立時委員の選定等) 第四十八条 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。 一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。 イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者 ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者 ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者 二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。 三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。 ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。 3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 第七節 株式会社の成立 (株式会社の成立) 第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (株式の引受人の権利) 第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第五十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。 2 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 第八節 発起人等の責任等 (出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 第五十二条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。 一 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 (出資の履行を仮装した場合の責任等) 第五十二条の二 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払 二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 4 発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。 5 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (発起人等の損害賠償責任) 第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (発起人等の連帯責任) 第五十四条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第五十五条 第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (株式会社不成立の場合の責任) 第五十六条 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。 第九節 募集による設立 第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集 (設立時発行株式を引き受ける者の募集) 第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。 2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (設立時募集株式に関する事項の決定) 第五十八条 発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。) 二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。) 三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間 四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日 2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。 (設立時募集株式の申込み) 第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名 二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項 三 発起人が出資した財産の価額 四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。 3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする設立時募集株式の数 4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (設立時募集株式の割当て) 第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。 2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。 (設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第六十一条 前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (設立時募集株式の引受け) 第六十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。 一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数 二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数 (設立時募集株式の払込金額の払込み) 第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。 2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。 (払込金の保管証明) 第六十四条 第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。 2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。 第二款 創立総会等 (創立総会の招集) 第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。 2 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。 (創立総会の権限) 第六十六条 創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。 (創立総会の招集の決定) 第六十七条 発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 創立総会の日時及び場所 二 創立総会の目的である事項 三 創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 (創立総会の招集の通知) 第六十八条 創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合 3 発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 7 前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (招集手続の省略) 第六十九条 前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七十条 発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 第七十一条 発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 3 発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の数) 第七十二条 設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。 3 前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。 (創立総会の決議) 第七十三条 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 3 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。 4 創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第七十四条 設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。 3 第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。 7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (書面による議決権の行使) 第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。 2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (議決権の不統一行使) 第七十七条 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (発起人の説明義務) 第七十八条 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第七十九条 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (延期又は続行の決議) 第八十条 創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。 (議事録) 第八十一条 創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。 3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会の決議の省略) 第八十二条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。 2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会への報告の省略) 第八十三条 発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第八十四条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類創立総会の招集及び決議) 第八十五条 前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。 2 種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 3 前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (創立総会に関する規定の準用) 第八十六条 第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。 この場合において、第六十七条第一項第三号及び第四号並びに第二項、第六十八条第一項及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第三項及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項及び第三項、第七十七条、第七十八条本文並びに第八十二条第一項中「設立時株主」とあるのは、「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と読み替えるものとする。 第三款 設立に関する事項の報告 第八十七条 発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。 2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容 二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容 第四款 設立時取締役等の選任及び解任 (設立時取締役等の選任) 第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 (累積投票による設立時取締役の選任) 第八十九条 創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、設立時株主(設立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (種類創立総会の決議による設立時取締役等の選任) 第九十条 第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。 2 前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時取締役等の解任) 第九十一条 第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 第九十二条 第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「取締役を」とあるのは「監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役を」と、「設立時取締役」とあるのは「設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役」とする。 4 第一項及び第二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役について準用する。 第五款 設立時取締役等による調査 (設立時取締役等による調査) 第九十三条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 発起人による出資の履行及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 3 設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 (設立時取締役等が発起人である場合の特則) 第九十四条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)の全部又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。 2 前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 第六款 定款の変更 (発起人による定款の変更の禁止) 第九十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。 (創立総会における定款の変更) 第九十六条 第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。 (設立時発行株式の引受けの取消し) 第九十七条 創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 (創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 (定款の変更の手続の特則) 第九十九条 設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。 一 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。 二 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。 第百条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主 2 前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 第百一条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式の種類の追加 二 株式の内容の変更 三 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加 2 前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。 第七款 設立手続等の特則等 (設立手続等の特則) 第百二条 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。 2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。 3 設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。 4 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 5 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。 6 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 (払込みを仮装した設立時募集株式の引受人の責任) 第百二条の二 設立時募集株式の引受人は、前条第三項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。 2 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (発起人の責任等) 第百三条 第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号に」とする。 2 第百二条第三項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第一項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 4 第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前三項の規定を適用する。 第二章 株式 第一節 総則 (株主の責任) 第百四条 株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 (株主の権利) 第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (共有者による権利の行使) 第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (株式の内容についての特別の定め) 第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に掲げる事項 イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨 ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨 ロ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ヘ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項 ト イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 (異なる種類の株式) 第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。 ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。 一 剰余金の配当 二 残余財産の分配 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。 2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。 一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容 二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項 イ 株主総会において議決権を行使することができる事項 ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項 イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法 ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項 ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項 イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数 ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。 この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。 (株主の平等) 第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。 (定款の変更の手続の特則) 第百十条 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、株主全員の同意を得なければならない。 第百十一条 種類株式発行会社がある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該種類の株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 2 種類株式発行会社がある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合には、当該定款の変更は、次に掲げる種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の株式の種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の種類株主 (取締役の選任等に関する種類株式の定款の定めの廃止の特則) 第百十二条 第百八条第二項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは、廃止されたものとみなす。 2 前項の規定は、第百八条第二項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定款の定めについて準用する。 (発行可能株式総数) 第百十三条 株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。 2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。 3 次に掲げる場合には、当該定款の変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 一 公開会社が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合 二 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合 4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 (発行可能種類株式総数) 第百十四条 定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数を下ることができない。 2 ある種類の株式についての次に掲げる数の合計数は、当該種類の株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 一 取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 二 取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)が第百七十条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 三 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数 (議決権制限株式の発行数) 第百十五条 種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第百十六条 次の各号に掲げる場合には、反対株主は、株式会社に対し、自己の有する当該各号に定める株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 全部の株式 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 第百十一条第二項各号に規定する株式 三 次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式(第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがあるものに限る。)を有する種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 当該種類の株式 イ 株式の併合又は株式の分割 ロ 第百八十五条に規定する株式無償割当て ハ 単元株式数についての定款の変更 ニ 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ホ 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ヘ 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 前項各号の行為をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該行為に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 第一項各号の行為をしようとする株式会社は、当該行為が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「効力発生日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める株式の株主に対し、当該行為をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式会社が第一項各号の行為を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百十七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めがある株式会社をいう。以下同じ。)は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第百十八条 次の各号に掲げる定款の変更をする場合には、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 全部の新株予約権 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 当該種類の株式を目的とする新株予約権 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この節において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項各号に掲げる定款の変更をしようとする株式会社は、当該定款の変更が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「定款変更日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、当該定款の変更を行う旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、定款変更日の二十日前の日から定款変更日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券(第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券をいう。以下この項及び次条第八項において同じ。)が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 株式会社が第一項各号に掲げる定款の変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第百十九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、定款変更日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、定款変更日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、定款変更日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、定款変更日に、その効力を生ずる。 7 株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、その新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (株主等の権利の行使に関する利益の供与) 第百二十条 株式会社は、何人に対しても、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。)の株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。 2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。 株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。 3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。 この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。 4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。以下この項において同じ。)として法務省令で定める者は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。 ただし、その者(当該利益の供与をした取締役を除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第二節 株主名簿 (株主名簿) 第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 株主の氏名又は名称及び住所 二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 三 第一号の株主が株式を取得した日 四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号 (株主名簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百二十二条 前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (株主名簿管理人) 第百二十三条 株式会社は、株主名簿管理人(株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百二十四条 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 3 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。 ただし、定款に当該基準日及び当該事項について定めがあるときは、この限りでない。 4 基準日株主が行使することができる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、当該基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を当該権利を行使することができる者と定めることができる。 ただし、当該株式の基準日株主の権利を害することができない。 5 第一項から第三項までの規定は、第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者について準用する。 (株主名簿の備置き及び閲覧等) 第百二十五条 株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の株主名簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (株主に対する通知等) 第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 第三節 株式の譲渡等 第一款 株式の譲渡 (株式の譲渡) 第百二十七条 株主は、その有する株式を譲渡することができる。 (株券発行会社の株式の譲渡) 第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。 2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。 (自己株式の処分に関する特則) 第百二十九条 株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。 (株式の譲渡の対抗要件) 第百三十条 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 (権利の推定等) 第百三十一条 株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。 2 株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十二条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 株式を発行した場合 二 当該株式会社の株式を取得した場合 三 自己株式を処分した場合 2 株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 (株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十三条 株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 第百三十四条 前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。 二 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。 三 当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。 四 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。 (親会社株式の取得の禁止) 第百三十五条 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合 二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合 三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合 3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。 第二款 株式の譲渡に係る承認手続 (株主からの承認の請求) 第百三十六条 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (株式取得者からの承認の請求) 第百三十七条 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第百三十八条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称 ハ 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの株式取得者の氏名又は名称 ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 (譲渡等の承認の決定等) 第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社又は指定買取人による買取り) 第百四十条 株式会社は、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 対象株式を買い取る旨 二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。 5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式会社による買取りの通知) 第百四十一条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を決定したときは、譲渡等承認請求者に対し、これらの事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額(一株当たりの純資産額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下同じ。)に前条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をその本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、前条第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、当該株券発行会社に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、株券発行会社は、前条第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (指定買取人による買取りの通知) 第百四十二条 指定買取人は、第百四十条第四項の規定による指定を受けたときは、譲渡等承認請求者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 指定買取人として指定を受けた旨 二 指定買取人が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 指定買取人は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額に同項第二号の対象株式の数を乗じて得た額を株式会社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、指定買取人に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、指定買取人は、第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (譲渡等承認請求の撤回) 第百四十三条 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 2 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百四十四条 第百四十一条第一項の規定による通知があった場合には、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格は、株式会社と譲渡等承認請求者との協議によって定める。 2 株式会社又は譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に第百四十条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をもって当該対象株式の売買価格とする。 6 第百四十一条第二項の規定による供託をした場合において、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格が確定したときは、株式会社は、供託した金銭に相当する額を限度として、売買代金の全部又は一部を支払ったものとみなす。 7 前各項の規定は、第百四十二条第一項の規定による通知があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第二項中「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第四項及び第五項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、前項中「第百四十一条第二項」とあるのは「第百四十二条第二項」と、「第百四十条第一項第二号」とあるのは「同条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と読み替えるものとする。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第百四十五条 次に掲げる場合には、株式会社は、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 一 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の規定による請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百三十九条第二項の規定による通知をしなかった場合 二 株式会社が第百三十九条第二項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十一条第一項の規定による通知をしなかった場合(指定買取人が第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十二条第一項の規定による通知をした場合を除く。) 三 前二号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第三款 株式の質入れ (株式の質入れ) 第百四十六条 株主は、その有する株式に質権を設定することができる。 2 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 (株式の質入れの対抗要件) 第百四十七条 株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができない。 3 民法第三百六十四条の規定は、株式については、適用しない。 (株主名簿の記載等) 第百四十八条 株式に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である株式 (株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第百四十九条 前条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録株式質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録株式質権者についての株主名簿に記載され、若しくは記録された同条各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (登録株式質権者に対する通知等) 第百五十条 株式会社が登録株式質権者に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該登録株式質権者の住所(当該登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式の質入れの効果) 第百五十一条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、株式を目的とする質権は、当該行為によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)について存在する。 一 第百六十七条第一項の規定による取得請求権付株式の取得 二 第百七十条第一項の規定による取得条項付株式の取得 三 第百七十三条第一項の規定による第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 四 株式の併合 五 株式の分割 六 第百八十五条に規定する株式無償割当て 七 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 八 剰余金の配当 九 残余財産の分配 十 組織変更 十一 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 十二 株式交換 十三 株式移転 十四 株式の取得(第一号から第三号までに掲げる行為を除く。) 2 特別支配株主(第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。第百五十四条第三項において同じ。)が株式売渡請求(第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。)により売渡株式(第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。以下この項において同じ。)の取得をした場合には、売渡株式を目的とする質権は、当該取得によって当該売渡株式の株主が受けることのできる金銭について存在する。 第百五十二条 株式会社(株券発行会社を除く。以下この条において同じ。)は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる行為をした場合(これらの行為に際して当該株式会社が株式を交付する場合に限る。)又は同項第六号に掲げる行為をした場合において、同項の質権の質権者が登録株式質権者(第二百十八条第五項の規定による請求により第百四十八条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録されたものを除く。以下この款において同じ。)であるときは、前条第一項の株主が受けることができる株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 株式会社は、株式の併合をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、併合した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、分割した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 第百五十三条 株券発行会社は、前条第一項に規定する場合には、第百五十一条第一項の株主が受ける株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 2 株券発行会社は、前条第二項に規定する場合には、併合した株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 3 株券発行会社は、前条第三項に規定する場合には、分割した株式について新たに発行する株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 第百五十四条 登録株式質権者は、第百五十一条第一項の金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 第百五十一条第一項第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十四号に掲げる行為 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 四 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 五 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第百五十一条第二項に規定する場合において、第一項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該特別支配株主に同条第二項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第四款 信託財産に属する株式についての対抗要件等 第百五十四条の二 株式については、当該株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、当該株式が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第百二十一条第一号の株主は、その有する株式が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 株主名簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百二十二条第一項及び第百三十二条の規定の適用については、第百二十二条第一項中「記録された株主名簿記載事項」とあるのは「記録された株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」と、第百三十二条中「株主名簿記載事項」とあるのは「株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 第四節 株式会社による自己の株式の取得 第一款 総則 第百五十五条 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた場合 二 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求があった場合 三 次条第一項の決議があった場合 四 第百六十六条第一項の規定による請求があった場合 五 第百七十一条第一項の決議があった場合 六 第百七十六条第一項の規定による請求をした場合 七 第百九十二条第一項の規定による請求があった場合 八 第百九十七条第三項各号に掲げる事項を定めた場合 九 第二百三十四条第四項各号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を定めた場合 十 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合 十一 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十二 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十三 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第二款 株主との合意による取得 第一目 総則 (株式の取得に関する事項の決定) 第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額 三 株式を取得することができる期間 2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。 (取得価格等の決定) 第百五十七条 株式会社は、前条第一項の規定による決定に従い株式を取得しようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数) 二 株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の総額 四 株式の譲渡しの申込みの期日 2 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 3 第一項の株式の取得の条件は、同項の規定による決定ごとに、均等に定めなければならない。 (株主に対する通知等) 第百五十八条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、前条第一項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 公開会社においては、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (譲渡しの申込み) 第百五十九条 前条第一項の規定による通知を受けた株主は、その有する株式の譲渡しの申込みをしようとするときは、株式会社に対し、その申込みに係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにしなければならない。 2 株式会社は、第百五十七条第一項第四号の期日において、前項の株主が申込みをした株式の譲受けを承諾したものとみなす。 ただし、同項の株主が申込みをした株式の総数(以下この項において「申込総数」という。)が同条第一項第一号の数(以下この項において「取得総数」という。)を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に前項の株主が申込みをした株式の数を乗じて得た数(その数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)の株式の譲受けを承諾したものとみなす。 第二目 特定の株主からの取得 (特定の株主からの取得) 第百六十条 株式会社は、第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第百五十八条第一項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。 2 株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。 3 前項の株主は、第一項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。 4 第一項の特定の株主は、第百五十六条第一項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、第一項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 5 第一項の特定の株主を定めた場合における第百五十八条第一項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第百六十条第一項の特定の株主」とする。 (市場価格のある株式の取得の特則) 第百六十一条 前条第二項及び第三項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。 (相続人等からの取得の特則) 第百六十二条 第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 株式会社が公開会社である場合 二 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合 (子会社からの株式の取得) 第百六十三条 株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。 この場合においては、第百五十七条から第百六十条までの規定は、適用しない。 (特定の株主からの取得に関する定款の定め) 第百六十四条 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第百六十条第一項の規定による決定をするときは同条第二項及び第三項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。 2 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 第三目 市場取引等による株式の取得 第百六十五条 第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 2 取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。 第三款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得 第一目 取得請求権付株式の取得の請求 (取得の請求) 第百六十六条 取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。 ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第二号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第一項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。 ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。 (効力の発生) 第百六十七条 株式会社は、前条第一項の規定による請求の日に、その請求に係る取得請求権付株式を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした株主は、その請求の日に、第百七条第二項第二号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第五号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 二 第百七条第二項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 前項第四号に掲げる場合において、同号に規定する他の株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 この場合においては、株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を前条第一項の規定による請求をした株主に対して交付しなければならない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 4 前項の規定は、当該株式会社の社債及び新株予約権について端数がある場合について準用する。 この場合において、同項第二号中「一株当たり純資産額」とあるのは、「法務省令で定める額」と読み替えるものとする。 第二目 取得条項付株式の取得 (取得する日の決定) 第百六十八条 第百七条第二項第三号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第百七条第二項第三号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主)及びその登録株式質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する株式の決定等) 第百六十九条 株式会社は、第百七条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第百七十条 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第五項において同じ。)に、取得条項付株式(同条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項において同じ。)を取得する。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 次の各号に掲げる場合には、取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日に、同号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第六号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第三号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの社債の社債権者 二 第百七条第二項第三号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第三号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第百六十八条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 4 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 前各項の規定は、取得条項付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第三号ニからトまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が同号イの事由が生じた日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、適用しない。 第四款 全部取得条項付種類株式の取得 (全部取得条項付種類株式の取得に関する決定) 第百七十一条 全部取得条項付種類株式(第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定めがある種類の株式をいう。以下この款において同じ。)を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる。 この場合においては、当該株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等を交付するときは、当該金銭等(以下この条において「取得対価」という。)についての次に掲げる事項 イ 当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法 ロ 当該取得対価が当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 二 前号に規定する場合には、全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項 三 株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(以下この款において「取得日」という。) 2 前項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社を除く。)の有する全部取得条項付種類株式の数に応じて取得対価を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 取締役は、第一項の株主総会において、全部取得条項付種類株式の全部を取得することを必要とする理由を説明しなければならない。 (全部取得条項付種類株式の取得対価等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十一条の二 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から取得日後六箇月を経過する日までの間、前条第一項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 前条第一項の株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百七十二条第二項の規定による通知の日又は同条第三項の公告の日のいずれか早い日 2 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (全部取得条項付種類株式の取得をやめることの請求) 第百七十一条の三 第百七十一条第一項の規定による全部取得条項付種類株式の取得が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該全部取得条項付種類株式の取得をやめることを請求することができる。 (裁判所に対する価格の決定の申立て) 第百七十二条 第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。 一 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 2 株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。 (効力の発生) 第百七十三条 株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主(前条第一項の申立てをした株主を除く。)は、取得日に、第百七十一条第一項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第百七十一条第一項第一号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第百七十一条第一項第一号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第百七十一条第一項第一号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 (全部取得条項付種類株式の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十三条の二 株式会社は、取得日後遅滞なく、株式会社が取得した全部取得条項付種類株式の数その他の全部取得条項付種類株式の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、取得日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 全部取得条項付種類株式を取得した株式会社の株主又は取得日に全部取得条項付種類株式の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五款 相続人等に対する売渡しの請求 (相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め) 第百七十四条 株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。 (売渡しの請求の決定) 第百七十五条 株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式を有する者の氏名又は名称 2 前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 (売渡しの請求) 第百七十六条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。 ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百七十七条 前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。 2 株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。 5 第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。 第六款 株式の消却 第百七十八条 株式会社は、自己株式を消却することができる。 この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第四節の二 特別支配株主の株式等売渡請求 (株式等売渡請求) 第百七十九条 株式会社の特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を当該株式会社以外の者及び当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人(以下この条及び次条第一項において「特別支配株主完全子法人」という。)が有している場合における当該者をいう。以下同じ。)は、当該株式会社の株主(当該株式会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 2 特別支配株主は、前項の規定による請求(以下この章及び第八百四十六条の二第二項第一号において「株式売渡請求」という。)をするときは、併せて、その株式売渡請求に係る株式を発行している株式会社(以下「対象会社」という。)の新株予約権の新株予約権者(対象会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する対象会社の新株予約権の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 3 特別支配株主は、新株予約権付社債に付された新株予約権について前項の規定による請求(以下「新株予約権売渡請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式等売渡請求の方法) 第百七十九条の二 株式売渡請求は、次に掲げる事項を定めてしなければならない。 一 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 二 株式売渡請求によりその有する対象会社の株式を売り渡す株主(以下「売渡株主」という。)に対して当該株式(以下この章において「売渡株式」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 三 売渡株主に対する前号の金銭の割当てに関する事項 四 株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求(その新株予約権売渡請求に係る新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前条第三項の規定による請求を含む。以下同じ。)をするときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 特別支配株主完全子法人に対して新株予約権売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 ロ 新株予約権売渡請求によりその有する対象会社の新株予約権を売り渡す新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」という。)に対して当該新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、前条第三項の規定による請求をするときは、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この編において「売渡新株予約権」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 ハ 売渡新株予約権者に対するロの金銭の割当てに関する事項 五 特別支配株主が売渡株式(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式及び売渡新株予約権。以下「売渡株式等」という。)を取得する日(以下この節において「取得日」という。) 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 対象会社が種類株式発行会社である場合には、特別支配株主は、対象会社の発行する種類の株式の内容に応じ、前項第三号に掲げる事項として、同項第二号の金銭の割当てについて売渡株式の種類ごとに異なる取扱いを行う旨及び当該異なる取扱いの内容を定めることができる。 3 第一項第三号に掲げる事項についての定めは、売渡株主の有する売渡株式の数(前項に規定する定めがある場合にあっては、各種類の売渡株式の数)に応じて金銭を交付することを内容とするものでなければならない。 (対象会社の承認) 第百七十九条の三 特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。 2 対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。 3 取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 4 対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (売渡株主等に対する通知等) 第百七十九条の四 対象会社は、前条第一項の承認をしたときは、取得日の二十日前までに、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事項を通知しなければならない。 一 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。) 当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項 二 売渡株式の登録株式質権者(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式の登録株式質権者及び売渡新株予約権の登録新株予約権質権者(第二百七十条第一項に規定する登録新株予約権質権者をいう。)) 当該承認をした旨 2 前項の規定による通知(売渡株主に対してするものを除く。)は、公告をもってこれに代えることができる。 3 対象会社が第一項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、特別支配株主から売渡株主等に対し、株式等売渡請求がされたものとみなす。 4 第一項の規定による通知又は第二項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株式等売渡請求に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の五 対象会社は、前条第一項第一号の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日から取得日後六箇月(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日後一年)を経過する日までの間、次に掲げる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 特別支配株主の氏名又は名称及び住所 二 第百七十九条の二第一項各号に掲げる事項 三 第百七十九条の三第一項の承認をした旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 売渡株主等は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式等売渡請求の撤回) 第百七十九条の六 特別支配株主は、第百七十九条の三第一項の承認を受けた後は、取得日の前日までに対象会社の承諾を得た場合に限り、売渡株式等の全部について株式等売渡請求を撤回することができる。 2 取締役会設置会社が前項の承諾をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 3 対象会社は、第一項の承諾をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 4 対象会社は、第一項の承諾をしたときは、遅滞なく、売渡株主等に対し、当該承諾をした旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 6 対象会社が第四項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、株式等売渡請求は、売渡株式等の全部について撤回されたものとみなす。 7 第四項の規定による通知又は第五項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 8 前各項の規定は、新株予約権売渡請求のみを撤回する場合について準用する。 この場合において、第四項中「売渡株主等」とあるのは、「売渡新株予約権者」と読み替えるものとする。 (売渡株式等の取得をやめることの請求) 第百七十九条の七 次に掲げる場合において、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 株式売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡株主に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第二号又は第三号に掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 2 次に掲げる場合において、売渡新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡新株予約権者は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 新株予約権売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡新株予約権者に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第四号ロ又はハに掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 (売買価格の決定の申立て) 第百七十九条の八 株式等売渡請求があった場合には、売渡株主等は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、その有する売渡株式等の売買価格の決定の申立てをすることができる。 2 特別支配株主は、裁判所の決定した売買価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 3 特別支配株主は、売渡株式等の売買価格の決定があるまでは、売渡株主等に対し、当該特別支配株主が公正な売買価格と認める額を支払うことができる。 (売渡株式等の取得) 第百七十九条の九 株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。 2 前項の規定により特別支配株主が取得した売渡株式等が譲渡制限株式又は譲渡制限新株予約権(第二百四十三条第二項第二号に規定する譲渡制限新株予約権をいう。)であるときは、対象会社は、当該特別支配株主が当該売渡株式等を取得したことについて、第百三十七条第一項又は第二百六十三条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 (売渡株式等の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の十 対象会社は、取得日後遅滞なく、株式等売渡請求により特別支配株主が取得した売渡株式等の数その他の株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 対象会社は、取得日から六箇月間(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日から一年間)、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 取得日に売渡株主等であった者は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五節 株式の併合等 第一款 株式の併合 (株式の併合) 第百八十条 株式会社は、株式の併合をすることができる。 2 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 併合の割合 二 株式の併合がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。) 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類 四 効力発生日における発行可能株式総数 3 前項第四号の発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 4 取締役は、第二項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 (株主に対する通知等) 第百八十一条 株式会社は、効力発生日の二週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、前条第二項第三号の種類の種類株主。以下この款において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生) 第百八十二条 株主は、効力発生日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。 2 株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、第百八十条第二項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の二 株式の併合(単元株式数(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式の単元株式数。以下この項において同じ。)を定款で定めている場合にあっては、当該単元株式数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数に一に満たない端数が生ずるものに限る。以下この款において同じ。)をする株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、同項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 第百八十条第二項の株主総会(株式の併合をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。第百八十二条の四第二項において同じ。)の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百八十二条の四第三項の規定により読み替えて適用する第百八十一条第一項の規定による株主に対する通知の日又は第百八十一条第二項の公告の日のいずれか早い日 2 株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式の併合をやめることの請求) 第百八十二条の三 株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。 (反対株主の株式買取請求) 第百八十二条の四 株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第百八十条第二項の株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 株式会社が株式の併合をする場合における株主に対する通知についての第百八十一条第一項の規定の適用については、同項中「二週間」とあるのは、「二十日」とする。 4 第一項の規定による請求(以下この款において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 5 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 6 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 7 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百八十二条の五 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の六 株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の発行済株式)の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第二款 株式の分割 (株式の分割) 第百八十三条 株式会社は、株式の分割をすることができる。 2 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日 二 株式の分割がその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類 (効力の発生等) 第百八十四条 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第二項第三号の種類の種類株主)は、同項第二号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。 2 株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。 第三款 株式無償割当て (株式無償割当て) 第百八十五条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。 (株式無償割当てに関する事項の決定) 第百八十六条 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式無償割当ての効力の発生等) 第百八十七条 前条第一項第一号の株式の割当てを受けた株主は、同項第二号の日に、同項第一号の株式の株主となる。 2 株式会社は、前条第一項第二号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。 第六節 単元株式数 第一款 総則 (単元株式数) 第百八十八条 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。 2 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。 3 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。 (単元未満株式についての権利の制限等) 第百八十九条 単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。 2 株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。 一 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の交付を受ける権利 二 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利 三 第百八十五条に規定する株式無償割当てを受ける権利 四 第百九十二条第一項の規定により単元未満株式を買い取ることを請求する権利 五 残余財産の分配を受ける権利 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める権利 3 株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。 (理由の開示) 第百九十条 単元株式数を定める場合には、取締役は、当該単元株式数を定める定款の変更を目的とする株主総会において、当該単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければならない。 (定款変更手続の特則) 第百九十一条 株式会社は、次のいずれにも該当する場合には、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数。以下この条において同じ。)を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることができる。 一 株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設けるものであること。 二 イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと。 イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数 ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数) 第二款 単元未満株主の買取請求 (単元未満株式の買取りの請求) 第百九十二条 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 第一項の規定による請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、当該請求を撤回することができる。 (単元未満株式の価格の決定) 第百九十三条 前条第一項の規定による請求があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該請求に係る単元未満株式の価格とする。 一 当該単元未満株式が市場価格のある株式である場合 当該単元未満株式の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社と前条第一項の規定による請求をした単元未満株主との協議によって定める額 2 前項第二号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした単元未満株主又は株式会社は、当該請求をした日から二十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって当該単元未満株式の価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、同項第二号に掲げる場合において、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項第二号の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に前条第一項の規定による請求に係る単元未満株式の数を乗じて得た額をもって当該単元未満株式の価格とする。 6 前条第一項の規定による請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式につき前条第一項の規定による請求があったときは、株券と引換えに、その請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第三款 単元未満株主の売渡請求 第百九十四条 株式会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求(単元未満株主が有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを請求することをいう。以下この条において同じ。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 2 単元未満株式売渡請求は、当該単元未満株主に売り渡す単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合を除き、自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。 4 第百九十二条第三項及び前条第一項から第六項までの規定は、単元未満株式売渡請求について準用する。 第四款 単元株式数の変更等 第百九十五条 株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。 2 前項の規定により定款の変更をした場合には、株式会社は、当該定款の変更の効力が生じた日以後遅滞なく、その株主(種類株式発行会社にあっては、同項の規定により単元株式数を変更した種類の種類株主)に対し、当該定款の変更をした旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第七節 株主に対する通知の省略等 (株主に対する通知の省略) 第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。 3 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。 (株式の競売) 第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。 一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの 二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。 一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者 二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者 (利害関係人の異議) 第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。 5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。 第八節 募集株式の発行等 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。) 二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法 三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項 2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。 2 前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 3 第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。 3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百二条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集株式の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集株式の数 三 第一項第二号の期日 5 第百九十九条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 (取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則) 第二百二条の二 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 募集株式を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 2 前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、同項中「前項各号」とあるのは、「前項各号(第二号及び第四号を除く。)及び第二百二条の二第一項各号」とする。 この場合においては、第二百条及び前条の規定は、適用しない。 3 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 第二款 募集株式の割当て (募集株式の申込み) 第二百三条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集株式の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集株式の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集株式の割当て) 第二百四条 株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 募集株式が譲渡制限株式である場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 株式会社は、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集株式の数を通知しなければならない。 4 第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集株式の割当てを受ける権利を失う。 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第二百五条 前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、第二百三条第二項の申込みをし、又は第一項の契約を締結することができない。 4 前項に規定する場合における前条第三項並びに第二百六条の二第一項、第三項及び第四項の規定の適用については、前条第三項及び第二百六条の二第一項中「第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)」とあり、同条第三項中「同項に規定する期日」とあり、並びに同条第四項中「第一項に規定する期日」とあるのは、「割当日」とする。 5 指名委員会等設置会社における第三項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (募集株式の引受け) 第二百六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集株式の数について募集株式の引受人となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集株式の数 二 前条第一項の契約により募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集株式の数 (公開会社における募集株式の割当て等の特則) 第二百六条の二 公開会社は、募集株式の引受人について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第四項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数 二 当該募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 4 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第二項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集株式の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、第一項に規定する期日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集株式の割当て又は当該特定引受人との間の第二百五条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 5 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 第三款 金銭以外の財産の出資 第二百七条 株式会社は、第百九十九条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。以下この条において同じ。)は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該募集株式の引受人が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 募集株式の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第四款 出資の履行等 (出資の履行) 第二百八条 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者を除く。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、それぞれの募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。 3 募集株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 4 出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は、株式会社に対抗することができない。 5 募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。 (株主となる時期等) 第二百九条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。 一 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日 2 募集株式の引受人は、第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百十三条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した募集株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の募集株式を譲り受けた者は、当該募集株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。 第五款 募集株式の発行等をやめることの請求 第二百十条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。 一 当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合 二 当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合 第六款 募集に係る責任等 (引受けの無効又は取消しの制限) 第二百十一条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第二百五条第一項の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 募集株式の引受人は、第二百九条第一項の規定により株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として募集株式の引受けの取消しをすることができない。 (不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任) 第二百十二条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合 当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額 二 第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第二号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百十三条 前条第一項第二号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該募集株式の引受人の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百七条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百七条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 募集株式の引受人がその給付した現物出資財産についての前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う場合において、次の各号に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (出資の履行を仮装した募集株式の引受人の責任) 第二百十三条の二 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百八条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した払込金額の全額の支払 二 第二百八条第二項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した現物出資財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該現物出資財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (出資の履行を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百十三条の三 前条第一項各号に掲げる場合には、募集株式の引受人が出資の履行を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 募集株式の引受人が前条第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九節 株券 第一款 総則 (株券を発行する旨の定款の定め) 第二百十四条 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。 (株券の発行) 第二百十五条 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない。 2 株券発行会社は、株式の併合をしたときは、第百八十条第二項第二号の日以後遅滞なく、併合した株式に係る株券を発行しなければならない。 3 株券発行会社は、株式の分割をしたときは、第百八十三条第二項第二号の日以後遅滞なく、分割した株式に係る株券(既に発行されているものを除く。)を発行しなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができる。 (株券の記載事項) 第二百十六条 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株券発行会社の商号 二 当該株券に係る株式の数 三 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨 四 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容 (株券不所持の申出) 第二百十七条 株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該株式に係る株券が発行されているときは、当該株主は、当該株券を株券発行会社に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、前項前段の株式に係る株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の株式に係る株券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された株券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした株主は、いつでも、株券発行会社に対し、第二項前段の株式に係る株券を発行することを請求することができる。 この場合において、第二項後段の規定により提出された株券があるときは、株券の発行に要する費用は、当該株主の負担とする。 (株券を発行する旨の定款の定めの廃止) 第二百十八条 株券発行会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、当該定款の変更の効力が生ずる日の二週間前までに、次に掲げる事項を公告し、かつ、株主及び登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨 二 定款の変更がその効力を生ずる日 三 前号の日において当該株式会社の株券は無効となる旨 2 株券発行会社の株式に係る株券は、前項第二号の日に無効となる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合には、同項第二号の日の二週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し、同項第一号及び第二号に掲げる事項を通知すれば足りる。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項に規定する場合には、株式の質権者(登録株式質権者を除く。)は、同項第二号の日の前日までに、株券発行会社に対し、第百四十八条各号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 第二款 株券の提出等 (株券の提出に関する公告等) 第二百十九条 株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(第四号の二に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「株券提出日」という。)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。 一 第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式) 二 株式の併合 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式) 三 第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 当該全部取得条項付種類株式 四 取得条項付株式の取得 当該取得条項付株式 四の二 第百七十九条の三第一項の承認 売渡株式 五 組織変更 全部の株式 六 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の株式 七 株式交換 全部の株式 八 株式移転 全部の株式 2 株券発行会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為(第二号に掲げる行為をする場合にあっては、株式売渡請求に係る売渡株式の取得)によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。 一 前項第一号から第四号までに掲げる行為 当該株券発行会社 二 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 六 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。 4 第一項第四号の二の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株券の提出をすることができない場合) 第二百二十条 前条第一項各号に掲げる行為をした場合において、株券を提出することができない者があるときは、株券発行会社は、その者の請求により、利害関係人に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を公告することができる。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 株券発行会社が前項の規定による公告をした場合において、同項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、前条第二項各号に定める者は、前項の請求をした者に対し、同条第二項の金銭等を交付することができる。 3 第一項の規定による公告の費用は、同項の請求をした者の負担とする。 第三款 株券喪失登録 (株券喪失登録簿) 第二百二十一条 株券発行会社(株式会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした日の翌日から起算して一年を経過していない場合における当該株式会社を含む。以下この款(第二百二十三条、第二百二十七条及び第二百二十八条第二項を除く。)において同じ。)は、株券喪失登録簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この款において「株券喪失登録簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第二百二十三条の規定による請求に係る株券(第二百十八条第二項又は第二百十九条第三項の規定により無効となった株券及び株式の発行又は自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における当該株式に係る株券を含む。以下この款(第二百二十八条を除く。)において同じ。)の番号 二 前号の株券を喪失した者の氏名又は名称及び住所 三 第一号の株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載され、又は記録されている者(以下この款において「名義人」という。)の氏名又は名称及び住所 四 第一号の株券につき前三号に掲げる事項を記載し、又は記録した日(以下この款において「株券喪失登録日」という。) (株券喪失登録簿に関する事務の委託) 第二百二十二条 株券発行会社における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿に」とする。 (株券喪失登録の請求) 第二百二十三条 株券を喪失した者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録すること(以下「株券喪失登録」という。)を請求することができる。 (名義人等に対する通知) 第二百二十四条 株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者(以下この款において「株券喪失登録者」という。)が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第二百二十一条第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。 (株券を所持する者による抹消の申請) 第二百二十五条 株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。 ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。 3 第一項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による通知の日から二週間を経過した日に、第二項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第一項の規定による申請をした者に返還しなければならない。 (株券喪失登録者による抹消の申請) 第二百二十六条 株券喪失登録者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、株券喪失登録(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合にあっては、前条第二項の規定により提出された株券についての株券喪失登録を除く。)の抹消を申請することができる。 2 前項の規定による申請を受けた株券発行会社は、当該申請を受けた日に、当該申請に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消) 第二百二十七条 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合には、株券発行会社は、当該定款の変更の効力が生ずる日に、株券喪失登録(当該株券喪失登録がされた株券に係る株式の名義人が株券喪失登録者であるものに限り、第二百二十五条第二項の規定により提出された株券についてのものを除く。)を抹消しなければならない。 (株券の無効) 第二百二十八条 株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。 2 前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。 (異議催告手続との関係) 第二百二十九条 株券喪失登録者が第二百二十条第一項の請求をした場合には、株券発行会社は、同項の期間の末日が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過する日前に到来するときに限り、同項の規定による公告をすることができる。 2 株券発行会社が第二百二十条第一項の規定による公告をするときは、当該株券発行会社は、当該公告をした日に、当該公告に係る株券についての株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券喪失登録の効力) 第二百三十条 株券発行会社は、次に掲げる日のいずれか早い日(以下この条において「登録抹消日」という。)までの間は、株券喪失登録がされた株券に係る株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することができない。 一 当該株券喪失登録が抹消された日 二 株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日 2 株券発行会社は、登録抹消日後でなければ、株券喪失登録がされた株券を再発行することができない。 3 株券喪失登録者が株券喪失登録をした株券に係る株式の名義人でないときは、当該株式の株主は、登録抹消日までの間は、株主総会又は種類株主総会において議決権を行使することができない。 4 株券喪失登録がされた株券に係る株式については、第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をすることができない。 (株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等) 第二百三十一条 株券発行会社は、株券喪失登録簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (株券喪失登録者に対する通知等) 第二百三十二条 株券発行会社が株券喪失登録者に対してする通知又は催告は、株券喪失登録簿に記載し、又は記録した当該株券喪失登録者の住所(当該株券喪失登録者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を株券発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (適用除外) 第二百三十三条 非訟事件手続法第四編の規定は、株券については、適用しない。 第十節 雑則 (一に満たない端数の処理) 第二百三十四条 次の各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の株式を交付する場合において、その者に対し交付しなければならない当該株式会社の株式の数に一株に満たない端数があるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を当該者に交付しなければならない。 一 第百七十条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 二 第百七十三条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 当該株式会社の株主 四 第二百七十五条第一項の規定による新株予約権の取得 第二百三十六条第一項第七号イの新株予約権の新株予約権者 五 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 合併後消滅する会社の株主又は社員 六 合併契約に基づく設立時発行株式の発行 合併後消滅する会社の株主又は社員 七 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 株式交換をする株式会社の株主 八 株式移転計画に基づく設立時発行株式の発行 株式移転をする株式会社の株主 九 株式交付 株式交付親会社(第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。)に株式交付に際して株式交付子会社(同号に規定する株式交付子会社をいう。)の株式又は新株予約権等(同項第七号に規定する新株予約権等をいう。)を譲り渡した者 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 前項の規定により第一項の株式を売却した場合における同項の規定の適用については、同項中「競売により」とあるのは、「売却により」とする。 4 株式会社は、第二項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 5 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 6 第一項から第四項までの規定は、第一項各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の社債又は新株予約権を交付するときについて準用する。 第二百三十五条 株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。 2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。 第三章 新株予約権 第一節 総則 (新株予約権の内容) 第二百三十六条 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法 三 金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 当該新株予約権を行使することができる期間 五 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項 六 譲渡による当該新株予約権の取得について当該株式会社の承認を要することとするときは、その旨 七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法 ニ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法 ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ヘ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項 チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件 イ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社 ロ 吸収分割 吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する株式会社 ハ 新設分割 新設分割により設立する株式会社 ニ 株式交換 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社 ホ 株式移転 株式移転により設立する株式会社 九 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨 十 当該新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)に係る新株予約権証券を発行することとするときは、その旨 十一 前号に規定する場合において、新株予約権者が第二百九十条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の数は、当該新株予約権付社債についての社債の金額ごとに、均等に定めなければならない。 3 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第一項第二号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨 4 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第四号又は第五号ロに定める事項についての決定」と、同項第一号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第二号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (共有者による権利の行使) 第二百三十七条 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該新株予約権についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該新株予約権についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 新株予約権の発行 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集新株予約権の内容及び数 二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法 四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日 六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項 七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め 2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百三十九条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限 二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。 3 第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百四十一条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数 三 第一項第二号の期日 5 第二百三十八条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 第二款 募集新株予約権の割当て (募集新株予約権の申込み) 第二百四十二条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集新株予約権の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、申込者(募集新株予約権のみの申込みをした者に限る。)は、その申込みに係る募集新株予約権を付した新株予約権付社債の引受けの申込みをしたものとみなす。 7 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 8 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集新株予約権の割当て) 第二百四十三条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権(新株予約権であって、譲渡による当該新株予約権の取得について株式会社の承認を要する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)である場合 3 株式会社は、割当日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数(当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 4 第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集新株予約権の割当てを受ける権利を失う。 (募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則) 第二百四十四条 前二条の規定は、募集新株予約権を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前項の規定の適用については、同項中「の引受け」とあるのは、「及び当該募集新株予約権を付した社債の総額の引受け」とする。 3 第一項に規定する場合において、次に掲げるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式であるとき。 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権であるとき。 (公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則) 第二百四十四条の二 公開会社は、募集新株予約権の割当てを受けた申込者又は前条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者(以下この項において「引受人」と総称する。)について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第五項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数 二 前号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数 2 前項第一号に規定する「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式その他募集新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式として法務省令で定める株式をいう。 3 第一項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 5 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第三項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集新株予約権の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、割当日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は当該特定引受人との間の前条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 6 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (新株予約権者となる日) 第二百四十五条 次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集新株予約権 二 第二百四十四条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集新株予約権 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。 第三款 募集新株予約権に係る払込み 第二百四十六条 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。 3 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。 第四款 募集新株予約権の発行をやめることの請求 第二百四十七条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。 一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合 二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合 第五款 雑則 第二百四十八条 第六百七十六条から第六百八十条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。 第三節 新株予約権原簿 (新株予約権原簿) 第二百四十九条 株式会社は、新株予約権を発行した日以後遅滞なく、新株予約権原簿を作成し、次の各号に掲げる新株予約権の区分に応じ、当該各号に定める事項(以下「新株予約権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 無記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権(以下この章において「無記名新株予約権」という。) 当該新株予約権証券の番号並びに当該無記名新株予約権の内容及び数 二 無記名式の新株予約権付社債券(証券発行新株予約権付社債(新株予約権付社債であって、当該新株予約権付社債についての社債につき社債券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)に係る社債券をいう。以下同じ。)が発行されている新株予約権付社債(以下この章において「無記名新株予約権付社債」という。)に付された新株予約権 当該新株予約権付社債券の番号並びに当該新株予約権の内容及び数 三 前二号に掲げる新株予約権以外の新株予約権 次に掲げる事項 イ 新株予約権者の氏名又は名称及び住所 ロ イの新株予約権者の有する新株予約権の内容及び数 ハ イの新株予約権者が新株予約権を取得した日 ニ ロの新株予約権が証券発行新株予約権(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であって、当該新株予約権に係る新株予約権証券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、当該新株予約権(新株予約権証券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権証券の番号 ホ ロの新株予約権が証券発行新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権を付した新株予約権付社債(新株予約権付社債券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権付社債券の番号 (新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第二百五十条 前条第三号イの新株予約権者は、株式会社に対し、当該新株予約権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該新株予約権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の管理) 第二百五十一条 株式会社が新株予約権を発行している場合における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿に」とする。 (新株予約権原簿の備置き及び閲覧等) 第二百五十二条 株式会社は、新株予約権原簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の新株予約権原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (新株予約権者に対する通知等) 第二百五十三条 株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該新株予約権者の住所(当該新株予約権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を新株予約権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が新株予約権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 第四節 新株予約権の譲渡等 第一款 新株予約権の譲渡 (新株予約権の譲渡) 第二百五十四条 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 (証券発行新株予約権の譲渡) 第二百五十五条 証券発行新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権(株式会社が有する自己の新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の処分による証券発行新株予約権の譲渡については、この限りでない。 2 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権付社債(株式会社が有する自己の新株予約権付社債をいう。以下この条及び次条において同じ。)の処分による当該自己新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、この限りでない。 (自己新株予約権の処分に関する特則) 第二百五十六条 株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。 3 株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。 4 第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。 (新株予約権の譲渡の対抗要件) 第二百五十七条 新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 3 第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (権利の推定等) 第二百五十八条 新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 2 新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 4 新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百五十九条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該株式会社の新株予約権を取得した場合 二 自己新株予約権を処分した場合 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百六十条 新株予約権を当該新株予約権を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「新株予約権取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該新株予約権に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第二百六十一条 前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。 二 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。 三 当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。 第二款 新株予約権の譲渡の制限 (新株予約権者からの承認の請求) 第二百六十二条 譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (新株予約権取得者からの承認の請求) 第二百六十三条 譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第二百六十四条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第二百六十二条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの新株予約権取得者の氏名又は名称 (譲渡等の承認の決定等) 第二百六十五条 株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第二百六十六条 株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。 ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 第三款 新株予約権の質入れ (新株予約権の質入れ) 第二百六十七条 新株予約権者は、その有する新株予約権に質権を設定することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 4 証券発行新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 5 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (新株予約権の質入れの対抗要件) 第二百六十八条 新株予約権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 3 第一項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 (新株予約権原簿の記載等) 第二百六十九条 新株予約権に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である新株予約権 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百七十条 前条第一項各号に掲げる事項が新株予約権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録新株予約権質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録新株予約権質権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (登録新株予約権質権者に対する通知等) 第二百七十一条 株式会社が登録新株予約権質権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該登録新株予約権質権者の住所(当該登録新株予約権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (新株予約権の質入れの効果) 第二百七十二条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、新株予約権を目的とする質権は、当該行為によって当該新株予約権の新株予約権者が受けることのできる金銭等について存在する。 一 新株予約権の取得 二 組織変更 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 四 吸収分割 五 新設分割 六 株式交換 七 株式移転 2 登録新株予約権質権者は、前項の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 3 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録新株予約権質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 新株予約権の取得 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 4 前三項の規定は、特別支配株主が新株予約権売渡請求により売渡新株予約権の取得をした場合について準用する。 この場合において、前項中「当該各号に定める者」とあるのは、「当該特別支配株主」と読み替えるものとする。 5 新株予約権付社債に付された新株予約権(第二百三十六条第一項第三号の財産が当該新株予約権付社債についての社債であるものであって、当該社債の償還額が当該新株予約権についての同項第二号の価額以上であるものに限る。)を目的とする質権は、当該新株予約権の行使をすることにより当該新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式について存在する。 第四款 信託財産に属する新株予約権についての対抗要件等 第二百七十二条の二 新株予約権については、当該新株予約権が信託財産に属する旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該新株予約権が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第二百四十九条第三号イの新株予約権者は、その有する新株予約権が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 新株予約権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第二百五十条第一項及び第二百五十九条第一項の規定の適用については、第二百五十条第一項中「記録された新株予約権原簿記載事項」とあるのは「記録された新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」と、第二百五十九条第一項中「新株予約権原簿記載事項」とあるのは「新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第五節 株式会社による自己の新株予約権の取得 第一款 募集事項の定めに基づく新株予約権の取得 (取得する日の決定) 第二百七十三条 取得条項付新株予約権(第二百三十六条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の内容として同号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第二百三十六条第一項第七号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付新株予約権の新株予約権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する新株予約権の決定等) 第二百七十四条 株式会社は、新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、その取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付新株予約権は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに、当該取得条項付新株予約権を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第二百七十五条 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第三項において同じ。)に、取得条項付新株予約権(同条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項及び第三項において同じ。)を取得する。 一 第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 前項の規定により株式会社が取得する取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、当該新株予約権付社債についての社債を取得する。 3 次の各号に掲げる場合には、取得条項付新株予約権の新株予約権者(当該株式会社を除く。)は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、同号に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの株式の株主 二 第二百三十六条第一項第七号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの社債の社債権者 三 第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの他の新株予約権の新株予約権者 四 第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項についての定めがある場合 同号トの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第二百七十三条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 5 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第二款 新株予約権の消却 第二百七十六条 株式会社は、自己新株予約権を消却することができる。 この場合においては、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第六節 新株予約権無償割当て (新株予約権無償割当て) 第二百七十七条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。 (新株予約権無償割当てに関する事項の決定) 第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法 二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法 三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日 四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (新株予約権無償割当ての効力の発生等) 第二百七十九条 前条第一項第一号の新株予約権の割当てを受けた株主は、同項第三号の日に、同項第一号の新株予約権の新株予約権者(同項第二号に規定する場合にあっては、同項第一号の新株予約権の新株予約権者及び同項第二号の社債の社債権者)となる。 2 株式会社は、前条第一項第三号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた新株予約権の内容及び数(同項第二号に規定する場合にあっては、当該株主が割当てを受けた社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知がされた場合において、前条第一項第一号の新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の末日が当該通知の日から二週間を経過する日前に到来するときは、同号の期間は、当該通知の日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。 第七節 新株予約権の行使 第一款 総則 (新株予約権の行使) 第二百八十条 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数 二 新株予約権を行使する日 2 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。 3 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。 この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。 4 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 5 第三項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 6 株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。 (新株予約権の行使に際しての払込み) 第二百八十一条 金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第二号の価額の全額を払い込まなければならない。 2 金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第三号の財産を給付しなければならない。 この場合において、当該財産の価額が同項第二号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。 3 新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 (株主となる時期等) 第二百八十二条 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (一に満たない端数の処理) 第二百八十三条 新株予約権を行使した場合において、当該新株予約権の新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数があるときは、株式会社は、当該新株予約権者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を交付しなければならない。 ただし、第二百三十六条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合は、この限りでない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 第二款 金銭以外の財産の出資 第二百八十四条 株式会社は、第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項についての定めがある新株予約権が行使された場合には、第二百八十一条第二項の規定による給付があった後、遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 第一項の新株予約権の新株予約権者は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 行使された新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該新株予約権者が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 新株予約権者 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第三款 責任 (不公正な払込金額で新株予約権を引き受けた者等の責任) 第二百八十五条 新株予約権を行使した新株予約権者は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 第二百三十八条第一項第二号に規定する場合において、募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととすることが著しく不公正な条件であるとき(取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役。次号において同じ。)と通じて新株予約権を引き受けた場合に限る。) 当該新株予約権の公正な価額 二 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合において、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたとき 当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額 三 第二百八十二条第一項の規定により株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第三号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百八十六条 前条第一項第三号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該新株予約権者の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百八十四条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百八十四条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 新株予約権者がその給付した現物出資財産についての前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う場合において、次に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (新株予約権に係る払込み等を仮装した新株予約権者等の責任) 第二百八十六条の二 新株予約権を行使した新株予約権者であって次の各号に掲げる者に該当するものは、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百四十六条第一項の規定による払込み(同条第二項の規定により当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付を含む。)を仮装した者又は当該払込みが仮装されたことを知って、若しくは重大な過失により知らないで募集新株予約権を譲り受けた者 払込みが仮装された払込金額の全額の支払(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付が仮装された場合にあっては、当該財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)) 二 第二百八十一条第一項又は第二項後段の規定による払込みを仮装した者 払込みを仮装した金銭の全額の支払 三 第二百八十一条第二項前段の規定による給付を仮装した者 給付を仮装した金銭以外の財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により同項に規定する新株予約権者の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (新株予約権に係る払込み等を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百八十六条の三 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に定める行為をする義務を負う場合には、当該各号の払込み又は給付を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込み又は当該給付を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第四款 雑則 第二百八十七条 第二百七十六条第一項の場合のほか、新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。 第八節 新株予約権に係る証券 第一款 新株予約権証券 (新株予約権証券の発行) 第二百八十八条 株式会社は、証券発行新株予約権を発行した日以後遅滞なく、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を発行しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、新株予約権者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を発行しないことができる。 (新株予約権証券の記載事項) 第二百八十九条 新株予約権証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株式会社の商号 二 当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権の内容及び数 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百九十条 証券発行新株予約権の新株予約権者は、第二百三十六条第一項第十一号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の新株予約権証券を無記名式とし、又はその無記名式の新株予約権証券を記名式とすることを請求することができる。 (新株予約権証券の喪失) 第二百九十一条 新株予約権証券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 新株予約権証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 第二款 新株予約権付社債券 第二百九十二条 証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券には、第六百九十七条第一項の規定により記載すべき事項のほか、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の内容及び数を記載しなければならない。 2 証券発行新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは、株式会社は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券と引換えに社債の償還をすることを請求することができない。 この場合においては、株式会社は、社債の償還をするのと引換えに、当該新株予約権付社債券の提示を求め、当該新株予約権付社債券に社債の償還をした旨を記載することができる。 第三款 新株予約権証券等の提出 (新株予約権証券の提出に関する公告等) 第二百九十三条 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、当該各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この款において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該行為の効力が生ずる日(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「新株予約権証券提出日」という。)までに当該株式会社に対し当該新株予約権証券を提出しなければならない旨を新株予約権証券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 第百七十九条の三第一項の承認 売渡新株予約権 一の二 取得条項付新株予約権の取得 当該取得条項付新株予約権 二 組織変更 全部の新株予約権 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の新株予約権 四 吸収分割 第七百五十八条第五号イに規定する吸収分割契約新株予約権 五 新設分割 第七百六十三条第一項第十号イに規定する新設分割計画新株予約権 六 株式交換 第七百六十八条第一項第四号イに規定する株式交換契約新株予約権 七 株式移転 第七百七十三条第一項第九号イに規定する株式移転計画新株予約権 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、新株予約権証券提出日までに当該株式会社に対して新株予約権証券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該新株予約権証券の提出があるまでの間、当該行為(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、新株予約権売渡請求に係る売渡新株予約権の取得)によって当該新株予約権証券に係る新株予約権の新株予約権者が交付を受けることができる金銭等の交付を拒むことができる。 一 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 二 取得条項付新株予約権の取得 当該株式会社 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 吸収分割 第七百五十八条第一号に規定する吸収分割承継株式会社 六 新設分割 第七百六十三条第一項第一号に規定する新設分割設立株式会社 七 株式交換 第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全親株式会社 八 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券は、新株予約権証券提出日に無効となる。 4 第一項第一号の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 5 第二百二十条の規定は、第一項各号に掲げる行為をした場合において、新株予約権証券を提出することができない者があるときについて準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは、「第二百九十三条第二項各号」と読み替えるものとする。 (無記名式の新株予約権証券等が提出されない場合) 第二百九十四条 第百三十二条の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券(無記名式のものに限る。以下この条において同じ。)が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式に係る第百二十一条第一号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを要しない。 2 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式の株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 3 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる当該他の新株予約権(無記名新株予約権を除く。)に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 4 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 5 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債(無記名新株予約権付社債を除く。)に付された新株予約権に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 6 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 第四章 機関 第一節 株主総会及び種類株主総会等 第一款 株主総会 (株主総会の権限) 第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (株主総会の招集) 第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。 (株主による招集の請求) 第二百九十七条 総株主の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 4 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合 (株主総会の招集の決定) 第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主総会の日時及び場所 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。 3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第二号に掲げる事項」とする。 4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 (株主総会の招集の通知) 第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 株式会社が取締役会設置会社である場合 3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第三百一条 取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。 第三百二条 取締役は、第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。 3 取締役は、第一項に規定する場合には、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 取締役は、第一項に規定する場合において、第二百九十九条第三項の承諾をしていない株主から株主総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (株主提案権) 第三百三条 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 3 公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第二項の一定の事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 第三百四条 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第一項において同じ。)につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第三百五条 株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。 2 公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。 4 取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。 この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 四 定款の変更に関する二以上の議案 当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。 5 前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。 ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。 6 第一項から第三項までの規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (株主総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第三百六条 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」とする。 3 前二項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 4 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第三項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第三項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第三項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (議決権の数) 第三百八条 株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。 (株主総会の決議) 第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百四十条第二項及び第五項の株主総会 二 第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。) 三 第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会 四 第百八十条第二項の株主総会 五 第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会 六 第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会 七 第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。) 八 第四百二十五条第一項の株主総会 九 第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。) イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。 ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 十 第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。) 十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会 二 第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。) 三 第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。) 4 前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第三百十条 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。 3 第一項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 8 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第三百十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 3 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない。 4 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第三百十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社に提供して行う。 2 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 4 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 5 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (議決権の不統一行使) 第三百十三条 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 2 取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の三日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。 3 株式会社は、第一項の株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (取締役等の説明義務) 第三百十四条 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第三百十五条 株主総会の議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 株主総会の議長は、その命令に従わない者その他当該株主総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (株主総会に提出された資料等の調査) 第三百十六条 株主総会においては、その決議によって、取締役、会計参与、監査役、監査役会及び会計監査人が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第二百九十七条の規定により招集された株主総会においては、その決議によって、株式会社の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第三百十七条 株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第二百九十八条及び第二百九十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第三百十八条 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 5 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (株主総会の決議の省略) 第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。 2 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 5 第一項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。 (株主総会への報告の省略) 第三百二十条 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。 第二款 種類株主総会 (種類株主総会の権限) 第三百二十一条 種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 (ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会) 第三百二十二条 種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。) イ 株式の種類の追加 ロ 株式の内容の変更 ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加 一の二 第百七十九条の三第一項の承認 二 株式の併合又は株式の分割 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 四 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 五 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 六 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 七 合併 八 吸収分割 九 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 十 新設分割 十一 株式交換 十二 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 十三 株式移転 十四 株式交付 2 種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。 3 第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。 ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。 4 ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第三百二十三条 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類株主総会の決議) 第三百二十四条 種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第百九十九条第四項及び第二百条第四項の種類株主総会 三 第二百三十八条第四項及び第二百三十九条第四項の種類株主総会 四 第三百二十二条第一項の種類株主総会 五 第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会 六 第七百九十五条第四項の種類株主総会 七 第八百十六条の三第三項の種類株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第七百八十三条第三項及び第八百四条第三項の種類株主総会 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条 前款(第二百九十五条第一項及び第二項、第二百九十六条第一項及び第二項並びに第三百九条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第二百九十七条第一項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百八条第一項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百十八条第四項及び第三百十九条第三項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。 第三款 電子提供措置 (電子提供措置をとる旨の定款の定め) 第三百二十五条の二 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 株主総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類 (電子提供措置) 第三百二十五条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項 二 第三百一条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第三百二条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項 四 第三百五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百三十七条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百四十四条第六項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、取締役が第二百九十九条第一項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 3 第一項の規定にかかわらず、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第一項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第二十七条の三十の二に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (株主総会の招集の通知等の特則) 第三百二十五条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第二百九十九条第一項の規定の適用については、同項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「二週間」とする。 2 第二百九十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第二項又は第三項の通知には、第二百九十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 電子提供措置をとっているときは、その旨 二 前条第三項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第二百九十九条第一項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第三百五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第三百二十五条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。 4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第三百二十五条の六 第三百二十五条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第七号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条の七 第三百二十五条の三から前条まで(第三百二十五条の三第一項(第五号及び第六号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第三百二十五条の五第一項及び第三項から第五項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第三百二十五条の三第一項中「第二百九十九条第二項各号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項各号」と、「同条第一項」とあるのは「同条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次項、次条及び第三百二十五条の五において同じ。)」と、「第二百九十八条第一項各号」とあるのは「第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合に限る。)」と、「第三百一条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項」と、「第三百二条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百二条第一項」と、「第三百五条第一項」とあるのは「第三百五条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次条第四項において同じ。)」と、同条第二項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第三百二十五条の六までにおいて同じ。)」と、第三百二十五条の四第二項中「第二百九十九条第四項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第四項」と、「第二百九十九条第二項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項」と、「第二百九十八条第一項第五号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十八条第一項第五号」と、「同項第一号から第四号まで」とあるのは「第三百二十五条において準用する同項第一号から第四号まで」と、同条第三項中「第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項及び第三百二条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 株主総会以外の機関の設置 (株主総会以外の機関の設置) 第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。 2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。 (取締役会等の設置義務等) 第三百二十七条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。 一 公開会社 二 監査役会設置会社 三 監査等委員会設置会社 四 指名委員会等設置会社 2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。 5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。 6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。 (社外取締役の設置義務) 第三百二十七条の二 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならない。 (大会社における監査役会等の設置義務) 第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。 2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。 第三節 役員及び会計監査人の選任及び解任 第一款 選任 (選任) 第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。 2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。 3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (株式会社と役員等との関係) 第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (取締役の資格等) 第三百三十一条 次に掲げる者は、取締役となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。 3 監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。 5 取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。 6 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。 第三百三十一条の二 成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした取締役の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (取締役の任期) 第三百三十二条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 4 監査等委員である取締役の任期については、第一項ただし書の規定は、適用しない。 5 第一項本文の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 6 指名委員会等設置会社の取締役についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 7 前各項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 三 その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。) (会計参与の資格等) 第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。 2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。 一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者 (会計参与の任期) 第三百三十四条 第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。 2 前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (監査役の資格等) 第三百三十五条 第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。 2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。 (監査役の任期) 第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 4 前三項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 三 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 四 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 (会計監査人の資格等) 第三百三十七条 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第三百三十八条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 第二款 解任 (解任) 第三百三十九条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監査役等による会計監査人の解任) 第三百四十条 監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。 4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。 5 監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 6 指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 第三款 選任及び解任の手続に関する特則 (役員の選任及び解任の株主総会の決議) 第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (累積投票による取締役の選任) 第三百四十二条 株主総会の目的である事項が二人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、株式会社に対し、第三項から第五項までに規定するところにより取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の株主総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第三百八条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、取締役の選任の決議については、株主は、その有する株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の株式)につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 6 前条の規定は、前三項に規定するところにより選任された取締役の解任の決議については、適用しない。 (監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十二条の二 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監査等委員である取締役を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任について監査等委員会の意見を述べることができる。 (監査役の選任に関する監査役の同意等) 第三百四十三条 取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。 4 第三百四十一条の規定は、監査役の解任の決議については、適用しない。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第三百四十四条 監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。 2 監査役が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 (監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等) 第三百四十四条の二 取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。 2 監査等委員会は、取締役に対し、監査等委員である取締役の選任を株主総会の目的とすること又は監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 第三百四十一条の規定は、監査等委員である取締役の解任の決議については、適用しない。 (会計参与等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十五条 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は監査役について、前二項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。 5 第一項の規定は会計監査人について、第二項及び第三項の規定は会計監査人を辞任した者及び第三百四十条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。 8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。 (種類株主総会における取締役又は監査役の選任等) 第三百四十七条 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十二条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十四条の二第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十二条第一項及び第三百三十九条第一項中「株主総会の決議」とあるのは「株主総会(第四十一条第一項の規定により又は第九十条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)については、当該取締役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該取締役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))の決議」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項及び第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十四条の二第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 2 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十三条第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(監査役については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により又は第九十条第二項において準用する同条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された監査役については、当該監査役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該監査役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十三条第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 第四節 取締役 (業務の執行) 第三百四十八条 取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、取締役は、次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 五 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 4 大会社においては、取締役は、前項第四号に掲げる事項を決定しなければならない。 (業務の執行の社外取締役への委託) 第三百四十八条の二 株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 2 指名委員会等設置会社と執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他執行役が指名委員会等設置会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該指名委員会等設置会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該指名委員会等設置会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 3 前二項の規定により委託された業務の執行は、第二条第十五号イに規定する株式会社の業務の執行に該当しないものとする。 ただし、社外取締役が業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の指揮命令により当該委託された業務を執行したときは、この限りでない。 (株式会社の代表) 第三百四十九条 取締役は、株式会社を代表する。 ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。 3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。 4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第三百五十条 株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表取締役に欠員を生じた場合の措置) 第三百五十一条 代表取締役が欠けた場合又は定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表取締役は、新たに選定された代表取締役(次項の一時代表取締役の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表取締役としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表取締役の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表取締役の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (取締役の職務を代行する者の権限) 第三百五十二条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百五十三条 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、株式会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができる。 (表見代表取締役) 第三百五十四条 株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (取締役の報告義務) 第三百五十七条 取締役は、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第三百五十八条 株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、次に掲げる株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 一 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 二 発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社及び検査役の選任の申立てをした株主に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百五十九条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (株主による取締役の行為の差止め) 第三百六十条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (取締役の報酬等) 第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容 2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。 4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。 5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。 6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。 7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。 ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。 一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの 二 監査等委員会設置会社 第五節 取締役会 第一款 権限等 (取締役会の権限等) 第三百六十二条 取締役会は、すべての取締役で組織する。 2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役会設置会社の業務執行の決定 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。 (取締役会設置会社の取締役の権限) 第三百六十三条 次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。 一 代表取締役 二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの 2 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 (取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百六十四条 第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。 (競業及び取締役会設置会社との取引等の制限) 第三百六十五条 取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 2 取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百六十六条 取締役会は、各取締役が招集する。 ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。 (株主による招集の請求) 第三百六十七条 取締役会設置会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った株主は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる。 (招集手続) 第三百六十八条 取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (取締役会の決議) 第三百六十九条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。 3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (取締役会の決議の省略) 第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。 2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。 (取締役会への報告の省略) 第三百七十二条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、適用しない。 3 指名委員会等設置会社についての前二項の規定の適用については、第一項中「監査役又は会計監査人」とあるのは「会計監査人又は執行役」と、「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「取締役」と、前項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百十七条第四項」とする。 (特別取締役による取締役会の決議) 第三百七十三条 第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。 一 取締役の数が六人以上であること。 二 取締役のうち一人以上が社外取締役であること。 2 前項の規定による特別取締役による議決の定めがある場合には、特別取締役以外の取締役は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することを要しない。 この場合における第三百六十六条第一項本文及び第三百六十八条の規定の適用については、第三百六十六条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各特別取締役(第三百七十三条第一項に規定する特別取締役をいう。第三百六十八条において同じ。)」と、第三百六十八条第一項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各特別取締役」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「特別取締役及び」とする。 3 特別取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければならない。 4 第三百六十六条(第一項本文を除く。)、第三百六十七条、第三百六十九条第一項、第三百七十条及び第三百九十九条の十四の規定は、第二項の取締役会については、適用しない。 第六節 会計参与 (会計参与の権限) 第三百七十四条 会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。 この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。 2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。 6 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。 (会計参与の報告義務) 第三百七十五条 会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。 (取締役会への出席) 第三百七十六条 取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は、第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。 この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 会計参与設置会社において、前項の取締役会を招集する者は、当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各会計参与に対してその通知を発しなければならない。 3 会計参与設置会社において、第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは、会計参与の全員の同意を得なければならない。 (株主総会における意見の陳述) 第三百七十七条 第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。 2 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役」とする。 (会計参与による計算書類等の備置き等) 第三百七十八条 会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 (会計参与の報酬等) 第三百七十九条 会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 会計参与が二人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定める。 3 会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十条 会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該会計参与設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七節 監査役 (監査役の権限) 第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。 この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (取締役への報告義務) 第三百八十二条 監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。 (取締役会への出席義務等) 第三百八十三条 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。 2 監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。 4 前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 (監査役による取締役の行為の差止め) 第三百八十五条 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百八十六条 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合 二 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第三号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合 三 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第四号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合 2 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監査役設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 三 株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第三号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (監査役の報酬等) 第三百八十七条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。 3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十八条 監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (定款の定めによる監査範囲の限定) 第三百八十九条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 3 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 4 第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 5 第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 6 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。 7 第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。 第八節 監査役会 第一款 権限等 第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。 2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。 ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。 一 監査報告の作成 二 常勤の監査役の選定及び解職 三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定 3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。 4 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十一条 監査役会は、各監査役が招集する。 (招集手続) 第三百九十二条 監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (監査役会の決議) 第三百九十三条 監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。 2 監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十四条 監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査役会への報告の省略) 第三百九十五条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。 第九節 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第三百九十六条 会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者 三 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 6 指名委員会等設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。 (監査役に対する報告) 第三百九十七条 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。 2 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 (定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 第三百九十八条 第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会又は監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与) 第三百九十九条 取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。 第九節の二 監査等委員会 第一款 権限等 (監査等委員会の権限等) 第三百九十九条の二 監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。 2 監査等委員は、取締役でなければならない。 3 監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 三 第三百四十二条の二第四項及び第三百六十一条第六項に規定する監査等委員会の意見の決定 4 監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査等委員会による調査) 第三百九十九条の三 監査等委員会が選定する監査等委員は、いつでも、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は監査等委員会設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査等委員会が選定する監査等委員は、監査等委員会の職務を執行するため必要があるときは、監査等委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査等委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査等委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第三百九十九条の四 監査等委員は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百九十九条の五 監査等委員は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものについて法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その旨を株主総会に報告しなければならない。 (監査等委員による取締役の行為の差止め) 第三百九十九条の六 監査等委員は、取締役が監査等委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査等委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査等委員会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百九十九条の七 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて監査等委員会設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査等委員会が選定する監査等委員 2 前項の規定にかかわらず、取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査等委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該監査等委員会設置会社に対して効力を有する。 3 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査等委員が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員会設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査等委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 監査等委員会設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査等委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十九条の八 監査等委員会は、各監査等委員が招集する。 (招集手続等) 第三百九十九条の九 監査等委員会を招集するには、監査等委員は、監査等委員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査等委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査等委員会は、監査等委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)は、監査等委員会の要求があったときは、監査等委員会に出席し、監査等委員会が求めた事項について説明をしなければならない。 (監査等委員会の決議) 第三百九十九条の十 監査等委員会の決議は、議決に加わることができる監査等委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する監査等委員は、議決に加わることができない。 3 監査等委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査等委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 監査等委員会の決議に参加した監査等委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十九条の十一 監査等委員会設置会社は、監査等委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査等委員会設置会社の債権者が取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査等委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査等委員会への報告の省略) 第三百九十九条の十二 取締役、会計参与又は会計監査人が監査等委員の全員に対して監査等委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査等委員会へ報告することを要しない。 第三款 監査等委員会設置会社の取締役会の権限等 (監査等委員会設置会社の取締役会の権限) 第三百九十九条の十三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第一項の規定による委託 七 第三百六十一条第七項の規定による同項の事項の決定 八 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項の承認 九 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 十 第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定 十一 前項第六号に掲げる事項 十二 補償契約(第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。第四百十六条第四項第十四号において同じ。)の内容の決定 十三 役員等賠償責任保険契約(第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。第四百十六条第四項第十五号において同じ。)の内容の決定 十四 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十五 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十六 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十七 合併契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十八 吸収分割契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 新設分割計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 株式交換契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 株式移転計画の内容の決定 二十二 株式交付計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。 (監査等委員会による取締役会の招集) 第三百九十九条の十四 監査等委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる。 第十節 指名委員会等及び執行役 第一款 委員の選定、執行役の選任等 (委員の選定等) 第四百条 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。 2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。 3 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。 4 監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。 (委員の解職等) 第四百一条 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 2 前条第一項に規定する各委員会の委員の員数(定款で四人以上の員数を定めたときは、その員数)が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した委員は、新たに選定された委員(次項の一時委員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお委員としての権利義務を有する。 3 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時委員の職務を行うべき者を選任することができる。 4 裁判所は、前項の一時委員の職務を行うべき者を選任した場合には、指名委員会等設置会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (執行役の選任等) 第四百二条 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。 2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。 3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。 4 第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は、執行役について準用する。 5 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。 6 執行役は、取締役を兼ねることができる。 7 執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。 8 前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (執行役の解任等) 第四百三条 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、指名委員会等設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 3 第四百一条第二項から第四項までの規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。 第二款 指名委員会等の権限等 (指名委員会等の権限等) 第四百四条 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。 2 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 3 報酬委員会は、第三百六十一条第一項並びに第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。 執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。 4 委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査委員会による調査) 第四百五条 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第四百六条 監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (監査委員による執行役等の行為の差止め) 第四百七条 監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第四百八条 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が指名委員会等設置会社を代表する。 一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて指名委員会等設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員 2 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該指名委員会等設置会社に対して効力を有する。 3 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。 一 指名委員会等設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 指名委員会等設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (報酬委員会による報酬の決定の方法等) 第四百九条 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。 2 報酬委員会は、第四百四条第三項の規定による決定をするには、前項の方針に従わなければならない。 3 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の個人別の報酬等とする場合には、その内容として、当該各号に定める事項について決定しなければならない。 ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第一号に掲げるものでなければならない。 一 額が確定しているもの 個人別の額 二 額が確定していないもの 個人別の具体的な算定方法 三 当該株式会社の募集株式 当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 四 当該株式会社の募集新株予約権 当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 五 次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭 当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 執行役等が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 執行役等が引き受ける当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 六 金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。) 個人別の具体的な内容 第三款 指名委員会等の運営 (招集権者) 第四百十条 指名委員会等は、当該指名委員会等の各委員が招集する。 (招集手続等) 第四百十一条 指名委員会等を招集するには、その委員は、指名委員会等の日の一週間(これを下回る期間を取締役会で定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該指名委員会等の各委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、指名委員会等は、当該指名委員会等の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 執行役等は、指名委員会等の要求があったときは、当該指名委員会等に出席し、当該指名委員会等が求めた事項について説明をしなければならない。 (指名委員会等の決議) 第四百十二条 指名委員会等の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。 3 指名委員会等の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 指名委員会等の決議に参加した委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第四百十三条 指名委員会等設置会社は、指名委員会等の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 指名委員会等設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 4 前項の規定は、指名委員会等設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 5 裁判所は、第三項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該指名委員会等設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の許可をすることができない。 (指名委員会等への報告の省略) 第四百十四条 執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して指名委員会等に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を指名委員会等へ報告することを要しない。 第四款 指名委員会等設置会社の取締役の権限等 (指名委員会等設置会社の取締役の権限) 第四百十五条 指名委員会等設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、指名委員会等設置会社の業務を執行することができない。 (指名委員会等設置会社の取締役会の権限) 第四百十六条 指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項 ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役 ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 執行役等の職務の執行の監督 2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第二項の規定による委託 七 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認 八 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 九 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職 十 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任 十一 第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定 十二 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職 十三 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 十四 補償契約の内容の決定 十五 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 十六 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十七 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十八 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十二 株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十三 株式移転計画の内容の決定 二十四 株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 (指名委員会等設置会社の取締役会の運営) 第四百十七条 指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。 2 執行役は、前条第一項第一号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 この場合において、当該請求があった日から五日以内に、当該請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締役会を招集することができる。 3 指名委員会等がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該指名委員会等の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 4 執行役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 この場合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。 5 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければならない。 第五款 執行役の権限等 (執行役の権限) 第四百十八条 執行役は、次に掲げる職務を行う。 一 第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定 二 指名委員会等設置会社の業務の執行 (執行役の監査委員に対する報告義務等) 第四百十九条 執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。 2 第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとする。 3 第三百五十七条の規定は、指名委員会等設置会社については、適用しない。 (代表執行役) 第四百二十条 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。 この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。 2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 3 第三百四十九条第四項及び第五項の規定は代表執行役について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第四百一条第二項から第四項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。 (表見代表執行役) 第四百二十一条 指名委員会等設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他指名委員会等設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (株主による執行役の行為の差止め) 第四百二十二条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 第十一節 役員等の損害賠償責任 (役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役 二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役 三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。) 4 前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。 (株式会社に対する損害賠償責任の免除) 第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。 一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表取締役又は代表執行役 六 ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四 ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二 二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。 当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。 5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。 この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。 (取締役等による免除に関する定款の定め) 第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 5 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 6 公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 7 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 8 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (取締役が自己のためにした取引に関する特則) 第四百二十八条 第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第四百三十条 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第四百三十条の二 株式会社が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該株式会社が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 株式会社は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該株式会社が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該株式会社に対して第四百二十三条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した株式会社が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 取締役会設置会社においては、補償契約に基づく補償をした取締役及び当該補償を受けた取締役は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 5 前項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、同項中「取締役会設置会社においては、補償契約」とあるのは、「補償契約」と読み替えるものとする。 6 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四百二十三条第三項並びに第四百二十八条第一項の規定は、株式会社と取締役又は執行役との間の補償契約については、適用しない。 7 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第四百三十条の三 株式会社が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 2 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四百二十三条第三項の規定は、株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、取締役又は執行役を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿等 第一款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (会計帳簿の提出命令) 第四百三十四条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第二款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会) 3 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の株主への提供) 第四百三十七条 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時株主総会への提出等) 第四百三十八条 次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置会社の特則) 第四百三十九条 会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (計算書類の公告) 第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。 (臨時計算書類) 第四百四十一条 株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。 一 臨時決算日における貸借対照表 二 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間に係る損益計算書 2 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社においては、臨時計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役又は会計監査人(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会及び会計監査人、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会及び会計監査人)の監査を受けなければならない。 3 取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 4 次の各号に掲げる株式会社においては、当該各号に定める臨時計算書類は、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、臨時計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社(いずれも取締役会設置会社を除く。) 第二項の監査を受けた臨時計算書類 二 取締役会設置会社 前項の承認を受けた臨時計算書類 三 前二号に掲げるもの以外の株式会社 第一項の臨時計算書類 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第四百四十二条 株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 株式会社は、次の各号に掲げる計算書類等の写しを、当該各号に定める期間、その支店に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 一 前項第一号に掲げる計算書類等 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間 二 前項第二号に掲げる計算書類等 同号の臨時計算書類を作成した日から三年間 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の計算書類等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (計算書類等の提出命令) 第四百四十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 連結計算書類 第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。 2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。 4 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。 5 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役会の承認を受けなければならない。 6 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前項の承認を受けた連結計算書類を提供しなければならない。 7 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。 一 取締役会設置会社である会計監査人設置会社 第五項の承認を受けた連結計算書類 二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第四項の監査を受けた連結計算書類 第三節 資本金の額等 第一款 総則 (資本金の額及び準備金の額) 第四百四十五条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。 5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (剰余金の額) 第四百四十六条 株式会社の剰余金の額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 資産の額 ロ 自己株式の帳簿価額の合計額 ハ 負債の額 ニ 資本金及び準備金の額の合計額 ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を控除して得た額 三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第一項第二号の額を除く。) 四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第四百四十八条第一項第二号の額を除く。) 五 最終事業年度の末日後に第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額 六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額 イ 第四百五十四条第一項第一号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。) ロ 第四百五十四条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額 ハ 第四百五十六条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額 七 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 第二款 資本金の額の減少等 第一目 資本金の額の減少等 (資本金の額の減少) 第四百四十七条 株式会社は、資本金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する資本金の額 二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額 三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (準備金の額の減少) 第四百四十八条 株式会社は、準備金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する準備金の額 二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額 三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (債権者の異議) 第四百四十九条 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。 ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。 一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。 二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金等の額の減少の内容 二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。 ただし、第二項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。 一 資本金の額の減少 第四百四十七条第一項第三号の日 二 準備金の額の減少 前条第一項第三号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。 第二目 資本金の額の増加等 (資本金の額の増加) 第四百五十条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 (準備金の額の増加) 第四百五十一条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 第三目 剰余金についてのその他の処分 第四百五十二条 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることができる。 この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならない。 第四節 剰余金の配当 (株主に対する剰余金の配当) 第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。 (剰余金の配当に関する事項の決定) 第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額 二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項 三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日 2 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 4 配当財産が金銭以外の財産であるときは、株式会社は、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めることができる。 ただし、第一号の期間の末日は、第一項第三号の日以前の日でなければならない。 一 株主に対して金銭分配請求権(当該配当財産に代えて金銭を交付することを株式会社に対して請求する権利をいう。以下この章において同じ。)を与えるときは、その旨及び金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 5 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る。以下この項において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合における中間配当についての第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 (金銭分配請求権の行使) 第四百五十五条 前条第四項第一号に規定する場合には、株式会社は、同号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた配当財産に代えて、当該配当財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該配当財産の価額とする。 一 当該配当財産が市場価格のある財産である場合 当該配当財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第四百五十六条 第四百五十四条第四項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第二項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた配当財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 (配当財産の交付の方法等) 第四百五十七条 配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭及び前条の規定により支払う金銭を含む。以下この条において同じ。)は、株主名簿に記載し、又は記録した株主(登録株式質権者を含む。以下この条において同じ。)の住所又は株主が株式会社に通知した場所(第三項において「住所等」という。)において、これを交付しなければならない。 2 前項の規定による配当財産の交付に要する費用は、株式会社の負担とする。 ただし、株主の責めに帰すべき事由によってその費用が増加したときは、その増加額は、株主の負担とする。 3 前二項の規定は、日本に住所等を有しない株主に対する配当財産の交付については、適用しない。 (適用除外) 第四百五十八条 第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。 第五節 剰余金の配当等を決定する機関の特則 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め) 第四百五十九条 会計監査人設置会社(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役以外の取締役)の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。 一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項 二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項 三 第四百五十二条後段の事項 四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。 ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。 (株主の権利の制限) 第四百六十条 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 第六節 剰余金の配当等に関する責任 (配当等の制限) 第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 四 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 五 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 七 第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り 八 剰余金の配当 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。 一 剰余金の額 二 臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額 イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 三 自己株式の帳簿価額 四 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 五 第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 六 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (剰余金の配当等に関する責任) 第四百六十二条 前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。 一 前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) 二 前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 三 前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役 四 前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 五 前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 六 前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。 3 第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。 ただし、前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。 (株主に対する求償権の制限等) 第四百六十三条 前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (買取請求に応じて株式を取得した場合の責任) 第四百六十四条 株式会社が第百十六条第一項又は第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。 ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (欠損が生じた場合の責任) 第四百六十五条 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号、第四号及び第六号に掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当該各号に定める額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 四 第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 五 第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 六 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 七 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 八 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 九 次のイ又はロに掲げる規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより当該イ又はロに定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 イ 第二百三十四条第四項 同条第一項各号に定める者 ロ 第二百三十五条第二項において準用する第二百三十四条第四項 株主 十 剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く。) 当該剰余金の配当についての第四百四十六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額 イ 定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当 ロ 第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 ハ 第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第六章 定款の変更 第四百六十六条 株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七章 事業の譲渡等 (事業譲渡等の承認等) 第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 二の二 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該株式会社が、効力発生日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け 四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約 五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。 ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。 イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項第三号に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会社の株式が含まれるときは、取締役は、同項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 (事業譲渡等の承認を要しない場合) 第四百六十八条 前条の規定は、同条第一項第一号から第四号までに掲げる行為(以下この章において「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しない。 2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないときは、適用しない。 一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に前条第一項第三号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第四百六十九条 事業譲渡等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。 二 前条第二項に規定する場合(同条第三項に規定する場合を除く。) 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 事業譲渡等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該事業譲渡等に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該事業譲渡等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、事業譲渡等をする旨(第四百六十七条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第三号に掲げる行為をする旨及び同条第二項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合 二 事業譲渡等をする株式会社が第四百六十七条第一項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この章において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 事業譲渡等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第四百七十条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 第一項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 第一項の株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第八章 解散 (解散の事由) 第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判 (休眠会社のみなし解散) 第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (株式会社の継続) 第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。 (解散した株式会社の合併等の制限) 第四百七十四条 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第九章 清算 第一節 総則 第一款 清算の開始 (清算の開始原因) 第四百七十五条 株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算株式会社の能力) 第四百七十六条 前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二款 清算株式会社の機関 第一目 株主総会以外の機関の設置 第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。 3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。 4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならない。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社であって、前項の規定の適用があるものにおいては、監査等委員である取締役が監査役となる。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社であって、第四項の規定の適用があるものにおいては、監査委員が監査役となる。 7 第四章第二節の規定は、清算株式会社については、適用しない。 第二目 清算人の就任及び解任並びに監査役の退任 (清算人の就任) 第四百七十八条 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。 一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 株主総会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。 7 第三百三十五条第三項の規定にかかわらず、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算株式会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 一 その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 三 第二条第十六号ハからホまでに掲げる要件 8 第三百三十条、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は清算人について、第三百三十一条第五項の規定は清算人会設置会社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第四百七十九条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該清算株式会社である株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 3 公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監査役の退任) 第四百八十条 清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 2 第三百三十六条の規定は、清算株式会社の監査役については、適用しない。 第三目 清算人の職務等 (清算人の職務) 第四百八十一条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第四百八十二条 清算人は、清算株式会社(清算人会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第三百五十三条から第三百五十七条(第三項を除く。)まで、第三百六十条並びに第三百六十一条第一項及び第四項の規定は、清算人(同条の規定については、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「第四百八十三条第六項において準用する第三百四十九条第四項」と、第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表清算人(第四百八十三条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第三百六十条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と読み替えるものとする。 (清算株式会社の代表) 第四百八十三条 清算人は、清算株式会社を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算株式会社を代表する。 3 清算株式会社(清算人会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は株主総会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第四百七十八条第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる。 5 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 第三百四十九条第四項及び第五項並びに第三百五十一条の規定は代表清算人について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算株式会社についての破産手続の開始) 第四百八十四条 清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算株式会社が既に債権者に支払い、又は株主に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第四百八十五条 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算株式会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任) 第四百八十六条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人 二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第四百八十七条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 二 第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 虚偽の登記 四 虚偽の公告 (清算人及び監査役の連帯責任) 第四百八十八条 清算人又は監査役が清算株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第四百三十条の規定は、適用しない。 第四目 清算人会 (清算人会の権限等) 第四百八十九条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置会社の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第四百八十三条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第四百八十三条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置会社の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置会社の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第三百六十三条第二項、第三百六十四条及び第三百六十五条の規定は、清算人会設置会社について準用する。 この場合において、第三百六十三条第二項中「前項各号」とあるのは「第四百八十九条第七項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会」とあるのは「清算人会」と、第三百六十四条中「第三百五十三条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十三条」と、「取締役会は」とあるのは「清算人会は」と、第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条」と、「「取締役会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第四百九十条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第三百六十七条及び第三百六十八条の規定は、清算人会設置会社における清算人会の招集について準用する。 この場合において、第三百六十七条第一項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、「取締役が」とあるのは「清算人が」と、同条第二項中「取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)」とあるのは「清算人(第四百九十条第一項ただし書に規定する場合にあっては、同条第二項に規定する招集権者)」と、同条第三項及び第四項中「前条第三項」とあるのは「第四百九十条第三項」と、第三百六十八条第一項中「各取締役」とあるのは「各清算人」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と読み替えるものとする。 5 第三百六十九条から第三百七十一条までの規定は、清算人会設置会社における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第三百六十九条第一項中「取締役の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「取締役」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第五項中「取締役であって」とあるのは「清算人であって」と、第三百七十条中「取締役が」とあるのは「清算人が」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、第三百七十一条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、同条第四項中「役員又は執行役」とあるのは「清算人又は監査役」と読み替えるものとする。 6 第三百七十二条第一項及び第二項の規定は、清算人会設置会社における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「取締役、会計参与、監査役又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監査役」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第二項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百八十九条第八項において準用する第三百六十三条第二項」と読み替えるものとする。 第五目 取締役等に関する規定の適用 第四百九十一条 清算株式会社については、第二章(第百五十五条を除く。)、第三章、第四章第一節、第三百三十五条第二項、第三百四十三条第一項及び第二項、第三百四十五条第四項において準用する同条第三項、第三百五十九条、同章第七節及び第八節並びに第七章の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は取締役会設置会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に関する規定として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に適用があるものとする。 第三款 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第四百九十二条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第四百九十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第四百九十四条 清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算株式会社は、第一項の貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第四百九十五条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置会社においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第四百九十六条 清算株式会社は、第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、定時株主総会の日の一週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、その本店に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 清算株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該清算株式会社の貸借対照表等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (貸借対照表等の定時株主総会への提出等) 第四百九十七条 次の各号に掲げる清算株式会社においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百九十五条第一項に規定する監査役設置会社(清算人会設置会社を除く。) 同項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置会社 第四百九十五条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算株式会社 第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第四百九十八条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第四百九十四条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四款 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第五百一条 清算株式会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算株式会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第五百二条 清算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第五百三条 清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算株式会社の残余財産を株主の一部に分配した場合には、当該株主の受けた分配と同一の割合の分配を当該株主以外の株主に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五款 残余財産の分配 (残余財産の分配に関する事項の決定) 第五百四条 清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 残余財産の種類 二 株主に対する残余財産の割当てに関する事項 2 前項に規定する場合において、残余財産の分配について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、清算株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、残余財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該清算株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 (残余財産が金銭以外の財産である場合) 第五百五条 株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権(当該残余財産に代えて金銭を交付することを清算株式会社に対して請求する権利をいう。以下この条において同じ。)を有する。 この場合において、清算株式会社は、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 2 前項に規定する場合には、清算株式会社は、同項第一号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 3 清算株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた残余財産に代えて、当該残余財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該残余財産の価額とする。 一 当該残余財産が市場価格のある財産である場合 当該残余財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 清算株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第五百六条 前条第一項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、清算株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第三項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた残余財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 第六款 清算事務の終了等 第五百七条 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 第七款 帳簿資料の保存 第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 第八款 適用除外等 第五百九条 次に掲げる規定は、清算株式会社については、適用しない。 一 第百五十五条 二 第五章第二節第二款(第四百三十五条第四項、第四百四十条第三項、第四百四十二条及び第四百四十三条を除く。)及び第三款並びに第三節から第五節まで 三 第五編第四章及び第四章の二並びに同編第五章中株式交換、株式移転及び株式交付の手続に係る部分 2 第二章第四節の二の規定は、対象会社が清算株式会社である場合には、適用しない。 3 清算株式会社は、無償で取得する場合その他法務省令で定める場合に限り、当該清算株式会社の株式を取得することができる。 第二節 特別清算 第一款 特別清算の開始 (特別清算開始の原因) 第五百十条 裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づき、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。 一 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。 二 債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること。 (特別清算開始の申立て) 第五百十一条 債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。 2 清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。 (他の手続の中止命令等) 第五百十二条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続又は第三号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。 一 清算株式会社についての破産手続 二 清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。) 三 清算株式会社の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第五百十八条の二及び第五百七十一条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(第五百十五条第一項において「外国租税滞納処分」という。) 2 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と同様とする。 (特別清算開始の申立ての取下げの制限) 第五百十三条 特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 (特別清算開始の命令) 第五百十四条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。 一 特別清算の手続の費用の予納がないとき。 二 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。 四 不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 (他の手続の中止等) 第五百十五条 特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)若しくは第三者からの情報取得手続(同法第二百五条第一項第一号、第二百六条第一項又は第二百七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続(破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え及び仮処分の手続並びに外国租税滞納処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続については、この限りでない。 2 特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続又は処分は、特別清算の手続の関係においては、その効力を失う。 3 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第五百十六条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。 (相殺の禁止) 第五百十七条 協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。 二 支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第五百十八条 清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約 (共助対象外国租税債権者の手続参加) 第五百十八条の二 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。 第二款 裁判所による監督及び調査 (裁判所による監督) 第五百十九条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。 3 前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。 (裁判所による調査) 第五百二十条 裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。 (裁判所への財産目録等の提出) 第五百二十一条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。 ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (調査命令) 第五百二十二条 裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。 一 特別清算開始に至った事情 二 清算株式会社の業務及び財産の状況 三 第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 四 第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 五 第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。 六 その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの 2 清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定による留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、前項の債権の額に算入しない。 3 公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 第三款 清算人 (清算人の公平誠実義務) 第五百二十三条 特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。 (清算人の解任等) 第五百二十四条 裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。 2 清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。 3 清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。 (清算人代理) 第五百二十五条 清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。 2 前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (清算人の報酬等) 第五百二十六条 清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定は、清算人代理について準用する。 第四款 監督委員 (監督委員の選任等) 第五百二十七条 裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。 2 法人は、監督委員となることができる。 (監督委員に対する監督等) 第五百二十八条 監督委員は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。 (二人以上の監督委員の職務執行) 第五百二十九条 監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 (監督委員による調査等) 第五百三十条 監督委員は、いつでも、清算株式会社の清算人及び監査役並びに支配人その他の使用人に対し、事業の報告を求め、又は清算株式会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 2 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、清算株式会社の子会社に対し、事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (監督委員の注意義務) 第五百三十一条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 (監督委員の報酬等) 第五百三十二条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 監督委員は、その選任後、清算株式会社に対する債権又は清算株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。 3 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。 第五款 調査委員 (調査委員の選任等) 第五百三十三条 裁判所は、調査命令をする場合には、当該調査命令において、一人又は二人以上の調査委員を選任し、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければならない。 (監督委員に関する規定の準用) 第五百三十四条 前款(第五百二十七条第一項及び第五百二十九条ただし書を除く。)の規定は、調査委員について準用する。 第六款 清算株式会社の行為の制限等 (清算株式会社の行為の制限) 第五百三十五条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されているときは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。 一 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。) 二 借財 三 訴えの提起 四 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 五 権利の放棄 六 その他裁判所の指定する行為 2 前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 3 第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (事業の譲渡の制限等) 第五百三十六条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 三 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 2 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 3 第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。 (債務の弁済の制限) 第五百三十七条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。 (換価の方法) 第五百三十八条 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産の換価をすることができる。 この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。 2 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」という。)は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第五百三十九条 担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 第七款 清算の監督上必要な処分等 (清算株式会社の財産に関する保全処分) 第五百四十条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 3 裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (株主名簿の記載等の禁止) 第五百四十一条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の財産に対する保全処分) 第五百四十二条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の責任の免除の禁止) 第五百四十三条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止の処分をすることができる。 (役員等の責任の免除の取消し) 第五百四十四条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。 不正の目的によってした対象役員等の責任の免除についても、同様とする。 2 前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。 3 第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使することができない。 当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第五百四十五条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。 2 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 3 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 4 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了したときは、終了する。 第八款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第五百四十六条 債権者集会は、特別清算の実行上必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 債権者集会は、次条第三項の規定により招集する場合を除き、清算株式会社が招集する。 (債権者による招集の請求) 第五百四十七条 債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者の協定債権の総額の十分の一以上に当たる協定債権を有する協定債権者は、清算株式会社に対し、債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、債権者集会の招集を請求することができる。 2 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額は、前項の協定債権の額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした協定債権者は、裁判所の許可を得て、債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から六週間以内の日を債権者集会の日とする債権者集会の招集の通知が発せられない場合 (債権者集会の招集等の決定) 第五百四十八条 債権者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 債権者集会の日時及び場所 二 債権者集会の目的である事項 三 債権者集会に出席しない協定債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 清算株式会社が債権者集会を招集する場合には、当該清算株式会社は、各協定債権について債権者集会における議決権の行使の許否及びその額を定めなければならない。 3 清算株式会社以外の者が債権者集会を招集する場合には、その招集者は、清算株式会社に対し、前項に規定する事項を定めることを請求しなければならない。 この場合において、その請求があったときは、清算株式会社は、同項に規定する事項を定めなければならない。 4 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者は、その担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額については、議決権を有しない。 5 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権については、議決権を有しない。 (債権者集会の招集の通知) 第五百四十九条 債権者集会を招集するには、招集者は、債権者集会の日の二週間前までに、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者及び清算株式会社に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者であって一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有するものについて準用する。 (債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第五百五十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者に対し、当該協定債権者が有する協定債権について第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項及び議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(次項において「債権者集会参考書類」という。)並びに協定債権者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした協定債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、協定債権者の請求があったときは、これらの書類を当該協定債権者に交付しなければならない。 第五百五十一条 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、協定債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合において、第五百四十九条第二項の承諾をしていない協定債権者から債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該協定債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (債権者集会の指揮等) 第五百五十二条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 2 債権者集会を招集しようとするときは、招集者は、あらかじめ、第五百四十八条第一項各号に掲げる事項及び同条第二項又は第三項の規定により定められた事項を裁判所に届け出なければならない。 (異議を述べられた議決権の取扱い) 第五百五十三条 債権者集会において、第五百四十八条第二項又は第三項の規定により各協定債権について定められた事項について、当該協定債権を有する者又は他の協定債権者が異議を述べたときは、裁判所がこれを定める。 (債権者集会の決議) 第五百五十四条 債権者集会において決議をする事項を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者(議決権を行使することができる協定債権者をいう。以下この款及び次款において同じ。)の過半数の同意 二 出席した議決権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意 2 第五百五十八条第一項の規定によりその有する議決権の一部のみを前項の事項に同意するものとして行使した議決権者(その余の議決権を行使しなかったものを除く。)があるときの同項第一号の規定の適用については、当該議決権者一人につき、出席した議決権者の数に一を、同意をした議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。 3 債権者集会は、第五百四十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第五百五十五条 協定債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該協定債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第五百五十六条 債権者集会に出席しない協定債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五百五十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (議決権の不統一行使) 第五百五十八条 協定債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の協定債権者が他人のために協定債権を有する者でないときは、当該協定債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (担保権を有する債権者等の出席等) 第五百五十九条 債権者集会又は招集者は、次に掲げる債権者の出席を求め、その意見を聴くことができる。 この場合において、債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有する債権者 (延期又は続行の決議) 第五百六十条 債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第五百四十八条(第四項を除く。)及び第五百四十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五百六十一条 債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (清算人の調査結果等の債権者集会に対する報告) 第五百六十二条 特別清算開始の命令があった場合において、第四百九十二条第一項に規定する清算人が清算株式会社の財産の現況についての調査を終了して財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を作成したときは、清算株式会社は、遅滞なく、債権者集会を招集し、当該債権者集会に対して、清算株式会社の業務及び財産の状況の調査の結果並びに財産目録等の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みに関して意見を述べなければならない。 ただし、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法によりその報告すべき事項及び当該意見の内容を債権者に周知させることが適当であると認めるときは、この限りでない。 第九款 協定 (協定の申出) 第五百六十三条 清算株式会社は、債権者集会に対し、協定の申出をすることができる。 (協定の条項) 第五百六十四条 協定においては、協定債権者の権利(第五百二十二条第二項に規定する担保権を除く。)の全部又は一部の変更に関する条項を定めなければならない。 2 協定債権者の権利の全部又は一部を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準を定めなければならない。 (協定による権利の変更) 第五百六十五条 協定による権利の変更の内容は、協定債権者の間では平等でなければならない。 ただし、不利益を受ける協定債権者の同意がある場合又は少額の協定債権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他協定債権者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。 (担保権を有する債権者等の参加) 第五百六十六条 清算株式会社は、協定案の作成に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる債権者の参加を求めることができる。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を有する債権者 (協定の可決の要件) 第五百六十七条 第五百五十四条第一項の規定にかかわらず、債権者集会において協定を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者の過半数の同意 二 議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意 2 第五百五十四条第二項の規定は、前項第一号の規定の適用について準用する。 (協定の認可の申立て) 第五百六十八条 協定が可決されたときは、清算株式会社は、遅滞なく、裁判所に対し、協定の認可の申立てをしなければならない。 (協定の認可又は不認可の決定) 第五百六十九条 前条の申立てがあった場合には、裁判所は、次項の場合を除き、協定の認可の決定をする。 2 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、協定の不認可の決定をする。 一 特別清算の手続又は協定が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。 ただし、特別清算の手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。 二 協定が遂行される見込みがないとき。 三 協定が不正の方法によって成立するに至ったとき。 四 協定が債権者の一般の利益に反するとき。 (協定の効力発生の時期) 第五百七十条 協定は、認可の決定の確定により、その効力を生ずる。 (協定の効力範囲) 第五百七十一条 協定は、清算株式会社及びすべての協定債権者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。 2 協定は、第五百二十二条第二項に規定する債権者が有する同項に規定する担保権、協定債権者が清算株式会社の保証人その他清算株式会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び清算株式会社以外の者が協定債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。 3 協定の認可の決定が確定したときは、協定債権者の権利は、協定の定めに従い、変更される。 4 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての協定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (協定の内容の変更) 第五百七十二条 協定の実行上必要があるときは、協定の内容を変更することができる。 この場合においては、第五百六十三条から前条までの規定を準用する。 第十款 特別清算の終了 (特別清算終結の決定) 第五百七十三条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合には、清算人、監査役、債権者、株主又は調査委員の申立てにより、特別清算終結の決定をする。 一 特別清算が結了したとき。 二 特別清算の必要がなくなったとき。 (破産手続開始の決定) 第五百七十四条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。 一 協定の見込みがないとき。 二 協定の実行の見込みがないとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反するとき。 2 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。 一 協定が否決されたとき。 二 協定の不認可の決定が確定したとき。 3 前二項の規定により破産手続開始の決定があった場合における破産法第七十一条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第七十二条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第百六十条(第一項第一号を除く。)、第百六十二条(第一項第二号を除く。)、第百六十三条第二項、第百六十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六十六条並びに第百六十七条第二項(同法第百七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。 一 特別清算開始の申立ての前に特別清算開始の命令の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがある場合 当該破産手続開始の申立て 二 前号に掲げる場合以外の場合 特別清算開始の申立て 4 第一項又は第二項の規定により破産手続開始の決定があったときは、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権は、財団債権とする。 第三編 持分会社 第一章 設立 (定款の作成) 第五百七十五条 合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第五百七十六条 持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 社員の氏名又は名称及び住所 五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準 2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 第五百七十七条 前条に規定するもののほか、持分会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (合同会社の設立時の出資の履行) 第五百七十八条 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。 (持分会社の成立) 第五百七十九条 持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第二章 社員 第一節 社員の責任等 (社員の責任) 第五百八十条 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合 二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。) 2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員の抗弁) 第五百八十一条 社員が持分会社の債務を弁済する責任を負う場合には、社員は、持分会社が主張することができる抗弁をもって当該持分会社の債権者に対抗することができる。 2 前項に規定する場合において、持分会社がその債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって持分会社がその債務を免れるべき限度において、社員は、当該債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (社員の出資に係る責任) 第五百八十二条 社員が金銭を出資の目的とした場合において、その出資をすることを怠ったときは、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 2 社員が債権を出資の目的とした場合において、当該債権の債務者が弁済期に弁済をしなかったときは、当該社員は、その弁済をする責任を負う。 この場合においては、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (社員の責任を変更した場合の特則) 第五百八十三条 有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。 2 有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 3 無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。 4 前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (無限責任社員となることを許された未成年者の行為能力) 第五百八十四条 持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。 第二節 持分の譲渡等 (持分の譲渡) 第五百八十五条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 2 前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。 3 第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。 4 前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (持分の全部の譲渡をした社員の責任) 第五百八十六条 持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 第五百八十七条 持分会社は、その持分の全部又は一部を譲り受けることができない。 2 持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には、当該持分は、当該持分会社がこれを取得した時に、消滅する。 第三節 誤認行為の責任 (無限責任社員であると誤認させる行為等をした有限責任社員の責任) 第五百八十八条 合資会社の有限責任社員が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の有限責任社員がその責任の限度を誤認させる行為(前項の行為を除く。)をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員であると誤認させる行為をした者の責任) 第五百八十九条 合名会社又は合資会社の社員でない者が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合名会社又は合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の社員でない者が自己を有限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 第三章 管理 第一節 総則 (業務の執行) 第五百九十条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。 2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。 ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。 (業務を執行する社員を定款で定めた場合) 第五百九十一条 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。 この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。 4 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 5 前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。 6 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (社員の持分会社の業務及び財産状況に関する調査) 第五百九十二条 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、各社員は、持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況を調査することができる。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに同項の規定による調査をすることを制限する旨を定めることができない。 第二節 業務を執行する社員 (業務を執行する社員と持分会社との関係) 第五百九十三条 業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。 2 業務を執行する社員は、法令及び定款を遵守し、持分会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 3 業務を執行する社員は、持分会社又は他の社員の請求があるときは、いつでもその職務の執行の状況を報告し、その職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 4 民法第六百四十六条から第六百五十条までの規定は、業務を執行する社員と持分会社との関係について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条第一項、第六百四十八条第二項、第六百四十八条の二、第六百四十九条及び第六百五十条中「委任事務」とあるのは「その職務」と、同法第六百四十八条第三項第一号中「委任事務」とあり、及び同項第二号中「委任」とあるのは「前項の職務」と読み替えるものとする。 5 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (競業の禁止) 第五百九十四条 業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承認を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 持分会社の事業と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 業務を執行する社員が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定する。 (利益相反取引の制限) 第五百九十五条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。 二 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項各号の取引については、適用しない。 (業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任) 第五百九十六条 業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (業務を執行する有限責任社員の第三者に対する損害賠償責任) 第五百九十七条 業務を執行する有限責任社員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該有限責任社員は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が業務を執行する社員である場合の特則) 第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。 2 第五百九十三条から前条までの規定は、前項の規定により選任された社員の職務を行うべき者について準用する。 (持分会社の代表) 第五百九十九条 業務を執行する社員は、持分会社を代表する。 ただし、他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の業務を執行する社員が二人以上ある場合には、業務を執行する社員は、各自、持分会社を代表する。 3 持分会社は、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から持分会社を代表する社員を定めることができる。 4 持分会社を代表する社員は、持分会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (持分会社を代表する社員等の行為についての損害賠償責任) 第六百条 持分会社は、持分会社を代表する社員その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (持分会社と社員との間の訴えにおける会社の代表) 第六百一条 第五百九十九条第四項の規定にかかわらず、持分会社が社員に対し、又は社員が持分会社に対して訴えを提起する場合において、当該訴えについて持分会社を代表する者(当該社員を除く。)が存しないときは、当該社員以外の社員の過半数をもって、当該訴えについて持分会社を代表する者を定めることができる。 第六百二条 第五百九十九条第一項の規定にかかわらず、社員が持分会社に対して社員の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において、持分会社が当該請求の日から六十日以内に当該訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、当該訴えについて持分会社を代表することができる。 ただし、当該訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該持分会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 第三節 業務を執行する社員の職務を代行する者 第六百三条 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、持分会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、持分会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 第四章 社員の加入及び退社 第一節 社員の加入 (社員の加入) 第六百四条 持分会社は、新たに社員を加入させることができる。 2 持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる。 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となろうとする者が同項の定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、当該払込み又は給付を完了した時に、合同会社の社員となる。 (加入した社員の責任) 第六百五条 持分会社の成立後に加入した社員は、その加入前に生じた持分会社の債務についても、これを弁済する責任を負う。 第二節 社員の退社 (任意退社) 第六百六条 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。 この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第六百七条 社員は、前条、第六百九条第一項、第六百四十二条第二項及び第八百四十五条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡 四 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。) 七 後見開始の審判を受けたこと。 八 除名 2 持分会社は、その社員が前項第五号から第七号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる。 (相続及び合併の場合の特則) 第六百八条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。 2 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。 3 第一項の定款の定めがある場合には、持分会社は、同項の一般承継人が持分を承継した時に、当該一般承継人に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものであって、出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該出資に係る払込み又は給付の履行をする責任を負う。 5 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した持分についての権利を行使する者一人を定めなければ、当該持分についての権利を行使することができない。 ただし、持分会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (持分の差押債権者による退社) 第六百九条 社員の持分を差し押さえた債権者は、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができる。 この場合においては、当該債権者は、六箇月前までに持分会社及び当該社員にその予告をしなければならない。 2 前項後段の予告は、同項の社員が、同項の債権者に対し、弁済し、又は相当の担保を提供したときは、その効力を失う。 3 第一項後段の予告をした同項の債権者は、裁判所に対し、持分の払戻しの請求権の保全に関し必要な処分をすることを申し立てることができる。 (退社に伴う定款のみなし変更) 第六百十条 第六百六条、第六百七条第一項、前条第一項又は第六百四十二条第二項の規定により社員が退社した場合(第八百四十五条の規定により社員が退社したものとみなされる場合を含む。)には、持分会社は、当該社員が退社した時に、当該社員に係る定款の定めを廃止する定款の変更をしたものとみなす。 (退社に伴う持分の払戻し) 第六百十一条 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。 ただし、第六百八条第一項及び第二項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。 2 退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。 3 退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 4 退社の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 5 社員が除名により退社した場合における第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「退社の時」とあるのは、「除名の訴えを提起した時」とする。 6 前項に規定する場合には、持分会社は、除名の訴えを提起した日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 7 社員の持分の差押えは、持分の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 (退社した社員の責任) 第六百十二条 退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (商号変更の請求) 第六百十三条 持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第六百十四条 持分会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第六百十五条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 持分会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の提出命令) 第六百十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三節 計算書類 (計算書類の作成及び保存) 第六百十七条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。 3 計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 持分会社は、計算書類を作成した時から十年間、これを保存しなければならない。 (計算書類の閲覧等) 第六百十八条 持分会社の社員は、当該持分会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 計算書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 計算書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時に同項各号に掲げる請求をすることを制限する旨を定めることができない。 (計算書類の提出命令) 第六百十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 資本金の額の減少 第六百二十条 持分会社は、損失のてん補のために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により減少する資本金の額は、損失の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えることができない。 第五節 利益の配当 (利益の配当) 第六百二十一条 社員は、持分会社に対し、利益の配当を請求することができる。 2 持分会社は、利益の配当を請求する方法その他の利益の配当に関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、利益の配当を請求する権利に対しても、その効力を有する。 (社員の損益分配の割合) 第六百二十二条 損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失の一方についてのみ分配の割合についての定めを定款で定めたときは、その割合は、利益及び損失の分配に共通であるものと推定する。 (有限責任社員の利益の配当に関する責任) 第六百二十三条 持分会社が利益の配当により有限責任社員に対して交付した金銭等の帳簿価額(以下この項において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額(持分会社の利益の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この章において同じ。)を超える場合には、当該利益の配当を受けた有限責任社員は、当該持分会社に対し、連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 2 前項に規定する場合における同項の利益の配当を受けた有限責任社員についての第五百八十条第二項の規定の適用については、同項中「を限度として」とあるのは、「及び第六百二十三条第一項の配当額が同項の利益額を超過する額(同項の義務を履行した額を除く。)の合計額を限度として」とする。 第六節 出資の払戻し 第六百二十四条 社員は、持分会社に対し、既に出資として払込み又は給付をした金銭等の払戻し(以下この編において「出資の払戻し」という。)を請求することができる。 この場合において、当該金銭等が金銭以外の財産であるときは、当該財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求することを妨げない。 2 持分会社は、出資の払戻しを請求する方法その他の出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、出資の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 第七節 合同会社の計算等に関する特則 第一款 計算書類の閲覧に関する特則 第六百二十五条 合同会社の債権者は、当該合同会社の営業時間内は、いつでも、その計算書類(作成した日から五年以内のものに限る。)について第六百十八条第一項各号に掲げる請求をすることができる。 第二款 資本金の額の減少に関する特則 (出資の払戻し又は持分の払戻しを行う場合の資本金の額の減少) 第六百二十六条 合同会社は、第六百二十条第一項の場合のほか、出資の払戻し又は持分の払戻しのために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により出資の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十二条第二項に規定する出資払戻額から出資の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 3 第一項の規定により持分の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十五条第一項に規定する持分払戻額から持分の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 4 前二項に規定する「剰余金額」とは、第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(第四款及び第五款において同じ。)。 一 資産の額 二 負債の額 三 資本金の額 四 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (債権者の異議) 第六百二十七条 合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金の額の減少の内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 資本金の額の減少は、前各項の手続が終了した日に、その効力を生ずる。 第三款 利益の配当に関する特則 (利益の配当の制限) 第六百二十八条 合同会社は、利益の配当により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十一条第一項の規定による請求を拒むことができる。 (利益の配当に関する責任) 第六百二十九条 合同会社が前条の規定に違反して利益の配当をした場合には、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、利益の配当をした日における利益額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十条 前条第一項に規定する場合において、利益の配当を受けた社員は、配当額が利益の配当をした日における利益額を超えることにつき善意であるときは、当該配当額について、当該利益の配当に関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、利益の配当を受けた社員に対し、配当額(当該配当額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 3 第六百二十三条第二項の規定は、合同会社の社員については、適用しない。 (欠損が生じた場合の責任) 第六百三十一条 合同会社が利益の配当をした場合において、当該利益の配当をした日の属する事業年度の末日に欠損額(合同会社の欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、その欠損額(当該欠損額が配当額を超えるときは、当該配当額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 第四款 出資の払戻しに関する特則 (出資の払戻しの制限) 第六百三十二条 第六百二十四条第一項の規定にかかわらず、合同会社の社員は、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、同項前段の規定による請求をすることができない。 2 合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「出資払戻額」という。)が、第六百二十四条第一項前段の規定による請求をした日における剰余金額(第六百二十六条第一項の資本金の額の減少をした場合にあっては、その減少をした後の剰余金額。以下この款において同じ。)又は前項の出資の価額を減少した額のいずれか少ない額を超える場合には、当該出資の払戻しをすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十四条第一項前段の規定による請求を拒むことができる。 (出資の払戻しに関する社員の責任) 第六百三十三条 合同会社が前条の規定に違反して出資の払戻しをした場合には、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該出資の払戻しを受けた社員と連帯して、当該出資払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、出資の払戻しをした日における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十四条 前条第一項に規定する場合において、出資の払戻しを受けた社員は、出資払戻額が出資の払戻しをした日における剰余金額を超えることにつき善意であるときは、当該出資払戻額について、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、出資の払戻しを受けた社員に対し、出資払戻額(当該出資払戻額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 第五款 退社に伴う持分の払戻しに関する特則 (債権者の異議) 第六百三十五条 合同会社が持分の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「持分払戻額」という。)が当該持分の払戻しをする日における剰余金額を超える場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、持分の払戻しについて異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月(持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合にあっては、二箇月)を下ることができない。 一 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、この限りでない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該持分の払戻しについて承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合において、当該持分の払戻しをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (業務を執行する社員の責任) 第六百三十六条 合同会社が前条の規定に違反して持分の払戻しをした場合には、当該持分の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該持分の払戻しを受けた社員と連帯して、当該持分払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、持分の払戻しに関する業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、持分の払戻しをした時における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 第六章 定款の変更 (定款の変更) 第六百三十七条 持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。 (定款の変更による持分会社の種類の変更) 第六百三十八条 合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 二 その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更 合資会社 三 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 2 合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 3 合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 三 その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更 合資会社 (合資会社の社員の退社による定款のみなし変更) 第六百三十九条 合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなす。 2 合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなす。 (定款の変更時の出資の履行) 第六百四十条 第六百三十八条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる定款の変更をする場合において、当該定款の変更をする持分会社の社員が当該定款の変更後の合同会社に対する出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更は、当該払込み及び給付が完了した日に、その効力を生ずる。 2 前条第二項の規定により合同会社となる定款の変更をしたものとみなされた場合において、社員がその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更をしたものとみなされた日から一箇月以内に、当該払込み又は給付を完了しなければならない。 ただし、当該期間内に、合名会社又は合資会社となる定款の変更をした場合は、この限りでない。 第七章 解散 (解散の事由) 第六百四十一条 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 総社員の同意 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判 (持分会社の継続) 第六百四十二条 持分会社は、前条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、次章の規定による清算が結了するまで、社員の全部又は一部の同意によって、持分会社を継続することができる。 2 前項の場合には、持分会社を継続することについて同意しなかった社員は、持分会社が継続することとなった日に、退社する。 (解散した持分会社の合併等の制限) 第六百四十三条 持分会社が解散した場合には、当該持分会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第八章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第六百四十四条 持分会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第六百四十一条第五号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算持分会社の能力) 第六百四十五条 前条の規定により清算をする持分会社(以下「清算持分会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算人 (清算人の設置) 第六百四十六条 清算持分会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 (清算人の就任) 第六百四十七条 次に掲げる者は、清算持分会社の清算人となる。 一 業務を執行する社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員(業務を執行する社員を定款で定めた場合にあっては、その社員)の過半数の同意によって定める者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第六百四十一条第四号又は第七号に掲げる事由によって解散した清算持分会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第六百四十四条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算持分会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 (清算人の解任) 第六百四十八条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、解任することができる。 2 前項の規定による解任は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、社員その他利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 (清算人の職務) 第六百四十九条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第六百五十条 清算人は、清算持分会社の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、社員が二人以上ある場合には、清算持分会社の事業の全部又は一部の譲渡は、社員の過半数をもって決定する。 (清算人と清算持分会社との関係) 第六百五十一条 清算持分会社と清算人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 第五百九十三条第二項、第五百九十四条及び第五百九十五条の規定は、清算人について準用する。 この場合において、第五百九十四条第一項及び第五百九十五条第一項中「当該社員以外の社員」とあるのは、「社員(当該清算人が社員である場合にあっては、当該清算人以外の社員)」と読み替えるものとする。 (清算人の清算持分会社に対する損害賠償責任) 第六百五十二条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第六百五十三条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が清算人である場合の特則) 第六百五十四条 法人が清算人である場合には、当該法人は、当該清算人の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を社員に通知しなければならない。 2 前三条の規定は、前項の規定により選任された清算人の職務を行うべき者について準用する。 (清算持分会社の代表) 第六百五十五条 清算人は、清算持分会社を代表する。 ただし、他に清算持分会社を代表する清算人その他清算持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算持分会社を代表する。 3 清算持分会社は、定款又は定款の定めに基づく清算人(第六百四十七条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選によって、清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 4 第六百四十七条第一項第一号の規定により業務を執行する社員が清算人となる場合において、持分会社を代表する社員を定めていたときは、当該持分会社を代表する社員が清算持分会社を代表する清算人となる。 5 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 6 第五百九十九条第四項及び第五項の規定は清算持分会社を代表する清算人について、第六百三条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は清算持分会社を代表する清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算持分会社についての破産手続の開始) 第六百五十六条 清算持分会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算持分会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算持分会社が既に債権者に支払い、又は社員に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第六百五十七条 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算持分会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第六百五十八条 清算人は、その就任後遅滞なく、清算持分会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この節において「財産目録等」という。)を作成し、各社員にその内容を通知しなければならない。 2 清算持分会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 3 清算持分会社は、社員の請求により、毎月清算の状況を報告しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第六百五十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第六百六十条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この項及び次条において同じ。)は、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算持分会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第六百六十一条 清算持分会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算持分会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算持分会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算持分会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第六百六十二条 清算持分会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算持分会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (出資の履行の請求) 第六百六十三条 清算持分会社に現存する財産がその債務を完済するのに足りない場合において、その出資の全部又は一部を履行していない社員があるときは、当該出資に係る定款の定めにかかわらず、当該清算持分会社は、当該社員に出資させることができる。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第六百六十四条 清算持分会社は、当該清算持分会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を社員に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第六百六十五条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この条において同じ。)の債権者(知れている債権者を除く。)であって第六百六十条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算持分会社の残余財産を社員の一部に分配した場合には、当該社員の受けた分配と同一の割合の分配を当該社員以外の社員に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五節 残余財産の分配 (残余財産の分配の割合) 第六百六十六条 残余財産の分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 第六節 清算事務の終了等 第六百六十七条 清算持分会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならない。 2 社員が一箇月以内に前項の計算について異議を述べなかったときは、社員は、当該計算の承認をしたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 第七節 任意清算 (財産の処分の方法) 第六百六十八条 持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、定款又は総社員の同意によって、当該持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合における当該持分会社の財産の処分の方法を定めることができる。 2 第二節から前節までの規定は、前項の財産の処分の方法を定めた持分会社については、適用しない。 (財産目録等の作成) 第六百六十九条 前条第一項の財産の処分の方法を定めた持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、解散の日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 2 前条第一項の財産の処分の方法を定めていない持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合において、解散後に同項の財産の処分の方法を定めたときは、清算持分会社は、当該財産の処分の方法を定めた日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 (債権者の異議) 第六百七十条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合には、その解散後の清算持分会社の債権者は、当該清算持分会社に対し、当該財産の処分の方法について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、清算持分会社は、解散の日(前条第二項に規定する場合にあっては、当該財産の処分の方法を定めた日)から二週間以内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 第六百六十八条第一項の財産の処分の方法に従い清算をする旨 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、清算持分会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該財産の処分の方法について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、清算持分会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 (持分の差押債権者の同意等) 第六百七十一条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合において、社員の持分を差し押さえた債権者があるときは、その解散後の清算持分会社がその財産の処分をするには、その債権者の同意を得なければならない。 2 前項の清算持分会社が同項の規定に違反してその財産の処分をしたときは、社員の持分を差し押さえた債権者は、当該清算持分会社に対し、その持分に相当する金額の支払を請求することができる。 第八節 帳簿資料の保存 第六百七十二条 清算人(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、清算持分会社を代表する社員)は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算持分会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、定款で又は社員の過半数をもって帳簿資料を保存する者を定めた場合には、その者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより、第一項の清算人又は前項の規定により帳簿資料を保存する者に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 前項の規定により選任された者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 5 第三項の規定による選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 第九節 社員の責任の消滅時効 第六百七十三条 第五百八十条に規定する社員の責任は、清算持分会社の本店の所在地における解散の登記をした後五年以内に請求又は請求の予告をしない清算持分会社の債権者に対しては、その登記後五年を経過した時に消滅する。 2 前項の期間の経過後であっても、社員に分配していない残余財産があるときは、清算持分会社の債権者は、清算持分会社に対して弁済を請求することができる。 第十節 適用除外等 (適用除外) 第六百七十四条 次に掲げる規定は、清算持分会社については、適用しない。 一 第四章第一節 二 第六百六条、第六百七条第一項(第三号及び第四号を除く。)及び第六百九条 三 第五章第三節(第六百十七条第四項、第六百十八条及び第六百十九条を除く。)から第六節まで及び第七節第二款 四 第六百三十八条第一項第三号及び第二項第二号 (相続及び合併による退社の特則) 第六百七十五条 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、第六百八条第一項の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。 この場合においては、同条第四項及び第五項の規定を準用する。 第四編 社債 第一章 総則 (募集社債に関する事項の決定) 第六百七十六条 会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この編において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集社債の総額 二 各募集社債の金額 三 募集社債の利率 四 募集社債の償還の方法及び期限 五 利息支払の方法及び期限 六 社債券を発行するときは、その旨 七 社債権者が第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 七の二 社債管理者を定めないこととするときは、その旨 八 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨 八の二 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨 九 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法 十 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日 十一 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日 十二 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (募集社債の申込み) 第六百七十七条 会社は、前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 会社の商号 二 当該募集に係る前条各号に掲げる事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数 三 会社が前条第九号の最低金額を定めたときは、希望する払込金額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集社債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集社債の割当て) 第六百七十八条 会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。 この場合において、会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 会社は、第六百七十六条第十号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければならない。 (募集社債の申込み及び割当てに関する特則) 第六百七十九条 前二条の規定は、募集社債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (募集社債の社債権者) 第六百八十条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集社債の社債権者となる。 一 申込者 会社の割り当てた募集社債 二 前条の契約により募集社債の総額を引き受けた者 その者が引き受けた募集社債 (社債原簿) 第六百八十一条 会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「社債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第六百七十六条第三号から第八号の二までに掲げる事項その他の社債の内容を特定するものとして法務省令で定める事項(以下この編において「種類」という。) 二 種類ごとの社債の総額及び各社債の金額 三 各社債と引換えに払い込まれた金銭の額及び払込みの日 四 社債権者(無記名社債(無記名式の社債券が発行されている社債をいう。以下この編において同じ。)の社債権者を除く。)の氏名又は名称及び住所 五 前号の社債権者が各社債を取得した日 六 社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数 七 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第六百八十二条 社債権者(無記名社債の社債権者を除く。)は、社債を発行した会社(以下この編において「社債発行会社」という。)に対し、当該社債権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された社債原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該社債原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (社債原簿管理人) 第六百八十三条 会社は、社債原簿管理人(会社に代わって社債原簿の作成及び備置きその他の社債原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (社債原簿の備置き及び閲覧等) 第六百八十四条 社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 社債権者その他の法務省令で定める者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社債原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社債原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 社債発行会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 当該請求を行う者が社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 三 当該請求を行う者が、過去二年以内において、社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 社債発行会社が株式会社である場合には、当該社債発行会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該社債発行会社の社債原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (社債権者に対する通知等) 第六百八十五条 社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告は、社債原簿に記載し、又は記録した当該社債権者の住所(当該社債権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該社債発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該社債発行会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を社債権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、社債発行会社が社債の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第七百二十条第一項の通知に際して社債権者に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (共有者による権利の行使) 第六百八十六条 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該社債についての権利を行使する者一人を定め、会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該社債についての権利を行使することができない。 ただし、会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (社債券を発行する場合の社債の譲渡) 第六百八十七条 社債券を発行する旨の定めがある社債の譲渡は、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の譲渡の対抗要件) 第六百八十八条 社債の譲渡は、その社債を取得した者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合における前項の規定の適用については、同項中「社債発行会社その他の第三者」とあるのは、「社債発行会社」とする。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (権利の推定等) 第六百八十九条 社債券の占有者は、当該社債券に係る社債についての権利を適法に有するものと推定する。 2 社債券の交付を受けた者は、当該社債券に係る社債についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十条 社債発行会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の社債の社債権者に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該社債発行会社の社債を取得した場合 二 当該社債発行会社が有する自己の社債を処分した場合 2 前項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十一条 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)は、当該社債発行会社に対し、当該社債に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した社債の社債権者として社債原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債券を発行する場合の社債の質入れ) 第六百九十二条 社債券を発行する旨の定めがある社債の質入れは、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の質入れの対抗要件) 第六百九十三条 社債の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、社債券を発行する旨の定めがある社債の質権者は、継続して当該社債に係る社債券を占有しなければ、その質権をもって社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する社債原簿の記載等) 第六百九十四条 社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、次に掲げる事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である社債 2 前項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第六百九十五条 前条第一項各号に掲げる事項が社債原簿に記載され、又は記録された質権者は、社債発行会社に対し、当該質権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (信託財産に属する社債についての対抗要件等) 第六百九十五条の二 社債については、当該社債が信託財産に属する旨を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、当該社債が信託財産に属することを社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第六百八十一条第四号の社債権者は、その有する社債が信託財産に属するときは、社債発行会社に対し、その旨を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 社債原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第六百八十二条第一項及び第六百九十条第一項の規定の適用については、第六百八十二条第一項中「記録された社債原簿記載事項」とあるのは「記録された社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」と、第六百九十条第一項中「社債原簿記載事項」とあるのは「社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある社債については、適用しない。 (社債券の発行) 第六百九十六条 社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければならない。 (社債券の記載事項) 第六百九十七条 社債券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 社債発行会社の商号 二 当該社債券に係る社債の金額 三 当該社債券に係る社債の種類 2 社債券には、利札を付することができる。 (記名式と無記名式との間の転換) 第六百九十八条 社債券が発行されている社債の社債権者は、第六百七十六条第七号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の社債券を無記名式とし、又はその無記名式の社債券を記名式とすることを請求することができる。 (社債券の喪失) 第六百九十九条 社債券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 社債券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 (利札が欠けている場合における社債の償還) 第七百条 社債発行会社は、社債券が発行されている社債をその償還の期限前に償還する場合において、これに付された利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければならない。 ただし、当該請求権が弁済期にある場合は、この限りでない。 2 前項の利札の所持人は、いつでも、社債発行会社に対し、これと引換えに同項の規定により控除しなければならない額の支払を請求することができる。 (社債の償還請求権等の消滅時効) 第七百一条 社債の償還請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 社債の利息の請求権及び前条第二項の規定による請求権は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 第二章 社債管理者 (社債管理者の設置) 第七百二条 会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合は、この限りでない。 (社債管理者の資格) 第七百三条 社債管理者は、次に掲げる者でなければならない。 一 銀行 二 信託会社 三 前二号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして法務省令で定める者 (社債管理者の義務) 第七百四条 社債管理者は、社債権者のために、公平かつ誠実に社債の管理を行わなければならない。 2 社債管理者は、社債権者に対し、善良な管理者の注意をもって社債の管理を行わなければならない。 (社債管理者の権限等) 第七百五条 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。 この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。 3 前項前段の規定による請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 第七百六条 社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、第二号に掲げる行為については、第六百七十六条第八号に掲げる事項についての定めがあるときは、この限りでない。 一 当該社債の全部についてするその支払の猶予、その債務若しくはその債務の不履行によって生じた責任の免除又は和解(次号に掲げる行為を除く。) 二 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(前条第一項の行為を除く。) 2 社債管理者は、前項ただし書の規定により社債権者集会の決議によらずに同項第二号に掲げる行為をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 3 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項各号に掲げる行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (特別代理人の選任) 第七百七条 社債権者と社債管理者との利益が相反する場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする必要があるときは、裁判所は、社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任しなければならない。 (社債管理者等の行為の方式) 第七百八条 社債管理者又は前条の特別代理人が社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、個別の社債権者を表示することを要しない。 (二以上の社債管理者がある場合の特則) 第七百九条 二以上の社債管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 2 前項に規定する場合において、社債管理者が第七百五条第一項の弁済を受けたときは、社債管理者は、社債権者に対し、連帯して、当該弁済の額を支払う義務を負う。 (社債管理者の責任) 第七百十条 社債管理者は、この法律又は社債権者集会の決議に違反する行為をしたときは、社債権者に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 社債管理者は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に、次に掲げる行為をしたときは、社債権者に対し、損害を賠償する責任を負う。 ただし、当該社債管理者が誠実にすべき社債の管理を怠らなかったこと又は当該損害が当該行為によって生じたものでないことを証明したときは、この限りでない。 一 当該社債管理者の債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けること。 二 当該社債管理者と法務省令で定める特別の関係がある者に対して当該社債管理者の債権を譲り渡すこと(当該特別の関係がある者が当該債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けた場合に限る。)。 三 当該社債管理者が社債発行会社に対する債権を有する場合において、契約によって負担する債務を専ら当該債権をもってする相殺に供する目的で社債発行会社の財産の処分を内容とする契約を社債発行会社との間で締結し、又は社債発行会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結し、かつ、これにより社債発行会社に対し負担した債務と当該債権とを相殺すること。 四 当該社債管理者が社債発行会社に対して債務を負担する場合において、社債発行会社に対する債権を譲り受け、かつ、当該債務と当該債権とを相殺すること。 (社債管理者の辞任) 第七百十一条 社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任することができる。 この場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、第七百二条の規定による委託に係る契約に定めた事由があるときは、辞任することができる。 ただし、当該契約に事務を承継する社債管理者に関する定めがないときは、この限りでない。 3 第一項の規定にかかわらず、社債管理者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (社債管理者が辞任した場合の責任) 第七百十二条 第七百十条第二項の規定は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に前条第二項の規定により辞任した社債管理者について準用する。 (社債管理者の解任) 第七百十三条 裁判所は、社債管理者がその義務に違反したとき、その事務処理に不適任であるときその他正当な理由があるときは、社債発行会社又は社債権者集会の申立てにより、当該社債管理者を解任することができる。 (社債管理者の事務の承継) 第七百十四条 社債管理者が次のいずれかに該当することとなった場合において、他に社債管理者がないときは、社債発行会社は、事務を承継する社債管理者を定め、社債権者のために、社債の管理を行うことを委託しなければならない。 この場合においては、社債発行会社は、社債権者集会の同意を得るため、遅滞なく、これを招集し、かつ、その同意を得ることができなかったときは、その同意に代わる裁判所の許可の申立てをしなければならない。 一 第七百三条各号に掲げる者でなくなったとき。 二 第七百十一条第三項の規定により辞任したとき。 三 前条の規定により解任されたとき。 四 解散したとき。 2 社債発行会社は、前項前段に規定する場合において、同項各号のいずれかに該当することとなった日後二箇月以内に、同項後段の規定による招集をせず、又は同項後段の申立てをしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 3 第一項前段に規定する場合において、やむを得ない事由があるときは、利害関係人は、裁判所に対し、事務を承継する社債管理者の選任の申立てをすることができる。 4 社債発行会社は、第一項前段の規定により事務を承継する社債管理者を定めた場合(社債権者集会の同意を得た場合を除く。)又は前項の規定による事務を承継する社債管理者の選任があった場合には、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 第二章の二 社債管理補助者 (社債管理補助者の設置) 第七百十四条の二 会社は、第七百二条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。 ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。 (社債管理補助者の資格) 第七百十四条の三 社債管理補助者は、第七百三条各号に掲げる者その他法務省令で定める者でなければならない。 (社債管理補助者の権限等) 第七百十四条の四 社債管理補助者は、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 二 強制執行又は担保権の実行の手続における配当要求 三 第四百九十九条第一項の期間内に債権の申出をすること。 2 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に定める範囲内において、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 社債に係る債権の弁済を受けること。 二 第七百五条第一項の行為(前項各号及び前号に掲げる行為を除く。) 三 第七百六条第一項各号に掲げる行為 四 社債発行会社が社債の総額について期限の利益を喪失することとなる行為 3 前項の場合において、社債管理補助者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 前項第二号に掲げる行為であって、次に掲げるもの イ 当該社債の全部についてするその支払の請求 ロ 当該社債の全部に係る債権に基づく強制執行、仮差押え又は仮処分 ハ 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(イ及びロに掲げる行為を除く。) 二 前項第三号及び第四号に掲げる行為 4 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に従い、社債の管理に関する事項を社債権者に報告し、又は社債権者がこれを知ることができるようにする措置をとらなければならない。 5 第七百五条第二項及び第三項の規定は、第二項第一号に掲げる行為をする権限を有する社債管理補助者について準用する。 (二以上の社債管理補助者がある場合の特則) 第七百十四条の五 二以上の社債管理補助者があるときは、社債管理補助者は、各自、その権限に属する行為をしなければならない。 2 社債管理補助者が社債権者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の社債管理補助者も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (社債管理者等との関係) 第七百十四条の六 第七百二条の規定による委託に係る契約又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の効力が生じた場合には、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約は、終了する。 (社債管理者に関する規定の準用) 第七百十四条の七 第七百四条、第七百七条、第七百八条、第七百十条第一項、第七百十一条、第七百十三条及び第七百十四条の規定は、社債管理補助者について準用する。 この場合において、第七百四条中「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、同項中「社債権者に対し、連帯して」とあるのは「社債権者に対し」と、第七百十一条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「において」と、同条第二項中「第七百二条」とあるのは「第七百十四条の二」と、第七百十四条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「には」と、「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、「第七百三条各号に掲げる」とあるのは「第七百十四条の三に規定する」と、「解散した」とあるのは「死亡し、又は解散した」と読み替えるものとする。 第三章 社債権者集会 (社債権者集会の構成) 第七百十五条 社債権者は、社債の種類ごとに社債権者集会を組織する。 (社債権者集会の権限) 第七百十六条 社債権者集会は、この法律に規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。 (社債権者集会の招集) 第七百十七条 社債権者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 社債権者集会は、次項又は次条第三項の規定により招集する場合を除き、社債発行会社又は社債管理者が招集する。 3 次に掲げる場合には、社債管理補助者は、社債権者集会を招集することができる。 一 次条第一項の規定による請求があった場合 二 第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意を得るため必要がある場合 (社債権者による招集の請求) 第七百十八条 ある種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者は、社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に対し、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、社債権者集会の招集を請求することができる。 2 社債発行会社が有する自己の当該種類の社債の金額の合計額は、前項に規定する社債の総額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした社債権者は、裁判所の許可を得て、社債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間以内の日を社債権者集会の日とする社債権者集会の招集の通知が発せられない場合 4 第一項の規定による請求又は前項の規定による招集をしようとする無記名社債の社債権者は、その社債券を社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に提示しなければならない。 (社債権者集会の招集の決定) 第七百十九条 社債権者集会を招集する者(以下この章において「招集者」という。)は、社債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社債権者集会の日時及び場所 二 社債権者集会の目的である事項 三 社債権者集会に出席しない社債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債権者集会の招集の通知) 第七百二十条 社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の二週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては社債管理者又は社債管理補助者に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 社債発行会社が無記名式の社債券を発行している場合において、社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の三週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を公告しなければならない。 5 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、招集者が社債発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 (社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七百二十一条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている社債権者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「社債権者集会参考書類」という。)及び社債権者が議決権を行使するための書面(以下この章において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした社債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社債権者の請求があったときは、これらの書類を当該社債権者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、社債権者集会の日の一週間前までに無記名社債の社債権者の請求があったときは、直ちに、社債権者集会参考書類及び議決権行使書面を当該社債権者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、社債権者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第七百二十二条 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第七百二十条第二項の承諾をした社債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第七百二十条第二項の承諾をしていない社債権者から社債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の額等) 第七百二十三条 社債権者は、社債権者集会において、その有する当該種類の社債の金額の合計額(償還済みの額を除く。)に応じて、議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、社債発行会社は、その有する自己の社債については、議決権を有しない。 3 議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は、社債権者集会の日の一週間前までに、その社債券を招集者に提示しなければならない。 (社債権者集会の決議) 第七百二十四条 社債権者集会において決議をする事項を可決するには、出席した議決権者(議決権を行使することができる社債権者をいう。以下この章において同じ。)の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債権者集会において次に掲げる事項を可決するには、議決権者の議決権の総額の五分の一以上で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意がなければならない。 一 第七百六条第一項各号に掲げる行為に関する事項 二 第七百六条第一項、第七百十四条の四第三項(同条第二項第三号に掲げる行為に係る部分に限る。)、第七百三十六条第一項、第七百三十七条第一項ただし書及び第七百三十八条の規定により社債権者集会の決議を必要とする事項 3 社債権者集会は、第七百十九条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第七百二十五条 社債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第七百二十六条 社債権者集会に出席しない社債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七百二十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (議決権の不統一行使) 第七百二十八条 社債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、社債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の社債権者が他人のために社債を有する者でないときは、当該社債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (社債発行会社の代表者の出席等) 第七百二十九条 社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者は、その代表者若しくは代理人を社債権者集会に出席させ、又は書面により意見を述べることができる。 ただし、社債管理者又は社債管理補助者にあっては、その社債権者集会が第七百七条(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の特別代理人の選任について招集されたものであるときは、この限りでない。 2 社債権者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、社債発行会社に対し、その代表者又は代理人の出席を求めることができる。 この場合において、社債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第七百三十条 社債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第七百十九条及び第七百二十条の規定は、適用しない。 (議事録) 第七百三十一条 社債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 社債発行会社は、社債権者集会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社債権者集会の決議の認可の申立て) 第七百三十二条 社債権者集会の決議があったときは、招集者は、当該決議があった日から一週間以内に、裁判所に対し、当該決議の認可の申立てをしなければならない。 (社債権者集会の決議の不認可) 第七百三十三条 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、社債権者集会の決議の認可をすることができない。 一 社債権者集会の招集の手続又はその決議の方法が法令又は第六百七十六条の募集のための当該社債発行会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料に記載され、若しくは記録された事項に違反するとき。 二 決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。 三 決議が著しく不公正であるとき。 四 決議が社債権者の一般の利益に反するとき。 (社債権者集会の決議の効力) 第七百三十四条 社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 社債権者集会の決議は、当該種類の社債を有するすべての社債権者に対してその効力を有する。 (社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定の公告) 第七百三十五条 社債発行会社は、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定があった場合には、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。 (社債権者集会の決議の省略) 第七百三十五条の二 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。 2 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。 (代表社債権者の選任等) 第七百三十六条 社債権者集会においては、その決議によって、当該種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の千分の一以上に当たる社債を有する社債権者の中から、一人又は二人以上の代表社債権者を選任し、これに社債権者集会において決議をする事項についての決定を委任することができる。 2 第七百十八条第二項の規定は、前項に規定する社債の総額について準用する。 3 代表社債権者が二人以上ある場合において、社債権者集会において別段の定めを行わなかったときは、第一項に規定する事項についての決定は、その過半数をもって行う。 (社債権者集会の決議の執行) 第七百三十七条 社債権者集会の決議は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が執行する。 ただし、社債権者集会の決議によって別に社債権者集会の決議を執行する者を定めたときは、この限りでない。 一 社債管理者がある場合 社債管理者 二 社債管理補助者がある場合において、社債管理補助者の権限に属する行為に関する事項を可決する旨の社債権者集会の決議があったとき 社債管理補助者 三 前二号に掲げる場合以外の場合 代表社債権者 2 第七百五条第一項から第三項まで、第七百八条及び第七百九条の規定は、代表社債権者又は前項ただし書の規定により定められた社債権者集会の決議を執行する者(以下この章において「決議執行者」という。)が社債権者集会の決議を執行する場合について準用する。 (代表社債権者等の解任等) 第七百三十八条 社債権者集会においては、その決議によって、いつでも、代表社債権者若しくは決議執行者を解任し、又はこれらの者に委任した事項を変更することができる。 (社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失) 第七百三十九条 社債発行会社が社債の利息の支払を怠ったとき、又は定期に社債の一部を償還しなければならない場合においてその償還を怠ったときは、社債権者集会の決議に基づき、当該決議を執行する者は、社債発行会社に対し、一定の期間内にその弁済をしなければならない旨及び当該期間内にその弁済をしないときは当該社債の総額について期限の利益を喪失する旨を書面により通知することができる。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の決議を執行する者は、同項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、社債発行会社の承諾を得て、同項の規定により通知する事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該決議を執行する者は、当該書面による通知をしたものとみなす。 3 社債発行会社は、第一項の期間内に同項の弁済をしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 (債権者の異議手続の特則) 第七百四十条 第四百四十九条、第六百二十七条、第六百三十五条、第六百七十条、第七百七十九条(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条(第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十六条の八の規定により社債権者が異議を述べるには、社債権者集会の決議によらなければならない。 この場合においては、裁判所は、利害関係人の申立てにより、社債権者のために異議を述べることができる期間を伸長することができる。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、社債権者のために、異議を述べることができる。 ただし、第七百二条の規定による委託に係る契約に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 社債発行会社における第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百八十九条第二項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百九十九条第二項(第八百二条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第八百十条第二項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第八百十六条の八第二項の規定の適用については、第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項、第七百九十九条第二項及び第八百十六条の八第二項中「知れている債権者」とあるのは「知れている債権者(社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては、当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」と、第七百八十九条第二項及び第八百十条第二項中「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)」とあるのは「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限り、社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」とする。 (社債管理者等の報酬等) 第七百四十一条 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者に対して与えるべき報酬、その事務処理のために要する費用及びその支出の日以後における利息並びにその事務処理のために自己の過失なくして受けた損害の賠償額は、社債発行会社との契約に定めがある場合を除き、裁判所の許可を得て、社債発行会社の負担とすることができる。 2 前項の許可の申立ては、社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者がする。 3 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者は、第一項の報酬、費用及び利息並びに損害の賠償額に関し、第七百五条第一項(第七百三十七条第二項において準用する場合を含む。)又は第七百十四条の四第二項第一号の弁済を受けた額について、社債権者に先立って弁済を受ける権利を有する。 (社債権者集会等の費用の負担) 第七百四十二条 社債権者集会に関する費用は、社債発行会社の負担とする。 2 第七百三十二条の申立てに関する費用は、社債発行会社の負担とする。 ただし、裁判所は、社債発行会社その他利害関係人の申立てにより又は職権で、当該費用の全部又は一部について、招集者その他利害関係人の中から別に負担者を定めることができる。 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付 第一章 組織変更 第一節 通則 (組織変更計画の作成) 第七百四十三条 会社は、組織変更をすることができる。 この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。 第二節 株式会社の組織変更 (株式会社の組織変更計画) 第七百四十四条 株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 組織変更後持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 組織変更後持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、組織変更後持分会社の定款で定める事項 五 組織変更後持分会社が組織変更に際して組織変更をする株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(組織変更後持分会社の持分を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債であるときは、当該社債の種類(第百七条第二項第二号ロに規定する社債の種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の株主(組織変更をする株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、組織変更後持分会社が組織変更に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 九 組織変更がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 組織変更後持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 組織変更後持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 組織変更後持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (株式会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十五条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、組織変更後持分会社の社員となる。 4 前条第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号イの社債の社債権者となる。 5 組織変更をする株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百七十九条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第三節 持分会社の組織変更 (持分会社の組織変更計画) 第七百四十六条 持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項 三 組織変更後株式会社の取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称 ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 組織変更後株式会社の監査役の氏名 ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称 五 組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 六 組織変更をする持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭等(組織変更後株式会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債等(社債及び新株予約権をいう。以下この編において同じ。)以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする持分会社の社員に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 九 効力発生日 2 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 (持分会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十七条 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、株式会社となる。 2 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 4 次の各号に掲げる場合には、組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、第七百八十一条第二項において準用する第七百七十九条(第二項第二号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第二章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 株式会社が存続する吸収合併 (株式会社が存続する吸収合併契約) 第七百四十九条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である吸収合併存続会社(以下この編において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併により消滅する会社(以下この編において「吸収合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して吸収合併存続株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの吸収合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収合併存続株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 六 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続株式会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 5 前条第一項第四号イに規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、効力発生日に、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号イの吸収合併存続株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 持分会社が存続する吸収合併 (持分会社が存続する吸収合併契約) 第七百五十一条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である吸収合併存続会社(以下この節において「吸収合併存続持分会社」という。)及び吸収合併消滅会社の商号及び住所 二 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員が吸収合併に際して吸収合併存続持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収合併存続持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等(吸収合併存続持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続持分会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 七 効力発生日 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続持分会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (持分会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十二条 吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第三節 新設合併 第一款 株式会社を設立する新設合併 (株式会社を設立する新設合併契約) 第七百五十三条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社(以下この編において「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する会社(以下この編において「新設合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 株式会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立株式会社の定款で定める事項 四 新設合併設立株式会社の設立時取締役の氏名 五 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設合併設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設合併設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して株式会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅持分会社」という。)の社員に対して交付するその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設合併設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立株式会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して新設合併設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの新設合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設合併設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、新設合併消滅株式会社の全部又は一部が種類株式発行会社であるときは、新設合併消滅会社は、新設合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第七号に掲げる事項(新設合併消滅株式会社の株主に係る事項に限る。次項において同じ。)として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して新設合併設立株式会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、新設合併設立株式会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第七号に掲げる事項についての定めは、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて新設合併設立株式会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第九号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「新設合併設立株式会社の株式」とあるのは、「新設合併設立株式会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十四条 新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、前条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立株式会社の成立の日に、消滅する。 5 前条第一項第十号イに規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号イの新設合併設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第二款 持分会社を設立する新設合併 (持分会社を設立する新設合併契約) 第七百五十五条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併設立会社が持分会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併消滅会社の商号及び住所 二 持分会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 三 新設合併設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 四 新設合併設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 五 前二号に掲げるもののほか、新設合併設立持分会社の定款で定める事項 六 新設合併設立持分会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立持分会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立持分会社が合名会社であるときは、前項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設合併設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設合併設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十六条 新設合併設立持分会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設合併設立持分会社の社員となる。 3 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の社債の社債権者となる。 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立持分会社の成立の日に、消滅する。 第三章 会社分割 第一節 吸収分割 第一款 通則 (吸収分割契約の締結) 第七百五十七条 会社(株式会社又は合同会社に限る。)は、吸収分割をすることができる。 この場合においては、当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下この編において「吸収分割承継会社」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に権利義務を承継させる吸収分割 (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百五十八条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割をする会社(以下この編において「吸収分割会社」という。)及び株式会社である吸収分割承継会社(以下この編において「吸収分割承継株式会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継株式会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である吸収分割会社(以下この編において「吸収分割株式会社」という。)及び吸収分割承継株式会社の株式並びに吸収分割株式会社の新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式を吸収分割承継株式会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収分割承継株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 五 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該吸収分割承継株式会社の新株予約権の交付を受ける吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「吸収分割契約新株予約権」という。)の内容 ロ 吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収分割承継株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 吸収分割契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収分割承継株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収分割承継株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 七 吸収分割がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 八 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継株式会社の株式(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継株式会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継株式会社の株式のみであるものに限る。) (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百五十九条 吸収分割承継株式会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継株式会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 次の各号に掲げる場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第四号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第四号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第四号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第四号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 9 前条第五号に規定する場合には、効力発生日に、吸収分割契約新株予約権は、消滅し、当該吸収分割契約新株予約権の新株予約権者は、同条第六号に掲げる事項についての定めに従い、同条第五号ロの吸収分割承継株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第三款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割 (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百六十条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が持分会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割会社及び持分会社である吸収分割承継会社(以下この節において「吸収分割承継持分会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継持分会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(吸収分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社の株式を吸収分割承継持分会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割会社が吸収分割に際して吸収分割承継持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収分割承継持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 五 吸収分割承継持分会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等(吸収分割承継持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 効力発生日 七 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継持分会社の持分(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継持分会社の持分に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継持分会社の持分のみであるものに限る。) (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百六十一条 吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 9 前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第二節 新設分割 第一款 通則 (新設分割計画の作成) 第七百六十二条 一又は二以上の株式会社又は合同会社は、新設分割をすることができる。 この場合においては、新設分割計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合には、当該二以上の株式会社又は合同会社は、共同して新設分割計画を作成しなければならない。 第二款 株式会社を設立する新設分割 (株式会社を設立する新設分割計画) 第七百六十三条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、新設分割設立株式会社の定款で定める事項 三 新設分割設立株式会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設分割設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設分割設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設分割設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設分割設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 新設分割設立株式会社が新設分割により新設分割をする会社(以下この編において「新設分割会社」という。)から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である新設分割会社(以下この編において「新設分割株式会社」という。)の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対して交付するその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設分割設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設分割設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該新設分割設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該新設分割設立株式会社の新株予約権の交付を受ける新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「新設分割計画新株予約権」という。)の内容 ロ 新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する新設分割設立株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 新設分割計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設分割設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設分割設立株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。) 2 新設分割設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 (株式会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十四条 新設分割設立株式会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立株式会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第十二号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立株式会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 9 次の各号に掲げる場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前二項の規定の適用については、第八項中「新設分割計画の定め」とあるのは「同項第七号に掲げる事項についての定め」と、前項中「新設分割計画の定め」とあるのは「前条第一項第九号に掲げる事項についての定め」とする。 11 前条第一項第十号に規定する場合には、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画新株予約権は、消滅し、当該新設分割計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号ロの新設分割設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第三款 持分会社を設立する新設分割 (持分会社を設立する新設分割計画) 第七百六十五条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割設立会社が持分会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 新設分割設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 新設分割設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、新設分割設立持分会社の定款で定める事項 五 新設分割設立持分会社が新設分割により新設分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(新設分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立持分会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設分割株式会社が新設分割設立持分会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立持分会社の持分(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立持分会社の持分のみであるものに限る。) 2 新設分割設立持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設分割設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設分割設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十六条 新設分割設立持分会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立持分会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立持分会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設分割設立持分会社の社員となる。 9 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同号の社債の社債権者となる。 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前項の規定の適用については、同項中「新設分割計画の定めに従い、同号」とあるのは、「同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号」とする。 第四章 株式交換及び株式移転 第一節 株式交換 第一款 通則 (株式交換契約の締結) 第七百六十七条 株式会社は、株式交換をすることができる。 この場合においては、当該株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(株式会社又は合同会社に限る。以下この編において「株式交換完全親会社」という。)との間で、株式交換契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に発行済株式を取得させる株式交換 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百六十八条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容 ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 六 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百六十九条 株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親株式会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親株式会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 次の各号に掲げる場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第四号に規定する場合には、効力発生日に、株式交換契約新株予約権は、消滅し、当該株式交換契約新株予約権の新株予約権者は、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号ロの株式交換完全親株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第四号ハに規定する場合には、株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第三款 合同会社に発行済株式を取得させる株式交換 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百七十条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が合同会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換完全子会社及び合同会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親合同会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全子会社の株主が株式交換に際して株式交換完全親合同会社の社員となるときは、当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 株式交換完全親合同会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(株式交換完全親合同会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 効力発生日 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親合同会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百七十一条 株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親合同会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親合同会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親合同会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、株式交換完全親合同会社の社員となる。 この場合においては、株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 前各項の規定は、第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第二節 株式移転 (株式移転計画の作成) 第七百七十二条 一又は二以上の株式会社は、株式移転をすることができる。 この場合においては、株式移転計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合には、当該二以上の株式会社は、共同して株式移転計画を作成しなければならない。 (株式移転計画) 第七百七十三条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項 三 株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名 ハ 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 六 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 八 前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項 九 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容 ロ 株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十 前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項 2 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式移転の効力の発生等) 第七百七十四条 株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、株式移転完全子会社の発行済株式の全部を取得する。 2 株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第九号に規定する場合には、株式移転設立完全親会社の成立の日に、株式移転計画新株予約権は、消滅し、当該株式移転計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十号に掲げる事項についての定めに従い、同項第九号ロの株式移転設立完全親会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第九号ハに規定する場合には、株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 第四章の二 株式交付 (株式交付計画の作成) 第七百七十四条の二 株式会社は、株式交付をすることができる。 この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。 (株式交付計画) 第七百七十四条の三 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所 二 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限 三 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 四 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項 五 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法 八 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 九 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 十 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日 十一 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み) 第七百七十四条の四 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式交付親会社の商号 二 株式交付計画の内容 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て) 第七百七十四条の五 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。 この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則) 第七百七十四条の六 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (株式交付子会社の株式の譲渡し) 第七百七十四条の七 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。 一 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数 二 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数 2 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの無効又は取消しの制限) 第七百七十四条の八 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、第七百七十四条の四第二項の申込み、第七百七十四条の五第一項の規定による割当て及び第七百七十四条の六の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人は、第七百七十四条の十一第二項の規定により株式交付親会社の株式の株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として株式交付子会社の株式の譲渡しの取消しをすることができない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用) 第七百七十四条の九 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。 この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。 (申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合) 第七百七十四条の十 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。 この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 (株式交付の効力の発生等) 第七百七十四条の十一 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。 2 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合 二 株式交付を中止した場合 三 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合 四 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合 6 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。 第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続 第一節 組織変更の手続 第一款 株式会社の手続 (組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百七十五条 組織変更をする株式会社は、組織変更計画備置開始日から組織変更がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)までの間、組織変更計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 組織変更計画について組織変更をする株式会社の総株主の同意を得た日 二 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第七百七十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百七十九条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 組織変更をする株式会社の株主及び債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式会社の組織変更計画の承認等) 第七百七十六条 組織変更をする株式会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該株式会社の総株主の同意を得なければならない。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新株予約権買取請求) 第七百七十七条 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この款において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 組織変更をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その新株予約権の新株予約権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、組織変更をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 組織変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百七十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と組織変更をする株式会社(効力発生日後にあっては、組織変更後持分会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は組織変更後持分会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 組織変更後持分会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 組織変更をする株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 組織変更をする株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 組織変更をする株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百七十九条 組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。 2 組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 組織変更をする旨 二 組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (組織変更の効力発生日の変更) 第七百八十条 組織変更をする株式会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、組織変更をする株式会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この款及び第七百四十五条の規定を適用する。 第二款 持分会社の手続 第七百八十一条 組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第七百七十九条(第二項第二号を除く。)及び前条の規定は、組織変更をする持分会社について準用する。 この場合において、第七百七十九条第三項中「組織変更をする株式会社」とあるのは「組織変更をする持分会社(合同会社に限る。)」と、前条第三項中「及び第七百四十五条」とあるのは「並びに第七百四十七条及び次条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 吸収合併等の手続 第一款 吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百八十二条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 吸収合併契約 二 吸収分割株式会社 吸収分割契約 三 株式交換完全子会社 株式交換契約 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百八十五条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百八十七条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第七百八十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百八十三条 消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第一項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。 3 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。 5 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者(次条第二項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第七百八十七条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。 6 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (吸収合併契約等の承認を要しない場合) 第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。 2 前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百八十四条の二 次に掲げる場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項に規定する場合は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十一条第一項第三号若しくは第四号、第七百五十八条第四号、第七百六十条第四号若しくは第五号、第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号又は第七百七十条第一項第三号若しくは第四号に掲げる事項が消滅株式会社等又は存続会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第七百八十三条第二項に規定する場合 二 第七百八十四条第二項に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 消滅株式会社等が公開会社である場合 二 消滅株式会社等が第七百八十三条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百八十六条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第七百八十七条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 吸収合併 第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 吸収分割承継会社が株式会社である場合における吸収分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換完全親会社が株式会社である場合における株式交換完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 吸収合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百八十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百八十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併消滅株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者) 三 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 存続会社等の商号及び住所 三 消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(吸収分割をする場合における不法行為によって生じた吸収分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収合併等の効力発生日の変更) 第七百九十条 消滅株式会社等は、存続会社等との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、消滅株式会社等は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節並びに第七百五十条、第七百五十二条、第七百五十九条、第七百六十一条、第七百六十九条及び第七百七十一条の規定を適用する。 (吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十一条 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 吸収分割株式会社 吸収分割により吸収分割承継会社が承継した吸収分割株式会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式交換完全子会社 株式交換により株式交換完全親会社が取得した株式交換完全子会社の株式の数その他の株式交換に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式交換完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「効力発生日に株式交換完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第七百九十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イの株式の取得 二 第七百五十八条第八号ロ又は第七百六十条第七号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第七百九十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 二 吸収分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)及び第七百九十条の規定は、吸収合併消滅持分会社又は合同会社である吸収分割会社(以下この節において「吸収分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、第七百八十九条第一項第二号中「債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「吸収合併消滅持分会社(吸収合併存続会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は吸収分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 吸収合併存続会社、吸収分割承継会社及び株式交換完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十四条 吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百九十五条 存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 一 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の債務の額として法務省令で定める額(次号において「承継債務額」という。)が吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産の額として法務省令で定める額(同号において「承継資産額」という。)を超える場合 二 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等(吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合 三 株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(株式交換完全親株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交換完全親株式会社が取得する株式交換完全子会社の株式の額として法務省令で定める額を超える場合 3 承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 4 存続株式会社等が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併等は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対して交付する金銭等が吸収合併存続株式会社の株式である場合 第七百四十九条第一項第二号イの種類の株式 二 吸収分割会社に対して交付する金銭等が吸収分割承継株式会社の株式である場合 第七百五十八条第四号イの種類の株式 三 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式である場合 第七百六十八条第一項第二号イの種類の株式 (吸収合併契約等の承認を要しない場合等) 第七百九十六条 前条第一項から第三項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。 2 前条第一項から第三項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同条第二項各号に掲げる場合又は前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第七百九十七条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百九十六条の二 次に掲げる場合において、存続株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、存続株式会社等の株主は、存続株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び前条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十八条第四号又は第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項が存続株式会社等又は消滅会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百九十七条 吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第七百九十六条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該存続株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 存続株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに消滅会社等の商号及び住所(第七百九十五条第三項に規定する場合にあっては、吸収合併等をする旨、消滅会社等の商号及び住所並びに同項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 存続株式会社等が公開会社である場合 二 存続株式会社等が第七百九十五条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、存続株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、存続株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百九十八条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と存続株式会社等との間に協議が調ったときは、存続株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は存続株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 存続株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 存続株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該存続株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百九十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者 三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者 2 前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 消滅会社等の商号及び住所 三 存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (消滅会社等の株主等に対して交付する金銭等が存続株式会社等の親会社株式である場合の特則) 第八百条 第百三十五条第一項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この項において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の親会社株式(同条第一項に規定する親会社株式をいう。以下この条において同じ。)である場合には、当該存続株式会社等は、吸収合併等に際して消滅会社等の株主等に対して交付する当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得することができる。 2 第百三十五条第三項の規定にかかわらず、前項の存続株式会社等は、効力発生日までの間は、存続株式会社等の親会社株式を保有することができる。 ただし、吸収合併等を中止したときは、この限りでない。 (吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百一条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続株式会社が承継した吸収合併消滅会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収分割承継株式会社(合同会社が吸収分割をする場合における当該吸収分割承継株式会社に限る。)は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割合同会社と共同して、吸収分割により吸収分割承継株式会社が承継した吸収分割合同会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる存続株式会社等は、効力発生日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併存続株式会社 第一項の書面又は電磁的記録 二 吸収分割承継株式会社 前項又は第七百九十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式交換完全親株式会社 第七百九十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 吸収合併存続株式会社の株主及び債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、吸収分割承継株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式交換完全親株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株式交換完全親株式会社の株主)」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 第八百二条 次の各号に掲げる行為をする持分会社(以下この条において「存続持分会社等」という。)は、当該各号に定める場合には、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について存続持分会社等の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 第七百五十一条第一項第二号に規定する場合 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第七百六十条第四号に規定する場合 三 株式交換による株式会社の発行済株式の全部の取得 第七百七十条第一項第二号に規定する場合 2 第七百九十九条(第二項第三号を除く。)及び第八百条の規定は、存続持分会社等について準用する。 この場合において、第七百九十九条第一項第三号中「株式交換完全親株式会社の株式」とあるのは「株式交換完全親合同会社の持分」と、「場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合」とあるのは「場合」と読み替えるものとする。 第三節 新設合併等の手続 第一款 新設合併消滅会社、新設分割会社及び株式移転完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百三条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、新設合併契約等備置開始日から新設合併設立会社、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立会社」という。)の成立の日後六箇月を経過する日(新設合併消滅株式会社にあっては、新設合併設立会社の成立の日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「新設合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 新設合併契約 二 新設分割株式会社 新設分割計画 三 株式移転完全子会社 株式移転計画 2 前項に規定する「新設合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 新設合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百六条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、新設分割計画の作成の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式移転完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約等の承認) 第八百四条 消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新設合併設立会社が持分会社である場合には、新設合併契約について新設合併消滅株式会社の総株主の同意を得なければならない。 3 新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社が種類株式発行会社である場合において、新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設合併設立株式会社又は株式移転設立完全親会社の株式等の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは、当該新設合併又は株式移転は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 消滅株式会社等は、第一項の株主総会の決議の日(第二項に規定する場合にあっては、同項の総株主の同意を得た日)から二週間以内に、その登録株式質権者(次条に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第八百八条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、新設合併、新設分割又は株式移転(以下この節において「新設合併等」という。)をする旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新設分割計画の承認を要しない場合) 第八百五条 前条第一項の規定は、新設分割により新設分割設立会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が新設分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を新設分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (新設合併等をやめることの請求) 第八百五条の二 新設合併等が法令又は定款に違反する場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、当該新設合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条に規定する場合は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百六条 新設合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第八百四条第二項に規定する場合 二 第八百五条に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第八百四条第一項の株主総会(新設合併等をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。)に先立って当該新設合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該新設合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日から二週間以内に、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設分割会社又は株式移転完全子会社(以下この節において「消滅会社等」という。)及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 新設合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第八百八条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 新設合併 第七百五十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 新設分割(新設分割設立会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ハに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転 次に掲げる新株予約権のうち、第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日(同条第二項に規定する場合にあっては同項の総株主の同意を得た日、第八百五条に規定する場合にあっては新設分割計画の作成の日)から二週間以内に、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、新設合併等をする旨並びに他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 新設分割設立会社が株式会社である場合における新設分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 新設合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第八百九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、新設合併等について異議を述べることができる。 一 新設合併をする場合 新設合併消滅株式会社の債権者 二 新設分割をする場合 新設分割後新設分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として新設分割設立会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない新設分割株式会社の債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者) 三 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併等をする旨 二 他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所 三 消滅株式会社等の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(新設分割をする場合における不法行為によって生じた新設分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十一条 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日後遅滞なく、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 新設分割株式会社 新設分割により新設分割設立会社が承継した新設分割株式会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式移転完全子会社 株式移転により株式移転設立完全親会社が取得した株式移転完全子会社の株式の数その他の株式移転に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、新設分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式移転完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の成立の日に株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第八百十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イの株式の取得 二 第七百六十三条第一項第十二号ロ又は第七百六十五条第一項第八号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第八百十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、新設合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 新設合併 二 新設分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第八百十条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)の規定は、新設合併消滅持分会社又は合同会社である新設分割会社(以下この節において「新設分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、同条第一項第二号中「債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「新設合併消滅持分会社(新設合併設立会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は新設分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 新設合併設立会社、新設分割設立会社及び株式移転設立完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (株式会社の設立の特則) 第八百十四条 第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)の規定は、新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立株式会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立株式会社の定款は、消滅会社等が作成する。 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十五条 新設合併設立株式会社は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立株式会社が承継した新設合併消滅会社の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設分割設立株式会社(一又は二以上の合同会社のみが新設分割をする場合における当該新設分割設立株式会社に限る。)は、その成立の日後遅滞なく、新設分割合同会社と共同して、新設分割により新設分割設立株式会社が承継した新設分割合同会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる設立株式会社は、その成立の日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併設立株式会社 第一項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 新設分割設立株式会社 前項又は第八百十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式移転設立完全親会社 第八百十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 新設合併設立株式会社の株主及び債権者は、新設合併設立株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、新設分割設立株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式移転設立完全親会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び新株予約権者」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 (持分会社の設立の特則) 第八百十六条 第五百七十五条及び第五百七十八条の規定は、新設合併設立持分会社又は新設分割設立持分会社(次項において「設立持分会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立持分会社の定款は、消滅会社等が作成する。 第四節 株式交付の手続 (株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の二 株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式交付計画の承認等) 第八百十六条の三 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 2 株式交付親会社が株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 3 株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式 二 株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式 (株式交付計画の承認を要しない場合等) 第八百十六条の四 前条第一項及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同項に規定する場合又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 (株式交付をやめることの請求) 第八百十六条の五 株式交付が法令又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。 ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百十六条の六 株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に掲げる場合以外の場合 全ての株主 3 株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨並びに株式交付子会社の商号及び住所を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 株式交付親会社が公開会社である場合 二 株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百十六条の七 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十六条の八 株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。 2 前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 株式交付をする旨 二 株式交付子会社の商号及び住所 三 株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (株式交付の効力発生日の変更) 第八百十六条の九 株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。 3 第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 4 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。 5 株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。 6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。 この場合において、第四項中「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十及び前項」と読み替えるものとする。 (株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の十 株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六編 外国会社 (外国会社の日本における代表者) 第八百十七条 外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。 この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。 2 外国会社の日本における代表者は、当該外国会社の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 3 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 4 外国会社は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (登記前の継続取引の禁止等) 第八百十八条 外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (貸借対照表に相当するものの公告) 第八百十九条 外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)は、法務省令で定めるところにより、第四百三十八条第二項の承認と同種の手続又はこれに類似する手続の終結後遅滞なく、貸借対照表に相当するものを日本において公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である外国会社は、前項に規定する貸借対照表に相当するものの要旨を公告することで足りる。 3 前項の外国会社は、法務省令で定めるところにより、第一項の手続の終結後遅滞なく、同項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報を、当該手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により日本において不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない外国会社については、前三項の規定は、適用しない。 (日本に住所を有する日本における代表者の退任) 第八百二十条 外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 2 債権者が前項の期間内に異議を述べたときは、同項の外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、同項の退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 3 第一項の退任は、前二項の手続が終了した後にその登記をすることによって、その効力を生ずる。 (擬似外国会社) 第八百二十一条 日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (日本にある外国会社の財産についての清算) 第八百二十二条 裁判所は、次に掲げる場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、日本にある外国会社の財産の全部について清算の開始を命ずることができる。 一 外国会社が第八百二十七条第一項の規定による命令を受けた場合 二 外国会社が日本において取引を継続してすることをやめた場合 2 前項の場合には、裁判所は、清算人を選任する。 3 第四百七十六条、第二編第九章第一節第二款、第四百九十二条、同節第四款及び第五百八条の規定並びに同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 4 第八百二十条の規定は、外国会社が第一項の清算の開始を命じられた場合において、当該外国会社の日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、適用しない。 (他の法律の適用関係) 第八百二十三条 外国会社は、他の法律の適用については、日本における同種の会社又は最も類似する会社とみなす。 ただし、他の法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第七編 雑則 第一章 会社の解散命令等 第一節 会社の解散命令 (会社の解散命令) 第八百二十四条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (会社の財産に関する保全処分) 第八百二十五条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「会社」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第八百二十六条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令 第八百二十七条 裁判所は、次に掲げる場合には、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、外国会社が日本において取引を継続してすることの禁止又はその日本に設けられた営業所の閉鎖を命ずることができる。 一 外国会社の事業が不法な目的に基づいて行われたとき。 二 外国会社が正当な理由がないのに外国会社の登記の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 外国会社が正当な理由がないのに支払を停止したとき。 四 外国会社の日本における代表者その他その業務を執行する者が、法令で定める外国会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 第八百二十四条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、第八百二十四条第二項中「前項」とあり、同条第三項及び第四項中「第一項」とあり、並びに第八百二十五条第一項中「前条第一項」とあるのは「第八百二十七条第一項」と、前条中「第八百二十四条第一項」とあるのは「次条第一項」と、「同項第三号」とあるのは「同項第四号」と読み替えるものとする。 第二章 訴訟 第一節 会社の組織に関する訴え (会社の組織に関する行為の無効の訴え) 第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内 二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内) 三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) 四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内) 五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者 五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 (新株発行等の不存在の確認の訴え) 第八百二十九条 次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 一 株式会社の成立後における株式の発行 二 自己株式の処分 三 新株予約権の発行 (株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (株主総会等の決議の取消しの訴え) 第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。 一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (持分会社の設立の取消しの訴え) 第八百三十二条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。 一 社員が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員 二 社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき 当該債権者 (会社の解散の訴え) 第八百三十三条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。 一 株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。 2 やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。 (被告) 第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社 二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社 三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社 四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社 六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社 七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社 八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社 九 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割契約をした会社 十 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社及び新設分割により設立する会社 十一 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換契約をした会社 十二 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社 十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社 十三 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社 十四 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社 十五 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 十六 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社 十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社 十八 第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社 十九 第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員 二十 株式会社の解散の訴え 当該株式会社 二十一 持分会社の解散の訴え 当該持分会社 (訴えの管轄及び移送) 第八百三十五条 会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。 3 前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。 (担保提供命令) 第八百三十六条 会社の組織に関する訴えであって、株主又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百三十七条 同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百三十八条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第八百三十九条 会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (新株発行の無効判決の効力) 第八百四十条 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)を返還することを請求することができる。 2 前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。 3 前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。 4 第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。 5 第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 6 前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 (自己株式の処分の無効判決の効力) 第八百四十一条 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「株式」とあるのは、「自己株式」と読み替えるものとする。 (新株予約権発行の無効判決の効力) 第八百四十二条 新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。 2 第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「株主」とあるのは「新株予約権者」と、同条第四項中「株式」とあるのは「新株予約権」と、同条第五項及び第六項中「登録株式質権者」とあるのは「登録新株予約権質権者」と読み替えるものとする。 (合併又は会社分割の無効判決の効力) 第八百四十三条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 会社の吸収合併 吸収合併後存続する会社 二 会社の新設合併 新設合併により設立する会社 三 会社の吸収分割 吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社 四 会社の新設分割 新設分割により設立する会社 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。 ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。 3 第一項及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。 4 各会社の第一項の債務の負担部分又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (株式交換又は株式移転の無効判決の効力) 第八百四十四条 株式会社の株式交換又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換又は株式移転をする株式会社(以下この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。 この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。 3 前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。 ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。 (株式交付の無効判決の効力) 第八百四十四条の二 株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。 この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。 (持分会社の設立の無効又は取消しの判決の効力) 第八百四十五条 持分会社の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条 会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え (売渡株式等の取得の無効の訴え) 第八百四十六条の二 株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。 2 前項の訴え(以下この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。 一 取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者 二 取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役又は執行役。以下この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役若しくは清算人 (被告) 第八百四十六条の三 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百四十六条の四 売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第八百四十六条の五 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役又は清算人であるときは、この限りでない。 2 被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百四十六条の六 同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百四十六条の七 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効の判決の効力) 第八百四十六条の八 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条の九 売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二節 株式会社における責任追及等の訴え (株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 (旧株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条の二 次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。以下この条において同じ。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該株式会社の株式交換又は株式移転 当該株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併 当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」とする。 3 旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該完全親会社の株式交換又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 4 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 5 第三項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、第三項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該完全親会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 6 株式交換等完全子会社が第一項又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求(以下この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 7 株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 8 第一項、第三項及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 9 株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」とする。 (最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え) 第八百四十七条の三 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 特定責任追及の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合 二 当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合 2 前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。 一 完全親会社 二 株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社及びその完全子会社等(株式会社がその株式又は持分の全部を有する法人をいう。以下この条及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該他の株式会社(完全親会社を除く。) 3 前項第二号の場合において、同号の他の株式会社及びその完全子会社等又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。 4 第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項及び同条第七項において同じ。)。 5 最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。 6 公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、「株式会社」とする。 7 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。 8 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 9 第一項及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 10 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」とする。 (責任追及等の訴えに係る訴訟費用等) 第八百四十七条の四 第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 2 株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第八百四十八条 責任追及等の訴えは、株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第八百四十九条 株主等又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合又は同条第三項第一号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第二号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為又は同条第三項第一号の株式交換若しくは株式移転若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。)であって、当該完全親会社の株式交換若しくは株式移転又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。) 適格旧株主 二 最終完全親会社等 当該最終完全親会社等の株主 3 株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。 5 株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 6 株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 7 株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 8 第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、これらの規定中「のほか」とあるのは、「に代えて」とする。 9 公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、第五項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは「株主に通知し」と、第六項及び第七項中「公告又は通知」とあるのは「通知」とする。 10 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。 一 株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合 適格旧株主 二 最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合 当該最終完全親会社等の株主 11 前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、同項中「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、「当該各号に定める者に通知し」とする。 (和解) 第八百四十九条の二 株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 第八百五十条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (株主でなくなった者の訴訟追行) 第八百五十一条 責任追及等の訴えを提起した株主又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。 一 その者が当該株式会社の株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。 二 その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。 2 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(この項又は次項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「当該完全親会社」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 (費用等の請求) 第八百五十二条 責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。 (再審の訴え) 第八百五十三条 責任追及等の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 一 株主又は株式会社等 責任追及等の訴え 二 適格旧株主 責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。) 三 最終完全親会社等の株主 特定責任追及の訴え 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三節 株式会社の役員の解任の訴え (株式会社の役員の解任の訴え) 第八百五十四条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該株式会社である株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 2 公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 4 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 (被告) 第八百五十五条 前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百五十六条 株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第四節 特別清算に関する訴え (役員等の責任の免除の取消しの訴えの管轄) 第八百五十七条 第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。 (役員等責任査定決定に対する異議の訴え) 第八百五十八条 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。 3 第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 第五節 持分会社の社員の除名の訴え等 (持分会社の社員の除名の訴え) 第八百五十九条 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。 一 出資の義務を履行しないこと。 二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。 三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。 四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。 五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。 (持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え) 第八百六十条 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。 一 前条各号に掲げる事由があるとき。 二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。 (被告) 第八百六十一条 次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。 一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員 二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員 (訴えの管轄) 第八百六十二条 持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え (清算持分会社の財産処分の取消しの訴え) 第八百六十三条 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。 一 第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の債権者 二 第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者 2 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、同法第四百二十四条の五第一号中「債務者」とあるのは「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、同条第二号並びに同法第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中「債務者」とあるのは「清算持分会社」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十四条 前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方又は転得者を被告とする。 第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え (社債発行会社の弁済等の取消しの訴え) 第八百六十五条 社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 2 前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。 同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 3 第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。 ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。 4 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項及び前項本文の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、「債権者を害すること」とあるのは「その行為が著しく不公正であること」と、同法第四百二十四条の五各号中「債権者を害すること」とあるのは「著しく不公正であること」と、同法第四百二十五条中「債権者」とあるのは「社債権者」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十六条 前条第一項又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方又は転得者を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百六十七条 第八百六十五条第一項又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三章 非訟 第一節 総則 (非訟事件の管轄) 第八百六十八条 この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 一 当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 二 当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付 3 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 5 第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 6 第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第八百六十九条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第八百七十条 裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定 当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者 二 清算人、社債管理者又は社債管理補助者の解任についての裁判 当該清算人、社債管理者又は社債管理補助者 三 第三十三条第七項の規定による裁判 設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人 四 第二百七条第七項又は第二百八十四条第七項の規定による裁判 当該株式会社及び第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者 五 第四百五十五条第二項第二号又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判 当該株主 六 第四百五十六条又は第五百六条の規定による裁判 当該株主 七 第七百三十二条の規定による裁判 利害関係人 八 第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判 社債を発行した会社 九 第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判 社債を発行した会社 十 第八百二十四条第一項の規定による裁判 当該会社 十一 第八百二十七条第一項の規定による裁判 当該外国会社 2 裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判 当該株式会社 二 第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項の規定による株式又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定 価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 三 第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定 売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 四 第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定 当該株式会社 五 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定 特別支配株主 六 第八百四十三条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした会社 (申立書の写しの送付等) 第八百七十条の二 裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。 2 前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。 3 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。 4 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。 ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。 6 裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。 7 裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。 8 前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。 (理由の付記) 第八百七十一条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判 二 第八百七十四条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第八百七十二条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第六百九条第三項又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判 申立人、株主及び株式会社 三 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判 申立人、新株予約権者及び株式会社 四 第八百七十条第一項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) 五 第八百七十条第二項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者 (抗告状の写しの送付等) 第八百七十二条の二 裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 この場合においては、第八百七十条の二第二項及び第三項の規定を準用する。 2 第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。 (原裁判の執行停止) 第八百七十三条 第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第八百七十四条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者若しくは社債管理補助者の特別代理人又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者の選任又は選定の裁判 二 第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第八百七十五条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第八百七十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則 (審問等の必要的併合) 第八百七十七条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問及び裁判は、併合してしなければならない。 (裁判の効力) 第八百七十八条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。 2 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。 第三節 特別清算の手続に関する特則 第一款 通則 (特別清算事件の管轄) 第八百七十九条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 2 前項に規定する株式会社又は親法人及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 3 前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。 4 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 (特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送) 第八百八十条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。 2 通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。 (疎明) 第八百八十一条 第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。 (理由の付記) 第八百八十二条 特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。 ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。 2 特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。 (裁判書の送達) 第八百八十三条 この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条を除く。)の規定を準用する。 (不服申立て) 第八百八十四条 特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 2 前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。 (公告) 第八百八十五条 この節の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 (事件に関する文書の閲覧等) 第八百八十六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 清算株式会社以外の利害関係人 第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分又は特別清算開始の申立てについての裁判 二 清算株式会社 特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判 5 非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。 (支障部分の閲覧等の制限) 第八百八十七条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び清算株式会社に限ることができる。 一 第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等 二 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則 (特別清算開始の申立て) 第八百八十八条 債権者又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。 2 債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。 3 特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 4 前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (他の手続の中止命令) 第八百八十九条 裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 2 前項の中止の命令及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (特別清算開始の命令) 第八百九十条 裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。 2 特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。 4 特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。 5 特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。 6 特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第八百九十一条 裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。 2 裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則 (調査命令) 第八百九十二条 裁判所は、調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。 2 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算人の解任及び報酬等) 第八百九十三条 裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。 2 第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (監督委員の解任及び報酬等) 第八百九十四条 裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。 2 第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (調査委員の解任及び報酬等) 第八百九十五条 前条の規定は、調査委員について準用する。 (事業の譲渡の許可の申立て) 第八百九十六条 清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。 2 裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第八百九十七条 第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 前項の裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算株式会社の財産に関する保全処分等) 第八百九十八条 裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。 一 第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分 二 第五百四十一条第一項又は第二項の規定による処分 三 第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分 四 第五百四十三条の規定による処分 2 前項各号に掲げる裁判及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第八百九十九条 清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。 4 役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (債権者集会の招集の許可の申立てについての裁判) 第九百条 第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (協定の認可又は不認可の決定) 第九百一条 利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。 2 共助対象外国租税の請求権について、協定において減免その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。 3 第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 4 第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 5 前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則 (特別清算終結の申立てについての裁判) 第九百二条 特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 2 特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 3 特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。 4 特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 第四節 外国会社の清算の手続に関する特則 (特別清算の手続に関する規定の準用) 第九百三条 前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第九百四条 裁判所は、第八百二十四条第一項又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (会社の財産に関する保全処分についての特則) 第九百五条 裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社又は外国会社の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社又は外国会社の負担とする。 第九百六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四章 登記 第一節 総則 (通則) 第九百七条 この法律の規定により登記すべき事項(第九百三十八条第三項の保全処分の登記に係る事項を除く。)は、当事者の申請又は裁判所書記官の嘱託により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。 (登記の効力) 第九百八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (変更の登記及び消滅の登記) 第九百九条 この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。 (登記の期間) 第九百十条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二節 会社の登記 (株式会社の設立の登記) 第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日) 二 発起人が定めた日 2 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 創立総会の終結の日 二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 発行可能株式総数 七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容) 八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数 九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数 十 株券発行会社であるときは、その旨 十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項 イ 新株予約権の数 ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号まで(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)に掲げる事項 ハ 第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め ニ ロ及びハに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件 ホ 第二百三十六条第一項第七号及び第二百三十八条第一項第二号に掲げる事項 ヘ 第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法) 十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 十三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名 十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。) 十五 取締役会設置会社であるときは、その旨 十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所 十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨 ロ 監査役の氏名 十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨 十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項 イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨 ロ 特別取締役の氏名 ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 二十二 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名 ロ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ハ 第三百九十九条の十三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨 二十三 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名 ハ 代表執行役の氏名及び住所 二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 二十五 第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 二十六 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 二十七 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 二十八 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 二十九 第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合名会社の設立の登記) 第九百十二条 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。) 七 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合資会社の設立の登記) 第九百十三条 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別 七 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額 八 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。) 九 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 十 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十二 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合同会社の設立の登記) 第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称 七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所 八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 九 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十一 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (変更の登記) 第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 一 新株予約権の行使 二 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。) (他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記) 第九百十六条 会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 株式会社 第九百十一条第三項各号に掲げる事項 二 合名会社 第九百十二条各号に掲げる事項 三 合資会社 第九百十三条各号に掲げる事項 四 合同会社 第九百十四条各号に掲げる事項 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第九百十七条 次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 一 株式会社 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役 二 合名会社 社員 三 合資会社 社員 四 合同会社 業務を執行する社員 (支配人の登記) 第九百十八条 会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 (持分会社の種類の変更の登記) 第九百十九条 持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。 (組織変更の登記) 第九百二十条 会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第九百二十一条 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。 (新設合併の登記) 第九百二十二条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ヘ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第二項の総株主の同意を得た日 ロ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ハ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ニ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (吸収分割の登記) 第九百二十三条 会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。 (新設分割の登記) 第九百二十四条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ヘ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ホ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (株式移転の登記) 第九百二十五条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。 一 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 二 株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 三 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 四 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 五 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 六 株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日) (解散の登記) 第九百二十六条 第四百七十一条第一号から第三号まで又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。 (継続の登記) 第九百二十七条 第四百七十三条、第六百四十二条第一項又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人の登記) 第九百二十八条 第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨 2 第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名又は名称及び住所 二 清算持分会社を代表する清算人の氏名又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。) 三 清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名及び住所 3 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 4 第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第九百二十九条 清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 一 清算株式会社 第五百七条第三項の承認の日 二 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日) 三 清算持分会社(合同会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日 第九百三十条から第九百三十二条まで 削除 第三節 外国会社の登記 (外国会社の登記) 第九百三十三条 外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。 一 日本に営業所を設けていない場合 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下この節において同じ。)の住所地 二 日本に営業所を設けた場合 当該営業所の所在地 2 外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 外国会社の設立の準拠法 二 日本における代表者の氏名及び住所 三 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法 四 前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 五 第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め 六 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め 七 第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 3 外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。 4 第九百十五条及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。 この場合において、これらの規定中「二週間」とあるのは「三週間」と、「本店の所在地」とあるのは「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と読み替えるものとする。 5 前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。 (日本における代表者の選任の登記等) 第九百三十四条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。 (日本における代表者の住所の移転の登記等) 第九百三十五条 日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。 (日本における営業所の設置の登記等) 第九百三十六条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。 第四節 登記の嘱託 (裁判による登記の嘱託) 第九百三十七条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 会社の設立の無効の訴え ロ 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え ハ 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この節において同じ。)の発行の無効の訴え ニ 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え ホ 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え ヘ 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え ト 株主総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 株主総会等の決議の取消しの訴え チ 持分会社の設立の取消しの訴え リ 会社の解散の訴え ヌ 株式会社の役員の解任の訴え ル 持分会社の社員の除名の訴え ヲ 持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判(次条第二項第一号に規定する裁判を除く。) ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判(次条第二項第二号に規定する裁判を除く。) ニ 清算人又は代表清算人若しくは清算持分会社を代表する清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判(次条第二項第三号に規定する裁判を除く。) ホ 清算人の解任の裁判(次条第二項第四号に規定する裁判を除く。) 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第八百二十四条第一項の規定による会社の解散を命ずる裁判 2 第八百二十七条第一項の規定による外国会社の日本における取引の継続の禁止又は営業所の閉鎖を命ずる裁判が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、次の各号に掲げる外国会社の区分に応じ、当該各号に定める地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 日本に営業所を設けていない外国会社 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地 二 日本に営業所を設けている外国会社 当該営業所の所在地 3 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社についての解散の登記及び組織変更をする会社についての回復の登記 二 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社についての変更の登記及び吸収合併により消滅する会社についての回復の登記 三 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社についての解散の登記及び新設合併により消滅する会社についての回復の登記 四 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記 五 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社についての変更の登記及び新設分割により設立する会社についての解散の登記 六 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換をする株式会社(第七百六十八条第一項第四号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)及び株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社についての変更の登記 七 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社(第七百七十三条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)についての変更の登記及び株式移転により設立する株式会社についての解散の登記 八 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社についての変更の登記 (特別清算に関する裁判による登記の嘱託) 第九百三十八条 次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始の命令があったとき 特別清算開始の登記 二 特別清算開始の命令を取り消す決定が確定したとき 特別清算開始の取消しの登記 三 特別清算終結の決定が確定したとき 特別清算終結の登記 2 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始後における第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判があったとき。 二 前号の裁判を取り消す裁判があったとき。 三 特別清算開始後における清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判があったとき。 四 特別清算開始後における清算人の解任の裁判があったとき。 五 前号の裁判を取り消す裁判が確定したとき。 3 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 清算株式会社の財産に属する権利で登記されたものに関し第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 4 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 5 前二項の規定は、登録のある権利について準用する。 6 前各項の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五章 公告 第一節 総則 (会社の公告方法) 第九百三十九条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告 2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 3 会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。 (電子公告の公告期間等) 第九百四十条 株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告 当該特定の日 二 第四百四十条第一項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 前三号に掲げる公告以外の公告 当該公告の開始後一箇月を経過する日 2 外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下この章において「公告期間」という。)中公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。 一 公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は会社に正当な事由があること。 二 公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。 三 会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。 第二節 電子公告調査機関 (電子公告調査) 第九百四十一条 この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。 (登録) 第九百四十二条 前条の登録(以下この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。 2 登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (欠格事由) 第九百四十三条 次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 この節の規定若しくは農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項及び第三十四条の二十三第四項、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の二十八第六項(同法第四十三条第三項並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項、第八十条第一項及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第四十五条の二第六項、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第四十条の二第六項、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十三条の二十の二第六項、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項(同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)第十五条第六項(同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条の二及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百九十四条第四項、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二十条第四項、第六十一条第七項、第六十二条の二十五第七項及び第六十三条の二十第七項並びに労働者協同組合法(令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 二 第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三 法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの (登録基準) 第九百四十四条 法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。 この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。 一 電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。 イ 当該電子計算機及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。 ロ 当該電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。 ハ 当該電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。 二 電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。 2 登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。 一 登録年月日及び登録番号 二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 三 登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地 (登録の更新) 第九百四十五条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。 (調査の義務等) 第九百四十六条 調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。 2 調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。 3 調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下この節において「調査委託者」という。)の商号その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。 4 調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。 (電子公告調査を行うことができない場合) 第九百四十七条 調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告又はその者若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。 一 当該調査機関 二 当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。) 三 理事等又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人 四 理事等又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。)又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人 (事業所の変更の届出) 第九百四十八条 調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。 (業務規程) 第九百四十九条 調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。 (業務の休廃止) 第九百五十条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。 (財務諸表等の備置き及び閲覧等) 第九百五十一条 調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (適合命令) 第九百五十二条 法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第九百五十三条 法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと又は電子公告調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (登録の取消し等) 第九百五十四条 法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第九百四十三条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 二 第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで、第九百五十一条第一項又は次条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号又は次条第二項各号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。 四 第九百五十二条又は前条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。 五 不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。 (調査記録簿等の記載等) 第九百五十五条 調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求 二 調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (調査記録簿等の引継ぎ) 第九百五十六条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。 2 前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。 (法務大臣による電子公告調査の業務の実施) 第九百五十七条 法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災その他の事由によって電子公告調査の業務の全部又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。 2 法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、法務省令で定める。 3 第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (報告及び検査) 第九百五十八条 法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (公示) 第九百五十九条 法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一 登録をしたとき。 二 第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。 三 第九百四十八条又は第九百五十条の届出があったとき。 四 第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 五 第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。 第八編 罰則 (取締役等の特別背任罪) 第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時監査役 三 取締役、会計参与、監査役又は執行役 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者 六 支配人 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算株式会社の清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者 三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 四 清算人代理 五 監督委員 六 調査委員 (代表社債権者等の特別背任罪) 第九百六十一条 代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (未遂罪) 第九百六十二条 前二条の罪の未遂は、罰する。 (会社財産を危うくする罪) 第九百六十三条 第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 第九百六十条第一項第三号から第五号までに掲げる者が、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会若しくは種類株主総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときも、前項と同様とする。 3 検査役が、第二十八条各号、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときも、第一項と同様とする。 4 第九十四条第一項の規定により選任された者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときも、第一項と同様とする。 5 第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。 一 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得したとき。 二 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。 三 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第九百六十四条 次に掲げる者が、株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集をするに当たり、会社の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者 二 持分会社の業務を執行する社員 三 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者 四 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集の委託を受けた者 2 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。 (預合いの罪) 第九百六十五条 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者が、株式の発行に係る払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 預合いに応じた者も、同様とする。 (株式の超過発行の罪) 第九百六十六条 次に掲げる者が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時執行役 三 取締役、執行役又は清算株式会社の清算人 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)又は第四百三条第三項において準用する第四百一条第三項の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を行うべき者 (取締役等の贈収賄罪) 第九百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第九百六十条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 第九百六十一条に規定する者 三 会計監査人又は第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 (株主等の権利の行使に関する贈収賄罪) 第九百六十八条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会における発言又は議決権の行使 二 第二百十条若しくは第二百四十七条、第二百九十七条第一項若しくは第四項、第三百三条第一項若しくは第二項、第三百四条、第三百五条第一項若しくは第三百六条第一項若しくは第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百五十八条第一項、第三百六十条第一項若しくは第二項(これらの規定を第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)、第四百二十二条第一項若しくは第二項、第四百二十六条第七項、第四百三十三条第一項若しくは第四百七十九条第二項に規定する株主の権利の行使、第五百十一条第一項若しくは第五百二十二条第一項に規定する株主若しくは債権者の権利の行使又は第五百四十七条第一項若しくは第三項に規定する債権者の権利の行使 三 社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者の権利の行使 四 第八百二十八条第一項、第八百二十九条から第八百三十一条まで、第八百三十三条第一項、第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項、第八百四十七条の三第七項若しくは第九項、第八百五十三条、第八百五十四条又は第八百五十八条に規定する訴えの提起(株主等(第八百四十七条の四第二項に規定する株主等をいう。次号において同じ。)、株式会社の債権者又は新株予約権若しくは新株予約権付社債を有する者がするものに限る。) 五 第八百四十九条第一項の規定による株主等の訴訟参加 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。 (没収及び追徴) 第九百六十九条 第九百六十七条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (株主等の権利の行使に関する利益供与の罪) 第九百七十条 第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。第三項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。 3 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において第一項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。 4 前二項の罪を犯した者が、その実行について第一項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 5 前三項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。 6 第一項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。 (国外犯) 第九百七十一条 第九百六十条から第九百六十三条まで、第九百六十五条、第九百六十六条、第九百六十七条第一項、第九百六十八条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 第九百六十七条第二項、第九百六十八条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第九百七十二条 第九百六十条、第九百六十一条、第九百六十三条から第九百六十六条まで、第九百六十七条第一項又は第九百七十条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第九百六十二条の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (業務停止命令違反の罪) 第九百七十三条 第九百五十四条の規定による電子公告調査(第九百四十二条第一項に規定する電子公告調査をいう。以下同じ。)の業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (虚偽届出等の罪) 第九百七十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第九百五十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 二 第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項若しくは第九百五十六条第二項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者 三 第九百五十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 (両罰規定) 第九百七十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁、株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、株主名簿、株券喪失登録簿、新株予約権原簿、社債原簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第四百三十五条第二項若しくは第四百九十四条第一項の附属明細書、会計参与報告、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第百二十二条第一項、第百四十九条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第一項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第一項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第一項、第二百五十条第一項、第二百七十条第一項、第六百八十二条第一項、第六百九十五条第一項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第一項、第七百九十四条第一項、第八百一条第一項若しくは第二項、第八百三条第一項、第八百十一条第一項、第八百十五条第一項若しくは第二項、第八百十六条の二第一項若しくは第八百十六条の十第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第三十一条第一項の規定、第七十四条第六項、第七十五条第三項、第七十六条第四項、第八十一条第二項若しくは第八十二条第二項(これらの規定を第八十六条において準用する場合を含む。)、第百二十五条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第二項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第二項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第二項、第二百三十一条第一項若しくは第二百五十二条第一項、第三百十条第六項、第三百十一条第三項、第三百十二条第四項、第三百十八条第二項若しくは第三項若しくは第三百十九条第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百七十一条第一項(第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)、第三百七十八条第一項、第三百九十四条第一項、第三百九十九条の十一第一項、第四百十三条第一項、第四百四十二条第一項若しくは第二項、第四百九十六条第一項、第六百八十四条第一項、第七百三十一条第二項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第二項、第七百九十四条第一項、第八百一条第三項、第八百三条第一項、第八百十一条第二項、第八百十五条第三項、第八百十六条の二第一項又は第八百十六条の十第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 正当な理由がないのに、株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会において、株主又は設立時株主の求めた事項について説明をしなかったとき。 十 第百三十五条第一項の規定に違反して株式を取得したとき、又は同条第三項の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。 十一 第百七十八条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の消却をしたとき。 十二 第百九十七条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の競売又は売却をしたとき。 十三 株式、新株予約権又は社債の発行の日前に株券、新株予約権証券又は社債券を発行したとき。 十四 第二百十五条第一項、第二百八十八条第一項又は第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく、株券、新株予約権証券又は社債券を発行しなかったとき。 十五 株券、新株予約権証券又は社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 十六 第二百二十五条第四項、第二百二十六条第二項、第二百二十七条又は第二百二十九条第二項の規定に違反して、株券喪失登録を抹消しなかったとき。 十七 第二百三十条第一項の規定に違反して、株主名簿に記載し、又は記録したとき。 十八 第二百九十六条第一項の規定又は第三百七条第一項第一号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)若しくは第三百五十九条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、株主総会を招集しなかったとき。 十八の二 第三百三条第一項又は第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会又は種類株主総会の目的としなかったとき。 十九 第三百二十五条の三第一項(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十九の二 第三百二十七条の二の規定に違反して、社外取締役を選任しなかったとき。 十九の三 第三百三十一条第六項の規定に違反して、社外取締役を監査等委員である取締役の過半数に選任しなかったとき。 二十 第三百三十五条第三項の規定に違反して、社外監査役を監査役の半数以上に選任しなかったとき。 二十一 第三百四十三条第二項(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第三百四十四条の二第二項(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会若しくは種類株主総会の目的とせず、又はその請求に係る議案を株主総会若しくは種類株主総会に提出しなかったとき。 二十二 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 二十三 第三百六十五条第二項(第四百十九条第二項及び第四百八十九条第八項において準用する場合を含む。)又は第四百三十条の二第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、取締役会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 二十四 第三百九十条第三項の規定に違反して、常勤の監査役を選定しなかったとき。 二十五 第四百四十五条第三項若しくは第四項の規定に違反して資本準備金若しくは準備金を計上せず、又は第四百四十八条の規定に違反して準備金の額の減少をしたとき。 二十六 第四百四十九条第二項若しくは第五項、第六百二十七条第二項若しくは第五項、第六百三十五条第二項若しくは第五項、第六百七十条第二項若しくは第五項、第七百七十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十六条の八第二項若しくは第五項又は第八百二十条第一項若しくは第二項の規定に違反して、資本金若しくは準備金の額の減少、持分の払戻し、持分会社の財産の処分、組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付又は外国会社の日本における代表者の全員の退任をしたとき。 二十七 第四百八十四条第一項若しくは第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠ったとき、又は第五百十一条第二項の規定に違反して特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。 二十八 清算の結了を遅延させる目的で、第四百九十九条第一項、第六百六十条第一項又は第六百七十条第二項の期間を不当に定めたとき。 二十九 第五百条第一項、第五百三十七条第一項又は第六百六十一条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 三十 第五百二条又は第六百六十四条の規定に違反して、清算株式会社又は清算持分会社の財産を分配したとき。 三十一 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の規定に違反したとき。 三十二 第五百四十条第一項若しくは第二項又は第五百四十二条第一項若しくは第二項の規定による保全処分に違反したとき。 三十三 第七百二条の規定に違反して社債を発行し、又は第七百十四条第一項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者を定めなかったとき。 三十四 第八百二十七条第一項の規定による裁判所の命令に違反したとき。 三十五 第九百四十一条の規定に違反して、電子公告調査を求めなかったとき。 第九百七十七条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 第九百五十一条第一項の規定に違反して、財務諸表等(同項に規定する財務諸表等をいう。以下同じ。)を備え置かず、又は財務諸表等に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者 三 正当な理由がないのに、第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第九百七十八条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第六条第三項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者 二 第七条の規定に違反して、会社であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第八条第一項の規定に違反して、他の会社(外国会社を含む。)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者 第九百七十九条 会社の成立前に当該会社の名義を使用して事業をした者は、会社の設立の登録免許税の額に相当する過料に処する。 2 第八百十八条第一項又は第八百二十一条第一項の規定に違反して取引をした者も、前項と同様とする。
民事
Heisei
Act
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平成十七年法律第八十六号
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会社法 第一編 総則 第一章 通則 (趣旨) 第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。 二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。 三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 子会社 ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの 四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 親会社 ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの 五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。 六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。 イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。 七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。 八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。 九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。 十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。 十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。 十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。 十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。 十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。 十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。 十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。 二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。 二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。 二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。 二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。 二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。 二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。 イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社 二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。 二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。 二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。 三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。 三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。 三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。 三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。 (法人格) 第三条 会社は、法人とする。 (住所) 第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。 (商行為) 第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。 第二章 会社の商号 (商号) 第六条 会社は、その名称を商号とする。 2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。 3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 第九条 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三章 会社の使用人等 第一節 会社の使用人 (支配人) 第十条 会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。 (支配人の代理権) 第十一条 支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (支配人の競業の禁止) 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自ら営業を行うこと。 二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。 四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (表見支配人) 第十三条 会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第十四条 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。 2 前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第十五条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 第二節 会社の代理商 (通知義務) 第十六条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。 (代理商の競業の禁止) 第十七条 代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (通知を受ける権限) 第十八条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。 (契約の解除) 第十九条 会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。 (代理商の留置権) 第二十条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。 第四章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等 (譲渡会社の競業の禁止) 第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。 2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。 (譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等) 第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。 事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。 3 譲受会社が第一項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。 (譲受会社による債務の引受け) 第二十三条 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。 2 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 (詐害事業譲渡に係る譲受会社に対する債務の履行の請求) 第二十三条の二 譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って事業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、その譲受会社が事業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 譲受会社が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 事業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。 3 譲渡会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受会社に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。 (商人との間での事業の譲渡又は譲受け) 第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する譲渡人とみなして、同法第十七条から第十八条の二までの規定を適用する。 この場合において、同条第三項中「又は再生手続開始の決定」とあるのは、「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とする。 2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前三条の規定を適用する。 この場合において、前条第三項中「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とあるのは、「又は再生手続開始の決定」とする。 第二編 株式会社 第一章 設立 第一節 総則 第二十五条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法 2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。 第二節 定款の作成 (定款の作成) 第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額 五 発起人の氏名又は名称及び住所 第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。) 二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称 三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称 四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。) 第二十九条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第三十一条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 4 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第一項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。 第三節 出資 (設立時発行株式に関する事項の決定) 第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数 二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額 三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。 (定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 9 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。 10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第一号及び第二号に掲げる事項 二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項 三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。) 11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 発起人 二 第二十八条第二号の財産の譲渡人 三 設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。) 四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの (出資の履行) 第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (設立時発行株式の株主となる権利の譲渡) 第三十五条 前条第一項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (設立時発行株式の株主となる権利の喪失) 第三十六条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。 3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。 (発行可能株式総数の定め等) 第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。 3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。 ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 第四節 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 3 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。 一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。) 二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。) 三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。) 4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。 第三十九条 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。 4 第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。 5 第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。 (設立時役員等の選任の方法の特則) 第四十一条 前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)の選任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時役員等の解任) 第四十二条 発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第四項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第四十三条 設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査等委員である設立時取締役又は設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。 (設立時取締役等の解任の方法の特則) 第四十四条 前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く。次項及び第四項において同じ。)の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。第四項において同じ。)を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 3 前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 4 前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 5 前各項の規定は、第四十一条第一項の規定により選任された設立時監査等委員である設立時取締役及び同条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。 この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。 (設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則) 第四十五条 株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。 一 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任 二 監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役の全部又は一部の選任又は解任 これらの取締役となる設立時取締役の選任又は解任 三 会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任 四 監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任 五 会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 第五節 設立時取締役等による調査 第四十六条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 出資の履行が完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。 3 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。 第六節 設立時代表取締役等の選定等 (設立時代表取締役の選定等) 第四十七条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 (設立時委員の選定等) 第四十八条 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。 一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。 イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者 ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者 ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者 二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。 三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。 ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。 3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 第七節 株式会社の成立 (株式会社の成立) 第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (株式の引受人の権利) 第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第五十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。 2 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 第八節 発起人等の責任等 (出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 第五十二条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。 一 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 (出資の履行を仮装した場合の責任等) 第五十二条の二 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払 二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 4 発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。 5 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (発起人等の損害賠償責任) 第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (発起人等の連帯責任) 第五十四条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第五十五条 第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (株式会社不成立の場合の責任) 第五十六条 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。 第九節 募集による設立 第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集 (設立時発行株式を引き受ける者の募集) 第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。 2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (設立時募集株式に関する事項の決定) 第五十八条 発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。) 二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。) 三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間 四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日 2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。 (設立時募集株式の申込み) 第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名 二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項 三 発起人が出資した財産の価額 四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。 3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする設立時募集株式の数 4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (設立時募集株式の割当て) 第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。 2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。 (設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第六十一条 前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (設立時募集株式の引受け) 第六十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。 一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数 二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数 (設立時募集株式の払込金額の払込み) 第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。 2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。 (払込金の保管証明) 第六十四条 第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。 2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。 第二款 創立総会等 (創立総会の招集) 第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。 2 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。 (創立総会の権限) 第六十六条 創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。 (創立総会の招集の決定) 第六十七条 発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 創立総会の日時及び場所 二 創立総会の目的である事項 三 創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 (創立総会の招集の通知) 第六十八条 創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合 3 発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 7 前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (招集手続の省略) 第六十九条 前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七十条 発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 第七十一条 発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 3 発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の数) 第七十二条 設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。 3 前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。 (創立総会の決議) 第七十三条 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 3 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。 4 創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第七十四条 設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。 3 第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。 7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (書面による議決権の行使) 第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。 2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (議決権の不統一行使) 第七十七条 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (発起人の説明義務) 第七十八条 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第七十九条 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (延期又は続行の決議) 第八十条 創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。 (議事録) 第八十一条 創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。 3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会の決議の省略) 第八十二条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。 2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会への報告の省略) 第八十三条 発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第八十四条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類創立総会の招集及び決議) 第八十五条 前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。 2 種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 3 前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (創立総会に関する規定の準用) 第八十六条 第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。 この場合において、第六十七条第一項第三号及び第四号並びに第二項、第六十八条第一項及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第三項及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項及び第三項、第七十七条、第七十八条本文並びに第八十二条第一項中「設立時株主」とあるのは、「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と読み替えるものとする。 第三款 設立に関する事項の報告 第八十七条 発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。 2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容 二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容 第四款 設立時取締役等の選任及び解任 (設立時取締役等の選任) 第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 (累積投票による設立時取締役の選任) 第八十九条 創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、設立時株主(設立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (種類創立総会の決議による設立時取締役等の選任) 第九十条 第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。 2 前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時取締役等の解任) 第九十一条 第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 第九十二条 第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「取締役を」とあるのは「監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役を」と、「設立時取締役」とあるのは「設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役」とする。 4 第一項及び第二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役について準用する。 第五款 設立時取締役等による調査 (設立時取締役等による調査) 第九十三条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 発起人による出資の履行及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 3 設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 (設立時取締役等が発起人である場合の特則) 第九十四条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)の全部又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。 2 前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 第六款 定款の変更 (発起人による定款の変更の禁止) 第九十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。 (創立総会における定款の変更) 第九十六条 第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。 (設立時発行株式の引受けの取消し) 第九十七条 創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 (創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 (定款の変更の手続の特則) 第九十九条 設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。 一 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。 二 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。 第百条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主 2 前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 第百一条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式の種類の追加 二 株式の内容の変更 三 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加 2 前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。 第七款 設立手続等の特則等 (設立手続等の特則) 第百二条 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。 2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。 3 設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。 4 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 5 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。 6 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 (払込みを仮装した設立時募集株式の引受人の責任) 第百二条の二 設立時募集株式の引受人は、前条第三項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。 2 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (発起人の責任等) 第百三条 第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号に」とする。 2 第百二条第三項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第一項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 4 第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前三項の規定を適用する。 第二章 株式 第一節 総則 (株主の責任) 第百四条 株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 (株主の権利) 第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (共有者による権利の行使) 第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (株式の内容についての特別の定め) 第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に掲げる事項 イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨 ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨 ロ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ヘ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項 ト イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 (異なる種類の株式) 第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。 ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。 一 剰余金の配当 二 残余財産の分配 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。 2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。 一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容 二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項 イ 株主総会において議決権を行使することができる事項 ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項 イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法 ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項 ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項 イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数 ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。 この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。 (株主の平等) 第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。 (定款の変更の手続の特則) 第百十条 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、株主全員の同意を得なければならない。 第百十一条 種類株式発行会社がある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該種類の株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 2 種類株式発行会社がある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合には、当該定款の変更は、次に掲げる種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の株式の種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の種類株主 (取締役の選任等に関する種類株式の定款の定めの廃止の特則) 第百十二条 第百八条第二項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは、廃止されたものとみなす。 2 前項の規定は、第百八条第二項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定款の定めについて準用する。 (発行可能株式総数) 第百十三条 株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。 2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。 3 次に掲げる場合には、当該定款の変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 一 公開会社が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合 二 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合 4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 (発行可能種類株式総数) 第百十四条 定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数を下ることができない。 2 ある種類の株式についての次に掲げる数の合計数は、当該種類の株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 一 取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 二 取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)が第百七十条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 三 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数 (議決権制限株式の発行数) 第百十五条 種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第百十六条 次の各号に掲げる場合には、反対株主は、株式会社に対し、自己の有する当該各号に定める株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 全部の株式 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 第百十一条第二項各号に規定する株式 三 次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式(第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがあるものに限る。)を有する種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 当該種類の株式 イ 株式の併合又は株式の分割 ロ 第百八十五条に規定する株式無償割当て ハ 単元株式数についての定款の変更 ニ 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ホ 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ヘ 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 前項各号の行為をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該行為に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 第一項各号の行為をしようとする株式会社は、当該行為が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「効力発生日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める株式の株主に対し、当該行為をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式会社が第一項各号の行為を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百十七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めがある株式会社をいう。以下同じ。)は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第百十八条 次の各号に掲げる定款の変更をする場合には、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 全部の新株予約権 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 当該種類の株式を目的とする新株予約権 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この節において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項各号に掲げる定款の変更をしようとする株式会社は、当該定款の変更が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「定款変更日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、当該定款の変更を行う旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、定款変更日の二十日前の日から定款変更日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券(第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券をいう。以下この項及び次条第八項において同じ。)が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 株式会社が第一項各号に掲げる定款の変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第百十九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、定款変更日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、定款変更日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、定款変更日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、定款変更日に、その効力を生ずる。 7 株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、その新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (株主等の権利の行使に関する利益の供与) 第百二十条 株式会社は、何人に対しても、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。)の株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。 2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。 株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。 3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。 この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。 4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。以下この項において同じ。)として法務省令で定める者は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。 ただし、その者(当該利益の供与をした取締役を除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第二節 株主名簿 (株主名簿) 第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 株主の氏名又は名称及び住所 二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 三 第一号の株主が株式を取得した日 四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号 (株主名簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百二十二条 前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (株主名簿管理人) 第百二十三条 株式会社は、株主名簿管理人(株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百二十四条 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 3 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。 ただし、定款に当該基準日及び当該事項について定めがあるときは、この限りでない。 4 基準日株主が行使することができる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、当該基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を当該権利を行使することができる者と定めることができる。 ただし、当該株式の基準日株主の権利を害することができない。 5 第一項から第三項までの規定は、第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者について準用する。 (株主名簿の備置き及び閲覧等) 第百二十五条 株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の株主名簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (株主に対する通知等) 第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 第三節 株式の譲渡等 第一款 株式の譲渡 (株式の譲渡) 第百二十七条 株主は、その有する株式を譲渡することができる。 (株券発行会社の株式の譲渡) 第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。 2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。 (自己株式の処分に関する特則) 第百二十九条 株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。 (株式の譲渡の対抗要件) 第百三十条 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 (権利の推定等) 第百三十一条 株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。 2 株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十二条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 株式を発行した場合 二 当該株式会社の株式を取得した場合 三 自己株式を処分した場合 2 株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 (株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十三条 株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 第百三十四条 前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。 二 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。 三 当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。 四 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。 (親会社株式の取得の禁止) 第百三十五条 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合 二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合 三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合 3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。 第二款 株式の譲渡に係る承認手続 (株主からの承認の請求) 第百三十六条 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (株式取得者からの承認の請求) 第百三十七条 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第百三十八条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称 ハ 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの株式取得者の氏名又は名称 ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 (譲渡等の承認の決定等) 第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社又は指定買取人による買取り) 第百四十条 株式会社は、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 対象株式を買い取る旨 二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。 5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式会社による買取りの通知) 第百四十一条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を決定したときは、譲渡等承認請求者に対し、これらの事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額(一株当たりの純資産額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下同じ。)に前条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をその本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、前条第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、当該株券発行会社に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、株券発行会社は、前条第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (指定買取人による買取りの通知) 第百四十二条 指定買取人は、第百四十条第四項の規定による指定を受けたときは、譲渡等承認請求者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 指定買取人として指定を受けた旨 二 指定買取人が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 指定買取人は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額に同項第二号の対象株式の数を乗じて得た額を株式会社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、指定買取人に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、指定買取人は、第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (譲渡等承認請求の撤回) 第百四十三条 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 2 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百四十四条 第百四十一条第一項の規定による通知があった場合には、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格は、株式会社と譲渡等承認請求者との協議によって定める。 2 株式会社又は譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に第百四十条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をもって当該対象株式の売買価格とする。 6 第百四十一条第二項の規定による供託をした場合において、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格が確定したときは、株式会社は、供託した金銭に相当する額を限度として、売買代金の全部又は一部を支払ったものとみなす。 7 前各項の規定は、第百四十二条第一項の規定による通知があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第二項中「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第四項及び第五項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、前項中「第百四十一条第二項」とあるのは「第百四十二条第二項」と、「第百四十条第一項第二号」とあるのは「同条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と読み替えるものとする。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第百四十五条 次に掲げる場合には、株式会社は、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 一 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の規定による請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百三十九条第二項の規定による通知をしなかった場合 二 株式会社が第百三十九条第二項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十一条第一項の規定による通知をしなかった場合(指定買取人が第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十二条第一項の規定による通知をした場合を除く。) 三 前二号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第三款 株式の質入れ (株式の質入れ) 第百四十六条 株主は、その有する株式に質権を設定することができる。 2 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 (株式の質入れの対抗要件) 第百四十七条 株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができない。 3 民法第三百六十四条の規定は、株式については、適用しない。 (株主名簿の記載等) 第百四十八条 株式に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である株式 (株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第百四十九条 前条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録株式質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録株式質権者についての株主名簿に記載され、若しくは記録された同条各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (登録株式質権者に対する通知等) 第百五十条 株式会社が登録株式質権者に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該登録株式質権者の住所(当該登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式の質入れの効果) 第百五十一条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、株式を目的とする質権は、当該行為によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)について存在する。 一 第百六十七条第一項の規定による取得請求権付株式の取得 二 第百七十条第一項の規定による取得条項付株式の取得 三 第百七十三条第一項の規定による第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 四 株式の併合 五 株式の分割 六 第百八十五条に規定する株式無償割当て 七 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 八 剰余金の配当 九 残余財産の分配 十 組織変更 十一 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 十二 株式交換 十三 株式移転 十四 株式の取得(第一号から第三号までに掲げる行為を除く。) 2 特別支配株主(第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。第百五十四条第三項において同じ。)が株式売渡請求(第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。)により売渡株式(第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。以下この項において同じ。)の取得をした場合には、売渡株式を目的とする質権は、当該取得によって当該売渡株式の株主が受けることのできる金銭について存在する。 第百五十二条 株式会社(株券発行会社を除く。以下この条において同じ。)は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる行為をした場合(これらの行為に際して当該株式会社が株式を交付する場合に限る。)又は同項第六号に掲げる行為をした場合において、同項の質権の質権者が登録株式質権者(第二百十八条第五項の規定による請求により第百四十八条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録されたものを除く。以下この款において同じ。)であるときは、前条第一項の株主が受けることができる株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 株式会社は、株式の併合をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、併合した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、分割した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 第百五十三条 株券発行会社は、前条第一項に規定する場合には、第百五十一条第一項の株主が受ける株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 2 株券発行会社は、前条第二項に規定する場合には、併合した株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 3 株券発行会社は、前条第三項に規定する場合には、分割した株式について新たに発行する株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 第百五十四条 登録株式質権者は、第百五十一条第一項の金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 第百五十一条第一項第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十四号に掲げる行為 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 四 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 五 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第百五十一条第二項に規定する場合において、第一項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該特別支配株主に同条第二項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第四款 信託財産に属する株式についての対抗要件等 第百五十四条の二 株式については、当該株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、当該株式が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第百二十一条第一号の株主は、その有する株式が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 株主名簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百二十二条第一項及び第百三十二条の規定の適用については、第百二十二条第一項中「記録された株主名簿記載事項」とあるのは「記録された株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」と、第百三十二条中「株主名簿記載事項」とあるのは「株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 第四節 株式会社による自己の株式の取得 第一款 総則 第百五十五条 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた場合 二 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求があった場合 三 次条第一項の決議があった場合 四 第百六十六条第一項の規定による請求があった場合 五 第百七十一条第一項の決議があった場合 六 第百七十六条第一項の規定による請求をした場合 七 第百九十二条第一項の規定による請求があった場合 八 第百九十七条第三項各号に掲げる事項を定めた場合 九 第二百三十四条第四項各号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を定めた場合 十 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合 十一 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十二 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十三 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第二款 株主との合意による取得 第一目 総則 (株式の取得に関する事項の決定) 第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額 三 株式を取得することができる期間 2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。 (取得価格等の決定) 第百五十七条 株式会社は、前条第一項の規定による決定に従い株式を取得しようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数) 二 株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の総額 四 株式の譲渡しの申込みの期日 2 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 3 第一項の株式の取得の条件は、同項の規定による決定ごとに、均等に定めなければならない。 (株主に対する通知等) 第百五十八条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、前条第一項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 公開会社においては、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (譲渡しの申込み) 第百五十九条 前条第一項の規定による通知を受けた株主は、その有する株式の譲渡しの申込みをしようとするときは、株式会社に対し、その申込みに係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにしなければならない。 2 株式会社は、第百五十七条第一項第四号の期日において、前項の株主が申込みをした株式の譲受けを承諾したものとみなす。 ただし、同項の株主が申込みをした株式の総数(以下この項において「申込総数」という。)が同条第一項第一号の数(以下この項において「取得総数」という。)を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に前項の株主が申込みをした株式の数を乗じて得た数(その数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)の株式の譲受けを承諾したものとみなす。 第二目 特定の株主からの取得 (特定の株主からの取得) 第百六十条 株式会社は、第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第百五十八条第一項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。 2 株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。 3 前項の株主は、第一項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。 4 第一項の特定の株主は、第百五十六条第一項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、第一項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 5 第一項の特定の株主を定めた場合における第百五十八条第一項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第百六十条第一項の特定の株主」とする。 (市場価格のある株式の取得の特則) 第百六十一条 前条第二項及び第三項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。 (相続人等からの取得の特則) 第百六十二条 第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 株式会社が公開会社である場合 二 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合 (子会社からの株式の取得) 第百六十三条 株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。 この場合においては、第百五十七条から第百六十条までの規定は、適用しない。 (特定の株主からの取得に関する定款の定め) 第百六十四条 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第百六十条第一項の規定による決定をするときは同条第二項及び第三項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。 2 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 第三目 市場取引等による株式の取得 第百六十五条 第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 2 取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。 第三款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得 第一目 取得請求権付株式の取得の請求 (取得の請求) 第百六十六条 取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。 ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第二号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第一項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。 ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。 (効力の発生) 第百六十七条 株式会社は、前条第一項の規定による請求の日に、その請求に係る取得請求権付株式を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした株主は、その請求の日に、第百七条第二項第二号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第五号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 二 第百七条第二項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 前項第四号に掲げる場合において、同号に規定する他の株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 この場合においては、株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を前条第一項の規定による請求をした株主に対して交付しなければならない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 4 前項の規定は、当該株式会社の社債及び新株予約権について端数がある場合について準用する。 この場合において、同項第二号中「一株当たり純資産額」とあるのは、「法務省令で定める額」と読み替えるものとする。 第二目 取得条項付株式の取得 (取得する日の決定) 第百六十八条 第百七条第二項第三号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第百七条第二項第三号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主)及びその登録株式質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する株式の決定等) 第百六十九条 株式会社は、第百七条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第百七十条 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第五項において同じ。)に、取得条項付株式(同条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項において同じ。)を取得する。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 次の各号に掲げる場合には、取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日に、同号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第六号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第三号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの社債の社債権者 二 第百七条第二項第三号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第三号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第百六十八条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 4 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 前各項の規定は、取得条項付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第三号ニからトまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が同号イの事由が生じた日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、適用しない。 第四款 全部取得条項付種類株式の取得 (全部取得条項付種類株式の取得に関する決定) 第百七十一条 全部取得条項付種類株式(第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定めがある種類の株式をいう。以下この款において同じ。)を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる。 この場合においては、当該株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等を交付するときは、当該金銭等(以下この条において「取得対価」という。)についての次に掲げる事項 イ 当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法 ロ 当該取得対価が当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 二 前号に規定する場合には、全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項 三 株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(以下この款において「取得日」という。) 2 前項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社を除く。)の有する全部取得条項付種類株式の数に応じて取得対価を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 取締役は、第一項の株主総会において、全部取得条項付種類株式の全部を取得することを必要とする理由を説明しなければならない。 (全部取得条項付種類株式の取得対価等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十一条の二 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から取得日後六箇月を経過する日までの間、前条第一項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 前条第一項の株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百七十二条第二項の規定による通知の日又は同条第三項の公告の日のいずれか早い日 2 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (全部取得条項付種類株式の取得をやめることの請求) 第百七十一条の三 第百七十一条第一項の規定による全部取得条項付種類株式の取得が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該全部取得条項付種類株式の取得をやめることを請求することができる。 (裁判所に対する価格の決定の申立て) 第百七十二条 第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。 一 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 2 株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。 (効力の発生) 第百七十三条 株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主(前条第一項の申立てをした株主を除く。)は、取得日に、第百七十一条第一項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第百七十一条第一項第一号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第百七十一条第一項第一号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第百七十一条第一項第一号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 (全部取得条項付種類株式の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十三条の二 株式会社は、取得日後遅滞なく、株式会社が取得した全部取得条項付種類株式の数その他の全部取得条項付種類株式の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、取得日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 全部取得条項付種類株式を取得した株式会社の株主又は取得日に全部取得条項付種類株式の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五款 相続人等に対する売渡しの請求 (相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め) 第百七十四条 株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。 (売渡しの請求の決定) 第百七十五条 株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式を有する者の氏名又は名称 2 前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 (売渡しの請求) 第百七十六条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。 ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百七十七条 前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。 2 株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。 5 第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。 第六款 株式の消却 第百七十八条 株式会社は、自己株式を消却することができる。 この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第四節の二 特別支配株主の株式等売渡請求 (株式等売渡請求) 第百七十九条 株式会社の特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を当該株式会社以外の者及び当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人(以下この条及び次条第一項において「特別支配株主完全子法人」という。)が有している場合における当該者をいう。以下同じ。)は、当該株式会社の株主(当該株式会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 2 特別支配株主は、前項の規定による請求(以下この章及び第八百四十六条の二第二項第一号において「株式売渡請求」という。)をするときは、併せて、その株式売渡請求に係る株式を発行している株式会社(以下「対象会社」という。)の新株予約権の新株予約権者(対象会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する対象会社の新株予約権の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 3 特別支配株主は、新株予約権付社債に付された新株予約権について前項の規定による請求(以下「新株予約権売渡請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式等売渡請求の方法) 第百七十九条の二 株式売渡請求は、次に掲げる事項を定めてしなければならない。 一 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 二 株式売渡請求によりその有する対象会社の株式を売り渡す株主(以下「売渡株主」という。)に対して当該株式(以下この章において「売渡株式」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 三 売渡株主に対する前号の金銭の割当てに関する事項 四 株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求(その新株予約権売渡請求に係る新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前条第三項の規定による請求を含む。以下同じ。)をするときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 特別支配株主完全子法人に対して新株予約権売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 ロ 新株予約権売渡請求によりその有する対象会社の新株予約権を売り渡す新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」という。)に対して当該新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、前条第三項の規定による請求をするときは、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この編において「売渡新株予約権」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 ハ 売渡新株予約権者に対するロの金銭の割当てに関する事項 五 特別支配株主が売渡株式(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式及び売渡新株予約権。以下「売渡株式等」という。)を取得する日(以下この節において「取得日」という。) 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 対象会社が種類株式発行会社である場合には、特別支配株主は、対象会社の発行する種類の株式の内容に応じ、前項第三号に掲げる事項として、同項第二号の金銭の割当てについて売渡株式の種類ごとに異なる取扱いを行う旨及び当該異なる取扱いの内容を定めることができる。 3 第一項第三号に掲げる事項についての定めは、売渡株主の有する売渡株式の数(前項に規定する定めがある場合にあっては、各種類の売渡株式の数)に応じて金銭を交付することを内容とするものでなければならない。 (対象会社の承認) 第百七十九条の三 特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。 2 対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。 3 取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 4 対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (売渡株主等に対する通知等) 第百七十九条の四 対象会社は、前条第一項の承認をしたときは、取得日の二十日前までに、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事項を通知しなければならない。 一 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。) 当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項 二 売渡株式の登録株式質権者(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式の登録株式質権者及び売渡新株予約権の登録新株予約権質権者(第二百七十条第一項に規定する登録新株予約権質権者をいう。)) 当該承認をした旨 2 前項の規定による通知(売渡株主に対してするものを除く。)は、公告をもってこれに代えることができる。 3 対象会社が第一項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、特別支配株主から売渡株主等に対し、株式等売渡請求がされたものとみなす。 4 第一項の規定による通知又は第二項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株式等売渡請求に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の五 対象会社は、前条第一項第一号の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日から取得日後六箇月(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日後一年)を経過する日までの間、次に掲げる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 特別支配株主の氏名又は名称及び住所 二 第百七十九条の二第一項各号に掲げる事項 三 第百七十九条の三第一項の承認をした旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 売渡株主等は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式等売渡請求の撤回) 第百七十九条の六 特別支配株主は、第百七十九条の三第一項の承認を受けた後は、取得日の前日までに対象会社の承諾を得た場合に限り、売渡株式等の全部について株式等売渡請求を撤回することができる。 2 取締役会設置会社が前項の承諾をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 3 対象会社は、第一項の承諾をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 4 対象会社は、第一項の承諾をしたときは、遅滞なく、売渡株主等に対し、当該承諾をした旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 6 対象会社が第四項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、株式等売渡請求は、売渡株式等の全部について撤回されたものとみなす。 7 第四項の規定による通知又は第五項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 8 前各項の規定は、新株予約権売渡請求のみを撤回する場合について準用する。 この場合において、第四項中「売渡株主等」とあるのは、「売渡新株予約権者」と読み替えるものとする。 (売渡株式等の取得をやめることの請求) 第百七十九条の七 次に掲げる場合において、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 株式売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡株主に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第二号又は第三号に掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 2 次に掲げる場合において、売渡新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡新株予約権者は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 新株予約権売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡新株予約権者に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第四号ロ又はハに掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 (売買価格の決定の申立て) 第百七十九条の八 株式等売渡請求があった場合には、売渡株主等は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、その有する売渡株式等の売買価格の決定の申立てをすることができる。 2 特別支配株主は、裁判所の決定した売買価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 3 特別支配株主は、売渡株式等の売買価格の決定があるまでは、売渡株主等に対し、当該特別支配株主が公正な売買価格と認める額を支払うことができる。 (売渡株式等の取得) 第百七十九条の九 株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。 2 前項の規定により特別支配株主が取得した売渡株式等が譲渡制限株式又は譲渡制限新株予約権(第二百四十三条第二項第二号に規定する譲渡制限新株予約権をいう。)であるときは、対象会社は、当該特別支配株主が当該売渡株式等を取得したことについて、第百三十七条第一項又は第二百六十三条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 (売渡株式等の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の十 対象会社は、取得日後遅滞なく、株式等売渡請求により特別支配株主が取得した売渡株式等の数その他の株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 対象会社は、取得日から六箇月間(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日から一年間)、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 取得日に売渡株主等であった者は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五節 株式の併合等 第一款 株式の併合 (株式の併合) 第百八十条 株式会社は、株式の併合をすることができる。 2 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 併合の割合 二 株式の併合がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。) 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類 四 効力発生日における発行可能株式総数 3 前項第四号の発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 4 取締役は、第二項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 (株主に対する通知等) 第百八十一条 株式会社は、効力発生日の二週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、前条第二項第三号の種類の種類株主。以下この款において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生) 第百八十二条 株主は、効力発生日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。 2 株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、第百八十条第二項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の二 株式の併合(単元株式数(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式の単元株式数。以下この項において同じ。)を定款で定めている場合にあっては、当該単元株式数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数に一に満たない端数が生ずるものに限る。以下この款において同じ。)をする株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、同項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 第百八十条第二項の株主総会(株式の併合をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。第百八十二条の四第二項において同じ。)の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百八十二条の四第三項の規定により読み替えて適用する第百八十一条第一項の規定による株主に対する通知の日又は第百八十一条第二項の公告の日のいずれか早い日 2 株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式の併合をやめることの請求) 第百八十二条の三 株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。 (反対株主の株式買取請求) 第百八十二条の四 株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第百八十条第二項の株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 株式会社が株式の併合をする場合における株主に対する通知についての第百八十一条第一項の規定の適用については、同項中「二週間」とあるのは、「二十日」とする。 4 第一項の規定による請求(以下この款において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 5 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 6 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 7 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百八十二条の五 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の六 株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の発行済株式)の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第二款 株式の分割 (株式の分割) 第百八十三条 株式会社は、株式の分割をすることができる。 2 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日 二 株式の分割がその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類 (効力の発生等) 第百八十四条 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第二項第三号の種類の種類株主)は、同項第二号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。 2 株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。 第三款 株式無償割当て (株式無償割当て) 第百八十五条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。 (株式無償割当てに関する事項の決定) 第百八十六条 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式無償割当ての効力の発生等) 第百八十七条 前条第一項第一号の株式の割当てを受けた株主は、同項第二号の日に、同項第一号の株式の株主となる。 2 株式会社は、前条第一項第二号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。 第六節 単元株式数 第一款 総則 (単元株式数) 第百八十八条 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。 2 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。 3 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。 (単元未満株式についての権利の制限等) 第百八十九条 単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。 2 株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。 一 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の交付を受ける権利 二 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利 三 第百八十五条に規定する株式無償割当てを受ける権利 四 第百九十二条第一項の規定により単元未満株式を買い取ることを請求する権利 五 残余財産の分配を受ける権利 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める権利 3 株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。 (理由の開示) 第百九十条 単元株式数を定める場合には、取締役は、当該単元株式数を定める定款の変更を目的とする株主総会において、当該単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければならない。 (定款変更手続の特則) 第百九十一条 株式会社は、次のいずれにも該当する場合には、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数。以下この条において同じ。)を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることができる。 一 株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設けるものであること。 二 イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと。 イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数 ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数) 第二款 単元未満株主の買取請求 (単元未満株式の買取りの請求) 第百九十二条 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 第一項の規定による請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、当該請求を撤回することができる。 (単元未満株式の価格の決定) 第百九十三条 前条第一項の規定による請求があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該請求に係る単元未満株式の価格とする。 一 当該単元未満株式が市場価格のある株式である場合 当該単元未満株式の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社と前条第一項の規定による請求をした単元未満株主との協議によって定める額 2 前項第二号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした単元未満株主又は株式会社は、当該請求をした日から二十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって当該単元未満株式の価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、同項第二号に掲げる場合において、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項第二号の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に前条第一項の規定による請求に係る単元未満株式の数を乗じて得た額をもって当該単元未満株式の価格とする。 6 前条第一項の規定による請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式につき前条第一項の規定による請求があったときは、株券と引換えに、その請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第三款 単元未満株主の売渡請求 第百九十四条 株式会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求(単元未満株主が有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを請求することをいう。以下この条において同じ。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 2 単元未満株式売渡請求は、当該単元未満株主に売り渡す単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合を除き、自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。 4 第百九十二条第三項及び前条第一項から第六項までの規定は、単元未満株式売渡請求について準用する。 第四款 単元株式数の変更等 第百九十五条 株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。 2 前項の規定により定款の変更をした場合には、株式会社は、当該定款の変更の効力が生じた日以後遅滞なく、その株主(種類株式発行会社にあっては、同項の規定により単元株式数を変更した種類の種類株主)に対し、当該定款の変更をした旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第七節 株主に対する通知の省略等 (株主に対する通知の省略) 第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。 3 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。 (株式の競売) 第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。 一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの 二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。 一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者 二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者 (利害関係人の異議) 第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。 5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。 第八節 募集株式の発行等 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。) 二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法 三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項 2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。 2 前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 3 第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。 3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百二条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集株式の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集株式の数 三 第一項第二号の期日 5 第百九十九条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 (取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則) 第二百二条の二 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 募集株式を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 2 前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、同項中「前項各号」とあるのは、「前項各号(第二号及び第四号を除く。)及び第二百二条の二第一項各号」とする。 この場合においては、第二百条及び前条の規定は、適用しない。 3 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 第二款 募集株式の割当て (募集株式の申込み) 第二百三条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集株式の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集株式の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集株式の割当て) 第二百四条 株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 募集株式が譲渡制限株式である場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 株式会社は、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集株式の数を通知しなければならない。 4 第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集株式の割当てを受ける権利を失う。 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第二百五条 前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、第二百三条第二項の申込みをし、又は第一項の契約を締結することができない。 4 前項に規定する場合における前条第三項並びに第二百六条の二第一項、第三項及び第四項の規定の適用については、前条第三項及び第二百六条の二第一項中「第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)」とあり、同条第三項中「同項に規定する期日」とあり、並びに同条第四項中「第一項に規定する期日」とあるのは、「割当日」とする。 5 指名委員会等設置会社における第三項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (募集株式の引受け) 第二百六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集株式の数について募集株式の引受人となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集株式の数 二 前条第一項の契約により募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集株式の数 (公開会社における募集株式の割当て等の特則) 第二百六条の二 公開会社は、募集株式の引受人について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第四項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数 二 当該募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 4 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第二項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集株式の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、第一項に規定する期日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集株式の割当て又は当該特定引受人との間の第二百五条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 5 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 第三款 金銭以外の財産の出資 第二百七条 株式会社は、第百九十九条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。以下この条において同じ。)は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該募集株式の引受人が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 募集株式の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第四款 出資の履行等 (出資の履行) 第二百八条 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者を除く。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、それぞれの募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。 3 募集株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 4 出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は、株式会社に対抗することができない。 5 募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。 (株主となる時期等) 第二百九条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。 一 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日 2 募集株式の引受人は、第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百十三条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した募集株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の募集株式を譲り受けた者は、当該募集株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。 第五款 募集株式の発行等をやめることの請求 第二百十条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。 一 当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合 二 当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合 第六款 募集に係る責任等 (引受けの無効又は取消しの制限) 第二百十一条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第二百五条第一項の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 募集株式の引受人は、第二百九条第一項の規定により株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として募集株式の引受けの取消しをすることができない。 (不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任) 第二百十二条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合 当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額 二 第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第二号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百十三条 前条第一項第二号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該募集株式の引受人の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百七条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百七条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 募集株式の引受人がその給付した現物出資財産についての前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う場合において、次の各号に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (出資の履行を仮装した募集株式の引受人の責任) 第二百十三条の二 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百八条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した払込金額の全額の支払 二 第二百八条第二項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した現物出資財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該現物出資財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (出資の履行を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百十三条の三 前条第一項各号に掲げる場合には、募集株式の引受人が出資の履行を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 募集株式の引受人が前条第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九節 株券 第一款 総則 (株券を発行する旨の定款の定め) 第二百十四条 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。 (株券の発行) 第二百十五条 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない。 2 株券発行会社は、株式の併合をしたときは、第百八十条第二項第二号の日以後遅滞なく、併合した株式に係る株券を発行しなければならない。 3 株券発行会社は、株式の分割をしたときは、第百八十三条第二項第二号の日以後遅滞なく、分割した株式に係る株券(既に発行されているものを除く。)を発行しなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができる。 (株券の記載事項) 第二百十六条 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株券発行会社の商号 二 当該株券に係る株式の数 三 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨 四 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容 (株券不所持の申出) 第二百十七条 株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該株式に係る株券が発行されているときは、当該株主は、当該株券を株券発行会社に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、前項前段の株式に係る株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の株式に係る株券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された株券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした株主は、いつでも、株券発行会社に対し、第二項前段の株式に係る株券を発行することを請求することができる。 この場合において、第二項後段の規定により提出された株券があるときは、株券の発行に要する費用は、当該株主の負担とする。 (株券を発行する旨の定款の定めの廃止) 第二百十八条 株券発行会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、当該定款の変更の効力が生ずる日の二週間前までに、次に掲げる事項を公告し、かつ、株主及び登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨 二 定款の変更がその効力を生ずる日 三 前号の日において当該株式会社の株券は無効となる旨 2 株券発行会社の株式に係る株券は、前項第二号の日に無効となる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合には、同項第二号の日の二週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し、同項第一号及び第二号に掲げる事項を通知すれば足りる。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項に規定する場合には、株式の質権者(登録株式質権者を除く。)は、同項第二号の日の前日までに、株券発行会社に対し、第百四十八条各号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 第二款 株券の提出等 (株券の提出に関する公告等) 第二百十九条 株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(第四号の二に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「株券提出日」という。)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。 一 第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式) 二 株式の併合 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式) 三 第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 当該全部取得条項付種類株式 四 取得条項付株式の取得 当該取得条項付株式 四の二 第百七十九条の三第一項の承認 売渡株式 五 組織変更 全部の株式 六 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の株式 七 株式交換 全部の株式 八 株式移転 全部の株式 2 株券発行会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為(第二号に掲げる行為をする場合にあっては、株式売渡請求に係る売渡株式の取得)によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。 一 前項第一号から第四号までに掲げる行為 当該株券発行会社 二 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 六 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。 4 第一項第四号の二の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株券の提出をすることができない場合) 第二百二十条 前条第一項各号に掲げる行為をした場合において、株券を提出することができない者があるときは、株券発行会社は、その者の請求により、利害関係人に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を公告することができる。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 株券発行会社が前項の規定による公告をした場合において、同項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、前条第二項各号に定める者は、前項の請求をした者に対し、同条第二項の金銭等を交付することができる。 3 第一項の規定による公告の費用は、同項の請求をした者の負担とする。 第三款 株券喪失登録 (株券喪失登録簿) 第二百二十一条 株券発行会社(株式会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした日の翌日から起算して一年を経過していない場合における当該株式会社を含む。以下この款(第二百二十三条、第二百二十七条及び第二百二十八条第二項を除く。)において同じ。)は、株券喪失登録簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この款において「株券喪失登録簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第二百二十三条の規定による請求に係る株券(第二百十八条第二項又は第二百十九条第三項の規定により無効となった株券及び株式の発行又は自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における当該株式に係る株券を含む。以下この款(第二百二十八条を除く。)において同じ。)の番号 二 前号の株券を喪失した者の氏名又は名称及び住所 三 第一号の株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載され、又は記録されている者(以下この款において「名義人」という。)の氏名又は名称及び住所 四 第一号の株券につき前三号に掲げる事項を記載し、又は記録した日(以下この款において「株券喪失登録日」という。) (株券喪失登録簿に関する事務の委託) 第二百二十二条 株券発行会社における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿に」とする。 (株券喪失登録の請求) 第二百二十三条 株券を喪失した者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録すること(以下「株券喪失登録」という。)を請求することができる。 (名義人等に対する通知) 第二百二十四条 株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者(以下この款において「株券喪失登録者」という。)が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第二百二十一条第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。 (株券を所持する者による抹消の申請) 第二百二十五条 株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。 ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。 3 第一項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による通知の日から二週間を経過した日に、第二項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第一項の規定による申請をした者に返還しなければならない。 (株券喪失登録者による抹消の申請) 第二百二十六条 株券喪失登録者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、株券喪失登録(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合にあっては、前条第二項の規定により提出された株券についての株券喪失登録を除く。)の抹消を申請することができる。 2 前項の規定による申請を受けた株券発行会社は、当該申請を受けた日に、当該申請に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消) 第二百二十七条 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合には、株券発行会社は、当該定款の変更の効力が生ずる日に、株券喪失登録(当該株券喪失登録がされた株券に係る株式の名義人が株券喪失登録者であるものに限り、第二百二十五条第二項の規定により提出された株券についてのものを除く。)を抹消しなければならない。 (株券の無効) 第二百二十八条 株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。 2 前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。 (異議催告手続との関係) 第二百二十九条 株券喪失登録者が第二百二十条第一項の請求をした場合には、株券発行会社は、同項の期間の末日が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過する日前に到来するときに限り、同項の規定による公告をすることができる。 2 株券発行会社が第二百二十条第一項の規定による公告をするときは、当該株券発行会社は、当該公告をした日に、当該公告に係る株券についての株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券喪失登録の効力) 第二百三十条 株券発行会社は、次に掲げる日のいずれか早い日(以下この条において「登録抹消日」という。)までの間は、株券喪失登録がされた株券に係る株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することができない。 一 当該株券喪失登録が抹消された日 二 株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日 2 株券発行会社は、登録抹消日後でなければ、株券喪失登録がされた株券を再発行することができない。 3 株券喪失登録者が株券喪失登録をした株券に係る株式の名義人でないときは、当該株式の株主は、登録抹消日までの間は、株主総会又は種類株主総会において議決権を行使することができない。 4 株券喪失登録がされた株券に係る株式については、第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をすることができない。 (株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等) 第二百三十一条 株券発行会社は、株券喪失登録簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (株券喪失登録者に対する通知等) 第二百三十二条 株券発行会社が株券喪失登録者に対してする通知又は催告は、株券喪失登録簿に記載し、又は記録した当該株券喪失登録者の住所(当該株券喪失登録者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を株券発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (適用除外) 第二百三十三条 非訟事件手続法第四編の規定は、株券については、適用しない。 第十節 雑則 (一に満たない端数の処理) 第二百三十四条 次の各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の株式を交付する場合において、その者に対し交付しなければならない当該株式会社の株式の数に一株に満たない端数があるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を当該者に交付しなければならない。 一 第百七十条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 二 第百七十三条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 当該株式会社の株主 四 第二百七十五条第一項の規定による新株予約権の取得 第二百三十六条第一項第七号イの新株予約権の新株予約権者 五 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 合併後消滅する会社の株主又は社員 六 合併契約に基づく設立時発行株式の発行 合併後消滅する会社の株主又は社員 七 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 株式交換をする株式会社の株主 八 株式移転計画に基づく設立時発行株式の発行 株式移転をする株式会社の株主 九 株式交付 株式交付親会社(第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。)に株式交付に際して株式交付子会社(同号に規定する株式交付子会社をいう。)の株式又は新株予約権等(同項第七号に規定する新株予約権等をいう。)を譲り渡した者 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 前項の規定により第一項の株式を売却した場合における同項の規定の適用については、同項中「競売により」とあるのは、「売却により」とする。 4 株式会社は、第二項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 5 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 6 第一項から第四項までの規定は、第一項各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の社債又は新株予約権を交付するときについて準用する。 第二百三十五条 株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。 2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。 第三章 新株予約権 第一節 総則 (新株予約権の内容) 第二百三十六条 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法 三 金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 当該新株予約権を行使することができる期間 五 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項 六 譲渡による当該新株予約権の取得について当該株式会社の承認を要することとするときは、その旨 七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法 ニ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法 ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ヘ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項 チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件 イ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社 ロ 吸収分割 吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する株式会社 ハ 新設分割 新設分割により設立する株式会社 ニ 株式交換 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社 ホ 株式移転 株式移転により設立する株式会社 九 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨 十 当該新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)に係る新株予約権証券を発行することとするときは、その旨 十一 前号に規定する場合において、新株予約権者が第二百九十条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の数は、当該新株予約権付社債についての社債の金額ごとに、均等に定めなければならない。 3 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第一項第二号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨 4 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第四号又は第五号ロに定める事項についての決定」と、同項第一号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第二号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (共有者による権利の行使) 第二百三十七条 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該新株予約権についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該新株予約権についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 新株予約権の発行 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集新株予約権の内容及び数 二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法 四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日 六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項 七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め 2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百三十九条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限 二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。 3 第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百四十一条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数 三 第一項第二号の期日 5 第二百三十八条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 第二款 募集新株予約権の割当て (募集新株予約権の申込み) 第二百四十二条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集新株予約権の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、申込者(募集新株予約権のみの申込みをした者に限る。)は、その申込みに係る募集新株予約権を付した新株予約権付社債の引受けの申込みをしたものとみなす。 7 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 8 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集新株予約権の割当て) 第二百四十三条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権(新株予約権であって、譲渡による当該新株予約権の取得について株式会社の承認を要する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)である場合 3 株式会社は、割当日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数(当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 4 第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集新株予約権の割当てを受ける権利を失う。 (募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則) 第二百四十四条 前二条の規定は、募集新株予約権を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前項の規定の適用については、同項中「の引受け」とあるのは、「及び当該募集新株予約権を付した社債の総額の引受け」とする。 3 第一項に規定する場合において、次に掲げるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式であるとき。 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権であるとき。 (公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則) 第二百四十四条の二 公開会社は、募集新株予約権の割当てを受けた申込者又は前条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者(以下この項において「引受人」と総称する。)について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第五項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数 二 前号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数 2 前項第一号に規定する「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式その他募集新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式として法務省令で定める株式をいう。 3 第一項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 5 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第三項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集新株予約権の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、割当日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は当該特定引受人との間の前条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 6 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (新株予約権者となる日) 第二百四十五条 次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集新株予約権 二 第二百四十四条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集新株予約権 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。 第三款 募集新株予約権に係る払込み 第二百四十六条 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。 3 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。 第四款 募集新株予約権の発行をやめることの請求 第二百四十七条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。 一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合 二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合 第五款 雑則 第二百四十八条 第六百七十六条から第六百八十条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。 第三節 新株予約権原簿 (新株予約権原簿) 第二百四十九条 株式会社は、新株予約権を発行した日以後遅滞なく、新株予約権原簿を作成し、次の各号に掲げる新株予約権の区分に応じ、当該各号に定める事項(以下「新株予約権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 無記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権(以下この章において「無記名新株予約権」という。) 当該新株予約権証券の番号並びに当該無記名新株予約権の内容及び数 二 無記名式の新株予約権付社債券(証券発行新株予約権付社債(新株予約権付社債であって、当該新株予約権付社債についての社債につき社債券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)に係る社債券をいう。以下同じ。)が発行されている新株予約権付社債(以下この章において「無記名新株予約権付社債」という。)に付された新株予約権 当該新株予約権付社債券の番号並びに当該新株予約権の内容及び数 三 前二号に掲げる新株予約権以外の新株予約権 次に掲げる事項 イ 新株予約権者の氏名又は名称及び住所 ロ イの新株予約権者の有する新株予約権の内容及び数 ハ イの新株予約権者が新株予約権を取得した日 ニ ロの新株予約権が証券発行新株予約権(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であって、当該新株予約権に係る新株予約権証券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、当該新株予約権(新株予約権証券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権証券の番号 ホ ロの新株予約権が証券発行新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権を付した新株予約権付社債(新株予約権付社債券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権付社債券の番号 (新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第二百五十条 前条第三号イの新株予約権者は、株式会社に対し、当該新株予約権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該新株予約権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の管理) 第二百五十一条 株式会社が新株予約権を発行している場合における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿に」とする。 (新株予約権原簿の備置き及び閲覧等) 第二百五十二条 株式会社は、新株予約権原簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の新株予約権原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (新株予約権者に対する通知等) 第二百五十三条 株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該新株予約権者の住所(当該新株予約権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を新株予約権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が新株予約権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 第四節 新株予約権の譲渡等 第一款 新株予約権の譲渡 (新株予約権の譲渡) 第二百五十四条 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 (証券発行新株予約権の譲渡) 第二百五十五条 証券発行新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権(株式会社が有する自己の新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の処分による証券発行新株予約権の譲渡については、この限りでない。 2 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権付社債(株式会社が有する自己の新株予約権付社債をいう。以下この条及び次条において同じ。)の処分による当該自己新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、この限りでない。 (自己新株予約権の処分に関する特則) 第二百五十六条 株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。 3 株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。 4 第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。 (新株予約権の譲渡の対抗要件) 第二百五十七条 新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 3 第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (権利の推定等) 第二百五十八条 新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 2 新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 4 新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百五十九条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該株式会社の新株予約権を取得した場合 二 自己新株予約権を処分した場合 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百六十条 新株予約権を当該新株予約権を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「新株予約権取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該新株予約権に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第二百六十一条 前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。 二 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。 三 当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。 第二款 新株予約権の譲渡の制限 (新株予約権者からの承認の請求) 第二百六十二条 譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (新株予約権取得者からの承認の請求) 第二百六十三条 譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第二百六十四条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第二百六十二条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの新株予約権取得者の氏名又は名称 (譲渡等の承認の決定等) 第二百六十五条 株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第二百六十六条 株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。 ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 第三款 新株予約権の質入れ (新株予約権の質入れ) 第二百六十七条 新株予約権者は、その有する新株予約権に質権を設定することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 4 証券発行新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 5 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (新株予約権の質入れの対抗要件) 第二百六十八条 新株予約権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 3 第一項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 (新株予約権原簿の記載等) 第二百六十九条 新株予約権に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である新株予約権 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百七十条 前条第一項各号に掲げる事項が新株予約権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録新株予約権質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録新株予約権質権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (登録新株予約権質権者に対する通知等) 第二百七十一条 株式会社が登録新株予約権質権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該登録新株予約権質権者の住所(当該登録新株予約権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (新株予約権の質入れの効果) 第二百七十二条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、新株予約権を目的とする質権は、当該行為によって当該新株予約権の新株予約権者が受けることのできる金銭等について存在する。 一 新株予約権の取得 二 組織変更 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 四 吸収分割 五 新設分割 六 株式交換 七 株式移転 2 登録新株予約権質権者は、前項の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 3 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録新株予約権質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 新株予約権の取得 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 4 前三項の規定は、特別支配株主が新株予約権売渡請求により売渡新株予約権の取得をした場合について準用する。 この場合において、前項中「当該各号に定める者」とあるのは、「当該特別支配株主」と読み替えるものとする。 5 新株予約権付社債に付された新株予約権(第二百三十六条第一項第三号の財産が当該新株予約権付社債についての社債であるものであって、当該社債の償還額が当該新株予約権についての同項第二号の価額以上であるものに限る。)を目的とする質権は、当該新株予約権の行使をすることにより当該新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式について存在する。 第四款 信託財産に属する新株予約権についての対抗要件等 第二百七十二条の二 新株予約権については、当該新株予約権が信託財産に属する旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該新株予約権が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第二百四十九条第三号イの新株予約権者は、その有する新株予約権が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 新株予約権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第二百五十条第一項及び第二百五十九条第一項の規定の適用については、第二百五十条第一項中「記録された新株予約権原簿記載事項」とあるのは「記録された新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」と、第二百五十九条第一項中「新株予約権原簿記載事項」とあるのは「新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第五節 株式会社による自己の新株予約権の取得 第一款 募集事項の定めに基づく新株予約権の取得 (取得する日の決定) 第二百七十三条 取得条項付新株予約権(第二百三十六条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の内容として同号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第二百三十六条第一項第七号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付新株予約権の新株予約権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する新株予約権の決定等) 第二百七十四条 株式会社は、新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、その取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付新株予約権は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに、当該取得条項付新株予約権を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第二百七十五条 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第三項において同じ。)に、取得条項付新株予約権(同条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項及び第三項において同じ。)を取得する。 一 第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 前項の規定により株式会社が取得する取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、当該新株予約権付社債についての社債を取得する。 3 次の各号に掲げる場合には、取得条項付新株予約権の新株予約権者(当該株式会社を除く。)は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、同号に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの株式の株主 二 第二百三十六条第一項第七号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの社債の社債権者 三 第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの他の新株予約権の新株予約権者 四 第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項についての定めがある場合 同号トの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第二百七十三条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 5 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第二款 新株予約権の消却 第二百七十六条 株式会社は、自己新株予約権を消却することができる。 この場合においては、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第六節 新株予約権無償割当て (新株予約権無償割当て) 第二百七十七条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。 (新株予約権無償割当てに関する事項の決定) 第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法 二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法 三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日 四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (新株予約権無償割当ての効力の発生等) 第二百七十九条 前条第一項第一号の新株予約権の割当てを受けた株主は、同項第三号の日に、同項第一号の新株予約権の新株予約権者(同項第二号に規定する場合にあっては、同項第一号の新株予約権の新株予約権者及び同項第二号の社債の社債権者)となる。 2 株式会社は、前条第一項第三号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた新株予約権の内容及び数(同項第二号に規定する場合にあっては、当該株主が割当てを受けた社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知がされた場合において、前条第一項第一号の新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の末日が当該通知の日から二週間を経過する日前に到来するときは、同号の期間は、当該通知の日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。 第七節 新株予約権の行使 第一款 総則 (新株予約権の行使) 第二百八十条 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数 二 新株予約権を行使する日 2 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。 3 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。 この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。 4 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 5 第三項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 6 株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。 (新株予約権の行使に際しての払込み) 第二百八十一条 金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第二号の価額の全額を払い込まなければならない。 2 金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第三号の財産を給付しなければならない。 この場合において、当該財産の価額が同項第二号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。 3 新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 (株主となる時期等) 第二百八十二条 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (一に満たない端数の処理) 第二百八十三条 新株予約権を行使した場合において、当該新株予約権の新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数があるときは、株式会社は、当該新株予約権者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を交付しなければならない。 ただし、第二百三十六条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合は、この限りでない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 第二款 金銭以外の財産の出資 第二百八十四条 株式会社は、第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項についての定めがある新株予約権が行使された場合には、第二百八十一条第二項の規定による給付があった後、遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 第一項の新株予約権の新株予約権者は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 行使された新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該新株予約権者が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 新株予約権者 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第三款 責任 (不公正な払込金額で新株予約権を引き受けた者等の責任) 第二百八十五条 新株予約権を行使した新株予約権者は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 第二百三十八条第一項第二号に規定する場合において、募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととすることが著しく不公正な条件であるとき(取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役。次号において同じ。)と通じて新株予約権を引き受けた場合に限る。) 当該新株予約権の公正な価額 二 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合において、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたとき 当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額 三 第二百八十二条第一項の規定により株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第三号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百八十六条 前条第一項第三号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該新株予約権者の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百八十四条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百八十四条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 新株予約権者がその給付した現物出資財産についての前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う場合において、次に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (新株予約権に係る払込み等を仮装した新株予約権者等の責任) 第二百八十六条の二 新株予約権を行使した新株予約権者であって次の各号に掲げる者に該当するものは、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百四十六条第一項の規定による払込み(同条第二項の規定により当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付を含む。)を仮装した者又は当該払込みが仮装されたことを知って、若しくは重大な過失により知らないで募集新株予約権を譲り受けた者 払込みが仮装された払込金額の全額の支払(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付が仮装された場合にあっては、当該財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)) 二 第二百八十一条第一項又は第二項後段の規定による払込みを仮装した者 払込みを仮装した金銭の全額の支払 三 第二百八十一条第二項前段の規定による給付を仮装した者 給付を仮装した金銭以外の財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により同項に規定する新株予約権者の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (新株予約権に係る払込み等を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百八十六条の三 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に定める行為をする義務を負う場合には、当該各号の払込み又は給付を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込み又は当該給付を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第四款 雑則 第二百八十七条 第二百七十六条第一項の場合のほか、新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。 第八節 新株予約権に係る証券 第一款 新株予約権証券 (新株予約権証券の発行) 第二百八十八条 株式会社は、証券発行新株予約権を発行した日以後遅滞なく、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を発行しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、新株予約権者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を発行しないことができる。 (新株予約権証券の記載事項) 第二百八十九条 新株予約権証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株式会社の商号 二 当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権の内容及び数 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百九十条 証券発行新株予約権の新株予約権者は、第二百三十六条第一項第十一号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の新株予約権証券を無記名式とし、又はその無記名式の新株予約権証券を記名式とすることを請求することができる。 (新株予約権証券の喪失) 第二百九十一条 新株予約権証券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 新株予約権証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 第二款 新株予約権付社債券 第二百九十二条 証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券には、第六百九十七条第一項の規定により記載すべき事項のほか、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の内容及び数を記載しなければならない。 2 証券発行新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは、株式会社は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券と引換えに社債の償還をすることを請求することができない。 この場合においては、株式会社は、社債の償還をするのと引換えに、当該新株予約権付社債券の提示を求め、当該新株予約権付社債券に社債の償還をした旨を記載することができる。 第三款 新株予約権証券等の提出 (新株予約権証券の提出に関する公告等) 第二百九十三条 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、当該各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この款において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該行為の効力が生ずる日(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「新株予約権証券提出日」という。)までに当該株式会社に対し当該新株予約権証券を提出しなければならない旨を新株予約権証券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 第百七十九条の三第一項の承認 売渡新株予約権 一の二 取得条項付新株予約権の取得 当該取得条項付新株予約権 二 組織変更 全部の新株予約権 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の新株予約権 四 吸収分割 第七百五十八条第五号イに規定する吸収分割契約新株予約権 五 新設分割 第七百六十三条第一項第十号イに規定する新設分割計画新株予約権 六 株式交換 第七百六十八条第一項第四号イに規定する株式交換契約新株予約権 七 株式移転 第七百七十三条第一項第九号イに規定する株式移転計画新株予約権 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、新株予約権証券提出日までに当該株式会社に対して新株予約権証券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該新株予約権証券の提出があるまでの間、当該行為(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、新株予約権売渡請求に係る売渡新株予約権の取得)によって当該新株予約権証券に係る新株予約権の新株予約権者が交付を受けることができる金銭等の交付を拒むことができる。 一 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 二 取得条項付新株予約権の取得 当該株式会社 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 吸収分割 第七百五十八条第一号に規定する吸収分割承継株式会社 六 新設分割 第七百六十三条第一項第一号に規定する新設分割設立株式会社 七 株式交換 第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全親株式会社 八 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券は、新株予約権証券提出日に無効となる。 4 第一項第一号の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 5 第二百二十条の規定は、第一項各号に掲げる行為をした場合において、新株予約権証券を提出することができない者があるときについて準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは、「第二百九十三条第二項各号」と読み替えるものとする。 (無記名式の新株予約権証券等が提出されない場合) 第二百九十四条 第百三十二条の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券(無記名式のものに限る。以下この条において同じ。)が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式に係る第百二十一条第一号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを要しない。 2 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式の株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 3 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる当該他の新株予約権(無記名新株予約権を除く。)に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 4 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 5 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債(無記名新株予約権付社債を除く。)に付された新株予約権に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 6 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 第四章 機関 第一節 株主総会及び種類株主総会等 第一款 株主総会 (株主総会の権限) 第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (株主総会の招集) 第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。 (株主による招集の請求) 第二百九十七条 総株主の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 4 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合 (株主総会の招集の決定) 第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主総会の日時及び場所 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。 3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第二号に掲げる事項」とする。 4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 (株主総会の招集の通知) 第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 株式会社が取締役会設置会社である場合 3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第三百一条 取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。 第三百二条 取締役は、第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。 3 取締役は、第一項に規定する場合には、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 取締役は、第一項に規定する場合において、第二百九十九条第三項の承諾をしていない株主から株主総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (株主提案権) 第三百三条 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 3 公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第二項の一定の事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 第三百四条 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第一項において同じ。)につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第三百五条 株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。 2 公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。 4 取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。 この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 四 定款の変更に関する二以上の議案 当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。 5 前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。 ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。 6 第一項から第三項までの規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (株主総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第三百六条 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」とする。 3 前二項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 4 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第三項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第三項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第三項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (議決権の数) 第三百八条 株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。 (株主総会の決議) 第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百四十条第二項及び第五項の株主総会 二 第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。) 三 第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会 四 第百八十条第二項の株主総会 五 第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会 六 第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会 七 第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。) 八 第四百二十五条第一項の株主総会 九 第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。) イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。 ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 十 第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。) 十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会 二 第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。) 三 第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。) 4 前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第三百十条 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。 3 第一項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 8 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第三百十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 3 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない。 4 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第三百十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社に提供して行う。 2 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 4 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 5 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (議決権の不統一行使) 第三百十三条 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 2 取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の三日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。 3 株式会社は、第一項の株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (取締役等の説明義務) 第三百十四条 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第三百十五条 株主総会の議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 株主総会の議長は、その命令に従わない者その他当該株主総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (株主総会に提出された資料等の調査) 第三百十六条 株主総会においては、その決議によって、取締役、会計参与、監査役、監査役会及び会計監査人が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第二百九十七条の規定により招集された株主総会においては、その決議によって、株式会社の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第三百十七条 株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第二百九十八条及び第二百九十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第三百十八条 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 5 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (株主総会の決議の省略) 第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。 2 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 5 第一項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。 (株主総会への報告の省略) 第三百二十条 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。 第二款 種類株主総会 (種類株主総会の権限) 第三百二十一条 種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 (ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会) 第三百二十二条 種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。) イ 株式の種類の追加 ロ 株式の内容の変更 ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加 一の二 第百七十九条の三第一項の承認 二 株式の併合又は株式の分割 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 四 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 五 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 六 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 七 合併 八 吸収分割 九 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 十 新設分割 十一 株式交換 十二 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 十三 株式移転 十四 株式交付 2 種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。 3 第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。 ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。 4 ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第三百二十三条 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類株主総会の決議) 第三百二十四条 種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第百九十九条第四項及び第二百条第四項の種類株主総会 三 第二百三十八条第四項及び第二百三十九条第四項の種類株主総会 四 第三百二十二条第一項の種類株主総会 五 第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会 六 第七百九十五条第四項の種類株主総会 七 第八百十六条の三第三項の種類株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第七百八十三条第三項及び第八百四条第三項の種類株主総会 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条 前款(第二百九十五条第一項及び第二項、第二百九十六条第一項及び第二項並びに第三百九条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第二百九十七条第一項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百八条第一項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百十八条第四項及び第三百十九条第三項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。 第三款 電子提供措置 (電子提供措置をとる旨の定款の定め) 第三百二十五条の二 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 株主総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類 (電子提供措置) 第三百二十五条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項 二 第三百一条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第三百二条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項 四 第三百五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百三十七条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百四十四条第六項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、取締役が第二百九十九条第一項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 3 第一項の規定にかかわらず、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第一項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第二十七条の三十の二に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (株主総会の招集の通知等の特則) 第三百二十五条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第二百九十九条第一項の規定の適用については、同項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「二週間」とする。 2 第二百九十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第二項又は第三項の通知には、第二百九十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 電子提供措置をとっているときは、その旨 二 前条第三項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第二百九十九条第一項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第三百五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第三百二十五条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。 4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第三百二十五条の六 第三百二十五条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第七号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条の七 第三百二十五条の三から前条まで(第三百二十五条の三第一項(第五号及び第六号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第三百二十五条の五第一項及び第三項から第五項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第三百二十五条の三第一項中「第二百九十九条第二項各号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項各号」と、「同条第一項」とあるのは「同条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次項、次条及び第三百二十五条の五において同じ。)」と、「第二百九十八条第一項各号」とあるのは「第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合に限る。)」と、「第三百一条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項」と、「第三百二条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百二条第一項」と、「第三百五条第一項」とあるのは「第三百五条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次条第四項において同じ。)」と、同条第二項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第三百二十五条の六までにおいて同じ。)」と、第三百二十五条の四第二項中「第二百九十九条第四項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第四項」と、「第二百九十九条第二項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項」と、「第二百九十八条第一項第五号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十八条第一項第五号」と、「同項第一号から第四号まで」とあるのは「第三百二十五条において準用する同項第一号から第四号まで」と、同条第三項中「第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項及び第三百二条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 株主総会以外の機関の設置 (株主総会以外の機関の設置) 第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。 2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。 (取締役会等の設置義務等) 第三百二十七条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。 一 公開会社 二 監査役会設置会社 三 監査等委員会設置会社 四 指名委員会等設置会社 2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。 5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。 6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。 (社外取締役の設置義務) 第三百二十七条の二 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならない。 (大会社における監査役会等の設置義務) 第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。 2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。 第三節 役員及び会計監査人の選任及び解任 第一款 選任 (選任) 第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。 2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。 3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (株式会社と役員等との関係) 第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (取締役の資格等) 第三百三十一条 次に掲げる者は、取締役となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。 3 監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。 5 取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。 6 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。 第三百三十一条の二 成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした取締役の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (取締役の任期) 第三百三十二条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 4 監査等委員である取締役の任期については、第一項ただし書の規定は、適用しない。 5 第一項本文の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 6 指名委員会等設置会社の取締役についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 7 前各項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 三 その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。) (会計参与の資格等) 第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。 2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。 一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者 (会計参与の任期) 第三百三十四条 第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。 2 前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (監査役の資格等) 第三百三十五条 第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。 2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。 (監査役の任期) 第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 4 前三項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 三 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 四 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 (会計監査人の資格等) 第三百三十七条 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第三百三十八条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 第二款 解任 (解任) 第三百三十九条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監査役等による会計監査人の解任) 第三百四十条 監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。 4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。 5 監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 6 指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 第三款 選任及び解任の手続に関する特則 (役員の選任及び解任の株主総会の決議) 第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (累積投票による取締役の選任) 第三百四十二条 株主総会の目的である事項が二人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、株式会社に対し、第三項から第五項までに規定するところにより取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の株主総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第三百八条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、取締役の選任の決議については、株主は、その有する株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の株式)につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 6 前条の規定は、前三項に規定するところにより選任された取締役の解任の決議については、適用しない。 (監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十二条の二 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監査等委員である取締役を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任について監査等委員会の意見を述べることができる。 (監査役の選任に関する監査役の同意等) 第三百四十三条 取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。 4 第三百四十一条の規定は、監査役の解任の決議については、適用しない。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第三百四十四条 監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。 2 監査役が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 (監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等) 第三百四十四条の二 取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。 2 監査等委員会は、取締役に対し、監査等委員である取締役の選任を株主総会の目的とすること又は監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 第三百四十一条の規定は、監査等委員である取締役の解任の決議については、適用しない。 (会計参与等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十五条 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は監査役について、前二項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。 5 第一項の規定は会計監査人について、第二項及び第三項の規定は会計監査人を辞任した者及び第三百四十条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。 8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。 (種類株主総会における取締役又は監査役の選任等) 第三百四十七条 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十二条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十四条の二第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十二条第一項及び第三百三十九条第一項中「株主総会の決議」とあるのは「株主総会(第四十一条第一項の規定により又は第九十条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)については、当該取締役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該取締役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))の決議」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項及び第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十四条の二第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 2 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十三条第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(監査役については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により又は第九十条第二項において準用する同条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された監査役については、当該監査役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該監査役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十三条第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 第四節 取締役 (業務の執行) 第三百四十八条 取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、取締役は、次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 五 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 4 大会社においては、取締役は、前項第四号に掲げる事項を決定しなければならない。 (業務の執行の社外取締役への委託) 第三百四十八条の二 株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 2 指名委員会等設置会社と執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他執行役が指名委員会等設置会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該指名委員会等設置会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該指名委員会等設置会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 3 前二項の規定により委託された業務の執行は、第二条第十五号イに規定する株式会社の業務の執行に該当しないものとする。 ただし、社外取締役が業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の指揮命令により当該委託された業務を執行したときは、この限りでない。 (株式会社の代表) 第三百四十九条 取締役は、株式会社を代表する。 ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。 3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。 4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第三百五十条 株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表取締役に欠員を生じた場合の措置) 第三百五十一条 代表取締役が欠けた場合又は定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表取締役は、新たに選定された代表取締役(次項の一時代表取締役の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表取締役としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表取締役の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表取締役の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (取締役の職務を代行する者の権限) 第三百五十二条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百五十三条 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、株式会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができる。 (表見代表取締役) 第三百五十四条 株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (取締役の報告義務) 第三百五十七条 取締役は、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第三百五十八条 株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、次に掲げる株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 一 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 二 発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社及び検査役の選任の申立てをした株主に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百五十九条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (株主による取締役の行為の差止め) 第三百六十条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (取締役の報酬等) 第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容 2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。 4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。 5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。 6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。 7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。 ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。 一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの 二 監査等委員会設置会社 第五節 取締役会 第一款 権限等 (取締役会の権限等) 第三百六十二条 取締役会は、すべての取締役で組織する。 2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役会設置会社の業務執行の決定 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。 (取締役会設置会社の取締役の権限) 第三百六十三条 次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。 一 代表取締役 二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの 2 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 (取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百六十四条 第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。 (競業及び取締役会設置会社との取引等の制限) 第三百六十五条 取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 2 取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百六十六条 取締役会は、各取締役が招集する。 ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。 (株主による招集の請求) 第三百六十七条 取締役会設置会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った株主は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる。 (招集手続) 第三百六十八条 取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (取締役会の決議) 第三百六十九条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。 3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (取締役会の決議の省略) 第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。 2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。 (取締役会への報告の省略) 第三百七十二条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、適用しない。 3 指名委員会等設置会社についての前二項の規定の適用については、第一項中「監査役又は会計監査人」とあるのは「会計監査人又は執行役」と、「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「取締役」と、前項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百十七条第四項」とする。 (特別取締役による取締役会の決議) 第三百七十三条 第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。 一 取締役の数が六人以上であること。 二 取締役のうち一人以上が社外取締役であること。 2 前項の規定による特別取締役による議決の定めがある場合には、特別取締役以外の取締役は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することを要しない。 この場合における第三百六十六条第一項本文及び第三百六十八条の規定の適用については、第三百六十六条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各特別取締役(第三百七十三条第一項に規定する特別取締役をいう。第三百六十八条において同じ。)」と、第三百六十八条第一項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各特別取締役」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「特別取締役及び」とする。 3 特別取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければならない。 4 第三百六十六条(第一項本文を除く。)、第三百六十七条、第三百六十九条第一項、第三百七十条及び第三百九十九条の十四の規定は、第二項の取締役会については、適用しない。 第六節 会計参与 (会計参与の権限) 第三百七十四条 会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。 この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。 2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。 6 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。 (会計参与の報告義務) 第三百七十五条 会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。 (取締役会への出席) 第三百七十六条 取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は、第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。 この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 会計参与設置会社において、前項の取締役会を招集する者は、当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各会計参与に対してその通知を発しなければならない。 3 会計参与設置会社において、第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは、会計参与の全員の同意を得なければならない。 (株主総会における意見の陳述) 第三百七十七条 第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。 2 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役」とする。 (会計参与による計算書類等の備置き等) 第三百七十八条 会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 (会計参与の報酬等) 第三百七十九条 会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 会計参与が二人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定める。 3 会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十条 会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該会計参与設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七節 監査役 (監査役の権限) 第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。 この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (取締役への報告義務) 第三百八十二条 監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。 (取締役会への出席義務等) 第三百八十三条 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。 2 監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。 4 前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 (監査役による取締役の行為の差止め) 第三百八十五条 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百八十六条 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合 二 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第三号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合 三 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第四号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合 2 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監査役設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 三 株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第三号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (監査役の報酬等) 第三百八十七条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。 3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十八条 監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (定款の定めによる監査範囲の限定) 第三百八十九条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 3 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 4 第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 5 第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 6 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。 7 第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。 第八節 監査役会 第一款 権限等 第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。 2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。 ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。 一 監査報告の作成 二 常勤の監査役の選定及び解職 三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定 3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。 4 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十一条 監査役会は、各監査役が招集する。 (招集手続) 第三百九十二条 監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (監査役会の決議) 第三百九十三条 監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。 2 監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十四条 監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査役会への報告の省略) 第三百九十五条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。 第九節 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第三百九十六条 会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者 三 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 6 指名委員会等設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。 (監査役に対する報告) 第三百九十七条 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。 2 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 (定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 第三百九十八条 第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会又は監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与) 第三百九十九条 取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。 第九節の二 監査等委員会 第一款 権限等 (監査等委員会の権限等) 第三百九十九条の二 監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。 2 監査等委員は、取締役でなければならない。 3 監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 三 第三百四十二条の二第四項及び第三百六十一条第六項に規定する監査等委員会の意見の決定 4 監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査等委員会による調査) 第三百九十九条の三 監査等委員会が選定する監査等委員は、いつでも、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は監査等委員会設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査等委員会が選定する監査等委員は、監査等委員会の職務を執行するため必要があるときは、監査等委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査等委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査等委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第三百九十九条の四 監査等委員は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百九十九条の五 監査等委員は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものについて法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その旨を株主総会に報告しなければならない。 (監査等委員による取締役の行為の差止め) 第三百九十九条の六 監査等委員は、取締役が監査等委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査等委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査等委員会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百九十九条の七 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて監査等委員会設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査等委員会が選定する監査等委員 2 前項の規定にかかわらず、取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査等委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該監査等委員会設置会社に対して効力を有する。 3 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査等委員が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員会設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査等委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 監査等委員会設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査等委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十九条の八 監査等委員会は、各監査等委員が招集する。 (招集手続等) 第三百九十九条の九 監査等委員会を招集するには、監査等委員は、監査等委員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査等委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査等委員会は、監査等委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)は、監査等委員会の要求があったときは、監査等委員会に出席し、監査等委員会が求めた事項について説明をしなければならない。 (監査等委員会の決議) 第三百九十九条の十 監査等委員会の決議は、議決に加わることができる監査等委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する監査等委員は、議決に加わることができない。 3 監査等委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査等委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 監査等委員会の決議に参加した監査等委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十九条の十一 監査等委員会設置会社は、監査等委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査等委員会設置会社の債権者が取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査等委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査等委員会への報告の省略) 第三百九十九条の十二 取締役、会計参与又は会計監査人が監査等委員の全員に対して監査等委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査等委員会へ報告することを要しない。 第三款 監査等委員会設置会社の取締役会の権限等 (監査等委員会設置会社の取締役会の権限) 第三百九十九条の十三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第一項の規定による委託 七 第三百六十一条第七項の規定による同項の事項の決定 八 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項の承認 九 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 十 第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定 十一 前項第六号に掲げる事項 十二 補償契約(第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。第四百十六条第四項第十四号において同じ。)の内容の決定 十三 役員等賠償責任保険契約(第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。第四百十六条第四項第十五号において同じ。)の内容の決定 十四 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十五 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十六 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十七 合併契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十八 吸収分割契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 新設分割計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 株式交換契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 株式移転計画の内容の決定 二十二 株式交付計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。 (監査等委員会による取締役会の招集) 第三百九十九条の十四 監査等委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる。 第十節 指名委員会等及び執行役 第一款 委員の選定、執行役の選任等 (委員の選定等) 第四百条 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。 2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。 3 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。 4 監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。 (委員の解職等) 第四百一条 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 2 前条第一項に規定する各委員会の委員の員数(定款で四人以上の員数を定めたときは、その員数)が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した委員は、新たに選定された委員(次項の一時委員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお委員としての権利義務を有する。 3 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時委員の職務を行うべき者を選任することができる。 4 裁判所は、前項の一時委員の職務を行うべき者を選任した場合には、指名委員会等設置会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (執行役の選任等) 第四百二条 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。 2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。 3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。 4 第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は、執行役について準用する。 5 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。 6 執行役は、取締役を兼ねることができる。 7 執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。 8 前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (執行役の解任等) 第四百三条 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、指名委員会等設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 3 第四百一条第二項から第四項までの規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。 第二款 指名委員会等の権限等 (指名委員会等の権限等) 第四百四条 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。 2 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 3 報酬委員会は、第三百六十一条第一項並びに第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。 執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。 4 委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査委員会による調査) 第四百五条 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第四百六条 監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (監査委員による執行役等の行為の差止め) 第四百七条 監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第四百八条 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が指名委員会等設置会社を代表する。 一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて指名委員会等設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員 2 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該指名委員会等設置会社に対して効力を有する。 3 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。 一 指名委員会等設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 指名委員会等設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (報酬委員会による報酬の決定の方法等) 第四百九条 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。 2 報酬委員会は、第四百四条第三項の規定による決定をするには、前項の方針に従わなければならない。 3 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の個人別の報酬等とする場合には、その内容として、当該各号に定める事項について決定しなければならない。 ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第一号に掲げるものでなければならない。 一 額が確定しているもの 個人別の額 二 額が確定していないもの 個人別の具体的な算定方法 三 当該株式会社の募集株式 当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 四 当該株式会社の募集新株予約権 当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 五 次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭 当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 執行役等が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 執行役等が引き受ける当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 六 金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。) 個人別の具体的な内容 第三款 指名委員会等の運営 (招集権者) 第四百十条 指名委員会等は、当該指名委員会等の各委員が招集する。 (招集手続等) 第四百十一条 指名委員会等を招集するには、その委員は、指名委員会等の日の一週間(これを下回る期間を取締役会で定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該指名委員会等の各委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、指名委員会等は、当該指名委員会等の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 執行役等は、指名委員会等の要求があったときは、当該指名委員会等に出席し、当該指名委員会等が求めた事項について説明をしなければならない。 (指名委員会等の決議) 第四百十二条 指名委員会等の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。 3 指名委員会等の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 指名委員会等の決議に参加した委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第四百十三条 指名委員会等設置会社は、指名委員会等の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 指名委員会等設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 4 前項の規定は、指名委員会等設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 5 裁判所は、第三項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該指名委員会等設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の許可をすることができない。 (指名委員会等への報告の省略) 第四百十四条 執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して指名委員会等に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を指名委員会等へ報告することを要しない。 第四款 指名委員会等設置会社の取締役の権限等 (指名委員会等設置会社の取締役の権限) 第四百十五条 指名委員会等設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、指名委員会等設置会社の業務を執行することができない。 (指名委員会等設置会社の取締役会の権限) 第四百十六条 指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項 ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役 ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 執行役等の職務の執行の監督 2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第二項の規定による委託 七 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認 八 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 九 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職 十 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任 十一 第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定 十二 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職 十三 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 十四 補償契約の内容の決定 十五 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 十六 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十七 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十八 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十二 株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十三 株式移転計画の内容の決定 二十四 株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 (指名委員会等設置会社の取締役会の運営) 第四百十七条 指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。 2 執行役は、前条第一項第一号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 この場合において、当該請求があった日から五日以内に、当該請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締役会を招集することができる。 3 指名委員会等がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該指名委員会等の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 4 執行役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 この場合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。 5 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければならない。 第五款 執行役の権限等 (執行役の権限) 第四百十八条 執行役は、次に掲げる職務を行う。 一 第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定 二 指名委員会等設置会社の業務の執行 (執行役の監査委員に対する報告義務等) 第四百十九条 執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。 2 第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとする。 3 第三百五十七条の規定は、指名委員会等設置会社については、適用しない。 (代表執行役) 第四百二十条 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。 この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。 2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 3 第三百四十九条第四項及び第五項の規定は代表執行役について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第四百一条第二項から第四項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。 (表見代表執行役) 第四百二十一条 指名委員会等設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他指名委員会等設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (株主による執行役の行為の差止め) 第四百二十二条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 第十一節 役員等の損害賠償責任 (役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役 二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役 三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。) 4 前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。 (株式会社に対する損害賠償責任の免除) 第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。 一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表取締役又は代表執行役 六 ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四 ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二 二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。 当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。 5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。 この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。 (取締役等による免除に関する定款の定め) 第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 5 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 6 公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 7 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 8 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (取締役が自己のためにした取引に関する特則) 第四百二十八条 第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第四百三十条 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第四百三十条の二 株式会社が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該株式会社が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 株式会社は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該株式会社が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該株式会社に対して第四百二十三条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した株式会社が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 取締役会設置会社においては、補償契約に基づく補償をした取締役及び当該補償を受けた取締役は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 5 前項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、同項中「取締役会設置会社においては、補償契約」とあるのは、「補償契約」と読み替えるものとする。 6 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四百二十三条第三項並びに第四百二十八条第一項の規定は、株式会社と取締役又は執行役との間の補償契約については、適用しない。 7 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第四百三十条の三 株式会社が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 2 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四百二十三条第三項の規定は、株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、取締役又は執行役を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿等 第一款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (会計帳簿の提出命令) 第四百三十四条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第二款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会) 3 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の株主への提供) 第四百三十七条 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時株主総会への提出等) 第四百三十八条 次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置会社の特則) 第四百三十九条 会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (計算書類の公告) 第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。 (臨時計算書類) 第四百四十一条 株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。 一 臨時決算日における貸借対照表 二 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間に係る損益計算書 2 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社においては、臨時計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役又は会計監査人(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会及び会計監査人、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会及び会計監査人)の監査を受けなければならない。 3 取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 4 次の各号に掲げる株式会社においては、当該各号に定める臨時計算書類は、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、臨時計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社(いずれも取締役会設置会社を除く。) 第二項の監査を受けた臨時計算書類 二 取締役会設置会社 前項の承認を受けた臨時計算書類 三 前二号に掲げるもの以外の株式会社 第一項の臨時計算書類 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第四百四十二条 株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 株式会社は、次の各号に掲げる計算書類等の写しを、当該各号に定める期間、その支店に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 一 前項第一号に掲げる計算書類等 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間 二 前項第二号に掲げる計算書類等 同号の臨時計算書類を作成した日から三年間 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の計算書類等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (計算書類等の提出命令) 第四百四十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 連結計算書類 第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。 2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。 4 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。 5 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役会の承認を受けなければならない。 6 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前項の承認を受けた連結計算書類を提供しなければならない。 7 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。 一 取締役会設置会社である会計監査人設置会社 第五項の承認を受けた連結計算書類 二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第四項の監査を受けた連結計算書類 第三節 資本金の額等 第一款 総則 (資本金の額及び準備金の額) 第四百四十五条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。 5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (剰余金の額) 第四百四十六条 株式会社の剰余金の額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 資産の額 ロ 自己株式の帳簿価額の合計額 ハ 負債の額 ニ 資本金及び準備金の額の合計額 ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を控除して得た額 三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第一項第二号の額を除く。) 四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第四百四十八条第一項第二号の額を除く。) 五 最終事業年度の末日後に第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額 六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額 イ 第四百五十四条第一項第一号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。) ロ 第四百五十四条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額 ハ 第四百五十六条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額 七 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 第二款 資本金の額の減少等 第一目 資本金の額の減少等 (資本金の額の減少) 第四百四十七条 株式会社は、資本金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する資本金の額 二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額 三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (準備金の額の減少) 第四百四十八条 株式会社は、準備金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する準備金の額 二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額 三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (債権者の異議) 第四百四十九条 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。 ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。 一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。 二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金等の額の減少の内容 二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。 ただし、第二項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。 一 資本金の額の減少 第四百四十七条第一項第三号の日 二 準備金の額の減少 前条第一項第三号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。 第二目 資本金の額の増加等 (資本金の額の増加) 第四百五十条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 (準備金の額の増加) 第四百五十一条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 第三目 剰余金についてのその他の処分 第四百五十二条 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることができる。 この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならない。 第四節 剰余金の配当 (株主に対する剰余金の配当) 第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。 (剰余金の配当に関する事項の決定) 第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額 二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項 三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日 2 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 4 配当財産が金銭以外の財産であるときは、株式会社は、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めることができる。 ただし、第一号の期間の末日は、第一項第三号の日以前の日でなければならない。 一 株主に対して金銭分配請求権(当該配当財産に代えて金銭を交付することを株式会社に対して請求する権利をいう。以下この章において同じ。)を与えるときは、その旨及び金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 5 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る。以下この項において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合における中間配当についての第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 (金銭分配請求権の行使) 第四百五十五条 前条第四項第一号に規定する場合には、株式会社は、同号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた配当財産に代えて、当該配当財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該配当財産の価額とする。 一 当該配当財産が市場価格のある財産である場合 当該配当財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第四百五十六条 第四百五十四条第四項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第二項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた配当財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 (配当財産の交付の方法等) 第四百五十七条 配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭及び前条の規定により支払う金銭を含む。以下この条において同じ。)は、株主名簿に記載し、又は記録した株主(登録株式質権者を含む。以下この条において同じ。)の住所又は株主が株式会社に通知した場所(第三項において「住所等」という。)において、これを交付しなければならない。 2 前項の規定による配当財産の交付に要する費用は、株式会社の負担とする。 ただし、株主の責めに帰すべき事由によってその費用が増加したときは、その増加額は、株主の負担とする。 3 前二項の規定は、日本に住所等を有しない株主に対する配当財産の交付については、適用しない。 (適用除外) 第四百五十八条 第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。 第五節 剰余金の配当等を決定する機関の特則 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め) 第四百五十九条 会計監査人設置会社(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役以外の取締役)の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。 一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項 二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項 三 第四百五十二条後段の事項 四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。 ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。 (株主の権利の制限) 第四百六十条 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 第六節 剰余金の配当等に関する責任 (配当等の制限) 第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 四 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 五 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 七 第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り 八 剰余金の配当 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。 一 剰余金の額 二 臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額 イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 三 自己株式の帳簿価額 四 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 五 第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 六 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (剰余金の配当等に関する責任) 第四百六十二条 前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。 一 前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) 二 前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 三 前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役 四 前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 五 前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 六 前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。 3 第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。 ただし、前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。 (株主に対する求償権の制限等) 第四百六十三条 前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (買取請求に応じて株式を取得した場合の責任) 第四百六十四条 株式会社が第百十六条第一項又は第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。 ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (欠損が生じた場合の責任) 第四百六十五条 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号、第四号及び第六号に掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当該各号に定める額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 四 第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 五 第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 六 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 七 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 八 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 九 次のイ又はロに掲げる規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより当該イ又はロに定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 イ 第二百三十四条第四項 同条第一項各号に定める者 ロ 第二百三十五条第二項において準用する第二百三十四条第四項 株主 十 剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く。) 当該剰余金の配当についての第四百四十六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額 イ 定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当 ロ 第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 ハ 第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第六章 定款の変更 第四百六十六条 株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七章 事業の譲渡等 (事業譲渡等の承認等) 第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 二の二 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該株式会社が、効力発生日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け 四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約 五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。 ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。 イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項第三号に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会社の株式が含まれるときは、取締役は、同項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 (事業譲渡等の承認を要しない場合) 第四百六十八条 前条の規定は、同条第一項第一号から第四号までに掲げる行為(以下この章において「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しない。 2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないときは、適用しない。 一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に前条第一項第三号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第四百六十九条 事業譲渡等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。 二 前条第二項に規定する場合(同条第三項に規定する場合を除く。) 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 事業譲渡等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該事業譲渡等に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該事業譲渡等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、事業譲渡等をする旨(第四百六十七条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第三号に掲げる行為をする旨及び同条第二項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合 二 事業譲渡等をする株式会社が第四百六十七条第一項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この章において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 事業譲渡等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第四百七十条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 第一項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 第一項の株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第八章 解散 (解散の事由) 第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判 (休眠会社のみなし解散) 第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (株式会社の継続) 第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。 (解散した株式会社の合併等の制限) 第四百七十四条 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第九章 清算 第一節 総則 第一款 清算の開始 (清算の開始原因) 第四百七十五条 株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算株式会社の能力) 第四百七十六条 前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二款 清算株式会社の機関 第一目 株主総会以外の機関の設置 第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。 3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。 4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならない。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社であって、前項の規定の適用があるものにおいては、監査等委員である取締役が監査役となる。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社であって、第四項の規定の適用があるものにおいては、監査委員が監査役となる。 7 第四章第二節の規定は、清算株式会社については、適用しない。 第二目 清算人の就任及び解任並びに監査役の退任 (清算人の就任) 第四百七十八条 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。 一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 株主総会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。 7 第三百三十五条第三項の規定にかかわらず、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算株式会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 一 その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 三 第二条第十六号ハからホまでに掲げる要件 8 第三百三十条、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は清算人について、第三百三十一条第五項の規定は清算人会設置会社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第四百七十九条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該清算株式会社である株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 3 公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監査役の退任) 第四百八十条 清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 2 第三百三十六条の規定は、清算株式会社の監査役については、適用しない。 第三目 清算人の職務等 (清算人の職務) 第四百八十一条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第四百八十二条 清算人は、清算株式会社(清算人会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第三百五十三条から第三百五十七条(第三項を除く。)まで、第三百六十条並びに第三百六十一条第一項及び第四項の規定は、清算人(同条の規定については、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「第四百八十三条第六項において準用する第三百四十九条第四項」と、第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表清算人(第四百八十三条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第三百六十条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と読み替えるものとする。 (清算株式会社の代表) 第四百八十三条 清算人は、清算株式会社を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算株式会社を代表する。 3 清算株式会社(清算人会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は株主総会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第四百七十八条第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる。 5 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 第三百四十九条第四項及び第五項並びに第三百五十一条の規定は代表清算人について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算株式会社についての破産手続の開始) 第四百八十四条 清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算株式会社が既に債権者に支払い、又は株主に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第四百八十五条 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算株式会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任) 第四百八十六条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人 二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第四百八十七条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 二 第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 虚偽の登記 四 虚偽の公告 (清算人及び監査役の連帯責任) 第四百八十八条 清算人又は監査役が清算株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第四百三十条の規定は、適用しない。 第四目 清算人会 (清算人会の権限等) 第四百八十九条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置会社の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第四百八十三条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第四百八十三条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置会社の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置会社の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第三百六十三条第二項、第三百六十四条及び第三百六十五条の規定は、清算人会設置会社について準用する。 この場合において、第三百六十三条第二項中「前項各号」とあるのは「第四百八十九条第七項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会」とあるのは「清算人会」と、第三百六十四条中「第三百五十三条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十三条」と、「取締役会は」とあるのは「清算人会は」と、第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条」と、「「取締役会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第四百九十条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第三百六十七条及び第三百六十八条の規定は、清算人会設置会社における清算人会の招集について準用する。 この場合において、第三百六十七条第一項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、「取締役が」とあるのは「清算人が」と、同条第二項中「取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)」とあるのは「清算人(第四百九十条第一項ただし書に規定する場合にあっては、同条第二項に規定する招集権者)」と、同条第三項及び第四項中「前条第三項」とあるのは「第四百九十条第三項」と、第三百六十八条第一項中「各取締役」とあるのは「各清算人」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と読み替えるものとする。 5 第三百六十九条から第三百七十一条までの規定は、清算人会設置会社における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第三百六十九条第一項中「取締役の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「取締役」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第五項中「取締役であって」とあるのは「清算人であって」と、第三百七十条中「取締役が」とあるのは「清算人が」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、第三百七十一条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、同条第四項中「役員又は執行役」とあるのは「清算人又は監査役」と読み替えるものとする。 6 第三百七十二条第一項及び第二項の規定は、清算人会設置会社における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「取締役、会計参与、監査役又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監査役」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第二項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百八十九条第八項において準用する第三百六十三条第二項」と読み替えるものとする。 第五目 取締役等に関する規定の適用 第四百九十一条 清算株式会社については、第二章(第百五十五条を除く。)、第三章、第四章第一節、第三百三十五条第二項、第三百四十三条第一項及び第二項、第三百四十五条第四項において準用する同条第三項、第三百五十九条、同章第七節及び第八節並びに第七章の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は取締役会設置会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に関する規定として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に適用があるものとする。 第三款 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第四百九十二条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第四百九十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第四百九十四条 清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算株式会社は、第一項の貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第四百九十五条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置会社においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第四百九十六条 清算株式会社は、第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、定時株主総会の日の一週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、その本店に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 清算株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該清算株式会社の貸借対照表等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (貸借対照表等の定時株主総会への提出等) 第四百九十七条 次の各号に掲げる清算株式会社においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百九十五条第一項に規定する監査役設置会社(清算人会設置会社を除く。) 同項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置会社 第四百九十五条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算株式会社 第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第四百九十八条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第四百九十四条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四款 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第五百一条 清算株式会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算株式会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第五百二条 清算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第五百三条 清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算株式会社の残余財産を株主の一部に分配した場合には、当該株主の受けた分配と同一の割合の分配を当該株主以外の株主に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五款 残余財産の分配 (残余財産の分配に関する事項の決定) 第五百四条 清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 残余財産の種類 二 株主に対する残余財産の割当てに関する事項 2 前項に規定する場合において、残余財産の分配について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、清算株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、残余財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該清算株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 (残余財産が金銭以外の財産である場合) 第五百五条 株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権(当該残余財産に代えて金銭を交付することを清算株式会社に対して請求する権利をいう。以下この条において同じ。)を有する。 この場合において、清算株式会社は、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 2 前項に規定する場合には、清算株式会社は、同項第一号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 3 清算株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた残余財産に代えて、当該残余財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該残余財産の価額とする。 一 当該残余財産が市場価格のある財産である場合 当該残余財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 清算株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第五百六条 前条第一項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、清算株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第三項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた残余財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 第六款 清算事務の終了等 第五百七条 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 第七款 帳簿資料の保存 第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 第八款 適用除外等 第五百九条 次に掲げる規定は、清算株式会社については、適用しない。 一 第百五十五条 二 第五章第二節第二款(第四百三十五条第四項、第四百四十条第三項、第四百四十二条及び第四百四十三条を除く。)及び第三款並びに第三節から第五節まで 三 第五編第四章及び第四章の二並びに同編第五章中株式交換、株式移転及び株式交付の手続に係る部分 2 第二章第四節の二の規定は、対象会社が清算株式会社である場合には、適用しない。 3 清算株式会社は、無償で取得する場合その他法務省令で定める場合に限り、当該清算株式会社の株式を取得することができる。 第二節 特別清算 第一款 特別清算の開始 (特別清算開始の原因) 第五百十条 裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づき、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。 一 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。 二 債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること。 (特別清算開始の申立て) 第五百十一条 債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。 2 清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。 (他の手続の中止命令等) 第五百十二条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続又は第三号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。 一 清算株式会社についての破産手続 二 清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。) 三 清算株式会社の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第五百十八条の二及び第五百七十一条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(第五百十五条第一項において「外国租税滞納処分」という。) 2 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と同様とする。 (特別清算開始の申立ての取下げの制限) 第五百十三条 特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 (特別清算開始の命令) 第五百十四条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。 一 特別清算の手続の費用の予納がないとき。 二 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。 四 不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 (他の手続の中止等) 第五百十五条 特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)若しくは第三者からの情報取得手続(同法第二百五条第一項第一号、第二百六条第一項又は第二百七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続(破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え及び仮処分の手続並びに外国租税滞納処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続については、この限りでない。 2 特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続又は処分は、特別清算の手続の関係においては、その効力を失う。 3 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第五百十六条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。 (相殺の禁止) 第五百十七条 協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。 二 支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第五百十八条 清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約 (共助対象外国租税債権者の手続参加) 第五百十八条の二 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。 第二款 裁判所による監督及び調査 (裁判所による監督) 第五百十九条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。 3 前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。 (裁判所による調査) 第五百二十条 裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。 (裁判所への財産目録等の提出) 第五百二十一条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。 ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (調査命令) 第五百二十二条 裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。 一 特別清算開始に至った事情 二 清算株式会社の業務及び財産の状況 三 第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 四 第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 五 第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。 六 その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの 2 清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定による留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、前項の債権の額に算入しない。 3 公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 第三款 清算人 (清算人の公平誠実義務) 第五百二十三条 特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。 (清算人の解任等) 第五百二十四条 裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。 2 清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。 3 清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。 (清算人代理) 第五百二十五条 清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。 2 前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (清算人の報酬等) 第五百二十六条 清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定は、清算人代理について準用する。 第四款 監督委員 (監督委員の選任等) 第五百二十七条 裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。 2 法人は、監督委員となることができる。 (監督委員に対する監督等) 第五百二十八条 監督委員は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。 (二人以上の監督委員の職務執行) 第五百二十九条 監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 (監督委員による調査等) 第五百三十条 監督委員は、いつでも、清算株式会社の清算人及び監査役並びに支配人その他の使用人に対し、事業の報告を求め、又は清算株式会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 2 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、清算株式会社の子会社に対し、事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (監督委員の注意義務) 第五百三十一条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 (監督委員の報酬等) 第五百三十二条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 監督委員は、その選任後、清算株式会社に対する債権又は清算株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。 3 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。 第五款 調査委員 (調査委員の選任等) 第五百三十三条 裁判所は、調査命令をする場合には、当該調査命令において、一人又は二人以上の調査委員を選任し、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければならない。 (監督委員に関する規定の準用) 第五百三十四条 前款(第五百二十七条第一項及び第五百二十九条ただし書を除く。)の規定は、調査委員について準用する。 第六款 清算株式会社の行為の制限等 (清算株式会社の行為の制限) 第五百三十五条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されているときは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。 一 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。) 二 借財 三 訴えの提起 四 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 五 権利の放棄 六 その他裁判所の指定する行為 2 前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 3 第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (事業の譲渡の制限等) 第五百三十六条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 三 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 2 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 3 第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。 (債務の弁済の制限) 第五百三十七条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。 (換価の方法) 第五百三十八条 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産の換価をすることができる。 この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。 2 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」という。)は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第五百三十九条 担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 第七款 清算の監督上必要な処分等 (清算株式会社の財産に関する保全処分) 第五百四十条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 3 裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (株主名簿の記載等の禁止) 第五百四十一条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の財産に対する保全処分) 第五百四十二条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の責任の免除の禁止) 第五百四十三条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止の処分をすることができる。 (役員等の責任の免除の取消し) 第五百四十四条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。 不正の目的によってした対象役員等の責任の免除についても、同様とする。 2 前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。 3 第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使することができない。 当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第五百四十五条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。 2 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 3 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 4 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了したときは、終了する。 第八款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第五百四十六条 債権者集会は、特別清算の実行上必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 債権者集会は、次条第三項の規定により招集する場合を除き、清算株式会社が招集する。 (債権者による招集の請求) 第五百四十七条 債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者の協定債権の総額の十分の一以上に当たる協定債権を有する協定債権者は、清算株式会社に対し、債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、債権者集会の招集を請求することができる。 2 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額は、前項の協定債権の額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした協定債権者は、裁判所の許可を得て、債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から六週間以内の日を債権者集会の日とする債権者集会の招集の通知が発せられない場合 (債権者集会の招集等の決定) 第五百四十八条 債権者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 債権者集会の日時及び場所 二 債権者集会の目的である事項 三 債権者集会に出席しない協定債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 清算株式会社が債権者集会を招集する場合には、当該清算株式会社は、各協定債権について債権者集会における議決権の行使の許否及びその額を定めなければならない。 3 清算株式会社以外の者が債権者集会を招集する場合には、その招集者は、清算株式会社に対し、前項に規定する事項を定めることを請求しなければならない。 この場合において、その請求があったときは、清算株式会社は、同項に規定する事項を定めなければならない。 4 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者は、その担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額については、議決権を有しない。 5 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権については、議決権を有しない。 (債権者集会の招集の通知) 第五百四十九条 債権者集会を招集するには、招集者は、債権者集会の日の二週間前までに、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者及び清算株式会社に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者であって一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有するものについて準用する。 (債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第五百五十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者に対し、当該協定債権者が有する協定債権について第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項及び議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(次項において「債権者集会参考書類」という。)並びに協定債権者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした協定債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、協定債権者の請求があったときは、これらの書類を当該協定債権者に交付しなければならない。 第五百五十一条 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、協定債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合において、第五百四十九条第二項の承諾をしていない協定債権者から債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該協定債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (債権者集会の指揮等) 第五百五十二条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 2 債権者集会を招集しようとするときは、招集者は、あらかじめ、第五百四十八条第一項各号に掲げる事項及び同条第二項又は第三項の規定により定められた事項を裁判所に届け出なければならない。 (異議を述べられた議決権の取扱い) 第五百五十三条 債権者集会において、第五百四十八条第二項又は第三項の規定により各協定債権について定められた事項について、当該協定債権を有する者又は他の協定債権者が異議を述べたときは、裁判所がこれを定める。 (債権者集会の決議) 第五百五十四条 債権者集会において決議をする事項を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者(議決権を行使することができる協定債権者をいう。以下この款及び次款において同じ。)の過半数の同意 二 出席した議決権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意 2 第五百五十八条第一項の規定によりその有する議決権の一部のみを前項の事項に同意するものとして行使した議決権者(その余の議決権を行使しなかったものを除く。)があるときの同項第一号の規定の適用については、当該議決権者一人につき、出席した議決権者の数に一を、同意をした議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。 3 債権者集会は、第五百四十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第五百五十五条 協定債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該協定債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第五百五十六条 債権者集会に出席しない協定債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五百五十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (議決権の不統一行使) 第五百五十八条 協定債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の協定債権者が他人のために協定債権を有する者でないときは、当該協定債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (担保権を有する債権者等の出席等) 第五百五十九条 債権者集会又は招集者は、次に掲げる債権者の出席を求め、その意見を聴くことができる。 この場合において、債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有する債権者 (延期又は続行の決議) 第五百六十条 債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第五百四十八条(第四項を除く。)及び第五百四十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五百六十一条 債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (清算人の調査結果等の債権者集会に対する報告) 第五百六十二条 特別清算開始の命令があった場合において、第四百九十二条第一項に規定する清算人が清算株式会社の財産の現況についての調査を終了して財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を作成したときは、清算株式会社は、遅滞なく、債権者集会を招集し、当該債権者集会に対して、清算株式会社の業務及び財産の状況の調査の結果並びに財産目録等の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みに関して意見を述べなければならない。 ただし、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法によりその報告すべき事項及び当該意見の内容を債権者に周知させることが適当であると認めるときは、この限りでない。 第九款 協定 (協定の申出) 第五百六十三条 清算株式会社は、債権者集会に対し、協定の申出をすることができる。 (協定の条項) 第五百六十四条 協定においては、協定債権者の権利(第五百二十二条第二項に規定する担保権を除く。)の全部又は一部の変更に関する条項を定めなければならない。 2 協定債権者の権利の全部又は一部を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準を定めなければならない。 (協定による権利の変更) 第五百六十五条 協定による権利の変更の内容は、協定債権者の間では平等でなければならない。 ただし、不利益を受ける協定債権者の同意がある場合又は少額の協定債権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他協定債権者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。 (担保権を有する債権者等の参加) 第五百六十六条 清算株式会社は、協定案の作成に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる債権者の参加を求めることができる。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を有する債権者 (協定の可決の要件) 第五百六十七条 第五百五十四条第一項の規定にかかわらず、債権者集会において協定を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者の過半数の同意 二 議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意 2 第五百五十四条第二項の規定は、前項第一号の規定の適用について準用する。 (協定の認可の申立て) 第五百六十八条 協定が可決されたときは、清算株式会社は、遅滞なく、裁判所に対し、協定の認可の申立てをしなければならない。 (協定の認可又は不認可の決定) 第五百六十九条 前条の申立てがあった場合には、裁判所は、次項の場合を除き、協定の認可の決定をする。 2 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、協定の不認可の決定をする。 一 特別清算の手続又は協定が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。 ただし、特別清算の手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。 二 協定が遂行される見込みがないとき。 三 協定が不正の方法によって成立するに至ったとき。 四 協定が債権者の一般の利益に反するとき。 (協定の効力発生の時期) 第五百七十条 協定は、認可の決定の確定により、その効力を生ずる。 (協定の効力範囲) 第五百七十一条 協定は、清算株式会社及びすべての協定債権者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。 2 協定は、第五百二十二条第二項に規定する債権者が有する同項に規定する担保権、協定債権者が清算株式会社の保証人その他清算株式会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び清算株式会社以外の者が協定債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。 3 協定の認可の決定が確定したときは、協定債権者の権利は、協定の定めに従い、変更される。 4 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての協定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (協定の内容の変更) 第五百七十二条 協定の実行上必要があるときは、協定の内容を変更することができる。 この場合においては、第五百六十三条から前条までの規定を準用する。 第十款 特別清算の終了 (特別清算終結の決定) 第五百七十三条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合には、清算人、監査役、債権者、株主又は調査委員の申立てにより、特別清算終結の決定をする。 一 特別清算が結了したとき。 二 特別清算の必要がなくなったとき。 (破産手続開始の決定) 第五百七十四条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。 一 協定の見込みがないとき。 二 協定の実行の見込みがないとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反するとき。 2 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。 一 協定が否決されたとき。 二 協定の不認可の決定が確定したとき。 3 前二項の規定により破産手続開始の決定があった場合における破産法第七十一条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第七十二条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第百六十条(第一項第一号を除く。)、第百六十二条(第一項第二号を除く。)、第百六十三条第二項、第百六十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六十六条並びに第百六十七条第二項(同法第百七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。 一 特別清算開始の申立ての前に特別清算開始の命令の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがある場合 当該破産手続開始の申立て 二 前号に掲げる場合以外の場合 特別清算開始の申立て 4 第一項又は第二項の規定により破産手続開始の決定があったときは、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権は、財団債権とする。 第三編 持分会社 第一章 設立 (定款の作成) 第五百七十五条 合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第五百七十六条 持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 社員の氏名又は名称及び住所 五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準 2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 第五百七十七条 前条に規定するもののほか、持分会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (合同会社の設立時の出資の履行) 第五百七十八条 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。 (持分会社の成立) 第五百七十九条 持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第二章 社員 第一節 社員の責任等 (社員の責任) 第五百八十条 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合 二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。) 2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員の抗弁) 第五百八十一条 社員が持分会社の債務を弁済する責任を負う場合には、社員は、持分会社が主張することができる抗弁をもって当該持分会社の債権者に対抗することができる。 2 前項に規定する場合において、持分会社がその債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって持分会社がその債務を免れるべき限度において、社員は、当該債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (社員の出資に係る責任) 第五百八十二条 社員が金銭を出資の目的とした場合において、その出資をすることを怠ったときは、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 2 社員が債権を出資の目的とした場合において、当該債権の債務者が弁済期に弁済をしなかったときは、当該社員は、その弁済をする責任を負う。 この場合においては、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (社員の責任を変更した場合の特則) 第五百八十三条 有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。 2 有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 3 無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。 4 前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (無限責任社員となることを許された未成年者の行為能力) 第五百八十四条 持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。 第二節 持分の譲渡等 (持分の譲渡) 第五百八十五条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 2 前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。 3 第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。 4 前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (持分の全部の譲渡をした社員の責任) 第五百八十六条 持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 第五百八十七条 持分会社は、その持分の全部又は一部を譲り受けることができない。 2 持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には、当該持分は、当該持分会社がこれを取得した時に、消滅する。 第三節 誤認行為の責任 (無限責任社員であると誤認させる行為等をした有限責任社員の責任) 第五百八十八条 合資会社の有限責任社員が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の有限責任社員がその責任の限度を誤認させる行為(前項の行為を除く。)をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員であると誤認させる行為をした者の責任) 第五百八十九条 合名会社又は合資会社の社員でない者が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合名会社又は合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の社員でない者が自己を有限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 第三章 管理 第一節 総則 (業務の執行) 第五百九十条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。 2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。 ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。 (業務を執行する社員を定款で定めた場合) 第五百九十一条 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。 この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。 4 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 5 前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。 6 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (社員の持分会社の業務及び財産状況に関する調査) 第五百九十二条 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、各社員は、持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況を調査することができる。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに同項の規定による調査をすることを制限する旨を定めることができない。 第二節 業務を執行する社員 (業務を執行する社員と持分会社との関係) 第五百九十三条 業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。 2 業務を執行する社員は、法令及び定款を遵守し、持分会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 3 業務を執行する社員は、持分会社又は他の社員の請求があるときは、いつでもその職務の執行の状況を報告し、その職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 4 民法第六百四十六条から第六百五十条までの規定は、業務を執行する社員と持分会社との関係について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条第一項、第六百四十八条第二項、第六百四十八条の二、第六百四十九条及び第六百五十条中「委任事務」とあるのは「その職務」と、同法第六百四十八条第三項第一号中「委任事務」とあり、及び同項第二号中「委任」とあるのは「前項の職務」と読み替えるものとする。 5 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (競業の禁止) 第五百九十四条 業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承認を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 持分会社の事業と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 業務を執行する社員が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定する。 (利益相反取引の制限) 第五百九十五条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。 二 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項各号の取引については、適用しない。 (業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任) 第五百九十六条 業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (業務を執行する有限責任社員の第三者に対する損害賠償責任) 第五百九十七条 業務を執行する有限責任社員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該有限責任社員は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が業務を執行する社員である場合の特則) 第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。 2 第五百九十三条から前条までの規定は、前項の規定により選任された社員の職務を行うべき者について準用する。 (持分会社の代表) 第五百九十九条 業務を執行する社員は、持分会社を代表する。 ただし、他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の業務を執行する社員が二人以上ある場合には、業務を執行する社員は、各自、持分会社を代表する。 3 持分会社は、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から持分会社を代表する社員を定めることができる。 4 持分会社を代表する社員は、持分会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (持分会社を代表する社員等の行為についての損害賠償責任) 第六百条 持分会社は、持分会社を代表する社員その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (持分会社と社員との間の訴えにおける会社の代表) 第六百一条 第五百九十九条第四項の規定にかかわらず、持分会社が社員に対し、又は社員が持分会社に対して訴えを提起する場合において、当該訴えについて持分会社を代表する者(当該社員を除く。)が存しないときは、当該社員以外の社員の過半数をもって、当該訴えについて持分会社を代表する者を定めることができる。 第六百二条 第五百九十九条第一項の規定にかかわらず、社員が持分会社に対して社員の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において、持分会社が当該請求の日から六十日以内に当該訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、当該訴えについて持分会社を代表することができる。 ただし、当該訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該持分会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 第三節 業務を執行する社員の職務を代行する者 第六百三条 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、持分会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、持分会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 第四章 社員の加入及び退社 第一節 社員の加入 (社員の加入) 第六百四条 持分会社は、新たに社員を加入させることができる。 2 持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる。 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となろうとする者が同項の定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、当該払込み又は給付を完了した時に、合同会社の社員となる。 (加入した社員の責任) 第六百五条 持分会社の成立後に加入した社員は、その加入前に生じた持分会社の債務についても、これを弁済する責任を負う。 第二節 社員の退社 (任意退社) 第六百六条 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。 この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第六百七条 社員は、前条、第六百九条第一項、第六百四十二条第二項及び第八百四十五条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡 四 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。) 七 後見開始の審判を受けたこと。 八 除名 2 持分会社は、その社員が前項第五号から第七号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる。 (相続及び合併の場合の特則) 第六百八条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。 2 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。 3 第一項の定款の定めがある場合には、持分会社は、同項の一般承継人が持分を承継した時に、当該一般承継人に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものであって、出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該出資に係る払込み又は給付の履行をする責任を負う。 5 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した持分についての権利を行使する者一人を定めなければ、当該持分についての権利を行使することができない。 ただし、持分会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (持分の差押債権者による退社) 第六百九条 社員の持分を差し押さえた債権者は、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができる。 この場合においては、当該債権者は、六箇月前までに持分会社及び当該社員にその予告をしなければならない。 2 前項後段の予告は、同項の社員が、同項の債権者に対し、弁済し、又は相当の担保を提供したときは、その効力を失う。 3 第一項後段の予告をした同項の債権者は、裁判所に対し、持分の払戻しの請求権の保全に関し必要な処分をすることを申し立てることができる。 (退社に伴う定款のみなし変更) 第六百十条 第六百六条、第六百七条第一項、前条第一項又は第六百四十二条第二項の規定により社員が退社した場合(第八百四十五条の規定により社員が退社したものとみなされる場合を含む。)には、持分会社は、当該社員が退社した時に、当該社員に係る定款の定めを廃止する定款の変更をしたものとみなす。 (退社に伴う持分の払戻し) 第六百十一条 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。 ただし、第六百八条第一項及び第二項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。 2 退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。 3 退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 4 退社の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 5 社員が除名により退社した場合における第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「退社の時」とあるのは、「除名の訴えを提起した時」とする。 6 前項に規定する場合には、持分会社は、除名の訴えを提起した日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 7 社員の持分の差押えは、持分の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 (退社した社員の責任) 第六百十二条 退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (商号変更の請求) 第六百十三条 持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第六百十四条 持分会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第六百十五条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 持分会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の提出命令) 第六百十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三節 計算書類 (計算書類の作成及び保存) 第六百十七条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。 3 計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 持分会社は、計算書類を作成した時から十年間、これを保存しなければならない。 (計算書類の閲覧等) 第六百十八条 持分会社の社員は、当該持分会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 計算書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 計算書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時に同項各号に掲げる請求をすることを制限する旨を定めることができない。 (計算書類の提出命令) 第六百十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 資本金の額の減少 第六百二十条 持分会社は、損失のてん補のために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により減少する資本金の額は、損失の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えることができない。 第五節 利益の配当 (利益の配当) 第六百二十一条 社員は、持分会社に対し、利益の配当を請求することができる。 2 持分会社は、利益の配当を請求する方法その他の利益の配当に関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、利益の配当を請求する権利に対しても、その効力を有する。 (社員の損益分配の割合) 第六百二十二条 損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失の一方についてのみ分配の割合についての定めを定款で定めたときは、その割合は、利益及び損失の分配に共通であるものと推定する。 (有限責任社員の利益の配当に関する責任) 第六百二十三条 持分会社が利益の配当により有限責任社員に対して交付した金銭等の帳簿価額(以下この項において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額(持分会社の利益の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この章において同じ。)を超える場合には、当該利益の配当を受けた有限責任社員は、当該持分会社に対し、連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 2 前項に規定する場合における同項の利益の配当を受けた有限責任社員についての第五百八十条第二項の規定の適用については、同項中「を限度として」とあるのは、「及び第六百二十三条第一項の配当額が同項の利益額を超過する額(同項の義務を履行した額を除く。)の合計額を限度として」とする。 第六節 出資の払戻し 第六百二十四条 社員は、持分会社に対し、既に出資として払込み又は給付をした金銭等の払戻し(以下この編において「出資の払戻し」という。)を請求することができる。 この場合において、当該金銭等が金銭以外の財産であるときは、当該財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求することを妨げない。 2 持分会社は、出資の払戻しを請求する方法その他の出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、出資の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 第七節 合同会社の計算等に関する特則 第一款 計算書類の閲覧に関する特則 第六百二十五条 合同会社の債権者は、当該合同会社の営業時間内は、いつでも、その計算書類(作成した日から五年以内のものに限る。)について第六百十八条第一項各号に掲げる請求をすることができる。 第二款 資本金の額の減少に関する特則 (出資の払戻し又は持分の払戻しを行う場合の資本金の額の減少) 第六百二十六条 合同会社は、第六百二十条第一項の場合のほか、出資の払戻し又は持分の払戻しのために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により出資の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十二条第二項に規定する出資払戻額から出資の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 3 第一項の規定により持分の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十五条第一項に規定する持分払戻額から持分の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 4 前二項に規定する「剰余金額」とは、第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(第四款及び第五款において同じ。)。 一 資産の額 二 負債の額 三 資本金の額 四 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (債権者の異議) 第六百二十七条 合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金の額の減少の内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 資本金の額の減少は、前各項の手続が終了した日に、その効力を生ずる。 第三款 利益の配当に関する特則 (利益の配当の制限) 第六百二十八条 合同会社は、利益の配当により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十一条第一項の規定による請求を拒むことができる。 (利益の配当に関する責任) 第六百二十九条 合同会社が前条の規定に違反して利益の配当をした場合には、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、利益の配当をした日における利益額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十条 前条第一項に規定する場合において、利益の配当を受けた社員は、配当額が利益の配当をした日における利益額を超えることにつき善意であるときは、当該配当額について、当該利益の配当に関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、利益の配当を受けた社員に対し、配当額(当該配当額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 3 第六百二十三条第二項の規定は、合同会社の社員については、適用しない。 (欠損が生じた場合の責任) 第六百三十一条 合同会社が利益の配当をした場合において、当該利益の配当をした日の属する事業年度の末日に欠損額(合同会社の欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、その欠損額(当該欠損額が配当額を超えるときは、当該配当額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 第四款 出資の払戻しに関する特則 (出資の払戻しの制限) 第六百三十二条 第六百二十四条第一項の規定にかかわらず、合同会社の社員は、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、同項前段の規定による請求をすることができない。 2 合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「出資払戻額」という。)が、第六百二十四条第一項前段の規定による請求をした日における剰余金額(第六百二十六条第一項の資本金の額の減少をした場合にあっては、その減少をした後の剰余金額。以下この款において同じ。)又は前項の出資の価額を減少した額のいずれか少ない額を超える場合には、当該出資の払戻しをすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十四条第一項前段の規定による請求を拒むことができる。 (出資の払戻しに関する社員の責任) 第六百三十三条 合同会社が前条の規定に違反して出資の払戻しをした場合には、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該出資の払戻しを受けた社員と連帯して、当該出資払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、出資の払戻しをした日における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十四条 前条第一項に規定する場合において、出資の払戻しを受けた社員は、出資払戻額が出資の払戻しをした日における剰余金額を超えることにつき善意であるときは、当該出資払戻額について、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、出資の払戻しを受けた社員に対し、出資払戻額(当該出資払戻額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 第五款 退社に伴う持分の払戻しに関する特則 (債権者の異議) 第六百三十五条 合同会社が持分の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「持分払戻額」という。)が当該持分の払戻しをする日における剰余金額を超える場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、持分の払戻しについて異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月(持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合にあっては、二箇月)を下ることができない。 一 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、この限りでない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該持分の払戻しについて承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合において、当該持分の払戻しをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (業務を執行する社員の責任) 第六百三十六条 合同会社が前条の規定に違反して持分の払戻しをした場合には、当該持分の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該持分の払戻しを受けた社員と連帯して、当該持分払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、持分の払戻しに関する業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、持分の払戻しをした時における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 第六章 定款の変更 (定款の変更) 第六百三十七条 持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。 (定款の変更による持分会社の種類の変更) 第六百三十八条 合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 二 その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更 合資会社 三 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 2 合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 3 合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 三 その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更 合資会社 (合資会社の社員の退社による定款のみなし変更) 第六百三十九条 合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなす。 2 合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなす。 (定款の変更時の出資の履行) 第六百四十条 第六百三十八条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる定款の変更をする場合において、当該定款の変更をする持分会社の社員が当該定款の変更後の合同会社に対する出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更は、当該払込み及び給付が完了した日に、その効力を生ずる。 2 前条第二項の規定により合同会社となる定款の変更をしたものとみなされた場合において、社員がその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更をしたものとみなされた日から一箇月以内に、当該払込み又は給付を完了しなければならない。 ただし、当該期間内に、合名会社又は合資会社となる定款の変更をした場合は、この限りでない。 第七章 解散 (解散の事由) 第六百四十一条 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 総社員の同意 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判 (持分会社の継続) 第六百四十二条 持分会社は、前条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、次章の規定による清算が結了するまで、社員の全部又は一部の同意によって、持分会社を継続することができる。 2 前項の場合には、持分会社を継続することについて同意しなかった社員は、持分会社が継続することとなった日に、退社する。 (解散した持分会社の合併等の制限) 第六百四十三条 持分会社が解散した場合には、当該持分会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第八章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第六百四十四条 持分会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第六百四十一条第五号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算持分会社の能力) 第六百四十五条 前条の規定により清算をする持分会社(以下「清算持分会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算人 (清算人の設置) 第六百四十六条 清算持分会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 (清算人の就任) 第六百四十七条 次に掲げる者は、清算持分会社の清算人となる。 一 業務を執行する社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員(業務を執行する社員を定款で定めた場合にあっては、その社員)の過半数の同意によって定める者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第六百四十一条第四号又は第七号に掲げる事由によって解散した清算持分会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第六百四十四条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算持分会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 (清算人の解任) 第六百四十八条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、解任することができる。 2 前項の規定による解任は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、社員その他利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 (清算人の職務) 第六百四十九条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第六百五十条 清算人は、清算持分会社の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、社員が二人以上ある場合には、清算持分会社の事業の全部又は一部の譲渡は、社員の過半数をもって決定する。 (清算人と清算持分会社との関係) 第六百五十一条 清算持分会社と清算人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 第五百九十三条第二項、第五百九十四条及び第五百九十五条の規定は、清算人について準用する。 この場合において、第五百九十四条第一項及び第五百九十五条第一項中「当該社員以外の社員」とあるのは、「社員(当該清算人が社員である場合にあっては、当該清算人以外の社員)」と読み替えるものとする。 (清算人の清算持分会社に対する損害賠償責任) 第六百五十二条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第六百五十三条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が清算人である場合の特則) 第六百五十四条 法人が清算人である場合には、当該法人は、当該清算人の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を社員に通知しなければならない。 2 前三条の規定は、前項の規定により選任された清算人の職務を行うべき者について準用する。 (清算持分会社の代表) 第六百五十五条 清算人は、清算持分会社を代表する。 ただし、他に清算持分会社を代表する清算人その他清算持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算持分会社を代表する。 3 清算持分会社は、定款又は定款の定めに基づく清算人(第六百四十七条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選によって、清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 4 第六百四十七条第一項第一号の規定により業務を執行する社員が清算人となる場合において、持分会社を代表する社員を定めていたときは、当該持分会社を代表する社員が清算持分会社を代表する清算人となる。 5 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 6 第五百九十九条第四項及び第五項の規定は清算持分会社を代表する清算人について、第六百三条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は清算持分会社を代表する清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算持分会社についての破産手続の開始) 第六百五十六条 清算持分会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算持分会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算持分会社が既に債権者に支払い、又は社員に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第六百五十七条 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算持分会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第六百五十八条 清算人は、その就任後遅滞なく、清算持分会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この節において「財産目録等」という。)を作成し、各社員にその内容を通知しなければならない。 2 清算持分会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 3 清算持分会社は、社員の請求により、毎月清算の状況を報告しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第六百五十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第六百六十条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この項及び次条において同じ。)は、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算持分会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第六百六十一条 清算持分会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算持分会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算持分会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算持分会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第六百六十二条 清算持分会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算持分会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (出資の履行の請求) 第六百六十三条 清算持分会社に現存する財産がその債務を完済するのに足りない場合において、その出資の全部又は一部を履行していない社員があるときは、当該出資に係る定款の定めにかかわらず、当該清算持分会社は、当該社員に出資させることができる。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第六百六十四条 清算持分会社は、当該清算持分会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を社員に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第六百六十五条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この条において同じ。)の債権者(知れている債権者を除く。)であって第六百六十条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算持分会社の残余財産を社員の一部に分配した場合には、当該社員の受けた分配と同一の割合の分配を当該社員以外の社員に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五節 残余財産の分配 (残余財産の分配の割合) 第六百六十六条 残余財産の分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 第六節 清算事務の終了等 第六百六十七条 清算持分会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならない。 2 社員が一箇月以内に前項の計算について異議を述べなかったときは、社員は、当該計算の承認をしたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 第七節 任意清算 (財産の処分の方法) 第六百六十八条 持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、定款又は総社員の同意によって、当該持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合における当該持分会社の財産の処分の方法を定めることができる。 2 第二節から前節までの規定は、前項の財産の処分の方法を定めた持分会社については、適用しない。 (財産目録等の作成) 第六百六十九条 前条第一項の財産の処分の方法を定めた持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、解散の日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 2 前条第一項の財産の処分の方法を定めていない持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合において、解散後に同項の財産の処分の方法を定めたときは、清算持分会社は、当該財産の処分の方法を定めた日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 (債権者の異議) 第六百七十条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合には、その解散後の清算持分会社の債権者は、当該清算持分会社に対し、当該財産の処分の方法について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、清算持分会社は、解散の日(前条第二項に規定する場合にあっては、当該財産の処分の方法を定めた日)から二週間以内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 第六百六十八条第一項の財産の処分の方法に従い清算をする旨 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、清算持分会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該財産の処分の方法について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、清算持分会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 (持分の差押債権者の同意等) 第六百七十一条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合において、社員の持分を差し押さえた債権者があるときは、その解散後の清算持分会社がその財産の処分をするには、その債権者の同意を得なければならない。 2 前項の清算持分会社が同項の規定に違反してその財産の処分をしたときは、社員の持分を差し押さえた債権者は、当該清算持分会社に対し、その持分に相当する金額の支払を請求することができる。 第八節 帳簿資料の保存 第六百七十二条 清算人(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、清算持分会社を代表する社員)は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算持分会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、定款で又は社員の過半数をもって帳簿資料を保存する者を定めた場合には、その者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより、第一項の清算人又は前項の規定により帳簿資料を保存する者に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 前項の規定により選任された者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 5 第三項の規定による選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 第九節 社員の責任の消滅時効 第六百七十三条 第五百八十条に規定する社員の責任は、清算持分会社の本店の所在地における解散の登記をした後五年以内に請求又は請求の予告をしない清算持分会社の債権者に対しては、その登記後五年を経過した時に消滅する。 2 前項の期間の経過後であっても、社員に分配していない残余財産があるときは、清算持分会社の債権者は、清算持分会社に対して弁済を請求することができる。 第十節 適用除外等 (適用除外) 第六百七十四条 次に掲げる規定は、清算持分会社については、適用しない。 一 第四章第一節 二 第六百六条、第六百七条第一項(第三号及び第四号を除く。)及び第六百九条 三 第五章第三節(第六百十七条第四項、第六百十八条及び第六百十九条を除く。)から第六節まで及び第七節第二款 四 第六百三十八条第一項第三号及び第二項第二号 (相続及び合併による退社の特則) 第六百七十五条 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、第六百八条第一項の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。 この場合においては、同条第四項及び第五項の規定を準用する。 第四編 社債 第一章 総則 (募集社債に関する事項の決定) 第六百七十六条 会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この編において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集社債の総額 二 各募集社債の金額 三 募集社債の利率 四 募集社債の償還の方法及び期限 五 利息支払の方法及び期限 六 社債券を発行するときは、その旨 七 社債権者が第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 七の二 社債管理者を定めないこととするときは、その旨 八 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨 八の二 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨 九 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法 十 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日 十一 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日 十二 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (募集社債の申込み) 第六百七十七条 会社は、前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 会社の商号 二 当該募集に係る前条各号に掲げる事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数 三 会社が前条第九号の最低金額を定めたときは、希望する払込金額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集社債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集社債の割当て) 第六百七十八条 会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。 この場合において、会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 会社は、第六百七十六条第十号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければならない。 (募集社債の申込み及び割当てに関する特則) 第六百七十九条 前二条の規定は、募集社債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (募集社債の社債権者) 第六百八十条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集社債の社債権者となる。 一 申込者 会社の割り当てた募集社債 二 前条の契約により募集社債の総額を引き受けた者 その者が引き受けた募集社債 (社債原簿) 第六百八十一条 会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「社債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第六百七十六条第三号から第八号の二までに掲げる事項その他の社債の内容を特定するものとして法務省令で定める事項(以下この編において「種類」という。) 二 種類ごとの社債の総額及び各社債の金額 三 各社債と引換えに払い込まれた金銭の額及び払込みの日 四 社債権者(無記名社債(無記名式の社債券が発行されている社債をいう。以下この編において同じ。)の社債権者を除く。)の氏名又は名称及び住所 五 前号の社債権者が各社債を取得した日 六 社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数 七 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第六百八十二条 社債権者(無記名社債の社債権者を除く。)は、社債を発行した会社(以下この編において「社債発行会社」という。)に対し、当該社債権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された社債原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該社債原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (社債原簿管理人) 第六百八十三条 会社は、社債原簿管理人(会社に代わって社債原簿の作成及び備置きその他の社債原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (社債原簿の備置き及び閲覧等) 第六百八十四条 社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 社債権者その他の法務省令で定める者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社債原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社債原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 社債発行会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 当該請求を行う者が社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 三 当該請求を行う者が、過去二年以内において、社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 社債発行会社が株式会社である場合には、当該社債発行会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該社債発行会社の社債原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (社債権者に対する通知等) 第六百八十五条 社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告は、社債原簿に記載し、又は記録した当該社債権者の住所(当該社債権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該社債発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該社債発行会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を社債権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、社債発行会社が社債の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第七百二十条第一項の通知に際して社債権者に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (共有者による権利の行使) 第六百八十六条 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該社債についての権利を行使する者一人を定め、会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該社債についての権利を行使することができない。 ただし、会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (社債券を発行する場合の社債の譲渡) 第六百八十七条 社債券を発行する旨の定めがある社債の譲渡は、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の譲渡の対抗要件) 第六百八十八条 社債の譲渡は、その社債を取得した者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合における前項の規定の適用については、同項中「社債発行会社その他の第三者」とあるのは、「社債発行会社」とする。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (権利の推定等) 第六百八十九条 社債券の占有者は、当該社債券に係る社債についての権利を適法に有するものと推定する。 2 社債券の交付を受けた者は、当該社債券に係る社債についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十条 社債発行会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の社債の社債権者に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該社債発行会社の社債を取得した場合 二 当該社債発行会社が有する自己の社債を処分した場合 2 前項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十一条 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)は、当該社債発行会社に対し、当該社債に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した社債の社債権者として社債原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債券を発行する場合の社債の質入れ) 第六百九十二条 社債券を発行する旨の定めがある社債の質入れは、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の質入れの対抗要件) 第六百九十三条 社債の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、社債券を発行する旨の定めがある社債の質権者は、継続して当該社債に係る社債券を占有しなければ、その質権をもって社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する社債原簿の記載等) 第六百九十四条 社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、次に掲げる事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である社債 2 前項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第六百九十五条 前条第一項各号に掲げる事項が社債原簿に記載され、又は記録された質権者は、社債発行会社に対し、当該質権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (信託財産に属する社債についての対抗要件等) 第六百九十五条の二 社債については、当該社債が信託財産に属する旨を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、当該社債が信託財産に属することを社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第六百八十一条第四号の社債権者は、その有する社債が信託財産に属するときは、社債発行会社に対し、その旨を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 社債原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第六百八十二条第一項及び第六百九十条第一項の規定の適用については、第六百八十二条第一項中「記録された社債原簿記載事項」とあるのは「記録された社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」と、第六百九十条第一項中「社債原簿記載事項」とあるのは「社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある社債については、適用しない。 (社債券の発行) 第六百九十六条 社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければならない。 (社債券の記載事項) 第六百九十七条 社債券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 社債発行会社の商号 二 当該社債券に係る社債の金額 三 当該社債券に係る社債の種類 2 社債券には、利札を付することができる。 (記名式と無記名式との間の転換) 第六百九十八条 社債券が発行されている社債の社債権者は、第六百七十六条第七号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の社債券を無記名式とし、又はその無記名式の社債券を記名式とすることを請求することができる。 (社債券の喪失) 第六百九十九条 社債券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 社債券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 (利札が欠けている場合における社債の償還) 第七百条 社債発行会社は、社債券が発行されている社債をその償還の期限前に償還する場合において、これに付された利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければならない。 ただし、当該請求権が弁済期にある場合は、この限りでない。 2 前項の利札の所持人は、いつでも、社債発行会社に対し、これと引換えに同項の規定により控除しなければならない額の支払を請求することができる。 (社債の償還請求権等の消滅時効) 第七百一条 社債の償還請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 社債の利息の請求権及び前条第二項の規定による請求権は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 第二章 社債管理者 (社債管理者の設置) 第七百二条 会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合は、この限りでない。 (社債管理者の資格) 第七百三条 社債管理者は、次に掲げる者でなければならない。 一 銀行 二 信託会社 三 前二号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして法務省令で定める者 (社債管理者の義務) 第七百四条 社債管理者は、社債権者のために、公平かつ誠実に社債の管理を行わなければならない。 2 社債管理者は、社債権者に対し、善良な管理者の注意をもって社債の管理を行わなければならない。 (社債管理者の権限等) 第七百五条 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。 この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。 3 前項前段の規定による請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 第七百六条 社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、第二号に掲げる行為については、第六百七十六条第八号に掲げる事項についての定めがあるときは、この限りでない。 一 当該社債の全部についてするその支払の猶予、その債務若しくはその債務の不履行によって生じた責任の免除又は和解(次号に掲げる行為を除く。) 二 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(前条第一項の行為を除く。) 2 社債管理者は、前項ただし書の規定により社債権者集会の決議によらずに同項第二号に掲げる行為をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 3 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項各号に掲げる行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (特別代理人の選任) 第七百七条 社債権者と社債管理者との利益が相反する場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする必要があるときは、裁判所は、社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任しなければならない。 (社債管理者等の行為の方式) 第七百八条 社債管理者又は前条の特別代理人が社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、個別の社債権者を表示することを要しない。 (二以上の社債管理者がある場合の特則) 第七百九条 二以上の社債管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 2 前項に規定する場合において、社債管理者が第七百五条第一項の弁済を受けたときは、社債管理者は、社債権者に対し、連帯して、当該弁済の額を支払う義務を負う。 (社債管理者の責任) 第七百十条 社債管理者は、この法律又は社債権者集会の決議に違反する行為をしたときは、社債権者に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 社債管理者は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に、次に掲げる行為をしたときは、社債権者に対し、損害を賠償する責任を負う。 ただし、当該社債管理者が誠実にすべき社債の管理を怠らなかったこと又は当該損害が当該行為によって生じたものでないことを証明したときは、この限りでない。 一 当該社債管理者の債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けること。 二 当該社債管理者と法務省令で定める特別の関係がある者に対して当該社債管理者の債権を譲り渡すこと(当該特別の関係がある者が当該債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けた場合に限る。)。 三 当該社債管理者が社債発行会社に対する債権を有する場合において、契約によって負担する債務を専ら当該債権をもってする相殺に供する目的で社債発行会社の財産の処分を内容とする契約を社債発行会社との間で締結し、又は社債発行会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結し、かつ、これにより社債発行会社に対し負担した債務と当該債権とを相殺すること。 四 当該社債管理者が社債発行会社に対して債務を負担する場合において、社債発行会社に対する債権を譲り受け、かつ、当該債務と当該債権とを相殺すること。 (社債管理者の辞任) 第七百十一条 社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任することができる。 この場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、第七百二条の規定による委託に係る契約に定めた事由があるときは、辞任することができる。 ただし、当該契約に事務を承継する社債管理者に関する定めがないときは、この限りでない。 3 第一項の規定にかかわらず、社債管理者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (社債管理者が辞任した場合の責任) 第七百十二条 第七百十条第二項の規定は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に前条第二項の規定により辞任した社債管理者について準用する。 (社債管理者の解任) 第七百十三条 裁判所は、社債管理者がその義務に違反したとき、その事務処理に不適任であるときその他正当な理由があるときは、社債発行会社又は社債権者集会の申立てにより、当該社債管理者を解任することができる。 (社債管理者の事務の承継) 第七百十四条 社債管理者が次のいずれかに該当することとなった場合において、他に社債管理者がないときは、社債発行会社は、事務を承継する社債管理者を定め、社債権者のために、社債の管理を行うことを委託しなければならない。 この場合においては、社債発行会社は、社債権者集会の同意を得るため、遅滞なく、これを招集し、かつ、その同意を得ることができなかったときは、その同意に代わる裁判所の許可の申立てをしなければならない。 一 第七百三条各号に掲げる者でなくなったとき。 二 第七百十一条第三項の規定により辞任したとき。 三 前条の規定により解任されたとき。 四 解散したとき。 2 社債発行会社は、前項前段に規定する場合において、同項各号のいずれかに該当することとなった日後二箇月以内に、同項後段の規定による招集をせず、又は同項後段の申立てをしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 3 第一項前段に規定する場合において、やむを得ない事由があるときは、利害関係人は、裁判所に対し、事務を承継する社債管理者の選任の申立てをすることができる。 4 社債発行会社は、第一項前段の規定により事務を承継する社債管理者を定めた場合(社債権者集会の同意を得た場合を除く。)又は前項の規定による事務を承継する社債管理者の選任があった場合には、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 第二章の二 社債管理補助者 (社債管理補助者の設置) 第七百十四条の二 会社は、第七百二条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。 ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。 (社債管理補助者の資格) 第七百十四条の三 社債管理補助者は、第七百三条各号に掲げる者その他法務省令で定める者でなければならない。 (社債管理補助者の権限等) 第七百十四条の四 社債管理補助者は、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 二 強制執行又は担保権の実行の手続における配当要求 三 第四百九十九条第一項の期間内に債権の申出をすること。 2 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に定める範囲内において、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 社債に係る債権の弁済を受けること。 二 第七百五条第一項の行為(前項各号及び前号に掲げる行為を除く。) 三 第七百六条第一項各号に掲げる行為 四 社債発行会社が社債の総額について期限の利益を喪失することとなる行為 3 前項の場合において、社債管理補助者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 前項第二号に掲げる行為であって、次に掲げるもの イ 当該社債の全部についてするその支払の請求 ロ 当該社債の全部に係る債権に基づく強制執行、仮差押え又は仮処分 ハ 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(イ及びロに掲げる行為を除く。) 二 前項第三号及び第四号に掲げる行為 4 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に従い、社債の管理に関する事項を社債権者に報告し、又は社債権者がこれを知ることができるようにする措置をとらなければならない。 5 第七百五条第二項及び第三項の規定は、第二項第一号に掲げる行為をする権限を有する社債管理補助者について準用する。 (二以上の社債管理補助者がある場合の特則) 第七百十四条の五 二以上の社債管理補助者があるときは、社債管理補助者は、各自、その権限に属する行為をしなければならない。 2 社債管理補助者が社債権者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の社債管理補助者も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (社債管理者等との関係) 第七百十四条の六 第七百二条の規定による委託に係る契約又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の効力が生じた場合には、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約は、終了する。 (社債管理者に関する規定の準用) 第七百十四条の七 第七百四条、第七百七条、第七百八条、第七百十条第一項、第七百十一条、第七百十三条及び第七百十四条の規定は、社債管理補助者について準用する。 この場合において、第七百四条中「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、同項中「社債権者に対し、連帯して」とあるのは「社債権者に対し」と、第七百十一条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「において」と、同条第二項中「第七百二条」とあるのは「第七百十四条の二」と、第七百十四条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「には」と、「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、「第七百三条各号に掲げる」とあるのは「第七百十四条の三に規定する」と、「解散した」とあるのは「死亡し、又は解散した」と読み替えるものとする。 第三章 社債権者集会 (社債権者集会の構成) 第七百十五条 社債権者は、社債の種類ごとに社債権者集会を組織する。 (社債権者集会の権限) 第七百十六条 社債権者集会は、この法律に規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。 (社債権者集会の招集) 第七百十七条 社債権者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 社債権者集会は、次項又は次条第三項の規定により招集する場合を除き、社債発行会社又は社債管理者が招集する。 3 次に掲げる場合には、社債管理補助者は、社債権者集会を招集することができる。 一 次条第一項の規定による請求があった場合 二 第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意を得るため必要がある場合 (社債権者による招集の請求) 第七百十八条 ある種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者は、社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に対し、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、社債権者集会の招集を請求することができる。 2 社債発行会社が有する自己の当該種類の社債の金額の合計額は、前項に規定する社債の総額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした社債権者は、裁判所の許可を得て、社債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間以内の日を社債権者集会の日とする社債権者集会の招集の通知が発せられない場合 4 第一項の規定による請求又は前項の規定による招集をしようとする無記名社債の社債権者は、その社債券を社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に提示しなければならない。 (社債権者集会の招集の決定) 第七百十九条 社債権者集会を招集する者(以下この章において「招集者」という。)は、社債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社債権者集会の日時及び場所 二 社債権者集会の目的である事項 三 社債権者集会に出席しない社債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債権者集会の招集の通知) 第七百二十条 社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の二週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては社債管理者又は社債管理補助者に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 社債発行会社が無記名式の社債券を発行している場合において、社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の三週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を公告しなければならない。 5 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、招集者が社債発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 (社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七百二十一条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている社債権者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「社債権者集会参考書類」という。)及び社債権者が議決権を行使するための書面(以下この章において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした社債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社債権者の請求があったときは、これらの書類を当該社債権者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、社債権者集会の日の一週間前までに無記名社債の社債権者の請求があったときは、直ちに、社債権者集会参考書類及び議決権行使書面を当該社債権者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、社債権者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第七百二十二条 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第七百二十条第二項の承諾をした社債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第七百二十条第二項の承諾をしていない社債権者から社債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の額等) 第七百二十三条 社債権者は、社債権者集会において、その有する当該種類の社債の金額の合計額(償還済みの額を除く。)に応じて、議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、社債発行会社は、その有する自己の社債については、議決権を有しない。 3 議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は、社債権者集会の日の一週間前までに、その社債券を招集者に提示しなければならない。 (社債権者集会の決議) 第七百二十四条 社債権者集会において決議をする事項を可決するには、出席した議決権者(議決権を行使することができる社債権者をいう。以下この章において同じ。)の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債権者集会において次に掲げる事項を可決するには、議決権者の議決権の総額の五分の一以上で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意がなければならない。 一 第七百六条第一項各号に掲げる行為に関する事項 二 第七百六条第一項、第七百十四条の四第三項(同条第二項第三号に掲げる行為に係る部分に限る。)、第七百三十六条第一項、第七百三十七条第一項ただし書及び第七百三十八条の規定により社債権者集会の決議を必要とする事項 3 社債権者集会は、第七百十九条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第七百二十五条 社債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第七百二十六条 社債権者集会に出席しない社債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七百二十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (議決権の不統一行使) 第七百二十八条 社債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、社債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の社債権者が他人のために社債を有する者でないときは、当該社債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (社債発行会社の代表者の出席等) 第七百二十九条 社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者は、その代表者若しくは代理人を社債権者集会に出席させ、又は書面により意見を述べることができる。 ただし、社債管理者又は社債管理補助者にあっては、その社債権者集会が第七百七条(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の特別代理人の選任について招集されたものであるときは、この限りでない。 2 社債権者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、社債発行会社に対し、その代表者又は代理人の出席を求めることができる。 この場合において、社債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第七百三十条 社債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第七百十九条及び第七百二十条の規定は、適用しない。 (議事録) 第七百三十一条 社債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 社債発行会社は、社債権者集会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社債権者集会の決議の認可の申立て) 第七百三十二条 社債権者集会の決議があったときは、招集者は、当該決議があった日から一週間以内に、裁判所に対し、当該決議の認可の申立てをしなければならない。 (社債権者集会の決議の不認可) 第七百三十三条 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、社債権者集会の決議の認可をすることができない。 一 社債権者集会の招集の手続又はその決議の方法が法令又は第六百七十六条の募集のための当該社債発行会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料に記載され、若しくは記録された事項に違反するとき。 二 決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。 三 決議が著しく不公正であるとき。 四 決議が社債権者の一般の利益に反するとき。 (社債権者集会の決議の効力) 第七百三十四条 社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 社債権者集会の決議は、当該種類の社債を有するすべての社債権者に対してその効力を有する。 (社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定の公告) 第七百三十五条 社債発行会社は、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定があった場合には、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。 (社債権者集会の決議の省略) 第七百三十五条の二 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。 2 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。 (代表社債権者の選任等) 第七百三十六条 社債権者集会においては、その決議によって、当該種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の千分の一以上に当たる社債を有する社債権者の中から、一人又は二人以上の代表社債権者を選任し、これに社債権者集会において決議をする事項についての決定を委任することができる。 2 第七百十八条第二項の規定は、前項に規定する社債の総額について準用する。 3 代表社債権者が二人以上ある場合において、社債権者集会において別段の定めを行わなかったときは、第一項に規定する事項についての決定は、その過半数をもって行う。 (社債権者集会の決議の執行) 第七百三十七条 社債権者集会の決議は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が執行する。 ただし、社債権者集会の決議によって別に社債権者集会の決議を執行する者を定めたときは、この限りでない。 一 社債管理者がある場合 社債管理者 二 社債管理補助者がある場合において、社債管理補助者の権限に属する行為に関する事項を可決する旨の社債権者集会の決議があったとき 社債管理補助者 三 前二号に掲げる場合以外の場合 代表社債権者 2 第七百五条第一項から第三項まで、第七百八条及び第七百九条の規定は、代表社債権者又は前項ただし書の規定により定められた社債権者集会の決議を執行する者(以下この章において「決議執行者」という。)が社債権者集会の決議を執行する場合について準用する。 (代表社債権者等の解任等) 第七百三十八条 社債権者集会においては、その決議によって、いつでも、代表社債権者若しくは決議執行者を解任し、又はこれらの者に委任した事項を変更することができる。 (社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失) 第七百三十九条 社債発行会社が社債の利息の支払を怠ったとき、又は定期に社債の一部を償還しなければならない場合においてその償還を怠ったときは、社債権者集会の決議に基づき、当該決議を執行する者は、社債発行会社に対し、一定の期間内にその弁済をしなければならない旨及び当該期間内にその弁済をしないときは当該社債の総額について期限の利益を喪失する旨を書面により通知することができる。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の決議を執行する者は、同項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、社債発行会社の承諾を得て、同項の規定により通知する事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該決議を執行する者は、当該書面による通知をしたものとみなす。 3 社債発行会社は、第一項の期間内に同項の弁済をしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 (債権者の異議手続の特則) 第七百四十条 第四百四十九条、第六百二十七条、第六百三十五条、第六百七十条、第七百七十九条(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条(第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十六条の八の規定により社債権者が異議を述べるには、社債権者集会の決議によらなければならない。 この場合においては、裁判所は、利害関係人の申立てにより、社債権者のために異議を述べることができる期間を伸長することができる。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、社債権者のために、異議を述べることができる。 ただし、第七百二条の規定による委託に係る契約に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 社債発行会社における第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百八十九条第二項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百九十九条第二項(第八百二条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第八百十条第二項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第八百十六条の八第二項の規定の適用については、第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項、第七百九十九条第二項及び第八百十六条の八第二項中「知れている債権者」とあるのは「知れている債権者(社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては、当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」と、第七百八十九条第二項及び第八百十条第二項中「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)」とあるのは「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限り、社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」とする。 (社債管理者等の報酬等) 第七百四十一条 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者に対して与えるべき報酬、その事務処理のために要する費用及びその支出の日以後における利息並びにその事務処理のために自己の過失なくして受けた損害の賠償額は、社債発行会社との契約に定めがある場合を除き、裁判所の許可を得て、社債発行会社の負担とすることができる。 2 前項の許可の申立ては、社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者がする。 3 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者は、第一項の報酬、費用及び利息並びに損害の賠償額に関し、第七百五条第一項(第七百三十七条第二項において準用する場合を含む。)又は第七百十四条の四第二項第一号の弁済を受けた額について、社債権者に先立って弁済を受ける権利を有する。 (社債権者集会等の費用の負担) 第七百四十二条 社債権者集会に関する費用は、社債発行会社の負担とする。 2 第七百三十二条の申立てに関する費用は、社債発行会社の負担とする。 ただし、裁判所は、社債発行会社その他利害関係人の申立てにより又は職権で、当該費用の全部又は一部について、招集者その他利害関係人の中から別に負担者を定めることができる。 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付 第一章 組織変更 第一節 通則 (組織変更計画の作成) 第七百四十三条 会社は、組織変更をすることができる。 この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。 第二節 株式会社の組織変更 (株式会社の組織変更計画) 第七百四十四条 株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 組織変更後持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 組織変更後持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、組織変更後持分会社の定款で定める事項 五 組織変更後持分会社が組織変更に際して組織変更をする株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(組織変更後持分会社の持分を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債であるときは、当該社債の種類(第百七条第二項第二号ロに規定する社債の種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の株主(組織変更をする株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、組織変更後持分会社が組織変更に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 九 組織変更がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 組織変更後持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 組織変更後持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 組織変更後持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (株式会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十五条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、組織変更後持分会社の社員となる。 4 前条第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号イの社債の社債権者となる。 5 組織変更をする株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百七十九条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第三節 持分会社の組織変更 (持分会社の組織変更計画) 第七百四十六条 持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項 三 組織変更後株式会社の取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称 ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 組織変更後株式会社の監査役の氏名 ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称 五 組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 六 組織変更をする持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭等(組織変更後株式会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債等(社債及び新株予約権をいう。以下この編において同じ。)以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする持分会社の社員に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 九 効力発生日 2 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 (持分会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十七条 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、株式会社となる。 2 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 4 次の各号に掲げる場合には、組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、第七百八十一条第二項において準用する第七百七十九条(第二項第二号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第二章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 株式会社が存続する吸収合併 (株式会社が存続する吸収合併契約) 第七百四十九条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である吸収合併存続会社(以下この編において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併により消滅する会社(以下この編において「吸収合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して吸収合併存続株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの吸収合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収合併存続株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 六 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続株式会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 5 前条第一項第四号イに規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、効力発生日に、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号イの吸収合併存続株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 持分会社が存続する吸収合併 (持分会社が存続する吸収合併契約) 第七百五十一条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である吸収合併存続会社(以下この節において「吸収合併存続持分会社」という。)及び吸収合併消滅会社の商号及び住所 二 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員が吸収合併に際して吸収合併存続持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収合併存続持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等(吸収合併存続持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続持分会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 七 効力発生日 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続持分会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (持分会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十二条 吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第三節 新設合併 第一款 株式会社を設立する新設合併 (株式会社を設立する新設合併契約) 第七百五十三条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社(以下この編において「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する会社(以下この編において「新設合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 株式会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立株式会社の定款で定める事項 四 新設合併設立株式会社の設立時取締役の氏名 五 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設合併設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設合併設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して株式会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅持分会社」という。)の社員に対して交付するその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設合併設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立株式会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して新設合併設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの新設合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設合併設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、新設合併消滅株式会社の全部又は一部が種類株式発行会社であるときは、新設合併消滅会社は、新設合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第七号に掲げる事項(新設合併消滅株式会社の株主に係る事項に限る。次項において同じ。)として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して新設合併設立株式会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、新設合併設立株式会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第七号に掲げる事項についての定めは、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて新設合併設立株式会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第九号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「新設合併設立株式会社の株式」とあるのは、「新設合併設立株式会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十四条 新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、前条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立株式会社の成立の日に、消滅する。 5 前条第一項第十号イに規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号イの新設合併設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第二款 持分会社を設立する新設合併 (持分会社を設立する新設合併契約) 第七百五十五条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併設立会社が持分会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併消滅会社の商号及び住所 二 持分会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 三 新設合併設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 四 新設合併設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 五 前二号に掲げるもののほか、新設合併設立持分会社の定款で定める事項 六 新設合併設立持分会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立持分会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立持分会社が合名会社であるときは、前項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設合併設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設合併設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十六条 新設合併設立持分会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設合併設立持分会社の社員となる。 3 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の社債の社債権者となる。 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立持分会社の成立の日に、消滅する。 第三章 会社分割 第一節 吸収分割 第一款 通則 (吸収分割契約の締結) 第七百五十七条 会社(株式会社又は合同会社に限る。)は、吸収分割をすることができる。 この場合においては、当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下この編において「吸収分割承継会社」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に権利義務を承継させる吸収分割 (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百五十八条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割をする会社(以下この編において「吸収分割会社」という。)及び株式会社である吸収分割承継会社(以下この編において「吸収分割承継株式会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継株式会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である吸収分割会社(以下この編において「吸収分割株式会社」という。)及び吸収分割承継株式会社の株式並びに吸収分割株式会社の新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式を吸収分割承継株式会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収分割承継株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 五 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該吸収分割承継株式会社の新株予約権の交付を受ける吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「吸収分割契約新株予約権」という。)の内容 ロ 吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収分割承継株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 吸収分割契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収分割承継株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収分割承継株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 七 吸収分割がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 八 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継株式会社の株式(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継株式会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継株式会社の株式のみであるものに限る。) (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百五十九条 吸収分割承継株式会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継株式会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 次の各号に掲げる場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第四号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第四号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第四号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第四号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 9 前条第五号に規定する場合には、効力発生日に、吸収分割契約新株予約権は、消滅し、当該吸収分割契約新株予約権の新株予約権者は、同条第六号に掲げる事項についての定めに従い、同条第五号ロの吸収分割承継株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第三款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割 (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百六十条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が持分会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割会社及び持分会社である吸収分割承継会社(以下この節において「吸収分割承継持分会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継持分会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(吸収分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社の株式を吸収分割承継持分会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割会社が吸収分割に際して吸収分割承継持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収分割承継持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 五 吸収分割承継持分会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等(吸収分割承継持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 効力発生日 七 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継持分会社の持分(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継持分会社の持分に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継持分会社の持分のみであるものに限る。) (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百六十一条 吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 9 前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第二節 新設分割 第一款 通則 (新設分割計画の作成) 第七百六十二条 一又は二以上の株式会社又は合同会社は、新設分割をすることができる。 この場合においては、新設分割計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合には、当該二以上の株式会社又は合同会社は、共同して新設分割計画を作成しなければならない。 第二款 株式会社を設立する新設分割 (株式会社を設立する新設分割計画) 第七百六十三条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、新設分割設立株式会社の定款で定める事項 三 新設分割設立株式会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設分割設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設分割設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設分割設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設分割設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 新設分割設立株式会社が新設分割により新設分割をする会社(以下この編において「新設分割会社」という。)から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である新設分割会社(以下この編において「新設分割株式会社」という。)の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対して交付するその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設分割設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設分割設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該新設分割設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該新設分割設立株式会社の新株予約権の交付を受ける新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「新設分割計画新株予約権」という。)の内容 ロ 新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する新設分割設立株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 新設分割計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設分割設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設分割設立株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。) 2 新設分割設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 (株式会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十四条 新設分割設立株式会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立株式会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第十二号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立株式会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 9 次の各号に掲げる場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前二項の規定の適用については、第八項中「新設分割計画の定め」とあるのは「同項第七号に掲げる事項についての定め」と、前項中「新設分割計画の定め」とあるのは「前条第一項第九号に掲げる事項についての定め」とする。 11 前条第一項第十号に規定する場合には、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画新株予約権は、消滅し、当該新設分割計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号ロの新設分割設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第三款 持分会社を設立する新設分割 (持分会社を設立する新設分割計画) 第七百六十五条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割設立会社が持分会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 新設分割設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 新設分割設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、新設分割設立持分会社の定款で定める事項 五 新設分割設立持分会社が新設分割により新設分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(新設分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立持分会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設分割株式会社が新設分割設立持分会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立持分会社の持分(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立持分会社の持分のみであるものに限る。) 2 新設分割設立持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設分割設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設分割設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十六条 新設分割設立持分会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立持分会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立持分会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設分割設立持分会社の社員となる。 9 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同号の社債の社債権者となる。 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前項の規定の適用については、同項中「新設分割計画の定めに従い、同号」とあるのは、「同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号」とする。 第四章 株式交換及び株式移転 第一節 株式交換 第一款 通則 (株式交換契約の締結) 第七百六十七条 株式会社は、株式交換をすることができる。 この場合においては、当該株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(株式会社又は合同会社に限る。以下この編において「株式交換完全親会社」という。)との間で、株式交換契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に発行済株式を取得させる株式交換 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百六十八条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容 ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 六 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百六十九条 株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親株式会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親株式会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 次の各号に掲げる場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第四号に規定する場合には、効力発生日に、株式交換契約新株予約権は、消滅し、当該株式交換契約新株予約権の新株予約権者は、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号ロの株式交換完全親株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第四号ハに規定する場合には、株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第三款 合同会社に発行済株式を取得させる株式交換 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百七十条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が合同会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換完全子会社及び合同会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親合同会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全子会社の株主が株式交換に際して株式交換完全親合同会社の社員となるときは、当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 株式交換完全親合同会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(株式交換完全親合同会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 効力発生日 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親合同会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百七十一条 株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親合同会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親合同会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親合同会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、株式交換完全親合同会社の社員となる。 この場合においては、株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 前各項の規定は、第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第二節 株式移転 (株式移転計画の作成) 第七百七十二条 一又は二以上の株式会社は、株式移転をすることができる。 この場合においては、株式移転計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合には、当該二以上の株式会社は、共同して株式移転計画を作成しなければならない。 (株式移転計画) 第七百七十三条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項 三 株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名 ハ 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 六 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 八 前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項 九 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容 ロ 株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十 前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項 2 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式移転の効力の発生等) 第七百七十四条 株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、株式移転完全子会社の発行済株式の全部を取得する。 2 株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第九号に規定する場合には、株式移転設立完全親会社の成立の日に、株式移転計画新株予約権は、消滅し、当該株式移転計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十号に掲げる事項についての定めに従い、同項第九号ロの株式移転設立完全親会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第九号ハに規定する場合には、株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 第四章の二 株式交付 (株式交付計画の作成) 第七百七十四条の二 株式会社は、株式交付をすることができる。 この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。 (株式交付計画) 第七百七十四条の三 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所 二 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限 三 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 四 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項 五 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法 八 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 九 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 十 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日 十一 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み) 第七百七十四条の四 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式交付親会社の商号 二 株式交付計画の内容 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て) 第七百七十四条の五 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。 この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則) 第七百七十四条の六 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (株式交付子会社の株式の譲渡し) 第七百七十四条の七 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。 一 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数 二 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数 2 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの無効又は取消しの制限) 第七百七十四条の八 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、第七百七十四条の四第二項の申込み、第七百七十四条の五第一項の規定による割当て及び第七百七十四条の六の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人は、第七百七十四条の十一第二項の規定により株式交付親会社の株式の株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として株式交付子会社の株式の譲渡しの取消しをすることができない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用) 第七百七十四条の九 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。 この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。 (申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合) 第七百七十四条の十 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。 この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 (株式交付の効力の発生等) 第七百七十四条の十一 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。 2 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合 二 株式交付を中止した場合 三 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合 四 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合 6 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。 第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続 第一節 組織変更の手続 第一款 株式会社の手続 (組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百七十五条 組織変更をする株式会社は、組織変更計画備置開始日から組織変更がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)までの間、組織変更計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 組織変更計画について組織変更をする株式会社の総株主の同意を得た日 二 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第七百七十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百七十九条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 組織変更をする株式会社の株主及び債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式会社の組織変更計画の承認等) 第七百七十六条 組織変更をする株式会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該株式会社の総株主の同意を得なければならない。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新株予約権買取請求) 第七百七十七条 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この款において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 組織変更をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その新株予約権の新株予約権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、組織変更をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 組織変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百七十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と組織変更をする株式会社(効力発生日後にあっては、組織変更後持分会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は組織変更後持分会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 組織変更後持分会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 組織変更をする株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 組織変更をする株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 組織変更をする株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百七十九条 組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。 2 組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 組織変更をする旨 二 組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (組織変更の効力発生日の変更) 第七百八十条 組織変更をする株式会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、組織変更をする株式会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この款及び第七百四十五条の規定を適用する。 第二款 持分会社の手続 第七百八十一条 組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第七百七十九条(第二項第二号を除く。)及び前条の規定は、組織変更をする持分会社について準用する。 この場合において、第七百七十九条第三項中「組織変更をする株式会社」とあるのは「組織変更をする持分会社(合同会社に限る。)」と、前条第三項中「及び第七百四十五条」とあるのは「並びに第七百四十七条及び次条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 吸収合併等の手続 第一款 吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百八十二条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 吸収合併契約 二 吸収分割株式会社 吸収分割契約 三 株式交換完全子会社 株式交換契約 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百八十五条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百八十七条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第七百八十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百八十三条 消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第一項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。 3 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。 5 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者(次条第二項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第七百八十七条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。 6 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (吸収合併契約等の承認を要しない場合) 第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。 2 前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百八十四条の二 次に掲げる場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項に規定する場合は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十一条第一項第三号若しくは第四号、第七百五十八条第四号、第七百六十条第四号若しくは第五号、第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号又は第七百七十条第一項第三号若しくは第四号に掲げる事項が消滅株式会社等又は存続会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第七百八十三条第二項に規定する場合 二 第七百八十四条第二項に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 消滅株式会社等が公開会社である場合 二 消滅株式会社等が第七百八十三条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百八十六条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第七百八十七条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 吸収合併 第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 吸収分割承継会社が株式会社である場合における吸収分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換完全親会社が株式会社である場合における株式交換完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 吸収合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百八十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百八十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併消滅株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者) 三 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 存続会社等の商号及び住所 三 消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(吸収分割をする場合における不法行為によって生じた吸収分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収合併等の効力発生日の変更) 第七百九十条 消滅株式会社等は、存続会社等との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、消滅株式会社等は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節並びに第七百五十条、第七百五十二条、第七百五十九条、第七百六十一条、第七百六十九条及び第七百七十一条の規定を適用する。 (吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十一条 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 吸収分割株式会社 吸収分割により吸収分割承継会社が承継した吸収分割株式会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式交換完全子会社 株式交換により株式交換完全親会社が取得した株式交換完全子会社の株式の数その他の株式交換に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式交換完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「効力発生日に株式交換完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第七百九十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イの株式の取得 二 第七百五十八条第八号ロ又は第七百六十条第七号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第七百九十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 二 吸収分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)及び第七百九十条の規定は、吸収合併消滅持分会社又は合同会社である吸収分割会社(以下この節において「吸収分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、第七百八十九条第一項第二号中「債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「吸収合併消滅持分会社(吸収合併存続会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は吸収分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 吸収合併存続会社、吸収分割承継会社及び株式交換完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十四条 吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百九十五条 存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 一 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の債務の額として法務省令で定める額(次号において「承継債務額」という。)が吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産の額として法務省令で定める額(同号において「承継資産額」という。)を超える場合 二 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等(吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合 三 株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(株式交換完全親株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交換完全親株式会社が取得する株式交換完全子会社の株式の額として法務省令で定める額を超える場合 3 承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 4 存続株式会社等が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併等は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対して交付する金銭等が吸収合併存続株式会社の株式である場合 第七百四十九条第一項第二号イの種類の株式 二 吸収分割会社に対して交付する金銭等が吸収分割承継株式会社の株式である場合 第七百五十八条第四号イの種類の株式 三 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式である場合 第七百六十八条第一項第二号イの種類の株式 (吸収合併契約等の承認を要しない場合等) 第七百九十六条 前条第一項から第三項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。 2 前条第一項から第三項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同条第二項各号に掲げる場合又は前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第七百九十七条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百九十六条の二 次に掲げる場合において、存続株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、存続株式会社等の株主は、存続株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び前条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十八条第四号又は第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項が存続株式会社等又は消滅会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百九十七条 吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第七百九十六条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該存続株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 存続株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに消滅会社等の商号及び住所(第七百九十五条第三項に規定する場合にあっては、吸収合併等をする旨、消滅会社等の商号及び住所並びに同項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 存続株式会社等が公開会社である場合 二 存続株式会社等が第七百九十五条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、存続株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、存続株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百九十八条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と存続株式会社等との間に協議が調ったときは、存続株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は存続株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 存続株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 存続株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該存続株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百九十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者 三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者 2 前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 消滅会社等の商号及び住所 三 存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (消滅会社等の株主等に対して交付する金銭等が存続株式会社等の親会社株式である場合の特則) 第八百条 第百三十五条第一項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この項において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の親会社株式(同条第一項に規定する親会社株式をいう。以下この条において同じ。)である場合には、当該存続株式会社等は、吸収合併等に際して消滅会社等の株主等に対して交付する当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得することができる。 2 第百三十五条第三項の規定にかかわらず、前項の存続株式会社等は、効力発生日までの間は、存続株式会社等の親会社株式を保有することができる。 ただし、吸収合併等を中止したときは、この限りでない。 (吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百一条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続株式会社が承継した吸収合併消滅会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収分割承継株式会社(合同会社が吸収分割をする場合における当該吸収分割承継株式会社に限る。)は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割合同会社と共同して、吸収分割により吸収分割承継株式会社が承継した吸収分割合同会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる存続株式会社等は、効力発生日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併存続株式会社 第一項の書面又は電磁的記録 二 吸収分割承継株式会社 前項又は第七百九十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式交換完全親株式会社 第七百九十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 吸収合併存続株式会社の株主及び債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、吸収分割承継株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式交換完全親株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株式交換完全親株式会社の株主)」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 第八百二条 次の各号に掲げる行為をする持分会社(以下この条において「存続持分会社等」という。)は、当該各号に定める場合には、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について存続持分会社等の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 第七百五十一条第一項第二号に規定する場合 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第七百六十条第四号に規定する場合 三 株式交換による株式会社の発行済株式の全部の取得 第七百七十条第一項第二号に規定する場合 2 第七百九十九条(第二項第三号を除く。)及び第八百条の規定は、存続持分会社等について準用する。 この場合において、第七百九十九条第一項第三号中「株式交換完全親株式会社の株式」とあるのは「株式交換完全親合同会社の持分」と、「場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合」とあるのは「場合」と読み替えるものとする。 第三節 新設合併等の手続 第一款 新設合併消滅会社、新設分割会社及び株式移転完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百三条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、新設合併契約等備置開始日から新設合併設立会社、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立会社」という。)の成立の日後六箇月を経過する日(新設合併消滅株式会社にあっては、新設合併設立会社の成立の日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「新設合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 新設合併契約 二 新設分割株式会社 新設分割計画 三 株式移転完全子会社 株式移転計画 2 前項に規定する「新設合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 新設合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百六条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、新設分割計画の作成の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式移転完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約等の承認) 第八百四条 消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新設合併設立会社が持分会社である場合には、新設合併契約について新設合併消滅株式会社の総株主の同意を得なければならない。 3 新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社が種類株式発行会社である場合において、新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設合併設立株式会社又は株式移転設立完全親会社の株式等の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは、当該新設合併又は株式移転は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 消滅株式会社等は、第一項の株主総会の決議の日(第二項に規定する場合にあっては、同項の総株主の同意を得た日)から二週間以内に、その登録株式質権者(次条に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第八百八条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、新設合併、新設分割又は株式移転(以下この節において「新設合併等」という。)をする旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新設分割計画の承認を要しない場合) 第八百五条 前条第一項の規定は、新設分割により新設分割設立会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が新設分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を新設分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (新設合併等をやめることの請求) 第八百五条の二 新設合併等が法令又は定款に違反する場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、当該新設合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条に規定する場合は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百六条 新設合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第八百四条第二項に規定する場合 二 第八百五条に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第八百四条第一項の株主総会(新設合併等をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。)に先立って当該新設合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該新設合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日から二週間以内に、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設分割会社又は株式移転完全子会社(以下この節において「消滅会社等」という。)及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 新設合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第八百八条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 新設合併 第七百五十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 新設分割(新設分割設立会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ハに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転 次に掲げる新株予約権のうち、第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日(同条第二項に規定する場合にあっては同項の総株主の同意を得た日、第八百五条に規定する場合にあっては新設分割計画の作成の日)から二週間以内に、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、新設合併等をする旨並びに他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 新設分割設立会社が株式会社である場合における新設分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 新設合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第八百九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、新設合併等について異議を述べることができる。 一 新設合併をする場合 新設合併消滅株式会社の債権者 二 新設分割をする場合 新設分割後新設分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として新設分割設立会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない新設分割株式会社の債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者) 三 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併等をする旨 二 他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所 三 消滅株式会社等の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(新設分割をする場合における不法行為によって生じた新設分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十一条 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日後遅滞なく、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 新設分割株式会社 新設分割により新設分割設立会社が承継した新設分割株式会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式移転完全子会社 株式移転により株式移転設立完全親会社が取得した株式移転完全子会社の株式の数その他の株式移転に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、新設分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式移転完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の成立の日に株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第八百十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イの株式の取得 二 第七百六十三条第一項第十二号ロ又は第七百六十五条第一項第八号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第八百十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、新設合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 新設合併 二 新設分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第八百十条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)の規定は、新設合併消滅持分会社又は合同会社である新設分割会社(以下この節において「新設分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、同条第一項第二号中「債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「新設合併消滅持分会社(新設合併設立会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は新設分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 新設合併設立会社、新設分割設立会社及び株式移転設立完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (株式会社の設立の特則) 第八百十四条 第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)の規定は、新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立株式会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立株式会社の定款は、消滅会社等が作成する。 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十五条 新設合併設立株式会社は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立株式会社が承継した新設合併消滅会社の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設分割設立株式会社(一又は二以上の合同会社のみが新設分割をする場合における当該新設分割設立株式会社に限る。)は、その成立の日後遅滞なく、新設分割合同会社と共同して、新設分割により新設分割設立株式会社が承継した新設分割合同会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる設立株式会社は、その成立の日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併設立株式会社 第一項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 新設分割設立株式会社 前項又は第八百十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式移転設立完全親会社 第八百十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 新設合併設立株式会社の株主及び債権者は、新設合併設立株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、新設分割設立株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式移転設立完全親会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び新株予約権者」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 (持分会社の設立の特則) 第八百十六条 第五百七十五条及び第五百七十八条の規定は、新設合併設立持分会社又は新設分割設立持分会社(次項において「設立持分会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立持分会社の定款は、消滅会社等が作成する。 第四節 株式交付の手続 (株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の二 株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式交付計画の承認等) 第八百十六条の三 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 2 株式交付親会社が株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 3 株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式 二 株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式 (株式交付計画の承認を要しない場合等) 第八百十六条の四 前条第一項及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同項に規定する場合又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 (株式交付をやめることの請求) 第八百十六条の五 株式交付が法令又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。 ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百十六条の六 株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に掲げる場合以外の場合 全ての株主 3 株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨並びに株式交付子会社の商号及び住所を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 株式交付親会社が公開会社である場合 二 株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百十六条の七 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十六条の八 株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。 2 前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 株式交付をする旨 二 株式交付子会社の商号及び住所 三 株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (株式交付の効力発生日の変更) 第八百十六条の九 株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。 3 第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 4 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。 5 株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。 6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。 この場合において、第四項中「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十及び前項」と読み替えるものとする。 (株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の十 株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六編 外国会社 (外国会社の日本における代表者) 第八百十七条 外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。 この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。 2 外国会社の日本における代表者は、当該外国会社の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 3 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 4 外国会社は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (登記前の継続取引の禁止等) 第八百十八条 外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (貸借対照表に相当するものの公告) 第八百十九条 外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)は、法務省令で定めるところにより、第四百三十八条第二項の承認と同種の手続又はこれに類似する手続の終結後遅滞なく、貸借対照表に相当するものを日本において公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である外国会社は、前項に規定する貸借対照表に相当するものの要旨を公告することで足りる。 3 前項の外国会社は、法務省令で定めるところにより、第一項の手続の終結後遅滞なく、同項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報を、当該手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により日本において不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない外国会社については、前三項の規定は、適用しない。 (日本に住所を有する日本における代表者の退任) 第八百二十条 外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 2 債権者が前項の期間内に異議を述べたときは、同項の外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、同項の退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 3 第一項の退任は、前二項の手続が終了した後にその登記をすることによって、その効力を生ずる。 (擬似外国会社) 第八百二十一条 日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (日本にある外国会社の財産についての清算) 第八百二十二条 裁判所は、次に掲げる場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、日本にある外国会社の財産の全部について清算の開始を命ずることができる。 一 外国会社が第八百二十七条第一項の規定による命令を受けた場合 二 外国会社が日本において取引を継続してすることをやめた場合 2 前項の場合には、裁判所は、清算人を選任する。 3 第四百七十六条、第二編第九章第一節第二款、第四百九十二条、同節第四款及び第五百八条の規定並びに同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 4 第八百二十条の規定は、外国会社が第一項の清算の開始を命じられた場合において、当該外国会社の日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、適用しない。 (他の法律の適用関係) 第八百二十三条 外国会社は、他の法律の適用については、日本における同種の会社又は最も類似する会社とみなす。 ただし、他の法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第七編 雑則 第一章 会社の解散命令等 第一節 会社の解散命令 (会社の解散命令) 第八百二十四条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (会社の財産に関する保全処分) 第八百二十五条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「会社」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第八百二十六条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令 第八百二十七条 裁判所は、次に掲げる場合には、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、外国会社が日本において取引を継続してすることの禁止又はその日本に設けられた営業所の閉鎖を命ずることができる。 一 外国会社の事業が不法な目的に基づいて行われたとき。 二 外国会社が正当な理由がないのに外国会社の登記の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 外国会社が正当な理由がないのに支払を停止したとき。 四 外国会社の日本における代表者その他その業務を執行する者が、法令で定める外国会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 第八百二十四条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、第八百二十四条第二項中「前項」とあり、同条第三項及び第四項中「第一項」とあり、並びに第八百二十五条第一項中「前条第一項」とあるのは「第八百二十七条第一項」と、前条中「第八百二十四条第一項」とあるのは「次条第一項」と、「同項第三号」とあるのは「同項第四号」と読み替えるものとする。 第二章 訴訟 第一節 会社の組織に関する訴え (会社の組織に関する行為の無効の訴え) 第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内 二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内) 三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) 四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内) 五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者 五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 (新株発行等の不存在の確認の訴え) 第八百二十九条 次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 一 株式会社の成立後における株式の発行 二 自己株式の処分 三 新株予約権の発行 (株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (株主総会等の決議の取消しの訴え) 第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。 一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (持分会社の設立の取消しの訴え) 第八百三十二条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。 一 社員が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員 二 社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき 当該債権者 (会社の解散の訴え) 第八百三十三条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。 一 株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。 2 やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。 (被告) 第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社 二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社 三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社 四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社 六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社 七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社 八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社 九 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割契約をした会社 十 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社及び新設分割により設立する会社 十一 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換契約をした会社 十二 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社 十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社 十三 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社 十四 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社 十五 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 十六 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社 十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社 十八 第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社 十九 第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員 二十 株式会社の解散の訴え 当該株式会社 二十一 持分会社の解散の訴え 当該持分会社 (訴えの管轄及び移送) 第八百三十五条 会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。 3 前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。 (担保提供命令) 第八百三十六条 会社の組織に関する訴えであって、株主又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百三十七条 同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百三十八条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第八百三十九条 会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (新株発行の無効判決の効力) 第八百四十条 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)を返還することを請求することができる。 2 前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。 3 前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。 4 第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。 5 第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 6 前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 (自己株式の処分の無効判決の効力) 第八百四十一条 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「株式」とあるのは、「自己株式」と読み替えるものとする。 (新株予約権発行の無効判決の効力) 第八百四十二条 新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。 2 第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「株主」とあるのは「新株予約権者」と、同条第四項中「株式」とあるのは「新株予約権」と、同条第五項及び第六項中「登録株式質権者」とあるのは「登録新株予約権質権者」と読み替えるものとする。 (合併又は会社分割の無効判決の効力) 第八百四十三条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 会社の吸収合併 吸収合併後存続する会社 二 会社の新設合併 新設合併により設立する会社 三 会社の吸収分割 吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社 四 会社の新設分割 新設分割により設立する会社 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。 ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。 3 第一項及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。 4 各会社の第一項の債務の負担部分又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (株式交換又は株式移転の無効判決の効力) 第八百四十四条 株式会社の株式交換又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換又は株式移転をする株式会社(以下この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。 この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。 3 前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。 ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。 (株式交付の無効判決の効力) 第八百四十四条の二 株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。 この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。 (持分会社の設立の無効又は取消しの判決の効力) 第八百四十五条 持分会社の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条 会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え (売渡株式等の取得の無効の訴え) 第八百四十六条の二 株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。 2 前項の訴え(以下この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。 一 取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者 二 取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役又は執行役。以下この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役若しくは清算人 (被告) 第八百四十六条の三 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百四十六条の四 売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第八百四十六条の五 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役又は清算人であるときは、この限りでない。 2 被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百四十六条の六 同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百四十六条の七 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効の判決の効力) 第八百四十六条の八 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条の九 売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二節 株式会社における責任追及等の訴え (株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 (旧株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条の二 次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。以下この条において同じ。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該株式会社の株式交換又は株式移転 当該株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併 当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」とする。 3 旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該完全親会社の株式交換又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 4 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 5 第三項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、第三項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該完全親会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 6 株式交換等完全子会社が第一項又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求(以下この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 7 株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 8 第一項、第三項及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 9 株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」とする。 (最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え) 第八百四十七条の三 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 特定責任追及の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合 二 当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合 2 前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。 一 完全親会社 二 株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社及びその完全子会社等(株式会社がその株式又は持分の全部を有する法人をいう。以下この条及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該他の株式会社(完全親会社を除く。) 3 前項第二号の場合において、同号の他の株式会社及びその完全子会社等又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。 4 第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項及び同条第七項において同じ。)。 5 最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。 6 公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、「株式会社」とする。 7 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。 8 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 9 第一項及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 10 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」とする。 (責任追及等の訴えに係る訴訟費用等) 第八百四十七条の四 第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 2 株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第八百四十八条 責任追及等の訴えは、株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第八百四十九条 株主等又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合又は同条第三項第一号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第二号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為又は同条第三項第一号の株式交換若しくは株式移転若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。)であって、当該完全親会社の株式交換若しくは株式移転又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。) 適格旧株主 二 最終完全親会社等 当該最終完全親会社等の株主 3 株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。 5 株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 6 株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 7 株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 8 第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、これらの規定中「のほか」とあるのは、「に代えて」とする。 9 公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、第五項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは「株主に通知し」と、第六項及び第七項中「公告又は通知」とあるのは「通知」とする。 10 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。 一 株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合 適格旧株主 二 最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合 当該最終完全親会社等の株主 11 前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、同項中「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、「当該各号に定める者に通知し」とする。 (和解) 第八百四十九条の二 株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 第八百五十条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (株主でなくなった者の訴訟追行) 第八百五十一条 責任追及等の訴えを提起した株主又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。 一 その者が当該株式会社の株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。 二 その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。 2 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(この項又は次項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「当該完全親会社」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 (費用等の請求) 第八百五十二条 責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。 (再審の訴え) 第八百五十三条 責任追及等の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 一 株主又は株式会社等 責任追及等の訴え 二 適格旧株主 責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。) 三 最終完全親会社等の株主 特定責任追及の訴え 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三節 株式会社の役員の解任の訴え (株式会社の役員の解任の訴え) 第八百五十四条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該株式会社である株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 2 公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 4 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 (被告) 第八百五十五条 前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百五十六条 株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第四節 特別清算に関する訴え (役員等の責任の免除の取消しの訴えの管轄) 第八百五十七条 第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。 (役員等責任査定決定に対する異議の訴え) 第八百五十八条 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。 3 第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 第五節 持分会社の社員の除名の訴え等 (持分会社の社員の除名の訴え) 第八百五十九条 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。 一 出資の義務を履行しないこと。 二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。 三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。 四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。 五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。 (持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え) 第八百六十条 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。 一 前条各号に掲げる事由があるとき。 二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。 (被告) 第八百六十一条 次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。 一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員 二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員 (訴えの管轄) 第八百六十二条 持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え (清算持分会社の財産処分の取消しの訴え) 第八百六十三条 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。 一 第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の債権者 二 第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者 2 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、同法第四百二十四条の五第一号中「債務者」とあるのは「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、同条第二号並びに同法第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中「債務者」とあるのは「清算持分会社」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十四条 前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方又は転得者を被告とする。 第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え (社債発行会社の弁済等の取消しの訴え) 第八百六十五条 社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 2 前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。 同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 3 第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。 ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。 4 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項及び前項本文の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、「債権者を害すること」とあるのは「その行為が著しく不公正であること」と、同法第四百二十四条の五各号中「債権者を害すること」とあるのは「著しく不公正であること」と、同法第四百二十五条中「債権者」とあるのは「社債権者」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十六条 前条第一項又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方又は転得者を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百六十七条 第八百六十五条第一項又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三章 非訟 第一節 総則 (非訟事件の管轄) 第八百六十八条 この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 一 当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 二 当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付 3 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 5 第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 6 第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第八百六十九条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第八百七十条 裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定 当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者 二 清算人、社債管理者又は社債管理補助者の解任についての裁判 当該清算人、社債管理者又は社債管理補助者 三 第三十三条第七項の規定による裁判 設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人 四 第二百七条第七項又は第二百八十四条第七項の規定による裁判 当該株式会社及び第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者 五 第四百五十五条第二項第二号又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判 当該株主 六 第四百五十六条又は第五百六条の規定による裁判 当該株主 七 第七百三十二条の規定による裁判 利害関係人 八 第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判 社債を発行した会社 九 第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判 社債を発行した会社 十 第八百二十四条第一項の規定による裁判 当該会社 十一 第八百二十七条第一項の規定による裁判 当該外国会社 2 裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判 当該株式会社 二 第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項の規定による株式又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定 価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 三 第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定 売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 四 第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定 当該株式会社 五 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定 特別支配株主 六 第八百四十三条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした会社 (申立書の写しの送付等) 第八百七十条の二 裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。 2 前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。 3 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。 4 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。 ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。 6 裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。 7 裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。 8 前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。 (理由の付記) 第八百七十一条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判 二 第八百七十四条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第八百七十二条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第六百九条第三項又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判 申立人、株主及び株式会社 三 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判 申立人、新株予約権者及び株式会社 四 第八百七十条第一項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) 五 第八百七十条第二項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者 (抗告状の写しの送付等) 第八百七十二条の二 裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 この場合においては、第八百七十条の二第二項及び第三項の規定を準用する。 2 第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。 (原裁判の執行停止) 第八百七十三条 第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第八百七十四条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者若しくは社債管理補助者の特別代理人又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者の選任又は選定の裁判 二 第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第八百七十五条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第八百七十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則 (審問等の必要的併合) 第八百七十七条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問及び裁判は、併合してしなければならない。 (裁判の効力) 第八百七十八条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。 2 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。 第三節 特別清算の手続に関する特則 第一款 通則 (特別清算事件の管轄) 第八百七十九条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 2 前項に規定する株式会社又は親法人及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 3 前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。 4 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 (特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送) 第八百八十条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。 2 通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。 (疎明) 第八百八十一条 第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。 (理由の付記) 第八百八十二条 特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。 ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。 2 特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。 (裁判書の送達) 第八百八十三条 この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条を除く。)の規定を準用する。 (不服申立て) 第八百八十四条 特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 2 前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。 (公告) 第八百八十五条 この節の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 (事件に関する文書の閲覧等) 第八百八十六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 清算株式会社以外の利害関係人 第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分又は特別清算開始の申立てについての裁判 二 清算株式会社 特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判 5 非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。 (支障部分の閲覧等の制限) 第八百八十七条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び清算株式会社に限ることができる。 一 第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等 二 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則 (特別清算開始の申立て) 第八百八十八条 債権者又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。 2 債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。 3 特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 4 前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (他の手続の中止命令) 第八百八十九条 裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 2 前項の中止の命令及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (特別清算開始の命令) 第八百九十条 裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。 2 特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。 4 特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。 5 特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。 6 特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第八百九十一条 裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。 2 裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則 (調査命令) 第八百九十二条 裁判所は、調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。 2 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算人の解任及び報酬等) 第八百九十三条 裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。 2 第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (監督委員の解任及び報酬等) 第八百九十四条 裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。 2 第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (調査委員の解任及び報酬等) 第八百九十五条 前条の規定は、調査委員について準用する。 (事業の譲渡の許可の申立て) 第八百九十六条 清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。 2 裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第八百九十七条 第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 前項の裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算株式会社の財産に関する保全処分等) 第八百九十八条 裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。 一 第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分 二 第五百四十一条第一項又は第二項の規定による処分 三 第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分 四 第五百四十三条の規定による処分 2 前項各号に掲げる裁判及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第八百九十九条 清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。 4 役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (債権者集会の招集の許可の申立てについての裁判) 第九百条 第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (協定の認可又は不認可の決定) 第九百一条 利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。 2 共助対象外国租税の請求権について、協定において減免その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。 3 第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 4 第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 5 前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則 (特別清算終結の申立てについての裁判) 第九百二条 特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 2 特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 3 特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。 4 特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 第四節 外国会社の清算の手続に関する特則 (特別清算の手続に関する規定の準用) 第九百三条 前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第九百四条 裁判所は、第八百二十四条第一項又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (会社の財産に関する保全処分についての特則) 第九百五条 裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社又は外国会社の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社又は外国会社の負担とする。 第九百六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四章 登記 第一節 総則 (通則) 第九百七条 この法律の規定により登記すべき事項(第九百三十八条第三項の保全処分の登記に係る事項を除く。)は、当事者の申請又は裁判所書記官の嘱託により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。 (登記の効力) 第九百八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (変更の登記及び消滅の登記) 第九百九条 この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。 (登記の期間) 第九百十条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二節 会社の登記 (株式会社の設立の登記) 第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日) 二 発起人が定めた日 2 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 創立総会の終結の日 二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 発行可能株式総数 七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容) 八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数 九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数 十 株券発行会社であるときは、その旨 十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項 イ 新株予約権の数 ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号まで(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)に掲げる事項 ハ 第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め ニ ロ及びハに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件 ホ 第二百三十六条第一項第七号及び第二百三十八条第一項第二号に掲げる事項 ヘ 第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法) 十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 十三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名 十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。) 十五 取締役会設置会社であるときは、その旨 十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所 十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨 ロ 監査役の氏名 十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨 十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項 イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨 ロ 特別取締役の氏名 ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 二十二 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名 ロ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ハ 第三百九十九条の十三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨 二十三 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名 ハ 代表執行役の氏名及び住所 二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 二十五 第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 二十六 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 二十七 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 二十八 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 二十九 第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合名会社の設立の登記) 第九百十二条 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。) 七 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合資会社の設立の登記) 第九百十三条 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別 七 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額 八 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。) 九 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 十 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十二 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合同会社の設立の登記) 第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称 七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所 八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 九 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十一 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (変更の登記) 第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 一 新株予約権の行使 二 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。) (他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記) 第九百十六条 会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 株式会社 第九百十一条第三項各号に掲げる事項 二 合名会社 第九百十二条各号に掲げる事項 三 合資会社 第九百十三条各号に掲げる事項 四 合同会社 第九百十四条各号に掲げる事項 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第九百十七条 次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 一 株式会社 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役 二 合名会社 社員 三 合資会社 社員 四 合同会社 業務を執行する社員 (支配人の登記) 第九百十八条 会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 (持分会社の種類の変更の登記) 第九百十九条 持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。 (組織変更の登記) 第九百二十条 会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第九百二十一条 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。 (新設合併の登記) 第九百二十二条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ヘ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第二項の総株主の同意を得た日 ロ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ハ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ニ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (吸収分割の登記) 第九百二十三条 会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。 (新設分割の登記) 第九百二十四条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ヘ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ホ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (株式移転の登記) 第九百二十五条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。 一 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 二 株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 三 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 四 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 五 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 六 株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日) (解散の登記) 第九百二十六条 第四百七十一条第一号から第三号まで又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。 (継続の登記) 第九百二十七条 第四百七十三条、第六百四十二条第一項又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人の登記) 第九百二十八条 第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨 2 第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名又は名称及び住所 二 清算持分会社を代表する清算人の氏名又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。) 三 清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名及び住所 3 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 4 第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第九百二十九条 清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 一 清算株式会社 第五百七条第三項の承認の日 二 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日) 三 清算持分会社(合同会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日 第九百三十条から第九百三十二条まで 削除 第三節 外国会社の登記 (外国会社の登記) 第九百三十三条 外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。 一 日本に営業所を設けていない場合 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下この節において同じ。)の住所地 二 日本に営業所を設けた場合 当該営業所の所在地 2 外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 外国会社の設立の準拠法 二 日本における代表者の氏名及び住所 三 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法 四 前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 五 第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め 六 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め 七 第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 3 外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。 4 第九百十五条及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。 この場合において、これらの規定中「二週間」とあるのは「三週間」と、「本店の所在地」とあるのは「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と読み替えるものとする。 5 前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。 (日本における代表者の選任の登記等) 第九百三十四条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。 (日本における代表者の住所の移転の登記等) 第九百三十五条 日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。 (日本における営業所の設置の登記等) 第九百三十六条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。 第四節 登記の嘱託 (裁判による登記の嘱託) 第九百三十七条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 会社の設立の無効の訴え ロ 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え ハ 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この節において同じ。)の発行の無効の訴え ニ 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え ホ 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え ヘ 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え ト 株主総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 株主総会等の決議の取消しの訴え チ 持分会社の設立の取消しの訴え リ 会社の解散の訴え ヌ 株式会社の役員の解任の訴え ル 持分会社の社員の除名の訴え ヲ 持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判(次条第二項第一号に規定する裁判を除く。) ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判(次条第二項第二号に規定する裁判を除く。) ニ 清算人又は代表清算人若しくは清算持分会社を代表する清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判(次条第二項第三号に規定する裁判を除く。) ホ 清算人の解任の裁判(次条第二項第四号に規定する裁判を除く。) 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第八百二十四条第一項の規定による会社の解散を命ずる裁判 2 第八百二十七条第一項の規定による外国会社の日本における取引の継続の禁止又は営業所の閉鎖を命ずる裁判が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、次の各号に掲げる外国会社の区分に応じ、当該各号に定める地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 日本に営業所を設けていない外国会社 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地 二 日本に営業所を設けている外国会社 当該営業所の所在地 3 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社についての解散の登記及び組織変更をする会社についての回復の登記 二 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社についての変更の登記及び吸収合併により消滅する会社についての回復の登記 三 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社についての解散の登記及び新設合併により消滅する会社についての回復の登記 四 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記 五 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社についての変更の登記及び新設分割により設立する会社についての解散の登記 六 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換をする株式会社(第七百六十八条第一項第四号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)及び株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社についての変更の登記 七 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社(第七百七十三条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)についての変更の登記及び株式移転により設立する株式会社についての解散の登記 八 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社についての変更の登記 (特別清算に関する裁判による登記の嘱託) 第九百三十八条 次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始の命令があったとき 特別清算開始の登記 二 特別清算開始の命令を取り消す決定が確定したとき 特別清算開始の取消しの登記 三 特別清算終結の決定が確定したとき 特別清算終結の登記 2 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始後における第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判があったとき。 二 前号の裁判を取り消す裁判があったとき。 三 特別清算開始後における清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判があったとき。 四 特別清算開始後における清算人の解任の裁判があったとき。 五 前号の裁判を取り消す裁判が確定したとき。 3 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 清算株式会社の財産に属する権利で登記されたものに関し第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 4 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 5 前二項の規定は、登録のある権利について準用する。 6 前各項の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五章 公告 第一節 総則 (会社の公告方法) 第九百三十九条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告 2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 3 会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。 (電子公告の公告期間等) 第九百四十条 株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告 当該特定の日 二 第四百四十条第一項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 前三号に掲げる公告以外の公告 当該公告の開始後一箇月を経過する日 2 外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下この章において「公告期間」という。)中公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。 一 公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は会社に正当な事由があること。 二 公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。 三 会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。 第二節 電子公告調査機関 (電子公告調査) 第九百四十一条 この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。 (登録) 第九百四十二条 前条の登録(以下この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。 2 登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (欠格事由) 第九百四十三条 次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 この節の規定若しくは農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項及び第三十四条の二十三第四項、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の二十八第六項(同法第四十三条第三項並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項、第八十条第一項及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第四十五条の二第六項、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第四十条の二第六項、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十三条の二十の二第六項、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項(同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)第十五条第六項(同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条の二及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百九十四条第四項、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二十条第四項、第六十一条第七項、第六十二条の二十五第七項及び第六十三条の二十第七項並びに労働者協同組合法(令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 二 第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三 法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの (登録基準) 第九百四十四条 法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。 この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。 一 電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。 イ 当該電子計算機及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。 ロ 当該電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。 ハ 当該電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。 二 電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。 2 登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。 一 登録年月日及び登録番号 二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 三 登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地 (登録の更新) 第九百四十五条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。 (調査の義務等) 第九百四十六条 調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。 2 調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。 3 調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下この節において「調査委託者」という。)の商号その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。 4 調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。 (電子公告調査を行うことができない場合) 第九百四十七条 調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告又はその者若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。 一 当該調査機関 二 当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。) 三 理事等又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人 四 理事等又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。)又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人 (事業所の変更の届出) 第九百四十八条 調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。 (業務規程) 第九百四十九条 調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。 (業務の休廃止) 第九百五十条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。 (財務諸表等の備置き及び閲覧等) 第九百五十一条 調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (適合命令) 第九百五十二条 法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第九百五十三条 法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと又は電子公告調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (登録の取消し等) 第九百五十四条 法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第九百四十三条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 二 第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで、第九百五十一条第一項又は次条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号又は次条第二項各号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。 四 第九百五十二条又は前条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。 五 不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。 (調査記録簿等の記載等) 第九百五十五条 調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求 二 調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (調査記録簿等の引継ぎ) 第九百五十六条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。 2 前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。 (法務大臣による電子公告調査の業務の実施) 第九百五十七条 法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災その他の事由によって電子公告調査の業務の全部又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。 2 法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、法務省令で定める。 3 第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (報告及び検査) 第九百五十八条 法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (公示) 第九百五十九条 法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一 登録をしたとき。 二 第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。 三 第九百四十八条又は第九百五十条の届出があったとき。 四 第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 五 第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。 第八編 罰則 (取締役等の特別背任罪) 第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時監査役 三 取締役、会計参与、監査役又は執行役 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者 六 支配人 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算株式会社の清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者 三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 四 清算人代理 五 監督委員 六 調査委員 (代表社債権者等の特別背任罪) 第九百六十一条 代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (未遂罪) 第九百六十二条 前二条の罪の未遂は、罰する。 (会社財産を危うくする罪) 第九百六十三条 第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 第九百六十条第一項第三号から第五号までに掲げる者が、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会若しくは種類株主総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、前項と同様とする。 3 検査役が、第二十八条各号、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 4 第九十四条第一項の規定により選任された者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 5 第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。 一 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得したとき。 二 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。 三 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第九百六十四条 次に掲げる者が、株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集をするに当たり、会社の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者 二 持分会社の業務を執行する社員 三 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者 四 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集の委託を受けた者 2 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。 (預合いの罪) 第九百六十五条 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者が、株式の発行に係る払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 預合いに応じた者も、同様とする。 (株式の超過発行の罪) 第九百六十六条 次に掲げる者が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時執行役 三 取締役、執行役又は清算株式会社の清算人 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)又は第四百三条第三項において準用する第四百一条第三項の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を行うべき者 (取締役等の贈収賄罪) 第九百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第九百六十条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 第九百六十一条に規定する者 三 会計監査人又は第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 (株主等の権利の行使に関する贈収賄罪) 第九百六十八条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会における発言又は議決権の行使 二 第二百十条若しくは第二百四十七条、第二百九十七条第一項若しくは第四項、第三百三条第一項若しくは第二項、第三百四条、第三百五条第一項若しくは第三百六条第一項若しくは第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百五十八条第一項、第三百六十条第一項若しくは第二項(これらの規定を第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)、第四百二十二条第一項若しくは第二項、第四百二十六条第七項、第四百三十三条第一項若しくは第四百七十九条第二項に規定する株主の権利の行使、第五百十一条第一項若しくは第五百二十二条第一項に規定する株主若しくは債権者の権利の行使又は第五百四十七条第一項若しくは第三項に規定する債権者の権利の行使 三 社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者の権利の行使 四 第八百二十八条第一項、第八百二十九条から第八百三十一条まで、第八百三十三条第一項、第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項、第八百四十七条の三第七項若しくは第九項、第八百五十三条、第八百五十四条又は第八百五十八条に規定する訴えの提起(株主等(第八百四十七条の四第二項に規定する株主等をいう。次号において同じ。)、株式会社の債権者又は新株予約権若しくは新株予約権付社債を有する者がするものに限る。) 五 第八百四十九条第一項の規定による株主等の訴訟参加 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。 (没収及び追徴) 第九百六十九条 第九百六十七条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (株主等の権利の行使に関する利益供与の罪) 第九百七十条 第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。第三項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。 3 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において第一項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。 4 前二項の罪を犯した者が、その実行について第一項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 5 前三項の罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができる。 6 第一項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。 (国外犯) 第九百七十一条 第九百六十条から第九百六十三条まで、第九百六十五条、第九百六十六条、第九百六十七条第一項、第九百六十八条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 第九百六十七条第二項、第九百六十八条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第九百七十二条 第九百六十条、第九百六十一条、第九百六十三条から第九百六十六条まで、第九百六十七条第一項又は第九百七十条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第九百六十二条の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (業務停止命令違反の罪) 第九百七十三条 第九百五十四条の規定による電子公告調査(第九百四十二条第一項に規定する電子公告調査をいう。以下同じ。)の業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (虚偽届出等の罪) 第九百七十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第九百五十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 二 第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項若しくは第九百五十六条第二項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者 三 第九百五十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 (両罰規定) 第九百七十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁、株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、株主名簿、株券喪失登録簿、新株予約権原簿、社債原簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第四百三十五条第二項若しくは第四百九十四条第一項の附属明細書、会計参与報告、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第百二十二条第一項、第百四十九条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第一項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第一項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第一項、第二百五十条第一項、第二百七十条第一項、第六百八十二条第一項、第六百九十五条第一項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第一項、第七百九十四条第一項、第八百一条第一項若しくは第二項、第八百三条第一項、第八百十一条第一項、第八百十五条第一項若しくは第二項、第八百十六条の二第一項若しくは第八百十六条の十第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第三十一条第一項の規定、第七十四条第六項、第七十五条第三項、第七十六条第四項、第八十一条第二項若しくは第八十二条第二項(これらの規定を第八十六条において準用する場合を含む。)、第百二十五条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第二項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第二項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第二項、第二百三十一条第一項若しくは第二百五十二条第一項、第三百十条第六項、第三百十一条第三項、第三百十二条第四項、第三百十八条第二項若しくは第三項若しくは第三百十九条第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百七十一条第一項(第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)、第三百七十八条第一項、第三百九十四条第一項、第三百九十九条の十一第一項、第四百十三条第一項、第四百四十二条第一項若しくは第二項、第四百九十六条第一項、第六百八十四条第一項、第七百三十一条第二項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第二項、第七百九十四条第一項、第八百一条第三項、第八百三条第一項、第八百十一条第二項、第八百十五条第三項、第八百十六条の二第一項又は第八百十六条の十第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 正当な理由がないのに、株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会において、株主又は設立時株主の求めた事項について説明をしなかったとき。 十 第百三十五条第一項の規定に違反して株式を取得したとき、又は同条第三項の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。 十一 第百七十八条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の消却をしたとき。 十二 第百九十七条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の競売又は売却をしたとき。 十三 株式、新株予約権又は社債の発行の日前に株券、新株予約権証券又は社債券を発行したとき。 十四 第二百十五条第一項、第二百八十八条第一項又は第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく、株券、新株予約権証券又は社債券を発行しなかったとき。 十五 株券、新株予約権証券又は社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 十六 第二百二十五条第四項、第二百二十六条第二項、第二百二十七条又は第二百二十九条第二項の規定に違反して、株券喪失登録を抹消しなかったとき。 十七 第二百三十条第一項の規定に違反して、株主名簿に記載し、又は記録したとき。 十八 第二百九十六条第一項の規定又は第三百七条第一項第一号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)若しくは第三百五十九条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、株主総会を招集しなかったとき。 十八の二 第三百三条第一項又は第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会又は種類株主総会の目的としなかったとき。 十九 第三百二十五条の三第一項(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十九の二 第三百二十七条の二の規定に違反して、社外取締役を選任しなかったとき。 十九の三 第三百三十一条第六項の規定に違反して、社外取締役を監査等委員である取締役の過半数に選任しなかったとき。 二十 第三百三十五条第三項の規定に違反して、社外監査役を監査役の半数以上に選任しなかったとき。 二十一 第三百四十三条第二項(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第三百四十四条の二第二項(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会若しくは種類株主総会の目的とせず、又はその請求に係る議案を株主総会若しくは種類株主総会に提出しなかったとき。 二十二 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 二十三 第三百六十五条第二項(第四百十九条第二項及び第四百八十九条第八項において準用する場合を含む。)又は第四百三十条の二第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、取締役会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 二十四 第三百九十条第三項の規定に違反して、常勤の監査役を選定しなかったとき。 二十五 第四百四十五条第三項若しくは第四項の規定に違反して資本準備金若しくは準備金を計上せず、又は第四百四十八条の規定に違反して準備金の額の減少をしたとき。 二十六 第四百四十九条第二項若しくは第五項、第六百二十七条第二項若しくは第五項、第六百三十五条第二項若しくは第五項、第六百七十条第二項若しくは第五項、第七百七十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十六条の八第二項若しくは第五項又は第八百二十条第一項若しくは第二項の規定に違反して、資本金若しくは準備金の額の減少、持分の払戻し、持分会社の財産の処分、組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付又は外国会社の日本における代表者の全員の退任をしたとき。 二十七 第四百八十四条第一項若しくは第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠ったとき、又は第五百十一条第二項の規定に違反して特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。 二十八 清算の結了を遅延させる目的で、第四百九十九条第一項、第六百六十条第一項又は第六百七十条第二項の期間を不当に定めたとき。 二十九 第五百条第一項、第五百三十七条第一項又は第六百六十一条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 三十 第五百二条又は第六百六十四条の規定に違反して、清算株式会社又は清算持分会社の財産を分配したとき。 三十一 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の規定に違反したとき。 三十二 第五百四十条第一項若しくは第二項又は第五百四十二条第一項若しくは第二項の規定による保全処分に違反したとき。 三十三 第七百二条の規定に違反して社債を発行し、又は第七百十四条第一項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者を定めなかったとき。 三十四 第八百二十七条第一項の規定による裁判所の命令に違反したとき。 三十五 第九百四十一条の規定に違反して、電子公告調査を求めなかったとき。 第九百七十七条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 第九百五十一条第一項の規定に違反して、財務諸表等(同項に規定する財務諸表等をいう。以下同じ。)を備え置かず、又は財務諸表等に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者 三 正当な理由がないのに、第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第九百七十八条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第六条第三項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者 二 第七条の規定に違反して、会社であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第八条第一項の規定に違反して、他の会社(外国会社を含む。)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者 第九百七十九条 会社の成立前に当該会社の名義を使用して事業をした者は、会社の設立の登録免許税の額に相当する過料に処する。 2 第八百十八条第一項又は第八百二十一条第一項の規定に違反して取引をした者も、前項と同様とする。
民事
Heisei
Act
417AC0000000086_20251213_505AC0000000053.xml
平成十七年法律第八十六号
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会社法 第一編 総則 第一章 通則 (趣旨) 第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。 二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。 三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 子会社 ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの 四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 親会社 ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの 五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。 六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。 イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。 七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。 八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。 九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。 十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。 十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。 十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。 十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。 十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。 十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。 十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。 二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。 二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。 二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。 二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。 二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。 二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。 イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社 二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。 二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。 二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。 三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。 三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。 三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。 三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。 (法人格) 第三条 会社は、法人とする。 (住所) 第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。 (商行為) 第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。 第二章 会社の商号 (商号) 第六条 会社は、その名称を商号とする。 2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。 3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 第九条 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三章 会社の使用人等 第一節 会社の使用人 (支配人) 第十条 会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。 (支配人の代理権) 第十一条 支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (支配人の競業の禁止) 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自ら営業を行うこと。 二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。 四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (表見支配人) 第十三条 会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第十四条 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。 2 前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第十五条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 第二節 会社の代理商 (通知義務) 第十六条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。 (代理商の競業の禁止) 第十七条 代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (通知を受ける権限) 第十八条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。 (契約の解除) 第十九条 会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。 (代理商の留置権) 第二十条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。 第四章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等 (譲渡会社の競業の禁止) 第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。 2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。 (譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等) 第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。 事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。 3 譲受会社が第一項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。 (譲受会社による債務の引受け) 第二十三条 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。 2 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 (詐害事業譲渡に係る譲受会社に対する債務の履行の請求) 第二十三条の二 譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って事業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、その譲受会社が事業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 譲受会社が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 事業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。 3 譲渡会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受会社に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。 (商人との間での事業の譲渡又は譲受け) 第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する譲渡人とみなして、同法第十七条から第十八条の二までの規定を適用する。 この場合において、同条第三項中「又は再生手続開始の決定」とあるのは、「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とする。 2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前三条の規定を適用する。 この場合において、前条第三項中「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とあるのは、「又は再生手続開始の決定」とする。 第二編 株式会社 第一章 設立 第一節 総則 第二十五条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法 2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。 第二節 定款の作成 (定款の作成) 第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額 五 発起人の氏名又は名称及び住所 第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。) 二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称 三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称 四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。) 第二十九条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第三十一条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 4 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第一項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。 第三節 出資 (設立時発行株式に関する事項の決定) 第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数 二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額 三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。 (定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 9 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。 10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第一号及び第二号に掲げる事項 二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項 三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。) 11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 発起人 二 第二十八条第二号の財産の譲渡人 三 設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。) 四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの (出資の履行) 第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (設立時発行株式の株主となる権利の譲渡) 第三十五条 前条第一項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (設立時発行株式の株主となる権利の喪失) 第三十六条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。 3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。 (発行可能株式総数の定め等) 第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。 3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。 ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 第四節 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 3 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。 一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。) 二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。) 三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。) 4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。 第三十九条 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。 4 第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。 5 第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。 (設立時役員等の選任の方法の特則) 第四十一条 前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)の選任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時役員等の解任) 第四十二条 発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第四項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第四十三条 設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査等委員である設立時取締役又は設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。 (設立時取締役等の解任の方法の特則) 第四十四条 前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く。次項及び第四項において同じ。)の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。第四項において同じ。)を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 3 前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 4 前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 5 前各項の規定は、第四十一条第一項の規定により選任された設立時監査等委員である設立時取締役及び同条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。 この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。 (設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則) 第四十五条 株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。 一 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任 二 監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役の全部又は一部の選任又は解任 これらの取締役となる設立時取締役の選任又は解任 三 会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任 四 監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任 五 会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 第五節 設立時取締役等による調査 第四十六条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 出資の履行が完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。 3 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。 第六節 設立時代表取締役等の選定等 (設立時代表取締役の選定等) 第四十七条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 (設立時委員の選定等) 第四十八条 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。 一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。 イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者 ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者 ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者 二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。 三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。 ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。 3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 第七節 株式会社の成立 (株式会社の成立) 第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (株式の引受人の権利) 第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第五十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。 2 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 第八節 発起人等の責任等 (出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 第五十二条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。 一 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 (出資の履行を仮装した場合の責任等) 第五十二条の二 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払 二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 4 発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。 5 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (発起人等の損害賠償責任) 第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (発起人等の連帯責任) 第五十四条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第五十五条 第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (株式会社不成立の場合の責任) 第五十六条 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。 第九節 募集による設立 第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集 (設立時発行株式を引き受ける者の募集) 第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。 2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (設立時募集株式に関する事項の決定) 第五十八条 発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。) 二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。) 三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間 四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日 2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。 (設立時募集株式の申込み) 第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名 二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項 三 発起人が出資した財産の価額 四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。 3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする設立時募集株式の数 4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (設立時募集株式の割当て) 第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。 2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。 (設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第六十一条 前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (設立時募集株式の引受け) 第六十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。 一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数 二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数 (設立時募集株式の払込金額の払込み) 第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。 2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。 (払込金の保管証明) 第六十四条 第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。 2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。 第二款 創立総会等 (創立総会の招集) 第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。 2 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。 (創立総会の権限) 第六十六条 創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。 (創立総会の招集の決定) 第六十七条 発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 創立総会の日時及び場所 二 創立総会の目的である事項 三 創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 (創立総会の招集の通知) 第六十八条 創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合 3 発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 7 前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (招集手続の省略) 第六十九条 前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七十条 発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 第七十一条 発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 3 発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の数) 第七十二条 設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。 3 前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。 (創立総会の決議) 第七十三条 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 3 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。 4 創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第七十四条 設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。 3 第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。 7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (書面による議決権の行使) 第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。 2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (議決権の不統一行使) 第七十七条 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (発起人の説明義務) 第七十八条 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第七十九条 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (延期又は続行の決議) 第八十条 創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。 (議事録) 第八十一条 創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。 3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会の決議の省略) 第八十二条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。 2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会への報告の省略) 第八十三条 発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第八十四条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類創立総会の招集及び決議) 第八十五条 前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。 2 種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 3 前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (創立総会に関する規定の準用) 第八十六条 第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。 この場合において、第六十七条第一項第三号及び第四号並びに第二項、第六十八条第一項及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第三項及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項及び第三項、第七十七条、第七十八条本文並びに第八十二条第一項中「設立時株主」とあるのは、「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と読み替えるものとする。 第三款 設立に関する事項の報告 第八十七条 発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。 2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容 二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容 第四款 設立時取締役等の選任及び解任 (設立時取締役等の選任) 第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 (累積投票による設立時取締役の選任) 第八十九条 創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、設立時株主(設立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (種類創立総会の決議による設立時取締役等の選任) 第九十条 第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。 2 前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時取締役等の解任) 第九十一条 第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 第九十二条 第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「取締役を」とあるのは「監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役を」と、「設立時取締役」とあるのは「設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役」とする。 4 第一項及び第二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役について準用する。 第五款 設立時取締役等による調査 (設立時取締役等による調査) 第九十三条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 発起人による出資の履行及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 3 設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 (設立時取締役等が発起人である場合の特則) 第九十四条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)の全部又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。 2 前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 第六款 定款の変更 (発起人による定款の変更の禁止) 第九十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。 (創立総会における定款の変更) 第九十六条 第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。 (設立時発行株式の引受けの取消し) 第九十七条 創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 (創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 (定款の変更の手続の特則) 第九十九条 設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。 一 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。 二 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。 第百条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主 2 前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 第百一条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式の種類の追加 二 株式の内容の変更 三 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加 2 前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。 第七款 設立手続等の特則等 (設立手続等の特則) 第百二条 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。 2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。 3 設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。 4 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 5 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。 6 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 (払込みを仮装した設立時募集株式の引受人の責任) 第百二条の二 設立時募集株式の引受人は、前条第三項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。 2 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (発起人の責任等) 第百三条 第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号に」とする。 2 第百二条第三項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第一項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 4 第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前三項の規定を適用する。 第二章 株式 第一節 総則 (株主の責任) 第百四条 株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 (株主の権利) 第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (共有者による権利の行使) 第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (株式の内容についての特別の定め) 第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に掲げる事項 イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨 ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨 ロ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ヘ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項 ト イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 (異なる種類の株式) 第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。 ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。 一 剰余金の配当 二 残余財産の分配 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。 2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。 一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容 二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項 イ 株主総会において議決権を行使することができる事項 ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項 イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法 ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項 ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項 イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数 ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。 この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。 (株主の平等) 第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。 (定款の変更の手続の特則) 第百十条 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、株主全員の同意を得なければならない。 第百十一条 種類株式発行会社がある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該種類の株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 2 種類株式発行会社がある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合には、当該定款の変更は、次に掲げる種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の株式の種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の種類株主 (取締役の選任等に関する種類株式の定款の定めの廃止の特則) 第百十二条 第百八条第二項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは、廃止されたものとみなす。 2 前項の規定は、第百八条第二項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定款の定めについて準用する。 (発行可能株式総数) 第百十三条 株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。 2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。 3 次に掲げる場合には、当該定款の変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 一 公開会社が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合 二 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合 4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 (発行可能種類株式総数) 第百十四条 定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数を下ることができない。 2 ある種類の株式についての次に掲げる数の合計数は、当該種類の株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 一 取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 二 取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)が第百七十条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 三 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数 (議決権制限株式の発行数) 第百十五条 種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第百十六条 次の各号に掲げる場合には、反対株主は、株式会社に対し、自己の有する当該各号に定める株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 全部の株式 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 第百十一条第二項各号に規定する株式 三 次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式(第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがあるものに限る。)を有する種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 当該種類の株式 イ 株式の併合又は株式の分割 ロ 第百八十五条に規定する株式無償割当て ハ 単元株式数についての定款の変更 ニ 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ホ 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ヘ 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 前項各号の行為をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該行為に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 第一項各号の行為をしようとする株式会社は、当該行為が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「効力発生日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める株式の株主に対し、当該行為をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式会社が第一項各号の行為を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百十七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めがある株式会社をいう。以下同じ。)は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第百十八条 次の各号に掲げる定款の変更をする場合には、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 全部の新株予約権 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 当該種類の株式を目的とする新株予約権 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この節において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項各号に掲げる定款の変更をしようとする株式会社は、当該定款の変更が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「定款変更日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、当該定款の変更を行う旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、定款変更日の二十日前の日から定款変更日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券(第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券をいう。以下この項及び次条第八項において同じ。)が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 株式会社が第一項各号に掲げる定款の変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第百十九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、定款変更日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、定款変更日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、定款変更日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、定款変更日に、その効力を生ずる。 7 株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、その新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (株主等の権利の行使に関する利益の供与) 第百二十条 株式会社は、何人に対しても、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。)の株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。 2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。 株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。 3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。 この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。 4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。以下この項において同じ。)として法務省令で定める者は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。 ただし、その者(当該利益の供与をした取締役を除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第二節 株主名簿 (株主名簿) 第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 株主の氏名又は名称及び住所 二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 三 第一号の株主が株式を取得した日 四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号 (株主名簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百二十二条 前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (株主名簿管理人) 第百二十三条 株式会社は、株主名簿管理人(株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百二十四条 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 3 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。 ただし、定款に当該基準日及び当該事項について定めがあるときは、この限りでない。 4 基準日株主が行使することができる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、当該基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を当該権利を行使することができる者と定めることができる。 ただし、当該株式の基準日株主の権利を害することができない。 5 第一項から第三項までの規定は、第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者について準用する。 (株主名簿の備置き及び閲覧等) 第百二十五条 株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の株主名簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (株主に対する通知等) 第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 第三節 株式の譲渡等 第一款 株式の譲渡 (株式の譲渡) 第百二十七条 株主は、その有する株式を譲渡することができる。 (株券発行会社の株式の譲渡) 第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。 2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。 (自己株式の処分に関する特則) 第百二十九条 株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。 (株式の譲渡の対抗要件) 第百三十条 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 (権利の推定等) 第百三十一条 株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。 2 株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十二条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 株式を発行した場合 二 当該株式会社の株式を取得した場合 三 自己株式を処分した場合 2 株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 (株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十三条 株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 第百三十四条 前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。 二 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。 三 当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。 四 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。 (親会社株式の取得の禁止) 第百三十五条 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合 二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合 三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合 3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。 第二款 株式の譲渡に係る承認手続 (株主からの承認の請求) 第百三十六条 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (株式取得者からの承認の請求) 第百三十七条 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第百三十八条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称 ハ 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの株式取得者の氏名又は名称 ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 (譲渡等の承認の決定等) 第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社又は指定買取人による買取り) 第百四十条 株式会社は、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 対象株式を買い取る旨 二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。 5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式会社による買取りの通知) 第百四十一条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を決定したときは、譲渡等承認請求者に対し、これらの事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額(一株当たりの純資産額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下同じ。)に前条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をその本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、前条第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、当該株券発行会社に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、株券発行会社は、前条第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (指定買取人による買取りの通知) 第百四十二条 指定買取人は、第百四十条第四項の規定による指定を受けたときは、譲渡等承認請求者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 指定買取人として指定を受けた旨 二 指定買取人が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 指定買取人は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額に同項第二号の対象株式の数を乗じて得た額を株式会社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、指定買取人に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、指定買取人は、第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (譲渡等承認請求の撤回) 第百四十三条 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 2 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百四十四条 第百四十一条第一項の規定による通知があった場合には、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格は、株式会社と譲渡等承認請求者との協議によって定める。 2 株式会社又は譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に第百四十条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をもって当該対象株式の売買価格とする。 6 第百四十一条第二項の規定による供託をした場合において、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格が確定したときは、株式会社は、供託した金銭に相当する額を限度として、売買代金の全部又は一部を支払ったものとみなす。 7 前各項の規定は、第百四十二条第一項の規定による通知があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第二項中「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第四項及び第五項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、前項中「第百四十一条第二項」とあるのは「第百四十二条第二項」と、「第百四十条第一項第二号」とあるのは「同条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と読み替えるものとする。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第百四十五条 次に掲げる場合には、株式会社は、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 一 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の規定による請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百三十九条第二項の規定による通知をしなかった場合 二 株式会社が第百三十九条第二項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十一条第一項の規定による通知をしなかった場合(指定買取人が第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十二条第一項の規定による通知をした場合を除く。) 三 前二号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第三款 株式の質入れ (株式の質入れ) 第百四十六条 株主は、その有する株式に質権を設定することができる。 2 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 (株式の質入れの対抗要件) 第百四十七条 株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができない。 3 民法第三百六十四条の規定は、株式については、適用しない。 (株主名簿の記載等) 第百四十八条 株式に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である株式 (株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第百四十九条 前条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録株式質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録株式質権者についての株主名簿に記載され、若しくは記録された同条各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (登録株式質権者に対する通知等) 第百五十条 株式会社が登録株式質権者に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該登録株式質権者の住所(当該登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式の質入れの効果) 第百五十一条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、株式を目的とする質権は、当該行為によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)について存在する。 一 第百六十七条第一項の規定による取得請求権付株式の取得 二 第百七十条第一項の規定による取得条項付株式の取得 三 第百七十三条第一項の規定による第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 四 株式の併合 五 株式の分割 六 第百八十五条に規定する株式無償割当て 七 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 八 剰余金の配当 九 残余財産の分配 十 組織変更 十一 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 十二 株式交換 十三 株式移転 十四 株式の取得(第一号から第三号までに掲げる行為を除く。) 2 特別支配株主(第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。第百五十四条第三項において同じ。)が株式売渡請求(第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。)により売渡株式(第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。以下この項において同じ。)の取得をした場合には、売渡株式を目的とする質権は、当該取得によって当該売渡株式の株主が受けることのできる金銭について存在する。 第百五十二条 株式会社(株券発行会社を除く。以下この条において同じ。)は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる行為をした場合(これらの行為に際して当該株式会社が株式を交付する場合に限る。)又は同項第六号に掲げる行為をした場合において、同項の質権の質権者が登録株式質権者(第二百十八条第五項の規定による請求により第百四十八条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録されたものを除く。以下この款において同じ。)であるときは、前条第一項の株主が受けることができる株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 株式会社は、株式の併合をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、併合した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、分割した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 第百五十三条 株券発行会社は、前条第一項に規定する場合には、第百五十一条第一項の株主が受ける株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 2 株券発行会社は、前条第二項に規定する場合には、併合した株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 3 株券発行会社は、前条第三項に規定する場合には、分割した株式について新たに発行する株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 第百五十四条 登録株式質権者は、第百五十一条第一項の金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 第百五十一条第一項第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十四号に掲げる行為 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 四 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 五 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第百五十一条第二項に規定する場合において、第一項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該特別支配株主に同条第二項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第四款 信託財産に属する株式についての対抗要件等 第百五十四条の二 株式については、当該株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、当該株式が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第百二十一条第一号の株主は、その有する株式が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 株主名簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百二十二条第一項及び第百三十二条の規定の適用については、第百二十二条第一項中「記録された株主名簿記載事項」とあるのは「記録された株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」と、第百三十二条中「株主名簿記載事項」とあるのは「株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 第四節 株式会社による自己の株式の取得 第一款 総則 第百五十五条 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた場合 二 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求があった場合 三 次条第一項の決議があった場合 四 第百六十六条第一項の規定による請求があった場合 五 第百七十一条第一項の決議があった場合 六 第百七十六条第一項の規定による請求をした場合 七 第百九十二条第一項の規定による請求があった場合 八 第百九十七条第三項各号に掲げる事項を定めた場合 九 第二百三十四条第四項各号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を定めた場合 十 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合 十一 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十二 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十三 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第二款 株主との合意による取得 第一目 総則 (株式の取得に関する事項の決定) 第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額 三 株式を取得することができる期間 2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。 (取得価格等の決定) 第百五十七条 株式会社は、前条第一項の規定による決定に従い株式を取得しようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数) 二 株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の総額 四 株式の譲渡しの申込みの期日 2 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 3 第一項の株式の取得の条件は、同項の規定による決定ごとに、均等に定めなければならない。 (株主に対する通知等) 第百五十八条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、前条第一項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 公開会社においては、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (譲渡しの申込み) 第百五十九条 前条第一項の規定による通知を受けた株主は、その有する株式の譲渡しの申込みをしようとするときは、株式会社に対し、その申込みに係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにしなければならない。 2 株式会社は、第百五十七条第一項第四号の期日において、前項の株主が申込みをした株式の譲受けを承諾したものとみなす。 ただし、同項の株主が申込みをした株式の総数(以下この項において「申込総数」という。)が同条第一項第一号の数(以下この項において「取得総数」という。)を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に前項の株主が申込みをした株式の数を乗じて得た数(その数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)の株式の譲受けを承諾したものとみなす。 第二目 特定の株主からの取得 (特定の株主からの取得) 第百六十条 株式会社は、第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第百五十八条第一項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。 2 株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。 3 前項の株主は、第一項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。 4 第一項の特定の株主は、第百五十六条第一項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、第一項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 5 第一項の特定の株主を定めた場合における第百五十八条第一項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第百六十条第一項の特定の株主」とする。 (市場価格のある株式の取得の特則) 第百六十一条 前条第二項及び第三項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。 (相続人等からの取得の特則) 第百六十二条 第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 株式会社が公開会社である場合 二 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合 (子会社からの株式の取得) 第百六十三条 株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。 この場合においては、第百五十七条から第百六十条までの規定は、適用しない。 (特定の株主からの取得に関する定款の定め) 第百六十四条 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第百六十条第一項の規定による決定をするときは同条第二項及び第三項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。 2 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 第三目 市場取引等による株式の取得 第百六十五条 第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 2 取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。 第三款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得 第一目 取得請求権付株式の取得の請求 (取得の請求) 第百六十六条 取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。 ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第二号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第一項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。 ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。 (効力の発生) 第百六十七条 株式会社は、前条第一項の規定による請求の日に、その請求に係る取得請求権付株式を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした株主は、その請求の日に、第百七条第二項第二号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第五号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 二 第百七条第二項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 前項第四号に掲げる場合において、同号に規定する他の株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 この場合においては、株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を前条第一項の規定による請求をした株主に対して交付しなければならない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 4 前項の規定は、当該株式会社の社債及び新株予約権について端数がある場合について準用する。 この場合において、同項第二号中「一株当たり純資産額」とあるのは、「法務省令で定める額」と読み替えるものとする。 第二目 取得条項付株式の取得 (取得する日の決定) 第百六十八条 第百七条第二項第三号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第百七条第二項第三号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主)及びその登録株式質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する株式の決定等) 第百六十九条 株式会社は、第百七条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第百七十条 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第五項において同じ。)に、取得条項付株式(同条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項において同じ。)を取得する。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 次の各号に掲げる場合には、取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日に、同号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第六号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第三号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの社債の社債権者 二 第百七条第二項第三号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第三号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第百六十八条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 4 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 前各項の規定は、取得条項付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第三号ニからトまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が同号イの事由が生じた日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、適用しない。 第四款 全部取得条項付種類株式の取得 (全部取得条項付種類株式の取得に関する決定) 第百七十一条 全部取得条項付種類株式(第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定めがある種類の株式をいう。以下この款において同じ。)を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる。 この場合においては、当該株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等を交付するときは、当該金銭等(以下この条において「取得対価」という。)についての次に掲げる事項 イ 当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法 ロ 当該取得対価が当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 二 前号に規定する場合には、全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項 三 株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(以下この款において「取得日」という。) 2 前項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社を除く。)の有する全部取得条項付種類株式の数に応じて取得対価を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 取締役は、第一項の株主総会において、全部取得条項付種類株式の全部を取得することを必要とする理由を説明しなければならない。 (全部取得条項付種類株式の取得対価等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十一条の二 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から取得日後六箇月を経過する日までの間、前条第一項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 前条第一項の株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百七十二条第二項の規定による通知の日又は同条第三項の公告の日のいずれか早い日 2 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (全部取得条項付種類株式の取得をやめることの請求) 第百七十一条の三 第百七十一条第一項の規定による全部取得条項付種類株式の取得が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該全部取得条項付種類株式の取得をやめることを請求することができる。 (裁判所に対する価格の決定の申立て) 第百七十二条 第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。 一 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 2 株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。 (効力の発生) 第百七十三条 株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主(前条第一項の申立てをした株主を除く。)は、取得日に、第百七十一条第一項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第百七十一条第一項第一号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第百七十一条第一項第一号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第百七十一条第一項第一号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 (全部取得条項付種類株式の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十三条の二 株式会社は、取得日後遅滞なく、株式会社が取得した全部取得条項付種類株式の数その他の全部取得条項付種類株式の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、取得日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 全部取得条項付種類株式を取得した株式会社の株主又は取得日に全部取得条項付種類株式の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五款 相続人等に対する売渡しの請求 (相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め) 第百七十四条 株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。 (売渡しの請求の決定) 第百七十五条 株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式を有する者の氏名又は名称 2 前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 (売渡しの請求) 第百七十六条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。 ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百七十七条 前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。 2 株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。 5 第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。 第六款 株式の消却 第百七十八条 株式会社は、自己株式を消却することができる。 この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第四節の二 特別支配株主の株式等売渡請求 (株式等売渡請求) 第百七十九条 株式会社の特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を当該株式会社以外の者及び当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人(以下この条及び次条第一項において「特別支配株主完全子法人」という。)が有している場合における当該者をいう。以下同じ。)は、当該株式会社の株主(当該株式会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 2 特別支配株主は、前項の規定による請求(以下この章及び第八百四十六条の二第二項第一号において「株式売渡請求」という。)をするときは、併せて、その株式売渡請求に係る株式を発行している株式会社(以下「対象会社」という。)の新株予約権の新株予約権者(対象会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する対象会社の新株予約権の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 3 特別支配株主は、新株予約権付社債に付された新株予約権について前項の規定による請求(以下「新株予約権売渡請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式等売渡請求の方法) 第百七十九条の二 株式売渡請求は、次に掲げる事項を定めてしなければならない。 一 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 二 株式売渡請求によりその有する対象会社の株式を売り渡す株主(以下「売渡株主」という。)に対して当該株式(以下この章において「売渡株式」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 三 売渡株主に対する前号の金銭の割当てに関する事項 四 株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求(その新株予約権売渡請求に係る新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前条第三項の規定による請求を含む。以下同じ。)をするときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 特別支配株主完全子法人に対して新株予約権売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 ロ 新株予約権売渡請求によりその有する対象会社の新株予約権を売り渡す新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」という。)に対して当該新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、前条第三項の規定による請求をするときは、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この編において「売渡新株予約権」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 ハ 売渡新株予約権者に対するロの金銭の割当てに関する事項 五 特別支配株主が売渡株式(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式及び売渡新株予約権。以下「売渡株式等」という。)を取得する日(以下この節において「取得日」という。) 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 対象会社が種類株式発行会社である場合には、特別支配株主は、対象会社の発行する種類の株式の内容に応じ、前項第三号に掲げる事項として、同項第二号の金銭の割当てについて売渡株式の種類ごとに異なる取扱いを行う旨及び当該異なる取扱いの内容を定めることができる。 3 第一項第三号に掲げる事項についての定めは、売渡株主の有する売渡株式の数(前項に規定する定めがある場合にあっては、各種類の売渡株式の数)に応じて金銭を交付することを内容とするものでなければならない。 (対象会社の承認) 第百七十九条の三 特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。 2 対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。 3 取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 4 対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (売渡株主等に対する通知等) 第百七十九条の四 対象会社は、前条第一項の承認をしたときは、取得日の二十日前までに、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事項を通知しなければならない。 一 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。) 当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項 二 売渡株式の登録株式質権者(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式の登録株式質権者及び売渡新株予約権の登録新株予約権質権者(第二百七十条第一項に規定する登録新株予約権質権者をいう。)) 当該承認をした旨 2 前項の規定による通知(売渡株主に対してするものを除く。)は、公告をもってこれに代えることができる。 3 対象会社が第一項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、特別支配株主から売渡株主等に対し、株式等売渡請求がされたものとみなす。 4 第一項の規定による通知又は第二項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株式等売渡請求に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の五 対象会社は、前条第一項第一号の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日から取得日後六箇月(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日後一年)を経過する日までの間、次に掲げる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 特別支配株主の氏名又は名称及び住所 二 第百七十九条の二第一項各号に掲げる事項 三 第百七十九条の三第一項の承認をした旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 売渡株主等は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式等売渡請求の撤回) 第百七十九条の六 特別支配株主は、第百七十九条の三第一項の承認を受けた後は、取得日の前日までに対象会社の承諾を得た場合に限り、売渡株式等の全部について株式等売渡請求を撤回することができる。 2 取締役会設置会社が前項の承諾をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 3 対象会社は、第一項の承諾をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 4 対象会社は、第一項の承諾をしたときは、遅滞なく、売渡株主等に対し、当該承諾をした旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 6 対象会社が第四項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、株式等売渡請求は、売渡株式等の全部について撤回されたものとみなす。 7 第四項の規定による通知又は第五項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 8 前各項の規定は、新株予約権売渡請求のみを撤回する場合について準用する。 この場合において、第四項中「売渡株主等」とあるのは、「売渡新株予約権者」と読み替えるものとする。 (売渡株式等の取得をやめることの請求) 第百七十九条の七 次に掲げる場合において、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 株式売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡株主に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第二号又は第三号に掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 2 次に掲げる場合において、売渡新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡新株予約権者は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 新株予約権売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡新株予約権者に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第四号ロ又はハに掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 (売買価格の決定の申立て) 第百七十九条の八 株式等売渡請求があった場合には、売渡株主等は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、その有する売渡株式等の売買価格の決定の申立てをすることができる。 2 特別支配株主は、裁判所の決定した売買価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 3 特別支配株主は、売渡株式等の売買価格の決定があるまでは、売渡株主等に対し、当該特別支配株主が公正な売買価格と認める額を支払うことができる。 (売渡株式等の取得) 第百七十九条の九 株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。 2 前項の規定により特別支配株主が取得した売渡株式等が譲渡制限株式又は譲渡制限新株予約権(第二百四十三条第二項第二号に規定する譲渡制限新株予約権をいう。)であるときは、対象会社は、当該特別支配株主が当該売渡株式等を取得したことについて、第百三十七条第一項又は第二百六十三条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 (売渡株式等の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の十 対象会社は、取得日後遅滞なく、株式等売渡請求により特別支配株主が取得した売渡株式等の数その他の株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 対象会社は、取得日から六箇月間(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日から一年間)、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 取得日に売渡株主等であった者は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五節 株式の併合等 第一款 株式の併合 (株式の併合) 第百八十条 株式会社は、株式の併合をすることができる。 2 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 併合の割合 二 株式の併合がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。) 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類 四 効力発生日における発行可能株式総数 3 前項第四号の発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 4 取締役は、第二項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 (株主に対する通知等) 第百八十一条 株式会社は、効力発生日の二週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、前条第二項第三号の種類の種類株主。以下この款において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生) 第百八十二条 株主は、効力発生日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。 2 株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、第百八十条第二項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の二 株式の併合(単元株式数(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式の単元株式数。以下この項において同じ。)を定款で定めている場合にあっては、当該単元株式数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数に一に満たない端数が生ずるものに限る。以下この款において同じ。)をする株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、同項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 第百八十条第二項の株主総会(株式の併合をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。第百八十二条の四第二項において同じ。)の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百八十二条の四第三項の規定により読み替えて適用する第百八十一条第一項の規定による株主に対する通知の日又は第百八十一条第二項の公告の日のいずれか早い日 2 株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式の併合をやめることの請求) 第百八十二条の三 株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。 (反対株主の株式買取請求) 第百八十二条の四 株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第百八十条第二項の株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 株式会社が株式の併合をする場合における株主に対する通知についての第百八十一条第一項の規定の適用については、同項中「二週間」とあるのは、「二十日」とする。 4 第一項の規定による請求(以下この款において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 5 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 6 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 7 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百八十二条の五 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の六 株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の発行済株式)の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第二款 株式の分割 (株式の分割) 第百八十三条 株式会社は、株式の分割をすることができる。 2 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日 二 株式の分割がその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類 (効力の発生等) 第百八十四条 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第二項第三号の種類の種類株主)は、同項第二号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。 2 株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。 第三款 株式無償割当て (株式無償割当て) 第百八十五条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。 (株式無償割当てに関する事項の決定) 第百八十六条 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式無償割当ての効力の発生等) 第百八十七条 前条第一項第一号の株式の割当てを受けた株主は、同項第二号の日に、同項第一号の株式の株主となる。 2 株式会社は、前条第一項第二号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。 第六節 単元株式数 第一款 総則 (単元株式数) 第百八十八条 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。 2 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。 3 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。 (単元未満株式についての権利の制限等) 第百八十九条 単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。 2 株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。 一 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の交付を受ける権利 二 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利 三 第百八十五条に規定する株式無償割当てを受ける権利 四 第百九十二条第一項の規定により単元未満株式を買い取ることを請求する権利 五 残余財産の分配を受ける権利 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める権利 3 株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。 (理由の開示) 第百九十条 単元株式数を定める場合には、取締役は、当該単元株式数を定める定款の変更を目的とする株主総会において、当該単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければならない。 (定款変更手続の特則) 第百九十一条 株式会社は、次のいずれにも該当する場合には、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数。以下この条において同じ。)を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることができる。 一 株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設けるものであること。 二 イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと。 イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数 ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数) 第二款 単元未満株主の買取請求 (単元未満株式の買取りの請求) 第百九十二条 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 第一項の規定による請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、当該請求を撤回することができる。 (単元未満株式の価格の決定) 第百九十三条 前条第一項の規定による請求があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該請求に係る単元未満株式の価格とする。 一 当該単元未満株式が市場価格のある株式である場合 当該単元未満株式の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社と前条第一項の規定による請求をした単元未満株主との協議によって定める額 2 前項第二号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした単元未満株主又は株式会社は、当該請求をした日から二十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって当該単元未満株式の価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、同項第二号に掲げる場合において、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項第二号の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に前条第一項の規定による請求に係る単元未満株式の数を乗じて得た額をもって当該単元未満株式の価格とする。 6 前条第一項の規定による請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式につき前条第一項の規定による請求があったときは、株券と引換えに、その請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第三款 単元未満株主の売渡請求 第百九十四条 株式会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求(単元未満株主が有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを請求することをいう。以下この条において同じ。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 2 単元未満株式売渡請求は、当該単元未満株主に売り渡す単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合を除き、自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。 4 第百九十二条第三項及び前条第一項から第六項までの規定は、単元未満株式売渡請求について準用する。 第四款 単元株式数の変更等 第百九十五条 株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。 2 前項の規定により定款の変更をした場合には、株式会社は、当該定款の変更の効力が生じた日以後遅滞なく、その株主(種類株式発行会社にあっては、同項の規定により単元株式数を変更した種類の種類株主)に対し、当該定款の変更をした旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第七節 株主に対する通知の省略等 (株主に対する通知の省略) 第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。 3 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。 (株式の競売) 第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。 一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの 二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。 一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者 二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者 (利害関係人の異議) 第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。 5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。 第八節 募集株式の発行等 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。) 二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法 三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項 2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。 2 前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 3 第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。 3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百二条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集株式の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集株式の数 三 第一項第二号の期日 5 第百九十九条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 (取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則) 第二百二条の二 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 募集株式を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 2 前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、同項中「前項各号」とあるのは、「前項各号(第二号及び第四号を除く。)及び第二百二条の二第一項各号」とする。 この場合においては、第二百条及び前条の規定は、適用しない。 3 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 第二款 募集株式の割当て (募集株式の申込み) 第二百三条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集株式の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集株式の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集株式の割当て) 第二百四条 株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 募集株式が譲渡制限株式である場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 株式会社は、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集株式の数を通知しなければならない。 4 第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集株式の割当てを受ける権利を失う。 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第二百五条 前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、第二百三条第二項の申込みをし、又は第一項の契約を締結することができない。 4 前項に規定する場合における前条第三項並びに第二百六条の二第一項、第三項及び第四項の規定の適用については、前条第三項及び第二百六条の二第一項中「第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)」とあり、同条第三項中「同項に規定する期日」とあり、並びに同条第四項中「第一項に規定する期日」とあるのは、「割当日」とする。 5 指名委員会等設置会社における第三項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (募集株式の引受け) 第二百六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集株式の数について募集株式の引受人となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集株式の数 二 前条第一項の契約により募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集株式の数 (公開会社における募集株式の割当て等の特則) 第二百六条の二 公開会社は、募集株式の引受人について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第四項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数 二 当該募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 4 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第二項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集株式の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、第一項に規定する期日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集株式の割当て又は当該特定引受人との間の第二百五条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 5 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 第三款 金銭以外の財産の出資 第二百七条 株式会社は、第百九十九条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。以下この条において同じ。)は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該募集株式の引受人が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 募集株式の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第四款 出資の履行等 (出資の履行) 第二百八条 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者を除く。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、それぞれの募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。 3 募集株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 4 出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は、株式会社に対抗することができない。 5 募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。 (株主となる時期等) 第二百九条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。 一 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日 2 募集株式の引受人は、第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百十三条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した募集株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の募集株式を譲り受けた者は、当該募集株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。 第五款 募集株式の発行等をやめることの請求 第二百十条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。 一 当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合 二 当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合 第六款 募集に係る責任等 (引受けの無効又は取消しの制限) 第二百十一条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第二百五条第一項の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 募集株式の引受人は、第二百九条第一項の規定により株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として募集株式の引受けの取消しをすることができない。 (不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任) 第二百十二条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合 当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額 二 第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第二号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百十三条 前条第一項第二号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該募集株式の引受人の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百七条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百七条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 募集株式の引受人がその給付した現物出資財産についての前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う場合において、次の各号に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (出資の履行を仮装した募集株式の引受人の責任) 第二百十三条の二 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百八条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した払込金額の全額の支払 二 第二百八条第二項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した現物出資財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該現物出資財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (出資の履行を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百十三条の三 前条第一項各号に掲げる場合には、募集株式の引受人が出資の履行を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 募集株式の引受人が前条第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九節 株券 第一款 総則 (株券を発行する旨の定款の定め) 第二百十四条 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。 (株券の発行) 第二百十五条 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない。 2 株券発行会社は、株式の併合をしたときは、第百八十条第二項第二号の日以後遅滞なく、併合した株式に係る株券を発行しなければならない。 3 株券発行会社は、株式の分割をしたときは、第百八十三条第二項第二号の日以後遅滞なく、分割した株式に係る株券(既に発行されているものを除く。)を発行しなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができる。 (株券の記載事項) 第二百十六条 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株券発行会社の商号 二 当該株券に係る株式の数 三 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨 四 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容 (株券不所持の申出) 第二百十七条 株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該株式に係る株券が発行されているときは、当該株主は、当該株券を株券発行会社に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、前項前段の株式に係る株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の株式に係る株券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された株券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした株主は、いつでも、株券発行会社に対し、第二項前段の株式に係る株券を発行することを請求することができる。 この場合において、第二項後段の規定により提出された株券があるときは、株券の発行に要する費用は、当該株主の負担とする。 (株券を発行する旨の定款の定めの廃止) 第二百十八条 株券発行会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、当該定款の変更の効力が生ずる日の二週間前までに、次に掲げる事項を公告し、かつ、株主及び登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨 二 定款の変更がその効力を生ずる日 三 前号の日において当該株式会社の株券は無効となる旨 2 株券発行会社の株式に係る株券は、前項第二号の日に無効となる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合には、同項第二号の日の二週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し、同項第一号及び第二号に掲げる事項を通知すれば足りる。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項に規定する場合には、株式の質権者(登録株式質権者を除く。)は、同項第二号の日の前日までに、株券発行会社に対し、第百四十八条各号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 第二款 株券の提出等 (株券の提出に関する公告等) 第二百十九条 株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(第四号の二に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「株券提出日」という。)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。 一 第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式) 二 株式の併合 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式) 三 第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 当該全部取得条項付種類株式 四 取得条項付株式の取得 当該取得条項付株式 四の二 第百七十九条の三第一項の承認 売渡株式 五 組織変更 全部の株式 六 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の株式 七 株式交換 全部の株式 八 株式移転 全部の株式 2 株券発行会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為(第二号に掲げる行為をする場合にあっては、株式売渡請求に係る売渡株式の取得)によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。 一 前項第一号から第四号までに掲げる行為 当該株券発行会社 二 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 六 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。 4 第一項第四号の二の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株券の提出をすることができない場合) 第二百二十条 前条第一項各号に掲げる行為をした場合において、株券を提出することができない者があるときは、株券発行会社は、その者の請求により、利害関係人に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を公告することができる。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 株券発行会社が前項の規定による公告をした場合において、同項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、前条第二項各号に定める者は、前項の請求をした者に対し、同条第二項の金銭等を交付することができる。 3 第一項の規定による公告の費用は、同項の請求をした者の負担とする。 第三款 株券喪失登録 (株券喪失登録簿) 第二百二十一条 株券発行会社(株式会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした日の翌日から起算して一年を経過していない場合における当該株式会社を含む。以下この款(第二百二十三条、第二百二十七条及び第二百二十八条第二項を除く。)において同じ。)は、株券喪失登録簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この款において「株券喪失登録簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第二百二十三条の規定による請求に係る株券(第二百十八条第二項又は第二百十九条第三項の規定により無効となった株券及び株式の発行又は自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における当該株式に係る株券を含む。以下この款(第二百二十八条を除く。)において同じ。)の番号 二 前号の株券を喪失した者の氏名又は名称及び住所 三 第一号の株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載され、又は記録されている者(以下この款において「名義人」という。)の氏名又は名称及び住所 四 第一号の株券につき前三号に掲げる事項を記載し、又は記録した日(以下この款において「株券喪失登録日」という。) (株券喪失登録簿に関する事務の委託) 第二百二十二条 株券発行会社における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿に」とする。 (株券喪失登録の請求) 第二百二十三条 株券を喪失した者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録すること(以下「株券喪失登録」という。)を請求することができる。 (名義人等に対する通知) 第二百二十四条 株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者(以下この款において「株券喪失登録者」という。)が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第二百二十一条第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。 (株券を所持する者による抹消の申請) 第二百二十五条 株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。 ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。 3 第一項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による通知の日から二週間を経過した日に、第二項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第一項の規定による申請をした者に返還しなければならない。 (株券喪失登録者による抹消の申請) 第二百二十六条 株券喪失登録者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、株券喪失登録(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合にあっては、前条第二項の規定により提出された株券についての株券喪失登録を除く。)の抹消を申請することができる。 2 前項の規定による申請を受けた株券発行会社は、当該申請を受けた日に、当該申請に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消) 第二百二十七条 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合には、株券発行会社は、当該定款の変更の効力が生ずる日に、株券喪失登録(当該株券喪失登録がされた株券に係る株式の名義人が株券喪失登録者であるものに限り、第二百二十五条第二項の規定により提出された株券についてのものを除く。)を抹消しなければならない。 (株券の無効) 第二百二十八条 株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。 2 前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。 (異議催告手続との関係) 第二百二十九条 株券喪失登録者が第二百二十条第一項の請求をした場合には、株券発行会社は、同項の期間の末日が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過する日前に到来するときに限り、同項の規定による公告をすることができる。 2 株券発行会社が第二百二十条第一項の規定による公告をするときは、当該株券発行会社は、当該公告をした日に、当該公告に係る株券についての株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券喪失登録の効力) 第二百三十条 株券発行会社は、次に掲げる日のいずれか早い日(以下この条において「登録抹消日」という。)までの間は、株券喪失登録がされた株券に係る株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することができない。 一 当該株券喪失登録が抹消された日 二 株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日 2 株券発行会社は、登録抹消日後でなければ、株券喪失登録がされた株券を再発行することができない。 3 株券喪失登録者が株券喪失登録をした株券に係る株式の名義人でないときは、当該株式の株主は、登録抹消日までの間は、株主総会又は種類株主総会において議決権を行使することができない。 4 株券喪失登録がされた株券に係る株式については、第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をすることができない。 (株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等) 第二百三十一条 株券発行会社は、株券喪失登録簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (株券喪失登録者に対する通知等) 第二百三十二条 株券発行会社が株券喪失登録者に対してする通知又は催告は、株券喪失登録簿に記載し、又は記録した当該株券喪失登録者の住所(当該株券喪失登録者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を株券発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (適用除外) 第二百三十三条 非訟事件手続法第四編の規定は、株券については、適用しない。 第十節 雑則 (一に満たない端数の処理) 第二百三十四条 次の各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の株式を交付する場合において、その者に対し交付しなければならない当該株式会社の株式の数に一株に満たない端数があるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を当該者に交付しなければならない。 一 第百七十条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 二 第百七十三条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 当該株式会社の株主 四 第二百七十五条第一項の規定による新株予約権の取得 第二百三十六条第一項第七号イの新株予約権の新株予約権者 五 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 合併後消滅する会社の株主又は社員 六 合併契約に基づく設立時発行株式の発行 合併後消滅する会社の株主又は社員 七 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 株式交換をする株式会社の株主 八 株式移転計画に基づく設立時発行株式の発行 株式移転をする株式会社の株主 九 株式交付 株式交付親会社(第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。)に株式交付に際して株式交付子会社(同号に規定する株式交付子会社をいう。)の株式又は新株予約権等(同項第七号に規定する新株予約権等をいう。)を譲り渡した者 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 前項の規定により第一項の株式を売却した場合における同項の規定の適用については、同項中「競売により」とあるのは、「売却により」とする。 4 株式会社は、第二項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 5 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 6 第一項から第四項までの規定は、第一項各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の社債又は新株予約権を交付するときについて準用する。 第二百三十五条 株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。 2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。 第三章 新株予約権 第一節 総則 (新株予約権の内容) 第二百三十六条 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法 三 金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 当該新株予約権を行使することができる期間 五 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項 六 譲渡による当該新株予約権の取得について当該株式会社の承認を要することとするときは、その旨 七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法 ニ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法 ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ヘ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項 チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件 イ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社 ロ 吸収分割 吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する株式会社 ハ 新設分割 新設分割により設立する株式会社 ニ 株式交換 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社 ホ 株式移転 株式移転により設立する株式会社 九 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨 十 当該新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)に係る新株予約権証券を発行することとするときは、その旨 十一 前号に規定する場合において、新株予約権者が第二百九十条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の数は、当該新株予約権付社債についての社債の金額ごとに、均等に定めなければならない。 3 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第一項第二号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨 4 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第四号又は第五号ロに定める事項についての決定」と、同項第一号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第二号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (共有者による権利の行使) 第二百三十七条 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該新株予約権についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該新株予約権についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 新株予約権の発行 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集新株予約権の内容及び数 二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法 四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日 六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項 七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め 2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百三十九条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限 二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。 3 第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百四十一条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数 三 第一項第二号の期日 5 第二百三十八条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 第二款 募集新株予約権の割当て (募集新株予約権の申込み) 第二百四十二条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集新株予約権の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、申込者(募集新株予約権のみの申込みをした者に限る。)は、その申込みに係る募集新株予約権を付した新株予約権付社債の引受けの申込みをしたものとみなす。 7 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 8 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集新株予約権の割当て) 第二百四十三条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権(新株予約権であって、譲渡による当該新株予約権の取得について株式会社の承認を要する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)である場合 3 株式会社は、割当日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数(当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 4 第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集新株予約権の割当てを受ける権利を失う。 (募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則) 第二百四十四条 前二条の規定は、募集新株予約権を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前項の規定の適用については、同項中「の引受け」とあるのは、「及び当該募集新株予約権を付した社債の総額の引受け」とする。 3 第一項に規定する場合において、次に掲げるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式であるとき。 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権であるとき。 (公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則) 第二百四十四条の二 公開会社は、募集新株予約権の割当てを受けた申込者又は前条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者(以下この項において「引受人」と総称する。)について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第五項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数 二 前号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数 2 前項第一号に規定する「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式その他募集新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式として法務省令で定める株式をいう。 3 第一項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 5 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第三項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集新株予約権の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、割当日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は当該特定引受人との間の前条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 6 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (新株予約権者となる日) 第二百四十五条 次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集新株予約権 二 第二百四十四条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集新株予約権 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。 第三款 募集新株予約権に係る払込み 第二百四十六条 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。 3 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。 第四款 募集新株予約権の発行をやめることの請求 第二百四十七条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。 一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合 二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合 第五款 雑則 第二百四十八条 第六百七十六条から第六百八十条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。 第三節 新株予約権原簿 (新株予約権原簿) 第二百四十九条 株式会社は、新株予約権を発行した日以後遅滞なく、新株予約権原簿を作成し、次の各号に掲げる新株予約権の区分に応じ、当該各号に定める事項(以下「新株予約権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 無記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権(以下この章において「無記名新株予約権」という。) 当該新株予約権証券の番号並びに当該無記名新株予約権の内容及び数 二 無記名式の新株予約権付社債券(証券発行新株予約権付社債(新株予約権付社債であって、当該新株予約権付社債についての社債につき社債券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)に係る社債券をいう。以下同じ。)が発行されている新株予約権付社債(以下この章において「無記名新株予約権付社債」という。)に付された新株予約権 当該新株予約権付社債券の番号並びに当該新株予約権の内容及び数 三 前二号に掲げる新株予約権以外の新株予約権 次に掲げる事項 イ 新株予約権者の氏名又は名称及び住所 ロ イの新株予約権者の有する新株予約権の内容及び数 ハ イの新株予約権者が新株予約権を取得した日 ニ ロの新株予約権が証券発行新株予約権(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であって、当該新株予約権に係る新株予約権証券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、当該新株予約権(新株予約権証券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権証券の番号 ホ ロの新株予約権が証券発行新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権を付した新株予約権付社債(新株予約権付社債券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権付社債券の番号 (新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第二百五十条 前条第三号イの新株予約権者は、株式会社に対し、当該新株予約権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該新株予約権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の管理) 第二百五十一条 株式会社が新株予約権を発行している場合における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿に」とする。 (新株予約権原簿の備置き及び閲覧等) 第二百五十二条 株式会社は、新株予約権原簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の新株予約権原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (新株予約権者に対する通知等) 第二百五十三条 株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該新株予約権者の住所(当該新株予約権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を新株予約権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が新株予約権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 第四節 新株予約権の譲渡等 第一款 新株予約権の譲渡 (新株予約権の譲渡) 第二百五十四条 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 (証券発行新株予約権の譲渡) 第二百五十五条 証券発行新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権(株式会社が有する自己の新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の処分による証券発行新株予約権の譲渡については、この限りでない。 2 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権付社債(株式会社が有する自己の新株予約権付社債をいう。以下この条及び次条において同じ。)の処分による当該自己新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、この限りでない。 (自己新株予約権の処分に関する特則) 第二百五十六条 株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。 3 株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。 4 第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。 (新株予約権の譲渡の対抗要件) 第二百五十七条 新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 3 第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (権利の推定等) 第二百五十八条 新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 2 新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 4 新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百五十九条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該株式会社の新株予約権を取得した場合 二 自己新株予約権を処分した場合 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百六十条 新株予約権を当該新株予約権を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「新株予約権取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該新株予約権に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第二百六十一条 前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。 二 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。 三 当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。 第二款 新株予約権の譲渡の制限 (新株予約権者からの承認の請求) 第二百六十二条 譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (新株予約権取得者からの承認の請求) 第二百六十三条 譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第二百六十四条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第二百六十二条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの新株予約権取得者の氏名又は名称 (譲渡等の承認の決定等) 第二百六十五条 株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第二百六十六条 株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。 ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 第三款 新株予約権の質入れ (新株予約権の質入れ) 第二百六十七条 新株予約権者は、その有する新株予約権に質権を設定することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 4 証券発行新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 5 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (新株予約権の質入れの対抗要件) 第二百六十八条 新株予約権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 3 第一項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 (新株予約権原簿の記載等) 第二百六十九条 新株予約権に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である新株予約権 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百七十条 前条第一項各号に掲げる事項が新株予約権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録新株予約権質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録新株予約権質権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (登録新株予約権質権者に対する通知等) 第二百七十一条 株式会社が登録新株予約権質権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該登録新株予約権質権者の住所(当該登録新株予約権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (新株予約権の質入れの効果) 第二百七十二条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、新株予約権を目的とする質権は、当該行為によって当該新株予約権の新株予約権者が受けることのできる金銭等について存在する。 一 新株予約権の取得 二 組織変更 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 四 吸収分割 五 新設分割 六 株式交換 七 株式移転 2 登録新株予約権質権者は、前項の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 3 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録新株予約権質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 新株予約権の取得 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 4 前三項の規定は、特別支配株主が新株予約権売渡請求により売渡新株予約権の取得をした場合について準用する。 この場合において、前項中「当該各号に定める者」とあるのは、「当該特別支配株主」と読み替えるものとする。 5 新株予約権付社債に付された新株予約権(第二百三十六条第一項第三号の財産が当該新株予約権付社債についての社債であるものであって、当該社債の償還額が当該新株予約権についての同項第二号の価額以上であるものに限る。)を目的とする質権は、当該新株予約権の行使をすることにより当該新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式について存在する。 第四款 信託財産に属する新株予約権についての対抗要件等 第二百七十二条の二 新株予約権については、当該新株予約権が信託財産に属する旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該新株予約権が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第二百四十九条第三号イの新株予約権者は、その有する新株予約権が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 新株予約権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第二百五十条第一項及び第二百五十九条第一項の規定の適用については、第二百五十条第一項中「記録された新株予約権原簿記載事項」とあるのは「記録された新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」と、第二百五十九条第一項中「新株予約権原簿記載事項」とあるのは「新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第五節 株式会社による自己の新株予約権の取得 第一款 募集事項の定めに基づく新株予約権の取得 (取得する日の決定) 第二百七十三条 取得条項付新株予約権(第二百三十六条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の内容として同号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第二百三十六条第一項第七号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付新株予約権の新株予約権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する新株予約権の決定等) 第二百七十四条 株式会社は、新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、その取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付新株予約権は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに、当該取得条項付新株予約権を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第二百七十五条 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第三項において同じ。)に、取得条項付新株予約権(同条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項及び第三項において同じ。)を取得する。 一 第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 前項の規定により株式会社が取得する取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、当該新株予約権付社債についての社債を取得する。 3 次の各号に掲げる場合には、取得条項付新株予約権の新株予約権者(当該株式会社を除く。)は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、同号に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの株式の株主 二 第二百三十六条第一項第七号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの社債の社債権者 三 第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの他の新株予約権の新株予約権者 四 第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項についての定めがある場合 同号トの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第二百七十三条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 5 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第二款 新株予約権の消却 第二百七十六条 株式会社は、自己新株予約権を消却することができる。 この場合においては、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第六節 新株予約権無償割当て (新株予約権無償割当て) 第二百七十七条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。 (新株予約権無償割当てに関する事項の決定) 第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法 二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法 三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日 四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (新株予約権無償割当ての効力の発生等) 第二百七十九条 前条第一項第一号の新株予約権の割当てを受けた株主は、同項第三号の日に、同項第一号の新株予約権の新株予約権者(同項第二号に規定する場合にあっては、同項第一号の新株予約権の新株予約権者及び同項第二号の社債の社債権者)となる。 2 株式会社は、前条第一項第三号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた新株予約権の内容及び数(同項第二号に規定する場合にあっては、当該株主が割当てを受けた社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知がされた場合において、前条第一項第一号の新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の末日が当該通知の日から二週間を経過する日前に到来するときは、同号の期間は、当該通知の日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。 第七節 新株予約権の行使 第一款 総則 (新株予約権の行使) 第二百八十条 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数 二 新株予約権を行使する日 2 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。 3 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。 この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。 4 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 5 第三項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 6 株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。 (新株予約権の行使に際しての払込み) 第二百八十一条 金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第二号の価額の全額を払い込まなければならない。 2 金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第三号の財産を給付しなければならない。 この場合において、当該財産の価額が同項第二号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。 3 新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 (株主となる時期等) 第二百八十二条 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (一に満たない端数の処理) 第二百八十三条 新株予約権を行使した場合において、当該新株予約権の新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数があるときは、株式会社は、当該新株予約権者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を交付しなければならない。 ただし、第二百三十六条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合は、この限りでない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 第二款 金銭以外の財産の出資 第二百八十四条 株式会社は、第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項についての定めがある新株予約権が行使された場合には、第二百八十一条第二項の規定による給付があった後、遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 第一項の新株予約権の新株予約権者は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 行使された新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該新株予約権者が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 新株予約権者 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第三款 責任 (不公正な払込金額で新株予約権を引き受けた者等の責任) 第二百八十五条 新株予約権を行使した新株予約権者は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 第二百三十八条第一項第二号に規定する場合において、募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととすることが著しく不公正な条件であるとき(取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役。次号において同じ。)と通じて新株予約権を引き受けた場合に限る。) 当該新株予約権の公正な価額 二 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合において、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたとき 当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額 三 第二百八十二条第一項の規定により株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第三号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百八十六条 前条第一項第三号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該新株予約権者の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百八十四条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百八十四条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 新株予約権者がその給付した現物出資財産についての前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う場合において、次に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (新株予約権に係る払込み等を仮装した新株予約権者等の責任) 第二百八十六条の二 新株予約権を行使した新株予約権者であって次の各号に掲げる者に該当するものは、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百四十六条第一項の規定による払込み(同条第二項の規定により当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付を含む。)を仮装した者又は当該払込みが仮装されたことを知って、若しくは重大な過失により知らないで募集新株予約権を譲り受けた者 払込みが仮装された払込金額の全額の支払(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付が仮装された場合にあっては、当該財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)) 二 第二百八十一条第一項又は第二項後段の規定による払込みを仮装した者 払込みを仮装した金銭の全額の支払 三 第二百八十一条第二項前段の規定による給付を仮装した者 給付を仮装した金銭以外の財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により同項に規定する新株予約権者の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (新株予約権に係る払込み等を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百八十六条の三 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に定める行為をする義務を負う場合には、当該各号の払込み又は給付を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込み又は当該給付を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第四款 雑則 第二百八十七条 第二百七十六条第一項の場合のほか、新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。 第八節 新株予約権に係る証券 第一款 新株予約権証券 (新株予約権証券の発行) 第二百八十八条 株式会社は、証券発行新株予約権を発行した日以後遅滞なく、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を発行しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、新株予約権者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を発行しないことができる。 (新株予約権証券の記載事項) 第二百八十九条 新株予約権証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株式会社の商号 二 当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権の内容及び数 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百九十条 証券発行新株予約権の新株予約権者は、第二百三十六条第一項第十一号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の新株予約権証券を無記名式とし、又はその無記名式の新株予約権証券を記名式とすることを請求することができる。 (新株予約権証券の喪失) 第二百九十一条 新株予約権証券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 新株予約権証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 第二款 新株予約権付社債券 第二百九十二条 証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券には、第六百九十七条第一項の規定により記載すべき事項のほか、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の内容及び数を記載しなければならない。 2 証券発行新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは、株式会社は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券と引換えに社債の償還をすることを請求することができない。 この場合においては、株式会社は、社債の償還をするのと引換えに、当該新株予約権付社債券の提示を求め、当該新株予約権付社債券に社債の償還をした旨を記載することができる。 第三款 新株予約権証券等の提出 (新株予約権証券の提出に関する公告等) 第二百九十三条 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、当該各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この款において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該行為の効力が生ずる日(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「新株予約権証券提出日」という。)までに当該株式会社に対し当該新株予約権証券を提出しなければならない旨を新株予約権証券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 第百七十九条の三第一項の承認 売渡新株予約権 一の二 取得条項付新株予約権の取得 当該取得条項付新株予約権 二 組織変更 全部の新株予約権 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の新株予約権 四 吸収分割 第七百五十八条第五号イに規定する吸収分割契約新株予約権 五 新設分割 第七百六十三条第一項第十号イに規定する新設分割計画新株予約権 六 株式交換 第七百六十八条第一項第四号イに規定する株式交換契約新株予約権 七 株式移転 第七百七十三条第一項第九号イに規定する株式移転計画新株予約権 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、新株予約権証券提出日までに当該株式会社に対して新株予約権証券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該新株予約権証券の提出があるまでの間、当該行為(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、新株予約権売渡請求に係る売渡新株予約権の取得)によって当該新株予約権証券に係る新株予約権の新株予約権者が交付を受けることができる金銭等の交付を拒むことができる。 一 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 二 取得条項付新株予約権の取得 当該株式会社 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 吸収分割 第七百五十八条第一号に規定する吸収分割承継株式会社 六 新設分割 第七百六十三条第一項第一号に規定する新設分割設立株式会社 七 株式交換 第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全親株式会社 八 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券は、新株予約権証券提出日に無効となる。 4 第一項第一号の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 5 第二百二十条の規定は、第一項各号に掲げる行為をした場合において、新株予約権証券を提出することができない者があるときについて準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは、「第二百九十三条第二項各号」と読み替えるものとする。 (無記名式の新株予約権証券等が提出されない場合) 第二百九十四条 第百三十二条の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券(無記名式のものに限る。以下この条において同じ。)が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式に係る第百二十一条第一号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを要しない。 2 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式の株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 3 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる当該他の新株予約権(無記名新株予約権を除く。)に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 4 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 5 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債(無記名新株予約権付社債を除く。)に付された新株予約権に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 6 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 第四章 機関 第一節 株主総会及び種類株主総会等 第一款 株主総会 (株主総会の権限) 第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (株主総会の招集) 第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。 (株主による招集の請求) 第二百九十七条 総株主の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 4 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合 (株主総会の招集の決定) 第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主総会の日時及び場所 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。 3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第二号に掲げる事項」とする。 4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 (株主総会の招集の通知) 第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 株式会社が取締役会設置会社である場合 3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第三百一条 取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。 第三百二条 取締役は、第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。 3 取締役は、第一項に規定する場合には、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 取締役は、第一項に規定する場合において、第二百九十九条第三項の承諾をしていない株主から株主総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (株主提案権) 第三百三条 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 3 公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第二項の一定の事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 第三百四条 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第一項において同じ。)につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第三百五条 株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。 2 公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。 4 取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。 この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 四 定款の変更に関する二以上の議案 当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。 5 前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。 ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。 6 第一項から第三項までの規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (株主総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第三百六条 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」とする。 3 前二項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 4 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第三項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第三項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第三項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (議決権の数) 第三百八条 株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。 (株主総会の決議) 第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百四十条第二項及び第五項の株主総会 二 第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。) 三 第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会 四 第百八十条第二項の株主総会 五 第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会 六 第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会 七 第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。) 八 第四百二十五条第一項の株主総会 九 第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。) イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。 ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 十 第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。) 十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会 二 第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。) 三 第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。) 4 前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第三百十条 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。 3 第一項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 8 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第三百十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 3 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない。 4 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第三百十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社に提供して行う。 2 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 4 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 5 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (議決権の不統一行使) 第三百十三条 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 2 取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の三日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。 3 株式会社は、第一項の株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (取締役等の説明義務) 第三百十四条 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第三百十五条 株主総会の議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 株主総会の議長は、その命令に従わない者その他当該株主総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (株主総会に提出された資料等の調査) 第三百十六条 株主総会においては、その決議によって、取締役、会計参与、監査役、監査役会及び会計監査人が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第二百九十七条の規定により招集された株主総会においては、その決議によって、株式会社の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第三百十七条 株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第二百九十八条及び第二百九十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第三百十八条 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 5 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (株主総会の決議の省略) 第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。 2 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 5 第一項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。 (株主総会への報告の省略) 第三百二十条 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。 第二款 種類株主総会 (種類株主総会の権限) 第三百二十一条 種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 (ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会) 第三百二十二条 種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。) イ 株式の種類の追加 ロ 株式の内容の変更 ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加 一の二 第百七十九条の三第一項の承認 二 株式の併合又は株式の分割 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 四 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 五 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 六 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 七 合併 八 吸収分割 九 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 十 新設分割 十一 株式交換 十二 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 十三 株式移転 十四 株式交付 2 種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。 3 第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。 ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。 4 ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第三百二十三条 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類株主総会の決議) 第三百二十四条 種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第百九十九条第四項及び第二百条第四項の種類株主総会 三 第二百三十八条第四項及び第二百三十九条第四項の種類株主総会 四 第三百二十二条第一項の種類株主総会 五 第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会 六 第七百九十五条第四項の種類株主総会 七 第八百十六条の三第三項の種類株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第七百八十三条第三項及び第八百四条第三項の種類株主総会 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条 前款(第二百九十五条第一項及び第二項、第二百九十六条第一項及び第二項並びに第三百九条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第二百九十七条第一項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百八条第一項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百十八条第四項及び第三百十九条第三項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。 第三款 電子提供措置 (電子提供措置をとる旨の定款の定め) 第三百二十五条の二 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 株主総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類 (電子提供措置) 第三百二十五条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項 二 第三百一条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第三百二条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項 四 第三百五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百三十七条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百四十四条第六項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、取締役が第二百九十九条第一項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 3 第一項の規定にかかわらず、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第一項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第二十七条の三十の二に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (株主総会の招集の通知等の特則) 第三百二十五条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第二百九十九条第一項の規定の適用については、同項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「二週間」とする。 2 第二百九十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第二項又は第三項の通知には、第二百九十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 電子提供措置をとっているときは、その旨 二 前条第三項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第二百九十九条第一項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第三百五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第三百二十五条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。 4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第三百二十五条の六 第三百二十五条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第七号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条の七 第三百二十五条の三から前条まで(第三百二十五条の三第一項(第五号及び第六号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第三百二十五条の五第一項及び第三項から第五項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第三百二十五条の三第一項中「第二百九十九条第二項各号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項各号」と、「同条第一項」とあるのは「同条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次項、次条及び第三百二十五条の五において同じ。)」と、「第二百九十八条第一項各号」とあるのは「第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合に限る。)」と、「第三百一条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項」と、「第三百二条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百二条第一項」と、「第三百五条第一項」とあるのは「第三百五条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次条第四項において同じ。)」と、同条第二項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第三百二十五条の六までにおいて同じ。)」と、第三百二十五条の四第二項中「第二百九十九条第四項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第四項」と、「第二百九十九条第二項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項」と、「第二百九十八条第一項第五号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十八条第一項第五号」と、「同項第一号から第四号まで」とあるのは「第三百二十五条において準用する同項第一号から第四号まで」と、同条第三項中「第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項及び第三百二条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 株主総会以外の機関の設置 (株主総会以外の機関の設置) 第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。 2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。 (取締役会等の設置義務等) 第三百二十七条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。 一 公開会社 二 監査役会設置会社 三 監査等委員会設置会社 四 指名委員会等設置会社 2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。 5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。 6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。 (社外取締役の設置義務) 第三百二十七条の二 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならない。 (大会社における監査役会等の設置義務) 第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。 2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。 第三節 役員及び会計監査人の選任及び解任 第一款 選任 (選任) 第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。 2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。 3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (株式会社と役員等との関係) 第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (取締役の資格等) 第三百三十一条 次に掲げる者は、取締役となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。 3 監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。 5 取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。 6 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。 第三百三十一条の二 成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした取締役の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (取締役の任期) 第三百三十二条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 4 監査等委員である取締役の任期については、第一項ただし書の規定は、適用しない。 5 第一項本文の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 6 指名委員会等設置会社の取締役についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 7 前各項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 三 その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。) (会計参与の資格等) 第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。 2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。 一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者 (会計参与の任期) 第三百三十四条 第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。 2 前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (監査役の資格等) 第三百三十五条 第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。 2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。 (監査役の任期) 第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 4 前三項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 三 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 四 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 (会計監査人の資格等) 第三百三十七条 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第三百三十八条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 第二款 解任 (解任) 第三百三十九条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監査役等による会計監査人の解任) 第三百四十条 監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。 4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。 5 監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 6 指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 第三款 選任及び解任の手続に関する特則 (役員の選任及び解任の株主総会の決議) 第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (累積投票による取締役の選任) 第三百四十二条 株主総会の目的である事項が二人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、株式会社に対し、第三項から第五項までに規定するところにより取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の株主総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第三百八条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、取締役の選任の決議については、株主は、その有する株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の株式)につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 6 前条の規定は、前三項に規定するところにより選任された取締役の解任の決議については、適用しない。 (監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十二条の二 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監査等委員である取締役を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任について監査等委員会の意見を述べることができる。 (監査役の選任に関する監査役の同意等) 第三百四十三条 取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。 4 第三百四十一条の規定は、監査役の解任の決議については、適用しない。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第三百四十四条 監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。 2 監査役が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 (監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等) 第三百四十四条の二 取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。 2 監査等委員会は、取締役に対し、監査等委員である取締役の選任を株主総会の目的とすること又は監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 第三百四十一条の規定は、監査等委員である取締役の解任の決議については、適用しない。 (会計参与等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十五条 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は監査役について、前二項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。 5 第一項の規定は会計監査人について、第二項及び第三項の規定は会計監査人を辞任した者及び第三百四十条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。 8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。 (種類株主総会における取締役又は監査役の選任等) 第三百四十七条 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十二条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十四条の二第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十二条第一項及び第三百三十九条第一項中「株主総会の決議」とあるのは「株主総会(第四十一条第一項の規定により又は第九十条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)については、当該取締役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該取締役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))の決議」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項及び第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十四条の二第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 2 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十三条第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(監査役については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により又は第九十条第二項において準用する同条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された監査役については、当該監査役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該監査役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十三条第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 第四節 取締役 (業務の執行) 第三百四十八条 取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、取締役は、次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 五 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 4 大会社においては、取締役は、前項第四号に掲げる事項を決定しなければならない。 (業務の執行の社外取締役への委託) 第三百四十八条の二 株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 2 指名委員会等設置会社と執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他執行役が指名委員会等設置会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該指名委員会等設置会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該指名委員会等設置会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 3 前二項の規定により委託された業務の執行は、第二条第十五号イに規定する株式会社の業務の執行に該当しないものとする。 ただし、社外取締役が業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の指揮命令により当該委託された業務を執行したときは、この限りでない。 (株式会社の代表) 第三百四十九条 取締役は、株式会社を代表する。 ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。 3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。 4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第三百五十条 株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表取締役に欠員を生じた場合の措置) 第三百五十一条 代表取締役が欠けた場合又は定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表取締役は、新たに選定された代表取締役(次項の一時代表取締役の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表取締役としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表取締役の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表取締役の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (取締役の職務を代行する者の権限) 第三百五十二条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百五十三条 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、株式会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができる。 (表見代表取締役) 第三百五十四条 株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (取締役の報告義務) 第三百五十七条 取締役は、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第三百五十八条 株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、次に掲げる株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 一 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 二 発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社及び検査役の選任の申立てをした株主に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百五十九条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (株主による取締役の行為の差止め) 第三百六十条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (取締役の報酬等) 第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容 2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。 4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。 5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。 6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。 7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。 ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。 一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの 二 監査等委員会設置会社 第五節 取締役会 第一款 権限等 (取締役会の権限等) 第三百六十二条 取締役会は、すべての取締役で組織する。 2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役会設置会社の業務執行の決定 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。 (取締役会設置会社の取締役の権限) 第三百六十三条 次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。 一 代表取締役 二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの 2 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 (取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百六十四条 第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。 (競業及び取締役会設置会社との取引等の制限) 第三百六十五条 取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 2 取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百六十六条 取締役会は、各取締役が招集する。 ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。 (株主による招集の請求) 第三百六十七条 取締役会設置会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った株主は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる。 (招集手続) 第三百六十八条 取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (取締役会の決議) 第三百六十九条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。 3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (取締役会の決議の省略) 第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。 2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。 (取締役会への報告の省略) 第三百七十二条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、適用しない。 3 指名委員会等設置会社についての前二項の規定の適用については、第一項中「監査役又は会計監査人」とあるのは「会計監査人又は執行役」と、「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「取締役」と、前項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百十七条第四項」とする。 (特別取締役による取締役会の決議) 第三百七十三条 第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。 一 取締役の数が六人以上であること。 二 取締役のうち一人以上が社外取締役であること。 2 前項の規定による特別取締役による議決の定めがある場合には、特別取締役以外の取締役は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することを要しない。 この場合における第三百六十六条第一項本文及び第三百六十八条の規定の適用については、第三百六十六条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各特別取締役(第三百七十三条第一項に規定する特別取締役をいう。第三百六十八条において同じ。)」と、第三百六十八条第一項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各特別取締役」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「特別取締役及び」とする。 3 特別取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければならない。 4 第三百六十六条(第一項本文を除く。)、第三百六十七条、第三百六十九条第一項、第三百七十条及び第三百九十九条の十四の規定は、第二項の取締役会については、適用しない。 第六節 会計参与 (会計参与の権限) 第三百七十四条 会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。 この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。 2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。 6 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。 (会計参与の報告義務) 第三百七十五条 会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。 (取締役会への出席) 第三百七十六条 取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は、第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。 この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 会計参与設置会社において、前項の取締役会を招集する者は、当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各会計参与に対してその通知を発しなければならない。 3 会計参与設置会社において、第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは、会計参与の全員の同意を得なければならない。 (株主総会における意見の陳述) 第三百七十七条 第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。 2 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役」とする。 (会計参与による計算書類等の備置き等) 第三百七十八条 会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 (会計参与の報酬等) 第三百七十九条 会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 会計参与が二人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定める。 3 会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十条 会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該会計参与設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七節 監査役 (監査役の権限) 第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。 この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (取締役への報告義務) 第三百八十二条 監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。 (取締役会への出席義務等) 第三百八十三条 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。 2 監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。 4 前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 (監査役による取締役の行為の差止め) 第三百八十五条 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百八十六条 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合 二 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第三号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合 三 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第四号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合 2 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監査役設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 三 株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第三号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (監査役の報酬等) 第三百八十七条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。 3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十八条 監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (定款の定めによる監査範囲の限定) 第三百八十九条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 3 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 4 第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 5 第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 6 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。 7 第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。 第八節 監査役会 第一款 権限等 第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。 2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。 ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。 一 監査報告の作成 二 常勤の監査役の選定及び解職 三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定 3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。 4 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十一条 監査役会は、各監査役が招集する。 (招集手続) 第三百九十二条 監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (監査役会の決議) 第三百九十三条 監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。 2 監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十四条 監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査役会への報告の省略) 第三百九十五条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。 第九節 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第三百九十六条 会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者 三 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 6 指名委員会等設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。 (監査役に対する報告) 第三百九十七条 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。 2 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 (定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 第三百九十八条 第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会又は監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与) 第三百九十九条 取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。 第九節の二 監査等委員会 第一款 権限等 (監査等委員会の権限等) 第三百九十九条の二 監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。 2 監査等委員は、取締役でなければならない。 3 監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 三 第三百四十二条の二第四項及び第三百六十一条第六項に規定する監査等委員会の意見の決定 4 監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査等委員会による調査) 第三百九十九条の三 監査等委員会が選定する監査等委員は、いつでも、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は監査等委員会設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査等委員会が選定する監査等委員は、監査等委員会の職務を執行するため必要があるときは、監査等委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査等委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査等委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第三百九十九条の四 監査等委員は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百九十九条の五 監査等委員は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものについて法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その旨を株主総会に報告しなければならない。 (監査等委員による取締役の行為の差止め) 第三百九十九条の六 監査等委員は、取締役が監査等委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査等委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査等委員会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百九十九条の七 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて監査等委員会設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査等委員会が選定する監査等委員 2 前項の規定にかかわらず、取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査等委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該監査等委員会設置会社に対して効力を有する。 3 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査等委員が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員会設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査等委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 監査等委員会設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査等委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十九条の八 監査等委員会は、各監査等委員が招集する。 (招集手続等) 第三百九十九条の九 監査等委員会を招集するには、監査等委員は、監査等委員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査等委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査等委員会は、監査等委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)は、監査等委員会の要求があったときは、監査等委員会に出席し、監査等委員会が求めた事項について説明をしなければならない。 (監査等委員会の決議) 第三百九十九条の十 監査等委員会の決議は、議決に加わることができる監査等委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する監査等委員は、議決に加わることができない。 3 監査等委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査等委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 監査等委員会の決議に参加した監査等委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十九条の十一 監査等委員会設置会社は、監査等委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査等委員会設置会社の債権者が取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査等委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査等委員会への報告の省略) 第三百九十九条の十二 取締役、会計参与又は会計監査人が監査等委員の全員に対して監査等委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査等委員会へ報告することを要しない。 第三款 監査等委員会設置会社の取締役会の権限等 (監査等委員会設置会社の取締役会の権限) 第三百九十九条の十三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第一項の規定による委託 七 第三百六十一条第七項の規定による同項の事項の決定 八 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項の承認 九 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 十 第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定 十一 前項第六号に掲げる事項 十二 補償契約(第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。第四百十六条第四項第十四号において同じ。)の内容の決定 十三 役員等賠償責任保険契約(第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。第四百十六条第四項第十五号において同じ。)の内容の決定 十四 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十五 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十六 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十七 合併契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十八 吸収分割契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 新設分割計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 株式交換契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 株式移転計画の内容の決定 二十二 株式交付計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。 (監査等委員会による取締役会の招集) 第三百九十九条の十四 監査等委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる。 第十節 指名委員会等及び執行役 第一款 委員の選定、執行役の選任等 (委員の選定等) 第四百条 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。 2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。 3 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。 4 監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。 (委員の解職等) 第四百一条 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 2 前条第一項に規定する各委員会の委員の員数(定款で四人以上の員数を定めたときは、その員数)が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した委員は、新たに選定された委員(次項の一時委員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお委員としての権利義務を有する。 3 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時委員の職務を行うべき者を選任することができる。 4 裁判所は、前項の一時委員の職務を行うべき者を選任した場合には、指名委員会等設置会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (執行役の選任等) 第四百二条 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。 2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。 3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。 4 第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は、執行役について準用する。 5 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。 6 執行役は、取締役を兼ねることができる。 7 執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。 8 前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (執行役の解任等) 第四百三条 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、指名委員会等設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 3 第四百一条第二項から第四項までの規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。 第二款 指名委員会等の権限等 (指名委員会等の権限等) 第四百四条 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。 2 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 3 報酬委員会は、第三百六十一条第一項並びに第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。 執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。 4 委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査委員会による調査) 第四百五条 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第四百六条 監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (監査委員による執行役等の行為の差止め) 第四百七条 監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第四百八条 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が指名委員会等設置会社を代表する。 一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて指名委員会等設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員 2 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該指名委員会等設置会社に対して効力を有する。 3 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。 一 指名委員会等設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 指名委員会等設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (報酬委員会による報酬の決定の方法等) 第四百九条 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。 2 報酬委員会は、第四百四条第三項の規定による決定をするには、前項の方針に従わなければならない。 3 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の個人別の報酬等とする場合には、その内容として、当該各号に定める事項について決定しなければならない。 ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第一号に掲げるものでなければならない。 一 額が確定しているもの 個人別の額 二 額が確定していないもの 個人別の具体的な算定方法 三 当該株式会社の募集株式 当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 四 当該株式会社の募集新株予約権 当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 五 次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭 当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 執行役等が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 執行役等が引き受ける当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 六 金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。) 個人別の具体的な内容 第三款 指名委員会等の運営 (招集権者) 第四百十条 指名委員会等は、当該指名委員会等の各委員が招集する。 (招集手続等) 第四百十一条 指名委員会等を招集するには、その委員は、指名委員会等の日の一週間(これを下回る期間を取締役会で定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該指名委員会等の各委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、指名委員会等は、当該指名委員会等の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 執行役等は、指名委員会等の要求があったときは、当該指名委員会等に出席し、当該指名委員会等が求めた事項について説明をしなければならない。 (指名委員会等の決議) 第四百十二条 指名委員会等の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。 3 指名委員会等の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 指名委員会等の決議に参加した委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第四百十三条 指名委員会等設置会社は、指名委員会等の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 指名委員会等設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 4 前項の規定は、指名委員会等設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 5 裁判所は、第三項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該指名委員会等設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の許可をすることができない。 (指名委員会等への報告の省略) 第四百十四条 執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して指名委員会等に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を指名委員会等へ報告することを要しない。 第四款 指名委員会等設置会社の取締役の権限等 (指名委員会等設置会社の取締役の権限) 第四百十五条 指名委員会等設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、指名委員会等設置会社の業務を執行することができない。 (指名委員会等設置会社の取締役会の権限) 第四百十六条 指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項 ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役 ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 執行役等の職務の執行の監督 2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第二項の規定による委託 七 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認 八 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 九 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職 十 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任 十一 第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定 十二 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職 十三 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 十四 補償契約の内容の決定 十五 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 十六 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十七 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十八 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十二 株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十三 株式移転計画の内容の決定 二十四 株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 (指名委員会等設置会社の取締役会の運営) 第四百十七条 指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。 2 執行役は、前条第一項第一号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 この場合において、当該請求があった日から五日以内に、当該請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締役会を招集することができる。 3 指名委員会等がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該指名委員会等の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 4 執行役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 この場合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。 5 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければならない。 第五款 執行役の権限等 (執行役の権限) 第四百十八条 執行役は、次に掲げる職務を行う。 一 第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定 二 指名委員会等設置会社の業務の執行 (執行役の監査委員に対する報告義務等) 第四百十九条 執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。 2 第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとする。 3 第三百五十七条の規定は、指名委員会等設置会社については、適用しない。 (代表執行役) 第四百二十条 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。 この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。 2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 3 第三百四十九条第四項及び第五項の規定は代表執行役について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第四百一条第二項から第四項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。 (表見代表執行役) 第四百二十一条 指名委員会等設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他指名委員会等設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (株主による執行役の行為の差止め) 第四百二十二条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 第十一節 役員等の損害賠償責任 (役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役 二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役 三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。) 4 前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。 (株式会社に対する損害賠償責任の免除) 第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。 一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表取締役又は代表執行役 六 ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四 ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二 二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。 当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。 5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。 この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。 (取締役等による免除に関する定款の定め) 第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 5 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 6 公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 7 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 8 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (取締役が自己のためにした取引に関する特則) 第四百二十八条 第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第四百三十条 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第四百三十条の二 株式会社が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該株式会社が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 株式会社は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該株式会社が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該株式会社に対して第四百二十三条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した株式会社が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 取締役会設置会社においては、補償契約に基づく補償をした取締役及び当該補償を受けた取締役は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 5 前項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、同項中「取締役会設置会社においては、補償契約」とあるのは、「補償契約」と読み替えるものとする。 6 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四百二十三条第三項並びに第四百二十八条第一項の規定は、株式会社と取締役又は執行役との間の補償契約については、適用しない。 7 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第四百三十条の三 株式会社が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 2 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四百二十三条第三項の規定は、株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、取締役又は執行役を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿等 第一款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (会計帳簿の提出命令) 第四百三十四条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第二款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会) 3 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の株主への提供) 第四百三十七条 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時株主総会への提出等) 第四百三十八条 次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置会社の特則) 第四百三十九条 会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (計算書類の公告) 第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。 (臨時計算書類) 第四百四十一条 株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。 一 臨時決算日における貸借対照表 二 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間に係る損益計算書 2 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社においては、臨時計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役又は会計監査人(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会及び会計監査人、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会及び会計監査人)の監査を受けなければならない。 3 取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 4 次の各号に掲げる株式会社においては、当該各号に定める臨時計算書類は、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、臨時計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社(いずれも取締役会設置会社を除く。) 第二項の監査を受けた臨時計算書類 二 取締役会設置会社 前項の承認を受けた臨時計算書類 三 前二号に掲げるもの以外の株式会社 第一項の臨時計算書類 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第四百四十二条 株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 株式会社は、次の各号に掲げる計算書類等の写しを、当該各号に定める期間、その支店に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 一 前項第一号に掲げる計算書類等 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間 二 前項第二号に掲げる計算書類等 同号の臨時計算書類を作成した日から三年間 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の計算書類等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (計算書類等の提出命令) 第四百四十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 連結計算書類 第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。 2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。 4 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。 5 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役会の承認を受けなければならない。 6 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前項の承認を受けた連結計算書類を提供しなければならない。 7 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。 一 取締役会設置会社である会計監査人設置会社 第五項の承認を受けた連結計算書類 二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第四項の監査を受けた連結計算書類 第三節 資本金の額等 第一款 総則 (資本金の額及び準備金の額) 第四百四十五条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。 5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (剰余金の額) 第四百四十六条 株式会社の剰余金の額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 資産の額 ロ 自己株式の帳簿価額の合計額 ハ 負債の額 ニ 資本金及び準備金の額の合計額 ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を控除して得た額 三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第一項第二号の額を除く。) 四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第四百四十八条第一項第二号の額を除く。) 五 最終事業年度の末日後に第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額 六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額 イ 第四百五十四条第一項第一号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。) ロ 第四百五十四条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額 ハ 第四百五十六条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額 七 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 第二款 資本金の額の減少等 第一目 資本金の額の減少等 (資本金の額の減少) 第四百四十七条 株式会社は、資本金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する資本金の額 二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額 三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (準備金の額の減少) 第四百四十八条 株式会社は、準備金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する準備金の額 二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額 三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (債権者の異議) 第四百四十九条 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。 ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。 一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。 二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金等の額の減少の内容 二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。 ただし、第二項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。 一 資本金の額の減少 第四百四十七条第一項第三号の日 二 準備金の額の減少 前条第一項第三号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。 第二目 資本金の額の増加等 (資本金の額の増加) 第四百五十条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 (準備金の額の増加) 第四百五十一条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 第三目 剰余金についてのその他の処分 第四百五十二条 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることができる。 この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならない。 第四節 剰余金の配当 (株主に対する剰余金の配当) 第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。 (剰余金の配当に関する事項の決定) 第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額 二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項 三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日 2 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 4 配当財産が金銭以外の財産であるときは、株式会社は、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めることができる。 ただし、第一号の期間の末日は、第一項第三号の日以前の日でなければならない。 一 株主に対して金銭分配請求権(当該配当財産に代えて金銭を交付することを株式会社に対して請求する権利をいう。以下この章において同じ。)を与えるときは、その旨及び金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 5 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る。以下この項において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合における中間配当についての第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 (金銭分配請求権の行使) 第四百五十五条 前条第四項第一号に規定する場合には、株式会社は、同号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた配当財産に代えて、当該配当財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該配当財産の価額とする。 一 当該配当財産が市場価格のある財産である場合 当該配当財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第四百五十六条 第四百五十四条第四項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第二項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた配当財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 (配当財産の交付の方法等) 第四百五十七条 配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭及び前条の規定により支払う金銭を含む。以下この条において同じ。)は、株主名簿に記載し、又は記録した株主(登録株式質権者を含む。以下この条において同じ。)の住所又は株主が株式会社に通知した場所(第三項において「住所等」という。)において、これを交付しなければならない。 2 前項の規定による配当財産の交付に要する費用は、株式会社の負担とする。 ただし、株主の責めに帰すべき事由によってその費用が増加したときは、その増加額は、株主の負担とする。 3 前二項の規定は、日本に住所等を有しない株主に対する配当財産の交付については、適用しない。 (適用除外) 第四百五十八条 第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。 第五節 剰余金の配当等を決定する機関の特則 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め) 第四百五十九条 会計監査人設置会社(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役以外の取締役)の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。 一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項 二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項 三 第四百五十二条後段の事項 四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。 ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。 (株主の権利の制限) 第四百六十条 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 第六節 剰余金の配当等に関する責任 (配当等の制限) 第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 四 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 五 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 七 第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り 八 剰余金の配当 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。 一 剰余金の額 二 臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額 イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 三 自己株式の帳簿価額 四 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 五 第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 六 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (剰余金の配当等に関する責任) 第四百六十二条 前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。 一 前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) 二 前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 三 前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役 四 前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 五 前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 六 前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。 3 第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。 ただし、前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。 (株主に対する求償権の制限等) 第四百六十三条 前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (買取請求に応じて株式を取得した場合の責任) 第四百六十四条 株式会社が第百十六条第一項又は第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。 ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (欠損が生じた場合の責任) 第四百六十五条 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号、第四号及び第六号に掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当該各号に定める額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 四 第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 五 第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 六 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 七 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 八 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 九 次のイ又はロに掲げる規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより当該イ又はロに定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 イ 第二百三十四条第四項 同条第一項各号に定める者 ロ 第二百三十五条第二項において準用する第二百三十四条第四項 株主 十 剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く。) 当該剰余金の配当についての第四百四十六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額 イ 定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当 ロ 第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 ハ 第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第六章 定款の変更 第四百六十六条 株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七章 事業の譲渡等 (事業譲渡等の承認等) 第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 二の二 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該株式会社が、効力発生日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け 四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約 五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。 ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。 イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項第三号に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会社の株式が含まれるときは、取締役は、同項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 (事業譲渡等の承認を要しない場合) 第四百六十八条 前条の規定は、同条第一項第一号から第四号までに掲げる行為(以下この章において「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しない。 2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないときは、適用しない。 一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に前条第一項第三号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第四百六十九条 事業譲渡等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。 二 前条第二項に規定する場合(同条第三項に規定する場合を除く。) 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 事業譲渡等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該事業譲渡等に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該事業譲渡等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、事業譲渡等をする旨(第四百六十七条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第三号に掲げる行為をする旨及び同条第二項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合 二 事業譲渡等をする株式会社が第四百六十七条第一項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この章において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 事業譲渡等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第四百七十条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 第一項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 第一項の株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第八章 解散 (解散の事由) 第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判 (休眠会社のみなし解散) 第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (株式会社の継続) 第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。 (解散した株式会社の合併等の制限) 第四百七十四条 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第九章 清算 第一節 総則 第一款 清算の開始 (清算の開始原因) 第四百七十五条 株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算株式会社の能力) 第四百七十六条 前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二款 清算株式会社の機関 第一目 株主総会以外の機関の設置 第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。 3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。 4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならない。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社であって、前項の規定の適用があるものにおいては、監査等委員である取締役が監査役となる。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社であって、第四項の規定の適用があるものにおいては、監査委員が監査役となる。 7 第四章第二節の規定は、清算株式会社については、適用しない。 第二目 清算人の就任及び解任並びに監査役の退任 (清算人の就任) 第四百七十八条 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。 一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 株主総会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。 7 第三百三十五条第三項の規定にかかわらず、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算株式会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 一 その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 三 第二条第十六号ハからホまでに掲げる要件 8 第三百三十条、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は清算人について、第三百三十一条第五項の規定は清算人会設置会社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第四百七十九条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該清算株式会社である株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 3 公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監査役の退任) 第四百八十条 清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 2 第三百三十六条の規定は、清算株式会社の監査役については、適用しない。 第三目 清算人の職務等 (清算人の職務) 第四百八十一条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第四百八十二条 清算人は、清算株式会社(清算人会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第三百五十三条から第三百五十七条(第三項を除く。)まで、第三百六十条並びに第三百六十一条第一項及び第四項の規定は、清算人(同条の規定については、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「第四百八十三条第六項において準用する第三百四十九条第四項」と、第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表清算人(第四百八十三条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第三百六十条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と読み替えるものとする。 (清算株式会社の代表) 第四百八十三条 清算人は、清算株式会社を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算株式会社を代表する。 3 清算株式会社(清算人会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は株主総会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第四百七十八条第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる。 5 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 第三百四十九条第四項及び第五項並びに第三百五十一条の規定は代表清算人について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算株式会社についての破産手続の開始) 第四百八十四条 清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算株式会社が既に債権者に支払い、又は株主に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第四百八十五条 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算株式会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任) 第四百八十六条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人 二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第四百八十七条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 二 第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 虚偽の登記 四 虚偽の公告 (清算人及び監査役の連帯責任) 第四百八十八条 清算人又は監査役が清算株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第四百三十条の規定は、適用しない。 第四目 清算人会 (清算人会の権限等) 第四百八十九条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置会社の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第四百八十三条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第四百八十三条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置会社の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置会社の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第三百六十三条第二項、第三百六十四条及び第三百六十五条の規定は、清算人会設置会社について準用する。 この場合において、第三百六十三条第二項中「前項各号」とあるのは「第四百八十九条第七項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会」とあるのは「清算人会」と、第三百六十四条中「第三百五十三条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十三条」と、「取締役会は」とあるのは「清算人会は」と、第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条」と、「「取締役会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第四百九十条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第三百六十七条及び第三百六十八条の規定は、清算人会設置会社における清算人会の招集について準用する。 この場合において、第三百六十七条第一項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、「取締役が」とあるのは「清算人が」と、同条第二項中「取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)」とあるのは「清算人(第四百九十条第一項ただし書に規定する場合にあっては、同条第二項に規定する招集権者)」と、同条第三項及び第四項中「前条第三項」とあるのは「第四百九十条第三項」と、第三百六十八条第一項中「各取締役」とあるのは「各清算人」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と読み替えるものとする。 5 第三百六十九条から第三百七十一条までの規定は、清算人会設置会社における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第三百六十九条第一項中「取締役の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「取締役」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第五項中「取締役であって」とあるのは「清算人であって」と、第三百七十条中「取締役が」とあるのは「清算人が」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、第三百七十一条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、同条第四項中「役員又は執行役」とあるのは「清算人又は監査役」と読み替えるものとする。 6 第三百七十二条第一項及び第二項の規定は、清算人会設置会社における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「取締役、会計参与、監査役又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監査役」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第二項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百八十九条第八項において準用する第三百六十三条第二項」と読み替えるものとする。 第五目 取締役等に関する規定の適用 第四百九十一条 清算株式会社については、第二章(第百五十五条を除く。)、第三章、第四章第一節、第三百三十五条第二項、第三百四十三条第一項及び第二項、第三百四十五条第四項において準用する同条第三項、第三百五十九条、同章第七節及び第八節並びに第七章の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は取締役会設置会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に関する規定として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に適用があるものとする。 第三款 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第四百九十二条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第四百九十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第四百九十四条 清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算株式会社は、第一項の貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第四百九十五条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置会社においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第四百九十六条 清算株式会社は、第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、定時株主総会の日の一週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、その本店に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 清算株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該清算株式会社の貸借対照表等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (貸借対照表等の定時株主総会への提出等) 第四百九十七条 次の各号に掲げる清算株式会社においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百九十五条第一項に規定する監査役設置会社(清算人会設置会社を除く。) 同項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置会社 第四百九十五条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算株式会社 第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第四百九十八条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第四百九十四条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四款 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第五百一条 清算株式会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算株式会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第五百二条 清算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第五百三条 清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算株式会社の残余財産を株主の一部に分配した場合には、当該株主の受けた分配と同一の割合の分配を当該株主以外の株主に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五款 残余財産の分配 (残余財産の分配に関する事項の決定) 第五百四条 清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 残余財産の種類 二 株主に対する残余財産の割当てに関する事項 2 前項に規定する場合において、残余財産の分配について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、清算株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、残余財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該清算株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 (残余財産が金銭以外の財産である場合) 第五百五条 株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権(当該残余財産に代えて金銭を交付することを清算株式会社に対して請求する権利をいう。以下この条において同じ。)を有する。 この場合において、清算株式会社は、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 2 前項に規定する場合には、清算株式会社は、同項第一号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 3 清算株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた残余財産に代えて、当該残余財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該残余財産の価額とする。 一 当該残余財産が市場価格のある財産である場合 当該残余財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 清算株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第五百六条 前条第一項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、清算株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第三項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた残余財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 第六款 清算事務の終了等 第五百七条 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 第七款 帳簿資料の保存 第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 第八款 適用除外等 第五百九条 次に掲げる規定は、清算株式会社については、適用しない。 一 第百五十五条 二 第五章第二節第二款(第四百三十五条第四項、第四百四十条第三項、第四百四十二条及び第四百四十三条を除く。)及び第三款並びに第三節から第五節まで 三 第五編第四章及び第四章の二並びに同編第五章中株式交換、株式移転及び株式交付の手続に係る部分 2 第二章第四節の二の規定は、対象会社が清算株式会社である場合には、適用しない。 3 清算株式会社は、無償で取得する場合その他法務省令で定める場合に限り、当該清算株式会社の株式を取得することができる。 第二節 特別清算 第一款 特別清算の開始 (特別清算開始の原因) 第五百十条 裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づき、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。 一 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。 二 債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること。 (特別清算開始の申立て) 第五百十一条 債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。 2 清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。 (他の手続の中止命令等) 第五百十二条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続又は第三号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。 一 清算株式会社についての破産手続 二 清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。) 三 清算株式会社の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第五百十八条の二及び第五百七十一条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(第五百十五条第一項において「外国租税滞納処分」という。) 2 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と同様とする。 (特別清算開始の申立ての取下げの制限) 第五百十三条 特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 (特別清算開始の命令) 第五百十四条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。 一 特別清算の手続の費用の予納がないとき。 二 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。 四 不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 (他の手続の中止等) 第五百十五条 特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)若しくは第三者からの情報取得手続(同法第二百五条第一項第一号、第二百六条第一項又は第二百七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続(破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え及び仮処分の手続並びに外国租税滞納処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続については、この限りでない。 2 特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続又は処分は、特別清算の手続の関係においては、その効力を失う。 3 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第五百十六条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。 (相殺の禁止) 第五百十七条 協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。 二 支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第五百十八条 清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約 (共助対象外国租税債権者の手続参加) 第五百十八条の二 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。 第二款 裁判所による監督及び調査 (裁判所による監督) 第五百十九条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。 3 前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。 (裁判所による調査) 第五百二十条 裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。 (裁判所への財産目録等の提出) 第五百二十一条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。 ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (調査命令) 第五百二十二条 裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。 一 特別清算開始に至った事情 二 清算株式会社の業務及び財産の状況 三 第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 四 第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 五 第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。 六 その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの 2 清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定による留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、前項の債権の額に算入しない。 3 公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 第三款 清算人 (清算人の公平誠実義務) 第五百二十三条 特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。 (清算人の解任等) 第五百二十四条 裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。 2 清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。 3 清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。 (清算人代理) 第五百二十五条 清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。 2 前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (清算人の報酬等) 第五百二十六条 清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定は、清算人代理について準用する。 第四款 監督委員 (監督委員の選任等) 第五百二十七条 裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。 2 法人は、監督委員となることができる。 (監督委員に対する監督等) 第五百二十八条 監督委員は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。 (二人以上の監督委員の職務執行) 第五百二十九条 監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 (監督委員による調査等) 第五百三十条 監督委員は、いつでも、清算株式会社の清算人及び監査役並びに支配人その他の使用人に対し、事業の報告を求め、又は清算株式会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 2 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、清算株式会社の子会社に対し、事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (監督委員の注意義務) 第五百三十一条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 (監督委員の報酬等) 第五百三十二条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 監督委員は、その選任後、清算株式会社に対する債権又は清算株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。 3 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。 第五款 調査委員 (調査委員の選任等) 第五百三十三条 裁判所は、調査命令をする場合には、当該調査命令において、一人又は二人以上の調査委員を選任し、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければならない。 (監督委員に関する規定の準用) 第五百三十四条 前款(第五百二十七条第一項及び第五百二十九条ただし書を除く。)の規定は、調査委員について準用する。 第六款 清算株式会社の行為の制限等 (清算株式会社の行為の制限) 第五百三十五条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されているときは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。 一 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。) 二 借財 三 訴えの提起 四 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 五 権利の放棄 六 その他裁判所の指定する行為 2 前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 3 第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (事業の譲渡の制限等) 第五百三十六条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 三 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 2 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 3 第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。 (債務の弁済の制限) 第五百三十七条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。 (換価の方法) 第五百三十八条 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産の換価をすることができる。 この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。 2 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」という。)は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第五百三十九条 担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 第七款 清算の監督上必要な処分等 (清算株式会社の財産に関する保全処分) 第五百四十条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 3 裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (株主名簿の記載等の禁止) 第五百四十一条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の財産に対する保全処分) 第五百四十二条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の責任の免除の禁止) 第五百四十三条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止の処分をすることができる。 (役員等の責任の免除の取消し) 第五百四十四条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。 不正の目的によってした対象役員等の責任の免除についても、同様とする。 2 前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。 3 第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使することができない。 当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第五百四十五条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。 2 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 3 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 4 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了したときは、終了する。 第八款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第五百四十六条 債権者集会は、特別清算の実行上必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 債権者集会は、次条第三項の規定により招集する場合を除き、清算株式会社が招集する。 (債権者による招集の請求) 第五百四十七条 債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者の協定債権の総額の十分の一以上に当たる協定債権を有する協定債権者は、清算株式会社に対し、債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、債権者集会の招集を請求することができる。 2 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額は、前項の協定債権の額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした協定債権者は、裁判所の許可を得て、債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から六週間以内の日を債権者集会の日とする債権者集会の招集の通知が発せられない場合 (債権者集会の招集等の決定) 第五百四十八条 債権者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 債権者集会の日時及び場所 二 債権者集会の目的である事項 三 債権者集会に出席しない協定債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 清算株式会社が債権者集会を招集する場合には、当該清算株式会社は、各協定債権について債権者集会における議決権の行使の許否及びその額を定めなければならない。 3 清算株式会社以外の者が債権者集会を招集する場合には、その招集者は、清算株式会社に対し、前項に規定する事項を定めることを請求しなければならない。 この場合において、その請求があったときは、清算株式会社は、同項に規定する事項を定めなければならない。 4 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者は、その担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額については、議決権を有しない。 5 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権については、議決権を有しない。 (債権者集会の招集の通知) 第五百四十九条 債権者集会を招集するには、招集者は、債権者集会の日の二週間前までに、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者及び清算株式会社に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者であって一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有するものについて準用する。 (債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第五百五十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者に対し、当該協定債権者が有する協定債権について第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項及び議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(次項において「債権者集会参考書類」という。)並びに協定債権者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした協定債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、協定債権者の請求があったときは、これらの書類を当該協定債権者に交付しなければならない。 第五百五十一条 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、協定債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合において、第五百四十九条第二項の承諾をしていない協定債権者から債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該協定債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (債権者集会の指揮等) 第五百五十二条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 2 債権者集会を招集しようとするときは、招集者は、あらかじめ、第五百四十八条第一項各号に掲げる事項及び同条第二項又は第三項の規定により定められた事項を裁判所に届け出なければならない。 (異議を述べられた議決権の取扱い) 第五百五十三条 債権者集会において、第五百四十八条第二項又は第三項の規定により各協定債権について定められた事項について、当該協定債権を有する者又は他の協定債権者が異議を述べたときは、裁判所がこれを定める。 (債権者集会の決議) 第五百五十四条 債権者集会において決議をする事項を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者(議決権を行使することができる協定債権者をいう。以下この款及び次款において同じ。)の過半数の同意 二 出席した議決権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意 2 第五百五十八条第一項の規定によりその有する議決権の一部のみを前項の事項に同意するものとして行使した議決権者(その余の議決権を行使しなかったものを除く。)があるときの同項第一号の規定の適用については、当該議決権者一人につき、出席した議決権者の数に一を、同意をした議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。 3 債権者集会は、第五百四十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第五百五十五条 協定債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該協定債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第五百五十六条 債権者集会に出席しない協定債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五百五十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (議決権の不統一行使) 第五百五十八条 協定債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の協定債権者が他人のために協定債権を有する者でないときは、当該協定債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (担保権を有する債権者等の出席等) 第五百五十九条 債権者集会又は招集者は、次に掲げる債権者の出席を求め、その意見を聴くことができる。 この場合において、債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有する債権者 (延期又は続行の決議) 第五百六十条 債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第五百四十八条(第四項を除く。)及び第五百四十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五百六十一条 債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (清算人の調査結果等の債権者集会に対する報告) 第五百六十二条 特別清算開始の命令があった場合において、第四百九十二条第一項に規定する清算人が清算株式会社の財産の現況についての調査を終了して財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を作成したときは、清算株式会社は、遅滞なく、債権者集会を招集し、当該債権者集会に対して、清算株式会社の業務及び財産の状況の調査の結果並びに財産目録等の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みに関して意見を述べなければならない。 ただし、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法によりその報告すべき事項及び当該意見の内容を債権者に周知させることが適当であると認めるときは、この限りでない。 第九款 協定 (協定の申出) 第五百六十三条 清算株式会社は、債権者集会に対し、協定の申出をすることができる。 (協定の条項) 第五百六十四条 協定においては、協定債権者の権利(第五百二十二条第二項に規定する担保権を除く。)の全部又は一部の変更に関する条項を定めなければならない。 2 協定債権者の権利の全部又は一部を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準を定めなければならない。 (協定による権利の変更) 第五百六十五条 協定による権利の変更の内容は、協定債権者の間では平等でなければならない。 ただし、不利益を受ける協定債権者の同意がある場合又は少額の協定債権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他協定債権者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。 (担保権を有する債権者等の参加) 第五百六十六条 清算株式会社は、協定案の作成に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる債権者の参加を求めることができる。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を有する債権者 (協定の可決の要件) 第五百六十七条 第五百五十四条第一項の規定にかかわらず、債権者集会において協定を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者の過半数の同意 二 議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意 2 第五百五十四条第二項の規定は、前項第一号の規定の適用について準用する。 (協定の認可の申立て) 第五百六十八条 協定が可決されたときは、清算株式会社は、遅滞なく、裁判所に対し、協定の認可の申立てをしなければならない。 (協定の認可又は不認可の決定) 第五百六十九条 前条の申立てがあった場合には、裁判所は、次項の場合を除き、協定の認可の決定をする。 2 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、協定の不認可の決定をする。 一 特別清算の手続又は協定が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。 ただし、特別清算の手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。 二 協定が遂行される見込みがないとき。 三 協定が不正の方法によって成立するに至ったとき。 四 協定が債権者の一般の利益に反するとき。 (協定の効力発生の時期) 第五百七十条 協定は、認可の決定の確定により、その効力を生ずる。 (協定の効力範囲) 第五百七十一条 協定は、清算株式会社及びすべての協定債権者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。 2 協定は、第五百二十二条第二項に規定する債権者が有する同項に規定する担保権、協定債権者が清算株式会社の保証人その他清算株式会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び清算株式会社以外の者が協定債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。 3 協定の認可の決定が確定したときは、協定債権者の権利は、協定の定めに従い、変更される。 4 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての協定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (協定の内容の変更) 第五百七十二条 協定の実行上必要があるときは、協定の内容を変更することができる。 この場合においては、第五百六十三条から前条までの規定を準用する。 第十款 特別清算の終了 (特別清算終結の決定) 第五百七十三条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合には、清算人、監査役、債権者、株主又は調査委員の申立てにより、特別清算終結の決定をする。 一 特別清算が結了したとき。 二 特別清算の必要がなくなったとき。 (破産手続開始の決定) 第五百七十四条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。 一 協定の見込みがないとき。 二 協定の実行の見込みがないとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反するとき。 2 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。 一 協定が否決されたとき。 二 協定の不認可の決定が確定したとき。 3 前二項の規定により破産手続開始の決定があった場合における破産法第七十一条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第七十二条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第百六十条(第一項第一号を除く。)、第百六十二条(第一項第二号を除く。)、第百六十三条第二項、第百六十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六十六条並びに第百六十七条第二項(同法第百七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。 一 特別清算開始の申立ての前に特別清算開始の命令の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがある場合 当該破産手続開始の申立て 二 前号に掲げる場合以外の場合 特別清算開始の申立て 4 第一項又は第二項の規定により破産手続開始の決定があったときは、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権は、財団債権とする。 第三編 持分会社 第一章 設立 (定款の作成) 第五百七十五条 合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第五百七十六条 持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 社員の氏名又は名称及び住所 五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準 2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 第五百七十七条 前条に規定するもののほか、持分会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (合同会社の設立時の出資の履行) 第五百七十八条 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。 (持分会社の成立) 第五百七十九条 持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第二章 社員 第一節 社員の責任等 (社員の責任) 第五百八十条 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合 二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。) 2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員の抗弁) 第五百八十一条 社員が持分会社の債務を弁済する責任を負う場合には、社員は、持分会社が主張することができる抗弁をもって当該持分会社の債権者に対抗することができる。 2 前項に規定する場合において、持分会社がその債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって持分会社がその債務を免れるべき限度において、社員は、当該債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (社員の出資に係る責任) 第五百八十二条 社員が金銭を出資の目的とした場合において、その出資をすることを怠ったときは、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 2 社員が債権を出資の目的とした場合において、当該債権の債務者が弁済期に弁済をしなかったときは、当該社員は、その弁済をする責任を負う。 この場合においては、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (社員の責任を変更した場合の特則) 第五百八十三条 有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。 2 有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 3 無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。 4 前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (無限責任社員となることを許された未成年者の行為能力) 第五百八十四条 持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。 第二節 持分の譲渡等 (持分の譲渡) 第五百八十五条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 2 前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。 3 第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。 4 前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (持分の全部の譲渡をした社員の責任) 第五百八十六条 持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 第五百八十七条 持分会社は、その持分の全部又は一部を譲り受けることができない。 2 持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には、当該持分は、当該持分会社がこれを取得した時に、消滅する。 第三節 誤認行為の責任 (無限責任社員であると誤認させる行為等をした有限責任社員の責任) 第五百八十八条 合資会社の有限責任社員が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の有限責任社員がその責任の限度を誤認させる行為(前項の行為を除く。)をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員であると誤認させる行為をした者の責任) 第五百八十九条 合名会社又は合資会社の社員でない者が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合名会社又は合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の社員でない者が自己を有限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 第三章 管理 第一節 総則 (業務の執行) 第五百九十条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。 2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。 ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。 (業務を執行する社員を定款で定めた場合) 第五百九十一条 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。 この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。 4 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 5 前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。 6 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (社員の持分会社の業務及び財産状況に関する調査) 第五百九十二条 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、各社員は、持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況を調査することができる。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに同項の規定による調査をすることを制限する旨を定めることができない。 第二節 業務を執行する社員 (業務を執行する社員と持分会社との関係) 第五百九十三条 業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。 2 業務を執行する社員は、法令及び定款を遵守し、持分会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 3 業務を執行する社員は、持分会社又は他の社員の請求があるときは、いつでもその職務の執行の状況を報告し、その職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 4 民法第六百四十六条から第六百五十条までの規定は、業務を執行する社員と持分会社との関係について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条第一項、第六百四十八条第二項、第六百四十八条の二、第六百四十九条及び第六百五十条中「委任事務」とあるのは「その職務」と、同法第六百四十八条第三項第一号中「委任事務」とあり、及び同項第二号中「委任」とあるのは「前項の職務」と読み替えるものとする。 5 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (競業の禁止) 第五百九十四条 業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承認を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 持分会社の事業と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 業務を執行する社員が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定する。 (利益相反取引の制限) 第五百九十五条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。 二 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項各号の取引については、適用しない。 (業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任) 第五百九十六条 業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (業務を執行する有限責任社員の第三者に対する損害賠償責任) 第五百九十七条 業務を執行する有限責任社員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該有限責任社員は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が業務を執行する社員である場合の特則) 第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。 2 第五百九十三条から前条までの規定は、前項の規定により選任された社員の職務を行うべき者について準用する。 (持分会社の代表) 第五百九十九条 業務を執行する社員は、持分会社を代表する。 ただし、他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の業務を執行する社員が二人以上ある場合には、業務を執行する社員は、各自、持分会社を代表する。 3 持分会社は、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から持分会社を代表する社員を定めることができる。 4 持分会社を代表する社員は、持分会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (持分会社を代表する社員等の行為についての損害賠償責任) 第六百条 持分会社は、持分会社を代表する社員その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (持分会社と社員との間の訴えにおける会社の代表) 第六百一条 第五百九十九条第四項の規定にかかわらず、持分会社が社員に対し、又は社員が持分会社に対して訴えを提起する場合において、当該訴えについて持分会社を代表する者(当該社員を除く。)が存しないときは、当該社員以外の社員の過半数をもって、当該訴えについて持分会社を代表する者を定めることができる。 第六百二条 第五百九十九条第一項の規定にかかわらず、社員が持分会社に対して社員の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において、持分会社が当該請求の日から六十日以内に当該訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、当該訴えについて持分会社を代表することができる。 ただし、当該訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該持分会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 第三節 業務を執行する社員の職務を代行する者 第六百三条 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、持分会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、持分会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 第四章 社員の加入及び退社 第一節 社員の加入 (社員の加入) 第六百四条 持分会社は、新たに社員を加入させることができる。 2 持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる。 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となろうとする者が同項の定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、当該払込み又は給付を完了した時に、合同会社の社員となる。 (加入した社員の責任) 第六百五条 持分会社の成立後に加入した社員は、その加入前に生じた持分会社の債務についても、これを弁済する責任を負う。 第二節 社員の退社 (任意退社) 第六百六条 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。 この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第六百七条 社員は、前条、第六百九条第一項、第六百四十二条第二項及び第八百四十五条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡 四 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。) 七 後見開始の審判を受けたこと。 八 除名 2 持分会社は、その社員が前項第五号から第七号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる。 (相続及び合併の場合の特則) 第六百八条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。 2 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。 3 第一項の定款の定めがある場合には、持分会社は、同項の一般承継人が持分を承継した時に、当該一般承継人に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものであって、出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該出資に係る払込み又は給付の履行をする責任を負う。 5 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した持分についての権利を行使する者一人を定めなければ、当該持分についての権利を行使することができない。 ただし、持分会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (持分の差押債権者による退社) 第六百九条 社員の持分を差し押さえた債権者は、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができる。 この場合においては、当該債権者は、六箇月前までに持分会社及び当該社員にその予告をしなければならない。 2 前項後段の予告は、同項の社員が、同項の債権者に対し、弁済し、又は相当の担保を提供したときは、その効力を失う。 3 第一項後段の予告をした同項の債権者は、裁判所に対し、持分の払戻しの請求権の保全に関し必要な処分をすることを申し立てることができる。 (退社に伴う定款のみなし変更) 第六百十条 第六百六条、第六百七条第一項、前条第一項又は第六百四十二条第二項の規定により社員が退社した場合(第八百四十五条の規定により社員が退社したものとみなされる場合を含む。)には、持分会社は、当該社員が退社した時に、当該社員に係る定款の定めを廃止する定款の変更をしたものとみなす。 (退社に伴う持分の払戻し) 第六百十一条 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。 ただし、第六百八条第一項及び第二項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。 2 退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。 3 退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 4 退社の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 5 社員が除名により退社した場合における第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「退社の時」とあるのは、「除名の訴えを提起した時」とする。 6 前項に規定する場合には、持分会社は、除名の訴えを提起した日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 7 社員の持分の差押えは、持分の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 (退社した社員の責任) 第六百十二条 退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (商号変更の請求) 第六百十三条 持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第六百十四条 持分会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第六百十五条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 持分会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の提出命令) 第六百十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三節 計算書類 (計算書類の作成及び保存) 第六百十七条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。 3 計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 持分会社は、計算書類を作成した時から十年間、これを保存しなければならない。 (計算書類の閲覧等) 第六百十八条 持分会社の社員は、当該持分会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 計算書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 計算書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時に同項各号に掲げる請求をすることを制限する旨を定めることができない。 (計算書類の提出命令) 第六百十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 資本金の額の減少 第六百二十条 持分会社は、損失のてん補のために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により減少する資本金の額は、損失の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えることができない。 第五節 利益の配当 (利益の配当) 第六百二十一条 社員は、持分会社に対し、利益の配当を請求することができる。 2 持分会社は、利益の配当を請求する方法その他の利益の配当に関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、利益の配当を請求する権利に対しても、その効力を有する。 (社員の損益分配の割合) 第六百二十二条 損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失の一方についてのみ分配の割合についての定めを定款で定めたときは、その割合は、利益及び損失の分配に共通であるものと推定する。 (有限責任社員の利益の配当に関する責任) 第六百二十三条 持分会社が利益の配当により有限責任社員に対して交付した金銭等の帳簿価額(以下この項において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額(持分会社の利益の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この章において同じ。)を超える場合には、当該利益の配当を受けた有限責任社員は、当該持分会社に対し、連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 2 前項に規定する場合における同項の利益の配当を受けた有限責任社員についての第五百八十条第二項の規定の適用については、同項中「を限度として」とあるのは、「及び第六百二十三条第一項の配当額が同項の利益額を超過する額(同項の義務を履行した額を除く。)の合計額を限度として」とする。 第六節 出資の払戻し 第六百二十四条 社員は、持分会社に対し、既に出資として払込み又は給付をした金銭等の払戻し(以下この編において「出資の払戻し」という。)を請求することができる。 この場合において、当該金銭等が金銭以外の財産であるときは、当該財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求することを妨げない。 2 持分会社は、出資の払戻しを請求する方法その他の出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、出資の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 第七節 合同会社の計算等に関する特則 第一款 計算書類の閲覧に関する特則 第六百二十五条 合同会社の債権者は、当該合同会社の営業時間内は、いつでも、その計算書類(作成した日から五年以内のものに限る。)について第六百十八条第一項各号に掲げる請求をすることができる。 第二款 資本金の額の減少に関する特則 (出資の払戻し又は持分の払戻しを行う場合の資本金の額の減少) 第六百二十六条 合同会社は、第六百二十条第一項の場合のほか、出資の払戻し又は持分の払戻しのために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により出資の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十二条第二項に規定する出資払戻額から出資の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 3 第一項の規定により持分の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十五条第一項に規定する持分払戻額から持分の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 4 前二項に規定する「剰余金額」とは、第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(第四款及び第五款において同じ。)。 一 資産の額 二 負債の額 三 資本金の額 四 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (債権者の異議) 第六百二十七条 合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金の額の減少の内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 資本金の額の減少は、前各項の手続が終了した日に、その効力を生ずる。 第三款 利益の配当に関する特則 (利益の配当の制限) 第六百二十八条 合同会社は、利益の配当により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十一条第一項の規定による請求を拒むことができる。 (利益の配当に関する責任) 第六百二十九条 合同会社が前条の規定に違反して利益の配当をした場合には、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、利益の配当をした日における利益額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十条 前条第一項に規定する場合において、利益の配当を受けた社員は、配当額が利益の配当をした日における利益額を超えることにつき善意であるときは、当該配当額について、当該利益の配当に関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、利益の配当を受けた社員に対し、配当額(当該配当額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 3 第六百二十三条第二項の規定は、合同会社の社員については、適用しない。 (欠損が生じた場合の責任) 第六百三十一条 合同会社が利益の配当をした場合において、当該利益の配当をした日の属する事業年度の末日に欠損額(合同会社の欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、その欠損額(当該欠損額が配当額を超えるときは、当該配当額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 第四款 出資の払戻しに関する特則 (出資の払戻しの制限) 第六百三十二条 第六百二十四条第一項の規定にかかわらず、合同会社の社員は、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、同項前段の規定による請求をすることができない。 2 合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「出資払戻額」という。)が、第六百二十四条第一項前段の規定による請求をした日における剰余金額(第六百二十六条第一項の資本金の額の減少をした場合にあっては、その減少をした後の剰余金額。以下この款において同じ。)又は前項の出資の価額を減少した額のいずれか少ない額を超える場合には、当該出資の払戻しをすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十四条第一項前段の規定による請求を拒むことができる。 (出資の払戻しに関する社員の責任) 第六百三十三条 合同会社が前条の規定に違反して出資の払戻しをした場合には、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該出資の払戻しを受けた社員と連帯して、当該出資払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、出資の払戻しをした日における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十四条 前条第一項に規定する場合において、出資の払戻しを受けた社員は、出資払戻額が出資の払戻しをした日における剰余金額を超えることにつき善意であるときは、当該出資払戻額について、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、出資の払戻しを受けた社員に対し、出資払戻額(当該出資払戻額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 第五款 退社に伴う持分の払戻しに関する特則 (債権者の異議) 第六百三十五条 合同会社が持分の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「持分払戻額」という。)が当該持分の払戻しをする日における剰余金額を超える場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、持分の払戻しについて異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月(持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合にあっては、二箇月)を下ることができない。 一 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、この限りでない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該持分の払戻しについて承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合において、当該持分の払戻しをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (業務を執行する社員の責任) 第六百三十六条 合同会社が前条の規定に違反して持分の払戻しをした場合には、当該持分の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該持分の払戻しを受けた社員と連帯して、当該持分払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、持分の払戻しに関する業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、持分の払戻しをした時における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 第六章 定款の変更 (定款の変更) 第六百三十七条 持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。 (定款の変更による持分会社の種類の変更) 第六百三十八条 合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 二 その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更 合資会社 三 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 2 合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 3 合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 三 その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更 合資会社 (合資会社の社員の退社による定款のみなし変更) 第六百三十九条 合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなす。 2 合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなす。 (定款の変更時の出資の履行) 第六百四十条 第六百三十八条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる定款の変更をする場合において、当該定款の変更をする持分会社の社員が当該定款の変更後の合同会社に対する出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更は、当該払込み及び給付が完了した日に、その効力を生ずる。 2 前条第二項の規定により合同会社となる定款の変更をしたものとみなされた場合において、社員がその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更をしたものとみなされた日から一箇月以内に、当該払込み又は給付を完了しなければならない。 ただし、当該期間内に、合名会社又は合資会社となる定款の変更をした場合は、この限りでない。 第七章 解散 (解散の事由) 第六百四十一条 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 総社員の同意 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判 (持分会社の継続) 第六百四十二条 持分会社は、前条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、次章の規定による清算が結了するまで、社員の全部又は一部の同意によって、持分会社を継続することができる。 2 前項の場合には、持分会社を継続することについて同意しなかった社員は、持分会社が継続することとなった日に、退社する。 (解散した持分会社の合併等の制限) 第六百四十三条 持分会社が解散した場合には、当該持分会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第八章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第六百四十四条 持分会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第六百四十一条第五号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算持分会社の能力) 第六百四十五条 前条の規定により清算をする持分会社(以下「清算持分会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算人 (清算人の設置) 第六百四十六条 清算持分会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 (清算人の就任) 第六百四十七条 次に掲げる者は、清算持分会社の清算人となる。 一 業務を執行する社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員(業務を執行する社員を定款で定めた場合にあっては、その社員)の過半数の同意によって定める者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第六百四十一条第四号又は第七号に掲げる事由によって解散した清算持分会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第六百四十四条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算持分会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 (清算人の解任) 第六百四十八条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、解任することができる。 2 前項の規定による解任は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、社員その他利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 (清算人の職務) 第六百四十九条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第六百五十条 清算人は、清算持分会社の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、社員が二人以上ある場合には、清算持分会社の事業の全部又は一部の譲渡は、社員の過半数をもって決定する。 (清算人と清算持分会社との関係) 第六百五十一条 清算持分会社と清算人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 第五百九十三条第二項、第五百九十四条及び第五百九十五条の規定は、清算人について準用する。 この場合において、第五百九十四条第一項及び第五百九十五条第一項中「当該社員以外の社員」とあるのは、「社員(当該清算人が社員である場合にあっては、当該清算人以外の社員)」と読み替えるものとする。 (清算人の清算持分会社に対する損害賠償責任) 第六百五十二条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第六百五十三条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が清算人である場合の特則) 第六百五十四条 法人が清算人である場合には、当該法人は、当該清算人の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を社員に通知しなければならない。 2 前三条の規定は、前項の規定により選任された清算人の職務を行うべき者について準用する。 (清算持分会社の代表) 第六百五十五条 清算人は、清算持分会社を代表する。 ただし、他に清算持分会社を代表する清算人その他清算持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算持分会社を代表する。 3 清算持分会社は、定款又は定款の定めに基づく清算人(第六百四十七条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選によって、清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 4 第六百四十七条第一項第一号の規定により業務を執行する社員が清算人となる場合において、持分会社を代表する社員を定めていたときは、当該持分会社を代表する社員が清算持分会社を代表する清算人となる。 5 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 6 第五百九十九条第四項及び第五項の規定は清算持分会社を代表する清算人について、第六百三条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は清算持分会社を代表する清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算持分会社についての破産手続の開始) 第六百五十六条 清算持分会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算持分会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算持分会社が既に債権者に支払い、又は社員に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第六百五十七条 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算持分会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第六百五十八条 清算人は、その就任後遅滞なく、清算持分会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この節において「財産目録等」という。)を作成し、各社員にその内容を通知しなければならない。 2 清算持分会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 3 清算持分会社は、社員の請求により、毎月清算の状況を報告しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第六百五十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第六百六十条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この項及び次条において同じ。)は、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算持分会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第六百六十一条 清算持分会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算持分会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算持分会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算持分会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第六百六十二条 清算持分会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算持分会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (出資の履行の請求) 第六百六十三条 清算持分会社に現存する財産がその債務を完済するのに足りない場合において、その出資の全部又は一部を履行していない社員があるときは、当該出資に係る定款の定めにかかわらず、当該清算持分会社は、当該社員に出資させることができる。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第六百六十四条 清算持分会社は、当該清算持分会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を社員に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第六百六十五条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この条において同じ。)の債権者(知れている債権者を除く。)であって第六百六十条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算持分会社の残余財産を社員の一部に分配した場合には、当該社員の受けた分配と同一の割合の分配を当該社員以外の社員に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五節 残余財産の分配 (残余財産の分配の割合) 第六百六十六条 残余財産の分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 第六節 清算事務の終了等 第六百六十七条 清算持分会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならない。 2 社員が一箇月以内に前項の計算について異議を述べなかったときは、社員は、当該計算の承認をしたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 第七節 任意清算 (財産の処分の方法) 第六百六十八条 持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、定款又は総社員の同意によって、当該持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合における当該持分会社の財産の処分の方法を定めることができる。 2 第二節から前節までの規定は、前項の財産の処分の方法を定めた持分会社については、適用しない。 (財産目録等の作成) 第六百六十九条 前条第一項の財産の処分の方法を定めた持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、解散の日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 2 前条第一項の財産の処分の方法を定めていない持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合において、解散後に同項の財産の処分の方法を定めたときは、清算持分会社は、当該財産の処分の方法を定めた日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 (債権者の異議) 第六百七十条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合には、その解散後の清算持分会社の債権者は、当該清算持分会社に対し、当該財産の処分の方法について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、清算持分会社は、解散の日(前条第二項に規定する場合にあっては、当該財産の処分の方法を定めた日)から二週間以内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 第六百六十八条第一項の財産の処分の方法に従い清算をする旨 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、清算持分会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該財産の処分の方法について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、清算持分会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 (持分の差押債権者の同意等) 第六百七十一条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合において、社員の持分を差し押さえた債権者があるときは、その解散後の清算持分会社がその財産の処分をするには、その債権者の同意を得なければならない。 2 前項の清算持分会社が同項の規定に違反してその財産の処分をしたときは、社員の持分を差し押さえた債権者は、当該清算持分会社に対し、その持分に相当する金額の支払を請求することができる。 第八節 帳簿資料の保存 第六百七十二条 清算人(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、清算持分会社を代表する社員)は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算持分会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、定款で又は社員の過半数をもって帳簿資料を保存する者を定めた場合には、その者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより、第一項の清算人又は前項の規定により帳簿資料を保存する者に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 前項の規定により選任された者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 5 第三項の規定による選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 第九節 社員の責任の消滅時効 第六百七十三条 第五百八十条に規定する社員の責任は、清算持分会社の本店の所在地における解散の登記をした後五年以内に請求又は請求の予告をしない清算持分会社の債権者に対しては、その登記後五年を経過した時に消滅する。 2 前項の期間の経過後であっても、社員に分配していない残余財産があるときは、清算持分会社の債権者は、清算持分会社に対して弁済を請求することができる。 第十節 適用除外等 (適用除外) 第六百七十四条 次に掲げる規定は、清算持分会社については、適用しない。 一 第四章第一節 二 第六百六条、第六百七条第一項(第三号及び第四号を除く。)及び第六百九条 三 第五章第三節(第六百十七条第四項、第六百十八条及び第六百十九条を除く。)から第六節まで及び第七節第二款 四 第六百三十八条第一項第三号及び第二項第二号 (相続及び合併による退社の特則) 第六百七十五条 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、第六百八条第一項の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。 この場合においては、同条第四項及び第五項の規定を準用する。 第四編 社債 第一章 総則 (募集社債に関する事項の決定) 第六百七十六条 会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この編において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集社債の総額 二 各募集社債の金額 三 募集社債の利率 四 募集社債の償還の方法及び期限 五 利息支払の方法及び期限 六 社債券を発行するときは、その旨 七 社債権者が第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 七の二 社債管理者を定めないこととするときは、その旨 八 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨 八の二 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨 九 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法 十 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日 十一 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日 十二 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (募集社債の申込み) 第六百七十七条 会社は、前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 会社の商号 二 当該募集に係る前条各号に掲げる事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数 三 会社が前条第九号の最低金額を定めたときは、希望する払込金額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集社債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集社債の割当て) 第六百七十八条 会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。 この場合において、会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 会社は、第六百七十六条第十号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければならない。 (募集社債の申込み及び割当てに関する特則) 第六百七十九条 前二条の規定は、募集社債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (募集社債の社債権者) 第六百八十条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集社債の社債権者となる。 一 申込者 会社の割り当てた募集社債 二 前条の契約により募集社債の総額を引き受けた者 その者が引き受けた募集社債 (社債原簿) 第六百八十一条 会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「社債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第六百七十六条第三号から第八号の二までに掲げる事項その他の社債の内容を特定するものとして法務省令で定める事項(以下この編において「種類」という。) 二 種類ごとの社債の総額及び各社債の金額 三 各社債と引換えに払い込まれた金銭の額及び払込みの日 四 社債権者(無記名社債(無記名式の社債券が発行されている社債をいう。以下この編において同じ。)の社債権者を除く。)の氏名又は名称及び住所 五 前号の社債権者が各社債を取得した日 六 社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数 七 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第六百八十二条 社債権者(無記名社債の社債権者を除く。)は、社債を発行した会社(以下この編において「社債発行会社」という。)に対し、当該社債権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された社債原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該社債原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (社債原簿管理人) 第六百八十三条 会社は、社債原簿管理人(会社に代わって社債原簿の作成及び備置きその他の社債原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (社債原簿の備置き及び閲覧等) 第六百八十四条 社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 社債権者その他の法務省令で定める者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社債原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社債原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 社債発行会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 当該請求を行う者が社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 三 当該請求を行う者が、過去二年以内において、社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 社債発行会社が株式会社である場合には、当該社債発行会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該社債発行会社の社債原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (社債権者に対する通知等) 第六百八十五条 社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告は、社債原簿に記載し、又は記録した当該社債権者の住所(当該社債権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該社債発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該社債発行会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を社債権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、社債発行会社が社債の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第七百二十条第一項の通知に際して社債権者に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (共有者による権利の行使) 第六百八十六条 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該社債についての権利を行使する者一人を定め、会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該社債についての権利を行使することができない。 ただし、会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (社債券を発行する場合の社債の譲渡) 第六百八十七条 社債券を発行する旨の定めがある社債の譲渡は、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の譲渡の対抗要件) 第六百八十八条 社債の譲渡は、その社債を取得した者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合における前項の規定の適用については、同項中「社債発行会社その他の第三者」とあるのは、「社債発行会社」とする。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (権利の推定等) 第六百八十九条 社債券の占有者は、当該社債券に係る社債についての権利を適法に有するものと推定する。 2 社債券の交付を受けた者は、当該社債券に係る社債についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十条 社債発行会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の社債の社債権者に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該社債発行会社の社債を取得した場合 二 当該社債発行会社が有する自己の社債を処分した場合 2 前項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十一条 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)は、当該社債発行会社に対し、当該社債に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した社債の社債権者として社債原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債券を発行する場合の社債の質入れ) 第六百九十二条 社債券を発行する旨の定めがある社債の質入れは、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の質入れの対抗要件) 第六百九十三条 社債の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、社債券を発行する旨の定めがある社債の質権者は、継続して当該社債に係る社債券を占有しなければ、その質権をもって社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する社債原簿の記載等) 第六百九十四条 社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、次に掲げる事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である社債 2 前項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第六百九十五条 前条第一項各号に掲げる事項が社債原簿に記載され、又は記録された質権者は、社債発行会社に対し、当該質権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (信託財産に属する社債についての対抗要件等) 第六百九十五条の二 社債については、当該社債が信託財産に属する旨を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、当該社債が信託財産に属することを社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第六百八十一条第四号の社債権者は、その有する社債が信託財産に属するときは、社債発行会社に対し、その旨を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 社債原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第六百八十二条第一項及び第六百九十条第一項の規定の適用については、第六百八十二条第一項中「記録された社債原簿記載事項」とあるのは「記録された社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」と、第六百九十条第一項中「社債原簿記載事項」とあるのは「社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある社債については、適用しない。 (社債券の発行) 第六百九十六条 社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければならない。 (社債券の記載事項) 第六百九十七条 社債券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 社債発行会社の商号 二 当該社債券に係る社債の金額 三 当該社債券に係る社債の種類 2 社債券には、利札を付することができる。 (記名式と無記名式との間の転換) 第六百九十八条 社債券が発行されている社債の社債権者は、第六百七十六条第七号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の社債券を無記名式とし、又はその無記名式の社債券を記名式とすることを請求することができる。 (社債券の喪失) 第六百九十九条 社債券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 社債券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 (利札が欠けている場合における社債の償還) 第七百条 社債発行会社は、社債券が発行されている社債をその償還の期限前に償還する場合において、これに付された利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければならない。 ただし、当該請求権が弁済期にある場合は、この限りでない。 2 前項の利札の所持人は、いつでも、社債発行会社に対し、これと引換えに同項の規定により控除しなければならない額の支払を請求することができる。 (社債の償還請求権等の消滅時効) 第七百一条 社債の償還請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 社債の利息の請求権及び前条第二項の規定による請求権は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 第二章 社債管理者 (社債管理者の設置) 第七百二条 会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合は、この限りでない。 (社債管理者の資格) 第七百三条 社債管理者は、次に掲げる者でなければならない。 一 銀行 二 信託会社 三 前二号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして法務省令で定める者 (社債管理者の義務) 第七百四条 社債管理者は、社債権者のために、公平かつ誠実に社債の管理を行わなければならない。 2 社債管理者は、社債権者に対し、善良な管理者の注意をもって社債の管理を行わなければならない。 (社債管理者の権限等) 第七百五条 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。 この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。 3 前項前段の規定による請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 第七百六条 社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、第二号に掲げる行為については、第六百七十六条第八号に掲げる事項についての定めがあるときは、この限りでない。 一 当該社債の全部についてするその支払の猶予、その債務若しくはその債務の不履行によって生じた責任の免除又は和解(次号に掲げる行為を除く。) 二 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(前条第一項の行為を除く。) 2 社債管理者は、前項ただし書の規定により社債権者集会の決議によらずに同項第二号に掲げる行為をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 3 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項各号に掲げる行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (特別代理人の選任) 第七百七条 社債権者と社債管理者との利益が相反する場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする必要があるときは、裁判所は、社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任しなければならない。 (社債管理者等の行為の方式) 第七百八条 社債管理者又は前条の特別代理人が社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、個別の社債権者を表示することを要しない。 (二以上の社債管理者がある場合の特則) 第七百九条 二以上の社債管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 2 前項に規定する場合において、社債管理者が第七百五条第一項の弁済を受けたときは、社債管理者は、社債権者に対し、連帯して、当該弁済の額を支払う義務を負う。 (社債管理者の責任) 第七百十条 社債管理者は、この法律又は社債権者集会の決議に違反する行為をしたときは、社債権者に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 社債管理者は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に、次に掲げる行為をしたときは、社債権者に対し、損害を賠償する責任を負う。 ただし、当該社債管理者が誠実にすべき社債の管理を怠らなかったこと又は当該損害が当該行為によって生じたものでないことを証明したときは、この限りでない。 一 当該社債管理者の債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けること。 二 当該社債管理者と法務省令で定める特別の関係がある者に対して当該社債管理者の債権を譲り渡すこと(当該特別の関係がある者が当該債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けた場合に限る。)。 三 当該社債管理者が社債発行会社に対する債権を有する場合において、契約によって負担する債務を専ら当該債権をもってする相殺に供する目的で社債発行会社の財産の処分を内容とする契約を社債発行会社との間で締結し、又は社債発行会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結し、かつ、これにより社債発行会社に対し負担した債務と当該債権とを相殺すること。 四 当該社債管理者が社債発行会社に対して債務を負担する場合において、社債発行会社に対する債権を譲り受け、かつ、当該債務と当該債権とを相殺すること。 (社債管理者の辞任) 第七百十一条 社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任することができる。 この場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、第七百二条の規定による委託に係る契約に定めた事由があるときは、辞任することができる。 ただし、当該契約に事務を承継する社債管理者に関する定めがないときは、この限りでない。 3 第一項の規定にかかわらず、社債管理者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (社債管理者が辞任した場合の責任) 第七百十二条 第七百十条第二項の規定は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に前条第二項の規定により辞任した社債管理者について準用する。 (社債管理者の解任) 第七百十三条 裁判所は、社債管理者がその義務に違反したとき、その事務処理に不適任であるときその他正当な理由があるときは、社債発行会社又は社債権者集会の申立てにより、当該社債管理者を解任することができる。 (社債管理者の事務の承継) 第七百十四条 社債管理者が次のいずれかに該当することとなった場合において、他に社債管理者がないときは、社債発行会社は、事務を承継する社債管理者を定め、社債権者のために、社債の管理を行うことを委託しなければならない。 この場合においては、社債発行会社は、社債権者集会の同意を得るため、遅滞なく、これを招集し、かつ、その同意を得ることができなかったときは、その同意に代わる裁判所の許可の申立てをしなければならない。 一 第七百三条各号に掲げる者でなくなったとき。 二 第七百十一条第三項の規定により辞任したとき。 三 前条の規定により解任されたとき。 四 解散したとき。 2 社債発行会社は、前項前段に規定する場合において、同項各号のいずれかに該当することとなった日後二箇月以内に、同項後段の規定による招集をせず、又は同項後段の申立てをしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 3 第一項前段に規定する場合において、やむを得ない事由があるときは、利害関係人は、裁判所に対し、事務を承継する社債管理者の選任の申立てをすることができる。 4 社債発行会社は、第一項前段の規定により事務を承継する社債管理者を定めた場合(社債権者集会の同意を得た場合を除く。)又は前項の規定による事務を承継する社債管理者の選任があった場合には、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 第二章の二 社債管理補助者 (社債管理補助者の設置) 第七百十四条の二 会社は、第七百二条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。 ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。 (社債管理補助者の資格) 第七百十四条の三 社債管理補助者は、第七百三条各号に掲げる者その他法務省令で定める者でなければならない。 (社債管理補助者の権限等) 第七百十四条の四 社債管理補助者は、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 二 強制執行又は担保権の実行の手続における配当要求 三 第四百九十九条第一項の期間内に債権の申出をすること。 2 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に定める範囲内において、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 社債に係る債権の弁済を受けること。 二 第七百五条第一項の行為(前項各号及び前号に掲げる行為を除く。) 三 第七百六条第一項各号に掲げる行為 四 社債発行会社が社債の総額について期限の利益を喪失することとなる行為 3 前項の場合において、社債管理補助者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 前項第二号に掲げる行為であって、次に掲げるもの イ 当該社債の全部についてするその支払の請求 ロ 当該社債の全部に係る債権に基づく強制執行、仮差押え又は仮処分 ハ 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(イ及びロに掲げる行為を除く。) 二 前項第三号及び第四号に掲げる行為 4 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に従い、社債の管理に関する事項を社債権者に報告し、又は社債権者がこれを知ることができるようにする措置をとらなければならない。 5 第七百五条第二項及び第三項の規定は、第二項第一号に掲げる行為をする権限を有する社債管理補助者について準用する。 (二以上の社債管理補助者がある場合の特則) 第七百十四条の五 二以上の社債管理補助者があるときは、社債管理補助者は、各自、その権限に属する行為をしなければならない。 2 社債管理補助者が社債権者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の社債管理補助者も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (社債管理者等との関係) 第七百十四条の六 第七百二条の規定による委託に係る契約又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の効力が生じた場合には、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約は、終了する。 (社債管理者に関する規定の準用) 第七百十四条の七 第七百四条、第七百七条、第七百八条、第七百十条第一項、第七百十一条、第七百十三条及び第七百十四条の規定は、社債管理補助者について準用する。 この場合において、第七百四条中「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、同項中「社債権者に対し、連帯して」とあるのは「社債権者に対し」と、第七百十一条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「において」と、同条第二項中「第七百二条」とあるのは「第七百十四条の二」と、第七百十四条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「には」と、「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、「第七百三条各号に掲げる」とあるのは「第七百十四条の三に規定する」と、「解散した」とあるのは「死亡し、又は解散した」と読み替えるものとする。 第三章 社債権者集会 (社債権者集会の構成) 第七百十五条 社債権者は、社債の種類ごとに社債権者集会を組織する。 (社債権者集会の権限) 第七百十六条 社債権者集会は、この法律に規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。 (社債権者集会の招集) 第七百十七条 社債権者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 社債権者集会は、次項又は次条第三項の規定により招集する場合を除き、社債発行会社又は社債管理者が招集する。 3 次に掲げる場合には、社債管理補助者は、社債権者集会を招集することができる。 一 次条第一項の規定による請求があった場合 二 第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意を得るため必要がある場合 (社債権者による招集の請求) 第七百十八条 ある種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者は、社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に対し、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、社債権者集会の招集を請求することができる。 2 社債発行会社が有する自己の当該種類の社債の金額の合計額は、前項に規定する社債の総額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした社債権者は、裁判所の許可を得て、社債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間以内の日を社債権者集会の日とする社債権者集会の招集の通知が発せられない場合 4 第一項の規定による請求又は前項の規定による招集をしようとする無記名社債の社債権者は、その社債券を社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に提示しなければならない。 (社債権者集会の招集の決定) 第七百十九条 社債権者集会を招集する者(以下この章において「招集者」という。)は、社債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社債権者集会の日時及び場所 二 社債権者集会の目的である事項 三 社債権者集会に出席しない社債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債権者集会の招集の通知) 第七百二十条 社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の二週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては社債管理者又は社債管理補助者に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 社債発行会社が無記名式の社債券を発行している場合において、社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の三週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を公告しなければならない。 5 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、招集者が社債発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 (社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七百二十一条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている社債権者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「社債権者集会参考書類」という。)及び社債権者が議決権を行使するための書面(以下この章において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした社債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社債権者の請求があったときは、これらの書類を当該社債権者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、社債権者集会の日の一週間前までに無記名社債の社債権者の請求があったときは、直ちに、社債権者集会参考書類及び議決権行使書面を当該社債権者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、社債権者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第七百二十二条 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第七百二十条第二項の承諾をした社債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第七百二十条第二項の承諾をしていない社債権者から社債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の額等) 第七百二十三条 社債権者は、社債権者集会において、その有する当該種類の社債の金額の合計額(償還済みの額を除く。)に応じて、議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、社債発行会社は、その有する自己の社債については、議決権を有しない。 3 議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は、社債権者集会の日の一週間前までに、その社債券を招集者に提示しなければならない。 (社債権者集会の決議) 第七百二十四条 社債権者集会において決議をする事項を可決するには、出席した議決権者(議決権を行使することができる社債権者をいう。以下この章において同じ。)の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債権者集会において次に掲げる事項を可決するには、議決権者の議決権の総額の五分の一以上で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意がなければならない。 一 第七百六条第一項各号に掲げる行為に関する事項 二 第七百六条第一項、第七百十四条の四第三項(同条第二項第三号に掲げる行為に係る部分に限る。)、第七百三十六条第一項、第七百三十七条第一項ただし書及び第七百三十八条の規定により社債権者集会の決議を必要とする事項 3 社債権者集会は、第七百十九条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第七百二十五条 社債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第七百二十六条 社債権者集会に出席しない社債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七百二十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (議決権の不統一行使) 第七百二十八条 社債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、社債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の社債権者が他人のために社債を有する者でないときは、当該社債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (社債発行会社の代表者の出席等) 第七百二十九条 社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者は、その代表者若しくは代理人を社債権者集会に出席させ、又は書面により意見を述べることができる。 ただし、社債管理者又は社債管理補助者にあっては、その社債権者集会が第七百七条(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の特別代理人の選任について招集されたものであるときは、この限りでない。 2 社債権者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、社債発行会社に対し、その代表者又は代理人の出席を求めることができる。 この場合において、社債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第七百三十条 社債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第七百十九条及び第七百二十条の規定は、適用しない。 (議事録) 第七百三十一条 社債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 社債発行会社は、社債権者集会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社債権者集会の決議の認可の申立て) 第七百三十二条 社債権者集会の決議があったときは、招集者は、当該決議があった日から一週間以内に、裁判所に対し、当該決議の認可の申立てをしなければならない。 (社債権者集会の決議の不認可) 第七百三十三条 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、社債権者集会の決議の認可をすることができない。 一 社債権者集会の招集の手続又はその決議の方法が法令又は第六百七十六条の募集のための当該社債発行会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料に記載され、若しくは記録された事項に違反するとき。 二 決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。 三 決議が著しく不公正であるとき。 四 決議が社債権者の一般の利益に反するとき。 (社債権者集会の決議の効力) 第七百三十四条 社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 社債権者集会の決議は、当該種類の社債を有するすべての社債権者に対してその効力を有する。 (社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定の公告) 第七百三十五条 社債発行会社は、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定があった場合には、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。 (社債権者集会の決議の省略) 第七百三十五条の二 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。 2 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。 (代表社債権者の選任等) 第七百三十六条 社債権者集会においては、その決議によって、当該種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の千分の一以上に当たる社債を有する社債権者の中から、一人又は二人以上の代表社債権者を選任し、これに社債権者集会において決議をする事項についての決定を委任することができる。 2 第七百十八条第二項の規定は、前項に規定する社債の総額について準用する。 3 代表社債権者が二人以上ある場合において、社債権者集会において別段の定めを行わなかったときは、第一項に規定する事項についての決定は、その過半数をもって行う。 (社債権者集会の決議の執行) 第七百三十七条 社債権者集会の決議は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が執行する。 ただし、社債権者集会の決議によって別に社債権者集会の決議を執行する者を定めたときは、この限りでない。 一 社債管理者がある場合 社債管理者 二 社債管理補助者がある場合において、社債管理補助者の権限に属する行為に関する事項を可決する旨の社債権者集会の決議があったとき 社債管理補助者 三 前二号に掲げる場合以外の場合 代表社債権者 2 第七百五条第一項から第三項まで、第七百八条及び第七百九条の規定は、代表社債権者又は前項ただし書の規定により定められた社債権者集会の決議を執行する者(以下この章において「決議執行者」という。)が社債権者集会の決議を執行する場合について準用する。 (代表社債権者等の解任等) 第七百三十八条 社債権者集会においては、その決議によって、いつでも、代表社債権者若しくは決議執行者を解任し、又はこれらの者に委任した事項を変更することができる。 (社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失) 第七百三十九条 社債発行会社が社債の利息の支払を怠ったとき、又は定期に社債の一部を償還しなければならない場合においてその償還を怠ったときは、社債権者集会の決議に基づき、当該決議を執行する者は、社債発行会社に対し、一定の期間内にその弁済をしなければならない旨及び当該期間内にその弁済をしないときは当該社債の総額について期限の利益を喪失する旨を書面により通知することができる。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の決議を執行する者は、同項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、社債発行会社の承諾を得て、同項の規定により通知する事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該決議を執行する者は、当該書面による通知をしたものとみなす。 3 社債発行会社は、第一項の期間内に同項の弁済をしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 (債権者の異議手続の特則) 第七百四十条 第四百四十九条、第六百二十七条、第六百三十五条、第六百七十条、第七百七十九条(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条(第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十六条の八の規定により社債権者が異議を述べるには、社債権者集会の決議によらなければならない。 この場合においては、裁判所は、利害関係人の申立てにより、社債権者のために異議を述べることができる期間を伸長することができる。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、社債権者のために、異議を述べることができる。 ただし、第七百二条の規定による委託に係る契約に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 社債発行会社における第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百八十九条第二項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百九十九条第二項(第八百二条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第八百十条第二項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第八百十六条の八第二項の規定の適用については、第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項、第七百九十九条第二項及び第八百十六条の八第二項中「知れている債権者」とあるのは「知れている債権者(社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては、当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」と、第七百八十九条第二項及び第八百十条第二項中「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)」とあるのは「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限り、社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」とする。 (社債管理者等の報酬等) 第七百四十一条 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者に対して与えるべき報酬、その事務処理のために要する費用及びその支出の日以後における利息並びにその事務処理のために自己の過失なくして受けた損害の賠償額は、社債発行会社との契約に定めがある場合を除き、裁判所の許可を得て、社債発行会社の負担とすることができる。 2 前項の許可の申立ては、社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者がする。 3 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者は、第一項の報酬、費用及び利息並びに損害の賠償額に関し、第七百五条第一項(第七百三十七条第二項において準用する場合を含む。)又は第七百十四条の四第二項第一号の弁済を受けた額について、社債権者に先立って弁済を受ける権利を有する。 (社債権者集会等の費用の負担) 第七百四十二条 社債権者集会に関する費用は、社債発行会社の負担とする。 2 第七百三十二条の申立てに関する費用は、社債発行会社の負担とする。 ただし、裁判所は、社債発行会社その他利害関係人の申立てにより又は職権で、当該費用の全部又は一部について、招集者その他利害関係人の中から別に負担者を定めることができる。 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付 第一章 組織変更 第一節 通則 (組織変更計画の作成) 第七百四十三条 会社は、組織変更をすることができる。 この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。 第二節 株式会社の組織変更 (株式会社の組織変更計画) 第七百四十四条 株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 組織変更後持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 組織変更後持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、組織変更後持分会社の定款で定める事項 五 組織変更後持分会社が組織変更に際して組織変更をする株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(組織変更後持分会社の持分を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債であるときは、当該社債の種類(第百七条第二項第二号ロに規定する社債の種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の株主(組織変更をする株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、組織変更後持分会社が組織変更に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 九 組織変更がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 組織変更後持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 組織変更後持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 組織変更後持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (株式会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十五条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、組織変更後持分会社の社員となる。 4 前条第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号イの社債の社債権者となる。 5 組織変更をする株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百七十九条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第三節 持分会社の組織変更 (持分会社の組織変更計画) 第七百四十六条 持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項 三 組織変更後株式会社の取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称 ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 組織変更後株式会社の監査役の氏名 ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称 五 組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 六 組織変更をする持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭等(組織変更後株式会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債等(社債及び新株予約権をいう。以下この編において同じ。)以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする持分会社の社員に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 九 効力発生日 2 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 (持分会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十七条 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、株式会社となる。 2 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 4 次の各号に掲げる場合には、組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、第七百八十一条第二項において準用する第七百七十九条(第二項第二号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第二章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 株式会社が存続する吸収合併 (株式会社が存続する吸収合併契約) 第七百四十九条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である吸収合併存続会社(以下この編において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併により消滅する会社(以下この編において「吸収合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して吸収合併存続株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの吸収合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収合併存続株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 六 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続株式会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 5 前条第一項第四号イに規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、効力発生日に、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号イの吸収合併存続株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 持分会社が存続する吸収合併 (持分会社が存続する吸収合併契約) 第七百五十一条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である吸収合併存続会社(以下この節において「吸収合併存続持分会社」という。)及び吸収合併消滅会社の商号及び住所 二 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員が吸収合併に際して吸収合併存続持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収合併存続持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等(吸収合併存続持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続持分会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 七 効力発生日 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続持分会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (持分会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十二条 吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第三節 新設合併 第一款 株式会社を設立する新設合併 (株式会社を設立する新設合併契約) 第七百五十三条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社(以下この編において「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する会社(以下この編において「新設合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 株式会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立株式会社の定款で定める事項 四 新設合併設立株式会社の設立時取締役の氏名 五 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設合併設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設合併設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して株式会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅持分会社」という。)の社員に対して交付するその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設合併設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立株式会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して新設合併設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの新設合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設合併設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、新設合併消滅株式会社の全部又は一部が種類株式発行会社であるときは、新設合併消滅会社は、新設合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第七号に掲げる事項(新設合併消滅株式会社の株主に係る事項に限る。次項において同じ。)として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して新設合併設立株式会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、新設合併設立株式会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第七号に掲げる事項についての定めは、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて新設合併設立株式会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第九号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「新設合併設立株式会社の株式」とあるのは、「新設合併設立株式会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十四条 新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、前条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立株式会社の成立の日に、消滅する。 5 前条第一項第十号イに規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号イの新設合併設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第二款 持分会社を設立する新設合併 (持分会社を設立する新設合併契約) 第七百五十五条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併設立会社が持分会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併消滅会社の商号及び住所 二 持分会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 三 新設合併設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 四 新設合併設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 五 前二号に掲げるもののほか、新設合併設立持分会社の定款で定める事項 六 新設合併設立持分会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立持分会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立持分会社が合名会社であるときは、前項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設合併設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設合併設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十六条 新設合併設立持分会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設合併設立持分会社の社員となる。 3 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の社債の社債権者となる。 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立持分会社の成立の日に、消滅する。 第三章 会社分割 第一節 吸収分割 第一款 通則 (吸収分割契約の締結) 第七百五十七条 会社(株式会社又は合同会社に限る。)は、吸収分割をすることができる。 この場合においては、当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下この編において「吸収分割承継会社」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に権利義務を承継させる吸収分割 (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百五十八条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割をする会社(以下この編において「吸収分割会社」という。)及び株式会社である吸収分割承継会社(以下この編において「吸収分割承継株式会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継株式会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である吸収分割会社(以下この編において「吸収分割株式会社」という。)及び吸収分割承継株式会社の株式並びに吸収分割株式会社の新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式を吸収分割承継株式会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収分割承継株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 五 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該吸収分割承継株式会社の新株予約権の交付を受ける吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「吸収分割契約新株予約権」という。)の内容 ロ 吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収分割承継株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 吸収分割契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収分割承継株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収分割承継株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 七 吸収分割がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 八 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継株式会社の株式(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継株式会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継株式会社の株式のみであるものに限る。) (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百五十九条 吸収分割承継株式会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継株式会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 次の各号に掲げる場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第四号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第四号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第四号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第四号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 9 前条第五号に規定する場合には、効力発生日に、吸収分割契約新株予約権は、消滅し、当該吸収分割契約新株予約権の新株予約権者は、同条第六号に掲げる事項についての定めに従い、同条第五号ロの吸収分割承継株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第三款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割 (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百六十条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が持分会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割会社及び持分会社である吸収分割承継会社(以下この節において「吸収分割承継持分会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継持分会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(吸収分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社の株式を吸収分割承継持分会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割会社が吸収分割に際して吸収分割承継持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収分割承継持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 五 吸収分割承継持分会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等(吸収分割承継持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 効力発生日 七 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継持分会社の持分(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継持分会社の持分に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継持分会社の持分のみであるものに限る。) (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百六十一条 吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 9 前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第二節 新設分割 第一款 通則 (新設分割計画の作成) 第七百六十二条 一又は二以上の株式会社又は合同会社は、新設分割をすることができる。 この場合においては、新設分割計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合には、当該二以上の株式会社又は合同会社は、共同して新設分割計画を作成しなければならない。 第二款 株式会社を設立する新設分割 (株式会社を設立する新設分割計画) 第七百六十三条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、新設分割設立株式会社の定款で定める事項 三 新設分割設立株式会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設分割設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設分割設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設分割設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設分割設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 新設分割設立株式会社が新設分割により新設分割をする会社(以下この編において「新設分割会社」という。)から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である新設分割会社(以下この編において「新設分割株式会社」という。)の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対して交付するその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設分割設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設分割設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該新設分割設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該新設分割設立株式会社の新株予約権の交付を受ける新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「新設分割計画新株予約権」という。)の内容 ロ 新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する新設分割設立株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 新設分割計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設分割設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設分割設立株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。) 2 新設分割設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 (株式会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十四条 新設分割設立株式会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立株式会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第十二号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立株式会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 9 次の各号に掲げる場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前二項の規定の適用については、第八項中「新設分割計画の定め」とあるのは「同項第七号に掲げる事項についての定め」と、前項中「新設分割計画の定め」とあるのは「前条第一項第九号に掲げる事項についての定め」とする。 11 前条第一項第十号に規定する場合には、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画新株予約権は、消滅し、当該新設分割計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号ロの新設分割設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第三款 持分会社を設立する新設分割 (持分会社を設立する新設分割計画) 第七百六十五条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割設立会社が持分会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 新設分割設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 新設分割設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、新設分割設立持分会社の定款で定める事項 五 新設分割設立持分会社が新設分割により新設分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(新設分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立持分会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設分割株式会社が新設分割設立持分会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立持分会社の持分(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立持分会社の持分のみであるものに限る。) 2 新設分割設立持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設分割設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設分割設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十六条 新設分割設立持分会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立持分会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立持分会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設分割設立持分会社の社員となる。 9 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同号の社債の社債権者となる。 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前項の規定の適用については、同項中「新設分割計画の定めに従い、同号」とあるのは、「同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号」とする。 第四章 株式交換及び株式移転 第一節 株式交換 第一款 通則 (株式交換契約の締結) 第七百六十七条 株式会社は、株式交換をすることができる。 この場合においては、当該株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(株式会社又は合同会社に限る。以下この編において「株式交換完全親会社」という。)との間で、株式交換契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に発行済株式を取得させる株式交換 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百六十八条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容 ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 六 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百六十九条 株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親株式会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親株式会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 次の各号に掲げる場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第四号に規定する場合には、効力発生日に、株式交換契約新株予約権は、消滅し、当該株式交換契約新株予約権の新株予約権者は、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号ロの株式交換完全親株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第四号ハに規定する場合には、株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第三款 合同会社に発行済株式を取得させる株式交換 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百七十条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が合同会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換完全子会社及び合同会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親合同会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全子会社の株主が株式交換に際して株式交換完全親合同会社の社員となるときは、当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 株式交換完全親合同会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(株式交換完全親合同会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 効力発生日 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親合同会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百七十一条 株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親合同会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親合同会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親合同会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、株式交換完全親合同会社の社員となる。 この場合においては、株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 前各項の規定は、第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第二節 株式移転 (株式移転計画の作成) 第七百七十二条 一又は二以上の株式会社は、株式移転をすることができる。 この場合においては、株式移転計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合には、当該二以上の株式会社は、共同して株式移転計画を作成しなければならない。 (株式移転計画) 第七百七十三条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項 三 株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名 ハ 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 六 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 八 前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項 九 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容 ロ 株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十 前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項 2 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式移転の効力の発生等) 第七百七十四条 株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、株式移転完全子会社の発行済株式の全部を取得する。 2 株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第九号に規定する場合には、株式移転設立完全親会社の成立の日に、株式移転計画新株予約権は、消滅し、当該株式移転計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十号に掲げる事項についての定めに従い、同項第九号ロの株式移転設立完全親会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第九号ハに規定する場合には、株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 第四章の二 株式交付 (株式交付計画の作成) 第七百七十四条の二 株式会社は、株式交付をすることができる。 この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。 (株式交付計画) 第七百七十四条の三 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所 二 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限 三 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 四 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項 五 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法 八 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 九 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 十 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日 十一 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み) 第七百七十四条の四 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式交付親会社の商号 二 株式交付計画の内容 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て) 第七百七十四条の五 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。 この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則) 第七百七十四条の六 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (株式交付子会社の株式の譲渡し) 第七百七十四条の七 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。 一 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数 二 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数 2 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの無効又は取消しの制限) 第七百七十四条の八 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、第七百七十四条の四第二項の申込み、第七百七十四条の五第一項の規定による割当て及び第七百七十四条の六の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人は、第七百七十四条の十一第二項の規定により株式交付親会社の株式の株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として株式交付子会社の株式の譲渡しの取消しをすることができない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用) 第七百七十四条の九 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。 この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。 (申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合) 第七百七十四条の十 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。 この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 (株式交付の効力の発生等) 第七百七十四条の十一 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。 2 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合 二 株式交付を中止した場合 三 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合 四 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合 6 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。 第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続 第一節 組織変更の手続 第一款 株式会社の手続 (組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百七十五条 組織変更をする株式会社は、組織変更計画備置開始日から組織変更がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)までの間、組織変更計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 組織変更計画について組織変更をする株式会社の総株主の同意を得た日 二 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第七百七十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百七十九条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 組織変更をする株式会社の株主及び債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式会社の組織変更計画の承認等) 第七百七十六条 組織変更をする株式会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該株式会社の総株主の同意を得なければならない。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新株予約権買取請求) 第七百七十七条 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この款において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 組織変更をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その新株予約権の新株予約権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、組織変更をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 組織変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百七十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と組織変更をする株式会社(効力発生日後にあっては、組織変更後持分会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は組織変更後持分会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 組織変更後持分会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 組織変更をする株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 組織変更をする株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 組織変更をする株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百七十九条 組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。 2 組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 組織変更をする旨 二 組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (組織変更の効力発生日の変更) 第七百八十条 組織変更をする株式会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、組織変更をする株式会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この款及び第七百四十五条の規定を適用する。 第二款 持分会社の手続 第七百八十一条 組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第七百七十九条(第二項第二号を除く。)及び前条の規定は、組織変更をする持分会社について準用する。 この場合において、第七百七十九条第三項中「組織変更をする株式会社」とあるのは「組織変更をする持分会社(合同会社に限る。)」と、前条第三項中「及び第七百四十五条」とあるのは「並びに第七百四十七条及び次条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 吸収合併等の手続 第一款 吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百八十二条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 吸収合併契約 二 吸収分割株式会社 吸収分割契約 三 株式交換完全子会社 株式交換契約 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百八十五条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百八十七条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第七百八十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百八十三条 消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第一項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。 3 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。 5 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者(次条第二項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第七百八十七条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。 6 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (吸収合併契約等の承認を要しない場合) 第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。 2 前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百八十四条の二 次に掲げる場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項に規定する場合は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十一条第一項第三号若しくは第四号、第七百五十八条第四号、第七百六十条第四号若しくは第五号、第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号又は第七百七十条第一項第三号若しくは第四号に掲げる事項が消滅株式会社等又は存続会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第七百八十三条第二項に規定する場合 二 第七百八十四条第二項に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 消滅株式会社等が公開会社である場合 二 消滅株式会社等が第七百八十三条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百八十六条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第七百八十七条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 吸収合併 第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 吸収分割承継会社が株式会社である場合における吸収分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換完全親会社が株式会社である場合における株式交換完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 吸収合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百八十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百八十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併消滅株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者) 三 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 存続会社等の商号及び住所 三 消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(吸収分割をする場合における不法行為によって生じた吸収分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収合併等の効力発生日の変更) 第七百九十条 消滅株式会社等は、存続会社等との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、消滅株式会社等は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節並びに第七百五十条、第七百五十二条、第七百五十九条、第七百六十一条、第七百六十九条及び第七百七十一条の規定を適用する。 (吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十一条 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 吸収分割株式会社 吸収分割により吸収分割承継会社が承継した吸収分割株式会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式交換完全子会社 株式交換により株式交換完全親会社が取得した株式交換完全子会社の株式の数その他の株式交換に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式交換完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「効力発生日に株式交換完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第七百九十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イの株式の取得 二 第七百五十八条第八号ロ又は第七百六十条第七号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第七百九十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 二 吸収分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)及び第七百九十条の規定は、吸収合併消滅持分会社又は合同会社である吸収分割会社(以下この節において「吸収分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、第七百八十九条第一項第二号中「債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「吸収合併消滅持分会社(吸収合併存続会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は吸収分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 吸収合併存続会社、吸収分割承継会社及び株式交換完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十四条 吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百九十五条 存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 一 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の債務の額として法務省令で定める額(次号において「承継債務額」という。)が吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産の額として法務省令で定める額(同号において「承継資産額」という。)を超える場合 二 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等(吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合 三 株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(株式交換完全親株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交換完全親株式会社が取得する株式交換完全子会社の株式の額として法務省令で定める額を超える場合 3 承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 4 存続株式会社等が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併等は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対して交付する金銭等が吸収合併存続株式会社の株式である場合 第七百四十九条第一項第二号イの種類の株式 二 吸収分割会社に対して交付する金銭等が吸収分割承継株式会社の株式である場合 第七百五十八条第四号イの種類の株式 三 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式である場合 第七百六十八条第一項第二号イの種類の株式 (吸収合併契約等の承認を要しない場合等) 第七百九十六条 前条第一項から第三項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。 2 前条第一項から第三項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同条第二項各号に掲げる場合又は前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第七百九十七条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百九十六条の二 次に掲げる場合において、存続株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、存続株式会社等の株主は、存続株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び前条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十八条第四号又は第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項が存続株式会社等又は消滅会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百九十七条 吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第七百九十六条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該存続株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 存続株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに消滅会社等の商号及び住所(第七百九十五条第三項に規定する場合にあっては、吸収合併等をする旨、消滅会社等の商号及び住所並びに同項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 存続株式会社等が公開会社である場合 二 存続株式会社等が第七百九十五条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、存続株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、存続株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百九十八条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と存続株式会社等との間に協議が調ったときは、存続株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は存続株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 存続株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 存続株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該存続株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百九十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者 三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者 2 前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 消滅会社等の商号及び住所 三 存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (消滅会社等の株主等に対して交付する金銭等が存続株式会社等の親会社株式である場合の特則) 第八百条 第百三十五条第一項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この項において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の親会社株式(同条第一項に規定する親会社株式をいう。以下この条において同じ。)である場合には、当該存続株式会社等は、吸収合併等に際して消滅会社等の株主等に対して交付する当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得することができる。 2 第百三十五条第三項の規定にかかわらず、前項の存続株式会社等は、効力発生日までの間は、存続株式会社等の親会社株式を保有することができる。 ただし、吸収合併等を中止したときは、この限りでない。 (吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百一条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続株式会社が承継した吸収合併消滅会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収分割承継株式会社(合同会社が吸収分割をする場合における当該吸収分割承継株式会社に限る。)は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割合同会社と共同して、吸収分割により吸収分割承継株式会社が承継した吸収分割合同会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる存続株式会社等は、効力発生日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併存続株式会社 第一項の書面又は電磁的記録 二 吸収分割承継株式会社 前項又は第七百九十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式交換完全親株式会社 第七百九十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 吸収合併存続株式会社の株主及び債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、吸収分割承継株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式交換完全親株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株式交換完全親株式会社の株主)」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 第八百二条 次の各号に掲げる行為をする持分会社(以下この条において「存続持分会社等」という。)は、当該各号に定める場合には、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について存続持分会社等の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 第七百五十一条第一項第二号に規定する場合 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第七百六十条第四号に規定する場合 三 株式交換による株式会社の発行済株式の全部の取得 第七百七十条第一項第二号に規定する場合 2 第七百九十九条(第二項第三号を除く。)及び第八百条の規定は、存続持分会社等について準用する。 この場合において、第七百九十九条第一項第三号中「株式交換完全親株式会社の株式」とあるのは「株式交換完全親合同会社の持分」と、「場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合」とあるのは「場合」と読み替えるものとする。 第三節 新設合併等の手続 第一款 新設合併消滅会社、新設分割会社及び株式移転完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百三条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、新設合併契約等備置開始日から新設合併設立会社、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立会社」という。)の成立の日後六箇月を経過する日(新設合併消滅株式会社にあっては、新設合併設立会社の成立の日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「新設合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 新設合併契約 二 新設分割株式会社 新設分割計画 三 株式移転完全子会社 株式移転計画 2 前項に規定する「新設合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 新設合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百六条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、新設分割計画の作成の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式移転完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約等の承認) 第八百四条 消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新設合併設立会社が持分会社である場合には、新設合併契約について新設合併消滅株式会社の総株主の同意を得なければならない。 3 新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社が種類株式発行会社である場合において、新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設合併設立株式会社又は株式移転設立完全親会社の株式等の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは、当該新設合併又は株式移転は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 消滅株式会社等は、第一項の株主総会の決議の日(第二項に規定する場合にあっては、同項の総株主の同意を得た日)から二週間以内に、その登録株式質権者(次条に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第八百八条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、新設合併、新設分割又は株式移転(以下この節において「新設合併等」という。)をする旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新設分割計画の承認を要しない場合) 第八百五条 前条第一項の規定は、新設分割により新設分割設立会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が新設分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を新設分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (新設合併等をやめることの請求) 第八百五条の二 新設合併等が法令又は定款に違反する場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、当該新設合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条に規定する場合は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百六条 新設合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第八百四条第二項に規定する場合 二 第八百五条に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第八百四条第一項の株主総会(新設合併等をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。)に先立って当該新設合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該新設合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日から二週間以内に、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設分割会社又は株式移転完全子会社(以下この節において「消滅会社等」という。)及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 新設合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第八百八条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 新設合併 第七百五十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 新設分割(新設分割設立会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ハに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転 次に掲げる新株予約権のうち、第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日(同条第二項に規定する場合にあっては同項の総株主の同意を得た日、第八百五条に規定する場合にあっては新設分割計画の作成の日)から二週間以内に、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、新設合併等をする旨並びに他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 新設分割設立会社が株式会社である場合における新設分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 新設合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第八百九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、新設合併等について異議を述べることができる。 一 新設合併をする場合 新設合併消滅株式会社の債権者 二 新設分割をする場合 新設分割後新設分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として新設分割設立会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない新設分割株式会社の債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者) 三 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併等をする旨 二 他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所 三 消滅株式会社等の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(新設分割をする場合における不法行為によって生じた新設分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十一条 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日後遅滞なく、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 新設分割株式会社 新設分割により新設分割設立会社が承継した新設分割株式会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式移転完全子会社 株式移転により株式移転設立完全親会社が取得した株式移転完全子会社の株式の数その他の株式移転に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、新設分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式移転完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の成立の日に株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第八百十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イの株式の取得 二 第七百六十三条第一項第十二号ロ又は第七百六十五条第一項第八号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第八百十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、新設合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 新設合併 二 新設分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第八百十条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)の規定は、新設合併消滅持分会社又は合同会社である新設分割会社(以下この節において「新設分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、同条第一項第二号中「債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「新設合併消滅持分会社(新設合併設立会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は新設分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 新設合併設立会社、新設分割設立会社及び株式移転設立完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (株式会社の設立の特則) 第八百十四条 第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)の規定は、新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立株式会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立株式会社の定款は、消滅会社等が作成する。 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十五条 新設合併設立株式会社は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立株式会社が承継した新設合併消滅会社の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設分割設立株式会社(一又は二以上の合同会社のみが新設分割をする場合における当該新設分割設立株式会社に限る。)は、その成立の日後遅滞なく、新設分割合同会社と共同して、新設分割により新設分割設立株式会社が承継した新設分割合同会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる設立株式会社は、その成立の日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併設立株式会社 第一項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 新設分割設立株式会社 前項又は第八百十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式移転設立完全親会社 第八百十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 新設合併設立株式会社の株主及び債権者は、新設合併設立株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、新設分割設立株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式移転設立完全親会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び新株予約権者」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 (持分会社の設立の特則) 第八百十六条 第五百七十五条及び第五百七十八条の規定は、新設合併設立持分会社又は新設分割設立持分会社(次項において「設立持分会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立持分会社の定款は、消滅会社等が作成する。 第四節 株式交付の手続 (株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の二 株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式交付計画の承認等) 第八百十六条の三 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 2 株式交付親会社が株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 3 株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式 二 株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式 (株式交付計画の承認を要しない場合等) 第八百十六条の四 前条第一項及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同項に規定する場合又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 (株式交付をやめることの請求) 第八百十六条の五 株式交付が法令又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。 ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百十六条の六 株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に掲げる場合以外の場合 全ての株主 3 株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨並びに株式交付子会社の商号及び住所を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 株式交付親会社が公開会社である場合 二 株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百十六条の七 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十六条の八 株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。 2 前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 株式交付をする旨 二 株式交付子会社の商号及び住所 三 株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (株式交付の効力発生日の変更) 第八百十六条の九 株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。 3 第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 4 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。 5 株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。 6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。 この場合において、第四項中「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十及び前項」と読み替えるものとする。 (株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の十 株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六編 外国会社 (外国会社の日本における代表者) 第八百十七条 外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。 この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。 2 外国会社の日本における代表者は、当該外国会社の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 3 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 4 外国会社は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (登記前の継続取引の禁止等) 第八百十八条 外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (貸借対照表に相当するものの公告) 第八百十九条 外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)は、法務省令で定めるところにより、第四百三十八条第二項の承認と同種の手続又はこれに類似する手続の終結後遅滞なく、貸借対照表に相当するものを日本において公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である外国会社は、前項に規定する貸借対照表に相当するものの要旨を公告することで足りる。 3 前項の外国会社は、法務省令で定めるところにより、第一項の手続の終結後遅滞なく、同項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報を、当該手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により日本において不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない外国会社については、前三項の規定は、適用しない。 (日本に住所を有する日本における代表者の退任) 第八百二十条 外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 2 債権者が前項の期間内に異議を述べたときは、同項の外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、同項の退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 3 第一項の退任は、前二項の手続が終了した後にその登記をすることによって、その効力を生ずる。 (擬似外国会社) 第八百二十一条 日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (日本にある外国会社の財産についての清算) 第八百二十二条 裁判所は、次に掲げる場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、日本にある外国会社の財産の全部について清算の開始を命ずることができる。 一 外国会社が第八百二十七条第一項の規定による命令を受けた場合 二 外国会社が日本において取引を継続してすることをやめた場合 2 前項の場合には、裁判所は、清算人を選任する。 3 第四百七十六条、第二編第九章第一節第二款、第四百九十二条、同節第四款及び第五百八条の規定並びに同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 4 第八百二十条の規定は、外国会社が第一項の清算の開始を命じられた場合において、当該外国会社の日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、適用しない。 (他の法律の適用関係) 第八百二十三条 外国会社は、他の法律の適用については、日本における同種の会社又は最も類似する会社とみなす。 ただし、他の法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第七編 雑則 第一章 会社の解散命令等 第一節 会社の解散命令 (会社の解散命令) 第八百二十四条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (会社の財産に関する保全処分) 第八百二十五条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「会社」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第八百二十六条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令 第八百二十七条 裁判所は、次に掲げる場合には、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、外国会社が日本において取引を継続してすることの禁止又はその日本に設けられた営業所の閉鎖を命ずることができる。 一 外国会社の事業が不法な目的に基づいて行われたとき。 二 外国会社が正当な理由がないのに外国会社の登記の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 外国会社が正当な理由がないのに支払を停止したとき。 四 外国会社の日本における代表者その他その業務を執行する者が、法令で定める外国会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 第八百二十四条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、第八百二十四条第二項中「前項」とあり、同条第三項及び第四項中「第一項」とあり、並びに第八百二十五条第一項中「前条第一項」とあるのは「第八百二十七条第一項」と、前条中「第八百二十四条第一項」とあるのは「次条第一項」と、「同項第三号」とあるのは「同項第四号」と読み替えるものとする。 第二章 訴訟 第一節 会社の組織に関する訴え (会社の組織に関する行為の無効の訴え) 第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内 二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内) 三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) 四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内) 五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者 五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 (新株発行等の不存在の確認の訴え) 第八百二十九条 次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 一 株式会社の成立後における株式の発行 二 自己株式の処分 三 新株予約権の発行 (株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (株主総会等の決議の取消しの訴え) 第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。 一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (持分会社の設立の取消しの訴え) 第八百三十二条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。 一 社員が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員 二 社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき 当該債権者 (会社の解散の訴え) 第八百三十三条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。 一 株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。 2 やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。 (被告) 第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社 二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社 三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社 四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社 六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社 七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社 八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社 九 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割契約をした会社 十 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社及び新設分割により設立する会社 十一 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換契約をした会社 十二 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社 十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社 十三 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社 十四 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社 十五 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 十六 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社 十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社 十八 第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社 十九 第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員 二十 株式会社の解散の訴え 当該株式会社 二十一 持分会社の解散の訴え 当該持分会社 (訴えの管轄及び移送) 第八百三十五条 会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。 3 前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。 (担保提供命令) 第八百三十六条 会社の組織に関する訴えであって、株主又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百三十七条 同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百三十八条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第八百三十九条 会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (新株発行の無効判決の効力) 第八百四十条 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)を返還することを請求することができる。 2 前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。 3 前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。 4 第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。 5 第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 6 前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 (自己株式の処分の無効判決の効力) 第八百四十一条 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「株式」とあるのは、「自己株式」と読み替えるものとする。 (新株予約権発行の無効判決の効力) 第八百四十二条 新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。 2 第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「株主」とあるのは「新株予約権者」と、同条第四項中「株式」とあるのは「新株予約権」と、同条第五項及び第六項中「登録株式質権者」とあるのは「登録新株予約権質権者」と読み替えるものとする。 (合併又は会社分割の無効判決の効力) 第八百四十三条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 会社の吸収合併 吸収合併後存続する会社 二 会社の新設合併 新設合併により設立する会社 三 会社の吸収分割 吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社 四 会社の新設分割 新設分割により設立する会社 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。 ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。 3 第一項及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。 4 各会社の第一項の債務の負担部分又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (株式交換又は株式移転の無効判決の効力) 第八百四十四条 株式会社の株式交換又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換又は株式移転をする株式会社(以下この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。 この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。 3 前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。 ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。 (株式交付の無効判決の効力) 第八百四十四条の二 株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。 この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。 (持分会社の設立の無効又は取消しの判決の効力) 第八百四十五条 持分会社の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条 会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え (売渡株式等の取得の無効の訴え) 第八百四十六条の二 株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。 2 前項の訴え(以下この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。 一 取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者 二 取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役又は執行役。以下この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役若しくは清算人 (被告) 第八百四十六条の三 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百四十六条の四 売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第八百四十六条の五 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役又は清算人であるときは、この限りでない。 2 被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百四十六条の六 同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百四十六条の七 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効の判決の効力) 第八百四十六条の八 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条の九 売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二節 株式会社における責任追及等の訴え (株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 (旧株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条の二 次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。以下この条において同じ。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該株式会社の株式交換又は株式移転 当該株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併 当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」とする。 3 旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該完全親会社の株式交換又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 4 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 5 第三項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、第三項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該完全親会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 6 株式交換等完全子会社が第一項又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求(以下この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 7 株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 8 第一項、第三項及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 9 株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」とする。 (最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え) 第八百四十七条の三 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 特定責任追及の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合 二 当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合 2 前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。 一 完全親会社 二 株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社及びその完全子会社等(株式会社がその株式又は持分の全部を有する法人をいう。以下この条及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該他の株式会社(完全親会社を除く。) 3 前項第二号の場合において、同号の他の株式会社及びその完全子会社等又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。 4 第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項及び同条第七項において同じ。)。 5 最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。 6 公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、「株式会社」とする。 7 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。 8 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 9 第一項及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 10 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」とする。 (責任追及等の訴えに係る訴訟費用等) 第八百四十七条の四 第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 2 株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第八百四十八条 責任追及等の訴えは、株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第八百四十九条 株主等又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合又は同条第三項第一号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第二号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為又は同条第三項第一号の株式交換若しくは株式移転若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。)であって、当該完全親会社の株式交換若しくは株式移転又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。) 適格旧株主 二 最終完全親会社等 当該最終完全親会社等の株主 3 株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。 5 株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 6 株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 7 株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 8 第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、これらの規定中「のほか」とあるのは、「に代えて」とする。 9 公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、第五項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは「株主に通知し」と、第六項及び第七項中「公告又は通知」とあるのは「通知」とする。 10 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。 一 株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合 適格旧株主 二 最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合 当該最終完全親会社等の株主 11 前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、同項中「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、「当該各号に定める者に通知し」とする。 (和解) 第八百四十九条の二 株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 第八百五十条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (株主でなくなった者の訴訟追行) 第八百五十一条 責任追及等の訴えを提起した株主又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。 一 その者が当該株式会社の株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。 二 その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。 2 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(この項又は次項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「当該完全親会社」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 (費用等の請求) 第八百五十二条 責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。 (再審の訴え) 第八百五十三条 責任追及等の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 一 株主又は株式会社等 責任追及等の訴え 二 適格旧株主 責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。) 三 最終完全親会社等の株主 特定責任追及の訴え 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三節 株式会社の役員の解任の訴え (株式会社の役員の解任の訴え) 第八百五十四条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該株式会社である株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 2 公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 4 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 (被告) 第八百五十五条 前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百五十六条 株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第四節 特別清算に関する訴え (役員等の責任の免除の取消しの訴えの管轄) 第八百五十七条 第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。 (役員等責任査定決定に対する異議の訴え) 第八百五十八条 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。 3 第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 第五節 持分会社の社員の除名の訴え等 (持分会社の社員の除名の訴え) 第八百五十九条 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。 一 出資の義務を履行しないこと。 二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。 三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。 四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。 五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。 (持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え) 第八百六十条 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。 一 前条各号に掲げる事由があるとき。 二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。 (被告) 第八百六十一条 次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。 一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員 二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員 (訴えの管轄) 第八百六十二条 持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え (清算持分会社の財産処分の取消しの訴え) 第八百六十三条 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。 一 第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の債権者 二 第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者 2 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、同法第四百二十四条の五第一号中「債務者」とあるのは「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、同条第二号並びに同法第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中「債務者」とあるのは「清算持分会社」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十四条 前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方又は転得者を被告とする。 第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え (社債発行会社の弁済等の取消しの訴え) 第八百六十五条 社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 2 前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。 同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 3 第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。 ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。 4 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項及び前項本文の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、「債権者を害すること」とあるのは「その行為が著しく不公正であること」と、同法第四百二十四条の五各号中「債権者を害すること」とあるのは「著しく不公正であること」と、同法第四百二十五条中「債権者」とあるのは「社債権者」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十六条 前条第一項又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方又は転得者を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百六十七条 第八百六十五条第一項又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三章 非訟 第一節 総則 (非訟事件の管轄) 第八百六十八条 この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 一 当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 二 当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付 3 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 5 第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 6 第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第八百六十九条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第八百七十条 裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定 当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者 二 清算人、社債管理者又は社債管理補助者の解任についての裁判 当該清算人、社債管理者又は社債管理補助者 三 第三十三条第七項の規定による裁判 設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人 四 第二百七条第七項又は第二百八十四条第七項の規定による裁判 当該株式会社及び第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者 五 第四百五十五条第二項第二号又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判 当該株主 六 第四百五十六条又は第五百六条の規定による裁判 当該株主 七 第七百三十二条の規定による裁判 利害関係人 八 第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判 社債を発行した会社 九 第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判 社債を発行した会社 十 第八百二十四条第一項の規定による裁判 当該会社 十一 第八百二十七条第一項の規定による裁判 当該外国会社 2 裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判 当該株式会社 二 第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項の規定による株式又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定 価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 三 第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定 売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 四 第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定 当該株式会社 五 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定 特別支配株主 六 第八百四十三条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした会社 (申立書の写しの送付等) 第八百七十条の二 裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。 2 前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。 3 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。 4 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。 ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。 6 裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。 7 裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。 8 前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。 (理由の付記) 第八百七十一条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判 二 第八百七十四条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第八百七十二条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第六百九条第三項又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判 申立人、株主及び株式会社 三 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判 申立人、新株予約権者及び株式会社 四 第八百七十条第一項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) 五 第八百七十条第二項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者 (抗告状の写しの送付等) 第八百七十二条の二 裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 この場合においては、第八百七十条の二第二項及び第三項の規定を準用する。 2 第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。 (原裁判の執行停止) 第八百七十三条 第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第八百七十四条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者若しくは社債管理補助者の特別代理人又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者の選任又は選定の裁判 二 第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第八百七十五条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第八百七十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則 (審問等の必要的併合) 第八百七十七条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問及び裁判は、併合してしなければならない。 (裁判の効力) 第八百七十八条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。 2 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。 第三節 特別清算の手続に関する特則 第一款 通則 (特別清算事件の管轄) 第八百七十九条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 2 前項に規定する株式会社又は親法人及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 3 前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。 4 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 (特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送) 第八百八十条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。 2 通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。 (疎明) 第八百八十一条 第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。 (理由の付記) 第八百八十二条 特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。 ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。 2 特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。 (裁判書の送達) 第八百八十三条 この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条を除く。)の規定を準用する。 (不服申立て) 第八百八十四条 特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 2 前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。 (公告) 第八百八十五条 この節の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 (事件に関する文書の閲覧等) 第八百八十六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 清算株式会社以外の利害関係人 第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分又は特別清算開始の申立てについての裁判 二 清算株式会社 特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判 5 非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。 (支障部分の閲覧等の制限) 第八百八十七条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び清算株式会社に限ることができる。 一 第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等 二 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則 (特別清算開始の申立て) 第八百八十八条 債権者又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。 2 債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。 3 特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 4 前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (他の手続の中止命令) 第八百八十九条 裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 2 前項の中止の命令及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (特別清算開始の命令) 第八百九十条 裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。 2 特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。 4 特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。 5 特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。 6 特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第八百九十一条 裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。 2 裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則 (調査命令) 第八百九十二条 裁判所は、調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。 2 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算人の解任及び報酬等) 第八百九十三条 裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。 2 第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (監督委員の解任及び報酬等) 第八百九十四条 裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。 2 第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (調査委員の解任及び報酬等) 第八百九十五条 前条の規定は、調査委員について準用する。 (事業の譲渡の許可の申立て) 第八百九十六条 清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。 2 裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第八百九十七条 第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 前項の裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算株式会社の財産に関する保全処分等) 第八百九十八条 裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。 一 第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分 二 第五百四十一条第一項又は第二項の規定による処分 三 第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分 四 第五百四十三条の規定による処分 2 前項各号に掲げる裁判及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第八百九十九条 清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。 4 役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (債権者集会の招集の許可の申立てについての裁判) 第九百条 第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (協定の認可又は不認可の決定) 第九百一条 利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。 2 共助対象外国租税の請求権について、協定において減免その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。 3 第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 4 第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 5 前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則 (特別清算終結の申立てについての裁判) 第九百二条 特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 2 特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 3 特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。 4 特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 第四節 外国会社の清算の手続に関する特則 (特別清算の手続に関する規定の準用) 第九百三条 前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第九百四条 裁判所は、第八百二十四条第一項又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (会社の財産に関する保全処分についての特則) 第九百五条 裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社又は外国会社の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社又は外国会社の負担とする。 第九百六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四章 登記 第一節 総則 (通則) 第九百七条 この法律の規定により登記すべき事項(第九百三十八条第三項の保全処分の登記に係る事項を除く。)は、当事者の申請又は裁判所書記官の嘱託により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。 (登記の効力) 第九百八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (変更の登記及び消滅の登記) 第九百九条 この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。 (登記の期間) 第九百十条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二節 会社の登記 (株式会社の設立の登記) 第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日) 二 発起人が定めた日 2 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 創立総会の終結の日 二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 発行可能株式総数 七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容) 八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数 九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数 十 株券発行会社であるときは、その旨 十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項 イ 新株予約権の数 ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号まで(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)に掲げる事項 ハ 第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め ニ ロ及びハに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件 ホ 第二百三十六条第一項第七号及び第二百三十八条第一項第二号に掲げる事項 ヘ 第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法) 十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 十三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名 十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。) 十五 取締役会設置会社であるときは、その旨 十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所 十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨 ロ 監査役の氏名 十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨 十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項 イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨 ロ 特別取締役の氏名 ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 二十二 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名 ロ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ハ 第三百九十九条の十三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨 二十三 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名 ハ 代表執行役の氏名及び住所 二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 二十五 第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 二十六 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 二十七 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 二十八 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 二十九 第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合名会社の設立の登記) 第九百十二条 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。) 七 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合資会社の設立の登記) 第九百十三条 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別 七 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額 八 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。) 九 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 十 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十二 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合同会社の設立の登記) 第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称 七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所 八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 九 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十一 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (変更の登記) 第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 一 新株予約権の行使 二 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。) (他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記) 第九百十六条 会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 株式会社 第九百十一条第三項各号に掲げる事項 二 合名会社 第九百十二条各号に掲げる事項 三 合資会社 第九百十三条各号に掲げる事項 四 合同会社 第九百十四条各号に掲げる事項 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第九百十七条 次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 一 株式会社 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役 二 合名会社 社員 三 合資会社 社員 四 合同会社 業務を執行する社員 (支配人の登記) 第九百十八条 会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 (持分会社の種類の変更の登記) 第九百十九条 持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。 (組織変更の登記) 第九百二十条 会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第九百二十一条 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。 (新設合併の登記) 第九百二十二条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ヘ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第二項の総株主の同意を得た日 ロ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ハ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ニ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (吸収分割の登記) 第九百二十三条 会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。 (新設分割の登記) 第九百二十四条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ヘ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ホ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (株式移転の登記) 第九百二十五条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。 一 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 二 株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 三 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 四 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 五 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 六 株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日) (解散の登記) 第九百二十六条 第四百七十一条第一号から第三号まで又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。 (継続の登記) 第九百二十七条 第四百七十三条、第六百四十二条第一項又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人の登記) 第九百二十八条 第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨 2 第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名又は名称及び住所 二 清算持分会社を代表する清算人の氏名又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。) 三 清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名及び住所 3 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 4 第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第九百二十九条 清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 一 清算株式会社 第五百七条第三項の承認の日 二 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日) 三 清算持分会社(合同会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日 第九百三十条から第九百三十二条まで 削除 第三節 外国会社の登記 (外国会社の登記) 第九百三十三条 外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。 一 日本に営業所を設けていない場合 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下この節において同じ。)の住所地 二 日本に営業所を設けた場合 当該営業所の所在地 2 外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 外国会社の設立の準拠法 二 日本における代表者の氏名及び住所 三 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法 四 前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 五 第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め 六 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め 七 第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 3 外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。 4 第九百十五条及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。 この場合において、これらの規定中「二週間」とあるのは「三週間」と、「本店の所在地」とあるのは「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と読み替えるものとする。 5 前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。 (日本における代表者の選任の登記等) 第九百三十四条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。 (日本における代表者の住所の移転の登記等) 第九百三十五条 日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。 (日本における営業所の設置の登記等) 第九百三十六条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。 第四節 登記の嘱託 (裁判による登記の嘱託) 第九百三十七条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 会社の設立の無効の訴え ロ 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え ハ 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この節において同じ。)の発行の無効の訴え ニ 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え ホ 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え ヘ 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え ト 株主総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 株主総会等の決議の取消しの訴え チ 持分会社の設立の取消しの訴え リ 会社の解散の訴え ヌ 株式会社の役員の解任の訴え ル 持分会社の社員の除名の訴え ヲ 持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判(次条第二項第一号に規定する裁判を除く。) ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判(次条第二項第二号に規定する裁判を除く。) ニ 清算人又は代表清算人若しくは清算持分会社を代表する清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判(次条第二項第三号に規定する裁判を除く。) ホ 清算人の解任の裁判(次条第二項第四号に規定する裁判を除く。) 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第八百二十四条第一項の規定による会社の解散を命ずる裁判 2 第八百二十七条第一項の規定による外国会社の日本における取引の継続の禁止又は営業所の閉鎖を命ずる裁判が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、次の各号に掲げる外国会社の区分に応じ、当該各号に定める地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 日本に営業所を設けていない外国会社 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地 二 日本に営業所を設けている外国会社 当該営業所の所在地 3 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社についての解散の登記及び組織変更をする会社についての回復の登記 二 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社についての変更の登記及び吸収合併により消滅する会社についての回復の登記 三 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社についての解散の登記及び新設合併により消滅する会社についての回復の登記 四 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記 五 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社についての変更の登記及び新設分割により設立する会社についての解散の登記 六 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換をする株式会社(第七百六十八条第一項第四号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)及び株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社についての変更の登記 七 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社(第七百七十三条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)についての変更の登記及び株式移転により設立する株式会社についての解散の登記 八 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社についての変更の登記 (特別清算に関する裁判による登記の嘱託) 第九百三十八条 次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始の命令があったとき 特別清算開始の登記 二 特別清算開始の命令を取り消す決定が確定したとき 特別清算開始の取消しの登記 三 特別清算終結の決定が確定したとき 特別清算終結の登記 2 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始後における第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判があったとき。 二 前号の裁判を取り消す裁判があったとき。 三 特別清算開始後における清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判があったとき。 四 特別清算開始後における清算人の解任の裁判があったとき。 五 前号の裁判を取り消す裁判が確定したとき。 3 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 清算株式会社の財産に属する権利で登記されたものに関し第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 4 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 5 前二項の規定は、登録のある権利について準用する。 6 前各項の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五章 公告 第一節 総則 (会社の公告方法) 第九百三十九条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告 2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 3 会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。 (電子公告の公告期間等) 第九百四十条 株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告 当該特定の日 二 第四百四十条第一項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 前三号に掲げる公告以外の公告 当該公告の開始後一箇月を経過する日 2 外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下この章において「公告期間」という。)中公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。 一 公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は会社に正当な事由があること。 二 公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。 三 会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。 第二節 電子公告調査機関 (電子公告調査) 第九百四十一条 この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。 (登録) 第九百四十二条 前条の登録(以下この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。 2 登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (欠格事由) 第九百四十三条 次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 この節の規定若しくは農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項及び第三十四条の二十三第四項、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の二十八第六項(同法第四十三条第三項並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項、第八十条第一項及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第四十五条の二第六項、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第四十条の二第六項、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十三条の二十の二第六項、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項(同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)第十五条第六項(同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条の二及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百九十四条第四項、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二十条第四項、第六十一条第七項、第六十二条の二十五第七項及び第六十三条の二十第七項並びに労働者協同組合法(令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 二 第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三 法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの (登録基準) 第九百四十四条 法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。 この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。 一 電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。 イ 当該電子計算機及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。 ロ 当該電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。 ハ 当該電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。 二 電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。 2 登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。 一 登録年月日及び登録番号 二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 三 登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地 (登録の更新) 第九百四十五条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。 (調査の義務等) 第九百四十六条 調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。 2 調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。 3 調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下この節において「調査委託者」という。)の商号その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。 4 調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。 (電子公告調査を行うことができない場合) 第九百四十七条 調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告又はその者若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。 一 当該調査機関 二 当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。) 三 理事等又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人 四 理事等又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。)又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人 (事業所の変更の届出) 第九百四十八条 調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。 (業務規程) 第九百四十九条 調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。 (業務の休廃止) 第九百五十条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。 (財務諸表等の備置き及び閲覧等) 第九百五十一条 調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (適合命令) 第九百五十二条 法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第九百五十三条 法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと又は電子公告調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (登録の取消し等) 第九百五十四条 法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第九百四十三条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 二 第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで、第九百五十一条第一項又は次条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号又は次条第二項各号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。 四 第九百五十二条又は前条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。 五 不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。 (調査記録簿等の記載等) 第九百五十五条 調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求 二 調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (調査記録簿等の引継ぎ) 第九百五十六条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。 2 前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。 (法務大臣による電子公告調査の業務の実施) 第九百五十七条 法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災その他の事由によって電子公告調査の業務の全部又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。 2 法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、法務省令で定める。 3 第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (報告及び検査) 第九百五十八条 法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (公示) 第九百五十九条 法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一 登録をしたとき。 二 第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。 三 第九百四十八条又は第九百五十条の届出があったとき。 四 第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 五 第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。 第八編 罰則 (取締役等の特別背任罪) 第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時監査役 三 取締役、会計参与、監査役又は執行役 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者 六 支配人 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算株式会社の清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者 三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 四 清算人代理 五 監督委員 六 調査委員 (代表社債権者等の特別背任罪) 第九百六十一条 代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (未遂罪) 第九百六十二条 前二条の罪の未遂は、罰する。 (会社財産を危うくする罪) 第九百六十三条 第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 第九百六十条第一項第三号から第五号までに掲げる者が、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会若しくは種類株主総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、前項と同様とする。 3 検査役が、第二十八条各号、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 4 第九十四条第一項の規定により選任された者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 5 第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。 一 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得したとき。 二 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。 三 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第九百六十四条 次に掲げる者が、株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集をするに当たり、会社の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者 二 持分会社の業務を執行する社員 三 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者 四 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集の委託を受けた者 2 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。 (預合いの罪) 第九百六十五条 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者が、株式の発行に係る払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 預合いに応じた者も、同様とする。 (株式の超過発行の罪) 第九百六十六条 次に掲げる者が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時執行役 三 取締役、執行役又は清算株式会社の清算人 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)又は第四百三条第三項において準用する第四百一条第三項の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を行うべき者 (取締役等の贈収賄罪) 第九百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第九百六十条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 第九百六十一条に規定する者 三 会計監査人又は第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 (株主等の権利の行使に関する贈収賄罪) 第九百六十八条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会における発言又は議決権の行使 二 第二百十条若しくは第二百四十七条、第二百九十七条第一項若しくは第四項、第三百三条第一項若しくは第二項、第三百四条、第三百五条第一項若しくは第三百六条第一項若しくは第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百五十八条第一項、第三百六十条第一項若しくは第二項(これらの規定を第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)、第四百二十二条第一項若しくは第二項、第四百二十六条第七項、第四百三十三条第一項若しくは第四百七十九条第二項に規定する株主の権利の行使、第五百十一条第一項若しくは第五百二十二条第一項に規定する株主若しくは債権者の権利の行使又は第五百四十七条第一項若しくは第三項に規定する債権者の権利の行使 三 社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者の権利の行使 四 第八百二十八条第一項、第八百二十九条から第八百三十一条まで、第八百三十三条第一項、第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項、第八百四十七条の三第七項若しくは第九項、第八百五十三条、第八百五十四条又は第八百五十八条に規定する訴えの提起(株主等(第八百四十七条の四第二項に規定する株主等をいう。次号において同じ。)、株式会社の債権者又は新株予約権若しくは新株予約権付社債を有する者がするものに限る。) 五 第八百四十九条第一項の規定による株主等の訴訟参加 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。 (没収及び追徴) 第九百六十九条 第九百六十七条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (株主等の権利の行使に関する利益供与の罪) 第九百七十条 第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。第三項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。 3 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において第一項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。 4 前二項の罪を犯した者が、その実行について第一項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 5 前三項の罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができる。 6 第一項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。 (国外犯) 第九百七十一条 第九百六十条から第九百六十三条まで、第九百六十五条、第九百六十六条、第九百六十七条第一項、第九百六十八条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 第九百六十七条第二項、第九百六十八条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第九百七十二条 第九百六十条、第九百六十一条、第九百六十三条から第九百六十六条まで、第九百六十七条第一項又は第九百七十条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第九百六十二条の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (業務停止命令違反の罪) 第九百七十三条 第九百五十四条の規定による電子公告調査(第九百四十二条第一項に規定する電子公告調査をいう。以下同じ。)の業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (虚偽届出等の罪) 第九百七十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第九百五十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 二 第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項若しくは第九百五十六条第二項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者 三 第九百五十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 (両罰規定) 第九百七十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁、株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、株主名簿、株券喪失登録簿、新株予約権原簿、社債原簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第四百三十五条第二項若しくは第四百九十四条第一項の附属明細書、会計参与報告、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第百二十二条第一項、第百四十九条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第一項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第一項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第一項、第二百五十条第一項、第二百七十条第一項、第六百八十二条第一項、第六百九十五条第一項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第一項、第七百九十四条第一項、第八百一条第一項若しくは第二項、第八百三条第一項、第八百十一条第一項、第八百十五条第一項若しくは第二項、第八百十六条の二第一項若しくは第八百十六条の十第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第三十一条第一項の規定、第七十四条第六項、第七十五条第三項、第七十六条第四項、第八十一条第二項若しくは第八十二条第二項(これらの規定を第八十六条において準用する場合を含む。)、第百二十五条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第二項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第二項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第二項、第二百三十一条第一項若しくは第二百五十二条第一項、第三百十条第六項、第三百十一条第三項、第三百十二条第四項、第三百十八条第二項若しくは第三項若しくは第三百十九条第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百七十一条第一項(第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)、第三百七十八条第一項、第三百九十四条第一項、第三百九十九条の十一第一項、第四百十三条第一項、第四百四十二条第一項若しくは第二項、第四百九十六条第一項、第六百八十四条第一項、第七百三十一条第二項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第二項、第七百九十四条第一項、第八百一条第三項、第八百三条第一項、第八百十一条第二項、第八百十五条第三項、第八百十六条の二第一項又は第八百十六条の十第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 正当な理由がないのに、株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会において、株主又は設立時株主の求めた事項について説明をしなかったとき。 十 第百三十五条第一項の規定に違反して株式を取得したとき、又は同条第三項の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。 十一 第百七十八条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の消却をしたとき。 十二 第百九十七条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の競売又は売却をしたとき。 十三 株式、新株予約権又は社債の発行の日前に株券、新株予約権証券又は社債券を発行したとき。 十四 第二百十五条第一項、第二百八十八条第一項又は第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく、株券、新株予約権証券又は社債券を発行しなかったとき。 十五 株券、新株予約権証券又は社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 十六 第二百二十五条第四項、第二百二十六条第二項、第二百二十七条又は第二百二十九条第二項の規定に違反して、株券喪失登録を抹消しなかったとき。 十七 第二百三十条第一項の規定に違反して、株主名簿に記載し、又は記録したとき。 十八 第二百九十六条第一項の規定又は第三百七条第一項第一号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)若しくは第三百五十九条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、株主総会を招集しなかったとき。 十八の二 第三百三条第一項又は第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会又は種類株主総会の目的としなかったとき。 十九 第三百二十五条の三第一項(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十九の二 第三百二十七条の二の規定に違反して、社外取締役を選任しなかったとき。 十九の三 第三百三十一条第六項の規定に違反して、社外取締役を監査等委員である取締役の過半数に選任しなかったとき。 二十 第三百三十五条第三項の規定に違反して、社外監査役を監査役の半数以上に選任しなかったとき。 二十一 第三百四十三条第二項(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第三百四十四条の二第二項(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会若しくは種類株主総会の目的とせず、又はその請求に係る議案を株主総会若しくは種類株主総会に提出しなかったとき。 二十二 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 二十三 第三百六十五条第二項(第四百十九条第二項及び第四百八十九条第八項において準用する場合を含む。)又は第四百三十条の二第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、取締役会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 二十四 第三百九十条第三項の規定に違反して、常勤の監査役を選定しなかったとき。 二十五 第四百四十五条第三項若しくは第四項の規定に違反して資本準備金若しくは準備金を計上せず、又は第四百四十八条の規定に違反して準備金の額の減少をしたとき。 二十六 第四百四十九条第二項若しくは第五項、第六百二十七条第二項若しくは第五項、第六百三十五条第二項若しくは第五項、第六百七十条第二項若しくは第五項、第七百七十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十六条の八第二項若しくは第五項又は第八百二十条第一項若しくは第二項の規定に違反して、資本金若しくは準備金の額の減少、持分の払戻し、持分会社の財産の処分、組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付又は外国会社の日本における代表者の全員の退任をしたとき。 二十七 第四百八十四条第一項若しくは第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠ったとき、又は第五百十一条第二項の規定に違反して特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。 二十八 清算の結了を遅延させる目的で、第四百九十九条第一項、第六百六十条第一項又は第六百七十条第二項の期間を不当に定めたとき。 二十九 第五百条第一項、第五百三十七条第一項又は第六百六十一条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 三十 第五百二条又は第六百六十四条の規定に違反して、清算株式会社又は清算持分会社の財産を分配したとき。 三十一 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の規定に違反したとき。 三十二 第五百四十条第一項若しくは第二項又は第五百四十二条第一項若しくは第二項の規定による保全処分に違反したとき。 三十三 第七百二条の規定に違反して社債を発行し、又は第七百十四条第一項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者を定めなかったとき。 三十四 第八百二十七条第一項の規定による裁判所の命令に違反したとき。 三十五 第九百四十一条の規定に違反して、電子公告調査を求めなかったとき。 第九百七十七条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 第九百五十一条第一項の規定に違反して、財務諸表等(同項に規定する財務諸表等をいう。以下同じ。)を備え置かず、又は財務諸表等に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者 三 正当な理由がないのに、第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第九百七十八条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第六条第三項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者 二 第七条の規定に違反して、会社であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第八条第一項の規定に違反して、他の会社(外国会社を含む。)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者 第九百七十九条 会社の成立前に当該会社の名義を使用して事業をした者は、会社の設立の登録免許税の額に相当する過料に処する。 2 第八百十八条第一項又は第八百二十一条第一項の規定に違反して取引をした者も、前項と同様とする。
民事
Heisei
Act
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平成十七年法律第八十六号
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会社法 第一編 総則 第一章 通則 (趣旨) 第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。 二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。 三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 子会社 ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの 四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 親会社 ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの 五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。 六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。 イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。 七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。 八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。 九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。 十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。 十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。 十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。 十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。 十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。 十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。 十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。 二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。 二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。 二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。 二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。 二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。 二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。 イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社 二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。 二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。 二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。 三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。 三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。 三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。 三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。 (法人格) 第三条 会社は、法人とする。 (住所) 第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。 (商行為) 第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。 第二章 会社の商号 (商号) 第六条 会社は、その名称を商号とする。 2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。 3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 第九条 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三章 会社の使用人等 第一節 会社の使用人 (支配人) 第十条 会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。 (支配人の代理権) 第十一条 支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (支配人の競業の禁止) 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自ら営業を行うこと。 二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。 四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (表見支配人) 第十三条 会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第十四条 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。 2 前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第十五条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 第二節 会社の代理商 (通知義務) 第十六条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。 (代理商の競業の禁止) 第十七条 代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (通知を受ける権限) 第十八条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。 (契約の解除) 第十九条 会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。 (代理商の留置権) 第二十条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。 第四章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等 (譲渡会社の競業の禁止) 第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。 2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。 (譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等) 第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。 事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。 3 譲受会社が第一項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。 (譲受会社による債務の引受け) 第二十三条 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。 2 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 (詐害事業譲渡に係る譲受会社に対する債務の履行の請求) 第二十三条の二 譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って事業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、その譲受会社が事業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 譲受会社が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 事業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。 3 譲渡会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受会社に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。 (商人との間での事業の譲渡又は譲受け) 第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する譲渡人とみなして、同法第十七条から第十八条の二までの規定を適用する。 この場合において、同条第三項中「又は再生手続開始の決定」とあるのは、「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とする。 2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前三条の規定を適用する。 この場合において、前条第三項中「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とあるのは、「又は再生手続開始の決定」とする。 第二編 株式会社 第一章 設立 第一節 総則 第二十五条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法 2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。 第二節 定款の作成 (定款の作成) 第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額 五 発起人の氏名又は名称及び住所 第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。) 二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称 三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称 四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。) 第二十九条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第三十一条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 4 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第一項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。 第三節 出資 (設立時発行株式に関する事項の決定) 第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数 二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額 三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。 (定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 9 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。 10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第一号及び第二号に掲げる事項 二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項 三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。) 11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 発起人 二 第二十八条第二号の財産の譲渡人 三 設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。) 四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの (出資の履行) 第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (設立時発行株式の株主となる権利の譲渡) 第三十五条 前条第一項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (設立時発行株式の株主となる権利の喪失) 第三十六条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。 3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。 (発行可能株式総数の定め等) 第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。 3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。 ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 第四節 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 3 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。 一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。) 二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。) 三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。) 4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。 第三十九条 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。 4 第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。 5 第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。 (設立時役員等の選任の方法の特則) 第四十一条 前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)の選任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時役員等の解任) 第四十二条 発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第四項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第四十三条 設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査等委員である設立時取締役又は設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。 (設立時取締役等の解任の方法の特則) 第四十四条 前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く。次項及び第四項において同じ。)の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。第四項において同じ。)を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 3 前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 4 前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 5 前各項の規定は、第四十一条第一項の規定により選任された設立時監査等委員である設立時取締役及び同条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。 この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。 (設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則) 第四十五条 株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。 一 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任 二 監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役の全部又は一部の選任又は解任 これらの取締役となる設立時取締役の選任又は解任 三 会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任 四 監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任 五 会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 第五節 設立時取締役等による調査 第四十六条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 出資の履行が完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。 3 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。 第六節 設立時代表取締役等の選定等 (設立時代表取締役の選定等) 第四十七条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 (設立時委員の選定等) 第四十八条 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。 一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。 イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者 ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者 ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者 二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。 三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。 ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。 3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 第七節 株式会社の成立 (株式会社の成立) 第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (株式の引受人の権利) 第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第五十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。 2 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 第八節 発起人等の責任等 (出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 第五十二条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。 一 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 (出資の履行を仮装した場合の責任等) 第五十二条の二 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払 二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 4 発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。 5 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (発起人等の損害賠償責任) 第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (発起人等の連帯責任) 第五十四条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第五十五条 第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (株式会社不成立の場合の責任) 第五十六条 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。 第九節 募集による設立 第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集 (設立時発行株式を引き受ける者の募集) 第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。 2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (設立時募集株式に関する事項の決定) 第五十八条 発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。) 二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。) 三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間 四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日 2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。 (設立時募集株式の申込み) 第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名 二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項 三 発起人が出資した財産の価額 四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。 3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする設立時募集株式の数 4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (設立時募集株式の割当て) 第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。 2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。 (設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第六十一条 前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (設立時募集株式の引受け) 第六十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。 一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数 二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数 (設立時募集株式の払込金額の払込み) 第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。 2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。 (払込金の保管証明) 第六十四条 第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。 2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。 第二款 創立総会等 (創立総会の招集) 第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。 2 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。 (創立総会の権限) 第六十六条 創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。 (創立総会の招集の決定) 第六十七条 発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 創立総会の日時及び場所 二 創立総会の目的である事項 三 創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 (創立総会の招集の通知) 第六十八条 創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合 3 発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 7 前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (招集手続の省略) 第六十九条 前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七十条 発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 第七十一条 発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 3 発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の数) 第七十二条 設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。 3 前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。 (創立総会の決議) 第七十三条 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 3 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。 4 創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第七十四条 設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。 3 第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。 7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (書面による議決権の行使) 第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。 2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (議決権の不統一行使) 第七十七条 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (発起人の説明義務) 第七十八条 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第七十九条 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (延期又は続行の決議) 第八十条 創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。 (議事録) 第八十一条 創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。 3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会の決議の省略) 第八十二条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。 2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会への報告の省略) 第八十三条 発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第八十四条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類創立総会の招集及び決議) 第八十五条 前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。 2 種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 3 前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (創立総会に関する規定の準用) 第八十六条 第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。 この場合において、第六十七条第一項第三号及び第四号並びに第二項、第六十八条第一項及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第三項及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項及び第三項、第七十七条、第七十八条本文並びに第八十二条第一項中「設立時株主」とあるのは、「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と読み替えるものとする。 第三款 設立に関する事項の報告 第八十七条 発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。 2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容 二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容 第四款 設立時取締役等の選任及び解任 (設立時取締役等の選任) 第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 (累積投票による設立時取締役の選任) 第八十九条 創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、設立時株主(設立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (種類創立総会の決議による設立時取締役等の選任) 第九十条 第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。 2 前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時取締役等の解任) 第九十一条 第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 第九十二条 第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「取締役を」とあるのは「監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役を」と、「設立時取締役」とあるのは「設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役」とする。 4 第一項及び第二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役について準用する。 第五款 設立時取締役等による調査 (設立時取締役等による調査) 第九十三条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 発起人による出資の履行及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 3 設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 (設立時取締役等が発起人である場合の特則) 第九十四条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)の全部又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。 2 前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 第六款 定款の変更 (発起人による定款の変更の禁止) 第九十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。 (創立総会における定款の変更) 第九十六条 第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。 (設立時発行株式の引受けの取消し) 第九十七条 創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 (創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 (定款の変更の手続の特則) 第九十九条 設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。 一 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。 二 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。 第百条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主 2 前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 第百一条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式の種類の追加 二 株式の内容の変更 三 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加 2 前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。 第七款 設立手続等の特則等 (設立手続等の特則) 第百二条 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。 2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。 3 設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。 4 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 5 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。 6 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 (払込みを仮装した設立時募集株式の引受人の責任) 第百二条の二 設立時募集株式の引受人は、前条第三項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。 2 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (発起人の責任等) 第百三条 第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号に」とする。 2 第百二条第三項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第一項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 4 第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前三項の規定を適用する。 第二章 株式 第一節 総則 (株主の責任) 第百四条 株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 (株主の権利) 第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (共有者による権利の行使) 第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (株式の内容についての特別の定め) 第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に掲げる事項 イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨 ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨 ロ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ヘ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項 ト イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 (異なる種類の株式) 第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。 ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。 一 剰余金の配当 二 残余財産の分配 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。 2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。 一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容 二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項 イ 株主総会において議決権を行使することができる事項 ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項 イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法 ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項 ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項 イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数 ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。 この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。 (株主の平等) 第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。 (定款の変更の手続の特則) 第百十条 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、株主全員の同意を得なければならない。 第百十一条 種類株式発行会社がある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該種類の株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 2 種類株式発行会社がある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合には、当該定款の変更は、次に掲げる種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の株式の種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の種類株主 (取締役の選任等に関する種類株式の定款の定めの廃止の特則) 第百十二条 第百八条第二項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは、廃止されたものとみなす。 2 前項の規定は、第百八条第二項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定款の定めについて準用する。 (発行可能株式総数) 第百十三条 株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。 2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。 3 次に掲げる場合には、当該定款の変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 一 公開会社が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合 二 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合 4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 (発行可能種類株式総数) 第百十四条 定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数を下ることができない。 2 ある種類の株式についての次に掲げる数の合計数は、当該種類の株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 一 取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 二 取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)が第百七十条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 三 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数 (議決権制限株式の発行数) 第百十五条 種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第百十六条 次の各号に掲げる場合には、反対株主は、株式会社に対し、自己の有する当該各号に定める株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 全部の株式 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 第百十一条第二項各号に規定する株式 三 次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式(第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがあるものに限る。)を有する種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 当該種類の株式 イ 株式の併合又は株式の分割 ロ 第百八十五条に規定する株式無償割当て ハ 単元株式数についての定款の変更 ニ 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ホ 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ヘ 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 前項各号の行為をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該行為に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 第一項各号の行為をしようとする株式会社は、当該行為が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「効力発生日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める株式の株主に対し、当該行為をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式会社が第一項各号の行為を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百十七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めがある株式会社をいう。以下同じ。)は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第百十八条 次の各号に掲げる定款の変更をする場合には、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 全部の新株予約権 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 当該種類の株式を目的とする新株予約権 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この節において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項各号に掲げる定款の変更をしようとする株式会社は、当該定款の変更が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「定款変更日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、当該定款の変更を行う旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、定款変更日の二十日前の日から定款変更日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券(第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券をいう。以下この項及び次条第八項において同じ。)が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 株式会社が第一項各号に掲げる定款の変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第百十九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、定款変更日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、定款変更日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、定款変更日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、定款変更日に、その効力を生ずる。 7 株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、その新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (株主等の権利の行使に関する利益の供与) 第百二十条 株式会社は、何人に対しても、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。)の株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。 2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。 株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。 3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。 この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。 4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。以下この項において同じ。)として法務省令で定める者は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。 ただし、その者(当該利益の供与をした取締役を除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第二節 株主名簿 (株主名簿) 第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 株主の氏名又は名称及び住所 二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 三 第一号の株主が株式を取得した日 四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号 (株主名簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百二十二条 前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (株主名簿管理人) 第百二十三条 株式会社は、株主名簿管理人(株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百二十四条 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 3 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。 ただし、定款に当該基準日及び当該事項について定めがあるときは、この限りでない。 4 基準日株主が行使することができる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、当該基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を当該権利を行使することができる者と定めることができる。 ただし、当該株式の基準日株主の権利を害することができない。 5 第一項から第三項までの規定は、第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者について準用する。 (株主名簿の備置き及び閲覧等) 第百二十五条 株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の株主名簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (株主に対する通知等) 第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 第三節 株式の譲渡等 第一款 株式の譲渡 (株式の譲渡) 第百二十七条 株主は、その有する株式を譲渡することができる。 (株券発行会社の株式の譲渡) 第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。 2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。 (自己株式の処分に関する特則) 第百二十九条 株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。 (株式の譲渡の対抗要件) 第百三十条 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 (権利の推定等) 第百三十一条 株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。 2 株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十二条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 株式を発行した場合 二 当該株式会社の株式を取得した場合 三 自己株式を処分した場合 2 株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 (株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十三条 株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 第百三十四条 前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。 二 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。 三 当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。 四 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。 (親会社株式の取得の禁止) 第百三十五条 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合 二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合 三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合 3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。 第二款 株式の譲渡に係る承認手続 (株主からの承認の請求) 第百三十六条 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (株式取得者からの承認の請求) 第百三十七条 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第百三十八条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称 ハ 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの株式取得者の氏名又は名称 ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 (譲渡等の承認の決定等) 第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社又は指定買取人による買取り) 第百四十条 株式会社は、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 対象株式を買い取る旨 二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。 5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式会社による買取りの通知) 第百四十一条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を決定したときは、譲渡等承認請求者に対し、これらの事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額(一株当たりの純資産額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下同じ。)に前条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をその本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、前条第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、当該株券発行会社に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、株券発行会社は、前条第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (指定買取人による買取りの通知) 第百四十二条 指定買取人は、第百四十条第四項の規定による指定を受けたときは、譲渡等承認請求者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 指定買取人として指定を受けた旨 二 指定買取人が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 指定買取人は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額に同項第二号の対象株式の数を乗じて得た額を株式会社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、指定買取人に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、指定買取人は、第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (譲渡等承認請求の撤回) 第百四十三条 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 2 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百四十四条 第百四十一条第一項の規定による通知があった場合には、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格は、株式会社と譲渡等承認請求者との協議によって定める。 2 株式会社又は譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に第百四十条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をもって当該対象株式の売買価格とする。 6 第百四十一条第二項の規定による供託をした場合において、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格が確定したときは、株式会社は、供託した金銭に相当する額を限度として、売買代金の全部又は一部を支払ったものとみなす。 7 前各項の規定は、第百四十二条第一項の規定による通知があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第二項中「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第四項及び第五項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、前項中「第百四十一条第二項」とあるのは「第百四十二条第二項」と、「第百四十条第一項第二号」とあるのは「同条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と読み替えるものとする。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第百四十五条 次に掲げる場合には、株式会社は、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 一 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の規定による請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百三十九条第二項の規定による通知をしなかった場合 二 株式会社が第百三十九条第二項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十一条第一項の規定による通知をしなかった場合(指定買取人が第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十二条第一項の規定による通知をした場合を除く。) 三 前二号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第三款 株式の質入れ (株式の質入れ) 第百四十六条 株主は、その有する株式に質権を設定することができる。 2 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 (株式の質入れの対抗要件) 第百四十七条 株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができない。 3 民法第三百六十四条の規定は、株式については、適用しない。 (株主名簿の記載等) 第百四十八条 株式に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である株式 (株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第百四十九条 前条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録株式質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録株式質権者についての株主名簿に記載され、若しくは記録された同条各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (登録株式質権者に対する通知等) 第百五十条 株式会社が登録株式質権者に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該登録株式質権者の住所(当該登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式の質入れの効果) 第百五十一条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、株式を目的とする質権は、当該行為によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)について存在する。 一 第百六十七条第一項の規定による取得請求権付株式の取得 二 第百七十条第一項の規定による取得条項付株式の取得 三 第百七十三条第一項の規定による第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 四 株式の併合 五 株式の分割 六 第百八十五条に規定する株式無償割当て 七 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 八 剰余金の配当 九 残余財産の分配 十 組織変更 十一 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 十二 株式交換 十三 株式移転 十四 株式の取得(第一号から第三号までに掲げる行為を除く。) 2 特別支配株主(第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。第百五十四条第三項において同じ。)が株式売渡請求(第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。)により売渡株式(第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。以下この項において同じ。)の取得をした場合には、売渡株式を目的とする質権は、当該取得によって当該売渡株式の株主が受けることのできる金銭について存在する。 第百五十二条 株式会社(株券発行会社を除く。以下この条において同じ。)は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる行為をした場合(これらの行為に際して当該株式会社が株式を交付する場合に限る。)又は同項第六号に掲げる行為をした場合において、同項の質権の質権者が登録株式質権者(第二百十八条第五項の規定による請求により第百四十八条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録されたものを除く。以下この款において同じ。)であるときは、前条第一項の株主が受けることができる株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 株式会社は、株式の併合をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、併合した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、分割した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 第百五十三条 株券発行会社は、前条第一項に規定する場合には、第百五十一条第一項の株主が受ける株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 2 株券発行会社は、前条第二項に規定する場合には、併合した株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 3 株券発行会社は、前条第三項に規定する場合には、分割した株式について新たに発行する株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 第百五十四条 登録株式質権者は、第百五十一条第一項の金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 第百五十一条第一項第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十四号に掲げる行為 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 四 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 五 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第百五十一条第二項に規定する場合において、第一項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該特別支配株主に同条第二項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第四款 信託財産に属する株式についての対抗要件等 第百五十四条の二 株式については、当該株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、当該株式が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第百二十一条第一号の株主は、その有する株式が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 株主名簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百二十二条第一項及び第百三十二条の規定の適用については、第百二十二条第一項中「記録された株主名簿記載事項」とあるのは「記録された株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」と、第百三十二条中「株主名簿記載事項」とあるのは「株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 第四節 株式会社による自己の株式の取得 第一款 総則 第百五十五条 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた場合 二 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求があった場合 三 次条第一項の決議があった場合 四 第百六十六条第一項の規定による請求があった場合 五 第百七十一条第一項の決議があった場合 六 第百七十六条第一項の規定による請求をした場合 七 第百九十二条第一項の規定による請求があった場合 八 第百九十七条第三項各号に掲げる事項を定めた場合 九 第二百三十四条第四項各号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を定めた場合 十 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合 十一 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十二 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十三 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第二款 株主との合意による取得 第一目 総則 (株式の取得に関する事項の決定) 第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額 三 株式を取得することができる期間 2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。 (取得価格等の決定) 第百五十七条 株式会社は、前条第一項の規定による決定に従い株式を取得しようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数) 二 株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の総額 四 株式の譲渡しの申込みの期日 2 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 3 第一項の株式の取得の条件は、同項の規定による決定ごとに、均等に定めなければならない。 (株主に対する通知等) 第百五十八条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、前条第一項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 公開会社においては、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (譲渡しの申込み) 第百五十九条 前条第一項の規定による通知を受けた株主は、その有する株式の譲渡しの申込みをしようとするときは、株式会社に対し、その申込みに係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにしなければならない。 2 株式会社は、第百五十七条第一項第四号の期日において、前項の株主が申込みをした株式の譲受けを承諾したものとみなす。 ただし、同項の株主が申込みをした株式の総数(以下この項において「申込総数」という。)が同条第一項第一号の数(以下この項において「取得総数」という。)を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に前項の株主が申込みをした株式の数を乗じて得た数(その数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)の株式の譲受けを承諾したものとみなす。 第二目 特定の株主からの取得 (特定の株主からの取得) 第百六十条 株式会社は、第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第百五十八条第一項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。 2 株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。 3 前項の株主は、第一項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。 4 第一項の特定の株主は、第百五十六条第一項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、第一項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 5 第一項の特定の株主を定めた場合における第百五十八条第一項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第百六十条第一項の特定の株主」とする。 (市場価格のある株式の取得の特則) 第百六十一条 前条第二項及び第三項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。 (相続人等からの取得の特則) 第百六十二条 第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 株式会社が公開会社である場合 二 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合 (子会社からの株式の取得) 第百六十三条 株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。 この場合においては、第百五十七条から第百六十条までの規定は、適用しない。 (特定の株主からの取得に関する定款の定め) 第百六十四条 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第百六十条第一項の規定による決定をするときは同条第二項及び第三項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。 2 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 第三目 市場取引等による株式の取得 第百六十五条 第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 2 取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。 第三款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得 第一目 取得請求権付株式の取得の請求 (取得の請求) 第百六十六条 取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。 ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第二号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第一項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。 ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。 (効力の発生) 第百六十七条 株式会社は、前条第一項の規定による請求の日に、その請求に係る取得請求権付株式を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした株主は、その請求の日に、第百七条第二項第二号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第五号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 二 第百七条第二項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 前項第四号に掲げる場合において、同号に規定する他の株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 この場合においては、株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を前条第一項の規定による請求をした株主に対して交付しなければならない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 4 前項の規定は、当該株式会社の社債及び新株予約権について端数がある場合について準用する。 この場合において、同項第二号中「一株当たり純資産額」とあるのは、「法務省令で定める額」と読み替えるものとする。 第二目 取得条項付株式の取得 (取得する日の決定) 第百六十八条 第百七条第二項第三号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第百七条第二項第三号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主)及びその登録株式質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する株式の決定等) 第百六十九条 株式会社は、第百七条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第百七十条 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第五項において同じ。)に、取得条項付株式(同条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項において同じ。)を取得する。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 次の各号に掲げる場合には、取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日に、同号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第六号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第三号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの社債の社債権者 二 第百七条第二項第三号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第三号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第百六十八条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 4 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 前各項の規定は、取得条項付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第三号ニからトまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が同号イの事由が生じた日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、適用しない。 第四款 全部取得条項付種類株式の取得 (全部取得条項付種類株式の取得に関する決定) 第百七十一条 全部取得条項付種類株式(第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定めがある種類の株式をいう。以下この款において同じ。)を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる。 この場合においては、当該株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等を交付するときは、当該金銭等(以下この条において「取得対価」という。)についての次に掲げる事項 イ 当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法 ロ 当該取得対価が当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 二 前号に規定する場合には、全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項 三 株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(以下この款において「取得日」という。) 2 前項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社を除く。)の有する全部取得条項付種類株式の数に応じて取得対価を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 取締役は、第一項の株主総会において、全部取得条項付種類株式の全部を取得することを必要とする理由を説明しなければならない。 (全部取得条項付種類株式の取得対価等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十一条の二 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から取得日後六箇月を経過する日までの間、前条第一項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 前条第一項の株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百七十二条第二項の規定による通知の日又は同条第三項の公告の日のいずれか早い日 2 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (全部取得条項付種類株式の取得をやめることの請求) 第百七十一条の三 第百七十一条第一項の規定による全部取得条項付種類株式の取得が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該全部取得条項付種類株式の取得をやめることを請求することができる。 (裁判所に対する価格の決定の申立て) 第百七十二条 第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。 一 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 2 株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。 (効力の発生) 第百七十三条 株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主(前条第一項の申立てをした株主を除く。)は、取得日に、第百七十一条第一項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第百七十一条第一項第一号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第百七十一条第一項第一号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第百七十一条第一項第一号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 (全部取得条項付種類株式の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十三条の二 株式会社は、取得日後遅滞なく、株式会社が取得した全部取得条項付種類株式の数その他の全部取得条項付種類株式の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、取得日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 全部取得条項付種類株式を取得した株式会社の株主又は取得日に全部取得条項付種類株式の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五款 相続人等に対する売渡しの請求 (相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め) 第百七十四条 株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。 (売渡しの請求の決定) 第百七十五条 株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式を有する者の氏名又は名称 2 前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 (売渡しの請求) 第百七十六条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。 ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百七十七条 前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。 2 株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。 5 第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。 第六款 株式の消却 第百七十八条 株式会社は、自己株式を消却することができる。 この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第四節の二 特別支配株主の株式等売渡請求 (株式等売渡請求) 第百七十九条 株式会社の特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を当該株式会社以外の者及び当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人(以下この条及び次条第一項において「特別支配株主完全子法人」という。)が有している場合における当該者をいう。以下同じ。)は、当該株式会社の株主(当該株式会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 2 特別支配株主は、前項の規定による請求(以下この章及び第八百四十六条の二第二項第一号において「株式売渡請求」という。)をするときは、併せて、その株式売渡請求に係る株式を発行している株式会社(以下「対象会社」という。)の新株予約権の新株予約権者(対象会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する対象会社の新株予約権の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 3 特別支配株主は、新株予約権付社債に付された新株予約権について前項の規定による請求(以下「新株予約権売渡請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式等売渡請求の方法) 第百七十九条の二 株式売渡請求は、次に掲げる事項を定めてしなければならない。 一 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 二 株式売渡請求によりその有する対象会社の株式を売り渡す株主(以下「売渡株主」という。)に対して当該株式(以下この章において「売渡株式」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 三 売渡株主に対する前号の金銭の割当てに関する事項 四 株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求(その新株予約権売渡請求に係る新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前条第三項の規定による請求を含む。以下同じ。)をするときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 特別支配株主完全子法人に対して新株予約権売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 ロ 新株予約権売渡請求によりその有する対象会社の新株予約権を売り渡す新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」という。)に対して当該新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、前条第三項の規定による請求をするときは、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この編において「売渡新株予約権」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 ハ 売渡新株予約権者に対するロの金銭の割当てに関する事項 五 特別支配株主が売渡株式(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式及び売渡新株予約権。以下「売渡株式等」という。)を取得する日(以下この節において「取得日」という。) 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 対象会社が種類株式発行会社である場合には、特別支配株主は、対象会社の発行する種類の株式の内容に応じ、前項第三号に掲げる事項として、同項第二号の金銭の割当てについて売渡株式の種類ごとに異なる取扱いを行う旨及び当該異なる取扱いの内容を定めることができる。 3 第一項第三号に掲げる事項についての定めは、売渡株主の有する売渡株式の数(前項に規定する定めがある場合にあっては、各種類の売渡株式の数)に応じて金銭を交付することを内容とするものでなければならない。 (対象会社の承認) 第百七十九条の三 特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。 2 対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。 3 取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 4 対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (売渡株主等に対する通知等) 第百七十九条の四 対象会社は、前条第一項の承認をしたときは、取得日の二十日前までに、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事項を通知しなければならない。 一 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。) 当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項 二 売渡株式の登録株式質権者(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式の登録株式質権者及び売渡新株予約権の登録新株予約権質権者(第二百七十条第一項に規定する登録新株予約権質権者をいう。)) 当該承認をした旨 2 前項の規定による通知(売渡株主に対してするものを除く。)は、公告をもってこれに代えることができる。 3 対象会社が第一項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、特別支配株主から売渡株主等に対し、株式等売渡請求がされたものとみなす。 4 第一項の規定による通知又は第二項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株式等売渡請求に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の五 対象会社は、前条第一項第一号の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日から取得日後六箇月(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日後一年)を経過する日までの間、次に掲げる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 特別支配株主の氏名又は名称及び住所 二 第百七十九条の二第一項各号に掲げる事項 三 第百七十九条の三第一項の承認をした旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 売渡株主等は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式等売渡請求の撤回) 第百七十九条の六 特別支配株主は、第百七十九条の三第一項の承認を受けた後は、取得日の前日までに対象会社の承諾を得た場合に限り、売渡株式等の全部について株式等売渡請求を撤回することができる。 2 取締役会設置会社が前項の承諾をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 3 対象会社は、第一項の承諾をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 4 対象会社は、第一項の承諾をしたときは、遅滞なく、売渡株主等に対し、当該承諾をした旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 6 対象会社が第四項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、株式等売渡請求は、売渡株式等の全部について撤回されたものとみなす。 7 第四項の規定による通知又は第五項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 8 前各項の規定は、新株予約権売渡請求のみを撤回する場合について準用する。 この場合において、第四項中「売渡株主等」とあるのは、「売渡新株予約権者」と読み替えるものとする。 (売渡株式等の取得をやめることの請求) 第百七十九条の七 次に掲げる場合において、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 株式売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡株主に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第二号又は第三号に掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 2 次に掲げる場合において、売渡新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡新株予約権者は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 新株予約権売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡新株予約権者に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第四号ロ又はハに掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 (売買価格の決定の申立て) 第百七十九条の八 株式等売渡請求があった場合には、売渡株主等は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、その有する売渡株式等の売買価格の決定の申立てをすることができる。 2 特別支配株主は、裁判所の決定した売買価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 3 特別支配株主は、売渡株式等の売買価格の決定があるまでは、売渡株主等に対し、当該特別支配株主が公正な売買価格と認める額を支払うことができる。 (売渡株式等の取得) 第百七十九条の九 株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。 2 前項の規定により特別支配株主が取得した売渡株式等が譲渡制限株式又は譲渡制限新株予約権(第二百四十三条第二項第二号に規定する譲渡制限新株予約権をいう。)であるときは、対象会社は、当該特別支配株主が当該売渡株式等を取得したことについて、第百三十七条第一項又は第二百六十三条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 (売渡株式等の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の十 対象会社は、取得日後遅滞なく、株式等売渡請求により特別支配株主が取得した売渡株式等の数その他の株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 対象会社は、取得日から六箇月間(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日から一年間)、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 取得日に売渡株主等であった者は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五節 株式の併合等 第一款 株式の併合 (株式の併合) 第百八十条 株式会社は、株式の併合をすることができる。 2 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 併合の割合 二 株式の併合がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。) 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類 四 効力発生日における発行可能株式総数 3 前項第四号の発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 4 取締役は、第二項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 (株主に対する通知等) 第百八十一条 株式会社は、効力発生日の二週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、前条第二項第三号の種類の種類株主。以下この款において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生) 第百八十二条 株主は、効力発生日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。 2 株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、第百八十条第二項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の二 株式の併合(単元株式数(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式の単元株式数。以下この項において同じ。)を定款で定めている場合にあっては、当該単元株式数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数に一に満たない端数が生ずるものに限る。以下この款において同じ。)をする株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、同項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 第百八十条第二項の株主総会(株式の併合をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。第百八十二条の四第二項において同じ。)の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百八十二条の四第三項の規定により読み替えて適用する第百八十一条第一項の規定による株主に対する通知の日又は第百八十一条第二項の公告の日のいずれか早い日 2 株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式の併合をやめることの請求) 第百八十二条の三 株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。 (反対株主の株式買取請求) 第百八十二条の四 株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第百八十条第二項の株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 株式会社が株式の併合をする場合における株主に対する通知についての第百八十一条第一項の規定の適用については、同項中「二週間」とあるのは、「二十日」とする。 4 第一項の規定による請求(以下この款において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 5 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 6 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 7 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百八十二条の五 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の六 株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の発行済株式)の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第二款 株式の分割 (株式の分割) 第百八十三条 株式会社は、株式の分割をすることができる。 2 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日 二 株式の分割がその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類 (効力の発生等) 第百八十四条 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第二項第三号の種類の種類株主)は、同項第二号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。 2 株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。 第三款 株式無償割当て (株式無償割当て) 第百八十五条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。 (株式無償割当てに関する事項の決定) 第百八十六条 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式無償割当ての効力の発生等) 第百八十七条 前条第一項第一号の株式の割当てを受けた株主は、同項第二号の日に、同項第一号の株式の株主となる。 2 株式会社は、前条第一項第二号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。 第六節 単元株式数 第一款 総則 (単元株式数) 第百八十八条 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。 2 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。 3 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。 (単元未満株式についての権利の制限等) 第百八十九条 単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。 2 株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。 一 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の交付を受ける権利 二 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利 三 第百八十五条に規定する株式無償割当てを受ける権利 四 第百九十二条第一項の規定により単元未満株式を買い取ることを請求する権利 五 残余財産の分配を受ける権利 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める権利 3 株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。 (理由の開示) 第百九十条 単元株式数を定める場合には、取締役は、当該単元株式数を定める定款の変更を目的とする株主総会において、当該単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければならない。 (定款変更手続の特則) 第百九十一条 株式会社は、次のいずれにも該当する場合には、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数。以下この条において同じ。)を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることができる。 一 株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設けるものであること。 二 イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと。 イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数 ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数) 第二款 単元未満株主の買取請求 (単元未満株式の買取りの請求) 第百九十二条 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 第一項の規定による請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、当該請求を撤回することができる。 (単元未満株式の価格の決定) 第百九十三条 前条第一項の規定による請求があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該請求に係る単元未満株式の価格とする。 一 当該単元未満株式が市場価格のある株式である場合 当該単元未満株式の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社と前条第一項の規定による請求をした単元未満株主との協議によって定める額 2 前項第二号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした単元未満株主又は株式会社は、当該請求をした日から二十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって当該単元未満株式の価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、同項第二号に掲げる場合において、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項第二号の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に前条第一項の規定による請求に係る単元未満株式の数を乗じて得た額をもって当該単元未満株式の価格とする。 6 前条第一項の規定による請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式につき前条第一項の規定による請求があったときは、株券と引換えに、その請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第三款 単元未満株主の売渡請求 第百九十四条 株式会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求(単元未満株主が有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを請求することをいう。以下この条において同じ。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 2 単元未満株式売渡請求は、当該単元未満株主に売り渡す単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合を除き、自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。 4 第百九十二条第三項及び前条第一項から第六項までの規定は、単元未満株式売渡請求について準用する。 第四款 単元株式数の変更等 第百九十五条 株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。 2 前項の規定により定款の変更をした場合には、株式会社は、当該定款の変更の効力が生じた日以後遅滞なく、その株主(種類株式発行会社にあっては、同項の規定により単元株式数を変更した種類の種類株主)に対し、当該定款の変更をした旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第七節 株主に対する通知の省略等 (株主に対する通知の省略) 第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。 3 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。 (株式の競売) 第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。 一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの 二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。 一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者 二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者 (利害関係人の異議) 第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。 5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。 第八節 募集株式の発行等 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。) 二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法 三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項 2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。 2 前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 3 第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。 3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百二条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集株式の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集株式の数 三 第一項第二号の期日 5 第百九十九条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 (取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則) 第二百二条の二 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 募集株式を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 2 前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、同項中「前項各号」とあるのは、「前項各号(第二号及び第四号を除く。)及び第二百二条の二第一項各号」とする。 この場合においては、第二百条及び前条の規定は、適用しない。 3 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 第二款 募集株式の割当て (募集株式の申込み) 第二百三条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集株式の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集株式の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集株式の割当て) 第二百四条 株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 募集株式が譲渡制限株式である場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 株式会社は、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集株式の数を通知しなければならない。 4 第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集株式の割当てを受ける権利を失う。 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第二百五条 前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、第二百三条第二項の申込みをし、又は第一項の契約を締結することができない。 4 前項に規定する場合における前条第三項並びに第二百六条の二第一項、第三項及び第四項の規定の適用については、前条第三項及び第二百六条の二第一項中「第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)」とあり、同条第三項中「同項に規定する期日」とあり、並びに同条第四項中「第一項に規定する期日」とあるのは、「割当日」とする。 5 指名委員会等設置会社における第三項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (募集株式の引受け) 第二百六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集株式の数について募集株式の引受人となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集株式の数 二 前条第一項の契約により募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集株式の数 (公開会社における募集株式の割当て等の特則) 第二百六条の二 公開会社は、募集株式の引受人について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第四項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数 二 当該募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 4 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第二項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集株式の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、第一項に規定する期日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集株式の割当て又は当該特定引受人との間の第二百五条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 5 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 第三款 金銭以外の財産の出資 第二百七条 株式会社は、第百九十九条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。以下この条において同じ。)は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該募集株式の引受人が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 募集株式の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第四款 出資の履行等 (出資の履行) 第二百八条 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者を除く。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、それぞれの募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。 3 募集株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 4 出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は、株式会社に対抗することができない。 5 募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。 (株主となる時期等) 第二百九条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。 一 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日 2 募集株式の引受人は、第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百十三条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した募集株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の募集株式を譲り受けた者は、当該募集株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。 第五款 募集株式の発行等をやめることの請求 第二百十条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。 一 当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合 二 当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合 第六款 募集に係る責任等 (引受けの無効又は取消しの制限) 第二百十一条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第二百五条第一項の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 募集株式の引受人は、第二百九条第一項の規定により株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として募集株式の引受けの取消しをすることができない。 (不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任) 第二百十二条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合 当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額 二 第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第二号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百十三条 前条第一項第二号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該募集株式の引受人の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百七条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百七条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 募集株式の引受人がその給付した現物出資財産についての前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う場合において、次の各号に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (出資の履行を仮装した募集株式の引受人の責任) 第二百十三条の二 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百八条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した払込金額の全額の支払 二 第二百八条第二項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した現物出資財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該現物出資財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (出資の履行を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百十三条の三 前条第一項各号に掲げる場合には、募集株式の引受人が出資の履行を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 募集株式の引受人が前条第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九節 株券 第一款 総則 (株券を発行する旨の定款の定め) 第二百十四条 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。 (株券の発行) 第二百十五条 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない。 2 株券発行会社は、株式の併合をしたときは、第百八十条第二項第二号の日以後遅滞なく、併合した株式に係る株券を発行しなければならない。 3 株券発行会社は、株式の分割をしたときは、第百八十三条第二項第二号の日以後遅滞なく、分割した株式に係る株券(既に発行されているものを除く。)を発行しなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができる。 (株券の記載事項) 第二百十六条 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株券発行会社の商号 二 当該株券に係る株式の数 三 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨 四 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容 (株券不所持の申出) 第二百十七条 株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該株式に係る株券が発行されているときは、当該株主は、当該株券を株券発行会社に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、前項前段の株式に係る株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の株式に係る株券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された株券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした株主は、いつでも、株券発行会社に対し、第二項前段の株式に係る株券を発行することを請求することができる。 この場合において、第二項後段の規定により提出された株券があるときは、株券の発行に要する費用は、当該株主の負担とする。 (株券を発行する旨の定款の定めの廃止) 第二百十八条 株券発行会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、当該定款の変更の効力が生ずる日の二週間前までに、次に掲げる事項を公告し、かつ、株主及び登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨 二 定款の変更がその効力を生ずる日 三 前号の日において当該株式会社の株券は無効となる旨 2 株券発行会社の株式に係る株券は、前項第二号の日に無効となる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合には、同項第二号の日の二週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し、同項第一号及び第二号に掲げる事項を通知すれば足りる。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項に規定する場合には、株式の質権者(登録株式質権者を除く。)は、同項第二号の日の前日までに、株券発行会社に対し、第百四十八条各号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 第二款 株券の提出等 (株券の提出に関する公告等) 第二百十九条 株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(第四号の二に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「株券提出日」という。)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。 一 第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式) 二 株式の併合 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式) 三 第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 当該全部取得条項付種類株式 四 取得条項付株式の取得 当該取得条項付株式 四の二 第百七十九条の三第一項の承認 売渡株式 五 組織変更 全部の株式 六 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の株式 七 株式交換 全部の株式 八 株式移転 全部の株式 2 株券発行会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為(第二号に掲げる行為をする場合にあっては、株式売渡請求に係る売渡株式の取得)によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。 一 前項第一号から第四号までに掲げる行為 当該株券発行会社 二 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 六 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。 4 第一項第四号の二の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株券の提出をすることができない場合) 第二百二十条 前条第一項各号に掲げる行為をした場合において、株券を提出することができない者があるときは、株券発行会社は、その者の請求により、利害関係人に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を公告することができる。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 株券発行会社が前項の規定による公告をした場合において、同項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、前条第二項各号に定める者は、前項の請求をした者に対し、同条第二項の金銭等を交付することができる。 3 第一項の規定による公告の費用は、同項の請求をした者の負担とする。 第三款 株券喪失登録 (株券喪失登録簿) 第二百二十一条 株券発行会社(株式会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした日の翌日から起算して一年を経過していない場合における当該株式会社を含む。以下この款(第二百二十三条、第二百二十七条及び第二百二十八条第二項を除く。)において同じ。)は、株券喪失登録簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この款において「株券喪失登録簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第二百二十三条の規定による請求に係る株券(第二百十八条第二項又は第二百十九条第三項の規定により無効となった株券及び株式の発行又は自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における当該株式に係る株券を含む。以下この款(第二百二十八条を除く。)において同じ。)の番号 二 前号の株券を喪失した者の氏名又は名称及び住所 三 第一号の株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載され、又は記録されている者(以下この款において「名義人」という。)の氏名又は名称及び住所 四 第一号の株券につき前三号に掲げる事項を記載し、又は記録した日(以下この款において「株券喪失登録日」という。) (株券喪失登録簿に関する事務の委託) 第二百二十二条 株券発行会社における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿に」とする。 (株券喪失登録の請求) 第二百二十三条 株券を喪失した者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録すること(以下「株券喪失登録」という。)を請求することができる。 (名義人等に対する通知) 第二百二十四条 株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者(以下この款において「株券喪失登録者」という。)が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第二百二十一条第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。 (株券を所持する者による抹消の申請) 第二百二十五条 株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。 ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。 3 第一項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による通知の日から二週間を経過した日に、第二項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第一項の規定による申請をした者に返還しなければならない。 (株券喪失登録者による抹消の申請) 第二百二十六条 株券喪失登録者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、株券喪失登録(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合にあっては、前条第二項の規定により提出された株券についての株券喪失登録を除く。)の抹消を申請することができる。 2 前項の規定による申請を受けた株券発行会社は、当該申請を受けた日に、当該申請に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消) 第二百二十七条 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合には、株券発行会社は、当該定款の変更の効力が生ずる日に、株券喪失登録(当該株券喪失登録がされた株券に係る株式の名義人が株券喪失登録者であるものに限り、第二百二十五条第二項の規定により提出された株券についてのものを除く。)を抹消しなければならない。 (株券の無効) 第二百二十八条 株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。 2 前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。 (異議催告手続との関係) 第二百二十九条 株券喪失登録者が第二百二十条第一項の請求をした場合には、株券発行会社は、同項の期間の末日が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過する日前に到来するときに限り、同項の規定による公告をすることができる。 2 株券発行会社が第二百二十条第一項の規定による公告をするときは、当該株券発行会社は、当該公告をした日に、当該公告に係る株券についての株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券喪失登録の効力) 第二百三十条 株券発行会社は、次に掲げる日のいずれか早い日(以下この条において「登録抹消日」という。)までの間は、株券喪失登録がされた株券に係る株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することができない。 一 当該株券喪失登録が抹消された日 二 株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日 2 株券発行会社は、登録抹消日後でなければ、株券喪失登録がされた株券を再発行することができない。 3 株券喪失登録者が株券喪失登録をした株券に係る株式の名義人でないときは、当該株式の株主は、登録抹消日までの間は、株主総会又は種類株主総会において議決権を行使することができない。 4 株券喪失登録がされた株券に係る株式については、第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をすることができない。 (株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等) 第二百三十一条 株券発行会社は、株券喪失登録簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (株券喪失登録者に対する通知等) 第二百三十二条 株券発行会社が株券喪失登録者に対してする通知又は催告は、株券喪失登録簿に記載し、又は記録した当該株券喪失登録者の住所(当該株券喪失登録者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を株券発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (適用除外) 第二百三十三条 非訟事件手続法第四編の規定は、株券については、適用しない。 第十節 雑則 (一に満たない端数の処理) 第二百三十四条 次の各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の株式を交付する場合において、その者に対し交付しなければならない当該株式会社の株式の数に一株に満たない端数があるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を当該者に交付しなければならない。 一 第百七十条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 二 第百七十三条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 当該株式会社の株主 四 第二百七十五条第一項の規定による新株予約権の取得 第二百三十六条第一項第七号イの新株予約権の新株予約権者 五 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 合併後消滅する会社の株主又は社員 六 合併契約に基づく設立時発行株式の発行 合併後消滅する会社の株主又は社員 七 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 株式交換をする株式会社の株主 八 株式移転計画に基づく設立時発行株式の発行 株式移転をする株式会社の株主 九 株式交付 株式交付親会社(第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。)に株式交付に際して株式交付子会社(同号に規定する株式交付子会社をいう。)の株式又は新株予約権等(同項第七号に規定する新株予約権等をいう。)を譲り渡した者 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 前項の規定により第一項の株式を売却した場合における同項の規定の適用については、同項中「競売により」とあるのは、「売却により」とする。 4 株式会社は、第二項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 5 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 6 第一項から第四項までの規定は、第一項各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の社債又は新株予約権を交付するときについて準用する。 第二百三十五条 株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。 2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。 第三章 新株予約権 第一節 総則 (新株予約権の内容) 第二百三十六条 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法 三 金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 当該新株予約権を行使することができる期間 五 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項 六 譲渡による当該新株予約権の取得について当該株式会社の承認を要することとするときは、その旨 七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法 ニ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法 ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ヘ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項 チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件 イ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社 ロ 吸収分割 吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する株式会社 ハ 新設分割 新設分割により設立する株式会社 ニ 株式交換 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社 ホ 株式移転 株式移転により設立する株式会社 九 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨 十 当該新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)に係る新株予約権証券を発行することとするときは、その旨 十一 前号に規定する場合において、新株予約権者が第二百九十条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の数は、当該新株予約権付社債についての社債の金額ごとに、均等に定めなければならない。 3 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第一項第二号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨 4 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第四号又は第五号ロに定める事項についての決定」と、同項第一号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第二号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (共有者による権利の行使) 第二百三十七条 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該新株予約権についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該新株予約権についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 新株予約権の発行 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集新株予約権の内容及び数 二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法 四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日 六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項 七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め 2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百三十九条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限 二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。 3 第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百四十一条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数 三 第一項第二号の期日 5 第二百三十八条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 第二款 募集新株予約権の割当て (募集新株予約権の申込み) 第二百四十二条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集新株予約権の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、申込者(募集新株予約権のみの申込みをした者に限る。)は、その申込みに係る募集新株予約権を付した新株予約権付社債の引受けの申込みをしたものとみなす。 7 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 8 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集新株予約権の割当て) 第二百四十三条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権(新株予約権であって、譲渡による当該新株予約権の取得について株式会社の承認を要する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)である場合 3 株式会社は、割当日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数(当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 4 第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集新株予約権の割当てを受ける権利を失う。 (募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則) 第二百四十四条 前二条の規定は、募集新株予約権を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前項の規定の適用については、同項中「の引受け」とあるのは、「及び当該募集新株予約権を付した社債の総額の引受け」とする。 3 第一項に規定する場合において、次に掲げるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式であるとき。 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権であるとき。 (公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則) 第二百四十四条の二 公開会社は、募集新株予約権の割当てを受けた申込者又は前条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者(以下この項において「引受人」と総称する。)について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第五項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数 二 前号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数 2 前項第一号に規定する「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式その他募集新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式として法務省令で定める株式をいう。 3 第一項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 5 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第三項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集新株予約権の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、割当日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は当該特定引受人との間の前条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 6 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (新株予約権者となる日) 第二百四十五条 次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集新株予約権 二 第二百四十四条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集新株予約権 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。 第三款 募集新株予約権に係る払込み 第二百四十六条 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。 3 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。 第四款 募集新株予約権の発行をやめることの請求 第二百四十七条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。 一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合 二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合 第五款 雑則 第二百四十八条 第六百七十六条から第六百八十条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。 第三節 新株予約権原簿 (新株予約権原簿) 第二百四十九条 株式会社は、新株予約権を発行した日以後遅滞なく、新株予約権原簿を作成し、次の各号に掲げる新株予約権の区分に応じ、当該各号に定める事項(以下「新株予約権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 無記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権(以下この章において「無記名新株予約権」という。) 当該新株予約権証券の番号並びに当該無記名新株予約権の内容及び数 二 無記名式の新株予約権付社債券(証券発行新株予約権付社債(新株予約権付社債であって、当該新株予約権付社債についての社債につき社債券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)に係る社債券をいう。以下同じ。)が発行されている新株予約権付社債(以下この章において「無記名新株予約権付社債」という。)に付された新株予約権 当該新株予約権付社債券の番号並びに当該新株予約権の内容及び数 三 前二号に掲げる新株予約権以外の新株予約権 次に掲げる事項 イ 新株予約権者の氏名又は名称及び住所 ロ イの新株予約権者の有する新株予約権の内容及び数 ハ イの新株予約権者が新株予約権を取得した日 ニ ロの新株予約権が証券発行新株予約権(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であって、当該新株予約権に係る新株予約権証券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、当該新株予約権(新株予約権証券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権証券の番号 ホ ロの新株予約権が証券発行新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権を付した新株予約権付社債(新株予約権付社債券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権付社債券の番号 (新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第二百五十条 前条第三号イの新株予約権者は、株式会社に対し、当該新株予約権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該新株予約権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の管理) 第二百五十一条 株式会社が新株予約権を発行している場合における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿に」とする。 (新株予約権原簿の備置き及び閲覧等) 第二百五十二条 株式会社は、新株予約権原簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の新株予約権原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (新株予約権者に対する通知等) 第二百五十三条 株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該新株予約権者の住所(当該新株予約権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を新株予約権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が新株予約権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 第四節 新株予約権の譲渡等 第一款 新株予約権の譲渡 (新株予約権の譲渡) 第二百五十四条 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 (証券発行新株予約権の譲渡) 第二百五十五条 証券発行新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権(株式会社が有する自己の新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の処分による証券発行新株予約権の譲渡については、この限りでない。 2 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権付社債(株式会社が有する自己の新株予約権付社債をいう。以下この条及び次条において同じ。)の処分による当該自己新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、この限りでない。 (自己新株予約権の処分に関する特則) 第二百五十六条 株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。 3 株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。 4 第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。 (新株予約権の譲渡の対抗要件) 第二百五十七条 新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 3 第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (権利の推定等) 第二百五十八条 新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 2 新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 4 新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百五十九条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該株式会社の新株予約権を取得した場合 二 自己新株予約権を処分した場合 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百六十条 新株予約権を当該新株予約権を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「新株予約権取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該新株予約権に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第二百六十一条 前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。 二 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。 三 当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。 第二款 新株予約権の譲渡の制限 (新株予約権者からの承認の請求) 第二百六十二条 譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (新株予約権取得者からの承認の請求) 第二百六十三条 譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第二百六十四条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第二百六十二条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの新株予約権取得者の氏名又は名称 (譲渡等の承認の決定等) 第二百六十五条 株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第二百六十六条 株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。 ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 第三款 新株予約権の質入れ (新株予約権の質入れ) 第二百六十七条 新株予約権者は、その有する新株予約権に質権を設定することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 4 証券発行新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 5 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (新株予約権の質入れの対抗要件) 第二百六十八条 新株予約権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 3 第一項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 (新株予約権原簿の記載等) 第二百六十九条 新株予約権に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である新株予約権 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百七十条 前条第一項各号に掲げる事項が新株予約権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録新株予約権質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録新株予約権質権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (登録新株予約権質権者に対する通知等) 第二百七十一条 株式会社が登録新株予約権質権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該登録新株予約権質権者の住所(当該登録新株予約権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (新株予約権の質入れの効果) 第二百七十二条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、新株予約権を目的とする質権は、当該行為によって当該新株予約権の新株予約権者が受けることのできる金銭等について存在する。 一 新株予約権の取得 二 組織変更 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 四 吸収分割 五 新設分割 六 株式交換 七 株式移転 2 登録新株予約権質権者は、前項の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 3 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録新株予約権質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 新株予約権の取得 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 4 前三項の規定は、特別支配株主が新株予約権売渡請求により売渡新株予約権の取得をした場合について準用する。 この場合において、前項中「当該各号に定める者」とあるのは、「当該特別支配株主」と読み替えるものとする。 5 新株予約権付社債に付された新株予約権(第二百三十六条第一項第三号の財産が当該新株予約権付社債についての社債であるものであって、当該社債の償還額が当該新株予約権についての同項第二号の価額以上であるものに限る。)を目的とする質権は、当該新株予約権の行使をすることにより当該新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式について存在する。 第四款 信託財産に属する新株予約権についての対抗要件等 第二百七十二条の二 新株予約権については、当該新株予約権が信託財産に属する旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該新株予約権が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第二百四十九条第三号イの新株予約権者は、その有する新株予約権が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 新株予約権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第二百五十条第一項及び第二百五十九条第一項の規定の適用については、第二百五十条第一項中「記録された新株予約権原簿記載事項」とあるのは「記録された新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」と、第二百五十九条第一項中「新株予約権原簿記載事項」とあるのは「新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第五節 株式会社による自己の新株予約権の取得 第一款 募集事項の定めに基づく新株予約権の取得 (取得する日の決定) 第二百七十三条 取得条項付新株予約権(第二百三十六条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の内容として同号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第二百三十六条第一項第七号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付新株予約権の新株予約権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する新株予約権の決定等) 第二百七十四条 株式会社は、新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、その取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付新株予約権は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに、当該取得条項付新株予約権を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第二百七十五条 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第三項において同じ。)に、取得条項付新株予約権(同条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項及び第三項において同じ。)を取得する。 一 第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 前項の規定により株式会社が取得する取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、当該新株予約権付社債についての社債を取得する。 3 次の各号に掲げる場合には、取得条項付新株予約権の新株予約権者(当該株式会社を除く。)は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、同号に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの株式の株主 二 第二百三十六条第一項第七号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの社債の社債権者 三 第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの他の新株予約権の新株予約権者 四 第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項についての定めがある場合 同号トの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第二百七十三条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 5 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第二款 新株予約権の消却 第二百七十六条 株式会社は、自己新株予約権を消却することができる。 この場合においては、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第六節 新株予約権無償割当て (新株予約権無償割当て) 第二百七十七条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。 (新株予約権無償割当てに関する事項の決定) 第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法 二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法 三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日 四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (新株予約権無償割当ての効力の発生等) 第二百七十九条 前条第一項第一号の新株予約権の割当てを受けた株主は、同項第三号の日に、同項第一号の新株予約権の新株予約権者(同項第二号に規定する場合にあっては、同項第一号の新株予約権の新株予約権者及び同項第二号の社債の社債権者)となる。 2 株式会社は、前条第一項第三号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた新株予約権の内容及び数(同項第二号に規定する場合にあっては、当該株主が割当てを受けた社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知がされた場合において、前条第一項第一号の新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の末日が当該通知の日から二週間を経過する日前に到来するときは、同号の期間は、当該通知の日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。 第七節 新株予約権の行使 第一款 総則 (新株予約権の行使) 第二百八十条 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数 二 新株予約権を行使する日 2 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。 3 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。 この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。 4 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 5 第三項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 6 株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。 (新株予約権の行使に際しての払込み) 第二百八十一条 金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第二号の価額の全額を払い込まなければならない。 2 金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第三号の財産を給付しなければならない。 この場合において、当該財産の価額が同項第二号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。 3 新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 (株主となる時期等) 第二百八十二条 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (一に満たない端数の処理) 第二百八十三条 新株予約権を行使した場合において、当該新株予約権の新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数があるときは、株式会社は、当該新株予約権者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を交付しなければならない。 ただし、第二百三十六条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合は、この限りでない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 第二款 金銭以外の財産の出資 第二百八十四条 株式会社は、第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項についての定めがある新株予約権が行使された場合には、第二百八十一条第二項の規定による給付があった後、遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 第一項の新株予約権の新株予約権者は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 行使された新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該新株予約権者が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 新株予約権者 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第三款 責任 (不公正な払込金額で新株予約権を引き受けた者等の責任) 第二百八十五条 新株予約権を行使した新株予約権者は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 第二百三十八条第一項第二号に規定する場合において、募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととすることが著しく不公正な条件であるとき(取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役。次号において同じ。)と通じて新株予約権を引き受けた場合に限る。) 当該新株予約権の公正な価額 二 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合において、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたとき 当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額 三 第二百八十二条第一項の規定により株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第三号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百八十六条 前条第一項第三号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該新株予約権者の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百八十四条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百八十四条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 新株予約権者がその給付した現物出資財産についての前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う場合において、次に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (新株予約権に係る払込み等を仮装した新株予約権者等の責任) 第二百八十六条の二 新株予約権を行使した新株予約権者であって次の各号に掲げる者に該当するものは、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百四十六条第一項の規定による払込み(同条第二項の規定により当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付を含む。)を仮装した者又は当該払込みが仮装されたことを知って、若しくは重大な過失により知らないで募集新株予約権を譲り受けた者 払込みが仮装された払込金額の全額の支払(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付が仮装された場合にあっては、当該財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)) 二 第二百八十一条第一項又は第二項後段の規定による払込みを仮装した者 払込みを仮装した金銭の全額の支払 三 第二百八十一条第二項前段の規定による給付を仮装した者 給付を仮装した金銭以外の財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により同項に規定する新株予約権者の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (新株予約権に係る払込み等を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百八十六条の三 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に定める行為をする義務を負う場合には、当該各号の払込み又は給付を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込み又は当該給付を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第四款 雑則 第二百八十七条 第二百七十六条第一項の場合のほか、新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。 第八節 新株予約権に係る証券 第一款 新株予約権証券 (新株予約権証券の発行) 第二百八十八条 株式会社は、証券発行新株予約権を発行した日以後遅滞なく、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を発行しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、新株予約権者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を発行しないことができる。 (新株予約権証券の記載事項) 第二百八十九条 新株予約権証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株式会社の商号 二 当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権の内容及び数 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百九十条 証券発行新株予約権の新株予約権者は、第二百三十六条第一項第十一号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の新株予約権証券を無記名式とし、又はその無記名式の新株予約権証券を記名式とすることを請求することができる。 (新株予約権証券の喪失) 第二百九十一条 新株予約権証券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 新株予約権証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 第二款 新株予約権付社債券 第二百九十二条 証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券には、第六百九十七条第一項の規定により記載すべき事項のほか、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の内容及び数を記載しなければならない。 2 証券発行新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは、株式会社は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券と引換えに社債の償還をすることを請求することができない。 この場合においては、株式会社は、社債の償還をするのと引換えに、当該新株予約権付社債券の提示を求め、当該新株予約権付社債券に社債の償還をした旨を記載することができる。 第三款 新株予約権証券等の提出 (新株予約権証券の提出に関する公告等) 第二百九十三条 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、当該各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この款において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該行為の効力が生ずる日(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「新株予約権証券提出日」という。)までに当該株式会社に対し当該新株予約権証券を提出しなければならない旨を新株予約権証券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 第百七十九条の三第一項の承認 売渡新株予約権 一の二 取得条項付新株予約権の取得 当該取得条項付新株予約権 二 組織変更 全部の新株予約権 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の新株予約権 四 吸収分割 第七百五十八条第五号イに規定する吸収分割契約新株予約権 五 新設分割 第七百六十三条第一項第十号イに規定する新設分割計画新株予約権 六 株式交換 第七百六十八条第一項第四号イに規定する株式交換契約新株予約権 七 株式移転 第七百七十三条第一項第九号イに規定する株式移転計画新株予約権 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、新株予約権証券提出日までに当該株式会社に対して新株予約権証券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該新株予約権証券の提出があるまでの間、当該行為(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、新株予約権売渡請求に係る売渡新株予約権の取得)によって当該新株予約権証券に係る新株予約権の新株予約権者が交付を受けることができる金銭等の交付を拒むことができる。 一 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 二 取得条項付新株予約権の取得 当該株式会社 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 吸収分割 第七百五十八条第一号に規定する吸収分割承継株式会社 六 新設分割 第七百六十三条第一項第一号に規定する新設分割設立株式会社 七 株式交換 第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全親株式会社 八 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券は、新株予約権証券提出日に無効となる。 4 第一項第一号の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 5 第二百二十条の規定は、第一項各号に掲げる行為をした場合において、新株予約権証券を提出することができない者があるときについて準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは、「第二百九十三条第二項各号」と読み替えるものとする。 (無記名式の新株予約権証券等が提出されない場合) 第二百九十四条 第百三十二条の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券(無記名式のものに限る。以下この条において同じ。)が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式に係る第百二十一条第一号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを要しない。 2 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式の株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 3 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる当該他の新株予約権(無記名新株予約権を除く。)に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 4 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 5 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債(無記名新株予約権付社債を除く。)に付された新株予約権に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 6 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 第四章 機関 第一節 株主総会及び種類株主総会等 第一款 株主総会 (株主総会の権限) 第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (株主総会の招集) 第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。 (株主による招集の請求) 第二百九十七条 総株主の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 4 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合 (株主総会の招集の決定) 第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主総会の日時及び場所 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。 3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第二号に掲げる事項」とする。 4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 (株主総会の招集の通知) 第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 株式会社が取締役会設置会社である場合 3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第三百一条 取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。 第三百二条 取締役は、第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。 3 取締役は、第一項に規定する場合には、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 取締役は、第一項に規定する場合において、第二百九十九条第三項の承諾をしていない株主から株主総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (株主提案権) 第三百三条 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 3 公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第二項の一定の事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 第三百四条 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第一項において同じ。)につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第三百五条 株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。 2 公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。 4 取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。 この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 四 定款の変更に関する二以上の議案 当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。 5 前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。 ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。 6 第一項から第三項までの規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (株主総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第三百六条 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」とする。 3 前二項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 4 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第三項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第三項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第三項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (議決権の数) 第三百八条 株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。 (株主総会の決議) 第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百四十条第二項及び第五項の株主総会 二 第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。) 三 第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会 四 第百八十条第二項の株主総会 五 第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会 六 第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会 七 第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。) 八 第四百二十五条第一項の株主総会 九 第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。) イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。 ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 十 第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。) 十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会 二 第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。) 三 第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。) 4 前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第三百十条 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。 3 第一項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 8 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第三百十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 3 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない。 4 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第三百十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社に提供して行う。 2 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 4 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 5 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (議決権の不統一行使) 第三百十三条 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 2 取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の三日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。 3 株式会社は、第一項の株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (取締役等の説明義務) 第三百十四条 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第三百十五条 株主総会の議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 株主総会の議長は、その命令に従わない者その他当該株主総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (株主総会に提出された資料等の調査) 第三百十六条 株主総会においては、その決議によって、取締役、会計参与、監査役、監査役会及び会計監査人が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第二百九十七条の規定により招集された株主総会においては、その決議によって、株式会社の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第三百十七条 株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第二百九十八条及び第二百九十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第三百十八条 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 5 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (株主総会の決議の省略) 第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。 2 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 5 第一項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。 (株主総会への報告の省略) 第三百二十条 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。 第二款 種類株主総会 (種類株主総会の権限) 第三百二十一条 種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 (ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会) 第三百二十二条 種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。) イ 株式の種類の追加 ロ 株式の内容の変更 ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加 一の二 第百七十九条の三第一項の承認 二 株式の併合又は株式の分割 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 四 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 五 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 六 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 七 合併 八 吸収分割 九 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 十 新設分割 十一 株式交換 十二 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 十三 株式移転 十四 株式交付 2 種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。 3 第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。 ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。 4 ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第三百二十三条 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類株主総会の決議) 第三百二十四条 種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第百九十九条第四項及び第二百条第四項の種類株主総会 三 第二百三十八条第四項及び第二百三十九条第四項の種類株主総会 四 第三百二十二条第一項の種類株主総会 五 第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会 六 第七百九十五条第四項の種類株主総会 七 第八百十六条の三第三項の種類株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第七百八十三条第三項及び第八百四条第三項の種類株主総会 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条 前款(第二百九十五条第一項及び第二項、第二百九十六条第一項及び第二項並びに第三百九条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第二百九十七条第一項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百八条第一項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百十八条第四項及び第三百十九条第三項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。 第三款 電子提供措置 (電子提供措置をとる旨の定款の定め) 第三百二十五条の二 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 株主総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類 (電子提供措置) 第三百二十五条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項 二 第三百一条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第三百二条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項 四 第三百五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百三十七条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百四十四条第六項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、取締役が第二百九十九条第一項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 3 第一項の規定にかかわらず、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第一項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第二十七条の三十の二に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (株主総会の招集の通知等の特則) 第三百二十五条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第二百九十九条第一項の規定の適用については、同項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「二週間」とする。 2 第二百九十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第二項又は第三項の通知には、第二百九十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 電子提供措置をとっているときは、その旨 二 前条第三項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第二百九十九条第一項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第三百五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第三百二十五条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。 4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第三百二十五条の六 第三百二十五条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第七号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条の七 第三百二十五条の三から前条まで(第三百二十五条の三第一項(第五号及び第六号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第三百二十五条の五第一項及び第三項から第五項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第三百二十五条の三第一項中「第二百九十九条第二項各号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項各号」と、「同条第一項」とあるのは「同条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次項、次条及び第三百二十五条の五において同じ。)」と、「第二百九十八条第一項各号」とあるのは「第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合に限る。)」と、「第三百一条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項」と、「第三百二条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百二条第一項」と、「第三百五条第一項」とあるのは「第三百五条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次条第四項において同じ。)」と、同条第二項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第三百二十五条の六までにおいて同じ。)」と、第三百二十五条の四第二項中「第二百九十九条第四項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第四項」と、「第二百九十九条第二項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項」と、「第二百九十八条第一項第五号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十八条第一項第五号」と、「同項第一号から第四号まで」とあるのは「第三百二十五条において準用する同項第一号から第四号まで」と、同条第三項中「第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項及び第三百二条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 株主総会以外の機関の設置 (株主総会以外の機関の設置) 第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。 2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。 (取締役会等の設置義務等) 第三百二十七条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。 一 公開会社 二 監査役会設置会社 三 監査等委員会設置会社 四 指名委員会等設置会社 2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。 5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。 6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。 (社外取締役の設置義務) 第三百二十七条の二 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならない。 (大会社における監査役会等の設置義務) 第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。 2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。 第三節 役員及び会計監査人の選任及び解任 第一款 選任 (選任) 第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。 2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。 3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (株式会社と役員等との関係) 第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (取締役の資格等) 第三百三十一条 次に掲げる者は、取締役となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一項第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。 3 監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。 5 取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。 6 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。 第三百三十一条の二 成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした取締役の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (取締役の任期) 第三百三十二条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 4 監査等委員である取締役の任期については、第一項ただし書の規定は、適用しない。 5 第一項本文の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 6 指名委員会等設置会社の取締役についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 7 前各項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 三 その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。) (会計参与の資格等) 第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。 2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。 一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者 (会計参与の任期) 第三百三十四条 第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。 2 前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (監査役の資格等) 第三百三十五条 第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。 2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。 (監査役の任期) 第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 4 前三項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 三 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 四 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 (会計監査人の資格等) 第三百三十七条 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第三百三十八条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 第二款 解任 (解任) 第三百三十九条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監査役等による会計監査人の解任) 第三百四十条 監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。 4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。 5 監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 6 指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 第三款 選任及び解任の手続に関する特則 (役員の選任及び解任の株主総会の決議) 第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (累積投票による取締役の選任) 第三百四十二条 株主総会の目的である事項が二人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、株式会社に対し、第三項から第五項までに規定するところにより取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の株主総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第三百八条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、取締役の選任の決議については、株主は、その有する株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の株式)につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 6 前条の規定は、前三項に規定するところにより選任された取締役の解任の決議については、適用しない。 (監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十二条の二 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監査等委員である取締役を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任について監査等委員会の意見を述べることができる。 (監査役の選任に関する監査役の同意等) 第三百四十三条 取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。 4 第三百四十一条の規定は、監査役の解任の決議については、適用しない。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第三百四十四条 監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。 2 監査役が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 (監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等) 第三百四十四条の二 取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。 2 監査等委員会は、取締役に対し、監査等委員である取締役の選任を株主総会の目的とすること又は監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 第三百四十一条の規定は、監査等委員である取締役の解任の決議については、適用しない。 (会計参与等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十五条 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は監査役について、前二項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。 5 第一項の規定は会計監査人について、第二項及び第三項の規定は会計監査人を辞任した者及び第三百四十条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。 8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。 (種類株主総会における取締役又は監査役の選任等) 第三百四十七条 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十二条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十四条の二第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十二条第一項及び第三百三十九条第一項中「株主総会の決議」とあるのは「株主総会(第四十一条第一項の規定により又は第九十条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)については、当該取締役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該取締役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))の決議」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項及び第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十四条の二第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 2 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十三条第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(監査役については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により又は第九十条第二項において準用する同条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された監査役については、当該監査役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該監査役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十三条第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 第四節 取締役 (業務の執行) 第三百四十八条 取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、取締役は、次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 五 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 4 大会社においては、取締役は、前項第四号に掲げる事項を決定しなければならない。 (業務の執行の社外取締役への委託) 第三百四十八条の二 株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 2 指名委員会等設置会社と執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他執行役が指名委員会等設置会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該指名委員会等設置会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該指名委員会等設置会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 3 前二項の規定により委託された業務の執行は、第二条第十五号イに規定する株式会社の業務の執行に該当しないものとする。 ただし、社外取締役が業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の指揮命令により当該委託された業務を執行したときは、この限りでない。 (株式会社の代表) 第三百四十九条 取締役は、株式会社を代表する。 ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。 3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。 4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第三百五十条 株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表取締役に欠員を生じた場合の措置) 第三百五十一条 代表取締役が欠けた場合又は定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表取締役は、新たに選定された代表取締役(次項の一時代表取締役の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表取締役としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表取締役の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表取締役の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (取締役の職務を代行する者の権限) 第三百五十二条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百五十三条 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、株式会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができる。 (表見代表取締役) 第三百五十四条 株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (取締役の報告義務) 第三百五十七条 取締役は、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第三百五十八条 株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、次に掲げる株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 一 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 二 発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社及び検査役の選任の申立てをした株主に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百五十九条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (株主による取締役の行為の差止め) 第三百六十条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (取締役の報酬等) 第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容 2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。 4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。 5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。 6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。 7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。 ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。 一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの 二 監査等委員会設置会社 第五節 取締役会 第一款 権限等 (取締役会の権限等) 第三百六十二条 取締役会は、すべての取締役で組織する。 2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役会設置会社の業務執行の決定 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。 (取締役会設置会社の取締役の権限) 第三百六十三条 次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。 一 代表取締役 二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの 2 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 (取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百六十四条 第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。 (競業及び取締役会設置会社との取引等の制限) 第三百六十五条 取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 2 取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百六十六条 取締役会は、各取締役が招集する。 ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。 (株主による招集の請求) 第三百六十七条 取締役会設置会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った株主は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる。 (招集手続) 第三百六十八条 取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (取締役会の決議) 第三百六十九条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。 3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (取締役会の決議の省略) 第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。 2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。 (取締役会への報告の省略) 第三百七十二条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、適用しない。 3 指名委員会等設置会社についての前二項の規定の適用については、第一項中「監査役又は会計監査人」とあるのは「会計監査人又は執行役」と、「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「取締役」と、前項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百十七条第四項」とする。 (特別取締役による取締役会の決議) 第三百七十三条 第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。 一 取締役の数が六人以上であること。 二 取締役のうち一人以上が社外取締役であること。 2 前項の規定による特別取締役による議決の定めがある場合には、特別取締役以外の取締役は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することを要しない。 この場合における第三百六十六条第一項本文及び第三百六十八条の規定の適用については、第三百六十六条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各特別取締役(第三百七十三条第一項に規定する特別取締役をいう。第三百六十八条において同じ。)」と、第三百六十八条第一項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各特別取締役」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「特別取締役及び」とする。 3 特別取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければならない。 4 第三百六十六条(第一項本文を除く。)、第三百六十七条、第三百六十九条第一項、第三百七十条及び第三百九十九条の十四の規定は、第二項の取締役会については、適用しない。 第六節 会計参与 (会計参与の権限) 第三百七十四条 会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。 この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。 2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。 6 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。 (会計参与の報告義務) 第三百七十五条 会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。 (取締役会への出席) 第三百七十六条 取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は、第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。 この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 会計参与設置会社において、前項の取締役会を招集する者は、当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各会計参与に対してその通知を発しなければならない。 3 会計参与設置会社において、第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは、会計参与の全員の同意を得なければならない。 (株主総会における意見の陳述) 第三百七十七条 第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。 2 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役」とする。 (会計参与による計算書類等の備置き等) 第三百七十八条 会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 (会計参与の報酬等) 第三百七十九条 会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 会計参与が二人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定める。 3 会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十条 会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該会計参与設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七節 監査役 (監査役の権限) 第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。 この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (取締役への報告義務) 第三百八十二条 監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。 (取締役会への出席義務等) 第三百八十三条 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。 2 監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。 4 前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 (監査役による取締役の行為の差止め) 第三百八十五条 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百八十六条 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合 二 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第三号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合 三 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第四号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合 2 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監査役設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 三 株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第三号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (監査役の報酬等) 第三百八十七条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。 3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十八条 監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (定款の定めによる監査範囲の限定) 第三百八十九条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 3 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 4 第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 5 第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 6 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。 7 第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。 第八節 監査役会 第一款 権限等 第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。 2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。 ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。 一 監査報告の作成 二 常勤の監査役の選定及び解職 三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定 3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。 4 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十一条 監査役会は、各監査役が招集する。 (招集手続) 第三百九十二条 監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (監査役会の決議) 第三百九十三条 監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。 2 監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十四条 監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査役会への報告の省略) 第三百九十五条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。 第九節 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第三百九十六条 会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者 三 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 6 指名委員会等設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。 (監査役に対する報告) 第三百九十七条 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。 2 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 (定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 第三百九十八条 第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会又は監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与) 第三百九十九条 取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。 第九節の二 監査等委員会 第一款 権限等 (監査等委員会の権限等) 第三百九十九条の二 監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。 2 監査等委員は、取締役でなければならない。 3 監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 三 第三百四十二条の二第四項及び第三百六十一条第六項に規定する監査等委員会の意見の決定 4 監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査等委員会による調査) 第三百九十九条の三 監査等委員会が選定する監査等委員は、いつでも、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は監査等委員会設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査等委員会が選定する監査等委員は、監査等委員会の職務を執行するため必要があるときは、監査等委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査等委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査等委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第三百九十九条の四 監査等委員は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百九十九条の五 監査等委員は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものについて法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その旨を株主総会に報告しなければならない。 (監査等委員による取締役の行為の差止め) 第三百九十九条の六 監査等委員は、取締役が監査等委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査等委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査等委員会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百九十九条の七 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて監査等委員会設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査等委員会が選定する監査等委員 2 前項の規定にかかわらず、取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査等委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該監査等委員会設置会社に対して効力を有する。 3 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査等委員が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員会設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査等委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 監査等委員会設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査等委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十九条の八 監査等委員会は、各監査等委員が招集する。 (招集手続等) 第三百九十九条の九 監査等委員会を招集するには、監査等委員は、監査等委員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査等委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査等委員会は、監査等委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)は、監査等委員会の要求があったときは、監査等委員会に出席し、監査等委員会が求めた事項について説明をしなければならない。 (監査等委員会の決議) 第三百九十九条の十 監査等委員会の決議は、議決に加わることができる監査等委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する監査等委員は、議決に加わることができない。 3 監査等委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査等委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 監査等委員会の決議に参加した監査等委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十九条の十一 監査等委員会設置会社は、監査等委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査等委員会設置会社の債権者が取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査等委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査等委員会への報告の省略) 第三百九十九条の十二 取締役、会計参与又は会計監査人が監査等委員の全員に対して監査等委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査等委員会へ報告することを要しない。 第三款 監査等委員会設置会社の取締役会の権限等 (監査等委員会設置会社の取締役会の権限) 第三百九十九条の十三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第一項の規定による委託 七 第三百六十一条第七項の規定による同項の事項の決定 八 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項の承認 九 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 十 第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定 十一 前項第六号に掲げる事項 十二 補償契約(第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。第四百十六条第四項第十四号において同じ。)の内容の決定 十三 役員等賠償責任保険契約(第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。第四百十六条第四項第十五号において同じ。)の内容の決定 十四 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十五 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十六 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十七 合併契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十八 吸収分割契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 新設分割計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 株式交換契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 株式移転計画の内容の決定 二十二 株式交付計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。 (監査等委員会による取締役会の招集) 第三百九十九条の十四 監査等委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる。 第十節 指名委員会等及び執行役 第一款 委員の選定、執行役の選任等 (委員の選定等) 第四百条 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。 2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。 3 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。 4 監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。 (委員の解職等) 第四百一条 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 2 前条第一項に規定する各委員会の委員の員数(定款で四人以上の員数を定めたときは、その員数)が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した委員は、新たに選定された委員(次項の一時委員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお委員としての権利義務を有する。 3 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時委員の職務を行うべき者を選任することができる。 4 裁判所は、前項の一時委員の職務を行うべき者を選任した場合には、指名委員会等設置会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (執行役の選任等) 第四百二条 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。 2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。 3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。 4 第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は、執行役について準用する。 5 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。 6 執行役は、取締役を兼ねることができる。 7 執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。 8 前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (執行役の解任等) 第四百三条 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、指名委員会等設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 3 第四百一条第二項から第四項までの規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。 第二款 指名委員会等の権限等 (指名委員会等の権限等) 第四百四条 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。 2 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 3 報酬委員会は、第三百六十一条第一項並びに第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。 執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。 4 委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査委員会による調査) 第四百五条 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第四百六条 監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (監査委員による執行役等の行為の差止め) 第四百七条 監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第四百八条 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が指名委員会等設置会社を代表する。 一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて指名委員会等設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員 2 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該指名委員会等設置会社に対して効力を有する。 3 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。 一 指名委員会等設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 指名委員会等設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (報酬委員会による報酬の決定の方法等) 第四百九条 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。 2 報酬委員会は、第四百四条第三項の規定による決定をするには、前項の方針に従わなければならない。 3 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の個人別の報酬等とする場合には、その内容として、当該各号に定める事項について決定しなければならない。 ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第一号に掲げるものでなければならない。 一 額が確定しているもの 個人別の額 二 額が確定していないもの 個人別の具体的な算定方法 三 当該株式会社の募集株式 当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 四 当該株式会社の募集新株予約権 当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 五 次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭 当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 執行役等が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 執行役等が引き受ける当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 六 金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。) 個人別の具体的な内容 第三款 指名委員会等の運営 (招集権者) 第四百十条 指名委員会等は、当該指名委員会等の各委員が招集する。 (招集手続等) 第四百十一条 指名委員会等を招集するには、その委員は、指名委員会等の日の一週間(これを下回る期間を取締役会で定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該指名委員会等の各委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、指名委員会等は、当該指名委員会等の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 執行役等は、指名委員会等の要求があったときは、当該指名委員会等に出席し、当該指名委員会等が求めた事項について説明をしなければならない。 (指名委員会等の決議) 第四百十二条 指名委員会等の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。 3 指名委員会等の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 指名委員会等の決議に参加した委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第四百十三条 指名委員会等設置会社は、指名委員会等の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 指名委員会等設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 4 前項の規定は、指名委員会等設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 5 裁判所は、第三項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該指名委員会等設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の許可をすることができない。 (指名委員会等への報告の省略) 第四百十四条 執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して指名委員会等に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を指名委員会等へ報告することを要しない。 第四款 指名委員会等設置会社の取締役の権限等 (指名委員会等設置会社の取締役の権限) 第四百十五条 指名委員会等設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、指名委員会等設置会社の業務を執行することができない。 (指名委員会等設置会社の取締役会の権限) 第四百十六条 指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項 ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役 ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 執行役等の職務の執行の監督 2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第二項の規定による委託 七 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認 八 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 九 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職 十 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任 十一 第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定 十二 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職 十三 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 十四 補償契約の内容の決定 十五 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 十六 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十七 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十八 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十二 株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十三 株式移転計画の内容の決定 二十四 株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 (指名委員会等設置会社の取締役会の運営) 第四百十七条 指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。 2 執行役は、前条第一項第一号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 この場合において、当該請求があった日から五日以内に、当該請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締役会を招集することができる。 3 指名委員会等がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該指名委員会等の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 4 執行役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 この場合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。 5 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければならない。 第五款 執行役の権限等 (執行役の権限) 第四百十八条 執行役は、次に掲げる職務を行う。 一 第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定 二 指名委員会等設置会社の業務の執行 (執行役の監査委員に対する報告義務等) 第四百十九条 執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。 2 第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとする。 3 第三百五十七条の規定は、指名委員会等設置会社については、適用しない。 (代表執行役) 第四百二十条 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。 この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。 2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 3 第三百四十九条第四項及び第五項の規定は代表執行役について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第四百一条第二項から第四項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。 (表見代表執行役) 第四百二十一条 指名委員会等設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他指名委員会等設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (株主による執行役の行為の差止め) 第四百二十二条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 第十一節 役員等の損害賠償責任 (役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役 二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役 三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。) 4 前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。 (株式会社に対する損害賠償責任の免除) 第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。 一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表取締役又は代表執行役 六 ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四 ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二 二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。 当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。 5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。 この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。 (取締役等による免除に関する定款の定め) 第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 5 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 6 公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 7 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 8 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (取締役が自己のためにした取引に関する特則) 第四百二十八条 第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第四百三十条 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第四百三十条の二 株式会社が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該株式会社が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 株式会社は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該株式会社が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該株式会社に対して第四百二十三条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した株式会社が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 取締役会設置会社においては、補償契約に基づく補償をした取締役及び当該補償を受けた取締役は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 5 前項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、同項中「取締役会設置会社においては、補償契約」とあるのは、「補償契約」と読み替えるものとする。 6 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四百二十三条第三項並びに第四百二十八条第一項の規定は、株式会社と取締役又は執行役との間の補償契約については、適用しない。 7 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第四百三十条の三 株式会社が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 2 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四百二十三条第三項の規定は、株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、取締役又は執行役を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿等 第一款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (会計帳簿の提出命令) 第四百三十四条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第二款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会) 3 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の株主への提供) 第四百三十七条 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時株主総会への提出等) 第四百三十八条 次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置会社の特則) 第四百三十九条 会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (計算書類の公告) 第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。 (臨時計算書類) 第四百四十一条 株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。 一 臨時決算日における貸借対照表 二 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間に係る損益計算書 2 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社においては、臨時計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役又は会計監査人(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会及び会計監査人、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会及び会計監査人)の監査を受けなければならない。 3 取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 4 次の各号に掲げる株式会社においては、当該各号に定める臨時計算書類は、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、臨時計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社(いずれも取締役会設置会社を除く。) 第二項の監査を受けた臨時計算書類 二 取締役会設置会社 前項の承認を受けた臨時計算書類 三 前二号に掲げるもの以外の株式会社 第一項の臨時計算書類 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第四百四十二条 株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 株式会社は、次の各号に掲げる計算書類等の写しを、当該各号に定める期間、その支店に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 一 前項第一号に掲げる計算書類等 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間 二 前項第二号に掲げる計算書類等 同号の臨時計算書類を作成した日から三年間 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の計算書類等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (計算書類等の提出命令) 第四百四十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 連結計算書類 第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。 2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。 4 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。 5 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役会の承認を受けなければならない。 6 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前項の承認を受けた連結計算書類を提供しなければならない。 7 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。 一 取締役会設置会社である会計監査人設置会社 第五項の承認を受けた連結計算書類 二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第四項の監査を受けた連結計算書類 第三節 資本金の額等 第一款 総則 (資本金の額及び準備金の額) 第四百四十五条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。 5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (剰余金の額) 第四百四十六条 株式会社の剰余金の額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 資産の額 ロ 自己株式の帳簿価額の合計額 ハ 負債の額 ニ 資本金及び準備金の額の合計額 ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を控除して得た額 三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第一項第二号の額を除く。) 四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第四百四十八条第一項第二号の額を除く。) 五 最終事業年度の末日後に第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額 六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額 イ 第四百五十四条第一項第一号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。) ロ 第四百五十四条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額 ハ 第四百五十六条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額 七 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 第二款 資本金の額の減少等 第一目 資本金の額の減少等 (資本金の額の減少) 第四百四十七条 株式会社は、資本金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する資本金の額 二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額 三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (準備金の額の減少) 第四百四十八条 株式会社は、準備金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する準備金の額 二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額 三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (債権者の異議) 第四百四十九条 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。 ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。 一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。 二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金等の額の減少の内容 二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。 ただし、第二項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。 一 資本金の額の減少 第四百四十七条第一項第三号の日 二 準備金の額の減少 前条第一項第三号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。 第二目 資本金の額の増加等 (資本金の額の増加) 第四百五十条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 (準備金の額の増加) 第四百五十一条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 第三目 剰余金についてのその他の処分 第四百五十二条 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることができる。 この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならない。 第四節 剰余金の配当 (株主に対する剰余金の配当) 第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。 (剰余金の配当に関する事項の決定) 第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額 二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項 三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日 2 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 4 配当財産が金銭以外の財産であるときは、株式会社は、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めることができる。 ただし、第一号の期間の末日は、第一項第三号の日以前の日でなければならない。 一 株主に対して金銭分配請求権(当該配当財産に代えて金銭を交付することを株式会社に対して請求する権利をいう。以下この章において同じ。)を与えるときは、その旨及び金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 5 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る。以下この項において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合における中間配当についての第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 (金銭分配請求権の行使) 第四百五十五条 前条第四項第一号に規定する場合には、株式会社は、同号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた配当財産に代えて、当該配当財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該配当財産の価額とする。 一 当該配当財産が市場価格のある財産である場合 当該配当財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第四百五十六条 第四百五十四条第四項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第二項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた配当財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 (配当財産の交付の方法等) 第四百五十七条 配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭及び前条の規定により支払う金銭を含む。以下この条において同じ。)は、株主名簿に記載し、又は記録した株主(登録株式質権者を含む。以下この条において同じ。)の住所又は株主が株式会社に通知した場所(第三項において「住所等」という。)において、これを交付しなければならない。 2 前項の規定による配当財産の交付に要する費用は、株式会社の負担とする。 ただし、株主の責めに帰すべき事由によってその費用が増加したときは、その増加額は、株主の負担とする。 3 前二項の規定は、日本に住所等を有しない株主に対する配当財産の交付については、適用しない。 (適用除外) 第四百五十八条 第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。 第五節 剰余金の配当等を決定する機関の特則 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め) 第四百五十九条 会計監査人設置会社(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役以外の取締役)の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。 一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項 二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項 三 第四百五十二条後段の事項 四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。 ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。 (株主の権利の制限) 第四百六十条 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 第六節 剰余金の配当等に関する責任 (配当等の制限) 第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 四 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 五 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 七 第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り 八 剰余金の配当 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。 一 剰余金の額 二 臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額 イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 三 自己株式の帳簿価額 四 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 五 第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 六 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (剰余金の配当等に関する責任) 第四百六十二条 前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。 一 前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) 二 前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 三 前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役 四 前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 五 前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 六 前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。 3 第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。 ただし、前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。 (株主に対する求償権の制限等) 第四百六十三条 前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (買取請求に応じて株式を取得した場合の責任) 第四百六十四条 株式会社が第百十六条第一項又は第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。 ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (欠損が生じた場合の責任) 第四百六十五条 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号、第四号及び第六号に掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当該各号に定める額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 四 第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 五 第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 六 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 七 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 八 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 九 次のイ又はロに掲げる規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより当該イ又はロに定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 イ 第二百三十四条第四項 同条第一項各号に定める者 ロ 第二百三十五条第二項において準用する第二百三十四条第四項 株主 十 剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く。) 当該剰余金の配当についての第四百四十六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額 イ 定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当 ロ 第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 ハ 第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第六章 定款の変更 第四百六十六条 株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七章 事業の譲渡等 (事業譲渡等の承認等) 第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 二の二 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該株式会社が、効力発生日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け 四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約 五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。 ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。 イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項第三号に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会社の株式が含まれるときは、取締役は、同項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 (事業譲渡等の承認を要しない場合) 第四百六十八条 前条の規定は、同条第一項第一号から第四号までに掲げる行為(以下この章において「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しない。 2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないときは、適用しない。 一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に前条第一項第三号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第四百六十九条 事業譲渡等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。 二 前条第二項に規定する場合(同条第三項に規定する場合を除く。) 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 事業譲渡等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該事業譲渡等に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該事業譲渡等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、事業譲渡等をする旨(第四百六十七条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第三号に掲げる行為をする旨及び同条第二項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合 二 事業譲渡等をする株式会社が第四百六十七条第一項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この章において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 事業譲渡等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第四百七十条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 第一項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 第一項の株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第八章 解散 (解散の事由) 第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判 (休眠会社のみなし解散) 第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (株式会社の継続) 第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。 (解散した株式会社の合併等の制限) 第四百七十四条 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第九章 清算 第一節 総則 第一款 清算の開始 (清算の開始原因) 第四百七十五条 株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算株式会社の能力) 第四百七十六条 前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二款 清算株式会社の機関 第一目 株主総会以外の機関の設置 第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。 3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。 4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならない。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社であって、前項の規定の適用があるものにおいては、監査等委員である取締役が監査役となる。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社であって、第四項の規定の適用があるものにおいては、監査委員が監査役となる。 7 第四章第二節の規定は、清算株式会社については、適用しない。 第二目 清算人の就任及び解任並びに監査役の退任 (清算人の就任) 第四百七十八条 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。 一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 株主総会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。 7 第三百三十五条第三項の規定にかかわらず、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算株式会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 一 その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 三 第二条第十六号ハからホまでに掲げる要件 8 第三百三十条、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は清算人について、第三百三十一条第五項の規定は清算人会設置会社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第四百七十九条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該清算株式会社である株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 3 公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監査役の退任) 第四百八十条 清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 2 第三百三十六条の規定は、清算株式会社の監査役については、適用しない。 第三目 清算人の職務等 (清算人の職務) 第四百八十一条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第四百八十二条 清算人は、清算株式会社(清算人会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第三百五十三条から第三百五十七条(第三項を除く。)まで、第三百六十条並びに第三百六十一条第一項及び第四項の規定は、清算人(同条の規定については、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「第四百八十三条第六項において準用する第三百四十九条第四項」と、第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表清算人(第四百八十三条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第三百六十条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と読み替えるものとする。 (清算株式会社の代表) 第四百八十三条 清算人は、清算株式会社を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算株式会社を代表する。 3 清算株式会社(清算人会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は株主総会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第四百七十八条第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる。 5 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 第三百四十九条第四項及び第五項並びに第三百五十一条の規定は代表清算人について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算株式会社についての破産手続の開始) 第四百八十四条 清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算株式会社が既に債権者に支払い、又は株主に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第四百八十五条 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算株式会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任) 第四百八十六条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人 二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第四百八十七条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 二 第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 虚偽の登記 四 虚偽の公告 (清算人及び監査役の連帯責任) 第四百八十八条 清算人又は監査役が清算株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第四百三十条の規定は、適用しない。 第四目 清算人会 (清算人会の権限等) 第四百八十九条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置会社の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第四百八十三条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第四百八十三条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置会社の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置会社の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第三百六十三条第二項、第三百六十四条及び第三百六十五条の規定は、清算人会設置会社について準用する。 この場合において、第三百六十三条第二項中「前項各号」とあるのは「第四百八十九条第七項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会」とあるのは「清算人会」と、第三百六十四条中「第三百五十三条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十三条」と、「取締役会は」とあるのは「清算人会は」と、第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条」と、「「取締役会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第四百九十条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第三百六十七条及び第三百六十八条の規定は、清算人会設置会社における清算人会の招集について準用する。 この場合において、第三百六十七条第一項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、「取締役が」とあるのは「清算人が」と、同条第二項中「取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)」とあるのは「清算人(第四百九十条第一項ただし書に規定する場合にあっては、同条第二項に規定する招集権者)」と、同条第三項及び第四項中「前条第三項」とあるのは「第四百九十条第三項」と、第三百六十八条第一項中「各取締役」とあるのは「各清算人」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と読み替えるものとする。 5 第三百六十九条から第三百七十一条までの規定は、清算人会設置会社における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第三百六十九条第一項中「取締役の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「取締役」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第五項中「取締役であって」とあるのは「清算人であって」と、第三百七十条中「取締役が」とあるのは「清算人が」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、第三百七十一条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、同条第四項中「役員又は執行役」とあるのは「清算人又は監査役」と読み替えるものとする。 6 第三百七十二条第一項及び第二項の規定は、清算人会設置会社における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「取締役、会計参与、監査役又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監査役」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第二項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百八十九条第八項において準用する第三百六十三条第二項」と読み替えるものとする。 第五目 取締役等に関する規定の適用 第四百九十一条 清算株式会社については、第二章(第百五十五条を除く。)、第三章、第四章第一節、第三百三十五条第二項、第三百四十三条第一項及び第二項、第三百四十五条第四項において準用する同条第三項、第三百五十九条、同章第七節及び第八節並びに第七章の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は取締役会設置会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に関する規定として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に適用があるものとする。 第三款 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第四百九十二条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第四百九十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第四百九十四条 清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算株式会社は、第一項の貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第四百九十五条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置会社においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第四百九十六条 清算株式会社は、第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、定時株主総会の日の一週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、その本店に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 清算株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該清算株式会社の貸借対照表等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (貸借対照表等の定時株主総会への提出等) 第四百九十七条 次の各号に掲げる清算株式会社においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百九十五条第一項に規定する監査役設置会社(清算人会設置会社を除く。) 同項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置会社 第四百九十五条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算株式会社 第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第四百九十八条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第四百九十四条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四款 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第五百一条 清算株式会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算株式会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第五百二条 清算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第五百三条 清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算株式会社の残余財産を株主の一部に分配した場合には、当該株主の受けた分配と同一の割合の分配を当該株主以外の株主に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五款 残余財産の分配 (残余財産の分配に関する事項の決定) 第五百四条 清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 残余財産の種類 二 株主に対する残余財産の割当てに関する事項 2 前項に規定する場合において、残余財産の分配について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、清算株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、残余財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該清算株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 (残余財産が金銭以外の財産である場合) 第五百五条 株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権(当該残余財産に代えて金銭を交付することを清算株式会社に対して請求する権利をいう。以下この条において同じ。)を有する。 この場合において、清算株式会社は、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 2 前項に規定する場合には、清算株式会社は、同項第一号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 3 清算株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた残余財産に代えて、当該残余財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該残余財産の価額とする。 一 当該残余財産が市場価格のある財産である場合 当該残余財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 清算株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第五百六条 前条第一項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、清算株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第三項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた残余財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 第六款 清算事務の終了等 第五百七条 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 第七款 帳簿資料の保存 第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 第八款 適用除外等 第五百九条 次に掲げる規定は、清算株式会社については、適用しない。 一 第百五十五条 二 第五章第二節第二款(第四百三十五条第四項、第四百四十条第三項、第四百四十二条及び第四百四十三条を除く。)及び第三款並びに第三節から第五節まで 三 第五編第四章及び第四章の二並びに同編第五章中株式交換、株式移転及び株式交付の手続に係る部分 2 第二章第四節の二の規定は、対象会社が清算株式会社である場合には、適用しない。 3 清算株式会社は、無償で取得する場合その他法務省令で定める場合に限り、当該清算株式会社の株式を取得することができる。 第二節 特別清算 第一款 特別清算の開始 (特別清算開始の原因) 第五百十条 裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づき、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。 一 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。 二 債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること。 (特別清算開始の申立て) 第五百十一条 債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。 2 清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。 (他の手続の中止命令等) 第五百十二条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続又は第三号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。 一 清算株式会社についての破産手続 二 清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。) 三 清算株式会社の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第五百十八条の二及び第五百七十一条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(第五百十五条第一項において「外国租税滞納処分」という。) 2 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と同様とする。 (特別清算開始の申立ての取下げの制限) 第五百十三条 特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 (特別清算開始の命令) 第五百十四条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。 一 特別清算の手続の費用の予納がないとき。 二 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。 四 不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 (他の手続の中止等) 第五百十五条 特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)若しくは第三者からの情報取得手続(同法第二百五条第一項第一号、第二百六条第一項又は第二百七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続(破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え及び仮処分の手続並びに外国租税滞納処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続については、この限りでない。 2 特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続又は処分は、特別清算の手続の関係においては、その効力を失う。 3 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第五百十六条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。 (相殺の禁止) 第五百十七条 協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。 二 支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第五百十八条 清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約 (共助対象外国租税債権者の手続参加) 第五百十八条の二 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。 第二款 裁判所による監督及び調査 (裁判所による監督) 第五百十九条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。 3 前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。 (裁判所による調査) 第五百二十条 裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。 (裁判所への財産目録等の提出) 第五百二十一条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。 ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (調査命令) 第五百二十二条 裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。 一 特別清算開始に至った事情 二 清算株式会社の業務及び財産の状況 三 第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 四 第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 五 第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。 六 その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの 2 清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定による留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、前項の債権の額に算入しない。 3 公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 第三款 清算人 (清算人の公平誠実義務) 第五百二十三条 特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。 (清算人の解任等) 第五百二十四条 裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。 2 清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。 3 清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。 (清算人代理) 第五百二十五条 清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。 2 前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (清算人の報酬等) 第五百二十六条 清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定は、清算人代理について準用する。 第四款 監督委員 (監督委員の選任等) 第五百二十七条 裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。 2 法人は、監督委員となることができる。 (監督委員に対する監督等) 第五百二十八条 監督委員は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。 (二人以上の監督委員の職務執行) 第五百二十九条 監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 (監督委員による調査等) 第五百三十条 監督委員は、いつでも、清算株式会社の清算人及び監査役並びに支配人その他の使用人に対し、事業の報告を求め、又は清算株式会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 2 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、清算株式会社の子会社に対し、事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (監督委員の注意義務) 第五百三十一条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 (監督委員の報酬等) 第五百三十二条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 監督委員は、その選任後、清算株式会社に対する債権又は清算株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。 3 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。 第五款 調査委員 (調査委員の選任等) 第五百三十三条 裁判所は、調査命令をする場合には、当該調査命令において、一人又は二人以上の調査委員を選任し、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければならない。 (監督委員に関する規定の準用) 第五百三十四条 前款(第五百二十七条第一項及び第五百二十九条ただし書を除く。)の規定は、調査委員について準用する。 第六款 清算株式会社の行為の制限等 (清算株式会社の行為の制限) 第五百三十五条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されているときは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。 一 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。) 二 借財 三 訴えの提起 四 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 五 権利の放棄 六 その他裁判所の指定する行為 2 前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 3 第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (事業の譲渡の制限等) 第五百三十六条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 三 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 2 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 3 第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。 (債務の弁済の制限) 第五百三十七条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。 (換価の方法) 第五百三十八条 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産の換価をすることができる。 この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。 2 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」という。)は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第五百三十九条 担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 第七款 清算の監督上必要な処分等 (清算株式会社の財産に関する保全処分) 第五百四十条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 3 裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (株主名簿の記載等の禁止) 第五百四十一条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の財産に対する保全処分) 第五百四十二条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の責任の免除の禁止) 第五百四十三条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止の処分をすることができる。 (役員等の責任の免除の取消し) 第五百四十四条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。 不正の目的によってした対象役員等の責任の免除についても、同様とする。 2 前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。 3 第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使することができない。 当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第五百四十五条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。 2 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 3 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 4 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了したときは、終了する。 第八款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第五百四十六条 債権者集会は、特別清算の実行上必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 債権者集会は、次条第三項の規定により招集する場合を除き、清算株式会社が招集する。 (債権者による招集の請求) 第五百四十七条 債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者の協定債権の総額の十分の一以上に当たる協定債権を有する協定債権者は、清算株式会社に対し、債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、債権者集会の招集を請求することができる。 2 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額は、前項の協定債権の額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした協定債権者は、裁判所の許可を得て、債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から六週間以内の日を債権者集会の日とする債権者集会の招集の通知が発せられない場合 (債権者集会の招集等の決定) 第五百四十八条 債権者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 債権者集会の日時及び場所 二 債権者集会の目的である事項 三 債権者集会に出席しない協定債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 清算株式会社が債権者集会を招集する場合には、当該清算株式会社は、各協定債権について債権者集会における議決権の行使の許否及びその額を定めなければならない。 3 清算株式会社以外の者が債権者集会を招集する場合には、その招集者は、清算株式会社に対し、前項に規定する事項を定めることを請求しなければならない。 この場合において、その請求があったときは、清算株式会社は、同項に規定する事項を定めなければならない。 4 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者は、その担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額については、議決権を有しない。 5 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権については、議決権を有しない。 (債権者集会の招集の通知) 第五百四十九条 債権者集会を招集するには、招集者は、債権者集会の日の二週間前までに、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者及び清算株式会社に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者であって一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有するものについて準用する。 (債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第五百五十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者に対し、当該協定債権者が有する協定債権について第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項及び議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(次項において「債権者集会参考書類」という。)並びに協定債権者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした協定債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、協定債権者の請求があったときは、これらの書類を当該協定債権者に交付しなければならない。 第五百五十一条 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、協定債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合において、第五百四十九条第二項の承諾をしていない協定債権者から債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該協定債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (債権者集会の指揮等) 第五百五十二条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 2 債権者集会を招集しようとするときは、招集者は、あらかじめ、第五百四十八条第一項各号に掲げる事項及び同条第二項又は第三項の規定により定められた事項を裁判所に届け出なければならない。 (異議を述べられた議決権の取扱い) 第五百五十三条 債権者集会において、第五百四十八条第二項又は第三項の規定により各協定債権について定められた事項について、当該協定債権を有する者又は他の協定債権者が異議を述べたときは、裁判所がこれを定める。 (債権者集会の決議) 第五百五十四条 債権者集会において決議をする事項を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者(議決権を行使することができる協定債権者をいう。以下この款及び次款において同じ。)の過半数の同意 二 出席した議決権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意 2 第五百五十八条第一項の規定によりその有する議決権の一部のみを前項の事項に同意するものとして行使した議決権者(その余の議決権を行使しなかったものを除く。)があるときの同項第一号の規定の適用については、当該議決権者一人につき、出席した議決権者の数に一を、同意をした議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。 3 債権者集会は、第五百四十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第五百五十五条 協定債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該協定債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第五百五十六条 債権者集会に出席しない協定債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五百五十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (議決権の不統一行使) 第五百五十八条 協定債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の協定債権者が他人のために協定債権を有する者でないときは、当該協定債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (担保権を有する債権者等の出席等) 第五百五十九条 債権者集会又は招集者は、次に掲げる債権者の出席を求め、その意見を聴くことができる。 この場合において、債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有する債権者 (延期又は続行の決議) 第五百六十条 債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第五百四十八条(第四項を除く。)及び第五百四十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五百六十一条 債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (清算人の調査結果等の債権者集会に対する報告) 第五百六十二条 特別清算開始の命令があった場合において、第四百九十二条第一項に規定する清算人が清算株式会社の財産の現況についての調査を終了して財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を作成したときは、清算株式会社は、遅滞なく、債権者集会を招集し、当該債権者集会に対して、清算株式会社の業務及び財産の状況の調査の結果並びに財産目録等の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みに関して意見を述べなければならない。 ただし、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法によりその報告すべき事項及び当該意見の内容を債権者に周知させることが適当であると認めるときは、この限りでない。 第九款 協定 (協定の申出) 第五百六十三条 清算株式会社は、債権者集会に対し、協定の申出をすることができる。 (協定の条項) 第五百六十四条 協定においては、協定債権者の権利(第五百二十二条第二項に規定する担保権を除く。)の全部又は一部の変更に関する条項を定めなければならない。 2 協定債権者の権利の全部又は一部を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準を定めなければならない。 (協定による権利の変更) 第五百六十五条 協定による権利の変更の内容は、協定債権者の間では平等でなければならない。 ただし、不利益を受ける協定債権者の同意がある場合又は少額の協定債権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他協定債権者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。 (担保権を有する債権者等の参加) 第五百六十六条 清算株式会社は、協定案の作成に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる債権者の参加を求めることができる。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を有する債権者 (協定の可決の要件) 第五百六十七条 第五百五十四条第一項の規定にかかわらず、債権者集会において協定を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者の過半数の同意 二 議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意 2 第五百五十四条第二項の規定は、前項第一号の規定の適用について準用する。 (協定の認可の申立て) 第五百六十八条 協定が可決されたときは、清算株式会社は、遅滞なく、裁判所に対し、協定の認可の申立てをしなければならない。 (協定の認可又は不認可の決定) 第五百六十九条 前条の申立てがあった場合には、裁判所は、次項の場合を除き、協定の認可の決定をする。 2 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、協定の不認可の決定をする。 一 特別清算の手続又は協定が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。 ただし、特別清算の手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。 二 協定が遂行される見込みがないとき。 三 協定が不正の方法によって成立するに至ったとき。 四 協定が債権者の一般の利益に反するとき。 (協定の効力発生の時期) 第五百七十条 協定は、認可の決定の確定により、その効力を生ずる。 (協定の効力範囲) 第五百七十一条 協定は、清算株式会社及びすべての協定債権者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。 2 協定は、第五百二十二条第二項に規定する債権者が有する同項に規定する担保権、協定債権者が清算株式会社の保証人その他清算株式会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び清算株式会社以外の者が協定債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。 3 協定の認可の決定が確定したときは、協定債権者の権利は、協定の定めに従い、変更される。 4 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての協定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (協定の内容の変更) 第五百七十二条 協定の実行上必要があるときは、協定の内容を変更することができる。 この場合においては、第五百六十三条から前条までの規定を準用する。 第十款 特別清算の終了 (特別清算終結の決定) 第五百七十三条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合には、清算人、監査役、債権者、株主又は調査委員の申立てにより、特別清算終結の決定をする。 一 特別清算が結了したとき。 二 特別清算の必要がなくなったとき。 (破産手続開始の決定) 第五百七十四条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。 一 協定の見込みがないとき。 二 協定の実行の見込みがないとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反するとき。 2 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。 一 協定が否決されたとき。 二 協定の不認可の決定が確定したとき。 3 前二項の規定により破産手続開始の決定があった場合における破産法第七十一条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第七十二条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第百六十条(第一項第一号を除く。)、第百六十二条(第一項第二号を除く。)、第百六十三条第二項、第百六十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六十六条並びに第百六十七条第二項(同法第百七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。 一 特別清算開始の申立ての前に特別清算開始の命令の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがある場合 当該破産手続開始の申立て 二 前号に掲げる場合以外の場合 特別清算開始の申立て 4 第一項又は第二項の規定により破産手続開始の決定があったときは、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権は、財団債権とする。 第三編 持分会社 第一章 設立 (定款の作成) 第五百七十五条 合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第五百七十六条 持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 社員の氏名又は名称及び住所 五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準 2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 第五百七十七条 前条に規定するもののほか、持分会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (合同会社の設立時の出資の履行) 第五百七十八条 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。 (持分会社の成立) 第五百七十九条 持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第二章 社員 第一節 社員の責任等 (社員の責任) 第五百八十条 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合 二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。) 2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員の抗弁) 第五百八十一条 社員が持分会社の債務を弁済する責任を負う場合には、社員は、持分会社が主張することができる抗弁をもって当該持分会社の債権者に対抗することができる。 2 前項に規定する場合において、持分会社がその債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって持分会社がその債務を免れるべき限度において、社員は、当該債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (社員の出資に係る責任) 第五百八十二条 社員が金銭を出資の目的とした場合において、その出資をすることを怠ったときは、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 2 社員が債権を出資の目的とした場合において、当該債権の債務者が弁済期に弁済をしなかったときは、当該社員は、その弁済をする責任を負う。 この場合においては、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (社員の責任を変更した場合の特則) 第五百八十三条 有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。 2 有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 3 無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。 4 前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (無限責任社員となることを許された未成年者の行為能力) 第五百八十四条 持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。 第二節 持分の譲渡等 (持分の譲渡) 第五百八十五条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 2 前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。 3 第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。 4 前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (持分の全部の譲渡をした社員の責任) 第五百八十六条 持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 第五百八十七条 持分会社は、その持分の全部又は一部を譲り受けることができない。 2 持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には、当該持分は、当該持分会社がこれを取得した時に、消滅する。 第三節 誤認行為の責任 (無限責任社員であると誤認させる行為等をした有限責任社員の責任) 第五百八十八条 合資会社の有限責任社員が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の有限責任社員がその責任の限度を誤認させる行為(前項の行為を除く。)をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員であると誤認させる行為をした者の責任) 第五百八十九条 合名会社又は合資会社の社員でない者が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合名会社又は合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の社員でない者が自己を有限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 第三章 管理 第一節 総則 (業務の執行) 第五百九十条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。 2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。 ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。 (業務を執行する社員を定款で定めた場合) 第五百九十一条 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。 この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。 4 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 5 前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。 6 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (社員の持分会社の業務及び財産状況に関する調査) 第五百九十二条 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、各社員は、持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況を調査することができる。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに同項の規定による調査をすることを制限する旨を定めることができない。 第二節 業務を執行する社員 (業務を執行する社員と持分会社との関係) 第五百九十三条 業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。 2 業務を執行する社員は、法令及び定款を遵守し、持分会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 3 業務を執行する社員は、持分会社又は他の社員の請求があるときは、いつでもその職務の執行の状況を報告し、その職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 4 民法第六百四十六条から第六百五十条までの規定は、業務を執行する社員と持分会社との関係について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条第一項、第六百四十八条第二項、第六百四十八条の二、第六百四十九条及び第六百五十条中「委任事務」とあるのは「その職務」と、同法第六百四十八条第三項第一号中「委任事務」とあり、及び同項第二号中「委任」とあるのは「前項の職務」と読み替えるものとする。 5 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (競業の禁止) 第五百九十四条 業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承認を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 持分会社の事業と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 業務を執行する社員が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定する。 (利益相反取引の制限) 第五百九十五条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。 二 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項各号の取引については、適用しない。 (業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任) 第五百九十六条 業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (業務を執行する有限責任社員の第三者に対する損害賠償責任) 第五百九十七条 業務を執行する有限責任社員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該有限責任社員は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が業務を執行する社員である場合の特則) 第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。 2 第五百九十三条から前条までの規定は、前項の規定により選任された社員の職務を行うべき者について準用する。 (持分会社の代表) 第五百九十九条 業務を執行する社員は、持分会社を代表する。 ただし、他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の業務を執行する社員が二人以上ある場合には、業務を執行する社員は、各自、持分会社を代表する。 3 持分会社は、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から持分会社を代表する社員を定めることができる。 4 持分会社を代表する社員は、持分会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (持分会社を代表する社員等の行為についての損害賠償責任) 第六百条 持分会社は、持分会社を代表する社員その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (持分会社と社員との間の訴えにおける会社の代表) 第六百一条 第五百九十九条第四項の規定にかかわらず、持分会社が社員に対し、又は社員が持分会社に対して訴えを提起する場合において、当該訴えについて持分会社を代表する者(当該社員を除く。)が存しないときは、当該社員以外の社員の過半数をもって、当該訴えについて持分会社を代表する者を定めることができる。 第六百二条 第五百九十九条第一項の規定にかかわらず、社員が持分会社に対して社員の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において、持分会社が当該請求の日から六十日以内に当該訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、当該訴えについて持分会社を代表することができる。 ただし、当該訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該持分会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 第三節 業務を執行する社員の職務を代行する者 第六百三条 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、持分会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、持分会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 第四章 社員の加入及び退社 第一節 社員の加入 (社員の加入) 第六百四条 持分会社は、新たに社員を加入させることができる。 2 持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる。 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となろうとする者が同項の定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、当該払込み又は給付を完了した時に、合同会社の社員となる。 (加入した社員の責任) 第六百五条 持分会社の成立後に加入した社員は、その加入前に生じた持分会社の債務についても、これを弁済する責任を負う。 第二節 社員の退社 (任意退社) 第六百六条 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。 この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第六百七条 社員は、前条、第六百九条第一項、第六百四十二条第二項及び第八百四十五条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡 四 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。) 七 後見開始の審判を受けたこと。 八 除名 2 持分会社は、その社員が前項第五号から第七号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる。 (相続及び合併の場合の特則) 第六百八条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。 2 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。 3 第一項の定款の定めがある場合には、持分会社は、同項の一般承継人が持分を承継した時に、当該一般承継人に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものであって、出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該出資に係る払込み又は給付の履行をする責任を負う。 5 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した持分についての権利を行使する者一人を定めなければ、当該持分についての権利を行使することができない。 ただし、持分会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (持分の差押債権者による退社) 第六百九条 社員の持分を差し押さえた債権者は、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができる。 この場合においては、当該債権者は、六箇月前までに持分会社及び当該社員にその予告をしなければならない。 2 前項後段の予告は、同項の社員が、同項の債権者に対し、弁済し、又は相当の担保を提供したときは、その効力を失う。 3 第一項後段の予告をした同項の債権者は、裁判所に対し、持分の払戻しの請求権の保全に関し必要な処分をすることを申し立てることができる。 (退社に伴う定款のみなし変更) 第六百十条 第六百六条、第六百七条第一項、前条第一項又は第六百四十二条第二項の規定により社員が退社した場合(第八百四十五条の規定により社員が退社したものとみなされる場合を含む。)には、持分会社は、当該社員が退社した時に、当該社員に係る定款の定めを廃止する定款の変更をしたものとみなす。 (退社に伴う持分の払戻し) 第六百十一条 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。 ただし、第六百八条第一項及び第二項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。 2 退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。 3 退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 4 退社の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 5 社員が除名により退社した場合における第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「退社の時」とあるのは、「除名の訴えを提起した時」とする。 6 前項に規定する場合には、持分会社は、除名の訴えを提起した日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 7 社員の持分の差押えは、持分の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 (退社した社員の責任) 第六百十二条 退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (商号変更の請求) 第六百十三条 持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第六百十四条 持分会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第六百十五条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 持分会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の提出命令) 第六百十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三節 計算書類 (計算書類の作成及び保存) 第六百十七条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。 3 計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 持分会社は、計算書類を作成した時から十年間、これを保存しなければならない。 (計算書類の閲覧等) 第六百十八条 持分会社の社員は、当該持分会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 計算書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 計算書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時に同項各号に掲げる請求をすることを制限する旨を定めることができない。 (計算書類の提出命令) 第六百十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 資本金の額の減少 第六百二十条 持分会社は、損失のてん補のために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により減少する資本金の額は、損失の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えることができない。 第五節 利益の配当 (利益の配当) 第六百二十一条 社員は、持分会社に対し、利益の配当を請求することができる。 2 持分会社は、利益の配当を請求する方法その他の利益の配当に関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、利益の配当を請求する権利に対しても、その効力を有する。 (社員の損益分配の割合) 第六百二十二条 損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失の一方についてのみ分配の割合についての定めを定款で定めたときは、その割合は、利益及び損失の分配に共通であるものと推定する。 (有限責任社員の利益の配当に関する責任) 第六百二十三条 持分会社が利益の配当により有限責任社員に対して交付した金銭等の帳簿価額(以下この項において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額(持分会社の利益の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この章において同じ。)を超える場合には、当該利益の配当を受けた有限責任社員は、当該持分会社に対し、連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 2 前項に規定する場合における同項の利益の配当を受けた有限責任社員についての第五百八十条第二項の規定の適用については、同項中「を限度として」とあるのは、「及び第六百二十三条第一項の配当額が同項の利益額を超過する額(同項の義務を履行した額を除く。)の合計額を限度として」とする。 第六節 出資の払戻し 第六百二十四条 社員は、持分会社に対し、既に出資として払込み又は給付をした金銭等の払戻し(以下この編において「出資の払戻し」という。)を請求することができる。 この場合において、当該金銭等が金銭以外の財産であるときは、当該財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求することを妨げない。 2 持分会社は、出資の払戻しを請求する方法その他の出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、出資の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 第七節 合同会社の計算等に関する特則 第一款 計算書類の閲覧に関する特則 第六百二十五条 合同会社の債権者は、当該合同会社の営業時間内は、いつでも、その計算書類(作成した日から五年以内のものに限る。)について第六百十八条第一項各号に掲げる請求をすることができる。 第二款 資本金の額の減少に関する特則 (出資の払戻し又は持分の払戻しを行う場合の資本金の額の減少) 第六百二十六条 合同会社は、第六百二十条第一項の場合のほか、出資の払戻し又は持分の払戻しのために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により出資の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十二条第二項に規定する出資払戻額から出資の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 3 第一項の規定により持分の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十五条第一項に規定する持分払戻額から持分の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 4 前二項に規定する「剰余金額」とは、第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(第四款及び第五款において同じ。)。 一 資産の額 二 負債の額 三 資本金の額 四 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (債権者の異議) 第六百二十七条 合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金の額の減少の内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 資本金の額の減少は、前各項の手続が終了した日に、その効力を生ずる。 第三款 利益の配当に関する特則 (利益の配当の制限) 第六百二十八条 合同会社は、利益の配当により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十一条第一項の規定による請求を拒むことができる。 (利益の配当に関する責任) 第六百二十九条 合同会社が前条の規定に違反して利益の配当をした場合には、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、利益の配当をした日における利益額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十条 前条第一項に規定する場合において、利益の配当を受けた社員は、配当額が利益の配当をした日における利益額を超えることにつき善意であるときは、当該配当額について、当該利益の配当に関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、利益の配当を受けた社員に対し、配当額(当該配当額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 3 第六百二十三条第二項の規定は、合同会社の社員については、適用しない。 (欠損が生じた場合の責任) 第六百三十一条 合同会社が利益の配当をした場合において、当該利益の配当をした日の属する事業年度の末日に欠損額(合同会社の欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、その欠損額(当該欠損額が配当額を超えるときは、当該配当額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 第四款 出資の払戻しに関する特則 (出資の払戻しの制限) 第六百三十二条 第六百二十四条第一項の規定にかかわらず、合同会社の社員は、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、同項前段の規定による請求をすることができない。 2 合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「出資払戻額」という。)が、第六百二十四条第一項前段の規定による請求をした日における剰余金額(第六百二十六条第一項の資本金の額の減少をした場合にあっては、その減少をした後の剰余金額。以下この款において同じ。)又は前項の出資の価額を減少した額のいずれか少ない額を超える場合には、当該出資の払戻しをすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十四条第一項前段の規定による請求を拒むことができる。 (出資の払戻しに関する社員の責任) 第六百三十三条 合同会社が前条の規定に違反して出資の払戻しをした場合には、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該出資の払戻しを受けた社員と連帯して、当該出資払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、出資の払戻しをした日における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十四条 前条第一項に規定する場合において、出資の払戻しを受けた社員は、出資払戻額が出資の払戻しをした日における剰余金額を超えることにつき善意であるときは、当該出資払戻額について、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、出資の払戻しを受けた社員に対し、出資払戻額(当該出資払戻額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 第五款 退社に伴う持分の払戻しに関する特則 (債権者の異議) 第六百三十五条 合同会社が持分の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「持分払戻額」という。)が当該持分の払戻しをする日における剰余金額を超える場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、持分の払戻しについて異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月(持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合にあっては、二箇月)を下ることができない。 一 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、この限りでない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該持分の払戻しについて承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合において、当該持分の払戻しをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (業務を執行する社員の責任) 第六百三十六条 合同会社が前条の規定に違反して持分の払戻しをした場合には、当該持分の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該持分の払戻しを受けた社員と連帯して、当該持分払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、持分の払戻しに関する業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、持分の払戻しをした時における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 第六章 定款の変更 (定款の変更) 第六百三十七条 持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。 (定款の変更による持分会社の種類の変更) 第六百三十八条 合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 二 その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更 合資会社 三 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 2 合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 3 合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 三 その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更 合資会社 (合資会社の社員の退社による定款のみなし変更) 第六百三十九条 合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなす。 2 合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなす。 (定款の変更時の出資の履行) 第六百四十条 第六百三十八条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる定款の変更をする場合において、当該定款の変更をする持分会社の社員が当該定款の変更後の合同会社に対する出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更は、当該払込み及び給付が完了した日に、その効力を生ずる。 2 前条第二項の規定により合同会社となる定款の変更をしたものとみなされた場合において、社員がその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更をしたものとみなされた日から一箇月以内に、当該払込み又は給付を完了しなければならない。 ただし、当該期間内に、合名会社又は合資会社となる定款の変更をした場合は、この限りでない。 第七章 解散 (解散の事由) 第六百四十一条 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 総社員の同意 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判 (持分会社の継続) 第六百四十二条 持分会社は、前条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、次章の規定による清算が結了するまで、社員の全部又は一部の同意によって、持分会社を継続することができる。 2 前項の場合には、持分会社を継続することについて同意しなかった社員は、持分会社が継続することとなった日に、退社する。 (解散した持分会社の合併等の制限) 第六百四十三条 持分会社が解散した場合には、当該持分会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第八章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第六百四十四条 持分会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第六百四十一条第五号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算持分会社の能力) 第六百四十五条 前条の規定により清算をする持分会社(以下「清算持分会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算人 (清算人の設置) 第六百四十六条 清算持分会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 (清算人の就任) 第六百四十七条 次に掲げる者は、清算持分会社の清算人となる。 一 業務を執行する社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員(業務を執行する社員を定款で定めた場合にあっては、その社員)の過半数の同意によって定める者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第六百四十一条第四号又は第七号に掲げる事由によって解散した清算持分会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第六百四十四条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算持分会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 (清算人の解任) 第六百四十八条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、解任することができる。 2 前項の規定による解任は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、社員その他利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 (清算人の職務) 第六百四十九条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第六百五十条 清算人は、清算持分会社の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、社員が二人以上ある場合には、清算持分会社の事業の全部又は一部の譲渡は、社員の過半数をもって決定する。 (清算人と清算持分会社との関係) 第六百五十一条 清算持分会社と清算人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 第五百九十三条第二項、第五百九十四条及び第五百九十五条の規定は、清算人について準用する。 この場合において、第五百九十四条第一項及び第五百九十五条第一項中「当該社員以外の社員」とあるのは、「社員(当該清算人が社員である場合にあっては、当該清算人以外の社員)」と読み替えるものとする。 (清算人の清算持分会社に対する損害賠償責任) 第六百五十二条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第六百五十三条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が清算人である場合の特則) 第六百五十四条 法人が清算人である場合には、当該法人は、当該清算人の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を社員に通知しなければならない。 2 前三条の規定は、前項の規定により選任された清算人の職務を行うべき者について準用する。 (清算持分会社の代表) 第六百五十五条 清算人は、清算持分会社を代表する。 ただし、他に清算持分会社を代表する清算人その他清算持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算持分会社を代表する。 3 清算持分会社は、定款又は定款の定めに基づく清算人(第六百四十七条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選によって、清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 4 第六百四十七条第一項第一号の規定により業務を執行する社員が清算人となる場合において、持分会社を代表する社員を定めていたときは、当該持分会社を代表する社員が清算持分会社を代表する清算人となる。 5 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 6 第五百九十九条第四項及び第五項の規定は清算持分会社を代表する清算人について、第六百三条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は清算持分会社を代表する清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算持分会社についての破産手続の開始) 第六百五十六条 清算持分会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算持分会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算持分会社が既に債権者に支払い、又は社員に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第六百五十七条 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算持分会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第六百五十八条 清算人は、その就任後遅滞なく、清算持分会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この節において「財産目録等」という。)を作成し、各社員にその内容を通知しなければならない。 2 清算持分会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 3 清算持分会社は、社員の請求により、毎月清算の状況を報告しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第六百五十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第六百六十条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この項及び次条において同じ。)は、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算持分会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第六百六十一条 清算持分会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算持分会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算持分会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算持分会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第六百六十二条 清算持分会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算持分会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (出資の履行の請求) 第六百六十三条 清算持分会社に現存する財産がその債務を完済するのに足りない場合において、その出資の全部又は一部を履行していない社員があるときは、当該出資に係る定款の定めにかかわらず、当該清算持分会社は、当該社員に出資させることができる。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第六百六十四条 清算持分会社は、当該清算持分会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を社員に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第六百六十五条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この条において同じ。)の債権者(知れている債権者を除く。)であって第六百六十条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算持分会社の残余財産を社員の一部に分配した場合には、当該社員の受けた分配と同一の割合の分配を当該社員以外の社員に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五節 残余財産の分配 (残余財産の分配の割合) 第六百六十六条 残余財産の分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 第六節 清算事務の終了等 第六百六十七条 清算持分会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならない。 2 社員が一箇月以内に前項の計算について異議を述べなかったときは、社員は、当該計算の承認をしたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 第七節 任意清算 (財産の処分の方法) 第六百六十八条 持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、定款又は総社員の同意によって、当該持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合における当該持分会社の財産の処分の方法を定めることができる。 2 第二節から前節までの規定は、前項の財産の処分の方法を定めた持分会社については、適用しない。 (財産目録等の作成) 第六百六十九条 前条第一項の財産の処分の方法を定めた持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、解散の日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 2 前条第一項の財産の処分の方法を定めていない持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合において、解散後に同項の財産の処分の方法を定めたときは、清算持分会社は、当該財産の処分の方法を定めた日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 (債権者の異議) 第六百七十条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合には、その解散後の清算持分会社の債権者は、当該清算持分会社に対し、当該財産の処分の方法について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、清算持分会社は、解散の日(前条第二項に規定する場合にあっては、当該財産の処分の方法を定めた日)から二週間以内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 第六百六十八条第一項の財産の処分の方法に従い清算をする旨 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、清算持分会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該財産の処分の方法について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、清算持分会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 (持分の差押債権者の同意等) 第六百七十一条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合において、社員の持分を差し押さえた債権者があるときは、その解散後の清算持分会社がその財産の処分をするには、その債権者の同意を得なければならない。 2 前項の清算持分会社が同項の規定に違反してその財産の処分をしたときは、社員の持分を差し押さえた債権者は、当該清算持分会社に対し、その持分に相当する金額の支払を請求することができる。 第八節 帳簿資料の保存 第六百七十二条 清算人(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、清算持分会社を代表する社員)は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算持分会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、定款で又は社員の過半数をもって帳簿資料を保存する者を定めた場合には、その者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより、第一項の清算人又は前項の規定により帳簿資料を保存する者に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 前項の規定により選任された者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 5 第三項の規定による選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 第九節 社員の責任の消滅時効 第六百七十三条 第五百八十条に規定する社員の責任は、清算持分会社の本店の所在地における解散の登記をした後五年以内に請求又は請求の予告をしない清算持分会社の債権者に対しては、その登記後五年を経過した時に消滅する。 2 前項の期間の経過後であっても、社員に分配していない残余財産があるときは、清算持分会社の債権者は、清算持分会社に対して弁済を請求することができる。 第十節 適用除外等 (適用除外) 第六百七十四条 次に掲げる規定は、清算持分会社については、適用しない。 一 第四章第一節 二 第六百六条、第六百七条第一項(第三号及び第四号を除く。)及び第六百九条 三 第五章第三節(第六百十七条第四項、第六百十八条及び第六百十九条を除く。)から第六節まで及び第七節第二款 四 第六百三十八条第一項第三号及び第二項第二号 (相続及び合併による退社の特則) 第六百七十五条 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、第六百八条第一項の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。 この場合においては、同条第四項及び第五項の規定を準用する。 第四編 社債 第一章 総則 (募集社債に関する事項の決定) 第六百七十六条 会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この編において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集社債の総額 二 各募集社債の金額 三 募集社債の利率 四 募集社債の償還の方法及び期限 五 利息支払の方法及び期限 六 社債券を発行するときは、その旨 七 社債権者が第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 七の二 社債管理者を定めないこととするときは、その旨 八 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨 八の二 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨 九 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法 十 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日 十一 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日 十二 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (募集社債の申込み) 第六百七十七条 会社は、前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 会社の商号 二 当該募集に係る前条各号に掲げる事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数 三 会社が前条第九号の最低金額を定めたときは、希望する払込金額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集社債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集社債の割当て) 第六百七十八条 会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。 この場合において、会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 会社は、第六百七十六条第十号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければならない。 (募集社債の申込み及び割当てに関する特則) 第六百七十九条 前二条の規定は、募集社債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (募集社債の社債権者) 第六百八十条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集社債の社債権者となる。 一 申込者 会社の割り当てた募集社債 二 前条の契約により募集社債の総額を引き受けた者 その者が引き受けた募集社債 (社債原簿) 第六百八十一条 会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「社債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第六百七十六条第三号から第八号の二までに掲げる事項その他の社債の内容を特定するものとして法務省令で定める事項(以下この編において「種類」という。) 二 種類ごとの社債の総額及び各社債の金額 三 各社債と引換えに払い込まれた金銭の額及び払込みの日 四 社債権者(無記名社債(無記名式の社債券が発行されている社債をいう。以下この編において同じ。)の社債権者を除く。)の氏名又は名称及び住所 五 前号の社債権者が各社債を取得した日 六 社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数 七 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第六百八十二条 社債権者(無記名社債の社債権者を除く。)は、社債を発行した会社(以下この編において「社債発行会社」という。)に対し、当該社債権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された社債原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該社債原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (社債原簿管理人) 第六百八十三条 会社は、社債原簿管理人(会社に代わって社債原簿の作成及び備置きその他の社債原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (社債原簿の備置き及び閲覧等) 第六百八十四条 社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 社債権者その他の法務省令で定める者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社債原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社債原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 社債発行会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 当該請求を行う者が社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 三 当該請求を行う者が、過去二年以内において、社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 社債発行会社が株式会社である場合には、当該社債発行会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該社債発行会社の社債原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (社債権者に対する通知等) 第六百八十五条 社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告は、社債原簿に記載し、又は記録した当該社債権者の住所(当該社債権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該社債発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該社債発行会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を社債権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、社債発行会社が社債の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第七百二十条第一項の通知に際して社債権者に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (共有者による権利の行使) 第六百八十六条 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該社債についての権利を行使する者一人を定め、会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該社債についての権利を行使することができない。 ただし、会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (社債券を発行する場合の社債の譲渡) 第六百八十七条 社債券を発行する旨の定めがある社債の譲渡は、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の譲渡の対抗要件) 第六百八十八条 社債の譲渡は、その社債を取得した者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合における前項の規定の適用については、同項中「社債発行会社その他の第三者」とあるのは、「社債発行会社」とする。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (権利の推定等) 第六百八十九条 社債券の占有者は、当該社債券に係る社債についての権利を適法に有するものと推定する。 2 社債券の交付を受けた者は、当該社債券に係る社債についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十条 社債発行会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の社債の社債権者に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該社債発行会社の社債を取得した場合 二 当該社債発行会社が有する自己の社債を処分した場合 2 前項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十一条 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)は、当該社債発行会社に対し、当該社債に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した社債の社債権者として社債原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債券を発行する場合の社債の質入れ) 第六百九十二条 社債券を発行する旨の定めがある社債の質入れは、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の質入れの対抗要件) 第六百九十三条 社債の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、社債券を発行する旨の定めがある社債の質権者は、継続して当該社債に係る社債券を占有しなければ、その質権をもって社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する社債原簿の記載等) 第六百九十四条 社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、次に掲げる事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である社債 2 前項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第六百九十五条 前条第一項各号に掲げる事項が社債原簿に記載され、又は記録された質権者は、社債発行会社に対し、当該質権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (信託財産に属する社債についての対抗要件等) 第六百九十五条の二 社債については、当該社債が信託財産に属する旨を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、当該社債が信託財産に属することを社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第六百八十一条第四号の社債権者は、その有する社債が信託財産に属するときは、社債発行会社に対し、その旨を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 社債原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第六百八十二条第一項及び第六百九十条第一項の規定の適用については、第六百八十二条第一項中「記録された社債原簿記載事項」とあるのは「記録された社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」と、第六百九十条第一項中「社債原簿記載事項」とあるのは「社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある社債については、適用しない。 (社債券の発行) 第六百九十六条 社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければならない。 (社債券の記載事項) 第六百九十七条 社債券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 社債発行会社の商号 二 当該社債券に係る社債の金額 三 当該社債券に係る社債の種類 2 社債券には、利札を付することができる。 (記名式と無記名式との間の転換) 第六百九十八条 社債券が発行されている社債の社債権者は、第六百七十六条第七号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の社債券を無記名式とし、又はその無記名式の社債券を記名式とすることを請求することができる。 (社債券の喪失) 第六百九十九条 社債券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 社債券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 (利札が欠けている場合における社債の償還) 第七百条 社債発行会社は、社債券が発行されている社債をその償還の期限前に償還する場合において、これに付された利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければならない。 ただし、当該請求権が弁済期にある場合は、この限りでない。 2 前項の利札の所持人は、いつでも、社債発行会社に対し、これと引換えに同項の規定により控除しなければならない額の支払を請求することができる。 (社債の償還請求権等の消滅時効) 第七百一条 社債の償還請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 社債の利息の請求権及び前条第二項の規定による請求権は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 第二章 社債管理者 (社債管理者の設置) 第七百二条 会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合は、この限りでない。 (社債管理者の資格) 第七百三条 社債管理者は、次に掲げる者でなければならない。 一 銀行 二 信託会社 三 前二号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして法務省令で定める者 (社債管理者の義務) 第七百四条 社債管理者は、社債権者のために、公平かつ誠実に社債の管理を行わなければならない。 2 社債管理者は、社債権者に対し、善良な管理者の注意をもって社債の管理を行わなければならない。 (社債管理者の権限等) 第七百五条 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。 この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。 3 前項前段の規定による請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 第七百六条 社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、第二号に掲げる行為については、第六百七十六条第八号に掲げる事項についての定めがあるときは、この限りでない。 一 当該社債の全部についてするその支払の猶予、その債務若しくはその債務の不履行によって生じた責任の免除又は和解(次号に掲げる行為を除く。) 二 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(前条第一項の行為を除く。) 2 社債管理者は、前項ただし書の規定により社債権者集会の決議によらずに同項第二号に掲げる行為をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 3 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項各号に掲げる行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (特別代理人の選任) 第七百七条 社債権者と社債管理者との利益が相反する場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする必要があるときは、裁判所は、社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任しなければならない。 (社債管理者等の行為の方式) 第七百八条 社債管理者又は前条の特別代理人が社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、個別の社債権者を表示することを要しない。 (二以上の社債管理者がある場合の特則) 第七百九条 二以上の社債管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 2 前項に規定する場合において、社債管理者が第七百五条第一項の弁済を受けたときは、社債管理者は、社債権者に対し、連帯して、当該弁済の額を支払う義務を負う。 (社債管理者の責任) 第七百十条 社債管理者は、この法律又は社債権者集会の決議に違反する行為をしたときは、社債権者に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 社債管理者は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に、次に掲げる行為をしたときは、社債権者に対し、損害を賠償する責任を負う。 ただし、当該社債管理者が誠実にすべき社債の管理を怠らなかったこと又は当該損害が当該行為によって生じたものでないことを証明したときは、この限りでない。 一 当該社債管理者の債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けること。 二 当該社債管理者と法務省令で定める特別の関係がある者に対して当該社債管理者の債権を譲り渡すこと(当該特別の関係がある者が当該債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けた場合に限る。)。 三 当該社債管理者が社債発行会社に対する債権を有する場合において、契約によって負担する債務を専ら当該債権をもってする相殺に供する目的で社債発行会社の財産の処分を内容とする契約を社債発行会社との間で締結し、又は社債発行会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結し、かつ、これにより社債発行会社に対し負担した債務と当該債権とを相殺すること。 四 当該社債管理者が社債発行会社に対して債務を負担する場合において、社債発行会社に対する債権を譲り受け、かつ、当該債務と当該債権とを相殺すること。 (社債管理者の辞任) 第七百十一条 社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任することができる。 この場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、第七百二条の規定による委託に係る契約に定めた事由があるときは、辞任することができる。 ただし、当該契約に事務を承継する社債管理者に関する定めがないときは、この限りでない。 3 第一項の規定にかかわらず、社債管理者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (社債管理者が辞任した場合の責任) 第七百十二条 第七百十条第二項の規定は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に前条第二項の規定により辞任した社債管理者について準用する。 (社債管理者の解任) 第七百十三条 裁判所は、社債管理者がその義務に違反したとき、その事務処理に不適任であるときその他正当な理由があるときは、社債発行会社又は社債権者集会の申立てにより、当該社債管理者を解任することができる。 (社債管理者の事務の承継) 第七百十四条 社債管理者が次のいずれかに該当することとなった場合において、他に社債管理者がないときは、社債発行会社は、事務を承継する社債管理者を定め、社債権者のために、社債の管理を行うことを委託しなければならない。 この場合においては、社債発行会社は、社債権者集会の同意を得るため、遅滞なく、これを招集し、かつ、その同意を得ることができなかったときは、その同意に代わる裁判所の許可の申立てをしなければならない。 一 第七百三条各号に掲げる者でなくなったとき。 二 第七百十一条第三項の規定により辞任したとき。 三 前条の規定により解任されたとき。 四 解散したとき。 2 社債発行会社は、前項前段に規定する場合において、同項各号のいずれかに該当することとなった日後二箇月以内に、同項後段の規定による招集をせず、又は同項後段の申立てをしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 3 第一項前段に規定する場合において、やむを得ない事由があるときは、利害関係人は、裁判所に対し、事務を承継する社債管理者の選任の申立てをすることができる。 4 社債発行会社は、第一項前段の規定により事務を承継する社債管理者を定めた場合(社債権者集会の同意を得た場合を除く。)又は前項の規定による事務を承継する社債管理者の選任があった場合には、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 第二章の二 社債管理補助者 (社債管理補助者の設置) 第七百十四条の二 会社は、第七百二条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。 ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。 (社債管理補助者の資格) 第七百十四条の三 社債管理補助者は、第七百三条各号に掲げる者その他法務省令で定める者でなければならない。 (社債管理補助者の権限等) 第七百十四条の四 社債管理補助者は、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 二 強制執行又は担保権の実行の手続における配当要求 三 第四百九十九条第一項の期間内に債権の申出をすること。 2 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に定める範囲内において、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 社債に係る債権の弁済を受けること。 二 第七百五条第一項の行為(前項各号及び前号に掲げる行為を除く。) 三 第七百六条第一項各号に掲げる行為 四 社債発行会社が社債の総額について期限の利益を喪失することとなる行為 3 前項の場合において、社債管理補助者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 前項第二号に掲げる行為であって、次に掲げるもの イ 当該社債の全部についてするその支払の請求 ロ 当該社債の全部に係る債権に基づく強制執行、仮差押え又は仮処分 ハ 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(イ及びロに掲げる行為を除く。) 二 前項第三号及び第四号に掲げる行為 4 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に従い、社債の管理に関する事項を社債権者に報告し、又は社債権者がこれを知ることができるようにする措置をとらなければならない。 5 第七百五条第二項及び第三項の規定は、第二項第一号に掲げる行為をする権限を有する社債管理補助者について準用する。 (二以上の社債管理補助者がある場合の特則) 第七百十四条の五 二以上の社債管理補助者があるときは、社債管理補助者は、各自、その権限に属する行為をしなければならない。 2 社債管理補助者が社債権者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の社債管理補助者も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (社債管理者等との関係) 第七百十四条の六 第七百二条の規定による委託に係る契約又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の効力が生じた場合には、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約は、終了する。 (社債管理者に関する規定の準用) 第七百十四条の七 第七百四条、第七百七条、第七百八条、第七百十条第一項、第七百十一条、第七百十三条及び第七百十四条の規定は、社債管理補助者について準用する。 この場合において、第七百四条中「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、同項中「社債権者に対し、連帯して」とあるのは「社債権者に対し」と、第七百十一条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「において」と、同条第二項中「第七百二条」とあるのは「第七百十四条の二」と、第七百十四条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「には」と、「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、「第七百三条各号に掲げる」とあるのは「第七百十四条の三に規定する」と、「解散した」とあるのは「死亡し、又は解散した」と読み替えるものとする。 第三章 社債権者集会 (社債権者集会の構成) 第七百十五条 社債権者は、社債の種類ごとに社債権者集会を組織する。 (社債権者集会の権限) 第七百十六条 社債権者集会は、この法律に規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。 (社債権者集会の招集) 第七百十七条 社債権者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 社債権者集会は、次項又は次条第三項の規定により招集する場合を除き、社債発行会社又は社債管理者が招集する。 3 次に掲げる場合には、社債管理補助者は、社債権者集会を招集することができる。 一 次条第一項の規定による請求があった場合 二 第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意を得るため必要がある場合 (社債権者による招集の請求) 第七百十八条 ある種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者は、社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に対し、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、社債権者集会の招集を請求することができる。 2 社債発行会社が有する自己の当該種類の社債の金額の合計額は、前項に規定する社債の総額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした社債権者は、裁判所の許可を得て、社債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間以内の日を社債権者集会の日とする社債権者集会の招集の通知が発せられない場合 4 第一項の規定による請求又は前項の規定による招集をしようとする無記名社債の社債権者は、その社債券を社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に提示しなければならない。 (社債権者集会の招集の決定) 第七百十九条 社債権者集会を招集する者(以下この章において「招集者」という。)は、社債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社債権者集会の日時及び場所 二 社債権者集会の目的である事項 三 社債権者集会に出席しない社債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債権者集会の招集の通知) 第七百二十条 社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の二週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては社債管理者又は社債管理補助者に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 社債発行会社が無記名式の社債券を発行している場合において、社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の三週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を公告しなければならない。 5 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、招集者が社債発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 (社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七百二十一条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている社債権者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「社債権者集会参考書類」という。)及び社債権者が議決権を行使するための書面(以下この章において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした社債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社債権者の請求があったときは、これらの書類を当該社債権者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、社債権者集会の日の一週間前までに無記名社債の社債権者の請求があったときは、直ちに、社債権者集会参考書類及び議決権行使書面を当該社債権者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、社債権者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第七百二十二条 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第七百二十条第二項の承諾をした社債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第七百二十条第二項の承諾をしていない社債権者から社債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の額等) 第七百二十三条 社債権者は、社債権者集会において、その有する当該種類の社債の金額の合計額(償還済みの額を除く。)に応じて、議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、社債発行会社は、その有する自己の社債については、議決権を有しない。 3 議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は、社債権者集会の日の一週間前までに、その社債券を招集者に提示しなければならない。 (社債権者集会の決議) 第七百二十四条 社債権者集会において決議をする事項を可決するには、出席した議決権者(議決権を行使することができる社債権者をいう。以下この章において同じ。)の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債権者集会において次に掲げる事項を可決するには、議決権者の議決権の総額の五分の一以上で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意がなければならない。 一 第七百六条第一項各号に掲げる行為に関する事項 二 第七百六条第一項、第七百十四条の四第三項(同条第二項第三号に掲げる行為に係る部分に限る。)、第七百三十六条第一項、第七百三十七条第一項ただし書及び第七百三十八条の規定により社債権者集会の決議を必要とする事項 3 社債権者集会は、第七百十九条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第七百二十五条 社債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第七百二十六条 社債権者集会に出席しない社債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七百二十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (議決権の不統一行使) 第七百二十八条 社債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、社債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の社債権者が他人のために社債を有する者でないときは、当該社債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (社債発行会社の代表者の出席等) 第七百二十九条 社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者は、その代表者若しくは代理人を社債権者集会に出席させ、又は書面により意見を述べることができる。 ただし、社債管理者又は社債管理補助者にあっては、その社債権者集会が第七百七条(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の特別代理人の選任について招集されたものであるときは、この限りでない。 2 社債権者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、社債発行会社に対し、その代表者又は代理人の出席を求めることができる。 この場合において、社債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第七百三十条 社債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第七百十九条及び第七百二十条の規定は、適用しない。 (議事録) 第七百三十一条 社債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 社債発行会社は、社債権者集会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社債権者集会の決議の認可の申立て) 第七百三十二条 社債権者集会の決議があったときは、招集者は、当該決議があった日から一週間以内に、裁判所に対し、当該決議の認可の申立てをしなければならない。 (社債権者集会の決議の不認可) 第七百三十三条 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、社債権者集会の決議の認可をすることができない。 一 社債権者集会の招集の手続又はその決議の方法が法令又は第六百七十六条の募集のための当該社債発行会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料に記載され、若しくは記録された事項に違反するとき。 二 決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。 三 決議が著しく不公正であるとき。 四 決議が社債権者の一般の利益に反するとき。 (社債権者集会の決議の効力) 第七百三十四条 社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 社債権者集会の決議は、当該種類の社債を有するすべての社債権者に対してその効力を有する。 (社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定の公告) 第七百三十五条 社債発行会社は、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定があった場合には、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。 (社債権者集会の決議の省略) 第七百三十五条の二 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。 2 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。 (代表社債権者の選任等) 第七百三十六条 社債権者集会においては、その決議によって、当該種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の千分の一以上に当たる社債を有する社債権者の中から、一人又は二人以上の代表社債権者を選任し、これに社債権者集会において決議をする事項についての決定を委任することができる。 2 第七百十八条第二項の規定は、前項に規定する社債の総額について準用する。 3 代表社債権者が二人以上ある場合において、社債権者集会において別段の定めを行わなかったときは、第一項に規定する事項についての決定は、その過半数をもって行う。 (社債権者集会の決議の執行) 第七百三十七条 社債権者集会の決議は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が執行する。 ただし、社債権者集会の決議によって別に社債権者集会の決議を執行する者を定めたときは、この限りでない。 一 社債管理者がある場合 社債管理者 二 社債管理補助者がある場合において、社債管理補助者の権限に属する行為に関する事項を可決する旨の社債権者集会の決議があったとき 社債管理補助者 三 前二号に掲げる場合以外の場合 代表社債権者 2 第七百五条第一項から第三項まで、第七百八条及び第七百九条の規定は、代表社債権者又は前項ただし書の規定により定められた社債権者集会の決議を執行する者(以下この章において「決議執行者」という。)が社債権者集会の決議を執行する場合について準用する。 (代表社債権者等の解任等) 第七百三十八条 社債権者集会においては、その決議によって、いつでも、代表社債権者若しくは決議執行者を解任し、又はこれらの者に委任した事項を変更することができる。 (社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失) 第七百三十九条 社債発行会社が社債の利息の支払を怠ったとき、又は定期に社債の一部を償還しなければならない場合においてその償還を怠ったときは、社債権者集会の決議に基づき、当該決議を執行する者は、社債発行会社に対し、一定の期間内にその弁済をしなければならない旨及び当該期間内にその弁済をしないときは当該社債の総額について期限の利益を喪失する旨を書面により通知することができる。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の決議を執行する者は、同項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、社債発行会社の承諾を得て、同項の規定により通知する事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該決議を執行する者は、当該書面による通知をしたものとみなす。 3 社債発行会社は、第一項の期間内に同項の弁済をしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 (債権者の異議手続の特則) 第七百四十条 第四百四十九条、第六百二十七条、第六百三十五条、第六百七十条、第七百七十九条(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条(第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十六条の八の規定により社債権者が異議を述べるには、社債権者集会の決議によらなければならない。 この場合においては、裁判所は、利害関係人の申立てにより、社債権者のために異議を述べることができる期間を伸長することができる。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、社債権者のために、異議を述べることができる。 ただし、第七百二条の規定による委託に係る契約に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 社債発行会社における第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百八十九条第二項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百九十九条第二項(第八百二条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第八百十条第二項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第八百十六条の八第二項の規定の適用については、第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項、第七百九十九条第二項及び第八百十六条の八第二項中「知れている債権者」とあるのは「知れている債権者(社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては、当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」と、第七百八十九条第二項及び第八百十条第二項中「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)」とあるのは「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限り、社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」とする。 (社債管理者等の報酬等) 第七百四十一条 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者に対して与えるべき報酬、その事務処理のために要する費用及びその支出の日以後における利息並びにその事務処理のために自己の過失なくして受けた損害の賠償額は、社債発行会社との契約に定めがある場合を除き、裁判所の許可を得て、社債発行会社の負担とすることができる。 2 前項の許可の申立ては、社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者がする。 3 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者は、第一項の報酬、費用及び利息並びに損害の賠償額に関し、第七百五条第一項(第七百三十七条第二項において準用する場合を含む。)又は第七百十四条の四第二項第一号の弁済を受けた額について、社債権者に先立って弁済を受ける権利を有する。 (社債権者集会等の費用の負担) 第七百四十二条 社債権者集会に関する費用は、社債発行会社の負担とする。 2 第七百三十二条の申立てに関する費用は、社債発行会社の負担とする。 ただし、裁判所は、社債発行会社その他利害関係人の申立てにより又は職権で、当該費用の全部又は一部について、招集者その他利害関係人の中から別に負担者を定めることができる。 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付 第一章 組織変更 第一節 通則 (組織変更計画の作成) 第七百四十三条 会社は、組織変更をすることができる。 この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。 第二節 株式会社の組織変更 (株式会社の組織変更計画) 第七百四十四条 株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 組織変更後持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 組織変更後持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、組織変更後持分会社の定款で定める事項 五 組織変更後持分会社が組織変更に際して組織変更をする株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(組織変更後持分会社の持分を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債であるときは、当該社債の種類(第百七条第二項第二号ロに規定する社債の種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の株主(組織変更をする株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、組織変更後持分会社が組織変更に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 九 組織変更がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 組織変更後持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 組織変更後持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 組織変更後持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (株式会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十五条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、組織変更後持分会社の社員となる。 4 前条第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号イの社債の社債権者となる。 5 組織変更をする株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百七十九条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第三節 持分会社の組織変更 (持分会社の組織変更計画) 第七百四十六条 持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項 三 組織変更後株式会社の取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称 ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 組織変更後株式会社の監査役の氏名 ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称 五 組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 六 組織変更をする持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭等(組織変更後株式会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債等(社債及び新株予約権をいう。以下この編において同じ。)以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする持分会社の社員に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 九 効力発生日 2 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 (持分会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十七条 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、株式会社となる。 2 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 4 次の各号に掲げる場合には、組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、第七百八十一条第二項において準用する第七百七十九条(第二項第二号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第二章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 株式会社が存続する吸収合併 (株式会社が存続する吸収合併契約) 第七百四十九条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である吸収合併存続会社(以下この編において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併により消滅する会社(以下この編において「吸収合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して吸収合併存続株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの吸収合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収合併存続株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 六 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続株式会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 5 前条第一項第四号イに規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、効力発生日に、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号イの吸収合併存続株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 持分会社が存続する吸収合併 (持分会社が存続する吸収合併契約) 第七百五十一条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である吸収合併存続会社(以下この節において「吸収合併存続持分会社」という。)及び吸収合併消滅会社の商号及び住所 二 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員が吸収合併に際して吸収合併存続持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収合併存続持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等(吸収合併存続持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続持分会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 七 効力発生日 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続持分会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (持分会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十二条 吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第三節 新設合併 第一款 株式会社を設立する新設合併 (株式会社を設立する新設合併契約) 第七百五十三条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社(以下この編において「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する会社(以下この編において「新設合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 株式会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立株式会社の定款で定める事項 四 新設合併設立株式会社の設立時取締役の氏名 五 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設合併設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設合併設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して株式会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅持分会社」という。)の社員に対して交付するその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設合併設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立株式会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して新設合併設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの新設合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設合併設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、新設合併消滅株式会社の全部又は一部が種類株式発行会社であるときは、新設合併消滅会社は、新設合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第七号に掲げる事項(新設合併消滅株式会社の株主に係る事項に限る。次項において同じ。)として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して新設合併設立株式会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、新設合併設立株式会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第七号に掲げる事項についての定めは、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて新設合併設立株式会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第九号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「新設合併設立株式会社の株式」とあるのは、「新設合併設立株式会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十四条 新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、前条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立株式会社の成立の日に、消滅する。 5 前条第一項第十号イに規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号イの新設合併設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第二款 持分会社を設立する新設合併 (持分会社を設立する新設合併契約) 第七百五十五条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併設立会社が持分会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併消滅会社の商号及び住所 二 持分会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 三 新設合併設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 四 新設合併設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 五 前二号に掲げるもののほか、新設合併設立持分会社の定款で定める事項 六 新設合併設立持分会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立持分会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立持分会社が合名会社であるときは、前項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設合併設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設合併設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十六条 新設合併設立持分会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設合併設立持分会社の社員となる。 3 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の社債の社債権者となる。 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立持分会社の成立の日に、消滅する。 第三章 会社分割 第一節 吸収分割 第一款 通則 (吸収分割契約の締結) 第七百五十七条 会社(株式会社又は合同会社に限る。)は、吸収分割をすることができる。 この場合においては、当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下この編において「吸収分割承継会社」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に権利義務を承継させる吸収分割 (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百五十八条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割をする会社(以下この編において「吸収分割会社」という。)及び株式会社である吸収分割承継会社(以下この編において「吸収分割承継株式会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継株式会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である吸収分割会社(以下この編において「吸収分割株式会社」という。)及び吸収分割承継株式会社の株式並びに吸収分割株式会社の新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式を吸収分割承継株式会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収分割承継株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 五 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該吸収分割承継株式会社の新株予約権の交付を受ける吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「吸収分割契約新株予約権」という。)の内容 ロ 吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収分割承継株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 吸収分割契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収分割承継株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収分割承継株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 七 吸収分割がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 八 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継株式会社の株式(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継株式会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継株式会社の株式のみであるものに限る。) (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百五十九条 吸収分割承継株式会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継株式会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 次の各号に掲げる場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第四号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第四号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第四号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第四号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 9 前条第五号に規定する場合には、効力発生日に、吸収分割契約新株予約権は、消滅し、当該吸収分割契約新株予約権の新株予約権者は、同条第六号に掲げる事項についての定めに従い、同条第五号ロの吸収分割承継株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第三款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割 (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百六十条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が持分会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割会社及び持分会社である吸収分割承継会社(以下この節において「吸収分割承継持分会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継持分会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(吸収分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社の株式を吸収分割承継持分会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割会社が吸収分割に際して吸収分割承継持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収分割承継持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 五 吸収分割承継持分会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等(吸収分割承継持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 効力発生日 七 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継持分会社の持分(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継持分会社の持分に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継持分会社の持分のみであるものに限る。) (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百六十一条 吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 9 前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第二節 新設分割 第一款 通則 (新設分割計画の作成) 第七百六十二条 一又は二以上の株式会社又は合同会社は、新設分割をすることができる。 この場合においては、新設分割計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合には、当該二以上の株式会社又は合同会社は、共同して新設分割計画を作成しなければならない。 第二款 株式会社を設立する新設分割 (株式会社を設立する新設分割計画) 第七百六十三条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、新設分割設立株式会社の定款で定める事項 三 新設分割設立株式会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設分割設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設分割設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設分割設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設分割設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 新設分割設立株式会社が新設分割により新設分割をする会社(以下この編において「新設分割会社」という。)から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である新設分割会社(以下この編において「新設分割株式会社」という。)の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対して交付するその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設分割設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設分割設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該新設分割設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該新設分割設立株式会社の新株予約権の交付を受ける新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「新設分割計画新株予約権」という。)の内容 ロ 新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する新設分割設立株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 新設分割計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設分割設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設分割設立株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。) 2 新設分割設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 (株式会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十四条 新設分割設立株式会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立株式会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第十二号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立株式会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 9 次の各号に掲げる場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前二項の規定の適用については、第八項中「新設分割計画の定め」とあるのは「同項第七号に掲げる事項についての定め」と、前項中「新設分割計画の定め」とあるのは「前条第一項第九号に掲げる事項についての定め」とする。 11 前条第一項第十号に規定する場合には、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画新株予約権は、消滅し、当該新設分割計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号ロの新設分割設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第三款 持分会社を設立する新設分割 (持分会社を設立する新設分割計画) 第七百六十五条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割設立会社が持分会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 新設分割設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 新設分割設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、新設分割設立持分会社の定款で定める事項 五 新設分割設立持分会社が新設分割により新設分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(新設分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立持分会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設分割株式会社が新設分割設立持分会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立持分会社の持分(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立持分会社の持分のみであるものに限る。) 2 新設分割設立持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設分割設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設分割設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十六条 新設分割設立持分会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立持分会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立持分会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設分割設立持分会社の社員となる。 9 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同号の社債の社債権者となる。 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前項の規定の適用については、同項中「新設分割計画の定めに従い、同号」とあるのは、「同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号」とする。 第四章 株式交換及び株式移転 第一節 株式交換 第一款 通則 (株式交換契約の締結) 第七百六十七条 株式会社は、株式交換をすることができる。 この場合においては、当該株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(株式会社又は合同会社に限る。以下この編において「株式交換完全親会社」という。)との間で、株式交換契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に発行済株式を取得させる株式交換 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百六十八条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容 ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 六 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百六十九条 株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親株式会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親株式会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 次の各号に掲げる場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第四号に規定する場合には、効力発生日に、株式交換契約新株予約権は、消滅し、当該株式交換契約新株予約権の新株予約権者は、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号ロの株式交換完全親株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第四号ハに規定する場合には、株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第三款 合同会社に発行済株式を取得させる株式交換 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百七十条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が合同会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換完全子会社及び合同会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親合同会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全子会社の株主が株式交換に際して株式交換完全親合同会社の社員となるときは、当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 株式交換完全親合同会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(株式交換完全親合同会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 効力発生日 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親合同会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百七十一条 株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親合同会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親合同会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親合同会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、株式交換完全親合同会社の社員となる。 この場合においては、株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 前各項の規定は、第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第二節 株式移転 (株式移転計画の作成) 第七百七十二条 一又は二以上の株式会社は、株式移転をすることができる。 この場合においては、株式移転計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合には、当該二以上の株式会社は、共同して株式移転計画を作成しなければならない。 (株式移転計画) 第七百七十三条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項 三 株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名 ハ 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 六 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 八 前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項 九 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容 ロ 株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十 前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項 2 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式移転の効力の発生等) 第七百七十四条 株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、株式移転完全子会社の発行済株式の全部を取得する。 2 株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第九号に規定する場合には、株式移転設立完全親会社の成立の日に、株式移転計画新株予約権は、消滅し、当該株式移転計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十号に掲げる事項についての定めに従い、同項第九号ロの株式移転設立完全親会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第九号ハに規定する場合には、株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 第四章の二 株式交付 (株式交付計画の作成) 第七百七十四条の二 株式会社は、株式交付をすることができる。 この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。 (株式交付計画) 第七百七十四条の三 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所 二 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限 三 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 四 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項 五 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法 八 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 九 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 十 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日 十一 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み) 第七百七十四条の四 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式交付親会社の商号 二 株式交付計画の内容 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て) 第七百七十四条の五 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。 この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則) 第七百七十四条の六 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (株式交付子会社の株式の譲渡し) 第七百七十四条の七 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。 一 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数 二 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数 2 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの無効又は取消しの制限) 第七百七十四条の八 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、第七百七十四条の四第二項の申込み、第七百七十四条の五第一項の規定による割当て及び第七百七十四条の六の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人は、第七百七十四条の十一第二項の規定により株式交付親会社の株式の株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として株式交付子会社の株式の譲渡しの取消しをすることができない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用) 第七百七十四条の九 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。 この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。 (申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合) 第七百七十四条の十 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。 この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 (株式交付の効力の発生等) 第七百七十四条の十一 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。 2 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合 二 株式交付を中止した場合 三 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合 四 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合 6 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。 第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続 第一節 組織変更の手続 第一款 株式会社の手続 (組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百七十五条 組織変更をする株式会社は、組織変更計画備置開始日から組織変更がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)までの間、組織変更計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 組織変更計画について組織変更をする株式会社の総株主の同意を得た日 二 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第七百七十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百七十九条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 組織変更をする株式会社の株主及び債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式会社の組織変更計画の承認等) 第七百七十六条 組織変更をする株式会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該株式会社の総株主の同意を得なければならない。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新株予約権買取請求) 第七百七十七条 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この款において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 組織変更をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その新株予約権の新株予約権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、組織変更をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 組織変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百七十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と組織変更をする株式会社(効力発生日後にあっては、組織変更後持分会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は組織変更後持分会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 組織変更後持分会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 組織変更をする株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 組織変更をする株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 組織変更をする株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百七十九条 組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。 2 組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 組織変更をする旨 二 組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (組織変更の効力発生日の変更) 第七百八十条 組織変更をする株式会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、組織変更をする株式会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この款及び第七百四十五条の規定を適用する。 第二款 持分会社の手続 第七百八十一条 組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第七百七十九条(第二項第二号を除く。)及び前条の規定は、組織変更をする持分会社について準用する。 この場合において、第七百七十九条第三項中「組織変更をする株式会社」とあるのは「組織変更をする持分会社(合同会社に限る。)」と、前条第三項中「及び第七百四十五条」とあるのは「並びに第七百四十七条及び次条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 吸収合併等の手続 第一款 吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百八十二条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 吸収合併契約 二 吸収分割株式会社 吸収分割契約 三 株式交換完全子会社 株式交換契約 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百八十五条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百八十七条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第七百八十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百八十三条 消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第一項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。 3 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。 5 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者(次条第二項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第七百八十七条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。 6 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (吸収合併契約等の承認を要しない場合) 第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。 2 前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百八十四条の二 次に掲げる場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項に規定する場合は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十一条第一項第三号若しくは第四号、第七百五十八条第四号、第七百六十条第四号若しくは第五号、第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号又は第七百七十条第一項第三号若しくは第四号に掲げる事項が消滅株式会社等又は存続会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第七百八十三条第二項に規定する場合 二 第七百八十四条第二項に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 消滅株式会社等が公開会社である場合 二 消滅株式会社等が第七百八十三条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百八十六条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第七百八十七条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 吸収合併 第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 吸収分割承継会社が株式会社である場合における吸収分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換完全親会社が株式会社である場合における株式交換完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 吸収合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百八十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百八十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併消滅株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者) 三 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 存続会社等の商号及び住所 三 消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(吸収分割をする場合における不法行為によって生じた吸収分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収合併等の効力発生日の変更) 第七百九十条 消滅株式会社等は、存続会社等との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、消滅株式会社等は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節並びに第七百五十条、第七百五十二条、第七百五十九条、第七百六十一条、第七百六十九条及び第七百七十一条の規定を適用する。 (吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十一条 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 吸収分割株式会社 吸収分割により吸収分割承継会社が承継した吸収分割株式会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式交換完全子会社 株式交換により株式交換完全親会社が取得した株式交換完全子会社の株式の数その他の株式交換に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式交換完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「効力発生日に株式交換完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第七百九十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イの株式の取得 二 第七百五十八条第八号ロ又は第七百六十条第七号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第七百九十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 二 吸収分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)及び第七百九十条の規定は、吸収合併消滅持分会社又は合同会社である吸収分割会社(以下この節において「吸収分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、第七百八十九条第一項第二号中「債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「吸収合併消滅持分会社(吸収合併存続会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は吸収分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 吸収合併存続会社、吸収分割承継会社及び株式交換完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十四条 吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百九十五条 存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 一 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の債務の額として法務省令で定める額(次号において「承継債務額」という。)が吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産の額として法務省令で定める額(同号において「承継資産額」という。)を超える場合 二 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等(吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合 三 株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(株式交換完全親株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交換完全親株式会社が取得する株式交換完全子会社の株式の額として法務省令で定める額を超える場合 3 承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 4 存続株式会社等が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併等は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対して交付する金銭等が吸収合併存続株式会社の株式である場合 第七百四十九条第一項第二号イの種類の株式 二 吸収分割会社に対して交付する金銭等が吸収分割承継株式会社の株式である場合 第七百五十八条第四号イの種類の株式 三 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式である場合 第七百六十八条第一項第二号イの種類の株式 (吸収合併契約等の承認を要しない場合等) 第七百九十六条 前条第一項から第三項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。 2 前条第一項から第三項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同条第二項各号に掲げる場合又は前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第七百九十七条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百九十六条の二 次に掲げる場合において、存続株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、存続株式会社等の株主は、存続株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び前条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十八条第四号又は第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項が存続株式会社等又は消滅会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百九十七条 吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第七百九十六条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該存続株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 存続株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに消滅会社等の商号及び住所(第七百九十五条第三項に規定する場合にあっては、吸収合併等をする旨、消滅会社等の商号及び住所並びに同項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 存続株式会社等が公開会社である場合 二 存続株式会社等が第七百九十五条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、存続株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、存続株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百九十八条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と存続株式会社等との間に協議が調ったときは、存続株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は存続株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 存続株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 存続株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該存続株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百九十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者 三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者 2 前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 消滅会社等の商号及び住所 三 存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (消滅会社等の株主等に対して交付する金銭等が存続株式会社等の親会社株式である場合の特則) 第八百条 第百三十五条第一項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この項において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の親会社株式(同条第一項に規定する親会社株式をいう。以下この条において同じ。)である場合には、当該存続株式会社等は、吸収合併等に際して消滅会社等の株主等に対して交付する当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得することができる。 2 第百三十五条第三項の規定にかかわらず、前項の存続株式会社等は、効力発生日までの間は、存続株式会社等の親会社株式を保有することができる。 ただし、吸収合併等を中止したときは、この限りでない。 (吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百一条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続株式会社が承継した吸収合併消滅会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収分割承継株式会社(合同会社が吸収分割をする場合における当該吸収分割承継株式会社に限る。)は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割合同会社と共同して、吸収分割により吸収分割承継株式会社が承継した吸収分割合同会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる存続株式会社等は、効力発生日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併存続株式会社 第一項の書面又は電磁的記録 二 吸収分割承継株式会社 前項又は第七百九十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式交換完全親株式会社 第七百九十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 吸収合併存続株式会社の株主及び債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、吸収分割承継株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式交換完全親株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株式交換完全親株式会社の株主)」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 第八百二条 次の各号に掲げる行為をする持分会社(以下この条において「存続持分会社等」という。)は、当該各号に定める場合には、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について存続持分会社等の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 第七百五十一条第一項第二号に規定する場合 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第七百六十条第四号に規定する場合 三 株式交換による株式会社の発行済株式の全部の取得 第七百七十条第一項第二号に規定する場合 2 第七百九十九条(第二項第三号を除く。)及び第八百条の規定は、存続持分会社等について準用する。 この場合において、第七百九十九条第一項第三号中「株式交換完全親株式会社の株式」とあるのは「株式交換完全親合同会社の持分」と、「場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合」とあるのは「場合」と読み替えるものとする。 第三節 新設合併等の手続 第一款 新設合併消滅会社、新設分割会社及び株式移転完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百三条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、新設合併契約等備置開始日から新設合併設立会社、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立会社」という。)の成立の日後六箇月を経過する日(新設合併消滅株式会社にあっては、新設合併設立会社の成立の日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「新設合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 新設合併契約 二 新設分割株式会社 新設分割計画 三 株式移転完全子会社 株式移転計画 2 前項に規定する「新設合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 新設合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百六条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、新設分割計画の作成の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式移転完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約等の承認) 第八百四条 消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新設合併設立会社が持分会社である場合には、新設合併契約について新設合併消滅株式会社の総株主の同意を得なければならない。 3 新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社が種類株式発行会社である場合において、新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設合併設立株式会社又は株式移転設立完全親会社の株式等の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは、当該新設合併又は株式移転は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 消滅株式会社等は、第一項の株主総会の決議の日(第二項に規定する場合にあっては、同項の総株主の同意を得た日)から二週間以内に、その登録株式質権者(次条に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第八百八条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、新設合併、新設分割又は株式移転(以下この節において「新設合併等」という。)をする旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新設分割計画の承認を要しない場合) 第八百五条 前条第一項の規定は、新設分割により新設分割設立会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が新設分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を新設分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (新設合併等をやめることの請求) 第八百五条の二 新設合併等が法令又は定款に違反する場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、当該新設合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条に規定する場合は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百六条 新設合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第八百四条第二項に規定する場合 二 第八百五条に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第八百四条第一項の株主総会(新設合併等をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。)に先立って当該新設合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該新設合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日から二週間以内に、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設分割会社又は株式移転完全子会社(以下この節において「消滅会社等」という。)及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 新設合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第八百八条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 新設合併 第七百五十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 新設分割(新設分割設立会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ハに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転 次に掲げる新株予約権のうち、第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日(同条第二項に規定する場合にあっては同項の総株主の同意を得た日、第八百五条に規定する場合にあっては新設分割計画の作成の日)から二週間以内に、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、新設合併等をする旨並びに他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 新設分割設立会社が株式会社である場合における新設分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 新設合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第八百九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、新設合併等について異議を述べることができる。 一 新設合併をする場合 新設合併消滅株式会社の債権者 二 新設分割をする場合 新設分割後新設分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として新設分割設立会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない新設分割株式会社の債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者) 三 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併等をする旨 二 他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所 三 消滅株式会社等の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(新設分割をする場合における不法行為によって生じた新設分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十一条 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日後遅滞なく、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 新設分割株式会社 新設分割により新設分割設立会社が承継した新設分割株式会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式移転完全子会社 株式移転により株式移転設立完全親会社が取得した株式移転完全子会社の株式の数その他の株式移転に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、新設分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式移転完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の成立の日に株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第八百十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イの株式の取得 二 第七百六十三条第一項第十二号ロ又は第七百六十五条第一項第八号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第八百十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、新設合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 新設合併 二 新設分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第八百十条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)の規定は、新設合併消滅持分会社又は合同会社である新設分割会社(以下この節において「新設分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、同条第一項第二号中「債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「新設合併消滅持分会社(新設合併設立会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は新設分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 新設合併設立会社、新設分割設立会社及び株式移転設立完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (株式会社の設立の特則) 第八百十四条 第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)の規定は、新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立株式会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立株式会社の定款は、消滅会社等が作成する。 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十五条 新設合併設立株式会社は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立株式会社が承継した新設合併消滅会社の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設分割設立株式会社(一又は二以上の合同会社のみが新設分割をする場合における当該新設分割設立株式会社に限る。)は、その成立の日後遅滞なく、新設分割合同会社と共同して、新設分割により新設分割設立株式会社が承継した新設分割合同会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる設立株式会社は、その成立の日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併設立株式会社 第一項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 新設分割設立株式会社 前項又は第八百十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式移転設立完全親会社 第八百十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 新設合併設立株式会社の株主及び債権者は、新設合併設立株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、新設分割設立株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式移転設立完全親会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び新株予約権者」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 (持分会社の設立の特則) 第八百十六条 第五百七十五条及び第五百七十八条の規定は、新設合併設立持分会社又は新設分割設立持分会社(次項において「設立持分会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立持分会社の定款は、消滅会社等が作成する。 第四節 株式交付の手続 (株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の二 株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式交付計画の承認等) 第八百十六条の三 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 2 株式交付親会社が株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 3 株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式 二 株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式 (株式交付計画の承認を要しない場合等) 第八百十六条の四 前条第一項及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同項に規定する場合又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 (株式交付をやめることの請求) 第八百十六条の五 株式交付が法令又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。 ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百十六条の六 株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に掲げる場合以外の場合 全ての株主 3 株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨並びに株式交付子会社の商号及び住所を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 株式交付親会社が公開会社である場合 二 株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百十六条の七 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十六条の八 株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。 2 前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 株式交付をする旨 二 株式交付子会社の商号及び住所 三 株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (株式交付の効力発生日の変更) 第八百十六条の九 株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。 3 第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 4 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。 5 株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。 6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。 この場合において、第四項中「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十及び前項」と読み替えるものとする。 (株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の十 株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六編 外国会社 (外国会社の日本における代表者) 第八百十七条 外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。 この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。 2 外国会社の日本における代表者は、当該外国会社の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 3 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 4 外国会社は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (登記前の継続取引の禁止等) 第八百十八条 外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (貸借対照表に相当するものの公告) 第八百十九条 外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)は、法務省令で定めるところにより、第四百三十八条第二項の承認と同種の手続又はこれに類似する手続の終結後遅滞なく、貸借対照表に相当するものを日本において公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である外国会社は、前項に規定する貸借対照表に相当するものの要旨を公告することで足りる。 3 前項の外国会社は、法務省令で定めるところにより、第一項の手続の終結後遅滞なく、同項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報を、当該手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により日本において不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない外国会社については、前三項の規定は、適用しない。 (日本に住所を有する日本における代表者の退任) 第八百二十条 外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 2 債権者が前項の期間内に異議を述べたときは、同項の外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、同項の退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 3 第一項の退任は、前二項の手続が終了した後にその登記をすることによって、その効力を生ずる。 (擬似外国会社) 第八百二十一条 日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (日本にある外国会社の財産についての清算) 第八百二十二条 裁判所は、次に掲げる場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、日本にある外国会社の財産の全部について清算の開始を命ずることができる。 一 外国会社が第八百二十七条第一項の規定による命令を受けた場合 二 外国会社が日本において取引を継続してすることをやめた場合 2 前項の場合には、裁判所は、清算人を選任する。 3 第四百七十六条、第二編第九章第一節第二款、第四百九十二条、同節第四款及び第五百八条の規定並びに同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 4 第八百二十条の規定は、外国会社が第一項の清算の開始を命じられた場合において、当該外国会社の日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、適用しない。 (他の法律の適用関係) 第八百二十三条 外国会社は、他の法律の適用については、日本における同種の会社又は最も類似する会社とみなす。 ただし、他の法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第七編 雑則 第一章 会社の解散命令等 第一節 会社の解散命令 (会社の解散命令) 第八百二十四条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (会社の財産に関する保全処分) 第八百二十五条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「会社」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第八百二十六条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令 第八百二十七条 裁判所は、次に掲げる場合には、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、外国会社が日本において取引を継続してすることの禁止又はその日本に設けられた営業所の閉鎖を命ずることができる。 一 外国会社の事業が不法な目的に基づいて行われたとき。 二 外国会社が正当な理由がないのに外国会社の登記の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 外国会社が正当な理由がないのに支払を停止したとき。 四 外国会社の日本における代表者その他その業務を執行する者が、法令で定める外国会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 第八百二十四条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、第八百二十四条第二項中「前項」とあり、同条第三項及び第四項中「第一項」とあり、並びに第八百二十五条第一項中「前条第一項」とあるのは「第八百二十七条第一項」と、前条中「第八百二十四条第一項」とあるのは「次条第一項」と、「同項第三号」とあるのは「同項第四号」と読み替えるものとする。 第二章 訴訟 第一節 会社の組織に関する訴え (会社の組織に関する行為の無効の訴え) 第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内 二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内) 三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) 四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内) 五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者 五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 (新株発行等の不存在の確認の訴え) 第八百二十九条 次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 一 株式会社の成立後における株式の発行 二 自己株式の処分 三 新株予約権の発行 (株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (株主総会等の決議の取消しの訴え) 第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。 一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (持分会社の設立の取消しの訴え) 第八百三十二条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。 一 社員が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員 二 社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき 当該債権者 (会社の解散の訴え) 第八百三十三条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。 一 株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。 2 やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。 (被告) 第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社 二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社 三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社 四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社 六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社 七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社 八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社 九 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割契約をした会社 十 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社及び新設分割により設立する会社 十一 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換契約をした会社 十二 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社 十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社 十三 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社 十四 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社 十五 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 十六 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社 十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社 十八 第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社 十九 第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員 二十 株式会社の解散の訴え 当該株式会社 二十一 持分会社の解散の訴え 当該持分会社 (訴えの管轄及び移送) 第八百三十五条 会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。 3 前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。 (担保提供命令) 第八百三十六条 会社の組織に関する訴えであって、株主又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百三十七条 同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百三十八条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第八百三十九条 会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (新株発行の無効判決の効力) 第八百四十条 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)を返還することを請求することができる。 2 前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。 3 前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。 4 第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。 5 第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 6 前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 (自己株式の処分の無効判決の効力) 第八百四十一条 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「株式」とあるのは、「自己株式」と読み替えるものとする。 (新株予約権発行の無効判決の効力) 第八百四十二条 新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。 2 第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「株主」とあるのは「新株予約権者」と、同条第四項中「株式」とあるのは「新株予約権」と、同条第五項及び第六項中「登録株式質権者」とあるのは「登録新株予約権質権者」と読み替えるものとする。 (合併又は会社分割の無効判決の効力) 第八百四十三条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 会社の吸収合併 吸収合併後存続する会社 二 会社の新設合併 新設合併により設立する会社 三 会社の吸収分割 吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社 四 会社の新設分割 新設分割により設立する会社 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。 ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。 3 第一項及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。 4 各会社の第一項の債務の負担部分又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (株式交換又は株式移転の無効判決の効力) 第八百四十四条 株式会社の株式交換又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換又は株式移転をする株式会社(以下この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。 この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。 3 前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。 ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。 (株式交付の無効判決の効力) 第八百四十四条の二 株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。 この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。 (持分会社の設立の無効又は取消しの判決の効力) 第八百四十五条 持分会社の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条 会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え (売渡株式等の取得の無効の訴え) 第八百四十六条の二 株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。 2 前項の訴え(以下この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。 一 取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者 二 取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役又は執行役。以下この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役若しくは清算人 (被告) 第八百四十六条の三 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百四十六条の四 売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第八百四十六条の五 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役又は清算人であるときは、この限りでない。 2 被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百四十六条の六 同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百四十六条の七 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効の判決の効力) 第八百四十六条の八 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条の九 売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二節 株式会社における責任追及等の訴え (株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 (旧株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条の二 次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。以下この条において同じ。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該株式会社の株式交換又は株式移転 当該株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併 当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」とする。 3 旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該完全親会社の株式交換又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 4 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 5 第三項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、第三項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該完全親会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 6 株式交換等完全子会社が第一項又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求(以下この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 7 株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 8 第一項、第三項及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 9 株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」とする。 (最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え) 第八百四十七条の三 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 特定責任追及の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合 二 当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合 2 前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。 一 完全親会社 二 株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社及びその完全子会社等(株式会社がその株式又は持分の全部を有する法人をいう。以下この条及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該他の株式会社(完全親会社を除く。) 3 前項第二号の場合において、同号の他の株式会社及びその完全子会社等又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。 4 第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項及び同条第七項において同じ。)。 5 最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。 6 公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、「株式会社」とする。 7 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。 8 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 9 第一項及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 10 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」とする。 (責任追及等の訴えに係る訴訟費用等) 第八百四十七条の四 第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 2 株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第八百四十八条 責任追及等の訴えは、株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第八百四十九条 株主等又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合又は同条第三項第一号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第二号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為又は同条第三項第一号の株式交換若しくは株式移転若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。)であって、当該完全親会社の株式交換若しくは株式移転又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。) 適格旧株主 二 最終完全親会社等 当該最終完全親会社等の株主 3 株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。 5 株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 6 株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 7 株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 8 第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、これらの規定中「のほか」とあるのは、「に代えて」とする。 9 公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、第五項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは「株主に通知し」と、第六項及び第七項中「公告又は通知」とあるのは「通知」とする。 10 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。 一 株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合 適格旧株主 二 最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合 当該最終完全親会社等の株主 11 前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、同項中「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、「当該各号に定める者に通知し」とする。 (和解) 第八百四十九条の二 株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 第八百五十条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (株主でなくなった者の訴訟追行) 第八百五十一条 責任追及等の訴えを提起した株主又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。 一 その者が当該株式会社の株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。 二 その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。 2 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(この項又は次項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「当該完全親会社」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 (費用等の請求) 第八百五十二条 責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。 (再審の訴え) 第八百五十三条 責任追及等の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 一 株主又は株式会社等 責任追及等の訴え 二 適格旧株主 責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。) 三 最終完全親会社等の株主 特定責任追及の訴え 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三節 株式会社の役員の解任の訴え (株式会社の役員の解任の訴え) 第八百五十四条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該株式会社である株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 2 公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 4 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 (被告) 第八百五十五条 前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百五十六条 株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第四節 特別清算に関する訴え (役員等の責任の免除の取消しの訴えの管轄) 第八百五十七条 第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。 (役員等責任査定決定に対する異議の訴え) 第八百五十八条 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。 3 第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 第五節 持分会社の社員の除名の訴え等 (持分会社の社員の除名の訴え) 第八百五十九条 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。 一 出資の義務を履行しないこと。 二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。 三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。 四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。 五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。 (持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え) 第八百六十条 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。 一 前条各号に掲げる事由があるとき。 二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。 (被告) 第八百六十一条 次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。 一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員 二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員 (訴えの管轄) 第八百六十二条 持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え (清算持分会社の財産処分の取消しの訴え) 第八百六十三条 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。 一 第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の債権者 二 第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者 2 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、同法第四百二十四条の五第一号中「債務者」とあるのは「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、同条第二号並びに同法第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中「債務者」とあるのは「清算持分会社」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十四条 前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方又は転得者を被告とする。 第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え (社債発行会社の弁済等の取消しの訴え) 第八百六十五条 社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 2 前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。 同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 3 第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。 ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。 4 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項及び前項本文の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、「債権者を害すること」とあるのは「その行為が著しく不公正であること」と、同法第四百二十四条の五各号中「債権者を害すること」とあるのは「著しく不公正であること」と、同法第四百二十五条中「債権者」とあるのは「社債権者」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十六条 前条第一項又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方又は転得者を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百六十七条 第八百六十五条第一項又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三章 非訟 第一節 総則 (非訟事件の管轄) 第八百六十八条 この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 一 当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 二 当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付 3 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 5 第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 6 第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第八百六十九条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第八百七十条 裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定 当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者 二 清算人、社債管理者又は社債管理補助者の解任についての裁判 当該清算人、社債管理者又は社債管理補助者 三 第三十三条第七項の規定による裁判 設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人 四 第二百七条第七項又は第二百八十四条第七項の規定による裁判 当該株式会社及び第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者 五 第四百五十五条第二項第二号又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判 当該株主 六 第四百五十六条又は第五百六条の規定による裁判 当該株主 七 第七百三十二条の規定による裁判 利害関係人 八 第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判 社債を発行した会社 九 第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判 社債を発行した会社 十 第八百二十四条第一項の規定による裁判 当該会社 十一 第八百二十七条第一項の規定による裁判 当該外国会社 2 裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判 当該株式会社 二 第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項の規定による株式又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定 価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 三 第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定 売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 四 第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定 当該株式会社 五 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定 特別支配株主 六 第八百四十三条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした会社 (申立書の写しの送付等) 第八百七十条の二 裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。 2 前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。 3 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。 4 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。 ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。 6 裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。 7 裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。 8 前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。 (理由の付記) 第八百七十一条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判 二 第八百七十四条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第八百七十二条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第六百九条第三項又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判 申立人、株主及び株式会社 三 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判 申立人、新株予約権者及び株式会社 四 第八百七十条第一項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) 五 第八百七十条第二項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者 (抗告状の写しの送付等) 第八百七十二条の二 裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 この場合においては、第八百七十条の二第二項及び第三項の規定を準用する。 2 第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。 (原裁判の執行停止) 第八百七十三条 第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第八百七十四条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者若しくは社債管理補助者の特別代理人又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者の選任又は選定の裁判 二 第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第八百七十五条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第八百七十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則 (審問等の必要的併合) 第八百七十七条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問及び裁判は、併合してしなければならない。 (裁判の効力) 第八百七十八条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。 2 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。 第三節 特別清算の手続に関する特則 第一款 通則 (特別清算事件の管轄) 第八百七十九条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 2 前項に規定する株式会社又は親法人及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 3 前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。 4 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 (特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送) 第八百八十条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。 2 通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。 (疎明) 第八百八十一条 第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。 (理由の付記) 第八百八十二条 特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。 ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。 2 特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。 (裁判書の送達) 第八百八十三条 この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条を除く。)の規定を準用する。 (不服申立て) 第八百八十四条 特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 2 前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。 (公告) 第八百八十五条 この節の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 (事件に関する文書の閲覧等) 第八百八十六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 清算株式会社以外の利害関係人 第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分又は特別清算開始の申立てについての裁判 二 清算株式会社 特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判 5 非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。 (支障部分の閲覧等の制限) 第八百八十七条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び清算株式会社に限ることができる。 一 第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等 二 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則 (特別清算開始の申立て) 第八百八十八条 債権者又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。 2 債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。 3 特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 4 前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (他の手続の中止命令) 第八百八十九条 裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 2 前項の中止の命令及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (特別清算開始の命令) 第八百九十条 裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。 2 特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。 4 特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。 5 特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。 6 特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第八百九十一条 裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。 2 裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則 (調査命令) 第八百九十二条 裁判所は、調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。 2 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算人の解任及び報酬等) 第八百九十三条 裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。 2 第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (監督委員の解任及び報酬等) 第八百九十四条 裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。 2 第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (調査委員の解任及び報酬等) 第八百九十五条 前条の規定は、調査委員について準用する。 (事業の譲渡の許可の申立て) 第八百九十六条 清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。 2 裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第八百九十七条 第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 前項の裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算株式会社の財産に関する保全処分等) 第八百九十八条 裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。 一 第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分 二 第五百四十一条第一項又は第二項の規定による処分 三 第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分 四 第五百四十三条の規定による処分 2 前項各号に掲げる裁判及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第八百九十九条 清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。 4 役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (債権者集会の招集の許可の申立てについての裁判) 第九百条 第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (協定の認可又は不認可の決定) 第九百一条 利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。 2 共助対象外国租税の請求権について、協定において減免その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。 3 第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 4 第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 5 前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則 (特別清算終結の申立てについての裁判) 第九百二条 特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 2 特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 3 特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。 4 特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 第四節 外国会社の清算の手続に関する特則 (特別清算の手続に関する規定の準用) 第九百三条 前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第九百四条 裁判所は、第八百二十四条第一項又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (会社の財産に関する保全処分についての特則) 第九百五条 裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社又は外国会社の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社又は外国会社の負担とする。 第九百六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四章 登記 第一節 総則 (通則) 第九百七条 この法律の規定により登記すべき事項(第九百三十八条第三項の保全処分の登記に係る事項を除く。)は、当事者の申請又は裁判所書記官の嘱託により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。 (登記の効力) 第九百八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (変更の登記及び消滅の登記) 第九百九条 この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。 (登記の期間) 第九百十条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二節 会社の登記 (株式会社の設立の登記) 第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日) 二 発起人が定めた日 2 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 創立総会の終結の日 二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 発行可能株式総数 七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容) 八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数 九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数 十 株券発行会社であるときは、その旨 十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項 イ 新株予約権の数 ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号まで(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)に掲げる事項 ハ 第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め ニ ロ及びハに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件 ホ 第二百三十六条第一項第七号及び第二百三十八条第一項第二号に掲げる事項 ヘ 第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法) 十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 十三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名 十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。) 十五 取締役会設置会社であるときは、その旨 十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所 十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨 ロ 監査役の氏名 十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨 十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項 イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨 ロ 特別取締役の氏名 ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 二十二 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名 ロ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ハ 第三百九十九条の十三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨 二十三 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名 ハ 代表執行役の氏名及び住所 二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 二十五 第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 二十六 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 二十七 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 二十八 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 二十九 第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合名会社の設立の登記) 第九百十二条 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。) 七 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合資会社の設立の登記) 第九百十三条 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別 七 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額 八 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。) 九 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 十 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十二 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合同会社の設立の登記) 第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称 七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所 八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 九 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十一 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (変更の登記) 第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 一 新株予約権の行使 二 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。) (他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記) 第九百十六条 会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 株式会社 第九百十一条第三項各号に掲げる事項 二 合名会社 第九百十二条各号に掲げる事項 三 合資会社 第九百十三条各号に掲げる事項 四 合同会社 第九百十四条各号に掲げる事項 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第九百十七条 次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 一 株式会社 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役 二 合名会社 社員 三 合資会社 社員 四 合同会社 業務を執行する社員 (支配人の登記) 第九百十八条 会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 (持分会社の種類の変更の登記) 第九百十九条 持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。 (組織変更の登記) 第九百二十条 会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第九百二十一条 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。 (新設合併の登記) 第九百二十二条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ヘ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第二項の総株主の同意を得た日 ロ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ハ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ニ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (吸収分割の登記) 第九百二十三条 会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。 (新設分割の登記) 第九百二十四条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ヘ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ホ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (株式移転の登記) 第九百二十五条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。 一 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 二 株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 三 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 四 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 五 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 六 株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日) (解散の登記) 第九百二十六条 第四百七十一条第一号から第三号まで又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。 (継続の登記) 第九百二十七条 第四百七十三条、第六百四十二条第一項又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人の登記) 第九百二十八条 第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨 2 第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名又は名称及び住所 二 清算持分会社を代表する清算人の氏名又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。) 三 清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名及び住所 3 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 4 第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第九百二十九条 清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 一 清算株式会社 第五百七条第三項の承認の日 二 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日) 三 清算持分会社(合同会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日 第九百三十条から第九百三十二条まで 削除 第三節 外国会社の登記 (外国会社の登記) 第九百三十三条 外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。 一 日本に営業所を設けていない場合 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下この節において同じ。)の住所地 二 日本に営業所を設けた場合 当該営業所の所在地 2 外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 外国会社の設立の準拠法 二 日本における代表者の氏名及び住所 三 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法 四 前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 五 第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め 六 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め 七 第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 3 外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。 4 第九百十五条及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。 この場合において、これらの規定中「二週間」とあるのは「三週間」と、「本店の所在地」とあるのは「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と読み替えるものとする。 5 前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。 (日本における代表者の選任の登記等) 第九百三十四条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。 (日本における代表者の住所の移転の登記等) 第九百三十五条 日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。 (日本における営業所の設置の登記等) 第九百三十六条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。 第四節 登記の嘱託 (裁判による登記の嘱託) 第九百三十七条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 会社の設立の無効の訴え ロ 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え ハ 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この節において同じ。)の発行の無効の訴え ニ 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え ホ 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え ヘ 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え ト 株主総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 株主総会等の決議の取消しの訴え チ 持分会社の設立の取消しの訴え リ 会社の解散の訴え ヌ 株式会社の役員の解任の訴え ル 持分会社の社員の除名の訴え ヲ 持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判(次条第二項第一号に規定する裁判を除く。) ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判(次条第二項第二号に規定する裁判を除く。) ニ 清算人又は代表清算人若しくは清算持分会社を代表する清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判(次条第二項第三号に規定する裁判を除く。) ホ 清算人の解任の裁判(次条第二項第四号に規定する裁判を除く。) 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第八百二十四条第一項の規定による会社の解散を命ずる裁判 2 第八百二十七条第一項の規定による外国会社の日本における取引の継続の禁止又は営業所の閉鎖を命ずる裁判が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、次の各号に掲げる外国会社の区分に応じ、当該各号に定める地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 日本に営業所を設けていない外国会社 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地 二 日本に営業所を設けている外国会社 当該営業所の所在地 3 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社についての解散の登記及び組織変更をする会社についての回復の登記 二 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社についての変更の登記及び吸収合併により消滅する会社についての回復の登記 三 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社についての解散の登記及び新設合併により消滅する会社についての回復の登記 四 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記 五 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社についての変更の登記及び新設分割により設立する会社についての解散の登記 六 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換をする株式会社(第七百六十八条第一項第四号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)及び株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社についての変更の登記 七 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社(第七百七十三条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)についての変更の登記及び株式移転により設立する株式会社についての解散の登記 八 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社についての変更の登記 (特別清算に関する裁判による登記の嘱託) 第九百三十八条 次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始の命令があったとき 特別清算開始の登記 二 特別清算開始の命令を取り消す決定が確定したとき 特別清算開始の取消しの登記 三 特別清算終結の決定が確定したとき 特別清算終結の登記 2 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始後における第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判があったとき。 二 前号の裁判を取り消す裁判があったとき。 三 特別清算開始後における清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判があったとき。 四 特別清算開始後における清算人の解任の裁判があったとき。 五 前号の裁判を取り消す裁判が確定したとき。 3 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 清算株式会社の財産に属する権利で登記されたものに関し第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 4 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 5 前二項の規定は、登録のある権利について準用する。 6 前各項の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五章 公告 第一節 総則 (会社の公告方法) 第九百三十九条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告 2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 3 会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。 (電子公告の公告期間等) 第九百四十条 株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告 当該特定の日 二 第四百四十条第一項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 前三号に掲げる公告以外の公告 当該公告の開始後一箇月を経過する日 2 外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下この章において「公告期間」という。)中公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。 一 公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は会社に正当な事由があること。 二 公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。 三 会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。 第二節 電子公告調査機関 (電子公告調査) 第九百四十一条 この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。 (登録) 第九百四十二条 前条の登録(以下この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。 2 登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (欠格事由) 第九百四十三条 次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 この節の規定若しくは農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項及び第三十四条の二十三第四項、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の二十八第六項(同法第四十三条第三項並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項、第八十条第一項及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第四十五条の二第六項、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第四十条の二第六項、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十三条の二十の二第六項、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項(同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)第十五条第六項(同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条の二及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百九十四条第四項、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二十条第四項、第六十一条第七項、第六十二条の二十五第七項及び第六十三条の二十第七項並びに労働者協同組合法(令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 二 第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三 法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの (登録基準) 第九百四十四条 法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。 この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。 一 電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。 イ 当該電子計算機及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。 ロ 当該電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。 ハ 当該電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。 二 電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。 2 登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。 一 登録年月日及び登録番号 二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 三 登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地 (登録の更新) 第九百四十五条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。 (調査の義務等) 第九百四十六条 調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。 2 調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。 3 調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下この節において「調査委託者」という。)の商号その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。 4 調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。 (電子公告調査を行うことができない場合) 第九百四十七条 調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告又はその者若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。 一 当該調査機関 二 当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。) 三 理事等又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人 四 理事等又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。)又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人 (事業所の変更の届出) 第九百四十八条 調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。 (業務規程) 第九百四十九条 調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。 (業務の休廃止) 第九百五十条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。 (財務諸表等の備置き及び閲覧等) 第九百五十一条 調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (適合命令) 第九百五十二条 法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第九百五十三条 法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと又は電子公告調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (登録の取消し等) 第九百五十四条 法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第九百四十三条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 二 第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで、第九百五十一条第一項又は次条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号又は次条第二項各号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。 四 第九百五十二条又は前条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。 五 不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。 (調査記録簿等の記載等) 第九百五十五条 調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求 二 調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (調査記録簿等の引継ぎ) 第九百五十六条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。 2 前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。 (法務大臣による電子公告調査の業務の実施) 第九百五十七条 法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災その他の事由によって電子公告調査の業務の全部又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。 2 法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、法務省令で定める。 3 第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (報告及び検査) 第九百五十八条 法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (公示) 第九百五十九条 法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一 登録をしたとき。 二 第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。 三 第九百四十八条又は第九百五十条の届出があったとき。 四 第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 五 第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。 第八編 罰則 (取締役等の特別背任罪) 第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時監査役 三 取締役、会計参与、監査役又は執行役 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者 六 支配人 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算株式会社の清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者 三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 四 清算人代理 五 監督委員 六 調査委員 (代表社債権者等の特別背任罪) 第九百六十一条 代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (未遂罪) 第九百六十二条 前二条の罪の未遂は、罰する。 (会社財産を危うくする罪) 第九百六十三条 第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 第九百六十条第一項第三号から第五号までに掲げる者が、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会若しくは種類株主総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、前項と同様とする。 3 検査役が、第二十八条各号、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 4 第九十四条第一項の規定により選任された者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 5 第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。 一 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得したとき。 二 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。 三 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第九百六十四条 次に掲げる者が、株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集をするに当たり、会社の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者 二 持分会社の業務を執行する社員 三 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者 四 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集の委託を受けた者 2 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。 (預合いの罪) 第九百六十五条 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者が、株式の発行に係る払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 預合いに応じた者も、同様とする。 (株式の超過発行の罪) 第九百六十六条 次に掲げる者が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時執行役 三 取締役、執行役又は清算株式会社の清算人 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)又は第四百三条第三項において準用する第四百一条第三項の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を行うべき者 (取締役等の贈収賄罪) 第九百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第九百六十条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 第九百六十一条に規定する者 三 会計監査人又は第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 (株主等の権利の行使に関する贈収賄罪) 第九百六十八条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会における発言又は議決権の行使 二 第二百十条若しくは第二百四十七条、第二百九十七条第一項若しくは第四項、第三百三条第一項若しくは第二項、第三百四条、第三百五条第一項若しくは第三百六条第一項若しくは第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百五十八条第一項、第三百六十条第一項若しくは第二項(これらの規定を第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)、第四百二十二条第一項若しくは第二項、第四百二十六条第七項、第四百三十三条第一項若しくは第四百七十九条第二項に規定する株主の権利の行使、第五百十一条第一項若しくは第五百二十二条第一項に規定する株主若しくは債権者の権利の行使又は第五百四十七条第一項若しくは第三項に規定する債権者の権利の行使 三 社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者の権利の行使 四 第八百二十八条第一項、第八百二十九条から第八百三十一条まで、第八百三十三条第一項、第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項、第八百四十七条の三第七項若しくは第九項、第八百五十三条、第八百五十四条又は第八百五十八条に規定する訴えの提起(株主等(第八百四十七条の四第二項に規定する株主等をいう。次号において同じ。)、株式会社の債権者又は新株予約権若しくは新株予約権付社債を有する者がするものに限る。) 五 第八百四十九条第一項の規定による株主等の訴訟参加 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。 (没収及び追徴) 第九百六十九条 第九百六十七条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (株主等の権利の行使に関する利益供与の罪) 第九百七十条 第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。第三項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。 3 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において第一項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。 4 前二項の罪を犯した者が、その実行について第一項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 5 前三項の罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができる。 6 第一項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。 (国外犯) 第九百七十一条 第九百六十条から第九百六十三条まで、第九百六十五条、第九百六十六条、第九百六十七条第一項、第九百六十八条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 第九百六十七条第二項、第九百六十八条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第九百七十二条 第九百六十条、第九百六十一条、第九百六十三条から第九百六十六条まで、第九百六十七条第一項又は第九百七十条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第九百六十二条の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (業務停止命令違反の罪) 第九百七十三条 第九百五十四条の規定による電子公告調査(第九百四十二条第一項に規定する電子公告調査をいう。以下同じ。)の業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (虚偽届出等の罪) 第九百七十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第九百五十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 二 第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項若しくは第九百五十六条第二項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者 三 第九百五十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 (両罰規定) 第九百七十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁、株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、株主名簿、株券喪失登録簿、新株予約権原簿、社債原簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第四百三十五条第二項若しくは第四百九十四条第一項の附属明細書、会計参与報告、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第百二十二条第一項、第百四十九条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第一項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第一項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第一項、第二百五十条第一項、第二百七十条第一項、第六百八十二条第一項、第六百九十五条第一項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第一項、第七百九十四条第一項、第八百一条第一項若しくは第二項、第八百三条第一項、第八百十一条第一項、第八百十五条第一項若しくは第二項、第八百十六条の二第一項若しくは第八百十六条の十第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第三十一条第一項の規定、第七十四条第六項、第七十五条第三項、第七十六条第四項、第八十一条第二項若しくは第八十二条第二項(これらの規定を第八十六条において準用する場合を含む。)、第百二十五条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第二項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第二項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第二項、第二百三十一条第一項若しくは第二百五十二条第一項、第三百十条第六項、第三百十一条第三項、第三百十二条第四項、第三百十八条第二項若しくは第三項若しくは第三百十九条第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百七十一条第一項(第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)、第三百七十八条第一項、第三百九十四条第一項、第三百九十九条の十一第一項、第四百十三条第一項、第四百四十二条第一項若しくは第二項、第四百九十六条第一項、第六百八十四条第一項、第七百三十一条第二項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第二項、第七百九十四条第一項、第八百一条第三項、第八百三条第一項、第八百十一条第二項、第八百十五条第三項、第八百十六条の二第一項又は第八百十六条の十第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 正当な理由がないのに、株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会において、株主又は設立時株主の求めた事項について説明をしなかったとき。 十 第百三十五条第一項の規定に違反して株式を取得したとき、又は同条第三項の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。 十一 第百七十八条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の消却をしたとき。 十二 第百九十七条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の競売又は売却をしたとき。 十三 株式、新株予約権又は社債の発行の日前に株券、新株予約権証券又は社債券を発行したとき。 十四 第二百十五条第一項、第二百八十八条第一項又は第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく、株券、新株予約権証券又は社債券を発行しなかったとき。 十五 株券、新株予約権証券又は社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 十六 第二百二十五条第四項、第二百二十六条第二項、第二百二十七条又は第二百二十九条第二項の規定に違反して、株券喪失登録を抹消しなかったとき。 十七 第二百三十条第一項の規定に違反して、株主名簿に記載し、又は記録したとき。 十八 第二百九十六条第一項の規定又は第三百七条第一項第一号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)若しくは第三百五十九条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、株主総会を招集しなかったとき。 十八の二 第三百三条第一項又は第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会又は種類株主総会の目的としなかったとき。 十九 第三百二十五条の三第一項(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十九の二 第三百二十七条の二の規定に違反して、社外取締役を選任しなかったとき。 十九の三 第三百三十一条第六項の規定に違反して、社外取締役を監査等委員である取締役の過半数に選任しなかったとき。 二十 第三百三十五条第三項の規定に違反して、社外監査役を監査役の半数以上に選任しなかったとき。 二十一 第三百四十三条第二項(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第三百四十四条の二第二項(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会若しくは種類株主総会の目的とせず、又はその請求に係る議案を株主総会若しくは種類株主総会に提出しなかったとき。 二十二 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 二十三 第三百六十五条第二項(第四百十九条第二項及び第四百八十九条第八項において準用する場合を含む。)又は第四百三十条の二第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、取締役会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 二十四 第三百九十条第三項の規定に違反して、常勤の監査役を選定しなかったとき。 二十五 第四百四十五条第三項若しくは第四項の規定に違反して資本準備金若しくは準備金を計上せず、又は第四百四十八条の規定に違反して準備金の額の減少をしたとき。 二十六 第四百四十九条第二項若しくは第五項、第六百二十七条第二項若しくは第五項、第六百三十五条第二項若しくは第五項、第六百七十条第二項若しくは第五項、第七百七十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十六条の八第二項若しくは第五項又は第八百二十条第一項若しくは第二項の規定に違反して、資本金若しくは準備金の額の減少、持分の払戻し、持分会社の財産の処分、組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付又は外国会社の日本における代表者の全員の退任をしたとき。 二十七 第四百八十四条第一項若しくは第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠ったとき、又は第五百十一条第二項の規定に違反して特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。 二十八 清算の結了を遅延させる目的で、第四百九十九条第一項、第六百六十条第一項又は第六百七十条第二項の期間を不当に定めたとき。 二十九 第五百条第一項、第五百三十七条第一項又は第六百六十一条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 三十 第五百二条又は第六百六十四条の規定に違反して、清算株式会社又は清算持分会社の財産を分配したとき。 三十一 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の規定に違反したとき。 三十二 第五百四十条第一項若しくは第二項又は第五百四十二条第一項若しくは第二項の規定による保全処分に違反したとき。 三十三 第七百二条の規定に違反して社債を発行し、又は第七百十四条第一項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者を定めなかったとき。 三十四 第八百二十七条第一項の規定による裁判所の命令に違反したとき。 三十五 第九百四十一条の規定に違反して、電子公告調査を求めなかったとき。 第九百七十七条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 第九百五十一条第一項の規定に違反して、財務諸表等(同項に規定する財務諸表等をいう。以下同じ。)を備え置かず、又は財務諸表等に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者 三 正当な理由がないのに、第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第九百七十八条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第六条第三項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者 二 第七条の規定に違反して、会社であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第八条第一項の規定に違反して、他の会社(外国会社を含む。)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者 第九百七十九条 会社の成立前に当該会社の名義を使用して事業をした者は、会社の設立の登録免許税の額に相当する過料に処する。 2 第八百十八条第一項又は第八百二十一条第一項の規定に違反して取引をした者も、前項と同様とする。
民事
Heisei
Act
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平成十七年法律第八十六号
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会社法 第一編 総則 第一章 通則 (趣旨) 第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。 二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。 三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 子会社 ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの 四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 親会社 ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの 五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。 六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。 イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。 七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。 八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。 九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。 十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。 十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。 十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。 十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。 十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。 十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。 十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。 二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。 二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。 二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。 二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。 二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。 二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。 イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社 二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。 二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。 二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。 三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。 三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。 三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。 三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。 (法人格) 第三条 会社は、法人とする。 (住所) 第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。 (商行為) 第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。 第二章 会社の商号 (商号) 第六条 会社は、その名称を商号とする。 2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。 3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 第九条 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三章 会社の使用人等 第一節 会社の使用人 (支配人) 第十条 会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。 (支配人の代理権) 第十一条 支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (支配人の競業の禁止) 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自ら営業を行うこと。 二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。 四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (表見支配人) 第十三条 会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第十四条 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。 2 前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第十五条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 第二節 会社の代理商 (通知義務) 第十六条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。 (代理商の競業の禁止) 第十七条 代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (通知を受ける権限) 第十八条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。 (契約の解除) 第十九条 会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。 (代理商の留置権) 第二十条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。 第四章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等 (譲渡会社の競業の禁止) 第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。 2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。 (譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等) 第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。 事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。 3 譲受会社が第一項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。 (譲受会社による債務の引受け) 第二十三条 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。 2 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 (詐害事業譲渡に係る譲受会社に対する債務の履行の請求) 第二十三条の二 譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って事業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、その譲受会社が事業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 譲受会社が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 事業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。 3 譲渡会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受会社に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。 (商人との間での事業の譲渡又は譲受け) 第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する譲渡人とみなして、同法第十七条から第十八条の二までの規定を適用する。 この場合において、同条第三項中「又は再生手続開始の決定」とあるのは、「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とする。 2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前三条の規定を適用する。 この場合において、前条第三項中「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とあるのは、「又は再生手続開始の決定」とする。 第二編 株式会社 第一章 設立 第一節 総則 第二十五条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法 2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。 第二節 定款の作成 (定款の作成) 第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額 五 発起人の氏名又は名称及び住所 第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。) 二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称 三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称 四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。) 第二十九条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第三十一条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 4 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第一項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。 第三節 出資 (設立時発行株式に関する事項の決定) 第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数 二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額 三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。 (定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 9 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。 10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第一号及び第二号に掲げる事項 二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項 三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。) 11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 発起人 二 第二十八条第二号の財産の譲渡人 三 設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。) 四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの (出資の履行) 第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (設立時発行株式の株主となる権利の譲渡) 第三十五条 前条第一項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (設立時発行株式の株主となる権利の喪失) 第三十六条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。 3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。 (発行可能株式総数の定め等) 第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。 3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。 ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 第四節 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 3 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。 一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。) 二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。) 三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。) 4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。 第三十九条 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。 4 第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。 5 第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。 (設立時役員等の選任の方法の特則) 第四十一条 前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)の選任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時役員等の解任) 第四十二条 発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第四項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第四十三条 設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査等委員である設立時取締役又は設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。 (設立時取締役等の解任の方法の特則) 第四十四条 前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く。次項及び第四項において同じ。)の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。第四項において同じ。)を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 3 前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 4 前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 5 前各項の規定は、第四十一条第一項の規定により選任された設立時監査等委員である設立時取締役及び同条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。 この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。 (設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則) 第四十五条 株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。 一 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任 二 監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役の全部又は一部の選任又は解任 これらの取締役となる設立時取締役の選任又は解任 三 会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任 四 監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任 五 会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 第五節 設立時取締役等による調査 第四十六条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 出資の履行が完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。 3 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。 第六節 設立時代表取締役等の選定等 (設立時代表取締役の選定等) 第四十七条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 (設立時委員の選定等) 第四十八条 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。 一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。 イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者 ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者 ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者 二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。 三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。 ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。 3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 第七節 株式会社の成立 (株式会社の成立) 第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (株式の引受人の権利) 第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第五十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。 2 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 第八節 発起人等の責任等 (出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 第五十二条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。 一 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 (出資の履行を仮装した場合の責任等) 第五十二条の二 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払 二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 4 発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。 5 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (発起人等の損害賠償責任) 第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (発起人等の連帯責任) 第五十四条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第五十五条 第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (株式会社不成立の場合の責任) 第五十六条 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。 第九節 募集による設立 第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集 (設立時発行株式を引き受ける者の募集) 第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。 2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (設立時募集株式に関する事項の決定) 第五十八条 発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。) 二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。) 三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間 四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日 2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。 (設立時募集株式の申込み) 第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名 二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項 三 発起人が出資した財産の価額 四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。 3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする設立時募集株式の数 4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (設立時募集株式の割当て) 第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。 2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。 (設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第六十一条 前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (設立時募集株式の引受け) 第六十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。 一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数 二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数 (設立時募集株式の払込金額の払込み) 第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。 2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。 (払込金の保管証明) 第六十四条 第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。 2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。 第二款 創立総会等 (創立総会の招集) 第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。 2 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。 (創立総会の権限) 第六十六条 創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。 (創立総会の招集の決定) 第六十七条 発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 創立総会の日時及び場所 二 創立総会の目的である事項 三 創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 (創立総会の招集の通知) 第六十八条 創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合 3 発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 7 前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (招集手続の省略) 第六十九条 前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七十条 発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 第七十一条 発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 3 発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の数) 第七十二条 設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。 3 前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。 (創立総会の決議) 第七十三条 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 3 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。 4 創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第七十四条 設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。 3 第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。 7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (書面による議決権の行使) 第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。 2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (議決権の不統一行使) 第七十七条 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (発起人の説明義務) 第七十八条 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第七十九条 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (延期又は続行の決議) 第八十条 創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。 (議事録) 第八十一条 創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。 3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会の決議の省略) 第八十二条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。 2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会への報告の省略) 第八十三条 発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第八十四条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類創立総会の招集及び決議) 第八十五条 前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。 2 種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 3 前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (創立総会に関する規定の準用) 第八十六条 第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。 この場合において、第六十七条第一項第三号及び第四号並びに第二項、第六十八条第一項及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第三項及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項及び第三項、第七十七条、第七十八条本文並びに第八十二条第一項中「設立時株主」とあるのは、「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と読み替えるものとする。 第三款 設立に関する事項の報告 第八十七条 発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。 2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容 二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容 第四款 設立時取締役等の選任及び解任 (設立時取締役等の選任) 第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 (累積投票による設立時取締役の選任) 第八十九条 創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、設立時株主(設立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (種類創立総会の決議による設立時取締役等の選任) 第九十条 第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。 2 前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時取締役等の解任) 第九十一条 第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 第九十二条 第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「取締役を」とあるのは「監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役を」と、「設立時取締役」とあるのは「設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役」とする。 4 第一項及び第二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役について準用する。 第五款 設立時取締役等による調査 (設立時取締役等による調査) 第九十三条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 発起人による出資の履行及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 3 設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 (設立時取締役等が発起人である場合の特則) 第九十四条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)の全部又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。 2 前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 第六款 定款の変更 (発起人による定款の変更の禁止) 第九十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。 (創立総会における定款の変更) 第九十六条 第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。 (設立時発行株式の引受けの取消し) 第九十七条 創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 (創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 (定款の変更の手続の特則) 第九十九条 設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。 一 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。 二 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。 第百条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主 2 前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 第百一条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式の種類の追加 二 株式の内容の変更 三 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加 2 前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。 第七款 設立手続等の特則等 (設立手続等の特則) 第百二条 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。 2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。 3 設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。 4 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 5 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。 6 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 (払込みを仮装した設立時募集株式の引受人の責任) 第百二条の二 設立時募集株式の引受人は、前条第三項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。 2 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (発起人の責任等) 第百三条 第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号に」とする。 2 第百二条第三項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第一項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 4 第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前三項の規定を適用する。 第二章 株式 第一節 総則 (株主の責任) 第百四条 株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 (株主の権利) 第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (共有者による権利の行使) 第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (株式の内容についての特別の定め) 第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に掲げる事項 イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨 ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨 ロ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ヘ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項 ト イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 (異なる種類の株式) 第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。 ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。 一 剰余金の配当 二 残余財産の分配 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。 2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。 一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容 二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項 イ 株主総会において議決権を行使することができる事項 ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項 イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法 ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項 ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項 イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数 ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。 この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。 (株主の平等) 第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。 (定款の変更の手続の特則) 第百十条 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、株主全員の同意を得なければならない。 第百十一条 種類株式発行会社がある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該種類の株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 2 種類株式発行会社がある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合には、当該定款の変更は、次に掲げる種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の株式の種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の種類株主 (取締役の選任等に関する種類株式の定款の定めの廃止の特則) 第百十二条 第百八条第二項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは、廃止されたものとみなす。 2 前項の規定は、第百八条第二項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定款の定めについて準用する。 (発行可能株式総数) 第百十三条 株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。 2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。 3 次に掲げる場合には、当該定款の変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 一 公開会社が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合 二 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合 4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 (発行可能種類株式総数) 第百十四条 定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数を下ることができない。 2 ある種類の株式についての次に掲げる数の合計数は、当該種類の株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 一 取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 二 取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)が第百七十条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 三 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数 (議決権制限株式の発行数) 第百十五条 種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第百十六条 次の各号に掲げる場合には、反対株主は、株式会社に対し、自己の有する当該各号に定める株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 全部の株式 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 第百十一条第二項各号に規定する株式 三 次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式(第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがあるものに限る。)を有する種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 当該種類の株式 イ 株式の併合又は株式の分割 ロ 第百八十五条に規定する株式無償割当て ハ 単元株式数についての定款の変更 ニ 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ホ 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ヘ 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 前項各号の行為をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該行為に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 第一項各号の行為をしようとする株式会社は、当該行為が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「効力発生日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める株式の株主に対し、当該行為をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式会社が第一項各号の行為を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百十七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めがある株式会社をいう。以下同じ。)は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第百十八条 次の各号に掲げる定款の変更をする場合には、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 全部の新株予約権 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 当該種類の株式を目的とする新株予約権 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この節において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項各号に掲げる定款の変更をしようとする株式会社は、当該定款の変更が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「定款変更日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、当該定款の変更を行う旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、定款変更日の二十日前の日から定款変更日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券(第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券をいう。以下この項及び次条第八項において同じ。)が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 株式会社が第一項各号に掲げる定款の変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第百十九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、定款変更日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、定款変更日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、定款変更日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、定款変更日に、その効力を生ずる。 7 株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、その新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (株主等の権利の行使に関する利益の供与) 第百二十条 株式会社は、何人に対しても、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。)の株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。 2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。 株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。 3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。 この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。 4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。以下この項において同じ。)として法務省令で定める者は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。 ただし、その者(当該利益の供与をした取締役を除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第二節 株主名簿 (株主名簿) 第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 株主の氏名又は名称及び住所 二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 三 第一号の株主が株式を取得した日 四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号 (株主名簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百二十二条 前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (株主名簿管理人) 第百二十三条 株式会社は、株主名簿管理人(株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百二十四条 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 3 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。 ただし、定款に当該基準日及び当該事項について定めがあるときは、この限りでない。 4 基準日株主が行使することができる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、当該基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を当該権利を行使することができる者と定めることができる。 ただし、当該株式の基準日株主の権利を害することができない。 5 第一項から第三項までの規定は、第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者について準用する。 (株主名簿の備置き及び閲覧等) 第百二十五条 株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の株主名簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (株主に対する通知等) 第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 第三節 株式の譲渡等 第一款 株式の譲渡 (株式の譲渡) 第百二十七条 株主は、その有する株式を譲渡することができる。 (株券発行会社の株式の譲渡) 第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。 2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。 (自己株式の処分に関する特則) 第百二十九条 株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。 (株式の譲渡の対抗要件) 第百三十条 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 (権利の推定等) 第百三十一条 株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。 2 株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十二条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 株式を発行した場合 二 当該株式会社の株式を取得した場合 三 自己株式を処分した場合 2 株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 (株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十三条 株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 第百三十四条 前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。 二 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。 三 当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。 四 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。 (親会社株式の取得の禁止) 第百三十五条 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合 二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合 三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合 3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。 第二款 株式の譲渡に係る承認手続 (株主からの承認の請求) 第百三十六条 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (株式取得者からの承認の請求) 第百三十七条 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第百三十八条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称 ハ 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの株式取得者の氏名又は名称 ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 (譲渡等の承認の決定等) 第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社又は指定買取人による買取り) 第百四十条 株式会社は、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 対象株式を買い取る旨 二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。 5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式会社による買取りの通知) 第百四十一条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を決定したときは、譲渡等承認請求者に対し、これらの事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額(一株当たりの純資産額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下同じ。)に前条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をその本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、前条第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、当該株券発行会社に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、株券発行会社は、前条第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (指定買取人による買取りの通知) 第百四十二条 指定買取人は、第百四十条第四項の規定による指定を受けたときは、譲渡等承認請求者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 指定買取人として指定を受けた旨 二 指定買取人が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 指定買取人は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額に同項第二号の対象株式の数を乗じて得た額を株式会社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、指定買取人に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、指定買取人は、第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (譲渡等承認請求の撤回) 第百四十三条 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 2 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百四十四条 第百四十一条第一項の規定による通知があった場合には、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格は、株式会社と譲渡等承認請求者との協議によって定める。 2 株式会社又は譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に第百四十条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をもって当該対象株式の売買価格とする。 6 第百四十一条第二項の規定による供託をした場合において、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格が確定したときは、株式会社は、供託した金銭に相当する額を限度として、売買代金の全部又は一部を支払ったものとみなす。 7 前各項の規定は、第百四十二条第一項の規定による通知があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第二項中「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第四項及び第五項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、前項中「第百四十一条第二項」とあるのは「第百四十二条第二項」と、「第百四十条第一項第二号」とあるのは「同条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と読み替えるものとする。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第百四十五条 次に掲げる場合には、株式会社は、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 一 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の規定による請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百三十九条第二項の規定による通知をしなかった場合 二 株式会社が第百三十九条第二項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十一条第一項の規定による通知をしなかった場合(指定買取人が第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十二条第一項の規定による通知をした場合を除く。) 三 前二号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第三款 株式の質入れ (株式の質入れ) 第百四十六条 株主は、その有する株式に質権を設定することができる。 2 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 (株式の質入れの対抗要件) 第百四十七条 株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができない。 3 民法第三百六十四条の規定は、株式については、適用しない。 (株主名簿の記載等) 第百四十八条 株式に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である株式 (株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第百四十九条 前条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録株式質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録株式質権者についての株主名簿に記載され、若しくは記録された同条各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (登録株式質権者に対する通知等) 第百五十条 株式会社が登録株式質権者に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該登録株式質権者の住所(当該登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式の質入れの効果) 第百五十一条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、株式を目的とする質権は、当該行為によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)について存在する。 一 第百六十七条第一項の規定による取得請求権付株式の取得 二 第百七十条第一項の規定による取得条項付株式の取得 三 第百七十三条第一項の規定による第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 四 株式の併合 五 株式の分割 六 第百八十五条に規定する株式無償割当て 七 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 八 剰余金の配当 九 残余財産の分配 十 組織変更 十一 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 十二 株式交換 十三 株式移転 十四 株式の取得(第一号から第三号までに掲げる行為を除く。) 2 特別支配株主(第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。第百五十四条第三項において同じ。)が株式売渡請求(第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。)により売渡株式(第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。以下この項において同じ。)の取得をした場合には、売渡株式を目的とする質権は、当該取得によって当該売渡株式の株主が受けることのできる金銭について存在する。 第百五十二条 株式会社(株券発行会社を除く。以下この条において同じ。)は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる行為をした場合(これらの行為に際して当該株式会社が株式を交付する場合に限る。)又は同項第六号に掲げる行為をした場合において、同項の質権の質権者が登録株式質権者(第二百十八条第五項の規定による請求により第百四十八条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録されたものを除く。以下この款において同じ。)であるときは、前条第一項の株主が受けることができる株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 株式会社は、株式の併合をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、併合した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、分割した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 第百五十三条 株券発行会社は、前条第一項に規定する場合には、第百五十一条第一項の株主が受ける株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 2 株券発行会社は、前条第二項に規定する場合には、併合した株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 3 株券発行会社は、前条第三項に規定する場合には、分割した株式について新たに発行する株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 第百五十四条 登録株式質権者は、第百五十一条第一項の金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 第百五十一条第一項第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十四号に掲げる行為 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 四 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 五 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第百五十一条第二項に規定する場合において、第一項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該特別支配株主に同条第二項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第四款 信託財産に属する株式についての対抗要件等 第百五十四条の二 株式については、当該株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、当該株式が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第百二十一条第一号の株主は、その有する株式が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 株主名簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百二十二条第一項及び第百三十二条の規定の適用については、第百二十二条第一項中「記録された株主名簿記載事項」とあるのは「記録された株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」と、第百三十二条中「株主名簿記載事項」とあるのは「株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 第四節 株式会社による自己の株式の取得 第一款 総則 第百五十五条 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた場合 二 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求があった場合 三 次条第一項の決議があった場合 四 第百六十六条第一項の規定による請求があった場合 五 第百七十一条第一項の決議があった場合 六 第百七十六条第一項の規定による請求をした場合 七 第百九十二条第一項の規定による請求があった場合 八 第百九十七条第三項各号に掲げる事項を定めた場合 九 第二百三十四条第四項各号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を定めた場合 十 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合 十一 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十二 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十三 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第二款 株主との合意による取得 第一目 総則 (株式の取得に関する事項の決定) 第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額 三 株式を取得することができる期間 2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。 (取得価格等の決定) 第百五十七条 株式会社は、前条第一項の規定による決定に従い株式を取得しようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数) 二 株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の総額 四 株式の譲渡しの申込みの期日 2 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 3 第一項の株式の取得の条件は、同項の規定による決定ごとに、均等に定めなければならない。 (株主に対する通知等) 第百五十八条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、前条第一項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 公開会社においては、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (譲渡しの申込み) 第百五十九条 前条第一項の規定による通知を受けた株主は、その有する株式の譲渡しの申込みをしようとするときは、株式会社に対し、その申込みに係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにしなければならない。 2 株式会社は、第百五十七条第一項第四号の期日において、前項の株主が申込みをした株式の譲受けを承諾したものとみなす。 ただし、同項の株主が申込みをした株式の総数(以下この項において「申込総数」という。)が同条第一項第一号の数(以下この項において「取得総数」という。)を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に前項の株主が申込みをした株式の数を乗じて得た数(その数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)の株式の譲受けを承諾したものとみなす。 第二目 特定の株主からの取得 (特定の株主からの取得) 第百六十条 株式会社は、第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第百五十八条第一項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。 2 株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。 3 前項の株主は、第一項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。 4 第一項の特定の株主は、第百五十六条第一項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、第一項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 5 第一項の特定の株主を定めた場合における第百五十八条第一項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第百六十条第一項の特定の株主」とする。 (市場価格のある株式の取得の特則) 第百六十一条 前条第二項及び第三項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。 (相続人等からの取得の特則) 第百六十二条 第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 株式会社が公開会社である場合 二 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合 (子会社からの株式の取得) 第百六十三条 株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。 この場合においては、第百五十七条から第百六十条までの規定は、適用しない。 (特定の株主からの取得に関する定款の定め) 第百六十四条 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第百六十条第一項の規定による決定をするときは同条第二項及び第三項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。 2 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 第三目 市場取引等による株式の取得 第百六十五条 第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 2 取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。 第三款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得 第一目 取得請求権付株式の取得の請求 (取得の請求) 第百六十六条 取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。 ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第二号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第一項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。 ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。 (効力の発生) 第百六十七条 株式会社は、前条第一項の規定による請求の日に、その請求に係る取得請求権付株式を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした株主は、その請求の日に、第百七条第二項第二号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第五号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 二 第百七条第二項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 前項第四号に掲げる場合において、同号に規定する他の株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 この場合においては、株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を前条第一項の規定による請求をした株主に対して交付しなければならない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 4 前項の規定は、当該株式会社の社債及び新株予約権について端数がある場合について準用する。 この場合において、同項第二号中「一株当たり純資産額」とあるのは、「法務省令で定める額」と読み替えるものとする。 第二目 取得条項付株式の取得 (取得する日の決定) 第百六十八条 第百七条第二項第三号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第百七条第二項第三号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主)及びその登録株式質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する株式の決定等) 第百六十九条 株式会社は、第百七条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第百七十条 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第五項において同じ。)に、取得条項付株式(同条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項において同じ。)を取得する。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 次の各号に掲げる場合には、取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日に、同号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第六号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第三号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの社債の社債権者 二 第百七条第二項第三号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第三号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第百六十八条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 4 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 前各項の規定は、取得条項付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第三号ニからトまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が同号イの事由が生じた日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、適用しない。 第四款 全部取得条項付種類株式の取得 (全部取得条項付種類株式の取得に関する決定) 第百七十一条 全部取得条項付種類株式(第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定めがある種類の株式をいう。以下この款において同じ。)を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる。 この場合においては、当該株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等を交付するときは、当該金銭等(以下この条において「取得対価」という。)についての次に掲げる事項 イ 当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法 ロ 当該取得対価が当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 二 前号に規定する場合には、全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項 三 株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(以下この款において「取得日」という。) 2 前項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社を除く。)の有する全部取得条項付種類株式の数に応じて取得対価を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 取締役は、第一項の株主総会において、全部取得条項付種類株式の全部を取得することを必要とする理由を説明しなければならない。 (全部取得条項付種類株式の取得対価等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十一条の二 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から取得日後六箇月を経過する日までの間、前条第一項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 前条第一項の株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百七十二条第二項の規定による通知の日又は同条第三項の公告の日のいずれか早い日 2 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (全部取得条項付種類株式の取得をやめることの請求) 第百七十一条の三 第百七十一条第一項の規定による全部取得条項付種類株式の取得が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該全部取得条項付種類株式の取得をやめることを請求することができる。 (裁判所に対する価格の決定の申立て) 第百七十二条 第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。 一 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 2 株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。 (効力の発生) 第百七十三条 株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主(前条第一項の申立てをした株主を除く。)は、取得日に、第百七十一条第一項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第百七十一条第一項第一号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第百七十一条第一項第一号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第百七十一条第一項第一号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 (全部取得条項付種類株式の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十三条の二 株式会社は、取得日後遅滞なく、株式会社が取得した全部取得条項付種類株式の数その他の全部取得条項付種類株式の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、取得日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 全部取得条項付種類株式を取得した株式会社の株主又は取得日に全部取得条項付種類株式の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五款 相続人等に対する売渡しの請求 (相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め) 第百七十四条 株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。 (売渡しの請求の決定) 第百七十五条 株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式を有する者の氏名又は名称 2 前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 (売渡しの請求) 第百七十六条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。 ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百七十七条 前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。 2 株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。 5 第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。 第六款 株式の消却 第百七十八条 株式会社は、自己株式を消却することができる。 この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第四節の二 特別支配株主の株式等売渡請求 (株式等売渡請求) 第百七十九条 株式会社の特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を当該株式会社以外の者及び当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人(以下この条及び次条第一項において「特別支配株主完全子法人」という。)が有している場合における当該者をいう。以下同じ。)は、当該株式会社の株主(当該株式会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 2 特別支配株主は、前項の規定による請求(以下この章及び第八百四十六条の二第二項第一号において「株式売渡請求」という。)をするときは、併せて、その株式売渡請求に係る株式を発行している株式会社(以下「対象会社」という。)の新株予約権の新株予約権者(対象会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する対象会社の新株予約権の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 3 特別支配株主は、新株予約権付社債に付された新株予約権について前項の規定による請求(以下「新株予約権売渡請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式等売渡請求の方法) 第百七十九条の二 株式売渡請求は、次に掲げる事項を定めてしなければならない。 一 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 二 株式売渡請求によりその有する対象会社の株式を売り渡す株主(以下「売渡株主」という。)に対して当該株式(以下この章において「売渡株式」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 三 売渡株主に対する前号の金銭の割当てに関する事項 四 株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求(その新株予約権売渡請求に係る新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前条第三項の規定による請求を含む。以下同じ。)をするときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 特別支配株主完全子法人に対して新株予約権売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 ロ 新株予約権売渡請求によりその有する対象会社の新株予約権を売り渡す新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」という。)に対して当該新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、前条第三項の規定による請求をするときは、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この編において「売渡新株予約権」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 ハ 売渡新株予約権者に対するロの金銭の割当てに関する事項 五 特別支配株主が売渡株式(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式及び売渡新株予約権。以下「売渡株式等」という。)を取得する日(以下この節において「取得日」という。) 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 対象会社が種類株式発行会社である場合には、特別支配株主は、対象会社の発行する種類の株式の内容に応じ、前項第三号に掲げる事項として、同項第二号の金銭の割当てについて売渡株式の種類ごとに異なる取扱いを行う旨及び当該異なる取扱いの内容を定めることができる。 3 第一項第三号に掲げる事項についての定めは、売渡株主の有する売渡株式の数(前項に規定する定めがある場合にあっては、各種類の売渡株式の数)に応じて金銭を交付することを内容とするものでなければならない。 (対象会社の承認) 第百七十九条の三 特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。 2 対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。 3 取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 4 対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (売渡株主等に対する通知等) 第百七十九条の四 対象会社は、前条第一項の承認をしたときは、取得日の二十日前までに、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事項を通知しなければならない。 一 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。) 当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項 二 売渡株式の登録株式質権者(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式の登録株式質権者及び売渡新株予約権の登録新株予約権質権者(第二百七十条第一項に規定する登録新株予約権質権者をいう。)) 当該承認をした旨 2 前項の規定による通知(売渡株主に対してするものを除く。)は、公告をもってこれに代えることができる。 3 対象会社が第一項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、特別支配株主から売渡株主等に対し、株式等売渡請求がされたものとみなす。 4 第一項の規定による通知又は第二項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株式等売渡請求に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の五 対象会社は、前条第一項第一号の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日から取得日後六箇月(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日後一年)を経過する日までの間、次に掲げる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 特別支配株主の氏名又は名称及び住所 二 第百七十九条の二第一項各号に掲げる事項 三 第百七十九条の三第一項の承認をした旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 売渡株主等は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式等売渡請求の撤回) 第百七十九条の六 特別支配株主は、第百七十九条の三第一項の承認を受けた後は、取得日の前日までに対象会社の承諾を得た場合に限り、売渡株式等の全部について株式等売渡請求を撤回することができる。 2 取締役会設置会社が前項の承諾をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 3 対象会社は、第一項の承諾をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 4 対象会社は、第一項の承諾をしたときは、遅滞なく、売渡株主等に対し、当該承諾をした旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 6 対象会社が第四項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、株式等売渡請求は、売渡株式等の全部について撤回されたものとみなす。 7 第四項の規定による通知又は第五項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 8 前各項の規定は、新株予約権売渡請求のみを撤回する場合について準用する。 この場合において、第四項中「売渡株主等」とあるのは、「売渡新株予約権者」と読み替えるものとする。 (売渡株式等の取得をやめることの請求) 第百七十九条の七 次に掲げる場合において、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 株式売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡株主に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第二号又は第三号に掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 2 次に掲げる場合において、売渡新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡新株予約権者は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 新株予約権売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡新株予約権者に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第四号ロ又はハに掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 (売買価格の決定の申立て) 第百七十九条の八 株式等売渡請求があった場合には、売渡株主等は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、その有する売渡株式等の売買価格の決定の申立てをすることができる。 2 特別支配株主は、裁判所の決定した売買価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 3 特別支配株主は、売渡株式等の売買価格の決定があるまでは、売渡株主等に対し、当該特別支配株主が公正な売買価格と認める額を支払うことができる。 (売渡株式等の取得) 第百七十九条の九 株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。 2 前項の規定により特別支配株主が取得した売渡株式等が譲渡制限株式又は譲渡制限新株予約権(第二百四十三条第二項第二号に規定する譲渡制限新株予約権をいう。)であるときは、対象会社は、当該特別支配株主が当該売渡株式等を取得したことについて、第百三十七条第一項又は第二百六十三条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 (売渡株式等の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の十 対象会社は、取得日後遅滞なく、株式等売渡請求により特別支配株主が取得した売渡株式等の数その他の株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 対象会社は、取得日から六箇月間(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日から一年間)、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 取得日に売渡株主等であった者は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五節 株式の併合等 第一款 株式の併合 (株式の併合) 第百八十条 株式会社は、株式の併合をすることができる。 2 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 併合の割合 二 株式の併合がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。) 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類 四 効力発生日における発行可能株式総数 3 前項第四号の発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 4 取締役は、第二項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 (株主に対する通知等) 第百八十一条 株式会社は、効力発生日の二週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、前条第二項第三号の種類の種類株主。以下この款において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生) 第百八十二条 株主は、効力発生日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。 2 株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、第百八十条第二項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の二 株式の併合(単元株式数(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式の単元株式数。以下この項において同じ。)を定款で定めている場合にあっては、当該単元株式数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数に一に満たない端数が生ずるものに限る。以下この款において同じ。)をする株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、同項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 第百八十条第二項の株主総会(株式の併合をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。第百八十二条の四第二項において同じ。)の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百八十二条の四第三項の規定により読み替えて適用する第百八十一条第一項の規定による株主に対する通知の日又は第百八十一条第二項の公告の日のいずれか早い日 2 株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式の併合をやめることの請求) 第百八十二条の三 株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。 (反対株主の株式買取請求) 第百八十二条の四 株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第百八十条第二項の株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 株式会社が株式の併合をする場合における株主に対する通知についての第百八十一条第一項の規定の適用については、同項中「二週間」とあるのは、「二十日」とする。 4 第一項の規定による請求(以下この款において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 5 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 6 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 7 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百八十二条の五 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の六 株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の発行済株式)の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第二款 株式の分割 (株式の分割) 第百八十三条 株式会社は、株式の分割をすることができる。 2 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日 二 株式の分割がその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類 (効力の発生等) 第百八十四条 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第二項第三号の種類の種類株主)は、同項第二号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。 2 株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。 第三款 株式無償割当て (株式無償割当て) 第百八十五条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。 (株式無償割当てに関する事項の決定) 第百八十六条 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式無償割当ての効力の発生等) 第百八十七条 前条第一項第一号の株式の割当てを受けた株主は、同項第二号の日に、同項第一号の株式の株主となる。 2 株式会社は、前条第一項第二号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。 第六節 単元株式数 第一款 総則 (単元株式数) 第百八十八条 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。 2 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。 3 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。 (単元未満株式についての権利の制限等) 第百八十九条 単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。 2 株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。 一 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の交付を受ける権利 二 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利 三 第百八十五条に規定する株式無償割当てを受ける権利 四 第百九十二条第一項の規定により単元未満株式を買い取ることを請求する権利 五 残余財産の分配を受ける権利 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める権利 3 株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。 (理由の開示) 第百九十条 単元株式数を定める場合には、取締役は、当該単元株式数を定める定款の変更を目的とする株主総会において、当該単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければならない。 (定款変更手続の特則) 第百九十一条 株式会社は、次のいずれにも該当する場合には、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数。以下この条において同じ。)を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることができる。 一 株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設けるものであること。 二 イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと。 イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数 ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数) 第二款 単元未満株主の買取請求 (単元未満株式の買取りの請求) 第百九十二条 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 第一項の規定による請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、当該請求を撤回することができる。 (単元未満株式の価格の決定) 第百九十三条 前条第一項の規定による請求があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該請求に係る単元未満株式の価格とする。 一 当該単元未満株式が市場価格のある株式である場合 当該単元未満株式の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社と前条第一項の規定による請求をした単元未満株主との協議によって定める額 2 前項第二号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした単元未満株主又は株式会社は、当該請求をした日から二十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって当該単元未満株式の価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、同項第二号に掲げる場合において、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項第二号の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に前条第一項の規定による請求に係る単元未満株式の数を乗じて得た額をもって当該単元未満株式の価格とする。 6 前条第一項の規定による請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式につき前条第一項の規定による請求があったときは、株券と引換えに、その請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第三款 単元未満株主の売渡請求 第百九十四条 株式会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求(単元未満株主が有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを請求することをいう。以下この条において同じ。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 2 単元未満株式売渡請求は、当該単元未満株主に売り渡す単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合を除き、自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。 4 第百九十二条第三項及び前条第一項から第六項までの規定は、単元未満株式売渡請求について準用する。 第四款 単元株式数の変更等 第百九十五条 株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。 2 前項の規定により定款の変更をした場合には、株式会社は、当該定款の変更の効力が生じた日以後遅滞なく、その株主(種類株式発行会社にあっては、同項の規定により単元株式数を変更した種類の種類株主)に対し、当該定款の変更をした旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第七節 株主に対する通知の省略等 (株主に対する通知の省略) 第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。 3 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。 (株式の競売) 第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。 一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの 二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。 一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者 二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者 (利害関係人の異議) 第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。 5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。 第八節 募集株式の発行等 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。) 二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法 三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項 2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。 2 前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 3 第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。 3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百二条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集株式の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集株式の数 三 第一項第二号の期日 5 第百九十九条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 (取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則) 第二百二条の二 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 募集株式を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 2 前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、同項中「前項各号」とあるのは、「前項各号(第二号及び第四号を除く。)及び第二百二条の二第一項各号」とする。 この場合においては、第二百条及び前条の規定は、適用しない。 3 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 第二款 募集株式の割当て (募集株式の申込み) 第二百三条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集株式の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集株式の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集株式の割当て) 第二百四条 株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 募集株式が譲渡制限株式である場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 株式会社は、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集株式の数を通知しなければならない。 4 第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集株式の割当てを受ける権利を失う。 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第二百五条 前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、第二百三条第二項の申込みをし、又は第一項の契約を締結することができない。 4 前項に規定する場合における前条第三項並びに第二百六条の二第一項、第三項及び第四項の規定の適用については、前条第三項及び第二百六条の二第一項中「第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)」とあり、同条第三項中「同項に規定する期日」とあり、並びに同条第四項中「第一項に規定する期日」とあるのは、「割当日」とする。 5 指名委員会等設置会社における第三項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (募集株式の引受け) 第二百六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集株式の数について募集株式の引受人となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集株式の数 二 前条第一項の契約により募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集株式の数 (公開会社における募集株式の割当て等の特則) 第二百六条の二 公開会社は、募集株式の引受人について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第四項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数 二 当該募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 4 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第二項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集株式の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、第一項に規定する期日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集株式の割当て又は当該特定引受人との間の第二百五条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 5 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 第三款 金銭以外の財産の出資 第二百七条 株式会社は、第百九十九条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。以下この条において同じ。)は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該募集株式の引受人が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 募集株式の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第四款 出資の履行等 (出資の履行) 第二百八条 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者を除く。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、それぞれの募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。 3 募集株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 4 出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は、株式会社に対抗することができない。 5 募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。 (株主となる時期等) 第二百九条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。 一 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日 2 募集株式の引受人は、第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百十三条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した募集株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の募集株式を譲り受けた者は、当該募集株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。 第五款 募集株式の発行等をやめることの請求 第二百十条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。 一 当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合 二 当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合 第六款 募集に係る責任等 (引受けの無効又は取消しの制限) 第二百十一条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第二百五条第一項の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 募集株式の引受人は、第二百九条第一項の規定により株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として募集株式の引受けの取消しをすることができない。 (不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任) 第二百十二条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合 当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額 二 第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第二号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百十三条 前条第一項第二号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該募集株式の引受人の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百七条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百七条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 募集株式の引受人がその給付した現物出資財産についての前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う場合において、次の各号に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (出資の履行を仮装した募集株式の引受人の責任) 第二百十三条の二 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百八条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した払込金額の全額の支払 二 第二百八条第二項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した現物出資財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該現物出資財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (出資の履行を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百十三条の三 前条第一項各号に掲げる場合には、募集株式の引受人が出資の履行を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 募集株式の引受人が前条第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九節 株券 第一款 総則 (株券を発行する旨の定款の定め) 第二百十四条 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。 (株券の発行) 第二百十五条 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない。 2 株券発行会社は、株式の併合をしたときは、第百八十条第二項第二号の日以後遅滞なく、併合した株式に係る株券を発行しなければならない。 3 株券発行会社は、株式の分割をしたときは、第百八十三条第二項第二号の日以後遅滞なく、分割した株式に係る株券(既に発行されているものを除く。)を発行しなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができる。 (株券の記載事項) 第二百十六条 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株券発行会社の商号 二 当該株券に係る株式の数 三 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨 四 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容 (株券不所持の申出) 第二百十七条 株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該株式に係る株券が発行されているときは、当該株主は、当該株券を株券発行会社に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、前項前段の株式に係る株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の株式に係る株券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された株券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした株主は、いつでも、株券発行会社に対し、第二項前段の株式に係る株券を発行することを請求することができる。 この場合において、第二項後段の規定により提出された株券があるときは、株券の発行に要する費用は、当該株主の負担とする。 (株券を発行する旨の定款の定めの廃止) 第二百十八条 株券発行会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、当該定款の変更の効力が生ずる日の二週間前までに、次に掲げる事項を公告し、かつ、株主及び登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨 二 定款の変更がその効力を生ずる日 三 前号の日において当該株式会社の株券は無効となる旨 2 株券発行会社の株式に係る株券は、前項第二号の日に無効となる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合には、同項第二号の日の二週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し、同項第一号及び第二号に掲げる事項を通知すれば足りる。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項に規定する場合には、株式の質権者(登録株式質権者を除く。)は、同項第二号の日の前日までに、株券発行会社に対し、第百四十八条各号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 第二款 株券の提出等 (株券の提出に関する公告等) 第二百十九条 株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(第四号の二に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「株券提出日」という。)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。 一 第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式) 二 株式の併合 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式) 三 第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 当該全部取得条項付種類株式 四 取得条項付株式の取得 当該取得条項付株式 四の二 第百七十九条の三第一項の承認 売渡株式 五 組織変更 全部の株式 六 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の株式 七 株式交換 全部の株式 八 株式移転 全部の株式 2 株券発行会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為(第二号に掲げる行為をする場合にあっては、株式売渡請求に係る売渡株式の取得)によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。 一 前項第一号から第四号までに掲げる行為 当該株券発行会社 二 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 六 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。 4 第一項第四号の二の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株券の提出をすることができない場合) 第二百二十条 前条第一項各号に掲げる行為をした場合において、株券を提出することができない者があるときは、株券発行会社は、その者の請求により、利害関係人に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を公告することができる。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 株券発行会社が前項の規定による公告をした場合において、同項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、前条第二項各号に定める者は、前項の請求をした者に対し、同条第二項の金銭等を交付することができる。 3 第一項の規定による公告の費用は、同項の請求をした者の負担とする。 第三款 株券喪失登録 (株券喪失登録簿) 第二百二十一条 株券発行会社(株式会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした日の翌日から起算して一年を経過していない場合における当該株式会社を含む。以下この款(第二百二十三条、第二百二十七条及び第二百二十八条第二項を除く。)において同じ。)は、株券喪失登録簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この款において「株券喪失登録簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第二百二十三条の規定による請求に係る株券(第二百十八条第二項又は第二百十九条第三項の規定により無効となった株券及び株式の発行又は自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における当該株式に係る株券を含む。以下この款(第二百二十八条を除く。)において同じ。)の番号 二 前号の株券を喪失した者の氏名又は名称及び住所 三 第一号の株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載され、又は記録されている者(以下この款において「名義人」という。)の氏名又は名称及び住所 四 第一号の株券につき前三号に掲げる事項を記載し、又は記録した日(以下この款において「株券喪失登録日」という。) (株券喪失登録簿に関する事務の委託) 第二百二十二条 株券発行会社における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿に」とする。 (株券喪失登録の請求) 第二百二十三条 株券を喪失した者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録すること(以下「株券喪失登録」という。)を請求することができる。 (名義人等に対する通知) 第二百二十四条 株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者(以下この款において「株券喪失登録者」という。)が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第二百二十一条第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。 (株券を所持する者による抹消の申請) 第二百二十五条 株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。 ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。 3 第一項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による通知の日から二週間を経過した日に、第二項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第一項の規定による申請をした者に返還しなければならない。 (株券喪失登録者による抹消の申請) 第二百二十六条 株券喪失登録者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、株券喪失登録(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合にあっては、前条第二項の規定により提出された株券についての株券喪失登録を除く。)の抹消を申請することができる。 2 前項の規定による申請を受けた株券発行会社は、当該申請を受けた日に、当該申請に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消) 第二百二十七条 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合には、株券発行会社は、当該定款の変更の効力が生ずる日に、株券喪失登録(当該株券喪失登録がされた株券に係る株式の名義人が株券喪失登録者であるものに限り、第二百二十五条第二項の規定により提出された株券についてのものを除く。)を抹消しなければならない。 (株券の無効) 第二百二十八条 株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。 2 前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。 (異議催告手続との関係) 第二百二十九条 株券喪失登録者が第二百二十条第一項の請求をした場合には、株券発行会社は、同項の期間の末日が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過する日前に到来するときに限り、同項の規定による公告をすることができる。 2 株券発行会社が第二百二十条第一項の規定による公告をするときは、当該株券発行会社は、当該公告をした日に、当該公告に係る株券についての株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券喪失登録の効力) 第二百三十条 株券発行会社は、次に掲げる日のいずれか早い日(以下この条において「登録抹消日」という。)までの間は、株券喪失登録がされた株券に係る株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することができない。 一 当該株券喪失登録が抹消された日 二 株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日 2 株券発行会社は、登録抹消日後でなければ、株券喪失登録がされた株券を再発行することができない。 3 株券喪失登録者が株券喪失登録をした株券に係る株式の名義人でないときは、当該株式の株主は、登録抹消日までの間は、株主総会又は種類株主総会において議決権を行使することができない。 4 株券喪失登録がされた株券に係る株式については、第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をすることができない。 (株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等) 第二百三十一条 株券発行会社は、株券喪失登録簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (株券喪失登録者に対する通知等) 第二百三十二条 株券発行会社が株券喪失登録者に対してする通知又は催告は、株券喪失登録簿に記載し、又は記録した当該株券喪失登録者の住所(当該株券喪失登録者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を株券発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (適用除外) 第二百三十三条 非訟事件手続法第四編の規定は、株券については、適用しない。 第十節 雑則 (一に満たない端数の処理) 第二百三十四条 次の各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の株式を交付する場合において、その者に対し交付しなければならない当該株式会社の株式の数に一株に満たない端数があるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を当該者に交付しなければならない。 一 第百七十条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 二 第百七十三条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 当該株式会社の株主 四 第二百七十五条第一項の規定による新株予約権の取得 第二百三十六条第一項第七号イの新株予約権の新株予約権者 五 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 合併後消滅する会社の株主又は社員 六 合併契約に基づく設立時発行株式の発行 合併後消滅する会社の株主又は社員 七 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 株式交換をする株式会社の株主 八 株式移転計画に基づく設立時発行株式の発行 株式移転をする株式会社の株主 九 株式交付 株式交付親会社(第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。)に株式交付に際して株式交付子会社(同号に規定する株式交付子会社をいう。)の株式又は新株予約権等(同項第七号に規定する新株予約権等をいう。)を譲り渡した者 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 前項の規定により第一項の株式を売却した場合における同項の規定の適用については、同項中「競売により」とあるのは、「売却により」とする。 4 株式会社は、第二項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 5 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 6 第一項から第四項までの規定は、第一項各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の社債又は新株予約権を交付するときについて準用する。 第二百三十五条 株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。 2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。 第三章 新株予約権 第一節 総則 (新株予約権の内容) 第二百三十六条 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法 三 金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 当該新株予約権を行使することができる期間 五 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項 六 譲渡による当該新株予約権の取得について当該株式会社の承認を要することとするときは、その旨 七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法 ニ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法 ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ヘ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項 チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件 イ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社 ロ 吸収分割 吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する株式会社 ハ 新設分割 新設分割により設立する株式会社 ニ 株式交換 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社 ホ 株式移転 株式移転により設立する株式会社 九 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨 十 当該新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)に係る新株予約権証券を発行することとするときは、その旨 十一 前号に規定する場合において、新株予約権者が第二百九十条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の数は、当該新株予約権付社債についての社債の金額ごとに、均等に定めなければならない。 3 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第一項第二号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨 4 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第四号又は第五号ロに定める事項についての決定」と、同項第一号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第二号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (共有者による権利の行使) 第二百三十七条 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該新株予約権についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該新株予約権についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 新株予約権の発行 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集新株予約権の内容及び数 二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法 四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日 六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項 七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め 2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百三十九条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限 二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。 3 第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百四十一条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数 三 第一項第二号の期日 5 第二百三十八条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 第二款 募集新株予約権の割当て (募集新株予約権の申込み) 第二百四十二条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集新株予約権の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、申込者(募集新株予約権のみの申込みをした者に限る。)は、その申込みに係る募集新株予約権を付した新株予約権付社債の引受けの申込みをしたものとみなす。 7 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 8 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集新株予約権の割当て) 第二百四十三条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権(新株予約権であって、譲渡による当該新株予約権の取得について株式会社の承認を要する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)である場合 3 株式会社は、割当日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数(当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 4 第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集新株予約権の割当てを受ける権利を失う。 (募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則) 第二百四十四条 前二条の規定は、募集新株予約権を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前項の規定の適用については、同項中「の引受け」とあるのは、「及び当該募集新株予約権を付した社債の総額の引受け」とする。 3 第一項に規定する場合において、次に掲げるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式であるとき。 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権であるとき。 (公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則) 第二百四十四条の二 公開会社は、募集新株予約権の割当てを受けた申込者又は前条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者(以下この項において「引受人」と総称する。)について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第五項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数 二 前号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数 2 前項第一号に規定する「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式その他募集新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式として法務省令で定める株式をいう。 3 第一項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 5 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第三項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集新株予約権の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、割当日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は当該特定引受人との間の前条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 6 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (新株予約権者となる日) 第二百四十五条 次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集新株予約権 二 第二百四十四条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集新株予約権 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。 第三款 募集新株予約権に係る払込み 第二百四十六条 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。 3 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。 第四款 募集新株予約権の発行をやめることの請求 第二百四十七条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。 一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合 二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合 第五款 雑則 第二百四十八条 第六百七十六条から第六百八十条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。 第三節 新株予約権原簿 (新株予約権原簿) 第二百四十九条 株式会社は、新株予約権を発行した日以後遅滞なく、新株予約権原簿を作成し、次の各号に掲げる新株予約権の区分に応じ、当該各号に定める事項(以下「新株予約権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 無記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権(以下この章において「無記名新株予約権」という。) 当該新株予約権証券の番号並びに当該無記名新株予約権の内容及び数 二 無記名式の新株予約権付社債券(証券発行新株予約権付社債(新株予約権付社債であって、当該新株予約権付社債についての社債につき社債券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)に係る社債券をいう。以下同じ。)が発行されている新株予約権付社債(以下この章において「無記名新株予約権付社債」という。)に付された新株予約権 当該新株予約権付社債券の番号並びに当該新株予約権の内容及び数 三 前二号に掲げる新株予約権以外の新株予約権 次に掲げる事項 イ 新株予約権者の氏名又は名称及び住所 ロ イの新株予約権者の有する新株予約権の内容及び数 ハ イの新株予約権者が新株予約権を取得した日 ニ ロの新株予約権が証券発行新株予約権(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であって、当該新株予約権に係る新株予約権証券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、当該新株予約権(新株予約権証券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権証券の番号 ホ ロの新株予約権が証券発行新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権を付した新株予約権付社債(新株予約権付社債券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権付社債券の番号 (新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第二百五十条 前条第三号イの新株予約権者は、株式会社に対し、当該新株予約権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該新株予約権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の管理) 第二百五十一条 株式会社が新株予約権を発行している場合における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿に」とする。 (新株予約権原簿の備置き及び閲覧等) 第二百五十二条 株式会社は、新株予約権原簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の新株予約権原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (新株予約権者に対する通知等) 第二百五十三条 株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該新株予約権者の住所(当該新株予約権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を新株予約権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が新株予約権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 第四節 新株予約権の譲渡等 第一款 新株予約権の譲渡 (新株予約権の譲渡) 第二百五十四条 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 (証券発行新株予約権の譲渡) 第二百五十五条 証券発行新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権(株式会社が有する自己の新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の処分による証券発行新株予約権の譲渡については、この限りでない。 2 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権付社債(株式会社が有する自己の新株予約権付社債をいう。以下この条及び次条において同じ。)の処分による当該自己新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、この限りでない。 (自己新株予約権の処分に関する特則) 第二百五十六条 株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。 3 株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。 4 第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。 (新株予約権の譲渡の対抗要件) 第二百五十七条 新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 3 第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (権利の推定等) 第二百五十八条 新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 2 新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 4 新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百五十九条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該株式会社の新株予約権を取得した場合 二 自己新株予約権を処分した場合 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百六十条 新株予約権を当該新株予約権を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「新株予約権取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該新株予約権に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第二百六十一条 前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。 二 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。 三 当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。 第二款 新株予約権の譲渡の制限 (新株予約権者からの承認の請求) 第二百六十二条 譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (新株予約権取得者からの承認の請求) 第二百六十三条 譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第二百六十四条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第二百六十二条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの新株予約権取得者の氏名又は名称 (譲渡等の承認の決定等) 第二百六十五条 株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第二百六十六条 株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。 ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 第三款 新株予約権の質入れ (新株予約権の質入れ) 第二百六十七条 新株予約権者は、その有する新株予約権に質権を設定することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 4 証券発行新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 5 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (新株予約権の質入れの対抗要件) 第二百六十八条 新株予約権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 3 第一項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 (新株予約権原簿の記載等) 第二百六十九条 新株予約権に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である新株予約権 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百七十条 前条第一項各号に掲げる事項が新株予約権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録新株予約権質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録新株予約権質権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (登録新株予約権質権者に対する通知等) 第二百七十一条 株式会社が登録新株予約権質権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該登録新株予約権質権者の住所(当該登録新株予約権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (新株予約権の質入れの効果) 第二百七十二条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、新株予約権を目的とする質権は、当該行為によって当該新株予約権の新株予約権者が受けることのできる金銭等について存在する。 一 新株予約権の取得 二 組織変更 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 四 吸収分割 五 新設分割 六 株式交換 七 株式移転 2 登録新株予約権質権者は、前項の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 3 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録新株予約権質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 新株予約権の取得 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 4 前三項の規定は、特別支配株主が新株予約権売渡請求により売渡新株予約権の取得をした場合について準用する。 この場合において、前項中「当該各号に定める者」とあるのは、「当該特別支配株主」と読み替えるものとする。 5 新株予約権付社債に付された新株予約権(第二百三十六条第一項第三号の財産が当該新株予約権付社債についての社債であるものであって、当該社債の償還額が当該新株予約権についての同項第二号の価額以上であるものに限る。)を目的とする質権は、当該新株予約権の行使をすることにより当該新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式について存在する。 第四款 信託財産に属する新株予約権についての対抗要件等 第二百七十二条の二 新株予約権については、当該新株予約権が信託財産に属する旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該新株予約権が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第二百四十九条第三号イの新株予約権者は、その有する新株予約権が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 新株予約権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第二百五十条第一項及び第二百五十九条第一項の規定の適用については、第二百五十条第一項中「記録された新株予約権原簿記載事項」とあるのは「記録された新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」と、第二百五十九条第一項中「新株予約権原簿記載事項」とあるのは「新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第五節 株式会社による自己の新株予約権の取得 第一款 募集事項の定めに基づく新株予約権の取得 (取得する日の決定) 第二百七十三条 取得条項付新株予約権(第二百三十六条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の内容として同号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第二百三十六条第一項第七号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付新株予約権の新株予約権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する新株予約権の決定等) 第二百七十四条 株式会社は、新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、その取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付新株予約権は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに、当該取得条項付新株予約権を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第二百七十五条 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第三項において同じ。)に、取得条項付新株予約権(同条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項及び第三項において同じ。)を取得する。 一 第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 前項の規定により株式会社が取得する取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、当該新株予約権付社債についての社債を取得する。 3 次の各号に掲げる場合には、取得条項付新株予約権の新株予約権者(当該株式会社を除く。)は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、同号に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの株式の株主 二 第二百三十六条第一項第七号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの社債の社債権者 三 第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの他の新株予約権の新株予約権者 四 第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項についての定めがある場合 同号トの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第二百七十三条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 5 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第二款 新株予約権の消却 第二百七十六条 株式会社は、自己新株予約権を消却することができる。 この場合においては、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第六節 新株予約権無償割当て (新株予約権無償割当て) 第二百七十七条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。 (新株予約権無償割当てに関する事項の決定) 第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法 二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法 三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日 四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (新株予約権無償割当ての効力の発生等) 第二百七十九条 前条第一項第一号の新株予約権の割当てを受けた株主は、同項第三号の日に、同項第一号の新株予約権の新株予約権者(同項第二号に規定する場合にあっては、同項第一号の新株予約権の新株予約権者及び同項第二号の社債の社債権者)となる。 2 株式会社は、前条第一項第三号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた新株予約権の内容及び数(同項第二号に規定する場合にあっては、当該株主が割当てを受けた社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知がされた場合において、前条第一項第一号の新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の末日が当該通知の日から二週間を経過する日前に到来するときは、同号の期間は、当該通知の日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。 第七節 新株予約権の行使 第一款 総則 (新株予約権の行使) 第二百八十条 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数 二 新株予約権を行使する日 2 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。 3 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。 この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。 4 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 5 第三項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 6 株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。 (新株予約権の行使に際しての払込み) 第二百八十一条 金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第二号の価額の全額を払い込まなければならない。 2 金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第三号の財産を給付しなければならない。 この場合において、当該財産の価額が同項第二号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。 3 新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 (株主となる時期等) 第二百八十二条 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (一に満たない端数の処理) 第二百八十三条 新株予約権を行使した場合において、当該新株予約権の新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数があるときは、株式会社は、当該新株予約権者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を交付しなければならない。 ただし、第二百三十六条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合は、この限りでない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 第二款 金銭以外の財産の出資 第二百八十四条 株式会社は、第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項についての定めがある新株予約権が行使された場合には、第二百八十一条第二項の規定による給付があった後、遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 第一項の新株予約権の新株予約権者は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 行使された新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該新株予約権者が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 新株予約権者 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第三款 責任 (不公正な払込金額で新株予約権を引き受けた者等の責任) 第二百八十五条 新株予約権を行使した新株予約権者は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 第二百三十八条第一項第二号に規定する場合において、募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととすることが著しく不公正な条件であるとき(取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役。次号において同じ。)と通じて新株予約権を引き受けた場合に限る。) 当該新株予約権の公正な価額 二 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合において、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたとき 当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額 三 第二百八十二条第一項の規定により株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第三号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百八十六条 前条第一項第三号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該新株予約権者の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百八十四条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百八十四条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 新株予約権者がその給付した現物出資財産についての前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う場合において、次に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (新株予約権に係る払込み等を仮装した新株予約権者等の責任) 第二百八十六条の二 新株予約権を行使した新株予約権者であって次の各号に掲げる者に該当するものは、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百四十六条第一項の規定による払込み(同条第二項の規定により当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付を含む。)を仮装した者又は当該払込みが仮装されたことを知って、若しくは重大な過失により知らないで募集新株予約権を譲り受けた者 払込みが仮装された払込金額の全額の支払(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付が仮装された場合にあっては、当該財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)) 二 第二百八十一条第一項又は第二項後段の規定による払込みを仮装した者 払込みを仮装した金銭の全額の支払 三 第二百八十一条第二項前段の規定による給付を仮装した者 給付を仮装した金銭以外の財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により同項に規定する新株予約権者の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (新株予約権に係る払込み等を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百八十六条の三 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に定める行為をする義務を負う場合には、当該各号の払込み又は給付を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込み又は当該給付を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第四款 雑則 第二百八十七条 第二百七十六条第一項の場合のほか、新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。 第八節 新株予約権に係る証券 第一款 新株予約権証券 (新株予約権証券の発行) 第二百八十八条 株式会社は、証券発行新株予約権を発行した日以後遅滞なく、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を発行しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、新株予約権者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を発行しないことができる。 (新株予約権証券の記載事項) 第二百八十九条 新株予約権証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株式会社の商号 二 当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権の内容及び数 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百九十条 証券発行新株予約権の新株予約権者は、第二百三十六条第一項第十一号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の新株予約権証券を無記名式とし、又はその無記名式の新株予約権証券を記名式とすることを請求することができる。 (新株予約権証券の喪失) 第二百九十一条 新株予約権証券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 新株予約権証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 第二款 新株予約権付社債券 第二百九十二条 証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券には、第六百九十七条第一項の規定により記載すべき事項のほか、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の内容及び数を記載しなければならない。 2 証券発行新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは、株式会社は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券と引換えに社債の償還をすることを請求することができない。 この場合においては、株式会社は、社債の償還をするのと引換えに、当該新株予約権付社債券の提示を求め、当該新株予約権付社債券に社債の償還をした旨を記載することができる。 第三款 新株予約権証券等の提出 (新株予約権証券の提出に関する公告等) 第二百九十三条 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、当該各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この款において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該行為の効力が生ずる日(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「新株予約権証券提出日」という。)までに当該株式会社に対し当該新株予約権証券を提出しなければならない旨を新株予約権証券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 第百七十九条の三第一項の承認 売渡新株予約権 一の二 取得条項付新株予約権の取得 当該取得条項付新株予約権 二 組織変更 全部の新株予約権 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の新株予約権 四 吸収分割 第七百五十八条第五号イに規定する吸収分割契約新株予約権 五 新設分割 第七百六十三条第一項第十号イに規定する新設分割計画新株予約権 六 株式交換 第七百六十八条第一項第四号イに規定する株式交換契約新株予約権 七 株式移転 第七百七十三条第一項第九号イに規定する株式移転計画新株予約権 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、新株予約権証券提出日までに当該株式会社に対して新株予約権証券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該新株予約権証券の提出があるまでの間、当該行為(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、新株予約権売渡請求に係る売渡新株予約権の取得)によって当該新株予約権証券に係る新株予約権の新株予約権者が交付を受けることができる金銭等の交付を拒むことができる。 一 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 二 取得条項付新株予約権の取得 当該株式会社 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 吸収分割 第七百五十八条第一号に規定する吸収分割承継株式会社 六 新設分割 第七百六十三条第一項第一号に規定する新設分割設立株式会社 七 株式交換 第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全親株式会社 八 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券は、新株予約権証券提出日に無効となる。 4 第一項第一号の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 5 第二百二十条の規定は、第一項各号に掲げる行為をした場合において、新株予約権証券を提出することができない者があるときについて準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは、「第二百九十三条第二項各号」と読み替えるものとする。 (無記名式の新株予約権証券等が提出されない場合) 第二百九十四条 第百三十二条の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券(無記名式のものに限る。以下この条において同じ。)が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式に係る第百二十一条第一号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを要しない。 2 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式の株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 3 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる当該他の新株予約権(無記名新株予約権を除く。)に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 4 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 5 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債(無記名新株予約権付社債を除く。)に付された新株予約権に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 6 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 第四章 機関 第一節 株主総会及び種類株主総会等 第一款 株主総会 (株主総会の権限) 第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (株主総会の招集) 第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。 (株主による招集の請求) 第二百九十七条 総株主の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 4 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合 (株主総会の招集の決定) 第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主総会の日時及び場所 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。 3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第二号に掲げる事項」とする。 4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 (株主総会の招集の通知) 第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 株式会社が取締役会設置会社である場合 3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第三百一条 取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。 第三百二条 取締役は、第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。 3 取締役は、第一項に規定する場合には、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 取締役は、第一項に規定する場合において、第二百九十九条第三項の承諾をしていない株主から株主総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (株主提案権) 第三百三条 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 3 公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第二項の一定の事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 第三百四条 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第一項において同じ。)につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第三百五条 株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。 2 公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。 4 取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。 この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 四 定款の変更に関する二以上の議案 当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。 5 前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。 ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。 6 第一項から第三項までの規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (株主総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第三百六条 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」とする。 3 前二項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 4 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第三項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第三項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第三項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (議決権の数) 第三百八条 株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。 (株主総会の決議) 第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百四十条第二項及び第五項の株主総会 二 第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。) 三 第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会 四 第百八十条第二項の株主総会 五 第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会 六 第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会 七 第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。) 八 第四百二十五条第一項の株主総会 九 第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。) イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。 ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 十 第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。) 十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会 二 第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。) 三 第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。) 4 前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第三百十条 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。 3 第一項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 8 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第三百十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 3 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない。 4 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第三百十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社に提供して行う。 2 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 4 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 5 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (議決権の不統一行使) 第三百十三条 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 2 取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の三日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。 3 株式会社は、第一項の株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (取締役等の説明義務) 第三百十四条 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第三百十五条 株主総会の議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 株主総会の議長は、その命令に従わない者その他当該株主総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (株主総会に提出された資料等の調査) 第三百十六条 株主総会においては、その決議によって、取締役、会計参与、監査役、監査役会及び会計監査人が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第二百九十七条の規定により招集された株主総会においては、その決議によって、株式会社の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第三百十七条 株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第二百九十八条及び第二百九十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第三百十八条 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 5 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (株主総会の決議の省略) 第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。 2 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 5 第一項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。 (株主総会への報告の省略) 第三百二十条 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。 第二款 種類株主総会 (種類株主総会の権限) 第三百二十一条 種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 (ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会) 第三百二十二条 種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。) イ 株式の種類の追加 ロ 株式の内容の変更 ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加 一の二 第百七十九条の三第一項の承認 二 株式の併合又は株式の分割 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 四 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 五 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 六 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 七 合併 八 吸収分割 九 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 十 新設分割 十一 株式交換 十二 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 十三 株式移転 十四 株式交付 2 種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。 3 第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。 ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。 4 ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第三百二十三条 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類株主総会の決議) 第三百二十四条 種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第百九十九条第四項及び第二百条第四項の種類株主総会 三 第二百三十八条第四項及び第二百三十九条第四項の種類株主総会 四 第三百二十二条第一項の種類株主総会 五 第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会 六 第七百九十五条第四項の種類株主総会 七 第八百十六条の三第三項の種類株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第七百八十三条第三項及び第八百四条第三項の種類株主総会 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条 前款(第二百九十五条第一項及び第二項、第二百九十六条第一項及び第二項並びに第三百九条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第二百九十七条第一項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百八条第一項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百十八条第四項及び第三百十九条第三項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。 第三款 電子提供措置 (電子提供措置をとる旨の定款の定め) 第三百二十五条の二 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 株主総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類 (電子提供措置) 第三百二十五条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項 二 第三百一条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第三百二条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項 四 第三百五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百三十七条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百四十四条第六項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、取締役が第二百九十九条第一項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 3 第一項の規定にかかわらず、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第一項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第二十七条の三十の二に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (株主総会の招集の通知等の特則) 第三百二十五条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第二百九十九条第一項の規定の適用については、同項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「二週間」とする。 2 第二百九十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第二項又は第三項の通知には、第二百九十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 電子提供措置をとっているときは、その旨 二 前条第三項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第二百九十九条第一項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第三百五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第三百二十五条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。 4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第三百二十五条の六 第三百二十五条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第七号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条の七 第三百二十五条の三から前条まで(第三百二十五条の三第一項(第五号及び第六号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第三百二十五条の五第一項及び第三項から第五項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第三百二十五条の三第一項中「第二百九十九条第二項各号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項各号」と、「同条第一項」とあるのは「同条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次項、次条及び第三百二十五条の五において同じ。)」と、「第二百九十八条第一項各号」とあるのは「第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合に限る。)」と、「第三百一条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項」と、「第三百二条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百二条第一項」と、「第三百五条第一項」とあるのは「第三百五条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次条第四項において同じ。)」と、同条第二項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第三百二十五条の六までにおいて同じ。)」と、第三百二十五条の四第二項中「第二百九十九条第四項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第四項」と、「第二百九十九条第二項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項」と、「第二百九十八条第一項第五号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十八条第一項第五号」と、「同項第一号から第四号まで」とあるのは「第三百二十五条において準用する同項第一号から第四号まで」と、同条第三項中「第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項及び第三百二条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 株主総会以外の機関の設置 (株主総会以外の機関の設置) 第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。 2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。 (取締役会等の設置義務等) 第三百二十七条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。 一 公開会社 二 監査役会設置会社 三 監査等委員会設置会社 四 指名委員会等設置会社 2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。 5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。 6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。 (社外取締役の設置義務) 第三百二十七条の二 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならない。 (大会社における監査役会等の設置義務) 第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。 2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。 第三節 役員及び会計監査人の選任及び解任 第一款 選任 (選任) 第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。 2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。 3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (株式会社と役員等との関係) 第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (取締役の資格等) 第三百三十一条 次に掲げる者は、取締役となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一項第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。 3 監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。 5 取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。 6 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。 第三百三十一条の二 成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした取締役の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (取締役の任期) 第三百三十二条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 4 監査等委員である取締役の任期については、第一項ただし書の規定は、適用しない。 5 第一項本文の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 6 指名委員会等設置会社の取締役についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 7 前各項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 三 その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。) (会計参与の資格等) 第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。 2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。 一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者 (会計参与の任期) 第三百三十四条 第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。 2 前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (監査役の資格等) 第三百三十五条 第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。 2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。 (監査役の任期) 第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 4 前三項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 三 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 四 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 (会計監査人の資格等) 第三百三十七条 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第三百三十八条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 第二款 解任 (解任) 第三百三十九条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監査役等による会計監査人の解任) 第三百四十条 監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。 4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。 5 監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 6 指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 第三款 選任及び解任の手続に関する特則 (役員の選任及び解任の株主総会の決議) 第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (累積投票による取締役の選任) 第三百四十二条 株主総会の目的である事項が二人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、株式会社に対し、第三項から第五項までに規定するところにより取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の株主総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第三百八条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、取締役の選任の決議については、株主は、その有する株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の株式)につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 6 前条の規定は、前三項に規定するところにより選任された取締役の解任の決議については、適用しない。 (監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十二条の二 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監査等委員である取締役を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任について監査等委員会の意見を述べることができる。 (監査役の選任に関する監査役の同意等) 第三百四十三条 取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。 4 第三百四十一条の規定は、監査役の解任の決議については、適用しない。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第三百四十四条 監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。 2 監査役が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 (監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等) 第三百四十四条の二 取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。 2 監査等委員会は、取締役に対し、監査等委員である取締役の選任を株主総会の目的とすること又は監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 第三百四十一条の規定は、監査等委員である取締役の解任の決議については、適用しない。 (会計参与等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十五条 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は監査役について、前二項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。 5 第一項の規定は会計監査人について、第二項及び第三項の規定は会計監査人を辞任した者及び第三百四十条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。 8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。 (種類株主総会における取締役又は監査役の選任等) 第三百四十七条 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十二条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十四条の二第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十二条第一項及び第三百三十九条第一項中「株主総会の決議」とあるのは「株主総会(第四十一条第一項の規定により又は第九十条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)については、当該取締役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該取締役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))の決議」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項及び第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十四条の二第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 2 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十三条第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(監査役については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により又は第九十条第二項において準用する同条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された監査役については、当該監査役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該監査役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十三条第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 第四節 取締役 (業務の執行) 第三百四十八条 取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、取締役は、次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 五 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 4 大会社においては、取締役は、前項第四号に掲げる事項を決定しなければならない。 (業務の執行の社外取締役への委託) 第三百四十八条の二 株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 2 指名委員会等設置会社と執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他執行役が指名委員会等設置会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該指名委員会等設置会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該指名委員会等設置会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 3 前二項の規定により委託された業務の執行は、第二条第十五号イに規定する株式会社の業務の執行に該当しないものとする。 ただし、社外取締役が業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の指揮命令により当該委託された業務を執行したときは、この限りでない。 (株式会社の代表) 第三百四十九条 取締役は、株式会社を代表する。 ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。 3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。 4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第三百五十条 株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表取締役に欠員を生じた場合の措置) 第三百五十一条 代表取締役が欠けた場合又は定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表取締役は、新たに選定された代表取締役(次項の一時代表取締役の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表取締役としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表取締役の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表取締役の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (取締役の職務を代行する者の権限) 第三百五十二条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百五十三条 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、株式会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができる。 (表見代表取締役) 第三百五十四条 株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (取締役の報告義務) 第三百五十七条 取締役は、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第三百五十八条 株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、次に掲げる株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 一 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 二 発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社及び検査役の選任の申立てをした株主に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百五十九条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (株主による取締役の行為の差止め) 第三百六十条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (取締役の報酬等) 第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容 2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。 4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。 5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。 6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。 7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。 ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。 一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの 二 監査等委員会設置会社 第五節 取締役会 第一款 権限等 (取締役会の権限等) 第三百六十二条 取締役会は、すべての取締役で組織する。 2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役会設置会社の業務執行の決定 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。 (取締役会設置会社の取締役の権限) 第三百六十三条 次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。 一 代表取締役 二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの 2 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 (取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百六十四条 第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。 (競業及び取締役会設置会社との取引等の制限) 第三百六十五条 取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 2 取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百六十六条 取締役会は、各取締役が招集する。 ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。 (株主による招集の請求) 第三百六十七条 取締役会設置会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った株主は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる。 (招集手続) 第三百六十八条 取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (取締役会の決議) 第三百六十九条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。 3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (取締役会の決議の省略) 第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。 2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。 (取締役会への報告の省略) 第三百七十二条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、適用しない。 3 指名委員会等設置会社についての前二項の規定の適用については、第一項中「監査役又は会計監査人」とあるのは「会計監査人又は執行役」と、「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「取締役」と、前項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百十七条第四項」とする。 (特別取締役による取締役会の決議) 第三百七十三条 第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。 一 取締役の数が六人以上であること。 二 取締役のうち一人以上が社外取締役であること。 2 前項の規定による特別取締役による議決の定めがある場合には、特別取締役以外の取締役は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することを要しない。 この場合における第三百六十六条第一項本文及び第三百六十八条の規定の適用については、第三百六十六条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各特別取締役(第三百七十三条第一項に規定する特別取締役をいう。第三百六十八条において同じ。)」と、第三百六十八条第一項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各特別取締役」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「特別取締役及び」とする。 3 特別取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければならない。 4 第三百六十六条(第一項本文を除く。)、第三百六十七条、第三百六十九条第一項、第三百七十条及び第三百九十九条の十四の規定は、第二項の取締役会については、適用しない。 第六節 会計参与 (会計参与の権限) 第三百七十四条 会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。 この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。 2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。 6 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。 (会計参与の報告義務) 第三百七十五条 会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。 (取締役会への出席) 第三百七十六条 取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は、第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。 この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 会計参与設置会社において、前項の取締役会を招集する者は、当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各会計参与に対してその通知を発しなければならない。 3 会計参与設置会社において、第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは、会計参与の全員の同意を得なければならない。 (株主総会における意見の陳述) 第三百七十七条 第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。 2 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役」とする。 (会計参与による計算書類等の備置き等) 第三百七十八条 会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 (会計参与の報酬等) 第三百七十九条 会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 会計参与が二人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定める。 3 会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十条 会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該会計参与設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七節 監査役 (監査役の権限) 第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。 この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (取締役への報告義務) 第三百八十二条 監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。 (取締役会への出席義務等) 第三百八十三条 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。 2 監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。 4 前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 (監査役による取締役の行為の差止め) 第三百八十五条 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百八十六条 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合 二 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第三号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合 三 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第四号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合 2 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監査役設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 三 株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第三号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (監査役の報酬等) 第三百八十七条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。 3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十八条 監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (定款の定めによる監査範囲の限定) 第三百八十九条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 3 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 4 第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 5 第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 6 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。 7 第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。 第八節 監査役会 第一款 権限等 第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。 2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。 ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。 一 監査報告の作成 二 常勤の監査役の選定及び解職 三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定 3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。 4 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十一条 監査役会は、各監査役が招集する。 (招集手続) 第三百九十二条 監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (監査役会の決議) 第三百九十三条 監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。 2 監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十四条 監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査役会への報告の省略) 第三百九十五条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。 第九節 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第三百九十六条 会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者 三 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 6 指名委員会等設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。 (監査役に対する報告) 第三百九十七条 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。 2 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 (定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 第三百九十八条 第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会又は監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与) 第三百九十九条 取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。 第九節の二 監査等委員会 第一款 権限等 (監査等委員会の権限等) 第三百九十九条の二 監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。 2 監査等委員は、取締役でなければならない。 3 監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 三 第三百四十二条の二第四項及び第三百六十一条第六項に規定する監査等委員会の意見の決定 4 監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査等委員会による調査) 第三百九十九条の三 監査等委員会が選定する監査等委員は、いつでも、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は監査等委員会設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査等委員会が選定する監査等委員は、監査等委員会の職務を執行するため必要があるときは、監査等委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査等委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査等委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第三百九十九条の四 監査等委員は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百九十九条の五 監査等委員は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものについて法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その旨を株主総会に報告しなければならない。 (監査等委員による取締役の行為の差止め) 第三百九十九条の六 監査等委員は、取締役が監査等委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査等委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査等委員会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百九十九条の七 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて監査等委員会設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査等委員会が選定する監査等委員 2 前項の規定にかかわらず、取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査等委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該監査等委員会設置会社に対して効力を有する。 3 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査等委員が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員会設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査等委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 監査等委員会設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査等委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十九条の八 監査等委員会は、各監査等委員が招集する。 (招集手続等) 第三百九十九条の九 監査等委員会を招集するには、監査等委員は、監査等委員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査等委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査等委員会は、監査等委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)は、監査等委員会の要求があったときは、監査等委員会に出席し、監査等委員会が求めた事項について説明をしなければならない。 (監査等委員会の決議) 第三百九十九条の十 監査等委員会の決議は、議決に加わることができる監査等委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する監査等委員は、議決に加わることができない。 3 監査等委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査等委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 監査等委員会の決議に参加した監査等委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十九条の十一 監査等委員会設置会社は、監査等委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査等委員会設置会社の債権者が取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査等委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査等委員会への報告の省略) 第三百九十九条の十二 取締役、会計参与又は会計監査人が監査等委員の全員に対して監査等委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査等委員会へ報告することを要しない。 第三款 監査等委員会設置会社の取締役会の権限等 (監査等委員会設置会社の取締役会の権限) 第三百九十九条の十三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第一項の規定による委託 七 第三百六十一条第七項の規定による同項の事項の決定 八 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項の承認 九 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 十 第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定 十一 前項第六号に掲げる事項 十二 補償契約(第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。第四百十六条第四項第十四号において同じ。)の内容の決定 十三 役員等賠償責任保険契約(第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。第四百十六条第四項第十五号において同じ。)の内容の決定 十四 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十五 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十六 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十七 合併契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十八 吸収分割契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 新設分割計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 株式交換契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 株式移転計画の内容の決定 二十二 株式交付計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。 (監査等委員会による取締役会の招集) 第三百九十九条の十四 監査等委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる。 第十節 指名委員会等及び執行役 第一款 委員の選定、執行役の選任等 (委員の選定等) 第四百条 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。 2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。 3 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。 4 監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。 (委員の解職等) 第四百一条 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 2 前条第一項に規定する各委員会の委員の員数(定款で四人以上の員数を定めたときは、その員数)が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した委員は、新たに選定された委員(次項の一時委員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお委員としての権利義務を有する。 3 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時委員の職務を行うべき者を選任することができる。 4 裁判所は、前項の一時委員の職務を行うべき者を選任した場合には、指名委員会等設置会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (執行役の選任等) 第四百二条 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。 2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。 3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。 4 第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は、執行役について準用する。 5 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。 6 執行役は、取締役を兼ねることができる。 7 執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。 8 前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (執行役の解任等) 第四百三条 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、指名委員会等設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 3 第四百一条第二項から第四項までの規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。 第二款 指名委員会等の権限等 (指名委員会等の権限等) 第四百四条 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。 2 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 3 報酬委員会は、第三百六十一条第一項並びに第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。 執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。 4 委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査委員会による調査) 第四百五条 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第四百六条 監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (監査委員による執行役等の行為の差止め) 第四百七条 監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第四百八条 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が指名委員会等設置会社を代表する。 一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて指名委員会等設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員 2 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該指名委員会等設置会社に対して効力を有する。 3 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。 一 指名委員会等設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 指名委員会等設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (報酬委員会による報酬の決定の方法等) 第四百九条 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。 2 報酬委員会は、第四百四条第三項の規定による決定をするには、前項の方針に従わなければならない。 3 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の個人別の報酬等とする場合には、その内容として、当該各号に定める事項について決定しなければならない。 ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第一号に掲げるものでなければならない。 一 額が確定しているもの 個人別の額 二 額が確定していないもの 個人別の具体的な算定方法 三 当該株式会社の募集株式 当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 四 当該株式会社の募集新株予約権 当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 五 次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭 当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 執行役等が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 執行役等が引き受ける当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 六 金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。) 個人別の具体的な内容 第三款 指名委員会等の運営 (招集権者) 第四百十条 指名委員会等は、当該指名委員会等の各委員が招集する。 (招集手続等) 第四百十一条 指名委員会等を招集するには、その委員は、指名委員会等の日の一週間(これを下回る期間を取締役会で定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該指名委員会等の各委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、指名委員会等は、当該指名委員会等の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 執行役等は、指名委員会等の要求があったときは、当該指名委員会等に出席し、当該指名委員会等が求めた事項について説明をしなければならない。 (指名委員会等の決議) 第四百十二条 指名委員会等の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。 3 指名委員会等の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 指名委員会等の決議に参加した委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第四百十三条 指名委員会等設置会社は、指名委員会等の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 指名委員会等設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 4 前項の規定は、指名委員会等設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 5 裁判所は、第三項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該指名委員会等設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の許可をすることができない。 (指名委員会等への報告の省略) 第四百十四条 執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して指名委員会等に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を指名委員会等へ報告することを要しない。 第四款 指名委員会等設置会社の取締役の権限等 (指名委員会等設置会社の取締役の権限) 第四百十五条 指名委員会等設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、指名委員会等設置会社の業務を執行することができない。 (指名委員会等設置会社の取締役会の権限) 第四百十六条 指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項 ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役 ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 執行役等の職務の執行の監督 2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第二項の規定による委託 七 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認 八 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 九 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職 十 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任 十一 第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定 十二 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職 十三 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 十四 補償契約の内容の決定 十五 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 十六 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十七 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十八 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十二 株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十三 株式移転計画の内容の決定 二十四 株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 (指名委員会等設置会社の取締役会の運営) 第四百十七条 指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。 2 執行役は、前条第一項第一号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 この場合において、当該請求があった日から五日以内に、当該請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締役会を招集することができる。 3 指名委員会等がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該指名委員会等の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 4 執行役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 この場合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。 5 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければならない。 第五款 執行役の権限等 (執行役の権限) 第四百十八条 執行役は、次に掲げる職務を行う。 一 第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定 二 指名委員会等設置会社の業務の執行 (執行役の監査委員に対する報告義務等) 第四百十九条 執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。 2 第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとする。 3 第三百五十七条の規定は、指名委員会等設置会社については、適用しない。 (代表執行役) 第四百二十条 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。 この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。 2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 3 第三百四十九条第四項及び第五項の規定は代表執行役について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第四百一条第二項から第四項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。 (表見代表執行役) 第四百二十一条 指名委員会等設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他指名委員会等設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (株主による執行役の行為の差止め) 第四百二十二条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 第十一節 役員等の損害賠償責任 (役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役 二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役 三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。) 4 前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。 (株式会社に対する損害賠償責任の免除) 第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。 一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表取締役又は代表執行役 六 ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四 ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二 二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。 当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。 5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。 この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。 (取締役等による免除に関する定款の定め) 第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 5 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 6 公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 7 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 8 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (取締役が自己のためにした取引に関する特則) 第四百二十八条 第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第四百三十条 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第四百三十条の二 株式会社が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該株式会社が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 株式会社は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該株式会社が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該株式会社に対して第四百二十三条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した株式会社が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 取締役会設置会社においては、補償契約に基づく補償をした取締役及び当該補償を受けた取締役は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 5 前項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、同項中「取締役会設置会社においては、補償契約」とあるのは、「補償契約」と読み替えるものとする。 6 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四百二十三条第三項並びに第四百二十八条第一項の規定は、株式会社と取締役又は執行役との間の補償契約については、適用しない。 7 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第四百三十条の三 株式会社が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 2 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四百二十三条第三項の規定は、株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、取締役又は執行役を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿等 第一款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (会計帳簿の提出命令) 第四百三十四条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第二款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会) 3 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の株主への提供) 第四百三十七条 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時株主総会への提出等) 第四百三十八条 次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置会社の特則) 第四百三十九条 会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (計算書類の公告) 第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。 (臨時計算書類) 第四百四十一条 株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。 一 臨時決算日における貸借対照表 二 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間に係る損益計算書 2 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社においては、臨時計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役又は会計監査人(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会及び会計監査人、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会及び会計監査人)の監査を受けなければならない。 3 取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 4 次の各号に掲げる株式会社においては、当該各号に定める臨時計算書類は、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、臨時計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社(いずれも取締役会設置会社を除く。) 第二項の監査を受けた臨時計算書類 二 取締役会設置会社 前項の承認を受けた臨時計算書類 三 前二号に掲げるもの以外の株式会社 第一項の臨時計算書類 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第四百四十二条 株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 株式会社は、次の各号に掲げる計算書類等の写しを、当該各号に定める期間、その支店に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 一 前項第一号に掲げる計算書類等 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間 二 前項第二号に掲げる計算書類等 同号の臨時計算書類を作成した日から三年間 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の計算書類等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (計算書類等の提出命令) 第四百四十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 連結計算書類 第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。 2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。 4 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。 5 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役会の承認を受けなければならない。 6 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前項の承認を受けた連結計算書類を提供しなければならない。 7 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。 一 取締役会設置会社である会計監査人設置会社 第五項の承認を受けた連結計算書類 二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第四項の監査を受けた連結計算書類 第三節 資本金の額等 第一款 総則 (資本金の額及び準備金の額) 第四百四十五条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。 5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (剰余金の額) 第四百四十六条 株式会社の剰余金の額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 資産の額 ロ 自己株式の帳簿価額の合計額 ハ 負債の額 ニ 資本金及び準備金の額の合計額 ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を控除して得た額 三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第一項第二号の額を除く。) 四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第四百四十八条第一項第二号の額を除く。) 五 最終事業年度の末日後に第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額 六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額 イ 第四百五十四条第一項第一号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。) ロ 第四百五十四条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額 ハ 第四百五十六条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額 七 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 第二款 資本金の額の減少等 第一目 資本金の額の減少等 (資本金の額の減少) 第四百四十七条 株式会社は、資本金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する資本金の額 二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額 三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (準備金の額の減少) 第四百四十八条 株式会社は、準備金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する準備金の額 二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額 三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (債権者の異議) 第四百四十九条 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。 ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。 一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。 二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金等の額の減少の内容 二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。 ただし、第二項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。 一 資本金の額の減少 第四百四十七条第一項第三号の日 二 準備金の額の減少 前条第一項第三号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。 第二目 資本金の額の増加等 (資本金の額の増加) 第四百五十条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 (準備金の額の増加) 第四百五十一条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 第三目 剰余金についてのその他の処分 第四百五十二条 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることができる。 この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならない。 第四節 剰余金の配当 (株主に対する剰余金の配当) 第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。 (剰余金の配当に関する事項の決定) 第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額 二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項 三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日 2 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 4 配当財産が金銭以外の財産であるときは、株式会社は、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めることができる。 ただし、第一号の期間の末日は、第一項第三号の日以前の日でなければならない。 一 株主に対して金銭分配請求権(当該配当財産に代えて金銭を交付することを株式会社に対して請求する権利をいう。以下この章において同じ。)を与えるときは、その旨及び金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 5 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る。以下この項において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合における中間配当についての第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 (金銭分配請求権の行使) 第四百五十五条 前条第四項第一号に規定する場合には、株式会社は、同号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた配当財産に代えて、当該配当財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該配当財産の価額とする。 一 当該配当財産が市場価格のある財産である場合 当該配当財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第四百五十六条 第四百五十四条第四項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第二項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた配当財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 (配当財産の交付の方法等) 第四百五十七条 配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭及び前条の規定により支払う金銭を含む。以下この条において同じ。)は、株主名簿に記載し、又は記録した株主(登録株式質権者を含む。以下この条において同じ。)の住所又は株主が株式会社に通知した場所(第三項において「住所等」という。)において、これを交付しなければならない。 2 前項の規定による配当財産の交付に要する費用は、株式会社の負担とする。 ただし、株主の責めに帰すべき事由によってその費用が増加したときは、その増加額は、株主の負担とする。 3 前二項の規定は、日本に住所等を有しない株主に対する配当財産の交付については、適用しない。 (適用除外) 第四百五十八条 第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。 第五節 剰余金の配当等を決定する機関の特則 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め) 第四百五十九条 会計監査人設置会社(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役以外の取締役)の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。 一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項 二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項 三 第四百五十二条後段の事項 四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。 ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。 (株主の権利の制限) 第四百六十条 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 第六節 剰余金の配当等に関する責任 (配当等の制限) 第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 四 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 五 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 七 第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り 八 剰余金の配当 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。 一 剰余金の額 二 臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額 イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 三 自己株式の帳簿価額 四 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 五 第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 六 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (剰余金の配当等に関する責任) 第四百六十二条 前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。 一 前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) 二 前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 三 前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役 四 前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 五 前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 六 前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。 3 第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。 ただし、前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。 (株主に対する求償権の制限等) 第四百六十三条 前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (買取請求に応じて株式を取得した場合の責任) 第四百六十四条 株式会社が第百十六条第一項又は第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。 ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (欠損が生じた場合の責任) 第四百六十五条 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号、第四号及び第六号に掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当該各号に定める額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 四 第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 五 第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 六 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 七 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 八 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 九 次のイ又はロに掲げる規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより当該イ又はロに定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 イ 第二百三十四条第四項 同条第一項各号に定める者 ロ 第二百三十五条第二項において準用する第二百三十四条第四項 株主 十 剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く。) 当該剰余金の配当についての第四百四十六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額 イ 定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当 ロ 第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 ハ 第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第六章 定款の変更 第四百六十六条 株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七章 事業の譲渡等 (事業譲渡等の承認等) 第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 二の二 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該株式会社が、効力発生日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け 四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約 五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。 ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。 イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項第三号に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会社の株式が含まれるときは、取締役は、同項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 (事業譲渡等の承認を要しない場合) 第四百六十八条 前条の規定は、同条第一項第一号から第四号までに掲げる行為(以下この章において「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しない。 2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないときは、適用しない。 一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に前条第一項第三号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第四百六十九条 事業譲渡等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。 二 前条第二項に規定する場合(同条第三項に規定する場合を除く。) 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 事業譲渡等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該事業譲渡等に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該事業譲渡等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、事業譲渡等をする旨(第四百六十七条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第三号に掲げる行為をする旨及び同条第二項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合 二 事業譲渡等をする株式会社が第四百六十七条第一項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この章において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 事業譲渡等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第四百七十条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 第一項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 第一項の株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第八章 解散 (解散の事由) 第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判 (休眠会社のみなし解散) 第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (株式会社の継続) 第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。 (解散した株式会社の合併等の制限) 第四百七十四条 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第九章 清算 第一節 総則 第一款 清算の開始 (清算の開始原因) 第四百七十五条 株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算株式会社の能力) 第四百七十六条 前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二款 清算株式会社の機関 第一目 株主総会以外の機関の設置 第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。 3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。 4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならない。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社であって、前項の規定の適用があるものにおいては、監査等委員である取締役が監査役となる。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社であって、第四項の規定の適用があるものにおいては、監査委員が監査役となる。 7 第四章第二節の規定は、清算株式会社については、適用しない。 第二目 清算人の就任及び解任並びに監査役の退任 (清算人の就任) 第四百七十八条 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。 一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 株主総会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。 7 第三百三十五条第三項の規定にかかわらず、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算株式会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 一 その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 三 第二条第十六号ハからホまでに掲げる要件 8 第三百三十条、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は清算人について、第三百三十一条第五項の規定は清算人会設置会社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第四百七十九条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該清算株式会社である株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 3 公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監査役の退任) 第四百八十条 清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 2 第三百三十六条の規定は、清算株式会社の監査役については、適用しない。 第三目 清算人の職務等 (清算人の職務) 第四百八十一条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第四百八十二条 清算人は、清算株式会社(清算人会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第三百五十三条から第三百五十七条(第三項を除く。)まで、第三百六十条並びに第三百六十一条第一項及び第四項の規定は、清算人(同条の規定については、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「第四百八十三条第六項において準用する第三百四十九条第四項」と、第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表清算人(第四百八十三条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第三百六十条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と読み替えるものとする。 (清算株式会社の代表) 第四百八十三条 清算人は、清算株式会社を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算株式会社を代表する。 3 清算株式会社(清算人会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は株主総会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第四百七十八条第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる。 5 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 第三百四十九条第四項及び第五項並びに第三百五十一条の規定は代表清算人について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算株式会社についての破産手続の開始) 第四百八十四条 清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算株式会社が既に債権者に支払い、又は株主に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第四百八十五条 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算株式会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任) 第四百八十六条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人 二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第四百八十七条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 二 第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 虚偽の登記 四 虚偽の公告 (清算人及び監査役の連帯責任) 第四百八十八条 清算人又は監査役が清算株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第四百三十条の規定は、適用しない。 第四目 清算人会 (清算人会の権限等) 第四百八十九条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置会社の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第四百八十三条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第四百八十三条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置会社の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置会社の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第三百六十三条第二項、第三百六十四条及び第三百六十五条の規定は、清算人会設置会社について準用する。 この場合において、第三百六十三条第二項中「前項各号」とあるのは「第四百八十九条第七項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会」とあるのは「清算人会」と、第三百六十四条中「第三百五十三条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十三条」と、「取締役会は」とあるのは「清算人会は」と、第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条」と、「「取締役会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第四百九十条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第三百六十七条及び第三百六十八条の規定は、清算人会設置会社における清算人会の招集について準用する。 この場合において、第三百六十七条第一項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、「取締役が」とあるのは「清算人が」と、同条第二項中「取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)」とあるのは「清算人(第四百九十条第一項ただし書に規定する場合にあっては、同条第二項に規定する招集権者)」と、同条第三項及び第四項中「前条第三項」とあるのは「第四百九十条第三項」と、第三百六十八条第一項中「各取締役」とあるのは「各清算人」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と読み替えるものとする。 5 第三百六十九条から第三百七十一条までの規定は、清算人会設置会社における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第三百六十九条第一項中「取締役の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「取締役」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第五項中「取締役であって」とあるのは「清算人であって」と、第三百七十条中「取締役が」とあるのは「清算人が」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、第三百七十一条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、同条第四項中「役員又は執行役」とあるのは「清算人又は監査役」と読み替えるものとする。 6 第三百七十二条第一項及び第二項の規定は、清算人会設置会社における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「取締役、会計参与、監査役又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監査役」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第二項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百八十九条第八項において準用する第三百六十三条第二項」と読み替えるものとする。 第五目 取締役等に関する規定の適用 第四百九十一条 清算株式会社については、第二章(第百五十五条を除く。)、第三章、第四章第一節、第三百三十五条第二項、第三百四十三条第一項及び第二項、第三百四十五条第四項において準用する同条第三項、第三百五十九条、同章第七節及び第八節並びに第七章の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は取締役会設置会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に関する規定として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に適用があるものとする。 第三款 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第四百九十二条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第四百九十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第四百九十四条 清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算株式会社は、第一項の貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第四百九十五条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置会社においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第四百九十六条 清算株式会社は、第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、定時株主総会の日の一週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、その本店に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 清算株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該清算株式会社の貸借対照表等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (貸借対照表等の定時株主総会への提出等) 第四百九十七条 次の各号に掲げる清算株式会社においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百九十五条第一項に規定する監査役設置会社(清算人会設置会社を除く。) 同項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置会社 第四百九十五条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算株式会社 第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第四百九十八条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第四百九十四条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四款 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第五百一条 清算株式会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算株式会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第五百二条 清算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第五百三条 清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算株式会社の残余財産を株主の一部に分配した場合には、当該株主の受けた分配と同一の割合の分配を当該株主以外の株主に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五款 残余財産の分配 (残余財産の分配に関する事項の決定) 第五百四条 清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 残余財産の種類 二 株主に対する残余財産の割当てに関する事項 2 前項に規定する場合において、残余財産の分配について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、清算株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、残余財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該清算株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 (残余財産が金銭以外の財産である場合) 第五百五条 株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権(当該残余財産に代えて金銭を交付することを清算株式会社に対して請求する権利をいう。以下この条において同じ。)を有する。 この場合において、清算株式会社は、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 2 前項に規定する場合には、清算株式会社は、同項第一号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 3 清算株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた残余財産に代えて、当該残余財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該残余財産の価額とする。 一 当該残余財産が市場価格のある財産である場合 当該残余財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 清算株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第五百六条 前条第一項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、清算株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第三項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた残余財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 第六款 清算事務の終了等 第五百七条 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 第七款 帳簿資料の保存 第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 第八款 適用除外等 第五百九条 次に掲げる規定は、清算株式会社については、適用しない。 一 第百五十五条 二 第五章第二節第二款(第四百三十五条第四項、第四百四十条第三項、第四百四十二条及び第四百四十三条を除く。)及び第三款並びに第三節から第五節まで 三 第五編第四章及び第四章の二並びに同編第五章中株式交換、株式移転及び株式交付の手続に係る部分 2 第二章第四節の二の規定は、対象会社が清算株式会社である場合には、適用しない。 3 清算株式会社は、無償で取得する場合その他法務省令で定める場合に限り、当該清算株式会社の株式を取得することができる。 第二節 特別清算 第一款 特別清算の開始 (特別清算開始の原因) 第五百十条 裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づき、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。 一 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。 二 債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること。 (特別清算開始の申立て) 第五百十一条 債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。 2 清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。 (他の手続の中止命令等) 第五百十二条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続又は第三号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。 一 清算株式会社についての破産手続 二 清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。) 三 清算株式会社の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第五百十八条の二及び第五百七十一条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(第五百十五条第一項において「外国租税滞納処分」という。) 2 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と同様とする。 (特別清算開始の申立ての取下げの制限) 第五百十三条 特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 (特別清算開始の命令) 第五百十四条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。 一 特別清算の手続の費用の予納がないとき。 二 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。 四 不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 (他の手続の中止等) 第五百十五条 特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)若しくは第三者からの情報取得手続(同法第二百五条第一項第一号、第二百六条第一項又は第二百七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続(破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え及び仮処分の手続並びに外国租税滞納処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続については、この限りでない。 2 特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続又は処分は、特別清算の手続の関係においては、その効力を失う。 3 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第五百十六条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。 (相殺の禁止) 第五百十七条 協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。 二 支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第五百十八条 清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約 (共助対象外国租税債権者の手続参加) 第五百十八条の二 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。 第二款 裁判所による監督及び調査 (裁判所による監督) 第五百十九条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。 3 前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。 (裁判所による調査) 第五百二十条 裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。 (裁判所への財産目録等の提出) 第五百二十一条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。 ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を裁判所に提出しなければならない。 (調査命令) 第五百二十二条 裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。 一 特別清算開始に至った事情 二 清算株式会社の業務及び財産の状況 三 第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 四 第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 五 第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。 六 その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの 2 清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定による留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、前項の債権の額に算入しない。 3 公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 第三款 清算人 (清算人の公平誠実義務) 第五百二十三条 特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。 (清算人の解任等) 第五百二十四条 裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。 2 清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。 3 清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。 (清算人代理) 第五百二十五条 清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。 2 前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (清算人の報酬等) 第五百二十六条 清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定は、清算人代理について準用する。 第四款 監督委員 (監督委員の選任等) 第五百二十七条 裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。 2 法人は、監督委員となることができる。 (監督委員に対する監督等) 第五百二十八条 監督委員は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。 (二人以上の監督委員の職務執行) 第五百二十九条 監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 (監督委員による調査等) 第五百三十条 監督委員は、いつでも、清算株式会社の清算人及び監査役並びに支配人その他の使用人に対し、事業の報告を求め、又は清算株式会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 2 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、清算株式会社の子会社に対し、事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (監督委員の注意義務) 第五百三十一条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 (監督委員の報酬等) 第五百三十二条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 監督委員は、その選任後、清算株式会社に対する債権又は清算株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。 3 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。 第五款 調査委員 (調査委員の選任等) 第五百三十三条 裁判所は、調査命令をする場合には、当該調査命令において、一人又は二人以上の調査委員を選任し、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければならない。 (監督委員に関する規定の準用) 第五百三十四条 前款(第五百二十七条第一項及び第五百二十九条ただし書を除く。)の規定は、調査委員について準用する。 第六款 清算株式会社の行為の制限等 (清算株式会社の行為の制限) 第五百三十五条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されているときは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。 一 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。) 二 借財 三 訴えの提起 四 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 五 権利の放棄 六 その他裁判所の指定する行為 2 前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 3 第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (事業の譲渡の制限等) 第五百三十六条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 三 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 2 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 3 第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。 (債務の弁済の制限) 第五百三十七条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。 (換価の方法) 第五百三十八条 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産の換価をすることができる。 この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。 2 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」という。)は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第五百三十九条 担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 第七款 清算の監督上必要な処分等 (清算株式会社の財産に関する保全処分) 第五百四十条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 3 裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (株主名簿の記載等の禁止) 第五百四十一条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の財産に対する保全処分) 第五百四十二条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の責任の免除の禁止) 第五百四十三条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止の処分をすることができる。 (役員等の責任の免除の取消し) 第五百四十四条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。 不正の目的によってした対象役員等の責任の免除についても、同様とする。 2 前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。 3 第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使することができない。 当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第五百四十五条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。 2 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 3 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 4 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了したときは、終了する。 第八款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第五百四十六条 債権者集会は、特別清算の実行上必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 債権者集会は、次条第三項の規定により招集する場合を除き、清算株式会社が招集する。 (債権者による招集の請求) 第五百四十七条 債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者の協定債権の総額の十分の一以上に当たる協定債権を有する協定債権者は、清算株式会社に対し、債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、債権者集会の招集を請求することができる。 2 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額は、前項の協定債権の額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした協定債権者は、裁判所の許可を得て、債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から六週間以内の日を債権者集会の日とする債権者集会の招集の通知が発せられない場合 (債権者集会の招集等の決定) 第五百四十八条 債権者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 債権者集会の日時及び場所 二 債権者集会の目的である事項 三 債権者集会に出席しない協定債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 清算株式会社が債権者集会を招集する場合には、当該清算株式会社は、各協定債権について債権者集会における議決権の行使の許否及びその額を定めなければならない。 3 清算株式会社以外の者が債権者集会を招集する場合には、その招集者は、清算株式会社に対し、前項に規定する事項を定めることを請求しなければならない。 この場合において、その請求があったときは、清算株式会社は、同項に規定する事項を定めなければならない。 4 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者は、その担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額については、議決権を有しない。 5 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権については、議決権を有しない。 (債権者集会の招集の通知) 第五百四十九条 債権者集会を招集するには、招集者は、債権者集会の日の二週間前までに、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者及び清算株式会社に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者であって一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有するものについて準用する。 (債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第五百五十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者に対し、当該協定債権者が有する協定債権について第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項及び議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(次項において「債権者集会参考書類」という。)並びに協定債権者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした協定債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、協定債権者の請求があったときは、これらの書類を当該協定債権者に交付しなければならない。 第五百五十一条 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、協定債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合において、第五百四十九条第二項の承諾をしていない協定債権者から債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該協定債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (債権者集会の指揮等) 第五百五十二条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 2 債権者集会を招集しようとするときは、招集者は、あらかじめ、第五百四十八条第一項各号に掲げる事項及び同条第二項又は第三項の規定により定められた事項を裁判所に届け出なければならない。 (異議を述べられた議決権の取扱い) 第五百五十三条 債権者集会において、第五百四十八条第二項又は第三項の規定により各協定債権について定められた事項について、当該協定債権を有する者又は他の協定債権者が異議を述べたときは、裁判所がこれを定める。 (債権者集会の決議) 第五百五十四条 債権者集会において決議をする事項を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者(議決権を行使することができる協定債権者をいう。以下この款及び次款において同じ。)の過半数の同意 二 出席した議決権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意 2 第五百五十八条第一項の規定によりその有する議決権の一部のみを前項の事項に同意するものとして行使した議決権者(その余の議決権を行使しなかったものを除く。)があるときの同項第一号の規定の適用については、当該議決権者一人につき、出席した議決権者の数に一を、同意をした議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。 3 債権者集会は、第五百四十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第五百五十五条 協定債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該協定債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第五百五十六条 債権者集会に出席しない協定債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五百五十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (議決権の不統一行使) 第五百五十八条 協定債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の協定債権者が他人のために協定債権を有する者でないときは、当該協定債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (担保権を有する債権者等の出席等) 第五百五十九条 債権者集会又は招集者は、次に掲げる債権者の出席を求め、その意見を聴くことができる。 この場合において、債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有する債権者 (延期又は続行の決議) 第五百六十条 債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第五百四十八条(第四項を除く。)及び第五百四十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五百六十一条 債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (清算人の調査結果等の債権者集会に対する報告) 第五百六十二条 特別清算開始の命令があった場合において、第四百九十二条第一項に規定する清算人が清算株式会社の財産の現況についての調査を終了して財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を作成したときは、清算株式会社は、遅滞なく、債権者集会を招集し、当該債権者集会に対して、清算株式会社の業務及び財産の状況の調査の結果並びに財産目録等の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みに関して意見を述べなければならない。 ただし、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法によりその報告すべき事項及び当該意見の内容を債権者に周知させることが適当であると認めるときは、この限りでない。 第九款 協定 (協定の申出) 第五百六十三条 清算株式会社は、債権者集会に対し、協定の申出をすることができる。 (協定の条項) 第五百六十四条 協定においては、協定債権者の権利(第五百二十二条第二項に規定する担保権を除く。)の全部又は一部の変更に関する条項を定めなければならない。 2 協定債権者の権利の全部又は一部を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準を定めなければならない。 (協定による権利の変更) 第五百六十五条 協定による権利の変更の内容は、協定債権者の間では平等でなければならない。 ただし、不利益を受ける協定債権者の同意がある場合又は少額の協定債権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他協定債権者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。 (担保権を有する債権者等の参加) 第五百六十六条 清算株式会社は、協定案の作成に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる債権者の参加を求めることができる。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を有する債権者 (協定の可決の要件) 第五百六十七条 第五百五十四条第一項の規定にかかわらず、債権者集会において協定を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者の過半数の同意 二 議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意 2 第五百五十四条第二項の規定は、前項第一号の規定の適用について準用する。 (協定の認可の申立て) 第五百六十八条 協定が可決されたときは、清算株式会社は、遅滞なく、裁判所に対し、協定の認可の申立てをしなければならない。 (協定の認可又は不認可の決定) 第五百六十九条 前条の申立てがあった場合には、裁判所は、次項の場合を除き、協定の認可の決定をする。 2 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、協定の不認可の決定をする。 一 特別清算の手続又は協定が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。 ただし、特別清算の手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。 二 協定が遂行される見込みがないとき。 三 協定が不正の方法によって成立するに至ったとき。 四 協定が債権者の一般の利益に反するとき。 (協定の効力発生の時期) 第五百七十条 協定は、認可の決定の確定により、その効力を生ずる。 (協定の効力範囲) 第五百七十一条 協定は、清算株式会社及びすべての協定債権者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。 2 協定は、第五百二十二条第二項に規定する債権者が有する同項に規定する担保権、協定債権者が清算株式会社の保証人その他清算株式会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び清算株式会社以外の者が協定債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。 3 協定の認可の決定が確定したときは、協定債権者の権利は、協定の定めに従い、変更される。 4 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての協定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (協定の内容の変更) 第五百七十二条 協定の実行上必要があるときは、協定の内容を変更することができる。 この場合においては、第五百六十三条から前条までの規定を準用する。 第十款 特別清算の終了 (特別清算終結の決定) 第五百七十三条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合には、清算人、監査役、債権者、株主又は調査委員の申立てにより、特別清算終結の決定をする。 一 特別清算が結了したとき。 二 特別清算の必要がなくなったとき。 (破産手続開始の決定) 第五百七十四条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。 一 協定の見込みがないとき。 二 協定の実行の見込みがないとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反するとき。 2 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。 一 協定が否決されたとき。 二 協定の不認可の決定が確定したとき。 3 前二項の規定により破産手続開始の決定があった場合における破産法第七十一条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第七十二条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第百六十条(第一項第一号を除く。)、第百六十二条(第一項第二号を除く。)、第百六十三条第二項、第百六十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六十六条並びに第百六十七条第二項(同法第百七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。 一 特別清算開始の申立ての前に特別清算開始の命令の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがある場合 当該破産手続開始の申立て 二 前号に掲げる場合以外の場合 特別清算開始の申立て 4 第一項又は第二項の規定により破産手続開始の決定があったときは、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権は、財団債権とする。 第三編 持分会社 第一章 設立 (定款の作成) 第五百七十五条 合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第五百七十六条 持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 社員の氏名又は名称及び住所 五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準 2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 第五百七十七条 前条に規定するもののほか、持分会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (合同会社の設立時の出資の履行) 第五百七十八条 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。 (持分会社の成立) 第五百七十九条 持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第二章 社員 第一節 社員の責任等 (社員の責任) 第五百八十条 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合 二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。) 2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員の抗弁) 第五百八十一条 社員が持分会社の債務を弁済する責任を負う場合には、社員は、持分会社が主張することができる抗弁をもって当該持分会社の債権者に対抗することができる。 2 前項に規定する場合において、持分会社がその債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって持分会社がその債務を免れるべき限度において、社員は、当該債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (社員の出資に係る責任) 第五百八十二条 社員が金銭を出資の目的とした場合において、その出資をすることを怠ったときは、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 2 社員が債権を出資の目的とした場合において、当該債権の債務者が弁済期に弁済をしなかったときは、当該社員は、その弁済をする責任を負う。 この場合においては、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (社員の責任を変更した場合の特則) 第五百八十三条 有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。 2 有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 3 無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。 4 前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (無限責任社員となることを許された未成年者の行為能力) 第五百八十四条 持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。 第二節 持分の譲渡等 (持分の譲渡) 第五百八十五条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 2 前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。 3 第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。 4 前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (持分の全部の譲渡をした社員の責任) 第五百八十六条 持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 第五百八十七条 持分会社は、その持分の全部又は一部を譲り受けることができない。 2 持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には、当該持分は、当該持分会社がこれを取得した時に、消滅する。 第三節 誤認行為の責任 (無限責任社員であると誤認させる行為等をした有限責任社員の責任) 第五百八十八条 合資会社の有限責任社員が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の有限責任社員がその責任の限度を誤認させる行為(前項の行為を除く。)をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員であると誤認させる行為をした者の責任) 第五百八十九条 合名会社又は合資会社の社員でない者が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合名会社又は合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の社員でない者が自己を有限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 第三章 管理 第一節 総則 (業務の執行) 第五百九十条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。 2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。 ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。 (業務を執行する社員を定款で定めた場合) 第五百九十一条 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。 この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。 4 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 5 前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。 6 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (社員の持分会社の業務及び財産状況に関する調査) 第五百九十二条 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、各社員は、持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況を調査することができる。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに同項の規定による調査をすることを制限する旨を定めることができない。 第二節 業務を執行する社員 (業務を執行する社員と持分会社との関係) 第五百九十三条 業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。 2 業務を執行する社員は、法令及び定款を遵守し、持分会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 3 業務を執行する社員は、持分会社又は他の社員の請求があるときは、いつでもその職務の執行の状況を報告し、その職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 4 民法第六百四十六条から第六百五十条までの規定は、業務を執行する社員と持分会社との関係について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条第一項、第六百四十八条第二項、第六百四十八条の二、第六百四十九条及び第六百五十条中「委任事務」とあるのは「その職務」と、同法第六百四十八条第三項第一号中「委任事務」とあり、及び同項第二号中「委任」とあるのは「前項の職務」と読み替えるものとする。 5 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (競業の禁止) 第五百九十四条 業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承認を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 持分会社の事業と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 業務を執行する社員が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定する。 (利益相反取引の制限) 第五百九十五条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。 二 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項各号の取引については、適用しない。 (業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任) 第五百九十六条 業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (業務を執行する有限責任社員の第三者に対する損害賠償責任) 第五百九十七条 業務を執行する有限責任社員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該有限責任社員は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が業務を執行する社員である場合の特則) 第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。 2 第五百九十三条から前条までの規定は、前項の規定により選任された社員の職務を行うべき者について準用する。 (持分会社の代表) 第五百九十九条 業務を執行する社員は、持分会社を代表する。 ただし、他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の業務を執行する社員が二人以上ある場合には、業務を執行する社員は、各自、持分会社を代表する。 3 持分会社は、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から持分会社を代表する社員を定めることができる。 4 持分会社を代表する社員は、持分会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (持分会社を代表する社員等の行為についての損害賠償責任) 第六百条 持分会社は、持分会社を代表する社員その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (持分会社と社員との間の訴えにおける会社の代表) 第六百一条 第五百九十九条第四項の規定にかかわらず、持分会社が社員に対し、又は社員が持分会社に対して訴えを提起する場合において、当該訴えについて持分会社を代表する者(当該社員を除く。)が存しないときは、当該社員以外の社員の過半数をもって、当該訴えについて持分会社を代表する者を定めることができる。 第六百二条 第五百九十九条第一項の規定にかかわらず、社員が持分会社に対して社員の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において、持分会社が当該請求の日から六十日以内に当該訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、当該訴えについて持分会社を代表することができる。 ただし、当該訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該持分会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 第三節 業務を執行する社員の職務を代行する者 第六百三条 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、持分会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、持分会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 第四章 社員の加入及び退社 第一節 社員の加入 (社員の加入) 第六百四条 持分会社は、新たに社員を加入させることができる。 2 持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる。 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となろうとする者が同項の定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、当該払込み又は給付を完了した時に、合同会社の社員となる。 (加入した社員の責任) 第六百五条 持分会社の成立後に加入した社員は、その加入前に生じた持分会社の債務についても、これを弁済する責任を負う。 第二節 社員の退社 (任意退社) 第六百六条 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。 この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第六百七条 社員は、前条、第六百九条第一項、第六百四十二条第二項及び第八百四十五条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡 四 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。) 七 後見開始の審判を受けたこと。 八 除名 2 持分会社は、その社員が前項第五号から第七号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる。 (相続及び合併の場合の特則) 第六百八条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。 2 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。 3 第一項の定款の定めがある場合には、持分会社は、同項の一般承継人が持分を承継した時に、当該一般承継人に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものであって、出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該出資に係る払込み又は給付の履行をする責任を負う。 5 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した持分についての権利を行使する者一人を定めなければ、当該持分についての権利を行使することができない。 ただし、持分会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (持分の差押債権者による退社) 第六百九条 社員の持分を差し押さえた債権者は、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができる。 この場合においては、当該債権者は、六箇月前までに持分会社及び当該社員にその予告をしなければならない。 2 前項後段の予告は、同項の社員が、同項の債権者に対し、弁済し、又は相当の担保を提供したときは、その効力を失う。 3 第一項後段の予告をした同項の債権者は、裁判所に対し、持分の払戻しの請求権の保全に関し必要な処分をすることを申し立てることができる。 (退社に伴う定款のみなし変更) 第六百十条 第六百六条、第六百七条第一項、前条第一項又は第六百四十二条第二項の規定により社員が退社した場合(第八百四十五条の規定により社員が退社したものとみなされる場合を含む。)には、持分会社は、当該社員が退社した時に、当該社員に係る定款の定めを廃止する定款の変更をしたものとみなす。 (退社に伴う持分の払戻し) 第六百十一条 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。 ただし、第六百八条第一項及び第二項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。 2 退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。 3 退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 4 退社の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 5 社員が除名により退社した場合における第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「退社の時」とあるのは、「除名の訴えを提起した時」とする。 6 前項に規定する場合には、持分会社は、除名の訴えを提起した日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 7 社員の持分の差押えは、持分の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 (退社した社員の責任) 第六百十二条 退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (商号変更の請求) 第六百十三条 持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第六百十四条 持分会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第六百十五条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 持分会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の提出命令) 第六百十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三節 計算書類 (計算書類の作成及び保存) 第六百十七条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。 3 計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 持分会社は、計算書類を作成した時から十年間、これを保存しなければならない。 (計算書類の閲覧等) 第六百十八条 持分会社の社員は、当該持分会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 計算書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 計算書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時に同項各号に掲げる請求をすることを制限する旨を定めることができない。 (計算書類の提出命令) 第六百十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 資本金の額の減少 第六百二十条 持分会社は、損失のてん補のために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により減少する資本金の額は、損失の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えることができない。 第五節 利益の配当 (利益の配当) 第六百二十一条 社員は、持分会社に対し、利益の配当を請求することができる。 2 持分会社は、利益の配当を請求する方法その他の利益の配当に関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、利益の配当を請求する権利に対しても、その効力を有する。 (社員の損益分配の割合) 第六百二十二条 損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失の一方についてのみ分配の割合についての定めを定款で定めたときは、その割合は、利益及び損失の分配に共通であるものと推定する。 (有限責任社員の利益の配当に関する責任) 第六百二十三条 持分会社が利益の配当により有限責任社員に対して交付した金銭等の帳簿価額(以下この項において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額(持分会社の利益の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この章において同じ。)を超える場合には、当該利益の配当を受けた有限責任社員は、当該持分会社に対し、連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 2 前項に規定する場合における同項の利益の配当を受けた有限責任社員についての第五百八十条第二項の規定の適用については、同項中「を限度として」とあるのは、「及び第六百二十三条第一項の配当額が同項の利益額を超過する額(同項の義務を履行した額を除く。)の合計額を限度として」とする。 第六節 出資の払戻し 第六百二十四条 社員は、持分会社に対し、既に出資として払込み又は給付をした金銭等の払戻し(以下この編において「出資の払戻し」という。)を請求することができる。 この場合において、当該金銭等が金銭以外の財産であるときは、当該財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求することを妨げない。 2 持分会社は、出資の払戻しを請求する方法その他の出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、出資の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 第七節 合同会社の計算等に関する特則 第一款 計算書類の閲覧に関する特則 第六百二十五条 合同会社の債権者は、当該合同会社の営業時間内は、いつでも、その計算書類(作成した日から五年以内のものに限る。)について第六百十八条第一項各号に掲げる請求をすることができる。 第二款 資本金の額の減少に関する特則 (出資の払戻し又は持分の払戻しを行う場合の資本金の額の減少) 第六百二十六条 合同会社は、第六百二十条第一項の場合のほか、出資の払戻し又は持分の払戻しのために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により出資の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十二条第二項に規定する出資払戻額から出資の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 3 第一項の規定により持分の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十五条第一項に規定する持分払戻額から持分の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 4 前二項に規定する「剰余金額」とは、第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(第四款及び第五款において同じ。)。 一 資産の額 二 負債の額 三 資本金の額 四 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (債権者の異議) 第六百二十七条 合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金の額の減少の内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 資本金の額の減少は、前各項の手続が終了した日に、その効力を生ずる。 第三款 利益の配当に関する特則 (利益の配当の制限) 第六百二十八条 合同会社は、利益の配当により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十一条第一項の規定による請求を拒むことができる。 (利益の配当に関する責任) 第六百二十九条 合同会社が前条の規定に違反して利益の配当をした場合には、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、利益の配当をした日における利益額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十条 前条第一項に規定する場合において、利益の配当を受けた社員は、配当額が利益の配当をした日における利益額を超えることにつき善意であるときは、当該配当額について、当該利益の配当に関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、利益の配当を受けた社員に対し、配当額(当該配当額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 3 第六百二十三条第二項の規定は、合同会社の社員については、適用しない。 (欠損が生じた場合の責任) 第六百三十一条 合同会社が利益の配当をした場合において、当該利益の配当をした日の属する事業年度の末日に欠損額(合同会社の欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、その欠損額(当該欠損額が配当額を超えるときは、当該配当額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 第四款 出資の払戻しに関する特則 (出資の払戻しの制限) 第六百三十二条 第六百二十四条第一項の規定にかかわらず、合同会社の社員は、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、同項前段の規定による請求をすることができない。 2 合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「出資払戻額」という。)が、第六百二十四条第一項前段の規定による請求をした日における剰余金額(第六百二十六条第一項の資本金の額の減少をした場合にあっては、その減少をした後の剰余金額。以下この款において同じ。)又は前項の出資の価額を減少した額のいずれか少ない額を超える場合には、当該出資の払戻しをすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十四条第一項前段の規定による請求を拒むことができる。 (出資の払戻しに関する社員の責任) 第六百三十三条 合同会社が前条の規定に違反して出資の払戻しをした場合には、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該出資の払戻しを受けた社員と連帯して、当該出資払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、出資の払戻しをした日における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十四条 前条第一項に規定する場合において、出資の払戻しを受けた社員は、出資払戻額が出資の払戻しをした日における剰余金額を超えることにつき善意であるときは、当該出資払戻額について、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、出資の払戻しを受けた社員に対し、出資払戻額(当該出資払戻額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 第五款 退社に伴う持分の払戻しに関する特則 (債権者の異議) 第六百三十五条 合同会社が持分の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「持分払戻額」という。)が当該持分の払戻しをする日における剰余金額を超える場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、持分の払戻しについて異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月(持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合にあっては、二箇月)を下ることができない。 一 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、この限りでない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該持分の払戻しについて承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合において、当該持分の払戻しをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (業務を執行する社員の責任) 第六百三十六条 合同会社が前条の規定に違反して持分の払戻しをした場合には、当該持分の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該持分の払戻しを受けた社員と連帯して、当該持分払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、持分の払戻しに関する業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、持分の払戻しをした時における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 第六章 定款の変更 (定款の変更) 第六百三十七条 持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。 (定款の変更による持分会社の種類の変更) 第六百三十八条 合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 二 その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更 合資会社 三 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 2 合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 3 合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 三 その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更 合資会社 (合資会社の社員の退社による定款のみなし変更) 第六百三十九条 合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなす。 2 合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなす。 (定款の変更時の出資の履行) 第六百四十条 第六百三十八条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる定款の変更をする場合において、当該定款の変更をする持分会社の社員が当該定款の変更後の合同会社に対する出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更は、当該払込み及び給付が完了した日に、その効力を生ずる。 2 前条第二項の規定により合同会社となる定款の変更をしたものとみなされた場合において、社員がその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更をしたものとみなされた日から一箇月以内に、当該払込み又は給付を完了しなければならない。 ただし、当該期間内に、合名会社又は合資会社となる定款の変更をした場合は、この限りでない。 第七章 解散 (解散の事由) 第六百四十一条 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 総社員の同意 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判 (持分会社の継続) 第六百四十二条 持分会社は、前条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、次章の規定による清算が結了するまで、社員の全部又は一部の同意によって、持分会社を継続することができる。 2 前項の場合には、持分会社を継続することについて同意しなかった社員は、持分会社が継続することとなった日に、退社する。 (解散した持分会社の合併等の制限) 第六百四十三条 持分会社が解散した場合には、当該持分会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第八章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第六百四十四条 持分会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第六百四十一条第五号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算持分会社の能力) 第六百四十五条 前条の規定により清算をする持分会社(以下「清算持分会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算人 (清算人の設置) 第六百四十六条 清算持分会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 (清算人の就任) 第六百四十七条 次に掲げる者は、清算持分会社の清算人となる。 一 業務を執行する社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員(業務を執行する社員を定款で定めた場合にあっては、その社員)の過半数の同意によって定める者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第六百四十一条第四号又は第七号に掲げる事由によって解散した清算持分会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第六百四十四条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算持分会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 (清算人の解任) 第六百四十八条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、解任することができる。 2 前項の規定による解任は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、社員その他利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 (清算人の職務) 第六百四十九条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第六百五十条 清算人は、清算持分会社の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、社員が二人以上ある場合には、清算持分会社の事業の全部又は一部の譲渡は、社員の過半数をもって決定する。 (清算人と清算持分会社との関係) 第六百五十一条 清算持分会社と清算人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 第五百九十三条第二項、第五百九十四条及び第五百九十五条の規定は、清算人について準用する。 この場合において、第五百九十四条第一項及び第五百九十五条第一項中「当該社員以外の社員」とあるのは、「社員(当該清算人が社員である場合にあっては、当該清算人以外の社員)」と読み替えるものとする。 (清算人の清算持分会社に対する損害賠償責任) 第六百五十二条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第六百五十三条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が清算人である場合の特則) 第六百五十四条 法人が清算人である場合には、当該法人は、当該清算人の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を社員に通知しなければならない。 2 前三条の規定は、前項の規定により選任された清算人の職務を行うべき者について準用する。 (清算持分会社の代表) 第六百五十五条 清算人は、清算持分会社を代表する。 ただし、他に清算持分会社を代表する清算人その他清算持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算持分会社を代表する。 3 清算持分会社は、定款又は定款の定めに基づく清算人(第六百四十七条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選によって、清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 4 第六百四十七条第一項第一号の規定により業務を執行する社員が清算人となる場合において、持分会社を代表する社員を定めていたときは、当該持分会社を代表する社員が清算持分会社を代表する清算人となる。 5 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 6 第五百九十九条第四項及び第五項の規定は清算持分会社を代表する清算人について、第六百三条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は清算持分会社を代表する清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算持分会社についての破産手続の開始) 第六百五十六条 清算持分会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算持分会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算持分会社が既に債権者に支払い、又は社員に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第六百五十七条 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算持分会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第六百五十八条 清算人は、その就任後遅滞なく、清算持分会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この節において「財産目録等」という。)を作成し、各社員にその内容を通知しなければならない。 2 清算持分会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 3 清算持分会社は、社員の請求により、毎月清算の状況を報告しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第六百五十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第六百六十条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この項及び次条において同じ。)は、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算持分会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第六百六十一条 清算持分会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算持分会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算持分会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算持分会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第六百六十二条 清算持分会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算持分会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (出資の履行の請求) 第六百六十三条 清算持分会社に現存する財産がその債務を完済するのに足りない場合において、その出資の全部又は一部を履行していない社員があるときは、当該出資に係る定款の定めにかかわらず、当該清算持分会社は、当該社員に出資させることができる。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第六百六十四条 清算持分会社は、当該清算持分会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を社員に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第六百六十五条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この条において同じ。)の債権者(知れている債権者を除く。)であって第六百六十条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算持分会社の残余財産を社員の一部に分配した場合には、当該社員の受けた分配と同一の割合の分配を当該社員以外の社員に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五節 残余財産の分配 (残余財産の分配の割合) 第六百六十六条 残余財産の分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 第六節 清算事務の終了等 第六百六十七条 清算持分会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならない。 2 社員が一箇月以内に前項の計算について異議を述べなかったときは、社員は、当該計算の承認をしたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 第七節 任意清算 (財産の処分の方法) 第六百六十八条 持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、定款又は総社員の同意によって、当該持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合における当該持分会社の財産の処分の方法を定めることができる。 2 第二節から前節までの規定は、前項の財産の処分の方法を定めた持分会社については、適用しない。 (財産目録等の作成) 第六百六十九条 前条第一項の財産の処分の方法を定めた持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、解散の日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 2 前条第一項の財産の処分の方法を定めていない持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合において、解散後に同項の財産の処分の方法を定めたときは、清算持分会社は、当該財産の処分の方法を定めた日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 (債権者の異議) 第六百七十条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合には、その解散後の清算持分会社の債権者は、当該清算持分会社に対し、当該財産の処分の方法について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、清算持分会社は、解散の日(前条第二項に規定する場合にあっては、当該財産の処分の方法を定めた日)から二週間以内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 第六百六十八条第一項の財産の処分の方法に従い清算をする旨 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、清算持分会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該財産の処分の方法について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、清算持分会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 (持分の差押債権者の同意等) 第六百七十一条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合において、社員の持分を差し押さえた債権者があるときは、その解散後の清算持分会社がその財産の処分をするには、その債権者の同意を得なければならない。 2 前項の清算持分会社が同項の規定に違反してその財産の処分をしたときは、社員の持分を差し押さえた債権者は、当該清算持分会社に対し、その持分に相当する金額の支払を請求することができる。 第八節 帳簿資料の保存 第六百七十二条 清算人(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、清算持分会社を代表する社員)は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算持分会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、定款で又は社員の過半数をもって帳簿資料を保存する者を定めた場合には、その者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより、第一項の清算人又は前項の規定により帳簿資料を保存する者に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 前項の規定により選任された者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 5 第三項の規定による選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 第九節 社員の責任の消滅時効 第六百七十三条 第五百八十条に規定する社員の責任は、清算持分会社の本店の所在地における解散の登記をした後五年以内に請求又は請求の予告をしない清算持分会社の債権者に対しては、その登記後五年を経過した時に消滅する。 2 前項の期間の経過後であっても、社員に分配していない残余財産があるときは、清算持分会社の債権者は、清算持分会社に対して弁済を請求することができる。 第十節 適用除外等 (適用除外) 第六百七十四条 次に掲げる規定は、清算持分会社については、適用しない。 一 第四章第一節 二 第六百六条、第六百七条第一項(第三号及び第四号を除く。)及び第六百九条 三 第五章第三節(第六百十七条第四項、第六百十八条及び第六百十九条を除く。)から第六節まで及び第七節第二款 四 第六百三十八条第一項第三号及び第二項第二号 (相続及び合併による退社の特則) 第六百七十五条 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、第六百八条第一項の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。 この場合においては、同条第四項及び第五項の規定を準用する。 第四編 社債 第一章 総則 (募集社債に関する事項の決定) 第六百七十六条 会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この編において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集社債の総額 二 各募集社債の金額 三 募集社債の利率 四 募集社債の償還の方法及び期限 五 利息支払の方法及び期限 六 社債券を発行するときは、その旨 七 社債権者が第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 七の二 社債管理者を定めないこととするときは、その旨 八 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨 八の二 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨 九 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法 十 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日 十一 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日 十二 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (募集社債の申込み) 第六百七十七条 会社は、前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 会社の商号 二 当該募集に係る前条各号に掲げる事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数 三 会社が前条第九号の最低金額を定めたときは、希望する払込金額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集社債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集社債の割当て) 第六百七十八条 会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。 この場合において、会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 会社は、第六百七十六条第十号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければならない。 (募集社債の申込み及び割当てに関する特則) 第六百七十九条 前二条の規定は、募集社債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (募集社債の社債権者) 第六百八十条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集社債の社債権者となる。 一 申込者 会社の割り当てた募集社債 二 前条の契約により募集社債の総額を引き受けた者 その者が引き受けた募集社債 (社債原簿) 第六百八十一条 会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「社債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第六百七十六条第三号から第八号の二までに掲げる事項その他の社債の内容を特定するものとして法務省令で定める事項(以下この編において「種類」という。) 二 種類ごとの社債の総額及び各社債の金額 三 各社債と引換えに払い込まれた金銭の額及び払込みの日 四 社債権者(無記名社債(無記名式の社債券が発行されている社債をいう。以下この編において同じ。)の社債権者を除く。)の氏名又は名称及び住所 五 前号の社債権者が各社債を取得した日 六 社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数 七 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第六百八十二条 社債権者(無記名社債の社債権者を除く。)は、社債を発行した会社(以下この編において「社債発行会社」という。)に対し、当該社債権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された社債原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該社債原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (社債原簿管理人) 第六百八十三条 会社は、社債原簿管理人(会社に代わって社債原簿の作成及び備置きその他の社債原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (社債原簿の備置き及び閲覧等) 第六百八十四条 社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 社債権者その他の法務省令で定める者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社債原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社債原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 社債発行会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 当該請求を行う者が社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 三 当該請求を行う者が、過去二年以内において、社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 社債発行会社が株式会社である場合には、当該社債発行会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該社債発行会社の社債原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (社債権者に対する通知等) 第六百八十五条 社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告は、社債原簿に記載し、又は記録した当該社債権者の住所(当該社債権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該社債発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該社債発行会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を社債権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、社債発行会社が社債の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第七百二十条第一項の通知に際して社債権者に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (共有者による権利の行使) 第六百八十六条 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該社債についての権利を行使する者一人を定め、会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該社債についての権利を行使することができない。 ただし、会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (社債券を発行する場合の社債の譲渡) 第六百八十七条 社債券を発行する旨の定めがある社債の譲渡は、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の譲渡の対抗要件) 第六百八十八条 社債の譲渡は、その社債を取得した者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合における前項の規定の適用については、同項中「社債発行会社その他の第三者」とあるのは、「社債発行会社」とする。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (権利の推定等) 第六百八十九条 社債券の占有者は、当該社債券に係る社債についての権利を適法に有するものと推定する。 2 社債券の交付を受けた者は、当該社債券に係る社債についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十条 社債発行会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の社債の社債権者に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該社債発行会社の社債を取得した場合 二 当該社債発行会社が有する自己の社債を処分した場合 2 前項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十一条 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)は、当該社債発行会社に対し、当該社債に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した社債の社債権者として社債原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債券を発行する場合の社債の質入れ) 第六百九十二条 社債券を発行する旨の定めがある社債の質入れは、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の質入れの対抗要件) 第六百九十三条 社債の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、社債券を発行する旨の定めがある社債の質権者は、継続して当該社債に係る社債券を占有しなければ、その質権をもって社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する社債原簿の記載等) 第六百九十四条 社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、次に掲げる事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である社債 2 前項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第六百九十五条 前条第一項各号に掲げる事項が社債原簿に記載され、又は記録された質権者は、社債発行会社に対し、当該質権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (信託財産に属する社債についての対抗要件等) 第六百九十五条の二 社債については、当該社債が信託財産に属する旨を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、当該社債が信託財産に属することを社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第六百八十一条第四号の社債権者は、その有する社債が信託財産に属するときは、社債発行会社に対し、その旨を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 社債原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第六百八十二条第一項及び第六百九十条第一項の規定の適用については、第六百八十二条第一項中「記録された社債原簿記載事項」とあるのは「記録された社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」と、第六百九十条第一項中「社債原簿記載事項」とあるのは「社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある社債については、適用しない。 (社債券の発行) 第六百九十六条 社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければならない。 (社債券の記載事項) 第六百九十七条 社債券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 社債発行会社の商号 二 当該社債券に係る社債の金額 三 当該社債券に係る社債の種類 2 社債券には、利札を付することができる。 (記名式と無記名式との間の転換) 第六百九十八条 社債券が発行されている社債の社債権者は、第六百七十六条第七号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の社債券を無記名式とし、又はその無記名式の社債券を記名式とすることを請求することができる。 (社債券の喪失) 第六百九十九条 社債券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 社債券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 (利札が欠けている場合における社債の償還) 第七百条 社債発行会社は、社債券が発行されている社債をその償還の期限前に償還する場合において、これに付された利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければならない。 ただし、当該請求権が弁済期にある場合は、この限りでない。 2 前項の利札の所持人は、いつでも、社債発行会社に対し、これと引換えに同項の規定により控除しなければならない額の支払を請求することができる。 (社債の償還請求権等の消滅時効) 第七百一条 社債の償還請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 社債の利息の請求権及び前条第二項の規定による請求権は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 第二章 社債管理者 (社債管理者の設置) 第七百二条 会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合は、この限りでない。 (社債管理者の資格) 第七百三条 社債管理者は、次に掲げる者でなければならない。 一 銀行 二 信託会社 三 前二号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして法務省令で定める者 (社債管理者の義務) 第七百四条 社債管理者は、社債権者のために、公平かつ誠実に社債の管理を行わなければならない。 2 社債管理者は、社債権者に対し、善良な管理者の注意をもって社債の管理を行わなければならない。 (社債管理者の権限等) 第七百五条 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。 この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。 3 前項前段の規定による請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 第七百六条 社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、第二号に掲げる行為については、第六百七十六条第八号に掲げる事項についての定めがあるときは、この限りでない。 一 当該社債の全部についてするその支払の猶予、その債務若しくはその債務の不履行によって生じた責任の免除又は和解(次号に掲げる行為を除く。) 二 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(前条第一項の行為を除く。) 2 社債管理者は、前項ただし書の規定により社債権者集会の決議によらずに同項第二号に掲げる行為をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 3 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項各号に掲げる行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (特別代理人の選任) 第七百七条 社債権者と社債管理者との利益が相反する場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする必要があるときは、裁判所は、社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任しなければならない。 (社債管理者等の行為の方式) 第七百八条 社債管理者又は前条の特別代理人が社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、個別の社債権者を表示することを要しない。 (二以上の社債管理者がある場合の特則) 第七百九条 二以上の社債管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 2 前項に規定する場合において、社債管理者が第七百五条第一項の弁済を受けたときは、社債管理者は、社債権者に対し、連帯して、当該弁済の額を支払う義務を負う。 (社債管理者の責任) 第七百十条 社債管理者は、この法律又は社債権者集会の決議に違反する行為をしたときは、社債権者に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 社債管理者は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に、次に掲げる行為をしたときは、社債権者に対し、損害を賠償する責任を負う。 ただし、当該社債管理者が誠実にすべき社債の管理を怠らなかったこと又は当該損害が当該行為によって生じたものでないことを証明したときは、この限りでない。 一 当該社債管理者の債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けること。 二 当該社債管理者と法務省令で定める特別の関係がある者に対して当該社債管理者の債権を譲り渡すこと(当該特別の関係がある者が当該債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けた場合に限る。)。 三 当該社債管理者が社債発行会社に対する債権を有する場合において、契約によって負担する債務を専ら当該債権をもってする相殺に供する目的で社債発行会社の財産の処分を内容とする契約を社債発行会社との間で締結し、又は社債発行会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結し、かつ、これにより社債発行会社に対し負担した債務と当該債権とを相殺すること。 四 当該社債管理者が社債発行会社に対して債務を負担する場合において、社債発行会社に対する債権を譲り受け、かつ、当該債務と当該債権とを相殺すること。 (社債管理者の辞任) 第七百十一条 社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任することができる。 この場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、第七百二条の規定による委託に係る契約に定めた事由があるときは、辞任することができる。 ただし、当該契約に事務を承継する社債管理者に関する定めがないときは、この限りでない。 3 第一項の規定にかかわらず、社債管理者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (社債管理者が辞任した場合の責任) 第七百十二条 第七百十条第二項の規定は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に前条第二項の規定により辞任した社債管理者について準用する。 (社債管理者の解任) 第七百十三条 裁判所は、社債管理者がその義務に違反したとき、その事務処理に不適任であるときその他正当な理由があるときは、社債発行会社又は社債権者集会の申立てにより、当該社債管理者を解任することができる。 (社債管理者の事務の承継) 第七百十四条 社債管理者が次のいずれかに該当することとなった場合において、他に社債管理者がないときは、社債発行会社は、事務を承継する社債管理者を定め、社債権者のために、社債の管理を行うことを委託しなければならない。 この場合においては、社債発行会社は、社債権者集会の同意を得るため、遅滞なく、これを招集し、かつ、その同意を得ることができなかったときは、その同意に代わる裁判所の許可の申立てをしなければならない。 一 第七百三条各号に掲げる者でなくなったとき。 二 第七百十一条第三項の規定により辞任したとき。 三 前条の規定により解任されたとき。 四 解散したとき。 2 社債発行会社は、前項前段に規定する場合において、同項各号のいずれかに該当することとなった日後二箇月以内に、同項後段の規定による招集をせず、又は同項後段の申立てをしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 3 第一項前段に規定する場合において、やむを得ない事由があるときは、利害関係人は、裁判所に対し、事務を承継する社債管理者の選任の申立てをすることができる。 4 社債発行会社は、第一項前段の規定により事務を承継する社債管理者を定めた場合(社債権者集会の同意を得た場合を除く。)又は前項の規定による事務を承継する社債管理者の選任があった場合には、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 第二章の二 社債管理補助者 (社債管理補助者の設置) 第七百十四条の二 会社は、第七百二条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。 ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。 (社債管理補助者の資格) 第七百十四条の三 社債管理補助者は、第七百三条各号に掲げる者その他法務省令で定める者でなければならない。 (社債管理補助者の権限等) 第七百十四条の四 社債管理補助者は、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 二 強制執行又は担保権の実行の手続における配当要求 三 第四百九十九条第一項の期間内に債権の申出をすること。 2 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に定める範囲内において、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 社債に係る債権の弁済を受けること。 二 第七百五条第一項の行為(前項各号及び前号に掲げる行為を除く。) 三 第七百六条第一項各号に掲げる行為 四 社債発行会社が社債の総額について期限の利益を喪失することとなる行為 3 前項の場合において、社債管理補助者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 前項第二号に掲げる行為であって、次に掲げるもの イ 当該社債の全部についてするその支払の請求 ロ 当該社債の全部に係る債権に基づく強制執行、仮差押え又は仮処分 ハ 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(イ及びロに掲げる行為を除く。) 二 前項第三号及び第四号に掲げる行為 4 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に従い、社債の管理に関する事項を社債権者に報告し、又は社債権者がこれを知ることができるようにする措置をとらなければならない。 5 第七百五条第二項及び第三項の規定は、第二項第一号に掲げる行為をする権限を有する社債管理補助者について準用する。 (二以上の社債管理補助者がある場合の特則) 第七百十四条の五 二以上の社債管理補助者があるときは、社債管理補助者は、各自、その権限に属する行為をしなければならない。 2 社債管理補助者が社債権者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の社債管理補助者も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (社債管理者等との関係) 第七百十四条の六 第七百二条の規定による委託に係る契約又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の効力が生じた場合には、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約は、終了する。 (社債管理者に関する規定の準用) 第七百十四条の七 第七百四条、第七百七条、第七百八条、第七百十条第一項、第七百十一条、第七百十三条及び第七百十四条の規定は、社債管理補助者について準用する。 この場合において、第七百四条中「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、同項中「社債権者に対し、連帯して」とあるのは「社債権者に対し」と、第七百十一条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「において」と、同条第二項中「第七百二条」とあるのは「第七百十四条の二」と、第七百十四条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「には」と、「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、「第七百三条各号に掲げる」とあるのは「第七百十四条の三に規定する」と、「解散した」とあるのは「死亡し、又は解散した」と読み替えるものとする。 第三章 社債権者集会 (社債権者集会の構成) 第七百十五条 社債権者は、社債の種類ごとに社債権者集会を組織する。 (社債権者集会の権限) 第七百十六条 社債権者集会は、この法律に規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。 (社債権者集会の招集) 第七百十七条 社債権者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 社債権者集会は、次項又は次条第三項の規定により招集する場合を除き、社債発行会社又は社債管理者が招集する。 3 次に掲げる場合には、社債管理補助者は、社債権者集会を招集することができる。 一 次条第一項の規定による請求があった場合 二 第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意を得るため必要がある場合 (社債権者による招集の請求) 第七百十八条 ある種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者は、社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に対し、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、社債権者集会の招集を請求することができる。 2 社債発行会社が有する自己の当該種類の社債の金額の合計額は、前項に規定する社債の総額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした社債権者は、裁判所の許可を得て、社債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間以内の日を社債権者集会の日とする社債権者集会の招集の通知が発せられない場合 4 第一項の規定による請求又は前項の規定による招集をしようとする無記名社債の社債権者は、その社債券を社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に提示しなければならない。 (社債権者集会の招集の決定) 第七百十九条 社債権者集会を招集する者(以下この章において「招集者」という。)は、社債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社債権者集会の日時及び場所 二 社債権者集会の目的である事項 三 社債権者集会に出席しない社債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債権者集会の招集の通知) 第七百二十条 社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の二週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては社債管理者又は社債管理補助者に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 社債発行会社が無記名式の社債券を発行している場合において、社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の三週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を公告しなければならない。 5 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、招集者が社債発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 (社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七百二十一条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている社債権者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「社債権者集会参考書類」という。)及び社債権者が議決権を行使するための書面(以下この章において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした社債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社債権者の請求があったときは、これらの書類を当該社債権者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、社債権者集会の日の一週間前までに無記名社債の社債権者の請求があったときは、直ちに、社債権者集会参考書類及び議決権行使書面を当該社債権者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、社債権者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第七百二十二条 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第七百二十条第二項の承諾をした社債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第七百二十条第二項の承諾をしていない社債権者から社債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の額等) 第七百二十三条 社債権者は、社債権者集会において、その有する当該種類の社債の金額の合計額(償還済みの額を除く。)に応じて、議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、社債発行会社は、その有する自己の社債については、議決権を有しない。 3 議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は、社債権者集会の日の一週間前までに、その社債券を招集者に提示しなければならない。 (社債権者集会の決議) 第七百二十四条 社債権者集会において決議をする事項を可決するには、出席した議決権者(議決権を行使することができる社債権者をいう。以下この章において同じ。)の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債権者集会において次に掲げる事項を可決するには、議決権者の議決権の総額の五分の一以上で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意がなければならない。 一 第七百六条第一項各号に掲げる行為に関する事項 二 第七百六条第一項、第七百十四条の四第三項(同条第二項第三号に掲げる行為に係る部分に限る。)、第七百三十六条第一項、第七百三十七条第一項ただし書及び第七百三十八条の規定により社債権者集会の決議を必要とする事項 3 社債権者集会は、第七百十九条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第七百二十五条 社債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第七百二十六条 社債権者集会に出席しない社債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七百二十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (議決権の不統一行使) 第七百二十八条 社債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、社債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の社債権者が他人のために社債を有する者でないときは、当該社債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (社債発行会社の代表者の出席等) 第七百二十九条 社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者は、その代表者若しくは代理人を社債権者集会に出席させ、又は書面により意見を述べることができる。 ただし、社債管理者又は社債管理補助者にあっては、その社債権者集会が第七百七条(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の特別代理人の選任について招集されたものであるときは、この限りでない。 2 社債権者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、社債発行会社に対し、その代表者又は代理人の出席を求めることができる。 この場合において、社債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第七百三十条 社債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第七百十九条及び第七百二十条の規定は、適用しない。 (議事録) 第七百三十一条 社債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 社債発行会社は、社債権者集会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社債権者集会の決議の認可の申立て) 第七百三十二条 社債権者集会の決議があったときは、招集者は、当該決議があった日から一週間以内に、裁判所に対し、当該決議の認可の申立てをしなければならない。 (社債権者集会の決議の不認可) 第七百三十三条 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、社債権者集会の決議の認可をすることができない。 一 社債権者集会の招集の手続又はその決議の方法が法令又は第六百七十六条の募集のための当該社債発行会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料に記載され、若しくは記録された事項に違反するとき。 二 決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。 三 決議が著しく不公正であるとき。 四 決議が社債権者の一般の利益に反するとき。 (社債権者集会の決議の効力) 第七百三十四条 社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 社債権者集会の決議は、当該種類の社債を有するすべての社債権者に対してその効力を有する。 (社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定の公告) 第七百三十五条 社債発行会社は、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定があった場合には、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。 (社債権者集会の決議の省略) 第七百三十五条の二 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。 2 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。 (代表社債権者の選任等) 第七百三十六条 社債権者集会においては、その決議によって、当該種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の千分の一以上に当たる社債を有する社債権者の中から、一人又は二人以上の代表社債権者を選任し、これに社債権者集会において決議をする事項についての決定を委任することができる。 2 第七百十八条第二項の規定は、前項に規定する社債の総額について準用する。 3 代表社債権者が二人以上ある場合において、社債権者集会において別段の定めを行わなかったときは、第一項に規定する事項についての決定は、その過半数をもって行う。 (社債権者集会の決議の執行) 第七百三十七条 社債権者集会の決議は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が執行する。 ただし、社債権者集会の決議によって別に社債権者集会の決議を執行する者を定めたときは、この限りでない。 一 社債管理者がある場合 社債管理者 二 社債管理補助者がある場合において、社債管理補助者の権限に属する行為に関する事項を可決する旨の社債権者集会の決議があったとき 社債管理補助者 三 前二号に掲げる場合以外の場合 代表社債権者 2 第七百五条第一項から第三項まで、第七百八条及び第七百九条の規定は、代表社債権者又は前項ただし書の規定により定められた社債権者集会の決議を執行する者(以下この章において「決議執行者」という。)が社債権者集会の決議を執行する場合について準用する。 (代表社債権者等の解任等) 第七百三十八条 社債権者集会においては、その決議によって、いつでも、代表社債権者若しくは決議執行者を解任し、又はこれらの者に委任した事項を変更することができる。 (社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失) 第七百三十九条 社債発行会社が社債の利息の支払を怠ったとき、又は定期に社債の一部を償還しなければならない場合においてその償還を怠ったときは、社債権者集会の決議に基づき、当該決議を執行する者は、社債発行会社に対し、一定の期間内にその弁済をしなければならない旨及び当該期間内にその弁済をしないときは当該社債の総額について期限の利益を喪失する旨を書面により通知することができる。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の決議を執行する者は、同項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、社債発行会社の承諾を得て、同項の規定により通知する事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該決議を執行する者は、当該書面による通知をしたものとみなす。 3 社債発行会社は、第一項の期間内に同項の弁済をしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 (債権者の異議手続の特則) 第七百四十条 第四百四十九条、第六百二十七条、第六百三十五条、第六百七十条、第七百七十九条(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条(第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十六条の八の規定により社債権者が異議を述べるには、社債権者集会の決議によらなければならない。 この場合においては、裁判所は、利害関係人の申立てにより、社債権者のために異議を述べることができる期間を伸長することができる。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、社債権者のために、異議を述べることができる。 ただし、第七百二条の規定による委託に係る契約に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 社債発行会社における第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百八十九条第二項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百九十九条第二項(第八百二条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第八百十条第二項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第八百十六条の八第二項の規定の適用については、第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項、第七百九十九条第二項及び第八百十六条の八第二項中「知れている債権者」とあるのは「知れている債権者(社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては、当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」と、第七百八十九条第二項及び第八百十条第二項中「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)」とあるのは「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限り、社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」とする。 (社債管理者等の報酬等) 第七百四十一条 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者に対して与えるべき報酬、その事務処理のために要する費用及びその支出の日以後における利息並びにその事務処理のために自己の過失なくして受けた損害の賠償額は、社債発行会社との契約に定めがある場合を除き、裁判所の許可を得て、社債発行会社の負担とすることができる。 2 前項の許可の申立ては、社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者がする。 3 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者は、第一項の報酬、費用及び利息並びに損害の賠償額に関し、第七百五条第一項(第七百三十七条第二項において準用する場合を含む。)又は第七百十四条の四第二項第一号の弁済を受けた額について、社債権者に先立って弁済を受ける権利を有する。 (社債権者集会等の費用の負担) 第七百四十二条 社債権者集会に関する費用は、社債発行会社の負担とする。 2 第七百三十二条の申立てに関する費用は、社債発行会社の負担とする。 ただし、裁判所は、社債発行会社その他利害関係人の申立てにより又は職権で、当該費用の全部又は一部について、招集者その他利害関係人の中から別に負担者を定めることができる。 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付 第一章 組織変更 第一節 通則 (組織変更計画の作成) 第七百四十三条 会社は、組織変更をすることができる。 この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。 第二節 株式会社の組織変更 (株式会社の組織変更計画) 第七百四十四条 株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 組織変更後持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 組織変更後持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、組織変更後持分会社の定款で定める事項 五 組織変更後持分会社が組織変更に際して組織変更をする株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(組織変更後持分会社の持分を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債であるときは、当該社債の種類(第百七条第二項第二号ロに規定する社債の種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の株主(組織変更をする株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、組織変更後持分会社が組織変更に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 九 組織変更がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 組織変更後持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 組織変更後持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 組織変更後持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (株式会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十五条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、組織変更後持分会社の社員となる。 4 前条第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号イの社債の社債権者となる。 5 組織変更をする株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百七十九条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第三節 持分会社の組織変更 (持分会社の組織変更計画) 第七百四十六条 持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項 三 組織変更後株式会社の取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称 ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 組織変更後株式会社の監査役の氏名 ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称 五 組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 六 組織変更をする持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭等(組織変更後株式会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債等(社債及び新株予約権をいう。以下この編において同じ。)以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする持分会社の社員に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 九 効力発生日 2 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 (持分会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十七条 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、株式会社となる。 2 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 4 次の各号に掲げる場合には、組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、第七百八十一条第二項において準用する第七百七十九条(第二項第二号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第二章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 株式会社が存続する吸収合併 (株式会社が存続する吸収合併契約) 第七百四十九条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である吸収合併存続会社(以下この編において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併により消滅する会社(以下この編において「吸収合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して吸収合併存続株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの吸収合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収合併存続株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 六 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続株式会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 5 前条第一項第四号イに規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、効力発生日に、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号イの吸収合併存続株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 持分会社が存続する吸収合併 (持分会社が存続する吸収合併契約) 第七百五十一条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である吸収合併存続会社(以下この節において「吸収合併存続持分会社」という。)及び吸収合併消滅会社の商号及び住所 二 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員が吸収合併に際して吸収合併存続持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収合併存続持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等(吸収合併存続持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続持分会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 七 効力発生日 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続持分会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (持分会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十二条 吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第三節 新設合併 第一款 株式会社を設立する新設合併 (株式会社を設立する新設合併契約) 第七百五十三条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社(以下この編において「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する会社(以下この編において「新設合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 株式会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立株式会社の定款で定める事項 四 新設合併設立株式会社の設立時取締役の氏名 五 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設合併設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設合併設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して株式会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅持分会社」という。)の社員に対して交付するその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設合併設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立株式会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して新設合併設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの新設合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設合併設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、新設合併消滅株式会社の全部又は一部が種類株式発行会社であるときは、新設合併消滅会社は、新設合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第七号に掲げる事項(新設合併消滅株式会社の株主に係る事項に限る。次項において同じ。)として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して新設合併設立株式会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、新設合併設立株式会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第七号に掲げる事項についての定めは、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて新設合併設立株式会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第九号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「新設合併設立株式会社の株式」とあるのは、「新設合併設立株式会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十四条 新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、前条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立株式会社の成立の日に、消滅する。 5 前条第一項第十号イに規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号イの新設合併設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第二款 持分会社を設立する新設合併 (持分会社を設立する新設合併契約) 第七百五十五条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併設立会社が持分会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併消滅会社の商号及び住所 二 持分会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 三 新設合併設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 四 新設合併設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 五 前二号に掲げるもののほか、新設合併設立持分会社の定款で定める事項 六 新設合併設立持分会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立持分会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立持分会社が合名会社であるときは、前項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設合併設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設合併設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十六条 新設合併設立持分会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設合併設立持分会社の社員となる。 3 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の社債の社債権者となる。 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立持分会社の成立の日に、消滅する。 第三章 会社分割 第一節 吸収分割 第一款 通則 (吸収分割契約の締結) 第七百五十七条 会社(株式会社又は合同会社に限る。)は、吸収分割をすることができる。 この場合においては、当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下この編において「吸収分割承継会社」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に権利義務を承継させる吸収分割 (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百五十八条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割をする会社(以下この編において「吸収分割会社」という。)及び株式会社である吸収分割承継会社(以下この編において「吸収分割承継株式会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継株式会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である吸収分割会社(以下この編において「吸収分割株式会社」という。)及び吸収分割承継株式会社の株式並びに吸収分割株式会社の新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式を吸収分割承継株式会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収分割承継株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 五 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該吸収分割承継株式会社の新株予約権の交付を受ける吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「吸収分割契約新株予約権」という。)の内容 ロ 吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収分割承継株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 吸収分割契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収分割承継株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収分割承継株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 七 吸収分割がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 八 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継株式会社の株式(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継株式会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継株式会社の株式のみであるものに限る。) (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百五十九条 吸収分割承継株式会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継株式会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 次の各号に掲げる場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第四号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第四号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第四号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第四号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 9 前条第五号に規定する場合には、効力発生日に、吸収分割契約新株予約権は、消滅し、当該吸収分割契約新株予約権の新株予約権者は、同条第六号に掲げる事項についての定めに従い、同条第五号ロの吸収分割承継株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第三款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割 (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百六十条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が持分会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割会社及び持分会社である吸収分割承継会社(以下この節において「吸収分割承継持分会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継持分会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(吸収分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社の株式を吸収分割承継持分会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割会社が吸収分割に際して吸収分割承継持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収分割承継持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 五 吸収分割承継持分会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等(吸収分割承継持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 効力発生日 七 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継持分会社の持分(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継持分会社の持分に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継持分会社の持分のみであるものに限る。) (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百六十一条 吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 9 前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第二節 新設分割 第一款 通則 (新設分割計画の作成) 第七百六十二条 一又は二以上の株式会社又は合同会社は、新設分割をすることができる。 この場合においては、新設分割計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合には、当該二以上の株式会社又は合同会社は、共同して新設分割計画を作成しなければならない。 第二款 株式会社を設立する新設分割 (株式会社を設立する新設分割計画) 第七百六十三条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、新設分割設立株式会社の定款で定める事項 三 新設分割設立株式会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設分割設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設分割設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設分割設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設分割設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 新設分割設立株式会社が新設分割により新設分割をする会社(以下この編において「新設分割会社」という。)から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である新設分割会社(以下この編において「新設分割株式会社」という。)の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対して交付するその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設分割設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設分割設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該新設分割設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該新設分割設立株式会社の新株予約権の交付を受ける新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「新設分割計画新株予約権」という。)の内容 ロ 新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する新設分割設立株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 新設分割計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設分割設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設分割設立株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。) 2 新設分割設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 (株式会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十四条 新設分割設立株式会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立株式会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第十二号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立株式会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 9 次の各号に掲げる場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前二項の規定の適用については、第八項中「新設分割計画の定め」とあるのは「同項第七号に掲げる事項についての定め」と、前項中「新設分割計画の定め」とあるのは「前条第一項第九号に掲げる事項についての定め」とする。 11 前条第一項第十号に規定する場合には、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画新株予約権は、消滅し、当該新設分割計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号ロの新設分割設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第三款 持分会社を設立する新設分割 (持分会社を設立する新設分割計画) 第七百六十五条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割設立会社が持分会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 新設分割設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 新設分割設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、新設分割設立持分会社の定款で定める事項 五 新設分割設立持分会社が新設分割により新設分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(新設分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立持分会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設分割株式会社が新設分割設立持分会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立持分会社の持分(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立持分会社の持分のみであるものに限る。) 2 新設分割設立持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設分割設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設分割設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十六条 新設分割設立持分会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立持分会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立持分会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設分割設立持分会社の社員となる。 9 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同号の社債の社債権者となる。 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前項の規定の適用については、同項中「新設分割計画の定めに従い、同号」とあるのは、「同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号」とする。 第四章 株式交換及び株式移転 第一節 株式交換 第一款 通則 (株式交換契約の締結) 第七百六十七条 株式会社は、株式交換をすることができる。 この場合においては、当該株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(株式会社又は合同会社に限る。以下この編において「株式交換完全親会社」という。)との間で、株式交換契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に発行済株式を取得させる株式交換 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百六十八条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容 ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 六 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百六十九条 株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親株式会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親株式会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 次の各号に掲げる場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第四号に規定する場合には、効力発生日に、株式交換契約新株予約権は、消滅し、当該株式交換契約新株予約権の新株予約権者は、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号ロの株式交換完全親株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第四号ハに規定する場合には、株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第三款 合同会社に発行済株式を取得させる株式交換 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百七十条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が合同会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換完全子会社及び合同会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親合同会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全子会社の株主が株式交換に際して株式交換完全親合同会社の社員となるときは、当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 株式交換完全親合同会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(株式交換完全親合同会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 効力発生日 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親合同会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百七十一条 株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親合同会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親合同会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親合同会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、株式交換完全親合同会社の社員となる。 この場合においては、株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 前各項の規定は、第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第二節 株式移転 (株式移転計画の作成) 第七百七十二条 一又は二以上の株式会社は、株式移転をすることができる。 この場合においては、株式移転計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合には、当該二以上の株式会社は、共同して株式移転計画を作成しなければならない。 (株式移転計画) 第七百七十三条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項 三 株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名 ハ 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 六 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 八 前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項 九 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容 ロ 株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十 前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項 2 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式移転の効力の発生等) 第七百七十四条 株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、株式移転完全子会社の発行済株式の全部を取得する。 2 株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第九号に規定する場合には、株式移転設立完全親会社の成立の日に、株式移転計画新株予約権は、消滅し、当該株式移転計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十号に掲げる事項についての定めに従い、同項第九号ロの株式移転設立完全親会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第九号ハに規定する場合には、株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 第四章の二 株式交付 (株式交付計画の作成) 第七百七十四条の二 株式会社は、株式交付をすることができる。 この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。 (株式交付計画) 第七百七十四条の三 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所 二 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限 三 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 四 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項 五 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法 八 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 九 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 十 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日 十一 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み) 第七百七十四条の四 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式交付親会社の商号 二 株式交付計画の内容 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て) 第七百七十四条の五 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。 この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則) 第七百七十四条の六 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (株式交付子会社の株式の譲渡し) 第七百七十四条の七 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。 一 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数 二 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数 2 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの無効又は取消しの制限) 第七百七十四条の八 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、第七百七十四条の四第二項の申込み、第七百七十四条の五第一項の規定による割当て及び第七百七十四条の六の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人は、第七百七十四条の十一第二項の規定により株式交付親会社の株式の株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として株式交付子会社の株式の譲渡しの取消しをすることができない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用) 第七百七十四条の九 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。 この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。 (申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合) 第七百七十四条の十 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。 この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 (株式交付の効力の発生等) 第七百七十四条の十一 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。 2 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合 二 株式交付を中止した場合 三 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合 四 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合 6 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。 第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続 第一節 組織変更の手続 第一款 株式会社の手続 (組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百七十五条 組織変更をする株式会社は、組織変更計画備置開始日から組織変更がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)までの間、組織変更計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 組織変更計画について組織変更をする株式会社の総株主の同意を得た日 二 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第七百七十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百七十九条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 組織変更をする株式会社の株主及び債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式会社の組織変更計画の承認等) 第七百七十六条 組織変更をする株式会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該株式会社の総株主の同意を得なければならない。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新株予約権買取請求) 第七百七十七条 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この款において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 組織変更をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その新株予約権の新株予約権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、組織変更をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 組織変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百七十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と組織変更をする株式会社(効力発生日後にあっては、組織変更後持分会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は組織変更後持分会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 組織変更後持分会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 組織変更をする株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 組織変更をする株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 組織変更をする株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百七十九条 組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。 2 組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 組織変更をする旨 二 組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (組織変更の効力発生日の変更) 第七百八十条 組織変更をする株式会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、組織変更をする株式会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この款及び第七百四十五条の規定を適用する。 第二款 持分会社の手続 第七百八十一条 組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第七百七十九条(第二項第二号を除く。)及び前条の規定は、組織変更をする持分会社について準用する。 この場合において、第七百七十九条第三項中「組織変更をする株式会社」とあるのは「組織変更をする持分会社(合同会社に限る。)」と、前条第三項中「及び第七百四十五条」とあるのは「並びに第七百四十七条及び次条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 吸収合併等の手続 第一款 吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百八十二条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 吸収合併契約 二 吸収分割株式会社 吸収分割契約 三 株式交換完全子会社 株式交換契約 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百八十五条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百八十七条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第七百八十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百八十三条 消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第一項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。 3 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。 5 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者(次条第二項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第七百八十七条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。 6 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (吸収合併契約等の承認を要しない場合) 第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。 2 前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百八十四条の二 次に掲げる場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項に規定する場合は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十一条第一項第三号若しくは第四号、第七百五十八条第四号、第七百六十条第四号若しくは第五号、第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号又は第七百七十条第一項第三号若しくは第四号に掲げる事項が消滅株式会社等又は存続会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第七百八十三条第二項に規定する場合 二 第七百八十四条第二項に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 消滅株式会社等が公開会社である場合 二 消滅株式会社等が第七百八十三条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百八十六条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第七百八十七条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 吸収合併 第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 吸収分割承継会社が株式会社である場合における吸収分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換完全親会社が株式会社である場合における株式交換完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 吸収合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百八十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百八十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併消滅株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者) 三 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 存続会社等の商号及び住所 三 消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(吸収分割をする場合における不法行為によって生じた吸収分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収合併等の効力発生日の変更) 第七百九十条 消滅株式会社等は、存続会社等との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、消滅株式会社等は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節並びに第七百五十条、第七百五十二条、第七百五十九条、第七百六十一条、第七百六十九条及び第七百七十一条の規定を適用する。 (吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十一条 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 吸収分割株式会社 吸収分割により吸収分割承継会社が承継した吸収分割株式会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式交換完全子会社 株式交換により株式交換完全親会社が取得した株式交換完全子会社の株式の数その他の株式交換に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式交換完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「効力発生日に株式交換完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第七百九十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イの株式の取得 二 第七百五十八条第八号ロ又は第七百六十条第七号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第七百九十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 二 吸収分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)及び第七百九十条の規定は、吸収合併消滅持分会社又は合同会社である吸収分割会社(以下この節において「吸収分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、第七百八十九条第一項第二号中「債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「吸収合併消滅持分会社(吸収合併存続会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は吸収分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 吸収合併存続会社、吸収分割承継会社及び株式交換完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十四条 吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百九十五条 存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 一 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の債務の額として法務省令で定める額(次号において「承継債務額」という。)が吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産の額として法務省令で定める額(同号において「承継資産額」という。)を超える場合 二 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等(吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合 三 株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(株式交換完全親株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交換完全親株式会社が取得する株式交換完全子会社の株式の額として法務省令で定める額を超える場合 3 承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 4 存続株式会社等が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併等は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対して交付する金銭等が吸収合併存続株式会社の株式である場合 第七百四十九条第一項第二号イの種類の株式 二 吸収分割会社に対して交付する金銭等が吸収分割承継株式会社の株式である場合 第七百五十八条第四号イの種類の株式 三 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式である場合 第七百六十八条第一項第二号イの種類の株式 (吸収合併契約等の承認を要しない場合等) 第七百九十六条 前条第一項から第三項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。 2 前条第一項から第三項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同条第二項各号に掲げる場合又は前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第七百九十七条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百九十六条の二 次に掲げる場合において、存続株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、存続株式会社等の株主は、存続株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び前条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十八条第四号又は第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項が存続株式会社等又は消滅会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百九十七条 吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第七百九十六条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該存続株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 存続株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに消滅会社等の商号及び住所(第七百九十五条第三項に規定する場合にあっては、吸収合併等をする旨、消滅会社等の商号及び住所並びに同項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 存続株式会社等が公開会社である場合 二 存続株式会社等が第七百九十五条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、存続株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、存続株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百九十八条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と存続株式会社等との間に協議が調ったときは、存続株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は存続株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 存続株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 存続株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該存続株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百九十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者 三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者 2 前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 消滅会社等の商号及び住所 三 存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (消滅会社等の株主等に対して交付する金銭等が存続株式会社等の親会社株式である場合の特則) 第八百条 第百三十五条第一項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この項において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の親会社株式(同条第一項に規定する親会社株式をいう。以下この条において同じ。)である場合には、当該存続株式会社等は、吸収合併等に際して消滅会社等の株主等に対して交付する当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得することができる。 2 第百三十五条第三項の規定にかかわらず、前項の存続株式会社等は、効力発生日までの間は、存続株式会社等の親会社株式を保有することができる。 ただし、吸収合併等を中止したときは、この限りでない。 (吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百一条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続株式会社が承継した吸収合併消滅会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収分割承継株式会社(合同会社が吸収分割をする場合における当該吸収分割承継株式会社に限る。)は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割合同会社と共同して、吸収分割により吸収分割承継株式会社が承継した吸収分割合同会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる存続株式会社等は、効力発生日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併存続株式会社 第一項の書面又は電磁的記録 二 吸収分割承継株式会社 前項又は第七百九十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式交換完全親株式会社 第七百九十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 吸収合併存続株式会社の株主及び債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、吸収分割承継株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式交換完全親株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株式交換完全親株式会社の株主)」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 第八百二条 次の各号に掲げる行為をする持分会社(以下この条において「存続持分会社等」という。)は、当該各号に定める場合には、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について存続持分会社等の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 第七百五十一条第一項第二号に規定する場合 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第七百六十条第四号に規定する場合 三 株式交換による株式会社の発行済株式の全部の取得 第七百七十条第一項第二号に規定する場合 2 第七百九十九条(第二項第三号を除く。)及び第八百条の規定は、存続持分会社等について準用する。 この場合において、第七百九十九条第一項第三号中「株式交換完全親株式会社の株式」とあるのは「株式交換完全親合同会社の持分」と、「場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合」とあるのは「場合」と読み替えるものとする。 第三節 新設合併等の手続 第一款 新設合併消滅会社、新設分割会社及び株式移転完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百三条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、新設合併契約等備置開始日から新設合併設立会社、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立会社」という。)の成立の日後六箇月を経過する日(新設合併消滅株式会社にあっては、新設合併設立会社の成立の日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「新設合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 新設合併契約 二 新設分割株式会社 新設分割計画 三 株式移転完全子会社 株式移転計画 2 前項に規定する「新設合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 新設合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百六条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、新設分割計画の作成の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式移転完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約等の承認) 第八百四条 消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新設合併設立会社が持分会社である場合には、新設合併契約について新設合併消滅株式会社の総株主の同意を得なければならない。 3 新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社が種類株式発行会社である場合において、新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設合併設立株式会社又は株式移転設立完全親会社の株式等の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは、当該新設合併又は株式移転は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 消滅株式会社等は、第一項の株主総会の決議の日(第二項に規定する場合にあっては、同項の総株主の同意を得た日)から二週間以内に、その登録株式質権者(次条に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第八百八条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、新設合併、新設分割又は株式移転(以下この節において「新設合併等」という。)をする旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新設分割計画の承認を要しない場合) 第八百五条 前条第一項の規定は、新設分割により新設分割設立会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が新設分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を新設分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (新設合併等をやめることの請求) 第八百五条の二 新設合併等が法令又は定款に違反する場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、当該新設合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条に規定する場合は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百六条 新設合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第八百四条第二項に規定する場合 二 第八百五条に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第八百四条第一項の株主総会(新設合併等をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。)に先立って当該新設合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該新設合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日から二週間以内に、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設分割会社又は株式移転完全子会社(以下この節において「消滅会社等」という。)及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 新設合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第八百八条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 新設合併 第七百五十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 新設分割(新設分割設立会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ハに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転 次に掲げる新株予約権のうち、第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日(同条第二項に規定する場合にあっては同項の総株主の同意を得た日、第八百五条に規定する場合にあっては新設分割計画の作成の日)から二週間以内に、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、新設合併等をする旨並びに他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 新設分割設立会社が株式会社である場合における新設分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 新設合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第八百九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、新設合併等について異議を述べることができる。 一 新設合併をする場合 新設合併消滅株式会社の債権者 二 新設分割をする場合 新設分割後新設分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として新設分割設立会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない新設分割株式会社の債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者) 三 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併等をする旨 二 他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所 三 消滅株式会社等の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(新設分割をする場合における不法行為によって生じた新設分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十一条 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日後遅滞なく、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 新設分割株式会社 新設分割により新設分割設立会社が承継した新設分割株式会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式移転完全子会社 株式移転により株式移転設立完全親会社が取得した株式移転完全子会社の株式の数その他の株式移転に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、新設分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式移転完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の成立の日に株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第八百十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イの株式の取得 二 第七百六十三条第一項第十二号ロ又は第七百六十五条第一項第八号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第八百十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、新設合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 新設合併 二 新設分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第八百十条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)の規定は、新設合併消滅持分会社又は合同会社である新設分割会社(以下この節において「新設分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、同条第一項第二号中「債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「新設合併消滅持分会社(新設合併設立会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は新設分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 新設合併設立会社、新設分割設立会社及び株式移転設立完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (株式会社の設立の特則) 第八百十四条 第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)の規定は、新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立株式会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立株式会社の定款は、消滅会社等が作成する。 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十五条 新設合併設立株式会社は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立株式会社が承継した新設合併消滅会社の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設分割設立株式会社(一又は二以上の合同会社のみが新設分割をする場合における当該新設分割設立株式会社に限る。)は、その成立の日後遅滞なく、新設分割合同会社と共同して、新設分割により新設分割設立株式会社が承継した新設分割合同会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる設立株式会社は、その成立の日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併設立株式会社 第一項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 新設分割設立株式会社 前項又は第八百十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式移転設立完全親会社 第八百十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 新設合併設立株式会社の株主及び債権者は、新設合併設立株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、新設分割設立株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式移転設立完全親会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び新株予約権者」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 (持分会社の設立の特則) 第八百十六条 第五百七十五条及び第五百七十八条の規定は、新設合併設立持分会社又は新設分割設立持分会社(次項において「設立持分会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立持分会社の定款は、消滅会社等が作成する。 第四節 株式交付の手続 (株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の二 株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式交付計画の承認等) 第八百十六条の三 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 2 株式交付親会社が株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 3 株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式 二 株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式 (株式交付計画の承認を要しない場合等) 第八百十六条の四 前条第一項及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同項に規定する場合又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 (株式交付をやめることの請求) 第八百十六条の五 株式交付が法令又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。 ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百十六条の六 株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に掲げる場合以外の場合 全ての株主 3 株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨並びに株式交付子会社の商号及び住所を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 株式交付親会社が公開会社である場合 二 株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百十六条の七 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十六条の八 株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。 2 前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 株式交付をする旨 二 株式交付子会社の商号及び住所 三 株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (株式交付の効力発生日の変更) 第八百十六条の九 株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。 3 第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 4 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。 5 株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。 6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。 この場合において、第四項中「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十及び前項」と読み替えるものとする。 (株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の十 株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六編 外国会社 (外国会社の日本における代表者) 第八百十七条 外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。 この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。 2 外国会社の日本における代表者は、当該外国会社の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 3 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 4 外国会社は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (登記前の継続取引の禁止等) 第八百十八条 外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (貸借対照表に相当するものの公告) 第八百十九条 外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)は、法務省令で定めるところにより、第四百三十八条第二項の承認と同種の手続又はこれに類似する手続の終結後遅滞なく、貸借対照表に相当するものを日本において公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である外国会社は、前項に規定する貸借対照表に相当するものの要旨を公告することで足りる。 3 前項の外国会社は、法務省令で定めるところにより、第一項の手続の終結後遅滞なく、同項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報を、当該手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により日本において不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない外国会社については、前三項の規定は、適用しない。 (日本に住所を有する日本における代表者の退任) 第八百二十条 外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 2 債権者が前項の期間内に異議を述べたときは、同項の外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、同項の退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 3 第一項の退任は、前二項の手続が終了した後にその登記をすることによって、その効力を生ずる。 (擬似外国会社) 第八百二十一条 日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (日本にある外国会社の財産についての清算) 第八百二十二条 裁判所は、次に掲げる場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、日本にある外国会社の財産の全部について清算の開始を命ずることができる。 一 外国会社が第八百二十七条第一項の規定による命令を受けた場合 二 外国会社が日本において取引を継続してすることをやめた場合 2 前項の場合には、裁判所は、清算人を選任する。 3 第四百七十六条、第二編第九章第一節第二款、第四百九十二条、同節第四款及び第五百八条の規定並びに同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 4 第八百二十条の規定は、外国会社が第一項の清算の開始を命じられた場合において、当該外国会社の日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、適用しない。 (他の法律の適用関係) 第八百二十三条 外国会社は、他の法律の適用については、日本における同種の会社又は最も類似する会社とみなす。 ただし、他の法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第七編 雑則 第一章 会社の解散命令等 第一節 会社の解散命令 (会社の解散命令) 第八百二十四条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (会社の財産に関する保全処分) 第八百二十五条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「会社」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第八百二十六条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令 第八百二十七条 裁判所は、次に掲げる場合には、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、外国会社が日本において取引を継続してすることの禁止又はその日本に設けられた営業所の閉鎖を命ずることができる。 一 外国会社の事業が不法な目的に基づいて行われたとき。 二 外国会社が正当な理由がないのに外国会社の登記の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 外国会社が正当な理由がないのに支払を停止したとき。 四 外国会社の日本における代表者その他その業務を執行する者が、法令で定める外国会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 第八百二十四条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、第八百二十四条第二項中「前項」とあり、同条第三項及び第四項中「第一項」とあり、並びに第八百二十五条第一項中「前条第一項」とあるのは「第八百二十七条第一項」と、前条中「第八百二十四条第一項」とあるのは「次条第一項」と、「同項第三号」とあるのは「同項第四号」と読み替えるものとする。 第二章 訴訟 第一節 会社の組織に関する訴え (会社の組織に関する行為の無効の訴え) 第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内 二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内) 三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) 四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内) 五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者 五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 (新株発行等の不存在の確認の訴え) 第八百二十九条 次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 一 株式会社の成立後における株式の発行 二 自己株式の処分 三 新株予約権の発行 (株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (株主総会等の決議の取消しの訴え) 第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。 一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (持分会社の設立の取消しの訴え) 第八百三十二条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。 一 社員が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員 二 社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき 当該債権者 (会社の解散の訴え) 第八百三十三条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。 一 株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。 2 やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。 (被告) 第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社 二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社 三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社 四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社 六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社 七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社 八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社 九 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割契約をした会社 十 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社及び新設分割により設立する会社 十一 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換契約をした会社 十二 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社 十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社 十三 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社 十四 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社 十五 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 十六 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社 十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社 十八 第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社 十九 第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員 二十 株式会社の解散の訴え 当該株式会社 二十一 持分会社の解散の訴え 当該持分会社 (訴えの管轄及び移送) 第八百三十五条 会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。 3 前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。 (担保提供命令) 第八百三十六条 会社の組織に関する訴えであって、株主又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百三十七条 同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百三十八条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第八百三十九条 会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (新株発行の無効判決の効力) 第八百四十条 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)を返還することを請求することができる。 2 前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。 3 前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。 4 第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。 5 第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 6 前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 (自己株式の処分の無効判決の効力) 第八百四十一条 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「株式」とあるのは、「自己株式」と読み替えるものとする。 (新株予約権発行の無効判決の効力) 第八百四十二条 新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。 2 第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「株主」とあるのは「新株予約権者」と、同条第四項中「株式」とあるのは「新株予約権」と、同条第五項及び第六項中「登録株式質権者」とあるのは「登録新株予約権質権者」と読み替えるものとする。 (合併又は会社分割の無効判決の効力) 第八百四十三条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 会社の吸収合併 吸収合併後存続する会社 二 会社の新設合併 新設合併により設立する会社 三 会社の吸収分割 吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社 四 会社の新設分割 新設分割により設立する会社 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。 ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。 3 第一項及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。 4 各会社の第一項の債務の負担部分又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (株式交換又は株式移転の無効判決の効力) 第八百四十四条 株式会社の株式交換又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換又は株式移転をする株式会社(以下この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。 この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。 3 前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。 ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。 (株式交付の無効判決の効力) 第八百四十四条の二 株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。 この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。 (持分会社の設立の無効又は取消しの判決の効力) 第八百四十五条 持分会社の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条 会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え (売渡株式等の取得の無効の訴え) 第八百四十六条の二 株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。 2 前項の訴え(以下この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。 一 取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者 二 取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役又は執行役。以下この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役若しくは清算人 (被告) 第八百四十六条の三 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百四十六条の四 売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第八百四十六条の五 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役又は清算人であるときは、この限りでない。 2 被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百四十六条の六 同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百四十六条の七 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効の判決の効力) 第八百四十六条の八 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条の九 売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二節 株式会社における責任追及等の訴え (株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 (旧株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条の二 次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。以下この条において同じ。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該株式会社の株式交換又は株式移転 当該株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併 当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」とする。 3 旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該完全親会社の株式交換又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 4 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 5 第三項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、第三項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該完全親会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 6 株式交換等完全子会社が第一項又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求(以下この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 7 株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 8 第一項、第三項及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 9 株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」とする。 (最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え) 第八百四十七条の三 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 特定責任追及の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合 二 当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合 2 前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。 一 完全親会社 二 株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社及びその完全子会社等(株式会社がその株式又は持分の全部を有する法人をいう。以下この条及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該他の株式会社(完全親会社を除く。) 3 前項第二号の場合において、同号の他の株式会社及びその完全子会社等又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。 4 第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項及び同条第七項において同じ。)。 5 最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。 6 公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、「株式会社」とする。 7 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。 8 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 9 第一項及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 10 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」とする。 (責任追及等の訴えに係る訴訟費用等) 第八百四十七条の四 第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 2 株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第八百四十八条 責任追及等の訴えは、株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第八百四十九条 株主等又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合又は同条第三項第一号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第二号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為又は同条第三項第一号の株式交換若しくは株式移転若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。)であって、当該完全親会社の株式交換若しくは株式移転又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。) 適格旧株主 二 最終完全親会社等 当該最終完全親会社等の株主 3 株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。 5 株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 6 株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 7 株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 8 第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、これらの規定中「のほか」とあるのは、「に代えて」とする。 9 公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、第五項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは「株主に通知し」と、第六項及び第七項中「公告又は通知」とあるのは「通知」とする。 10 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。 一 株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合 適格旧株主 二 最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合 当該最終完全親会社等の株主 11 前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、同項中「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、「当該各号に定める者に通知し」とする。 (和解) 第八百四十九条の二 株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 第八百五十条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (株主でなくなった者の訴訟追行) 第八百五十一条 責任追及等の訴えを提起した株主又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。 一 その者が当該株式会社の株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。 二 その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。 2 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(この項又は次項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「当該完全親会社」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 (費用等の請求) 第八百五十二条 責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。 (再審の訴え) 第八百五十三条 責任追及等の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 一 株主又は株式会社等 責任追及等の訴え 二 適格旧株主 責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。) 三 最終完全親会社等の株主 特定責任追及の訴え 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三節 株式会社の役員の解任の訴え (株式会社の役員の解任の訴え) 第八百五十四条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該株式会社である株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 2 公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 4 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 (被告) 第八百五十五条 前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百五十六条 株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第四節 特別清算に関する訴え (役員等の責任の免除の取消しの訴えの管轄) 第八百五十七条 第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。 (役員等責任査定決定に対する異議の訴え) 第八百五十八条 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。 3 第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 第五節 持分会社の社員の除名の訴え等 (持分会社の社員の除名の訴え) 第八百五十九条 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。 一 出資の義務を履行しないこと。 二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。 三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。 四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。 五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。 (持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え) 第八百六十条 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。 一 前条各号に掲げる事由があるとき。 二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。 (被告) 第八百六十一条 次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。 一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員 二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員 (訴えの管轄) 第八百六十二条 持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え (清算持分会社の財産処分の取消しの訴え) 第八百六十三条 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。 一 第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の債権者 二 第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者 2 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、同法第四百二十四条の五第一号中「債務者」とあるのは「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、同条第二号並びに同法第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中「債務者」とあるのは「清算持分会社」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十四条 前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方又は転得者を被告とする。 第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え (社債発行会社の弁済等の取消しの訴え) 第八百六十五条 社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 2 前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。 同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 3 第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。 ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。 4 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項及び前項本文の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、「債権者を害すること」とあるのは「その行為が著しく不公正であること」と、同法第四百二十四条の五各号中「債権者を害すること」とあるのは「著しく不公正であること」と、同法第四百二十五条中「債権者」とあるのは「社債権者」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十六条 前条第一項又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方又は転得者を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百六十七条 第八百六十五条第一項又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三章 非訟 第一節 総則 (非訟事件の管轄) 第八百六十八条 この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 一 当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 二 当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付 3 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 5 第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 6 第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第八百六十九条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第八百七十条 裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定 当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者 二 清算人、社債管理者又は社債管理補助者の解任についての裁判 当該清算人、社債管理者又は社債管理補助者 三 第三十三条第七項の規定による裁判 設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人 四 第二百七条第七項又は第二百八十四条第七項の規定による裁判 当該株式会社及び第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者 五 第四百五十五条第二項第二号又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判 当該株主 六 第四百五十六条又は第五百六条の規定による裁判 当該株主 七 第七百三十二条の規定による裁判 利害関係人 八 第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判 社債を発行した会社 九 第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判 社債を発行した会社 十 第八百二十四条第一項の規定による裁判 当該会社 十一 第八百二十七条第一項の規定による裁判 当該外国会社 2 裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判 当該株式会社 二 第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項の規定による株式又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定 価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 三 第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定 売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 四 第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定 当該株式会社 五 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定 特別支配株主 六 第八百四十三条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした会社 (申立書の写しの送付等) 第八百七十条の二 裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。 2 前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。 3 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。 4 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。 ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。 6 裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。 7 裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。 8 前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。 (理由の付記) 第八百七十一条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判 二 第八百七十四条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第八百七十二条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第六百九条第三項又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判 申立人、株主及び株式会社 三 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判 申立人、新株予約権者及び株式会社 四 第八百七十条第一項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) 五 第八百七十条第二項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者 (抗告状の写しの送付等) 第八百七十二条の二 裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 この場合においては、第八百七十条の二第二項及び第三項の規定を準用する。 2 第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。 (原裁判の執行停止) 第八百七十三条 第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第八百七十四条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者若しくは社債管理補助者の特別代理人又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者の選任又は選定の裁判 二 第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第八百七十五条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第八百七十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則 (審問等の必要的併合) 第八百七十七条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問及び裁判は、併合してしなければならない。 (裁判の効力) 第八百七十八条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。 2 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。 第三節 特別清算の手続に関する特則 第一款 通則 (特別清算事件の管轄) 第八百七十九条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 2 前項に規定する株式会社又は親法人及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 3 前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。 4 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 (特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送) 第八百八十条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。 2 通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。 (疎明) 第八百八十一条 第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。 (理由の付記) 第八百八十二条 特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。 ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。 2 特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。 (裁判書の送達) 第八百八十三条 この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百条第二項、第百四条、第三款、第百十一条及び第百十三条を除く。)の規定を準用する。 この場合において、同法第百十二条第一項本文中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「裁判所書記官が送達すべき裁判書を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた」と、同項ただし書中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「当該掲示を始めた」と読み替えるものとする。 2 前項において準用する民事訴訟法第百十条第一項の規定による公示送達は、裁判所書記官が送達すべき裁判書を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。 (不服申立て) 第八百八十四条 特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 2 前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。 (公告) 第八百八十五条 この節の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 (事件に関する文書の閲覧等) 第八百八十六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 清算株式会社以外の利害関係人 第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分又は特別清算開始の申立てについての裁判 二 清算株式会社 特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判 5 非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。 (支障部分の閲覧等の制限) 第八百八十七条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び清算株式会社に限ることができる。 一 第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等 二 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則 (特別清算開始の申立て) 第八百八十八条 債権者又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。 2 債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。 3 特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 4 前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (他の手続の中止命令) 第八百八十九条 裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 2 前項の中止の命令及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (特別清算開始の命令) 第八百九十条 裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。 2 特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。 4 特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。 5 特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。 6 特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第八百九十一条 裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。 2 裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則 (調査命令) 第八百九十二条 裁判所は、調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。 2 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算人の解任及び報酬等) 第八百九十三条 裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。 2 第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (監督委員の解任及び報酬等) 第八百九十四条 裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。 2 第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (調査委員の解任及び報酬等) 第八百九十五条 前条の規定は、調査委員について準用する。 (事業の譲渡の許可の申立て) 第八百九十六条 清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。 2 裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第八百九十七条 第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 前項の裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算株式会社の財産に関する保全処分等) 第八百九十八条 裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。 一 第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分 二 第五百四十一条第一項又は第二項の規定による処分 三 第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分 四 第五百四十三条の規定による処分 2 前項各号に掲げる裁判及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第八百九十九条 清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。 4 役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (債権者集会の招集の許可の申立てについての裁判) 第九百条 第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (協定の認可又は不認可の決定) 第九百一条 利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。 2 共助対象外国租税の請求権について、協定において減免その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。 3 第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 4 第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 5 前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則 (特別清算終結の申立てについての裁判) 第九百二条 特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 2 特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 3 特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。 4 特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 第四節 外国会社の清算の手続に関する特則 (特別清算の手続に関する規定の準用) 第九百三条 前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第九百四条 裁判所は、第八百二十四条第一項又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (会社の財産に関する保全処分についての特則) 第九百五条 裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社又は外国会社の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社又は外国会社の負担とする。 第九百六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四章 登記 第一節 総則 (通則) 第九百七条 この法律の規定により登記すべき事項(第九百三十八条第三項の保全処分の登記に係る事項を除く。)は、当事者の申請又は裁判所書記官の嘱託により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。 (登記の効力) 第九百八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (変更の登記及び消滅の登記) 第九百九条 この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。 (登記の期間) 第九百十条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二節 会社の登記 (株式会社の設立の登記) 第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日) 二 発起人が定めた日 2 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 創立総会の終結の日 二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 発行可能株式総数 七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容) 八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数 九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数 十 株券発行会社であるときは、その旨 十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項 イ 新株予約権の数 ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号まで(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)に掲げる事項 ハ 第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め ニ ロ及びハに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件 ホ 第二百三十六条第一項第七号及び第二百三十八条第一項第二号に掲げる事項 ヘ 第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法) 十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 十三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名 十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。) 十五 取締役会設置会社であるときは、その旨 十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所 十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨 ロ 監査役の氏名 十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨 十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項 イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨 ロ 特別取締役の氏名 ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 二十二 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名 ロ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ハ 第三百九十九条の十三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨 二十三 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名 ハ 代表執行役の氏名及び住所 二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 二十五 第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 二十六 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 二十七 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 二十八 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 二十九 第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合名会社の設立の登記) 第九百十二条 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。) 七 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合資会社の設立の登記) 第九百十三条 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別 七 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額 八 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。) 九 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 十 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十二 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合同会社の設立の登記) 第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称 七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所 八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 九 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十一 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (変更の登記) 第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 一 新株予約権の行使 二 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。) (他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記) 第九百十六条 会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 株式会社 第九百十一条第三項各号に掲げる事項 二 合名会社 第九百十二条各号に掲げる事項 三 合資会社 第九百十三条各号に掲げる事項 四 合同会社 第九百十四条各号に掲げる事項 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第九百十七条 次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 一 株式会社 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役 二 合名会社 社員 三 合資会社 社員 四 合同会社 業務を執行する社員 (支配人の登記) 第九百十八条 会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 (持分会社の種類の変更の登記) 第九百十九条 持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。 (組織変更の登記) 第九百二十条 会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第九百二十一条 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。 (新設合併の登記) 第九百二十二条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ヘ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第二項の総株主の同意を得た日 ロ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ハ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ニ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (吸収分割の登記) 第九百二十三条 会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。 (新設分割の登記) 第九百二十四条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ヘ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ホ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (株式移転の登記) 第九百二十五条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。 一 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 二 株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 三 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 四 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 五 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 六 株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日) (解散の登記) 第九百二十六条 第四百七十一条第一号から第三号まで又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。 (継続の登記) 第九百二十七条 第四百七十三条、第六百四十二条第一項又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人の登記) 第九百二十八条 第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨 2 第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名又は名称及び住所 二 清算持分会社を代表する清算人の氏名又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。) 三 清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名及び住所 3 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 4 第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第九百二十九条 清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 一 清算株式会社 第五百七条第三項の承認の日 二 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日) 三 清算持分会社(合同会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日 第九百三十条から第九百三十二条まで 削除 第三節 外国会社の登記 (外国会社の登記) 第九百三十三条 外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。 一 日本に営業所を設けていない場合 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下この節において同じ。)の住所地 二 日本に営業所を設けた場合 当該営業所の所在地 2 外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 外国会社の設立の準拠法 二 日本における代表者の氏名及び住所 三 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法 四 前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 五 第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め 六 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め 七 第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 3 外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。 4 第九百十五条及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。 この場合において、これらの規定中「二週間」とあるのは「三週間」と、「本店の所在地」とあるのは「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と読み替えるものとする。 5 前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。 (日本における代表者の選任の登記等) 第九百三十四条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。 (日本における代表者の住所の移転の登記等) 第九百三十五条 日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。 (日本における営業所の設置の登記等) 第九百三十六条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。 第四節 登記の嘱託 (裁判による登記の嘱託) 第九百三十七条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 会社の設立の無効の訴え ロ 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え ハ 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この節において同じ。)の発行の無効の訴え ニ 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え ホ 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え ヘ 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え ト 株主総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 株主総会等の決議の取消しの訴え チ 持分会社の設立の取消しの訴え リ 会社の解散の訴え ヌ 株式会社の役員の解任の訴え ル 持分会社の社員の除名の訴え ヲ 持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判(次条第二項第一号に規定する裁判を除く。) ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判(次条第二項第二号に規定する裁判を除く。) ニ 清算人又は代表清算人若しくは清算持分会社を代表する清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判(次条第二項第三号に規定する裁判を除く。) ホ 清算人の解任の裁判(次条第二項第四号に規定する裁判を除く。) 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第八百二十四条第一項の規定による会社の解散を命ずる裁判 2 第八百二十七条第一項の規定による外国会社の日本における取引の継続の禁止又は営業所の閉鎖を命ずる裁判が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、次の各号に掲げる外国会社の区分に応じ、当該各号に定める地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 日本に営業所を設けていない外国会社 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地 二 日本に営業所を設けている外国会社 当該営業所の所在地 3 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社についての解散の登記及び組織変更をする会社についての回復の登記 二 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社についての変更の登記及び吸収合併により消滅する会社についての回復の登記 三 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社についての解散の登記及び新設合併により消滅する会社についての回復の登記 四 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記 五 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社についての変更の登記及び新設分割により設立する会社についての解散の登記 六 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換をする株式会社(第七百六十八条第一項第四号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)及び株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社についての変更の登記 七 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社(第七百七十三条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)についての変更の登記及び株式移転により設立する株式会社についての解散の登記 八 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社についての変更の登記 (特別清算に関する裁判による登記の嘱託) 第九百三十八条 次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始の命令があったとき 特別清算開始の登記 二 特別清算開始の命令を取り消す決定が確定したとき 特別清算開始の取消しの登記 三 特別清算終結の決定が確定したとき 特別清算終結の登記 2 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始後における第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判があったとき。 二 前号の裁判を取り消す裁判があったとき。 三 特別清算開始後における清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判があったとき。 四 特別清算開始後における清算人の解任の裁判があったとき。 五 前号の裁判を取り消す裁判が確定したとき。 3 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 清算株式会社の財産に属する権利で登記されたものに関し第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 4 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 5 前二項の規定は、登録のある権利について準用する。 6 前各項の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五章 公告 第一節 総則 (会社の公告方法) 第九百三十九条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告 2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 3 会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。 (電子公告の公告期間等) 第九百四十条 株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告 当該特定の日 二 第四百四十条第一項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 前三号に掲げる公告以外の公告 当該公告の開始後一箇月を経過する日 2 外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下この章において「公告期間」という。)中公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。 一 公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は会社に正当な事由があること。 二 公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。 三 会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。 第二節 電子公告調査機関 (電子公告調査) 第九百四十一条 この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。 (登録) 第九百四十二条 前条の登録(以下この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。 2 登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (欠格事由) 第九百四十三条 次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 この節の規定若しくは農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項及び第三十四条の二十三第四項、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の二十八第六項(同法第四十三条第三項並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項、第八十条第一項及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第四十五条の二第六項、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第四十条の二第六項、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十三条の二十の二第六項、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項(同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)第十五条第六項(同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条の二及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百九十四条第四項、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二十条第四項、第六十一条第七項、第六十二条の二十五第七項及び第六十三条の二十第七項並びに労働者協同組合法(令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 二 第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三 法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの (登録基準) 第九百四十四条 法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。 この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。 一 電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。 イ 当該電子計算機及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。 ロ 当該電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。 ハ 当該電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。 二 電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。 2 登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。 一 登録年月日及び登録番号 二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 三 登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地 (登録の更新) 第九百四十五条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。 (調査の義務等) 第九百四十六条 調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。 2 調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。 3 調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下この節において「調査委託者」という。)の商号その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。 4 調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。 (電子公告調査を行うことができない場合) 第九百四十七条 調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告又はその者若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。 一 当該調査機関 二 当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。) 三 理事等又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人 四 理事等又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。)又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人 (事業所の変更の届出) 第九百四十八条 調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。 (業務規程) 第九百四十九条 調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。 (業務の休廃止) 第九百五十条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。 (財務諸表等の備置き及び閲覧等) 第九百五十一条 調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (適合命令) 第九百五十二条 法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第九百五十三条 法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと又は電子公告調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (登録の取消し等) 第九百五十四条 法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第九百四十三条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 二 第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで、第九百五十一条第一項又は次条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号又は次条第二項各号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。 四 第九百五十二条又は前条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。 五 不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。 (調査記録簿等の記載等) 第九百五十五条 調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求 二 調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (調査記録簿等の引継ぎ) 第九百五十六条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。 2 前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。 (法務大臣による電子公告調査の業務の実施) 第九百五十七条 法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災その他の事由によって電子公告調査の業務の全部又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。 2 法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、法務省令で定める。 3 第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (報告及び検査) 第九百五十八条 法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (公示) 第九百五十九条 法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一 登録をしたとき。 二 第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。 三 第九百四十八条又は第九百五十条の届出があったとき。 四 第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 五 第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。 第八編 罰則 (取締役等の特別背任罪) 第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時監査役 三 取締役、会計参与、監査役又は執行役 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者 六 支配人 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算株式会社の清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者 三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 四 清算人代理 五 監督委員 六 調査委員 (代表社債権者等の特別背任罪) 第九百六十一条 代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (未遂罪) 第九百六十二条 前二条の罪の未遂は、罰する。 (会社財産を危うくする罪) 第九百六十三条 第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 第九百六十条第一項第三号から第五号までに掲げる者が、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会若しくは種類株主総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、前項と同様とする。 3 検査役が、第二十八条各号、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 4 第九十四条第一項の規定により選任された者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 5 第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。 一 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得したとき。 二 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。 三 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第九百六十四条 次に掲げる者が、株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集をするに当たり、会社の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者 二 持分会社の業務を執行する社員 三 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者 四 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集の委託を受けた者 2 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。 (預合いの罪) 第九百六十五条 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者が、株式の発行に係る払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 預合いに応じた者も、同様とする。 (株式の超過発行の罪) 第九百六十六条 次に掲げる者が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時執行役 三 取締役、執行役又は清算株式会社の清算人 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)又は第四百三条第三項において準用する第四百一条第三項の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を行うべき者 (取締役等の贈収賄罪) 第九百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第九百六十条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 第九百六十一条に規定する者 三 会計監査人又は第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 (株主等の権利の行使に関する贈収賄罪) 第九百六十八条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会における発言又は議決権の行使 二 第二百十条若しくは第二百四十七条、第二百九十七条第一項若しくは第四項、第三百三条第一項若しくは第二項、第三百四条、第三百五条第一項若しくは第三百六条第一項若しくは第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百五十八条第一項、第三百六十条第一項若しくは第二項(これらの規定を第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)、第四百二十二条第一項若しくは第二項、第四百二十六条第七項、第四百三十三条第一項若しくは第四百七十九条第二項に規定する株主の権利の行使、第五百十一条第一項若しくは第五百二十二条第一項に規定する株主若しくは債権者の権利の行使又は第五百四十七条第一項若しくは第三項に規定する債権者の権利の行使 三 社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者の権利の行使 四 第八百二十八条第一項、第八百二十九条から第八百三十一条まで、第八百三十三条第一項、第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項、第八百四十七条の三第七項若しくは第九項、第八百五十三条、第八百五十四条又は第八百五十八条に規定する訴えの提起(株主等(第八百四十七条の四第二項に規定する株主等をいう。次号において同じ。)、株式会社の債権者又は新株予約権若しくは新株予約権付社債を有する者がするものに限る。) 五 第八百四十九条第一項の規定による株主等の訴訟参加 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。 (没収及び追徴) 第九百六十九条 第九百六十七条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (株主等の権利の行使に関する利益供与の罪) 第九百七十条 第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。第三項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。 3 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において第一項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。 4 前二項の罪を犯した者が、その実行について第一項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 5 前三項の罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができる。 6 第一項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。 (国外犯) 第九百七十一条 第九百六十条から第九百六十三条まで、第九百六十五条、第九百六十六条、第九百六十七条第一項、第九百六十八条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 第九百六十七条第二項、第九百六十八条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第九百七十二条 第九百六十条、第九百六十一条、第九百六十三条から第九百六十六条まで、第九百六十七条第一項又は第九百七十条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第九百六十二条の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (業務停止命令違反の罪) 第九百七十三条 第九百五十四条の規定による電子公告調査(第九百四十二条第一項に規定する電子公告調査をいう。以下同じ。)の業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (虚偽届出等の罪) 第九百七十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第九百五十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 二 第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項若しくは第九百五十六条第二項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者 三 第九百五十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 (両罰規定) 第九百七十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁、株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、株主名簿、株券喪失登録簿、新株予約権原簿、社債原簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第四百三十五条第二項若しくは第四百九十四条第一項の附属明細書、会計参与報告、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第百二十二条第一項、第百四十九条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第一項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第一項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第一項、第二百五十条第一項、第二百七十条第一項、第六百八十二条第一項、第六百九十五条第一項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第一項、第七百九十四条第一項、第八百一条第一項若しくは第二項、第八百三条第一項、第八百十一条第一項、第八百十五条第一項若しくは第二項、第八百十六条の二第一項若しくは第八百十六条の十第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第三十一条第一項の規定、第七十四条第六項、第七十五条第三項、第七十六条第四項、第八十一条第二項若しくは第八十二条第二項(これらの規定を第八十六条において準用する場合を含む。)、第百二十五条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第二項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第二項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第二項、第二百三十一条第一項若しくは第二百五十二条第一項、第三百十条第六項、第三百十一条第三項、第三百十二条第四項、第三百十八条第二項若しくは第三項若しくは第三百十九条第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百七十一条第一項(第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)、第三百七十八条第一項、第三百九十四条第一項、第三百九十九条の十一第一項、第四百十三条第一項、第四百四十二条第一項若しくは第二項、第四百九十六条第一項、第六百八十四条第一項、第七百三十一条第二項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第二項、第七百九十四条第一項、第八百一条第三項、第八百三条第一項、第八百十一条第二項、第八百十五条第三項、第八百十六条の二第一項又は第八百十六条の十第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 正当な理由がないのに、株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会において、株主又は設立時株主の求めた事項について説明をしなかったとき。 十 第百三十五条第一項の規定に違反して株式を取得したとき、又は同条第三項の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。 十一 第百七十八条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の消却をしたとき。 十二 第百九十七条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の競売又は売却をしたとき。 十三 株式、新株予約権又は社債の発行の日前に株券、新株予約権証券又は社債券を発行したとき。 十四 第二百十五条第一項、第二百八十八条第一項又は第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく、株券、新株予約権証券又は社債券を発行しなかったとき。 十五 株券、新株予約権証券又は社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 十六 第二百二十五条第四項、第二百二十六条第二項、第二百二十七条又は第二百二十九条第二項の規定に違反して、株券喪失登録を抹消しなかったとき。 十七 第二百三十条第一項の規定に違反して、株主名簿に記載し、又は記録したとき。 十八 第二百九十六条第一項の規定又は第三百七条第一項第一号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)若しくは第三百五十九条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、株主総会を招集しなかったとき。 十八の二 第三百三条第一項又は第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会又は種類株主総会の目的としなかったとき。 十九 第三百二十五条の三第一項(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十九の二 第三百二十七条の二の規定に違反して、社外取締役を選任しなかったとき。 十九の三 第三百三十一条第六項の規定に違反して、社外取締役を監査等委員である取締役の過半数に選任しなかったとき。 二十 第三百三十五条第三項の規定に違反して、社外監査役を監査役の半数以上に選任しなかったとき。 二十一 第三百四十三条第二項(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第三百四十四条の二第二項(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会若しくは種類株主総会の目的とせず、又はその請求に係る議案を株主総会若しくは種類株主総会に提出しなかったとき。 二十二 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 二十三 第三百六十五条第二項(第四百十九条第二項及び第四百八十九条第八項において準用する場合を含む。)又は第四百三十条の二第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、取締役会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 二十四 第三百九十条第三項の規定に違反して、常勤の監査役を選定しなかったとき。 二十五 第四百四十五条第三項若しくは第四項の規定に違反して資本準備金若しくは準備金を計上せず、又は第四百四十八条の規定に違反して準備金の額の減少をしたとき。 二十六 第四百四十九条第二項若しくは第五項、第六百二十七条第二項若しくは第五項、第六百三十五条第二項若しくは第五項、第六百七十条第二項若しくは第五項、第七百七十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十六条の八第二項若しくは第五項又は第八百二十条第一項若しくは第二項の規定に違反して、資本金若しくは準備金の額の減少、持分の払戻し、持分会社の財産の処分、組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付又は外国会社の日本における代表者の全員の退任をしたとき。 二十七 第四百八十四条第一項若しくは第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠ったとき、又は第五百十一条第二項の規定に違反して特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。 二十八 清算の結了を遅延させる目的で、第四百九十九条第一項、第六百六十条第一項又は第六百七十条第二項の期間を不当に定めたとき。 二十九 第五百条第一項、第五百三十七条第一項又は第六百六十一条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 三十 第五百二条又は第六百六十四条の規定に違反して、清算株式会社又は清算持分会社の財産を分配したとき。 三十一 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の規定に違反したとき。 三十二 第五百四十条第一項若しくは第二項又は第五百四十二条第一項若しくは第二項の規定による保全処分に違反したとき。 三十三 第七百二条の規定に違反して社債を発行し、又は第七百十四条第一項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者を定めなかったとき。 三十四 第八百二十七条第一項の規定による裁判所の命令に違反したとき。 三十五 第九百四十一条の規定に違反して、電子公告調査を求めなかったとき。 第九百七十七条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 第九百五十一条第一項の規定に違反して、財務諸表等(同項に規定する財務諸表等をいう。以下同じ。)を備え置かず、又は財務諸表等に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者 三 正当な理由がないのに、第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第九百七十八条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第六条第三項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者 二 第七条の規定に違反して、会社であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第八条第一項の規定に違反して、他の会社(外国会社を含む。)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者 第九百七十九条 会社の成立前に当該会社の名義を使用して事業をした者は、会社の設立の登録免許税の額に相当する過料に処する。 2 第八百十八条第一項又は第八百二十一条第一項の規定に違反して取引をした者も、前項と同様とする。
民事
Heisei
Act
417AC0000000086_20280613_505AC0000000053.xml
平成十七年法律第八十六号
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会社法 第一編 総則 第一章 通則 (趣旨) 第一条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。 二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。 三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 子会社 ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの 四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 親会社 ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの 五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。 六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。 イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。 七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。 八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。 九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。 十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。 十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。 十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。 十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。 十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。 十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。 十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。 二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。 二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。 二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。 二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。 二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。 二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。 イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社 二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。 二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。 二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。 三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。 三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。 三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。 三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。 (法人格) 第三条 会社は、法人とする。 (住所) 第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。 (商行為) 第五条 会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。 第二章 会社の商号 (商号) 第六条 会社は、その名称を商号とする。 2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。 3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (会社と誤認させる名称等の使用の禁止) 第七条 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第八条 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任) 第九条 自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三章 会社の使用人等 第一節 会社の使用人 (支配人) 第十条 会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。 (支配人の代理権) 第十一条 支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (支配人の競業の禁止) 第十二条 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自ら営業を行うこと。 二 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 三 他の会社又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。 四 他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (表見支配人) 第十三条 会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第十四条 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。 2 前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第十五条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 第二節 会社の代理商 (通知義務) 第十六条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。 (代理商の競業の禁止) 第十七条 代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。 (通知を受ける権限) 第十八条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。 (契約の解除) 第十九条 会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。 (代理商の留置権) 第二十条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。 第四章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等 (譲渡会社の競業の禁止) 第二十一条 事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。 2 譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。 (譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等) 第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。 事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。 3 譲受会社が第一項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。 (譲受会社による債務の引受け) 第二十三条 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。 2 譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 (詐害事業譲渡に係る譲受会社に対する債務の履行の請求) 第二十三条の二 譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って事業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、その譲受会社が事業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 譲受会社が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 事業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。 3 譲渡会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受会社に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。 (商人との間での事業の譲渡又は譲受け) 第二十四条 会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第十六条第一項に規定する譲渡人とみなして、同法第十七条から第十八条の二までの規定を適用する。 この場合において、同条第三項中「又は再生手続開始の決定」とあるのは、「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とする。 2 会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前三条の規定を適用する。 この場合において、前条第三項中「、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定」とあるのは、「又は再生手続開始の決定」とする。 第二編 株式会社 第一章 設立 第一節 総則 第二十五条 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法 二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法 2 各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。 第二節 定款の作成 (定款の作成) 第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。第八百八十六条の二第三項、第八百八十六条の三及び第九百六条の二第三項を除き、以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額 五 発起人の氏名又は名称及び住所 第二十八条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。) 二 株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称 三 株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称 四 株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。) 第二十九条 第二十七条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第三十一条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 4 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第一項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。 第三節 出資 (設立時発行株式に関する事項の決定) 第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数 二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額 三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。 (定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 第三十三条 発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 9 前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。 10 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第一号及び第二号に掲げる事項 二 現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項 三 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。) 11 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 発起人 二 第二十八条第二号の財産の譲渡人 三 設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。) 四 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 五 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの (出資の履行) 第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (設立時発行株式の株主となる権利の譲渡) 第三十五条 前条第一項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (設立時発行株式の株主となる権利の喪失) 第三十六条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。 3 第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。 (発行可能株式総数の定め等) 第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。 3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。 ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 第四節 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 3 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。 一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。) 二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。) 三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。) 4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。 第三十九条 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。 4 第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。 5 第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。 (設立時役員等の選任の方法の特則) 第四十一条 前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)の選任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時役員等の解任) 第四十二条 発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第四項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第四十三条 設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査等委員である設立時取締役又は設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。 5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。 (設立時取締役等の解任の方法の特則) 第四十四条 前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く。次項及び第四項において同じ。)の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。第四項において同じ。)を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。 3 前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 4 前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。 5 前各項の規定は、第四十一条第一項の規定により選任された設立時監査等委員である設立時取締役及び同条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。 この場合において、第一項及び第二項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。 (設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則) 第四十五条 株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。 一 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任 二 監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役の全部又は一部の選任又は解任 これらの取締役となる設立時取締役の選任又は解任 三 会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任 四 監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任 五 会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任 2 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 第五節 設立時取締役等による調査 第四十六条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 出資の履行が完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。 3 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。 第六節 設立時代表取締役等の選定等 (設立時代表取締役の選定等) 第四十七条 設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 (設立時委員の選定等) 第四十八条 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。 一 設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。 イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者 ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者 ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者 二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。 三 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。 ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。 2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。 3 前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。 第七節 株式会社の成立 (株式会社の成立) 第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (株式の引受人の権利) 第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第五十一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。 2 発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 第八節 発起人等の責任等 (出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 第五十二条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。 一 第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 (出資の履行を仮装した場合の責任等) 第五十二条の二 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払 二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 4 発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。 5 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (発起人等の損害賠償責任) 第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (発起人等の連帯責任) 第五十四条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第五十五条 第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (株式会社不成立の場合の責任) 第五十六条 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。 第九節 募集による設立 第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集 (設立時発行株式を引き受ける者の募集) 第五十七条 発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。 2 発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (設立時募集株式に関する事項の決定) 第五十八条 発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。) 二 設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。) 三 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間 四 一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日 2 発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 3 設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。 (設立時募集株式の申込み) 第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名 二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項 三 発起人が出資した財産の価額 四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。 3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする設立時募集株式の数 4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (設立時募集株式の割当て) 第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。 2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。 (設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第六十一条 前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (設立時募集株式の引受け) 第六十二条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。 一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数 二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数 (設立時募集株式の払込金額の払込み) 第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。 2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。 3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。 (払込金の保管証明) 第六十四条 第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。 2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。 第二款 創立総会等 (創立総会の招集) 第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。 2 発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。 (創立総会の権限) 第六十六条 創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。 (創立総会の招集の決定) 第六十七条 発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 創立総会の日時及び場所 二 創立総会の目的である事項 三 創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 (創立総会の招集の通知) 第六十八条 創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合 3 発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 7 前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (招集手続の省略) 第六十九条 前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七十条 発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 第七十一条 発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。 2 発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。 3 発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の数) 第七十二条 設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。 2 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。 3 前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。 (創立総会の決議) 第七十三条 創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 3 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。 4 創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第七十四条 設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。 3 第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。 7 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (書面による議決権の行使) 第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。 2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。 4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 (議決権の不統一行使) 第七十七条 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (発起人の説明義務) 第七十八条 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第七十九条 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (延期又は続行の決議) 第八十条 創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。 (議事録) 第八十一条 創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。 3 設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会の決議の省略) 第八十二条 発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。 2 発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。 3 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (創立総会への報告の省略) 第八十三条 発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第八十四条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類創立総会の招集及び決議) 第八十五条 前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。 2 種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。 3 前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (創立総会に関する規定の準用) 第八十六条 第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。 この場合において、第六十七条第一項第三号及び第四号並びに第二項、第六十八条第一項及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第三項及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項及び第三項、第七十七条、第七十八条本文並びに第八十二条第一項中「設立時株主」とあるのは、「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と読み替えるものとする。 第三款 設立に関する事項の報告 第八十七条 発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。 2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容 二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容 第四款 設立時取締役等の選任及び解任 (設立時取締役等の選任) 第八十八条 第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。 2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。 (累積投票による設立時取締役の選任) 第八十九条 創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、設立時株主(設立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 (種類創立総会の決議による設立時取締役等の選任) 第九十条 第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。 2 前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。 (設立時取締役等の解任) 第九十一条 第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 第九十二条 第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。 3 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「取締役を」とあるのは「監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役を」と、「設立時取締役」とあるのは「設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役」とする。 4 第一項及び第二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役について準用する。 第五款 設立時取締役等による調査 (設立時取締役等による調査) 第九十三条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。 二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。 三 発起人による出資の履行及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。 四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 3 設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 (設立時取締役等が発起人である場合の特則) 第九十四条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)の全部又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。 2 前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければならない。 第六款 定款の変更 (発起人による定款の変更の禁止) 第九十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。 (創立総会における定款の変更) 第九十六条 第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。 (設立時発行株式の引受けの取消し) 第九十七条 創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 (創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。 (定款の変更の手続の特則) 第九十九条 設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。 一 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。 二 ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。 第百条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主 2 前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。 第百一条 設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式の種類の追加 二 株式の内容の変更 三 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加 2 前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。 第七款 設立手続等の特則等 (設立手続等の特則) 第百二条 設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。 2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。 3 設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。 4 前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 5 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。 6 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。 (払込みを仮装した設立時募集株式の引受人の責任) 第百二条の二 設立時募集株式の引受人は、前条第三項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。 2 前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (発起人の責任等) 第百三条 第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号に」とする。 2 第百二条第三項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第一項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 3 前項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 4 第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節及び前三項の規定を適用する。 第二章 株式 第一節 総則 (株主の責任) 第百四条 株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 (株主の権利) 第百五条 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (共有者による権利の行使) 第百六条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (株式の内容についての特別の定め) 第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 2 株式会社は、全部の株式の内容として次の各号に掲げる事項を定めるときは、当該各号に定める事項を定款で定めなければならない。 一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 次に掲げる事項 イ 当該株式を譲渡により取得することについて当該株式会社の承認を要する旨 ロ 一定の場合においては株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなすときは、その旨及び当該一定の場合 二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨 ロ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類(第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式、社債及び新株予約権をいう。以下同じ。)以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 ヘ 株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの株式の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する株式の一部の決定の方法 ニ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ホ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ヘ イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのニに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのホに規定する事項 ト イの株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 (異なる種類の株式) 第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。 ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。 一 剰余金の配当 二 残余財産の分配 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。 2 株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。 一 剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容 二 残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項 イ 株主総会において議決権を行使することができる事項 ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項 イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法 ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項 ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項 イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数 ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。 この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。 (株主の平等) 第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。 (定款の変更の手続の特則) 第百十条 定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、株主全員の同意を得なければならない。 第百十一条 種類株式発行会社がある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該種類の株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 2 種類株式発行会社がある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合には、当該定款の変更は、次に掲げる種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 当該種類の株式の種類株主 二 第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の種類株主 三 第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の種類株主 (取締役の選任等に関する種類株式の定款の定めの廃止の特則) 第百十二条 第百八条第二項第九号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは、廃止されたものとみなす。 2 前項の規定は、第百八条第二項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定款の定めについて準用する。 (発行可能株式総数) 第百十三条 株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。 2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。 3 次に掲げる場合には、当該定款の変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 一 公開会社が定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合 二 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合 4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 (発行可能種類株式総数) 第百十四条 定款を変更してある種類の株式の発行可能種類株式総数を減少するときは、変更後の当該種類の株式の発行可能種類株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における当該種類の発行済株式の総数を下ることができない。 2 ある種類の株式についての次に掲げる数の合計数は、当該種類の株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。 一 取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 二 取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)が第百七十条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数 三 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条第一項の規定により取得することとなる株式の数 (議決権制限株式の発行数) 第百十五条 種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第百十六条 次の各号に掲げる場合には、反対株主は、株式会社に対し、自己の有する当該各号に定める株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 全部の株式 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更をする場合 第百十一条第二項各号に規定する株式 三 次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式(第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがあるものに限る。)を有する種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 当該種類の株式 イ 株式の併合又は株式の分割 ロ 第百八十五条に規定する株式無償割当て ハ 単元株式数についての定款の変更 ニ 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ホ 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) ヘ 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 前項各号の行為をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該行為に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 すべての株主 3 第一項各号の行為をしようとする株式会社は、当該行為が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「効力発生日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める株式の株主に対し、当該行為をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式会社が第一項各号の行為を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百十七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めがある株式会社をいう。以下同じ。)は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第百十八条 次の各号に掲げる定款の変更をする場合には、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 その発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 全部の新株予約権 二 ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 当該種類の株式を目的とする新株予約権 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この節において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項各号に掲げる定款の変更をしようとする株式会社は、当該定款の変更が効力を生ずる日(以下この条及び次条において「定款変更日」という。)の二十日前までに、同項各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、当該定款の変更を行う旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、定款変更日の二十日前の日から定款変更日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券(第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券をいう。以下この項及び次条第八項において同じ。)が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 株式会社が第一項各号に掲げる定款の変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第百十九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、定款変更日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、定款変更日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、定款変更日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、定款変更日に、その効力を生ずる。 7 株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、その新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (株主等の権利の行使に関する利益の供与) 第百二十条 株式会社は、何人に対しても、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。)の株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。 2 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。 株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。 3 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。 この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。 4 株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。以下この項において同じ。)として法務省令で定める者は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。 ただし、その者(当該利益の供与をした取締役を除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 5 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第二節 株主名簿 (株主名簿) 第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 株主の氏名又は名称及び住所 二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 三 第一号の株主が株式を取得した日 四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号 (株主名簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百二十二条 前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (株主名簿管理人) 第百二十三条 株式会社は、株主名簿管理人(株式会社に代わって株主名簿の作成及び備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百二十四条 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 3 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。 ただし、定款に当該基準日及び当該事項について定めがあるときは、この限りでない。 4 基準日株主が行使することができる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、当該基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を当該権利を行使することができる者と定めることができる。 ただし、当該株式の基準日株主の権利を害することができない。 5 第一項から第三項までの規定は、第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者について準用する。 (株主名簿の備置き及び閲覧等) 第百二十五条 株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株主名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株主名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の株主名簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (株主に対する通知等) 第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 第三節 株式の譲渡等 第一款 株式の譲渡 (株式の譲渡) 第百二十七条 株主は、その有する株式を譲渡することができる。 (株券発行会社の株式の譲渡) 第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。 2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。 (自己株式の処分に関する特則) 第百二十九条 株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。 (株式の譲渡の対抗要件) 第百三十条 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 (権利の推定等) 第百三十一条 株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。 2 株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十二条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 株式を発行した場合 二 当該株式会社の株式を取得した場合 三 自己株式を処分した場合 2 株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 (株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) 第百三十三条 株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 第百三十四条 前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。 二 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。 三 当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。 四 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。 (親会社株式の取得の禁止) 第百三十五条 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合 二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合 三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合 3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。 第二款 株式の譲渡に係る承認手続 (株主からの承認の請求) 第百三十六条 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (株式取得者からの承認の請求) 第百三十七条 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第百三十八条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称 ハ 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数) ロ イの株式取得者の氏名又は名称 ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨 (譲渡等の承認の決定等) 第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社又は指定買取人による買取り) 第百四十条 株式会社は、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 対象株式を買い取る旨 二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。 5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式会社による買取りの通知) 第百四十一条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を決定したときは、譲渡等承認請求者に対し、これらの事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額(一株当たりの純資産額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下同じ。)に前条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をその本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、前条第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、当該株券発行会社に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、株券発行会社は、前条第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (指定買取人による買取りの通知) 第百四十二条 指定買取人は、第百四十条第四項の規定による指定を受けたときは、譲渡等承認請求者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 指定買取人として指定を受けた旨 二 指定買取人が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数) 2 指定買取人は、前項の規定による通知をしようとするときは、一株当たり純資産額に同項第二号の対象株式の数を乗じて得た額を株式会社の本店の所在地の供託所に供託し、かつ、当該供託を証する書面を譲渡等承認請求者に交付しなければならない。 3 対象株式が株券発行会社の株式である場合には、前項の書面の交付を受けた譲渡等承認請求者は、当該交付を受けた日から一週間以内に、第一項第二号の対象株式に係る株券を当該株券発行会社の本店の所在地の供託所に供託しなければならない。 この場合においては、当該譲渡等承認請求者は、指定買取人に対し、遅滞なく、当該供託をした旨を通知しなければならない。 4 前項の譲渡等承認請求者が同項の期間内に同項の規定による供託をしなかったときは、指定買取人は、第一項第二号の対象株式の売買契約を解除することができる。 (譲渡等承認請求の撤回) 第百四十三条 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 2 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百四十四条 第百四十一条第一項の規定による通知があった場合には、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格は、株式会社と譲渡等承認請求者との協議によって定める。 2 株式会社又は譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に第百四十条第一項第二号の対象株式の数を乗じて得た額をもって当該対象株式の売買価格とする。 6 第百四十一条第二項の規定による供託をした場合において、第百四十条第一項第二号の対象株式の売買価格が確定したときは、株式会社は、供託した金銭に相当する額を限度として、売買代金の全部又は一部を支払ったものとみなす。 7 前各項の規定は、第百四十二条第一項の規定による通知があった場合について準用する。 この場合において、第一項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第二項中「株式会社」とあるのは「指定買取人」と、第四項及び第五項中「第百四十条第一項第二号」とあるのは「第百四十二条第一項第二号」と、前項中「第百四十一条第二項」とあるのは「第百四十二条第二項」と、「第百四十条第一項第二号」とあるのは「同条第一項第二号」と、「株式会社」とあるのは「指定買取人」と読み替えるものとする。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第百四十五条 次に掲げる場合には、株式会社は、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 一 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の規定による請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百三十九条第二項の規定による通知をしなかった場合 二 株式会社が第百三十九条第二項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十一条第一項の規定による通知をしなかった場合(指定買取人が第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に第百四十二条第一項の規定による通知をした場合を除く。) 三 前二号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第三款 株式の質入れ (株式の質入れ) 第百四十六条 株主は、その有する株式に質権を設定することができる。 2 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。 (株式の質入れの対抗要件) 第百四十七条 株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができない。 3 民法第三百六十四条の規定は、株式については、適用しない。 (株主名簿の記載等) 第百四十八条 株式に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である株式 (株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第百四十九条 前条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録株式質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録株式質権者についての株主名簿に記載され、若しくは記録された同条各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 (登録株式質権者に対する通知等) 第百五十条 株式会社が登録株式質権者に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該登録株式質権者の住所(当該登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式の質入れの効果) 第百五十一条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、株式を目的とする質権は、当該行為によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)について存在する。 一 第百六十七条第一項の規定による取得請求権付株式の取得 二 第百七十条第一項の規定による取得条項付株式の取得 三 第百七十三条第一項の規定による第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 四 株式の併合 五 株式の分割 六 第百八十五条に規定する株式無償割当て 七 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 八 剰余金の配当 九 残余財産の分配 十 組織変更 十一 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 十二 株式交換 十三 株式移転 十四 株式の取得(第一号から第三号までに掲げる行為を除く。) 2 特別支配株主(第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。第百五十四条第三項において同じ。)が株式売渡請求(第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。)により売渡株式(第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。以下この項において同じ。)の取得をした場合には、売渡株式を目的とする質権は、当該取得によって当該売渡株式の株主が受けることのできる金銭について存在する。 第百五十二条 株式会社(株券発行会社を除く。以下この条において同じ。)は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる行為をした場合(これらの行為に際して当該株式会社が株式を交付する場合に限る。)又は同項第六号に掲げる行為をした場合において、同項の質権の質権者が登録株式質権者(第二百十八条第五項の規定による請求により第百四十八条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録されたものを除く。以下この款において同じ。)であるときは、前条第一項の株主が受けることができる株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 株式会社は、株式の併合をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、併合した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 株式会社は、株式の分割をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、分割した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 第百五十三条 株券発行会社は、前条第一項に規定する場合には、第百五十一条第一項の株主が受ける株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 2 株券発行会社は、前条第二項に規定する場合には、併合した株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 3 株券発行会社は、前条第三項に規定する場合には、分割した株式について新たに発行する株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。 第百五十四条 登録株式質権者は、第百五十一条第一項の金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 第百五十一条第一項第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十四号に掲げる行為 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 四 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 五 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第百五十一条第二項に規定する場合において、第一項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該特別支配株主に同条第二項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第四款 信託財産に属する株式についての対抗要件等 第百五十四条の二 株式については、当該株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、当該株式が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第百二十一条第一号の株主は、その有する株式が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 株主名簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百二十二条第一項及び第百三十二条の規定の適用については、第百二十二条第一項中「記録された株主名簿記載事項」とあるのは「記録された株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」と、第百三十二条中「株主名簿記載事項」とあるのは「株主名簿記載事項(当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。 第四節 株式会社による自己の株式の取得 第一款 総則 第百五十五条 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた場合 二 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求があった場合 三 次条第一項の決議があった場合 四 第百六十六条第一項の規定による請求があった場合 五 第百七十一条第一項の決議があった場合 六 第百七十六条第一項の規定による請求をした場合 七 第百九十二条第一項の規定による請求があった場合 八 第百九十七条第三項各号に掲げる事項を定めた場合 九 第二百三十四条第四項各号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を定めた場合 十 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合 十一 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十二 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合 十三 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合 第二款 株主との合意による取得 第一目 総則 (株式の取得に関する事項の決定) 第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額 三 株式を取得することができる期間 2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。 (取得価格等の決定) 第百五十七条 株式会社は、前条第一項の規定による決定に従い株式を取得しようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数) 二 株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の総額 四 株式の譲渡しの申込みの期日 2 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 3 第一項の株式の取得の条件は、同項の規定による決定ごとに、均等に定めなければならない。 (株主に対する通知等) 第百五十八条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、前条第一項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 公開会社においては、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (譲渡しの申込み) 第百五十九条 前条第一項の規定による通知を受けた株主は、その有する株式の譲渡しの申込みをしようとするときは、株式会社に対し、その申込みに係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにしなければならない。 2 株式会社は、第百五十七条第一項第四号の期日において、前項の株主が申込みをした株式の譲受けを承諾したものとみなす。 ただし、同項の株主が申込みをした株式の総数(以下この項において「申込総数」という。)が同条第一項第一号の数(以下この項において「取得総数」という。)を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に前項の株主が申込みをした株式の数を乗じて得た数(その数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)の株式の譲受けを承諾したものとみなす。 第二目 特定の株主からの取得 (特定の株主からの取得) 第百六十条 株式会社は、第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第百五十八条第一項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。 2 株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。 3 前項の株主は、第一項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。 4 第一項の特定の株主は、第百五十六条第一項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、第一項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 5 第一項の特定の株主を定めた場合における第百五十八条第一項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第百六十条第一項の特定の株主」とする。 (市場価格のある株式の取得の特則) 第百六十一条 前条第二項及び第三項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。 (相続人等からの取得の特則) 第百六十二条 第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 株式会社が公開会社である場合 二 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合 (子会社からの株式の取得) 第百六十三条 株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。 この場合においては、第百五十七条から第百六十条までの規定は、適用しない。 (特定の株主からの取得に関する定款の定め) 第百六十四条 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第百六十条第一項の規定による決定をするときは同条第二項及び第三項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。 2 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。 第三目 市場取引等による株式の取得 第百六十五条 第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。 2 取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。 3 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。 第三款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得 第一目 取得請求権付株式の取得の請求 (取得の請求) 第百六十六条 取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。 ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第二号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第一項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。 ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。 (効力の発生) 第百六十七条 株式会社は、前条第一項の規定による請求の日に、その請求に係る取得請求権付株式を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした株主は、その請求の日に、第百七条第二項第二号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第五号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 二 第百七条第二項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 前項第四号に掲げる場合において、同号に規定する他の株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 この場合においては、株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を前条第一項の規定による請求をした株主に対して交付しなければならない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 4 前項の規定は、当該株式会社の社債及び新株予約権について端数がある場合について準用する。 この場合において、同項第二号中「一株当たり純資産額」とあるのは、「法務省令で定める額」と読み替えるものとする。 第二目 取得条項付株式の取得 (取得する日の決定) 第百六十八条 第百七条第二項第三号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第百七条第二項第三号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主)及びその登録株式質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する株式の決定等) 第百六十九条 株式会社は、第百七条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第百七十条 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第五項において同じ。)に、取得条項付株式(同条第二項第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項において同じ。)を取得する。 一 第百七条第二項第三号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 次の各号に掲げる場合には、取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた日に、同号(種類株式発行会社にあっては、第百八条第二項第六号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七条第二項第三号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの社債の社債権者 二 第百七条第二項第三号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの新株予約権の新株予約権者 三 第百七条第二項第三号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 四 第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主 3 株式会社は、第百七条第二項第三号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第百六十八条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 4 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 前各項の規定は、取得条項付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第三号ニからトまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が同号イの事由が生じた日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、適用しない。 第四款 全部取得条項付種類株式の取得 (全部取得条項付種類株式の取得に関する決定) 第百七十一条 全部取得条項付種類株式(第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定めがある種類の株式をいう。以下この款において同じ。)を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる。 この場合においては、当該株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等を交付するときは、当該金銭等(以下この条において「取得対価」という。)についての次に掲げる事項 イ 当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法 ロ 当該取得対価が当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 二 前号に規定する場合には、全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項 三 株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(以下この款において「取得日」という。) 2 前項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社を除く。)の有する全部取得条項付種類株式の数に応じて取得対価を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 取締役は、第一項の株主総会において、全部取得条項付種類株式の全部を取得することを必要とする理由を説明しなければならない。 (全部取得条項付種類株式の取得対価等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十一条の二 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から取得日後六箇月を経過する日までの間、前条第一項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 前条第一項の株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百七十二条第二項の規定による通知の日又は同条第三項の公告の日のいずれか早い日 2 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (全部取得条項付種類株式の取得をやめることの請求) 第百七十一条の三 第百七十一条第一項の規定による全部取得条項付種類株式の取得が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該全部取得条項付種類株式の取得をやめることを請求することができる。 (裁判所に対する価格の決定の申立て) 第百七十二条 第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。 一 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 2 株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。 (効力の発生) 第百七十三条 株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。 2 次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主(前条第一項の申立てをした株主を除く。)は、取得日に、第百七十一条第一項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第百七十一条第一項第一号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第百七十一条第一項第一号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第百七十一条第一項第一号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 (全部取得条項付種類株式の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十三条の二 株式会社は、取得日後遅滞なく、株式会社が取得した全部取得条項付種類株式の数その他の全部取得条項付種類株式の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、取得日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 全部取得条項付種類株式を取得した株式会社の株主又は取得日に全部取得条項付種類株式の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五款 相続人等に対する売渡しの請求 (相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め) 第百七十四条 株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。 (売渡しの請求の決定) 第百七十五条 株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式を有する者の氏名又は名称 2 前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。 ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。 (売渡しの請求) 第百七十六条 株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。 ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。 (売買価格の決定) 第百七十七条 前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。 2 株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。 5 第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。 第六款 株式の消却 第百七十八条 株式会社は、自己株式を消却することができる。 この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第四節の二 特別支配株主の株式等売渡請求 (株式等売渡請求) 第百七十九条 株式会社の特別支配株主(株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を当該株式会社以外の者及び当該者が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人(以下この条及び次条第一項において「特別支配株主完全子法人」という。)が有している場合における当該者をいう。以下同じ。)は、当該株式会社の株主(当該株式会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する当該株式会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 2 特別支配株主は、前項の規定による請求(以下この章及び第八百四十六条の二第二項第一号において「株式売渡請求」という。)をするときは、併せて、その株式売渡請求に係る株式を発行している株式会社(以下「対象会社」という。)の新株予約権の新株予約権者(対象会社及び当該特別支配株主を除く。)の全員に対し、その有する対象会社の新株予約権の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。 ただし、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる。 3 特別支配株主は、新株予約権付社債に付された新株予約権について前項の規定による請求(以下「新株予約権売渡請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式等売渡請求の方法) 第百七十九条の二 株式売渡請求は、次に掲げる事項を定めてしなければならない。 一 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 二 株式売渡請求によりその有する対象会社の株式を売り渡す株主(以下「売渡株主」という。)に対して当該株式(以下この章において「売渡株式」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 三 売渡株主に対する前号の金銭の割当てに関する事項 四 株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求(その新株予約権売渡請求に係る新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前条第三項の規定による請求を含む。以下同じ。)をするときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 特別支配株主完全子法人に対して新株予約権売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称 ロ 新株予約権売渡請求によりその有する対象会社の新株予約権を売り渡す新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」という。)に対して当該新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、前条第三項の規定による請求をするときは、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この編において「売渡新株予約権」という。)の対価として交付する金銭の額又はその算定方法 ハ 売渡新株予約権者に対するロの金銭の割当てに関する事項 五 特別支配株主が売渡株式(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式及び売渡新株予約権。以下「売渡株式等」という。)を取得する日(以下この節において「取得日」という。) 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 対象会社が種類株式発行会社である場合には、特別支配株主は、対象会社の発行する種類の株式の内容に応じ、前項第三号に掲げる事項として、同項第二号の金銭の割当てについて売渡株式の種類ごとに異なる取扱いを行う旨及び当該異なる取扱いの内容を定めることができる。 3 第一項第三号に掲げる事項についての定めは、売渡株主の有する売渡株式の数(前項に規定する定めがある場合にあっては、各種類の売渡株式の数)に応じて金銭を交付することを内容とするものでなければならない。 (対象会社の承認) 第百七十九条の三 特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。 2 対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。 3 取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 4 対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (売渡株主等に対する通知等) 第百七十九条の四 対象会社は、前条第一項の承認をしたときは、取得日の二十日前までに、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める事項を通知しなければならない。 一 売渡株主(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株主及び売渡新株予約権者。以下この節において「売渡株主等」という。) 当該承認をした旨、特別支配株主の氏名又は名称及び住所、第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項その他法務省令で定める事項 二 売渡株式の登録株式質権者(特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、売渡株式の登録株式質権者及び売渡新株予約権の登録新株予約権質権者(第二百七十条第一項に規定する登録新株予約権質権者をいう。)) 当該承認をした旨 2 前項の規定による通知(売渡株主に対してするものを除く。)は、公告をもってこれに代えることができる。 3 対象会社が第一項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、特別支配株主から売渡株主等に対し、株式等売渡請求がされたものとみなす。 4 第一項の規定による通知又は第二項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株式等売渡請求に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の五 対象会社は、前条第一項第一号の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日から取得日後六箇月(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日後一年)を経過する日までの間、次に掲げる事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 特別支配株主の氏名又は名称及び住所 二 第百七十九条の二第一項各号に掲げる事項 三 第百七十九条の三第一項の承認をした旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 売渡株主等は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式等売渡請求の撤回) 第百七十九条の六 特別支配株主は、第百七十九条の三第一項の承認を受けた後は、取得日の前日までに対象会社の承諾を得た場合に限り、売渡株式等の全部について株式等売渡請求を撤回することができる。 2 取締役会設置会社が前項の承諾をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。 3 対象会社は、第一項の承諾をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 4 対象会社は、第一項の承諾をしたときは、遅滞なく、売渡株主等に対し、当該承諾をした旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 6 対象会社が第四項の規定による通知又は前項の公告をしたときは、株式等売渡請求は、売渡株式等の全部について撤回されたものとみなす。 7 第四項の規定による通知又は第五項の公告の費用は、特別支配株主の負担とする。 8 前各項の規定は、新株予約権売渡請求のみを撤回する場合について準用する。 この場合において、第四項中「売渡株主等」とあるのは、「売渡新株予約権者」と読み替えるものとする。 (売渡株式等の取得をやめることの請求) 第百七十九条の七 次に掲げる場合において、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 株式売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡株主に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第二号又は第三号に掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 2 次に掲げる場合において、売渡新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡新株予約権者は、特別支配株主に対し、株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得をやめることを請求することができる。 一 新株予約権売渡請求が法令に違反する場合 二 対象会社が第百七十九条の四第一項第一号(売渡新株予約権者に対する通知に係る部分に限る。)又は第百七十九条の五の規定に違反した場合 三 第百七十九条の二第一項第四号ロ又はハに掲げる事項が対象会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合 (売買価格の決定の申立て) 第百七十九条の八 株式等売渡請求があった場合には、売渡株主等は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、その有する売渡株式等の売買価格の決定の申立てをすることができる。 2 特別支配株主は、裁判所の決定した売買価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 3 特別支配株主は、売渡株式等の売買価格の決定があるまでは、売渡株主等に対し、当該特別支配株主が公正な売買価格と認める額を支払うことができる。 (売渡株式等の取得) 第百七十九条の九 株式等売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式等の全部を取得する。 2 前項の規定により特別支配株主が取得した売渡株式等が譲渡制限株式又は譲渡制限新株予約権(第二百四十三条第二項第二号に規定する譲渡制限新株予約権をいう。)であるときは、対象会社は、当該特別支配株主が当該売渡株式等を取得したことについて、第百三十七条第一項又は第二百六十三条第一項の承認をする旨の決定をしたものとみなす。 (売渡株式等の取得に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百七十九条の十 対象会社は、取得日後遅滞なく、株式等売渡請求により特別支配株主が取得した売渡株式等の数その他の株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 対象会社は、取得日から六箇月間(対象会社が公開会社でない場合にあっては、取得日から一年間)、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 取得日に売渡株主等であった者は、対象会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該対象会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって対象会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第五節 株式の併合等 第一款 株式の併合 (株式の併合) 第百八十条 株式会社は、株式の併合をすることができる。 2 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 併合の割合 二 株式の併合がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。) 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類 四 効力発生日における発行可能株式総数 3 前項第四号の発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。 ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 4 取締役は、第二項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 (株主に対する通知等) 第百八十一条 株式会社は、効力発生日の二週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、前条第二項第三号の種類の種類株主。以下この款において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生) 第百八十二条 株主は、効力発生日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。 2 株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、第百八十条第二項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の二 株式の併合(単元株式数(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式の単元株式数。以下この項において同じ。)を定款で定めている場合にあっては、当該単元株式数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数に一に満たない端数が生ずるものに限る。以下この款において同じ。)をする株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、同項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 第百八十条第二項の株主総会(株式の併合をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。第百八十二条の四第二項において同じ。)の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第百八十二条の四第三項の規定により読み替えて適用する第百八十一条第一項の規定による株主に対する通知の日又は第百八十一条第二項の公告の日のいずれか早い日 2 株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式の併合をやめることの請求) 第百八十二条の三 株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。 (反対株主の株式買取請求) 第百八十二条の四 株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第百八十条第二項の株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 株式会社が株式の併合をする場合における株主に対する通知についての第百八十一条第一項の規定の適用については、同項中「二週間」とあるのは、「二十日」とする。 4 第一項の規定による請求(以下この款において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 5 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 6 株式買取請求をした株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 7 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第百八十二条の五 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第六項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第百八十二条の六 株式の併合をした株式会社は、効力発生日後遅滞なく、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の発行済株式)の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第二款 株式の分割 (株式の分割) 第百八十三条 株式会社は、株式の分割をすることができる。 2 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日 二 株式の分割がその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類 (効力の発生等) 第百八十四条 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第二項第三号の種類の種類株主)は、同項第二号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第二項第一号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。 2 株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。 第三款 株式無償割当て (株式無償割当て) 第百八十五条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。 (株式無償割当てに関する事項の決定) 第百八十六条 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日 三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (株式無償割当ての効力の発生等) 第百八十七条 前条第一項第一号の株式の割当てを受けた株主は、同項第二号の日に、同項第一号の株式の株主となる。 2 株式会社は、前条第一項第二号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。 第六節 単元株式数 第一款 総則 (単元株式数) 第百八十八条 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができる。 2 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。 3 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。 (単元未満株式についての権利の制限等) 第百八十九条 単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。 2 株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。 一 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の交付を受ける権利 二 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利 三 第百八十五条に規定する株式無償割当てを受ける権利 四 第百九十二条第一項の規定により単元未満株式を買い取ることを請求する権利 五 残余財産の分配を受ける権利 六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める権利 3 株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。 (理由の開示) 第百九十条 単元株式数を定める場合には、取締役は、当該単元株式数を定める定款の変更を目的とする株主総会において、当該単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければならない。 (定款変更手続の特則) 第百九十一条 株式会社は、次のいずれにも該当する場合には、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数。以下この条において同じ。)を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることができる。 一 株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設けるものであること。 二 イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと。 イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数 ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数) 第二款 単元未満株主の買取請求 (単元未満株式の買取りの請求) 第百九十二条 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、その請求に係る単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 第一項の規定による請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、当該請求を撤回することができる。 (単元未満株式の価格の決定) 第百九十三条 前条第一項の規定による請求があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該請求に係る単元未満株式の価格とする。 一 当該単元未満株式が市場価格のある株式である場合 当該単元未満株式の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社と前条第一項の規定による請求をした単元未満株主との協議によって定める額 2 前項第二号に掲げる場合には、前条第一項の規定による請求をした単元未満株主又は株式会社は、当該請求をした日から二十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって当該単元未満株式の価格とする。 5 第一項の規定にかかわらず、同項第二号に掲げる場合において、第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項第二号の協議が調った場合を除く。)は、一株当たり純資産額に前条第一項の規定による請求に係る単元未満株式の数を乗じて得た額をもって当該単元未満株式の価格とする。 6 前条第一項の規定による請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式につき前条第一項の規定による請求があったときは、株券と引換えに、その請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第三款 単元未満株主の売渡請求 第百九十四条 株式会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求(単元未満株主が有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを請求することをいう。以下この条において同じ。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 2 単元未満株式売渡請求は、当該単元未満株主に売り渡す単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 3 単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合を除き、自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。 4 第百九十二条第三項及び前条第一項から第六項までの規定は、単元未満株式売渡請求について準用する。 第四款 単元株式数の変更等 第百九十五条 株式会社は、第四百六十六条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。 2 前項の規定により定款の変更をした場合には、株式会社は、当該定款の変更の効力が生じた日以後遅滞なく、その株主(種類株式発行会社にあっては、同項の規定により単元株式数を変更した種類の種類株主)に対し、当該定款の変更をした旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第七節 株主に対する通知の省略等 (株主に対する通知の省略) 第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。 3 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。 (株式の競売) 第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。 一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの 二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。 一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者 二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者 (利害関係人の異議) 第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。 4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。 5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。 第八節 募集株式の発行等 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第百九十九条 株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。) 二 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法 三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 五 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項 2 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 4 種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。 2 前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 3 第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百一条 第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。 3 公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下この節において同じ。)を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百二条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集株式の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集株式の数 三 第一項第二号の期日 5 第百九十九条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 (取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則) 第二百二条の二 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 募集株式を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 2 前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、同項中「前項各号」とあるのは、「前項各号(第二号及び第四号を除く。)及び第二百二条の二第一項各号」とする。 この場合においては、第二百条及び前条の規定は、適用しない。 3 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 第二款 募集株式の割当て (募集株式の申込み) 第二百三条 株式会社は、第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百九十九条第一項の募集に応じて募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集株式の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集株式の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集株式の割当て) 第二百四条 株式会社は、申込者の中から募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集株式の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 募集株式が譲渡制限株式である場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 株式会社は、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集株式の数を通知しなければならない。 4 第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集株式の割当てを受ける権利を失う。 (募集株式の申込み及び割当てに関する特則) 第二百五条 前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、第二百三条第二項の申込みをし、又は第一項の契約を締結することができない。 4 前項に規定する場合における前条第三項並びに第二百六条の二第一項、第三項及び第四項の規定の適用については、前条第三項及び第二百六条の二第一項中「第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)」とあり、同条第三項中「同項に規定する期日」とあり、並びに同条第四項中「第一項に規定する期日」とあるのは、「割当日」とする。 5 指名委員会等設置会社における第三項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (募集株式の引受け) 第二百六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集株式の数について募集株式の引受人となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集株式の数 二 前条第一項の契約により募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集株式の数 (公開会社における募集株式の割当て等の特則) 第二百六条の二 公開会社は、募集株式の引受人について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第四項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百二条の規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数 二 当該募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数 2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 4 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第二項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集株式の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、第一項に規定する期日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集株式の割当て又は当該特定引受人との間の第二百五条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 5 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 第三款 金銭以外の財産の出資 第二百七条 株式会社は、第百九十九条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。以下この条において同じ。)は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該募集株式の引受人が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百九十九条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 募集株式の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第四款 出資の履行等 (出資の履行) 第二百八条 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者を除く。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第百九十九条第一項第四号の期日又は同号の期間内に、それぞれの募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。 3 募集株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 4 出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利の譲渡は、株式会社に対抗することができない。 5 募集株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより募集株式の株主となる権利を失う。 (株主となる時期等) 第二百九条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式の株主となる。 一 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日 2 募集株式の引受人は、第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百十三条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した募集株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の募集株式を譲り受けた者は、当該募集株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 4 第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。 第五款 募集株式の発行等をやめることの請求 第二百十条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第百九十九条第一項の募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をやめることを請求することができる。 一 当該株式の発行又は自己株式の処分が法令又は定款に違反する場合 二 当該株式の発行又は自己株式の処分が著しく不公正な方法により行われる場合 第六款 募集に係る責任等 (引受けの無効又は取消しの制限) 第二百十一条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第二百五条第一項の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 募集株式の引受人は、第二百九条第一項の規定により株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として募集株式の引受けの取消しをすることができない。 (不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任) 第二百十二条 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合 当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額 二 第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第二号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百十三条 前条第一項第二号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該募集株式の引受人の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百七条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百七条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 募集株式の引受人がその給付した現物出資財産についての前条第一項第二号に定める額を支払う義務を負う場合において、次の各号に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (出資の履行を仮装した募集株式の引受人の責任) 第二百十三条の二 募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百八条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した払込金額の全額の支払 二 第二百八条第二項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した現物出資財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該現物出資財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (出資の履行を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百十三条の三 前条第一項各号に掲げる場合には、募集株式の引受人が出資の履行を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 募集株式の引受人が前条第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九節 株券 第一款 総則 (株券を発行する旨の定款の定め) 第二百十四条 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。 (株券の発行) 第二百十五条 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない。 2 株券発行会社は、株式の併合をしたときは、第百八十条第二項第二号の日以後遅滞なく、併合した株式に係る株券を発行しなければならない。 3 株券発行会社は、株式の分割をしたときは、第百八十三条第二項第二号の日以後遅滞なく、分割した株式に係る株券(既に発行されているものを除く。)を発行しなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができる。 (株券の記載事項) 第二百十六条 株券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株券発行会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株券発行会社の商号 二 当該株券に係る株式の数 三 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨 四 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容 (株券不所持の申出) 第二百十七条 株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該株式に係る株券が発行されているときは、当該株主は、当該株券を株券発行会社に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、前項前段の株式に係る株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の株式に係る株券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された株券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした株主は、いつでも、株券発行会社に対し、第二項前段の株式に係る株券を発行することを請求することができる。 この場合において、第二項後段の規定により提出された株券があるときは、株券の発行に要する費用は、当該株主の負担とする。 (株券を発行する旨の定款の定めの廃止) 第二百十八条 株券発行会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとするときは、当該定款の変更の効力が生ずる日の二週間前までに、次に掲げる事項を公告し、かつ、株主及び登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨 二 定款の変更がその効力を生ずる日 三 前号の日において当該株式会社の株券は無効となる旨 2 株券発行会社の株式に係る株券は、前項第二号の日に無効となる。 3 第一項の規定にかかわらず、株式の全部について株券を発行していない株券発行会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしようとする場合には、同項第二号の日の二週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し、同項第一号及び第二号に掲げる事項を通知すれば足りる。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項に規定する場合には、株式の質権者(登録株式質権者を除く。)は、同項第二号の日の前日までに、株券発行会社に対し、第百四十八条各号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 第二款 株券の提出等 (株券の提出に関する公告等) 第二百十九条 株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(第四号の二に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「株券提出日」という。)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。 一 第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式) 二 株式の併合 全部の株式(種類株式発行会社にあっては、第百八十条第二項第三号の種類の株式) 三 第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得 当該全部取得条項付種類株式 四 取得条項付株式の取得 当該取得条項付株式 四の二 第百七十九条の三第一項の承認 売渡株式 五 組織変更 全部の株式 六 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の株式 七 株式交換 全部の株式 八 株式移転 全部の株式 2 株券発行会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為(第二号に掲げる行為をする場合にあっては、株式売渡請求に係る売渡株式の取得)によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。 一 前項第一号から第四号までに掲げる行為 当該株券発行会社 二 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 株式交換 第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社 六 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。 4 第一項第四号の二の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 (株券の提出をすることができない場合) 第二百二十条 前条第一項各号に掲げる行為をした場合において、株券を提出することができない者があるときは、株券発行会社は、その者の請求により、利害関係人に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を公告することができる。 ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。 2 株券発行会社が前項の規定による公告をした場合において、同項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、前条第二項各号に定める者は、前項の請求をした者に対し、同条第二項の金銭等を交付することができる。 3 第一項の規定による公告の費用は、同項の請求をした者の負担とする。 第三款 株券喪失登録 (株券喪失登録簿) 第二百二十一条 株券発行会社(株式会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした日の翌日から起算して一年を経過していない場合における当該株式会社を含む。以下この款(第二百二十三条、第二百二十七条及び第二百二十八条第二項を除く。)において同じ。)は、株券喪失登録簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この款において「株券喪失登録簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第二百二十三条の規定による請求に係る株券(第二百十八条第二項又は第二百十九条第三項の規定により無効となった株券及び株式の発行又は自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における当該株式に係る株券を含む。以下この款(第二百二十八条を除く。)において同じ。)の番号 二 前号の株券を喪失した者の氏名又は名称及び住所 三 第一号の株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載され、又は記録されている者(以下この款において「名義人」という。)の氏名又は名称及び住所 四 第一号の株券につき前三号に掲げる事項を記載し、又は記録した日(以下この款において「株券喪失登録日」という。) (株券喪失登録簿に関する事務の委託) 第二百二十二条 株券発行会社における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿に」とする。 (株券喪失登録の請求) 第二百二十三条 株券を喪失した者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録すること(以下「株券喪失登録」という。)を請求することができる。 (名義人等に対する通知) 第二百二十四条 株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者(以下この款において「株券喪失登録者」という。)が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第二百二十一条第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。 (株券を所持する者による抹消の申請) 第二百二十五条 株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。 ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過したときは、この限りでない。 2 前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。 3 第一項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。 4 株券発行会社は、前項の規定による通知の日から二週間を経過した日に、第二項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第一項の規定による申請をした者に返還しなければならない。 (株券喪失登録者による抹消の申請) 第二百二十六条 株券喪失登録者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、株券喪失登録(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合にあっては、前条第二項の規定により提出された株券についての株券喪失登録を除く。)の抹消を申請することができる。 2 前項の規定による申請を受けた株券発行会社は、当該申請を受けた日に、当該申請に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消) 第二百二十七条 その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合には、株券発行会社は、当該定款の変更の効力が生ずる日に、株券喪失登録(当該株券喪失登録がされた株券に係る株式の名義人が株券喪失登録者であるものに限り、第二百二十五条第二項の規定により提出された株券についてのものを除く。)を抹消しなければならない。 (株券の無効) 第二百二十八条 株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。 2 前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。 (異議催告手続との関係) 第二百二十九条 株券喪失登録者が第二百二十条第一項の請求をした場合には、株券発行会社は、同項の期間の末日が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過する日前に到来するときに限り、同項の規定による公告をすることができる。 2 株券発行会社が第二百二十条第一項の規定による公告をするときは、当該株券発行会社は、当該公告をした日に、当該公告に係る株券についての株券喪失登録を抹消しなければならない。 (株券喪失登録の効力) 第二百三十条 株券発行会社は、次に掲げる日のいずれか早い日(以下この条において「登録抹消日」という。)までの間は、株券喪失登録がされた株券に係る株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することができない。 一 当該株券喪失登録が抹消された日 二 株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日 2 株券発行会社は、登録抹消日後でなければ、株券喪失登録がされた株券を再発行することができない。 3 株券喪失登録者が株券喪失登録をした株券に係る株式の名義人でないときは、当該株式の株主は、登録抹消日までの間は、株主総会又は種類株主総会において議決権を行使することができない。 4 株券喪失登録がされた株券に係る株式については、第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をすることができない。 (株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等) 第二百三十一条 株券発行会社は、株券喪失登録簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (株券喪失登録者に対する通知等) 第二百三十二条 株券発行会社が株券喪失登録者に対してする通知又は催告は、株券喪失登録簿に記載し、又は記録した当該株券喪失登録者の住所(当該株券喪失登録者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を株券発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (適用除外) 第二百三十三条 非訟事件手続法第四編の規定は、株券については、適用しない。 第十節 雑則 (一に満たない端数の処理) 第二百三十四条 次の各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の株式を交付する場合において、その者に対し交付しなければならない当該株式会社の株式の数に一株に満たない端数があるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を当該者に交付しなければならない。 一 第百七十条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 二 第百七十三条第一項の規定による株式の取得 当該株式会社の株主 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 当該株式会社の株主 四 第二百七十五条第一項の規定による新株予約権の取得 第二百三十六条第一項第七号イの新株予約権の新株予約権者 五 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 合併後消滅する会社の株主又は社員 六 合併契約に基づく設立時発行株式の発行 合併後消滅する会社の株主又は社員 七 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 株式交換をする株式会社の株主 八 株式移転計画に基づく設立時発行株式の発行 株式移転をする株式会社の株主 九 株式交付 株式交付親会社(第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。)に株式交付に際して株式交付子会社(同号に規定する株式交付子会社をいう。)の株式又は新株予約権等(同項第七号に規定する新株予約権等をいう。)を譲り渡した者 2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。 この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 前項の規定により第一項の株式を売却した場合における同項の規定の適用については、同項中「競売により」とあるのは、「売却により」とする。 4 株式会社は、第二項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 5 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 6 第一項から第四項までの規定は、第一項各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の社債又は新株予約権を交付するときについて準用する。 第二百三十五条 株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。 2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。 第三章 新株予約権 第一節 総則 (新株予約権の内容) 第二百三十六条 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法 三 金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額 四 当該新株予約権を行使することができる期間 五 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項 六 譲渡による当該新株予約権の取得について当該株式会社の承認を要することとするときは、その旨 七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由 ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨 ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法 ニ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法 ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ヘ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項 チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件 イ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社 ロ 吸収分割 吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する株式会社 ハ 新設分割 新設分割により設立する株式会社 ニ 株式交換 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社 ホ 株式移転 株式移転により設立する株式会社 九 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨 十 当該新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)に係る新株予約権証券を発行することとするときは、その旨 十一 前号に規定する場合において、新株予約権者が第二百九十条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の数は、当該新株予約権付社債についての社債の金額ごとに、均等に定めなければならない。 3 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第一項第二号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。 この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第一項第三号の財産の給付を要しない旨 二 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨 4 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第四号又は第五号ロに定める事項についての決定」と、同項第一号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第二号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。 (共有者による権利の行使) 第二百三十七条 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該新株予約権についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該新株予約権についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 新株予約権の発行 第一款 募集事項の決定等 (募集事項の決定) 第二百三十八条 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集新株予約権の内容及び数 二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法 四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。) 五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日 六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項 七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め 2 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 5 募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。 (募集事項の決定の委任) 第二百三十九条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限 二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。 二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。 3 第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。 4 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (公開会社における募集事項の決定の特則) 第二百四十条 第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 この場合においては、前条の規定は、適用しない。 2 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 (株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合) 第二百四十一条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。 この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨 二 前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日 2 前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。 ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。 3 第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。 一 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定 二 当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議 四 前三号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議 4 株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 募集事項 二 当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数 三 第一項第二号の期日 5 第二百三十八条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。 第二款 募集新株予約権の割当て (募集新株予約権の申込み) 第二百四十二条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式会社の商号 二 募集事項 三 新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集新株予約権の数 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、申込者(募集新株予約権のみの申込みをした者に限る。)は、その申込みに係る募集新株予約権を付した新株予約権付社債の引受けの申込みをしたものとみなす。 7 株式会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 8 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集新株予約権の割当て) 第二百四十三条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。 この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式である場合 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権(新株予約権であって、譲渡による当該新株予約権の取得について株式会社の承認を要する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)である場合 3 株式会社は、割当日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数(当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 4 第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集新株予約権の割当てを受ける権利を失う。 (募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則) 第二百四十四条 前二条の規定は、募集新株予約権を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前項の規定の適用については、同項中「の引受け」とあるのは、「及び当該募集新株予約権を付した社債の総額の引受け」とする。 3 第一項に規定する場合において、次に掲げるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 募集新株予約権の目的である株式の全部又は一部が譲渡制限株式であるとき。 二 募集新株予約権が譲渡制限新株予約権であるとき。 (公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則) 第二百四十四条の二 公開会社は、募集新株予約権の割当てを受けた申込者又は前条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者(以下この項において「引受人」と総称する。)について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下この項及び第五項において「特定引受人」という。)の氏名又は名称及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合又は第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。 一 当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数 二 前号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数 2 前項第一号に規定する「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式その他募集新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式として法務省令で定める株式をいう。 3 第一項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 4 第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。 5 総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知又は第三項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)による募集新株予約権の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、割当日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は当該特定引受人との間の前条第一項の契約の承認を受けなければならない。 ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。 6 第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (新株予約権者となる日) 第二百四十五条 次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。 一 申込者 株式会社の割り当てた募集新株予約権 二 第二百四十四条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集新株予約権 2 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。 第三款 募集新株予約権に係る払込み 第二百四十六条 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。 3 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。 第四款 募集新株予約権の発行をやめることの請求 第二百四十七条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。 一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合 二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合 第五款 雑則 第二百四十八条 第六百七十六条から第六百八十条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。 第三節 新株予約権原簿 (新株予約権原簿) 第二百四十九条 株式会社は、新株予約権を発行した日以後遅滞なく、新株予約権原簿を作成し、次の各号に掲げる新株予約権の区分に応じ、当該各号に定める事項(以下「新株予約権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 無記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権(以下この章において「無記名新株予約権」という。) 当該新株予約権証券の番号並びに当該無記名新株予約権の内容及び数 二 無記名式の新株予約権付社債券(証券発行新株予約権付社債(新株予約権付社債であって、当該新株予約権付社債についての社債につき社債券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)に係る社債券をいう。以下同じ。)が発行されている新株予約権付社債(以下この章において「無記名新株予約権付社債」という。)に付された新株予約権 当該新株予約権付社債券の番号並びに当該新株予約権の内容及び数 三 前二号に掲げる新株予約権以外の新株予約権 次に掲げる事項 イ 新株予約権者の氏名又は名称及び住所 ロ イの新株予約権者の有する新株予約権の内容及び数 ハ イの新株予約権者が新株予約権を取得した日 ニ ロの新株予約権が証券発行新株予約権(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であって、当該新株予約権に係る新株予約権証券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、当該新株予約権(新株予約権証券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権証券の番号 ホ ロの新株予約権が証券発行新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権を付した新株予約権付社債(新株予約権付社債券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権付社債券の番号 (新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第二百五十条 前条第三号イの新株予約権者は、株式会社に対し、当該新株予約権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該新株予約権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の管理) 第二百五十一条 株式会社が新株予約権を発行している場合における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び新株予約権原簿に」とする。 (新株予約権原簿の備置き及び閲覧等) 第二百五十二条 株式会社は、新株予約権原簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、新株予約権原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の新株予約権原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (新株予約権者に対する通知等) 第二百五十三条 株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該新株予約権者の住所(当該新株予約権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が新株予約権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を新株予約権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が新株予約権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 第四節 新株予約権の譲渡等 第一款 新株予約権の譲渡 (新株予約権の譲渡) 第二百五十四条 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 (証券発行新株予約権の譲渡) 第二百五十五条 証券発行新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権(株式会社が有する自己の新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の処分による証券発行新株予約権の譲渡については、この限りでない。 2 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 ただし、自己新株予約権付社債(株式会社が有する自己の新株予約権付社債をいう。以下この条及び次条において同じ。)の処分による当該自己新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、この限りでない。 (自己新株予約権の処分に関する特則) 第二百五十六条 株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。 3 株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。 4 第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。 (新株予約権の譲渡の対抗要件) 第二百五十七条 新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。 3 第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (権利の推定等) 第二百五十八条 新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 2 新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。 4 新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百五十九条 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該株式会社の新株予約権を取得した場合 二 自己新株予約権を処分した場合 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 第二百六十条 新株予約権を当該新株予約権を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「新株予約権取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該新株予約権に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第二百六十一条 前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。 二 当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。 三 当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。 第二款 新株予約権の譲渡の制限 (新株予約権者からの承認の請求) 第二百六十二条 譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 (新株予約権取得者からの承認の請求) 第二百六十三条 譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 (譲渡等承認請求の方法) 第二百六十四条 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。 一 第二百六十二条の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称 二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項 イ 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数 ロ イの新株予約権取得者の氏名又は名称 (譲渡等の承認の決定等) 第二百六十五条 株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。 (株式会社が承認をしたとみなされる場合) 第二百六十六条 株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。 ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。 第三款 新株予約権の質入れ (新株予約権の質入れ) 第二百六十七条 新株予約権者は、その有する新株予約権に質権を設定することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。 3 新株予約権付社債についての社債のみに質権を設定することはできない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。 4 証券発行新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。 5 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質入れは、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (新株予約権の質入れの対抗要件) 第二百六十八条 新株予約権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 3 第一項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の質権者は、継続して当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を占有しなければ、その質権をもって株式会社その他の第三者に対抗することができない。 (新株予約権原簿の記載等) 第二百六十九条 新株予約権に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である新株予約権 2 前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (新株予約権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百七十条 前条第一項各号に掲げる事項が新株予約権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録新株予約権質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録新株予約権質権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 (登録新株予約権質権者に対する通知等) 第二百七十一条 株式会社が登録新株予約権質権者に対してする通知又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該登録新株予約権質権者の住所(当該登録新株予約権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (新株予約権の質入れの効果) 第二百七十二条 株式会社が次に掲げる行為をした場合には、新株予約権を目的とする質権は、当該行為によって当該新株予約権の新株予約権者が受けることのできる金銭等について存在する。 一 新株予約権の取得 二 組織変更 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 四 吸収分割 五 新設分割 六 株式交換 七 株式移転 2 登録新株予約権質権者は、前項の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 3 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録新株予約権質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 一 新株予約権の取得 当該株式会社 二 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 4 前三項の規定は、特別支配株主が新株予約権売渡請求により売渡新株予約権の取得をした場合について準用する。 この場合において、前項中「当該各号に定める者」とあるのは、「当該特別支配株主」と読み替えるものとする。 5 新株予約権付社債に付された新株予約権(第二百三十六条第一項第三号の財産が当該新株予約権付社債についての社債であるものであって、当該社債の償還額が当該新株予約権についての同項第二号の価額以上であるものに限る。)を目的とする質権は、当該新株予約権の行使をすることにより当該新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式について存在する。 第四款 信託財産に属する新株予約権についての対抗要件等 第二百七十二条の二 新株予約権については、当該新株予約権が信託財産に属する旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該新株予約権が信託財産に属することを株式会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第二百四十九条第三号イの新株予約権者は、その有する新株予約権が信託財産に属するときは、株式会社に対し、その旨を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 新株予約権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第二百五十条第一項及び第二百五十九条第一項の規定の適用については、第二百五十条第一項中「記録された新株予約権原簿記載事項」とあるのは「記録された新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」と、第二百五十九条第一項中「新株予約権原簿記載事項」とあるのは「新株予約権原簿記載事項(当該新株予約権者の有する新株予約権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、証券発行新株予約権及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。 第五節 株式会社による自己の新株予約権の取得 第一款 募集事項の定めに基づく新株予約権の取得 (取得する日の決定) 第二百七十三条 取得条項付新株予約権(第二百三十六条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の内容として同号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第二百三十六条第一項第七号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付新株予約権の新株予約権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (取得する新株予約権の決定等) 第二百七十四条 株式会社は、新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、その取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならない。 2 前項の取得条項付新株予約権は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。 ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに、当該取得条項付新株予約権を取得する旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (効力の発生等) 第二百七十五条 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第三項において同じ。)に、取得条項付新株予約権(同条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項及び第三項において同じ。)を取得する。 一 第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日 二 前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日 2 前項の規定により株式会社が取得する取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、当該新株予約権付社債についての社債を取得する。 3 次の各号に掲げる場合には、取得条項付新株予約権の新株予約権者(当該株式会社を除く。)は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、同号に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの株式の株主 二 第二百三十六条第一項第七号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの社債の社債権者 三 第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの他の新株予約権の新株予約権者 四 第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項についての定めがある場合 同号トの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。 ただし、第二百七十三条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。 5 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 第二款 新株予約権の消却 第二百七十六条 株式会社は、自己新株予約権を消却することができる。 この場合においては、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければならない。 2 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。 第六節 新株予約権無償割当て (新株予約権無償割当て) 第二百七十七条 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当て(以下この節において「新株予約権無償割当て」という。)をすることができる。 (新株予約権無償割当てに関する事項の決定) 第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法 二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法 三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日 四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類 2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。 3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 (新株予約権無償割当ての効力の発生等) 第二百七十九条 前条第一項第一号の新株予約権の割当てを受けた株主は、同項第三号の日に、同項第一号の新株予約権の新株予約権者(同項第二号に規定する場合にあっては、同項第一号の新株予約権の新株予約権者及び同項第二号の社債の社債権者)となる。 2 株式会社は、前条第一項第三号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた新株予約権の内容及び数(同項第二号に規定する場合にあっては、当該株主が割当てを受けた社債の種類及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知がされた場合において、前条第一項第一号の新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の末日が当該通知の日から二週間を経過する日前に到来するときは、同号の期間は、当該通知の日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。 第七節 新株予約権の行使 第一款 総則 (新株予約権の行使) 第二百八十条 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数 二 新株予約権を行使する日 2 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。 3 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。 この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。 4 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 5 第三項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。 6 株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。 (新株予約権の行使に際しての払込み) 第二百八十一条 金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第二号の価額の全額を払い込まなければならない。 2 金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第三号の財産を給付しなければならない。 この場合において、当該財産の価額が同項第二号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。 3 新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。 (株主となる時期等) 第二百八十二条 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。 3 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (一に満たない端数の処理) 第二百八十三条 新株予約権を行使した場合において、当該新株予約権の新株予約権者に交付する株式の数に一株に満たない端数があるときは、株式会社は、当該新株予約権者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を交付しなければならない。 ただし、第二百三十六条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合は、この限りでない。 一 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 一株当たり純資産額 第二款 金銭以外の財産の出資 第二百八十四条 株式会社は、第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項についての定めがある新株予約権が行使された場合には、第二百八十一条第二項の規定による給付があった後、遅滞なく、同号の財産(以下この節において「現物出資財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、株式会社に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 第一項の新株予約権の新株予約権者は、前項の決定により現物出資財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 行使された新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式の総数が発行済株式の総数の十分の一を超えない場合 当該新株予約権者が給付する現物出資財産の価額 二 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物出資財産の価額 三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物出資財産の価額 四 現物出資財産について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物出資財産の価額 五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第二百三十六条第一項第三号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物出資財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第四号に規定する証明をすることができない。 一 取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 新株予約権者 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの 第三款 責任 (不公正な払込金額で新株予約権を引き受けた者等の責任) 第二百八十五条 新株予約権を行使した新株予約権者は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。 一 第二百三十八条第一項第二号に規定する場合において、募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととすることが著しく不公正な条件であるとき(取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役。次号において同じ。)と通じて新株予約権を引き受けた場合に限る。) 当該新株予約権の公正な価額 二 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合において、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたとき 当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額 三 第二百八十二条第一項の規定により株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足する場合 当該不足額 2 前項第三号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第二百三十六条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。 (出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任) 第二百八十六条 前条第一項第三号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。 一 当該新株予約権者の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。 一 現物出資財産の価額について第二百八十四条第二項の検査役の調査を経た場合 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合 3 第一項に規定する場合には、第二百八十四条第九項第四号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う。 ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 4 新株予約権者がその給付した現物出資財産についての前条第一項第三号に定める額を支払う義務を負う場合において、次に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 一 取締役等 第一項の義務 二 証明者 前項本文の義務 (新株予約権に係る払込み等を仮装した新株予約権者等の責任) 第二百八十六条の二 新株予約権を行使した新株予約権者であって次の各号に掲げる者に該当するものは、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第二百四十六条第一項の規定による払込み(同条第二項の規定により当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付を含む。)を仮装した者又は当該払込みが仮装されたことを知って、若しくは重大な過失により知らないで募集新株予約権を譲り受けた者 払込みが仮装された払込金額の全額の支払(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付が仮装された場合にあっては、当該財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)) 二 第二百八十一条第一項又は第二項後段の規定による払込みを仮装した者 払込みを仮装した金銭の全額の支払 三 第二百八十一条第二項前段の規定による給付を仮装した者 給付を仮装した金銭以外の財産の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払) 2 前項の規定により同項に規定する新株予約権者の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (新株予約権に係る払込み等を仮装した場合の取締役等の責任) 第二百八十六条の三 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に定める行為をする義務を負う場合には、当該各号の払込み又は給付を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。 ただし、その者(当該払込み又は当該給付を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 新株予約権を行使した新株予約権者であって前条第一項各号に掲げる者に該当するものが当該各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第四款 雑則 第二百八十七条 第二百七十六条第一項の場合のほか、新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。 第八節 新株予約権に係る証券 第一款 新株予約権証券 (新株予約権証券の発行) 第二百八十八条 株式会社は、証券発行新株予約権を発行した日以後遅滞なく、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を発行しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、新株予約権者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を発行しないことができる。 (新株予約権証券の記載事項) 第二百八十九条 新株予約権証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 株式会社の商号 二 当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権の内容及び数 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百九十条 証券発行新株予約権の新株予約権者は、第二百三十六条第一項第十一号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の新株予約権証券を無記名式とし、又はその無記名式の新株予約権証券を記名式とすることを請求することができる。 (新株予約権証券の喪失) 第二百九十一条 新株予約権証券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 新株予約権証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 第二款 新株予約権付社債券 第二百九十二条 証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券には、第六百九十七条第一項の規定により記載すべき事項のほか、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の内容及び数を記載しなければならない。 2 証券発行新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは、株式会社は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券と引換えに社債の償還をすることを請求することができない。 この場合においては、株式会社は、社債の償還をするのと引換えに、当該新株予約権付社債券の提示を求め、当該新株予約権付社債券に社債の償還をした旨を記載することができる。 第三款 新株予約権証券等の提出 (新株予約権証券の提出に関する公告等) 第二百九十三条 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、当該各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この款において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該行為の効力が生ずる日(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日。以下この条において「新株予約権証券提出日」という。)までに当該株式会社に対し当該新株予約権証券を提出しなければならない旨を新株予約権証券提出日の一箇月前までに、公告し、かつ、当該新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者には、各別にこれを通知しなければならない。 一 第百七十九条の三第一項の承認 売渡新株予約権 一の二 取得条項付新株予約権の取得 当該取得条項付新株予約権 二 組織変更 全部の新株予約権 三 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 全部の新株予約権 四 吸収分割 第七百五十八条第五号イに規定する吸収分割契約新株予約権 五 新設分割 第七百六十三条第一項第十号イに規定する新設分割計画新株予約権 六 株式交換 第七百六十八条第一項第四号イに規定する株式交換契約新株予約権 七 株式移転 第七百七十三条第一項第九号イに規定する株式移転計画新株予約権 2 株式会社が次の各号に掲げる行為をする場合において、新株予約権証券提出日までに当該株式会社に対して新株予約権証券を提出しない者があるときは、当該各号に定める者は、当該新株予約権証券の提出があるまでの間、当該行為(第一号に掲げる行為をする場合にあっては、新株予約権売渡請求に係る売渡新株予約権の取得)によって当該新株予約権証券に係る新株予約権の新株予約権者が交付を受けることができる金銭等の交付を拒むことができる。 一 第百七十九条の三第一項の承認 特別支配株主 二 取得条項付新株予約権の取得 当該株式会社 三 組織変更 第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社 五 吸収分割 第七百五十八条第一号に規定する吸収分割承継株式会社 六 新設分割 第七百六十三条第一項第一号に規定する新設分割設立株式会社 七 株式交換 第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全親株式会社 八 株式移転 第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社 3 第一項各号に定める新株予約権に係る新株予約権証券は、新株予約権証券提出日に無効となる。 4 第一項第一号の規定による公告及び通知の費用は、特別支配株主の負担とする。 5 第二百二十条の規定は、第一項各号に掲げる行為をした場合において、新株予約権証券を提出することができない者があるときについて準用する。 この場合において、同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは、「第二百九十三条第二項各号」と読み替えるものとする。 (無記名式の新株予約権証券等が提出されない場合) 第二百九十四条 第百三十二条の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券(無記名式のものに限る。以下この条において同じ。)が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式に係る第百二十一条第一号に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを要しない。 2 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる株式の株主に対する通知又は催告をすることを要しない。 3 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる当該他の新株予約権(無記名新株予約権を除く。)に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 4 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 5 第二百四十九条及び第二百五十九条第一項の規定にかかわらず、前条第一項第一号の二に掲げる行為をする場合(株式会社が新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付する場合に限る。)において、同項の規定により新株予約権証券が提出されないときは、株式会社は、当該新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債(無記名新株予約権付社債を除く。)に付された新株予約権に係る第二百四十九条第三号イに掲げる事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを要しない。 6 前項に規定する場合には、株式会社は、前条第一項の規定により提出しなければならない新株予約権証券を有する者が交付を受けることができる新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者に対する通知又は催告をすることを要しない。 第四章 機関 第一節 株主総会及び種類株主総会等 第一款 株主総会 (株主総会の権限) 第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (株主総会の招集) 第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。 (株主による招集の請求) 第二百九十七条 総株主の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 4 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合 (株主総会の招集の決定) 第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株主総会の日時及び場所 二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。 ただし、当該株式会社が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。 3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第二号に掲げる事項」とする。 4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 (株主総会の招集の通知) 第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 株式会社が取締役会設置会社である場合 3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第三百一条 取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。 第三百二条 取締役は、第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。 2 取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。 3 取締役は、第一項に規定する場合には、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 取締役は、第一項に規定する場合において、第二百九十九条第三項の承諾をしていない株主から株主総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (株主提案権) 第三百三条 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 3 公開会社でない取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第二項の一定の事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項の総株主の議決権の数に算入しない。 第三百四条 株主は、株主総会において、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次条第一項において同じ。)につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第三百五条 株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。 2 公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。 4 取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。 この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。 四 定款の変更に関する二以上の議案 当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。 5 前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。 ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。 6 第一項から第三項までの規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (株主総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第三百六条 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」とする。 3 前二項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 4 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第三項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第三項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第三項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (議決権の数) 第三百八条 株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。 ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社は、自己株式については、議決権を有しない。 (株主総会の決議) 第三百九条 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百四十条第二項及び第五項の株主総会 二 第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。) 三 第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会 四 第百八十条第二項の株主総会 五 第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会 六 第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会 七 第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。) 八 第四百二十五条第一項の株主総会 九 第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。) イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。 ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 十 第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。) 十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会 二 第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。) 三 第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。) 4 前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第三百十条 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。 3 第一項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。 6 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 8 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第三百十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を株式会社に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 3 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその本店に備え置かなければならない。 4 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第三百十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該株式会社に提供して行う。 2 株主が第二百九十九条第三項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入する。 4 株式会社は、株主総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 5 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (議決権の不統一行使) 第三百十三条 株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 2 取締役会設置会社においては、前項の株主は、株主総会の日の三日前までに、取締役会設置会社に対してその有する議決権を統一しないで行使する旨及びその理由を通知しなければならない。 3 株式会社は、第一項の株主が他人のために株式を有する者でないときは、当該株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (取締役等の説明義務) 第三百十四条 取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第三百十五条 株主総会の議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 株主総会の議長は、その命令に従わない者その他当該株主総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (株主総会に提出された資料等の調査) 第三百十六条 株主総会においては、その決議によって、取締役、会計参与、監査役、監査役会及び会計監査人が当該株主総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第二百九十七条の規定により招集された株主総会においては、その決議によって、株式会社の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第三百十七条 株主総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第二百九十八条及び第二百九十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第三百十八条 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 5 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 (株主総会の決議の省略) 第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。 2 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。 5 第一項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。 (株主総会への報告の省略) 第三百二十条 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。 第二款 種類株主総会 (種類株主総会の権限) 第三百二十一条 種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 (ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会) 第三百二十二条 種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。) イ 株式の種類の追加 ロ 株式の内容の変更 ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加 一の二 第百七十九条の三第一項の承認 二 株式の併合又は株式の分割 三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 四 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 五 当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。) 六 第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て 七 合併 八 吸収分割 九 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 十 新設分割 十一 株式交換 十二 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 十三 株式移転 十四 株式交付 2 種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。 3 第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。 ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。 4 ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。 (種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 第三百二十三条 種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。 (種類株主総会の決議) 第三百二十四条 種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第百九十九条第四項及び第二百条第四項の種類株主総会 三 第二百三十八条第四項及び第二百三十九条第四項の種類株主総会 四 第三百二十二条第一項の種類株主総会 五 第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会 六 第七百九十五条第四項の種類株主総会 七 第八百十六条の三第三項の種類株主総会 3 前二項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。) 二 第七百八十三条第三項及び第八百四条第三項の種類株主総会 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条 前款(第二百九十五条第一項及び第二項、第二百九十六条第一項及び第二項並びに第三百九条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第二百九十七条第一項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百八条第一項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百十八条第四項及び第三百十九条第三項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。 第三款 電子提供措置 (電子提供措置をとる旨の定款の定め) 第三百二十五条の二 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 株主総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類 (電子提供措置) 第三百二十五条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項 二 第三百一条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第三百二条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項 四 第三百五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百三十七条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百四十四条第六項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、取締役が第二百九十九条第一項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 3 第一項の規定にかかわらず、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第一項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第二十七条の三十の二に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (株主総会の招集の通知等の特則) 第三百二十五条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第二百九十九条第一項の規定の適用については、同項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「二週間」とする。 2 第二百九十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第二項又は第三項の通知には、第二百九十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 電子提供措置をとっているときは、その旨 二 前条第三項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 3 第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第二百九十九条第一項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第三百五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第三百二十五条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。 4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第三百二十五条の六 第三百二十五条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第七号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (株主総会に関する規定の準用) 第三百二十五条の七 第三百二十五条の三から前条まで(第三百二十五条の三第一項(第五号及び第六号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第三百二十五条の五第一項及び第三項から第五項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。 この場合において、第三百二十五条の三第一項中「第二百九十九条第二項各号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項各号」と、「同条第一項」とあるのは「同条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次項、次条及び第三百二十五条の五において同じ。)」と、「第二百九十八条第一項各号」とあるのは「第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合に限る。)」と、「第三百一条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項」と、「第三百二条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百二条第一項」と、「第三百五条第一項」とあるのは「第三百五条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次条第四項において同じ。)」と、同条第二項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第三百二十五条の六までにおいて同じ。)」と、第三百二十五条の四第二項中「第二百九十九条第四項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第四項」と、「第二百九十九条第二項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項」と、「第二百九十八条第一項第五号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十八条第一項第五号」と、「同項第一号から第四号まで」とあるのは「第三百二十五条において準用する同項第一号から第四号まで」と、同条第三項中「第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項及び第三百二条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 株主総会以外の機関の設置 (株主総会以外の機関の設置) 第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。 2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。 (取締役会等の設置義務等) 第三百二十七条 次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。 一 公開会社 二 監査役会設置会社 三 監査等委員会設置会社 四 指名委員会等設置会社 2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。 5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。 6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。 (社外取締役の設置義務) 第三百二十七条の二 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならない。 (大会社における監査役会等の設置義務) 第三百二十八条 大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。 2 公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。 第三節 役員及び会計監査人の選任及び解任 第一款 選任 (選任) 第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。 2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。 3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (株式会社と役員等との関係) 第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (取締役の資格等) 第三百三十一条 次に掲げる者は、取締役となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一項第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。 3 監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。 5 取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。 6 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。 第三百三十一条の二 成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした取締役の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (取締役の任期) 第三百三十二条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 4 監査等委員である取締役の任期については、第一項ただし書の規定は、適用しない。 5 第一項本文の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 6 指名委員会等設置会社の取締役についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。 7 前各項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 三 その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。) (会計参与の資格等) 第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。 2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。 一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人 二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者 (会計参与の任期) 第三百三十四条 第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。 2 前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (監査役の資格等) 第三百三十五条 第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。 2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。 3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。 (監査役の任期) 第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。 3 第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。 4 前三項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、監査役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更 三 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 四 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 (会計監査人の資格等) 第三百三十七条 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第三百三十八条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置会社が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 第二款 解任 (解任) 第三百三十九条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監査役等による会計監査人の解任) 第三百四十条 監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。 4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。 5 監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 6 指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 第三款 選任及び解任の手続に関する特則 (役員の選任及び解任の株主総会の決議) 第三百四十一条 第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。 (累積投票による取締役の選任) 第三百四十二条 株主総会の目的である事項が二人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。以下この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、株式会社に対し、第三項から第五項までに規定するところにより取締役を選任すべきことを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、同項の株主総会の日の五日前までにしなければならない。 3 第三百八条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、取締役の選任の決議については、株主は、その有する株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の株式)につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有する。 この場合においては、株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。 4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。 5 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。 6 前条の規定は、前三項に規定するところにより選任された取締役の解任の決議については、適用しない。 (監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十二条の二 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監査等委員である取締役を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任について監査等委員会の意見を述べることができる。 (監査役の選任に関する監査役の同意等) 第三百四十三条 取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役は、取締役に対し、監査役の選任を株主総会の目的とすること又は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは「監査役会」と、前項中「監査役は」とあるのは「監査役会は」とする。 4 第三百四十一条の規定は、監査役の解任の決議については、適用しない。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第三百四十四条 監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。 2 監査役が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監査役が」とあるのは、「監査役の過半数をもって」とする。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 (監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等) 第三百四十四条の二 取締役は、監査等委員会がある場合において、監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査等委員会の同意を得なければならない。 2 監査等委員会は、取締役に対し、監査等委員である取締役の選任を株主総会の目的とすること又は監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することを請求することができる。 3 第三百四十一条の規定は、監査等委員である取締役の解任の決議については、適用しない。 (会計参与等の選任等についての意見の陳述) 第三百四十五条 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 取締役は、前項の者に対し、同項の株主総会を招集する旨及び第二百九十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は監査役について、前二項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。 5 第一項の規定は会計監査人について、第二項及び第三項の規定は会計監査人を辞任した者及び第三百四十条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。 8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。 (種類株主総会における取締役又は監査役の選任等) 第三百四十七条 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十二条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十四条の二第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十二条第一項及び第三百三十九条第一項中「株主総会の決議」とあるのは「株主総会(第四十一条第一項の規定により又は第九十条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)については、当該取締役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該取締役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))の決議」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項及び第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十四条の二第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 2 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第三百二十九条第一項、第三百三十九条第一項、第三百四十一条並びに第三百四十三条第一項及び第二項の規定の適用については、第三百二十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(監査役については、第百八条第二項第九号に定める事項についての定款の定めに従い、各種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会)」と、第三百三十九条第一項中「株主総会」とあるのは「株主総会(第四十一条第三項において準用する同条第一項の規定により又は第九十条第二項において準用する同条第一項の種類創立総会若しくは第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会において選任された監査役については、当該監査役の選任に係る種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(定款に別段の定めがある場合又は当該監査役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合にあっては、株主総会))」と、第三百四十一条中「第三百九条第一項」とあるのは「第三百九条第一項及び第三百二十四条」と、「株主総会」とあるのは「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と、第三百四十三条第一項及び第二項中「株主総会」とあるのは「第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百二十九条第一項の種類株主総会」とする。 第四節 取締役 (業務の執行) 第三百四十八条 取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 取締役が二人以上ある場合には、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、取締役は、次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 五 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 4 大会社においては、取締役は、前項第四号に掲げる事項を決定しなければならない。 (業務の執行の社外取締役への委託) 第三百四十八条の二 株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 2 指名委員会等設置会社と執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他執行役が指名委員会等設置会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該指名委員会等設置会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該指名委員会等設置会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。 3 前二項の規定により委託された業務の執行は、第二条第十五号イに規定する株式会社の業務の執行に該当しないものとする。 ただし、社外取締役が業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の指揮命令により当該委託された業務を執行したときは、この限りでない。 (株式会社の代表) 第三百四十九条 取締役は、株式会社を代表する。 ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。 3 株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。 4 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第三百五十条 株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表取締役に欠員を生じた場合の措置) 第三百五十一条 代表取締役が欠けた場合又は定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表取締役は、新たに選定された代表取締役(次項の一時代表取締役の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表取締役としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表取締役の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表取締役の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (取締役の職務を代行する者の権限) 第三百五十二条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百五十三条 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、株式会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができる。 (表見代表取締役) 第三百五十四条 株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (取締役の報告義務) 第三百五十七条 取締役は、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第三百五十八条 株式会社の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、次に掲げる株主は、当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 一 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 二 発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社及び検査役の選任の申立てをした株主に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による株主総会招集等の決定) 第三百五十九条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に株主総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。 (株主による取締役の行為の差止め) 第三百六十条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (取締役の報酬等) 第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 六 報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容 2 監査等委員会設置会社においては、前項各号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 3 監査等委員である各取締役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、第一項の報酬等の範囲内において、監査等委員である取締役の協議によって定める。 4 第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。 5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。 6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。 7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。 ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。 一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの 二 監査等委員会設置会社 第五節 取締役会 第一款 権限等 (取締役会の権限等) 第三百六十二条 取締役会は、すべての取締役で組織する。 2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役会設置会社の業務執行の決定 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。 (取締役会設置会社の取締役の権限) 第三百六十三条 次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。 一 代表取締役 二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの 2 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 (取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表) 第三百六十四条 第三百五十三条に規定する場合には、取締役会は、同条の規定による株主総会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて取締役会設置会社を代表する者を定めることができる。 (競業及び取締役会設置会社との取引等の制限) 第三百六十五条 取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 2 取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百六十六条 取締役会は、各取締役が招集する。 ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた取締役(以下この章において「招集権者」という。)以外の取締役は、招集権者に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした取締役は、取締役会を招集することができる。 (株主による招集の請求) 第三百六十七条 取締役会設置会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った株主は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した取締役会に出席し、意見を述べることができる。 (招集手続) 第三百六十八条 取締役会を招集する者は、取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、取締役会は、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (取締役会の決議) 第三百六十九条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。 3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (取締役会の決議の省略) 第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。 2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。 (取締役会への報告の省略) 第三百七十二条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、適用しない。 3 指名委員会等設置会社についての前二項の規定の適用については、第一項中「監査役又は会計監査人」とあるのは「会計監査人又は執行役」と、「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「取締役」と、前項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百十七条第四項」とする。 (特別取締役による取締役会の決議) 第三百七十三条 第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合(監査等委員会設置会社にあっては、第三百九十九条の十三第五項に規定する場合又は同条第六項の規定による定款の定めがある場合を除く。)には、取締役会は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。 一 取締役の数が六人以上であること。 二 取締役のうち一人以上が社外取締役であること。 2 前項の規定による特別取締役による議決の定めがある場合には、特別取締役以外の取締役は、第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号に掲げる事項の決定をする取締役会に出席することを要しない。 この場合における第三百六十六条第一項本文及び第三百六十八条の規定の適用については、第三百六十六条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各特別取締役(第三百七十三条第一項に規定する特別取締役をいう。第三百六十八条において同じ。)」と、第三百六十八条第一項中「定款」とあるのは「取締役会」と、「各取締役」とあるのは「各特別取締役」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「特別取締役(」と、「取締役及び」とあるのは「特別取締役及び」とする。 3 特別取締役の互選によって定められた者は、前項の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければならない。 4 第三百六十六条(第一項本文を除く。)、第三百六十七条、第三百六十九条第一項、第三百七十条及び第三百九十九条の十四の規定は、第二項の取締役会については、適用しない。 第六節 会計参与 (会計参与の権限) 第三百七十四条 会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。 この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。 2 会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。 6 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。 (会計参与の報告義務) 第三百七十五条 会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監査役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。 (取締役会への出席) 第三百七十六条 取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は、第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。 この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 会計参与設置会社において、前項の取締役会を招集する者は、当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各会計参与に対してその通知を発しなければならない。 3 会計参与設置会社において、第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは、会計参与の全員の同意を得なければならない。 (株主総会における意見の陳述) 第三百七十七条 第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。 2 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役」とする。 (会計参与による計算書類等の備置き等) 第三百七十八条 会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。 (会計参与の報酬等) 第三百七十九条 会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 会計参与が二人以上ある場合において、各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、会計参与の協議によって定める。 3 会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十条 会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該会計参与設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七節 監査役 (監査役の権限) 第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。 この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (取締役への報告義務) 第三百八十二条 監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。 (取締役会への出席義務等) 第三百八十三条 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。 2 監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第三百六十六条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。 4 前二項の規定は、第三百七十三条第二項の取締役会については、適用しない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 (監査役による取締役の行為の差止め) 第三百八十五条 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百八十六条 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合 二 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第三号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合 三 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第四号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合 2 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。 一 監査役設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監査役設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 三 株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査役設置会社が第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第三号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (監査役の報酬等) 第三百八十七条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。 2 監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。 3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第三百八十八条 監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (定款の定めによる監査範囲の限定) 第三百八十九条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 3 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。 4 第二項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 5 第二項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 6 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。 7 第三百八十一条から第三百八十六条までの規定は、第一項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。 第八節 監査役会 第一款 権限等 第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。 2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。 ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。 一 監査報告の作成 二 常勤の監査役の選定及び解職 三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定 3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。 4 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十一条 監査役会は、各監査役が招集する。 (招集手続) 第三百九十二条 監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (監査役会の決議) 第三百九十三条 監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。 2 監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 監査役会の決議に参加した監査役であって第二項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十四条 監査役会設置会社は、監査役会の日から十年間、前条第二項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査役会への報告の省略) 第三百九十五条 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。 第九節 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第三百九十六条 会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者 三 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 6 指名委員会等設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。 (監査役に対する報告) 第三百九十七条 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。 2 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。 (定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 第三百九十八条 第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。 3 監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。 4 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会又は監査等委員」とする。 5 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与) 第三百九十九条 取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。 3 監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査等委員会」とする。 4 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。 第九節の二 監査等委員会 第一款 権限等 (監査等委員会の権限等) 第三百九十九条の二 監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。 2 監査等委員は、取締役でなければならない。 3 監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 三 第三百四十二条の二第四項及び第三百六十一条第六項に規定する監査等委員会の意見の決定 4 監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査等委員会による調査) 第三百九十九条の三 監査等委員会が選定する監査等委員は、いつでも、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は監査等委員会設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査等委員会が選定する監査等委員は、監査等委員会の職務を執行するため必要があるときは、監査等委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査等委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査等委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第三百九十九条の四 監査等委員は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (株主総会に対する報告義務) 第三百九十九条の五 監査等委員は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものについて法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その旨を株主総会に報告しなければならない。 (監査等委員による取締役の行為の差止め) 第三百九十九条の六 監査等委員は、取締役が監査等委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査等委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監査等委員会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第三百九十九条の七 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて監査等委員会設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査等委員会が選定する監査等委員 2 前項の規定にかかわらず、取締役が監査等委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査等委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該監査等委員会設置会社に対して効力を有する。 3 第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査等委員会が選定する監査等委員が当該監査等委員会設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査等委員が監査等委員会設置会社を代表する。 一 監査等委員会設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査等委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 監査等委員会設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査等委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である監査等委員会設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 第二款 運営 (招集権者) 第三百九十九条の八 監査等委員会は、各監査等委員が招集する。 (招集手続等) 第三百九十九条の九 監査等委員会を招集するには、監査等委員は、監査等委員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査等委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、監査等委員会は、監査等委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)は、監査等委員会の要求があったときは、監査等委員会に出席し、監査等委員会が求めた事項について説明をしなければならない。 (監査等委員会の決議) 第三百九十九条の十 監査等委員会の決議は、議決に加わることができる監査等委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する監査等委員は、議決に加わることができない。 3 監査等委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査等委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 監査等委員会の決議に参加した監査等委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第三百九十九条の十一 監査等委員会設置会社は、監査等委員会の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 監査等委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の規定は、監査等委員会設置会社の債権者が取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 4 裁判所は、第二項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査等委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項の許可をすることができない。 (監査等委員会への報告の省略) 第三百九十九条の十二 取締役、会計参与又は会計監査人が監査等委員の全員に対して監査等委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査等委員会へ報告することを要しない。 第三款 監査等委員会設置会社の取締役会の権限等 (監査等委員会設置会社の取締役会の権限) 第三百九十九条の十三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 取締役の職務の執行の監督 三 代表取締役の選定及び解職 2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。 4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第一項の規定による委託 七 第三百六十一条第七項の規定による同項の事項の決定 八 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項の承認 九 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 十 第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定 十一 前項第六号に掲げる事項 十二 補償契約(第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。第四百十六条第四項第十四号において同じ。)の内容の決定 十三 役員等賠償責任保険契約(第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。第四百十六条第四項第十五号において同じ。)の内容の決定 十四 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十五 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十六 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十七 合併契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十八 吸収分割契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 新設分割計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 株式交換契約(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 株式移転計画の内容の決定 二十二 株式交付計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。 (監査等委員会による取締役会の招集) 第三百九十九条の十四 監査等委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役会を招集することができる。 第十節 指名委員会等及び執行役 第一款 委員の選定、執行役の選任等 (委員の選定等) 第四百条 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第九百十一条第三項第二十三号ロにおいて単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。 2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。 3 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。 4 監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。 (委員の解職等) 第四百一条 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 2 前条第一項に規定する各委員会の委員の員数(定款で四人以上の員数を定めたときは、その員数)が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した委員は、新たに選定された委員(次項の一時委員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお委員としての権利義務を有する。 3 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時委員の職務を行うべき者を選任することができる。 4 裁判所は、前項の一時委員の職務を行うべき者を選任した場合には、指名委員会等設置会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (執行役の選任等) 第四百二条 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。 2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。 3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。 4 第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は、執行役について準用する。 5 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。 ただし、公開会社でない指名委員会等設置会社については、この限りでない。 6 執行役は、取締役を兼ねることができる。 7 執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。 8 前項の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (執行役の解任等) 第四百三条 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、指名委員会等設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 3 第四百一条第二項から第四項までの規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。 第二款 指名委員会等の権限等 (指名委員会等の権限等) 第四百四条 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。 2 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。 一 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成 二 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定 3 報酬委員会は、第三百六十一条第一項並びに第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。 執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。 4 委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 (監査委員会による調査) 第四百五条 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 2 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 4 第一項及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。 (取締役会への報告義務) 第四百六条 監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。 (監査委員による執行役等の行為の差止め) 第四百七条 監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等) 第四百八条 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、指名委員会等設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が指名委員会等設置会社を代表する。 一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて指名委員会等設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者) 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員 2 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該指名委員会等設置会社に対して効力を有する。 3 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める訴えを提起するときは、当該訴えについては、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第一号及び第五項第三号において同じ。) その株式交換等完全子会社(第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。第五項第三号において同じ。)の取締役、執行役又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴え 二 最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第二号及び第五項第四号において同じ。) その完全子会社等(同条第二項第二号に規定する完全子会社等をいい、同条第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。第五項第四号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対する特定責任追及の訴え(同条第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。) 4 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる株式会社が指名委員会等設置会社である場合において、当該各号に定める請求をするときは、監査委員会が選定する監査委員が当該指名委員会等設置会社を代表する。 一 株式交換等完全親会社 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第一号に規定する訴えの提起の請求に限る。) 二 最終完全親会社等 第八百四十七条第一項の規定による請求(前項第二号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。) 5 第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。 一 指名委員会等設置会社が第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。) 二 指名委員会等設置会社が第八百四十九条第四項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第八百五十条第二項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。) 三 株式交換等完全親会社である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第六項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 四 最終完全親会社等である指名委員会等設置会社が第八百四十九条第七項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合 (報酬委員会による報酬の決定の方法等) 第四百九条 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。 2 報酬委員会は、第四百四条第三項の規定による決定をするには、前項の方針に従わなければならない。 3 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の個人別の報酬等とする場合には、その内容として、当該各号に定める事項について決定しなければならない。 ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第一号に掲げるものでなければならない。 一 額が確定しているもの 個人別の額 二 額が確定していないもの 個人別の具体的な算定方法 三 当該株式会社の募集株式 当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 四 当該株式会社の募集新株予約権 当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 五 次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭 当該イ又はロに定める事項 イ 当該株式会社の募集株式 執行役等が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項 ロ 当該株式会社の募集新株予約権 執行役等が引き受ける当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項 六 金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。) 個人別の具体的な内容 第三款 指名委員会等の運営 (招集権者) 第四百十条 指名委員会等は、当該指名委員会等の各委員が招集する。 (招集手続等) 第四百十一条 指名委員会等を招集するには、その委員は、指名委員会等の日の一週間(これを下回る期間を取締役会で定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該指名委員会等の各委員に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、指名委員会等は、当該指名委員会等の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 3 執行役等は、指名委員会等の要求があったときは、当該指名委員会等に出席し、当該指名委員会等が求めた事項について説明をしなければならない。 (指名委員会等の決議) 第四百十二条 指名委員会等の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。 3 指名委員会等の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 指名委員会等の決議に参加した委員であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (議事録) 第四百十三条 指名委員会等設置会社は、指名委員会等の日から十年間、前条第三項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 2 指名委員会等設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。 一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 指名委員会等設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 4 前項の規定は、指名委員会等設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。 5 裁判所は、第三項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該指名委員会等設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の許可をすることができない。 (指名委員会等への報告の省略) 第四百十四条 執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して指名委員会等に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を指名委員会等へ報告することを要しない。 第四款 指名委員会等設置会社の取締役の権限等 (指名委員会等設置会社の取締役の権限) 第四百十五条 指名委員会等設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、指名委員会等設置会社の業務を執行することができない。 (指名委員会等設置会社の取締役会の権限) 第四百十六条 指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。 一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定 イ 経営の基本方針 ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項 ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項 ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役 ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 二 執行役等の職務の執行の監督 2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。 3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。 4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。 ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。 一 第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定 二 第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定 三 第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定 四 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定 五 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定 六 第三百四十八条の二第二項の規定による委託 七 第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認 八 第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定 九 第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職 十 第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任 十一 第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定 十二 第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職 十三 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除 十四 補償契約の内容の決定 十五 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 十六 第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認 十七 第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定 十八 第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 十九 合併契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十 吸収分割契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十一 新設分割計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十二 株式交換契約(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 二十三 株式移転計画の内容の決定 二十四 株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定 (指名委員会等設置会社の取締役会の運営) 第四百十七条 指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。 2 執行役は、前条第一項第一号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。 この場合において、当該請求があった日から五日以内に、当該請求があった日から二週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締役会を招集することができる。 3 指名委員会等がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該指名委員会等の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 4 執行役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。 この場合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。 5 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければならない。 第五款 執行役の権限等 (執行役の権限) 第四百十八条 執行役は、次に掲げる職務を行う。 一 第四百十六条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定 二 指名委員会等設置会社の業務の執行 (執行役の監査委員に対する報告義務等) 第四百十九条 執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。 2 第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第三百六十五条第二項中「取締役会設置会社においては、第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとする。 3 第三百五十七条の規定は、指名委員会等設置会社については、適用しない。 (代表執行役) 第四百二十条 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。 この場合において、執行役が一人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。 2 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。 3 第三百四十九条第四項及び第五項の規定は代表執行役について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第四百一条第二項から第四項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。 (表見代表執行役) 第四百二十一条 指名委員会等設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他指名委員会等設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (株主による執行役の行為の差止め) 第四百二十二条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 公開会社でない指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 第十一節 役員等の損害賠償責任 (役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役 二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役 三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。) 4 前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。 (株式会社に対する損害賠償責任の免除) 第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。 一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表取締役又は代表執行役 六 ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四 ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二 二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。 当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。 5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。 この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。 (取締役等による免除に関する定款の定め) 第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 5 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 6 公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。 7 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 8 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。 4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (取締役が自己のためにした取引に関する特則) 第四百二十八条 第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第四百三十条 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第四百三十条の二 株式会社が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該株式会社が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 株式会社は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該株式会社が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該株式会社に対して第四百二十三条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した株式会社が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 取締役会設置会社においては、補償契約に基づく補償をした取締役及び当該補償を受けた取締役は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 5 前項の規定は、執行役について準用する。 この場合において、同項中「取締役会設置会社においては、補償契約」とあるのは、「補償契約」と読み替えるものとする。 6 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四百二十三条第三項並びに第四百二十八条第一項の規定は、株式会社と取締役又は執行役との間の補償契約については、適用しない。 7 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第四百三十条の三 株式会社が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。 2 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四百二十三条第三項の規定は、株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、取締役又は執行役を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿等 第一款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (会計帳簿の提出命令) 第四百三十四条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第二款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第四百三十六条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会) 3 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の株主への提供) 第四百三十七条 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時株主総会への提出等) 第四百三十八条 次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置会社の特則) 第四百三十九条 会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (計算書類の公告) 第四百四十条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については、前三項の規定は、適用しない。 (臨時計算書類) 第四百四十一条 株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。 一 臨時決算日における貸借対照表 二 臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間に係る損益計算書 2 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社においては、臨時計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役又は会計監査人(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会及び会計監査人、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会及び会計監査人)の監査を受けなければならない。 3 取締役会設置会社においては、臨時計算書類(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。 4 次の各号に掲げる株式会社においては、当該各号に定める臨時計算書類は、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、臨時計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。 一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社又は会計監査人設置会社(いずれも取締役会設置会社を除く。) 第二項の監査を受けた臨時計算書類 二 取締役会設置会社 前項の承認を受けた臨時計算書類 三 前二号に掲げるもの以外の株式会社 第一項の臨時計算書類 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第四百四十二条 株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間 二 臨時計算書類(前条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) 臨時計算書類を作成した日から五年間 2 株式会社は、次の各号に掲げる計算書類等の写しを、当該各号に定める期間、その支店に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 一 前項第一号に掲げる計算書類等 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間 二 前項第二号に掲げる計算書類等 同号の臨時計算書類を作成した日から三年間 3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の計算書類等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (計算書類等の提出命令) 第四百四十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 連結計算書類 第四百四十四条 会計監査人設置会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を作成することができる。 2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。 4 連結計算書類は、法務省令で定めるところにより、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。 5 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役会の承認を受けなければならない。 6 会計監査人設置会社が取締役会設置会社である場合には、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前項の承認を受けた連結計算書類を提供しなければならない。 7 次の各号に掲げる会計監査人設置会社においては、取締役は、当該各号に定める連結計算書類を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 この場合においては、当該各号に定める連結計算書類の内容及び第四項の監査の結果を定時株主総会に報告しなければならない。 一 取締役会設置会社である会計監査人設置会社 第五項の承認を受けた連結計算書類 二 前号に掲げるもの以外の会計監査人設置会社 第四項の監査を受けた連結計算書類 第三節 資本金の額等 第一款 総則 (資本金の額及び準備金の額) 第四百四十五条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。 5 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (剰余金の額) 第四百四十六条 株式会社の剰余金の額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 資産の額 ロ 自己株式の帳簿価額の合計額 ハ 負債の額 ニ 資本金及び準備金の額の合計額 ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を控除して得た額 三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第一項第二号の額を除く。) 四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第四百四十八条第一項第二号の額を除く。) 五 最終事業年度の末日後に第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額 六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額 イ 第四百五十四条第一項第一号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。) ロ 第四百五十四条第四項第一号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額 ハ 第四百五十六条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額 七 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 第二款 資本金の額の減少等 第一目 資本金の額の減少等 (資本金の額の減少) 第四百四十七条 株式会社は、資本金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する資本金の額 二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額 三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (準備金の額の減少) 第四百四十八条 株式会社は、準備金の額を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する準備金の額 二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額 三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。 (債権者の異議) 第四百四十九条 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。 ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。 一 定時株主総会において前条第一項各号に掲げる事項を定めること。 二 前条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金等の額の減少の内容 二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。 ただし、第二項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。 一 資本金の額の減少 第四百四十七条第一項第三号の日 二 準備金の額の減少 前条第一項第三号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。 第二目 資本金の額の増加等 (資本金の額の増加) 第四百五十条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 (準備金の額の増加) 第四百五十一条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 減少する剰余金の額 二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日 2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 3 第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 第三目 剰余金についてのその他の処分 第四百五十二条 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることができる。 この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならない。 第四節 剰余金の配当 (株主に対する剰余金の配当) 第四百五十三条 株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。 (剰余金の配当に関する事項の決定) 第四百五十四条 株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額 二 株主に対する配当財産の割当てに関する事項 三 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日 2 前項に規定する場合において、剰余金の配当について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、配当財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて配当財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 4 配当財産が金銭以外の財産であるときは、株式会社は、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めることができる。 ただし、第一号の期間の末日は、第一項第三号の日以前の日でなければならない。 一 株主に対して金銭分配請求権(当該配当財産に代えて金銭を交付することを株式会社に対して請求する権利をいう。以下この章において同じ。)を与えるときは、その旨及び金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して配当財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 5 取締役会設置会社は、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る。以下この項において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合における中間配当についての第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。 (金銭分配請求権の行使) 第四百五十五条 前条第四項第一号に規定する場合には、株式会社は、同号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 2 株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた配当財産に代えて、当該配当財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該配当財産の価額とする。 一 当該配当財産が市場価格のある財産である場合 当該配当財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第四百五十六条 第四百五十四条第四項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第二項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた配当財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 (配当財産の交付の方法等) 第四百五十七条 配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭及び前条の規定により支払う金銭を含む。以下この条において同じ。)は、株主名簿に記載し、又は記録した株主(登録株式質権者を含む。以下この条において同じ。)の住所又は株主が株式会社に通知した場所(第三項において「住所等」という。)において、これを交付しなければならない。 2 前項の規定による配当財産の交付に要する費用は、株式会社の負担とする。 ただし、株主の責めに帰すべき事由によってその費用が増加したときは、その増加額は、株主の負担とする。 3 前二項の規定は、日本に住所等を有しない株主に対する配当財産の交付については、適用しない。 (適用除外) 第四百五十八条 第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。 第五節 剰余金の配当等を決定する機関の特則 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め) 第四百五十九条 会計監査人設置会社(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役以外の取締役)の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。 一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項 二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項 三 第四百五十二条後段の事項 四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。 ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。 (株主の権利の制限) 第四百六十条 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。 2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。 第六節 剰余金の配当等に関する責任 (配当等の制限) 第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 四 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 五 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 七 第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り 八 剰余金の配当 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。 一 剰余金の額 二 臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額 イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 三 自己株式の帳簿価額 四 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 五 第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 六 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (剰余金の配当等に関する責任) 第四百六十二条 前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。 一 前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。) 二 前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 三 前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役 四 前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 五 前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 六 前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役 ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。 3 第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。 ただし、前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。 (株主に対する求償権の制限等) 第四百六十三条 前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (買取請求に応じて株式を取得した場合の責任) 第四百六十四条 株式会社が第百十六条第一項又は第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。 ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 (欠損が生じた場合の責任) 第四百六十五条 株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号、第四号及び第六号に掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当該各号に定める額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 二 第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。) 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 三 第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 四 第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 五 第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 六 第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得 当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 七 第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 八 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 九 次のイ又はロに掲げる規定による当該株式会社の株式の買取り 当該株式の買取りにより当該イ又はロに定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額 イ 第二百三十四条第四項 同条第一項各号に定める者 ロ 第二百三十五条第二項において準用する第二百三十四条第四項 株主 十 剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く。) 当該剰余金の配当についての第四百四十六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額 イ 定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当 ロ 第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 ハ 第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額)が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る。)における剰余金の配当 2 前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。 第六章 定款の変更 第四百六十六条 株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七章 事業の譲渡等 (事業譲渡等の承認等) 第四百六十七条 株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 二の二 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該株式会社が、効力発生日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け 四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約 五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。 ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。 イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項第三号に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会社の株式が含まれるときは、取締役は、同項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 (事業譲渡等の承認を要しない場合) 第四百六十八条 前条の規定は、同条第一項第一号から第四号までに掲げる行為(以下この章において「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社の総株主の議決権の十分の九(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しない。 2 前条の規定は、同条第一項第三号に掲げる行為をする場合において、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないときは、適用しない。 一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額 二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に前条第一項第三号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。 (反対株主の株式買取請求) 第四百六十九条 事業譲渡等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。 二 前条第二項に規定する場合(同条第三項に規定する場合を除く。) 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 事業譲渡等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該事業譲渡等に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該事業譲渡等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主(前条第一項に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、事業譲渡等をする旨(第四百六十七条第二項に規定する場合にあっては、同条第一項第三号に掲げる行為をする旨及び同条第二項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合 二 事業譲渡等をする株式会社が第四百六十七条第一項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この章において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 事業譲渡等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第四百七十条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 第一項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 第一項の株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 第八章 解散 (解散の事由) 第四百七十一条 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 株主総会の決議 四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判 (休眠会社のみなし解散) 第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (株式会社の継続) 第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。 (解散した株式会社の合併等の制限) 第四百七十四条 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第九章 清算 第一節 総則 第一款 清算の開始 (清算の開始原因) 第四百七十五条 株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算株式会社の能力) 第四百七十六条 前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二款 清算株式会社の機関 第一目 株主総会以外の機関の設置 第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。 3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。 4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならない。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社であって、前項の規定の適用があるものにおいては、監査等委員である取締役が監査役となる。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社であって、第四項の規定の適用があるものにおいては、監査委員が監査役となる。 7 第四章第二節の規定は、清算株式会社については、適用しない。 第二目 清算人の就任及び解任並びに監査役の退任 (清算人の就任) 第四百七十八条 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。 一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 株主総会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第四百七十一条第六号に掲げる事由によって解散した清算株式会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第四百七十五条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算株式会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。 6 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算株式会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。 7 第三百三十五条第三項の規定にかかわらず、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算株式会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。 一 その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 三 第二条第十六号ハからホまでに掲げる要件 8 第三百三十条、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二の規定は清算人について、第三百三十一条第五項の規定は清算人会設置会社(清算人会を置く清算株式会社又はこの法律の規定により清算人会を置かなければならない清算株式会社をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「取締役は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第四百七十九条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。 2 重要な事由があるときは、裁判所は、次に掲げる株主の申立てにより、清算人を解任することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 清算人を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該清算株式会社である株主 ロ 当該申立てに係る清算人である株主 3 公開会社でない清算株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 4 第三百四十六条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監査役の退任) 第四百八十条 清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 一 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更 二 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更 2 第三百三十六条の規定は、清算株式会社の監査役については、適用しない。 第三目 清算人の職務等 (清算人の職務) 第四百八十一条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第四百八十二条 清算人は、清算株式会社(清算人会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 支配人の選任及び解任 二 支店の設置、移転及び廃止 三 第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第三百五十三条から第三百五十七条(第三項を除く。)まで、第三百六十条並びに第三百六十一条第一項及び第四項の規定は、清算人(同条の規定については、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「第四百八十三条第六項において準用する第三百四十九条第四項」と、第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表清算人(第四百八十三条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第三百六十条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と読み替えるものとする。 (清算株式会社の代表) 第四百八十三条 清算人は、清算株式会社を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算株式会社を代表する。 3 清算株式会社(清算人会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第四百七十八条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は株主総会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第四百七十八条第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる。 5 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 第三百四十九条第四項及び第五項並びに第三百五十一条の規定は代表清算人について、第三百五十二条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算株式会社についての破産手続の開始) 第四百八十四条 清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算株式会社が既に債権者に支払い、又は株主に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第四百八十五条 裁判所は、第四百七十八条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算株式会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任) 第四百八十六条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人 二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第四百八十七条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 二 第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 虚偽の登記 四 虚偽の公告 (清算人及び監査役の連帯責任) 第四百八十八条 清算人又は監査役が清算株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第四百三十条の規定は、適用しない。 第四目 清算人会 (清算人会の権限等) 第四百八十九条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置会社の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第四百八十三条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第四百八十三条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項 六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置会社の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置会社の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第三百六十三条第二項、第三百六十四条及び第三百六十五条の規定は、清算人会設置会社について準用する。 この場合において、第三百六十三条第二項中「前項各号」とあるのは「第四百八十九条第七項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会」とあるのは「清算人会」と、第三百六十四条中「第三百五十三条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十三条」と、「取締役会は」とあるのは「清算人会は」と、第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条」と、「「取締役会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項各号」と、「取締役は」とあるのは「清算人は」と、「取締役会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第四百九十条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第三百六十七条及び第三百六十八条の規定は、清算人会設置会社における清算人会の招集について準用する。 この場合において、第三百六十七条第一項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、「取締役が」とあるのは「清算人が」と、同条第二項中「取締役(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)」とあるのは「清算人(第四百九十条第一項ただし書に規定する場合にあっては、同条第二項に規定する招集権者)」と、同条第三項及び第四項中「前条第三項」とあるのは「第四百九十条第三項」と、第三百六十八条第一項中「各取締役」とあるのは「各清算人」と、同条第二項中「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と読み替えるものとする。 5 第三百六十九条から第三百七十一条までの規定は、清算人会設置会社における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第三百六十九条第一項中「取締役の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「取締役」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第五項中「取締役であって」とあるのは「清算人であって」と、第三百七十条中「取締役が」とあるのは「清算人が」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、第三百七十一条第三項中「監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社」とあるのは「監査役設置会社」と、同条第四項中「役員又は執行役」とあるのは「清算人又は監査役」と読み替えるものとする。 6 第三百七十二条第一項及び第二項の規定は、清算人会設置会社における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「取締役、会計参与、監査役又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監査役」と、「取締役(」とあるのは「清算人(」と、「取締役及び」とあるのは「清算人及び」と、同条第二項中「第三百六十三条第二項」とあるのは「第四百八十九条第八項において準用する第三百六十三条第二項」と読み替えるものとする。 第五目 取締役等に関する規定の適用 第四百九十一条 清算株式会社については、第二章(第百五十五条を除く。)、第三章、第四章第一節、第三百三十五条第二項、第三百四十三条第一項及び第二項、第三百四十五条第四項において準用する同条第三項、第三百五十九条、同章第七節及び第八節並びに第七章の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は取締役会設置会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に関する規定として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置会社に適用があるものとする。 第三款 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第四百九十二条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第四百九十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第四百九十四条 清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算株式会社は、第一項の貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第四百九十五条 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置会社においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第四百九十六条 清算株式会社は、第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、定時株主総会の日の一週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、その本店に備え置かなければならない。 2 株主及び債権者は、清算株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 清算株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該清算株式会社の貸借対照表等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 (貸借対照表等の定時株主総会への提出等) 第四百九十七条 次の各号に掲げる清算株式会社においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 第四百九十五条第一項に規定する監査役設置会社(清算人会設置会社を除く。) 同項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置会社 第四百九十五条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算株式会社 第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第四百九十八条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第四百九十四条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四款 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第五百一条 清算株式会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算株式会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第五百二条 清算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第五百三条 清算株式会社の債権者(知れている債権者を除く。)であって第四百九十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算株式会社の残余財産を株主の一部に分配した場合には、当該株主の受けた分配と同一の割合の分配を当該株主以外の株主に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五款 残余財産の分配 (残余財産の分配に関する事項の決定) 第五百四条 清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 残余財産の種類 二 株主に対する残余財産の割当てに関する事項 2 前項に規定する場合において、残余財産の分配について内容の異なる二以上の種類の株式を発行しているときは、清算株式会社は、当該種類の株式の内容に応じ、同項第二号に掲げる事項として、次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、残余財産の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項第二号に掲げる事項についての定めは、株主(当該清算株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければならない。 (残余財産が金銭以外の財産である場合) 第五百五条 株主は、残余財産が金銭以外の財産であるときは、金銭分配請求権(当該残余財産に代えて金銭を交付することを清算株式会社に対して請求する権利をいう。以下この条において同じ。)を有する。 この場合において、清算株式会社は、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 金銭分配請求権を行使することができる期間 二 一定の数未満の数の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及びその数 2 前項に規定する場合には、清算株式会社は、同項第一号の期間の末日の二十日前までに、株主に対し、同号に掲げる事項を通知しなければならない。 3 清算株式会社は、金銭分配請求権を行使した株主に対し、当該株主が割当てを受けた残余財産に代えて、当該残余財産の価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該残余財産の価額とする。 一 当該残余財産が市場価格のある財産である場合 当該残余財産の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額 二 前号に掲げる場合以外の場合 清算株式会社の申立てにより裁判所が定める額 (基準株式数を定めた場合の処理) 第五百六条 前条第一項第二号の数(以下この条において「基準株式数」という。)を定めた場合には、清算株式会社は、基準株式数に満たない数の株式(以下この条において「基準未満株式」という。)を有する株主に対し、前条第三項後段の規定の例により基準株式数の株式を有する株主が割当てを受けた残余財産の価額として定めた額に当該基準未満株式の数の基準株式数に対する割合を乗じて得た額に相当する金銭を支払わなければならない。 第六款 清算事務の終了等 第五百七条 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 第七款 帳簿資料の保存 第五百八条 清算人(清算人会設置会社にあっては、第四百八十九条第七項各号に掲げる清算人)は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算株式会社の負担とする。 第八款 適用除外等 第五百九条 次に掲げる規定は、清算株式会社については、適用しない。 一 第百五十五条 二 第五章第二節第二款(第四百三十五条第四項、第四百四十条第三項、第四百四十二条及び第四百四十三条を除く。)及び第三款並びに第三節から第五節まで 三 第五編第四章及び第四章の二並びに同編第五章中株式交換、株式移転及び株式交付の手続に係る部分 2 第二章第四節の二の規定は、対象会社が清算株式会社である場合には、適用しない。 3 清算株式会社は、無償で取得する場合その他法務省令で定める場合に限り、当該清算株式会社の株式を取得することができる。 第二節 特別清算 第一款 特別清算の開始 (特別清算開始の原因) 第五百十条 裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づき、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。 一 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。 二 債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること。 (特別清算開始の申立て) 第五百十一条 債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。 2 清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。 (他の手続の中止命令等) 第五百十二条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。 ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続又は第三号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。 一 清算株式会社についての破産手続 二 清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。) 三 清算株式会社の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第五百十八条の二及び第五百七十一条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(第五百十五条第一項において「外国租税滞納処分」という。) 2 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と同様とする。 (特別清算開始の申立ての取下げの制限) 第五百十三条 特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げることができる。 この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。 (特別清算開始の命令) 第五百十四条 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。 一 特別清算の手続の費用の予納がないとき。 二 特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。 四 不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。 (他の手続の中止等) 第五百十五条 特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)若しくは第三者からの情報取得手続(同法第二百五条第一項第一号、第二百六条第一項又は第二百七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続(破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え及び仮処分の手続並びに外国租税滞納処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。 ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続については、この限りでない。 2 特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続又は処分は、特別清算の手続の関係においては、その効力を失う。 3 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第五百十六条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。 (相殺の禁止) 第五百十七条 協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。 二 支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 第五百十八条 清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 一 特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。 二 支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。 三 支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。 ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。 四 特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。 2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。 一 法定の原因 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因 三 特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因 四 清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約 (共助対象外国租税債権者の手続参加) 第五百十八条の二 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。 第二款 裁判所による監督及び調査 (裁判所による監督) 第五百十九条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に属する。 2 裁判所は、必要があると認めるときは、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見の陳述を求め、又は調査を嘱託することができる。 3 前項の官庁は、裁判所に対し、当該清算株式会社の特別清算の手続について意見を述べることができる。 (裁判所による調査) 第五百二十条 裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務及び財産の状況の報告を命じ、その他清算の監督上必要な調査をすることができる。 (裁判所への財産目録等の提出) 第五百二十一条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、第四百九十二条第三項の承認があった後遅滞なく、財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出しなければならない。 ただし、財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を裁判所に提出しなければならない。 (調査命令) 第五百二十二条 裁判所は、特別清算開始後において、清算株式会社の財産の状況を考慮して必要があると認めるときは、清算人、監査役、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者の債権の総額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者若しくは総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項について、調査委員による調査を命ずる処分(第五百三十三条において「調査命令」という。)をすることができる。 一 特別清算開始に至った事情 二 清算株式会社の業務及び財産の状況 三 第五百四十条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 四 第五百四十二条第一項の規定による保全処分をする必要があるかどうか。 五 第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をする必要があるかどうか。 六 その他特別清算に必要な事項で裁判所の指定するもの 2 清算株式会社の財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又はこの法律若しくは商法の規定による留置権に限る。)を有する債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる債権の額は、前項の債権の額に算入しない。 3 公開会社でない清算株式会社における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 第三款 清算人 (清算人の公平誠実義務) 第五百二十三条 特別清算が開始された場合には、清算人は、債権者、清算株式会社及び株主に対し、公平かつ誠実に清算事務を行う義務を負う。 (清算人の解任等) 第五百二十四条 裁判所は、清算人が清算事務を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算人を解任することができる。 2 清算人が欠けたときは、裁判所は、清算人を選任する。 3 清算人がある場合においても、裁判所は、必要があると認めるときは、更に清算人を選任することができる。 (清算人代理) 第五百二十五条 清算人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は二人以上の清算人代理を選任することができる。 2 前項の清算人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。 (清算人の報酬等) 第五百二十六条 清算人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 前項の規定は、清算人代理について準用する。 第四款 監督委員 (監督委員の選任等) 第五百二十七条 裁判所は、一人又は二人以上の監督委員を選任し、当該監督委員に対し、第五百三十五条第一項の許可に代わる同意をする権限を付与することができる。 2 法人は、監督委員となることができる。 (監督委員に対する監督等) 第五百二十八条 監督委員は、裁判所が監督する。 2 裁判所は、監督委員が清算株式会社の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。 (二人以上の監督委員の職務執行) 第五百二十九条 監督委員が二人以上あるときは、共同してその職務を行う。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 (監督委員による調査等) 第五百三十条 監督委員は、いつでも、清算株式会社の清算人及び監査役並びに支配人その他の使用人に対し、事業の報告を求め、又は清算株式会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 2 監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、清算株式会社の子会社に対し、事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (監督委員の注意義務) 第五百三十一条 監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 (監督委員の報酬等) 第五百三十二条 監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。 2 監督委員は、その選任後、清算株式会社に対する債権又は清算株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。 3 監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。 第五款 調査委員 (調査委員の選任等) 第五百三十三条 裁判所は、調査命令をする場合には、当該調査命令において、一人又は二人以上の調査委員を選任し、調査委員が調査すべき事項及び裁判所に対して調査の結果の報告をすべき期間を定めなければならない。 (監督委員に関する規定の準用) 第五百三十四条 前款(第五百二十七条第一項及び第五百二十九条ただし書を除く。)の規定は、調査委員について準用する。 第六款 清算株式会社の行為の制限等 (清算株式会社の行為の制限) 第五百三十五条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されているときは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。 一 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。) 二 借財 三 訴えの提起 四 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。) 五 権利の放棄 六 その他裁判所の指定する行為 2 前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。 一 最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。 二 前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。 3 第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (事業の譲渡の制限等) 第五百三十六条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 事業の全部の譲渡 二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。) 三 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。) イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。 ロ 当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。 2 前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。 3 第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。 (債務の弁済の制限) 第五百三十七条 特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。 (換価の方法) 第五百三十八条 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産の換価をすることができる。 この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。 2 清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をすることができる。 この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」という。)は、その換価を拒むことができない。 3 前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 4 第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代金を別に寄託しなければならない。 この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第五百三十九条 担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めることができる。 2 担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。 第七款 清算の監督上必要な処分等 (清算株式会社の財産に関する保全処分) 第五百四十条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 3 裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。 ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。 (株主名簿の記載等の禁止) 第五百四十一条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の財産に対する保全処分) 第五百四十二条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。 2 裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。 特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。 (役員等の責任の免除の禁止) 第五百四十三条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止の処分をすることができる。 (役員等の責任の免除の取消し) 第五百四十四条 特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。 不正の目的によってした対象役員等の責任の免除についても、同様とする。 2 前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。 3 第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使することができない。 当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第五百四十五条 裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。 2 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。 3 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。 4 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了したときは、終了する。 第八款 債権者集会 (債権者集会の招集) 第五百四十六条 債権者集会は、特別清算の実行上必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 債権者集会は、次条第三項の規定により招集する場合を除き、清算株式会社が招集する。 (債権者による招集の請求) 第五百四十七条 債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者の協定債権の総額の十分の一以上に当たる協定債権を有する協定債権者は、清算株式会社に対し、債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、債権者集会の招集を請求することができる。 2 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者がその担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額は、前項の協定債権の額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした協定債権者は、裁判所の許可を得て、債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から六週間以内の日を債権者集会の日とする債権者集会の招集の通知が発せられない場合 (債権者集会の招集等の決定) 第五百四十八条 債権者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 債権者集会の日時及び場所 二 債権者集会の目的である事項 三 債権者集会に出席しない協定債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 清算株式会社が債権者集会を招集する場合には、当該清算株式会社は、各協定債権について債権者集会における議決権の行使の許否及びその額を定めなければならない。 3 清算株式会社以外の者が債権者集会を招集する場合には、その招集者は、清算株式会社に対し、前項に規定する事項を定めることを請求しなければならない。 この場合において、その請求があったときは、清算株式会社は、同項に規定する事項を定めなければならない。 4 清算株式会社の財産につき第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する協定債権者は、その担保権の行使によって弁済を受けることができる協定債権の額については、議決権を有しない。 5 協定債権者は、共助対象外国租税の請求権については、議決権を有しない。 (債権者集会の招集の通知) 第五百四十九条 債権者集会を招集するには、招集者は、債権者集会の日の二週間前までに、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者及び清算株式会社に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者であって一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有するものについて準用する。 (債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第五百五十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、債権の申出をした協定債権者その他清算株式会社に知れている協定債権者に対し、当該協定債権者が有する協定債権について第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項及び議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(次項において「債権者集会参考書類」という。)並びに協定債権者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした協定債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、協定債権者の請求があったときは、これらの書類を当該協定債権者に交付しなければならない。 第五百五十一条 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、協定債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合において、第五百四十九条第二項の承諾をしていない協定債権者から債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該協定債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (債権者集会の指揮等) 第五百五十二条 債権者集会は、裁判所が指揮する。 2 債権者集会を招集しようとするときは、招集者は、あらかじめ、第五百四十八条第一項各号に掲げる事項及び同条第二項又は第三項の規定により定められた事項を裁判所に届け出なければならない。 (異議を述べられた議決権の取扱い) 第五百五十三条 債権者集会において、第五百四十八条第二項又は第三項の規定により各協定債権について定められた事項について、当該協定債権を有する者又は他の協定債権者が異議を述べたときは、裁判所がこれを定める。 (債権者集会の決議) 第五百五十四条 債権者集会において決議をする事項を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者(議決権を行使することができる協定債権者をいう。以下この款及び次款において同じ。)の過半数の同意 二 出席した議決権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意 2 第五百五十八条第一項の規定によりその有する議決権の一部のみを前項の事項に同意するものとして行使した議決権者(その余の議決権を行使しなかったものを除く。)があるときの同項第一号の規定の適用については、当該議決権者一人につき、出席した議決権者の数に一を、同意をした議決権者の数に二分の一を、それぞれ加算するものとする。 3 債権者集会は、第五百四十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第五百五十五条 協定債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の協定債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該協定債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第五百五十六条 債権者集会に出席しない協定債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五百五十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 協定債権者が第五百四十九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって議決権を行使した議決権者は、第五百五十四条第一項及び第五百六十七条第一項の規定の適用については、債権者集会に出席したものとみなす。 (議決権の不統一行使) 第五百五十八条 協定債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の協定債権者が他人のために協定債権を有する者でないときは、当該協定債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (担保権を有する債権者等の出席等) 第五百五十九条 債権者集会又は招集者は、次に掲げる債権者の出席を求め、その意見を聴くことができる。 この場合において、債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有する債権者 (延期又は続行の決議) 第五百六十条 債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第五百四十八条(第四項を除く。)及び第五百四十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五百六十一条 債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (清算人の調査結果等の債権者集会に対する報告) 第五百六十二条 特別清算開始の命令があった場合において、第四百九十二条第一項に規定する清算人が清算株式会社の財産の現況についての調査を終了して財産目録等(同項に規定する財産目録等をいう。以下この条において同じ。)を作成したときは、清算株式会社は、遅滞なく、債権者集会を招集し、当該債権者集会に対して、清算株式会社の業務及び財産の状況の調査の結果並びに財産目録等の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みに関して意見を述べなければならない。 ただし、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法によりその報告すべき事項及び当該意見の内容を債権者に周知させることが適当であると認めるときは、この限りでない。 第九款 協定 (協定の申出) 第五百六十三条 清算株式会社は、債権者集会に対し、協定の申出をすることができる。 (協定の条項) 第五百六十四条 協定においては、協定債権者の権利(第五百二十二条第二項に規定する担保権を除く。)の全部又は一部の変更に関する条項を定めなければならない。 2 協定債権者の権利の全部又は一部を変更する条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準を定めなければならない。 (協定による権利の変更) 第五百六十五条 協定による権利の変更の内容は、協定債権者の間では平等でなければならない。 ただし、不利益を受ける協定債権者の同意がある場合又は少額の協定債権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他協定債権者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。 (担保権を有する債権者等の参加) 第五百六十六条 清算株式会社は、協定案の作成に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる債権者の参加を求めることができる。 一 第五百二十二条第二項に規定する担保権を有する債権者 二 一般の先取特権その他一般の優先権がある債権を有する債権者 (協定の可決の要件) 第五百六十七条 第五百五十四条第一項の規定にかかわらず、債権者集会において協定を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。 一 出席した議決権者の過半数の同意 二 議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意 2 第五百五十四条第二項の規定は、前項第一号の規定の適用について準用する。 (協定の認可の申立て) 第五百六十八条 協定が可決されたときは、清算株式会社は、遅滞なく、裁判所に対し、協定の認可の申立てをしなければならない。 (協定の認可又は不認可の決定) 第五百六十九条 前条の申立てがあった場合には、裁判所は、次項の場合を除き、協定の認可の決定をする。 2 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、協定の不認可の決定をする。 一 特別清算の手続又は協定が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正することができないものであるとき。 ただし、特別清算の手続が法律の規定に違反する場合において、当該違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。 二 協定が遂行される見込みがないとき。 三 協定が不正の方法によって成立するに至ったとき。 四 協定が債権者の一般の利益に反するとき。 (協定の効力発生の時期) 第五百七十条 協定は、認可の決定の確定により、その効力を生ずる。 (協定の効力範囲) 第五百七十一条 協定は、清算株式会社及びすべての協定債権者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。 2 協定は、第五百二十二条第二項に規定する債権者が有する同項に規定する担保権、協定債権者が清算株式会社の保証人その他清算株式会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び清算株式会社以外の者が協定債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。 3 協定の認可の決定が確定したときは、協定債権者の権利は、協定の定めに従い、変更される。 4 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての協定による権利の変更の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。 (協定の内容の変更) 第五百七十二条 協定の実行上必要があるときは、協定の内容を変更することができる。 この場合においては、第五百六十三条から前条までの規定を準用する。 第十款 特別清算の終了 (特別清算終結の決定) 第五百七十三条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合には、清算人、監査役、債権者、株主又は調査委員の申立てにより、特別清算終結の決定をする。 一 特別清算が結了したとき。 二 特別清算の必要がなくなったとき。 (破産手続開始の決定) 第五百七十四条 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。 一 協定の見込みがないとき。 二 協定の実行の見込みがないとき。 三 特別清算によることが債権者の一般の利益に反するとき。 2 裁判所は、特別清算開始後、次に掲げる場合において、清算株式会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。 一 協定が否決されたとき。 二 協定の不認可の決定が確定したとき。 3 前二項の規定により破産手続開始の決定があった場合における破産法第七十一条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第七十二条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第百六十条(第一項第一号を除く。)、第百六十二条(第一項第二号を除く。)、第百六十三条第二項、第百六十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六十六条並びに第百六十七条第二項(同法第百七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。 一 特別清算開始の申立ての前に特別清算開始の命令の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがある場合 当該破産手続開始の申立て 二 前号に掲げる場合以外の場合 特別清算開始の申立て 4 第一項又は第二項の規定により破産手続開始の決定があったときは、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権は、財団債権とする。 第三編 持分会社 第一章 設立 (定款の作成) 第五百七十五条 合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第五百七十六条 持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店の所在地 四 社員の氏名又は名称及び住所 五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準 2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。 第五百七十七条 前条に規定するもののほか、持分会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (合同会社の設立時の出資の履行) 第五百七十八条 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。 (持分会社の成立) 第五百七十九条 持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第二章 社員 第一節 社員の責任等 (社員の責任) 第五百八十条 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合 二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。) 2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員の抗弁) 第五百八十一条 社員が持分会社の債務を弁済する責任を負う場合には、社員は、持分会社が主張することができる抗弁をもって当該持分会社の債権者に対抗することができる。 2 前項に規定する場合において、持分会社がその債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって持分会社がその債務を免れるべき限度において、社員は、当該債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (社員の出資に係る責任) 第五百八十二条 社員が金銭を出資の目的とした場合において、その出資をすることを怠ったときは、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 2 社員が債権を出資の目的とした場合において、当該債権の債務者が弁済期に弁済をしなかったときは、当該社員は、その弁済をする責任を負う。 この場合においては、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (社員の責任を変更した場合の特則) 第五百八十三条 有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。 2 有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 3 無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。 4 前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (無限責任社員となることを許された未成年者の行為能力) 第五百八十四条 持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。 第二節 持分の譲渡等 (持分の譲渡) 第五百八十五条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 2 前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。 3 第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。 4 前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (持分の全部の譲渡をした社員の責任) 第五百八十六条 持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 第五百八十七条 持分会社は、その持分の全部又は一部を譲り受けることができない。 2 持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には、当該持分は、当該持分会社がこれを取得した時に、消滅する。 第三節 誤認行為の責任 (無限責任社員であると誤認させる行為等をした有限責任社員の責任) 第五百八十八条 合資会社の有限責任社員が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の有限責任社員がその責任の限度を誤認させる行為(前項の行為を除く。)をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 (社員であると誤認させる行為をした者の責任) 第五百八十九条 合名会社又は合資会社の社員でない者が自己を無限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合名会社又は合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。 2 合資会社又は合同会社の社員でない者が自己を有限責任社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合資会社又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。 第三章 管理 第一節 総則 (業務の執行) 第五百九十条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。 2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。 ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。 (業務を執行する社員を定款で定めた場合) 第五百九十一条 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が二人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。 この場合における前条第三項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、その業務を執行する社員の全員が退社したときは、当該定款の定めは、その効力を失う。 4 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、その業務を執行する社員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 5 前項の業務を執行する社員は、正当な事由がある場合に限り、他の社員の一致によって解任することができる。 6 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (社員の持分会社の業務及び財産状況に関する調査) 第五百九十二条 業務を執行する社員を定款で定めた場合には、各社員は、持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況を調査することができる。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに同項の規定による調査をすることを制限する旨を定めることができない。 第二節 業務を執行する社員 (業務を執行する社員と持分会社との関係) 第五百九十三条 業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。 2 業務を執行する社員は、法令及び定款を遵守し、持分会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 3 業務を執行する社員は、持分会社又は他の社員の請求があるときは、いつでもその職務の執行の状況を報告し、その職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 4 民法第六百四十六条から第六百五十条までの規定は、業務を執行する社員と持分会社との関係について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条第一項、第六百四十八条第二項、第六百四十八条の二、第六百四十九条及び第六百五十条中「委任事務」とあるのは「その職務」と、同法第六百四十八条第三項第一号中「委任事務」とあり、及び同項第二号中「委任」とあるのは「前項の職務」と読み替えるものとする。 5 前二項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (競業の禁止) 第五百九十四条 業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承認を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をすること。 二 持分会社の事業と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 業務を執行する社員が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定する。 (利益相反取引の制限) 第五百九十五条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。 二 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項各号の取引については、適用しない。 (業務を執行する社員の持分会社に対する損害賠償責任) 第五百九十六条 業務を執行する社員は、その任務を怠ったときは、持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (業務を執行する有限責任社員の第三者に対する損害賠償責任) 第五百九十七条 業務を執行する有限責任社員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該有限責任社員は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が業務を執行する社員である場合の特則) 第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。 2 第五百九十三条から前条までの規定は、前項の規定により選任された社員の職務を行うべき者について準用する。 (持分会社の代表) 第五百九十九条 業務を執行する社員は、持分会社を代表する。 ただし、他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の業務を執行する社員が二人以上ある場合には、業務を執行する社員は、各自、持分会社を代表する。 3 持分会社は、定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から持分会社を代表する社員を定めることができる。 4 持分会社を代表する社員は、持分会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (持分会社を代表する社員等の行為についての損害賠償責任) 第六百条 持分会社は、持分会社を代表する社員その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (持分会社と社員との間の訴えにおける会社の代表) 第六百一条 第五百九十九条第四項の規定にかかわらず、持分会社が社員に対し、又は社員が持分会社に対して訴えを提起する場合において、当該訴えについて持分会社を代表する者(当該社員を除く。)が存しないときは、当該社員以外の社員の過半数をもって、当該訴えについて持分会社を代表する者を定めることができる。 第六百二条 第五百九十九条第一項の規定にかかわらず、社員が持分会社に対して社員の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において、持分会社が当該請求の日から六十日以内に当該訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、当該訴えについて持分会社を代表することができる。 ただし、当該訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該持分会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 第三節 業務を執行する社員の職務を代行する者 第六百三条 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、持分会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った業務を執行する社員又は持分会社を代表する社員の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、持分会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 第四章 社員の加入及び退社 第一節 社員の加入 (社員の加入) 第六百四条 持分会社は、新たに社員を加入させることができる。 2 持分会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生ずる。 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が新たに社員を加入させる場合において、新たに社員となろうとする者が同項の定款の変更をした時にその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、その者は、当該払込み又は給付を完了した時に、合同会社の社員となる。 (加入した社員の責任) 第六百五条 持分会社の成立後に加入した社員は、その加入前に生じた持分会社の債務についても、これを弁済する責任を負う。 第二節 社員の退社 (任意退社) 第六百六条 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。 この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第六百七条 社員は、前条、第六百九条第一項、第六百四十二条第二項及び第八百四十五条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡 四 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。) 七 後見開始の審判を受けたこと。 八 除名 2 持分会社は、その社員が前項第五号から第七号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる。 (相続及び合併の場合の特則) 第六百八条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。 2 第六百四条第二項の規定にかかわらず、前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の一般承継人(社員以外のものに限る。)は、同項の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となる。 3 第一項の定款の定めがある場合には、持分会社は、同項の一般承継人が持分を承継した時に、当該一般承継人に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものであって、出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該出資に係る払込み又は給付の履行をする責任を負う。 5 第一項の一般承継人(相続により持分を承継したものに限る。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した持分についての権利を行使する者一人を定めなければ、当該持分についての権利を行使することができない。 ただし、持分会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (持分の差押債権者による退社) 第六百九条 社員の持分を差し押さえた債権者は、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができる。 この場合においては、当該債権者は、六箇月前までに持分会社及び当該社員にその予告をしなければならない。 2 前項後段の予告は、同項の社員が、同項の債権者に対し、弁済し、又は相当の担保を提供したときは、その効力を失う。 3 第一項後段の予告をした同項の債権者は、裁判所に対し、持分の払戻しの請求権の保全に関し必要な処分をすることを申し立てることができる。 (退社に伴う定款のみなし変更) 第六百十条 第六百六条、第六百七条第一項、前条第一項又は第六百四十二条第二項の規定により社員が退社した場合(第八百四十五条の規定により社員が退社したものとみなされる場合を含む。)には、持分会社は、当該社員が退社した時に、当該社員に係る定款の定めを廃止する定款の変更をしたものとみなす。 (退社に伴う持分の払戻し) 第六百十一条 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。 ただし、第六百八条第一項及び第二項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。 2 退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。 3 退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 4 退社の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 5 社員が除名により退社した場合における第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「退社の時」とあるのは、「除名の訴えを提起した時」とする。 6 前項に規定する場合には、持分会社は、除名の訴えを提起した日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 7 社員の持分の差押えは、持分の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 (退社した社員の責任) 第六百十二条 退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 2 前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。 (商号変更の請求) 第六百十三条 持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。 第五章 計算等 第一節 会計の原則 第六百十四条 持分会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。 第二節 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第六百十五条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 持分会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の提出命令) 第六百十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三節 計算書類 (計算書類の作成及び保存) 第六百十七条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。 3 計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 持分会社は、計算書類を作成した時から十年間、これを保存しなければならない。 (計算書類の閲覧等) 第六百十八条 持分会社の社員は、当該持分会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 計算書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 計算書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、定款によっても、社員が事業年度の終了時に同項各号に掲げる請求をすることを制限する旨を定めることができない。 (計算書類の提出命令) 第六百十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 資本金の額の減少 第六百二十条 持分会社は、損失のてん補のために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により減少する資本金の額は、損失の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えることができない。 第五節 利益の配当 (利益の配当) 第六百二十一条 社員は、持分会社に対し、利益の配当を請求することができる。 2 持分会社は、利益の配当を請求する方法その他の利益の配当に関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、利益の配当を請求する権利に対しても、その効力を有する。 (社員の損益分配の割合) 第六百二十二条 損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失の一方についてのみ分配の割合についての定めを定款で定めたときは、その割合は、利益及び損失の分配に共通であるものと推定する。 (有限責任社員の利益の配当に関する責任) 第六百二十三条 持分会社が利益の配当により有限責任社員に対して交付した金銭等の帳簿価額(以下この項において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額(持分会社の利益の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この章において同じ。)を超える場合には、当該利益の配当を受けた有限責任社員は、当該持分会社に対し、連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 2 前項に規定する場合における同項の利益の配当を受けた有限責任社員についての第五百八十条第二項の規定の適用については、同項中「を限度として」とあるのは、「及び第六百二十三条第一項の配当額が同項の利益額を超過する額(同項の義務を履行した額を除く。)の合計額を限度として」とする。 第六節 出資の払戻し 第六百二十四条 社員は、持分会社に対し、既に出資として払込み又は給付をした金銭等の払戻し(以下この編において「出資の払戻し」という。)を請求することができる。 この場合において、当該金銭等が金銭以外の財産であるときは、当該財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求することを妨げない。 2 持分会社は、出資の払戻しを請求する方法その他の出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる。 3 社員の持分の差押えは、出資の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。 第七節 合同会社の計算等に関する特則 第一款 計算書類の閲覧に関する特則 第六百二十五条 合同会社の債権者は、当該合同会社の営業時間内は、いつでも、その計算書類(作成した日から五年以内のものに限る。)について第六百十八条第一項各号に掲げる請求をすることができる。 第二款 資本金の額の減少に関する特則 (出資の払戻し又は持分の払戻しを行う場合の資本金の額の減少) 第六百二十六条 合同会社は、第六百二十条第一項の場合のほか、出資の払戻し又は持分の払戻しのために、その資本金の額を減少することができる。 2 前項の規定により出資の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十二条第二項に規定する出資払戻額から出資の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 3 第一項の規定により持分の払戻しのために減少する資本金の額は、第六百三十五条第一項に規定する持分払戻額から持分の払戻しをする日における剰余金額を控除して得た額を超えてはならない。 4 前二項に規定する「剰余金額」とは、第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(第四款及び第五款において同じ。)。 一 資産の額 二 負債の額 三 資本金の額 四 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 (債権者の異議) 第六百二十七条 合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金の額の減少の内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該資本金の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 資本金の額の減少は、前各項の手続が終了した日に、その効力を生ずる。 第三款 利益の配当に関する特則 (利益の配当の制限) 第六百二十八条 合同会社は、利益の配当により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「配当額」という。)が当該利益の配当をする日における利益額を超える場合には、当該利益の配当をすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十一条第一項の規定による請求を拒むことができる。 (利益の配当に関する責任) 第六百二十九条 合同会社が前条の規定に違反して利益の配当をした場合には、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、当該配当額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、利益の配当をした日における利益額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十条 前条第一項に規定する場合において、利益の配当を受けた社員は、配当額が利益の配当をした日における利益額を超えることにつき善意であるときは、当該配当額について、当該利益の配当に関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、利益の配当を受けた社員に対し、配当額(当該配当額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 3 第六百二十三条第二項の規定は、合同会社の社員については、適用しない。 (欠損が生じた場合の責任) 第六百三十一条 合同会社が利益の配当をした場合において、当該利益の配当をした日の属する事業年度の末日に欠損額(合同会社の欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、当該利益の配当に関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該利益の配当を受けた社員と連帯して、その欠損額(当該欠損額が配当額を超えるときは、当該配当額)を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 第四款 出資の払戻しに関する特則 (出資の払戻しの制限) 第六百三十二条 第六百二十四条第一項の規定にかかわらず、合同会社の社員は、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、同項前段の規定による請求をすることができない。 2 合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「出資払戻額」という。)が、第六百二十四条第一項前段の規定による請求をした日における剰余金額(第六百二十六条第一項の資本金の額の減少をした場合にあっては、その減少をした後の剰余金額。以下この款において同じ。)又は前項の出資の価額を減少した額のいずれか少ない額を超える場合には、当該出資の払戻しをすることができない。 この場合においては、合同会社は、第六百二十四条第一項前段の規定による請求を拒むことができる。 (出資の払戻しに関する社員の責任) 第六百三十三条 合同会社が前条の規定に違反して出資の払戻しをした場合には、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該出資の払戻しを受けた社員と連帯して、当該出資払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、当該業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、出資の払戻しをした日における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 (社員に対する求償権の制限等) 第六百三十四条 前条第一項に規定する場合において、出資の払戻しを受けた社員は、出資払戻額が出資の払戻しをした日における剰余金額を超えることにつき善意であるときは、当該出資払戻額について、当該出資の払戻しに関する業務を執行した社員からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項に規定する場合には、合同会社の債権者は、出資の払戻しを受けた社員に対し、出資払戻額(当該出資払戻額が当該債権者の合同会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 第五款 退社に伴う持分の払戻しに関する特則 (債権者の異議) 第六百三十五条 合同会社が持分の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「持分払戻額」という。)が当該持分の払戻しをする日における剰余金額を超える場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、持分の払戻しについて異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月(持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合にあっては、二箇月)を下ることができない。 一 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、この限りでない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該持分の払戻しについて承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合において、当該持分の払戻しをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (業務を執行する社員の責任) 第六百三十六条 合同会社が前条の規定に違反して持分の払戻しをした場合には、当該持分の払戻しに関する業務を執行した社員は、当該合同会社に対し、当該持分の払戻しを受けた社員と連帯して、当該持分払戻額に相当する金銭を支払う義務を負う。 ただし、持分の払戻しに関する業務を執行した社員がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 2 前項の義務は、免除することができない。 ただし、持分の払戻しをした時における剰余金額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 第六章 定款の変更 (定款の変更) 第六百三十七条 持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。 (定款の変更による持分会社の種類の変更) 第六百三十八条 合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 二 その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更 合資会社 三 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 2 合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社 3 合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。 一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社 二 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社 三 その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更 合資会社 (合資会社の社員の退社による定款のみなし変更) 第六百三十九条 合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなす。 2 合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなす。 (定款の変更時の出資の履行) 第六百四十条 第六百三十八条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる定款の変更をする場合において、当該定款の変更をする持分会社の社員が当該定款の変更後の合同会社に対する出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更は、当該払込み及び給付が完了した日に、その効力を生ずる。 2 前条第二項の規定により合同会社となる定款の変更をしたものとみなされた場合において、社員がその出資に係る払込み又は給付の全部又は一部を履行していないときは、当該定款の変更をしたものとみなされた日から一箇月以内に、当該払込み又は給付を完了しなければならない。 ただし、当該期間内に、合名会社又は合資会社となる定款の変更をした場合は、この限りでない。 第七章 解散 (解散の事由) 第六百四十一条 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 総社員の同意 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判 (持分会社の継続) 第六百四十二条 持分会社は、前条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、次章の規定による清算が結了するまで、社員の全部又は一部の同意によって、持分会社を継続することができる。 2 前項の場合には、持分会社を継続することについて同意しなかった社員は、持分会社が継続することとなった日に、退社する。 (解散した持分会社の合併等の制限) 第六百四十三条 持分会社が解散した場合には、当該持分会社は、次に掲げる行為をすることができない。 一 合併(合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第八章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第六百四十四条 持分会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第六百四十一条第五号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算持分会社の能力) 第六百四十五条 前条の規定により清算をする持分会社(以下「清算持分会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算人 (清算人の設置) 第六百四十六条 清算持分会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 (清算人の就任) 第六百四十七条 次に掲げる者は、清算持分会社の清算人となる。 一 業務を執行する社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員(業務を執行する社員を定款で定めた場合にあっては、その社員)の過半数の同意によって定める者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第六百四十一条第四号又は第七号に掲げる事由によって解散した清算持分会社については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第六百四十四条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算持分会社については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 (清算人の解任) 第六百四十八条 清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、解任することができる。 2 前項の規定による解任は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、社員その他利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 (清算人の職務) 第六百四十九条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の分配 (業務の執行) 第六百五十条 清算人は、清算持分会社の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の規定にかかわらず、社員が二人以上ある場合には、清算持分会社の事業の全部又は一部の譲渡は、社員の過半数をもって決定する。 (清算人と清算持分会社との関係) 第六百五十一条 清算持分会社と清算人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 第五百九十三条第二項、第五百九十四条及び第五百九十五条の規定は、清算人について準用する。 この場合において、第五百九十四条第一項及び第五百九十五条第一項中「当該社員以外の社員」とあるのは、「社員(当該清算人が社員である場合にあっては、当該清算人以外の社員)」と読み替えるものとする。 (清算人の清算持分会社に対する損害賠償責任) 第六百五十二条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算持分会社に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第六百五十三条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (法人が清算人である場合の特則) 第六百五十四条 法人が清算人である場合には、当該法人は、当該清算人の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を社員に通知しなければならない。 2 前三条の規定は、前項の規定により選任された清算人の職務を行うべき者について準用する。 (清算持分会社の代表) 第六百五十五条 清算人は、清算持分会社を代表する。 ただし、他に清算持分会社を代表する清算人その他清算持分会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算持分会社を代表する。 3 清算持分会社は、定款又は定款の定めに基づく清算人(第六百四十七条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選によって、清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 4 第六百四十七条第一項第一号の規定により業務を執行する社員が清算人となる場合において、持分会社を代表する社員を定めていたときは、当該持分会社を代表する社員が清算持分会社を代表する清算人となる。 5 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算持分会社を代表する清算人を定めることができる。 6 第五百九十九条第四項及び第五項の規定は清算持分会社を代表する清算人について、第六百三条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は清算持分会社を代表する清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算持分会社についての破産手続の開始) 第六百五十六条 清算持分会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算持分会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算持分会社が既に債権者に支払い、又は社員に分配したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第六百五十七条 裁判所は、第六百四十七条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算持分会社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第六百五十八条 清算人は、その就任後遅滞なく、清算持分会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この節において「財産目録等」という。)を作成し、各社員にその内容を通知しなければならない。 2 清算持分会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 3 清算持分会社は、社員の請求により、毎月清算の状況を報告しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第六百五十九条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第六百六十条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この項及び次条において同じ。)は、第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算持分会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第六百六十一条 清算持分会社は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算持分会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算持分会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算持分会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第六百六十二条 清算持分会社は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算持分会社は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (出資の履行の請求) 第六百六十三条 清算持分会社に現存する財産がその債務を完済するのに足りない場合において、その出資の全部又は一部を履行していない社員があるときは、当該出資に係る定款の定めにかかわらず、当該清算持分会社は、当該社員に出資させることができる。 (債務の弁済前における残余財産の分配の制限) 第六百六十四条 清算持分会社は、当該清算持分会社の債務を弁済した後でなければ、その財産を社員に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第六百六十五条 清算持分会社(合同会社に限る。以下この条において同じ。)の債権者(知れている債権者を除く。)であって第六百六十条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、分配がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 清算持分会社の残余財産を社員の一部に分配した場合には、当該社員の受けた分配と同一の割合の分配を当該社員以外の社員に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第五節 残余財産の分配 (残余財産の分配の割合) 第六百六十六条 残余財産の分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。 第六節 清算事務の終了等 第六百六十七条 清算持分会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならない。 2 社員が一箇月以内に前項の計算について異議を述べなかったときは、社員は、当該計算の承認をしたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 第七節 任意清算 (財産の処分の方法) 第六百六十八条 持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、定款又は総社員の同意によって、当該持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合における当該持分会社の財産の処分の方法を定めることができる。 2 第二節から前節までの規定は、前項の財産の処分の方法を定めた持分会社については、適用しない。 (財産目録等の作成) 第六百六十九条 前条第一項の財産の処分の方法を定めた持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合には、清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この節において同じ。)は、解散の日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 2 前条第一項の財産の処分の方法を定めていない持分会社が第六百四十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合において、解散後に同項の財産の処分の方法を定めたときは、清算持分会社は、当該財産の処分の方法を定めた日から二週間以内に、法務省令で定めるところにより、解散の日における財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。 (債権者の異議) 第六百七十条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合には、その解散後の清算持分会社の債権者は、当該清算持分会社に対し、当該財産の処分の方法について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、清算持分会社は、解散の日(前条第二項に規定する場合にあっては、当該財産の処分の方法を定めた日)から二週間以内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 第六百六十八条第一項の財産の処分の方法に従い清算をする旨 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、清算持分会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該財産の処分の方法について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、清算持分会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 (持分の差押債権者の同意等) 第六百七十一条 持分会社が第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合において、社員の持分を差し押さえた債権者があるときは、その解散後の清算持分会社がその財産の処分をするには、その債権者の同意を得なければならない。 2 前項の清算持分会社が同項の規定に違反してその財産の処分をしたときは、社員の持分を差し押さえた債権者は、当該清算持分会社に対し、その持分に相当する金額の支払を請求することができる。 第八節 帳簿資料の保存 第六百七十二条 清算人(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、清算持分会社を代表する社員)は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算持分会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、定款で又は社員の過半数をもって帳簿資料を保存する者を定めた場合には、その者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 3 裁判所は、利害関係人の申立てにより、第一項の清算人又は前項の規定により帳簿資料を保存する者に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 前項の規定により選任された者は、清算持分会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 5 第三項の規定による選任の手続に関する費用は、清算持分会社の負担とする。 第九節 社員の責任の消滅時効 第六百七十三条 第五百八十条に規定する社員の責任は、清算持分会社の本店の所在地における解散の登記をした後五年以内に請求又は請求の予告をしない清算持分会社の債権者に対しては、その登記後五年を経過した時に消滅する。 2 前項の期間の経過後であっても、社員に分配していない残余財産があるときは、清算持分会社の債権者は、清算持分会社に対して弁済を請求することができる。 第十節 適用除外等 (適用除外) 第六百七十四条 次に掲げる規定は、清算持分会社については、適用しない。 一 第四章第一節 二 第六百六条、第六百七条第一項(第三号及び第四号を除く。)及び第六百九条 三 第五章第三節(第六百十七条第四項、第六百十八条及び第六百十九条を除く。)から第六節まで及び第七節第二款 四 第六百三十八条第一項第三号及び第二項第二号 (相続及び合併による退社の特則) 第六百七十五条 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、第六百八条第一項の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。 この場合においては、同条第四項及び第五項の規定を準用する。 第四編 社債 第一章 総則 (募集社債に関する事項の決定) 第六百七十六条 会社は、その発行する社債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この編において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。 一 募集社債の総額 二 各募集社債の金額 三 募集社債の利率 四 募集社債の償還の方法及び期限 五 利息支払の方法及び期限 六 社債券を発行するときは、その旨 七 社債権者が第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 七の二 社債管理者を定めないこととするときは、その旨 八 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨 八の二 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨 九 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法 十 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日 十一 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日 十二 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (募集社債の申込み) 第六百七十七条 会社は、前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 会社の商号 二 当該募集に係る前条各号に掲げる事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数 三 会社が前条第九号の最低金額を定めたときは、希望する払込金額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集社債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (募集社債の割当て) 第六百七十八条 会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。 この場合において、会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 会社は、第六百七十六条第十号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければならない。 (募集社債の申込み及び割当てに関する特則) 第六百七十九条 前二条の規定は、募集社債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (募集社債の社債権者) 第六百八十条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集社債の社債権者となる。 一 申込者 会社の割り当てた募集社債 二 前条の契約により募集社債の総額を引き受けた者 その者が引き受けた募集社債 (社債原簿) 第六百八十一条 会社は、社債を発行した日以後遅滞なく、社債原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「社債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 第六百七十六条第三号から第八号の二までに掲げる事項その他の社債の内容を特定するものとして法務省令で定める事項(以下この編において「種類」という。) 二 種類ごとの社債の総額及び各社債の金額 三 各社債と引換えに払い込まれた金銭の額及び払込みの日 四 社債権者(無記名社債(無記名式の社債券が発行されている社債をいう。以下この編において同じ。)の社債権者を除く。)の氏名又は名称及び住所 五 前号の社債権者が各社債を取得した日 六 社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数 七 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第六百八十二条 社債権者(無記名社債の社債権者を除く。)は、社債を発行した会社(以下この編において「社債発行会社」という。)に対し、当該社債権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された社債原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該社債原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 前三項の規定は、当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (社債原簿管理人) 第六百八十三条 会社は、社債原簿管理人(会社に代わって社債原簿の作成及び備置きその他の社債原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (社債原簿の備置き及び閲覧等) 第六百八十四条 社債発行会社は、社債原簿をその本店(社債原簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。 2 社債権者その他の法務省令で定める者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社債原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社債原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 社債発行会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 当該請求を行う者が社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 三 当該請求を行う者が、過去二年以内において、社債原簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 社債発行会社が株式会社である場合には、当該社債発行会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該社債発行会社の社債原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。 (社債権者に対する通知等) 第六百八十五条 社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告は、社債原簿に記載し、又は記録した当該社債権者の住所(当該社債権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該社債発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、社債発行会社が社債権者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該社債発行会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を社債権者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、社債発行会社が社債の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 前各項の規定は、第七百二十条第一項の通知に際して社債権者に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (共有者による権利の行使) 第六百八十六条 社債が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該社債についての権利を行使する者一人を定め、会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該社債についての権利を行使することができない。 ただし、会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 (社債券を発行する場合の社債の譲渡) 第六百八十七条 社債券を発行する旨の定めがある社債の譲渡は、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の譲渡の対抗要件) 第六百八十八条 社債の譲渡は、その社債を取得した者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 当該社債について社債券を発行する旨の定めがある場合における前項の規定の適用については、同項中「社債発行会社その他の第三者」とあるのは、「社債発行会社」とする。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (権利の推定等) 第六百八十九条 社債券の占有者は、当該社債券に係る社債についての権利を適法に有するものと推定する。 2 社債券の交付を受けた者は、当該社債券に係る社債についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十条 社債発行会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の社債の社債権者に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 当該社債発行会社の社債を取得した場合 二 当該社債発行会社が有する自己の社債を処分した場合 2 前項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録) 第六百九十一条 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)は、当該社債発行会社に対し、当該社債に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した社債の社債権者として社債原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。 (社債券を発行する場合の社債の質入れ) 第六百九十二条 社債券を発行する旨の定めがある社債の質入れは、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。 (社債の質入れの対抗要件) 第六百九十三条 社債の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の規定にかかわらず、社債券を発行する旨の定めがある社債の質権者は、継続して当該社債に係る社債券を占有しなければ、その質権をもって社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する社債原簿の記載等) 第六百九十四条 社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、次に掲げる事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である社債 2 前項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。 (質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第六百九十五条 前条第一項各号に掲げる事項が社債原簿に記載され、又は記録された質権者は、社債発行会社に対し、当該質権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (信託財産に属する社債についての対抗要件等) 第六百九十五条の二 社債については、当該社債が信託財産に属する旨を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、当該社債が信託財産に属することを社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。 2 第六百八十一条第四号の社債権者は、その有する社債が信託財産に属するときは、社債発行会社に対し、その旨を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 社債原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第六百八十二条第一項及び第六百九十条第一項の規定の適用については、第六百八十二条第一項中「記録された社債原簿記載事項」とあるのは「記録された社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」と、第六百九十条第一項中「社債原簿記載事項」とあるのは「社債原簿記載事項(当該社債権者の有する社債が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 4 前三項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある社債については、適用しない。 (社債券の発行) 第六百九十六条 社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければならない。 (社債券の記載事項) 第六百九十七条 社債券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 社債発行会社の商号 二 当該社債券に係る社債の金額 三 当該社債券に係る社債の種類 2 社債券には、利札を付することができる。 (記名式と無記名式との間の転換) 第六百九十八条 社債券が発行されている社債の社債権者は、第六百七十六条第七号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の社債券を無記名式とし、又はその無記名式の社債券を記名式とすることを請求することができる。 (社債券の喪失) 第六百九十九条 社債券は、非訟事件手続法第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 社債券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 (利札が欠けている場合における社債の償還) 第七百条 社債発行会社は、社債券が発行されている社債をその償還の期限前に償還する場合において、これに付された利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければならない。 ただし、当該請求権が弁済期にある場合は、この限りでない。 2 前項の利札の所持人は、いつでも、社債発行会社に対し、これと引換えに同項の規定により控除しなければならない額の支払を請求することができる。 (社債の償還請求権等の消滅時効) 第七百一条 社債の償還請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 社債の利息の請求権及び前条第二項の規定による請求権は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 第二章 社債管理者 (社債管理者の設置) 第七百二条 会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。 ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合は、この限りでない。 (社債管理者の資格) 第七百三条 社債管理者は、次に掲げる者でなければならない。 一 銀行 二 信託会社 三 前二号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして法務省令で定める者 (社債管理者の義務) 第七百四条 社債管理者は、社債権者のために、公平かつ誠実に社債の管理を行わなければならない。 2 社債管理者は、社債権者に対し、善良な管理者の注意をもって社債の管理を行わなければならない。 (社債管理者の権限等) 第七百五条 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。 この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。 3 前項前段の規定による請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 第七百六条 社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 ただし、第二号に掲げる行為については、第六百七十六条第八号に掲げる事項についての定めがあるときは、この限りでない。 一 当該社債の全部についてするその支払の猶予、その債務若しくはその債務の不履行によって生じた責任の免除又は和解(次号に掲げる行為を除く。) 二 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(前条第一項の行為を除く。) 2 社債管理者は、前項ただし書の規定により社債権者集会の決議によらずに同項第二号に掲げる行為をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 3 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 4 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項各号に掲げる行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。 (特別代理人の選任) 第七百七条 社債権者と社債管理者との利益が相反する場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする必要があるときは、裁判所は、社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任しなければならない。 (社債管理者等の行為の方式) 第七百八条 社債管理者又は前条の特別代理人が社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、個別の社債権者を表示することを要しない。 (二以上の社債管理者がある場合の特則) 第七百九条 二以上の社債管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 2 前項に規定する場合において、社債管理者が第七百五条第一項の弁済を受けたときは、社債管理者は、社債権者に対し、連帯して、当該弁済の額を支払う義務を負う。 (社債管理者の責任) 第七百十条 社債管理者は、この法律又は社債権者集会の決議に違反する行為をしたときは、社債権者に対し、連帯して、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 社債管理者は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に、次に掲げる行為をしたときは、社債権者に対し、損害を賠償する責任を負う。 ただし、当該社債管理者が誠実にすべき社債の管理を怠らなかったこと又は当該損害が当該行為によって生じたものでないことを証明したときは、この限りでない。 一 当該社債管理者の債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けること。 二 当該社債管理者と法務省令で定める特別の関係がある者に対して当該社債管理者の債権を譲り渡すこと(当該特別の関係がある者が当該債権に係る債務について社債発行会社から担保の供与又は債務の消滅に関する行為を受けた場合に限る。)。 三 当該社債管理者が社債発行会社に対する債権を有する場合において、契約によって負担する債務を専ら当該債権をもってする相殺に供する目的で社債発行会社の財産の処分を内容とする契約を社債発行会社との間で締結し、又は社債発行会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結し、かつ、これにより社債発行会社に対し負担した債務と当該債権とを相殺すること。 四 当該社債管理者が社債発行会社に対して債務を負担する場合において、社債発行会社に対する債権を譲り受け、かつ、当該債務と当該債権とを相殺すること。 (社債管理者の辞任) 第七百十一条 社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任することができる。 この場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、第七百二条の規定による委託に係る契約に定めた事由があるときは、辞任することができる。 ただし、当該契約に事務を承継する社債管理者に関する定めがないときは、この限りでない。 3 第一項の規定にかかわらず、社債管理者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (社債管理者が辞任した場合の責任) 第七百十二条 第七百十条第二項の規定は、社債発行会社が社債の償還若しくは利息の支払を怠り、若しくは社債発行会社について支払の停止があった後又はその前三箇月以内に前条第二項の規定により辞任した社債管理者について準用する。 (社債管理者の解任) 第七百十三条 裁判所は、社債管理者がその義務に違反したとき、その事務処理に不適任であるときその他正当な理由があるときは、社債発行会社又は社債権者集会の申立てにより、当該社債管理者を解任することができる。 (社債管理者の事務の承継) 第七百十四条 社債管理者が次のいずれかに該当することとなった場合において、他に社債管理者がないときは、社債発行会社は、事務を承継する社債管理者を定め、社債権者のために、社債の管理を行うことを委託しなければならない。 この場合においては、社債発行会社は、社債権者集会の同意を得るため、遅滞なく、これを招集し、かつ、その同意を得ることができなかったときは、その同意に代わる裁判所の許可の申立てをしなければならない。 一 第七百三条各号に掲げる者でなくなったとき。 二 第七百十一条第三項の規定により辞任したとき。 三 前条の規定により解任されたとき。 四 解散したとき。 2 社債発行会社は、前項前段に規定する場合において、同項各号のいずれかに該当することとなった日後二箇月以内に、同項後段の規定による招集をせず、又は同項後段の申立てをしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 3 第一項前段に規定する場合において、やむを得ない事由があるときは、利害関係人は、裁判所に対し、事務を承継する社債管理者の選任の申立てをすることができる。 4 社債発行会社は、第一項前段の規定により事務を承継する社債管理者を定めた場合(社債権者集会の同意を得た場合を除く。)又は前項の規定による事務を承継する社債管理者の選任があった場合には、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。 第二章の二 社債管理補助者 (社債管理補助者の設置) 第七百十四条の二 会社は、第七百二条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。 ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。 (社債管理補助者の資格) 第七百十四条の三 社債管理補助者は、第七百三条各号に掲げる者その他法務省令で定める者でなければならない。 (社債管理補助者の権限等) 第七百十四条の四 社債管理補助者は、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 二 強制執行又は担保権の実行の手続における配当要求 三 第四百九十九条第一項の期間内に債権の申出をすること。 2 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に定める範囲内において、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。 一 社債に係る債権の弁済を受けること。 二 第七百五条第一項の行為(前項各号及び前号に掲げる行為を除く。) 三 第七百六条第一項各号に掲げる行為 四 社債発行会社が社債の総額について期限の利益を喪失することとなる行為 3 前項の場合において、社債管理補助者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 前項第二号に掲げる行為であって、次に掲げるもの イ 当該社債の全部についてするその支払の請求 ロ 当該社債の全部に係る債権に基づく強制執行、仮差押え又は仮処分 ハ 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(イ及びロに掲げる行為を除く。) 二 前項第三号及び第四号に掲げる行為 4 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に従い、社債の管理に関する事項を社債権者に報告し、又は社債権者がこれを知ることができるようにする措置をとらなければならない。 5 第七百五条第二項及び第三項の規定は、第二項第一号に掲げる行為をする権限を有する社債管理補助者について準用する。 (二以上の社債管理補助者がある場合の特則) 第七百十四条の五 二以上の社債管理補助者があるときは、社債管理補助者は、各自、その権限に属する行為をしなければならない。 2 社債管理補助者が社債権者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の社債管理補助者も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (社債管理者等との関係) 第七百十四条の六 第七百二条の規定による委託に係る契約又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の効力が生じた場合には、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約は、終了する。 (社債管理者に関する規定の準用) 第七百十四条の七 第七百四条、第七百七条、第七百八条、第七百十条第一項、第七百十一条、第七百十三条及び第七百十四条の規定は、社債管理補助者について準用する。 この場合において、第七百四条中「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、同項中「社債権者に対し、連帯して」とあるのは「社債権者に対し」と、第七百十一条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「において」と、同条第二項中「第七百二条」とあるのは「第七百十四条の二」と、第七百十四条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「には」と、「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、「第七百三条各号に掲げる」とあるのは「第七百十四条の三に規定する」と、「解散した」とあるのは「死亡し、又は解散した」と読み替えるものとする。 第三章 社債権者集会 (社債権者集会の構成) 第七百十五条 社債権者は、社債の種類ごとに社債権者集会を組織する。 (社債権者集会の権限) 第七百十六条 社債権者集会は、この法律に規定する事項及び社債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。 (社債権者集会の招集) 第七百十七条 社債権者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 社債権者集会は、次項又は次条第三項の規定により招集する場合を除き、社債発行会社又は社債管理者が招集する。 3 次に掲げる場合には、社債管理補助者は、社債権者集会を招集することができる。 一 次条第一項の規定による請求があった場合 二 第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意を得るため必要がある場合 (社債権者による招集の請求) 第七百十八条 ある種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者は、社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に対し、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、社債権者集会の招集を請求することができる。 2 社債発行会社が有する自己の当該種類の社債の金額の合計額は、前項に規定する社債の総額に算入しない。 3 次に掲げる場合には、第一項の規定による請求をした社債権者は、裁判所の許可を得て、社債権者集会を招集することができる。 一 第一項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 第一項の規定による請求があった日から八週間以内の日を社債権者集会の日とする社債権者集会の招集の通知が発せられない場合 4 第一項の規定による請求又は前項の規定による招集をしようとする無記名社債の社債権者は、その社債券を社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者に提示しなければならない。 (社債権者集会の招集の決定) 第七百十九条 社債権者集会を招集する者(以下この章において「招集者」という。)は、社債権者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社債権者集会の日時及び場所 二 社債権者集会の目的である事項 三 社債権者集会に出席しない社債権者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (社債権者集会の招集の通知) 第七百二十条 社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の二週間前までに、知れている社債権者及び社債発行会社並びに社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては社債管理者又は社債管理補助者に対して、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 社債発行会社が無記名式の社債券を発行している場合において、社債権者集会を招集するには、招集者は、社債権者集会の日の三週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を公告しなければならない。 5 前項の規定による公告は、社債発行会社における公告の方法によりしなければならない。 ただし、招集者が社債発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。 (社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第七百二十一条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている社債権者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「社債権者集会参考書類」という。)及び社債権者が議決権を行使するための書面(以下この章において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした社債権者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社債権者の請求があったときは、これらの書類を当該社債権者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、社債権者集会の日の一週間前までに無記名社債の社債権者の請求があったときは、直ちに、社債権者集会参考書類及び議決権行使書面を当該社債権者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による社債権者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、社債権者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第七百二十二条 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第七百二十条第二項の承諾をした社債権者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社債権者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第七百二十条第二項の承諾をしていない社債権者から社債権者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社債権者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (議決権の額等) 第七百二十三条 社債権者は、社債権者集会において、その有する当該種類の社債の金額の合計額(償還済みの額を除く。)に応じて、議決権を有する。 2 前項の規定にかかわらず、社債発行会社は、その有する自己の社債については、議決権を有しない。 3 議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は、社債権者集会の日の一週間前までに、その社債券を招集者に提示しなければならない。 (社債権者集会の決議) 第七百二十四条 社債権者集会において決議をする事項を可決するには、出席した議決権者(議決権を行使することができる社債権者をいう。以下この章において同じ。)の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者の同意がなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、社債権者集会において次に掲げる事項を可決するには、議決権者の議決権の総額の五分の一以上で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の三分の二以上の議決権を有する者の同意がなければならない。 一 第七百六条第一項各号に掲げる行為に関する事項 二 第七百六条第一項、第七百十四条の四第三項(同条第二項第三号に掲げる行為に係る部分に限る。)、第七百三十六条第一項、第七百三十七条第一項ただし書及び第七百三十八条の規定により社債権者集会の決議を必要とする事項 3 社債権者集会は、第七百十九条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第七百二十五条 社債権者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社債権者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の社債権者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社債権者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第七百二十六条 社債権者集会に出席しない社債権者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (電磁的方法による議決権の行使) 第七百二十七条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 社債権者が第七百二十条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の額は、出席した議決権者の議決権の額に算入する。 (議決権の不統一行使) 第七百二十八条 社債権者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、社債権者集会の日の三日前までに、招集者に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の社債権者が他人のために社債を有する者でないときは、当該社債権者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (社債発行会社の代表者の出席等) 第七百二十九条 社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者は、その代表者若しくは代理人を社債権者集会に出席させ、又は書面により意見を述べることができる。 ただし、社債管理者又は社債管理補助者にあっては、その社債権者集会が第七百七条(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の特別代理人の選任について招集されたものであるときは、この限りでない。 2 社債権者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、社債発行会社に対し、その代表者又は代理人の出席を求めることができる。 この場合において、社債権者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第七百三十条 社債権者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第七百十九条及び第七百二十条の規定は、適用しない。 (議事録) 第七百三十一条 社債権者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 社債発行会社は、社債権者集会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社債権者集会の決議の認可の申立て) 第七百三十二条 社債権者集会の決議があったときは、招集者は、当該決議があった日から一週間以内に、裁判所に対し、当該決議の認可の申立てをしなければならない。 (社債権者集会の決議の不認可) 第七百三十三条 裁判所は、次のいずれかに該当する場合には、社債権者集会の決議の認可をすることができない。 一 社債権者集会の招集の手続又はその決議の方法が法令又は第六百七十六条の募集のための当該社債発行会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料に記載され、若しくは記録された事項に違反するとき。 二 決議が不正の方法によって成立するに至ったとき。 三 決議が著しく不公正であるとき。 四 決議が社債権者の一般の利益に反するとき。 (社債権者集会の決議の効力) 第七百三十四条 社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 社債権者集会の決議は、当該種類の社債を有するすべての社債権者に対してその効力を有する。 (社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定の公告) 第七百三十五条 社債発行会社は、社債権者集会の決議の認可又は不認可の決定があった場合には、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。 (社債権者集会の決議の省略) 第七百三十五条の二 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。 2 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。 (代表社債権者の選任等) 第七百三十六条 社債権者集会においては、その決議によって、当該種類の社債の総額(償還済みの額を除く。)の千分の一以上に当たる社債を有する社債権者の中から、一人又は二人以上の代表社債権者を選任し、これに社債権者集会において決議をする事項についての決定を委任することができる。 2 第七百十八条第二項の規定は、前項に規定する社債の総額について準用する。 3 代表社債権者が二人以上ある場合において、社債権者集会において別段の定めを行わなかったときは、第一項に規定する事項についての決定は、その過半数をもって行う。 (社債権者集会の決議の執行) 第七百三十七条 社債権者集会の決議は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が執行する。 ただし、社債権者集会の決議によって別に社債権者集会の決議を執行する者を定めたときは、この限りでない。 一 社債管理者がある場合 社債管理者 二 社債管理補助者がある場合において、社債管理補助者の権限に属する行為に関する事項を可決する旨の社債権者集会の決議があったとき 社債管理補助者 三 前二号に掲げる場合以外の場合 代表社債権者 2 第七百五条第一項から第三項まで、第七百八条及び第七百九条の規定は、代表社債権者又は前項ただし書の規定により定められた社債権者集会の決議を執行する者(以下この章において「決議執行者」という。)が社債権者集会の決議を執行する場合について準用する。 (代表社債権者等の解任等) 第七百三十八条 社債権者集会においては、その決議によって、いつでも、代表社債権者若しくは決議執行者を解任し、又はこれらの者に委任した事項を変更することができる。 (社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失) 第七百三十九条 社債発行会社が社債の利息の支払を怠ったとき、又は定期に社債の一部を償還しなければならない場合においてその償還を怠ったときは、社債権者集会の決議に基づき、当該決議を執行する者は、社債発行会社に対し、一定の期間内にその弁済をしなければならない旨及び当該期間内にその弁済をしないときは当該社債の総額について期限の利益を喪失する旨を書面により通知することができる。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の決議を執行する者は、同項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、社債発行会社の承諾を得て、同項の規定により通知する事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該決議を執行する者は、当該書面による通知をしたものとみなす。 3 社債発行会社は、第一項の期間内に同項の弁済をしなかったときは、当該社債の総額について期限の利益を喪失する。 (債権者の異議手続の特則) 第七百四十条 第四百四十九条、第六百二十七条、第六百三十五条、第六百七十条、第七百七十九条(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条(第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十六条の八の規定により社債権者が異議を述べるには、社債権者集会の決議によらなければならない。 この場合においては、裁判所は、利害関係人の申立てにより、社債権者のために異議を述べることができる期間を伸長することができる。 2 前項の規定にかかわらず、社債管理者は、社債権者のために、異議を述べることができる。 ただし、第七百二条の規定による委託に係る契約に別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 社債発行会社における第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百八十九条第二項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第七百九十九条第二項(第八百二条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第八百十条第二項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第八百十六条の八第二項の規定の適用については、第四百四十九条第二項、第六百二十七条第二項、第六百三十五条第二項、第六百七十条第二項、第七百七十九条第二項、第七百九十九条第二項及び第八百十六条の八第二項中「知れている債権者」とあるのは「知れている債権者(社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては、当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」と、第七百八十九条第二項及び第八百十条第二項中「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)」とあるのは「知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限り、社債管理者又は社債管理補助者がある場合にあっては当該社債管理者又は社債管理補助者を含む。)」とする。 (社債管理者等の報酬等) 第七百四十一条 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者に対して与えるべき報酬、その事務処理のために要する費用及びその支出の日以後における利息並びにその事務処理のために自己の過失なくして受けた損害の賠償額は、社債発行会社との契約に定めがある場合を除き、裁判所の許可を得て、社債発行会社の負担とすることができる。 2 前項の許可の申立ては、社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者がする。 3 社債管理者、社債管理補助者、代表社債権者又は決議執行者は、第一項の報酬、費用及び利息並びに損害の賠償額に関し、第七百五条第一項(第七百三十七条第二項において準用する場合を含む。)又は第七百十四条の四第二項第一号の弁済を受けた額について、社債権者に先立って弁済を受ける権利を有する。 (社債権者集会等の費用の負担) 第七百四十二条 社債権者集会に関する費用は、社債発行会社の負担とする。 2 第七百三十二条の申立てに関する費用は、社債発行会社の負担とする。 ただし、裁判所は、社債発行会社その他利害関係人の申立てにより又は職権で、当該費用の全部又は一部について、招集者その他利害関係人の中から別に負担者を定めることができる。 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付 第一章 組織変更 第一節 通則 (組織変更計画の作成) 第七百四十三条 会社は、組織変更をすることができる。 この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。 第二節 株式会社の組織変更 (株式会社の組織変更計画) 第七百四十四条 株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 組織変更後持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 組織変更後持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、組織変更後持分会社の定款で定める事項 五 組織変更後持分会社が組織変更に際して組織変更をする株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(組織変更後持分会社の持分を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債であるときは、当該社債の種類(第百七条第二項第二号ロに規定する社債の種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の株主(組織変更をする株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、組織変更後持分会社が組織変更に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 九 組織変更がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 組織変更後持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 組織変更後持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 組織変更後持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (株式会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十五条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、組織変更後持分会社の社員となる。 4 前条第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号イの社債の社債権者となる。 5 組織変更をする株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百七十九条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第三節 持分会社の組織変更 (持分会社の組織変更計画) 第七百四十六条 持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項 三 組織変更後株式会社の取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称 ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 組織変更後株式会社の監査役の氏名 ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称 五 組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法 六 組織変更をする持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭等(組織変更後株式会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が組織変更後株式会社の社債等(社債及び新株予約権をいう。以下この編において同じ。)以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 八 前号に規定する場合には、組織変更をする持分会社の社員に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 九 効力発生日 2 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。 (持分会社の組織変更の効力の発生等) 第七百四十七条 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、株式会社となる。 2 組織変更をする持分会社は、効力発生日に、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 3 組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 4 次の各号に掲げる場合には、組織変更をする持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、第七百八十一条第二項において準用する第七百七十九条(第二項第二号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。 第二章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 株式会社が存続する吸収合併 (株式会社が存続する吸収合併契約) 第七百四十九条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である吸収合併存続会社(以下この編において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併により消滅する会社(以下この編において「吸収合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して吸収合併存続株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの吸収合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収合併存続株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 六 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続株式会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 5 前条第一項第四号イに規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、効力発生日に、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号イの吸収合併存続株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 持分会社が存続する吸収合併 (持分会社が存続する吸収合併契約) 第七百五十一条 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併存続会社が持分会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である吸収合併存続会社(以下この節において「吸収合併存続持分会社」という。)及び吸収合併消滅会社の商号及び住所 二 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員が吸収合併に際して吸収合併存続持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収合併存続持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等(吸収合併存続持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収合併存続持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続持分会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続持分会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 七 効力発生日 2 前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続持分会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続持分会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (持分会社が存続する吸収合併の効力の発生等) 第七百五十二条 吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収合併存続持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 吸収合併消滅株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第三節 新設合併 第一款 株式会社を設立する新設合併 (株式会社を設立する新設合併契約) 第七百五十三条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社(以下この編において「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する会社(以下この編において「新設合併消滅会社」という。)の商号及び住所 二 株式会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立株式会社の定款で定める事項 四 新設合併設立株式会社の設立時取締役の氏名 五 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設合併設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設合併設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して株式会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である新設合併消滅会社(以下この編において「新設合併消滅持分会社」という。)の社員に対して交付するその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設合併設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設合併設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立株式会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項 イ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して新設合併設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ロ イに規定する場合において、イの新設合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設合併設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、新設合併消滅株式会社の全部又は一部が種類株式発行会社であるときは、新設合併消滅会社は、新設合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第七号に掲げる事項(新設合併消滅株式会社の株主に係る事項に限る。次項において同じ。)として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して新設合併設立株式会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、新設合併設立株式会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第七号に掲げる事項についての定めは、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて新設合併設立株式会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第九号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「新設合併設立株式会社の株式」とあるのは、「新設合併設立株式会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十四条 新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、前条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立株式会社の成立の日に、消滅する。 5 前条第一項第十号イに規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号イの新設合併設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第二款 持分会社を設立する新設合併 (持分会社を設立する新設合併契約) 第七百五十五条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併設立会社が持分会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併消滅会社の商号及び住所 二 持分会社である新設合併設立会社(以下この編において「新設合併設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 三 新設合併設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 四 新設合併設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の氏名又は名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 五 前二号に掲げるもののほか、新設合併設立持分会社の定款で定める事項 六 新設合併設立持分会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員に対してその株式又は持分に代わる当該新設合併設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社を除く。)又は新設合併消滅持分会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立持分会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法 九 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項 2 新設合併設立持分会社が合名会社であるときは、前項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設合併設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設合併設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第四号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設合併の効力の発生等) 第七百五十六条 新設合併設立持分会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。 2 前条第一項に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設合併設立持分会社の社員となる。 3 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅持分会社の社員は、新設合併設立持分会社の成立の日に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号の社債の社債権者となる。 4 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立持分会社の成立の日に、消滅する。 第三章 会社分割 第一節 吸収分割 第一款 通則 (吸収分割契約の締結) 第七百五十七条 会社(株式会社又は合同会社に限る。)は、吸収分割をすることができる。 この場合においては、当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下この編において「吸収分割承継会社」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に権利義務を承継させる吸収分割 (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百五十八条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割をする会社(以下この編において「吸収分割会社」という。)及び株式会社である吸収分割承継会社(以下この編において「吸収分割承継株式会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継株式会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である吸収分割会社(以下この編において「吸収分割株式会社」という。)及び吸収分割承継株式会社の株式並びに吸収分割株式会社の新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式を吸収分割承継株式会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収分割承継株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 五 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該吸収分割承継株式会社の新株予約権の交付を受ける吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「吸収分割契約新株予約権」という。)の内容 ロ 吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収分割承継株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 吸収分割契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収分割承継株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 六 前号に規定する場合には、吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収分割承継株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 七 吸収分割がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 八 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継株式会社の株式(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継株式会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継株式会社の株式のみであるものに限る。) (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百五十九条 吸収分割承継株式会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継株式会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 次の各号に掲げる場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第四号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第四号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第四号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第四号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 9 前条第五号に規定する場合には、効力発生日に、吸収分割契約新株予約権は、消滅し、当該吸収分割契約新株予約権の新株予約権者は、同条第六号に掲げる事項についての定めに従い、同条第五号ロの吸収分割承継株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第三款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割 (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 第七百六十条 会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が持分会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収分割会社及び持分会社である吸収分割承継会社(以下この節において「吸収分割承継持分会社」という。)の商号及び住所 二 吸収分割承継持分会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(吸収分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 三 吸収分割により吸収分割株式会社の株式を吸収分割承継持分会社に承継させるときは、当該株式に関する事項 四 吸収分割会社が吸収分割に際して吸収分割承継持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収分割承継持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 合名会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 ロ 合資会社 当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額 ハ 合同会社 当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 五 吸収分割承継持分会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等(吸収分割承継持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 効力発生日 七 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継持分会社の持分(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継持分会社の持分に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継持分会社の持分のみであるものに限る。) (持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 第七百六十一条 吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 5 前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 吸収分割承継持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。 7 吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。 この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 9 前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。 10 前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。 第二節 新設分割 第一款 通則 (新設分割計画の作成) 第七百六十二条 一又は二以上の株式会社又は合同会社は、新設分割をすることができる。 この場合においては、新設分割計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合には、当該二以上の株式会社又は合同会社は、共同して新設分割計画を作成しなければならない。 第二款 株式会社を設立する新設分割 (株式会社を設立する新設分割計画) 第七百六十三条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、新設分割設立株式会社の定款で定める事項 三 新設分割設立株式会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 新設分割設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 新設分割設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 新設分割設立株式会社の設立時監査役の氏名 ハ 新設分割設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設分割設立株式会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 新設分割設立株式会社が新設分割により新設分割をする会社(以下この編において「新設分割会社」という。)から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である新設分割会社(以下この編において「新設分割株式会社」という。)の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対して交付するその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設分割設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 七 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する前号の株式の割当てに関する事項 八 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立株式会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が新設分割設立株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が新設分割設立株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 九 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債等の割当てに関する事項 十 新設分割設立株式会社が新設分割に際して新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該新設分割設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該新設分割設立株式会社の新株予約権の交付を受ける新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「新設分割計画新株予約権」という。)の内容 ロ 新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する新設分割設立株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 新設分割計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設分割設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十一 前号に規定する場合には、新設分割計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設分割設立株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。) 2 新設分割設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 (株式会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十四条 新設分割設立株式会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立株式会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立株式会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第十二号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立株式会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立株式会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立株式会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同項第六号の株式の株主となる。 9 次の各号に掲げる場合には、新設分割会社は、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前二項の規定の適用については、第八項中「新設分割計画の定め」とあるのは「同項第七号に掲げる事項についての定め」と、前項中「新設分割計画の定め」とあるのは「前条第一項第九号に掲げる事項についての定め」とする。 11 前条第一項第十号に規定する場合には、新設分割設立株式会社の成立の日に、新設分割計画新株予約権は、消滅し、当該新設分割計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十一号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十号ロの新設分割設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 第三款 持分会社を設立する新設分割 (持分会社を設立する新設分割計画) 第七百六十五条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割設立会社が持分会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 持分会社である新設分割設立会社(以下この編において「新設分割設立持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別 二 新設分割設立持分会社の目的、商号及び本店の所在地 三 新設分割設立持分会社の社員についての次に掲げる事項 イ 当該社員の名称及び住所 ロ 当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別 ハ 当該社員の出資の価額 四 前二号に掲げるもののほか、新設分割設立持分会社の定款で定める事項 五 新設分割設立持分会社が新設分割により新設分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(新設分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項 六 新設分割設立持分会社が新設分割に際して新設分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる当該新設分割設立持分会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 七 前号に規定する場合において、二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をするときは、新設分割会社に対する同号の社債の割当てに関する事項 八 新設分割株式会社が新設分割設立持分会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨 イ 第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が新設分割設立持分会社の持分(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。) ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立持分会社の持分のみであるものに限る。) 2 新設分割設立持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。 3 新設分割設立持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 4 新設分割設立持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。 (持分会社を設立する新設分割の効力の発生等) 第七百六十六条 新設分割設立持分会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する。 2 前項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、第八百十条第二項(第三号を除き、第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第八百十条第三項(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、新設分割計画において新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割会社に対して、新設分割会社が新設分割設立持分会社の成立の日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、第八百十条第一項第二号の規定により異議を述べることができる新設分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 4 第一項の規定にかかわらず、新設分割会社が新設分割設立持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って新設分割をした場合には、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 5 前項の規定は、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。 6 新設分割設立持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、新設分割会社が残存債権者を害することを知って新設分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 新設分割設立持分会社の成立の日から十年を経過したときも、同様とする。 7 新設分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、新設分割設立持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。 8 前条第一項に規定する場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該新設分割設立持分会社の社員となる。 9 前条第一項第六号に掲げる事項についての定めがある場合には、新設分割会社は、新設分割設立持分会社の成立の日に、新設分割計画の定めに従い、同号の社債の社債権者となる。 10 二以上の株式会社又は合同会社が共同して新設分割をする場合における前項の規定の適用については、同項中「新設分割計画の定めに従い、同号」とあるのは、「同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号」とする。 第四章 株式交換及び株式移転 第一節 株式交換 第一款 通則 (株式交換契約の締結) 第七百六十七条 株式会社は、株式交換をすることができる。 この場合においては、当該株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(株式会社又は合同会社に限る。以下この編において「株式交換完全親会社」という。)との間で、株式交換契約を締結しなければならない。 第二款 株式会社に発行済株式を取得させる株式交換 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百六十八条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 三 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 四 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容 ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 五 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項 六 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (株式会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百六十九条 株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親株式会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親株式会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 次の各号に掲げる場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 前条第一項第二号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 前条第一項第二号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 前条第一項第二号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第四号に規定する場合には、効力発生日に、株式交換契約新株予約権は、消滅し、当該株式交換契約新株予約権の新株予約権者は、同項第五号に掲げる事項についての定めに従い、同項第四号ロの株式交換完全親株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第四号ハに規定する場合には、株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 6 前各項の規定は、第七百八十九条若しくは第七百九十九条の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第三款 合同会社に発行済株式を取得させる株式交換 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換契約) 第七百七十条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が合同会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交換完全子会社及び合同会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親合同会社」という。)の商号及び住所 二 株式交換完全子会社の株主が株式交換に際して株式交換完全親合同会社の社員となるときは、当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額 三 株式交換完全親合同会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(株式交換完全親合同会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が当該株式交換完全親合同会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 四 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 五 効力発生日 2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親合同会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 3 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親合同会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。 (合同会社に発行済株式を取得させる株式交換の効力の発生等) 第七百七十一条 株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の発行済株式(株式交換完全親合同会社の有する株式交換完全子会社の株式を除く。)の全部を取得する。 2 前項の場合には、株式交換完全親合同会社が株式交換完全子会社の株式(譲渡制限株式に限り、当該株式交換完全親合同会社が効力発生日前から有するものを除く。)を取得したことについて、当該株式交換完全子会社が第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす。 3 前条第一項第二号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、株式交換完全親合同会社の社員となる。 この場合においては、株式交換完全親合同会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。 4 前条第一項第三号イに掲げる事項についての定めがある場合には、株式交換完全子会社の株主は、効力発生日に、同項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号イの社債の社債権者となる。 5 前各項の規定は、第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は株式交換を中止した場合には、適用しない。 第二節 株式移転 (株式移転計画の作成) 第七百七十二条 一又は二以上の株式会社は、株式移転をすることができる。 この場合においては、株式移転計画を作成しなければならない。 2 二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合には、当該二以上の株式会社は、共同して株式移転計画を作成しなければならない。 (株式移転計画) 第七百七十三条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数 二 前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項 三 株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名 四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称 ロ 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名 ハ 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称 五 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 六 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項 七 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項 イ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 八 前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項 九 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項 イ 当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容 ロ 株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 十 前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項 2 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。 (株式移転の効力の発生等) 第七百七十四条 株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、株式移転完全子会社の発行済株式の全部を取得する。 2 株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、株式移転完全子会社の株主は、株式移転設立完全親会社の成立の日に、前条第一項第八号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 前条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 前条第一項第七号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 前条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 前条第一項第九号に規定する場合には、株式移転設立完全親会社の成立の日に、株式移転計画新株予約権は、消滅し、当該株式移転計画新株予約権の新株予約権者は、同項第十号に掲げる事項についての定めに従い、同項第九号ロの株式移転設立完全親会社の新株予約権の新株予約権者となる。 5 前条第一項第九号ハに規定する場合には、株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、同号ハの新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。 第四章の二 株式交付 (株式交付計画の作成) 第七百七十四条の二 株式会社は、株式交付をすることができる。 この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。 (株式交付計画) 第七百七十四条の三 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所 二 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限 三 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 四 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項 五 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 六 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 七 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法 八 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項 イ 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項 ロ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 ニ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項 ホ 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 九 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項 十 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日 十一 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。) 2 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。 3 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。 一 ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類 二 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容 4 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。 5 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。 この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み) 第七百七十四条の四 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 株式交付親会社の商号 二 株式交付計画の内容 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。 5 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。 6 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。 7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て) 第七百七十四条の五 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。 この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。 2 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則) 第七百七十四条の六 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (株式交付子会社の株式の譲渡し) 第七百七十四条の七 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。 一 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数 二 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数 2 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しの無効又は取消しの制限) 第七百七十四条の八 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、第七百七十四条の四第二項の申込み、第七百七十四条の五第一項の規定による割当て及び第七百七十四条の六の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人は、第七百七十四条の十一第二項の規定により株式交付親会社の株式の株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として株式交付子会社の株式の譲渡しの取消しをすることができない。 (株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用) 第七百七十四条の九 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。 この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。 (申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合) 第七百七十四条の十 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。 この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 (株式交付の効力の発生等) 第七百七十四条の十一 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。 2 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。 3 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者 二 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者 三 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 4 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。 一 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主 二 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者 三 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者 四 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者 5 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合 二 株式交付を中止した場合 三 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合 四 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合 6 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。 この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。 第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続 第一節 組織変更の手続 第一款 株式会社の手続 (組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百七十五条 組織変更をする株式会社は、組織変更計画備置開始日から組織変更がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)までの間、組織変更計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 組織変更計画について組織変更をする株式会社の総株主の同意を得た日 二 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第七百七十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百七十九条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 組織変更をする株式会社の株主及び債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式会社の組織変更計画の承認等) 第七百七十六条 組織変更をする株式会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該株式会社の総株主の同意を得なければならない。 2 組織変更をする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新株予約権買取請求) 第七百七十七条 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者は、当該株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この款において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 組織変更をしようとする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その新株予約権の新株予約権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、組織変更をする株式会社に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、組織変更をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 組織変更を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百七十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と組織変更をする株式会社(効力発生日後にあっては、組織変更後持分会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は組織変更後持分会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 組織変更後持分会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 組織変更をする株式会社は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 組織変更をする株式会社は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 組織変更をする株式会社は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百七十九条 組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。 2 組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 組織変更をする旨 二 組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (組織変更の効力発生日の変更) 第七百八十条 組織変更をする株式会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、組織変更をする株式会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この款及び第七百四十五条の規定を適用する。 第二款 持分会社の手続 第七百八十一条 組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 第七百七十九条(第二項第二号を除く。)及び前条の規定は、組織変更をする持分会社について準用する。 この場合において、第七百七十九条第三項中「組織変更をする株式会社」とあるのは「組織変更をする持分会社(合同会社に限る。)」と、前条第三項中「及び第七百四十五条」とあるのは「並びに第七百四十七条及び次条第一項」と読み替えるものとする。 第二節 吸収合併等の手続 第一款 吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百八十二条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 吸収合併契約 二 吸収分割株式会社 吸収分割契約 三 株式交換完全子会社 株式交換契約 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百八十五条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百八十七条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第七百八十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百八十三条 消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第一項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。 3 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。 5 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者(次条第二項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第七百八十七条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。 6 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (吸収合併契約等の承認を要しない場合) 第七百八十四条 前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。 2 前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百八十四条の二 次に掲げる場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項に規定する場合は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十一条第一項第三号若しくは第四号、第七百五十八条第四号、第七百六十条第四号若しくは第五号、第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号又は第七百七十条第一項第三号若しくは第四号に掲げる事項が消滅株式会社等又は存続会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第七百八十三条第二項に規定する場合 二 第七百八十四条第二項に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 消滅株式会社等が公開会社である場合 二 消滅株式会社等が第七百八十三条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百八十六条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第七百八十七条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 吸収合併 第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。 一 吸収合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 吸収分割承継会社が株式会社である場合における吸収分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 吸収分割契約新株予約権 ロ 吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式交換完全親会社が株式会社である場合における株式交換完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式交換契約新株予約権 ロ 株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 吸収合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第七百八十八条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百八十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併消滅株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者) 三 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 存続会社等の商号及び住所 三 消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(吸収分割をする場合における不法行為によって生じた吸収分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収合併等の効力発生日の変更) 第七百九十条 消滅株式会社等は、存続会社等との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、消滅株式会社等は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節並びに第七百五十条、第七百五十二条、第七百五十九条、第七百六十一条、第七百六十九条及び第七百七十一条の規定を適用する。 (吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十一条 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 吸収分割株式会社 吸収分割により吸収分割承継会社が承継した吸収分割株式会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式交換完全子会社 株式交換により株式交換完全親会社が取得した株式交換完全子会社の株式の数その他の株式交換に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式交換完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「効力発生日に株式交換完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第七百九十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イの株式の取得 二 第七百五十八条第八号ロ又は第七百六十条第七号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第七百九十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。) 二 吸収分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)及び第七百九十条の規定は、吸収合併消滅持分会社又は合同会社である吸収分割会社(以下この節において「吸収分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、第七百八十九条第一項第二号中「債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「吸収合併消滅持分会社(吸収合併存続会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は吸収分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 吸収合併存続会社、吸収分割承継会社及び株式交換完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第七百九十四条 吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社又は株式交換完全親株式会社(以下この目において「存続株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約等の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第七百九十七条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第七百九十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 存続株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株主)は、存続株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該存続株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって存続株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約等の承認等) 第七百九十五条 存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 2 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 一 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の債務の額として法務省令で定める額(次号において「承継債務額」という。)が吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産の額として法務省令で定める額(同号において「承継資産額」という。)を超える場合 二 吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が吸収合併消滅株式会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等(吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合 三 株式交換完全親株式会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(株式交換完全親株式会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交換完全親株式会社が取得する株式交換完全子会社の株式の額として法務省令で定める額を超える場合 3 承継する吸収合併消滅会社又は吸収分割会社の資産に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。 4 存続株式会社等が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併等は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 吸収合併消滅株式会社の株主又は吸収合併消滅持分会社の社員に対して交付する金銭等が吸収合併存続株式会社の株式である場合 第七百四十九条第一項第二号イの種類の株式 二 吸収分割会社に対して交付する金銭等が吸収分割承継株式会社の株式である場合 第七百五十八条第四号イの種類の株式 三 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式である場合 第七百六十八条第一項第二号イの種類の株式 (吸収合併契約等の承認を要しない場合等) 第七百九十六条 前条第一項から第三項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。 ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。 2 前条第一項から第三項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同条第二項各号に掲げる場合又は前項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 3 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第七百九十七条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。 (吸収合併等をやめることの請求) 第七百九十六条の二 次に掲げる場合において、存続株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、存続株式会社等の株主は、存続株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び前条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合 二 前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十八条第四号又は第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項が存続株式会社等又は消滅会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。 (反対株主の株式買取請求) 第七百九十七条 吸収合併等をする場合には、反対株主は、存続株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第七百九十六条第二項本文に規定する場合(第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該存続株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。) 3 存続株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに消滅会社等の商号及び住所(第七百九十五条第三項に規定する場合にあっては、吸収合併等をする旨、消滅会社等の商号及び住所並びに同項の株式に関する事項)を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 存続株式会社等が公開会社である場合 二 存続株式会社等が第七百九十五条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、存続株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、存続株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第七百九十八条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と存続株式会社等との間に協議が調ったときは、存続株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は存続株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 存続株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 存続株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該存続株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第七百九十九条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。 一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者 二 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者 三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者 2 前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併等をする旨 二 消滅会社等の商号及び住所 三 存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (消滅会社等の株主等に対して交付する金銭等が存続株式会社等の親会社株式である場合の特則) 第八百条 第百三十五条第一項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この項において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の親会社株式(同条第一項に規定する親会社株式をいう。以下この条において同じ。)である場合には、当該存続株式会社等は、吸収合併等に際して消滅会社等の株主等に対して交付する当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得することができる。 2 第百三十五条第三項の規定にかかわらず、前項の存続株式会社等は、効力発生日までの間は、存続株式会社等の親会社株式を保有することができる。 ただし、吸収合併等を中止したときは、この限りでない。 (吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百一条 吸収合併存続株式会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続株式会社が承継した吸収合併消滅会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収分割承継株式会社(合同会社が吸収分割をする場合における当該吸収分割承継株式会社に限る。)は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割合同会社と共同して、吸収分割により吸収分割承継株式会社が承継した吸収分割合同会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる存続株式会社等は、効力発生日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 吸収合併存続株式会社 第一項の書面又は電磁的記録 二 吸収分割承継株式会社 前項又は第七百九十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式交換完全親株式会社 第七百九十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 吸収合併存続株式会社の株主及び債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、吸収分割承継株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式交換完全親株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び債権者(株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合(第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合を除く。)にあっては、株式交換完全親株式会社の株主)」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 第八百二条 次の各号に掲げる行為をする持分会社(以下この条において「存続持分会社等」という。)は、当該各号に定める場合には、効力発生日の前日までに、吸収合併契約等について存続持分会社等の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 吸収合併(吸収合併により当該持分会社が存続する場合に限る。) 第七百五十一条第一項第二号に規定する場合 二 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 第七百六十条第四号に規定する場合 三 株式交換による株式会社の発行済株式の全部の取得 第七百七十条第一項第二号に規定する場合 2 第七百九十九条(第二項第三号を除く。)及び第八百条の規定は、存続持分会社等について準用する。 この場合において、第七百九十九条第一項第三号中「株式交換完全親株式会社の株式」とあるのは「株式交換完全親合同会社の持分」と、「場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合」とあるのは「場合」と読み替えるものとする。 第三節 新設合併等の手続 第一款 新設合併消滅会社、新設分割会社及び株式移転完全子会社の手続 第一目 株式会社の手続 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百三条 次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、新設合併契約等備置開始日から新設合併設立会社、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立会社」という。)の成立の日後六箇月を経過する日(新設合併消滅株式会社にあっては、新設合併設立会社の成立の日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「新設合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 新設合併契約 二 新設分割株式会社 新設分割計画 三 株式移転完全子会社 株式移転計画 2 前項に規定する「新設合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 新設合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百六条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 四 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 五 前各号に規定する場合以外の場合には、新設分割計画の作成の日から二週間を経過した日 3 消滅株式会社等の株主及び債権者(株式移転完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約等の承認) 第八百四条 消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、新設合併設立会社が持分会社である場合には、新設合併契約について新設合併消滅株式会社の総株主の同意を得なければならない。 3 新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社が種類株式発行会社である場合において、新設合併消滅株式会社又は株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設合併設立株式会社又は株式移転設立完全親会社の株式等の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは、当該新設合併又は株式移転は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 4 消滅株式会社等は、第一項の株主総会の決議の日(第二項に規定する場合にあっては、同項の総株主の同意を得た日)から二週間以内に、その登録株式質権者(次条に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第八百八条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、新設合併、新設分割又は株式移転(以下この節において「新設合併等」という。)をする旨を通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 (新設分割計画の承認を要しない場合) 第八百五条 前条第一項の規定は、新設分割により新設分割設立会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が新設分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を新設分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 (新設合併等をやめることの請求) 第八百五条の二 新設合併等が法令又は定款に違反する場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、当該新設合併等をやめることを請求することができる。 ただし、前条に規定する場合は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百六条 新設合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 第八百四条第二項に規定する場合 二 第八百五条に規定する場合 2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。 一 第八百四条第一項の株主総会(新設合併等をするために種類株主総会の決議を要する場合にあっては、当該種類株主総会を含む。)に先立って当該新設合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該新設合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) 二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 3 消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日から二週間以内に、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設分割会社又は株式移転完全子会社(以下この節において「消滅会社等」という。)及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 新設合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百七条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (新株予約権買取請求) 第八百八条 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 一 新設合併 第七百五十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 二 新設分割(新設分割設立会社が株式会社である場合に限る。) 次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十三条第一項第十号又は第十一号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ハに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転 次に掲げる新株予約権のうち、第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 2 新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。 3 次の各号に掲げる消滅株式会社等は、第八百四条第一項の株主総会の決議の日(同条第二項に規定する場合にあっては同項の総株主の同意を得た日、第八百五条に規定する場合にあっては新設分割計画の作成の日)から二週間以内に、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、新設合併等をする旨並びに他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。 一 新設合併消滅株式会社 全部の新株予約権 二 新設分割設立会社が株式会社である場合における新設分割株式会社 次に掲げる新株予約権 イ 新設分割計画新株予約権 ロ 新設分割計画新株予約権以外の新株予約権であって、新設分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に新設分割設立株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 三 株式移転完全子会社 次に掲げる新株予約権 イ 株式移転計画新株予約権 ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの 4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 5 新株予約権買取請求は、第三項の規定による通知又は前項の公告をした日から二十日以内に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。 6 新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 7 新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。 ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。 8 新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。 9 新設合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。 10 第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。 (新株予約権の価格の決定等) 第八百九条 新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 新株予約権の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。 4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。 7 消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 8 消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、新設合併等について異議を述べることができる。 一 新設合併をする場合 新設合併消滅株式会社の債権者 二 新設分割をする場合 新設分割後新設分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として新設分割設立会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない新設分割株式会社の債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者) 三 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合 当該新株予約権付社債についての社債権者 2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併等をする旨 二 他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所 三 消滅株式会社等の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(新設分割をする場合における不法行為によって生じた新設分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併等について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十一条 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日後遅滞なく、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。 一 新設分割株式会社 新設分割により新設分割設立会社が承継した新設分割株式会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 株式移転完全子会社 株式移転により株式移転設立完全親会社が取得した株式移転完全子会社の株式の数その他の株式移転に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 2 新設分割株式会社又は株式移転完全子会社は、新設分割設立会社又は株式移転設立完全親会社の成立の日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、新設分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 前項の規定は、株式移転完全子会社について準用する。 この場合において、同項中「新設分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の成立の日に株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。 (剰余金の配当等に関する特則) 第八百十二条 第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 一 第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イの株式の取得 二 第七百六十三条第一項第十二号ロ又は第七百六十五条第一項第八号ロの剰余金の配当 第二目 持分会社の手続 第八百十三条 次に掲げる行為をする持分会社は、新設合併契約等について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 新設合併 二 新設分割(当該持分会社(合同会社に限る。)がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社に承継させる場合に限る。) 2 第八百十条(第一項第三号及び第二項第三号を除く。)の規定は、新設合併消滅持分会社又は合同会社である新設分割会社(以下この節において「新設分割合同会社」という。)について準用する。 この場合において、同条第一項第二号中「債権者(第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、新設分割株式会社の債権者)」とあるのは「債権者」と、同条第三項中「消滅株式会社等」とあるのは「新設合併消滅持分会社(新設合併設立会社が株式会社又は合同会社である場合にあっては、合同会社に限る。)又は新設分割合同会社」と読み替えるものとする。 第二款 新設合併設立会社、新設分割設立会社及び株式移転設立完全親会社の手続 第一目 株式会社の手続 (株式会社の設立の特則) 第八百十四条 第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)の規定は、新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社(以下この目において「設立株式会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立株式会社の定款は、消滅会社等が作成する。 (新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十五条 新設合併設立株式会社は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立株式会社が承継した新設合併消滅会社の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設分割設立株式会社(一又は二以上の合同会社のみが新設分割をする場合における当該新設分割設立株式会社に限る。)は、その成立の日後遅滞なく、新設分割合同会社と共同して、新設分割により新設分割設立株式会社が承継した新設分割合同会社の権利義務その他の新設分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる設立株式会社は、その成立の日から六箇月間、当該各号に定めるものをその本店に備え置かなければならない。 一 新設合併設立株式会社 第一項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録 二 新設分割設立株式会社 前項又は第八百十一条第一項第一号の書面又は電磁的記録 三 株式移転設立完全親会社 第八百十一条第一項第二号の書面又は電磁的記録 4 新設合併設立株式会社の株主及び債権者は、新設合併設立株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立株式会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項第一号の書面の閲覧の請求 二 前項第一号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項第一号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 5 前項の規定は、新設分割設立株式会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主、債権者その他の利害関係人」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第二号」と読み替えるものとする。 6 第四項の規定は、株式移転設立完全親会社について準用する。 この場合において、同項中「株主及び債権者」とあるのは「株主及び新株予約権者」と、同項各号中「前項第一号」とあるのは「前項第三号」と読み替えるものとする。 第二目 持分会社の手続 (持分会社の設立の特則) 第八百十六条 第五百七十五条及び第五百七十八条の規定は、新設合併設立持分会社又は新設分割設立持分会社(次項において「設立持分会社」という。)の設立については、適用しない。 2 設立持分会社の定款は、消滅会社等が作成する。 第四節 株式交付の手続 (株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の二 株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日 三 第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (株式交付計画の承認等) 第八百十六条の三 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 2 株式交付親会社が株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。 3 株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。 ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。 一 株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式 二 株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式 (株式交付計画の承認を要しない場合等) 第八百十六条の四 前条第一項及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。 ただし、同項に規定する場合又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。 一 次に掲げる額の合計額 イ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額 ロ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額 ハ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額 二 株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額 2 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。 (株式交付をやめることの請求) 第八百十六条の五 株式交付が法令又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。 ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 (反対株主の株式買取請求) 第八百十六条の六 株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。 ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。 2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。 一 株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主 イ 当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。) ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 二 前号に掲げる場合以外の場合 全ての株主 3 株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨並びに株式交付子会社の商号及び住所を通知しなければならない。 4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。 一 株式交付親会社が公開会社である場合 二 株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合 5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。 6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。 ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。 7 株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。 8 株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。 9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。 (株式の価格の決定等) 第八百十六条の七 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。 2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。 4 株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。 5 株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。 6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。 7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。 (債権者の異議) 第八百十六条の八 株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。 2 前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 株式交付をする旨 二 株式交付子会社の商号及び住所 三 株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (株式交付の効力発生日の変更) 第八百十六条の九 株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。 2 前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。 3 第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 4 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。 5 株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。 6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。 この場合において、第四項中「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十及び前項」と読み替えるものとする。 (株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第八百十六条の十 株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。 3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六編 外国会社 (外国会社の日本における代表者) 第八百十七条 外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。 この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。 2 外国会社の日本における代表者は、当該外国会社の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 3 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 4 外国会社は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (登記前の継続取引の禁止等) 第八百十八条 外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (貸借対照表に相当するものの公告) 第八百十九条 外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)は、法務省令で定めるところにより、第四百三十八条第二項の承認と同種の手続又はこれに類似する手続の終結後遅滞なく、貸借対照表に相当するものを日本において公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である外国会社は、前項に規定する貸借対照表に相当するものの要旨を公告することで足りる。 3 前項の外国会社は、法務省令で定めるところにより、第一項の手続の終結後遅滞なく、同項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報を、当該手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により日本において不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 4 金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない外国会社については、前三項の規定は、適用しない。 (日本に住所を有する日本における代表者の退任) 第八百二十条 外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 2 債権者が前項の期間内に異議を述べたときは、同項の外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、同項の退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 3 第一項の退任は、前二項の手続が終了した後にその登記をすることによって、その効力を生ずる。 (擬似外国会社) 第八百二十一条 日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。 2 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (日本にある外国会社の財産についての清算) 第八百二十二条 裁判所は、次に掲げる場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、日本にある外国会社の財産の全部について清算の開始を命ずることができる。 一 外国会社が第八百二十七条第一項の規定による命令を受けた場合 二 外国会社が日本において取引を継続してすることをやめた場合 2 前項の場合には、裁判所は、清算人を選任する。 3 第四百七十六条、第二編第九章第一節第二款、第四百九十二条、同節第四款及び第五百八条の規定並びに同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 4 第八百二十条の規定は、外国会社が第一項の清算の開始を命じられた場合において、当該外国会社の日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、適用しない。 (他の法律の適用関係) 第八百二十三条 外国会社は、他の法律の適用については、日本における同種の会社又は最も類似する会社とみなす。 ただし、他の法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第七編 雑則 第一章 会社の解散命令等 第一節 会社の解散命令 (会社の解散命令) 第八百二十四条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (会社の財産に関する保全処分) 第八百二十五条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「会社」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第八百二十六条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令 第八百二十七条 裁判所は、次に掲げる場合には、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、外国会社が日本において取引を継続してすることの禁止又はその日本に設けられた営業所の閉鎖を命ずることができる。 一 外国会社の事業が不法な目的に基づいて行われたとき。 二 外国会社が正当な理由がないのに外国会社の登記の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 外国会社が正当な理由がないのに支払を停止したとき。 四 外国会社の日本における代表者その他その業務を執行する者が、法令で定める外国会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 第八百二十四条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、第八百二十四条第二項中「前項」とあり、同条第三項及び第四項中「第一項」とあり、並びに第八百二十五条第一項中「前条第一項」とあるのは「第八百二十七条第一項」と、前条中「第八百二十四条第一項」とあるのは「次条第一項」と、「同項第三号」とあるのは「同項第四号」と読み替えるものとする。 第二章 訴訟 第一節 会社の組織に関する訴え (会社の組織に関する行為の無効の訴え) 第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内 二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内) 三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) 四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内) 五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等 四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者 五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 (新株発行等の不存在の確認の訴え) 第八百二十九条 次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 一 株式会社の成立後における株式の発行 二 自己株式の処分 三 新株予約権の発行 (株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (株主総会等の決議の取消しの訴え) 第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。 一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (持分会社の設立の取消しの訴え) 第八百三十二条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。 一 社員が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員 二 社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき 当該債権者 (会社の解散の訴え) 第八百三十三条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。 一 株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 株式会社の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。 2 やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。 (被告) 第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社 二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社 三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社 四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社 六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社 七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社 八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社 九 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割契約をした会社 十 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社及び新設分割により設立する会社 十一 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換契約をした会社 十二 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社 十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社 十三 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社 十四 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社 十五 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社 十六 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社 十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社 十八 第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社 十九 第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員 二十 株式会社の解散の訴え 当該株式会社 二十一 持分会社の解散の訴え 当該持分会社 (訴えの管轄及び移送) 第八百三十五条 会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 2 前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。 3 前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。 (担保提供命令) 第八百三十六条 会社の組織に関する訴えであって、株主又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百三十七条 同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百三十八条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第八百三十九条 会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (新株発行の無効判決の効力) 第八百四十条 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)を返還することを請求することができる。 2 前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。 3 前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。 4 第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。 5 第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 6 前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 (自己株式の処分の無効判決の効力) 第八百四十一条 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第四項中「株式」とあるのは、「自己株式」と読み替えるものとする。 (新株予約権発行の無効判決の効力) 第八百四十二条 新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。 この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。 2 第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「株主」とあるのは「新株予約権者」と、同条第四項中「株式」とあるのは「新株予約権」と、同条第五項及び第六項中「登録株式質権者」とあるのは「登録新株予約権質権者」と読み替えるものとする。 (合併又は会社分割の無効判決の効力) 第八百四十三条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 会社の吸収合併 吸収合併後存続する会社 二 会社の新設合併 新設合併により設立する会社 三 会社の吸収分割 吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社 四 会社の新設分割 新設分割により設立する会社 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。 ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。 3 第一項及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。 4 各会社の第一項の債務の負担部分又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (株式交換又は株式移転の無効判決の効力) 第八百四十四条 株式会社の株式交換又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換又は株式移転をする株式会社(以下この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。 この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。 3 前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 5 第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。 ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。 (株式交付の無効判決の効力) 第八百四十四条の二 株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。 この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。 2 前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。 (持分会社の設立の無効又は取消しの判決の効力) 第八百四十五条 持分会社の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条 会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え (売渡株式等の取得の無効の訴え) 第八百四十六条の二 株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。 2 前項の訴え(以下この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。 一 取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者 二 取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役又は執行役。以下この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役若しくは清算人 (被告) 第八百四十六条の三 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百四十六条の四 売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第八百四十六条の五 売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役又は清算人であるときは、この限りでない。 2 被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第八百四十六条の六 同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第八百四十六条の七 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効の判決の効力) 第八百四十六条の八 売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第八百四十六条の九 売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二節 株式会社における責任追及等の訴え (株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。 3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 (旧株主による責任追及等の訴え) 第八百四十七条の二 次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。以下この条において同じ。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該株式会社の株式交換又は株式移転 当該株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併 当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」とする。 3 旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。 ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 一 当該完全親会社の株式交換又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 二 当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。 4 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 5 第三項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、第三項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該完全親会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 6 株式交換等完全子会社が第一項又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による請求(以下この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。 7 株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 8 第一項、第三項及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。 9 株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」とする。 (最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え) 第八百四十七条の三 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 一 特定責任追及の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合 二 当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合 2 前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。 一 完全親会社 二 株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社及びその完全子会社等(株式会社がその株式又は持分の全部を有する法人をいう。以下この条及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該他の株式会社(完全親会社を除く。) 3 前項第二号の場合において、同号の他の株式会社及びその完全子会社等又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。 4 第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項及び同条第七項において同じ。)。 5 最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。 6 公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、「株式会社」とする。 7 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。 8 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 9 第一項及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 10 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、これらの規定中「総株主」とあるのは、「総株主及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」とする。 (責任追及等の訴えに係る訴訟費用等) 第八百四十七条の四 第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 2 株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第八百四十八条 責任追及等の訴えは、株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第八百四十九条 株主等又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。 一 株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合又は同条第三項第一号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第二号(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為又は同条第三項第一号の株式交換若しくは株式移転若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。)であって、当該完全親会社の株式交換若しくは株式移転又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。) 適格旧株主 二 最終完全親会社等 当該最終完全親会社等の株主 3 株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 4 株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。 5 株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。 6 株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 7 株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。 8 第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、これらの規定中「のほか」とあるのは、「に代えて」とする。 9 公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、第五項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは「株主に通知し」と、第六項及び第七項中「公告又は通知」とあるのは「通知」とする。 10 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。 一 株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合 適格旧株主 二 最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合 当該最終完全親会社等の株主 11 前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、同項中「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、「当該各号に定める者に通知し」とする。 (和解) 第八百四十九条の二 株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役) 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員 三 指名委員会等設置会社 各監査委員 第八百五十条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (株主でなくなった者の訴訟追行) 第八百五十一条 責任追及等の訴えを提起した株主又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。 一 その者が当該株式会社の株式交換又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。 二 その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。 2 前項の規定は、同項第一号(この項又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(この項又は次項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「当該完全親会社」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、同項第二号(前項又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。 この場合において、同項(前項又はこの項において準用する場合を含む。)中「当該株式会社」とあるのは、「合併により設立する株式会社又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社」と読み替えるものとする。 (費用等の請求) 第八百五十二条 責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。 (再審の訴え) 第八百五十三条 責任追及等の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 一 株主又は株式会社等 責任追及等の訴え 二 適格旧株主 責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。) 三 最終完全親会社等の株主 特定責任追及の訴え 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三節 株式会社の役員の解任の訴え (株式会社の役員の解任の訴え) 第八百五十四条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。 一 総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 二 発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。) イ 当該株式会社である株主 ロ 当該請求に係る役員である株主 2 公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、これらの規定中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。 3 第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 4 第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」とする。 (被告) 第八百五十五条 前条第一項の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社及び前条第一項の役員を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百五十六条 株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第四節 特別清算に関する訴え (役員等の責任の免除の取消しの訴えの管轄) 第八百五十七条 第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。 (役員等責任査定決定に対する異議の訴え) 第八百五十八条 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。 2 前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。 3 第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。 5 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。 6 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。 第五節 持分会社の社員の除名の訴え等 (持分会社の社員の除名の訴え) 第八百五十九条 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。 一 出資の義務を履行しないこと。 二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。 三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。 四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。 五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。 (持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え) 第八百六十条 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。 一 前条各号に掲げる事由があるとき。 二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。 (被告) 第八百六十一条 次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。 一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員 二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員 (訴えの管轄) 第八百六十二条 持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え (清算持分会社の財産処分の取消しの訴え) 第八百六十三条 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。以下この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。 一 第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の債権者 二 第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分 清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者 2 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、同法第四百二十四条の五第一号中「債務者」とあるのは「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、同条第二号並びに同法第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中「債務者」とあるのは「清算持分会社」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十四条 前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方又は転得者を被告とする。 第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え (社債発行会社の弁済等の取消しの訴え) 第八百六十五条 社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。 2 前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。 同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 3 第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。 ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。 4 民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項及び前項本文の場合について準用する。 この場合において、同法第四百二十四条第一項ただし書中「その行為によって」とあるのは「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、「債権者を害すること」とあるのは「その行為が著しく不公正であること」と、同法第四百二十四条の五各号中「債権者を害すること」とあるのは「著しく不公正であること」と、同法第四百二十五条中「債権者」とあるのは「社債権者」と読み替えるものとする。 (被告) 第八百六十六条 前条第一項又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方又は転得者を被告とする。 (訴えの管轄) 第八百六十七条 第八百六十五条第一項又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三章 非訟 第一節 総則 (非訟事件の管轄) 第八百六十八条 この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 一 当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付 二 当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付 3 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 5 第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 6 第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第八百六十九条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第八百七十条 裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定 当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者 二 清算人、社債管理者又は社債管理補助者の解任についての裁判 当該清算人、社債管理者又は社債管理補助者 三 第三十三条第七項の規定による裁判 設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人 四 第二百七条第七項又は第二百八十四条第七項の規定による裁判 当該株式会社及び第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者 五 第四百五十五条第二項第二号又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判 当該株主 六 第四百五十六条又は第五百六条の規定による裁判 当該株主 七 第七百三十二条の規定による裁判 利害関係人 八 第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判 社債を発行した会社 九 第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判 社債を発行した会社 十 第八百二十四条第一項の規定による裁判 当該会社 十一 第八百二十七条第一項の規定による裁判 当該外国会社 2 裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判 当該株式会社 二 第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項の規定による株式又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定 価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 三 第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定 売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。) 四 第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定 当該株式会社 五 第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定 特別支配株主 六 第八百四十三条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした会社 (申立書の写しの送付等) 第八百七十条の二 裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。 2 前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。 申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。 3 前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。 4 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。 5 裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。 ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。 6 裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。 7 裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。 8 前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。 (理由の付記) 第八百七十一条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判 二 第八百七十四条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第八百七十二条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第六百九条第三項又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判 申立人、株主及び株式会社 三 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判 申立人、新株予約権者及び株式会社 四 第八百七十条第一項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) 五 第八百七十条第二項各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者 (抗告状の写しの送付等) 第八百七十二条の二 裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。 この場合においては、第八百七十条の二第二項及び第三項の規定を準用する。 2 第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。 (原裁判の執行停止) 第八百七十三条 第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第八百七十四条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者若しくは社債管理補助者の特別代理人又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者の選任又は選定の裁判 二 第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第八百七十五条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第八百七十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則 (審問等の必要的併合) 第八百七十七条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問及び裁判は、併合してしなければならない。 (裁判の効力) 第八百七十八条 第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。 2 第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。 第三節 特別清算の手続に関する特則 第一款 通則 (特別清算事件の管轄) 第八百七十九条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 2 前項に規定する株式会社又は親法人及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 3 前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。 4 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。 (特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送) 第八百八十条 第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。 2 通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。 (疎明) 第八百八十一条 第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。 (理由の付記) 第八百八十二条 特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。 ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。 2 特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。 (電子裁判書の送達) 第八百八十三条 この節の規定による電子裁判書(非訟事件手続法第五十七条第一項に規定する電子裁判書であって、同条第三項の規定によりファイルに記録されたものをいう。以下この節において同じ。)の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条を除く。)の規定を準用する。 この場合において、同法第百九条の四第一項中「第百三十二条の十一第一項各号」とあるのは、「会社法第八百八十七条の二第二項の規定により読み替えて適用する非訟事件手続法第四十二条第一項において読み替えて準用する第百三十二条の十一第一項各号」と読み替えるものとする。 (不服申立て) 第八百八十四条 特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。 2 前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。 (公告) 第八百八十五条 この節の規定による公告は、官報に掲載してする。 2 前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。 (事件に関する文書の閲覧等) 第八百八十六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編。次条第一項において同じ。)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。同項において同じ。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び第八百八十七条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、前三項の規定による請求について準用する。 (ファイル記録事項の閲覧等) 第八百八十六条の二 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編の規定に基づき裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)に備えられたファイル(第九百六条の二第一項において単に「ファイル」という。)に記録された事項(以下この条及び第八百八十七条第六項において「ファイル記録事項」という。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、ファイル記録事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。 3 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、ファイル記録事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容がファイル記録事項と同一であることを証明したものを交付し、又はファイル記録事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項、次条及び第九百六条の二第三項において同じ。)であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容がファイル記録事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。 4 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項及び第二項の規定による請求について準用する。 (事件に関する事項の証明) 第八百八十六条の三 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、特別清算事件に関する事項を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを交付し、又は当該事項を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該事項を証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。 (閲覧等の特則) 第八百八十六条の四 前三条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、これらの規定による請求をすることができない。 ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。 一 清算株式会社以外の利害関係人 第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分又は特別清算開始の申立てについての裁判 二 清算株式会社 特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判 (支障部分の閲覧等の制限) 第八百八十七条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この項から第三項までにおいて「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この項から第三項までにおいて「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び清算株式会社に限ることができる。 一 第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等 二 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等 2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。 3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。 4 第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。 6 前各項の規定は、ファイル記録事項について準用する。 この場合において、第一項中「謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製」とあるのは、「複写又はその内容の全部若しくは一部を証明した書面の交付若しくはその内容の全部若しくは一部を証明した電磁的記録の提供」と読み替えるものとする。 (非訟事件手続法の適用関係) 第八百八十七条の二 非訟事件手続法第三十二条及び第三十二条の二の規定は、特別清算の手続には、適用しない。 2 特別清算の手続についての非訟事件手続法第三十八条及び第四十二条第一項の規定の適用については、同法第三十八条中「非訟事件手続法」とあるのは「会社法第八百八十七条の二第二項の規定により読み替えて適用する非訟事件手続法」と、同法第四十二条第一項中「」とあるのは「非訟事件手続法第二十二条第一項ただし書」」とあるのは「の許可を得て訴訟代理人となったものを除く。)」とあるのは「非訟事件手続法第二十二条第一項ただし書の許可を得て手続代理人となったものを除く。)又は監督委員若しくは調査委員として選任を受けた者」と、「当該委任」とあるのは「当該委任又は選任」」とする。 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則 (特別清算開始の申立て) 第八百八十八条 債権者又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。 2 債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。 3 特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。 4 前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (他の手続の中止命令) 第八百八十九条 裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 2 前項の中止の命令及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 (特別清算開始の命令) 第八百九十条 裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の電子裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。 2 特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する電子裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。 3 特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。 4 特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。 5 特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。 6 特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 (担保権の実行の手続等の中止命令) 第八百九十一条 裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。 2 裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則 (調査命令) 第八百九十二条 裁判所は、調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。 2 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算人の解任及び報酬等) 第八百九十三条 裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。 2 第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (監督委員の解任及び報酬等) 第八百九十四条 裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。 2 第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (調査委員の解任及び報酬等) 第八百九十五条 前条の規定は、調査委員について準用する。 (事業の譲渡の許可の申立て) 第八百九十六条 清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。 2 裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。 (担保権者が処分をすべき期間の指定) 第八百九十七条 第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 前項の裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 (清算株式会社の財産に関する保全処分等) 第八百九十八条 裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。 一 第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分 二 第五百四十一条第一項又は第二項の規定による処分 三 第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分 四 第五百四十三条の規定による処分 2 前項各号に掲げる裁判及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。 4 第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。 (役員等責任査定決定) 第八百九十九条 清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。 2 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。 4 役員等責任査定決定があった場合には、その電子裁判書を当事者に送達しなければならない。 5 第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。 (債権者集会の招集の許可の申立てについての裁判) 第九百条 第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 (協定の認可又は不認可の決定) 第九百一条 利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。 2 共助対象外国租税の請求権について、協定において減免その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。 3 第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 4 第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 5 前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則 (特別清算終結の申立てについての裁判) 第九百二条 特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。 2 特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。 3 特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。 4 特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。 第四節 外国会社の清算の手続に関する特則 (特別清算の手続に関する規定の準用) 第九百三条 前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第九百四条 裁判所は、第八百二十四条第一項又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (会社の財産に関する保全処分についての特則) 第九百五条 裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社又は外国会社の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社又は外国会社の負担とする。 第九百六条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第九百六条の二 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関しファイルに記録された事項(以下この条において「報告等記録事項」という。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、報告等記録事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。 3 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、報告等記録事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを交付し、又は報告等記録事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。 4 前条第四項及び民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、報告等記録事項について準用する。 第四章 登記 第一節 総則 (通則) 第九百七条 この法律の規定により登記すべき事項(第九百三十八条第三項の保全処分の登記に係る事項を除く。)は、当事者の申請又は裁判所書記官の嘱託により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。 (登記の効力) 第九百八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (変更の登記及び消滅の登記) 第九百九条 この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。 (登記の期間) 第九百十条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二節 会社の登記 (株式会社の設立の登記) 第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日) 二 発起人が定めた日 2 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 創立総会の終結の日 二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日 五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日 3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 発行可能株式総数 七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容) 八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数 九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数 十 株券発行会社であるときは、その旨 十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項 イ 新株予約権の数 ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号まで(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)に掲げる事項 ハ 第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め ニ ロ及びハに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件 ホ 第二百三十六条第一項第七号及び第二百三十八条第一項第二号に掲げる事項 ヘ 第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法) 十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 十三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名 十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。) 十五 取締役会設置会社であるときは、その旨 十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所 十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨 ロ 監査役の氏名 十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨 十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項 イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨 ロ 特別取締役の氏名 ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 二十二 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名 ロ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ハ 第三百九十九条の十三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨 二十三 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨 ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名 ハ 代表執行役の氏名及び住所 二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 二十五 第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 二十六 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 二十七 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 二十八 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 二十九 第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合名会社の設立の登記) 第九百十二条 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。) 七 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 八 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 九 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合資会社の設立の登記) 第九百十三条 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 社員の氏名又は名称及び住所 六 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別 七 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額 八 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。) 九 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 十 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十二 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (合同会社の設立の登記) 第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 目的 二 商号 三 本店及び支店の所在場所 四 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 資本金の額 六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称 七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所 八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所 九 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め 十 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め 十一 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 (変更の登記) 第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。 一 新株予約権の行使 二 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。) (他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記) 第九百十六条 会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 株式会社 第九百十一条第三項各号に掲げる事項 二 合名会社 第九百十二条各号に掲げる事項 三 合資会社 第九百十三条各号に掲げる事項 四 合同会社 第九百十四条各号に掲げる事項 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第九百十七条 次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 一 株式会社 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役 二 合名会社 社員 三 合資会社 社員 四 合同会社 業務を執行する社員 (支配人の登記) 第九百十八条 会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。 (持分会社の種類の変更の登記) 第九百十九条 持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。 (組織変更の登記) 第九百二十条 会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第九百二十一条 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。 (新設合併の登記) 第九百二十二条 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ヘ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百四条第二項の総株主の同意を得た日 ロ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ハ 第八百十条の規定による手続が終了した日 ニ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 二 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日 ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日 三 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (吸収分割の登記) 第九百二十三条 会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。 (新設分割の登記) 第九百二十四条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ホ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ヘ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 2 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。 一 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日 ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 ニ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ホ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日) 二 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日) ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日) 三 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日 (株式移転の登記) 第九百二十五条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。 一 第八百四条第一項の株主総会の決議の日 二 株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日 三 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 四 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日 五 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日 六 株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日) (解散の登記) 第九百二十六条 第四百七十一条第一号から第三号まで又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。 (継続の登記) 第九百二十七条 第四百七十三条、第六百四十二条第一項又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人の登記) 第九百二十八条 第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨 2 第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名又は名称及び住所 二 清算持分会社を代表する清算人の氏名又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。) 三 清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名及び住所 3 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 4 第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第九百二十九条 清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 一 清算株式会社 第五百七条第三項の承認の日 二 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日) 三 清算持分会社(合同会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日 第九百三十条から第九百三十二条まで 削除 第三節 外国会社の登記 (外国会社の登記) 第九百三十三条 外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。 一 日本に営業所を設けていない場合 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下この節において同じ。)の住所地 二 日本に営業所を設けた場合 当該営業所の所在地 2 外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 外国会社の設立の準拠法 二 日本における代表者の氏名及び住所 三 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法 四 前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 五 第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め 六 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め 七 第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨 3 外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。 4 第九百十五条及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。 この場合において、これらの規定中「二週間」とあるのは「三週間」と、「本店の所在地」とあるのは「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と読み替えるものとする。 5 前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。 (日本における代表者の選任の登記等) 第九百三十四条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。 (日本における代表者の住所の移転の登記等) 第九百三十五条 日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。 (日本における営業所の設置の登記等) 第九百三十六条 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。 2 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。 ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。 第四節 登記の嘱託 (裁判による登記の嘱託) 第九百三十七条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 会社の設立の無効の訴え ロ 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え ハ 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この節において同じ。)の発行の無効の訴え ニ 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え ホ 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え ヘ 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え ト 株主総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 株主総会等の決議の取消しの訴え チ 持分会社の設立の取消しの訴え リ 会社の解散の訴え ヌ 株式会社の役員の解任の訴え ル 持分会社の社員の除名の訴え ヲ 持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判(次条第二項第一号に規定する裁判を除く。) ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判(次条第二項第二号に規定する裁判を除く。) ニ 清算人又は代表清算人若しくは清算持分会社を代表する清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判(次条第二項第三号に規定する裁判を除く。) ホ 清算人の解任の裁判(次条第二項第四号に規定する裁判を除く。) 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第八百二十四条第一項の規定による会社の解散を命ずる裁判 2 第八百二十七条第一項の規定による外国会社の日本における取引の継続の禁止又は営業所の閉鎖を命ずる裁判が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、次の各号に掲げる外国会社の区分に応じ、当該各号に定める地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 日本に営業所を設けていない外国会社 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地 二 日本に営業所を設けている外国会社 当該営業所の所在地 3 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社についての解散の登記及び組織変更をする会社についての回復の登記 二 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社についての変更の登記及び吸収合併により消滅する会社についての回復の登記 三 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社についての解散の登記及び新設合併により消滅する会社についての回復の登記 四 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記 五 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社についての変更の登記及び新設分割により設立する会社についての解散の登記 六 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換をする株式会社(第七百六十八条第一項第四号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)及び株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社についての変更の登記 七 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社(第七百七十三条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)についての変更の登記及び株式移転により設立する株式会社についての解散の登記 八 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社についての変更の登記 (特別清算に関する裁判による登記の嘱託) 第九百三十八条 次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始の命令があったとき 特別清算開始の登記 二 特別清算開始の命令を取り消す決定が確定したとき 特別清算開始の取消しの登記 三 特別清算終結の決定が確定したとき 特別清算終結の登記 2 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 特別清算開始後における第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判があったとき。 二 前号の裁判を取り消す裁判があったとき。 三 特別清算開始後における清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判があったとき。 四 特別清算開始後における清算人の解任の裁判があったとき。 五 前号の裁判を取り消す裁判が確定したとき。 3 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。 一 清算株式会社の財産に属する権利で登記されたものに関し第五百四十条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 二 登記のある権利に関し第五百四十二条第一項又は第二項の規定による保全処分があったとき。 4 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 5 前二項の規定は、登録のある権利について準用する。 6 前各項の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。 第五章 公告 第一節 総則 (会社の公告方法) 第九百三十九条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告 2 外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 3 会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。 (電子公告の公告期間等) 第九百四十条 株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告 当該特定の日 二 第四百四十条第一項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 前三号に掲げる公告以外の公告 当該公告の開始後一箇月を経過する日 2 外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下この章において「公告期間」という。)中公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。 一 公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は会社に正当な事由があること。 二 公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。 三 会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。 第二節 電子公告調査機関 (電子公告調査) 第九百四十一条 この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。 (登録) 第九百四十二条 前条の登録(以下この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。 2 登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (欠格事由) 第九百四十三条 次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。 一 この節の規定若しくは農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項及び第三十四条の二十三第四項、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の二十八第六項(同法第四十三条第三項並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項、第八十条第一項及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第四十五条の二第六項、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第四十条の二第六項、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十三条の二十の二第六項、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項(同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)第十五条第六項(同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条の二及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百九十四条第四項、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二十条第四項、第六十一条第七項、第六十二条の二十五第七項及び第六十三条の二十第七項並びに労働者協同組合法(令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 二 第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三 法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの (登録基準) 第九百四十四条 法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。 この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。 一 電子公告調査に必要な電子計算機及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この号において同じ。)であって次に掲げる要件の全てに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。 イ 当該電子計算機及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。 ロ 当該電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。 ハ 当該電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。 二 電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。 2 登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。 一 登録年月日及び登録番号 二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 三 登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地 (登録の更新) 第九百四十五条 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。 (調査の義務等) 第九百四十六条 調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。 2 調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。 3 調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下この節において「調査委託者」という。)の商号その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。 4 調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。 (電子公告調査を行うことができない場合) 第九百四十七条 調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告又はその者若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。 一 当該調査機関 二 当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。) 三 理事等又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人 四 理事等又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。)又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人 (事業所の変更の届出) 第九百四十八条 調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。 (業務規程) 第九百四十九条 調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 2 業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。 (業務の休廃止) 第九百五十条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。 (財務諸表等の備置き及び閲覧等) 第九百五十一条 調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (適合命令) 第九百五十二条 法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第九百五十三条 法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと又は電子公告調査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (登録の取消し等) 第九百五十四条 法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第九百四十三条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 二 第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで、第九百五十一条第一項又は次条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号又は次条第二項各号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。 四 第九百五十二条又は前条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。 五 不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。 (調査記録簿等の記載等) 第九百五十五条 調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。 2 調査委託者その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求 二 調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (調査記録簿等の引継ぎ) 第九百五十六条 調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。 2 前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。 (法務大臣による電子公告調査の業務の実施) 第九百五十七条 法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災その他の事由によって電子公告調査の業務の全部又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。 2 法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、法務省令で定める。 3 第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 (報告及び検査) 第九百五十八条 法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (公示) 第九百五十九条 法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一 登録をしたとき。 二 第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。 三 第九百四十八条又は第九百五十条の届出があったとき。 四 第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 五 第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。 第八編 罰則 (取締役等の特別背任罪) 第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時監査役 三 取締役、会計参与、監査役又は執行役 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者 六 支配人 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算株式会社の清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者 三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 四 清算人代理 五 監督委員 六 調査委員 (代表社債権者等の特別背任罪) 第九百六十一条 代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (未遂罪) 第九百六十二条 前二条の罪の未遂は、罰する。 (会社財産を危うくする罪) 第九百六十三条 第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 2 第九百六十条第一項第三号から第五号までに掲げる者が、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会若しくは種類株主総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、前項と同様とする。 3 検査役が、第二十八条各号、第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 4 第九十四条第一項の規定により選任された者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、第一項と同様とする。 5 第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。 一 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得したとき。 二 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。 三 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第九百六十四条 次に掲げる者が、株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集をするに当たり、会社の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者 二 持分会社の業務を執行する社員 三 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者 四 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集の委託を受けた者 2 株式、新株予約権、社債又は新株予約権付社債の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。 (預合いの罪) 第九百六十五条 第九百六十条第一項第一号から第七号までに掲げる者が、株式の発行に係る払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 預合いに応じた者も、同様とする。 (株式の超過発行の罪) 第九百六十六条 次に掲げる者が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時執行役 三 取締役、執行役又は清算株式会社の清算人 四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)又は第四百三条第三項において準用する第四百一条第三項の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役又は清算株式会社の清算人の職務を行うべき者 (取締役等の贈収賄罪) 第九百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第九百六十条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 第九百六十一条に規定する者 三 会計監査人又は第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 (株主等の権利の行使に関する贈収賄罪) 第九百六十八条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会における発言又は議決権の行使 二 第二百十条若しくは第二百四十七条、第二百九十七条第一項若しくは第四項、第三百三条第一項若しくは第二項、第三百四条、第三百五条第一項若しくは第三百六条第一項若しくは第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百五十八条第一項、第三百六十条第一項若しくは第二項(これらの規定を第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)、第四百二十二条第一項若しくは第二項、第四百二十六条第七項、第四百三十三条第一項若しくは第四百七十九条第二項に規定する株主の権利の行使、第五百十一条第一項若しくは第五百二十二条第一項に規定する株主若しくは債権者の権利の行使又は第五百四十七条第一項若しくは第三項に規定する債権者の権利の行使 三 社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者の権利の行使 四 第八百二十八条第一項、第八百二十九条から第八百三十一条まで、第八百三十三条第一項、第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項、第八百四十七条の三第七項若しくは第九項、第八百五十三条、第八百五十四条又は第八百五十八条に規定する訴えの提起(株主等(第八百四十七条の四第二項に規定する株主等をいう。次号において同じ。)、株式会社の債権者又は新株予約権若しくは新株予約権付社債を有する者がするものに限る。) 五 第八百四十九条第一項の規定による株主等の訴訟参加 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。 (没収及び追徴) 第九百六十九条 第九百六十七条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (株主等の権利の行使に関する利益供与の罪) 第九百七十条 第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。第三項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。 3 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において第一項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。 4 前二項の罪を犯した者が、その実行について第一項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 5 前三項の罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができる。 6 第一項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。 (国外犯) 第九百七十一条 第九百六十条から第九百六十三条まで、第九百六十五条、第九百六十六条、第九百六十七条第一項、第九百六十八条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 第九百六十七条第二項、第九百六十八条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第九百七十二条 第九百六十条、第九百六十一条、第九百六十三条から第九百六十六条まで、第九百六十七条第一項又は第九百七十条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第九百六十二条の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (業務停止命令違反の罪) 第九百七十三条 第九百五十四条の規定による電子公告調査(第九百四十二条第一項に規定する電子公告調査をいう。以下同じ。)の業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 (虚偽届出等の罪) 第九百七十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第九百五十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 二 第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項若しくは第九百五十六条第二項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者 三 第九百五十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 (両罰規定) 第九百七十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁、株主総会若しくは種類株主総会、創立総会若しくは種類創立総会、社債権者集会又は債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、株主名簿、株券喪失登録簿、新株予約権原簿、社債原簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第四百三十五条第二項若しくは第四百九十四条第一項の附属明細書、会計参与報告、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第百二十二条第一項、第百四十九条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第一項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第一項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第一項、第二百五十条第一項、第二百七十条第一項、第六百八十二条第一項、第六百九十五条第一項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第一項、第七百九十四条第一項、第八百一条第一項若しくは第二項、第八百三条第一項、第八百十一条第一項、第八百十五条第一項若しくは第二項、第八百十六条の二第一項若しくは第八百十六条の十第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第三十一条第一項の規定、第七十四条第六項、第七十五条第三項、第七十六条第四項、第八十一条第二項若しくは第八十二条第二項(これらの規定を第八十六条において準用する場合を含む。)、第百二十五条第一項、第百七十一条の二第一項、第百七十三条の二第二項、第百七十九条の五第一項、第百七十九条の十第二項、第百八十二条の二第一項、第百八十二条の六第二項、第二百三十一条第一項若しくは第二百五十二条第一項、第三百十条第六項、第三百十一条第三項、第三百十二条第四項、第三百十八条第二項若しくは第三項若しくは第三百十九条第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)、第三百七十一条第一項(第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)、第三百七十八条第一項、第三百九十四条第一項、第三百九十九条の十一第一項、第四百十三条第一項、第四百四十二条第一項若しくは第二項、第四百九十六条第一項、第六百八十四条第一項、第七百三十一条第二項、第七百八十二条第一項、第七百九十一条第二項、第七百九十四条第一項、第八百一条第三項、第八百三条第一項、第八百十一条第二項、第八百十五条第三項、第八百十六条の二第一項又は第八百十六条の十第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 正当な理由がないのに、株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会において、株主又は設立時株主の求めた事項について説明をしなかったとき。 十 第百三十五条第一項の規定に違反して株式を取得したとき、又は同条第三項の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。 十一 第百七十八条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の消却をしたとき。 十二 第百九十七条第一項又は第二項の規定に違反して、株式の競売又は売却をしたとき。 十三 株式、新株予約権又は社債の発行の日前に株券、新株予約権証券又は社債券を発行したとき。 十四 第二百十五条第一項、第二百八十八条第一項又は第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく、株券、新株予約権証券又は社債券を発行しなかったとき。 十五 株券、新株予約権証券又は社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 十六 第二百二十五条第四項、第二百二十六条第二項、第二百二十七条又は第二百二十九条第二項の規定に違反して、株券喪失登録を抹消しなかったとき。 十七 第二百三十条第一項の規定に違反して、株主名簿に記載し、又は記録したとき。 十八 第二百九十六条第一項の規定又は第三百七条第一項第一号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)若しくは第三百五十九条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、株主総会を招集しなかったとき。 十八の二 第三百三条第一項又は第二項(これらの規定を第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会又は種類株主総会の目的としなかったとき。 十九 第三百二十五条の三第一項(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十九の二 第三百二十七条の二の規定に違反して、社外取締役を選任しなかったとき。 十九の三 第三百三十一条第六項の規定に違反して、社外取締役を監査等委員である取締役の過半数に選任しなかったとき。 二十 第三百三十五条第三項の規定に違反して、社外監査役を監査役の半数以上に選任しなかったとき。 二十一 第三百四十三条第二項(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第三百四十四条の二第二項(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を株主総会若しくは種類株主総会の目的とせず、又はその請求に係る議案を株主総会若しくは種類株主総会に提出しなかったとき。 二十二 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 二十三 第三百六十五条第二項(第四百十九条第二項及び第四百八十九条第八項において準用する場合を含む。)又は第四百三十条の二第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、取締役会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 二十四 第三百九十条第三項の規定に違反して、常勤の監査役を選定しなかったとき。 二十五 第四百四十五条第三項若しくは第四項の規定に違反して資本準備金若しくは準備金を計上せず、又は第四百四十八条の規定に違反して準備金の額の減少をしたとき。 二十六 第四百四十九条第二項若しくは第五項、第六百二十七条第二項若しくは第五項、第六百三十五条第二項若しくは第五項、第六百七十条第二項若しくは第五項、第七百七十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百二条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十条第二項若しくは第五項(これらの規定を第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八百十六条の八第二項若しくは第五項又は第八百二十条第一項若しくは第二項の規定に違反して、資本金若しくは準備金の額の減少、持分の払戻し、持分会社の財産の処分、組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付又は外国会社の日本における代表者の全員の退任をしたとき。 二十七 第四百八十四条第一項若しくは第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠ったとき、又は第五百十一条第二項の規定に違反して特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。 二十八 清算の結了を遅延させる目的で、第四百九十九条第一項、第六百六十条第一項又は第六百七十条第二項の期間を不当に定めたとき。 二十九 第五百条第一項、第五百三十七条第一項又は第六百六十一条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 三十 第五百二条又は第六百六十四条の規定に違反して、清算株式会社又は清算持分会社の財産を分配したとき。 三十一 第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の規定に違反したとき。 三十二 第五百四十条第一項若しくは第二項又は第五百四十二条第一項若しくは第二項の規定による保全処分に違反したとき。 三十三 第七百二条の規定に違反して社債を発行し、又は第七百十四条第一項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者を定めなかったとき。 三十四 第八百二十七条第一項の規定による裁判所の命令に違反したとき。 三十五 第九百四十一条の規定に違反して、電子公告調査を求めなかったとき。 第九百七十七条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 第九百五十一条第一項の規定に違反して、財務諸表等(同項に規定する財務諸表等をいう。以下同じ。)を備え置かず、又は財務諸表等に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者 三 正当な理由がないのに、第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第九百七十八条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第六条第三項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者 二 第七条の規定に違反して、会社であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第八条第一項の規定に違反して、他の会社(外国会社を含む。)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者 第九百七十九条 会社の成立前に当該会社の名義を使用して事業をした者は、会社の設立の登録免許税の額に相当する過料に処する。 2 第八百十八条第一項又は第八百二十一条第一項の規定に違反して取引をした者も、前項と同様とする。
民事
Heisei
Act
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平成十七年法律第八十七号
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会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 抄 第一章 法律の廃止等 第一節 商法中署名すべき場合に関する法律等の廃止 第一条 次に掲げる法律は、廃止する。 一 商法中署名すべき場合に関する法律(明治三十三年法律第十七号) 二 商法中改正法律施行法(昭和十三年法律第七十三号) 三 有限会社法(昭和十三年法律第七十四号) 四 銀行等の事務の簡素化に関する法律(昭和十八年法律第四十二号) 五 会社の配当する利益又は利息の支払に関する法律(昭和二十三年法律第六十四号) 六 法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和二十四年法律第百三十七号) 七 商法の一部を改正する法律施行法(昭和二十六年法律第二百十号) 八 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号) 九 銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(平成九年法律第百二十一号) 第二節 有限会社法の廃止に伴う経過措置 第一款 旧有限会社の存続 第二条 前条第三号の規定による廃止前の有限会社法(以下「旧有限会社法」という。)の規定による有限会社であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧有限会社」という。)は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後は、この節の定めるところにより、会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定による株式会社として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧有限会社の定款、社員、持分及び出資一口を、それぞれ同項の規定により存続する株式会社の定款、株主、株式及び一株とみなす。 3 第一項の規定により存続する株式会社の施行日における発行可能株式総数及び発行済株式の総数は、同項の旧有限会社の資本の総額を当該旧有限会社の出資一口の金額で除して得た数とする。 第二款 経過措置及び特例有限会社に関する会社法の特則 (商号に関する特則) 第三条 前条第一項の規定により存続する株式会社は、会社法第六条第二項の規定にかかわらず、その商号中に有限会社という文字を用いなければならない。 2 前項の規定によりその商号中に有限会社という文字を用いる前条第一項の規定により存続する株式会社(以下「特例有限会社」という。)は、その商号中に特例有限会社である株式会社以外の株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 特例有限会社である株式会社以外の株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社は、その商号中に、特例有限会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 4 前二項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者は、百万円以下の過料に処する。 (旧有限会社の設立手続等の効力) 第四条 旧有限会社の設立、資本の増加、合併(合併後存続する会社又は合併によって設立する会社が旧有限会社であるものに限る。)、新設分割、吸収分割(分割によって営業を承継する会社が旧有限会社であるものに限る。)又は旧有限会社法第六十四条第一項若しくは第六十七条第一項の規定による組織変更について施行日前に行った社員総会又は株主総会の決議その他の手続は、施行日前にこれらの行為の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (定款の記載等に関する経過措置) 第五条 旧有限会社の定款における旧有限会社法第六条第一項第一号、第二号及び第七号に掲げる事項の記載又は記録はそれぞれ第二条第一項の規定により存続する株式会社の定款における会社法第二十七条第一号から第三号までに掲げる事項の記載又は記録とみなし、旧有限会社の定款における旧有限会社法第六条第一項第三号から第六号までに掲げる事項の記載又は記録は第二条第一項の規定により存続する株式会社の定款に記載又は記録がないものとみなす。 2 旧有限会社における旧有限会社法第八十八条第三項第一号又は第二号に掲げる定款の定めは、第二条第一項の規定により存続する株式会社の定款における会社法第九百三十九条第一項の規定による公告方法の定めとみなす。 3 旧有限会社における旧有限会社法第八十八条第三項第三号に掲げる定款の定めは、第二条第一項の規定により存続する株式会社の定款における会社法第九百三十九条第三項後段の規定による定めとみなす。 4 前二項の規定にかかわらず、この法律の施行の際現に旧有限会社が旧有限会社法第八十八条第一項に規定する公告について異なる二以上の方法の定款の定めを設けている場合には、施行日に、当該定款の定めはその効力を失う。 5 会社法第二十七条第四号及び第五号の規定は、第二条第一項の規定により存続する株式会社には、適用しない。 (定款の備置き及び閲覧等に関する特則) 第六条 第二条第一項の規定により存続する株式会社は、会社法第三十一条第二項各号に掲げる請求に応じる場合には、当該請求をした者に対し、定款に記載又は記録がないものであっても、この節の規定により定款に定めがあるものとみなされる事項を示さなければならない。 (出資の引受けの意思表示の効力) 第七条 第二条第一項の規定により存続する株式会社の株主は、当該株主がした旧有限会社の出資の引受けの意思表示について、民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条ただし書、第九十四条第一項若しくは第九十五条の規定によりその無効を主張し、又は詐欺若しくは強迫を理由としてその取消しをすることができない。 (社員名簿に関する経過措置) 第八条 旧有限会社の社員名簿は、会社法第百二十一条の株主名簿とみなす。 2 前項の社員名簿における次の各号に掲げる事項の記載又は記録は、同項の株主名簿における当該各号に定める規定に掲げる事項の記載又は記録とみなす。 一 社員の氏名又は名称及び住所 会社法第百二十一条第一号 二 社員の出資の口数 会社法第百二十一条第二号 (株式の譲渡制限の定めに関する特則) 第九条 特例有限会社の定款には、その発行する全部の株式の内容として当該株式を譲渡により取得することについて当該特例有限会社の承認を要する旨及び当該特例有限会社の株主が当該株式を譲渡により取得する場合においては当該特例有限会社が会社法第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす旨の定めがあるものとみなす。 2 特例有限会社は、その発行する全部又は一部の株式の内容として前項の定めと異なる内容の定めを設ける定款の変更をすることができない。 (持分に関する定款の定めに関する経過措置) 第十条 この法律の施行の際旧有限会社の定款に現に次の各号に掲げる規定に規定する別段の定めがある場合における当該定めに係る持分は、第二条第一項の規定により存続する株式会社における当該各号に定める規定に掲げる事項についての定めがある種類の株式とみなす。 一 旧有限会社法第三十九条第一項ただし書 会社法第百八条第一項第三号 二 旧有限会社法第四十四条 会社法第百八条第一項第一号 三 旧有限会社法第七十三条 会社法第百八条第一項第二号 (持分の譲渡の承認手続に関する経過措置) 第十一条 施行日前に旧有限会社法第十九条第三項又は第七項の規定による請求がされた場合における当該請求に係る手続については、なお従前の例による。 (自己の持分の取得に関する経過措置) 第十二条 施行日前に定時社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその定時社員総会の決議を要する自己の持分の取得に相当する自己の株式の取得については、なお従前の例による。 (持分の消却に関する経過措置) 第十三条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会の決議を要する持分の消却に相当する株式の消却(資本の減少の規定に従う場合を除く。)については、なお従前の例による。 ただし、株式の消却に関する登記の登記事項については、会社法の定めるところによる。 (株主総会に関する特則) 第十四条 特例有限会社の総株主の議決権の十分の一以上を有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。 ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。 2 次に掲げる場合には、前項本文の規定による請求をした株主は、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。 一 前項本文の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項本文の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を株主総会の日とする株主総会の招集の通知が発せられない場合 3 特例有限会社の株主総会の決議については、会社法第三百九条第二項中「当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二」とあるのは、「総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の四分の三」とする。 4 特例有限会社は、会社法第百八条第一項第三号に掲げる事項についての定めがある種類の株式に関し、その株式を有する株主が総株主の議決権の十分の一以上を有する株主の権利の行使についての規定の全部又は一部の適用については議決権を有しないものとする旨を定款で定めることができる。 5 特例有限会社については、会社法第二百九十七条及び第三百一条から第三百七条までの規定は、適用しない。 (社員総会の権限及び手続に関する経過措置) 第十五条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合における当該社員総会に相当する株主総会の権限及び手続については、なお従前の例による。 (社員総会の決議に関する経過措置) 第十六条 施行日前に社員総会が旧有限会社法の規定に基づいてした取締役又は監査役の選任その他の事項に関する決議は、当該決議があった日に、第二条第一項の規定により存続する株式会社の株主総会が会社法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (株主総会以外の機関の設置に関する特則) 第十七条 特例有限会社の株主総会以外の機関の設置については、会社法第三百二十六条第二項中「取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等」とあるのは、「監査役」とする。 2 特例有限会社については、会社法第三百二十八条第二項の規定は、適用しない。 (取締役の任期等に関する規定の適用除外) 第十八条 特例有限会社については、会社法第三百三十二条、第三百三十六条及び第三百四十三条の規定は、適用しない。 (取締役等の資格に関する経過措置) 第十九条 会社法第三百三十一条第一項(同法第三百三十五条第一項、第四百二条第四項及び第四百七十八条第八項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、旧有限会社法の規定(この節の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧有限会社法の規定を含む。)に違反し、刑に処せられた者は、会社法の規定に違反し、刑に処せられたものとみなす。 2 会社法第三百三十一条第一項第三号(同法第三百三十五条第一項及び第四百七十八条第八項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行の際現に旧有限会社の取締役、監査役又は清算人である者が施行日前に犯した証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十八年法律第六十六号)第二百五条の規定による改正前の会社法(第五十八条第二項、第九十四条第二項並びに第二百十一条第三項及び第六項において「旧会社法」という。)第三百三十一条第一項第三号に規定する証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)又は破産法(平成十六年法律第七十五号)の罪により刑に処せられた場合におけるその者の第二条第一項の規定により存続する株式会社の取締役、監査役又は清算人としての継続する在任については、適用しない。 (役員等の行為に関する経過措置) 第二十条 ある者が旧有限会社の取締役、監査役又は清算人として施行日前にした又はすべきであった旧有限会社法又は旧有限会社法において準用する第六十四条の規定による改正前の商法(明治三十二年法律第四十八号。以下「旧商法」という。)に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が第二条第一項の規定により存続する株式会社の取締役、監査役又は清算人としてした又はすべきであった会社法の相当規定に規定する行為とみなす。 (取締役に関する規定の適用除外) 第二十一条 特例有限会社については、会社法第三百四十八条第三項及び第四項並びに第三百五十七条の規定は、適用しない。 (業務の執行に関する検査役の選任に関する経過措置) 第二十二条 会社法第三百五十八条の規定の適用については、施行日前に旧有限会社がした業務の執行は、当該業務の執行の日に、第二条第一項の規定により存続する株式会社がしたものとみなす。 (業務の執行に関する検査役の選任に関する特則) 第二十三条 特例有限会社の業務の執行に関する検査役の選任については、会社法第三百五十八条第一項中「次に掲げる株主」とあるのは、「総株主の議決権の十分の一以上の議決権を有する株主」とする。 (監査役の監査範囲に関する特則) 第二十四条 監査役を置く旨の定款の定めのある特例有限会社の定款には、会社法第三百八十九条第一項の規定による定めがあるものとみなす。 (取締役等の損害賠償責任に関する経過措置) 第二十五条 旧有限会社の取締役、監査役又は清算人の施行日前の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (会計帳簿の閲覧等の請求等に関する特則) 第二十六条 特例有限会社の会計帳簿の閲覧等の請求については、会社法第四百三十三条第一項中「総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主」とあるのは「総株主の議決権の十分の一以上の議決権を有する株主」と、同条第三項中「親会社社員」とあるのは「親会社社員であって当該親会社の総株主の議決権の十分の一以上を有するもの」とする。 2 この法律の施行の際現に旧有限会社法第四十四条ノ二第二項の規定による定款の定めがある特例有限会社における附属明細書の作成については、なお従前の例による。 (計算書類の作成等に関する経過措置) 第二十七条 旧有限会社が旧有限会社法の規定(旧有限会社法において準用する旧商法の規定を含む。)に基づいて施行日前に作成した会計帳簿、計算書類その他の会計又は経理に関する書類は、その作成の日に、第二条第一項の規定により存続する株式会社が会社法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 2 施行日前に到来した最終の決算期(第三十条において「直前決算期」という。)に係る旧有限会社法第四十三条第一項各号に掲げるもの及びこれらの附属明細書の作成、監査及び承認の方法については、なお従前の例による。 3 第一項の規定は、前項の規定により作成した旧有限会社法第四十三条第一項各号に掲げるもの及びこれらの附属明細書について準用する。 (計算書類の公告等に関する規定の適用除外) 第二十八条 特例有限会社については、会社法第四百四十条及び第四百四十二条第二項の規定は、適用しない。 (資本等の減少に関する経過措置) 第二十九条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会の決議を要する資本又は資本準備金若しくは利益準備金の減少については、なお従前の例による。 ただし、資本の減少に関する登記の登記事項については、会社法の定めるところによる。 (利益の配当に関する経過措置) 第三十条 直前決算期以前の決算期に係る剰余金の配当については、なお従前の例による。 (営業の譲渡等に関する経過措置) 第三十一条 施行日前に旧有限会社法第四十条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の決議をするための社員総会の招集の手続が開始された場合における同条第一項各号に掲げる行為(旧有限会社法第四十一条において準用する旧商法第二百四十五条ノ二の規定による持分の買取請求の手続を含む。)及び旧有限会社法第四十条第三項に規定する行為については、なお従前の例による。 (休眠会社のみなし解散に関する規定の適用除外) 第三十二条 特例有限会社については、会社法第四百七十二条の規定は、適用しない。 (清算株式会社である特例有限会社に関する特則) 第三十三条 清算株式会社である特例有限会社の株主総会以外の機関の設置については、会社法第四百七十七条第二項中「清算人会、監査役又は監査役会」とあるのは、「監査役」とする。 2 清算株式会社である特例有限会社の清算人の解任については、会社法第四百七十九条第二項各号列記以外の部分中「次に掲げる株主」とあるのは、「株主」とする。 (旧有限会社が解散した場合における会社の継続及び清算に関する経過措置) 第三十四条 施行日前に生じた旧有限会社法第六十九条第一項各号に掲げる事由により旧有限会社が解散した場合における第二条第一項の規定により存続する株式会社の継続及び清算については、なお従前の例による。 ただし、継続及び清算に関する登記の登記事項については、会社法の定めるところによる。 (特別清算に関する規定の適用除外) 第三十五条 特例有限会社については、会社法第二編第九章第二節の規定は、適用しない。 (合併等に関する経過措置) 第三十六条 施行日前に社員総会又は株主総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会又は株主総会の決議を要する合併(合併後存続する会社又は合併により設立する会社が株式会社であるものに限る。)及び吸収分割(分割により営業を承継する会社が株式会社であるものに限る。)については、なお従前の例による。 ただし、合併及び吸収分割に関する登記の登記事項については、会社法の定めるところによる。 (合併等の制限) 第三十七条 特例有限会社は、会社法第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は同法第七百五十七条に規定する吸収分割承継会社となることができない。 (株式交換、株式移転及び株式交付に関する規定の適用除外) 第三十八条 特例有限会社については、会社法第五編第四章及び第四章の二並びに同編第五章中株式交換、株式移転及び株式交付の手続に係る部分の規定は、適用しない。 (役員の解任の訴えに関する特則) 第三十九条 特例有限会社の役員の解任の訴えについては、会社法第八百五十四条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる株主」とあるのは、「総株主の議決権の十分の一以上の議決権を有する株主」とする。 (有限会社の組織に関する訴え等に関する経過措置) 第四十条 施行日前に提起された、自己の持分の処分の無効の訴え、取締役若しくは監査役の解任の訴え、社員総会の決議の取消しの訴え、社員総会の決議の不存在若しくは無効の確認の訴え、資本準備金若しくは利益準備金の減少の無効の訴え、資本増加の無効の訴え、資本減少の無効の訴え、合併の無効の訴え、新設分割若しくは吸収分割の無効の訴え、旧有限会社の解散の訴え又は旧有限会社の設立の無効若しくは取消しの訴えについては、なお従前の例による。 2 施行日前に社員が旧有限会社法第三十一条第一項の訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 3 施行日前に提起された旧有限会社の設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における第二条第一項の規定により存続する株式会社の清算については、なお従前の例による。 ただし、清算に関する登記の登記事項については、会社法の定めるところによる。 4 施行日前に提起された旧有限会社の設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における第二条第一項の規定により存続する株式会社の継続及び清算についても、前項と同様とする。 (非訟事件に関する経過措置) 第四十一条 施行日前に申立て又は裁判があった旧有限会社法(旧有限会社法において準用する旧商法を含む。)及び第百十九条の規定による改正前の非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の規定による非訟事件(清算に関する事件を除く。次項において同じ。)の手続については、なお従前の例による。 2 この款の規定によりなお従前の例によることとされる場合における非訟事件の手続についても、前項と同様とする。 (登記に関する経過措置) 第四十二条 旧有限会社法の規定による旧有限会社の資本の総額の登記は、会社法の規定による特例有限会社の資本金の額の登記とみなす。 2 前項に規定するもののほか、旧有限会社法の規定による旧有限会社の登記は、会社法の相当規定(次条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)による特例有限会社の登記とみなす。 3 特例有限会社については、施行日に、その本店の所在地において、会社法第九百十一条第三項第六号及び第九号に掲げる事項として、第二条第三項の規定による発行可能株式総数及び発行済株式の総数が登記されたものとみなす。 4 特例有限会社については、施行日に、その本店の所在地において、会社法第九百十一条第三項第七号に掲げる事項として、第九条第一項の規定によりあるものとみなされた定款の定めが登記されたものとみなす。 5 旧有限会社が旧有限会社法第八十八条第三項第一号又は第二号に掲げる定款の定めの登記をしている場合には、施行日に、特例有限会社について、その本店の所在地において、会社法第九百十一条第三項第二十八号及び第二十九号イに掲げる事項として、第五条第二項の規定によりみなされた公告方法の定めが登記されたものとみなす。 6 旧有限会社が旧有限会社法第八十八条第三項第三号に掲げる定款の定めの登記をしている場合には、施行日に、特例有限会社について、その本店の所在地において、会社法第九百十一条第三項第二十九号ロに掲げる事項として、第五条第三項の規定によりみなされた同法第九百三十九条第三項後段の規定による定めが登記されたものとみなす。 7 旧有限会社が旧有限会社法第八十八条第三項第一号若しくは第二号に掲げる定款の定めの登記をしていない場合又は第五条第四項の規定に該当する場合には、施行日に、特例有限会社について、その本店の所在地において、会社法第九百十一条第三項第三十号に掲げる事項が登記されたものとみなす。 8 特例有限会社は、第十条の規定によりみなされた種類の株式がある場合には、施行日から六箇月以内に、会社法第九百十一条第三項第七号及び第九号に掲げる事項の登記をしなければならない。 9 特例有限会社は、前項の登記をするまでに他の登記をするときは、当該他の登記と同時に、同項の登記をしなければならない。 10 第八項の登記をするまでに同項に規定する事項に変更を生じたときは、遅滞なく、当該変更に係る登記と同時に、変更前の事項の登記をしなければならない。 11 特例有限会社の取締役又は清算人は、前三項の規定に違反した場合には、百万円以下の過料に処する。 (登記に関する特則) 第四十三条 特例有限会社の登記については、会社法第九百十一条第三項第十三号中「氏名」とあるのは「氏名及び住所」と、同項第十四号中「氏名及び住所」とあるのは「氏名(特例有限会社を代表しない取締役がある場合に限る。)」と、同項第十七号中「その旨及び次に掲げる事項」とあるのは「監査役の氏名及び住所」とする。 2 特例有限会社の清算人の登記については、会社法第九百二十八条第一項第一号中「氏名」とあるのは「氏名及び住所」と、同項第二号中「氏名及び住所」とあるのは「氏名(特例有限会社を代表しない清算人がある場合に限る。)」とする。 (旧有限会社法の規定の読替え等) 第四十四条 この節の規定によりなお従前の例によることとされる場合においては、旧有限会社法中「社員」とあるのは「株主」と、「社員総会」とあるのは「株主総会」と、「社員名簿」とあるのは「株主名簿」とするほか、必要な技術的読替えは、法務省令で定める。 第三款 商号変更による通常の株式会社への移行 (株式会社への商号変更) 第四十五条 特例有限会社は、第三条第一項の規定にかかわらず、定款を変更してその商号中に株式会社という文字を用いる商号の変更をすることができる。 2 前項の規定による定款の変更は、次条の登記(本店の所在地におけるものに限る。)をすることによって、その効力を生ずる。 (特例有限会社の通常の株式会社への移行の登記) 第四十六条 特例有限会社が前条第一項の規定による定款の変更をする株主総会の決議をしたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、当該特例有限会社については解散の登記をし、同項の商号の変更後の株式会社については設立の登記をしなければならない。 この場合においては、会社法第九百十五条第一項の規定は、適用しない。 第三節 会社の配当する利益又は利息の支払に関する法律の廃止に伴う経過措置 第四十七条 施行日前に第一条第五号の規定による廃止前の会社の配当する利益又は利息の支払に関する法律第一項の規定により同項に規定する株主が旧商法の規定による株式会社であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧株式会社」という。)に通知した場所は、会社法第四百五十七条第一項の規定により同項に規定する株主が第六十六条第一項前段の規定により存続する株式会社に通知した場所とみなす。 第四節 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の廃止に伴う経過措置 (会計帳簿等に関する経過措置) 第四十八条 旧株式会社が第一条第八号の規定による廃止前の株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(以下「旧商法特例法」という。)の規定に基づいて施行日前に作成した会計帳簿、計算書類その他の会計又は経理に関する書類は、その作成の日に、第六十六条第一項の規定により存続する株式会社(以下この節において「新株式会社」という。)が会社法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 (株主総会の決議に関する経過措置) 第四十九条 旧株式会社の株主総会が旧商法特例法の規定に基づいて施行日前にした会計監査人の選任その他の事項に関する決議は、当該決議があった日に、新株式会社の株主総会が会社法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (役員等の行為に関する経過措置) 第五十条 ある者が旧株式会社の発起人、取締役、代表取締役、監査役、会計監査人、執行役、代表執行役又は清算人として施行日前にした又はすべきであった旧商法特例法及び旧商法特例法において準用する旧商法に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が新株式会社の発起人、取締役、代表取締役、監査役、会計監査人、執行役、代表執行役又は清算人としてした又はすべきであった会社法の相当規定に規定する行為とみなす。 (取締役会等の決議等に関する経過措置) 第五十一条 旧株式会社の取締役会、監査役会又は委員会が旧商法特例法の規定に基づいて施行日前にした執行役の選任の決議その他の権限の行使は、当該権限の行使がされた日に、新株式会社の取締役会、監査役会又は委員会が会社法の相当規定に基づいてした権限の行使とみなす。 (旧大会社等の定款に関する経過措置) 第五十二条 旧株式会社がこの法律の施行の際現に旧商法特例法第一条の二第一項に規定する大会社(以下「旧大会社」という。)若しくは同条第三項第二号に規定するみなし大会社(以下「旧みなし大会社」という。)であって旧委員会等設置会社(同項に規定する委員会等設置会社をいう。以下この節において同じ。)でない場合又は第六十六条第一項後段に規定する株式会社が旧商法特例法の適用があるとするならば旧大会社若しくは旧みなし大会社に該当し旧委員会等設置会社でない場合における新株式会社の定款には、監査役会及び会計監査人を置く旨の定めがあるものとみなす。 (監査役の権限の範囲に関する経過措置) 第五十三条 旧株式会社がこの法律の施行の際現に旧商法特例法第一条の二第二項に規定する小会社(以下「旧小会社」という。)である場合又は第六十六条第一項後段に規定する株式会社が旧商法特例法の適用があるとするならば旧小会社に該当する場合における新株式会社の定款には、会社法第三百八十九条第一項の規定による定めがあるものとみなす。 (重要財産委員会に関する経過措置) 第五十四条 旧株式会社がこの法律の施行の際現に旧商法特例法第一条の三に規定する重要財産委員会を置いている場合における新株式会社においては、当該重要財産委員会を組織する取締役を会社法第三百七十三条第一項に規定する特別取締役に選定した同項の規定による取締役会の定めがあるものとみなす。 (会計監査人の損害賠償責任に関する経過措置) 第五十五条 旧商法特例法の規定による会計監査人の施行日前の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (連結計算書類に関する経過措置) 第五十六条 施行日前に到来した最終の決算期に係る旧商法特例法第十九条の二第一項に規定する連結計算書類の作成、承認、監査及び同条第四項の規定による報告の方法については、なお従前の例による。 (委員会等設置会社に関する経過措置) 第五十七条 旧株式会社がこの法律の施行の際現に旧委員会等設置会社である場合又は第六十六条第一項後段に規定する株式会社が旧委員会等設置会社である場合における新株式会社の定款には、取締役会、委員会及び会計監査人を置く旨、会社法第四百五十九条第一項第二号から第四号までに掲げる事項を取締役会が定めることができる旨並びに当該事項を株主総会の決議によっては定めない旨の定めがあるものとみなす。 (取締役等の資格等に関する経過措置) 第五十八条 会社法第三百三十一条第一項(同法第三百三十五条第一項、第四百二条第四項及び第四百七十八条第八項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、旧商法特例法の規定(この節の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧商法特例法の規定を含む。)に違反し、刑に処せられた者は、会社法の規定に違反し、刑に処せられたものとみなす。 2 会社法第四百二条第四項において準用する同法第三百三十一条第一項第三号の規定は、この法律の施行の際現に旧商法特例法の規定による執行役である者が施行日前に犯した旧会社法第三百三十一条第一項第三号に規定する証券取引法、民事再生法、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律、会社更生法又は破産法の罪により刑に処せられた場合におけるその者の第六十六条第一項前段の規定により存続する株式会社の執行役としての継続する在任については、適用しない。 3 旧商法特例法の規定による執行役の施行日前の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (一時執行役の職務を行うべき者の選任に関する経過措置) 第五十九条 施行日前にした申立てに係る旧商法特例法第二十一条の十四第七項第五号において準用する旧商法第二百五十八条第二項の規定による請求の手続については、なお従前の例による。 (代表訴訟に関する経過措置) 第六十条 施行日前に株主が旧商法特例法第二十一条の二十五第二項において準用する旧商法第二百六十七条第一項の規定により訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 (登記に関する経過措置) 第六十一条 旧商法特例法の規定による委員会等設置会社の登記は、新株式会社の会社法第九百十一条第三項第二十二号の規定による登記とみなす。 2 前項に規定するもののほか、旧商法特例法の規定による旧株式会社の登記は、会社法の相当規定による新株式会社の登記とみなす。 3 第六十六条第一項前段の規定により存続する株式会社は、次の各号に掲げる場合には、施行日から六箇月以内に、その本店の所在地において、当該各号に定める事項の登記をしなければならない。 一 監査役会設置会社である場合 監査役会設置会社である旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨 二 会計監査人設置会社である場合 会計監査人設置会社である旨及び会計監査人の氏名又は名称 4 第四十二条第九項及び第十項の規定は、前項の登記について準用する。 5 新株式会社の代表取締役、代表執行役又は清算人は、前二項の規定に違反した場合には、百万円以下の過料に処する。 (旧商法特例法の規定の読替え等) 第六十二条 この節の規定によりなお従前の例によることとされる場合において必要な技術的読替えは、法務省令で定める。 第五節 銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律の廃止に伴う経過措置 第六十三条 施行日前に第一条第九号の規定による廃止前の銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(以下この条において「旧合併特例法」という。)第十二条第一項の申請書に係る申請がされた場合における銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第五十二条の十七第一項の認可及び同法第四条第一項の免許並びに旧合併特例法第三条第一項の規定による条件が定められた合併については、なお従前の例による。 第十二章 罰則に関する経過措置及び政令への委任 (罰則に関する経過措置) 第五百二十七条 施行日前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第五百二十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による法律の廃止又は改正に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
民事
Heisei
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平成十七年政令第十一号
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船舶登記令 第一章 総則 (趣旨) 第一条 この政令は、船舶及び製造中の船舶の登記に関し必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第二条 この政令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 船舶 総トン数二十トン以上の船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。)であって、航海の用に供するものをいう。 二 船舶の表示 船舶についての第十一条各号に掲げる登記事項をいう。 三 船舶管理人 船舶の共有者が商法(明治三十二年法律第四十八号)第六百九十七条第一項(船舶法第三十五条第一項本文において準用する場合を含む。)の規定により選任した船舶管理人をいう。 四 製造中の船舶の表示 製造中の船舶についての第二十五条各号に掲げる登記事項をいう。 五 船籍港 船舶の所有者が船舶法第四条第一項の規定により定めた船籍港をいう。 六 登記記録 船舶の表示若しくは製造中の船舶の表示についての登記、権利に関する登記又は船舶管理人の登記について、一隻の船舶又は製造中の船舶ごとに第七条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 七 登記事項 この政令の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。 八 権利に関する登記 船舶についての次条第一項各号に掲げる権利及び製造中の船舶についての抵当権に関する登記をいう。 九 登記名義人 船舶の登記簿の権利部(第七条第一項の権利部をいう。)に次条第一項各号に掲げる権利について権利者として記録されている者及び製造中の船舶の登記簿の権利部(第七条第二項の権利部をいう。)に抵当権者として記録されている者をいう。 十 管海官庁 船舶法に規定する船舶の登録の事務をつかさどる機関をいう。 (登記することができる権利等) 第三条 船舶の登記は、船舶の表示、船舶についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。)又は船舶管理人の選任、氏名若しくは名称若しくは住所の変更若しくは代理権の消滅についてする。 一 所有権 二 抵当権 三 賃借権 2 製造中の船舶の登記は、製造中の船舶の表示、製造中の船舶についての抵当権の設定等(設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。)又は船舶の所有者となるべき者についてする。 第二章 登記所 第四条 船舶の登記の事務は、第二十三条第二項の嘱託又は第三十条第一項の申請に基づいて登記をする場合を除き、船籍港の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。 2 船舶の船籍港の所在地を管轄する登記所が二以上ある場合には、当該船舶の登記の事務をつかさどる登記所は、法務省令で定める。 第五条 製造中の船舶の登記の事務は、第三十二条第一項の申請に基づいて登記をする場合を除き、製造地を管轄する登記所がつかさどる。 第三章 登記記録 (登記) 第六条 登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行う。 (登記記録の作成) 第七条 船舶の登記記録は、表題部、権利部及び船舶管理人部に区分して作成する。 2 製造中の船舶の登記記録は、表題部及び権利部に区分して作成する。 第八条から第十条まで 削除 第四章 船舶の登記手続 第一節 総則 (船舶の表題部の登記事項) 第十一条 船舶の表題部の登記事項は、次のとおりとする。 一 船名 二 船舶の種類(帆船(主として帆をもって運航する装置を有する船舶をいう。以下この条において同じ。)又は汽船(機械力をもって運航する装置を有する船舶であって、帆船でないものをいう。)の別をいう。第二十五条において同じ。) 三 船籍港 四 船質(船舶を構成する材料による分類をいう。第二十五条において同じ。) 五 総トン数 六 推進機関があるときは、その種類及び数 七 推進器があるときは、その種類及び数 八 帆船にあっては、帆装(帆の装着の形式をいう。) 九 進水の年月 十 日本において船舶を製造した場合を除き、国籍取得の年月日 (申請情報) 第十二条 船舶の登記を申請する場合に登記所に提供しなければならない第三十五条第一項において準用する不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第十八条の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。 一 申請人の氏名又は名称及び住所 二 申請人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって登記を申請するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、申請人が代位者である旨、当該他人の氏名又は名称及び住所並びに代位原因 五 登記の目的 六 所有権の保存の登記以外の登記を申請するときは、登記原因及びその日付 七 所有権の登記を申請する場合において、船舶が二人以上の者の共有に属するときは、船舶管理人の氏名又は名称及び住所 八 所有権の保存若しくは移転の登記を申請し、又は登記がない船舶についてする所有権の処分の制限の登記を嘱託するときは、次に掲げる事項 イ 所有権の登記名義人となる者が会社であるときは、当該会社のすべての代表者(第二号の代表者を除く。)その他の業務を執行するすべての役員の氏名 ロ 所有権の登記名義人となる者が会社以外の法人であるときは、当該法人のすべての代表者(第二号の代表者を除く。)の氏名 九 前条第一号から第五号までに掲げる事項 十 前各号に掲げるもののほか、別表一の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の申請情報欄に掲げる事項 (添付情報) 第十三条 船舶の登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 申請人が法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報 イ 会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下同じ。)を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 二 代理人によって登記を申請するとき(法務省令で定める場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報 三 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、代位原因を証する情報 四 所有権の保存若しくは移転の登記を申請し、又は登記がない船舶についてする所有権の処分の制限の登記を嘱託するときは、次に掲げる情報 イ ロからホまでに規定する場合を除き、所有権の登記名義人となる者が日本人であることを証する情報 ロ 所有権の登記名義人となる者が会社であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報 (1) 会社法人等番号を有する会社にあっては、当該会社の会社法人等番号 (2) (1)に規定する会社以外の会社にあっては、当該会社の全ての代表者(第一号ロの代表者を除く。)その他の業務を執行する全ての役員の資格を証する情報 ハ 所有権の登記名義人となる者が会社であるときは、当該会社の全ての代表者及び業務を執行する役員の三分の二以上の者が日本人であることを証する情報 ニ 所有権の登記名義人となる者が会社以外の法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報 (1) 会社法人等番号を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 (2) (1)に規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の全ての代表者(第一号ロの代表者を除く。)の資格を証する情報 ホ 所有権の登記名義人となる者が会社以外の法人であるときは、当該法人の全ての代表者が日本人であることを証する情報 五 前各号に掲げるもののほか、別表一の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報 2 前項第一号及び第二号の規定は、船舶に関する国の機関の所管に属する権利について命令又は規則により指定された官庁又は公署の職員が登記の嘱託をする場合には、適用しない。 3 第三十五条第一項において準用する不動産登記法第十八条第二号の規定により申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。)を含む。)を登記所に提出する方法により登記を申請するときは、第一項第四号イからホまで(同号ロ(1)及びニ(1)を除く。)に掲げる情報を記載した書面であって、市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。以下同じ。)、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、作成後三月以内のものでなければならない。 第二節 所有権に関する登記 (所有権の保存の登記の申請人) 第十四条 所有権の保存の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。 2 船舶が二人以上の者の共有に属する場合における所有権の保存の登記の申請は、すべての共有者が共同してしなければならない。 (所有権の保存の登記) 第十五条 登記官は、所有権の保存の登記をする場合には、職権で、船舶の表示について登記しなければならない。 (登記がない船舶についてする所有権の処分の制限の登記) 第十六条 登記官は、登記がない船舶について嘱託により所有権の処分の制限の登記をするときは、職権で、船舶の表示について登記し、かつ、所有権の保存の登記をしなければならない。 (管海官庁への通知) 第十七条 登記官は、船舶について所有権の保存の登記以外の所有権の登記をしたときは、遅滞なく、その旨を船籍港を管轄する管海官庁に通知しなければならない。 第三節 船舶管理人に関する登記 (船舶管理人の登記の登記事項) 第十八条 船舶管理人の登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申請の受付の年月日及び受付番号 三 船舶管理人の氏名又は名称及び住所 (船舶管理人の選任の登記) 第十九条 登記官は、第十二条第七号の規定により船舶管理人の氏名又は名称及び住所を申請情報の内容とする登記の申請に基づいて所有権の登記をする場合には、船舶管理人の選任の登記をしなければならない。 この場合においては、当該登記の申請の受付の年月日及び受付番号として、当該所有権の登記の申請の受付の年月日及び受付番号を登記するものとする。 (船舶管理人の氏名の変更の登記等) 第二十条 船舶管理人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、船舶管理人が申請しなければならない。 (船舶管理人の変更の登記) 第二十一条 船舶管理人の変更の登記の申請は、船舶の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。 (船舶管理人の登記の抹消) 第二十二条 登記官は、所有権の保存の登記以外の所有権の登記をした場合において、所有権の登記名義人が一人になったときは、職権で、船舶管理人の登記を抹消しなければならない。 第四節 表題部の変更の登記等 (表題部の変更の登記の嘱託等) 第二十三条 管海官庁は、第十一条第一号から第八号までに掲げる登記事項について船舶法第十条の規定により変更の登録をしたときは、遅滞なく、当該登記事項に関する変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。 2 船籍港の変更により船籍港の所在地を管轄する登記所が変更した場合における前項の規定による嘱託は、変更前の船籍港の所在地を管轄する登記所にしなければならない。 3 前項の嘱託に基づく登記の事務は、変更前の船籍港の所在地を管轄する登記所がつかさどる。 4 所有権の登記名義人は、第十五条の規定により登記官が表題部にした登記に錯誤又は遺漏(登記官の過誤によるものを除く。)があるときは、遅滞なく、当該登記事項に関する更正の登記を登記所に申請しなければならない。 5 管海官庁は、第一項の規定により嘱託した第十一条第一号から第八号までに掲げる登記事項に関する登記に錯誤又は遺漏(登記官の過誤によるものを除く。)があることを発見したときは、遅滞なく、当該登記事項に関する更正の登記を登記所に嘱託しなければならない。 (船舶の登記の抹消) 第二十四条 管海官庁は、船舶法第十四条の規定により抹消の登録をしたときは、遅滞なく、船舶の登記の抹消を登記所に嘱託しなければならない。 第五章 製造中の船舶の登記手続 (製造中の船舶の表題部の登記事項) 第二十五条 製造中の船舶の表題部の登記事項は、次のとおりとする。 一 船舶の種類 二 船質 三 計画における船舶の長さ、幅及び深さ 四 計画における総トン数 五 計画において推進機関があるときは、その種類及び数 六 計画において推進器があるときは、その種類及び数 七 製造番号があるときは、その番号 八 製造地 九 造船事業者の氏名又は名称及び住所 (申請情報) 第二十六条 製造中の船舶についての抵当権に関する登記を申請する場合に登記所に提供しなければならない第三十五条第二項において準用する不動産登記法第十八条の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。 一 第十二条第一号から第六号までに掲げる事項 二 製造中の船舶の表示 三 前二号に掲げるもののほか、別表二の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の申請情報欄に掲げる事項 (添付情報) 第二十七条 製造中の船舶についての抵当権に関する登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 申請人が法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報 イ 会社法人等番号を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 二 代理人によって登記を申請するとき(法務省令で定める場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報 三 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、代位原因を証する情報 四 前三号に掲げるもののほか、別表二の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報 2 前項第一号及び第二号の規定は、製造中の船舶に関する国の機関の所管に属する抵当権について命令又は規則により指定された官庁又は公署の職員が登記の嘱託をする場合には、適用しない。 (製造中の船舶についてする抵当権の設定の登記の申請) 第二十八条 製造中の船舶についてする抵当権の設定の登記においては、当該船舶の所有者となるべき者を登記義務者とみなす。 この場合においては、第三十五条第二項において準用する不動産登記法第二十二条本文の規定は、適用しない。 (製造中の船舶について初めて抵当権の設定の登記をする場合における職権による登記) 第二十九条 登記官は、製造中の船舶について初めて抵当権の設定の登記をする場合には、職権で、製造中の船舶の表示並びに船舶の所有者となるべき者の氏名又は名称及び住所を登記しなければならない。 (製造中に抵当権の登記がされた船舶についてする所有権の保存の登記) 第三十条 製造中に抵当権の登記がされた船舶についてする所有権の保存の登記の申請は、当該抵当権の登記をした登記所にしなければならない。 2 前項の申請に基づく登記の事務は、同項の登記所がつかさどる。 (船舶の所有者となるべき者の氏名等の変更の登記等) 第三十一条 船舶の所有者となるべき者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、当該船舶の所有者となるべき者が単独で申請することができる。 (製造地の変更による変更の登記) 第三十二条 製造中の船舶の製造地の変更により製造中の船舶の製造地を管轄する登記所が変更した場合における第二十五条第八号に掲げる登記事項に関する変更の登記の申請は、変更前の製造地を管轄する登記所にしなければならない。 2 前項の申請に基づく登記の事務は、変更前の製造地を管轄する登記所がつかさどる。 第六章 雑則 (登記事項証明書の交付等) 第三十三条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部若しくは一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)又は請求に係る船舶についてその製造地を管轄する登記所の登記簿に製造中の船舶の登記がないことを証する書面の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。 3 不動産登記法第百十九条第三項及び第四項の規定は前二項の規定による請求について、同条第五項の規定は第一項の規定による請求について、同条第六項の規定は前二項に規定する各書面について、それぞれ準用する。 この場合において、同条第五項中「第一項」とあるのは「船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第三十三条第一項」と、「不動産の所在地」とあるのは「船舶の船籍港の所在地又は製造中の船舶の製造地」と読み替えるものとする。 (登記簿の附属書類の閲覧) 第三十四条 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 3 不動産登記法第百十九条第三項及び第四項の規定は、前二項の規定による請求について準用する。 (不動産登記法等の準用) 第三十五条 不動産登記法第二条第九号及び第十二号から第十六号まで、第四条、第五条、第七条から第十条まで、第十三条、第十六条から第二十四条まで、第二十五条(第十一号を除く。)、第五十九条から第六十三条まで、第六十四条第一項、第六十五条、第六十六条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第六十七条第一項、第二項(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第三項及び第四項、第六十八条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第六十九条、第七十条第一項、第二項(地上権、永小作権、質権又は採石権に関する登記及び買戻しの特約に関する登記に係る部分を除く。)、第三項及び第四項(先取特権及び質権に係る部分を除く。)、第七十条の二(先取特権又は質権に関する登記に係る部分を除く。)、第七十一条、第七十二条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第七十六条第一項本文、第七十七条、第八十一条第一号から第五号まで、第八十三条第一項(先取特権又は質権若しくは転質の登記に係る部分及び第三号を除く。)及び第二項、第八十四条(先取特権又は質権若しくは転質の登記に係る部分を除く。)、第八十八条第一項第一号から第四号まで及び第二項、第八十九条から第九十三条まで、第九十七条から第百八条まで、第百九条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第百十条から第百十七条まで並びに第百五十二条から第百五十八条までの規定並びに不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第二条第一号、第七号及び第八号、第三条第九号(表題登記及び表題部所有者に係る部分を除く。)、第十一号(同号ヘ及びトを除く。)及び第十二号、第四条、第五条(第一項を除く。)、第七条第一項第五号及び第三項(第一号を除く。)、第八条第一項第四号、第五号、第六号(質権に係る部分を除く。)、第七号(民法第三百六十一条において準用する同法第三百九十八条の十四第一項ただし書に係る部分を除く。)、第八号及び第九号、第九条から第十二条まで、第十四条から第二十条まで並びに第二十二条から第二十六条までの規定は、船舶の登記について準用する。 この場合において、これらの規定(不動産登記法第二十五条第一号、第百八条第三項、第百五十二条第二項及び第百五十七条第六項並びに同令第二十五条を除く。)中「不動産」とあるのは「船舶」と、同法第二十五条第一号及び第百八条第三項中「不動産」とあるのは「船舶の船籍港」と、同法第百五十二条第二項中「不動産登記」とあるのは「船舶の登記」と、同法第百五十七条第六項中「不動産登記法(」とあるのは「船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第三十五条第一項において準用する不動産登記法(」と、「不動産登記法第百五十七条第二項」とあるのは「船舶登記令第三十五条第一項において準用する不動産登記法第百五十七条第二項」と、同令第七条第一項第五号ロ中「別表」とあるのは「船舶登記令(平成十七年政令第十一号)別表一」と、同令第二十条第二号中「表題部所有者又は登記名義人となる者(別表の十二の項申請情報欄ロに規定する被承継人及び第三条第十一号ハに規定する登記権利者」とあるのは「登記名義人となる者(船舶登記令第三十五条第一項において準用する第三条第十一号ハに規定する登記権利者」と、同令第二十五条中「不動産登記法」とあるのは「船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第三十五条第一項において準用する不動産登記法」と、「不動産登記令」とあるのは「同令第三十五条第一項において準用する不動産登記令」と読み替えるほか、必要な技術的読替えは、法務省令で定める。 2 不動産登記法第二条第九号及び第十二号から第十六号まで、第四条、第五条、第七条から第十条まで、第十三条、第十六条から第二十二条まで、第二十三条(第二項を除く。)、第二十四条、第二十五条(第十一号を除く。)、第五十九条から第六十二条まで、第六十三条第一項及び第二項、第六十四条第一項、第六十五条、第六十六条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第六十七条第一項、第二項(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第三項及び第四項、第六十八条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第六十九条、第七十条第一項、第三項及び第四項(先取特権及び質権に係る部分を除く。)、第七十条の二(先取特権又は質権に関する登記に係る部分を除く。)、第七十一条、第七十二条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第八十三条第一項(先取特権又は質権若しくは転質の登記に係る部分及び第三号を除く。)及び第二項、第八十四条(先取特権又は質権若しくは転質の登記に係る部分を除く。)、第八十八条第一項第一号から第四号まで及び第二項、第八十九条から第九十三条まで、第九十七条から第百八条まで、第百九条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第百十条、第百十一条第二項及び第三項、第百十二条、第百十四条、第百十六条、第百十七条並びに第百五十二条から第百五十八条までの規定並びに不動産登記令第二条第一号、第七号及び第八号、第三条第九号(表題登記及び表題部所有者に係る部分を除く。)、第十一号(同号ヘ及びトを除く。)及び第十二号、第四条、第五条(第一項を除く。)、第七条第一項第五号及び第三項第四号、第八条第一項第四号、第六号(質権に係る部分を除く。)、第七号(民法第三百六十一条において準用する同法第三百九十八条の十四第一項ただし書に係る部分を除く。)、第八号及び第九号、第九条から第十二条まで、第十四条から第二十条まで並びに第二十二条から第二十六条までの規定は、製造中の船舶の登記について準用する。 この場合において、これらの規定(不動産登記法第百五十二条第二項及び第百五十七条第六項並びに同令第二十五条を除く。)中「不動産」とあるのは「製造中の船舶」と、同法第百五十二条第二項中「不動産登記」とあるのは「製造中の船舶の登記」と、同法第百五十七条第六項中「不動産登記法(」とあるのは「船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第三十五条第二項において準用する不動産登記法(」と、「不動産登記法第百五十七条第二項」とあるのは「船舶登記令第三十五条第二項において準用する不動産登記法第百五十七条第二項」と、同令第七条第一項第五号ロ中「別表」とあるのは「船舶登記令(平成十七年政令第十一号)別表二」と、同令第二十条第二号中「表題部所有者又は登記名義人となる者(別表の十二の項申請情報欄ロに規定する被承継人及び第三条第十一号ハに規定する登記権利者」とあるのは「登記名義人となる者(船舶登記令第三十五条第二項において準用する第三条第十一号ハに規定する登記権利者」と、同令第二十五条中「不動産登記法」とあるのは「船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第三十五条第二項において準用する不動産登記法」と、「不動産登記令」とあるのは「同令第三十五条第二項において準用する不動産登記令」と読み替えるほか、必要な技術的読替えは、法務省令で定める。 3 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第六十四条の規定は、船舶の登記及び製造中の船舶の登記について準用する。 この場合において、同条中「不動産登記法」とあるのは、「船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第三十五条第一項及び第二項において準用する不動産登記法」と読み替えるものとする。 (登記の嘱託) 第三十六条 この政令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。 (法務省令への委任) 第三十七条 この政令に定めるもののほか、船舶及び製造中の船舶の登記についての登記簿及び登記記録の記録方法その他の登記の事務に関し必要な事項は、法務省令で定める。
民事
Heisei
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平成十七年政令第二十五号
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農業用動産抵当登記令 第一章 総則 (趣旨) 第一条 この政令は、農業動産信用法第十三条第一項の規定による農業用動産の抵当権に関する登記に関し必要な事項を定めるものとする。 (登記所) 第二条 農業用動産の抵当権に関する登記の事務は、第十四条第一項の申請に基づいて登記をする場合を除き、当該抵当権の目的である農業用動産の所在地(漁船にあっては、その主たる根拠地。以下同じ。)を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。 2 農業用動産の所在地が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合は、法務省令で定めるところにより、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、当該農業用動産の抵当権に関する登記の事務をつかさどる登記所を指定する。 3 前項に規定する場合において、同項の指定がされるまでの間、登記の申請は、当該二以上の登記所のうち、一の登記所にすることができる。 第二章 登記記録 (登記) 第三条 登記は、登記官が登記簿に登記事項(この政令の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。以下同じ。)を記録することによって行う。 (登記記録の作成) 第四条 登記記録は、表題部、所有者部及び権利部に区分して作成する。 第五条から第七条まで 削除 第三章 農業用動産の抵当権に関する登記手続 (表題部の登記事項) 第八条 農業動産信用法施行令(昭和八年勅令第三百七号)第一条第一号から第八号までに掲げる農業用動産の表題部の登記事項は、次のとおりとする。 一 農業動産信用法施行令第一条第一号から第八号までに掲げる農業用動産のいずれに該当するかの別 二 農業用動産の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番 三 農業動産信用法施行令第一条第一号から第七号までに掲げる農業用動産にあっては、次に掲げる事項 イ 構造又は型式名 ロ 製作者の氏名又は名称、製造の年月、記号、番号その他同種類の他の物と識別するために必要な特質があるときは、その特質 四 農業動産信用法施行令第一条第八号に掲げる農業用動産にあっては、次に掲げる事項 イ 雌雄の別 ロ 生年月 ハ 牛及び馬にあっては、用途 ニ 法務省令で定める特徴 2 農業動産信用法施行令第一条第九号に掲げる農業用動産の表題部の登記事項は、次のとおりとする。 一 船名 二 動力漁船(推進機関がある漁船をいう。)又は無動力漁船(推進機関がない漁船をいう。)の別 三 主たる根拠地 四 漁船の長さ、幅及び深さ 五 総トン数 六 推進機関があるときは、その種類 七 推進器があるときは、その種類及び数 八 帆船(主として帆をもって運航する装置を有する漁船をいう。)にあっては、帆装(帆の装着の形式をいう。) 九 進水の年月 (申請情報) 第九条 登記を申請する場合に登記所に提供しなければならない第十八条において準用する不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第十八条の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。 一 申請人の氏名又は名称及び住所 二 申請人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって登記を申請するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、申請人が代位者である旨、当該他人の氏名又は名称及び住所並びに代位原因 五 登記の目的 六 登記原因及びその日付 七 前条第一項各号又は第二項各号に掲げる事項 八 前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の申請情報欄に掲げる事項 (添付情報) 第十条 登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 申請人が法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報 イ 会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下このイにおいて同じ。)を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 二 代理人によって登記を申請するとき(法務省令で定める場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報 三 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、代位原因を証する情報 四 前三号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報 (抵当権の設定の登記の申請) 第十一条 抵当権の設定の登記においては、農業用動産の所有者を登記義務者とみなす。 この場合においては、第十八条において準用する不動産登記法第二十二条本文の規定は、適用しない。 (初めて抵当権の設定の登記をする場合における職権による登記) 第十二条 登記官は、初めて抵当権の設定の登記をする場合には、職権で、第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる事項並びに所有者の氏名又は名称及び住所を登記しなければならない。 (所有者の氏名等の変更の登記等) 第十三条 所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、当該所有者が単独で申請することができる。 (所在地の変更による変更の登記) 第十四条 農業用動産の所在地の変更により農業用動産の所在地を管轄する登記所が変更した場合における第八条第一項第二号又は第二項第三号に掲げる登記事項に関する変更の登記の申請は、変更前の所在地を管轄する登記所にしなければならない。 2 前項の申請に基づく登記の事務は、変更前の所在地を管轄する登記所がつかさどる。 (抵当権の登記の抹消) 第十五条 農業用動産の強制執行又は担保権の実行としての競売(その例による競売を含む。)による売却によって抵当権が消滅した場合には、債務者、抵当権設定者又は買受人は、単独で抵当権の登記の抹消を申請することができる。 第四章 雑則 (登記事項証明書の交付等) 第十六条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。 2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。 3 不動産登記法第百十九条第三項及び第四項の規定は前二項の規定による請求について、同条第五項の規定は第一項の規定による請求について、同条第六項の規定は前二項に規定する各書面について、それぞれ準用する。 この場合において、同条第五項中「第一項」とあるのは「農業用動産抵当登記令(平成十七年政令第二十五号)第十六条第一項」と、「不動産の所在地」とあるのは「農業用動産の所在地(漁船にあっては、その主たる根拠地)」と読み替えるものとする。 (登記簿の附属書類の閲覧) 第十七条 何人も、正当な理由があるときは、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、登記簿の附属書類(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、登記を申請した者は、登記官に対し、法務省令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 3 不動産登記法第百十九条第三項及び第四項の規定は、前二項の規定による請求について準用する。 (不動産登記法等の準用) 第十八条 不動産登記法第二条第五号、第九号及び第十一号から第十六号まで、第四条、第五条、第七条から第十条まで、第十三条、第十六条から第二十二条まで、第二十三条(第二項を除く。)、第二十四条、第二十五条(第十一号を除く。)、第五十九条から第六十二条まで、第六十三条第一項及び第二項、第六十四条第一項、第六十五条、第六十六条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第六十七条第一項、第二項(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第三項及び第四項、第六十八条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第六十九条、第七十条第一項、第三項及び第四項(先取特権及び質権に係る部分を除く。)、第七十条の二(先取特権又は質権に関する登記に係る部分を除く。)、第七十一条、第七十二条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第八十三条第一項(先取特権又は質権若しくは転質の登記に係る部分及び第三号を除く。)及び第二項、第八十四条(先取特権又は質権若しくは転質の登記に係る部分を除く。)、第八十八条第一項第一号から第四号まで及び第二項、第八十九条から第九十三条まで、第九十七条から第百八条まで、第百九条(抵当証券の所持人及び裏書人に係る部分を除く。)、第百十条、第百十一条第二項及び第三項、第百十二条、第百十四条並びに第百五十二条から第百五十八条までの規定並びに不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第二条第一号、第七号及び第八号、第三条第九号(表題登記及び表題部所有者に係る部分を除く。)、第十一号(同号ヘ及びトを除く。)及び第十二号、第四条、第七条第一項第五号及び第三項第四号、第八条第一項第四号、第六号(質権に係る部分を除く。)、第七号(民法第三百六十一条において準用する同法第三百九十八条の十四第一項ただし書に係る部分を除く。)、第八号及び第九号、第九条から第十二条まで、第十四条から第二十条まで並びに第二十二条から第二十六条までの規定は、農業用動産の抵当権の登記について準用する。 この場合において、これらの規定(不動産登記法第二十五条第一号、第百八条第三項、第百五十二条第二項及び第百五十七条第六項並びに同令第二十五条を除く。)中「不動産」とあるのは「農業用動産」と、同法第二条第五号中「表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条」とあるのは「農業用動産の抵当権に関する登記について、一個の農業用動産ごとに農業用動産抵当登記令(平成十七年政令第二十五号)第四条」と、同法第二十五条第一号及び第百八条第三項中「不動産の所在地」とあるのは「農業用動産の所在地(漁船にあっては、その主たる根拠地)」と、同法第百五十二条第二項中「不動産登記」とあるのは「農業用動産の抵当権の登記」と、同法第百五十七条第六項中「不動産登記法(」とあるのは「農業用動産抵当登記令(平成十七年政令第二十五号)第十八条において準用する不動産登記法(」と、「不動産登記法第百五十七条第二項」とあるのは「農業用動産抵当登記令第十八条において準用する不動産登記法第百五十七条第二項」と、同令第七条第一項第五号ロ中「別表」とあるのは「農業用動産抵当登記令(平成十七年政令第二十五号)別表」と、同令第二十条第二号中「表題部所有者又は登記名義人となる者(別表の十二の項申請情報欄ロに規定する被承継人及び第三条第十一号ハに規定する登記権利者」とあるのは「登記名義人となる者(農業用動産抵当登記令第十八条において準用する第三条第十一号ハに規定する登記権利者」と、同令第二十五条中「不動産登記法」とあるのは「農業用動産抵当登記令(平成十七年政令第二十五号)第十八条において準用する不動産登記法」と、「不動産登記令」とあるのは「同令第十八条において準用する不動産登記令」と読み替えるほか、必要な技術的読替えは、法務省令で定める。 (登記の嘱託) 第十九条 この政令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。 (法務省令への委任) 第二十条 この政令に定めるもののほか、農業用動産の抵当権に関する登記についての登記簿及び登記記録の記録方法その他の登記の事務に関し必要な事項は、法務省令で定める。
民事
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平成十七年政令第三百六十四号
46
会社法施行令 (書面に記載すべき事項等の電磁的方法による提供の承諾等) 第一条 次に掲げる規定に規定する事項を電磁的方法(会社法(以下「法」という。)第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。以下同じ。)により提供しようとする者(次項において「提供者」という。)は、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該事項の提供の相手方に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。 一 法第五十九条第四項 二 法第七十四条第三項(法第八十六条において準用する場合を含む。) 三 法第七十六条第一項(法第八十六条において準用する場合を含む。) 四 法第二百三条第三項 五 法第二百四十二条第三項 六 法第三百十条第三項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 七 法第三百十二条第一項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 八 法第五百五十五条第三項(法第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。) 九 法第五百五十七条第一項(法第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。) 十 法第六百七十七条第三項 十一 法第七百二十一条第四項 十二 法第七百二十五条第三項 十三 法第七百二十七条第一項 十四 法第七百三十九条第二項 十五 法第七百七十四条の四第三項(法第七百七十四条の九において準用する場合を含む。) 2 前項の規定による承諾を得た提供者は、同項の相手方から書面又は電磁的方法により電磁的方法による事項の提供を受けない旨の申出があったときは、当該相手方に対し、当該事項の提供を電磁的方法によってしてはならない。 ただし、当該相手方が再び同項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。 (電磁的方法による通知の承諾等) 第二条 次に掲げる規定により電磁的方法により通知を発しようとする者(次項において「通知発出者」という。)は、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該通知の相手方に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。 一 法第六十八条第三項(法第八十六条において準用する場合を含む。) 二 法第二百九十九条第三項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 三 法第五百四十九条第二項(同条第四項(法第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)及び法第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。) 四 法第七百二十条第二項 2 前項の規定による承諾を得た通知発出者は、同項の相手方から書面又は電磁的方法により電磁的方法による通知を受けない旨の申出があったときは、当該相手方に対し、当該通知を電磁的方法によって発してはならない。 ただし、当該相手方が再び同項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。 (電子公告調査機関の登録及びその更新の申請に係る手数料の額) 第三条 法第九百四十二条第二項(法第九百四十五条第二項において準用する場合を含む。)の政令で定める手数料の額は、四十二万六百円とする。 (電子公告調査機関の登録の有効期間) 第四条 法第九百四十五条第一項の政令で定める期間は、三年とする。
民事
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平成十七年政令第三百六十七号
46
会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う経過措置を定める政令 第一章 有限会社法の廃止に伴う経過措置 (持分の消却に関する経過措置) 第一条 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「会社法整備法」という。)第一条第三号の規定による廃止前の有限会社法(昭和十三年法律第七十四号。以下「旧有限会社法」という。)第二十四条第一項において準用する会社法整備法第六十四条の規定による改正前の商法(明治三十二年法律第四十八号。以下「旧商法」という。)第二百十三条第一項の定款の規定は、次の各号に掲げる区分に応じ、会社法整備法第二条第一項の規定により存続する株式会社の定款における当該各号に定める事項の定めとみなす。 ただし、会社法整備法第十三条本文の規定によりなお従前の例によるとされる場合は、この限りでない。 一 社員が旧有限会社(会社法整備法第二条第一項に規定する旧有限会社をいう。以下同じ。)に対して利益をもってする持分の消却を請求することができる旨の定款の規定 会社法(平成十七年法律第八十六号)第百七条第二項第二号イ、ホ及びヘに掲げる事項 二 旧有限会社が一定の事由が生じたことを条件として利益をもってする持分の消却をすることができる旨の定款の規定 会社法第百七条第二項第三号イからハまで及びトに掲げる事項 2 会社法整備法第四十二条第八項から第十一項までの規定は、前項の規定によりその定款の規定が同項各号に定める事項の定めとみなされた同項の株式会社について準用する。 (株主名簿に関する規定の適用除外) 第二条 旧有限会社法第二十条第一項に規定する事項を社員名簿に記載し、又は記録した出資口数に係る持分であって、会社法整備法第二条第二項の規定により株式とみなされたものについては、株主名簿に当該株式の取得に係る株主名簿記載事項(会社法第百二十一条に規定する株主名簿記載事項をいう。)を記載し、又は記録するまでの間は、会社法第百二十一条第三号の規定は、適用しない。 (自己の持分の処分の効力) 第三条 旧有限会社の自己の持分の処分について会社法整備法の施行の日(以下「施行日」という。)前に行った社員総会の決議その他の手続は、施行日前に当該処分の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (株主総会に関する特則) 第四条 特例有限会社の株主総会の招集については、会社法第二百九十六条第三項中「次条第四項」とあるのは「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第八十七号)第十四条第二項」と、同法第二百九十八条第一項中「前条第四項」とあるのは「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第十四条第二項」とする。 2 会社法第八百六十八条第一項、第八百六十九条、第八百七十一条、第八百七十四条(第四号に係る部分に限る。)、第八百七十五条及び第八百七十六条の規定は、会社法整備法第十四条第二項の許可について準用する。 (累積投票に関する経過措置) 第五条 旧有限会社の定款に旧有限会社法第二十五条ノ二第一項に規定する定めがない場合における会社法整備法第二条第一項の規定により存続する株式会社の定款には、株主が会社法第三百四十二条第一項の規定による請求をすることができない旨の定めがあるものとみなす。 (監査役の設置に関する規定の適用除外) 第六条 清算株式会社である特例有限会社については、会社法第四百七十七条第四項の規定は、適用しない。 (責任追及等の訴えに関する経過措置) 第七条 施行日前に社員が旧有限会社法第三十四条第一項又は第七十五条第二項において準用する旧有限会社法第三十一条第一項の訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 第二章 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の廃止に伴う経過措置 (大会社特例規定等の適用がある旧株式会社に関する経過措置) 第八条 旧株式会社(会社法整備法第四十七条に規定する旧株式会社をいう。以下同じ。)が会社法整備法の施行の際現に会社法整備法第一条第八号の規定による廃止前の株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号。以下「旧商法特例法」という。)第二十条第一項又は第二項の規定の適用があるものである場合における新株式会社(会社法整備法第四十八条に規定する新株式会社をいう。以下この章において同じ。)の定款には、監査役会及び会計監査人を置く旨の定めがあるものとみなす。 2 旧株式会社が会社法整備法の施行の際現に旧商法特例法第二十一条の三十七第一項又は第二項の規定の適用があるものである場合における新株式会社の定款には、取締役会、委員会及び会計監査人を置く旨、会社法第四百五十九条第一項第二号から第四号までに掲げる事項を取締役会が定めることができる旨並びに当該事項を株主総会の決議によっては定めない旨の定めがあるものとみなす。 3 前二項の規定によりあるものとみなされた定款の定めは、施行日以後最初に終結する定時株主総会の終結の時に、その効力を失う。 (重要財産委員会の決議に関する経過措置) 第九条 旧株式会社の重要財産委員会が旧商法特例法の規定に基づいて施行日前にした決議は、当該決議があった日に、新株式会社の会社法第三百七十三条第二項の取締役会が同条第一項の規定に基づいてした決議とみなす。 (監査役の員数等に関する経過措置) 第十条 会社法整備法の施行の際現に商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律(平成十三年法律第百四十九号)附則第十条の規定の適用がある同条の株式会社に係る監査役の員数等については、施行日以後最初に終結する定時株主総会の終結の時までは、なお同条の例による。 (連結計算書類に関する規定の適用除外) 第十一条 会社法整備法の施行の際現に商法等の一部を改正する法律(平成十四年法律第四十四号)附則第九条第三項の規定の適用がある同項の大会社における有価証券報告書提出会社(同条第一項に規定する有価証券報告書提出会社をいう。)に該当することとなった日及び施行日を含む事業年度に係る連結計算書類(会社法第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。)については、会社法第四百四十四条第三項の規定にかかわらず、作成することを要しない。 第三章 商法の一部改正に伴う経過措置 (株式の消却に関する経過措置) 第十二条 旧商法第二百十三条第一項の定款の規定は、次の各号に掲げる区分に応じ、新株式会社(会社法整備法第六十六条第二項に規定する新株式会社をいう。以下同じ。)の定款における当該各号に定める事項の定めとみなす。 ただし、会社法整備法第八十三条第一項本文の規定によりなお従前の例によるとされる場合は、この限りでない。 一 株主が旧株式会社に対して利益をもってする株式の消却を請求することができる旨の定款の規定 会社法第百七条第二項第二号イ、ホ及びヘに掲げる事項 二 旧株式会社が一定の事由が生じたことを条件として利益をもってする株式の消却をすることができる旨の定款の規定 会社法第百七条第二項第三号イからハまで及びトに掲げる事項 (新株予約権に関する経過措置) 第十三条 旧商法第二百八十条ノ二十第二項第七号に掲げる事項についての定めがある新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。以下この条において同じ。)であって、会社法整備法の施行の際現に発行されているものは、会社法第二百七十三条第一項に規定する取得条項付新株予約権であって、同号の事由が生じた場合に新株式会社が当該取得条項付新株予約権を取得するのと引換えに当該取得条項付新株予約権の新株予約権者に対して同号の金銭を交付するものとみなす。 2 会社法整備法第六十六条第一項前段の規定により存続する株式会社は、前項の規定によりみなされた取得条項付新株予約権がある場合には、施行日から六箇月以内に、その本店の所在地において、会社法第九百十一条第三項第十二号ニ(同法第二百三十六条第一項第七号に掲げる事項に係る部分に限る。)に掲げる事項の変更の登記をしなければならない。 3 会社法整備法第四十二条第九項及び第十項並びに第百十三条第六項の規定は、前項の場合について準用する。 この場合において、同条第六項中「前項」とあるのは、「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成十七年政令第三百六十七号)第十三条第二項」と読み替えるものとする。 4 会社法整備法の施行の際現に新株予約権を発行している旧株式会社が株式についての名義書換代理人を置いている場合(当該新株予約権についての名義書換代理人が置かれていない場合に限る。)には、会社法第二百五十一条の規定により読み替えて適用する同法第百二十三条に規定する株主名簿管理人は、同条の規定にかかわらず、新株式会社が当該新株予約権についての新株予約権原簿に関する事務を委託するまでの間は、当該事務を行うことを要しない。 この場合において、当該新株予約権についての新株予約権原簿に関する同法第二百五十二条第一項の規定の適用については、同項中「本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)」とあるのは、「本店」とする。 5 施行日前に旧商法第二百八十条ノ三十六第二項(旧商法第三百四十一条ノ十二第一項において準用する場合を含む。)又は第四項の規定による公告又は通知がされた場合における新株予約権の消却については、なお従前の例による。 ただし、新株予約権の消却に関する登記の登記事項については、会社法の定めるところによる。 (取締役会の権限等に関する規定の適用除外) 第十四条 新株式会社については、会社法第三百六十二条第五項の規定は、施行日以後最初に開催される取締役会の終結の時までは、適用しない。 (会計監査人の報酬等の決定に関する規定の適用除外) 第十五条 会社法第三百九十九条の規定は、施行日を含む事業年度以前の事業年度に係る同法第三百九十六条第一項に規定する書類の監査に関する会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等については、適用しない。 (責任追及等の訴えに関する経過措置) 第十六条 施行日前に株主が次に掲げる規定において準用する旧商法第二百六十七条第一項の訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 一 旧商法第二百八十条ノ三十九第四項において準用する旧商法第二百八十条ノ十一第二項 二 旧商法第三百四十一条ノ十五第四項において準用する旧商法第二百八十条ノ十一第二項 三 旧商法第四百三十条第二項 第四章 証券取引法等の一部改正に伴う経過措置 (証券取引法の一部改正に伴う経過措置) 第十七条 会社法整備法第百八十条の規定による改正後の証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項第六号の規定の適用については、旧商法の規定により発行された新株引受権証書は、会社法の規定により発行された新株予約権証券とみなす。 (船主相互保険組合法の一部改正に伴う経過措置) 第十八条 施行日前に組合員が会社法整備法第百八十九条の規定による改正前の船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第二十条、第四十条及び第四十八条第二項において準用する旧商法第二百六十七条第一項の訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 (投資信託及び投資法人に関する法律の一部改正に伴う経過措置) 第十九条 会社法整備法第百九十一条の規定による改正後の投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号。以下この条において「新投信法」という。)第百十五条の五の規定は、施行日を含む営業期間以前の営業期間に係る新投信法第百十五条の二第一項各号に掲げる書類の監査に関する会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬については、適用しない。 (保険業法の一部改正に伴う経過措置) 第二十条 施行日前に生じた会社法整備法第二百十五条の規定による改正前の保険業法(平成七年法律第百五号。以下「旧保険業法」という。)第百五十二条第三項各号に掲げる事由(保険業を営む旧株式会社にあっては、同項第二号に掲げる事由)により旧保険会社等(旧保険業法第二条の二第一項に規定する保険会社等であって会社法整備法の施行の際現に存するものをいう。)が解散した場合における新株式会社又は相互会社の清算については、なお従前の例による。 ただし、清算に関する登記の登記事項(施行日前に清算人の登記をした場合にあっては、本店又は主たる事務所の所在地における登記事項のうち清算人及び代表清算人の氏名及び住所を除く。)については、会社法整備法第二百十五条の規定による改正後の保険業法(以下「新保険業法」という。)の定めるところによる。 2 施行日前に旧保険業法第二百十二条第一項各号に掲げるときに該当した場合における同項の規定による外国保険会社等の日本に所在する財産の全部についての清算については、なお従前の例による。 3 会社法整備法の施行の際現に旧保険業法第五十九条第一項において読み替えて準用する旧商法特例法第二十条第一項又は第二項の規定の適用がある相互会社の定款には、監査役会及び会計監査人を置く旨の定めがあるものとみなす。 4 会社法整備法の施行の際現に旧保険業法第五十二条の五の規定の適用がある相互会社の定款には、取締役会、委員会及び会計監査人を置く旨の定めがあるものとみなす。 5 前二項の規定によりあるものとみなされた定款の定めは、施行日以後最初に終結する定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会)の終結の時に、その効力を失う。 6 施行日前に相互会社の旧保険業法第五十二条の二第一項に規定する重要財産委員会が旧保険業法の規定に基づいてした決議は、当該決議があった日に、相互会社の新保険業法第五十三条の十六において準用する会社法第三百七十三条第二項の取締役会が新保険業法第五十三条の十六において準用する会社法第三百七十三条第一項の規定に基づいてした決議とみなす。 7 会社法整備法の施行の際現に商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成十三年法律第百五十号)第二十一条第五項の規定の適用がある同項の相互会社に係る監査役の員数等については、施行日以後最初に終結する定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会)の終結の時までは、なお同項の例による。 8 会社法整備法の施行の際現に保険業法の一部を改正する法律(平成十五年法律第三十九号)附則第三条第三項の規定の適用がある同項の相互会社における有価証券報告書提出相互会社(同条第一項に規定する有価証券報告書提出相互会社をいう。)に該当することとなった日及び施行日を含む事業年度に係る連結計算書類(新保険業法第五十四条の十第一項に規定する連結計算書類をいう。)については、新保険業法第五十四条の十第三項の規定にかかわらず、作成することを要しない。 9 会社法整備法の施行の際現に存する相互会社については、新保険業法第五十三条の十四第五項の規定は、施行日以後最初に開催される取締役会の終結の時までは、適用しない。 10 新保険業法第五十三条の二十三において準用する会社法第三百九十九条の規定は、施行日を含む事業年度以前の事業年度に係る新保険業法第五十三条の二十二第一項に規定する書類の監査に関する会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等については、適用しない。 11 施行日前に社員が旧保険業法第百八十三条第一項において準用する旧商法第四百三十条第二項において準用する旧商法第二百六十七条第一項の訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 12 保険業を営む新株式会社に関する新保険業法第九条第一項の規定の適用については、施行日以後最初に終結する定時株主総会の終結の時までは、同項中「いずれか」とあるのは、「いずれか又は官報に掲載する方法」とする。 13 会社法整備法の施行の際現に存する相互会社に関する新保険業法第二十三条第二項の規定の適用については、施行日以後最初に終結する定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会)の終結の時までは、同項中「いずれか」とあるのは、「いずれか又は官報に掲載する方法」とする。 14 会社法整備法の施行の際現に存する外国保険会社等(新保険業法第二百十七条第一項に規定する外国保険会社等をいう。次項において同じ。)に関する同条第一項の規定の適用については、施行日以後二箇月を経過する日までの間は、同項中「いずれか」とあるのは、「いずれか又は官報に掲載する方法」とする。 15 前三項の規定の適用がある場合において、保険業を営む新株式会社、相互会社又は外国保険会社等が新保険業法の規定により行う公告については、旧保険業法第二百七十四条の二の規定(当該規定に係る罰則を含む。)は、なおその効力を有する。 この場合において、同条中「掲載しなければ」とあるのは、「掲載する方法又は会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第八十七号)第二百十五条の規定による改正後の第九条第一項第二号に規定する電子公告(同項の規定又は同法第二百十五条の規定による改正後の第二百十七条第一項の規定により定められたものに限る。)によらなければ」とする。 (資産の流動化に関する法律の一部改正等に伴う経過措置) 第二十一条 会社法整備法第二百二十条の規定による改正前の資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号。次項において「旧資産流動化法」という。)第三十二条第一項各号に掲げる事項を特定社員名簿に記載し、又は記録した特定目的会社の特定出資については、特定社員名簿に当該特定出資の取得に係る特定社員名簿記載事項(会社法整備法第二百二十条の規定による改正後の資産の流動化に関する法律(以下この条において「新資産流動化法」という。)第二十八条第一項各号に掲げる事項をいう。)を記載し、又は記録するまでの間は、新資産流動化法第二十八条第一項第三号の規定は、適用しない。 2 旧資産流動化法第七十八条において準用する旧有限会社法第二十五条ノ二第一項に規定する定めがない場合における会社法整備法の施行の際現に存する特定目的会社の定款には、社員が新資産流動化法第七十七条第二項において準用する会社法第三百四十二条第一項の規定による請求をすることができない旨の定めがあるものとみなす。 3 前二項の規定は、会社法整備法第二百二十九条に規定する旧特定目的会社について準用する。 この場合において、第一項中「第二百二十条の規定による改正前の資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号。次項において「旧資産流動化法」という。)」とあるのは「第二百二十八条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十七号)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)」と、前項中「旧資産流動化法」とあるのは「会社法整備法第二百二十八条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」と読み替えるものとする。 4 新資産流動化法第九十三条において準用する会社法第三百九十九条第一項の規定は、施行日を含む事業年度以前の事業年度に係る新資産流動化法第九十一条第一項に規定する書類の監査に関する会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等については、適用しない。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年総務省令第二十五号
46
総務省の所管に属する不動産に関する権利の登記嘱託職員を指定する省令 不動産登記令第七条第二項の規定に基づき、総務省の所管に属する不動産に関する権利の登記を嘱託する職員を次のとおり指定する。 大臣官房会計課長 統計局長 自治大学校長 情報通信政策研究所長 管区行政評価局長 四国行政評価支局長 沖縄行政評価事務所長 総合通信局長 沖縄総合通信事務所長 消防庁長官
民事
Heisei
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平成十七年法務省令第十八号
46
不動産登記規則 第一章 総則 (定義) 第一条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 順位番号 第百四十七条第一項の規定により権利部に記録される番号をいう。 二 地図等 地図、建物所在図又は地図に準ずる図面をいう。 三 電子申請 不動産登記法(以下「法」という。)第十八条第一号の規定による電子情報処理組織を使用する方法による申請をいう。 四 書面申請 法第十八条第二号の規定により次号の申請書を登記所に提出する方法による申請をいう。 五 申請書 申請情報を記載した書面をいい、法第十八条第二号の磁気ディスクを含む。 六 添付書面 添付情報を記載した書面をいい、不動産登記令(以下「令」という。)第十五条の添付情報を記録した磁気ディスクを含む。 七 土地所在図等 土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面又は各階平面図をいう。 八 不動産番号 第九十条の規定により表題部に記録される番号、記号その他の符号をいう。 九 不動産所在事項 不動産の所在する市、区、郡、町、村及び字(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村及び字)並びに土地にあっては地番、建物にあっては建物の所在する土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する土地の地番)及び家屋番号をいう。 (登記の前後) 第二条 登記の前後は、登記記録の同一の区(第四条第四項の甲区又は乙区をいう。以下同じ。)にした登記相互間については順位番号、別の区にした登記相互間については受付番号による。 2 法第七十三条第一項に規定する権利に関する登記であって、法第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有するものと当該土地の登記記録の権利部にした登記との前後は、受付番号による。 (付記登記) 第三条 次に掲げる登記は、付記登記によってするものとする。 一 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記 二 次に掲げる登記その他の法第六十六条に規定する場合における権利の変更の登記又は更正の登記 イ 債権の分割による抵当権の変更の登記 ロ 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百九十八条の八第一項又は第二項(これらの規定を同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の合意の登記 ハ 民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)に規定する根質権又は根抵当権を分割して譲り渡す場合においてする極度額の減額による変更の登記 ニ 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の定めの登記 三 法第七十六条の三第一項の規定による申出に関する登記 四 登記事項の一部が抹消されている場合においてする抹消された登記の回復 五 所有権以外の権利を目的とする権利に関する登記(処分の制限の登記を含む。) 六 所有権以外の権利の移転の登記 七 登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記 八 民法第三百九十三条(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定による代位の登記 九 抵当証券交付又は抵当証券作成の登記 十 買戻しの特約の登記 第二章 登記記録等 第一節 登記記録 (登記簿の調製方法) 第三条の二 登記簿は、登記記録の記録に係る電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体をもって調製するものとする。 (登記記録の編成) 第四条 土地の登記記録の表題部は、別表一の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 2 建物(次項の建物を除く。)の登記記録の表題部は、別表二の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 3 区分建物である建物の登記記録の表題部は、別表三の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 4 権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録するものとする。 (移記又は転写) 第五条 登記官は、登記を移記し、又は転写するときは、法令に別段の定めがある場合を除き、現に効力を有する登記のみを移記し、又は転写しなければならない。 2 登記官は、登記を移記し、又は転写したときは、その年月日を新たに記録した登記の末尾に記録しなければならない。 3 登記官は、登記を移記したときは、移記前の登記記録を閉鎖しなければならない。 (記録事項過多による移記) 第六条 登記官は、登記記録に記録されている事項が過多となったことその他の事由により取扱いが不便となったときは、登記を移記することができる。 この場合には、表示に関する登記及び所有権の登記であって現に効力を有しないものも移記することができる。 (登記官の識別番号の記録) 第七条 登記官は、登記記録に登記事項を記録し、若しくは登記事項を抹消する記号を記録するとき又は登記を転写し、若しくは移記するときは、登記官の識別番号を記録しなければならない。 共同担保目録又は信託目録に記録すべき事項を記録し、又は既に記録された事項を抹消する記号を記録する場合についても、同様とする。 (登記記録の閉鎖) 第八条 登記官は、登記記録を閉鎖するときは、閉鎖の事由、閉鎖の年月日及び閉鎖する登記記録の不動産の表示(法第二十七条第一号に掲げる登記事項を除く。)を抹消する記号を記録するほか、登記官の識別番号を記録しなければならない。 (副登記記録) 第九条 法務大臣は、登記記録に記録されている事項(共同担保目録及び信託目録に記録されている事項を含む。)と同一の事項を記録する副登記記録を調製するものとする。 2 登記官は、登記簿に記録した登記記録によって登記の事務を行うことができないときは、前項の副登記記録によってこれを行うことができる。 この場合において、副登記記録に記録した事項は、登記記録に記録した事項とみなす。 3 登記官は、登記簿に記録した登記記録によって登記の事務を行うことができるようになったときは、直ちに、前項の規定により副登記記録に記録した事項を登記記録に記録しなければならない。 第二節 地図等 (地図) 第十条 地図は、地番区域又はその適宜の一部ごとに、正確な測量及び調査の成果に基づき作成するものとする。 ただし、地番区域の全部又は一部とこれに接続する区域を一体として地図を作成することを相当とする特段の事由がある場合には、当該接続する区域を含めて地図を作成することができる。 2 地図の縮尺は、次の各号に掲げる地域にあっては、当該各号に定める縮尺によるものとする。 ただし、土地の状況その他の事情により、当該縮尺によることが適当でない場合は、この限りでない。 一 市街地地域(主に宅地が占める地域及びその周辺の地域をいう。以下同じ。) 二百五十分の一又は五百分の一 二 村落・農耕地域(主に田、畑又は塩田が占める地域及びその周辺の地域をいう。以下同じ。) 五百分の一又は千分の一 三 山林・原野地域(主に山林、牧場又は原野が占める地域及びその周辺の地域をいう。以下同じ。) 千分の一又は二千五百分の一 3 地図を作成するための測量は、測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)第二章の規定による基本測量の成果である三角点及び電子基準点、国土調査法(昭和二十六年法律第百八十号)第十九条第二項の規定により認証され、若しくは同条第五項の規定により指定された基準点又はこれらと同等以上の精度を有すると認められる基準点(以下「基本三角点等」と総称する。)を基礎として行うものとする。 4 地図を作成するための一筆地測量及び地積測定における誤差の限度は、次によるものとする。 一 市街地地域については、国土調査法施行令(昭和二十七年政令第五十九号)別表第四に掲げる精度区分(以下「精度区分」という。)甲二まで 二 村落・農耕地域については、精度区分乙一まで 三 山林・原野地域については、精度区分乙三まで 5 国土調査法第二十条第一項の規定により登記所に送付された地籍図の写しは、同条第二項又は第三項の規定による登記が完了した後に、地図として備え付けるものとする。 ただし、地図として備え付けることを不適当とする特別の事情がある場合は、この限りでない。 6 前項の規定は、土地改良登記令(昭和二十六年政令第百四十六号)第五条第二項第三号又は土地区画整理登記令(昭和三十年政令第二百二十一号)第四条第二項第三号の土地の全部についての所在図その他これらに準ずる図面について準用する。 (建物所在図) 第十一条 建物所在図は、地図及び建物図面を用いて作成することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新住宅市街地開発法等による不動産登記に関する政令(昭和四十年政令第三百三十号)第六条第二項(同令第十一条から第十三条までにおいて準用する場合を含む。)の建物の全部についての所在図その他これに準ずる図面は、これを建物所在図として備え付けるものとする。 ただし、建物所在図として備え付けることを不適当とする特別の事情がある場合は、この限りでない。 (地図等の閉鎖) 第十二条 登記官は、新たな地図を備え付けた場合において、従前の地図があるときは、当該従前の地図の全部又は一部を閉鎖しなければならない。 地図を電磁的記録に記録したときも、同様とする。 2 登記官は、前項の規定により地図を閉鎖する場合には、当該地図に閉鎖の事由及びその年月日を記録するほか、当該地図が、電磁的記録に記録されている地図であるときは登記官の識別番号を記録し、その他の地図であるときは登記官印を押印しなければならない。 3 登記官は、従前の地図の一部を閉鎖したときは、当該閉鎖した部分と他の部分とを判然区別することができる措置を講じなければならない。 4 前三項の規定は、地図に準ずる図面及び建物所在図について準用する。 (地図の記録事項) 第十三条 地図には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 地番区域の名称 二 地図の番号(当該地図が複数の図郭にまたがって作成されている場合には、当該各図郭の番号) 三 縮尺 四 国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号 五 図郭線及びその座標値 六 各土地の区画及び地番 七 基本三角点等の位置 八 精度区分 九 隣接図郭との関係 十 作成年月日 2 電磁的記録に記録する地図にあっては、前項各号に掲げるもののほか、各筆界点の座標値を記録するものとする。 (建物所在図の記録事項) 第十四条 建物所在図には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 地番区域の名称 二 建物所在図の番号 三 縮尺 四 各建物の位置及び家屋番号(区分建物にあっては、当該区分建物が属する一棟の建物の位置) 五 第十一条第二項の建物所在図にあっては、その作成年月日 (地図及び建物所在図の番号) 第十五条 登記官は、地図に記録された土地の登記記録の表題部には第十三条第一項第二号の地図の番号(同号括弧書きに規定する場合には、当該土地が属する図郭の番号)を記録し、建物所在図に記録された建物の登記記録の表題部には前条第二号の番号を記録しなければならない。 (地図等の副記録) 第十五条の二 法務大臣は、電磁的記録に記録されている地図等に記録されている事項と同一の事項を記録する地図等の副記録を調製するものとする。 2 第九条第二項及び第三項の規定は、登記官が電磁的記録に記録されている地図等によって登記の事務を行うことができない場合について準用する。 (地図等の訂正) 第十六条 地図に表示された土地の区画又は地番に誤りがあるときは、当該土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの相続人その他の一般承継人は、その訂正の申出をすることができる。 地図に準ずる図面に表示された土地の位置、形状又は地番に誤りがあるときも、同様とする。 2 前項の申出をする場合において、当該土地の登記記録の地積に錯誤があるときは、同項の申出は、地積に関する更正の登記の申請と併せてしなければならない。 3 第一項の申出は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下「地図訂正申出情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 申出人の氏名又は名称及び住所 二 申出人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 申出人が表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨 五 申出に係る訂正の内容 4 第一項の申出は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して地図訂正申出情報を登記所に提供する方法 二 地図訂正申出情報を記載した書面(地図訂正申出情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を登記所に提出する方法 5 第一項の申出をする場合には、地図訂正申出情報と併せて次に掲げる情報を提供しなければならない。 一 地図又は地図に準ずる図面に表示された土地の区画若しくは位置若しくは形状又は地番に誤りがあることを証する情報 二 地図又は地図に準ずる図面に表示された土地の区画又は位置若しくは形状に誤りがあるときは、土地所在図又は地積測量図 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人が申出をするときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。第二百二条の四第六項第一号、第二百二条の十一第四項(第二百二条の十六第四項において準用する場合を含む。)、第二百二条の十四第四項第一号及び第二百二条の十五第四項第一号を除き、以下同じ。)、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 6 令第四条本文、第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の申出をする場合について準用する。 7 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条の二の規定は第一項の申出をする場合について、それぞれ準用する。 8 令第十条から第十四条までの規定は、第四項第一号の方法により第一項の申出をする場合について準用する。 9 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について準用する。 10 令第十五条、第十六条第一項、第十七条及び第十八条第一項の規定は第四項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について、令第十六条第五項の規定は第四項第二号に規定する地図訂正申出情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により第一項の申出をする場合について準用する。 この場合において、令第十六条第一項及び第十八条第一項中「記名押印しなければ」とあるのは、「署名し、又は記名押印しなければ」と読み替えるものとする。 11 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条の規定は第四項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について、第五十一条の規定は第四項第二号に規定する磁気ディスクを提出する方法により第一項の申出をする場合について準用する。 この場合において、第五十一条第七項及び第八項中「令第十六条第五項」とあるのは、「第十六条第十項において準用する令第十六条第五項」と読み替えるものとする。 12 登記官は、申出に係る事項を調査した結果、地図又は地図に準ずる図面を訂正する必要があると認めるときは、地図又は地図に準ずる図面を訂正しなければならない。 13 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、第一項の申出を却下しなければならない。 一 申出に係る土地の所在地が当該申出を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 申出の権限を有しない者の申出によるとき。 三 地図訂正申出情報又はその提供の方法がこの省令の規定により定められた方式に適合しないとき。 四 この省令の規定により地図訂正申出情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。 五 申出に係る事項を調査した結果、地図又は地図に準ずる図面に誤りがあると認められないとき。 六 地図又は地図に準ずる図面を訂正することによって申出に係る土地以外の土地の区画又は位置若しくは形状を訂正すべきこととなるとき。 14 第三十八条及び第三十九条の規定は、第一項の申出について準用する。 15 登記官は、地図等に誤りがあると認めるときは、職権で、その訂正をすることができる。 (行政区画の変更等) 第十六条の二 第九十二条の規定は、地図等について準用する。 この場合において、同条第一項中「変更の登記」とあるのは「変更」と、同条第二項中「表題部」とあるのは「地図等」と読み替えるものとする。 第三節 登記に関する帳簿 (申請情報等の保存) 第十七条 登記官は、電子申請において提供された申請情報及びその添付情報その他の登記簿の附属書類(これらの情報について行われた電子署名及び電子証明書を検証した結果の記録を含む。)を登記所の管理する電磁的記録に記録して保存するものとする。 2 登記官は、書面申請において提出された申請書及びその添付書面その他の登記簿の附属書類を、第十九条から第二十二条までの規定に従い、次条第二号から第五号までに掲げる帳簿につづり込んで保存するものとする。 (帳簿) 第十八条 登記所(第十四号及び第十五号の帳簿にあっては、法務局又は地方法務局に限る。)には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 受付帳 二 申請書類つづり込み帳 三 土地図面つづり込み帳 四 地役権図面つづり込み帳 五 建物図面つづり込み帳 六 職権表示登記等事件簿 七 職権表示登記等書類つづり込み帳 八 決定原本つづり込み帳 九 審査請求書類等つづり込み帳 十 各種通知簿 十一 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳 十二 請求書類つづり込み帳 十二の二 申出立件事件簿 十二の三 申出立件関係書類つづり込み帳 十二の四 申出立件事務日記帳 十二の五 代替措置等申出書写しつづり込み帳 十三 筆界特定書つづり込み帳 十四 筆界特定受付等記録簿 十五 筆界特定事務日記帳 十六 筆界特定関係簿 十七 筆界特定関係事務日記帳 十八 閉鎖土地図面つづり込み帳 十九 閉鎖地役権図面つづり込み帳 二十 閉鎖建物図面つづり込み帳 二十一 登記簿保存簿 二十二 登記関係帳簿保存簿 二十三 地図保存簿 二十四 建物所在図保存簿 二十五 登記識別情報通知書交付簿 二十六 登記事務日記帳 二十七 登記事項証明書等用紙管理簿 二十八 登録免許税関係書類つづり込み帳 二十九 再使用証明申出書類つづり込み帳 三十 不正登記防止申出書類つづり込み帳 三十一 土地価格通知書つづり込み帳 三十二 建物価格通知書つづり込み帳 三十三 諸表つづり込み帳 三十四 雑書つづり込み帳 三十五 法定相続情報一覧図つづり込み帳 (受付帳) 第十八条の二 受付帳は、登記の申請、登記識別情報の失効の申出及び登記識別情報に関する証明についてそれぞれ調製するものとする。 2 受付帳は、書面により調製する必要がある場合を除き、磁気ディスクその他の電磁的記録に記録して調製するものとする。 (申請書類つづり込み帳) 第十九条 申請書類つづり込み帳には、申請書及びその添付書面、通知書、許可書、取下書その他の登記簿の附属書類(申請に係る事件を処理するために登記官が作成したものを含み、この省令の規定により第十八条第三号から第五号まで及び第七号の帳簿につづり込むものを除く。)をつづり込むものとする。 (土地図面つづり込み帳等) 第二十条 土地図面つづり込み帳には、土地所在図及び地積測量図(これらのものが書面である場合に限る。)をつづり込むものとする。 2 第十七条第二項の規定にかかわらず、登記官は、前項の土地所在図及び地積測量図を同条第一項の電磁的記録に記録して保存することができる。 3 登記官は、前項の規定により土地所在図及び地積測量図を電磁的記録に記録して保存したときは、第一項の土地所在図及び地積測量図を申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。 4 閉鎖土地図面つづり込み帳には、第八十五条第二項の規定により閉鎖した第一項の土地所在図及び地積測量図をつづり込むものとする。 (地役権図面つづり込み帳等) 第二十一条 地役権図面つづり込み帳には、地役権図面(書面である場合に限る。)をつづり込むものとする。 2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の地役権図面について準用する。 3 閉鎖地役権図面つづり込み帳には、第八十七条第一項の規定により閉鎖した第一項の地役権図面をつづり込むものとする。 (建物図面つづり込み帳等) 第二十二条 建物図面つづり込み帳には、建物図面及び各階平面図(これらのものが書面である場合に限る。)をつづり込むものとする。 2 第二十条第二項及び第三項の規定は、前項の建物図面及び各階平面図について準用する。 3 閉鎖建物図面つづり込み帳には、第八十五条第二項の規定により閉鎖した第一項の建物図面及び各階平面図をつづり込むものとする。 (職権表示登記等書類つづり込み帳) 第二十三条 職権表示登記等書類つづり込み帳には、職権による表示に関する登記及び地図その他の図面の訂正に関する書類を立件の際に付した番号(以下「立件番号」という。)の順序に従ってつづり込むものとする。 (決定原本つづり込み帳) 第二十四条 決定原本つづり込み帳には、申請又は申出を却下した決定の決定書の原本をつづり込むものとする。 (審査請求書類等つづり込み帳) 第二十五条 審査請求書類等つづり込み帳には、審査請求書その他の審査請求事件に関する書類をつづり込むものとする。 (登記識別情報失効申出書類つづり込み帳) 第二十六条 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳には、登記識別情報の失効の申出に関する書類をつづり込むものとする。 2 登記識別情報の失効の申出が電子情報処理組織を使用する方法によりされた場合は、当該申出に係る情報の内容を書面に出力したものを登記識別情報失効申出書類つづり込み帳につづり込むものとする。 (請求書類つづり込み帳) 第二十七条 請求書類つづり込み帳には、次に掲げる請求に係る書面をつづり込むものとする。 一 登記事項証明書の交付の請求 二 登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面(以下「登記事項要約書」という。)の交付の請求 三 地図等の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付の請求 四 地図等の閲覧の請求 五 土地所在図等の全部又は一部の写し(土地所在図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付の請求 六 登記簿の附属書類の閲覧の請求 七 登記識別情報に関する証明の請求 八 筆界特定書等の全部又は一部の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付の請求 九 筆界特定手続記録の閲覧の請求 2 前項各号に掲げる請求が電子情報処理組織を使用する方法によりされた場合は、当該請求に係る情報の内容を書面に出力したものを請求書類つづり込み帳につづり込むものとする。 (申出立件事件簿等) 第二十七条の二 申出立件事件簿には、代替措置等申出(第二百二条の四第一項に規定する代替措置等申出をいう。第三項及び第四項において同じ。)又は代替措置申出の撤回(第二百二条の十五第一項の規定による撤回をいう。第三項及び第四項において同じ。)の立件の年月日その他の必要な事項を記録するものとする。 2 申出立件事件簿は、書面により調製する必要がある場合を除き、磁気ディスクその他の電磁的記録に記録して調製するものとする。 3 申出立件関係書類つづり込み帳には、代替措置等申出に関する書類及び代替措置申出の撤回に関する書類を立件番号の順序に従ってつづり込むものとする。 4 申出立件事務日記帳には、申出立件事件簿に記録しない代替措置等申出に関する事務又は代替措置申出の撤回に関する事務に係る書類の発送及び受領に関する事項を記録するものとする。 (代替措置等申出書写しつづり込み帳) 第二十七条の三 代替措置等申出書写しつづり込み帳には、第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。)の規定により送付を受けた書類をつづり込むものとする。 (筆界特定書つづり込み帳等) 第二十七条の四 筆界特定書つづり込み帳には、筆界特定書(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、その内容を書面に出力したもの)及び第二百三十三条第二項後段又は第三項後段の規定により送付された筆界特定書の写し(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、その内容を書面に出力したもの)をつづり込むものとする。 2 次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める事項を記録するものとする。 一 筆界特定受付等記録簿 筆界特定の申請の受付の年月日その他の必要な事項 二 筆界特定事務日記帳 筆界特定受付等記録簿に記録しない筆界特定の事務に係る書類の発送及び受領に関する事項 三 筆界特定関係簿 対象土地の所在地を管轄する登記所における筆界特定申請書の提出の年月日その他の必要な事項 四 筆界特定関係事務日記帳 前号の登記所における筆界特定関係簿に記録しない筆界特定の事務に係る書類の発送及び受領に関する事項 (登記簿保存簿等) 第二十七条の五 次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める事項を記録するものとする。 一 登記簿保存簿 登記記録の保存状況 二 登記関係帳簿保存簿 登記簿を除く一切の登記関係帳簿の保存状況 三 地図保存簿又は建物所在図保存簿 地図等(閉鎖したものを含む。)の保存状況 四 登記識別情報通知書交付簿 登記識別情報を記載した書面を交付する方法により登記識別情報を通知した旨その他の必要な事項 五 登記事務日記帳 受付帳その他の帳簿に記録しない書類の発送及び受領に関する事項 六 登記事項証明書等用紙管理簿 登記事項証明書、地図等の写し、土地所在図等の写し及び登記識別情報を記載した書面の作成に使用する用紙の管理に関する事項 (登録免許税関係書類つづり込み帳等) 第二十七条の六 次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める書類をつづり込むものとする。 一 登録免許税関係書類つづり込み帳 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)第二十八条第一項及び第三十一条第一項の通知に関する書類、同条第二項及び第六項の請求に関する書類並びに同条第五項の申出に関する書類 二 再使用証明申出書類つづり込み帳 登録免許税法第三十一条第三項の申出に関する書類 三 不正登記防止申出書類つづり込み帳 登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。)からのそれらの者に成りすました者が登記の申請をしている旨又はそのおそれがある旨の申出に関する書類 四 土地価格通知書つづり込み帳又は建物価格通知書つづり込み帳 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第四百二十二条の三の通知に関する書類 五 諸表つづり込み帳 登記事件及び登記以外の事件に関する各種の統計表 六 雑書つづり込み帳 第十八条第二号から第五号まで、第七号から第九号まで、第十一号、第十二号、第十二号の三、第十二号の五、第十三号、第十八号から第二十号まで及び第二十八号から第三十三号までに掲げる帳簿につづり込まない書類 (土地所在図等の副記録) 第二十七条の七 法務大臣は、第十七条第一項の電磁的記録に記録されている土地所在図等に記録されている事項と同一の事項を記録する土地所在図等の副記録を調製するものとする。 2 第九条第二項及び第三項の規定は、登記官が第十七条第一項の電磁的記録に記録されている土地所在図等によって登記の事務を行うことができない場合について準用する。 (法定相続情報一覧図つづり込み帳) 第二十七条の八 法定相続情報一覧図つづり込み帳には、法定相続情報一覧図及びその保管の申出に関する書類をつづり込むものとする。 第四節 雑則 (保存期間) 第二十八条 次の各号に掲げる情報の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 登記記録(閉鎖登記記録(閉鎖した登記記録をいう。以下同じ。)を除く。) 永久 二 地図及び地図に準ずる図面(閉鎖したものを含む。) 永久 三 建物所在図(閉鎖したものを含む。) 永久 四 土地に関する閉鎖登記記録 閉鎖した日から五十年間 五 建物に関する閉鎖登記記録 閉鎖した日から三十年間 六 共同担保目録 当該共同担保目録に記録されているすべての事項を抹消した日から十年間 七 信託目録 信託の登記の抹消をした日から二十年間 八 受付帳に記録された情報 受付の年の翌年から十年間(登記識別情報に関する証明の請求に係る受付帳にあっては、受付の年の翌年から一年間) 九 表示に関する登記の申請情報及びその添付情報(申請情報及びその添付情報以外の情報であって申請書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載されたものを含む。次号において同じ。) 受付の日から三十年間(第二十条第三項(第二十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものにあっては、電磁的記録に記録して保存した日から三十年間) 十 権利に関する登記の申請情報及びその添付情報 受付の日から三十年間(第二十一条第二項において準用する第二十条第三項の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものにあっては、電磁的記録に記録して保存した日から三十年間) 十一 職権表示登記等事件簿に記録された情報 立件の日から五年間 十二 職権表示登記等書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 立件の日から三十年間 十三 土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図(第二十条第三項(第二十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものを除く。) 永久(閉鎖したものにあっては、閉鎖した日から三十年間) 十四 地役権図面(第二十一条第二項において準用する第二十条第三項の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものを除く。) 閉鎖した日から三十年間 十五 決定原本つづり込み帳又は審査請求書類等つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 申請又は申出を却下した決定又は審査請求の受付の年の翌年から五年間 十六 各種通知簿に記録された情報 通知の年の翌年から一年間 十七 登記識別情報の失効の申出に関する情報 当該申出の受付の日から十年間 十八 請求書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 受付の日から一年間 十九 申出立件事件簿に記録された情報 立件の日から五年間 二十 申出立件関係書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 立件の日から五年間 二十一 代替措置等申出書写しつづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 送付を受けた日から五年間 第二十八条の二 次の各号に掲げる帳簿の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 登記簿保存簿、登記関係帳簿保存簿、地図保存簿及び建物所在図保存簿 作成の日から三十年間 一の二 申出立件事務日記帳 作成の年の翌年から一年間 二 登記識別情報通知書交付簿、登記事務日記帳及び登記事項証明書等用紙管理簿 作成の年の翌年から一年間 三 登録免許税関係書類つづり込み帳及び再使用証明申出書類つづり込み帳 作成の年の翌年から五年間 四 不正登記防止申出書類つづり込み帳、土地価格通知書つづり込み帳、建物価格通知書つづり込み帳及び諸表つづり込み帳 作成の年の翌年から三年間 五 雑書つづり込み帳 作成の年の翌年から一年間 六 法定相続情報一覧図つづり込み帳 作成の年の翌年から五年間 (記録の廃棄) 第二十九条 登記所において登記に関する電磁的記録、帳簿又は書類を廃棄するときは、法務局又は地方法務局の長の認可を受けなければならない。 (登記記録の滅失等) 第三十条 登記官は、登記記録又は地図等が滅失したときは、速やかに、その状況を調査し、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。 2 前項の法務局又は地方法務局の長は、同項の報告を受けたときは、相当の調査をし、法務大臣に対し、意見を述べなければならない。 3 前二項の規定は、登記記録、地図等又は登記簿の附属書類が滅失するおそれがあるときについて準用する。 (持出禁止) 第三十一条 登記簿、地図等及び登記簿の附属書類は、事変を避けるためにする場合を除き、登記所の外に持ち出してはならない。 2 前項の規定にかかわらず、登記官は、裁判所から登記簿の附属書類を送付すべき命令又は嘱託があったときは、その関係がある部分に限り、登記簿の附属書類を送付するものとする。 この場合において、当該登記簿の附属書類が電磁的記録に記録されているときは、その関係がある部分について、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力し、これを送付するものとする。 3 登記官は、事変を避けるために登記簿、地図等又は登記簿の附属書類を登記所の外に持ち出したときは、速やかに、その旨を当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。 (管轄転属による登記記録等の移送) 第三十二条 不動産の所在地が甲登記所の管轄から乙登記所の管轄に転属したときは、甲登記所の登記官は、当該不動産の登記記録(共同担保目録及び信託目録を含む。次項において同じ。)並びに地図等及び登記簿の附属書類(電磁的記録に記録されている地図等及び登記簿の附属書類を含む。)を乙登記所に移送するものとする。 2 前項の場合において、甲登記所の登記官は、移送した登記記録並びに電磁的記録に記録されている地図等及び土地所在図等を閉鎖するものとする。 (管轄転属による共同担保目録等の移送) 第三十三条 前条第一項の規定により乙登記所が共同担保目録の移送を受けたときは、乙登記所の登記官は、必要に応じ、当該共同担保目録の記号及び目録番号を改め、かつ、移送を受けた登記記録の乙区の従前の共同担保目録の記号及び目録番号を新たに付した記号及び目録番号に変更するものとする。 2 前項の規定は、信託目録について準用する。 この場合において、同項中「記号及び目録番号」とあるのは「目録番号」と、「乙区」とあるのは「相当区」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、地役権図面について準用する。 この場合において、同項中「記号及び目録番号」とあるのは、「番号」と読み替えるものとする。 第三章 登記手続 第一節 総則 第一款 通則 (申請情報) 第三十四条 登記の申請においては、次に掲げる事項を申請情報の内容とするものとする。 一 申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 分筆の登記の申請においては、第七十八条の符号 三 建物の分割の登記又は建物の区分の登記の申請においては、第八十四条の符号 四 附属建物があるときは、主である建物及び附属建物の別並びに第百十二条第二項の符号 五 敷地権付き区分建物であるときは、第百十八条第一号イの符号 六 添付情報の表示 七 申請の年月日 八 登記所の表示 2 令第六条第一項に規定する不動産識別事項は、不動産番号とする。 3 令第六条の規定は、同条第一項各号又は第二項各号に定める事項が申請を受ける登記所以外の登記所の管轄区域内にある不動産に係る場合には、当該不動産の不動産番号と併せて当該申請を受ける登記所以外の登記所の表示を申請情報の内容としたときに限り、適用する。 4 令第六条第一項第一号又は第二号の規定にかかわらず、不動産の表題登記を申請する場合、法第七十四条第一項第二号又は第三号に掲げる者が表題登記がない不動産について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない不動産について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合には、令第三条第七号又は第八号に掲げる事項を申請情報の内容としなければならない。 (一の申請情報によって申請することができる場合) 第三十五条 令第四条ただし書の法務省令で定めるときは、次に掲げるときとする。 一 土地の一部を分筆して、これを他の土地に合筆しようとする場合において、分筆の登記及び合筆の登記の申請をするとき。 二 甲建物の登記記録から甲建物の附属建物を分割して、これを乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 三 甲建物の登記記録から甲建物の附属建物(区分建物に限る。)を分割して、これを乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物の附属建物と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 四 甲建物を区分して、その一部を乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 五 甲建物を区分して、その一部を乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が当該一部と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 六 同一の不動産について申請する二以上の登記が、いずれも不動産の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記であるとき。 七 同一の不動産について申請する二以上の登記が、不動産の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記及び土地の分筆の登記若しくは合筆の登記又は建物の分割の登記、建物の区分の登記若しくは建物の合併の登記であるとき。 八 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について申請する二以上の登記が、いずれも同一の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記であるとき。 九 同一の不動産について申請する二以上の権利に関する登記(前号の登記を除く。)の登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるとき。 十 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記が、同一の債権を担保する先取特権、質権又は抵当権(以下「担保権」と総称する。)に関する登記であって、登記の目的が同一であるとき。 (会社法人等番号の提供を要しない場合等) 第三十六条 令第七条第一項第一号の法務省令で定める場合は、申請人が同号イに規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十条第一項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する登記事項証明書をいう。以下この項及び次項、第二百九条第三項及び第四項並びに第二百四十三条第二項において同じ。)を提供して登記の申請をするものである場合とする。 一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書 二 支配人等(支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものをいう。以下同じ。)によって登記の申請をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書 2 前項各号の登記事項証明書は、その作成後三月以内のものでなければならない。 3 令第七条第一項第二号の法務省令で定める場合は、申請人が同項第一号イに規定する法人であって、支配人等が当該法人を代理して登記の申請をする場合とする。 4 令第九条の法務省令で定める情報は、住民票コード(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第七条第十三号に規定する住民票コードをいう。)又は会社法人等番号(商業登記法第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下同じ。)とする。 ただし、住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を提供しなければならないものとされている場合にあっては、当該住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。 (添付情報の省略等) 第三十七条 同一の登記所に対して同時に二以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときは、当該添付情報は、一の申請の申請情報と併せて提供することで足りる。 2 前項の場合においては、当該添付情報を当該一の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。 第三十七条の二 法人である代理人によって登記の申請をする場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。 第三十七条の三 表題部所有者又は登記名義人の相続人が登記の申請をする場合において、その相続に関して法定相続情報一覧図の写し(第二百四十七条の規定により交付された法定相続情報一覧図の写しをいう。以下この条及び第百五十八条の二十において同じ。)又は法定相続情報番号(十一桁の番号であって、当該法定相続情報一覧図を識別するために登記官が付したものをいう。以下この条及び第百五十八条の二十において同じ。)を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報(第二百四十七条第一項に規定する法定相続情報をいう。次項及び第百五十八条の二十において同じ。)を確認することができるときに限る。 2 表題部所有者の相続人が所有権の保存の登記の申請をする場合又は登記名義人の相続人が相続による権利の移転の登記の申請をする場合において、当該相続人の住所が記載された法定相続情報一覧図の写し又は法定相続情報番号(法定相続情報一覧図に当該相続人の住所が記載されている場合に限る。以下この項において同じ。)を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、登記名義人となる者の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報を確認することができるときに限る。 (申請の却下) 第三十八条 登記官は、申請を却下するときは、決定書を作成して、これを申請人ごとに交付するものとする。 ただし、代理人によって申請がされた場合は、当該代理人に交付すれば足りる。 2 前項の交付は、当該決定書を送付する方法によりすることができる。 3 登記官は、書面申請がされた場合において、申請を却下したときは、添付書面を還付するものとする。 ただし、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、この限りでない。 (申請の取下げ) 第三十九条 申請の取下げは、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法 二 書面申請 申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法 2 申請の取下げは、登記完了後は、することができない。 3 登記官は、書面申請がされた場合において、申請の取下げがされたときは、申請書及びその添付書面を還付するものとする。 前条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 (管轄区域がまたがる場合の移送等) 第四十条 法第六条第三項の規定に従って登記の申請がされた場合において、他の登記所が同条第二項の登記所に指定されたときは、登記の申請を受けた登記所の登記官は、当該指定がされた他の登記所に当該申請に係る事件を移送するものとする。 2 登記官は、前項の規定により事件を移送したときは、申請人に対し、その旨を通知するものとする。 3 法第六条第二項の登記所に指定された登記所の登記官は、当該指定に係る不動産について登記を完了したときは、速やかに、その旨を他の登記所に通知するものとする。 4 前項の通知を受けた登記所の登記官は、適宜の様式の帳簿にその通知事項を記入するものとする。 第二款 電子申請 (電子申請の方法) 第四十一条 電子申請における申請情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。 令第十条の規定により申請情報と併せて送信すべき添付情報についても、同様とする。 (電子署名) 第四十二条 令第十二条第一項及び第二項の電子署名は、電磁的記録に記録することができる情報に、産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)に基づく日本産業規格(以下「日本産業規格」という。)X五七三一―八の附属書Dに適合する方法であって同附属書に定めるnの長さの値が二千四十八ビットであるものを講ずる措置とする。 (電子証明書) 第四十三条 令第十四条の法務省令で定める電子証明書は、第四十七条第三号イからニまでに掲げる者に該当する申請人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。同条第二号及び第三号並びに第四十九条第一項第一号及び第二号において同じ。)が申請情報又は委任による代理人の権限を証する情報に電子署名を行った場合にあっては、次に掲げる電子証明書とする。 ただし、第三号に掲げる電子証明書については、第一号及び第二号に掲げる電子証明書を取得することができない場合に限る。 一 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項の規定に基づき作成された署名用電子証明書 二 電子署名を行った者が商業登記法第十二条の二(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する被証明者であるときは、商業登記規則(昭和三十九年法務省令第二十三号)第三十三条の八第二項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する電子証明書 三 電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第八条に規定する認定認証事業者が作成した電子証明書(電子署名及び認証業務に関する法律施行規則(平成十三年総務省・法務省・経済産業省令第二号)第四条第一号に規定する電子証明書をいう。)その他の電子証明書であって、氏名、住所、出生の年月日その他の事項により電子署名を行った者を確認することができるものとして法務大臣の定めるもの 四 官庁又は公署が嘱託する場合にあっては、官庁又は公署が作成した電子証明書であって、登記官が電子署名を行った者を確認することができるもの 2 前項本文に規定する場合以外の場合にあっては、令第十四条の法務省令で定める電子証明書は、同項各号に掲げる電子証明書又はこれに準ずる電子証明書として法務大臣の定めるものとする。 (住所証明情報の省略等) 第四十四条 電子申請の申請人がその者の前条第一項第一号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の現在の住所を証する情報の提供に代えることができる。 2 電子申請の申請人がその者の前条第一項第二号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の会社法人等番号の提供に代えることができる。 3 前項の規定は、同項の電子証明書によって登記官が確認することができる代理権限を証する情報について準用する。 第三款 書面申請 (申請書等の文字) 第四十五条 申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。以下この款(第五十三条を除く。)において同じ。)その他の登記に関する書面に記載する文字は、字画を明確にしなければならない。 2 前項の書面につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにし、かつ、当該字数を記載した部分又は当該記号を付した部分に押印しなければならない。 この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。 (契印等) 第四十六条 申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請書が二枚以上であるときは、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 2 前項の契印は、申請人又はその代表者若しくは代理人が二人以上ある場合は、その一人がすれば足りる。 ただし、登記権利者及び登記義務者が共同して登記の申請をするときは、登記権利者又はその代表者若しくはその代理人及び登記義務者又はその代表者若しくはその代理人の各一人がしなければならない。 3 令別表の六十五の項添付情報欄に掲げる信託目録に記録すべき情報を記載した書面が二枚以上であるときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 この場合においては、前項の規定を準用する。 (申請書に記名押印を要しない場合) 第四十七条 令第十六条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 委任による代理人が申請書に署名した場合 二 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 三 申請人が次に掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が申請書に署名した場合(前号に掲げる場合を除く。) イ 所有権の登記名義人(所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。)であって、次に掲げる登記を申請するもの (1) 当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記(担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。) (2) 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記 (3) 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消 (4) 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記 (5) 仮登記の抹消(法第百十条前段の規定により所有権に関する仮登記の登記名義人が単独で申請するものに限る。) (6) 合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記 ロ 所有権の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記又は更正の登記を申請するもの ハ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記を申請するもの ニ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請するもの ホ 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けることとなる申請人 (申請書に印鑑証明書の添付を要しない場合) 第四十八条 令第十六条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を申請情報の内容としたとき。 ただし、登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。 二 申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 三 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合 四 申請人が前条第三号ホに掲げる者に該当する場合(同号イ(6)に掲げる者に該当する場合を除く。) 五 申請人が前条第三号イからニまでに掲げる者のいずれにも該当しない場合(前号に掲げる場合を除く。) (委任状への記名押印等の特例) 第四十九条 令第十八条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した委任による代理人の権限を証する情報を記載した書面(以下「委任状」という。)について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 二 申請人が第四十七条第三号イからホまでに掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が委任状に署名した場合 三 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に署名した場合 2 令第十八条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を申請情報の内容としたとき。 ただし、登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。 二 申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した委任状について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 三 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の委任状に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合 四 前条第一項第四号及び第五号に掲げる場合 五 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に記名押印した場合 (承諾書への記名押印等の特例) 第五十条 令第十九条第一項の法務省令で定める場合は、同意又は承諾を証する情報を記載した書面の作成者が署名した当該書面について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合とする。 2 第四十八条第一号から第三号までの規定は、令第十九条第二項の法務省令で定める場合について準用する。 この場合において、第四十八条第二号中「申請書」とあるのは「同意又は承諾を証する情報を記載した書面」と、同条第三号中「申請の申請書」とあるのは「同意又は承諾の同意又は承諾を証する情報を記載した書面」と読み替えるものとする。 (申請情報を記録した磁気ディスク) 第五十一条 法第十八条第二号に規定する磁気ディスクを提出する方法による申請は、法務大臣が指定した登記所においてすることができる。 2 前項の指定は、告示してしなければならない。 3 第一項の磁気ディスクの構造は、日本産業規格X〇六〇六に適合する一二〇ミリメートル光ディスクでなければならない。 4 第一項の磁気ディスクには、申請人の氏名又は名称及び申請の年月日を記載した書面をはり付けなければならない。 5 第一項の磁気ディスクには、法務大臣の定めるところにより申請情報を記録しなければならない。 6 申請情報の全部を記録した磁気ディスクは、法務大臣の定めるところにより作成しなければならない。 7 第四十二条の規定は、令第十六条第五項において準用する令第十二条第一項の電子署名について準用する。 8 第四十三条の規定は、令第十六条第五項において準用する令第十四条の電子証明書について準用する。 ただし、当該電子証明書には、指定公証人の行う電磁的記録に関する事務に関する省令(平成十三年法務省令第二十四号)第三条第一項に規定する指定公証人電子証明書を含むものとする。 9 第四十四条の規定は、前項の電子証明書を提供したときについて準用する。 10 申請情報の一部を記録した磁気ディスクを提出する場合には、当該磁気ディスクに申請人の氏名又は名称を記録したときであっても、申請書に申請人の氏名又は名称を記載しなければならない。 この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人の氏名又は名称を記載すれば足りる。 (申請書に添付することができる磁気ディスク) 第五十二条 前条第三項から第七項までの規定は、令第十五条の添付情報を記録した磁気ディスクについて準用する。 2 令第十五条後段において準用する令第十四条の電子証明書は、第四十三条第一項又は第二項に規定する電子証明書であって法務大臣が定めるものとする。 (申請書等の送付方法) 第五十三条 登記の申請をしようとする者が申請書及びその添付書面を送付するときは、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者(以下「信書便事業者」と総称する。)による同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。 2 前項の場合には、申請書及びその添付書面を入れた封筒の表面に不動産登記申請書が在中する旨を明記するものとする。 (受領証の交付の請求) 第五十四条 書面申請をした申請人は、申請に係る登記が完了するまでの間、申請書及びその添付書面の受領証の交付を請求することができる。 2 前項の規定により受領証の交付を請求する申請人は、申請書の内容と同一の内容を記載した書面を提出しなければならない。 ただし、当該書面の申請人の記載については、申請人が二人以上あるときは、申請書の筆頭に記載した者の氏名又は名称及びその他の申請人の人数を記載すれば足りる。 3 登記官は、第一項の規定による請求があった場合には、前項の規定により提出された書面に申請の受付の年月日及び受付番号並びに職氏名を記載し、職印を押印して受領証を作成した上、当該受領証を交付しなければならない。 (添付書面の原本の還付請求) 第五十五条 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。 ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第二項第三号若しくは第百五十六条の六第二項(第百五十六条の七第二項後段において準用する場合を含む。)の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。 2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。 3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。 この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 4 前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、登記完了後、申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。 5 第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。 6 第三項の規定による原本の還付は、申請人の申出により、原本を送付する方法によることができる。 この場合においては、申請人は、送付先の住所をも申し出なければならない。 7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。 8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。 9 前項の指定は、告示してしなければならない。 第四款 受付等 (申請の受付) 第五十六条 登記官は、申請情報が提供されたときは、受付帳に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。 2 登記官は、書面申請の受付にあっては、前項の規定により受付をする際、申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、適宜の用紙)に申請の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。 3 受付番号は、一年ごとに更新するものとする。 4 第一項及び第二項の規定は、次に掲げる場合について準用する。 一 法第六十七条第二項の許可があった場合 二 法第七十一条の規定により登記の抹消をしようとする場合 三 法第百五十七条第三項又は第四項の命令があった場合 四 第百十条第三項(第百四十四条第二項において準用する場合を含む。)、第百十九条第二項、第百二十四条第八項(第百二十条第七項、第百二十六条第三項、第百三十四条第三項及び第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)、第百五十九条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)又は第百六十八条第五項(第百七十条第三項において準用する場合を含む。)の通知があった場合 (調査) 第五十七条 登記官は、申請情報が提供されたときは、遅滞なく、申請に関するすべての事項を調査しなければならない。 (登記の順序) 第五十八条 登記官は、法第二十条に規定する場合以外の場合においても、受付番号の順序に従って登記するものとする。 (登記官による本人確認) 第五十九条 登記官は、法第二十四条第一項の規定により申請人の申請の権限の有無を調査したときは、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。 同条第二項の嘱託を受けて調査をした場合についても、同様とする。 2 前項後段の場合には、嘱託を受けて調査をした登記所の登記官は、その調査の結果を記録した調書を嘱託をした登記官に送付しなければならない。 (補正) 第六十条 登記官は、申請の補正をすることができる期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該申請を却下することができない。 2 申請の補正は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請の補正をする方法 二 書面申請 登記所に提出した書面を補正し、又は補正に係る書面を登記所に提出する方法 第五款 登記識別情報 (登記識別情報の定め方) 第六十一条 登記識別情報は、アラビア数字その他の符号の組合せにより、不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定める。 (登記識別情報の通知の相手方) 第六十二条 次の各号に掲げる場合における登記識別情報の通知は、当該各号に定める者に対してするものとする。 一 法定代理人(支配人その他の法令の規定により当該通知を受けるべき者を代理することができる者を含む。)によって申請している場合 当該法定代理人 二 申請人が法人である場合(前号に規定する場合を除く。) 当該法人の代表者 2 登記識別情報の通知を受けるための特別の委任を受けた代理人がある場合には、登記識別情報の通知は、当該代理人に対してするものとする。 (登記識別情報の通知の方法) 第六十三条 登記識別情報の通知は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によるものとする。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記識別情報を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人(以下この条において「申請人等」という。)の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 書面申請 登記識別情報を記載した書面を交付する方法 2 登記官は、前項の通知をするときは、法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者及び前条第一項各号に定める者並びに同条第二項の代理人(申請人から登記識別情報を知ることを特に許された者に限る。)以外の者に当該通知に係る登記識別情報が知られないようにするための措置を講じなければならない。 3 送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、申請人は、その旨並びに次項及び第五項の場合の区分に応じた送付先の別(第五項に規定する場合であって自然人である代理人の住所に宛てて書面を送付することを求めるときにあっては、当該代理人の住所)を申請情報の内容とするものとする。 4 前項の場合における登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。 一 申請人等が自然人である場合において当該申請人等の住所に宛てて書面を送付するとき、又は申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき(第三号に掲げる場合を除く。) 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法 二 申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の住所に宛てて書面を送付するとき(次号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの 三 申請人等が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法 5 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により代理人が登記識別情報の通知を受ける場合であって、当該代理人が法第二十三条第四項第一号に規定する代理人(以下「資格者代理人」という。)であるときは、登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。 一 当該代理人が自然人である場合において当該代理人の住所に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法 二 当該代理人が自然人である場合において当該代理人の事務所の所在地に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の住所に宛てて書面を送付するとき 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの 6 送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、送付に要する費用を納付しなければならない。 7 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを申請書と併せて提出する方法により納付しなければならない。 8 第六項の送付は、申請人が当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達する取扱いの料金に相当する郵便切手を提出したときは、当該取扱いによらなければならない。 第四項第二号若しくは第三号又は第五項第二号の場合において、信書便の役務であって当該取扱いに相当するものの料金に相当する当該信書便事業者の証票で法務大臣が指定するものを提出したときも、同様とする。 9 前二項の指定は、告示してしなければならない。 第六十三条の二 官庁又は公署が登記権利者のために登記の嘱託をしたときにおける登記識別情報の通知は、官庁又は公署の申出により、登記識別情報を記載した書面を交付する方法によりすることもできる。 この場合においては、官庁又は公署は、当該申出をする旨並びに送付の方法による交付を求めるときは、その旨及び送付先の住所を嘱託情報の内容とするものとする。 2 前項の場合における登記識別情報を記載した書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものその他の郵便又は信書便によって書面を送付する方法によってするものとする。 3 前条第六項から第九項までの規定は、官庁又は公署が送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合について準用する。 (登記識別情報の通知を要しない場合等) 第六十四条 法第二十一条ただし書の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合(官庁又は公署が登記権利者のために登記の嘱託をした場合において、当該官庁又は公署が当該登記権利者の申出に基づいて登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をしたときを含む。) 二 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者(第六十三条第一項第一号に定める方法によって通知を受けるべきものに限る。)が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに登記識別情報が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日以内に自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該登記識別情報を記録しない場合 三 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者(第六十三条第一項第二号に定める方法によって通知を受けるべきものに限る。)が、登記完了の時から三月以内に登記識別情報を記載した書面を受領しない場合 四 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者が官庁又は公署である場合(当該官庁又は公署があらかじめ登記識別情報の通知を希望する旨の申出をした場合を除く。) 2 前項第一号及び第四号の申出をするときは、その旨を申請情報の内容とするものとする。 3 登記官は、第一項第二号に規定する場合には同号に規定する登記識別情報を、同項第三号に規定する場合には同号に規定する登記識別情報を記載した書面を廃棄することができる。 4 第二十九条の規定は、前項の規定により登記識別情報又は登記識別情報を記載した書面を廃棄する場合には、適用しない。 (登記識別情報の失効の申出) 第六十五条 登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、通知を受けた登記識別情報について失効の申出をすることができる。 2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「申出情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 申出人の氏名又は名称及び住所 二 申出人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 申出人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所 五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項 イ 不動産所在事項又は不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申請の受付の年月日及び受付番号 ニ 次項第一号に掲げる方法により申出をするときは、甲区又は乙区の別 3 第一項の申出は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申出情報を登記所に提供する方法 二 申出情報を記載した書面を登記所に提出する方法 4 申出情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、申出情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 5 登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の申出をするときは、申出情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 6 令第四条本文、第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の申出をする場合について準用する。 7 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条及び第三十七条の二の規定は第一項の申出をする場合について、それぞれ準用する。 8 令第十条から第十二条まで及び第十四条の規定は、第三項第一号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。 9 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 10 令第十五条から第十八条までの規定は、第三項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。 11 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条の規定は前項に規定する場合について、第四十七条第一号及び第二号の規定は前項において準用する令第十六条第一項の法務省令で定める場合について、第四十八条第一号から第三号までの規定は前項において準用する令第十六条第二項の法務省令で定める場合について、第四十九条第一項第一号及び第三号の規定は前項において準用する令第十八条第一項の法務省令で定める場合について、第四十九条第二項各号(第四号を除く。)の規定は前項において準用する令第十八条第二項の法務省令で定める場合について、それぞれ準用する。 (登記識別情報の提供) 第六十六条 法第二十二条本文の規定により同条本文に規定する登記義務者の登記識別情報を提供する場合には、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して登記識別情報を提供する方法 二 書面申請 登記識別情報を記載した書面を申請書に添付して提出する方法 2 前項第二号の登記識別情報を記載した書面は、封筒に入れて封をするものとする。 3 前項の封筒には、登記識別情報を提供する申請人の氏名又は名称及び登記の目的を記載し、登記識別情報を記載した書面が在中する旨を明記するものとする。 (登記識別情報の提供の省略) 第六十七条 同一の不動産について二以上の権利に関する登記の申請がされた場合(当該二以上の権利に関する登記の前後を明らかにして同時に申請がされた場合に限る。)において、前の登記によって登記名義人となる者が、後の登記の登記義務者となるときは、当該後の登記の申請情報と併せて提供すべき登記識別情報は、当該後の登記の申請情報と併せて提供されたものとみなす。 (登記識別情報に関する証明) 第六十八条 令第二十二条第一項に規定する証明の請求は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「有効証明請求情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 請求人の氏名又は名称及び住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 請求人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所 五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項 イ 不動産所在事項又は不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申請の受付の年月日及び受付番号 ニ 第三項第一号に掲げる方法により請求をするときは、甲区又は乙区の別 六 第十五項の規定により同項に規定する情報を提供しないときは、その旨及び当該情報の表示 2 前項の証明の請求(登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明の請求を除く。)をするときは、有効証明請求情報と併せて登記識別情報を提供しなければならない。 第六十六条の規定は、この場合における登記識別情報の提供方法について準用する。 3 第一項の証明の請求は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して有効証明請求情報を登記所に提供する方法 二 有効証明請求情報を記載した書面を提出する方法 4 第一項の証明は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める方法によりするものとする。 一 前項第一号に掲げる方法により有効証明請求情報が提供された場合 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報を電子情報処理組織を使用して送信し、これを請求人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 前項第二号に掲げる方法により有効証明請求情報が提供された場合 登記官が証明に係る事項を記載した書面を交付する方法 5 有効証明請求情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、有効証明請求情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 6 登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の証明の請求をするときは、その有効証明請求情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 7 令第四条並びに第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の証明の請求をする場合(同条の規定については、資格者代理人により第一項の証明の請求をする場合を除く。)について準用する。 この場合において、令第四条ただし書中「申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるとき」とあるのは、「有効証明請求情報の内容である登記名義人の氏名又は名称及び住所が同一であるとき」と読み替えるものとする。 8 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条及び第三十七条の二の規定は第一項の証明の請求をする場合について、それぞれ準用する。 9 令第十条から第十二条まで及び第十四条の規定は、第三項第一号に掲げる方法により第一項の証明の請求をする場合について準用する。 10 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 11 令第十五条から第十八条までの規定は、第三項第二号に掲げる方法により第一項の証明の請求をする場合について準用する。 12 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条(第一項ただし書を除く。)の規定は前項に規定する場合について、第四十七条第一号及び第二号の規定は前項において準用する令第十六条第一項の法務省令で定める場合について、第四十八条第一号から第三号までの規定は前項において準用する令第十六条第二項の法務省令で定める場合について、第四十九条第一項第一号及び第三号の規定は前項において準用する令第十八条第一項の法務省令で定める場合について、第四十九条第二項各号(第四号を除く。)の規定は前項において準用する令第十八条第二項の法務省令で定める場合について、それぞれ準用する。 13 第百九十七条第六項及び第二百四条の規定は、第四項第二号に定める方法により第一項の証明をする場合について準用する。 14 資格者代理人によって第一項の証明の請求をするときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報(当該資格者代理人が法人である場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報を含む。)を併せて提供しなければならない。 15 資格者代理人によって第一項の証明の請求をする場合には、第五項及び第六項の規定にかかわらず、これらの規定に規定する情報は、提供することを要しない。 (登記識別情報を記載した書面の廃棄) 第六十九条 登記官は、第六十六条第一項第二号(前条第二項後段において準用する場合を含む。)の規定により登記識別情報を記載した書面が提出された場合において、当該登記識別情報を提供した申請に基づく登記を完了したとき又は請求の審査を終了したときは、速やかに、当該書面を廃棄するものとする。 2 第二十九条の規定は、前項の規定により登記識別情報を記載した書面を廃棄する場合には、適用しない。 第六款 登記識別情報の提供がない場合の手続 (事前通知) 第七十条 法第二十三条第一項の通知は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により書面を送付してするものとする。 一 法第二十二条に規定する登記義務者が自然人である場合又は当該登記義務者が法人である場合において当該登記義務者である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法 二 法第二十二条に規定する登記義務者が法人である場合(前号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの 三 法第二十二条に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法 2 前項の書面には、当該通知を識別するための番号、記号その他の符号(第五項第一号において「通知番号等」という。)を記載しなければならない。 3 第一項の規定による送付は、申請人が当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達する取扱いの料金に相当する郵便切手を提出したときは、当該取扱いによらなければならない。 同項第二号又は第三号の場合において、信書便の役務であって当該取扱いに相当するものの料金に相当する当該信書便事業者の証票で法務大臣が指定するものを提出したときも、同様とする。 4 前項の指定は、告示してしなければならない。 5 法第二十三条第一項に規定する申出は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によりしなければならない。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、法第二十二条に規定する登記義務者が、第一項の書面の内容を通知番号等を用いて特定し、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行った上、登記所に送信する方法 二 書面申請 法第二十二条に規定する登記義務者が、第一項の書面に通知に係る申請の内容が真実である旨を記載し、これに記名し、申請書又は委任状に押印したものと同一の印を用いて当該書面に押印した上、登記所に提出する方法(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出した場合にあっては、法第二十二条に規定する登記義務者が、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行い、これを記録した磁気ディスクを第一項の書面と併せて登記所に提出する方法) 6 令第十四条の規定は、前項の申出をする場合について準用する。 7 第四十三条の規定は、前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について準用する。 8 法第二十三条第一項の法務省令で定める期間は、通知を発送した日から二週間とする。 ただし、法第二十二条に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合には、四週間とする。 (前の住所地への通知) 第七十一条 法第二十三条第二項の通知は、転送を要しない郵便物として書面を送付する方法又はこれに準ずる方法により送付するものとする。 2 法第二十三条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法第二十三条第二項の登記義務者の住所についての変更の登記(更正の登記を含む。以下この項において同じ。)の登記原因が、行政区画若しくはその名称又は字若しくはその名称についての変更又は錯誤若しくは遺漏である場合 二 法第二十三条第二項の登記の申請の日が、同項の登記義務者の住所についてされた最後の変更の登記の申請に係る受付の日から三月を経過している場合 三 法第二十三条第二項の登記義務者が法人である場合 四 前三号に掲げる場合のほか、次条第一項に規定する本人確認情報の提供があった場合において、当該本人確認情報の内容により申請人が登記義務者であることが確実であると認められる場合 (資格者代理人による本人確認情報の提供) 第七十二条 法第二十三条第四項第一号の規定により登記官が資格者代理人から提供を受ける申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報(以下「本人確認情報」という。)は、次に掲げる事項を明らかにするものでなければならない。 一 資格者代理人(資格者代理人が法人である場合にあっては、当該申請において当該法人を代表する者をいう。以下この条において同じ。)が申請人(申請人が法人である場合にあっては、代表者又はこれに代わるべき者。以下この条において同じ。)と面談した日時、場所及びその状況 二 資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるときは、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨及びその面識が生じた経緯 三 資格者代理人が申請人の氏名を知らず、又は当該申請人と面識がないときは、申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために当該申請人から提示を受けた次項各号に掲げる書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由 2 前項第三号に規定する場合において、資格者代理人が申請人について確認をするときは、次に掲げる方法のいずれかにより行うものとする。 ただし、第一号及び第二号に掲げる書類及び有効期間又は有効期限のある第三号に掲げる書類にあっては、資格者代理人が提示を受ける日において有効なものに限る。 一 運転免許証(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証をいう。)、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)、旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に規定する旅券及び同条第六号に規定する乗員手帳をいう。ただし、当該申請人の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)、在留カード(同法第十九条の三に規定する在留カードをいう。)、特別永住者証明書(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第七条に規定する特別永住者証明書をいう。)又は運転経歴証明書(道路交通法第百四条の四第五項(同法第百五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する運転経歴証明書をいう。)のうちいずれか一以上の提示を求める方法 二 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証、基礎年金番号通知書(国民年金法施行規則(昭和三十五年厚生省令第十二号)第一条第一項に規定する基礎年金番号通知書をいう。)、児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳であって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか二以上の提示を求める方法 三 前号に掲げる書類のうちいずれか一以上及び官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるものであって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか一以上の提示を求める方法 3 資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。 第七款 土地所在図等 (土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図の作成方式) 第七十三条 電子申請において送信する土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図は、法務大臣の定める方式に従い、作成しなければならない。 書面申請においてこれらの図面を電磁的記録に記録して提出する場合についても、同様とする。 2 前項の土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図には、作成の年月日並びに申請人及び作成者の氏名又は名称を記録しなければならない。 第七十四条 土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図(これらのものが書面である場合に限る。)は、〇・二ミリメートル以下の細線により、図形を鮮明に表示しなければならない。 2 前項の土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図には、作成の年月日を記録し、申請人が記名するとともに、その作成者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図は、別記第一号及び第二号の様式により、日本産業規格B列四番の丈夫な用紙を用いて作成しなければならない。 (土地所在図及び地積測量図の作成単位) 第七十五条 土地所在図及び地積測量図は、一筆の土地ごとに作成しなければならない。 2 分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図は、分筆前の土地ごとに作成するものとする。 (土地所在図の内容) 第七十六条 土地所在図には、方位、縮尺、土地の形状及び隣地の地番を記録しなければならない。 2 土地所在図は、近傍類似の土地についての法第十四条第一項の地図と同一の縮尺により作成するものとする。 3 第十条第四項の規定は、土地所在図について準用する。 (地積測量図の内容) 第七十七条 地積測量図には、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 地番区域の名称 二 方位 三 縮尺 四 地番(隣接地の地番を含む。) 五 地積及びその求積方法 六 筆界点間の距離 七 国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号 八 基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値 九 境界標(筆界点にある永続性のある石杭又は金属標その他これに類する標識をいう。以下同じ。)があるときは、当該境界標の表示 十 測量の年月日 2 近傍に基本三角点等が存しない場合その他の基本三角点等に基づく測量ができない特別の事情がある場合には、前項第七号及び第八号に掲げる事項に代えて、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値を記録しなければならない。 3 第一項第九号の境界標の表示を記録するには、境界標の存する筆界点に符号を付し、適宜の箇所にその符号及び境界標の種類を記録する方法その他これに準ずる方法によってするものとする。 4 地積測量図は、二百五十分の一の縮尺により作成するものとする。 ただし、土地の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。 5 第十条第四項の規定は、地積測量図について準用する。 (分筆の登記の場合の地積測量図) 第七十八条 分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図には、分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示し、これに符号を付さなければならない。 (地役権図面の内容) 第七十九条 地役権図面には、地役権設定の範囲を明確にし、方位、縮尺、地番及び隣地の地番並びに申請人の氏名又は名称を記録しなければならない。 2 地役権図面は、適宜の縮尺により作成することができる。 3 地役権図面には、作成の年月日を記録しなければならない。 4 地役権図面(書面である場合に限る。)には、地役権者が署名し、又は記名押印しなければならない。 (地役権図面の作成方式) 第八十条 第七十三条第一項及び第七十四条第一項の規定は、地役権図面について準用する。 2 書面申請において提出する地役権図面(電磁的記録に記録して提出するものを除く。)は、別記第三号様式により、日本産業規格B列四番の丈夫な用紙を用いて作成しなければならない。 (建物図面及び各階平面図の作成単位) 第八十一条 建物図面及び各階平面図は、一個の建物(附属建物があるときは、主である建物と附属建物を合わせて一個の建物とする。)ごとに作成しなければならない。 (建物図面の内容) 第八十二条 建物図面は、建物の敷地並びにその一階(区分建物にあっては、その地上の最低階)の位置及び形状を明確にするものでなければならない。 2 建物図面には、方位、縮尺、敷地の地番及びその形状、隣接地の地番並びに附属建物があるときは主である建物又は附属建物の別及び附属建物の符号を記録しなければならない。 3 建物図面は、五百分の一の縮尺により作成しなければならない。 ただし、建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。 (各階平面図の内容) 第八十三条 各階平面図には、縮尺、各階の別、各階の平面の形状、一階の位置、各階ごとの建物の周囲の長さ、床面積及びその求積方法並びに附属建物があるときは主である建物又は附属建物の別及び附属建物の符号を記録しなければならない。 2 各階平面図は、二百五十分の一の縮尺により作成しなければならない。 ただし、建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。 (建物の分割の登記の場合の建物図面等) 第八十四条 建物の分割の登記又は建物の区分の登記を申請する場合において提供する建物図面及び各階平面図には、分割後又は区分後の各建物を表示し、これに符号を付さなければならない。 (土地所在図の管理及び閉鎖等) 第八十五条 登記官は、申請情報と併せて土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図の提供があった場合において、当該申請に基づく登記をしたときは、これらの図面に登記の完了の年月日を記録しなければならない。 2 登記官は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める図面を閉鎖しなければならない。 一 表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記をした場合(変更後又は更正後の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図がある場合に限る。) 変更前又は更正前の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図 二 滅失の登記又は表題部の抹消をした場合 滅失前又は抹消前の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図 三 土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)又は土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)に基づく換地処分の登記をした場合(前号に掲げる場合を除く。) 従前の土地に係る土地所在図又は地積測量図 3 登記官は、前項の規定により同項各号に定める図面を閉鎖する場合には、当該図面が、第十七条第一項の電磁的記録に記録されているときは当該電磁的記録に閉鎖の事由及びその年月日並びに登記官の識別番号を記録し、土地図面つづり込み帳又は建物図面つづり込み帳につづり込まれているときは当該図面に閉鎖の事由及びその年月日を記録して登記官印を押印しなければならない。 4 第一項の規定は、同項に規定する図面を第十七条第一項の電磁的記録に記録して保存する場合には、適用しない。 この場合においては、当該電磁的記録に登記の完了の年月日を記録しなければならない。 (地役権図面の管理) 第八十六条 登記官は、申請情報と併せて地役権図面の提供があった場合において、当該申請に基づく登記をしたときは、地役権図面にその番号(以下「地役権図面番号」という。)を付さなければならない。 この場合においては、当該地役権図面に当該地役権図面番号並びに当該申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 2 前項後段の規定は、地役権図面を第十七条第一項の電磁的記録に記録して保存する場合には、適用しない。 この場合においては、当該電磁的記録に地役権図面番号及び登記の年月日を記録しなければならない。 3 地役権図面番号は、一年ごとに更新するものとする。 (地役権図面の閉鎖) 第八十七条 登記官は、地役権の登記の抹消をしたとき又は地役権図面を添付情報とする申請に基づく分筆の登記、合筆の登記若しくは地役権の変更の登記若しくは更正の登記をしたときは、従前の地役権図面を閉鎖しなければならない。 2 第八十五条第三項の規定は、前項の場合について準用する。 (土地所在図の訂正等) 第八十八条 土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図に誤りがあるときは、表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの相続人その他の一般承継人は、その訂正の申出をすることができる。 ただし、表題部の登記事項に関する更正の登記(土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図を添付情報とするものに限る。)をすることができる場合は、この限りでない。 2 前項の申出は、訂正後の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図を提供してしなければならない。 3 第十六条第三項、第四項、第五項第三号及び第六項から第十四項までの規定は、第一項の申出について準用する。 第二節 表示に関する登記 第一款 通則 (表題部の登記) 第八十九条 登記官は、表題部に表示に関する登記をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、表示に関する登記の登記事項のうち、当該表示に関する登記の登記原因及びその日付並びに登記の年月日のほか、新たに登記すべきものを記録しなければならない。 (不動産番号) 第九十条 登記官は、法第二十七条第四号の不動産を識別するために必要な事項として、一筆の土地又は一個の建物ごとに番号、記号その他の符号を記録することができる。 (表題部の変更の登記又は更正の登記) 第九十一条 登記官は、表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記をするときは、変更前又は更正前の事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (行政区画の変更等) 第九十二条 行政区画又はその名称の変更があった場合には、登記記録に記録した行政区画又はその名称について変更の登記があったものとみなす。 字又はその名称に変更があったときも、同様とする。 2 登記官は、前項の場合には、速やかに、表題部に記録した行政区画若しくは字又はこれらの名称を変更しなければならない。 (実地調査) 第九十三条 登記官は、表示に関する登記をする場合には、法第二十九条の規定により実地調査を行わなければならない。 ただし、申請に係る不動産の調査に関する報告(土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人が代理人として登記を申請する場合において、当該土地家屋調査士(土地家屋調査士法人の場合にあっては、その代表者)が作成したものに限る。)その他の申請情報と併せて提供された情報又は公知の事実若しくは登記官が職務上知り得た事実により登記官が実地調査をする必要がないと認めたときは、この限りでない。 (実地調査における電磁的記録に記録された事項の提示方法等) 第九十四条 法第二十九条第二項の法務省令で定める方法は、当該電磁的記録に記録された事項を書面に出力する方法又は当該事項を出力装置の映像面に表示する方法とする。 2 法第二十九条第二項に規定する登記官の身分を証する書面は、別記第四号様式によるものとする。 (実地調査書) 第九十五条 登記官は、実地調査を行った場合には、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。 (職権による表示に関する登記の手続) 第九十六条 登記官は、職権で表示に関する登記をしようとするときは、職権表示登記等事件簿に登記の目的、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。 2 登記官は、地図若しくは地図に準ずる図面を訂正しようとするとき(第十六条の申出により訂正するときを含む。)又は土地所在図、地積測量図、建物図面若しくは各階平面図を訂正しようとするとき(第八十八条の申出により訂正するときを含む。)は、職権表示登記等事件簿に事件の種別、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。 第二款 土地の表示に関する登記 (地番区域) 第九十七条 地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもって定めるものとする。 (地番) 第九十八条 地番は、地番区域ごとに起番して定めるものとする。 2 地番は、土地の位置が分かりやすいものとなるように定めるものとする。 (地目) 第九十九条 地目は、土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めるものとする。 (地積) 第百条 地積は、水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一(宅地及び鉱泉地以外の土地で十平方メートルを超えるものについては、一平方メートル)未満の端数は、切り捨てる。 (分筆の登記における表題部の記録方法) 第百一条 登記官は、甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をするときは、乙土地について新たな登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に何番の土地から分筆した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲土地に新たな地番を付し、甲土地の登記記録に、残余部分の土地の表題部の登記事項、何番の土地を分筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 3 前項の規定にかかわらず、登記官は、分筆後の甲土地について従前の地番と同一の地番を付すことができる。 この場合には、甲土地の登記記録の表題部の従前の地番を抹消する記号を記録することを要しない。 (分筆の登記における権利部の記録方法) 第百二条 登記官は、前条の場合において、乙土地の登記記録の権利部の相当区に、甲土地の登記記録から権利に関する登記(地役権の登記にあっては、乙土地に地役権が存続することとなる場合に限る。)を転写し、かつ、分筆の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 この場合において、所有権及び担保権以外の権利(地役権を除く。)については分筆後の甲土地が共にその権利の目的である旨を記録し、担保権については既にその権利についての共同担保目録が作成されているときを除き共同担保目録を作成し、転写した権利の登記の末尾にその共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、転写する権利が担保権であり、かつ、既にその権利についての共同担保目録が作成されているときは、同項の規定により転写された乙土地に関する権利を当該共同担保目録に記録しなければならない。 3 登記官は、甲土地の登記記録から乙土地の登記記録に所有権以外の権利に関する登記を転写したときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記に、担保権以外の権利(地役権を除く。)については乙土地が共にその権利の目的である旨を、担保権については既にその権利についての共同担保目録が作成されているときを除き第一項の規定により作成した共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 (地役権の登記がある土地の分筆の登記) 第百三条 登記官は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、地役権設定の範囲が分筆後の甲土地又は乙土地の一部となるときは、分筆後の甲土地又は乙土地の登記記録の当該地役権に関する登記に当該地役権設定の範囲及び地役権図面番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、要役地の登記記録の第百五十九条第一項各号に掲げる事項に関する変更の登記をしなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に承役地の分筆の登記をした旨を通知しなければならない。 4 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第二項に規定する登記をしなければならない。 (分筆に伴う権利の消滅の登記) 第百四条 法第四十条の規定による権利が消滅した旨の登記は、分筆の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。 一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報 二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報 三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券 2 甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により乙土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって乙土地について当該権利が消滅した旨を記録しなければならない。 この場合には、第百二条第一項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を乙土地の登記記録に転写することを要しない。 3 甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により分筆後の甲土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって分筆後の甲土地について当該権利が消滅した旨を記録し、当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。 4 第二項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、乙土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。 5 第三項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、分筆後の甲土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。 6 登記官は、要役地についてする地役権の登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該地役権を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを証する地役権者が作成した情報が提供されたとき(当該土地を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、当該土地について当該地役権が消滅した旨を登記しなければならない。 この場合においては、第一項第二号、第二項及び第三項の規定を準用する。 (合筆の登記の制限の特例) 第百五条 法第四十一条第六号の合筆後の土地の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。 一 承役地についてする地役権の登記 二 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの 三 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの 四 鉱害賠償登録令(昭和三十年政令第二十七号)第二十六条に規定する鉱害賠償登録に関する登記であって、鉱害賠償登録規則(昭和三十年法務省令第四十七号)第二条に規定する登録番号が同一のもの (合筆の登記における表題部の記録方法) 第百六条 登記官は、甲土地を乙土地に合筆する合筆の登記をするときは、乙土地の登記記録の表題部に、合筆後の土地の表題部の登記事項、何番の土地を合筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲土地の登記記録の表題部に何番の土地に合筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 (合筆の登記における権利部の記録方法) 第百七条 登記官は、前条第一項の場合において、合筆前の甲土地及び乙土地が所有権の登記がある土地であるときは、乙土地の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 合併による所有権の登記をする旨 二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分 三 甲土地又は乙土地に第百五十六条の四に規定する法人識別事項又は第百五十六条の六第一項に規定する国内連絡先事項(以下「法人識別事項等」という。)の登記があるときは、当該法人識別事項等 四 合筆の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号 五 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のものがあるときは、当該信託の登記 2 登記官は、前項の場合において、乙土地の登記記録に承役地についてする地役権の登記があるときは、当該地役権の登記に当該地役権設定の範囲及び地役権図面番号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、甲土地の登記記録に承役地についてする地役権の登記があるときは、乙土地の登記記録の乙区に甲土地の登記記録から当該地役権の登記を移記し、当該移記された地役権の登記に当該地役権設定の範囲及び地役権図面番号を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の規定により地役権の登記を移記すべき場合において、乙土地に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の承役地にする地役権の登記があるときは、同項の規定にかかわらず、乙土地の登記記録に甲土地の地番及び甲土地につき同一事項の登記がある旨を記録しなければならない。 5 第百三条第二項から第四項までの規定は、前三項の場合について準用する。 6 登記官は、第一項の場合において、甲土地及び乙土地の登記記録に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の担保権の登記があるときは、乙土地の登記記録に当該登記が合筆後の土地の全部に関する旨を付記登記によって記録しなければならない。 (分合筆の登記) 第百八条 登記官は、甲土地の一部を分筆して、これを乙土地に合筆する場合において、分筆の登記及び合筆の登記をするときは、乙土地の登記記録の表題部に、合筆後の土地の表題部の登記事項、何番の土地の一部を合併した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百六条の規定は、適用しない。 2 登記官は、前項に規定する登記をするときは、甲土地の登記記録の表題部に、残余部分の土地の表題部の登記事項、何番の土地に一部を合併した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百一条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 3 第百二条第一項(承役地についてする地役権の登記に係る部分に限る。)、第百三条、第百四条及び前条の規定は、第一項の場合について準用する。 (土地の滅失の登記) 第百九条 登記官は、土地の滅失の登記をするときは、当該土地の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 第百十条 登記官は、前条の場合において、滅失した土地が他の不動産と共に所有権以外の権利の目的であったとき(その旨が登記記録に記録されている場合に限る。)は、当該他の不動産の登記記録の乙区に、滅失した土地の不動産所在事項並びに滅失の原因及び当該土地が滅失したことを記録し、かつ、当該滅失した土地が当該他の不動産と共に権利の目的である旨の記録における当該滅失した土地の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、滅失した土地が他の不動産と共に担保権の目的であったときは、前項の規定による記録(滅失した土地の不動産所在事項の記録を除く。)は、共同担保目録にしなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、当該他の不動産が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、その旨を当該他の登記所に通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項及び第二項の規定による登記をしなければならない。 第三款 建物の表示に関する登記 (建物) 第百十一条 建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。 (家屋番号) 第百十二条 家屋番号は、地番区域ごとに建物の敷地の地番と同一の番号をもって定めるものとする。 ただし、二個以上の建物が一筆の土地の上に存するとき、一個の建物が二筆以上の土地の上に存するとき、その他特別の事情があるときは、敷地の地番と同一の番号に支号を付す方法その他の方法により、これを定めるものとする。 2 附属建物には、符号を付すものとする。 (建物の種類) 第百十三条 建物の種類は、建物の主な用途により、居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所及び変電所に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。 2 建物の主な用途が二以上の場合には、当該二以上の用途により建物の種類を定めるものとする。 (建物の構造) 第百十四条 建物の構造は、建物の主な部分の構成材料、屋根の種類及び階数により、次のように区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。 一 構成材料による区分 イ 木造 ロ 土蔵造 ハ 石造 ニ れんが造 ホ コンクリートブロック造 ヘ 鉄骨造 ト 鉄筋コンクリート造 チ 鉄骨鉄筋コンクリート造 二 屋根の種類による区分 イ かわらぶき ロ スレートぶき ハ 亜鉛メッキ鋼板ぶき ニ 草ぶき ホ 陸屋根 三 階数による区分 イ 平家建 ロ 二階建(三階建以上の建物にあっては、これに準ずるものとする。) (建物の床面積) 第百十五条 建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。 (区分建物の家屋番号) 第百十六条 区分建物である建物の登記記録の表題部には、建物の表題部の登記事項のほか、当該建物が属する一棟の建物に属する他の建物の家屋番号を記録するものとする。 2 登記官は、区分建物である建物の家屋番号に関する変更の登記又は更正の登記をしたときは、当該建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録に記録されていた当該建物の家屋番号を抹消する記号を記録し、変更後又は更正後の家屋番号を記録しなければならない。 (区分建物の登記記録の閉鎖) 第百十七条 登記官は、区分建物である建物の登記記録を閉鎖する場合において、当該登記記録の閉鎖後においても当該建物(以下この条において「閉鎖建物」という。)が属する一棟の建物に他の建物(附属建物として登記されているものを除く。)が存することとなるときは、第八条の規定にかかわらず、閉鎖建物の登記記録に記録された次に掲げる事項を抹消する記号を記録することを要しない。 一 一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番 二 一棟の建物の構造及び床面積 三 一棟の建物の名称があるときは、その名称 四 前条第一項の規定により記録されている当該他の建物の家屋番号 2 登記官は、前項の場合には、閉鎖建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録に記録されている当該閉鎖建物の家屋番号を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項に規定する場合以外の場合において、区分建物である建物の登記記録を閉鎖するときは、閉鎖建物の登記記録及び当該閉鎖建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録(閉鎖されたものも含む。)の第一項各号に掲げる事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (表題部にする敷地権の記録方法) 第百十八条 登記官は、区分建物である建物の登記記録の表題部に法第四十四条第一項第九号に掲げる敷地権を記録するときは、敷地権の登記原因及びその日付のほか、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 敷地権の目的である土地に関する次に掲げる事項 イ 当該土地を記録する順序に従って付した符号 ロ 当該土地の不動産所在事項 ハ 地目 ニ 地積 二 敷地権の種類 三 敷地権の割合 (敷地権である旨の登記) 第百十九条 登記官は、法第四十六条の敷地権である旨の登記をするときは、次に掲げる事項を敷地権の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に記録しなければならない。 一 敷地権である旨 二 当該敷地権の登記をした区分建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番 三 当該敷地権の登記をした区分建物が属する一棟の建物の構造及び床面積又は当該一棟の建物の名称 四 当該敷地権が一棟の建物に属する一部の建物についての敷地権であるときは、当該一部の建物の家屋番号 五 登記の年月日 2 登記官は、敷地権の目的である土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に前項の規定により記録すべき事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、敷地権の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に、通知を受けた事項を記録しなければならない。 (合体による登記等) 第百二十条 合体後の建物についての建物の表題登記をする場合において、合体前の建物に所有権の登記がある建物があるときは、合体後の建物の登記記録の表題部に表題部所有者に関する登記事項を記録することを要しない。 法第四十九条第一項後段の規定により併せて所有権の登記の申請があった場合についても、同様とする。 2 登記官は、前項前段の場合において、表題登記をしたときは、当該合体後の建物の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 合体による所有権の登記をする旨 二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分 三 合体前の建物に法人識別事項等の登記があるときは、当該法人識別事項等 四 登記の年月日 3 登記官は、法第四十九条第一項後段の規定により併せて所有権の登記の申請があった場合において、当該申請に基づく所有権の登記をするときは、前項各号に掲げる事項のほか、第百五十六条の四に規定する法人識別事項、第百五十六条の六第一項に規定する国内連絡先事項並びに当該申請の受付の年月日及び受付番号も記録しなければならない。 4 登記官は、合体前の建物について存続登記(令別表の十三の項申請情報欄ハに規定する存続登記をいう。以下この項において同じ。)がある場合において、合体後の建物の持分について当該存続登記と同一の登記をするときは、合体前の建物の登記記録から合体後の建物の登記記録の権利部の相当区に当該存続登記を移記し、その末尾に本項の規定により登記を移記した旨及びその年月日を記録しなければならない。 5 法第五十条の規定による権利が消滅した旨の登記は、合体による登記等の申請情報と併せて次に掲げる情報の提供がされた場合にするものとする。 一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報 二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報 三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券 6 前項の場合における権利が消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。 この場合には、第四項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を合体後の建物の登記記録に移記することを要しない。 7 第百二十四条の規定は、敷地権付き区分建物が合体した場合において、合体後の建物につき敷地権の登記をしないときについて準用する。 8 前条の規定は、合体前の二以上の建物がいずれも敷地権付き区分建物であり、かつ、合体後の建物も敷地権付き区分建物となる場合において、合体前の建物のすべての敷地権の割合を合算した敷地権の割合が合体後の建物の敷地権の割合となるときは、適用しない。 9 第百四十四条の規定は、合体前の建物の表題部の登記の抹消について準用する。 (附属建物の新築の登記) 第百二十一条 登記官は、附属建物の新築による建物の表題部の登記事項に関する変更の登記をするときは、建物の登記記録の表題部に、附属建物の符号、種類、構造及び床面積を記録しなければならない。 (区分建物の表題部の変更の登記) 第百二十二条 法第五十一条第五項の法務省令で定める登記事項は、次のとおりとする。 一 敷地権の目的となる土地の不動産所在事項、地目及び地積 二 敷地権の種類 2 法第五十三条第二項において準用する第五十一条第五項の法務省令で定める事項は、前項各号に掲げる事項並びに敷地権の登記原因及びその日付とする。 (建物の表題部の変更の登記等により敷地権の登記をする場合の登記) 第百二十三条 登記官は、建物の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記により新たに敷地権の登記をした場合において、建物についての所有権又は特定担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記があるときは、所有権の登記を除き、当該権利に関する登記についてする付記登記によって建物のみに関する旨を記録しなければならない。 ただし、特定担保権に係る権利に関する登記であって、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この項において同じ。)が当該敷地権についてされた特定担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものは、この限りでない。 2 登記官は、前項ただし書の場合には、職権で、当該敷地権についてされた特定担保権に係る権利に関する登記の抹消をしなければならない。 この場合には、敷地権の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に本項の規定により抹消をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 (敷地権の登記の抹消) 第百二十四条 登記官は、敷地権付き区分建物について、敷地権であった権利が敷地権でない権利となったことによる建物の表題部に関する変更の登記をしたときは、当該敷地権の目的であった土地の登記記録の権利部の相当区に敷地権の変更の登記により敷地権を抹消する旨及びその年月日を記録し、同区の敷地権である旨の登記の抹消をしなければならない。 敷地権であった権利が消滅したことによる建物の表題部に関する変更の登記をしたときも、同様とする。 2 登記官は、前項前段の場合には、同項の土地の登記記録の権利部の相当区に、敷地権であった権利、その権利の登記名義人の氏名又は名称及び住所、当該登記名義人の法人識別事項等の登記があるときは当該法人識別事項等並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分を記録し、敷地権である旨の登記を抹消したことにより登記をする旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 3 登記官は、前項に規定する登記をすべき場合において、敷地権付き区分建物の登記記録に特定登記(法第五十五条第一項に規定する特定登記をいう。以下同じ。)があるときは、当該敷地権付き区分建物の登記記録から第一項の土地の登記記録の権利部の相当区にこれを転写しなければならない。 4 登記官は、前項の場合において、第一項の土地の登記記録の権利部の相当区に前項の規定により転写すべき登記に後れる登記があるときは、同項の規定にかかわらず、新たに当該土地の登記記録を作成した上、当該登記記録の表題部に従前の登記記録の表題部にされていた登記を移記するとともに、権利部に、権利の順序に従って、同項の規定により転写すべき登記を転写し、かつ、従前の登記記録の権利部にされていた登記を移記しなければならない。 この場合には、従前の登記記録の表題部及び権利部にこの項の規定により登記を移記した旨及びその年月日を記録し、従前の登記記録を閉鎖しなければならない。 5 登記官は、前二項の規定により土地の登記記録の権利部の相当区に登記を転写し、又は移記したときは、その登記の末尾に第三項又は第四項の規定により転写し、又は移記した旨を記録しなければならない。 6 登記官は、第三項の規定により転写すべき登記が、一般の先取特権、質権又は抵当権の登記であるときは、共同担保目録を作成しなければならない。 この場合には、建物及び土地の各登記記録の転写された権利に係る登記の末尾に、新たに作成した共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 7 前項の規定は、転写すべき登記に係る権利について既に共同担保目録が作成されていた場合には、適用しない。 この場合において、登記官は、当該共同担保目録の従前の敷地権付き区分建物を目的とする権利を抹消する記号を記録し、敷地権の消滅後の建物及び土地を目的とする権利を記録して、土地の登記記録の当該権利の登記の末尾に当該共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 8 登記官は、第一項の変更の登記をした場合において、敷地権の目的である土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に同項の登記をした旨及び第二項又は第三項の規定により記録し、又は転写すべき事項を通知しなければならない。 9 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項から第七項までに定める手続をしなければならない。 10 第六条後段の規定は、第四項の規定により登記を移記する場合について準用する。 (特定登記に係る権利の消滅の登記) 第百二十五条 特定登記に係る権利が消滅した場合の登記は、敷地権の変更の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。 一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報 二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報 三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券 2 前項の場合における特定登記に係る権利が土地について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。 この場合には、前条第三項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を土地の登記記録に転写することを要しない。 3 第一項の場合における特定登記に係る権利が建物について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。 この場合には、登記の年月日及び当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。 4 前三項の規定は、法第五十五条第二項から第四項までの規定による特定登記に係る権利が消滅した場合の登記について準用する。 (敷地権の不存在による更正の登記) 第百二十六条 登記官は、敷地権の不存在を原因とする建物の表題部に関する更正の登記をしたときは、その権利の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に敷地権の更正の登記により敷地権を抹消する旨及びその年月日を記録し、同区の敷地権である旨の登記の抹消をしなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、法第七十三条第一項本文の規定により敷地権の移転の登記としての効力を有する登記があるときは、前項の土地の登記記録の権利部の相当区に当該登記の全部を転写しなければならない。 3 第百二十四条第三項から第十項までの規定は、前項の場合について準用する。 (建物の分割の登記における表題部の記録方法) 第百二十七条 登記官は、甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をするときは、乙建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から分割した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に、家屋番号何番の建物に分割した旨及び分割した附属建物を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、分割により不動産所在事項に変更が生じたときは、変更後の不動産所在事項、分割により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (建物の分割の登記における権利部の記録方法) 第百二十八条 第百二条及び第百四条第一項から第三項までの規定は、前条第一項の規定により甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合について準用する。 2 登記官は、分割前の建物について現に効力を有する所有権の登記がされた後当該分割に係る附属建物の新築による当該分割前の建物の表題部の登記事項に関する変更の登記がされていたときは、前項において準用する第百二条の規定により当該所有権の登記を転写することに代えて、乙建物の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割による所有権の登記をする旨 二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分 三 甲建物に法人識別事項等の登記があるときは、当該法人識別事項等 四 登記の年月日 (建物の区分の登記における表題部の記録方法) 第百二十九条 登記官は、区分建物でない甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をするときは、区分後の各建物について新たに登記記録を作成し、各登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から区分した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、区分前の甲建物の登記記録の表題部に区分によって家屋番号何番及び何番の建物の登記記録に移記した旨並びに従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 3 登記官は、区分建物である甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をするときは、乙建物について新たに登記記録を作成し、これに家屋番号何番の建物から区分した旨を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に、残余部分の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の建物を区分した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 (建物の区分の登記における権利部の記録方法) 第百三十条 登記官は、前条第一項の場合には、区分後の各建物についての新登記記録の権利部の相当区に、区分前の建物の登記記録から権利に関する登記を移記し、かつ、建物の区分の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 この場合においては、第百二条第一項後段、第二項及び第三項並びに第百四条第一項から第三項までの規定を準用する。 2 第百二条及び第百四条第一項から第三項までの規定は、前条第三項の場合における権利に関する登記について準用する。 3 第百二十三条の規定は、前条第一項の規定による建物の区分の登記をした場合において、区分後の建物が敷地権付き区分建物となるときについて準用する。 (建物の合併の登記の制限の特例) 第百三十一条 法第五十六条第五号の合併後の建物の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。 一 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの 二 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの (附属合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十二条 登記官は、甲建物を乙建物の附属建物とする建物の合併(以下「附属合併」という。)に係る建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、附属合併後の建物の表題部の登記事項及び家屋番号何番の建物を合併した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、附属合併により不動産所在事項に変更が生じた場合には、変更後の不動産所在事項、合併により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 (区分合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十三条 登記官は、区分建物である甲建物を乙建物又は乙建物の附属建物に合併する建物の合併(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物と接続する区分建物である場合に限る。以下「区分合併」という。)に係る建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、区分合併後の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の建物を合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合には、甲建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 3 登記官は、第一項の規定にかかわらず、区分合併(甲建物を乙建物の附属建物に合併する場合を除く。)に係る建物の合併の登記をする場合において、区分合併後の建物が区分建物でないときは、区分合併後の乙建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に区分合併後の建物の表題部の登記事項及び合併により家屋番号何番の建物の登記記録から移記した旨を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の場合には、区分合併前の乙建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物を合併した旨、合併により家屋番号何番の建物の登記記録に移記した旨及び乙建物についての建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、乙建物の登記記録を閉鎖しなければならない。 (建物の合併の登記における権利部の記録方法) 第百三十四条 第百七条第一項及び第六項の規定は、建物の合併の登記について準用する。 2 登記官は、前条第三項の場合において、区分合併前のすべての建物に第百三十一条に規定する登記があるときは、同項の規定により区分合併後の建物について新たに作成した登記記録の乙区に当該登記を移記し、当該登記が合併後の建物の全部に関する旨を付記登記によって記録しなければならない。 3 第百二十四条の規定は、区分合併に係る建物の合併の登記をする場合において、区分合併後の建物が敷地権のない建物となるときについて準用する。 (建物の分割の登記及び附属合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十五条 登記官は、甲建物の登記記録から甲建物の附属建物を分割して、これを乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、附属合併後の建物の表題部の登記事項及び家屋番号何番の建物から合併した旨を記録しなければならない。 この場合には、第百三十二条第一項及び第三項の規定は、適用しない。 2 登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部の分割に係る附属建物について、家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百二十七条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 (建物の分割及び区分合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十六条 登記官は、甲建物の登記記録から甲建物の附属建物(区分建物に限る。)を分割して、これを乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物の附属建物と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、区分合併後の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の一部を合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百三十三条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 2 前条第二項の規定は、前項の場合において、甲建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 3 第百三十三条第三項及び第四項の規定は、第一項の場合(甲建物の附属建物を分割して乙建物の附属建物に合併しようとする場合を除く。)において、区分合併後の乙建物が区分建物でない建物となるときについて準用する。 (建物の区分及び附属合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十七条 第百三十五条第一項の規定は、甲建物を区分してその一部を乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の区分の登記及び附属合併の登記をするときにおける乙建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 2 登記官は、前項の場合において、区分前の甲建物が区分建物でない建物であったときは、区分後の甲建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から区分した旨を記録するとともに、区分前の甲建物の登記記録に区分及び合併によって家屋番号何番及び何番の建物の登記記録に移記した旨並びに従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 この場合には、第百二十九条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の場合において、区分前の甲建物が区分建物であったときは、甲建物の登記記録の表題部に、残余部分の建物の表題部の登記事項、区分した一部を家屋番号何番に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百二十九条第三項及び第四項の規定は、適用しない。 (建物の区分及び区分合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十八条 第百三十六条第一項の規定は、甲建物を区分して、その一部を乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が当該一部と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記をするときにおける乙建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 2 前条第三項の規定は、前項の場合(区分前の甲建物が区分建物であった場合に限る。)において、甲建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 (建物の分割の登記及び附属合併の登記等における権利部の記録方法) 第百三十九条 第百四条第一項から第三項まで並びに第百七条第一項及び第六項の規定は、第百三十五条から前条までの場合における権利部の記録方法について準用する。 (建物が区分建物となった場合の登記等) 第百四十条 登記官は、法第五十二条第一項及び第三項に規定する表題部の登記事項に関する変更の登記をするときは、当該変更の登記に係る区分建物である建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に本項の規定により登記を移記した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、新たに作成した登記記録の権利部の相当区に、変更前の建物の登記記録から権利に関する登記を移記し、登記の年月日及び本項の規定により登記を移記した旨を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合には、変更前の建物の登記記録の表題部に同項の規定により登記を移記した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 4 前三項の規定は、区分合併以外の原因により区分建物である建物が区分建物でない建物となったときについて準用する。 この場合において、第一項中「区分建物である建物」とあるのは、「建物」と読み替えるものとする。 (共用部分である旨の登記等) 第百四十一条 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、所有権の登記がない建物にあっては表題部所有者に関する登記事項を抹消する記号を記録し、所有権の登記がある建物にあっては権利に関する登記の抹消をしなければならない。 (共用部分である旨の登記がある建物の分割等) 第百四十二条 登記官は、共用部分である旨の登記若しくは団地共用部分である旨の登記がある甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をし、又は当該甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をする場合において、甲建物の登記記録に法第五十八条第一項各号に掲げる登記事項があるときは、乙建物の登記記録に当該登記事項を転写しなければならない。 (共用部分である旨を定めた規約等の廃止による建物の表題登記) 第百四十三条 登記官は、共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止したことによる建物の表題登記の申請があった場合において、当該申請に基づく表題登記をするときは、当該建物の登記記録の表題部に所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分並びに敷地権があるときはその内容を記録すれば足りる。 この場合には、共用部分である旨又は団地共用部分である旨の記録を抹消する記号を記録しなければならない。 (建物の滅失の登記) 第百四十四条 登記官は、建物の滅失の登記をするときは、当該建物の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 2 第百十条の規定は、前項の登記について準用する。 (敷地権付き区分建物の滅失の登記) 第百四十五条 第百二十四条第一項から第五項まで及び第八項から第十項までの規定は、敷地権付き区分建物の滅失の登記をする場合について準用する。 2 第百二十四条第六項及び第七項の規定は、前項の場合において、当該敷地権付き区分建物の敷地権の目的であった土地が二筆以上あるときについて準用する。 第三節 権利に関する登記 第一款 通則 (権利部の登記) 第百四十六条 登記官は、権利部の相当区に権利に関する登記をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、権利に関する登記の登記事項のうち、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付のほか、新たに登記すべきものを記録しなければならない。 (順位番号等) 第百四十七条 登記官は、権利に関する登記をするときは、権利部の相当区に登記事項を記録した順序を示す番号を記録しなければならない。 2 登記官は、同順位である二以上の権利に関する登記をするときは、順位番号に当該登記を識別するための符号を付さなければならない。 3 令第二条第八号の順位事項は、順位番号及び前項の符号とする。 (付記登記の順位番号) 第百四十八条 付記登記の順位番号を記録するときは、主登記の順位番号に付記何号を付加する方法により記録するものとする。 (権利の消滅に関する定めの登記) 第百四十九条 登記官は、登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記をした場合において、当該定めにより権利が消滅したことによる登記の抹消その他の登記をするときは、当該権利の消滅に関する定めの登記の抹消をしなければならない。 (権利の変更の登記又は更正の登記) 第百五十条 登記官は、権利の変更の登記又は更正の登記をするときは、変更前又は更正前の事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (登記の更正) 第百五十一条 登記官は、法第六十七条第二項の規定により登記の更正をするときは、同項の許可をした者の職名、許可の年月日及び登記の年月日を記録しなければならない。 (登記の抹消) 第百五十二条 登記官は、権利の登記の抹消をするときは、抹消の登記をするとともに、抹消すべき登記を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、抹消に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者の権利に関する登記の抹消をしなければならない。 この場合には、当該権利の登記の抹消をしたことにより当該第三者の権利に関する登記の抹消をする旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 (法第七十条第二項の相当の調査) 第百五十二条の二 法第七十条第二項の法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる措置をとる方法とする。 一 法第七十条第二項に規定する登記の抹消の登記義務者(以下この条において単に「登記義務者」という。)が自然人である場合 イ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の調査として次の(1)から(5)までに掲げる措置 (1) 登記義務者が記録されている住民基本台帳、除票簿、戸籍簿、除籍簿、戸籍の附票又は戸籍の附票の除票簿(以下この条において「住民基本台帳等」という。)を備えると思料される市町村の長に対する登記義務者の住民票の写し又は住民票記載事項証明書、除票の写し又は除票記載事項証明書、戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書並びに戸籍の附票の写し及び戸籍の附票の除票の写し(以下この条において「住民票の写し等」という。)の交付の請求 (2) (1)の措置により登記義務者の死亡が判明した場合には、登記義務者が記録されている戸籍簿又は除籍簿を備えると思料される市町村の長に対する登記義務者の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書の交付の請求 (3) (2)の措置により登記義務者の相続人が判明した場合には、当該相続人が記録されている戸籍簿又は除籍簿を備えると思料される市町村の長に対する当該相続人の戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書の交付の請求 (4) (3)の措置により登記義務者の相続人の死亡が判明した場合には、当該相続人についてとる(2)及び(3)に掲げる措置 (5) (1)から(4)までの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者が判明した場合には、当該者が記録されている住民基本台帳又は戸籍の附票を備えると思料される市町村の長に対する当該者の住民票の写し又は住民票記載事項証明書及び戸籍の附票の写し((1)の措置により交付の請求をしたものを除く。)の交付の請求 ロ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在の調査として書留郵便その他配達を試みたことを証明することができる方法による次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 登記義務者の不動産の登記簿上の住所に宛ててする登記義務者に対する書面の送付(イの措置により登記義務者の死亡及び共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合を除く。) (2) イの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合には、その場所に宛ててする当該者に対する書面の送付 二 登記義務者が法人である場合 イ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の調査として次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 登記義務者の法人の登記簿を備えると思料される登記所の登記官に対する登記義務者の登記事項証明書の交付の請求 (2) (1)の措置により登記義務者が合併により解散していることが判明した場合には、登記義務者の合併後存続し、又は合併により設立された法人についてとる(1)に掲げる措置 ロ イの措置により法人の登記簿に共同して登記の抹消の申請をすべき者の代表者(共同して登記の抹消の申請をすべき者が合併以外の事由により解散した法人である場合には、その清算人又は破産管財人。以下この号において同じ。)として登記されている者が判明した場合には、当該代表者の調査として当該代表者が記録されている住民基本台帳等を備えると思料される市町村の長に対する当該代表者の住民票の写し等の交付の請求 ハ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在の調査として書留郵便その他配達を試みたことを証明することができる方法による次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 登記義務者の不動産の登記簿上の住所に宛ててする登記義務者に対する書面の送付(イの措置により登記義務者が合併により解散していること及び共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合を除く。) (2) イの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合には、その場所に宛ててする当該者に対する書面の送付 ニ イ及びロの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者の代表者が判明した場合には、当該代表者の所在の調査として書留郵便その他配達を試みたことを証明することができる方法による次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 共同して登記の抹消の申請をすべき者の法人の登記簿上の代表者の住所に宛ててする当該代表者に対する書面の送付 (2) イ及びロの措置により当該代表者が所在すると思料される場所が判明した場合には、その場所に宛ててする当該代表者に対する書面の送付 (職権による登記の抹消) 第百五十三条 登記官は、法第七十一条第四項の規定により登記の抹消をするときは、登記記録にその事由を記録しなければならない。 (職権による登記の抹消の場合の公告の方法) 第百五十四条 法第七十一条第二項の公告は、抹消すべき登記が登記された登記所の掲示場その他登記所内の公衆の見やすい場所に掲示して行う方法又は登記所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法であってインターネットに接続された自動公衆送信装置(著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第二条第一項第九号の五イに規定する自動公衆送信装置をいう。第二百十七条第一項(第二百三十二条第五項、第二百四十四条第四項、第二百四十五条第四項及び第二百四十六条第二項において準用する場合を含む。)において同じ。)を使用する方法により二週間行うものとする。 (抹消された登記の回復) 第百五十五条 登記官は、抹消された登記の回復をするときは、回復の登記をした後、抹消に係る登記と同一の登記をしなければならない。 (敷地権の登記がある建物の権利に関する登記) 第百五十六条 登記官は、法第七十三条第三項ただし書に規定する登記をしたときは、当該登記に付記する方法により、当該登記が建物のみに関する旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 第二款 所有権に関する登記 (法人識別事項) 第百五十六条の二 法第七十三条の二第一項第一号の法務省令で定める事項は、次の各号に掲げる所有権の登記名義人の区分に応じ、当該各号に定める事項とする。 一 会社法人等番号を有する法人 当該法人の会社法人等番号 二 会社法人等番号を有しない法人であって、外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。以下この号において同じ。)の法令に準拠して設立されたもの 当該外国の名称 三 前二号のいずれにも該当しない法人 当該法人の設立の根拠法の名称 (法人識別事項を申請情報の内容とする登記の添付情報) 第百五十六条の三 前条第二号又は第三号に定める事項を申請情報の内容とする登記の申請をする場合には、当該事項を証する情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 (法人識別事項の変更の登記又は更正の登記) 第百五十六条の四 第百五十六条の二各号に定める事項(第百五十七条第三項、第百九十六条第一項第四号及び第百九十八条第一項において「法人識別事項」という。)に関する変更の登記又は更正の登記は、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 (国内連絡先事項) 第百五十六条の五 法第七十三条の二第一項第二号の法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 所有権の登記名義人の国内における連絡先となる者(以下この条、次条第一項及び第百五十六条の八第一項において「国内連絡先となる者」という。)があるときは、次に掲げる事項 イ 国内連絡先となる者(一人に限る。)の氏名又は名称並びに国内の住所又は国内の営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在地及び名称 ロ 国内連絡先となる者が会社法人等番号を有する法人であるときは、当該法人の会社法人等番号 二 国内連絡先となる者がないときは、その旨 (国内連絡先事項を申請情報の内容とする登記の添付情報) 第百五十六条の六 前条各号に掲げる事項(次条第一項及び第二項、第百五十六条の九並びに第百五十七条第三項において「国内連絡先事項」という。)を申請情報の内容とする登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 一 国内連絡先となる者があるときは、次に掲げる情報 イ 前条第一号イに掲げる事項を証する情報 ロ 国内連絡先となる者の承諾を証する当該国内連絡先となる者が作成した情報 二 国内連絡先となる者がないときは、前条第二号に掲げる事項を証する情報 2 前項第一号ロに掲げる情報を記載した書面には、令第十九条第二項に規定する印鑑に関する証明書に代えてこれに準ずる印鑑に関する証明書を添付することができる。 (国内連絡先事項の変更の登記又は更正の登記) 第百五十六条の七 国内連絡先事項に関する変更の登記又は更正の登記は、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 2 前項の登記を申請する場合には、その申請情報と併せて変更後又は更正後の国内連絡先事項についての前条第一項各号に掲げる情報を提供しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定を準用する。 3 第百五十六条の五第一号に掲げる事項についての変更の登記又は更正の登記を申請する場合には、前項の規定にかかわらず、前条第一項第一号ロに掲げる情報を提供することを要しない。 4 第一項の登記を申請する場合には、令別表の二十五の項添付情報欄イの規定にかかわらず、登記原因を証する情報を提供することを要しない。 第百五十六条の八 第百五十六条の五第一号に掲げる事項についての変更の登記又は更正の登記は、国内連絡先となる者として登記されている者も単独で申請することができる。 2 前項の規定により登記を申請する場合には、所有権の登記名義人の承諾を証する当該所有権の登記名義人が作成した情報をもその申請情報と併せて提供しなければならない。 3 令第十二条第二項の規定は電子申請において提供する前項の承諾を証する情報について、令第十九条の規定は同項の承諾を証する情報を記載した書面については、適用しない。 (国内連絡先事項が登記されている所有権の登記名義人の住所の変更の登記又は更正の登記) 第百五十六条の九 登記官は、国内連絡先事項が登記されている所有権の登記名義人の住所についての変更の登記又は更正の登記をする場合において、変更後又は更正後の住所が国内にあるときは、当該国内連絡先事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (表題登記がない不動産についてする所有権の保存の登記) 第百五十七条 法第七十五条(法第七十六条第三項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の法務省令で定めるものは、表示に関する登記事項のうち次に掲げる事項以外の事項とする。 一 表題部所有者に関する登記事項 二 登記原因及びその日付 三 敷地権の登記原因及びその日付 2 法第七十五条の規定により登記をするときは、表題部に所有権の登記をするために登記をする旨を記録するものとする。 3 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託による所有権の処分の制限の登記をするときは、登記記録の甲区に、所有者の氏名又は名称、住所、法人識別事項及び国内連絡先事項、登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分並びに処分の制限の登記の嘱託によって所有権の登記をする旨を記録しなければならない。 (表題部所有者の氏名等の抹消) 第百五十八条 登記官は、表題登記がある不動産(所有権の登記がある不動産を除く。)について所有権の登記をしたときは、表題部所有者に関する登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 第二款の二 相続人申告登記等 第一目 通則 (定義) 第百五十八条の二 この款、第百五十八条の三十三及び第百五十八条の三十七において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 相続人申出 法第七十六条の三第一項の規定による申出をいう。 二 相続人申告登記 法第七十六条の三第三項の規定による登記をいう。 三 相続人申告事項 法第七十六条の三第三項の規定により所有権の登記に付記する事項をいう。 四 相続人申告名義人 相続人申告登記によって付記された者をいう。 五 相続人申告事項の変更の登記 相続人申告事項に変更があった場合に当該相続人申告事項を変更する登記をいう。 六 相続人申告事項の更正の登記 相続人申告事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該相続人申告事項を訂正する登記をいう。 七 相続人申告登記の抹消 相続人申告登記を抹消することをいう。 八 相続人申出等 相続人申出、相続人申告事項の変更若しくは更正の申出又は相続人申告登記の抹消の申出をいう。 九 相続人申告登記等 相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記、相続人申告事項の更正の登記又は相続人申告登記の抹消をいう。 十 相続人電子申出 第百五十八条の四第一号に掲げる方法による相続人申出等をいう。 十一 相続人書面申出 第百五十八条の四第二号に掲げる方法による相続人申出等をいう。 十二 相続人申出等情報 次条第一項各号、第百五十八条の十九第一項各号又は第百五十八条の二十四第二項各号に掲げる事項に係る情報をいう。 十三 相続人申出書 相続人申出等情報を記載した書面をいう。 十四 相続人申出等添付情報 相続人申出等をする場合において、この款の規定によりその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならないものとされている情報をいう。 十五 相続人申出等添付書面 相続人申出等添付情報を記載した書面をいう。 (相続人申出等情報) 第百五十八条の三 相続人申出等は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 申出に係る不動産の不動産所在事項 2 前項第四号の規定にかかわらず、不動産番号を相続人申出等情報の内容としたときは、同号に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とすることを要しない。 3 相続人申出等においては、第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とするものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 相続人申出等添付情報の表示 三 申出の年月日 四 登記所の表示 (相続人申出等の方法) 第百五十八条の四 相続人申出等は、次に掲げる方法のいずれかにより、相続人申出等情報を登記所に提供してしなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法 二 相続人申出書を提出する方法 (相続人申出等情報の作成及び提供) 第百五十八条の五 相続人申出等情報は、申出の目的及び登記原因に応じ、一の不動産及び申出人ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、次に掲げるときは、この限りでない。 一 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について、第百五十八条の十九第一項各号に掲げる事項が同一である相続人申出をするとき。 二 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について、同一の相続人申告名義人の氏名又は住所についての変更又は更正の申出をするとき。 三 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について、抹消の理由並びに抹消すべき第百五十八条の二十三第一項第四号及び第五号に掲げる事項が同一である相続人申告登記の抹消の申出をするとき。 (相続人申出等添付情報) 第百五十八条の六 代理人によって相続人申出等をするときは、当該代理人の権限を証する情報をその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (相続人申出等添付情報の省略等) 第百五十八条の七 第三十七条及び第三十七条の二の規定は、相続人申出等をする場合について準用する。 (相続人電子申出の方法) 第百五十八条の八 相続人電子申出における相続人申出等情報及び相続人申出等添付情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。 ただし、相続人申出等添付情報の送信に代えて、登記所に相続人申出等添付書面を提出することを妨げない。 2 令第十二条第二項及び第十四条の規定は、前項本文の規定により送信する相続人申出等添付情報(第百五十八条の六に規定する代理人の権限を証する情報を除く。)について準用する。 3 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 (相続人電子申出において相続人申出等添付書面を提出する場合についての特例等) 第百五十八条の九 前条第一項ただし書の規定により相続人申出等添付書面を提出するときは、相続人申出等添付書面を登記所に提出する旨及び各相続人申出等添付情報につき書面を提出する方法によるか否かの別をも相続人申出等情報の内容とするものとする。 2 前項に規定する場合には、当該相続人申出等添付書面は、相続人申出等の受付の日から二日以内に提出するものとする。 3 第一項に規定する場合には、申出人は、当該相続人申出等添付書面を提出するに際し、別記第四号の二様式による用紙に次に掲げる事項を記載したものを添付しなければならない。 一 受付番号その他の当該相続人申出等添付書面を相続人申出等添付情報とする申出の特定に必要な事項 二 前条第一項ただし書の規定により提出する相続人申出等添付書面の表示 (相続人書面申出の方法) 第百五十八条の十 相続人書面申出をするときは、相続人申出書に相続人申出等添付書面を添付して提出しなければならない。 2 第四十五条第一項の規定は、相続人申出書について準用する。 3 相続人申出書につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにしなければならない。 この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。 4 申出人又はその代理人は、相続人申出書が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載することその他の必要な措置を講じなければならない。 (相続人申出書等の送付方法) 第百五十八条の十一 相続人申出等をしようとする者が相続人申出書又は相続人申出等添付書面を送付するときは、書留郵便又は信書便事業者による信書便の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。 2 前項の場合には、相続人申出書又は相続人申出等添付書面を入れた封筒の表面に相続人申出書又は相続人申出等添付書面が在中する旨を明記するものとする。 (受領証の交付の請求) 第百五十八条の十二 第五十四条の規定は、相続人書面申出をした申出人について準用する。 (相続人申出等添付書面の原本の還付請求) 第百五十八条の十三 第五十五条の規定は、相続人申出等添付書面を提出した申出人について準用する。 (相続人申出等の受付) 第百五十八条の十四 登記官は、第百五十八条の四の規定により相続人申出等情報が登記所に提供されたときは、当該相続人申出等情報に係る相続人申出等の受付をしなければならない。 2 前項の規定による受付は、受付帳に申出の目的、申出の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録する方法によりしなければならない。 3 登記官は、相続人申出等の受付をしたときは、当該相続人申出等に受付番号を付さなければならない。 4 登記官は、相続人書面申出の受付にあっては、第二項の規定により受付をする際、相続人申出書に申出の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。 5 第一項、第二項及び前項の規定は、第百五十八条の二十七第二項の許可があった場合又は第百五十八条の三十第四項の規定により相続人申告登記の抹消をしようとする場合について準用する。 (調査) 第百五十八条の十五 第五十七条の規定は、相続人申出等情報が提供された場合について準用する。 (相続人申出等の却下) 第百五十八条の十六 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、相続人申出等を却下しなければならない。 ただし、当該相続人申出等の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申出人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申出に係る不動産の所在地が当該申出を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 一個の不動産の一部についての申出を目的とするとき。 三 申出に係る登記(相続人申告登記のうち第百五十八条の十九第一項第一号に規定する中間相続人に係るものを除く。)が既に登記されているとき。 四 申出の権限を有しない者の申出によるとき。 五 相続人申出等情報又はその提供の方法がこの省令により定められた方式に適合しないとき。 六 相続人申出等情報の内容である不動産が登記記録と合致しないとき。 七 相続人申出等情報の内容が相続人申出等添付情報の内容と合致しないとき。 八 相続人申出等添付情報が提供されないとき。 2 登記官は、前項ただし書の期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該相続人申出等を却下することができない。 3 第三十八条の規定は、相続人申出等を却下する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「書面申請がされた」とあるのは、「相続人申出等添付書面が提出された」と読み替えるものとする。 (相続人申出等の取下げ) 第百五十八条の十七 第三十九条第一項及び第二項の規定は、相続人申出等について準用する。 2 登記官は、相続人申出書又は相続人申出等添付書面が提出された場合において、相続人申出等の取下げがされたときは、相続人申出書又は相続人申出等添付書面を還付するものとする。 第三十八条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 (相続人申告登記等の完了通知) 第百五十八条の十八 登記官は、相続人申告登記等を完了したときは、申出人に対し、職権による登記が完了した旨を通知しなければならない。 この場合において、申出人が二人以上あるときは、その一人に通知すれば足りる。 2 前項の通知は、当該登記に係る次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出の受付の年月日及び受付番号 二 不動産所在事項 三 登記の目的 3 第一項の通知は、次の各号に掲げる相続人申出等の区分に応じ、当該各号に定める方法による。 一 相続人電子申出 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された通知事項(職権による登記が完了した旨及び前項各号に掲げる事項をいう。以下この条において同じ。)を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申出人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 相続人書面申出 通知事項を記載した書面を交付する方法 4 送付の方法により通知事項を記載した書面の交付を求める場合には、申出人は、その旨及び送付先の住所を相続人申出等情報の内容としなければならない。 5 第五十五条第七項から第九項までの規定は、送付の方法により通知事項を記載した書面を交付する場合について準用する。 6 登記官は、次の各号に掲げる場合には、第一項の規定にかかわらず、申出人に対し、職権による登記が完了した旨の通知をすることを要しない。 一 第三項第一号に規定する方法により通知する場合において、通知を受けるべき者が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに通知事項が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日を経過しても、自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該通知事項を記録しないとき。 二 第三項第二号に規定する方法により通知する場合において、通知を受けるべき者が、登記完了の時から三月を経過しても、通知事項を記載した書面を受領しないとき。 第二目 相続人申告登記 (相続人申出において明らかにすべき事項等) 第百五十八条の十九 相続人申出においては、次に掲げる事項をも明らかにしてしなければならない。 一 所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、当該相続人(以下この款において「中間相続人」という。))の相続人である旨 二 所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、中間相続人)について相続が開始した年月日 三 中間相続人があるときは、次に掲げる事項(当該事項が既に所有権の登記に付記されているときを除く。) イ 中間相続人の氏名及び最後の住所 ロ 中間相続人が所有権の登記名義人の相続人である旨 ハ 所有権の登記名義人について相続が開始した年月日 2 相続人申出においては、次に掲げる情報をもその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 申出人が所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、中間相続人)の相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 二 申出人の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 三 前項第三号に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とするときは、次に掲げる情報 イ 中間相続人が所有権の登記名義人の相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) ロ 中間相続人の最後の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) (相続人申出における相続人申出等添付情報の省略) 第百五十八条の二十 相続人申出をする場合において、申出人が所有権の登記名義人又は中間相続人についての相続に関して法定相続情報一覧図の写し又は法定相続情報番号を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、前条第二項第一号又は第三号イに掲げる情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報を確認することができるときに限る。 2 相続人申出をする場合において、申出人が申出人の住所又は中間相続人の最後の住所が記載された法定相続情報一覧図の写し又は法定相続情報番号(法定相続情報一覧図に申出人の住所又は中間相続人の最後の住所が記載されている場合に限る。以下この項において同じ。)を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、前条第二項第二号又は第三号ロに掲げる情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報を確認することができるときに限る。 第百五十八条の二十一 相続人申出をする場合において、申出人が申出人又は中間相続人についての次に掲げる情報(住民基本台帳法第三十条の九の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けて登記官が申出人の住所又は中間相続人の最後の住所を確認することができることとなるものに限る。)を提供したときは、当該情報の提供をもって、第百五十八条の十九第二項第二号又は第三号ロに掲げる情報の提供に代えることができる。 一 出生の年月日 二 氏名の振り仮名(日本の国籍を有しない者にあっては、氏名の表音をローマ字で表示したもの) 第百五十八条の二十二 相続人申出をする場合において、申出人が相続人電子申出における相続人申出等情報又は委任による代理人の権限を証する情報に第四十二条の電子署名を行い、当該申出人の第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、第百五十八条の十九第二項第二号に掲げる情報の提供に代えることができる。 (相続人申告事項) 第百五十八条の二十三 法第七十六条の三第三項に規定する法務省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、中間相続人)について相続が開始した年月日 五 中間相続人があるときは、次に掲げる事項(当該事項が既に所有権の登記に付記されているときを除く。) イ 中間相続人の氏名及び最後の住所 ロ 中間相続人が所有権の登記名義人の相続人である旨 ハ 所有権の登記名義人について相続が開始した年月日 2 登記官は、相続人申告登記によって二回以上の相続についての相続人申告事項を所有権の登記に付記するときは、当該相続ごとにこれを付記するものとする。 第三目 相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記 (相続人申告事項の変更又は更正の申出) 第百五十八条の二十四 相続人申告事項に変更又は錯誤若しくは遺漏があったときは、その相続人申告事項に係る相続人申告名義人又はその相続人は、登記官に対し、相続人申告事項の変更又は更正を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出においては、次に掲げる事項をも明らかにしてしなければならない。 一 登記原因及びその日付 二 変更後又は更正後の相続人申告事項 3 第一項の規定による申出をする場合には、相続人申告事項について変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)をもその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (相続人申告事項の変更又は更正の申出における相続人申出等添付情報の省略) 第百五十八条の二十五 前条第一項の規定による申出の申出人が相続人申出等情報と併せて申出人又は中間相続人についての次に掲げる情報(住民基本台帳法第三十条の九の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けて登記官が申出人の住所について変更若しくは錯誤若しくは遺漏があったこと又は中間相続人の最後の住所について錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。)を提供したときは、当該情報の提供をもって、申出人の住所について変更若しくは錯誤若しくは遺漏があったこと又は中間相続人の最後の住所について錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 一 出生の年月日 二 氏名の振り仮名(日本の国籍を有しない者にあっては、氏名の表音をローマ字で表示したもの) (相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記) 第百五十八条の二十六 登記官は、第百五十八条の二十四第一項の規定による申出があったときは、職権で、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記をすることができる。 2 登記官は、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記をするときは、登記の目的、申出の受付の年月日及び受付番号、登記原因及びその日付、変更後又は更正後の相続人申告事項並びに変更前又は更正前の相続人申告事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (相続人申告事項の更正) 第百五十八条の二十七 登記官は、相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記を完了した後に相続人申告事項に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨をこれらの登記に係る相続人申出等をした者に通知しなければならない。 ただし、当該相続人申出等をした者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 2 登記官は、前項の場合において、相続人申告事項の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、相続人申告事項の更正をしなければならない。 この場合において、登記官は、当該許可をした者の職名、許可の年月日及び登記の年月日を記録しなければならない。 3 登記官が前項の相続人申告事項の更正をしたときは、その旨を第一項本文の相続人申出等をした者に通知しなければならない。 この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。 第四目 相続人申告登記の抹消 (相続人申告登記の抹消の申出) 第百五十八条の二十八 相続人申告登記が次の各号のいずれかに該当するときは、当該相続人申告登記によって付記された者は、その付記に係る相続人申告登記の抹消の申出をすることができる。 一 第百五十八条の十六第一項第一号から第四号までに掲げる事由のいずれかがあること。 二 相続人申告名義人が相続の放棄をし、又は民法第八百九十一条の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったため法第七十六条の二第一項に規定する者に該当しなくなったこと。 2 前項の規定による申出においては、当該相続人申告登記が前項第一号又は第二号に該当することを証する情報をもその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (相続人申告登記の抹消) 第百五十八条の二十九 登記官は、前条第一項の規定による申出があったときは、職権で、相続人申告登記の抹消をすることができる。 2 登記官は、相続人申告登記の抹消をするときは、抹消の登記をするとともに、抹消すべき事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (申出によらない相続人申告登記の抹消) 第百五十八条の三十 登記官は、相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記を完了した後にこれらの登記が第百五十八条の十六第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することを発見したときは、当該登記に係る相続人申出等の申出人に対し、一月以内の期間を定め、当該申出人がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。 ただし、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、この限りでない。 2 前項本文の通知は、次の事項を明らかにしてしなければならない。 一 抹消する登記に係る次に掲げる事項 イ 不動産所在事項及び不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申出の受付の年月日及び受付番号 ニ 登記原因及びその日付 ホ 申出人の氏名及び住所 二 抹消する理由 3 登記官は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 登記官は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登記を抹消しなければならない。 この場合において、登記官は、登記記録に登記の抹消をする事由を記録しなければならない。 第二款の三 ローマ字氏名の併記 (ローマ字氏名の併記) 第百五十八条の三十一 次の各号に掲げる登記を申請する場合において、当該各号に定める者が日本の国籍を有しない者であるときは、当該登記の申請人は、登記官に対し、当該各号に定める者の氏名の表音をローマ字で表示したもの(以下この款において「ローマ字氏名」という。)を申請情報の内容として、当該ローマ字氏名を登記記録に記録するよう申し出るものとする。 一 所有権の保存若しくは移転の登記、所有権の登記がない不動産について嘱託によりする所有権の処分の制限の登記、合体による登記等(法第四十九条第一項後段の規定により併せて申請をする所有権の登記があるときに限る。)又は所有権の更正の登記(その登記によって所有権の登記名義人となる者があるときに限る。) 所有権の登記名義人となる者 二 所有権の登記名義人の氏名についての変更の登記又は更正の登記 所有権の登記名義人 2 前項の規定による申出をする場合には、当該ローマ字氏名を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 3 第一項各号に定める者が同項各号に掲げる登記の電子申請をするに際し同項の規定による申出をする場合において、その者が第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が当該ローマ字氏名を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、前項の市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 4 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、当該ローマ字氏名を登記記録に記録するものとする。 第百五十八条の三十二 日本の国籍を有しない所有権の登記名義人は、登記官に対し、そのローマ字氏名を登記記録に記録するよう申し出ることができる。 ただし、当該ローマ字氏名が既に記録されているときは、この限りでない。 2 前項の規定による申出(以下この条において「ローマ字氏名併記の申出」という。)は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 所有権の登記名義人の氏名 五 所有権の登記名義人のローマ字氏名 六 申出に係る不動産の不動産所在事項 3 前項第六号の規定にかかわらず、不動産番号を同項各号に掲げる事項に係る情報(以下この条において「ローマ字氏名併記申出情報」という。)の内容としたときは、同項第六号に掲げる事項をローマ字氏名併記申出情報の内容とすることを要しない。 4 ローマ字氏名併記の申出においては、第二項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項をローマ字氏名併記申出情報の内容とするものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 第七項に規定するローマ字氏名併記申出添付情報の表示 三 申出の年月日 四 登記所の表示 5 ローマ字氏名併記の申出は、次に掲げる方法のいずれかにより、ローマ字氏名併記申出情報を登記所に提供してしなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法 二 ローマ字氏名併記申出情報を記載した書面(第十三項において「ローマ字氏名併記申出書」という。)を提出する方法 6 ローマ字氏名併記申出情報は、一の不動産及び所有権の登記名義人ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産についてのローマ字氏名併記の申出が同一の所有権の登記名義人に係るものであるときは、この限りでない。 7 ローマ字氏名併記の申出をする場合には、次に掲げる情報(第十項及び第十三項において「ローマ字氏名併記申出添付情報」という。)をそのローマ字氏名併記申出情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 代理人によって申出をするときは、当該代理人の権限を証する情報 二 第二項第五号に掲げる事項を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 8 第三十七条の二の規定は、ローマ字氏名併記の申出をする場合について準用する。 9 第百五十八条の八第一項及び第百五十八条の九の規定は、第五項第一号に掲げる方法によりローマ字氏名併記の申出をする場合について準用する。 10 令第十二条第二項及び第十四条の規定は、前項の場合において送信するローマ字氏名併記申出添付情報(第七項第一号に掲げる情報を除く。)について準用する。 11 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 12 第五項第一号に掲げる方法によりローマ字氏名併記の申出をする申出人がローマ字氏名併記申出情報又は委任による代理人の権限を証する情報に第四十二条の電子署名を行い、当該申出人の第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が所有権の登記名義人のローマ字氏名を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、第七項第二号に掲げる情報の提供に代えることができる。 13 第百五十八条の十の規定は第五項第二号に掲げる方法によりローマ字氏名併記の申出をする場合について、第百五十八条の十一の規定はローマ字氏名併記の申出をしようとする者がローマ字氏名併記申出書又はローマ字氏名併記申出添付情報を記載した書面(以下この項において「ローマ字氏名併記申出添付書面」という。)を送付する場合について、第五十五条の規定はローマ字氏名併記申出添付書面を提出した申出人について、それぞれ準用する。 14 第五十七条及び第百五十八条の十四(第五項を除く。)の規定は、ローマ字氏名併記申出情報が提供された場合について準用する。 15 登記官は、ローマ字氏名併記の申出があったときは、職権で、次に掲げる事項を所有権の登記に付記する方法によって登記記録に記録するものとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人の氏名 五 所有権の登記名義人のローマ字氏名 16 登記官は、前項の規定による記録をするときは、従前の所有権の登記名義人の氏名を抹消する記号を記録しなければならない。 17 第百五十八条の十八の規定は、第十五項の規定による記録をした場合について準用する。 (相続人申告登記への準用) 第百五十八条の三十三 第百五十八条の三十一の規定は相続人申出をする場合における申出人又は相続人申告名義人の氏名についての変更又は更正の申出をする場合における当該相続人申告名義人が日本国籍を有しない者であるときについて、前条の規定は日本の国籍を有しない相続人申告名義人について、それぞれ準用する。 第二款の四 旧氏の併記 (旧氏の併記) 第百五十八条の三十四 次の各号に掲げる登記を申請する場合において、当該各号に定める者(当該登記の申請人である場合に限る。)は、登記官に対し、その一の旧氏(住民基本台帳法施行令(昭和四十二年政令第二百九十二号)第三十条の十三に規定する旧氏をいう。以下この款において同じ。)を申請情報の内容として、当該旧氏を登記記録に記録するよう申し出ることができる。 ただし、当該旧氏が登記すべき氏と同一であるときは、この限りでない。 一 所有権の保存若しくは移転の登記、合体による登記等(法第四十九条第一項後段の規定により併せて申請をする所有権の登記があるときに限る。)又は所有権の更正の登記(その登記によって所有権の登記名義人となる者があるときに限る。) 所有権の登記名義人となる者 二 所有権の登記名義人の氏についての変更の登記又は更正の登記 所有権の登記名義人 2 前項第二号に掲げる登記を申請するに際し同項の規定による申出をする場合において、当該登記記録に同号に定める者の旧氏が記録されているときは、当該申出に係る旧氏は、当該登記記録に記録されている旧氏又は当該旧氏より後に称していた旧氏でなければならない。 3 第一項の規定による申出をする場合には、当該旧氏を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 4 電子申請の申請人が第一項の規定による申出をする場合において、その者が第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が当該申出に係る旧氏を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、前項の市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 5 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、当該申出に係る旧氏を登記記録に記録するものとする。 第百五十八条の三十五 所有権の登記名義人は、登記官に対し、その一の旧氏を登記記録に記録するよう申し出ることができる。 ただし、当該旧氏が登記されている氏と同一であるときは、この限りでない。 2 前項の規定による申出(以下この条において「旧氏併記の申出」という。)をする場合において、当該登記記録に当該所有権の登記名義人の旧氏が記録されているときは、当該申出に係る旧氏は、当該登記記録に記録されている旧氏より後に称していた旧氏でなければならない。 3 旧氏併記の申出は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 所有権の登記名義人の氏名 五 所有権の登記名義人について記録すべき旧氏 六 申出に係る不動産の不動産所在事項 4 前項第六号の規定にかかわらず、不動産番号を同項各号に掲げる事項に係る情報(以下この条において「旧氏併記申出情報」という。)の内容としたときは、同項第六号に掲げる事項を旧氏併記申出情報の内容とすることを要しない。 5 旧氏併記の申出においては、第三項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を旧氏併記申出情報の内容とするものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 第八項に規定する旧氏併記申出添付情報の表示 三 申出の年月日 四 登記所の表示 6 旧氏併記の申出は、次に掲げる方法のいずれかにより、旧氏併記申出情報を登記所に提供してしなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法 二 旧氏併記申出情報を記載した書面(第十四項において「旧氏併記申出書」という。)を提出する方法 7 旧氏併記申出情報は、一の不動産及び所有権の登記名義人ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産についての旧氏併記の申出が同一の所有権の登記名義人についての同一の旧氏に係るものであるときは、この限りでない。 8 旧氏併記の申出をする場合には、次に掲げる情報(第十一項及び第十四項において「旧氏併記申出添付情報」という。)をその旧氏併記申出情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 代理人によって申出をするときは、当該代理人の権限を証する情報 二 第三項第五号に掲げる事項を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報 9 第三十七条の二の規定は、旧氏併記の申出をする場合について準用する。 10 第百五十八条の八第一項及び第百五十八条の九の規定は、第六項第一号に掲げる方法により旧氏併記の申出をする場合について準用する。 11 令第十二条第二項及び第十四条の規定は、前項の場合において送信する旧氏併記申出添付情報(第八項第一号に掲げる情報を除く。)について準用する。 12 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 13 第六項第一号に掲げる方法により旧氏併記の申出をする申出人が旧氏併記申出情報又は委任による代理人の権限を証する情報に第四十二条の電子署名を行い、当該申出人の第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が申出に係る旧氏を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、第八項第二号に掲げる情報の提供に代えることができる。 14 第百五十八条の十の規定は第六項第二号に掲げる方法により旧氏併記の申出をする場合について、第百五十八条の十一の規定は旧氏併記の申出をしようとする者が旧氏併記申出書又は旧氏併記申出添付情報を記載した書面(以下この項において「旧氏併記申出添付書面」という。)を送付する場合について、第五十五条の規定は旧氏併記申出添付書面を提出した申出人について、それぞれ準用する。 15 第五十七条及び第百五十八条の十四(第五項を除く。)の規定は、旧氏併記申出情報が提供された場合について準用する。 16 登記官は、旧氏併記の申出があったときは、職権で、次に掲げる事項を所有権の登記に付記する方法によって登記記録に記録するものとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人の氏名 五 申出に係る旧氏 17 登記官は、前項の規定による記録をするときは、従前の所有権の登記名義人の氏名を抹消する記号を記録しなければならない。 18 第百五十八条の十八の規定は、第十六項の規定による記録をした場合について準用する。 (旧氏併記の終了) 第百五十八条の三十六 登記記録に旧氏が記録されている所有権の登記名義人は、登記官に対し、当該旧氏の記録を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前条第三項から第十項まで(第三項第五号及び第八項第二号を除く。)、第十四項及び第十五項の規定は、前項の規定による申出について準用する。 3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、次に掲げる事項を所有権の登記に付記する方法によって登記記録に記録するものとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人の氏名 4 登記官は、前項の規定による記録をするときは、従前の所有権の登記名義人の氏名及び旧氏を抹消する記号を記録しなければならない。 5 第百五十八条の十八の規定は、第三項の規定による記録をした場合について準用する。 (相続人申告登記への準用) 第百五十八条の三十七 第百五十八条の三十四の規定は相続人申出をする場合における申出人又は相続人申告名義人の氏についての変更又は更正の申出をする場合における当該相続人申告名義人(当該申出の申出人である場合に限る。)について、第百五十八条の三十五の規定は相続人申告名義人について、前条の規定は登記記録に旧氏が記録されている相続人申告名義人について、それぞれ準用する。 この場合において、第百五十八条の三十四第二項中「前項第二号に掲げる登記を申請する」とあるのは「相続人申告名義人の氏についての変更又は更正の申出をする」と、「同号に定める者」とあるのは「相続人申告名義人」と読み替えるものとする。 第三款 用益権に関する登記 (地役権の登記) 第百五十九条 法第八十条第四項に規定する法務省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 要役地の地役権の登記である旨 二 承役地に係る不動産所在事項及び当該土地が承役地である旨 三 地役権設定の目的及び範囲 四 登記の年月日 2 登記官は、地役権の設定の登記をした場合において、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に承役地、要役地、地役権設定の目的及び範囲並びに地役権の設定の登記の申請の受付の年月日を通知しなければならない。 3 登記官は、地役権の登記事項に関する変更の登記若しくは更正の登記又は地役権の登記の抹消をしたときは、要役地の登記記録の第一項各号に掲げる事項についての変更の登記若しくは更正の登記又は要役地の地役権の登記の抹消をしなければならない。 4 第二項の規定は、地役権の登記事項に関する変更の登記若しくは更正の登記又は地役権の登記の抹消をした場合において、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるときについて準用する。 5 第二項(前項において準用する場合を含む。)の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、要役地の登記記録の乙区に、通知を受けた事項を記録し、又は第三項の登記をしなければならない。 (地役権図面番号の記録) 第百六十条 登記官は、地役権の設定の範囲が承役地の一部である場合において、地役権の設定の登記をするときは、その登記の末尾に地役権図面番号を記録しなければならない。 地役権設定の範囲の変更の登記又は更正の登記をする場合において、変更後又は更正後の地役権設定の範囲が承役地の一部となるときも、同様とする。 第四款 担保権等に関する登記 (建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記) 第百六十一条 登記官は、建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記をするときは、登記記録の甲区に登記義務者の氏名又は名称及び住所並びに不動産工事の先取特権の保存の登記をすることにより登記をする旨を記録しなければならない。 (建物の建築が完了した場合の登記) 第百六十二条 登記官は、前条の登記をした場合において、建物の建築が完了したことによる表題登記をするときは、同条の登記をした登記記録の表題部に表題登記をし、法第八十六条第二項第一号に掲げる登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、法第八十七条第一項の所有権の保存の登記をするときは、前条の規定により記録した事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、法第八十七条第二項の建物の表題部の登記事項に関する変更の登記をしたときは、法第八十六条第三項において準用する同条第二項第一号に掲げる登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (順位の譲渡又は放棄による変更の登記) 第百六十三条 登記官は、登記した担保権について順位の譲渡又は放棄による変更の登記をするときは、当該担保権の登記の順位番号の次に変更の登記の順位番号を括弧を付して記録しなければならない。 (担保権の順位の変更の登記) 第百六十四条 登記官は、担保権の順位の変更の登記をするときは、順位の変更があった担保権の登記の順位番号の次に変更の登記の順位番号を括弧を付して記録しなければならない。 (根抵当権等の分割譲渡の登記) 第百六十五条 第三条第五号の規定にかかわらず、民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定により根質権又は根抵当権(所有権以外の権利を目的とするものを除く。)を分割して譲り渡す場合の登記は、主登記によってするものとする。 2 登記官は、民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定により根質権又は根抵当権を分割して譲り渡す場合の登記の順位番号を記録するときは、分割前の根質権又は根抵当権の登記の順位番号を用いなければならない。 3 登記官は、前項の規定により順位番号を記録したときは、当該順位番号及び分割前の根質権又は根抵当権の登記の順位番号にそれぞれ第百四十七条第二項の符号を付さなければならない。 4 登記官は、第二項の登記をしたときは、職権で、分割前の根質権又は根抵当権について極度額の減額による根抵当権の変更の登記をし、これに根質権又は根抵当権を分割して譲り渡すことにより登記する旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 (共同担保目録の作成) 第百六十六条 登記官は、二以上の不動産に関する権利を目的とする担保権の保存又は設定の登記の申請があった場合において、当該申請に基づく登記をするとき(第百六十八条第二項に規定する場合を除く。)は、次条に定めるところにより共同担保目録を作成し、当該担保権の登記の末尾に共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の申請が書面申請である場合には、当該申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。)に共同担保目録の記号及び目録番号を記載しなければならない。 (共同担保目録の記録事項) 第百六十七条 登記官は、共同担保目録を作成するときは、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 共同担保目録を作成した年月日 二 共同担保目録の記号及び目録番号 三 担保権が目的とする二以上の不動産に関する権利に係る次に掲げる事項 イ 共同担保目録への記録の順序に従って当該権利に付す番号 ロ 当該二以上の不動産に係る不動産所在事項 ハ 当該権利が所有権以外の権利であるときは、当該権利 ニ 当該担保権の登記(他の登記所の管轄区域内にある不動産に関するものを除く。)の順位番号 2 前項第二号の目録番号は、同号の記号ごとに更新するものとする。 (追加共同担保の登記) 第百六十八条 令別表の四十二の項申請情報欄ロ、同表の四十六の項申請情報欄ハ、同表の四十七の項申請情報欄ホ(4)、同表の四十九の項申請情報欄ハ及びヘ(4)、同表の五十五の項申請情報欄ハ、同表の五十六の項申請情報欄ニ(4)並びに同表の五十八の項申請情報欄ハ及びヘ(4)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 2 登記官は、一又は二以上の不動産に関する権利を目的とする担保権の保存又は設定の登記をした後に、同一の債権の担保として他の一又は二以上の不動産に関する権利を目的とする担保権の保存若しくは設定又は処分の登記の申請があった場合において、当該申請に基づく登記をするときは、当該登記の末尾に共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 3 登記官は、前項の場合において、前の登記に関する共同担保目録があるときは、当該共同担保目録に、前条第一項各号に掲げる事項のほか、当該申請に係る権利が担保の目的となった旨並びに申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 4 登記官は、第二項の場合において、前の登記に関する共同担保目録がないときは、新たに共同担保目録を作成し、前の担保権の登記についてする付記登記によって、当該担保権に担保を追加した旨、共同担保目録の記号及び目録番号並びに登記の年月日を記録しなければならない。 5 登記官は、第二項の申請に基づく登記をした場合において、前の登記に他の登記所の管轄区域内にある不動産に関するものがあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に同項の申請に基づく登記をした旨を通知しなければならない。 6 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第二項から第四項までに定める手続をしなければならない。 (共同担保の根抵当権等の分割譲渡の登記) 第百六十九条 令別表の五十一の項申請情報欄ホ及び同表の六十の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 2 登記官は、共同担保目録のある分割前の根質権又は根抵当権について第百六十五条第二項の登記をするときは、分割後の根質権又は根抵当権について当該共同担保目録と同一の不動産に関する権利を記録した共同担保目録を作成しなければならない。 3 登記官は、前項の場合には、分割後の根質権又は根抵当権の登記の末尾に当該共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 (共同担保の一部消滅等) 第百七十条 登記官は、二以上の不動産に関する権利が担保権の目的である場合において、その一の不動産に関する権利を目的とする担保権の登記の抹消をしたときは、共同担保目録に、申請の受付の年月日及び受付番号、当該不動産について担保権の登記が抹消された旨並びに当該抹消された登記に係る第百六十七条第一項第三号に掲げる事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、共同担保目録に記録されている事項に関する変更の登記又は更正の登記をしたときは、共同担保目録に、変更後又は更正後の第百六十七条第一項第三号に掲げる事項、変更の登記又は更正の登記の申請の受付の年月日及び受付番号、変更又は更正をした旨並びに変更前又は更正前の権利に係る同号に掲げる登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 第百六十八条第五項の規定は、前二項の場合について準用する。 4 前項において準用する第百六十八条第五項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項又は第二項に定める手続をしなければならない。 5 第一項、第三項及び第四項の規定は、第百十条第二項(第百四十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により記録をする場合について準用する。 (抵当証券交付の登記) 第百七十一条 法第九十四条第一項の抵当証券交付の登記(同条第三項の規定による嘱託に基づくものを除く。)においては、何番抵当権につき抵当証券を交付した旨、抵当証券交付の日、抵当証券の番号及び登記の年月日を記録しなければならない。 (抵当証券作成及び交付の登記) 第百七十二条 法第九十四条第二項の抵当証券作成の登記においては、何番抵当権につき何登記所の嘱託により抵当証券を作成した旨、抵当証券作成の日、抵当証券の番号及び登記の年月日を記録しなければならない。 2 法第九十四条第三項の規定による嘱託に基づく抵当証券交付の登記においては、何番抵当権につき抵当証券を交付した旨、抵当証券交付の日、何登記所で交付した旨並びに抵当証券の番号を記録しなければならない。 (抵当証券交付の登記の抹消) 第百七十三条 登記官は、抵当証券交付の登記の抹消をする場合において、当該抵当証券について法第九十四条第二項の抵当証券作成の登記があるときは、当該抵当証券作成の登記の抹消をしなければならない。 (買戻しの特約の登記の抹消) 第百七十四条 登記官は、買戻しによる権利の取得の登記をしたときは、買戻しの特約の登記の抹消をしなければならない。 第五款 信託に関する登記 (信託に関する登記) 第百七十五条 登記官は、法第九十八条第一項の規定による登記の申請があった場合において、当該申請に基づく権利の保存、設定、移転又は変更の登記及び信託の登記をするときは、権利部の相当区に一の順位番号を用いて記録しなければならない。 2 登記官は、法第百四条第一項の規定による登記の申請があった場合において、当該申請に基づく権利の移転の登記若しくは変更の登記又は権利の抹消の登記及び信託の抹消の登記をするときは、権利部の相当区に一の順位番号を用いて記録しなければならない。 3 登記官は、前二項の規定にかかわらず、法第百四条の二第一項の規定による登記の申請があった場合において、当該申請に基づく権利の変更の登記及び信託の登記又は信託の抹消の登記をするときは、権利部の相当区に一の順位番号を用いて記録しなければならない。 (信託目録) 第百七十六条 登記官は、信託の登記をするときは、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項を記録した信託目録を作成し、当該目録に目録番号を付した上、当該信託の登記の末尾に信託目録の目録番号を記録しなければならない。 2 第百二条第一項後段の規定は、信託の登記がある不動産について分筆の登記又は建物の分割の登記若しくは建物の区分の登記をする場合の信託目録について準用する。 この場合には、登記官は、分筆後又は分割後若しくは区分後の信託目録の目録番号を変更しなければならない。 3 登記官は、信託の変更の登記をするときは、信託目録の記録を変更しなければならない。 第百七十七条 削除 第六款 仮登記 (法第百五条第一号の仮登記の要件) 第百七十八条 法第百五条第一号に規定する法務省令で定める情報は、登記識別情報又は第三者の許可、同意若しくは承諾を証する情報とする。 (仮登記及び本登記の方法) 第百七十九条 登記官は、権利部の相当区に仮登記をしたときは、その次に当該仮登記の順位番号と同一の順位番号により本登記をすることができる余白を設けなければならない。 2 登記官は、仮登記に基づいて本登記をするときは、当該仮登記の順位番号と同一の順位番号を用いてしなければならない。 3 前二項の規定は、保全仮登記について準用する。 (所有権に関する仮登記に基づく本登記) 第百八十条 登記官は、法第百九条第二項の規定により同条第一項の第三者の権利に関する登記の抹消をするときは、権利部の相当区に、本登記により第三者の権利を抹消する旨、登記の年月日及び当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。 第四節 補則 第一款 通知 (登記完了証) 第百八十一条 登記官は、登記の申請に基づいて登記を完了したときは、申請人に対し、登記完了証を交付することにより、登記が完了した旨を通知しなければならない。 この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知すれば足りる。 2 前項の登記完了証は、別記第六号様式により、次の各号に掲げる事項を記録して作成するものとする。 一 申請の受付の年月日及び受付番号 二 第百四十七条第二項の符号 三 不動産番号 四 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項 五 共同担保目録の記号及び目録番号(新たに共同担保目録を作成したとき及び共同担保目録に記録された事項を変更若しくは更正し、又は抹消する記号を記録したときに限る。) 六 法第二十七条第二号の登記の年月日 七 申請情報(電子申請の場合にあっては、第三十四条第一項第一号に規定する情報及び第三十六条第四項に規定する住民票コードを除き、書面申請の場合にあっては、登記の目的に限る。) (登記完了証の交付の方法) 第百八十二条 登記完了証の交付は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記完了証を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 書面申請 登記完了証を書面により交付する方法 2 送付の方法により登記完了証の交付を求める場合には、申請人は、その旨及び送付先の住所を申請情報の内容としなければならない。 3 第五十五条第七項から第九項までの規定は、送付の方法により登記完了証を交付する場合について準用する。 4 官庁又は公署が送付の方法により登記完了証の交付を求める場合の登記完了証の送付は、嘱託情報に記載された住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものその他の郵便又は信書便によって書面を送付する方法によってするものとする。 (登記が完了した旨の通知を要しない場合) 第百八十二条の二 登記官は、次の各号に掲げる場合には、第百八十一条第一項の規定にかかわらず、申請人に対し、登記が完了した旨の通知をすることを要しない。 この場合においては、同条第二項の規定により作成した登記完了証を廃棄することができる。 一 前条第一項第一号に規定する方法により登記完了証を交付する場合において、登記完了証の交付を受けるべき者が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに登記完了証が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日を経過しても、自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該登記完了証を記録しないとき。 二 前条第一項第二号に規定する方法により登記完了証を交付する場合において、登記完了証の交付を受けるべき者が、登記完了の時から三月を経過しても、登記完了証を受領しないとき。 2 第二十九条の規定は、前項の規定により登記完了証を廃棄する場合には、適用しない。 (申請人以外の者に対する通知) 第百八十三条 登記官は、次の各号に掲げる場合には、当該各号(第一号に掲げる場合にあっては、申請人以外の者に限る。)に定める者に対し、登記が完了した旨を通知しなければならない。 一 表示に関する登記を完了した場合 表題部所有者(表題部所有者の更正の登記又は表題部所有者である共有者の持分の更正の登記にあっては、更正前の表題部所有者)又は所有権の登記名義人 二 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わってする申請に基づく登記を完了した場合 当該他人 三 法第六十九条の二の規定による申請に基づく買戻しの特約に関する登記の抹消を完了した場合 当該登記の登記名義人であった者 2 前項の規定による通知は、同項の規定により通知を受けるべき者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 3 第一項第一号の規定は、法第五十一条第六項(法第五十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による登記には、適用しない。 4 登記官は、民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされた相続による所有権の移転の登記についてする次の各号に掲げる事由による所有権の更正の登記の申請(登記権利者が単独で申請するものに限る。)があった場合には、登記義務者に対し、当該申請があった旨を通知しなければならない。 一 遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言による所有権の取得 二 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の取得 (処分の制限の登記における通知) 第百八十四条 登記官は、表題登記がない不動産又は所有権の登記がない不動産について嘱託による所有権の処分の制限の登記をしたときは、当該不動産の所有者に対し、登記が完了した旨を通知しなければならない。 2 前項の通知は、当該登記に係る次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 不動産所在事項及び不動産番号 二 登記の目的 三 登記原因及びその日付 四 登記名義人の氏名又は名称及び住所 (職権による登記の抹消における通知) 第百八十五条 法第七十一条第一項の通知は、次の事項を明らかにしてしなければならない。 一 抹消する登記に係る次に掲げる事項 イ 不動産所在事項及び不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申請の受付の年月日及び受付番号 ニ 登記原因及びその日付 ホ 申請人の氏名又は名称及び住所 二 抹消する理由 2 前項の通知は、抹消する登記が民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わってする申請に基づくものであるときは、代位者に対してもしなければならない。 (審査請求に対する相当の処分の通知) 第百八十六条 登記官は、法第百五十七条第一項の規定により相当の処分をしたときは、審査請求人に対し、当該処分の内容を通知しなければならない。 (裁判所への通知) 第百八十七条 登記官は、次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、管轄地方裁判所にその事件を通知しなければならない。 一 法第百六十四条の規定により過料に処せられるべき者があることを職務上知ったとき(登記官が法第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務に違反した者に対し相当の期間を定めてその申請をすべき旨を催告したにもかかわらず、その期間内にその申請がされないときに限る。)。 二 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第七十条第十八号の規定により過料に処せられるべき者があることを職務上知ったとき。 (各種の通知の方法) 第百八十八条 法第六十七条第一項、第三項及び第四項、第七十一条第一項及び第三項並びに第百五十七条第三項並びにこの省令第四十条第二項及び第百八十三条から前条までの通知は、郵便、信書便その他適宜の方法によりするものとする。 第二款 登録免許税 (登録免許税を納付する場合における申請情報等) 第百八十九条 登記の申請においては、登録免許税額を申請情報の内容としなければならない。 この場合において、登録免許税法別表第一第一号(一)から(三)まで、(五)から(七)まで、(十)、(十一)及び(十二)イからホまでに掲げる登記については、課税標準の金額も申請情報の内容としなければならない。 2 登録免許税法又は租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)その他の法令の規定により登録免許税を免除されている場合には、前項の規定により申請情報の内容とする事項(以下「登録免許税額等」という。)に代えて、免除の根拠となる法令の条項を申請情報の内容としなければならない。 3 登録免許税法又は租税特別措置法その他の法令の規定により登録免許税が軽減されている場合には、登録免許税額等のほか、軽減の根拠となる法令の条項を申請情報の内容としなければならない。 4 登録免許税法第十三条第一項の規定により一の抵当権等の設定登記(同項に規定する抵当権等の設定登記をいう。)とみなされる登記の申請を二以上の申請情報によってする場合には、登録免許税額等は、そのうちの一の申請情報の内容とすれば足りる。 ただし、同法第十三条第一項後段の規定により最も低い税率をもって当該設定登記の登録免許税の税率とする場合においては、登録免許税額等をその最も低い税率によるべき不動産等に関する権利(同法第十一条に規定する不動産等に関する権利をいう。)についての登記の申請情報の内容としなければならない。 5 前項の場合において、その申請が電子申請であるときは登録免許税額等を一の申請の申請情報の内容とした旨を他の申請情報の内容とし、その申請が書面申請であるときは登録免許税額等を記載した申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、登記所の定める書類)に登録免許税の領収証書又は登録免許税額相当の印紙をはり付けて他の申請書にはその旨を記録しなければならない。 6 登記官の認定した課税標準の金額が申請情報の内容とされた課税標準の金額による税額を超える場合において、申請人がその差額を納付するときは、差額として納付する旨も申請情報の内容として追加しなければならない。 7 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第七十五条第一項の規定による審査請求に対する裁決により確定した課税標準の金額による登録免許税を納付して登記の申請をする場合には、申請人は、当該課税標準の金額が確定している旨を申請情報の内容とし、かつ、当該金額が確定していることを証する情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 (課税標準の認定) 第百九十条 登記官は、申請情報の内容とされた課税標準の金額を相当でないと認めるときは、申請人に対し、登記官が認定した課税標準の金額を適宜の方法により告知しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、申請が書面申請であるときは、申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、適宜の用紙)に登記官が認定した課税標準の金額を記載しなければならない。 第三款 雑則 (審査請求を受けた法務局又は地方法務局の長の命令による登記) 第百九十一条 登記官は、法第百五十七条第三項又は第四項の規定による命令に基づき登記をするときは、当該命令をした者の職名、命令の年月日、命令によって登記をする旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 (登記の嘱託) 第百九十二条 この省令に規定する登記の申請に関する法の規定には当該規定を法第十六条第二項において準用する場合を含むものとし、この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」にはそれぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。 第四章 登記事項の証明等 第一節 登記事項の証明等に関する請求 (登記事項証明書の交付の請求情報等) 第百九十三条 登記事項証明書、登記事項要約書、地図等の全部若しくは一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面。以下この条において同じ。)又は土地所在図等の全部若しくは一部の写し(土地所在図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面。以下この条において同じ。)の交付の請求をするときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この章において「請求情報」という。)を提供しなければならない。 地図等又は登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときも、同様とする。 一 請求人の氏名又は名称 二 不動産所在事項又は不動産番号 三 交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数 四 登記事項証明書の交付の請求をする場合にあっては、第百九十六条第一項各号(同条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる登記事項証明書の区分 五 登記事項証明書の交付の請求をする場合において、共同担保目録又は信託目録に記録された事項について証明を求めるときは、その旨 六 地図等又は土地所在図等の一部の写しの交付の請求をするときは、請求する部分 七 送付の方法により登記事項証明書、地図等の全部若しくは一部の写し又は土地所在図等の全部若しくは一部の写しの交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 法第百二十一条第三項又は第四項の規定により土地所在図等以外の登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときは、前項第一号及び第二号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 法第百二十一条第三項の規定により土地所在図等以外の登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときは、閲覧する部分及び当該部分を閲覧する正当な理由 五 法第百二十一条第四項の規定により土地所在図等以外の登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときは、閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨 3 前項第四号の閲覧の請求をするときは、同号の正当な理由を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 4 第二項第五号の閲覧の請求をするときは、同号の閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 5 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人等が法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 7 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 (登記事項証明書等の交付の請求の方法等) 第百九十四条 前条第一項の交付の請求又は同項若しくは同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面(以下この章において「請求書」という。)を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 登記事項証明書の交付(送付の方法による交付を除く。)の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、登記官が管理する入出力装置に請求情報を入力する方法によりすることができる。 3 登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。 第百九十五条 削除 第二節 登記事項の証明等の方法 (登記事項証明書の種類等) 第百九十六条 登記事項証明書の記載事項は、次の各号の種類の区分に応じ、当該各号に掲げる事項とする。 一 全部事項証明書 登記記録(閉鎖登記記録を除く。以下この項において同じ。)に記録されている事項の全部 二 現在事項証明書 登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの 三 何区何番事項証明書 権利部の相当区に記録されている事項のうち請求に係る部分 四 所有者証明書 登記記録に記録されている現在の所有権の登記名義人の氏名又は名称、住所及び法人識別事項並びに当該登記名義人が二人以上であるときは当該登記名義人ごとの持分 五 一棟建物全部事項証明書 一棟の建物に属するすべての区分建物である建物の登記記録に記録されている事項の全部 六 一棟建物現在事項証明書 一棟の建物に属するすべての区分建物である建物の登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの 2 前項第一号、第三号及び第五号の規定は、閉鎖登記記録に係る登記事項証明書の記載事項について準用する。 (登記事項証明書の作成及び交付) 第百九十七条 登記官は、登記事項証明書を作成するときは、請求に係る登記記録に記録された事項の全部又は一部である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 この場合において、当該登記記録の甲区又は乙区の記録がないときは、認証文にその旨を付記しなければならない。 2 前項の規定により作成する登記事項証明書は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める様式によるものとする。 ただし、登記記録に記録した事項の一部についての登記事項証明書については適宜の様式によるものとする。 一 土地の登記記録 別記第七号様式 二 建物(次号の建物を除く。)の登記記録 別記第八号様式 三 区分建物である建物に関する登記記録 別記第九号様式 四 共同担保目録 別記第十号様式 五 信託目録 別記第五号様式 3 登記事項証明書を作成する場合において、第百九十三条第一項第五号に掲げる事項が請求情報の内容とされていないときは、共同担保目録又は信託目録に記録された事項の記載を省略するものとする。 4 登記事項証明書に登記記録に記録した事項を記載するときは、その順位番号の順序に従って記載するものとする。 5 登記記録に記録されている事項を抹消する記号が記録されている場合において、登記事項証明書に抹消する記号を表示するときは、抹消に係る事項の下に線を付して記載するものとする。 6 登記事項証明書の交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (登記事項証明書の受領の方法) 第百九十七条の二 第百九十四条第三項前段の規定により登記事項証明書の交付を請求した者が当該登記事項証明書を登記所で受領するときは、法務大臣が定める事項を当該登記所に申告しなければならない。 (登記事項要約書の作成) 第百九十八条 登記事項要約書は、別記第十一号様式により、不動産の表示に関する事項のほか、所有権の登記については申請の受付の年月日及び受付番号、所有権の登記名義人の氏名又は名称、住所及び法人識別事項並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分並びに所有権の登記以外の登記については現に効力を有するもののうち主要な事項を記載して作成するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、登記官は、請求人の申出により、不動産の表示に関する事項について現に効力を有しないものを省略し、かつ、所有権の登記以外の登記については現に効力を有するものの個数のみを記載した登記事項要約書を作成することができる。 この場合には、前項の登記事項要約書を別記第十二号様式により作成するものとする。 3 登記官は、請求人から別段の申出がない限り、一の用紙により二以上の不動産に関する事項を記載した登記事項要約書を作成することができる。 第百九十九条 削除 (地図等の写し等の作成及び交付) 第二百条 登記官は、地図等の全部又は一部の写しを作成するときは、地図等の全部又は一部の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 登記官は、地図等が電磁的記録に記録されている場合において、当該記録された地図等の内容を証明した書面を作成するときは、電磁的記録に記録されている地図等を書面に出力し、これに地図等に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 第百九十七条第六項の規定は、地図等の全部又は一部の写し及び前項の書面の交付について準用する。 4 第百九十四条第二項及び第三項並びに第百九十七条の二の規定は、第二項の書面の交付の請求について準用する。 (土地所在図等の写し等の作成及び交付) 第二百一条 登記官は、土地所在図等の写しを作成するときは、土地所在図等の全部又は一部の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 登記官は、土地所在図等が電磁的記録に記録されている場合において、当該記録された土地所在図等の内容を証明した書面を作成するときは、電磁的記録に記録されている土地所在図等を書面に出力し、これに土地所在図等に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 第百九十七条第六項の規定は、土地所在図等の写し及び前項の書面の交付について準用する。 4 第百九十四条第二項及び第三項並びに第百九十七条の二の規定は、第二項の書面の交付の請求について準用する。 (閲覧の方法) 第二百二条 地図等又は登記簿の附属書類の閲覧は、登記官又はその指定する職員の面前でさせるものとする。 2 法第百二十条第二項及び第百二十一条第二項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法とする。 第三節 登記事項証明書等における代替措置 第一款 通則 (公示用住所管理ファイル) 第二百二条の二 法務大臣は、第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項を記録する公示用住所管理ファイルを備えるものとする。 2 公示用住所管理ファイルは、法第百十九条第六項の申出(以下この節において「代替措置申出」という。)の申出人ごとに電磁的記録に記録して調製するものとする。 3 公示用住所管理ファイルに記録された情報の保存期間は、永久とする。 (代替措置の要件) 第二百二条の三 法第百十九条第六項の法務省令で定める場合は、当該登記記録に記録されている者その他の者(自然人であるものに限る。)について次に掲げる事由がある場合とする。 一 ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成十二年法律第八十一号)第六条に規定するストーカー行為等に係る被害を受けた者であって更に反復して同法第二条第一項に規定するつきまとい等又は同条第三項に規定する位置情報無承諾取得等をされるおそれがあること。 二 児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)第二条に規定する児童虐待(同条第一号に掲げるものを除く。以下この号において同じ。)を受けた児童であって更なる児童虐待を受けるおそれがあること。 三 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成十三年法律第三十一号)第一条第二項に規定する被害者であって更なる暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの(次号において「身体に対する暴力」という。)を除く。)を受けるおそれがあること。 四 前三号に掲げるもののほか、心身に有害な影響を及ぼす言動(身体に対する暴力に準ずるものに限る。以下この号において同じ。)を受けた者であって、更なる心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがあること。 (代替措置等申出) 第二百二条の四 代替措置申出又は第二百二条の十六第一項の規定による申出(以下この節において「代替措置等申出」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「代替措置等申出書」という。)を登記所に提出してしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 申出に係る不動産の不動産所在事項 2 代替措置等申出は、申出に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。 3 第一項第四号の規定にかかわらず、不動産番号(申出を受ける登記所以外の登記所の管轄区域内にある不動産について申出をする場合にあっては、不動産番号及び当該申出を受ける登記所以外の登記所の表示)を代替措置等申出書に記載したときは、同号に掲げる事項を代替措置等申出書に記載することを要しない。 4 代替措置等申出においては、第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を代替措置等申出書に記載するものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 この節の規定により代替措置等申出書に添付しなければならない書面(以下この節において「代替措置等申出添付書面」という。)の表示 三 申出の年月日 四 代替措置等申出書を提出する登記所の表示 5 代替措置等申出書は、申出の目的に応じ、申出人ごとに作成して提出しなければならない。 6 代替措置等申出書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 申出人が代替措置等申出書又は委任状に記名押印した場合におけるその印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)が作成するものに限る。)その他の申出人となるべき者が申出をしていることを証する書面 二 申出人の氏名又は住所が法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の氏名又は住所と異なる場合にあっては、当該者であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面) 三 代理人によって代替措置等申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面 7 前項第一号の規定は、申出人が同号の書面(印鑑に関する証明書を除く。)を登記官に提示した場合には、適用しない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 8 第三十七条及び第三十七条の二の規定は、代替措置等申出をする場合について準用する。 9 第五十三条の規定は、申出人が代替措置等申出書及びその代替措置等申出添付書面を送付する場合について準用する。 (立件) 第二百二条の五 登記官は、代替措置等申出書が提出されたときは、これを立件しなければならない。 2 前項の場合には、登記官は、申出立件事件簿に立件の年月日及び立件番号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の規定により立件をする際、代替措置等申出書に立件の年月日及び立件番号を記載しなければならない。 (調査) 第二百二条の六 登記官は、代替措置等申出があったときは、遅滞なく、申出に関する全ての事項を調査しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、必要があると認めるときは、申出人又はその代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、申出人となるべき者が申出をしているかどうか又は法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実の有無を調査することができる。 3 登記官は、前項に規定する申出人又は代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。 4 登記官は、第二項の規定による調査をしたときは、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。 前項の嘱託を受けて調査をした場合についても、同様とする。 5 前項後段の場合には、嘱託を受けて調査をした登記所の登記官は、その調査の結果を記録した調書を嘱託をした登記官に送付しなければならない。 (代替措置等申出の却下) 第二百二条の七 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、代替措置等申出を却下しなければならない。 ただし、当該代替措置等申出の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申出人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申出に係る事項が公示用住所管理ファイルに既に記録されているとき。 二 申出の権限を有しない者の申出によるとき。 三 代替措置等申出書の記載事項又はその提出の方法がこの省令により定められた方式に適合しないとき。 四 代替措置等申出書に記載された事項が登記記録と合致しないとき。 五 代替措置等申出書の記載事項の内容が代替措置等申出添付書面の内容と合致しないとき。 六 代替措置等申出添付書面が添付されないとき。 七 代替措置申出がされた場合において、法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実が認められないとき。 2 登記官は、前項ただし書の期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該代替措置等申出を却下することができない。 3 第三十八条の規定は、代替措置等申出を却下する場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「申請人ごとに」とあるのは「申出人に」と、同条第三項中「書面申請がされた」とあるのは「代替措置等申出添付書面が提出された」と読み替えるものとする。 (代替措置等申出の取下げ) 第二百二条の八 代替措置等申出の取下げは、代替措置等申出を取り下げる旨を記載した書面を代替措置等申出書を提出した登記所に提出する方法によってしなければならない。 2 代替措置等申出の取下げは、公示用住所管理ファイルへの記録完了後は、することができない。 3 登記官は、代替措置等申出添付書面が提出された場合において、代替措置等申出の取下げがされたときは、代替措置等申出書及びその代替措置等申出添付書面を還付するものとする。 第三十八条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 (代替措置等申出添付書面の還付) 第二百二条の九 代替措置等申出をした申出人は、代替措置等申出添付書面の原本の還付を請求することができる。 ただし、第二百二条の四第六項第一号の書面、第二百二条の十一第四項(第二百二条の十六第四項において準用する場合を含む。)の印鑑に関する証明書及び当該代替措置等申出のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。 2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申出人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。 3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。 この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 4 前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、公示用住所管理ファイルへの記録完了後、申出立件関係書類つづり込み帳につづり込むものとする。 5 第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な代替措置等申出のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。 6 第三項の規定による原本の還付は、申出人の申出により、原本を送付する方法によることができる。 この場合においては、申出人は、送付先の住所をも申し出なければならない。 7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。 8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。 9 前項の指定は、告示してしなければならない。 第二款 代替措置 (代替措置における公示用住所) 第二百二条の十 法第百十九条第六項の法務省令で定める事項は、当該登記記録に記録されている者と連絡をとることのできる者(以下この節において「公示用住所提供者」という。)の住所又は営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在地(以下この節において「公示用住所」という。)とする。 (代替措置申出) 第二百二条の十一 代替措置申出においては、次に掲げる事項をも代替措置等申出書に記載しなければならない。 一 法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実の概要 二 第二百二条の十三に規定する代替措置を講ずべき住所(以下この節において「措置対象住所」という。) 三 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 四 公示用住所及び公示用住所提供者の氏名又は名称 2 代替措置申出においては、次に掲げる書面をも代替措置等申出書に添付しなければならない。 一 法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実を明らかにする書面 二 前項第四号に掲げる事項を証する書面 三 公示用住所提供者の承諾を証する当該公示用住所提供者が作成した書面(公示用住所提供者が法務局又は地方法務局であるときを除く。) 四 法務局又は地方法務局を公示用住所提供者とするときは、申出人に宛てて当該法務局又は地方法務局に送付された文書その他の物の保管、廃棄その他の取扱いに関し必要な事項として法務大臣が定めるものを記載した書面 3 前項第三号の書面には、当該公示用住所提供者が記名押印しなければならない。 ただし、当該公示用住所提供者が署名した同号の書面について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けたときは、この限りでない。 4 第二項第三号の書面には、前項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)若しくは登記官が作成するもの又はこれに準ずるものに限る。)を添付しなければならない。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 一 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を代替措置等申出書に記載したとき(登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。)。 二 公示用住所提供者が記名押印した当該書面について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けたとき。 (公示用住所管理ファイルへの記録) 第二百二条の十二 登記官は、代替措置申出があったときは、申出人についての次に掲げる事項を公示用住所管理ファイルに記録しなければならない。 一 氏名及び住所 二 措置対象住所 三 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 四 公示用住所 2 登記官は、前項の規定による記録をしたときは、遅滞なく、代替措置申出に係る不動産の所在地を管轄する登記所に代替措置等申出書の写しを送付しなければならない。 (代替措置) 第二百二条の十三 登記官は、公示用住所管理ファイルに記録された措置対象住所に係る登記記録について登記事項証明書又は登記事項要約書を作成するときは、当該措置対象住所に代わるものとして公示用住所管理ファイルに記録された公示用住所を記載する措置(次条において「代替措置」という。)を講じなければならない。 (代替措置が講じられていない登記事項証明書の交付の請求) 第二百二条の十四 代替措置申出をした申出人又はその相続人は、当該代替措置申出に係る措置対象住所について代替措置が講じられていない登記事項証明書の交付を請求することができる。 2 前項の交付の請求をするときは、次に掲げる事項をも請求情報の内容としなければならない。 一 請求人の住所 二 請求人が代替措置申出をした申出人の相続人であるときは、その旨及び当該申出人の氏名 三 代理人によって請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 措置対象住所について代替措置を講じないことを求める旨 五 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 3 第百九十四条第二項及び第三項の規定は、第一項の交付の請求については、適用しない。 4 第一項の交付の請求においては、次に掲げる書面を請求書に添付しなければならない。 一 請求人が請求書又は委任状に記名押印した場合における請求人の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)が作成するものであって、作成後三月以内のものに限る。)その他の請求人となるべき者が請求をしていることを証する書面 二 代替措置申出をした申出人が請求する場合において、請求人の氏名又は住所が法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の氏名又は住所と異なるときは、当該者であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面) 三 代替措置申出をした申出人の相続人が請求するときは、法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面)。 ただし、当該相続人であることが登記記録から明らかであるときを除く。 四 代理人によって請求をするときは、当該代理人の権限を証する書面 5 第二百二条の四第七項の規定は、請求人が前項第一号の書面(印鑑に関する証明書を除く。)を登記官に提示した場合について準用する。 6 法人である代理人によって第一項の交付の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を添付することを要しない。 7 第二百二条の九の規定は、第一項の交付の請求をした請求人について準用する。 この場合において、同条第一項中「代替措置等申出添付書面」とあるのは「第二百二条の十四第四項第二号から第四号までに掲げる書面」と、同条第三項中「調査完了後」とあるのは「登記事項証明書の交付後」と、同条第四項中「公示用住所管理ファイルへの記録完了後、申出立件関係書類つづり込み帳」とあるのは「登記事項証明書の交付後、請求書類つづり込み帳」と読み替えるものとする。 8 登記官は、第一項の交付の請求があった場合には、登記事項証明書を作成するに当たり、当該措置対象住所に代替措置を講じないものとする。 (代替措置申出の撤回) 第二百二条の十五 代替措置申出をした申出人は、登記官に対し、いつでも、代替措置申出を撤回することができる。 2 前項の規定による撤回は、次に掲げる事項を記載した撤回書を登記所に提出してしなければならない。 一 代替措置申出をした申出人の氏名及び住所 二 代理人によって撤回をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 代替措置申出を撤回する旨 四 代替措置申出に係る第二百二条の四第一項第四号に掲げる事項 五 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 3 第二百二条の四第二項から第五項までの規定は、代替措置申出の撤回について準用する。 4 第二項の撤回書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 代替措置申出をした申出人が撤回書又は委任状に記名押印した場合におけるその印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)が作成するものであって、作成後三月以内のものに限る。)その他の代替措置申出をした申出人が撤回をしていることを証する書面 二 代替措置申出をした申出人の氏名又は住所が法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の氏名又は住所と異なる場合にあっては、当該者であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面) 三 代理人によって撤回をするときは、当該代理人の権限を証する書面 5 第二百二条の四第七項から第九項まで、第二百二条の五、第二百二条の六及び第二百二条の九の規定は、代替措置申出の撤回について準用する。 この場合において、第二百二条の六第二項中「申出人となるべき者が申出をしているかどうか又は法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実の有無」とあるのは「代替措置申出をした申出人が撤回をしているかどうか」と、第二百二条の九第一項中「代替措置等申出添付書面」とあるのは「第二百二条の十五第四項第二号及び第三号に掲げる書面」と読み替えるものとする。 6 登記官は、第一項の規定による撤回があった場合には、当該代替措置申出についての第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項の記録を公示用住所管理ファイルから削除しなければならない。 7 第二百二条の十二第二項の規定は、前項の規定による削除をした場合について準用する。 第三款 公示用住所の変更 第二百二条の十六 代替措置申出をした申出人は、登記官に対し、代替措置申出に係る公示用住所の変更を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出においては、次に掲げる事項をも代替措置等申出書に記載しなければならない。 一 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 二 変更後の公示用住所及び公示用住所提供者の氏名又は名称 3 第一項の規定による申出においては、次に掲げる書面をも代替措置等申出書に添付しなければならない。 一 前項第二号に掲げる事項を証する書面 二 変更後の公示用住所提供者の承諾を証する当該公示用住所提供者が作成した書面(変更後の公示用住所提供者が法務局又は地方法務局であるときを除く。) 三 法務局又は地方法務局を変更後の公示用住所提供者とするときは、申出人に宛てて当該法務局又は地方法務局に送付された文書その他の物の保管、廃棄その他の取扱いに関し必要な事項として法務大臣が定めるものを記載した書面 4 第二百二条の十一第三項及び第四項の規定は、前項第二号の書面について準用する。 5 登記官は、第一項の規定による申出があった場合には、公示用住所管理ファイルに変更後の公示用住所を記録しなければならない。 6 第二百二条の十二第二項の規定は、前項の規定による記録をした場合について準用する。 第四節 手数料 (手数料の納付方法) 第二百三条 法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項までの手数料を収入印紙をもって納付するときは、請求書に収入印紙を貼り付けてしなければならない。 2 前項の規定は、令第二十二条第一項に規定する証明の請求を第六十八条第三項第二号に掲げる方法によりする場合における手数料の納付について準用する。 (送付に要する費用の納付方法) 第二百四条 請求書を登記所に提出する方法により第百九十三条第一項の交付の請求をする場合において、第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。)の規定による申出をするときは、手数料のほか送付に要する費用も納付しなければならない。 2 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを請求書と併せて提出する方法により納付しなければならない。 3 前項の指定は、告示してしなければならない。 (電子情報処理組織による登記事項証明書の交付の請求等の手数料の納付方法) 第二百五条 法第百十九条第四項ただし書(法第百二十条第三項及び第百二十一条第五項並びに他の法令において準用する場合を含む。)の法務省令で定める方法は、第百九十四条第二項及び第三項に規定する方法とする。 2 第百九十四条第二項又は第三項(これらの規定を第二百条第四項及び第二百一条第四項において準用する場合を含む。)に規定する方法により登記事項証明書の交付の請求をする場合において、手数料を納付するときは、登記官から得た納付情報により納付する方法によってしなければならない。 3 前項の規定は、令第二十二条第一項に規定する証明の請求を第六十八条第三項第一号に掲げる方法によりする場合における手数料の納付について準用する。 第五章 筆界特定 第一節 総則 (定義) 第二百六条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 筆界特定電子申請 法第百三十一条第五項において準用する法第十八条第一号の規定による電子情報処理組織を使用する方法による筆界特定の申請をいう。 二 筆界特定書面申請 法第百三十一条第五項において準用する法第十八条第二号の規定により次号の筆界特定申請書を法務局又は地方法務局に提出する方法による筆界特定の申請をいう。 三 筆界特定申請書 筆界特定申請情報を記載した書面をいい、法第百三十一条第五項において準用する法第十八条第二号の磁気ディスクを含む。 四 筆界特定添付情報 第二百九条第一項各号に掲げる情報をいう。 五 筆界特定添付書面 筆界特定添付情報を記載した書面をいい、筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクを含む。 第二節 筆界特定の手続 第一款 筆界特定の申請 (筆界特定申請情報) 第二百七条 法第百三十一条第三項第四号に掲げる事項として明らかにすべきものは、筆界特定の申請に至る経緯その他の具体的な事情とする。 2 法第百三十一条第三項第五号の法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 筆界特定の申請人(以下この章において単に「申請人」という。)が法人であるときは、その代表者の氏名 二 代理人によって筆界特定の申請をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名又は名称及び住所 四 申請人が一筆の土地の一部の所有権を取得した者であるときは、その旨 五 申請人が法第百三十一条第二項の規定に基づいて筆界特定の申請をする地方公共団体であるときは、その旨 六 対象土地が表題登記がない土地であるときは、当該土地を特定するに足りる事項 七 工作物、囲障又は境界標の有無その他の対象土地の状況 3 筆界特定の申請においては、法第百三十一条第三項第一号から第四号まで及び前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を筆界特定申請情報の内容とするものとする。 一 申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 関係土地に係る不動産所在事項又は不動産番号(表題登記がない土地にあっては、法第三十四条第一項第一号に掲げる事項及び当該土地を特定するに足りる事項) 三 関係人の氏名又は名称及び住所その他の連絡先 四 工作物、囲障又は境界標の有無その他の関係土地の状況 五 申請人が対象土地の筆界として特定の線を主張するときは、その線及びその根拠 六 対象土地の所有権登記名義人等であって申請人以外のものが対象土地の筆界として特定の線を主張しているときは、その線 七 申請に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る訴訟(以下「筆界確定訴訟」という。)が係属しているときは、その旨及び事件の表示その他これを特定するに足りる事項 八 筆界特定添付情報の表示 九 法第百三十九条第一項の規定により提出する意見又は資料があるときは、その表示 十 筆界特定の申請の年月日 十一 法務局又は地方法務局の表示 4 第二項第六号及び第七号並びに前項第二号(表題登記がない土地を特定するに足りる事項に係る部分に限る。)及び第四号から第六号までに掲げる事項を筆界特定申請情報の内容とするに当たっては、図面を利用する等の方法により、現地の状況及び筆界として主張されている線の位置を具体的に明示するものとする。 (一の申請情報による複数の申請) 第二百八条 対象土地の一を共通にする複数の筆界特定の申請は、一の筆界特定申請情報によってすることができる。 (筆界特定添付情報) 第二百九条 筆界特定の申請をする場合には、次に掲げる情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。 一 申請人が法人であるときは、次に掲げる情報 イ 会社法人等番号を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 二 代理人によって筆界特定の申請をするとき(申請人が前号イに規定する法人であって、支配人等が当該法人を代理して筆界特定の申請をする場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報 三 申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 四 申請人が表題登記がない土地の所有者であるときは、当該申請人が当該土地の所有権を有することを証する情報 五 申請人が一筆の土地の一部の所有権を取得した者であるときは、当該申請人が当該一筆の土地の一部について所有権を取得したことを証する情報 六 申請人が所有権の登記名義人若しくは表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人である場合において、筆界特定申請情報の内容である所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、当該所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 七 申請人が法第百三十一条第二項の規定に基づいて筆界特定の申請をする地方公共団体であるときは、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たことを証する当該所有権登記名義人等が作成した情報 2 前項第一号及び第二号の規定は、国の機関の所管に属する土地について命令又は規則により指定された官庁又は公署の職員が筆界特定の申請をする場合には、適用しない。 3 第一項第一号の規定は、申請人が同号イに規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書を提供して筆界特定の申請をする場合には、適用しない。 一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書 二 支配人等によって筆界特定の申請をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書 4 前項各号の登記事項証明書は、その作成後三月以内のものでなければならない。 5 法人である代理人によって筆界特定の申請をする場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。 6 筆界特定の申請をする場合において、所有権の登記名義人又は表題部所有者の第三十六条第四項に規定する住民票コード(当該所有権の登記名義人又は表題部所有者の住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。)を提供したときは、当該住民票コードの提供をもって、当該住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 (筆界特定電子申請の方法) 第二百十条 筆界特定電子申請における筆界特定申請情報及び筆界特定添付情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。 ただし、筆界特定添付情報の送信に代えて、法務局又は地方法務局に筆界特定添付書面を提出することを妨げない。 2 前項ただし書の場合には、筆界特定添付書面を法務局又は地方法務局に提出する旨を筆界特定申請情報の内容とする。 3 令第十二条第一項の規定は筆界特定電子申請において筆界特定申請情報を送信する場合について、同条第二項の規定は筆界特定電子申請において送信する場合における筆界特定添付情報について、令第十四条の規定は筆界特定電子申請において電子署名が行われている情報を送信する場合について、それぞれ準用する。 4 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、第四十四条第二項及び第三項の規定は筆界特定電子申請をする場合について、それぞれ準用する。 (筆界特定書面申請の方法等) 第二百十一条 筆界特定書面申請をするときは、筆界特定申請書に筆界特定添付書面を添付して提出しなければならない。 2 第二百九条第一項第一号ロ及び第二号に掲げる情報を記載した書面であって、市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、作成後三月以内のものでなければならない。 ただし、官庁又は公署が筆界特定の申請をする場合は、この限りでない。 3 委任による代理人によって筆界特定の申請をする場合には、申請人又はその代表者は、委任状に記名しなければならない。 復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。 4 第二百九条第一項第七号に掲げる情報を記載した書面は、同号の同意をした所有権登記名義人等が記名したものでなければならない。 5 令第十二条第一項の規定は筆界特定申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により筆界特定の申請をする場合について、同条第二項の規定は磁気ディスクに記録された筆界特定添付情報について、令第十四条の規定は筆界特定申請情報の全部又は筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクを提出する場合について、それぞれ準用する。 6 第四十五条第一項の規定は筆界特定申請書(筆界特定申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。以下この条において同じ。)について、第五十一条の規定は筆界特定申請情報を記録した磁気ディスクを提出する方法による筆界特定の申請について、第五十二条の規定は筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクについて、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条第七項及び第八項中「令第十六条第五項」とあるのは「第二百十一条第五項」と、第五十二条第一項中「令第十五条の添付情報を記録した磁気ディスク」とあるのは「筆界特定添付情報を記録した磁気ディスク」と、同条第二項中「令第十五条後段において準用する令第十四条の電子証明書」とあるのは「筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクに記録すべき電子証明書」と読み替えるものとする。 7 筆界特定申請書につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにしなければならない。 この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。 8 申請人又はその代表者若しくは代理人は、筆界特定申請書が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載することその他の必要な措置を講じなければならない。 9 筆界特定書面申請は、対象土地の所在地を管轄する登記所を経由してすることができる。 (筆界特定申請書等の送付方法) 第二百十二条 筆界特定の申請をしようとする者が筆界特定申請書又は筆界特定添付書面を送付するときは、書留郵便又は信書便事業者による信書便の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。 2 前項の場合には、筆界特定申請書又は筆界特定添付書面を入れた封筒の表面に筆界特定申請書又は筆界特定添付書面が在中する旨を明記するものとする。 (筆界特定添付書面の原本の還付請求) 第二百十三条 申請人は、筆界特定添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。 ただし、当該筆界特定の申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。 2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。 3 筆界特定登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、却下事由の有無についての調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。 この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 4 前項前段の規定にかかわらず、筆界特定登記官は、偽造された書面その他の不正な筆界特定の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。 第二款 筆界特定の申請の受付等 (筆界特定の申請の受付) 第二百十四条 筆界特定登記官は、法第百三十一条第五項において読み替えて準用する法第十八条の規定により筆界特定申請情報が提供されたときは、当該筆界特定申請情報に係る筆界特定の申請の受付をしなければならない。 2 筆界特定登記官は、筆界特定の申請の受付をしたときは、当該筆界特定の申請に手続番号を付さなければならない。 (管轄区域がまたがる場合の移送等) 第二百十五条 第四十条第一項及び第二項の規定は、法第百二十四条第二項において読み替えて準用する法第六条第三項の規定に従って筆界特定の申請がされた場合について準用する。 (補正) 第二百十六条 筆界特定登記官は、筆界特定の申請の補正をすることができる期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該申請を却下することができない。 (公告及び通知の方法) 第二百十七条 法第百三十三条第一項の規定による公告は、法務局若しくは地方法務局の掲示場その他法務局若しくは地方法務局内の公衆の見やすい場所に掲示して行う方法又は法務局若しくは地方法務局の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法であってインターネットに接続された自動公衆送信装置を使用する方法により二週間行うものとする。 2 法第百三十三条第一項の規定による通知は、郵便、信書便その他適宜の方法によりするものとする。 3 前項の通知は、関係人が法第百三十九条の定めるところにより筆界特定に関し意見又は図面その他の資料を提出することができる旨を明らかにしてしなければならない。 第三款 意見又は資料の提出 (意見又は資料の提出) 第二百十八条 法第百三十九条第一項の規定による意見又は資料の提出は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 手続番号 二 意見又は資料を提出する者の氏名又は名称 三 意見又は資料を提出する者が法人であるときは、その代表者の氏名 四 代理人によって意見又は資料を提出するときは、当該代理人の氏名又は名称及び代理人が法人であるときはその代表者の氏名 五 提出の年月日 六 法務局又は地方法務局の表示 2 法第百三十九条第一項の規定による資料の提出は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 資料の表示 二 作成者及びその作成年月日 三 写真又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録することができる物を含む。)にあっては、撮影、録画等の対象並びに日時及び場所 四 当該資料の提出の趣旨 (情報通信の技術を利用する方法) 第二百十九条 法第百三十九条第二項の法務省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して情報を送信する方法 二 法務大臣の定めるところにより情報を記録した磁気ディスクその他の電磁的記録を提出する方法 三 前二号に掲げるもののほか、筆界特定登記官が相当と認める方法 (書面の提出方法) 第二百二十条 申請人又は関係人は、法第百三十九条第一項の規定による意見又は資料の提出を書面でするときは、当該書面の写し三部を提出しなければならない。 2 筆界特定登記官は、必要と認めるときは、前項の規定により書面の写しを提出した申請人又は関係人に対し、その原本の提示を求めることができる。 (資料の還付請求) 第二百二十一条 法第百三十九条第一項の規定により資料(第二百十九条各号に掲げる方法によって提出したものを除く。以下この条において同じ。)を提出した申請人又は関係人は、当該資料の還付を請求することができる。 2 筆界特定登記官は、前項の規定による請求があった場合において、当該請求に係る資料を筆界特定をするために留め置く必要がなくなったと認めるときは、速やかに、これを還付するものとする。 第四款 意見聴取等の期日 (意見聴取等の期日の場所) 第二百二十二条 法第百四十条第一項の期日(以下「意見聴取等の期日」という。)は、法務局又は地方法務局、対象土地の所在地を管轄する登記所その他筆界特定登記官が適当と認める場所において開く。 (意見聴取等の期日の通知) 第二百二十三条 法第百四十条第一項の規定による通知は、申請人及び関係人が同項の定めるところにより対象土地の筆界について意見を述べ、又は資料を提出することができる旨を明らかにしてしなければならない。 2 第二百十七条第二項の規定は、前項の通知について準用する。 (意見聴取等の期日における筆界特定登記官の権限) 第二百二十四条 筆界特定登記官は、意見聴取等の期日において、発言を許し、又はその指示に従わない者の発言を禁ずることができる。 2 筆界特定登記官は、意見聴取等の期日の秩序を維持するため必要があるときは、その秩序を妨げ、又は不穏な言動をする者を退去させることができる。 3 筆界特定登記官は、適当と認める者に意見聴取等の期日の傍聴を許すことができる。 (意見聴取等の期日における資料の提出) 第二百二十五条 第二百十八条、第二百二十条及び第二百二十一条の規定は、意見聴取等の期日において申請人又は関係人が資料を提出する場合について準用する。 (意見聴取等の期日の調書) 第二百二十六条 法第百四十条第四項の調書には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 手続番号 二 筆界特定登記官及び筆界調査委員の氏名 三 出頭した申請人、関係人、参考人及び代理人の氏名 四 意見聴取等の期日の日時及び場所 五 意見聴取等の期日において行われた手続の要領(陳述の要旨を含む。) 六 その他筆界特定登記官が必要と認める事項 2 筆界特定登記官は、前項の規定にかかわらず、申請人、関係人又は参考人の陳述をビデオテープその他の適当と認める記録用の媒体に記録し、これをもって調書の記録に代えることができる。 3 意見聴取等の期日の調書には、書面、写真、ビデオテープその他筆界特定登記官において適当と認めるものを引用し、筆界特定手続記録に添付して調書の一部とすることができる。 第五款 調書等の閲覧 (調書等の閲覧) 第二百二十七条 申請人又は関係人は、法第百四十一条第一項の規定により調書又は資料の閲覧の請求をするときは、次に掲げる事項に係る情報を提供しなければならない。 一 手続番号 二 請求人の氏名又は名称及び住所並びに申請人又は関係人の別 三 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 四 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 2 前項の閲覧の請求をするときは、請求人が請求権限を有することを証する書面を提示しなければならない。 3 第一項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号をも提供したときは、この限りでない。 4 第一項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人等が法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも提供したときは、この限りでない。 5 法人である代理人によって第一項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも提供したときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 6 第一項の閲覧の請求は、同項の情報を記載した書面を法務局又は地方法務局に提出する方法によりしなければならない。 (調書等の閲覧の方法) 第二百二十八条 法第百四十一条第一項の規定による調書又は資料の閲覧は、筆界特定登記官又はその指定する職員の面前でさせるものとする。 2 法第百四十一条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法その他の筆界特定登記官が適当と認める方法とする。 第三節 筆界特定 (筆界調査委員の調査の報告) 第二百二十九条 筆界特定登記官は、筆界調査委員に対し、法第百三十五条の規定による事実の調査の経過又は結果その他必要な事項について報告を求めることができる。 (筆界調査委員の意見の提出の方式) 第二百三十条 法第百四十二条の規定による意見の提出は、書面又は電磁的記録をもってするものとする。 (筆界特定書の記録事項等) 第二百三十一条 筆界特定書には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 手続番号 二 対象土地に係る不動産所在事項及び不動産番号(表題登記がない土地にあっては、法第三十四条第一項第一号に掲げる事項及び当該土地を特定するに足りる事項) 三 結論 四 理由の要旨 五 申請人の氏名又は名称及び住所 六 申請人の代理人があるときは、その氏名又は名称 七 筆界調査委員の氏名 八 筆界特定登記官の所属する法務局又は地方法務局の表示 2 筆界特定登記官は、書面をもって筆界特定書を作成するときは、筆界特定書に職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 筆界特定登記官は、電磁的記録をもって筆界特定書を作成するときは、筆界特定登記官を明らかにするための措置であって法務大臣が定めるものを講じなければならない。 4 法第百四十三条第二項の図面には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 地番区域の名称 二 方位 三 縮尺 四 対象土地及び関係土地の地番 五 筆界特定の対象となる筆界又はその位置の範囲 六 筆界特定の対象となる筆界に係る筆界点(筆界の位置の範囲を特定するときは、その範囲を構成する各点。次項において同じ。)間の距離 七 境界標があるときは、当該境界標の表示 八 測量の年月日 5 法第百四十三条第二項の図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものは、国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号及び基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値とする。 ただし、近傍に基本三角点等が存しない場合その他の基本三角点等に基づく測量ができない特別の事情がある場合にあっては、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値とする。 6 第十条第四項並びに第七十七条第三項及び第四項の規定は、法第百四十三条第二項の図面について準用する。 この場合において、第七十七条第三項中「第一項第九号」とあるのは「第二百三十一条第四項第七号」と読み替えるものとする。 (筆界特定の公告及び通知) 第二百三十二条 筆界特定登記官は、法第百四十四条第一項の筆界特定書の写しを作成するときは、筆界特定書の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 法第百四十四条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録をもって作成された筆界特定書の内容を証明した書面を交付する方法とする。 3 筆界特定登記官は、前項の書面を作成するときは、電磁的記録をもって作成された筆界特定書を書面に出力し、これに筆界特定書に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 4 法第百四十四条第一項の規定による筆界特定書の写し(第二項の書面を含む。)の交付は、送付の方法によりすることができる。 5 第二百十七条第一項の規定は法第百四十四条第一項の規定による公告について、第二百十七条第二項の規定は法第百四十四条第一項の規定による関係人に対する通知について、それぞれ準用する。 第四節 筆界特定手続記録の保管 (筆界特定手続記録の送付) 第二百三十三条 筆界特定登記官は、筆界特定の手続が終了したときは、遅滞なく、対象土地の所在地を管轄する登記所に筆界特定手続記録を送付しなければならない。 2 対象土地が二以上の法務局又は地方法務局の管轄区域にまたがる場合には、前項の規定による送付は、法第百二十四条第二項において読み替えて準用する法第六条第二項の規定により法務大臣又は法務局の長が指定した法務局又は地方法務局の管轄区域内にある登記所であって対象土地の所在地を管轄するものに対してするものとする。 この場合には、筆界特定登記官は、当該二以上の法務局又は地方法務局のうち法務大臣又は法務局の長が指定した法務局又は地方法務局以外の法務局又は地方法務局の管轄区域内にある登記所であって対象土地の所在地を管轄するものに筆界特定書等の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、その内容を書面に出力したもの。次項及び次条において同じ。)を送付しなければならない。 3 対象土地が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合(前項に規定する場合を除く。)には、第一項の規定による送付は、法務局又は地方法務局の長が指定する登記所に対してするものとする。 この場合には、筆界特定登記官は、当該二以上の登記所のうち法務局又は地方法務局の長が指定した登記所以外の登記所に筆界特定書等の写しを送付しなければならない。 (登記記録への記録) 第二百三十四条 筆界特定がされた筆界特定手続記録又は筆界特定書等の写しの送付を受けた登記所の登記官は、対象土地の登記記録に、筆界特定がされた旨を記録しなければならない。 (筆界特定手続記録の保存期間等) 第二百三十五条 次の各号に掲げる情報の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 筆界特定書に記載され、又は記録された情報 永久 二 筆界特定書以外の筆界特定手続記録に記載され、又は記録された情報 対象土地の所在地を管轄する登記所が第二百三十三条の規定により筆界特定手続記録の送付を受けた年の翌年から三十年間 2 筆界特定手続記録の全部又は一部が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の保存は、当該情報の内容を書面に出力したものを保存する方法によってすることができる。 3 筆界特定手続記録の全部又は一部が書面をもって作成されているときは、当該書面に記録された情報の保存は、当該情報の内容を記録した電磁的記録を保存する方法によってすることができる。 第二百三十五条の二 次の各号に掲げる帳簿の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 筆界特定受付等記録簿及び筆界特定関係簿 作成の年の翌年から三十年間 二 筆界特定事務日記帳及び筆界特定関係事務日記帳 作成の年の翌年から三年間 (準用) 第二百三十六条 第二十九条から第三十二条までの規定(同条第二項を除く。)は、筆界特定手続記録について準用する。 この場合において、第二十九条中「登記に関する電磁的記録、帳簿又は書類」とあり、第三十条第一項中「登記記録又は地図等」とあり、同条第三項中「登記記録、地図等又は登記簿の附属書類」とあり、第三十一条第一項中「登記簿、地図等及び登記簿の附属書類」とあり、同条第二項中「登記簿の附属書類」とあり、及び同条第三項中「登記簿、地図等又は登記簿の附属書類」とあるのは「筆界特定手続記録」と、第三十二条第一項中「当該不動産の登記記録(共同担保目録及び信託目録を含む。次項において同じ。)並びに地図等及び登記簿の附属書類(電磁的記録に記録されている地図等及び登記簿の附属書類を含む。)」とあるのは「当該不動産に係る筆界特定手続記録」と読み替えるものとする。 (筆界確定訴訟の確定判決があった場合の取扱い) 第二百三十七条 登記官は、その保管する筆界特定手続記録に係る筆界特定がされた筆界について、筆界確定訴訟の判決(訴えを不適法として却下したものを除く。以下本条において同じ。)が確定したときは、当該筆界確定訴訟の判決が確定した旨及び当該筆界確定訴訟に係る事件を特定するに足りる事項を当該筆界特定に係る筆界特定書に明らかにすることができる。 第五節 筆界特定書等の写しの交付等 (筆界特定書等の写しの交付の請求情報等) 第二百三十八条 法第百四十九条第一項の規定により筆界特定書等の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されている場合における当該記録された情報の内容を証明した書面を含む。以下同じ。)の交付の請求をするときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この節において「請求情報」という。)を提供しなければならない。 筆界特定手続記録の閲覧の請求をするときも、同様とする。 一 請求人の氏名又は名称 二 手続番号 三 交付の請求をするときは、請求に係る書面の通数 四 筆界特定書等の一部の写しの交付の請求をするときは、請求する部分 五 送付の方法により筆界特定書等の写しの交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 法第百四十九条第二項の規定により筆界特定書等以外の筆界特定手続記録の閲覧の請求をするときは、前項第一号及び第二号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 法第百四十九条第二項ただし書の利害関係を有する理由及び閲覧する部分 3 前項の閲覧の請求をするときは、同項第四号の利害関係がある理由を証する書面を提示しなければならない。 4 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 5 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人等が法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 (筆界特定書等の写しの交付の請求方法等) 第二百三十九条 前条第一項の交付の請求又は同項若しくは同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 送付の方法による筆界特定書等の写しの交付の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合には、送付先の住所をも請求情報の内容とする。 3 法第百四十九条第三項において準用する法第百十九条第四項ただし書の法務省令で定める方法は、前項に規定する方法とする。 (筆界特定書等の写しの作成及び交付) 第二百四十条 登記官は、筆界特定書等の写しを作成するとき(次項に規定する場合を除く。)は、筆界特定書等の全部又は一部の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 登記官は、筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されている場合において、筆界特定書等の写しを作成するときは、電磁的記録に記録された筆界特定書等を書面に出力し、これに筆界特定書等に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 筆界特定書等の写しの交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (準用) 第二百四十一条 第二百二条の規定は筆界特定手続記録の閲覧について、第二百三条第一項の規定は法第百四十九条第一項及び第二項の手数料を収入印紙をもって納付するときについて、第二百四条の規定は請求情報を記載した書面を登記所に提出する方法により第二百三十八条第一項の交付の請求をする場合において前条第三項の規定による申出をするときについて、第二百五条第二項の規定は第二百三十九条第二項に規定する方法により筆界特定書等の写しの交付の請求をする場合において手数料を納付するときについて、それぞれ準用する。 この場合において、第二百二条第二項中「法第百二十条第二項及び第百二十一条第二項」とあるのは「法第百四十九条第二項」と、第二百三条第一項中「法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項まで」とあるのは「法第百四十九条第一項及び第二項」と、第二百四条第一項中「第百九十三条第一項」とあるのは「第二百三十八条第一項」と、「第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第二百四十条第三項」と読み替えるものとする。 第六節 雑則 (手続費用) 第二百四十二条 法第百四十六条第一項の法務省令で定める費用は、筆界特定登記官が相当と認める者に命じて行わせた測量、鑑定その他専門的な知見を要する行為について、その者に支給すべき報酬及び費用の額として筆界特定登記官が相当と認めたものとする。 (代理人等) 第二百四十三条 関係人が法人である場合において、当該関係人が筆界特定の手続において意見の提出その他の行為をするときは、次に掲げる情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。 一 会社法人等番号を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 二 前号に規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 2 前項の規定は、関係人が同項第一号に規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書を提供して同項の行為をする場合には、適用しない。 一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書 二 支配人等によって前項の行為をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書 3 筆界特定の申請がされた後、申請人又は関係人が代理人を選任したときは、当該申請人又は関係人は、当該代理人の権限を証する情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。 ただし、当該申請人又は関係人が会社法人等番号を有する法人であって、当該代理人が支配人等である場合は、この限りでない。 4 前項本文に規定する代理人が法人である場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。 (申請の却下) 第二百四十四条 筆界特定登記官は、法第百三十二条第一項の規定により筆界特定の申請を却下するときは、決定書を作成し、これを申請人に交付しなければならない。 2 前項の規定による交付は、当該決定書を送付する方法によりすることができる。 3 筆界特定登記官は、申請を却下したときは、筆界特定添付書面を還付するものとする。 ただし、偽造された書面その他の不正な申請のために用いられた疑いがある書面については、この限りでない。 4 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による公告をした後に筆界特定の申請を却下したときは、その旨を公告しなければならない。 第二百十七条第一項の規定は、この場合における公告について準用する。 5 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による通知をした後に筆界特定の申請を却下したときは、その旨を当該通知に係る関係人に通知しなければならない。 同条第二項及び第二百十七条第二項の規定は、この場合における通知について準用する。 (申請の取下げ) 第二百四十五条 筆界特定の申請の取下げは、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。 一 筆界特定電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を筆界特定登記官に提供する方法 二 筆界特定書面申請 申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を筆界特定登記官に提出する方法 2 筆界特定の申請の取下げは、法第百四十四条第一項の規定により申請人に対する通知を発送した後は、することができない。 3 筆界特定登記官は、筆界特定の申請の取下げがあったときは、筆界特定添付書面を還付するものとする。 前条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 4 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による公告をした後に筆界特定の申請の取下げがあったときは、その旨を公告しなければならない。 第二百十七条第一項の規定は、この場合における公告について準用する。 5 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による通知をした後に筆界特定の申請の取下げがあったときは、その旨を当該通知に係る関係人に通知しなければならない。 同条第二項及び第二百十七条第二項の規定は、この場合における通知について準用する。 (筆界特定書の更正) 第二百四十六条 筆界特定書に誤記その他これに類する明白な誤りがあるときは、筆界特定登記官は、いつでも、当該筆界特定登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、更正することができる。 2 筆界特定登記官は、筆界特定書を更正したときは、申請人に対し、更正の内容を通知するとともに、更正した旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。 法第百三十三条第二項及びこの省令第二百十七条第二項の規定はこの場合における通知について、同条第一項の規定はこの場合における公告について、それぞれ準用する。 第六章 法定相続情報 (法定相続情報一覧図) 第二百四十七条 表題部所有者、登記名義人又はその他の者について相続が開始した場合において、当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人(第三項第二号に掲げる書面の記載により確認することができる者に限る。以下本条において同じ。)又は当該相続人の地位を相続により承継した者は、被相続人の本籍地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対し、法定相続情報(次の各号に掲げる情報をいう。以下同じ。)を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をすることができる。 一 被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日 二 相続開始の時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄 2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする申出書を登記所に提供してしなければならない。 一 申出人の氏名、住所、連絡先及び被相続人との続柄 二 代理人(申出人の法定代理人又はその委任による代理人にあってはその親族若しくは戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十条の二第三項に掲げる者に限る。以下本条において同じ。)によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 利用目的 四 交付を求める通数 五 被相続人を表題部所有者又は所有権の登記名義人とする不動産があるときは、不動産所在事項又は不動産番号 六 申出の年月日 七 送付の方法により法定相続情報一覧図の写しの交付及び第六項の規定による書面の返却を求めるときは、その旨 3 前項の申出書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 法定相続情報一覧図(第一項各号に掲げる情報及び作成の年月日を記載し、申出人が記名するとともに、その作成をした申出人又はその代理人が記名したものに限る。) 二 被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む。)の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書 三 被相続人の最後の住所を証する書面 四 第一項第二号の相続人の戸籍の謄本、抄本又は記載事項証明書 五 申出人が相続人の地位を相続により承継した者であるときは、これを証する書面 六 申出書に記載されている申出人の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該申出人が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。) 七 代理人によって第一項の申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面 4 前項第一号の法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載したときは、第二項の申出書には、その住所を証する書面を添付しなければならない。 5 登記官は、第三項第二号から第四号までに掲げる書面によって法定相続情報の内容を確認し、かつ、その内容と法定相続情報一覧図に記載された法定相続情報の内容とが合致していることを確認したときは、法定相続情報一覧図の写しを交付するものとする。 この場合には、申出に係る登記所に保管された法定相続情報一覧図の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印するものとする。 6 登記官は、法定相続情報一覧図の写しを交付するときは、第三項第二号から第五号まで及び第四項に規定する書面を返却するものとする。 7 前各項の規定(第三項第一号から第五号まで及び第四項を除く。)は、第一項の申出をした者がその申出に係る登記所の登記官に対し法定相続情報一覧図の写しの再交付の申出をする場合について準用する。 (法定相続情報一覧図の写しの送付の方法等) 第二百四十八条 法定相続情報一覧図の写しの交付及び前条第六項の規定による書面の返却は、申出人の申出により、送付の方法によりすることができる。 2 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。 3 前項の指定は、告示してしなければならない。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第十八号
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不動産登記規則 第一章 総則 (定義) 第一条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 順位番号 第百四十七条第一項の規定により権利部に記録される番号をいう。 二 地図等 地図、建物所在図又は地図に準ずる図面をいう。 三 電子申請 不動産登記法(以下「法」という。)第十八条第一号の規定による電子情報処理組織を使用する方法による申請をいう。 四 書面申請 法第十八条第二号の規定により次号の申請書を登記所に提出する方法による申請をいう。 五 申請書 申請情報を記載した書面をいい、法第十八条第二号の磁気ディスクを含む。 六 添付書面 添付情報を記載した書面をいい、不動産登記令(以下「令」という。)第十五条の添付情報を記録した磁気ディスクを含む。 七 土地所在図等 土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面又は各階平面図をいう。 八 不動産番号 第九十条の規定により表題部に記録される番号、記号その他の符号をいう。 九 不動産所在事項 不動産の所在する市、区、郡、町、村及び字(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村及び字)並びに土地にあっては地番、建物にあっては建物の所在する土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する土地の地番)及び家屋番号をいう。 (登記の前後) 第二条 登記の前後は、登記記録の同一の区(第四条第四項の甲区又は乙区をいう。以下同じ。)にした登記相互間については順位番号、別の区にした登記相互間については受付番号による。 2 法第七十三条第一項に規定する権利に関する登記であって、法第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有するものと当該土地の登記記録の権利部にした登記との前後は、受付番号による。 (付記登記) 第三条 次に掲げる登記は、付記登記によってするものとする。 一 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記 二 次に掲げる登記その他の法第六十六条に規定する場合における権利の変更の登記又は更正の登記 イ 債権の分割による抵当権の変更の登記 ロ 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百九十八条の八第一項又は第二項(これらの規定を同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の合意の登記 ハ 民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)に規定する根質権又は根抵当権を分割して譲り渡す場合においてする極度額の減額による変更の登記 ニ 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の定めの登記 三 法第七十六条の三第一項の規定による申出に関する登記 四 登記事項の一部が抹消されている場合においてする抹消された登記の回復 五 所有権以外の権利を目的とする権利に関する登記(処分の制限の登記を含む。) 六 所有権以外の権利の移転の登記 七 登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記 八 民法第三百九十三条(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定による代位の登記 九 抵当証券交付又は抵当証券作成の登記 十 買戻しの特約の登記 第二章 登記記録等 第一節 登記記録 (登記簿の調製方法) 第三条の二 登記簿は、登記記録の記録に係る電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体をもって調製するものとする。 (登記記録の編成) 第四条 土地の登記記録の表題部は、別表一の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 2 建物(次項の建物を除く。)の登記記録の表題部は、別表二の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 3 区分建物である建物の登記記録の表題部は、別表三の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 4 権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録するものとする。 (移記又は転写) 第五条 登記官は、登記を移記し、又は転写するときは、法令に別段の定めがある場合を除き、現に効力を有する登記のみを移記し、又は転写しなければならない。 2 登記官は、登記を移記し、又は転写したときは、その年月日を新たに記録した登記の末尾に記録しなければならない。 3 登記官は、登記を移記したときは、移記前の登記記録を閉鎖しなければならない。 (記録事項過多による移記) 第六条 登記官は、登記記録に記録されている事項が過多となったことその他の事由により取扱いが不便となったときは、登記を移記することができる。 この場合には、表示に関する登記及び所有権の登記であって現に効力を有しないものも移記することができる。 (登記官の識別番号の記録) 第七条 登記官は、登記記録に登記事項を記録し、若しくは登記事項を抹消する記号を記録するとき又は登記を転写し、若しくは移記するときは、登記官の識別番号を記録しなければならない。 共同担保目録又は信託目録に記録すべき事項を記録し、又は既に記録された事項を抹消する記号を記録する場合についても、同様とする。 (登記記録の閉鎖) 第八条 登記官は、登記記録を閉鎖するときは、閉鎖の事由、閉鎖の年月日及び閉鎖する登記記録の不動産の表示(法第二十七条第一号に掲げる登記事項を除く。)を抹消する記号を記録するほか、登記官の識別番号を記録しなければならない。 (副登記記録) 第九条 法務大臣は、登記記録に記録されている事項(共同担保目録及び信託目録に記録されている事項を含む。)と同一の事項を記録する副登記記録を調製するものとする。 2 登記官は、登記簿に記録した登記記録によって登記の事務を行うことができないときは、前項の副登記記録によってこれを行うことができる。 この場合において、副登記記録に記録した事項は、登記記録に記録した事項とみなす。 3 登記官は、登記簿に記録した登記記録によって登記の事務を行うことができるようになったときは、直ちに、前項の規定により副登記記録に記録した事項を登記記録に記録しなければならない。 第二節 地図等 (地図) 第十条 地図は、地番区域又はその適宜の一部ごとに、正確な測量及び調査の成果に基づき作成するものとする。 ただし、地番区域の全部又は一部とこれに接続する区域を一体として地図を作成することを相当とする特段の事由がある場合には、当該接続する区域を含めて地図を作成することができる。 2 地図の縮尺は、次の各号に掲げる地域にあっては、当該各号に定める縮尺によるものとする。 ただし、土地の状況その他の事情により、当該縮尺によることが適当でない場合は、この限りでない。 一 市街地地域(主に宅地が占める地域及びその周辺の地域をいう。以下同じ。) 二百五十分の一又は五百分の一 二 村落・農耕地域(主に田、畑又は塩田が占める地域及びその周辺の地域をいう。以下同じ。) 五百分の一又は千分の一 三 山林・原野地域(主に山林、牧場又は原野が占める地域及びその周辺の地域をいう。以下同じ。) 千分の一又は二千五百分の一 3 地図を作成するための測量は、測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)第二章の規定による基本測量の成果である三角点及び電子基準点、国土調査法(昭和二十六年法律第百八十号)第十九条第二項の規定により認証され、若しくは同条第五項の規定により指定された基準点又はこれらと同等以上の精度を有すると認められる基準点(以下「基本三角点等」と総称する。)を基礎として行うものとする。 4 地図を作成するための一筆地測量及び地積測定における誤差の限度は、次によるものとする。 一 市街地地域については、国土調査法施行令(昭和二十七年政令第五十九号)別表第四に掲げる精度区分(以下「精度区分」という。)甲二まで 二 村落・農耕地域については、精度区分乙一まで 三 山林・原野地域については、精度区分乙三まで 5 国土調査法第二十条第一項の規定により登記所に送付された地籍図の写しは、同条第二項又は第三項の規定による登記が完了した後に、地図として備え付けるものとする。 ただし、地図として備え付けることを不適当とする特別の事情がある場合は、この限りでない。 6 前項の規定は、土地改良登記令(昭和二十六年政令第百四十六号)第五条第二項第三号又は土地区画整理登記令(昭和三十年政令第二百二十一号)第四条第二項第三号の土地の全部についての所在図その他これらに準ずる図面について準用する。 (建物所在図) 第十一条 建物所在図は、地図及び建物図面を用いて作成することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新住宅市街地開発法等による不動産登記に関する政令(昭和四十年政令第三百三十号)第六条第二項(同令第十一条から第十三条までにおいて準用する場合を含む。)の建物の全部についての所在図その他これに準ずる図面は、これを建物所在図として備え付けるものとする。 ただし、建物所在図として備え付けることを不適当とする特別の事情がある場合は、この限りでない。 (地図等の閉鎖) 第十二条 登記官は、新たな地図を備え付けた場合において、従前の地図があるときは、当該従前の地図の全部又は一部を閉鎖しなければならない。 地図を電磁的記録に記録したときも、同様とする。 2 登記官は、前項の規定により地図を閉鎖する場合には、当該地図に閉鎖の事由及びその年月日を記録するほか、当該地図が、電磁的記録に記録されている地図であるときは登記官の識別番号を記録し、その他の地図であるときは登記官印を押印しなければならない。 3 登記官は、従前の地図の一部を閉鎖したときは、当該閉鎖した部分と他の部分とを判然区別することができる措置を講じなければならない。 4 前三項の規定は、地図に準ずる図面及び建物所在図について準用する。 (地図の記録事項) 第十三条 地図には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 地番区域の名称 二 地図の番号(当該地図が複数の図郭にまたがって作成されている場合には、当該各図郭の番号) 三 縮尺 四 国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号 五 図郭線及びその座標値 六 各土地の区画及び地番 七 基本三角点等の位置 八 精度区分 九 隣接図郭との関係 十 作成年月日 2 電磁的記録に記録する地図にあっては、前項各号に掲げるもののほか、各筆界点の座標値を記録するものとする。 (建物所在図の記録事項) 第十四条 建物所在図には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 地番区域の名称 二 建物所在図の番号 三 縮尺 四 各建物の位置及び家屋番号(区分建物にあっては、当該区分建物が属する一棟の建物の位置) 五 第十一条第二項の建物所在図にあっては、その作成年月日 (地図及び建物所在図の番号) 第十五条 登記官は、地図に記録された土地の登記記録の表題部には第十三条第一項第二号の地図の番号(同号括弧書きに規定する場合には、当該土地が属する図郭の番号)を記録し、建物所在図に記録された建物の登記記録の表題部には前条第二号の番号を記録しなければならない。 (地図等の副記録) 第十五条の二 法務大臣は、電磁的記録に記録されている地図等に記録されている事項と同一の事項を記録する地図等の副記録を調製するものとする。 2 第九条第二項及び第三項の規定は、登記官が電磁的記録に記録されている地図等によって登記の事務を行うことができない場合について準用する。 (地図等の訂正) 第十六条 地図に表示された土地の区画又は地番に誤りがあるときは、当該土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの相続人その他の一般承継人は、その訂正の申出をすることができる。 地図に準ずる図面に表示された土地の位置、形状又は地番に誤りがあるときも、同様とする。 2 前項の申出をする場合において、当該土地の登記記録の地積に錯誤があるときは、同項の申出は、地積に関する更正の登記の申請と併せてしなければならない。 3 第一項の申出は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下「地図訂正申出情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 申出人の氏名又は名称及び住所 二 申出人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 申出人が表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨 五 申出に係る訂正の内容 4 第一項の申出は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して地図訂正申出情報を登記所に提供する方法 二 地図訂正申出情報を記載した書面(地図訂正申出情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を登記所に提出する方法 5 第一項の申出をする場合には、地図訂正申出情報と併せて次に掲げる情報を提供しなければならない。 一 地図又は地図に準ずる図面に表示された土地の区画若しくは位置若しくは形状又は地番に誤りがあることを証する情報 二 地図又は地図に準ずる図面に表示された土地の区画又は位置若しくは形状に誤りがあるときは、土地所在図又は地積測量図 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人が申出をするときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。第二百二条の四第六項第一号、第二百二条の十一第四項(第二百二条の十六第四項において準用する場合を含む。)、第二百二条の十四第四項第一号及び第二百二条の十五第四項第一号を除き、以下同じ。)、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 6 令第四条本文、第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の申出をする場合について準用する。 7 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条の二の規定は第一項の申出をする場合について、それぞれ準用する。 8 令第十条から第十四条までの規定は、第四項第一号の方法により第一項の申出をする場合について準用する。 9 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について準用する。 10 令第十五条、第十六条第一項、第十七条及び第十八条第一項の規定は第四項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について、令第十六条第五項の規定は第四項第二号に規定する地図訂正申出情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により第一項の申出をする場合について準用する。 この場合において、令第十六条第一項及び第十八条第一項中「記名押印しなければ」とあるのは、「署名し、又は記名押印しなければ」と読み替えるものとする。 11 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条の規定は第四項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について、第五十一条の規定は第四項第二号に規定する磁気ディスクを提出する方法により第一項の申出をする場合について準用する。 この場合において、第五十一条第七項及び第八項中「令第十六条第五項」とあるのは、「第十六条第十項において準用する令第十六条第五項」と読み替えるものとする。 12 登記官は、申出に係る事項を調査した結果、地図又は地図に準ずる図面を訂正する必要があると認めるときは、地図又は地図に準ずる図面を訂正しなければならない。 13 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、第一項の申出を却下しなければならない。 一 申出に係る土地の所在地が当該申出を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 申出の権限を有しない者の申出によるとき。 三 地図訂正申出情報又はその提供の方法がこの省令の規定により定められた方式に適合しないとき。 四 この省令の規定により地図訂正申出情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。 五 申出に係る事項を調査した結果、地図又は地図に準ずる図面に誤りがあると認められないとき。 六 地図又は地図に準ずる図面を訂正することによって申出に係る土地以外の土地の区画又は位置若しくは形状を訂正すべきこととなるとき。 14 第三十八条及び第三十九条の規定は、第一項の申出について準用する。 15 登記官は、地図等に誤りがあると認めるときは、職権で、その訂正をすることができる。 (行政区画の変更等) 第十六条の二 第九十二条の規定は、地図等について準用する。 この場合において、同条第一項中「変更の登記」とあるのは「変更」と、同条第二項中「表題部」とあるのは「地図等」と読み替えるものとする。 第三節 登記に関する帳簿 (申請情報等の保存) 第十七条 登記官は、電子申請において提供された申請情報及びその添付情報その他の登記簿の附属書類(これらの情報について行われた電子署名及び電子証明書を検証した結果の記録を含む。)を登記所の管理する電磁的記録に記録して保存するものとする。 2 登記官は、書面申請において提出された申請書及びその添付書面その他の登記簿の附属書類を、第十九条から第二十二条までの規定に従い、次条第二号から第五号までに掲げる帳簿につづり込んで保存するものとする。 (帳簿) 第十八条 登記所(第十四号及び第十五号の帳簿にあっては、法務局又は地方法務局に限る。)には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 受付帳 二 申請書類つづり込み帳 三 土地図面つづり込み帳 四 地役権図面つづり込み帳 五 建物図面つづり込み帳 六 職権表示登記等事件簿 七 職権表示登記等書類つづり込み帳 八 決定原本つづり込み帳 九 審査請求書類等つづり込み帳 十 各種通知簿 十一 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳 十二 請求書類つづり込み帳 十二の二 申出立件事件簿 十二の三 申出立件関係書類つづり込み帳 十二の四 申出立件事務日記帳 十二の五 代替措置等申出書写しつづり込み帳 十三 筆界特定書つづり込み帳 十四 筆界特定受付等記録簿 十五 筆界特定事務日記帳 十六 筆界特定関係簿 十七 筆界特定関係事務日記帳 十八 閉鎖土地図面つづり込み帳 十九 閉鎖地役権図面つづり込み帳 二十 閉鎖建物図面つづり込み帳 二十一 登記簿保存簿 二十二 登記関係帳簿保存簿 二十三 地図保存簿 二十四 建物所在図保存簿 二十五 登記識別情報通知書交付簿 二十六 登記事務日記帳 二十七 登記事項証明書等用紙管理簿 二十八 登録免許税関係書類つづり込み帳 二十九 再使用証明申出書類つづり込み帳 三十 不正登記防止申出書類つづり込み帳 三十一 土地価格通知書つづり込み帳 三十二 建物価格通知書つづり込み帳 三十三 諸表つづり込み帳 三十四 雑書つづり込み帳 三十五 法定相続情報一覧図つづり込み帳 (受付帳) 第十八条の二 受付帳は、登記の申請、登記識別情報の失効の申出及び登記識別情報に関する証明についてそれぞれ調製するものとする。 2 受付帳は、書面により調製する必要がある場合を除き、磁気ディスクその他の電磁的記録に記録して調製するものとする。 (申請書類つづり込み帳) 第十九条 申請書類つづり込み帳には、申請書及びその添付書面、通知書、許可書、取下書その他の登記簿の附属書類(申請に係る事件を処理するために登記官が作成したものを含み、この省令の規定により第十八条第三号から第五号まで及び第七号の帳簿につづり込むものを除く。)をつづり込むものとする。 (土地図面つづり込み帳等) 第二十条 土地図面つづり込み帳には、土地所在図及び地積測量図(これらのものが書面である場合に限る。)をつづり込むものとする。 2 第十七条第二項の規定にかかわらず、登記官は、前項の土地所在図及び地積測量図を同条第一項の電磁的記録に記録して保存することができる。 3 登記官は、前項の規定により土地所在図及び地積測量図を電磁的記録に記録して保存したときは、第一項の土地所在図及び地積測量図を申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。 4 閉鎖土地図面つづり込み帳には、第八十五条第二項の規定により閉鎖した第一項の土地所在図及び地積測量図をつづり込むものとする。 (地役権図面つづり込み帳等) 第二十一条 地役権図面つづり込み帳には、地役権図面(書面である場合に限る。)をつづり込むものとする。 2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の地役権図面について準用する。 3 閉鎖地役権図面つづり込み帳には、第八十七条第一項の規定により閉鎖した第一項の地役権図面をつづり込むものとする。 (建物図面つづり込み帳等) 第二十二条 建物図面つづり込み帳には、建物図面及び各階平面図(これらのものが書面である場合に限る。)をつづり込むものとする。 2 第二十条第二項及び第三項の規定は、前項の建物図面及び各階平面図について準用する。 3 閉鎖建物図面つづり込み帳には、第八十五条第二項の規定により閉鎖した第一項の建物図面及び各階平面図をつづり込むものとする。 (職権表示登記等書類つづり込み帳) 第二十三条 職権表示登記等書類つづり込み帳には、職権による表示に関する登記及び地図その他の図面の訂正に関する書類を立件の際に付した番号(以下「立件番号」という。)の順序に従ってつづり込むものとする。 (決定原本つづり込み帳) 第二十四条 決定原本つづり込み帳には、申請又は申出を却下した決定の決定書の原本をつづり込むものとする。 (審査請求書類等つづり込み帳) 第二十五条 審査請求書類等つづり込み帳には、審査請求書その他の審査請求事件に関する書類をつづり込むものとする。 (登記識別情報失効申出書類つづり込み帳) 第二十六条 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳には、登記識別情報の失効の申出に関する書類をつづり込むものとする。 2 登記識別情報の失効の申出が電子情報処理組織を使用する方法によりされた場合は、当該申出に係る情報の内容を書面に出力したものを登記識別情報失効申出書類つづり込み帳につづり込むものとする。 (請求書類つづり込み帳) 第二十七条 請求書類つづり込み帳には、次に掲げる請求に係る書面をつづり込むものとする。 一 登記事項証明書の交付の請求 二 登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面(以下「登記事項要約書」という。)の交付の請求 三 地図等の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付の請求 四 地図等の閲覧の請求 五 土地所在図等の全部又は一部の写し(土地所在図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付の請求 六 登記簿の附属書類の閲覧の請求 七 登記識別情報に関する証明の請求 八 筆界特定書等の全部又は一部の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付の請求 九 筆界特定手続記録の閲覧の請求 2 前項各号に掲げる請求が電子情報処理組織を使用する方法によりされた場合は、当該請求に係る情報の内容を書面に出力したものを請求書類つづり込み帳につづり込むものとする。 (申出立件事件簿等) 第二十七条の二 申出立件事件簿には、代替措置等申出(第二百二条の四第一項に規定する代替措置等申出をいう。第三項及び第四項において同じ。)又は代替措置申出の撤回(第二百二条の十五第一項の規定による撤回をいう。第三項及び第四項において同じ。)の立件の年月日その他の必要な事項を記録するものとする。 2 申出立件事件簿は、書面により調製する必要がある場合を除き、磁気ディスクその他の電磁的記録に記録して調製するものとする。 3 申出立件関係書類つづり込み帳には、代替措置等申出に関する書類及び代替措置申出の撤回に関する書類を立件番号の順序に従ってつづり込むものとする。 4 申出立件事務日記帳には、申出立件事件簿に記録しない代替措置等申出に関する事務又は代替措置申出の撤回に関する事務に係る書類の発送及び受領に関する事項を記録するものとする。 (代替措置等申出書写しつづり込み帳) 第二十七条の三 代替措置等申出書写しつづり込み帳には、第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。)の規定により送付を受けた書類をつづり込むものとする。 (筆界特定書つづり込み帳等) 第二十七条の四 筆界特定書つづり込み帳には、筆界特定書(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、その内容を書面に出力したもの)及び第二百三十三条第二項後段又は第三項後段の規定により送付された筆界特定書の写し(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、その内容を書面に出力したもの)をつづり込むものとする。 2 次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める事項を記録するものとする。 一 筆界特定受付等記録簿 筆界特定の申請の受付の年月日その他の必要な事項 二 筆界特定事務日記帳 筆界特定受付等記録簿に記録しない筆界特定の事務に係る書類の発送及び受領に関する事項 三 筆界特定関係簿 対象土地の所在地を管轄する登記所における筆界特定申請書の提出の年月日その他の必要な事項 四 筆界特定関係事務日記帳 前号の登記所における筆界特定関係簿に記録しない筆界特定の事務に係る書類の発送及び受領に関する事項 (登記簿保存簿等) 第二十七条の五 次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める事項を記録するものとする。 一 登記簿保存簿 登記記録の保存状況 二 登記関係帳簿保存簿 登記簿を除く一切の登記関係帳簿の保存状況 三 地図保存簿又は建物所在図保存簿 地図等(閉鎖したものを含む。)の保存状況 四 登記識別情報通知書交付簿 登記識別情報を記載した書面を交付する方法により登記識別情報を通知した旨その他の必要な事項 五 登記事務日記帳 受付帳その他の帳簿に記録しない書類の発送及び受領に関する事項 六 登記事項証明書等用紙管理簿 登記事項証明書、地図等の写し、土地所在図等の写し及び登記識別情報を記載した書面の作成に使用する用紙の管理に関する事項 (登録免許税関係書類つづり込み帳等) 第二十七条の六 次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める書類をつづり込むものとする。 一 登録免許税関係書類つづり込み帳 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)第二十八条第一項及び第三十一条第一項の通知に関する書類、同条第二項及び第六項の請求に関する書類並びに同条第五項の申出に関する書類 二 再使用証明申出書類つづり込み帳 登録免許税法第三十一条第三項の申出に関する書類 三 不正登記防止申出書類つづり込み帳 登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。)からのそれらの者に成りすました者が登記の申請をしている旨又はそのおそれがある旨の申出に関する書類 四 土地価格通知書つづり込み帳又は建物価格通知書つづり込み帳 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第四百二十二条の三の通知に関する書類 五 諸表つづり込み帳 登記事件及び登記以外の事件に関する各種の統計表 六 雑書つづり込み帳 第十八条第二号から第五号まで、第七号から第九号まで、第十一号、第十二号、第十二号の三、第十二号の五、第十三号、第十八号から第二十号まで及び第二十八号から第三十三号までに掲げる帳簿につづり込まない書類 (土地所在図等の副記録) 第二十七条の七 法務大臣は、第十七条第一項の電磁的記録に記録されている土地所在図等に記録されている事項と同一の事項を記録する土地所在図等の副記録を調製するものとする。 2 第九条第二項及び第三項の規定は、登記官が第十七条第一項の電磁的記録に記録されている土地所在図等によって登記の事務を行うことができない場合について準用する。 (法定相続情報一覧図つづり込み帳) 第二十七条の八 法定相続情報一覧図つづり込み帳には、法定相続情報一覧図及びその保管の申出に関する書類をつづり込むものとする。 第四節 雑則 (保存期間) 第二十八条 次の各号に掲げる情報の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 登記記録(閉鎖登記記録(閉鎖した登記記録をいう。以下同じ。)を除く。) 永久 二 地図及び地図に準ずる図面(閉鎖したものを含む。) 永久 三 建物所在図(閉鎖したものを含む。) 永久 四 土地に関する閉鎖登記記録 閉鎖した日から五十年間 五 建物に関する閉鎖登記記録 閉鎖した日から三十年間 六 共同担保目録 当該共同担保目録に記録されているすべての事項を抹消した日から十年間 七 信託目録 信託の登記の抹消をした日から二十年間 八 受付帳に記録された情報 受付の年の翌年から十年間(登記識別情報に関する証明の請求に係る受付帳にあっては、受付の年の翌年から一年間) 九 表示に関する登記の申請情報及びその添付情報(申請情報及びその添付情報以外の情報であって申請書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載されたものを含む。次号において同じ。) 受付の日から三十年間(第二十条第三項(第二十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものにあっては、電磁的記録に記録して保存した日から三十年間) 十 権利に関する登記の申請情報及びその添付情報 受付の日から三十年間(第二十一条第二項において準用する第二十条第三項の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものにあっては、電磁的記録に記録して保存した日から三十年間) 十一 職権表示登記等事件簿に記録された情報 立件の日から五年間 十二 職権表示登記等書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 立件の日から三十年間 十三 土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図(第二十条第三項(第二十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものを除く。) 永久(閉鎖したものにあっては、閉鎖した日から三十年間) 十四 地役権図面(第二十一条第二項において準用する第二十条第三項の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものを除く。) 閉鎖した日から三十年間 十五 決定原本つづり込み帳又は審査請求書類等つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 申請又は申出を却下した決定又は審査請求の受付の年の翌年から五年間 十六 各種通知簿に記録された情報 通知の年の翌年から一年間 十七 登記識別情報の失効の申出に関する情報 当該申出の受付の日から十年間 十八 請求書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 受付の日から一年間 十九 申出立件事件簿に記録された情報 立件の日から五年間 二十 申出立件関係書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 立件の日から五年間 二十一 代替措置等申出書写しつづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 送付を受けた日から五年間 第二十八条の二 次の各号に掲げる帳簿の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 登記簿保存簿、登記関係帳簿保存簿、地図保存簿及び建物所在図保存簿 作成の日から三十年間 一の二 申出立件事務日記帳 作成の年の翌年から一年間 二 登記識別情報通知書交付簿、登記事務日記帳及び登記事項証明書等用紙管理簿 作成の年の翌年から一年間 三 登録免許税関係書類つづり込み帳及び再使用証明申出書類つづり込み帳 作成の年の翌年から五年間 四 不正登記防止申出書類つづり込み帳、土地価格通知書つづり込み帳、建物価格通知書つづり込み帳及び諸表つづり込み帳 作成の年の翌年から三年間 五 雑書つづり込み帳 作成の年の翌年から一年間 六 法定相続情報一覧図つづり込み帳 作成の年の翌年から五年間 (記録の廃棄) 第二十九条 登記所において登記に関する電磁的記録、帳簿又は書類を廃棄するときは、法務局又は地方法務局の長の認可を受けなければならない。 (登記記録の滅失等) 第三十条 登記官は、登記記録又は地図等が滅失したときは、速やかに、その状況を調査し、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。 2 前項の法務局又は地方法務局の長は、同項の報告を受けたときは、相当の調査をし、法務大臣に対し、意見を述べなければならない。 3 前二項の規定は、登記記録、地図等又は登記簿の附属書類が滅失するおそれがあるときについて準用する。 (持出禁止) 第三十一条 登記簿、地図等及び登記簿の附属書類は、事変を避けるためにする場合を除き、登記所の外に持ち出してはならない。 2 前項の規定にかかわらず、登記官は、裁判所から登記簿の附属書類を送付すべき命令又は嘱託があったときは、その関係がある部分に限り、登記簿の附属書類を送付するものとする。 この場合において、当該登記簿の附属書類が電磁的記録に記録されているときは、その関係がある部分について、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力し、これを送付するものとする。 3 登記官は、事変を避けるために登記簿、地図等又は登記簿の附属書類を登記所の外に持ち出したときは、速やかに、その旨を当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。 (管轄転属による登記記録等の移送) 第三十二条 不動産の所在地が甲登記所の管轄から乙登記所の管轄に転属したときは、甲登記所の登記官は、当該不動産の登記記録(共同担保目録及び信託目録を含む。次項において同じ。)並びに地図等及び登記簿の附属書類(電磁的記録に記録されている地図等及び登記簿の附属書類を含む。)を乙登記所に移送するものとする。 2 前項の場合において、甲登記所の登記官は、移送した登記記録並びに電磁的記録に記録されている地図等及び土地所在図等を閉鎖するものとする。 (管轄転属による共同担保目録等の移送) 第三十三条 前条第一項の規定により乙登記所が共同担保目録の移送を受けたときは、乙登記所の登記官は、必要に応じ、当該共同担保目録の記号及び目録番号を改め、かつ、移送を受けた登記記録の乙区の従前の共同担保目録の記号及び目録番号を新たに付した記号及び目録番号に変更するものとする。 2 前項の規定は、信託目録について準用する。 この場合において、同項中「記号及び目録番号」とあるのは「目録番号」と、「乙区」とあるのは「相当区」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、地役権図面について準用する。 この場合において、同項中「記号及び目録番号」とあるのは、「番号」と読み替えるものとする。 第三章 登記手続 第一節 総則 第一款 通則 (申請情報) 第三十四条 登記の申請においては、次に掲げる事項を申請情報の内容とするものとする。 一 申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 分筆の登記の申請においては、第七十八条の符号 三 建物の分割の登記又は建物の区分の登記の申請においては、第八十四条の符号 四 附属建物があるときは、主である建物及び附属建物の別並びに第百十二条第二項の符号 五 敷地権付き区分建物であるときは、第百十八条第一号イの符号 六 添付情報の表示 七 申請の年月日 八 登記所の表示 2 令第六条第一項に規定する不動産識別事項は、不動産番号とする。 3 令第六条の規定は、同条第一項各号又は第二項各号に定める事項が申請を受ける登記所以外の登記所の管轄区域内にある不動産に係る場合には、当該不動産の不動産番号と併せて当該申請を受ける登記所以外の登記所の表示を申請情報の内容としたときに限り、適用する。 4 令第六条第一項第一号又は第二号の規定にかかわらず、不動産の表題登記を申請する場合、法第七十四条第一項第二号又は第三号に掲げる者が表題登記がない不動産について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない不動産について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合には、令第三条第七号又は第八号に掲げる事項を申請情報の内容としなければならない。 (一の申請情報によって申請することができる場合) 第三十五条 令第四条ただし書の法務省令で定めるときは、次に掲げるときとする。 一 土地の一部を分筆して、これを他の土地に合筆しようとする場合において、分筆の登記及び合筆の登記の申請をするとき。 二 甲建物の登記記録から甲建物の附属建物を分割して、これを乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 三 甲建物の登記記録から甲建物の附属建物(区分建物に限る。)を分割して、これを乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物の附属建物と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 四 甲建物を区分して、その一部を乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 五 甲建物を区分して、その一部を乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が当該一部と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 六 同一の不動産について申請する二以上の登記が、いずれも不動産の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記であるとき。 七 同一の不動産について申請する二以上の登記が、不動産の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記及び土地の分筆の登記若しくは合筆の登記又は建物の分割の登記、建物の区分の登記若しくは建物の合併の登記であるとき。 八 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について申請する二以上の登記が、いずれも同一の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記であるとき。 九 同一の不動産について申請する二以上の権利に関する登記(前号の登記を除く。)の登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるとき。 十 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記が、同一の債権を担保する先取特権、質権又は抵当権(以下「担保権」と総称する。)に関する登記であって、登記の目的が同一であるとき。 (会社法人等番号の提供を要しない場合等) 第三十六条 令第七条第一項第一号の法務省令で定める場合は、申請人が同号イに規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十条第一項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する登記事項証明書をいう。以下この項及び次項、第二百九条第三項及び第四項並びに第二百四十三条第二項において同じ。)を提供して登記の申請をするものである場合とする。 一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書 二 支配人等(支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものをいう。以下同じ。)によって登記の申請をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書 2 前項各号の登記事項証明書は、その作成後三月以内のものでなければならない。 3 令第七条第一項第二号の法務省令で定める場合は、申請人が同項第一号イに規定する法人であって、支配人等が当該法人を代理して登記の申請をする場合とする。 4 令第九条の法務省令で定める情報は、住民票コード(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第七条第十三号に規定する住民票コードをいう。)又は会社法人等番号(商業登記法第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下同じ。)とする。 ただし、住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を提供しなければならないものとされている場合にあっては、当該住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。 (添付情報の省略等) 第三十七条 同一の登記所に対して同時に二以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときは、当該添付情報は、一の申請の申請情報と併せて提供することで足りる。 2 前項の場合においては、当該添付情報を当該一の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。 第三十七条の二 法人である代理人によって登記の申請をする場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。 第三十七条の三 表題部所有者又は登記名義人の相続人が登記の申請をする場合において、その相続に関して法定相続情報一覧図の写し(第二百四十七条の規定により交付された法定相続情報一覧図の写しをいう。以下この条及び第百五十八条の二十において同じ。)又は法定相続情報番号(十一桁の番号であって、当該法定相続情報一覧図を識別するために登記官が付したものをいう。以下この条及び第百五十八条の二十において同じ。)を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報(第二百四十七条第一項に規定する法定相続情報をいう。次項及び第百五十八条の二十において同じ。)を確認することができるときに限る。 2 表題部所有者の相続人が所有権の保存の登記の申請をする場合又は登記名義人の相続人が相続による権利の移転の登記の申請をする場合において、当該相続人の住所が記載された法定相続情報一覧図の写し又は法定相続情報番号(法定相続情報一覧図に当該相続人の住所が記載されている場合に限る。以下この項において同じ。)を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、登記名義人となる者の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報を確認することができるときに限る。 (申請の却下) 第三十八条 登記官は、申請を却下するときは、決定書を作成して、これを申請人ごとに交付するものとする。 ただし、代理人によって申請がされた場合は、当該代理人に交付すれば足りる。 2 前項の交付は、当該決定書を送付する方法によりすることができる。 3 登記官は、書面申請がされた場合において、申請を却下したときは、添付書面を還付するものとする。 ただし、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、この限りでない。 (申請の取下げ) 第三十九条 申請の取下げは、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法 二 書面申請 申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法 2 申請の取下げは、登記完了後は、することができない。 3 登記官は、書面申請がされた場合において、申請の取下げがされたときは、申請書及びその添付書面を還付するものとする。 前条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 (管轄区域がまたがる場合の移送等) 第四十条 法第六条第三項の規定に従って登記の申請がされた場合において、他の登記所が同条第二項の登記所に指定されたときは、登記の申請を受けた登記所の登記官は、当該指定がされた他の登記所に当該申請に係る事件を移送するものとする。 2 登記官は、前項の規定により事件を移送したときは、申請人に対し、その旨を通知するものとする。 3 法第六条第二項の登記所に指定された登記所の登記官は、当該指定に係る不動産について登記を完了したときは、速やかに、その旨を他の登記所に通知するものとする。 4 前項の通知を受けた登記所の登記官は、適宜の様式の帳簿にその通知事項を記入するものとする。 第二款 電子申請 (電子申請の方法) 第四十一条 電子申請における申請情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。 令第十条の規定により申請情報と併せて送信すべき添付情報についても、同様とする。 (電子署名) 第四十二条 令第十二条第一項及び第二項の電子署名は、電磁的記録に記録することができる情報に、産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)に基づく日本産業規格(以下「日本産業規格」という。)X五七三一―八の附属書Dに適合する方法であって同附属書に定めるnの長さの値が二千四十八ビットであるものを講ずる措置とする。 (電子証明書) 第四十三条 令第十四条の法務省令で定める電子証明書は、第四十七条第三号イからニまでに掲げる者に該当する申請人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。同条第二号及び第三号並びに第四十九条第一項第一号及び第二号において同じ。)が申請情報又は委任による代理人の権限を証する情報に電子署名を行った場合にあっては、次に掲げる電子証明書とする。 ただし、第三号に掲げる電子証明書については、第一号及び第二号に掲げる電子証明書を取得することができない場合に限る。 一 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項の規定に基づき作成された署名用電子証明書 二 電子署名を行った者が商業登記法第十二条の二(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する被証明者であるときは、商業登記規則(昭和三十九年法務省令第二十三号)第三十三条の八第二項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する電子証明書 三 電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第八条に規定する認定認証事業者が作成した電子証明書(電子署名及び認証業務に関する法律施行規則(平成十三年総務省・法務省・経済産業省令第二号)第四条第一号に規定する電子証明書をいう。)その他の電子証明書であって、氏名、住所、出生の年月日その他の事項により電子署名を行った者を確認することができるものとして法務大臣の定めるもの 四 官庁又は公署が嘱託する場合にあっては、官庁又は公署が作成した電子証明書であって、登記官が電子署名を行った者を確認することができるもの 2 前項本文に規定する場合以外の場合にあっては、令第十四条の法務省令で定める電子証明書は、同項各号に掲げる電子証明書又はこれに準ずる電子証明書として法務大臣の定めるものとする。 (住所証明情報の省略等) 第四十四条 電子申請の申請人がその者の前条第一項第一号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の現在の住所を証する情報の提供に代えることができる。 2 電子申請の申請人がその者の前条第一項第二号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の会社法人等番号の提供に代えることができる。 3 前項の規定は、同項の電子証明書によって登記官が確認することができる代理権限を証する情報について準用する。 第三款 書面申請 (申請書等の文字) 第四十五条 申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。以下この款(第五十三条を除く。)において同じ。)その他の登記に関する書面に記載する文字は、字画を明確にしなければならない。 2 前項の書面につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにし、かつ、当該字数を記載した部分又は当該記号を付した部分に押印しなければならない。 この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。 (契印等) 第四十六条 申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請書が二枚以上であるときは、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 2 前項の契印は、申請人又はその代表者若しくは代理人が二人以上ある場合は、その一人がすれば足りる。 ただし、登記権利者及び登記義務者が共同して登記の申請をするときは、登記権利者又はその代表者若しくはその代理人及び登記義務者又はその代表者若しくはその代理人の各一人がしなければならない。 3 令別表の六十五の項添付情報欄に掲げる信託目録に記録すべき情報を記載した書面が二枚以上であるときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 この場合においては、前項の規定を準用する。 (申請書に記名押印を要しない場合) 第四十七条 令第十六条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 委任による代理人が申請書に署名した場合 二 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 三 申請人が次に掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が申請書に署名した場合(前号に掲げる場合を除く。) イ 所有権の登記名義人(所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。)であって、次に掲げる登記を申請するもの (1) 当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記(担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。) (2) 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記 (3) 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消 (4) 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記 (5) 仮登記の抹消(法第百十条前段の規定により所有権に関する仮登記の登記名義人が単独で申請するものに限る。) (6) 合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記 ロ 所有権の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記又は更正の登記を申請するもの ハ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記を申請するもの ニ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請するもの ホ 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けることとなる申請人 (申請書に印鑑証明書の添付を要しない場合) 第四十八条 令第十六条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を申請情報の内容としたとき。 ただし、登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。 二 申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 三 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合 四 申請人が前条第三号ホに掲げる者に該当する場合(同号イ(6)に掲げる者に該当する場合を除く。) 五 申請人が前条第三号イからニまでに掲げる者のいずれにも該当しない場合(前号に掲げる場合を除く。) (委任状への記名押印等の特例) 第四十九条 令第十八条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した委任による代理人の権限を証する情報を記載した書面(以下「委任状」という。)について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 二 申請人が第四十七条第三号イからホまでに掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が委任状に署名した場合 三 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に署名した場合 2 令第十八条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を申請情報の内容としたとき。 ただし、登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。 二 申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した委任状について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 三 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の委任状に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合 四 前条第一項第四号及び第五号に掲げる場合 五 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に記名押印した場合 (承諾書への記名押印等の特例) 第五十条 令第十九条第一項の法務省令で定める場合は、同意又は承諾を証する情報を記載した書面の作成者が署名した当該書面について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合とする。 2 第四十八条第一号から第三号までの規定は、令第十九条第二項の法務省令で定める場合について準用する。 この場合において、第四十八条第二号中「申請書」とあるのは「同意又は承諾を証する情報を記載した書面」と、同条第三号中「申請の申請書」とあるのは「同意又は承諾の同意又は承諾を証する情報を記載した書面」と読み替えるものとする。 (申請情報を記録した磁気ディスク) 第五十一条 法第十八条第二号に規定する磁気ディスクを提出する方法による申請は、法務大臣が指定した登記所においてすることができる。 2 前項の指定は、告示してしなければならない。 3 第一項の磁気ディスクの構造は、日本産業規格X〇六〇六に適合する一二〇ミリメートル光ディスクでなければならない。 4 第一項の磁気ディスクには、申請人の氏名又は名称及び申請の年月日を記載した書面をはり付けなければならない。 5 第一項の磁気ディスクには、法務大臣の定めるところにより申請情報を記録しなければならない。 6 申請情報の全部を記録した磁気ディスクは、法務大臣の定めるところにより作成しなければならない。 7 第四十二条の規定は、令第十六条第五項において準用する令第十二条第一項の電子署名について準用する。 8 第四十三条の規定は、令第十六条第五項において準用する令第十四条の電子証明書について準用する。 ただし、当該電子証明書には、指定公証人の行う電磁的記録に関する事務に関する省令(平成十三年法務省令第二十四号)第三条第一項に規定する指定公証人電子証明書を含むものとする。 9 第四十四条の規定は、前項の電子証明書を提供したときについて準用する。 10 申請情報の一部を記録した磁気ディスクを提出する場合には、当該磁気ディスクに申請人の氏名又は名称を記録したときであっても、申請書に申請人の氏名又は名称を記載しなければならない。 この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人の氏名又は名称を記載すれば足りる。 (申請書に添付することができる磁気ディスク) 第五十二条 前条第三項から第七項までの規定は、令第十五条の添付情報を記録した磁気ディスクについて準用する。 2 令第十五条後段において準用する令第十四条の電子証明書は、第四十三条第一項又は第二項に規定する電子証明書であって法務大臣が定めるものとする。 (申請書等の送付方法) 第五十三条 登記の申請をしようとする者が申請書及びその添付書面を送付するときは、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者(以下「信書便事業者」と総称する。)による同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。 2 前項の場合には、申請書及びその添付書面を入れた封筒の表面に不動産登記申請書が在中する旨を明記するものとする。 (受領証の交付の請求) 第五十四条 書面申請をした申請人は、申請に係る登記が完了するまでの間、申請書及びその添付書面の受領証の交付を請求することができる。 2 前項の規定により受領証の交付を請求する申請人は、申請書の内容と同一の内容を記載した書面を提出しなければならない。 ただし、当該書面の申請人の記載については、申請人が二人以上あるときは、申請書の筆頭に記載した者の氏名又は名称及びその他の申請人の人数を記載すれば足りる。 3 登記官は、第一項の規定による請求があった場合には、前項の規定により提出された書面に申請の受付の年月日及び受付番号並びに職氏名を記載し、職印を押印して受領証を作成した上、当該受領証を交付しなければならない。 (添付書面の原本の還付請求) 第五十五条 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。 ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第二項第三号若しくは第百五十六条の六第二項(第百五十六条の七第二項後段において準用する場合を含む。)の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。 2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。 3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。 この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 4 前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、登記完了後、申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。 5 第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。 6 第三項の規定による原本の還付は、申請人の申出により、原本を送付する方法によることができる。 この場合においては、申請人は、送付先の住所をも申し出なければならない。 7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。 8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。 9 前項の指定は、告示してしなければならない。 第四款 受付等 (申請の受付) 第五十六条 登記官は、申請情報が提供されたときは、受付帳に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。 2 登記官は、書面申請の受付にあっては、前項の規定により受付をする際、申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、適宜の用紙)に申請の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。 3 受付番号は、一年ごとに更新するものとする。 4 第一項及び第二項の規定は、次に掲げる場合について準用する。 一 法第六十七条第二項の許可があった場合 二 法第七十一条の規定により登記の抹消をしようとする場合 三 法第百五十七条第三項又は第四項の命令があった場合 四 第百十条第三項(第百四十四条第二項において準用する場合を含む。)、第百十九条第二項、第百二十四条第八項(第百二十条第七項、第百二十六条第三項、第百三十四条第三項及び第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)、第百五十九条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)又は第百六十八条第五項(第百七十条第三項において準用する場合を含む。)の通知があった場合 (調査) 第五十七条 登記官は、申請情報が提供されたときは、遅滞なく、申請に関するすべての事項を調査しなければならない。 (登記の順序) 第五十八条 登記官は、法第二十条に規定する場合以外の場合においても、受付番号の順序に従って登記するものとする。 (登記官による本人確認) 第五十九条 登記官は、法第二十四条第一項の規定により申請人の申請の権限の有無を調査したときは、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。 同条第二項の嘱託を受けて調査をした場合についても、同様とする。 2 前項後段の場合には、嘱託を受けて調査をした登記所の登記官は、その調査の結果を記録した調書を嘱託をした登記官に送付しなければならない。 (補正) 第六十条 登記官は、申請の補正をすることができる期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該申請を却下することができない。 2 申請の補正は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請の補正をする方法 二 書面申請 登記所に提出した書面を補正し、又は補正に係る書面を登記所に提出する方法 第五款 登記識別情報 (登記識別情報の定め方) 第六十一条 登記識別情報は、アラビア数字その他の符号の組合せにより、不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定める。 (登記識別情報の通知の相手方) 第六十二条 次の各号に掲げる場合における登記識別情報の通知は、当該各号に定める者に対してするものとする。 一 法定代理人(支配人その他の法令の規定により当該通知を受けるべき者を代理することができる者を含む。)によって申請している場合 当該法定代理人 二 申請人が法人である場合(前号に規定する場合を除く。) 当該法人の代表者 2 登記識別情報の通知を受けるための特別の委任を受けた代理人がある場合には、登記識別情報の通知は、当該代理人に対してするものとする。 (登記識別情報の通知の方法) 第六十三条 登記識別情報の通知は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によるものとする。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記識別情報を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人(以下この条において「申請人等」という。)の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 書面申請 登記識別情報を記載した書面を交付する方法 2 登記官は、前項の通知をするときは、法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者及び前条第一項各号に定める者並びに同条第二項の代理人(申請人から登記識別情報を知ることを特に許された者に限る。)以外の者に当該通知に係る登記識別情報が知られないようにするための措置を講じなければならない。 3 送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、申請人は、その旨並びに次項及び第五項の場合の区分に応じた送付先の別(第五項に規定する場合であって自然人である代理人の住所に宛てて書面を送付することを求めるときにあっては、当該代理人の住所)を申請情報の内容とするものとする。 4 前項の場合における登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。 一 申請人等が自然人である場合において当該申請人等の住所に宛てて書面を送付するとき、又は申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき(第三号に掲げる場合を除く。) 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法 二 申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の住所に宛てて書面を送付するとき(次号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの 三 申請人等が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法 5 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により代理人が登記識別情報の通知を受ける場合であって、当該代理人が法第二十三条第四項第一号に規定する代理人(以下「資格者代理人」という。)であるときは、登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。 一 当該代理人が自然人である場合において当該代理人の住所に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法 二 当該代理人が自然人である場合において当該代理人の事務所の所在地に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の住所に宛てて書面を送付するとき 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの 6 送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、送付に要する費用を納付しなければならない。 7 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを申請書と併せて提出する方法により納付しなければならない。 8 第六項の送付は、申請人が当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達する取扱いの料金に相当する郵便切手を提出したときは、当該取扱いによらなければならない。 第四項第二号若しくは第三号又は第五項第二号の場合において、信書便の役務であって当該取扱いに相当するものの料金に相当する当該信書便事業者の証票で法務大臣が指定するものを提出したときも、同様とする。 9 前二項の指定は、告示してしなければならない。 第六十三条の二 官庁又は公署が登記権利者のために登記の嘱託をしたときにおける登記識別情報の通知は、官庁又は公署の申出により、登記識別情報を記載した書面を交付する方法によりすることもできる。 この場合においては、官庁又は公署は、当該申出をする旨並びに送付の方法による交付を求めるときは、その旨及び送付先の住所を嘱託情報の内容とするものとする。 2 前項の場合における登記識別情報を記載した書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものその他の郵便又は信書便によって書面を送付する方法によってするものとする。 3 前条第六項から第九項までの規定は、官庁又は公署が送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合について準用する。 (登記識別情報の通知を要しない場合等) 第六十四条 法第二十一条ただし書の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合(官庁又は公署が登記権利者のために登記の嘱託をした場合において、当該官庁又は公署が当該登記権利者の申出に基づいて登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をしたときを含む。) 二 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者(第六十三条第一項第一号に定める方法によって通知を受けるべきものに限る。)が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに登記識別情報が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日以内に自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該登記識別情報を記録しない場合 三 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者(第六十三条第一項第二号に定める方法によって通知を受けるべきものに限る。)が、登記完了の時から三月以内に登記識別情報を記載した書面を受領しない場合 四 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者が官庁又は公署である場合(当該官庁又は公署があらかじめ登記識別情報の通知を希望する旨の申出をした場合を除く。) 2 前項第一号及び第四号の申出をするときは、その旨を申請情報の内容とするものとする。 3 登記官は、第一項第二号に規定する場合には同号に規定する登記識別情報を、同項第三号に規定する場合には同号に規定する登記識別情報を記載した書面を廃棄することができる。 4 第二十九条の規定は、前項の規定により登記識別情報又は登記識別情報を記載した書面を廃棄する場合には、適用しない。 (登記識別情報の失効の申出) 第六十五条 登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、通知を受けた登記識別情報について失効の申出をすることができる。 2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「申出情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 申出人の氏名又は名称及び住所 二 申出人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 申出人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所 五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項 イ 不動産所在事項又は不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申請の受付の年月日及び受付番号 ニ 次項第一号に掲げる方法により申出をするときは、甲区又は乙区の別 3 第一項の申出は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申出情報を登記所に提供する方法 二 申出情報を記載した書面を登記所に提出する方法 4 申出情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、申出情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 5 登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の申出をするときは、申出情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 6 令第四条本文、第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の申出をする場合について準用する。 7 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条及び第三十七条の二の規定は第一項の申出をする場合について、それぞれ準用する。 8 令第十条から第十二条まで及び第十四条の規定は、第三項第一号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。 9 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 10 令第十五条から第十八条までの規定は、第三項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。 11 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条の規定は前項に規定する場合について、第四十七条第一号及び第二号の規定は前項において準用する令第十六条第一項の法務省令で定める場合について、第四十八条第一号から第三号までの規定は前項において準用する令第十六条第二項の法務省令で定める場合について、第四十九条第一項第一号及び第三号の規定は前項において準用する令第十八条第一項の法務省令で定める場合について、第四十九条第二項各号(第四号を除く。)の規定は前項において準用する令第十八条第二項の法務省令で定める場合について、それぞれ準用する。 (登記識別情報の提供) 第六十六条 法第二十二条本文の規定により同条本文に規定する登記義務者の登記識別情報を提供する場合には、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して登記識別情報を提供する方法 二 書面申請 登記識別情報を記載した書面を申請書に添付して提出する方法 2 前項第二号の登記識別情報を記載した書面は、封筒に入れて封をするものとする。 3 前項の封筒には、登記識別情報を提供する申請人の氏名又は名称及び登記の目的を記載し、登記識別情報を記載した書面が在中する旨を明記するものとする。 (登記識別情報の提供の省略) 第六十七条 同一の不動産について二以上の権利に関する登記の申請がされた場合(当該二以上の権利に関する登記の前後を明らかにして同時に申請がされた場合に限る。)において、前の登記によって登記名義人となる者が、後の登記の登記義務者となるときは、当該後の登記の申請情報と併せて提供すべき登記識別情報は、当該後の登記の申請情報と併せて提供されたものとみなす。 (登記識別情報に関する証明) 第六十八条 令第二十二条第一項に規定する証明の請求は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「有効証明請求情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 請求人の氏名又は名称及び住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 請求人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所 五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項 イ 不動産所在事項又は不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申請の受付の年月日及び受付番号 ニ 第三項第一号に掲げる方法により請求をするときは、甲区又は乙区の別 六 第十五項の規定により同項に規定する情報を提供しないときは、その旨及び当該情報の表示 2 前項の証明の請求(登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明の請求を除く。)をするときは、有効証明請求情報と併せて登記識別情報を提供しなければならない。 第六十六条の規定は、この場合における登記識別情報の提供方法について準用する。 3 第一項の証明の請求は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して有効証明請求情報を登記所に提供する方法 二 有効証明請求情報を記載した書面を提出する方法 4 第一項の証明は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める方法によりするものとする。 一 前項第一号に掲げる方法により有効証明請求情報が提供された場合 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報を電子情報処理組織を使用して送信し、これを請求人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 前項第二号に掲げる方法により有効証明請求情報が提供された場合 登記官が証明に係る事項を記載した書面を交付する方法 5 有効証明請求情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、有効証明請求情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 6 登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の証明の請求をするときは、その有効証明請求情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 7 令第四条並びに第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の証明の請求をする場合(同条の規定については、資格者代理人により第一項の証明の請求をする場合を除く。)について準用する。 この場合において、令第四条ただし書中「申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるとき」とあるのは、「有効証明請求情報の内容である登記名義人の氏名又は名称及び住所が同一であるとき」と読み替えるものとする。 8 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条及び第三十七条の二の規定は第一項の証明の請求をする場合について、それぞれ準用する。 9 令第十条から第十二条まで及び第十四条の規定は、第三項第一号に掲げる方法により第一項の証明の請求をする場合について準用する。 10 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 11 令第十五条から第十八条までの規定は、第三項第二号に掲げる方法により第一項の証明の請求をする場合について準用する。 12 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条(第一項ただし書を除く。)の規定は前項に規定する場合について、第四十七条第一号及び第二号の規定は前項において準用する令第十六条第一項の法務省令で定める場合について、第四十八条第一号から第三号までの規定は前項において準用する令第十六条第二項の法務省令で定める場合について、第四十九条第一項第一号及び第三号の規定は前項において準用する令第十八条第一項の法務省令で定める場合について、第四十九条第二項各号(第四号を除く。)の規定は前項において準用する令第十八条第二項の法務省令で定める場合について、それぞれ準用する。 13 第百九十七条第六項及び第二百四条の規定は、第四項第二号に定める方法により第一項の証明をする場合について準用する。 14 資格者代理人によって第一項の証明の請求をするときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報(当該資格者代理人が法人である場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報を含む。)を併せて提供しなければならない。 15 資格者代理人によって第一項の証明の請求をする場合には、第五項及び第六項の規定にかかわらず、これらの規定に規定する情報は、提供することを要しない。 (登記識別情報を記載した書面の廃棄) 第六十九条 登記官は、第六十六条第一項第二号(前条第二項後段において準用する場合を含む。)の規定により登記識別情報を記載した書面が提出された場合において、当該登記識別情報を提供した申請に基づく登記を完了したとき又は請求の審査を終了したときは、速やかに、当該書面を廃棄するものとする。 2 第二十九条の規定は、前項の規定により登記識別情報を記載した書面を廃棄する場合には、適用しない。 第六款 登記識別情報の提供がない場合の手続 (事前通知) 第七十条 法第二十三条第一項の通知は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により書面を送付してするものとする。 一 法第二十二条に規定する登記義務者が自然人である場合又は当該登記義務者が法人である場合において当該登記義務者である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法 二 法第二十二条に規定する登記義務者が法人である場合(前号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの 三 法第二十二条に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法 2 前項の書面には、当該通知を識別するための番号、記号その他の符号(第五項第一号において「通知番号等」という。)を記載しなければならない。 3 第一項の規定による送付は、申請人が当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達する取扱いの料金に相当する郵便切手を提出したときは、当該取扱いによらなければならない。 同項第二号又は第三号の場合において、信書便の役務であって当該取扱いに相当するものの料金に相当する当該信書便事業者の証票で法務大臣が指定するものを提出したときも、同様とする。 4 前項の指定は、告示してしなければならない。 5 法第二十三条第一項に規定する申出は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によりしなければならない。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、法第二十二条に規定する登記義務者が、第一項の書面の内容を通知番号等を用いて特定し、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行った上、登記所に送信する方法 二 書面申請 法第二十二条に規定する登記義務者が、第一項の書面に通知に係る申請の内容が真実である旨を記載し、これに記名し、申請書又は委任状に押印したものと同一の印を用いて当該書面に押印した上、登記所に提出する方法(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出した場合にあっては、法第二十二条に規定する登記義務者が、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行い、これを記録した磁気ディスクを第一項の書面と併せて登記所に提出する方法) 6 令第十四条の規定は、前項の申出をする場合について準用する。 7 第四十三条の規定は、前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について準用する。 8 法第二十三条第一項の法務省令で定める期間は、通知を発送した日から二週間とする。 ただし、法第二十二条に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合には、四週間とする。 (前の住所地への通知) 第七十一条 法第二十三条第二項の通知は、転送を要しない郵便物として書面を送付する方法又はこれに準ずる方法により送付するものとする。 2 法第二十三条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法第二十三条第二項の登記義務者の住所についての変更の登記(更正の登記を含む。以下この項において同じ。)の登記原因が、行政区画若しくはその名称又は字若しくはその名称についての変更又は錯誤若しくは遺漏である場合 二 法第二十三条第二項の登記の申請の日が、同項の登記義務者の住所についてされた最後の変更の登記の申請に係る受付の日から三月を経過している場合 三 法第二十三条第二項の登記義務者が法人である場合 四 前三号に掲げる場合のほか、次条第一項に規定する本人確認情報の提供があった場合において、当該本人確認情報の内容により申請人が登記義務者であることが確実であると認められる場合 (資格者代理人による本人確認情報の提供) 第七十二条 法第二十三条第四項第一号の規定により登記官が資格者代理人から提供を受ける申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報(以下「本人確認情報」という。)は、次に掲げる事項を明らかにするものでなければならない。 一 資格者代理人(資格者代理人が法人である場合にあっては、当該申請において当該法人を代表する者をいう。以下この条において同じ。)が申請人(申請人が法人である場合にあっては、代表者又はこれに代わるべき者。以下この条において同じ。)と面談した日時、場所及びその状況 二 資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるときは、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨及びその面識が生じた経緯 三 資格者代理人が申請人の氏名を知らず、又は当該申請人と面識がないときは、申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために当該申請人から提示を受けた次項各号に掲げる書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由 2 前項第三号に規定する場合において、資格者代理人が申請人について確認をするときは、次に掲げる方法のいずれかにより行うものとする。 ただし、第一号及び第二号に掲げる書類及び有効期間又は有効期限のある第三号に掲げる書類にあっては、資格者代理人が提示を受ける日において有効なものに限る。 一 運転免許証(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証をいう。)、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)、旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に規定する旅券及び同条第六号に規定する乗員手帳をいう。ただし、当該申請人の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)、在留カード(同法第十九条の三に規定する在留カードをいう。)、特別永住者証明書(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第七条に規定する特別永住者証明書をいう。)又は運転経歴証明書(道路交通法第百四条の四第五項(同法第百五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する運転経歴証明書をいう。)のうちいずれか一以上の提示を求める方法 二 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証、基礎年金番号通知書(国民年金法施行規則(昭和三十五年厚生省令第十二号)第一条第一項に規定する基礎年金番号通知書をいう。)、児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳であって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか二以上の提示を求める方法 三 前号に掲げる書類のうちいずれか一以上及び官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるものであって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか一以上の提示を求める方法 3 資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。 第七款 土地所在図等 (土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図の作成方式) 第七十三条 電子申請において送信する土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図は、法務大臣の定める方式に従い、作成しなければならない。 書面申請においてこれらの図面を電磁的記録に記録して提出する場合についても、同様とする。 2 前項の土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図には、作成の年月日並びに申請人及び作成者の氏名又は名称を記録しなければならない。 第七十四条 土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図(これらのものが書面である場合に限る。)は、〇・二ミリメートル以下の細線により、図形を鮮明に表示しなければならない。 2 前項の土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図には、作成の年月日を記録し、申請人が記名するとともに、その作成者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図は、別記第一号及び第二号の様式により、日本産業規格B列四番の丈夫な用紙を用いて作成しなければならない。 (土地所在図及び地積測量図の作成単位) 第七十五条 土地所在図及び地積測量図は、一筆の土地ごとに作成しなければならない。 2 分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図は、分筆前の土地ごとに作成するものとする。 (土地所在図の内容) 第七十六条 土地所在図には、方位、縮尺、土地の形状及び隣地の地番を記録しなければならない。 2 土地所在図は、近傍類似の土地についての法第十四条第一項の地図と同一の縮尺により作成するものとする。 3 第十条第四項の規定は、土地所在図について準用する。 (地積測量図の内容) 第七十七条 地積測量図には、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 地番区域の名称 二 方位 三 縮尺 四 地番(隣接地の地番を含む。) 五 地積及びその求積方法 六 筆界点間の距離 七 国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号 八 基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値 九 境界標(筆界点にある永続性のある石杭又は金属標その他これに類する標識をいう。以下同じ。)があるときは、当該境界標の表示 十 測量の年月日 2 近傍に基本三角点等が存しない場合その他の基本三角点等に基づく測量ができない特別の事情がある場合には、前項第七号及び第八号に掲げる事項に代えて、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値を記録しなければならない。 3 第一項第九号の境界標の表示を記録するには、境界標の存する筆界点に符号を付し、適宜の箇所にその符号及び境界標の種類を記録する方法その他これに準ずる方法によってするものとする。 4 地積測量図は、二百五十分の一の縮尺により作成するものとする。 ただし、土地の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。 5 第十条第四項の規定は、地積測量図について準用する。 (分筆の登記の場合の地積測量図) 第七十八条 分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図には、分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示し、これに符号を付さなければならない。 (地役権図面の内容) 第七十九条 地役権図面には、地役権設定の範囲を明確にし、方位、縮尺、地番及び隣地の地番並びに申請人の氏名又は名称を記録しなければならない。 2 地役権図面は、適宜の縮尺により作成することができる。 3 地役権図面には、作成の年月日を記録しなければならない。 4 地役権図面(書面である場合に限る。)には、地役権者が署名し、又は記名押印しなければならない。 (地役権図面の作成方式) 第八十条 第七十三条第一項及び第七十四条第一項の規定は、地役権図面について準用する。 2 書面申請において提出する地役権図面(電磁的記録に記録して提出するものを除く。)は、別記第三号様式により、日本産業規格B列四番の丈夫な用紙を用いて作成しなければならない。 (建物図面及び各階平面図の作成単位) 第八十一条 建物図面及び各階平面図は、一個の建物(附属建物があるときは、主である建物と附属建物を合わせて一個の建物とする。)ごとに作成しなければならない。 (建物図面の内容) 第八十二条 建物図面は、建物の敷地並びにその一階(区分建物にあっては、その地上の最低階)の位置及び形状を明確にするものでなければならない。 2 建物図面には、方位、縮尺、敷地の地番及びその形状、隣接地の地番並びに附属建物があるときは主である建物又は附属建物の別及び附属建物の符号を記録しなければならない。 3 建物図面は、五百分の一の縮尺により作成しなければならない。 ただし、建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。 (各階平面図の内容) 第八十三条 各階平面図には、縮尺、各階の別、各階の平面の形状、一階の位置、各階ごとの建物の周囲の長さ、床面積及びその求積方法並びに附属建物があるときは主である建物又は附属建物の別及び附属建物の符号を記録しなければならない。 2 各階平面図は、二百五十分の一の縮尺により作成しなければならない。 ただし、建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。 (建物の分割の登記の場合の建物図面等) 第八十四条 建物の分割の登記又は建物の区分の登記を申請する場合において提供する建物図面及び各階平面図には、分割後又は区分後の各建物を表示し、これに符号を付さなければならない。 (土地所在図の管理及び閉鎖等) 第八十五条 登記官は、申請情報と併せて土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図の提供があった場合において、当該申請に基づく登記をしたときは、これらの図面に登記の完了の年月日を記録しなければならない。 2 登記官は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める図面を閉鎖しなければならない。 一 表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記をした場合(変更後又は更正後の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図がある場合に限る。) 変更前又は更正前の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図 二 滅失の登記又は表題部の抹消をした場合 滅失前又は抹消前の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図 三 土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)又は土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)に基づく換地処分の登記をした場合(前号に掲げる場合を除く。) 従前の土地に係る土地所在図又は地積測量図 3 登記官は、前項の規定により同項各号に定める図面を閉鎖する場合には、当該図面が、第十七条第一項の電磁的記録に記録されているときは当該電磁的記録に閉鎖の事由及びその年月日並びに登記官の識別番号を記録し、土地図面つづり込み帳又は建物図面つづり込み帳につづり込まれているときは当該図面に閉鎖の事由及びその年月日を記録して登記官印を押印しなければならない。 4 第一項の規定は、同項に規定する図面を第十七条第一項の電磁的記録に記録して保存する場合には、適用しない。 この場合においては、当該電磁的記録に登記の完了の年月日を記録しなければならない。 (地役権図面の管理) 第八十六条 登記官は、申請情報と併せて地役権図面の提供があった場合において、当該申請に基づく登記をしたときは、地役権図面にその番号(以下「地役権図面番号」という。)を付さなければならない。 この場合においては、当該地役権図面に当該地役権図面番号並びに当該申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 2 前項後段の規定は、地役権図面を第十七条第一項の電磁的記録に記録して保存する場合には、適用しない。 この場合においては、当該電磁的記録に地役権図面番号及び登記の年月日を記録しなければならない。 3 地役権図面番号は、一年ごとに更新するものとする。 (地役権図面の閉鎖) 第八十七条 登記官は、地役権の登記の抹消をしたとき又は地役権図面を添付情報とする申請に基づく分筆の登記、合筆の登記若しくは地役権の変更の登記若しくは更正の登記をしたときは、従前の地役権図面を閉鎖しなければならない。 2 第八十五条第三項の規定は、前項の場合について準用する。 (土地所在図の訂正等) 第八十八条 土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図に誤りがあるときは、表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの相続人その他の一般承継人は、その訂正の申出をすることができる。 ただし、表題部の登記事項に関する更正の登記(土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図を添付情報とするものに限る。)をすることができる場合は、この限りでない。 2 前項の申出は、訂正後の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図を提供してしなければならない。 3 第十六条第三項、第四項、第五項第三号及び第六項から第十四項までの規定は、第一項の申出について準用する。 第二節 表示に関する登記 第一款 通則 (表題部の登記) 第八十九条 登記官は、表題部に表示に関する登記をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、表示に関する登記の登記事項のうち、当該表示に関する登記の登記原因及びその日付並びに登記の年月日のほか、新たに登記すべきものを記録しなければならない。 (不動産番号) 第九十条 登記官は、法第二十七条第四号の不動産を識別するために必要な事項として、一筆の土地又は一個の建物ごとに番号、記号その他の符号を記録することができる。 (表題部の変更の登記又は更正の登記) 第九十一条 登記官は、表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記をするときは、変更前又は更正前の事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (行政区画の変更等) 第九十二条 行政区画又はその名称の変更があった場合には、登記記録に記録した行政区画又はその名称について変更の登記があったものとみなす。 字又はその名称に変更があったときも、同様とする。 2 登記官は、前項の場合には、速やかに、表題部に記録した行政区画若しくは字又はこれらの名称を変更しなければならない。 (実地調査) 第九十三条 登記官は、表示に関する登記をする場合には、法第二十九条の規定により実地調査を行わなければならない。 ただし、申請に係る不動産の調査に関する報告(土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人が代理人として登記を申請する場合において、当該土地家屋調査士(土地家屋調査士法人の場合にあっては、その代表者)が作成したものに限る。)その他の申請情報と併せて提供された情報又は公知の事実若しくは登記官が職務上知り得た事実により登記官が実地調査をする必要がないと認めたときは、この限りでない。 (実地調査における電磁的記録に記録された事項の提示方法等) 第九十四条 法第二十九条第二項の法務省令で定める方法は、当該電磁的記録に記録された事項を書面に出力する方法又は当該事項を出力装置の映像面に表示する方法とする。 2 法第二十九条第二項に規定する登記官の身分を証する書面は、別記第四号様式によるものとする。 (実地調査書) 第九十五条 登記官は、実地調査を行った場合には、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。 (職権による表示に関する登記の手続) 第九十六条 登記官は、職権で表示に関する登記をしようとするときは、職権表示登記等事件簿に登記の目的、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。 2 登記官は、地図若しくは地図に準ずる図面を訂正しようとするとき(第十六条の申出により訂正するときを含む。)又は土地所在図、地積測量図、建物図面若しくは各階平面図を訂正しようとするとき(第八十八条の申出により訂正するときを含む。)は、職権表示登記等事件簿に事件の種別、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。 第二款 土地の表示に関する登記 (地番区域) 第九十七条 地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもって定めるものとする。 (地番) 第九十八条 地番は、地番区域ごとに起番して定めるものとする。 2 地番は、土地の位置が分かりやすいものとなるように定めるものとする。 (地目) 第九十九条 地目は、土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めるものとする。 (地積) 第百条 地積は、水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一(宅地及び鉱泉地以外の土地で十平方メートルを超えるものについては、一平方メートル)未満の端数は、切り捨てる。 (分筆の登記における表題部の記録方法) 第百一条 登記官は、甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をするときは、乙土地について新たな登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に何番の土地から分筆した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲土地に新たな地番を付し、甲土地の登記記録に、残余部分の土地の表題部の登記事項、何番の土地を分筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 3 前項の規定にかかわらず、登記官は、分筆後の甲土地について従前の地番と同一の地番を付すことができる。 この場合には、甲土地の登記記録の表題部の従前の地番を抹消する記号を記録することを要しない。 (分筆の登記における権利部の記録方法) 第百二条 登記官は、前条の場合において、乙土地の登記記録の権利部の相当区に、甲土地の登記記録から権利に関する登記(地役権の登記にあっては、乙土地に地役権が存続することとなる場合に限る。)を転写し、かつ、分筆の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 この場合において、所有権及び担保権以外の権利(地役権を除く。)については分筆後の甲土地が共にその権利の目的である旨を記録し、担保権については既にその権利についての共同担保目録が作成されているときを除き共同担保目録を作成し、転写した権利の登記の末尾にその共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、転写する権利が担保権であり、かつ、既にその権利についての共同担保目録が作成されているときは、同項の規定により転写された乙土地に関する権利を当該共同担保目録に記録しなければならない。 3 登記官は、甲土地の登記記録から乙土地の登記記録に所有権以外の権利に関する登記を転写したときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記に、担保権以外の権利(地役権を除く。)については乙土地が共にその権利の目的である旨を、担保権については既にその権利についての共同担保目録が作成されているときを除き第一項の規定により作成した共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 (地役権の登記がある土地の分筆の登記) 第百三条 登記官は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、地役権設定の範囲が分筆後の甲土地又は乙土地の一部となるときは、分筆後の甲土地又は乙土地の登記記録の当該地役権に関する登記に当該地役権設定の範囲及び地役権図面番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、要役地の登記記録の第百五十九条第一項各号に掲げる事項に関する変更の登記をしなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に承役地の分筆の登記をした旨を通知しなければならない。 4 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第二項に規定する登記をしなければならない。 (分筆に伴う権利の消滅の登記) 第百四条 法第四十条の規定による権利が消滅した旨の登記は、分筆の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。 一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報 二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報 三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券 2 甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により乙土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって乙土地について当該権利が消滅した旨を記録しなければならない。 この場合には、第百二条第一項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を乙土地の登記記録に転写することを要しない。 3 甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により分筆後の甲土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって分筆後の甲土地について当該権利が消滅した旨を記録し、当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。 4 第二項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、乙土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。 5 第三項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、分筆後の甲土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。 6 登記官は、要役地についてする地役権の登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該地役権を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを証する地役権者が作成した情報が提供されたとき(当該土地を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、当該土地について当該地役権が消滅した旨を登記しなければならない。 この場合においては、第一項第二号、第二項及び第三項の規定を準用する。 (合筆の登記の制限の特例) 第百五条 法第四十一条第六号の合筆後の土地の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。 一 承役地についてする地役権の登記 二 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの 三 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの 四 鉱害賠償登録令(昭和三十年政令第二十七号)第二十六条に規定する鉱害賠償登録に関する登記であって、鉱害賠償登録規則(昭和三十年法務省令第四十七号)第二条に規定する登録番号が同一のもの (合筆の登記における表題部の記録方法) 第百六条 登記官は、甲土地を乙土地に合筆する合筆の登記をするときは、乙土地の登記記録の表題部に、合筆後の土地の表題部の登記事項、何番の土地を合筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲土地の登記記録の表題部に何番の土地に合筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 (合筆の登記における権利部の記録方法) 第百七条 登記官は、前条第一項の場合において、合筆前の甲土地及び乙土地が所有権の登記がある土地であるときは、乙土地の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 合併による所有権の登記をする旨 二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分 三 甲土地又は乙土地に第百五十六条の四に規定する法人識別事項又は第百五十六条の六第一項に規定する国内連絡先事項(以下「法人識別事項等」という。)の登記があるときは、当該法人識別事項等 四 合筆の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号 五 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のものがあるときは、当該信託の登記 2 登記官は、前項の場合において、乙土地の登記記録に承役地についてする地役権の登記があるときは、当該地役権の登記に当該地役権設定の範囲及び地役権図面番号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、甲土地の登記記録に承役地についてする地役権の登記があるときは、乙土地の登記記録の乙区に甲土地の登記記録から当該地役権の登記を移記し、当該移記された地役権の登記に当該地役権設定の範囲及び地役権図面番号を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の規定により地役権の登記を移記すべき場合において、乙土地に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の承役地にする地役権の登記があるときは、同項の規定にかかわらず、乙土地の登記記録に甲土地の地番及び甲土地につき同一事項の登記がある旨を記録しなければならない。 5 第百三条第二項から第四項までの規定は、前三項の場合について準用する。 6 登記官は、第一項の場合において、甲土地及び乙土地の登記記録に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の担保権の登記があるときは、乙土地の登記記録に当該登記が合筆後の土地の全部に関する旨を付記登記によって記録しなければならない。 (分合筆の登記) 第百八条 登記官は、甲土地の一部を分筆して、これを乙土地に合筆する場合において、分筆の登記及び合筆の登記をするときは、乙土地の登記記録の表題部に、合筆後の土地の表題部の登記事項、何番の土地の一部を合併した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百六条の規定は、適用しない。 2 登記官は、前項に規定する登記をするときは、甲土地の登記記録の表題部に、残余部分の土地の表題部の登記事項、何番の土地に一部を合併した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百一条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 3 第百二条第一項(承役地についてする地役権の登記に係る部分に限る。)、第百三条、第百四条及び前条の規定は、第一項の場合について準用する。 (土地の滅失の登記) 第百九条 登記官は、土地の滅失の登記をするときは、当該土地の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 第百十条 登記官は、前条の場合において、滅失した土地が他の不動産と共に所有権以外の権利の目的であったとき(その旨が登記記録に記録されている場合に限る。)は、当該他の不動産の登記記録の乙区に、滅失した土地の不動産所在事項並びに滅失の原因及び当該土地が滅失したことを記録し、かつ、当該滅失した土地が当該他の不動産と共に権利の目的である旨の記録における当該滅失した土地の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、滅失した土地が他の不動産と共に担保権の目的であったときは、前項の規定による記録(滅失した土地の不動産所在事項の記録を除く。)は、共同担保目録にしなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、当該他の不動産が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、その旨を当該他の登記所に通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項及び第二項の規定による登記をしなければならない。 第三款 建物の表示に関する登記 (建物) 第百十一条 建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。 (家屋番号) 第百十二条 家屋番号は、地番区域ごとに建物の敷地の地番と同一の番号をもって定めるものとする。 ただし、二個以上の建物が一筆の土地の上に存するとき、一個の建物が二筆以上の土地の上に存するとき、その他特別の事情があるときは、敷地の地番と同一の番号に支号を付す方法その他の方法により、これを定めるものとする。 2 附属建物には、符号を付すものとする。 (建物の種類) 第百十三条 建物の種類は、建物の主な用途により、居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所及び変電所に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。 2 建物の主な用途が二以上の場合には、当該二以上の用途により建物の種類を定めるものとする。 (建物の構造) 第百十四条 建物の構造は、建物の主な部分の構成材料、屋根の種類及び階数により、次のように区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。 一 構成材料による区分 イ 木造 ロ 土蔵造 ハ 石造 ニ れんが造 ホ コンクリートブロック造 ヘ 鉄骨造 ト 鉄筋コンクリート造 チ 鉄骨鉄筋コンクリート造 二 屋根の種類による区分 イ かわらぶき ロ スレートぶき ハ 亜鉛メッキ鋼板ぶき ニ 草ぶき ホ 陸屋根 三 階数による区分 イ 平家建 ロ 二階建(三階建以上の建物にあっては、これに準ずるものとする。) (建物の床面積) 第百十五条 建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。 (区分建物の家屋番号) 第百十六条 区分建物である建物の登記記録の表題部には、建物の表題部の登記事項のほか、当該建物が属する一棟の建物に属する他の建物の家屋番号を記録するものとする。 2 登記官は、区分建物である建物の家屋番号に関する変更の登記又は更正の登記をしたときは、当該建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録に記録されていた当該建物の家屋番号を抹消する記号を記録し、変更後又は更正後の家屋番号を記録しなければならない。 (区分建物の登記記録の閉鎖) 第百十七条 登記官は、区分建物である建物の登記記録を閉鎖する場合において、当該登記記録の閉鎖後においても当該建物(以下この条において「閉鎖建物」という。)が属する一棟の建物に他の建物(附属建物として登記されているものを除く。)が存することとなるときは、第八条の規定にかかわらず、閉鎖建物の登記記録に記録された次に掲げる事項を抹消する記号を記録することを要しない。 一 一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番 二 一棟の建物の構造及び床面積 三 一棟の建物の名称があるときは、その名称 四 前条第一項の規定により記録されている当該他の建物の家屋番号 2 登記官は、前項の場合には、閉鎖建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録に記録されている当該閉鎖建物の家屋番号を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項に規定する場合以外の場合において、区分建物である建物の登記記録を閉鎖するときは、閉鎖建物の登記記録及び当該閉鎖建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録(閉鎖されたものも含む。)の第一項各号に掲げる事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (表題部にする敷地権の記録方法) 第百十八条 登記官は、区分建物である建物の登記記録の表題部に法第四十四条第一項第九号に掲げる敷地権を記録するときは、敷地権の登記原因及びその日付のほか、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 敷地権の目的である土地に関する次に掲げる事項 イ 当該土地を記録する順序に従って付した符号 ロ 当該土地の不動産所在事項 ハ 地目 ニ 地積 二 敷地権の種類 三 敷地権の割合 (敷地権である旨の登記) 第百十九条 登記官は、法第四十六条の敷地権である旨の登記をするときは、次に掲げる事項を敷地権の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に記録しなければならない。 一 敷地権である旨 二 当該敷地権の登記をした区分建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番 三 当該敷地権の登記をした区分建物が属する一棟の建物の構造及び床面積又は当該一棟の建物の名称 四 当該敷地権が一棟の建物に属する一部の建物についての敷地権であるときは、当該一部の建物の家屋番号 五 登記の年月日 2 登記官は、敷地権の目的である土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に前項の規定により記録すべき事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、敷地権の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に、通知を受けた事項を記録しなければならない。 (合体による登記等) 第百二十条 合体後の建物についての建物の表題登記をする場合において、合体前の建物に所有権の登記がある建物があるときは、合体後の建物の登記記録の表題部に表題部所有者に関する登記事項を記録することを要しない。 法第四十九条第一項後段の規定により併せて所有権の登記の申請があった場合についても、同様とする。 2 登記官は、前項前段の場合において、表題登記をしたときは、当該合体後の建物の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 合体による所有権の登記をする旨 二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分 三 合体前の建物に法人識別事項等の登記があるときは、当該法人識別事項等 四 登記の年月日 3 登記官は、法第四十九条第一項後段の規定により併せて所有権の登記の申請があった場合において、当該申請に基づく所有権の登記をするときは、前項各号に掲げる事項のほか、第百五十六条の四に規定する法人識別事項、第百五十六条の六第一項に規定する国内連絡先事項並びに当該申請の受付の年月日及び受付番号も記録しなければならない。 4 登記官は、合体前の建物について存続登記(令別表の十三の項申請情報欄ハに規定する存続登記をいう。以下この項において同じ。)がある場合において、合体後の建物の持分について当該存続登記と同一の登記をするときは、合体前の建物の登記記録から合体後の建物の登記記録の権利部の相当区に当該存続登記を移記し、その末尾に本項の規定により登記を移記した旨及びその年月日を記録しなければならない。 5 法第五十条の規定による権利が消滅した旨の登記は、合体による登記等の申請情報と併せて次に掲げる情報の提供がされた場合にするものとする。 一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報 二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報 三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券 6 前項の場合における権利が消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。 この場合には、第四項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を合体後の建物の登記記録に移記することを要しない。 7 第百二十四条の規定は、敷地権付き区分建物が合体した場合において、合体後の建物につき敷地権の登記をしないときについて準用する。 8 前条の規定は、合体前の二以上の建物がいずれも敷地権付き区分建物であり、かつ、合体後の建物も敷地権付き区分建物となる場合において、合体前の建物のすべての敷地権の割合を合算した敷地権の割合が合体後の建物の敷地権の割合となるときは、適用しない。 9 第百四十四条の規定は、合体前の建物の表題部の登記の抹消について準用する。 (附属建物の新築の登記) 第百二十一条 登記官は、附属建物の新築による建物の表題部の登記事項に関する変更の登記をするときは、建物の登記記録の表題部に、附属建物の符号、種類、構造及び床面積を記録しなければならない。 (区分建物の表題部の変更の登記) 第百二十二条 法第五十一条第五項の法務省令で定める登記事項は、次のとおりとする。 一 敷地権の目的となる土地の不動産所在事項、地目及び地積 二 敷地権の種類 2 法第五十三条第二項において準用する第五十一条第五項の法務省令で定める事項は、前項各号に掲げる事項並びに敷地権の登記原因及びその日付とする。 (建物の表題部の変更の登記等により敷地権の登記をする場合の登記) 第百二十三条 登記官は、建物の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記により新たに敷地権の登記をした場合において、建物についての所有権又は特定担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記があるときは、所有権の登記を除き、当該権利に関する登記についてする付記登記によって建物のみに関する旨を記録しなければならない。 ただし、特定担保権に係る権利に関する登記であって、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この項において同じ。)が当該敷地権についてされた特定担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものは、この限りでない。 2 登記官は、前項ただし書の場合には、職権で、当該敷地権についてされた特定担保権に係る権利に関する登記の抹消をしなければならない。 この場合には、敷地権の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に本項の規定により抹消をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 (敷地権の登記の抹消) 第百二十四条 登記官は、敷地権付き区分建物について、敷地権であった権利が敷地権でない権利となったことによる建物の表題部に関する変更の登記をしたときは、当該敷地権の目的であった土地の登記記録の権利部の相当区に敷地権の変更の登記により敷地権を抹消する旨及びその年月日を記録し、同区の敷地権である旨の登記の抹消をしなければならない。 敷地権であった権利が消滅したことによる建物の表題部に関する変更の登記をしたときも、同様とする。 2 登記官は、前項前段の場合には、同項の土地の登記記録の権利部の相当区に、敷地権であった権利、その権利の登記名義人の氏名又は名称及び住所、当該登記名義人の法人識別事項等の登記があるときは当該法人識別事項等並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分を記録し、敷地権である旨の登記を抹消したことにより登記をする旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 3 登記官は、前項に規定する登記をすべき場合において、敷地権付き区分建物の登記記録に特定登記(法第五十五条第一項に規定する特定登記をいう。以下同じ。)があるときは、当該敷地権付き区分建物の登記記録から第一項の土地の登記記録の権利部の相当区にこれを転写しなければならない。 4 登記官は、前項の場合において、第一項の土地の登記記録の権利部の相当区に前項の規定により転写すべき登記に後れる登記があるときは、同項の規定にかかわらず、新たに当該土地の登記記録を作成した上、当該登記記録の表題部に従前の登記記録の表題部にされていた登記を移記するとともに、権利部に、権利の順序に従って、同項の規定により転写すべき登記を転写し、かつ、従前の登記記録の権利部にされていた登記を移記しなければならない。 この場合には、従前の登記記録の表題部及び権利部にこの項の規定により登記を移記した旨及びその年月日を記録し、従前の登記記録を閉鎖しなければならない。 5 登記官は、前二項の規定により土地の登記記録の権利部の相当区に登記を転写し、又は移記したときは、その登記の末尾に第三項又は第四項の規定により転写し、又は移記した旨を記録しなければならない。 6 登記官は、第三項の規定により転写すべき登記が、一般の先取特権、質権又は抵当権の登記であるときは、共同担保目録を作成しなければならない。 この場合には、建物及び土地の各登記記録の転写された権利に係る登記の末尾に、新たに作成した共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 7 前項の規定は、転写すべき登記に係る権利について既に共同担保目録が作成されていた場合には、適用しない。 この場合において、登記官は、当該共同担保目録の従前の敷地権付き区分建物を目的とする権利を抹消する記号を記録し、敷地権の消滅後の建物及び土地を目的とする権利を記録して、土地の登記記録の当該権利の登記の末尾に当該共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 8 登記官は、第一項の変更の登記をした場合において、敷地権の目的である土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に同項の登記をした旨及び第二項又は第三項の規定により記録し、又は転写すべき事項を通知しなければならない。 9 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項から第七項までに定める手続をしなければならない。 10 第六条後段の規定は、第四項の規定により登記を移記する場合について準用する。 (特定登記に係る権利の消滅の登記) 第百二十五条 特定登記に係る権利が消滅した場合の登記は、敷地権の変更の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。 一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報 二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報 三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券 2 前項の場合における特定登記に係る権利が土地について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。 この場合には、前条第三項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を土地の登記記録に転写することを要しない。 3 第一項の場合における特定登記に係る権利が建物について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。 この場合には、登記の年月日及び当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。 4 前三項の規定は、法第五十五条第二項から第四項までの規定による特定登記に係る権利が消滅した場合の登記について準用する。 (敷地権の不存在による更正の登記) 第百二十六条 登記官は、敷地権の不存在を原因とする建物の表題部に関する更正の登記をしたときは、その権利の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に敷地権の更正の登記により敷地権を抹消する旨及びその年月日を記録し、同区の敷地権である旨の登記の抹消をしなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、法第七十三条第一項本文の規定により敷地権の移転の登記としての効力を有する登記があるときは、前項の土地の登記記録の権利部の相当区に当該登記の全部を転写しなければならない。 3 第百二十四条第三項から第十項までの規定は、前項の場合について準用する。 (建物の分割の登記における表題部の記録方法) 第百二十七条 登記官は、甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をするときは、乙建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から分割した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に、家屋番号何番の建物に分割した旨及び分割した附属建物を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、分割により不動産所在事項に変更が生じたときは、変更後の不動産所在事項、分割により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (建物の分割の登記における権利部の記録方法) 第百二十八条 第百二条及び第百四条第一項から第三項までの規定は、前条第一項の規定により甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合について準用する。 2 登記官は、分割前の建物について現に効力を有する所有権の登記がされた後当該分割に係る附属建物の新築による当該分割前の建物の表題部の登記事項に関する変更の登記がされていたときは、前項において準用する第百二条の規定により当該所有権の登記を転写することに代えて、乙建物の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割による所有権の登記をする旨 二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分 三 甲建物に法人識別事項等の登記があるときは、当該法人識別事項等 四 登記の年月日 (建物の区分の登記における表題部の記録方法) 第百二十九条 登記官は、区分建物でない甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をするときは、区分後の各建物について新たに登記記録を作成し、各登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から区分した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、区分前の甲建物の登記記録の表題部に区分によって家屋番号何番及び何番の建物の登記記録に移記した旨並びに従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 3 登記官は、区分建物である甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をするときは、乙建物について新たに登記記録を作成し、これに家屋番号何番の建物から区分した旨を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に、残余部分の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の建物を区分した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 (建物の区分の登記における権利部の記録方法) 第百三十条 登記官は、前条第一項の場合には、区分後の各建物についての新登記記録の権利部の相当区に、区分前の建物の登記記録から権利に関する登記を移記し、かつ、建物の区分の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 この場合においては、第百二条第一項後段、第二項及び第三項並びに第百四条第一項から第三項までの規定を準用する。 2 第百二条及び第百四条第一項から第三項までの規定は、前条第三項の場合における権利に関する登記について準用する。 3 第百二十三条の規定は、前条第一項の規定による建物の区分の登記をした場合において、区分後の建物が敷地権付き区分建物となるときについて準用する。 (建物の合併の登記の制限の特例) 第百三十一条 法第五十六条第五号の合併後の建物の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。 一 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの 二 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの (附属合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十二条 登記官は、甲建物を乙建物の附属建物とする建物の合併(以下「附属合併」という。)に係る建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、附属合併後の建物の表題部の登記事項及び家屋番号何番の建物を合併した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、附属合併により不動産所在事項に変更が生じた場合には、変更後の不動産所在事項、合併により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 (区分合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十三条 登記官は、区分建物である甲建物を乙建物又は乙建物の附属建物に合併する建物の合併(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物と接続する区分建物である場合に限る。以下「区分合併」という。)に係る建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、区分合併後の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の建物を合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合には、甲建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 3 登記官は、第一項の規定にかかわらず、区分合併(甲建物を乙建物の附属建物に合併する場合を除く。)に係る建物の合併の登記をする場合において、区分合併後の建物が区分建物でないときは、区分合併後の乙建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に区分合併後の建物の表題部の登記事項及び合併により家屋番号何番の建物の登記記録から移記した旨を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の場合には、区分合併前の乙建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物を合併した旨、合併により家屋番号何番の建物の登記記録に移記した旨及び乙建物についての建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、乙建物の登記記録を閉鎖しなければならない。 (建物の合併の登記における権利部の記録方法) 第百三十四条 第百七条第一項及び第六項の規定は、建物の合併の登記について準用する。 2 登記官は、前条第三項の場合において、区分合併前のすべての建物に第百三十一条に規定する登記があるときは、同項の規定により区分合併後の建物について新たに作成した登記記録の乙区に当該登記を移記し、当該登記が合併後の建物の全部に関する旨を付記登記によって記録しなければならない。 3 第百二十四条の規定は、区分合併に係る建物の合併の登記をする場合において、区分合併後の建物が敷地権のない建物となるときについて準用する。 (建物の分割の登記及び附属合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十五条 登記官は、甲建物の登記記録から甲建物の附属建物を分割して、これを乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、附属合併後の建物の表題部の登記事項及び家屋番号何番の建物から合併した旨を記録しなければならない。 この場合には、第百三十二条第一項及び第三項の規定は、適用しない。 2 登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部の分割に係る附属建物について、家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百二十七条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 (建物の分割及び区分合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十六条 登記官は、甲建物の登記記録から甲建物の附属建物(区分建物に限る。)を分割して、これを乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物の附属建物と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、区分合併後の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の一部を合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百三十三条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 2 前条第二項の規定は、前項の場合において、甲建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 3 第百三十三条第三項及び第四項の規定は、第一項の場合(甲建物の附属建物を分割して乙建物の附属建物に合併しようとする場合を除く。)において、区分合併後の乙建物が区分建物でない建物となるときについて準用する。 (建物の区分及び附属合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十七条 第百三十五条第一項の規定は、甲建物を区分してその一部を乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の区分の登記及び附属合併の登記をするときにおける乙建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 2 登記官は、前項の場合において、区分前の甲建物が区分建物でない建物であったときは、区分後の甲建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から区分した旨を記録するとともに、区分前の甲建物の登記記録に区分及び合併によって家屋番号何番及び何番の建物の登記記録に移記した旨並びに従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 この場合には、第百二十九条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の場合において、区分前の甲建物が区分建物であったときは、甲建物の登記記録の表題部に、残余部分の建物の表題部の登記事項、区分した一部を家屋番号何番に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百二十九条第三項及び第四項の規定は、適用しない。 (建物の区分及び区分合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十八条 第百三十六条第一項の規定は、甲建物を区分して、その一部を乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が当該一部と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記をするときにおける乙建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 2 前条第三項の規定は、前項の場合(区分前の甲建物が区分建物であった場合に限る。)において、甲建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 (建物の分割の登記及び附属合併の登記等における権利部の記録方法) 第百三十九条 第百四条第一項から第三項まで並びに第百七条第一項及び第六項の規定は、第百三十五条から前条までの場合における権利部の記録方法について準用する。 (建物が区分建物となった場合の登記等) 第百四十条 登記官は、法第五十二条第一項及び第三項に規定する表題部の登記事項に関する変更の登記をするときは、当該変更の登記に係る区分建物である建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に本項の規定により登記を移記した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、新たに作成した登記記録の権利部の相当区に、変更前の建物の登記記録から権利に関する登記を移記し、登記の年月日及び本項の規定により登記を移記した旨を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合には、変更前の建物の登記記録の表題部に同項の規定により登記を移記した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 4 前三項の規定は、区分合併以外の原因により区分建物である建物が区分建物でない建物となったときについて準用する。 この場合において、第一項中「区分建物である建物」とあるのは、「建物」と読み替えるものとする。 (共用部分である旨の登記等) 第百四十一条 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、所有権の登記がない建物にあっては表題部所有者に関する登記事項を抹消する記号を記録し、所有権の登記がある建物にあっては権利に関する登記の抹消をしなければならない。 (共用部分である旨の登記がある建物の分割等) 第百四十二条 登記官は、共用部分である旨の登記若しくは団地共用部分である旨の登記がある甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をし、又は当該甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をする場合において、甲建物の登記記録に法第五十八条第一項各号に掲げる登記事項があるときは、乙建物の登記記録に当該登記事項を転写しなければならない。 (共用部分である旨を定めた規約等の廃止による建物の表題登記) 第百四十三条 登記官は、共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止したことによる建物の表題登記の申請があった場合において、当該申請に基づく表題登記をするときは、当該建物の登記記録の表題部に所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分並びに敷地権があるときはその内容を記録すれば足りる。 この場合には、共用部分である旨又は団地共用部分である旨の記録を抹消する記号を記録しなければならない。 (建物の滅失の登記) 第百四十四条 登記官は、建物の滅失の登記をするときは、当該建物の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 2 第百十条の規定は、前項の登記について準用する。 (敷地権付き区分建物の滅失の登記) 第百四十五条 第百二十四条第一項から第五項まで及び第八項から第十項までの規定は、敷地権付き区分建物の滅失の登記をする場合について準用する。 2 第百二十四条第六項及び第七項の規定は、前項の場合において、当該敷地権付き区分建物の敷地権の目的であった土地が二筆以上あるときについて準用する。 第三節 権利に関する登記 第一款 通則 (権利部の登記) 第百四十六条 登記官は、権利部の相当区に権利に関する登記をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、権利に関する登記の登記事項のうち、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付のほか、新たに登記すべきものを記録しなければならない。 (順位番号等) 第百四十七条 登記官は、権利に関する登記をするときは、権利部の相当区に登記事項を記録した順序を示す番号を記録しなければならない。 2 登記官は、同順位である二以上の権利に関する登記をするときは、順位番号に当該登記を識別するための符号を付さなければならない。 3 令第二条第八号の順位事項は、順位番号及び前項の符号とする。 (付記登記の順位番号) 第百四十八条 付記登記の順位番号を記録するときは、主登記の順位番号に付記何号を付加する方法により記録するものとする。 (権利の消滅に関する定めの登記) 第百四十九条 登記官は、登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記をした場合において、当該定めにより権利が消滅したことによる登記の抹消その他の登記をするときは、当該権利の消滅に関する定めの登記の抹消をしなければならない。 (権利の変更の登記又は更正の登記) 第百五十条 登記官は、権利の変更の登記又は更正の登記をするときは、変更前又は更正前の事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (登記の更正) 第百五十一条 登記官は、法第六十七条第二項の規定により登記の更正をするときは、同項の許可をした者の職名、許可の年月日及び登記の年月日を記録しなければならない。 (登記の抹消) 第百五十二条 登記官は、権利の登記の抹消をするときは、抹消の登記をするとともに、抹消すべき登記を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、抹消に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者の権利に関する登記の抹消をしなければならない。 この場合には、当該権利の登記の抹消をしたことにより当該第三者の権利に関する登記の抹消をする旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 (法第七十条第二項の相当の調査) 第百五十二条の二 法第七十条第二項の法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる措置をとる方法とする。 一 法第七十条第二項に規定する登記の抹消の登記義務者(以下この条において単に「登記義務者」という。)が自然人である場合 イ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の調査として次の(1)から(5)までに掲げる措置 (1) 登記義務者が記録されている住民基本台帳、除票簿、戸籍簿、除籍簿、戸籍の附票又は戸籍の附票の除票簿(以下この条において「住民基本台帳等」という。)を備えると思料される市町村の長に対する登記義務者の住民票の写し又は住民票記載事項証明書、除票の写し又は除票記載事項証明書、戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書並びに戸籍の附票の写し及び戸籍の附票の除票の写し(以下この条において「住民票の写し等」という。)の交付の請求 (2) (1)の措置により登記義務者の死亡が判明した場合には、登記義務者が記録されている戸籍簿又は除籍簿を備えると思料される市町村の長に対する登記義務者の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書の交付の請求 (3) (2)の措置により登記義務者の相続人が判明した場合には、当該相続人が記録されている戸籍簿又は除籍簿を備えると思料される市町村の長に対する当該相続人の戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書の交付の請求 (4) (3)の措置により登記義務者の相続人の死亡が判明した場合には、当該相続人についてとる(2)及び(3)に掲げる措置 (5) (1)から(4)までの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者が判明した場合には、当該者が記録されている住民基本台帳又は戸籍の附票を備えると思料される市町村の長に対する当該者の住民票の写し又は住民票記載事項証明書及び戸籍の附票の写し((1)の措置により交付の請求をしたものを除く。)の交付の請求 ロ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在の調査として書留郵便その他配達を試みたことを証明することができる方法による次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 登記義務者の不動産の登記簿上の住所に宛ててする登記義務者に対する書面の送付(イの措置により登記義務者の死亡及び共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合を除く。) (2) イの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合には、その場所に宛ててする当該者に対する書面の送付 二 登記義務者が法人である場合 イ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の調査として次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 登記義務者の法人の登記簿を備えると思料される登記所の登記官に対する登記義務者の登記事項証明書の交付の請求 (2) (1)の措置により登記義務者が合併により解散していることが判明した場合には、登記義務者の合併後存続し、又は合併により設立された法人についてとる(1)に掲げる措置 ロ イの措置により法人の登記簿に共同して登記の抹消の申請をすべき者の代表者(共同して登記の抹消の申請をすべき者が合併以外の事由により解散した法人である場合には、その清算人又は破産管財人。以下この号において同じ。)として登記されている者が判明した場合には、当該代表者の調査として当該代表者が記録されている住民基本台帳等を備えると思料される市町村の長に対する当該代表者の住民票の写し等の交付の請求 ハ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在の調査として書留郵便その他配達を試みたことを証明することができる方法による次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 登記義務者の不動産の登記簿上の住所に宛ててする登記義務者に対する書面の送付(イの措置により登記義務者が合併により解散していること及び共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合を除く。) (2) イの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合には、その場所に宛ててする当該者に対する書面の送付 ニ イ及びロの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者の代表者が判明した場合には、当該代表者の所在の調査として書留郵便その他配達を試みたことを証明することができる方法による次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 共同して登記の抹消の申請をすべき者の法人の登記簿上の代表者の住所に宛ててする当該代表者に対する書面の送付 (2) イ及びロの措置により当該代表者が所在すると思料される場所が判明した場合には、その場所に宛ててする当該代表者に対する書面の送付 (職権による登記の抹消) 第百五十三条 登記官は、法第七十一条第四項の規定により登記の抹消をするときは、登記記録にその事由を記録しなければならない。 (職権による登記の抹消の場合の公告の方法) 第百五十四条 法第七十一条第二項の公告は、抹消すべき登記が登記された登記所の掲示場その他登記所内の公衆の見やすい場所に掲示して行う方法又は登記所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法であってインターネットに接続された自動公衆送信装置(著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第二条第一項第九号の五イに規定する自動公衆送信装置をいう。第二百十七条第一項(第二百三十二条第五項、第二百四十四条第四項、第二百四十五条第四項及び第二百四十六条第二項において準用する場合を含む。)において同じ。)を使用する方法により二週間行うものとする。 (抹消された登記の回復) 第百五十五条 登記官は、抹消された登記の回復をするときは、回復の登記をした後、抹消に係る登記と同一の登記をしなければならない。 (敷地権の登記がある建物の権利に関する登記) 第百五十六条 登記官は、法第七十三条第三項ただし書に規定する登記をしたときは、当該登記に付記する方法により、当該登記が建物のみに関する旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 第二款 所有権に関する登記 (法人識別事項) 第百五十六条の二 法第七十三条の二第一項第一号の法務省令で定める事項は、次の各号に掲げる所有権の登記名義人の区分に応じ、当該各号に定める事項とする。 一 会社法人等番号を有する法人 当該法人の会社法人等番号 二 会社法人等番号を有しない法人であって、外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。以下この号において同じ。)の法令に準拠して設立されたもの 当該外国の名称 三 前二号のいずれにも該当しない法人 当該法人の設立の根拠法の名称 (法人識別事項を申請情報の内容とする登記の添付情報) 第百五十六条の三 前条第二号又は第三号に定める事項を申請情報の内容とする登記の申請をする場合には、当該事項を証する情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 (法人識別事項の変更の登記又は更正の登記) 第百五十六条の四 第百五十六条の二各号に定める事項(第百五十七条第三項、第百九十六条第一項第四号及び第百九十八条第一項において「法人識別事項」という。)に関する変更の登記又は更正の登記は、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 (国内連絡先事項) 第百五十六条の五 法第七十三条の二第一項第二号の法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 所有権の登記名義人の国内における連絡先となる者(以下この条、次条第一項及び第百五十六条の八第一項において「国内連絡先となる者」という。)があるときは、次に掲げる事項 イ 国内連絡先となる者(一人に限る。)の氏名又は名称並びに国内の住所又は国内の営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在地及び名称 ロ 国内連絡先となる者が会社法人等番号を有する法人であるときは、当該法人の会社法人等番号 二 国内連絡先となる者がないときは、その旨 (国内連絡先事項を申請情報の内容とする登記の添付情報) 第百五十六条の六 前条各号に掲げる事項(次条第一項及び第二項、第百五十六条の九並びに第百五十七条第三項において「国内連絡先事項」という。)を申請情報の内容とする登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 一 国内連絡先となる者があるときは、次に掲げる情報 イ 前条第一号イに掲げる事項を証する情報 ロ 国内連絡先となる者の承諾を証する当該国内連絡先となる者が作成した情報 二 国内連絡先となる者がないときは、前条第二号に掲げる事項を証する情報 2 前項第一号ロに掲げる情報を記載した書面には、令第十九条第二項に規定する印鑑に関する証明書に代えてこれに準ずる印鑑に関する証明書を添付することができる。 (国内連絡先事項の変更の登記又は更正の登記) 第百五十六条の七 国内連絡先事項に関する変更の登記又は更正の登記は、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 2 前項の登記を申請する場合には、その申請情報と併せて変更後又は更正後の国内連絡先事項についての前条第一項各号に掲げる情報を提供しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定を準用する。 3 第百五十六条の五第一号に掲げる事項についての変更の登記又は更正の登記を申請する場合には、前項の規定にかかわらず、前条第一項第一号ロに掲げる情報を提供することを要しない。 4 第一項の登記を申請する場合には、令別表の二十五の項添付情報欄イの規定にかかわらず、登記原因を証する情報を提供することを要しない。 第百五十六条の八 第百五十六条の五第一号に掲げる事項についての変更の登記又は更正の登記は、国内連絡先となる者として登記されている者も単独で申請することができる。 2 前項の規定により登記を申請する場合には、所有権の登記名義人の承諾を証する当該所有権の登記名義人が作成した情報をもその申請情報と併せて提供しなければならない。 3 令第十二条第二項の規定は電子申請において提供する前項の承諾を証する情報について、令第十九条の規定は同項の承諾を証する情報を記載した書面については、適用しない。 (国内連絡先事項が登記されている所有権の登記名義人の住所の変更の登記又は更正の登記) 第百五十六条の九 登記官は、国内連絡先事項が登記されている所有権の登記名義人の住所についての変更の登記又は更正の登記をする場合において、変更後又は更正後の住所が国内にあるときは、当該国内連絡先事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (表題登記がない不動産についてする所有権の保存の登記) 第百五十七条 法第七十五条(法第七十六条第三項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の法務省令で定めるものは、表示に関する登記事項のうち次に掲げる事項以外の事項とする。 一 表題部所有者に関する登記事項 二 登記原因及びその日付 三 敷地権の登記原因及びその日付 2 法第七十五条の規定により登記をするときは、表題部に所有権の登記をするために登記をする旨を記録するものとする。 3 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託による所有権の処分の制限の登記をするときは、登記記録の甲区に、所有者の氏名又は名称、住所、法人識別事項及び国内連絡先事項、登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分並びに処分の制限の登記の嘱託によって所有権の登記をする旨を記録しなければならない。 (表題部所有者の氏名等の抹消) 第百五十八条 登記官は、表題登記がある不動産(所有権の登記がある不動産を除く。)について所有権の登記をしたときは、表題部所有者に関する登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 第二款の二 相続人申告登記等 第一目 通則 (定義) 第百五十八条の二 この款、第百五十八条の三十三及び第百五十八条の三十七において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 相続人申出 法第七十六条の三第一項の規定による申出をいう。 二 相続人申告登記 法第七十六条の三第三項の規定による登記をいう。 三 相続人申告事項 法第七十六条の三第三項の規定により所有権の登記に付記する事項をいう。 四 相続人申告名義人 相続人申告登記によって付記された者をいう。 五 相続人申告事項の変更の登記 相続人申告事項に変更があった場合に当該相続人申告事項を変更する登記をいう。 六 相続人申告事項の更正の登記 相続人申告事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該相続人申告事項を訂正する登記をいう。 七 相続人申告登記の抹消 相続人申告登記を抹消することをいう。 八 相続人申出等 相続人申出、相続人申告事項の変更若しくは更正の申出又は相続人申告登記の抹消の申出をいう。 九 相続人申告登記等 相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記、相続人申告事項の更正の登記又は相続人申告登記の抹消をいう。 十 相続人電子申出 第百五十八条の四第一号に掲げる方法による相続人申出等をいう。 十一 相続人書面申出 第百五十八条の四第二号に掲げる方法による相続人申出等をいう。 十二 相続人申出等情報 次条第一項各号、第百五十八条の十九第一項各号又は第百五十八条の二十四第二項各号に掲げる事項に係る情報をいう。 十三 相続人申出書 相続人申出等情報を記載した書面をいう。 十四 相続人申出等添付情報 相続人申出等をする場合において、この款の規定によりその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならないものとされている情報をいう。 十五 相続人申出等添付書面 相続人申出等添付情報を記載した書面をいう。 (相続人申出等情報) 第百五十八条の三 相続人申出等は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 申出に係る不動産の不動産所在事項 2 前項第四号の規定にかかわらず、不動産番号を相続人申出等情報の内容としたときは、同号に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とすることを要しない。 3 相続人申出等においては、第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とするものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 相続人申出等添付情報の表示 三 申出の年月日 四 登記所の表示 (相続人申出等の方法) 第百五十八条の四 相続人申出等は、次に掲げる方法のいずれかにより、相続人申出等情報を登記所に提供してしなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法 二 相続人申出書を提出する方法 (相続人申出等情報の作成及び提供) 第百五十八条の五 相続人申出等情報は、申出の目的及び登記原因に応じ、一の不動産及び申出人ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、次に掲げるときは、この限りでない。 一 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について、第百五十八条の十九第一項各号に掲げる事項が同一である相続人申出をするとき。 二 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について、同一の相続人申告名義人の氏名又は住所についての変更又は更正の申出をするとき。 三 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について、抹消の理由並びに抹消すべき第百五十八条の二十三第一項第四号及び第五号に掲げる事項が同一である相続人申告登記の抹消の申出をするとき。 (相続人申出等添付情報) 第百五十八条の六 代理人によって相続人申出等をするときは、当該代理人の権限を証する情報をその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (相続人申出等添付情報の省略等) 第百五十八条の七 第三十七条及び第三十七条の二の規定は、相続人申出等をする場合について準用する。 (相続人電子申出の方法) 第百五十八条の八 相続人電子申出における相続人申出等情報及び相続人申出等添付情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。 ただし、相続人申出等添付情報の送信に代えて、登記所に相続人申出等添付書面を提出することを妨げない。 2 令第十二条第二項及び第十四条の規定は、前項本文の規定により送信する相続人申出等添付情報(第百五十八条の六に規定する代理人の権限を証する情報を除く。)について準用する。 3 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 (相続人電子申出において相続人申出等添付書面を提出する場合についての特例等) 第百五十八条の九 前条第一項ただし書の規定により相続人申出等添付書面を提出するときは、相続人申出等添付書面を登記所に提出する旨及び各相続人申出等添付情報につき書面を提出する方法によるか否かの別をも相続人申出等情報の内容とするものとする。 2 前項に規定する場合には、当該相続人申出等添付書面は、相続人申出等の受付の日から二日以内に提出するものとする。 3 第一項に規定する場合には、申出人は、当該相続人申出等添付書面を提出するに際し、別記第四号の二様式による用紙に次に掲げる事項を記載したものを添付しなければならない。 一 受付番号その他の当該相続人申出等添付書面を相続人申出等添付情報とする申出の特定に必要な事項 二 前条第一項ただし書の規定により提出する相続人申出等添付書面の表示 (相続人書面申出の方法) 第百五十八条の十 相続人書面申出をするときは、相続人申出書に相続人申出等添付書面を添付して提出しなければならない。 2 第四十五条第一項の規定は、相続人申出書について準用する。 3 相続人申出書につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにしなければならない。 この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。 4 申出人又はその代理人は、相続人申出書が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載することその他の必要な措置を講じなければならない。 (相続人申出書等の送付方法) 第百五十八条の十一 相続人申出等をしようとする者が相続人申出書又は相続人申出等添付書面を送付するときは、書留郵便又は信書便事業者による信書便の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。 2 前項の場合には、相続人申出書又は相続人申出等添付書面を入れた封筒の表面に相続人申出書又は相続人申出等添付書面が在中する旨を明記するものとする。 (受領証の交付の請求) 第百五十八条の十二 第五十四条の規定は、相続人書面申出をした申出人について準用する。 (相続人申出等添付書面の原本の還付請求) 第百五十八条の十三 第五十五条の規定は、相続人申出等添付書面を提出した申出人について準用する。 (相続人申出等の受付) 第百五十八条の十四 登記官は、第百五十八条の四の規定により相続人申出等情報が登記所に提供されたときは、当該相続人申出等情報に係る相続人申出等の受付をしなければならない。 2 前項の規定による受付は、受付帳に申出の目的、申出の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録する方法によりしなければならない。 3 登記官は、相続人申出等の受付をしたときは、当該相続人申出等に受付番号を付さなければならない。 4 登記官は、相続人書面申出の受付にあっては、第二項の規定により受付をする際、相続人申出書に申出の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。 5 第一項、第二項及び前項の規定は、第百五十八条の二十七第二項の許可があった場合又は第百五十八条の三十第四項の規定により相続人申告登記の抹消をしようとする場合について準用する。 (調査) 第百五十八条の十五 第五十七条の規定は、相続人申出等情報が提供された場合について準用する。 (相続人申出等の却下) 第百五十八条の十六 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、相続人申出等を却下しなければならない。 ただし、当該相続人申出等の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申出人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申出に係る不動産の所在地が当該申出を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 一個の不動産の一部についての申出を目的とするとき。 三 申出に係る登記(相続人申告登記のうち第百五十八条の十九第一項第一号に規定する中間相続人に係るものを除く。)が既に登記されているとき。 四 申出の権限を有しない者の申出によるとき。 五 相続人申出等情報又はその提供の方法がこの省令により定められた方式に適合しないとき。 六 相続人申出等情報の内容である不動産が登記記録と合致しないとき。 七 相続人申出等情報の内容が相続人申出等添付情報の内容と合致しないとき。 八 相続人申出等添付情報が提供されないとき。 2 登記官は、前項ただし書の期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該相続人申出等を却下することができない。 3 第三十八条の規定は、相続人申出等を却下する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「書面申請がされた」とあるのは、「相続人申出等添付書面が提出された」と読み替えるものとする。 (相続人申出等の取下げ) 第百五十八条の十七 第三十九条第一項及び第二項の規定は、相続人申出等について準用する。 2 登記官は、相続人申出書又は相続人申出等添付書面が提出された場合において、相続人申出等の取下げがされたときは、相続人申出書又は相続人申出等添付書面を還付するものとする。 第三十八条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 (相続人申告登記等の完了通知) 第百五十八条の十八 登記官は、相続人申告登記等を完了したときは、申出人に対し、職権による登記が完了した旨を通知しなければならない。 この場合において、申出人が二人以上あるときは、その一人に通知すれば足りる。 2 前項の通知は、当該登記に係る次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出の受付の年月日及び受付番号 二 不動産所在事項 三 登記の目的 3 第一項の通知は、次の各号に掲げる相続人申出等の区分に応じ、当該各号に定める方法による。 一 相続人電子申出 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された通知事項(職権による登記が完了した旨及び前項各号に掲げる事項をいう。以下この条において同じ。)を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申出人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 相続人書面申出 通知事項を記載した書面を交付する方法 4 送付の方法により通知事項を記載した書面の交付を求める場合には、申出人は、その旨及び送付先の住所を相続人申出等情報の内容としなければならない。 5 第五十五条第七項から第九項までの規定は、送付の方法により通知事項を記載した書面を交付する場合について準用する。 6 登記官は、次の各号に掲げる場合には、第一項の規定にかかわらず、申出人に対し、職権による登記が完了した旨の通知をすることを要しない。 一 第三項第一号に規定する方法により通知する場合において、通知を受けるべき者が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに通知事項が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日を経過しても、自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該通知事項を記録しないとき。 二 第三項第二号に規定する方法により通知する場合において、通知を受けるべき者が、登記完了の時から三月を経過しても、通知事項を記載した書面を受領しないとき。 第二目 相続人申告登記 (相続人申出において明らかにすべき事項等) 第百五十八条の十九 相続人申出においては、次に掲げる事項をも明らかにしてしなければならない。 一 所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、当該相続人(以下この款において「中間相続人」という。))の相続人である旨 二 所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、中間相続人)について相続が開始した年月日 三 中間相続人があるときは、次に掲げる事項(当該事項が既に所有権の登記に付記されているときを除く。) イ 中間相続人の氏名及び最後の住所 ロ 中間相続人が所有権の登記名義人の相続人である旨 ハ 所有権の登記名義人について相続が開始した年月日 2 相続人申出においては、次に掲げる情報をもその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 申出人が所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、中間相続人)の相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 二 申出人の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 三 前項第三号に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とするときは、次に掲げる情報 イ 中間相続人が所有権の登記名義人の相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) ロ 中間相続人の最後の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) (相続人申出における相続人申出等添付情報の省略) 第百五十八条の二十 相続人申出をする場合において、申出人が所有権の登記名義人又は中間相続人についての相続に関して法定相続情報一覧図の写し又は法定相続情報番号を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、前条第二項第一号又は第三号イに掲げる情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報を確認することができるときに限る。 2 相続人申出をする場合において、申出人が申出人の住所又は中間相続人の最後の住所が記載された法定相続情報一覧図の写し又は法定相続情報番号(法定相続情報一覧図に申出人の住所又は中間相続人の最後の住所が記載されている場合に限る。以下この項において同じ。)を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、前条第二項第二号又は第三号ロに掲げる情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報を確認することができるときに限る。 第百五十八条の二十一 相続人申出をする場合において、申出人が申出人又は中間相続人についての次に掲げる情報(住民基本台帳法第三十条の九の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けて登記官が申出人の住所又は中間相続人の最後の住所を確認することができることとなるものに限る。)を提供したときは、当該情報の提供をもって、第百五十八条の十九第二項第二号又は第三号ロに掲げる情報の提供に代えることができる。 一 出生の年月日 二 氏名の振り仮名(日本の国籍を有しない者にあっては、氏名の表音をローマ字で表示したもの) 第百五十八条の二十二 相続人申出をする場合において、申出人が相続人電子申出における相続人申出等情報又は委任による代理人の権限を証する情報に第四十二条の電子署名を行い、当該申出人の第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、第百五十八条の十九第二項第二号に掲げる情報の提供に代えることができる。 (相続人申告事項) 第百五十八条の二十三 法第七十六条の三第三項に規定する法務省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、中間相続人)について相続が開始した年月日 五 中間相続人があるときは、次に掲げる事項(当該事項が既に所有権の登記に付記されているときを除く。) イ 中間相続人の氏名及び最後の住所 ロ 中間相続人が所有権の登記名義人の相続人である旨 ハ 所有権の登記名義人について相続が開始した年月日 2 登記官は、相続人申告登記によって二回以上の相続についての相続人申告事項を所有権の登記に付記するときは、当該相続ごとにこれを付記するものとする。 第三目 相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記 (相続人申告事項の変更又は更正の申出) 第百五十八条の二十四 相続人申告事項に変更又は錯誤若しくは遺漏があったときは、その相続人申告事項に係る相続人申告名義人又はその相続人は、登記官に対し、相続人申告事項の変更又は更正を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出においては、次に掲げる事項をも明らかにしてしなければならない。 一 登記原因及びその日付 二 変更後又は更正後の相続人申告事項 3 第一項の規定による申出をする場合には、相続人申告事項について変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)をもその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (相続人申告事項の変更又は更正の申出における相続人申出等添付情報の省略) 第百五十八条の二十五 前条第一項の規定による申出の申出人が相続人申出等情報と併せて申出人又は中間相続人についての次に掲げる情報(住民基本台帳法第三十条の九の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けて登記官が申出人の住所について変更若しくは錯誤若しくは遺漏があったこと又は中間相続人の最後の住所について錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。)を提供したときは、当該情報の提供をもって、申出人の住所について変更若しくは錯誤若しくは遺漏があったこと又は中間相続人の最後の住所について錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 一 出生の年月日 二 氏名の振り仮名(日本の国籍を有しない者にあっては、氏名の表音をローマ字で表示したもの) (相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記) 第百五十八条の二十六 登記官は、第百五十八条の二十四第一項の規定による申出があったときは、職権で、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記をすることができる。 2 登記官は、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記をするときは、登記の目的、申出の受付の年月日及び受付番号、登記原因及びその日付、変更後又は更正後の相続人申告事項並びに変更前又は更正前の相続人申告事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (相続人申告事項の更正) 第百五十八条の二十七 登記官は、相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記を完了した後に相続人申告事項に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨をこれらの登記に係る相続人申出等をした者に通知しなければならない。 ただし、当該相続人申出等をした者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 2 登記官は、前項の場合において、相続人申告事項の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、相続人申告事項の更正をしなければならない。 この場合において、登記官は、当該許可をした者の職名、許可の年月日及び登記の年月日を記録しなければならない。 3 登記官が前項の相続人申告事項の更正をしたときは、その旨を第一項本文の相続人申出等をした者に通知しなければならない。 この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。 第四目 相続人申告登記の抹消 (相続人申告登記の抹消の申出) 第百五十八条の二十八 相続人申告登記が次の各号のいずれかに該当するときは、当該相続人申告登記によって付記された者は、その付記に係る相続人申告登記の抹消の申出をすることができる。 一 第百五十八条の十六第一項第一号から第四号までに掲げる事由のいずれかがあること。 二 相続人申告名義人が相続の放棄をし、又は民法第八百九十一条の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったため法第七十六条の二第一項に規定する者に該当しなくなったこと。 2 前項の規定による申出においては、当該相続人申告登記が前項第一号又は第二号に該当することを証する情報をもその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (相続人申告登記の抹消) 第百五十八条の二十九 登記官は、前条第一項の規定による申出があったときは、職権で、相続人申告登記の抹消をすることができる。 2 登記官は、相続人申告登記の抹消をするときは、抹消の登記をするとともに、抹消すべき事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (申出によらない相続人申告登記の抹消) 第百五十八条の三十 登記官は、相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記を完了した後にこれらの登記が第百五十八条の十六第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することを発見したときは、当該登記に係る相続人申出等の申出人に対し、一月以内の期間を定め、当該申出人がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。 ただし、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、この限りでない。 2 前項本文の通知は、次の事項を明らかにしてしなければならない。 一 抹消する登記に係る次に掲げる事項 イ 不動産所在事項及び不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申出の受付の年月日及び受付番号 ニ 登記原因及びその日付 ホ 申出人の氏名及び住所 二 抹消する理由 3 登記官は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 登記官は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登記を抹消しなければならない。 この場合において、登記官は、登記記録に登記の抹消をする事由を記録しなければならない。 第二款の三 ローマ字氏名の併記 (ローマ字氏名の併記) 第百五十八条の三十一 次の各号に掲げる登記を申請する場合において、当該各号に定める者が日本の国籍を有しない者であるときは、当該登記の申請人は、登記官に対し、当該各号に定める者の氏名の表音をローマ字で表示したもの(以下この款において「ローマ字氏名」という。)を申請情報の内容として、当該ローマ字氏名を登記記録に記録するよう申し出るものとする。 一 所有権の保存若しくは移転の登記、所有権の登記がない不動産について嘱託によりする所有権の処分の制限の登記、合体による登記等(法第四十九条第一項後段の規定により併せて申請をする所有権の登記があるときに限る。)又は所有権の更正の登記(その登記によって所有権の登記名義人となる者があるときに限る。) 所有権の登記名義人となる者 二 所有権の登記名義人の氏名についての変更の登記又は更正の登記 所有権の登記名義人 2 前項の規定による申出をする場合には、当該ローマ字氏名を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 3 第一項各号に定める者が同項各号に掲げる登記の電子申請をするに際し同項の規定による申出をする場合において、その者が第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が当該ローマ字氏名を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、前項の市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 4 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、当該ローマ字氏名を登記記録に記録するものとする。 第百五十八条の三十二 日本の国籍を有しない所有権の登記名義人は、登記官に対し、そのローマ字氏名を登記記録に記録するよう申し出ることができる。 ただし、当該ローマ字氏名が既に記録されているときは、この限りでない。 2 前項の規定による申出(以下この条において「ローマ字氏名併記の申出」という。)は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 所有権の登記名義人の氏名 五 所有権の登記名義人のローマ字氏名 六 申出に係る不動産の不動産所在事項 3 前項第六号の規定にかかわらず、不動産番号を同項各号に掲げる事項に係る情報(以下この条において「ローマ字氏名併記申出情報」という。)の内容としたときは、同項第六号に掲げる事項をローマ字氏名併記申出情報の内容とすることを要しない。 4 ローマ字氏名併記の申出においては、第二項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項をローマ字氏名併記申出情報の内容とするものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 第七項に規定するローマ字氏名併記申出添付情報の表示 三 申出の年月日 四 登記所の表示 5 ローマ字氏名併記の申出は、次に掲げる方法のいずれかにより、ローマ字氏名併記申出情報を登記所に提供してしなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法 二 ローマ字氏名併記申出情報を記載した書面(第十三項において「ローマ字氏名併記申出書」という。)を提出する方法 6 ローマ字氏名併記申出情報は、一の不動産及び所有権の登記名義人ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産についてのローマ字氏名併記の申出が同一の所有権の登記名義人に係るものであるときは、この限りでない。 7 ローマ字氏名併記の申出をする場合には、次に掲げる情報(第十項及び第十三項において「ローマ字氏名併記申出添付情報」という。)をそのローマ字氏名併記申出情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 代理人によって申出をするときは、当該代理人の権限を証する情報 二 第二項第五号に掲げる事項を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 8 第三十七条の二の規定は、ローマ字氏名併記の申出をする場合について準用する。 9 第百五十八条の八第一項及び第百五十八条の九の規定は、第五項第一号に掲げる方法によりローマ字氏名併記の申出をする場合について準用する。 10 令第十二条第二項及び第十四条の規定は、前項の場合において送信するローマ字氏名併記申出添付情報(第七項第一号に掲げる情報を除く。)について準用する。 11 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 12 第五項第一号に掲げる方法によりローマ字氏名併記の申出をする申出人がローマ字氏名併記申出情報又は委任による代理人の権限を証する情報に第四十二条の電子署名を行い、当該申出人の第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が所有権の登記名義人のローマ字氏名を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、第七項第二号に掲げる情報の提供に代えることができる。 13 第百五十八条の十の規定は第五項第二号に掲げる方法によりローマ字氏名併記の申出をする場合について、第百五十八条の十一の規定はローマ字氏名併記の申出をしようとする者がローマ字氏名併記申出書又はローマ字氏名併記申出添付情報を記載した書面(以下この項において「ローマ字氏名併記申出添付書面」という。)を送付する場合について、第五十五条の規定はローマ字氏名併記申出添付書面を提出した申出人について、それぞれ準用する。 14 第五十七条及び第百五十八条の十四(第五項を除く。)の規定は、ローマ字氏名併記申出情報が提供された場合について準用する。 15 登記官は、ローマ字氏名併記の申出があったときは、職権で、次に掲げる事項を所有権の登記に付記する方法によって登記記録に記録するものとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人の氏名 五 所有権の登記名義人のローマ字氏名 16 登記官は、前項の規定による記録をするときは、従前の所有権の登記名義人の氏名を抹消する記号を記録しなければならない。 17 第百五十八条の十八の規定は、第十五項の規定による記録をした場合について準用する。 (相続人申告登記への準用) 第百五十八条の三十三 第百五十八条の三十一の規定は相続人申出をする場合における申出人又は相続人申告名義人の氏名についての変更又は更正の申出をする場合における当該相続人申告名義人が日本国籍を有しない者であるときについて、前条の規定は日本の国籍を有しない相続人申告名義人について、それぞれ準用する。 第二款の四 旧氏の併記 (旧氏の併記) 第百五十八条の三十四 次の各号に掲げる登記を申請する場合において、当該各号に定める者(当該登記の申請人である場合に限る。)は、登記官に対し、その一の旧氏(住民基本台帳法施行令(昭和四十二年政令第二百九十二号)第三十条の十三に規定する旧氏をいう。以下この款において同じ。)を申請情報の内容として、当該旧氏を登記記録に記録するよう申し出ることができる。 ただし、当該旧氏が登記すべき氏と同一であるときは、この限りでない。 一 所有権の保存若しくは移転の登記、合体による登記等(法第四十九条第一項後段の規定により併せて申請をする所有権の登記があるときに限る。)又は所有権の更正の登記(その登記によって所有権の登記名義人となる者があるときに限る。) 所有権の登記名義人となる者 二 所有権の登記名義人の氏についての変更の登記又は更正の登記 所有権の登記名義人 2 前項第二号に掲げる登記を申請するに際し同項の規定による申出をする場合において、当該登記記録に同号に定める者の旧氏が記録されているときは、当該申出に係る旧氏は、当該登記記録に記録されている旧氏又は当該旧氏より後に称していた旧氏でなければならない。 3 第一項の規定による申出をする場合には、当該旧氏を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 4 電子申請の申請人が第一項の規定による申出をする場合において、その者が第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が当該申出に係る旧氏を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、前項の市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 5 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、当該申出に係る旧氏を登記記録に記録するものとする。 第百五十八条の三十五 所有権の登記名義人は、登記官に対し、その一の旧氏を登記記録に記録するよう申し出ることができる。 ただし、当該旧氏が登記されている氏と同一であるときは、この限りでない。 2 前項の規定による申出(以下この条において「旧氏併記の申出」という。)をする場合において、当該登記記録に当該所有権の登記名義人の旧氏が記録されているときは、当該申出に係る旧氏は、当該登記記録に記録されている旧氏より後に称していた旧氏でなければならない。 3 旧氏併記の申出は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 所有権の登記名義人の氏名 五 所有権の登記名義人について記録すべき旧氏 六 申出に係る不動産の不動産所在事項 4 前項第六号の規定にかかわらず、不動産番号を同項各号に掲げる事項に係る情報(以下この条において「旧氏併記申出情報」という。)の内容としたときは、同項第六号に掲げる事項を旧氏併記申出情報の内容とすることを要しない。 5 旧氏併記の申出においては、第三項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を旧氏併記申出情報の内容とするものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 第八項に規定する旧氏併記申出添付情報の表示 三 申出の年月日 四 登記所の表示 6 旧氏併記の申出は、次に掲げる方法のいずれかにより、旧氏併記申出情報を登記所に提供してしなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法 二 旧氏併記申出情報を記載した書面(第十四項において「旧氏併記申出書」という。)を提出する方法 7 旧氏併記申出情報は、一の不動産及び所有権の登記名義人ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産についての旧氏併記の申出が同一の所有権の登記名義人についての同一の旧氏に係るものであるときは、この限りでない。 8 旧氏併記の申出をする場合には、次に掲げる情報(第十一項及び第十四項において「旧氏併記申出添付情報」という。)をその旧氏併記申出情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 代理人によって申出をするときは、当該代理人の権限を証する情報 二 第三項第五号に掲げる事項を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報 9 第三十七条の二の規定は、旧氏併記の申出をする場合について準用する。 10 第百五十八条の八第一項及び第百五十八条の九の規定は、第六項第一号に掲げる方法により旧氏併記の申出をする場合について準用する。 11 令第十二条第二項及び第十四条の規定は、前項の場合において送信する旧氏併記申出添付情報(第八項第一号に掲げる情報を除く。)について準用する。 12 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 13 第六項第一号に掲げる方法により旧氏併記の申出をする申出人が旧氏併記申出情報又は委任による代理人の権限を証する情報に第四十二条の電子署名を行い、当該申出人の第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が申出に係る旧氏を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、第八項第二号に掲げる情報の提供に代えることができる。 14 第百五十八条の十の規定は第六項第二号に掲げる方法により旧氏併記の申出をする場合について、第百五十八条の十一の規定は旧氏併記の申出をしようとする者が旧氏併記申出書又は旧氏併記申出添付情報を記載した書面(以下この項において「旧氏併記申出添付書面」という。)を送付する場合について、第五十五条の規定は旧氏併記申出添付書面を提出した申出人について、それぞれ準用する。 15 第五十七条及び第百五十八条の十四(第五項を除く。)の規定は、旧氏併記申出情報が提供された場合について準用する。 16 登記官は、旧氏併記の申出があったときは、職権で、次に掲げる事項を所有権の登記に付記する方法によって登記記録に記録するものとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人の氏名 五 申出に係る旧氏 17 登記官は、前項の規定による記録をするときは、従前の所有権の登記名義人の氏名を抹消する記号を記録しなければならない。 18 第百五十八条の十八の規定は、第十六項の規定による記録をした場合について準用する。 (旧氏併記の終了) 第百五十八条の三十六 登記記録に旧氏が記録されている所有権の登記名義人は、登記官に対し、当該旧氏の記録を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前条第三項から第十項まで(第三項第五号及び第八項第二号を除く。)、第十四項及び第十五項の規定は、前項の規定による申出について準用する。 3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、次に掲げる事項を所有権の登記に付記する方法によって登記記録に記録するものとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人の氏名 4 登記官は、前項の規定による記録をするときは、従前の所有権の登記名義人の氏名及び旧氏を抹消する記号を記録しなければならない。 5 第百五十八条の十八の規定は、第三項の規定による記録をした場合について準用する。 (相続人申告登記への準用) 第百五十八条の三十七 第百五十八条の三十四の規定は相続人申出をする場合における申出人又は相続人申告名義人の氏についての変更又は更正の申出をする場合における当該相続人申告名義人(当該申出の申出人である場合に限る。)について、第百五十八条の三十五の規定は相続人申告名義人について、前条の規定は登記記録に旧氏が記録されている相続人申告名義人について、それぞれ準用する。 この場合において、第百五十八条の三十四第二項中「前項第二号に掲げる登記を申請する」とあるのは「相続人申告名義人の氏についての変更又は更正の申出をする」と、「同号に定める者」とあるのは「相続人申告名義人」と読み替えるものとする。 第三款 用益権に関する登記 (地役権の登記) 第百五十九条 法第八十条第四項に規定する法務省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 要役地の地役権の登記である旨 二 承役地に係る不動産所在事項及び当該土地が承役地である旨 三 地役権設定の目的及び範囲 四 登記の年月日 2 登記官は、地役権の設定の登記をした場合において、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に承役地、要役地、地役権設定の目的及び範囲並びに地役権の設定の登記の申請の受付の年月日を通知しなければならない。 3 登記官は、地役権の登記事項に関する変更の登記若しくは更正の登記又は地役権の登記の抹消をしたときは、要役地の登記記録の第一項各号に掲げる事項についての変更の登記若しくは更正の登記又は要役地の地役権の登記の抹消をしなければならない。 4 第二項の規定は、地役権の登記事項に関する変更の登記若しくは更正の登記又は地役権の登記の抹消をした場合において、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるときについて準用する。 5 第二項(前項において準用する場合を含む。)の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、要役地の登記記録の乙区に、通知を受けた事項を記録し、又は第三項の登記をしなければならない。 (地役権図面番号の記録) 第百六十条 登記官は、地役権の設定の範囲が承役地の一部である場合において、地役権の設定の登記をするときは、その登記の末尾に地役権図面番号を記録しなければならない。 地役権設定の範囲の変更の登記又は更正の登記をする場合において、変更後又は更正後の地役権設定の範囲が承役地の一部となるときも、同様とする。 第四款 担保権等に関する登記 (建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記) 第百六十一条 登記官は、建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記をするときは、登記記録の甲区に登記義務者の氏名又は名称及び住所並びに不動産工事の先取特権の保存の登記をすることにより登記をする旨を記録しなければならない。 (建物の建築が完了した場合の登記) 第百六十二条 登記官は、前条の登記をした場合において、建物の建築が完了したことによる表題登記をするときは、同条の登記をした登記記録の表題部に表題登記をし、法第八十六条第二項第一号に掲げる登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、法第八十七条第一項の所有権の保存の登記をするときは、前条の規定により記録した事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、法第八十七条第二項の建物の表題部の登記事項に関する変更の登記をしたときは、法第八十六条第三項において準用する同条第二項第一号に掲げる登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (順位の譲渡又は放棄による変更の登記) 第百六十三条 登記官は、登記した担保権について順位の譲渡又は放棄による変更の登記をするときは、当該担保権の登記の順位番号の次に変更の登記の順位番号を括弧を付して記録しなければならない。 (担保権の順位の変更の登記) 第百六十四条 登記官は、担保権の順位の変更の登記をするときは、順位の変更があった担保権の登記の順位番号の次に変更の登記の順位番号を括弧を付して記録しなければならない。 (根抵当権等の分割譲渡の登記) 第百六十五条 第三条第五号の規定にかかわらず、民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定により根質権又は根抵当権(所有権以外の権利を目的とするものを除く。)を分割して譲り渡す場合の登記は、主登記によってするものとする。 2 登記官は、民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定により根質権又は根抵当権を分割して譲り渡す場合の登記の順位番号を記録するときは、分割前の根質権又は根抵当権の登記の順位番号を用いなければならない。 3 登記官は、前項の規定により順位番号を記録したときは、当該順位番号及び分割前の根質権又は根抵当権の登記の順位番号にそれぞれ第百四十七条第二項の符号を付さなければならない。 4 登記官は、第二項の登記をしたときは、職権で、分割前の根質権又は根抵当権について極度額の減額による根抵当権の変更の登記をし、これに根質権又は根抵当権を分割して譲り渡すことにより登記する旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 (共同担保目録の作成) 第百六十六条 登記官は、二以上の不動産に関する権利を目的とする担保権の保存又は設定の登記の申請があった場合において、当該申請に基づく登記をするとき(第百六十八条第二項に規定する場合を除く。)は、次条に定めるところにより共同担保目録を作成し、当該担保権の登記の末尾に共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の申請が書面申請である場合には、当該申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。)に共同担保目録の記号及び目録番号を記載しなければならない。 (共同担保目録の記録事項) 第百六十七条 登記官は、共同担保目録を作成するときは、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 共同担保目録を作成した年月日 二 共同担保目録の記号及び目録番号 三 担保権が目的とする二以上の不動産に関する権利に係る次に掲げる事項 イ 共同担保目録への記録の順序に従って当該権利に付す番号 ロ 当該二以上の不動産に係る不動産所在事項 ハ 当該権利が所有権以外の権利であるときは、当該権利 ニ 当該担保権の登記(他の登記所の管轄区域内にある不動産に関するものを除く。)の順位番号 2 前項第二号の目録番号は、同号の記号ごとに更新するものとする。 (追加共同担保の登記) 第百六十八条 令別表の四十二の項申請情報欄ロ、同表の四十六の項申請情報欄ハ、同表の四十七の項申請情報欄ホ(4)、同表の四十九の項申請情報欄ハ及びヘ(4)、同表の五十五の項申請情報欄ハ、同表の五十六の項申請情報欄ニ(4)並びに同表の五十八の項申請情報欄ハ及びヘ(4)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 2 登記官は、一又は二以上の不動産に関する権利を目的とする担保権の保存又は設定の登記をした後に、同一の債権の担保として他の一又は二以上の不動産に関する権利を目的とする担保権の保存若しくは設定又は処分の登記の申請があった場合において、当該申請に基づく登記をするときは、当該登記の末尾に共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 3 登記官は、前項の場合において、前の登記に関する共同担保目録があるときは、当該共同担保目録に、前条第一項各号に掲げる事項のほか、当該申請に係る権利が担保の目的となった旨並びに申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 4 登記官は、第二項の場合において、前の登記に関する共同担保目録がないときは、新たに共同担保目録を作成し、前の担保権の登記についてする付記登記によって、当該担保権に担保を追加した旨、共同担保目録の記号及び目録番号並びに登記の年月日を記録しなければならない。 5 登記官は、第二項の申請に基づく登記をした場合において、前の登記に他の登記所の管轄区域内にある不動産に関するものがあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に同項の申請に基づく登記をした旨を通知しなければならない。 6 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第二項から第四項までに定める手続をしなければならない。 (共同担保の根抵当権等の分割譲渡の登記) 第百六十九条 令別表の五十一の項申請情報欄ホ及び同表の六十の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 2 登記官は、共同担保目録のある分割前の根質権又は根抵当権について第百六十五条第二項の登記をするときは、分割後の根質権又は根抵当権について当該共同担保目録と同一の不動産に関する権利を記録した共同担保目録を作成しなければならない。 3 登記官は、前項の場合には、分割後の根質権又は根抵当権の登記の末尾に当該共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 (共同担保の一部消滅等) 第百七十条 登記官は、二以上の不動産に関する権利が担保権の目的である場合において、その一の不動産に関する権利を目的とする担保権の登記の抹消をしたときは、共同担保目録に、申請の受付の年月日及び受付番号、当該不動産について担保権の登記が抹消された旨並びに当該抹消された登記に係る第百六十七条第一項第三号に掲げる事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、共同担保目録に記録されている事項に関する変更の登記又は更正の登記をしたときは、共同担保目録に、変更後又は更正後の第百六十七条第一項第三号に掲げる事項、変更の登記又は更正の登記の申請の受付の年月日及び受付番号、変更又は更正をした旨並びに変更前又は更正前の権利に係る同号に掲げる登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 第百六十八条第五項の規定は、前二項の場合について準用する。 4 前項において準用する第百六十八条第五項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項又は第二項に定める手続をしなければならない。 5 第一項、第三項及び第四項の規定は、第百十条第二項(第百四十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により記録をする場合について準用する。 (抵当証券交付の登記) 第百七十一条 法第九十四条第一項の抵当証券交付の登記(同条第三項の規定による嘱託に基づくものを除く。)においては、何番抵当権につき抵当証券を交付した旨、抵当証券交付の日、抵当証券の番号及び登記の年月日を記録しなければならない。 (抵当証券作成及び交付の登記) 第百七十二条 法第九十四条第二項の抵当証券作成の登記においては、何番抵当権につき何登記所の嘱託により抵当証券を作成した旨、抵当証券作成の日、抵当証券の番号及び登記の年月日を記録しなければならない。 2 法第九十四条第三項の規定による嘱託に基づく抵当証券交付の登記においては、何番抵当権につき抵当証券を交付した旨、抵当証券交付の日、何登記所で交付した旨並びに抵当証券の番号を記録しなければならない。 (抵当証券交付の登記の抹消) 第百七十三条 登記官は、抵当証券交付の登記の抹消をする場合において、当該抵当証券について法第九十四条第二項の抵当証券作成の登記があるときは、当該抵当証券作成の登記の抹消をしなければならない。 (買戻しの特約の登記の抹消) 第百七十四条 登記官は、買戻しによる権利の取得の登記をしたときは、買戻しの特約の登記の抹消をしなければならない。 第五款 信託に関する登記 (信託に関する登記) 第百七十五条 登記官は、法第九十八条第一項の規定による登記の申請があった場合において、当該申請に基づく権利の保存、設定、移転又は変更の登記及び信託の登記をするときは、権利部の相当区に一の順位番号を用いて記録しなければならない。 2 登記官は、法第百四条第一項の規定による登記の申請があった場合において、当該申請に基づく権利の移転の登記若しくは変更の登記又は権利の抹消の登記及び信託の抹消の登記をするときは、権利部の相当区に一の順位番号を用いて記録しなければならない。 3 登記官は、前二項の規定にかかわらず、法第百四条の二第一項の規定による登記の申請があった場合において、当該申請に基づく権利の変更の登記及び信託の登記又は信託の抹消の登記をするときは、権利部の相当区に一の順位番号を用いて記録しなければならない。 (信託目録) 第百七十六条 登記官は、信託の登記をするときは、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項を記録した信託目録を作成し、当該目録に目録番号を付した上、当該信託の登記の末尾に信託目録の目録番号を記録しなければならない。 2 第百二条第一項後段の規定は、信託の登記がある不動産について分筆の登記又は建物の分割の登記若しくは建物の区分の登記をする場合の信託目録について準用する。 この場合には、登記官は、分筆後又は分割後若しくは区分後の信託目録の目録番号を変更しなければならない。 3 登記官は、信託の変更の登記をするときは、信託目録の記録を変更しなければならない。 第百七十七条 削除 第六款 仮登記 (法第百五条第一号の仮登記の要件) 第百七十八条 法第百五条第一号に規定する法務省令で定める情報は、登記識別情報又は第三者の許可、同意若しくは承諾を証する情報とする。 (仮登記及び本登記の方法) 第百七十九条 登記官は、権利部の相当区に仮登記をしたときは、その次に当該仮登記の順位番号と同一の順位番号により本登記をすることができる余白を設けなければならない。 2 登記官は、仮登記に基づいて本登記をするときは、当該仮登記の順位番号と同一の順位番号を用いてしなければならない。 3 前二項の規定は、保全仮登記について準用する。 (所有権に関する仮登記に基づく本登記) 第百八十条 登記官は、法第百九条第二項の規定により同条第一項の第三者の権利に関する登記の抹消をするときは、権利部の相当区に、本登記により第三者の権利を抹消する旨、登記の年月日及び当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。 第四節 補則 第一款 通知 (登記完了証) 第百八十一条 登記官は、登記の申請に基づいて登記を完了したときは、申請人に対し、登記完了証を交付することにより、登記が完了した旨を通知しなければならない。 この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知すれば足りる。 2 前項の登記完了証は、別記第六号様式により、次の各号に掲げる事項を記録して作成するものとする。 一 申請の受付の年月日及び受付番号 二 第百四十七条第二項の符号 三 不動産番号 四 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項 五 共同担保目録の記号及び目録番号(新たに共同担保目録を作成したとき及び共同担保目録に記録された事項を変更若しくは更正し、又は抹消する記号を記録したときに限る。) 六 法第二十七条第二号の登記の年月日 七 申請情報(電子申請の場合にあっては、第三十四条第一項第一号に規定する情報及び第三十六条第四項に規定する住民票コードを除き、書面申請の場合にあっては、登記の目的に限る。) (登記完了証の交付の方法) 第百八十二条 登記完了証の交付は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記完了証を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 書面申請 登記完了証を書面により交付する方法 2 送付の方法により登記完了証の交付を求める場合には、申請人は、その旨及び送付先の住所を申請情報の内容としなければならない。 3 第五十五条第七項から第九項までの規定は、送付の方法により登記完了証を交付する場合について準用する。 4 官庁又は公署が送付の方法により登記完了証の交付を求める場合の登記完了証の送付は、嘱託情報に記載された住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものその他の郵便又は信書便によって書面を送付する方法によってするものとする。 (登記が完了した旨の通知を要しない場合) 第百八十二条の二 登記官は、次の各号に掲げる場合には、第百八十一条第一項の規定にかかわらず、申請人に対し、登記が完了した旨の通知をすることを要しない。 この場合においては、同条第二項の規定により作成した登記完了証を廃棄することができる。 一 前条第一項第一号に規定する方法により登記完了証を交付する場合において、登記完了証の交付を受けるべき者が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに登記完了証が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日を経過しても、自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該登記完了証を記録しないとき。 二 前条第一項第二号に規定する方法により登記完了証を交付する場合において、登記完了証の交付を受けるべき者が、登記完了の時から三月を経過しても、登記完了証を受領しないとき。 2 第二十九条の規定は、前項の規定により登記完了証を廃棄する場合には、適用しない。 (申請人以外の者に対する通知) 第百八十三条 登記官は、次の各号に掲げる場合には、当該各号(第一号に掲げる場合にあっては、申請人以外の者に限る。)に定める者に対し、登記が完了した旨を通知しなければならない。 一 表示に関する登記を完了した場合 表題部所有者(表題部所有者の更正の登記又は表題部所有者である共有者の持分の更正の登記にあっては、更正前の表題部所有者)又は所有権の登記名義人 二 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わってする申請に基づく登記を完了した場合 当該他人 三 法第六十九条の二の規定による申請に基づく買戻しの特約に関する登記の抹消を完了した場合 当該登記の登記名義人であった者 2 前項の規定による通知は、同項の規定により通知を受けるべき者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 3 第一項第一号の規定は、法第五十一条第六項(法第五十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による登記には、適用しない。 4 登記官は、民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされた相続による所有権の移転の登記についてする次の各号に掲げる事由による所有権の更正の登記の申請(登記権利者が単独で申請するものに限る。)があった場合には、登記義務者に対し、当該申請があった旨を通知しなければならない。 一 遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言による所有権の取得 二 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の取得 (処分の制限の登記における通知) 第百八十四条 登記官は、表題登記がない不動産又は所有権の登記がない不動産について嘱託による所有権の処分の制限の登記をしたときは、当該不動産の所有者に対し、登記が完了した旨を通知しなければならない。 2 前項の通知は、当該登記に係る次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 不動産所在事項及び不動産番号 二 登記の目的 三 登記原因及びその日付 四 登記名義人の氏名又は名称及び住所 (職権による登記の抹消における通知) 第百八十五条 法第七十一条第一項の通知は、次の事項を明らかにしてしなければならない。 一 抹消する登記に係る次に掲げる事項 イ 不動産所在事項及び不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申請の受付の年月日及び受付番号 ニ 登記原因及びその日付 ホ 申請人の氏名又は名称及び住所 二 抹消する理由 2 前項の通知は、抹消する登記が民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わってする申請に基づくものであるときは、代位者に対してもしなければならない。 (審査請求に対する相当の処分の通知) 第百八十六条 登記官は、法第百五十七条第一項の規定により相当の処分をしたときは、審査請求人に対し、当該処分の内容を通知しなければならない。 (裁判所への通知) 第百八十七条 登記官は、次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、管轄地方裁判所にその事件を通知しなければならない。 一 法第百六十四条の規定により過料に処せられるべき者があることを職務上知ったとき(登記官が法第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務に違反した者に対し相当の期間を定めてその申請をすべき旨を催告したにもかかわらず、その期間内にその申請がされないときに限る。)。 二 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第七十条第十八号の規定により過料に処せられるべき者があることを職務上知ったとき。 (各種の通知の方法) 第百八十八条 法第六十七条第一項、第三項及び第四項、第七十一条第一項及び第三項並びに第百五十七条第三項並びにこの省令第四十条第二項及び第百八十三条から前条までの通知は、郵便、信書便その他適宜の方法によりするものとする。 第二款 登録免許税 (登録免許税を納付する場合における申請情報等) 第百八十九条 登記の申請においては、登録免許税額を申請情報の内容としなければならない。 この場合において、登録免許税法別表第一第一号(一)から(三)まで、(五)から(七)まで、(十)、(十一)及び(十二)イからホまでに掲げる登記については、課税標準の金額も申請情報の内容としなければならない。 2 登録免許税法又は租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)その他の法令の規定により登録免許税を免除されている場合には、前項の規定により申請情報の内容とする事項(以下「登録免許税額等」という。)に代えて、免除の根拠となる法令の条項を申請情報の内容としなければならない。 3 登録免許税法又は租税特別措置法その他の法令の規定により登録免許税が軽減されている場合には、登録免許税額等のほか、軽減の根拠となる法令の条項を申請情報の内容としなければならない。 4 登録免許税法第十三条第一項の規定により一の抵当権等の設定登記(同項に規定する抵当権等の設定登記をいう。)とみなされる登記の申請を二以上の申請情報によってする場合には、登録免許税額等は、そのうちの一の申請情報の内容とすれば足りる。 ただし、同法第十三条第一項後段の規定により最も低い税率をもって当該設定登記の登録免許税の税率とする場合においては、登録免許税額等をその最も低い税率によるべき不動産等に関する権利(同法第十一条に規定する不動産等に関する権利をいう。)についての登記の申請情報の内容としなければならない。 5 前項の場合において、その申請が電子申請であるときは登録免許税額等を一の申請の申請情報の内容とした旨を他の申請情報の内容とし、その申請が書面申請であるときは登録免許税額等を記載した申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、登記所の定める書類)に登録免許税の領収証書又は登録免許税額相当の印紙をはり付けて他の申請書にはその旨を記録しなければならない。 6 登記官の認定した課税標準の金額が申請情報の内容とされた課税標準の金額による税額を超える場合において、申請人がその差額を納付するときは、差額として納付する旨も申請情報の内容として追加しなければならない。 7 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第七十五条第一項の規定による審査請求に対する裁決により確定した課税標準の金額による登録免許税を納付して登記の申請をする場合には、申請人は、当該課税標準の金額が確定している旨を申請情報の内容とし、かつ、当該金額が確定していることを証する情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 (課税標準の認定) 第百九十条 登記官は、申請情報の内容とされた課税標準の金額を相当でないと認めるときは、申請人に対し、登記官が認定した課税標準の金額を適宜の方法により告知しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、申請が書面申請であるときは、申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、適宜の用紙)に登記官が認定した課税標準の金額を記載しなければならない。 第三款 雑則 (審査請求を受けた法務局又は地方法務局の長の命令による登記) 第百九十一条 登記官は、法第百五十七条第三項又は第四項の規定による命令に基づき登記をするときは、当該命令をした者の職名、命令の年月日、命令によって登記をする旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 (登記の嘱託) 第百九十二条 この省令に規定する登記の申請に関する法の規定には当該規定を法第十六条第二項において準用する場合を含むものとし、この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」にはそれぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。 第四章 登記事項の証明等 第一節 登記事項の証明等に関する請求 (登記事項証明書の交付の請求情報等) 第百九十三条 登記事項証明書、登記事項要約書、地図等の全部若しくは一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面。以下この条において同じ。)又は土地所在図等の全部若しくは一部の写し(土地所在図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面。以下この条において同じ。)の交付の請求をするときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この章において「請求情報」という。)を提供しなければならない。 地図等又は登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときも、同様とする。 一 請求人の氏名又は名称 二 不動産所在事項又は不動産番号 三 交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数 四 登記事項証明書の交付の請求をする場合にあっては、第百九十六条第一項各号(同条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる登記事項証明書の区分 五 登記事項証明書の交付の請求をする場合において、共同担保目録又は信託目録に記録された事項について証明を求めるときは、その旨 六 地図等又は土地所在図等の一部の写しの交付の請求をするときは、請求する部分 七 送付の方法により登記事項証明書、地図等の全部若しくは一部の写し又は土地所在図等の全部若しくは一部の写しの交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 法第百二十一条第三項又は第四項の規定により土地所在図等以外の登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときは、前項第一号及び第二号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 法第百二十一条第三項の規定により土地所在図等以外の登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときは、閲覧する部分及び当該部分を閲覧する正当な理由 五 法第百二十一条第四項の規定により土地所在図等以外の登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときは、閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨 3 前項第四号の閲覧の請求をするときは、同号の正当な理由を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 4 第二項第五号の閲覧の請求をするときは、同号の閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 5 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人等が法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 7 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 (登記事項証明書等の交付の請求の方法等) 第百九十四条 前条第一項の交付の請求又は同項若しくは同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面(以下この章において「請求書」という。)を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 登記事項証明書の交付(送付の方法による交付を除く。)の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、登記官が管理する入出力装置に請求情報を入力する方法によりすることができる。 3 登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。 第百九十五条 削除 第二節 登記事項の証明等の方法 (登記事項証明書の種類等) 第百九十六条 登記事項証明書の記載事項は、次の各号の種類の区分に応じ、当該各号に掲げる事項とする。 一 全部事項証明書 登記記録(閉鎖登記記録を除く。以下この項において同じ。)に記録されている事項の全部 二 現在事項証明書 登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの 三 何区何番事項証明書 権利部の相当区に記録されている事項のうち請求に係る部分 四 所有者証明書 登記記録に記録されている現在の所有権の登記名義人の氏名又は名称、住所及び法人識別事項並びに当該登記名義人が二人以上であるときは当該登記名義人ごとの持分 五 一棟建物全部事項証明書 一棟の建物に属するすべての区分建物である建物の登記記録に記録されている事項の全部 六 一棟建物現在事項証明書 一棟の建物に属するすべての区分建物である建物の登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの 2 前項第一号、第三号及び第五号の規定は、閉鎖登記記録に係る登記事項証明書の記載事項について準用する。 (登記事項証明書の作成及び交付) 第百九十七条 登記官は、登記事項証明書を作成するときは、請求に係る登記記録に記録された事項の全部又は一部である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 この場合において、当該登記記録の甲区又は乙区の記録がないときは、認証文にその旨を付記しなければならない。 2 前項の規定により作成する登記事項証明書は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める様式によるものとする。 ただし、登記記録に記録した事項の一部についての登記事項証明書については適宜の様式によるものとする。 一 土地の登記記録 別記第七号様式 二 建物(次号の建物を除く。)の登記記録 別記第八号様式 三 区分建物である建物に関する登記記録 別記第九号様式 四 共同担保目録 別記第十号様式 五 信託目録 別記第五号様式 3 登記事項証明書を作成する場合において、第百九十三条第一項第五号に掲げる事項が請求情報の内容とされていないときは、共同担保目録又は信託目録に記録された事項の記載を省略するものとする。 4 登記事項証明書に登記記録に記録した事項を記載するときは、その順位番号の順序に従って記載するものとする。 5 登記記録に記録されている事項を抹消する記号が記録されている場合において、登記事項証明書に抹消する記号を表示するときは、抹消に係る事項の下に線を付して記載するものとする。 6 登記事項証明書の交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (登記事項証明書の受領の方法) 第百九十七条の二 第百九十四条第三項前段の規定により登記事項証明書の交付を請求した者が当該登記事項証明書を登記所で受領するときは、法務大臣が定める事項を当該登記所に申告しなければならない。 (登記事項要約書の作成) 第百九十八条 登記事項要約書は、別記第十一号様式により、不動産の表示に関する事項のほか、所有権の登記については申請の受付の年月日及び受付番号、所有権の登記名義人の氏名又は名称、住所及び法人識別事項並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分並びに所有権の登記以外の登記については現に効力を有するもののうち主要な事項を記載して作成するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、登記官は、請求人の申出により、不動産の表示に関する事項について現に効力を有しないものを省略し、かつ、所有権の登記以外の登記については現に効力を有するものの個数のみを記載した登記事項要約書を作成することができる。 この場合には、前項の登記事項要約書を別記第十二号様式により作成するものとする。 3 登記官は、請求人から別段の申出がない限り、一の用紙により二以上の不動産に関する事項を記載した登記事項要約書を作成することができる。 第百九十九条 削除 (地図等の写し等の作成及び交付) 第二百条 登記官は、地図等の全部又は一部の写しを作成するときは、地図等の全部又は一部の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 登記官は、地図等が電磁的記録に記録されている場合において、当該記録された地図等の内容を証明した書面を作成するときは、電磁的記録に記録されている地図等を書面に出力し、これに地図等に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 第百九十七条第六項の規定は、地図等の全部又は一部の写し及び前項の書面の交付について準用する。 4 第百九十四条第二項及び第三項並びに第百九十七条の二の規定は、第二項の書面の交付の請求について準用する。 (土地所在図等の写し等の作成及び交付) 第二百一条 登記官は、土地所在図等の写しを作成するときは、土地所在図等の全部又は一部の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 登記官は、土地所在図等が電磁的記録に記録されている場合において、当該記録された土地所在図等の内容を証明した書面を作成するときは、電磁的記録に記録されている土地所在図等を書面に出力し、これに土地所在図等に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 第百九十七条第六項の規定は、土地所在図等の写し及び前項の書面の交付について準用する。 4 第百九十四条第二項及び第三項並びに第百九十七条の二の規定は、第二項の書面の交付の請求について準用する。 (閲覧の方法) 第二百二条 地図等又は登記簿の附属書類の閲覧は、登記官(その指定する職員を含む。第三項において同じ。)の面前でさせるものとする。 2 法第百二十条第二項及び第百二十一条第二項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法とする。 3 登記官は、法第百二十一条第三項又は第四項の規定による登記簿の附属書類の閲覧をさせる場合において、請求人から別段の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、電子計算機を使用して登記官及び請求人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話することができる方法によって閲覧をさせることができる。 第三節 登記事項証明書等における代替措置 第一款 通則 (公示用住所管理ファイル) 第二百二条の二 法務大臣は、第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項を記録する公示用住所管理ファイルを備えるものとする。 2 公示用住所管理ファイルは、法第百十九条第六項の申出(以下この節において「代替措置申出」という。)の申出人ごとに電磁的記録に記録して調製するものとする。 3 公示用住所管理ファイルに記録された情報の保存期間は、永久とする。 (代替措置の要件) 第二百二条の三 法第百十九条第六項の法務省令で定める場合は、当該登記記録に記録されている者その他の者(自然人であるものに限る。)について次に掲げる事由がある場合とする。 一 ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成十二年法律第八十一号)第六条に規定するストーカー行為等に係る被害を受けた者であって更に反復して同法第二条第一項に規定するつきまとい等又は同条第三項に規定する位置情報無承諾取得等をされるおそれがあること。 二 児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)第二条に規定する児童虐待(同条第一号に掲げるものを除く。以下この号において同じ。)を受けた児童であって更なる児童虐待を受けるおそれがあること。 三 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成十三年法律第三十一号)第一条第二項に規定する被害者であって更なる暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの(次号において「身体に対する暴力」という。)を除く。)を受けるおそれがあること。 四 前三号に掲げるもののほか、心身に有害な影響を及ぼす言動(身体に対する暴力に準ずるものに限る。以下この号において同じ。)を受けた者であって、更なる心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがあること。 (代替措置等申出) 第二百二条の四 代替措置申出又は第二百二条の十六第一項の規定による申出(以下この節において「代替措置等申出」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「代替措置等申出書」という。)を登記所に提出してしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 申出に係る不動産の不動産所在事項 2 代替措置等申出は、申出に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。 3 第一項第四号の規定にかかわらず、不動産番号(申出を受ける登記所以外の登記所の管轄区域内にある不動産について申出をする場合にあっては、不動産番号及び当該申出を受ける登記所以外の登記所の表示)を代替措置等申出書に記載したときは、同号に掲げる事項を代替措置等申出書に記載することを要しない。 4 代替措置等申出においては、第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を代替措置等申出書に記載するものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 この節の規定により代替措置等申出書に添付しなければならない書面(以下この節において「代替措置等申出添付書面」という。)の表示 三 申出の年月日 四 代替措置等申出書を提出する登記所の表示 5 代替措置等申出書は、申出の目的に応じ、申出人ごとに作成して提出しなければならない。 6 代替措置等申出書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 申出人が代替措置等申出書又は委任状に記名押印した場合におけるその印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)が作成するものに限る。)その他の申出人となるべき者が申出をしていることを証する書面 二 申出人の氏名又は住所が法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の氏名又は住所と異なる場合にあっては、当該者であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面) 三 代理人によって代替措置等申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面 7 前項第一号の規定は、申出人が同号の書面(印鑑に関する証明書を除く。)を登記官に提示した場合には、適用しない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 8 第三十七条及び第三十七条の二の規定は、代替措置等申出をする場合について準用する。 9 第五十三条の規定は、申出人が代替措置等申出書及びその代替措置等申出添付書面を送付する場合について準用する。 (立件) 第二百二条の五 登記官は、代替措置等申出書が提出されたときは、これを立件しなければならない。 2 前項の場合には、登記官は、申出立件事件簿に立件の年月日及び立件番号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の規定により立件をする際、代替措置等申出書に立件の年月日及び立件番号を記載しなければならない。 (調査) 第二百二条の六 登記官は、代替措置等申出があったときは、遅滞なく、申出に関する全ての事項を調査しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、必要があると認めるときは、申出人又はその代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、申出人となるべき者が申出をしているかどうか又は法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実の有無を調査することができる。 3 登記官は、前項に規定する申出人又は代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。 4 登記官は、第二項の規定による調査をしたときは、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。 前項の嘱託を受けて調査をした場合についても、同様とする。 5 前項後段の場合には、嘱託を受けて調査をした登記所の登記官は、その調査の結果を記録した調書を嘱託をした登記官に送付しなければならない。 (代替措置等申出の却下) 第二百二条の七 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、代替措置等申出を却下しなければならない。 ただし、当該代替措置等申出の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申出人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申出に係る事項が公示用住所管理ファイルに既に記録されているとき。 二 申出の権限を有しない者の申出によるとき。 三 代替措置等申出書の記載事項又はその提出の方法がこの省令により定められた方式に適合しないとき。 四 代替措置等申出書に記載された事項が登記記録と合致しないとき。 五 代替措置等申出書の記載事項の内容が代替措置等申出添付書面の内容と合致しないとき。 六 代替措置等申出添付書面が添付されないとき。 七 代替措置申出がされた場合において、法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実が認められないとき。 2 登記官は、前項ただし書の期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該代替措置等申出を却下することができない。 3 第三十八条の規定は、代替措置等申出を却下する場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「申請人ごとに」とあるのは「申出人に」と、同条第三項中「書面申請がされた」とあるのは「代替措置等申出添付書面が提出された」と読み替えるものとする。 (代替措置等申出の取下げ) 第二百二条の八 代替措置等申出の取下げは、代替措置等申出を取り下げる旨を記載した書面を代替措置等申出書を提出した登記所に提出する方法によってしなければならない。 2 代替措置等申出の取下げは、公示用住所管理ファイルへの記録完了後は、することができない。 3 登記官は、代替措置等申出添付書面が提出された場合において、代替措置等申出の取下げがされたときは、代替措置等申出書及びその代替措置等申出添付書面を還付するものとする。 第三十八条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 (代替措置等申出添付書面の還付) 第二百二条の九 代替措置等申出をした申出人は、代替措置等申出添付書面の原本の還付を請求することができる。 ただし、第二百二条の四第六項第一号の書面、第二百二条の十一第四項(第二百二条の十六第四項において準用する場合を含む。)の印鑑に関する証明書及び当該代替措置等申出のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。 2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申出人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。 3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。 この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 4 前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、公示用住所管理ファイルへの記録完了後、申出立件関係書類つづり込み帳につづり込むものとする。 5 第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な代替措置等申出のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。 6 第三項の規定による原本の還付は、申出人の申出により、原本を送付する方法によることができる。 この場合においては、申出人は、送付先の住所をも申し出なければならない。 7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。 8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。 9 前項の指定は、告示してしなければならない。 第二款 代替措置 (代替措置における公示用住所) 第二百二条の十 法第百十九条第六項の法務省令で定める事項は、当該登記記録に記録されている者と連絡をとることのできる者(以下この節において「公示用住所提供者」という。)の住所又は営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在地(以下この節において「公示用住所」という。)とする。 (代替措置申出) 第二百二条の十一 代替措置申出においては、次に掲げる事項をも代替措置等申出書に記載しなければならない。 一 法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実の概要 二 第二百二条の十三に規定する代替措置を講ずべき住所(以下この節において「措置対象住所」という。) 三 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 四 公示用住所及び公示用住所提供者の氏名又は名称 2 代替措置申出においては、次に掲げる書面をも代替措置等申出書に添付しなければならない。 一 法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実を明らかにする書面 二 前項第四号に掲げる事項を証する書面 三 公示用住所提供者の承諾を証する当該公示用住所提供者が作成した書面(公示用住所提供者が法務局又は地方法務局であるときを除く。) 四 法務局又は地方法務局を公示用住所提供者とするときは、申出人に宛てて当該法務局又は地方法務局に送付された文書その他の物の保管、廃棄その他の取扱いに関し必要な事項として法務大臣が定めるものを記載した書面 3 前項第三号の書面には、当該公示用住所提供者が記名押印しなければならない。 ただし、当該公示用住所提供者が署名した同号の書面について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けたときは、この限りでない。 4 第二項第三号の書面には、前項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)若しくは登記官が作成するもの又はこれに準ずるものに限る。)を添付しなければならない。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 一 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を代替措置等申出書に記載したとき(登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。)。 二 公示用住所提供者が記名押印した当該書面について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けたとき。 (公示用住所管理ファイルへの記録) 第二百二条の十二 登記官は、代替措置申出があったときは、申出人についての次に掲げる事項を公示用住所管理ファイルに記録しなければならない。 一 氏名及び住所 二 措置対象住所 三 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 四 公示用住所 2 登記官は、前項の規定による記録をしたときは、遅滞なく、代替措置申出に係る不動産の所在地を管轄する登記所に代替措置等申出書の写しを送付しなければならない。 (代替措置) 第二百二条の十三 登記官は、公示用住所管理ファイルに記録された措置対象住所に係る登記記録について登記事項証明書又は登記事項要約書を作成するときは、当該措置対象住所に代わるものとして公示用住所管理ファイルに記録された公示用住所を記載する措置(次条において「代替措置」という。)を講じなければならない。 (代替措置が講じられていない登記事項証明書の交付の請求) 第二百二条の十四 代替措置申出をした申出人又はその相続人は、当該代替措置申出に係る措置対象住所について代替措置が講じられていない登記事項証明書の交付を請求することができる。 2 前項の交付の請求をするときは、次に掲げる事項をも請求情報の内容としなければならない。 一 請求人の住所 二 請求人が代替措置申出をした申出人の相続人であるときは、その旨及び当該申出人の氏名 三 代理人によって請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 措置対象住所について代替措置を講じないことを求める旨 五 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 3 第百九十四条第二項及び第三項の規定は、第一項の交付の請求については、適用しない。 4 第一項の交付の請求においては、次に掲げる書面を請求書に添付しなければならない。 一 請求人が請求書又は委任状に記名押印した場合における請求人の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)が作成するものであって、作成後三月以内のものに限る。)その他の請求人となるべき者が請求をしていることを証する書面 二 代替措置申出をした申出人が請求する場合において、請求人の氏名又は住所が法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の氏名又は住所と異なるときは、当該者であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面) 三 代替措置申出をした申出人の相続人が請求するときは、法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面)。 ただし、当該相続人であることが登記記録から明らかであるときを除く。 四 代理人によって請求をするときは、当該代理人の権限を証する書面 5 第二百二条の四第七項の規定は、請求人が前項第一号の書面(印鑑に関する証明書を除く。)を登記官に提示した場合について準用する。 6 法人である代理人によって第一項の交付の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を添付することを要しない。 7 第二百二条の九の規定は、第一項の交付の請求をした請求人について準用する。 この場合において、同条第一項中「代替措置等申出添付書面」とあるのは「第二百二条の十四第四項第二号から第四号までに掲げる書面」と、同条第三項中「調査完了後」とあるのは「登記事項証明書の交付後」と、同条第四項中「公示用住所管理ファイルへの記録完了後、申出立件関係書類つづり込み帳」とあるのは「登記事項証明書の交付後、請求書類つづり込み帳」と読み替えるものとする。 8 登記官は、第一項の交付の請求があった場合には、登記事項証明書を作成するに当たり、当該措置対象住所に代替措置を講じないものとする。 (代替措置申出の撤回) 第二百二条の十五 代替措置申出をした申出人は、登記官に対し、いつでも、代替措置申出を撤回することができる。 2 前項の規定による撤回は、次に掲げる事項を記載した撤回書を登記所に提出してしなければならない。 一 代替措置申出をした申出人の氏名及び住所 二 代理人によって撤回をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 代替措置申出を撤回する旨 四 代替措置申出に係る第二百二条の四第一項第四号に掲げる事項 五 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 3 第二百二条の四第二項から第五項までの規定は、代替措置申出の撤回について準用する。 4 第二項の撤回書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 代替措置申出をした申出人が撤回書又は委任状に記名押印した場合におけるその印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)が作成するものであって、作成後三月以内のものに限る。)その他の代替措置申出をした申出人が撤回をしていることを証する書面 二 代替措置申出をした申出人の氏名又は住所が法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の氏名又は住所と異なる場合にあっては、当該者であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面) 三 代理人によって撤回をするときは、当該代理人の権限を証する書面 5 第二百二条の四第七項から第九項まで、第二百二条の五、第二百二条の六及び第二百二条の九の規定は、代替措置申出の撤回について準用する。 この場合において、第二百二条の六第二項中「申出人となるべき者が申出をしているかどうか又は法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実の有無」とあるのは「代替措置申出をした申出人が撤回をしているかどうか」と、第二百二条の九第一項中「代替措置等申出添付書面」とあるのは「第二百二条の十五第四項第二号及び第三号に掲げる書面」と読み替えるものとする。 6 登記官は、第一項の規定による撤回があった場合には、当該代替措置申出についての第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項の記録を公示用住所管理ファイルから削除しなければならない。 7 第二百二条の十二第二項の規定は、前項の規定による削除をした場合について準用する。 第三款 公示用住所の変更 第二百二条の十六 代替措置申出をした申出人は、登記官に対し、代替措置申出に係る公示用住所の変更を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出においては、次に掲げる事項をも代替措置等申出書に記載しなければならない。 一 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 二 変更後の公示用住所及び公示用住所提供者の氏名又は名称 3 第一項の規定による申出においては、次に掲げる書面をも代替措置等申出書に添付しなければならない。 一 前項第二号に掲げる事項を証する書面 二 変更後の公示用住所提供者の承諾を証する当該公示用住所提供者が作成した書面(変更後の公示用住所提供者が法務局又は地方法務局であるときを除く。) 三 法務局又は地方法務局を変更後の公示用住所提供者とするときは、申出人に宛てて当該法務局又は地方法務局に送付された文書その他の物の保管、廃棄その他の取扱いに関し必要な事項として法務大臣が定めるものを記載した書面 4 第二百二条の十一第三項及び第四項の規定は、前項第二号の書面について準用する。 5 登記官は、第一項の規定による申出があった場合には、公示用住所管理ファイルに変更後の公示用住所を記録しなければならない。 6 第二百二条の十二第二項の規定は、前項の規定による記録をした場合について準用する。 第四節 手数料 (手数料の納付方法) 第二百三条 法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項までの手数料を収入印紙をもって納付するときは、請求書に収入印紙を貼り付けてしなければならない。 2 前項の規定は、令第二十二条第一項に規定する証明の請求を第六十八条第三項第二号に掲げる方法によりする場合における手数料の納付について準用する。 (送付に要する費用の納付方法) 第二百四条 請求書を登記所に提出する方法により第百九十三条第一項の交付の請求をする場合において、第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。)の規定による申出をするときは、手数料のほか送付に要する費用も納付しなければならない。 2 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを請求書と併せて提出する方法により納付しなければならない。 3 前項の指定は、告示してしなければならない。 (電子情報処理組織による登記事項証明書の交付の請求等の手数料の納付方法) 第二百五条 法第百十九条第四項ただし書(法第百二十条第三項及び第百二十一条第五項並びに他の法令において準用する場合を含む。)の法務省令で定める方法は、第百九十四条第二項及び第三項に規定する方法とする。 2 第百九十四条第二項又は第三項(これらの規定を第二百条第四項及び第二百一条第四項において準用する場合を含む。)に規定する方法により登記事項証明書の交付の請求をする場合において、手数料を納付するときは、登記官から得た納付情報により納付する方法によってしなければならない。 3 前項の規定は、令第二十二条第一項に規定する証明の請求を第六十八条第三項第一号に掲げる方法によりする場合における手数料の納付について準用する。 第五章 筆界特定 第一節 総則 (定義) 第二百六条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 筆界特定電子申請 法第百三十一条第五項において準用する法第十八条第一号の規定による電子情報処理組織を使用する方法による筆界特定の申請をいう。 二 筆界特定書面申請 法第百三十一条第五項において準用する法第十八条第二号の規定により次号の筆界特定申請書を法務局又は地方法務局に提出する方法による筆界特定の申請をいう。 三 筆界特定申請書 筆界特定申請情報を記載した書面をいい、法第百三十一条第五項において準用する法第十八条第二号の磁気ディスクを含む。 四 筆界特定添付情報 第二百九条第一項各号に掲げる情報をいう。 五 筆界特定添付書面 筆界特定添付情報を記載した書面をいい、筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクを含む。 第二節 筆界特定の手続 第一款 筆界特定の申請 (筆界特定申請情報) 第二百七条 法第百三十一条第三項第四号に掲げる事項として明らかにすべきものは、筆界特定の申請に至る経緯その他の具体的な事情とする。 2 法第百三十一条第三項第五号の法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 筆界特定の申請人(以下この章において単に「申請人」という。)が法人であるときは、その代表者の氏名 二 代理人によって筆界特定の申請をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名又は名称及び住所 四 申請人が一筆の土地の一部の所有権を取得した者であるときは、その旨 五 申請人が法第百三十一条第二項の規定に基づいて筆界特定の申請をする地方公共団体であるときは、その旨 六 対象土地が表題登記がない土地であるときは、当該土地を特定するに足りる事項 七 工作物、囲障又は境界標の有無その他の対象土地の状況 3 筆界特定の申請においては、法第百三十一条第三項第一号から第四号まで及び前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を筆界特定申請情報の内容とするものとする。 一 申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 関係土地に係る不動産所在事項又は不動産番号(表題登記がない土地にあっては、法第三十四条第一項第一号に掲げる事項及び当該土地を特定するに足りる事項) 三 関係人の氏名又は名称及び住所その他の連絡先 四 工作物、囲障又は境界標の有無その他の関係土地の状況 五 申請人が対象土地の筆界として特定の線を主張するときは、その線及びその根拠 六 対象土地の所有権登記名義人等であって申請人以外のものが対象土地の筆界として特定の線を主張しているときは、その線 七 申請に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る訴訟(以下「筆界確定訴訟」という。)が係属しているときは、その旨及び事件の表示その他これを特定するに足りる事項 八 筆界特定添付情報の表示 九 法第百三十九条第一項の規定により提出する意見又は資料があるときは、その表示 十 筆界特定の申請の年月日 十一 法務局又は地方法務局の表示 4 第二項第六号及び第七号並びに前項第二号(表題登記がない土地を特定するに足りる事項に係る部分に限る。)及び第四号から第六号までに掲げる事項を筆界特定申請情報の内容とするに当たっては、図面を利用する等の方法により、現地の状況及び筆界として主張されている線の位置を具体的に明示するものとする。 (一の申請情報による複数の申請) 第二百八条 対象土地の一を共通にする複数の筆界特定の申請は、一の筆界特定申請情報によってすることができる。 (筆界特定添付情報) 第二百九条 筆界特定の申請をする場合には、次に掲げる情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。 一 申請人が法人であるときは、次に掲げる情報 イ 会社法人等番号を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 二 代理人によって筆界特定の申請をするとき(申請人が前号イに規定する法人であって、支配人等が当該法人を代理して筆界特定の申請をする場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報 三 申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 四 申請人が表題登記がない土地の所有者であるときは、当該申請人が当該土地の所有権を有することを証する情報 五 申請人が一筆の土地の一部の所有権を取得した者であるときは、当該申請人が当該一筆の土地の一部について所有権を取得したことを証する情報 六 申請人が所有権の登記名義人若しくは表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人である場合において、筆界特定申請情報の内容である所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、当該所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 七 申請人が法第百三十一条第二項の規定に基づいて筆界特定の申請をする地方公共団体であるときは、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たことを証する当該所有権登記名義人等が作成した情報 2 前項第一号及び第二号の規定は、国の機関の所管に属する土地について命令又は規則により指定された官庁又は公署の職員が筆界特定の申請をする場合には、適用しない。 3 第一項第一号の規定は、申請人が同号イに規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書を提供して筆界特定の申請をする場合には、適用しない。 一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書 二 支配人等によって筆界特定の申請をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書 4 前項各号の登記事項証明書は、その作成後三月以内のものでなければならない。 5 法人である代理人によって筆界特定の申請をする場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。 6 筆界特定の申請をする場合において、所有権の登記名義人又は表題部所有者の第三十六条第四項に規定する住民票コード(当該所有権の登記名義人又は表題部所有者の住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。)を提供したときは、当該住民票コードの提供をもって、当該住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 (筆界特定電子申請の方法) 第二百十条 筆界特定電子申請における筆界特定申請情報及び筆界特定添付情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。 ただし、筆界特定添付情報の送信に代えて、法務局又は地方法務局に筆界特定添付書面を提出することを妨げない。 2 前項ただし書の場合には、筆界特定添付書面を法務局又は地方法務局に提出する旨を筆界特定申請情報の内容とする。 3 令第十二条第一項の規定は筆界特定電子申請において筆界特定申請情報を送信する場合について、同条第二項の規定は筆界特定電子申請において送信する場合における筆界特定添付情報について、令第十四条の規定は筆界特定電子申請において電子署名が行われている情報を送信する場合について、それぞれ準用する。 4 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、第四十四条第二項及び第三項の規定は筆界特定電子申請をする場合について、それぞれ準用する。 (筆界特定書面申請の方法等) 第二百十一条 筆界特定書面申請をするときは、筆界特定申請書に筆界特定添付書面を添付して提出しなければならない。 2 第二百九条第一項第一号ロ及び第二号に掲げる情報を記載した書面であって、市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、作成後三月以内のものでなければならない。 ただし、官庁又は公署が筆界特定の申請をする場合は、この限りでない。 3 委任による代理人によって筆界特定の申請をする場合には、申請人又はその代表者は、委任状に記名しなければならない。 復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。 4 第二百九条第一項第七号に掲げる情報を記載した書面は、同号の同意をした所有権登記名義人等が記名したものでなければならない。 5 令第十二条第一項の規定は筆界特定申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により筆界特定の申請をする場合について、同条第二項の規定は磁気ディスクに記録された筆界特定添付情報について、令第十四条の規定は筆界特定申請情報の全部又は筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクを提出する場合について、それぞれ準用する。 6 第四十五条第一項の規定は筆界特定申請書(筆界特定申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。以下この条において同じ。)について、第五十一条の規定は筆界特定申請情報を記録した磁気ディスクを提出する方法による筆界特定の申請について、第五十二条の規定は筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクについて、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条第七項及び第八項中「令第十六条第五項」とあるのは「第二百十一条第五項」と、第五十二条第一項中「令第十五条の添付情報を記録した磁気ディスク」とあるのは「筆界特定添付情報を記録した磁気ディスク」と、同条第二項中「令第十五条後段において準用する令第十四条の電子証明書」とあるのは「筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクに記録すべき電子証明書」と読み替えるものとする。 7 筆界特定申請書につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにしなければならない。 この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。 8 申請人又はその代表者若しくは代理人は、筆界特定申請書が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載することその他の必要な措置を講じなければならない。 9 筆界特定書面申請は、対象土地の所在地を管轄する登記所を経由してすることができる。 (筆界特定申請書等の送付方法) 第二百十二条 筆界特定の申請をしようとする者が筆界特定申請書又は筆界特定添付書面を送付するときは、書留郵便又は信書便事業者による信書便の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。 2 前項の場合には、筆界特定申請書又は筆界特定添付書面を入れた封筒の表面に筆界特定申請書又は筆界特定添付書面が在中する旨を明記するものとする。 (筆界特定添付書面の原本の還付請求) 第二百十三条 申請人は、筆界特定添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。 ただし、当該筆界特定の申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。 2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。 3 筆界特定登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、却下事由の有無についての調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。 この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 4 前項前段の規定にかかわらず、筆界特定登記官は、偽造された書面その他の不正な筆界特定の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。 第二款 筆界特定の申請の受付等 (筆界特定の申請の受付) 第二百十四条 筆界特定登記官は、法第百三十一条第五項において読み替えて準用する法第十八条の規定により筆界特定申請情報が提供されたときは、当該筆界特定申請情報に係る筆界特定の申請の受付をしなければならない。 2 筆界特定登記官は、筆界特定の申請の受付をしたときは、当該筆界特定の申請に手続番号を付さなければならない。 (管轄区域がまたがる場合の移送等) 第二百十五条 第四十条第一項及び第二項の規定は、法第百二十四条第二項において読み替えて準用する法第六条第三項の規定に従って筆界特定の申請がされた場合について準用する。 (補正) 第二百十六条 筆界特定登記官は、筆界特定の申請の補正をすることができる期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該申請を却下することができない。 (公告及び通知の方法) 第二百十七条 法第百三十三条第一項の規定による公告は、法務局若しくは地方法務局の掲示場その他法務局若しくは地方法務局内の公衆の見やすい場所に掲示して行う方法又は法務局若しくは地方法務局の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法であってインターネットに接続された自動公衆送信装置を使用する方法により二週間行うものとする。 2 法第百三十三条第一項の規定による通知は、郵便、信書便その他適宜の方法によりするものとする。 3 前項の通知は、関係人が法第百三十九条の定めるところにより筆界特定に関し意見又は図面その他の資料を提出することができる旨を明らかにしてしなければならない。 第三款 意見又は資料の提出 (意見又は資料の提出) 第二百十八条 法第百三十九条第一項の規定による意見又は資料の提出は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 手続番号 二 意見又は資料を提出する者の氏名又は名称 三 意見又は資料を提出する者が法人であるときは、その代表者の氏名 四 代理人によって意見又は資料を提出するときは、当該代理人の氏名又は名称及び代理人が法人であるときはその代表者の氏名 五 提出の年月日 六 法務局又は地方法務局の表示 2 法第百三十九条第一項の規定による資料の提出は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 資料の表示 二 作成者及びその作成年月日 三 写真又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録することができる物を含む。)にあっては、撮影、録画等の対象並びに日時及び場所 四 当該資料の提出の趣旨 (情報通信の技術を利用する方法) 第二百十九条 法第百三十九条第二項の法務省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して情報を送信する方法 二 法務大臣の定めるところにより情報を記録した磁気ディスクその他の電磁的記録を提出する方法 三 前二号に掲げるもののほか、筆界特定登記官が相当と認める方法 (書面の提出方法) 第二百二十条 申請人又は関係人は、法第百三十九条第一項の規定による意見又は資料の提出を書面でするときは、当該書面の写し三部を提出しなければならない。 2 筆界特定登記官は、必要と認めるときは、前項の規定により書面の写しを提出した申請人又は関係人に対し、その原本の提示を求めることができる。 (資料の還付請求) 第二百二十一条 法第百三十九条第一項の規定により資料(第二百十九条各号に掲げる方法によって提出したものを除く。以下この条において同じ。)を提出した申請人又は関係人は、当該資料の還付を請求することができる。 2 筆界特定登記官は、前項の規定による請求があった場合において、当該請求に係る資料を筆界特定をするために留め置く必要がなくなったと認めるときは、速やかに、これを還付するものとする。 第四款 意見聴取等の期日 (意見聴取等の期日の場所) 第二百二十二条 法第百四十条第一項の期日(以下「意見聴取等の期日」という。)は、法務局又は地方法務局、対象土地の所在地を管轄する登記所その他筆界特定登記官が適当と認める場所において開く。 (意見聴取等の期日の通知) 第二百二十三条 法第百四十条第一項の規定による通知は、申請人及び関係人が同項の定めるところにより対象土地の筆界について意見を述べ、又は資料を提出することができる旨を明らかにしてしなければならない。 2 第二百十七条第二項の規定は、前項の通知について準用する。 (意見聴取等の期日における筆界特定登記官の権限) 第二百二十四条 筆界特定登記官は、意見聴取等の期日において、発言を許し、又はその指示に従わない者の発言を禁ずることができる。 2 筆界特定登記官は、意見聴取等の期日の秩序を維持するため必要があるときは、その秩序を妨げ、又は不穏な言動をする者を退去させることができる。 3 筆界特定登記官は、適当と認める者に意見聴取等の期日の傍聴を許すことができる。 (意見聴取等の期日における資料の提出) 第二百二十五条 第二百十八条、第二百二十条及び第二百二十一条の規定は、意見聴取等の期日において申請人又は関係人が資料を提出する場合について準用する。 (意見聴取等の期日の調書) 第二百二十六条 法第百四十条第四項の調書には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 手続番号 二 筆界特定登記官及び筆界調査委員の氏名 三 出頭した申請人、関係人、参考人及び代理人の氏名 四 意見聴取等の期日の日時及び場所 五 意見聴取等の期日において行われた手続の要領(陳述の要旨を含む。) 六 その他筆界特定登記官が必要と認める事項 2 筆界特定登記官は、前項の規定にかかわらず、申請人、関係人又は参考人の陳述をビデオテープその他の適当と認める記録用の媒体に記録し、これをもって調書の記録に代えることができる。 3 意見聴取等の期日の調書には、書面、写真、ビデオテープその他筆界特定登記官において適当と認めるものを引用し、筆界特定手続記録に添付して調書の一部とすることができる。 第五款 調書等の閲覧 (調書等の閲覧) 第二百二十七条 申請人又は関係人は、法第百四十一条第一項の規定により調書又は資料の閲覧の請求をするときは、次に掲げる事項に係る情報を提供しなければならない。 一 手続番号 二 請求人の氏名又は名称及び住所並びに申請人又は関係人の別 三 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 四 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 2 前項の閲覧の請求をするときは、請求人が請求権限を有することを証する書面を提示しなければならない。 3 第一項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号をも提供したときは、この限りでない。 4 第一項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人等が法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも提供したときは、この限りでない。 5 法人である代理人によって第一項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも提供したときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 6 第一項の閲覧の請求は、同項の情報を記載した書面を法務局又は地方法務局に提出する方法によりしなければならない。 (調書等の閲覧の方法) 第二百二十八条 法第百四十一条第一項の規定による調書又は資料の閲覧は、筆界特定登記官(その指定する職員を含む。第三項において同じ。)の面前でさせるものとする。 2 法第百四十一条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法その他の筆界特定登記官が適当と認める方法とする。 3 筆界特定登記官は、法第百四十一条第一項の規定による調書又は資料の閲覧をさせる場合において、請求人から別段の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、電子計算機を使用して筆界特定登記官及び請求人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話することができる方法によって閲覧をさせることができる。 第三節 筆界特定 (筆界調査委員の調査の報告) 第二百二十九条 筆界特定登記官は、筆界調査委員に対し、法第百三十五条の規定による事実の調査の経過又は結果その他必要な事項について報告を求めることができる。 (筆界調査委員の意見の提出の方式) 第二百三十条 法第百四十二条の規定による意見の提出は、書面又は電磁的記録をもってするものとする。 (筆界特定書の記録事項等) 第二百三十一条 筆界特定書には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 手続番号 二 対象土地に係る不動産所在事項及び不動産番号(表題登記がない土地にあっては、法第三十四条第一項第一号に掲げる事項及び当該土地を特定するに足りる事項) 三 結論 四 理由の要旨 五 申請人の氏名又は名称及び住所 六 申請人の代理人があるときは、その氏名又は名称 七 筆界調査委員の氏名 八 筆界特定登記官の所属する法務局又は地方法務局の表示 2 筆界特定登記官は、書面をもって筆界特定書を作成するときは、筆界特定書に職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 筆界特定登記官は、電磁的記録をもって筆界特定書を作成するときは、筆界特定登記官を明らかにするための措置であって法務大臣が定めるものを講じなければならない。 4 法第百四十三条第二項の図面には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 地番区域の名称 二 方位 三 縮尺 四 対象土地及び関係土地の地番 五 筆界特定の対象となる筆界又はその位置の範囲 六 筆界特定の対象となる筆界に係る筆界点(筆界の位置の範囲を特定するときは、その範囲を構成する各点。次項において同じ。)間の距離 七 境界標があるときは、当該境界標の表示 八 測量の年月日 5 法第百四十三条第二項の図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものは、国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号及び基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値とする。 ただし、近傍に基本三角点等が存しない場合その他の基本三角点等に基づく測量ができない特別の事情がある場合にあっては、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値とする。 6 第十条第四項並びに第七十七条第三項及び第四項の規定は、法第百四十三条第二項の図面について準用する。 この場合において、第七十七条第三項中「第一項第九号」とあるのは「第二百三十一条第四項第七号」と読み替えるものとする。 (筆界特定の公告及び通知) 第二百三十二条 筆界特定登記官は、法第百四十四条第一項の筆界特定書の写しを作成するときは、筆界特定書の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 法第百四十四条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録をもって作成された筆界特定書の内容を証明した書面を交付する方法とする。 3 筆界特定登記官は、前項の書面を作成するときは、電磁的記録をもって作成された筆界特定書を書面に出力し、これに筆界特定書に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 4 法第百四十四条第一項の規定による筆界特定書の写し(第二項の書面を含む。)の交付は、送付の方法によりすることができる。 5 第二百十七条第一項の規定は法第百四十四条第一項の規定による公告について、第二百十七条第二項の規定は法第百四十四条第一項の規定による関係人に対する通知について、それぞれ準用する。 第四節 筆界特定手続記録の保管 (筆界特定手続記録の送付) 第二百三十三条 筆界特定登記官は、筆界特定の手続が終了したときは、遅滞なく、対象土地の所在地を管轄する登記所に筆界特定手続記録を送付しなければならない。 2 対象土地が二以上の法務局又は地方法務局の管轄区域にまたがる場合には、前項の規定による送付は、法第百二十四条第二項において読み替えて準用する法第六条第二項の規定により法務大臣又は法務局の長が指定した法務局又は地方法務局の管轄区域内にある登記所であって対象土地の所在地を管轄するものに対してするものとする。 この場合には、筆界特定登記官は、当該二以上の法務局又は地方法務局のうち法務大臣又は法務局の長が指定した法務局又は地方法務局以外の法務局又は地方法務局の管轄区域内にある登記所であって対象土地の所在地を管轄するものに筆界特定書等の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、その内容を書面に出力したもの。次項及び次条において同じ。)を送付しなければならない。 3 対象土地が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合(前項に規定する場合を除く。)には、第一項の規定による送付は、法務局又は地方法務局の長が指定する登記所に対してするものとする。 この場合には、筆界特定登記官は、当該二以上の登記所のうち法務局又は地方法務局の長が指定した登記所以外の登記所に筆界特定書等の写しを送付しなければならない。 (登記記録への記録) 第二百三十四条 筆界特定がされた筆界特定手続記録又は筆界特定書等の写しの送付を受けた登記所の登記官は、対象土地の登記記録に、筆界特定がされた旨を記録しなければならない。 (筆界特定手続記録の保存期間等) 第二百三十五条 次の各号に掲げる情報の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 筆界特定書に記載され、又は記録された情報 永久 二 筆界特定書以外の筆界特定手続記録に記載され、又は記録された情報 対象土地の所在地を管轄する登記所が第二百三十三条の規定により筆界特定手続記録の送付を受けた年の翌年から三十年間 2 筆界特定手続記録の全部又は一部が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の保存は、当該情報の内容を書面に出力したものを保存する方法によってすることができる。 3 筆界特定手続記録の全部又は一部が書面をもって作成されているときは、当該書面に記録された情報の保存は、当該情報の内容を記録した電磁的記録を保存する方法によってすることができる。 第二百三十五条の二 次の各号に掲げる帳簿の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 筆界特定受付等記録簿及び筆界特定関係簿 作成の年の翌年から三十年間 二 筆界特定事務日記帳及び筆界特定関係事務日記帳 作成の年の翌年から三年間 (準用) 第二百三十六条 第二十九条から第三十二条までの規定(同条第二項を除く。)は、筆界特定手続記録について準用する。 この場合において、第二十九条中「登記に関する電磁的記録、帳簿又は書類」とあり、第三十条第一項中「登記記録又は地図等」とあり、同条第三項中「登記記録、地図等又は登記簿の附属書類」とあり、第三十一条第一項中「登記簿、地図等及び登記簿の附属書類」とあり、同条第二項中「登記簿の附属書類」とあり、及び同条第三項中「登記簿、地図等又は登記簿の附属書類」とあるのは「筆界特定手続記録」と、第三十二条第一項中「当該不動産の登記記録(共同担保目録及び信託目録を含む。次項において同じ。)並びに地図等及び登記簿の附属書類(電磁的記録に記録されている地図等及び登記簿の附属書類を含む。)」とあるのは「当該不動産に係る筆界特定手続記録」と読み替えるものとする。 (筆界確定訴訟の確定判決があった場合の取扱い) 第二百三十七条 登記官は、その保管する筆界特定手続記録に係る筆界特定がされた筆界について、筆界確定訴訟の判決(訴えを不適法として却下したものを除く。以下本条において同じ。)が確定したときは、当該筆界確定訴訟の判決が確定した旨及び当該筆界確定訴訟に係る事件を特定するに足りる事項を当該筆界特定に係る筆界特定書に明らかにすることができる。 第五節 筆界特定書等の写しの交付等 (筆界特定書等の写しの交付の請求情報等) 第二百三十八条 法第百四十九条第一項の規定により筆界特定書等の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されている場合における当該記録された情報の内容を証明した書面を含む。以下同じ。)の交付の請求をするときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この節において「請求情報」という。)を提供しなければならない。 筆界特定手続記録の閲覧の請求をするときも、同様とする。 一 請求人の氏名又は名称 二 手続番号 三 交付の請求をするときは、請求に係る書面の通数 四 筆界特定書等の一部の写しの交付の請求をするときは、請求する部分 五 送付の方法により筆界特定書等の写しの交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 法第百四十九条第二項の規定により筆界特定書等以外の筆界特定手続記録の閲覧の請求をするときは、前項第一号及び第二号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 法第百四十九条第二項ただし書の利害関係を有する理由及び閲覧する部分 3 前項の閲覧の請求をするときは、同項第四号の利害関係がある理由を証する書面を提示しなければならない。 4 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 5 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人等が法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 (筆界特定書等の写しの交付の請求方法等) 第二百三十九条 前条第一項の交付の請求又は同項若しくは同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 送付の方法による筆界特定書等の写しの交付の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合には、送付先の住所をも請求情報の内容とする。 3 法第百四十九条第三項において準用する法第百十九条第四項ただし書の法務省令で定める方法は、前項に規定する方法とする。 (筆界特定書等の写しの作成及び交付) 第二百四十条 登記官は、筆界特定書等の写しを作成するとき(次項に規定する場合を除く。)は、筆界特定書等の全部又は一部の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 登記官は、筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されている場合において、筆界特定書等の写しを作成するときは、電磁的記録に記録された筆界特定書等を書面に出力し、これに筆界特定書等に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 筆界特定書等の写しの交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (準用) 第二百四十一条 第二百二条の規定は筆界特定手続記録の閲覧について、第二百三条第一項の規定は法第百四十九条第一項及び第二項の手数料を収入印紙をもって納付するときについて、第二百四条の規定は請求情報を記載した書面を登記所に提出する方法により第二百三十八条第一項の交付の請求をする場合において前条第三項の規定による申出をするときについて、第二百五条第二項の規定は第二百三十九条第二項に規定する方法により筆界特定書等の写しの交付の請求をする場合において手数料を納付するときについて、それぞれ準用する。 この場合において、第二百二条第二項中「法第百二十条第二項及び第百二十一条第二項」とあるのは「法第百四十九条第二項」と、同条第三項中「法第百二十一条第三項又は第四項の規定による登記簿の附属書類」とあるのは「法第百四十九条第二項に規定する筆界特定手続記録」と、第二百三条第一項中「法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項まで」とあるのは「法第百四十九条第一項及び第二項」と、第二百四条第一項中「第百九十三条第一項」とあるのは「第二百三十八条第一項」と、「第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第二百四十条第三項」と読み替えるものとする。 第六節 雑則 (手続費用) 第二百四十二条 法第百四十六条第一項の法務省令で定める費用は、筆界特定登記官が相当と認める者に命じて行わせた測量、鑑定その他専門的な知見を要する行為について、その者に支給すべき報酬及び費用の額として筆界特定登記官が相当と認めたものとする。 (代理人等) 第二百四十三条 関係人が法人である場合において、当該関係人が筆界特定の手続において意見の提出その他の行為をするときは、次に掲げる情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。 一 会社法人等番号を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 二 前号に規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 2 前項の規定は、関係人が同項第一号に規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書を提供して同項の行為をする場合には、適用しない。 一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書 二 支配人等によって前項の行為をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書 3 筆界特定の申請がされた後、申請人又は関係人が代理人を選任したときは、当該申請人又は関係人は、当該代理人の権限を証する情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。 ただし、当該申請人又は関係人が会社法人等番号を有する法人であって、当該代理人が支配人等である場合は、この限りでない。 4 前項本文に規定する代理人が法人である場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。 (申請の却下) 第二百四十四条 筆界特定登記官は、法第百三十二条第一項の規定により筆界特定の申請を却下するときは、決定書を作成し、これを申請人に交付しなければならない。 2 前項の規定による交付は、当該決定書を送付する方法によりすることができる。 3 筆界特定登記官は、申請を却下したときは、筆界特定添付書面を還付するものとする。 ただし、偽造された書面その他の不正な申請のために用いられた疑いがある書面については、この限りでない。 4 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による公告をした後に筆界特定の申請を却下したときは、その旨を公告しなければならない。 第二百十七条第一項の規定は、この場合における公告について準用する。 5 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による通知をした後に筆界特定の申請を却下したときは、その旨を当該通知に係る関係人に通知しなければならない。 同条第二項及び第二百十七条第二項の規定は、この場合における通知について準用する。 (申請の取下げ) 第二百四十五条 筆界特定の申請の取下げは、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。 一 筆界特定電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を筆界特定登記官に提供する方法 二 筆界特定書面申請 申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を筆界特定登記官に提出する方法 2 筆界特定の申請の取下げは、法第百四十四条第一項の規定により申請人に対する通知を発送した後は、することができない。 3 筆界特定登記官は、筆界特定の申請の取下げがあったときは、筆界特定添付書面を還付するものとする。 前条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 4 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による公告をした後に筆界特定の申請の取下げがあったときは、その旨を公告しなければならない。 第二百十七条第一項の規定は、この場合における公告について準用する。 5 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による通知をした後に筆界特定の申請の取下げがあったときは、その旨を当該通知に係る関係人に通知しなければならない。 同条第二項及び第二百十七条第二項の規定は、この場合における通知について準用する。 (筆界特定書の更正) 第二百四十六条 筆界特定書に誤記その他これに類する明白な誤りがあるときは、筆界特定登記官は、いつでも、当該筆界特定登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、更正することができる。 2 筆界特定登記官は、筆界特定書を更正したときは、申請人に対し、更正の内容を通知するとともに、更正した旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。 法第百三十三条第二項及びこの省令第二百十七条第二項の規定はこの場合における通知について、同条第一項の規定はこの場合における公告について、それぞれ準用する。 第六章 法定相続情報 (法定相続情報一覧図) 第二百四十七条 表題部所有者、登記名義人又はその他の者について相続が開始した場合において、当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人(第三項第二号に掲げる書面の記載により確認することができる者に限る。以下本条において同じ。)又は当該相続人の地位を相続により承継した者は、被相続人の本籍地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対し、法定相続情報(次の各号に掲げる情報をいう。以下同じ。)を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をすることができる。 一 被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日 二 相続開始の時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄 2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする申出書を登記所に提供してしなければならない。 一 申出人の氏名、住所、連絡先及び被相続人との続柄 二 代理人(申出人の法定代理人又はその委任による代理人にあってはその親族若しくは戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十条の二第三項に掲げる者に限る。以下本条において同じ。)によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 利用目的 四 交付を求める通数 五 被相続人を表題部所有者又は所有権の登記名義人とする不動産があるときは、不動産所在事項又は不動産番号 六 申出の年月日 七 送付の方法により法定相続情報一覧図の写しの交付及び第六項の規定による書面の返却を求めるときは、その旨 3 前項の申出書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 法定相続情報一覧図(第一項各号に掲げる情報及び作成の年月日を記載し、申出人が記名するとともに、その作成をした申出人又はその代理人が記名したものに限る。) 二 被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む。)の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書 三 被相続人の最後の住所を証する書面 四 第一項第二号の相続人の戸籍の謄本、抄本又は記載事項証明書 五 申出人が相続人の地位を相続により承継した者であるときは、これを証する書面 六 申出書に記載されている申出人の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該申出人が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。) 七 代理人によって第一項の申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面 4 前項第一号の法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載したときは、第二項の申出書には、その住所を証する書面を添付しなければならない。 5 登記官は、第三項第二号から第四号までに掲げる書面によって法定相続情報の内容を確認し、かつ、その内容と法定相続情報一覧図に記載された法定相続情報の内容とが合致していることを確認したときは、法定相続情報一覧図の写しを交付するものとする。 この場合には、申出に係る登記所に保管された法定相続情報一覧図の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印するものとする。 6 登記官は、法定相続情報一覧図の写しを交付するときは、第三項第二号から第五号まで及び第四項に規定する書面を返却するものとする。 7 前各項の規定(第三項第一号から第五号まで及び第四項を除く。)は、第一項の申出をした者がその申出に係る登記所の登記官に対し法定相続情報一覧図の写しの再交付の申出をする場合について準用する。 (法定相続情報一覧図の写しの送付の方法等) 第二百四十八条 法定相続情報一覧図の写しの交付及び前条第六項の規定による書面の返却は、申出人の申出により、送付の方法によりすることができる。 2 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。 3 前項の指定は、告示してしなければならない。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第十八号
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不動産登記規則 第一章 総則 (定義) 第一条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 順位番号 第百四十七条第一項の規定により権利部に記録される番号をいう。 二 地図等 地図、建物所在図又は地図に準ずる図面をいう。 三 電子申請 不動産登記法(以下「法」という。)第十八条第一号の規定による電子情報処理組織を使用する方法による申請をいう。 四 書面申請 法第十八条第二号の規定により次号の申請書を登記所に提出する方法による申請をいう。 五 申請書 申請情報を記載した書面をいい、法第十八条第二号の磁気ディスクを含む。 六 添付書面 添付情報を記載した書面をいい、不動産登記令(以下「令」という。)第十五条の添付情報を記録した磁気ディスクを含む。 七 土地所在図等 土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面又は各階平面図をいう。 八 不動産番号 第九十条の規定により表題部に記録される番号、記号その他の符号をいう。 九 不動産所在事項 不動産の所在する市、区、郡、町、村及び字(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村及び字)並びに土地にあっては地番、建物にあっては建物の所在する土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する土地の地番)及び家屋番号をいう。 (登記の前後) 第二条 登記の前後は、登記記録の同一の区(第四条第四項の甲区又は乙区をいう。以下同じ。)にした登記相互間については順位番号、別の区にした登記相互間については受付番号による。 2 法第七十三条第一項に規定する権利に関する登記であって、法第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有するものと当該土地の登記記録の権利部にした登記との前後は、受付番号による。 (付記登記) 第三条 次に掲げる登記は、付記登記によってするものとする。 一 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記 二 次に掲げる登記その他の法第六十六条に規定する場合における権利の変更の登記又は更正の登記 イ 債権の分割による抵当権の変更の登記 ロ 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百九十八条の八第一項又は第二項(これらの規定を同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の合意の登記 ハ 民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)に規定する根質権又は根抵当権を分割して譲り渡す場合においてする極度額の減額による変更の登記 ニ 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の定めの登記 三 法第七十六条の三第一項の規定による申出に関する登記 四 登記事項の一部が抹消されている場合においてする抹消された登記の回復 五 所有権以外の権利を目的とする権利に関する登記(処分の制限の登記を含む。) 六 所有権以外の権利の移転の登記 七 登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記 八 民法第三百九十三条(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定による代位の登記 九 抵当証券交付又は抵当証券作成の登記 十 買戻しの特約の登記 第二章 登記記録等 第一節 登記記録 (登記簿の調製方法) 第三条の二 登記簿は、登記記録の記録に係る電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体をもって調製するものとする。 (登記記録の編成) 第四条 土地の登記記録の表題部は、別表一の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 2 建物(次項の建物を除く。)の登記記録の表題部は、別表二の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 3 区分建物である建物の登記記録の表題部は、別表三の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 4 権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録するものとする。 (移記又は転写) 第五条 登記官は、登記を移記し、又は転写するときは、法令に別段の定めがある場合を除き、現に効力を有する登記のみを移記し、又は転写しなければならない。 2 登記官は、登記を移記し、又は転写したときは、その年月日を新たに記録した登記の末尾に記録しなければならない。 3 登記官は、登記を移記したときは、移記前の登記記録を閉鎖しなければならない。 (記録事項過多による移記) 第六条 登記官は、登記記録に記録されている事項が過多となったことその他の事由により取扱いが不便となったときは、登記を移記することができる。 この場合には、表示に関する登記及び所有権の登記であって現に効力を有しないものも移記することができる。 (登記官の識別番号の記録) 第七条 登記官は、登記記録に登記事項を記録し、若しくは登記事項を抹消する記号を記録するとき又は登記を転写し、若しくは移記するときは、登記官の識別番号を記録しなければならない。 共同担保目録又は信託目録に記録すべき事項を記録し、又は既に記録された事項を抹消する記号を記録する場合についても、同様とする。 (登記記録の閉鎖) 第八条 登記官は、登記記録を閉鎖するときは、閉鎖の事由、閉鎖の年月日及び閉鎖する登記記録の不動産の表示(法第二十七条第一号に掲げる登記事項を除く。)を抹消する記号を記録するほか、登記官の識別番号を記録しなければならない。 (副登記記録) 第九条 法務大臣は、登記記録に記録されている事項(共同担保目録及び信託目録に記録されている事項を含む。)と同一の事項を記録する副登記記録を調製するものとする。 2 登記官は、登記簿に記録した登記記録によって登記の事務を行うことができないときは、前項の副登記記録によってこれを行うことができる。 この場合において、副登記記録に記録した事項は、登記記録に記録した事項とみなす。 3 登記官は、登記簿に記録した登記記録によって登記の事務を行うことができるようになったときは、直ちに、前項の規定により副登記記録に記録した事項を登記記録に記録しなければならない。 第二節 地図等 (地図) 第十条 地図は、地番区域又はその適宜の一部ごとに、正確な測量及び調査の成果に基づき作成するものとする。 ただし、地番区域の全部又は一部とこれに接続する区域を一体として地図を作成することを相当とする特段の事由がある場合には、当該接続する区域を含めて地図を作成することができる。 2 地図の縮尺は、次の各号に掲げる地域にあっては、当該各号に定める縮尺によるものとする。 ただし、土地の状況その他の事情により、当該縮尺によることが適当でない場合は、この限りでない。 一 市街地地域(主に宅地が占める地域及びその周辺の地域をいう。以下同じ。) 二百五十分の一又は五百分の一 二 村落・農耕地域(主に田、畑又は塩田が占める地域及びその周辺の地域をいう。以下同じ。) 五百分の一又は千分の一 三 山林・原野地域(主に山林、牧場又は原野が占める地域及びその周辺の地域をいう。以下同じ。) 千分の一又は二千五百分の一 3 地図を作成するための測量は、測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)第二章の規定による基本測量の成果である三角点及び電子基準点、国土調査法(昭和二十六年法律第百八十号)第十九条第二項の規定により認証され、若しくは同条第五項の規定により指定された基準点又はこれらと同等以上の精度を有すると認められる基準点(以下「基本三角点等」と総称する。)を基礎として行うものとする。 4 地図を作成するための一筆地測量及び地積測定における誤差の限度は、次によるものとする。 一 市街地地域については、国土調査法施行令(昭和二十七年政令第五十九号)別表第四に掲げる精度区分(以下「精度区分」という。)甲二まで 二 村落・農耕地域については、精度区分乙一まで 三 山林・原野地域については、精度区分乙三まで 5 国土調査法第二十条第一項の規定により登記所に送付された地籍図の写しは、同条第二項又は第三項の規定による登記が完了した後に、地図として備え付けるものとする。 ただし、地図として備え付けることを不適当とする特別の事情がある場合は、この限りでない。 6 前項の規定は、土地改良登記令(昭和二十六年政令第百四十六号)第五条第二項第三号又は土地区画整理登記令(昭和三十年政令第二百二十一号)第四条第二項第三号の土地の全部についての所在図その他これらに準ずる図面について準用する。 (建物所在図) 第十一条 建物所在図は、地図及び建物図面を用いて作成することができる。 2 前項の規定にかかわらず、新住宅市街地開発法等による不動産登記に関する政令(昭和四十年政令第三百三十号)第六条第二項(同令第十一条から第十三条までにおいて準用する場合を含む。)の建物の全部についての所在図その他これに準ずる図面は、これを建物所在図として備え付けるものとする。 ただし、建物所在図として備え付けることを不適当とする特別の事情がある場合は、この限りでない。 (地図等の閉鎖) 第十二条 登記官は、新たな地図を備え付けた場合において、従前の地図があるときは、当該従前の地図の全部又は一部を閉鎖しなければならない。 地図を電磁的記録に記録したときも、同様とする。 2 登記官は、前項の規定により地図を閉鎖する場合には、当該地図に閉鎖の事由及びその年月日を記録するほか、当該地図が、電磁的記録に記録されている地図であるときは登記官の識別番号を記録し、その他の地図であるときは登記官印を押印しなければならない。 3 登記官は、従前の地図の一部を閉鎖したときは、当該閉鎖した部分と他の部分とを判然区別することができる措置を講じなければならない。 4 前三項の規定は、地図に準ずる図面及び建物所在図について準用する。 (地図の記録事項) 第十三条 地図には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 地番区域の名称 二 地図の番号(当該地図が複数の図郭にまたがって作成されている場合には、当該各図郭の番号) 三 縮尺 四 国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号 五 図郭線及びその座標値 六 各土地の区画及び地番 七 基本三角点等の位置 八 精度区分 九 隣接図郭との関係 十 作成年月日 2 電磁的記録に記録する地図にあっては、前項各号に掲げるもののほか、各筆界点の座標値を記録するものとする。 (建物所在図の記録事項) 第十四条 建物所在図には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 地番区域の名称 二 建物所在図の番号 三 縮尺 四 各建物の位置及び家屋番号(区分建物にあっては、当該区分建物が属する一棟の建物の位置) 五 第十一条第二項の建物所在図にあっては、その作成年月日 (地図及び建物所在図の番号) 第十五条 登記官は、地図に記録された土地の登記記録の表題部には第十三条第一項第二号の地図の番号(同号括弧書きに規定する場合には、当該土地が属する図郭の番号)を記録し、建物所在図に記録された建物の登記記録の表題部には前条第二号の番号を記録しなければならない。 (地図等の副記録) 第十五条の二 法務大臣は、電磁的記録に記録されている地図等に記録されている事項と同一の事項を記録する地図等の副記録を調製するものとする。 2 第九条第二項及び第三項の規定は、登記官が電磁的記録に記録されている地図等によって登記の事務を行うことができない場合について準用する。 (地図等の訂正) 第十六条 地図に表示された土地の区画又は地番に誤りがあるときは、当該土地の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの相続人その他の一般承継人は、その訂正の申出をすることができる。 地図に準ずる図面に表示された土地の位置、形状又は地番に誤りがあるときも、同様とする。 2 前項の申出をする場合において、当該土地の登記記録の地積に錯誤があるときは、同項の申出は、地積に関する更正の登記の申請と併せてしなければならない。 3 第一項の申出は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下「地図訂正申出情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 申出人の氏名又は名称及び住所 二 申出人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 申出人が表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨 五 申出に係る訂正の内容 4 第一項の申出は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して地図訂正申出情報を登記所に提供する方法 二 地図訂正申出情報を記載した書面(地図訂正申出情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を登記所に提出する方法 5 第一項の申出をする場合には、地図訂正申出情報と併せて次に掲げる情報を提供しなければならない。 一 地図又は地図に準ずる図面に表示された土地の区画若しくは位置若しくは形状又は地番に誤りがあることを証する情報 二 地図又は地図に準ずる図面に表示された土地の区画又は位置若しくは形状に誤りがあるときは、土地所在図又は地積測量図 三 表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人が申出をするときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。第二百二条の四第六項第一号、第二百二条の十一第四項(第二百二条の十六第四項において準用する場合を含む。)、第二百二条の十四第四項第一号及び第二百二条の十五第四項第一号を除き、以下同じ。)、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 6 令第四条本文、第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の申出をする場合について準用する。 7 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条の二の規定は第一項の申出をする場合について、それぞれ準用する。 8 令第十条から第十四条までの規定は、第四項第一号の方法により第一項の申出をする場合について準用する。 9 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について準用する。 10 令第十五条、第十六条第一項、第十七条及び第十八条第一項の規定は第四項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について、令第十六条第五項の規定は第四項第二号に規定する地図訂正申出情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により第一項の申出をする場合について準用する。 この場合において、令第十六条第一項及び第十八条第一項中「記名押印しなければ」とあるのは、「署名し、又は記名押印しなければ」と読み替えるものとする。 11 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条の規定は第四項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について、第五十一条の規定は第四項第二号に規定する磁気ディスクを提出する方法により第一項の申出をする場合について準用する。 この場合において、第五十一条第七項及び第八項中「令第十六条第五項」とあるのは、「第十六条第十項において準用する令第十六条第五項」と読み替えるものとする。 12 登記官は、申出に係る事項を調査した結果、地図又は地図に準ずる図面を訂正する必要があると認めるときは、地図又は地図に準ずる図面を訂正しなければならない。 13 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、第一項の申出を却下しなければならない。 一 申出に係る土地の所在地が当該申出を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 申出の権限を有しない者の申出によるとき。 三 地図訂正申出情報又はその提供の方法がこの省令の規定により定められた方式に適合しないとき。 四 この省令の規定により地図訂正申出情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。 五 申出に係る事項を調査した結果、地図又は地図に準ずる図面に誤りがあると認められないとき。 六 地図又は地図に準ずる図面を訂正することによって申出に係る土地以外の土地の区画又は位置若しくは形状を訂正すべきこととなるとき。 14 第三十八条及び第三十九条の規定は、第一項の申出について準用する。 15 登記官は、地図等に誤りがあると認めるときは、職権で、その訂正をすることができる。 (行政区画の変更等) 第十六条の二 第九十二条の規定は、地図等について準用する。 この場合において、同条第一項中「変更の登記」とあるのは「変更」と、同条第二項中「表題部」とあるのは「地図等」と読み替えるものとする。 第三節 登記に関する帳簿 (申請情報等の保存) 第十七条 登記官は、電子申請において提供された申請情報及びその添付情報その他の登記簿の附属書類(これらの情報について行われた電子署名及び電子証明書を検証した結果の記録を含む。)を登記所の管理する電磁的記録に記録して保存するものとする。 2 登記官は、書面申請において提出された申請書及びその添付書面その他の登記簿の附属書類を、第十九条から第二十二条までの規定に従い、次条第二号から第五号までに掲げる帳簿につづり込んで保存するものとする。 (帳簿) 第十八条 登記所(第十四号及び第十五号の帳簿にあっては、法務局又は地方法務局に限る。)には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 受付帳 二 申請書類つづり込み帳 三 土地図面つづり込み帳 四 地役権図面つづり込み帳 五 建物図面つづり込み帳 六 職権表示登記等事件簿 七 職権表示登記等書類つづり込み帳 八 決定原本つづり込み帳 九 審査請求書類等つづり込み帳 十 各種通知簿 十一 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳 十二 請求書類つづり込み帳 十二の二 申出立件事件簿 十二の三 申出立件関係書類つづり込み帳 十二の四 申出立件事務日記帳 十二の五 代替措置等申出書写しつづり込み帳 十三 筆界特定書つづり込み帳 十四 筆界特定受付等記録簿 十五 筆界特定事務日記帳 十六 筆界特定関係簿 十七 筆界特定関係事務日記帳 十八 閉鎖土地図面つづり込み帳 十九 閉鎖地役権図面つづり込み帳 二十 閉鎖建物図面つづり込み帳 二十一 登記簿保存簿 二十二 登記関係帳簿保存簿 二十三 地図保存簿 二十四 建物所在図保存簿 二十五 登記識別情報通知書交付簿 二十六 登記事務日記帳 二十七 登記事項証明書等用紙管理簿 二十八 登録免許税関係書類つづり込み帳 二十九 再使用証明申出書類つづり込み帳 三十 不正登記防止申出書類つづり込み帳 三十一 土地価格通知書つづり込み帳 三十二 建物価格通知書つづり込み帳 三十三 諸表つづり込み帳 三十四 雑書つづり込み帳 三十五 法定相続情報一覧図つづり込み帳 (受付帳) 第十八条の二 受付帳は、登記の申請、登記識別情報の失効の申出及び登記識別情報に関する証明についてそれぞれ調製するものとする。 2 受付帳は、書面により調製する必要がある場合を除き、磁気ディスクその他の電磁的記録に記録して調製するものとする。 (申請書類つづり込み帳) 第十九条 申請書類つづり込み帳には、申請書及びその添付書面、通知書、許可書、取下書その他の登記簿の附属書類(申請に係る事件を処理するために登記官が作成したものを含み、この省令の規定により第十八条第三号から第五号まで及び第七号の帳簿につづり込むものを除く。)をつづり込むものとする。 (土地図面つづり込み帳等) 第二十条 土地図面つづり込み帳には、土地所在図及び地積測量図(これらのものが書面である場合に限る。)をつづり込むものとする。 2 第十七条第二項の規定にかかわらず、登記官は、前項の土地所在図及び地積測量図を同条第一項の電磁的記録に記録して保存することができる。 3 登記官は、前項の規定により土地所在図及び地積測量図を電磁的記録に記録して保存したときは、第一項の土地所在図及び地積測量図を申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。 4 閉鎖土地図面つづり込み帳には、第八十五条第二項の規定により閉鎖した第一項の土地所在図及び地積測量図をつづり込むものとする。 (地役権図面つづり込み帳等) 第二十一条 地役権図面つづり込み帳には、地役権図面(書面である場合に限る。)をつづり込むものとする。 2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の地役権図面について準用する。 3 閉鎖地役権図面つづり込み帳には、第八十七条第一項の規定により閉鎖した第一項の地役権図面をつづり込むものとする。 (建物図面つづり込み帳等) 第二十二条 建物図面つづり込み帳には、建物図面及び各階平面図(これらのものが書面である場合に限る。)をつづり込むものとする。 2 第二十条第二項及び第三項の規定は、前項の建物図面及び各階平面図について準用する。 3 閉鎖建物図面つづり込み帳には、第八十五条第二項の規定により閉鎖した第一項の建物図面及び各階平面図をつづり込むものとする。 (職権表示登記等書類つづり込み帳) 第二十三条 職権表示登記等書類つづり込み帳には、職権による表示に関する登記及び地図その他の図面の訂正に関する書類を立件の際に付した番号(以下「立件番号」という。)の順序に従ってつづり込むものとする。 (決定原本つづり込み帳) 第二十四条 決定原本つづり込み帳には、申請又は申出を却下した決定の決定書の原本をつづり込むものとする。 (審査請求書類等つづり込み帳) 第二十五条 審査請求書類等つづり込み帳には、審査請求書その他の審査請求事件に関する書類をつづり込むものとする。 (登記識別情報失効申出書類つづり込み帳) 第二十六条 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳には、登記識別情報の失効の申出に関する書類をつづり込むものとする。 2 登記識別情報の失効の申出が電子情報処理組織を使用する方法によりされた場合は、当該申出に係る情報の内容を書面に出力したものを登記識別情報失効申出書類つづり込み帳につづり込むものとする。 (請求書類つづり込み帳) 第二十七条 請求書類つづり込み帳には、次に掲げる請求に係る書面をつづり込むものとする。 一 登記事項証明書の交付の請求 二 登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面(以下「登記事項要約書」という。)の交付の請求 三 地図等の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付の請求 四 地図等の閲覧の請求 五 土地所在図等の全部又は一部の写し(土地所在図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付の請求 六 登記簿の附属書類の閲覧の請求 七 登記識別情報に関する証明の請求 八 筆界特定書等の全部又は一部の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付の請求 九 筆界特定手続記録の閲覧の請求 2 前項各号に掲げる請求が電子情報処理組織を使用する方法によりされた場合は、当該請求に係る情報の内容を書面に出力したものを請求書類つづり込み帳につづり込むものとする。 (申出立件事件簿等) 第二十七条の二 申出立件事件簿には、代替措置等申出(第二百二条の四第一項に規定する代替措置等申出をいう。第三項及び第四項において同じ。)又は代替措置申出の撤回(第二百二条の十五第一項の規定による撤回をいう。第三項及び第四項において同じ。)の立件の年月日その他の必要な事項を記録するものとする。 2 申出立件事件簿は、書面により調製する必要がある場合を除き、磁気ディスクその他の電磁的記録に記録して調製するものとする。 3 申出立件関係書類つづり込み帳には、代替措置等申出に関する書類及び代替措置申出の撤回に関する書類を立件番号の順序に従ってつづり込むものとする。 4 申出立件事務日記帳には、申出立件事件簿に記録しない代替措置等申出に関する事務又は代替措置申出の撤回に関する事務に係る書類の発送及び受領に関する事項を記録するものとする。 (代替措置等申出書写しつづり込み帳) 第二十七条の三 代替措置等申出書写しつづり込み帳には、第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。)の規定により送付を受けた書類をつづり込むものとする。 (筆界特定書つづり込み帳等) 第二十七条の四 筆界特定書つづり込み帳には、筆界特定書(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、その内容を書面に出力したもの)及び第二百三十三条第二項後段又は第三項後段の規定により送付された筆界特定書の写し(筆界特定書が電磁的記録をもって作成されているときは、その内容を書面に出力したもの)をつづり込むものとする。 2 次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める事項を記録するものとする。 一 筆界特定受付等記録簿 筆界特定の申請の受付の年月日その他の必要な事項 二 筆界特定事務日記帳 筆界特定受付等記録簿に記録しない筆界特定の事務に係る書類の発送及び受領に関する事項 三 筆界特定関係簿 対象土地の所在地を管轄する登記所における筆界特定申請書の提出の年月日その他の必要な事項 四 筆界特定関係事務日記帳 前号の登記所における筆界特定関係簿に記録しない筆界特定の事務に係る書類の発送及び受領に関する事項 (登記簿保存簿等) 第二十七条の五 次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める事項を記録するものとする。 一 登記簿保存簿 登記記録の保存状況 二 登記関係帳簿保存簿 登記簿を除く一切の登記関係帳簿の保存状況 三 地図保存簿又は建物所在図保存簿 地図等(閉鎖したものを含む。)の保存状況 四 登記識別情報通知書交付簿 登記識別情報を記載した書面を交付する方法により登記識別情報を通知した旨その他の必要な事項 五 登記事務日記帳 受付帳その他の帳簿に記録しない書類の発送及び受領に関する事項 六 登記事項証明書等用紙管理簿 登記事項証明書、地図等の写し、土地所在図等の写し及び登記識別情報を記載した書面の作成に使用する用紙の管理に関する事項 (登録免許税関係書類つづり込み帳等) 第二十七条の六 次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める書類をつづり込むものとする。 一 登録免許税関係書類つづり込み帳 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)第二十八条第一項及び第三十一条第一項の通知に関する書類、同条第二項及び第六項の請求に関する書類並びに同条第五項の申出に関する書類 二 再使用証明申出書類つづり込み帳 登録免許税法第三十一条第三項の申出に関する書類 三 不正登記防止申出書類つづり込み帳 登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。)からのそれらの者に成りすました者が登記の申請をしている旨又はそのおそれがある旨の申出に関する書類 四 土地価格通知書つづり込み帳又は建物価格通知書つづり込み帳 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第四百二十二条の三の通知に関する書類 五 諸表つづり込み帳 登記事件及び登記以外の事件に関する各種の統計表 六 雑書つづり込み帳 第十八条第二号から第五号まで、第七号から第九号まで、第十一号、第十二号、第十二号の三、第十二号の五、第十三号、第十八号から第二十号まで及び第二十八号から第三十三号までに掲げる帳簿につづり込まない書類 (土地所在図等の副記録) 第二十七条の七 法務大臣は、第十七条第一項の電磁的記録に記録されている土地所在図等に記録されている事項と同一の事項を記録する土地所在図等の副記録を調製するものとする。 2 第九条第二項及び第三項の規定は、登記官が第十七条第一項の電磁的記録に記録されている土地所在図等によって登記の事務を行うことができない場合について準用する。 (法定相続情報一覧図つづり込み帳) 第二十七条の八 法定相続情報一覧図つづり込み帳には、法定相続情報一覧図及びその保管の申出に関する書類をつづり込むものとする。 第四節 雑則 (保存期間) 第二十八条 次の各号に掲げる情報の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 登記記録(閉鎖登記記録(閉鎖した登記記録をいう。以下同じ。)を除く。) 永久 二 地図及び地図に準ずる図面(閉鎖したものを含む。) 永久 三 建物所在図(閉鎖したものを含む。) 永久 四 土地に関する閉鎖登記記録 閉鎖した日から五十年間 五 建物に関する閉鎖登記記録 閉鎖した日から三十年間 六 共同担保目録 当該共同担保目録に記録されているすべての事項を抹消した日から十年間 七 信託目録 信託の登記の抹消をした日から二十年間 八 受付帳に記録された情報 受付の年の翌年から十年間(登記識別情報に関する証明の請求に係る受付帳にあっては、受付の年の翌年から一年間) 九 表示に関する登記の申請情報及びその添付情報(申請情報及びその添付情報以外の情報であって申請書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載されたものを含む。次号において同じ。) 受付の日から三十年間(第二十条第三項(第二十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものにあっては、電磁的記録に記録して保存した日から三十年間) 十 権利に関する登記の申請情報及びその添付情報 受付の日から三十年間(第二十一条第二項において準用する第二十条第三項の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものにあっては、電磁的記録に記録して保存した日から三十年間) 十一 職権表示登記等事件簿に記録された情報 立件の日から五年間 十二 職権表示登記等書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 立件の日から三十年間 十三 土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図(第二十条第三項(第二十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものを除く。) 永久(閉鎖したものにあっては、閉鎖した日から三十年間) 十四 地役権図面(第二十一条第二項において準用する第二十条第三項の規定により申請書類つづり込み帳につづり込まれたものを除く。) 閉鎖した日から三十年間 十五 決定原本つづり込み帳又は審査請求書類等つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 申請又は申出を却下した決定又は審査請求の受付の年の翌年から五年間 十六 各種通知簿に記録された情報 通知の年の翌年から一年間 十七 登記識別情報の失効の申出に関する情報 当該申出の受付の日から十年間 十八 請求書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 受付の日から一年間 十九 申出立件事件簿に記録された情報 立件の日から五年間 二十 申出立件関係書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 立件の日から五年間 二十一 代替措置等申出書写しつづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 送付を受けた日から五年間 第二十八条の二 次の各号に掲げる帳簿の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 登記簿保存簿、登記関係帳簿保存簿、地図保存簿及び建物所在図保存簿 作成の日から三十年間 一の二 申出立件事務日記帳 作成の年の翌年から一年間 二 登記識別情報通知書交付簿、登記事務日記帳及び登記事項証明書等用紙管理簿 作成の年の翌年から一年間 三 登録免許税関係書類つづり込み帳及び再使用証明申出書類つづり込み帳 作成の年の翌年から五年間 四 不正登記防止申出書類つづり込み帳、土地価格通知書つづり込み帳、建物価格通知書つづり込み帳及び諸表つづり込み帳 作成の年の翌年から三年間 五 雑書つづり込み帳 作成の年の翌年から一年間 六 法定相続情報一覧図つづり込み帳 作成の年の翌年から五年間 (記録の廃棄) 第二十九条 登記所において登記に関する電磁的記録、帳簿又は書類を廃棄するときは、法務局又は地方法務局の長の認可を受けなければならない。 (登記記録の滅失等) 第三十条 登記官は、登記記録又は地図等が滅失したときは、速やかに、その状況を調査し、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。 2 前項の法務局又は地方法務局の長は、同項の報告を受けたときは、相当の調査をし、法務大臣に対し、意見を述べなければならない。 3 前二項の規定は、登記記録、地図等又は登記簿の附属書類が滅失するおそれがあるときについて準用する。 (持出禁止) 第三十一条 登記簿、地図等及び登記簿の附属書類は、事変を避けるためにする場合を除き、登記所の外に持ち出してはならない。 2 前項の規定にかかわらず、登記官は、裁判所から登記簿の附属書類を送付すべき命令又は嘱託があったときは、その関係がある部分に限り、登記簿の附属書類を送付するものとする。 この場合において、当該登記簿の附属書類が電磁的記録に記録されているときは、その関係がある部分について、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力し、これを送付するものとする。 3 登記官は、事変を避けるために登記簿、地図等又は登記簿の附属書類を登記所の外に持ち出したときは、速やかに、その旨を当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。 (管轄転属による登記記録等の移送) 第三十二条 不動産の所在地が甲登記所の管轄から乙登記所の管轄に転属したときは、甲登記所の登記官は、当該不動産の登記記録(共同担保目録及び信託目録を含む。次項において同じ。)並びに地図等及び登記簿の附属書類(電磁的記録に記録されている地図等及び登記簿の附属書類を含む。)を乙登記所に移送するものとする。 2 前項の場合において、甲登記所の登記官は、移送した登記記録並びに電磁的記録に記録されている地図等及び土地所在図等を閉鎖するものとする。 (管轄転属による共同担保目録等の移送) 第三十三条 前条第一項の規定により乙登記所が共同担保目録の移送を受けたときは、乙登記所の登記官は、必要に応じ、当該共同担保目録の記号及び目録番号を改め、かつ、移送を受けた登記記録の乙区の従前の共同担保目録の記号及び目録番号を新たに付した記号及び目録番号に変更するものとする。 2 前項の規定は、信託目録について準用する。 この場合において、同項中「記号及び目録番号」とあるのは「目録番号」と、「乙区」とあるのは「相当区」と読み替えるものとする。 3 第一項の規定は、地役権図面について準用する。 この場合において、同項中「記号及び目録番号」とあるのは、「番号」と読み替えるものとする。 第三章 登記手続 第一節 総則 第一款 通則 (申請情報) 第三十四条 登記の申請においては、次に掲げる事項を申請情報の内容とするものとする。 一 申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 分筆の登記の申請においては、第七十八条の符号 三 建物の分割の登記又は建物の区分の登記の申請においては、第八十四条の符号 四 附属建物があるときは、主である建物及び附属建物の別並びに第百十二条第二項の符号 五 敷地権付き区分建物であるときは、第百十八条第一号イの符号 六 添付情報の表示 七 申請の年月日 八 登記所の表示 2 令第六条第一項に規定する不動産識別事項は、不動産番号とする。 3 令第六条の規定は、同条第一項各号又は第二項各号に定める事項が申請を受ける登記所以外の登記所の管轄区域内にある不動産に係る場合には、当該不動産の不動産番号と併せて当該申請を受ける登記所以外の登記所の表示を申請情報の内容としたときに限り、適用する。 4 令第六条第一項第一号又は第二号の規定にかかわらず、不動産の表題登記を申請する場合、法第七十四条第一項第二号又は第三号に掲げる者が表題登記がない不動産について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない不動産について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合には、令第三条第七号又は第八号に掲げる事項を申請情報の内容としなければならない。 (一の申請情報によって申請することができる場合) 第三十五条 令第四条ただし書の法務省令で定めるときは、次に掲げるときとする。 一 土地の一部を分筆して、これを他の土地に合筆しようとする場合において、分筆の登記及び合筆の登記の申請をするとき。 二 甲建物の登記記録から甲建物の附属建物を分割して、これを乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 三 甲建物の登記記録から甲建物の附属建物(区分建物に限る。)を分割して、これを乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物の附属建物と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 四 甲建物を区分して、その一部を乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 五 甲建物を区分して、その一部を乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が当該一部と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。 六 同一の不動産について申請する二以上の登記が、いずれも不動産の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記であるとき。 七 同一の不動産について申請する二以上の登記が、不動産の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記及び土地の分筆の登記若しくは合筆の登記又は建物の分割の登記、建物の区分の登記若しくは建物の合併の登記であるとき。 八 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について申請する二以上の登記が、いずれも同一の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記であるとき。 九 同一の不動産について申請する二以上の権利に関する登記(前号の登記を除く。)の登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるとき。 十 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記が、同一の債権を担保する先取特権、質権又は抵当権(以下「担保権」と総称する。)に関する登記であって、登記の目的が同一であるとき。 (会社法人等番号の提供を要しない場合等) 第三十六条 令第七条第一項第一号の法務省令で定める場合は、申請人が同号イに規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十条第一項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する登記事項証明書をいう。以下この項及び次項、第二百九条第三項及び第四項並びに第二百四十三条第二項において同じ。)を提供して登記の申請をするものである場合とする。 一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書 二 支配人等(支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものをいう。以下同じ。)によって登記の申請をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書 2 前項各号の登記事項証明書は、その作成後三月以内のものでなければならない。 3 令第七条第一項第二号の法務省令で定める場合は、申請人が同項第一号イに規定する法人であって、支配人等が当該法人を代理して登記の申請をする場合とする。 4 令第九条の法務省令で定める情報は、住民票コード(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第七条第十三号に規定する住民票コードをいう。)又は会社法人等番号(商業登記法第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下同じ。)とする。 ただし、住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を提供しなければならないものとされている場合にあっては、当該住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。 (添付情報の省略等) 第三十七条 同一の登記所に対して同時に二以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときは、当該添付情報は、一の申請の申請情報と併せて提供することで足りる。 2 前項の場合においては、当該添付情報を当該一の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。 第三十七条の二 法人である代理人によって登記の申請をする場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。 第三十七条の三 表題部所有者又は登記名義人の相続人が登記の申請をする場合において、その相続に関して法定相続情報一覧図の写し(第二百四十七条の規定により交付された法定相続情報一覧図の写しをいう。以下この条及び第百五十八条の二十において同じ。)又は法定相続情報番号(十一桁の番号であって、当該法定相続情報一覧図を識別するために登記官が付したものをいう。以下この条及び第百五十八条の二十において同じ。)を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報(第二百四十七条第一項に規定する法定相続情報をいう。次項及び第百五十八条の二十において同じ。)を確認することができるときに限る。 2 表題部所有者の相続人が所有権の保存の登記の申請をする場合又は登記名義人の相続人が相続による権利の移転の登記の申請をする場合において、当該相続人の住所が記載された法定相続情報一覧図の写し又は法定相続情報番号(法定相続情報一覧図に当該相続人の住所が記載されている場合に限る。以下この項において同じ。)を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、登記名義人となる者の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報を確認することができるときに限る。 (申請の却下) 第三十八条 登記官は、申請を却下するときは、決定書を作成して、これを申請人ごとに交付するものとする。 ただし、代理人によって申請がされた場合は、当該代理人に交付すれば足りる。 2 前項の交付は、当該決定書を送付する方法によりすることができる。 3 登記官は、書面申請がされた場合において、申請を却下したときは、添付書面を還付するものとする。 ただし、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、この限りでない。 (申請の取下げ) 第三十九条 申請の取下げは、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法 二 書面申請 申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法 2 申請の取下げは、登記完了後は、することができない。 3 登記官は、書面申請がされた場合において、申請の取下げがされたときは、申請書及びその添付書面を還付するものとする。 前条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 (管轄区域がまたがる場合の移送等) 第四十条 法第六条第三項の規定に従って登記の申請がされた場合において、他の登記所が同条第二項の登記所に指定されたときは、登記の申請を受けた登記所の登記官は、当該指定がされた他の登記所に当該申請に係る事件を移送するものとする。 2 登記官は、前項の規定により事件を移送したときは、申請人に対し、その旨を通知するものとする。 3 法第六条第二項の登記所に指定された登記所の登記官は、当該指定に係る不動産について登記を完了したときは、速やかに、その旨を他の登記所に通知するものとする。 4 前項の通知を受けた登記所の登記官は、適宜の様式の帳簿にその通知事項を記入するものとする。 第二款 電子申請 (電子申請の方法) 第四十一条 電子申請における申請情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。 令第十条の規定により申請情報と併せて送信すべき添付情報についても、同様とする。 (電子署名) 第四十二条 令第十二条第一項及び第二項の電子署名は、電磁的記録に記録することができる情報に、産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)に基づく日本産業規格(以下「日本産業規格」という。)X五七三一―八の附属書Dに適合する方法であって同附属書に定めるnの長さの値が二千四十八ビットであるものを講ずる措置とする。 (電子証明書) 第四十三条 令第十四条の法務省令で定める電子証明書は、第四十七条第三号イからニまでに掲げる者に該当する申請人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。同条第二号及び第三号並びに第四十九条第一項第一号及び第二号において同じ。)が申請情報又は委任による代理人の権限を証する情報に電子署名を行った場合にあっては、次に掲げる電子証明書とする。 ただし、第三号に掲げる電子証明書については、第一号及び第二号に掲げる電子証明書を取得することができない場合に限る。 一 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項の規定に基づき作成された署名用電子証明書 二 電子署名を行った者が商業登記法第十二条の二(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する被証明者であるときは、商業登記規則(昭和三十九年法務省令第二十三号)第三十三条の八第二項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する電子証明書 三 電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第八条に規定する認定認証事業者が作成した電子証明書(電子署名及び認証業務に関する法律施行規則(平成十三年総務省・法務省・経済産業省令第二号)第四条第一号に規定する電子証明書をいう。)その他の電子証明書であって、氏名、住所、出生の年月日その他の事項により電子署名を行った者を確認することができるものとして法務大臣の定めるもの 四 官庁又は公署が嘱託する場合にあっては、官庁又は公署が作成した電子証明書であって、登記官が電子署名を行った者を確認することができるもの 2 前項本文に規定する場合以外の場合にあっては、令第十四条の法務省令で定める電子証明書は、同項各号に掲げる電子証明書又はこれに準ずる電子証明書として法務大臣の定めるものとする。 (住所証明情報の省略等) 第四十四条 電子申請の申請人がその者の前条第一項第一号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の現在の住所を証する情報の提供に代えることができる。 2 電子申請の申請人がその者の前条第一項第二号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の会社法人等番号の提供に代えることができる。 3 前項の規定は、同項の電子証明書によって登記官が確認することができる代理権限を証する情報について準用する。 第三款 書面申請 (申請書等の文字) 第四十五条 申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。以下この款(第五十三条を除く。)において同じ。)その他の登記に関する書面に記載する文字は、字画を明確にしなければならない。 2 前項の書面につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにし、かつ、当該字数を記載した部分又は当該記号を付した部分に押印しなければならない。 この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。 (契印等) 第四十六条 申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請書が二枚以上であるときは、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 2 前項の契印は、申請人又はその代表者若しくは代理人が二人以上ある場合は、その一人がすれば足りる。 ただし、登記権利者及び登記義務者が共同して登記の申請をするときは、登記権利者又はその代表者若しくはその代理人及び登記義務者又はその代表者若しくはその代理人の各一人がしなければならない。 3 令別表の六十五の項添付情報欄に掲げる信託目録に記録すべき情報を記載した書面が二枚以上であるときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 この場合においては、前項の規定を準用する。 (申請書に記名押印を要しない場合) 第四十七条 令第十六条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 委任による代理人が申請書に署名した場合 二 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 三 申請人が次に掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が申請書に署名した場合(前号に掲げる場合を除く。) イ 所有権の登記名義人(所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。)であって、次に掲げる登記を申請するもの (1) 当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記(担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。) (2) 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記 (3) 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消 (4) 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記 (5) 仮登記の抹消(法第百十条前段の規定により所有権に関する仮登記の登記名義人が単独で申請するものに限る。) (6) 合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記 ロ 所有権の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記又は更正の登記を申請するもの ハ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記を申請するもの ニ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請するもの ホ 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けることとなる申請人 (申請書に印鑑証明書の添付を要しない場合) 第四十八条 令第十六条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を申請情報の内容としたとき。 ただし、登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。 二 申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 三 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合 四 申請人が前条第三号ホに掲げる者に該当する場合(同号イ(6)に掲げる者に該当する場合を除く。) 五 申請人が前条第三号イからニまでに掲げる者のいずれにも該当しない場合(前号に掲げる場合を除く。) (委任状への記名押印等の特例) 第四十九条 令第十八条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した委任による代理人の権限を証する情報を記載した書面(以下「委任状」という。)について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 二 申請人が第四十七条第三号イからホまでに掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が委任状に署名した場合 三 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に署名した場合 2 令第十八条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を申請情報の内容としたとき。 ただし、登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。 二 申請人又はその代表者若しくは代理人が記名押印した委任状について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合 三 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の委任状に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合 四 前条第一項第四号及び第五号に掲げる場合 五 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に記名押印した場合 (承諾書への記名押印等の特例) 第五十条 令第十九条第一項の法務省令で定める場合は、同意又は承諾を証する情報を記載した書面の作成者が署名した当該書面について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合とする。 2 第四十八条第一号から第三号までの規定は、令第十九条第二項の法務省令で定める場合について準用する。 この場合において、第四十八条第二号中「申請書」とあるのは「同意又は承諾を証する情報を記載した書面」と、同条第三号中「申請の申請書」とあるのは「同意又は承諾の同意又は承諾を証する情報を記載した書面」と読み替えるものとする。 (申請情報を記録した磁気ディスク) 第五十一条 法第十八条第二号に規定する磁気ディスクを提出する方法による申請は、法務大臣が指定した登記所においてすることができる。 2 前項の指定は、告示してしなければならない。 3 第一項の磁気ディスクの構造は、日本産業規格X〇六〇六に適合する一二〇ミリメートル光ディスクでなければならない。 4 第一項の磁気ディスクには、申請人の氏名又は名称及び申請の年月日を記載した書面をはり付けなければならない。 5 第一項の磁気ディスクには、法務大臣の定めるところにより申請情報を記録しなければならない。 6 申請情報の全部を記録した磁気ディスクは、法務大臣の定めるところにより作成しなければならない。 7 第四十二条の規定は、令第十六条第五項において準用する令第十二条第一項の電子署名について準用する。 8 第四十三条の規定は、令第十六条第五項において準用する令第十四条の電子証明書について準用する。 ただし、当該電子証明書には、指定公証人の行う電磁的記録に関する事務に関する省令(平成十三年法務省令第二十四号)第三条第一項に規定する指定公証人電子証明書を含むものとする。 9 第四十四条の規定は、前項の電子証明書を提供したときについて準用する。 10 申請情報の一部を記録した磁気ディスクを提出する場合には、当該磁気ディスクに申請人の氏名又は名称を記録したときであっても、申請書に申請人の氏名又は名称を記載しなければならない。 この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人の氏名又は名称を記載すれば足りる。 (申請書に添付することができる磁気ディスク) 第五十二条 前条第三項から第七項までの規定は、令第十五条の添付情報を記録した磁気ディスクについて準用する。 2 令第十五条後段において準用する令第十四条の電子証明書は、第四十三条第一項又は第二項に規定する電子証明書であって法務大臣が定めるものとする。 (申請書等の送付方法) 第五十三条 登記の申請をしようとする者が申請書及びその添付書面を送付するときは、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者(以下「信書便事業者」と総称する。)による同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。 2 前項の場合には、申請書及びその添付書面を入れた封筒の表面に不動産登記申請書が在中する旨を明記するものとする。 (受領証の交付の請求) 第五十四条 書面申請をした申請人は、申請に係る登記が完了するまでの間、申請書及びその添付書面の受領証の交付を請求することができる。 2 前項の規定により受領証の交付を請求する申請人は、申請書の内容と同一の内容を記載した書面を提出しなければならない。 ただし、当該書面の申請人の記載については、申請人が二人以上あるときは、申請書の筆頭に記載した者の氏名又は名称及びその他の申請人の人数を記載すれば足りる。 3 登記官は、第一項の規定による請求があった場合には、前項の規定により提出された書面に申請の受付の年月日及び受付番号並びに職氏名を記載し、職印を押印して受領証を作成した上、当該受領証を交付しなければならない。 (添付書面の原本の還付請求) 第五十五条 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。 ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第二項第三号若しくは第百五十六条の六第二項(第百五十六条の七第二項後段において準用する場合を含む。)の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。 2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。 3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。 この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 4 前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、登記完了後、申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。 5 第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。 6 第三項の規定による原本の還付は、申請人の申出により、原本を送付する方法によることができる。 この場合においては、申請人は、送付先の住所をも申し出なければならない。 7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。 8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。 9 前項の指定は、告示してしなければならない。 第四款 受付等 (申請の受付) 第五十六条 登記官は、申請情報が提供されたときは、受付帳に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。 2 登記官は、書面申請の受付にあっては、前項の規定により受付をする際、申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、適宜の用紙)に申請の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。 3 受付番号は、一年ごとに更新するものとする。 4 第一項及び第二項の規定は、次に掲げる場合について準用する。 一 法第六十七条第二項の許可があった場合 二 法第七十一条の規定により登記の抹消をしようとする場合 三 法第百五十七条第三項又は第四項の命令があった場合 四 第百十条第三項(第百四十四条第二項において準用する場合を含む。)、第百十九条第二項、第百二十四条第八項(第百二十条第七項、第百二十六条第三項、第百三十四条第三項及び第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)、第百五十九条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)又は第百六十八条第五項(第百七十条第三項において準用する場合を含む。)の通知があった場合 (調査) 第五十七条 登記官は、申請情報が提供されたときは、遅滞なく、申請に関するすべての事項を調査しなければならない。 (登記の順序) 第五十八条 登記官は、法第二十条に規定する場合以外の場合においても、受付番号の順序に従って登記するものとする。 (登記官による本人確認) 第五十九条 登記官は、法第二十四条第一項の規定により申請人の申請の権限の有無を調査したときは、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。 同条第二項の嘱託を受けて調査をした場合についても、同様とする。 2 前項後段の場合には、嘱託を受けて調査をした登記所の登記官は、その調査の結果を記録した調書を嘱託をした登記官に送付しなければならない。 (補正) 第六十条 登記官は、申請の補正をすることができる期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該申請を却下することができない。 2 申請の補正は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請の補正をする方法 二 書面申請 登記所に提出した書面を補正し、又は補正に係る書面を登記所に提出する方法 第五款 登記識別情報 (登記識別情報の定め方) 第六十一条 登記識別情報は、アラビア数字その他の符号の組合せにより、不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定める。 (登記識別情報の通知の相手方) 第六十二条 次の各号に掲げる場合における登記識別情報の通知は、当該各号に定める者に対してするものとする。 一 法定代理人(支配人その他の法令の規定により当該通知を受けるべき者を代理することができる者を含む。)によって申請している場合 当該法定代理人 二 申請人が法人である場合(前号に規定する場合を除く。) 当該法人の代表者 2 登記識別情報の通知を受けるための特別の委任を受けた代理人がある場合には、登記識別情報の通知は、当該代理人に対してするものとする。 (登記識別情報の通知の方法) 第六十三条 登記識別情報の通知は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によるものとする。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記識別情報を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人(以下この条において「申請人等」という。)の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 書面申請 登記識別情報を記載した書面を交付する方法 2 登記官は、前項の通知をするときは、法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者及び前条第一項各号に定める者並びに同条第二項の代理人(申請人から登記識別情報を知ることを特に許された者に限る。)以外の者に当該通知に係る登記識別情報が知られないようにするための措置を講じなければならない。 3 送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、申請人は、その旨並びに次項及び第五項の場合の区分に応じた送付先の別(第五項に規定する場合であって自然人である代理人の住所に宛てて書面を送付することを求めるときにあっては、当該代理人の住所)を申請情報の内容とするものとする。 4 前項の場合における登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。 一 申請人等が自然人である場合において当該申請人等の住所に宛てて書面を送付するとき、又は申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき(第三号に掲げる場合を除く。) 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法 二 申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の住所に宛てて書面を送付するとき(次号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの 三 申請人等が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法 5 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により代理人が登記識別情報の通知を受ける場合であって、当該代理人が法第二十三条第四項第一号に規定する代理人(以下「資格者代理人」という。)であるときは、登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。 一 当該代理人が自然人である場合において当該代理人の住所に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法 二 当該代理人が自然人である場合において当該代理人の事務所の所在地に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の住所に宛てて書面を送付するとき 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの 6 送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、送付に要する費用を納付しなければならない。 7 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを申請書と併せて提出する方法により納付しなければならない。 8 第六項の送付は、申請人が当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達する取扱いの料金に相当する郵便切手を提出したときは、当該取扱いによらなければならない。 第四項第二号若しくは第三号又は第五項第二号の場合において、信書便の役務であって当該取扱いに相当するものの料金に相当する当該信書便事業者の証票で法務大臣が指定するものを提出したときも、同様とする。 9 前二項の指定は、告示してしなければならない。 第六十三条の二 官庁又は公署が登記権利者のために登記の嘱託をしたときにおける登記識別情報の通知は、官庁又は公署の申出により、登記識別情報を記載した書面を交付する方法によりすることもできる。 この場合においては、官庁又は公署は、当該申出をする旨並びに送付の方法による交付を求めるときは、その旨及び送付先の住所を嘱託情報の内容とするものとする。 2 前項の場合における登記識別情報を記載した書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものその他の郵便又は信書便によって書面を送付する方法によってするものとする。 3 前条第六項から第九項までの規定は、官庁又は公署が送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合について準用する。 (登記識別情報の通知を要しない場合等) 第六十四条 法第二十一条ただし書の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合(官庁又は公署が登記権利者のために登記の嘱託をした場合において、当該官庁又は公署が当該登記権利者の申出に基づいて登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をしたときを含む。) 二 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者(第六十三条第一項第一号に定める方法によって通知を受けるべきものに限る。)が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに登記識別情報が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日以内に自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該登記識別情報を記録しない場合 三 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者(第六十三条第一項第二号に定める方法によって通知を受けるべきものに限る。)が、登記完了の時から三月以内に登記識別情報を記載した書面を受領しない場合 四 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者が官庁又は公署である場合(当該官庁又は公署があらかじめ登記識別情報の通知を希望する旨の申出をした場合を除く。) 2 前項第一号及び第四号の申出をするときは、その旨を申請情報の内容とするものとする。 3 登記官は、第一項第二号に規定する場合には同号に規定する登記識別情報を、同項第三号に規定する場合には同号に規定する登記識別情報を記載した書面を廃棄することができる。 4 第二十九条の規定は、前項の規定により登記識別情報又は登記識別情報を記載した書面を廃棄する場合には、適用しない。 (登記識別情報の失効の申出) 第六十五条 登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、通知を受けた登記識別情報について失効の申出をすることができる。 2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「申出情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 申出人の氏名又は名称及び住所 二 申出人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 申出人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所 五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項 イ 不動産所在事項又は不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申請の受付の年月日及び受付番号 ニ 次項第一号に掲げる方法により申出をするときは、甲区又は乙区の別 3 第一項の申出は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申出情報を登記所に提供する方法 二 申出情報を記載した書面を登記所に提出する方法 4 申出情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、申出情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 5 登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の申出をするときは、申出情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 6 令第四条本文、第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の申出をする場合について準用する。 7 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条及び第三十七条の二の規定は第一項の申出をする場合について、それぞれ準用する。 8 令第十条から第十二条まで及び第十四条の規定は、第三項第一号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。 9 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 10 令第十五条から第十八条までの規定は、第三項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。 11 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条の規定は前項に規定する場合について、第四十七条第一号及び第二号の規定は前項において準用する令第十六条第一項の法務省令で定める場合について、第四十八条第一号から第三号までの規定は前項において準用する令第十六条第二項の法務省令で定める場合について、第四十九条第一項第一号及び第三号の規定は前項において準用する令第十八条第一項の法務省令で定める場合について、第四十九条第二項各号(第四号を除く。)の規定は前項において準用する令第十八条第二項の法務省令で定める場合について、それぞれ準用する。 (登記識別情報の提供) 第六十六条 法第二十二条本文の規定により同条本文に規定する登記義務者の登記識別情報を提供する場合には、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して登記識別情報を提供する方法 二 書面申請 登記識別情報を記載した書面を申請書に添付して提出する方法 2 前項第二号の登記識別情報を記載した書面は、封筒に入れて封をするものとする。 3 前項の封筒には、登記識別情報を提供する申請人の氏名又は名称及び登記の目的を記載し、登記識別情報を記載した書面が在中する旨を明記するものとする。 (登記識別情報の提供の省略) 第六十七条 同一の不動産について二以上の権利に関する登記の申請がされた場合(当該二以上の権利に関する登記の前後を明らかにして同時に申請がされた場合に限る。)において、前の登記によって登記名義人となる者が、後の登記の登記義務者となるときは、当該後の登記の申請情報と併せて提供すべき登記識別情報は、当該後の登記の申請情報と併せて提供されたものとみなす。 (登記識別情報に関する証明) 第六十八条 令第二十二条第一項に規定する証明の請求は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「有効証明請求情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。 一 請求人の氏名又は名称及び住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 請求人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所 五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項 イ 不動産所在事項又は不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申請の受付の年月日及び受付番号 ニ 第三項第一号に掲げる方法により請求をするときは、甲区又は乙区の別 六 第十五項の規定により同項に規定する情報を提供しないときは、その旨及び当該情報の表示 2 前項の証明の請求(登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明の請求を除く。)をするときは、有効証明請求情報と併せて登記識別情報を提供しなければならない。 第六十六条の規定は、この場合における登記識別情報の提供方法について準用する。 3 第一項の証明の請求は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して有効証明請求情報を登記所に提供する方法 二 有効証明請求情報を記載した書面を提出する方法 4 第一項の証明は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める方法によりするものとする。 一 前項第一号に掲げる方法により有効証明請求情報が提供された場合 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報を電子情報処理組織を使用して送信し、これを請求人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 前項第二号に掲げる方法により有効証明請求情報が提供された場合 登記官が証明に係る事項を記載した書面を交付する方法 5 有効証明請求情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、有効証明請求情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 6 登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の証明の請求をするときは、その有効証明請求情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。 ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。 7 令第四条並びに第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の証明の請求をする場合(同条の規定については、資格者代理人により第一項の証明の請求をする場合を除く。)について準用する。 この場合において、令第四条ただし書中「申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるとき」とあるのは、「有効証明請求情報の内容である登記名義人の氏名又は名称及び住所が同一であるとき」と読み替えるものとする。 8 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条及び第三十七条の二の規定は第一項の証明の請求をする場合について、それぞれ準用する。 9 令第十条から第十二条まで及び第十四条の規定は、第三項第一号に掲げる方法により第一項の証明の請求をする場合について準用する。 10 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 11 令第十五条から第十八条までの規定は、第三項第二号に掲げる方法により第一項の証明の請求をする場合について準用する。 12 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条(第一項ただし書を除く。)の規定は前項に規定する場合について、第四十七条第一号及び第二号の規定は前項において準用する令第十六条第一項の法務省令で定める場合について、第四十八条第一号から第三号までの規定は前項において準用する令第十六条第二項の法務省令で定める場合について、第四十九条第一項第一号及び第三号の規定は前項において準用する令第十八条第一項の法務省令で定める場合について、第四十九条第二項各号(第四号を除く。)の規定は前項において準用する令第十八条第二項の法務省令で定める場合について、それぞれ準用する。 13 第百九十七条第六項及び第二百四条の規定は、第四項第二号に定める方法により第一項の証明をする場合について準用する。 14 資格者代理人によって第一項の証明の請求をするときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報(当該資格者代理人が法人である場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報を含む。)を併せて提供しなければならない。 15 資格者代理人によって第一項の証明の請求をする場合には、第五項及び第六項の規定にかかわらず、これらの規定に規定する情報は、提供することを要しない。 (登記識別情報を記載した書面の廃棄) 第六十九条 登記官は、第六十六条第一項第二号(前条第二項後段において準用する場合を含む。)の規定により登記識別情報を記載した書面が提出された場合において、当該登記識別情報を提供した申請に基づく登記を完了したとき又は請求の審査を終了したときは、速やかに、当該書面を廃棄するものとする。 2 第二十九条の規定は、前項の規定により登記識別情報を記載した書面を廃棄する場合には、適用しない。 第六款 登記識別情報の提供がない場合の手続 (事前通知) 第七十条 法第二十三条第一項の通知は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により書面を送付してするものとする。 一 法第二十二条に規定する登記義務者が自然人である場合又は当該登記義務者が法人である場合において当該登記義務者である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法 二 法第二十二条に規定する登記義務者が法人である場合(前号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの 三 法第二十二条に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法 2 前項の書面には、当該通知を識別するための番号、記号その他の符号(第五項第一号において「通知番号等」という。)を記載しなければならない。 3 第一項の規定による送付は、申請人が当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達する取扱いの料金に相当する郵便切手を提出したときは、当該取扱いによらなければならない。 同項第二号又は第三号の場合において、信書便の役務であって当該取扱いに相当するものの料金に相当する当該信書便事業者の証票で法務大臣が指定するものを提出したときも、同様とする。 4 前項の指定は、告示してしなければならない。 5 法第二十三条第一項に規定する申出は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によりしなければならない。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、法第二十二条に規定する登記義務者が、第一項の書面の内容を通知番号等を用いて特定し、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行った上、登記所に送信する方法 二 書面申請 法第二十二条に規定する登記義務者が、第一項の書面に通知に係る申請の内容が真実である旨を記載し、これに記名し、申請書又は委任状に押印したものと同一の印を用いて当該書面に押印した上、登記所に提出する方法(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出した場合にあっては、法第二十二条に規定する登記義務者が、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行い、これを記録した磁気ディスクを第一項の書面と併せて登記所に提出する方法) 6 令第十四条の規定は、前項の申出をする場合について準用する。 7 第四十三条の規定は、前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について準用する。 8 法第二十三条第一項の法務省令で定める期間は、通知を発送した日から二週間とする。 ただし、法第二十二条に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合には、四週間とする。 (前の住所地への通知) 第七十一条 法第二十三条第二項の通知は、転送を要しない郵便物として書面を送付する方法又はこれに準ずる方法により送付するものとする。 2 法第二十三条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法第二十三条第二項の登記義務者の住所についての変更の登記(更正の登記を含む。以下この項において同じ。)の登記原因が、行政区画若しくはその名称又は字若しくはその名称についての変更又は錯誤若しくは遺漏である場合 二 法第二十三条第二項の登記の申請の日が、同項の登記義務者の住所についてされた最後の変更の登記の申請に係る受付の日から三月を経過している場合 三 法第二十三条第二項の登記義務者が法人である場合 四 前三号に掲げる場合のほか、次条第一項に規定する本人確認情報の提供があった場合において、当該本人確認情報の内容により申請人が登記義務者であることが確実であると認められる場合 (資格者代理人による本人確認情報の提供) 第七十二条 法第二十三条第四項第一号の規定により登記官が資格者代理人から提供を受ける申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報(以下「本人確認情報」という。)は、次に掲げる事項を明らかにするものでなければならない。 一 資格者代理人(資格者代理人が法人である場合にあっては、当該申請において当該法人を代表する者をいう。以下この条において同じ。)が申請人(申請人が法人である場合にあっては、代表者又はこれに代わるべき者。以下この条において同じ。)と面談した日時、場所及びその状況 二 資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるときは、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨及びその面識が生じた経緯 三 資格者代理人が申請人の氏名を知らず、又は当該申請人と面識がないときは、申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために当該申請人から提示を受けた次項各号に掲げる書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由 2 前項第三号に規定する場合において、資格者代理人が申請人について確認をするときは、次に掲げる方法のいずれかにより行うものとする。 ただし、第一号及び第二号に掲げる書類及び有効期間又は有効期限のある第三号に掲げる書類にあっては、資格者代理人が提示を受ける日において有効なものに限る。 一 運転免許証(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証をいう。)、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)、旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に規定する旅券及び同条第六号に規定する乗員手帳をいう。ただし、当該申請人の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)、在留カード(同法第十九条の三に規定する在留カードをいう。)、特別永住者証明書(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第七条に規定する特別永住者証明書をいう。)又は運転経歴証明書(道路交通法第百四条の四第五項(同法第百五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する運転経歴証明書をいう。)のうちいずれか一以上の提示を求める方法 二 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証、基礎年金番号通知書(国民年金法施行規則(昭和三十五年厚生省令第十二号)第一条第一項に規定する基礎年金番号通知書をいう。)、児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳であって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか二以上の提示を求める方法 三 前号に掲げる書類のうちいずれか一以上及び官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるものであって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか一以上の提示を求める方法 3 資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。 第七款 土地所在図等 (土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図の作成方式) 第七十三条 電子申請において送信する土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図は、法務大臣の定める方式に従い、作成しなければならない。 書面申請においてこれらの図面を電磁的記録に記録して提出する場合についても、同様とする。 2 前項の土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図には、作成の年月日並びに申請人及び作成者の氏名又は名称を記録しなければならない。 第七十四条 土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図(これらのものが書面である場合に限る。)は、〇・二ミリメートル以下の細線により、図形を鮮明に表示しなければならない。 2 前項の土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図には、作成の年月日を記録し、申請人が記名するとともに、その作成者が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の土地所在図、地積測量図、建物図面及び各階平面図は、別記第一号及び第二号の様式により、日本産業規格B列四番の丈夫な用紙を用いて作成しなければならない。 (土地所在図及び地積測量図の作成単位) 第七十五条 土地所在図及び地積測量図は、一筆の土地ごとに作成しなければならない。 2 分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図は、分筆前の土地ごとに作成するものとする。 (土地所在図の内容) 第七十六条 土地所在図には、方位、縮尺、土地の形状及び隣地の地番を記録しなければならない。 2 土地所在図は、近傍類似の土地についての法第十四条第一項の地図と同一の縮尺により作成するものとする。 3 第十条第四項の規定は、土地所在図について準用する。 (地積測量図の内容) 第七十七条 地積測量図には、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 地番区域の名称 二 方位 三 縮尺 四 地番(隣接地の地番を含む。) 五 地積及びその求積方法 六 筆界点間の距離 七 国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号 八 基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値 九 境界標(筆界点にある永続性のある石杭又は金属標その他これに類する標識をいう。以下同じ。)があるときは、当該境界標の表示 十 測量の年月日 2 近傍に基本三角点等が存しない場合その他の基本三角点等に基づく測量ができない特別の事情がある場合には、前項第七号及び第八号に掲げる事項に代えて、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値を記録しなければならない。 3 第一項第九号の境界標の表示を記録するには、境界標の存する筆界点に符号を付し、適宜の箇所にその符号及び境界標の種類を記録する方法その他これに準ずる方法によってするものとする。 4 地積測量図は、二百五十分の一の縮尺により作成するものとする。 ただし、土地の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。 5 第十条第四項の規定は、地積測量図について準用する。 (分筆の登記の場合の地積測量図) 第七十八条 分筆の登記を申請する場合において提供する分筆後の土地の地積測量図には、分筆前の土地を図示し、分筆線を明らかにして分筆後の各土地を表示し、これに符号を付さなければならない。 (地役権図面の内容) 第七十九条 地役権図面には、地役権設定の範囲を明確にし、方位、縮尺、地番及び隣地の地番並びに申請人の氏名又は名称を記録しなければならない。 2 地役権図面は、適宜の縮尺により作成することができる。 3 地役権図面には、作成の年月日を記録しなければならない。 4 地役権図面(書面である場合に限る。)には、地役権者が署名し、又は記名押印しなければならない。 (地役権図面の作成方式) 第八十条 第七十三条第一項及び第七十四条第一項の規定は、地役権図面について準用する。 2 書面申請において提出する地役権図面(電磁的記録に記録して提出するものを除く。)は、別記第三号様式により、日本産業規格B列四番の丈夫な用紙を用いて作成しなければならない。 (建物図面及び各階平面図の作成単位) 第八十一条 建物図面及び各階平面図は、一個の建物(附属建物があるときは、主である建物と附属建物を合わせて一個の建物とする。)ごとに作成しなければならない。 (建物図面の内容) 第八十二条 建物図面は、建物の敷地並びにその一階(区分建物にあっては、その地上の最低階)の位置及び形状を明確にするものでなければならない。 2 建物図面には、方位、縮尺、敷地の地番及びその形状、隣接地の地番並びに附属建物があるときは主である建物又は附属建物の別及び附属建物の符号を記録しなければならない。 3 建物図面は、五百分の一の縮尺により作成しなければならない。 ただし、建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。 (各階平面図の内容) 第八十三条 各階平面図には、縮尺、各階の別、各階の平面の形状、一階の位置、各階ごとの建物の周囲の長さ、床面積及びその求積方法並びに附属建物があるときは主である建物又は附属建物の別及び附属建物の符号を記録しなければならない。 2 各階平面図は、二百五十分の一の縮尺により作成しなければならない。 ただし、建物の状況その他の事情により当該縮尺によることが適当でないときは、この限りでない。 (建物の分割の登記の場合の建物図面等) 第八十四条 建物の分割の登記又は建物の区分の登記を申請する場合において提供する建物図面及び各階平面図には、分割後又は区分後の各建物を表示し、これに符号を付さなければならない。 (土地所在図の管理及び閉鎖等) 第八十五条 登記官は、申請情報と併せて土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図の提供があった場合において、当該申請に基づく登記をしたときは、これらの図面に登記の完了の年月日を記録しなければならない。 2 登記官は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める図面を閉鎖しなければならない。 一 表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記をした場合(変更後又は更正後の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図がある場合に限る。) 変更前又は更正前の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図 二 滅失の登記又は表題部の抹消をした場合 滅失前又は抹消前の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図 三 土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)又は土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)に基づく換地処分の登記をした場合(前号に掲げる場合を除く。) 従前の土地に係る土地所在図又は地積測量図 3 登記官は、前項の規定により同項各号に定める図面を閉鎖する場合には、当該図面が、第十七条第一項の電磁的記録に記録されているときは当該電磁的記録に閉鎖の事由及びその年月日並びに登記官の識別番号を記録し、土地図面つづり込み帳又は建物図面つづり込み帳につづり込まれているときは当該図面に閉鎖の事由及びその年月日を記録して登記官印を押印しなければならない。 4 第一項の規定は、同項に規定する図面を第十七条第一項の電磁的記録に記録して保存する場合には、適用しない。 この場合においては、当該電磁的記録に登記の完了の年月日を記録しなければならない。 (地役権図面の管理) 第八十六条 登記官は、申請情報と併せて地役権図面の提供があった場合において、当該申請に基づく登記をしたときは、地役権図面にその番号(以下「地役権図面番号」という。)を付さなければならない。 この場合においては、当該地役権図面に当該地役権図面番号並びに当該申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 2 前項後段の規定は、地役権図面を第十七条第一項の電磁的記録に記録して保存する場合には、適用しない。 この場合においては、当該電磁的記録に地役権図面番号及び登記の年月日を記録しなければならない。 3 地役権図面番号は、一年ごとに更新するものとする。 (地役権図面の閉鎖) 第八十七条 登記官は、地役権の登記の抹消をしたとき又は地役権図面を添付情報とする申請に基づく分筆の登記、合筆の登記若しくは地役権の変更の登記若しくは更正の登記をしたときは、従前の地役権図面を閉鎖しなければならない。 2 第八十五条第三項の規定は、前項の場合について準用する。 (土地所在図の訂正等) 第八十八条 土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図に誤りがあるときは、表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの相続人その他の一般承継人は、その訂正の申出をすることができる。 ただし、表題部の登記事項に関する更正の登記(土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図を添付情報とするものに限る。)をすることができる場合は、この限りでない。 2 前項の申出は、訂正後の土地所在図、地積測量図、建物図面又は各階平面図を提供してしなければならない。 3 第十六条第三項、第四項、第五項第三号及び第六項から第十四項までの規定は、第一項の申出について準用する。 第二節 表示に関する登記 第一款 通則 (表題部の登記) 第八十九条 登記官は、表題部に表示に関する登記をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、表示に関する登記の登記事項のうち、当該表示に関する登記の登記原因及びその日付並びに登記の年月日のほか、新たに登記すべきものを記録しなければならない。 (不動産番号) 第九十条 登記官は、法第二十七条第四号の不動産を識別するために必要な事項として、一筆の土地又は一個の建物ごとに番号、記号その他の符号を記録することができる。 (表題部の変更の登記又は更正の登記) 第九十一条 登記官は、表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記をするときは、変更前又は更正前の事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (行政区画の変更等) 第九十二条 行政区画又はその名称の変更があった場合には、登記記録に記録した行政区画又はその名称について変更の登記があったものとみなす。 字又はその名称に変更があったときも、同様とする。 2 登記官は、前項の場合には、速やかに、表題部に記録した行政区画若しくは字又はこれらの名称を変更しなければならない。 (実地調査) 第九十三条 登記官は、表示に関する登記をする場合には、法第二十九条の規定により実地調査を行わなければならない。 ただし、申請に係る不動産の調査に関する報告(土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人が代理人として登記を申請する場合において、当該土地家屋調査士(土地家屋調査士法人の場合にあっては、その代表者)が作成したものに限る。)その他の申請情報と併せて提供された情報又は公知の事実若しくは登記官が職務上知り得た事実により登記官が実地調査をする必要がないと認めたときは、この限りでない。 (実地調査における電磁的記録に記録された事項の提示方法等) 第九十四条 法第二十九条第二項の法務省令で定める方法は、当該電磁的記録に記録された事項を書面に出力する方法又は当該事項を出力装置の映像面に表示する方法とする。 2 法第二十九条第二項に規定する登記官の身分を証する書面は、別記第四号様式によるものとする。 (実地調査書) 第九十五条 登記官は、実地調査を行った場合には、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。 (職権による表示に関する登記の手続) 第九十六条 登記官は、職権で表示に関する登記をしようとするときは、職権表示登記等事件簿に登記の目的、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。 2 登記官は、地図若しくは地図に準ずる図面を訂正しようとするとき(第十六条の申出により訂正するときを含む。)又は土地所在図、地積測量図、建物図面若しくは各階平面図を訂正しようとするとき(第八十八条の申出により訂正するときを含む。)は、職権表示登記等事件簿に事件の種別、立件の年月日及び立件番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。 第二款 土地の表示に関する登記 (地番区域) 第九十七条 地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもって定めるものとする。 (地番) 第九十八条 地番は、地番区域ごとに起番して定めるものとする。 2 地番は、土地の位置が分かりやすいものとなるように定めるものとする。 (地目) 第九十九条 地目は、土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めるものとする。 (地積) 第百条 地積は、水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一(宅地及び鉱泉地以外の土地で十平方メートルを超えるものについては、一平方メートル)未満の端数は、切り捨てる。 (分筆の登記における表題部の記録方法) 第百一条 登記官は、甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をするときは、乙土地について新たな登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に何番の土地から分筆した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲土地に新たな地番を付し、甲土地の登記記録に、残余部分の土地の表題部の登記事項、何番の土地を分筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 3 前項の規定にかかわらず、登記官は、分筆後の甲土地について従前の地番と同一の地番を付すことができる。 この場合には、甲土地の登記記録の表題部の従前の地番を抹消する記号を記録することを要しない。 (分筆の登記における権利部の記録方法) 第百二条 登記官は、前条の場合において、乙土地の登記記録の権利部の相当区に、甲土地の登記記録から権利に関する登記(地役権の登記にあっては、乙土地に地役権が存続することとなる場合に限る。)を転写し、かつ、分筆の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 この場合において、所有権及び担保権以外の権利(地役権を除く。)については分筆後の甲土地が共にその権利の目的である旨を記録し、担保権については既にその権利についての共同担保目録が作成されているときを除き共同担保目録を作成し、転写した権利の登記の末尾にその共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、転写する権利が担保権であり、かつ、既にその権利についての共同担保目録が作成されているときは、同項の規定により転写された乙土地に関する権利を当該共同担保目録に記録しなければならない。 3 登記官は、甲土地の登記記録から乙土地の登記記録に所有権以外の権利に関する登記を転写したときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記に、担保権以外の権利(地役権を除く。)については乙土地が共にその権利の目的である旨を、担保権については既にその権利についての共同担保目録が作成されているときを除き第一項の規定により作成した共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 (地役権の登記がある土地の分筆の登記) 第百三条 登記官は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、地役権設定の範囲が分筆後の甲土地又は乙土地の一部となるときは、分筆後の甲土地又は乙土地の登記記録の当該地役権に関する登記に当該地役権設定の範囲及び地役権図面番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、要役地の登記記録の第百五十九条第一項各号に掲げる事項に関する変更の登記をしなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に承役地の分筆の登記をした旨を通知しなければならない。 4 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第二項に規定する登記をしなければならない。 (分筆に伴う権利の消滅の登記) 第百四条 法第四十条の規定による権利が消滅した旨の登記は、分筆の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。 一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報 二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報 三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券 2 甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により乙土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって乙土地について当該権利が消滅した旨を記録しなければならない。 この場合には、第百二条第一項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を乙土地の登記記録に転写することを要しない。 3 甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により分筆後の甲土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって分筆後の甲土地について当該権利が消滅した旨を記録し、当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。 4 第二項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、乙土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。 5 第三項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、分筆後の甲土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。 6 登記官は、要役地についてする地役権の登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該地役権を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを証する地役権者が作成した情報が提供されたとき(当該土地を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、当該土地について当該地役権が消滅した旨を登記しなければならない。 この場合においては、第一項第二号、第二項及び第三項の規定を準用する。 (合筆の登記の制限の特例) 第百五条 法第四十一条第六号の合筆後の土地の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。 一 承役地についてする地役権の登記 二 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの 三 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの 四 鉱害賠償登録令(昭和三十年政令第二十七号)第二十六条に規定する鉱害賠償登録に関する登記であって、鉱害賠償登録規則(昭和三十年法務省令第四十七号)第二条に規定する登録番号が同一のもの (合筆の登記における表題部の記録方法) 第百六条 登記官は、甲土地を乙土地に合筆する合筆の登記をするときは、乙土地の登記記録の表題部に、合筆後の土地の表題部の登記事項、何番の土地を合筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲土地の登記記録の表題部に何番の土地に合筆した旨及び従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 (合筆の登記における権利部の記録方法) 第百七条 登記官は、前条第一項の場合において、合筆前の甲土地及び乙土地が所有権の登記がある土地であるときは、乙土地の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 合併による所有権の登記をする旨 二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分 三 甲土地又は乙土地に第百五十六条の四に規定する法人識別事項又は第百五十六条の六第一項に規定する国内連絡先事項(以下「法人識別事項等」という。)の登記があるときは、当該法人識別事項等 四 合筆の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号 五 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のものがあるときは、当該信託の登記 2 登記官は、前項の場合において、乙土地の登記記録に承役地についてする地役権の登記があるときは、当該地役権の登記に当該地役権設定の範囲及び地役権図面番号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、甲土地の登記記録に承役地についてする地役権の登記があるときは、乙土地の登記記録の乙区に甲土地の登記記録から当該地役権の登記を移記し、当該移記された地役権の登記に当該地役権設定の範囲及び地役権図面番号を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の規定により地役権の登記を移記すべき場合において、乙土地に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の承役地にする地役権の登記があるときは、同項の規定にかかわらず、乙土地の登記記録に甲土地の地番及び甲土地につき同一事項の登記がある旨を記録しなければならない。 5 第百三条第二項から第四項までの規定は、前三項の場合について準用する。 6 登記官は、第一項の場合において、甲土地及び乙土地の登記記録に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の担保権の登記があるときは、乙土地の登記記録に当該登記が合筆後の土地の全部に関する旨を付記登記によって記録しなければならない。 (分合筆の登記) 第百八条 登記官は、甲土地の一部を分筆して、これを乙土地に合筆する場合において、分筆の登記及び合筆の登記をするときは、乙土地の登記記録の表題部に、合筆後の土地の表題部の登記事項、何番の土地の一部を合併した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百六条の規定は、適用しない。 2 登記官は、前項に規定する登記をするときは、甲土地の登記記録の表題部に、残余部分の土地の表題部の登記事項、何番の土地に一部を合併した旨及び従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百一条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 3 第百二条第一項(承役地についてする地役権の登記に係る部分に限る。)、第百三条、第百四条及び前条の規定は、第一項の場合について準用する。 (土地の滅失の登記) 第百九条 登記官は、土地の滅失の登記をするときは、当該土地の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 第百十条 登記官は、前条の場合において、滅失した土地が他の不動産と共に所有権以外の権利の目的であったとき(その旨が登記記録に記録されている場合に限る。)は、当該他の不動産の登記記録の乙区に、滅失した土地の不動産所在事項並びに滅失の原因及び当該土地が滅失したことを記録し、かつ、当該滅失した土地が当該他の不動産と共に権利の目的である旨の記録における当該滅失した土地の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、滅失した土地が他の不動産と共に担保権の目的であったときは、前項の規定による記録(滅失した土地の不動産所在事項の記録を除く。)は、共同担保目録にしなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、当該他の不動産が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、その旨を当該他の登記所に通知しなければならない。 4 前項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項及び第二項の規定による登記をしなければならない。 第三款 建物の表示に関する登記 (建物) 第百十一条 建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。 (家屋番号) 第百十二条 家屋番号は、地番区域ごとに建物の敷地の地番と同一の番号をもって定めるものとする。 ただし、二個以上の建物が一筆の土地の上に存するとき、一個の建物が二筆以上の土地の上に存するとき、その他特別の事情があるときは、敷地の地番と同一の番号に支号を付す方法その他の方法により、これを定めるものとする。 2 附属建物には、符号を付すものとする。 (建物の種類) 第百十三条 建物の種類は、建物の主な用途により、居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所及び変電所に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。 2 建物の主な用途が二以上の場合には、当該二以上の用途により建物の種類を定めるものとする。 (建物の構造) 第百十四条 建物の構造は、建物の主な部分の構成材料、屋根の種類及び階数により、次のように区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。 一 構成材料による区分 イ 木造 ロ 土蔵造 ハ 石造 ニ れんが造 ホ コンクリートブロック造 ヘ 鉄骨造 ト 鉄筋コンクリート造 チ 鉄骨鉄筋コンクリート造 二 屋根の種類による区分 イ かわらぶき ロ スレートぶき ハ 亜鉛メッキ鋼板ぶき ニ 草ぶき ホ 陸屋根 三 階数による区分 イ 平家建 ロ 二階建(三階建以上の建物にあっては、これに準ずるものとする。) (建物の床面積) 第百十五条 建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。 (区分建物の家屋番号) 第百十六条 区分建物である建物の登記記録の表題部には、建物の表題部の登記事項のほか、当該建物が属する一棟の建物に属する他の建物の家屋番号を記録するものとする。 2 登記官は、区分建物である建物の家屋番号に関する変更の登記又は更正の登記をしたときは、当該建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録に記録されていた当該建物の家屋番号を抹消する記号を記録し、変更後又は更正後の家屋番号を記録しなければならない。 (区分建物の登記記録の閉鎖) 第百十七条 登記官は、区分建物である建物の登記記録を閉鎖する場合において、当該登記記録の閉鎖後においても当該建物(以下この条において「閉鎖建物」という。)が属する一棟の建物に他の建物(附属建物として登記されているものを除く。)が存することとなるときは、第八条の規定にかかわらず、閉鎖建物の登記記録に記録された次に掲げる事項を抹消する記号を記録することを要しない。 一 一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番 二 一棟の建物の構造及び床面積 三 一棟の建物の名称があるときは、その名称 四 前条第一項の規定により記録されている当該他の建物の家屋番号 2 登記官は、前項の場合には、閉鎖建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録に記録されている当該閉鎖建物の家屋番号を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項に規定する場合以外の場合において、区分建物である建物の登記記録を閉鎖するときは、閉鎖建物の登記記録及び当該閉鎖建物が属する一棟の建物に属する他の建物の登記記録(閉鎖されたものも含む。)の第一項各号に掲げる事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (表題部にする敷地権の記録方法) 第百十八条 登記官は、区分建物である建物の登記記録の表題部に法第四十四条第一項第九号に掲げる敷地権を記録するときは、敷地権の登記原因及びその日付のほか、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 敷地権の目的である土地に関する次に掲げる事項 イ 当該土地を記録する順序に従って付した符号 ロ 当該土地の不動産所在事項 ハ 地目 ニ 地積 二 敷地権の種類 三 敷地権の割合 (敷地権である旨の登記) 第百十九条 登記官は、法第四十六条の敷地権である旨の登記をするときは、次に掲げる事項を敷地権の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に記録しなければならない。 一 敷地権である旨 二 当該敷地権の登記をした区分建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番 三 当該敷地権の登記をした区分建物が属する一棟の建物の構造及び床面積又は当該一棟の建物の名称 四 当該敷地権が一棟の建物に属する一部の建物についての敷地権であるときは、当該一部の建物の家屋番号 五 登記の年月日 2 登記官は、敷地権の目的である土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に前項の規定により記録すべき事項を通知しなければならない。 3 前項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、敷地権の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に、通知を受けた事項を記録しなければならない。 (合体による登記等) 第百二十条 合体後の建物についての建物の表題登記をする場合において、合体前の建物に所有権の登記がある建物があるときは、合体後の建物の登記記録の表題部に表題部所有者に関する登記事項を記録することを要しない。 法第四十九条第一項後段の規定により併せて所有権の登記の申請があった場合についても、同様とする。 2 登記官は、前項前段の場合において、表題登記をしたときは、当該合体後の建物の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 合体による所有権の登記をする旨 二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分 三 合体前の建物に法人識別事項等の登記があるときは、当該法人識別事項等 四 登記の年月日 3 登記官は、法第四十九条第一項後段の規定により併せて所有権の登記の申請があった場合において、当該申請に基づく所有権の登記をするときは、前項各号に掲げる事項のほか、第百五十六条の四に規定する法人識別事項、第百五十六条の六第一項に規定する国内連絡先事項並びに当該申請の受付の年月日及び受付番号も記録しなければならない。 4 登記官は、合体前の建物について存続登記(令別表の十三の項申請情報欄ハに規定する存続登記をいう。以下この項において同じ。)がある場合において、合体後の建物の持分について当該存続登記と同一の登記をするときは、合体前の建物の登記記録から合体後の建物の登記記録の権利部の相当区に当該存続登記を移記し、その末尾に本項の規定により登記を移記した旨及びその年月日を記録しなければならない。 5 法第五十条の規定による権利が消滅した旨の登記は、合体による登記等の申請情報と併せて次に掲げる情報の提供がされた場合にするものとする。 一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報 二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報 三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券 6 前項の場合における権利が消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。 この場合には、第四項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を合体後の建物の登記記録に移記することを要しない。 7 第百二十四条の規定は、敷地権付き区分建物が合体した場合において、合体後の建物につき敷地権の登記をしないときについて準用する。 8 前条の規定は、合体前の二以上の建物がいずれも敷地権付き区分建物であり、かつ、合体後の建物も敷地権付き区分建物となる場合において、合体前の建物のすべての敷地権の割合を合算した敷地権の割合が合体後の建物の敷地権の割合となるときは、適用しない。 9 第百四十四条の規定は、合体前の建物の表題部の登記の抹消について準用する。 (附属建物の新築の登記) 第百二十一条 登記官は、附属建物の新築による建物の表題部の登記事項に関する変更の登記をするときは、建物の登記記録の表題部に、附属建物の符号、種類、構造及び床面積を記録しなければならない。 (区分建物の表題部の変更の登記) 第百二十二条 法第五十一条第五項の法務省令で定める登記事項は、次のとおりとする。 一 敷地権の目的となる土地の不動産所在事項、地目及び地積 二 敷地権の種類 2 法第五十三条第二項において準用する第五十一条第五項の法務省令で定める事項は、前項各号に掲げる事項並びに敷地権の登記原因及びその日付とする。 (建物の表題部の変更の登記等により敷地権の登記をする場合の登記) 第百二十三条 登記官は、建物の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記により新たに敷地権の登記をした場合において、建物についての所有権又は特定担保権(一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記があるときは、所有権の登記を除き、当該権利に関する登記についてする付記登記によって建物のみに関する旨を記録しなければならない。 ただし、特定担保権に係る権利に関する登記であって、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下この項において同じ。)が当該敷地権についてされた特定担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものは、この限りでない。 2 登記官は、前項ただし書の場合には、職権で、当該敷地権についてされた特定担保権に係る権利に関する登記の抹消をしなければならない。 この場合には、敷地権の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に本項の規定により抹消をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 (敷地権の登記の抹消) 第百二十四条 登記官は、敷地権付き区分建物について、敷地権であった権利が敷地権でない権利となったことによる建物の表題部に関する変更の登記をしたときは、当該敷地権の目的であった土地の登記記録の権利部の相当区に敷地権の変更の登記により敷地権を抹消する旨及びその年月日を記録し、同区の敷地権である旨の登記の抹消をしなければならない。 敷地権であった権利が消滅したことによる建物の表題部に関する変更の登記をしたときも、同様とする。 2 登記官は、前項前段の場合には、同項の土地の登記記録の権利部の相当区に、敷地権であった権利、その権利の登記名義人の氏名又は名称及び住所、当該登記名義人の法人識別事項等の登記があるときは当該法人識別事項等並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分を記録し、敷地権である旨の登記を抹消したことにより登記をする旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 3 登記官は、前項に規定する登記をすべき場合において、敷地権付き区分建物の登記記録に特定登記(法第五十五条第一項に規定する特定登記をいう。以下同じ。)があるときは、当該敷地権付き区分建物の登記記録から第一項の土地の登記記録の権利部の相当区にこれを転写しなければならない。 4 登記官は、前項の場合において、第一項の土地の登記記録の権利部の相当区に前項の規定により転写すべき登記に後れる登記があるときは、同項の規定にかかわらず、新たに当該土地の登記記録を作成した上、当該登記記録の表題部に従前の登記記録の表題部にされていた登記を移記するとともに、権利部に、権利の順序に従って、同項の規定により転写すべき登記を転写し、かつ、従前の登記記録の権利部にされていた登記を移記しなければならない。 この場合には、従前の登記記録の表題部及び権利部にこの項の規定により登記を移記した旨及びその年月日を記録し、従前の登記記録を閉鎖しなければならない。 5 登記官は、前二項の規定により土地の登記記録の権利部の相当区に登記を転写し、又は移記したときは、その登記の末尾に第三項又は第四項の規定により転写し、又は移記した旨を記録しなければならない。 6 登記官は、第三項の規定により転写すべき登記が、一般の先取特権、質権又は抵当権の登記であるときは、共同担保目録を作成しなければならない。 この場合には、建物及び土地の各登記記録の転写された権利に係る登記の末尾に、新たに作成した共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 7 前項の規定は、転写すべき登記に係る権利について既に共同担保目録が作成されていた場合には、適用しない。 この場合において、登記官は、当該共同担保目録の従前の敷地権付き区分建物を目的とする権利を抹消する記号を記録し、敷地権の消滅後の建物及び土地を目的とする権利を記録して、土地の登記記録の当該権利の登記の末尾に当該共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 8 登記官は、第一項の変更の登記をした場合において、敷地権の目的である土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に同項の登記をした旨及び第二項又は第三項の規定により記録し、又は転写すべき事項を通知しなければならない。 9 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項から第七項までに定める手続をしなければならない。 10 第六条後段の規定は、第四項の規定により登記を移記する場合について準用する。 (特定登記に係る権利の消滅の登記) 第百二十五条 特定登記に係る権利が消滅した場合の登記は、敷地権の変更の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。 一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報 二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報 三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券 2 前項の場合における特定登記に係る権利が土地について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。 この場合には、前条第三項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を土地の登記記録に転写することを要しない。 3 第一項の場合における特定登記に係る権利が建物について消滅した旨の登記は、付記登記によってするものとする。 この場合には、登記の年月日及び当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。 4 前三項の規定は、法第五十五条第二項から第四項までの規定による特定登記に係る権利が消滅した場合の登記について準用する。 (敷地権の不存在による更正の登記) 第百二十六条 登記官は、敷地権の不存在を原因とする建物の表題部に関する更正の登記をしたときは、その権利の目的である土地の登記記録の権利部の相当区に敷地権の更正の登記により敷地権を抹消する旨及びその年月日を記録し、同区の敷地権である旨の登記の抹消をしなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、法第七十三条第一項本文の規定により敷地権の移転の登記としての効力を有する登記があるときは、前項の土地の登記記録の権利部の相当区に当該登記の全部を転写しなければならない。 3 第百二十四条第三項から第十項までの規定は、前項の場合について準用する。 (建物の分割の登記における表題部の記録方法) 第百二十七条 登記官は、甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をするときは、乙建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から分割した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に、家屋番号何番の建物に分割した旨及び分割した附属建物を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、分割により不動産所在事項に変更が生じたときは、変更後の不動産所在事項、分割により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (建物の分割の登記における権利部の記録方法) 第百二十八条 第百二条及び第百四条第一項から第三項までの規定は、前条第一項の規定により甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合について準用する。 2 登記官は、分割前の建物について現に効力を有する所有権の登記がされた後当該分割に係る附属建物の新築による当該分割前の建物の表題部の登記事項に関する変更の登記がされていたときは、前項において準用する第百二条の規定により当該所有権の登記を転写することに代えて、乙建物の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割による所有権の登記をする旨 二 所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分 三 甲建物に法人識別事項等の登記があるときは、当該法人識別事項等 四 登記の年月日 (建物の区分の登記における表題部の記録方法) 第百二十九条 登記官は、区分建物でない甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をするときは、区分後の各建物について新たに登記記録を作成し、各登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から区分した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、区分前の甲建物の登記記録の表題部に区分によって家屋番号何番及び何番の建物の登記記録に移記した旨並びに従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 3 登記官は、区分建物である甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をするときは、乙建物について新たに登記記録を作成し、これに家屋番号何番の建物から区分した旨を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に、残余部分の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の建物を区分した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 (建物の区分の登記における権利部の記録方法) 第百三十条 登記官は、前条第一項の場合には、区分後の各建物についての新登記記録の権利部の相当区に、区分前の建物の登記記録から権利に関する登記を移記し、かつ、建物の区分の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 この場合においては、第百二条第一項後段、第二項及び第三項並びに第百四条第一項から第三項までの規定を準用する。 2 第百二条及び第百四条第一項から第三項までの規定は、前条第三項の場合における権利に関する登記について準用する。 3 第百二十三条の規定は、前条第一項の規定による建物の区分の登記をした場合において、区分後の建物が敷地権付き区分建物となるときについて準用する。 (建物の合併の登記の制限の特例) 第百三十一条 法第五十六条第五号の合併後の建物の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。 一 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの 二 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの (附属合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十二条 登記官は、甲建物を乙建物の附属建物とする建物の合併(以下「附属合併」という。)に係る建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、附属合併後の建物の表題部の登記事項及び家屋番号何番の建物を合併した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、附属合併により不動産所在事項に変更が生じた場合には、変更後の不動産所在事項、合併により変更した旨及び変更前の不動産所在事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合には、甲建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 (区分合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十三条 登記官は、区分建物である甲建物を乙建物又は乙建物の附属建物に合併する建物の合併(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物と接続する区分建物である場合に限る。以下「区分合併」という。)に係る建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、区分合併後の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の建物を合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合には、甲建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 3 登記官は、第一項の規定にかかわらず、区分合併(甲建物を乙建物の附属建物に合併する場合を除く。)に係る建物の合併の登記をする場合において、区分合併後の建物が区分建物でないときは、区分合併後の乙建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に区分合併後の建物の表題部の登記事項及び合併により家屋番号何番の建物の登記記録から移記した旨を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の場合には、区分合併前の乙建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物を合併した旨、合併により家屋番号何番の建物の登記記録に移記した旨及び乙建物についての建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、乙建物の登記記録を閉鎖しなければならない。 (建物の合併の登記における権利部の記録方法) 第百三十四条 第百七条第一項及び第六項の規定は、建物の合併の登記について準用する。 2 登記官は、前条第三項の場合において、区分合併前のすべての建物に第百三十一条に規定する登記があるときは、同項の規定により区分合併後の建物について新たに作成した登記記録の乙区に当該登記を移記し、当該登記が合併後の建物の全部に関する旨を付記登記によって記録しなければならない。 3 第百二十四条の規定は、区分合併に係る建物の合併の登記をする場合において、区分合併後の建物が敷地権のない建物となるときについて準用する。 (建物の分割の登記及び附属合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十五条 登記官は、甲建物の登記記録から甲建物の附属建物を分割して、これを乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、附属合併後の建物の表題部の登記事項及び家屋番号何番の建物から合併した旨を記録しなければならない。 この場合には、第百三十二条第一項及び第三項の規定は、適用しない。 2 登記官は、前項の場合には、甲建物の登記記録の表題部の分割に係る附属建物について、家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百二十七条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 (建物の分割及び区分合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十六条 登記官は、甲建物の登記記録から甲建物の附属建物(区分建物に限る。)を分割して、これを乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物の附属建物と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、区分合併後の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の一部を合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百三十三条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 2 前条第二項の規定は、前項の場合において、甲建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 3 第百三十三条第三項及び第四項の規定は、第一項の場合(甲建物の附属建物を分割して乙建物の附属建物に合併しようとする場合を除く。)において、区分合併後の乙建物が区分建物でない建物となるときについて準用する。 (建物の区分及び附属合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十七条 第百三十五条第一項の規定は、甲建物を区分してその一部を乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の区分の登記及び附属合併の登記をするときにおける乙建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 2 登記官は、前項の場合において、区分前の甲建物が区分建物でない建物であったときは、区分後の甲建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に家屋番号何番の建物から区分した旨を記録するとともに、区分前の甲建物の登記記録に区分及び合併によって家屋番号何番及び何番の建物の登記記録に移記した旨並びに従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 この場合には、第百二十九条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の場合において、区分前の甲建物が区分建物であったときは、甲建物の登記記録の表題部に、残余部分の建物の表題部の登記事項、区分した一部を家屋番号何番に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第百二十九条第三項及び第四項の規定は、適用しない。 (建物の区分及び区分合併の登記における表題部の記録方法) 第百三十八条 第百三十六条第一項の規定は、甲建物を区分して、その一部を乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が当該一部と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記をするときにおける乙建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 2 前条第三項の規定は、前項の場合(区分前の甲建物が区分建物であった場合に限る。)において、甲建物の登記記録の表題部の記録方法について準用する。 (建物の分割の登記及び附属合併の登記等における権利部の記録方法) 第百三十九条 第百四条第一項から第三項まで並びに第百七条第一項及び第六項の規定は、第百三十五条から前条までの場合における権利部の記録方法について準用する。 (建物が区分建物となった場合の登記等) 第百四十条 登記官は、法第五十二条第一項及び第三項に規定する表題部の登記事項に関する変更の登記をするときは、当該変更の登記に係る区分建物である建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に本項の規定により登記を移記した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、新たに作成した登記記録の権利部の相当区に、変更前の建物の登記記録から権利に関する登記を移記し、登記の年月日及び本項の規定により登記を移記した旨を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合には、変更前の建物の登記記録の表題部に同項の規定により登記を移記した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 4 前三項の規定は、区分合併以外の原因により区分建物である建物が区分建物でない建物となったときについて準用する。 この場合において、第一項中「区分建物である建物」とあるのは、「建物」と読み替えるものとする。 (共用部分である旨の登記等) 第百四十一条 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、所有権の登記がない建物にあっては表題部所有者に関する登記事項を抹消する記号を記録し、所有権の登記がある建物にあっては権利に関する登記の抹消をしなければならない。 (共用部分である旨の登記がある建物の分割等) 第百四十二条 登記官は、共用部分である旨の登記若しくは団地共用部分である旨の登記がある甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をし、又は当該甲建物を区分して甲建物と乙建物とする建物の区分の登記をする場合において、甲建物の登記記録に法第五十八条第一項各号に掲げる登記事項があるときは、乙建物の登記記録に当該登記事項を転写しなければならない。 (共用部分である旨を定めた規約等の廃止による建物の表題登記) 第百四十三条 登記官は、共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止したことによる建物の表題登記の申請があった場合において、当該申請に基づく表題登記をするときは、当該建物の登記記録の表題部に所有者の氏名又は名称及び住所並びに所有者が二人以上であるときはその所有者ごとの持分並びに敷地権があるときはその内容を記録すれば足りる。 この場合には、共用部分である旨又は団地共用部分である旨の記録を抹消する記号を記録しなければならない。 (建物の滅失の登記) 第百四十四条 登記官は、建物の滅失の登記をするときは、当該建物の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 2 第百十条の規定は、前項の登記について準用する。 (敷地権付き区分建物の滅失の登記) 第百四十五条 第百二十四条第一項から第五項まで及び第八項から第十項までの規定は、敷地権付き区分建物の滅失の登記をする場合について準用する。 2 第百二十四条第六項及び第七項の規定は、前項の場合において、当該敷地権付き区分建物の敷地権の目的であった土地が二筆以上あるときについて準用する。 第三節 権利に関する登記 第一款 通則 (権利部の登記) 第百四十六条 登記官は、権利部の相当区に権利に関する登記をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、権利に関する登記の登記事項のうち、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付のほか、新たに登記すべきものを記録しなければならない。 (順位番号等) 第百四十七条 登記官は、権利に関する登記をするときは、権利部の相当区に登記事項を記録した順序を示す番号を記録しなければならない。 2 登記官は、同順位である二以上の権利に関する登記をするときは、順位番号に当該登記を識別するための符号を付さなければならない。 3 令第二条第八号の順位事項は、順位番号及び前項の符号とする。 (付記登記の順位番号) 第百四十八条 付記登記の順位番号を記録するときは、主登記の順位番号に付記何号を付加する方法により記録するものとする。 (権利の消滅に関する定めの登記) 第百四十九条 登記官は、登記の目的である権利の消滅に関する定めの登記をした場合において、当該定めにより権利が消滅したことによる登記の抹消その他の登記をするときは、当該権利の消滅に関する定めの登記の抹消をしなければならない。 (権利の変更の登記又は更正の登記) 第百五十条 登記官は、権利の変更の登記又は更正の登記をするときは、変更前又は更正前の事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (登記の更正) 第百五十一条 登記官は、法第六十七条第二項の規定により登記の更正をするときは、同項の許可をした者の職名、許可の年月日及び登記の年月日を記録しなければならない。 (登記の抹消) 第百五十二条 登記官は、権利の登記の抹消をするときは、抹消の登記をするとともに、抹消すべき登記を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、抹消に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者の権利に関する登記の抹消をしなければならない。 この場合には、当該権利の登記の抹消をしたことにより当該第三者の権利に関する登記の抹消をする旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 (法第七十条第二項の相当の調査) 第百五十二条の二 法第七十条第二項の法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる措置をとる方法とする。 一 法第七十条第二項に規定する登記の抹消の登記義務者(以下この条において単に「登記義務者」という。)が自然人である場合 イ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の調査として次の(1)から(5)までに掲げる措置 (1) 登記義務者が記録されている住民基本台帳、除票簿、戸籍簿、除籍簿、戸籍の附票又は戸籍の附票の除票簿(以下この条において「住民基本台帳等」という。)を備えると思料される市町村の長に対する登記義務者の住民票の写し又は住民票記載事項証明書、除票の写し又は除票記載事項証明書、戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書並びに戸籍の附票の写し及び戸籍の附票の除票の写し(以下この条において「住民票の写し等」という。)の交付の請求 (2) (1)の措置により登記義務者の死亡が判明した場合には、登記義務者が記録されている戸籍簿又は除籍簿を備えると思料される市町村の長に対する登記義務者の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書の交付の請求 (3) (2)の措置により登記義務者の相続人が判明した場合には、当該相続人が記録されている戸籍簿又は除籍簿を備えると思料される市町村の長に対する当該相続人の戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書の交付の請求 (4) (3)の措置により登記義務者の相続人の死亡が判明した場合には、当該相続人についてとる(2)及び(3)に掲げる措置 (5) (1)から(4)までの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者が判明した場合には、当該者が記録されている住民基本台帳又は戸籍の附票を備えると思料される市町村の長に対する当該者の住民票の写し又は住民票記載事項証明書及び戸籍の附票の写し((1)の措置により交付の請求をしたものを除く。)の交付の請求 ロ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在の調査として書留郵便その他配達を試みたことを証明することができる方法による次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 登記義務者の不動産の登記簿上の住所に宛ててする登記義務者に対する書面の送付(イの措置により登記義務者の死亡及び共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合を除く。) (2) イの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合には、その場所に宛ててする当該者に対する書面の送付 二 登記義務者が法人である場合 イ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の調査として次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 登記義務者の法人の登記簿を備えると思料される登記所の登記官に対する登記義務者の登記事項証明書の交付の請求 (2) (1)の措置により登記義務者が合併により解散していることが判明した場合には、登記義務者の合併後存続し、又は合併により設立された法人についてとる(1)に掲げる措置 ロ イの措置により法人の登記簿に共同して登記の抹消の申請をすべき者の代表者(共同して登記の抹消の申請をすべき者が合併以外の事由により解散した法人である場合には、その清算人又は破産管財人。以下この号において同じ。)として登記されている者が判明した場合には、当該代表者の調査として当該代表者が記録されている住民基本台帳等を備えると思料される市町村の長に対する当該代表者の住民票の写し等の交付の請求 ハ 共同して登記の抹消の申請をすべき者の所在の調査として書留郵便その他配達を試みたことを証明することができる方法による次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 登記義務者の不動産の登記簿上の住所に宛ててする登記義務者に対する書面の送付(イの措置により登記義務者が合併により解散していること及び共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合を除く。) (2) イの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者が所在すると思料される場所が判明した場合には、その場所に宛ててする当該者に対する書面の送付 ニ イ及びロの措置により共同して登記の抹消の申請をすべき者の代表者が判明した場合には、当該代表者の所在の調査として書留郵便その他配達を試みたことを証明することができる方法による次の(1)及び(2)に掲げる措置 (1) 共同して登記の抹消の申請をすべき者の法人の登記簿上の代表者の住所に宛ててする当該代表者に対する書面の送付 (2) イ及びロの措置により当該代表者が所在すると思料される場所が判明した場合には、その場所に宛ててする当該代表者に対する書面の送付 (職権による登記の抹消) 第百五十三条 登記官は、法第七十一条第四項の規定により登記の抹消をするときは、登記記録にその事由を記録しなければならない。 (職権による登記の抹消の場合の公告の方法) 第百五十四条 法第七十一条第二項の公告は、抹消すべき登記が登記された登記所の掲示場その他登記所内の公衆の見やすい場所に掲示して行う方法又は登記所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法であってインターネットに接続された自動公衆送信装置(著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第二条第一項第九号の五イに規定する自動公衆送信装置をいう。第二百十七条第一項(第二百三十二条第五項、第二百四十四条第四項、第二百四十五条第四項及び第二百四十六条第二項において準用する場合を含む。)において同じ。)を使用する方法により二週間行うものとする。 (抹消された登記の回復) 第百五十五条 登記官は、抹消された登記の回復をするときは、回復の登記をした後、抹消に係る登記と同一の登記をしなければならない。 (敷地権の登記がある建物の権利に関する登記) 第百五十六条 登記官は、法第七十三条第三項ただし書に規定する登記をしたときは、当該登記に付記する方法により、当該登記が建物のみに関する旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 第二款 所有権に関する登記 (法人識別事項) 第百五十六条の二 法第七十三条の二第一項第一号の法務省令で定める事項は、次の各号に掲げる所有権の登記名義人の区分に応じ、当該各号に定める事項とする。 一 会社法人等番号を有する法人 当該法人の会社法人等番号 二 会社法人等番号を有しない法人であって、外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。以下この号において同じ。)の法令に準拠して設立されたもの 当該外国の名称 三 前二号のいずれにも該当しない法人 当該法人の設立の根拠法の名称 (法人識別事項を申請情報の内容とする登記の添付情報) 第百五十六条の三 前条第二号又は第三号に定める事項を申請情報の内容とする登記の申請をする場合には、当該事項を証する情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 (法人識別事項の変更の登記又は更正の登記) 第百五十六条の四 第百五十六条の二各号に定める事項(第百五十七条第三項、第百九十六条第一項第四号及び第百九十八条第一項において「法人識別事項」という。)に関する変更の登記又は更正の登記は、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 (国内連絡先事項) 第百五十六条の五 法第七十三条の二第一項第二号の法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 所有権の登記名義人の国内における連絡先となる者(以下この条、次条第一項及び第百五十六条の八第一項において「国内連絡先となる者」という。)があるときは、次に掲げる事項 イ 国内連絡先となる者(一人に限る。)の氏名又は名称並びに国内の住所又は国内の営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在地及び名称 ロ 国内連絡先となる者が会社法人等番号を有する法人であるときは、当該法人の会社法人等番号 二 国内連絡先となる者がないときは、その旨 (国内連絡先事項を申請情報の内容とする登記の添付情報) 第百五十六条の六 前条各号に掲げる事項(次条第一項及び第二項、第百五十六条の九並びに第百五十七条第三項において「国内連絡先事項」という。)を申請情報の内容とする登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 一 国内連絡先となる者があるときは、次に掲げる情報 イ 前条第一号イに掲げる事項を証する情報 ロ 国内連絡先となる者の承諾を証する当該国内連絡先となる者が作成した情報 二 国内連絡先となる者がないときは、前条第二号に掲げる事項を証する情報 2 前項第一号ロに掲げる情報を記載した書面には、令第十九条第二項に規定する印鑑に関する証明書に代えてこれに準ずる印鑑に関する証明書を添付することができる。 (国内連絡先事項の変更の登記又は更正の登記) 第百五十六条の七 国内連絡先事項に関する変更の登記又は更正の登記は、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 2 前項の登記を申請する場合には、その申請情報と併せて変更後又は更正後の国内連絡先事項についての前条第一項各号に掲げる情報を提供しなければならない。 この場合においては、前条第二項の規定を準用する。 3 第百五十六条の五第一号に掲げる事項についての変更の登記又は更正の登記を申請する場合には、前項の規定にかかわらず、前条第一項第一号ロに掲げる情報を提供することを要しない。 4 第一項の登記を申請する場合には、令別表の二十五の項添付情報欄イの規定にかかわらず、登記原因を証する情報を提供することを要しない。 第百五十六条の八 第百五十六条の五第一号に掲げる事項についての変更の登記又は更正の登記は、国内連絡先となる者として登記されている者も単独で申請することができる。 2 前項の規定により登記を申請する場合には、所有権の登記名義人の承諾を証する当該所有権の登記名義人が作成した情報をもその申請情報と併せて提供しなければならない。 3 令第十二条第二項の規定は電子申請において提供する前項の承諾を証する情報について、令第十九条の規定は同項の承諾を証する情報を記載した書面については、適用しない。 (国内連絡先事項が登記されている所有権の登記名義人の住所の変更の登記又は更正の登記) 第百五十六条の九 登記官は、国内連絡先事項が登記されている所有権の登記名義人の住所についての変更の登記又は更正の登記をする場合において、変更後又は更正後の住所が国内にあるときは、当該国内連絡先事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (表題登記がない不動産についてする所有権の保存の登記) 第百五十七条 法第七十五条(法第七十六条第三項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の法務省令で定めるものは、表示に関する登記事項のうち次に掲げる事項以外の事項とする。 一 表題部所有者に関する登記事項 二 登記原因及びその日付 三 敷地権の登記原因及びその日付 2 法第七十五条の規定により登記をするときは、表題部に所有権の登記をするために登記をする旨を記録するものとする。 3 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託による所有権の処分の制限の登記をするときは、登記記録の甲区に、所有者の氏名又は名称、住所、法人識別事項及び国内連絡先事項、登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分並びに処分の制限の登記の嘱託によって所有権の登記をする旨を記録しなければならない。 (表題部所有者の氏名等の抹消) 第百五十八条 登記官は、表題登記がある不動産(所有権の登記がある不動産を除く。)について所有権の登記をしたときは、表題部所有者に関する登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 第二款の二 相続人申告登記等 第一目 通則 (定義) 第百五十八条の二 この款、第百五十八条の三十三及び第百五十八条の三十七において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 相続人申出 法第七十六条の三第一項の規定による申出をいう。 二 相続人申告登記 法第七十六条の三第三項の規定による登記をいう。 三 相続人申告事項 法第七十六条の三第三項の規定により所有権の登記に付記する事項をいう。 四 相続人申告名義人 相続人申告登記によって付記された者をいう。 五 相続人申告事項の変更の登記 相続人申告事項に変更があった場合に当該相続人申告事項を変更する登記をいう。 六 相続人申告事項の更正の登記 相続人申告事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該相続人申告事項を訂正する登記をいう。 七 相続人申告登記の抹消 相続人申告登記を抹消することをいう。 八 相続人申出等 相続人申出、相続人申告事項の変更若しくは更正の申出又は相続人申告登記の抹消の申出をいう。 九 相続人申告登記等 相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記、相続人申告事項の更正の登記又は相続人申告登記の抹消をいう。 十 相続人電子申出 第百五十八条の四第一号に掲げる方法による相続人申出等をいう。 十一 相続人書面申出 第百五十八条の四第二号に掲げる方法による相続人申出等をいう。 十二 相続人申出等情報 次条第一項各号、第百五十八条の十九第一項各号又は第百五十八条の二十四第二項各号に掲げる事項に係る情報をいう。 十三 相続人申出書 相続人申出等情報を記載した書面をいう。 十四 相続人申出等添付情報 相続人申出等をする場合において、この款の規定によりその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならないものとされている情報をいう。 十五 相続人申出等添付書面 相続人申出等添付情報を記載した書面をいう。 (相続人申出等情報) 第百五十八条の三 相続人申出等は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 申出に係る不動産の不動産所在事項 2 前項第四号の規定にかかわらず、不動産番号を相続人申出等情報の内容としたときは、同号に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とすることを要しない。 3 相続人申出等においては、第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とするものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 相続人申出等添付情報の表示 三 申出の年月日 四 登記所の表示 (相続人申出等の方法) 第百五十八条の四 相続人申出等は、次に掲げる方法のいずれかにより、相続人申出等情報を登記所に提供してしなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法 二 相続人申出書を提出する方法 (相続人申出等情報の作成及び提供) 第百五十八条の五 相続人申出等情報は、申出の目的及び登記原因に応じ、一の不動産及び申出人ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、次に掲げるときは、この限りでない。 一 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について、第百五十八条の十九第一項各号に掲げる事項が同一である相続人申出をするとき。 二 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について、同一の相続人申告名義人の氏名又は住所についての変更又は更正の申出をするとき。 三 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について、抹消の理由並びに抹消すべき第百五十八条の二十三第一項第四号及び第五号に掲げる事項が同一である相続人申告登記の抹消の申出をするとき。 (相続人申出等添付情報) 第百五十八条の六 代理人によって相続人申出等をするときは、当該代理人の権限を証する情報をその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (相続人申出等添付情報の省略等) 第百五十八条の七 第三十七条及び第三十七条の二の規定は、相続人申出等をする場合について準用する。 (相続人電子申出の方法) 第百五十八条の八 相続人電子申出における相続人申出等情報及び相続人申出等添付情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。 ただし、相続人申出等添付情報の送信に代えて、登記所に相続人申出等添付書面を提出することを妨げない。 2 令第十二条第二項及び第十四条の規定は、前項本文の規定により送信する相続人申出等添付情報(第百五十八条の六に規定する代理人の権限を証する情報を除く。)について準用する。 3 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 (相続人電子申出において相続人申出等添付書面を提出する場合についての特例等) 第百五十八条の九 前条第一項ただし書の規定により相続人申出等添付書面を提出するときは、相続人申出等添付書面を登記所に提出する旨及び各相続人申出等添付情報につき書面を提出する方法によるか否かの別をも相続人申出等情報の内容とするものとする。 2 前項に規定する場合には、当該相続人申出等添付書面は、相続人申出等の受付の日から二日以内に提出するものとする。 3 第一項に規定する場合には、申出人は、当該相続人申出等添付書面を提出するに際し、別記第四号の二様式による用紙に次に掲げる事項を記載したものを添付しなければならない。 一 受付番号その他の当該相続人申出等添付書面を相続人申出等添付情報とする申出の特定に必要な事項 二 前条第一項ただし書の規定により提出する相続人申出等添付書面の表示 (相続人書面申出の方法) 第百五十八条の十 相続人書面申出をするときは、相続人申出書に相続人申出等添付書面を添付して提出しなければならない。 2 第四十五条第一項の規定は、相続人申出書について準用する。 3 相続人申出書につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにしなければならない。 この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。 4 申出人又はその代理人は、相続人申出書が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載することその他の必要な措置を講じなければならない。 (相続人申出書等の送付方法) 第百五十八条の十一 相続人申出等をしようとする者が相続人申出書又は相続人申出等添付書面を送付するときは、書留郵便又は信書便事業者による信書便の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。 2 前項の場合には、相続人申出書又は相続人申出等添付書面を入れた封筒の表面に相続人申出書又は相続人申出等添付書面が在中する旨を明記するものとする。 (受領証の交付の請求) 第百五十八条の十二 第五十四条の規定は、相続人書面申出をした申出人について準用する。 (相続人申出等添付書面の原本の還付請求) 第百五十八条の十三 第五十五条の規定は、相続人申出等添付書面を提出した申出人について準用する。 (相続人申出等の受付) 第百五十八条の十四 登記官は、第百五十八条の四の規定により相続人申出等情報が登記所に提供されたときは、当該相続人申出等情報に係る相続人申出等の受付をしなければならない。 2 前項の規定による受付は、受付帳に申出の目的、申出の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録する方法によりしなければならない。 3 登記官は、相続人申出等の受付をしたときは、当該相続人申出等に受付番号を付さなければならない。 4 登記官は、相続人書面申出の受付にあっては、第二項の規定により受付をする際、相続人申出書に申出の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。 5 第一項、第二項及び前項の規定は、第百五十八条の二十七第二項の許可があった場合又は第百五十八条の三十第四項の規定により相続人申告登記の抹消をしようとする場合について準用する。 (調査) 第百五十八条の十五 第五十七条の規定は、相続人申出等情報が提供された場合について準用する。 (相続人申出等の却下) 第百五十八条の十六 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、相続人申出等を却下しなければならない。 ただし、当該相続人申出等の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申出人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申出に係る不動産の所在地が当該申出を受けた登記所の管轄に属しないとき。 二 一個の不動産の一部についての申出を目的とするとき。 三 申出に係る登記(相続人申告登記のうち第百五十八条の十九第一項第一号に規定する中間相続人に係るものを除く。)が既に登記されているとき。 四 申出の権限を有しない者の申出によるとき。 五 相続人申出等情報又はその提供の方法がこの省令により定められた方式に適合しないとき。 六 相続人申出等情報の内容である不動産が登記記録と合致しないとき。 七 相続人申出等情報の内容が相続人申出等添付情報の内容と合致しないとき。 八 相続人申出等添付情報が提供されないとき。 2 登記官は、前項ただし書の期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該相続人申出等を却下することができない。 3 第三十八条の規定は、相続人申出等を却下する場合について準用する。 この場合において、同条第三項中「書面申請がされた」とあるのは、「相続人申出等添付書面が提出された」と読み替えるものとする。 (相続人申出等の取下げ) 第百五十八条の十七 第三十九条第一項及び第二項の規定は、相続人申出等について準用する。 2 登記官は、相続人申出書又は相続人申出等添付書面が提出された場合において、相続人申出等の取下げがされたときは、相続人申出書又は相続人申出等添付書面を還付するものとする。 第三十八条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 (相続人申告登記等の完了通知) 第百五十八条の十八 登記官は、相続人申告登記等を完了したときは、申出人に対し、職権による登記が完了した旨を通知しなければならない。 この場合において、申出人が二人以上あるときは、その一人に通知すれば足りる。 2 前項の通知は、当該登記に係る次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出の受付の年月日及び受付番号 二 不動産所在事項 三 登記の目的 3 第一項の通知は、次の各号に掲げる相続人申出等の区分に応じ、当該各号に定める方法による。 一 相続人電子申出 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された通知事項(職権による登記が完了した旨及び前項各号に掲げる事項をいう。以下この条において同じ。)を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申出人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 相続人書面申出 通知事項を記載した書面を交付する方法 4 送付の方法により通知事項を記載した書面の交付を求める場合には、申出人は、その旨及び送付先の住所を相続人申出等情報の内容としなければならない。 5 第五十五条第七項から第九項までの規定は、送付の方法により通知事項を記載した書面を交付する場合について準用する。 6 登記官は、次の各号に掲げる場合には、第一項の規定にかかわらず、申出人に対し、職権による登記が完了した旨の通知をすることを要しない。 一 第三項第一号に規定する方法により通知する場合において、通知を受けるべき者が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに通知事項が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日を経過しても、自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該通知事項を記録しないとき。 二 第三項第二号に規定する方法により通知する場合において、通知を受けるべき者が、登記完了の時から三月を経過しても、通知事項を記載した書面を受領しないとき。 第二目 相続人申告登記 (相続人申出において明らかにすべき事項等) 第百五十八条の十九 相続人申出においては、次に掲げる事項をも明らかにしてしなければならない。 一 所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、当該相続人(以下この款において「中間相続人」という。))の相続人である旨 二 所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、中間相続人)について相続が開始した年月日 三 中間相続人があるときは、次に掲げる事項(当該事項が既に所有権の登記に付記されているときを除く。) イ 中間相続人の氏名及び最後の住所 ロ 中間相続人が所有権の登記名義人の相続人である旨 ハ 所有権の登記名義人について相続が開始した年月日 2 相続人申出においては、次に掲げる情報をもその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 申出人が所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、中間相続人)の相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 二 申出人の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 三 前項第三号に掲げる事項を相続人申出等情報の内容とするときは、次に掲げる情報 イ 中間相続人が所有権の登記名義人の相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) ロ 中間相続人の最後の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) (相続人申出における相続人申出等添付情報の省略) 第百五十八条の二十 相続人申出をする場合において、申出人が所有権の登記名義人又は中間相続人についての相続に関して法定相続情報一覧図の写し又は法定相続情報番号を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、前条第二項第一号又は第三号イに掲げる情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報を確認することができるときに限る。 2 相続人申出をする場合において、申出人が申出人の住所又は中間相続人の最後の住所が記載された法定相続情報一覧図の写し又は法定相続情報番号(法定相続情報一覧図に申出人の住所又は中間相続人の最後の住所が記載されている場合に限る。以下この項において同じ。)を提供したときは、当該法定相続情報一覧図の写し又は当該法定相続情報番号の提供をもって、前条第二項第二号又は第三号ロに掲げる情報の提供に代えることができる。 ただし、法定相続情報番号を提供する場合にあっては、登記官が法定相続情報を確認することができるときに限る。 第百五十八条の二十一 相続人申出をする場合において、申出人が申出人又は中間相続人についての次に掲げる情報(住民基本台帳法第三十条の九の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けて登記官が申出人の住所又は中間相続人の最後の住所を確認することができることとなるものに限る。)を提供したときは、当該情報の提供をもって、第百五十八条の十九第二項第二号又は第三号ロに掲げる情報の提供に代えることができる。 一 出生の年月日 二 氏名の振り仮名(日本の国籍を有しない者にあっては、氏名の表音をローマ字で表示したもの) 第百五十八条の二十二 相続人申出をする場合において、申出人が相続人電子申出における相続人申出等情報又は委任による代理人の権限を証する情報に第四十二条の電子署名を行い、当該申出人の第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、第百五十八条の十九第二項第二号に掲げる情報の提供に代えることができる。 (相続人申告事項) 第百五十八条の二十三 法第七十六条の三第三項に規定する法務省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、中間相続人)について相続が開始した年月日 五 中間相続人があるときは、次に掲げる事項(当該事項が既に所有権の登記に付記されているときを除く。) イ 中間相続人の氏名及び最後の住所 ロ 中間相続人が所有権の登記名義人の相続人である旨 ハ 所有権の登記名義人について相続が開始した年月日 2 登記官は、相続人申告登記によって二回以上の相続についての相続人申告事項を所有権の登記に付記するときは、当該相続ごとにこれを付記するものとする。 第三目 相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記 (相続人申告事項の変更又は更正の申出) 第百五十八条の二十四 相続人申告事項に変更又は錯誤若しくは遺漏があったときは、その相続人申告事項に係る相続人申告名義人又はその相続人は、登記官に対し、相続人申告事項の変更又は更正を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出においては、次に掲げる事項をも明らかにしてしなければならない。 一 登記原因及びその日付 二 変更後又は更正後の相続人申告事項 3 第一項の規定による申出をする場合には、相続人申告事項について変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)をもその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (相続人申告事項の変更又は更正の申出における相続人申出等添付情報の省略) 第百五十八条の二十五 前条第一項の規定による申出の申出人が相続人申出等情報と併せて申出人又は中間相続人についての次に掲げる情報(住民基本台帳法第三十条の九の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けて登記官が申出人の住所について変更若しくは錯誤若しくは遺漏があったこと又は中間相続人の最後の住所について錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。)を提供したときは、当該情報の提供をもって、申出人の住所について変更若しくは錯誤若しくは遺漏があったこと又は中間相続人の最後の住所について錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 一 出生の年月日 二 氏名の振り仮名(日本の国籍を有しない者にあっては、氏名の表音をローマ字で表示したもの) (相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記) 第百五十八条の二十六 登記官は、第百五十八条の二十四第一項の規定による申出があったときは、職権で、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記をすることができる。 2 登記官は、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記をするときは、登記の目的、申出の受付の年月日及び受付番号、登記原因及びその日付、変更後又は更正後の相続人申告事項並びに変更前又は更正前の相続人申告事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (相続人申告事項の更正) 第百五十八条の二十七 登記官は、相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記を完了した後に相続人申告事項に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨をこれらの登記に係る相続人申出等をした者に通知しなければならない。 ただし、当該相続人申出等をした者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 2 登記官は、前項の場合において、相続人申告事項の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、相続人申告事項の更正をしなければならない。 この場合において、登記官は、当該許可をした者の職名、許可の年月日及び登記の年月日を記録しなければならない。 3 登記官が前項の相続人申告事項の更正をしたときは、その旨を第一項本文の相続人申出等をした者に通知しなければならない。 この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。 第四目 相続人申告登記の抹消 (相続人申告登記の抹消の申出) 第百五十八条の二十八 相続人申告登記が次の各号のいずれかに該当するときは、当該相続人申告登記によって付記された者は、その付記に係る相続人申告登記の抹消の申出をすることができる。 一 第百五十八条の十六第一項第一号から第四号までに掲げる事由のいずれかがあること。 二 相続人申告名義人が相続の放棄をし、又は民法第八百九十一条の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったため法第七十六条の二第一項に規定する者に該当しなくなったこと。 2 前項の規定による申出においては、当該相続人申告登記が前項第一号又は第二号に該当することを証する情報をもその相続人申出等情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (相続人申告登記の抹消) 第百五十八条の二十九 登記官は、前条第一項の規定による申出があったときは、職権で、相続人申告登記の抹消をすることができる。 2 登記官は、相続人申告登記の抹消をするときは、抹消の登記をするとともに、抹消すべき事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (申出によらない相続人申告登記の抹消) 第百五十八条の三十 登記官は、相続人申告登記、相続人申告事項の変更の登記又は相続人申告事項の更正の登記を完了した後にこれらの登記が第百五十八条の十六第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することを発見したときは、当該登記に係る相続人申出等の申出人に対し、一月以内の期間を定め、当該申出人がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登記を抹消する旨を通知しなければならない。 ただし、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、この限りでない。 2 前項本文の通知は、次の事項を明らかにしてしなければならない。 一 抹消する登記に係る次に掲げる事項 イ 不動産所在事項及び不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申出の受付の年月日及び受付番号 ニ 登記原因及びその日付 ホ 申出人の氏名及び住所 二 抹消する理由 3 登記官は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 登記官は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登記を抹消しなければならない。 この場合において、登記官は、登記記録に登記の抹消をする事由を記録しなければならない。 第二款の三 ローマ字氏名の併記 (ローマ字氏名の併記) 第百五十八条の三十一 次の各号に掲げる登記を申請する場合において、当該各号に定める者が日本の国籍を有しない者であるときは、当該登記の申請人は、登記官に対し、当該各号に定める者の氏名の表音をローマ字で表示したもの(以下この款において「ローマ字氏名」という。)を申請情報の内容として、当該ローマ字氏名を登記記録に記録するよう申し出るものとする。 一 所有権の保存若しくは移転の登記、所有権の登記がない不動産について嘱託によりする所有権の処分の制限の登記、合体による登記等(法第四十九条第一項後段の規定により併せて申請をする所有権の登記があるときに限る。)又は所有権の更正の登記(その登記によって所有権の登記名義人となる者があるときに限る。) 所有権の登記名義人となる者 二 所有権の登記名義人の氏名についての変更の登記又は更正の登記 所有権の登記名義人 2 前項の規定による申出をする場合には、当該ローマ字氏名を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 3 第一項各号に定める者が同項各号に掲げる登記の電子申請をするに際し同項の規定による申出をする場合において、その者が第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が当該ローマ字氏名を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、前項の市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 4 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、当該ローマ字氏名を登記記録に記録するものとする。 第百五十八条の三十二 日本の国籍を有しない所有権の登記名義人は、登記官に対し、そのローマ字氏名を登記記録に記録するよう申し出ることができる。 ただし、当該ローマ字氏名が既に記録されているときは、この限りでない。 2 前項の規定による申出(以下この条において「ローマ字氏名併記の申出」という。)は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 所有権の登記名義人の氏名 五 所有権の登記名義人のローマ字氏名 六 申出に係る不動産の不動産所在事項 3 前項第六号の規定にかかわらず、不動産番号を同項各号に掲げる事項に係る情報(以下この条において「ローマ字氏名併記申出情報」という。)の内容としたときは、同項第六号に掲げる事項をローマ字氏名併記申出情報の内容とすることを要しない。 4 ローマ字氏名併記の申出においては、第二項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項をローマ字氏名併記申出情報の内容とするものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 第七項に規定するローマ字氏名併記申出添付情報の表示 三 申出の年月日 四 登記所の表示 5 ローマ字氏名併記の申出は、次に掲げる方法のいずれかにより、ローマ字氏名併記申出情報を登記所に提供してしなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法 二 ローマ字氏名併記申出情報を記載した書面(第十三項において「ローマ字氏名併記申出書」という。)を提出する方法 6 ローマ字氏名併記申出情報は、一の不動産及び所有権の登記名義人ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産についてのローマ字氏名併記の申出が同一の所有権の登記名義人に係るものであるときは、この限りでない。 7 ローマ字氏名併記の申出をする場合には、次に掲げる情報(第十項及び第十三項において「ローマ字氏名併記申出添付情報」という。)をそのローマ字氏名併記申出情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 代理人によって申出をするときは、当該代理人の権限を証する情報 二 第二項第五号に掲げる事項を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 8 第三十七条の二の規定は、ローマ字氏名併記の申出をする場合について準用する。 9 第百五十八条の八第一項及び第百五十八条の九の規定は、第五項第一号に掲げる方法によりローマ字氏名併記の申出をする場合について準用する。 10 令第十二条第二項及び第十四条の規定は、前項の場合において送信するローマ字氏名併記申出添付情報(第七項第一号に掲げる情報を除く。)について準用する。 11 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 12 第五項第一号に掲げる方法によりローマ字氏名併記の申出をする申出人がローマ字氏名併記申出情報又は委任による代理人の権限を証する情報に第四十二条の電子署名を行い、当該申出人の第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が所有権の登記名義人のローマ字氏名を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、第七項第二号に掲げる情報の提供に代えることができる。 13 第百五十八条の十の規定は第五項第二号に掲げる方法によりローマ字氏名併記の申出をする場合について、第百五十八条の十一の規定はローマ字氏名併記の申出をしようとする者がローマ字氏名併記申出書又はローマ字氏名併記申出添付情報を記載した書面(以下この項において「ローマ字氏名併記申出添付書面」という。)を送付する場合について、第五十五条の規定はローマ字氏名併記申出添付書面を提出した申出人について、それぞれ準用する。 14 第五十七条及び第百五十八条の十四(第五項を除く。)の規定は、ローマ字氏名併記申出情報が提供された場合について準用する。 15 登記官は、ローマ字氏名併記の申出があったときは、職権で、次に掲げる事項を所有権の登記に付記する方法によって登記記録に記録するものとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人の氏名 五 所有権の登記名義人のローマ字氏名 16 登記官は、前項の規定による記録をするときは、従前の所有権の登記名義人の氏名を抹消する記号を記録しなければならない。 17 第百五十八条の十八の規定は、第十五項の規定による記録をした場合について準用する。 (相続人申告登記への準用) 第百五十八条の三十三 第百五十八条の三十一の規定は相続人申出をする場合における申出人又は相続人申告名義人の氏名についての変更又は更正の申出をする場合における当該相続人申告名義人が日本国籍を有しない者であるときについて、前条の規定は日本の国籍を有しない相続人申告名義人について、それぞれ準用する。 第二款の四 旧氏の併記 (旧氏の併記) 第百五十八条の三十四 次の各号に掲げる登記を申請する場合において、当該各号に定める者(当該登記の申請人である場合に限る。)は、登記官に対し、その一の旧氏(住民基本台帳法施行令(昭和四十二年政令第二百九十二号)第三十条の十三に規定する旧氏をいう。以下この款において同じ。)を申請情報の内容として、当該旧氏を登記記録に記録するよう申し出ることができる。 ただし、当該旧氏が登記すべき氏と同一であるときは、この限りでない。 一 所有権の保存若しくは移転の登記、合体による登記等(法第四十九条第一項後段の規定により併せて申請をする所有権の登記があるときに限る。)又は所有権の更正の登記(その登記によって所有権の登記名義人となる者があるときに限る。) 所有権の登記名義人となる者 二 所有権の登記名義人の氏についての変更の登記又は更正の登記 所有権の登記名義人 2 前項第二号に掲げる登記を申請するに際し同項の規定による申出をする場合において、当該登記記録に同号に定める者の旧氏が記録されているときは、当該申出に係る旧氏は、当該登記記録に記録されている旧氏又は当該旧氏より後に称していた旧氏でなければならない。 3 第一項の規定による申出をする場合には、当該旧氏を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 4 電子申請の申請人が第一項の規定による申出をする場合において、その者が第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が当該申出に係る旧氏を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、前項の市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 5 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、当該申出に係る旧氏を登記記録に記録するものとする。 第百五十八条の三十五 所有権の登記名義人は、登記官に対し、その一の旧氏を登記記録に記録するよう申し出ることができる。 ただし、当該旧氏が登記されている氏と同一であるときは、この限りでない。 2 前項の規定による申出(以下この条において「旧氏併記の申出」という。)をする場合において、当該登記記録に当該所有権の登記名義人の旧氏が記録されているときは、当該申出に係る旧氏は、当該登記記録に記録されている旧氏より後に称していた旧氏でなければならない。 3 旧氏併記の申出は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 所有権の登記名義人の氏名 五 所有権の登記名義人について記録すべき旧氏 六 申出に係る不動産の不動産所在事項 4 前項第六号の規定にかかわらず、不動産番号を同項各号に掲げる事項に係る情報(以下この条において「旧氏併記申出情報」という。)の内容としたときは、同項第六号に掲げる事項を旧氏併記申出情報の内容とすることを要しない。 5 旧氏併記の申出においては、第三項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を旧氏併記申出情報の内容とするものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 第八項に規定する旧氏併記申出添付情報の表示 三 申出の年月日 四 登記所の表示 6 旧氏併記の申出は、次に掲げる方法のいずれかにより、旧氏併記申出情報を登記所に提供してしなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法 二 旧氏併記申出情報を記載した書面(第十四項において「旧氏併記申出書」という。)を提出する方法 7 旧氏併記申出情報は、一の不動産及び所有権の登記名義人ごとに作成して提供しなければならない。 ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産についての旧氏併記の申出が同一の所有権の登記名義人についての同一の旧氏に係るものであるときは、この限りでない。 8 旧氏併記の申出をする場合には、次に掲げる情報(第十一項及び第十四項において「旧氏併記申出添付情報」という。)をその旧氏併記申出情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 代理人によって申出をするときは、当該代理人の権限を証する情報 二 第三項第五号に掲げる事項を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報 9 第三十七条の二の規定は、旧氏併記の申出をする場合について準用する。 10 第百五十八条の八第一項及び第百五十八条の九の規定は、第六項第一号に掲げる方法により旧氏併記の申出をする場合について準用する。 11 令第十二条第二項及び第十四条の規定は、前項の場合において送信する旧氏併記申出添付情報(第八項第一号に掲げる情報を除く。)について準用する。 12 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。 13 第六項第一号に掲げる方法により旧氏併記の申出をする申出人が旧氏併記申出情報又は委任による代理人の権限を証する情報に第四十二条の電子署名を行い、当該申出人の第四十三条第一項第一号に掲げる電子証明書(登記官が申出に係る旧氏を確認することができるものに限る。)を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、第八項第二号に掲げる情報の提供に代えることができる。 14 第百五十八条の十の規定は第六項第二号に掲げる方法により旧氏併記の申出をする場合について、第百五十八条の十一の規定は旧氏併記の申出をしようとする者が旧氏併記申出書又は旧氏併記申出添付情報を記載した書面(以下この項において「旧氏併記申出添付書面」という。)を送付する場合について、第五十五条の規定は旧氏併記申出添付書面を提出した申出人について、それぞれ準用する。 15 第五十七条及び第百五十八条の十四(第五項を除く。)の規定は、旧氏併記申出情報が提供された場合について準用する。 16 登記官は、旧氏併記の申出があったときは、職権で、次に掲げる事項を所有権の登記に付記する方法によって登記記録に記録するものとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人の氏名 五 申出に係る旧氏 17 登記官は、前項の規定による記録をするときは、従前の所有権の登記名義人の氏名を抹消する記号を記録しなければならない。 18 第百五十八条の十八の規定は、第十六項の規定による記録をした場合について準用する。 (旧氏併記の終了) 第百五十八条の三十六 登記記録に旧氏が記録されている所有権の登記名義人は、登記官に対し、当該旧氏の記録を希望しない旨を申し出ることができる。 2 前条第三項から第十項まで(第三項第五号及び第八項第二号を除く。)、第十四項及び第十五項の規定は、前項の規定による申出について準用する。 3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、次に掲げる事項を所有権の登記に付記する方法によって登記記録に記録するものとする。 一 登記の目的 二 申出の受付の年月日及び受付番号 三 登記原因及びその日付 四 所有権の登記名義人の氏名 4 登記官は、前項の規定による記録をするときは、従前の所有権の登記名義人の氏名及び旧氏を抹消する記号を記録しなければならない。 5 第百五十八条の十八の規定は、第三項の規定による記録をした場合について準用する。 (相続人申告登記への準用) 第百五十八条の三十七 第百五十八条の三十四の規定は相続人申出をする場合における申出人又は相続人申告名義人の氏についての変更又は更正の申出をする場合における当該相続人申告名義人(当該申出の申出人である場合に限る。)について、第百五十八条の三十五の規定は相続人申告名義人について、前条の規定は登記記録に旧氏が記録されている相続人申告名義人について、それぞれ準用する。 この場合において、第百五十八条の三十四第二項中「前項第二号に掲げる登記を申請する」とあるのは「相続人申告名義人の氏についての変更又は更正の申出をする」と、「同号に定める者」とあるのは「相続人申告名義人」と読み替えるものとする。 第三款 用益権に関する登記 (地役権の登記) 第百五十九条 法第八十条第四項に規定する法務省令で定める事項は、次のとおりとする。 一 要役地の地役権の登記である旨 二 承役地に係る不動産所在事項及び当該土地が承役地である旨 三 地役権設定の目的及び範囲 四 登記の年月日 2 登記官は、地役権の設定の登記をした場合において、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に承役地、要役地、地役権設定の目的及び範囲並びに地役権の設定の登記の申請の受付の年月日を通知しなければならない。 3 登記官は、地役権の登記事項に関する変更の登記若しくは更正の登記又は地役権の登記の抹消をしたときは、要役地の登記記録の第一項各号に掲げる事項についての変更の登記若しくは更正の登記又は要役地の地役権の登記の抹消をしなければならない。 4 第二項の規定は、地役権の登記事項に関する変更の登記若しくは更正の登記又は地役権の登記の抹消をした場合において、要役地が他の登記所の管轄区域内にあるときについて準用する。 5 第二項(前項において準用する場合を含む。)の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、要役地の登記記録の乙区に、通知を受けた事項を記録し、又は第三項の登記をしなければならない。 (地役権図面番号の記録) 第百六十条 登記官は、地役権の設定の範囲が承役地の一部である場合において、地役権の設定の登記をするときは、その登記の末尾に地役権図面番号を記録しなければならない。 地役権設定の範囲の変更の登記又は更正の登記をする場合において、変更後又は更正後の地役権設定の範囲が承役地の一部となるときも、同様とする。 第四款 担保権等に関する登記 (建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記) 第百六十一条 登記官は、建物を新築する場合の不動産工事の先取特権の保存の登記をするときは、登記記録の甲区に登記義務者の氏名又は名称及び住所並びに不動産工事の先取特権の保存の登記をすることにより登記をする旨を記録しなければならない。 (建物の建築が完了した場合の登記) 第百六十二条 登記官は、前条の登記をした場合において、建物の建築が完了したことによる表題登記をするときは、同条の登記をした登記記録の表題部に表題登記をし、法第八十六条第二項第一号に掲げる登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、法第八十七条第一項の所有権の保存の登記をするときは、前条の規定により記録した事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、法第八十七条第二項の建物の表題部の登記事項に関する変更の登記をしたときは、法第八十六条第三項において準用する同条第二項第一号に掲げる登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (順位の譲渡又は放棄による変更の登記) 第百六十三条 登記官は、登記した担保権について順位の譲渡又は放棄による変更の登記をするときは、当該担保権の登記の順位番号の次に変更の登記の順位番号を括弧を付して記録しなければならない。 (担保権の順位の変更の登記) 第百六十四条 登記官は、担保権の順位の変更の登記をするときは、順位の変更があった担保権の登記の順位番号の次に変更の登記の順位番号を括弧を付して記録しなければならない。 (根抵当権等の分割譲渡の登記) 第百六十五条 第三条第五号の規定にかかわらず、民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定により根質権又は根抵当権(所有権以外の権利を目的とするものを除く。)を分割して譲り渡す場合の登記は、主登記によってするものとする。 2 登記官は、民法第三百九十八条の十二第二項(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の規定により根質権又は根抵当権を分割して譲り渡す場合の登記の順位番号を記録するときは、分割前の根質権又は根抵当権の登記の順位番号を用いなければならない。 3 登記官は、前項の規定により順位番号を記録したときは、当該順位番号及び分割前の根質権又は根抵当権の登記の順位番号にそれぞれ第百四十七条第二項の符号を付さなければならない。 4 登記官は、第二項の登記をしたときは、職権で、分割前の根質権又は根抵当権について極度額の減額による根抵当権の変更の登記をし、これに根質権又は根抵当権を分割して譲り渡すことにより登記する旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 (共同担保目録の作成) 第百六十六条 登記官は、二以上の不動産に関する権利を目的とする担保権の保存又は設定の登記の申請があった場合において、当該申請に基づく登記をするとき(第百六十八条第二項に規定する場合を除く。)は、次条に定めるところにより共同担保目録を作成し、当該担保権の登記の末尾に共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の申請が書面申請である場合には、当該申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。)に共同担保目録の記号及び目録番号を記載しなければならない。 (共同担保目録の記録事項) 第百六十七条 登記官は、共同担保目録を作成するときは、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 共同担保目録を作成した年月日 二 共同担保目録の記号及び目録番号 三 担保権が目的とする二以上の不動産に関する権利に係る次に掲げる事項 イ 共同担保目録への記録の順序に従って当該権利に付す番号 ロ 当該二以上の不動産に係る不動産所在事項 ハ 当該権利が所有権以外の権利であるときは、当該権利 ニ 当該担保権の登記(他の登記所の管轄区域内にある不動産に関するものを除く。)の順位番号 2 前項第二号の目録番号は、同号の記号ごとに更新するものとする。 (追加共同担保の登記) 第百六十八条 令別表の四十二の項申請情報欄ロ、同表の四十六の項申請情報欄ハ、同表の四十七の項申請情報欄ホ(4)、同表の四十九の項申請情報欄ハ及びヘ(4)、同表の五十五の項申請情報欄ハ、同表の五十六の項申請情報欄ニ(4)並びに同表の五十八の項申請情報欄ハ及びヘ(4)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 2 登記官は、一又は二以上の不動産に関する権利を目的とする担保権の保存又は設定の登記をした後に、同一の債権の担保として他の一又は二以上の不動産に関する権利を目的とする担保権の保存若しくは設定又は処分の登記の申請があった場合において、当該申請に基づく登記をするときは、当該登記の末尾に共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 3 登記官は、前項の場合において、前の登記に関する共同担保目録があるときは、当該共同担保目録に、前条第一項各号に掲げる事項のほか、当該申請に係る権利が担保の目的となった旨並びに申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 4 登記官は、第二項の場合において、前の登記に関する共同担保目録がないときは、新たに共同担保目録を作成し、前の担保権の登記についてする付記登記によって、当該担保権に担保を追加した旨、共同担保目録の記号及び目録番号並びに登記の年月日を記録しなければならない。 5 登記官は、第二項の申請に基づく登記をした場合において、前の登記に他の登記所の管轄区域内にある不動産に関するものがあるときは、遅滞なく、当該他の登記所に同項の申請に基づく登記をした旨を通知しなければならない。 6 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第二項から第四項までに定める手続をしなければならない。 (共同担保の根抵当権等の分割譲渡の登記) 第百六十九条 令別表の五十一の項申請情報欄ホ及び同表の六十の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 2 登記官は、共同担保目録のある分割前の根質権又は根抵当権について第百六十五条第二項の登記をするときは、分割後の根質権又は根抵当権について当該共同担保目録と同一の不動産に関する権利を記録した共同担保目録を作成しなければならない。 3 登記官は、前項の場合には、分割後の根質権又は根抵当権の登記の末尾に当該共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 (共同担保の一部消滅等) 第百七十条 登記官は、二以上の不動産に関する権利が担保権の目的である場合において、その一の不動産に関する権利を目的とする担保権の登記の抹消をしたときは、共同担保目録に、申請の受付の年月日及び受付番号、当該不動産について担保権の登記が抹消された旨並びに当該抹消された登記に係る第百六十七条第一項第三号に掲げる事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、共同担保目録に記録されている事項に関する変更の登記又は更正の登記をしたときは、共同担保目録に、変更後又は更正後の第百六十七条第一項第三号に掲げる事項、変更の登記又は更正の登記の申請の受付の年月日及び受付番号、変更又は更正をした旨並びに変更前又は更正前の権利に係る同号に掲げる登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 第百六十八条第五項の規定は、前二項の場合について準用する。 4 前項において準用する第百六十八条第五項の規定による通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第一項又は第二項に定める手続をしなければならない。 5 第一項、第三項及び第四項の規定は、第百十条第二項(第百四十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により記録をする場合について準用する。 (抵当証券交付の登記) 第百七十一条 法第九十四条第一項の抵当証券交付の登記(同条第三項の規定による嘱託に基づくものを除く。)においては、何番抵当権につき抵当証券を交付した旨、抵当証券交付の日、抵当証券の番号及び登記の年月日を記録しなければならない。 (抵当証券作成及び交付の登記) 第百七十二条 法第九十四条第二項の抵当証券作成の登記においては、何番抵当権につき何登記所の嘱託により抵当証券を作成した旨、抵当証券作成の日、抵当証券の番号及び登記の年月日を記録しなければならない。 2 法第九十四条第三項の規定による嘱託に基づく抵当証券交付の登記においては、何番抵当権につき抵当証券を交付した旨、抵当証券交付の日、何登記所で交付した旨並びに抵当証券の番号を記録しなければならない。 (抵当証券交付の登記の抹消) 第百七十三条 登記官は、抵当証券交付の登記の抹消をする場合において、当該抵当証券について法第九十四条第二項の抵当証券作成の登記があるときは、当該抵当証券作成の登記の抹消をしなければならない。 (買戻しの特約の登記の抹消) 第百七十四条 登記官は、買戻しによる権利の取得の登記をしたときは、買戻しの特約の登記の抹消をしなければならない。 第五款 信託に関する登記 (信託に関する登記) 第百七十五条 登記官は、法第九十八条第一項の規定による登記の申請があった場合において、当該申請に基づく権利の保存、設定、移転又は変更の登記及び信託の登記をするときは、権利部の相当区に一の順位番号を用いて記録しなければならない。 2 登記官は、法第百四条第一項の規定による登記の申請があった場合において、当該申請に基づく権利の移転の登記若しくは変更の登記又は権利の抹消の登記及び信託の抹消の登記をするときは、権利部の相当区に一の順位番号を用いて記録しなければならない。 3 登記官は、前二項の規定にかかわらず、法第百四条の二第一項の規定による登記の申請があった場合において、当該申請に基づく権利の変更の登記及び信託の登記又は信託の抹消の登記をするときは、権利部の相当区に一の順位番号を用いて記録しなければならない。 (信託目録) 第百七十六条 登記官は、信託の登記をするときは、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項を記録した信託目録を作成し、当該目録に目録番号を付した上、当該信託の登記の末尾に信託目録の目録番号を記録しなければならない。 2 第百二条第一項後段の規定は、信託の登記がある不動産について分筆の登記又は建物の分割の登記若しくは建物の区分の登記をする場合の信託目録について準用する。 この場合には、登記官は、分筆後又は分割後若しくは区分後の信託目録の目録番号を変更しなければならない。 3 登記官は、信託の変更の登記をするときは、信託目録の記録を変更しなければならない。 第百七十七条 削除 第六款 仮登記 (法第百五条第一号の仮登記の要件) 第百七十八条 法第百五条第一号に規定する法務省令で定める情報は、登記識別情報又は第三者の許可、同意若しくは承諾を証する情報とする。 (仮登記及び本登記の方法) 第百七十九条 登記官は、権利部の相当区に仮登記をしたときは、その次に当該仮登記の順位番号と同一の順位番号により本登記をすることができる余白を設けなければならない。 2 登記官は、仮登記に基づいて本登記をするときは、当該仮登記の順位番号と同一の順位番号を用いてしなければならない。 3 前二項の規定は、保全仮登記について準用する。 (所有権に関する仮登記に基づく本登記) 第百八十条 登記官は、法第百九条第二項の規定により同条第一項の第三者の権利に関する登記の抹消をするときは、権利部の相当区に、本登記により第三者の権利を抹消する旨、登記の年月日及び当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。 第四節 補則 第一款 通知 (登記完了証) 第百八十一条 登記官は、登記の申請に基づいて登記を完了したときは、申請人に対し、登記完了証を交付することにより、登記が完了した旨を通知しなければならない。 この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知すれば足りる。 2 前項の登記完了証は、別記第六号様式により、次の各号に掲げる事項を記録して作成するものとする。 一 申請の受付の年月日及び受付番号 二 第百四十七条第二項の符号 三 不動産番号 四 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項 五 共同担保目録の記号及び目録番号(新たに共同担保目録を作成したとき及び共同担保目録に記録された事項を変更若しくは更正し、又は抹消する記号を記録したときに限る。) 六 法第二十七条第二号の登記の年月日 七 申請情報(電子申請の場合にあっては、第三十四条第一項第一号に規定する情報及び第三十六条第四項に規定する住民票コードを除き、書面申請の場合にあっては、登記の目的に限る。) (登記完了証の交付の方法) 第百八十二条 登記完了証の交付は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。 一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記完了証を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 二 書面申請 登記完了証を書面により交付する方法 2 送付の方法により登記完了証の交付を求める場合には、申請人は、その旨及び送付先の住所を申請情報の内容としなければならない。 3 第五十五条第七項から第九項までの規定は、送付の方法により登記完了証を交付する場合について準用する。 4 官庁又は公署が送付の方法により登記完了証の交付を求める場合の登記完了証の送付は、嘱託情報に記載された住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものその他の郵便又は信書便によって書面を送付する方法によってするものとする。 (登記が完了した旨の通知を要しない場合) 第百八十二条の二 登記官は、次の各号に掲げる場合には、第百八十一条第一項の規定にかかわらず、申請人に対し、登記が完了した旨の通知をすることを要しない。 この場合においては、同条第二項の規定により作成した登記完了証を廃棄することができる。 一 前条第一項第一号に規定する方法により登記完了証を交付する場合において、登記完了証の交付を受けるべき者が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに登記完了証が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日を経過しても、自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該登記完了証を記録しないとき。 二 前条第一項第二号に規定する方法により登記完了証を交付する場合において、登記完了証の交付を受けるべき者が、登記完了の時から三月を経過しても、登記完了証を受領しないとき。 2 第二十九条の規定は、前項の規定により登記完了証を廃棄する場合には、適用しない。 (申請人以外の者に対する通知) 第百八十三条 登記官は、次の各号に掲げる場合には、当該各号(第一号に掲げる場合にあっては、申請人以外の者に限る。)に定める者に対し、登記が完了した旨を通知しなければならない。 一 表示に関する登記を完了した場合 表題部所有者(表題部所有者の更正の登記又は表題部所有者である共有者の持分の更正の登記にあっては、更正前の表題部所有者)又は所有権の登記名義人 二 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わってする申請に基づく登記を完了した場合 当該他人 三 法第六十九条の二の規定による申請に基づく買戻しの特約に関する登記の抹消を完了した場合 当該登記の登記名義人であった者 2 前項の規定による通知は、同項の規定により通知を受けるべき者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 3 第一項第一号の規定は、法第五十一条第六項(法第五十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による登記には、適用しない。 4 登記官は、民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされた相続による所有権の移転の登記についてする次の各号に掲げる事由による所有権の更正の登記の申請(登記権利者が単独で申請するものに限る。)があった場合には、登記義務者に対し、当該申請があった旨を通知しなければならない。 一 遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言による所有権の取得 二 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の取得 (処分の制限の登記における通知) 第百八十四条 登記官は、表題登記がない不動産又は所有権の登記がない不動産について嘱託による所有権の処分の制限の登記をしたときは、当該不動産の所有者に対し、登記が完了した旨を通知しなければならない。 2 前項の通知は、当該登記に係る次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 不動産所在事項及び不動産番号 二 登記の目的 三 登記原因及びその日付 四 登記名義人の氏名又は名称及び住所 (職権による登記の抹消における通知) 第百八十五条 法第七十一条第一項の通知は、次の事項を明らかにしてしなければならない。 一 抹消する登記に係る次に掲げる事項 イ 不動産所在事項及び不動産番号 ロ 登記の目的 ハ 申請の受付の年月日及び受付番号 ニ 登記原因及びその日付 ホ 申請人の氏名又は名称及び住所 二 抹消する理由 2 前項の通知は、抹消する登記が民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わってする申請に基づくものであるときは、代位者に対してもしなければならない。 (審査請求に対する相当の処分の通知) 第百八十六条 登記官は、法第百五十七条第一項の規定により相当の処分をしたときは、審査請求人に対し、当該処分の内容を通知しなければならない。 (裁判所への通知) 第百八十七条 登記官は、次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、管轄地方裁判所にその事件を通知しなければならない。 一 法第百六十四条の規定により過料に処せられるべき者があることを職務上知ったとき(登記官が法第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務に違反した者に対し相当の期間を定めてその申請をすべき旨を催告したにもかかわらず、その期間内にその申請がされないときに限る。)。 二 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第七十条第十八号の規定により過料に処せられるべき者があることを職務上知ったとき。 (各種の通知の方法) 第百八十八条 法第六十七条第一項、第三項及び第四項、第七十一条第一項及び第三項並びに第百五十七条第三項並びにこの省令第四十条第二項及び第百八十三条から前条までの通知は、郵便、信書便その他適宜の方法によりするものとする。 第二款 登録免許税 (登録免許税を納付する場合における申請情報等) 第百八十九条 登記の申請においては、登録免許税額を申請情報の内容としなければならない。 この場合において、登録免許税法別表第一第一号(一)から(三)まで、(五)から(七)まで、(十)、(十一)及び(十二)イからホまでに掲げる登記については、課税標準の金額も申請情報の内容としなければならない。 2 登録免許税法又は租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)その他の法令の規定により登録免許税を免除されている場合には、前項の規定により申請情報の内容とする事項(以下「登録免許税額等」という。)に代えて、免除の根拠となる法令の条項を申請情報の内容としなければならない。 3 登録免許税法又は租税特別措置法その他の法令の規定により登録免許税が軽減されている場合には、登録免許税額等のほか、軽減の根拠となる法令の条項を申請情報の内容としなければならない。 4 登録免許税法第十三条第一項の規定により一の抵当権等の設定登記(同項に規定する抵当権等の設定登記をいう。)とみなされる登記の申請を二以上の申請情報によってする場合には、登録免許税額等は、そのうちの一の申請情報の内容とすれば足りる。 ただし、同法第十三条第一項後段の規定により最も低い税率をもって当該設定登記の登録免許税の税率とする場合においては、登録免許税額等をその最も低い税率によるべき不動産等に関する権利(同法第十一条に規定する不動産等に関する権利をいう。)についての登記の申請情報の内容としなければならない。 5 前項の場合において、その申請が電子申請であるときは登録免許税額等を一の申請の申請情報の内容とした旨を他の申請情報の内容とし、その申請が書面申請であるときは登録免許税額等を記載した申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、登記所の定める書類)に登録免許税の領収証書又は登録免許税額相当の印紙をはり付けて他の申請書にはその旨を記録しなければならない。 6 登記官の認定した課税標準の金額が申請情報の内容とされた課税標準の金額による税額を超える場合において、申請人がその差額を納付するときは、差額として納付する旨も申請情報の内容として追加しなければならない。 7 国税に係る共通的な手続並びに納税者の権利及び義務に関する法律(昭和三十七年法律第六十六号)第七十五条第一項の規定による審査請求に対する裁決により確定した課税標準の金額による登録免許税を納付して登記の申請をする場合には、申請人は、当該課税標準の金額が確定している旨を申請情報の内容とし、かつ、当該金額が確定していることを証する情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 (課税標準の認定) 第百九十条 登記官は、申請情報の内容とされた課税標準の金額を相当でないと認めるときは、申請人に対し、登記官が認定した課税標準の金額を適宜の方法により告知しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、申請が書面申請であるときは、申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、適宜の用紙)に登記官が認定した課税標準の金額を記載しなければならない。 第三款 雑則 (審査請求を受けた法務局又は地方法務局の長の命令による登記) 第百九十一条 登記官は、法第百五十七条第三項又は第四項の規定による命令に基づき登記をするときは、当該命令をした者の職名、命令の年月日、命令によって登記をする旨及び登記の年月日を記録しなければならない。 (登記の嘱託) 第百九十二条 この省令に規定する登記の申請に関する法の規定には当該規定を法第十六条第二項において準用する場合を含むものとし、この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」にはそれぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。 第四章 登記事項の証明等 第一節 登記事項の証明等に関する請求 (登記事項証明書の交付の請求情報等) 第百九十三条 登記事項証明書、登記事項要約書、地図等の全部若しくは一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面。以下この条において同じ。)又は土地所在図等の全部若しくは一部の写し(土地所在図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面。以下この条において同じ。)の交付の請求をするときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この章において「請求情報」という。)を提供しなければならない。 地図等又は登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときも、同様とする。 一 請求人の氏名又は名称 二 不動産所在事項又は不動産番号 三 交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数 四 登記事項証明書の交付の請求をする場合にあっては、第百九十六条第一項各号(同条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる登記事項証明書の区分 五 登記事項証明書の交付の請求をする場合において、共同担保目録又は信託目録に記録された事項について証明を求めるときは、その旨 六 地図等又は土地所在図等の一部の写しの交付の請求をするときは、請求する部分 七 送付の方法により登記事項証明書、地図等の全部若しくは一部の写し又は土地所在図等の全部若しくは一部の写しの交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 法第百二十一条第三項又は第四項の規定により土地所在図等以外の登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときは、前項第一号及び第二号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 法第百二十一条第三項の規定により土地所在図等以外の登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときは、閲覧する部分及び当該部分を閲覧する正当な理由 五 法第百二十一条第四項の規定により土地所在図等以外の登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときは、閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨 3 前項第四号の閲覧の請求をするときは、同号の正当な理由を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 4 第二項第五号の閲覧の請求をするときは、同号の閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 5 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人等が法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 7 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 (登記事項証明書等の交付の請求の方法等) 第百九十四条 前条第一項の交付の請求又は同項若しくは同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面(以下この章において「請求書」という。)を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 登記事項証明書の交付(送付の方法による交付を除く。)の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、登記官が管理する入出力装置に請求情報を入力する方法によりすることができる。 3 登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。 第百九十五条 削除 第二節 登記事項の証明等の方法 (登記事項証明書の種類等) 第百九十六条 登記事項証明書の記載事項は、次の各号の種類の区分に応じ、当該各号に掲げる事項とする。 一 全部事項証明書 登記記録(閉鎖登記記録を除く。以下この項において同じ。)に記録されている事項の全部 二 現在事項証明書 登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの 三 何区何番事項証明書 権利部の相当区に記録されている事項のうち請求に係る部分 四 所有者証明書 登記記録に記録されている現在の所有権の登記名義人の氏名又は名称、住所及び法人識別事項並びに当該登記名義人が二人以上であるときは当該登記名義人ごとの持分 五 一棟建物全部事項証明書 一棟の建物に属するすべての区分建物である建物の登記記録に記録されている事項の全部 六 一棟建物現在事項証明書 一棟の建物に属するすべての区分建物である建物の登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの 2 前項第一号、第三号及び第五号の規定は、閉鎖登記記録に係る登記事項証明書の記載事項について準用する。 (登記事項証明書の作成及び交付) 第百九十七条 登記官は、登記事項証明書を作成するときは、請求に係る登記記録に記録された事項の全部又は一部である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 この場合において、当該登記記録の甲区又は乙区の記録がないときは、認証文にその旨を付記しなければならない。 2 前項の規定により作成する登記事項証明書は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める様式によるものとする。 ただし、登記記録に記録した事項の一部についての登記事項証明書については適宜の様式によるものとする。 一 土地の登記記録 別記第七号様式 二 建物(次号の建物を除く。)の登記記録 別記第八号様式 三 区分建物である建物に関する登記記録 別記第九号様式 四 共同担保目録 別記第十号様式 五 信託目録 別記第五号様式 3 登記事項証明書を作成する場合において、第百九十三条第一項第五号に掲げる事項が請求情報の内容とされていないときは、共同担保目録又は信託目録に記録された事項の記載を省略するものとする。 4 登記事項証明書に登記記録に記録した事項を記載するときは、その順位番号の順序に従って記載するものとする。 5 登記記録に記録されている事項を抹消する記号が記録されている場合において、登記事項証明書に抹消する記号を表示するときは、抹消に係る事項の下に線を付して記載するものとする。 6 登記事項証明書の交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (登記事項証明書の受領の方法) 第百九十七条の二 第百九十四条第三項前段の規定により登記事項証明書の交付を請求した者が当該登記事項証明書を登記所で受領するときは、法務大臣が定める事項を当該登記所に申告しなければならない。 (登記事項要約書の作成) 第百九十八条 登記事項要約書は、別記第十一号様式により、不動産の表示に関する事項のほか、所有権の登記については申請の受付の年月日及び受付番号、所有権の登記名義人の氏名又は名称、住所及び法人識別事項並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分並びに所有権の登記以外の登記については現に効力を有するもののうち主要な事項を記載して作成するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、登記官は、請求人の申出により、不動産の表示に関する事項について現に効力を有しないものを省略し、かつ、所有権の登記以外の登記については現に効力を有するものの個数のみを記載した登記事項要約書を作成することができる。 この場合には、前項の登記事項要約書を別記第十二号様式により作成するものとする。 3 登記官は、請求人から別段の申出がない限り、一の用紙により二以上の不動産に関する事項を記載した登記事項要約書を作成することができる。 第百九十九条 削除 (地図等の写し等の作成及び交付) 第二百条 登記官は、地図等の全部又は一部の写しを作成するときは、地図等の全部又は一部の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 登記官は、地図等が電磁的記録に記録されている場合において、当該記録された地図等の内容を証明した書面を作成するときは、電磁的記録に記録されている地図等を書面に出力し、これに地図等に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 第百九十七条第六項の規定は、地図等の全部又は一部の写し及び前項の書面の交付について準用する。 4 第百九十四条第二項及び第三項並びに第百九十七条の二の規定は、第二項の書面の交付の請求について準用する。 (土地所在図等の写し等の作成及び交付) 第二百一条 登記官は、土地所在図等の写しを作成するときは、土地所在図等の全部又は一部の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 登記官は、土地所在図等が電磁的記録に記録されている場合において、当該記録された土地所在図等の内容を証明した書面を作成するときは、電磁的記録に記録されている土地所在図等を書面に出力し、これに土地所在図等に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 第百九十七条第六項の規定は、土地所在図等の写し及び前項の書面の交付について準用する。 4 第百九十四条第二項及び第三項並びに第百九十七条の二の規定は、第二項の書面の交付の請求について準用する。 (閲覧の方法) 第二百二条 地図等又は登記簿の附属書類の閲覧は、登記官(その指定する職員を含む。第三項において同じ。)の面前でさせるものとする。 2 法第百二十条第二項及び第百二十一条第二項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法とする。 3 登記官は、法第百二十一条第三項又は第四項の規定による登記簿の附属書類の閲覧をさせる場合において、請求人から別段の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、電子計算機を使用して登記官及び請求人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話することができる方法によって閲覧をさせることができる。 第三節 登記事項証明書等における代替措置 第一款 通則 (公示用住所管理ファイル) 第二百二条の二 法務大臣は、第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項を記録する公示用住所管理ファイルを備えるものとする。 2 公示用住所管理ファイルは、法第百十九条第六項の申出(以下この節において「代替措置申出」という。)の申出人ごとに電磁的記録に記録して調製するものとする。 3 公示用住所管理ファイルに記録された情報の保存期間は、永久とする。 (代替措置の要件) 第二百二条の三 法第百十九条第六項の法務省令で定める場合は、当該登記記録に記録されている者その他の者(自然人であるものに限る。)について次に掲げる事由がある場合とする。 一 ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成十二年法律第八十一号)第六条に規定するストーカー行為等に係る被害を受けた者であって更に反復して同法第二条第一項に規定するつきまとい等又は同条第三項に規定する位置情報無承諾取得等をされるおそれがあること。 二 児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)第二条に規定する児童虐待(同条第一号に掲げるものを除く。以下この号において同じ。)を受けた児童であって更なる児童虐待を受けるおそれがあること。 三 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成十三年法律第三十一号)第一条第二項に規定する被害者であって更なる暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの(次号において「身体に対する暴力」という。)を除く。)を受けるおそれがあること。 四 前三号に掲げるもののほか、心身に有害な影響を及ぼす言動(身体に対する暴力に準ずるものに限る。以下この号において同じ。)を受けた者であって、更なる心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがあること。 (代替措置等申出) 第二百二条の四 代替措置申出又は第二百二条の十六第一項の規定による申出(以下この節において「代替措置等申出」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「代替措置等申出書」という。)を登記所に提出してしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 申出に係る不動産の不動産所在事項 2 代替措置等申出は、申出に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。 3 第一項第四号の規定にかかわらず、不動産番号(申出を受ける登記所以外の登記所の管轄区域内にある不動産について申出をする場合にあっては、不動産番号及び当該申出を受ける登記所以外の登記所の表示)を代替措置等申出書に記載したときは、同号に掲げる事項を代替措置等申出書に記載することを要しない。 4 代替措置等申出においては、第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を代替措置等申出書に記載するものとする。 一 申出人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 この節の規定により代替措置等申出書に添付しなければならない書面(以下この節において「代替措置等申出添付書面」という。)の表示 三 申出の年月日 四 代替措置等申出書を提出する登記所の表示 5 代替措置等申出書は、申出の目的に応じ、申出人ごとに作成して提出しなければならない。 6 代替措置等申出書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 申出人が代替措置等申出書又は委任状に記名押印した場合におけるその印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)が作成するものに限る。)その他の申出人となるべき者が申出をしていることを証する書面 二 申出人の氏名又は住所が法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の氏名又は住所と異なる場合にあっては、当該者であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面) 三 代理人によって代替措置等申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面 7 前項第一号の規定は、申出人が同号の書面(印鑑に関する証明書を除く。)を登記官に提示した場合には、適用しない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 8 第三十七条及び第三十七条の二の規定は、代替措置等申出をする場合について準用する。 9 第五十三条の規定は、申出人が代替措置等申出書及びその代替措置等申出添付書面を送付する場合について準用する。 (立件) 第二百二条の五 登記官は、代替措置等申出書が提出されたときは、これを立件しなければならない。 2 前項の場合には、登記官は、申出立件事件簿に立件の年月日及び立件番号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の規定により立件をする際、代替措置等申出書に立件の年月日及び立件番号を記載しなければならない。 (調査) 第二百二条の六 登記官は、代替措置等申出があったときは、遅滞なく、申出に関する全ての事項を調査しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、必要があると認めるときは、申出人又はその代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、申出人となるべき者が申出をしているかどうか又は法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実の有無を調査することができる。 3 登記官は、前項に規定する申出人又は代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。 4 登記官は、第二項の規定による調査をしたときは、その調査の結果を記録した調書を作成しなければならない。 前項の嘱託を受けて調査をした場合についても、同様とする。 5 前項後段の場合には、嘱託を受けて調査をした登記所の登記官は、その調査の結果を記録した調書を嘱託をした登記官に送付しなければならない。 (代替措置等申出の却下) 第二百二条の七 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、代替措置等申出を却下しなければならない。 ただし、当該代替措置等申出の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申出人がこれを補正したときは、この限りでない。 一 申出に係る事項が公示用住所管理ファイルに既に記録されているとき。 二 申出の権限を有しない者の申出によるとき。 三 代替措置等申出書の記載事項又はその提出の方法がこの省令により定められた方式に適合しないとき。 四 代替措置等申出書に記載された事項が登記記録と合致しないとき。 五 代替措置等申出書の記載事項の内容が代替措置等申出添付書面の内容と合致しないとき。 六 代替措置等申出添付書面が添付されないとき。 七 代替措置申出がされた場合において、法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実が認められないとき。 2 登記官は、前項ただし書の期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該代替措置等申出を却下することができない。 3 第三十八条の規定は、代替措置等申出を却下する場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「申請人ごとに」とあるのは「申出人に」と、同条第三項中「書面申請がされた」とあるのは「代替措置等申出添付書面が提出された」と読み替えるものとする。 (代替措置等申出の取下げ) 第二百二条の八 代替措置等申出の取下げは、代替措置等申出を取り下げる旨を記載した書面を代替措置等申出書を提出した登記所に提出する方法によってしなければならない。 2 代替措置等申出の取下げは、公示用住所管理ファイルへの記録完了後は、することができない。 3 登記官は、代替措置等申出添付書面が提出された場合において、代替措置等申出の取下げがされたときは、代替措置等申出書及びその代替措置等申出添付書面を還付するものとする。 第三十八条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 (代替措置等申出添付書面の還付) 第二百二条の九 代替措置等申出をした申出人は、代替措置等申出添付書面の原本の還付を請求することができる。 ただし、第二百二条の四第六項第一号の書面、第二百二条の十一第四項(第二百二条の十六第四項において準用する場合を含む。)の印鑑に関する証明書及び当該代替措置等申出のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。 2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申出人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。 3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。 この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 4 前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、公示用住所管理ファイルへの記録完了後、申出立件関係書類つづり込み帳につづり込むものとする。 5 第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な代替措置等申出のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。 6 第三項の規定による原本の還付は、申出人の申出により、原本を送付する方法によることができる。 この場合においては、申出人は、送付先の住所をも申し出なければならない。 7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。 8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。 9 前項の指定は、告示してしなければならない。 第二款 代替措置 (代替措置における公示用住所) 第二百二条の十 法第百十九条第六項の法務省令で定める事項は、当該登記記録に記録されている者と連絡をとることのできる者(以下この節において「公示用住所提供者」という。)の住所又は営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在地(以下この節において「公示用住所」という。)とする。 (代替措置申出) 第二百二条の十一 代替措置申出においては、次に掲げる事項をも代替措置等申出書に記載しなければならない。 一 法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実の概要 二 第二百二条の十三に規定する代替措置を講ずべき住所(以下この節において「措置対象住所」という。) 三 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 四 公示用住所及び公示用住所提供者の氏名又は名称 2 代替措置申出においては、次に掲げる書面をも代替措置等申出書に添付しなければならない。 一 法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実を明らかにする書面 二 前項第四号に掲げる事項を証する書面 三 公示用住所提供者の承諾を証する当該公示用住所提供者が作成した書面(公示用住所提供者が法務局又は地方法務局であるときを除く。) 四 法務局又は地方法務局を公示用住所提供者とするときは、申出人に宛てて当該法務局又は地方法務局に送付された文書その他の物の保管、廃棄その他の取扱いに関し必要な事項として法務大臣が定めるものを記載した書面 3 前項第三号の書面には、当該公示用住所提供者が記名押印しなければならない。 ただし、当該公示用住所提供者が署名した同号の書面について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けたときは、この限りでない。 4 第二項第三号の書面には、前項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)若しくは登記官が作成するもの又はこれに準ずるものに限る。)を添付しなければならない。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 一 法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を代替措置等申出書に記載したとき(登記官が記名押印した者の印鑑に関する証明書を作成することが可能である場合に限る。)。 二 公示用住所提供者が記名押印した当該書面について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けたとき。 (公示用住所管理ファイルへの記録) 第二百二条の十二 登記官は、代替措置申出があったときは、申出人についての次に掲げる事項を公示用住所管理ファイルに記録しなければならない。 一 氏名及び住所 二 措置対象住所 三 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 四 公示用住所 2 登記官は、前項の規定による記録をしたときは、遅滞なく、代替措置申出に係る不動産の所在地を管轄する登記所に代替措置等申出書の写しを送付しなければならない。 (代替措置) 第二百二条の十三 登記官は、公示用住所管理ファイルに記録された措置対象住所に係る登記記録について登記事項証明書又は登記事項要約書を作成するときは、当該措置対象住所に代わるものとして公示用住所管理ファイルに記録された公示用住所を記載する措置(次条において「代替措置」という。)を講じなければならない。 (代替措置が講じられていない登記事項証明書の交付の請求) 第二百二条の十四 代替措置申出をした申出人又はその相続人は、当該代替措置申出に係る措置対象住所について代替措置が講じられていない登記事項証明書の交付を請求することができる。 2 前項の交付の請求をするときは、次に掲げる事項をも請求情報の内容としなければならない。 一 請求人の住所 二 請求人が代替措置申出をした申出人の相続人であるときは、その旨及び当該申出人の氏名 三 代理人によって請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 措置対象住所について代替措置を講じないことを求める旨 五 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 3 第百九十四条第二項及び第三項の規定は、第一項の交付の請求については、適用しない。 4 第一項の交付の請求においては、次に掲げる書面を請求書に添付しなければならない。 一 請求人が請求書又は委任状に記名押印した場合における請求人の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)が作成するものであって、作成後三月以内のものに限る。)その他の請求人となるべき者が請求をしていることを証する書面 二 代替措置申出をした申出人が請求する場合において、請求人の氏名又は住所が法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の氏名又は住所と異なるときは、当該者であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面) 三 代替措置申出をした申出人の相続人が請求するときは、法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面)。 ただし、当該相続人であることが登記記録から明らかであるときを除く。 四 代理人によって請求をするときは、当該代理人の権限を証する書面 5 第二百二条の四第七項の規定は、請求人が前項第一号の書面(印鑑に関する証明書を除く。)を登記官に提示した場合について準用する。 6 法人である代理人によって第一項の交付の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を添付することを要しない。 7 第二百二条の九の規定は、第一項の交付の請求をした請求人について準用する。 この場合において、同条第一項中「代替措置等申出添付書面」とあるのは「第二百二条の十四第四項第二号から第四号までに掲げる書面」と、同条第三項中「調査完了後」とあるのは「登記事項証明書の交付後」と、同条第四項中「公示用住所管理ファイルへの記録完了後、申出立件関係書類つづり込み帳」とあるのは「登記事項証明書の交付後、請求書類つづり込み帳」と読み替えるものとする。 8 登記官は、第一項の交付の請求があった場合には、登記事項証明書を作成するに当たり、当該措置対象住所に代替措置を講じないものとする。 (代替措置申出の撤回) 第二百二条の十五 代替措置申出をした申出人は、登記官に対し、いつでも、代替措置申出を撤回することができる。 2 前項の規定による撤回は、次に掲げる事項を記載した撤回書を登記所に提出してしなければならない。 一 代替措置申出をした申出人の氏名及び住所 二 代理人によって撤回をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 代替措置申出を撤回する旨 四 代替措置申出に係る第二百二条の四第一項第四号に掲げる事項 五 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 3 第二百二条の四第二項から第五項までの規定は、代替措置申出の撤回について準用する。 4 第二項の撤回書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 代替措置申出をした申出人が撤回書又は委任状に記名押印した場合におけるその印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)が作成するものであって、作成後三月以内のものに限る。)その他の代替措置申出をした申出人が撤回をしていることを証する書面 二 代替措置申出をした申出人の氏名又は住所が法第百十九条第六項の登記記録に記録されている者の氏名又は住所と異なる場合にあっては、当該者であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面(公務員が職務上作成した書面がない場合にあっては、これに代わるべき書面) 三 代理人によって撤回をするときは、当該代理人の権限を証する書面 5 第二百二条の四第七項から第九項まで、第二百二条の五、第二百二条の六及び第二百二条の九の規定は、代替措置申出の撤回について準用する。 この場合において、第二百二条の六第二項中「申出人となるべき者が申出をしているかどうか又は法第百十九条第六項に規定する場合に該当する事実の有無」とあるのは「代替措置申出をした申出人が撤回をしているかどうか」と、第二百二条の九第一項中「代替措置等申出添付書面」とあるのは「第二百二条の十五第四項第二号及び第三号に掲げる書面」と読み替えるものとする。 6 登記官は、第一項の規定による撤回があった場合には、当該代替措置申出についての第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項の記録を公示用住所管理ファイルから削除しなければならない。 7 第二百二条の十二第二項の規定は、前項の規定による削除をした場合について準用する。 第三款 公示用住所の変更 第二百二条の十六 代替措置申出をした申出人は、登記官に対し、代替措置申出に係る公示用住所の変更を申し出ることができる。 2 前項の規定による申出においては、次に掲げる事項をも代替措置等申出書に記載しなければならない。 一 措置対象住所に係る登記記録を特定するために必要な事項 二 変更後の公示用住所及び公示用住所提供者の氏名又は名称 3 第一項の規定による申出においては、次に掲げる書面をも代替措置等申出書に添付しなければならない。 一 前項第二号に掲げる事項を証する書面 二 変更後の公示用住所提供者の承諾を証する当該公示用住所提供者が作成した書面(変更後の公示用住所提供者が法務局又は地方法務局であるときを除く。) 三 法務局又は地方法務局を変更後の公示用住所提供者とするときは、申出人に宛てて当該法務局又は地方法務局に送付された文書その他の物の保管、廃棄その他の取扱いに関し必要な事項として法務大臣が定めるものを記載した書面 4 第二百二条の十一第三項及び第四項の規定は、前項第二号の書面について準用する。 5 登記官は、第一項の規定による申出があった場合には、公示用住所管理ファイルに変更後の公示用住所を記録しなければならない。 6 第二百二条の十二第二項の規定は、前項の規定による記録をした場合について準用する。 第四節 手数料 (手数料の納付方法) 第二百三条 法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項までの手数料を収入印紙をもって納付するときは、請求書に収入印紙を貼り付けてしなければならない。 2 前項の規定は、令第二十二条第一項に規定する証明の請求を第六十八条第三項第二号に掲げる方法によりする場合における手数料の納付について準用する。 (送付に要する費用の納付方法) 第二百四条 請求書を登記所に提出する方法により第百九十三条第一項の交付の請求をする場合において、第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。)の規定による申出をするときは、手数料のほか送付に要する費用も納付しなければならない。 2 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを請求書と併せて提出する方法により納付しなければならない。 3 前項の指定は、告示してしなければならない。 (電子情報処理組織による登記事項証明書の交付の請求等の手数料の納付方法) 第二百五条 法第百十九条第四項ただし書(法第百二十条第三項及び第百二十一条第五項並びに他の法令において準用する場合を含む。)の法務省令で定める方法は、第百九十四条第二項及び第三項に規定する方法とする。 2 第百九十四条第二項又は第三項(これらの規定を第二百条第四項及び第二百一条第四項において準用する場合を含む。)に規定する方法により登記事項証明書の交付の請求をする場合において、手数料を納付するときは、登記官から得た納付情報により納付する方法によってしなければならない。 3 前項の規定は、令第二十二条第一項に規定する証明の請求を第六十八条第三項第一号に掲げる方法によりする場合における手数料の納付について準用する。 第五章 筆界特定 第一節 総則 (定義) 第二百六条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 筆界特定電子申請 法第百三十一条第五項において準用する法第十八条第一号の規定による電子情報処理組織を使用する方法による筆界特定の申請をいう。 二 筆界特定書面申請 法第百三十一条第五項において準用する法第十八条第二号の規定により次号の筆界特定申請書を法務局又は地方法務局に提出する方法による筆界特定の申請をいう。 三 筆界特定申請書 筆界特定申請情報を記載した書面をいい、法第百三十一条第五項において準用する法第十八条第二号の磁気ディスクを含む。 四 筆界特定添付情報 第二百九条第一項各号に掲げる情報をいう。 五 筆界特定添付書面 筆界特定添付情報を記載した書面をいい、筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクを含む。 第二節 筆界特定の手続 第一款 筆界特定の申請 (筆界特定申請情報) 第二百七条 法第百三十一条第三項第四号に掲げる事項として明らかにすべきものは、筆界特定の申請に至る経緯その他の具体的な事情とする。 2 法第百三十一条第三項第五号の法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 筆界特定の申請人(以下この章において単に「申請人」という。)が法人であるときは、その代表者の氏名 二 代理人によって筆界特定の申請をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名又は名称及び住所 四 申請人が一筆の土地の一部の所有権を取得した者であるときは、その旨 五 申請人が法第百三十一条第二項の規定に基づいて筆界特定の申請をする地方公共団体であるときは、その旨 六 対象土地が表題登記がない土地であるときは、当該土地を特定するに足りる事項 七 工作物、囲障又は境界標の有無その他の対象土地の状況 3 筆界特定の申請においては、法第百三十一条第三項第一号から第四号まで及び前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を筆界特定申請情報の内容とするものとする。 一 申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先 二 関係土地に係る不動産所在事項又は不動産番号(表題登記がない土地にあっては、法第三十四条第一項第一号に掲げる事項及び当該土地を特定するに足りる事項) 三 関係人の氏名又は名称及び住所その他の連絡先 四 工作物、囲障又は境界標の有無その他の関係土地の状況 五 申請人が対象土地の筆界として特定の線を主張するときは、その線及びその根拠 六 対象土地の所有権登記名義人等であって申請人以外のものが対象土地の筆界として特定の線を主張しているときは、その線 七 申請に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る訴訟(以下「筆界確定訴訟」という。)が係属しているときは、その旨及び事件の表示その他これを特定するに足りる事項 八 筆界特定添付情報の表示 九 法第百三十九条第一項の規定により提出する意見又は資料があるときは、その表示 十 筆界特定の申請の年月日 十一 法務局又は地方法務局の表示 4 第二項第六号及び第七号並びに前項第二号(表題登記がない土地を特定するに足りる事項に係る部分に限る。)及び第四号から第六号までに掲げる事項を筆界特定申請情報の内容とするに当たっては、図面を利用する等の方法により、現地の状況及び筆界として主張されている線の位置を具体的に明示するものとする。 (一の申請情報による複数の申請) 第二百八条 対象土地の一を共通にする複数の筆界特定の申請は、一の筆界特定申請情報によってすることができる。 (筆界特定添付情報) 第二百九条 筆界特定の申請をする場合には、次に掲げる情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。 一 申請人が法人であるときは、次に掲げる情報 イ 会社法人等番号を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 二 代理人によって筆界特定の申請をするとき(申請人が前号イに規定する法人であって、支配人等が当該法人を代理して筆界特定の申請をする場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報 三 申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 四 申請人が表題登記がない土地の所有者であるときは、当該申請人が当該土地の所有権を有することを証する情報 五 申請人が一筆の土地の一部の所有権を取得した者であるときは、当該申請人が当該一筆の土地の一部について所有権を取得したことを証する情報 六 申請人が所有権の登記名義人若しくは表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人である場合において、筆界特定申請情報の内容である所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、当該所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報) 七 申請人が法第百三十一条第二項の規定に基づいて筆界特定の申請をする地方公共団体であるときは、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たことを証する当該所有権登記名義人等が作成した情報 2 前項第一号及び第二号の規定は、国の機関の所管に属する土地について命令又は規則により指定された官庁又は公署の職員が筆界特定の申請をする場合には、適用しない。 3 第一項第一号の規定は、申請人が同号イに規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書を提供して筆界特定の申請をする場合には、適用しない。 一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書 二 支配人等によって筆界特定の申請をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書 4 前項各号の登記事項証明書は、その作成後三月以内のものでなければならない。 5 法人である代理人によって筆界特定の申請をする場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。 6 筆界特定の申請をする場合において、所有権の登記名義人又は表題部所有者の第三十六条第四項に規定する住民票コード(当該所有権の登記名義人又は表題部所有者の住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。)を提供したときは、当該住民票コードの提供をもって、当該住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。 (筆界特定電子申請の方法) 第二百十条 筆界特定電子申請における筆界特定申請情報及び筆界特定添付情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。 ただし、筆界特定添付情報の送信に代えて、法務局又は地方法務局に筆界特定添付書面を提出することを妨げない。 2 前項ただし書の場合には、筆界特定添付書面を法務局又は地方法務局に提出する旨を筆界特定申請情報の内容とする。 3 令第十二条第一項の規定は筆界特定電子申請において筆界特定申請情報を送信する場合について、同条第二項の規定は筆界特定電子申請において送信する場合における筆界特定添付情報について、令第十四条の規定は筆界特定電子申請において電子署名が行われている情報を送信する場合について、それぞれ準用する。 4 第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条第二項の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、第四十四条第二項及び第三項の規定は筆界特定電子申請をする場合について、それぞれ準用する。 (筆界特定書面申請の方法等) 第二百十一条 筆界特定書面申請をするときは、筆界特定申請書に筆界特定添付書面を添付して提出しなければならない。 2 第二百九条第一項第一号ロ及び第二号に掲げる情報を記載した書面であって、市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、作成後三月以内のものでなければならない。 ただし、官庁又は公署が筆界特定の申請をする場合は、この限りでない。 3 委任による代理人によって筆界特定の申請をする場合には、申請人又はその代表者は、委任状に記名しなければならない。 復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。 4 第二百九条第一項第七号に掲げる情報を記載した書面は、同号の同意をした所有権登記名義人等が記名したものでなければならない。 5 令第十二条第一項の規定は筆界特定申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により筆界特定の申請をする場合について、同条第二項の規定は磁気ディスクに記録された筆界特定添付情報について、令第十四条の規定は筆界特定申請情報の全部又は筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクを提出する場合について、それぞれ準用する。 6 第四十五条第一項の規定は筆界特定申請書(筆界特定申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。以下この条において同じ。)について、第五十一条の規定は筆界特定申請情報を記録した磁気ディスクを提出する方法による筆界特定の申請について、第五十二条の規定は筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクについて、それぞれ準用する。 この場合において、第五十一条第七項及び第八項中「令第十六条第五項」とあるのは「第二百十一条第五項」と、第五十二条第一項中「令第十五条の添付情報を記録した磁気ディスク」とあるのは「筆界特定添付情報を記録した磁気ディスク」と、同条第二項中「令第十五条後段において準用する令第十四条の電子証明書」とあるのは「筆界特定添付情報を記録した磁気ディスクに記録すべき電子証明書」と読み替えるものとする。 7 筆界特定申請書につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにしなければならない。 この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。 8 申請人又はその代表者若しくは代理人は、筆界特定申請書が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載することその他の必要な措置を講じなければならない。 9 筆界特定書面申請は、対象土地の所在地を管轄する登記所を経由してすることができる。 (筆界特定申請書等の送付方法) 第二百十二条 筆界特定の申請をしようとする者が筆界特定申請書又は筆界特定添付書面を送付するときは、書留郵便又は信書便事業者による信書便の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。 2 前項の場合には、筆界特定申請書又は筆界特定添付書面を入れた封筒の表面に筆界特定申請書又は筆界特定添付書面が在中する旨を明記するものとする。 (筆界特定添付書面の原本の還付請求) 第二百十三条 申請人は、筆界特定添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。 ただし、当該筆界特定の申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。 2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。 3 筆界特定登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、却下事由の有無についての調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。 この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 4 前項前段の規定にかかわらず、筆界特定登記官は、偽造された書面その他の不正な筆界特定の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。 第二款 筆界特定の申請の受付等 (筆界特定の申請の受付) 第二百十四条 筆界特定登記官は、法第百三十一条第五項において読み替えて準用する法第十八条の規定により筆界特定申請情報が提供されたときは、当該筆界特定申請情報に係る筆界特定の申請の受付をしなければならない。 2 筆界特定登記官は、筆界特定の申請の受付をしたときは、当該筆界特定の申請に手続番号を付さなければならない。 (管轄区域がまたがる場合の移送等) 第二百十五条 第四十条第一項及び第二項の規定は、法第百二十四条第二項において読み替えて準用する法第六条第三項の規定に従って筆界特定の申請がされた場合について準用する。 (補正) 第二百十六条 筆界特定登記官は、筆界特定の申請の補正をすることができる期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該申請を却下することができない。 (公告及び通知の方法) 第二百十七条 法第百三十三条第一項の規定による公告は、法務局若しくは地方法務局の掲示場その他法務局若しくは地方法務局内の公衆の見やすい場所に掲示して行う方法又は法務局若しくは地方法務局の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法であってインターネットに接続された自動公衆送信装置を使用する方法により二週間行うものとする。 2 法第百三十三条第一項の規定による通知は、郵便、信書便その他適宜の方法によりするものとする。 3 前項の通知は、関係人が法第百三十九条の定めるところにより筆界特定に関し意見又は図面その他の資料を提出することができる旨を明らかにしてしなければならない。 第三款 意見又は資料の提出 (意見又は資料の提出) 第二百十八条 法第百三十九条第一項の規定による意見又は資料の提出は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 手続番号 二 意見又は資料を提出する者の氏名又は名称 三 意見又は資料を提出する者が法人であるときは、その代表者の氏名 四 代理人によって意見又は資料を提出するときは、当該代理人の氏名又は名称及び代理人が法人であるときはその代表者の氏名 五 提出の年月日 六 法務局又は地方法務局の表示 2 法第百三十九条第一項の規定による資料の提出は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 資料の表示 二 作成者及びその作成年月日 三 写真又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録することができる物を含む。)にあっては、撮影、録画等の対象並びに日時及び場所 四 当該資料の提出の趣旨 (情報通信の技術を利用する方法) 第二百十九条 法第百三十九条第二項の法務省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。 一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して情報を送信する方法 二 法務大臣の定めるところにより情報を記録した磁気ディスクその他の電磁的記録を提出する方法 三 前二号に掲げるもののほか、筆界特定登記官が相当と認める方法 (書面の提出方法) 第二百二十条 申請人又は関係人は、法第百三十九条第一項の規定による意見又は資料の提出を書面でするときは、当該書面の写し三部を提出しなければならない。 2 筆界特定登記官は、必要と認めるときは、前項の規定により書面の写しを提出した申請人又は関係人に対し、その原本の提示を求めることができる。 (資料の還付請求) 第二百二十一条 法第百三十九条第一項の規定により資料(第二百十九条各号に掲げる方法によって提出したものを除く。以下この条において同じ。)を提出した申請人又は関係人は、当該資料の還付を請求することができる。 2 筆界特定登記官は、前項の規定による請求があった場合において、当該請求に係る資料を筆界特定をするために留め置く必要がなくなったと認めるときは、速やかに、これを還付するものとする。 第四款 意見聴取等の期日 (意見聴取等の期日の場所) 第二百二十二条 法第百四十条第一項の期日(以下「意見聴取等の期日」という。)は、法務局又は地方法務局、対象土地の所在地を管轄する登記所その他筆界特定登記官が適当と認める場所において開く。 (意見聴取等の期日の通知) 第二百二十三条 法第百四十条第一項の規定による通知は、申請人及び関係人が同項の定めるところにより対象土地の筆界について意見を述べ、又は資料を提出することができる旨を明らかにしてしなければならない。 2 第二百十七条第二項の規定は、前項の通知について準用する。 (意見聴取等の期日における筆界特定登記官の権限) 第二百二十四条 筆界特定登記官は、意見聴取等の期日において、発言を許し、又はその指示に従わない者の発言を禁ずることができる。 2 筆界特定登記官は、意見聴取等の期日の秩序を維持するため必要があるときは、その秩序を妨げ、又は不穏な言動をする者を退去させることができる。 3 筆界特定登記官は、適当と認める者に意見聴取等の期日の傍聴を許すことができる。 (意見聴取等の期日における資料の提出) 第二百二十五条 第二百十八条、第二百二十条及び第二百二十一条の規定は、意見聴取等の期日において申請人又は関係人が資料を提出する場合について準用する。 (意見聴取等の期日の調書) 第二百二十六条 法第百四十条第四項の調書には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 手続番号 二 筆界特定登記官及び筆界調査委員の氏名 三 出頭した申請人、関係人、参考人及び代理人の氏名 四 意見聴取等の期日の日時及び場所 五 意見聴取等の期日において行われた手続の要領(陳述の要旨を含む。) 六 その他筆界特定登記官が必要と認める事項 2 筆界特定登記官は、前項の規定にかかわらず、申請人、関係人又は参考人の陳述をビデオテープその他の適当と認める記録用の媒体に記録し、これをもって調書の記録に代えることができる。 3 意見聴取等の期日の調書には、書面、写真、ビデオテープその他筆界特定登記官において適当と認めるものを引用し、筆界特定手続記録に添付して調書の一部とすることができる。 第五款 調書等の閲覧 (調書等の閲覧) 第二百二十七条 申請人又は関係人は、法第百四十一条第一項の規定により調書又は資料の閲覧の請求をするときは、次に掲げる事項に係る情報を提供しなければならない。 一 手続番号 二 請求人の氏名又は名称及び住所並びに申請人又は関係人の別 三 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 四 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 2 前項の閲覧の請求をするときは、請求人が請求権限を有することを証する書面を提示しなければならない。 3 第一項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号をも提供したときは、この限りでない。 4 第一項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人等が法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも提供したときは、この限りでない。 5 法人である代理人によって第一項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも提供したときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 6 第一項の閲覧の請求は、同項の情報を記載した書面を法務局又は地方法務局に提出する方法によりしなければならない。 (調書等の閲覧の方法) 第二百二十八条 法第百四十一条第一項の規定による調書又は資料の閲覧は、筆界特定登記官(その指定する職員を含む。第三項において同じ。)の面前でさせるものとする。 2 法第百四十一条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法その他の筆界特定登記官が適当と認める方法とする。 3 筆界特定登記官は、法第百四十一条第一項の規定による調書又は資料の閲覧をさせる場合において、請求人から別段の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、電子計算機を使用して筆界特定登記官及び請求人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話することができる方法によって閲覧をさせることができる。 第三節 筆界特定 (筆界調査委員の調査の報告) 第二百二十九条 筆界特定登記官は、筆界調査委員に対し、法第百三十五条の規定による事実の調査の経過又は結果その他必要な事項について報告を求めることができる。 (筆界調査委員の意見の提出の方式) 第二百三十条 法第百四十二条の規定による意見の提出は、書面又は電磁的記録をもってするものとする。 (筆界特定書の記録事項等) 第二百三十一条 筆界特定書には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 手続番号 二 対象土地に係る不動産所在事項及び不動産番号(表題登記がない土地にあっては、法第三十四条第一項第一号に掲げる事項及び当該土地を特定するに足りる事項) 三 結論 四 理由の要旨 五 申請人の氏名又は名称及び住所 六 申請人の代理人があるときは、その氏名又は名称 七 筆界調査委員の氏名 八 筆界特定登記官の所属する法務局又は地方法務局の表示 2 筆界特定登記官は、書面をもって筆界特定書を作成するときは、筆界特定書に職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 筆界特定登記官は、電磁的記録をもって筆界特定書を作成するときは、筆界特定登記官を明らかにするための措置であって法務大臣が定めるものを講じなければならない。 4 法第百四十三条第二項の図面には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 地番区域の名称 二 方位 三 縮尺 四 対象土地及び関係土地の地番 五 筆界特定の対象となる筆界又はその位置の範囲 六 筆界特定の対象となる筆界に係る筆界点(筆界の位置の範囲を特定するときは、その範囲を構成する各点。次項において同じ。)間の距離 七 境界標があるときは、当該境界標の表示 八 測量の年月日 5 法第百四十三条第二項の図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものは、国土調査法施行令第二条第一項第一号に規定する平面直角座標系の番号又は記号及び基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値とする。 ただし、近傍に基本三角点等が存しない場合その他の基本三角点等に基づく測量ができない特別の事情がある場合にあっては、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値とする。 6 第十条第四項並びに第七十七条第三項及び第四項の規定は、法第百四十三条第二項の図面について準用する。 この場合において、第七十七条第三項中「第一項第九号」とあるのは「第二百三十一条第四項第七号」と読み替えるものとする。 (筆界特定の公告及び通知) 第二百三十二条 筆界特定登記官は、法第百四十四条第一項の筆界特定書の写しを作成するときは、筆界特定書の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 法第百四十四条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録をもって作成された筆界特定書の内容を証明した書面を交付する方法とする。 3 筆界特定登記官は、前項の書面を作成するときは、電磁的記録をもって作成された筆界特定書を書面に出力し、これに筆界特定書に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 4 法第百四十四条第一項の規定による筆界特定書の写し(第二項の書面を含む。)の交付は、送付の方法によりすることができる。 5 第二百十七条第一項の規定は法第百四十四条第一項の規定による公告について、第二百十七条第二項の規定は法第百四十四条第一項の規定による関係人に対する通知について、それぞれ準用する。 第四節 筆界特定手続記録の保管 (筆界特定手続記録の送付) 第二百三十三条 筆界特定登記官は、筆界特定の手続が終了したときは、遅滞なく、対象土地の所在地を管轄する登記所に筆界特定手続記録を送付しなければならない。 2 対象土地が二以上の法務局又は地方法務局の管轄区域にまたがる場合には、前項の規定による送付は、法第百二十四条第二項において読み替えて準用する法第六条第二項の規定により法務大臣又は法務局の長が指定した法務局又は地方法務局の管轄区域内にある登記所であって対象土地の所在地を管轄するものに対してするものとする。 この場合には、筆界特定登記官は、当該二以上の法務局又は地方法務局のうち法務大臣又は法務局の長が指定した法務局又は地方法務局以外の法務局又は地方法務局の管轄区域内にある登記所であって対象土地の所在地を管轄するものに筆界特定書等の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、その内容を書面に出力したもの。次項及び次条において同じ。)を送付しなければならない。 3 対象土地が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合(前項に規定する場合を除く。)には、第一項の規定による送付は、法務局又は地方法務局の長が指定する登記所に対してするものとする。 この場合には、筆界特定登記官は、当該二以上の登記所のうち法務局又は地方法務局の長が指定した登記所以外の登記所に筆界特定書等の写しを送付しなければならない。 (登記記録への記録) 第二百三十四条 筆界特定がされた筆界特定手続記録又は筆界特定書等の写しの送付を受けた登記所の登記官は、対象土地の登記記録に、筆界特定がされた旨を記録しなければならない。 (筆界特定手続記録の保存期間等) 第二百三十五条 次の各号に掲げる情報の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 筆界特定書に記載され、又は記録された情報 永久 二 筆界特定書以外の筆界特定手続記録に記載され、又は記録された情報 対象土地の所在地を管轄する登記所が第二百三十三条の規定により筆界特定手続記録の送付を受けた年の翌年から三十年間 2 筆界特定手続記録の全部又は一部が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の保存は、当該情報の内容を書面に出力したものを保存する方法によってすることができる。 3 筆界特定手続記録の全部又は一部が書面をもって作成されているときは、当該書面に記録された情報の保存は、当該情報の内容を記録した電磁的記録を保存する方法によってすることができる。 第二百三十五条の二 次の各号に掲げる帳簿の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 筆界特定受付等記録簿及び筆界特定関係簿 作成の年の翌年から三十年間 二 筆界特定事務日記帳及び筆界特定関係事務日記帳 作成の年の翌年から三年間 (準用) 第二百三十六条 第二十九条から第三十二条までの規定(同条第二項を除く。)は、筆界特定手続記録について準用する。 この場合において、第二十九条中「登記に関する電磁的記録、帳簿又は書類」とあり、第三十条第一項中「登記記録又は地図等」とあり、同条第三項中「登記記録、地図等又は登記簿の附属書類」とあり、第三十一条第一項中「登記簿、地図等及び登記簿の附属書類」とあり、同条第二項中「登記簿の附属書類」とあり、及び同条第三項中「登記簿、地図等又は登記簿の附属書類」とあるのは「筆界特定手続記録」と、第三十二条第一項中「当該不動産の登記記録(共同担保目録及び信託目録を含む。次項において同じ。)並びに地図等及び登記簿の附属書類(電磁的記録に記録されている地図等及び登記簿の附属書類を含む。)」とあるのは「当該不動産に係る筆界特定手続記録」と読み替えるものとする。 (筆界確定訴訟の確定判決があった場合の取扱い) 第二百三十七条 登記官は、その保管する筆界特定手続記録に係る筆界特定がされた筆界について、筆界確定訴訟の判決(訴えを不適法として却下したものを除く。以下本条において同じ。)が確定したときは、当該筆界確定訴訟の判決が確定した旨及び当該筆界確定訴訟に係る事件を特定するに足りる事項を当該筆界特定に係る筆界特定書に明らかにすることができる。 第五節 筆界特定書等の写しの交付等 (筆界特定書等の写しの交付の請求情報等) 第二百三十八条 法第百四十九条第一項の規定により筆界特定書等の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されている場合における当該記録された情報の内容を証明した書面を含む。以下同じ。)の交付の請求をするときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この節において「請求情報」という。)を提供しなければならない。 筆界特定手続記録の閲覧の請求をするときも、同様とする。 一 請求人の氏名又は名称 二 手続番号 三 交付の請求をするときは、請求に係る書面の通数 四 筆界特定書等の一部の写しの交付の請求をするときは、請求する部分 五 送付の方法により筆界特定書等の写しの交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 法第百四十九条第二項の規定により筆界特定書等以外の筆界特定手続記録の閲覧の請求をするときは、前項第一号及び第二号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 法第百四十九条第二項ただし書の利害関係を有する理由及び閲覧する部分 3 前項の閲覧の請求をするときは、同項第四号の利害関係がある理由を証する書面を提示しなければならない。 4 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 5 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人等が法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 (筆界特定書等の写しの交付の請求方法等) 第二百三十九条 前条第一項の交付の請求又は同項若しくは同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 送付の方法による筆界特定書等の写しの交付の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合には、送付先の住所をも請求情報の内容とする。 3 法第百四十九条第三項において準用する法第百十九条第四項ただし書の法務省令で定める方法は、前項に規定する方法とする。 (筆界特定書等の写しの作成及び交付) 第二百四十条 登記官は、筆界特定書等の写しを作成するとき(次項に規定する場合を除く。)は、筆界特定書等の全部又は一部の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 2 登記官は、筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されている場合において、筆界特定書等の写しを作成するときは、電磁的記録に記録された筆界特定書等を書面に出力し、これに筆界特定書等に記録されている内容を証明した書面である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 3 筆界特定書等の写しの交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (準用) 第二百四十一条 第二百二条の規定は筆界特定手続記録の閲覧について、第二百三条第一項の規定は法第百四十九条第一項及び第二項の手数料を収入印紙をもって納付するときについて、第二百四条の規定は請求情報を記載した書面を登記所に提出する方法により第二百三十八条第一項の交付の請求をする場合において前条第三項の規定による申出をするときについて、第二百五条第二項の規定は第二百三十九条第二項に規定する方法により筆界特定書等の写しの交付の請求をする場合において手数料を納付するときについて、それぞれ準用する。 この場合において、第二百二条第二項中「法第百二十条第二項及び第百二十一条第二項」とあるのは「法第百四十九条第二項」と、同条第三項中「法第百二十一条第三項又は第四項の規定による登記簿の附属書類」とあるのは「法第百四十九条第二項に規定する筆界特定手続記録」と、第二百三条第一項中「法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項まで」とあるのは「法第百四十九条第一項及び第二項」と、第二百四条第一項中「第百九十三条第一項」とあるのは「第二百三十八条第一項」と、「第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第二百四十条第三項」と読み替えるものとする。 第六節 雑則 (手続費用) 第二百四十二条 法第百四十六条第一項の法務省令で定める費用は、筆界特定登記官が相当と認める者に命じて行わせた測量、鑑定その他専門的な知見を要する行為について、その者に支給すべき報酬及び費用の額として筆界特定登記官が相当と認めたものとする。 (代理人等) 第二百四十三条 関係人が法人である場合において、当該関係人が筆界特定の手続において意見の提出その他の行為をするときは、次に掲げる情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。 一 会社法人等番号を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号 二 前号に規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報 2 前項の規定は、関係人が同項第一号に規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書を提供して同項の行為をする場合には、適用しない。 一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書 二 支配人等によって前項の行為をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書 3 筆界特定の申請がされた後、申請人又は関係人が代理人を選任したときは、当該申請人又は関係人は、当該代理人の権限を証する情報を法務局又は地方法務局に提供しなければならない。 ただし、当該申請人又は関係人が会社法人等番号を有する法人であって、当該代理人が支配人等である場合は、この限りでない。 4 前項本文に規定する代理人が法人である場合において、当該代理人の会社法人等番号を提供したときは、当該会社法人等番号の提供をもって、当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。 (申請の却下) 第二百四十四条 筆界特定登記官は、法第百三十二条第一項の規定により筆界特定の申請を却下するときは、決定書を作成し、これを申請人に交付しなければならない。 2 前項の規定による交付は、当該決定書を送付する方法によりすることができる。 3 筆界特定登記官は、申請を却下したときは、筆界特定添付書面を還付するものとする。 ただし、偽造された書面その他の不正な申請のために用いられた疑いがある書面については、この限りでない。 4 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による公告をした後に筆界特定の申請を却下したときは、その旨を公告しなければならない。 第二百十七条第一項の規定は、この場合における公告について準用する。 5 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による通知をした後に筆界特定の申請を却下したときは、その旨を当該通知に係る関係人に通知しなければならない。 同条第二項及び第二百十七条第二項の規定は、この場合における通知について準用する。 (申請の取下げ) 第二百四十五条 筆界特定の申請の取下げは、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。 一 筆界特定電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を筆界特定登記官に提供する方法 二 筆界特定書面申請 申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を筆界特定登記官に提出する方法 2 筆界特定の申請の取下げは、法第百四十四条第一項の規定により申請人に対する通知を発送した後は、することができない。 3 筆界特定登記官は、筆界特定の申請の取下げがあったときは、筆界特定添付書面を還付するものとする。 前条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。 4 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による公告をした後に筆界特定の申請の取下げがあったときは、その旨を公告しなければならない。 第二百十七条第一項の規定は、この場合における公告について準用する。 5 筆界特定登記官は、法第百三十三条第一項の規定による通知をした後に筆界特定の申請の取下げがあったときは、その旨を当該通知に係る関係人に通知しなければならない。 同条第二項及び第二百十七条第二項の規定は、この場合における通知について準用する。 (筆界特定書の更正) 第二百四十六条 筆界特定書に誤記その他これに類する明白な誤りがあるときは、筆界特定登記官は、いつでも、当該筆界特定登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、更正することができる。 2 筆界特定登記官は、筆界特定書を更正したときは、申請人に対し、更正の内容を通知するとともに、更正した旨を公告し、かつ、関係人に通知しなければならない。 法第百三十三条第二項及びこの省令第二百十七条第二項の規定はこの場合における通知について、同条第一項の規定はこの場合における公告について、それぞれ準用する。 第六章 法定相続情報 (法定相続情報一覧図) 第二百四十七条 表題部所有者、登記名義人又はその他の者について相続が開始した場合において、当該相続に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人(第三項第二号に掲げる書面の記載により確認することができる者に限る。以下本条において同じ。)又は当該相続人の地位を相続により承継した者は、被相続人の本籍地若しくは最後の住所地、申出人の住所地又は被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対し、法定相続情報(次の各号に掲げる情報をいう。以下同じ。)を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をすることができる。 一 被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日 二 相続開始の時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄 2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする申出書を登記所に提供してしなければならない。 一 申出人の氏名、住所、連絡先及び被相続人との続柄 二 代理人(申出人の法定代理人又はその委任による代理人にあってはその親族若しくは戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十条の二第三項に掲げる者に限る。以下本条において同じ。)によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 利用目的 四 交付を求める通数 五 被相続人を表題部所有者又は所有権の登記名義人とする不動産があるときは、不動産所在事項又は不動産番号 六 申出の年月日 七 送付の方法により法定相続情報一覧図の写しの交付及び第六項の規定による書面の返却を求めるときは、その旨 3 前項の申出書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 法定相続情報一覧図(第一項各号に掲げる情報及び作成の年月日を記載し、申出人が記名するとともに、その作成をした申出人又はその代理人が記名したものに限る。) 二 被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む。)の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書 三 被相続人の最後の住所を証する書面 四 第一項第二号の相続人の戸籍の謄本、抄本又は記載事項証明書 五 申出人が相続人の地位を相続により承継した者であるときは、これを証する書面 六 申出書に記載されている申出人の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該申出人が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。) 七 代理人によって第一項の申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面 4 前項第一号の法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載したときは、第二項の申出書には、その住所を証する書面を添付しなければならない。 5 登記官は、第三項第二号から第四号までに掲げる書面によって法定相続情報の内容を確認し、かつ、その内容と法定相続情報一覧図に記載された法定相続情報の内容とが合致していることを確認したときは、法定相続情報一覧図の写しを交付するものとする。 この場合には、申出に係る登記所に保管された法定相続情報一覧図の写しである旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印するものとする。 6 登記官は、法定相続情報一覧図の写しを交付するときは、第三項第二号から第五号まで及び第四項に規定する書面を返却するものとする。 7 前各項の規定(第三項第一号から第五号まで及び第四項を除く。)は、第一項の申出をした者がその申出に係る登記所の登記官に対し法定相続情報一覧図の写しの再交付の申出をする場合について準用する。 (法定相続情報一覧図の写しの送付の方法等) 第二百四十八条 法定相続情報一覧図の写しの交付及び前条第六項の規定による書面の返却は、申出人の申出により、送付の方法によりすることができる。 2 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。 3 前項の指定は、告示してしなければならない。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第二十号
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土地改良登記規則 第一章 通則 (一の申請情報によってすることができる代位登記) 第一条 土地改良登記令(以下「令」という。)第二条第一号から第三号までに掲げる登記の申請は、不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、当該各号に掲げる登記ごとに、一の申請情報によってすることができる。 (申請書類つづり込み帳) 第二条 書面申請において提出された次に掲げる書類は、当該換地処分による登記の申請書と共に申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。 一 土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号。以下「法」という。)第五十四条第五項(法第八十四条、第八十九条の二第十項、第九十六条及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)の規定による通知書 二 土地改良法施行規則(昭和二十四年農林省令第七十五号)第四十五条第一項の換地計画書(令第五条第三項の規定により同条第二項第三号の情報とみなされるものを除く。)及び認可書の謄本 2 換地処分による登記の申請書をつづり込む申請書類つづり込み帳と当該申請書以外の申請書をつづり込む申請書類つづり込み帳とは、別冊とするものとする。 3 前項の規定は、同一の交換分合計画に基づく交換分合による登記の申請書について準用する。 (保存期間) 第三条 換地処分による登記の申請情報及びその添付情報(申請情報及びその添付情報以外の情報であって換地処分による登記の申請の申請書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載されたものを含む。)は、申請の受付の日(令第十二条第二項の規定により土地改良事業の施行に係る地域内の一部の土地につき登記の申請があった場合には、最後の申請の受付の日)から十年間保存しなければならない。 2 令第五条第二項第三号の土地の全部についての所在図は、永久に保存しなければならない。 第二章 換地処分の場合の登記 (地役権図面の内容) 第四条 令第六条第二項(令第十条第二項において準用する場合を含む。)の地役権図面には、不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号。以下「規則」という。)第七十九条第一項及び第三項に規定する事項のほか、地役権者の氏名又は名称を記録しなければならない。 この場合には、同条第四項の規定は、適用しない。 (従前の土地が一個で換地が一個の場合の登記) 第五条 登記官は、換地計画において従前の一個の土地に照応して一個の換地が定められた場合において、換地処分による登記をするときは、従前の土地の登記記録の表題部に、換地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地の地番、地目及び地積並びに従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、換地と定められた土地について地役権に関する登記があるときは、当該土地の登記記録から従前の土地の登記記録の乙区に当該地役権に関する登記を移記し、その登記の末尾に土地改良法による換地処分により何番の土地の登記記録から移記した旨及びその年月日を記録しなければならない。 この場合において、換地処分によって当該登記記録の乙区に移記した要役地若しくは承役地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該要役地若しくは承役地の地番、地役権設定の範囲又は地役権の存する土地の部分に変更を生じたときは、その変更を付記し、これに相当する変更前の事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、前項の手続をしたときは、規則第五条第三項の規定にかかわらず、当該地役権に関する登記がある土地の登記記録を閉鎖することを要しない。 この場合には、当該登記記録の乙区に、土地改良法による換地処分により地役権に関する登記を何番の土地の登記記録に移記した旨、その年月日及び前の登記の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 4 登記官は、第一項の場合において、換地と定められた土地に存する既登記の地役権が消滅したことにより承役地及び要役地について当該地役権に関する登記の抹消をするときは、当該地役権に関する登記がある土地の登記記録の乙区に、土地改良法による換地処分により消滅した旨及びその年月日を記録しなければならない。 (従前の土地が数個で換地が一個の場合の登記) 第六条 登記官は、換地計画において従前の数個の土地に照応して一個の換地が定められた場合において、換地処分による登記をするときは、従前の土地のうち一個の土地(所有権の登記があるものとないものがあるときは、所有権の登記があるもの)の登記記録の表題部に、換地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地の地番、地目及び地積並びに他の従前の土地の地番を記録し、かつ、従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合において、当該他の従前の土地の地番の記録は、当該登記記録の表題部の原因及びその日付欄にしなければならない。 2 登記官は、前項の手続をしたときは、他の従前の土地の登記記録の表題部に土地改良法による換地処分により何番の土地の登記記録に登記を移記した旨、その年月日及び従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 3 登記官は、令第十三条第一項の所有権の登記をするときは、換地を記録した登記記録の甲区に、土地改良法による換地処分により所有権の登記をする旨並びに換地処分による登記の申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 (従前の土地が一個で換地が数個の場合の登記) 第七条 登記官は、換地計画において従前の一個の土地に照応して数個の換地が定められた場合において、換地処分による登記をするときは、従前の土地の登記記録の表題部に、一個の換地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地の地番、地目及び地積並びに他の換地の地番を記録し、かつ、従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合において、当該他の換地の地番の記録は、当該登記記録の表題部の原因及びその日付欄にしなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、従前の土地の登記記録に所有権及び地役権以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に、先取特権、質権及び抵当権以外の権利については他の換地が共に当該権利の目的である旨を、先取特権、質権又は抵当権(以下「担保権」と総称する。)については既に当該担保権についての共同担保目録が作成されているときを除き新たに作成した共同担保目録の記号及び目録番号を付記し、土地改良法による換地処分により登記をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合には、他の各換地について新たな登記記録を作成し、かつ、当該登記記録の表題部に換地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地の地番、地目及び地積並びに他の換地の地番を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の規定により新たな登記記録を作成した場合において、従前の土地の登記記録に所有権の登記があるときは、当該新たな登記記録の甲区に、従前の土地の登記記録から所有権に関する登記を転写し、かつ、これに土地改良法による換地処分により登記をする旨並びに申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 5 登記官は、前項の登記をした場合において、従前の土地の登記記録に所有権及び地役権以外の権利又は処分の制限に関する登記があるときは、換地の登記記録の権利部の相当区に、従前の土地の登記記録から当該権利又は処分の制限に関する登記を転写し、かつ、土地改良法による換地処分により登記をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 この場合には、先取特権、質権及び抵当権以外の権利については他の換地が共に当該権利の目的である旨を、担保権については既に従前の土地にされた当該担保権に係る共同担保目録が作成されているときを除き新たに作成した共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 6 規則第百七十条第三項において準用する規則第百六十八条第五項及び規則第百七十条第四項の規定は、第一項の場合について準用する。 (準用規定) 第八条 第五条第二項から第四項までの規定は、換地計画において、従前の数個の土地に照応して一個の換地が定められ、又は従前の一個の土地に照応して数個の換地が定められた場合について準用する。 (従前の土地につき所有権の登記がない場合の地役権の登記) 第九条 登記官は、令第十五条の規定により所有権の保存の登記をするときは、登記記録の甲区に、土地改良法による換地処分により登記をする旨を記録しなければならない。 2 第五条第二項及び第三項の規定は、令第十五条に規定する場合について準用する。 (換地を定めない場合の登記) 第十条 登記官は、法第五十四条の二第一項の規定により従前の土地に存する権利が消滅した場合において、換地処分による登記をするときは、従前の土地の登記記録の表題部に土地改良法による換地処分により換地が定められなかった旨及び当該土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、当該土地が他の不動産と共に既登記の所有権及び地役権以外の権利の目的であったときは、当該他の不動産の登記記録の権利部の相当区に、当該土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番を記録し、土地改良法による換地処分により換地が定められなかった旨を付記し、かつ、当該土地と共に所有権及び地役権以外の権利の目的である旨を記録した登記のうち当該土地に係る記録を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合において、当該所有権及び地役権以外の権利が担保権であるときは、当該記録は、共同担保目録に記録しなければならない。 3 登記官は、前項の場合において、当該他の不動産が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、同項の規定による手続をすべき旨を当該他の登記所に通知しなければならない。 4 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第二項の規定による手続をしなければならない。 (土地改良施設等の用に供する土地の登記) 第十一条 第九条の規定は令第十六条に規定する場合について、第五条第四項の規定は法第五十四条の二第五項の規定により換地計画において換地を取得すべき者として定められた者が当該換地を取得した場合において、換地と定められた土地に存する既登記の地役権が消滅したときについて、それぞれ準用する。 (新道路等の土地の登記) 第十二条 登記官は、法第五十四条の二第七項の規定により既登記の所有権及び地役権以外の権利が存するものとみなされる土地について所有権の保存の登記をするときは、登記記録の甲区に、土地改良法による換地処分により登記をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 この場合には、当該登記記録の権利部の相当区に、旧道路等の土地の登記記録から所有権及び地役権以外の権利に関する登記を移記し、かつ、土地改良法による換地処分により何番の土地の登記記録から移した旨及びその年月日を記録しなければならない。 2 第七条第五項後段及び第六項の規定は、同一の旧道路等の土地の登記記録から所有権及び地役権以外の権利に関する登記を数個の新道路等の土地の登記記録に移記する場合について準用する。 3 前条の規定は、第一項の土地の上の既登記の地役権について準用する。 (旧道路等の土地の登記) 第十三条 登記官は、法第五十四条の二第七項の規定により所有権が消滅する既登記の土地がある場合において、換地処分による登記をするときは、前条又は第十五条の手続をした後、当該土地の登記記録の表題部に土地改良法による換地処分により所有権が消滅した旨及び当該土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 (換地が他の登記所の管轄区域内にある場合) 第十四条 換地計画において甲登記所の管轄区域内にある従前の土地に照応して乙登記所の管轄区域内にある換地が定められた場合には、甲登記所の登記官は、従前の土地の登記記録及び登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。)又はその謄本を乙登記所に移送しなければならない。 換地計画において甲登記所及び乙登記所又は甲登記所及び丙登記所の管轄区域内にある従前の数個の土地に照応して乙登記所の管轄区域内にある一個の換地が定められた場合についても、同様とする。 2 換地計画において甲登記所の管轄区域内にある従前の一個の土地に照応して甲登記所及び乙登記所の管轄区域内にある数個の換地が定められた場合には、甲登記所の登記官は、従前の土地に関する登記事項証明書及び登記簿の附属書類の謄本を乙登記所に送付しなければならない。 この場合には、登記事項証明書は、現に効力を有する事項を記載して作成すれば足りる。 3 換地計画において甲登記所の管轄区域内にある従前の一個の土地に照応して乙登記所及び丙登記所の管轄区域内にある数個の換地が定められた場合には、甲登記所の登記官は、従前の土地の登記記録及び登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。)又はその謄本を乙登記所に移送し、従前の土地に関する登記事項証明書及び登記簿の附属書類の謄本を丙登記所に送付しなければならない。 この場合には、前項後段の規定を準用する。 4 第七条及び第八条の規定は、前二項の場合について準用する。 (旧道路等の土地と新道路等の土地が管轄登記所を異にする場合) 第十五条 旧道路等の土地の所在地を管轄する登記所と新道路等の土地の所在地を管轄する登記所とが異なる場合において、法第五十四条の二第七項の規定により旧道路等の土地について存する従前の既登記の所有権及び地役権以外の権利が新道路等の土地の上に存するものとみなされるときは、旧道路等の土地の所在地を管轄する登記所の登記官は、当該土地に関する登記事項証明書を新道路等の土地の所在地を管轄する登記所に送付しなければならない。 この場合には、登記事項証明書は、現に効力を有する事項を記載して作成すれば足りる。 2 第十二条第一項及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。 (一の申請情報によってすることができる建物に関する登記) 第十六条 第一条の規定は、令第十八条に規定する建物に関する登記の申請について準用する。 第三章 交換分合の場合の登記 (交換分合による未登記の地上権等の取得の登記) 第十七条 登記官は、令第二十九条第一項の申請に基づき、未登記の地上権、永小作権又は賃借権の取得の登記をするときは、当該表題登記がある土地の登記記録の権利部の相当区に、土地改良登記令第二十九条第一項の規定により登記をする旨を記録しなければならない。 2 登記官は、令第二十九条第五項に規定する所有権の保存の登記をするときは、当該土地の登記記録の甲区に、土地改良登記規則第十七条第二項の規定により所有権の登記をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 3 前二項の規定は、法第百十一条の規定による交換分合による登記について準用する。 4 規則第百八十四条の規定は、第二項(前項において準用する場合を含む。)の規定により登記をした場合について準用する。 (一の申請情報によってすることができる交換分合による登記) 第十八条 同一の登記所の管轄区域内にある数個の不動産について、令第二十三条から第二十九条まで(これらの規定を令第三十条において準用する場合を含む。)の規定により登記(同一の交換分合計画に係るものに限る。)の申請をする場合には、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、一の申請情報によってすることができる。 (交換分合による登記の申請情報) 第十九条 令第三十三条第一項ただし書に規定する場合において、第二回以後にすべき登記の申請をするときは、その旨を申請情報の内容とする。 (添付書面の原本の還付請求の特例等) 第二十条 書面申請をした申請人が申請書に添付した令第三十三条第一項本文に規定する情報を記載した書面の原本の還付を請求する場合には、その謄本を添付することを要しない。 2 前項の場合には、申請書に、その旨を記載しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、同項の書面を還付するときは、申請書にその旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 第四章 雑則 (申請人以外の者に対する通知に関する規定の適用除外) 第二十一条 規則第百八十三条第一項第一号の規定は、令第二条第一号若しくは第二号に掲げる登記、換地処分による登記又は令第二十条の規定による土地の表題部の登記事項に関する変更の登記をした場合には、適用しない。 (埋立地等の登記) 第二十二条 規則第百九条の規定は、令第三十六条第二項の嘱託に基づき土地の登記の抹消をする場合について準用する。 (地役権が存続すべき換地の所有者に対する通知) 第二十三条 登記官は、令第十五条(令第十六条及び第十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定により登記をしたときは、換地の所有者に対し、換地及び従前の土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地及び従前の土地の地番並びに土地改良法による換地処分により所有権及び地役権に関する登記をした旨を通知しなければならない。 2 前項の通知は、一個の換地の所有者が二人以上あるときは、一個の換地ごとに、その一人に対し通知すれば足りる。 (各種通知簿の記録方法) 第二十四条 登記官は、前条及び第十七条第四項において準用する規則第百八十四条第一項の通知をするときは、各種通知簿に、当該通知の通知事項、通知を受ける者及び通知を発する年月日を記録するものとする。 (通知の方法) 第二十五条 第二十三条及び第十七条第四項において準用する規則第百八十四条第一項の通知は、郵便、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者又は同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便その他適宜の方法によりするものとする。 (換地処分による登記がされるまでの間の登記の申請情報) 第二十六条 法第百十六条ただし書に規定する場合において、土地改良事業の施行に係る地域内にある土地について登記の申請をするときは、その旨を申請情報の内容とする。 (登記の嘱託) 第二十七条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第二十一号
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土地区画整理登記規則 第一章 通則 (一の申請情報によってすることができる代位登記) 第一条 土地区画整理登記令(以下「令」という。)第二条第一号から第三号までに掲げる登記の申請は、不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、当該各号に掲げる登記ごとに、一の申請情報によってすることができる。 (地役権図面の内容) 第二条 令第五条第二項(令第九条第二項において準用する場合を含む。)又は令第二十二条第二項の地役権図面には、不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号。以下「規則」という。)第七十九条第一項及び第三項に規定する事項のほか、地役権者の氏名又は名称を記録しなければならない。 この場合には、同条第四項の規定は、適用しない。 (申請書類つづり込み帳) 第三条 書面申請において提出された次に掲げる書類は、当該換地処分による登記の申請書と共に申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。 一 土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号。以下「法」という。)第百七条第一項の規定による通知書 二 土地区画整理法施行規則(昭和三十年建設省令第五号)第二十二条第一項各号に掲げる書類(令第四条第三項の情報であって、同条第二項第三号に掲げるものに相当するものを除く。) 2 換地処分による登記の申請書をつづり込む申請書類つづり込み帳と当該申請書以外の申請書をつづり込む申請書類つづり込み帳とは、別冊とするものとする。 (保存期間) 第四条 換地処分による登記の申請情報及びその添付情報(申請情報及びその添付情報以外の情報であって換地処分による登記の申請の申請書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載されたものを含む。)は、申請の受付の日(令第十条第二項又は令第十七条若しくは令第二十三条において準用する令第十条第二項の規定により土地区画整理事業の施行に係る地域内の一部の土地又は建物につき登記の申請があった場合には、最後の申請の受付の日)から十年間保存しなければならない。 2 令第四条第二項第三号の土地の全部についての所在図は、永久に保存しなければならない。 第二章 土地に関する登記 (既登記の所有権及び地役権以外の権利等がある場合の申請情報) 第五条 令第六条第二号の規定により申請情報の内容とする符号は、令第四条第二項第三号の土地の全部についての所在図に表示された位置を示す符号と同一のものとする。 (従前の土地が一個で換地が一個の場合の登記) 第六条 登記官は、換地計画において従前の一個の土地に照応して一個の換地が定められた場合において、換地処分による土地の登記をするときは、従前の土地の登記記録の表題部に、換地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地の地番、地目及び地積並びに従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、換地と定められた土地について地役権に関する登記があるときは、当該土地の登記記録から従前の土地の登記記録の乙区に当該地役権に関する登記を移記し、その登記の末尾に土地区画整理法による換地処分により何番の土地の登記記録から移記した旨及びその年月日を記録しなければならない。 この場合において、換地処分によって当該登記記録の乙区に移記した要役地若しくは承役地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該要役地若しくは承役地の地番、地役権設定の範囲又は地役権の存する土地の部分に変更を生じたときは、その変更を付記し、これに相当する変更前の事項を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、前項の手続をしたときは、規則第五条第三項の規定にかかわらず、当該地役権に関する登記がある土地の登記記録を閉鎖することを要しない。 この場合には、当該登記記録の乙区に、土地区画整理法による換地処分により地役権に関する登記を何番の土地の登記記録に移記した旨、その年月日及び前の登記の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 4 登記官は、第一項の場合において、換地と定められた土地に存する既登記の地役権が消滅したことにより承役地及び要役地について当該地役権に関する登記の抹消をするときは、当該地役権に関する登記がある土地の登記記録の乙区に、土地区画整理法による換地処分により消滅した旨及びその年月日を記録しなければならない。 (従前の土地が数個で換地が一個の場合の登記) 第七条 登記官は、換地計画において従前の数個の土地に照応して一個の換地が定められた場合において、換地処分による土地の登記をするときは、従前の土地のうち一個の土地(所有権の登記があるものとないものがあるときは、所有権の登記があるもの)の登記記録の表題部に、換地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地の地番、地目及び地積並びに他の従前の土地の地番を記録し、かつ、従前の土地の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合において、当該他の従前の土地の地番の記録は、当該登記記録の表題部の原因及びその日付欄にしなければならない。 2 登記官は、前項の手続をしたときは、他の従前の土地の登記記録の表題部に土地区画整理法による換地処分により何番の土地の登記記録に登記を移記した旨、その年月日及び従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 3 登記官は、令第十一条第一項の所有権の登記をするときは、換地を記録した登記記録の甲区に、土地区画整理法による換地処分により所有権の登記をする旨並びに換地処分による登記の申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 (従前の土地が一個で換地が数個の場合の登記) 第八条 登記官は、換地計画において従前の一個の土地に照応して数個の換地が定められた場合において、換地処分による土地の登記をするときは、従前の土地の登記記録の表題部に、一個の換地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地の地番、地目及び地積並びに他の換地の地番を記録し、かつ、従前の土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合において、当該他の換地の地番の記録は、当該登記記録の表題部の原因及びその日付欄にしなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、従前の土地の登記記録に所有権及び地役権以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に、先取特権、質権及び抵当権以外の権利については他の換地が共に当該権利の目的である旨を、先取特権、質権又は抵当権(以下「担保権」と総称する。)については既に当該担保権についての共同担保目録が作成されているときを除き新たに作成した共同担保目録の記号及び目録番号を付記し、土地区画整理法による換地処分により登記をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合には、他の各換地について新たな登記記録を作成し、かつ、当該登記記録の表題部に、換地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地の地番、地目及び地積並びに他の換地の地番を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の規定により新たな登記記録を作成した場合において、従前の土地の登記記録に所有権の登記があるときは、当該新たな登記記録の甲区に、従前の土地の登記記録から所有権に関する登記を転写し、かつ、これに土地区画整理法による換地処分により登記をする旨並びに申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 5 登記官は、前項の登記をした場合において、従前の土地の登記記録に所有権及び地役権以外の権利又は処分の制限に関する登記があるときは、換地の登記記録の権利部の相当区に、従前の土地の登記記録から当該権利又は処分の制限に関する登記を転写し、かつ、土地区画整理法による換地処分により登記をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 この場合には、先取特権、質権及び抵当権以外の権利については他の換地が共に当該権利の目的である旨を、担保権については既に従前の土地にされた当該担保権に係る共同担保目録が作成されているときを除き新たに作成した共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 6 規則第百七十条第三項において準用する規則第百六十八条第五項及び規則第百七十条第四項の規定は、第一項の場合について準用する。 (準用規定) 第九条 第六条第二項から第四項までの規定は、換地計画において、従前の数個の土地に照応して一個の換地が定められ、又は従前の一個の土地に照応して数個の換地が定められた場合について準用する。 (従前の土地につき所有権の登記がない場合の地役権の登記) 第十条 登記官は、令第十三条の規定により所有権の保存の登記をするときは、登記記録の甲区に、土地区画整理法による換地処分により登記をする旨を記録しなければならない。 2 第六条第二項及び第三項の規定は、令第十三条に規定する場合について準用する。 (換地を定めない場合の登記) 第十一条 登記官は、法第百四条第一項の規定により従前の土地に存する権利が消滅した場合において、換地処分による土地の登記をするときは、従前の土地の登記記録の表題部に土地区画整理法による換地処分により換地が定められなかった旨及び当該土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、当該土地が他の不動産と共に既登記の所有権及び地役権以外の権利の目的であったときは、当該他の不動産の登記記録の権利部の相当区に、当該土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番を記録して、土地区画整理法による換地処分により換地が定められなかった旨を付記し、かつ、当該土地と共に所有権及び地役権以外の権利の目的である旨を記録した登記のうち当該土地に係る記録を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合において、当該所有権及び地役権以外の権利が担保権であるときは、当該記録は、共同担保目録にしなければならない。 3 登記官は、前項の場合において、当該他の不動産が他の登記所の管轄区域内にあるときは、遅滞なく、同項の規定による手続をすべき旨を当該他の登記所に通知しなければならない。 4 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、第二項の規定による手続をしなければならない。 (既登記の権利の目的である部分を定めない場合の登記) 第十二条 登記官は、法第百四条第二項の規定により既登記の権利が消滅した場合において当該登記の抹消をするときは、土地区画整理法による換地処分により当該権利が消滅したのでその登記の抹消をする旨及びその年月日を記録しなければならない。 (換地を宅地以外の土地に定めた場合の登記) 第十三条 登記官は、法第百五条第二項の規定により権利が消滅した場合において、当該権利の登記の抹消をするときは、当該土地の登記記録の表題部に土地区画整理法第百五条第二項の規定により権利が消滅した旨及び当該土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、当該土地が他の不動産と共に既登記の所有権及び地役権以外の権利の目的であったときは、当該他の不動産の登記記録の権利部の相当区に、当該土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番並びに土地区画整理法第百五条第二項の規定により権利が消滅した旨を付記し、かつ、当該土地と共に所有権及び地役権以外の権利の目的である旨を記録した登記のうち当該土地に係る記録を抹消する記号を記録しなければならない。 3 第十一条第三項及び第四項の規定は、前項の場合について準用する。 (保留地等がある場合の登記) 第十四条 第十条の規定は、令第十四条に規定する土地の上に既登記の地役権が存続すべきときについて準用する。 2 第六条第四項の規定は、前項の土地として定められた土地に存する既登記の地役権が消滅した場合について準用する。 (換地が他の登記所の管轄区域内にある場合) 第十五条 換地計画において甲登記所の管轄区域内にある従前の土地に照応して乙登記所の管轄区域内にある換地が定められた場合には、甲登記所の登記官は、従前の土地の登記記録及び登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。)又はその謄本を乙登記所に移送しなければならない。 換地計画において甲登記所及び乙登記所又は甲登記所及び丙登記所の管轄区域内にある従前の数個の土地に照応して乙登記所の管轄区域内にある一個の換地が定められた場合についても、同様とする。 2 換地計画において甲登記所の管轄区域内にある従前の一個の土地に照応して甲登記所及び乙登記所の管轄区域内にある数個の換地が定められた場合には、甲登記所の登記官は、従前の土地に関する登記事項証明書及び登記簿の附属書類の謄本を乙登記所に送付しなければならない。 この場合には、登記事項証明書は、現に効力を有する事項を記載して作成すれば足りる。 3 換地計画において甲登記所の管轄区域内にある従前の一個の土地に照応して乙登記所及び丙登記所の管轄区域内にある数個の換地が定められた場合には、甲登記所の登記官は、従前の土地の登記記録及び登記簿の附属書類(電磁的記録を含む。)又はその謄本を乙登記所に移送し、従前の土地に関する登記事項証明書及び登記簿の附属書類の謄本を丙登記所に送付しなければならない。 この場合には、前項後段の規定を準用する。 4 第八条及び第九条の規定は、前二項の場合について準用する。 第三章 建物等に関する登記 (法第百四条第七項等の場合の登記) 第十六条 登記官は、令第十五条の申請に基づき所有権の保存の登記をするときは、土地区画整理登記規則第十六条第一項の規定により登記をする旨を記録しなければならない。 2 登記官は、表題登記がない不動産について前項の規定により所有権の保存の登記をするときは、表示に関する登記事項のうち規則第百五十七条第一項各号に掲げる事項以外の事項を登記するものとする。 3 登記官は、令第十五条の申請に基づく所有権、地上権又は賃借権を取得した者を登記名義人とする所有権の保存若しくは移転の登記又は地上権若しくは賃借権の設定若しくは移転の登記(以下この章において「所有権等登記」という。)をする場合において、従前の土地又は地上権若しくは賃借権を目的とする既登記の担保権又は仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する定めの登記若しくは処分の制限の登記に係る権利があるときは、所有権等登記をした登記記録の権利部の相当区にこれらの権利に関する登記を移記し、かつ、土地区画整理登記規則第十六条第三項の規定により何番の土地の登記記録から移記した旨及びその年月日を記録しなければならない。 この場合において、その権利が法第百四条第七項後段の規定により共有持分の上に存するときは、何某の共有持分を目的とする旨及び家屋番号何番の建物、家屋番号何番の建物の何某の共有持分及び何番の土地の何某の共有持分が共にその権利の目的である旨も記録しなければならない。 4 規則第百七十条(第五項を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。 5 登記官は、既登記の従前の地上権又は賃借権に対して建物及びその敷地に関する権利が与えられた場合において、所有権等登記をしたときは、当該従前の地上権又は賃借権の目的である土地の登記記録の権利部に、土地区画整理法による換地処分により家屋番号何番の建物及び何番の土地についての権利が与えられたので何権利の登記を抹消する旨及びその年月日を記録し、かつ、当該従前の地上権又は賃借権の登記の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 6 登記官は、従前の土地に対して建物及びその敷地に関する権利が与えられた場合において、令第十八条第二項の規定により表題部の登記の抹消をするときは、従前の土地の登記記録の表題部に土地区画整理法による換地処分によって家屋番号何番の建物及び何番の土地についての権利が与えられた旨並びに当該土地の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 (取得された建物等が他の登記所の管轄区域内にある場合) 第十七条 甲登記所の管轄区域内にある従前の土地又は甲登記所の管轄区域内にある土地を目的とする地上権若しくは賃借権に対して乙登記所又は乙登記所及び丙登記所の管轄区域内にある建物及び土地が与えられた場合において、従前の土地又は地上権若しくは賃借権を目的とする既登記の担保権又は仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する定めの登記若しくは処分の制限の登記に係る権利があるときは、甲登記所の登記官は、従前の土地又は従前の地上権若しくは賃借権の目的である土地の登記事項証明書を乙登記所又は乙登記所及び丙登記所に送付しなければならない。 この場合には、登記事項証明書には、現に効力を有する事項を記録すれば足りる。 2 前条第三項の規定は、前項の場合について準用する。 3 乙登記所及び丙登記所の登記官は、前条第一項の所有権等登記をしたときは、遅滞なく、甲登記所にその旨を通知しなければならない。 4 甲登記所は、前項の通知を受けたときは、前条第五項及び第六項の規定による手続をしなければならない。 (一の申請情報によってすることができる建物の表示に関する登記) 第十八条 第一条の規定は、令第二十条の登記の申請について準用する。 第四章 共有土地に関する登記 (法第百四条第六項等の場合の登記) 第十九条 登記官は、令第二十一条の申請に基づき所有権の保存の登記をするときは、土地区画整理登記規則第十九条第一項の規定により登記をする旨を記録しなければならない。 2 第六条第二項及び第三項の規定は共有土地の上に既登記の地役権が存続する場合について、令第七条第二項の規定及び第六条第四項の規定は共有土地と定められた土地に存する既登記の地役権が消滅した場合について、第十六条第三項及び第四項の規定は令第二十一条の申請に基づき所有権の保存の登記をする場合において、従前の土地を目的とする既登記の担保権又は仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する定めの登記若しくは処分の制限の登記に係る権利があるときについて、第十六条第六項の規定は第一項の手続をした場合について、第十七条の規定は甲登記所の管轄区域内にある土地に対して乙登記所の管轄区域内の土地が与えられた場合について、それぞれ準用する。 この場合において、第十六条第三項中「第十六条第三項」とあるのは、「第十九条第二項」と読み替えるものとする。 第五章 雑則 (申請人以外の者に対する通知に関する規定の適用除外) 第二十条 規則第百八十三条第一項第一号の規定は、令第二条第一号若しくは第二号に掲げる登記又は換地処分による登記(令第十五条の申請に基づく登記を除く。)をした場合には、適用しない。 (地役権が存続すべき換地の所有者に対する通知) 第二十一条 登記官は、令第十三条(令第十四条において準用する場合を含む。)の規定により登記をしたときは、換地の所有者に対し、換地及び従前の土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該換地及び従前の土地の地番並びに土地区画整理法による換地処分により所有権及び地役権に関する登記をした旨を通知しなければならない。 2 前項の通知は、一個の換地の所有者が二人以上あるときは、一個の換地ごとに、その一人に対し通知すれば足りる。 (各種通知簿の記録方法) 第二十二条 登記官は、第十七条第三項及び前条第一項の通知をしたときは、各種通知簿に、当該通知の通知事項、通知を受ける者及び通知を発する年月日を記録するものとする。 (通知の方法) 第二十三条 第十七条第三項及び第二十一条第一項の通知は、郵便、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者又は同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便その他適宜の方法によりするものとする。 (換地処分による登記がされるまでの間の登記の申請情報) 第二十四条 法第百七条第三項ただし書に規定する場合において、法第二条第八項に規定する施行地区内の土地又は建物について登記の申請をするときは、その旨を申請情報の内容とする。 (登記の嘱託) 第二十五条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
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平成十七年法務省令第二十二号
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不動産登記令第四条の特例等を定める省令 第一章 農地法による不動産登記の特例 (一の嘱託情報によってすることができる買収による所有権の移転の登記) 第一条 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産についての農地法による不動産登記に関する政令(昭和二十八年政令第百七十三号。次条において「令」という。)第二条に掲げる登記の嘱託は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、一の嘱託情報によってすることができる。 (一の嘱託情報によってすることができる代位登記) 第二条 前条の規定は、令第七条各号に規定する登記の嘱託について準用する。 第三条 削除 第二章 新住宅市街地開発法等による不動産登記の特例 (一の嘱託情報によってすることができる代位登記) 第四条 新住宅市街地開発法等による不動産登記に関する政令(昭和四十年政令第三百三十号。以下この章において「令」という。)第二条第一号及び第二号(これらの規定を令第十一条から第十三条までにおいて準用する場合を含む。)に掲げる登記の嘱託は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、当該各号に掲げる登記ごとに、一の嘱託情報によってすることができる。 (土地の表題部の登記の抹消における登記記録の記録方法) 第五条 登記官は、令第四条第一項及び第五条第一項(これらの規定を令第十一条から第十三条までにおいて準用する場合を含む。)の嘱託に基づく登記をするときは、土地の登記記録の表題部に土地の表題部の登記事項を抹消する記号及びこれらの規定による嘱託により土地の表題部の登記を抹消する旨を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 (造成宅地等の表題登記の添付情報) 第六条 令第六条第一項又は第七条第一項(これらの規定を令第十一条から第十三条までにおいて準用する場合を含む。)の嘱託をする場合には、土地の全部についての所在図が国土調査法(昭和二十六年法律第百八十号)第十九条第五項の規定による指定を受けた地図であることを証する情報をその嘱託情報と併せて登記所に提供するものとする。 (一の嘱託情報によってすることができる買戻しの特約の登記等) 第七条 新住宅市街地開発法(昭和三十八年法律第百三十四号)第三十三条第一項の規定による買戻しの特約の登記の嘱託及び令第九条第一項又は第二項の登記の嘱託は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、一の嘱託情報によってすることができる。 2 前項の嘱託をする場合には、同項の規定により登記を嘱託する旨も嘱託情報の内容とする。 第三章 入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律による不動産登記の特例 (一の嘱託情報によってすることができる代位登記) 第八条 入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律による不動産登記に関する政令(昭和四十二年政令第二十七号。以下この章において「令」という。)第二条第一号から第三号までに掲げる登記の嘱託は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、当該各号に掲げる登記ごとに、一の嘱託情報によってすることができる。 (一の嘱託情報によってすることができる同一の入会林野整備計画に定めた土地についての登記等) 第九条 同一の入会林野整備計画又は旧慣使用林野整備計画に定めた土地についての令第四条第一項の登記の嘱託は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、一の嘱託情報によってすることができる。 2 前項の登記の嘱託において登記事項を嘱託情報の内容とするには、各土地について、権利の消滅、所有権の移転及び地上権その他の登記をすべき権利の設定の順序に従って登記事項に順序を付するものとする。 3 登記官は、前項の登記の嘱託ごとに、同項の規定により付した順序に従って受付番号を付するものとする。 (一の嘱託情報によってすることができる現物出資による登記) 第十条 同一の出資計画に定めた土地についての令第六条の登記の嘱託は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記権利者ごとに、一の嘱託情報によってすることができる。 第四章 都市再開発法による不動産登記の特例 (一の申請情報によってすることができる代位登記) 第十一条 都市再開発法による不動産登記に関する政令(昭和四十五年政令第八十七号。以下この章において「令」という。)第二条第一号から第三号までに掲げる登記の申請は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、当該各号に掲げる登記ごとに、一の申請情報によってすることができる。 (土地の表題部の登記の抹消における登記記録の記録方法) 第十二条 登記官は、令第五条第一項の土地の表題部の登記の抹消の申請に基づく登記をするときは、当該土地の登記記録の表題部に土地の表題部の登記事項を抹消する記号及び都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)第九十条第一項(同法第百十条第五項、第百十条の二第六項又は第百十八条の三十二第二項及び都市再開発法施行令(昭和四十四年政令第二百三十二号)第四十六条の十五において読み替えて適用する場合を含む。)の規定により土地の表題部の登記を抹消する旨を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 第五章 削除 第十三条から第十五条まで 削除 第六章 権利移転等の促進計画に係る不動産登記の特例 (申請人以外の者に対する通知に関する規定の適用除外) 第十六条 不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第百八十三条第一項第一号の規定は、権利移転等の促進計画に係る不動産の登記に関する政令(平成六年政令第二百五十八号)第五条第一号に掲げる登記をした場合には、適用しない。 第七章 マンションの建替え等の円滑化に関する法律による不動産登記の特例 (一の申請情報によってすることができる代位登記) 第十七条 マンションの建替え等の円滑化に関する法律による不動産登記に関する政令(平成十四年政令第三百七十九号。以下この章において「令」という。)第二条第一号から第三号までに掲げる登記の申請は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、当該各号に掲げる登記ごとに、一の申請情報によってすることができる。 (権利変換による登記における登記記録の記録方法) 第十八条 登記官は、権利変換期日前において、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成十四年法律第七十八号。以下この条において「法」という。)第七十条第四項後段に規定する担保権等の登記に係る権利が同項後段に規定する地役権又は地上権の登記に係る権利に優先し、かつ、優先する担保権等の登記の全部又は一部が登記記録の乙区に記録されている場合には、当該権利の順序に従って、新登記記録の乙区に担保権等登記(令第五条第二項に規定する担保権等登記をいう。)をし、並びに法第七十条第一項から第三項まで及び第七十三条の規定により権利が変換されることのない権利に関する登記を移記しなければならない。 この場合において、移記前の登記記録の乙区の登記記録は、閉鎖した登記記録とみなす。 2 前項の規定は、敷地権利変換期日前において、法第二百一条第二項後段に規定する担保権等の登記に係る権利が同項後段に規定する地役権又は地上権の登記に係る権利に優先し、かつ、優先する担保権等の登記の全部又は一部が土地の登記記録の乙区に記録されている場合について準用する。 この場合において、前項中「担保権等登記(令第五条第二項に規定する担保権等登記をいう。)」とあるのは「担保権等登記(令第十二条第二項に規定する担保権等登記をいう。)」と、「法第七十条第一項から第三項まで及び第七十三条」とあるのは「法第二百一条第一項及び第二百三条」と読み替えるものとする。 3 不動産登記規則第百二十四条第二項から第十項まで及び第百二十五条の規定は、令第五条第四項及び法第二百四条第一項の申請に基づく登記については、適用しない。 4 登記官は、法第二百四条第一項の申請に基づく登記をする場合において、法第二百三条に規定する担保権等の登記が敷地権付き区分建物の登記記録に記録されているときは、当該登記記録に当該登記が敷地権利変換後の敷地権の全部に関する旨を付記登記によって記録しなければならない。 第八章 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による不動産登記の特例 (一の申請情報によってすることができる代位登記) 第十九条 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による不動産登記に関する政令(平成十五年政令第五百二十四号。以下この章において「令」という。)第二条第一号から第三号までに掲げる登記の申請は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、当該各号に掲げる登記ごとに、一の申請情報によってすることができる。 (土地の表題部の登記の抹消) 第二十条 登記官は、令第五条第一項の土地の表題部の登記の抹消の申請に基づく登記をするときは、当該土地の登記記録の表題部に土地の表題部の登記事項を抹消する記号及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)第二百二十五条第一項の規定により土地の表題部の登記を抹消する旨を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 第九章 福島復興再生特別措置法による不動産登記の特例 (一の嘱託情報によってすることができる代位登記) 第二十一条 福島復興再生特別措置法による不動産登記に関する政令(令和三年政令第六号。以下この章において「令」という。)第二条第一号から第三号までに掲げる登記の嘱託は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、当該各号に掲げる登記ごとに、一の嘱託情報によってすることができる。 (申請人以外の者に対する通知に関する規定の適用除外) 第二十二条 不動産登記規則第百八十三条第一項第一号の規定は、令第二条第一号又は第二号に掲げる登記をした場合には、適用しない。 (一の嘱託情報によってすることができる所有権の移転の登記) 第二十三条 同一の農用地利用集積等促進計画に基づく二以上の不動産についての令第四条の規定による登記の嘱託は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記権利者が同一人である場合には、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、一の嘱託情報によってすることができる。 第十章 農地中間管理事業の推進に関する法律による不動産登記の特例 (一の申請情報によってすることができる代位登記) 第二十四条 農地中間管理事業の推進に関する法律による不動産登記の特例に関する政令(令和四年政令第三百九十五号。以下この章において「令」という。)第二条第一号から第三号までに掲げる登記の申請は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、当該各号に掲げる登記ごとに、一の申請情報によってすることができる。 (申請人以外の者に対する通知に関する規定の適用除外) 第二十五条 不動産登記規則第百八十三条第一項第一号の規定は、令第二条第一号又は第二号に掲げる登記をした場合には、適用しない。 (一の申請情報によってすることができる所有権の移転の登記) 第二十六条 同一の農用地利用集積等促進計画に基づく二以上の不動産についての令第四条の規定による登記の申請は、不動産登記令第四条本文の規定にかかわらず、登記権利者が同一人である場合には、登記の目的又は登記原因が同一でないときでも、一の申請情報によってすることができる。
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平成十七年法務省令第二十三号
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工場抵当登記規則 第一章 工場に属する土地又は建物についてする抵当権の登記 (工場に属する土地又は建物についてする抵当権の設定の登記の申請情報) 第一条 工場抵当法(以下「法」という。)第四条第二項の法務省令で定める事項は、不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第三条各号(第十号並びに第十一号ヘ及びトを除く。)に掲げる事項とする。 (法第三条第二項の目録を作成した旨の記録) 第二条 登記官は、法第三条第三項に規定する申請に基づく抵当権の設定の登記をするときは、当該抵当権の登記の末尾に、同条第二項の目録を作成した旨を記録しなければならない。 (法第三条第二項の目録及びこれに記録すべき情報への工場財団目録に関する規定の準用) 第三条 第八条及び第十七条の規定は法第三条第二項の目録について、第八条及び第二十五条の規定は法第三条第三項に規定する目録に記録すべき情報について、それぞれ準用する。 この場合において、第二十五条第一項中「別記第二号様式」とあるのは、「別記第一号様式」とする。 (保存期間) 第四条 法第三条第二項の目録は、抵当権の登記を抹消した日から二十年間保存しなければならない。 第二章 工場財団の登記 第一節 総則 (工場財団の登記記録) 第五条 登記官は、工場財団について初めて登記をし、又は管轄転属によって移送を受けたときは、工場財団の登記記録の表題部に、これらの順序に従って登記番号を記録しなければならない。 2 工場財団の登記記録の権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には抵当権に関する登記の登記事項を記録するものとする。 (不動産登記規則の適用関係) 第六条 工場財団の登記に係る不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)の規定の適用については、同令の規定(同令第一条第九号を除く。)中「不動産所在事項」とあり、及び同令第百八十一条第二項第四号中「法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項」とあるのは、「工場の名称及び位置、主たる営業所並びに営業の種類」とする。 第二節 工場財団目録 (土地等の記録) 第七条 工場財団目録に土地を記録するときは、当該土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番を記録するものとする。 2 工場財団目録に建物を記録するときは、当該建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに家屋番号を記録するものとする。 3 工場財団目録に建物以外の工作物を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 工作物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番 二 種類 三 構造 四 面積又は延長 (機械等の記録) 第八条 工場財団目録に機械、器具、電柱、電線、配置諸管、軌条その他の附属物を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 ただし、工場財団目録に軽微な附属物を記録するときは、概括して記録することができる。 一 種類 二 構造 三 個数又は延長 四 製造者の氏名又は名称、製造の年月、記号、番号その他同種類の他の物と識別することができる情報があるときは、その情報 (船舶等の記録) 第九条 工場財団目録に船舶(船舶登記令(平成十七年政令第十一号)の規定により登記した船舶をいう。以下同じ。)を記録するときは、同令第十一条第一号から第五号までに掲げる事項を記録するものとする。 2 工場財団目録に小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)の規定により登録した小型船舶を記録するときは、同法第六条第二項に規定する船舶番号及び同項第一号から第四号までに掲げる事項を記録するものとする。 (地上権の記録) 第十条 工場財団目録に地上権を記録するときは、第七条第一項に規定する事項のほか、その地上権の登記の順位番号を記録するものとする。 (賃借権の記録) 第十一条 工場財団目録に不動産又は船舶の賃借権を記録するときは、第七条第一項若しくは第二項又は第九条第一項に規定する事項のほか、その賃借権の登記の順位番号を記録するものとする。 2 工場財団目録に不動産及び船舶以外の物に関する賃借権を記録するときは、第七条第三項、第八条、第九条第二項又は第十三条に規定する事項のほか、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 賃料 二 存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め 三 設定の年月日 四 賃貸人の氏名又は名称及び住所 (工業所有権の記録) 第十二条 工場財団目録に工業所有権を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 権利の種類 二 権利の名称 三 特許番号又は登録番号 四 登録の年月日 2 工場財団目録に工業所有権についての専用実施権、通常実施権、専用使用権又は通常使用権を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 権利の範囲 二 本権の種類及び名称 三 本権の特許番号又は登録番号 四 登録の年月日 五 本権の権利者の氏名又は名称及び住所 (自動車の記録) 第十三条 工場財団目録に道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項の規定による自動車(軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く。)を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 車名及び型式 二 車台番号 三 原動機の型式 四 自動車登録番号 五 使用の本拠の位置 (ダム使用権の記録) 第十四条 工場財団目録にダム使用権を記録するときは、ダム使用権登録令(昭和四十二年政令第二号)第二十五条第一項第一号から第四号までに掲げる事項を記録するものとする。 (工場財団目録の作成単位) 第十五条 工場財団目録は、二以上の工場について工場財団を設定するときは、工場ごとに作成するものとする。 (工場の所有者の氏名等の記録) 第十六条 前条の場合において、当該二以上の工場の所有者が異なるときは、当該各工場の工場財団目録には、第七条から第十四条までに掲げる事項のほか、当該工場財団目録に記録された工場の所有者の氏名又は名称を記録するものとする。 (工場財団目録の管理) 第十七条 登記官は、工場財団目録を作成したときは、工場財団目録に申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記番号を記録しなければならない。 ただし、法第三十九条の規定により提供された工場財団目録に記録するための情報により作成した工場財団目録には、登記番号を記録することを要しない。 第三節 工場財団の登記手続 第一款 通則 (工場財団の登記の申請情報) 第十八条 法第二十一条第三項の法務省令で定める事項は、この省令に特別の定めがある場合を除き、不動産登記令第三条各号(第七号、第八号並びに第十一号ヘ及びトを除く。)に掲げる事項とする。 2 工場財団の登記の申請に係る不動産登記令の規定の適用については、同令の規定中「第三条第七号及び第八号に掲げる事項」とあるのは、「工場の名称及び位置、主たる営業所並びに営業の種類」とする。 (管轄登記所の指定があった場合の添付情報) 第十九条 法第十七条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により管轄登記所の指定がされた場合において、登記の申請をするときは、管轄登記所の指定があったことを証する情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (登記の更正) 第二十条 工場財団の登記における不動産登記法第六十七条の規定の適用については、同条第一項中「権利に関する登記」とあるのは、「登記」とする。 第二款 所有権の保存の登記 (所有権の保存の登記の添付情報) 第二十一条 法第二十二条の法務省令で定める情報は、不動産登記令第七条第一項第一号から第三号まで、第五号イ及びハ並びに第六号(同令別表の二十八の項添付情報欄ニに係る部分に限る。)に掲げる情報並びに次条に規定する工場図面とする。 (工場図面) 第二十二条 工場図面には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 工場に属する土地及び工作物については、それらの方位、形状及び長さ並びに重要な附属物の配置 二 地上権の目的である土地並びに賃借権の目的である土地及び工作物については、それらの方位、形状及び長さ 2 工場図面は、工場ごとに作成するものとする。 3 工場の一部について工場財団を設定するときは、工場図面は、工場財団に属する部分とこれに属さない部分とを明確に区分して作成しなければならない。 4 不動産登記規則第七十三条及び第七十四条第二項の規定は、工場図面について準用する。 (工場図面の管理) 第二十三条 登記官は、所有権の保存の登記をしたときは、工場図面に、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記番号を記録しなければならない。 (所有者を異にする工場についての所有権の保存の登記) 第二十四条 所有者を異にする二以上の工場について工場財団の所有権の保存の登記を申請する場合には、法第二十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項及び第十八条第一項に規定する事項のほか、当該所有者の氏名又は名称を申請情報の内容とする。 2 登記官は、前項に規定する申請に基づく登記をするときは、工場財団の登記記録の表題部に当該所有者の氏名又は名称を記録しなければならない。 (工場財団目録に記録すべき情報を記載した書面) 第二十五条 工場財団の所有権の保存の登記の申請を書面申請によりするときは、申請人は、別記第二号様式による用紙に工場財団目録に記録すべき情報を記載した書面を提出しなければならない。 2 前項の書面には、申請人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。次項において同じ。)が記名押印しなければならない。 3 第一項の書面が二枚以上であるときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 ただし、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が二人以上あるときは、その一人がすれば足りる。 4 第十五条の規定は、第一項の場合について準用する。 第三款 抵当権に関する登記 (抵当権に関する登記の申請情報) 第二十六条 工場財団について抵当権に関する登記の申請をする場合には、不動産登記令第三条第十三号に掲げる事項(次の各号に掲げる部分に限る。)に代えて、それぞれ当該各号に定める事項を申請情報の内容とする。 一 不動産登記令別表の五十五の項申請情報欄ハ 一又は二以上の工場財団に関する権利を目的とする抵当権の設定の登記をした後、同一の債権の担保として他の一又は二以上の工場財団に関する権利を目的とする抵当権の設定の登記を申請する場合は、前の登記に係る登記番号及び順位番号(申請を受ける登記所に当該前の登記に係る共同担保目録がある場合にあっては、共同担保目録の記号及び目録番号) 二 不動産登記令別表の五十六の項申請情報欄ニ 一の工場財団に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記又は二以上の工場財団に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記(民法第三百九十八条の十六の登記をしたものに限る。)をした後、同一の債権の担保として他の一又は二以上の工場財団に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記及び同条の登記を申請する場合は、前の登記に係る登記番号及び順位番号並びに申請を受ける登記所に当該前の登記に係る共同担保目録があるときは共同担保目録の記号及び目録番号 三 不動産登記令別表の五十八の項申請情報欄ハ 一又は二以上の工場財団に関する権利を目的とする抵当権の設定の登記をした後、同一の債権の担保として他の一又は二以上の工場財団に関する権利を目的とする抵当権の処分の登記を申請する場合は、前の登記に係る登記番号及び順位番号(申請を受ける登記所に当該前の登記に係る共同担保目録がある場合にあっては、共同担保目録の記号及び目録番号) 四 不動産登記令別表の五十八の項申請情報欄ヘ 一の工場財団に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記又は二以上の工場財団に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記(民法第三百九十八条の十六の登記をしたものに限る。)をした後、同一の債権の担保として他の一又は二以上の工場財団に関する権利を目的とする根抵当権の処分の登記及び同条の登記を申請する場合は、前の登記に係る登記番号及び順位番号並びに申請を受ける登記所に当該前の登記に係る共同担保目録があるときは共同担保目録の記号及び目録番号 第四款 表題部の変更の登記等 (表題部の変更の登記の申請情報等) 第二十七条 法第二十一条第一項各号に掲げる登記事項に関する変更の登記又は更正の登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない申請情報の内容は、法第二十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項及び第十八条第一項に規定する事項のほか、変更後又は更正後の登記事項とする。 2 第三十一条の規定は、法第三十八条第一項の登記をする場合において、工場財団を組成する工場が申請を受けた登記所の管轄区域内にないこととなったときについて準用する。 3 第二十五条の規定は、法第三十九条の登記の申請について準用する。 (工場財団の分割の場合における抵当権の登記の抹消等) 第二十八条 登記官は、甲工場財団を分割してその一部を乙工場財団とする分割の登記をする場合において、法第四十二条ノ六第一項の記録をするときは、乙工場財団について新たな登記記録を作成しなければならない。 2 前項の場合において、法第四十二条ノ二第二項の規定により抵当権が消滅するときは、職権で、乙工場財団の登記記録の表題部に、分割により抵当権が消滅した旨及びその年月日を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の場合において、甲工場財団についての抵当権の登記の全部が抹消されているときは、乙工場財団の登記記録の表題部に、その旨及びその年月日を記録しなければならない。 (工場財団の分割の場合の工場財団目録の記録方法等) 第二十九条 登記官は、法第四十二条ノ六第二項の規定により工場財団目録の分離をするときは、乙工場財団の工場財団目録に、甲工場財団の分割により分離した旨、申請の受付の年月日及び受付番号、乙工場財団の登記番号並びに分離前の登記番号を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、乙工場財団に属する工場の工場図面に、登記番号及び分離前の登記番号を抹消する記号を記録しなければならない。 3 第一項の場合には、甲工場財団の工場財団目録に、乙工場財団の工場財団目録を分離した旨を記録しなければならない。 4 法第四十二条ノ六第四項の登記官を明らかにする措置は、登記記録に登記官の識別番号を記録する措置とする。 (工場の所有者が異なる工場財団の分割の場合における登記記録の記録方法) 第三十条 登記官は、法第四十二条ノ六第四項の規定により所有権に関する事項を転写する場合において、甲工場財団を組成する二以上の工場の所有者が異なるときは、乙工場財団の登記記録に、甲工場財団の登記記録のうち乙工場財団を組成する工場の所有者に関する事項を転写し、分割の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲工場財団の登記記録に、その旨を当該所有権の登記についてする付記登記によって記録し、かつ、甲工場財団を組成する工場の所有者以外の所有者に関する事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (工場財団の分割の場合における登記記録等の移送) 第三十一条 甲工場財団を分割してその一部を乙工場財団とする分割の登記をする場合において、乙工場財団を組成する工場が申請を受けた登記所の管轄区域内にないこととなったときは、登記官は、分割の登記をした後、遅滞なく、乙工場財団を管轄する登記所に乙工場財団に関する登記記録及び工場財団登記簿の附属書類(電磁的記録に記録されている工場財団登記簿の附属書類を含む。次条第二項において同じ。)又はその謄本並びに工場財団目録を移送するものとする。 (合併をしようとする工場財団が二以上の登記所の管轄区域内にある場合) 第三十二条 合併をしようとする工場財団が二以上の登記所の管轄区域内にある場合において、合併の登記の申請があったときは、当該申請を受けた登記所の登記官は、当該工場財団を管轄する他の登記所にその旨を通知しなければならない。 2 前項の通知を受けた登記所の登記官は、遅滞なく、合併をする工場財団に関する登記記録及び工場財団登記簿の附属書類又はその謄本並びに工場財団目録を管轄登記所に移送するものとする。 ただし、当該工場財団に関する登記であって所有権の登記以外のものがあるときは、この限りではない。 3 前項ただし書に規定する場合には、同項の登記官は、速やかに、その旨を第一項の通知をした登記所に通知するものとする。 (工場財団の合併の場合における登記記録の記録方法等) 第三十三条 登記官は、法第四十二条ノ七第一項の場合において乙工場財団についての抵当権の登記の全部が抹消されているときは、甲工場財団の登記記録の表題部に、その旨及びその年月日を記録しなければならない。 2 不動産登記規則第百七条第一項(第三号を除く。)の規定は、法第四十二条ノ七第一項の場合における甲工場財団の登記記録の記録方法について準用する。 3 登記官は、法第四十二条ノ七第二項の規定により甲工場財団の工場財団目録及び乙工場財団の工場財団目録を合併後の工場財団の工場財団目録とするときは、各工場財団目録に、合併により合併後の工場財団目録とした旨、申請の受付の年月日及び受付番号、合併後の登記番号並びに合併前の登記番号を抹消する記号を記録しなければならない。 4 登記官は、前項の場合には、乙工場財団に属した工場の工場図面に、登記番号及び合併前の登記番号を抹消する記号を記録しなければならない。 5 法第四十二条ノ七第四項の登記官を明らかにする措置は、登記記録に登記官の識別番号を記録する措置とする。 (変更後の工場図面の提供) 第三十四条 工場財団目録の記録の変更の登記を申請する場合において、工場図面に変更があるときは、変更後の工場図面をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 2 登記官は、前項の申請(工場図面を添付情報とするものに限る。)に基づき登記をしたときは、当該工場図面に、申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 (工場財団の消滅の登記) 第三十五条 登記官は、法第四十八条第一項の規定により工場財団が消滅した旨を記録するときは、当該工場財団の登記記録の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 第四節 補則 (保存期間) 第三十六条 工場財団目録及び工場図面は、工場財団の登記記録を閉鎖した日から二十年間保存しなければならない。 (工場図面の管理) 第三十七条 登記所には、工場図面つづり込み帳を備えるものとする。 2 工場図面つづり込み帳には、書面申請において提出された工場図面をつづり込むものとする。 (登記識別情報の通知等) 第三十八条 不動産登記法第二十一条本文の規定により登記識別情報を通知するとき又は不動産登記規則第百八十一条第一項の規定により登記が完了した旨を通知するときは、登記番号も通知するものとする。 第三章 雑則 (登記事項証明書の交付の請求情報等) 第三十九条 工場に属する土地又は建物の登記記録について登記事項証明書の交付の請求をする場合において、法第三条第二項の目録に記録された事項について証明を求めるときは、不動産登記規則第百九十三条第一項各号に掲げる事項のほか、当該証明を求める旨も請求情報の内容としなければならない。 2 工場財団の登記記録について登記事項証明書の交付の請求をする場合において、工場財団目録に記録された事項について証明を求めるときは、不動産登記規則第百九十三条第一項各号に掲げる事項のほか、当該証明を求める旨も請求情報の内容としなければならない。 (登記事項証明書の作成及び交付) 第四十条 工場に属する土地又は建物の登記記録について作成する登記事項証明書のうち法第三条第二項の目録に係る部分は、別記第一号様式によるものとする。 2 工場財団の登記記録について作成する登記事項証明書は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める様式によるものとする。 ただし、登記記録に記録した事項の一部についての登記事項証明書については適宜の様式によるものとする。 一 工場財団の登記記録 別記第三号様式 二 工場財団目録 別記第二号様式 3 工場に属する土地又は建物の登記記録について登記事項証明書を作成する場合において、法第三条第二項の目録に記録された事項について証明を求める旨が請求情報の内容とされていないときは、法第三条第二項の目録に記録された事項の記載を省略するものとする。 4 工場財団の登記記録について登記事項証明書を作成する場合において、工場財団目録に記録された事項について証明を求める旨が請求情報の内容とされていないときは、工場財団目録に記録された事項の記載を省略するものとする。 (工場図面の写しの交付) 第四十一条 工場財団の登記に関する不動産登記法第百二十一条及び不動産登記令第二十一条第一項の規定の適用については、同項中「土地所在図」とあるのは、「工場図面」とする。 (登記の嘱託) 第四十二条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
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平成十七年法務省令第二十四号
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鉱業抵当登記規則 (工場抵当登記規則の準用) 第一条 鉱業抵当法による鉱業財団の登記については、この省令に別段の定めがあるもののほか、工場抵当登記規則(平成十七年法務省令第二十三号)中工場財団に関する規定を準用する。 (表題部の登記事項) 第二条 鉱業財団の登記記録の表題部の登記事項は、次のとおりとする。 一 鉱区の位置 二 鉱物の名称 三 鉱区の面積 四 鉱業権の登録番号 五 鉱業事務所の所在地 (鉱業権の記録) 第三条 鉱業財団目録に鉱業権を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 鉱区の位置 二 鉱物の名称 三 鉱区の面積 四 鉱業権設定の年月日 五 鉱業権の登録番号 六 採掘権につき期限があるときは、その期限 (土地の使用権の記録) 第四条 鉱業財団目録に土地の使用権を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番 二 使用の目的 三 使用の時期及び期間 四 使用料及びその支払時期 (所有権の保存の登記の添付情報) 第五条 鉱業財団について所有権の保存の登記の申請をする場合には、工作物の配置を記録した図面をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 2 前項の図面は、鉱区ごとに作成しなければならない。 3 不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第七十三条及び第七十四条第二項の規定は、第一項の図面について準用する。 (保存期間) 第六条 鉱業財団目録及び前条第一項の図面は、鉱業財団の登記記録を閉鎖した日から二十年間保存しなければならない。
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平成十七年法務省令第二十五号
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漁業財団抵当登記規則 (工場抵当登記規則の準用) 第一条 漁業財団抵当法による漁業財団の登記については、この省令に別段の定めがあるもののほか、工場抵当登記規則(平成十七年法務省令第二十三号)中工場財団に関する規定を準用する。 (表題部の登記事項) 第二条 主として漁業権をもって組成する漁業財団の登記記録の表題部の登記事項は、次のとおりとする。 一 漁業の種類及び名称 二 漁業権の免許番号 三 漁場の位置 四 主たる営業所 2 主として船舶(船舶登記令(平成十七年政令第十一号)の規定により登記した船舶をいう。)をもって組成する漁業財団の登記記録の表題部の登記事項は、次のとおりとする。 一 船舶登記令第十一条第一号から第三号までに掲げる事項 二 漁業の種類 三 主たる営業所 3 主として水産物の養殖場をもって組成する漁業財団の登記記録の表題部の登記事項は、次のとおりとする。 一 養殖場の名称及び位置 二 漁獲物の種類 三 主たる営業所 (漁業権の記録) 第三条 漁業財団目録に漁業権を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 存続期間 二 漁場の位置 三 漁業の種類及び名称 四 漁獲物の種類 五 漁業の時期 六 免許に付した条件又は制限 七 免許の年月日及び免許番号 (土地の使用権の記録) 第四条 漁業財団目録に土地の使用権を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番 二 使用の目的 三 使用の範囲 四 使用の時期及び期間 五 許可の年月日 六 使用料又は補償金及びその支払時期 (水面の使用権の記録) 第五条 漁業財団目録に水面の使用権を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 水面の位置及び面積 二 使用の目的 三 使用の時期及び期間 四 許可の年月日 五 使用料及びその支払時期 (引水又は排水に関する権利の記録) 第六条 漁業財団目録に引水又は排水に関する権利を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 存続期間 二 水路の位置 三 水量(水量を記録することができないときは、引水権にあっては水路の取入口、排水権にあってはその排出口における水路の断面積及び流速) 四 許可の年月日 五 使用料及びその支払時期 (漁網の記録) 第七条 漁業財団目録に漁網を記録するときは、その大きさ及び個数を記録するものとする。 (登記及び登録がされていない船舶の記録) 第八条 漁業財団目録に第二条第二項に規定する船舶及び工場抵当登記規則第九条第二項に規定する小型船舶以外の船舶を記録するときは、次に掲げる事項を記録するものとする。 ただし、端舟その他の舟であって次の各号に掲げる事項を記録することができないものであるときは、当該船舶の長さ、幅及び隻数を記録すれば足りる。 一 船名 二 船舶の種類(帆船(主として帆をもって運航する装置を有する船舶をいう。以下この号において同じ。)又は汽船(機械力をもって運航する装置を有する船舶であって、帆船でないものをいう。)の別をいう。) 三 総トン数 四 進水年月 ( 篊 ひび の記録) 第九条 漁業財団目録に 篊 ひび を記録するときは、柵の数及び一柵当たりの株数を記録するものとする。 (所有権の保存の登記の添付情報) 第十条 漁業財団について所有権の保存の登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 漁業財団に属する漁業権があるときは、漁場の図面 二 漁業財団に属する工作物であって漁場の外に建設したものがあるときは、その配置を記録した図面 2 前項各号に掲げる図面は、漁場ごとに作成しなければならない。 3 不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第七十三条及び第七十四条第二項の規定は、第一項各号の図面について準用する。 (保存期間) 第十一条 漁業財団目録及び前条第一項各号の図面は、漁業財団の登記記録を閉鎖した日から二十年間保存しなければならない。
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平成十七年法務省令第二十六号
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立木登記規則 第一章 総則 (立木の登記記録) 第一条 登記官は、立木について初めて登記をし、又は管轄転属によって移送を受けたときは、立木の登記記録の表題部に、これらの順序に従って不動産登記法第三十五条に規定する地番区域ごとに登記番号を記録しなければならない。 2 立木の登記記録の権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には先取特権及び抵当権に関する登記の登記事項を記録するものとする。 (不動産登記規則の適用関係) 第二条 立木の登記に係る不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)の規定の適用については、同令の規定(同令第一条第九号を除く。)中「不動産所在事項」とあり、及び同令第百八十一条第二項第四号中「法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項」とあるのは、「立木の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番並びに樹木が一筆の土地の一部に生立するときは当該部分」とする。 第二章 樹種の記録の方法等 (調査した年度の記録) 第三条 樹種、数量及び樹齢を立木登記簿に記録するときは、それらを調査した年度も記録しなければならない。 (樹種の記録の方法) 第四条 樹種を立木登記簿に記録するときは、平仮名を用いなければならない。 (樹木の数量の記録等の方法) 第五条 樹木の数量を立木登記簿に記録するときは、樹木の種類ごとに材積及び本数を記録しなければならない。 ただし、三十年生以下の樹木にあっては、本数を記録すれば足りる。 2 前項の材積の単位、呼称及び測定方法は、各地方の慣習に従うものとする。 (樹齢の記録の方法) 第六条 樹齢を立木登記簿に記録するときは、樹木の種類ごとに何年生であるかを記録しなければならない。 ただし、植栽によって生立させられた樹木の集団でないものにあっては、樹木の種類ごとに何年生以上何年生以下であるかを記録すれば足りる。 第三章 立木の登記手続 第一節 通則 (申請情報) 第七条 立木に関する法律(以下「法」という。)第十五条第二項の法務省令で定める事項は、この省令に特別の定めがある場合を除き、次に掲げる事項とする。 一 不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第三条各号(第八号並びに第十一号ヘ及びトを除く。)に掲げる事項 二 地上権の登記名義人が所有権の保存の登記を申請するときは、地上権の順位番号 2 立木の登記に係る不動産登記令の規定の適用については、同令本則中「第三条第七号及び第八号に掲げる事項」とあるのは、「立木の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに土地の地番、地目及び地積並びに樹木が一筆の土地の一部に生立するときは当該部分」とする。 3 第三条から前条までの規定は、法第十五条第二項の規定により同条第一項第一号に掲げる事項を申請情報の内容とする場合について準用する。 (登記の更正) 第八条 立木の登記における不動産登記法第六十七条の規定の適用については、同条第一項中「権利に関する登記」とあるのは、「登記」とする。 第二節 所有権の保存の登記 (所有権の保存の登記の添付情報) 第九条 立木について所有権の保存の登記の申請をする場合には、次条に規定する立木図面をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 2 樹木の集団の範囲を定める件(昭和七年勅令第十二号)別表において掲げられていない樹種又は七種を超える種類の樹木をもって組成される樹木の集団について所有権の保存の登記の申請をする場合には、その集団が植栽によって生立させられた樹木の集団であることを証する主務官庁が作成した情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 3 法第十六条第一項第二号(土地の登記記録の表題部に自己が立木の所在する土地の所有者として記録されている者に係る部分を除く。)、第三号及び第四号に掲げる者が所有権の保存の登記を申請する場合には、当該各号に該当する者であることを証する情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (立木図面) 第十条 立木図面には、次に掲げる事項を記録するものとする。 一 立木の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに土地の地番、地目及び地積 二 隣接する土地の地番及び地目並びに所有者の氏名又は名称 三 樹木が一筆の土地の一部に生立するときは、その部分の位置及び地積並びに当該部分を表示するための名称又は番号があるときは当該名称又は番号並びに他の部分の表示 四 立木の所在する土地又は土地の部分の境界に道路、河川、湖海、沼池その他境界の目標となるものがあるときは、その名称及び位置 五 隣接する土地又は土地の部分に生立する樹木の所有者がこれらの土地の所有者と異なるときは、当該樹木の所有者の氏名又は名称 2 不動産登記規則第七十三条及び第七十四条第二項の規定は、立木図面について準用する。 (立木図面の管理) 第十一条 登記官は、所有権の保存の登記をするときは、受付番号の順序に従って、立木図面つづり込み帳に立木図面(不動産登記法第十八条第一号の方法により提供された立木図面を用紙に出力したものを含む。以下同じ。)をつづり込み、これに申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記番号を記載し、かつ、丁数を付すものとする。 (立木図面つづり込み帳の冊数等の記録) 第十二条 登記官は、所有権の保存の登記をするときは、登記記録の表題部に、立木図面つづり込み帳の冊数及び丁数を記録しなければならない。 第三節 抵当権に関する登記 (抵当権に関する登記の申請情報) 第十三条 法第二十一条第二項の法務省令で定める事項は、不動産登記令第三条各号(第八号、第十号並びに第十一号ヘ及びトを除く。)に掲げる事項とする。 2 立木について抵当権に関する登記の申請をする場合には、不動産登記令第三条第十三号に掲げる事項(次の各号に掲げる部分に限る。)に代えて、それぞれ当該各号に定める事項を申請情報の内容とする。 一 不動産登記令別表の五十五の項申請情報欄ハ 一又は二以上の立木に関する権利を目的とする抵当権の設定の登記をした後、同一の債権の担保として他の一又は二以上の立木に関する権利を目的とする抵当権の設定の登記を申請する場合は、前の登記に係る登記番号及び順位番号(申請を受ける登記所に当該前の登記に係る共同担保目録がある場合にあっては、共同担保目録の記号及び目録番号) 二 不動産登記令別表の五十六の項申請情報欄ニ 一の立木に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記又は二以上の立木に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記(民法第三百九十八条の十六の登記をしたものに限る。)をした後、同一の債権の担保として他の一又は二以上の立木に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記及び同条の登記を申請する場合は、前の登記に係る登記番号及び順位番号並びに申請を受ける登記所に当該前の登記に係る共同担保目録があるときは共同担保目録の記号及び目録番号 三 不動産登記令別表の五十八の項申請情報欄ハ 一又は二以上の立木に関する権利を目的とする抵当権の設定の登記をした後、同一の債権の担保として他の一又は二以上の立木に関する権利を目的とする抵当権の処分の登記を申請する場合は、前の登記に係る登記番号及び順位番号(申請を受ける登記所に当該前の登記に係る共同担保目録がある場合にあっては、共同担保目録の記号及び目録番号) 四 不動産登記令別表の五十八の項申請情報欄ヘ 一の立木に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記又は二以上の立木に関する権利を目的とする根抵当権の設定の登記(民法第三百九十八条の十六の登記をしたものに限る。)をした後、同一の債権の担保として他の一又は二以上の立木に関する権利を目的とする根抵当権の処分の登記及び同条の登記を申請する場合は、前の登記に係る登記番号及び順位番号並びに申請を受ける登記所に当該前の登記に係る共同担保目録があるときは共同担保目録の記号及び目録番号 (施業方法書の提出) 第十四条 抵当権の設定の登記の申請を書面申請によりするときは、申請人は、法第三条の施業方法を記載した別記第一号様式の書面(以下「施業方法書」という。)を提出することができる。 2 施業方法書には、申請人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。次項において同じ。)が記名押印しなければならない。 3 施業方法書が二枚以上であるときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 ただし、申請人又はその代表者若しくは代理人が二人以上あるときは、その一人がすれば足りる。 (施業方法書の管理) 第十五条 登記官は、抵当権の設定の登記をしたときは、受付番号の順序に従って施業方法書つづり込み簿に施業方法書をつづり込み、これに申請の受付の年月日及び受付番号、登記番号並びに順位番号を記録し、かつ、これに丁数を付すものとする。 (施業方法書の提出があった旨の記録等) 第十六条 登記官は、施業方法書の提出があった場合において、抵当権の設定の登記をするときは、施業方法書の提出があった旨を記録し、かつ、当該登記の末尾に施業方法書をつづり込んだ施業方法書つづり込み簿の冊数及び丁数も記録しなければならない。 2 登記官が前項の記録をしたときは、当該記録に係る施業方法書の記載は、乙区にされたものとみなす。 (施業方法の変更の登記又は更正の登記) 第十七条 登記官は、前条の場合において、施業方法の変更の登記又は更正の登記をしたときは、変更前又は更正前の施業方法書の変更又は更正に係る記載を朱抹し、かつ、これに変更後又は更正後の施業方法書をつづり込んだ施業方法書つづり込み簿の冊数及び丁数を記載しなければならない。 2 前三条の規定は、施業方法の変更の登記又は更正の登記について準用する。 第四節 表題部の変更の登記等 (表題部の変更の登記の申請情報等) 第十八条 不動産登記法第三十四条第一項各号又は法第十五条第一項各号に掲げる登記事項に関する変更の登記又は更正の登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない申請情報の内容は、法第十五条第一項各号に掲げる事項及び第七条第一項第一号に掲げる事項のほか、変更後又は更正後の登記事項とする。 2 法第十五条第一項第一号に掲げる事項についての変更の登記又は更正の登記の申請をする場合には、その申請情報と併せて変更後又は更正後の立木図面を登記所に提供しなければならない。 3 第十一条及び第十二条の規定は、前項の登記をする場合について準用する。 (樹種の変更の登記の添付情報等) 第十九条 樹種の変更又は錯誤若しくは遺漏により立木が樹木の集団の範囲を定める件別表において掲げられていない樹種又は七種を超える種類の樹木をもって組成される樹木の集団となった場合において変更の登記又は更正の登記の申請をするときは、変更前又は更正前の立木が植栽によって生立させられた樹木の集団であることを証する主務官庁が作成した情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 (分割の登記の申請情報等) 第二十条 立木の分割の登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない申請情報の内容は、法第十五条第一項各号に掲げる事項及び第七条第一項第一号に掲げる事項のほか、分割後の立木に係る不動産登記法第三十四条第一項各号に掲げる事項及び法第十五条第一項各号に掲げる事項とする。 (分割の登記における表題部の記録方法) 第二十一条 登記官は、甲立木から乙立木を分割する分割の登記をするときは、乙立木について新たな登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に、登記第何号の立木から分割した旨を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲立木の登記記録に、立木の表題部の登記事項、登記第何号の立木を分割した旨及び従前の立木の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 (分割の登記における権利部の記録方法等) 第二十二条 登記官は、前条の場合において、乙立木の登記記録の権利部の相当区に甲立木の登記記録から権利に関する登記を転写し、分割の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。 この場合において、抵当権又は先取特権(以下「担保権」と総称する。)について既にその担保権についての共同担保目録が作成されているときを除き共同担保目録を作成し、転写した担保権の登記の末尾にその共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合において、転写する登記に係る権利が担保権であり、かつ、既に当該担保権についての共同担保目録が作成されているときは、同項の規定により転写された登記に係る乙立木に関する担保権を当該共同担保目録に記録しなければならない。 3 登記官は、甲立木の登記記録から乙立木の登記記録に担保権に関する登記を転写したときは、分割後の甲立木の登記記録の当該担保権に関する登記に、既に当該担保権についての共同担保目録が作成されているときを除き第一項の規定により作成した共同担保目録の記号及び目録番号を記録しなければならない。 4 不動産登記法第四十条及び不動産登記規則第百四条第一項から第三項までの規定は、立木の分割の登記について準用する。 (合併の登記の申請情報等) 第二十三条 立木の合併の登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない申請情報の内容は、法第十五条第一項各号に掲げる事項及び第七条第一項第一号に掲げる事項のほか、合併後の立木に係る不動産登記法第三十四条第一項各号に掲げる事項及び法第十五条第一項各号に掲げる事項とする。 2 所有権の登記以外の権利に関する登記がある立木については、合併の登記は、することができない。 (合併の登記の添付情報) 第二十四条 第十九条の規定は、合併により立木が七種を超える種類の樹木をもって組成される樹木の集団となった場合において合併の登記の申請をするときについて準用する。 (合併の登記における登記記録の記録方法) 第二十五条 登記官は、甲立木を乙立木に合併する合併の登記をするときは、乙立木の登記記録の表題部に、合併後の立木の表題部の登記事項及び登記第何号の立木を合併した旨並びに従前の立木の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の場合には、甲立木の登記記録の表題部に登記第何号の立木に合併した旨及び従前の立木の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。 3 不動産登記規則第百七条第一項(第三号を除く。)及び第六項の規定は、第一項の場合について準用する。 (分割及び合併の登記における登記記録の記録方法) 第二十六条 登記官は、甲立木の一部を分割して、これを乙立木に合併する場合において、分割の登記及び合併の登記をするときは、乙立木の登記記録の表題部に、合併後の立木の表題部の登記事項及び登記第何号の立木の一部を合併した旨並びに従前の立木の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、前条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 2 登記官は、前項に規定する登記をするときは、甲立木の登記記録の表題部に、残余部分の立木の表題部の登記事項、登記第何号の立木に一部を合併した旨及び従前の立木の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。 この場合には、第二十一条の規定は、適用しない。 3 第二十二条第四項及び前条第三項の規定は、第一項の場合について準用する。 (滅失の登記) 第二十七条 不動産登記規則第百九条及び第百十条の規定は、立木の滅失の登記について準用する。 この場合において、これらの規定中「土地」とあるのは「立木」と、同令第百十条中「不動産所在事項」とあるのは「立木の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番並びに樹木が一筆の土地の一部に生立するときは当該部分」と読み替えるものとする。 第四章 雑則 (土地の登記記録への記録方法) 第二十八条 法第十九条第一項の規定により立木の登記記録を表示するには、立木の登記の登記番号を記録する方法によってする。 2 法第十九条第一項及び第二項の登記官を明らかにする措置は、登記記録に登記官の識別番号を記録する措置とする。 (土地の登記記録の転写等) 第二十九条 不動産登記規則第百二条及び第百六十八条(第一項を除く。)の規定は、法第十八条の場合について準用する。 (立木図面つづり込み帳等) 第三十条 登記所には、立木図面つづり込み帳及び施業方法書つづり込み簿を備えるものとする。 (保存期間) 第三十一条 次の各号に掲げる書面又は情報の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 立木図面 永久 二 施業方法書 立木の登記記録を閉鎖した日から三十年間 (登記識別情報の通知等) 第三十二条 不動産登記法第二十一条本文の規定により登記識別情報を通知するとき又は不動産登記規則第百八十一条第一項の規定により登記が完了した旨を通知するときは、登記番号も通知するものとする。 (登記事項証明書の交付の請求情報等) 第三十三条 立木の登記記録についての登記事項証明書若しくは登記事項要約書の交付又は登記簿の附属書類の閲覧を請求する場合において、法第十五条第一項第一号に規定する名称又は番号が登記されているときは、不動産登記規則第百九十三条第一項各号又は第二項各号に掲げる事項のほか、当該名称又は番号を請求情報の内容としなければならない。 2 立木の登記記録について登記事項証明書の交付の請求をする場合において、施業方法書に記載された事項について証明を求めるときは、不動産登記規則第百九十三条第一項各号に掲げる事項のほか、当該証明を求める旨を請求情報の内容としなければならない。 (登記事項証明書の作成及び交付) 第三十四条 立木の登記記録について作成する登記事項証明書は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める様式によるものとする。 ただし、登記記録に記録した事項の一部についての登記事項証明書については適宜の様式によるものとする。 一 立木の登記記録 別記第二号様式 二 施業方法書 別記第一号様式 2 立木の登記記録について登記事項証明書を作成する場合において、施業方法書に記載された事項について証明を求める旨が請求情報の内容とされていないときは、施業方法書に記載された事項の記載を省略するものとする。 (立木図面の写しの交付) 第三十五条 立木の登記に関する不動産登記法第百二十一条及び不動産登記令第二十一条第一項の規定の適用については、同項中「土地所在図」とあるのは、「立木図面」とする。 (登記の嘱託) 第三十六条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第二十七号
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船舶登記規則 第一章 登記簿等 第一条 削除 (登記記録の編成) 第二条 船舶の登記記録の表題部には船舶の表示を記録するものとし、製造中の船舶の表題部には製造中の船舶の表示を記録するものとする。 2 船舶の登記記録の権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には船舶登記令(以下「令」という。)第三条第一項に規定する所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には同項に規定する抵当権又は賃借権に関する登記の登記事項を記録するものとし、製造中の船舶の登記記録の権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には令第三条第二項に規定する船舶の所有者となるべき者に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には同項に規定する抵当権に関する登記の登記事項を記録するものとする。 3 船舶管理人部は、丙区とし、丙区には、令第三条第一項に規定する船舶管理人に関する登記の登記事項を記録するものとする。 4 甲区、乙区及び丙区(以下「各区」という。)には、登記事項を記録した順序を示す番号(以下「順位番号」という。)を記録するものとし、同順位である二以上の権利に関する登記をするときは、順位番号に当該登記を識別するための符号を付すものとする。 5 登記官は、船舶又は製造中の船舶の登記記録に動産番号を記録することができる。 第三条から第十三条まで 削除 (登記記録の閉鎖) 第十四条 登記官は、船舶の登記を抹消するときは、登記記録を閉鎖しなければならない。 第十五条から第十七条まで 削除 (帳簿) 第十八条 登記所には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 受付帳 二 申請書類つづり込み帳 三 決定原本つづり込み帳 四 審査請求書類等つづり込み帳 五 船舶登記済通知簿 六 各種通知簿 七 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳 八 請求書類つづり込み帳 九 申出立件事件簿 十 申出立件関係書類つづり込み帳 十一 申出立件事務日記帳 十二 代替措置等申出書写しつづり込み帳 (船舶登記済通知簿等) 第十九条 船舶登記済通知簿には、令第十七条の通知を受ける者及び通知を発する年月日を記載するものとする。 2 船舶登記済通知簿に記載された情報は、通知の年の翌年から一年間保存するものとする。 3 各種通知簿には、通知をすべき事項、通知を受ける者及び通知を発する年月日を記載するものとする。 第二章 登記手続 第一節 通則 (順位事項) 第二十条 令第三十五条第一項及び第二項において準用する不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第二条第八号の順位事項は、順位番号及び第二条第四項の符号とする。 第二節 船舶の登記手続 第一款 所有権に関する登記 (所有権に関する登記の申請等における会社法人等番号の提供を要しない場合) 第二十一条 令第十三条第一項第四号ロの法務省令で定める場合は、申請人が所有権の登記名義人となる者の全ての代表者その他の業務を執行する全ての役員の資格を証する登記事項証明書(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十条第一項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する登記事項証明書をいう。以下この条において同じ。)を提供して登記の申請をする場合において、当該所有権の登記名義人となる者が同号ロ(1)に規定する会社であるときとする。 2 令第十三条第一項第四号ニの法務省令で定める場合は、申請人が所有権の登記名義人となる者の全ての代表者の資格を証する登記事項証明書を提供して登記の申請をする場合において、当該所有権の登記名義人となる者が同号ニ(1)に規定する法人であるときとする。 3 前二項の登記事項証明書は、その作成後三月以内のものでなければならない。 (表題部の登記の手続) 第二十二条 登記官は、令第十五条の規定により船舶の表示について登記をするときは、表題部に、申請の受付の年月日を記録しなければならない。 (登記がない船舶についてする所有権の処分の制限の登記の手続) 第二十三条 登記官は、令第十六条の規定により所有権の保存の登記をするときは、権利部に、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 所有者の氏名又は名称及び住所 二 所有者が二人以上あるときは、当該所有者ごとの持分 三 処分の制限の登記の嘱託により所有権の登記をする旨 2 前条の規定は、令第十六条の規定により船舶の表示について登記をするときについて準用する。 (管海官庁への通知の内容) 第二十四条 令第十七条の通知は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 船名 二 船舶の種類 三 船籍港 四 総トン数 五 申請の受付の年月日及び受付番号 六 登記の目的 七 登記名義人となる者の氏名又は名称及び住所 第二款 抵当権に関する登記 (追加共同担保の登記の申請情報) 第二十五条 令別表一の十五の項申請情報欄ハ、同表の十六の項申請情報欄ニ(4)並びに同表の十八の項申請情報欄ハ及びヘ(4)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保の根抵当権の分割譲渡の登記の申請情報) 第二十六条 令別表一の二十の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 第二十七条から第三十条まで 削除 第三款 削除 第三十一条から第三十三条まで 削除 第四款 船舶管理人に関する登記 (船舶管理人の氏名の変更の登記等の手続) 第三十四条 船舶管理人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、付記登記によってするものとする。 (船舶管理人の変更の登記の手続) 第三十五条 船舶管理人の変更の登記は、付記登記によってするものとする。 第五款 表題部の変更の登記等 (表題部の変更の登記等の手続) 第三十六条 登記官は、表題部の変更の登記又は更正の登記をするときは、表題部に、申請の受付の年月日及び変更後又は更正後の登記事項を記録し、かつ、変更前又は更正前の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (船籍港の変更の登記の手続) 第三十七条 登記官は、令第二十三条第二項の嘱託に基づき船籍港の変更の登記をしたときは、変更後の船籍港の所在地を管轄する登記所に当該登記に係る船舶についての登記記録及び登記簿の附属書類又はその謄本を移送しなければならない。 第三節 製造中の船舶の登記手続 (製造中の船舶についてする抵当権の設定の登記の手続) 第三十八条 令第二十九条の規定により所有者となるべき者の氏名又は名称及び住所を登記するときは、権利部にするものとする。 2 登記官は、前項の登記をするときは、権利部に、抵当権の登記の申請により登記をする旨を記録しなければならない。 (追加共同担保の登記の申請情報) 第三十九条 令別表二の一の項申請情報欄ハ、同表の二の項申請情報欄ニ(4)並びに同表の五の項申請情報欄ハ及びヘ(4)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保の根抵当権の分割譲渡の登記の申請情報) 第四十条 令別表二の七の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 第四十一条及び第四十二条 削除 (製造地の変更の登記の手続) 第四十三条 登記官は、令第三十二条第一項の申請に基づき製造地の変更による変更の登記をしたときは、変更後の製造地を管轄する登記所に当該登記に係る製造中の船舶についての登記記録及び登記簿の附属書類又はその謄本を移送しなければならない。 (製造中に抵当権の登記がされた船舶についてする所有権の保存の登記の手続) 第四十四条 登記官は、製造中に抵当権の登記がされた船舶について所有権の保存の登記をするときは、当該抵当権の登記をした登記記録に登記事項を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の所有権の保存の登記をしたときは、表題部に記録した製造中の船舶の表示並びに権利部に記録した所有者となるべき者の氏名又は名称及び住所並びに第三十八条第二項の規定による記録を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の所有権の保存の登記をした場合において、当該登記に係る船舶の船籍港の所在地が他の登記所の管轄に属するときは、遅滞なく、当該船籍港を管轄する登記所に当該船舶についての登記記録及び登記簿の附属書類又はその謄本を移送しなければならない。 第三章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付の請求情報等) 第四十五条 登記事項証明書、請求に係る船舶についてその製造地を管轄する登記所の登記簿に製造中の船舶の登記がないことを証する書面又は令第三十三条第二項に規定する書面(以下「登記事項要約書」という。)の交付を請求するときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この章並びに第四十九条において準用する不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第二百二条の十四第二項及び第六項において「請求情報」という。)を登記所に提供しなければならない。 一 請求人の氏名又は名称 二 船舶にあっては、船名、種類及び船籍港 三 製造中の船舶にあっては、製造番号その他製造中の船舶を識別することができる事項 四 交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数 五 登記事項証明書の交付の請求をする場合にあっては、第四十九条において準用する不動産登記規則第百九十六条第一項第一号から第四号まで(同条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる登記事項証明書の区分 六 登記事項証明書の交付を請求する場合において、共同担保目録又は信託目録に記録された事項について証明を求めるときは、その旨 七 送付の方法により登記事項証明書の交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 令第三十四条第一項又は第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、前項第一号から第三号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 令第三十四条第一項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する部分及び当該部分を閲覧する正当な理由 五 令第三十四条第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨 3 前項第四号の閲覧の請求をするときは、同号の正当な理由を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 4 第二項第五号の閲覧の請求をするときは、同号の閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 5 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号(商業登記法第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。次項及び第六項において同じ。)をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものが法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 7 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 8 令第三十四条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法とする。 (登記事項証明書等の交付の請求の方法等) 第四十六条 前条第一項の交付の請求又は同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面(第四十九条において準用する不動産登記規則第二百二条の十四第四項、第二百三条並びに第二百四条第一項及び第二項において「請求書」という。)を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 登記事項証明書の交付(送付の方法による交付を除く。)の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、登記官が管理する入出力装置に請求情報を入力する方法によりすることができる。 3 登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。 (登記事項証明書の作成及び交付) 第四十七条 登記官は、登記事項証明書を作成するときは、請求に係る登記記録に記録された事項の全部又は一部である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 この場合において、当該登記記録の乙区又は丙区の記録がないときは、認証文にその旨を付記しなければならない。 2 前項の規定により作成する登記事項証明書は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める様式によるものとする。 ただし、登記記録に記録した事項の一部についての登記事項証明書については適宜の様式によるものとする。 一 船舶及び製造中の船舶の登記記録 別記第一号様式 二 共同担保目録 別記第二号様式 三 信託目録 別記第三号様式 3 登記事項証明書を作成する場合において、第四十五条第一項第六号に掲げる事項が請求情報の内容とされていないときは、共同担保目録又は信託目録に記録された事項の記載を省略するものとする。 4 登記事項証明書に登記記録に記録した事項を記載するときは、その順位番号の順序に従って記載するものとする。 5 登記記録に記録されている事項を抹消する記号が記録されている場合において、登記事項証明書に抹消する記号を表示するときは、抹消に係る事項の下に線を付して記載するものとする。 6 登記事項証明書の交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (登記事項証明書の受領の方法) 第四十七条の二 第四十六条第三項前段の規定により登記事項証明書の交付の請求をした者が当該登記事項証明書を登記所で受領するときは、法務大臣が定める情報を当該登記所に提供しなければならない。 (登記事項証明書等における代替措置) 第四十七条の三 法務大臣は、第四十九条において準用する不動産登記規則第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項を記録する公示用住所管理ファイルを備えるものとする。 2 令第三十三条第三項において準用する不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百十九条第六項の申出又は第四十九条において準用する不動産登記規則第二百二条の十六第一項の規定による申出(第四十九条において準用する同令第四章第三節において「代替措置等申出」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(第四十九条において準用する同令第四章第三節において「代替措置等申出書」という。)を登記所に提出してしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 船舶にあっては、船名、種類及び船籍港 五 製造中の船舶にあっては、製造番号その他製造中の船舶を識別することができる事項 第四章 雑則 (登録免許税を納付する場合における申請情報等) 第四十八条 登記の申請においては、登録免許税額を申請情報の内容としなければならない。 この場合において、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一第二号(一)から(七)まで、(十)及び(十一)イに掲げる登記については、課税標準の金額も申請情報の内容としなければならない。 2 登録免許税法別表第一第二号(一)から(五)まで、(十)イ及びハ並びに(十一)イに掲げる登記(同号(五)に掲げる登記にあっては、同法第十一条第一項の規定により船舶又は製造中の船舶の価額をもって債権金額とみなす場合に限る。)を申請する場合には、次に掲げる事項を証する造船者が作成した情報をその申請情報と併せて提供するものとする。 一 貨物船、コンテナー船、貨客船、カーフェリー、客船、水中翼船、油槽船、漁船、 浚渫 しゆんせつ 船、砂利採取船又はその他の別 二 船舶の製造の年月 三 漁船(木船を除く。)にあっては、その用途 (不動産登記規則の準用) 第四十九条 不動産登記規則第二条第一項、第三条第一号、第二号及び第四号から第八号まで、第三条の二、第五条から第九条まで、第十七条、第十九条、第二十四条から第二十六条まで、第二十七条第一項第一号、第二号、第六号及び第七号並びに第二項、第二十七条の二、第二十七条の三、第二十八条第一号、第五号から第八号まで、第十号及び第十五号から第二十一号まで、第二十八条の二第一号の二、第二十九条から第三十三条まで、第三十四条第一項第一号及び第六号から第八号まで、第三十五条第六号及び第八号から第十号まで、第三十六条から第三十九条まで、第四十一条から第四十六条まで、第四十七条(第三号イ(6)を除く。)、第四十八条から第七十二条まで、第九十二条第一項、第百十条、第百四十六条、第百四十八条から第百五十五条まで、第百六十三条から第百六十六条まで、第百六十七条(第一項第三号ロ及びハを除く。)、第百六十八条(第一項を除く。)、第百六十九条(第一項を除く。)、第百七十条、第百七十五条、第百七十六条(第三項を除く。)、第百七十八条から第百八十条まで、第百八十一条(第二項第三号を除く。)から第百八十二条の二まで、第百八十三条第一項第二号、第二項及び第四項、第百八十四条から第百八十六条まで、第百八十七条第二号、第百八十八条、第百八十九条(第一項を除く。)、第百九十条から第百九十二条まで、第百九十六条第一項第一号から第四号まで及び第二項、第百九十八条、第二百二条第一項並びに第四章第三節(第二百二条の二第一項並びに第二百二条の四第一項及び第三項を除く。)及び第四節(第二百五条第一項を除く。)の規定は、船舶の登記及び製造中の船舶の登記について準用する。 この場合において、これらの規定(第三十二条第一項、第六十五条第二項第五号イ、第六十八条第一項第五号イ、第百十条、第百八十一条第二項、第百八十四条、第百八十五条第一項第一号イ、第二百二条の四第二項(第二百二条の十五第三項において準用する場合を含む。)及び第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。)を除く。)中「不動産」とあるのは「船舶又は製造中の船舶」と読み替えるほか、次の表の上欄に掲げる不動産登記規則の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第八条 不動産の表示(法第二十七条第一号に掲げる登記事項を除く。) 船舶の表示又は製造中の船舶の表示 第十七条第二項 第十九条から第二十二条まで 第十九条 次条第二号から第五号までに掲げる帳簿 申請書類つづり込み帳 第二十七条の二第一項 第二百二条の四第一項 船舶登記規則第四十七条の三第二項 第二十八条第五号 建物に関する閉鎖登記記録 閉鎖登記記録 第三十二条第一項 不動産の所在地 船舶の船籍港の所在地又は製造中の船舶の製造地 不動産の登記記録 船舶又は製造中の船舶の登記記録 第三十五条第八号及び第十号並びに第百六十八条第五項 管轄区域内にある 管轄区域内に船籍港の所在地又は製造地がある 第三十六条第一項 令第七条第一項第一号 船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第十三条第一項第一号及び第二十七条第一項第一号 第三十六条第三項 令第七条第一項第二号 船舶登記令第十三条第一項第二号及び第二十七条第一項第二号 第六十五条第二項第五号イ及び第六十八条第一項第五号イ 不動産所在事項又は不動産番号 船舶の表示又は製造中の船舶の表示 第六十五条第六項及び第六十八条第七項 第七条第一項第一号及び第二号 船舶登記令第十三条第一項第一号及び第二号並びに第二十七条第一項第一号及び第二号 第六十五条第七項及び第六十八条第八項 令第七条第一項第一号及び第二号 船舶登記令第十三条第一項第一号及び第二号並びに第二十七条第一項第一号及び第二号 第百十条第一項 前条の 船舶登記令第二十四条の規定による嘱託を受けた 第百十条第一項及び第二項 土地 船舶 不動産 船舶又は製造中の船舶 不動産所在事項 船舶の表示 第百十条第三項 不動産 船舶の船籍港の所在地又は製造中の船舶の製造地 第百七十六条第二項 別記第五号様式 船舶登記規則別記第三号様式 第百八十一条第二項第四号 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項 船舶の表示又は製造中の船舶の表示 第百八十四条第一項 表題登記がない不動産又は所有権の登記がない不動産 登記がない船舶 当該不動産 当該船舶 第百八十四条第二項第一号 不動産所在事項及び不動産番号 船舶の表示 第百八十五条第一項第一号イ 不動産所在事項及び不動産番号 船舶の表示又は製造中の船舶の表示 第百九十六条第一項第四号及び第百九十八条第一項 、住所及び法人識別事項 及び住所 第百九十八条第一項 別記第十一号様式 船舶登記規則別記第四号様式 第百九十八条第二項 別記第十二号様式 船舶登記規則別記第五号様式 第二百二条の四第二項(第二百二条の十五第三項において準用する場合を含む。)及び第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。) 不動産の所在地 船舶の船籍港の所在地又は製造中の船舶の製造地 第二百二条の四第四項 第一項各号 船舶登記規則第四十七条の三第二項各号 第二百二条の十四第三項 第百九十四条第二項及び第三項 船舶登記規則第四十六条第二項及び第三項 第二百二条の十五第二項第四号 第二百二条の四第一項第四号 船舶登記規則第四十七条の三第二項第四号及び第五号 第二百二条の十五第三項 第二百二条の四第二項から第五項まで 第二百二条の四第二項、第四項及び第五項 第二百三条第一項 法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項まで 船舶登記令第三十三条第一項及び第二項並びに第三十四条第一項及び第二項 第二百四条第一項 第百九十三条第一項 船舶登記規則第四十五条第一項 第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。) 船舶登記規則第四十七条第六項 第二百五条第二項 第百九十四条第二項又は第三項(これらの規定を第二百条第四項及び第二百一条第四項において準用する場合を含む。) 船舶登記規則第四十六条第二項又は第三項 (不動産登記法等の準用における技術的読替え) 第五十条 令第三十五条第一項の場合において必要な技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 不動産登記法第六十七条第一項 権利に関する登記 登記 登記名義人 登記名義人又は管海官庁 不動産登記法第百五条第一号及び第二号 第三条各号 船舶登記令第三条第一項各号 不動産登記令第二条第一号 次章の規定 次章の規定若しくは船舶登記令第十三条の規定 不動産登記令第四条ただし書 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産 同一の登記所の管轄区域内に船籍港の所在地がある二以上の船舶 不動産登記令第九条 第七条第一項第六号 船舶登記令第十三条第一項第五号 不動産登記令第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号 第七条第一項第五号ハ若しくは船舶登記令第十三条第一項第五号 2 令第三十五条第二項の場合において必要な技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 不動産登記法第六十七条第一項 権利に関する登記 登記 不動産登記法第百五条第一号 第三条各号に掲げる権利についての保存等 抵当権の設定等 当該保存等 当該設定等 不動産登記法第百五条第二号 第三条各号に掲げる権利 抵当権 不動産登記令第二条第一号 次章の規定 次章の規定若しくは船舶登記令第二十七条の規定 不動産登記令第四条ただし書 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産 同一の登記所の管轄区域内に製造地がある二以上の製造中の船舶 不動産登記令第九条 第七条第一項第六号 船舶登記令第二十七条第一項第四号 不動産登記令第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号 第七条第一項第五号ハ若しくは船舶登記令第二十七条第一項第四号 (登記の嘱託) 第五十一条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第二十七号
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船舶登記規則 第一章 登記簿等 第一条 削除 (登記記録の編成) 第二条 船舶の登記記録の表題部には船舶の表示を記録するものとし、製造中の船舶の表題部には製造中の船舶の表示を記録するものとする。 2 船舶の登記記録の権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には船舶登記令(以下「令」という。)第三条第一項に規定する所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には同項に規定する抵当権又は賃借権に関する登記の登記事項を記録するものとし、製造中の船舶の登記記録の権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には令第三条第二項に規定する船舶の所有者となるべき者に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には同項に規定する抵当権に関する登記の登記事項を記録するものとする。 3 船舶管理人部は、丙区とし、丙区には、令第三条第一項に規定する船舶管理人に関する登記の登記事項を記録するものとする。 4 甲区、乙区及び丙区(以下「各区」という。)には、登記事項を記録した順序を示す番号(以下「順位番号」という。)を記録するものとし、同順位である二以上の権利に関する登記をするときは、順位番号に当該登記を識別するための符号を付すものとする。 5 登記官は、船舶又は製造中の船舶の登記記録に動産番号を記録することができる。 第三条から第十三条まで 削除 (登記記録の閉鎖) 第十四条 登記官は、船舶の登記を抹消するときは、登記記録を閉鎖しなければならない。 第十五条から第十七条まで 削除 (帳簿) 第十八条 登記所には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 受付帳 二 申請書類つづり込み帳 三 決定原本つづり込み帳 四 審査請求書類等つづり込み帳 五 船舶登記済通知簿 六 各種通知簿 七 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳 八 請求書類つづり込み帳 九 申出立件事件簿 十 申出立件関係書類つづり込み帳 十一 申出立件事務日記帳 十二 代替措置等申出書写しつづり込み帳 (船舶登記済通知簿等) 第十九条 船舶登記済通知簿には、令第十七条の通知を受ける者及び通知を発する年月日を記載するものとする。 2 船舶登記済通知簿に記載された情報は、通知の年の翌年から一年間保存するものとする。 3 各種通知簿には、通知をすべき事項、通知を受ける者及び通知を発する年月日を記載するものとする。 第二章 登記手続 第一節 通則 (順位事項) 第二十条 令第三十五条第一項及び第二項において準用する不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第二条第八号の順位事項は、順位番号及び第二条第四項の符号とする。 第二節 船舶の登記手続 第一款 所有権に関する登記 (所有権に関する登記の申請等における会社法人等番号の提供を要しない場合) 第二十一条 令第十三条第一項第四号ロの法務省令で定める場合は、申請人が所有権の登記名義人となる者の全ての代表者その他の業務を執行する全ての役員の資格を証する登記事項証明書(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十条第一項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する登記事項証明書をいう。以下この条において同じ。)を提供して登記の申請をする場合において、当該所有権の登記名義人となる者が同号ロ(1)に規定する会社であるときとする。 2 令第十三条第一項第四号ニの法務省令で定める場合は、申請人が所有権の登記名義人となる者の全ての代表者の資格を証する登記事項証明書を提供して登記の申請をする場合において、当該所有権の登記名義人となる者が同号ニ(1)に規定する法人であるときとする。 3 前二項の登記事項証明書は、その作成後三月以内のものでなければならない。 (表題部の登記の手続) 第二十二条 登記官は、令第十五条の規定により船舶の表示について登記をするときは、表題部に、申請の受付の年月日を記録しなければならない。 (登記がない船舶についてする所有権の処分の制限の登記の手続) 第二十三条 登記官は、令第十六条の規定により所有権の保存の登記をするときは、権利部に、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 所有者の氏名又は名称及び住所 二 所有者が二人以上あるときは、当該所有者ごとの持分 三 処分の制限の登記の嘱託により所有権の登記をする旨 2 前条の規定は、令第十六条の規定により船舶の表示について登記をするときについて準用する。 (管海官庁への通知の内容) 第二十四条 令第十七条の通知は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 船名 二 船舶の種類 三 船籍港 四 総トン数 五 申請の受付の年月日及び受付番号 六 登記の目的 七 登記名義人となる者の氏名又は名称及び住所 第二款 抵当権に関する登記 (追加共同担保の登記の申請情報) 第二十五条 令別表一の十五の項申請情報欄ハ、同表の十六の項申請情報欄ニ(4)並びに同表の十八の項申請情報欄ハ及びヘ(4)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保の根抵当権の分割譲渡の登記の申請情報) 第二十六条 令別表一の二十の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 第二十七条から第三十条まで 削除 第三款 削除 第三十一条から第三十三条まで 削除 第四款 船舶管理人に関する登記 (船舶管理人の氏名の変更の登記等の手続) 第三十四条 船舶管理人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、付記登記によってするものとする。 (船舶管理人の変更の登記の手続) 第三十五条 船舶管理人の変更の登記は、付記登記によってするものとする。 第五款 表題部の変更の登記等 (表題部の変更の登記等の手続) 第三十六条 登記官は、表題部の変更の登記又は更正の登記をするときは、表題部に、申請の受付の年月日及び変更後又は更正後の登記事項を記録し、かつ、変更前又は更正前の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (船籍港の変更の登記の手続) 第三十七条 登記官は、令第二十三条第二項の嘱託に基づき船籍港の変更の登記をしたときは、変更後の船籍港の所在地を管轄する登記所に当該登記に係る船舶についての登記記録及び登記簿の附属書類又はその謄本を移送しなければならない。 第三節 製造中の船舶の登記手続 (製造中の船舶についてする抵当権の設定の登記の手続) 第三十八条 令第二十九条の規定により所有者となるべき者の氏名又は名称及び住所を登記するときは、権利部にするものとする。 2 登記官は、前項の登記をするときは、権利部に、抵当権の登記の申請により登記をする旨を記録しなければならない。 (追加共同担保の登記の申請情報) 第三十九条 令別表二の一の項申請情報欄ハ、同表の二の項申請情報欄ニ(4)並びに同表の五の項申請情報欄ハ及びヘ(4)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保の根抵当権の分割譲渡の登記の申請情報) 第四十条 令別表二の七の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 第四十一条及び第四十二条 削除 (製造地の変更の登記の手続) 第四十三条 登記官は、令第三十二条第一項の申請に基づき製造地の変更による変更の登記をしたときは、変更後の製造地を管轄する登記所に当該登記に係る製造中の船舶についての登記記録及び登記簿の附属書類又はその謄本を移送しなければならない。 (製造中に抵当権の登記がされた船舶についてする所有権の保存の登記の手続) 第四十四条 登記官は、製造中に抵当権の登記がされた船舶について所有権の保存の登記をするときは、当該抵当権の登記をした登記記録に登記事項を記録しなければならない。 2 登記官は、前項の所有権の保存の登記をしたときは、表題部に記録した製造中の船舶の表示並びに権利部に記録した所有者となるべき者の氏名又は名称及び住所並びに第三十八条第二項の規定による記録を抹消する記号を記録しなければならない。 3 登記官は、第一項の所有権の保存の登記をした場合において、当該登記に係る船舶の船籍港の所在地が他の登記所の管轄に属するときは、遅滞なく、当該船籍港を管轄する登記所に当該船舶についての登記記録及び登記簿の附属書類又はその謄本を移送しなければならない。 第三章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付の請求情報等) 第四十五条 登記事項証明書、請求に係る船舶についてその製造地を管轄する登記所の登記簿に製造中の船舶の登記がないことを証する書面又は令第三十三条第二項に規定する書面(以下「登記事項要約書」という。)の交付を請求するときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この章並びに第四十九条において準用する不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第二百二条の十四第二項及び第六項において「請求情報」という。)を登記所に提供しなければならない。 一 請求人の氏名又は名称 二 船舶にあっては、船名、種類及び船籍港 三 製造中の船舶にあっては、製造番号その他製造中の船舶を識別することができる事項 四 交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数 五 登記事項証明書の交付の請求をする場合にあっては、第四十九条において準用する不動産登記規則第百九十六条第一項第一号から第四号まで(同条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる登記事項証明書の区分 六 登記事項証明書の交付を請求する場合において、共同担保目録又は信託目録に記録された事項について証明を求めるときは、その旨 七 送付の方法により登記事項証明書の交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 令第三十四条第一項又は第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、前項第一号から第三号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 令第三十四条第一項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する部分及び当該部分を閲覧する正当な理由 五 令第三十四条第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨 3 前項第四号の閲覧の請求をするときは、同号の正当な理由を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 4 第二項第五号の閲覧の請求をするときは、同号の閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 5 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号(商業登記法第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。次項及び第六項において同じ。)をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものが法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 7 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 8 令第三十四条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法とする。 (登記事項証明書等の交付の請求の方法等) 第四十六条 前条第一項の交付の請求又は同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面(第四十九条において準用する不動産登記規則第二百二条の十四第四項、第二百三条並びに第二百四条第一項及び第二項において「請求書」という。)を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 登記事項証明書の交付(送付の方法による交付を除く。)の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、登記官が管理する入出力装置に請求情報を入力する方法によりすることができる。 3 登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。 (登記事項証明書の作成及び交付) 第四十七条 登記官は、登記事項証明書を作成するときは、請求に係る登記記録に記録された事項の全部又は一部である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 この場合において、当該登記記録の乙区又は丙区の記録がないときは、認証文にその旨を付記しなければならない。 2 前項の規定により作成する登記事項証明書は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める様式によるものとする。 ただし、登記記録に記録した事項の一部についての登記事項証明書については適宜の様式によるものとする。 一 船舶及び製造中の船舶の登記記録 別記第一号様式 二 共同担保目録 別記第二号様式 三 信託目録 別記第三号様式 3 登記事項証明書を作成する場合において、第四十五条第一項第六号に掲げる事項が請求情報の内容とされていないときは、共同担保目録又は信託目録に記録された事項の記載を省略するものとする。 4 登記事項証明書に登記記録に記録した事項を記載するときは、その順位番号の順序に従って記載するものとする。 5 登記記録に記録されている事項を抹消する記号が記録されている場合において、登記事項証明書に抹消する記号を表示するときは、抹消に係る事項の下に線を付して記載するものとする。 6 登記事項証明書の交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (登記事項証明書の受領の方法) 第四十七条の二 第四十六条第三項前段の規定により登記事項証明書の交付の請求をした者が当該登記事項証明書を登記所で受領するときは、法務大臣が定める情報を当該登記所に提供しなければならない。 (登記事項証明書等における代替措置) 第四十七条の三 法務大臣は、第四十九条において準用する不動産登記規則第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項を記録する公示用住所管理ファイルを備えるものとする。 2 令第三十三条第三項において準用する不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百十九条第六項の申出又は第四十九条において準用する不動産登記規則第二百二条の十六第一項の規定による申出(第四十九条において準用する同令第四章第三節において「代替措置等申出」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(第四十九条において準用する同令第四章第三節において「代替措置等申出書」という。)を登記所に提出してしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 船舶にあっては、船名、種類及び船籍港 五 製造中の船舶にあっては、製造番号その他製造中の船舶を識別することができる事項 第四章 雑則 (登録免許税を納付する場合における申請情報等) 第四十八条 登記の申請においては、登録免許税額を申請情報の内容としなければならない。 この場合において、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一第二号(一)から(七)まで、(十)及び(十一)イに掲げる登記については、課税標準の金額も申請情報の内容としなければならない。 2 登録免許税法別表第一第二号(一)から(五)まで、(十)イ及びハ並びに(十一)イに掲げる登記(同号(五)に掲げる登記にあっては、同法第十一条第一項の規定により船舶又は製造中の船舶の価額をもって債権金額とみなす場合に限る。)を申請する場合には、次に掲げる事項を証する造船者が作成した情報をその申請情報と併せて提供するものとする。 一 貨物船、コンテナー船、貨客船、カーフェリー、客船、水中翼船、油槽船、漁船、 浚渫 しゆんせつ 船、砂利採取船又はその他の別 二 船舶の製造の年月 三 漁船(木船を除く。)にあっては、その用途 (不動産登記規則の準用) 第四十九条 不動産登記規則第二条第一項、第三条第一号、第二号及び第四号から第八号まで、第三条の二、第五条から第九条まで、第十七条、第十九条、第二十四条から第二十六条まで、第二十七条第一項第一号、第二号、第六号及び第七号並びに第二項、第二十七条の二、第二十七条の三、第二十八条第一号、第五号から第八号まで、第十号及び第十五号から第二十一号まで、第二十八条の二第一号の二、第二十九条から第三十三条まで、第三十四条第一項第一号及び第六号から第八号まで、第三十五条第六号及び第八号から第十号まで、第三十六条から第三十九条まで、第四十一条から第四十六条まで、第四十七条(第三号イ(6)を除く。)、第四十八条から第七十二条まで、第九十二条第一項、第百十条、第百四十六条、第百四十八条から第百五十五条まで、第百六十三条から第百六十六条まで、第百六十七条(第一項第三号ロ及びハを除く。)、第百六十八条(第一項を除く。)、第百六十九条(第一項を除く。)、第百七十条、第百七十五条、第百七十六条(第三項を除く。)、第百七十八条から第百八十条まで、第百八十一条(第二項第三号を除く。)から第百八十二条の二まで、第百八十三条第一項第二号、第二項及び第四項、第百八十四条から第百八十六条まで、第百八十七条第二号、第百八十八条、第百八十九条(第一項を除く。)、第百九十条から第百九十二条まで、第百九十六条第一項第一号から第四号まで及び第二項、第百九十八条、第二百二条第一項及び第三項並びに第四章第三節(第二百二条の二第一項並びに第二百二条の四第一項及び第三項を除く。)及び第四節(第二百五条第一項を除く。)の規定は、船舶の登記及び製造中の船舶の登記について準用する。 この場合において、これらの規定(第三十二条第一項、第六十五条第二項第五号イ、第六十八条第一項第五号イ、第百十条、第百八十一条第二項、第百八十四条、第百八十五条第一項第一号イ、第二百二条の四第二項(第二百二条の十五第三項において準用する場合を含む。)及び第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。)を除く。)中「不動産」とあるのは「船舶又は製造中の船舶」と読み替えるほか、次の表の上欄に掲げる不動産登記規則の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第八条 不動産の表示(法第二十七条第一号に掲げる登記事項を除く。) 船舶の表示又は製造中の船舶の表示 第十七条第二項 第十九条から第二十二条まで 第十九条 次条第二号から第五号までに掲げる帳簿 申請書類つづり込み帳 第二十七条の二第一項 第二百二条の四第一項 船舶登記規則第四十七条の三第二項 第二十八条第五号 建物に関する閉鎖登記記録 閉鎖登記記録 第三十二条第一項 不動産の所在地 船舶の船籍港の所在地又は製造中の船舶の製造地 不動産の登記記録 船舶又は製造中の船舶の登記記録 第三十五条第八号及び第十号並びに第百六十八条第五項 管轄区域内にある 管轄区域内に船籍港の所在地又は製造地がある 第三十六条第一項 令第七条第一項第一号 船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第十三条第一項第一号及び第二十七条第一項第一号 第三十六条第三項 令第七条第一項第二号 船舶登記令第十三条第一項第二号及び第二十七条第一項第二号 第六十五条第二項第五号イ及び第六十八条第一項第五号イ 不動産所在事項又は不動産番号 船舶の表示又は製造中の船舶の表示 第六十五条第六項及び第六十八条第七項 第七条第一項第一号及び第二号 船舶登記令第十三条第一項第一号及び第二号並びに第二十七条第一項第一号及び第二号 第六十五条第七項及び第六十八条第八項 令第七条第一項第一号及び第二号 船舶登記令第十三条第一項第一号及び第二号並びに第二十七条第一項第一号及び第二号 第百十条第一項 前条の 船舶登記令第二十四条の規定による嘱託を受けた 第百十条第一項及び第二項 土地 船舶 不動産 船舶又は製造中の船舶 不動産所在事項 船舶の表示 第百十条第三項 不動産 船舶の船籍港の所在地又は製造中の船舶の製造地 第百七十六条第二項 別記第五号様式 船舶登記規則別記第三号様式 第百八十一条第二項第四号 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項 船舶の表示又は製造中の船舶の表示 第百八十四条第一項 表題登記がない不動産又は所有権の登記がない不動産 登記がない船舶 当該不動産 当該船舶 第百八十四条第二項第一号 不動産所在事項及び不動産番号 船舶の表示 第百八十五条第一項第一号イ 不動産所在事項及び不動産番号 船舶の表示又は製造中の船舶の表示 第百九十六条第一項第四号及び第百九十八条第一項 、住所及び法人識別事項 及び住所 第百九十八条第一項 別記第十一号様式 船舶登記規則別記第四号様式 第百九十八条第二項 別記第十二号様式 船舶登記規則別記第五号様式 第二百二条第三項 法第百二十一条第三項又は第四項 船舶登記令第三十四条第一項又は第二項 第二百二条の四第二項(第二百二条の十五第三項において準用する場合を含む。)及び第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。) 不動産の所在地 船舶の船籍港の所在地又は製造中の船舶の製造地 第二百二条の四第四項 第一項各号 船舶登記規則第四十七条の三第二項各号 第二百二条の十四第三項 第百九十四条第二項及び第三項 船舶登記規則第四十六条第二項及び第三項 第二百二条の十五第二項第四号 第二百二条の四第一項第四号 船舶登記規則第四十七条の三第二項第四号及び第五号 第二百二条の十五第三項 第二百二条の四第二項から第五項まで 第二百二条の四第二項、第四項及び第五項 第二百三条第一項 法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項まで 船舶登記令第三十三条第一項及び第二項並びに第三十四条第一項及び第二項 第二百四条第一項 第百九十三条第一項 船舶登記規則第四十五条第一項 第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。) 船舶登記規則第四十七条第六項 第二百五条第二項 第百九十四条第二項又は第三項(これらの規定を第二百条第四項及び第二百一条第四項において準用する場合を含む。) 船舶登記規則第四十六条第二項又は第三項 (不動産登記法等の準用における技術的読替え) 第五十条 令第三十五条第一項の場合において必要な技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 不動産登記法第六十七条第一項 権利に関する登記 登記 登記名義人 登記名義人又は管海官庁 不動産登記法第百五条第一号及び第二号 第三条各号 船舶登記令第三条第一項各号 不動産登記令第二条第一号 次章の規定 次章の規定若しくは船舶登記令第十三条の規定 不動産登記令第四条ただし書 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産 同一の登記所の管轄区域内に船籍港の所在地がある二以上の船舶 不動産登記令第九条 第七条第一項第六号 船舶登記令第十三条第一項第五号 不動産登記令第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号 第七条第一項第五号ハ若しくは船舶登記令第十三条第一項第五号 2 令第三十五条第二項の場合において必要な技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 不動産登記法第六十七条第一項 権利に関する登記 登記 不動産登記法第百五条第一号 第三条各号に掲げる権利についての保存等 抵当権の設定等 当該保存等 当該設定等 不動産登記法第百五条第二号 第三条各号に掲げる権利 抵当権 不動産登記令第二条第一号 次章の規定 次章の規定若しくは船舶登記令第二十七条の規定 不動産登記令第四条ただし書 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産 同一の登記所の管轄区域内に製造地がある二以上の製造中の船舶 不動産登記令第九条 第七条第一項第六号 船舶登記令第二十七条第一項第四号 不動産登記令第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号 第七条第一項第五号ハ若しくは船舶登記令第二十七条第一項第四号 (登記の嘱託) 第五十一条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第二十八号
46
船籍港の所在地を管轄する登記所が二以上ある船舶の管轄登記所を指定する省令 第一条 東京都の区のある地域を船籍港と定めた船舶の登記の事務は、東京法務局が取り扱う。 2 神奈川県川崎市の区域を船籍港と定めた船舶の登記の事務は、横浜地方法務局川崎支局が取り扱う。 第二条 前条の場合を除くほか、船籍港の所在地を管轄する登記所が二以上あるときは、その船舶の登記の事務は、商業登記につき事務の委任を受けた登記所が取り扱う。
民事
Heisei
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平成十七年法務省令第二十九号
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農業用動産抵当登記規則 第一章 登記簿等 第一条 削除 (登記記録の編成) 第二条 農業用動産の登記記録の表題部には、農業用動産抵当登記令(以下「令」という。)第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる登記事項を記録するものとする。 2 所有者部は、甲区とし、甲区には、農業用動産の所有者の氏名又は名称及び住所についての登記の登記事項並びにこれらの登記事項を記録した順序を示す番号(以下「表示番号」という。)を記録するものとする。 3 権利部は、乙区とし、乙区には、抵当権の設定、移転、変更、処分の制限又は消滅の登記の登記事項及びこれらの登記事項を記録した順序を示す番号(以下「順位番号」という。)を記録するものとし、同順位である二以上の抵当権の設定、移転、変更、処分の制限又は消滅の登記をするときは、順位番号に当該登記を識別するための符号を付すものとする。 4 登記記録には、農業用動産ごとに、初めて抵当権の登記をし、又は第四十条において読み替えて準用する不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第三十二条第一項の規定による移送を受けた順序を示す番号(以下「登記番号」という。)を記録するものとする。 5 登記官は、農業用動産の登記記録に動産番号を記録することができる。 第三条から第十四条まで 削除 (登記記録の閉鎖) 第十五条 登記官は、抵当権の登記の全部を抹消したときは、登記記録を閉鎖しなければならない。 第十六条から第十八条まで 削除 (帳簿) 第十九条 登記所には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 受付帳 二 申請書類つづり込み帳 三 決定原本つづり込み帳 四 審査請求書類等つづり込み帳 五 各種通知簿 六 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳 七 請求書類つづり込み帳 八 申出立件事件簿 九 申出立件関係書類つづり込み帳 十 申出立件事務日記帳 十一 代替措置等申出書写しつづり込み帳 (各種通知簿) 第二十条 各種通知簿には、通知をすべき事項、通知を受ける者及び通知を発する年月日を記載するものとする。 第二章 登記手続 第一節 通則 (順位事項) 第二十一条 令第十八条において準用する不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第二条第八号の順位事項は、順位番号及び第二条第三項の符号とする。 (管轄登記所が指定された場合の登記の申請) 第二十二条 農業用動産の所在地が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合において、令第二条第二項の登記所に指定された登記所に登記の申請をするときは、当該指定があったことを証する情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 第二節 農業用動産の抵当権に関する登記 (追加共同担保の登記の申請情報) 第二十三条 令別表の一の項申請情報欄ハ、同表の二の項申請情報欄ニ(3)並びに同表の五の項申請情報欄ハ及びヘ(3)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保の根抵当権の分割譲渡の登記の申請情報) 第二十四条 令別表の七の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 第二十五条から第二十八条まで 削除 第三節 表題部の登記 (表題部の登記の手続) 第二十九条 登記官は、令第十二条の規定により農業用動産の表示について登記をするときは、表題部に、申請の受付の年月日を記録しなければならない。 (農業用動産の所在地) 第三十条 次の各号に掲げる農業用動産の所在地は、それぞれ当該各号に定める場所とする。 一 農業動産信用法施行令(昭和八年勅令第三百七号)第一条第一号から第七号までに掲げる農業用動産 常置の場所 二 牛、馬及び種豚 畜舎の所在する場所 (農業用動産の特徴) 第三十一条 令第八条第一項第四号ニの法務省令で定める特徴は、次に掲げる事項とする。 一 牛にあっては、次に掲げる事項 イ 毛色及び旋毛 ロ 名号及び斑紋があるときは、当該名号及び斑紋 ハ 角番号があるときは、その標識 二 馬にあっては、次に掲げる事項 イ 毛色及び旋毛 ロ 名号及び斑紋があるときは、当該名号及び斑紋 ハ 耳朶 じだ の入れ墨があるときは、その標識 三 種豚にあっては、次に掲げる事項 イ 毛色 ロ 耳標、 耳朶 じだ の入れ墨その他種豚に付された標識 ハ 名号及び斑紋があるときは、当該名号及び斑紋 (表題部の変更の登記等の手続) 第三十二条 登記官は、農業用動産の表示の変更の登記又は更正の登記をするときは、表題部に申請の受付の年月日、登記原因及び変更後又は更正後の登記事項を記録し、かつ、変更前又は更正前の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (所在地の変更の登記の手続) 第三十三条 登記官は、令第十四条第一項の申請に基づき農業用動産の所在地の変更の登記をしたときは、変更後の農業用動産の所在地を管轄する登記所に当該登記に係る農業用動産についての登記記録及び登記簿の附属書類又はその謄本を移送しなければならない。 第四節 所有者部の登記 (所有者部の登記の手続) 第三十四条 登記官は、令第十二条の規定により所有者の氏名又は名称及び住所について登記をするときは、所有者部に、申請の受付の年月日を記録しなければならない。 2 登記官は、所有者部に農業用動産の所有者の氏名又は名称及び住所についての登記の登記事項を登記するときは、表示番号を記録しなければならない。 (所有者の変更の登記等の手続) 第三十五条 登記官は、所有者の変更の登記をするときは、所有者部に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号、登記原因並びに変更後の所有者の氏名又は名称及び住所を記録し、かつ、変更前の所有者の氏名又は名称及び住所並びに表示番号を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所についての変更の登記又は更正の登記をするときは、所有者部に申請の受付の年月日及び受付番号、登記原因並びに変更後又は更正後の登記事項を記録し、かつ、変更前又は更正前の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 第三章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付の請求情報等) 第三十六条 登記事項証明書又は令第十六条第二項に規定する書面(以下「登記事項要約書」という。)の交付を請求するときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この章並びに第四十条において準用する不動産登記規則第二百二条の十四第二項及び第六項において「請求情報」という。)を登記所に提供しなければならない。 一 請求人の氏名又は名称 二 農業動産信用法施行令第一条第一号から第八号までに掲げる農業用動産にあっては、当該農業用動産を識別することができる事項 三 漁船にあっては、船名及び主たる根拠地 四 交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数 五 登記事項証明書の交付の請求をする場合にあっては、第四十条において準用する不動産登記規則第百九十六条第一項第一号から第四号まで(同条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる登記事項証明書の区分 六 登記事項証明書の交付を請求する場合において、共同担保目録又は信託目録に記録された事項について証明を求めるときは、その旨 七 送付の方法により登記事項証明書の交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 令第十七条第一項又は第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、前項第一号から第三号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 令第十七条第一項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する部分及び当該部分を閲覧する正当な理由 五 令第十七条第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨 3 前項第四号の閲覧の請求をするときは、同号の正当な理由を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 4 第二項第五号の閲覧の請求をするときは、同号の閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 5 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。次項及び第六項において同じ。)をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものが法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 7 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 8 令第十七条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法とする。 (登記事項証明書等の交付の請求の方法等) 第三十七条 前条第一項の交付の請求又は同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面(第四十条において準用する不動産登記規則第二百二条の十四第四項、第二百三条並びに第二百四条第一項及び第二項において「請求書」という。)を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 登記事項証明書の交付(送付の方法による交付を除く。)の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、登記官が管理する入出力装置に請求情報を入力する方法によりすることができる。 3 登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。 (登記事項証明書の作成及び交付) 第三十八条 登記官は、登記事項証明書を作成するときは、請求に係る登記記録に記録された事項の全部又は一部である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 この場合において、当該登記記録の乙区の記録がないときは、認証文にその旨を付記しなければならない。 2 前項の規定により作成する登記事項証明書は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める様式によるものとする。 ただし、登記記録に記録した事項の一部についての登記事項証明書については適宜の様式によるものとする。 一 農業用動産の登記記録 別記第一号様式 二 共同担保目録 別記第二号様式 三 信託目録 別記第三号様式 3 登記事項証明書を作成する場合において、第三十六条第一項第六号に掲げる事項が請求情報の内容とされていないときは、共同担保目録又は信託目録に記録された事項の記載を省略するものとする。 4 登記事項証明書に登記記録に記録された事項を記載するときは、その順位番号の順序に従って記載するものとする。 5 登記記録に記録されている事項を抹消する記号が記録されている場合において、登記事項証明書に抹消する記号を表示するときは、抹消に係る事項の下に線を付して記載するものとする。 6 登記事項証明書の交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (登記事項証明書の受領の方法) 第三十八条の二 第三十七条第三項前段の規定により登記事項証明書の交付の請求をした者が当該登記事項証明書を登記所で受領するときは、法務大臣が定める情報を当該登記所に提供しなければならない。 (登記事項証明書等における代替措置) 第三十八条の三 法務大臣は、第四十条において準用する不動産登記規則第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項を記録する公示用住所管理ファイルを備えるものとする。 2 令第十六条第三項において準用する不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百十九条第六項の申出又は第四十条において準用する不動産登記規則第二百二条の十六第一項の規定による申出(第四十条において準用する同令第四章第三節において「代替措置等申出」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(第四十条において準用する同令第四章第三節において「代替措置等申出書」という。)を登記所に提出してしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 農業動産信用法施行令第一条第一号から第八号までに掲げる農業用動産にあっては、当該農業用動産を識別することができる事項 五 漁船にあっては、船名及び主たる根拠地 第四章 雑則 (登録免許税を納付する場合における申請情報等) 第三十九条 登記の申請においては、登録免許税額を申請情報の内容としなければならない。 この場合において、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一第八号(一)イからハまで及びホに掲げる登記については、課税標準の金額も申請情報の内容としなければならない。 (不動産登記規則の準用) 第四十条 不動産登記規則第二条第一項、第三条第一号、第二号及び第四号から第八号まで、第三条の二、第五条から第九条まで、第十七条、第十九条、第二十四条から第二十六条まで、第二十七条第一項第一号、第二号、第六号及び第七号並びに第二項、第二十七条の二、第二十七条の三、第二十八条第一号、第五号から第八号まで、第十号及び第十五号から第二十一号まで、第二十八条の二第一号の二、第二十九条から第三十三条まで、第三十四条第一項第一号及び第六号から第八号まで、第三十五条第六号及び第八号から第十号まで、第三十六条から第四十六条まで、第四十七条(第三号イ及びロを除く。)、第四十八条(農業用動産の所有者が登記義務者となる抵当権に関する登記(信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託によるものを含む。)を申請する場合にあっては、第四十八条第五号を除く。)、第四十九条から第七十二条まで、第九十二条第一項、第百四十六条、第百四十八条から第百五十五条まで、第百六十三条から第百六十六条まで、第百六十七条(第一項第三号ロ及びハを除く。)、第百六十八条(第一項を除く。)、第百六十九条(第一項を除く。)、第百七十条、第百七十五条、第百七十六条(第三項を除く。)、第百七十八条、第百七十九条、第百八十一条(第二項第三号を除く。)から第百八十二条の二まで、第百八十三条第一項第二号及び第二項、第百八十五条、第百八十六条、第百八十八条、第百八十九条(第一項を除く。)、第百九十条から第百九十二条まで、第百九十六条第一項第一号から第四号まで及び第二項、第百九十八条、第二百二条第一項並びに第四章第三節(第二百二条の二第一項並びに第二百二条の四第一項及び第三項を除く。)及び第四節(第二百五条第一項を除く。)の規定は、農業用動産の抵当権の登記について準用する。 この場合において、これらの規定(第六十五条第二項第五号イ、第六十八条第一項第五号イ、第百八十一条第二項、第百八十五条第一項第一号イ、第二百二条の四第二項(第二百二条の十五第三項において準用する場合を含む。)及び第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。)を除く。)中「不動産」とあるのは「農業用動産」と読み替えるほか、次の表の上欄に掲げる不動産登記規則の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第八条 不動産の表示(法第二十七条第一号に掲げる登記事項を除く。) 農業用動産の表示 第十七条第二項 第十九条から第二十二条まで 第十九条 次条第二号から第五号までに掲げる帳簿 申請書類つづり込み帳 第二十七条の二第一項 第二百二条の四第一項 農業用動産抵当登記規則第三十八条の三第二項 第二十八条第五号 建物に関する閉鎖登記記録 閉鎖登記記録 第三十五条第八号及び第十号並びに第百六十八条第五項 管轄区域内にある 管轄区域内に所在地がある 第三十六条第一項 令第七条第一項第一号 農業用動産抵当登記令(平成十七年政令第二十五号)第十条第一号 第三十六条第三項 令第七条第一項第二号 農業用動産抵当登記令第十条第二号 第四十条第一項 法第六条第三項 農業用動産抵当登記令第二条第三項 第四十条第三項 法第六条第二項 農業用動産抵当登記令第二条第二項 第六十五条第二項第五号イ及び第六十八条第一項第五号イ 不動産所在事項又は不動産番号 農業用動産の表示 第六十五条第六項及び第六十八条第七項 第七条第一項第一号及び第二号 農業用動産抵当登記令第十条第一号及び第二号 第六十五条第七項及び第六十八条第八項 令第七条第一項第一号及び第二号 農業用動産抵当登記令第十条第一号及び第二号 第百七十六条第二項 別記第五号様式 農業用動産抵当登記規則別記第三号様式 第百八十一条第二項第四号 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項 農業用動産の表示 第百八十五条第一項第一号イ 不動産所在事項及び不動産番号 農業用動産の表示 第百九十六条第一項第四号及び第百九十八条第一項 、住所及び法人識別事項 及び住所 第百九十八条第一項 別記第十一号様式 農業用動産抵当登記規則別記第四号様式 第百九十八条第二項 別記第十二号様式 農業用動産抵当登記規則別記第五号様式 第二百二条の四第二項(第二百二条の十五第三項において準用する場合を含む。)及び第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。) 不動産の所在地 農業用動産の所在地(漁船にあっては、その主たる根拠地) 第二百二条の四第四項 第一項各号 農業用動産抵当登記規則第三十八条の三第二項各号 第二百二条の十四第三項 第百九十四条第二項及び第三項 農業用動産抵当登記規則第三十七条第二項及び第三項 第二百二条の十五第二項第四号 第二百二条の四第一項第四号 農業用動産抵当登記規則第三十八条の三第二項第四号及び第五号 第二百二条の十五第三項 第二百二条の四第二項から第五項まで 第二百二条の四第二項、第四項及び第五項 第二百三条第一項 法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項まで 農業用動産抵当登記令第十六条第一項及び第二項並びに第十七条第一項及び第二項 第二百四条第一項 第百九十三条第一項 農業用動産抵当登記規則第三十六条第一項 第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。) 農業用動産抵当登記規則第三十八条第六項 第二百五条第二項 第百九十四条第二項又は第三項(これらの規定を第二百条第四項及び第二百一条第四項において準用する場合を含む。) 農業用動産抵当登記規則第三十七条第二項又は第三項 (不動産登記法等の準用における技術的読替え) 第四十一条 令第十八条の場合において必要な技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 不動産登記法第六十七条第一項 権利に関する登記 登記 不動産登記法第百五条第一号 第三条各号に掲げる権利について保存等 抵当権の設定等 当該保存等 当該設定等 不動産登記法第百五条第二号 第三条各号に掲げる権利 抵当権 不動産登記令第二条第一号 次章の規定 次章の規定若しくは農業用動産抵当登記令(平成十七年政令第二十五号)第十条の規定 不動産登記令第四条ただし書 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産 同一の登記所の管轄区域内に所在地がある二以上の農業用動産 不動産登記令第九条 第七条第一項第六号 農業用動産抵当登記令第十条第四号 不動産登記令第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号 第七条第一項第五号ハ若しくは農業用動産抵当登記令第十条第四号 (登記の嘱託) 第四十二条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第二十九号
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農業用動産抵当登記規則 第一章 登記簿等 第一条 削除 (登記記録の編成) 第二条 農業用動産の登記記録の表題部には、農業用動産抵当登記令(以下「令」という。)第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる登記事項を記録するものとする。 2 所有者部は、甲区とし、甲区には、農業用動産の所有者の氏名又は名称及び住所についての登記の登記事項並びにこれらの登記事項を記録した順序を示す番号(以下「表示番号」という。)を記録するものとする。 3 権利部は、乙区とし、乙区には、抵当権の設定、移転、変更、処分の制限又は消滅の登記の登記事項及びこれらの登記事項を記録した順序を示す番号(以下「順位番号」という。)を記録するものとし、同順位である二以上の抵当権の設定、移転、変更、処分の制限又は消滅の登記をするときは、順位番号に当該登記を識別するための符号を付すものとする。 4 登記記録には、農業用動産ごとに、初めて抵当権の登記をし、又は第四十条において読み替えて準用する不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第三十二条第一項の規定による移送を受けた順序を示す番号(以下「登記番号」という。)を記録するものとする。 5 登記官は、農業用動産の登記記録に動産番号を記録することができる。 第三条から第十四条まで 削除 (登記記録の閉鎖) 第十五条 登記官は、抵当権の登記の全部を抹消したときは、登記記録を閉鎖しなければならない。 第十六条から第十八条まで 削除 (帳簿) 第十九条 登記所には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 受付帳 二 申請書類つづり込み帳 三 決定原本つづり込み帳 四 審査請求書類等つづり込み帳 五 各種通知簿 六 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳 七 請求書類つづり込み帳 八 申出立件事件簿 九 申出立件関係書類つづり込み帳 十 申出立件事務日記帳 十一 代替措置等申出書写しつづり込み帳 (各種通知簿) 第二十条 各種通知簿には、通知をすべき事項、通知を受ける者及び通知を発する年月日を記載するものとする。 第二章 登記手続 第一節 通則 (順位事項) 第二十一条 令第十八条において準用する不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第二条第八号の順位事項は、順位番号及び第二条第三項の符号とする。 (管轄登記所が指定された場合の登記の申請) 第二十二条 農業用動産の所在地が二以上の登記所の管轄区域にまたがる場合において、令第二条第二項の登記所に指定された登記所に登記の申請をするときは、当該指定があったことを証する情報をその申請情報と併せて提供しなければならない。 第二節 農業用動産の抵当権に関する登記 (追加共同担保の登記の申請情報) 第二十三条 令別表の一の項申請情報欄ハ、同表の二の項申請情報欄ニ(3)並びに同表の五の項申請情報欄ハ及びヘ(3)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保の根抵当権の分割譲渡の登記の申請情報) 第二十四条 令別表の七の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 第二十五条から第二十八条まで 削除 第三節 表題部の登記 (表題部の登記の手続) 第二十九条 登記官は、令第十二条の規定により農業用動産の表示について登記をするときは、表題部に、申請の受付の年月日を記録しなければならない。 (農業用動産の所在地) 第三十条 次の各号に掲げる農業用動産の所在地は、それぞれ当該各号に定める場所とする。 一 農業動産信用法施行令(昭和八年勅令第三百七号)第一条第一号から第七号までに掲げる農業用動産 常置の場所 二 牛、馬及び種豚 畜舎の所在する場所 (農業用動産の特徴) 第三十一条 令第八条第一項第四号ニの法務省令で定める特徴は、次に掲げる事項とする。 一 牛にあっては、次に掲げる事項 イ 毛色及び旋毛 ロ 名号及び斑紋があるときは、当該名号及び斑紋 ハ 角番号があるときは、その標識 二 馬にあっては、次に掲げる事項 イ 毛色及び旋毛 ロ 名号及び斑紋があるときは、当該名号及び斑紋 ハ 耳朶 じだ の入れ墨があるときは、その標識 三 種豚にあっては、次に掲げる事項 イ 毛色 ロ 耳標、 耳朶 じだ の入れ墨その他種豚に付された標識 ハ 名号及び斑紋があるときは、当該名号及び斑紋 (表題部の変更の登記等の手続) 第三十二条 登記官は、農業用動産の表示の変更の登記又は更正の登記をするときは、表題部に申請の受付の年月日、登記原因及び変更後又は更正後の登記事項を記録し、かつ、変更前又は更正前の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 (所在地の変更の登記の手続) 第三十三条 登記官は、令第十四条第一項の申請に基づき農業用動産の所在地の変更の登記をしたときは、変更後の農業用動産の所在地を管轄する登記所に当該登記に係る農業用動産についての登記記録及び登記簿の附属書類又はその謄本を移送しなければならない。 第四節 所有者部の登記 (所有者部の登記の手続) 第三十四条 登記官は、令第十二条の規定により所有者の氏名又は名称及び住所について登記をするときは、所有者部に、申請の受付の年月日を記録しなければならない。 2 登記官は、所有者部に農業用動産の所有者の氏名又は名称及び住所についての登記の登記事項を登記するときは、表示番号を記録しなければならない。 (所有者の変更の登記等の手続) 第三十五条 登記官は、所有者の変更の登記をするときは、所有者部に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号、登記原因並びに変更後の所有者の氏名又は名称及び住所を記録し、かつ、変更前の所有者の氏名又は名称及び住所並びに表示番号を抹消する記号を記録しなければならない。 2 登記官は、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所についての変更の登記又は更正の登記をするときは、所有者部に申請の受付の年月日及び受付番号、登記原因並びに変更後又は更正後の登記事項を記録し、かつ、変更前又は更正前の登記事項を抹消する記号を記録しなければならない。 第三章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の交付の請求情報等) 第三十六条 登記事項証明書又は令第十六条第二項に規定する書面(以下「登記事項要約書」という。)の交付を請求するときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この章並びに第四十条において準用する不動産登記規則第二百二条の十四第二項及び第六項において「請求情報」という。)を登記所に提供しなければならない。 一 請求人の氏名又は名称 二 農業動産信用法施行令第一条第一号から第八号までに掲げる農業用動産にあっては、当該農業用動産を識別することができる事項 三 漁船にあっては、船名及び主たる根拠地 四 交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数 五 登記事項証明書の交付の請求をする場合にあっては、第四十条において準用する不動産登記規則第百九十六条第一項第一号から第四号まで(同条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる登記事項証明書の区分 六 登記事項証明書の交付を請求する場合において、共同担保目録又は信託目録に記録された事項について証明を求めるときは、その旨 七 送付の方法により登記事項証明書の交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所 2 令第十七条第一項又は第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、前項第一号から第三号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を請求情報の内容とする。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 令第十七条第一項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する部分及び当該部分を閲覧する正当な理由 五 令第十七条第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨 3 前項第四号の閲覧の請求をするときは、同号の正当な理由を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 4 第二項第五号の閲覧の請求をするときは、同号の閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 5 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、当該法人の会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。次項及び第六項において同じ。)をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 6 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものが法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、当該法人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、この限りでない。 7 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、当該代理人の会社法人等番号をも請求情報の内容としたときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 8 令第十七条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法とする。 (登記事項証明書等の交付の請求の方法等) 第三十七条 前条第一項の交付の請求又は同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面(第四十条において準用する不動産登記規則第二百二条の十四第四項、第二百三条並びに第二百四条第一項及び第二項において「請求書」という。)を登記所に提出する方法によりしなければならない。 2 登記事項証明書の交付(送付の方法による交付を除く。)の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、登記官が管理する入出力装置に請求情報を入力する方法によりすることができる。 3 登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。 この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。 (登記事項証明書の作成及び交付) 第三十八条 登記官は、登記事項証明書を作成するときは、請求に係る登記記録に記録された事項の全部又は一部である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 この場合において、当該登記記録の乙区の記録がないときは、認証文にその旨を付記しなければならない。 2 前項の規定により作成する登記事項証明書は、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める様式によるものとする。 ただし、登記記録に記録した事項の一部についての登記事項証明書については適宜の様式によるものとする。 一 農業用動産の登記記録 別記第一号様式 二 共同担保目録 別記第二号様式 三 信託目録 別記第三号様式 3 登記事項証明書を作成する場合において、第三十六条第一項第六号に掲げる事項が請求情報の内容とされていないときは、共同担保目録又は信託目録に記録された事項の記載を省略するものとする。 4 登記事項証明書に登記記録に記録された事項を記載するときは、その順位番号の順序に従って記載するものとする。 5 登記記録に記録されている事項を抹消する記号が記録されている場合において、登記事項証明書に抹消する記号を表示するときは、抹消に係る事項の下に線を付して記載するものとする。 6 登記事項証明書の交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる。 (登記事項証明書の受領の方法) 第三十八条の二 第三十七条第三項前段の規定により登記事項証明書の交付の請求をした者が当該登記事項証明書を登記所で受領するときは、法務大臣が定める情報を当該登記所に提供しなければならない。 (登記事項証明書等における代替措置) 第三十八条の三 法務大臣は、第四十条において準用する不動産登記規則第二百二条の十二第一項各号に掲げる事項を記録する公示用住所管理ファイルを備えるものとする。 2 令第十六条第三項において準用する不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百十九条第六項の申出又は第四十条において準用する不動産登記規則第二百二条の十六第一項の規定による申出(第四十条において準用する同令第四章第三節において「代替措置等申出」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(第四十条において準用する同令第四章第三節において「代替措置等申出書」という。)を登記所に提出してしなければならない。 一 申出人の氏名及び住所 二 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 申出の目的 四 農業動産信用法施行令第一条第一号から第八号までに掲げる農業用動産にあっては、当該農業用動産を識別することができる事項 五 漁船にあっては、船名及び主たる根拠地 第四章 雑則 (登録免許税を納付する場合における申請情報等) 第三十九条 登記の申請においては、登録免許税額を申請情報の内容としなければならない。 この場合において、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一第八号(一)イからハまで及びホに掲げる登記については、課税標準の金額も申請情報の内容としなければならない。 (不動産登記規則の準用) 第四十条 不動産登記規則第二条第一項、第三条第一号、第二号及び第四号から第八号まで、第三条の二、第五条から第九条まで、第十七条、第十九条、第二十四条から第二十六条まで、第二十七条第一項第一号、第二号、第六号及び第七号並びに第二項、第二十七条の二、第二十七条の三、第二十八条第一号、第五号から第八号まで、第十号及び第十五号から第二十一号まで、第二十八条の二第一号の二、第二十九条から第三十三条まで、第三十四条第一項第一号及び第六号から第八号まで、第三十五条第六号及び第八号から第十号まで、第三十六条から第四十六条まで、第四十七条(第三号イ及びロを除く。)、第四十八条(農業用動産の所有者が登記義務者となる抵当権に関する登記(信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託によるものを含む。)を申請する場合にあっては、第四十八条第五号を除く。)、第四十九条から第七十二条まで、第九十二条第一項、第百四十六条、第百四十八条から第百五十五条まで、第百六十三条から第百六十六条まで、第百六十七条(第一項第三号ロ及びハを除く。)、第百六十八条(第一項を除く。)、第百六十九条(第一項を除く。)、第百七十条、第百七十五条、第百七十六条(第三項を除く。)、第百七十八条、第百七十九条、第百八十一条(第二項第三号を除く。)から第百八十二条の二まで、第百八十三条第一項第二号及び第二項、第百八十五条、第百八十六条、第百八十八条、第百八十九条(第一項を除く。)、第百九十条から第百九十二条まで、第百九十六条第一項第一号から第四号まで及び第二項、第百九十八条、第二百二条第一項及び第三項並びに第四章第三節(第二百二条の二第一項並びに第二百二条の四第一項及び第三項を除く。)及び第四節(第二百五条第一項を除く。)の規定は、農業用動産の抵当権の登記について準用する。 この場合において、これらの規定(第六十五条第二項第五号イ、第六十八条第一項第五号イ、第百八十一条第二項、第百八十五条第一項第一号イ、第二百二条の四第二項(第二百二条の十五第三項において準用する場合を含む。)及び第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。)を除く。)中「不動産」とあるのは「農業用動産」と読み替えるほか、次の表の上欄に掲げる不動産登記規則の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第八条 不動産の表示(法第二十七条第一号に掲げる登記事項を除く。) 農業用動産の表示 第十七条第二項 第十九条から第二十二条まで 第十九条 次条第二号から第五号までに掲げる帳簿 申請書類つづり込み帳 第二十七条の二第一項 第二百二条の四第一項 農業用動産抵当登記規則第三十八条の三第二項 第二十八条第五号 建物に関する閉鎖登記記録 閉鎖登記記録 第三十五条第八号及び第十号並びに第百六十八条第五項 管轄区域内にある 管轄区域内に所在地がある 第三十六条第一項 令第七条第一項第一号 農業用動産抵当登記令(平成十七年政令第二十五号)第十条第一号 第三十六条第三項 令第七条第一項第二号 農業用動産抵当登記令第十条第二号 第四十条第一項 法第六条第三項 農業用動産抵当登記令第二条第三項 第四十条第三項 法第六条第二項 農業用動産抵当登記令第二条第二項 第六十五条第二項第五号イ及び第六十八条第一項第五号イ 不動産所在事項又は不動産番号 農業用動産の表示 第六十五条第六項及び第六十八条第七項 第七条第一項第一号及び第二号 農業用動産抵当登記令第十条第一号及び第二号 第六十五条第七項及び第六十八条第八項 令第七条第一項第一号及び第二号 農業用動産抵当登記令第十条第一号及び第二号 第百七十六条第二項 別記第五号様式 農業用動産抵当登記規則別記第三号様式 第百八十一条第二項第四号 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項 農業用動産の表示 第百八十五条第一項第一号イ 不動産所在事項及び不動産番号 農業用動産の表示 第百九十六条第一項第四号及び第百九十八条第一項 、住所及び法人識別事項 及び住所 第百九十八条第一項 別記第十一号様式 農業用動産抵当登記規則別記第四号様式 第百九十八条第二項 別記第十二号様式 農業用動産抵当登記規則別記第五号様式 第二百二条第三項 法第百二十一条第三項又は第四項 農業用動産抵当登記令第十七条第一項又は第二項 第二百二条の四第二項(第二百二条の十五第三項において準用する場合を含む。)及び第二百二条の十二第二項(第二百二条の十五第七項及び第二百二条の十六第六項において準用する場合を含む。) 不動産の所在地 農業用動産の所在地(漁船にあっては、その主たる根拠地) 第二百二条の四第四項 第一項各号 農業用動産抵当登記規則第三十八条の三第二項各号 第二百二条の十四第三項 第百九十四条第二項及び第三項 農業用動産抵当登記規則第三十七条第二項及び第三項 第二百二条の十五第二項第四号 第二百二条の四第一項第四号 農業用動産抵当登記規則第三十八条の三第二項第四号及び第五号 第二百二条の十五第三項 第二百二条の四第二項から第五項まで 第二百二条の四第二項、第四項及び第五項 第二百三条第一項 法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項まで 農業用動産抵当登記令第十六条第一項及び第二項並びに第十七条第一項及び第二項 第二百四条第一項 第百九十三条第一項 農業用動産抵当登記規則第三十六条第一項 第百九十七条第六項(第二百条第三項及び第二百一条第三項において準用する場合を含む。) 農業用動産抵当登記規則第三十八条第六項 第二百五条第二項 第百九十四条第二項又は第三項(これらの規定を第二百条第四項及び第二百一条第四項において準用する場合を含む。) 農業用動産抵当登記規則第三十七条第二項又は第三項 (不動産登記法等の準用における技術的読替え) 第四十一条 令第十八条の場合において必要な技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 不動産登記法第六十七条第一項 権利に関する登記 登記 不動産登記法第百五条第一号 第三条各号に掲げる権利について保存等 抵当権の設定等 当該保存等 当該設定等 不動産登記法第百五条第二号 第三条各号に掲げる権利 抵当権 不動産登記令第二条第一号 次章の規定 次章の規定若しくは農業用動産抵当登記令(平成十七年政令第二十五号)第十条の規定 不動産登記令第四条ただし書 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産 同一の登記所の管轄区域内に所在地がある二以上の農業用動産 不動産登記令第九条 第七条第一項第六号 農業用動産抵当登記令第十条第四号 不動産登記令第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号 第七条第一項第五号ハ若しくは農業用動産抵当登記令第十条第四号 (登記の嘱託) 第四十二条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第三十号
46
建設機械登記規則 第一章 登記簿等 (登記簿の様式等) 第一条 登記簿には、別記第一号様式による表紙及び別記第二号様式による目録を付し、別記第三号様式による登記用紙をつづり込むものとする。 2 登記簿は、バインダー式帳簿であって厳重に用紙を保存することができる措置を施したものとする。 (登記用紙) 第二条 登記用紙は、建設機械の名称の五十音順に従って登記簿につづり込むものとする。 2 権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区の事項欄には所有権に関する登記の登記事項を記載するものとし、乙区の事項欄には抵当権に関する登記の登記事項を記載するものとする。 3 表題部の名称欄には、その登記用紙に登記した建設機械の名称及び建設機械抵当法施行令(昭和二十九年政令第二百九十四号)第八条第一項の規定により打刻された記号(以下「打刻記号」という。)を記載するものとする。 4 甲区及び乙区の順位番号欄には、事項欄に登記事項を記載した順序を示す番号(以下「順位番号」という。)を記載するものとし、同順位である二以上の権利に関する登記をするときは、順位番号に当該登記を識別するための符号を付すものとする。 5 登記用紙は、表題部、甲区及び乙区並びに共同人名票の順序に従って登記簿につづり込むものとする。 6 表題部、甲区及び乙区並びに共同人名票には、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載するものとする。 7 登記用紙は、登記簿から除却することができない。 ただし、閉鎖した登記用紙は、この限りでない。 8 登記用紙の最初の用紙には、枚数欄中その登記用紙の枚数に相当する数字が記載された部分に登記官が登記官印を押印するものとする。 (登記簿の記載方法) 第三条 表題部に登記事項を記載したときは当該表題部に、事項欄に登記事項を記載したときは順位番号欄及び当該事項欄に、それぞれ縦線を引き、余白と分界するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、仮登記をしたときは、事項欄のみに縦線を引き、その左側に本登記をすることができる相当の余白を設け、かつ、順位番号欄及び当該事項欄に縦線を引くものとする。 (共同人名票) 第四条 登記権利者が多数であるときは、登記権利者の一人の氏名又は名称及び住所並びに他の登記権利者の数を登記用紙の相当区事項欄に記載し、これに共同人名票を追加してつづり込むことができる。 2 共同人名票は、別記第四号様式による。 3 第一項の共同人名票には、甲区又は乙区の別及び持分の目的となる権利を記載するほか、次の各号に掲げる欄にそれぞれ当該各号に定める事項を記載し、かつ、登記官が登記官印を押印しなければならない。 一 順位番号欄 順位番号及び第二条第四項の符号 二 氏名住所欄 登記権利者の全員についての氏名又は名称及び住所(登記用紙の相当区事項欄に記載した者にあっては、住所を除く。) 三 持分欄 登記権利者ごとの持分 第五条 共同人名票に記載した登記権利者について持分の移転の登記、変更の登記又は更正の登記をしたときは、共同人名票の次の各号に掲げる欄に、それぞれ当該各号に定める事項を記載するものとする。 一 順位番号欄 順位番号及び第二条第四項の符号 二 氏名住所欄 当該移転後、変更後又は更正後の登記権利者の氏名又は名称及び住所(登記用紙の相当区事項欄に記載した者にあっては、住所を除く。) 三 持分欄 当該移転後又は更正後の持分 2 登記官は、共同人名票に前項の記載をしたときは、これに登記官印を押印し、移転前、変更前又は更正前の記載を朱抹しなければならない。 第六条 共同人名票に記載した登記権利者について氏名若しくは名称又は住所の変更の登記又は更正の登記をしたときは、共同人名票の予備欄に、氏名又は名称の変更又は更正にあっては変更後又は更正後の氏名又は名称を、住所の変更又は更正にあっては住所についての変更の登記又は更正の登記をした旨を記載するものとする。 この場合には、当該共同人名票の予備欄に登記官が登記官印を押印し、変更前又は更正前の記載を朱抹するものとする。 (新登記用紙への移記) 第七条 登記官は、登記用紙の枚数が過多となったことその他の事由により取扱いが不便となったときは、その登記を新登記用紙に移記することができる。 2 登記官は、前項の場合には、表題部及び甲区又は乙区(以下この条において「各区」という。)の事項欄に移記した登記の末尾に同項の規定により登記を移記した旨及びその年月日を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 3 前二項の規定は、表題部又は各区の用紙が過多となったことその他の事由により取扱いが不便となった場合について、準用する。 4 前項において準用する第一項の規定により登記を移記したときは、移記前の表題部又は各区の用紙に前項の規定により新用紙に登記を移記した旨及びその年月日を記載し、これに登記官が登記官印を押印しなければならない。 この場合には、各区の用紙には、建設機械の名称及び打刻記号を記載しなければならない。 5 第三項において準用する第一項の規定により登記を移記した場合における移記前の表題部又は各区の用紙は、閉鎖した登記用紙とみなす。 (登記用紙の閉鎖方法) 第八条 登記官は、登記用紙を閉鎖するときは、表題部に閉鎖の事由及びその年月日を記載し、これに登記官印を押印し、かつ、建設機械についての建設機械登記令(以下「令」という。)第六条各号に掲げる登記事項(以下「建設機械の表示」という。)を朱抹しなければならない。 (閉鎖登記簿) 第九条 閉鎖登記簿は、別記第五号様式による表紙及び別記第二号様式による目録を付し、建設機械の閉鎖した登記用紙をつづり込むことにより調製するものとする。 (登記簿等の滅失のおそれがある場合) 第十条 法務大臣は、登記簿又はその附属書類が滅失するおそれがあるときは、登記官に対し、必要な処分を命ずることができる。 2 登記官は、登記簿又はその附属書類が滅失するおそれがあるときは、速やかに、その状況を調査し、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。 3 前項の法務局又は地方法務局の長は、同項の報告を受けたときは、相当の調査をし、法務大臣に対し、意見を述べなければならない。 (登記簿の滅失) 第十一条 登記官は、登記簿の全部又は一部が滅失したときは、速やかに、その状況を調査し、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に対し、滅失の理由、その年月日、滅失した登記簿の冊数その他令第四条第一項の規定による告示をするのに必要な事項及び回復の登記に必要な期間を報告しなければならない。 2 前項の法務局又は地方法務局の長は、同項の報告を受けたときは、相当の調査をし、法務大臣に対し、意見を述べなければならない。 (滅失回復の登記の手続等) 第十二条 令第四条第一項の申請をする場合には、令第七条各号に掲げる事項のほか、回復する登記の順位番号及び第二条第四項の符号並びに回復する登記の申請の受付の年月日及び受付番号を申請情報の内容とする。 2 前項の申請をする場合には、回復する登記の登記事項を証する情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 3 登記官は、第一項の申請に基づき登記をするときは、表題部に建設機械の表示を記載しなければならない。 この場合において、回復する登記に職権で登記した事項があることを発見したときは、当該登記した事項も記載しなければならない。 (滅失回復期間中に申請を受けた権利に関する登記の手続等) 第十三条 登記官は、令第四条第四項前段の規定により申請情報を記載した書面を申請情報つづり込み簿につづり込むときは、既につづり込んだ書面の最後の用紙と新たにつづり込むべき書面の最初の用紙とのつづり目に職印をもって契印し、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合において、申請情報つづり込み簿へのつづり込みが完了したときは、当該申請に係る登記をすることによって登記名義人となる申請人に対し、登記識別情報の通知に代えて、当該つづり込みが完了したことを証する情報を記載した書面(以下この条において「つづり込み完了証」という。)を交付しなければならない。 3 前項の規定により交付されたつづり込み完了証を提出して登記の申請がされたときは、登記識別情報が提供されたものとみなして、令第十六条第一項において準用する不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第二十二条本文の規定を適用する。 4 登記官は、令第四条第一項に規定する期間が満了したときは、遅滞なく、同条第四項の申請情報を記載した書面に基づき、新登記簿に必要な登記をしなければならない。 この場合には、事項欄にした登記の末尾に同項の申請情報を記載した書面に基づき登記をした旨及びその年月日を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 5 登記官は、前項の規定により新登記簿に登記をしたときは、同項の書面の末尾にその旨及び登記の年月日を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 6 登記官は、第四項の規定により新登記簿に必要な登記をしたときは、申請に係る登記の登記権利者に対し、登記識別情報の通知を受けることができる旨を通知しなければならない。 7 前項の規定にかかわらず、登記官は、回復した登記が第四項の規定による登記と矛盾するときは、申請人に対し、その旨を通知しなければならない。 8 第六項の登記権利者が登記識別情報の通知を受ける場合には、第二項の規定により交付されたつづり込み完了証を提出しなければならない。 9 第三十五条において準用する不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第三十一条第二項の規定は、第四項の規定による登記が完了するまでの間は、申請情報つづり込み簿につづり込んだ申請情報を記載した書面には適用しない。 (登記用紙の閉鎖) 第十四条 令第五条の法務省令で定めるところにより登記用紙を閉鎖したときは、次に掲げるときとする。 一 第七条第一項の規定により登記を移記したとき。 二 第十条第一項の規定により法務大臣が登記官に対し登記用紙の閉鎖を命じたとき。 (登記簿の目録) 第十五条 登記簿(閉鎖登記簿を含む。以下この条(第二項を除く。)及び第十七条並びに第三十一条から第三十三条までにおいて同じ。)の目録には、登記簿に登記用紙をつづり込むごとに、当該登記用紙に登記した建設機械の名称及び打刻記号並びにつづり込みの年月日を記載し、これに登記官が登記官印を押印するものとする。 2 登記用紙を登記簿から除却したときは、登記簿の目録の当該登記用紙に係る記載を朱抹し、かつ、登記簿の目録に登記用紙を除却した年月日及びその事由を記載し、これに登記官が登記官印を押印するものとする。 3 登記簿の目録には、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載するものとする。 (受付帳) 第十六条 登記所には、別記第六号様式による受付帳を備えるものとする。 (帳簿) 第十七条 登記所には、登記簿、申請情報つづり込み簿及び受付帳のほか、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 共同担保目録つづり込み帳 二 信託目録つづり込み帳 三 申請書類つづり込み帳 四 決定原本つづり込み帳 五 審査請求書類等つづり込み帳 六 各種通知簿 七 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳 八 請求書類つづり込み帳 (各種通知簿) 第十八条 各種通知簿には、通知をすべき事項、通知を受ける者及び通知を発する年月日を記載するものとする。 第二章 登記手続 第一節 通則 (順位事項) 第十九条 令第十六条第一項において準用する不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第二条第八号の順位事項は、順位番号及び第二条第四項の符号とする。 第二節 建設機械の登記手続 第一款 所有権に関する登記 (表題部の登記の手続) 第二十条 登記官は、令第十条の規定により建設機械の表示を登記するときは、表題部に、申請の受付の年月日を記載し、かつ、登記官印を押印しなければならない。 第二款 抵当権に関する登記 (追加共同担保の登記の申請情報) 第二十一条 令別表の九の項申請情報欄ハ、同表の十の項申請情報欄ニ(4)並びに同表の十二の項申請情報欄ハ及びヘ(4)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保の根抵当権の分割譲渡の登記の申請情報) 第二十二条 令別表の十四の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保書面の提出等) 第二十三条 令第十六条第一項において準用する不動産登記法第十八条第二号の規定により申請情報を記載した書面を登記所に提出する方法による申請(以下「書面申請」という。)により二以上の建設機械についての抵当権の設定の登記を申請するときは、共同担保目録に記載すべき情報を記載した書面(以下「共同担保書面」という。)をその申請情報を記載した書面に添付して提出しなければならない。 2 前項の規定は、一又は二以上の建設機械についての抵当権の設定の登記をした後、同一の債権の担保として他の建設機械についての抵当権の設定の登記を申請するときについて準用する。 3 前項に規定する場合において、申請をする登記所に前の登記に関する共同担保目録があり、かつ、一の建設機械についての抵当権の設定の登記を申請するときは、同項において準用する第一項の規定にかかわらず、共同担保書面を提出することを要しない。 4 第二項において準用する第一項の規定により提出しなければならない共同担保書面には、前の登記に係る建設機械の表示を記載しなければならない。 5 二以上の建設機械についての抵当権の設定の登記を申請する場合において、前の登記に他の登記所の管轄に属する建設機械についての抵当権の登記があるときは、その登記所の数に応じた共同担保書面もその申請情報を記載した書面に添付して提出しなければならない。 (共同担保書面の作成方法等) 第二十四条 前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により申請人が提出しなければならない共同担保書面は、別記第七号様式によるものとし、その継続用紙は、別記第八号様式によるものとする。 2 申請人は、前項の共同担保書面に、登記すべき抵当権の目的となる建設機械の表示を記載し、これに記名押印しなければならない。 この場合において、当該共同担保書面が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 3 前項の記名押印又は契印は、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)がすれば足りる。 (共同担保目録) 第二十五条 第二十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により提出された共同担保書面は、令第十六条第一項において準用する不動産登記法第八十三条第二項の共同担保目録とみなす。 2 第二十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により共同担保書面が提出された場合において、前の登記に関する共同担保目録があるときは、新たに提出される共同担保書面は、当該前の登記に関する共同担保目録の一部とみなす。 3 登記官は、共同担保目録に第三十五条において準用する不動産登記規則第百六十八条第三項又は第三十五条において読み替えて準用する不動産登記規則第百七十条第一項の規定による記載をしたときは、これに登記官印を押印しなければならない。 4 登記官は、第三十五条において読み替えて準用する不動産登記規則第百六十八条第五項の通知をする場合において、第二十三条第五項の共同担保書面があるときは、当該通知をする登記所に当該共同担保書面を送付しなければならない。 5 登記官は、前項の規定により他の登記所から送付を受けた共同担保書面に記載された建設機械についての抵当権であって前の登記に関する共同担保目録に記載されたものがあるときは、送付を受けた共同担保書面の当該抵当権に関する記載を朱抹しなければならない。 6 共同担保目録の用紙に記載することができる余白がなくなったときは、当該共同担保目録に継続用紙をつづり込み、そのつづり目に契印をするものとする。 (共同担保目録つづり込み帳へのつづり込み等) 第二十六条 第二十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により提出された共同担保書面は、第三十五条において準用する不動産登記規則第十九条の規定にかかわらず、共同担保目録つづり込み帳につづり込むものとする。 2 前条第二項の規定により前の登記に関する共同担保目録の一部とみなされる共同担保書面には、前の登記に関する共同担保目録と同一の記号及び目録番号を付すものとする。 3 共同担保目録つづり込み帳に共同担保目録をつづり込むときは、その目録番号の順序によるものとする。 4 共同担保目録つづり込み帳は、記号ごとに別冊にするものとする。 ただし、分冊にすることを妨げない。 第三款 信託に関する登記 (信託目録の作成等) 第二十七条 信託目録は、別記第九号様式による。 2 書面申請により提出された信託目録に記載すべき情報が記載された書面は、令第十六条第一項において準用する不動産登記法第九十七条第三項の信託目録とみなす。 3 申請人は、前項の書面に記名押印するものとし、当該書面が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印しなければならない。 この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)が記名押印又は契印をすれば足りる。 4 第二項の書面は、第三十五条において準用する不動産登記規則第十九条の規定にかかわらず、信託目録つづり込み帳につづり込むものとする。 5 信託目録は、その表紙に申請書の受付の年月日及び受付番号を記載し、受付番号の順序に従って信託目録つづり込み帳につづり込み、これに番号を付すものとする。 (信託目録の記載の変更等) 第二十八条 信託目録の記載を変更するときは、当該信託目録に別記第十号様式の変更欄用紙をつづり込み、そのつづり目に契印をし、当該変更欄用紙に変更後の事項を記載するものとする。 2 前項の変更欄用紙の変更欄に記載をしたときは、当該変更欄に縦線を引き、余白と分界するものとする。 (信託目録の予備欄等) 第二十九条 信託目録の用紙の記載すべき欄に余白がないときは、予備欄に記載するものとする。 2 前項の予備欄に記載することができる余白がないときは、別記第十一号様式の予備欄用紙をつづり込み、これに記載するものとする。 第四款 表題部の変更の登記等 第三十条 登記官は、表題部の変更の登記又は更正の登記をするときは、表題部に申請の受付の年月日及び変更後又は更正後の登記事項を記載し、かつ、変更前又は更正前の登記事項の記載を朱抹しなければならない。 第三章 登記事項の証明等 (登記簿の謄本の交付の請求方法等) 第三十一条 登記簿の謄本若しくは抄本の交付又は登記簿の閲覧を請求するときは、次に掲げる事項を記載した書面を登記所に提出しなければならない。 一 請求人の氏名又は名称 二 建設機械の名称 三 打刻記号 四 交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数 五 登記簿の謄本の交付を請求する場合において、共同担保目録又は信託目録に記載された事項について証明を求めるときは、その旨 六 登記簿の抄本の交付を請求する場合にあっては、請求する部分 2 令第十四条第一項又は第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、前項第一号から第三号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載した書面を登記所に提出しなければならない。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 令第十四条第一項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する部分及び当該部分を閲覧する正当な理由 五 令第十四条第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨 3 前項第四号の閲覧の請求をするときは、同号の正当な理由を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 4 第二項第五号の閲覧の請求をするときは、同号の閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 5 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、同項の書面に当該法人の会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。次項及び第六項において同じ。)をも記載したときは、この限りでない。 6 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものが法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、同項の書面に当該法人の会社法人等番号をも記載したときは、この限りでない。 7 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、同項の書面に当該代理人の会社法人等番号をも記載したときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 8 令第十四条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法とする。 (登記簿の謄本の作成等) 第三十二条 登記簿の謄本は、登記簿の一登記用紙の全部を遺漏なく謄写して作成しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、登記簿の謄本は、請求人の申出により現に効力を有する登記のみを謄写して作成することができる。 この場合には、認証文にその旨を付記しなければならない。 3 登記簿の謄本を作成する場合において、前条第一項の書面に同項第五号に掲げる事項の記載がないときは、共同担保目録又は信託目録の謄写を省略するものとする。 第三十三条 登記簿の謄本は、登記官が登記簿と同一様式の用紙を用いて作成するものとする。 2 登記官は、登記簿の謄本を作成するときは、その末尾に登記簿の謄本である旨の認証文を付記した上、年月日及び職氏名を記載し、職印を押印し、かつ、各用紙のつづり目に契印又はこれに準ずる措置を講じなければならない。 3 登記簿の謄本は、謄写すべき登記の記載がない用紙を省略して作成することができる。 この場合には、登記官は、認証文にその旨を付記しなければならない。 4 登記簿の抄本は、適宜の様式の用紙を用いて作成するものとする。 5 第二項の規定は、登記簿の抄本について準用する。 第四章 雑則 (登録免許税を納付する場合における申請情報等) 第三十四条 登記の申請においては、登録免許税額を申請情報の内容としなければならない。 この場合において、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一第八号(二)のイからハまで及びホに掲げる登記については、課税標準の金額も申請情報の内容としなければならない。 (不動産登記規則の準用) 第三十五条 不動産登記規則第二条第一項、第三条第一号、第二号及び第四号から第八号まで、第五条、第十七条第二項、第十九条、第二十四条から第二十六条まで、第二十七条第一項第一号、第六号及び第七号並びに第二項、第二十八条第一号、第五号から第八号まで、第十号及び第十五号から第十八号まで、第二十九条、第三十一条、第三十四条第一項第一号及び第六号から第八号まで、第三十五条第六号及び第八号から第十号まで、第三十六条から第三十九条まで、第四十一条から第四十六条まで、第四十七条(第三号イ(6)を除く。)、第四十八条から第七十二条まで、第九十二条第一項、第百十条、第百四十六条、第百四十八条から第百五十五条まで、第百六十三条から第百六十六条まで、第百六十七条(第一項第三号ロ及びハを除く。)、第百六十八条(第一項を除く。)、第百六十九条(第一項を除く。)、第百七十条、第百七十五条、第百七十六条(第三項を除く。)、第百七十八条から第百八十条まで、第百八十一条(第二項第三号を除く。)から第百八十二条の二まで、第百八十三条第一項第二号、第二項及び第四項、第百八十五条、第百八十六条、第百八十七条第二号、第百八十八条、第百八十九条(第一項を除く。)、第百九十条から第百九十二条まで、第二百二条第一項並びに第二百三条の規定は、建設機械の登記について準用する。 この場合において、これらの規定(第六十五条第二項第五号イ、第六十八条第一項第五号イ、第百十条、第百八十一条第二項及び第百八十五条第一項第一号イを除く。)中「不動産」とあるのは「建設機械」と、「登記記録」とあるのは「登記用紙」と読み替えるほか、次の表の上欄に掲げる不動産登記規則の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十七条第二項 第十九条から第二十二条まで 第十九条 次条第二号から第五号までに掲げる帳簿 申請書類つづり込み帳 第二十七条第一号 登記事項証明書 登記簿の謄本又は抄本 第二十八条第五号 建物に関する閉鎖登記記録 閉鎖登記簿 第三十五条第八号及び第十号 同一の登記所の管轄区域内にある その登記の事務が同一の登記所の管轄に属する 第三十六条第一項 令第七条第一項第一号 建設機械登記令(昭和二十九年政令第三百五号)第八条第一項第一号 第三十六条第三項 令第七条第一項第二号 建設機械登記令第八条第一項第二号 第六十五条第二項第五号イ及び第六十八条第一項第五号イ 不動産所在事項又は不動産番号 建設機械の表示 第六十五条第六項及び第六十八条第七項 第七条第一項第一号及び第二号 建設機械登記令第八条第一項第一号及び第二号 第六十五条第七項及び第六十八条第八項 令第七条第一項第一号及び第二号 建設機械登記令第八条第一項第一号及び第二号 第百十条第一項 前条の 建設機械登記令第十二条第二項の 登記記録 登記用紙 第百十条第一項及び第二項 土地 建設機械 不動産 建設機械 不動産所在事項 建設機械の表示 第百十条第三項 不動産が他の登記所の管轄区域内にある 建設機械についての登記の事務が他の登記所の管轄に属する 第百十条第一項、第百五十条、第百五十二条第一項、第百七十条第一項及び第二項 抹消する記号を記録しなければ 朱抹しなければ 第百六十六条第一項 次条 次条並びに建設機械登記規則(平成十七年法務省令第三十号)第二十三条第一項及び第二項 第百六十八条第五項 他の登記所の管轄区域内にある その登記の事務が他の登記所の管轄に属する 第百七十六条第二項 別記第五号様式 建設機械登記規則別記第九号様式 第百八十一条第二項第四号 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項 建設機械の表示 第百八十五条第一項第一号イ 不動産所在事項及び不動産番号 建設機械の表示 第二百三条第一項 法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項まで 建設機械登記令第十三条第一項及び第二項並びに第十四条第一項及び第二項 (不動産登記法等の準用における技術的読替え) 第三十六条 令第十六条第一項の場合において必要な技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 不動産登記法第二十三条第二項 登記記録上 登記簿上 不動産登記法第二十五条第六号及び第七号 登記記録 登記簿の記載 不動産登記法第六十七条第一項 権利に関する登記 登記 不動産登記法第百五条第一号及び第二号 第三条各号に掲げる権利 所有権又は抵当権 不動産登記法第百六条 登記記録 登記簿 不動産登記令第二条第一号 次章の規定 次章の規定若しくは建設機械登記令第八条の規定 不動産登記令第四条ただし書 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産 その登記の事務が同一の登記所の管轄に属する二以上の建設機械 不動産登記令第九条 第七条第一項第六号 建設機械登記令第八条第一項第四号 不動産登記令第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号 第七条第一項第五号ハ若しくは建設機械登記令第八条第一項第四号 (登記の嘱託) 第三十七条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
民事
Heisei
MinisterialOrdinance
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平成十七年法務省令第三十号
46
建設機械登記規則 第一章 登記簿等 (登記簿の様式等) 第一条 登記簿には、別記第一号様式による表紙及び別記第二号様式による目録を付し、別記第三号様式による登記用紙をつづり込むものとする。 2 登記簿は、バインダー式帳簿であって厳重に用紙を保存することができる措置を施したものとする。 (登記用紙) 第二条 登記用紙は、建設機械の名称の五十音順に従って登記簿につづり込むものとする。 2 権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区の事項欄には所有権に関する登記の登記事項を記載するものとし、乙区の事項欄には抵当権に関する登記の登記事項を記載するものとする。 3 表題部の名称欄には、その登記用紙に登記した建設機械の名称及び建設機械抵当法施行令(昭和二十九年政令第二百九十四号)第八条第一項の規定により打刻された記号(以下「打刻記号」という。)を記載するものとする。 4 甲区及び乙区の順位番号欄には、事項欄に登記事項を記載した順序を示す番号(以下「順位番号」という。)を記載するものとし、同順位である二以上の権利に関する登記をするときは、順位番号に当該登記を識別するための符号を付すものとする。 5 登記用紙は、表題部、甲区及び乙区並びに共同人名票の順序に従って登記簿につづり込むものとする。 6 表題部、甲区及び乙区並びに共同人名票には、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載するものとする。 7 登記用紙は、登記簿から除却することができない。 ただし、閉鎖した登記用紙は、この限りでない。 8 登記用紙の最初の用紙には、枚数欄中その登記用紙の枚数に相当する数字が記載された部分に登記官が登記官印を押印するものとする。 (登記簿の記載方法) 第三条 表題部に登記事項を記載したときは当該表題部に、事項欄に登記事項を記載したときは順位番号欄及び当該事項欄に、それぞれ縦線を引き、余白と分界するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、仮登記をしたときは、事項欄のみに縦線を引き、その左側に本登記をすることができる相当の余白を設け、かつ、順位番号欄及び当該事項欄に縦線を引くものとする。 (共同人名票) 第四条 登記権利者が多数であるときは、登記権利者の一人の氏名又は名称及び住所並びに他の登記権利者の数を登記用紙の相当区事項欄に記載し、これに共同人名票を追加してつづり込むことができる。 2 共同人名票は、別記第四号様式による。 3 第一項の共同人名票には、甲区又は乙区の別及び持分の目的となる権利を記載するほか、次の各号に掲げる欄にそれぞれ当該各号に定める事項を記載し、かつ、登記官が登記官印を押印しなければならない。 一 順位番号欄 順位番号及び第二条第四項の符号 二 氏名住所欄 登記権利者の全員についての氏名又は名称及び住所(登記用紙の相当区事項欄に記載した者にあっては、住所を除く。) 三 持分欄 登記権利者ごとの持分 第五条 共同人名票に記載した登記権利者について持分の移転の登記、変更の登記又は更正の登記をしたときは、共同人名票の次の各号に掲げる欄に、それぞれ当該各号に定める事項を記載するものとする。 一 順位番号欄 順位番号及び第二条第四項の符号 二 氏名住所欄 当該移転後、変更後又は更正後の登記権利者の氏名又は名称及び住所(登記用紙の相当区事項欄に記載した者にあっては、住所を除く。) 三 持分欄 当該移転後又は更正後の持分 2 登記官は、共同人名票に前項の記載をしたときは、これに登記官印を押印し、移転前、変更前又は更正前の記載を朱抹しなければならない。 第六条 共同人名票に記載した登記権利者について氏名若しくは名称又は住所の変更の登記又は更正の登記をしたときは、共同人名票の予備欄に、氏名又は名称の変更又は更正にあっては変更後又は更正後の氏名又は名称を、住所の変更又は更正にあっては住所についての変更の登記又は更正の登記をした旨を記載するものとする。 この場合には、当該共同人名票の予備欄に登記官が登記官印を押印し、変更前又は更正前の記載を朱抹するものとする。 (新登記用紙への移記) 第七条 登記官は、登記用紙の枚数が過多となったことその他の事由により取扱いが不便となったときは、その登記を新登記用紙に移記することができる。 2 登記官は、前項の場合には、表題部及び甲区又は乙区(以下この条において「各区」という。)の事項欄に移記した登記の末尾に同項の規定により登記を移記した旨及びその年月日を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 3 前二項の規定は、表題部又は各区の用紙が過多となったことその他の事由により取扱いが不便となった場合について、準用する。 4 前項において準用する第一項の規定により登記を移記したときは、移記前の表題部又は各区の用紙に前項の規定により新用紙に登記を移記した旨及びその年月日を記載し、これに登記官が登記官印を押印しなければならない。 この場合には、各区の用紙には、建設機械の名称及び打刻記号を記載しなければならない。 5 第三項において準用する第一項の規定により登記を移記した場合における移記前の表題部又は各区の用紙は、閉鎖した登記用紙とみなす。 (登記用紙の閉鎖方法) 第八条 登記官は、登記用紙を閉鎖するときは、表題部に閉鎖の事由及びその年月日を記載し、これに登記官印を押印し、かつ、建設機械についての建設機械登記令(以下「令」という。)第六条各号に掲げる登記事項(以下「建設機械の表示」という。)を朱抹しなければならない。 (閉鎖登記簿) 第九条 閉鎖登記簿は、別記第五号様式による表紙及び別記第二号様式による目録を付し、建設機械の閉鎖した登記用紙をつづり込むことにより調製するものとする。 (登記簿等の滅失のおそれがある場合) 第十条 法務大臣は、登記簿又はその附属書類が滅失するおそれがあるときは、登記官に対し、必要な処分を命ずることができる。 2 登記官は、登記簿又はその附属書類が滅失するおそれがあるときは、速やかに、その状況を調査し、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。 3 前項の法務局又は地方法務局の長は、同項の報告を受けたときは、相当の調査をし、法務大臣に対し、意見を述べなければならない。 (登記簿の滅失) 第十一条 登記官は、登記簿の全部又は一部が滅失したときは、速やかに、その状況を調査し、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に対し、滅失の理由、その年月日、滅失した登記簿の冊数その他令第四条第一項の規定による告示をするのに必要な事項及び回復の登記に必要な期間を報告しなければならない。 2 前項の法務局又は地方法務局の長は、同項の報告を受けたときは、相当の調査をし、法務大臣に対し、意見を述べなければならない。 (滅失回復の登記の手続等) 第十二条 令第四条第一項の申請をする場合には、令第七条各号に掲げる事項のほか、回復する登記の順位番号及び第二条第四項の符号並びに回復する登記の申請の受付の年月日及び受付番号を申請情報の内容とする。 2 前項の申請をする場合には、回復する登記の登記事項を証する情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 3 登記官は、第一項の申請に基づき登記をするときは、表題部に建設機械の表示を記載しなければならない。 この場合において、回復する登記に職権で登記した事項があることを発見したときは、当該登記した事項も記載しなければならない。 (滅失回復期間中に申請を受けた権利に関する登記の手続等) 第十三条 登記官は、令第四条第四項前段の規定により申請情報を記載した書面を申請情報つづり込み簿につづり込むときは、既につづり込んだ書面の最後の用紙と新たにつづり込むべき書面の最初の用紙とのつづり目に職印をもって契印し、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載しなければならない。 2 登記官は、前項に規定する場合において、申請情報つづり込み簿へのつづり込みが完了したときは、当該申請に係る登記をすることによって登記名義人となる申請人に対し、登記識別情報の通知に代えて、当該つづり込みが完了したことを証する情報を記載した書面(以下この条において「つづり込み完了証」という。)を交付しなければならない。 3 前項の規定により交付されたつづり込み完了証を提出して登記の申請がされたときは、登記識別情報が提供されたものとみなして、令第十六条第一項において準用する不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第二十二条本文の規定を適用する。 4 登記官は、令第四条第一項に規定する期間が満了したときは、遅滞なく、同条第四項の申請情報を記載した書面に基づき、新登記簿に必要な登記をしなければならない。 この場合には、事項欄にした登記の末尾に同項の申請情報を記載した書面に基づき登記をした旨及びその年月日を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 5 登記官は、前項の規定により新登記簿に登記をしたときは、同項の書面の末尾にその旨及び登記の年月日を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。 6 登記官は、第四項の規定により新登記簿に必要な登記をしたときは、申請に係る登記の登記権利者に対し、登記識別情報の通知を受けることができる旨を通知しなければならない。 7 前項の規定にかかわらず、登記官は、回復した登記が第四項の規定による登記と矛盾するときは、申請人に対し、その旨を通知しなければならない。 8 第六項の登記権利者が登記識別情報の通知を受ける場合には、第二項の規定により交付されたつづり込み完了証を提出しなければならない。 9 第三十五条において準用する不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第三十一条第二項の規定は、第四項の規定による登記が完了するまでの間は、申請情報つづり込み簿につづり込んだ申請情報を記載した書面には適用しない。 (登記用紙の閉鎖) 第十四条 令第五条の法務省令で定めるところにより登記用紙を閉鎖したときは、次に掲げるときとする。 一 第七条第一項の規定により登記を移記したとき。 二 第十条第一項の規定により法務大臣が登記官に対し登記用紙の閉鎖を命じたとき。 (登記簿の目録) 第十五条 登記簿(閉鎖登記簿を含む。以下この条(第二項を除く。)及び第十七条並びに第三十一条から第三十三条までにおいて同じ。)の目録には、登記簿に登記用紙をつづり込むごとに、当該登記用紙に登記した建設機械の名称及び打刻記号並びにつづり込みの年月日を記載し、これに登記官が登記官印を押印するものとする。 2 登記用紙を登記簿から除却したときは、登記簿の目録の当該登記用紙に係る記載を朱抹し、かつ、登記簿の目録に登記用紙を除却した年月日及びその事由を記載し、これに登記官が登記官印を押印するものとする。 3 登記簿の目録には、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載するものとする。 (受付帳) 第十六条 登記所には、別記第六号様式による受付帳を備えるものとする。 (帳簿) 第十七条 登記所には、登記簿、申請情報つづり込み簿及び受付帳のほか、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 共同担保目録つづり込み帳 二 信託目録つづり込み帳 三 申請書類つづり込み帳 四 決定原本つづり込み帳 五 審査請求書類等つづり込み帳 六 各種通知簿 七 登記識別情報失効申出書類つづり込み帳 八 請求書類つづり込み帳 (各種通知簿) 第十八条 各種通知簿には、通知をすべき事項、通知を受ける者及び通知を発する年月日を記載するものとする。 第二章 登記手続 第一節 通則 (順位事項) 第十九条 令第十六条第一項において準用する不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第二条第八号の順位事項は、順位番号及び第二条第四項の符号とする。 第二節 建設機械の登記手続 第一款 所有権に関する登記 (表題部の登記の手続) 第二十条 登記官は、令第十条の規定により建設機械の表示を登記するときは、表題部に、申請の受付の年月日を記載し、かつ、登記官印を押印しなければならない。 第二款 抵当権に関する登記 (追加共同担保の登記の申請情報) 第二十一条 令別表の九の項申請情報欄ハ、同表の十の項申請情報欄ニ(4)並びに同表の十二の項申請情報欄ハ及びヘ(4)の法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保の根抵当権の分割譲渡の登記の申請情報) 第二十二条 令別表の十四の項申請情報欄ホの法務省令で定める事項は、共同担保目録の記号及び目録番号とする。 (共同担保書面の提出等) 第二十三条 令第十六条第一項において準用する不動産登記法第十八条第二号の規定により申請情報を記載した書面を登記所に提出する方法による申請(以下「書面申請」という。)により二以上の建設機械についての抵当権の設定の登記を申請するときは、共同担保目録に記載すべき情報を記載した書面(以下「共同担保書面」という。)をその申請情報を記載した書面に添付して提出しなければならない。 2 前項の規定は、一又は二以上の建設機械についての抵当権の設定の登記をした後、同一の債権の担保として他の建設機械についての抵当権の設定の登記を申請するときについて準用する。 3 前項に規定する場合において、申請をする登記所に前の登記に関する共同担保目録があり、かつ、一の建設機械についての抵当権の設定の登記を申請するときは、同項において準用する第一項の規定にかかわらず、共同担保書面を提出することを要しない。 4 第二項において準用する第一項の規定により提出しなければならない共同担保書面には、前の登記に係る建設機械の表示を記載しなければならない。 5 二以上の建設機械についての抵当権の設定の登記を申請する場合において、前の登記に他の登記所の管轄に属する建設機械についての抵当権の登記があるときは、その登記所の数に応じた共同担保書面もその申請情報を記載した書面に添付して提出しなければならない。 (共同担保書面の作成方法等) 第二十四条 前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により申請人が提出しなければならない共同担保書面は、別記第七号様式によるものとし、その継続用紙は、別記第八号様式によるものとする。 2 申請人は、前項の共同担保書面に、登記すべき抵当権の目的となる建設機械の表示を記載し、これに記名押印しなければならない。 この場合において、当該共同担保書面が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。 3 前項の記名押印又は契印は、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)がすれば足りる。 (共同担保目録) 第二十五条 第二十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により提出された共同担保書面は、令第十六条第一項において準用する不動産登記法第八十三条第二項の共同担保目録とみなす。 2 第二十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により共同担保書面が提出された場合において、前の登記に関する共同担保目録があるときは、新たに提出される共同担保書面は、当該前の登記に関する共同担保目録の一部とみなす。 3 登記官は、共同担保目録に第三十五条において準用する不動産登記規則第百六十八条第三項又は第三十五条において読み替えて準用する不動産登記規則第百七十条第一項の規定による記載をしたときは、これに登記官印を押印しなければならない。 4 登記官は、第三十五条において読み替えて準用する不動産登記規則第百六十八条第五項の通知をする場合において、第二十三条第五項の共同担保書面があるときは、当該通知をする登記所に当該共同担保書面を送付しなければならない。 5 登記官は、前項の規定により他の登記所から送付を受けた共同担保書面に記載された建設機械についての抵当権であって前の登記に関する共同担保目録に記載されたものがあるときは、送付を受けた共同担保書面の当該抵当権に関する記載を朱抹しなければならない。 6 共同担保目録の用紙に記載することができる余白がなくなったときは、当該共同担保目録に継続用紙をつづり込み、そのつづり目に契印をするものとする。 (共同担保目録つづり込み帳へのつづり込み等) 第二十六条 第二十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により提出された共同担保書面は、第三十五条において準用する不動産登記規則第十九条の規定にかかわらず、共同担保目録つづり込み帳につづり込むものとする。 2 前条第二項の規定により前の登記に関する共同担保目録の一部とみなされる共同担保書面には、前の登記に関する共同担保目録と同一の記号及び目録番号を付すものとする。 3 共同担保目録つづり込み帳に共同担保目録をつづり込むときは、その目録番号の順序によるものとする。 4 共同担保目録つづり込み帳は、記号ごとに別冊にするものとする。 ただし、分冊にすることを妨げない。 第三款 信託に関する登記 (信託目録の作成等) 第二十七条 信託目録は、別記第九号様式による。 2 書面申請により提出された信託目録に記載すべき情報が記載された書面は、令第十六条第一項において準用する不動産登記法第九十七条第三項の信託目録とみなす。 3 申請人は、前項の書面に記名押印するものとし、当該書面が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印しなければならない。 この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)が記名押印又は契印をすれば足りる。 4 第二項の書面は、第三十五条において準用する不動産登記規則第十九条の規定にかかわらず、信託目録つづり込み帳につづり込むものとする。 5 信託目録は、その表紙に申請書の受付の年月日及び受付番号を記載し、受付番号の順序に従って信託目録つづり込み帳につづり込み、これに番号を付すものとする。 (信託目録の記載の変更等) 第二十八条 信託目録の記載を変更するときは、当該信託目録に別記第十号様式の変更欄用紙をつづり込み、そのつづり目に契印をし、当該変更欄用紙に変更後の事項を記載するものとする。 2 前項の変更欄用紙の変更欄に記載をしたときは、当該変更欄に縦線を引き、余白と分界するものとする。 (信託目録の予備欄等) 第二十九条 信託目録の用紙の記載すべき欄に余白がないときは、予備欄に記載するものとする。 2 前項の予備欄に記載することができる余白がないときは、別記第十一号様式の予備欄用紙をつづり込み、これに記載するものとする。 第四款 表題部の変更の登記等 第三十条 登記官は、表題部の変更の登記又は更正の登記をするときは、表題部に申請の受付の年月日及び変更後又は更正後の登記事項を記載し、かつ、変更前又は更正前の登記事項の記載を朱抹しなければならない。 第三章 登記事項の証明等 (登記簿の謄本の交付の請求方法等) 第三十一条 登記簿の謄本若しくは抄本の交付又は登記簿の閲覧を請求するときは、次に掲げる事項を記載した書面を登記所に提出しなければならない。 一 請求人の氏名又は名称 二 建設機械の名称 三 打刻記号 四 交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数 五 登記簿の謄本の交付を請求する場合において、共同担保目録又は信託目録に記載された事項について証明を求めるときは、その旨 六 登記簿の抄本の交付を請求する場合にあっては、請求する部分 2 令第十四条第一項又は第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、前項第一号から第三号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載した書面を登記所に提出しなければならない。 一 請求人の住所 二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名 三 代理人によって請求するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 四 令第十四条第一項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する部分及び当該部分を閲覧する正当な理由 五 令第十四条第二項の規定により附属書類の閲覧を請求するときは、閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨 3 前項第四号の閲覧の請求をするときは、同号の正当な理由を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 4 第二項第五号の閲覧の請求をするときは、同号の閲覧する附属書類が自己を申請人とする登記記録に係る登記簿の附属書類である旨を証する書面を提示しなければならない。 この場合において、登記官から求めがあったときは、当該書面又はその写しを登記官に提出しなければならない。 5 第二項の閲覧の請求をする場合において、請求人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面を提示しなければならない。 ただし、同項の書面に当該法人の会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。次項及び第六項において同じ。)をも記載したときは、この限りでない。 6 第二項の閲覧の請求を代理人によってするときは、当該代理人の権限を証する書面を提示しなければならない。 ただし、支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものが法人を代理して同項の閲覧の請求をする場合において、同項の書面に当該法人の会社法人等番号をも記載したときは、この限りでない。 7 法人である代理人によって第二項の閲覧の請求をする場合において、同項の書面に当該代理人の会社法人等番号をも記載したときは、当該代理人の代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。 8 令第十四条第一項の法務省令で定める方法は、電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力して表示する方法とする。 (登記簿の謄本の作成等) 第三十二条 登記簿の謄本は、登記簿の一登記用紙の全部を遺漏なく謄写して作成しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、登記簿の謄本は、請求人の申出により現に効力を有する登記のみを謄写して作成することができる。 この場合には、認証文にその旨を付記しなければならない。 3 登記簿の謄本を作成する場合において、前条第一項の書面に同項第五号に掲げる事項の記載がないときは、共同担保目録又は信託目録の謄写を省略するものとする。 第三十三条 登記簿の謄本は、登記官が登記簿と同一様式の用紙を用いて作成するものとする。 2 登記官は、登記簿の謄本を作成するときは、その末尾に登記簿の謄本である旨の認証文を付記した上、年月日及び職氏名を記載し、職印を押印し、かつ、各用紙のつづり目に契印又はこれに準ずる措置を講じなければならない。 3 登記簿の謄本は、謄写すべき登記の記載がない用紙を省略して作成することができる。 この場合には、登記官は、認証文にその旨を付記しなければならない。 4 登記簿の抄本は、適宜の様式の用紙を用いて作成するものとする。 5 第二項の規定は、登記簿の抄本について準用する。 第四章 雑則 (登録免許税を納付する場合における申請情報等) 第三十四条 登記の申請においては、登録免許税額を申請情報の内容としなければならない。 この場合において、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一第八号(二)のイからハまで及びホに掲げる登記については、課税標準の金額も申請情報の内容としなければならない。 (不動産登記規則の準用) 第三十五条 不動産登記規則第二条第一項、第三条第一号、第二号及び第四号から第八号まで、第五条、第十七条第二項、第十九条、第二十四条から第二十六条まで、第二十七条第一項第一号、第六号及び第七号並びに第二項、第二十八条第一号、第五号から第八号まで、第十号及び第十五号から第十八号まで、第二十九条、第三十一条、第三十四条第一項第一号及び第六号から第八号まで、第三十五条第六号及び第八号から第十号まで、第三十六条から第三十九条まで、第四十一条から第四十六条まで、第四十七条(第三号イ(6)を除く。)、第四十八条から第七十二条まで、第九十二条第一項、第百十条、第百四十六条、第百四十八条から第百五十五条まで、第百六十三条から第百六十六条まで、第百六十七条(第一項第三号ロ及びハを除く。)、第百六十八条(第一項を除く。)、第百六十九条(第一項を除く。)、第百七十条、第百七十五条、第百七十六条(第三項を除く。)、第百七十八条から第百八十条まで、第百八十一条(第二項第三号を除く。)から第百八十二条の二まで、第百八十三条第一項第二号、第二項及び第四項、第百八十五条、第百八十六条、第百八十七条第二号、第百八十八条、第百八十九条(第一項を除く。)、第百九十条から第百九十二条まで、第二百二条第一項及び第三項並びに第二百三条の規定は、建設機械の登記について準用する。 この場合において、これらの規定(第六十五条第二項第五号イ、第六十八条第一項第五号イ、第百十条、第百八十一条第二項及び第百八十五条第一項第一号イを除く。)中「不動産」とあるのは「建設機械」と、「登記記録」とあるのは「登記用紙」と読み替えるほか、次の表の上欄に掲げる不動産登記規則の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 第十七条第二項 第十九条から第二十二条まで 第十九条 次条第二号から第五号までに掲げる帳簿 申請書類つづり込み帳 第二十七条第一号 登記事項証明書 登記簿の謄本又は抄本 第二十八条第五号 建物に関する閉鎖登記記録 閉鎖登記簿 第三十五条第八号及び第十号 同一の登記所の管轄区域内にある その登記の事務が同一の登記所の管轄に属する 第三十六条第一項 令第七条第一項第一号 建設機械登記令(昭和二十九年政令第三百五号)第八条第一項第一号 第三十六条第三項 令第七条第一項第二号 建設機械登記令第八条第一項第二号 第六十五条第二項第五号イ及び第六十八条第一項第五号イ 不動産所在事項又は不動産番号 建設機械の表示 第六十五条第六項及び第六十八条第七項 第七条第一項第一号及び第二号 建設機械登記令第八条第一項第一号及び第二号 第六十五条第七項及び第六十八条第八項 令第七条第一項第一号及び第二号 建設機械登記令第八条第一項第一号及び第二号 第百十条第一項 前条の 建設機械登記令第十二条第二項の 登記記録 登記用紙 第百十条第一項及び第二項 土地 建設機械 不動産 建設機械 不動産所在事項 建設機械の表示 第百十条第三項 不動産が他の登記所の管轄区域内にある 建設機械についての登記の事務が他の登記所の管轄に属する 第百十条第一項、第百五十条、第百五十二条第一項、第百七十条第一項及び第二項 抹消する記号を記録しなければ 朱抹しなければ 第百六十六条第一項 次条 次条並びに建設機械登記規則(平成十七年法務省令第三十号)第二十三条第一項及び第二項 第百六十八条第五項 他の登記所の管轄区域内にある その登記の事務が他の登記所の管轄に属する 第百七十六条第二項 別記第五号様式 建設機械登記規則別記第九号様式 第百八十一条第二項第四号 法第三十四条第一項各号及び第四十四条第一項各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項 建設機械の表示 第百八十五条第一項第一号イ 不動産所在事項及び不動産番号 建設機械の表示 第二百二条第三項 法第百二十一条第三項又は第四項 建設機械登記令第十四条第一項又は第二項 第二百三条第一項 法第百十九条第一項及び第二項、第百二十条第一項及び第二項並びに第百二十一条第一項から第四項まで 建設機械登記令第十三条第一項及び第二項並びに第十四条第一項及び第二項 (不動産登記法等の準用における技術的読替え) 第三十六条 令第十六条第一項の場合において必要な技術的読替えは、次の表のとおりとする。 読み替える規定 読み替えられる字句 読み替える字句 不動産登記法第二十三条第二項 登記記録上 登記簿上 不動産登記法第二十五条第六号及び第七号 登記記録 登記簿の記載 不動産登記法第六十七条第一項 権利に関する登記 登記 不動産登記法第百五条第一号及び第二号 第三条各号に掲げる権利 所有権又は抵当権 不動産登記法第百六条 登記記録 登記簿 不動産登記令第二条第一号 次章の規定 次章の規定若しくは建設機械登記令第八条の規定 不動産登記令第四条ただし書 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産 その登記の事務が同一の登記所の管轄に属する二以上の建設機械 不動産登記令第九条 第七条第一項第六号 建設機械登記令第八条第一項第四号 不動産登記令第十九条 第七条第一項第五号ハ若しくは第六号 第七条第一項第五号ハ若しくは建設機械登記令第八条第一項第四号 (登記の嘱託) 第三十七条 この省令中「申請」、「申請人」及び「申請情報」には、それぞれ嘱託、嘱託者及び嘱託情報を含むものとする。
民事
Heisei
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平成十七年法務省令第三十五号
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夫婦財産契約登記規則 第一章 登記記録等 (登記記録の編成) 第一条 夫婦財産契約に関する登記記録(以下「登記記録」という。)は、別表の第一欄に掲げる欄に区分し、同表の第一欄に掲げる欄に同表の第二欄に掲げる事項を記録するものとする。 (登記官の識別番号の記録等) 第二条 登記官は、登記記録に登記事項を記録し、若しくは登記事項を抹消する記号を記録するとき又は登記を移記するときは、登記官の識別番号を記録しなければならない。 2 登記官は、登記記録を閉鎖するときは、閉鎖の事由及びその年月日を記録するほか、登記官の識別番号を記録しなければならない。 (帳簿) 第三条 登記所には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。 一 受付帳 二 申請書類つづり込み帳 三 決定原本つづり込み帳 四 審査請求書類等つづり込み帳 五 請求書類つづり込み帳 (保存期間) 第四条 次の各号に掲げる情報の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。 一 登記記録(閉鎖登記記録(閉鎖した登記記録をいう。以下同じ。)を除く。) 永久 二 閉鎖登記記録 閉鎖した日から三十年間 三 受付帳に記録された情報 受付の年の翌年から十年間 四 申請情報及びその添付情報(申請情報及びその添付情報以外の情報であって申請書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載されたものを含む。) 受付の日から十年間 五 決定原本つづり込み帳又は審査請求書類等つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 登記の申請若しくは申出を却下した決定又は審査請求の受付の年の翌年から五年間 六 請求書類つづり込み帳につづり込まれた書類に記載された情報 受付の日から一年間 (準用) 第五条 不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第五条、第六条、第九条、第十七条、第十九条、第二十四条、第二十五条、第二十七条第一項第一号、第二号及び第六号並びに第二項並びに第二十九条から第三十二条までの規定は、夫婦財産契約に関する登記について準用する。 第二章 登記手続 (登記事項) 第六条 夫婦財産契約に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。 一 各契約者の氏名及び住所 二 登記の目的 三 登記原因及びその日付 四 夫婦財産契約の内容 (申請情報) 第七条 夫婦財産契約に関する登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律(明治三十一年法律第十四号。以下「法」という。)第八条において準用する不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第十八条の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。 一 申請人の氏名及び住所 二 代理人によって登記を申請するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 三 登記の目的 四 登記原因及びその日付 (添付情報) 第八条 夫婦財産契約に関する登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。 一 代理人によって登記を申請するときは、当該代理人の権限を証する情報 二 法第七条第二項の規定により提供しなければならない情報その他の登記原因を証する情報 三 夫婦財産契約の設定の登記を申請するときは、次に掲げる情報 イ 各契約者の住所を証する情報 ロ 各契約者が婚姻の届出をしていないことを証する情報(外国法によって夫婦財産契約がされた場合にあっては、これを証する情報) (申請人の特則) 第九条 夫婦の一方の死亡により夫婦財産契約が終了した場合の夫婦財産契約の登記の抹消は、法第七条第一項の規定にかかわらず、他の一方が単独で申請することができる。 (登記の方法) 第十条 登記官は、夫婦財産契約に関する登記をする場合には、登記記録中相当欄に登記事項及び登記の年月日を記録しなければらない。 (準用) 第十一条 不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第十条、第十二条、第十四条、第十五条、第十六条第一項から第三項まで及び第五項、第十七条第一項並びに第十八条第一項から第三項まで並びに不動産登記規則第三十四条第一項第一号及び第六号から第八号まで、第三十七条の二、第三十八条、第三十九条、第四十一条、第四十二条、第四十三条第一項第一号及び第三号並びに第二項、第四十四条第一項、第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条第一号及び第二号、第四十八条第二号、第四十九条第一項第一号及び第三号並びに第二項第一号、第二号及び第五号、第五十一条から第六十条まで、第九十二条、第百五十条、第百五十一条、第百五十二条第一項、第百五十三条から第百五十五条まで、第百八十五条第一項、第百八十六条、第百八十八条、第百八十九条第一項前段並びに第百九十一条の規定は、夫婦財産契約に関する登記について準用する。 第三章 登記事項の証明等 (登記事項証明書の種類等) 第十二条 登記事項証明書の記載事項は、次の各号の種類の区分に応じ、当該各号に掲げる事項とする。 一 全部事項証明書 登記記録(閉鎖登記記録を除く。次号において同じ。)に記録されている事項の全部 二 現在事項証明書 登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの 2 前項第一号の規定は、閉鎖登記記録に係る登記事項証明書の記載事項について準用する。 3 登記官は、登記事項証明書を作成するときは、請求に係る登記記録に記録された事項の全部である旨の認証文を付した上で、作成の年月日及び職氏名を記載し、職印を押印しなければならない。 (登記事項要約書の作成) 第十三条 登記事項要約書は、登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するものを記載して作成するものとする。 (準用) 第十四条 不動産登記規則第百九十三条(第一項第五号及び第六号を除く。)、第百九十四条、第百九十七条第五項及び第六項、第百九十七条の二、第二百二条、第二百三条第一項、第二百四条並びに第二百五条第一項及び第二項の規定は、夫婦財産契約に関する登記について準用する。
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平成十七年法務省令第百五号
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筆界特定申請手数料規則 (対象土地の価額の算定方法等) 第一条 登記手数料令(以下「令」という。)第八条第一項の法務省令で定める方法は、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百四十一条第九号に掲げる固定資産課税台帳(以下「課税台帳」という。)に登録された価格のある土地については、次の各号に掲げる当該土地に係る筆界特定の申請の日の属する日の区分に応じ当該各号に掲げる金額に相当する価額による方法とし、課税台帳に登録された価格のない土地については、当該土地に係る筆界特定の申請の日において当該土地に類似する土地で課税台帳に登録された価格のあるものの次の各号に掲げる当該申請の日の区分に応じ当該各号に掲げる金額を基礎として筆界特定登記官が認定した価額による方法とする。 一 筆界特定の申請の日がその年の一月一日から三月三十一日までの期間内であるもの その年の前年十二月三十一日現在において課税台帳に登録された当該土地の価格に百分の百を乗じて計算した金額 二 筆界特定の申請の日がその年の四月一日から十二月三十一日までの期間内であるもの その年の一月一日現在において課税台帳に登録された当該土地の価格に百分の百を乗じて計算した金額 2 令第八条第一項の法務省令で定める割合は、百分の五とする。 (納付の方法) 第二条 不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百三十一条第一項若しくは第二項、東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第七十三条第一項又は大規模災害からの復興に関する法律(平成二十五年法律第五十五号)第三十六条第一項の規定による筆界特定の申請についての手数料(以下単に「手数料」という。)の納付は、収入印紙をもってしなければならない。 ただし、筆界特定電子申請(不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)第二百六条第一号の筆界特定電子申請をいう。以下同じ。)をするときは、現金をもってすることができる。 2 手数料を収入印紙をもって納付するときは、筆界特定申請情報を記載した書面(筆界特定電子申請をする場合又は筆界特定申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により筆界特定書面申請(不動産登記規則第二百六条第二号の筆界特定書面申請をいう。)をする場合にあっては、筆界特定登記官の定める書類)に納付すべき手数料の額に相当する金額の収入印紙をはり付けてしなければならない。 3 手数料を現金をもって納付するときは、筆界特定登記官から得た納付情報により納付する方法によってしなければならない。
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平成十七年財務省令第十一号
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財務省の所管に属する不動産及び船舶に関する権利の登記嘱託職員を指定する省令 不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第七条第二項並びに船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第十三条第二項及び第二十七条第二項の規定に基づき、財務省の所管に属する不動産及び船舶に関する権利の登記を嘱託する職員を次のとおり指定する。 大臣官房会計課長 理財局長 財務局長 福岡財務支局長 財務事務所長 財務局出張所長 福岡財務支局出張所長 財務事務所出張所長 税関長 沖縄地区税関長 国税庁長官 税務大学校長 国税局長 沖縄国税事務所長 税務署長 沖縄総合事務局長 沖縄総合事務局財務出張所長
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平成十七年農林水産省令第十号
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農林水産省所管の不動産登記の嘱託職員を指定する省令 不動産登記令第七条第二項並びに船舶登記令第十三条第二項及び第二十七条第二項の規定に基づき、農林水産省所管の不動産登記の嘱託職員を次のとおり指定する。 一 大臣官房予算課長(農林水産省組織令(平成十二年政令第二百五十三号)第十三条第一項の規定により大臣官房に置かれる参事官が同条第二項の規定により命を受けて同令第十七条第一号(予算の執行及び会計に係るものに限る。)及び第二号から第九号までに掲げる事務に参画する場合にあっては、当該参事官) 二 消費・安全局長 三 輸出・国際局長 四 農産局長 五 畜産局長 六 経営局長 七 農村振興局長 八 植物防疫所長 九 那覇植物防疫事務所長 十 動物検疫所長 十一 動物医薬品検査所長 十二 農林水産研修所長 十三 農林水産政策研究所長 十四 農林水産技術会議事務局長 十五 地方農政局長 十六 地方農政局の事務所長 十七 地方農政局の事業所長 十八 北海道農政事務所長 十九 林野庁長官 二十 森林技術総合研修所長 二十一 森林管理局長 二十二 森林管理署長 二十三 森林管理署の支署長 二十四 水産庁長官 二十五 沖縄総合事務局農林水産部長 二十六 沖縄総合事務局の事務所長 二十七 北海道開発局長 二十八 北海道開発局の開発建設部長 二十九 財務局長(食料安定供給特別会計の食糧管理勘定及び業務勘定の普通財産の処分について、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第二十九条の二第二項の規定に基づき、農林水産大臣が契約に関する事務を委任した財務局長に限る。) 三十 財務支局長(食料安定供給特別会計の食糧管理勘定及び業務勘定の普通財産の処分について、会計法第二十九条の二第二項の規定に基づき、農林水産大臣が契約に関する事務を委任した財務支局長に限る。) 三十一 財務事務所長(食料安定供給特別会計の食糧管理勘定及び業務勘定の普通財産の処分について、会計法第二十九条の二第二項の規定に基づき、農林水産大臣が契約に関する事務を委任した財務事務所長に限る。) 三十二 財務局、財務支局又は財務事務所の出張所長(食料安定供給特別会計の食糧管理勘定及び業務勘定の普通財産の処分について、会計法第二十九条の二第二項の規定に基づき、農林水産大臣が契約に関する事務を委任した財務局、財務支局又は財務事務所の出張所長に限る。) 三十三 都道府県知事
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平成十八年法律第四十八号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第一章 総則 第一節 通則 (趣旨) 第一条 一般社団法人及び一般財団法人の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 一般社団法人等 一般社団法人又は一般財団法人をいう。 二 大規模一般社団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百二十六条第二項の承認(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時社員総会に報告された貸借対照表をいい、一般社団法人の成立後最初の定時社員総会までの間においては、第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般社団法人をいう。 三 大規模一般財団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百九十九条において準用する第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百九十九条において準用する第百二十六条第二項の承認(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百九十九条において準用する第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時評議員会に報告された貸借対照表をいい、一般財団法人の成立後最初の定時評議員会までの間においては、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般財団法人をいう。 四 子法人 一般社団法人又は一般財団法人がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 五 吸収合併 一般社団法人又は一般財団法人が他の一般社団法人又は一般財団法人とする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併後存続する法人に承継させるものをいう。 六 新設合併 二以上の一般社団法人又は一般財団法人がする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併により設立する法人に承継させるものをいう。 七 公告方法 一般社団法人又は一般財団法人が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 (法人格) 第三条 一般社団法人及び一般財団法人は、法人とする。 (住所) 第四条 一般社団法人及び一般財団法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。 第二節 法人の名称 (名称) 第五条 一般社団法人又は一般財団法人は、その種類に従い、その名称中に一般社団法人又は一般財団法人という文字を用いなければならない。 2 一般社団法人は、その名称中に、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 一般財団法人は、その名称中に、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (一般社団法人又は一般財団法人と誤認させる名称等の使用の禁止) 第六条 一般社団法人又は一般財団法人でない者は、その名称又は商号中に、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第七条 何人も、不正の目的をもって、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある一般社団法人又は一般財団法人は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の名称の使用を他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人の責任) 第八条 自己の名称を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人は、当該一般社団法人又は一般財団法人が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三節 商法の規定の不適用 第九条 商法(明治三十二年法律第四十八号)第十一条から第十五条まで及び第十九条から第二十四条までの規定は、一般社団法人及び一般財団法人については、適用しない。 第二章 一般社団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第十条 一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第十一条 一般社団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立時社員の氏名又は名称及び住所 五 社員の資格の得喪に関する規定 六 公告方法 七 事業年度 2 社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。 第十二条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般社団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第十三条 第十条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第十四条 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)は、定款を設立時社員が定めた場所(一般社団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、その社員及び債権者)は、設立時社員が定めた時間(一般社団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)であって設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般社団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第十五条 定款で設立時理事(一般社団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この章、第二百七十八条及び第三百十八条第二項において同じ。)を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、設立時理事を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般社団法人が次の各号に掲げるものである場合において、定款で当該各号に定める者を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、これらの者を選任しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(監事を置く一般社団法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時監事(一般社団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この章、第二百五十四条第六号及び第三百十八条第二項第三号において同じ。) 二 会計監査人設置一般社団法人(会計監査人を置く一般社団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時会計監査人(一般社団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。次条第二項及び第三百十八条第二項第四号において同じ。) 第十六条 設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人(理事会を置く一般社団法人をいう。以下同じ。)である場合には、設立時理事は、三人以上でなければならない。 2 第六十五条第一項又は第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般社団法人の理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人(以下この款において「設立時役員等」という。)となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時理事及び設立時監事について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第十七条 設立時役員等の選任は、設立時社員の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、設立時社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (設立時役員等の解任) 第十八条 設立時社員は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時役員等を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第十九条 設立時役員等の解任は、設立時社員の議決権の過半数(設立時監事を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 第十七条第二項の規定は、前項の場合について準用する。 第三款 設立時理事等による調査 第二十条 設立時理事(設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、設立時理事及び設立時監事。次項において同じ。)は、その選任後遅滞なく、一般社団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。 2 設立時理事は、前項の規定による調査により、一般社団法人の設立の手続が法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立時社員にその旨を通知しなければならない。 第四款 設立時代表理事の選定等 第二十一条 設立時理事は、設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合には、設立時理事の中から一般社団法人の設立に際して代表理事(一般社団法人を代表する理事をいう。以下この章及び第三百一条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十八条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第五款 一般社団法人の成立 第二十二条 一般社団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第六款 設立時社員等の責任 (設立時社員等の損害賠償責任) 第二十三条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、一般社団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立時社員、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立時社員等の連帯責任) 第二十四条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立時社員、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第二十五条 第二十三条第一項の規定により設立時社員、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (一般社団法人不成立の場合の責任) 第二十六条 一般社団法人が成立しなかったときは、設立時社員は、連帯して、一般社団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般社団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 社員 第一款 総則 (経費の負担) 第二十七条 社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。 (任意退社) 第二十八条 社員は、いつでも退社することができる。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定による定款の定めがある場合であっても、やむを得ない事由があるときは、社員は、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第二十九条 前条の場合のほか、社員は、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡又は解散 四 除名 (除名) 第三十条 社員の除名は、正当な事由があるときに限り、社員総会の決議によってすることができる。 この場合において、一般社団法人は、当該社員に対し、当該社員総会の日から一週間前までにその旨を通知し、かつ、社員総会において弁明する機会を与えなければならない。 2 除名は、除名した社員にその旨を通知しなければ、これをもって当該社員に対抗することができない。 第二款 社員名簿等 (社員名簿) 第三十一条 一般社団法人は、社員の氏名又は名称及び住所を記載し、又は記録した名簿(以下「社員名簿」という。)を作成しなければならない。 (社員名簿の備置き及び閲覧等) 第三十二条 一般社団法人は、社員名簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社員名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社員名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (社員に対する通知等) 第三十三条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告は、社員名簿に記載し、又は記録した当該社員の住所(当該社員が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 前二項の規定は、第三十九条第一項の通知に際して社員に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (社員に対する通知の省略) 第三十四条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、一般社団法人は、当該社員に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の社員に対する一般社団法人の義務の履行を行う場所は、一般社団法人の住所地とする。 第三節 機関 第一款 社員総会 (社員総会の権限) 第三十五条 社員総会は、この法律に規定する事項及び一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 前二項の規定にかかわらず、社員総会は、社員に剰余金を分配する旨の決議をすることができない。 4 この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の招集) 第三十六条 定時社員総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 社員総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 社員総会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (社員による招集の請求) 第三十七条 総社員の議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を社員総会の日とする社員総会の招集の通知が発せられない場合 (社員総会の招集の決定) 第三十八条 理事(前条第二項の規定により社員が社員総会を招集する場合にあっては、当該社員。次条から第四十二条までにおいて同じ。)は、社員総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社員総会の日時及び場所 二 社員総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 社員総会に出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 理事会設置一般社団法人においては、前条第二項の規定により社員が社員総会を招集するときを除き、前項各号に掲げる事項の決定は、理事会の決議によらなければならない。 (社員総会の招集の通知) 第三十九条 社員総会を招集するには、理事は、社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。 ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日の二週間前までにその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合 3 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、社員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第四十条 前条の規定にかかわらず、社員総会は、社員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第三十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第四十一条 理事は、第三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「社員総会参考書類」という。)及び社員が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、これらの書類を当該社員に交付しなければならない。 第四十二条 理事は、第三十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、社員総会参考書類を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類の交付に代えて、当該社員総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、社員総会参考書類を当該社員に交付しなければならない。 3 理事は、第一項に規定する場合には、第三十九条第三項の承諾をした社員に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 理事は、第一項に規定する場合において、第三十九条第三項の承諾をしていない社員から社員総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社員に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (社員提案権) 第四十三条 社員は、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第四十四条 社員は、社員総会において、社員総会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第四十五条 社員は、理事に対し、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員総会の目的である事項につき当該社員が提出しようとする議案の要領を社員に通知すること(第三十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、当該請求をすることができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (社員総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第四十六条 一般社団法人又は総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、社員総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該社員総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般社団法人でない場合にあっては、当該一般社団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第四十七条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (電子提供措置をとる旨の定め) 第四十七条の二 一般社団法人は、理事が社員総会の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(第四十七条の四第三項において「社員総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により社員が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第三百一条第二項第四号の二及び第三百四十二条第十号の二において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 社員総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告 (電子提供措置) 第四十七条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の理事は、第三十九条第二項各号に掲げる場合には、社員総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(第四十七条の六第三号において「電子提供措置開始日」という。)から社員総会の日後三箇月を経過する日までの間(第四十七条の六において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第三十八条第一項各号に掲げる事項 二 第四十一条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第四十二条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類に記載すべき事項 四 第四十五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合において、理事が定時社員総会を招集するときは、第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告に記載され、又は記録された事項 六 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、理事が第三十九条第一項の通知に際して社員に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (社員総会の招集の通知等の特則) 第四十七条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第三十九条第一項の規定の適用については、同項中「社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日」とあるのは、「社員総会の日」とする。 2 第三十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第二項又は第三項の通知には、第三十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、電子提供措置をとっている旨その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。 3 第四十一条第一項、第四十二条第一項及び第百二十五条の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人においては、理事は、第三十九条第一項の通知に際して、社員に対し、社員総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人における第四十五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第四十七条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第四十七条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の社員(第三十九条第三項の承諾をした社員を除く。)は、一般社団法人に対し、第四十七条の三第一項各号に掲げる事項(次項において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 理事は、第四十七条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした社員に対し、当該社員総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 書面交付請求をした社員がある場合において、その書面交付請求の日(当該社員が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、一般社団法人は、当該社員に対し、前項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 4 前項の規定による通知及び催告を受けた社員がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該社員が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第四十七条の六 第四十七条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(社員が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第六号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき一般社団法人が善意でかつ重大な過失がないこと又は一般社団法人に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から社員総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 一般社団法人が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (議決権の数) 第四十八条 社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の決議) 第四十九条 社員総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる社員総会の決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第三十条第一項の社員総会 二 第七十条第一項の社員総会(監事を解任する場合に限る。) 三 第百十三条第一項の社員総会 四 第百四十六条の社員総会 五 第百四十七条の社員総会 六 第百四十八条第三号及び第百五十条の社員総会 七 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の社員総会 3 理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、第三十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第五十五条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第五十条 社員は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社員又は代理人は、代理権を証明する書面を一般社団法人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社員総会ごとにしなければならない。 3 第一項の社員又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社員又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 6 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 7 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第五十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を一般社団法人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 3 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその主たる事務所に備え置かなければならない。 4 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該一般社団法人に提供して行う。 2 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 4 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 5 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (理事等の説明義務) 第五十三条 理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、社員総会において、社員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が社員総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより社員の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第五十四条 社員総会の議長は、当該社員総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 社員総会の議長は、その命令に従わない者その他当該社員総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (社員総会に提出された資料等の調査) 第五十五条 社員総会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該社員総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第三十七条の規定により招集された社員総会においては、その決議によって、一般社団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第五十六条 社員総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第三十八条及び第三十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五十七条 社員総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、社員総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般社団法人は、社員総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社員総会の決議の省略) 第五十八条 理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。 2 一般社団法人は、前項の規定により社員総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時社員総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時社員総会が終結したものとみなす。 (社員総会への報告の省略) 第五十九条 理事が社員の全員に対して社員総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を社員総会に報告することを要しないことにつき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の社員総会への報告があったものとみなす。 第二款 社員総会以外の機関の設置 (社員総会以外の機関の設置) 第六十条 一般社団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。 2 一般社団法人は、定款の定めによって、理事会、監事又は会計監査人を置くことができる。 (監事の設置義務) 第六十一条 理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人は、監事を置かなければならない。 (会計監査人の設置義務) 第六十二条 大規模一般社団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第三款 役員等の選任及び解任 (選任) 第六十三条 役員(理事及び監事をいう。以下この款において同じ。)及び会計監査人は、社員総会の決議によって選任する。 2 前項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (一般社団法人と役員等との関係) 第六十四条 一般社団法人と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (役員の資格等) 第六十五条 次に掲げる者は、役員となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定に違反し、又は民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 監事は、一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。 3 理事会設置一般社団法人においては、理事は、三人以上でなければならない。 第六十五条の二 成年被後見人が役員に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が役員に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした役員の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (理事の任期) 第六十六条 理事の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 (監事の任期) 第六十七条 監事の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとすることを限度として短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期を退任した監事の任期の満了する時までとすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、監事の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (会計監査人の資格等) 第六十八条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを一般社団法人に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第百二十三条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 一般社団法人の子法人若しくはその理事若しくは監事から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第六十九条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時社員総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時社員総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (解任) 第七十条 役員及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、一般社団法人に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監事による会計監査人の解任) 第七十一条 監事は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監事が二人以上ある場合には、監事の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事の互選によって定めた監事)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される社員総会に報告しなければならない。 (監事の選任に関する監事の同意等) 第七十二条 理事は、監事がある場合において、監事の選任に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監事は、理事に対し、監事の選任を社員総会の目的とすること又は監事の選任に関する議案を社員総会に提出することを請求することができる。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第七十三条 監事設置一般社団法人においては、社員総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事が決定する。 2 監事が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監事が」とあるのは、「監事の過半数をもって」とする。 (監事等の選任等についての意見の陳述) 第七十四条 監事は、社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監事を辞任した者は、辞任後最初に招集される社員総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 理事は、前項の者に対し、同項の社員総会を招集する旨及び第三十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は会計監査人について、前二項の規定は会計監査人を辞任した者及び第七十一条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、社員総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第七十五条 役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監事は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第六十八条及び第七十一条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 第四款 理事 (業務の執行) 第七十六条 理事は、定款に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 理事が二人以上ある場合には、一般社団法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、理事は、次に掲げる事項についての決定を各理事に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 四 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 4 大規模一般社団法人においては、理事は、前項第三号に掲げる事項を決定しなければならない。 (一般社団法人の代表) 第七十七条 理事は、一般社団法人を代表する。 ただし、他に代表理事その他一般社団法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の理事が二人以上ある場合には、理事は、各自、一般社団法人を代表する。 3 一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって、理事の中から代表理事を定めることができる。 4 代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第七十八条 一般社団法人は、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表理事に欠員を生じた場合の措置) 第七十九条 代表理事が欠けた場合又は定款で定めた代表理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表理事は、新たに選定された代表理事(次項の一時代表理事の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表理事の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表理事の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事の職務を代行する者の権限) 第八十条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事又は代表理事の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った理事又は代表理事の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、一般社団法人は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第八十一条 第七十七条第四項の規定にかかわらず、一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、社員総会は、当該訴えについて一般社団法人を代表する者を定めることができる。 (表見代表理事) 第八十二条 一般社団法人は、代表理事以外の理事に理事長その他一般社団法人を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該理事がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第八十三条 理事は、法令及び定款並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第八十四条 理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 理事が自己又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 理事が自己又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。 三 一般社団法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において一般社団法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (理事の報告義務) 第八十五条 理事は、一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)に報告しなければならない。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第八十六条 一般社団法人の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、当該一般社団法人の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、一般社団法人の子法人の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、一般社団法人及び検査役の選任の申立てをした社員に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第八十七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第五項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (社員による理事の行為の差止め) 第八十八条 社員は、理事が一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 監事設置一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (理事の報酬等) 第八十九条 理事の報酬等(報酬、賞与その他の職務執行の対価として一般社団法人等から受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 第五款 理事会 (理事会の権限等) 第九十条 理事会は、すべての理事で組織する。 2 理事会は、次に掲げる職務を行う。 一 理事会設置一般社団法人の業務執行の決定 二 理事の職務の執行の監督 三 代表理事の選定及び解職 3 理事会は、理事の中から代表理事を選定しなければならない。 4 理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 六 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 5 大規模一般社団法人である理事会設置一般社団法人においては、理事会は、前項第五号に掲げる事項を決定しなければならない。 (理事会設置一般社団法人の理事の権限) 第九十一条 次に掲げる理事は、理事会設置一般社団法人の業務を執行する。 一 代表理事 二 代表理事以外の理事であって、理事会の決議によって理事会設置一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの 2 前項各号に掲げる理事は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 (競業及び理事会設置一般社団法人との取引等の制限) 第九十二条 理事会設置一般社団法人における第八十四条の規定の適用については、同条第一項中「社員総会」とあるのは、「理事会」とする。 2 理事会設置一般社団法人においては、第八十四条第一項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 (招集権者) 第九十三条 理事会は、各理事が招集する。 ただし、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その理事が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた理事(以下この項及び第百一条第二項において「招集権者」という。)以外の理事は、招集権者に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。 (招集手続) 第九十四条 理事会を招集する者は、理事会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、理事会は、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (理事会の決議) 第九十五条 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。 3 理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 理事会の決議に参加した理事であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (理事会の決議の省略) 第九十六条 理事会設置一般社団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第九十七条 理事会設置一般社団法人は、理事会の日(前条の規定により理事会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第九十五条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 債権者は、理事又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 4 裁判所は、前二項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該理事会設置一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、前二項の許可をすることができない。 (理事会への報告の省略) 第九十八条 理事、監事又は会計監査人が理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を理事会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第九十一条第二項の規定による報告については、適用しない。 第六款 監事 (監事の権限) 第九十九条 監事は、理事の職務の執行を監査する。 この場合において、監事は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、又は監事設置一般社団法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監事は、その職務を行うため必要があるときは、監事設置一般社団法人の子法人に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (理事への報告義務) 第百条 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)に報告しなければならない。 (理事会への出席義務等) 第百一条 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 監事は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事(第九十三条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。 (社員総会に対する報告義務) 第百二条 監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告しなければならない。 (監事による理事の行為の差止め) 第百三条 監事は、理事が監事設置一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監事設置一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の理事に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監事設置一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第百四条 第七十七条第四項及び第八十一条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が監事設置一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 2 第七十七条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 一 監事設置一般社団法人が第二百七十八条第一項の訴えの提起の請求(理事の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監事設置一般社団法人が第二百八十条第三項の訴訟告知(理事の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第二百八十一条第二項の規定による通知及び催告(理事の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 (監事の報酬等) 第百五条 監事の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 2 監事が二人以上ある場合において、各監事の報酬等について定款の定め又は社員総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監事の協議によって定める。 3 監事は、社員総会において、監事の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第百六条 監事がその職務の執行について監事設置一般社団法人に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監事設置一般社団法人は、当該請求に係る費用又は債務が当該監事の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七款 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第百七条 会計監査人は、次節の定めるところにより、一般社団法人の計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)及びその附属明細書を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は理事及び使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置一般社団法人の子法人に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置一般社団法人若しくはその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第六十八条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人である者 三 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 (監事に対する報告) 第百八条 会計監査人は、その職務を行うに際して理事の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監事に報告しなければならない。 2 監事は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 (定時社員総会における会計監査人の意見の陳述) 第百九条 第百七条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監事と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時社員総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時社員総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時社員総会に出席して意見を述べなければならない。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監事の関与) 第百十条 理事は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 第八款 役員等の損害賠償責任 (役員等の一般社団法人に対する損害賠償責任) 第百十一条 理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 理事が第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引によって理事又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって一般社団法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第八十四条第一項の理事 二 一般社団法人が当該取引をすることを決定した理事 三 当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事 (一般社団法人に対する損害賠償責任の免除) 第百十二条 前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第百十三条 前条の規定にかかわらず、役員等の第百十一条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額(第百十五条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、社員総会の決議によって免除することができる。 一 賠償の責任を負う額 二 当該役員等がその在職中に一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表理事 六 ロ 代表理事以外の理事であって、次に掲げるもの 四 (1) 理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの (2) 当該一般社団法人の業務を執行した理事((1)に掲げる理事を除く。) (3) 当該一般社団法人の使用人 ハ 理事(イ及びロに掲げるものを除く。)、監事又は会計監査人 二 2 前項の場合には、理事は、同項の社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監事設置一般社団法人においては、理事は、第百十一条第一項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 4 第一項の決議があった場合において、一般社団法人が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、社員総会の承認を受けなければならない。 (理事等による免除に関する定款の定め) 第百十四条 第百十二条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人(理事が二人以上ある場合に限る。)は、第百十一条第一項の責任について、役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として理事(当該責任を負う理事を除く。)の過半数の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(理事の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(理事の責任の免除に限る。)についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を理事会に提出する場合について準用する。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)を行ったときは、理事は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を社員に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、一般社団法人は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 5 前条第四項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第百十五条 第百十二条の規定にかかわらず、一般社団法人は、理事(業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人の業務を執行したその他の理事をいう。次項及び第百四十一条第三項において同じ。)又は当該一般社団法人の使用人でないものに限る。)、監事又は会計監査人(以下この条及び第三百一条第二項第十二号において「非業務執行理事等」という。)の第百十一条第一項の責任について、当該非業務執行理事等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ一般社団法人が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行理事等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行理事等が当該一般社団法人の業務執行理事又は使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第百十三条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する理事と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合について準用する。 4 第一項の契約を締結した一般社団法人が、当該契約の相手方である非業務執行理事等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第百十三条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第百十一条第一項の損害のうち、当該非業務執行理事等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第百十三条第四項の規定は、非業務執行理事等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (理事が自己のためにした取引に関する特則) 第百十六条 第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第百十一条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第百十七条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 理事 次に掲げる行為 イ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ロ 基金(第百三十一条に規定する基金をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第百二十八条第三項に規定する措置を含む。) 二 監事 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第百十八条 役員等が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第百十八条の二 一般社団法人が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該一般社団法人が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 一般社団法人は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該一般社団法人が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該一般社団法人に対して第百十一条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した一般社団法人が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該一般社団法人に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 理事会設置一般社団法人においては、補償契約に基づく補償をした理事及び当該補償を受けた理事は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 5 第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項及び第百十六条第一項の規定は、一般社団法人と理事との間の補償契約については、適用しない。 6 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第百十八条の三 一般社団法人が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 2 第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項の規定は、一般社団法人が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、理事を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第四節 計算 第一款 会計の原則 第百十九条 一般社団法人の会計は、その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第百二十条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第百二十一条 総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該一般社団法人の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (会計帳簿の提出命令) 第百二十二条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第百二十三条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この款において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 一般社団法人は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第百二十四条 監事設置一般社団法人においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監事 3 理事会設置一般社団法人においては、第一項又は前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の社員への提供) 第百二十五条 理事会設置一般社団法人においては、理事は、定時社員総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告並びに監査報告(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時社員総会への提出等) 第百二十六条 次の各号に掲げる一般社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時社員総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 理事会設置一般社団法人 第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の一般社団法人 第百二十三条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時社員総会の承認を受けなければならない。 3 理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置一般社団法人の特則) 第百二十七条 会計監査人設置一般社団法人については、第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い一般社団法人の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、理事は、当該計算書類の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の公告) 第百二十八条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大規模一般社団法人にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第三百三十一条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である一般社団法人は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第百二十九条 一般社団法人は、計算書類等(各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第百二十四条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 2 一般社団法人は、計算書類等の写しを、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該一般社団法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって一般社団法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (計算書類等の提出命令) 第百三十条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第五節 基金 第一款 基金を引き受ける者の募集 (基金を引き受ける者の募集等に関する定款の定め) 第百三十一条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。次条から第百三十四条まで(第百三十三条第一項第一号を除く。)及び第百三十六条第一号において同じ。)は、基金(この款の規定により一般社団法人に拠出された金銭その他の財産であって、当該一般社団法人が拠出者に対してこの法律及び当該一般社団法人と当該拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務(金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価額に相当する金銭の返還義務)を負うものをいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定款で定めなければならない。 一 基金の拠出者の権利に関する規定 二 基金の返還の手続 (募集事項の決定) 第百三十二条 一般社団法人は、前条の募集をしようとするときは、その都度、次に掲げる事項(以下この款において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集に係る基金の総額 二 金銭以外の財産を拠出の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及びその価額 三 基金の拠出に係る金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 2 設立時社員は、募集事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (基金の申込み) 第百三十三条 一般社団法人は、第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 一般社団法人の名称 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を一般社団法人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする基金の額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 一般社団法人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 5 一般社団法人が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (基金の割当て) 第百三十四条 一般社団法人は、申込者の中から基金の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる基金の額を定めなければならない。 この場合において、一般社団法人は、当該申込者に割り当てる基金の額を、前条第二項第二号の額よりも減額することができる。 2 一般社団法人は、第百三十二条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる基金の額を通知しなければならない。 (基金の申込み及び割当てに関する特則) 第百三十五条 前二条の規定は、基金を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (基金の引受け) 第百三十六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める基金の額について基金の引受人となる。 一 申込者 一般社団法人の割り当てた基金の額 二 前条の契約により基金の総額を引き受けた者 その者が引き受けた基金の額 (金銭以外の財産の拠出) 第百三十七条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。第六項において同じ。)は、第百三十二条第一項第二号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下「現物拠出財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。第十項第二号において同じ。)は、前項の決定により現物拠出財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その基金の引受けの申込み又は第百三十五条の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物拠出財産の価額 二 現物拠出財産のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物拠出財産の価額 三 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物拠出財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物拠出財産の価額 四 現物拠出財産が一般社団法人に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物拠出財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 理事、監事又は使用人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員、設立時理事又は設立時監事) 二 基金の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの (基金の拠出の履行) 第百三十八条 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者を除く。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。第二百四十八条第五項において同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。第百五十七条第二項において同じ。)の払込みの取扱いの場所において、それぞれの基金の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、それぞれの基金の払込金額に相当する現物拠出財産を給付しなければならない。 ただし、一般社団法人の成立前に給付すべき場合において、設立時社員全員の同意があるときは、登記、登録その他の権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般社団法人の成立後にすることを妨げない。 3 基金の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「拠出の履行」という。)をする債務と一般社団法人に対する債権とを相殺することができない。 4 基金の引受人が拠出の履行をしないときは、基金の引受けは、その効力を失う。 (基金の拠出者となる時期) 第百三十九条 基金の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 一 第百三十二条第一項第三号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百三十二条第一項第三号の期間を定めた場合 拠出の履行をした日 2 前項の規定にかかわらず、一般社団法人の成立前に基金を引き受ける者の募集をした場合には、一般社団法人の成立の時に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第百四十条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、基金の引受けの申込み及び割当て並びに第百三十五条の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 基金の引受人は、前条の規定により基金の拠出者となった日から一年を経過した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として基金の引受けの取消しをすることができない。 第二款 基金の返還 (基金の返還) 第百四十一条 基金の返還は、定時社員総会の決議によって行わなければならない。 2 一般社団法人は、ある事業年度に係る貸借対照表上の純資産額が次に掲げる金額の合計額を超える場合においては、当該事業年度の次の事業年度に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り、当該超過額を返還の総額の限度として基金の返還をすることができる。 一 基金(第百四十四条第一項の代替基金を含む。)の総額 二 法務省令で定めるところにより資産につき時価を基準として評価を行っている場合において、その時価の総額がその取得価額の総額を超えるときは、時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額 3 前項の規定に違反して一般社団法人が基金の返還をした場合には、当該返還を受けた者及び当該返還に関する職務を行った業務執行者(業務執行理事その他当該業務執行理事の行う業務の執行に職務上関与した者をいう。次項及び第五項において同じ。)は、当該一般社団法人に対し、連帯して、違法に返還された額を弁済する責任を負う。 4 前項の規定にかかわらず、業務執行者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の責任を負わない。 5 第三項の業務執行者の責任は、免除することができない。 ただし、第二項の超過額を限度として当該責任を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 6 第二項の規定に違反して基金の返還がされた場合においては、一般社団法人の債権者は、当該返還を受けた者に対し、当該返還の額を当該一般社団法人に対して返還することを請求することができる。 (基金の返還に係る債権の取得の禁止) 第百四十二条 一般社団法人は、次に掲げる場合に限り、自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得することができる。 一 合併又は他の法人の事業の全部の譲受けによる場合 二 一般社団法人の権利の実行に当たり、その目的を達成するために必要な場合 三 無償で取得する場合 2 一般社団法人が前項第一号又は第二号に掲げる場合に同項の債権を取得したときは、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は消滅しない。 この場合においては、一般社団法人は、当該債権を相当の時期に他に譲渡しなければならない。 (基金利息の禁止) 第百四十三条 基金の返還に係る債権には、利息を付することができない。 (代替基金) 第百四十四条 基金の返還をする場合には、返還をする基金に相当する金額を代替基金として計上しなければならない。 2 前項の代替基金は、取り崩すことができない。 3 合併により消滅する一般社団法人が代替基金を計上している場合において、合併後存続する一般社団法人又は合併により設立する一般社団法人が当該合併に際して代替基金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (破産法の適用の特例) 第百四十五条 一般社団法人が破産手続開始の決定を受けた場合においては、基金の返還に係る債権は、破産法第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権に後れる。 第六節 定款の変更 第百四十六条 一般社団法人は、その成立後、社員総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七節 事業の譲渡 第百四十七条 一般社団法人が事業の全部の譲渡をするには、社員総会の決議によらなければならない。 第八節 解散 (解散の事由) 第百四十八条 一般社団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 社員総会の決議 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該一般社団法人が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 (休眠一般社団法人のみなし解散) 第百四十九条 休眠一般社団法人(一般社団法人であって、当該一般社団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般社団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般社団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般社団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般社団法人の継続) 第百五十条 一般社団法人は、第百四十八条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、第四章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、社員総会の決議によって、一般社団法人を継続することができる。 (解散した一般社団法人の合併の制限) 第百五十一条 一般社団法人が解散した場合には、当該一般社団法人は、当該一般社団法人が合併後存続する一般社団法人となる合併をすることができない。 第三章 一般財団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第百五十二条 一般財団法人を設立するには、設立者(設立者が二人以上あるときは、その全員)が定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 設立者は、遺言で、次条第一項各号に掲げる事項及び第百五十四条に規定する事項を定めて一般財団法人を設立する意思を表示することができる。 この場合においては、遺言執行者は、当該遺言の効力が生じた後、遅滞なく、当該遺言で定めた事項を記載した定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第十条第二項の規定は、前二項の定款について準用する。 (定款の記載又は記録事項) 第百五十三条 一般財団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立者の氏名又は名称及び住所 五 設立に際して設立者(設立者が二人以上あるときは、各設立者)が拠出をする財産及びその価額 六 設立時評議員(一般財団法人の設立に際して評議員となる者をいう。以下同じ。)、設立時理事(一般財団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項において同じ。)及び設立時監事(一般財団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この節、第二百五十四条第七号及び同項において同じ。)の選任に関する事項 七 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人(会計監査人を置く一般財団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般財団法人をいう。以下同じ。)であるときは、設立時会計監査人(一般財団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項第六号において同じ。)の選任に関する事項 八 評議員の選任及び解任の方法 九 公告方法 十 事業年度 2 前項第五号の財産の価額の合計額は、三百万円を下回ってはならない。 3 次に掲げる定款の定めは、その効力を有しない。 一 第一項第八号の方法として、理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任する旨の定款の定め 二 設立者に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定め 第百五十四条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般財団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第百五十五条 第百五十二条第一項及び第二項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第百五十六条 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)は、定款を設立者が定めた場所(一般財団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、その評議員及び債権者)は、設立者が定めた時間(一般財団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般財団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 財産の拠出 (財産の拠出の履行) 第百五十七条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、遺言執行者。以下この条、第百六十一条第二項、第百六十六条から第百六十八条まで、第二百条第二項、第三百十九条第三項及び第七章において同じ。)は、第百五十五条の公証人の認証の後遅滞なく、第百五十三条第一項第五号に規定する拠出に係る金銭の全額を払い込み、又は同号に規定する拠出に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、設立者が定めたとき(設立者が二人以上あるときは、その全員の同意があるとき)は、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般財団法人の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、設立者が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (贈与又は遺贈に関する規定の準用) 第百五十八条 生前の処分で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の贈与に関する規定を準用する。 2 遺言で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の遺贈に関する規定を準用する。 第三款 設立時評議員等の選任 第百五十九条 定款で設立時評議員、設立時理事又は設立時監事を定めなかったときは、第百五十七条第一項の規定による払込み又は給付(以下「財産の拠出の履行」という。)が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、これらの者を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人である場合において、定款で設立時会計監査人を定めなかったときは、財産の拠出の履行が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、設立時会計監査人を選任しなければならない。 第百六十条 設立時評議員及び設立時理事は、それぞれ三人以上でなければならない。 2 第百七十三条第一項において準用する第六十五条第一項の規定又は第百七十七条において準用する第六十五条第一項若しくは第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般財団法人の評議員、理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時評議員、設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時評議員、設立時理事及び設立時監事について準用する。 第四款 設立時理事等による調査 第百六十一条 設立時理事及び設立時監事は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 財産の拠出の履行が完了していること。 二 前号に掲げる事項のほか、一般財団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時理事及び設立時監事は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立者にその旨を通知しなければならない。 第五款 設立時代表理事の選定等 第百六十二条 設立時理事は、設立時理事の中から一般財団法人の設立に際して代表理事(一般財団法人を代表する理事をいう。第三百二条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十九条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般財団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第六款 一般財団法人の成立 (一般財団法人の成立) 第百六十三条 一般財団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (財産の帰属時期) 第百六十四条 生前の処分で財産の拠出をしたときは、当該財産は、一般財団法人の成立の時から当該一般財団法人に帰属する。 2 遺言で財産の拠出をしたときは、当該財産は、遺言が効力を生じた時から一般財団法人に帰属したものとみなす。 (財産の拠出の取消しの制限) 第百六十五条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、その相続人)は、一般財団法人の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として財産の拠出の取消しをすることができない。 第七款 設立者等の責任 (設立者等の損害賠償責任) 第百六十六条 設立者、設立時理事又は設立時監事は、一般財団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般財団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立者、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立者、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立者等の連帯責任) 第百六十七条 設立者、設立時理事又は設立時監事が一般財団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立者、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第百六十八条 第百六十六条第一項の規定により設立者、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総評議員の同意がなければ、免除することができない。 (一般財団法人不成立の場合の責任) 第百六十九条 一般財団法人が成立しなかったときは、第百五十二条第一項の設立者は、連帯して、一般財団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般財団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 機関 第一款 機関の設置 (機関の設置) 第百七十条 一般財団法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。 2 一般財団法人は、定款の定めによって、会計監査人を置くことができる。 (会計監査人の設置義務) 第百七十一条 大規模一般財団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第二款 評議員等の選任及び解任 (一般財団法人と評議員等との関係) 第百七十二条 一般財団法人と評議員、理事、監事及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 理事は、一般財団法人の財産のうち一般財団法人の目的である事業を行うために不可欠なものとして定款で定めた基本財産があるときは、定款で定めるところにより、これを維持しなければならず、かつ、これについて一般財団法人の目的である事業を行うことを妨げることとなる処分をしてはならない。 (評議員の資格等) 第百七十三条 第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は、評議員について準用する。 2 評議員は、一般財団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人を兼ねることができない。 3 評議員は、三人以上でなければならない。 (評議員の任期) 第百七十四条 評議員の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後六年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで伸長することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期を退任した評議員の任期の満了する時までとすることを妨げない。 (評議員に欠員を生じた場合の措置) 第百七十五条 この法律又は定款で定めた評議員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した評議員は、新たに選任された評議員(次項の一時評議員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお評議員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時評議員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時評議員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般財団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事、監事又は会計監査人の解任) 第百七十六条 理事又は監事が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その理事又は監事を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 会計監査人が第七十一条第一項各号のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その会計監査人を解任することができる。 (一般社団法人に関する規定の準用) 第百七十七条 前章第三節第三款(第六十四条、第六十七条第三項及び第七十条を除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人の選任及び解任について準用する。 この場合において、これらの規定(第六十六条ただし書を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第六十六条ただし書中「定款又は社員総会の決議によって」とあるのは「定款によって」と、第六十八条第三項第一号中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、第七十四条第三項中「第三十八条第一項第一号」とあるのは「第百八十一条第一項第一号」と読み替えるものとする。 第三款 評議員及び評議員会 (評議員会の権限等) 第百七十八条 評議員会は、すべての評議員で組織する。 2 評議員会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (評議員会の招集) 第百七十九条 定時評議員会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 評議員会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 評議員会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (評議員による招集の請求) 第百八十条 評議員は、理事に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした評議員は、裁判所の許可を得て、評議員会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を評議員会の日とする評議員会の招集の通知が発せられない場合 (評議員会の招集の決定) 第百八十一条 評議員会を招集する場合には、理事会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 評議員会の日時及び場所 二 評議員会の目的である事項があるときは、当該事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合には、当該評議員は、前項各号に掲げる事項を定めなければならない。 (評議員会の招集の通知) 第百八十二条 評議員会を招集するには、理事(第百八十条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合にあっては、当該評議員。次項において同じ。)は、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面でその通知を発しなければならない。 2 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第百八十三条 前条の規定にかかわらず、評議員会は、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (評議員提案権) 第百八十四条 評議員は、理事に対し、一定の事項を評議員会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第百八十五条 評議員は、評議員会において、評議員会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第百八十六条 評議員は、理事に対し、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員会の目的である事項につき当該評議員が提出しようとする議案の要領を第百八十二条第一項又は第二項の通知に記載し、又は記録して評議員に通知することを請求することができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (評議員会の招集手続等に関する検査役の選任) 第百八十七条 一般財団法人又は評議員は、評議員会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該評議員会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般財団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般財団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般財団法人でない場合にあっては、当該一般財団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による評議員会招集等の決定) 第百八十八条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に評議員会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を評議員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の評議員会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事及び監事は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の評議員会に報告しなければならない。 (評議員会の決議) 第百八十九条 評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百七十六条第一項の評議員会(監事を解任する場合に限る。) 二 第百九十八条において準用する第百十三条第一項の評議員会 三 第二百条の評議員会 四 第二百一条の評議員会 五 第二百四条の評議員会 六 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の評議員会 3 前二項の決議について特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができない。 4 評議員会は、第百八十一条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第百九十一条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九十七条において準用する第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (理事等の説明義務) 第百九十条 理事及び監事は、評議員会において、評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が評議員会の目的である事項に関しないものである場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (評議員会に提出された資料等の調査) 第百九十一条 評議員会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該評議員会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第百八十条の規定により招集された評議員会においては、その決議によって、一般財団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第百九十二条 評議員会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八十一条及び第百八十二条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百九十三条 評議員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般財団法人は、評議員会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般財団法人は、評議員会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (評議員会の決議の省略) 第百九十四条 理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき評議員(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。 2 一般財団法人は、前項の規定により評議員会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時評議員会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時評議員会が終結したものとみなす。 (評議員会への報告の省略) 第百九十五条 理事が評議員の全員に対して評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を評議員会に報告することを要しないことにつき評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の評議員会への報告があったものとみなす。 (評議員の報酬等) 第百九十六条 評議員の報酬等の額は、定款で定めなければならない。 第四款 理事、理事会、監事及び会計監査人 第百九十七条 前章第三節第四款(第七十六条、第七十七条第一項から第三項まで、第八十一条及び第八十八条第二項を除く。)、第五款(第九十二条第一項を除く。)、第六款(第百四条第二項を除く。)及び第七款の規定は、一般財団法人の理事、理事会、監事及び会計監査人について準用する。 この場合において、これらの規定(第八十三条及び第八十四条第一項を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第八十三条中「定款並びに社員総会の決議」とあるのは「定款」と、第八十四条第一項中「社員総会」とあるのは「理事会」と、第八十五条中「社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)」とあるのは「監事」と、第八十六条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、並びに同条第七項、第八十七条第一項第二号及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「評議員」と、同項中「著しい損害」とあるのは「回復することができない損害」と、第九十条第四項第六号中「第百十四条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十四条第一項」と、「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、第九十七条第二項中「社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て」とあるのは「評議員は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも」と、同条第四項中「前二項の請求」とあるのは「前項の請求」と、「前二項の許可」とあるのは「同項の許可」と、第百四条第一項中「第七十七条第四項及び第八十一条」とあるのは「第七十七条第四項」と、第百七条第一項中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、「第百十七条第二項第一号イ」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十七条第二項第一号イ」と、同条第五項第一号中「第六十八条第三項第一号」とあるのは「第百七十七条において準用する第六十八条第三項第一号」と読み替えるものとする。 第五款 役員等の損害賠償責任 第百九十八条 前章第三節第八款(第百十七条第二項第一号ロを除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人並びに評議員の損害賠償責任について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百十一条第一項中「理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)」とあるのは「理事、監事若しくは会計監査人(以下この款及び第三百二条第二項第九号において「役員等」という。)又は評議員」と、同条第二項中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、同条第三項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、同項第一号中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、第百十二条中「総社員」とあるのは「総評議員」と、第百十四条第二項中「についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案」とあるのは「に関する議案」と、同条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、同条第四項中「総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項」とあるのは「総評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の評議員が前項」と、第百十五条第一項中「第三百一条第二項第十二号」とあるのは「第三百二条第二項第十号」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、第百十七条第一項及び第百十八条中「役員等」とあるのは「役員等又は評議員」と、第百十七条第二項第一号ニ中「第百二十八条第三項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十八条第三項」と読み替えるものとする。 第六款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 第百九十八条の二 前章第三節第九款の規定は、一般財団法人について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)」とあるのは「理事会」と、第百十八条の二第一項中「役員等に」とあるのは「理事、監事又は会計監査人(以下この款において「役員等」という。)に」と、同条第二項第二号中「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、同条第四項中「理事会設置一般社団法人」とあるのは「一般財団法人」と、同条第五項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項」とあり、及び第百十八条の三第二項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項及び第九十二条第二項並びに第百九十八条において準用する第百十一条第三項」と読み替えるものとする。 第三節 計算 第百九十九条 前章第四節(第百二十一条第一項後段及び第二項並びに第百二十六条第一項第一号、第二号及び第四号を除く。)の規定は、一般財団法人の計算について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百二十一条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、及び第百二十九条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、第百二十五条中「社員に」とあるのは「評議員に」と、第百二十九条第一項及び第二項中「第五十八条第一項」とあるのは「第百九十四条第一項」と、同条第三項ただし書中「第二号」とあるのは「債権者が第二号」と読み替えるものとする。 第四節 定款の変更 第二百条 一般財団法人は、その成立後、評議員会の決議によって、定款を変更することができる。 ただし、第百五十三条第一項第一号及び第八号に掲げる事項に係る定款の定めについては、この限りでない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、設立者が同項ただし書に規定する定款の定めを評議員会の決議によって変更することができる旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたときは、評議員会の決議によって、前項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 3 一般財団法人は、その設立の当時予見することのできなかった特別の事情により、第一項ただし書に規定する定款の定めを変更しなければその運営の継続が不可能又は著しく困難となるに至ったときは、裁判所の許可を得て、評議員会の決議によって、同項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 第五節 事業の譲渡 第二百一条 一般財団法人が事業の全部の譲渡をするには、評議員会の決議によらなければならない。 第六節 解散 (解散の事由) 第二百二条 一般財団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 基本財産の滅失その他の事由による一般財団法人の目的である事業の成功の不能 四 合併(合併により当該一般財団法人が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 2 一般財団法人は、前項各号に掲げる事由のほか、ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 3 新設合併により設立する一般財団法人は、前項に規定する場合のほか、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表及びその成立の日の属する事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 (休眠一般財団法人のみなし解散) 第二百三条 休眠一般財団法人(一般財団法人であって、当該一般財団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般財団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般財団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般財団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般財団法人の継続) 第二百四条 一般財団法人は、次に掲げる場合には、次章の規定による清算が結了するまで(第二号に掲げる場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、評議員会の決議によって、一般財団法人を継続することができる。 一 第二百二条第二項又は第三項の規定による解散後、清算事務年度(第二百二十七条第一項に規定する清算事務年度をいう。)に係る貸借対照表上の純資産額が三百万円以上となった場合 二 前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合 (解散した一般財団法人の合併の制限) 第二百五条 一般財団法人が解散した場合には、当該一般財団法人は、当該一般財団法人が合併後存続する一般財団法人となる合併をすることができない。 第四章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第二百六条 一般社団法人又は一般財団法人は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第百四十八条第五号又は第二百二条第一項第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算法人の能力) 第二百七条 前条の規定により清算をする一般社団法人又は一般財団法人(以下「清算法人」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算法人の機関 第一款 清算法人における機関の設置 第二百八条 清算法人には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算法人は、定款の定めによって、清算人会又は監事を置くことができる。 3 第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった時において大規模一般社団法人又は大規模一般財団法人であった清算法人は、監事を置かなければならない。 4 第二章第三節第二款及び前章第二節第一款(評議員及び評議員会に係る部分を除く。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第二款 清算人の就任及び解任並びに監事の退任等 (清算人の就任) 第二百九条 次に掲げる者は、清算法人の清算人となる。 一 理事(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員総会又は評議員会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第百四十八条第七号又は第二百二条第一項第六号に掲げる事由によって解散した清算法人については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第二百六条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算法人については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第六十四条、第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は清算人について、第六十五条第三項の規定は清算人会設置法人(清算人会を置く清算法人をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「理事は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第二百十条 清算一般社団法人(一般社団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 清算一般財団法人(一般財団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その清算人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 4 第七十五条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監事の退任等) 第二百十一条 清算法人の監事は、当該清算法人が監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 2 次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める清算法人については、適用しない。 一 第六十七条(第百七十七条において準用する場合を含む。) 清算法人 二 第百七十四条 清算一般財団法人 第三款 清算人の職務等 (清算人の職務) 第二百十二条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の引渡し (業務の執行) 第二百十三条 清算人は、清算法人(清算人会設置法人を除く。次項において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 第百八十一条第一項各号に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第八十一条から第八十五条まで、第八十八条及び第八十九条の規定は、清算人(同条の規定については、第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第八十一条中「第七十七条第四項」とあるのは「第二百十四条第七項において準用する第七十七条第四項」と、同条、第八十四条第一項及び第八十九条中「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、第八十二条中「代表理事」とあるのは「代表清算人(第二百十四条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第八十三条中「並びに社員総会の決議」とあるのは「(清算一般社団法人にあっては、法令及び定款並びに社員総会の決議)」と、第八十五条及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「社員又は評議員」と、第八十五条及び第八十八条第二項中「監事設置一般社団法人」とあるのは「監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)」と読み替えるものとする。 (清算法人の代表) 第二百十四条 清算人は、清算法人を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算法人を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算法人を代表する。 3 清算法人(清算人会設置法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は社員総会若しくは評議員会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第二百九条第一項第一号の規定により理事が清算人となる場合において、代表理事(一般社団法人等を代表する理事をいう。以下この項、第二百六十一条第一項第三号、第二百八十九条第二号、第二百九十三条第一号、第三百五条、第三百十五条第一項第二号イ及び第三百二十条第一項において同じ。)を定めていたときは、当該代表理事が代表清算人となる。 5 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 前条第四項において準用する第八十一条の規定、次項において準用する第七十七条第四項の規定及び第二百二十条第八項の規定にかかわらず、監事設置清算法人(監事を置く清算法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない清算法人をいう。以下同じ。)が清算人(清算人であった者を含む。以下この項において同じ。)に対し、又は清算人が監事設置清算法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置清算法人を代表する。 7 第七十七条第四項及び第五項並びに第七十九条の規定は代表清算人について、第八十条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算法人についての破産手続の開始) 第二百十五条 清算法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算法人が既に債権者に支払い、又は残余財産の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第二百十六条 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算法人に対する損害賠償責任) 第二百十七条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって清算法人に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の清算人 二 清算法人が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第百十二条及び第百十六条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、第百十二条中「総社員」とあるのは「総社員又は総評議員」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第二百十八条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 第二百二十五条第一項に規定する財産目録等並びに第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 四 基金を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 (清算人等の連帯責任) 第二百十九条 清算人、監事又は評議員が清算法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人、監事又は評議員も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第百十八条(第百九十八条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 第四款 清算人会 (清算人会の権限等) 第二百二十条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置法人の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第二百十四条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第二百十四条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置法人の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置法人の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十一条に規定する場合には、清算人会は、同条の規定による社員総会又は評議員会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて清算人会設置法人を代表する者を定めることができる。 9 第七項各号に掲げる清算人は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を清算人会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 10 第九十二条の規定は、清算人会設置法人について準用する。 この場合において、同条第一項中「第八十四条」とあるのは「第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十四条」と、「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、「「理事会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第八十四条第一項各号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項各号」と、「理事は」とあるのは「清算人は」と、「理事会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第二百二十一条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項及び次条第二項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第九十四条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の招集について準用する。 この場合において、同条第一項中「各理事及び各監事」とあるのは「各清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。次項において同じ。)にあっては、各清算人及び各監事)」と、同条第二項中「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人にあっては、清算人及び監事)」と読み替えるものとする。 5 第九十五条及び第九十六条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第九十五条第一項中「理事の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「理事」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「理事(」とあるのは「清算人(」と、「代表理事」とあるのは「代表清算人」と、同条第五項中「理事であって」とあるのは「清算人であって」と、第九十六条中「理事が」とあるのは「清算人が」と、「理事(」とあるのは「清算人(」と読み替えるものとする。 6 第九十八条の規定は、清算人会設置法人における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「理事、監事又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監事」と、「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)にあっては、清算人及び監事)」と、同条第二項中「第九十一条第二項」とあるのは「第二百二十条第九項」と読み替えるものとする。 (社員又は評議員による招集の請求) 第二百二十二条 清算人会設置法人(監事設置清算法人を除く。)の社員又は評議員は、清算人が清算人会設置法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、清算人会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、清算人(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、清算人会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った社員又は評議員は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した清算人会に出席し、意見を述べることができる。 (議事録等) 第二百二十三条 清算人会設置法人は、清算人会の日(第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の規定により清算人会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、同項において準用する第九十五条第三項の議事録又は第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員又は評議員は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員については、その権利を行使するため必要があるときに限る。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監事設置清算法人である清算一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「清算法人の業務時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 債権者は、清算人又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 裁判所は、第三項の規定により読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は前項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該清算人会設置法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の規定により読み替えて適用する第二項の許可又は前項の許可をすることができない。 第五款 理事等に関する規定の適用 第二百二十四条 清算法人については、第六十五条第二項、第七十二条及び第七十四条第三項(これらの規定を第百七十七条において準用する場合を含む。)並びに第八十七条及び第二章第三節第六款(第百四条第一項を除き、これらの規定を第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会設置法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会設置法人に適用があるものとする。 2 清算一般社団法人については、第二章第三節第一款及び第百三十七条第十項の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に適用があるものとする。 3 清算一般財団法人については、第百五十三条第三項第一号、第百七十三条第二項及び前章第二節第三款の規定中理事又は理事会に関する規定は、それぞれ清算人又は清算人会に関する規定として清算人又は清算人会に適用があるものとする。 この場合において、第百八十一条第一項中「理事会の決議によって」とあるのは「清算人は」と、「定めなければならない」とあるのは「定めなければならない。ただし、清算人会を置く清算一般財団法人(第二百十条第二項に規定する清算一般財団法人をいう。)においては、当該事項の決定は、清算人会の決議によらなければならない」とする。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第二百二十五条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算法人の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算法人は、財産目録等を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第二百二十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第二百二十七条 清算法人は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算法人は、第一項の貸借対照表を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第二百二十八条 監事設置清算法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第二百二十九条 次の各号に掲げる清算法人は、第二百二十七条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、当該各号に定める日からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 一 清算一般社団法人 定時社員総会の日の一週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 清算一般財団法人 定時評議員会の日の一週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 2 社員、評議員及び債権者は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (貸借対照表等の提出等) 第二百三十条 次の各号に掲げる清算法人においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時社員総会又は定時評議員会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置清算法人(清算人会設置法人を除く。) 第二百二十八条第一項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置法人 第二百二十八条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算法人 第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時社員総会又は定時評議員会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時社員総会又は定時評議員会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第二百三十一条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第二百二十七条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (適用除外) 第二百三十二条 第二章第四節第三款(第百二十三条第四項、第百二十八条第三項、第百二十九条及び第百三十条を除き、第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第二百三十三条 清算法人は、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算法人の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十四条 清算法人は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算法人は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算法人は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算法人の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第二百三十五条 清算法人は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算法人は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (基金の返還の制限) 第二百三十六条 基金の返還に係る債務の弁済は、その余の清算一般社団法人の債務の弁済がされた後でなければ、することができない。 (債務の弁済前における残余財産の引渡しの制限) 第二百三十七条 清算法人は、当該清算法人の債務を弁済した後でなければ、その財産の引渡しをすることができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第二百三十八条 清算法人の債権者(知れている債権者を除く。)であって第二百三十三条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、引渡しがされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 第五節 残余財産の帰属 第二百三十九条 残余財産の帰属は、定款で定めるところによる。 2 前項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、その帰属は、清算法人の社員総会又は評議員会の決議によって定める。 3 前二項の規定により帰属が定まらない残余財産は、国庫に帰属する。 第六節 清算事務の終了等 (清算事務の終了等) 第二百四十条 清算法人は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 (帳簿資料の保存) 第二百四十一条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算法人の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 第五章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第二百四十二条 一般社団法人又は一般財団法人は、他の一般社団法人又は一般財団法人と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする法人は、合併契約を締結しなければならない。 (合併の制限) 第二百四十三条 次の各号に掲げる場合には、合併後存続する一般社団法人若しくは一般財団法人又は合併により設立する一般社団法人若しくは一般財団法人は、それぞれ当該各号に定める種類の法人でなければならない。 一 合併をする法人が一般社団法人のみである場合 一般社団法人 二 合併をする法人が一般財団法人のみである場合 一般財団法人 2 前項各号に掲げる場合以外の場合において、合併をする一般社団法人が合併契約の締結の日までに基金の全額を返還していないときは、合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、一般社団法人でなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 吸収合併契約等 (吸収合併契約) 第二百四十四条 一般社団法人又は一般財団法人が吸収合併をする場合には、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収合併後存続する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併存続法人」という。)及び吸収合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) (吸収合併の効力の発生等) 第二百四十五条 吸収合併存続法人は、効力発生日に、吸収合併消滅法人の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅法人の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前二項の規定は、第二百四十八条若しくは第二百五十二条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 吸収合併消滅法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百四十六条 吸収合併消滅法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百四十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百四十七条 吸収合併消滅法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百四十八条 吸収合併消滅法人の債権者は、吸収合併消滅法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併存続法人の名称及び住所 三 吸収合併消滅法人及び吸収合併存続法人の計算書類(第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類をいう。以下同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併の効力発生日の変更) 第二百四十九条 吸収合併消滅法人は、吸収合併存続法人との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、吸収合併消滅法人は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、第二百四十五条及びこの款の規定を適用する。 第三款 吸収合併存続法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十条 吸収合併存続法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十二条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百五十一条 吸収合併存続法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 2 吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の債務の額として法務省令で定める額が吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の資産の額として法務省令で定める額を超える場合には、理事は、前項の社員総会又は評議員会において、その旨を説明しなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十二条 吸収合併存続法人の債権者は、吸収合併存続法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併存続法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併消滅法人の名称及び住所 三 吸収合併存続法人及び吸収合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併存続法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併存続法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十三条 吸収合併存続法人は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続法人が承継した吸収合併消滅法人の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収合併存続法人は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第三節 新設合併 第一款 新設合併契約等 (新設合併契約) 第二百五十四条 二以上の一般社団法人又は一般財団法人が新設合併をする場合には、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 新設合併により設立する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併設立法人」という。)の目的、名称及び主たる事務所の所在地 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立法人の定款で定める事項 四 新設合併設立法人の設立に際して理事となる者の氏名 五 新設合併設立法人が会計監査人設置一般社団法人又は会計監査人設置一般財団法人であるときは、その設立に際して会計監査人となる者の氏名又は名称 六 新設合併設立法人が監事設置一般社団法人であるときは、設立時監事の氏名 七 新設合併設立法人が一般財団法人であるときは、設立時評議員及び設立時監事の氏名 (新設合併の効力の発生) 第二百五十五条 新設合併設立法人は、その成立の日に、新設合併消滅法人の権利義務を承継する。 第二款 新設合併消滅法人の手続 (新設合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十六条 新設合併消滅法人は、新設合併契約備置開始日から新設合併設立法人の成立の日までの間、新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「新設合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 新設合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約の承認) 第二百五十七条 新設合併消滅法人は、社員総会又は評議員会の決議によって、新設合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十八条 新設合併消滅法人の債権者は、新設合併消滅法人に対し、新設合併について異議を述べることができる。 2 新設合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併をする旨 二 他の新設合併消滅法人及び新設合併設立法人の名称及び住所 三 新設合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、新設合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、新設合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 第三款 新設合併設立法人の手続 (設立の特則) 第二百五十九条 第二章第一節(第十一条(第一項第四号を除く。)、第十二条、第十四条、第十六条、第四款及び第五款を除く。)の規定は、一般社団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 2 第三章第一節(第百五十三条第一項第一号から第三号まで及び第八号から第十号まで並びに第三項、第百五十四条、第百五十六条、第百六十条、第五款並びに第百六十三条を除く。)の規定は、一般財団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 3 新設合併設立法人の定款は、新設合併消滅法人が作成する。 (新設合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百六十条 新設合併設立法人は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立法人が承継した新設合併消滅法人の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設合併設立法人は、その成立の日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 新設合併設立法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併設立法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六章 雑則 第一節 解散命令 (解散命令) 第二百六十一条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため一般社団法人等の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、一般社団法人等の解散を命ずることができる。 一 一般社団法人等の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 一般社団法人等が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人等の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人等の業務を執行したその他の理事をいう。)が、法令若しくは定款で定める一般社団法人等の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反復して当該行為をしたとき。 2 社員、評議員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、一般社団法人等の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 一般社団法人等は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分) 第二百六十二条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、一般社団法人等の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、一般社団法人等が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、一般社団法人等の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「一般社団法人又は一般財団法人」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第二百六十三条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第二百六十一条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 訴訟 第一款 一般社団法人等の組織に関する訴え (一般社団法人等の組織に関する行為の無効の訴え) 第二百六十四条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 一般社団法人等の設立 一般社団法人等の成立の日から二年以内 二 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 三 一般社団法人等の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する一般社団法人等の社員等(社員、評議員、理事、監事又は清算人をいう。以下この款において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は吸収合併存続法人の社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 三 前項第三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は新設合併設立法人の社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 (社員総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第二百六十五条 社員総会又は評議員会(以下この款及び第三百十五条第一項第一号ロにおいて「社員総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 社員総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (社員総会等の決議の取消しの訴え) 第二百六十六条 次に掲げる場合には、社員等は、社員総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより社員等(第七十五条第一項(第百七十七条及び第二百十条第四項において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第一項の規定により理事、監事、清算人又は評議員としての権利義務を有する者を含む。)となる者も、同様とする。 一 社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 社員総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 社員総会の決議について特別の利害関係を有する社員が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (一般社団法人等の設立の取消しの訴え) 第二百六十七条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、一般社団法人等の成立の日から二年以内に、訴えをもって一般社団法人等の設立の取消しを請求することができる。 一 社員又は設立者が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員又は設立者 二 設立者がその債権者を害することを知って一般財団法人を設立したとき 当該債権者 (一般社団法人等の解散の訴え) 第二百六十八条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員又は評議員は、訴えをもって一般社団法人等の解散を請求することができる。 一 一般社団法人等が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該一般社団法人等に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 一般社団法人等の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該一般社団法人等の存立を危うくするとき。 (被告) 第二百六十九条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「一般社団法人等の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 一般社団法人等の設立の無効の訴え 設立する一般社団法人等 二 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人 三 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人 四 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該一般社団法人等 五 社員総会等の決議の取消しの訴え 当該一般社団法人等 六 第二百六十七条第一号の規定による一般社団法人等の設立の取消しの訴え 当該一般社団法人等 七 第二百六十七条第二号の規定による一般財団法人の設立の取消しの訴え 当該一般財団法人及び同号の設立者 八 一般社団法人等の解散の訴え 当該一般社団法人等 (訴えの管轄) 第二百七十条 一般社団法人等の組織に関する訴えは、被告となる一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第二百七十一条 一般社団法人等の組織に関する訴えであって、社員が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該社員が理事、監事又は清算人であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、一般社団法人等の組織に関する訴えであって、債権者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第二百七十二条 同一の請求を目的とする一般社団法人等の組織に関する訴えに係る二以上の訴訟が同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第二百七十三条 一般社団法人等の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十四条 一般社団法人等の組織に関する訴え(第二百六十九条第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって一般社団法人等が設立された場合にあっては、当該設立を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (合併の無効判決の効力) 第二百七十五条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした一般社団法人等は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併存続法人 二 一般社団法人等の新設合併 新設合併設立法人 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が取得した財産は、当該行為をした一般社団法人等の共有に属する。 3 前二項に規定する場合には、各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分及び前項の財産の共有持分は、各一般社団法人等の協議によって定める。 4 各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分又は第二項の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各一般社団法人等の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各一般社団法人等の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (設立の無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十六条 一般社団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該一般社団法人を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 2 前項前段の規定は、一般財団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合について準用する。 この場合において、同項中「社員」とあるのは、「設立者」と読み替えるものとする。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第二百七十七条 一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二款 一般社団法人における責任追及の訴え (責任追及の訴え) 第二百七十八条 社員は、一般社団法人に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、設立時社員、設立時理事、役員等(第百十一条第一項に規定する役員等をいう。第三項において同じ。)又は清算人の責任を追及する訴え(以下この款において「責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及の訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該一般社団法人に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 一般社団法人が前項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、一般社団法人のために、責任追及の訴えを提起することができる。 3 一般社団法人は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした社員又は同項の設立時社員、設立時理事、役員等若しくは清算人から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により一般社団法人に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の社員は、一般社団法人のために、直ちに責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第二項又は前項の責任追及の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 6 社員が責任追及の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 被告が前項の申立てをするには、責任追及の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第二百七十九条 責任追及の訴えは、一般社団法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第二百八十条 社員又は一般社団法人は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 監事設置一般社団法人が、理事及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 3 社員は、責任追及の訴えを提起したときは、遅滞なく、一般社団法人に対し、訴訟告知をしなければならない。 4 一般社団法人は、責任追及の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を社員に通知しなければならない。 (和解) 第二百八十条の二 監事設置一般社団法人が、当該監事設置一般社団法人の理事及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 第二百八十一条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、一般社団法人が責任追及の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該一般社団法人の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、一般社団法人に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 一般社団法人が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で社員が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第二十五条、第百十二条(第二百十七条第四項において準用する場合を含む。)及び第百四十一条第五項(同項ただし書に規定する超過額を超えない部分について負う責任に係る部分に限る。)の規定は、責任追及の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (費用等の請求) 第二百八十二条 責任追及の訴えを提起した社員が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該一般社団法人に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及の訴えを提起した社員が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該社員は、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第二百八十条第一項の規定により同項の訴訟に参加した社員について準用する。 (再審の訴え) 第二百八十三条 責任追及の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及の訴えに係る訴訟の目的である一般社団法人の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、一般社団法人又は社員は、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三款 一般社団法人等の役員等の解任の訴え (一般社団法人等の役員等の解任の訴え) 第二百八十四条 理事、監事又は評議員(以下この款において「役員等」という。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員等を解任する旨の議案が社員総会又は評議員会において否決されたときは、次に掲げる者は、当該社員総会又は評議員会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員等の解任を請求することができる。 一 総社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。) 二 評議員 (被告) 第二百八十五条 前条の訴え(次条及び第三百十五条第一項第一号ニにおいて「一般社団法人等の役員等の解任の訴え」という。)については、当該一般社団法人等及び前条の役員等を被告とする。 (訴えの管轄) 第二百八十六条 一般社団法人等の役員等の解任の訴えは、当該一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三節 非訟 第一款 総則 (非訟事件の管轄) 第二百八十七条 この法律の規定による非訟事件(次項に規定する事件を除く。)は、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 第二百七十五条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第二百八十八条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第二百八十九条 裁判所は、この法律の規定による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により一般社団法人等が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧又は謄写の許可の申立てについての裁判 当該一般社団法人等 二 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項若しくは第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第二百六十二条第二項の管理人の報酬の額の決定 当該一般社団法人等(報酬を受ける者が監事を置く一般社団法人等を代表する者である場合において、他に当該一般社団法人等を代表する者が存しないときは、監事)及び報酬を受ける者 三 第百三十七条第七項の規定による裁判 当該一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)及び現物拠出財産を給付する者 四 清算人の解任についての裁判 当該清算人 五 第二百六十一条第一項の規定による裁判 当該一般社団法人等 六 第二百七十五条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした一般社団法人等 (理由の付記) 第二百九十条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 前条第二号に掲げる裁判 二 第二百九十三条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第二百九十一条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第二百六十二条第一項の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第二百八十九条各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同条第二号及び第三号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) (原裁判の執行停止) 第二百九十二条 前条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第二百八十九条第二号から第四号までに掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第二百九十三条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第二百八十九条第二号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第二百三十五条第一項の鑑定人又は第二百四十一条第二項の帳簿資料の保存をする者の選任又は選定の裁判 二 第二百六十二条第二項の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第二百六十二条第六項の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第二百八十九条第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第二百九十四条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百九十五条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二款 解散命令の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第二百九十六条 裁判所は、第二百六十一条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第二百九十一条第二号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分についての特則) 第二百九十七条 裁判所が第二百六十二条第一項の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、一般社団法人等の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第二百六十二条第一項の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、一般社団法人等の負担とする。 第二百九十八条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二百六十二条第六項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四節 登記 第一款 総則 (登記の効力) 第二百九十九条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (登記の期間) 第三百条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二款 主たる事務所の所在地における登記 (一般社団法人の設立の登記) 第三百一条 一般社団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第二十条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立時社員が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般社団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 四の二 第四十七条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 五 理事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 理事会設置一般社団法人であるときは、その旨 八 監事設置一般社団法人であるときは、その旨及び監事の氏名 九 会計監査人設置一般社団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 十 第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 十一 第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十二 第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十三 第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十四 公告方法 十五 前号の公告方法が電子公告(第三百三十一条第一項第三号に規定する電子公告をいう。以下この号及び次条第二項第十三号において同じ。)であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (一般財団法人の設立の登記) 第三百二条 一般財団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第百六十一条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立者が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般財団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 評議員、理事及び監事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 会計監査人設置一般財団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 八 第百七十七条において準用する第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 九 第百九十八条において準用する第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十 第百九十八条において準用する第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 第百九十九条において準用する第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十二 公告方法 十三 前号の公告方法が電子公告であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (変更の登記) 第三百三条 一般社団法人等において第三百一条第二項各号又は前条第二項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。 (他の登記所の管轄区域内への主たる事務所の移転の登記) 第三百四条 一般社団法人等がその主たる事務所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 一般社団法人 第三百一条第二項各号に掲げる事項 二 一般財団法人 第三百二条第二項各号に掲げる事項 2 新所在地における登記においては、一般社団法人等の成立の年月日並びに主たる事務所を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第三百五条 一般社団法人等の理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その主たる事務所の所在地において、その登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第三百六条 一般社団法人等が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、吸収合併消滅法人については解散の登記をし、吸収合併存続法人については変更の登記をしなければならない。 2 吸収合併による変更の登記においては、吸収合併をした旨並びに吸収合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (新設合併の登記) 第三百七条 二以上の一般社団法人等が新設合併をするときは、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、新設合併消滅法人については解散の登記をし、新設合併設立法人については設立の登記をしなければならない。 一 第二百五十七条の社員総会又は評議員会の決議の日 二 第二百五十八条の規定による手続が終了した日 三 新設合併消滅法人が合意により定めた日 2 新設合併による設立の登記においては、新設合併をした旨並びに新設合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (解散の登記) 第三百八条 第百四十八条第一号から第四号まで又は第二百二条第一項第一号から第三号まで、第二項若しくは第三項の規定により一般社団法人等が解散したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、解散の登記をしなければならない。 2 解散の登記においては、解散の旨並びにその事由及び年月日を登記しなければならない。 (継続の登記) 第三百九条 第百五十条、第二百四条又は第二百七十六条の規定により一般社団法人等が継続したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人等の登記) 第三百十条 第二百九条第一項第一号に掲げる者が清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算法人が清算人会を置くときは、その旨 四 清算一般財団法人が監事を置くときは、その旨 2 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 3 第三百三条の規定は前二項の規定による登記について、第三百五条の規定は清算人又は代表清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第三百十一条 清算が結了したときは、清算法人は、第二百四十条第三項の承認の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 第三款 削除 第三百十二条から第三百十四条まで 削除 第四款 登記の嘱託 第三百十五条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴え ロ 社員総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 社員総会等の決議の取消しの訴え ハ 一般社団法人等の解散の訴え ニ 一般社団法人等の役員等の解任の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定による一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判 ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判 ニ 清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判 ホ 清算人の解任の裁判 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第二百六十一条第一項の規定による一般社団法人等の解散を命ずる裁判 2 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人についての変更の登記及び吸収合併消滅法人についての回復の登記 二 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人についての解散の登記及び新設合併消滅法人についての回復の登記 第五款 登記の手続等 (登記簿) 第三百十六条 登記所に、一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿を備える。 (添付書面の通則) 第三百十七条 登記すべき事項につき社員全員の同意又はある理事若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 2 登記すべき事項につき社員総会、評議員会、理事会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。 3 登記すべき事項につき第五十八条第一項、第九十六条(第百九十七条及び第二百二十一条第五項において準用する場合を含む。)又は第百九十四条第一項の規定により社員総会、理事会、清算人会又は評議員会の決議があったものとみなされる場合には、申請書に、前項の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。 (一般社団法人の設立の登記の申請) 第三百十八条 一般社団法人の設立の登記は、当該一般社団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般社団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 設立時理事が設立時代表理事を選定したときは、これに関する書面 三 設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 四 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立時社員全員の同意又はある設立時社員の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (一般財団法人の設立の登記の申請) 第三百十九条 一般財団法人の設立の登記は、当該一般財団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般財団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 財産の拠出の履行があったことを証する書面 三 設立時評議員、設立時理事及び設立時監事の選任に関する書面 四 設立時代表理事の選定に関する書面 五 設立時評議員、設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 六 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 設立時会計監査人の選任に関する書面 ロ 就任を承諾したことを証する書面 ハ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ニ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立者全員の同意又はある設立者の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (理事等の変更の登記の申請) 第三百二十条 理事、監事又は代表理事の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 2 評議員の就任による変更の登記の申請書には、その選任に関する書面及び就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 就任を承諾したことを証する書面 二 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 4 会計監査人が法人であるときは、その名称の変更の登記の申請書には、前項第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 ただし、同号ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第一項から第三項までに規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (一時会計監査人の職務を行うべき者の変更の登記の申請) 第三百二十一条 第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 その選任に関する書面 二 就任を承諾したことを証する書面 三 その者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、前条第三項第二号ただし書に規定する場合を除く。 四 その者が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 2 前条第四項及び第五項の規定は、一時会計監査人の職務を行うべき者の登記について準用する。 (吸収合併による変更の登記の申請) 第三百二十二条 吸収合併による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 吸収合併契約書 二 第二百五十二条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 三 吸収合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に吸収合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 四 第二百四十七条の規定による吸収合併契約の承認があったことを証する書面 五 吸収合併消滅法人において第二百四十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (新設合併による設立の登記の申請) 第三百二十三条 新設合併による設立の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 新設合併契約書 二 定款 三 第三百十八条第二項第二号から第四号まで又は第三百十九条第二項第四号、第五号及び第六号(イを除く。)に掲げる書面 四 新設合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に新設合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 五 第二百五十七条の規定による新設合併契約の承認があったことを証する書面 六 新設合併消滅法人において第二百五十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (解散の登記の申請) 第三百二十四条 定款で定めた解散の事由又は第二百二条第一項第三号、第二項若しくは第三項に規定する事由の発生による解散の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 2 代表清算人の申請に係る解散の登記の申請書には、その資格を証する書面を添付しなければならない。 ただし、当該代表清算人が第二百九条第一項第一号の規定により清算人となったもの(第二百十四条第四項に規定する場合にあっては、同項の規定により代表清算人となったもの)であるときは、この限りでない。 (継続の登記の申請) 第三百二十五条 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、第二百七十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により一般社団法人等を継続したときは、継続の登記の申請書には、その判決の謄本及び第二百七十六条第一項の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。 (清算人の登記の申請) 第三百二十六条 清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。 2 第二百九条第一項第二号又は第三号に掲げる者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 裁判所が選任した者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、その選任及び第三百十条第一項第二号に掲げる事項を証する書面を添付しなければならない。 (清算人に関する変更の登記の申請) 第三百二十七条 裁判所が選任した清算人に関する第三百十条第一項第二号に掲げる事項の変更の登記の申請書には、変更の事由を証する書面を添付しなければならない。 2 清算人の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (清算結了の登記の申請) 第三百二十八条 清算結了の登記の申請書には、第二百四十条第三項の規定による決算報告の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 第三百二十九条 削除 (商業登記法の準用) 第三百三十条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第一条の三から第五条まで、第七条から第十五条まで(第十二条第一項第二号及び第五号を除く。)、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十七条まで、第三十三条、第五十一条、第五十二条、第七十二条、第八十二条、第八十三条、第百三十二条から第百三十七条まで及び第百三十九条から第百四十八条までの規定は、一般社団法人等に関する登記について準用する。 この場合において、これらの規定(同法第二十七条及び第三十三条第一項中「本店」とある部分を除く。)中「商号」とあるのは「名称」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、同法第一条の三及び第二十四条第一号中「営業所」とあるのは「事務所」と、同法第二十七条及び第三十三条第一項中「営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の」とあり、並びに同法第二十七条並びに第三十三条第一項第四号及び第二項中「営業所の」とあるのは「主たる事務所の」と、同条第一項第四号中「営業所を」とあるのは「主たる事務所を」と、同法第七十二条中「会社法第四百七十二条第一項本文」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百四十九条第一項本文又は第二百三条第一項本文」と、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十条において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替えるものとする。 第五節 公告 (公告方法) 第三百三十一条 一般社団法人等は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告(公告方法のうち、電磁的方法により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。以下同じ。) 四 前三号に掲げるもののほか、不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置として法務省令で定める方法 2 一般社団法人等が前項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定款で定める場合には、その定款には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 (電子公告の公告期間) 第三百三十二条 一般社団法人等が電子公告により公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時社員総会の終結の日後五年を経過する日 二 第百九十九条において準用する第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時評議員会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 第二百四十九条第二項の規定による公告 同項の変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日) (電子公告の中断及び電子公告調査機関に関する会社法の規定の準用) 第三百三十三条 一般社団法人等が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告をする場合については、会社法第九百四十条第三項、第九百四十一条、第九百四十六条、第九百四十七条、第九百五十一条第二項、第九百五十三条及び第九百五十五条の規定を準用する。 この場合において、同法第九百四十条第三項中「前二項の規定にかかわらず、これらの」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十二条の規定にかかわらず、同条の」と、同法第九百四十一条中「この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律又は他の法律の規定による公告(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百二十八条第一項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)」と、同法第九百四十六条第三項中「商号」とあるのは「名称」と読み替えるものとする。 第七章 罰則 (理事等の特別背任罪) 第三百三十四条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は一般社団法人等に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該一般社団法人等に財産上の損害を加えたときは、七年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 設立時社員 二 設立者 三 設立時理事(一般社団法人等の設立に際して理事となる者をいう。第三百四十二条において同じ。)又は設立時監事(一般社団法人等の設立に際して監事となる者をいう。同条において同じ。) 四 理事、監事又は評議員 五 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事又は評議員の職務を代行する者 六 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算法人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算法人に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人の職務を代行する者 三 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 3 前二項の罪の未遂は、罰する。 (法人財産の処分に関する罪) 第三百三十五条 前条第一項第四号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合には、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 法令又は定款の規定に違反して、基金の返還をしたとき。 二 一般社団法人等の目的の範囲外において、投機取引のために一般社団法人等の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第三百三十六条 次に掲げる者が、基金を引き受ける者の募集をするに当たり、一般社団法人の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第三百三十四条第一項第一号又は第三号から第七号までに掲げる者 二 基金を引き受ける者の募集の委託を受けた者 (理事等の贈収賄罪) 第三百三十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第三百三十四条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 会計監査人又は第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第三百三十八条 第三百三十四条、第三百三十五条及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第三百三十九条 第三百三十四条第一項、第三百三十六条又は第三百三十七条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第三百三十四条第三項の規定は、その行為をした理事その他業務を執行する者に対してそれぞれ適用する。 (虚偽記載等の罪) 第三百四十条 第三百三十三条において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、同項に規定する調査記録簿等に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は調査記録簿等を保存しなかった者は、三十万円以下の罰金に処する。 (両罰規定) 第三百四十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第三百四十二条 設立時社員、設立者、設立時理事、設立時監事、設立時評議員、理事、監事、評議員、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事、評議員若しくは清算人の職務を代行する者、第三百三十四条第一項第六号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第三百三十七条第一項第二号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁又は社員総会若しくは評議員会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、社員名簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)若しくは第二百二十七条第一項の附属明細書、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第一項、第二百五十六条第一項若しくは第二百六十条第二項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第十四条第一項、第三十二条第一項、第五十条第五項、第五十一条第三項、第五十二条第四項、第五十七条第二項若しくは第三項、第五十八条第二項、第九十七条第一項(第百九十七条において準用する場合を含む。)、第百二十九条第一項若しくは第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百五十六条第一項、第百九十三条第二項若しくは第三項、第百九十四条第二項、第二百二十三条第一項、第二百二十九条第一項、第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第二項、第二百五十六条第一項又は第二百六十条第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 第三十六条第一項若しくは第百七十九条第一項の規定又は第四十七条第一項第一号、第八十七条第一項第一号(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百八十八条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、社員総会又は評議員会を招集しなかったとき。 十 第四十三条又は第百八十四条の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会又は評議員会の目的としなかったとき。 十の二 第四十七条の三第一項の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十一 正当な理由がないのに、社員総会又は評議員会において、社員又は評議員の求めた事項について説明をしなかったとき。 十二 第七十二条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会若しくは評議員会の目的とせず、又はその請求に係る議案を社員総会若しくは評議員会に提出しなかったとき。 十三 理事、監事、評議員又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 十四 第九十二条第二項(第百九十七条及び第二百二十条第十項において準用する場合を含む。)又は第百十八条の二第四項(第百九十八条の二において準用する場合を含む。)の規定に違反して、理事会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 十五 第百四十二条第一項の規定に違反して自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得したとき、又は同条第二項の規定に違反して当該債権を相当の時期に他に譲渡することを怠ったとき。 十六 第百四十四条第一項の規定に違反して代替基金を計上せず、又は同条第二項の規定に違反して代替基金を取り崩したとき。 十七 第二百十五条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てを怠ったとき。 十八 清算の結了を遅延させる目的で、第二百三十三条第一項の期間を不当に定めたとき。 十九 第二百三十四条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 二十 第二百三十七条の規定に違反して、清算法人の財産を引き渡したとき。 二十一 第二百四十八条第二項若しくは第五項、第二百五十二条第二項若しくは第五項又は第二百五十八条第二項若しくは第五項の規定に違反して、吸収合併又は新設合併をしたとき。 二十二 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十一条の規定に違反して、同条の規定による調査を求めなかったとき。 第三百四十三条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 正当な理由がないのに、第三百三十三条において準用する会社法第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第三百四十四条 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第五条第二項の規定に違反して、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 二 第五条第三項の規定に違反して、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 三 第六条の規定に違反して、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 四 第七条第一項の規定に違反して、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第四十八号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第一章 総則 第一節 通則 (趣旨) 第一条 一般社団法人及び一般財団法人の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 一般社団法人等 一般社団法人又は一般財団法人をいう。 二 大規模一般社団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百二十六条第二項の承認(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時社員総会に報告された貸借対照表をいい、一般社団法人の成立後最初の定時社員総会までの間においては、第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般社団法人をいう。 三 大規模一般財団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百九十九条において準用する第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百九十九条において準用する第百二十六条第二項の承認(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百九十九条において準用する第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時評議員会に報告された貸借対照表をいい、一般財団法人の成立後最初の定時評議員会までの間においては、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般財団法人をいう。 四 子法人 一般社団法人又は一般財団法人がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 五 吸収合併 一般社団法人又は一般財団法人が他の一般社団法人又は一般財団法人とする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併後存続する法人に承継させるものをいう。 六 新設合併 二以上の一般社団法人又は一般財団法人がする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併により設立する法人に承継させるものをいう。 七 公告方法 一般社団法人又は一般財団法人が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 (法人格) 第三条 一般社団法人及び一般財団法人は、法人とする。 (住所) 第四条 一般社団法人及び一般財団法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。 第二節 法人の名称 (名称) 第五条 一般社団法人又は一般財団法人は、その種類に従い、その名称中に一般社団法人又は一般財団法人という文字を用いなければならない。 2 一般社団法人は、その名称中に、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 一般財団法人は、その名称中に、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (一般社団法人又は一般財団法人と誤認させる名称等の使用の禁止) 第六条 一般社団法人又は一般財団法人でない者は、その名称又は商号中に、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第七条 何人も、不正の目的をもって、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある一般社団法人又は一般財団法人は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の名称の使用を他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人の責任) 第八条 自己の名称を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人は、当該一般社団法人又は一般財団法人が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三節 商法の規定の不適用 第九条 商法(明治三十二年法律第四十八号)第十一条から第十五条まで及び第十九条から第二十四条までの規定は、一般社団法人及び一般財団法人については、適用しない。 第二章 一般社団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第十条 一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第十一条 一般社団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立時社員の氏名又は名称及び住所 五 社員の資格の得喪に関する規定 六 公告方法 七 事業年度 2 社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。 第十二条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般社団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第十三条 第十条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第十四条 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)は、定款を設立時社員が定めた場所(一般社団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、その社員及び債権者)は、設立時社員が定めた時間(一般社団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)であって設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般社団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第十五条 定款で設立時理事(一般社団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この章、第二百七十八条及び第三百十八条第二項において同じ。)を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、設立時理事を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般社団法人が次の各号に掲げるものである場合において、定款で当該各号に定める者を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、これらの者を選任しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(監事を置く一般社団法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時監事(一般社団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この章、第二百五十四条第六号及び第三百十八条第二項第三号において同じ。) 二 会計監査人設置一般社団法人(会計監査人を置く一般社団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時会計監査人(一般社団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。次条第二項及び第三百十八条第二項第四号において同じ。) 第十六条 設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人(理事会を置く一般社団法人をいう。以下同じ。)である場合には、設立時理事は、三人以上でなければならない。 2 第六十五条第一項又は第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般社団法人の理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人(以下この款において「設立時役員等」という。)となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時理事及び設立時監事について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第十七条 設立時役員等の選任は、設立時社員の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、設立時社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (設立時役員等の解任) 第十八条 設立時社員は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時役員等を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第十九条 設立時役員等の解任は、設立時社員の議決権の過半数(設立時監事を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 第十七条第二項の規定は、前項の場合について準用する。 第三款 設立時理事等による調査 第二十条 設立時理事(設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、設立時理事及び設立時監事。次項において同じ。)は、その選任後遅滞なく、一般社団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。 2 設立時理事は、前項の規定による調査により、一般社団法人の設立の手続が法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立時社員にその旨を通知しなければならない。 第四款 設立時代表理事の選定等 第二十一条 設立時理事は、設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合には、設立時理事の中から一般社団法人の設立に際して代表理事(一般社団法人を代表する理事をいう。以下この章及び第三百一条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十八条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第五款 一般社団法人の成立 第二十二条 一般社団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第六款 設立時社員等の責任 (設立時社員等の損害賠償責任) 第二十三条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、一般社団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立時社員、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立時社員等の連帯責任) 第二十四条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立時社員、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第二十五条 第二十三条第一項の規定により設立時社員、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (一般社団法人不成立の場合の責任) 第二十六条 一般社団法人が成立しなかったときは、設立時社員は、連帯して、一般社団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般社団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 社員 第一款 総則 (経費の負担) 第二十七条 社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。 (任意退社) 第二十八条 社員は、いつでも退社することができる。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定による定款の定めがある場合であっても、やむを得ない事由があるときは、社員は、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第二十九条 前条の場合のほか、社員は、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡又は解散 四 除名 (除名) 第三十条 社員の除名は、正当な事由があるときに限り、社員総会の決議によってすることができる。 この場合において、一般社団法人は、当該社員に対し、当該社員総会の日から一週間前までにその旨を通知し、かつ、社員総会において弁明する機会を与えなければならない。 2 除名は、除名した社員にその旨を通知しなければ、これをもって当該社員に対抗することができない。 第二款 社員名簿等 (社員名簿) 第三十一条 一般社団法人は、社員の氏名又は名称及び住所を記載し、又は記録した名簿(以下「社員名簿」という。)を作成しなければならない。 (社員名簿の備置き及び閲覧等) 第三十二条 一般社団法人は、社員名簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社員名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社員名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (社員に対する通知等) 第三十三条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告は、社員名簿に記載し、又は記録した当該社員の住所(当該社員が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 前二項の規定は、第三十九条第一項の通知に際して社員に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (社員に対する通知の省略) 第三十四条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、一般社団法人は、当該社員に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の社員に対する一般社団法人の義務の履行を行う場所は、一般社団法人の住所地とする。 第三節 機関 第一款 社員総会 (社員総会の権限) 第三十五条 社員総会は、この法律に規定する事項及び一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 前二項の規定にかかわらず、社員総会は、社員に剰余金を分配する旨の決議をすることができない。 4 この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の招集) 第三十六条 定時社員総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 社員総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 社員総会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (社員による招集の請求) 第三十七条 総社員の議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を社員総会の日とする社員総会の招集の通知が発せられない場合 (社員総会の招集の決定) 第三十八条 理事(前条第二項の規定により社員が社員総会を招集する場合にあっては、当該社員。次条から第四十二条までにおいて同じ。)は、社員総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社員総会の日時及び場所 二 社員総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 社員総会に出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 理事会設置一般社団法人においては、前条第二項の規定により社員が社員総会を招集するときを除き、前項各号に掲げる事項の決定は、理事会の決議によらなければならない。 (社員総会の招集の通知) 第三十九条 社員総会を招集するには、理事は、社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。 ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日の二週間前までにその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合 3 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、社員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第四十条 前条の規定にかかわらず、社員総会は、社員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第三十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第四十一条 理事は、第三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「社員総会参考書類」という。)及び社員が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、これらの書類を当該社員に交付しなければならない。 第四十二条 理事は、第三十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、社員総会参考書類を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類の交付に代えて、当該社員総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、社員総会参考書類を当該社員に交付しなければならない。 3 理事は、第一項に規定する場合には、第三十九条第三項の承諾をした社員に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 理事は、第一項に規定する場合において、第三十九条第三項の承諾をしていない社員から社員総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社員に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (社員提案権) 第四十三条 社員は、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第四十四条 社員は、社員総会において、社員総会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第四十五条 社員は、理事に対し、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員総会の目的である事項につき当該社員が提出しようとする議案の要領を社員に通知すること(第三十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、当該請求をすることができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (社員総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第四十六条 一般社団法人又は総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、社員総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該社員総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般社団法人でない場合にあっては、当該一般社団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第四十七条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (電子提供措置をとる旨の定め) 第四十七条の二 一般社団法人は、理事が社員総会の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(第四十七条の四第三項において「社員総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により社員が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第三百一条第二項第四号の二及び第三百四十二条第十号の二において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 社員総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告 (電子提供措置) 第四十七条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の理事は、第三十九条第二項各号に掲げる場合には、社員総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(第四十七条の六第三号において「電子提供措置開始日」という。)から社員総会の日後三箇月を経過する日までの間(第四十七条の六において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第三十八条第一項各号に掲げる事項 二 第四十一条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第四十二条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類に記載すべき事項 四 第四十五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合において、理事が定時社員総会を招集するときは、第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告に記載され、又は記録された事項 六 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、理事が第三十九条第一項の通知に際して社員に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (社員総会の招集の通知等の特則) 第四十七条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第三十九条第一項の規定の適用については、同項中「社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日」とあるのは、「社員総会の日」とする。 2 第三十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第二項又は第三項の通知には、第三十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、電子提供措置をとっている旨その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。 3 第四十一条第一項、第四十二条第一項及び第百二十五条の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人においては、理事は、第三十九条第一項の通知に際して、社員に対し、社員総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人における第四十五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第四十七条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第四十七条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の社員(第三十九条第三項の承諾をした社員を除く。)は、一般社団法人に対し、第四十七条の三第一項各号に掲げる事項(次項において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 理事は、第四十七条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした社員に対し、当該社員総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 書面交付請求をした社員がある場合において、その書面交付請求の日(当該社員が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、一般社団法人は、当該社員に対し、前項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 4 前項の規定による通知及び催告を受けた社員がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該社員が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第四十七条の六 第四十七条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(社員が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第六号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき一般社団法人が善意でかつ重大な過失がないこと又は一般社団法人に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から社員総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 一般社団法人が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (議決権の数) 第四十八条 社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の決議) 第四十九条 社員総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる社員総会の決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第三十条第一項の社員総会 二 第七十条第一項の社員総会(監事を解任する場合に限る。) 三 第百十三条第一項の社員総会 四 第百四十六条の社員総会 五 第百四十七条の社員総会 六 第百四十八条第三号及び第百五十条の社員総会 七 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の社員総会 3 理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、第三十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第五十五条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第五十条 社員は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社員又は代理人は、代理権を証明する書面を一般社団法人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社員総会ごとにしなければならない。 3 第一項の社員又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社員又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 6 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 7 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第五十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を一般社団法人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 3 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその主たる事務所に備え置かなければならない。 4 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該一般社団法人に提供して行う。 2 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 4 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 5 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (理事等の説明義務) 第五十三条 理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、社員総会において、社員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が社員総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより社員の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第五十四条 社員総会の議長は、当該社員総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 社員総会の議長は、その命令に従わない者その他当該社員総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (社員総会に提出された資料等の調査) 第五十五条 社員総会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該社員総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第三十七条の規定により招集された社員総会においては、その決議によって、一般社団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第五十六条 社員総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第三十八条及び第三十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五十七条 社員総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、社員総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般社団法人は、社員総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社員総会の決議の省略) 第五十八条 理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。 2 一般社団法人は、前項の規定により社員総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時社員総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時社員総会が終結したものとみなす。 (社員総会への報告の省略) 第五十九条 理事が社員の全員に対して社員総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を社員総会に報告することを要しないことにつき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の社員総会への報告があったものとみなす。 第二款 社員総会以外の機関の設置 (社員総会以外の機関の設置) 第六十条 一般社団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。 2 一般社団法人は、定款の定めによって、理事会、監事又は会計監査人を置くことができる。 (監事の設置義務) 第六十一条 理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人は、監事を置かなければならない。 (会計監査人の設置義務) 第六十二条 大規模一般社団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第三款 役員等の選任及び解任 (選任) 第六十三条 役員(理事及び監事をいう。以下この款において同じ。)及び会計監査人は、社員総会の決議によって選任する。 2 前項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (一般社団法人と役員等との関係) 第六十四条 一般社団法人と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (役員の資格等) 第六十五条 次に掲げる者は、役員となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定に違反し、又は民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 監事は、一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。 3 理事会設置一般社団法人においては、理事は、三人以上でなければならない。 第六十五条の二 成年被後見人が役員に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が役員に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした役員の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (理事の任期) 第六十六条 理事の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 (監事の任期) 第六十七条 監事の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとすることを限度として短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期を退任した監事の任期の満了する時までとすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、監事の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (会計監査人の資格等) 第六十八条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを一般社団法人に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第百二十三条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 一般社団法人の子法人若しくはその理事若しくは監事から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第六十九条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時社員総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時社員総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (解任) 第七十条 役員及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、一般社団法人に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監事による会計監査人の解任) 第七十一条 監事は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監事が二人以上ある場合には、監事の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事の互選によって定めた監事)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される社員総会に報告しなければならない。 (監事の選任に関する監事の同意等) 第七十二条 理事は、監事がある場合において、監事の選任に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監事は、理事に対し、監事の選任を社員総会の目的とすること又は監事の選任に関する議案を社員総会に提出することを請求することができる。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第七十三条 監事設置一般社団法人においては、社員総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事が決定する。 2 監事が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監事が」とあるのは、「監事の過半数をもって」とする。 (監事等の選任等についての意見の陳述) 第七十四条 監事は、社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監事を辞任した者は、辞任後最初に招集される社員総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 理事は、前項の者に対し、同項の社員総会を招集する旨及び第三十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は会計監査人について、前二項の規定は会計監査人を辞任した者及び第七十一条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、社員総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第七十五条 役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監事は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第六十八条及び第七十一条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 第四款 理事 (業務の執行) 第七十六条 理事は、定款に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 理事が二人以上ある場合には、一般社団法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、理事は、次に掲げる事項についての決定を各理事に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 四 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 4 大規模一般社団法人においては、理事は、前項第三号に掲げる事項を決定しなければならない。 (一般社団法人の代表) 第七十七条 理事は、一般社団法人を代表する。 ただし、他に代表理事その他一般社団法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の理事が二人以上ある場合には、理事は、各自、一般社団法人を代表する。 3 一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって、理事の中から代表理事を定めることができる。 4 代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第七十八条 一般社団法人は、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表理事に欠員を生じた場合の措置) 第七十九条 代表理事が欠けた場合又は定款で定めた代表理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表理事は、新たに選定された代表理事(次項の一時代表理事の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表理事の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表理事の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事の職務を代行する者の権限) 第八十条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事又は代表理事の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った理事又は代表理事の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、一般社団法人は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第八十一条 第七十七条第四項の規定にかかわらず、一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、社員総会は、当該訴えについて一般社団法人を代表する者を定めることができる。 (表見代表理事) 第八十二条 一般社団法人は、代表理事以外の理事に理事長その他一般社団法人を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該理事がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第八十三条 理事は、法令及び定款並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第八十四条 理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 理事が自己又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 理事が自己又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。 三 一般社団法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において一般社団法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (理事の報告義務) 第八十五条 理事は、一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)に報告しなければならない。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第八十六条 一般社団法人の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、当該一般社団法人の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、一般社団法人の子法人の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、一般社団法人及び検査役の選任の申立てをした社員に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第八十七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第五項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (社員による理事の行為の差止め) 第八十八条 社員は、理事が一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 監事設置一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (理事の報酬等) 第八十九条 理事の報酬等(報酬、賞与その他の職務執行の対価として一般社団法人等から受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 第五款 理事会 (理事会の権限等) 第九十条 理事会は、すべての理事で組織する。 2 理事会は、次に掲げる職務を行う。 一 理事会設置一般社団法人の業務執行の決定 二 理事の職務の執行の監督 三 代表理事の選定及び解職 3 理事会は、理事の中から代表理事を選定しなければならない。 4 理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 六 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 5 大規模一般社団法人である理事会設置一般社団法人においては、理事会は、前項第五号に掲げる事項を決定しなければならない。 (理事会設置一般社団法人の理事の権限) 第九十一条 次に掲げる理事は、理事会設置一般社団法人の業務を執行する。 一 代表理事 二 代表理事以外の理事であって、理事会の決議によって理事会設置一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの 2 前項各号に掲げる理事は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 (競業及び理事会設置一般社団法人との取引等の制限) 第九十二条 理事会設置一般社団法人における第八十四条の規定の適用については、同条第一項中「社員総会」とあるのは、「理事会」とする。 2 理事会設置一般社団法人においては、第八十四条第一項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 (招集権者) 第九十三条 理事会は、各理事が招集する。 ただし、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その理事が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた理事(以下この項及び第百一条第二項において「招集権者」という。)以外の理事は、招集権者に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。 (招集手続) 第九十四条 理事会を招集する者は、理事会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、理事会は、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (理事会の決議) 第九十五条 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。 3 理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 理事会の決議に参加した理事であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (理事会の決議の省略) 第九十六条 理事会設置一般社団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第九十七条 理事会設置一般社団法人は、理事会の日(前条の規定により理事会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第九十五条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 債権者は、理事又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 4 裁判所は、前二項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該理事会設置一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、前二項の許可をすることができない。 (理事会への報告の省略) 第九十八条 理事、監事又は会計監査人が理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を理事会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第九十一条第二項の規定による報告については、適用しない。 第六款 監事 (監事の権限) 第九十九条 監事は、理事の職務の執行を監査する。 この場合において、監事は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、又は監事設置一般社団法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監事は、その職務を行うため必要があるときは、監事設置一般社団法人の子法人に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (理事への報告義務) 第百条 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)に報告しなければならない。 (理事会への出席義務等) 第百一条 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 監事は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事(第九十三条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。 (社員総会に対する報告義務) 第百二条 監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告しなければならない。 (監事による理事の行為の差止め) 第百三条 監事は、理事が監事設置一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監事設置一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の理事に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監事設置一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第百四条 第七十七条第四項及び第八十一条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が監事設置一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 2 第七十七条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 一 監事設置一般社団法人が第二百七十八条第一項の訴えの提起の請求(理事の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監事設置一般社団法人が第二百八十条第三項の訴訟告知(理事の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第二百八十一条第二項の規定による通知及び催告(理事の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 (監事の報酬等) 第百五条 監事の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 2 監事が二人以上ある場合において、各監事の報酬等について定款の定め又は社員総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監事の協議によって定める。 3 監事は、社員総会において、監事の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第百六条 監事がその職務の執行について監事設置一般社団法人に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監事設置一般社団法人は、当該請求に係る費用又は債務が当該監事の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七款 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第百七条 会計監査人は、次節の定めるところにより、一般社団法人の計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)及びその附属明細書を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は理事及び使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置一般社団法人の子法人に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置一般社団法人若しくはその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第六十八条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人である者 三 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 (監事に対する報告) 第百八条 会計監査人は、その職務を行うに際して理事の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監事に報告しなければならない。 2 監事は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 (定時社員総会における会計監査人の意見の陳述) 第百九条 第百七条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監事と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時社員総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時社員総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時社員総会に出席して意見を述べなければならない。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監事の関与) 第百十条 理事は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 第八款 役員等の損害賠償責任 (役員等の一般社団法人に対する損害賠償責任) 第百十一条 理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 理事が第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引によって理事又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって一般社団法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第八十四条第一項の理事 二 一般社団法人が当該取引をすることを決定した理事 三 当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事 (一般社団法人に対する損害賠償責任の免除) 第百十二条 前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第百十三条 前条の規定にかかわらず、役員等の第百十一条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額(第百十五条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、社員総会の決議によって免除することができる。 一 賠償の責任を負う額 二 当該役員等がその在職中に一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表理事 六 ロ 代表理事以外の理事であって、次に掲げるもの 四 (1) 理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの (2) 当該一般社団法人の業務を執行した理事((1)に掲げる理事を除く。) (3) 当該一般社団法人の使用人 ハ 理事(イ及びロに掲げるものを除く。)、監事又は会計監査人 二 2 前項の場合には、理事は、同項の社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監事設置一般社団法人においては、理事は、第百十一条第一項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 4 第一項の決議があった場合において、一般社団法人が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、社員総会の承認を受けなければならない。 (理事等による免除に関する定款の定め) 第百十四条 第百十二条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人(理事が二人以上ある場合に限る。)は、第百十一条第一項の責任について、役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として理事(当該責任を負う理事を除く。)の過半数の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(理事の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(理事の責任の免除に限る。)についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を理事会に提出する場合について準用する。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)を行ったときは、理事は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を社員に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、一般社団法人は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 5 前条第四項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第百十五条 第百十二条の規定にかかわらず、一般社団法人は、理事(業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人の業務を執行したその他の理事をいう。次項及び第百四十一条第三項において同じ。)又は当該一般社団法人の使用人でないものに限る。)、監事又は会計監査人(以下この条及び第三百一条第二項第十二号において「非業務執行理事等」という。)の第百十一条第一項の責任について、当該非業務執行理事等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ一般社団法人が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行理事等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行理事等が当該一般社団法人の業務執行理事又は使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第百十三条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する理事と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合について準用する。 4 第一項の契約を締結した一般社団法人が、当該契約の相手方である非業務執行理事等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第百十三条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第百十一条第一項の損害のうち、当該非業務執行理事等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第百十三条第四項の規定は、非業務執行理事等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (理事が自己のためにした取引に関する特則) 第百十六条 第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第百十一条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第百十七条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 理事 次に掲げる行為 イ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ロ 基金(第百三十一条に規定する基金をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第百二十八条第三項に規定する措置を含む。) 二 監事 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第百十八条 役員等が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第百十八条の二 一般社団法人が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該一般社団法人が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 一般社団法人は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該一般社団法人が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該一般社団法人に対して第百十一条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した一般社団法人が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該一般社団法人に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 理事会設置一般社団法人においては、補償契約に基づく補償をした理事及び当該補償を受けた理事は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 5 第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項及び第百十六条第一項の規定は、一般社団法人と理事との間の補償契約については、適用しない。 6 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第百十八条の三 一般社団法人が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 2 第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項の規定は、一般社団法人が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、理事を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第四節 計算 第一款 会計の原則 第百十九条 一般社団法人の会計は、その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第百二十条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第百二十一条 総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該一般社団法人の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (会計帳簿の提出命令) 第百二十二条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第百二十三条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この款において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 一般社団法人は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第百二十四条 監事設置一般社団法人においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監事 3 理事会設置一般社団法人においては、第一項又は前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の社員への提供) 第百二十五条 理事会設置一般社団法人においては、理事は、定時社員総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告並びに監査報告(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時社員総会への提出等) 第百二十六条 次の各号に掲げる一般社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時社員総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 理事会設置一般社団法人 第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の一般社団法人 第百二十三条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時社員総会の承認を受けなければならない。 3 理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置一般社団法人の特則) 第百二十七条 会計監査人設置一般社団法人については、第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い一般社団法人の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、理事は、当該計算書類の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の公告) 第百二十八条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大規模一般社団法人にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第三百三十一条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である一般社団法人は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第百二十九条 一般社団法人は、計算書類等(各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第百二十四条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 2 一般社団法人は、計算書類等の写しを、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該一般社団法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって一般社団法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (計算書類等の提出命令) 第百三十条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第五節 基金 第一款 基金を引き受ける者の募集 (基金を引き受ける者の募集等に関する定款の定め) 第百三十一条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。次条から第百三十四条まで(第百三十三条第一項第一号を除く。)及び第百三十六条第一号において同じ。)は、基金(この款の規定により一般社団法人に拠出された金銭その他の財産であって、当該一般社団法人が拠出者に対してこの法律及び当該一般社団法人と当該拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務(金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価額に相当する金銭の返還義務)を負うものをいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定款で定めなければならない。 一 基金の拠出者の権利に関する規定 二 基金の返還の手続 (募集事項の決定) 第百三十二条 一般社団法人は、前条の募集をしようとするときは、その都度、次に掲げる事項(以下この款において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集に係る基金の総額 二 金銭以外の財産を拠出の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及びその価額 三 基金の拠出に係る金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 2 設立時社員は、募集事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (基金の申込み) 第百三十三条 一般社団法人は、第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 一般社団法人の名称 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を一般社団法人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする基金の額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 一般社団法人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 5 一般社団法人が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (基金の割当て) 第百三十四条 一般社団法人は、申込者の中から基金の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる基金の額を定めなければならない。 この場合において、一般社団法人は、当該申込者に割り当てる基金の額を、前条第二項第二号の額よりも減額することができる。 2 一般社団法人は、第百三十二条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる基金の額を通知しなければならない。 (基金の申込み及び割当てに関する特則) 第百三十五条 前二条の規定は、基金を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (基金の引受け) 第百三十六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める基金の額について基金の引受人となる。 一 申込者 一般社団法人の割り当てた基金の額 二 前条の契約により基金の総額を引き受けた者 その者が引き受けた基金の額 (金銭以外の財産の拠出) 第百三十七条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。第六項において同じ。)は、第百三十二条第一項第二号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下「現物拠出財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。第十項第二号において同じ。)は、前項の決定により現物拠出財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その基金の引受けの申込み又は第百三十五条の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物拠出財産の価額 二 現物拠出財産のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物拠出財産の価額 三 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物拠出財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物拠出財産の価額 四 現物拠出財産が一般社団法人に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物拠出財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 理事、監事又は使用人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員、設立時理事又は設立時監事) 二 基金の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの (基金の拠出の履行) 第百三十八条 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者を除く。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。第二百四十八条第五項において同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。第百五十七条第二項において同じ。)の払込みの取扱いの場所において、それぞれの基金の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、それぞれの基金の払込金額に相当する現物拠出財産を給付しなければならない。 ただし、一般社団法人の成立前に給付すべき場合において、設立時社員全員の同意があるときは、登記、登録その他の権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般社団法人の成立後にすることを妨げない。 3 基金の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「拠出の履行」という。)をする債務と一般社団法人に対する債権とを相殺することができない。 4 基金の引受人が拠出の履行をしないときは、基金の引受けは、その効力を失う。 (基金の拠出者となる時期) 第百三十九条 基金の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 一 第百三十二条第一項第三号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百三十二条第一項第三号の期間を定めた場合 拠出の履行をした日 2 前項の規定にかかわらず、一般社団法人の成立前に基金を引き受ける者の募集をした場合には、一般社団法人の成立の時に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第百四十条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、基金の引受けの申込み及び割当て並びに第百三十五条の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 基金の引受人は、前条の規定により基金の拠出者となった日から一年を経過した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として基金の引受けの取消しをすることができない。 第二款 基金の返還 (基金の返還) 第百四十一条 基金の返還は、定時社員総会の決議によって行わなければならない。 2 一般社団法人は、ある事業年度に係る貸借対照表上の純資産額が次に掲げる金額の合計額を超える場合においては、当該事業年度の次の事業年度に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り、当該超過額を返還の総額の限度として基金の返還をすることができる。 一 基金(第百四十四条第一項の代替基金を含む。)の総額 二 法務省令で定めるところにより資産につき時価を基準として評価を行っている場合において、その時価の総額がその取得価額の総額を超えるときは、時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額 3 前項の規定に違反して一般社団法人が基金の返還をした場合には、当該返還を受けた者及び当該返還に関する職務を行った業務執行者(業務執行理事その他当該業務執行理事の行う業務の執行に職務上関与した者をいう。次項及び第五項において同じ。)は、当該一般社団法人に対し、連帯して、違法に返還された額を弁済する責任を負う。 4 前項の規定にかかわらず、業務執行者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の責任を負わない。 5 第三項の業務執行者の責任は、免除することができない。 ただし、第二項の超過額を限度として当該責任を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 6 第二項の規定に違反して基金の返還がされた場合においては、一般社団法人の債権者は、当該返還を受けた者に対し、当該返還の額を当該一般社団法人に対して返還することを請求することができる。 (基金の返還に係る債権の取得の禁止) 第百四十二条 一般社団法人は、次に掲げる場合に限り、自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得することができる。 一 合併又は他の法人の事業の全部の譲受けによる場合 二 一般社団法人の権利の実行に当たり、その目的を達成するために必要な場合 三 無償で取得する場合 2 一般社団法人が前項第一号又は第二号に掲げる場合に同項の債権を取得したときは、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は消滅しない。 この場合においては、一般社団法人は、当該債権を相当の時期に他に譲渡しなければならない。 (基金利息の禁止) 第百四十三条 基金の返還に係る債権には、利息を付することができない。 (代替基金) 第百四十四条 基金の返還をする場合には、返還をする基金に相当する金額を代替基金として計上しなければならない。 2 前項の代替基金は、取り崩すことができない。 3 合併により消滅する一般社団法人が代替基金を計上している場合において、合併後存続する一般社団法人又は合併により設立する一般社団法人が当該合併に際して代替基金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (破産法の適用の特例) 第百四十五条 一般社団法人が破産手続開始の決定を受けた場合においては、基金の返還に係る債権は、破産法第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権に後れる。 第六節 定款の変更 第百四十六条 一般社団法人は、その成立後、社員総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七節 事業の譲渡 第百四十七条 一般社団法人が事業の全部の譲渡をするには、社員総会の決議によらなければならない。 第八節 解散 (解散の事由) 第百四十八条 一般社団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 社員総会の決議 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該一般社団法人が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 (休眠一般社団法人のみなし解散) 第百四十九条 休眠一般社団法人(一般社団法人であって、当該一般社団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般社団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般社団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般社団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般社団法人の継続) 第百五十条 一般社団法人は、第百四十八条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、第四章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、社員総会の決議によって、一般社団法人を継続することができる。 (解散した一般社団法人の合併の制限) 第百五十一条 一般社団法人が解散した場合には、当該一般社団法人は、当該一般社団法人が合併後存続する一般社団法人となる合併をすることができない。 第三章 一般財団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第百五十二条 一般財団法人を設立するには、設立者(設立者が二人以上あるときは、その全員)が定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 設立者は、遺言で、次条第一項各号に掲げる事項及び第百五十四条に規定する事項を定めて一般財団法人を設立する意思を表示することができる。 この場合においては、遺言執行者は、当該遺言の効力が生じた後、遅滞なく、当該遺言で定めた事項を記載した定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第十条第二項の規定は、前二項の定款について準用する。 (定款の記載又は記録事項) 第百五十三条 一般財団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立者の氏名又は名称及び住所 五 設立に際して設立者(設立者が二人以上あるときは、各設立者)が拠出をする財産及びその価額 六 設立時評議員(一般財団法人の設立に際して評議員となる者をいう。以下同じ。)、設立時理事(一般財団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項において同じ。)及び設立時監事(一般財団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この節、第二百五十四条第七号及び同項において同じ。)の選任に関する事項 七 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人(会計監査人を置く一般財団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般財団法人をいう。以下同じ。)であるときは、設立時会計監査人(一般財団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項第六号において同じ。)の選任に関する事項 八 評議員の選任及び解任の方法 九 公告方法 十 事業年度 2 前項第五号の財産の価額の合計額は、三百万円を下回ってはならない。 3 次に掲げる定款の定めは、その効力を有しない。 一 第一項第八号の方法として、理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任する旨の定款の定め 二 設立者に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定め 第百五十四条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般財団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第百五十五条 第百五十二条第一項及び第二項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第百五十六条 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)は、定款を設立者が定めた場所(一般財団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、その評議員及び債権者)は、設立者が定めた時間(一般財団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般財団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 財産の拠出 (財産の拠出の履行) 第百五十七条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、遺言執行者。以下この条、第百六十一条第二項、第百六十六条から第百六十八条まで、第二百条第二項、第三百十九条第三項及び第七章において同じ。)は、第百五十五条の公証人の認証の後遅滞なく、第百五十三条第一項第五号に規定する拠出に係る金銭の全額を払い込み、又は同号に規定する拠出に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、設立者が定めたとき(設立者が二人以上あるときは、その全員の同意があるとき)は、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般財団法人の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、設立者が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (贈与又は遺贈に関する規定の準用) 第百五十八条 生前の処分で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の贈与に関する規定を準用する。 2 遺言で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の遺贈に関する規定を準用する。 第三款 設立時評議員等の選任 第百五十九条 定款で設立時評議員、設立時理事又は設立時監事を定めなかったときは、第百五十七条第一項の規定による払込み又は給付(以下「財産の拠出の履行」という。)が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、これらの者を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人である場合において、定款で設立時会計監査人を定めなかったときは、財産の拠出の履行が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、設立時会計監査人を選任しなければならない。 第百六十条 設立時評議員及び設立時理事は、それぞれ三人以上でなければならない。 2 第百七十三条第一項において準用する第六十五条第一項の規定又は第百七十七条において準用する第六十五条第一項若しくは第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般財団法人の評議員、理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時評議員、設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時評議員、設立時理事及び設立時監事について準用する。 第四款 設立時理事等による調査 第百六十一条 設立時理事及び設立時監事は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 財産の拠出の履行が完了していること。 二 前号に掲げる事項のほか、一般財団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時理事及び設立時監事は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立者にその旨を通知しなければならない。 第五款 設立時代表理事の選定等 第百六十二条 設立時理事は、設立時理事の中から一般財団法人の設立に際して代表理事(一般財団法人を代表する理事をいう。第三百二条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十九条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般財団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第六款 一般財団法人の成立 (一般財団法人の成立) 第百六十三条 一般財団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (財産の帰属時期) 第百六十四条 生前の処分で財産の拠出をしたときは、当該財産は、一般財団法人の成立の時から当該一般財団法人に帰属する。 2 遺言で財産の拠出をしたときは、当該財産は、遺言が効力を生じた時から一般財団法人に帰属したものとみなす。 (財産の拠出の取消しの制限) 第百六十五条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、その相続人)は、一般財団法人の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として財産の拠出の取消しをすることができない。 第七款 設立者等の責任 (設立者等の損害賠償責任) 第百六十六条 設立者、設立時理事又は設立時監事は、一般財団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般財団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立者、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立者、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立者等の連帯責任) 第百六十七条 設立者、設立時理事又は設立時監事が一般財団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立者、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第百六十八条 第百六十六条第一項の規定により設立者、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総評議員の同意がなければ、免除することができない。 (一般財団法人不成立の場合の責任) 第百六十九条 一般財団法人が成立しなかったときは、第百五十二条第一項の設立者は、連帯して、一般財団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般財団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 機関 第一款 機関の設置 (機関の設置) 第百七十条 一般財団法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。 2 一般財団法人は、定款の定めによって、会計監査人を置くことができる。 (会計監査人の設置義務) 第百七十一条 大規模一般財団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第二款 評議員等の選任及び解任 (一般財団法人と評議員等との関係) 第百七十二条 一般財団法人と評議員、理事、監事及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 理事は、一般財団法人の財産のうち一般財団法人の目的である事業を行うために不可欠なものとして定款で定めた基本財産があるときは、定款で定めるところにより、これを維持しなければならず、かつ、これについて一般財団法人の目的である事業を行うことを妨げることとなる処分をしてはならない。 (評議員の資格等) 第百七十三条 第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は、評議員について準用する。 2 評議員は、一般財団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人を兼ねることができない。 3 評議員は、三人以上でなければならない。 (評議員の任期) 第百七十四条 評議員の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後六年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで伸長することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期を退任した評議員の任期の満了する時までとすることを妨げない。 (評議員に欠員を生じた場合の措置) 第百七十五条 この法律又は定款で定めた評議員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した評議員は、新たに選任された評議員(次項の一時評議員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお評議員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時評議員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時評議員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般財団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事、監事又は会計監査人の解任) 第百七十六条 理事又は監事が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その理事又は監事を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 会計監査人が第七十一条第一項各号のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その会計監査人を解任することができる。 (一般社団法人に関する規定の準用) 第百七十七条 前章第三節第三款(第六十四条、第六十七条第三項及び第七十条を除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人の選任及び解任について準用する。 この場合において、これらの規定(第六十六条ただし書を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第六十六条ただし書中「定款又は社員総会の決議によって」とあるのは「定款によって」と、第六十八条第三項第一号中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、第七十四条第三項中「第三十八条第一項第一号」とあるのは「第百八十一条第一項第一号」と読み替えるものとする。 第三款 評議員及び評議員会 (評議員会の権限等) 第百七十八条 評議員会は、すべての評議員で組織する。 2 評議員会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (評議員会の招集) 第百七十九条 定時評議員会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 評議員会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 評議員会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (評議員による招集の請求) 第百八十条 評議員は、理事に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした評議員は、裁判所の許可を得て、評議員会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を評議員会の日とする評議員会の招集の通知が発せられない場合 (評議員会の招集の決定) 第百八十一条 評議員会を招集する場合には、理事会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 評議員会の日時及び場所 二 評議員会の目的である事項があるときは、当該事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合には、当該評議員は、前項各号に掲げる事項を定めなければならない。 (評議員会の招集の通知) 第百八十二条 評議員会を招集するには、理事(第百八十条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合にあっては、当該評議員。次項において同じ。)は、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面でその通知を発しなければならない。 2 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第百八十三条 前条の規定にかかわらず、評議員会は、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (評議員提案権) 第百八十四条 評議員は、理事に対し、一定の事項を評議員会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第百八十五条 評議員は、評議員会において、評議員会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第百八十六条 評議員は、理事に対し、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員会の目的である事項につき当該評議員が提出しようとする議案の要領を第百八十二条第一項又は第二項の通知に記載し、又は記録して評議員に通知することを請求することができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (評議員会の招集手続等に関する検査役の選任) 第百八十七条 一般財団法人又は評議員は、評議員会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該評議員会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般財団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般財団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般財団法人でない場合にあっては、当該一般財団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による評議員会招集等の決定) 第百八十八条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に評議員会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を評議員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の評議員会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事及び監事は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の評議員会に報告しなければならない。 (評議員会の決議) 第百八十九条 評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百七十六条第一項の評議員会(監事を解任する場合に限る。) 二 第百九十八条において準用する第百十三条第一項の評議員会 三 第二百条の評議員会 四 第二百一条の評議員会 五 第二百四条の評議員会 六 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の評議員会 3 前二項の決議について特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができない。 4 評議員会は、第百八十一条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第百九十一条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九十七条において準用する第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (理事等の説明義務) 第百九十条 理事及び監事は、評議員会において、評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が評議員会の目的である事項に関しないものである場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (評議員会に提出された資料等の調査) 第百九十一条 評議員会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該評議員会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第百八十条の規定により招集された評議員会においては、その決議によって、一般財団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第百九十二条 評議員会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八十一条及び第百八十二条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百九十三条 評議員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般財団法人は、評議員会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般財団法人は、評議員会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (評議員会の決議の省略) 第百九十四条 理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき評議員(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。 2 一般財団法人は、前項の規定により評議員会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時評議員会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時評議員会が終結したものとみなす。 (評議員会への報告の省略) 第百九十五条 理事が評議員の全員に対して評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を評議員会に報告することを要しないことにつき評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の評議員会への報告があったものとみなす。 (評議員の報酬等) 第百九十六条 評議員の報酬等の額は、定款で定めなければならない。 第四款 理事、理事会、監事及び会計監査人 第百九十七条 前章第三節第四款(第七十六条、第七十七条第一項から第三項まで、第八十一条及び第八十八条第二項を除く。)、第五款(第九十二条第一項を除く。)、第六款(第百四条第二項を除く。)及び第七款の規定は、一般財団法人の理事、理事会、監事及び会計監査人について準用する。 この場合において、これらの規定(第八十三条及び第八十四条第一項を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第八十三条中「定款並びに社員総会の決議」とあるのは「定款」と、第八十四条第一項中「社員総会」とあるのは「理事会」と、第八十五条中「社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)」とあるのは「監事」と、第八十六条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、並びに同条第七項、第八十七条第一項第二号及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「評議員」と、同項中「著しい損害」とあるのは「回復することができない損害」と、第九十条第四項第六号中「第百十四条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十四条第一項」と、「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、第九十七条第二項中「社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て」とあるのは「評議員は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも」と、同条第四項中「前二項の請求」とあるのは「前項の請求」と、「前二項の許可」とあるのは「同項の許可」と、第百四条第一項中「第七十七条第四項及び第八十一条」とあるのは「第七十七条第四項」と、第百七条第一項中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、「第百十七条第二項第一号イ」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十七条第二項第一号イ」と、同条第五項第一号中「第六十八条第三項第一号」とあるのは「第百七十七条において準用する第六十八条第三項第一号」と読み替えるものとする。 第五款 役員等の損害賠償責任 第百九十八条 前章第三節第八款(第百十七条第二項第一号ロを除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人並びに評議員の損害賠償責任について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百十一条第一項中「理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)」とあるのは「理事、監事若しくは会計監査人(以下この款及び第三百二条第二項第九号において「役員等」という。)又は評議員」と、同条第二項中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、同条第三項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、同項第一号中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、第百十二条中「総社員」とあるのは「総評議員」と、第百十四条第二項中「についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案」とあるのは「に関する議案」と、同条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、同条第四項中「総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項」とあるのは「総評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の評議員が前項」と、第百十五条第一項中「第三百一条第二項第十二号」とあるのは「第三百二条第二項第十号」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、第百十七条第一項及び第百十八条中「役員等」とあるのは「役員等又は評議員」と、第百十七条第二項第一号ニ中「第百二十八条第三項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十八条第三項」と読み替えるものとする。 第六款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 第百九十八条の二 前章第三節第九款の規定は、一般財団法人について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)」とあるのは「理事会」と、第百十八条の二第一項中「役員等に」とあるのは「理事、監事又は会計監査人(以下この款において「役員等」という。)に」と、同条第二項第二号中「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、同条第四項中「理事会設置一般社団法人」とあるのは「一般財団法人」と、同条第五項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項」とあり、及び第百十八条の三第二項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項及び第九十二条第二項並びに第百九十八条において準用する第百十一条第三項」と読み替えるものとする。 第三節 計算 第百九十九条 前章第四節(第百二十一条第一項後段及び第二項並びに第百二十六条第一項第一号、第二号及び第四号を除く。)の規定は、一般財団法人の計算について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百二十一条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、及び第百二十九条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、第百二十五条中「社員に」とあるのは「評議員に」と、第百二十九条第一項及び第二項中「第五十八条第一項」とあるのは「第百九十四条第一項」と、同条第三項ただし書中「第二号」とあるのは「債権者が第二号」と読み替えるものとする。 第四節 定款の変更 第二百条 一般財団法人は、その成立後、評議員会の決議によって、定款を変更することができる。 ただし、第百五十三条第一項第一号及び第八号に掲げる事項に係る定款の定めについては、この限りでない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、設立者が同項ただし書に規定する定款の定めを評議員会の決議によって変更することができる旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたときは、評議員会の決議によって、前項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 3 一般財団法人は、その設立の当時予見することのできなかった特別の事情により、第一項ただし書に規定する定款の定めを変更しなければその運営の継続が不可能又は著しく困難となるに至ったときは、裁判所の許可を得て、評議員会の決議によって、同項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 第五節 事業の譲渡 第二百一条 一般財団法人が事業の全部の譲渡をするには、評議員会の決議によらなければならない。 第六節 解散 (解散の事由) 第二百二条 一般財団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 基本財産の滅失その他の事由による一般財団法人の目的である事業の成功の不能 四 合併(合併により当該一般財団法人が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 2 一般財団法人は、前項各号に掲げる事由のほか、ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 3 新設合併により設立する一般財団法人は、前項に規定する場合のほか、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表及びその成立の日の属する事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 (休眠一般財団法人のみなし解散) 第二百三条 休眠一般財団法人(一般財団法人であって、当該一般財団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般財団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般財団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般財団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般財団法人の継続) 第二百四条 一般財団法人は、次に掲げる場合には、次章の規定による清算が結了するまで(第二号に掲げる場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、評議員会の決議によって、一般財団法人を継続することができる。 一 第二百二条第二項又は第三項の規定による解散後、清算事務年度(第二百二十七条第一項に規定する清算事務年度をいう。)に係る貸借対照表上の純資産額が三百万円以上となった場合 二 前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合 (解散した一般財団法人の合併の制限) 第二百五条 一般財団法人が解散した場合には、当該一般財団法人は、当該一般財団法人が合併後存続する一般財団法人となる合併をすることができない。 第四章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第二百六条 一般社団法人又は一般財団法人は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第百四十八条第五号又は第二百二条第一項第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算法人の能力) 第二百七条 前条の規定により清算をする一般社団法人又は一般財団法人(以下「清算法人」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算法人の機関 第一款 清算法人における機関の設置 第二百八条 清算法人には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算法人は、定款の定めによって、清算人会又は監事を置くことができる。 3 第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった時において大規模一般社団法人又は大規模一般財団法人であった清算法人は、監事を置かなければならない。 4 第二章第三節第二款及び前章第二節第一款(評議員及び評議員会に係る部分を除く。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第二款 清算人の就任及び解任並びに監事の退任等 (清算人の就任) 第二百九条 次に掲げる者は、清算法人の清算人となる。 一 理事(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員総会又は評議員会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第百四十八条第七号又は第二百二条第一項第六号に掲げる事由によって解散した清算法人については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第二百六条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算法人については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第六十四条、第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は清算人について、第六十五条第三項の規定は清算人会設置法人(清算人会を置く清算法人をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「理事は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第二百十条 清算一般社団法人(一般社団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 清算一般財団法人(一般財団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その清算人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 4 第七十五条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監事の退任等) 第二百十一条 清算法人の監事は、当該清算法人が監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 2 次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める清算法人については、適用しない。 一 第六十七条(第百七十七条において準用する場合を含む。) 清算法人 二 第百七十四条 清算一般財団法人 第三款 清算人の職務等 (清算人の職務) 第二百十二条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の引渡し (業務の執行) 第二百十三条 清算人は、清算法人(清算人会設置法人を除く。次項において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 第百八十一条第一項各号に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第八十一条から第八十五条まで、第八十八条及び第八十九条の規定は、清算人(同条の規定については、第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第八十一条中「第七十七条第四項」とあるのは「第二百十四条第七項において準用する第七十七条第四項」と、同条、第八十四条第一項及び第八十九条中「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、第八十二条中「代表理事」とあるのは「代表清算人(第二百十四条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第八十三条中「並びに社員総会の決議」とあるのは「(清算一般社団法人にあっては、法令及び定款並びに社員総会の決議)」と、第八十五条及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「社員又は評議員」と、第八十五条及び第八十八条第二項中「監事設置一般社団法人」とあるのは「監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)」と読み替えるものとする。 (清算法人の代表) 第二百十四条 清算人は、清算法人を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算法人を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算法人を代表する。 3 清算法人(清算人会設置法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は社員総会若しくは評議員会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第二百九条第一項第一号の規定により理事が清算人となる場合において、代表理事(一般社団法人等を代表する理事をいう。以下この項、第二百六十一条第一項第三号、第二百八十九条第二号、第二百九十三条第一号、第三百五条、第三百十五条第一項第二号イ及び第三百二十条第一項において同じ。)を定めていたときは、当該代表理事が代表清算人となる。 5 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 前条第四項において準用する第八十一条の規定、次項において準用する第七十七条第四項の規定及び第二百二十条第八項の規定にかかわらず、監事設置清算法人(監事を置く清算法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない清算法人をいう。以下同じ。)が清算人(清算人であった者を含む。以下この項において同じ。)に対し、又は清算人が監事設置清算法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置清算法人を代表する。 7 第七十七条第四項及び第五項並びに第七十九条の規定は代表清算人について、第八十条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算法人についての破産手続の開始) 第二百十五条 清算法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算法人が既に債権者に支払い、又は残余財産の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第二百十六条 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算法人に対する損害賠償責任) 第二百十七条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって清算法人に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の清算人 二 清算法人が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第百十二条及び第百十六条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、第百十二条中「総社員」とあるのは「総社員又は総評議員」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第二百十八条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 第二百二十五条第一項に規定する財産目録等並びに第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 四 基金を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 (清算人等の連帯責任) 第二百十九条 清算人、監事又は評議員が清算法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人、監事又は評議員も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第百十八条(第百九十八条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 第四款 清算人会 (清算人会の権限等) 第二百二十条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置法人の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第二百十四条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第二百十四条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置法人の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置法人の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十一条に規定する場合には、清算人会は、同条の規定による社員総会又は評議員会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて清算人会設置法人を代表する者を定めることができる。 9 第七項各号に掲げる清算人は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を清算人会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 10 第九十二条の規定は、清算人会設置法人について準用する。 この場合において、同条第一項中「第八十四条」とあるのは「第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十四条」と、「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、「「理事会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第八十四条第一項各号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項各号」と、「理事は」とあるのは「清算人は」と、「理事会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第二百二十一条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項及び次条第二項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第九十四条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の招集について準用する。 この場合において、同条第一項中「各理事及び各監事」とあるのは「各清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。次項において同じ。)にあっては、各清算人及び各監事)」と、同条第二項中「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人にあっては、清算人及び監事)」と読み替えるものとする。 5 第九十五条及び第九十六条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第九十五条第一項中「理事の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「理事」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「理事(」とあるのは「清算人(」と、「代表理事」とあるのは「代表清算人」と、同条第五項中「理事であって」とあるのは「清算人であって」と、第九十六条中「理事が」とあるのは「清算人が」と、「理事(」とあるのは「清算人(」と読み替えるものとする。 6 第九十八条の規定は、清算人会設置法人における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「理事、監事又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監事」と、「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)にあっては、清算人及び監事)」と、同条第二項中「第九十一条第二項」とあるのは「第二百二十条第九項」と読み替えるものとする。 (社員又は評議員による招集の請求) 第二百二十二条 清算人会設置法人(監事設置清算法人を除く。)の社員又は評議員は、清算人が清算人会設置法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、清算人会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、清算人(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、清算人会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った社員又は評議員は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した清算人会に出席し、意見を述べることができる。 (議事録等) 第二百二十三条 清算人会設置法人は、清算人会の日(第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の規定により清算人会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、同項において準用する第九十五条第三項の議事録又は第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員又は評議員は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員については、その権利を行使するため必要があるときに限る。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監事設置清算法人である清算一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「清算法人の業務時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 債権者は、清算人又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 裁判所は、第三項の規定により読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は前項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該清算人会設置法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の規定により読み替えて適用する第二項の許可又は前項の許可をすることができない。 第五款 理事等に関する規定の適用 第二百二十四条 清算法人については、第六十五条第二項、第七十二条及び第七十四条第三項(これらの規定を第百七十七条において準用する場合を含む。)並びに第八十七条及び第二章第三節第六款(第百四条第一項を除き、これらの規定を第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会設置法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会設置法人に適用があるものとする。 2 清算一般社団法人については、第二章第三節第一款及び第百三十七条第十項の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に適用があるものとする。 3 清算一般財団法人については、第百五十三条第三項第一号、第百七十三条第二項及び前章第二節第三款の規定中理事又は理事会に関する規定は、それぞれ清算人又は清算人会に関する規定として清算人又は清算人会に適用があるものとする。 この場合において、第百八十一条第一項中「理事会の決議によって」とあるのは「清算人は」と、「定めなければならない」とあるのは「定めなければならない。ただし、清算人会を置く清算一般財団法人(第二百十条第二項に規定する清算一般財団法人をいう。)においては、当該事項の決定は、清算人会の決議によらなければならない」とする。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第二百二十五条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算法人の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算法人は、財産目録等を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第二百二十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第二百二十七条 清算法人は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算法人は、第一項の貸借対照表を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第二百二十八条 監事設置清算法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第二百二十九条 次の各号に掲げる清算法人は、第二百二十七条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、当該各号に定める日からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 一 清算一般社団法人 定時社員総会の日の一週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 清算一般財団法人 定時評議員会の日の一週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 2 社員、評議員及び債権者は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (貸借対照表等の提出等) 第二百三十条 次の各号に掲げる清算法人においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時社員総会又は定時評議員会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置清算法人(清算人会設置法人を除く。) 第二百二十八条第一項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置法人 第二百二十八条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算法人 第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時社員総会又は定時評議員会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時社員総会又は定時評議員会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第二百三十一条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第二百二十七条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (適用除外) 第二百三十二条 第二章第四節第三款(第百二十三条第四項、第百二十八条第三項、第百二十九条及び第百三十条を除き、第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第二百三十三条 清算法人は、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算法人の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十四条 清算法人は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算法人は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算法人は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算法人の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第二百三十五条 清算法人は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算法人は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (基金の返還の制限) 第二百三十六条 基金の返還に係る債務の弁済は、その余の清算一般社団法人の債務の弁済がされた後でなければ、することができない。 (債務の弁済前における残余財産の引渡しの制限) 第二百三十七条 清算法人は、当該清算法人の債務を弁済した後でなければ、その財産の引渡しをすることができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第二百三十八条 清算法人の債権者(知れている債権者を除く。)であって第二百三十三条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、引渡しがされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 第五節 残余財産の帰属 第二百三十九条 残余財産の帰属は、定款で定めるところによる。 2 前項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、その帰属は、清算法人の社員総会又は評議員会の決議によって定める。 3 前二項の規定により帰属が定まらない残余財産は、国庫に帰属する。 第六節 清算事務の終了等 (清算事務の終了等) 第二百四十条 清算法人は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 (帳簿資料の保存) 第二百四十一条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算法人の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 第五章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第二百四十二条 一般社団法人又は一般財団法人は、他の一般社団法人又は一般財団法人と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする法人は、合併契約を締結しなければならない。 (合併の制限) 第二百四十三条 次の各号に掲げる場合には、合併後存続する一般社団法人若しくは一般財団法人又は合併により設立する一般社団法人若しくは一般財団法人は、それぞれ当該各号に定める種類の法人でなければならない。 一 合併をする法人が一般社団法人のみである場合 一般社団法人 二 合併をする法人が一般財団法人のみである場合 一般財団法人 2 前項各号に掲げる場合以外の場合において、合併をする一般社団法人が合併契約の締結の日までに基金の全額を返還していないときは、合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、一般社団法人でなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 吸収合併契約等 (吸収合併契約) 第二百四十四条 一般社団法人又は一般財団法人が吸収合併をする場合には、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収合併後存続する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併存続法人」という。)及び吸収合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) (吸収合併の効力の発生等) 第二百四十五条 吸収合併存続法人は、効力発生日に、吸収合併消滅法人の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅法人の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前二項の規定は、第二百四十八条若しくは第二百五十二条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 吸収合併消滅法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百四十六条 吸収合併消滅法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百四十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百四十七条 吸収合併消滅法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百四十八条 吸収合併消滅法人の債権者は、吸収合併消滅法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併存続法人の名称及び住所 三 吸収合併消滅法人及び吸収合併存続法人の計算書類(第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類をいう。以下同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併の効力発生日の変更) 第二百四十九条 吸収合併消滅法人は、吸収合併存続法人との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、吸収合併消滅法人は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、第二百四十五条及びこの款の規定を適用する。 第三款 吸収合併存続法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十条 吸収合併存続法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十二条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百五十一条 吸収合併存続法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 2 吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の債務の額として法務省令で定める額が吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の資産の額として法務省令で定める額を超える場合には、理事は、前項の社員総会又は評議員会において、その旨を説明しなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十二条 吸収合併存続法人の債権者は、吸収合併存続法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併存続法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併消滅法人の名称及び住所 三 吸収合併存続法人及び吸収合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併存続法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併存続法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十三条 吸収合併存続法人は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続法人が承継した吸収合併消滅法人の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収合併存続法人は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第三節 新設合併 第一款 新設合併契約等 (新設合併契約) 第二百五十四条 二以上の一般社団法人又は一般財団法人が新設合併をする場合には、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 新設合併により設立する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併設立法人」という。)の目的、名称及び主たる事務所の所在地 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立法人の定款で定める事項 四 新設合併設立法人の設立に際して理事となる者の氏名 五 新設合併設立法人が会計監査人設置一般社団法人又は会計監査人設置一般財団法人であるときは、その設立に際して会計監査人となる者の氏名又は名称 六 新設合併設立法人が監事設置一般社団法人であるときは、設立時監事の氏名 七 新設合併設立法人が一般財団法人であるときは、設立時評議員及び設立時監事の氏名 (新設合併の効力の発生) 第二百五十五条 新設合併設立法人は、その成立の日に、新設合併消滅法人の権利義務を承継する。 第二款 新設合併消滅法人の手続 (新設合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十六条 新設合併消滅法人は、新設合併契約備置開始日から新設合併設立法人の成立の日までの間、新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「新設合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 新設合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約の承認) 第二百五十七条 新設合併消滅法人は、社員総会又は評議員会の決議によって、新設合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十八条 新設合併消滅法人の債権者は、新設合併消滅法人に対し、新設合併について異議を述べることができる。 2 新設合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併をする旨 二 他の新設合併消滅法人及び新設合併設立法人の名称及び住所 三 新設合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、新設合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、新設合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 第三款 新設合併設立法人の手続 (設立の特則) 第二百五十九条 第二章第一節(第十一条(第一項第四号を除く。)、第十二条、第十四条、第十六条、第四款及び第五款を除く。)の規定は、一般社団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 2 第三章第一節(第百五十三条第一項第一号から第三号まで及び第八号から第十号まで並びに第三項、第百五十四条、第百五十六条、第百六十条、第五款並びに第百六十三条を除く。)の規定は、一般財団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 3 新設合併設立法人の定款は、新設合併消滅法人が作成する。 (新設合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百六十条 新設合併設立法人は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立法人が承継した新設合併消滅法人の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設合併設立法人は、その成立の日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 新設合併設立法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併設立法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六章 雑則 第一節 解散命令 (解散命令) 第二百六十一条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため一般社団法人等の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、一般社団法人等の解散を命ずることができる。 一 一般社団法人等の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 一般社団法人等が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人等の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人等の業務を執行したその他の理事をいう。)が、法令若しくは定款で定める一般社団法人等の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反復して当該行為をしたとき。 2 社員、評議員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、一般社団法人等の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 一般社団法人等は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分) 第二百六十二条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、一般社団法人等の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、一般社団法人等が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、一般社団法人等の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「一般社団法人又は一般財団法人」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第二百六十三条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第二百六十一条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 訴訟 第一款 一般社団法人等の組織に関する訴え (一般社団法人等の組織に関する行為の無効の訴え) 第二百六十四条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 一般社団法人等の設立 一般社団法人等の成立の日から二年以内 二 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 三 一般社団法人等の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する一般社団法人等の社員等(社員、評議員、理事、監事又は清算人をいう。以下この款において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は吸収合併存続法人の社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 三 前項第三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は新設合併設立法人の社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 (社員総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第二百六十五条 社員総会又は評議員会(以下この款及び第三百十五条第一項第一号ロにおいて「社員総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 社員総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (社員総会等の決議の取消しの訴え) 第二百六十六条 次に掲げる場合には、社員等は、社員総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより社員等(第七十五条第一項(第百七十七条及び第二百十条第四項において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第一項の規定により理事、監事、清算人又は評議員としての権利義務を有する者を含む。)となる者も、同様とする。 一 社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 社員総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 社員総会の決議について特別の利害関係を有する社員が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (一般社団法人等の設立の取消しの訴え) 第二百六十七条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、一般社団法人等の成立の日から二年以内に、訴えをもって一般社団法人等の設立の取消しを請求することができる。 一 社員又は設立者が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員又は設立者 二 設立者がその債権者を害することを知って一般財団法人を設立したとき 当該債権者 (一般社団法人等の解散の訴え) 第二百六十八条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員又は評議員は、訴えをもって一般社団法人等の解散を請求することができる。 一 一般社団法人等が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該一般社団法人等に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 一般社団法人等の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該一般社団法人等の存立を危うくするとき。 (被告) 第二百六十九条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「一般社団法人等の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 一般社団法人等の設立の無効の訴え 設立する一般社団法人等 二 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人 三 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人 四 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該一般社団法人等 五 社員総会等の決議の取消しの訴え 当該一般社団法人等 六 第二百六十七条第一号の規定による一般社団法人等の設立の取消しの訴え 当該一般社団法人等 七 第二百六十七条第二号の規定による一般財団法人の設立の取消しの訴え 当該一般財団法人及び同号の設立者 八 一般社団法人等の解散の訴え 当該一般社団法人等 (訴えの管轄) 第二百七十条 一般社団法人等の組織に関する訴えは、被告となる一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第二百七十一条 一般社団法人等の組織に関する訴えであって、社員が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該社員が理事、監事又は清算人であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、一般社団法人等の組織に関する訴えであって、債権者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第二百七十二条 同一の請求を目的とする一般社団法人等の組織に関する訴えに係る二以上の訴訟が同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第二百七十三条 一般社団法人等の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十四条 一般社団法人等の組織に関する訴え(第二百六十九条第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって一般社団法人等が設立された場合にあっては、当該設立を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (合併の無効判決の効力) 第二百七十五条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした一般社団法人等は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併存続法人 二 一般社団法人等の新設合併 新設合併設立法人 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が取得した財産は、当該行為をした一般社団法人等の共有に属する。 3 前二項に規定する場合には、各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分及び前項の財産の共有持分は、各一般社団法人等の協議によって定める。 4 各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分又は第二項の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各一般社団法人等の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各一般社団法人等の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (設立の無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十六条 一般社団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該一般社団法人を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 2 前項前段の規定は、一般財団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合について準用する。 この場合において、同項中「社員」とあるのは、「設立者」と読み替えるものとする。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第二百七十七条 一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二款 一般社団法人における責任追及の訴え (責任追及の訴え) 第二百七十八条 社員は、一般社団法人に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、設立時社員、設立時理事、役員等(第百十一条第一項に規定する役員等をいう。第三項において同じ。)又は清算人の責任を追及する訴え(以下この款において「責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及の訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該一般社団法人に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 一般社団法人が前項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、一般社団法人のために、責任追及の訴えを提起することができる。 3 一般社団法人は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした社員又は同項の設立時社員、設立時理事、役員等若しくは清算人から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により一般社団法人に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の社員は、一般社団法人のために、直ちに責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第二項又は前項の責任追及の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 6 社員が責任追及の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 被告が前項の申立てをするには、責任追及の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第二百七十九条 責任追及の訴えは、一般社団法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第二百八十条 社員又は一般社団法人は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 監事設置一般社団法人が、理事及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 3 社員は、責任追及の訴えを提起したときは、遅滞なく、一般社団法人に対し、訴訟告知をしなければならない。 4 一般社団法人は、責任追及の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を社員に通知しなければならない。 (和解) 第二百八十条の二 監事設置一般社団法人が、当該監事設置一般社団法人の理事及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 第二百八十一条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、一般社団法人が責任追及の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該一般社団法人の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、一般社団法人に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 一般社団法人が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で社員が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第二十五条、第百十二条(第二百十七条第四項において準用する場合を含む。)及び第百四十一条第五項(同項ただし書に規定する超過額を超えない部分について負う責任に係る部分に限る。)の規定は、責任追及の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (費用等の請求) 第二百八十二条 責任追及の訴えを提起した社員が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該一般社団法人に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及の訴えを提起した社員が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該社員は、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第二百八十条第一項の規定により同項の訴訟に参加した社員について準用する。 (再審の訴え) 第二百八十三条 責任追及の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及の訴えに係る訴訟の目的である一般社団法人の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、一般社団法人又は社員は、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三款 一般社団法人等の役員等の解任の訴え (一般社団法人等の役員等の解任の訴え) 第二百八十四条 理事、監事又は評議員(以下この款において「役員等」という。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員等を解任する旨の議案が社員総会又は評議員会において否決されたときは、次に掲げる者は、当該社員総会又は評議員会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員等の解任を請求することができる。 一 総社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。) 二 評議員 (被告) 第二百八十五条 前条の訴え(次条及び第三百十五条第一項第一号ニにおいて「一般社団法人等の役員等の解任の訴え」という。)については、当該一般社団法人等及び前条の役員等を被告とする。 (訴えの管轄) 第二百八十六条 一般社団法人等の役員等の解任の訴えは、当該一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三節 非訟 第一款 総則 (非訟事件の管轄) 第二百八十七条 この法律の規定による非訟事件(次項に規定する事件を除く。)は、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 第二百七十五条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第二百八十八条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第二百八十九条 裁判所は、この法律の規定による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により一般社団法人等が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧又は謄写の許可の申立てについての裁判 当該一般社団法人等 二 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項若しくは第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第二百六十二条第二項の管理人の報酬の額の決定 当該一般社団法人等(報酬を受ける者が監事を置く一般社団法人等を代表する者である場合において、他に当該一般社団法人等を代表する者が存しないときは、監事)及び報酬を受ける者 三 第百三十七条第七項の規定による裁判 当該一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)及び現物拠出財産を給付する者 四 清算人の解任についての裁判 当該清算人 五 第二百六十一条第一項の規定による裁判 当該一般社団法人等 六 第二百七十五条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした一般社団法人等 (理由の付記) 第二百九十条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 前条第二号に掲げる裁判 二 第二百九十三条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第二百九十一条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第二百六十二条第一項の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第二百八十九条各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同条第二号及び第三号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) (原裁判の執行停止) 第二百九十二条 前条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第二百八十九条第二号から第四号までに掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第二百九十三条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第二百八十九条第二号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第二百三十五条第一項の鑑定人又は第二百四十一条第二項の帳簿資料の保存をする者の選任又は選定の裁判 二 第二百六十二条第二項の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第二百六十二条第六項の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第二百八十九条第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第二百九十四条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百九十五条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二款 解散命令の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第二百九十六条 裁判所は、第二百六十一条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第二百九十一条第二号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分についての特則) 第二百九十七条 裁判所が第二百六十二条第一項の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、一般社団法人等の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第二百六十二条第一項の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、一般社団法人等の負担とする。 第二百九十八条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二百六十二条第六項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四節 登記 第一款 総則 (登記の効力) 第二百九十九条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (登記の期間) 第三百条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二款 主たる事務所の所在地における登記 (一般社団法人の設立の登記) 第三百一条 一般社団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第二十条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立時社員が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般社団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 四の二 第四十七条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 五 理事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 理事会設置一般社団法人であるときは、その旨 八 監事設置一般社団法人であるときは、その旨及び監事の氏名 九 会計監査人設置一般社団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 十 第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 十一 第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十二 第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十三 第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十四 公告方法 十五 前号の公告方法が電子公告(第三百三十一条第一項第三号に規定する電子公告をいう。以下この号及び次条第二項第十三号において同じ。)であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (一般財団法人の設立の登記) 第三百二条 一般財団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第百六十一条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立者が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般財団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 評議員、理事及び監事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 会計監査人設置一般財団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 八 第百七十七条において準用する第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 九 第百九十八条において準用する第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十 第百九十八条において準用する第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 第百九十九条において準用する第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十二 公告方法 十三 前号の公告方法が電子公告であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (変更の登記) 第三百三条 一般社団法人等において第三百一条第二項各号又は前条第二項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。 (他の登記所の管轄区域内への主たる事務所の移転の登記) 第三百四条 一般社団法人等がその主たる事務所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 一般社団法人 第三百一条第二項各号に掲げる事項 二 一般財団法人 第三百二条第二項各号に掲げる事項 2 新所在地における登記においては、一般社団法人等の成立の年月日並びに主たる事務所を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第三百五条 一般社団法人等の理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その主たる事務所の所在地において、その登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第三百六条 一般社団法人等が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、吸収合併消滅法人については解散の登記をし、吸収合併存続法人については変更の登記をしなければならない。 2 吸収合併による変更の登記においては、吸収合併をした旨並びに吸収合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (新設合併の登記) 第三百七条 二以上の一般社団法人等が新設合併をするときは、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、新設合併消滅法人については解散の登記をし、新設合併設立法人については設立の登記をしなければならない。 一 第二百五十七条の社員総会又は評議員会の決議の日 二 第二百五十八条の規定による手続が終了した日 三 新設合併消滅法人が合意により定めた日 2 新設合併による設立の登記においては、新設合併をした旨並びに新設合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (解散の登記) 第三百八条 第百四十八条第一号から第四号まで又は第二百二条第一項第一号から第三号まで、第二項若しくは第三項の規定により一般社団法人等が解散したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、解散の登記をしなければならない。 2 解散の登記においては、解散の旨並びにその事由及び年月日を登記しなければならない。 (継続の登記) 第三百九条 第百五十条、第二百四条又は第二百七十六条の規定により一般社団法人等が継続したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人等の登記) 第三百十条 第二百九条第一項第一号に掲げる者が清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算法人が清算人会を置くときは、その旨 四 清算一般財団法人が監事を置くときは、その旨 2 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 3 第三百三条の規定は前二項の規定による登記について、第三百五条の規定は清算人又は代表清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第三百十一条 清算が結了したときは、清算法人は、第二百四十条第三項の承認の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 第三款 削除 第三百十二条から第三百十四条まで 削除 第四款 登記の嘱託 第三百十五条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴え ロ 社員総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 社員総会等の決議の取消しの訴え ハ 一般社団法人等の解散の訴え ニ 一般社団法人等の役員等の解任の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定による一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判 ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判 ニ 清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判 ホ 清算人の解任の裁判 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第二百六十一条第一項の規定による一般社団法人等の解散を命ずる裁判 2 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人についての変更の登記及び吸収合併消滅法人についての回復の登記 二 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人についての解散の登記及び新設合併消滅法人についての回復の登記 第五款 登記の手続等 (登記簿) 第三百十六条 登記所に、一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿を備える。 (添付書面の通則) 第三百十七条 登記すべき事項につき社員全員の同意又はある理事若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 2 登記すべき事項につき社員総会、評議員会、理事会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。 3 登記すべき事項につき第五十八条第一項、第九十六条(第百九十七条及び第二百二十一条第五項において準用する場合を含む。)又は第百九十四条第一項の規定により社員総会、理事会、清算人会又は評議員会の決議があったものとみなされる場合には、申請書に、前項の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。 (一般社団法人の設立の登記の申請) 第三百十八条 一般社団法人の設立の登記は、当該一般社団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般社団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 設立時理事が設立時代表理事を選定したときは、これに関する書面 三 設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 四 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立時社員全員の同意又はある設立時社員の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (一般財団法人の設立の登記の申請) 第三百十九条 一般財団法人の設立の登記は、当該一般財団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般財団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 財産の拠出の履行があったことを証する書面 三 設立時評議員、設立時理事及び設立時監事の選任に関する書面 四 設立時代表理事の選定に関する書面 五 設立時評議員、設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 六 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 設立時会計監査人の選任に関する書面 ロ 就任を承諾したことを証する書面 ハ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ニ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立者全員の同意又はある設立者の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (理事等の変更の登記の申請) 第三百二十条 理事、監事又は代表理事の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 2 評議員の就任による変更の登記の申請書には、その選任に関する書面及び就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 就任を承諾したことを証する書面 二 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 4 会計監査人が法人であるときは、その名称の変更の登記の申請書には、前項第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 ただし、同号ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第一項から第三項までに規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (一時会計監査人の職務を行うべき者の変更の登記の申請) 第三百二十一条 第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 その選任に関する書面 二 就任を承諾したことを証する書面 三 その者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、前条第三項第二号ただし書に規定する場合を除く。 四 その者が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 2 前条第四項及び第五項の規定は、一時会計監査人の職務を行うべき者の登記について準用する。 (吸収合併による変更の登記の申請) 第三百二十二条 吸収合併による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 吸収合併契約書 二 第二百五十二条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 三 吸収合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に吸収合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 四 第二百四十七条の規定による吸収合併契約の承認があったことを証する書面 五 吸収合併消滅法人において第二百四十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (新設合併による設立の登記の申請) 第三百二十三条 新設合併による設立の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 新設合併契約書 二 定款 三 第三百十八条第二項第二号から第四号まで又は第三百十九条第二項第四号、第五号及び第六号(イを除く。)に掲げる書面 四 新設合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に新設合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 五 第二百五十七条の規定による新設合併契約の承認があったことを証する書面 六 新設合併消滅法人において第二百五十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (解散の登記の申請) 第三百二十四条 定款で定めた解散の事由又は第二百二条第一項第三号、第二項若しくは第三項に規定する事由の発生による解散の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 2 代表清算人の申請に係る解散の登記の申請書には、その資格を証する書面を添付しなければならない。 ただし、当該代表清算人が第二百九条第一項第一号の規定により清算人となったもの(第二百十四条第四項に規定する場合にあっては、同項の規定により代表清算人となったもの)であるときは、この限りでない。 (継続の登記の申請) 第三百二十五条 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、第二百七十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により一般社団法人等を継続したときは、継続の登記の申請書には、その判決の謄本及び第二百七十六条第一項の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。 (清算人の登記の申請) 第三百二十六条 清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。 2 第二百九条第一項第二号又は第三号に掲げる者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 裁判所が選任した者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、その選任及び第三百十条第一項第二号に掲げる事項を証する書面を添付しなければならない。 (清算人に関する変更の登記の申請) 第三百二十七条 裁判所が選任した清算人に関する第三百十条第一項第二号に掲げる事項の変更の登記の申請書には、変更の事由を証する書面を添付しなければならない。 2 清算人の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (清算結了の登記の申請) 第三百二十八条 清算結了の登記の申請書には、第二百四十条第三項の規定による決算報告の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 第三百二十九条 削除 (商業登記法の準用) 第三百三十条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第一条の三から第五条まで、第七条から第十五条まで(第十二条第一項第二号及び第五号を除く。)、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十七条まで、第三十三条、第五十一条、第五十二条、第七十二条、第八十二条、第八十三条、第百三十二条から第百三十七条まで及び第百三十九条から第百四十八条までの規定は、一般社団法人等に関する登記について準用する。 この場合において、これらの規定(同法第二十七条及び第三十三条第一項中「本店」とある部分を除く。)中「商号」とあるのは「名称」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、同法第一条の三及び第二十四条第一号中「営業所」とあるのは「事務所」と、同法第二十七条及び第三十三条第一項中「営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の」とあり、並びに同法第二十七条並びに第三十三条第一項第四号及び第二項中「営業所の」とあるのは「主たる事務所の」と、同条第一項第四号中「営業所を」とあるのは「主たる事務所を」と、同法第七十二条中「会社法第四百七十二条第一項本文」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百四十九条第一項本文又は第二百三条第一項本文」と、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十条において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替えるものとする。 第五節 公告 (公告方法) 第三百三十一条 一般社団法人等は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告(公告方法のうち、電磁的方法により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。以下同じ。) 四 前三号に掲げるもののほか、不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置として法務省令で定める方法 2 一般社団法人等が前項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定款で定める場合には、その定款には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 (電子公告の公告期間) 第三百三十二条 一般社団法人等が電子公告により公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時社員総会の終結の日後五年を経過する日 二 第百九十九条において準用する第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時評議員会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 第二百四十九条第二項の規定による公告 同項の変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日) (電子公告の中断及び電子公告調査機関に関する会社法の規定の準用) 第三百三十三条 一般社団法人等が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告をする場合については、会社法第九百四十条第三項、第九百四十一条、第九百四十六条、第九百四十七条、第九百五十一条第二項、第九百五十三条及び第九百五十五条の規定を準用する。 この場合において、同法第九百四十条第三項中「前二項の規定にかかわらず、これらの」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十二条の規定にかかわらず、同条の」と、同法第九百四十一条中「この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律又は他の法律の規定による公告(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百二十八条第一項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)」と、同法第九百四十六条第三項中「商号」とあるのは「名称」と読み替えるものとする。 第七章 罰則 (理事等の特別背任罪) 第三百三十四条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は一般社団法人等に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該一般社団法人等に財産上の損害を加えたときは、七年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 設立時社員 二 設立者 三 設立時理事(一般社団法人等の設立に際して理事となる者をいう。第三百四十二条において同じ。)又は設立時監事(一般社団法人等の設立に際して監事となる者をいう。同条において同じ。) 四 理事、監事又は評議員 五 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事又は評議員の職務を代行する者 六 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算法人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算法人に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人の職務を代行する者 三 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 3 前二項の罪の未遂は、罰する。 (法人財産の処分に関する罪) 第三百三十五条 前条第一項第四号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合には、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 法令又は定款の規定に違反して、基金の返還をしたとき。 二 一般社団法人等の目的の範囲外において、投機取引のために一般社団法人等の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第三百三十六条 次に掲げる者が、基金を引き受ける者の募集をするに当たり、一般社団法人の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第三百三十四条第一項第一号又は第三号から第七号までに掲げる者 二 基金を引き受ける者の募集の委託を受けた者 (理事等の贈収賄罪) 第三百三十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第三百三十四条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 会計監査人又は第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第三百三十八条 第三百三十四条、第三百三十五条及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第三百三十九条 第三百三十四条第一項、第三百三十六条又は第三百三十七条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第三百三十四条第三項の規定は、その行為をした理事その他業務を執行する者に対してそれぞれ適用する。 (虚偽記載等の罪) 第三百四十条 第三百三十三条において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、同項に規定する調査記録簿等に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は調査記録簿等を保存しなかった者は、三十万円以下の罰金に処する。 (両罰規定) 第三百四十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第三百四十二条 設立時社員、設立者、設立時理事、設立時監事、設立時評議員、理事、監事、評議員、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事、評議員若しくは清算人の職務を代行する者、第三百三十四条第一項第六号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第三百三十七条第一項第二号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁又は社員総会若しくは評議員会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、社員名簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)若しくは第二百二十七条第一項の附属明細書、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第一項、第二百五十六条第一項若しくは第二百六十条第二項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第十四条第一項、第三十二条第一項、第五十条第五項、第五十一条第三項、第五十二条第四項、第五十七条第二項若しくは第三項、第五十八条第二項、第九十七条第一項(第百九十七条において準用する場合を含む。)、第百二十九条第一項若しくは第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百五十六条第一項、第百九十三条第二項若しくは第三項、第百九十四条第二項、第二百二十三条第一項、第二百二十九条第一項、第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第二項、第二百五十六条第一項又は第二百六十条第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 第三十六条第一項若しくは第百七十九条第一項の規定又は第四十七条第一項第一号、第八十七条第一項第一号(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百八十八条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、社員総会又は評議員会を招集しなかったとき。 十 第四十三条又は第百八十四条の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会又は評議員会の目的としなかったとき。 十の二 第四十七条の三第一項の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十一 正当な理由がないのに、社員総会又は評議員会において、社員又は評議員の求めた事項について説明をしなかったとき。 十二 第七十二条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会若しくは評議員会の目的とせず、又はその請求に係る議案を社員総会若しくは評議員会に提出しなかったとき。 十三 理事、監事、評議員又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 十四 第九十二条第二項(第百九十七条及び第二百二十条第十項において準用する場合を含む。)又は第百十八条の二第四項(第百九十八条の二において準用する場合を含む。)の規定に違反して、理事会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 十五 第百四十二条第一項の規定に違反して自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得したとき、又は同条第二項の規定に違反して当該債権を相当の時期に他に譲渡することを怠ったとき。 十六 第百四十四条第一項の規定に違反して代替基金を計上せず、又は同条第二項の規定に違反して代替基金を取り崩したとき。 十七 第二百十五条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てを怠ったとき。 十八 清算の結了を遅延させる目的で、第二百三十三条第一項の期間を不当に定めたとき。 十九 第二百三十四条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 二十 第二百三十七条の規定に違反して、清算法人の財産を引き渡したとき。 二十一 第二百四十八条第二項若しくは第五項、第二百五十二条第二項若しくは第五項又は第二百五十八条第二項若しくは第五項の規定に違反して、吸収合併又は新設合併をしたとき。 二十二 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十一条の規定に違反して、同条の規定による調査を求めなかったとき。 第三百四十三条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 正当な理由がないのに、第三百三十三条において準用する会社法第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第三百四十四条 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第五条第二項の規定に違反して、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 二 第五条第三項の規定に違反して、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 三 第六条の規定に違反して、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 四 第七条第一項の規定に違反して、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第四十八号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第一章 総則 第一節 通則 (趣旨) 第一条 一般社団法人及び一般財団法人の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 一般社団法人等 一般社団法人又は一般財団法人をいう。 二 大規模一般社団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百二十六条第二項の承認(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時社員総会に報告された貸借対照表をいい、一般社団法人の成立後最初の定時社員総会までの間においては、第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般社団法人をいう。 三 大規模一般財団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百九十九条において準用する第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百九十九条において準用する第百二十六条第二項の承認(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百九十九条において準用する第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時評議員会に報告された貸借対照表をいい、一般財団法人の成立後最初の定時評議員会までの間においては、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般財団法人をいう。 四 子法人 一般社団法人又は一般財団法人がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 五 吸収合併 一般社団法人又は一般財団法人が他の一般社団法人又は一般財団法人とする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併後存続する法人に承継させるものをいう。 六 新設合併 二以上の一般社団法人又は一般財団法人がする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併により設立する法人に承継させるものをいう。 七 公告方法 一般社団法人又は一般財団法人が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 (法人格) 第三条 一般社団法人及び一般財団法人は、法人とする。 (住所) 第四条 一般社団法人及び一般財団法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。 第二節 法人の名称 (名称) 第五条 一般社団法人又は一般財団法人は、その種類に従い、その名称中に一般社団法人又は一般財団法人という文字を用いなければならない。 2 一般社団法人は、その名称中に、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 一般財団法人は、その名称中に、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (一般社団法人又は一般財団法人と誤認させる名称等の使用の禁止) 第六条 一般社団法人又は一般財団法人でない者は、その名称又は商号中に、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第七条 何人も、不正の目的をもって、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある一般社団法人又は一般財団法人は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の名称の使用を他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人の責任) 第八条 自己の名称を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人は、当該一般社団法人又は一般財団法人が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三節 商法の規定の不適用 第九条 商法(明治三十二年法律第四十八号)第十一条から第十五条まで及び第十九条から第二十四条までの規定は、一般社団法人及び一般財団法人については、適用しない。 第二章 一般社団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第十条 一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第十一条 一般社団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立時社員の氏名又は名称及び住所 五 社員の資格の得喪に関する規定 六 公告方法 七 事業年度 2 社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。 第十二条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般社団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第十三条 第十条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第十四条 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)は、定款を設立時社員が定めた場所(一般社団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、その社員及び債権者)は、設立時社員が定めた時間(一般社団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)であって設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般社団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第十五条 定款で設立時理事(一般社団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この章、第二百七十八条及び第三百十八条第二項において同じ。)を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、設立時理事を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般社団法人が次の各号に掲げるものである場合において、定款で当該各号に定める者を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、これらの者を選任しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(監事を置く一般社団法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時監事(一般社団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この章、第二百五十四条第六号及び第三百十八条第二項第三号において同じ。) 二 会計監査人設置一般社団法人(会計監査人を置く一般社団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時会計監査人(一般社団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。次条第二項及び第三百十八条第二項第四号において同じ。) 第十六条 設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人(理事会を置く一般社団法人をいう。以下同じ。)である場合には、設立時理事は、三人以上でなければならない。 2 第六十五条第一項又は第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般社団法人の理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人(以下この款において「設立時役員等」という。)となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時理事及び設立時監事について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第十七条 設立時役員等の選任は、設立時社員の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、設立時社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (設立時役員等の解任) 第十八条 設立時社員は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時役員等を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第十九条 設立時役員等の解任は、設立時社員の議決権の過半数(設立時監事を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 第十七条第二項の規定は、前項の場合について準用する。 第三款 設立時理事等による調査 第二十条 設立時理事(設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、設立時理事及び設立時監事。次項において同じ。)は、その選任後遅滞なく、一般社団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。 2 設立時理事は、前項の規定による調査により、一般社団法人の設立の手続が法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立時社員にその旨を通知しなければならない。 第四款 設立時代表理事の選定等 第二十一条 設立時理事は、設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合には、設立時理事の中から一般社団法人の設立に際して代表理事(一般社団法人を代表する理事をいう。以下この章及び第三百一条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十八条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第五款 一般社団法人の成立 第二十二条 一般社団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第六款 設立時社員等の責任 (設立時社員等の損害賠償責任) 第二十三条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、一般社団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立時社員、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立時社員等の連帯責任) 第二十四条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立時社員、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第二十五条 第二十三条第一項の規定により設立時社員、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (一般社団法人不成立の場合の責任) 第二十六条 一般社団法人が成立しなかったときは、設立時社員は、連帯して、一般社団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般社団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 社員 第一款 総則 (経費の負担) 第二十七条 社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。 (任意退社) 第二十八条 社員は、いつでも退社することができる。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定による定款の定めがある場合であっても、やむを得ない事由があるときは、社員は、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第二十九条 前条の場合のほか、社員は、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡又は解散 四 除名 (除名) 第三十条 社員の除名は、正当な事由があるときに限り、社員総会の決議によってすることができる。 この場合において、一般社団法人は、当該社員に対し、当該社員総会の日から一週間前までにその旨を通知し、かつ、社員総会において弁明する機会を与えなければならない。 2 除名は、除名した社員にその旨を通知しなければ、これをもって当該社員に対抗することができない。 第二款 社員名簿等 (社員名簿) 第三十一条 一般社団法人は、社員の氏名又は名称及び住所を記載し、又は記録した名簿(以下「社員名簿」という。)を作成しなければならない。 (社員名簿の備置き及び閲覧等) 第三十二条 一般社団法人は、社員名簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社員名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社員名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (社員に対する通知等) 第三十三条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告は、社員名簿に記載し、又は記録した当該社員の住所(当該社員が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 前二項の規定は、第三十九条第一項の通知に際して社員に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (社員に対する通知の省略) 第三十四条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、一般社団法人は、当該社員に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の社員に対する一般社団法人の義務の履行を行う場所は、一般社団法人の住所地とする。 第三節 機関 第一款 社員総会 (社員総会の権限) 第三十五条 社員総会は、この法律に規定する事項及び一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 前二項の規定にかかわらず、社員総会は、社員に剰余金を分配する旨の決議をすることができない。 4 この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の招集) 第三十六条 定時社員総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 社員総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 社員総会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (社員による招集の請求) 第三十七条 総社員の議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を社員総会の日とする社員総会の招集の通知が発せられない場合 (社員総会の招集の決定) 第三十八条 理事(前条第二項の規定により社員が社員総会を招集する場合にあっては、当該社員。次条から第四十二条までにおいて同じ。)は、社員総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社員総会の日時及び場所 二 社員総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 社員総会に出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 理事会設置一般社団法人においては、前条第二項の規定により社員が社員総会を招集するときを除き、前項各号に掲げる事項の決定は、理事会の決議によらなければならない。 (社員総会の招集の通知) 第三十九条 社員総会を招集するには、理事は、社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。 ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日の二週間前までにその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合 3 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、社員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第四十条 前条の規定にかかわらず、社員総会は、社員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第三十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第四十一条 理事は、第三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「社員総会参考書類」という。)及び社員が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、これらの書類を当該社員に交付しなければならない。 第四十二条 理事は、第三十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、社員総会参考書類を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類の交付に代えて、当該社員総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、社員総会参考書類を当該社員に交付しなければならない。 3 理事は、第一項に規定する場合には、第三十九条第三項の承諾をした社員に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 理事は、第一項に規定する場合において、第三十九条第三項の承諾をしていない社員から社員総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社員に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (社員提案権) 第四十三条 社員は、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第四十四条 社員は、社員総会において、社員総会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第四十五条 社員は、理事に対し、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員総会の目的である事項につき当該社員が提出しようとする議案の要領を社員に通知すること(第三十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、当該請求をすることができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (社員総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第四十六条 一般社団法人又は総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、社員総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該社員総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般社団法人でない場合にあっては、当該一般社団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第四十七条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (電子提供措置をとる旨の定め) 第四十七条の二 一般社団法人は、理事が社員総会の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(第四十七条の四第三項において「社員総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により社員が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第三百一条第二項第四号の二及び第三百四十二条第十号の二において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 社員総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告 (電子提供措置) 第四十七条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の理事は、第三十九条第二項各号に掲げる場合には、社員総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(第四十七条の六第三号において「電子提供措置開始日」という。)から社員総会の日後三箇月を経過する日までの間(第四十七条の六において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第三十八条第一項各号に掲げる事項 二 第四十一条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第四十二条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類に記載すべき事項 四 第四十五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合において、理事が定時社員総会を招集するときは、第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告に記載され、又は記録された事項 六 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、理事が第三十九条第一項の通知に際して社員に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (社員総会の招集の通知等の特則) 第四十七条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第三十九条第一項の規定の適用については、同項中「社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日」とあるのは、「社員総会の日」とする。 2 第三十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第二項又は第三項の通知には、第三十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、電子提供措置をとっている旨その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。 3 第四十一条第一項、第四十二条第一項及び第百二十五条の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人においては、理事は、第三十九条第一項の通知に際して、社員に対し、社員総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人における第四十五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第四十七条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第四十七条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の社員(第三十九条第三項の承諾をした社員を除く。)は、一般社団法人に対し、第四十七条の三第一項各号に掲げる事項(次項において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 理事は、第四十七条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした社員に対し、当該社員総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 書面交付請求をした社員がある場合において、その書面交付請求の日(当該社員が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、一般社団法人は、当該社員に対し、前項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 4 前項の規定による通知及び催告を受けた社員がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該社員が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第四十七条の六 第四十七条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(社員が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第六号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき一般社団法人が善意でかつ重大な過失がないこと又は一般社団法人に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から社員総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 一般社団法人が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (議決権の数) 第四十八条 社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の決議) 第四十九条 社員総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる社員総会の決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第三十条第一項の社員総会 二 第七十条第一項の社員総会(監事を解任する場合に限る。) 三 第百十三条第一項の社員総会 四 第百四十六条の社員総会 五 第百四十七条の社員総会 六 第百四十八条第三号及び第百五十条の社員総会 七 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の社員総会 3 理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、第三十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第五十五条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第五十条 社員は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社員又は代理人は、代理権を証明する書面を一般社団法人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社員総会ごとにしなければならない。 3 第一項の社員又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社員又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 6 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 7 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第五十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を一般社団法人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 3 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその主たる事務所に備え置かなければならない。 4 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該一般社団法人に提供して行う。 2 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 4 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 5 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (理事等の説明義務) 第五十三条 理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、社員総会において、社員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が社員総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより社員の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第五十四条 社員総会の議長は、当該社員総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 社員総会の議長は、その命令に従わない者その他当該社員総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (社員総会に提出された資料等の調査) 第五十五条 社員総会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該社員総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第三十七条の規定により招集された社員総会においては、その決議によって、一般社団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第五十六条 社員総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第三十八条及び第三十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五十七条 社員総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、社員総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般社団法人は、社員総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社員総会の決議の省略) 第五十八条 理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。 2 一般社団法人は、前項の規定により社員総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時社員総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時社員総会が終結したものとみなす。 (社員総会への報告の省略) 第五十九条 理事が社員の全員に対して社員総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を社員総会に報告することを要しないことにつき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の社員総会への報告があったものとみなす。 第二款 社員総会以外の機関の設置 (社員総会以外の機関の設置) 第六十条 一般社団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。 2 一般社団法人は、定款の定めによって、理事会、監事又は会計監査人を置くことができる。 (監事の設置義務) 第六十一条 理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人は、監事を置かなければならない。 (会計監査人の設置義務) 第六十二条 大規模一般社団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第三款 役員等の選任及び解任 (選任) 第六十三条 役員(理事及び監事をいう。以下この款において同じ。)及び会計監査人は、社員総会の決議によって選任する。 2 前項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (一般社団法人と役員等との関係) 第六十四条 一般社団法人と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (役員の資格等) 第六十五条 次に掲げる者は、役員となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定に違反し、又は民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 監事は、一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。 3 理事会設置一般社団法人においては、理事は、三人以上でなければならない。 第六十五条の二 成年被後見人が役員に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が役員に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした役員の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (理事の任期) 第六十六条 理事の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 (監事の任期) 第六十七条 監事の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとすることを限度として短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期を退任した監事の任期の満了する時までとすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、監事の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (会計監査人の資格等) 第六十八条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを一般社団法人に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第百二十三条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 一般社団法人の子法人若しくはその理事若しくは監事から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第六十九条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時社員総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時社員総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (解任) 第七十条 役員及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、一般社団法人に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監事による会計監査人の解任) 第七十一条 監事は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監事が二人以上ある場合には、監事の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事の互選によって定めた監事)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される社員総会に報告しなければならない。 (監事の選任に関する監事の同意等) 第七十二条 理事は、監事がある場合において、監事の選任に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監事は、理事に対し、監事の選任を社員総会の目的とすること又は監事の選任に関する議案を社員総会に提出することを請求することができる。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第七十三条 監事設置一般社団法人においては、社員総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事が決定する。 2 監事が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監事が」とあるのは、「監事の過半数をもって」とする。 (監事等の選任等についての意見の陳述) 第七十四条 監事は、社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監事を辞任した者は、辞任後最初に招集される社員総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 理事は、前項の者に対し、同項の社員総会を招集する旨及び第三十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は会計監査人について、前二項の規定は会計監査人を辞任した者及び第七十一条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、社員総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第七十五条 役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監事は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第六十八条及び第七十一条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 第四款 理事 (業務の執行) 第七十六条 理事は、定款に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 理事が二人以上ある場合には、一般社団法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、理事は、次に掲げる事項についての決定を各理事に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 四 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 4 大規模一般社団法人においては、理事は、前項第三号に掲げる事項を決定しなければならない。 (一般社団法人の代表) 第七十七条 理事は、一般社団法人を代表する。 ただし、他に代表理事その他一般社団法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の理事が二人以上ある場合には、理事は、各自、一般社団法人を代表する。 3 一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって、理事の中から代表理事を定めることができる。 4 代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第七十八条 一般社団法人は、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表理事に欠員を生じた場合の措置) 第七十九条 代表理事が欠けた場合又は定款で定めた代表理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表理事は、新たに選定された代表理事(次項の一時代表理事の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表理事の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表理事の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事の職務を代行する者の権限) 第八十条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事又は代表理事の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った理事又は代表理事の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、一般社団法人は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第八十一条 第七十七条第四項の規定にかかわらず、一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、社員総会は、当該訴えについて一般社団法人を代表する者を定めることができる。 (表見代表理事) 第八十二条 一般社団法人は、代表理事以外の理事に理事長その他一般社団法人を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該理事がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第八十三条 理事は、法令及び定款並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第八十四条 理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 理事が自己又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 理事が自己又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。 三 一般社団法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において一般社団法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (理事の報告義務) 第八十五条 理事は、一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)に報告しなければならない。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第八十六条 一般社団法人の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、当該一般社団法人の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、一般社団法人の子法人の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、一般社団法人及び検査役の選任の申立てをした社員に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第八十七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第五項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (社員による理事の行為の差止め) 第八十八条 社員は、理事が一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 監事設置一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (理事の報酬等) 第八十九条 理事の報酬等(報酬、賞与その他の職務執行の対価として一般社団法人等から受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 第五款 理事会 (理事会の権限等) 第九十条 理事会は、すべての理事で組織する。 2 理事会は、次に掲げる職務を行う。 一 理事会設置一般社団法人の業務執行の決定 二 理事の職務の執行の監督 三 代表理事の選定及び解職 3 理事会は、理事の中から代表理事を選定しなければならない。 4 理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 六 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 5 大規模一般社団法人である理事会設置一般社団法人においては、理事会は、前項第五号に掲げる事項を決定しなければならない。 (理事会設置一般社団法人の理事の権限) 第九十一条 次に掲げる理事は、理事会設置一般社団法人の業務を執行する。 一 代表理事 二 代表理事以外の理事であって、理事会の決議によって理事会設置一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの 2 前項各号に掲げる理事は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 (競業及び理事会設置一般社団法人との取引等の制限) 第九十二条 理事会設置一般社団法人における第八十四条の規定の適用については、同条第一項中「社員総会」とあるのは、「理事会」とする。 2 理事会設置一般社団法人においては、第八十四条第一項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 (招集権者) 第九十三条 理事会は、各理事が招集する。 ただし、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その理事が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた理事(以下この項及び第百一条第二項において「招集権者」という。)以外の理事は、招集権者に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。 (招集手続) 第九十四条 理事会を招集する者は、理事会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、理事会は、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (理事会の決議) 第九十五条 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。 3 理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 理事会の決議に参加した理事であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (理事会の決議の省略) 第九十六条 理事会設置一般社団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第九十七条 理事会設置一般社団法人は、理事会の日(前条の規定により理事会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第九十五条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 債権者は、理事又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 4 裁判所は、前二項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該理事会設置一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、前二項の許可をすることができない。 (理事会への報告の省略) 第九十八条 理事、監事又は会計監査人が理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を理事会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第九十一条第二項の規定による報告については、適用しない。 第六款 監事 (監事の権限) 第九十九条 監事は、理事の職務の執行を監査する。 この場合において、監事は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、又は監事設置一般社団法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監事は、その職務を行うため必要があるときは、監事設置一般社団法人の子法人に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (理事への報告義務) 第百条 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)に報告しなければならない。 (理事会への出席義務等) 第百一条 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 監事は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事(第九十三条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。 (社員総会に対する報告義務) 第百二条 監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告しなければならない。 (監事による理事の行為の差止め) 第百三条 監事は、理事が監事設置一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監事設置一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の理事に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監事設置一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第百四条 第七十七条第四項及び第八十一条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が監事設置一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 2 第七十七条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 一 監事設置一般社団法人が第二百七十八条第一項の訴えの提起の請求(理事の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監事設置一般社団法人が第二百八十条第三項の訴訟告知(理事の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第二百八十一条第二項の規定による通知及び催告(理事の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 (監事の報酬等) 第百五条 監事の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 2 監事が二人以上ある場合において、各監事の報酬等について定款の定め又は社員総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監事の協議によって定める。 3 監事は、社員総会において、監事の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第百六条 監事がその職務の執行について監事設置一般社団法人に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監事設置一般社団法人は、当該請求に係る費用又は債務が当該監事の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七款 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第百七条 会計監査人は、次節の定めるところにより、一般社団法人の計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)及びその附属明細書を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は理事及び使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置一般社団法人の子法人に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置一般社団法人若しくはその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第六十八条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人である者 三 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 (監事に対する報告) 第百八条 会計監査人は、その職務を行うに際して理事の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監事に報告しなければならない。 2 監事は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 (定時社員総会における会計監査人の意見の陳述) 第百九条 第百七条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監事と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時社員総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時社員総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時社員総会に出席して意見を述べなければならない。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監事の関与) 第百十条 理事は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 第八款 役員等の損害賠償責任 (役員等の一般社団法人に対する損害賠償責任) 第百十一条 理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 理事が第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引によって理事又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって一般社団法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第八十四条第一項の理事 二 一般社団法人が当該取引をすることを決定した理事 三 当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事 (一般社団法人に対する損害賠償責任の免除) 第百十二条 前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第百十三条 前条の規定にかかわらず、役員等の第百十一条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額(第百十五条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、社員総会の決議によって免除することができる。 一 賠償の責任を負う額 二 当該役員等がその在職中に一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表理事 六 ロ 代表理事以外の理事であって、次に掲げるもの 四 (1) 理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの (2) 当該一般社団法人の業務を執行した理事((1)に掲げる理事を除く。) (3) 当該一般社団法人の使用人 ハ 理事(イ及びロに掲げるものを除く。)、監事又は会計監査人 二 2 前項の場合には、理事は、同項の社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監事設置一般社団法人においては、理事は、第百十一条第一項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 4 第一項の決議があった場合において、一般社団法人が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、社員総会の承認を受けなければならない。 (理事等による免除に関する定款の定め) 第百十四条 第百十二条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人(理事が二人以上ある場合に限る。)は、第百十一条第一項の責任について、役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として理事(当該責任を負う理事を除く。)の過半数の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(理事の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(理事の責任の免除に限る。)についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を理事会に提出する場合について準用する。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)を行ったときは、理事は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を社員に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、一般社団法人は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 5 前条第四項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第百十五条 第百十二条の規定にかかわらず、一般社団法人は、理事(業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人の業務を執行したその他の理事をいう。次項及び第百四十一条第三項において同じ。)又は当該一般社団法人の使用人でないものに限る。)、監事又は会計監査人(以下この条及び第三百一条第二項第十二号において「非業務執行理事等」という。)の第百十一条第一項の責任について、当該非業務執行理事等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ一般社団法人が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行理事等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行理事等が当該一般社団法人の業務執行理事又は使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第百十三条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する理事と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合について準用する。 4 第一項の契約を締結した一般社団法人が、当該契約の相手方である非業務執行理事等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第百十三条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第百十一条第一項の損害のうち、当該非業務執行理事等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第百十三条第四項の規定は、非業務執行理事等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (理事が自己のためにした取引に関する特則) 第百十六条 第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第百十一条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第百十七条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 理事 次に掲げる行為 イ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ロ 基金(第百三十一条に規定する基金をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第百二十八条第三項に規定する措置を含む。) 二 監事 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第百十八条 役員等が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第百十八条の二 一般社団法人が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該一般社団法人が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 一般社団法人は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該一般社団法人が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該一般社団法人に対して第百十一条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した一般社団法人が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該一般社団法人に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 理事会設置一般社団法人においては、補償契約に基づく補償をした理事及び当該補償を受けた理事は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 5 第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項及び第百十六条第一項の規定は、一般社団法人と理事との間の補償契約については、適用しない。 6 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第百十八条の三 一般社団法人が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 2 第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項の規定は、一般社団法人が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、理事を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第四節 計算 第一款 会計の原則 第百十九条 一般社団法人の会計は、その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第百二十条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第百二十一条 総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該一般社団法人の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (会計帳簿の提出命令) 第百二十二条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第百二十三条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この款において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 一般社団法人は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第百二十四条 監事設置一般社団法人においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監事 3 理事会設置一般社団法人においては、第一項又は前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の社員への提供) 第百二十五条 理事会設置一般社団法人においては、理事は、定時社員総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告並びに監査報告(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時社員総会への提出等) 第百二十六条 次の各号に掲げる一般社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時社員総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 理事会設置一般社団法人 第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の一般社団法人 第百二十三条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時社員総会の承認を受けなければならない。 3 理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置一般社団法人の特則) 第百二十七条 会計監査人設置一般社団法人については、第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い一般社団法人の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、理事は、当該計算書類の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の公告) 第百二十八条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大規模一般社団法人にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第三百三十一条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である一般社団法人は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第百二十九条 一般社団法人は、計算書類等(各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第百二十四条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 2 一般社団法人は、計算書類等の写しを、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該一般社団法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって一般社団法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (計算書類等の提出命令) 第百三十条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第五節 基金 第一款 基金を引き受ける者の募集 (基金を引き受ける者の募集等に関する定款の定め) 第百三十一条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。次条から第百三十四条まで(第百三十三条第一項第一号を除く。)及び第百三十六条第一号において同じ。)は、基金(この款の規定により一般社団法人に拠出された金銭その他の財産であって、当該一般社団法人が拠出者に対してこの法律及び当該一般社団法人と当該拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務(金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価額に相当する金銭の返還義務)を負うものをいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定款で定めなければならない。 一 基金の拠出者の権利に関する規定 二 基金の返還の手続 (募集事項の決定) 第百三十二条 一般社団法人は、前条の募集をしようとするときは、その都度、次に掲げる事項(以下この款において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集に係る基金の総額 二 金銭以外の財産を拠出の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及びその価額 三 基金の拠出に係る金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 2 設立時社員は、募集事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (基金の申込み) 第百三十三条 一般社団法人は、第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 一般社団法人の名称 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を一般社団法人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする基金の額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 一般社団法人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 5 一般社団法人が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (基金の割当て) 第百三十四条 一般社団法人は、申込者の中から基金の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる基金の額を定めなければならない。 この場合において、一般社団法人は、当該申込者に割り当てる基金の額を、前条第二項第二号の額よりも減額することができる。 2 一般社団法人は、第百三十二条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる基金の額を通知しなければならない。 (基金の申込み及び割当てに関する特則) 第百三十五条 前二条の規定は、基金を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (基金の引受け) 第百三十六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める基金の額について基金の引受人となる。 一 申込者 一般社団法人の割り当てた基金の額 二 前条の契約により基金の総額を引き受けた者 その者が引き受けた基金の額 (金銭以外の財産の拠出) 第百三十七条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。第六項において同じ。)は、第百三十二条第一項第二号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下「現物拠出財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。第十項第二号において同じ。)は、前項の決定により現物拠出財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その基金の引受けの申込み又は第百三十五条の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物拠出財産の価額 二 現物拠出財産のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物拠出財産の価額 三 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物拠出財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物拠出財産の価額 四 現物拠出財産が一般社団法人に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物拠出財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 理事、監事又は使用人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員、設立時理事又は設立時監事) 二 基金の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの (基金の拠出の履行) 第百三十八条 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者を除く。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。第二百四十八条第五項において同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。第百五十七条第二項において同じ。)の払込みの取扱いの場所において、それぞれの基金の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、それぞれの基金の払込金額に相当する現物拠出財産を給付しなければならない。 ただし、一般社団法人の成立前に給付すべき場合において、設立時社員全員の同意があるときは、登記、登録その他の権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般社団法人の成立後にすることを妨げない。 3 基金の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「拠出の履行」という。)をする債務と一般社団法人に対する債権とを相殺することができない。 4 基金の引受人が拠出の履行をしないときは、基金の引受けは、その効力を失う。 (基金の拠出者となる時期) 第百三十九条 基金の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 一 第百三十二条第一項第三号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百三十二条第一項第三号の期間を定めた場合 拠出の履行をした日 2 前項の規定にかかわらず、一般社団法人の成立前に基金を引き受ける者の募集をした場合には、一般社団法人の成立の時に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第百四十条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、基金の引受けの申込み及び割当て並びに第百三十五条の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 基金の引受人は、前条の規定により基金の拠出者となった日から一年を経過した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として基金の引受けの取消しをすることができない。 第二款 基金の返還 (基金の返還) 第百四十一条 基金の返還は、定時社員総会の決議によって行わなければならない。 2 一般社団法人は、ある事業年度に係る貸借対照表上の純資産額が次に掲げる金額の合計額を超える場合においては、当該事業年度の次の事業年度に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り、当該超過額を返還の総額の限度として基金の返還をすることができる。 一 基金(第百四十四条第一項の代替基金を含む。)の総額 二 法務省令で定めるところにより資産につき時価を基準として評価を行っている場合において、その時価の総額がその取得価額の総額を超えるときは、時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額 3 前項の規定に違反して一般社団法人が基金の返還をした場合には、当該返還を受けた者及び当該返還に関する職務を行った業務執行者(業務執行理事その他当該業務執行理事の行う業務の執行に職務上関与した者をいう。次項及び第五項において同じ。)は、当該一般社団法人に対し、連帯して、違法に返還された額を弁済する責任を負う。 4 前項の規定にかかわらず、業務執行者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の責任を負わない。 5 第三項の業務執行者の責任は、免除することができない。 ただし、第二項の超過額を限度として当該責任を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 6 第二項の規定に違反して基金の返還がされた場合においては、一般社団法人の債権者は、当該返還を受けた者に対し、当該返還の額を当該一般社団法人に対して返還することを請求することができる。 (基金の返還に係る債権の取得の禁止) 第百四十二条 一般社団法人は、次に掲げる場合に限り、自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得することができる。 一 合併又は他の法人の事業の全部の譲受けによる場合 二 一般社団法人の権利の実行に当たり、その目的を達成するために必要な場合 三 無償で取得する場合 2 一般社団法人が前項第一号又は第二号に掲げる場合に同項の債権を取得したときは、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は消滅しない。 この場合においては、一般社団法人は、当該債権を相当の時期に他に譲渡しなければならない。 (基金利息の禁止) 第百四十三条 基金の返還に係る債権には、利息を付することができない。 (代替基金) 第百四十四条 基金の返還をする場合には、返還をする基金に相当する金額を代替基金として計上しなければならない。 2 前項の代替基金は、取り崩すことができない。 3 合併により消滅する一般社団法人が代替基金を計上している場合において、合併後存続する一般社団法人又は合併により設立する一般社団法人が当該合併に際して代替基金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (破産法の適用の特例) 第百四十五条 一般社団法人が破産手続開始の決定を受けた場合においては、基金の返還に係る債権は、破産法第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権に後れる。 第六節 定款の変更 第百四十六条 一般社団法人は、その成立後、社員総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七節 事業の譲渡 第百四十七条 一般社団法人が事業の全部の譲渡をするには、社員総会の決議によらなければならない。 第八節 解散 (解散の事由) 第百四十八条 一般社団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 社員総会の決議 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該一般社団法人が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 (休眠一般社団法人のみなし解散) 第百四十九条 休眠一般社団法人(一般社団法人であって、当該一般社団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般社団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般社団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般社団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般社団法人の継続) 第百五十条 一般社団法人は、第百四十八条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、第四章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、社員総会の決議によって、一般社団法人を継続することができる。 (解散した一般社団法人の合併の制限) 第百五十一条 一般社団法人が解散した場合には、当該一般社団法人は、当該一般社団法人が合併後存続する一般社団法人となる合併をすることができない。 第三章 一般財団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第百五十二条 一般財団法人を設立するには、設立者(設立者が二人以上あるときは、その全員)が定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 設立者は、遺言で、次条第一項各号に掲げる事項及び第百五十四条に規定する事項を定めて一般財団法人を設立する意思を表示することができる。 この場合においては、遺言執行者は、当該遺言の効力が生じた後、遅滞なく、当該遺言で定めた事項を記載した定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第十条第二項の規定は、前二項の定款について準用する。 (定款の記載又は記録事項) 第百五十三条 一般財団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立者の氏名又は名称及び住所 五 設立に際して設立者(設立者が二人以上あるときは、各設立者)が拠出をする財産及びその価額 六 設立時評議員(一般財団法人の設立に際して評議員となる者をいう。以下同じ。)、設立時理事(一般財団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項において同じ。)及び設立時監事(一般財団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この節、第二百五十四条第七号及び同項において同じ。)の選任に関する事項 七 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人(会計監査人を置く一般財団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般財団法人をいう。以下同じ。)であるときは、設立時会計監査人(一般財団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項第六号において同じ。)の選任に関する事項 八 評議員の選任及び解任の方法 九 公告方法 十 事業年度 2 前項第五号の財産の価額の合計額は、三百万円を下回ってはならない。 3 次に掲げる定款の定めは、その効力を有しない。 一 第一項第八号の方法として、理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任する旨の定款の定め 二 設立者に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定め 第百五十四条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般財団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第百五十五条 第百五十二条第一項及び第二項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第百五十六条 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)は、定款を設立者が定めた場所(一般財団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、その評議員及び債権者)は、設立者が定めた時間(一般財団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般財団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 財産の拠出 (財産の拠出の履行) 第百五十七条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、遺言執行者。以下この条、第百六十一条第二項、第百六十六条から第百六十八条まで、第二百条第二項、第三百十九条第三項及び第七章において同じ。)は、第百五十五条の公証人の認証の後遅滞なく、第百五十三条第一項第五号に規定する拠出に係る金銭の全額を払い込み、又は同号に規定する拠出に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、設立者が定めたとき(設立者が二人以上あるときは、その全員の同意があるとき)は、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般財団法人の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、設立者が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (贈与又は遺贈に関する規定の準用) 第百五十八条 生前の処分で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の贈与に関する規定を準用する。 2 遺言で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の遺贈に関する規定を準用する。 第三款 設立時評議員等の選任 第百五十九条 定款で設立時評議員、設立時理事又は設立時監事を定めなかったときは、第百五十七条第一項の規定による払込み又は給付(以下「財産の拠出の履行」という。)が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、これらの者を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人である場合において、定款で設立時会計監査人を定めなかったときは、財産の拠出の履行が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、設立時会計監査人を選任しなければならない。 第百六十条 設立時評議員及び設立時理事は、それぞれ三人以上でなければならない。 2 第百七十三条第一項において準用する第六十五条第一項の規定又は第百七十七条において準用する第六十五条第一項若しくは第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般財団法人の評議員、理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時評議員、設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時評議員、設立時理事及び設立時監事について準用する。 第四款 設立時理事等による調査 第百六十一条 設立時理事及び設立時監事は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 財産の拠出の履行が完了していること。 二 前号に掲げる事項のほか、一般財団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時理事及び設立時監事は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立者にその旨を通知しなければならない。 第五款 設立時代表理事の選定等 第百六十二条 設立時理事は、設立時理事の中から一般財団法人の設立に際して代表理事(一般財団法人を代表する理事をいう。第三百二条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十九条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般財団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第六款 一般財団法人の成立 (一般財団法人の成立) 第百六十三条 一般財団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (財産の帰属時期) 第百六十四条 生前の処分で財産の拠出をしたときは、当該財産は、一般財団法人の成立の時から当該一般財団法人に帰属する。 2 遺言で財産の拠出をしたときは、当該財産は、遺言が効力を生じた時から一般財団法人に帰属したものとみなす。 (財産の拠出の取消しの制限) 第百六十五条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、その相続人)は、一般財団法人の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として財産の拠出の取消しをすることができない。 第七款 設立者等の責任 (設立者等の損害賠償責任) 第百六十六条 設立者、設立時理事又は設立時監事は、一般財団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般財団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立者、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立者、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立者等の連帯責任) 第百六十七条 設立者、設立時理事又は設立時監事が一般財団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立者、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第百六十八条 第百六十六条第一項の規定により設立者、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総評議員の同意がなければ、免除することができない。 (一般財団法人不成立の場合の責任) 第百六十九条 一般財団法人が成立しなかったときは、第百五十二条第一項の設立者は、連帯して、一般財団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般財団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 機関 第一款 機関の設置 (機関の設置) 第百七十条 一般財団法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。 2 一般財団法人は、定款の定めによって、会計監査人を置くことができる。 (会計監査人の設置義務) 第百七十一条 大規模一般財団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第二款 評議員等の選任及び解任 (一般財団法人と評議員等との関係) 第百七十二条 一般財団法人と評議員、理事、監事及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 理事は、一般財団法人の財産のうち一般財団法人の目的である事業を行うために不可欠なものとして定款で定めた基本財産があるときは、定款で定めるところにより、これを維持しなければならず、かつ、これについて一般財団法人の目的である事業を行うことを妨げることとなる処分をしてはならない。 (評議員の資格等) 第百七十三条 第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は、評議員について準用する。 2 評議員は、一般財団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人を兼ねることができない。 3 評議員は、三人以上でなければならない。 (評議員の任期) 第百七十四条 評議員の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後六年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで伸長することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期を退任した評議員の任期の満了する時までとすることを妨げない。 (評議員に欠員を生じた場合の措置) 第百七十五条 この法律又は定款で定めた評議員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した評議員は、新たに選任された評議員(次項の一時評議員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお評議員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時評議員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時評議員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般財団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事、監事又は会計監査人の解任) 第百七十六条 理事又は監事が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その理事又は監事を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 会計監査人が第七十一条第一項各号のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その会計監査人を解任することができる。 (一般社団法人に関する規定の準用) 第百七十七条 前章第三節第三款(第六十四条、第六十七条第三項及び第七十条を除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人の選任及び解任について準用する。 この場合において、これらの規定(第六十六条ただし書を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第六十六条ただし書中「定款又は社員総会の決議によって」とあるのは「定款によって」と、第六十八条第三項第一号中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、第七十四条第三項中「第三十八条第一項第一号」とあるのは「第百八十一条第一項第一号」と読み替えるものとする。 第三款 評議員及び評議員会 (評議員会の権限等) 第百七十八条 評議員会は、すべての評議員で組織する。 2 評議員会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (評議員会の招集) 第百七十九条 定時評議員会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 評議員会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 評議員会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (評議員による招集の請求) 第百八十条 評議員は、理事に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした評議員は、裁判所の許可を得て、評議員会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を評議員会の日とする評議員会の招集の通知が発せられない場合 (評議員会の招集の決定) 第百八十一条 評議員会を招集する場合には、理事会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 評議員会の日時及び場所 二 評議員会の目的である事項があるときは、当該事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合には、当該評議員は、前項各号に掲げる事項を定めなければならない。 (評議員会の招集の通知) 第百八十二条 評議員会を招集するには、理事(第百八十条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合にあっては、当該評議員。次項において同じ。)は、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面でその通知を発しなければならない。 2 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第百八十三条 前条の規定にかかわらず、評議員会は、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (評議員提案権) 第百八十四条 評議員は、理事に対し、一定の事項を評議員会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第百八十五条 評議員は、評議員会において、評議員会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第百八十六条 評議員は、理事に対し、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員会の目的である事項につき当該評議員が提出しようとする議案の要領を第百八十二条第一項又は第二項の通知に記載し、又は記録して評議員に通知することを請求することができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (評議員会の招集手続等に関する検査役の選任) 第百八十七条 一般財団法人又は評議員は、評議員会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該評議員会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般財団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般財団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般財団法人でない場合にあっては、当該一般財団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による評議員会招集等の決定) 第百八十八条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に評議員会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を評議員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の評議員会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事及び監事は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の評議員会に報告しなければならない。 (評議員会の決議) 第百八十九条 評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百七十六条第一項の評議員会(監事を解任する場合に限る。) 二 第百九十八条において準用する第百十三条第一項の評議員会 三 第二百条の評議員会 四 第二百一条の評議員会 五 第二百四条の評議員会 六 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の評議員会 3 前二項の決議について特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができない。 4 評議員会は、第百八十一条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第百九十一条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九十七条において準用する第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (理事等の説明義務) 第百九十条 理事及び監事は、評議員会において、評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が評議員会の目的である事項に関しないものである場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (評議員会に提出された資料等の調査) 第百九十一条 評議員会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該評議員会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第百八十条の規定により招集された評議員会においては、その決議によって、一般財団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第百九十二条 評議員会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八十一条及び第百八十二条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百九十三条 評議員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般財団法人は、評議員会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般財団法人は、評議員会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (評議員会の決議の省略) 第百九十四条 理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき評議員(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。 2 一般財団法人は、前項の規定により評議員会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時評議員会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時評議員会が終結したものとみなす。 (評議員会への報告の省略) 第百九十五条 理事が評議員の全員に対して評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を評議員会に報告することを要しないことにつき評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の評議員会への報告があったものとみなす。 (評議員の報酬等) 第百九十六条 評議員の報酬等の額は、定款で定めなければならない。 第四款 理事、理事会、監事及び会計監査人 第百九十七条 前章第三節第四款(第七十六条、第七十七条第一項から第三項まで、第八十一条及び第八十八条第二項を除く。)、第五款(第九十二条第一項を除く。)、第六款(第百四条第二項を除く。)及び第七款の規定は、一般財団法人の理事、理事会、監事及び会計監査人について準用する。 この場合において、これらの規定(第八十三条及び第八十四条第一項を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第八十三条中「定款並びに社員総会の決議」とあるのは「定款」と、第八十四条第一項中「社員総会」とあるのは「理事会」と、第八十五条中「社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)」とあるのは「監事」と、第八十六条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、並びに同条第七項、第八十七条第一項第二号及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「評議員」と、同項中「著しい損害」とあるのは「回復することができない損害」と、第九十条第四項第六号中「第百十四条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十四条第一項」と、「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、第九十七条第二項中「社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て」とあるのは「評議員は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも」と、同条第四項中「前二項の請求」とあるのは「前項の請求」と、「前二項の許可」とあるのは「同項の許可」と、第百四条第一項中「第七十七条第四項及び第八十一条」とあるのは「第七十七条第四項」と、第百七条第一項中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、「第百十七条第二項第一号イ」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十七条第二項第一号イ」と、同条第五項第一号中「第六十八条第三項第一号」とあるのは「第百七十七条において準用する第六十八条第三項第一号」と読み替えるものとする。 第五款 役員等の損害賠償責任 第百九十八条 前章第三節第八款(第百十七条第二項第一号ロを除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人並びに評議員の損害賠償責任について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百十一条第一項中「理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)」とあるのは「理事、監事若しくは会計監査人(以下この款及び第三百二条第二項第九号において「役員等」という。)又は評議員」と、同条第二項中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、同条第三項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、同項第一号中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、第百十二条中「総社員」とあるのは「総評議員」と、第百十四条第二項中「についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案」とあるのは「に関する議案」と、同条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、同条第四項中「総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項」とあるのは「総評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の評議員が前項」と、第百十五条第一項中「第三百一条第二項第十二号」とあるのは「第三百二条第二項第十号」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、第百十七条第一項及び第百十八条中「役員等」とあるのは「役員等又は評議員」と、第百十七条第二項第一号ニ中「第百二十八条第三項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十八条第三項」と読み替えるものとする。 第六款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 第百九十八条の二 前章第三節第九款の規定は、一般財団法人について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)」とあるのは「理事会」と、第百十八条の二第一項中「役員等に」とあるのは「理事、監事又は会計監査人(以下この款において「役員等」という。)に」と、同条第二項第二号中「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、同条第四項中「理事会設置一般社団法人」とあるのは「一般財団法人」と、同条第五項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項」とあり、及び第百十八条の三第二項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項及び第九十二条第二項並びに第百九十八条において準用する第百十一条第三項」と読み替えるものとする。 第三節 計算 第百九十九条 前章第四節(第百二十一条第一項後段及び第二項並びに第百二十六条第一項第一号、第二号及び第四号を除く。)の規定は、一般財団法人の計算について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百二十一条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、及び第百二十九条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、第百二十五条中「社員に」とあるのは「評議員に」と、第百二十九条第一項及び第二項中「第五十八条第一項」とあるのは「第百九十四条第一項」と、同条第三項ただし書中「第二号」とあるのは「債権者が第二号」と読み替えるものとする。 第四節 定款の変更 第二百条 一般財団法人は、その成立後、評議員会の決議によって、定款を変更することができる。 ただし、第百五十三条第一項第一号及び第八号に掲げる事項に係る定款の定めについては、この限りでない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、設立者が同項ただし書に規定する定款の定めを評議員会の決議によって変更することができる旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたときは、評議員会の決議によって、前項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 3 一般財団法人は、その設立の当時予見することのできなかった特別の事情により、第一項ただし書に規定する定款の定めを変更しなければその運営の継続が不可能又は著しく困難となるに至ったときは、裁判所の許可を得て、評議員会の決議によって、同項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 第五節 事業の譲渡 第二百一条 一般財団法人が事業の全部の譲渡をするには、評議員会の決議によらなければならない。 第六節 解散 (解散の事由) 第二百二条 一般財団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 基本財産の滅失その他の事由による一般財団法人の目的である事業の成功の不能 四 合併(合併により当該一般財団法人が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 2 一般財団法人は、前項各号に掲げる事由のほか、ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 3 新設合併により設立する一般財団法人は、前項に規定する場合のほか、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表及びその成立の日の属する事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 (休眠一般財団法人のみなし解散) 第二百三条 休眠一般財団法人(一般財団法人であって、当該一般財団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般財団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般財団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般財団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般財団法人の継続) 第二百四条 一般財団法人は、次に掲げる場合には、次章の規定による清算が結了するまで(第二号に掲げる場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、評議員会の決議によって、一般財団法人を継続することができる。 一 第二百二条第二項又は第三項の規定による解散後、清算事務年度(第二百二十七条第一項に規定する清算事務年度をいう。)に係る貸借対照表上の純資産額が三百万円以上となった場合 二 前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合 (解散した一般財団法人の合併の制限) 第二百五条 一般財団法人が解散した場合には、当該一般財団法人は、当該一般財団法人が合併後存続する一般財団法人となる合併をすることができない。 第四章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第二百六条 一般社団法人又は一般財団法人は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第百四十八条第五号又は第二百二条第一項第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算法人の能力) 第二百七条 前条の規定により清算をする一般社団法人又は一般財団法人(以下「清算法人」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算法人の機関 第一款 清算法人における機関の設置 第二百八条 清算法人には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算法人は、定款の定めによって、清算人会又は監事を置くことができる。 3 第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった時において大規模一般社団法人又は大規模一般財団法人であった清算法人は、監事を置かなければならない。 4 第二章第三節第二款及び前章第二節第一款(評議員及び評議員会に係る部分を除く。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第二款 清算人の就任及び解任並びに監事の退任等 (清算人の就任) 第二百九条 次に掲げる者は、清算法人の清算人となる。 一 理事(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員総会又は評議員会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第百四十八条第七号又は第二百二条第一項第六号に掲げる事由によって解散した清算法人については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第二百六条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算法人については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第六十四条、第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は清算人について、第六十五条第三項の規定は清算人会設置法人(清算人会を置く清算法人をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「理事は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第二百十条 清算一般社団法人(一般社団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 清算一般財団法人(一般財団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その清算人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 4 第七十五条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監事の退任等) 第二百十一条 清算法人の監事は、当該清算法人が監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 2 次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める清算法人については、適用しない。 一 第六十七条(第百七十七条において準用する場合を含む。) 清算法人 二 第百七十四条 清算一般財団法人 第三款 清算人の職務等 (清算人の職務) 第二百十二条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の引渡し (業務の執行) 第二百十三条 清算人は、清算法人(清算人会設置法人を除く。次項において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 第百八十一条第一項各号に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第八十一条から第八十五条まで、第八十八条及び第八十九条の規定は、清算人(同条の規定については、第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第八十一条中「第七十七条第四項」とあるのは「第二百十四条第七項において準用する第七十七条第四項」と、同条、第八十四条第一項及び第八十九条中「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、第八十二条中「代表理事」とあるのは「代表清算人(第二百十四条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第八十三条中「並びに社員総会の決議」とあるのは「(清算一般社団法人にあっては、法令及び定款並びに社員総会の決議)」と、第八十五条及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「社員又は評議員」と、第八十五条及び第八十八条第二項中「監事設置一般社団法人」とあるのは「監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)」と読み替えるものとする。 (清算法人の代表) 第二百十四条 清算人は、清算法人を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算法人を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算法人を代表する。 3 清算法人(清算人会設置法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は社員総会若しくは評議員会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第二百九条第一項第一号の規定により理事が清算人となる場合において、代表理事(一般社団法人等を代表する理事をいう。以下この項、第二百六十一条第一項第三号、第二百八十九条第二号、第二百九十三条第一号、第三百五条、第三百十五条第一項第二号イ及び第三百二十条第一項において同じ。)を定めていたときは、当該代表理事が代表清算人となる。 5 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 前条第四項において準用する第八十一条の規定、次項において準用する第七十七条第四項の規定及び第二百二十条第八項の規定にかかわらず、監事設置清算法人(監事を置く清算法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない清算法人をいう。以下同じ。)が清算人(清算人であった者を含む。以下この項において同じ。)に対し、又は清算人が監事設置清算法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置清算法人を代表する。 7 第七十七条第四項及び第五項並びに第七十九条の規定は代表清算人について、第八十条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算法人についての破産手続の開始) 第二百十五条 清算法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算法人が既に債権者に支払い、又は残余財産の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第二百十六条 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算法人に対する損害賠償責任) 第二百十七条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって清算法人に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の清算人 二 清算法人が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第百十二条及び第百十六条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、第百十二条中「総社員」とあるのは「総社員又は総評議員」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第二百十八条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 第二百二十五条第一項に規定する財産目録等並びに第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 四 基金を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 (清算人等の連帯責任) 第二百十九条 清算人、監事又は評議員が清算法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人、監事又は評議員も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第百十八条(第百九十八条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 第四款 清算人会 (清算人会の権限等) 第二百二十条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置法人の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第二百十四条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第二百十四条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置法人の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置法人の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十一条に規定する場合には、清算人会は、同条の規定による社員総会又は評議員会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて清算人会設置法人を代表する者を定めることができる。 9 第七項各号に掲げる清算人は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を清算人会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 10 第九十二条の規定は、清算人会設置法人について準用する。 この場合において、同条第一項中「第八十四条」とあるのは「第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十四条」と、「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、「「理事会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第八十四条第一項各号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項各号」と、「理事は」とあるのは「清算人は」と、「理事会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第二百二十一条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項及び次条第二項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第九十四条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の招集について準用する。 この場合において、同条第一項中「各理事及び各監事」とあるのは「各清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。次項において同じ。)にあっては、各清算人及び各監事)」と、同条第二項中「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人にあっては、清算人及び監事)」と読み替えるものとする。 5 第九十五条及び第九十六条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第九十五条第一項中「理事の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「理事」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「理事(」とあるのは「清算人(」と、「代表理事」とあるのは「代表清算人」と、同条第五項中「理事であって」とあるのは「清算人であって」と、第九十六条中「理事が」とあるのは「清算人が」と、「理事(」とあるのは「清算人(」と読み替えるものとする。 6 第九十八条の規定は、清算人会設置法人における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「理事、監事又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監事」と、「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)にあっては、清算人及び監事)」と、同条第二項中「第九十一条第二項」とあるのは「第二百二十条第九項」と読み替えるものとする。 (社員又は評議員による招集の請求) 第二百二十二条 清算人会設置法人(監事設置清算法人を除く。)の社員又は評議員は、清算人が清算人会設置法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、清算人会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、清算人(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、清算人会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った社員又は評議員は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した清算人会に出席し、意見を述べることができる。 (議事録等) 第二百二十三条 清算人会設置法人は、清算人会の日(第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の規定により清算人会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、同項において準用する第九十五条第三項の議事録又は第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員又は評議員は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員については、その権利を行使するため必要があるときに限る。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監事設置清算法人である清算一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「清算法人の業務時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 債権者は、清算人又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 裁判所は、第三項の規定により読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は前項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該清算人会設置法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の規定により読み替えて適用する第二項の許可又は前項の許可をすることができない。 第五款 理事等に関する規定の適用 第二百二十四条 清算法人については、第六十五条第二項、第七十二条及び第七十四条第三項(これらの規定を第百七十七条において準用する場合を含む。)並びに第八十七条及び第二章第三節第六款(第百四条第一項を除き、これらの規定を第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会設置法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会設置法人に適用があるものとする。 2 清算一般社団法人については、第二章第三節第一款及び第百三十七条第十項の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に適用があるものとする。 3 清算一般財団法人については、第百五十三条第三項第一号、第百七十三条第二項及び前章第二節第三款の規定中理事又は理事会に関する規定は、それぞれ清算人又は清算人会に関する規定として清算人又は清算人会に適用があるものとする。 この場合において、第百八十一条第一項中「理事会の決議によって」とあるのは「清算人は」と、「定めなければならない」とあるのは「定めなければならない。ただし、清算人会を置く清算一般財団法人(第二百十条第二項に規定する清算一般財団法人をいう。)においては、当該事項の決定は、清算人会の決議によらなければならない」とする。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第二百二十五条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算法人の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算法人は、財産目録等を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第二百二十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第二百二十七条 清算法人は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算法人は、第一項の貸借対照表を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第二百二十八条 監事設置清算法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第二百二十九条 次の各号に掲げる清算法人は、第二百二十七条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、当該各号に定める日からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 一 清算一般社団法人 定時社員総会の日の一週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 清算一般財団法人 定時評議員会の日の一週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 2 社員、評議員及び債権者は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (貸借対照表等の提出等) 第二百三十条 次の各号に掲げる清算法人においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時社員総会又は定時評議員会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置清算法人(清算人会設置法人を除く。) 第二百二十八条第一項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置法人 第二百二十八条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算法人 第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時社員総会又は定時評議員会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時社員総会又は定時評議員会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第二百三十一条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第二百二十七条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (適用除外) 第二百三十二条 第二章第四節第三款(第百二十三条第四項、第百二十八条第三項、第百二十九条及び第百三十条を除き、第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第二百三十三条 清算法人は、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算法人の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十四条 清算法人は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算法人は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算法人は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算法人の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第二百三十五条 清算法人は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算法人は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (基金の返還の制限) 第二百三十六条 基金の返還に係る債務の弁済は、その余の清算一般社団法人の債務の弁済がされた後でなければ、することができない。 (債務の弁済前における残余財産の引渡しの制限) 第二百三十七条 清算法人は、当該清算法人の債務を弁済した後でなければ、その財産の引渡しをすることができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第二百三十八条 清算法人の債権者(知れている債権者を除く。)であって第二百三十三条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、引渡しがされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 第五節 残余財産の帰属 第二百三十九条 残余財産の帰属は、定款で定めるところによる。 2 前項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、その帰属は、清算法人の社員総会又は評議員会の決議によって定める。 3 前二項の規定により帰属が定まらない残余財産は、国庫に帰属する。 第六節 清算事務の終了等 (清算事務の終了等) 第二百四十条 清算法人は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 (帳簿資料の保存) 第二百四十一条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算法人の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 第五章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第二百四十二条 一般社団法人又は一般財団法人は、他の一般社団法人又は一般財団法人と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする法人は、合併契約を締結しなければならない。 (合併の制限) 第二百四十三条 次の各号に掲げる場合には、合併後存続する一般社団法人若しくは一般財団法人又は合併により設立する一般社団法人若しくは一般財団法人は、それぞれ当該各号に定める種類の法人でなければならない。 一 合併をする法人が一般社団法人のみである場合 一般社団法人 二 合併をする法人が一般財団法人のみである場合 一般財団法人 2 前項各号に掲げる場合以外の場合において、合併をする一般社団法人が合併契約の締結の日までに基金の全額を返還していないときは、合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、一般社団法人でなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 吸収合併契約等 (吸収合併契約) 第二百四十四条 一般社団法人又は一般財団法人が吸収合併をする場合には、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収合併後存続する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併存続法人」という。)及び吸収合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) (吸収合併の効力の発生等) 第二百四十五条 吸収合併存続法人は、効力発生日に、吸収合併消滅法人の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅法人の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前二項の規定は、第二百四十八条若しくは第二百五十二条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 吸収合併消滅法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百四十六条 吸収合併消滅法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百四十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百四十七条 吸収合併消滅法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百四十八条 吸収合併消滅法人の債権者は、吸収合併消滅法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併存続法人の名称及び住所 三 吸収合併消滅法人及び吸収合併存続法人の計算書類(第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類をいう。以下同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併の効力発生日の変更) 第二百四十九条 吸収合併消滅法人は、吸収合併存続法人との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、吸収合併消滅法人は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、第二百四十五条及びこの款の規定を適用する。 第三款 吸収合併存続法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十条 吸収合併存続法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十二条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百五十一条 吸収合併存続法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 2 吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の債務の額として法務省令で定める額が吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の資産の額として法務省令で定める額を超える場合には、理事は、前項の社員総会又は評議員会において、その旨を説明しなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十二条 吸収合併存続法人の債権者は、吸収合併存続法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併存続法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併消滅法人の名称及び住所 三 吸収合併存続法人及び吸収合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併存続法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併存続法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十三条 吸収合併存続法人は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続法人が承継した吸収合併消滅法人の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収合併存続法人は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第三節 新設合併 第一款 新設合併契約等 (新設合併契約) 第二百五十四条 二以上の一般社団法人又は一般財団法人が新設合併をする場合には、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 新設合併により設立する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併設立法人」という。)の目的、名称及び主たる事務所の所在地 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立法人の定款で定める事項 四 新設合併設立法人の設立に際して理事となる者の氏名 五 新設合併設立法人が会計監査人設置一般社団法人又は会計監査人設置一般財団法人であるときは、その設立に際して会計監査人となる者の氏名又は名称 六 新設合併設立法人が監事設置一般社団法人であるときは、設立時監事の氏名 七 新設合併設立法人が一般財団法人であるときは、設立時評議員及び設立時監事の氏名 (新設合併の効力の発生) 第二百五十五条 新設合併設立法人は、その成立の日に、新設合併消滅法人の権利義務を承継する。 第二款 新設合併消滅法人の手続 (新設合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十六条 新設合併消滅法人は、新設合併契約備置開始日から新設合併設立法人の成立の日までの間、新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「新設合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 新設合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約の承認) 第二百五十七条 新設合併消滅法人は、社員総会又は評議員会の決議によって、新設合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十八条 新設合併消滅法人の債権者は、新設合併消滅法人に対し、新設合併について異議を述べることができる。 2 新設合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併をする旨 二 他の新設合併消滅法人及び新設合併設立法人の名称及び住所 三 新設合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、新設合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、新設合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 第三款 新設合併設立法人の手続 (設立の特則) 第二百五十九条 第二章第一節(第十一条(第一項第四号を除く。)、第十二条、第十四条、第十六条、第四款及び第五款を除く。)の規定は、一般社団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 2 第三章第一節(第百五十三条第一項第一号から第三号まで及び第八号から第十号まで並びに第三項、第百五十四条、第百五十六条、第百六十条、第五款並びに第百六十三条を除く。)の規定は、一般財団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 3 新設合併設立法人の定款は、新設合併消滅法人が作成する。 (新設合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百六十条 新設合併設立法人は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立法人が承継した新設合併消滅法人の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設合併設立法人は、その成立の日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 新設合併設立法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併設立法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六章 雑則 第一節 解散命令 (解散命令) 第二百六十一条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため一般社団法人等の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、一般社団法人等の解散を命ずることができる。 一 一般社団法人等の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 一般社団法人等が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人等の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人等の業務を執行したその他の理事をいう。)が、法令若しくは定款で定める一般社団法人等の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反復して当該行為をしたとき。 2 社員、評議員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、一般社団法人等の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 一般社団法人等は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分) 第二百六十二条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、一般社団法人等の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、一般社団法人等が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、一般社団法人等の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「一般社団法人又は一般財団法人」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第二百六十三条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第二百六十一条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 訴訟 第一款 一般社団法人等の組織に関する訴え (一般社団法人等の組織に関する行為の無効の訴え) 第二百六十四条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 一般社団法人等の設立 一般社団法人等の成立の日から二年以内 二 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 三 一般社団法人等の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する一般社団法人等の社員等(社員、評議員、理事、監事又は清算人をいう。以下この款において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は吸収合併存続法人の社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 三 前項第三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は新設合併設立法人の社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 (社員総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第二百六十五条 社員総会又は評議員会(以下この款及び第三百十五条第一項第一号ロにおいて「社員総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 社員総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (社員総会等の決議の取消しの訴え) 第二百六十六条 次に掲げる場合には、社員等は、社員総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより社員等(第七十五条第一項(第百七十七条及び第二百十条第四項において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第一項の規定により理事、監事、清算人又は評議員としての権利義務を有する者を含む。)となる者も、同様とする。 一 社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 社員総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 社員総会の決議について特別の利害関係を有する社員が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (一般社団法人等の設立の取消しの訴え) 第二百六十七条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、一般社団法人等の成立の日から二年以内に、訴えをもって一般社団法人等の設立の取消しを請求することができる。 一 社員又は設立者が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員又は設立者 二 設立者がその債権者を害することを知って一般財団法人を設立したとき 当該債権者 (一般社団法人等の解散の訴え) 第二百六十八条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員又は評議員は、訴えをもって一般社団法人等の解散を請求することができる。 一 一般社団法人等が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該一般社団法人等に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 一般社団法人等の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該一般社団法人等の存立を危うくするとき。 (被告) 第二百六十九条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「一般社団法人等の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 一般社団法人等の設立の無効の訴え 設立する一般社団法人等 二 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人 三 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人 四 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該一般社団法人等 五 社員総会等の決議の取消しの訴え 当該一般社団法人等 六 第二百六十七条第一号の規定による一般社団法人等の設立の取消しの訴え 当該一般社団法人等 七 第二百六十七条第二号の規定による一般財団法人の設立の取消しの訴え 当該一般財団法人及び同号の設立者 八 一般社団法人等の解散の訴え 当該一般社団法人等 (訴えの管轄) 第二百七十条 一般社団法人等の組織に関する訴えは、被告となる一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第二百七十一条 一般社団法人等の組織に関する訴えであって、社員が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該社員が理事、監事又は清算人であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、一般社団法人等の組織に関する訴えであって、債権者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第二百七十二条 同一の請求を目的とする一般社団法人等の組織に関する訴えに係る二以上の訴訟が同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第二百七十三条 一般社団法人等の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十四条 一般社団法人等の組織に関する訴え(第二百六十九条第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって一般社団法人等が設立された場合にあっては、当該設立を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (合併の無効判決の効力) 第二百七十五条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした一般社団法人等は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併存続法人 二 一般社団法人等の新設合併 新設合併設立法人 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が取得した財産は、当該行為をした一般社団法人等の共有に属する。 3 前二項に規定する場合には、各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分及び前項の財産の共有持分は、各一般社団法人等の協議によって定める。 4 各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分又は第二項の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各一般社団法人等の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各一般社団法人等の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (設立の無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十六条 一般社団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該一般社団法人を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 2 前項前段の規定は、一般財団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合について準用する。 この場合において、同項中「社員」とあるのは、「設立者」と読み替えるものとする。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第二百七十七条 一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二款 一般社団法人における責任追及の訴え (責任追及の訴え) 第二百七十八条 社員は、一般社団法人に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、設立時社員、設立時理事、役員等(第百十一条第一項に規定する役員等をいう。第三項において同じ。)又は清算人の責任を追及する訴え(以下この款において「責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及の訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該一般社団法人に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 一般社団法人が前項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、一般社団法人のために、責任追及の訴えを提起することができる。 3 一般社団法人は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした社員又は同項の設立時社員、設立時理事、役員等若しくは清算人から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により一般社団法人に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の社員は、一般社団法人のために、直ちに責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第二項又は前項の責任追及の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 6 社員が責任追及の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 被告が前項の申立てをするには、責任追及の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第二百七十九条 責任追及の訴えは、一般社団法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第二百八十条 社員又は一般社団法人は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 監事設置一般社団法人が、理事及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 3 社員は、責任追及の訴えを提起したときは、遅滞なく、一般社団法人に対し、訴訟告知をしなければならない。 4 一般社団法人は、責任追及の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を社員に通知しなければならない。 (和解) 第二百八十条の二 監事設置一般社団法人が、当該監事設置一般社団法人の理事及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 第二百八十一条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、一般社団法人が責任追及の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該一般社団法人の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、一般社団法人に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 一般社団法人が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で社員が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第二十五条、第百十二条(第二百十七条第四項において準用する場合を含む。)及び第百四十一条第五項(同項ただし書に規定する超過額を超えない部分について負う責任に係る部分に限る。)の規定は、責任追及の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (費用等の請求) 第二百八十二条 責任追及の訴えを提起した社員が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該一般社団法人に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及の訴えを提起した社員が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該社員は、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第二百八十条第一項の規定により同項の訴訟に参加した社員について準用する。 (再審の訴え) 第二百八十三条 責任追及の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及の訴えに係る訴訟の目的である一般社団法人の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、一般社団法人又は社員は、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三款 一般社団法人等の役員等の解任の訴え (一般社団法人等の役員等の解任の訴え) 第二百八十四条 理事、監事又は評議員(以下この款において「役員等」という。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員等を解任する旨の議案が社員総会又は評議員会において否決されたときは、次に掲げる者は、当該社員総会又は評議員会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員等の解任を請求することができる。 一 総社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。) 二 評議員 (被告) 第二百八十五条 前条の訴え(次条及び第三百十五条第一項第一号ニにおいて「一般社団法人等の役員等の解任の訴え」という。)については、当該一般社団法人等及び前条の役員等を被告とする。 (訴えの管轄) 第二百八十六条 一般社団法人等の役員等の解任の訴えは、当該一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三節 非訟 第一款 総則 (非訟事件の管轄) 第二百八十七条 この法律の規定による非訟事件(次項に規定する事件を除く。)は、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 第二百七十五条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第二百八十八条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第二百八十九条 裁判所は、この法律の規定による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により一般社団法人等が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧又は謄写の許可の申立てについての裁判 当該一般社団法人等 二 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項若しくは第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第二百六十二条第二項の管理人の報酬の額の決定 当該一般社団法人等(報酬を受ける者が監事を置く一般社団法人等を代表する者である場合において、他に当該一般社団法人等を代表する者が存しないときは、監事)及び報酬を受ける者 三 第百三十七条第七項の規定による裁判 当該一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)及び現物拠出財産を給付する者 四 清算人の解任についての裁判 当該清算人 五 第二百六十一条第一項の規定による裁判 当該一般社団法人等 六 第二百七十五条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした一般社団法人等 (理由の付記) 第二百九十条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 前条第二号に掲げる裁判 二 第二百九十三条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第二百九十一条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第二百六十二条第一項の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第二百八十九条各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同条第二号及び第三号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) (原裁判の執行停止) 第二百九十二条 前条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第二百八十九条第二号から第四号までに掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第二百九十三条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第二百八十九条第二号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第二百三十五条第一項の鑑定人又は第二百四十一条第二項の帳簿資料の保存をする者の選任又は選定の裁判 二 第二百六十二条第二項の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第二百六十二条第六項の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第二百八十九条第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第二百九十四条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百九十五条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二款 解散命令の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第二百九十六条 裁判所は、第二百六十一条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第二百九十一条第二号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分についての特則) 第二百九十七条 裁判所が第二百六十二条第一項の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、一般社団法人等の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第二百六十二条第一項の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、一般社団法人等の負担とする。 第二百九十八条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二百六十二条第六項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四節 登記 第一款 総則 (登記の効力) 第二百九十九条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (登記の期間) 第三百条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二款 主たる事務所の所在地における登記 (一般社団法人の設立の登記) 第三百一条 一般社団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第二十条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立時社員が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般社団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 四の二 第四十七条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 五 理事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 理事会設置一般社団法人であるときは、その旨 八 監事設置一般社団法人であるときは、その旨及び監事の氏名 九 会計監査人設置一般社団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 十 第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 十一 第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十二 第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十三 第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十四 公告方法 十五 前号の公告方法が電子公告(第三百三十一条第一項第三号に規定する電子公告をいう。以下この号及び次条第二項第十三号において同じ。)であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (一般財団法人の設立の登記) 第三百二条 一般財団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第百六十一条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立者が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般財団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 評議員、理事及び監事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 会計監査人設置一般財団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 八 第百七十七条において準用する第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 九 第百九十八条において準用する第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十 第百九十八条において準用する第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 第百九十九条において準用する第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十二 公告方法 十三 前号の公告方法が電子公告であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (変更の登記) 第三百三条 一般社団法人等において第三百一条第二項各号又は前条第二項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。 (他の登記所の管轄区域内への主たる事務所の移転の登記) 第三百四条 一般社団法人等がその主たる事務所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 一般社団法人 第三百一条第二項各号に掲げる事項 二 一般財団法人 第三百二条第二項各号に掲げる事項 2 新所在地における登記においては、一般社団法人等の成立の年月日並びに主たる事務所を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第三百五条 一般社団法人等の理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その主たる事務所の所在地において、その登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第三百六条 一般社団法人等が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、吸収合併消滅法人については解散の登記をし、吸収合併存続法人については変更の登記をしなければならない。 2 吸収合併による変更の登記においては、吸収合併をした旨並びに吸収合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (新設合併の登記) 第三百七条 二以上の一般社団法人等が新設合併をするときは、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、新設合併消滅法人については解散の登記をし、新設合併設立法人については設立の登記をしなければならない。 一 第二百五十七条の社員総会又は評議員会の決議の日 二 第二百五十八条の規定による手続が終了した日 三 新設合併消滅法人が合意により定めた日 2 新設合併による設立の登記においては、新設合併をした旨並びに新設合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (解散の登記) 第三百八条 第百四十八条第一号から第四号まで又は第二百二条第一項第一号から第三号まで、第二項若しくは第三項の規定により一般社団法人等が解散したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、解散の登記をしなければならない。 2 解散の登記においては、解散の旨並びにその事由及び年月日を登記しなければならない。 (継続の登記) 第三百九条 第百五十条、第二百四条又は第二百七十六条の規定により一般社団法人等が継続したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人等の登記) 第三百十条 第二百九条第一項第一号に掲げる者が清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算法人が清算人会を置くときは、その旨 四 清算一般財団法人が監事を置くときは、その旨 2 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 3 第三百三条の規定は前二項の規定による登記について、第三百五条の規定は清算人又は代表清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第三百十一条 清算が結了したときは、清算法人は、第二百四十条第三項の承認の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 第三款 削除 第三百十二条から第三百十四条まで 削除 第四款 登記の嘱託 第三百十五条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴え ロ 社員総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 社員総会等の決議の取消しの訴え ハ 一般社団法人等の解散の訴え ニ 一般社団法人等の役員等の解任の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定による一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判 ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判 ニ 清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判 ホ 清算人の解任の裁判 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第二百六十一条第一項の規定による一般社団法人等の解散を命ずる裁判 2 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人についての変更の登記及び吸収合併消滅法人についての回復の登記 二 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人についての解散の登記及び新設合併消滅法人についての回復の登記 第五款 登記の手続等 (登記簿) 第三百十六条 登記所に、一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿を備える。 (添付書面の通則) 第三百十七条 登記すべき事項につき社員全員の同意又はある理事若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 2 登記すべき事項につき社員総会、評議員会、理事会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。 3 登記すべき事項につき第五十八条第一項、第九十六条(第百九十七条及び第二百二十一条第五項において準用する場合を含む。)又は第百九十四条第一項の規定により社員総会、理事会、清算人会又は評議員会の決議があったものとみなされる場合には、申請書に、前項の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。 (一般社団法人の設立の登記の申請) 第三百十八条 一般社団法人の設立の登記は、当該一般社団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般社団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 設立時理事が設立時代表理事を選定したときは、これに関する書面 三 設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 四 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立時社員全員の同意又はある設立時社員の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (一般財団法人の設立の登記の申請) 第三百十九条 一般財団法人の設立の登記は、当該一般財団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般財団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 財産の拠出の履行があったことを証する書面 三 設立時評議員、設立時理事及び設立時監事の選任に関する書面 四 設立時代表理事の選定に関する書面 五 設立時評議員、設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 六 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 設立時会計監査人の選任に関する書面 ロ 就任を承諾したことを証する書面 ハ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ニ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立者全員の同意又はある設立者の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (理事等の変更の登記の申請) 第三百二十条 理事、監事又は代表理事の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 2 評議員の就任による変更の登記の申請書には、その選任に関する書面及び就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 就任を承諾したことを証する書面 二 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 4 会計監査人が法人であるときは、その名称の変更の登記の申請書には、前項第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 ただし、同号ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第一項から第三項までに規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (一時会計監査人の職務を行うべき者の変更の登記の申請) 第三百二十一条 第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 その選任に関する書面 二 就任を承諾したことを証する書面 三 その者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、前条第三項第二号ただし書に規定する場合を除く。 四 その者が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 2 前条第四項及び第五項の規定は、一時会計監査人の職務を行うべき者の登記について準用する。 (吸収合併による変更の登記の申請) 第三百二十二条 吸収合併による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 吸収合併契約書 二 第二百五十二条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 三 吸収合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に吸収合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 四 第二百四十七条の規定による吸収合併契約の承認があったことを証する書面 五 吸収合併消滅法人において第二百四十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (新設合併による設立の登記の申請) 第三百二十三条 新設合併による設立の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 新設合併契約書 二 定款 三 第三百十八条第二項第二号から第四号まで又は第三百十九条第二項第四号、第五号及び第六号(イを除く。)に掲げる書面 四 新設合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に新設合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 五 第二百五十七条の規定による新設合併契約の承認があったことを証する書面 六 新設合併消滅法人において第二百五十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (解散の登記の申請) 第三百二十四条 定款で定めた解散の事由又は第二百二条第一項第三号、第二項若しくは第三項に規定する事由の発生による解散の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 2 代表清算人の申請に係る解散の登記の申請書には、その資格を証する書面を添付しなければならない。 ただし、当該代表清算人が第二百九条第一項第一号の規定により清算人となったもの(第二百十四条第四項に規定する場合にあっては、同項の規定により代表清算人となったもの)であるときは、この限りでない。 (継続の登記の申請) 第三百二十五条 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、第二百七十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により一般社団法人等を継続したときは、継続の登記の申請書には、その判決の謄本及び第二百七十六条第一項の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。 (清算人の登記の申請) 第三百二十六条 清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。 2 第二百九条第一項第二号又は第三号に掲げる者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 裁判所が選任した者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、その選任及び第三百十条第一項第二号に掲げる事項を証する書面を添付しなければならない。 (清算人に関する変更の登記の申請) 第三百二十七条 裁判所が選任した清算人に関する第三百十条第一項第二号に掲げる事項の変更の登記の申請書には、変更の事由を証する書面を添付しなければならない。 2 清算人の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (清算結了の登記の申請) 第三百二十八条 清算結了の登記の申請書には、第二百四十条第三項の規定による決算報告の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 第三百二十九条 削除 (商業登記法の準用) 第三百三十条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第一条の三から第五条まで、第七条から第十五条まで(第十二条第一項第二号及び第五号を除く。)、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十七条まで、第三十三条、第五十一条、第五十二条、第七十二条、第八十二条、第八十三条、第百三十二条から第百三十七条まで及び第百三十九条から第百四十八条までの規定は、一般社団法人等に関する登記について準用する。 この場合において、これらの規定(同法第二十七条及び第三十三条第一項中「本店」とある部分を除く。)中「商号」とあるのは「名称」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、同法第一条の三及び第二十四条第一号中「営業所」とあるのは「事務所」と、同法第二十七条及び第三十三条第一項中「営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の」とあり、並びに同法第二十七条並びに第三十三条第一項第四号及び第二項中「営業所の」とあるのは「主たる事務所の」と、同条第一項第四号中「営業所を」とあるのは「主たる事務所を」と、同法第七十二条中「会社法第四百七十二条第一項本文」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百四十九条第一項本文又は第二百三条第一項本文」と、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十条において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替えるものとする。 第五節 公告 (公告方法) 第三百三十一条 一般社団法人等は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告(公告方法のうち、電磁的方法により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。以下同じ。) 四 前三号に掲げるもののほか、不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置として法務省令で定める方法 2 一般社団法人等が前項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定款で定める場合には、その定款には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 (電子公告の公告期間) 第三百三十二条 一般社団法人等が電子公告により公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時社員総会の終結の日後五年を経過する日 二 第百九十九条において準用する第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時評議員会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 第二百四十九条第二項の規定による公告 同項の変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日) (電子公告の中断及び電子公告調査機関に関する会社法の規定の準用) 第三百三十三条 一般社団法人等が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告をする場合については、会社法第九百四十条第三項、第九百四十一条、第九百四十六条、第九百四十七条、第九百五十一条第二項、第九百五十三条及び第九百五十五条の規定を準用する。 この場合において、同法第九百四十条第三項中「前二項の規定にかかわらず、これらの」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十二条の規定にかかわらず、同条の」と、同法第九百四十一条中「この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律又は他の法律の規定による公告(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百二十八条第一項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)」と、同法第九百四十六条第三項中「商号」とあるのは「名称」と読み替えるものとする。 第七章 罰則 (理事等の特別背任罪) 第三百三十四条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は一般社団法人等に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該一般社団法人等に財産上の損害を加えたときは、七年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 設立時社員 二 設立者 三 設立時理事(一般社団法人等の設立に際して理事となる者をいう。第三百四十二条において同じ。)又は設立時監事(一般社団法人等の設立に際して監事となる者をいう。同条において同じ。) 四 理事、監事又は評議員 五 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事又は評議員の職務を代行する者 六 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算法人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算法人に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人の職務を代行する者 三 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 3 前二項の罪の未遂は、罰する。 (法人財産の処分に関する罪) 第三百三十五条 前条第一項第四号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合には、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 法令又は定款の規定に違反して、基金の返還をしたとき。 二 一般社団法人等の目的の範囲外において、投機取引のために一般社団法人等の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第三百三十六条 次に掲げる者が、基金を引き受ける者の募集をするに当たり、一般社団法人の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第三百三十四条第一項第一号又は第三号から第七号までに掲げる者 二 基金を引き受ける者の募集の委託を受けた者 (理事等の贈収賄罪) 第三百三十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第三百三十四条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 会計監査人又は第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第三百三十八条 第三百三十四条、第三百三十五条及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第三百三十九条 第三百三十四条第一項、第三百三十六条又は第三百三十七条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第三百三十四条第三項の規定は、その行為をした理事その他業務を執行する者に対してそれぞれ適用する。 (虚偽記載等の罪) 第三百四十条 第三百三十三条において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、同項に規定する調査記録簿等に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は調査記録簿等を保存しなかった者は、三十万円以下の罰金に処する。 (両罰規定) 第三百四十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第三百四十二条 設立時社員、設立者、設立時理事、設立時監事、設立時評議員、理事、監事、評議員、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事、評議員若しくは清算人の職務を代行する者、第三百三十四条第一項第六号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第三百三十七条第一項第二号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁又は社員総会若しくは評議員会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、社員名簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)若しくは第二百二十七条第一項の附属明細書、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第一項、第二百五十六条第一項若しくは第二百六十条第二項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第十四条第一項、第三十二条第一項、第五十条第五項、第五十一条第三項、第五十二条第四項、第五十七条第二項若しくは第三項、第五十八条第二項、第九十七条第一項(第百九十七条において準用する場合を含む。)、第百二十九条第一項若しくは第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百五十六条第一項、第百九十三条第二項若しくは第三項、第百九十四条第二項、第二百二十三条第一項、第二百二十九条第一項、第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第二項、第二百五十六条第一項又は第二百六十条第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 第三十六条第一項若しくは第百七十九条第一項の規定又は第四十七条第一項第一号、第八十七条第一項第一号(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百八十八条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、社員総会又は評議員会を招集しなかったとき。 十 第四十三条又は第百八十四条の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会又は評議員会の目的としなかったとき。 十の二 第四十七条の三第一項の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十一 正当な理由がないのに、社員総会又は評議員会において、社員又は評議員の求めた事項について説明をしなかったとき。 十二 第七十二条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会若しくは評議員会の目的とせず、又はその請求に係る議案を社員総会若しくは評議員会に提出しなかったとき。 十三 理事、監事、評議員又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 十四 第九十二条第二項(第百九十七条及び第二百二十条第十項において準用する場合を含む。)又は第百十八条の二第四項(第百九十八条の二において準用する場合を含む。)の規定に違反して、理事会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 十五 第百四十二条第一項の規定に違反して自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得したとき、又は同条第二項の規定に違反して当該債権を相当の時期に他に譲渡することを怠ったとき。 十六 第百四十四条第一項の規定に違反して代替基金を計上せず、又は同条第二項の規定に違反して代替基金を取り崩したとき。 十七 第二百十五条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てを怠ったとき。 十八 清算の結了を遅延させる目的で、第二百三十三条第一項の期間を不当に定めたとき。 十九 第二百三十四条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 二十 第二百三十七条の規定に違反して、清算法人の財産を引き渡したとき。 二十一 第二百四十八条第二項若しくは第五項、第二百五十二条第二項若しくは第五項又は第二百五十八条第二項若しくは第五項の規定に違反して、吸収合併又は新設合併をしたとき。 二十二 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十一条の規定に違反して、同条の規定による調査を求めなかったとき。 第三百四十三条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 正当な理由がないのに、第三百三十三条において準用する会社法第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第三百四十四条 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第五条第二項の規定に違反して、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 二 第五条第三項の規定に違反して、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 三 第六条の規定に違反して、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 四 第七条第一項の規定に違反して、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
民事
Heisei
Act
418AC0000000048_20260524_504AC0000000048.xml
平成十八年法律第四十八号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第一章 総則 第一節 通則 (趣旨) 第一条 一般社団法人及び一般財団法人の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 一般社団法人等 一般社団法人又は一般財団法人をいう。 二 大規模一般社団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百二十六条第二項の承認(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時社員総会に報告された貸借対照表をいい、一般社団法人の成立後最初の定時社員総会までの間においては、第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般社団法人をいう。 三 大規模一般財団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百九十九条において準用する第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百九十九条において準用する第百二十六条第二項の承認(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百九十九条において準用する第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時評議員会に報告された貸借対照表をいい、一般財団法人の成立後最初の定時評議員会までの間においては、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般財団法人をいう。 四 子法人 一般社団法人又は一般財団法人がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 五 吸収合併 一般社団法人又は一般財団法人が他の一般社団法人又は一般財団法人とする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併後存続する法人に承継させるものをいう。 六 新設合併 二以上の一般社団法人又は一般財団法人がする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併により設立する法人に承継させるものをいう。 七 公告方法 一般社団法人又は一般財団法人が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 (法人格) 第三条 一般社団法人及び一般財団法人は、法人とする。 (住所) 第四条 一般社団法人及び一般財団法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。 第二節 法人の名称 (名称) 第五条 一般社団法人又は一般財団法人は、その種類に従い、その名称中に一般社団法人又は一般財団法人という文字を用いなければならない。 2 一般社団法人は、その名称中に、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 一般財団法人は、その名称中に、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (一般社団法人又は一般財団法人と誤認させる名称等の使用の禁止) 第六条 一般社団法人又は一般財団法人でない者は、その名称又は商号中に、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第七条 何人も、不正の目的をもって、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある一般社団法人又は一般財団法人は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の名称の使用を他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人の責任) 第八条 自己の名称を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人は、当該一般社団法人又は一般財団法人が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三節 商法の規定の不適用 第九条 商法(明治三十二年法律第四十八号)第十一条から第十五条まで及び第十九条から第二十四条までの規定は、一般社団法人及び一般財団法人については、適用しない。 第二章 一般社団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第十条 一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第十一条 一般社団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立時社員の氏名又は名称及び住所 五 社員の資格の得喪に関する規定 六 公告方法 七 事業年度 2 社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。 第十二条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般社団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第十三条 第十条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第十四条 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)は、定款を設立時社員が定めた場所(一般社団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、その社員及び債権者)は、設立時社員が定めた時間(一般社団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)であって設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般社団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第十五条 定款で設立時理事(一般社団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この章、第二百七十八条及び第三百十八条第二項において同じ。)を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、設立時理事を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般社団法人が次の各号に掲げるものである場合において、定款で当該各号に定める者を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、これらの者を選任しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(監事を置く一般社団法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時監事(一般社団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この章、第二百五十四条第六号及び第三百十八条第二項第三号において同じ。) 二 会計監査人設置一般社団法人(会計監査人を置く一般社団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時会計監査人(一般社団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。次条第二項及び第三百十八条第二項第四号において同じ。) 第十六条 設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人(理事会を置く一般社団法人をいう。以下同じ。)である場合には、設立時理事は、三人以上でなければならない。 2 第六十五条第一項又は第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般社団法人の理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人(以下この款において「設立時役員等」という。)となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時理事及び設立時監事について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第十七条 設立時役員等の選任は、設立時社員の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、設立時社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (設立時役員等の解任) 第十八条 設立時社員は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時役員等を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第十九条 設立時役員等の解任は、設立時社員の議決権の過半数(設立時監事を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 第十七条第二項の規定は、前項の場合について準用する。 第三款 設立時理事等による調査 第二十条 設立時理事(設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、設立時理事及び設立時監事。次項において同じ。)は、その選任後遅滞なく、一般社団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。 2 設立時理事は、前項の規定による調査により、一般社団法人の設立の手続が法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立時社員にその旨を通知しなければならない。 第四款 設立時代表理事の選定等 第二十一条 設立時理事は、設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合には、設立時理事の中から一般社団法人の設立に際して代表理事(一般社団法人を代表する理事をいう。以下この章及び第三百一条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十八条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第五款 一般社団法人の成立 第二十二条 一般社団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第六款 設立時社員等の責任 (設立時社員等の損害賠償責任) 第二十三条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、一般社団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立時社員、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立時社員等の連帯責任) 第二十四条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立時社員、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第二十五条 第二十三条第一項の規定により設立時社員、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (一般社団法人不成立の場合の責任) 第二十六条 一般社団法人が成立しなかったときは、設立時社員は、連帯して、一般社団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般社団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 社員 第一款 総則 (経費の負担) 第二十七条 社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。 (任意退社) 第二十八条 社員は、いつでも退社することができる。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定による定款の定めがある場合であっても、やむを得ない事由があるときは、社員は、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第二十九条 前条の場合のほか、社員は、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡又は解散 四 除名 (除名) 第三十条 社員の除名は、正当な事由があるときに限り、社員総会の決議によってすることができる。 この場合において、一般社団法人は、当該社員に対し、当該社員総会の日から一週間前までにその旨を通知し、かつ、社員総会において弁明する機会を与えなければならない。 2 除名は、除名した社員にその旨を通知しなければ、これをもって当該社員に対抗することができない。 第二款 社員名簿等 (社員名簿) 第三十一条 一般社団法人は、社員の氏名又は名称及び住所を記載し、又は記録した名簿(以下「社員名簿」という。)を作成しなければならない。 (社員名簿の備置き及び閲覧等) 第三十二条 一般社団法人は、社員名簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社員名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社員名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (社員に対する通知等) 第三十三条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告は、社員名簿に記載し、又は記録した当該社員の住所(当該社員が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 前二項の規定は、第三十九条第一項の通知に際して社員に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (社員に対する通知の省略) 第三十四条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、一般社団法人は、当該社員に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の社員に対する一般社団法人の義務の履行を行う場所は、一般社団法人の住所地とする。 第三節 機関 第一款 社員総会 (社員総会の権限) 第三十五条 社員総会は、この法律に規定する事項及び一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 前二項の規定にかかわらず、社員総会は、社員に剰余金を分配する旨の決議をすることができない。 4 この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の招集) 第三十六条 定時社員総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 社員総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 社員総会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (社員による招集の請求) 第三十七条 総社員の議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を社員総会の日とする社員総会の招集の通知が発せられない場合 (社員総会の招集の決定) 第三十八条 理事(前条第二項の規定により社員が社員総会を招集する場合にあっては、当該社員。次条から第四十二条までにおいて同じ。)は、社員総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社員総会の日時及び場所 二 社員総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 社員総会に出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 理事会設置一般社団法人においては、前条第二項の規定により社員が社員総会を招集するときを除き、前項各号に掲げる事項の決定は、理事会の決議によらなければならない。 (社員総会の招集の通知) 第三十九条 社員総会を招集するには、理事は、社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。 ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日の二週間前までにその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合 3 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、社員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第四十条 前条の規定にかかわらず、社員総会は、社員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第三十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第四十一条 理事は、第三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「社員総会参考書類」という。)及び社員が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、これらの書類を当該社員に交付しなければならない。 第四十二条 理事は、第三十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、社員総会参考書類を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類の交付に代えて、当該社員総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、社員総会参考書類を当該社員に交付しなければならない。 3 理事は、第一項に規定する場合には、第三十九条第三項の承諾をした社員に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 理事は、第一項に規定する場合において、第三十九条第三項の承諾をしていない社員から社員総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社員に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (社員提案権) 第四十三条 社員は、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第四十四条 社員は、社員総会において、社員総会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第四十五条 社員は、理事に対し、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員総会の目的である事項につき当該社員が提出しようとする議案の要領を社員に通知すること(第三十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、当該請求をすることができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (社員総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第四十六条 一般社団法人又は総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、社員総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該社員総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般社団法人でない場合にあっては、当該一般社団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第四十七条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (電子提供措置をとる旨の定め) 第四十七条の二 一般社団法人は、理事が社員総会の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(第四十七条の四第三項において「社員総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により社員が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第三百一条第二項第四号の二及び第三百四十二条第十号の二において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 社員総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告 (電子提供措置) 第四十七条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の理事は、第三十九条第二項各号に掲げる場合には、社員総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(第四十七条の六第三号において「電子提供措置開始日」という。)から社員総会の日後三箇月を経過する日までの間(第四十七条の六において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第三十八条第一項各号に掲げる事項 二 第四十一条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第四十二条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類に記載すべき事項 四 第四十五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合において、理事が定時社員総会を招集するときは、第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告に記載され、又は記録された事項 六 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、理事が第三十九条第一項の通知に際して社員に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (社員総会の招集の通知等の特則) 第四十七条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第三十九条第一項の規定の適用については、同項中「社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日」とあるのは、「社員総会の日」とする。 2 第三十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第二項又は第三項の通知には、第三十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、電子提供措置をとっている旨その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。 3 第四十一条第一項、第四十二条第一項及び第百二十五条の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人においては、理事は、第三十九条第一項の通知に際して、社員に対し、社員総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人における第四十五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第四十七条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第四十七条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の社員(第三十九条第三項の承諾をした社員を除く。)は、一般社団法人に対し、第四十七条の三第一項各号に掲げる事項(次項において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 理事は、第四十七条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした社員に対し、当該社員総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 書面交付請求をした社員がある場合において、その書面交付請求の日(当該社員が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、一般社団法人は、当該社員に対し、前項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 4 前項の規定による通知及び催告を受けた社員がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該社員が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第四十七条の六 第四十七条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(社員が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第六号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき一般社団法人が善意でかつ重大な過失がないこと又は一般社団法人に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から社員総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 一般社団法人が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (議決権の数) 第四十八条 社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の決議) 第四十九条 社員総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる社員総会の決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第三十条第一項の社員総会 二 第七十条第一項の社員総会(監事を解任する場合に限る。) 三 第百十三条第一項の社員総会 四 第百四十六条の社員総会 五 第百四十七条の社員総会 六 第百四十八条第三号及び第百五十条の社員総会 七 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の社員総会 3 理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、第三十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第五十五条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第五十条 社員は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社員又は代理人は、代理権を証明する書面を一般社団法人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社員総会ごとにしなければならない。 3 第一項の社員又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社員又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 6 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 7 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第五十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を一般社団法人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 3 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその主たる事務所に備え置かなければならない。 4 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該一般社団法人に提供して行う。 2 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 4 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 5 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (理事等の説明義務) 第五十三条 理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、社員総会において、社員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が社員総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより社員の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第五十四条 社員総会の議長は、当該社員総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 社員総会の議長は、その命令に従わない者その他当該社員総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (社員総会に提出された資料等の調査) 第五十五条 社員総会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該社員総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第三十七条の規定により招集された社員総会においては、その決議によって、一般社団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第五十六条 社員総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第三十八条及び第三十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五十七条 社員総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、社員総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般社団法人は、社員総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社員総会の決議の省略) 第五十八条 理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。 2 一般社団法人は、前項の規定により社員総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時社員総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時社員総会が終結したものとみなす。 (社員総会への報告の省略) 第五十九条 理事が社員の全員に対して社員総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を社員総会に報告することを要しないことにつき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の社員総会への報告があったものとみなす。 第二款 社員総会以外の機関の設置 (社員総会以外の機関の設置) 第六十条 一般社団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。 2 一般社団法人は、定款の定めによって、理事会、監事又は会計監査人を置くことができる。 (監事の設置義務) 第六十一条 理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人は、監事を置かなければならない。 (会計監査人の設置義務) 第六十二条 大規模一般社団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第三款 役員等の選任及び解任 (選任) 第六十三条 役員(理事及び監事をいう。以下この款において同じ。)及び会計監査人は、社員総会の決議によって選任する。 2 前項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (一般社団法人と役員等との関係) 第六十四条 一般社団法人と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (役員の資格等) 第六十五条 次に掲げる者は、役員となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定に違反し、又は民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 監事は、一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。 3 理事会設置一般社団法人においては、理事は、三人以上でなければならない。 第六十五条の二 成年被後見人が役員に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が役員に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした役員の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (理事の任期) 第六十六条 理事の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 (監事の任期) 第六十七条 監事の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとすることを限度として短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期を退任した監事の任期の満了する時までとすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、監事の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (会計監査人の資格等) 第六十八条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを一般社団法人に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第百二十三条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 一般社団法人の子法人若しくはその理事若しくは監事から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第六十九条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時社員総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時社員総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (解任) 第七十条 役員及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、一般社団法人に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監事による会計監査人の解任) 第七十一条 監事は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監事が二人以上ある場合には、監事の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事の互選によって定めた監事)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される社員総会に報告しなければならない。 (監事の選任に関する監事の同意等) 第七十二条 理事は、監事がある場合において、監事の選任に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監事は、理事に対し、監事の選任を社員総会の目的とすること又は監事の選任に関する議案を社員総会に提出することを請求することができる。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第七十三条 監事設置一般社団法人においては、社員総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事が決定する。 2 監事が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監事が」とあるのは、「監事の過半数をもって」とする。 (監事等の選任等についての意見の陳述) 第七十四条 監事は、社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監事を辞任した者は、辞任後最初に招集される社員総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 理事は、前項の者に対し、同項の社員総会を招集する旨及び第三十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は会計監査人について、前二項の規定は会計監査人を辞任した者及び第七十一条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、社員総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第七十五条 役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監事は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第六十八条及び第七十一条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 第四款 理事 (業務の執行) 第七十六条 理事は、定款に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 理事が二人以上ある場合には、一般社団法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、理事は、次に掲げる事項についての決定を各理事に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 四 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 4 大規模一般社団法人においては、理事は、前項第三号に掲げる事項を決定しなければならない。 (一般社団法人の代表) 第七十七条 理事は、一般社団法人を代表する。 ただし、他に代表理事その他一般社団法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の理事が二人以上ある場合には、理事は、各自、一般社団法人を代表する。 3 一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって、理事の中から代表理事を定めることができる。 4 代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第七十八条 一般社団法人は、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表理事に欠員を生じた場合の措置) 第七十九条 代表理事が欠けた場合又は定款で定めた代表理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表理事は、新たに選定された代表理事(次項の一時代表理事の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表理事の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表理事の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事の職務を代行する者の権限) 第八十条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事又は代表理事の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った理事又は代表理事の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、一般社団法人は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第八十一条 第七十七条第四項の規定にかかわらず、一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、社員総会は、当該訴えについて一般社団法人を代表する者を定めることができる。 (表見代表理事) 第八十二条 一般社団法人は、代表理事以外の理事に理事長その他一般社団法人を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該理事がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第八十三条 理事は、法令及び定款並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第八十四条 理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 理事が自己又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 理事が自己又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。 三 一般社団法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において一般社団法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (理事の報告義務) 第八十五条 理事は、一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)に報告しなければならない。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第八十六条 一般社団法人の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、当該一般社団法人の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、一般社団法人の子法人の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、一般社団法人及び検査役の選任の申立てをした社員に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第八十七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第五項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (社員による理事の行為の差止め) 第八十八条 社員は、理事が一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 監事設置一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (理事の報酬等) 第八十九条 理事の報酬等(報酬、賞与その他の職務執行の対価として一般社団法人等から受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 第五款 理事会 (理事会の権限等) 第九十条 理事会は、すべての理事で組織する。 2 理事会は、次に掲げる職務を行う。 一 理事会設置一般社団法人の業務執行の決定 二 理事の職務の執行の監督 三 代表理事の選定及び解職 3 理事会は、理事の中から代表理事を選定しなければならない。 4 理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 六 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 5 大規模一般社団法人である理事会設置一般社団法人においては、理事会は、前項第五号に掲げる事項を決定しなければならない。 (理事会設置一般社団法人の理事の権限) 第九十一条 次に掲げる理事は、理事会設置一般社団法人の業務を執行する。 一 代表理事 二 代表理事以外の理事であって、理事会の決議によって理事会設置一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの 2 前項各号に掲げる理事は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 (競業及び理事会設置一般社団法人との取引等の制限) 第九十二条 理事会設置一般社団法人における第八十四条の規定の適用については、同条第一項中「社員総会」とあるのは、「理事会」とする。 2 理事会設置一般社団法人においては、第八十四条第一項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 (招集権者) 第九十三条 理事会は、各理事が招集する。 ただし、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その理事が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた理事(以下この項及び第百一条第二項において「招集権者」という。)以外の理事は、招集権者に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。 (招集手続) 第九十四条 理事会を招集する者は、理事会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、理事会は、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (理事会の決議) 第九十五条 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。 3 理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 理事会の決議に参加した理事であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (理事会の決議の省略) 第九十六条 理事会設置一般社団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第九十七条 理事会設置一般社団法人は、理事会の日(前条の規定により理事会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第九十五条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 債権者は、理事又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 4 裁判所は、前二項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該理事会設置一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、前二項の許可をすることができない。 (理事会への報告の省略) 第九十八条 理事、監事又は会計監査人が理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を理事会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第九十一条第二項の規定による報告については、適用しない。 第六款 監事 (監事の権限) 第九十九条 監事は、理事の職務の執行を監査する。 この場合において、監事は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、又は監事設置一般社団法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監事は、その職務を行うため必要があるときは、監事設置一般社団法人の子法人に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (理事への報告義務) 第百条 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)に報告しなければならない。 (理事会への出席義務等) 第百一条 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 監事は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事(第九十三条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。 (社員総会に対する報告義務) 第百二条 監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告しなければならない。 (監事による理事の行為の差止め) 第百三条 監事は、理事が監事設置一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監事設置一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の理事に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監事設置一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第百四条 第七十七条第四項及び第八十一条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が監事設置一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 2 第七十七条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 一 監事設置一般社団法人が第二百七十八条第一項の訴えの提起の請求(理事の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監事設置一般社団法人が第二百八十条第三項の訴訟告知(理事の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第二百八十一条第二項の規定による通知及び催告(理事の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 (監事の報酬等) 第百五条 監事の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 2 監事が二人以上ある場合において、各監事の報酬等について定款の定め又は社員総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監事の協議によって定める。 3 監事は、社員総会において、監事の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第百六条 監事がその職務の執行について監事設置一般社団法人に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監事設置一般社団法人は、当該請求に係る費用又は債務が当該監事の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七款 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第百七条 会計監査人は、次節の定めるところにより、一般社団法人の計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)及びその附属明細書を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は理事及び使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置一般社団法人の子法人に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置一般社団法人若しくはその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第六十八条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人である者 三 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 (監事に対する報告) 第百八条 会計監査人は、その職務を行うに際して理事の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監事に報告しなければならない。 2 監事は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 (定時社員総会における会計監査人の意見の陳述) 第百九条 第百七条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監事と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時社員総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時社員総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時社員総会に出席して意見を述べなければならない。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監事の関与) 第百十条 理事は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 第八款 役員等の損害賠償責任 (役員等の一般社団法人に対する損害賠償責任) 第百十一条 理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 理事が第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引によって理事又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって一般社団法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第八十四条第一項の理事 二 一般社団法人が当該取引をすることを決定した理事 三 当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事 (一般社団法人に対する損害賠償責任の免除) 第百十二条 前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第百十三条 前条の規定にかかわらず、役員等の第百十一条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額(第百十五条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、社員総会の決議によって免除することができる。 一 賠償の責任を負う額 二 当該役員等がその在職中に一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表理事 六 ロ 代表理事以外の理事であって、次に掲げるもの 四 (1) 理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの (2) 当該一般社団法人の業務を執行した理事((1)に掲げる理事を除く。) (3) 当該一般社団法人の使用人 ハ 理事(イ及びロに掲げるものを除く。)、監事又は会計監査人 二 2 前項の場合には、理事は、同項の社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監事設置一般社団法人においては、理事は、第百十一条第一項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 4 第一項の決議があった場合において、一般社団法人が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、社員総会の承認を受けなければならない。 (理事等による免除に関する定款の定め) 第百十四条 第百十二条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人(理事が二人以上ある場合に限る。)は、第百十一条第一項の責任について、役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として理事(当該責任を負う理事を除く。)の過半数の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(理事の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(理事の責任の免除に限る。)についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を理事会に提出する場合について準用する。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)を行ったときは、理事は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を社員に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、一般社団法人は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 5 前条第四項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第百十五条 第百十二条の規定にかかわらず、一般社団法人は、理事(業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人の業務を執行したその他の理事をいう。次項及び第百四十一条第三項において同じ。)又は当該一般社団法人の使用人でないものに限る。)、監事又は会計監査人(以下この条及び第三百一条第二項第十二号において「非業務執行理事等」という。)の第百十一条第一項の責任について、当該非業務執行理事等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ一般社団法人が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行理事等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行理事等が当該一般社団法人の業務執行理事又は使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第百十三条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する理事と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合について準用する。 4 第一項の契約を締結した一般社団法人が、当該契約の相手方である非業務執行理事等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第百十三条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第百十一条第一項の損害のうち、当該非業務執行理事等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第百十三条第四項の規定は、非業務執行理事等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (理事が自己のためにした取引に関する特則) 第百十六条 第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第百十一条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第百十七条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 理事 次に掲げる行為 イ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ロ 基金(第百三十一条に規定する基金をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第百二十八条第三項に規定する措置を含む。) 二 監事 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第百十八条 役員等が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第百十八条の二 一般社団法人が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該一般社団法人が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 一般社団法人は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該一般社団法人が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該一般社団法人に対して第百十一条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した一般社団法人が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該一般社団法人に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 理事会設置一般社団法人においては、補償契約に基づく補償をした理事及び当該補償を受けた理事は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 5 第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項及び第百十六条第一項の規定は、一般社団法人と理事との間の補償契約については、適用しない。 6 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第百十八条の三 一般社団法人が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 2 第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項の規定は、一般社団法人が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、理事を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第四節 計算 第一款 会計の原則 第百十九条 一般社団法人の会計は、その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第百二十条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第百二十一条 総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該一般社団法人の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (会計帳簿の提出命令) 第百二十二条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第百二十三条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この款において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 一般社団法人は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第百二十四条 監事設置一般社団法人においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監事 3 理事会設置一般社団法人においては、第一項又は前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の社員への提供) 第百二十五条 理事会設置一般社団法人においては、理事は、定時社員総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告並びに監査報告(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時社員総会への提出等) 第百二十六条 次の各号に掲げる一般社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時社員総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 理事会設置一般社団法人 第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の一般社団法人 第百二十三条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時社員総会の承認を受けなければならない。 3 理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置一般社団法人の特則) 第百二十七条 会計監査人設置一般社団法人については、第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い一般社団法人の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、理事は、当該計算書類の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の公告) 第百二十八条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大規模一般社団法人にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第三百三十一条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である一般社団法人は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第百二十九条 一般社団法人は、計算書類等(各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第百二十四条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 2 一般社団法人は、計算書類等の写しを、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該一般社団法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって一般社団法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (計算書類等の提出命令) 第百三十条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第五節 基金 第一款 基金を引き受ける者の募集 (基金を引き受ける者の募集等に関する定款の定め) 第百三十一条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。次条から第百三十四条まで(第百三十三条第一項第一号を除く。)及び第百三十六条第一号において同じ。)は、基金(この款の規定により一般社団法人に拠出された金銭その他の財産であって、当該一般社団法人が拠出者に対してこの法律及び当該一般社団法人と当該拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務(金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価額に相当する金銭の返還義務)を負うものをいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定款で定めなければならない。 一 基金の拠出者の権利に関する規定 二 基金の返還の手続 (募集事項の決定) 第百三十二条 一般社団法人は、前条の募集をしようとするときは、その都度、次に掲げる事項(以下この款において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集に係る基金の総額 二 金銭以外の財産を拠出の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及びその価額 三 基金の拠出に係る金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 2 設立時社員は、募集事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (基金の申込み) 第百三十三条 一般社団法人は、第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 一般社団法人の名称 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を一般社団法人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする基金の額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 一般社団法人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 5 一般社団法人が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (基金の割当て) 第百三十四条 一般社団法人は、申込者の中から基金の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる基金の額を定めなければならない。 この場合において、一般社団法人は、当該申込者に割り当てる基金の額を、前条第二項第二号の額よりも減額することができる。 2 一般社団法人は、第百三十二条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる基金の額を通知しなければならない。 (基金の申込み及び割当てに関する特則) 第百三十五条 前二条の規定は、基金を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (基金の引受け) 第百三十六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める基金の額について基金の引受人となる。 一 申込者 一般社団法人の割り当てた基金の額 二 前条の契約により基金の総額を引き受けた者 その者が引き受けた基金の額 (金銭以外の財産の拠出) 第百三十七条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。第六項において同じ。)は、第百三十二条第一項第二号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下「現物拠出財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。第十項第二号において同じ。)は、前項の決定により現物拠出財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その基金の引受けの申込み又は第百三十五条の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物拠出財産の価額 二 現物拠出財産のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物拠出財産の価額 三 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物拠出財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物拠出財産の価額 四 現物拠出財産が一般社団法人に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物拠出財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 理事、監事又は使用人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員、設立時理事又は設立時監事) 二 基金の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの (基金の拠出の履行) 第百三十八条 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者を除く。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。第二百四十八条第五項において同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。第百五十七条第二項において同じ。)の払込みの取扱いの場所において、それぞれの基金の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、それぞれの基金の払込金額に相当する現物拠出財産を給付しなければならない。 ただし、一般社団法人の成立前に給付すべき場合において、設立時社員全員の同意があるときは、登記、登録その他の権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般社団法人の成立後にすることを妨げない。 3 基金の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「拠出の履行」という。)をする債務と一般社団法人に対する債権とを相殺することができない。 4 基金の引受人が拠出の履行をしないときは、基金の引受けは、その効力を失う。 (基金の拠出者となる時期) 第百三十九条 基金の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 一 第百三十二条第一項第三号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百三十二条第一項第三号の期間を定めた場合 拠出の履行をした日 2 前項の規定にかかわらず、一般社団法人の成立前に基金を引き受ける者の募集をした場合には、一般社団法人の成立の時に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第百四十条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、基金の引受けの申込み及び割当て並びに第百三十五条の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 基金の引受人は、前条の規定により基金の拠出者となった日から一年を経過した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として基金の引受けの取消しをすることができない。 第二款 基金の返還 (基金の返還) 第百四十一条 基金の返還は、定時社員総会の決議によって行わなければならない。 2 一般社団法人は、ある事業年度に係る貸借対照表上の純資産額が次に掲げる金額の合計額を超える場合においては、当該事業年度の次の事業年度に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り、当該超過額を返還の総額の限度として基金の返還をすることができる。 一 基金(第百四十四条第一項の代替基金を含む。)の総額 二 法務省令で定めるところにより資産につき時価を基準として評価を行っている場合において、その時価の総額がその取得価額の総額を超えるときは、時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額 3 前項の規定に違反して一般社団法人が基金の返還をした場合には、当該返還を受けた者及び当該返還に関する職務を行った業務執行者(業務執行理事その他当該業務執行理事の行う業務の執行に職務上関与した者をいう。次項及び第五項において同じ。)は、当該一般社団法人に対し、連帯して、違法に返還された額を弁済する責任を負う。 4 前項の規定にかかわらず、業務執行者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の責任を負わない。 5 第三項の業務執行者の責任は、免除することができない。 ただし、第二項の超過額を限度として当該責任を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 6 第二項の規定に違反して基金の返還がされた場合においては、一般社団法人の債権者は、当該返還を受けた者に対し、当該返還の額を当該一般社団法人に対して返還することを請求することができる。 (基金の返還に係る債権の取得の禁止) 第百四十二条 一般社団法人は、次に掲げる場合に限り、自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得することができる。 一 合併又は他の法人の事業の全部の譲受けによる場合 二 一般社団法人の権利の実行に当たり、その目的を達成するために必要な場合 三 無償で取得する場合 2 一般社団法人が前項第一号又は第二号に掲げる場合に同項の債権を取得したときは、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は消滅しない。 この場合においては、一般社団法人は、当該債権を相当の時期に他に譲渡しなければならない。 (基金利息の禁止) 第百四十三条 基金の返還に係る債権には、利息を付することができない。 (代替基金) 第百四十四条 基金の返還をする場合には、返還をする基金に相当する金額を代替基金として計上しなければならない。 2 前項の代替基金は、取り崩すことができない。 3 合併により消滅する一般社団法人が代替基金を計上している場合において、合併後存続する一般社団法人又は合併により設立する一般社団法人が当該合併に際して代替基金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (破産法の適用の特例) 第百四十五条 一般社団法人が破産手続開始の決定を受けた場合においては、基金の返還に係る債権は、破産法第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権に後れる。 第六節 定款の変更 第百四十六条 一般社団法人は、その成立後、社員総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七節 事業の譲渡 第百四十七条 一般社団法人が事業の全部の譲渡をするには、社員総会の決議によらなければならない。 第八節 解散 (解散の事由) 第百四十八条 一般社団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 社員総会の決議 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該一般社団法人が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 (休眠一般社団法人のみなし解散) 第百四十九条 休眠一般社団法人(一般社団法人であって、当該一般社団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般社団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般社団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般社団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般社団法人の継続) 第百五十条 一般社団法人は、第百四十八条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、第四章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、社員総会の決議によって、一般社団法人を継続することができる。 (解散した一般社団法人の合併の制限) 第百五十一条 一般社団法人が解散した場合には、当該一般社団法人は、当該一般社団法人が合併後存続する一般社団法人となる合併をすることができない。 第三章 一般財団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第百五十二条 一般財団法人を設立するには、設立者(設立者が二人以上あるときは、その全員)が定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 設立者は、遺言で、次条第一項各号に掲げる事項及び第百五十四条に規定する事項を定めて一般財団法人を設立する意思を表示することができる。 この場合においては、遺言執行者は、当該遺言の効力が生じた後、遅滞なく、当該遺言で定めた事項を記載した定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第十条第二項の規定は、前二項の定款について準用する。 (定款の記載又は記録事項) 第百五十三条 一般財団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立者の氏名又は名称及び住所 五 設立に際して設立者(設立者が二人以上あるときは、各設立者)が拠出をする財産及びその価額 六 設立時評議員(一般財団法人の設立に際して評議員となる者をいう。以下同じ。)、設立時理事(一般財団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項において同じ。)及び設立時監事(一般財団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この節、第二百五十四条第七号及び同項において同じ。)の選任に関する事項 七 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人(会計監査人を置く一般財団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般財団法人をいう。以下同じ。)であるときは、設立時会計監査人(一般財団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項第六号において同じ。)の選任に関する事項 八 評議員の選任及び解任の方法 九 公告方法 十 事業年度 2 前項第五号の財産の価額の合計額は、三百万円を下回ってはならない。 3 次に掲げる定款の定めは、その効力を有しない。 一 第一項第八号の方法として、理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任する旨の定款の定め 二 設立者に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定め 第百五十四条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般財団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第百五十五条 第百五十二条第一項及び第二項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第百五十六条 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)は、定款を設立者が定めた場所(一般財団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、その評議員及び債権者)は、設立者が定めた時間(一般財団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般財団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 財産の拠出 (財産の拠出の履行) 第百五十七条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、遺言執行者。以下この条、第百六十一条第二項、第百六十六条から第百六十八条まで、第二百条第二項、第三百十九条第三項及び第七章において同じ。)は、第百五十五条の公証人の認証の後遅滞なく、第百五十三条第一項第五号に規定する拠出に係る金銭の全額を払い込み、又は同号に規定する拠出に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、設立者が定めたとき(設立者が二人以上あるときは、その全員の同意があるとき)は、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般財団法人の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、設立者が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (贈与又は遺贈に関する規定の準用) 第百五十八条 生前の処分で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の贈与に関する規定を準用する。 2 遺言で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の遺贈に関する規定を準用する。 第三款 設立時評議員等の選任 第百五十九条 定款で設立時評議員、設立時理事又は設立時監事を定めなかったときは、第百五十七条第一項の規定による払込み又は給付(以下「財産の拠出の履行」という。)が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、これらの者を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人である場合において、定款で設立時会計監査人を定めなかったときは、財産の拠出の履行が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、設立時会計監査人を選任しなければならない。 第百六十条 設立時評議員及び設立時理事は、それぞれ三人以上でなければならない。 2 第百七十三条第一項において準用する第六十五条第一項の規定又は第百七十七条において準用する第六十五条第一項若しくは第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般財団法人の評議員、理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時評議員、設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時評議員、設立時理事及び設立時監事について準用する。 第四款 設立時理事等による調査 第百六十一条 設立時理事及び設立時監事は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 財産の拠出の履行が完了していること。 二 前号に掲げる事項のほか、一般財団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時理事及び設立時監事は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立者にその旨を通知しなければならない。 第五款 設立時代表理事の選定等 第百六十二条 設立時理事は、設立時理事の中から一般財団法人の設立に際して代表理事(一般財団法人を代表する理事をいう。第三百二条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十九条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般財団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第六款 一般財団法人の成立 (一般財団法人の成立) 第百六十三条 一般財団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (財産の帰属時期) 第百六十四条 生前の処分で財産の拠出をしたときは、当該財産は、一般財団法人の成立の時から当該一般財団法人に帰属する。 2 遺言で財産の拠出をしたときは、当該財産は、遺言が効力を生じた時から一般財団法人に帰属したものとみなす。 (財産の拠出の取消しの制限) 第百六十五条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、その相続人)は、一般財団法人の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として財産の拠出の取消しをすることができない。 第七款 設立者等の責任 (設立者等の損害賠償責任) 第百六十六条 設立者、設立時理事又は設立時監事は、一般財団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般財団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立者、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立者、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立者等の連帯責任) 第百六十七条 設立者、設立時理事又は設立時監事が一般財団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立者、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第百六十八条 第百六十六条第一項の規定により設立者、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総評議員の同意がなければ、免除することができない。 (一般財団法人不成立の場合の責任) 第百六十九条 一般財団法人が成立しなかったときは、第百五十二条第一項の設立者は、連帯して、一般財団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般財団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 機関 第一款 機関の設置 (機関の設置) 第百七十条 一般財団法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。 2 一般財団法人は、定款の定めによって、会計監査人を置くことができる。 (会計監査人の設置義務) 第百七十一条 大規模一般財団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第二款 評議員等の選任及び解任 (一般財団法人と評議員等との関係) 第百七十二条 一般財団法人と評議員、理事、監事及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 理事は、一般財団法人の財産のうち一般財団法人の目的である事業を行うために不可欠なものとして定款で定めた基本財産があるときは、定款で定めるところにより、これを維持しなければならず、かつ、これについて一般財団法人の目的である事業を行うことを妨げることとなる処分をしてはならない。 (評議員の資格等) 第百七十三条 第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は、評議員について準用する。 2 評議員は、一般財団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人を兼ねることができない。 3 評議員は、三人以上でなければならない。 (評議員の任期) 第百七十四条 評議員の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後六年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで伸長することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期を退任した評議員の任期の満了する時までとすることを妨げない。 (評議員に欠員を生じた場合の措置) 第百七十五条 この法律又は定款で定めた評議員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した評議員は、新たに選任された評議員(次項の一時評議員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお評議員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時評議員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時評議員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般財団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事、監事又は会計監査人の解任) 第百七十六条 理事又は監事が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その理事又は監事を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 会計監査人が第七十一条第一項各号のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その会計監査人を解任することができる。 (一般社団法人に関する規定の準用) 第百七十七条 前章第三節第三款(第六十四条、第六十七条第三項及び第七十条を除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人の選任及び解任について準用する。 この場合において、これらの規定(第六十六条ただし書を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第六十六条ただし書中「定款又は社員総会の決議によって」とあるのは「定款によって」と、第六十八条第三項第一号中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、第七十四条第三項中「第三十八条第一項第一号」とあるのは「第百八十一条第一項第一号」と読み替えるものとする。 第三款 評議員及び評議員会 (評議員会の権限等) 第百七十八条 評議員会は、すべての評議員で組織する。 2 評議員会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (評議員会の招集) 第百七十九条 定時評議員会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 評議員会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 評議員会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (評議員による招集の請求) 第百八十条 評議員は、理事に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした評議員は、裁判所の許可を得て、評議員会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を評議員会の日とする評議員会の招集の通知が発せられない場合 (評議員会の招集の決定) 第百八十一条 評議員会を招集する場合には、理事会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 評議員会の日時及び場所 二 評議員会の目的である事項があるときは、当該事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合には、当該評議員は、前項各号に掲げる事項を定めなければならない。 (評議員会の招集の通知) 第百八十二条 評議員会を招集するには、理事(第百八十条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合にあっては、当該評議員。次項において同じ。)は、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面でその通知を発しなければならない。 2 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第百八十三条 前条の規定にかかわらず、評議員会は、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (評議員提案権) 第百八十四条 評議員は、理事に対し、一定の事項を評議員会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第百八十五条 評議員は、評議員会において、評議員会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第百八十六条 評議員は、理事に対し、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員会の目的である事項につき当該評議員が提出しようとする議案の要領を第百八十二条第一項又は第二項の通知に記載し、又は記録して評議員に通知することを請求することができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (評議員会の招集手続等に関する検査役の選任) 第百八十七条 一般財団法人又は評議員は、評議員会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該評議員会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般財団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般財団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般財団法人でない場合にあっては、当該一般財団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による評議員会招集等の決定) 第百八十八条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に評議員会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を評議員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の評議員会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事及び監事は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の評議員会に報告しなければならない。 (評議員会の決議) 第百八十九条 評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百七十六条第一項の評議員会(監事を解任する場合に限る。) 二 第百九十八条において準用する第百十三条第一項の評議員会 三 第二百条の評議員会 四 第二百一条の評議員会 五 第二百四条の評議員会 六 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の評議員会 3 前二項の決議について特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができない。 4 評議員会は、第百八十一条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第百九十一条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九十七条において準用する第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (理事等の説明義務) 第百九十条 理事及び監事は、評議員会において、評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が評議員会の目的である事項に関しないものである場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (評議員会に提出された資料等の調査) 第百九十一条 評議員会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該評議員会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第百八十条の規定により招集された評議員会においては、その決議によって、一般財団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第百九十二条 評議員会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八十一条及び第百八十二条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百九十三条 評議員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般財団法人は、評議員会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般財団法人は、評議員会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (評議員会の決議の省略) 第百九十四条 理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき評議員(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。 2 一般財団法人は、前項の規定により評議員会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時評議員会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時評議員会が終結したものとみなす。 (評議員会への報告の省略) 第百九十五条 理事が評議員の全員に対して評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を評議員会に報告することを要しないことにつき評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の評議員会への報告があったものとみなす。 (評議員の報酬等) 第百九十六条 評議員の報酬等の額は、定款で定めなければならない。 第四款 理事、理事会、監事及び会計監査人 第百九十七条 前章第三節第四款(第七十六条、第七十七条第一項から第三項まで、第八十一条及び第八十八条第二項を除く。)、第五款(第九十二条第一項を除く。)、第六款(第百四条第二項を除く。)及び第七款の規定は、一般財団法人の理事、理事会、監事及び会計監査人について準用する。 この場合において、これらの規定(第八十三条及び第八十四条第一項を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第八十三条中「定款並びに社員総会の決議」とあるのは「定款」と、第八十四条第一項中「社員総会」とあるのは「理事会」と、第八十五条中「社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)」とあるのは「監事」と、第八十六条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、並びに同条第七項、第八十七条第一項第二号及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「評議員」と、同項中「著しい損害」とあるのは「回復することができない損害」と、第九十条第四項第六号中「第百十四条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十四条第一項」と、「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、第九十七条第二項中「社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て」とあるのは「評議員は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも」と、同条第四項中「前二項の請求」とあるのは「前項の請求」と、「前二項の許可」とあるのは「同項の許可」と、第百四条第一項中「第七十七条第四項及び第八十一条」とあるのは「第七十七条第四項」と、第百七条第一項中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、「第百十七条第二項第一号イ」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十七条第二項第一号イ」と、同条第五項第一号中「第六十八条第三項第一号」とあるのは「第百七十七条において準用する第六十八条第三項第一号」と読み替えるものとする。 第五款 役員等の損害賠償責任 第百九十八条 前章第三節第八款(第百十七条第二項第一号ロを除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人並びに評議員の損害賠償責任について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百十一条第一項中「理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)」とあるのは「理事、監事若しくは会計監査人(以下この款及び第三百二条第二項第九号において「役員等」という。)又は評議員」と、同条第二項中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、同条第三項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、同項第一号中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、第百十二条中「総社員」とあるのは「総評議員」と、第百十四条第二項中「についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案」とあるのは「に関する議案」と、同条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、同条第四項中「総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項」とあるのは「総評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の評議員が前項」と、第百十五条第一項中「第三百一条第二項第十二号」とあるのは「第三百二条第二項第十号」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、第百十七条第一項及び第百十八条中「役員等」とあるのは「役員等又は評議員」と、第百十七条第二項第一号ニ中「第百二十八条第三項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十八条第三項」と読み替えるものとする。 第六款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 第百九十八条の二 前章第三節第九款の規定は、一般財団法人について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)」とあるのは「理事会」と、第百十八条の二第一項中「役員等に」とあるのは「理事、監事又は会計監査人(以下この款において「役員等」という。)に」と、同条第二項第二号中「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、同条第四項中「理事会設置一般社団法人」とあるのは「一般財団法人」と、同条第五項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項」とあり、及び第百十八条の三第二項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項及び第九十二条第二項並びに第百九十八条において準用する第百十一条第三項」と読み替えるものとする。 第三節 計算 第百九十九条 前章第四節(第百二十一条第一項後段及び第二項並びに第百二十六条第一項第一号、第二号及び第四号を除く。)の規定は、一般財団法人の計算について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百二十一条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、及び第百二十九条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、第百二十五条中「社員に」とあるのは「評議員に」と、第百二十九条第一項及び第二項中「第五十八条第一項」とあるのは「第百九十四条第一項」と、同条第三項ただし書中「第二号」とあるのは「債権者が第二号」と読み替えるものとする。 第四節 定款の変更 第二百条 一般財団法人は、その成立後、評議員会の決議によって、定款を変更することができる。 ただし、第百五十三条第一項第一号及び第八号に掲げる事項に係る定款の定めについては、この限りでない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、設立者が同項ただし書に規定する定款の定めを評議員会の決議によって変更することができる旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたときは、評議員会の決議によって、前項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 3 一般財団法人は、その設立の当時予見することのできなかった特別の事情により、第一項ただし書に規定する定款の定めを変更しなければその運営の継続が不可能又は著しく困難となるに至ったときは、裁判所の許可を得て、評議員会の決議によって、同項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 第五節 事業の譲渡 第二百一条 一般財団法人が事業の全部の譲渡をするには、評議員会の決議によらなければならない。 第六節 解散 (解散の事由) 第二百二条 一般財団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 基本財産の滅失その他の事由による一般財団法人の目的である事業の成功の不能 四 合併(合併により当該一般財団法人が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 2 一般財団法人は、前項各号に掲げる事由のほか、ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 3 新設合併により設立する一般財団法人は、前項に規定する場合のほか、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表及びその成立の日の属する事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 (休眠一般財団法人のみなし解散) 第二百三条 休眠一般財団法人(一般財団法人であって、当該一般財団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般財団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般財団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般財団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般財団法人の継続) 第二百四条 一般財団法人は、次に掲げる場合には、次章の規定による清算が結了するまで(第二号に掲げる場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、評議員会の決議によって、一般財団法人を継続することができる。 一 第二百二条第二項又は第三項の規定による解散後、清算事務年度(第二百二十七条第一項に規定する清算事務年度をいう。)に係る貸借対照表上の純資産額が三百万円以上となった場合 二 前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合 (解散した一般財団法人の合併の制限) 第二百五条 一般財団法人が解散した場合には、当該一般財団法人は、当該一般財団法人が合併後存続する一般財団法人となる合併をすることができない。 第四章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第二百六条 一般社団法人又は一般財団法人は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第百四十八条第五号又は第二百二条第一項第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算法人の能力) 第二百七条 前条の規定により清算をする一般社団法人又は一般財団法人(以下「清算法人」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算法人の機関 第一款 清算法人における機関の設置 第二百八条 清算法人には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算法人は、定款の定めによって、清算人会又は監事を置くことができる。 3 第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった時において大規模一般社団法人又は大規模一般財団法人であった清算法人は、監事を置かなければならない。 4 第二章第三節第二款及び前章第二節第一款(評議員及び評議員会に係る部分を除く。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第二款 清算人の就任及び解任並びに監事の退任等 (清算人の就任) 第二百九条 次に掲げる者は、清算法人の清算人となる。 一 理事(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員総会又は評議員会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第百四十八条第七号又は第二百二条第一項第六号に掲げる事由によって解散した清算法人については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第二百六条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算法人については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第六十四条、第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は清算人について、第六十五条第三項の規定は清算人会設置法人(清算人会を置く清算法人をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「理事は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第二百十条 清算一般社団法人(一般社団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 清算一般財団法人(一般財団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その清算人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 4 第七十五条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監事の退任等) 第二百十一条 清算法人の監事は、当該清算法人が監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 2 次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める清算法人については、適用しない。 一 第六十七条(第百七十七条において準用する場合を含む。) 清算法人 二 第百七十四条 清算一般財団法人 第三款 清算人の職務等 (清算人の職務) 第二百十二条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の引渡し (業務の執行) 第二百十三条 清算人は、清算法人(清算人会設置法人を除く。次項において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 第百八十一条第一項各号に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第八十一条から第八十五条まで、第八十八条及び第八十九条の規定は、清算人(同条の規定については、第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第八十一条中「第七十七条第四項」とあるのは「第二百十四条第七項において準用する第七十七条第四項」と、同条、第八十四条第一項及び第八十九条中「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、第八十二条中「代表理事」とあるのは「代表清算人(第二百十四条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第八十三条中「並びに社員総会の決議」とあるのは「(清算一般社団法人にあっては、法令及び定款並びに社員総会の決議)」と、第八十五条及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「社員又は評議員」と、第八十五条及び第八十八条第二項中「監事設置一般社団法人」とあるのは「監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)」と読み替えるものとする。 (清算法人の代表) 第二百十四条 清算人は、清算法人を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算法人を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算法人を代表する。 3 清算法人(清算人会設置法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は社員総会若しくは評議員会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第二百九条第一項第一号の規定により理事が清算人となる場合において、代表理事(一般社団法人等を代表する理事をいう。以下この項、第二百六十一条第一項第三号、第二百八十九条第二号、第二百九十三条第一号、第三百五条、第三百十五条第一項第二号イ及び第三百二十条第一項において同じ。)を定めていたときは、当該代表理事が代表清算人となる。 5 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 前条第四項において準用する第八十一条の規定、次項において準用する第七十七条第四項の規定及び第二百二十条第八項の規定にかかわらず、監事設置清算法人(監事を置く清算法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない清算法人をいう。以下同じ。)が清算人(清算人であった者を含む。以下この項において同じ。)に対し、又は清算人が監事設置清算法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置清算法人を代表する。 7 第七十七条第四項及び第五項並びに第七十九条の規定は代表清算人について、第八十条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算法人についての破産手続の開始) 第二百十五条 清算法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算法人が既に債権者に支払い、又は残余財産の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第二百十六条 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算法人に対する損害賠償責任) 第二百十七条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって清算法人に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の清算人 二 清算法人が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第百十二条及び第百十六条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、第百十二条中「総社員」とあるのは「総社員又は総評議員」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第二百十八条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 第二百二十五条第一項に規定する財産目録等並びに第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 四 基金を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 (清算人等の連帯責任) 第二百十九条 清算人、監事又は評議員が清算法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人、監事又は評議員も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第百十八条(第百九十八条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 第四款 清算人会 (清算人会の権限等) 第二百二十条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置法人の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第二百十四条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第二百十四条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置法人の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置法人の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十一条に規定する場合には、清算人会は、同条の規定による社員総会又は評議員会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて清算人会設置法人を代表する者を定めることができる。 9 第七項各号に掲げる清算人は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を清算人会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 10 第九十二条の規定は、清算人会設置法人について準用する。 この場合において、同条第一項中「第八十四条」とあるのは「第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十四条」と、「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、「「理事会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第八十四条第一項各号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項各号」と、「理事は」とあるのは「清算人は」と、「理事会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第二百二十一条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項及び次条第二項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第九十四条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の招集について準用する。 この場合において、同条第一項中「各理事及び各監事」とあるのは「各清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。次項において同じ。)にあっては、各清算人及び各監事)」と、同条第二項中「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人にあっては、清算人及び監事)」と読み替えるものとする。 5 第九十五条及び第九十六条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第九十五条第一項中「理事の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「理事」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「理事(」とあるのは「清算人(」と、「代表理事」とあるのは「代表清算人」と、同条第五項中「理事であって」とあるのは「清算人であって」と、第九十六条中「理事が」とあるのは「清算人が」と、「理事(」とあるのは「清算人(」と読み替えるものとする。 6 第九十八条の規定は、清算人会設置法人における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「理事、監事又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監事」と、「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)にあっては、清算人及び監事)」と、同条第二項中「第九十一条第二項」とあるのは「第二百二十条第九項」と読み替えるものとする。 (社員又は評議員による招集の請求) 第二百二十二条 清算人会設置法人(監事設置清算法人を除く。)の社員又は評議員は、清算人が清算人会設置法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、清算人会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、清算人(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、清算人会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った社員又は評議員は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した清算人会に出席し、意見を述べることができる。 (議事録等) 第二百二十三条 清算人会設置法人は、清算人会の日(第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の規定により清算人会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、同項において準用する第九十五条第三項の議事録又は第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員又は評議員は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員については、その権利を行使するため必要があるときに限る。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監事設置清算法人である清算一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「清算法人の業務時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 債権者は、清算人又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 裁判所は、第三項の規定により読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は前項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該清算人会設置法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の規定により読み替えて適用する第二項の許可又は前項の許可をすることができない。 第五款 理事等に関する規定の適用 第二百二十四条 清算法人については、第六十五条第二項、第七十二条及び第七十四条第三項(これらの規定を第百七十七条において準用する場合を含む。)並びに第八十七条及び第二章第三節第六款(第百四条第一項を除き、これらの規定を第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会設置法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会設置法人に適用があるものとする。 2 清算一般社団法人については、第二章第三節第一款及び第百三十七条第十項の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に適用があるものとする。 3 清算一般財団法人については、第百五十三条第三項第一号、第百七十三条第二項及び前章第二節第三款の規定中理事又は理事会に関する規定は、それぞれ清算人又は清算人会に関する規定として清算人又は清算人会に適用があるものとする。 この場合において、第百八十一条第一項中「理事会の決議によって」とあるのは「清算人は」と、「定めなければならない」とあるのは「定めなければならない。ただし、清算人会を置く清算一般財団法人(第二百十条第二項に規定する清算一般財団法人をいう。)においては、当該事項の決定は、清算人会の決議によらなければならない」とする。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第二百二十五条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算法人の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算法人は、財産目録等を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第二百二十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第二百二十七条 清算法人は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算法人は、第一項の貸借対照表を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第二百二十八条 監事設置清算法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第二百二十九条 次の各号に掲げる清算法人は、第二百二十七条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、当該各号に定める日からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 一 清算一般社団法人 定時社員総会の日の一週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 清算一般財団法人 定時評議員会の日の一週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 2 社員、評議員及び債権者は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (貸借対照表等の提出等) 第二百三十条 次の各号に掲げる清算法人においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時社員総会又は定時評議員会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置清算法人(清算人会設置法人を除く。) 第二百二十八条第一項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置法人 第二百二十八条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算法人 第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時社員総会又は定時評議員会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時社員総会又は定時評議員会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第二百三十一条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第二百二十七条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (適用除外) 第二百三十二条 第二章第四節第三款(第百二十三条第四項、第百二十八条第三項、第百二十九条及び第百三十条を除き、第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第二百三十三条 清算法人は、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算法人の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十四条 清算法人は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算法人は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算法人は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算法人の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第二百三十五条 清算法人は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算法人は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (基金の返還の制限) 第二百三十六条 基金の返還に係る債務の弁済は、その余の清算一般社団法人の債務の弁済がされた後でなければ、することができない。 (債務の弁済前における残余財産の引渡しの制限) 第二百三十七条 清算法人は、当該清算法人の債務を弁済した後でなければ、その財産の引渡しをすることができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第二百三十八条 清算法人の債権者(知れている債権者を除く。)であって第二百三十三条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、引渡しがされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 第五節 残余財産の帰属 第二百三十九条 残余財産の帰属は、定款で定めるところによる。 2 前項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、その帰属は、清算法人の社員総会又は評議員会の決議によって定める。 3 前二項の規定により帰属が定まらない残余財産は、国庫に帰属する。 第六節 清算事務の終了等 (清算事務の終了等) 第二百四十条 清算法人は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 (帳簿資料の保存) 第二百四十一条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算法人の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 第五章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第二百四十二条 一般社団法人又は一般財団法人は、他の一般社団法人又は一般財団法人と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする法人は、合併契約を締結しなければならない。 (合併の制限) 第二百四十三条 次の各号に掲げる場合には、合併後存続する一般社団法人若しくは一般財団法人又は合併により設立する一般社団法人若しくは一般財団法人は、それぞれ当該各号に定める種類の法人でなければならない。 一 合併をする法人が一般社団法人のみである場合 一般社団法人 二 合併をする法人が一般財団法人のみである場合 一般財団法人 2 前項各号に掲げる場合以外の場合において、合併をする一般社団法人が合併契約の締結の日までに基金の全額を返還していないときは、合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、一般社団法人でなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 吸収合併契約等 (吸収合併契約) 第二百四十四条 一般社団法人又は一般財団法人が吸収合併をする場合には、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収合併後存続する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併存続法人」という。)及び吸収合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) (吸収合併の効力の発生等) 第二百四十五条 吸収合併存続法人は、効力発生日に、吸収合併消滅法人の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅法人の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前二項の規定は、第二百四十八条若しくは第二百五十二条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 吸収合併消滅法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百四十六条 吸収合併消滅法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百四十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百四十七条 吸収合併消滅法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百四十八条 吸収合併消滅法人の債権者は、吸収合併消滅法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併存続法人の名称及び住所 三 吸収合併消滅法人及び吸収合併存続法人の計算書類(第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類をいう。以下同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併の効力発生日の変更) 第二百四十九条 吸収合併消滅法人は、吸収合併存続法人との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、吸収合併消滅法人は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、第二百四十五条及びこの款の規定を適用する。 第三款 吸収合併存続法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十条 吸収合併存続法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十二条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百五十一条 吸収合併存続法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 2 吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の債務の額として法務省令で定める額が吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の資産の額として法務省令で定める額を超える場合には、理事は、前項の社員総会又は評議員会において、その旨を説明しなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十二条 吸収合併存続法人の債権者は、吸収合併存続法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併存続法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併消滅法人の名称及び住所 三 吸収合併存続法人及び吸収合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併存続法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併存続法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十三条 吸収合併存続法人は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続法人が承継した吸収合併消滅法人の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収合併存続法人は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第三節 新設合併 第一款 新設合併契約等 (新設合併契約) 第二百五十四条 二以上の一般社団法人又は一般財団法人が新設合併をする場合には、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 新設合併により設立する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併設立法人」という。)の目的、名称及び主たる事務所の所在地 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立法人の定款で定める事項 四 新設合併設立法人の設立に際して理事となる者の氏名 五 新設合併設立法人が会計監査人設置一般社団法人又は会計監査人設置一般財団法人であるときは、その設立に際して会計監査人となる者の氏名又は名称 六 新設合併設立法人が監事設置一般社団法人であるときは、設立時監事の氏名 七 新設合併設立法人が一般財団法人であるときは、設立時評議員及び設立時監事の氏名 (新設合併の効力の発生) 第二百五十五条 新設合併設立法人は、その成立の日に、新設合併消滅法人の権利義務を承継する。 第二款 新設合併消滅法人の手続 (新設合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十六条 新設合併消滅法人は、新設合併契約備置開始日から新設合併設立法人の成立の日までの間、新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「新設合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 新設合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約の承認) 第二百五十七条 新設合併消滅法人は、社員総会又は評議員会の決議によって、新設合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十八条 新設合併消滅法人の債権者は、新設合併消滅法人に対し、新設合併について異議を述べることができる。 2 新設合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併をする旨 二 他の新設合併消滅法人及び新設合併設立法人の名称及び住所 三 新設合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、新設合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、新設合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 第三款 新設合併設立法人の手続 (設立の特則) 第二百五十九条 第二章第一節(第十一条(第一項第四号を除く。)、第十二条、第十四条、第十六条、第四款及び第五款を除く。)の規定は、一般社団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 2 第三章第一節(第百五十三条第一項第一号から第三号まで及び第八号から第十号まで並びに第三項、第百五十四条、第百五十六条、第百六十条、第五款並びに第百六十三条を除く。)の規定は、一般財団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 3 新設合併設立法人の定款は、新設合併消滅法人が作成する。 (新設合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百六十条 新設合併設立法人は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立法人が承継した新設合併消滅法人の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設合併設立法人は、その成立の日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 新設合併設立法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併設立法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六章 雑則 第一節 解散命令 (解散命令) 第二百六十一条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため一般社団法人等の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、一般社団法人等の解散を命ずることができる。 一 一般社団法人等の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 一般社団法人等が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人等の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人等の業務を執行したその他の理事をいう。)が、法令若しくは定款で定める一般社団法人等の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反復して当該行為をしたとき。 2 社員、評議員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、一般社団法人等の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 一般社団法人等は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分) 第二百六十二条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、一般社団法人等の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、一般社団法人等が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、一般社団法人等の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「一般社団法人又は一般財団法人」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第二百六十三条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第二百六十一条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 訴訟 第一款 一般社団法人等の組織に関する訴え (一般社団法人等の組織に関する行為の無効の訴え) 第二百六十四条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 一般社団法人等の設立 一般社団法人等の成立の日から二年以内 二 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 三 一般社団法人等の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する一般社団法人等の社員等(社員、評議員、理事、監事又は清算人をいう。以下この款において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は吸収合併存続法人の社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 三 前項第三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は新設合併設立法人の社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 (社員総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第二百六十五条 社員総会又は評議員会(以下この款及び第三百十五条第一項第一号ロにおいて「社員総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 社員総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (社員総会等の決議の取消しの訴え) 第二百六十六条 次に掲げる場合には、社員等は、社員総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより社員等(第七十五条第一項(第百七十七条及び第二百十条第四項において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第一項の規定により理事、監事、清算人又は評議員としての権利義務を有する者を含む。)となる者も、同様とする。 一 社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 社員総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 社員総会の決議について特別の利害関係を有する社員が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (一般社団法人等の設立の取消しの訴え) 第二百六十七条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、一般社団法人等の成立の日から二年以内に、訴えをもって一般社団法人等の設立の取消しを請求することができる。 一 社員又は設立者が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員又は設立者 二 設立者がその債権者を害することを知って一般財団法人を設立したとき 当該債権者 (一般社団法人等の解散の訴え) 第二百六十八条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員又は評議員は、訴えをもって一般社団法人等の解散を請求することができる。 一 一般社団法人等が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該一般社団法人等に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 一般社団法人等の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該一般社団法人等の存立を危うくするとき。 (被告) 第二百六十九条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「一般社団法人等の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 一般社団法人等の設立の無効の訴え 設立する一般社団法人等 二 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人 三 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人 四 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該一般社団法人等 五 社員総会等の決議の取消しの訴え 当該一般社団法人等 六 第二百六十七条第一号の規定による一般社団法人等の設立の取消しの訴え 当該一般社団法人等 七 第二百六十七条第二号の規定による一般財団法人の設立の取消しの訴え 当該一般財団法人及び同号の設立者 八 一般社団法人等の解散の訴え 当該一般社団法人等 (訴えの管轄) 第二百七十条 一般社団法人等の組織に関する訴えは、被告となる一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第二百七十一条 一般社団法人等の組織に関する訴えであって、社員が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該社員が理事、監事又は清算人であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、一般社団法人等の組織に関する訴えであって、債権者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第二百七十二条 同一の請求を目的とする一般社団法人等の組織に関する訴えに係る二以上の訴訟が同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第二百七十三条 一般社団法人等の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十四条 一般社団法人等の組織に関する訴え(第二百六十九条第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって一般社団法人等が設立された場合にあっては、当該設立を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (合併の無効判決の効力) 第二百七十五条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした一般社団法人等は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併存続法人 二 一般社団法人等の新設合併 新設合併設立法人 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が取得した財産は、当該行為をした一般社団法人等の共有に属する。 3 前二項に規定する場合には、各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分及び前項の財産の共有持分は、各一般社団法人等の協議によって定める。 4 各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分又は第二項の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各一般社団法人等の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各一般社団法人等の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (設立の無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十六条 一般社団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該一般社団法人を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 2 前項前段の規定は、一般財団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合について準用する。 この場合において、同項中「社員」とあるのは、「設立者」と読み替えるものとする。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第二百七十七条 一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二款 一般社団法人における責任追及の訴え (責任追及の訴え) 第二百七十八条 社員は、一般社団法人に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、設立時社員、設立時理事、役員等(第百十一条第一項に規定する役員等をいう。第三項において同じ。)又は清算人の責任を追及する訴え(以下この款において「責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及の訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該一般社団法人に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 一般社団法人が前項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、一般社団法人のために、責任追及の訴えを提起することができる。 3 一般社団法人は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした社員又は同項の設立時社員、設立時理事、役員等若しくは清算人から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により一般社団法人に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の社員は、一般社団法人のために、直ちに責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第二項又は前項の責任追及の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 6 社員が責任追及の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 被告が前項の申立てをするには、責任追及の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第二百七十九条 責任追及の訴えは、一般社団法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第二百八十条 社員又は一般社団法人は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 監事設置一般社団法人が、理事及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 3 社員は、責任追及の訴えを提起したときは、遅滞なく、一般社団法人に対し、訴訟告知をしなければならない。 4 一般社団法人は、責任追及の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を社員に通知しなければならない。 (和解) 第二百八十条の二 監事設置一般社団法人が、当該監事設置一般社団法人の理事及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 第二百八十一条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、一般社団法人が責任追及の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該一般社団法人の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、一般社団法人に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 一般社団法人が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で社員が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第二十五条、第百十二条(第二百十七条第四項において準用する場合を含む。)及び第百四十一条第五項(同項ただし書に規定する超過額を超えない部分について負う責任に係る部分に限る。)の規定は、責任追及の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (費用等の請求) 第二百八十二条 責任追及の訴えを提起した社員が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該一般社団法人に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及の訴えを提起した社員が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該社員は、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第二百八十条第一項の規定により同項の訴訟に参加した社員について準用する。 (再審の訴え) 第二百八十三条 責任追及の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及の訴えに係る訴訟の目的である一般社団法人の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、一般社団法人又は社員は、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三款 一般社団法人等の役員等の解任の訴え (一般社団法人等の役員等の解任の訴え) 第二百八十四条 理事、監事又は評議員(以下この款において「役員等」という。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員等を解任する旨の議案が社員総会又は評議員会において否決されたときは、次に掲げる者は、当該社員総会又は評議員会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員等の解任を請求することができる。 一 総社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。) 二 評議員 (被告) 第二百八十五条 前条の訴え(次条及び第三百十五条第一項第一号ニにおいて「一般社団法人等の役員等の解任の訴え」という。)については、当該一般社団法人等及び前条の役員等を被告とする。 (訴えの管轄) 第二百八十六条 一般社団法人等の役員等の解任の訴えは、当該一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三節 非訟 第一款 総則 (非訟事件の管轄) 第二百八十七条 この法律の規定による非訟事件(次項に規定する事件を除く。)は、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 第二百七十五条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第二百八十八条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第二百八十九条 裁判所は、この法律の規定による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により一般社団法人等が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧又は謄写の許可の申立てについての裁判 当該一般社団法人等 二 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項若しくは第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第二百六十二条第二項の管理人の報酬の額の決定 当該一般社団法人等(報酬を受ける者が監事を置く一般社団法人等を代表する者である場合において、他に当該一般社団法人等を代表する者が存しないときは、監事)及び報酬を受ける者 三 第百三十七条第七項の規定による裁判 当該一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)及び現物拠出財産を給付する者 四 清算人の解任についての裁判 当該清算人 五 第二百六十一条第一項の規定による裁判 当該一般社団法人等 六 第二百七十五条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした一般社団法人等 (理由の付記) 第二百九十条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 前条第二号に掲げる裁判 二 第二百九十三条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第二百九十一条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第二百六十二条第一項の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第二百八十九条各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同条第二号及び第三号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) (原裁判の執行停止) 第二百九十二条 前条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第二百八十九条第二号から第四号までに掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第二百九十三条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第二百八十九条第二号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第二百三十五条第一項の鑑定人又は第二百四十一条第二項の帳簿資料の保存をする者の選任又は選定の裁判 二 第二百六十二条第二項の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第二百六十二条第六項の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第二百八十九条第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第二百九十四条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百九十五条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二款 解散命令の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第二百九十六条 裁判所は、第二百六十一条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第二百九十一条第二号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分についての特則) 第二百九十七条 裁判所が第二百六十二条第一項の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、一般社団法人等の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第二百六十二条第一項の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、一般社団法人等の負担とする。 第二百九十八条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二百六十二条第六項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第四節 登記 第一款 総則 (登記の効力) 第二百九十九条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (登記の期間) 第三百条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二款 主たる事務所の所在地における登記 (一般社団法人の設立の登記) 第三百一条 一般社団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第二十条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立時社員が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般社団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 四の二 第四十七条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 五 理事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 理事会設置一般社団法人であるときは、その旨 八 監事設置一般社団法人であるときは、その旨及び監事の氏名 九 会計監査人設置一般社団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 十 第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 十一 第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十二 第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十三 第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十四 公告方法 十五 前号の公告方法が電子公告(第三百三十一条第一項第三号に規定する電子公告をいう。以下この号及び次条第二項第十三号において同じ。)であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (一般財団法人の設立の登記) 第三百二条 一般財団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第百六十一条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立者が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般財団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 評議員、理事及び監事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 会計監査人設置一般財団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 八 第百七十七条において準用する第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 九 第百九十八条において準用する第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十 第百九十八条において準用する第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 第百九十九条において準用する第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十二 公告方法 十三 前号の公告方法が電子公告であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (変更の登記) 第三百三条 一般社団法人等において第三百一条第二項各号又は前条第二項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。 (他の登記所の管轄区域内への主たる事務所の移転の登記) 第三百四条 一般社団法人等がその主たる事務所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 一般社団法人 第三百一条第二項各号に掲げる事項 二 一般財団法人 第三百二条第二項各号に掲げる事項 2 新所在地における登記においては、一般社団法人等の成立の年月日並びに主たる事務所を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第三百五条 一般社団法人等の理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その主たる事務所の所在地において、その登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第三百六条 一般社団法人等が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、吸収合併消滅法人については解散の登記をし、吸収合併存続法人については変更の登記をしなければならない。 2 吸収合併による変更の登記においては、吸収合併をした旨並びに吸収合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (新設合併の登記) 第三百七条 二以上の一般社団法人等が新設合併をするときは、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、新設合併消滅法人については解散の登記をし、新設合併設立法人については設立の登記をしなければならない。 一 第二百五十七条の社員総会又は評議員会の決議の日 二 第二百五十八条の規定による手続が終了した日 三 新設合併消滅法人が合意により定めた日 2 新設合併による設立の登記においては、新設合併をした旨並びに新設合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (解散の登記) 第三百八条 第百四十八条第一号から第四号まで又は第二百二条第一項第一号から第三号まで、第二項若しくは第三項の規定により一般社団法人等が解散したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、解散の登記をしなければならない。 2 解散の登記においては、解散の旨並びにその事由及び年月日を登記しなければならない。 (継続の登記) 第三百九条 第百五十条、第二百四条又は第二百七十六条の規定により一般社団法人等が継続したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人等の登記) 第三百十条 第二百九条第一項第一号に掲げる者が清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算法人が清算人会を置くときは、その旨 四 清算一般財団法人が監事を置くときは、その旨 2 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 3 第三百三条の規定は前二項の規定による登記について、第三百五条の規定は清算人又は代表清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第三百十一条 清算が結了したときは、清算法人は、第二百四十条第三項の承認の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 第三款 削除 第三百十二条から第三百十四条まで 削除 第四款 登記の嘱託 第三百十五条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴え ロ 社員総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 社員総会等の決議の取消しの訴え ハ 一般社団法人等の解散の訴え ニ 一般社団法人等の役員等の解任の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定による一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判 ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判 ニ 清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判 ホ 清算人の解任の裁判 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第二百六十一条第一項の規定による一般社団法人等の解散を命ずる裁判 2 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人についての変更の登記及び吸収合併消滅法人についての回復の登記 二 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人についての解散の登記及び新設合併消滅法人についての回復の登記 第五款 登記の手続等 (登記簿) 第三百十六条 登記所に、一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿を備える。 (添付書面の通則) 第三百十七条 登記すべき事項につき社員全員の同意又はある理事若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 2 登記すべき事項につき社員総会、評議員会、理事会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。 3 登記すべき事項につき第五十八条第一項、第九十六条(第百九十七条及び第二百二十一条第五項において準用する場合を含む。)又は第百九十四条第一項の規定により社員総会、理事会、清算人会又は評議員会の決議があったものとみなされる場合には、申請書に、前項の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。 (一般社団法人の設立の登記の申請) 第三百十八条 一般社団法人の設立の登記は、当該一般社団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般社団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 設立時理事が設立時代表理事を選定したときは、これに関する書面 三 設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 四 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立時社員全員の同意又はある設立時社員の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (一般財団法人の設立の登記の申請) 第三百十九条 一般財団法人の設立の登記は、当該一般財団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般財団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 財産の拠出の履行があったことを証する書面 三 設立時評議員、設立時理事及び設立時監事の選任に関する書面 四 設立時代表理事の選定に関する書面 五 設立時評議員、設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 六 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 設立時会計監査人の選任に関する書面 ロ 就任を承諾したことを証する書面 ハ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ニ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立者全員の同意又はある設立者の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (理事等の変更の登記の申請) 第三百二十条 理事、監事又は代表理事の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 2 評議員の就任による変更の登記の申請書には、その選任に関する書面及び就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 就任を承諾したことを証する書面 二 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 4 会計監査人が法人であるときは、その名称の変更の登記の申請書には、前項第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 ただし、同号ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第一項から第三項までに規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (一時会計監査人の職務を行うべき者の変更の登記の申請) 第三百二十一条 第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 その選任に関する書面 二 就任を承諾したことを証する書面 三 その者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、前条第三項第二号ただし書に規定する場合を除く。 四 その者が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 2 前条第四項及び第五項の規定は、一時会計監査人の職務を行うべき者の登記について準用する。 (吸収合併による変更の登記の申請) 第三百二十二条 吸収合併による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 吸収合併契約書 二 第二百五十二条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 三 吸収合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に吸収合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 四 第二百四十七条の規定による吸収合併契約の承認があったことを証する書面 五 吸収合併消滅法人において第二百四十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (新設合併による設立の登記の申請) 第三百二十三条 新設合併による設立の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 新設合併契約書 二 定款 三 第三百十八条第二項第二号から第四号まで又は第三百十九条第二項第四号、第五号及び第六号(イを除く。)に掲げる書面 四 新設合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に新設合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 五 第二百五十七条の規定による新設合併契約の承認があったことを証する書面 六 新設合併消滅法人において第二百五十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (解散の登記の申請) 第三百二十四条 定款で定めた解散の事由又は第二百二条第一項第三号、第二項若しくは第三項に規定する事由の発生による解散の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 2 代表清算人の申請に係る解散の登記の申請書には、その資格を証する書面を添付しなければならない。 ただし、当該代表清算人が第二百九条第一項第一号の規定により清算人となったもの(第二百十四条第四項に規定する場合にあっては、同項の規定により代表清算人となったもの)であるときは、この限りでない。 (継続の登記の申請) 第三百二十五条 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、第二百七十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により一般社団法人等を継続したときは、継続の登記の申請書には、その判決の謄本又はその判決の内容を記載した書面であって裁判所書記官が当該書面の内容が当該判決の内容と同一であることを証明したもの及び第二百七十六条第一項の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。 (清算人の登記の申請) 第三百二十六条 清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。 2 第二百九条第一項第二号又は第三号に掲げる者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 裁判所が選任した者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、その選任及び第三百十条第一項第二号に掲げる事項を証する書面を添付しなければならない。 (清算人に関する変更の登記の申請) 第三百二十七条 裁判所が選任した清算人に関する第三百十条第一項第二号に掲げる事項の変更の登記の申請書には、変更の事由を証する書面を添付しなければならない。 2 清算人の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (清算結了の登記の申請) 第三百二十八条 清算結了の登記の申請書には、第二百四十条第三項の規定による決算報告の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 第三百二十九条 削除 (商業登記法の準用) 第三百三十条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第一条の三から第五条まで、第七条から第十五条まで(第十二条第一項第二号及び第五号を除く。)、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十七条まで、第三十三条、第五十一条、第五十二条、第七十二条、第八十二条、第八十三条、第百三十二条から第百三十七条まで及び第百三十九条から第百四十八条までの規定は、一般社団法人等に関する登記について準用する。 この場合において、これらの規定(同法第二十七条及び第三十三条第一項中「本店」とある部分を除く。)中「商号」とあるのは「名称」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、同法第一条の三及び第二十四条第一号中「営業所」とあるのは「事務所」と、同法第二十七条及び第三十三条第一項中「営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の」とあり、並びに同法第二十七条並びに第三十三条第一項第四号及び第二項中「営業所の」とあるのは「主たる事務所の」と、同条第一項第四号中「営業所を」とあるのは「主たる事務所を」と、同法第七十二条中「会社法第四百七十二条第一項本文」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百四十九条第一項本文又は第二百三条第一項本文」と、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十条において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替えるものとする。 第五節 公告 (公告方法) 第三百三十一条 一般社団法人等は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告(公告方法のうち、電磁的方法により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。以下同じ。) 四 前三号に掲げるもののほか、不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置として法務省令で定める方法 2 一般社団法人等が前項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定款で定める場合には、その定款には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 (電子公告の公告期間) 第三百三十二条 一般社団法人等が電子公告により公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時社員総会の終結の日後五年を経過する日 二 第百九十九条において準用する第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時評議員会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 第二百四十九条第二項の規定による公告 同項の変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日) (電子公告の中断及び電子公告調査機関に関する会社法の規定の準用) 第三百三十三条 一般社団法人等が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告をする場合については、会社法第九百四十条第三項、第九百四十一条、第九百四十六条、第九百四十七条、第九百五十一条第二項、第九百五十三条及び第九百五十五条の規定を準用する。 この場合において、同法第九百四十条第三項中「前二項の規定にかかわらず、これらの」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十二条の規定にかかわらず、同条の」と、同法第九百四十一条中「この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律又は他の法律の規定による公告(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百二十八条第一項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)」と、同法第九百四十六条第三項中「商号」とあるのは「名称」と読み替えるものとする。 第七章 罰則 (理事等の特別背任罪) 第三百三十四条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は一般社団法人等に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該一般社団法人等に財産上の損害を加えたときは、七年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 設立時社員 二 設立者 三 設立時理事(一般社団法人等の設立に際して理事となる者をいう。第三百四十二条において同じ。)又は設立時監事(一般社団法人等の設立に際して監事となる者をいう。同条において同じ。) 四 理事、監事又は評議員 五 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事又は評議員の職務を代行する者 六 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算法人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算法人に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人の職務を代行する者 三 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 3 前二項の罪の未遂は、罰する。 (法人財産の処分に関する罪) 第三百三十五条 前条第一項第四号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合には、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 法令又は定款の規定に違反して、基金の返還をしたとき。 二 一般社団法人等の目的の範囲外において、投機取引のために一般社団法人等の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第三百三十六条 次に掲げる者が、基金を引き受ける者の募集をするに当たり、一般社団法人の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第三百三十四条第一項第一号又は第三号から第七号までに掲げる者 二 基金を引き受ける者の募集の委託を受けた者 (理事等の贈収賄罪) 第三百三十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第三百三十四条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 会計監査人又は第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第三百三十八条 第三百三十四条、第三百三十五条及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第三百三十九条 第三百三十四条第一項、第三百三十六条又は第三百三十七条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第三百三十四条第三項の規定は、その行為をした理事その他業務を執行する者に対してそれぞれ適用する。 (虚偽記載等の罪) 第三百四十条 第三百三十三条において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、同項に規定する調査記録簿等に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は調査記録簿等を保存しなかった者は、三十万円以下の罰金に処する。 (両罰規定) 第三百四十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第三百四十二条 設立時社員、設立者、設立時理事、設立時監事、設立時評議員、理事、監事、評議員、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事、評議員若しくは清算人の職務を代行する者、第三百三十四条第一項第六号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第三百三十七条第一項第二号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁又は社員総会若しくは評議員会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、社員名簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)若しくは第二百二十七条第一項の附属明細書、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第一項、第二百五十六条第一項若しくは第二百六十条第二項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第十四条第一項、第三十二条第一項、第五十条第五項、第五十一条第三項、第五十二条第四項、第五十七条第二項若しくは第三項、第五十八条第二項、第九十七条第一項(第百九十七条において準用する場合を含む。)、第百二十九条第一項若しくは第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百五十六条第一項、第百九十三条第二項若しくは第三項、第百九十四条第二項、第二百二十三条第一項、第二百二十九条第一項、第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第二項、第二百五十六条第一項又は第二百六十条第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 第三十六条第一項若しくは第百七十九条第一項の規定又は第四十七条第一項第一号、第八十七条第一項第一号(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百八十八条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、社員総会又は評議員会を招集しなかったとき。 十 第四十三条又は第百八十四条の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会又は評議員会の目的としなかったとき。 十の二 第四十七条の三第一項の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十一 正当な理由がないのに、社員総会又は評議員会において、社員又は評議員の求めた事項について説明をしなかったとき。 十二 第七十二条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会若しくは評議員会の目的とせず、又はその請求に係る議案を社員総会若しくは評議員会に提出しなかったとき。 十三 理事、監事、評議員又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 十四 第九十二条第二項(第百九十七条及び第二百二十条第十項において準用する場合を含む。)又は第百十八条の二第四項(第百九十八条の二において準用する場合を含む。)の規定に違反して、理事会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 十五 第百四十二条第一項の規定に違反して自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得したとき、又は同条第二項の規定に違反して当該債権を相当の時期に他に譲渡することを怠ったとき。 十六 第百四十四条第一項の規定に違反して代替基金を計上せず、又は同条第二項の規定に違反して代替基金を取り崩したとき。 十七 第二百十五条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てを怠ったとき。 十八 清算の結了を遅延させる目的で、第二百三十三条第一項の期間を不当に定めたとき。 十九 第二百三十四条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 二十 第二百三十七条の規定に違反して、清算法人の財産を引き渡したとき。 二十一 第二百四十八条第二項若しくは第五項、第二百五十二条第二項若しくは第五項又は第二百五十八条第二項若しくは第五項の規定に違反して、吸収合併又は新設合併をしたとき。 二十二 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十一条の規定に違反して、同条の規定による調査を求めなかったとき。 第三百四十三条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 正当な理由がないのに、第三百三十三条において準用する会社法第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第三百四十四条 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第五条第二項の規定に違反して、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 二 第五条第三項の規定に違反して、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 三 第六条の規定に違反して、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 四 第七条第一項の規定に違反して、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第四十八号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第一章 総則 第一節 通則 (趣旨) 第一条 一般社団法人及び一般財団法人の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 一般社団法人等 一般社団法人又は一般財団法人をいう。 二 大規模一般社団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百二十六条第二項の承認(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時社員総会に報告された貸借対照表をいい、一般社団法人の成立後最初の定時社員総会までの間においては、第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般社団法人をいう。 三 大規模一般財団法人 最終事業年度(各事業年度に係る第百九十九条において準用する第百二十三条第二項に規定する計算書類につき第百九十九条において準用する第百二十六条第二項の承認(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、第百九十九条において準用する第百二十四条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(第百九十九条において準用する第百二十七条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時評議員会に報告された貸借対照表をいい、一般財団法人の成立後最初の定時評議員会までの間においては、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般財団法人をいう。 四 子法人 一般社団法人又は一般財団法人がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 五 吸収合併 一般社団法人又は一般財団法人が他の一般社団法人又は一般財団法人とする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併後存続する法人に承継させるものをいう。 六 新設合併 二以上の一般社団法人又は一般財団法人がする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併により設立する法人に承継させるものをいう。 七 公告方法 一般社団法人又は一般財団法人が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 (法人格) 第三条 一般社団法人及び一般財団法人は、法人とする。 (住所) 第四条 一般社団法人及び一般財団法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。 第二節 法人の名称 (名称) 第五条 一般社団法人又は一般財団法人は、その種類に従い、その名称中に一般社団法人又は一般財団法人という文字を用いなければならない。 2 一般社団法人は、その名称中に、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 一般財団法人は、その名称中に、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (一般社団法人又は一般財団法人と誤認させる名称等の使用の禁止) 第六条 一般社団法人又は一般財団法人でない者は、その名称又は商号中に、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 第七条 何人も、不正の目的をもって、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある一般社団法人又は一般財団法人は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (自己の名称の使用を他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人の責任) 第八条 自己の名称を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人は、当該一般社団法人又は一般財団法人が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 第三節 商法の規定の不適用 第九条 商法(明治三十二年法律第四十八号)第十一条から第十五条まで及び第十九条から第二十四条までの規定は、一般社団法人及び一般財団法人については、適用しない。 第二章 一般社団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第十条 一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。第二百九十八条の二第三項を除き、以下同じ。)をもって作成することができる。 この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 (定款の記載又は記録事項) 第十一条 一般社団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立時社員の氏名又は名称及び住所 五 社員の資格の得喪に関する規定 六 公告方法 七 事業年度 2 社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。 第十二条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般社団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第十三条 第十条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第十四条 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)は、定款を設立時社員が定めた場所(一般社団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、その社員及び債権者)は、設立時社員が定めた時間(一般社団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)であって設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般社団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 設立時役員等の選任及び解任 (設立時役員等の選任) 第十五条 定款で設立時理事(一般社団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この章、第二百七十八条及び第三百十八条第二項において同じ。)を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、設立時理事を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般社団法人が次の各号に掲げるものである場合において、定款で当該各号に定める者を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、これらの者を選任しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(監事を置く一般社団法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時監事(一般社団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この章、第二百五十四条第六号及び第三百十八条第二項第三号において同じ。) 二 会計監査人設置一般社団法人(会計監査人を置く一般社団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時会計監査人(一般社団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。次条第二項及び第三百十八条第二項第四号において同じ。) 第十六条 設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人(理事会を置く一般社団法人をいう。以下同じ。)である場合には、設立時理事は、三人以上でなければならない。 2 第六十五条第一項又は第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般社団法人の理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人(以下この款において「設立時役員等」という。)となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時理事及び設立時監事について準用する。 (設立時役員等の選任の方法) 第十七条 設立時役員等の選任は、設立時社員の議決権の過半数をもって決定する。 2 前項の場合には、設立時社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 (設立時役員等の解任) 第十八条 設立時社員は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時役員等を解任することができる。 (設立時役員等の解任の方法) 第十九条 設立時役員等の解任は、設立時社員の議決権の過半数(設立時監事を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。 2 第十七条第二項の規定は、前項の場合について準用する。 第三款 設立時理事等による調査 第二十条 設立時理事(設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、設立時理事及び設立時監事。次項において同じ。)は、その選任後遅滞なく、一般社団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。 2 設立時理事は、前項の規定による調査により、一般社団法人の設立の手続が法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立時社員にその旨を通知しなければならない。 第四款 設立時代表理事の選定等 第二十一条 設立時理事は、設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合には、設立時理事の中から一般社団法人の設立に際して代表理事(一般社団法人を代表する理事をいう。以下この章及び第三百一条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十八条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第五款 一般社団法人の成立 第二十二条 一般社団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 第六款 設立時社員等の責任 (設立時社員等の損害賠償責任) 第二十三条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、一般社団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立時社員、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立時社員等の連帯責任) 第二十四条 設立時社員、設立時理事又は設立時監事が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立時社員、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第二十五条 第二十三条第一項の規定により設立時社員、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (一般社団法人不成立の場合の責任) 第二十六条 一般社団法人が成立しなかったときは、設立時社員は、連帯して、一般社団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般社団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 社員 第一款 総則 (経費の負担) 第二十七条 社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。 (任意退社) 第二十八条 社員は、いつでも退社することができる。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定による定款の定めがある場合であっても、やむを得ない事由があるときは、社員は、いつでも退社することができる。 (法定退社) 第二十九条 前条の場合のほか、社員は、次に掲げる事由によって退社する。 一 定款で定めた事由の発生 二 総社員の同意 三 死亡又は解散 四 除名 (除名) 第三十条 社員の除名は、正当な事由があるときに限り、社員総会の決議によってすることができる。 この場合において、一般社団法人は、当該社員に対し、当該社員総会の日から一週間前までにその旨を通知し、かつ、社員総会において弁明する機会を与えなければならない。 2 除名は、除名した社員にその旨を通知しなければ、これをもって当該社員に対抗することができない。 第二款 社員名簿等 (社員名簿) 第三十一条 一般社団法人は、社員の氏名又は名称及び住所を記載し、又は記録した名簿(以下「社員名簿」という。)を作成しなければならない。 (社員名簿の備置き及び閲覧等) 第三十二条 一般社団法人は、社員名簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 社員名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 社員名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (社員に対する通知等) 第三十三条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告は、社員名簿に記載し、又は記録した当該社員の住所(当該社員が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 前二項の規定は、第三十九条第一項の通知に際して社員に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。 この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。 (社員に対する通知の省略) 第三十四条 一般社団法人が社員に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、一般社団法人は、当該社員に対する通知又は催告をすることを要しない。 2 前項の場合には、同項の社員に対する一般社団法人の義務の履行を行う場所は、一般社団法人の住所地とする。 第三節 機関 第一款 社員総会 (社員総会の権限) 第三十五条 社員総会は、この法律に規定する事項及び一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 前二項の規定にかかわらず、社員総会は、社員に剰余金を分配する旨の決議をすることができない。 4 この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の招集) 第三十六条 定時社員総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 社員総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 社員総会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (社員による招集の請求) 第三十七条 総社員の議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を社員総会の日とする社員総会の招集の通知が発せられない場合 (社員総会の招集の決定) 第三十八条 理事(前条第二項の規定により社員が社員総会を招集する場合にあっては、当該社員。次条から第四十二条までにおいて同じ。)は、社員総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 社員総会の日時及び場所 二 社員総会の目的である事項があるときは、当該事項 三 社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 社員総会に出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 理事会設置一般社団法人においては、前条第二項の規定により社員が社員総会を招集するときを除き、前項各号に掲げる事項の決定は、理事会の決議によらなければならない。 (社員総会の招集の通知) 第三十九条 社員総会を招集するには、理事は、社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。 ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日の二週間前までにその通知を発しなければならない。 2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。 一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合 二 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合 3 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、社員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第四十条 前条の規定にかかわらず、社員総会は、社員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 ただし、第三十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。 (社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第四十一条 理事は、第三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「社員総会参考書類」という。)及び社員が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、これらの書類を当該社員に交付しなければならない。 第四十二条 理事は、第三十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、社員総会参考書類を交付しなければならない。 2 理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類の交付に代えて、当該社員総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、社員の請求があったときは、社員総会参考書類を当該社員に交付しなければならない。 3 理事は、第一項に規定する場合には、第三十九条第三項の承諾をした社員に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 4 理事は、第一項に規定する場合において、第三十九条第三項の承諾をしていない社員から社員総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社員に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (社員提案権) 第四十三条 社員は、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第四十四条 社員は、社員総会において、社員総会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第四十五条 社員は、理事に対し、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員総会の目的である事項につき当該社員が提出しようとする議案の要領を社員に通知すること(第三十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。 ただし、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、当該請求をすることができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (社員総会の招集手続等に関する検査役の選任) 第四十六条 一般社団法人又は総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、社員総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該社員総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般社団法人でない場合にあっては、当該一般社団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第四十七条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (電子提供措置をとる旨の定め) 第四十七条の二 一般社団法人は、理事が社員総会の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(第四十七条の四第三項において「社員総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により社員が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第三百一条第二項第四号の二及び第三百四十二条第十号の二において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。 この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 一 社員総会参考書類 二 議決権行使書面 三 第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告 (電子提供措置) 第四十七条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の理事は、第三十九条第二項各号に掲げる場合には、社員総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(第四十七条の六第三号において「電子提供措置開始日」という。)から社員総会の日後三箇月を経過する日までの間(第四十七条の六において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。 一 第三十八条第一項各号に掲げる事項 二 第四十一条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項 三 第四十二条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類に記載すべき事項 四 第四十五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領 五 一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合において、理事が定時社員総会を招集するときは、第百二十五条の計算書類及び事業報告並びに監査報告に記載され、又は記録された事項 六 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項 2 前項の規定にかかわらず、理事が第三十九条第一項の通知に際して社員に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。 (社員総会の招集の通知等の特則) 第四十七条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第三十九条第一項の規定の適用については、同項中「社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日」とあるのは、「社員総会の日」とする。 2 第三十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第二項又は第三項の通知には、第三十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。 この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、電子提供措置をとっている旨その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。 3 第四十一条第一項、第四十二条第一項及び第百二十五条の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人においては、理事は、第三十九条第一項の通知に際して、社員に対し、社員総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。 4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人における第四十五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第四十七条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。 (書面交付請求) 第四十七条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の社員(第三十九条第三項の承諾をした社員を除く。)は、一般社団法人に対し、第四十七条の三第一項各号に掲げる事項(次項において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。 2 理事は、第四十七条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした社員に対し、当該社員総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。 3 書面交付請求をした社員がある場合において、その書面交付請求の日(当該社員が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、一般社団法人は、当該社員に対し、前項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。 ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。 4 前項の規定による通知及び催告を受けた社員がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。 ただし、当該社員が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。 (電子提供措置の中断) 第四十七条の六 第四十七条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(社員が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第六号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき一般社団法人が善意でかつ重大な過失がないこと又は一般社団法人に正当な事由があること。 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。 三 電子提供措置開始日から社員総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。 四 一般社団法人が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。 (議決権の数) 第四十八条 社員は、各一個の議決権を有する。 ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨の定款の定めは、その効力を有しない。 (社員総会の決議) 第四十九条 社員総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる社員総会の決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第三十条第一項の社員総会 二 第七十条第一項の社員総会(監事を解任する場合に限る。) 三 第百十三条第一項の社員総会 四 第百四十六条の社員総会 五 第百四十七条の社員総会 六 第百四十八条第三号及び第百五十条の社員総会 七 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の社員総会 3 理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、第三十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第五十五条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (議決権の代理行使) 第五十条 社員は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該社員又は代理人は、代理権を証明する書面を一般社団法人に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、社員総会ごとにしなければならない。 3 第一項の社員又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該社員又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 5 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 6 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 7 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (書面による議決権の行使) 第五十一条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を一般社団法人に提出して行う。 2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 3 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその主たる事務所に備え置かなければならない。 4 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 5 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (電磁的方法による議決権の行使) 第五十二条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該一般社団法人に提供して行う。 2 社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。 4 一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 5 社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 6 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (理事等の説明義務) 第五十三条 理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、社員総会において、社員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が社員総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより社員の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (議長の権限) 第五十四条 社員総会の議長は、当該社員総会の秩序を維持し、議事を整理する。 2 社員総会の議長は、その命令に従わない者その他当該社員総会の秩序を乱す者を退場させることができる。 (社員総会に提出された資料等の調査) 第五十五条 社員総会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該社員総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第三十七条の規定により招集された社員総会においては、その決議によって、一般社団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第五十六条 社員総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第三十八条及び第三十九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第五十七条 社員総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、社員総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般社団法人は、社員総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (社員総会の決議の省略) 第五十八条 理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。 2 一般社団法人は、前項の規定により社員総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時社員総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時社員総会が終結したものとみなす。 (社員総会への報告の省略) 第五十九条 理事が社員の全員に対して社員総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を社員総会に報告することを要しないことにつき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の社員総会への報告があったものとみなす。 第二款 社員総会以外の機関の設置 (社員総会以外の機関の設置) 第六十条 一般社団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。 2 一般社団法人は、定款の定めによって、理事会、監事又は会計監査人を置くことができる。 (監事の設置義務) 第六十一条 理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人は、監事を置かなければならない。 (会計監査人の設置義務) 第六十二条 大規模一般社団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第三款 役員等の選任及び解任 (選任) 第六十三条 役員(理事及び監事をいう。以下この款において同じ。)及び会計監査人は、社員総会の決議によって選任する。 2 前項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。 (一般社団法人と役員等との関係) 第六十四条 一般社団法人と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (役員の資格等) 第六十五条 次に掲げる者は、役員となることができない。 一 法人 二 削除 三 この法律若しくは会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定に違反し、又は民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。) 2 監事は、一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。 3 理事会設置一般社団法人においては、理事は、三人以上でなければならない。 第六十五条の二 成年被後見人が役員に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。 2 被保佐人が役員に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。 3 第一項の規定は、保佐人が民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。 この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。 4 成年被後見人又は被保佐人がした役員の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 (理事の任期) 第六十六条 理事の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。 (監事の任期) 第六十七条 監事の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとすることを限度として短縮することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期を退任した監事の任期の満了する時までとすることを妨げない。 3 前二項の規定にかかわらず、監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、監事の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (会計監査人の資格等) 第六十八条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを一般社団法人に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第百二十三条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者 二 一般社団法人の子法人若しくはその理事若しくは監事から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人の任期) 第六十九条 会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。 2 会計監査人は、前項の定時社員総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時社員総会において再任されたものとみなす。 3 前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。 (解任) 第七十条 役員及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、一般社団法人に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 (監事による会計監査人の解任) 第七十一条 監事は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。 三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 前項の規定による解任は、監事が二人以上ある場合には、監事の全員の同意によって行わなければならない。 3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事の互選によって定めた監事)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される社員総会に報告しなければならない。 (監事の選任に関する監事の同意等) 第七十二条 理事は、監事がある場合において、監事の選任に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 2 監事は、理事に対し、監事の選任を社員総会の目的とすること又は監事の選任に関する議案を社員総会に提出することを請求することができる。 (会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定) 第七十三条 監事設置一般社団法人においては、社員総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事が決定する。 2 監事が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「監事が」とあるのは、「監事の過半数をもって」とする。 (監事等の選任等についての意見の陳述) 第七十四条 監事は、社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。 2 監事を辞任した者は、辞任後最初に招集される社員総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 3 理事は、前項の者に対し、同項の社員総会を招集する旨及び第三十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。 4 第一項の規定は会計監査人について、前二項の規定は会計監査人を辞任した者及び第七十一条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。 この場合において、第一項中「社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、社員総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。 (役員等に欠員を生じた場合の措置) 第七十五条 役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監事は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。 5 第六十八条及び第七十一条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。 第四款 理事 (業務の執行) 第七十六条 理事は、定款に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。 2 理事が二人以上ある場合には、一般社団法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、理事は、次に掲げる事項についての決定を各理事に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 四 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 4 大規模一般社団法人においては、理事は、前項第三号に掲げる事項を決定しなければならない。 (一般社団法人の代表) 第七十七条 理事は、一般社団法人を代表する。 ただし、他に代表理事その他一般社団法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の理事が二人以上ある場合には、理事は、各自、一般社団法人を代表する。 3 一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって、理事の中から代表理事を定めることができる。 4 代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (代表者の行為についての損害賠償責任) 第七十八条 一般社団法人は、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 (代表理事に欠員を生じた場合の措置) 第七十九条 代表理事が欠けた場合又は定款で定めた代表理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表理事は、新たに選定された代表理事(次項の一時代表理事の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表理事の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時代表理事の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事の職務を代行する者の権限) 第八十条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事又は代表理事の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 2 前項の規定に違反して行った理事又は代表理事の職務を代行する者の行為は、無効とする。 ただし、一般社団法人は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第八十一条 第七十七条第四項の規定にかかわらず、一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、社員総会は、当該訴えについて一般社団法人を代表する者を定めることができる。 (表見代表理事) 第八十二条 一般社団法人は、代表理事以外の理事に理事長その他一般社団法人を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該理事がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 (忠実義務) 第八十三条 理事は、法令及び定款並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。 (競業及び利益相反取引の制限) 第八十四条 理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。 一 理事が自己又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。 二 理事が自己又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。 三 一般社団法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において一般社団法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。 2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。 (理事の報告義務) 第八十五条 理事は、一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)に報告しなければならない。 (業務の執行に関する検査役の選任) 第八十六条 一般社団法人の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、当該一般社団法人の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、一般社団法人の子法人の業務及び財産の状況を調査することができる。 5 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 7 第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、一般社団法人及び検査役の選任の申立てをした社員に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による社員総会招集等の決定) 第八十七条 裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に社員総会を招集すること。 二 前条第五項の調査の結果を社員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第五項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。 (社員による理事の行為の差止め) 第八十八条 社員は、理事が一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 監事設置一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。 (理事の報酬等) 第八十九条 理事の報酬等(報酬、賞与その他の職務執行の対価として一般社団法人等から受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 第五款 理事会 (理事会の権限等) 第九十条 理事会は、すべての理事で組織する。 2 理事会は、次に掲げる職務を行う。 一 理事会設置一般社団法人の業務執行の決定 二 理事の職務の執行の監督 三 代表理事の選定及び解職 3 理事会は、理事の中から代表理事を選定しなければならない。 4 理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 六 第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除 5 大規模一般社団法人である理事会設置一般社団法人においては、理事会は、前項第五号に掲げる事項を決定しなければならない。 (理事会設置一般社団法人の理事の権限) 第九十一条 次に掲げる理事は、理事会設置一般社団法人の業務を執行する。 一 代表理事 二 代表理事以外の理事であって、理事会の決議によって理事会設置一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの 2 前項各号に掲げる理事は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 (競業及び理事会設置一般社団法人との取引等の制限) 第九十二条 理事会設置一般社団法人における第八十四条の規定の適用については、同条第一項中「社員総会」とあるのは、「理事会」とする。 2 理事会設置一般社団法人においては、第八十四条第一項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 (招集権者) 第九十三条 理事会は、各理事が招集する。 ただし、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その理事が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた理事(以下この項及び第百一条第二項において「招集権者」という。)以外の理事は、招集権者に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。 (招集手続) 第九十四条 理事会を招集する者は、理事会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、理事会は、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (理事会の決議) 第九十五条 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。 3 理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 5 理事会の決議に参加した理事であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。 (理事会の決議の省略) 第九十六条 理事会設置一般社団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 (議事録等) 第九十七条 理事会設置一般社団法人は、理事会の日(前条の規定により理事会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第九十五条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 債権者は、理事又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について前項各号に掲げる請求をすることができる。 4 裁判所は、前二項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該理事会設置一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、前二項の許可をすることができない。 (理事会への報告の省略) 第九十八条 理事、監事又は会計監査人が理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を理事会へ報告することを要しない。 2 前項の規定は、第九十一条第二項の規定による報告については、適用しない。 第六款 監事 (監事の権限) 第九十九条 監事は、理事の職務の執行を監査する。 この場合において、監事は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。 2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、又は監事設置一般社団法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 3 監事は、その職務を行うため必要があるときは、監事設置一般社団法人の子法人に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 (理事への報告義務) 第百条 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)に報告しなければならない。 (理事会への出席義務等) 第百一条 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。 2 監事は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事(第九十三条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、理事会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。 (社員総会に対する報告義務) 第百二条 監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。 この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告しなければならない。 (監事による理事の行為の差止め) 第百三条 監事は、理事が監事設置一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監事設置一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の理事に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。 (監事設置一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表) 第百四条 第七十七条第四項及び第八十一条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が監事設置一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 2 第七十七条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監事が監事設置一般社団法人を代表する。 一 監事設置一般社団法人が第二百七十八条第一項の訴えの提起の請求(理事の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合 二 監事設置一般社団法人が第二百八十条第三項の訴訟告知(理事の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第二百八十一条第二項の規定による通知及び催告(理事の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合 (監事の報酬等) 第百五条 監事の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。 2 監事が二人以上ある場合において、各監事の報酬等について定款の定め又は社員総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監事の協議によって定める。 3 監事は、社員総会において、監事の報酬等について意見を述べることができる。 (費用等の請求) 第百六条 監事がその職務の執行について監事設置一般社団法人に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監事設置一般社団法人は、当該請求に係る費用又は債務が当該監事の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。 一 費用の前払の請求 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求 第七款 会計監査人 (会計監査人の権限等) 第百七条 会計監査人は、次節の定めるところにより、一般社団法人の計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)及びその附属明細書を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は理事及び使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置一般社団法人の子法人に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置一般社団法人若しくはその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。 4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。 5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第六十八条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人である者 三 会計監査人設置一般社団法人又はその子法人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 (監事に対する報告) 第百八条 会計監査人は、その職務を行うに際して理事の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監事に報告しなければならない。 2 監事は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。 (定時社員総会における会計監査人の意見の陳述) 第百九条 第百七条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監事と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時社員総会に出席して意見を述べることができる。 2 定時社員総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時社員総会に出席して意見を述べなければならない。 (会計監査人の報酬等の決定に関する監事の関与) 第百十条 理事は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。 第八款 役員等の損害賠償責任 (役員等の一般社団法人に対する損害賠償責任) 第百十一条 理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 理事が第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引によって理事又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって一般社団法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第八十四条第一項の理事 二 一般社団法人が当該取引をすることを決定した理事 三 当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事 (一般社団法人に対する損害賠償責任の免除) 第百十二条 前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。 (責任の一部免除) 第百十三条 前条の規定にかかわらず、役員等の第百十一条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額(第百十五条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、社員総会の決議によって免除することができる。 一 賠償の責任を負う額 二 当該役員等がその在職中に一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額 イ 代表理事 六 ロ 代表理事以外の理事であって、次に掲げるもの 四 (1) 理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの (2) 当該一般社団法人の業務を執行した理事((1)に掲げる理事を除く。) (3) 当該一般社団法人の使用人 ハ 理事(イ及びロに掲げるものを除く。)、監事又は会計監査人 二 2 前項の場合には、理事は、同項の社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額 二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠 三 責任を免除すべき理由及び免除額 3 監事設置一般社団法人においては、理事は、第百十一条第一項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 4 第一項の決議があった場合において、一般社団法人が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、社員総会の承認を受けなければならない。 (理事等による免除に関する定款の定め) 第百十四条 第百十二条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人(理事が二人以上ある場合に限る。)は、第百十一条第一項の責任について、役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として理事(当該責任を負う理事を除く。)の過半数の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。 2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(理事の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(理事の責任の免除に限る。)についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を理事会に提出する場合について準用する。 3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)を行ったときは、理事は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を社員に通知しなければならない。 ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。 4 総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、一般社団法人は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。 5 前条第四項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。 (責任限定契約) 第百十五条 第百十二条の規定にかかわらず、一般社団法人は、理事(業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人の業務を執行したその他の理事をいう。次項及び第百四十一条第三項において同じ。)又は当該一般社団法人の使用人でないものに限る。)、監事又は会計監査人(以下この条及び第三百一条第二項第十二号において「非業務執行理事等」という。)の第百十一条第一項の責任について、当該非業務執行理事等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ一般社団法人が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行理事等と締結することができる旨を定款で定めることができる。 2 前項の契約を締結した非業務執行理事等が当該一般社団法人の業務執行理事又は使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。 3 第百十三条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する理事と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合について準用する。 4 第一項の契約を締結した一般社団法人が、当該契約の相手方である非業務執行理事等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。 一 第百十三条第二項第一号及び第二号に掲げる事項 二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由 三 第百十一条第一項の損害のうち、当該非業務執行理事等が賠償する責任を負わないとされた額 5 第百十三条第四項の規定は、非業務執行理事等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。 (理事が自己のためにした取引に関する特則) 第百十六条 第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第百十一条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。 2 前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第百十七条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 理事 次に掲げる行為 イ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ロ 基金(第百三十一条に規定する基金をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第百二十八条第三項に規定する措置を含む。) 二 監事 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (役員等の連帯責任) 第百十八条 役員等が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 第九款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 (補償契約) 第百十八条の二 一般社団法人が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該一般社団法人が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失 イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失 ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失 2 一般社団法人は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分 二 当該一般社団法人が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該一般社団法人に対して第百十一条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部 3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した一般社団法人が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該一般社団法人に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 4 理事会設置一般社団法人においては、補償契約に基づく補償をした理事及び当該補償を受けた理事は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。 5 第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項及び第百十六条第一項の規定は、一般社団法人と理事との間の補償契約については、適用しない。 6 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。 (役員等のために締結される保険契約) 第百十八条の三 一般社団法人が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。 2 第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項の規定は、一般社団法人が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、理事を被保険者とするものの締結については、適用しない。 3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。 ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。 第四節 計算 第一款 会計の原則 第百十九条 一般社団法人の会計は、その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二款 会計帳簿 (会計帳簿の作成及び保存) 第百二十条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。 (会計帳簿の閲覧等の請求) 第百二十一条 総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 三 請求者が当該一般社団法人の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 (会計帳簿の提出命令) 第百二十二条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第三款 計算書類等 (計算書類等の作成及び保存) 第百二十三条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。 2 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この款において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 4 一般社団法人は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。 (計算書類等の監査等) 第百二十四条 監事設置一般社団法人においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人 二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監事 3 理事会設置一般社団法人においては、第一項又は前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の社員への提供) 第百二十五条 理事会設置一般社団法人においては、理事は、定時社員総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告並びに監査報告(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。 (計算書類等の定時社員総会への提出等) 第百二十六条 次の各号に掲げる一般社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時社員総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。) 第百二十四条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 理事会設置一般社団法人 第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の一般社団法人 第百二十三条第二項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時社員総会の承認を受けなければならない。 3 理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (会計監査人設置一般社団法人の特則) 第百二十七条 会計監査人設置一般社団法人については、第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い一般社団法人の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。 この場合においては、理事は、当該計算書類の内容を定時社員総会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の公告) 第百二十八条 一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大規模一般社団法人にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第三百三十一条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である一般社団法人は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。 3 前項の一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。 この場合においては、前二項の規定は、適用しない。 (計算書類等の備置き及び閲覧等) 第百二十九条 一般社団法人は、計算書類等(各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第百二十四条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 2 一般社団法人は、計算書類等の写しを、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 3 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該一般社団法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって一般社団法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (計算書類等の提出命令) 第百三十条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第五節 基金 第一款 基金を引き受ける者の募集 (基金を引き受ける者の募集等に関する定款の定め) 第百三十一条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。次条から第百三十四条まで(第百三十三条第一項第一号を除く。)及び第百三十六条第一号において同じ。)は、基金(この款の規定により一般社団法人に拠出された金銭その他の財産であって、当該一般社団法人が拠出者に対してこの法律及び当該一般社団法人と当該拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務(金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価額に相当する金銭の返還義務)を負うものをいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款で定めることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定款で定めなければならない。 一 基金の拠出者の権利に関する規定 二 基金の返還の手続 (募集事項の決定) 第百三十二条 一般社団法人は、前条の募集をしようとするときは、その都度、次に掲げる事項(以下この款において「募集事項」という。)を定めなければならない。 一 募集に係る基金の総額 二 金銭以外の財産を拠出の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及びその価額 三 基金の拠出に係る金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間 2 設立時社員は、募集事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。 (基金の申込み) 第百三十三条 一般社団法人は、第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 一般社団法人の名称 二 募集事項 三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を一般社団法人に交付しなければならない。 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所 二 引き受けようとする基金の額 3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。 4 一般社団法人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。 5 一般社団法人が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (基金の割当て) 第百三十四条 一般社団法人は、申込者の中から基金の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる基金の額を定めなければならない。 この場合において、一般社団法人は、当該申込者に割り当てる基金の額を、前条第二項第二号の額よりも減額することができる。 2 一般社団法人は、第百三十二条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる基金の額を通知しなければならない。 (基金の申込み及び割当てに関する特則) 第百三十五条 前二条の規定は、基金を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。 (基金の引受け) 第百三十六条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める基金の額について基金の引受人となる。 一 申込者 一般社団法人の割り当てた基金の額 二 前条の契約により基金の総額を引き受けた者 その者が引き受けた基金の額 (金銭以外の財産の拠出) 第百三十七条 一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。第六項において同じ。)は、第百三十二条第一項第二号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、同号の財産(以下「現物拠出財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 7 裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 8 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。第十項第二号において同じ。)は、前項の決定により現物拠出財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その基金の引受けの申込み又は第百三十五条の契約に係る意思表示を取り消すことができる。 9 前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。 一 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物拠出財産の価額 二 現物拠出財産のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物拠出財産の価額 三 現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物拠出財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物拠出財産の価額 四 現物拠出財産が一般社団法人に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物拠出財産の価額 10 次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。 一 理事、監事又は使用人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員、設立時理事又は設立時監事) 二 基金の引受人 三 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者 四 弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの (基金の拠出の履行) 第百三十八条 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者を除く。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。第二百四十八条第五項において同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。第百五十七条第二項において同じ。)の払込みの取扱いの場所において、それぞれの基金の払込金額の全額を払い込まなければならない。 2 基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。)は、第百三十二条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、それぞれの基金の払込金額に相当する現物拠出財産を給付しなければならない。 ただし、一般社団法人の成立前に給付すべき場合において、設立時社員全員の同意があるときは、登記、登録その他の権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般社団法人の成立後にすることを妨げない。 3 基金の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「拠出の履行」という。)をする債務と一般社団法人に対する債権とを相殺することができない。 4 基金の引受人が拠出の履行をしないときは、基金の引受けは、その効力を失う。 (基金の拠出者となる時期) 第百三十九条 基金の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 一 第百三十二条第一項第三号の期日を定めた場合 当該期日 二 第百三十二条第一項第三号の期間を定めた場合 拠出の履行をした日 2 前項の規定にかかわらず、一般社団法人の成立前に基金を引き受ける者の募集をした場合には、一般社団法人の成立の時に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。 (引受けの無効又は取消しの制限) 第百四十条 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、基金の引受けの申込み及び割当て並びに第百三十五条の契約に係る意思表示については、適用しない。 2 基金の引受人は、前条の規定により基金の拠出者となった日から一年を経過した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として基金の引受けの取消しをすることができない。 第二款 基金の返還 (基金の返還) 第百四十一条 基金の返還は、定時社員総会の決議によって行わなければならない。 2 一般社団法人は、ある事業年度に係る貸借対照表上の純資産額が次に掲げる金額の合計額を超える場合においては、当該事業年度の次の事業年度に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り、当該超過額を返還の総額の限度として基金の返還をすることができる。 一 基金(第百四十四条第一項の代替基金を含む。)の総額 二 法務省令で定めるところにより資産につき時価を基準として評価を行っている場合において、その時価の総額がその取得価額の総額を超えるときは、時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額 3 前項の規定に違反して一般社団法人が基金の返還をした場合には、当該返還を受けた者及び当該返還に関する職務を行った業務執行者(業務執行理事その他当該業務執行理事の行う業務の執行に職務上関与した者をいう。次項及び第五項において同じ。)は、当該一般社団法人に対し、連帯して、違法に返還された額を弁済する責任を負う。 4 前項の規定にかかわらず、業務執行者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の責任を負わない。 5 第三項の業務執行者の責任は、免除することができない。 ただし、第二項の超過額を限度として当該責任を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。 6 第二項の規定に違反して基金の返還がされた場合においては、一般社団法人の債権者は、当該返還を受けた者に対し、当該返還の額を当該一般社団法人に対して返還することを請求することができる。 (基金の返還に係る債権の取得の禁止) 第百四十二条 一般社団法人は、次に掲げる場合に限り、自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得することができる。 一 合併又は他の法人の事業の全部の譲受けによる場合 二 一般社団法人の権利の実行に当たり、その目的を達成するために必要な場合 三 無償で取得する場合 2 一般社団法人が前項第一号又は第二号に掲げる場合に同項の債権を取得したときは、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は消滅しない。 この場合においては、一般社団法人は、当該債権を相当の時期に他に譲渡しなければならない。 (基金利息の禁止) 第百四十三条 基金の返還に係る債権には、利息を付することができない。 (代替基金) 第百四十四条 基金の返還をする場合には、返還をする基金に相当する金額を代替基金として計上しなければならない。 2 前項の代替基金は、取り崩すことができない。 3 合併により消滅する一般社団法人が代替基金を計上している場合において、合併後存続する一般社団法人又は合併により設立する一般社団法人が当該合併に際して代替基金として計上すべき額については、法務省令で定める。 (破産法の適用の特例) 第百四十五条 一般社団法人が破産手続開始の決定を受けた場合においては、基金の返還に係る債権は、破産法第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権に後れる。 第六節 定款の変更 第百四十六条 一般社団法人は、その成立後、社員総会の決議によって、定款を変更することができる。 第七節 事業の譲渡 第百四十七条 一般社団法人が事業の全部の譲渡をするには、社員総会の決議によらなければならない。 第八節 解散 (解散の事由) 第百四十八条 一般社団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 社員総会の決議 四 社員が欠けたこと。 五 合併(合併により当該一般社団法人が消滅する場合に限る。) 六 破産手続開始の決定 七 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 (休眠一般社団法人のみなし解散) 第百四十九条 休眠一般社団法人(一般社団法人であって、当該一般社団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般社団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般社団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般社団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般社団法人の継続) 第百五十条 一般社団法人は、第百四十八条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、第四章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、社員総会の決議によって、一般社団法人を継続することができる。 (解散した一般社団法人の合併の制限) 第百五十一条 一般社団法人が解散した場合には、当該一般社団法人は、当該一般社団法人が合併後存続する一般社団法人となる合併をすることができない。 第三章 一般財団法人 第一節 設立 第一款 定款の作成 (定款の作成) 第百五十二条 一般財団法人を設立するには、設立者(設立者が二人以上あるときは、その全員)が定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 2 設立者は、遺言で、次条第一項各号に掲げる事項及び第百五十四条に規定する事項を定めて一般財団法人を設立する意思を表示することができる。 この場合においては、遺言執行者は、当該遺言の効力が生じた後、遅滞なく、当該遺言で定めた事項を記載した定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第十条第二項の規定は、前二項の定款について準用する。 (定款の記載又は記録事項) 第百五十三条 一般財団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所の所在地 四 設立者の氏名又は名称及び住所 五 設立に際して設立者(設立者が二人以上あるときは、各設立者)が拠出をする財産及びその価額 六 設立時評議員(一般財団法人の設立に際して評議員となる者をいう。以下同じ。)、設立時理事(一般財団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項において同じ。)及び設立時監事(一般財団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この節、第二百五十四条第七号及び同項において同じ。)の選任に関する事項 七 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人(会計監査人を置く一般財団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般財団法人をいう。以下同じ。)であるときは、設立時会計監査人(一般財団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下この節及び第三百十九条第二項第六号において同じ。)の選任に関する事項 八 評議員の選任及び解任の方法 九 公告方法 十 事業年度 2 前項第五号の財産の価額の合計額は、三百万円を下回ってはならない。 3 次に掲げる定款の定めは、その効力を有しない。 一 第一項第八号の方法として、理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任する旨の定款の定め 二 設立者に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定め 第百五十四条 前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般財団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。 (定款の認証) 第百五十五条 第百五十二条第一項及び第二項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 (定款の備置き及び閲覧等) 第百五十六条 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)は、定款を設立者が定めた場所(一般財団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。 2 設立者(一般財団法人の成立後にあっては、その評議員及び債権者)は、設立者が定めた時間(一般財団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めた費用を支払わなければならない。 一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般財団法人についての第一項の規定の適用については、同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。 第二款 財産の拠出 (財産の拠出の履行) 第百五十七条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、遺言執行者。以下この条、第百六十一条第二項、第百六十六条から第百六十八条まで、第二百条第二項、第三百十九条第三項及び第七章において同じ。)は、第百五十五条の公証人の認証の後遅滞なく、第百五十三条第一項第五号に規定する拠出に係る金銭の全額を払い込み、又は同号に規定する拠出に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。 ただし、設立者が定めたとき(設立者が二人以上あるときは、その全員の同意があるとき)は、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般財団法人の成立後にすることを妨げない。 2 前項の規定による払込みは、設立者が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 (贈与又は遺贈に関する規定の準用) 第百五十八条 生前の処分で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の贈与に関する規定を準用する。 2 遺言で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、民法の遺贈に関する規定を準用する。 第三款 設立時評議員等の選任 第百五十九条 定款で設立時評議員、設立時理事又は設立時監事を定めなかったときは、第百五十七条第一項の規定による払込み又は給付(以下「財産の拠出の履行」という。)が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、これらの者を選任しなければならない。 2 設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人である場合において、定款で設立時会計監査人を定めなかったときは、財産の拠出の履行が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、設立時会計監査人を選任しなければならない。 第百六十条 設立時評議員及び設立時理事は、それぞれ三人以上でなければならない。 2 第百七十三条第一項において準用する第六十五条第一項の規定又は第百七十七条において準用する第六十五条第一項若しくは第六十八条第一項若しくは第三項の規定により成立後の一般財団法人の評議員、理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時評議員、設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人となることができない。 3 第六十五条の二の規定は、設立時評議員、設立時理事及び設立時監事について準用する。 第四款 設立時理事等による調査 第百六十一条 設立時理事及び設立時監事は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。 一 財産の拠出の履行が完了していること。 二 前号に掲げる事項のほか、一般財団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。 2 設立時理事及び設立時監事は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立者にその旨を通知しなければならない。 第五款 設立時代表理事の選定等 第百六十二条 設立時理事は、設立時理事の中から一般財団法人の設立に際して代表理事(一般財団法人を代表する理事をいう。第三百二条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条及び第三百十九条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。 2 設立時理事は、一般財団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。 3 前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。 第六款 一般財団法人の成立 (一般財団法人の成立) 第百六十三条 一般財団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。 (財産の帰属時期) 第百六十四条 生前の処分で財産の拠出をしたときは、当該財産は、一般財団法人の成立の時から当該一般財団法人に帰属する。 2 遺言で財産の拠出をしたときは、当該財産は、遺言が効力を生じた時から一般財団法人に帰属したものとみなす。 (財産の拠出の取消しの制限) 第百六十五条 設立者(第百五十二条第二項の場合にあっては、その相続人)は、一般財団法人の成立後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として財産の拠出の取消しをすることができない。 第七款 設立者等の責任 (設立者等の損害賠償責任) 第百六十六条 設立者、設立時理事又は設立時監事は、一般財団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般財団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 設立者、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立者、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 (設立者等の連帯責任) 第百六十七条 設立者、設立時理事又は設立時監事が一般財団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立者、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (責任の免除) 第百六十八条 第百六十六条第一項の規定により設立者、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総評議員の同意がなければ、免除することができない。 (一般財団法人不成立の場合の責任) 第百六十九条 一般財団法人が成立しなかったときは、第百五十二条第一項の設立者は、連帯して、一般財団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般財団法人の設立に関して支出した費用を負担する。 第二節 機関 第一款 機関の設置 (機関の設置) 第百七十条 一般財団法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。 2 一般財団法人は、定款の定めによって、会計監査人を置くことができる。 (会計監査人の設置義務) 第百七十一条 大規模一般財団法人は、会計監査人を置かなければならない。 第二款 評議員等の選任及び解任 (一般財団法人と評議員等との関係) 第百七十二条 一般財団法人と評議員、理事、監事及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 2 理事は、一般財団法人の財産のうち一般財団法人の目的である事業を行うために不可欠なものとして定款で定めた基本財産があるときは、定款で定めるところにより、これを維持しなければならず、かつ、これについて一般財団法人の目的である事業を行うことを妨げることとなる処分をしてはならない。 (評議員の資格等) 第百七十三条 第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は、評議員について準用する。 2 評議員は、一般財団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人を兼ねることができない。 3 評議員は、三人以上でなければならない。 (評議員の任期) 第百七十四条 評議員の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。 ただし、定款によって、その任期を選任後六年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで伸長することを妨げない。 2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期を退任した評議員の任期の満了する時までとすることを妨げない。 (評議員に欠員を生じた場合の措置) 第百七十五条 この法律又は定款で定めた評議員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した評議員は、新たに選任された評議員(次項の一時評議員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお評議員としての権利義務を有する。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時評議員の職務を行うべき者を選任することができる。 3 裁判所は、前項の一時評議員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般財団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (理事、監事又は会計監査人の解任) 第百七十六条 理事又は監事が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その理事又は監事を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 2 会計監査人が第七十一条第一項各号のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その会計監査人を解任することができる。 (一般社団法人に関する規定の準用) 第百七十七条 前章第三節第三款(第六十四条、第六十七条第三項及び第七十条を除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人の選任及び解任について準用する。 この場合において、これらの規定(第六十六条ただし書を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第六十六条ただし書中「定款又は社員総会の決議によって」とあるのは「定款によって」と、第六十八条第三項第一号中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、第七十四条第三項中「第三十八条第一項第一号」とあるのは「第百八十一条第一項第一号」と読み替えるものとする。 第三款 評議員及び評議員会 (評議員会の権限等) 第百七十八条 評議員会は、すべての評議員で組織する。 2 評議員会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 3 この法律の規定により評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。 (評議員会の招集) 第百七十九条 定時評議員会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。 2 評議員会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 3 評議員会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。 (評議員による招集の請求) 第百八十条 評議員は、理事に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした評議員は、裁判所の許可を得て、評議員会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を評議員会の日とする評議員会の招集の通知が発せられない場合 (評議員会の招集の決定) 第百八十一条 評議員会を招集する場合には、理事会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 評議員会の日時及び場所 二 評議員会の目的である事項があるときは、当該事項 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合には、当該評議員は、前項各号に掲げる事項を定めなければならない。 (評議員会の招集の通知) 第百八十二条 評議員会を招集するには、理事(第百八十条第二項の規定により評議員が評議員会を招集する場合にあっては、当該評議員。次項において同じ。)は、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面でその通知を発しなければならない。 2 理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 (招集手続の省略) 第百八十三条 前条の規定にかかわらず、評議員会は、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。 (評議員提案権) 第百八十四条 評議員は、理事に対し、一定の事項を評議員会の目的とすることを請求することができる。 この場合において、その請求は、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。 第百八十五条 評議員は、評議員会において、評議員会の目的である事項につき議案を提出することができる。 ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。 第百八十六条 評議員は、理事に対し、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員会の目的である事項につき当該評議員が提出しようとする議案の要領を第百八十二条第一項又は第二項の通知に記載し、又は記録して評議員に通知することを請求することができる。 2 前項の規定は、同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。 (評議員会の招集手続等に関する検査役の選任) 第百八十七条 一般財団法人又は評議員は、評議員会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該評議員会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般財団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。 4 第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 5 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 6 第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般財団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般財団法人でない場合にあっては、当該一般財団法人及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 (裁判所による評議員会招集等の決定) 第百八十八条 裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。 一 一定の期間内に評議員会を招集すること。 二 前条第四項の調査の結果を評議員に通知すること。 2 裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の評議員会において開示しなければならない。 3 前項に規定する場合には、理事及び監事は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の評議員会に報告しなければならない。 (評議員会の決議) 第百八十九条 評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第百七十六条第一項の評議員会(監事を解任する場合に限る。) 二 第百九十八条において準用する第百十三条第一項の評議員会 三 第二百条の評議員会 四 第二百一条の評議員会 五 第二百四条の評議員会 六 第二百四十七条、第二百五十一条第一項及び第二百五十七条の評議員会 3 前二項の決議について特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができない。 4 評議員会は、第百八十一条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 ただし、第百九十一条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第百九十七条において準用する第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。 (理事等の説明義務) 第百九十条 理事及び監事は、評議員会において、評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。 ただし、当該事項が評議員会の目的である事項に関しないものである場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。 (評議員会に提出された資料等の調査) 第百九十一条 評議員会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該評議員会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。 2 第百八十条の規定により招集された評議員会においては、その決議によって、一般財団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。 (延期又は続行の決議) 第百九十二条 評議員会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八十一条及び第百八十二条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百九十三条 評議員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 2 一般財団法人は、評議員会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 一般財団法人は、評議員会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。 4 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求 二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (評議員会の決議の省略) 第百九十四条 理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき評議員(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。 2 一般財団法人は、前項の規定により評議員会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 4 第一項の規定により定時評議員会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時評議員会が終結したものとみなす。 (評議員会への報告の省略) 第百九十五条 理事が評議員の全員に対して評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を評議員会に報告することを要しないことにつき評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の評議員会への報告があったものとみなす。 (評議員の報酬等) 第百九十六条 評議員の報酬等の額は、定款で定めなければならない。 第四款 理事、理事会、監事及び会計監査人 第百九十七条 前章第三節第四款(第七十六条、第七十七条第一項から第三項まで、第八十一条及び第八十八条第二項を除く。)、第五款(第九十二条第一項を除く。)、第六款(第百四条第二項を除く。)及び第七款の規定は、一般財団法人の理事、理事会、監事及び会計監査人について準用する。 この場合において、これらの規定(第八十三条及び第八十四条第一項を除く。)中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第八十三条中「定款並びに社員総会の決議」とあるのは「定款」と、第八十四条第一項中「社員総会」とあるのは「理事会」と、第八十五条中「社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)」とあるのは「監事」と、第八十六条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、並びに同条第七項、第八十七条第一項第二号及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「評議員」と、同項中「著しい損害」とあるのは「回復することができない損害」と、第九十条第四項第六号中「第百十四条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十四条第一項」と、「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、第九十七条第二項中「社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て」とあるのは「評議員は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも」と、同条第四項中「前二項の請求」とあるのは「前項の請求」と、「前二項の許可」とあるのは「同項の許可」と、第百四条第一項中「第七十七条第四項及び第八十一条」とあるのは「第七十七条第四項」と、第百七条第一項中「第百二十三条第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十三条第二項」と、「第百十七条第二項第一号イ」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十七条第二項第一号イ」と、同条第五項第一号中「第六十八条第三項第一号」とあるのは「第百七十七条において準用する第六十八条第三項第一号」と読み替えるものとする。 第五款 役員等の損害賠償責任 第百九十八条 前章第三節第八款(第百十七条第二項第一号ロを除く。)の規定は、一般財団法人の理事、監事及び会計監査人並びに評議員の損害賠償責任について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百十一条第一項中「理事、監事又は会計監査人(以下この節及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)」とあるのは「理事、監事若しくは会計監査人(以下この款及び第三百二条第二項第九号において「役員等」という。)又は評議員」と、同条第二項中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、同条第三項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、同項第一号中「第八十四条第一項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項」と、第百十二条中「総社員」とあるのは「総評議員」と、第百十四条第二項中「についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案」とあるのは「に関する議案」と、同条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、同条第四項中「総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項」とあるのは「総評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の評議員が前項」と、第百十五条第一項中「第三百一条第二項第十二号」とあるのは「第三百二条第二項第十号」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項第二号」と、第百十七条第一項及び第百十八条中「役員等」とあるのは「役員等又は評議員」と、第百十七条第二項第一号ニ中「第百二十八条第三項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百二十八条第三項」と読み替えるものとする。 第六款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約 第百九十八条の二 前章第三節第九款の規定は、一般財団法人について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)」とあるのは「理事会」と、第百十八条の二第一項中「役員等に」とあるのは「理事、監事又は会計監査人(以下この款において「役員等」という。)に」と、同条第二項第二号中「第百十一条第一項」とあるのは「第百九十八条において準用する第百十一条第一項」と、同条第四項中「理事会設置一般社団法人」とあるのは「一般財団法人」と、同条第五項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項」とあり、及び第百十八条の三第二項中「第八十四条第一項、第九十二条第二項及び第百十一条第三項」とあるのは「第百九十七条において準用する第八十四条第一項及び第九十二条第二項並びに第百九十八条において準用する第百十一条第三項」と読み替えるものとする。 第三節 計算 第百九十九条 前章第四節(第百二十一条第一項後段及び第二項並びに第百二十六条第一項第一号、第二号及び第四号を除く。)の規定は、一般財団法人の計算について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは「評議員会」と、第百二十一条第一項中「総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員」とあり、及び第百二十九条第三項中「社員」とあるのは「評議員」と、第百二十五条中「社員に」とあるのは「評議員に」と、第百二十九条第一項及び第二項中「第五十八条第一項」とあるのは「第百九十四条第一項」と、同条第三項ただし書中「第二号」とあるのは「債権者が第二号」と読み替えるものとする。 第四節 定款の変更 第二百条 一般財団法人は、その成立後、評議員会の決議によって、定款を変更することができる。 ただし、第百五十三条第一項第一号及び第八号に掲げる事項に係る定款の定めについては、この限りでない。 2 前項ただし書の規定にかかわらず、設立者が同項ただし書に規定する定款の定めを評議員会の決議によって変更することができる旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたときは、評議員会の決議によって、前項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 3 一般財団法人は、その設立の当時予見することのできなかった特別の事情により、第一項ただし書に規定する定款の定めを変更しなければその運営の継続が不可能又は著しく困難となるに至ったときは、裁判所の許可を得て、評議員会の決議によって、同項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。 第五節 事業の譲渡 第二百一条 一般財団法人が事業の全部の譲渡をするには、評議員会の決議によらなければならない。 第六節 解散 (解散の事由) 第二百二条 一般財団法人は、次に掲げる事由によって解散する。 一 定款で定めた存続期間の満了 二 定款で定めた解散の事由の発生 三 基本財産の滅失その他の事由による一般財団法人の目的である事業の成功の不能 四 合併(合併により当該一般財団法人が消滅する場合に限る。) 五 破産手続開始の決定 六 第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判 2 一般財団法人は、前項各号に掲げる事由のほか、ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 3 新設合併により設立する一般財団法人は、前項に規定する場合のほか、第百九十九条において準用する第百二十三条第一項の貸借対照表及びその成立の日の属する事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。 (休眠一般財団法人のみなし解散) 第二百三条 休眠一般財団法人(一般財団法人であって、当該一般財団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般財団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。 ただし、当該期間内に当該休眠一般財団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般財団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。 (一般財団法人の継続) 第二百四条 一般財団法人は、次に掲げる場合には、次章の規定による清算が結了するまで(第二号に掲げる場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、評議員会の決議によって、一般財団法人を継続することができる。 一 第二百二条第二項又は第三項の規定による解散後、清算事務年度(第二百二十七条第一項に規定する清算事務年度をいう。)に係る貸借対照表上の純資産額が三百万円以上となった場合 二 前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合 (解散した一般財団法人の合併の制限) 第二百五条 一般財団法人が解散した場合には、当該一般財団法人は、当該一般財団法人が合併後存続する一般財団法人となる合併をすることができない。 第四章 清算 第一節 清算の開始 (清算の開始原因) 第二百六条 一般社団法人又は一般財団法人は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。 一 解散した場合(第百四十八条第五号又は第二百二条第一項第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) 二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 (清算法人の能力) 第二百七条 前条の規定により清算をする一般社団法人又は一般財団法人(以下「清算法人」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 第二節 清算法人の機関 第一款 清算法人における機関の設置 第二百八条 清算法人には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。 2 清算法人は、定款の定めによって、清算人会又は監事を置くことができる。 3 第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった時において大規模一般社団法人又は大規模一般財団法人であった清算法人は、監事を置かなければならない。 4 第二章第三節第二款及び前章第二節第一款(評議員及び評議員会に係る部分を除く。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第二款 清算人の就任及び解任並びに監事の退任等 (清算人の就任) 第二百九条 次に掲げる者は、清算法人の清算人となる。 一 理事(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。) 二 定款で定める者 三 社員総会又は評議員会の決議によって選任された者 2 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 3 前二項の規定にかかわらず、第百四十八条第七号又は第二百二条第一項第六号に掲げる事由によって解散した清算法人については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、第二百六条第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算法人については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。 5 第六十四条、第六十五条第一項及び第六十五条の二の規定は清算人について、第六十五条第三項の規定は清算人会設置法人(清算人会を置く清算法人をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。 この場合において、同項中「理事は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。 (清算人の解任) 第二百十条 清算一般社団法人(一般社団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。 2 清算一般財団法人(一般財団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その清算人を解任することができる。 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 二 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 3 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。 4 第七十五条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。 (監事の退任等) 第二百十一条 清算法人の監事は、当該清算法人が監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。 2 次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める清算法人については、適用しない。 一 第六十七条(第百七十七条において準用する場合を含む。) 清算法人 二 第百七十四条 清算一般財団法人 第三款 清算人の職務等 (清算人の職務) 第二百十二条 清算人は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の引渡し (業務の執行) 第二百十三条 清算人は、清算法人(清算人会設置法人を除く。次項において同じ。)の業務を執行する。 2 清算人が二人以上ある場合には、清算法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。 3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。 一 従たる事務所の設置、移転及び廃止 二 第三十八条第一項各号に掲げる事項 三 第百八十一条第一項各号に掲げる事項 四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 4 第八十一条から第八十五条まで、第八十八条及び第八十九条の規定は、清算人(同条の規定については、第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。 この場合において、第八十一条中「第七十七条第四項」とあるのは「第二百十四条第七項において準用する第七十七条第四項」と、同条、第八十四条第一項及び第八十九条中「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、第八十二条中「代表理事」とあるのは「代表清算人(第二百十四条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、第八十三条中「並びに社員総会の決議」とあるのは「(清算一般社団法人にあっては、法令及び定款並びに社員総会の決議)」と、第八十五条及び第八十八条第一項中「社員」とあるのは「社員又は評議員」と、第八十五条及び第八十八条第二項中「監事設置一般社団法人」とあるのは「監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)」と読み替えるものとする。 (清算法人の代表) 第二百十四条 清算人は、清算法人を代表する。 ただし、他に代表清算人(清算法人を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算法人を代表する。 3 清算法人(清算人会設置法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は社員総会若しくは評議員会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。 4 第二百九条第一項第一号の規定により理事が清算人となる場合において、代表理事(一般社団法人等を代表する理事をいう。以下この項、第二百六十一条第一項第三号、第二百八十九条第二号、第二百九十三条第一号、第三百五条、第三百十五条第一項第二号イ及び第三百二十条第一項において同じ。)を定めていたときは、当該代表理事が代表清算人となる。 5 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。 6 前条第四項において準用する第八十一条の規定、次項において準用する第七十七条第四項の規定及び第二百二十条第八項の規定にかかわらず、監事設置清算法人(監事を置く清算法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない清算法人をいう。以下同じ。)が清算人(清算人であった者を含む。以下この項において同じ。)に対し、又は清算人が監事設置清算法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置清算法人を代表する。 7 第七十七条第四項及び第五項並びに第七十九条の規定は代表清算人について、第八十条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。 (清算法人についての破産手続の開始) 第二百十五条 清算法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 清算人は、清算法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。 3 前項に規定する場合において、清算法人が既に債権者に支払い、又は残余財産の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (裁判所の選任する清算人の報酬) 第二百十六条 裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 (清算人の清算法人に対する損害賠償責任) 第二百十七条 清算人は、その任務を怠ったときは、清算法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。 3 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号又は第三号の取引によって清算法人に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。 一 第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の清算人 二 清算法人が当該取引をすることを決定した清算人 三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人 4 第百十二条及び第百十六条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。 この場合において、第百十二条中「総社員」とあるのは「総社員又は総評議員」と、第百十六条第一項中「第八十四条第一項第二号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号」と読み替えるものとする。 (清算人の第三者に対する損害賠償責任) 第二百十八条 清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 第二百二十五条第一項に規定する財産目録等並びに第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 四 基金を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 (清算人等の連帯責任) 第二百十九条 清算人、監事又は評議員が清算法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人、監事又は評議員も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。 2 前項の場合には、第百十八条(第百九十八条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 第四款 清算人会 (清算人会の権限等) 第二百二十条 清算人会は、すべての清算人で組織する。 2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。 一 清算人会設置法人の業務執行の決定 二 清算人の職務の執行の監督 三 代表清算人の選定及び解職 3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。 ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。 4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第二百十四条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。 5 第二百十四条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。 6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け 二 多額の借財 三 重要な使用人の選任及び解任 四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 五 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備 7 次に掲げる清算人は、清算人会設置法人の業務を執行する。 一 代表清算人 二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置法人の業務を執行する清算人として選定されたもの 8 第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十一条に規定する場合には、清算人会は、同条の規定による社員総会又は評議員会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて清算人会設置法人を代表する者を定めることができる。 9 第七項各号に掲げる清算人は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を清算人会に報告しなければならない。 ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。 10 第九十二条の規定は、清算人会設置法人について準用する。 この場合において、同条第一項中「第八十四条」とあるのは「第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十四条」と、「社員総会」とあるのは「社員総会又は評議員会」と、「「理事会」とあるのは「「清算人会」と、同条第二項中「第八十四条第一項各号」とあるのは「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項各号」と、「理事は」とあるのは「清算人は」と、「理事会に」とあるのは「清算人会に」と読み替えるものとする。 (清算人会の運営) 第二百二十一条 清算人会は、各清算人が招集する。 ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。 2 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項及び次条第二項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。 3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。 4 第九十四条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の招集について準用する。 この場合において、同条第一項中「各理事及び各監事」とあるのは「各清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。次項において同じ。)にあっては、各清算人及び各監事)」と、同条第二項中「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人にあっては、清算人及び監事)」と読み替えるものとする。 5 第九十五条及び第九十六条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の決議について準用する。 この場合において、第九十五条第一項中「理事の」とあるのは「清算人の」と、同条第二項中「理事」とあるのは「清算人」と、同条第三項中「理事(」とあるのは「清算人(」と、「代表理事」とあるのは「代表清算人」と、同条第五項中「理事であって」とあるのは「清算人であって」と、第九十六条中「理事が」とあるのは「清算人が」と、「理事(」とあるのは「清算人(」と読み替えるものとする。 6 第九十八条の規定は、清算人会設置法人における清算人会への報告について準用する。 この場合において、同条第一項中「理事、監事又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監事」と、「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)にあっては、清算人及び監事)」と、同条第二項中「第九十一条第二項」とあるのは「第二百二十条第九項」と読み替えるものとする。 (社員又は評議員による招集の請求) 第二百二十二条 清算人会設置法人(監事設置清算法人を除く。)の社員又は評議員は、清算人が清算人会設置法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、清算人会の招集を請求することができる。 2 前項の規定による請求は、清算人(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、清算人会の目的である事項を示して行わなければならない。 3 前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。 4 第一項の規定による請求を行った社員又は評議員は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した清算人会に出席し、意見を述べることができる。 (議事録等) 第二百二十三条 清算人会設置法人は、清算人会の日(第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の規定により清算人会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、同項において準用する第九十五条第三項の議事録又は第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 社員又は評議員は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員については、その権利を行使するため必要があるときに限る。 一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 監事設置清算法人である清算一般社団法人における前項の規定の適用については、同項中「清算法人の業務時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。 4 債権者は、清算人又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。 5 裁判所は、第三項の規定により読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は前項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該清算人会設置法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の規定により読み替えて適用する第二項の許可又は前項の許可をすることができない。 第五款 理事等に関する規定の適用 第二百二十四条 清算法人については、第六十五条第二項、第七十二条及び第七十四条第三項(これらの規定を第百七十七条において準用する場合を含む。)並びに第八十七条及び第二章第三節第六款(第百四条第一項を除き、これらの規定を第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会設置法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会設置法人に適用があるものとする。 2 清算一般社団法人については、第二章第三節第一款及び第百三十七条第十項の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に適用があるものとする。 3 清算一般財団法人については、第百五十三条第三項第一号、第百七十三条第二項及び前章第二節第三款の規定中理事又は理事会に関する規定は、それぞれ清算人又は清算人会に関する規定として清算人又は清算人会に適用があるものとする。 この場合において、第百八十一条第一項中「理事会の決議によって」とあるのは「清算人は」と、「定めなければならない」とあるのは「定めなければならない。ただし、清算人会を置く清算一般財団法人(第二百十条第二項に規定する清算一般財団法人をいう。)においては、当該事項の決定は、清算人会の決議によらなければならない」とする。 第三節 財産目録等 (財産目録等の作成等) 第二百二十五条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算法人の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 清算法人は、財産目録等を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。 (財産目録等の提出命令) 第二百二十六条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (貸借対照表等の作成及び保存) 第二百二十七条 清算法人は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。 3 清算法人は、第一項の貸借対照表を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。 (貸借対照表等の監査等) 第二百二十八条 監事設置清算法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。 2 清算人会設置法人においては、前条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。 (貸借対照表等の備置き及び閲覧等) 第二百二十九条 次の各号に掲げる清算法人は、第二百二十七条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、当該各号に定める日からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 一 清算一般社団法人 定時社員総会の日の一週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 清算一般財団法人 定時評議員会の日の一週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 2 社員、評議員及び債権者は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (貸借対照表等の提出等) 第二百三十条 次の各号に掲げる清算法人においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時社員総会又は定時評議員会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置清算法人(清算人会設置法人を除く。) 第二百二十八条第一項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告 二 清算人会設置法人 第二百二十八条第二項の承認を受けた貸借対照表及び事務報告 三 前二号に掲げるもの以外の清算法人 第二百二十七条第一項の貸借対照表及び事務報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時社員総会又は定時評議員会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時社員総会又は定時評議員会に報告しなければならない。 (貸借対照表等の提出命令) 第二百三十一条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、第二百二十七条第一項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (適用除外) 第二百三十二条 第二章第四節第三款(第百二十三条第四項、第百二十八条第三項、第百二十九条及び第百三十条を除き、第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、清算法人については、適用しない。 第四節 債務の弁済等 (債権者に対する公告等) 第二百三十三条 清算法人は、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算法人の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十四条 清算法人は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算法人は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算法人は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算法人の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第二百三十五条 清算法人は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算法人は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 (基金の返還の制限) 第二百三十六条 基金の返還に係る債務の弁済は、その余の清算一般社団法人の債務の弁済がされた後でなければ、することができない。 (債務の弁済前における残余財産の引渡しの制限) 第二百三十七条 清算法人は、当該清算法人の債務を弁済した後でなければ、その財産の引渡しをすることができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (清算からの除斥) 第二百三十八条 清算法人の債権者(知れている債権者を除く。)であって第二百三十三条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された債権者は、引渡しがされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 第五節 残余財産の帰属 第二百三十九条 残余財産の帰属は、定款で定めるところによる。 2 前項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、その帰属は、清算法人の社員総会又は評議員会の決議によって定める。 3 前二項の規定により帰属が定まらない残余財産は、国庫に帰属する。 第六節 清算事務の終了等 (清算事務の終了等) 第二百四十条 清算法人は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。 2 清算人会設置法人においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。 3 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。 4 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。 (帳簿資料の保存) 第二百四十一条 清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算法人の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。 2 裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。 この場合においては、同項の規定は、適用しない。 3 前項の規定により選任された者は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。 4 第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。 第五章 合併 第一節 通則 (合併契約の締結) 第二百四十二条 一般社団法人又は一般財団法人は、他の一般社団法人又は一般財団法人と合併をすることができる。 この場合においては、合併をする法人は、合併契約を締結しなければならない。 (合併の制限) 第二百四十三条 次の各号に掲げる場合には、合併後存続する一般社団法人若しくは一般財団法人又は合併により設立する一般社団法人若しくは一般財団法人は、それぞれ当該各号に定める種類の法人でなければならない。 一 合併をする法人が一般社団法人のみである場合 一般社団法人 二 合併をする法人が一般財団法人のみである場合 一般財団法人 2 前項各号に掲げる場合以外の場合において、合併をする一般社団法人が合併契約の締結の日までに基金の全額を返還していないときは、合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、一般社団法人でなければならない。 第二節 吸収合併 第一款 吸収合併契約等 (吸収合併契約) 第二百四十四条 一般社団法人又は一般財団法人が吸収合併をする場合には、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 吸収合併後存続する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併存続法人」という。)及び吸収合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。) (吸収合併の効力の発生等) 第二百四十五条 吸収合併存続法人は、効力発生日に、吸収合併消滅法人の権利義務を承継する。 2 吸収合併消滅法人の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 3 前二項の規定は、第二百四十八条若しくは第二百五十二条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。 第二款 吸収合併消滅法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百四十六条 吸収合併消滅法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百四十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百四十七条 吸収合併消滅法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百四十八条 吸収合併消滅法人の債権者は、吸収合併消滅法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併存続法人の名称及び住所 三 吸収合併消滅法人及び吸収合併存続法人の計算書類(第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類をいう。以下同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併の効力発生日の変更) 第二百四十九条 吸収合併消滅法人は、吸収合併存続法人との合意により、効力発生日を変更することができる。 2 前項の場合には、吸収合併消滅法人は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。 3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、第二百四十五条及びこの款の規定を適用する。 第三款 吸収合併存続法人の手続 (吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十条 吸収合併存続法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である吸収合併存続法人にあっては、次条第一項の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十二条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (吸収合併契約の承認) 第二百五十一条 吸収合併存続法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 2 吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の債務の額として法務省令で定める額が吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の資産の額として法務省令で定める額を超える場合には、理事は、前項の社員総会又は評議員会において、その旨を説明しなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十二条 吸収合併存続法人の債権者は、吸収合併存続法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。 2 吸収合併存続法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収合併をする旨 二 吸収合併消滅法人の名称及び住所 三 吸収合併存続法人及び吸収合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併存続法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併存続法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 (吸収合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十三条 吸収合併存続法人は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続法人が承継した吸収合併消滅法人の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 吸収合併存続法人は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第三節 新設合併 第一款 新設合併契約等 (新設合併契約) 第二百五十四条 二以上の一般社団法人又は一般財団法人が新設合併をする場合には、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 新設合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併消滅法人」という。)の名称及び住所 二 新設合併により設立する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併設立法人」という。)の目的、名称及び主たる事務所の所在地 三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立法人の定款で定める事項 四 新設合併設立法人の設立に際して理事となる者の氏名 五 新設合併設立法人が会計監査人設置一般社団法人又は会計監査人設置一般財団法人であるときは、その設立に際して会計監査人となる者の氏名又は名称 六 新設合併設立法人が監事設置一般社団法人であるときは、設立時監事の氏名 七 新設合併設立法人が一般財団法人であるときは、設立時評議員及び設立時監事の氏名 (新設合併の効力の発生) 第二百五十五条 新設合併設立法人は、その成立の日に、新設合併消滅法人の権利義務を承継する。 第二款 新設合併消滅法人の手続 (新設合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百五十六条 新設合併消滅法人は、新設合併契約備置開始日から新設合併設立法人の成立の日までの間、新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 2 前項に規定する「新設合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。 一 一般社団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の社員総会の日の二週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である新設合併消滅法人にあっては、次条の評議員会の日の二週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 三 第二百五十八条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日 3 新設合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 第一項の書面の閲覧の請求 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (新設合併契約の承認) 第二百五十七条 新設合併消滅法人は、社員総会又は評議員会の決議によって、新設合併契約の承認を受けなければならない。 (債権者の異議) 第二百五十八条 新設合併消滅法人の債権者は、新設合併消滅法人に対し、新設合併について異議を述べることができる。 2 新設合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新設合併をする旨 二 他の新設合併消滅法人及び新設合併設立法人の名称及び住所 三 新設合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、新設合併消滅法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第三百三十一条第一項の規定による定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、新設合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 第三款 新設合併設立法人の手続 (設立の特則) 第二百五十九条 第二章第一節(第十一条(第一項第四号を除く。)、第十二条、第十四条、第十六条、第四款及び第五款を除く。)の規定は、一般社団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 2 第三章第一節(第百五十三条第一項第一号から第三号まで及び第八号から第十号まで並びに第三項、第百五十四条、第百五十六条、第百六十条、第五款並びに第百六十三条を除く。)の規定は、一般財団法人である新設合併設立法人の設立については、適用しない。 3 新設合併設立法人の定款は、新設合併消滅法人が作成する。 (新設合併に関する書面等の備置き及び閲覧等) 第二百六十条 新設合併設立法人は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立法人が承継した新設合併消滅法人の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 新設合併設立法人は、その成立の日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。 3 新設合併設立法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併設立法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、社員及び債権者が第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 前項の書面の閲覧の請求 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 第六章 雑則 第一節 解散命令 (解散命令) 第二百六十一条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため一般社団法人等の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、一般社団法人等の解散を命ずることができる。 一 一般社団法人等の設立が不法な目的に基づいてされたとき。 二 一般社団法人等が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。 三 業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人等の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人等の業務を執行したその他の理事をいう。)が、法令若しくは定款で定める一般社団法人等の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反復して当該行為をしたとき。 2 社員、評議員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、一般社団法人等の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 3 一般社団法人等は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分) 第二百六十二条 裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、一般社団法人等の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 3 裁判所は、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、前項の管理人を解任することができる。 4 裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、一般社団法人等が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。 5 第二項の管理人は、裁判所が監督する。 6 裁判所は、第二項の管理人に対し、一般社団法人等の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 7 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。 この場合において、同法第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条中「委任者」とあるのは、「一般社団法人又は一般財団法人」と読み替えるものとする。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第二百六十三条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上第二百六十一条第一項の申立て又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 第二節 訴訟 第一款 一般社団法人等の組織に関する訴え (一般社団法人等の組織に関する行為の無効の訴え) 第二百六十四条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。 一 一般社団法人等の設立 一般社団法人等の成立の日から二年以内 二 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 三 一般社団法人等の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。 一 前項第一号に掲げる行為 設立する一般社団法人等の社員等(社員、評議員、理事、監事又は清算人をいう。以下この款において同じ。) 二 前項第二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は吸収合併存続法人の社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 三 前項第三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は新設合併設立法人の社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 (社員総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え) 第二百六十五条 社員総会又は評議員会(以下この款及び第三百十五条第一項第一号ロにおいて「社員総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。 2 社員総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。 (社員総会等の決議の取消しの訴え) 第二百六十六条 次に掲げる場合には、社員等は、社員総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。 当該決議の取消しにより社員等(第七十五条第一項(第百七十七条及び第二百十条第四項において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第一項の規定により理事、監事、清算人又は評議員としての権利義務を有する者を含む。)となる者も、同様とする。 一 社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。 二 社員総会等の決議の内容が定款に違反するとき。 三 社員総会の決議について特別の利害関係を有する社員が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。 2 前項の訴えの提起があった場合において、社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。 (一般社団法人等の設立の取消しの訴え) 第二百六十七条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、一般社団法人等の成立の日から二年以内に、訴えをもって一般社団法人等の設立の取消しを請求することができる。 一 社員又は設立者が民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員又は設立者 二 設立者がその債権者を害することを知って一般財団法人を設立したとき 当該債権者 (一般社団法人等の解散の訴え) 第二百六十八条 次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員又は評議員は、訴えをもって一般社団法人等の解散を請求することができる。 一 一般社団法人等が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該一般社団法人等に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。 二 一般社団法人等の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該一般社団法人等の存立を危うくするとき。 (被告) 第二百六十九条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「一般社団法人等の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。 一 一般社団法人等の設立の無効の訴え 設立する一般社団法人等 二 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人 三 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人 四 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該一般社団法人等 五 社員総会等の決議の取消しの訴え 当該一般社団法人等 六 第二百六十七条第一号の規定による一般社団法人等の設立の取消しの訴え 当該一般社団法人等 七 第二百六十七条第二号の規定による一般財団法人の設立の取消しの訴え 当該一般財団法人及び同号の設立者 八 一般社団法人等の解散の訴え 当該一般社団法人等 (訴えの管轄) 第二百七十条 一般社団法人等の組織に関する訴えは、被告となる一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (担保提供命令) 第二百七十一条 一般社団法人等の組織に関する訴えであって、社員が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 ただし、当該社員が理事、監事又は清算人であるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、一般社団法人等の組織に関する訴えであって、債権者が提起することができるものについて準用する。 3 被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (弁論等の必要的併合) 第二百七十二条 同一の請求を目的とする一般社団法人等の組織に関する訴えに係る二以上の訴訟が同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第二百七十三条 一般社団法人等の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。 (無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十四条 一般社団法人等の組織に関する訴え(第二百六十九条第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって一般社団法人等が設立された場合にあっては、当該設立を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。 (合併の無効判決の効力) 第二百七十五条 次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした一般社団法人等は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。 一 一般社団法人等の吸収合併 吸収合併存続法人 二 一般社団法人等の新設合併 新設合併設立法人 2 前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が取得した財産は、当該行為をした一般社団法人等の共有に属する。 3 前二項に規定する場合には、各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分及び前項の財産の共有持分は、各一般社団法人等の協議によって定める。 4 各一般社団法人等の第一項の債務の負担部分又は第二項の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各一般社団法人等の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各一般社団法人等の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (設立の無効又は取消しの判決の効力) 第二百七十六条 一般社団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該一般社団法人を継続することができる。 この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。 2 前項前段の規定は、一般財団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合について準用する。 この場合において、同項中「社員」とあるのは、「設立者」と読み替えるものとする。 (原告が敗訴した場合の損害賠償責任) 第二百七十七条 一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。 第二款 一般社団法人における責任追及の訴え (責任追及の訴え) 第二百七十八条 社員は、一般社団法人に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、設立時社員、設立時理事、役員等(第百十一条第一項に規定する役員等をいう。第三項において同じ。)又は清算人の責任を追及する訴え(以下この款において「責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。 ただし、責任追及の訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該一般社団法人に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。 2 一般社団法人が前項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、一般社団法人のために、責任追及の訴えを提起することができる。 3 一般社団法人は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした社員又は同項の設立時社員、設立時理事、役員等若しくは清算人から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。 4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により一般社団法人に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の社員は、一般社団法人のために、直ちに責任追及の訴えを提起することができる。 ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第二項又は前項の責任追及の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。 6 社員が責任追及の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 被告が前項の申立てをするには、責任追及の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。 (訴えの管轄) 第二百七十九条 責任追及の訴えは、一般社団法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 (訴訟参加) 第二百八十条 社員又は一般社団法人は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加することができる。 ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。 2 監事設置一般社団法人が、理事及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 3 社員は、責任追及の訴えを提起したときは、遅滞なく、一般社団法人に対し、訴訟告知をしなければならない。 4 一般社団法人は、責任追及の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を社員に通知しなければならない。 (和解) 第二百八十条の二 監事設置一般社団法人が、当該監事設置一般社団法人の理事及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。 第二百八十一条 民事訴訟法第二百六十七条の規定は、一般社団法人が責任追及の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。 ただし、当該一般社団法人の承認がある場合は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、裁判所は、一般社団法人に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。 3 一般社団法人が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で社員が和解をすることを承認したものとみなす。 4 第二十五条、第百十二条(第二百十七条第四項において準用する場合を含む。)及び第百四十一条第五項(同項ただし書に規定する超過額を超えない部分について負う責任に係る部分に限る。)の規定は、責任追及の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。 (費用等の請求) 第二百八十二条 責任追及の訴えを提起した社員が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該一般社団法人に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。 2 責任追及の訴えを提起した社員が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該社員は、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 3 前二項の規定は、第二百八十条第一項の規定により同項の訴訟に参加した社員について準用する。 (再審の訴え) 第二百八十三条 責任追及の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及の訴えに係る訴訟の目的である一般社団法人の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、一般社団法人又は社員は、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。 2 前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。 第三款 一般社団法人等の役員等の解任の訴え (一般社団法人等の役員等の解任の訴え) 第二百八十四条 理事、監事又は評議員(以下この款において「役員等」という。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員等を解任する旨の議案が社員総会又は評議員会において否決されたときは、次に掲げる者は、当該社員総会又は評議員会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員等の解任を請求することができる。 一 総社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。) 二 評議員 (被告) 第二百八十五条 前条の訴え(次条及び第三百十五条第一項第一号ニにおいて「一般社団法人等の役員等の解任の訴え」という。)については、当該一般社団法人等及び前条の役員等を被告とする。 (訴えの管轄) 第二百八十六条 一般社団法人等の役員等の解任の訴えは、当該一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 第三節 非訟 第一款 総則 (非訟事件の管轄) 第二百八十七条 この法律の規定による非訟事件(次項に規定する事件を除く。)は、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 第二百七十五条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。 (疎明) 第二百八十八条 この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 (陳述の聴取) 第二百八十九条 裁判所は、この法律の規定による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 一 この法律の規定により一般社団法人等が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧又は謄写の許可の申立てについての裁判 当該一般社団法人等 二 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項若しくは第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第二百六十二条第二項の管理人の報酬の額の決定 当該一般社団法人等(報酬を受ける者が監事を置く一般社団法人等を代表する者である場合において、他に当該一般社団法人等を代表する者が存しないときは、監事)及び報酬を受ける者 三 第百三十七条第七項の規定による裁判 当該一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)及び現物拠出財産を給付する者 四 清算人の解任についての裁判 当該清算人 五 第二百六十一条第一項の規定による裁判 当該一般社団法人等 六 第二百七十五条第四項の申立てについての裁判 同項に規定する行為をした一般社団法人等 (理由の付記) 第二百九十条 この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。 ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。 一 前条第二号に掲げる裁判 二 第二百九十三条各号に掲げる裁判 (即時抗告) 第二百九十一条 次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。 一 第二百六十二条第一項の規定による保全処分についての裁判 利害関係人 二 第二百八十九条各号に掲げる裁判 申立人及び当該各号に定める者(同条第二号及び第三号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者) (原裁判の執行停止) 第二百九十二条 前条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 ただし、第二百八十九条第二号から第四号までに掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。 (不服申立ての制限) 第二百九十三条 次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 一 第二百八十九条第二号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第二百三十五条第一項の鑑定人又は第二百四十一条第二項の帳簿資料の保存をする者の選任又は選定の裁判 二 第二百六十二条第二項の管理人の選任又は解任についての裁判 三 第二百六十二条第六項の規定による裁判 四 この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第二百八十九条第一号に掲げる裁判を除く。) (非訟事件手続法の規定の適用除外) 第二百九十四条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百九十五条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二款 解散命令の手続に関する特則 (法務大臣の関与) 第二百九十六条 裁判所は、第二百六十一条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第二百九十一条第二号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (一般社団法人等の財産に関する保全処分についての特則) 第二百九十七条 裁判所が第二百六十二条第一項の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、一般社団法人等の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第二百六十二条第一項の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、一般社団法人等の負担とする。 第二百九十八条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二百六十二条第六項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 第二百九十八条の二 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、第二百六十二条第六項の報告又は計算に関し裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。次項及び第三項において同じ。)に備えられたファイルに記録された事項(以下この条において「報告等記録事項」という。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、報告等記録事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。次項において同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。 3 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、報告等記録事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを交付し、又は報告等記録事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。 4 前条第四項及び民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、報告等記録事項について準用する。 第四節 登記 第一款 総則 (登記の効力) 第二百九十九条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (登記の期間) 第三百条 この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。 第二款 主たる事務所の所在地における登記 (一般社団法人の設立の登記) 第三百一条 一般社団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第二十条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立時社員が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般社団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 四の二 第四十七条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め 五 理事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 理事会設置一般社団法人であるときは、その旨 八 監事設置一般社団法人であるときは、その旨及び監事の氏名 九 会計監査人設置一般社団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 十 第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 十一 第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十二 第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十三 第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十四 公告方法 十五 前号の公告方法が電子公告(第三百三十一条第一項第三号に規定する電子公告をいう。以下この号及び次条第二項第十三号において同じ。)であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (一般財団法人の設立の登記) 第三百二条 一般財団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。 一 第百六十一条第一項の規定による調査が終了した日 二 設立者が定めた日 2 前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 目的 二 名称 三 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 四 一般財団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め 五 評議員、理事及び監事の氏名 六 代表理事の氏名及び住所 七 会計監査人設置一般財団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 八 第百七十七条において準用する第七十五条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称 九 第百九十八条において準用する第百十四条第一項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め 十 第百九十八条において準用する第百十五条第一項の規定による非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め 十一 第百九十九条において準用する第百二十八条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの 十二 公告方法 十三 前号の公告方法が電子公告であるときは、次に掲げる事項 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの ロ 第三百三十一条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め (変更の登記) 第三百三条 一般社団法人等において第三百一条第二項各号又は前条第二項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。 (他の登記所の管轄区域内への主たる事務所の移転の登記) 第三百四条 一般社団法人等がその主たる事務所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。 一 一般社団法人 第三百一条第二項各号に掲げる事項 二 一般財団法人 第三百二条第二項各号に掲げる事項 2 新所在地における登記においては、一般社団法人等の成立の年月日並びに主たる事務所を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (職務執行停止の仮処分等の登記) 第三百五条 一般社団法人等の理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その主たる事務所の所在地において、その登記をしなければならない。 (吸収合併の登記) 第三百六条 一般社団法人等が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、吸収合併消滅法人については解散の登記をし、吸収合併存続法人については変更の登記をしなければならない。 2 吸収合併による変更の登記においては、吸収合併をした旨並びに吸収合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (新設合併の登記) 第三百七条 二以上の一般社団法人等が新設合併をするときは、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、新設合併消滅法人については解散の登記をし、新設合併設立法人については設立の登記をしなければならない。 一 第二百五十七条の社員総会又は評議員会の決議の日 二 第二百五十八条の規定による手続が終了した日 三 新設合併消滅法人が合意により定めた日 2 新設合併による設立の登記においては、新設合併をした旨並びに新設合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。 (解散の登記) 第三百八条 第百四十八条第一号から第四号まで又は第二百二条第一項第一号から第三号まで、第二項若しくは第三項の規定により一般社団法人等が解散したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、解散の登記をしなければならない。 2 解散の登記においては、解散の旨並びにその事由及び年月日を登記しなければならない。 (継続の登記) 第三百九条 第百五十条、第二百四条又は第二百七十六条の規定により一般社団法人等が継続したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、継続の登記をしなければならない。 (清算人等の登記) 第三百十条 第二百九条第一項第一号に掲げる者が清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 清算人の氏名 二 代表清算人の氏名及び住所 三 清算法人が清算人会を置くときは、その旨 四 清算一般財団法人が監事を置くときは、その旨 2 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 3 第三百三条の規定は前二項の規定による登記について、第三百五条の規定は清算人又は代表清算人について、それぞれ準用する。 (清算結了の登記) 第三百十一条 清算が結了したときは、清算法人は、第二百四十条第三項の承認の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。 第三款 削除 第三百十二条から第三百十四条まで 削除 第四款 登記の嘱託 第三百十五条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。 イ 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴え ロ 社員総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え (1) 社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え (2) 社員総会等の決議の取消しの訴え ハ 一般社団法人等の解散の訴え ニ 一般社団法人等の役員等の解任の訴え 二 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定による一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者の選任の裁判 ロ 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定による一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判 ハ イ又はロに掲げる裁判を取り消す裁判 ニ 清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判 ホ 清算人の解任の裁判 三 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第二百六十一条第一項の規定による一般社団法人等の解散を命ずる裁判 2 次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。 一 一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人についての変更の登記及び吸収合併消滅法人についての回復の登記 二 一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人についての解散の登記及び新設合併消滅法人についての回復の登記 第五款 登記の手続等 (登記簿) 第三百十六条 登記所に、一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿を備える。 (添付書面の通則) 第三百十七条 登記すべき事項につき社員全員の同意又はある理事若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 2 登記すべき事項につき社員総会、評議員会、理事会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。 3 登記すべき事項につき第五十八条第一項、第九十六条(第百九十七条及び第二百二十一条第五項において準用する場合を含む。)又は第百九十四条第一項の規定により社員総会、理事会、清算人会又は評議員会の決議があったものとみなされる場合には、申請書に、前項の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。 (一般社団法人の設立の登記の申請) 第三百十八条 一般社団法人の設立の登記は、当該一般社団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般社団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 設立時理事が設立時代表理事を選定したときは、これに関する書面 三 設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 四 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立時社員全員の同意又はある設立時社員の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (一般財団法人の設立の登記の申請) 第三百十九条 一般財団法人の設立の登記は、当該一般財団法人を代表すべき者の申請によってする。 2 一般財団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 定款 二 財産の拠出の履行があったことを証する書面 三 設立時評議員、設立時理事及び設立時監事の選任に関する書面 四 設立時代表理事の選定に関する書面 五 設立時評議員、設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面 六 設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面 イ 設立時会計監査人の選任に関する書面 ロ 就任を承諾したことを証する書面 ハ 設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ニ 設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 3 登記すべき事項につき設立者全員の同意又はある設立者の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。 (理事等の変更の登記の申請) 第三百二十条 理事、監事又は代表理事の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 2 評議員の就任による変更の登記の申請書には、その選任に関する書面及び就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 就任を承諾したことを証する書面 二 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 4 会計監査人が法人であるときは、その名称の変更の登記の申請書には、前項第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 ただし、同号ただし書に規定する場合は、この限りでない。 5 第一項から第三項までに規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (一時会計監査人の職務を行うべき者の変更の登記の申請) 第三百二十一条 第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 その選任に関する書面 二 就任を承諾したことを証する書面 三 その者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、前条第三項第二号ただし書に規定する場合を除く。 四 その者が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面 2 前条第四項及び第五項の規定は、一時会計監査人の職務を行うべき者の登記について準用する。 (吸収合併による変更の登記の申請) 第三百二十二条 吸収合併による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 吸収合併契約書 二 第二百五十二条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 三 吸収合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に吸収合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 四 第二百四十七条の規定による吸収合併契約の承認があったことを証する書面 五 吸収合併消滅法人において第二百四十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (新設合併による設立の登記の申請) 第三百二十三条 新設合併による設立の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 新設合併契約書 二 定款 三 第三百十八条第二項第二号から第四号まで又は第三百十九条第二項第四号、第五号及び第六号(イを除く。)に掲げる書面 四 新設合併消滅法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に新設合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。 五 第二百五十七条の規定による新設合併契約の承認があったことを証する書面 六 新設合併消滅法人において第二百五十八条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 (解散の登記の申請) 第三百二十四条 定款で定めた解散の事由又は第二百二条第一項第三号、第二項若しくは第三項に規定する事由の発生による解散の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 2 代表清算人の申請に係る解散の登記の申請書には、その資格を証する書面を添付しなければならない。 ただし、当該代表清算人が第二百九条第一項第一号の規定により清算人となったもの(第二百十四条第四項に規定する場合にあっては、同項の規定により代表清算人となったもの)であるときは、この限りでない。 (継続の登記の申請) 第三百二十五条 一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、第二百七十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により一般社団法人等を継続したときは、継続の登記の申請書には、その判決の謄本又はその判決の内容を記載した書面であって裁判所書記官が当該書面の内容が当該判決の内容と同一であることを証明したもの及び第二百七十六条第一項の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。 (清算人の登記の申請) 第三百二十六条 清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。 2 第二百九条第一項第二号又は第三号に掲げる者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。 3 裁判所が選任した者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、その選任及び第三百十条第一項第二号に掲げる事項を証する書面を添付しなければならない。 (清算人に関する変更の登記の申請) 第三百二十七条 裁判所が選任した清算人に関する第三百十条第一項第二号に掲げる事項の変更の登記の申請書には、変更の事由を証する書面を添付しなければならない。 2 清算人の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。 (清算結了の登記の申請) 第三百二十八条 清算結了の登記の申請書には、第二百四十条第三項の規定による決算報告の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 第三百二十九条 削除 (商業登記法の準用) 第三百三十条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第一条の三から第五条まで、第七条から第十五条まで(第十二条第一項第二号及び第五号を除く。)、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十七条まで、第三十三条、第五十一条、第五十二条、第七十二条、第八十二条、第八十三条、第百三十二条から第百三十七条まで及び第百三十九条から第百四十八条までの規定は、一般社団法人等に関する登記について準用する。 この場合において、これらの規定(同法第二十七条及び第三十三条第一項中「本店」とある部分を除く。)中「商号」とあるのは「名称」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、同法第一条の三及び第二十四条第一号中「営業所」とあるのは「事務所」と、同法第二十七条及び第三十三条第一項中「営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の」とあり、並びに同法第二十七条並びに第三十三条第一項第四号及び第二項中「営業所の」とあるのは「主たる事務所の」と、同条第一項第四号中「営業所を」とあるのは「主たる事務所を」と、同法第七十二条中「会社法第四百七十二条第一項本文」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百四十九条第一項本文又は第二百三条第一項本文」と、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十条において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替えるものとする。 第五節 公告 (公告方法) 第三百三十一条 一般社団法人等は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 一 官報に掲載する方法 二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 三 電子公告(公告方法のうち、電磁的方法により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。以下同じ。) 四 前三号に掲げるもののほか、不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置として法務省令で定める方法 2 一般社団法人等が前項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定款で定める場合には、その定款には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。 この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。 (電子公告の公告期間) 第三百三十二条 一般社団法人等が電子公告により公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。 一 第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時社員総会の終結の日後五年を経過する日 二 第百九十九条において準用する第百二十八条第一項の規定による公告 同項の定時評議員会の終結の日後五年を経過する日 三 公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日 四 第二百四十九条第二項の規定による公告 同項の変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日) (電子公告の中断及び電子公告調査機関に関する会社法の規定の準用) 第三百三十三条 一般社団法人等が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告をする場合については、会社法第九百四十条第三項、第九百四十一条、第九百四十六条、第九百四十七条、第九百五十一条第二項、第九百五十三条及び第九百五十五条の規定を準用する。 この場合において、同法第九百四十条第三項中「前二項の規定にかかわらず、これらの」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十二条の規定にかかわらず、同条の」と、同法第九百四十一条中「この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律又は他の法律の規定による公告(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百二十八条第一項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)」と、同法第九百四十六条第三項中「商号」とあるのは「名称」と読み替えるものとする。 第七章 罰則 (理事等の特別背任罪) 第三百三十四条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は一般社団法人等に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該一般社団法人等に財産上の損害を加えたときは、七年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 設立時社員 二 設立者 三 設立時理事(一般社団法人等の設立に際して理事となる者をいう。第三百四十二条において同じ。)又は設立時監事(一般社団法人等の設立に際して監事となる者をいう。同条において同じ。) 四 理事、監事又は評議員 五 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事又は評議員の職務を代行する者 六 第七十五条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)、第七十九条第二項(第百九十七条において準用する場合を含む。)又は第百七十五条第二項の規定により選任された一時理事、監事、代表理事又は評議員の職務を行うべき者 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算法人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算法人に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。 一 清算人 二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人の職務を代行する者 三 第二百十条第四項において準用する第七十五条第二項又は第二百十四条第七項において準用する第七十九条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者 3 前二項の罪の未遂は、罰する。 (法人財産の処分に関する罪) 第三百三十五条 前条第一項第四号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合には、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 法令又は定款の規定に違反して、基金の返還をしたとき。 二 一般社団法人等の目的の範囲外において、投機取引のために一般社団法人等の財産を処分したとき。 (虚偽文書行使等の罪) 第三百三十六条 次に掲げる者が、基金を引き受ける者の募集をするに当たり、一般社団法人の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、三年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第三百三十四条第一項第一号又は第三号から第七号までに掲げる者 二 基金を引き受ける者の募集の委託を受けた者 (理事等の贈収賄罪) 第三百三十七条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 第三百三十四条第一項各号又は第二項各号に掲げる者 二 会計監査人又は第七十五条第四項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者 2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第三百三十八条 第三百三十四条、第三百三十五条及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第三百三十九条 第三百三十四条第一項、第三百三十六条又は第三百三十七条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定及び第三百三十四条第三項の規定は、その行為をした理事その他業務を執行する者に対してそれぞれ適用する。 (虚偽記載等の罪) 第三百四十条 第三百三十三条において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、同項に規定する調査記録簿等に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は調査記録簿等を保存しなかった者は、三十万円以下の罰金に処する。 (両罰規定) 第三百四十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。 (過料に処すべき行為) 第三百四十二条 設立時社員、設立者、設立時理事、設立時監事、設立時評議員、理事、監事、評議員、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事、評議員若しくは清算人の職務を代行する者、第三百三十四条第一項第六号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第三百三十七条第一項第二号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 四 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 官庁又は社員総会若しくは評議員会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。 七 定款、社員名簿、議事録、財産目録、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、事務報告、第百二十三条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)若しくは第二百二十七条第一項の附属明細書、監査報告、会計監査報告、決算報告又は第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第一項、第二百五十六条第一項若しくは第二百六十条第二項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 八 第十四条第一項、第三十二条第一項、第五十条第五項、第五十一条第三項、第五十二条第四項、第五十七条第二項若しくは第三項、第五十八条第二項、第九十七条第一項(第百九十七条において準用する場合を含む。)、第百二十九条第一項若しくは第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百五十六条第一項、第百九十三条第二項若しくは第三項、第百九十四条第二項、第二百二十三条第一項、第二百二十九条第一項、第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十三条第二項、第二百五十六条第一項又は第二百六十条第二項の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。 九 第三十六条第一項若しくは第百七十九条第一項の規定又は第四十七条第一項第一号、第八十七条第一項第一号(第百九十七条において準用する場合を含む。)若しくは第百八十八条第一項第一号の規定による裁判所の命令に違反して、社員総会又は評議員会を招集しなかったとき。 十 第四十三条又は第百八十四条の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会又は評議員会の目的としなかったとき。 十の二 第四十七条の三第一項の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。 十一 正当な理由がないのに、社員総会又は評議員会において、社員又は評議員の求めた事項について説明をしなかったとき。 十二 第七十二条第二項(第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会若しくは評議員会の目的とせず、又はその請求に係る議案を社員総会若しくは評議員会に提出しなかったとき。 十三 理事、監事、評議員又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。 十四 第九十二条第二項(第百九十七条及び第二百二十条第十項において準用する場合を含む。)又は第百十八条の二第四項(第百九十八条の二において準用する場合を含む。)の規定に違反して、理事会又は清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。 十五 第百四十二条第一項の規定に違反して自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得したとき、又は同条第二項の規定に違反して当該債権を相当の時期に他に譲渡することを怠ったとき。 十六 第百四十四条第一項の規定に違反して代替基金を計上せず、又は同条第二項の規定に違反して代替基金を取り崩したとき。 十七 第二百十五条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てを怠ったとき。 十八 清算の結了を遅延させる目的で、第二百三十三条第一項の期間を不当に定めたとき。 十九 第二百三十四条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 二十 第二百三十七条の規定に違反して、清算法人の財産を引き渡したとき。 二十一 第二百四十八条第二項若しくは第五項、第二百五十二条第二項若しくは第五項又は第二百五十八条第二項若しくは第五項の規定に違反して、吸収合併又は新設合併をしたとき。 二十二 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十一条の規定に違反して、同条の規定による調査を求めなかったとき。 第三百四十三条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第三百三十三条において準用する会社法第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 正当な理由がないのに、第三百三十三条において準用する会社法第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第三百四十四条 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第五条第二項の規定に違反して、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 二 第五条第三項の規定に違反して、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 三 第六条の規定に違反して、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 四 第七条第一項の規定に違反して、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
民事
Heisei
Act
418AC0000000049_20240522_506AC0000000029.xml
平成十八年法律第四十九号
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公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施が公益の増進のために重要となっていることにかんがみ、当該事業を適正に実施し得る公益法人を認定する制度を設けるとともに、公益法人による当該事業の適正な実施を確保するための措置等を定め、もって公益の増進及び活力ある社会の実現に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 公益社団法人 第四条の認定を受けた一般社団法人をいう。 二 公益財団法人 第四条の認定を受けた一般財団法人をいう。 三 公益法人 公益社団法人又は公益財団法人をいう。 四 公益目的事業 学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。 (行政庁) 第三条 この法律における行政庁は、次の各号に掲げる公益法人の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 一 次に掲げる公益法人 内閣総理大臣 イ 二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するもの ロ 公益目的事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款で定めるもの ハ 国の事務又は事業と密接な関連を有する公益目的事業であって政令で定めるものを行うもの 二 前号に掲げる公益法人以外の公益法人 その事務所が所在する都道府県の知事 第二章 公益法人の認定等 第一節 公益法人の認定 (公益認定) 第四条 公益目的事業を行う一般社団法人又は一般財団法人は、行政庁の認定を受けることができる。 (公益認定の基準) 第五条 行政庁は、前条の認定(以下「公益認定」という。)の申請をした一般社団法人又は一般財団法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該法人について公益認定をするものとする。 一 公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。 二 公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。 三 その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。 四 その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。 ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。 五 投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。 六 その行う公益目的事業について、当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものであること。 七 公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。 八 その事業活動を行うに当たり、第十五条に規定する公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれるものであること。 九 その事業活動を行うに当たり、第十六条第二項に規定する遊休財産額が同条第一項の制限を超えないと見込まれるものであること。 十 各理事について、当該理事及びその配偶者又は三親等内の親族(これらの者に準ずるものとして当該理事と政令で定める特別の関係がある者を含む。)である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。 監事についても、同様とする。 十一 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。 監事についても、同様とする。 十二 会計監査人を置いているものであること。 ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。 十三 その理事、監事及び評議員に対する報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。以下同じ。)について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。 十四 一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。 イ 社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをする条件その他の不当な条件を付していないものであること。 ロ 社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。 (1) 社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしないものであること。 (2) 社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを行わないものであること。 ハ 理事会を置いているものであること。 十五 他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。 ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない。 十六 公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること。 十七 第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、公益目的取得財産残額(第三十条第二項に規定する公益目的取得財産残額をいう。)があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一箇月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは次に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものであること。 イ 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人 ロ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人 ハ 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)第二条第六項に規定する更生保護法人 ニ 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人 ホ 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人又は同条第三項に規定する大学共同利用機関法人 ヘ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人 ト その他イからヘまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人 十八 清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは前号イからトまでに掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めているものであること。 (欠格事由) 第六条 前条の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する一般社団法人又は一般財団法人は、公益認定を受けることができない。 一 その理事、監事及び評議員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの イ 公益法人が第二十九条第一項又は第二項の規定により公益認定を取り消された場合において、その取消しの原因となった事実があった日以前一年内に当該公益法人の業務を行う理事であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの ロ この法律、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項の規定を除く。)に違反したことにより、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二第一項、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条、第二条若しくは第三条の罪を犯したことにより、又は国税若しくは地方税に関する法律中偽りその他不正の行為により国税若しくは地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、若しくはこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ハ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ニ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第六号において「暴力団員等」という。) 二 第二十九条第一項又は第二項の規定により公益認定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないもの 三 その定款又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの 四 その事業を行うに当たり法令上必要となる行政機関の許認可等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第三号に規定する許認可等をいう。以下同じ。)を受けることができないもの 五 国税又は地方税の滞納処分の執行がされているもの又は当該滞納処分の終了の日から三年を経過しないもの 六 暴力団員等がその事業活動を支配するもの (公益認定の申請) 第七条 公益認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。 一 名称及び代表者の氏名 二 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款に定めがある場合に限る。)並びに主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 三 その行う公益目的事業の種類及び内容 四 その行う収益事業等の内容 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 定款 二 事業計画書及び収支予算書 三 事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合においては、当該許認可等があったこと又はこれを受けることができることを証する書類 四 当該公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎を有することを明らかにする財産目録、貸借対照表その他の内閣府令で定める書類 五 第五条第十三号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類 六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 (公益認定に関する意見聴取) 第八条 行政庁は、公益認定をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くものとする。 一 第五条第一号、第二号及び第五号並びに第六条第三号及び第四号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 当該行政機関(以下「許認可等行政機関」という。) 二 第六条第一号ニ及び第六号に規定する事由 行政庁が内閣総理大臣である場合にあっては警察庁長官、都道府県知事である場合にあっては警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察庁長官等」という。) 三 第六条第五号に規定する事由 国税庁長官、関係都道府県知事又は関係市町村長(以下「国税庁長官等」という。) (名称等) 第九条 公益認定を受けた一般社団法人又は一般財団法人は、その名称中の一般社団法人又は一般財団法人の文字をそれぞれ公益社団法人又は公益財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。 2 前項の規定による名称の変更の登記の申請書には、公益認定を受けたことを証する書面を添付しなければならない。 3 公益社団法人又は公益財団法人は、その種類に従い、その名称中に公益社団法人又は公益財団法人という文字を用いなければならない。 4 公益社団法人又は公益財団法人でない者は、その名称又は商号中に、公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 5 何人も、不正の目的をもって、他の公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 6 公益法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない。 (公益認定の公示) 第十条 行政庁は、公益認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 (変更の認定) 第十一条 公益法人は、次に掲げる変更をしようとするときは、行政庁の認定を受けなければならない。 ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。 一 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款で定めるものに限る。)又は主たる事務所若しくは従たる事務所の所在場所の変更(従たる事務所の新設又は廃止を含む。) 二 公益目的事業の種類又は内容の変更 三 収益事業等の内容の変更 2 前項の変更の認定を受けようとする公益法人は、内閣府令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない。 3 前項の申請書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。 4 第五条及び第六条(第二号を除く。)の規定は第一項各号に掲げる変更の認定について、第八条第一号(吸収合併に伴い当該変更の認定をする場合にあっては、同条各号)の規定は同項第二号及び第三号に掲げる変更の認定について、前条の規定は同項の変更の認定をしたときについて、それぞれ準用する。 第十二条 行政庁の変更を伴う変更の認定に係る前条第二項の申請書は、変更前の行政庁を経由して変更後の行政庁に提出しなければならない。 2 前項の場合において、当該変更の認定をしたときは、変更後の行政庁は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、変更前の行政庁から事務の引継ぎを受けなければならない。 (変更の届出) 第十三条 公益法人は、次に掲げる変更(合併に伴うものを除く。)があったときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。 一 名称又は代表者の氏名の変更 二 第十一条第一項ただし書の内閣府令で定める軽微な変更 三 定款の変更(第十一条第一項各号に掲げる変更及び前二号に掲げる変更に係るものを除く。) 四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項の変更 2 行政庁は、前項第一号に掲げる変更について同項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 第二節 公益法人の事業活動等 第一款 公益目的事業の実施等 (公益目的事業の収入) 第十四条 公益法人は、その公益目的事業を行うに当たり、当該公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはならない。 (公益目的事業比率) 第十五条 公益法人は、毎事業年度における公益目的事業比率(第一号に掲げる額の同号から第三号までに掲げる額の合計額に対する割合をいう。)が百分の五十以上となるように公益目的事業を行わなければならない。 一 公益目的事業の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 二 収益事業等の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 三 当該公益法人の運営に必要な経常的経費の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 (遊休財産額の保有の制限) 第十六条 公益法人の毎事業年度の末日における遊休財産額は、公益法人が当該事業年度に行った公益目的事業と同一の内容及び規模の公益目的事業を翌事業年度においても引き続き行うために必要な額として、当該事業年度における公益目的事業の実施に要した費用の額(その保有する資産の状況及び事業活動の態様に応じ当該費用の額に準ずるものとして内閣府令で定めるものの額を含む。)を基礎として内閣府令で定めるところにより算定した額を超えてはならない。 2 前項に規定する「遊休財産額」とは、公益法人による財産の使用若しくは管理の状況又は当該財産の性質にかんがみ、公益目的事業又は公益目的事業を行うために必要な収益事業等その他の業務若しくは活動のために現に使用されておらず、かつ、引き続きこれらのために使用されることが見込まれない財産として内閣府令で定めるものの価額の合計額をいう。 (寄附の募集に関する禁止行為) 第十七条 公益法人の理事若しくは監事又は代理人、使用人その他の従業者は、寄附の募集に関して、次に掲げる行為をしてはならない。 一 寄附の勧誘又は要求を受け、寄附をしない旨の意思を表示した者に対し、寄附の勧誘又は要求を継続すること。 二 粗野若しくは乱暴な言動を交えて、又は迷惑を覚えさせるような方法で、寄附の勧誘又は要求をすること。 三 寄附をする財産の使途について誤認させるおそれのある行為をすること。 四 前三号に掲げるもののほか、寄附の勧誘若しくは要求を受けた者又は寄附者の利益を不当に害するおそれのある行為をすること。 第二款 公益目的事業財産 第十八条 公益法人は、次に掲げる財産(以下「公益目的事業財産」という。)を公益目的事業を行うために使用し、又は処分しなければならない。 ただし、内閣府令で定める正当な理由がある場合は、この限りでない。 一 公益認定を受けた日以後に寄附を受けた財産(寄附をした者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く。) 二 公益認定を受けた日以後に交付を受けた補助金その他の財産(財産を交付した者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く。) 三 公益認定を受けた日以後に行った公益目的事業に係る活動の対価として得た財産 四 公益認定を受けた日以後に行った収益事業等から生じた収益に内閣府令で定める割合を乗じて得た額に相当する財産 五 前各号に掲げる財産を支出することにより取得した財産 六 第五条第十六号に規定する財産(前各号に掲げるものを除く。) 七 公益認定を受けた日の前に取得した財産であって同日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産 八 前各号に掲げるもののほか、当該公益法人が公益目的事業を行うことにより取得し、又は公益目的事業を行うために保有していると認められるものとして内閣府令で定める財産 第三款 公益法人の計算等の特則 (収益事業等の区分経理) 第十九条 収益事業等に関する会計は、公益目的事業に関する会計から区分し、各収益事業等ごとに特別の会計として経理しなければならない。 (報酬等) 第二十条 公益法人は、第五条第十三号に規定する報酬等の支給の基準に従って、その理事、監事及び評議員に対する報酬等を支給しなければならない。 2 公益法人は、前項の報酬等の支給の基準を公表しなければならない。 これを変更したときも、同様とする。 (財産目録の備置き及び閲覧等) 第二十一条 公益法人は、毎事業年度開始の日の前日までに(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の事業計画書、収支予算書その他の内閣府令で定める書類を作成し、当該事業年度の末日までの間、当該書類をその主たる事務所に、その写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 2 公益法人は、毎事業年度経過後三箇月以内に(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる書類を作成し、当該書類を五年間その主たる事務所に、その写しを三年間その従たる事務所に備え置かなければならない。 一 財産目録 二 役員等名簿(理事、監事及び評議員の氏名及び住所を記載した名簿をいう。以下同じ。) 三 第五条第十三号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類 四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 第一項に規定する書類及び前項各号に掲げる書類は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 4 何人も、公益法人の業務時間内は、いつでも、第一項に規定する書類、第二項各号に掲げる書類、定款、社員名簿及び一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等(以下「財産目録等」という。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該公益法人は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。 一 財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 5 前項の規定にかかわらず、公益法人は、役員等名簿又は社員名簿について当該公益法人の社員又は評議員以外の者から同項の請求があった場合には、これらに記載され又は記録された事項中、個人の住所に係る記載又は記録の部分を除外して、同項の閲覧をさせることができる。 6 財産目録等が電磁的記録をもって作成されている場合であって、その従たる事務所における第四項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令で定めるものをとっている公益法人についての第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「その主たる事務所に、その写しをその従たる事務所」とあるのは「その主たる事務所」と、第二項中「その主たる事務所に、その写しを三年間その従たる事務所」とあるのは「その主たる事務所」とする。 (財産目録等の提出及び公開) 第二十二条 公益法人は、毎事業年度の経過後三箇月以内(前条第一項に規定する書類については、毎事業年度開始の日の前日まで)に、内閣府令で定めるところにより、財産目録等(定款を除く。)を行政庁に提出しなければならない。 2 行政庁は、公益法人から提出を受けた財産目録等について閲覧又は謄写の請求があった場合には、内閣府令で定めるところにより、その閲覧又は謄写をさせなければならない。 3 前項の規定にかかわらず、行政庁は、役員等名簿又は社員名簿について同項の請求があった場合には、これらに記載された事項中、個人の住所に係る記載の部分を除外して、その閲覧又は謄写をさせるものとする。 (会計監査人の権限等) 第二十三条 公益法人の会計監査人は、一般社団・財団法人法第百七条第一項(一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定によるもののほか、財産目録その他の内閣府令で定める書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、会計監査報告に当該監査の結果を併せて記載し、又は記録しなければならない。 第四款 合併等 (合併等の届出) 第二十四条 公益法人は、次に掲げる行為をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を行政庁に届け出なければならない。 一 合併(当該合併に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合又は次条第一項の認可の申請をする場合を除く。) 二 事業の全部又は一部の譲渡(当該事業の譲渡に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合を除く。) 三 公益目的事業の全部の廃止 2 行政庁は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 (合併による地位の承継の認可) 第二十五条 公益法人が合併により消滅する法人となる新設合併契約を締結したときは、当該公益法人(当該公益法人が二以上ある場合にあっては、その一)は、当該新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)が当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継することについて、行政庁の認可を申請することができる。 2 行政庁は、新設法人が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、前項の認可をするものとする。 一 第五条各号に掲げる基準に適合するものであること。 二 第六条各号のいずれかに該当するものでないこと。 3 第一項の認可があった場合には、新設法人は、その成立の日に、当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継する。 4 第七条、第八条、第十条及び第十二条の規定は、第一項の認可について準用する。 この場合において、第七条第一項中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第一号に掲げる事項については新設合併により消滅する公益法人及び新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)に係るもの、第二号から第四号までに掲げる事項については新設法人に係るもの)」と、同項第二号中「定款」とあるのは「定款の案」と、同条第二項中「次に掲げる書類」とあるのは「次に掲げる書類(第一号の定款の案及び第二号から第五号までに掲げる書類については、新設法人に係るもの)」と、同項第一号中「定款」とあるのは「新設合併契約書及び定款の案」と、第十二条第一項中「前条第二項」とあるのは「第二十五条第四項において準用する第七条第一項」と読み替えるものとする。 5 第一項の認可を受けて合併により消滅する公益法人の地位を承継する新設法人についての第十八条及び第三十条第二項の規定の適用については、第十八条第一号から第四号までの規定中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、同条第五号中「前各号」とあるのは「前各号及び第七号」と、同条第七号中「公益認定を受けた日の前に取得した財産であって同日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産」とあるのは「その成立の際に合併により消滅する公益法人から承継した財産であって、当該消滅する公益法人の公益目的事業財産であったもの」と、第三十条第二項第一号中「が取得した」とあるのは「が合併により承継し、又は取得した」と、「第十八条第六号に掲げる財産にあっては、」とあるのは「第二十五条第五項の規定により読み替えて適用する第十八条第七号に掲げる財産にあっては、合併により消滅する公益法人が」と、「もの」とあるのは「もの(当該公益法人が同日以後に第十八条第七号の内閣府令で定めるところにより公益目的事業の用に供するものである旨を表示したものを除く。)」と、同項第二号中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、同項第三号中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、「定めるもの」とあるのは「定めるもの並びに合併により消滅する公益法人が公益認定を受けた日以後にその公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産以外の財産及び同日以後に当該公益法人がその公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払その他内閣府令で定めるもの」とする。 (解散の届出等) 第二十六条 公益法人が合併以外の理由により解散をした場合には、その清算人(解散が破産手続開始の決定による場合にあっては、破産管財人)は、当該解散の日から一箇月以内に、その旨を行政庁に届け出なければならない。 2 清算人は、一般社団・財団法人法第二百三十三条第一項の期間が経過したときは、遅滞なく、残余財産の引渡しの見込みを行政庁に届け出なければならない。 当該見込みに変更があったときも、同様とする。 3 清算人は、清算が結了したときは、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。 4 行政庁は、第一項又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 第三節 公益法人の監督 (報告及び検査) 第二十七条 行政庁は、公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度において、内閣府令で定めるところにより、公益法人に対し、その運営組織及び事業活動の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、当該公益法人の事務所に立ち入り、その運営組織及び事業活動の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (勧告、命令等) 第二十八条 行政庁は、公益法人について、次条第二項各号のいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由がある場合には、当該公益法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。 2 行政庁は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その勧告の内容を公表しなければならない。 3 行政庁は、第一項の勧告を受けた公益法人が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該公益法人に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 4 行政庁は、前項の規定による命令をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 5 行政庁は、第一項の勧告及び第三項の規定による命令をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くことができる。 一 第五条第一号、第二号若しくは第五号、第六条第三号若しくは第四号又は次条第二項第三号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 許認可等行政機関 二 第六条第一号ニ又は第六号に規定する事由 警察庁長官等 三 第六条第五号に規定する事由 国税庁長官等 (公益認定の取消し) 第二十九条 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消さなければならない。 一 第六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。 二 偽りその他不正の手段により公益認定、第十一条第一項の変更の認定又は第二十五条第一項の認可を受けたとき。 三 正当な理由がなく、前条第三項の規定による命令に従わないとき。 四 公益法人から公益認定の取消しの申請があったとき。 2 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消すことができる。 一 第五条各号に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったとき。 二 前節の規定を遵守していないとき。 三 前二号のほか、法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反したとき。 3 前条第五項の規定は、前二項の規定による公益認定の取消しをしようとする場合について準用する。 4 行政庁は、第一項又は第二項の規定により公益認定を取り消したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 5 第一項又は第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた公益法人は、その名称中の公益社団法人又は公益財団法人という文字をそれぞれ一般社団法人又は一般財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。 6 行政庁は、第一項又は第二項の規定による公益認定の取消しをしたときは、遅滞なく、当該公益法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該公益法人の名称の変更の登記を嘱託しなければならない。 7 前項の規定による名称の変更の登記の嘱託書には、当該登記の原因となる事由に係る処分を行ったことを証する書面を添付しなければならない。 (公益認定の取消し等に伴う贈与) 第三十条 行政庁が前条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しをした場合又は公益法人が合併により消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、第五条第十七号に規定する定款の定めに従い、当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一箇月以内に公益目的取得財産残額に相当する額の財産の贈与に係る書面による契約が成立しないときは、内閣総理大臣が行政庁である場合にあっては国、都道府県知事が行政庁である場合にあっては当該都道府県が当該公益目的取得財産残額に相当する額の金銭について、同号に規定する定款で定める贈与を当該公益認定の取消しを受けた法人又は当該合併により消滅する公益法人の権利義務を承継する法人(第四項において「認定取消法人等」という。)から受ける旨の書面による契約が成立したものとみなす。 当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一箇月以内に当該公益目的取得財産残額の一部に相当する額の財産について同号に規定する定款で定める贈与に係る書面による契約が成立した場合における残余の部分についても、同様とする。 2 前項に規定する「公益目的取得財産残額」とは、第一号に掲げる財産から第二号に掲げる財産を除外した残余の財産の価額の合計額から第三号に掲げる額を控除して得た額をいう。 一 当該公益法人が取得したすべての公益目的事業財産(第十八条第六号に掲げる財産にあっては、公益認定を受けた日前に取得したものを除く。) 二 当該公益法人が公益認定を受けた日以後に公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産 三 公益目的事業財産以外の財産であって当該公益法人が公益認定を受けた日以後に公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡したもの及び同日以後に公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払その他内閣府令で定めるものの額の合計額 3 前項に規定する額の算定の細目その他公益目的取得財産残額の算定に関し必要な事項は、内閣府令で定める。 4 行政庁は、第一項の場合には、認定取消法人等に対し、前二項の規定により算定した公益目的取得財産残額及び第一項の規定により当該認定取消法人等と国又は都道府県との間に当該公益目的取得財産残額又はその一部に相当する額の金銭の贈与に係る契約が成立した旨を通知しなければならない。 5 公益法人は、第五条第十七号に規定する定款の定めを変更することができない。 (行政庁への意見) 第三十一条 次の各号に掲げる者は、公益法人についてそれぞれ当該各号に定める事由があると疑うに足りる相当な理由があるため、行政庁が公益法人に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、行政庁に対し、その旨の意見を述べることができる。 一 許認可等行政機関 第五条第一号、第二号若しくは第五号に掲げる基準に適合しない事由又は第六条第三号若しくは第四号若しくは第二十九条第二項第三号に該当する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 二 警察庁長官等 第六条第一号ニ又は第六号に該当する事由 三 国税庁長官等 第六条第五号に該当する事由 第三章 公益認定等委員会及び都道府県に置かれる合議制の機関 第一節 公益認定等委員会 第一款 設置及び組織 (設置及び権限) 第三十二条 内閣府に、公益認定等委員会(以下「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、この法律によりその権限に属させられた事項を処理する。 (職権の行使) 第三十三条 委員会の委員は、独立してその職権を行う。 (組織) 第三十四条 委員会は、委員七人をもって組織する。 2 委員は、非常勤とする。 ただし、そのうちの四人以内は、常勤とすることができる。 (委員の任命) 第三十五条 委員は、人格が高潔であって、委員会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律、会計又は公益法人に係る活動に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。 2 委員の任期が満了し、又は欠員が生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。 3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。 この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。 (委員の任期) 第三十六条 委員の任期は、三年とする。 ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 2 委員は、再任されることができる。 3 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。 (委員の身分保障) 第三十七条 委員は、委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められた場合又は職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められた場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。 (委員の罷免) 第三十八条 内閣総理大臣は、委員が前条に規定する場合に該当するときは、その委員を罷免しなければならない。 (委員の服務) 第三十九条 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。 その職を退いた後も同様とする。 2 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。 3 常勤の委員は、在任中、内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。 (委員の給与) 第四十条 委員の給与は、別に法律で定める。 (委員長) 第四十一条 委員会に、委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。 2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。 3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。 (事務局) 第四十二条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。 2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。 3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。 第二款 諮問等 (委員会への諮問) 第四十三条 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、第八条又は第二十八条第五項(第二十九条第三項において準用する場合を含む。)の規定による許認可等行政機関の意見(第六条第三号及び第四号に該当する事由の有無に係るものを除く。)を付して、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 公益認定の申請、第十一条第一項の変更の認定の申請又は第二十五条第一項の認可の申請に対する処分をしようとする場合(申請をした法人が第六条各号のいずれかに該当するものである場合及び行政手続法第七条の規定に基づきこれらの認定を拒否する場合を除く。) 二 第二十八条第一項の勧告、同条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消し(以下「監督処分等」という。)をしようとする場合(次に掲げる場合を除く。) イ 監督処分等を受ける公益法人が第二十九条第一項第一号又は第四号のいずれかに該当するものである場合 ロ 第十三条第一項若しくは第二十四条第一項の規定による届出又は第二十二条第一項の規定による財産目録等の提出をしなかったことを理由として監督処分等をしようとする場合 ハ 第四十六条第一項の勧告に基づいて監督処分等をしようとする場合 2 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 第五条第三号から第五号まで、第十号、第十一号、第十二号ただし書、第十五号ただし書及び第十七号ト、第五十一条において読み替えて準用する第四十三条第一項ただし書及び第三項ただし書並びに別表第二十三号の政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合並びに第五条第十三号及び第十五号、第七条第一項並びに第二項第四号及び第六号、第十一条第二項及び第三項、第十三条第一項(第二号を除く。)、第十五条各号、第十六条、第十八条ただし書並びに第四号、第七号及び第八号、第二十一条第一項及び第二項、第二十三条、第二十四条第一項、第二十七条第一項、第三十条第二項第三号(第二十五条第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び第三項、次条第一項並びに第四十六条第二項の内閣府令の制定又は改廃をしようとする場合 二 第六十条の規定による指示を行おうとする場合 3 内閣総理大臣は、第一項第一号に規定する処分、第二十八条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項の規定による公益認定の取消しについての審査請求に対する裁決をしようとする場合には、次に掲げる場合を除き、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 審査請求が不適法であるとして却下する場合 二 審査請求をした一般社団法人若しくは一般財団法人又は公益法人が第六条各号のいずれかに該当するものである場合 三 第一項第二号イ又はロに規定する理由による監督処分等についての審査請求である場合 (答申の公表等) 第四十四条 委員会は、諮問に対する答申をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その内容を公表しなければならない。 2 委員会は、前項の答申をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該答申に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 (内閣総理大臣による送付等) 第四十五条 内閣総理大臣は、第十三条第一項、第二十四条第一項又は第二十六条第一項から第三項までの規定による届出に係る書類の写し及び第二十二条第一項の規定により提出を受けた財産目録等の写しを委員会に送付しなければならない。 2 内閣総理大臣は、第三十一条の規定により許認可等行政機関が述べた意見(公益法人が第六条第三号又は第四号に該当する事由に係る意見を除く。)を委員会に通知しなければならない。 3 内閣総理大臣は、委員会に諮問しないで次に掲げる措置を講じたときは、その旨を委員会に通知しなければならない。 一 公益認定の申請、第十一条第一項の変更の認定の申請又は第二十五条第一項の認可の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 二 監督処分等(次条第一項の勧告に基づく監督処分等を除く。) 三 第四十三条第二項第一号の政令の制定又は改廃の立案及び同号の内閣府令の制定又は改廃 四 第四十三条第三項に規定する審査請求に対する裁決(審査請求が不適法であることによる却下の裁決を除く。) 五 第六十条の規定による指示 (委員会による勧告等) 第四十六条 委員会は、前条第一項若しくは第二項の場合又は第五十九条第一項の規定に基づき第二十七条第一項の規定による報告の徴収、検査又は質問を行った場合には、公益法人が第二十九条第一項第二号若しくは第三号又は第二項各号のいずれかに該当するかどうかを審査し、必要があると認めるときは、第二十八条第一項の勧告若しくは同条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しその他の措置をとることについて内閣総理大臣に勧告をすることができる。 2 委員会は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該勧告の内容を公表しなければならない。 3 委員会は、第一項の勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 第三款 雑則 (資料提出その他の協力) 第四十七条 委員会は、その事務を処理するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長その他の関係者に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。 (事務の処理状況の公表) 第四十八条 委員会は、毎年、その事務の処理状況を公表しなければならない。 (政令への委任) 第四十九条 この節に規定するもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 都道府県に置かれる合議制の機関 (設置及び権限) 第五十条 都道府県に、この法律によりその権限に属させられた事項を処理するため、審議会その他の合議制の機関(以下単に「合議制の機関」という。)を置く。 2 合議制の機関の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で定める。 (合議制の機関への諮問) 第五十一条 第四十三条(第二項を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「付して、委員会」とあるのは「付して、第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同項第二号ハ中「第四十六条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する第四十六条第一項」と、同条第三項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と読み替えるものとする。 (答申の公表等) 第五十二条 第四十四条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第二項中「内閣総理大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (都道府県知事による通知等) 第五十三条 都道府県知事は、第六十条の規定による指示が当該都道府県知事に対して行われた場合には、その旨を合議制の機関に通知しなければならない。 2 第四十五条(第三項第三号及び第五号を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「委員会」とあるのは「第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同条第二項及び第三項中「委員会」とあるのは「合議制の機関」と、同項第二号中「次条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する次条第一項」と、同項第四号中「第四十三条第三項」とあるのは「第五十一条において準用する第四十三条第三項」と読み替えるものとする。 (合議制の機関による勧告等) 第五十四条 第四十六条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第一項中「前条第一項若しくは第二項」とあるのは「第五十三条第二項において準用する前条第一項若しくは第二項」と、「第五十九条第一項」とあるのは「第五十九条第二項」と、同項及び同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (資料提出その他の協力) 第五十五条 第四十七条の規定は、合議制の機関について準用する。 第四章 雑則 (協力依頼) 第五十六条 行政庁は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。 (情報の提供) 第五十七条 内閣総理大臣及び都道府県知事は、公益法人の活動の状況、公益法人に対して行政庁がとった措置その他の事項についての調査及び分析を行い、必要な統計その他の資料の作成を行うとともに、公益法人に関するデータベースの整備を図り、国民にインターネットその他の高度情報通信ネットワークの利用を通じて迅速に情報を提供できるよう必要な措置を講ずるものとする。 (税制上の措置) 第五十八条 公益法人が行う公益目的事業に係る活動が果たす役割の重要性にかんがみ、当該活動を促進しつつ適正な課税の確保を図るため、公益法人並びにこれに対する寄附を行う個人及び法人に関する所得課税に関し、所得税、法人税及び相続税並びに地方税の課税についての必要な措置その他所要の税制上の措置を講ずるものとする。 (権限の委任等) 第五十九条 内閣総理大臣は、第二十七条第一項の規定による権限(第六条各号に掲げる一般社団法人又は一般財団法人に該当するか否かの調査に関するものを除く。次項において同じ。)を委員会に委任する。 2 行政庁が都道府県知事である場合には、第二十七条第一項中「行政庁」とあるのは「第五十条第一項に規定する合議制の機関」と、「その職員」とあるのは「その庶務をつかさどる職員」とする。 (都道府県知事への指示) 第六十条 内閣総理大臣は、この法律及びこれに基づく命令の規定による事務の実施に関して地域間の均衡を図るため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第二十八条第一項の勧告若しくは同条第三項の規定による命令又は第二十九条第二項の規定による公益認定の取消しその他の措置を行うべきことを指示することができる。 (政令への委任) 第六十一条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。 第五章 罰則 第六十二条 次のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 一 偽りその他不正の手段により公益認定、第十一条第一項の変更の認定又は第二十五条第一項の認可を受けた者 二 第十一条第一項の変更の認定を受けないで同項第一号又は第二号に掲げる変更(行政庁の変更を伴うこととなるものに限る。)をした者 三 第十一条第一項の変更の認定を受けないで同項第二号又は第三号に掲げる変更(第二十九条第二項第一号に該当することとなるものに限る。)をした者 第六十三条 次のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第九条第四項の規定に違反して、公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 二 第九条第五項の規定に違反して、他の公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者 第六十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第七条第一項(第二十五条第四項において準用する場合を含む。)の申請書又は第七条第二項各号(第二十五条第四項において準用する場合を含む。)に掲げる書類に虚偽の記載をして提出した者 二 第十一条第二項の申請書又は同条第三項の書類に虚偽の記載をして提出した者 三 第二十一条第一項又は第二項の規定に違反して、書類又は電磁的記録を備え置かず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をした者 第六十五条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。 第六十六条 次のいずれかに該当する場合においては、公益法人の理事、監事又は清算人は、五十万円以下の過料に処する。 一 第十三条第一項、第二十四条第一項又は第二十六条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第二十二条第一項の規定に違反して、財産目録等を提出せず、又はこれに虚偽の記載をして提出したとき。 三 第二十七条第一項(第五十九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第二十七条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
民事
Heisei
Act
418AC0000000049_20250521_506AC0000000029.xml
平成十八年法律第四十九号
46
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施が公益の増進のために重要となっていることにかんがみ、当該事業を適正に実施し得る公益法人を認定する制度を設けるとともに、公益法人による当該事業の適正な実施を確保するための措置等を定め、もって公益の増進及び活力ある社会の実現に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 公益社団法人 第四条の認定を受けた一般社団法人をいう。 二 公益財団法人 第四条の認定を受けた一般財団法人をいう。 三 公益法人 公益社団法人又は公益財団法人をいう。 四 公益目的事業 学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。 (行政庁) 第三条 この法律における行政庁は、次の各号に掲げる公益法人の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 一 次に掲げる公益法人 内閣総理大臣 イ 二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するもの ロ 公益目的事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款で定めるもの ハ 国の事務又は事業と密接な関連を有する公益目的事業であって政令で定めるものを行うもの 二 前号に掲げる公益法人以外の公益法人 その事務所が所在する都道府県の知事 (公益法人等の責務) 第三条の二 公益法人は、公益目的事業の質の向上を図るため、運営体制の充実を図るとともに、財務に関する情報の開示その他のその運営における透明性の向上を図るよう努めなければならない。 2 国は、前項の規定による公益法人の取組を促進するため、必要な情報の収集及び提供その他の必要な支援を行うものとする。 第二章 公益法人の認定等 第一節 公益法人の認定 (公益認定) 第四条 公益目的事業を行う一般社団法人又は一般財団法人は、行政庁の認定を受けることができる。 (公益認定の基準) 第五条 行政庁は、前条の認定(以下「公益認定」という。)の申請をした一般社団法人又は一般財団法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該法人について公益認定をするものとする。 一 公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。 二 公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。 三 その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。 四 その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。 ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。 五 投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。 六 その行う公益目的事業について、第十四条の規定による収支の均衡が図られるものであると見込まれるものであること。 七 公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。 八 その事業活動を行うに当たり、第十五条に規定する公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれるものであること。 九 その事業活動を行うに当たり、第十六条第二項に規定する使途不特定財産額が同条第一項の制限を超えないと見込まれるものであること。 十 各理事について、当該理事及び当該理事と特別利害関係(一方の者が他方の者の配偶者又は三親等以内の親族である関係その他特別な利害関係として政令で定めるものをいう。第十二号において同じ。)にある理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。 監事についても、同様とする。 十一 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。 監事についても、同様とする。 十二 各理事について、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)と特別利害関係を有しないものであること。 十三 会計監査人を置いているものであること。 ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。 十四 その理事、監事及び評議員に対する報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。以下同じ。)について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。 十五 理事のうち一人以上が、当該法人又はその子法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)第二条第四号に規定する子法人をいう。以下この号及び次号において同じ。)の業務執行理事(一般社団・財団法人法第百十五条第一項(一般社団・財団法人法第百九十八条において準用する場合を含む。)に規定する業務執行理事をいう。以下この号において同じ。)又は使用人でなく、かつ、その就任の前十年間当該法人又はその子法人の業務執行理事又は使用人であったことがない者その他これに準ずるものとして内閣府令で定める者であること。 ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。 十六 監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事のうち一人以上)が、その就任の前十年間当該法人又はその子法人の理事又は使用人であったことがない者その他これに準ずるものとして内閣府令で定める者であること。 十七 一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。 イ 社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをする条件その他の不当な条件を付していないものであること。 ロ 社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。 (1) 社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしないものであること。 (2) 社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを行わないものであること。 ハ 理事会を置いているものであること。 十八 他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。 ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない。 十九 公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること。 二十 第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、公益目的取得財産残額(第三十条第二項に規定する公益目的取得財産残額をいう。)があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは次に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものであること。 イ 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人 ロ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人 ハ 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)第二条第六項に規定する更生保護法人 ニ 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人 ホ 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人又は同条第三項に規定する大学共同利用機関法人 ヘ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人 ト その他イからヘまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人 二十一 清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは前号イからトまでに掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めているものであること。 (欠格事由) 第六条 前条の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する一般社団法人又は一般財団法人は、公益認定を受けることができない。 一 その理事、監事及び評議員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの イ 公益法人が第二十九条第一項(第四号を除く。)又は第二項の規定により公益認定を取り消された場合において、その取消しの原因となった事実があった日以前一年内に当該公益法人の業務を行う理事であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの ロ この法律、一般社団・財団法人法若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項の規定を除く。)に違反したことにより、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二第一項、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条、第二条若しくは第三条の罪を犯したことにより、又は国税若しくは地方税に関する法律中偽りその他不正の行為により国税若しくは地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、若しくはこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ハ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ニ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第六号において「暴力団員等」という。) 二 第二十九条第一項(第四号を除く。)又は第二項の規定により公益認定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないもの 三 その定款又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの 四 その事業を行うに当たり法令上必要となる行政機関の許認可等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第三号に規定する許認可等をいう。以下同じ。)を受けることができないもの 五 国税若しくは地方税の滞納処分の執行がされているもの又は当該滞納処分の終了の日から三年を経過しないもの 六 暴力団員等がその事業活動を支配するもの (公益認定の申請) 第七条 公益認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。 一 名称及び代表者の氏名 二 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款に定めがある場合に限る。)並びに主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 三 その行う公益目的事業の種類及び内容 四 その行う収益事業等の内容 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 定款 二 事業計画書及び収支予算書 三 事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合においては、当該許認可等があったこと又はこれを受けることができることを証する書類 四 当該公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎を有することを明らかにする財産目録、貸借対照表その他の内閣府令で定める書類 五 第五条第十四号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類 六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 (公益認定に関する意見聴取) 第八条 行政庁は、公益認定をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くものとする。 一 第五条第一号、第二号及び第五号並びに第六条第三号及び第四号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 当該行政機関(以下「許認可等行政機関」という。) 二 第六条第一号ニ及び第六号に規定する事由 行政庁が内閣総理大臣である場合にあっては警察庁長官、都道府県知事である場合にあっては警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察庁長官等」という。) 三 第六条第五号に規定する事由 国税庁長官、関係都道府県知事又は関係市町村長(以下「国税庁長官等」という。) (名称等) 第九条 公益認定を受けた一般社団法人又は一般財団法人は、その名称中の一般社団法人又は一般財団法人の文字をそれぞれ公益社団法人又は公益財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。 2 前項の規定による名称の変更の登記の申請書には、公益認定を受けたことを証する書面を添付しなければならない。 3 公益社団法人又は公益財団法人は、その種類に従い、その名称中に公益社団法人又は公益財団法人という文字を用いなければならない。 4 公益社団法人又は公益財団法人でない者は、その名称又は商号中に、公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 5 何人も、不正の目的をもって、他の公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 6 公益法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない。 (公益認定の公示) 第十条 行政庁は、公益認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 (変更の認定) 第十一条 公益法人は、次に掲げる変更をしようとするときは、行政庁の認定を受けなければならない。 ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。 一 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款で定めるものに限る。)又は主たる事務所若しくは従たる事務所の所在場所の変更(従たる事務所の新設又は廃止を含む。) 二 公益目的事業の種類又は内容の変更 2 前項の変更の認定を受けようとする公益法人は、内閣府令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない。 3 前項の申請書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。 4 第五条及び第六条(第二号を除く。)の規定は第一項各号に掲げる変更の認定について、第八条第一号(吸収合併に伴い当該変更の認定をする場合にあっては、同条各号)の規定は同項第二号に掲げる変更の認定について、前条の規定は同項の変更の認定をしたときについて、それぞれ準用する。 第十二条 行政庁の変更を伴う変更の認定に係る前条第二項の申請書は、変更前の行政庁を経由して変更後の行政庁に提出しなければならない。 2 前項の場合において、当該変更の認定をしたときは、変更後の行政庁は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、変更前の行政庁から事務の引継ぎを受けなければならない。 (変更の届出) 第十三条 公益法人は、次に掲げる変更(合併に伴うものを除く。)があったときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。 一 名称又は代表者の氏名の変更 二 収益事業等の内容の変更 三 第十一条第一項ただし書の内閣府令で定める軽微な変更 四 定款の変更(第十一条第一項各号に掲げる変更及び前三号に掲げる変更に係るものを除く。) 五 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項の変更 2 行政庁は、前項第一号又は第二号に掲げる変更について同項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 第二節 公益法人の事業活動等 第一款 公益目的事業の実施等 (公益目的事業の収入及び費用) 第十四条 公益法人は、その公益目的事業を行うに当たっては、内閣府令で定めるところにより、当該公益目的事業に係る収入をその実施に要する適正な費用(当該公益目的事業を充実させるため将来において必要となる資金として内閣府令で定める方法により積み立てる資金を含む。)に充てることにより、内閣府令で定める期間において、その収支の均衡が図られるようにしなければならない。 (公益目的事業比率) 第十五条 公益法人は、毎事業年度における公益目的事業比率(第一号に掲げる額の同号から第三号までに掲げる額の合計額に対する割合をいう。)が百分の五十以上となるように公益目的事業を行わなければならない。 一 公益目的事業の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 二 収益事業等の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 三 当該公益法人の運営に必要な経常的経費の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 (使途不特定財産額の保有の制限) 第十六条 公益法人の毎事業年度の末日における使途不特定財産額は、当該公益法人が公益目的事業を翌事業年度においても行うために必要な額として、当該事業年度前の事業年度において行った公益目的事業の実施に要した費用の額(その保有する資産の状況及び事業活動の態様に応じ当該費用の額に準ずるものとして内閣府令で定めるものの額を含む。)を基礎として内閣府令で定めるところにより算定した額を超えてはならない。 2 前項に規定する「使途不特定財産額」とは、公益法人による財産の使用若しくは管理の状況又は当該財産の性質に鑑み、公益目的事業又は公益目的事業を行うために必要な収益事業等その他の業務若しくは活動のために現に使用されておらず、かつ、引き続きこれらのために使用されることが見込まれない財産(第十八条に規定する公益目的事業財産のうち、災害その他の予見し難い事由が発生した場合においても公益目的事業を継続的に行うために必要な限度において保有する必要があるものとして内閣府令で定める要件に該当するもの(次項において「公益目的事業継続予備財産」という。)を除く。)として内閣府令で定めるものの価額の合計額をいう。 3 公益法人は、毎事業年度の末日において公益目的事業継続予備財産を保有している場合には、翌事業年度開始後速やかに、内閣府令で定めるところにより、当該公益目的事業継続予備財産を保有する理由及びその額その他内閣府令で定める事項を公表しなければならない。 (寄附の募集に関する禁止行為) 第十七条 公益法人の理事若しくは監事又は代理人、使用人その他の従業者は、寄附の募集に関して、次に掲げる行為をしてはならない。 一 寄附の勧誘又は要求を受け、寄附をしない旨の意思を表示した者に対し、寄附の勧誘又は要求を継続すること。 二 粗野若しくは乱暴な言動を交えて、又は迷惑を覚えさせるような方法で、寄附の勧誘又は要求をすること。 三 寄附をする財産の使途について誤認させるおそれのある行為をすること。 四 前三号に掲げるもののほか、寄附の勧誘若しくは要求を受けた者又は寄附者の利益を不当に害するおそれのある行為をすること。 第二款 公益目的事業財産 第十八条 公益法人は、次に掲げる財産(以下「公益目的事業財産」という。)を公益目的事業を行うために使用し、又は処分しなければならない。 ただし、内閣府令で定める正当な理由がある場合は、この限りでない。 一 公益認定を受けた日以後に寄附を受けた財産(寄附をした者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く。) 二 公益認定を受けた日以後に交付を受けた補助金その他の財産(財産を交付した者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く。) 三 公益認定を受けた日以後に行った公益目的事業に係る活動の対価として得た財産 四 公益認定を受けた日以後に行った収益事業等から生じた収益に内閣府令で定める割合を乗じて得た額に相当する財産 五 前各号に掲げる財産を運用し、支出し、又は処分することにより取得した財産 六 第五条第十九号に規定する財産(前各号に掲げるものを除く。) 七 前各号に掲げるもののほか、公益法人が保有する財産であって公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産 八 前各号に掲げるもののほか、当該公益法人が公益目的事業を行うことにより取得し、又は公益目的事業を行うために保有していると認められるものとして内閣府令で定める財産 第三款 公益法人の計算等の特則 (区分経理) 第十九条 公益法人は、内閣府令で定めるところにより、公益目的事業に係る経理、収益事業等に係る経理及び法人の運営に係る経理(収益事業等を行わない公益法人にあっては、公益目的事業に係る経理及び法人の運営に係る経理)をそれぞれ区分して整理しなければならない。 ただし、収益事業等を行わない公益法人であって、その行う公益目的事業の内容その他の事項に関し内閣府令で定める要件に該当するものについては、この限りでない。 2 前項ただし書の規定の適用を受ける公益法人における前条及び第三十条第二項の規定の適用については、前条中「を公益目的事業」とあるのは「及び当該公益法人が保有する公益目的事業財産以外の財産のうち当該公益法人の運営を行うため必要な財産として内閣府令で定めるもの以外のもの(以下「公益目的事業財産等」という。)を公益目的事業」と、同項各号中「公益目的事業財産」とあるのは「公益目的事業財産等」とする。 (報酬等) 第二十条 公益法人は、第五条第十四号に規定する報酬等の支給の基準に従って、その理事、監事及び評議員に対する報酬等を支給しなければならない。 (財産目録の備置き及び閲覧等) 第二十一条 公益法人は、毎事業年度開始の日の前日までに(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の事業計画書、収支予算書その他の内閣府令で定める書類を作成し、当該事業年度の末日までの間、当該書類をその主たる事務所に、その写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 2 公益法人は、毎事業年度経過後三月以内に(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる書類を作成し、当該書類を五年間その主たる事務所に、その写しを三年間その従たる事務所に備え置かなければならない。 一 財産目録 二 役員等名簿(理事、監事及び評議員の氏名及び住所を記載した名簿をいう。以下同じ。) 三 第五条第十四号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類 四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 第一項に規定する書類及び前項各号に掲げる書類は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 4 公益法人は、一般社団・財団法人法第百二十三条第二項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定により作成する事業報告に、各事業年度における公益目的事業の実施状況、公益法人の運営体制その他の公益法人の適正な運営を確保するために必要なものとして内閣府令で定める事項を記載しなければならない。 5 何人も、公益法人の業務時間内は、いつでも、第一項に規定する書類、第二項各号に掲げる書類、定款、社員名簿及び一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等(以下「財産目録等」という。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該公益法人は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。 一 財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 6 前項の規定にかかわらず、公益法人は、役員等名簿又は社員名簿について当該公益法人の社員又は評議員以外の者から同項の請求があった場合には、これらに記載され又は記録された事項中、個人の住所に係る記載又は記録の部分を除外して、同項の閲覧をさせることができる。 7 財産目録等が電磁的記録をもって作成されている場合であって、その従たる事務所における第五項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令で定めるものをとっている公益法人についての第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「その主たる事務所に、その写しをその従たる事務所」とあるのは「その主たる事務所」と、第二項中「その主たる事務所に、その写しを三年間その従たる事務所」とあるのは「その主たる事務所」とする。 (財産目録等の提出等) 第二十二条 公益法人は、財産目録等(定款を除く。)について、前条第一項に規定する書類にあっては毎事業年度開始の日の前日までに(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、その他の書類にあっては毎事業年度の経過後三月以内に(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、同条第二項各号に掲げる書類及び社員名簿を当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、行政庁に提出しなければならない。 2 行政庁は、内閣府令で定めるところにより、この法律又はこの法律に基づく命令の規定により公益法人から提出を受けた財産目録等(役員等名簿又は社員名簿にあっては、これらに記載された事項中、個人の住所に係る記載の部分を除く。)を公表するものとする。 (会計監査人の権限等) 第二十三条 公益法人の会計監査人は、一般社団・財団法人法第百七条第一項(一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定によるもののほか、財産目録その他の内閣府令で定める書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、会計監査報告に当該監査の結果を併せて記載し、又は記録しなければならない。 第四款 合併等 (合併等の届出) 第二十四条 公益法人は、次に掲げる行為をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を行政庁に届け出なければならない。 一 合併(当該合併に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合又は次条第一項の認可の申請をする場合を除く。) 二 事業の全部又は一部の譲渡(当該事業の譲渡に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合を除く。) 三 公益目的事業の全部の廃止 2 行政庁は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 (合併による地位の承継の認可) 第二十五条 公益法人が合併により消滅する法人となる新設合併契約を締結したときは、当該公益法人(当該公益法人が二以上ある場合にあっては、その一)は、当該新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)が当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継することについて、行政庁の認可を申請することができる。 2 行政庁は、新設法人が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、前項の認可をするものとする。 一 第五条各号に掲げる基準に適合するものであること。 二 第六条各号のいずれかに該当するものでないこと。 3 第一項の認可があった場合には、新設法人は、その成立の日に、当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継する。 4 第七条、第八条、第十条及び第十二条の規定は、第一項の認可について準用する。 この場合において、第七条第一項中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第一号に掲げる事項については新設合併により消滅する公益法人及び新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)に係るもの、第二号から第四号までに掲げる事項については新設法人に係るもの)」と、同項第二号中「定款」とあるのは「定款の案」と、同条第二項中「次に掲げる書類」とあるのは「次に掲げる書類(第一号の定款の案及び第二号から第五号までに掲げる書類については、新設法人に係るもの)」と、同項第一号中「定款」とあるのは「新設合併契約書及び定款の案」と、第十二条第一項中「前条第二項」とあるのは「第二十五条第四項において準用する第七条第一項」と読み替えるものとする。 5 第一項の認可を受けて合併により消滅する公益法人の地位を承継する新設法人についての第十八条及び第三十条第二項(これらの規定を第十九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、第十八条第一号から第四号までの規定中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、同条第五号中「前各号」とあるのは「前各号及び第七号」と、同条第七号中「前各号に掲げるもののほか、公益法人が保有する財産であって公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産」とあるのは「その成立の際に合併により消滅する公益法人から承継した財産であって、当該消滅する公益法人の公益目的事業財産であったもの」と、第三十条第二項第一号中「が取得した」とあるのは「が合併により承継し、又は取得した」と、「公益認定」とあるのは「合併により消滅する公益法人が公益認定」と、同項第二号中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、同項第三号中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、「定めるもの」とあるのは「定めるもの並びに合併により消滅する公益法人が公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法によりその公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産(当該消滅する公益法人が第十九条第一項ただし書の規定の適用を受けるものである場合にあっては、同条第二項の規定により読み替えて適用する第十八条に規定する公益目的事業財産等)以外の財産及び同日以後に当該公益法人がその公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払その他内閣府令で定めるもの」とする。 (解散の届出等) 第二十六条 公益法人が合併以外の理由により解散をした場合には、その清算人(解散が破産手続開始の決定による場合にあっては、破産管財人)は、当該解散の日から一月以内に、その旨を行政庁に届け出なければならない。 2 清算人は、一般社団・財団法人法第二百三十三条第一項の期間が経過したときは、遅滞なく、残余財産の引渡しの見込みを行政庁に届け出なければならない。 当該見込みに変更があったときも、同様とする。 3 清算人は、清算が結了したときは、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。 4 行政庁は、第一項又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 第三節 公益法人の監督 (報告及び検査) 第二十七条 行政庁は、公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度において、内閣府令で定めるところにより、公益法人に対し、その運営組織及び事業活動の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、当該公益法人の事務所に立ち入り、その運営組織及び事業活動の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (勧告、命令等) 第二十八条 行政庁は、公益法人について、次条第二項各号のいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由がある場合には、当該公益法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。 2 行政庁は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その勧告の内容を公表しなければならない。 3 行政庁は、第一項の勧告を受けた公益法人が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該公益法人に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 4 行政庁は、前項の規定による命令をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 5 行政庁は、第一項の勧告及び第三項の規定による命令をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くことができる。 一 第五条第一号、第二号若しくは第五号、第六条第三号若しくは第四号又は次条第二項第三号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 許認可等行政機関 二 第六条第一号ニ又は第六号に規定する事由 警察庁長官等 三 第六条第五号に規定する事由 国税庁長官等 (公益認定の取消し) 第二十九条 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消さなければならない。 一 第六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。 二 偽りその他不正の手段により公益認定、第十一条第一項の変更の認定又は第二十五条第一項の認可を受けたとき。 三 正当な理由がなく、前条第三項の規定による命令に従わないとき。 四 公益法人から公益認定の取消しの申請があったとき。 2 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消すことができる。 一 第五条各号に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったとき。 二 前節の規定を遵守していないとき。 三 前二号のほか、法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反したとき。 3 前条第五項の規定は、前二項の規定による公益認定の取消しをしようとする場合について準用する。 4 行政庁は、第一項又は第二項の規定により公益認定を取り消したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 5 第一項又は第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた公益法人は、その名称中の公益社団法人又は公益財団法人という文字をそれぞれ一般社団法人又は一般財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。 6 行政庁は、第一項又は第二項の規定による公益認定の取消しをしたときは、遅滞なく、当該公益法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該公益法人の名称の変更の登記を嘱託しなければならない。 7 前項の規定による名称の変更の登記の嘱託書には、当該登記の原因となる事由に係る処分を行ったことを証する書面を添付しなければならない。 (公益認定の取消し等に伴う贈与) 第三十条 行政庁が前条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しをした場合又は公益法人が合併により消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、第五条第二十号に規定する定款の定めに従い、当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一月以内に公益目的取得財産残額に相当する額の財産の贈与に係る書面による契約が成立しないときは、内閣総理大臣が行政庁である場合にあっては国、都道府県知事が行政庁である場合にあっては当該都道府県が当該公益目的取得財産残額に相当する額の金銭について、同号に規定する定款で定める贈与を当該公益認定の取消しを受けた法人又は当該合併により消滅する公益法人の権利義務を承継する法人(第四項において「認定取消法人等」という。)から受ける旨の書面による契約が成立したものとみなす。 当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一月以内に当該公益目的取得財産残額の一部に相当する額の財産について同号に規定する定款で定める贈与に係る書面による契約が成立した場合における残余の部分についても、同様とする。 2 前項に規定する「公益目的取得財産残額」とは、第一号に掲げる財産から第二号に掲げる財産を除外した残余の財産の価額の合計額から第三号に掲げる額を控除して得た額をいう。 一 当該公益法人が取得した全ての公益目的事業財産(第十八条第六号に掲げる財産にあっては、公益認定を受けた日前に取得したものを除く。) 二 当該公益法人が公益認定を受けた日以後に公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産 三 公益目的事業財産以外の財産であって当該公益法人が公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡したもの及び同日以後に公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払その他内閣府令で定めるものの額の合計額 3 前項に規定する額の算定の細目その他公益目的取得財産残額の算定に関し必要な事項は、内閣府令で定める。 4 行政庁は、第一項の場合には、認定取消法人等に対し、前二項の規定により算定した公益目的取得財産残額及び第一項の規定により当該認定取消法人等と国又は都道府県との間に当該公益目的取得財産残額又はその一部に相当する額の金銭の贈与に係る契約が成立した旨を通知しなければならない。 5 公益法人は、第五条第二十号に規定する定款の定めを変更することができない。 (行政庁への意見) 第三十一条 次の各号に掲げる者は、公益法人についてそれぞれ当該各号に定める事由があると疑うに足りる相当な理由があるため、行政庁が公益法人に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、行政庁に対し、その旨の意見を述べることができる。 一 許認可等行政機関 第五条第一号、第二号若しくは第五号に掲げる基準に適合しない事由又は第六条第三号若しくは第四号若しくは第二十九条第二項第三号に該当する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 二 警察庁長官等 第六条第一号ニ又は第六号に該当する事由 三 国税庁長官等 第六条第五号に該当する事由 第三章 公益認定等委員会及び都道府県に置かれる合議制の機関 第一節 公益認定等委員会 第一款 設置及び組織 (設置及び権限) 第三十二条 内閣府に、公益認定等委員会(以下「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、この法律によりその権限に属させられた事項を処理する。 (職権の行使) 第三十三条 委員会の委員は、独立してその職権を行う。 (組織) 第三十四条 委員会は、委員七人をもって組織する。 2 委員は、非常勤とする。 ただし、そのうちの四人以内は、常勤とすることができる。 (委員の任命) 第三十五条 委員は、人格が高潔であって、委員会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律、会計又は公益法人に係る活動に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。 2 委員の任期が満了し、又は欠員が生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。 3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。 この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。 (委員の任期) 第三十六条 委員の任期は、三年とする。 ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 2 委員は、再任されることができる。 3 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。 (委員の身分保障) 第三十七条 委員は、委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められた場合又は職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められた場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。 (委員の罷免) 第三十八条 内閣総理大臣は、委員が前条に規定する場合に該当するときは、その委員を罷免しなければならない。 (委員の服務) 第三十九条 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。 その職を退いた後も同様とする。 2 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。 3 常勤の委員は、在任中、内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。 (委員の給与) 第四十条 委員の給与は、別に法律で定める。 (委員長) 第四十一条 委員会に、委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。 2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。 3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。 (事務局) 第四十二条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。 2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。 3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。 第二款 諮問等 (委員会への諮問) 第四十三条 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、第八条又は第二十八条第五項(第二十九条第三項において準用する場合を含む。)の規定による許認可等行政機関の意見(第六条第三号及び第四号に該当する事由の有無に係るものを除く。)を付して、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 公益認定の申請、第十一条第一項の変更の認定の申請又は第二十五条第一項の認可の申請に対する処分をしようとする場合(申請をした法人が第六条各号のいずれかに該当するものである場合及び行政手続法第七条の規定に基づきこれらの認定を拒否する場合を除く。) 二 第二十八条第一項の勧告、同条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消し(以下「監督処分等」という。)をしようとする場合(次に掲げる場合を除く。) イ 監督処分等を受ける公益法人が第二十九条第一項第一号又は第四号のいずれかに該当するものである場合 ロ 第十三条第一項若しくは第二十四条第一項の規定による届出又は第二十二条第一項の規定による財産目録等の提出をしなかったことを理由として監督処分等をしようとする場合 ハ 第四十六条第一項の勧告に基づいて監督処分等をしようとする場合 2 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 第五条第三号から第五号まで、第十号、第十一号、第十三号ただし書、第十五号ただし書、第十八号ただし書及び第二十号ト、第五十一条において読み替えて準用する前項ただし書及び次項ただし書並びに別表第二十三号の政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合並びに第五条第十四号から第十六号まで及び第十八号、第七条第一項並びに第二項第四号及び第六号、第十一条第二項及び第三項、第十三条第一項(第三号を除く。)、第十四条、第十五条各号、第十六条、第十八条ただし書並びに第四号、第七号及び第八号、第十九条第一項及び同条第二項の規定により読み替えて適用する第十八条本文、第二十一条第一項、第二項及び第四項、第二十三条、第二十四条第一項、第二十七条第一項、第三十条第二項第三号(第二十五条第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び第三項、次条第一項並びに第四十六条第二項の内閣府令の制定又は改廃をしようとする場合 二 第六十条の規定による指示を行おうとする場合 3 内閣総理大臣は、第一項第一号に規定する処分、第二十八条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項の規定による公益認定の取消しについての審査請求に対する裁決をしようとする場合には、次に掲げる場合を除き、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 審査請求が不適法であるとして却下する場合 二 審査請求をした一般社団法人若しくは一般財団法人又は公益法人が第六条各号のいずれかに該当するものである場合 三 第一項第二号イ又はロに規定する理由による監督処分等についての審査請求である場合 (答申の公表等) 第四十四条 委員会は、諮問に対する答申をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その内容を公表しなければならない。 2 委員会は、前項の答申をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該答申に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 (内閣総理大臣による送付等) 第四十五条 内閣総理大臣は、第十三条第一項、第二十四条第一項又は第二十六条第一項から第三項までの規定による届出に係る書類の写し及び第二十二条第一項の規定により提出を受けた財産目録等の写しを委員会に送付しなければならない。 2 内閣総理大臣は、第三十一条の規定により許認可等行政機関が述べた意見(公益法人が第六条第三号又は第四号に該当する事由に係る意見を除く。)を委員会に通知しなければならない。 3 内閣総理大臣は、委員会に諮問しないで次に掲げる措置を講じたときは、その旨を委員会に通知しなければならない。 一 公益認定の申請、第十一条第一項の変更の認定の申請又は第二十五条第一項の認可の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 二 監督処分等(次条第一項の勧告に基づく監督処分等を除く。) 三 第四十三条第二項第一号の政令の制定又は改廃の立案及び同号の内閣府令の制定又は改廃 四 第四十三条第三項に規定する審査請求に対する裁決(審査請求が不適法であることによる却下の裁決を除く。) 五 第六十条の規定による指示 (委員会による勧告等) 第四十六条 委員会は、前条第一項若しくは第二項の場合又は第五十九条第一項の規定に基づき第二十七条第一項の規定による報告の徴収、検査又は質問を行った場合には、公益法人が第二十九条第一項第二号若しくは第三号又は第二項各号のいずれかに該当するかどうかを審査し、必要があると認めるときは、第二十八条第一項の勧告若しくは同条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しその他の措置をとることについて内閣総理大臣に勧告をすることができる。 2 委員会は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該勧告の内容を公表しなければならない。 3 委員会は、第一項の勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 第三款 雑則 (資料提出その他の協力) 第四十七条 委員会は、その事務を処理するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長その他の関係者に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。 (事務の処理状況の公表) 第四十八条 委員会は、毎年、その事務の処理状況を公表しなければならない。 (政令への委任) 第四十九条 この節に規定するもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 都道府県に置かれる合議制の機関 (設置及び権限) 第五十条 都道府県に、この法律によりその権限に属させられた事項を処理するため、審議会その他の合議制の機関(以下単に「合議制の機関」という。)を置く。 2 合議制の機関の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で定める。 (合議制の機関への諮問) 第五十一条 第四十三条(第二項を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「付して、委員会」とあるのは「付して、第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同項第二号ハ中「第四十六条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する第四十六条第一項」と、同条第三項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と読み替えるものとする。 (答申の公表等) 第五十二条 第四十四条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第二項中「内閣総理大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (都道府県知事による通知等) 第五十三条 都道府県知事は、第六十条の規定による指示が当該都道府県知事に対して行われた場合には、その旨を合議制の機関に通知しなければならない。 2 第四十五条(第三項第三号及び第五号を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「委員会」とあるのは「第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同条第二項及び第三項中「委員会」とあるのは「合議制の機関」と、同項第二号中「次条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する次条第一項」と、同項第四号中「第四十三条第三項」とあるのは「第五十一条において準用する第四十三条第三項」と読み替えるものとする。 (合議制の機関による勧告等) 第五十四条 第四十六条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第一項中「前条第一項若しくは第二項」とあるのは「第五十三条第二項において準用する前条第一項若しくは第二項」と、「第五十九条第一項」とあるのは「第五十九条第二項」と、同項及び同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (資料提出その他の協力) 第五十五条 第四十七条の規定は、合議制の機関について準用する。 第四章 雑則 (協力依頼) 第五十六条 行政庁は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。 (情報の提供) 第五十七条 内閣総理大臣及び都道府県知事は、公益法人の活動の状況、公益法人に対して行政庁がとった措置その他の事項についての調査及び分析を行い、必要な統計その他の資料の作成を行うとともに、公益法人に関するデータベースの整備を図り、国民にインターネットその他の高度情報通信ネットワークの利用を通じて迅速に情報を提供できるよう必要な措置を講ずるものとする。 (税制上の措置) 第五十八条 公益法人が行う公益目的事業に係る活動が果たす役割の重要性にかんがみ、当該活動を促進しつつ適正な課税の確保を図るため、公益法人並びにこれに対する寄附を行う個人及び法人に関する所得課税に関し、所得税、法人税及び相続税並びに地方税の課税についての必要な措置その他所要の税制上の措置を講ずるものとする。 (権限の委任等) 第五十九条 内閣総理大臣は、第二十七条第一項の規定による権限(第四十四条第一項の答申又は第四十六条第一項の勧告のため必要なものに限り、第六条各号に掲げる一般社団法人又は一般財団法人に該当するか否かの調査に関するものを除く。)を委員会に委任する。 2 行政庁が都道府県知事である場合における第二十七条第一項の規定による権限(第五十二条において準用する第四十四条第一項の答申又は第五十四条において準用する第四十六条第一項の勧告のため必要なものに限り、第六条各号に掲げる一般社団法人又は一般財団法人に該当するか否かの調査に関するものを除く。)の行使については、第二十七条第一項中「行政庁」とあるのは「第五十条第一項に規定する合議制の機関」と、「職員」とあるのは「庶務をつかさどる職員」とする。 (都道府県知事への指示) 第六十条 内閣総理大臣は、この法律及びこれに基づく命令の規定による事務の実施に関して地域間の均衡を図るため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第二十八条第一項の勧告若しくは同条第三項の規定による命令又は第二十九条第二項の規定による公益認定の取消しその他の措置を行うべきことを指示することができる。 (政令への委任) 第六十一条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。 第五章 罰則 第六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 一 偽りその他不正の手段により公益認定、第十一条第一項の変更の認定又は第二十五条第一項の認可を受けたとき。 二 第十一条第一項の変更の認定を受けないで同項各号に掲げる変更(行政庁の変更を伴うこととなるものに限る。)をしたとき。 三 第十一条第一項の変更の認定を受けないで同項第二号に掲げる変更(第二十九条第二項第一号に該当することとなるものに限る。)をしたとき。 第六十三条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第九条第四項の規定に違反して、公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いたとき。 二 第九条第五項の規定に違反して、他の公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用したとき。 第六十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第七条第一項(第二十五条第四項において準用する場合を含む。)の申請書又は第七条第二項各号(第二十五条第四項において準用する場合を含む。)に掲げる書類に虚偽の記載をして提出したとき。 二 第十一条第二項の申請書又は同条第三項の書類に虚偽の記載をして提出したとき。 三 第二十一条第一項又は第二項の規定に違反して、書類又は電磁的記録を備え置かず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 第六十五条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。 第六十六条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、公益法人の理事、監事又は清算人は、五十万円以下の過料に処する。 一 第十三条第一項、第二十四条第一項又は第二十六条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第二十二条第一項の規定に違反して、財産目録等を提出せず、又はこれに虚偽の記載をして提出したとき。 三 第二十七条第一項(第五十九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第二十七条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第四十九号
46
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施が公益の増進のために重要となっていることにかんがみ、当該事業を適正に実施し得る公益法人を認定する制度を設けるとともに、公益法人による当該事業の適正な実施を確保するための措置等を定め、もって公益の増進及び活力ある社会の実現に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 公益社団法人 第四条の認定を受けた一般社団法人をいう。 二 公益財団法人 第四条の認定を受けた一般財団法人をいう。 三 公益法人 公益社団法人又は公益財団法人をいう。 四 公益目的事業 学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。 (行政庁) 第三条 この法律における行政庁は、次の各号に掲げる公益法人の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 一 次に掲げる公益法人 内閣総理大臣 イ 二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するもの ロ 公益目的事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款で定めるもの ハ 国の事務又は事業と密接な関連を有する公益目的事業であって政令で定めるものを行うもの 二 前号に掲げる公益法人以外の公益法人 その事務所が所在する都道府県の知事 (公益法人等の責務) 第三条の二 公益法人は、公益目的事業の質の向上を図るため、運営体制の充実を図るとともに、財務に関する情報の開示その他のその運営における透明性の向上を図るよう努めなければならない。 2 国は、前項の規定による公益法人の取組を促進するため、必要な情報の収集及び提供その他の必要な支援を行うものとする。 第二章 公益法人の認定等 第一節 公益法人の認定 (公益認定) 第四条 公益目的事業を行う一般社団法人又は一般財団法人は、行政庁の認定を受けることができる。 (公益認定の基準) 第五条 行政庁は、前条の認定(以下「公益認定」という。)の申請をした一般社団法人又は一般財団法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該法人について公益認定をするものとする。 一 公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。 二 公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。 三 その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。 四 その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。 ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。 五 投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。 六 その行う公益目的事業について、第十四条の規定による収支の均衡が図られるものであると見込まれるものであること。 七 公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。 八 その事業活動を行うに当たり、第十五条に規定する公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれるものであること。 九 その事業活動を行うに当たり、第十六条第二項に規定する使途不特定財産額が同条第一項の制限を超えないと見込まれるものであること。 十 各理事について、当該理事及び当該理事と特別利害関係(一方の者が他方の者の配偶者又は三親等以内の親族である関係その他特別な利害関係として政令で定めるものをいう。第十二号において同じ。)にある理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。 監事についても、同様とする。 十一 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。 監事についても、同様とする。 十二 各理事について、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)と特別利害関係を有しないものであること。 十三 会計監査人を置いているものであること。 ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。 十四 その理事、監事及び評議員に対する報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。以下同じ。)について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。 十五 理事のうち一人以上が、当該法人又はその子法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)第二条第四号に規定する子法人をいう。以下この号及び次号において同じ。)の業務執行理事(一般社団・財団法人法第百十五条第一項(一般社団・財団法人法第百九十八条において準用する場合を含む。)に規定する業務執行理事をいう。以下この号において同じ。)又は使用人でなく、かつ、その就任の前十年間当該法人又はその子法人の業務執行理事又は使用人であったことがない者その他これに準ずるものとして内閣府令で定める者であること。 ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。 十六 監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事のうち一人以上)が、その就任の前十年間当該法人又はその子法人の理事又は使用人であったことがない者その他これに準ずるものとして内閣府令で定める者であること。 十七 一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。 イ 社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをする条件その他の不当な条件を付していないものであること。 ロ 社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。 (1) 社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしないものであること。 (2) 社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを行わないものであること。 ハ 理事会を置いているものであること。 十八 他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。 ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない。 十九 公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること。 二十 第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、公益目的取得財産残額(第三十条第二項に規定する公益目的取得財産残額をいう。)があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは次に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものであること。 イ 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人 ロ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人 ハ 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)第二条第六項に規定する更生保護法人 ニ 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人 ホ 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人又は同条第三項に規定する大学共同利用機関法人 ヘ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人 ト その他イからヘまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人 二十一 清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは前号イからトまでに掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めているものであること。 (欠格事由) 第六条 前条の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する一般社団法人又は一般財団法人は、公益認定を受けることができない。 一 その理事、監事及び評議員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの イ 公益法人が第二十九条第一項(第四号を除く。)又は第二項の規定により公益認定を取り消された場合において、その取消しの原因となった事実があった日以前一年内に当該公益法人の業務を行う理事であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの ロ この法律、一般社団・財団法人法若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項の規定を除く。)に違反したことにより、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二第一項、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条、第二条若しくは第三条の罪を犯したことにより、又は国税若しくは地方税に関する法律中偽りその他不正の行為により国税若しくは地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、若しくはこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ハ 拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ニ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第六号において「暴力団員等」という。) 二 第二十九条第一項(第四号を除く。)又は第二項の規定により公益認定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないもの 三 その定款又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの 四 その事業を行うに当たり法令上必要となる行政機関の許認可等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第三号に規定する許認可等をいう。以下同じ。)を受けることができないもの 五 国税若しくは地方税の滞納処分の執行がされているもの又は当該滞納処分の終了の日から三年を経過しないもの 六 暴力団員等がその事業活動を支配するもの (公益認定の申請) 第七条 公益認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。 一 名称及び代表者の氏名 二 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款に定めがある場合に限る。)並びに主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 三 その行う公益目的事業の種類及び内容 四 その行う収益事業等の内容 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 定款 二 事業計画書及び収支予算書 三 事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合においては、当該許認可等があったこと又はこれを受けることができることを証する書類 四 当該公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎を有することを明らかにする財産目録、貸借対照表その他の内閣府令で定める書類 五 第五条第十四号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類 六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 (公益認定に関する意見聴取) 第八条 行政庁は、公益認定をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くものとする。 一 第五条第一号、第二号及び第五号並びに第六条第三号及び第四号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 当該行政機関(以下「許認可等行政機関」という。) 二 第六条第一号ニ及び第六号に規定する事由 行政庁が内閣総理大臣である場合にあっては警察庁長官、都道府県知事である場合にあっては警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察庁長官等」という。) 三 第六条第五号に規定する事由 国税庁長官、関係都道府県知事又は関係市町村長(以下「国税庁長官等」という。) (名称等) 第九条 公益認定を受けた一般社団法人又は一般財団法人は、その名称中の一般社団法人又は一般財団法人の文字をそれぞれ公益社団法人又は公益財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。 2 前項の規定による名称の変更の登記の申請書には、公益認定を受けたことを証する書面を添付しなければならない。 3 公益社団法人又は公益財団法人は、その種類に従い、その名称中に公益社団法人又は公益財団法人という文字を用いなければならない。 4 公益社団法人又は公益財団法人でない者は、その名称又は商号中に、公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 5 何人も、不正の目的をもって、他の公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 6 公益法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない。 (公益認定の公示) 第十条 行政庁は、公益認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 (変更の認定) 第十一条 公益法人は、次に掲げる変更をしようとするときは、行政庁の認定を受けなければならない。 ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。 一 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款で定めるものに限る。)又は主たる事務所若しくは従たる事務所の所在場所の変更(従たる事務所の新設又は廃止を含む。) 二 公益目的事業の種類又は内容の変更 2 前項の変更の認定を受けようとする公益法人は、内閣府令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない。 3 前項の申請書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。 4 第五条及び第六条(第二号を除く。)の規定は第一項各号に掲げる変更の認定について、第八条第一号(吸収合併に伴い当該変更の認定をする場合にあっては、同条各号)の規定は同項第二号に掲げる変更の認定について、前条の規定は同項の変更の認定をしたときについて、それぞれ準用する。 第十二条 行政庁の変更を伴う変更の認定に係る前条第二項の申請書は、変更前の行政庁を経由して変更後の行政庁に提出しなければならない。 2 前項の場合において、当該変更の認定をしたときは、変更後の行政庁は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、変更前の行政庁から事務の引継ぎを受けなければならない。 (変更の届出) 第十三条 公益法人は、次に掲げる変更(合併に伴うものを除く。)があったときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。 一 名称又は代表者の氏名の変更 二 収益事業等の内容の変更 三 第十一条第一項ただし書の内閣府令で定める軽微な変更 四 定款の変更(第十一条第一項各号に掲げる変更及び前三号に掲げる変更に係るものを除く。) 五 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項の変更 2 行政庁は、前項第一号又は第二号に掲げる変更について同項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 第二節 公益法人の事業活動等 第一款 公益目的事業の実施等 (公益目的事業の収入及び費用) 第十四条 公益法人は、その公益目的事業を行うに当たっては、内閣府令で定めるところにより、当該公益目的事業に係る収入をその実施に要する適正な費用(当該公益目的事業を充実させるため将来において必要となる資金として内閣府令で定める方法により積み立てる資金を含む。)に充てることにより、内閣府令で定める期間において、その収支の均衡が図られるようにしなければならない。 (公益目的事業比率) 第十五条 公益法人は、毎事業年度における公益目的事業比率(第一号に掲げる額の同号から第三号までに掲げる額の合計額に対する割合をいう。)が百分の五十以上となるように公益目的事業を行わなければならない。 一 公益目的事業の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 二 収益事業等の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 三 当該公益法人の運営に必要な経常的経費の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 (使途不特定財産額の保有の制限) 第十六条 公益法人の毎事業年度の末日における使途不特定財産額は、当該公益法人が公益目的事業を翌事業年度においても行うために必要な額として、当該事業年度前の事業年度において行った公益目的事業の実施に要した費用の額(その保有する資産の状況及び事業活動の態様に応じ当該費用の額に準ずるものとして内閣府令で定めるものの額を含む。)を基礎として内閣府令で定めるところにより算定した額を超えてはならない。 2 前項に規定する「使途不特定財産額」とは、公益法人による財産の使用若しくは管理の状況又は当該財産の性質に鑑み、公益目的事業又は公益目的事業を行うために必要な収益事業等その他の業務若しくは活動のために現に使用されておらず、かつ、引き続きこれらのために使用されることが見込まれない財産(第十八条に規定する公益目的事業財産のうち、災害その他の予見し難い事由が発生した場合においても公益目的事業を継続的に行うために必要な限度において保有する必要があるものとして内閣府令で定める要件に該当するもの(次項において「公益目的事業継続予備財産」という。)を除く。)として内閣府令で定めるものの価額の合計額をいう。 3 公益法人は、毎事業年度の末日において公益目的事業継続予備財産を保有している場合には、翌事業年度開始後速やかに、内閣府令で定めるところにより、当該公益目的事業継続予備財産を保有する理由及びその額その他内閣府令で定める事項を公表しなければならない。 (寄附の募集に関する禁止行為) 第十七条 公益法人の理事若しくは監事又は代理人、使用人その他の従業者は、寄附の募集に関して、次に掲げる行為をしてはならない。 一 寄附の勧誘又は要求を受け、寄附をしない旨の意思を表示した者に対し、寄附の勧誘又は要求を継続すること。 二 粗野若しくは乱暴な言動を交えて、又は迷惑を覚えさせるような方法で、寄附の勧誘又は要求をすること。 三 寄附をする財産の使途について誤認させるおそれのある行為をすること。 四 前三号に掲げるもののほか、寄附の勧誘若しくは要求を受けた者又は寄附者の利益を不当に害するおそれのある行為をすること。 第二款 公益目的事業財産 第十八条 公益法人は、次に掲げる財産(以下「公益目的事業財産」という。)を公益目的事業を行うために使用し、又は処分しなければならない。 ただし、内閣府令で定める正当な理由がある場合は、この限りでない。 一 公益認定を受けた日以後に寄附を受けた財産(寄附をした者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く。) 二 公益認定を受けた日以後に交付を受けた補助金その他の財産(財産を交付した者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く。) 三 公益認定を受けた日以後に行った公益目的事業に係る活動の対価として得た財産 四 公益認定を受けた日以後に行った収益事業等から生じた収益に内閣府令で定める割合を乗じて得た額に相当する財産 五 前各号に掲げる財産を運用し、支出し、又は処分することにより取得した財産 六 第五条第十九号に規定する財産(前各号に掲げるものを除く。) 七 前各号に掲げるもののほか、公益法人が保有する財産であって公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産 八 前各号に掲げるもののほか、当該公益法人が公益目的事業を行うことにより取得し、又は公益目的事業を行うために保有していると認められるものとして内閣府令で定める財産 第三款 公益法人の計算等の特則 (区分経理) 第十九条 公益法人は、内閣府令で定めるところにより、公益目的事業に係る経理、収益事業等に係る経理及び法人の運営に係る経理(収益事業等を行わない公益法人にあっては、公益目的事業に係る経理及び法人の運営に係る経理)をそれぞれ区分して整理しなければならない。 ただし、収益事業等を行わない公益法人であって、その行う公益目的事業の内容その他の事項に関し内閣府令で定める要件に該当するものについては、この限りでない。 2 前項ただし書の規定の適用を受ける公益法人における前条及び第三十条第二項の規定の適用については、前条中「を公益目的事業」とあるのは「及び当該公益法人が保有する公益目的事業財産以外の財産のうち当該公益法人の運営を行うため必要な財産として内閣府令で定めるもの以外のもの(以下「公益目的事業財産等」という。)を公益目的事業」と、同項各号中「公益目的事業財産」とあるのは「公益目的事業財産等」とする。 (報酬等) 第二十条 公益法人は、第五条第十四号に規定する報酬等の支給の基準に従って、その理事、監事及び評議員に対する報酬等を支給しなければならない。 (財産目録の備置き及び閲覧等) 第二十一条 公益法人は、毎事業年度開始の日の前日までに(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の事業計画書、収支予算書その他の内閣府令で定める書類を作成し、当該事業年度の末日までの間、当該書類をその主たる事務所に、その写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 2 公益法人は、毎事業年度経過後三月以内に(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる書類を作成し、当該書類を五年間その主たる事務所に、その写しを三年間その従たる事務所に備え置かなければならない。 一 財産目録 二 役員等名簿(理事、監事及び評議員の氏名及び住所を記載した名簿をいう。以下同じ。) 三 第五条第十四号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類 四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 第一項に規定する書類及び前項各号に掲げる書類は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 4 公益法人は、一般社団・財団法人法第百二十三条第二項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定により作成する事業報告に、各事業年度における公益目的事業の実施状況、公益法人の運営体制その他の公益法人の適正な運営を確保するために必要なものとして内閣府令で定める事項を記載しなければならない。 5 何人も、公益法人の業務時間内は、いつでも、第一項に規定する書類、第二項各号に掲げる書類、定款、社員名簿及び一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等(以下「財産目録等」という。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該公益法人は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。 一 財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 6 前項の規定にかかわらず、公益法人は、役員等名簿又は社員名簿について当該公益法人の社員又は評議員以外の者から同項の請求があった場合には、これらに記載され又は記録された事項中、個人の住所に係る記載又は記録の部分を除外して、同項の閲覧をさせることができる。 7 財産目録等が電磁的記録をもって作成されている場合であって、その従たる事務所における第五項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令で定めるものをとっている公益法人についての第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「その主たる事務所に、その写しをその従たる事務所」とあるのは「その主たる事務所」と、第二項中「その主たる事務所に、その写しを三年間その従たる事務所」とあるのは「その主たる事務所」とする。 (財産目録等の提出等) 第二十二条 公益法人は、財産目録等(定款を除く。)について、前条第一項に規定する書類にあっては毎事業年度開始の日の前日までに(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、その他の書類にあっては毎事業年度の経過後三月以内に(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、同条第二項各号に掲げる書類及び社員名簿を当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、行政庁に提出しなければならない。 2 行政庁は、内閣府令で定めるところにより、この法律又はこの法律に基づく命令の規定により公益法人から提出を受けた財産目録等(役員等名簿又は社員名簿にあっては、これらに記載された事項中、個人の住所に係る記載の部分を除く。)を公表するものとする。 (会計監査人の権限等) 第二十三条 公益法人の会計監査人は、一般社団・財団法人法第百七条第一項(一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定によるもののほか、財産目録その他の内閣府令で定める書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、会計監査報告に当該監査の結果を併せて記載し、又は記録しなければならない。 第四款 合併等 (合併等の届出) 第二十四条 公益法人は、次に掲げる行為をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を行政庁に届け出なければならない。 一 合併(当該合併に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合又は次条第一項の認可の申請をする場合を除く。) 二 事業の全部又は一部の譲渡(当該事業の譲渡に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合を除く。) 三 公益目的事業の全部の廃止 2 行政庁は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 (合併による地位の承継の認可) 第二十五条 公益法人が合併により消滅する法人となる新設合併契約を締結したときは、当該公益法人(当該公益法人が二以上ある場合にあっては、その一)は、当該新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)が当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継することについて、行政庁の認可を申請することができる。 2 行政庁は、新設法人が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、前項の認可をするものとする。 一 第五条各号に掲げる基準に適合するものであること。 二 第六条各号のいずれかに該当するものでないこと。 3 第一項の認可があった場合には、新設法人は、その成立の日に、当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継する。 4 第七条、第八条、第十条及び第十二条の規定は、第一項の認可について準用する。 この場合において、第七条第一項中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第一号に掲げる事項については新設合併により消滅する公益法人及び新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)に係るもの、第二号から第四号までに掲げる事項については新設法人に係るもの)」と、同項第二号中「定款」とあるのは「定款の案」と、同条第二項中「次に掲げる書類」とあるのは「次に掲げる書類(第一号の定款の案及び第二号から第五号までに掲げる書類については、新設法人に係るもの)」と、同項第一号中「定款」とあるのは「新設合併契約書及び定款の案」と、第十二条第一項中「前条第二項」とあるのは「第二十五条第四項において準用する第七条第一項」と読み替えるものとする。 5 第一項の認可を受けて合併により消滅する公益法人の地位を承継する新設法人についての第十八条及び第三十条第二項(これらの規定を第十九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、第十八条第一号から第四号までの規定中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、同条第五号中「前各号」とあるのは「前各号及び第七号」と、同条第七号中「前各号に掲げるもののほか、公益法人が保有する財産であって公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産」とあるのは「その成立の際に合併により消滅する公益法人から承継した財産であって、当該消滅する公益法人の公益目的事業財産であったもの」と、第三十条第二項第一号中「が取得した」とあるのは「が合併により承継し、又は取得した」と、「公益認定」とあるのは「合併により消滅する公益法人が公益認定」と、同項第二号中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、同項第三号中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、「定めるもの」とあるのは「定めるもの並びに合併により消滅する公益法人が公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法によりその公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産(当該消滅する公益法人が第十九条第一項ただし書の規定の適用を受けるものである場合にあっては、同条第二項の規定により読み替えて適用する第十八条に規定する公益目的事業財産等)以外の財産及び同日以後に当該公益法人がその公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払その他内閣府令で定めるもの」とする。 (解散の届出等) 第二十六条 公益法人が合併以外の理由により解散をした場合には、その清算人(解散が破産手続開始の決定による場合にあっては、破産管財人)は、当該解散の日から一月以内に、その旨を行政庁に届け出なければならない。 2 清算人は、一般社団・財団法人法第二百三十三条第一項の期間が経過したときは、遅滞なく、残余財産の引渡しの見込みを行政庁に届け出なければならない。 当該見込みに変更があったときも、同様とする。 3 清算人は、清算が結了したときは、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。 4 行政庁は、第一項又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 第三節 公益法人の監督 (報告及び検査) 第二十七条 行政庁は、公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度において、内閣府令で定めるところにより、公益法人に対し、その運営組織及び事業活動の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、当該公益法人の事務所に立ち入り、その運営組織及び事業活動の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (勧告、命令等) 第二十八条 行政庁は、公益法人について、次条第二項各号のいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由がある場合には、当該公益法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。 2 行政庁は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その勧告の内容を公表しなければならない。 3 行政庁は、第一項の勧告を受けた公益法人が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該公益法人に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 4 行政庁は、前項の規定による命令をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 5 行政庁は、第一項の勧告及び第三項の規定による命令をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くことができる。 一 第五条第一号、第二号若しくは第五号、第六条第三号若しくは第四号又は次条第二項第三号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 許認可等行政機関 二 第六条第一号ニ又は第六号に規定する事由 警察庁長官等 三 第六条第五号に規定する事由 国税庁長官等 (公益認定の取消し) 第二十九条 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消さなければならない。 一 第六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。 二 偽りその他不正の手段により公益認定、第十一条第一項の変更の認定又は第二十五条第一項の認可を受けたとき。 三 正当な理由がなく、前条第三項の規定による命令に従わないとき。 四 公益法人から公益認定の取消しの申請があったとき。 2 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消すことができる。 一 第五条各号に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったとき。 二 前節の規定を遵守していないとき。 三 前二号のほか、法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反したとき。 3 前条第五項の規定は、前二項の規定による公益認定の取消しをしようとする場合について準用する。 4 行政庁は、第一項又は第二項の規定により公益認定を取り消したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 5 第一項又は第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた公益法人は、その名称中の公益社団法人又は公益財団法人という文字をそれぞれ一般社団法人又は一般財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。 6 行政庁は、第一項又は第二項の規定による公益認定の取消しをしたときは、遅滞なく、当該公益法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該公益法人の名称の変更の登記を嘱託しなければならない。 7 前項の規定による名称の変更の登記の嘱託書には、当該登記の原因となる事由に係る処分を行ったことを証する書面を添付しなければならない。 (公益認定の取消し等に伴う贈与) 第三十条 行政庁が前条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しをした場合又は公益法人が合併により消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、第五条第二十号に規定する定款の定めに従い、当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一月以内に公益目的取得財産残額に相当する額の財産の贈与に係る書面による契約が成立しないときは、内閣総理大臣が行政庁である場合にあっては国、都道府県知事が行政庁である場合にあっては当該都道府県が当該公益目的取得財産残額に相当する額の金銭について、同号に規定する定款で定める贈与を当該公益認定の取消しを受けた法人又は当該合併により消滅する公益法人の権利義務を承継する法人(第四項において「認定取消法人等」という。)から受ける旨の書面による契約が成立したものとみなす。 当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一月以内に当該公益目的取得財産残額の一部に相当する額の財産について同号に規定する定款で定める贈与に係る書面による契約が成立した場合における残余の部分についても、同様とする。 2 前項に規定する「公益目的取得財産残額」とは、第一号に掲げる財産から第二号に掲げる財産を除外した残余の財産の価額の合計額から第三号に掲げる額を控除して得た額をいう。 一 当該公益法人が取得した全ての公益目的事業財産(第十八条第六号に掲げる財産にあっては、公益認定を受けた日前に取得したものを除く。) 二 当該公益法人が公益認定を受けた日以後に公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産 三 公益目的事業財産以外の財産であって当該公益法人が公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡したもの及び同日以後に公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払その他内閣府令で定めるものの額の合計額 3 前項に規定する額の算定の細目その他公益目的取得財産残額の算定に関し必要な事項は、内閣府令で定める。 4 行政庁は、第一項の場合には、認定取消法人等に対し、前二項の規定により算定した公益目的取得財産残額及び第一項の規定により当該認定取消法人等と国又は都道府県との間に当該公益目的取得財産残額又はその一部に相当する額の金銭の贈与に係る契約が成立した旨を通知しなければならない。 5 公益法人は、第五条第二十号に規定する定款の定めを変更することができない。 (行政庁への意見) 第三十一条 次の各号に掲げる者は、公益法人についてそれぞれ当該各号に定める事由があると疑うに足りる相当な理由があるため、行政庁が公益法人に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、行政庁に対し、その旨の意見を述べることができる。 一 許認可等行政機関 第五条第一号、第二号若しくは第五号に掲げる基準に適合しない事由又は第六条第三号若しくは第四号若しくは第二十九条第二項第三号に該当する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 二 警察庁長官等 第六条第一号ニ又は第六号に該当する事由 三 国税庁長官等 第六条第五号に該当する事由 第三章 公益認定等委員会及び都道府県に置かれる合議制の機関 第一節 公益認定等委員会 第一款 設置及び組織 (設置及び権限) 第三十二条 内閣府に、公益認定等委員会(以下「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、この法律によりその権限に属させられた事項を処理する。 (職権の行使) 第三十三条 委員会の委員は、独立してその職権を行う。 (組織) 第三十四条 委員会は、委員七人をもって組織する。 2 委員は、非常勤とする。 ただし、そのうちの四人以内は、常勤とすることができる。 (委員の任命) 第三十五条 委員は、人格が高潔であって、委員会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律、会計又は公益法人に係る活動に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。 2 委員の任期が満了し、又は欠員が生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。 3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。 この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。 (委員の任期) 第三十六条 委員の任期は、三年とする。 ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 2 委員は、再任されることができる。 3 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。 (委員の身分保障) 第三十七条 委員は、委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められた場合又は職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められた場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。 (委員の罷免) 第三十八条 内閣総理大臣は、委員が前条に規定する場合に該当するときは、その委員を罷免しなければならない。 (委員の服務) 第三十九条 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。 その職を退いた後も同様とする。 2 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。 3 常勤の委員は、在任中、内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。 (委員の給与) 第四十条 委員の給与は、別に法律で定める。 (委員長) 第四十一条 委員会に、委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。 2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。 3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。 (事務局) 第四十二条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。 2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。 3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。 第二款 諮問等 (委員会への諮問) 第四十三条 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、第八条又は第二十八条第五項(第二十九条第三項において準用する場合を含む。)の規定による許認可等行政機関の意見(第六条第三号及び第四号に該当する事由の有無に係るものを除く。)を付して、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 公益認定の申請、第十一条第一項の変更の認定の申請又は第二十五条第一項の認可の申請に対する処分をしようとする場合(申請をした法人が第六条各号のいずれかに該当するものである場合及び行政手続法第七条の規定に基づきこれらの認定を拒否する場合を除く。) 二 第二十八条第一項の勧告、同条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消し(以下「監督処分等」という。)をしようとする場合(次に掲げる場合を除く。) イ 監督処分等を受ける公益法人が第二十九条第一項第一号又は第四号のいずれかに該当するものである場合 ロ 第十三条第一項若しくは第二十四条第一項の規定による届出又は第二十二条第一項の規定による財産目録等の提出をしなかったことを理由として監督処分等をしようとする場合 ハ 第四十六条第一項の勧告に基づいて監督処分等をしようとする場合 2 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 第五条第三号から第五号まで、第十号、第十一号、第十三号ただし書、第十五号ただし書、第十八号ただし書及び第二十号ト、第五十一条において読み替えて準用する前項ただし書及び次項ただし書並びに別表第二十三号の政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合並びに第五条第十四号から第十六号まで及び第十八号、第七条第一項並びに第二項第四号及び第六号、第十一条第二項及び第三項、第十三条第一項(第三号を除く。)、第十四条、第十五条各号、第十六条、第十八条ただし書並びに第四号、第七号及び第八号、第十九条第一項及び同条第二項の規定により読み替えて適用する第十八条本文、第二十一条第一項、第二項及び第四項、第二十三条、第二十四条第一項、第二十七条第一項、第三十条第二項第三号(第二十五条第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び第三項、次条第一項並びに第四十六条第二項の内閣府令の制定又は改廃をしようとする場合 二 第六十条の規定による指示を行おうとする場合 3 内閣総理大臣は、第一項第一号に規定する処分、第二十八条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項の規定による公益認定の取消しについての審査請求に対する裁決をしようとする場合には、次に掲げる場合を除き、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 審査請求が不適法であるとして却下する場合 二 審査請求をした一般社団法人若しくは一般財団法人又は公益法人が第六条各号のいずれかに該当するものである場合 三 第一項第二号イ又はロに規定する理由による監督処分等についての審査請求である場合 (答申の公表等) 第四十四条 委員会は、諮問に対する答申をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その内容を公表しなければならない。 2 委員会は、前項の答申をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該答申に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 (内閣総理大臣による送付等) 第四十五条 内閣総理大臣は、第十三条第一項、第二十四条第一項又は第二十六条第一項から第三項までの規定による届出に係る書類の写し及び第二十二条第一項の規定により提出を受けた財産目録等の写しを委員会に送付しなければならない。 2 内閣総理大臣は、第三十一条の規定により許認可等行政機関が述べた意見(公益法人が第六条第三号又は第四号に該当する事由に係る意見を除く。)を委員会に通知しなければならない。 3 内閣総理大臣は、委員会に諮問しないで次に掲げる措置を講じたときは、その旨を委員会に通知しなければならない。 一 公益認定の申請、第十一条第一項の変更の認定の申請又は第二十五条第一項の認可の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 二 監督処分等(次条第一項の勧告に基づく監督処分等を除く。) 三 第四十三条第二項第一号の政令の制定又は改廃の立案及び同号の内閣府令の制定又は改廃 四 第四十三条第三項に規定する審査請求に対する裁決(審査請求が不適法であることによる却下の裁決を除く。) 五 第六十条の規定による指示 (委員会による勧告等) 第四十六条 委員会は、前条第一項若しくは第二項の場合又は第五十九条第一項の規定に基づき第二十七条第一項の規定による報告の徴収、検査又は質問を行った場合には、公益法人が第二十九条第一項第二号若しくは第三号又は第二項各号のいずれかに該当するかどうかを審査し、必要があると認めるときは、第二十八条第一項の勧告若しくは同条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しその他の措置をとることについて内閣総理大臣に勧告をすることができる。 2 委員会は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該勧告の内容を公表しなければならない。 3 委員会は、第一項の勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 第三款 雑則 (資料提出その他の協力) 第四十七条 委員会は、その事務を処理するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長その他の関係者に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。 (事務の処理状況の公表) 第四十八条 委員会は、毎年、その事務の処理状況を公表しなければならない。 (政令への委任) 第四十九条 この節に規定するもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 都道府県に置かれる合議制の機関 (設置及び権限) 第五十条 都道府県に、この法律によりその権限に属させられた事項を処理するため、審議会その他の合議制の機関(以下単に「合議制の機関」という。)を置く。 2 合議制の機関の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で定める。 (合議制の機関への諮問) 第五十一条 第四十三条(第二項を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「付して、委員会」とあるのは「付して、第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同項第二号ハ中「第四十六条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する第四十六条第一項」と、同条第三項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と読み替えるものとする。 (答申の公表等) 第五十二条 第四十四条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第二項中「内閣総理大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (都道府県知事による通知等) 第五十三条 都道府県知事は、第六十条の規定による指示が当該都道府県知事に対して行われた場合には、その旨を合議制の機関に通知しなければならない。 2 第四十五条(第三項第三号及び第五号を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「委員会」とあるのは「第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同条第二項及び第三項中「委員会」とあるのは「合議制の機関」と、同項第二号中「次条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する次条第一項」と、同項第四号中「第四十三条第三項」とあるのは「第五十一条において準用する第四十三条第三項」と読み替えるものとする。 (合議制の機関による勧告等) 第五十四条 第四十六条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第一項中「前条第一項若しくは第二項」とあるのは「第五十三条第二項において準用する前条第一項若しくは第二項」と、「第五十九条第一項」とあるのは「第五十九条第二項」と、同項及び同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (資料提出その他の協力) 第五十五条 第四十七条の規定は、合議制の機関について準用する。 第四章 雑則 (協力依頼) 第五十六条 行政庁は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。 (情報の提供) 第五十七条 内閣総理大臣及び都道府県知事は、公益法人の活動の状況、公益法人に対して行政庁がとった措置その他の事項についての調査及び分析を行い、必要な統計その他の資料の作成を行うとともに、公益法人に関するデータベースの整備を図り、国民にインターネットその他の高度情報通信ネットワークの利用を通じて迅速に情報を提供できるよう必要な措置を講ずるものとする。 (税制上の措置) 第五十八条 公益法人が行う公益目的事業に係る活動が果たす役割の重要性にかんがみ、当該活動を促進しつつ適正な課税の確保を図るため、公益法人並びにこれに対する寄附を行う個人及び法人に関する所得課税に関し、所得税、法人税及び相続税並びに地方税の課税についての必要な措置その他所要の税制上の措置を講ずるものとする。 (権限の委任等) 第五十九条 内閣総理大臣は、第二十七条第一項の規定による権限(第四十四条第一項の答申又は第四十六条第一項の勧告のため必要なものに限り、第六条各号に掲げる一般社団法人又は一般財団法人に該当するか否かの調査に関するものを除く。)を委員会に委任する。 2 行政庁が都道府県知事である場合における第二十七条第一項の規定による権限(第五十二条において準用する第四十四条第一項の答申又は第五十四条において準用する第四十六条第一項の勧告のため必要なものに限り、第六条各号に掲げる一般社団法人又は一般財団法人に該当するか否かの調査に関するものを除く。)の行使については、第二十七条第一項中「行政庁」とあるのは「第五十条第一項に規定する合議制の機関」と、「職員」とあるのは「庶務をつかさどる職員」とする。 (都道府県知事への指示) 第六十条 内閣総理大臣は、この法律及びこれに基づく命令の規定による事務の実施に関して地域間の均衡を図るため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第二十八条第一項の勧告若しくは同条第三項の規定による命令又は第二十九条第二項の規定による公益認定の取消しその他の措置を行うべきことを指示することができる。 (政令への委任) 第六十一条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。 第五章 罰則 第六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 一 偽りその他不正の手段により公益認定、第十一条第一項の変更の認定又は第二十五条第一項の認可を受けたとき。 二 第十一条第一項の変更の認定を受けないで同項各号に掲げる変更(行政庁の変更を伴うこととなるものに限る。)をしたとき。 三 第十一条第一項の変更の認定を受けないで同項第二号に掲げる変更(第二十九条第二項第一号に該当することとなるものに限る。)をしたとき。 第六十三条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第九条第四項の規定に違反して、公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いたとき。 二 第九条第五項の規定に違反して、他の公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用したとき。 第六十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第七条第一項(第二十五条第四項において準用する場合を含む。)の申請書又は第七条第二項各号(第二十五条第四項において準用する場合を含む。)に掲げる書類に虚偽の記載をして提出したとき。 二 第十一条第二項の申請書又は同条第三項の書類に虚偽の記載をして提出したとき。 三 第二十一条第一項又は第二項の規定に違反して、書類又は電磁的記録を備え置かず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 第六十五条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。 第六十六条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、公益法人の理事、監事又は清算人は、五十万円以下の過料に処する。 一 第十三条第一項、第二十四条第一項又は第二十六条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第二十二条第一項の規定に違反して、財産目録等を提出せず、又はこれに虚偽の記載をして提出したとき。 三 第二十七条第一項(第五十九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第二十七条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第四十九号
46
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施が公益の増進のために重要となっていることにかんがみ、当該事業を適正に実施し得る公益法人を認定する制度を設けるとともに、公益法人による当該事業の適正な実施を確保するための措置等を定め、もって公益の増進及び活力ある社会の実現に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 公益社団法人 第四条の認定を受けた一般社団法人をいう。 二 公益財団法人 第四条の認定を受けた一般財団法人をいう。 三 公益法人 公益社団法人又は公益財団法人をいう。 四 公益目的事業 学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。 (行政庁) 第三条 この法律における行政庁は、次の各号に掲げる公益法人の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 一 次に掲げる公益法人 内閣総理大臣 イ 二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するもの ロ 公益目的事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款で定めるもの ハ 国の事務又は事業と密接な関連を有する公益目的事業であって政令で定めるものを行うもの 二 前号に掲げる公益法人以外の公益法人 その事務所が所在する都道府県の知事 (公益法人等の責務) 第三条の二 公益法人は、公益目的事業の質の向上を図るため、運営体制の充実を図るとともに、財務に関する情報の開示その他のその運営における透明性の向上を図るよう努めなければならない。 2 国は、前項の規定による公益法人の取組を促進するため、必要な情報の収集及び提供その他の必要な支援を行うものとする。 第二章 公益法人の認定等 第一節 公益法人の認定 (公益認定) 第四条 公益目的事業を行う一般社団法人又は一般財団法人は、行政庁の認定を受けることができる。 (公益認定の基準) 第五条 行政庁は、前条の認定(以下「公益認定」という。)の申請をした一般社団法人又は一般財団法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該法人について公益認定をするものとする。 一 公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。 二 公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。 三 その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。 四 その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 イ 公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合 ロ 公益信託(公益信託に関する法律(令和六年法律第三十号。以下「公益信託法」という。)第二条第一項第一号に規定する公益信託をいう。以下同じ。)の受託者に対し、当該受託者が行う公益事務(同項第二号に規定する公益事務をいう。第二十号及び第二十一号において同じ。)のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合 五 投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。 六 その行う公益目的事業について、第十四条の規定による収支の均衡が図られるものであると見込まれるものであること。 七 公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。 八 その事業活動を行うに当たり、第十五条に規定する公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれるものであること。 九 その事業活動を行うに当たり、第十六条第二項に規定する使途不特定財産額が同条第一項の制限を超えないと見込まれるものであること。 十 各理事について、当該理事及び当該理事と特別利害関係(一方の者が他方の者の配偶者又は三親等以内の親族である関係その他特別な利害関係として政令で定めるものをいう。第十二号において同じ。)にある理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。 監事についても、同様とする。 十一 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。 監事についても、同様とする。 十二 各理事について、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)と特別利害関係を有しないものであること。 十三 会計監査人を置いているものであること。 ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。 十四 その理事、監事及び評議員に対する報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。以下同じ。)について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。 十五 理事のうち一人以上が、当該法人又はその子法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)第二条第四号に規定する子法人をいう。以下この号及び次号において同じ。)の業務執行理事(一般社団・財団法人法第百十五条第一項(一般社団・財団法人法第百九十八条において準用する場合を含む。)に規定する業務執行理事をいう。以下この号において同じ。)又は使用人でなく、かつ、その就任の前十年間当該法人又はその子法人の業務執行理事又は使用人であったことがない者その他これに準ずるものとして内閣府令で定める者であること。 ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。 十六 監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事のうち一人以上)が、その就任の前十年間当該法人又はその子法人の理事又は使用人であったことがない者その他これに準ずるものとして内閣府令で定める者であること。 十七 一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。 イ 社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをする条件その他の不当な条件を付していないものであること。 ロ 社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。 (1) 社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしないものであること。 (2) 社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを行わないものであること。 ハ 理事会を置いているものであること。 十八 他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。 ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない。 十九 公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること。 二十 第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、公益目的取得財産残額(第三十条第二項に規定する公益目的取得財産残額をいう。)があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは次に掲げる法人に贈与し、若しくは類似の公益事務をその目的とする公益信託の信託財産とし、又は国若しくは地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものであること。 イ 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人 ロ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人 ハ 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)第二条第六項に規定する更生保護法人 ニ 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人 ホ 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人又は同条第三項に規定する大学共同利用機関法人 ヘ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人 ト その他イからヘまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人 二十一 清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは前号イからトまでに掲げる法人若しくは類似の公益事務をその目的とする公益信託の信託財産又は国若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めているものであること。 (欠格事由) 第六条 前条の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する一般社団法人又は一般財団法人は、公益認定を受けることができない。 一 その理事、監事及び評議員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの イ 公益法人が第二十九条第一項(第四号を除く。)又は第二項の規定により公益認定を取り消された場合において、その取消しの原因となった事実があった日以前一年内に当該公益法人の業務を行う理事であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの ロ この法律、一般社団・財団法人法若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項の規定を除く。)に違反したことにより、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二第一項、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条、第二条若しくは第三条の罪を犯したことにより、又は国税若しくは地方税に関する法律中偽りその他不正の行為により国税若しくは地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、若しくはこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ハ 拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ニ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第六号において「暴力団員等」という。) 二 第二十九条第一項(第四号を除く。)又は第二項の規定により公益認定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないもの 三 その定款又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの 四 その事業を行うに当たり法令上必要となる行政機関の許認可等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第三号に規定する許認可等をいう。以下同じ。)を受けることができないもの 五 国税若しくは地方税の滞納処分の執行がされているもの又は当該滞納処分の終了の日から三年を経過しないもの 六 暴力団員等がその事業活動を支配するもの (公益認定の申請) 第七条 公益認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。 一 名称及び代表者の氏名 二 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款に定めがある場合に限る。)並びに主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 三 その行う公益目的事業の種類及び内容 四 その行う収益事業等の内容 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 定款 二 事業計画書及び収支予算書 三 事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合においては、当該許認可等があったこと又はこれを受けることができることを証する書類 四 当該公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎を有することを明らかにする財産目録、貸借対照表その他の内閣府令で定める書類 五 第五条第十四号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類 六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 (公益認定に関する意見聴取) 第八条 行政庁は、公益認定をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くものとする。 一 第五条第一号、第二号及び第五号並びに第六条第三号及び第四号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 当該行政機関(以下「許認可等行政機関」という。) 二 第六条第一号ニ及び第六号に規定する事由 行政庁が内閣総理大臣である場合にあっては警察庁長官、都道府県知事である場合にあっては警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察庁長官等」という。) 三 第六条第五号に規定する事由 国税庁長官、関係都道府県知事又は関係市町村長(以下「国税庁長官等」という。) (名称等) 第九条 公益認定を受けた一般社団法人又は一般財団法人は、その名称中の一般社団法人又は一般財団法人の文字をそれぞれ公益社団法人又は公益財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。 2 前項の規定による名称の変更の登記の申請書には、公益認定を受けたことを証する書面を添付しなければならない。 3 公益社団法人又は公益財団法人は、その種類に従い、その名称中に公益社団法人又は公益財団法人という文字を用いなければならない。 4 公益社団法人又は公益財団法人でない者は、その名称又は商号中に、公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 5 何人も、不正の目的をもって、他の公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 6 公益法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない。 (公益認定の公示) 第十条 行政庁は、公益認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 (変更の認定) 第十一条 公益法人は、次に掲げる変更をしようとするときは、行政庁の認定を受けなければならない。 ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。 一 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款で定めるものに限る。)又は主たる事務所若しくは従たる事務所の所在場所の変更(従たる事務所の新設又は廃止を含む。) 二 公益目的事業の種類又は内容の変更 2 前項の変更の認定を受けようとする公益法人は、内閣府令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない。 3 前項の申請書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。 4 第五条及び第六条(第二号を除く。)の規定は第一項各号に掲げる変更の認定について、第八条第一号(吸収合併に伴い当該変更の認定をする場合にあっては、同条各号)の規定は同項第二号に掲げる変更の認定について、前条の規定は同項の変更の認定をしたときについて、それぞれ準用する。 第十二条 行政庁の変更を伴う変更の認定に係る前条第二項の申請書は、変更前の行政庁を経由して変更後の行政庁に提出しなければならない。 2 前項の場合において、当該変更の認定をしたときは、変更後の行政庁は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、変更前の行政庁から事務の引継ぎを受けなければならない。 (変更の届出) 第十三条 公益法人は、次に掲げる変更(合併に伴うものを除く。)があったときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。 一 名称又は代表者の氏名の変更 二 収益事業等の内容の変更 三 第十一条第一項ただし書の内閣府令で定める軽微な変更 四 定款の変更(第十一条第一項各号に掲げる変更及び前三号に掲げる変更に係るものを除く。) 五 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項の変更 2 行政庁は、前項第一号又は第二号に掲げる変更について同項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 第二節 公益法人の事業活動等 第一款 公益目的事業の実施等 (公益目的事業の収入及び費用) 第十四条 公益法人は、その公益目的事業を行うに当たっては、内閣府令で定めるところにより、当該公益目的事業に係る収入をその実施に要する適正な費用(当該公益目的事業を充実させるため将来において必要となる資金として内閣府令で定める方法により積み立てる資金を含む。)に充てることにより、内閣府令で定める期間において、その収支の均衡が図られるようにしなければならない。 (公益目的事業比率) 第十五条 公益法人は、毎事業年度における公益目的事業比率(第一号に掲げる額の同号から第三号までに掲げる額の合計額に対する割合をいう。)が百分の五十以上となるように公益目的事業を行わなければならない。 一 公益目的事業の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 二 収益事業等の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 三 当該公益法人の運営に必要な経常的経費の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 (使途不特定財産額の保有の制限) 第十六条 公益法人の毎事業年度の末日における使途不特定財産額は、当該公益法人が公益目的事業を翌事業年度においても行うために必要な額として、当該事業年度前の事業年度において行った公益目的事業の実施に要した費用の額(その保有する資産の状況及び事業活動の態様に応じ当該費用の額に準ずるものとして内閣府令で定めるものの額を含む。)を基礎として内閣府令で定めるところにより算定した額を超えてはならない。 2 前項に規定する「使途不特定財産額」とは、公益法人による財産の使用若しくは管理の状況又は当該財産の性質に鑑み、公益目的事業又は公益目的事業を行うために必要な収益事業等その他の業務若しくは活動のために現に使用されておらず、かつ、引き続きこれらのために使用されることが見込まれない財産(第十八条に規定する公益目的事業財産のうち、災害その他の予見し難い事由が発生した場合においても公益目的事業を継続的に行うために必要な限度において保有する必要があるものとして内閣府令で定める要件に該当するもの(次項において「公益目的事業継続予備財産」という。)を除く。)として内閣府令で定めるものの価額の合計額をいう。 3 公益法人は、毎事業年度の末日において公益目的事業継続予備財産を保有している場合には、翌事業年度開始後速やかに、内閣府令で定めるところにより、当該公益目的事業継続予備財産を保有する理由及びその額その他内閣府令で定める事項を公表しなければならない。 (寄附の募集に関する禁止行為) 第十七条 公益法人の理事若しくは監事又は代理人、使用人その他の従業者は、寄附の募集に関して、次に掲げる行為をしてはならない。 一 寄附の勧誘又は要求を受け、寄附をしない旨の意思を表示した者に対し、寄附の勧誘又は要求を継続すること。 二 粗野若しくは乱暴な言動を交えて、又は迷惑を覚えさせるような方法で、寄附の勧誘又は要求をすること。 三 寄附をする財産の使途について誤認させるおそれのある行為をすること。 四 前三号に掲げるもののほか、寄附の勧誘若しくは要求を受けた者又は寄附者の利益を不当に害するおそれのある行為をすること。 第二款 公益目的事業財産 第十八条 公益法人は、次に掲げる財産(以下「公益目的事業財産」という。)を公益目的事業を行うために使用し、又は処分しなければならない。 ただし、内閣府令で定める正当な理由がある場合は、この限りでない。 一 公益認定を受けた日以後に寄附を受けた財産(寄附をした者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く。) 二 公益認定を受けた日以後に交付を受けた補助金その他の財産(財産を交付した者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く。) 三 公益認定を受けた日以後に行った公益目的事業に係る活動の対価として得た財産 四 公益認定を受けた日以後に行った収益事業等から生じた収益に内閣府令で定める割合を乗じて得た額に相当する財産 五 前各号に掲げる財産を運用し、支出し、又は処分することにより取得した財産 六 第五条第十九号に規定する財産(前各号に掲げるものを除く。) 七 前各号に掲げるもののほか、公益法人が保有する財産であって公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産 八 前各号に掲げるもののほか、当該公益法人が公益目的事業を行うことにより取得し、又は公益目的事業を行うために保有していると認められるものとして内閣府令で定める財産 第三款 公益法人の計算等の特則 (区分経理) 第十九条 公益法人は、内閣府令で定めるところにより、公益目的事業に係る経理、収益事業等に係る経理及び法人の運営に係る経理(収益事業等を行わない公益法人にあっては、公益目的事業に係る経理及び法人の運営に係る経理)をそれぞれ区分して整理しなければならない。 ただし、収益事業等を行わない公益法人であって、その行う公益目的事業の内容その他の事項に関し内閣府令で定める要件に該当するものについては、この限りでない。 2 前項ただし書の規定の適用を受ける公益法人における前条及び第三十条第二項の規定の適用については、前条中「を公益目的事業」とあるのは「及び当該公益法人が保有する公益目的事業財産以外の財産のうち当該公益法人の運営を行うため必要な財産として内閣府令で定めるもの以外のもの(以下「公益目的事業財産等」という。)を公益目的事業」と、同項各号中「公益目的事業財産」とあるのは「公益目的事業財産等」とする。 (報酬等) 第二十条 公益法人は、第五条第十四号に規定する報酬等の支給の基準に従って、その理事、監事及び評議員に対する報酬等を支給しなければならない。 (財産目録の備置き及び閲覧等) 第二十一条 公益法人は、毎事業年度開始の日の前日までに(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の事業計画書、収支予算書その他の内閣府令で定める書類を作成し、当該事業年度の末日までの間、当該書類をその主たる事務所に、その写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。 2 公益法人は、毎事業年度経過後三月以内に(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる書類を作成し、当該書類を五年間その主たる事務所に、その写しを三年間その従たる事務所に備え置かなければならない。 一 財産目録 二 役員等名簿(理事、監事及び評議員の氏名及び住所を記載した名簿をいう。以下同じ。) 三 第五条第十四号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類 四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 第一項に規定する書類及び前項各号に掲げる書類は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。 4 公益法人は、一般社団・財団法人法第百二十三条第二項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定により作成する事業報告に、各事業年度における公益目的事業の実施状況、公益法人の運営体制その他の公益法人の適正な運営を確保するために必要なものとして内閣府令で定める事項を記載しなければならない。 5 何人も、公益法人の業務時間内は、いつでも、第一項に規定する書類、第二項各号に掲げる書類、定款、社員名簿及び一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等(以下「財産目録等」という。)について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該公益法人は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。 一 財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 6 前項の規定にかかわらず、公益法人は、役員等名簿又は社員名簿について当該公益法人の社員又は評議員以外の者から同項の請求があった場合には、これらに記載され又は記録された事項中、個人の住所に係る記載又は記録の部分を除外して、同項の閲覧をさせることができる。 7 財産目録等が電磁的記録をもって作成されている場合であって、その従たる事務所における第五項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令で定めるものをとっている公益法人についての第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「その主たる事務所に、その写しをその従たる事務所」とあるのは「その主たる事務所」と、第二項中「その主たる事務所に、その写しを三年間その従たる事務所」とあるのは「その主たる事務所」とする。 (財産目録等の提出等) 第二十二条 公益法人は、財産目録等(定款を除く。)について、前条第一項に規定する書類にあっては毎事業年度開始の日の前日までに(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、その他の書類にあっては毎事業年度の経過後三月以内に(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、同条第二項各号に掲げる書類及び社員名簿を当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、行政庁に提出しなければならない。 2 行政庁は、内閣府令で定めるところにより、この法律又はこの法律に基づく命令の規定により公益法人から提出を受けた財産目録等(役員等名簿又は社員名簿にあっては、これらに記載された事項中、個人の住所に係る記載の部分を除く。)を公表するものとする。 (会計監査人の権限等) 第二十三条 公益法人の会計監査人は、一般社団・財団法人法第百七条第一項(一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定によるもののほか、財産目録その他の内閣府令で定める書類を監査する。 この場合において、会計監査人は、会計監査報告に当該監査の結果を併せて記載し、又は記録しなければならない。 第四款 合併等 (合併等の届出) 第二十四条 公益法人は、次に掲げる行為をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を行政庁に届け出なければならない。 一 合併(当該合併に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合又は次条第一項の認可の申請をする場合を除く。) 二 事業の全部又は一部の譲渡(当該事業の譲渡に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合を除く。) 三 公益目的事業の全部の廃止 2 行政庁は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 (合併による地位の承継の認可) 第二十五条 公益法人が合併により消滅する法人となる新設合併契約を締結したときは、当該公益法人(当該公益法人が二以上ある場合にあっては、その一)は、当該新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)が当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継することについて、行政庁の認可を申請することができる。 2 行政庁は、新設法人が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、前項の認可をするものとする。 一 第五条各号に掲げる基準に適合するものであること。 二 第六条各号のいずれかに該当するものでないこと。 3 第一項の認可があった場合には、新設法人は、その成立の日に、当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継する。 4 第七条、第八条、第十条及び第十二条の規定は、第一項の認可について準用する。 この場合において、第七条第一項中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第一号に掲げる事項については新設合併により消滅する公益法人及び新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)に係るもの、第二号から第四号までに掲げる事項については新設法人に係るもの)」と、同項第二号中「定款」とあるのは「定款の案」と、同条第二項中「次に掲げる書類」とあるのは「次に掲げる書類(第一号の定款の案及び第二号から第五号までに掲げる書類については、新設法人に係るもの)」と、同項第一号中「定款」とあるのは「新設合併契約書及び定款の案」と、第十二条第一項中「前条第二項」とあるのは「第二十五条第四項において準用する第七条第一項」と読み替えるものとする。 5 第一項の認可を受けて合併により消滅する公益法人の地位を承継する新設法人についての第十八条及び第三十条第二項(これらの規定を第十九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、第十八条第一号から第四号までの規定中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、同条第五号中「前各号」とあるのは「前各号及び第七号」と、同条第七号中「前各号に掲げるもののほか、公益法人が保有する財産であって公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産」とあるのは「その成立の際に合併により消滅する公益法人から承継した財産であって、当該消滅する公益法人の公益目的事業財産であったもの」と、第三十条第二項第一号中「が取得した」とあるのは「が合併により承継し、又は取得した」と、「公益認定」とあるのは「合併により消滅する公益法人が公益認定」と、同項第二号中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、同項第三号中「公益認定を受けた日」とあるのは「その成立の日」と、「定めるもの」とあるのは「定めるもの並びに合併により消滅する公益法人が公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法によりその公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産(当該消滅する公益法人が第十九条第一項ただし書の規定の適用を受けるものである場合にあっては、同条第二項の規定により読み替えて適用する第十八条に規定する公益目的事業財産等)以外の財産及び同日以後に当該公益法人がその公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払その他内閣府令で定めるもの」とする。 (解散の届出等) 第二十六条 公益法人が合併以外の理由により解散をした場合には、その清算人(解散が破産手続開始の決定による場合にあっては、破産管財人)は、当該解散の日から一月以内に、その旨を行政庁に届け出なければならない。 2 清算人は、一般社団・財団法人法第二百三十三条第一項の期間が経過したときは、遅滞なく、残余財産の引渡しの見込みを行政庁に届け出なければならない。 当該見込みに変更があったときも、同様とする。 3 清算人は、清算が結了したときは、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。 4 行政庁は、第一項又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 第三節 公益法人の監督 (報告及び検査) 第二十七条 行政庁は、公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度において、内閣府令で定めるところにより、公益法人に対し、その運営組織及び事業活動の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、当該公益法人の事務所に立ち入り、その運営組織及び事業活動の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (勧告、命令等) 第二十八条 行政庁は、公益法人について、次条第二項各号のいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由がある場合には、当該公益法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。 2 行政庁は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その勧告の内容を公表しなければならない。 3 行政庁は、第一項の勧告を受けた公益法人が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該公益法人に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 4 行政庁は、前項の規定による命令をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 5 行政庁は、第一項の勧告及び第三項の規定による命令をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くことができる。 一 第五条第一号、第二号若しくは第五号、第六条第三号若しくは第四号又は次条第二項第三号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 許認可等行政機関 二 第六条第一号ニ又は第六号に規定する事由 警察庁長官等 三 第六条第五号に規定する事由 国税庁長官等 (公益認定の取消し) 第二十九条 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消さなければならない。 一 第六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。 二 偽りその他不正の手段により公益認定、第十一条第一項の変更の認定又は第二十五条第一項の認可を受けたとき。 三 正当な理由がなく、前条第三項の規定による命令に従わないとき。 四 公益法人から公益認定の取消しの申請があったとき。 2 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消すことができる。 一 第五条各号に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったとき。 二 前節の規定を遵守していないとき。 三 前二号のほか、法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反したとき。 3 前条第五項の規定は、前二項の規定による公益認定の取消しをしようとする場合について準用する。 4 行政庁は、第一項又は第二項の規定により公益認定を取り消したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 5 第一項又は第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた公益法人は、その名称中の公益社団法人又は公益財団法人という文字をそれぞれ一般社団法人又は一般財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。 6 行政庁は、第一項又は第二項の規定による公益認定の取消しをしたときは、遅滞なく、当該公益法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該公益法人の名称の変更の登記を嘱託しなければならない。 7 前項の規定による名称の変更の登記の嘱託書には、当該登記の原因となる事由に係る処分を行ったことを証する書面を添付しなければならない。 (公益認定の取消し等に伴う贈与) 第三十条 行政庁が前条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しをした場合又は公益法人が合併により消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、第五条第二十号に規定する定款の定めに従い、当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一月以内に公益目的取得財産残額に相当する額の財産の贈与に係る書面による契約が成立しないとき(当該財産を公益信託の信託財産とする場合にあっては、当該財産を当該公益信託の信託財産とすることができないとき)は、内閣総理大臣が行政庁である場合にあっては国、都道府県知事が行政庁である場合にあっては当該都道府県が当該公益目的取得財産残額に相当する額の金銭について、同号に規定する定款で定める贈与を当該公益認定の取消しを受けた法人又は当該合併により消滅する公益法人の権利義務を承継する法人(第四項において「認定取消法人等」という。)から受ける旨の書面による契約が成立したものとみなす。 当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一月以内に当該公益目的取得財産残額の一部に相当する額の財産について同号に規定する定款で定める贈与に係る書面による契約が成立した場合(当該財産を公益信託の信託財産とする場合にあっては、当該財産を当該公益信託の信託財産としたとき)における残余の部分についても、同様とする。 2 前項に規定する「公益目的取得財産残額」とは、第一号に掲げる財産から第二号に掲げる財産を除外した残余の財産の価額の合計額から第三号に掲げる額を控除して得た額をいう。 一 当該公益法人が取得した全ての公益目的事業財産(第十八条第六号に掲げる財産にあっては、公益認定を受けた日前に取得したものを除く。) 二 当該公益法人が公益認定を受けた日以後に公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産 三 公益目的事業財産以外の財産であって当該公益法人が公益認定を受けた日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡したもの及び同日以後に公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払その他内閣府令で定めるものの額の合計額 3 前項に規定する額の算定の細目その他公益目的取得財産残額の算定に関し必要な事項は、内閣府令で定める。 4 行政庁は、第一項の場合には、認定取消法人等に対し、前二項の規定により算定した公益目的取得財産残額及び第一項の規定により当該認定取消法人等と国又は都道府県との間に当該公益目的取得財産残額又はその一部に相当する額の金銭の贈与に係る契約が成立した旨を通知しなければならない。 5 公益法人は、第五条第二十号に規定する定款の定めを変更することができない。 (行政庁への意見) 第三十一条 次の各号に掲げる者は、公益法人についてそれぞれ当該各号に定める事由があると疑うに足りる相当な理由があるため、行政庁が公益法人に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、行政庁に対し、その旨の意見を述べることができる。 一 許認可等行政機関 第五条第一号、第二号若しくは第五号に掲げる基準に適合しない事由又は第六条第三号若しくは第四号若しくは第二十九条第二項第三号に該当する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る。) 二 警察庁長官等 第六条第一号ニ又は第六号に該当する事由 三 国税庁長官等 第六条第五号に該当する事由 第三章 公益認定等委員会及び都道府県に置かれる合議制の機関 第一節 公益認定等委員会 第一款 設置及び組織 (設置及び権限) 第三十二条 内閣府に、公益認定等委員会(以下「委員会」という。)を置く。 2 委員会は、この法律及び公益信託法によりその権限に属させられた事項を処理する。 (職権の行使) 第三十三条 委員会の委員は、独立してその職権を行う。 (組織) 第三十四条 委員会は、委員七人をもって組織する。 2 委員は、非常勤とする。 ただし、そのうちの四人以内は、常勤とすることができる。 (委員の任命) 第三十五条 委員は、人格が高潔であって、委員会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律、会計又は公益法人若しくは公益信託に係る活動に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。 2 委員の任期が満了し、又は欠員が生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。 3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。 この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。 (委員の任期) 第三十六条 委員の任期は、三年とする。 ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 2 委員は、再任されることができる。 3 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。 (委員の身分保障) 第三十七条 委員は、委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められた場合又は職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められた場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。 (委員の罷免) 第三十八条 内閣総理大臣は、委員が前条に規定する場合に該当するときは、その委員を罷免しなければならない。 (委員の服務) 第三十九条 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。 その職を退いた後も同様とする。 2 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。 3 常勤の委員は、在任中、内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。 (委員の給与) 第四十条 委員の給与は、別に法律で定める。 (委員長) 第四十一条 委員会に、委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。 2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。 3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。 (事務局) 第四十二条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。 2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。 3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。 第二款 諮問等 (委員会への諮問) 第四十三条 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、第八条又は第二十八条第五項(第二十九条第三項において準用する場合を含む。)の規定による許認可等行政機関の意見(第六条第三号及び第四号に該当する事由の有無に係るものを除く。)を付して、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 公益認定の申請、第十一条第一項の変更の認定の申請又は第二十五条第一項の認可の申請に対する処分をしようとする場合(申請をした法人が第六条各号のいずれかに該当するものである場合及び行政手続法第七条の規定に基づきこれらの認定を拒否する場合を除く。) 二 第二十八条第一項の勧告、同条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消し(以下「監督処分等」という。)をしようとする場合(次に掲げる場合を除く。) イ 監督処分等を受ける公益法人が第二十九条第一項第一号又は第四号のいずれかに該当するものである場合 ロ 第十三条第一項若しくは第二十四条第一項の規定による届出又は第二十二条第一項の規定による財産目録等の提出をしなかったことを理由として監督処分等をしようとする場合 ハ 第四十六条第一項の勧告に基づいて監督処分等をしようとする場合 2 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 第五条第三号から第五号まで、第十号、第十一号、第十三号ただし書、第十五号ただし書、第十八号ただし書及び第二十号ト、第五十一条において読み替えて準用する前項ただし書及び次項ただし書並びに別表第二十三号の政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合並びに第五条第十四号から第十六号まで及び第十八号、第七条第一項並びに第二項第四号及び第六号、第十一条第二項及び第三項、第十三条第一項(第三号を除く。)、第十四条、第十五条各号、第十六条、第十八条ただし書並びに第四号、第七号及び第八号、第十九条第一項及び同条第二項の規定により読み替えて適用する第十八条本文、第二十一条第一項、第二項及び第四項、第二十三条、第二十四条第一項、第二十七条第一項、第三十条第二項第三号(第二十五条第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び第三項、次条第一項並びに第四十六条第二項の内閣府令の制定又は改廃をしようとする場合 二 第六十条の規定による指示を行おうとする場合 3 内閣総理大臣は、第一項第一号に規定する処分、第二十八条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項の規定による公益認定の取消しについての審査請求に対する裁決をしようとする場合には、次に掲げる場合を除き、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 審査請求が不適法であるとして却下する場合 二 審査請求をした一般社団法人若しくは一般財団法人又は公益法人が第六条各号のいずれかに該当するものである場合 三 第一項第二号イ又はロに規定する理由による監督処分等についての審査請求である場合 (答申の公表等) 第四十四条 委員会は、諮問に対する答申をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その内容を公表しなければならない。 2 委員会は、前項の答申をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該答申に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 (内閣総理大臣による送付等) 第四十五条 内閣総理大臣は、第十三条第一項、第二十四条第一項又は第二十六条第一項から第三項までの規定による届出に係る書類の写し及び第二十二条第一項の規定により提出を受けた財産目録等の写しを委員会に送付しなければならない。 2 内閣総理大臣は、第三十一条の規定により許認可等行政機関が述べた意見(公益法人が第六条第三号又は第四号に該当する事由に係る意見を除く。)を委員会に通知しなければならない。 3 内閣総理大臣は、委員会に諮問しないで次に掲げる措置を講じたときは、その旨を委員会に通知しなければならない。 一 公益認定の申請、第十一条第一項の変更の認定の申請又は第二十五条第一項の認可の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 二 監督処分等(次条第一項の勧告に基づく監督処分等を除く。) 三 第四十三条第二項第一号の政令の制定又は改廃の立案及び同号の内閣府令の制定又は改廃 四 第四十三条第三項に規定する審査請求に対する裁決(審査請求が不適法であることによる却下の裁決を除く。) 五 第六十条の規定による指示 (委員会による勧告等) 第四十六条 委員会は、前条第一項若しくは第二項の場合又は第五十九条第一項の規定に基づき第二十七条第一項の規定による報告の徴収、検査又は質問を行った場合には、公益法人が第二十九条第一項第二号若しくは第三号又は第二項各号のいずれかに該当するかどうかを審査し、必要があると認めるときは、第二十八条第一項の勧告若しくは同条第三項の規定による命令又は第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しその他の措置をとることについて内閣総理大臣に勧告をすることができる。 2 委員会は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該勧告の内容を公表しなければならない。 3 委員会は、第一項の勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 第三款 雑則 (資料提出その他の協力) 第四十七条 委員会は、その事務を処理するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長その他の関係者に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。 (事務の処理状況の公表) 第四十八条 委員会は、毎年、その事務の処理状況を公表しなければならない。 (政令への委任) 第四十九条 この節に規定するもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。 第二節 都道府県に置かれる合議制の機関 (設置及び権限) 第五十条 都道府県に、この法律及び公益信託法によりその権限に属させられた事項を処理するため、審議会その他の合議制の機関(以下単に「合議制の機関」という。)を置く。 2 合議制の機関の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で定める。 (合議制の機関への諮問) 第五十一条 第四十三条(第二項を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「付して、委員会」とあるのは「付して、第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同項第二号ハ中「第四十六条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する第四十六条第一項」と、同条第三項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と読み替えるものとする。 (答申の公表等) 第五十二条 第四十四条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第二項中「内閣総理大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (都道府県知事による通知等) 第五十三条 都道府県知事は、第六十条の規定による指示が当該都道府県知事に対して行われた場合には、その旨を合議制の機関に通知しなければならない。 2 第四十五条(第三項第三号及び第五号を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「委員会」とあるのは「第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同条第二項及び第三項中「委員会」とあるのは「合議制の機関」と、同項第二号中「次条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する次条第一項」と、同項第四号中「第四十三条第三項」とあるのは「第五十一条において準用する第四十三条第三項」と読み替えるものとする。 (合議制の機関による勧告等) 第五十四条 第四十六条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第一項中「前条第一項若しくは第二項」とあるのは「第五十三条第二項において準用する前条第一項若しくは第二項」と、「第五十九条第一項」とあるのは「第五十九条第二項」と、同項及び同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (資料提出その他の協力) 第五十五条 第四十七条の規定は、合議制の機関について準用する。 第四章 雑則 (協力依頼) 第五十六条 行政庁は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。 (情報の提供) 第五十七条 内閣総理大臣及び都道府県知事は、公益法人の活動の状況、公益法人に対して行政庁がとった措置その他の事項についての調査及び分析を行い、必要な統計その他の資料の作成を行うとともに、公益法人に関するデータベースの整備を図り、国民にインターネットその他の高度情報通信ネットワークの利用を通じて迅速に情報を提供できるよう必要な措置を講ずるものとする。 (税制上の措置) 第五十八条 公益法人が行う公益目的事業に係る活動が果たす役割の重要性にかんがみ、当該活動を促進しつつ適正な課税の確保を図るため、公益法人並びにこれに対する寄附を行う個人及び法人に関する所得課税に関し、所得税、法人税及び相続税並びに地方税の課税についての必要な措置その他所要の税制上の措置を講ずるものとする。 (権限の委任等) 第五十九条 内閣総理大臣は、第二十七条第一項の規定による権限(第四十四条第一項の答申又は第四十六条第一項の勧告のため必要なものに限り、第六条各号に掲げる一般社団法人又は一般財団法人に該当するか否かの調査に関するものを除く。)を委員会に委任する。 2 行政庁が都道府県知事である場合における第二十七条第一項の規定による権限(第五十二条において準用する第四十四条第一項の答申又は第五十四条において準用する第四十六条第一項の勧告のため必要なものに限り、第六条各号に掲げる一般社団法人又は一般財団法人に該当するか否かの調査に関するものを除く。)の行使については、第二十七条第一項中「行政庁」とあるのは「第五十条第一項に規定する合議制の機関」と、「職員」とあるのは「庶務をつかさどる職員」とする。 (都道府県知事への指示) 第六十条 内閣総理大臣は、この法律及びこれに基づく命令の規定による事務の実施に関して地域間の均衡を図るため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第二十八条第一項の勧告若しくは同条第三項の規定による命令又は第二十九条第二項の規定による公益認定の取消しその他の措置を行うべきことを指示することができる。 (政令への委任) 第六十一条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。 第五章 罰則 第六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 一 偽りその他不正の手段により公益認定、第十一条第一項の変更の認定又は第二十五条第一項の認可を受けたとき。 二 第十一条第一項の変更の認定を受けないで同項各号に掲げる変更(行政庁の変更を伴うこととなるものに限る。)をしたとき。 三 第十一条第一項の変更の認定を受けないで同項第二号に掲げる変更(第二十九条第二項第一号に該当することとなるものに限る。)をしたとき。 第六十三条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第九条第四項の規定に違反して、公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いたとき。 二 第九条第五項の規定に違反して、他の公益社団法人又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用したとき。 第六十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第七条第一項(第二十五条第四項において準用する場合を含む。)の申請書又は第七条第二項各号(第二十五条第四項において準用する場合を含む。)に掲げる書類に虚偽の記載をして提出したとき。 二 第十一条第二項の申請書又は同条第三項の書類に虚偽の記載をして提出したとき。 三 第二十一条第一項又は第二項の規定に違反して、書類又は電磁的記録を備え置かず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 第六十五条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。 第六十六条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、公益法人の理事、監事又は清算人は、五十万円以下の過料に処する。 一 第十三条第一項、第二十四条第一項又は第二十六条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第二十二条第一項の規定に違反して、財産目録等を提出せず、又はこれに虚偽の記載をして提出したとき。 三 第二十七条第一項(第五十九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第二十七条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第五十号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 抄 第一章 中間法人法の廃止、民法の一部改正等 第一節 中間法人法の廃止 第一条 中間法人法(平成十三年法律第四十九号)は、廃止する。 第二節 中間法人法の廃止に伴う経過措置 第一款 有限責任中間法人に関する経過措置 (旧有限責任中間法人の存続) 第二条 前条の規定による廃止前の中間法人法(以下「旧中間法人法」という。)の規定による有限責任中間法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧有限責任中間法人」という。)は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後は、この款の定めるところにより、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)の規定による一般社団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧有限責任中間法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第三条 前条第一項の規定により存続する一般社団法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会の終結の時までは、適用しない。 ただし、施行日以後に名称の変更をする定款の変更をした場合は、この限りでない。 2 前条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法第五条第一項の規定に違反したときは、二十万円以下の過料に処する。 (旧有限責任中間法人の設立手続等の効力) 第四条 旧有限責任中間法人の設立、基金増加又は合併について施行日前に行った社員総会の決議その他の手続は、施行日前にこれらの行為の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (定款の記載等に関する経過措置) 第五条 旧有限責任中間法人の定款における旧中間法人法第十条第三項各号に掲げる事項(基金(代替基金を含む。以下この項において同じ。)の総額を除く。)の記載又は記録はこれに相当する第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款における一般社団・財団法人法第十一条第一項各号及び第百三十一条各号に掲げる事項の記載又は記録とみなし、旧有限責任中間法人の定款における基金の総額の記載又は記録は第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款に記載又は記録がないものとみなす。 2 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款には、監事を置く旨及び一般社団・財団法人法第百三十一条に規定する基金を引き受ける者の募集をすることができる旨の定めがあるものとみなす。 3 旧有限責任中間法人の定款における理事会を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する理事会を置く旨の定めとしての効力を有しない。 (定款の備置き及び閲覧等に関する特則) 第六条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人は、一般社団・財団法人法第十四条第二項各号に掲げる請求に応じる場合には、当該請求をした者に対し、定款に記載又は記録がないものであっても、前条第二項の規定により定款に定めがあるものとみなされる事項を示さなければならない。 (社員名簿に関する経過措置) 第七条 旧有限責任中間法人の社員名簿は、一般社団・財団法人法第三十一条に規定する社員名簿とみなす。 (社員総会の権限及び手続に関する経過措置) 第八条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会に相当する第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会の権限及び手続については、なお従前の例による。 (社員総会の決議に関する経過措置) 第九条 施行日前に旧有限責任中間法人の社員総会が旧中間法人法の規定に基づいてした理事又は監事の選任その他の事項に関する決議は、当該決議があった日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (会計監査人の設置義務に関する規定の適用除外) 第十条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、一般社団・財団法人法第六十二条の規定は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会の終結の時までは、適用しない。 (理事及び理事会の権限等に関する規定の適用除外) 第十一条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日までは、適用しない。 一 一般社団・財団法人法第七十六条第四項 前条の定時社員総会の終結の日から三箇月を経過する日 二 一般社団・財団法人法第九十条第五項 前条の定時社員総会の終結後最初に開催される理事会の終結の日 (理事等の資格等に関する経過措置) 第十二条 一般社団・財団法人法第六十五条第一項(一般社団・財団法人法第二百九条第五項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、旧中間法人法の規定(この款の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧中間法人法の規定を含む。)に違反し、刑に処せられた者は、一般社団・財団法人法の規定に違反し、刑に処せられたものとみなす。 2 一般社団・財団法人法第六十五条第一項第三号(一般社団・財団法人法第二百九条第五項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行の際現に旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人である者が施行日前に犯した同号に規定する民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)又は破産法(平成十六年法律第七十五号)の罪により刑に処せられた場合におけるその者の第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の理事、監事又は清算人としての継続する在任については、適用しない。 (理事等の任期に関する経過措置) 第十三条 この法律の施行の際現に旧有限責任中間法人の理事又は監事である者の任期については、なお従前の例による。 (役員等の行為に関する経過措置) 第十四条 ある者が旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人として施行日前にした又はすべきであった旧中間法人法又は旧中間法人法において準用する第二百四十四条の規定による改正前の会社法(平成十七年法律第八十六号。第二十一条において「旧会社法」という。)に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の理事、監事又は清算人としてした又はすべきであった一般社団・財団法人法の相当規定に規定する行為とみなす。 (業務の執行に関する検査役の選任に関する経過措置) 第十五条 一般社団・財団法人法第八十六条の規定の適用については、施行日前に旧有限責任中間法人がした業務の執行は、当該業務の執行の日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人がしたものとみなす。 (理事等の損害賠償責任に関する経過措置) 第十六条 旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人の施行日前の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (計算書類の作成等に関する経過措置) 第十七条 旧有限責任中間法人が旧中間法人法の規定に基づいて施行日前に作成した会計帳簿、計算書類その他の会計又は経理に関する書類は、その作成の日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 2 施行日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る旧中間法人法第五十九条第二項各号に掲げる書類及びこれらの附属明細書の作成、監査及び承認の方法については、なお従前の例による。 3 第一項の規定は、前項の規定により作成した旧中間法人法第五十九条第二項各号に掲げる書類及びこれらの附属明細書について準用する。 4 一般社団・財団法人法第百二十八条第一項の規定は、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなされた貸借対照表(第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法第二条第二号の大規模一般社団法人である場合にあっては、貸借対照表及び損益計算書)については、適用しない。 (基金に関する経過措置) 第十八条 この法律の施行の際現に存する基金又は代替基金は、それぞれ一般社団・財団法人法第百三十一条に規定する基金又は一般社団・財団法人法第百四十四条第一項の代替基金とみなす。 2 前条第二項の規定によりなお従前の例によることとされる旧中間法人法第五十九条第三項の承認に基づく基金の返還については、なお従前の例による。 (旧有限責任中間法人が解散した場合における法人の継続及び清算に関する経過措置) 第十九条 施行日前に生じた旧中間法人法第八十一条第一項各号に掲げる事由により旧有限責任中間法人が解散した場合における第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の継続及び清算については、なお従前の例による。 ただし、継続及び清算に関する登記の登記事項(施行日前に清算人の登記をした場合にあっては、主たる事務所の所在地における登記事項のうち清算人及び代表清算人の氏名及び住所を除く。)については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (有限責任中間法人の組織に関する訴え等に関する経過措置) 第二十条 施行日前に提起された、旧有限責任中間法人の設立の無効若しくは取消しの訴え、社員総会の決議の不存在若しくは無効の確認の訴え、社員総会の決議の取消しの訴え、理事若しくは監事の解任の訴え、基金増加の無効の訴え、旧有限責任中間法人の解散を求める訴え又は合併の無効の訴えについては、なお従前の例による。 2 施行日前に社員が旧中間法人法第四十九条第一項前段(旧中間法人法第五十八条第二項及び第九十一条第三項において準用する場合を含む。)の訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 3 施行日前に提起された旧有限責任中間法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の清算については、なお従前の例による。 ただし、清算に関する登記の登記事項については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (非訟事件に関する経過措置) 第二十一条 施行日前に申立て又は裁判があった旧中間法人法又は旧中間法人法において準用する旧会社法の規定による非訟事件(清算に関する事件を除く。)の手続については、なお従前の例による。 (登記に関する経過措置) 第二十二条 旧中間法人法の規定による旧有限責任中間法人の登記は、一般社団・財団法人法の相当規定による第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の登記とみなす。 2 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、施行日に、その主たる事務所の所在地において、監事設置一般社団法人である旨の登記がされたものとみなす。 3 主たる事務所の所在地における理事、代表理事及び監事の登記の登記事項については、第三条第一項ただし書の定款の変更に基づく名称の変更の登記をするまでの間は、なお従前の例による。 4 旧有限責任中間法人は、前項の名称の変更の登記をするときは、当該登記と同時に、当該旧有限責任中間法人の理事、代表理事及び監事の全員について一般社団・財団法人法第三百一条第二項第五号、第六号及び第八号(監事の氏名に限る。)に掲げる事項の登記をしなければならない。 5 旧有限責任中間法人の理事又は清算人は、前項の規定に違反した場合には、百万円以下の過料に処する。 (登記の手続に関する経過措置) 第二十三条 一般社団・財団法人法附則第二項の規定は、旧中間法人法において準用する商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の規定によって生じた効力を妨げない。 2 施行日前にした旧中間法人法において準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、この条に別段の定めがある場合を除き、一般社団・財団法人法の相当規定又は一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の相当規定によってしたものとみなす。 3 施行日前にされた登記の申請に係る登記に関する手続については、なお従前の例による。 4 施行日前に登記すべき事項が生じた場合における登記の申請書に添付すべき資料については、なお従前の例による。 5 この法律の施行の際現に登記所に備えられている旧中間法人法第百五十条の中間法人登記簿(旧有限責任中間法人に関するものに限る。)は、一般社団・財団法人法第三百十六条の一般社団法人登記簿とみなす。 6 この法律の施行の際現に存する旧中間法人法第百五十一条第一項において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定は、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定とみなす。 7 登記官は、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人について、職権で、その主たる事務所の所在地において、監事設置一般社団法人である旨の登記をしなければならない。 8 第十九条及び第二十条第三項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧有限責任中間法人の継続及び清算に関する登記その他の登記の申請その他の登記に関する手続については、なお従前の例による。 9 前各項に定めるもののほか、第一条の規定による中間法人法の廃止に伴う登記に関する手続について必要な経過措置は、法務省令で定める。 第二款 無限責任中間法人に関する経過措置 (旧無限責任中間法人の存続) 第二十四条 旧中間法人法の規定による無限責任中間法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧無限責任中間法人」という。)は、施行日以後は、この款の定めるところにより、一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧無限責任中間法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第二十五条 前条第一項の規定により存続する一般社団法人は、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定にかかわらず、その名称中に無限責任中間法人という文字を用いなければならない。 2 前項の規定によりその名称中に無限責任中間法人という文字を用いる前条第一項の規定により存続する一般社団法人(以下「特例無限責任中間法人」という。)は、その名称中に特例無限責任中間法人以外の一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 特例無限責任中間法人以外の一般社団法人は、その名称中に、特例無限責任中間法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 4 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第二項の規定に違反して、特例無限責任中間法人以外の一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 二 前項の規定に違反して、特例無限責任中間法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 (旧無限責任中間法人の設立手続等の効力) 第二十六条 旧無限責任中間法人の設立又は合併について施行日前に行った総社員の同意その他の手続は、施行日前にこれらの行為の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (特例無限責任中間法人に関する経過措置) 第二十七条 特例無限責任中間法人に関する次に掲げる事項については、なお従前の例による。 一 登記及び登記の手続 二 解散命令 三 定款の記載又は記録事項 四 設立の無効又は取消しの訴え 五 社員の資格の得喪 六 社員、退社した社員又は自己を社員であると誤認させる行為をした者の責任 七 業務の執行 八 法人の代表 九 事業譲渡 十 事業の遂行の状況について社員が行う報告又は特例無限責任中間法人の業務及び財産の状況の調査 十一 社員がする旧中間法人法第百六条第一項各号に規定する取引の制限 十二 貸借対照表の作成及び保存並びに提出命令 十三 定款の変更 十四 解散事由及び解散法人の継続 十五 解散を求める訴え 十六 清算 (破産法の準用) 第二十八条 破産法第十六条第二項の規定は、存立中の特例無限責任中間法人について準用する。 (一般社団・財団法人法の適用除外) 第二十九条 特例無限責任中間法人については、一般社団・財団法人法第十四条、第二十三条から第二十五条まで、第二章第二節第二款、同章第三節、第百二十一条、第百二十四条から第百二十九条まで、同章第五節及び第五章の規定は、適用しない。 (一般社団法人への名称変更) 第三十条 特例無限責任中間法人は、第二十五条第一項の規定にかかわらず、施行日から起算して一年を経過する日までの間、この款の定めるところにより、その名称中に一般社団法人という文字を用いる名称の変更をすることができる。 (特例無限責任中間法人の通常の一般社団法人への移行) 第三十一条 特例無限責任中間法人が前条の規定による名称の変更(以下この款において「移行」という。)をしようとする場合には、総社員の同意によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 移行後の一般社団法人の一般社団・財団法人法第十一条第一項第一号から第三号まで及び第五号から第七号までに掲げる事項 二 前号に掲げるもののほか、移行後の一般社団法人の定款で定める事項 三 移行後の一般社団法人の理事の氏名 四 移行後の一般社団法人が監事設置一般社団法人であるときは、監事の氏名 五 移行後の一般社団法人が会計監査人設置一般社団法人であるときは、会計監査人の氏名又は名称 (債権者の異議) 第三十二条 前条の場合には、当該特例無限責任中間法人の債権者は、当該特例無限責任中間法人に対し、移行について異議を述べることができる。 2 前項の特例無限責任中間法人は、前条各号に掲げる事項を定めた日から二週間以内に、移行をする旨及び債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、債権者が異議を述べることができる期間は、一箇月を下ることができない。 3 債権者が前項の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、移行について承認をしたものとみなす。 4 債権者が第二項の期間内に異議を述べたときは、第一項の特例無限責任中間法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。)及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。第七十条第六項において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該移行をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 5 第一項の特例無限責任中間法人の社員(定款によって特例無限責任中間法人の業務を行うべき社員を定めているときは、当該社員に限る。)が、第二項又は前項の規定に違反したときは、百万円以下の過料に処する。 (移行の登記) 第三十三条 前条の規定による手続が終了したときは、特例無限責任中間法人は、その主たる事務所の所在地においては二週間以内に、その従たる事務所の所在地においては三週間以内に、当該特例無限責任中間法人については解散の登記をし、移行後の一般社団法人については設立の登記をしなければならない。 2 移行後の一般社団法人についてする登記においては、特例無限責任中間法人の成立の年月日、特例無限責任中間法人の名称並びに名称の変更をした旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (移行の効力の発生等) 第三十四条 移行は、前条第一項の設立の登記(主たる事務所の所在地におけるものに限る。)をすることによって、その効力を生ずる。 2 移行をする特例無限責任中間法人は、前項の登記の日に、第三十一条第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (移行の登記の申請) 第三十五条 前条第一項の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 第三十一条各号に掲げる事項を定めたことを証する書面 二 定款(前条第二項の変更が記載されたもの) 三 移行後の一般社団法人の理事(移行後の一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、理事及び監事)が就任を承諾したことを証する書面 四 移行後の一般社団法人の会計監査人を定めたときは、一般社団・財団法人法第三百十八条第二項第四号に掲げる書面 五 第三十二条第二項の規定による公告及び催告をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該移行をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 第三十六条 移行をした特例無限責任中間法人についての解散の登記の申請と移行後の一般社団法人についての設立の登記の申請とは、同時にしなければならない。 2 前項の解散の登記の申請については、旧中間法人法第百五十一条において準用する商業登記法の申請書の添付書面に関する規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の登記の申請のいずれかにつき商業登記法第二十四条各号のいずれかに掲げる事由があるときは、これらの申請を共に却下しなければならない。 (特例無限責任中間法人のみなし解散) 第三十七条 特例無限責任中間法人が施行日から起算して一年を経過する日までに第三十三条第一項の登記の申請をしないときは、当該特例無限責任中間法人は、その日が経過した時に解散したものとみなす。 2 前項の規定により解散した場合には、次に掲げる者が清算人となる。 一 社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除き、定款によって特例無限責任中間法人の業務を行うべき社員を定めているときは、当該社員に限る。) 二 定款に定める者 三 社員の過半数によって選任された者 3 商業登記法第七十二条の規定は、第一項の規定による解散の登記について準用する。 第四節 民法及び民法施行法の一部改正に伴う経過措置 第一款 社団法人、財団法人等の存続等 (社団法人及び財団法人の存続) 第四十条 第三十八条の規定による改正前の民法(以下「旧民法」という。)第三十四条の規定により設立された社団法人又は財団法人であってこの法律の施行の際現に存するものは、施行日以後は、この節の定めるところにより、それぞれ一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人又は一般財団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、同項の社団法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款と、同項の財団法人の寄附行為を同項の規定により存続する一般財団法人の定款とみなす。 (民法施行法社団法人及び民法施行法財団法人の存続) 第四十一条 第三十九条の規定による改正前の民法施行法(以下この節において「旧民法施行法」という。)第十九条第二項の認可を受けた法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下この節において、当該法人のうち社団であるものを「民法施行法社団法人」、財団であるものを「民法施行法財団法人」という。)は、施行日以後は、この節の定めるところにより、それぞれ一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人又は一般財団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を前項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第四十二条 第四十条第一項又は前条第一項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人であって第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の登記をしていないもの(以下それぞれ「特例社団法人」又は「特例財団法人」という。)については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない。 2 特例社団法人又は特例財団法人(以下「特例民法法人」と総称する。)については、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号。以下この節及び附則第一項において「公益法人認定法」という。)第九条第四項の規定は、適用しない。 3 特例社団法人は、その名称中に、一般社団法人又は公益社団法人若しくは公益財団法人という文字を用いてはならない。 4 特例財団法人は、その名称中に、一般財団法人又は公益財団法人若しくは公益社団法人という文字を用いてはならない。 5 特例社団法人でない者は、その名称又は商号中に、特例社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 6 特例財団法人でない者は、その名称又は商号中に、特例財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (旧民法第三十四条の許可の申請等に関する経過措置) 第四十三条 施行日前に旧民法第三十四条の許可の申請があった場合において、施行日の前日までに当該申請に対する処分がされないときは、当該申請は、同日に、却下されたものとみなす。 2 施行日前に旧民法第三十四条の許可を受けた場合における設立の登記については、なお従前の例による。 (公益社団法人又は公益財団法人への移行) 第四十四条 公益法人認定法第二条第四号に規定する公益目的事業(以下この節において単に「公益目的事業」という。)を行う特例社団法人又は特例財団法人は、施行日から起算して五年を経過する日までの期間(以下この節において「移行期間」という。)内に、第四款の定めるところにより、行政庁の認定を受け、それぞれ公益法人認定法の規定による公益社団法人又は公益財団法人となることができる。 (通常の一般社団法人又は一般財団法人への移行) 第四十五条 特例社団法人又は特例財団法人は、移行期間内に、第五款の定めるところにより、行政庁の認可を受け、それぞれ通常の一般社団法人又は一般財団法人となることができる。 (移行期間の満了による解散等) 第四十六条 移行期間内に第四十四条の認定又は前条の認可を受けなかった特例民法法人は、移行期間の満了の日に解散したものとみなす。 ただし、第四十四条の認定又は前条の認可の申請があった場合において、移行期間の満了の日までに当該申請に対する処分がされないときは、この限りでない。 2 前項本文の場合には、第九十六条第一項に規定する旧主務官庁(以下この款及び次款において単に「旧主務官庁」という。)は、前項本文の日後遅滞なく、同項本文の規定により解散したものとみなされた特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (行政庁) 第四十七条 この節における行政庁は、次の各号に掲げる特例民法法人の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 一 次に掲げる特例民法法人 内閣総理大臣 イ 二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するもの ロ 第四十四条の認定を受ける特例民法法人にあっては、公益目的事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款又は第百三条第二項第二号の定款の変更の案で定めるもの ハ 第四十五条の認可を受ける特例民法法人(第百十九条第一項に規定する公益目的支出計画において同条第二項第一号イ又はハに規定する事業を定めるものに限る。)にあっては、当該事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款又は第百二十条第二項第二号の定款の変更の案で定めるもの ニ 第四十五条の認可を受ける特例民法法人(ハに掲げるもの以外のものに限る。)にあっては、同条の認可の申請の際における旧主務官庁が旧民法第八十四条の二第一項に規定する都道府県の執行機関でないもの ホ ロに規定する特例民法法人にあっては公益目的事業、ハに規定する特例民法法人にあっては第百十九条第二項第一号イ又はハに規定する事業が国の事務又は事業と密接な関連を有する事業であって政令で定めるものであるもの 二 前号に掲げる特例民法法人以外の特例民法法人 その事務所が所在する都道府県の知事 第二款 経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 第一目 特例民法法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (理事及び監事に関する経過措置) 第四十八条 この法律の施行の際現に旧社団法人(第四十条第一項に規定する社団法人又は民法施行法社団法人をいう。以下この章において同じ。)又は旧財団法人(同項に規定する財団法人又は民法施行法財団法人をいう。以下この章において同じ。)に置かれている理事又は監事は、それぞれ一般社団・財団法人法第六十三条第一項(一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定によって選任された理事又は監事とみなす。 2 特例民法法人の理事(理事会を置く特例民法法人が選任するものを除く。)の選任及び解任、資格並びに任期については、なお従前の例による。 3 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例民法法人の監事(次に掲げる特例民法法人が選任するものを除く。)についても、前項と同様とする。 一 理事会を置く特例社団法人(以下この款において「理事会設置特例社団法人」という。) 二 会計監査人を置く特例社団法人(以下この款において「会計監査人設置特例社団法人」という。) 三 評議員を置く特例財団法人(以下この款において「評議員設置特例財団法人」という。) 4 旧社団法人又は旧財団法人が定款(旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を含む。以下この項及び第八十条において同じ。)若しくは寄附行為(旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を含む。以下この項及び第八十九条において同じ。)、定款若しくは寄附行為の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって定めた当該法人を代表する理事は、一般社団・財団法人法に規定する代表理事の地位を有しない。 (理事の代理行為の委任等に関する経過措置) 第四十九条 特例民法法人(理事会を置く特例民法法人を除く。以下この条において同じ。)の理事の代理行為の委任及び特例民法法人と理事との利益が相反する取引の制限については、なお従前の例による。 (理事及び理事会に関する規定の適用除外) 第五十条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第七十六条第四項、第八十六条から第八十九条まで及び第九十条第五項(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 2 理事会を置かない特例民法法人については、一般社団・財団法人法第八十条から第八十三条まで及び第八十五条(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (理事及び監事の行為に関する経過措置) 第五十一条 ある者が旧社団法人又は旧財団法人の理事又は監事として施行日前にした又はすべきであった旧民法に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人の理事又は監事としてした又はすべきであった一般社団・財団法人法の相当規定に規定する行為とみなす。 (監事の権限に関する経過措置) 第五十二条 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例民法法人の監事(次に掲げる特例民法法人が選任するものを除く。)の職務及び権限(第六十一条第一項及び第二項、第八十七条第三項の規定により適用する一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第二項並びに一般社団・財団法人法第七十五条(一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定によるものを除く。)については、なお従前の例による。 一 理事会設置特例社団法人 二 会計監査人設置特例社団法人 三 評議員設置特例財団法人 (会計監査人の権限等に関する特則) 第五十三条 特例民法法人の会計監査人の権限及び社員総会における意見の陳述については、一般社団・財団法人法第百七条第一項(一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)中「会計監査人は、次節の定めるところにより」とあるのは「会計監査人は」と、「計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)」とあるのは「財産目録並びに基金を引き受ける者の募集をする特例社団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十二条第一項に規定する特例社団法人をいう。)の貸借対照表」と、「会計監査人は、法務省令で定めるところにより」とあるのは「会計監査人は」と、一般社団・財団法人法第百九条第一項中「に規定する書類」とあるのは「の貸借対照表及びその附属明細書」と、「定時社員総会」とあるのは「社員総会」とする。 (会計監査人の設置義務に関する規定の適用除外) 第五十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六十二条及び第百七十一条の規定は、適用しない。 (理事及び監事の損害賠償責任に関する経過措置) 第五十五条 特例民法法人の理事又は監事の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (会計帳簿の作成に関する特則) 第五十六条 特例民法法人の会計帳簿の作成における一般社団・財団法人法第百二十条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、一般社団・財団法人法第百二十条第一項中「法務省令で定めるところにより、適時に」とあるのは、「適時に」とする。 (会計帳簿に関する規定の適用除外) 第五十七条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百二十条第二項、第百二十一条及び第百二十二条(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (財産目録の作成等に関する経過措置) 第五十八条 特例民法法人の財産目録の作成及び備置きについては、なお従前の例による。 (計算書類等に関する規定の適用除外) 第五十九条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百二十三条第二項及び第百二十四条から第百三十条まで(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (計算書類等の作成及び保存に関する特則) 第六十条 第四十四条の認定又は第四十五条の認可の申請をする特例民法法人は、内閣府令で定めるところにより、計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この節において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録(一般社団・財団法人法第十条第二項に規定する電磁的記録をいう。以下この節において同じ。)をもって作成することができる。 (計算書類等の監査等に関する特則) 第六十一条 監事を置く特例民法法人においては、前条第一項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、監事の監査を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、会計監査人を置く特例民法法人においては、次の各号に掲げるものは、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第一項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人 二 前条第一項の事業報告及びその附属明細書 監事 3 理事会を置く特例民法法人においては、第一項又は前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の社員総会への提出等に関する特則) 第六十二条 次の各号に掲げる特例社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を社員総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置特例社団法人(理事会設置特例社団法人及び会計監査人設置特例社団法人を除く。) 前条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置特例社団法人(理事会設置特例社団法人を除く。) 前条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 理事会設置特例社団法人 前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の特例社団法人 第六十条第一項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、社員総会の承認を受けなければならない。 3 理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を社員総会に報告しなければならない。 4 第一項(第三号に係る部分に限る。)及び前二項の規定は、評議員設置特例財団法人について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは、「評議員会」と読み替えるものとする。 (解散の事由に関する特則) 第六十三条 特例民法法人の解散については、一般社団・財団法人法第百四十八条第七号及び第二百二条第一項第六号中「第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第九十六条第二項の規定による解散命令」とする。 (休眠一般社団法人及び休眠一般財団法人のみなし解散等に関する規定の適用除外) 第六十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百四十九条、第百五十条、第二百二条第二項、第二百三条及び第二百四条の規定は、適用しない。 (清算に関する経過措置) 第六十五条 特例民法法人の清算については、なお従前の例による。 2 前項の規定にかかわらず、一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集を行った特例社団法人については、一般社団・財団法人法第二百三十六条の規定を適用する。 (特例民法法人の合併) 第六十六条 特例民法法人は、他の特例民法法人と合併(吸収合併に限る。)をすることができる。 この場合においては、一般社団・財団法人法第二百四十二条、第二百四十四条第二号、第二百四十六条第二項第三号、第二百四十七条から第二百四十九条まで、第二百五十条第二項第三号、第二百五十一条第一項及び第二百五十二条の規定は、適用しない。 2 合併をする特例民法法人は、吸収合併契約を締結しなければならない。 (特例民法法人の吸収合併契約の承認に関する特則) 第六十七条 合併をする特例社団法人は、第六十九条第一項の認可の申請前に、社員総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 この場合において、社員総会の決議は、総社員の四分の三(定款の変更の要件についてこれと異なる割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 2 合併をする特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。)は、第六十九条第一項の認可の申請前に、定款に定款の変更に関する定めがある場合にあっては当該定め(旧主務官庁の認可を要する旨の定めがあるときは、これを除く。)の例により、定款に定款の変更に関する定めがない場合にあっては旧主務官庁の承認を受けて理事の定める手続により、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 3 合併をする評議員設置特例財団法人は、第六十九条第一項の認可の申請前に、評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 この場合において、評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (特例民法法人の合併に伴う定款の変更に関する特則) 第六十八条 特例民法法人の合併に伴い定款の変更をする場合においては、旧主務官庁の認可を要しない。 (特例民法法人の合併の認可) 第六十九条 特例民法法人の合併は、合併後存続する特例民法法人(以下この目において「合併存続特例民法法人」という。)の当該合併後の業務の監督を行う旧主務官庁(以下この条及び第七十二条第二項において「合併後旧主務官庁」という。)の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可の申請は、政令で定めるところにより、合併をする特例民法法人が、次に掲げる事項を記載した申請書をそれぞれ合併後旧主務官庁に提出してしなければならない。 一 申請をする特例民法法人の代表者の氏名 二 合併をする特例民法法人の名称及び主たる事務所の所在場所 三 合併存続特例民法法人が名称又は主たる事務所の所在場所を変更する場合にあっては、変更後のこれらの事項 3 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 吸収合併契約書 二 吸収合併契約の承認を受けたことを証する書面 三 合併をする特例民法法人の定款 四 合併存続特例民法法人の定款の案 五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める書類 4 合併をする特例民法法人の業務の監督を行う旧主務官庁(以下この条及び第七十二条第二項において「合併前旧主務官庁」という。)と合併後旧主務官庁とが異なる場合においては、第二項の申請書は、合併前旧主務官庁を経由して提出しなければならない。 5 合併前旧主務官庁は、前項の規定により第二項の申請書を受理したときは、その意見を付して、速やかに、これを合併後旧主務官庁に送付しなければならない。 (特例民法法人の合併に伴う債権者の異議に関する特則) 第七十条 合併により消滅する特例民法法人(以下この条において「合併消滅特例民法法人」という。)の債権者は、合併消滅特例民法法人に対し、合併について異議を述べることができる。 2 合併消滅特例民法法人は、前条第一項の認可があったときは、当該認可の通知のあった日から二週間以内に、財産目録及び貸借対照表(次項及び第百四十八条第二号において「財産目録等」という。)を作成し、その主たる事務所に備え置かなければならない。 3 債権者は、次項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日から同項第三号の期間の満了の日までの間、合併消滅特例民法法人に対して、その業務時間内は、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該合併消滅特例民法法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を一般社団・財団法人法第二百四十六条第三項第三号の法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(一般社団・財団法人法第十四条第二項第四号に規定する電磁的方法をいう。第八十五条において同じ。)であって合併消滅特例民法法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 合併消滅特例民法法人は、第二項の期間内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、二箇月を下ることができない。 一 合併をする旨 二 合併存続特例民法法人の名称及び住所 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 5 債権者が前項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。 6 債権者が第四項第三号の期間内に異議を述べたときは、合併消滅特例民法法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 7 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 第七十一条 前条の規定は、合併存続特例民法法人について準用する。 この場合において、同条第四項第二号中「合併存続特例民法法人」とあるのは、「合併消滅特例民法法人」と読み替えるものとする。 (特例民法法人の合併の時期等) 第七十二条 特例民法法人の合併は、合併存続特例民法法人の主たる事務所の所在地において一般社団・財団法人法第三百六条第一項の登記をすることによって、その効力を生ずる。 2 合併存続特例民法法人は、一般社団・財団法人法第三百六条第一項の登記をしたときは、遅滞なく、当該合併存続特例民法法人の登記事項証明書を添付して合併前旧主務官庁及び合併後旧主務官庁にその旨を届け出なければならない。 (特例民法法人の合併に関する特則) 第七十三条 特例民法法人の合併については、一般社団・財団法人法第二百四十五条第一項、第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項並びに第二百五十三条第一項及び第二項中「効力発生日」とあるのは「吸収合併の登記の日」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十一条第二項及び第二百五十三条第一項中「法務省令」とあるのは「政令」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第二項及び第二百五十条第二項中「次に掲げる日のいずれか早い日」とあるのは「次に掲げる日」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第二項第一号中「次条」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「整備法」という。)第六十七条第一項」と、同項第二号中「にあっては、次条」とあるのは「のうち、評議員を置かないものにあっては整備法第六十七条第二項の規定により吸収合併契約の承認を受ける日の二週間前の日、評議員を置くものにあっては同条第三項」と、同条第三項中「いつでも」とあるのは「いつでも(債権者にあっては、整備法第七十条第四項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日からに限る。)」と、一般社団・財団法人法第二百五十条第二項第一号中「次条第一項」とあるのは「整備法第六十七条第一項」と、同項第二号中「にあっては、次条第一項」とあるのは「のうち、評議員を置かないものにあっては整備法第六十七条第二項の規定により吸収合併契約の承認を受ける日の二週間前の日、評議員を置くものにあっては同条第三項」と、同条第三項中「いつでも」とあるのは「いつでも(債権者にあっては、整備法第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条第四項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日からに限る。)」と、一般社団・財団法人法第二百五十一条第二項中「前項」とあるのは「整備法第六十七条第一項又は第三項」とする。 (解散命令に関する規定の適用除外) 第七十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第一節の規定は、適用しない。 (訴訟に関する規定の適用除外) 第七十五条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第二節(吸収合併の無効の訴えに係る部分を除く。)の規定は、適用しない。 (非訟事件に関する経過措置) 第七十六条 施行日前に申立てがあった第百五十三条の規定による改正前の非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の規定による非訟事件(清算に関する事件を除く。次項において同じ。)の手続については、なお従前の例による。 2 この節の規定によりなお従前の例によることとされる場合における非訟事件の手続についても、前項と同様とする。 (登記に関する経過措置) 第七十七条 旧民法の規定による旧社団法人及び旧財団法人の登記は、一般社団・財団法人法の相当規定(次条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)による特例民法法人の登記とみなす。 2 この法律の施行の際現にされている特例民法法人の登記(旧民法第四十六条第一項第四号に掲げる事項に限る。)については、なお従前の例による。 3 特例社団法人が一般社団・財団法人法第七十七条第三項の規定により代表理事を定め、又は理事会を置く旨の定款の変更をするまでの間における当該特例社団法人の登記については、一般社団・財団法人法第三百一条第二項第五号中「氏名」とあるのは、「氏名及び住所」とし、同項第六号の規定は、適用しない。 4 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例社団法人(理事会設置特例社団法人及び会計監査人設置特例社団法人を除く。)については、一般社団・財団法人法第三百一条第二項第八号の規定は、適用しない。 5 特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。)の登記については、一般社団・財団法人法第三百二条第二項第五号中「評議員、理事及び監事の氏名」とあるのは、「理事の氏名及び住所」とし、同項第六号の規定は、適用しない。 6 第六十五条第一項の規定にかかわらず、特例民法法人の解散及び清算に関する登記の登記事項(施行日前に解散をした場合にあっては清算結了の旨を除き、施行日前に清算人の登記をした場合にあっては清算人及び代表清算人の氏名及び住所並びに監事を置く旨を除く。)については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (登記に関する特則) 第七十八条 特例民法法人の登記については、一般社団・財団法人法第三百六条第一項中「その効力が生じた日」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この項において「整備法」という。)第七十条の規定による手続が終了した日又は整備法第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条の規定による手続が終了した日のいずれか遅い日」とする。 (公告に関する規定の適用除外) 第七十九条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第五節の規定は、適用しない。 第二目 特例社団法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (定款の記載等に関する経過措置) 第八十条 旧社団法人の定款における旧民法第三十七条第一号から第三号まで及び第六号に掲げる事項(同条第三号に掲げる事項にあっては、主たる事務所に係る部分に限る。)の記載は、それぞれ第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款における一般社団・財団法人法第十一条第一項第一号から第三号まで及び第五号に掲げる事項の記載とみなす。 2 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第十一条第一項第六号及び第七号の規定は、適用しない。 3 旧社団法人の定款における理事会又は会計監査人を置く旨の定めは、それぞれ一般社団・財団法人法に規定する理事会又は会計監査人を置く旨の定めとしての効力を有しない。 4 旧社団法人の定款における監事を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する監事を置く旨の定めとみなす。 5 社員総会の決議によって監事を置く旧社団法人の定款には、監事を置く旨の定めがあるものとみなす。 (定款の備置き及び閲覧に関する規定の適用除外) 第八十一条 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第十四条の規定は、適用しない。 (社員名簿に関する経過措置) 第八十二条 旧社団法人の社員名簿は、一般社団・財団法人法第三十一条に規定する社員名簿とみなす。 2 特例社団法人の社員名簿の記載又は記録事項及び閲覧については、なお従前の例による。 3 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第三十三条及び第三十四条の規定は、適用しない。 (社員総会の権限及び手続に関する経過措置) 第八十三条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会に相当する第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会の権限及び手続については、なお従前の例による。 (社員総会の決議に関する経過措置) 第八十四条 施行日前に旧社団法人の社員総会が旧民法の規定に基づいてした決議は、当該決議があった日に、第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (社員の議決権等に関する経過措置) 第八十五条 特例社団法人の社員の議決権、社員総会の決議及び議決権の行使(電磁的方法により行使する場合を除く。)については、なお従前の例による。 ただし、理事会設置特例社団法人については、一般社団・財団法人法第四十九条第三項の規定を適用する。 (社員総会の権限等に関する特則) 第八十六条 特例社団法人の社員総会の権限、招集、理事等の説明義務及び決議の省略については、一般社団・財団法人法第三十五条第一項、第二項及び第四項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、同条第一項及び第二項中「及び」とあるのは「並びに」と、一般社団・財団法人法第三十六条第一項中「毎事業年度の終了後一定の時期に」とあるのは「少なくとも毎年一回」と、一般社団・財団法人法第三十七条第一項中「議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する」とあるのは「五分の一(これと異なる割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の」と、「事項及び招集の理由」とあるのは「事項」と、一般社団・財団法人法第三十九条第一項中「一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前」とあるのは「五日前」と、「対して」とあるのは「対して、定款で定めた方法に従って」と、同条第四項中「前条第一項各号」とあるのは「前条第一項第一号、第二号及び第四号」と、一般社団・財団法人法第五十三条中「理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)」とあるのは「理事会若しくは会計監査人を置く特例社団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十二条第一項に規定する特例社団法人をいう。以下この条において同じ。)又は施行日以後に監事を置いた特例社団法人の理事及び監事」と、一般社団・財団法人法第五十八条第一項中「理事又は社員」とあるのは「理事」とする。 2 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第三十七条第二項、第三十八条第一項第三号及び第五号、第四十三条から第四十七条まで、第五十五条並びに第五十七条の規定は、適用しない。 (基金を引き受ける者の募集に関する特則) 第八十七条 特例社団法人の基金を引き受ける者の募集については、一般社団・財団法人法第百三十一条中「次に掲げる事項」とあるのは、「次に掲げる事項及び事業年度」とする。 2 一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集をした特例社団法人は、第五十九条の規定にかかわらず、当該募集をした日の属する事業年度以降の各事業年度に係る一般社団・財団法人法第百二十三条第二項の貸借対照表及びその附属明細書を作成しなければならない。 3 前項の規定により作成された貸借対照表及びその附属明細書については、第五十九条の規定にかかわらず、一般社団・財団法人法第百二十四条から第百二十七条まで及び第百二十九条の規定を適用する。 4 第二項の規定により貸借対照表及びその附属明細書を作成した特例社団法人は、第六十条第一項の貸借対照表及びその附属明細書を作成することを要しない。 (定款の変更に関する経過措置) 第八十八条 特例社団法人の定款の変更については、なお従前の例による。 第三目 特例財団法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (定款の記載等に関する経過措置) 第八十九条 旧財団法人の寄附行為における旧民法第三十七条第一号から第三号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、主たる事務所に係る部分に限る。)の記載は、それぞれ第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般財団法人の定款における一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第一号から第三号までに掲げる事項の記載とみなす。 2 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第八号から第十号までの規定は、適用しない。 3 前項の規定にかかわらず、評議員設置特例財団法人は、一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第八号に掲げる事項を定款で定めなければならない。 4 旧財団法人の寄附行為における評議員、評議員会、理事会又は会計監査人を置く旨の定めは、それぞれ一般社団・財団法人法に規定する評議員、評議員会、理事会又は会計監査人を置く旨の定めとしての効力を有しない。 5 旧財団法人の寄附行為における監事を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する監事を置く旨の定めとみなす。 6 旧財団法人の寄附行為における基本財産に関する定めは、一般社団・財団法人法第百七十二条第二項の基本財産に関する定めとしての効力を有しない。 7 特例財団法人の定款の記載については、一般社団・財団法人法第百五十四条中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、「及び」とあるのは「並びに」とする。 (定款の備置き及び閲覧に関する規定の適用除外) 第九十条 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百五十六条の規定は、適用しない。 (機関の設置に関する特則) 第九十一条 一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する一般社団・財団法人法第六十五条第三項の規定にかかわらず、理事会を置かない特例財団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。 2 監事を置いていない特例財団法人は、評議員、評議員会、理事会及び監事を置く定款の変更をすることができる。 3 監事を置いている特例財団法人は、評議員、評議員会及び理事会を置く定款の変更をすることができる。 4 会計監査人を置く特例財団法人は、前二項の規定による定款の変更により評議員、評議員会、理事会及び監事を置くものでなければならない。 5 第二項又は第三項の規定により変更した定款の定めは、これを変更することができない。 6 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百七十条第一項の規定は、適用しない。 (最初の評議員の選任に関する特則) 第九十二条 特例財団法人が最初の評議員を選任するには、旧主務官庁の認可を受けて理事が定めるところによる。 (評議員会の権限等に関する特則) 第九十三条 特例財団法人の評議員会の権限については、一般社団・財団法人法第百七十八条第二項及び第三項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、同条第二項中「及び」とあるのは「並びに」とする。 2 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百八十条第二項、第百八十七条及び第百八十八条の規定は、適用しない。 (定款の変更に関する経過措置) 第九十四条 特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。次項及び第三項において同じ。)については、一般社団・財団法人法第二百条の規定は、適用しない。 2 その定款に定款の変更に関する定めがある特例財団法人は、当該定めに従い、定款の変更をすることができる。 3 その定款に定款の変更に関する定めがない特例財団法人は、理事(清算中の特例財団法人にあっては、清算人)の定めるところにより、定款の変更に関する定めを設ける定款の変更をすることができる。 4 評議員設置特例財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の」とあるのは「旨を」と、「前項ただし書に」とあるのは「同項ただし書に」とする。 5 評議員設置特例財団法人については、一般社団・財団法人法第二百条第三項の規定は、適用しない。 6 特例財団法人の定款の変更は、旧主務官庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。 第三款 特例民法法人の業務の監督 (特例民法法人の業務の監督に関する経過措置) 第九十五条 特例民法法人の業務の監督(設立の許可の取消し及び解散の命令に係るものを除き、定款の変更の認可、解散した特例民法法人の財産の処分の許可、解散及び清算人に係る届出並びに清算結了の届出に係るものを含む。)については、なお従前の例による。 (解散命令) 第九十六条 前条の規定によりなお従前の例により特例民法法人の業務の監督を行う行政機関(以下この節において「旧主務官庁」という。)は、特例民法法人がその目的以外の事業をし、若しくは設立の許可若しくは旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた条件若しくは旧主務官庁の監督上の命令に違反し、その他公益を害すべき行為をした場合又は特例民法法人が移行期間の満了の日までに第百九条第一項の規定により第四十四条の認定を取り消された場合若しくは第百三十一条第一項の規定若しくは同条第二項において読み替えて準用する第百九条第一項の規定により第四十五条の認可を取り消された場合において、必要があると認めるときは、当該特例民法法人に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 2 旧主務官庁は、特例民法法人が前項の規定による命令に違反した場合又は当該命令をしてもその改善を期待することができないことが明らかな場合であって、他の方法により監督の目的を達することができないときは、当該特例民法法人の解散を命ずることができる。 特例民法法人が正当な理由がないのに引き続き三年(施行日前の期間を含む。)以上その事業を休止したときも、同様とする。 3 前項の規定による命令を行おうとする場合において理事が欠けているとき又はその所在が知れないときは、旧主務官庁は、当該命令の通知に代えてその要旨を官報に掲載することができる。 4 前項の場合においては、当該命令は、官報に掲載した日から二十日を経過した日にその効力を生ずる。 (解散の登記の嘱託) 第九十七条 旧主務官庁は、前条第二項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、当該特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 第四款 公益社団法人又は公益財団法人への移行 (公益法人認定法による公益認定の申請の制限) 第九十八条 特例民法法人は、公益法人認定法第七条の規定による公益認定の申請をすることができない。 (移行の認定の申請) 第九十九条 公益目的事業を行う特例民法法人は、第四十四条の認定の申請をすることができる。 2 第四十五条の認可の申請をした特例民法法人は、同条の認可をしない処分を受けた後でなければ、前項の申請をすることができない。 (認定の基準) 第百条 行政庁は、第四十四条の認定の申請をした特例民法法人(以下この款及び第百三十三条第二項において「認定申請法人」という。)が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該認定申請法人について第四十四条の認定をするものとする。 一 第百三条第二項第二号の定款の変更の案の内容が一般社団・財団法人法及び公益法人認定法並びにこれらに基づく命令の規定に適合するものであること。 二 公益法人認定法第五条各号に掲げる基準に適合するものであること。 (欠格事由) 第百一条 公益法人認定法第六条(第一号イ及び第二号を除く。)の規定は、第四十四条の認定について準用する。 2 第九十五条の規定によりなお従前の例によることとされる旧主務官庁の監督上の命令に違反している特例民法法人は、第四十四条の認定を受けることができない。 (定款の変更に関する特則) 第百二条 第四十四条の認定を受けようとする特例民法法人が第百六条第一項の登記をすることを停止条件としてしたその種類に従いその名称中に公益社団法人又は公益財団法人という文字を用いることとする定款の変更及び第百条各号に掲げる基準に適合するものとするために必要な定款の変更については、旧主務官庁の認可を要しない。 (認定の申請手続) 第百三条 第四十四条の認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、公益法人認定法第七条第一項各号に掲げる事項を記載した申請書を、行政庁に提出してしなければならない。 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 公益法人認定法第七条第二項第一号から第五号までに掲げる書類 二 定款の変更の案(認定申請法人において定款の変更について必要な手続を経ているものに限る。) 三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 (認定に関する意見聴取) 第百四条 公益法人認定法第八条の規定は、行政庁が第四十四条の認定をしようとする場合について準用する。 この場合において、公益法人認定法第八条第一号中「第六条第三号及び第四号」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第百一条第一項において準用する第六条第四号」と、同条第二号中「第六条第一号ニ」とあるのは「整備法第百一条第一項において準用する第六条第一号ニ」と、同条第三号中「第六条第五号」とあるのは「整備法第百一条第一項において準用する第六条第五号」と読み替えるものとする。 2 行政庁は、第四十四条の認定をしようとするときは、第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条第三号の規定及び第百一条第二項に規定する事由の有無について、旧主務官庁の意見を聴くものとする。 (旧主務官庁への通知) 第百五条 行政庁は、第百三条第一項の申請書の提出を受け、又は第四十四条の認定をし、若しくはしない処分をしたときは、直ちに、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 (移行の登記) 第百六条 特例民法法人が第四十四条の認定を受けたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、当該特例民法法人については解散の登記をし、名称の変更後の公益法人(公益法人認定法第二条第三号に規定する公益法人をいう。以下この章において同じ。)については設立の登記をしなければならない。 この場合においては、一般社団・財団法人法第三百三条の規定は、適用しない。 2 第四十四条の認定を受けた特例民法法人は、前項の規定により解散の登記及び設立の登記をしたときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、行政庁及び旧主務官庁に、その旨を届け出なければならない。 (特例民法法人の公益法人への移行) 第百七条 第四十四条の認定を受けた特例民法法人については、同条の認定を公益法人認定法第四条の認定とみなして、前条第一項の登記をした日以後、公益法人認定法の規定(公益法人認定法第九条第一項及び第二項を除く。)を適用する。 (認定の公示等) 第百八条 行政庁は、第百六条第二項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 2 行政庁は、前項に規定する場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、旧主務官庁から事務の引継ぎを受けなければならない。 (登記を怠ることによる認定の取消し) 第百九条 行政庁は、第四十四条の認定を受けた特例民法法人が、当該認定を受けた日から起算して三十日を経過しても第百六条第二項の規定による届出をしない場合において、行政庁が相当の期間を定めて同条第一項の登記をすべき旨を催告したにもかかわらず、当該登記をしないときは、その認定を取り消さなければならない。 2 行政庁は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 3 公益法人認定法第二十九条第四項の規定は、第一項の規定による認定の取消しについて準用する。 4 移行期間の満了の日後に第一項の規定により第四十四条の認定を取り消す処分の通知を受けた特例民法法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 5 前項の場合において、旧主務官庁は、第二項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、前項の処分を受けた特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (移行期間満了後の認定をしない処分) 第百十条 移行期間の満了の日後に第四十四条の認定をしない処分の通知を受けた認定申請法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 2 前項の場合において、旧主務官庁は、第百五条の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、同項の処分を受けた認定申請法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (計算書類等の作成等に関する経過措置) 第百十一条 第百六条第一項の登記をした公益法人が、当該登記をした日前に、第六十条第一項の規定に基づいて作成した計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第六十一条の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)は、その作成の日に、当該法人が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 2 第百六条第一項の登記をした日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の作成の方法については、第六十条第一項の内閣府令で定めるところによる。 3 第六十一条、第六十二条及び第一項の規定は、前項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書について準用する。 4 一般社団・財団法人法第百二十八条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなされた貸借対照表(第百六条第一項の登記をした法人が一般社団・財団法人法第二条第二号の大規模一般社団法人又は同条第三号の大規模一般財団法人である場合にあっては、貸借対照表及び損益計算書)については、適用しない。 (移行の登記をした公益財団法人に関する経過措置) 第百十二条 第百六条第一項の登記をした公益財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたとき」とあるのは「旨を一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(次項において「整備法」という。)第百六条第一項の登記の日以前に定款で定めているとき」と、同条第三項中「その設立の」とあるのは「整備法第百六条第一項の登記をした」とする。 2 一般社団・財団法人法第二百二条第二項の規定は、第百六条第一項の登記をした公益財団法人については、当該登記をした日の属する事業年度から適用する。 (公益目的事業財産等に関する特則) 第百十三条 第百六条第一項の登記をした公益法人については、公益法人認定法第十八条第一号から第四号まで及び第七号並びに第二十一条第一項及び第二項中「公益認定を受けた日」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第百六条第一項の登記をした日」と、同条第一項及び第二項中「公益認定を受けた後」とあるのは「登記をした日以後」とする。 (認定の取消し等に伴う贈与に関する特則) 第百十四条 第百六条第一項の登記をした公益法人については、公益法人認定法第三十条第二項各号中「公益認定を受けた日」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第百六条第一項の登記をした日」とする。 第五款 通常の一般社団法人又は一般財団法人への移行 (移行の認可の申請) 第百十五条 特例民法法人は、第四十五条の認可の申請をすることができる。 2 第四十四条の認定の申請をした特例民法法人は、同条の認定をしない処分を受けた後でなければ、前項の申請をすることができない。 (移行期間満了後における認可の申請の特例) 第百十六条 前条第二項の規定にかかわらず、第四十四条の認定の申請をした特例民法法人は、移行期間の満了の日後において当該申請に対する処分がされていないときに限り、第四十五条の認可の申請をすることができる。 2 前項の規定により第四十五条の認可の申請があった場合において、第四十四条の認定をする処分があったときは、当該申請は、取り下げられたものとみなす。 3 第一項の規定により第四十五条の認可の申請を受けた行政庁は、第四十四条の認定の申請の取下げがあった後又は同条の認定をしない処分をした後遅滞なく、第四十五条の認可の申請に対する審査を開始しなければならない。 4 第一項の規定により第四十五条の認可の申請をした特例民法法人については、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定は、適用しない。 一 第四十四条の認定の申請を取り下げた場合 第四十六条第一項本文 二 第四十四条の認定をしない処分の通知を受けた場合 第百十条第一項 (認可の基準) 第百十七条 行政庁は、第四十五条の認可の申請をした特例民法法人(以下この款において「認可申請法人」という。)が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該認可申請法人について同条の認可をするものとする。 一 第百二十条第二項第二号の定款の変更の案の内容が一般社団・財団法人法及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。 二 第百十九条第一項に規定する公益目的財産額が内閣府令で定める額を超える認可申請法人にあっては、同項に規定する公益目的支出計画が適正であり、かつ、当該認可申請法人が当該公益目的支出計画を確実に実施すると見込まれるものであること。 (定款の変更に関する特則) 第百十八条 第百二条の規定は、第四十五条の認可を受けようとする特例民法法人の定款の変更について準用する。 この場合において、第百二条中「第百六条第一項」とあるのは「第百二十一条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項」と、「公益社団法人又は公益財団法人」とあるのは「一般社団法人又は一般財団法人」と、「第百条各号」とあるのは「第百十七条各号」と読み替えるものとする。 (公益目的支出計画の作成) 第百十九条 第四十五条の認可を受けようとする特例民法法人は、当該認可を受けたときに解散するものとした場合において旧民法第七十二条の規定によれば当該特例民法法人の目的に類似する目的のために処分し、又は国庫に帰属すべきものとされる残余財産の額に相当するものとして当該特例民法法人の貸借対照表上の純資産額を基礎として内閣府令で定めるところにより算定した額が内閣府令で定める額を超える場合には、内閣府令で定めるところにより、当該算定した額(以下この款において「公益目的財産額」という。)に相当する金額を公益の目的のために支出することにより零とするための計画(以下この款において「公益目的支出計画」という。)を作成しなければならない。 2 公益目的支出計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 公益の目的のための次に掲げる支出 イ 公益目的事業のための支出 ロ 公益法人認定法第五条第十七号に規定する者に対する寄附 ハ 第四十五条の認可を受けた後も継続して行う不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する目的に関する事業のための支出(イに掲げるものを除く。)その他の内閣府令で定める支出 二 公益目的財産額に相当する金額から前号の支出の額(当該支出をした事業に係る収入があるときは、内閣府令で定めるところにより、これを控除した額に限る。)を控除して得た額(以下この款において「公益目的財産残額」という。)が零となるまでの各事業年度ごとの同号の支出に関する計画 三 前号に掲げるもののほか、第一号の支出を確保するために必要な事項として内閣府令で定める事項 (認可の申請手続等) 第百二十条 第四十五条の認可の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。 一 名称及び代表者の氏名 二 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 定款 二 定款の変更の案(認可申請法人において定款の変更について必要な手続を経ているものに限る。) 三 公益目的財産額及びその計算を記載した内閣府令で定める書類 四 財産目録、貸借対照表その他の認可申請法人の財務内容を示す書類として内閣府令で定めるもの 五 前条第一項の規定により公益目的支出計画を作成しなければならない認可申請法人にあっては、公益目的支出計画を記載した書類 六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 前項の規定にかかわらず、第四十五条の認可の申請が第百十六条第一項の規定によりされたものである場合には、第一項の申請書には、内閣府令で定める書類の添付を省略することができる。 4 行政庁は、認可申請法人が作成した公益目的支出計画が第百十七条第二号に掲げる基準に適合するかどうかを判断するために必要な場合には、当該認可申請法人の事業活動の内容について、旧主務官庁の意見を聴くものとする。 5 行政庁は、第一項の申請書の提出を受け、又は第四十五条の認可をし、若しくはしない処分をしたときは、直ちに、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 (認定に関する規定の準用) 第百二十一条 第百六条の規定は、第四十五条の認可を受けた場合の登記について準用する。 この場合において、第百六条第一項中「公益法人(公益法人認定法第二条第三号に規定する公益法人をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは、「一般社団法人又は一般財団法人」と読み替えるものとする。 2 第百十条の規定は、移行期間の満了の日後に第四十五条の認可をしない処分の通知を受けた認可申請法人について準用する。 この場合において、第百十条第二項中「第百五条」とあるのは、「第百二十条第五項」と読み替えるものとする。 3 第百十一条の規定は、第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般社団法人及び一般財団法人について準用する。 (移行の登記をした一般財団法人に関する経過措置) 第百二十二条 前条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたとき」とあるのは「旨を一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第百二十一条第一項において読み替えて準用する整備法第百六条第一項の登記の日以前に定款で定めているとき」と、同条第三項中「その設立の」とあるのは「整備法第百二十一条第一項において読み替えて準用する整備法第百六条第一項の登記をした」とする。 2 一般社団・財団法人法第二百二条第二項の規定は、前条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般財団法人については、当該登記をした日の属する事業年度から適用する。 (移行法人の義務等) 第百二十三条 第百二十一条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般社団法人又は一般財団法人であってその作成した公益目的支出計画の実施について次条の確認を受けていないもの(以下この節において「移行法人」という。)は、同条の確認を受けるまで、公益目的支出計画(第百二十五条第一項の変更の認可を受けたときは、その変更後のもの。以下この款において同じ。)に定めたところに従って第百十九条第二項第一号の支出をしなければならない。 2 第四十五条の認可をした行政庁(以下この節において「認可行政庁」という。)は、移行法人の公益目的支出計画の履行を確保するために必要な範囲内において、移行法人を監督するものとする。 (公益目的支出計画の実施が完了したことの確認) 第百二十四条 移行法人は、第百十九条第二項第一号の支出により公益目的財産残額が零となったときは、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁に公益目的支出計画の実施が完了したことの確認を求めることができる。 (公益目的支出計画の変更の認可等) 第百二十五条 移行法人は、公益目的支出計画の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁の認可を受けなければならない。 2 第百十七条(第二号に係る部分に限る。)の規定は、前項の変更の認可について準用する。 3 移行法人は、次に掲げる場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を認可行政庁に届け出なければならない。 一 名称若しくは住所又は代表者の氏名を変更したとき。 二 公益目的支出計画について第一項の内閣府令で定める軽微な変更をしたとき。 三 定款で残余財産の帰属に関する事項を定めたとき又はこれを変更したとき。 四 定款で移行法人の存続期間若しくは解散の事由を定めたとき又はこれらを変更したとき。 五 解散(合併による解散を除く。)をしたとき。 (合併をした場合の届出等) 第百二十六条 移行法人が合併をした場合には、合併後存続する法人(公益法人を除く。以下この項、次項及び第四項において同じ。)又は合併により設立する法人(公益法人を除く。次項から第四項までにおいて同じ。)は、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる合併の場合の区分に応じ、当該各号に定める認可行政庁に合併をした旨を届け出なければならない。 一 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が移行法人であるとき 当該移行法人に係る認可行政庁及び合併により消滅する移行法人がある場合にあっては、当該移行法人に係る認可行政庁 二 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が移行法人以外の法人であるとき 合併により消滅する移行法人に係る認可行政庁 三 移行法人が新設合併をした場合 合併により消滅する移行法人に係る認可行政庁 2 前項の規定による届出には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 合併後存続する法人又は合併により設立する法人の定款 二 合併をする移行法人の最終事業年度(一般社団法人である移行法人にあっては一般社団・財団法人法第二条第二号に規定する最終事業年度をいい、一般財団法人である移行法人にあっては同条第三号に規定する最終事業年度をいう。次号において同じ。)に係る貸借対照表その他の財務内容を示す書類として内閣府令で定めるもの 三 合併をする移行法人の最終事業年度に係る次条第一項に規定する公益目的支出計画実施報告書 四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 第一項第二号又は第三号に掲げる場合における同項の規定による届出をした一般社団法人又は一般財団法人は、同項第二号に掲げる場合にあっては当該吸収合併がその効力を生ずる日以後、同項第三号に掲げる場合にあっては合併により設立する法人の成立の日以後、同項第二号又は第三号に定める認可行政庁(認可行政庁が二以上あるときは、これらの認可行政庁が内閣府令で定めるところにより協議して定める一の認可行政庁)を認可行政庁とする移行法人とみなして、第百二十三条から第百三十条まで及び第百三十二条の規定を適用する。 4 移行法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人についての公益目的財産額は、合併をする移行法人の公益目的財産額の合計額とする。 5 次の各号に掲げる場合にあっては、合併により消滅する移行法人は、当該各号に定める日において第百二十四条の確認を受けたものとみなす。 一 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が公益法人であるとき 当該吸収合併がその効力を生ずる日 二 移行法人が新設合併をした場合であって合併により設立する法人が公益法人であるとき 当該新設合併により設立する法人の成立の日 6 前項の場合には、合併後存続する公益法人又は合併により設立する公益法人は、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、当該合併により消滅した移行法人が第百二十四条の確認を受けたものとみなされた旨を当該移行法人に係る従前の認可行政庁に届け出なければならない。 (公益目的支出計画実施報告書の作成及び提出等) 第百二十七条 移行法人は、各事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、公益目的支出計画の実施の状況を明らかにする書類(以下この節において「公益目的支出計画実施報告書」という。)を作成しなければならない。 2 一般社団・財団法人法第百二十三条第三項及び第四項、第百二十四条第一項及び第三項、第百二十五条並びに第百二十六条第一項及び第三項(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、移行法人の公益目的支出計画実施報告書について準用する。 この場合において、一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第百二十五条中「法務省令」とあるのは、「内閣府令」と読み替えるものとする。 3 移行法人は、毎事業年度の経過後三箇月以内に、当該事業年度の一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書を認可行政庁に提出しなければならない。 4 認可行政庁は、移行法人から提出を受けた公益目的支出計画実施報告書について閲覧又は謄写の請求があった場合には、内閣府令で定めるところにより、その閲覧又は謄写をさせなければならない。 5 移行法人は、次の各号に掲げる移行法人の区分に応じ、公益目的支出計画実施報告書を、当該各号に定める日から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 一 一般社団法人である移行法人 定時社員総会の日の一週間(理事会を置く移行法人にあっては、二週間)前の日(一般社団・財団法人法第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である移行法人 定時評議員会の日の二週間前の日(一般社団・財団法人法第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 6 何人も、移行法人の業務時間内は、いつでも、公益目的支出計画実施報告書について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該移行法人は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。 一 公益目的支出計画実施報告書が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 公益目的支出計画実施報告書が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 (報告及び検査) 第百二十八条 認可行政庁は、移行法人が次のいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由があるときは、この款の規定の施行に必要な限度において、移行法人に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告を求め、又はその職員に、当該移行法人の事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 一 正当な理由がなく、第百十九条第二項第一号の支出をしないこと。 二 各事業年度ごとの第百十九条第二項第一号の支出が、公益目的支出計画に定めた支出に比して著しく少ないこと。 三 公益目的財産残額に比して当該移行法人の貸借対照表上の純資産額が著しく少ないにもかかわらず、第百二十五条第一項の変更の認可を受けず、将来における公益目的支出計画の実施に支障が生ずるおそれがあること。 2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (勧告及び命令) 第百二十九条 認可行政庁は、移行法人が前条第一項各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該移行法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。 2 認可行政庁は、前項の勧告を受けた移行法人が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該移行法人に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 (移行法人の清算時の残余財産の帰属の制限) 第百三十条 移行法人が清算をする場合において、公益目的財産残額があるときは、当該移行法人の残余財産のうち当該公益目的財産残額に相当する額の財産(当該残余財産の額が当該公益目的財産残額を下回っているときは、当該残余財産)については、一般社団・財団法人法第二百三十九条の規定にかかわらず、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁の承認を受けて、公益法人認定法第五条第十七号に規定する者に帰属させなければならない。 (認可の取消し) 第百三十一条 認可行政庁は、第四十五条の認可を受けた認可申請法人が、偽りその他不正の手段により当該認可を受けたときは、その認可を取り消さなければならない。 この場合において、同条の認可を取り消す処分を受けた当該認可申請法人は、特例民法法人とみなす。 2 第百九条第一項の規定は、第四十五条の認可を受けた特例民法法人について準用する。 この場合において、同項中「第百六条第二項」とあるのは、「第百二十一条第一項において準用する第百六条第二項」と読み替えるものとする。 3 第百九条第二項の規定は、第一項の規定又は前項において読み替えて準用する同条第一項の規定により認可を取り消した場合について準用する。 4 移行期間の満了の日後に第一項の規定又は第二項において読み替えて準用する第百九条第一項の規定により第四十五条の認可を取り消す処分の通知を受けた特例民法法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 5 第百九条第五項の規定は、旧主務官庁が第三項において準用する同条第二項の規定による通知を受けた場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「前項」とあるのは、「第百三十一条第四項」と読み替えるものとする。 (移行法人が公益法人の認定を受けた場合の特則) 第百三十二条 移行法人が公益法人認定法第四条の認定を受けた場合には、当該認定を受けた日において第百二十四条の確認を受けたものとみなす。 2 前項の場合には、公益法人認定法第四条の認定を受けた公益法人は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、第百二十四条の確認を受けたものとみなされた旨を従前の認可行政庁に届け出なければならない。 第六款 雑則 (委員会への諮問等) 第百三十三条 公益法人認定法第三十二条第一項に規定する公益認定等委員会(以下この款において「委員会」という。)は、公益法人認定法の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、この款の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。 2 内閣総理大臣は、第四十四条の認定の申請に対する処分をしようとする場合(認定申請法人が第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条各号(第一号イ及び第二号を除く。)のいずれかに該当するものである場合及び第百一条第二項に規定するものである場合並びに行政手続法(平成五年法律第八十八号)第七条の規定に基づき当該認定を拒否する場合を除く。)には、第百四条第一項において読み替えて準用する公益法人認定法第八条の規定による同条第一号に規定する許認可等行政機関の意見(第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条第四号に該当する事由の有無に係るものを除く。)を付して、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 3 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 第四十五条の認可の申請又は第百二十五条第一項の変更の認可の申請に対する処分をしようとする場合(行政手続法第七条の規定に基づきこれらの認可を拒否する場合を除く。) 二 第百二十九条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消しをしようとする場合(次に掲げる場合を除く。) イ 第百二十五条第三項若しくは第百二十六条第一項の規定による届出又は第百二十七条第三項の規定による計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書の提出をしなかったことを理由としてこれらの処分をしようとする場合 ロ 第百三十六条第一項の勧告に基づいてこれらの処分をしようとする場合 三 第百三十八条第二項において読み替えて準用する前項ただし書、この項ただし書及び次項ただし書の政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合並びに第六十条第一項、第百三条第一項及び第二項第三号、第百十七条第二号、第百十九条第一項並びに第二項第一号ハ、第二号及び第三号、第百二十条第一項、第二項第三号、第四号及び第六号並びに第三項、第百二十五条第一項(軽微な変更を定める内閣府令に係る部分を除く。)及び第三項(第二号を除く。)、第百二十六条第一項並びに第二項第二号及び第四号、第百二十七条第一項、同条第二項において読み替えて準用する一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第百二十五条、次条及び第百三十九条において準用する公益法人認定法第四十四条第一項並びに第百三十六条第二項(第百四十一条において準用する場合を含む。)の内閣府令の制定又は改廃をしようとする場合 4 内閣総理大臣は、第二項若しくは前項第一号に規定する処分又は同項第二号に規定する命令若しくは認可の取消しについての審査請求に対する裁決をしようとする場合には、次に掲げる場合を除き、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 審査請求が不適法であるとして却下する場合 二 審査請求をした特例民法法人が第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条各号のいずれかに該当するものである場合又は第百一条第二項に規定するものである場合 三 前項第二号イに規定する理由による処分についての審査請求である場合 (答申の公表等) 第百三十四条 公益法人認定法第四十四条の規定は、前条第二項から第四項までの規定による諮問に対する答申について準用する。 (内閣総理大臣による送付等) 第百三十五条 内閣総理大臣は、第百二十五条第三項、第百二十六条第一項若しくは第六項又は第百三十二条第二項の規定による届出に係る書類の写し並びに第百二十七条第三項の規定により提出を受けた計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書の写しを委員会に送付しなければならない。 2 内閣総理大臣は、委員会に諮問しないで次に掲げる措置を講じたときは、その旨を委員会に通知しなければならない。 一 第四十四条の認定の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 二 第四十五条の認可の申請又は第百二十五条第一項の変更の認可の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 三 第百二十九条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消し(次条第一項の勧告に基づく命令又は認可の取消しを除く。) 四 第百三十三条第三項第三号の政令の制定又は改廃の立案及び同号の内閣府令の制定又は改廃 五 第百三十三条第四項に規定する審査請求に対する裁決(審査請求が不適法であることによる却下の裁決を除く。) (委員会による勧告等) 第百三十六条 委員会は、前条第一項若しくは第二項(第一号及び第四号を除く。)の場合又は第百四十三条第一項の規定に基づき第百二十八条第一項の規定による報告の徴収、検査若しくは質問を行った場合には、移行法人が第百十七条第二号に掲げる基準に適合するかどうかを審査し、必要があると認めるときは、第百二十九条第一項の勧告若しくは同条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消しその他の措置をとることについて内閣総理大臣に勧告をすることができる。 2 委員会は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該勧告の内容を公表しなければならない。 3 委員会は、第一項の勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 (資料提出その他の協力) 第百三十七条 公益法人認定法第四十七条の規定は、この款の規定により委員会の権限に属させられた事務を処理する場合について準用する。 (合議制の機関への諮問等) 第百三十八条 公益法人認定法第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この款において単に「合議制の機関」という。)は、同項の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、この款の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。 2 第百三十三条第二項、第三項(第三号を除く。)及び第四項の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第二項中「委員会に」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同条第三項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同項第二号ロ中「第百三十六条第一項」とあるのは「第百四十一条において読み替えて準用する第百三十六条第一項」と、同条第四項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と読み替えるものとする。 (答申の公表等) 第百三十九条 公益法人認定法第四十四条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第二項中「内閣総理大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (都道府県知事による通知等) 第百四十条 第百三十五条(第二項第四号を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「委員会」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同条第二項中「委員会」とあるのは「合議制の機関」と、同項第三号中「次条第一項」とあるのは「第百四十一条において読み替えて準用する次条第一項」と、同項第五号中「第百三十三条第四項」とあるのは「第百三十八条第二項において読み替えて準用する第百三十三条第四項」と読み替えるものとする。 (合議制の機関による勧告等) 第百四十一条 第百三十六条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第一項中「前条第一項若しくは第二項(第一号及び第四号を除く。)」とあるのは「第百四十条において読み替えて準用する前条第一項又は第二項(第一号を除く。)」と、「第百四十三条第一項の規定に基づき」とあるのは「第百四十三条第二項の規定により読み替えて適用する」と、同項及び同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (資料提出その他の協力) 第百四十二条 公益法人認定法第四十七条の規定はこの款の規定により合議制の機関の権限に属させられた事務を処理する場合について、公益法人認定法第五十六条の規定はこの節の規定の施行について、それぞれ準用する。 (権限の委任等) 第百四十三条 内閣総理大臣は、第百二十八条第一項の規定による権限を委員会に委任する。 2 認可行政庁が都道府県知事である場合には、第百二十八条第一項中「認可行政庁」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関」と、「その職員」とあるのは「その庶務をつかさどる職員」とする。 第七款 罰則 第百四十四条 次のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 一 偽りその他不正の手段により第四十四条の認定、第四十五条の認可又は第百二十五条第一項の変更の認可を受けた者 二 第百二十九条第二項の規定による命令に違反した者 第百四十五条 次のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第四十二条第三項の規定に違反して、公益社団法人又は公益財団法人という文字をその名称中に用いた者 二 第四十二条第四項の規定に違反して、公益財団法人又は公益社団法人という文字をその名称中に用いた者 第百四十六条 第百三条第一項の申請書若しくは同条第二項各号に掲げる書類又は第百二十条第一項の申請書若しくは同条第二項各号に掲げる書類に虚偽の記載をして提出した者は、三十万円以下の罰金に処する。 第百四十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 第百四十八条 特例民法法人の理事又は監事は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 一 第六十条第一項の規定に違反して、計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第七十条第二項(第七十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、財産目録等を備え置かず、又は財産目録等に虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 三 正当な理由がないのに、第七十条第三項各号(第七十一条において準用する場合を含む。)に掲げる請求を拒んだとき。 四 第七十条第四項又は第六項(これらの規定を第七十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 五 第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による登記をすることを怠ったとき。 第百四十九条 移行法人の理事、監事又は清算人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 一 第百二十七条第一項の規定に違反して、公益目的支出計画実施報告書に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第百二十七条第五項の規定に違反して、公益目的支出計画実施報告書を備え置かなかったとき。 三 正当な理由がないのに、第百二十七条第六項各号に掲げる請求を拒んだとき。 第百五十条 特例民法法人の理事又は監事は、第七十二条第二項又は第百六条第二項(第百二十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、五十万円以下の過料に処する。 第百五十一条 移行法人又は公益法人の理事、監事又は清算人は、次のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。 一 第百二十五条第三項、第百二十六条第一項若しくは第六項又は第百三十二条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第百二十七条第三項の規定に違反して、一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等又は公益目的支出計画実施報告書を提出せず、又はこれに虚偽の記載をして提出したとき。 三 第百二十八条第一項の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。 第百五十二条 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第四十二条第三項の規定に違反して、一般社団法人という文字をその名称中に用いた者 二 第四十二条第四項の規定に違反して、一般財団法人という文字をその名称中に用いた者 三 第四十二条第五項の規定に違反して、特例社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 四 第四十二条第六項の規定に違反して、特例財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 第六節 法人の登記に関する経過措置 (法人の登記) 第百五十四条 一般社団・財団法人法第六章第四節の規定は、この節に別段の定めがある場合を除き、施行日前に生じた事項にも適用する。 ただし、前条による改正前の非訟事件手続法(以下「旧非訟事件手続法」という。)の規定によって生じた効力を妨げない。 2 施行日前にした旧非訟事件手続法の規定又は旧非訟事件手続法第百二十四条において準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、この条に別段の定めがある場合を除き、一般社団・財団法人法の相当規定又は一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の相当規定によってしたものとみなす。 3 第四十三条第二項又は第四十八条第二項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における特例民法法人の設立又は理事に関する登記の申請その他の登記に関する手続については、なお従前の例による。 4 施行日前にされた登記の申請に係る登記に関する手続については、なお従前の例による。 5 施行日前に登記すべき事項が生じた場合における登記の申請書に添付すべき資料については、なお従前の例による。 6 特例財団法人が登記すべき事項につき第九十四条第二項の定めによる手続又は同条第三項により理事若しくは清算人の定める手続を要するときは、申請書にこれらの手続があったことを証する書面を添付しなければならない。 7 特例民法法人の合併による変更の登記については、一般社団・財団法人法第三百二十二条第二号中「第二百五十二条第二項」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条第四項」と、同号及び同条第五号中「催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)」とあるのは「催告」と、同条第四号中「第二百四十七条」とあるのは「整備法第六十七条」と、同条第五号中「第二百四十八条第二項」とあるのは「整備法第七十条第四項」とする。 (登記簿) 第百五十五条 この法律の施行の際現に登記所に備えられている旧非訟事件手続法第百十九条に規定する法人登記簿のうち、旧社団法人に係る部分及び旧財団法人に係る部分は、それぞれ一般社団・財団法人法第三百十六条に規定する一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿とみなす。 (法務大臣の指定) 第百五十六条 この法律の施行の際現に存する旧非訟事件手続法第百二十四条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定は、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定とみなす。 (移行の登記) 第百五十七条 第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の設立の登記においては、特例民法法人の成立の年月日、特例民法法人の名称並びに名称を変更した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (移行の登記の申請) 第百五十八条 前条の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 第四十四条の認定又は第四十五条の認可を受けたことを証する書面 二 定款 三 新たに選任する評議員、理事又は監事がいる場合は、第九十二条の認可を受けたことを証する書面及び当該者が就任を承諾したことを証する書面 四 前条の登記をする者が次のイ又はロに掲げるものである場合において、新たに選任する会計監査人がいるときは、当該イ又はロに定める書面 イ 特例社団法人 一般社団・財団法人法第三百十八条第二項第四号に掲げる書面 ロ 特例財団法人 一般社団・財団法人法第三百十九条第二項第六号に掲げる書面 第百五十九条 第四十四条の認定又は第四十五条の認可を受けた特例民法法人についての解散の登記の申請と名称の変更後の公益法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人についての設立の登記の申請とは、同時にしなければならない。 2 前項の解散の登記の申請については、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の申請書の添付書面に関する規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の登記の申請のいずれかにつき一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第二十四条各号のいずれかに掲げる事由があるときは、これらの申請を共に却下しなければならない。 (法務省令への委任) 第百六十条 第百五十四条から前条までに定めるもののほか、法人の登記に関する手続について必要な経過措置は、法務省令で定める。 第十三章 罰則に関する経過措置及び政令への委任 (罰則に関する経過措置) 第四百五十七条 施行日前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第四百五十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による法律の廃止又は改正に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第五十号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 抄 第一章 中間法人法の廃止、民法の一部改正等 第一節 中間法人法の廃止 第一条 中間法人法(平成十三年法律第四十九号)は、廃止する。 第二節 中間法人法の廃止に伴う経過措置 第一款 有限責任中間法人に関する経過措置 (旧有限責任中間法人の存続) 第二条 前条の規定による廃止前の中間法人法(以下「旧中間法人法」という。)の規定による有限責任中間法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧有限責任中間法人」という。)は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後は、この款の定めるところにより、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)の規定による一般社団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧有限責任中間法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第三条 前条第一項の規定により存続する一般社団法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会の終結の時までは、適用しない。 ただし、施行日以後に名称の変更をする定款の変更をした場合は、この限りでない。 2 前条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法第五条第一項の規定に違反したときは、二十万円以下の過料に処する。 (旧有限責任中間法人の設立手続等の効力) 第四条 旧有限責任中間法人の設立、基金増加又は合併について施行日前に行った社員総会の決議その他の手続は、施行日前にこれらの行為の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (定款の記載等に関する経過措置) 第五条 旧有限責任中間法人の定款における旧中間法人法第十条第三項各号に掲げる事項(基金(代替基金を含む。以下この項において同じ。)の総額を除く。)の記載又は記録はこれに相当する第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款における一般社団・財団法人法第十一条第一項各号及び第百三十一条各号に掲げる事項の記載又は記録とみなし、旧有限責任中間法人の定款における基金の総額の記載又は記録は第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款に記載又は記録がないものとみなす。 2 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款には、監事を置く旨及び一般社団・財団法人法第百三十一条に規定する基金を引き受ける者の募集をすることができる旨の定めがあるものとみなす。 3 旧有限責任中間法人の定款における理事会を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する理事会を置く旨の定めとしての効力を有しない。 (定款の備置き及び閲覧等に関する特則) 第六条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人は、一般社団・財団法人法第十四条第二項各号に掲げる請求に応じる場合には、当該請求をした者に対し、定款に記載又は記録がないものであっても、前条第二項の規定により定款に定めがあるものとみなされる事項を示さなければならない。 (社員名簿に関する経過措置) 第七条 旧有限責任中間法人の社員名簿は、一般社団・財団法人法第三十一条に規定する社員名簿とみなす。 (社員総会の権限及び手続に関する経過措置) 第八条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会に相当する第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会の権限及び手続については、なお従前の例による。 (社員総会の決議に関する経過措置) 第九条 施行日前に旧有限責任中間法人の社員総会が旧中間法人法の規定に基づいてした理事又は監事の選任その他の事項に関する決議は、当該決議があった日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (会計監査人の設置義務に関する規定の適用除外) 第十条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、一般社団・財団法人法第六十二条の規定は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会の終結の時までは、適用しない。 (理事及び理事会の権限等に関する規定の適用除外) 第十一条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日までは、適用しない。 一 一般社団・財団法人法第七十六条第四項 前条の定時社員総会の終結の日から三箇月を経過する日 二 一般社団・財団法人法第九十条第五項 前条の定時社員総会の終結後最初に開催される理事会の終結の日 (理事等の資格等に関する経過措置) 第十二条 一般社団・財団法人法第六十五条第一項(一般社団・財団法人法第二百九条第五項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、旧中間法人法の規定(この款の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧中間法人法の規定を含む。)に違反し、刑に処せられた者は、一般社団・財団法人法の規定に違反し、刑に処せられたものとみなす。 2 一般社団・財団法人法第六十五条第一項第三号(一般社団・財団法人法第二百九条第五項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行の際現に旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人である者が施行日前に犯した同号に規定する民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)又は破産法(平成十六年法律第七十五号)の罪により刑に処せられた場合におけるその者の第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の理事、監事又は清算人としての継続する在任については、適用しない。 (理事等の任期に関する経過措置) 第十三条 この法律の施行の際現に旧有限責任中間法人の理事又は監事である者の任期については、なお従前の例による。 (役員等の行為に関する経過措置) 第十四条 ある者が旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人として施行日前にした又はすべきであった旧中間法人法又は旧中間法人法において準用する第二百四十四条の規定による改正前の会社法(平成十七年法律第八十六号。第二十一条において「旧会社法」という。)に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の理事、監事又は清算人としてした又はすべきであった一般社団・財団法人法の相当規定に規定する行為とみなす。 (業務の執行に関する検査役の選任に関する経過措置) 第十五条 一般社団・財団法人法第八十六条の規定の適用については、施行日前に旧有限責任中間法人がした業務の執行は、当該業務の執行の日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人がしたものとみなす。 (理事等の損害賠償責任に関する経過措置) 第十六条 旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人の施行日前の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (計算書類の作成等に関する経過措置) 第十七条 旧有限責任中間法人が旧中間法人法の規定に基づいて施行日前に作成した会計帳簿、計算書類その他の会計又は経理に関する書類は、その作成の日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 2 施行日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る旧中間法人法第五十九条第二項各号に掲げる書類及びこれらの附属明細書の作成、監査及び承認の方法については、なお従前の例による。 3 第一項の規定は、前項の規定により作成した旧中間法人法第五十九条第二項各号に掲げる書類及びこれらの附属明細書について準用する。 4 一般社団・財団法人法第百二十八条第一項の規定は、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなされた貸借対照表(第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法第二条第二号の大規模一般社団法人である場合にあっては、貸借対照表及び損益計算書)については、適用しない。 (基金に関する経過措置) 第十八条 この法律の施行の際現に存する基金又は代替基金は、それぞれ一般社団・財団法人法第百三十一条に規定する基金又は一般社団・財団法人法第百四十四条第一項の代替基金とみなす。 2 前条第二項の規定によりなお従前の例によることとされる旧中間法人法第五十九条第三項の承認に基づく基金の返還については、なお従前の例による。 (旧有限責任中間法人が解散した場合における法人の継続及び清算に関する経過措置) 第十九条 施行日前に生じた旧中間法人法第八十一条第一項各号に掲げる事由により旧有限責任中間法人が解散した場合における第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の継続及び清算については、なお従前の例による。 ただし、継続及び清算に関する登記の登記事項(施行日前に清算人の登記をした場合にあっては、主たる事務所の所在地における登記事項のうち清算人及び代表清算人の氏名及び住所を除く。)については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (有限責任中間法人の組織に関する訴え等に関する経過措置) 第二十条 施行日前に提起された、旧有限責任中間法人の設立の無効若しくは取消しの訴え、社員総会の決議の不存在若しくは無効の確認の訴え、社員総会の決議の取消しの訴え、理事若しくは監事の解任の訴え、基金増加の無効の訴え、旧有限責任中間法人の解散を求める訴え又は合併の無効の訴えについては、なお従前の例による。 2 施行日前に社員が旧中間法人法第四十九条第一項前段(旧中間法人法第五十八条第二項及び第九十一条第三項において準用する場合を含む。)の訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 3 施行日前に提起された旧有限責任中間法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の清算については、なお従前の例による。 ただし、清算に関する登記の登記事項については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (非訟事件に関する経過措置) 第二十一条 施行日前に申立て又は裁判があった旧中間法人法又は旧中間法人法において準用する旧会社法の規定による非訟事件(清算に関する事件を除く。)の手続については、なお従前の例による。 (登記に関する経過措置) 第二十二条 旧中間法人法の規定による旧有限責任中間法人の登記は、一般社団・財団法人法の相当規定による第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の登記とみなす。 2 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、施行日に、その主たる事務所の所在地において、監事設置一般社団法人である旨の登記がされたものとみなす。 3 主たる事務所の所在地における理事、代表理事及び監事の登記の登記事項については、第三条第一項ただし書の定款の変更に基づく名称の変更の登記をするまでの間は、なお従前の例による。 4 旧有限責任中間法人は、前項の名称の変更の登記をするときは、当該登記と同時に、当該旧有限責任中間法人の理事、代表理事及び監事の全員について一般社団・財団法人法第三百一条第二項第五号、第六号及び第八号(監事の氏名に限る。)に掲げる事項の登記をしなければならない。 5 旧有限責任中間法人の理事又は清算人は、前項の規定に違反した場合には、百万円以下の過料に処する。 (登記の手続に関する経過措置) 第二十三条 一般社団・財団法人法附則第二項の規定は、旧中間法人法において準用する商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の規定によって生じた効力を妨げない。 2 施行日前にした旧中間法人法において準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、この条に別段の定めがある場合を除き、一般社団・財団法人法の相当規定又は一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の相当規定によってしたものとみなす。 3 施行日前にされた登記の申請に係る登記に関する手続については、なお従前の例による。 4 施行日前に登記すべき事項が生じた場合における登記の申請書に添付すべき資料については、なお従前の例による。 5 この法律の施行の際現に登記所に備えられている旧中間法人法第百五十条の中間法人登記簿(旧有限責任中間法人に関するものに限る。)は、一般社団・財団法人法第三百十六条の一般社団法人登記簿とみなす。 6 この法律の施行の際現に存する旧中間法人法第百五十一条第一項において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定は、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定とみなす。 7 登記官は、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人について、職権で、その主たる事務所の所在地において、監事設置一般社団法人である旨の登記をしなければならない。 8 第十九条及び第二十条第三項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧有限責任中間法人の継続及び清算に関する登記その他の登記の申請その他の登記に関する手続については、なお従前の例による。 9 前各項に定めるもののほか、第一条の規定による中間法人法の廃止に伴う登記に関する手続について必要な経過措置は、法務省令で定める。 第二款 無限責任中間法人に関する経過措置 (旧無限責任中間法人の存続) 第二十四条 旧中間法人法の規定による無限責任中間法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧無限責任中間法人」という。)は、施行日以後は、この款の定めるところにより、一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧無限責任中間法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第二十五条 前条第一項の規定により存続する一般社団法人は、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定にかかわらず、その名称中に無限責任中間法人という文字を用いなければならない。 2 前項の規定によりその名称中に無限責任中間法人という文字を用いる前条第一項の規定により存続する一般社団法人(以下「特例無限責任中間法人」という。)は、その名称中に特例無限責任中間法人以外の一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 特例無限責任中間法人以外の一般社団法人は、その名称中に、特例無限責任中間法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 4 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第二項の規定に違反して、特例無限責任中間法人以外の一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 二 前項の規定に違反して、特例無限責任中間法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 (旧無限責任中間法人の設立手続等の効力) 第二十六条 旧無限責任中間法人の設立又は合併について施行日前に行った総社員の同意その他の手続は、施行日前にこれらの行為の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (特例無限責任中間法人に関する経過措置) 第二十七条 特例無限責任中間法人に関する次に掲げる事項については、なお従前の例による。 一 登記及び登記の手続 二 解散命令 三 定款の記載又は記録事項 四 設立の無効又は取消しの訴え 五 社員の資格の得喪 六 社員、退社した社員又は自己を社員であると誤認させる行為をした者の責任 七 業務の執行 八 法人の代表 九 事業譲渡 十 事業の遂行の状況について社員が行う報告又は特例無限責任中間法人の業務及び財産の状況の調査 十一 社員がする旧中間法人法第百六条第一項各号に規定する取引の制限 十二 貸借対照表の作成及び保存並びに提出命令 十三 定款の変更 十四 解散事由及び解散法人の継続 十五 解散を求める訴え 十六 清算 (破産法の準用) 第二十八条 破産法第十六条第二項の規定は、存立中の特例無限責任中間法人について準用する。 (一般社団・財団法人法の適用除外) 第二十九条 特例無限責任中間法人については、一般社団・財団法人法第十四条、第二十三条から第二十五条まで、第二章第二節第二款、同章第三節、第百二十一条、第百二十四条から第百二十九条まで、同章第五節及び第五章の規定は、適用しない。 (一般社団法人への名称変更) 第三十条 特例無限責任中間法人は、第二十五条第一項の規定にかかわらず、施行日から起算して一年を経過する日までの間、この款の定めるところにより、その名称中に一般社団法人という文字を用いる名称の変更をすることができる。 (特例無限責任中間法人の通常の一般社団法人への移行) 第三十一条 特例無限責任中間法人が前条の規定による名称の変更(以下この款において「移行」という。)をしようとする場合には、総社員の同意によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 移行後の一般社団法人の一般社団・財団法人法第十一条第一項第一号から第三号まで及び第五号から第七号までに掲げる事項 二 前号に掲げるもののほか、移行後の一般社団法人の定款で定める事項 三 移行後の一般社団法人の理事の氏名 四 移行後の一般社団法人が監事設置一般社団法人であるときは、監事の氏名 五 移行後の一般社団法人が会計監査人設置一般社団法人であるときは、会計監査人の氏名又は名称 (債権者の異議) 第三十二条 前条の場合には、当該特例無限責任中間法人の債権者は、当該特例無限責任中間法人に対し、移行について異議を述べることができる。 2 前項の特例無限責任中間法人は、前条各号に掲げる事項を定めた日から二週間以内に、移行をする旨及び債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、債権者が異議を述べることができる期間は、一箇月を下ることができない。 3 債権者が前項の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、移行について承認をしたものとみなす。 4 債権者が第二項の期間内に異議を述べたときは、第一項の特例無限責任中間法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。)及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。第七十条第六項において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該移行をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 5 第一項の特例無限責任中間法人の社員(定款によって特例無限責任中間法人の業務を行うべき社員を定めているときは、当該社員に限る。)が、第二項又は前項の規定に違反したときは、百万円以下の過料に処する。 (移行の登記) 第三十三条 前条の規定による手続が終了したときは、特例無限責任中間法人は、その主たる事務所の所在地においては二週間以内に、その従たる事務所の所在地においては三週間以内に、当該特例無限責任中間法人については解散の登記をし、移行後の一般社団法人については設立の登記をしなければならない。 2 移行後の一般社団法人についてする登記においては、特例無限責任中間法人の成立の年月日、特例無限責任中間法人の名称並びに名称の変更をした旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (移行の効力の発生等) 第三十四条 移行は、前条第一項の設立の登記(主たる事務所の所在地におけるものに限る。)をすることによって、その効力を生ずる。 2 移行をする特例無限責任中間法人は、前項の登記の日に、第三十一条第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (移行の登記の申請) 第三十五条 前条第一項の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 第三十一条各号に掲げる事項を定めたことを証する書面 二 定款(前条第二項の変更が記載されたもの) 三 移行後の一般社団法人の理事(移行後の一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、理事及び監事)が就任を承諾したことを証する書面 四 移行後の一般社団法人の会計監査人を定めたときは、一般社団・財団法人法第三百十八条第二項第四号に掲げる書面 五 第三十二条第二項の規定による公告及び催告をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該移行をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 第三十六条 移行をした特例無限責任中間法人についての解散の登記の申請と移行後の一般社団法人についての設立の登記の申請とは、同時にしなければならない。 2 前項の解散の登記の申請については、旧中間法人法第百五十一条において準用する商業登記法の申請書の添付書面に関する規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の登記の申請のいずれかにつき商業登記法第二十四条各号のいずれかに掲げる事由があるときは、これらの申請を共に却下しなければならない。 (特例無限責任中間法人のみなし解散) 第三十七条 特例無限責任中間法人が施行日から起算して一年を経過する日までに第三十三条第一項の登記の申請をしないときは、当該特例無限責任中間法人は、その日が経過した時に解散したものとみなす。 2 前項の規定により解散した場合には、次に掲げる者が清算人となる。 一 社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除き、定款によって特例無限責任中間法人の業務を行うべき社員を定めているときは、当該社員に限る。) 二 定款に定める者 三 社員の過半数によって選任された者 3 商業登記法第七十二条の規定は、第一項の規定による解散の登記について準用する。 第四節 民法及び民法施行法の一部改正に伴う経過措置 第一款 社団法人、財団法人等の存続等 (社団法人及び財団法人の存続) 第四十条 第三十八条の規定による改正前の民法(以下「旧民法」という。)第三十四条の規定により設立された社団法人又は財団法人であってこの法律の施行の際現に存するものは、施行日以後は、この節の定めるところにより、それぞれ一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人又は一般財団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、同項の社団法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款と、同項の財団法人の寄附行為を同項の規定により存続する一般財団法人の定款とみなす。 (民法施行法社団法人及び民法施行法財団法人の存続) 第四十一条 第三十九条の規定による改正前の民法施行法(以下この節において「旧民法施行法」という。)第十九条第二項の認可を受けた法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下この節において、当該法人のうち社団であるものを「民法施行法社団法人」、財団であるものを「民法施行法財団法人」という。)は、施行日以後は、この節の定めるところにより、それぞれ一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人又は一般財団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を前項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第四十二条 第四十条第一項又は前条第一項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人であって第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の登記をしていないもの(以下それぞれ「特例社団法人」又は「特例財団法人」という。)については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない。 2 特例社団法人又は特例財団法人(以下「特例民法法人」と総称する。)については、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号。以下この節及び附則第一項において「公益法人認定法」という。)第九条第四項の規定は、適用しない。 3 特例社団法人は、その名称中に、一般社団法人又は公益社団法人若しくは公益財団法人という文字を用いてはならない。 4 特例財団法人は、その名称中に、一般財団法人又は公益財団法人若しくは公益社団法人という文字を用いてはならない。 5 特例社団法人でない者は、その名称又は商号中に、特例社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 6 特例財団法人でない者は、その名称又は商号中に、特例財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (旧民法第三十四条の許可の申請等に関する経過措置) 第四十三条 施行日前に旧民法第三十四条の許可の申請があった場合において、施行日の前日までに当該申請に対する処分がされないときは、当該申請は、同日に、却下されたものとみなす。 2 施行日前に旧民法第三十四条の許可を受けた場合における設立の登記については、なお従前の例による。 (公益社団法人又は公益財団法人への移行) 第四十四条 公益法人認定法第二条第四号に規定する公益目的事業(以下この節において単に「公益目的事業」という。)を行う特例社団法人又は特例財団法人は、施行日から起算して五年を経過する日までの期間(以下この節において「移行期間」という。)内に、第四款の定めるところにより、行政庁の認定を受け、それぞれ公益法人認定法の規定による公益社団法人又は公益財団法人となることができる。 (通常の一般社団法人又は一般財団法人への移行) 第四十五条 特例社団法人又は特例財団法人は、移行期間内に、第五款の定めるところにより、行政庁の認可を受け、それぞれ通常の一般社団法人又は一般財団法人となることができる。 (移行期間の満了による解散等) 第四十六条 移行期間内に第四十四条の認定又は前条の認可を受けなかった特例民法法人は、移行期間の満了の日に解散したものとみなす。 ただし、第四十四条の認定又は前条の認可の申請があった場合において、移行期間の満了の日までに当該申請に対する処分がされないときは、この限りでない。 2 前項本文の場合には、第九十六条第一項に規定する旧主務官庁(以下この款及び次款において単に「旧主務官庁」という。)は、前項本文の日後遅滞なく、同項本文の規定により解散したものとみなされた特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (行政庁) 第四十七条 この節における行政庁は、次の各号に掲げる特例民法法人の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 一 次に掲げる特例民法法人 内閣総理大臣 イ 二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するもの ロ 第四十四条の認定を受ける特例民法法人にあっては、公益目的事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款又は第百三条第二項第二号の定款の変更の案で定めるもの ハ 第四十五条の認可を受ける特例民法法人(第百十九条第一項に規定する公益目的支出計画において同条第二項第一号イ又はハに規定する事業を定めるものに限る。)にあっては、当該事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款又は第百二十条第二項第二号の定款の変更の案で定めるもの ニ 第四十五条の認可を受ける特例民法法人(ハに掲げるもの以外のものに限る。)にあっては、同条の認可の申請の際における旧主務官庁が旧民法第八十四条の二第一項に規定する都道府県の執行機関でないもの ホ ロに規定する特例民法法人にあっては公益目的事業、ハに規定する特例民法法人にあっては第百十九条第二項第一号イ又はハに規定する事業が国の事務又は事業と密接な関連を有する事業であって政令で定めるものであるもの 二 前号に掲げる特例民法法人以外の特例民法法人 その事務所が所在する都道府県の知事 第二款 経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 第一目 特例民法法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (理事及び監事に関する経過措置) 第四十八条 この法律の施行の際現に旧社団法人(第四十条第一項に規定する社団法人又は民法施行法社団法人をいう。以下この章において同じ。)又は旧財団法人(同項に規定する財団法人又は民法施行法財団法人をいう。以下この章において同じ。)に置かれている理事又は監事は、それぞれ一般社団・財団法人法第六十三条第一項(一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定によって選任された理事又は監事とみなす。 2 特例民法法人の理事(理事会を置く特例民法法人が選任するものを除く。)の選任及び解任、資格並びに任期については、なお従前の例による。 3 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例民法法人の監事(次に掲げる特例民法法人が選任するものを除く。)についても、前項と同様とする。 一 理事会を置く特例社団法人(以下この款において「理事会設置特例社団法人」という。) 二 会計監査人を置く特例社団法人(以下この款において「会計監査人設置特例社団法人」という。) 三 評議員を置く特例財団法人(以下この款において「評議員設置特例財団法人」という。) 4 旧社団法人又は旧財団法人が定款(旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を含む。以下この項及び第八十条において同じ。)若しくは寄附行為(旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を含む。以下この項及び第八十九条において同じ。)、定款若しくは寄附行為の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって定めた当該法人を代表する理事は、一般社団・財団法人法に規定する代表理事の地位を有しない。 (理事の代理行為の委任等に関する経過措置) 第四十九条 特例民法法人(理事会を置く特例民法法人を除く。以下この条において同じ。)の理事の代理行為の委任及び特例民法法人と理事との利益が相反する取引の制限については、なお従前の例による。 (理事及び理事会に関する規定の適用除外) 第五十条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第七十六条第四項、第八十六条から第八十九条まで及び第九十条第五項(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 2 理事会を置かない特例民法法人については、一般社団・財団法人法第八十条から第八十三条まで及び第八十五条(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (理事及び監事の行為に関する経過措置) 第五十一条 ある者が旧社団法人又は旧財団法人の理事又は監事として施行日前にした又はすべきであった旧民法に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人の理事又は監事としてした又はすべきであった一般社団・財団法人法の相当規定に規定する行為とみなす。 (監事の権限に関する経過措置) 第五十二条 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例民法法人の監事(次に掲げる特例民法法人が選任するものを除く。)の職務及び権限(第六十一条第一項及び第二項、第八十七条第三項の規定により適用する一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第二項並びに一般社団・財団法人法第七十五条(一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定によるものを除く。)については、なお従前の例による。 一 理事会設置特例社団法人 二 会計監査人設置特例社団法人 三 評議員設置特例財団法人 (会計監査人の権限等に関する特則) 第五十三条 特例民法法人の会計監査人の権限及び社員総会における意見の陳述については、一般社団・財団法人法第百七条第一項(一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)中「会計監査人は、次節の定めるところにより」とあるのは「会計監査人は」と、「計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)」とあるのは「財産目録並びに基金を引き受ける者の募集をする特例社団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十二条第一項に規定する特例社団法人をいう。)の貸借対照表」と、「会計監査人は、法務省令で定めるところにより」とあるのは「会計監査人は」と、一般社団・財団法人法第百九条第一項中「に規定する書類」とあるのは「の貸借対照表及びその附属明細書」と、「定時社員総会」とあるのは「社員総会」とする。 (会計監査人の設置義務に関する規定の適用除外) 第五十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六十二条及び第百七十一条の規定は、適用しない。 (理事及び監事の損害賠償責任に関する経過措置) 第五十五条 特例民法法人の理事又は監事の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (会計帳簿の作成に関する特則) 第五十六条 特例民法法人の会計帳簿の作成における一般社団・財団法人法第百二十条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、一般社団・財団法人法第百二十条第一項中「法務省令で定めるところにより、適時に」とあるのは、「適時に」とする。 (会計帳簿に関する規定の適用除外) 第五十七条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百二十条第二項、第百二十一条及び第百二十二条(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (財産目録の作成等に関する経過措置) 第五十八条 特例民法法人の財産目録の作成及び備置きについては、なお従前の例による。 (計算書類等に関する規定の適用除外) 第五十九条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百二十三条第二項及び第百二十四条から第百三十条まで(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (計算書類等の作成及び保存に関する特則) 第六十条 第四十四条の認定又は第四十五条の認可の申請をする特例民法法人は、内閣府令で定めるところにより、計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この節において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録(一般社団・財団法人法第十条第二項に規定する電磁的記録をいう。以下この節において同じ。)をもって作成することができる。 (計算書類等の監査等に関する特則) 第六十一条 監事を置く特例民法法人においては、前条第一項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、監事の監査を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、会計監査人を置く特例民法法人においては、次の各号に掲げるものは、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第一項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人 二 前条第一項の事業報告及びその附属明細書 監事 3 理事会を置く特例民法法人においては、第一項又は前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の社員総会への提出等に関する特則) 第六十二条 次の各号に掲げる特例社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を社員総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置特例社団法人(理事会設置特例社団法人及び会計監査人設置特例社団法人を除く。) 前条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置特例社団法人(理事会設置特例社団法人を除く。) 前条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 理事会設置特例社団法人 前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の特例社団法人 第六十条第一項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、社員総会の承認を受けなければならない。 3 理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を社員総会に報告しなければならない。 4 第一項(第三号に係る部分に限る。)及び前二項の規定は、評議員設置特例財団法人について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは、「評議員会」と読み替えるものとする。 (解散の事由に関する特則) 第六十三条 特例民法法人の解散については、一般社団・財団法人法第百四十八条第七号及び第二百二条第一項第六号中「第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第九十六条第二項の規定による解散命令」とする。 (休眠一般社団法人及び休眠一般財団法人のみなし解散等に関する規定の適用除外) 第六十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百四十九条、第百五十条、第二百二条第二項、第二百三条及び第二百四条の規定は、適用しない。 (清算に関する経過措置) 第六十五条 特例民法法人の清算については、なお従前の例による。 2 前項の規定にかかわらず、一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集を行った特例社団法人については、一般社団・財団法人法第二百三十六条の規定を適用する。 (特例民法法人の合併) 第六十六条 特例民法法人は、他の特例民法法人と合併(吸収合併に限る。)をすることができる。 この場合においては、一般社団・財団法人法第二百四十二条、第二百四十四条第二号、第二百四十六条第二項第三号、第二百四十七条から第二百四十九条まで、第二百五十条第二項第三号、第二百五十一条第一項及び第二百五十二条の規定は、適用しない。 2 合併をする特例民法法人は、吸収合併契約を締結しなければならない。 (特例民法法人の吸収合併契約の承認に関する特則) 第六十七条 合併をする特例社団法人は、第六十九条第一項の認可の申請前に、社員総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 この場合において、社員総会の決議は、総社員の四分の三(定款の変更の要件についてこれと異なる割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 2 合併をする特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。)は、第六十九条第一項の認可の申請前に、定款に定款の変更に関する定めがある場合にあっては当該定め(旧主務官庁の認可を要する旨の定めがあるときは、これを除く。)の例により、定款に定款の変更に関する定めがない場合にあっては旧主務官庁の承認を受けて理事の定める手続により、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 3 合併をする評議員設置特例財団法人は、第六十九条第一項の認可の申請前に、評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 この場合において、評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (特例民法法人の合併に伴う定款の変更に関する特則) 第六十八条 特例民法法人の合併に伴い定款の変更をする場合においては、旧主務官庁の認可を要しない。 (特例民法法人の合併の認可) 第六十九条 特例民法法人の合併は、合併後存続する特例民法法人(以下この目において「合併存続特例民法法人」という。)の当該合併後の業務の監督を行う旧主務官庁(以下この条及び第七十二条第二項において「合併後旧主務官庁」という。)の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可の申請は、政令で定めるところにより、合併をする特例民法法人が、次に掲げる事項を記載した申請書をそれぞれ合併後旧主務官庁に提出してしなければならない。 一 申請をする特例民法法人の代表者の氏名 二 合併をする特例民法法人の名称及び主たる事務所の所在場所 三 合併存続特例民法法人が名称又は主たる事務所の所在場所を変更する場合にあっては、変更後のこれらの事項 3 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 吸収合併契約書 二 吸収合併契約の承認を受けたことを証する書面 三 合併をする特例民法法人の定款 四 合併存続特例民法法人の定款の案 五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める書類 4 合併をする特例民法法人の業務の監督を行う旧主務官庁(以下この条及び第七十二条第二項において「合併前旧主務官庁」という。)と合併後旧主務官庁とが異なる場合においては、第二項の申請書は、合併前旧主務官庁を経由して提出しなければならない。 5 合併前旧主務官庁は、前項の規定により第二項の申請書を受理したときは、その意見を付して、速やかに、これを合併後旧主務官庁に送付しなければならない。 (特例民法法人の合併に伴う債権者の異議に関する特則) 第七十条 合併により消滅する特例民法法人(以下この条において「合併消滅特例民法法人」という。)の債権者は、合併消滅特例民法法人に対し、合併について異議を述べることができる。 2 合併消滅特例民法法人は、前条第一項の認可があったときは、当該認可の通知のあった日から二週間以内に、財産目録及び貸借対照表(次項及び第百四十八条第二号において「財産目録等」という。)を作成し、その主たる事務所に備え置かなければならない。 3 債権者は、次項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日から同項第三号の期間の満了の日までの間、合併消滅特例民法法人に対して、その業務時間内は、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該合併消滅特例民法法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を一般社団・財団法人法第二百四十六条第三項第三号の法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(一般社団・財団法人法第十四条第二項第四号に規定する電磁的方法をいう。第八十五条において同じ。)であって合併消滅特例民法法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 合併消滅特例民法法人は、第二項の期間内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、二箇月を下ることができない。 一 合併をする旨 二 合併存続特例民法法人の名称及び住所 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 5 債権者が前項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。 6 債権者が第四項第三号の期間内に異議を述べたときは、合併消滅特例民法法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 7 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 第七十一条 前条の規定は、合併存続特例民法法人について準用する。 この場合において、同条第四項第二号中「合併存続特例民法法人」とあるのは、「合併消滅特例民法法人」と読み替えるものとする。 (特例民法法人の合併の時期等) 第七十二条 特例民法法人の合併は、合併存続特例民法法人の主たる事務所の所在地において一般社団・財団法人法第三百六条第一項の登記をすることによって、その効力を生ずる。 2 合併存続特例民法法人は、一般社団・財団法人法第三百六条第一項の登記をしたときは、遅滞なく、当該合併存続特例民法法人の登記事項証明書を添付して合併前旧主務官庁及び合併後旧主務官庁にその旨を届け出なければならない。 (特例民法法人の合併に関する特則) 第七十三条 特例民法法人の合併については、一般社団・財団法人法第二百四十五条第一項、第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項並びに第二百五十三条第一項及び第二項中「効力発生日」とあるのは「吸収合併の登記の日」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十一条第二項及び第二百五十三条第一項中「法務省令」とあるのは「政令」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第二項及び第二百五十条第二項中「次に掲げる日のいずれか早い日」とあるのは「次に掲げる日」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第二項第一号中「次条」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「整備法」という。)第六十七条第一項」と、同項第二号中「にあっては、次条」とあるのは「のうち、評議員を置かないものにあっては整備法第六十七条第二項の規定により吸収合併契約の承認を受ける日の二週間前の日、評議員を置くものにあっては同条第三項」と、同条第三項中「いつでも」とあるのは「いつでも(債権者にあっては、整備法第七十条第四項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日からに限る。)」と、一般社団・財団法人法第二百五十条第二項第一号中「次条第一項」とあるのは「整備法第六十七条第一項」と、同項第二号中「にあっては、次条第一項」とあるのは「のうち、評議員を置かないものにあっては整備法第六十七条第二項の規定により吸収合併契約の承認を受ける日の二週間前の日、評議員を置くものにあっては同条第三項」と、同条第三項中「いつでも」とあるのは「いつでも(債権者にあっては、整備法第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条第四項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日からに限る。)」と、一般社団・財団法人法第二百五十一条第二項中「前項」とあるのは「整備法第六十七条第一項又は第三項」とする。 (解散命令に関する規定の適用除外) 第七十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第一節の規定は、適用しない。 (訴訟に関する規定の適用除外) 第七十五条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第二節(吸収合併の無効の訴えに係る部分を除く。)の規定は、適用しない。 (非訟事件に関する経過措置) 第七十六条 施行日前に申立てがあった第百五十三条の規定による改正前の非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の規定による非訟事件(清算に関する事件を除く。次項において同じ。)の手続については、なお従前の例による。 2 この節の規定によりなお従前の例によることとされる場合における非訟事件の手続についても、前項と同様とする。 (登記に関する経過措置) 第七十七条 旧民法の規定による旧社団法人及び旧財団法人の登記は、一般社団・財団法人法の相当規定(次条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)による特例民法法人の登記とみなす。 2 この法律の施行の際現にされている特例民法法人の登記(旧民法第四十六条第一項第四号に掲げる事項に限る。)については、なお従前の例による。 3 特例社団法人が一般社団・財団法人法第七十七条第三項の規定により代表理事を定め、又は理事会を置く旨の定款の変更をするまでの間における当該特例社団法人の登記については、一般社団・財団法人法第三百一条第二項第五号中「氏名」とあるのは、「氏名及び住所」とし、同項第六号の規定は、適用しない。 4 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例社団法人(理事会設置特例社団法人及び会計監査人設置特例社団法人を除く。)については、一般社団・財団法人法第三百一条第二項第八号の規定は、適用しない。 5 特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。)の登記については、一般社団・財団法人法第三百二条第二項第五号中「評議員、理事及び監事の氏名」とあるのは、「理事の氏名及び住所」とし、同項第六号の規定は、適用しない。 6 第六十五条第一項の規定にかかわらず、特例民法法人の解散及び清算に関する登記の登記事項(施行日前に解散をした場合にあっては清算結了の旨を除き、施行日前に清算人の登記をした場合にあっては清算人及び代表清算人の氏名及び住所並びに監事を置く旨を除く。)については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (登記に関する特則) 第七十八条 特例民法法人の登記については、一般社団・財団法人法第三百六条第一項中「その効力が生じた日」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この項において「整備法」という。)第七十条の規定による手続が終了した日又は整備法第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条の規定による手続が終了した日のいずれか遅い日」とする。 (公告に関する規定の適用除外) 第七十九条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第五節の規定は、適用しない。 第二目 特例社団法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (定款の記載等に関する経過措置) 第八十条 旧社団法人の定款における旧民法第三十七条第一号から第三号まで及び第六号に掲げる事項(同条第三号に掲げる事項にあっては、主たる事務所に係る部分に限る。)の記載は、それぞれ第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款における一般社団・財団法人法第十一条第一項第一号から第三号まで及び第五号に掲げる事項の記載とみなす。 2 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第十一条第一項第六号及び第七号の規定は、適用しない。 3 旧社団法人の定款における理事会又は会計監査人を置く旨の定めは、それぞれ一般社団・財団法人法に規定する理事会又は会計監査人を置く旨の定めとしての効力を有しない。 4 旧社団法人の定款における監事を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する監事を置く旨の定めとみなす。 5 社員総会の決議によって監事を置く旧社団法人の定款には、監事を置く旨の定めがあるものとみなす。 (定款の備置き及び閲覧に関する規定の適用除外) 第八十一条 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第十四条の規定は、適用しない。 (社員名簿に関する経過措置) 第八十二条 旧社団法人の社員名簿は、一般社団・財団法人法第三十一条に規定する社員名簿とみなす。 2 特例社団法人の社員名簿の記載又は記録事項及び閲覧については、なお従前の例による。 3 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第三十三条及び第三十四条の規定は、適用しない。 (社員総会の権限及び手続に関する経過措置) 第八十三条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会に相当する第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会の権限及び手続については、なお従前の例による。 (社員総会の決議に関する経過措置) 第八十四条 施行日前に旧社団法人の社員総会が旧民法の規定に基づいてした決議は、当該決議があった日に、第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (社員の議決権等に関する経過措置) 第八十五条 特例社団法人の社員の議決権、社員総会の決議及び議決権の行使(電磁的方法により行使する場合を除く。)については、なお従前の例による。 ただし、理事会設置特例社団法人については、一般社団・財団法人法第四十九条第三項の規定を適用する。 (社員総会の権限等に関する特則) 第八十六条 特例社団法人の社員総会の権限、招集、理事等の説明義務及び決議の省略については、一般社団・財団法人法第三十五条第一項、第二項及び第四項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、同条第一項及び第二項中「及び」とあるのは「並びに」と、一般社団・財団法人法第三十六条第一項中「毎事業年度の終了後一定の時期に」とあるのは「少なくとも毎年一回」と、一般社団・財団法人法第三十七条第一項中「議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する」とあるのは「五分の一(これと異なる割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の」と、「事項及び招集の理由」とあるのは「事項」と、一般社団・財団法人法第三十九条第一項中「一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前」とあるのは「五日前」と、「対して」とあるのは「対して、定款で定めた方法に従って」と、同条第四項中「前条第一項各号」とあるのは「前条第一項第一号、第二号及び第四号」と、一般社団・財団法人法第五十三条中「理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)」とあるのは「理事会若しくは会計監査人を置く特例社団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十二条第一項に規定する特例社団法人をいう。以下この条において同じ。)又は施行日以後に監事を置いた特例社団法人の理事及び監事」と、一般社団・財団法人法第五十八条第一項中「理事又は社員」とあるのは「理事」とする。 2 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第三十七条第二項、第三十八条第一項第三号及び第五号、第四十三条から第四十七条まで、第五十五条並びに第五十七条の規定は、適用しない。 (基金を引き受ける者の募集に関する特則) 第八十七条 特例社団法人の基金を引き受ける者の募集については、一般社団・財団法人法第百三十一条中「次に掲げる事項」とあるのは、「次に掲げる事項及び事業年度」とする。 2 一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集をした特例社団法人は、第五十九条の規定にかかわらず、当該募集をした日の属する事業年度以降の各事業年度に係る一般社団・財団法人法第百二十三条第二項の貸借対照表及びその附属明細書を作成しなければならない。 3 前項の規定により作成された貸借対照表及びその附属明細書については、第五十九条の規定にかかわらず、一般社団・財団法人法第百二十四条から第百二十七条まで及び第百二十九条の規定を適用する。 4 第二項の規定により貸借対照表及びその附属明細書を作成した特例社団法人は、第六十条第一項の貸借対照表及びその附属明細書を作成することを要しない。 (定款の変更に関する経過措置) 第八十八条 特例社団法人の定款の変更については、なお従前の例による。 第三目 特例財団法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (定款の記載等に関する経過措置) 第八十九条 旧財団法人の寄附行為における旧民法第三十七条第一号から第三号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、主たる事務所に係る部分に限る。)の記載は、それぞれ第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般財団法人の定款における一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第一号から第三号までに掲げる事項の記載とみなす。 2 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第八号から第十号までの規定は、適用しない。 3 前項の規定にかかわらず、評議員設置特例財団法人は、一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第八号に掲げる事項を定款で定めなければならない。 4 旧財団法人の寄附行為における評議員、評議員会、理事会又は会計監査人を置く旨の定めは、それぞれ一般社団・財団法人法に規定する評議員、評議員会、理事会又は会計監査人を置く旨の定めとしての効力を有しない。 5 旧財団法人の寄附行為における監事を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する監事を置く旨の定めとみなす。 6 旧財団法人の寄附行為における基本財産に関する定めは、一般社団・財団法人法第百七十二条第二項の基本財産に関する定めとしての効力を有しない。 7 特例財団法人の定款の記載については、一般社団・財団法人法第百五十四条中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、「及び」とあるのは「並びに」とする。 (定款の備置き及び閲覧に関する規定の適用除外) 第九十条 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百五十六条の規定は、適用しない。 (機関の設置に関する特則) 第九十一条 一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する一般社団・財団法人法第六十五条第三項の規定にかかわらず、理事会を置かない特例財団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。 2 監事を置いていない特例財団法人は、評議員、評議員会、理事会及び監事を置く定款の変更をすることができる。 3 監事を置いている特例財団法人は、評議員、評議員会及び理事会を置く定款の変更をすることができる。 4 会計監査人を置く特例財団法人は、前二項の規定による定款の変更により評議員、評議員会、理事会及び監事を置くものでなければならない。 5 第二項又は第三項の規定により変更した定款の定めは、これを変更することができない。 6 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百七十条第一項の規定は、適用しない。 (最初の評議員の選任に関する特則) 第九十二条 特例財団法人が最初の評議員を選任するには、旧主務官庁の認可を受けて理事が定めるところによる。 (評議員会の権限等に関する特則) 第九十三条 特例財団法人の評議員会の権限については、一般社団・財団法人法第百七十八条第二項及び第三項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、同条第二項中「及び」とあるのは「並びに」とする。 2 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百八十条第二項、第百八十七条及び第百八十八条の規定は、適用しない。 (定款の変更に関する経過措置) 第九十四条 特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。次項及び第三項において同じ。)については、一般社団・財団法人法第二百条の規定は、適用しない。 2 その定款に定款の変更に関する定めがある特例財団法人は、当該定めに従い、定款の変更をすることができる。 3 その定款に定款の変更に関する定めがない特例財団法人は、理事(清算中の特例財団法人にあっては、清算人)の定めるところにより、定款の変更に関する定めを設ける定款の変更をすることができる。 4 評議員設置特例財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の」とあるのは「旨を」と、「前項ただし書に」とあるのは「同項ただし書に」とする。 5 評議員設置特例財団法人については、一般社団・財団法人法第二百条第三項の規定は、適用しない。 6 特例財団法人の定款の変更は、旧主務官庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。 第三款 特例民法法人の業務の監督 (特例民法法人の業務の監督に関する経過措置) 第九十五条 特例民法法人の業務の監督(設立の許可の取消し及び解散の命令に係るものを除き、定款の変更の認可、解散した特例民法法人の財産の処分の許可、解散及び清算人に係る届出並びに清算結了の届出に係るものを含む。)については、なお従前の例による。 (解散命令) 第九十六条 前条の規定によりなお従前の例により特例民法法人の業務の監督を行う行政機関(以下この節において「旧主務官庁」という。)は、特例民法法人がその目的以外の事業をし、若しくは設立の許可若しくは旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた条件若しくは旧主務官庁の監督上の命令に違反し、その他公益を害すべき行為をした場合又は特例民法法人が移行期間の満了の日までに第百九条第一項の規定により第四十四条の認定を取り消された場合若しくは第百三十一条第一項の規定若しくは同条第二項において読み替えて準用する第百九条第一項の規定により第四十五条の認可を取り消された場合において、必要があると認めるときは、当該特例民法法人に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 2 旧主務官庁は、特例民法法人が前項の規定による命令に違反した場合又は当該命令をしてもその改善を期待することができないことが明らかな場合であって、他の方法により監督の目的を達することができないときは、当該特例民法法人の解散を命ずることができる。 特例民法法人が正当な理由がないのに引き続き三年(施行日前の期間を含む。)以上その事業を休止したときも、同様とする。 3 前項の規定による命令を行おうとする場合において理事が欠けているとき又はその所在が知れないときは、旧主務官庁は、当該命令の通知に代えてその要旨を官報に掲載することができる。 4 前項の場合においては、当該命令は、官報に掲載した日から二十日を経過した日にその効力を生ずる。 (解散の登記の嘱託) 第九十七条 旧主務官庁は、前条第二項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、当該特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 第四款 公益社団法人又は公益財団法人への移行 (公益法人認定法による公益認定の申請の制限) 第九十八条 特例民法法人は、公益法人認定法第七条の規定による公益認定の申請をすることができない。 (移行の認定の申請) 第九十九条 公益目的事業を行う特例民法法人は、第四十四条の認定の申請をすることができる。 2 第四十五条の認可の申請をした特例民法法人は、同条の認可をしない処分を受けた後でなければ、前項の申請をすることができない。 (認定の基準) 第百条 行政庁は、第四十四条の認定の申請をした特例民法法人(以下この款及び第百三十三条第二項において「認定申請法人」という。)が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該認定申請法人について第四十四条の認定をするものとする。 一 第百三条第二項第二号の定款の変更の案の内容が一般社団・財団法人法及び公益法人認定法並びにこれらに基づく命令の規定に適合するものであること。 二 公益法人認定法第五条各号に掲げる基準に適合するものであること。 (欠格事由) 第百一条 公益法人認定法第六条(第一号イ及び第二号を除く。)の規定は、第四十四条の認定について準用する。 2 第九十五条の規定によりなお従前の例によることとされる旧主務官庁の監督上の命令に違反している特例民法法人は、第四十四条の認定を受けることができない。 (定款の変更に関する特則) 第百二条 第四十四条の認定を受けようとする特例民法法人が第百六条第一項の登記をすることを停止条件としてしたその種類に従いその名称中に公益社団法人又は公益財団法人という文字を用いることとする定款の変更及び第百条各号に掲げる基準に適合するものとするために必要な定款の変更については、旧主務官庁の認可を要しない。 (認定の申請手続) 第百三条 第四十四条の認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、公益法人認定法第七条第一項各号に掲げる事項を記載した申請書を、行政庁に提出してしなければならない。 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 公益法人認定法第七条第二項第一号から第五号までに掲げる書類 二 定款の変更の案(認定申請法人において定款の変更について必要な手続を経ているものに限る。) 三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 (認定に関する意見聴取) 第百四条 公益法人認定法第八条の規定は、行政庁が第四十四条の認定をしようとする場合について準用する。 この場合において、公益法人認定法第八条第一号中「第六条第三号及び第四号」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第百一条第一項において準用する第六条第四号」と、同条第二号中「第六条第一号ニ」とあるのは「整備法第百一条第一項において準用する第六条第一号ニ」と、同条第三号中「第六条第五号」とあるのは「整備法第百一条第一項において準用する第六条第五号」と読み替えるものとする。 2 行政庁は、第四十四条の認定をしようとするときは、第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条第三号の規定及び第百一条第二項に規定する事由の有無について、旧主務官庁の意見を聴くものとする。 (旧主務官庁への通知) 第百五条 行政庁は、第百三条第一項の申請書の提出を受け、又は第四十四条の認定をし、若しくはしない処分をしたときは、直ちに、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 (移行の登記) 第百六条 特例民法法人が第四十四条の認定を受けたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、当該特例民法法人については解散の登記をし、名称の変更後の公益法人(公益法人認定法第二条第三号に規定する公益法人をいう。以下この章において同じ。)については設立の登記をしなければならない。 この場合においては、一般社団・財団法人法第三百三条の規定は、適用しない。 2 第四十四条の認定を受けた特例民法法人は、前項の規定により解散の登記及び設立の登記をしたときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、行政庁及び旧主務官庁に、その旨を届け出なければならない。 (特例民法法人の公益法人への移行) 第百七条 第四十四条の認定を受けた特例民法法人については、同条の認定を公益法人認定法第四条の認定とみなして、前条第一項の登記をした日以後、公益法人認定法の規定(公益法人認定法第九条第一項及び第二項を除く。)を適用する。 (認定の公示等) 第百八条 行政庁は、第百六条第二項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 2 行政庁は、前項に規定する場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、旧主務官庁から事務の引継ぎを受けなければならない。 (登記を怠ることによる認定の取消し) 第百九条 行政庁は、第四十四条の認定を受けた特例民法法人が、当該認定を受けた日から起算して三十日を経過しても第百六条第二項の規定による届出をしない場合において、行政庁が相当の期間を定めて同条第一項の登記をすべき旨を催告したにもかかわらず、当該登記をしないときは、その認定を取り消さなければならない。 2 行政庁は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 3 公益法人認定法第二十九条第四項の規定は、第一項の規定による認定の取消しについて準用する。 4 移行期間の満了の日後に第一項の規定により第四十四条の認定を取り消す処分の通知を受けた特例民法法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 5 前項の場合において、旧主務官庁は、第二項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、前項の処分を受けた特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (移行期間満了後の認定をしない処分) 第百十条 移行期間の満了の日後に第四十四条の認定をしない処分の通知を受けた認定申請法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 2 前項の場合において、旧主務官庁は、第百五条の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、同項の処分を受けた認定申請法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (計算書類等の作成等に関する経過措置) 第百十一条 第百六条第一項の登記をした公益法人が、当該登記をした日前に、第六十条第一項の規定に基づいて作成した計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第六十一条の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)は、その作成の日に、当該法人が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 2 第百六条第一項の登記をした日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の作成の方法については、第六十条第一項の内閣府令で定めるところによる。 3 第六十一条、第六十二条及び第一項の規定は、前項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書について準用する。 4 一般社団・財団法人法第百二十八条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなされた貸借対照表(第百六条第一項の登記をした法人が一般社団・財団法人法第二条第二号の大規模一般社団法人又は同条第三号の大規模一般財団法人である場合にあっては、貸借対照表及び損益計算書)については、適用しない。 (移行の登記をした公益財団法人に関する経過措置) 第百十二条 第百六条第一項の登記をした公益財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたとき」とあるのは「旨を一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(次項において「整備法」という。)第百六条第一項の登記の日以前に定款で定めているとき」と、同条第三項中「その設立の」とあるのは「整備法第百六条第一項の登記をした」とする。 2 一般社団・財団法人法第二百二条第二項の規定は、第百六条第一項の登記をした公益財団法人については、当該登記をした日の属する事業年度から適用する。 (公益目的事業財産等に関する特則) 第百十三条 第百六条第一項の登記をした公益法人については、公益法人認定法第十八条第一号から第四号まで及び第七号並びに第二十一条第一項及び第二項中「公益認定を受けた日」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第百六条第一項の登記をした日」と、同条第一項及び第二項中「公益認定を受けた後」とあるのは「登記をした日以後」とする。 (認定の取消し等に伴う贈与に関する特則) 第百十四条 第百六条第一項の登記をした公益法人については、公益法人認定法第三十条第二項各号中「公益認定を受けた日」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第百六条第一項の登記をした日」とする。 第五款 通常の一般社団法人又は一般財団法人への移行 (移行の認可の申請) 第百十五条 特例民法法人は、第四十五条の認可の申請をすることができる。 2 第四十四条の認定の申請をした特例民法法人は、同条の認定をしない処分を受けた後でなければ、前項の申請をすることができない。 (移行期間満了後における認可の申請の特例) 第百十六条 前条第二項の規定にかかわらず、第四十四条の認定の申請をした特例民法法人は、移行期間の満了の日後において当該申請に対する処分がされていないときに限り、第四十五条の認可の申請をすることができる。 2 前項の規定により第四十五条の認可の申請があった場合において、第四十四条の認定をする処分があったときは、当該申請は、取り下げられたものとみなす。 3 第一項の規定により第四十五条の認可の申請を受けた行政庁は、第四十四条の認定の申請の取下げがあった後又は同条の認定をしない処分をした後遅滞なく、第四十五条の認可の申請に対する審査を開始しなければならない。 4 第一項の規定により第四十五条の認可の申請をした特例民法法人については、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定は、適用しない。 一 第四十四条の認定の申請を取り下げた場合 第四十六条第一項本文 二 第四十四条の認定をしない処分の通知を受けた場合 第百十条第一項 (認可の基準) 第百十七条 行政庁は、第四十五条の認可の申請をした特例民法法人(以下この款において「認可申請法人」という。)が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該認可申請法人について同条の認可をするものとする。 一 第百二十条第二項第二号の定款の変更の案の内容が一般社団・財団法人法及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。 二 第百十九条第一項に規定する公益目的財産額が内閣府令で定める額を超える認可申請法人にあっては、同項に規定する公益目的支出計画が適正であり、かつ、当該認可申請法人が当該公益目的支出計画を確実に実施すると見込まれるものであること。 (定款の変更に関する特則) 第百十八条 第百二条の規定は、第四十五条の認可を受けようとする特例民法法人の定款の変更について準用する。 この場合において、第百二条中「第百六条第一項」とあるのは「第百二十一条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項」と、「公益社団法人又は公益財団法人」とあるのは「一般社団法人又は一般財団法人」と、「第百条各号」とあるのは「第百十七条各号」と読み替えるものとする。 (公益目的支出計画の作成) 第百十九条 第四十五条の認可を受けようとする特例民法法人は、当該認可を受けたときに解散するものとした場合において旧民法第七十二条の規定によれば当該特例民法法人の目的に類似する目的のために処分し、又は国庫に帰属すべきものとされる残余財産の額に相当するものとして当該特例民法法人の貸借対照表上の純資産額を基礎として内閣府令で定めるところにより算定した額が内閣府令で定める額を超える場合には、内閣府令で定めるところにより、当該算定した額(以下この款において「公益目的財産額」という。)に相当する金額を公益の目的のために支出することにより零とするための計画(以下この款において「公益目的支出計画」という。)を作成しなければならない。 2 公益目的支出計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 公益の目的のための次に掲げる支出 イ 公益目的事業のための支出 ロ 公益法人認定法第五条第二十号に規定する者に対する寄附 ハ 第四十五条の認可を受けた後も継続して行う不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する目的に関する事業のための支出(イに掲げるものを除く。)その他の内閣府令で定める支出 二 公益目的財産額に相当する金額から前号の支出の額(当該支出をした事業に係る収入があるときは、内閣府令で定めるところにより、これを控除した額に限る。)を控除して得た額(以下この款において「公益目的財産残額」という。)が零となるまでの各事業年度ごとの同号の支出に関する計画 三 前号に掲げるもののほか、第一号の支出を確保するために必要な事項として内閣府令で定める事項 (認可の申請手続等) 第百二十条 第四十五条の認可の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。 一 名称及び代表者の氏名 二 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 定款 二 定款の変更の案(認可申請法人において定款の変更について必要な手続を経ているものに限る。) 三 公益目的財産額及びその計算を記載した内閣府令で定める書類 四 財産目録、貸借対照表その他の認可申請法人の財務内容を示す書類として内閣府令で定めるもの 五 前条第一項の規定により公益目的支出計画を作成しなければならない認可申請法人にあっては、公益目的支出計画を記載した書類 六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 前項の規定にかかわらず、第四十五条の認可の申請が第百十六条第一項の規定によりされたものである場合には、第一項の申請書には、内閣府令で定める書類の添付を省略することができる。 4 行政庁は、認可申請法人が作成した公益目的支出計画が第百十七条第二号に掲げる基準に適合するかどうかを判断するために必要な場合には、当該認可申請法人の事業活動の内容について、旧主務官庁の意見を聴くものとする。 5 行政庁は、第一項の申請書の提出を受け、又は第四十五条の認可をし、若しくはしない処分をしたときは、直ちに、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 (認定に関する規定の準用) 第百二十一条 第百六条の規定は、第四十五条の認可を受けた場合の登記について準用する。 この場合において、第百六条第一項中「公益法人(公益法人認定法第二条第三号に規定する公益法人をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは、「一般社団法人又は一般財団法人」と読み替えるものとする。 2 第百十条の規定は、移行期間の満了の日後に第四十五条の認可をしない処分の通知を受けた認可申請法人について準用する。 この場合において、第百十条第二項中「第百五条」とあるのは、「第百二十条第五項」と読み替えるものとする。 3 第百十一条の規定は、第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般社団法人及び一般財団法人について準用する。 (移行の登記をした一般財団法人に関する経過措置) 第百二十二条 前条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたとき」とあるのは「旨を一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第百二十一条第一項において読み替えて準用する整備法第百六条第一項の登記の日以前に定款で定めているとき」と、同条第三項中「その設立の」とあるのは「整備法第百二十一条第一項において読み替えて準用する整備法第百六条第一項の登記をした」とする。 2 一般社団・財団法人法第二百二条第二項の規定は、前条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般財団法人については、当該登記をした日の属する事業年度から適用する。 (移行法人の義務等) 第百二十三条 第百二十一条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般社団法人又は一般財団法人であってその作成した公益目的支出計画の実施について次条の確認を受けていないもの(以下この節において「移行法人」という。)は、同条の確認を受けるまで、公益目的支出計画(第百二十五条第一項の変更の認可を受けたときは、その変更後のもの。以下この款において同じ。)に定めたところに従って第百十九条第二項第一号の支出をしなければならない。 2 第四十五条の認可をした行政庁(以下この節において「認可行政庁」という。)は、移行法人の公益目的支出計画の履行を確保するために必要な範囲内において、移行法人を監督するものとする。 (公益目的支出計画の実施が完了したことの確認) 第百二十四条 移行法人は、第百十九条第二項第一号の支出により公益目的財産残額が零となったときは、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁に公益目的支出計画の実施が完了したことの確認を求めることができる。 (公益目的支出計画の変更の認可等) 第百二十五条 移行法人は、公益目的支出計画の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁の認可を受けなければならない。 2 第百十七条(第二号に係る部分に限る。)の規定は、前項の変更の認可について準用する。 3 移行法人は、次に掲げる場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を認可行政庁に届け出なければならない。 一 名称若しくは住所又は代表者の氏名を変更したとき。 二 公益目的支出計画について第一項の内閣府令で定める軽微な変更をしたとき。 三 定款で残余財産の帰属に関する事項を定めたとき又はこれを変更したとき。 四 定款で移行法人の存続期間若しくは解散の事由を定めたとき又はこれらを変更したとき。 五 解散(合併による解散を除く。)をしたとき。 (合併をした場合の届出等) 第百二十六条 移行法人が合併をした場合には、合併後存続する法人(公益法人を除く。以下この項、次項及び第四項において同じ。)又は合併により設立する法人(公益法人を除く。次項から第四項までにおいて同じ。)は、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる合併の場合の区分に応じ、当該各号に定める認可行政庁に合併をした旨を届け出なければならない。 一 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が移行法人であるとき 当該移行法人に係る認可行政庁及び合併により消滅する移行法人がある場合にあっては、当該移行法人に係る認可行政庁 二 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が移行法人以外の法人であるとき 合併により消滅する移行法人に係る認可行政庁 三 移行法人が新設合併をした場合 合併により消滅する移行法人に係る認可行政庁 2 前項の規定による届出には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 合併後存続する法人又は合併により設立する法人の定款 二 合併をする移行法人の最終事業年度(一般社団法人である移行法人にあっては一般社団・財団法人法第二条第二号に規定する最終事業年度をいい、一般財団法人である移行法人にあっては同条第三号に規定する最終事業年度をいう。次号において同じ。)に係る貸借対照表その他の財務内容を示す書類として内閣府令で定めるもの 三 合併をする移行法人の最終事業年度に係る次条第一項に規定する公益目的支出計画実施報告書 四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 第一項第二号又は第三号に掲げる場合における同項の規定による届出をした一般社団法人又は一般財団法人は、同項第二号に掲げる場合にあっては当該吸収合併がその効力を生ずる日以後、同項第三号に掲げる場合にあっては合併により設立する法人の成立の日以後、同項第二号又は第三号に定める認可行政庁(認可行政庁が二以上あるときは、これらの認可行政庁が内閣府令で定めるところにより協議して定める一の認可行政庁)を認可行政庁とする移行法人とみなして、第百二十三条から第百三十条まで及び第百三十二条の規定を適用する。 4 移行法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人についての公益目的財産額は、合併をする移行法人の公益目的財産額の合計額とする。 5 次の各号に掲げる場合にあっては、合併により消滅する移行法人は、当該各号に定める日において第百二十四条の確認を受けたものとみなす。 一 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が公益法人であるとき 当該吸収合併がその効力を生ずる日 二 移行法人が新設合併をした場合であって合併により設立する法人が公益法人であるとき 当該新設合併により設立する法人の成立の日 6 前項の場合には、合併後存続する公益法人又は合併により設立する公益法人は、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、当該合併により消滅した移行法人が第百二十四条の確認を受けたものとみなされた旨を当該移行法人に係る従前の認可行政庁に届け出なければならない。 (公益目的支出計画実施報告書の作成及び提出等) 第百二十七条 移行法人は、各事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、公益目的支出計画の実施の状況を明らかにする書類(以下この節において「公益目的支出計画実施報告書」という。)を作成しなければならない。 2 一般社団・財団法人法第百二十三条第三項及び第四項、第百二十四条第一項及び第三項、第百二十五条並びに第百二十六条第一項及び第三項(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、移行法人の公益目的支出計画実施報告書について準用する。 この場合において、一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第百二十五条中「法務省令」とあるのは、「内閣府令」と読み替えるものとする。 3 移行法人は、毎事業年度の経過後三箇月以内に、当該事業年度の一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書を認可行政庁に提出しなければならない。 4 認可行政庁は、移行法人から提出を受けた公益目的支出計画実施報告書について閲覧又は謄写の請求があった場合には、内閣府令で定めるところにより、その閲覧又は謄写をさせなければならない。 5 移行法人は、次の各号に掲げる移行法人の区分に応じ、公益目的支出計画実施報告書を、当該各号に定める日から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 一 一般社団法人である移行法人 定時社員総会の日の一週間(理事会を置く移行法人にあっては、二週間)前の日(一般社団・財団法人法第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である移行法人 定時評議員会の日の二週間前の日(一般社団・財団法人法第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 6 何人も、移行法人の業務時間内は、いつでも、公益目的支出計画実施報告書について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該移行法人は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。 一 公益目的支出計画実施報告書が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 公益目的支出計画実施報告書が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 (報告及び検査) 第百二十八条 認可行政庁は、移行法人が次のいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由があるときは、この款の規定の施行に必要な限度において、移行法人に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告を求め、又はその職員に、当該移行法人の事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 一 正当な理由がなく、第百十九条第二項第一号の支出をしないこと。 二 各事業年度ごとの第百十九条第二項第一号の支出が、公益目的支出計画に定めた支出に比して著しく少ないこと。 三 公益目的財産残額に比して当該移行法人の貸借対照表上の純資産額が著しく少ないにもかかわらず、第百二十五条第一項の変更の認可を受けず、将来における公益目的支出計画の実施に支障が生ずるおそれがあること。 2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (勧告及び命令) 第百二十九条 認可行政庁は、移行法人が前条第一項各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該移行法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。 2 認可行政庁は、前項の勧告を受けた移行法人が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該移行法人に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 (移行法人の清算時の残余財産の帰属の制限) 第百三十条 移行法人が清算をする場合において、公益目的財産残額があるときは、当該移行法人の残余財産のうち当該公益目的財産残額に相当する額の財産(当該残余財産の額が当該公益目的財産残額を下回っているときは、当該残余財産)については、一般社団・財団法人法第二百三十九条の規定にかかわらず、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁の承認を受けて、公益法人認定法第五条第二十号に規定する者に帰属させなければならない。 (認可の取消し) 第百三十一条 認可行政庁は、第四十五条の認可を受けた認可申請法人が、偽りその他不正の手段により当該認可を受けたときは、その認可を取り消さなければならない。 この場合において、同条の認可を取り消す処分を受けた当該認可申請法人は、特例民法法人とみなす。 2 第百九条第一項の規定は、第四十五条の認可を受けた特例民法法人について準用する。 この場合において、同項中「第百六条第二項」とあるのは、「第百二十一条第一項において準用する第百六条第二項」と読み替えるものとする。 3 第百九条第二項の規定は、第一項の規定又は前項において読み替えて準用する同条第一項の規定により認可を取り消した場合について準用する。 4 移行期間の満了の日後に第一項の規定又は第二項において読み替えて準用する第百九条第一項の規定により第四十五条の認可を取り消す処分の通知を受けた特例民法法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 5 第百九条第五項の規定は、旧主務官庁が第三項において準用する同条第二項の規定による通知を受けた場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「前項」とあるのは、「第百三十一条第四項」と読み替えるものとする。 (移行法人が公益法人の認定を受けた場合の特則) 第百三十二条 移行法人が公益法人認定法第四条の認定を受けた場合には、当該認定を受けた日において第百二十四条の確認を受けたものとみなす。 2 前項の場合には、公益法人認定法第四条の認定を受けた公益法人は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、第百二十四条の確認を受けたものとみなされた旨を従前の認可行政庁に届け出なければならない。 第六款 雑則 (委員会への諮問等) 第百三十三条 公益法人認定法第三十二条第一項に規定する公益認定等委員会(以下この款において「委員会」という。)は、公益法人認定法の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、この款の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。 2 内閣総理大臣は、第四十四条の認定の申請に対する処分をしようとする場合(認定申請法人が第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条各号(第一号イ及び第二号を除く。)のいずれかに該当するものである場合及び第百一条第二項に規定するものである場合並びに行政手続法(平成五年法律第八十八号)第七条の規定に基づき当該認定を拒否する場合を除く。)には、第百四条第一項において読み替えて準用する公益法人認定法第八条の規定による同条第一号に規定する許認可等行政機関の意見(第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条第四号に該当する事由の有無に係るものを除く。)を付して、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 3 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 第四十五条の認可の申請又は第百二十五条第一項の変更の認可の申請に対する処分をしようとする場合(行政手続法第七条の規定に基づきこれらの認可を拒否する場合を除く。) 二 第百二十九条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消しをしようとする場合(次に掲げる場合を除く。) イ 第百二十五条第三項若しくは第百二十六条第一項の規定による届出又は第百二十七条第三項の規定による計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書の提出をしなかったことを理由としてこれらの処分をしようとする場合 ロ 第百三十六条第一項の勧告に基づいてこれらの処分をしようとする場合 三 第百三十八条第二項において読み替えて準用する前項ただし書、この項ただし書及び次項ただし書の政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合並びに第六十条第一項、第百三条第一項及び第二項第三号、第百十七条第二号、第百十九条第一項並びに第二項第一号ハ、第二号及び第三号、第百二十条第一項、第二項第三号、第四号及び第六号並びに第三項、第百二十五条第一項(軽微な変更を定める内閣府令に係る部分を除く。)及び第三項(第二号を除く。)、第百二十六条第一項並びに第二項第二号及び第四号、第百二十七条第一項、同条第二項において読み替えて準用する一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第百二十五条、次条及び第百三十九条において準用する公益法人認定法第四十四条第一項並びに第百三十六条第二項(第百四十一条において準用する場合を含む。)の内閣府令の制定又は改廃をしようとする場合 4 内閣総理大臣は、第二項若しくは前項第一号に規定する処分又は同項第二号に規定する命令若しくは認可の取消しについての審査請求に対する裁決をしようとする場合には、次に掲げる場合を除き、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 審査請求が不適法であるとして却下する場合 二 審査請求をした特例民法法人が第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条各号のいずれかに該当するものである場合又は第百一条第二項に規定するものである場合 三 前項第二号イに規定する理由による処分についての審査請求である場合 (答申の公表等) 第百三十四条 公益法人認定法第四十四条の規定は、前条第二項から第四項までの規定による諮問に対する答申について準用する。 (内閣総理大臣による送付等) 第百三十五条 内閣総理大臣は、第百二十五条第三項、第百二十六条第一項若しくは第六項又は第百三十二条第二項の規定による届出に係る書類の写し並びに第百二十七条第三項の規定により提出を受けた計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書の写しを委員会に送付しなければならない。 2 内閣総理大臣は、委員会に諮問しないで次に掲げる措置を講じたときは、その旨を委員会に通知しなければならない。 一 第四十四条の認定の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 二 第四十五条の認可の申請又は第百二十五条第一項の変更の認可の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 三 第百二十九条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消し(次条第一項の勧告に基づく命令又は認可の取消しを除く。) 四 第百三十三条第三項第三号の政令の制定又は改廃の立案及び同号の内閣府令の制定又は改廃 五 第百三十三条第四項に規定する審査請求に対する裁決(審査請求が不適法であることによる却下の裁決を除く。) (委員会による勧告等) 第百三十六条 委員会は、前条第一項若しくは第二項(第一号及び第四号を除く。)の場合又は第百四十三条第一項の規定に基づき第百二十八条第一項の規定による報告の徴収、検査若しくは質問を行った場合には、移行法人が第百十七条第二号に掲げる基準に適合するかどうかを審査し、必要があると認めるときは、第百二十九条第一項の勧告若しくは同条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消しその他の措置をとることについて内閣総理大臣に勧告をすることができる。 2 委員会は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該勧告の内容を公表しなければならない。 3 委員会は、第一項の勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 (資料提出その他の協力) 第百三十七条 公益法人認定法第四十七条の規定は、この款の規定により委員会の権限に属させられた事務を処理する場合について準用する。 (合議制の機関への諮問等) 第百三十八条 公益法人認定法第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この款において単に「合議制の機関」という。)は、同項の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、この款の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。 2 第百三十三条第二項、第三項(第三号を除く。)及び第四項の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第二項中「委員会に」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同条第三項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同項第二号ロ中「第百三十六条第一項」とあるのは「第百四十一条において読み替えて準用する第百三十六条第一項」と、同条第四項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と読み替えるものとする。 (答申の公表等) 第百三十九条 公益法人認定法第四十四条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第二項中「内閣総理大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (都道府県知事による通知等) 第百四十条 第百三十五条(第二項第四号を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「委員会」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同条第二項中「委員会」とあるのは「合議制の機関」と、同項第三号中「次条第一項」とあるのは「第百四十一条において読み替えて準用する次条第一項」と、同項第五号中「第百三十三条第四項」とあるのは「第百三十八条第二項において読み替えて準用する第百三十三条第四項」と読み替えるものとする。 (合議制の機関による勧告等) 第百四十一条 第百三十六条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第一項中「前条第一項若しくは第二項(第一号及び第四号を除く。)」とあるのは「第百四十条において読み替えて準用する前条第一項又は第二項(第一号を除く。)」と、「第百四十三条第一項の規定に基づき」とあるのは「第百四十三条第二項の規定により読み替えて適用する」と、同項及び同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (資料提出その他の協力) 第百四十二条 公益法人認定法第四十七条の規定はこの款の規定により合議制の機関の権限に属させられた事務を処理する場合について、公益法人認定法第五十六条の規定はこの節の規定の施行について、それぞれ準用する。 (権限の委任等) 第百四十三条 内閣総理大臣は、第百二十八条第一項の規定による権限を委員会に委任する。 2 認可行政庁が都道府県知事である場合には、第百二十八条第一項中「認可行政庁」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関」と、「その職員」とあるのは「その庶務をつかさどる職員」とする。 第七款 罰則 第百四十四条 次のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 一 偽りその他不正の手段により第四十四条の認定、第四十五条の認可又は第百二十五条第一項の変更の認可を受けた者 二 第百二十九条第二項の規定による命令に違反した者 第百四十五条 次のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第四十二条第三項の規定に違反して、公益社団法人又は公益財団法人という文字をその名称中に用いた者 二 第四十二条第四項の規定に違反して、公益財団法人又は公益社団法人という文字をその名称中に用いた者 第百四十六条 第百三条第一項の申請書若しくは同条第二項各号に掲げる書類又は第百二十条第一項の申請書若しくは同条第二項各号に掲げる書類に虚偽の記載をして提出した者は、三十万円以下の罰金に処する。 第百四十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 第百四十八条 特例民法法人の理事又は監事は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 一 第六十条第一項の規定に違反して、計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第七十条第二項(第七十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、財産目録等を備え置かず、又は財産目録等に虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 三 正当な理由がないのに、第七十条第三項各号(第七十一条において準用する場合を含む。)に掲げる請求を拒んだとき。 四 第七十条第四項又は第六項(これらの規定を第七十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 五 第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による登記をすることを怠ったとき。 第百四十九条 移行法人の理事、監事又は清算人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 一 第百二十七条第一項の規定に違反して、公益目的支出計画実施報告書に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第百二十七条第五項の規定に違反して、公益目的支出計画実施報告書を備え置かなかったとき。 三 正当な理由がないのに、第百二十七条第六項各号に掲げる請求を拒んだとき。 第百五十条 特例民法法人の理事又は監事は、第七十二条第二項又は第百六条第二項(第百二十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、五十万円以下の過料に処する。 第百五十一条 移行法人又は公益法人の理事、監事又は清算人は、次のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。 一 第百二十五条第三項、第百二十六条第一項若しくは第六項又は第百三十二条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第百二十七条第三項の規定に違反して、一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等又は公益目的支出計画実施報告書を提出せず、又はこれに虚偽の記載をして提出したとき。 三 第百二十八条第一項の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。 第百五十二条 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第四十二条第三項の規定に違反して、一般社団法人という文字をその名称中に用いた者 二 第四十二条第四項の規定に違反して、一般財団法人という文字をその名称中に用いた者 三 第四十二条第五項の規定に違反して、特例社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 四 第四十二条第六項の規定に違反して、特例財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 第六節 法人の登記に関する経過措置 (法人の登記) 第百五十四条 一般社団・財団法人法第六章第四節の規定は、この節に別段の定めがある場合を除き、施行日前に生じた事項にも適用する。 ただし、前条による改正前の非訟事件手続法(以下「旧非訟事件手続法」という。)の規定によって生じた効力を妨げない。 2 施行日前にした旧非訟事件手続法の規定又は旧非訟事件手続法第百二十四条において準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、この条に別段の定めがある場合を除き、一般社団・財団法人法の相当規定又は一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の相当規定によってしたものとみなす。 3 第四十三条第二項又は第四十八条第二項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における特例民法法人の設立又は理事に関する登記の申請その他の登記に関する手続については、なお従前の例による。 4 施行日前にされた登記の申請に係る登記に関する手続については、なお従前の例による。 5 施行日前に登記すべき事項が生じた場合における登記の申請書に添付すべき資料については、なお従前の例による。 6 特例財団法人が登記すべき事項につき第九十四条第二項の定めによる手続又は同条第三項により理事若しくは清算人の定める手続を要するときは、申請書にこれらの手続があったことを証する書面を添付しなければならない。 7 特例民法法人の合併による変更の登記については、一般社団・財団法人法第三百二十二条第二号中「第二百五十二条第二項」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条第四項」と、同号及び同条第五号中「催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)」とあるのは「催告」と、同条第四号中「第二百四十七条」とあるのは「整備法第六十七条」と、同条第五号中「第二百四十八条第二項」とあるのは「整備法第七十条第四項」とする。 (登記簿) 第百五十五条 この法律の施行の際現に登記所に備えられている旧非訟事件手続法第百十九条に規定する法人登記簿のうち、旧社団法人に係る部分及び旧財団法人に係る部分は、それぞれ一般社団・財団法人法第三百十六条に規定する一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿とみなす。 (法務大臣の指定) 第百五十六条 この法律の施行の際現に存する旧非訟事件手続法第百二十四条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定は、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定とみなす。 (移行の登記) 第百五十七条 第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の設立の登記においては、特例民法法人の成立の年月日、特例民法法人の名称並びに名称を変更した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (移行の登記の申請) 第百五十八条 前条の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 第四十四条の認定又は第四十五条の認可を受けたことを証する書面 二 定款 三 新たに選任する評議員、理事又は監事がいる場合は、第九十二条の認可を受けたことを証する書面及び当該者が就任を承諾したことを証する書面 四 前条の登記をする者が次のイ又はロに掲げるものである場合において、新たに選任する会計監査人がいるときは、当該イ又はロに定める書面 イ 特例社団法人 一般社団・財団法人法第三百十八条第二項第四号に掲げる書面 ロ 特例財団法人 一般社団・財団法人法第三百十九条第二項第六号に掲げる書面 第百五十九条 第四十四条の認定又は第四十五条の認可を受けた特例民法法人についての解散の登記の申請と名称の変更後の公益法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人についての設立の登記の申請とは、同時にしなければならない。 2 前項の解散の登記の申請については、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の申請書の添付書面に関する規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の登記の申請のいずれかにつき一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第二十四条各号のいずれかに掲げる事由があるときは、これらの申請を共に却下しなければならない。 (法務省令への委任) 第百六十条 第百五十四条から前条までに定めるもののほか、法人の登記に関する手続について必要な経過措置は、法務省令で定める。 第十三章 罰則に関する経過措置及び政令への委任 (罰則に関する経過措置) 第四百五十七条 施行日前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第四百五十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による法律の廃止又は改正に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第五十号
46
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 抄 第一章 中間法人法の廃止、民法の一部改正等 第一節 中間法人法の廃止 第一条 中間法人法(平成十三年法律第四十九号)は、廃止する。 第二節 中間法人法の廃止に伴う経過措置 第一款 有限責任中間法人に関する経過措置 (旧有限責任中間法人の存続) 第二条 前条の規定による廃止前の中間法人法(以下「旧中間法人法」という。)の規定による有限責任中間法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧有限責任中間法人」という。)は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後は、この款の定めるところにより、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)の規定による一般社団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧有限責任中間法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第三条 前条第一項の規定により存続する一般社団法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会の終結の時までは、適用しない。 ただし、施行日以後に名称の変更をする定款の変更をした場合は、この限りでない。 2 前条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法第五条第一項の規定に違反したときは、二十万円以下の過料に処する。 (旧有限責任中間法人の設立手続等の効力) 第四条 旧有限責任中間法人の設立、基金増加又は合併について施行日前に行った社員総会の決議その他の手続は、施行日前にこれらの行為の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (定款の記載等に関する経過措置) 第五条 旧有限責任中間法人の定款における旧中間法人法第十条第三項各号に掲げる事項(基金(代替基金を含む。以下この項において同じ。)の総額を除く。)の記載又は記録はこれに相当する第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款における一般社団・財団法人法第十一条第一項各号及び第百三十一条各号に掲げる事項の記載又は記録とみなし、旧有限責任中間法人の定款における基金の総額の記載又は記録は第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款に記載又は記録がないものとみなす。 2 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款には、監事を置く旨及び一般社団・財団法人法第百三十一条に規定する基金を引き受ける者の募集をすることができる旨の定めがあるものとみなす。 3 旧有限責任中間法人の定款における理事会を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する理事会を置く旨の定めとしての効力を有しない。 (定款の備置き及び閲覧等に関する特則) 第六条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人は、一般社団・財団法人法第十四条第二項各号に掲げる請求に応じる場合には、当該請求をした者に対し、定款に記載又は記録がないものであっても、前条第二項の規定により定款に定めがあるものとみなされる事項を示さなければならない。 (社員名簿に関する経過措置) 第七条 旧有限責任中間法人の社員名簿は、一般社団・財団法人法第三十一条に規定する社員名簿とみなす。 (社員総会の権限及び手続に関する経過措置) 第八条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会に相当する第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会の権限及び手続については、なお従前の例による。 (社員総会の決議に関する経過措置) 第九条 施行日前に旧有限責任中間法人の社員総会が旧中間法人法の規定に基づいてした理事又は監事の選任その他の事項に関する決議は、当該決議があった日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (会計監査人の設置義務に関する規定の適用除外) 第十条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、一般社団・財団法人法第六十二条の規定は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会の終結の時までは、適用しない。 (理事及び理事会の権限等に関する規定の適用除外) 第十一条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日までは、適用しない。 一 一般社団・財団法人法第七十六条第四項 前条の定時社員総会の終結の日から三箇月を経過する日 二 一般社団・財団法人法第九十条第五項 前条の定時社員総会の終結後最初に開催される理事会の終結の日 (理事等の資格等に関する経過措置) 第十二条 一般社団・財団法人法第六十五条第一項(一般社団・財団法人法第二百九条第五項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、旧中間法人法の規定(この款の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧中間法人法の規定を含む。)に違反し、刑に処せられた者は、一般社団・財団法人法の規定に違反し、刑に処せられたものとみなす。 2 一般社団・財団法人法第六十五条第一項第三号(一般社団・財団法人法第二百九条第五項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行の際現に旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人である者が施行日前に犯した同号に規定する民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)又は破産法(平成十六年法律第七十五号)の罪により刑に処せられた場合におけるその者の第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の理事、監事又は清算人としての継続する在任については、適用しない。 (理事等の任期に関する経過措置) 第十三条 この法律の施行の際現に旧有限責任中間法人の理事又は監事である者の任期については、なお従前の例による。 (役員等の行為に関する経過措置) 第十四条 ある者が旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人として施行日前にした又はすべきであった旧中間法人法又は旧中間法人法において準用する第二百四十四条の規定による改正前の会社法(平成十七年法律第八十六号。第二十一条において「旧会社法」という。)に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の理事、監事又は清算人としてした又はすべきであった一般社団・財団法人法の相当規定に規定する行為とみなす。 (業務の執行に関する検査役の選任に関する経過措置) 第十五条 一般社団・財団法人法第八十六条の規定の適用については、施行日前に旧有限責任中間法人がした業務の執行は、当該業務の執行の日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人がしたものとみなす。 (理事等の損害賠償責任に関する経過措置) 第十六条 旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人の施行日前の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (計算書類の作成等に関する経過措置) 第十七条 旧有限責任中間法人が旧中間法人法の規定に基づいて施行日前に作成した会計帳簿、計算書類その他の会計又は経理に関する書類は、その作成の日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 2 施行日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る旧中間法人法第五十九条第二項各号に掲げる書類及びこれらの附属明細書の作成、監査及び承認の方法については、なお従前の例による。 3 第一項の規定は、前項の規定により作成した旧中間法人法第五十九条第二項各号に掲げる書類及びこれらの附属明細書について準用する。 4 一般社団・財団法人法第百二十八条第一項の規定は、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなされた貸借対照表(第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法第二条第二号の大規模一般社団法人である場合にあっては、貸借対照表及び損益計算書)については、適用しない。 (基金に関する経過措置) 第十八条 この法律の施行の際現に存する基金又は代替基金は、それぞれ一般社団・財団法人法第百三十一条に規定する基金又は一般社団・財団法人法第百四十四条第一項の代替基金とみなす。 2 前条第二項の規定によりなお従前の例によることとされる旧中間法人法第五十九条第三項の承認に基づく基金の返還については、なお従前の例による。 (旧有限責任中間法人が解散した場合における法人の継続及び清算に関する経過措置) 第十九条 施行日前に生じた旧中間法人法第八十一条第一項各号に掲げる事由により旧有限責任中間法人が解散した場合における第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の継続及び清算については、なお従前の例による。 ただし、継続及び清算に関する登記の登記事項(施行日前に清算人の登記をした場合にあっては、主たる事務所の所在地における登記事項のうち清算人及び代表清算人の氏名及び住所を除く。)については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (有限責任中間法人の組織に関する訴え等に関する経過措置) 第二十条 施行日前に提起された、旧有限責任中間法人の設立の無効若しくは取消しの訴え、社員総会の決議の不存在若しくは無効の確認の訴え、社員総会の決議の取消しの訴え、理事若しくは監事の解任の訴え、基金増加の無効の訴え、旧有限責任中間法人の解散を求める訴え又は合併の無効の訴えについては、なお従前の例による。 2 施行日前に社員が旧中間法人法第四十九条第一項前段(旧中間法人法第五十八条第二項及び第九十一条第三項において準用する場合を含む。)の訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 3 施行日前に提起された旧有限責任中間法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の清算については、なお従前の例による。 ただし、清算に関する登記の登記事項については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (非訟事件に関する経過措置) 第二十一条 施行日前に申立て又は裁判があった旧中間法人法又は旧中間法人法において準用する旧会社法の規定による非訟事件(清算に関する事件を除く。)の手続については、なお従前の例による。 (登記に関する経過措置) 第二十二条 旧中間法人法の規定による旧有限責任中間法人の登記は、一般社団・財団法人法の相当規定による第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の登記とみなす。 2 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、施行日に、その主たる事務所の所在地において、監事設置一般社団法人である旨の登記がされたものとみなす。 3 主たる事務所の所在地における理事、代表理事及び監事の登記の登記事項については、第三条第一項ただし書の定款の変更に基づく名称の変更の登記をするまでの間は、なお従前の例による。 4 旧有限責任中間法人は、前項の名称の変更の登記をするときは、当該登記と同時に、当該旧有限責任中間法人の理事、代表理事及び監事の全員について一般社団・財団法人法第三百一条第二項第五号、第六号及び第八号(監事の氏名に限る。)に掲げる事項の登記をしなければならない。 5 旧有限責任中間法人の理事又は清算人は、前項の規定に違反した場合には、百万円以下の過料に処する。 (登記の手続に関する経過措置) 第二十三条 一般社団・財団法人法附則第二項の規定は、旧中間法人法において準用する商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の規定によって生じた効力を妨げない。 2 施行日前にした旧中間法人法において準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、この条に別段の定めがある場合を除き、一般社団・財団法人法の相当規定又は一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の相当規定によってしたものとみなす。 3 施行日前にされた登記の申請に係る登記に関する手続については、なお従前の例による。 4 施行日前に登記すべき事項が生じた場合における登記の申請書に添付すべき資料については、なお従前の例による。 5 この法律の施行の際現に登記所に備えられている旧中間法人法第百五十条の中間法人登記簿(旧有限責任中間法人に関するものに限る。)は、一般社団・財団法人法第三百十六条の一般社団法人登記簿とみなす。 6 この法律の施行の際現に存する旧中間法人法第百五十一条第一項において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定は、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定とみなす。 7 登記官は、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人について、職権で、その主たる事務所の所在地において、監事設置一般社団法人である旨の登記をしなければならない。 8 第十九条及び第二十条第三項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧有限責任中間法人の継続及び清算に関する登記その他の登記の申請その他の登記に関する手続については、なお従前の例による。 9 前各項に定めるもののほか、第一条の規定による中間法人法の廃止に伴う登記に関する手続について必要な経過措置は、法務省令で定める。 第二款 無限責任中間法人に関する経過措置 (旧無限責任中間法人の存続) 第二十四条 旧中間法人法の規定による無限責任中間法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧無限責任中間法人」という。)は、施行日以後は、この款の定めるところにより、一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧無限責任中間法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第二十五条 前条第一項の規定により存続する一般社団法人は、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定にかかわらず、その名称中に無限責任中間法人という文字を用いなければならない。 2 前項の規定によりその名称中に無限責任中間法人という文字を用いる前条第一項の規定により存続する一般社団法人(以下「特例無限責任中間法人」という。)は、その名称中に特例無限責任中間法人以外の一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 特例無限責任中間法人以外の一般社団法人は、その名称中に、特例無限責任中間法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 4 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第二項の規定に違反して、特例無限責任中間法人以外の一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 二 前項の規定に違反して、特例無限責任中間法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 (旧無限責任中間法人の設立手続等の効力) 第二十六条 旧無限責任中間法人の設立又は合併について施行日前に行った総社員の同意その他の手続は、施行日前にこれらの行為の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (特例無限責任中間法人に関する経過措置) 第二十七条 特例無限責任中間法人に関する次に掲げる事項については、なお従前の例による。 一 登記及び登記の手続 二 解散命令 三 定款の記載又は記録事項 四 設立の無効又は取消しの訴え 五 社員の資格の得喪 六 社員、退社した社員又は自己を社員であると誤認させる行為をした者の責任 七 業務の執行 八 法人の代表 九 事業譲渡 十 事業の遂行の状況について社員が行う報告又は特例無限責任中間法人の業務及び財産の状況の調査 十一 社員がする旧中間法人法第百六条第一項各号に規定する取引の制限 十二 貸借対照表の作成及び保存並びに提出命令 十三 定款の変更 十四 解散事由及び解散法人の継続 十五 解散を求める訴え 十六 清算 (破産法の準用) 第二十八条 破産法第十六条第二項の規定は、存立中の特例無限責任中間法人について準用する。 (一般社団・財団法人法の適用除外) 第二十九条 特例無限責任中間法人については、一般社団・財団法人法第十四条、第二十三条から第二十五条まで、第二章第二節第二款、同章第三節、第百二十一条、第百二十四条から第百二十九条まで、同章第五節及び第五章の規定は、適用しない。 (一般社団法人への名称変更) 第三十条 特例無限責任中間法人は、第二十五条第一項の規定にかかわらず、施行日から起算して一年を経過する日までの間、この款の定めるところにより、その名称中に一般社団法人という文字を用いる名称の変更をすることができる。 (特例無限責任中間法人の通常の一般社団法人への移行) 第三十一条 特例無限責任中間法人が前条の規定による名称の変更(以下この款において「移行」という。)をしようとする場合には、総社員の同意によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 移行後の一般社団法人の一般社団・財団法人法第十一条第一項第一号から第三号まで及び第五号から第七号までに掲げる事項 二 前号に掲げるもののほか、移行後の一般社団法人の定款で定める事項 三 移行後の一般社団法人の理事の氏名 四 移行後の一般社団法人が監事設置一般社団法人であるときは、監事の氏名 五 移行後の一般社団法人が会計監査人設置一般社団法人であるときは、会計監査人の氏名又は名称 (債権者の異議) 第三十二条 前条の場合には、当該特例無限責任中間法人の債権者は、当該特例無限責任中間法人に対し、移行について異議を述べることができる。 2 前項の特例無限責任中間法人は、前条各号に掲げる事項を定めた日から二週間以内に、移行をする旨及び債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、債権者が異議を述べることができる期間は、一箇月を下ることができない。 3 債権者が前項の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、移行について承認をしたものとみなす。 4 債権者が第二項の期間内に異議を述べたときは、第一項の特例無限責任中間法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。)及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。第七十条第六項において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該移行をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 5 第一項の特例無限責任中間法人の社員(定款によって特例無限責任中間法人の業務を行うべき社員を定めているときは、当該社員に限る。)が、第二項又は前項の規定に違反したときは、百万円以下の過料に処する。 (移行の登記) 第三十三条 前条の規定による手続が終了したときは、特例無限責任中間法人は、その主たる事務所の所在地においては二週間以内に、その従たる事務所の所在地においては三週間以内に、当該特例無限責任中間法人については解散の登記をし、移行後の一般社団法人については設立の登記をしなければならない。 2 移行後の一般社団法人についてする登記においては、特例無限責任中間法人の成立の年月日、特例無限責任中間法人の名称並びに名称の変更をした旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (移行の効力の発生等) 第三十四条 移行は、前条第一項の設立の登記(主たる事務所の所在地におけるものに限る。)をすることによって、その効力を生ずる。 2 移行をする特例無限責任中間法人は、前項の登記の日に、第三十一条第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (移行の登記の申請) 第三十五条 前条第一項の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 第三十一条各号に掲げる事項を定めたことを証する書面 二 定款(前条第二項の変更が記載されたもの) 三 移行後の一般社団法人の理事(移行後の一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、理事及び監事)が就任を承諾したことを証する書面 四 移行後の一般社団法人の会計監査人を定めたときは、一般社団・財団法人法第三百十八条第二項第四号に掲げる書面 五 第三十二条第二項の規定による公告及び催告をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該移行をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 第三十六条 移行をした特例無限責任中間法人についての解散の登記の申請と移行後の一般社団法人についての設立の登記の申請とは、同時にしなければならない。 2 前項の解散の登記の申請については、旧中間法人法第百五十一条において準用する商業登記法の申請書の添付書面に関する規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の登記の申請のいずれかにつき商業登記法第二十四条各号のいずれかに掲げる事由があるときは、これらの申請を共に却下しなければならない。 (特例無限責任中間法人のみなし解散) 第三十七条 特例無限責任中間法人が施行日から起算して一年を経過する日までに第三十三条第一項の登記の申請をしないときは、当該特例無限責任中間法人は、その日が経過した時に解散したものとみなす。 2 前項の規定により解散した場合には、次に掲げる者が清算人となる。 一 社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除き、定款によって特例無限責任中間法人の業務を行うべき社員を定めているときは、当該社員に限る。) 二 定款に定める者 三 社員の過半数によって選任された者 3 商業登記法第七十二条の規定は、第一項の規定による解散の登記について準用する。 第四節 民法及び民法施行法の一部改正に伴う経過措置 第一款 社団法人、財団法人等の存続等 (社団法人及び財団法人の存続) 第四十条 第三十八条の規定による改正前の民法(以下「旧民法」という。)第三十四条の規定により設立された社団法人又は財団法人であってこの法律の施行の際現に存するものは、施行日以後は、この節の定めるところにより、それぞれ一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人又は一般財団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、同項の社団法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款と、同項の財団法人の寄附行為を同項の規定により存続する一般財団法人の定款とみなす。 (民法施行法社団法人及び民法施行法財団法人の存続) 第四十一条 第三十九条の規定による改正前の民法施行法(以下この節において「旧民法施行法」という。)第十九条第二項の認可を受けた法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下この節において、当該法人のうち社団であるものを「民法施行法社団法人」、財団であるものを「民法施行法財団法人」という。)は、施行日以後は、この節の定めるところにより、それぞれ一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人又は一般財団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を前項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第四十二条 第四十条第一項又は前条第一項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人であって第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の登記をしていないもの(以下それぞれ「特例社団法人」又は「特例財団法人」という。)については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない。 2 特例社団法人又は特例財団法人(以下「特例民法法人」と総称する。)については、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号。以下この節及び附則第一項において「公益法人認定法」という。)第九条第四項の規定は、適用しない。 3 特例社団法人は、その名称中に、一般社団法人又は公益社団法人若しくは公益財団法人という文字を用いてはならない。 4 特例財団法人は、その名称中に、一般財団法人又は公益財団法人若しくは公益社団法人という文字を用いてはならない。 5 特例社団法人でない者は、その名称又は商号中に、特例社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 6 特例財団法人でない者は、その名称又は商号中に、特例財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (旧民法第三十四条の許可の申請等に関する経過措置) 第四十三条 施行日前に旧民法第三十四条の許可の申請があった場合において、施行日の前日までに当該申請に対する処分がされないときは、当該申請は、同日に、却下されたものとみなす。 2 施行日前に旧民法第三十四条の許可を受けた場合における設立の登記については、なお従前の例による。 (公益社団法人又は公益財団法人への移行) 第四十四条 公益法人認定法第二条第四号に規定する公益目的事業(以下この節において単に「公益目的事業」という。)を行う特例社団法人又は特例財団法人は、施行日から起算して五年を経過する日までの期間(以下この節において「移行期間」という。)内に、第四款の定めるところにより、行政庁の認定を受け、それぞれ公益法人認定法の規定による公益社団法人又は公益財団法人となることができる。 (通常の一般社団法人又は一般財団法人への移行) 第四十五条 特例社団法人又は特例財団法人は、移行期間内に、第五款の定めるところにより、行政庁の認可を受け、それぞれ通常の一般社団法人又は一般財団法人となることができる。 (移行期間の満了による解散等) 第四十六条 移行期間内に第四十四条の認定又は前条の認可を受けなかった特例民法法人は、移行期間の満了の日に解散したものとみなす。 ただし、第四十四条の認定又は前条の認可の申請があった場合において、移行期間の満了の日までに当該申請に対する処分がされないときは、この限りでない。 2 前項本文の場合には、第九十六条第一項に規定する旧主務官庁(以下この款及び次款において単に「旧主務官庁」という。)は、前項本文の日後遅滞なく、同項本文の規定により解散したものとみなされた特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (行政庁) 第四十七条 この節における行政庁は、次の各号に掲げる特例民法法人の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 一 次に掲げる特例民法法人 内閣総理大臣 イ 二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するもの ロ 第四十四条の認定を受ける特例民法法人にあっては、公益目的事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款又は第百三条第二項第二号の定款の変更の案で定めるもの ハ 第四十五条の認可を受ける特例民法法人(第百十九条第一項に規定する公益目的支出計画において同条第二項第一号イ又はハに規定する事業を定めるものに限る。)にあっては、当該事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款又は第百二十条第二項第二号の定款の変更の案で定めるもの ニ 第四十五条の認可を受ける特例民法法人(ハに掲げるもの以外のものに限る。)にあっては、同条の認可の申請の際における旧主務官庁が旧民法第八十四条の二第一項に規定する都道府県の執行機関でないもの ホ ロに規定する特例民法法人にあっては公益目的事業、ハに規定する特例民法法人にあっては第百十九条第二項第一号イ又はハに規定する事業が国の事務又は事業と密接な関連を有する事業であって政令で定めるものであるもの 二 前号に掲げる特例民法法人以外の特例民法法人 その事務所が所在する都道府県の知事 第二款 経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 第一目 特例民法法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (理事及び監事に関する経過措置) 第四十八条 この法律の施行の際現に旧社団法人(第四十条第一項に規定する社団法人又は民法施行法社団法人をいう。以下この章において同じ。)又は旧財団法人(同項に規定する財団法人又は民法施行法財団法人をいう。以下この章において同じ。)に置かれている理事又は監事は、それぞれ一般社団・財団法人法第六十三条第一項(一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定によって選任された理事又は監事とみなす。 2 特例民法法人の理事(理事会を置く特例民法法人が選任するものを除く。)の選任及び解任、資格並びに任期については、なお従前の例による。 3 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例民法法人の監事(次に掲げる特例民法法人が選任するものを除く。)についても、前項と同様とする。 一 理事会を置く特例社団法人(以下この款において「理事会設置特例社団法人」という。) 二 会計監査人を置く特例社団法人(以下この款において「会計監査人設置特例社団法人」という。) 三 評議員を置く特例財団法人(以下この款において「評議員設置特例財団法人」という。) 4 旧社団法人又は旧財団法人が定款(旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を含む。以下この項及び第八十条において同じ。)若しくは寄附行為(旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を含む。以下この項及び第八十九条において同じ。)、定款若しくは寄附行為の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって定めた当該法人を代表する理事は、一般社団・財団法人法に規定する代表理事の地位を有しない。 (理事の代理行為の委任等に関する経過措置) 第四十九条 特例民法法人(理事会を置く特例民法法人を除く。以下この条において同じ。)の理事の代理行為の委任及び特例民法法人と理事との利益が相反する取引の制限については、なお従前の例による。 (理事及び理事会に関する規定の適用除外) 第五十条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第七十六条第四項、第八十六条から第八十九条まで及び第九十条第五項(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 2 理事会を置かない特例民法法人については、一般社団・財団法人法第八十条から第八十三条まで及び第八十五条(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (理事及び監事の行為に関する経過措置) 第五十一条 ある者が旧社団法人又は旧財団法人の理事又は監事として施行日前にした又はすべきであった旧民法に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人の理事又は監事としてした又はすべきであった一般社団・財団法人法の相当規定に規定する行為とみなす。 (監事の権限に関する経過措置) 第五十二条 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例民法法人の監事(次に掲げる特例民法法人が選任するものを除く。)の職務及び権限(第六十一条第一項及び第二項、第八十七条第三項の規定により適用する一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第二項並びに一般社団・財団法人法第七十五条(一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定によるものを除く。)については、なお従前の例による。 一 理事会設置特例社団法人 二 会計監査人設置特例社団法人 三 評議員設置特例財団法人 (会計監査人の権限等に関する特則) 第五十三条 特例民法法人の会計監査人の権限及び社員総会における意見の陳述については、一般社団・財団法人法第百七条第一項(一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)中「会計監査人は、次節の定めるところにより」とあるのは「会計監査人は」と、「計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)」とあるのは「財産目録並びに基金を引き受ける者の募集をする特例社団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十二条第一項に規定する特例社団法人をいう。)の貸借対照表」と、「会計監査人は、法務省令で定めるところにより」とあるのは「会計監査人は」と、一般社団・財団法人法第百九条第一項中「に規定する書類」とあるのは「の貸借対照表及びその附属明細書」と、「定時社員総会」とあるのは「社員総会」とする。 (会計監査人の設置義務に関する規定の適用除外) 第五十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六十二条及び第百七十一条の規定は、適用しない。 (理事及び監事の損害賠償責任に関する経過措置) 第五十五条 特例民法法人の理事又は監事の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (会計帳簿の作成に関する特則) 第五十六条 特例民法法人の会計帳簿の作成における一般社団・財団法人法第百二十条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、一般社団・財団法人法第百二十条第一項中「法務省令で定めるところにより、適時に」とあるのは、「適時に」とする。 (会計帳簿に関する規定の適用除外) 第五十七条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百二十条第二項、第百二十一条及び第百二十二条(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (財産目録の作成等に関する経過措置) 第五十八条 特例民法法人の財産目録の作成及び備置きについては、なお従前の例による。 (計算書類等に関する規定の適用除外) 第五十九条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百二十三条第二項及び第百二十四条から第百三十条まで(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (計算書類等の作成及び保存に関する特則) 第六十条 第四十四条の認定又は第四十五条の認可の申請をする特例民法法人は、内閣府令で定めるところにより、計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この節において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録(一般社団・財団法人法第十条第二項に規定する電磁的記録をいう。以下この節において同じ。)をもって作成することができる。 (計算書類等の監査等に関する特則) 第六十一条 監事を置く特例民法法人においては、前条第一項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、監事の監査を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、会計監査人を置く特例民法法人においては、次の各号に掲げるものは、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第一項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人 二 前条第一項の事業報告及びその附属明細書 監事 3 理事会を置く特例民法法人においては、第一項又は前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の社員総会への提出等に関する特則) 第六十二条 次の各号に掲げる特例社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を社員総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置特例社団法人(理事会設置特例社団法人及び会計監査人設置特例社団法人を除く。) 前条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置特例社団法人(理事会設置特例社団法人を除く。) 前条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 理事会設置特例社団法人 前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の特例社団法人 第六十条第一項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、社員総会の承認を受けなければならない。 3 理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を社員総会に報告しなければならない。 4 第一項(第三号に係る部分に限る。)及び前二項の規定は、評議員設置特例財団法人について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは、「評議員会」と読み替えるものとする。 (解散の事由に関する特則) 第六十三条 特例民法法人の解散については、一般社団・財団法人法第百四十八条第七号及び第二百二条第一項第六号中「第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第九十六条第二項の規定による解散命令」とする。 (休眠一般社団法人及び休眠一般財団法人のみなし解散等に関する規定の適用除外) 第六十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百四十九条、第百五十条、第二百二条第二項、第二百三条及び第二百四条の規定は、適用しない。 (清算に関する経過措置) 第六十五条 特例民法法人の清算については、なお従前の例による。 2 前項の規定にかかわらず、一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集を行った特例社団法人については、一般社団・財団法人法第二百三十六条の規定を適用する。 (特例民法法人の合併) 第六十六条 特例民法法人は、他の特例民法法人と合併(吸収合併に限る。)をすることができる。 この場合においては、一般社団・財団法人法第二百四十二条、第二百四十四条第二号、第二百四十六条第二項第三号、第二百四十七条から第二百四十九条まで、第二百五十条第二項第三号、第二百五十一条第一項及び第二百五十二条の規定は、適用しない。 2 合併をする特例民法法人は、吸収合併契約を締結しなければならない。 (特例民法法人の吸収合併契約の承認に関する特則) 第六十七条 合併をする特例社団法人は、第六十九条第一項の認可の申請前に、社員総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 この場合において、社員総会の決議は、総社員の四分の三(定款の変更の要件についてこれと異なる割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 2 合併をする特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。)は、第六十九条第一項の認可の申請前に、定款に定款の変更に関する定めがある場合にあっては当該定め(旧主務官庁の認可を要する旨の定めがあるときは、これを除く。)の例により、定款に定款の変更に関する定めがない場合にあっては旧主務官庁の承認を受けて理事の定める手続により、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 3 合併をする評議員設置特例財団法人は、第六十九条第一項の認可の申請前に、評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 この場合において、評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (特例民法法人の合併に伴う定款の変更に関する特則) 第六十八条 特例民法法人の合併に伴い定款の変更をする場合においては、旧主務官庁の認可を要しない。 (特例民法法人の合併の認可) 第六十九条 特例民法法人の合併は、合併後存続する特例民法法人(以下この目において「合併存続特例民法法人」という。)の当該合併後の業務の監督を行う旧主務官庁(以下この条及び第七十二条第二項において「合併後旧主務官庁」という。)の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可の申請は、政令で定めるところにより、合併をする特例民法法人が、次に掲げる事項を記載した申請書をそれぞれ合併後旧主務官庁に提出してしなければならない。 一 申請をする特例民法法人の代表者の氏名 二 合併をする特例民法法人の名称及び主たる事務所の所在場所 三 合併存続特例民法法人が名称又は主たる事務所の所在場所を変更する場合にあっては、変更後のこれらの事項 3 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 吸収合併契約書 二 吸収合併契約の承認を受けたことを証する書面 三 合併をする特例民法法人の定款 四 合併存続特例民法法人の定款の案 五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める書類 4 合併をする特例民法法人の業務の監督を行う旧主務官庁(以下この条及び第七十二条第二項において「合併前旧主務官庁」という。)と合併後旧主務官庁とが異なる場合においては、第二項の申請書は、合併前旧主務官庁を経由して提出しなければならない。 5 合併前旧主務官庁は、前項の規定により第二項の申請書を受理したときは、その意見を付して、速やかに、これを合併後旧主務官庁に送付しなければならない。 (特例民法法人の合併に伴う債権者の異議に関する特則) 第七十条 合併により消滅する特例民法法人(以下この条において「合併消滅特例民法法人」という。)の債権者は、合併消滅特例民法法人に対し、合併について異議を述べることができる。 2 合併消滅特例民法法人は、前条第一項の認可があったときは、当該認可の通知のあった日から二週間以内に、財産目録及び貸借対照表(次項及び第百四十八条第二号において「財産目録等」という。)を作成し、その主たる事務所に備え置かなければならない。 3 債権者は、次項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日から同項第三号の期間の満了の日までの間、合併消滅特例民法法人に対して、その業務時間内は、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該合併消滅特例民法法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を一般社団・財団法人法第二百四十六条第三項第三号の法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(一般社団・財団法人法第十四条第二項第四号に規定する電磁的方法をいう。第八十五条において同じ。)であって合併消滅特例民法法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 合併消滅特例民法法人は、第二項の期間内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、二箇月を下ることができない。 一 合併をする旨 二 合併存続特例民法法人の名称及び住所 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 5 債権者が前項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。 6 債権者が第四項第三号の期間内に異議を述べたときは、合併消滅特例民法法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 7 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 第七十一条 前条の規定は、合併存続特例民法法人について準用する。 この場合において、同条第四項第二号中「合併存続特例民法法人」とあるのは、「合併消滅特例民法法人」と読み替えるものとする。 (特例民法法人の合併の時期等) 第七十二条 特例民法法人の合併は、合併存続特例民法法人の主たる事務所の所在地において一般社団・財団法人法第三百六条第一項の登記をすることによって、その効力を生ずる。 2 合併存続特例民法法人は、一般社団・財団法人法第三百六条第一項の登記をしたときは、遅滞なく、当該合併存続特例民法法人の登記事項証明書を添付して合併前旧主務官庁及び合併後旧主務官庁にその旨を届け出なければならない。 (特例民法法人の合併に関する特則) 第七十三条 特例民法法人の合併については、一般社団・財団法人法第二百四十五条第一項、第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項並びに第二百五十三条第一項及び第二項中「効力発生日」とあるのは「吸収合併の登記の日」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十一条第二項及び第二百五十三条第一項中「法務省令」とあるのは「政令」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第二項及び第二百五十条第二項中「次に掲げる日のいずれか早い日」とあるのは「次に掲げる日」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第二項第一号中「次条」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「整備法」という。)第六十七条第一項」と、同項第二号中「にあっては、次条」とあるのは「のうち、評議員を置かないものにあっては整備法第六十七条第二項の規定により吸収合併契約の承認を受ける日の二週間前の日、評議員を置くものにあっては同条第三項」と、同条第三項中「いつでも」とあるのは「いつでも(債権者にあっては、整備法第七十条第四項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日からに限る。)」と、一般社団・財団法人法第二百五十条第二項第一号中「次条第一項」とあるのは「整備法第六十七条第一項」と、同項第二号中「にあっては、次条第一項」とあるのは「のうち、評議員を置かないものにあっては整備法第六十七条第二項の規定により吸収合併契約の承認を受ける日の二週間前の日、評議員を置くものにあっては同条第三項」と、同条第三項中「いつでも」とあるのは「いつでも(債権者にあっては、整備法第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条第四項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日からに限る。)」と、一般社団・財団法人法第二百五十一条第二項中「前項」とあるのは「整備法第六十七条第一項又は第三項」とする。 (解散命令に関する規定の適用除外) 第七十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第一節の規定は、適用しない。 (訴訟に関する規定の適用除外) 第七十五条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第二節(吸収合併の無効の訴えに係る部分を除く。)の規定は、適用しない。 (非訟事件に関する経過措置) 第七十六条 施行日前に申立てがあった第百五十三条の規定による改正前の非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の規定による非訟事件(清算に関する事件を除く。次項において同じ。)の手続については、なお従前の例による。 2 この節の規定によりなお従前の例によることとされる場合における非訟事件の手続についても、前項と同様とする。 (登記に関する経過措置) 第七十七条 旧民法の規定による旧社団法人及び旧財団法人の登記は、一般社団・財団法人法の相当規定(次条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)による特例民法法人の登記とみなす。 2 この法律の施行の際現にされている特例民法法人の登記(旧民法第四十六条第一項第四号に掲げる事項に限る。)については、なお従前の例による。 3 特例社団法人が一般社団・財団法人法第七十七条第三項の規定により代表理事を定め、又は理事会を置く旨の定款の変更をするまでの間における当該特例社団法人の登記については、一般社団・財団法人法第三百一条第二項第五号中「氏名」とあるのは、「氏名及び住所」とし、同項第六号の規定は、適用しない。 4 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例社団法人(理事会設置特例社団法人及び会計監査人設置特例社団法人を除く。)については、一般社団・財団法人法第三百一条第二項第八号の規定は、適用しない。 5 特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。)の登記については、一般社団・財団法人法第三百二条第二項第五号中「評議員、理事及び監事の氏名」とあるのは、「理事の氏名及び住所」とし、同項第六号の規定は、適用しない。 6 第六十五条第一項の規定にかかわらず、特例民法法人の解散及び清算に関する登記の登記事項(施行日前に解散をした場合にあっては清算結了の旨を除き、施行日前に清算人の登記をした場合にあっては清算人及び代表清算人の氏名及び住所並びに監事を置く旨を除く。)については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (登記に関する特則) 第七十八条 特例民法法人の登記については、一般社団・財団法人法第三百六条第一項中「その効力が生じた日」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この項において「整備法」という。)第七十条の規定による手続が終了した日又は整備法第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条の規定による手続が終了した日のいずれか遅い日」とする。 (公告に関する規定の適用除外) 第七十九条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第五節の規定は、適用しない。 第二目 特例社団法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (定款の記載等に関する経過措置) 第八十条 旧社団法人の定款における旧民法第三十七条第一号から第三号まで及び第六号に掲げる事項(同条第三号に掲げる事項にあっては、主たる事務所に係る部分に限る。)の記載は、それぞれ第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款における一般社団・財団法人法第十一条第一項第一号から第三号まで及び第五号に掲げる事項の記載とみなす。 2 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第十一条第一項第六号及び第七号の規定は、適用しない。 3 旧社団法人の定款における理事会又は会計監査人を置く旨の定めは、それぞれ一般社団・財団法人法に規定する理事会又は会計監査人を置く旨の定めとしての効力を有しない。 4 旧社団法人の定款における監事を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する監事を置く旨の定めとみなす。 5 社員総会の決議によって監事を置く旧社団法人の定款には、監事を置く旨の定めがあるものとみなす。 (定款の備置き及び閲覧に関する規定の適用除外) 第八十一条 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第十四条の規定は、適用しない。 (社員名簿に関する経過措置) 第八十二条 旧社団法人の社員名簿は、一般社団・財団法人法第三十一条に規定する社員名簿とみなす。 2 特例社団法人の社員名簿の記載又は記録事項及び閲覧については、なお従前の例による。 3 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第三十三条及び第三十四条の規定は、適用しない。 (社員総会の権限及び手続に関する経過措置) 第八十三条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会に相当する第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会の権限及び手続については、なお従前の例による。 (社員総会の決議に関する経過措置) 第八十四条 施行日前に旧社団法人の社員総会が旧民法の規定に基づいてした決議は、当該決議があった日に、第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (社員の議決権等に関する経過措置) 第八十五条 特例社団法人の社員の議決権、社員総会の決議及び議決権の行使(電磁的方法により行使する場合を除く。)については、なお従前の例による。 ただし、理事会設置特例社団法人については、一般社団・財団法人法第四十九条第三項の規定を適用する。 (社員総会の権限等に関する特則) 第八十六条 特例社団法人の社員総会の権限、招集、理事等の説明義務及び決議の省略については、一般社団・財団法人法第三十五条第一項、第二項及び第四項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、同条第一項及び第二項中「及び」とあるのは「並びに」と、一般社団・財団法人法第三十六条第一項中「毎事業年度の終了後一定の時期に」とあるのは「少なくとも毎年一回」と、一般社団・財団法人法第三十七条第一項中「議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する」とあるのは「五分の一(これと異なる割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の」と、「事項及び招集の理由」とあるのは「事項」と、一般社団・財団法人法第三十九条第一項中「一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前」とあるのは「五日前」と、「対して」とあるのは「対して、定款で定めた方法に従って」と、同条第四項中「前条第一項各号」とあるのは「前条第一項第一号、第二号及び第四号」と、一般社団・財団法人法第五十三条中「理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)」とあるのは「理事会若しくは会計監査人を置く特例社団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十二条第一項に規定する特例社団法人をいう。以下この条において同じ。)又は施行日以後に監事を置いた特例社団法人の理事及び監事」と、一般社団・財団法人法第五十八条第一項中「理事又は社員」とあるのは「理事」とする。 2 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第三十七条第二項、第三十八条第一項第三号及び第五号、第四十三条から第四十七条まで、第五十五条並びに第五十七条の規定は、適用しない。 (基金を引き受ける者の募集に関する特則) 第八十七条 特例社団法人の基金を引き受ける者の募集については、一般社団・財団法人法第百三十一条中「次に掲げる事項」とあるのは、「次に掲げる事項及び事業年度」とする。 2 一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集をした特例社団法人は、第五十九条の規定にかかわらず、当該募集をした日の属する事業年度以降の各事業年度に係る一般社団・財団法人法第百二十三条第二項の貸借対照表及びその附属明細書を作成しなければならない。 3 前項の規定により作成された貸借対照表及びその附属明細書については、第五十九条の規定にかかわらず、一般社団・財団法人法第百二十四条から第百二十七条まで及び第百二十九条の規定を適用する。 4 第二項の規定により貸借対照表及びその附属明細書を作成した特例社団法人は、第六十条第一項の貸借対照表及びその附属明細書を作成することを要しない。 (定款の変更に関する経過措置) 第八十八条 特例社団法人の定款の変更については、なお従前の例による。 第三目 特例財団法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (定款の記載等に関する経過措置) 第八十九条 旧財団法人の寄附行為における旧民法第三十七条第一号から第三号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、主たる事務所に係る部分に限る。)の記載は、それぞれ第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般財団法人の定款における一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第一号から第三号までに掲げる事項の記載とみなす。 2 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第八号から第十号までの規定は、適用しない。 3 前項の規定にかかわらず、評議員設置特例財団法人は、一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第八号に掲げる事項を定款で定めなければならない。 4 旧財団法人の寄附行為における評議員、評議員会、理事会又は会計監査人を置く旨の定めは、それぞれ一般社団・財団法人法に規定する評議員、評議員会、理事会又は会計監査人を置く旨の定めとしての効力を有しない。 5 旧財団法人の寄附行為における監事を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する監事を置く旨の定めとみなす。 6 旧財団法人の寄附行為における基本財産に関する定めは、一般社団・財団法人法第百七十二条第二項の基本財産に関する定めとしての効力を有しない。 7 特例財団法人の定款の記載については、一般社団・財団法人法第百五十四条中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、「及び」とあるのは「並びに」とする。 (定款の備置き及び閲覧に関する規定の適用除外) 第九十条 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百五十六条の規定は、適用しない。 (機関の設置に関する特則) 第九十一条 一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する一般社団・財団法人法第六十五条第三項の規定にかかわらず、理事会を置かない特例財団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。 2 監事を置いていない特例財団法人は、評議員、評議員会、理事会及び監事を置く定款の変更をすることができる。 3 監事を置いている特例財団法人は、評議員、評議員会及び理事会を置く定款の変更をすることができる。 4 会計監査人を置く特例財団法人は、前二項の規定による定款の変更により評議員、評議員会、理事会及び監事を置くものでなければならない。 5 第二項又は第三項の規定により変更した定款の定めは、これを変更することができない。 6 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百七十条第一項の規定は、適用しない。 (最初の評議員の選任に関する特則) 第九十二条 特例財団法人が最初の評議員を選任するには、旧主務官庁の認可を受けて理事が定めるところによる。 (評議員会の権限等に関する特則) 第九十三条 特例財団法人の評議員会の権限については、一般社団・財団法人法第百七十八条第二項及び第三項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、同条第二項中「及び」とあるのは「並びに」とする。 2 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百八十条第二項、第百八十七条及び第百八十八条の規定は、適用しない。 (定款の変更に関する経過措置) 第九十四条 特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。次項及び第三項において同じ。)については、一般社団・財団法人法第二百条の規定は、適用しない。 2 その定款に定款の変更に関する定めがある特例財団法人は、当該定めに従い、定款の変更をすることができる。 3 その定款に定款の変更に関する定めがない特例財団法人は、理事(清算中の特例財団法人にあっては、清算人)の定めるところにより、定款の変更に関する定めを設ける定款の変更をすることができる。 4 評議員設置特例財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の」とあるのは「旨を」と、「前項ただし書に」とあるのは「同項ただし書に」とする。 5 評議員設置特例財団法人については、一般社団・財団法人法第二百条第三項の規定は、適用しない。 6 特例財団法人の定款の変更は、旧主務官庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。 第三款 特例民法法人の業務の監督 (特例民法法人の業務の監督に関する経過措置) 第九十五条 特例民法法人の業務の監督(設立の許可の取消し及び解散の命令に係るものを除き、定款の変更の認可、解散した特例民法法人の財産の処分の許可、解散及び清算人に係る届出並びに清算結了の届出に係るものを含む。)については、なお従前の例による。 (解散命令) 第九十六条 前条の規定によりなお従前の例により特例民法法人の業務の監督を行う行政機関(以下この節において「旧主務官庁」という。)は、特例民法法人がその目的以外の事業をし、若しくは設立の許可若しくは旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた条件若しくは旧主務官庁の監督上の命令に違反し、その他公益を害すべき行為をした場合又は特例民法法人が移行期間の満了の日までに第百九条第一項の規定により第四十四条の認定を取り消された場合若しくは第百三十一条第一項の規定若しくは同条第二項において読み替えて準用する第百九条第一項の規定により第四十五条の認可を取り消された場合において、必要があると認めるときは、当該特例民法法人に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 2 旧主務官庁は、特例民法法人が前項の規定による命令に違反した場合又は当該命令をしてもその改善を期待することができないことが明らかな場合であって、他の方法により監督の目的を達することができないときは、当該特例民法法人の解散を命ずることができる。 特例民法法人が正当な理由がないのに引き続き三年(施行日前の期間を含む。)以上その事業を休止したときも、同様とする。 3 前項の規定による命令を行おうとする場合において理事が欠けているとき又はその所在が知れないときは、旧主務官庁は、当該命令の通知に代えてその要旨を官報に掲載することができる。 4 前項の場合においては、当該命令は、官報に掲載した日から二十日を経過した日にその効力を生ずる。 (解散の登記の嘱託) 第九十七条 旧主務官庁は、前条第二項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、当該特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 第四款 公益社団法人又は公益財団法人への移行 (公益法人認定法による公益認定の申請の制限) 第九十八条 特例民法法人は、公益法人認定法第七条の規定による公益認定の申請をすることができない。 (移行の認定の申請) 第九十九条 公益目的事業を行う特例民法法人は、第四十四条の認定の申請をすることができる。 2 第四十五条の認可の申請をした特例民法法人は、同条の認可をしない処分を受けた後でなければ、前項の申請をすることができない。 (認定の基準) 第百条 行政庁は、第四十四条の認定の申請をした特例民法法人(以下この款及び第百三十三条第二項において「認定申請法人」という。)が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該認定申請法人について第四十四条の認定をするものとする。 一 第百三条第二項第二号の定款の変更の案の内容が一般社団・財団法人法及び公益法人認定法並びにこれらに基づく命令の規定に適合するものであること。 二 公益法人認定法第五条各号に掲げる基準に適合するものであること。 (欠格事由) 第百一条 公益法人認定法第六条(第一号イ及び第二号を除く。)の規定は、第四十四条の認定について準用する。 2 第九十五条の規定によりなお従前の例によることとされる旧主務官庁の監督上の命令に違反している特例民法法人は、第四十四条の認定を受けることができない。 (定款の変更に関する特則) 第百二条 第四十四条の認定を受けようとする特例民法法人が第百六条第一項の登記をすることを停止条件としてしたその種類に従いその名称中に公益社団法人又は公益財団法人という文字を用いることとする定款の変更及び第百条各号に掲げる基準に適合するものとするために必要な定款の変更については、旧主務官庁の認可を要しない。 (認定の申請手続) 第百三条 第四十四条の認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、公益法人認定法第七条第一項各号に掲げる事項を記載した申請書を、行政庁に提出してしなければならない。 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 公益法人認定法第七条第二項第一号から第五号までに掲げる書類 二 定款の変更の案(認定申請法人において定款の変更について必要な手続を経ているものに限る。) 三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 (認定に関する意見聴取) 第百四条 公益法人認定法第八条の規定は、行政庁が第四十四条の認定をしようとする場合について準用する。 この場合において、公益法人認定法第八条第一号中「第六条第三号及び第四号」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第百一条第一項において準用する第六条第四号」と、同条第二号中「第六条第一号ニ」とあるのは「整備法第百一条第一項において準用する第六条第一号ニ」と、同条第三号中「第六条第五号」とあるのは「整備法第百一条第一項において準用する第六条第五号」と読み替えるものとする。 2 行政庁は、第四十四条の認定をしようとするときは、第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条第三号の規定及び第百一条第二項に規定する事由の有無について、旧主務官庁の意見を聴くものとする。 (旧主務官庁への通知) 第百五条 行政庁は、第百三条第一項の申請書の提出を受け、又は第四十四条の認定をし、若しくはしない処分をしたときは、直ちに、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 (移行の登記) 第百六条 特例民法法人が第四十四条の認定を受けたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、当該特例民法法人については解散の登記をし、名称の変更後の公益法人(公益法人認定法第二条第三号に規定する公益法人をいう。以下この章において同じ。)については設立の登記をしなければならない。 この場合においては、一般社団・財団法人法第三百三条の規定は、適用しない。 2 第四十四条の認定を受けた特例民法法人は、前項の規定により解散の登記及び設立の登記をしたときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、行政庁及び旧主務官庁に、その旨を届け出なければならない。 (特例民法法人の公益法人への移行) 第百七条 第四十四条の認定を受けた特例民法法人については、同条の認定を公益法人認定法第四条の認定とみなして、前条第一項の登記をした日以後、公益法人認定法の規定(公益法人認定法第九条第一項及び第二項を除く。)を適用する。 (認定の公示等) 第百八条 行政庁は、第百六条第二項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 2 行政庁は、前項に規定する場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、旧主務官庁から事務の引継ぎを受けなければならない。 (登記を怠ることによる認定の取消し) 第百九条 行政庁は、第四十四条の認定を受けた特例民法法人が、当該認定を受けた日から起算して三十日を経過しても第百六条第二項の規定による届出をしない場合において、行政庁が相当の期間を定めて同条第一項の登記をすべき旨を催告したにもかかわらず、当該登記をしないときは、その認定を取り消さなければならない。 2 行政庁は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 3 公益法人認定法第二十九条第四項の規定は、第一項の規定による認定の取消しについて準用する。 4 移行期間の満了の日後に第一項の規定により第四十四条の認定を取り消す処分の通知を受けた特例民法法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 5 前項の場合において、旧主務官庁は、第二項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、前項の処分を受けた特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (移行期間満了後の認定をしない処分) 第百十条 移行期間の満了の日後に第四十四条の認定をしない処分の通知を受けた認定申請法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 2 前項の場合において、旧主務官庁は、第百五条の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、同項の処分を受けた認定申請法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (計算書類等の作成等に関する経過措置) 第百十一条 第百六条第一項の登記をした公益法人が、当該登記をした日前に、第六十条第一項の規定に基づいて作成した計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第六十一条の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)は、その作成の日に、当該法人が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 2 第百六条第一項の登記をした日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の作成の方法については、第六十条第一項の内閣府令で定めるところによる。 3 第六十一条、第六十二条及び第一項の規定は、前項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書について準用する。 4 一般社団・財団法人法第百二十八条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなされた貸借対照表(第百六条第一項の登記をした法人が一般社団・財団法人法第二条第二号の大規模一般社団法人又は同条第三号の大規模一般財団法人である場合にあっては、貸借対照表及び損益計算書)については、適用しない。 (移行の登記をした公益財団法人に関する経過措置) 第百十二条 第百六条第一項の登記をした公益財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたとき」とあるのは「旨を一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(次項において「整備法」という。)第百六条第一項の登記の日以前に定款で定めているとき」と、同条第三項中「その設立の」とあるのは「整備法第百六条第一項の登記をした」とする。 2 一般社団・財団法人法第二百二条第二項の規定は、第百六条第一項の登記をした公益財団法人については、当該登記をした日の属する事業年度から適用する。 (公益目的事業財産等に関する特則) 第百十三条 第百六条第一項の登記をした公益法人については、公益法人認定法第十八条第一号から第四号まで及び第七号並びに第二十一条第一項及び第二項中「公益認定を受けた日」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第百六条第一項の登記をした日」と、同条第一項及び第二項中「公益認定を受けた後」とあるのは「登記をした日以後」とする。 (認定の取消し等に伴う贈与に関する特則) 第百十四条 第百六条第一項の登記をした公益法人については、公益法人認定法第三十条第二項各号中「公益認定を受けた日」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第百六条第一項の登記をした日」とする。 第五款 通常の一般社団法人又は一般財団法人への移行 (移行の認可の申請) 第百十五条 特例民法法人は、第四十五条の認可の申請をすることができる。 2 第四十四条の認定の申請をした特例民法法人は、同条の認定をしない処分を受けた後でなければ、前項の申請をすることができない。 (移行期間満了後における認可の申請の特例) 第百十六条 前条第二項の規定にかかわらず、第四十四条の認定の申請をした特例民法法人は、移行期間の満了の日後において当該申請に対する処分がされていないときに限り、第四十五条の認可の申請をすることができる。 2 前項の規定により第四十五条の認可の申請があった場合において、第四十四条の認定をする処分があったときは、当該申請は、取り下げられたものとみなす。 3 第一項の規定により第四十五条の認可の申請を受けた行政庁は、第四十四条の認定の申請の取下げがあった後又は同条の認定をしない処分をした後遅滞なく、第四十五条の認可の申請に対する審査を開始しなければならない。 4 第一項の規定により第四十五条の認可の申請をした特例民法法人については、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定は、適用しない。 一 第四十四条の認定の申請を取り下げた場合 第四十六条第一項本文 二 第四十四条の認定をしない処分の通知を受けた場合 第百十条第一項 (認可の基準) 第百十七条 行政庁は、第四十五条の認可の申請をした特例民法法人(以下この款において「認可申請法人」という。)が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該認可申請法人について同条の認可をするものとする。 一 第百二十条第二項第二号の定款の変更の案の内容が一般社団・財団法人法及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。 二 第百十九条第一項に規定する公益目的財産額が内閣府令で定める額を超える認可申請法人にあっては、同項に規定する公益目的支出計画が適正であり、かつ、当該認可申請法人が当該公益目的支出計画を確実に実施すると見込まれるものであること。 (定款の変更に関する特則) 第百十八条 第百二条の規定は、第四十五条の認可を受けようとする特例民法法人の定款の変更について準用する。 この場合において、第百二条中「第百六条第一項」とあるのは「第百二十一条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項」と、「公益社団法人又は公益財団法人」とあるのは「一般社団法人又は一般財団法人」と、「第百条各号」とあるのは「第百十七条各号」と読み替えるものとする。 (公益目的支出計画の作成) 第百十九条 第四十五条の認可を受けようとする特例民法法人は、当該認可を受けたときに解散するものとした場合において旧民法第七十二条の規定によれば当該特例民法法人の目的に類似する目的のために処分し、又は国庫に帰属すべきものとされる残余財産の額に相当するものとして当該特例民法法人の貸借対照表上の純資産額を基礎として内閣府令で定めるところにより算定した額が内閣府令で定める額を超える場合には、内閣府令で定めるところにより、当該算定した額(以下この款において「公益目的財産額」という。)に相当する金額を公益の目的のために支出することにより零とするための計画(以下この款において「公益目的支出計画」という。)を作成しなければならない。 2 公益目的支出計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 公益の目的のための次に掲げる支出 イ 公益目的事業のための支出 ロ 公益法人認定法第五条第二十号に規定する者に対する寄附 ハ 第四十五条の認可を受けた後も継続して行う不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する目的に関する事業のための支出(イに掲げるものを除く。)その他の内閣府令で定める支出 二 公益目的財産額に相当する金額から前号の支出の額(当該支出をした事業に係る収入があるときは、内閣府令で定めるところにより、これを控除した額に限る。)を控除して得た額(以下この款において「公益目的財産残額」という。)が零となるまでの各事業年度ごとの同号の支出に関する計画 三 前号に掲げるもののほか、第一号の支出を確保するために必要な事項として内閣府令で定める事項 (認可の申請手続等) 第百二十条 第四十五条の認可の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。 一 名称及び代表者の氏名 二 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 定款 二 定款の変更の案(認可申請法人において定款の変更について必要な手続を経ているものに限る。) 三 公益目的財産額及びその計算を記載した内閣府令で定める書類 四 財産目録、貸借対照表その他の認可申請法人の財務内容を示す書類として内閣府令で定めるもの 五 前条第一項の規定により公益目的支出計画を作成しなければならない認可申請法人にあっては、公益目的支出計画を記載した書類 六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 前項の規定にかかわらず、第四十五条の認可の申請が第百十六条第一項の規定によりされたものである場合には、第一項の申請書には、内閣府令で定める書類の添付を省略することができる。 4 行政庁は、認可申請法人が作成した公益目的支出計画が第百十七条第二号に掲げる基準に適合するかどうかを判断するために必要な場合には、当該認可申請法人の事業活動の内容について、旧主務官庁の意見を聴くものとする。 5 行政庁は、第一項の申請書の提出を受け、又は第四十五条の認可をし、若しくはしない処分をしたときは、直ちに、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 (認定に関する規定の準用) 第百二十一条 第百六条の規定は、第四十五条の認可を受けた場合の登記について準用する。 この場合において、第百六条第一項中「公益法人(公益法人認定法第二条第三号に規定する公益法人をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは、「一般社団法人又は一般財団法人」と読み替えるものとする。 2 第百十条の規定は、移行期間の満了の日後に第四十五条の認可をしない処分の通知を受けた認可申請法人について準用する。 この場合において、第百十条第二項中「第百五条」とあるのは、「第百二十条第五項」と読み替えるものとする。 3 第百十一条の規定は、第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般社団法人及び一般財団法人について準用する。 (移行の登記をした一般財団法人に関する経過措置) 第百二十二条 前条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたとき」とあるのは「旨を一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第百二十一条第一項において読み替えて準用する整備法第百六条第一項の登記の日以前に定款で定めているとき」と、同条第三項中「その設立の」とあるのは「整備法第百二十一条第一項において読み替えて準用する整備法第百六条第一項の登記をした」とする。 2 一般社団・財団法人法第二百二条第二項の規定は、前条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般財団法人については、当該登記をした日の属する事業年度から適用する。 (移行法人の義務等) 第百二十三条 第百二十一条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般社団法人又は一般財団法人であってその作成した公益目的支出計画の実施について次条の確認を受けていないもの(以下この節において「移行法人」という。)は、同条の確認を受けるまで、公益目的支出計画(第百二十五条第一項の変更の認可を受けたときは、その変更後のもの。以下この款において同じ。)に定めたところに従って第百十九条第二項第一号の支出をしなければならない。 2 第四十五条の認可をした行政庁(以下この節において「認可行政庁」という。)は、移行法人の公益目的支出計画の履行を確保するために必要な範囲内において、移行法人を監督するものとする。 (公益目的支出計画の実施が完了したことの確認) 第百二十四条 移行法人は、第百十九条第二項第一号の支出により公益目的財産残額が零となったときは、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁に公益目的支出計画の実施が完了したことの確認を求めることができる。 (公益目的支出計画の変更の認可等) 第百二十五条 移行法人は、公益目的支出計画の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁の認可を受けなければならない。 2 第百十七条(第二号に係る部分に限る。)の規定は、前項の変更の認可について準用する。 3 移行法人は、次に掲げる場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を認可行政庁に届け出なければならない。 一 名称若しくは住所又は代表者の氏名を変更したとき。 二 公益目的支出計画について第一項の内閣府令で定める軽微な変更をしたとき。 三 定款で残余財産の帰属に関する事項を定めたとき又はこれを変更したとき。 四 定款で移行法人の存続期間若しくは解散の事由を定めたとき又はこれらを変更したとき。 五 解散(合併による解散を除く。)をしたとき。 (合併をした場合の届出等) 第百二十六条 移行法人が合併をした場合には、合併後存続する法人(公益法人を除く。以下この項、次項及び第四項において同じ。)又は合併により設立する法人(公益法人を除く。次項から第四項までにおいて同じ。)は、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる合併の場合の区分に応じ、当該各号に定める認可行政庁に合併をした旨を届け出なければならない。 一 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が移行法人であるとき 当該移行法人に係る認可行政庁及び合併により消滅する移行法人がある場合にあっては、当該移行法人に係る認可行政庁 二 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が移行法人以外の法人であるとき 合併により消滅する移行法人に係る認可行政庁 三 移行法人が新設合併をした場合 合併により消滅する移行法人に係る認可行政庁 2 前項の規定による届出には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 合併後存続する法人又は合併により設立する法人の定款 二 合併をする移行法人の最終事業年度(一般社団法人である移行法人にあっては一般社団・財団法人法第二条第二号に規定する最終事業年度をいい、一般財団法人である移行法人にあっては同条第三号に規定する最終事業年度をいう。次号において同じ。)に係る貸借対照表その他の財務内容を示す書類として内閣府令で定めるもの 三 合併をする移行法人の最終事業年度に係る次条第一項に規定する公益目的支出計画実施報告書 四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 第一項第二号又は第三号に掲げる場合における同項の規定による届出をした一般社団法人又は一般財団法人は、同項第二号に掲げる場合にあっては当該吸収合併がその効力を生ずる日以後、同項第三号に掲げる場合にあっては合併により設立する法人の成立の日以後、同項第二号又は第三号に定める認可行政庁(認可行政庁が二以上あるときは、これらの認可行政庁が内閣府令で定めるところにより協議して定める一の認可行政庁)を認可行政庁とする移行法人とみなして、第百二十三条から第百三十条まで及び第百三十二条の規定を適用する。 4 移行法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人についての公益目的財産額は、合併をする移行法人の公益目的財産額の合計額とする。 5 次の各号に掲げる場合にあっては、合併により消滅する移行法人は、当該各号に定める日において第百二十四条の確認を受けたものとみなす。 一 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が公益法人であるとき 当該吸収合併がその効力を生ずる日 二 移行法人が新設合併をした場合であって合併により設立する法人が公益法人であるとき 当該新設合併により設立する法人の成立の日 6 前項の場合には、合併後存続する公益法人又は合併により設立する公益法人は、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、当該合併により消滅した移行法人が第百二十四条の確認を受けたものとみなされた旨を当該移行法人に係る従前の認可行政庁に届け出なければならない。 (公益目的支出計画実施報告書の作成及び提出等) 第百二十七条 移行法人は、各事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、公益目的支出計画の実施の状況を明らかにする書類(以下この節において「公益目的支出計画実施報告書」という。)を作成しなければならない。 2 一般社団・財団法人法第百二十三条第三項及び第四項、第百二十四条第一項及び第三項、第百二十五条並びに第百二十六条第一項及び第三項(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、移行法人の公益目的支出計画実施報告書について準用する。 この場合において、一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第百二十五条中「法務省令」とあるのは、「内閣府令」と読み替えるものとする。 3 移行法人は、毎事業年度の経過後三箇月以内に、当該事業年度の一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書を認可行政庁に提出しなければならない。 4 認可行政庁は、移行法人から提出を受けた公益目的支出計画実施報告書について閲覧又は謄写の請求があった場合には、内閣府令で定めるところにより、その閲覧又は謄写をさせなければならない。 5 移行法人は、次の各号に掲げる移行法人の区分に応じ、公益目的支出計画実施報告書を、当該各号に定める日から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 一 一般社団法人である移行法人 定時社員総会の日の一週間(理事会を置く移行法人にあっては、二週間)前の日(一般社団・財団法人法第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である移行法人 定時評議員会の日の二週間前の日(一般社団・財団法人法第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 6 何人も、移行法人の業務時間内は、いつでも、公益目的支出計画実施報告書について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該移行法人は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。 一 公益目的支出計画実施報告書が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 公益目的支出計画実施報告書が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 (報告及び検査) 第百二十八条 認可行政庁は、移行法人が次のいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由があるときは、この款の規定の施行に必要な限度において、移行法人に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告を求め、又はその職員に、当該移行法人の事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 一 正当な理由がなく、第百十九条第二項第一号の支出をしないこと。 二 各事業年度ごとの第百十九条第二項第一号の支出が、公益目的支出計画に定めた支出に比して著しく少ないこと。 三 公益目的財産残額に比して当該移行法人の貸借対照表上の純資産額が著しく少ないにもかかわらず、第百二十五条第一項の変更の認可を受けず、将来における公益目的支出計画の実施に支障が生ずるおそれがあること。 2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (勧告及び命令) 第百二十九条 認可行政庁は、移行法人が前条第一項各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該移行法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。 2 認可行政庁は、前項の勧告を受けた移行法人が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該移行法人に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 (移行法人の清算時の残余財産の帰属の制限) 第百三十条 移行法人が清算をする場合において、公益目的財産残額があるときは、当該移行法人の残余財産のうち当該公益目的財産残額に相当する額の財産(当該残余財産の額が当該公益目的財産残額を下回っているときは、当該残余財産)については、一般社団・財団法人法第二百三十九条の規定にかかわらず、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁の承認を受けて、公益法人認定法第五条第二十号に規定する者に帰属させなければならない。 (認可の取消し) 第百三十一条 認可行政庁は、第四十五条の認可を受けた認可申請法人が、偽りその他不正の手段により当該認可を受けたときは、その認可を取り消さなければならない。 この場合において、同条の認可を取り消す処分を受けた当該認可申請法人は、特例民法法人とみなす。 2 第百九条第一項の規定は、第四十五条の認可を受けた特例民法法人について準用する。 この場合において、同項中「第百六条第二項」とあるのは、「第百二十一条第一項において準用する第百六条第二項」と読み替えるものとする。 3 第百九条第二項の規定は、第一項の規定又は前項において読み替えて準用する同条第一項の規定により認可を取り消した場合について準用する。 4 移行期間の満了の日後に第一項の規定又は第二項において読み替えて準用する第百九条第一項の規定により第四十五条の認可を取り消す処分の通知を受けた特例民法法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 5 第百九条第五項の規定は、旧主務官庁が第三項において準用する同条第二項の規定による通知を受けた場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「前項」とあるのは、「第百三十一条第四項」と読み替えるものとする。 (移行法人が公益法人の認定を受けた場合の特則) 第百三十二条 移行法人が公益法人認定法第四条の認定を受けた場合には、当該認定を受けた日において第百二十四条の確認を受けたものとみなす。 2 前項の場合には、公益法人認定法第四条の認定を受けた公益法人は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、第百二十四条の確認を受けたものとみなされた旨を従前の認可行政庁に届け出なければならない。 第六款 雑則 (委員会への諮問等) 第百三十三条 公益法人認定法第三十二条第一項に規定する公益認定等委員会(以下この款において「委員会」という。)は、公益法人認定法の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、この款の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。 2 内閣総理大臣は、第四十四条の認定の申請に対する処分をしようとする場合(認定申請法人が第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条各号(第一号イ及び第二号を除く。)のいずれかに該当するものである場合及び第百一条第二項に規定するものである場合並びに行政手続法(平成五年法律第八十八号)第七条の規定に基づき当該認定を拒否する場合を除く。)には、第百四条第一項において読み替えて準用する公益法人認定法第八条の規定による同条第一号に規定する許認可等行政機関の意見(第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条第四号に該当する事由の有無に係るものを除く。)を付して、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 3 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 第四十五条の認可の申請又は第百二十五条第一項の変更の認可の申請に対する処分をしようとする場合(行政手続法第七条の規定に基づきこれらの認可を拒否する場合を除く。) 二 第百二十九条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消しをしようとする場合(次に掲げる場合を除く。) イ 第百二十五条第三項若しくは第百二十六条第一項の規定による届出又は第百二十七条第三項の規定による計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書の提出をしなかったことを理由としてこれらの処分をしようとする場合 ロ 第百三十六条第一項の勧告に基づいてこれらの処分をしようとする場合 三 第百三十八条第二項において読み替えて準用する前項ただし書、この項ただし書及び次項ただし書の政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合並びに第六十条第一項、第百三条第一項及び第二項第三号、第百十七条第二号、第百十九条第一項並びに第二項第一号ハ、第二号及び第三号、第百二十条第一項、第二項第三号、第四号及び第六号並びに第三項、第百二十五条第一項(軽微な変更を定める内閣府令に係る部分を除く。)及び第三項(第二号を除く。)、第百二十六条第一項並びに第二項第二号及び第四号、第百二十七条第一項、同条第二項において読み替えて準用する一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第百二十五条、次条及び第百三十九条において準用する公益法人認定法第四十四条第一項並びに第百三十六条第二項(第百四十一条において準用する場合を含む。)の内閣府令の制定又は改廃をしようとする場合 4 内閣総理大臣は、第二項若しくは前項第一号に規定する処分又は同項第二号に規定する命令若しくは認可の取消しについての審査請求に対する裁決をしようとする場合には、次に掲げる場合を除き、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 審査請求が不適法であるとして却下する場合 二 審査請求をした特例民法法人が第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条各号のいずれかに該当するものである場合又は第百一条第二項に規定するものである場合 三 前項第二号イに規定する理由による処分についての審査請求である場合 (答申の公表等) 第百三十四条 公益法人認定法第四十四条の規定は、前条第二項から第四項までの規定による諮問に対する答申について準用する。 (内閣総理大臣による送付等) 第百三十五条 内閣総理大臣は、第百二十五条第三項、第百二十六条第一項若しくは第六項又は第百三十二条第二項の規定による届出に係る書類の写し並びに第百二十七条第三項の規定により提出を受けた計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書の写しを委員会に送付しなければならない。 2 内閣総理大臣は、委員会に諮問しないで次に掲げる措置を講じたときは、その旨を委員会に通知しなければならない。 一 第四十四条の認定の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 二 第四十五条の認可の申請又は第百二十五条第一項の変更の認可の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 三 第百二十九条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消し(次条第一項の勧告に基づく命令又は認可の取消しを除く。) 四 第百三十三条第三項第三号の政令の制定又は改廃の立案及び同号の内閣府令の制定又は改廃 五 第百三十三条第四項に規定する審査請求に対する裁決(審査請求が不適法であることによる却下の裁決を除く。) (委員会による勧告等) 第百三十六条 委員会は、前条第一項若しくは第二項(第一号及び第四号を除く。)の場合又は第百四十三条第一項の規定に基づき第百二十八条第一項の規定による報告の徴収、検査若しくは質問を行った場合には、移行法人が第百十七条第二号に掲げる基準に適合するかどうかを審査し、必要があると認めるときは、第百二十九条第一項の勧告若しくは同条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消しその他の措置をとることについて内閣総理大臣に勧告をすることができる。 2 委員会は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該勧告の内容を公表しなければならない。 3 委員会は、第一項の勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 (資料提出その他の協力) 第百三十七条 公益法人認定法第四十七条の規定は、この款の規定により委員会の権限に属させられた事務を処理する場合について準用する。 (合議制の機関への諮問等) 第百三十八条 公益法人認定法第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この款において単に「合議制の機関」という。)は、同項の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、この款の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。 2 第百三十三条第二項、第三項(第三号を除く。)及び第四項の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第二項中「委員会に」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同条第三項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同項第二号ロ中「第百三十六条第一項」とあるのは「第百四十一条において読み替えて準用する第百三十六条第一項」と、同条第四項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と読み替えるものとする。 (答申の公表等) 第百三十九条 公益法人認定法第四十四条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第二項中「内閣総理大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (都道府県知事による通知等) 第百四十条 第百三十五条(第二項第四号を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「委員会」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同条第二項中「委員会」とあるのは「合議制の機関」と、同項第三号中「次条第一項」とあるのは「第百四十一条において読み替えて準用する次条第一項」と、同項第五号中「第百三十三条第四項」とあるのは「第百三十八条第二項において読み替えて準用する第百三十三条第四項」と読み替えるものとする。 (合議制の機関による勧告等) 第百四十一条 第百三十六条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第一項中「前条第一項若しくは第二項(第一号及び第四号を除く。)」とあるのは「第百四十条において読み替えて準用する前条第一項又は第二項(第一号を除く。)」と、「第百四十三条第一項の規定に基づき」とあるのは「第百四十三条第二項の規定により読み替えて適用する」と、同項及び同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (資料提出その他の協力) 第百四十二条 公益法人認定法第四十七条の規定はこの款の規定により合議制の機関の権限に属させられた事務を処理する場合について、公益法人認定法第五十六条の規定はこの節の規定の施行について、それぞれ準用する。 (権限の委任等) 第百四十三条 内閣総理大臣は、第百二十八条第一項の規定による権限を委員会に委任する。 2 認可行政庁が都道府県知事である場合には、第百二十八条第一項中「認可行政庁」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関」と、「その職員」とあるのは「その庶務をつかさどる職員」とする。 第七款 罰則 第百四十四条 次のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 一 偽りその他不正の手段により第四十四条の認定、第四十五条の認可又は第百二十五条第一項の変更の認可を受けた者 二 第百二十九条第二項の規定による命令に違反した者 第百四十五条 次のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第四十二条第三項の規定に違反して、公益社団法人又は公益財団法人という文字をその名称中に用いた者 二 第四十二条第四項の規定に違反して、公益財団法人又は公益社団法人という文字をその名称中に用いた者 第百四十六条 第百三条第一項の申請書若しくは同条第二項各号に掲げる書類又は第百二十条第一項の申請書若しくは同条第二項各号に掲げる書類に虚偽の記載をして提出した者は、三十万円以下の罰金に処する。 第百四十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 第百四十八条 特例民法法人の理事又は監事は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 一 第六十条第一項の規定に違反して、計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第七十条第二項(第七十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、財産目録等を備え置かず、又は財産目録等に虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 三 正当な理由がないのに、第七十条第三項各号(第七十一条において準用する場合を含む。)に掲げる請求を拒んだとき。 四 第七十条第四項又は第六項(これらの規定を第七十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 五 第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による登記をすることを怠ったとき。 第百四十九条 移行法人の理事、監事又は清算人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 一 第百二十七条第一項の規定に違反して、公益目的支出計画実施報告書に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第百二十七条第五項の規定に違反して、公益目的支出計画実施報告書を備え置かなかったとき。 三 正当な理由がないのに、第百二十七条第六項各号に掲げる請求を拒んだとき。 第百五十条 特例民法法人の理事又は監事は、第七十二条第二項又は第百六条第二項(第百二十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、五十万円以下の過料に処する。 第百五十一条 移行法人又は公益法人の理事、監事又は清算人は、次のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。 一 第百二十五条第三項、第百二十六条第一項若しくは第六項又は第百三十二条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第百二十七条第三項の規定に違反して、一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等又は公益目的支出計画実施報告書を提出せず、又はこれに虚偽の記載をして提出したとき。 三 第百二十八条第一項の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。 第百五十二条 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第四十二条第三項の規定に違反して、一般社団法人という文字をその名称中に用いた者 二 第四十二条第四項の規定に違反して、一般財団法人という文字をその名称中に用いた者 三 第四十二条第五項の規定に違反して、特例社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 四 第四十二条第六項の規定に違反して、特例財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 第六節 法人の登記に関する経過措置 (法人の登記) 第百五十四条 一般社団・財団法人法第六章第四節の規定は、この節に別段の定めがある場合を除き、施行日前に生じた事項にも適用する。 ただし、前条による改正前の非訟事件手続法(以下「旧非訟事件手続法」という。)の規定によって生じた効力を妨げない。 2 施行日前にした旧非訟事件手続法の規定又は旧非訟事件手続法第百二十四条において準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、この条に別段の定めがある場合を除き、一般社団・財団法人法の相当規定又は一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の相当規定によってしたものとみなす。 3 第四十三条第二項又は第四十八条第二項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における特例民法法人の設立又は理事に関する登記の申請その他の登記に関する手続については、なお従前の例による。 4 施行日前にされた登記の申請に係る登記に関する手続については、なお従前の例による。 5 施行日前に登記すべき事項が生じた場合における登記の申請書に添付すべき資料については、なお従前の例による。 6 特例財団法人が登記すべき事項につき第九十四条第二項の定めによる手続又は同条第三項により理事若しくは清算人の定める手続を要するときは、申請書にこれらの手続があったことを証する書面を添付しなければならない。 7 特例民法法人の合併による変更の登記については、一般社団・財団法人法第三百二十二条第二号中「第二百五十二条第二項」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条第四項」と、同号及び同条第五号中「催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)」とあるのは「催告」と、同条第四号中「第二百四十七条」とあるのは「整備法第六十七条」と、同条第五号中「第二百四十八条第二項」とあるのは「整備法第七十条第四項」とする。 (登記簿) 第百五十五条 この法律の施行の際現に登記所に備えられている旧非訟事件手続法第百十九条に規定する法人登記簿のうち、旧社団法人に係る部分及び旧財団法人に係る部分は、それぞれ一般社団・財団法人法第三百十六条に規定する一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿とみなす。 (法務大臣の指定) 第百五十六条 この法律の施行の際現に存する旧非訟事件手続法第百二十四条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定は、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定とみなす。 (移行の登記) 第百五十七条 第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の設立の登記においては、特例民法法人の成立の年月日、特例民法法人の名称並びに名称を変更した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (移行の登記の申請) 第百五十八条 前条の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 第四十四条の認定又は第四十五条の認可を受けたことを証する書面 二 定款 三 新たに選任する評議員、理事又は監事がいる場合は、第九十二条の認可を受けたことを証する書面及び当該者が就任を承諾したことを証する書面 四 前条の登記をする者が次のイ又はロに掲げるものである場合において、新たに選任する会計監査人がいるときは、当該イ又はロに定める書面 イ 特例社団法人 一般社団・財団法人法第三百十八条第二項第四号に掲げる書面 ロ 特例財団法人 一般社団・財団法人法第三百十九条第二項第六号に掲げる書面 第百五十九条 第四十四条の認定又は第四十五条の認可を受けた特例民法法人についての解散の登記の申請と名称の変更後の公益法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人についての設立の登記の申請とは、同時にしなければならない。 2 前項の解散の登記の申請については、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の申請書の添付書面に関する規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の登記の申請のいずれかにつき一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第二十四条各号のいずれかに掲げる事由があるときは、これらの申請を共に却下しなければならない。 (法務省令への委任) 第百六十条 第百五十四条から前条までに定めるもののほか、法人の登記に関する手続について必要な経過措置は、法務省令で定める。 第十三章 罰則に関する経過措置及び政令への委任 (罰則に関する経過措置) 第四百五十七条 施行日前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第四百五十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による法律の廃止又は改正に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第五十号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 抄 第一章 中間法人法の廃止、民法の一部改正等 第一節 中間法人法の廃止 第一条 中間法人法(平成十三年法律第四十九号)は、廃止する。 第二節 中間法人法の廃止に伴う経過措置 第一款 有限責任中間法人に関する経過措置 (旧有限責任中間法人の存続) 第二条 前条の規定による廃止前の中間法人法(以下「旧中間法人法」という。)の規定による有限責任中間法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧有限責任中間法人」という。)は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後は、この款の定めるところにより、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)の規定による一般社団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧有限責任中間法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第三条 前条第一項の規定により存続する一般社団法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会の終結の時までは、適用しない。 ただし、施行日以後に名称の変更をする定款の変更をした場合は、この限りでない。 2 前条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法第五条第一項の規定に違反したときは、二十万円以下の過料に処する。 (旧有限責任中間法人の設立手続等の効力) 第四条 旧有限責任中間法人の設立、基金増加又は合併について施行日前に行った社員総会の決議その他の手続は、施行日前にこれらの行為の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (定款の記載等に関する経過措置) 第五条 旧有限責任中間法人の定款における旧中間法人法第十条第三項各号に掲げる事項(基金(代替基金を含む。以下この項において同じ。)の総額を除く。)の記載又は記録はこれに相当する第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款における一般社団・財団法人法第十一条第一項各号及び第百三十一条各号に掲げる事項の記載又は記録とみなし、旧有限責任中間法人の定款における基金の総額の記載又は記録は第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款に記載又は記録がないものとみなす。 2 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款には、監事を置く旨及び一般社団・財団法人法第百三十一条に規定する基金を引き受ける者の募集をすることができる旨の定めがあるものとみなす。 3 旧有限責任中間法人の定款における理事会を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する理事会を置く旨の定めとしての効力を有しない。 (定款の備置き及び閲覧等に関する特則) 第六条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人は、一般社団・財団法人法第十四条第二項各号に掲げる請求に応じる場合には、当該請求をした者に対し、定款に記載又は記録がないものであっても、前条第二項の規定により定款に定めがあるものとみなされる事項を示さなければならない。 (社員名簿に関する経過措置) 第七条 旧有限責任中間法人の社員名簿は、一般社団・財団法人法第三十一条に規定する社員名簿とみなす。 (社員総会の権限及び手続に関する経過措置) 第八条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会に相当する第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会の権限及び手続については、なお従前の例による。 (社員総会の決議に関する経過措置) 第九条 施行日前に旧有限責任中間法人の社員総会が旧中間法人法の規定に基づいてした理事又は監事の選任その他の事項に関する決議は、当該決議があった日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (会計監査人の設置義務に関する規定の適用除外) 第十条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、一般社団・財団法人法第六十二条の規定は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会の終結の時までは、適用しない。 (理事及び理事会の権限等に関する規定の適用除外) 第十一条 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日までは、適用しない。 一 一般社団・財団法人法第七十六条第四項 前条の定時社員総会の終結の日から三箇月を経過する日 二 一般社団・財団法人法第九十条第五項 前条の定時社員総会の終結後最初に開催される理事会の終結の日 (理事等の資格等に関する経過措置) 第十二条 一般社団・財団法人法第六十五条第一項(一般社団・財団法人法第二百九条第五項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、旧中間法人法の規定(この款の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧中間法人法の規定を含む。)に違反し、刑に処せられた者は、一般社団・財団法人法の規定に違反し、刑に処せられたものとみなす。 2 一般社団・財団法人法第六十五条第一項第三号(一般社団・財団法人法第二百九条第五項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行の際現に旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人である者が施行日前に犯した同号に規定する民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)又は破産法(平成十六年法律第七十五号)の罪により刑に処せられた場合におけるその者の第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の理事、監事又は清算人としての継続する在任については、適用しない。 (理事等の任期に関する経過措置) 第十三条 この法律の施行の際現に旧有限責任中間法人の理事又は監事である者の任期については、なお従前の例による。 (役員等の行為に関する経過措置) 第十四条 ある者が旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人として施行日前にした又はすべきであった旧中間法人法又は旧中間法人法において準用する第二百四十四条の規定による改正前の会社法(平成十七年法律第八十六号。第二十一条において「旧会社法」という。)に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の理事、監事又は清算人としてした又はすべきであった一般社団・財団法人法の相当規定に規定する行為とみなす。 (業務の執行に関する検査役の選任に関する経過措置) 第十五条 一般社団・財団法人法第八十六条の規定の適用については、施行日前に旧有限責任中間法人がした業務の執行は、当該業務の執行の日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人がしたものとみなす。 (理事等の損害賠償責任に関する経過措置) 第十六条 旧有限責任中間法人の理事、監事又は清算人の施行日前の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (計算書類の作成等に関する経過措置) 第十七条 旧有限責任中間法人が旧中間法人法の規定に基づいて施行日前に作成した会計帳簿、計算書類その他の会計又は経理に関する書類は、その作成の日に、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 2 施行日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る旧中間法人法第五十九条第二項各号に掲げる書類及びこれらの附属明細書の作成、監査及び承認の方法については、なお従前の例による。 3 第一項の規定は、前項の規定により作成した旧中間法人法第五十九条第二項各号に掲げる書類及びこれらの附属明細書について準用する。 4 一般社団・財団法人法第百二十八条第一項の規定は、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなされた貸借対照表(第二条第一項の規定により存続する一般社団法人が一般社団・財団法人法第二条第二号の大規模一般社団法人である場合にあっては、貸借対照表及び損益計算書)については、適用しない。 (基金に関する経過措置) 第十八条 この法律の施行の際現に存する基金又は代替基金は、それぞれ一般社団・財団法人法第百三十一条に規定する基金又は一般社団・財団法人法第百四十四条第一項の代替基金とみなす。 2 前条第二項の規定によりなお従前の例によることとされる旧中間法人法第五十九条第三項の承認に基づく基金の返還については、なお従前の例による。 (旧有限責任中間法人が解散した場合における法人の継続及び清算に関する経過措置) 第十九条 施行日前に生じた旧中間法人法第八十一条第一項各号に掲げる事由により旧有限責任中間法人が解散した場合における第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の継続及び清算については、なお従前の例による。 ただし、継続及び清算に関する登記の登記事項(施行日前に清算人の登記をした場合にあっては、主たる事務所の所在地における登記事項のうち清算人及び代表清算人の氏名及び住所を除く。)については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (有限責任中間法人の組織に関する訴え等に関する経過措置) 第二十条 施行日前に提起された、旧有限責任中間法人の設立の無効若しくは取消しの訴え、社員総会の決議の不存在若しくは無効の確認の訴え、社員総会の決議の取消しの訴え、理事若しくは監事の解任の訴え、基金増加の無効の訴え、旧有限責任中間法人の解散を求める訴え又は合併の無効の訴えについては、なお従前の例による。 2 施行日前に社員が旧中間法人法第四十九条第一項前段(旧中間法人法第五十八条第二項及び第九十一条第三項において準用する場合を含む。)の訴えの提起を請求した場合における当該訴えについては、なお従前の例による。 3 施行日前に提起された旧有限責任中間法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の清算については、なお従前の例による。 ただし、清算に関する登記の登記事項については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (非訟事件に関する経過措置) 第二十一条 施行日前に申立て又は裁判があった旧中間法人法又は旧中間法人法において準用する旧会社法の規定による非訟事件(清算に関する事件を除く。)の手続については、なお従前の例による。 (登記に関する経過措置) 第二十二条 旧中間法人法の規定による旧有限責任中間法人の登記は、一般社団・財団法人法の相当規定による第二条第一項の規定により存続する一般社団法人の登記とみなす。 2 第二条第一項の規定により存続する一般社団法人については、施行日に、その主たる事務所の所在地において、監事設置一般社団法人である旨の登記がされたものとみなす。 3 主たる事務所の所在地における理事、代表理事及び監事の登記の登記事項については、第三条第一項ただし書の定款の変更に基づく名称の変更の登記をするまでの間は、なお従前の例による。 4 旧有限責任中間法人は、前項の名称の変更の登記をするときは、当該登記と同時に、当該旧有限責任中間法人の理事、代表理事及び監事の全員について一般社団・財団法人法第三百一条第二項第五号、第六号及び第八号(監事の氏名に限る。)に掲げる事項の登記をしなければならない。 5 旧有限責任中間法人の理事又は清算人は、前項の規定に違反した場合には、百万円以下の過料に処する。 (登記の手続に関する経過措置) 第二十三条 一般社団・財団法人法附則第二項の規定は、旧中間法人法において準用する商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の規定によって生じた効力を妨げない。 2 施行日前にした旧中間法人法において準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、この条に別段の定めがある場合を除き、一般社団・財団法人法の相当規定又は一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の相当規定によってしたものとみなす。 3 施行日前にされた登記の申請に係る登記に関する手続については、なお従前の例による。 4 施行日前に登記すべき事項が生じた場合における登記の申請書に添付すべき資料については、なお従前の例による。 5 この法律の施行の際現に登記所に備えられている旧中間法人法第百五十条の中間法人登記簿(旧有限責任中間法人に関するものに限る。)は、一般社団・財団法人法第三百十六条の一般社団法人登記簿とみなす。 6 この法律の施行の際現に存する旧中間法人法第百五十一条第一項において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定は、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定とみなす。 7 登記官は、第二条第一項の規定により存続する一般社団法人について、職権で、その主たる事務所の所在地において、監事設置一般社団法人である旨の登記をしなければならない。 8 第十九条及び第二十条第三項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧有限責任中間法人の継続及び清算に関する登記その他の登記の申請その他の登記に関する手続については、なお従前の例による。 9 前各項に定めるもののほか、第一条の規定による中間法人法の廃止に伴う登記に関する手続について必要な経過措置は、法務省令で定める。 第二款 無限責任中間法人に関する経過措置 (旧無限責任中間法人の存続) 第二十四条 旧中間法人法の規定による無限責任中間法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下「旧無限責任中間法人」という。)は、施行日以後は、この款の定めるところにより、一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧無限責任中間法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第二十五条 前条第一項の規定により存続する一般社団法人は、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定にかかわらず、その名称中に無限責任中間法人という文字を用いなければならない。 2 前項の規定によりその名称中に無限責任中間法人という文字を用いる前条第一項の規定により存続する一般社団法人(以下「特例無限責任中間法人」という。)は、その名称中に特例無限責任中間法人以外の一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 特例無限責任中間法人以外の一般社団法人は、その名称中に、特例無限責任中間法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 4 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第二項の規定に違反して、特例無限責任中間法人以外の一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 二 前項の規定に違反して、特例無限責任中間法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者 (旧無限責任中間法人の設立手続等の効力) 第二十六条 旧無限責任中間法人の設立又は合併について施行日前に行った総社員の同意その他の手続は、施行日前にこれらの行為の効力が生じない場合には、その効力を失う。 (特例無限責任中間法人に関する経過措置) 第二十七条 特例無限責任中間法人に関する次に掲げる事項については、なお従前の例による。 一 登記及び登記の手続 二 解散命令 三 定款の記載又は記録事項 四 設立の無効又は取消しの訴え 五 社員の資格の得喪 六 社員、退社した社員又は自己を社員であると誤認させる行為をした者の責任 七 業務の執行 八 法人の代表 九 事業譲渡 十 事業の遂行の状況について社員が行う報告又は特例無限責任中間法人の業務及び財産の状況の調査 十一 社員がする旧中間法人法第百六条第一項各号に規定する取引の制限 十二 貸借対照表の作成及び保存並びに提出命令 十三 定款の変更 十四 解散事由及び解散法人の継続 十五 解散を求める訴え 十六 清算 (破産法の準用) 第二十八条 破産法第十六条第二項の規定は、存立中の特例無限責任中間法人について準用する。 (一般社団・財団法人法の適用除外) 第二十九条 特例無限責任中間法人については、一般社団・財団法人法第十四条、第二十三条から第二十五条まで、第二章第二節第二款、同章第三節、第百二十一条、第百二十四条から第百二十九条まで、同章第五節及び第五章の規定は、適用しない。 (一般社団法人への名称変更) 第三十条 特例無限責任中間法人は、第二十五条第一項の規定にかかわらず、施行日から起算して一年を経過する日までの間、この款の定めるところにより、その名称中に一般社団法人という文字を用いる名称の変更をすることができる。 (特例無限責任中間法人の通常の一般社団法人への移行) 第三十一条 特例無限責任中間法人が前条の規定による名称の変更(以下この款において「移行」という。)をしようとする場合には、総社員の同意によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 移行後の一般社団法人の一般社団・財団法人法第十一条第一項第一号から第三号まで及び第五号から第七号までに掲げる事項 二 前号に掲げるもののほか、移行後の一般社団法人の定款で定める事項 三 移行後の一般社団法人の理事の氏名 四 移行後の一般社団法人が監事設置一般社団法人であるときは、監事の氏名 五 移行後の一般社団法人が会計監査人設置一般社団法人であるときは、会計監査人の氏名又は名称 (債権者の異議) 第三十二条 前条の場合には、当該特例無限責任中間法人の債権者は、当該特例無限責任中間法人に対し、移行について異議を述べることができる。 2 前項の特例無限責任中間法人は、前条各号に掲げる事項を定めた日から二週間以内に、移行をする旨及び債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、債権者が異議を述べることができる期間は、一箇月を下ることができない。 3 債権者が前項の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、移行について承認をしたものとみなす。 4 債権者が第二項の期間内に異議を述べたときは、第一項の特例無限責任中間法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。)及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。第七十条第六項において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該移行をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 5 第一項の特例無限責任中間法人の社員(定款によって特例無限責任中間法人の業務を行うべき社員を定めているときは、当該社員に限る。)が、第二項又は前項の規定に違反したときは、百万円以下の過料に処する。 (移行の登記) 第三十三条 前条の規定による手続が終了したときは、特例無限責任中間法人は、その主たる事務所の所在地においては二週間以内に、その従たる事務所の所在地においては三週間以内に、当該特例無限責任中間法人については解散の登記をし、移行後の一般社団法人については設立の登記をしなければならない。 2 移行後の一般社団法人についてする登記においては、特例無限責任中間法人の成立の年月日、特例無限責任中間法人の名称並びに名称の変更をした旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (移行の効力の発生等) 第三十四条 移行は、前条第一項の設立の登記(主たる事務所の所在地におけるものに限る。)をすることによって、その効力を生ずる。 2 移行をする特例無限責任中間法人は、前項の登記の日に、第三十一条第一号及び第二号に掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。 (移行の登記の申請) 第三十五条 前条第一項の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 第三十一条各号に掲げる事項を定めたことを証する書面 二 定款(前条第二項の変更が記載されたもの) 三 移行後の一般社団法人の理事(移行後の一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、理事及び監事)が就任を承諾したことを証する書面 四 移行後の一般社団法人の会計監査人を定めたときは、一般社団・財団法人法第三百十八条第二項第四号に掲げる書面 五 第三十二条第二項の規定による公告及び催告をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該移行をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面 第三十六条 移行をした特例無限責任中間法人についての解散の登記の申請と移行後の一般社団法人についての設立の登記の申請とは、同時にしなければならない。 2 前項の解散の登記の申請については、旧中間法人法第百五十一条において準用する商業登記法の申請書の添付書面に関する規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の登記の申請のいずれかにつき商業登記法第二十四条各号のいずれかに掲げる事由があるときは、これらの申請を共に却下しなければならない。 (特例無限責任中間法人のみなし解散) 第三十七条 特例無限責任中間法人が施行日から起算して一年を経過する日までに第三十三条第一項の登記の申請をしないときは、当該特例無限責任中間法人は、その日が経過した時に解散したものとみなす。 2 前項の規定により解散した場合には、次に掲げる者が清算人となる。 一 社員(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除き、定款によって特例無限責任中間法人の業務を行うべき社員を定めているときは、当該社員に限る。) 二 定款に定める者 三 社員の過半数によって選任された者 3 商業登記法第七十二条の規定は、第一項の規定による解散の登記について準用する。 第四節 民法及び民法施行法の一部改正に伴う経過措置 第一款 社団法人、財団法人等の存続等 (社団法人及び財団法人の存続) 第四十条 第三十八条の規定による改正前の民法(以下「旧民法」という。)第三十四条の規定により設立された社団法人又は財団法人であってこの法律の施行の際現に存するものは、施行日以後は、この節の定めるところにより、それぞれ一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人又は一般財団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、同項の社団法人の定款を同項の規定により存続する一般社団法人の定款と、同項の財団法人の寄附行為を同項の規定により存続する一般財団法人の定款とみなす。 (民法施行法社団法人及び民法施行法財団法人の存続) 第四十一条 第三十九条の規定による改正前の民法施行法(以下この節において「旧民法施行法」という。)第十九条第二項の認可を受けた法人であってこの法律の施行の際現に存するもの(以下この節において、当該法人のうち社団であるものを「民法施行法社団法人」、財団であるものを「民法施行法財団法人」という。)は、施行日以後は、この節の定めるところにより、それぞれ一般社団・財団法人法の規定による一般社団法人又は一般財団法人として存続するものとする。 2 前項の場合においては、旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を前項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人の定款とみなす。 (名称に関する特則) 第四十二条 第四十条第一項又は前条第一項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人であって第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の登記をしていないもの(以下それぞれ「特例社団法人」又は「特例財団法人」という。)については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない。 2 特例社団法人又は特例財団法人(以下「特例民法法人」と総称する。)については、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号。以下この節及び附則第一項において「公益法人認定法」という。)第九条第四項の規定は、適用しない。 3 特例社団法人は、その名称中に、一般社団法人又は公益社団法人若しくは公益財団法人という文字を用いてはならない。 4 特例財団法人は、その名称中に、一般財団法人又は公益財団法人若しくは公益社団法人という文字を用いてはならない。 5 特例社団法人でない者は、その名称又は商号中に、特例社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 6 特例財団法人でない者は、その名称又は商号中に、特例財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 (旧民法第三十四条の許可の申請等に関する経過措置) 第四十三条 施行日前に旧民法第三十四条の許可の申請があった場合において、施行日の前日までに当該申請に対する処分がされないときは、当該申請は、同日に、却下されたものとみなす。 2 施行日前に旧民法第三十四条の許可を受けた場合における設立の登記については、なお従前の例による。 (公益社団法人又は公益財団法人への移行) 第四十四条 公益法人認定法第二条第四号に規定する公益目的事業(以下この節において単に「公益目的事業」という。)を行う特例社団法人又は特例財団法人は、施行日から起算して五年を経過する日までの期間(以下この節において「移行期間」という。)内に、第四款の定めるところにより、行政庁の認定を受け、それぞれ公益法人認定法の規定による公益社団法人又は公益財団法人となることができる。 (通常の一般社団法人又は一般財団法人への移行) 第四十五条 特例社団法人又は特例財団法人は、移行期間内に、第五款の定めるところにより、行政庁の認可を受け、それぞれ通常の一般社団法人又は一般財団法人となることができる。 (移行期間の満了による解散等) 第四十六条 移行期間内に第四十四条の認定又は前条の認可を受けなかった特例民法法人は、移行期間の満了の日に解散したものとみなす。 ただし、第四十四条の認定又は前条の認可の申請があった場合において、移行期間の満了の日までに当該申請に対する処分がされないときは、この限りでない。 2 前項本文の場合には、第九十六条第一項に規定する旧主務官庁(以下この款及び次款において単に「旧主務官庁」という。)は、前項本文の日後遅滞なく、同項本文の規定により解散したものとみなされた特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (行政庁) 第四十七条 この節における行政庁は、次の各号に掲げる特例民法法人の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣又は都道府県知事とする。 一 次に掲げる特例民法法人 内閣総理大臣 イ 二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するもの ロ 第四十四条の認定を受ける特例民法法人にあっては、公益目的事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款又は第百三条第二項第二号の定款の変更の案で定めるもの ハ 第四十五条の認可を受ける特例民法法人(第百十九条第一項に規定する公益目的支出計画において同条第二項第一号イ又はハに規定する事業を定めるものに限る。)にあっては、当該事業を二以上の都道府県の区域内において行う旨を定款又は第百二十条第二項第二号の定款の変更の案で定めるもの ニ 第四十五条の認可を受ける特例民法法人(ハに掲げるもの以外のものに限る。)にあっては、同条の認可の申請の際における旧主務官庁が旧民法第八十四条の二第一項に規定する都道府県の執行機関でないもの ホ ロに規定する特例民法法人にあっては公益目的事業、ハに規定する特例民法法人にあっては第百十九条第二項第一号イ又はハに規定する事業が国の事務又は事業と密接な関連を有する事業であって政令で定めるものであるもの 二 前号に掲げる特例民法法人以外の特例民法法人 その事務所が所在する都道府県の知事 第二款 経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 第一目 特例民法法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (理事及び監事に関する経過措置) 第四十八条 この法律の施行の際現に旧社団法人(第四十条第一項に規定する社団法人又は民法施行法社団法人をいう。以下この章において同じ。)又は旧財団法人(同項に規定する財団法人又は民法施行法財団法人をいう。以下この章において同じ。)に置かれている理事又は監事は、それぞれ一般社団・財団法人法第六十三条第一項(一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定によって選任された理事又は監事とみなす。 2 特例民法法人の理事(理事会を置く特例民法法人が選任するものを除く。)の選任及び解任、資格並びに任期については、なお従前の例による。 3 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例民法法人の監事(次に掲げる特例民法法人が選任するものを除く。)についても、前項と同様とする。 一 理事会を置く特例社団法人(以下この款において「理事会設置特例社団法人」という。) 二 会計監査人を置く特例社団法人(以下この款において「会計監査人設置特例社団法人」という。) 三 評議員を置く特例財団法人(以下この款において「評議員設置特例財団法人」という。) 4 旧社団法人又は旧財団法人が定款(旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を含む。以下この項及び第八十条において同じ。)若しくは寄附行為(旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた書面を含む。以下この項及び第八十九条において同じ。)、定款若しくは寄附行為の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって定めた当該法人を代表する理事は、一般社団・財団法人法に規定する代表理事の地位を有しない。 (理事の代理行為の委任等に関する経過措置) 第四十九条 特例民法法人(理事会を置く特例民法法人を除く。以下この条において同じ。)の理事の代理行為の委任及び特例民法法人と理事との利益が相反する取引の制限については、なお従前の例による。 (理事及び理事会に関する規定の適用除外) 第五十条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第七十六条第四項、第八十六条から第八十九条まで及び第九十条第五項(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 2 理事会を置かない特例民法法人については、一般社団・財団法人法第八十条から第八十三条まで及び第八十五条(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (理事及び監事の行為に関する経過措置) 第五十一条 ある者が旧社団法人又は旧財団法人の理事又は監事として施行日前にした又はすべきであった旧民法に規定する行為については、当該行為をした又はすべきであった日に、それぞれその者が第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人又は一般財団法人の理事又は監事としてした又はすべきであった一般社団・財団法人法の相当規定に規定する行為とみなす。 (監事の権限に関する経過措置) 第五十二条 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例民法法人の監事(次に掲げる特例民法法人が選任するものを除く。)の職務及び権限(第六十一条第一項及び第二項、第八十七条第三項の規定により適用する一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第二項並びに一般社団・財団法人法第七十五条(一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定によるものを除く。)については、なお従前の例による。 一 理事会設置特例社団法人 二 会計監査人設置特例社団法人 三 評議員設置特例財団法人 (会計監査人の権限等に関する特則) 第五十三条 特例民法法人の会計監査人の権限及び社員総会における意見の陳述については、一般社団・財団法人法第百七条第一項(一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)中「会計監査人は、次節の定めるところにより」とあるのは「会計監査人は」と、「計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)」とあるのは「財産目録並びに基金を引き受ける者の募集をする特例社団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十二条第一項に規定する特例社団法人をいう。)の貸借対照表」と、「会計監査人は、法務省令で定めるところにより」とあるのは「会計監査人は」と、一般社団・財団法人法第百九条第一項中「に規定する書類」とあるのは「の貸借対照表及びその附属明細書」と、「定時社員総会」とあるのは「社員総会」とする。 (会計監査人の設置義務に関する規定の適用除外) 第五十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六十二条及び第百七十一条の規定は、適用しない。 (理事及び監事の損害賠償責任に関する経過措置) 第五十五条 特例民法法人の理事又は監事の行為に基づく損害賠償責任については、なお従前の例による。 (会計帳簿の作成に関する特則) 第五十六条 特例民法法人の会計帳簿の作成における一般社団・財団法人法第百二十条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、一般社団・財団法人法第百二十条第一項中「法務省令で定めるところにより、適時に」とあるのは、「適時に」とする。 (会計帳簿に関する規定の適用除外) 第五十七条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百二十条第二項、第百二十一条及び第百二十二条(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (財産目録の作成等に関する経過措置) 第五十八条 特例民法法人の財産目録の作成及び備置きについては、なお従前の例による。 (計算書類等に関する規定の適用除外) 第五十九条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百二十三条第二項及び第百二十四条から第百三十条まで(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (計算書類等の作成及び保存に関する特則) 第六十条 第四十四条の認定又は第四十五条の認可の申請をする特例民法法人は、内閣府令で定めるところにより、計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この節において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。 2 前項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録(一般社団・財団法人法第十条第二項に規定する電磁的記録をいう。以下この節において同じ。)をもって作成することができる。 (計算書類等の監査等に関する特則) 第六十一条 監事を置く特例民法法人においては、前条第一項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、監事の監査を受けなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、会計監査人を置く特例民法法人においては、次の各号に掲げるものは、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。 一 前条第一項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人 二 前条第一項の事業報告及びその附属明細書 監事 3 理事会を置く特例民法法人においては、第一項又は前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。 (計算書類等の社員総会への提出等に関する特則) 第六十二条 次の各号に掲げる特例社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を社員総会に提出し、又は提供しなければならない。 一 監事設置特例社団法人(理事会設置特例社団法人及び会計監査人設置特例社団法人を除く。) 前条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告 二 会計監査人設置特例社団法人(理事会設置特例社団法人を除く。) 前条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告 三 理事会設置特例社団法人 前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告 四 前三号に掲げるもの以外の特例社団法人 第六十条第一項の計算書類及び事業報告 2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、社員総会の承認を受けなければならない。 3 理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を社員総会に報告しなければならない。 4 第一項(第三号に係る部分に限る。)及び前二項の規定は、評議員設置特例財団法人について準用する。 この場合において、これらの規定中「社員総会」とあるのは、「評議員会」と読み替えるものとする。 (解散の事由に関する特則) 第六十三条 特例民法法人の解散については、一般社団・財団法人法第百四十八条第七号及び第二百二条第一項第六号中「第二百六十一条第一項又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第九十六条第二項の規定による解散命令」とする。 (休眠一般社団法人及び休眠一般財団法人のみなし解散等に関する規定の適用除外) 第六十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第百四十九条、第百五十条、第二百二条第二項、第二百三条及び第二百四条の規定は、適用しない。 (清算に関する経過措置) 第六十五条 特例民法法人の清算については、なお従前の例による。 2 前項の規定にかかわらず、一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集を行った特例社団法人については、一般社団・財団法人法第二百三十六条の規定を適用する。 (特例民法法人の合併) 第六十六条 特例民法法人は、他の特例民法法人と合併(吸収合併に限る。)をすることができる。 この場合においては、一般社団・財団法人法第二百四十二条、第二百四十四条第二号、第二百四十六条第二項第三号、第二百四十七条から第二百四十九条まで、第二百五十条第二項第三号、第二百五十一条第一項及び第二百五十二条の規定は、適用しない。 2 合併をする特例民法法人は、吸収合併契約を締結しなければならない。 (特例民法法人の吸収合併契約の承認に関する特則) 第六十七条 合併をする特例社団法人は、第六十九条第一項の認可の申請前に、社員総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 この場合において、社員総会の決議は、総社員の四分の三(定款の変更の要件についてこれと異なる割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 2 合併をする特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。)は、第六十九条第一項の認可の申請前に、定款に定款の変更に関する定めがある場合にあっては当該定め(旧主務官庁の認可を要する旨の定めがあるときは、これを除く。)の例により、定款に定款の変更に関する定めがない場合にあっては旧主務官庁の承認を受けて理事の定める手続により、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 3 合併をする評議員設置特例財団法人は、第六十九条第一項の認可の申請前に、評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。 この場合において、評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。 (特例民法法人の合併に伴う定款の変更に関する特則) 第六十八条 特例民法法人の合併に伴い定款の変更をする場合においては、旧主務官庁の認可を要しない。 (特例民法法人の合併の認可) 第六十九条 特例民法法人の合併は、合併後存続する特例民法法人(以下この目において「合併存続特例民法法人」という。)の当該合併後の業務の監督を行う旧主務官庁(以下この条及び第七十二条第二項において「合併後旧主務官庁」という。)の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可の申請は、政令で定めるところにより、合併をする特例民法法人が、次に掲げる事項を記載した申請書をそれぞれ合併後旧主務官庁に提出してしなければならない。 一 申請をする特例民法法人の代表者の氏名 二 合併をする特例民法法人の名称及び主たる事務所の所在場所 三 合併存続特例民法法人が名称又は主たる事務所の所在場所を変更する場合にあっては、変更後のこれらの事項 3 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 吸収合併契約書 二 吸収合併契約の承認を受けたことを証する書面 三 合併をする特例民法法人の定款 四 合併存続特例民法法人の定款の案 五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める書類 4 合併をする特例民法法人の業務の監督を行う旧主務官庁(以下この条及び第七十二条第二項において「合併前旧主務官庁」という。)と合併後旧主務官庁とが異なる場合においては、第二項の申請書は、合併前旧主務官庁を経由して提出しなければならない。 5 合併前旧主務官庁は、前項の規定により第二項の申請書を受理したときは、その意見を付して、速やかに、これを合併後旧主務官庁に送付しなければならない。 (特例民法法人の合併に伴う債権者の異議に関する特則) 第七十条 合併により消滅する特例民法法人(以下この条において「合併消滅特例民法法人」という。)の債権者は、合併消滅特例民法法人に対し、合併について異議を述べることができる。 2 合併消滅特例民法法人は、前条第一項の認可があったときは、当該認可の通知のあった日から二週間以内に、財産目録及び貸借対照表(次項及び第百四十八条第二号において「財産目録等」という。)を作成し、その主たる事務所に備え置かなければならない。 3 債権者は、次項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日から同項第三号の期間の満了の日までの間、合併消滅特例民法法人に対して、その業務時間内は、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該合併消滅特例民法法人の定めた費用を支払わなければならない。 一 財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を一般社団・財団法人法第二百四十六条第三項第三号の法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(一般社団・財団法人法第十四条第二項第四号に規定する電磁的方法をいう。第八十五条において同じ。)であって合併消滅特例民法法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 4 合併消滅特例民法法人は、第二項の期間内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第三号の期間は、二箇月を下ることができない。 一 合併をする旨 二 合併存続特例民法法人の名称及び住所 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 5 債権者が前項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。 6 債権者が第四項第三号の期間内に異議を述べたときは、合併消滅特例民法法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 7 前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。 第七十一条 前条の規定は、合併存続特例民法法人について準用する。 この場合において、同条第四項第二号中「合併存続特例民法法人」とあるのは、「合併消滅特例民法法人」と読み替えるものとする。 (特例民法法人の合併の時期等) 第七十二条 特例民法法人の合併は、合併存続特例民法法人の主たる事務所の所在地において一般社団・財団法人法第三百六条第一項の登記をすることによって、その効力を生ずる。 2 合併存続特例民法法人は、一般社団・財団法人法第三百六条第一項の登記をしたときは、遅滞なく、当該合併存続特例民法法人の登記事項証明書を添付して合併前旧主務官庁及び合併後旧主務官庁にその旨を届け出なければならない。 (特例民法法人の合併に関する特則) 第七十三条 特例民法法人の合併については、一般社団・財団法人法第二百四十五条第一項、第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項並びに第二百五十三条第一項及び第二項中「効力発生日」とあるのは「吸収合併の登記の日」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第一項、第二百五十条第一項、第二百五十一条第二項及び第二百五十三条第一項中「法務省令」とあるのは「政令」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第二項及び第二百五十条第二項中「次に掲げる日のいずれか早い日」とあるのは「次に掲げる日」と、一般社団・財団法人法第二百四十六条第二項第一号中「次条」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「整備法」という。)第六十七条第一項」と、同項第二号中「にあっては、次条」とあるのは「のうち、評議員を置かないものにあっては整備法第六十七条第二項の規定により吸収合併契約の承認を受ける日の二週間前の日、評議員を置くものにあっては同条第三項」と、同条第三項中「いつでも」とあるのは「いつでも(債権者にあっては、整備法第七十条第四項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日からに限る。)」と、一般社団・財団法人法第二百五十条第二項第一号中「次条第一項」とあるのは「整備法第六十七条第一項」と、同項第二号中「にあっては、次条第一項」とあるのは「のうち、評議員を置かないものにあっては整備法第六十七条第二項の規定により吸収合併契約の承認を受ける日の二週間前の日、評議員を置くものにあっては同条第三項」と、同条第三項中「いつでも」とあるのは「いつでも(債権者にあっては、整備法第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条第四項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日からに限る。)」と、一般社団・財団法人法第二百五十一条第二項中「前項」とあるのは「整備法第六十七条第一項又は第三項」とする。 (解散命令に関する規定の適用除外) 第七十四条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第一節の規定は、適用しない。 (訴訟に関する規定の適用除外) 第七十五条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第二節(吸収合併の無効の訴えに係る部分を除く。)の規定は、適用しない。 (非訟事件に関する経過措置) 第七十六条 施行日前に申立てがあった第百五十三条の規定による改正前の非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の規定による非訟事件(清算に関する事件を除く。次項において同じ。)の手続については、なお従前の例による。 2 この節の規定によりなお従前の例によることとされる場合における非訟事件の手続についても、前項と同様とする。 (登記に関する経過措置) 第七十七条 旧民法の規定による旧社団法人及び旧財団法人の登記は、一般社団・財団法人法の相当規定(次条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)による特例民法法人の登記とみなす。 2 この法律の施行の際現にされている特例民法法人の登記(旧民法第四十六条第一項第四号に掲げる事項に限る。)については、なお従前の例による。 3 特例社団法人が一般社団・財団法人法第七十七条第三項の規定により代表理事を定め、又は理事会を置く旨の定款の変更をするまでの間における当該特例社団法人の登記については、一般社団・財団法人法第三百一条第二項第五号中「氏名」とあるのは、「氏名及び住所」とし、同項第六号の規定は、適用しない。 4 この法律の施行の際現に監事を置くこととしていた特例社団法人(理事会設置特例社団法人及び会計監査人設置特例社団法人を除く。)については、一般社団・財団法人法第三百一条第二項第八号の規定は、適用しない。 5 特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。)の登記については、一般社団・財団法人法第三百二条第二項第五号中「評議員、理事及び監事の氏名」とあるのは、「理事の氏名及び住所」とし、同項第六号の規定は、適用しない。 6 第六十五条第一項の規定にかかわらず、特例民法法人の解散及び清算に関する登記の登記事項(施行日前に解散をした場合にあっては清算結了の旨を除き、施行日前に清算人の登記をした場合にあっては清算人及び代表清算人の氏名及び住所並びに監事を置く旨を除く。)については、一般社団・財団法人法の定めるところによる。 (登記に関する特則) 第七十八条 特例民法法人の登記については、一般社団・財団法人法第三百六条第一項中「その効力が生じた日」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この項において「整備法」という。)第七十条の規定による手続が終了した日又は整備法第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条の規定による手続が終了した日のいずれか遅い日」とする。 (公告に関する規定の適用除外) 第七十九条 特例民法法人については、一般社団・財団法人法第六章第五節の規定は、適用しない。 第二目 特例社団法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (定款の記載等に関する経過措置) 第八十条 旧社団法人の定款における旧民法第三十七条第一号から第三号まで及び第六号に掲げる事項(同条第三号に掲げる事項にあっては、主たる事務所に係る部分に限る。)の記載は、それぞれ第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の定款における一般社団・財団法人法第十一条第一項第一号から第三号まで及び第五号に掲げる事項の記載とみなす。 2 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第十一条第一項第六号及び第七号の規定は、適用しない。 3 旧社団法人の定款における理事会又は会計監査人を置く旨の定めは、それぞれ一般社団・財団法人法に規定する理事会又は会計監査人を置く旨の定めとしての効力を有しない。 4 旧社団法人の定款における監事を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する監事を置く旨の定めとみなす。 5 社員総会の決議によって監事を置く旧社団法人の定款には、監事を置く旨の定めがあるものとみなす。 (定款の備置き及び閲覧に関する規定の適用除外) 第八十一条 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第十四条の規定は、適用しない。 (社員名簿に関する経過措置) 第八十二条 旧社団法人の社員名簿は、一般社団・財団法人法第三十一条に規定する社員名簿とみなす。 2 特例社団法人の社員名簿の記載又は記録事項及び閲覧については、なお従前の例による。 3 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第三十三条及び第三十四条の規定は、適用しない。 (社員総会の権限及び手続に関する経過措置) 第八十三条 施行日前に社員総会の招集の手続が開始された場合におけるその社員総会に相当する第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会の権限及び手続については、なお従前の例による。 (社員総会の決議に関する経過措置) 第八十四条 施行日前に旧社団法人の社員総会が旧民法の規定に基づいてした決議は、当該決議があった日に、第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般社団法人の社員総会が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいてした決議とみなす。 (社員の議決権等に関する経過措置) 第八十五条 特例社団法人の社員の議決権、社員総会の決議及び議決権の行使(電磁的方法により行使する場合を除く。)については、なお従前の例による。 ただし、理事会設置特例社団法人については、一般社団・財団法人法第四十九条第三項の規定を適用する。 (社員総会の権限等に関する特則) 第八十六条 特例社団法人の社員総会の権限、招集、理事等の説明義務及び決議の省略については、一般社団・財団法人法第三十五条第一項、第二項及び第四項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、同条第一項及び第二項中「及び」とあるのは「並びに」と、一般社団・財団法人法第三十六条第一項中「毎事業年度の終了後一定の時期に」とあるのは「少なくとも毎年一回」と、一般社団・財団法人法第三十七条第一項中「議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する」とあるのは「五分の一(これと異なる割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の」と、「事項及び招集の理由」とあるのは「事項」と、一般社団・財団法人法第三十九条第一項中「一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前」とあるのは「五日前」と、「対して」とあるのは「対して、定款で定めた方法に従って」と、同条第四項中「前条第一項各号」とあるのは「前条第一項第一号、第二号及び第四号」と、一般社団・財団法人法第五十三条中「理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)」とあるのは「理事会若しくは会計監査人を置く特例社団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十二条第一項に規定する特例社団法人をいう。以下この条において同じ。)又は施行日以後に監事を置いた特例社団法人の理事及び監事」と、一般社団・財団法人法第五十八条第一項中「理事又は社員」とあるのは「理事」とする。 2 特例社団法人については、一般社団・財団法人法第三十七条第二項、第三十八条第一項第三号及び第五号、第四十三条から第四十七条まで、第五十五条並びに第五十七条の規定は、適用しない。 (基金を引き受ける者の募集に関する特則) 第八十七条 特例社団法人の基金を引き受ける者の募集については、一般社団・財団法人法第百三十一条中「次に掲げる事項」とあるのは、「次に掲げる事項及び事業年度」とする。 2 一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集をした特例社団法人は、第五十九条の規定にかかわらず、当該募集をした日の属する事業年度以降の各事業年度に係る一般社団・財団法人法第百二十三条第二項の貸借対照表及びその附属明細書を作成しなければならない。 3 前項の規定により作成された貸借対照表及びその附属明細書については、第五十九条の規定にかかわらず、一般社団・財団法人法第百二十四条から第百二十七条まで及び第百二十九条の規定を適用する。 4 第二項の規定により貸借対照表及びその附属明細書を作成した特例社団法人は、第六十条第一項の貸借対照表及びその附属明細書を作成することを要しない。 (定款の変更に関する経過措置) 第八十八条 特例社団法人の定款の変更については、なお従前の例による。 第三目 特例財団法人に関する経過措置及び一般社団・財団法人法の特則 (定款の記載等に関する経過措置) 第八十九条 旧財団法人の寄附行為における旧民法第三十七条第一号から第三号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、主たる事務所に係る部分に限る。)の記載は、それぞれ第四十条第一項又は第四十一条第一項の規定により存続する一般財団法人の定款における一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第一号から第三号までに掲げる事項の記載とみなす。 2 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第八号から第十号までの規定は、適用しない。 3 前項の規定にかかわらず、評議員設置特例財団法人は、一般社団・財団法人法第百五十三条第一項第八号に掲げる事項を定款で定めなければならない。 4 旧財団法人の寄附行為における評議員、評議員会、理事会又は会計監査人を置く旨の定めは、それぞれ一般社団・財団法人法に規定する評議員、評議員会、理事会又は会計監査人を置く旨の定めとしての効力を有しない。 5 旧財団法人の寄附行為における監事を置く旨の定めは、一般社団・財団法人法に規定する監事を置く旨の定めとみなす。 6 旧財団法人の寄附行為における基本財産に関する定めは、一般社団・財団法人法第百七十二条第二項の基本財産に関する定めとしての効力を有しない。 7 特例財団法人の定款の記載については、一般社団・財団法人法第百五十四条中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、「及び」とあるのは「並びに」とする。 (定款の備置き及び閲覧に関する規定の適用除外) 第九十条 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百五十六条の規定は、適用しない。 (機関の設置に関する特則) 第九十一条 一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する一般社団・財団法人法第六十五条第三項の規定にかかわらず、理事会を置かない特例財団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。 2 監事を置いていない特例財団法人は、評議員、評議員会、理事会及び監事を置く定款の変更をすることができる。 3 監事を置いている特例財団法人は、評議員、評議員会及び理事会を置く定款の変更をすることができる。 4 会計監査人を置く特例財団法人は、前二項の規定による定款の変更により評議員、評議員会、理事会及び監事を置くものでなければならない。 5 第二項又は第三項の規定により変更した定款の定めは、これを変更することができない。 6 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百七十条第一項の規定は、適用しない。 (最初の評議員の選任に関する特則) 第九十二条 特例財団法人が最初の評議員を選任するには、旧主務官庁の認可を受けて理事が定めるところによる。 (評議員会の権限等に関する特則) 第九十三条 特例財団法人の評議員会の権限については、一般社団・財団法人法第百七十八条第二項及び第三項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」と、同条第二項中「及び」とあるのは「並びに」とする。 2 特例財団法人については、一般社団・財団法人法第百八十条第二項、第百八十七条及び第百八十八条の規定は、適用しない。 (定款の変更に関する経過措置) 第九十四条 特例財団法人(評議員設置特例財団法人を除く。次項及び第三項において同じ。)については、一般社団・財団法人法第二百条の規定は、適用しない。 2 その定款に定款の変更に関する定めがある特例財団法人は、当該定めに従い、定款の変更をすることができる。 3 その定款に定款の変更に関する定めがない特例財団法人は、理事(清算中の特例財団法人にあっては、清算人)の定めるところにより、定款の変更に関する定めを設ける定款の変更をすることができる。 4 評議員設置特例財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の」とあるのは「旨を」と、「前項ただし書に」とあるのは「同項ただし書に」とする。 5 評議員設置特例財団法人については、一般社団・財団法人法第二百条第三項の規定は、適用しない。 6 特例財団法人の定款の変更は、旧主務官庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。 第三款 特例民法法人の業務の監督 (特例民法法人の業務の監督に関する経過措置) 第九十五条 特例民法法人の業務の監督(設立の許可の取消し及び解散の命令に係るものを除き、定款の変更の認可、解散した特例民法法人の財産の処分の許可、解散及び清算人に係る届出並びに清算結了の届出に係るものを含む。)については、なお従前の例による。 (解散命令) 第九十六条 前条の規定によりなお従前の例により特例民法法人の業務の監督を行う行政機関(以下この節において「旧主務官庁」という。)は、特例民法法人がその目的以外の事業をし、若しくは設立の許可若しくは旧民法施行法第十九条第二項の認可を受けた条件若しくは旧主務官庁の監督上の命令に違反し、その他公益を害すべき行為をした場合又は特例民法法人が移行期間の満了の日までに第百九条第一項の規定により第四十四条の認定を取り消された場合若しくは第百三十一条第一項の規定若しくは同条第二項において読み替えて準用する第百九条第一項の規定により第四十五条の認可を取り消された場合において、必要があると認めるときは、当該特例民法法人に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 2 旧主務官庁は、特例民法法人が前項の規定による命令に違反した場合又は当該命令をしてもその改善を期待することができないことが明らかな場合であって、他の方法により監督の目的を達することができないときは、当該特例民法法人の解散を命ずることができる。 特例民法法人が正当な理由がないのに引き続き三年(施行日前の期間を含む。)以上その事業を休止したときも、同様とする。 3 前項の規定による命令を行おうとする場合において理事が欠けているとき又はその所在が知れないときは、旧主務官庁は、当該命令の通知に代えてその要旨を官報に掲載することができる。 4 前項の場合においては、当該命令は、官報に掲載した日から二十日を経過した日にその効力を生ずる。 (解散の登記の嘱託) 第九十七条 旧主務官庁は、前条第二項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、当該特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 第四款 公益社団法人又は公益財団法人への移行 (公益法人認定法による公益認定の申請の制限) 第九十八条 特例民法法人は、公益法人認定法第七条の規定による公益認定の申請をすることができない。 (移行の認定の申請) 第九十九条 公益目的事業を行う特例民法法人は、第四十四条の認定の申請をすることができる。 2 第四十五条の認可の申請をした特例民法法人は、同条の認可をしない処分を受けた後でなければ、前項の申請をすることができない。 (認定の基準) 第百条 行政庁は、第四十四条の認定の申請をした特例民法法人(以下この款及び第百三十三条第二項において「認定申請法人」という。)が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該認定申請法人について第四十四条の認定をするものとする。 一 第百三条第二項第二号の定款の変更の案の内容が一般社団・財団法人法及び公益法人認定法並びにこれらに基づく命令の規定に適合するものであること。 二 公益法人認定法第五条各号に掲げる基準に適合するものであること。 (欠格事由) 第百一条 公益法人認定法第六条(第一号イ及び第二号を除く。)の規定は、第四十四条の認定について準用する。 2 第九十五条の規定によりなお従前の例によることとされる旧主務官庁の監督上の命令に違反している特例民法法人は、第四十四条の認定を受けることができない。 (定款の変更に関する特則) 第百二条 第四十四条の認定を受けようとする特例民法法人が第百六条第一項の登記をすることを停止条件としてしたその種類に従いその名称中に公益社団法人又は公益財団法人という文字を用いることとする定款の変更及び第百条各号に掲げる基準に適合するものとするために必要な定款の変更については、旧主務官庁の認可を要しない。 (認定の申請手続) 第百三条 第四十四条の認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、公益法人認定法第七条第一項各号に掲げる事項を記載した申請書を、行政庁に提出してしなければならない。 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 公益法人認定法第七条第二項第一号から第五号までに掲げる書類 二 定款の変更の案(認定申請法人において定款の変更について必要な手続を経ているものに限る。) 三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 (認定に関する意見聴取) 第百四条 公益法人認定法第八条の規定は、行政庁が第四十四条の認定をしようとする場合について準用する。 この場合において、公益法人認定法第八条第一号中「第六条第三号及び第四号」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第百一条第一項において準用する第六条第四号」と、同条第二号中「第六条第一号ニ」とあるのは「整備法第百一条第一項において準用する第六条第一号ニ」と、同条第三号中「第六条第五号」とあるのは「整備法第百一条第一項において準用する第六条第五号」と読み替えるものとする。 2 行政庁は、第四十四条の認定をしようとするときは、第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条第三号の規定及び第百一条第二項に規定する事由の有無について、旧主務官庁の意見を聴くものとする。 (旧主務官庁への通知) 第百五条 行政庁は、第百三条第一項の申請書の提出を受け、又は第四十四条の認定をし、若しくはしない処分をしたときは、直ちに、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 (移行の登記) 第百六条 特例民法法人が第四十四条の認定を受けたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、当該特例民法法人については解散の登記をし、名称の変更後の公益法人(公益法人認定法第二条第三号に規定する公益法人をいう。以下この章において同じ。)については設立の登記をしなければならない。 この場合においては、一般社団・財団法人法第三百三条の規定は、適用しない。 2 第四十四条の認定を受けた特例民法法人は、前項の規定により解散の登記及び設立の登記をしたときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、行政庁及び旧主務官庁に、その旨を届け出なければならない。 (特例民法法人の公益法人への移行) 第百七条 第四十四条の認定を受けた特例民法法人については、同条の認定を公益法人認定法第四条の認定とみなして、前条第一項の登記をした日以後、公益法人認定法の規定(公益法人認定法第九条第一項及び第二項を除く。)を適用する。 (認定の公示等) 第百八条 行政庁は、第百六条第二項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 2 行政庁は、前項に規定する場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、旧主務官庁から事務の引継ぎを受けなければならない。 (登記を怠ることによる認定の取消し) 第百九条 行政庁は、第四十四条の認定を受けた特例民法法人が、当該認定を受けた日から起算して三十日を経過しても第百六条第二項の規定による届出をしない場合において、行政庁が相当の期間を定めて同条第一項の登記をすべき旨を催告したにもかかわらず、当該登記をしないときは、その認定を取り消さなければならない。 2 行政庁は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 3 公益法人認定法第二十九条第四項の規定は、第一項の規定による認定の取消しについて準用する。 4 移行期間の満了の日後に第一項の規定により第四十四条の認定を取り消す処分の通知を受けた特例民法法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 5 前項の場合において、旧主務官庁は、第二項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、前項の処分を受けた特例民法法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (移行期間満了後の認定をしない処分) 第百十条 移行期間の満了の日後に第四十四条の認定をしない処分の通知を受けた認定申請法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 2 前項の場合において、旧主務官庁は、第百五条の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、同項の処分を受けた認定申請法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に解散の登記を嘱託しなければならない。 (計算書類等の作成等に関する経過措置) 第百十一条 第百六条第一項の登記をした公益法人が、当該登記をした日前に、第六十条第一項の規定に基づいて作成した計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第六十一条の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)は、その作成の日に、当該法人が一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなす。 2 第百六条第一項の登記をした日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の作成の方法については、第六十条第一項の内閣府令で定めるところによる。 3 第六十一条、第六十二条及び第一項の規定は、前項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書について準用する。 4 一般社団・財団法人法第百二十八条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定により一般社団・財団法人法の相当規定に基づいて作成したものとみなされた貸借対照表(第百六条第一項の登記をした法人が一般社団・財団法人法第二条第二号の大規模一般社団法人又は同条第三号の大規模一般財団法人である場合にあっては、貸借対照表及び損益計算書)については、適用しない。 (移行の登記をした公益財団法人に関する経過措置) 第百十二条 第百六条第一項の登記をした公益財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたとき」とあるのは「旨を一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(次項において「整備法」という。)第百六条第一項の登記の日以前に定款で定めているとき」と、同条第三項中「その設立の」とあるのは「整備法第百六条第一項の登記をした」とする。 2 一般社団・財団法人法第二百二条第二項の規定は、第百六条第一項の登記をした公益財団法人については、当該登記をした日の属する事業年度から適用する。 (公益目的事業財産等に関する特則) 第百十三条 第百六条第一項の登記をした公益法人については、公益法人認定法第十八条第一号から第四号まで及び第七号並びに第二十一条第一項及び第二項中「公益認定を受けた日」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第百六条第一項の登記をした日」と、同条第一項及び第二項中「公益認定を受けた後」とあるのは「登記をした日以後」とする。 (認定の取消し等に伴う贈与に関する特則) 第百十四条 第百六条第一項の登記をした公益法人については、公益法人認定法第三十条第二項各号中「公益認定を受けた日」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第百六条第一項の登記をした日」とする。 第五款 通常の一般社団法人又は一般財団法人への移行 (移行の認可の申請) 第百十五条 特例民法法人は、第四十五条の認可の申請をすることができる。 2 第四十四条の認定の申請をした特例民法法人は、同条の認定をしない処分を受けた後でなければ、前項の申請をすることができない。 (移行期間満了後における認可の申請の特例) 第百十六条 前条第二項の規定にかかわらず、第四十四条の認定の申請をした特例民法法人は、移行期間の満了の日後において当該申請に対する処分がされていないときに限り、第四十五条の認可の申請をすることができる。 2 前項の規定により第四十五条の認可の申請があった場合において、第四十四条の認定をする処分があったときは、当該申請は、取り下げられたものとみなす。 3 第一項の規定により第四十五条の認可の申請を受けた行政庁は、第四十四条の認定の申請の取下げがあった後又は同条の認定をしない処分をした後遅滞なく、第四十五条の認可の申請に対する審査を開始しなければならない。 4 第一項の規定により第四十五条の認可の申請をした特例民法法人については、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定は、適用しない。 一 第四十四条の認定の申請を取り下げた場合 第四十六条第一項本文 二 第四十四条の認定をしない処分の通知を受けた場合 第百十条第一項 (認可の基準) 第百十七条 行政庁は、第四十五条の認可の申請をした特例民法法人(以下この款において「認可申請法人」という。)が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該認可申請法人について同条の認可をするものとする。 一 第百二十条第二項第二号の定款の変更の案の内容が一般社団・財団法人法及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。 二 第百十九条第一項に規定する公益目的財産額が内閣府令で定める額を超える認可申請法人にあっては、同項に規定する公益目的支出計画が適正であり、かつ、当該認可申請法人が当該公益目的支出計画を確実に実施すると見込まれるものであること。 (定款の変更に関する特則) 第百十八条 第百二条の規定は、第四十五条の認可を受けようとする特例民法法人の定款の変更について準用する。 この場合において、第百二条中「第百六条第一項」とあるのは「第百二十一条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項」と、「公益社団法人又は公益財団法人」とあるのは「一般社団法人又は一般財団法人」と、「第百条各号」とあるのは「第百十七条各号」と読み替えるものとする。 (公益目的支出計画の作成) 第百十九条 第四十五条の認可を受けようとする特例民法法人は、当該認可を受けたときに解散するものとした場合において旧民法第七十二条の規定によれば当該特例民法法人の目的に類似する目的のために処分し、又は国庫に帰属すべきものとされる残余財産の額に相当するものとして当該特例民法法人の貸借対照表上の純資産額を基礎として内閣府令で定めるところにより算定した額が内閣府令で定める額を超える場合には、内閣府令で定めるところにより、当該算定した額(以下この款において「公益目的財産額」という。)に相当する金額を公益の目的のために支出することにより零とするための計画(以下この款において「公益目的支出計画」という。)を作成しなければならない。 2 公益目的支出計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 公益の目的のための次に掲げる支出 イ 公益目的事業のための支出 ロ 公益法人認定法第五条第二十号に規定する者に対する寄附又は同号に規定する公益信託の信託財産とするための支出 ハ 第四十五条の認可を受けた後も継続して行う不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する目的に関する事業のための支出(イに掲げるものを除く。)その他の内閣府令で定める支出 二 公益目的財産額に相当する金額から前号の支出の額(当該支出をした事業に係る収入があるときは、内閣府令で定めるところにより、これを控除した額に限る。)を控除して得た額(以下この款において「公益目的財産残額」という。)が零となるまでの各事業年度ごとの同号の支出に関する計画 三 前号に掲げるもののほか、第一号の支出を確保するために必要な事項として内閣府令で定める事項 (認可の申請手続等) 第百二十条 第四十五条の認可の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。 一 名称及び代表者の氏名 二 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所 2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 定款 二 定款の変更の案(認可申請法人において定款の変更について必要な手続を経ているものに限る。) 三 公益目的財産額及びその計算を記載した内閣府令で定める書類 四 財産目録、貸借対照表その他の認可申請法人の財務内容を示す書類として内閣府令で定めるもの 五 前条第一項の規定により公益目的支出計画を作成しなければならない認可申請法人にあっては、公益目的支出計画を記載した書類 六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 前項の規定にかかわらず、第四十五条の認可の申請が第百十六条第一項の規定によりされたものである場合には、第一項の申請書には、内閣府令で定める書類の添付を省略することができる。 4 行政庁は、認可申請法人が作成した公益目的支出計画が第百十七条第二号に掲げる基準に適合するかどうかを判断するために必要な場合には、当該認可申請法人の事業活動の内容について、旧主務官庁の意見を聴くものとする。 5 行政庁は、第一項の申請書の提出を受け、又は第四十五条の認可をし、若しくはしない処分をしたときは、直ちに、その旨を旧主務官庁に通知しなければならない。 (認定に関する規定の準用) 第百二十一条 第百六条の規定は、第四十五条の認可を受けた場合の登記について準用する。 この場合において、第百六条第一項中「公益法人(公益法人認定法第二条第三号に規定する公益法人をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは、「一般社団法人又は一般財団法人」と読み替えるものとする。 2 第百十条の規定は、移行期間の満了の日後に第四十五条の認可をしない処分の通知を受けた認可申請法人について準用する。 この場合において、第百十条第二項中「第百五条」とあるのは、「第百二十条第五項」と読み替えるものとする。 3 第百十一条の規定は、第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般社団法人及び一般財団法人について準用する。 (移行の登記をした一般財団法人に関する経過措置) 第百二十二条 前条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般財団法人の定款の変更については、一般社団・財団法人法第二百条第二項中「設立者が同項ただし書」とあるのは「同項ただし書」と、「旨を第百五十二条第一項又は第二項の定款で定めたとき」とあるのは「旨を一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第百二十一条第一項において読み替えて準用する整備法第百六条第一項の登記の日以前に定款で定めているとき」と、同条第三項中「その設立の」とあるのは「整備法第百二十一条第一項において読み替えて準用する整備法第百六条第一項の登記をした」とする。 2 一般社団・財団法人法第二百二条第二項の規定は、前条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般財団法人については、当該登記をした日の属する事業年度から適用する。 (移行法人の義務等) 第百二十三条 第百二十一条第一項において読み替えて準用する第百六条第一項の登記をした一般社団法人又は一般財団法人であってその作成した公益目的支出計画の実施について次条の確認を受けていないもの(以下この節において「移行法人」という。)は、同条の確認を受けるまで、公益目的支出計画(第百二十五条第一項の変更の認可を受けたときは、その変更後のもの。以下この款において同じ。)に定めたところに従って第百十九条第二項第一号の支出をしなければならない。 2 第四十五条の認可をした行政庁(以下この節において「認可行政庁」という。)は、移行法人の公益目的支出計画の履行を確保するために必要な範囲内において、移行法人を監督するものとする。 (公益目的支出計画の実施が完了したことの確認) 第百二十四条 移行法人は、第百十九条第二項第一号の支出により公益目的財産残額が零となったときは、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁に公益目的支出計画の実施が完了したことの確認を求めることができる。 (公益目的支出計画の変更の認可等) 第百二十五条 移行法人は、公益目的支出計画の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁の認可を受けなければならない。 2 第百十七条(第二号に係る部分に限る。)の規定は、前項の変更の認可について準用する。 3 移行法人は、次に掲げる場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を認可行政庁に届け出なければならない。 一 名称若しくは住所又は代表者の氏名を変更したとき。 二 公益目的支出計画について第一項の内閣府令で定める軽微な変更をしたとき。 三 定款で残余財産の帰属に関する事項を定めたとき又はこれを変更したとき。 四 定款で移行法人の存続期間若しくは解散の事由を定めたとき又はこれらを変更したとき。 五 解散(合併による解散を除く。)をしたとき。 (合併をした場合の届出等) 第百二十六条 移行法人が合併をした場合には、合併後存続する法人(公益法人を除く。以下この項、次項及び第四項において同じ。)又は合併により設立する法人(公益法人を除く。次項から第四項までにおいて同じ。)は、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる合併の場合の区分に応じ、当該各号に定める認可行政庁に合併をした旨を届け出なければならない。 一 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が移行法人であるとき 当該移行法人に係る認可行政庁及び合併により消滅する移行法人がある場合にあっては、当該移行法人に係る認可行政庁 二 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が移行法人以外の法人であるとき 合併により消滅する移行法人に係る認可行政庁 三 移行法人が新設合併をした場合 合併により消滅する移行法人に係る認可行政庁 2 前項の規定による届出には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 合併後存続する法人又は合併により設立する法人の定款 二 合併をする移行法人の最終事業年度(一般社団法人である移行法人にあっては一般社団・財団法人法第二条第二号に規定する最終事業年度をいい、一般財団法人である移行法人にあっては同条第三号に規定する最終事業年度をいう。次号において同じ。)に係る貸借対照表その他の財務内容を示す書類として内閣府令で定めるもの 三 合併をする移行法人の最終事業年度に係る次条第一項に規定する公益目的支出計画実施報告書 四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類 3 第一項第二号又は第三号に掲げる場合における同項の規定による届出をした一般社団法人又は一般財団法人は、同項第二号に掲げる場合にあっては当該吸収合併がその効力を生ずる日以後、同項第三号に掲げる場合にあっては合併により設立する法人の成立の日以後、同項第二号又は第三号に定める認可行政庁(認可行政庁が二以上あるときは、これらの認可行政庁が内閣府令で定めるところにより協議して定める一の認可行政庁)を認可行政庁とする移行法人とみなして、第百二十三条から第百三十条まで及び第百三十二条の規定を適用する。 4 移行法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人についての公益目的財産額は、合併をする移行法人の公益目的財産額の合計額とする。 5 次の各号に掲げる場合にあっては、合併により消滅する移行法人は、当該各号に定める日において第百二十四条の確認を受けたものとみなす。 一 移行法人が吸収合併をした場合であって合併後存続する法人が公益法人であるとき 当該吸収合併がその効力を生ずる日 二 移行法人が新設合併をした場合であって合併により設立する法人が公益法人であるとき 当該新設合併により設立する法人の成立の日 6 前項の場合には、合併後存続する公益法人又は合併により設立する公益法人は、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、当該合併により消滅した移行法人が第百二十四条の確認を受けたものとみなされた旨を当該移行法人に係る従前の認可行政庁に届け出なければならない。 (公益目的支出計画実施報告書の作成及び提出等) 第百二十七条 移行法人は、各事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、公益目的支出計画の実施の状況を明らかにする書類(以下この節において「公益目的支出計画実施報告書」という。)を作成しなければならない。 2 一般社団・財団法人法第百二十三条第三項及び第四項、第百二十四条第一項及び第三項、第百二十五条並びに第百二十六条第一項及び第三項(これらの規定を一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、移行法人の公益目的支出計画実施報告書について準用する。 この場合において、一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第百二十五条中「法務省令」とあるのは、「内閣府令」と読み替えるものとする。 3 移行法人は、毎事業年度の経過後三箇月以内に、当該事業年度の一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書を認可行政庁に提出しなければならない。 4 認可行政庁は、移行法人から提出を受けた公益目的支出計画実施報告書について閲覧又は謄写の請求があった場合には、内閣府令で定めるところにより、その閲覧又は謄写をさせなければならない。 5 移行法人は、次の各号に掲げる移行法人の区分に応じ、公益目的支出計画実施報告書を、当該各号に定める日から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。 一 一般社団法人である移行法人 定時社員総会の日の一週間(理事会を置く移行法人にあっては、二週間)前の日(一般社団・財団法人法第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 二 一般財団法人である移行法人 定時評議員会の日の二週間前の日(一般社団・財団法人法第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日) 6 何人も、移行法人の業務時間内は、いつでも、公益目的支出計画実施報告書について、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該移行法人は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。 一 公益目的支出計画実施報告書が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求 二 公益目的支出計画実施報告書が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 (報告及び検査) 第百二十八条 認可行政庁は、移行法人が次のいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由があるときは、この款の規定の施行に必要な限度において、移行法人に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告を求め、又はその職員に、当該移行法人の事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 一 正当な理由がなく、第百十九条第二項第一号の支出をしないこと。 二 各事業年度ごとの第百十九条第二項第一号の支出が、公益目的支出計画に定めた支出に比して著しく少ないこと。 三 公益目的財産残額に比して当該移行法人の貸借対照表上の純資産額が著しく少ないにもかかわらず、第百二十五条第一項の変更の認可を受けず、将来における公益目的支出計画の実施に支障が生ずるおそれがあること。 2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (勧告及び命令) 第百二十九条 認可行政庁は、移行法人が前条第一項各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該移行法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。 2 認可行政庁は、前項の勧告を受けた移行法人が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該移行法人に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 (移行法人の清算時の残余財産の帰属の制限) 第百三十条 移行法人が清算をする場合において、公益目的財産残額があるときは、当該移行法人の残余財産のうち当該公益目的財産残額に相当する額の財産(当該残余財産の額が当該公益目的財産残額を下回っているときは、当該残余財産)については、一般社団・財団法人法第二百三十九条の規定にかかわらず、内閣府令で定めるところにより、認可行政庁の承認を受けて、公益法人認定法第五条第二十号に規定する者又は公益信託の信託財産に帰属させなければならない。 (認可の取消し) 第百三十一条 認可行政庁は、第四十五条の認可を受けた認可申請法人が、偽りその他不正の手段により当該認可を受けたときは、その認可を取り消さなければならない。 この場合において、同条の認可を取り消す処分を受けた当該認可申請法人は、特例民法法人とみなす。 2 第百九条第一項の規定は、第四十五条の認可を受けた特例民法法人について準用する。 この場合において、同項中「第百六条第二項」とあるのは、「第百二十一条第一項において準用する第百六条第二項」と読み替えるものとする。 3 第百九条第二項の規定は、第一項の規定又は前項において読み替えて準用する同条第一項の規定により認可を取り消した場合について準用する。 4 移行期間の満了の日後に第一項の規定又は第二項において読み替えて準用する第百九条第一項の規定により第四十五条の認可を取り消す処分の通知を受けた特例民法法人は、当該通知を受けた日に解散したものとみなす。 5 第百九条第五項の規定は、旧主務官庁が第三項において準用する同条第二項の規定による通知を受けた場合について準用する。 この場合において、同条第五項中「前項」とあるのは、「第百三十一条第四項」と読み替えるものとする。 (移行法人が公益法人の認定を受けた場合の特則) 第百三十二条 移行法人が公益法人認定法第四条の認定を受けた場合には、当該認定を受けた日において第百二十四条の確認を受けたものとみなす。 2 前項の場合には、公益法人認定法第四条の認定を受けた公益法人は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、第百二十四条の確認を受けたものとみなされた旨を従前の認可行政庁に届け出なければならない。 第六款 雑則 (委員会への諮問等) 第百三十三条 公益法人認定法第三十二条第一項に規定する公益認定等委員会(以下この款において「委員会」という。)は、公益法人認定法の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、この款の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。 2 内閣総理大臣は、第四十四条の認定の申請に対する処分をしようとする場合(認定申請法人が第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条各号(第一号イ及び第二号を除く。)のいずれかに該当するものである場合及び第百一条第二項に規定するものである場合並びに行政手続法(平成五年法律第八十八号)第七条の規定に基づき当該認定を拒否する場合を除く。)には、第百四条第一項において読み替えて準用する公益法人認定法第八条の規定による同条第一号に規定する許認可等行政機関の意見(第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条第四号に該当する事由の有無に係るものを除く。)を付して、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 3 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 第四十五条の認可の申請又は第百二十五条第一項の変更の認可の申請に対する処分をしようとする場合(行政手続法第七条の規定に基づきこれらの認可を拒否する場合を除く。) 二 第百二十九条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消しをしようとする場合(次に掲げる場合を除く。) イ 第百二十五条第三項若しくは第百二十六条第一項の規定による届出又は第百二十七条第三項の規定による計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書の提出をしなかったことを理由としてこれらの処分をしようとする場合 ロ 第百三十六条第一項の勧告に基づいてこれらの処分をしようとする場合 三 第百三十八条第二項において読み替えて準用する前項ただし書、この項ただし書及び次項ただし書の政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合並びに第六十条第一項、第百三条第一項及び第二項第三号、第百十七条第二号、第百十九条第一項並びに第二項第一号ハ、第二号及び第三号、第百二十条第一項、第二項第三号、第四号及び第六号並びに第三項、第百二十五条第一項(軽微な変更を定める内閣府令に係る部分を除く。)及び第三項(第二号を除く。)、第百二十六条第一項並びに第二項第二号及び第四号、第百二十七条第一項、同条第二項において読み替えて準用する一般社団・財団法人法第百二十四条第一項及び第百二十五条、次条及び第百三十九条において準用する公益法人認定法第四十四条第一項並びに第百三十六条第二項(第百四十一条において準用する場合を含む。)の内閣府令の制定又は改廃をしようとする場合 4 内閣総理大臣は、第二項若しくは前項第一号に規定する処分又は同項第二号に規定する命令若しくは認可の取消しについての審査請求に対する裁決をしようとする場合には、次に掲げる場合を除き、委員会に諮問しなければならない。 ただし、委員会が諮問を要しないものと認めたものについては、この限りでない。 一 審査請求が不適法であるとして却下する場合 二 審査請求をした特例民法法人が第百一条第一項において準用する公益法人認定法第六条各号のいずれかに該当するものである場合又は第百一条第二項に規定するものである場合 三 前項第二号イに規定する理由による処分についての審査請求である場合 (答申の公表等) 第百三十四条 公益法人認定法第四十四条の規定は、前条第二項から第四項までの規定による諮問に対する答申について準用する。 (内閣総理大臣による送付等) 第百三十五条 内閣総理大臣は、第百二十五条第三項、第百二十六条第一項若しくは第六項又は第百三十二条第二項の規定による届出に係る書類の写し並びに第百二十七条第三項の規定により提出を受けた計算書類等及び公益目的支出計画実施報告書の写しを委員会に送付しなければならない。 2 内閣総理大臣は、委員会に諮問しないで次に掲げる措置を講じたときは、その旨を委員会に通知しなければならない。 一 第四十四条の認定の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 二 第四十五条の認可の申請又は第百二十五条第一項の変更の認可の申請に対する処分(行政手続法第七条の規定に基づく拒否を除く。) 三 第百二十九条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消し(次条第一項の勧告に基づく命令又は認可の取消しを除く。) 四 第百三十三条第三項第三号の政令の制定又は改廃の立案及び同号の内閣府令の制定又は改廃 五 第百三十三条第四項に規定する審査請求に対する裁決(審査請求が不適法であることによる却下の裁決を除く。) (委員会による勧告等) 第百三十六条 委員会は、前条第一項若しくは第二項(第一号及び第四号を除く。)の場合又は第百四十三条第一項の規定に基づき第百二十八条第一項の規定による報告の徴収、検査若しくは質問を行った場合には、移行法人が第百十七条第二号に掲げる基準に適合するかどうかを審査し、必要があると認めるときは、第百二十九条第一項の勧告若しくは同条第二項の規定による命令又は第百三十一条第一項の規定による認可の取消しその他の措置をとることについて内閣総理大臣に勧告をすることができる。 2 委員会は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該勧告の内容を公表しなければならない。 3 委員会は、第一項の勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、当該勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。 (資料提出その他の協力) 第百三十七条 公益法人認定法第四十七条の規定は、この款の規定により委員会の権限に属させられた事務を処理する場合について準用する。 (合議制の機関への諮問等) 第百三十八条 公益法人認定法第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下この款において単に「合議制の機関」という。)は、同項の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、この款の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。 2 第百三十三条第二項、第三項(第三号を除く。)及び第四項の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第二項中「委員会に」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同条第三項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と、同項第二号ロ中「第百三十六条第一項」とあるのは「第百四十一条において読み替えて準用する第百三十六条第一項」と、同条第四項中「委員会に」とあるのは「合議制の機関に」と、同項ただし書中「委員会が」とあるのは「合議制の機関が政令で定める基準に従い」と読み替えるものとする。 (答申の公表等) 第百三十九条 公益法人認定法第四十四条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第二項中「内閣総理大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (都道府県知事による通知等) 第百四十条 第百三十五条(第二項第四号を除く。)の規定は、都道府県知事について準用する。 この場合において、同条第一項中「委員会」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関(以下この条において単に「合議制の機関」という。)」と、同条第二項中「委員会」とあるのは「合議制の機関」と、同項第三号中「次条第一項」とあるのは「第百四十一条において読み替えて準用する次条第一項」と、同項第五号中「第百三十三条第四項」とあるのは「第百三十八条第二項において読み替えて準用する第百三十三条第四項」と読み替えるものとする。 (合議制の機関による勧告等) 第百四十一条 第百三十六条の規定は、合議制の機関について準用する。 この場合において、同条第一項中「前条第一項若しくは第二項(第一号及び第四号を除く。)」とあるのは「第百四十条において読み替えて準用する前条第一項又は第二項(第一号を除く。)」と、「第百四十三条第一項の規定に基づき」とあるのは「第百四十三条第二項の規定により読み替えて適用する」と、同項及び同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。 (資料提出その他の協力) 第百四十二条 公益法人認定法第四十七条の規定はこの款の規定により合議制の機関の権限に属させられた事務を処理する場合について、公益法人認定法第五十六条の規定はこの節の規定の施行について、それぞれ準用する。 (権限の委任等) 第百四十三条 内閣総理大臣は、第百二十八条第一項の規定による権限を委員会に委任する。 2 認可行政庁が都道府県知事である場合には、第百二十八条第一項中「認可行政庁」とあるのは「第百三十八条第一項に規定する合議制の機関」と、「その職員」とあるのは「その庶務をつかさどる職員」とする。 第七款 罰則 第百四十四条 次のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 一 偽りその他不正の手段により第四十四条の認定、第四十五条の認可又は第百二十五条第一項の変更の認可を受けた者 二 第百二十九条第二項の規定による命令に違反した者 第百四十五条 次のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第四十二条第三項の規定に違反して、公益社団法人又は公益財団法人という文字をその名称中に用いた者 二 第四十二条第四項の規定に違反して、公益財団法人又は公益社団法人という文字をその名称中に用いた者 第百四十六条 第百三条第一項の申請書若しくは同条第二項各号に掲げる書類又は第百二十条第一項の申請書若しくは同条第二項各号に掲げる書類に虚偽の記載をして提出した者は、三十万円以下の罰金に処する。 第百四十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 第百四十八条 特例民法法人の理事又は監事は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 一 第六十条第一項の規定に違反して、計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第七十条第二項(第七十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、財産目録等を備え置かず、又は財産目録等に虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 三 正当な理由がないのに、第七十条第三項各号(第七十一条において準用する場合を含む。)に掲げる請求を拒んだとき。 四 第七十条第四項又は第六項(これらの規定を第七十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。 五 第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による登記をすることを怠ったとき。 第百四十九条 移行法人の理事、監事又は清算人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 一 第百二十七条第一項の規定に違反して、公益目的支出計画実施報告書に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第百二十七条第五項の規定に違反して、公益目的支出計画実施報告書を備え置かなかったとき。 三 正当な理由がないのに、第百二十七条第六項各号に掲げる請求を拒んだとき。 第百五十条 特例民法法人の理事又は監事は、第七十二条第二項又は第百六条第二項(第百二十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、五十万円以下の過料に処する。 第百五十一条 移行法人又は公益法人の理事、監事又は清算人は、次のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。 一 第百二十五条第三項、第百二十六条第一項若しくは第六項又は第百三十二条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第百二十七条第三項の規定に違反して、一般社団・財団法人法第百二十九条第一項(一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等又は公益目的支出計画実施報告書を提出せず、又はこれに虚偽の記載をして提出したとき。 三 第百二十八条第一項の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。 第百五十二条 次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。 一 第四十二条第三項の規定に違反して、一般社団法人という文字をその名称中に用いた者 二 第四十二条第四項の規定に違反して、一般財団法人という文字をその名称中に用いた者 三 第四十二条第五項の規定に違反して、特例社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 四 第四十二条第六項の規定に違反して、特例財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者 第六節 法人の登記に関する経過措置 (法人の登記) 第百五十四条 一般社団・財団法人法第六章第四節の規定は、この節に別段の定めがある場合を除き、施行日前に生じた事項にも適用する。 ただし、前条による改正前の非訟事件手続法(以下「旧非訟事件手続法」という。)の規定によって生じた効力を妨げない。 2 施行日前にした旧非訟事件手続法の規定又は旧非訟事件手続法第百二十四条において準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、この条に別段の定めがある場合を除き、一般社団・財団法人法の相当規定又は一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の相当規定によってしたものとみなす。 3 第四十三条第二項又は第四十八条第二項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における特例民法法人の設立又は理事に関する登記の申請その他の登記に関する手続については、なお従前の例による。 4 施行日前にされた登記の申請に係る登記に関する手続については、なお従前の例による。 5 施行日前に登記すべき事項が生じた場合における登記の申請書に添付すべき資料については、なお従前の例による。 6 特例財団法人が登記すべき事項につき第九十四条第二項の定めによる手続又は同条第三項により理事若しくは清算人の定める手続を要するときは、申請書にこれらの手続があったことを証する書面を添付しなければならない。 7 特例民法法人の合併による変更の登記については、一般社団・財団法人法第三百二十二条第二号中「第二百五十二条第二項」とあるのは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下この条において「整備法」という。)第七十一条において読み替えて準用する整備法第七十条第四項」と、同号及び同条第五号中「催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか第三百三十一条第一項の規定による定めに従い同項第二号又は第三号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)」とあるのは「催告」と、同条第四号中「第二百四十七条」とあるのは「整備法第六十七条」と、同条第五号中「第二百四十八条第二項」とあるのは「整備法第七十条第四項」とする。 (登記簿) 第百五十五条 この法律の施行の際現に登記所に備えられている旧非訟事件手続法第百十九条に規定する法人登記簿のうち、旧社団法人に係る部分及び旧財団法人に係る部分は、それぞれ一般社団・財団法人法第三百十六条に規定する一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿とみなす。 (法務大臣の指定) 第百五十六条 この法律の施行の際現に存する旧非訟事件手続法第百二十四条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定は、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第四十九条第一項の規定による指定とみなす。 (移行の登記) 第百五十七条 第百六条第一項(第百二十一条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の設立の登記においては、特例民法法人の成立の年月日、特例民法法人の名称並びに名称を変更した旨及びその年月日をも登記しなければならない。 (移行の登記の申請) 第百五十八条 前条の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 第四十四条の認定又は第四十五条の認可を受けたことを証する書面 二 定款 三 新たに選任する評議員、理事又は監事がいる場合は、第九十二条の認可を受けたことを証する書面及び当該者が就任を承諾したことを証する書面 四 前条の登記をする者が次のイ又はロに掲げるものである場合において、新たに選任する会計監査人がいるときは、当該イ又はロに定める書面 イ 特例社団法人 一般社団・財団法人法第三百十八条第二項第四号に掲げる書面 ロ 特例財団法人 一般社団・財団法人法第三百十九条第二項第六号に掲げる書面 第百五十九条 第四十四条の認定又は第四十五条の認可を受けた特例民法法人についての解散の登記の申請と名称の変更後の公益法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人についての設立の登記の申請とは、同時にしなければならない。 2 前項の解散の登記の申請については、一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法の申請書の添付書面に関する規定は、適用しない。 3 登記官は、第一項の登記の申請のいずれかにつき一般社団・財団法人法第三百三十条において準用する商業登記法第二十四条各号のいずれかに掲げる事由があるときは、これらの申請を共に却下しなければならない。 (法務省令への委任) 第百六十条 第百五十四条から前条までに定めるもののほか、法人の登記に関する手続について必要な経過措置は、法務省令で定める。 第十三章 罰則に関する経過措置及び政令への委任 (罰則に関する経過措置) 第四百五十七条 施行日前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第四百五十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による法律の廃止又は改正に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第七十三号
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遺失物法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 この法律は、遺失物、埋蔵物その他の占有を離れた物の拾得及び返還に係る手続その他その取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第二条 この法律において「物件」とは、遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。 2 この法律において「拾得」とは、物件の占有を始めること(埋蔵物及び他人の置き去った物にあっては、これを発見すること)をいう。 3 この法律において「拾得者」とは、物件の拾得をした者をいう。 4 この法律において「遺失者」とは、物件の占有をしていた者(他に所有者その他の当該物件の回復の請求権を有する者があるときは、その者を含む。)をいう。 5 この法律において「施設」とは、建築物その他の施設(車両、船舶、航空機その他の移動施設を含む。)であって、その管理に当たる者が常駐するものをいう。 6 この法律において「施設占有者」とは、施設の占有者をいう。 (準遺失物に関する民法の規定の準用) 第三条 準遺失物については、民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百四十条の規定を準用する。 この場合において、同条中「これを拾得した」とあるのは、「同法第二条第二項に規定する拾得をした」と読み替えるものとする。 第二章 拾得者の義務及び警察署長等の措置 第一節 拾得者の義務 第四条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。 ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。 2 施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。 3 前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第三十五条第三項に規定する犬又は猫に該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない。 第二節 警察署長等の措置 (書面の交付) 第五条 警察署長は、前条第一項の規定による提出(以下この節において単に「提出」という。)を受けたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、拾得者に対し、提出を受けたことを証する書面を交付するものとする。 (遺失者への返還) 第六条 警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するものとする。 (公告等) 第七条 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 物件の種類及び特徴 二 物件の拾得の日時及び場所 2 前項の規定による公告(以下この節において単に「公告」という。)は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示してする。 3 警察署長は、第一項各号に掲げる事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。 4 警察署長は、公告をした後においても、物件の遺失者が判明した場合を除き、公告の日から三箇月間(埋蔵物にあっては、六箇月間)は、前二項に定める措置を継続しなければならない。 5 警察署長は、提出を受けた物件が公告をする前に刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により押収されたときは、第一項の規定にかかわらず、公告をしないことができる。 この場合において、警察署長は、当該物件の還付を受けたときは、公告をしなければならない。 (警察本部長による通報及び公表) 第八条 警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)は、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件が貴重な物件として国家公安委員会規則で定めるものであるときは、次に掲げる事項を他の警察本部長に通報するものとする。 一 前条第一項各号に掲げる事項 二 公告の日付 三 公告に係る警察署の名称及び所在地 2 警察本部長は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件及び他の警察本部長から前項の規定による通報を受けた物件に関する情報を、インターネットの利用その他の方法により公表するものとする。 (売却等) 第九条 警察署長は、提出を受けた物件が滅失し、若しくは 毀 き 損するおそれがあるとき又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。 ただし、第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。 2 警察署長は、前項の規定によるほか、提出を受けた物件(埋蔵物及び第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く。)が次の各号に掲げる物のいずれかに該当する場合において、公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。 一 傘、衣類、自転車その他の日常生活の用に供され、かつ、広く販売されている物であって政令で定めるもの 二 その保管に不相当な費用又は手数を要するものとして政令で定める物 3 前二項の規定による売却(以下この条及び次条において単に「売却」という。)に要した費用は、売却による代金から支弁する。 4 売却をしたときは、物件の保管、返還及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該物件とみなす。 (処分) 第十条 警察署長は、前条第一項本文又は第二項に規定する場合において、次に掲げるときは、政令で定めるところにより、提出を受けた物件について廃棄その他の処分をすることができる。 一 売却につき買受人がないとき。 二 売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。 三 前条第一項ただし書に該当するときその他売却をすることができないと認められるとき。 (返還時の措置) 第十一条 警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。 2 警察署長は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名又は名称及び住所又は所在地(以下「氏名等」という。)を告知することができる。 3 警察署長は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。 (照会) 第十二条 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者への返還のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 第三節 施設における拾得の場合の特則 (施設占有者の義務等) 第十三条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、速やかに、当該交付を受けた物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。 ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。 2 前節の規定は、警察署長が前項の規定による提出を受けた場合について準用する。 この場合において、第五条中「前条第一項」とあるのは「第十三条第一項」と、「拾得者」とあるのは「施設占有者」と、第十一条第二項中「拾得者の同意」とあるのは「拾得者又は施設占有者の同意」と、「拾得者の氏名」とあるのは「その同意をした拾得者又は施設占有者の氏名」と、同条第三項中「拾得者」とあるのは「拾得者又は施設占有者」と読み替えるものとする。 (書面の交付) 第十四条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、拾得者の請求があったときは、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。 一 物件の種類及び特徴 二 物件の交付を受けた日時 三 施設の名称及び所在地並びに施設占有者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名) (施設占有者の留意事項) 第十五条 施設占有者は、第四条第二項の規定による交付(以下第三十四条までにおいて単に「交付」という。)を受けた物件については、第十三条第一項の規定により遺失者に返還し、又は警察署長に提出するまでの間、これを善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。 (不特定かつ多数の者が利用する施設における掲示) 第十六条 施設占有者のうち、その施設を不特定かつ多数の者が利用するものは、物件の交付を受け、又は自ら物件の拾得をしたときは、その施設を利用する者の見やすい場所に第七条第一項各号に掲げる事項を掲示しなければならない。 2 前項の施設占有者は、第七条第一項各号に掲げる事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。 (特例施設占有者に係る提出の免除) 第十七条 前条第一項の施設占有者のうち、交付を受け、又は自ら拾得をする物件が多数に上り、かつ、これを適切に保管することができる者として政令で定める者に該当するもの(以下「特例施設占有者」という。)は、交付を受け、又は自ら拾得をした物件(政令で定める高額な物件を除く。)を第四条第一項本文又は第十三条第一項本文の規定により遺失者に返還することができない場合において、交付又は拾得の日から二週間以内に、国家公安委員会規則で定めるところにより当該物件に関する事項を警察署長に届け出たときは、第四条第一項本文又は第十三条第一項本文の規定による提出をしないことができる。 この場合において、特例施設占有者は、善良な管理者の注意をもって当該物件を保管しなければならない。 (公告に関する規定等の準用) 第十八条 第七条、第八条及び第十二条の規定は、警察署長が前条前段の規定による届出を受けた場合について準用する。 この場合において、第七条第一項及び第五項並びに第十二条中「提出を受けた」とあるのは「第十七条前段の規定による届出を受けた」と、第七条第一項第二号中「場所」とあるのは「場所並びに第十七条後段の規定により当該物件を保管する特例施設占有者の氏名又は名称及び当該保管の場所」と読み替えるものとする。 (特例施設占有者による遺失者への返還) 第十九条 特例施設占有者は、第十七条後段の規定により保管する物件(以下「保管物件」という。)を遺失者に返還するものとする。 (特例施設占有者による売却等) 第二十条 特例施設占有者は、保管物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。 ただし、第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。 2 特例施設占有者は、前項の規定によるほか、保管物件(第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く。)が第九条第二項各号に掲げる物のいずれかに該当する場合において、第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。 3 特例施設占有者は、前二項の規定による売却(以下この条及び次条第一項において単に「売却」という。)をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。 4 売却に要した費用は、売却による代金から支弁する。 5 売却をしたときは、物件の保管、返還及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該保管物件とみなす。 (特例施設占有者による処分) 第二十一条 特例施設占有者は、前条第一項本文又は第二項に規定する場合において、次に掲げるときは、政令で定めるところにより、保管物件について廃棄その他の処分をすることができる。 一 売却につき買受人がないとき。 二 売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。 三 前条第一項ただし書に該当するときその他売却をすることができないと認められるとき。 2 特例施設占有者は、前項(第一号を除く。)の規定による処分をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。 (特例施設占有者による返還時の措置) 第二十二条 特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該保管物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。 2 特例施設占有者は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名等を告知することができる。 3 特例施設占有者は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。 (特例施設占有者による帳簿の記載等) 第二十三条 特例施設占有者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、帳簿を備え、保管物件に関し国家公安委員会規則で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。 (特例施設占有者の保管物件の提出) 第二十四条 第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者は、特例施設占有者でなくなったときは、遅滞なく、前条の帳簿の写しを添付して、保管物件を警察署長に提出しなければならない。 2 第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、前条の帳簿の写しを添付して、当該特例施設占有者が第十七条後段の規定により保管していた物件を警察署長に提出しなければならない。 ただし、第三号に掲げる場合において、同号に規定する合併後存続し、又は合併により設立された法人が引き続き特例施設占有者であるときは、この限りでない。 一 死亡した場合 同居の親族又は法定代理人 二 法人が合併以外の事由により解散した場合 清算人又は破産管財人 三 法人が合併により消滅した場合 合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者 (報告等) 第二十五条 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、この法律の施行に必要な限度において、施設占有者に対し、その交付を受け、又は自ら拾得をした物件に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。 2 公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、特例施設占有者に対し、保管物件に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は保管物件の提示を求めることができる。 (指示) 第二十六条 公安委員会は、施設占有者若しくは特例施設占有者又はその代理人、使用人その他の従業者(次項において「代理人等」という。)が第十三条第一項、第十九条、第二十二条第一項、第二十三条又は第三十七条第三項の規定に違反した場合において、遺失者又は拾得者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その利益を保護するため必要な限度において、当該施設占有者又は特例施設占有者に対し、必要な指示をすることができる。 2 特例施設占有者又はその代理人等が、第二十条第一項から第三項まで又は第二十一条の規定に違反して、保管物件の売却若しくは処分をし、又はしようとしたときも、前項と同様とする。 第三章 費用及び報労金 (費用の負担) 第二十七条 物件の提出、交付及び保管に要した費用(誤って他人の物を占有した者が要した費用を除く。)は、当該物件の返還を受ける遺失者又は民法第二百四十条(第三条において準用する場合を含む。以下同じ。)若しくは第二百四十一条の規定若しくは第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得してこれを引き取る者の負担とする。 2 前項の費用については、民法第二百九十五条から第三百二条までの規定を適用する。 (報労金) 第二十八条 物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。 2 前項の遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず、拾得者及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。 3 国、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)その他の公法人は、前二項の報労金を請求することができない。 (費用及び報労金の請求権の期間の制限) 第二十九条 第二十七条第一項の費用及び前条第一項又は第二項の報労金は、物件が遺失者に返還された後一箇月を経過したときは、請求することができない。 (拾得者等の費用償還義務の免除) 第三十条 拾得者(民法第二百四十一条ただし書に規定する他人を含む。)は、あらかじめ警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)に申告して物件に関する一切の権利を放棄し、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。 (遺失者の費用償還義務等の免除) 第三十一条 遺失者は、物件についてその有する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務及び第二十八条第一項又は第二項の報労金を支払う義務を免れることができる。 (遺失者の権利放棄による拾得者の所有権取得等) 第三十二条 すべての遺失者が物件についてその有する権利を放棄したときは、拾得者が当該物件の所有権を取得する。 ただし、民法第二百四十一条ただし書に規定する埋蔵物については、同条ただし書の規定の例による。 2 前項の規定により物件の所有権を取得する者は、その取得する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。 (施設占有者の権利取得等) 第三十三条 第四条第二項に規定する拾得者が、その交付をした物件について第三十条若しくは前条第二項の規定により権利を放棄したとき又は次条第三号に該当して同条の規定により権利を失ったときは、当該交付を受けた施設占有者を拾得者とみなして、民法第二百四十条の規定並びに第三十条並びに前条第一項本文及び第二項の規定を適用する。 この場合において、第三十条中「警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)」とあるのは、「警察署長」とする。 (費用請求権等の喪失) 第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、その拾得をし、又は交付を受けた物件について、第二十七条第一項の費用及び第二十八条第一項又は第二項の報労金を請求する権利並びに民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利を失う。 一 拾得をした物件又は交付を受けた物件を横領したことにより処罰された者 二 拾得の日から一週間以内に第四条第一項の規定による提出をしなかった拾得者(同条第二項に規定する拾得者及び自ら拾得をした施設占有者を除く。) 三 拾得の時から二十四時間以内に交付をしなかった第四条第二項に規定する拾得者 四 交付を受け、又は自ら拾得をした日から一週間以内に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった施設占有者(特例施設占有者を除く。) 五 交付を受け、又は自ら拾得をした日から二週間以内(第四条第一項ただし書及び第十三条第一項ただし書に規定する物件並びに第十七条前段の政令で定める高額な物件にあっては、一週間以内)に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった特例施設占有者(第十七条前段の規定によりその提出をしないことができる場合を除く。) 第四章 物件の帰属 (所有権を取得することができない物件) 第三十五条 次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定にかかわらず、所有権を取得することができない。 一 法令の規定によりその所持が禁止されている物(法令の規定による許可その他の処分により所持することができる物であって政令で定めるものを除く。) 二 個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証する文書、図画又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。) 三 個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録 四 遺失者又はその関係者と認められる個人の住所又は連絡先が記録された文書、図画又は電磁的記録 五 個人情報データベース等(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第十六条第一項に規定する個人情報データベース等をいう。)が記録された文書、図画又は電磁的記録(広く一般に流通している文書、図画及び電磁的記録を除く。) (拾得者等の所有権の喪失) 第三十六条 民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により物件の所有権を取得した者は、当該取得の日から二箇月以内に当該物件を警察署長又は特例施設占有者から引き取らないときは、その所有権を失う。 (都道府県への所有権の帰属等) 第三十七条 物件(第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当する物件を除く。)について、すべての遺失者がその有する権利を放棄した場合又は第七条第一項(第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をした後三箇月以内(埋蔵物にあっては、六箇月以内。次項において同じ。)に遺失者が判明しない場合において、民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する者がないとき(その者のすべてが前条の規定によりその所有権を失ったときを含む。)は、当該物件の所有権は、次の各号に掲げる当該物件を保管する者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者に帰属する。 一 警察署長 当該警察署の属する都道府県(第三十五条第一号に掲げる物に該当する物件にあっては、国) 二 特例施設占有者 当該特例施設占有者 2 警察署長は、第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出を受けた物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当するものについて、すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき又は第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内に遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。 3 特例施設占有者は、保管物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当するものについて、すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき又は第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内に遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。 第五章 雑則 (権限の委任) 第三十八条 この法律の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。 (経過措置) 第三十九条 この法律の規定に基づき政令又は国家公安委員会規則を制定し、又は改廃する場合においては、政令又は国家公安委員会規則で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。 (国家公安委員会規則への委任) 第四十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。 第六章 罰則 第四十一条 第二十六条の規定による指示に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 第四十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第十四条の規定に違反して、書面を交付せず、又は虚偽の記載をした書面を交付した者 二 第二十条第三項又は第二十一条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして売却又は処分をした者 三 第二十三条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者 四 第二十四条第一項の規定に違反して保管物件を提出しなかった者 五 第二十五条第一項の規定に違反して、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をした者 六 第二十五条第二項の規定に違反して、報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をし、又は保管物件の提示を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 七 第三十七条第三項の規定に違反した者 第四十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 第四十四条 第二十四条第二項の規定に違反して物件を提出しなかった者は、二十万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第七十三号
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遺失物法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 この法律は、遺失物、埋蔵物その他の占有を離れた物の拾得及び返還に係る手続その他その取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第二条 この法律において「物件」とは、遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。 2 この法律において「拾得」とは、物件の占有を始めること(埋蔵物及び他人の置き去った物にあっては、これを発見すること)をいう。 3 この法律において「拾得者」とは、物件の拾得をした者をいう。 4 この法律において「遺失者」とは、物件の占有をしていた者(他に所有者その他の当該物件の回復の請求権を有する者があるときは、その者を含む。)をいう。 5 この法律において「施設」とは、建築物その他の施設(車両、船舶、航空機その他の移動施設を含む。)であって、その管理に当たる者が常駐するものをいう。 6 この法律において「施設占有者」とは、施設の占有者をいう。 (準遺失物に関する民法の規定の準用) 第三条 準遺失物については、民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百四十条の規定を準用する。 この場合において、同条中「これを拾得した」とあるのは、「同法第二条第二項に規定する拾得をした」と読み替えるものとする。 第二章 拾得者の義務及び警察署長等の措置 第一節 拾得者の義務 第四条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。 ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。 2 施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。 3 前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第三十五条第三項に規定する犬又は猫に該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない。 第二節 警察署長等の措置 (書面の交付) 第五条 警察署長は、前条第一項の規定による提出(以下この節において単に「提出」という。)を受けたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、拾得者に対し、提出を受けたことを証する書面を交付するものとする。 (遺失者への返還) 第六条 警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するものとする。 (公告等) 第七条 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 物件の種類及び特徴 二 物件の拾得の日時及び場所 2 前項の規定による公告(以下この節において単に「公告」という。)は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示してする。 3 警察署長は、第一項各号に掲げる事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。 4 警察署長は、公告をした後においても、物件の遺失者が判明した場合を除き、公告の日から三箇月間(埋蔵物にあっては、六箇月間)は、前二項に定める措置を継続しなければならない。 5 警察署長は、提出を受けた物件が公告をする前に刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により押収されたときは、第一項の規定にかかわらず、公告をしないことができる。 この場合において、警察署長は、当該物件の還付を受けたときは、公告をしなければならない。 (警察本部長による通報及び公表) 第八条 警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)は、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件が貴重な物件として国家公安委員会規則で定めるものであるときは、次に掲げる事項を他の警察本部長に通報するものとする。 一 前条第一項各号に掲げる事項 二 公告の日付 三 公告に係る警察署の名称及び所在地 2 警察本部長は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件及び他の警察本部長から前項の規定による通報を受けた物件に関する情報を、インターネットの利用その他の方法により公表するものとする。 (売却等) 第九条 警察署長は、提出を受けた物件が滅失し、若しくは 毀 き 損するおそれがあるとき又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。 ただし、第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。 2 警察署長は、前項の規定によるほか、提出を受けた物件(埋蔵物及び第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く。)が次の各号に掲げる物のいずれかに該当する場合において、公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。 一 傘、衣類、自転車その他の日常生活の用に供され、かつ、広く販売されている物であって政令で定めるもの 二 その保管に不相当な費用又は手数を要するものとして政令で定める物 3 前二項の規定による売却(以下この条及び次条において単に「売却」という。)に要した費用は、売却による代金から支弁する。 4 売却をしたときは、物件の保管、返還及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該物件とみなす。 (処分) 第十条 警察署長は、前条第一項本文又は第二項に規定する場合において、次に掲げるときは、政令で定めるところにより、提出を受けた物件について廃棄その他の処分をすることができる。 一 売却につき買受人がないとき。 二 売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。 三 前条第一項ただし書に該当するときその他売却をすることができないと認められるとき。 (返還時の措置) 第十一条 警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。 2 警察署長は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名又は名称及び住所又は所在地(以下「氏名等」という。)を告知することができる。 3 警察署長は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。 (照会) 第十二条 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者への返還のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 第三節 施設における拾得の場合の特則 (施設占有者の義務等) 第十三条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、速やかに、当該交付を受けた物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。 ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。 2 前節の規定は、警察署長が前項の規定による提出を受けた場合について準用する。 この場合において、第五条中「前条第一項」とあるのは「第十三条第一項」と、「拾得者」とあるのは「施設占有者」と、第十一条第二項中「拾得者の同意」とあるのは「拾得者又は施設占有者の同意」と、「拾得者の氏名」とあるのは「その同意をした拾得者又は施設占有者の氏名」と、同条第三項中「拾得者」とあるのは「拾得者又は施設占有者」と読み替えるものとする。 (書面の交付) 第十四条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、拾得者の請求があったときは、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。 一 物件の種類及び特徴 二 物件の交付を受けた日時 三 施設の名称及び所在地並びに施設占有者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名) (施設占有者の留意事項) 第十五条 施設占有者は、第四条第二項の規定による交付(以下第三十四条までにおいて単に「交付」という。)を受けた物件については、第十三条第一項の規定により遺失者に返還し、又は警察署長に提出するまでの間、これを善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。 (不特定かつ多数の者が利用する施設における掲示) 第十六条 施設占有者のうち、その施設を不特定かつ多数の者が利用するものは、物件の交付を受け、又は自ら物件の拾得をしたときは、その施設を利用する者の見やすい場所に第七条第一項各号に掲げる事項を掲示しなければならない。 2 前項の施設占有者は、第七条第一項各号に掲げる事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。 (特例施設占有者に係る提出の免除) 第十七条 前条第一項の施設占有者のうち、交付を受け、又は自ら拾得をする物件が多数に上り、かつ、これを適切に保管することができる者として政令で定める者に該当するもの(以下「特例施設占有者」という。)は、交付を受け、又は自ら拾得をした物件(政令で定める高額な物件を除く。)を第四条第一項本文又は第十三条第一項本文の規定により遺失者に返還することができない場合において、交付又は拾得の日から二週間以内に、国家公安委員会規則で定めるところにより当該物件に関する事項を警察署長に届け出たときは、第四条第一項本文又は第十三条第一項本文の規定による提出をしないことができる。 この場合において、特例施設占有者は、善良な管理者の注意をもって当該物件を保管しなければならない。 (公告に関する規定等の準用) 第十八条 第七条、第八条及び第十二条の規定は、警察署長が前条前段の規定による届出を受けた場合について準用する。 この場合において、第七条第一項及び第五項並びに第十二条中「提出を受けた」とあるのは「第十七条前段の規定による届出を受けた」と、第七条第一項第二号中「場所」とあるのは「場所並びに第十七条後段の規定により当該物件を保管する特例施設占有者の氏名又は名称及び当該保管の場所」と読み替えるものとする。 (特例施設占有者による遺失者への返還) 第十九条 特例施設占有者は、第十七条後段の規定により保管する物件(以下「保管物件」という。)を遺失者に返還するものとする。 (特例施設占有者による売却等) 第二十条 特例施設占有者は、保管物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。 ただし、第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。 2 特例施設占有者は、前項の規定によるほか、保管物件(第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く。)が第九条第二項各号に掲げる物のいずれかに該当する場合において、第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。 3 特例施設占有者は、前二項の規定による売却(以下この条及び次条第一項において単に「売却」という。)をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。 4 売却に要した費用は、売却による代金から支弁する。 5 売却をしたときは、物件の保管、返還及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該保管物件とみなす。 (特例施設占有者による処分) 第二十一条 特例施設占有者は、前条第一項本文又は第二項に規定する場合において、次に掲げるときは、政令で定めるところにより、保管物件について廃棄その他の処分をすることができる。 一 売却につき買受人がないとき。 二 売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。 三 前条第一項ただし書に該当するときその他売却をすることができないと認められるとき。 2 特例施設占有者は、前項(第一号を除く。)の規定による処分をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。 (特例施設占有者による返還時の措置) 第二十二条 特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該保管物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。 2 特例施設占有者は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名等を告知することができる。 3 特例施設占有者は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。 (特例施設占有者による帳簿の記載等) 第二十三条 特例施設占有者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、帳簿を備え、保管物件に関し国家公安委員会規則で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。 (特例施設占有者の保管物件の提出) 第二十四条 第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者は、特例施設占有者でなくなったときは、遅滞なく、前条の帳簿の写しを添付して、保管物件を警察署長に提出しなければならない。 2 第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、前条の帳簿の写しを添付して、当該特例施設占有者が第十七条後段の規定により保管していた物件を警察署長に提出しなければならない。 ただし、第三号に掲げる場合において、同号に規定する合併後存続し、又は合併により設立された法人が引き続き特例施設占有者であるときは、この限りでない。 一 死亡した場合 同居の親族又は法定代理人 二 法人が合併以外の事由により解散した場合 清算人又は破産管財人 三 法人が合併により消滅した場合 合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者 (報告等) 第二十五条 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、この法律の施行に必要な限度において、施設占有者に対し、その交付を受け、又は自ら拾得をした物件に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。 2 公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、特例施設占有者に対し、保管物件に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は保管物件の提示を求めることができる。 (指示) 第二十六条 公安委員会は、施設占有者若しくは特例施設占有者又はその代理人、使用人その他の従業者(次項において「代理人等」という。)が第十三条第一項、第十九条、第二十二条第一項、第二十三条又は第三十七条第三項の規定に違反した場合において、遺失者又は拾得者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その利益を保護するため必要な限度において、当該施設占有者又は特例施設占有者に対し、必要な指示をすることができる。 2 特例施設占有者又はその代理人等が、第二十条第一項から第三項まで又は第二十一条の規定に違反して、保管物件の売却若しくは処分をし、又はしようとしたときも、前項と同様とする。 第三章 費用及び報労金 (費用の負担) 第二十七条 物件の提出、交付及び保管に要した費用(誤って他人の物を占有した者が要した費用を除く。)は、当該物件の返還を受ける遺失者又は民法第二百四十条(第三条において準用する場合を含む。以下同じ。)若しくは第二百四十一条の規定若しくは第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得してこれを引き取る者の負担とする。 2 前項の費用については、民法第二百九十五条から第三百二条までの規定を適用する。 (報労金) 第二十八条 物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。 2 前項の遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず、拾得者及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。 3 国、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)その他の公法人は、前二項の報労金を請求することができない。 (費用及び報労金の請求権の期間の制限) 第二十九条 第二十七条第一項の費用及び前条第一項又は第二項の報労金は、物件が遺失者に返還された後一箇月を経過したときは、請求することができない。 (拾得者等の費用償還義務の免除) 第三十条 拾得者(民法第二百四十一条ただし書に規定する他人を含む。)は、あらかじめ警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)に申告して物件に関する一切の権利を放棄し、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。 (遺失者の費用償還義務等の免除) 第三十一条 遺失者は、物件についてその有する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務及び第二十八条第一項又は第二項の報労金を支払う義務を免れることができる。 (遺失者の権利放棄による拾得者の所有権取得等) 第三十二条 すべての遺失者が物件についてその有する権利を放棄したときは、拾得者が当該物件の所有権を取得する。 ただし、民法第二百四十一条ただし書に規定する埋蔵物については、同条ただし書の規定の例による。 2 前項の規定により物件の所有権を取得する者は、その取得する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。 (施設占有者の権利取得等) 第三十三条 第四条第二項に規定する拾得者が、その交付をした物件について第三十条若しくは前条第二項の規定により権利を放棄したとき又は次条第三号に該当して同条の規定により権利を失ったときは、当該交付を受けた施設占有者を拾得者とみなして、民法第二百四十条の規定並びに第三十条並びに前条第一項本文及び第二項の規定を適用する。 この場合において、第三十条中「警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)」とあるのは、「警察署長」とする。 (費用請求権等の喪失) 第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、その拾得をし、又は交付を受けた物件について、第二十七条第一項の費用及び第二十八条第一項又は第二項の報労金を請求する権利並びに民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利を失う。 一 拾得をした物件又は交付を受けた物件を横領したことにより処罰された者 二 拾得の日から一週間以内に第四条第一項の規定による提出をしなかった拾得者(同条第二項に規定する拾得者及び自ら拾得をした施設占有者を除く。) 三 拾得の時から二十四時間以内に交付をしなかった第四条第二項に規定する拾得者 四 交付を受け、又は自ら拾得をした日から一週間以内に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった施設占有者(特例施設占有者を除く。) 五 交付を受け、又は自ら拾得をした日から二週間以内(第四条第一項ただし書及び第十三条第一項ただし書に規定する物件並びに第十七条前段の政令で定める高額な物件にあっては、一週間以内)に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった特例施設占有者(第十七条前段の規定によりその提出をしないことができる場合を除く。) 第四章 物件の帰属 (所有権を取得することができない物件) 第三十五条 次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定にかかわらず、所有権を取得することができない。 一 法令の規定によりその所持が禁止されている物(法令の規定による許可その他の処分により所持することができる物であって政令で定めるものを除く。) 二 個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証する文書、図画又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。) 三 個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録 四 遺失者又はその関係者と認められる個人の住所又は連絡先が記録された文書、図画又は電磁的記録 五 個人情報データベース等(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第十六条第一項に規定する個人情報データベース等をいう。)が記録された文書、図画又は電磁的記録(広く一般に流通している文書、図画及び電磁的記録を除く。) (拾得者等の所有権の喪失) 第三十六条 民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により物件の所有権を取得した者は、当該取得の日から二箇月以内に当該物件を警察署長又は特例施設占有者から引き取らないときは、その所有権を失う。 (都道府県への所有権の帰属等) 第三十七条 物件(第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当する物件を除く。)について、すべての遺失者がその有する権利を放棄した場合又は第七条第一項(第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をした後三箇月以内(埋蔵物にあっては、六箇月以内。次項において同じ。)に遺失者が判明しない場合において、民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する者がないとき(その者のすべてが前条の規定によりその所有権を失ったときを含む。)は、当該物件の所有権は、次の各号に掲げる当該物件を保管する者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者に帰属する。 一 警察署長 当該警察署の属する都道府県(第三十五条第一号に掲げる物に該当する物件にあっては、国) 二 特例施設占有者 当該特例施設占有者 2 警察署長は、第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出を受けた物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当するものについて、すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき又は第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内に遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。 3 特例施設占有者は、保管物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当するものについて、すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき又は第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内に遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。 第五章 雑則 (権限の委任) 第三十八条 この法律の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。 (経過措置) 第三十九条 この法律の規定に基づき政令又は国家公安委員会規則を制定し、又は改廃する場合においては、政令又は国家公安委員会規則で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。 (国家公安委員会規則への委任) 第四十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。 第六章 罰則 第四十一条 第二十六条の規定による指示に違反した者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 第四十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第十四条の規定に違反して、書面を交付せず、又は虚偽の記載をした書面を交付した者 二 第二十条第三項又は第二十一条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして売却又は処分をした者 三 第二十三条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者 四 第二十四条第一項の規定に違反して保管物件を提出しなかった者 五 第二十五条第一項の規定に違反して、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をした者 六 第二十五条第二項の規定に違反して、報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をし、又は保管物件の提示を拒み、妨げ、若しくは忌避した者 七 第三十七条第三項の規定に違反した者 第四十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 第四十四条 第二十四条第二項の規定に違反して物件を提出しなかった者は、二十万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
418AC0000000108_20230614_505AC0000000053.xml
平成十八年法律第百八号
46
信託法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 信託の要件、効力等については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において「信託」とは、次条各号に掲げる方法のいずれかにより、特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。 2 この法律において「信託行為」とは、次の各号に掲げる信託の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。 一 次条第一号に掲げる方法による信託 同号の信託契約 二 次条第二号に掲げる方法による信託 同号の遺言 三 次条第三号に掲げる方法による信託 同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示 3 この法律において「信託財産」とは、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。 4 この法律において「委託者」とは、次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。 5 この法律において「受託者」とは、信託行為の定めに従い、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。 6 この法律において「受益者」とは、受益権を有する者をいう。 7 この法律において「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。 8 この法律において「固有財産」とは、受託者に属する財産であって、信託財産に属する財産でない一切の財産をいう。 9 この法律において「信託財産責任負担債務」とは、受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。 10 この法律において「信託の併合」とは、受託者を同一とする二以上の信託の信託財産の全部を一の新たな信託の信託財産とすることをいう。 11 この法律において「吸収信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい、「新規信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい、「信託の分割」とは、吸収信託分割又は新規信託分割をいう。 12 この法律において「限定責任信託」とは、受託者が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。 (信託の方法) 第三条 信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。 一 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法 二 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法 三 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法 (信託の効力の発生) 第四条 前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。 2 前条第二号に掲げる方法によってされる信託は、当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。 3 前条第三号に掲げる方法によってされる信託は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。 一 公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成 二 公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては、その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知 4 前三項の規定にかかわらず、信託は、信託行為に停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。 (遺言信託における信託の引受けの催告) 第五条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者の相続人に対し確答をしないときは、信託の引受けをしなかったものとみなす。 3 委託者の相続人が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者の相続人」とあるのは、「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。 (遺言信託における裁判所による受託者の選任) 第六条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができる。 2 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 3 第一項の規定による受託者の選任の裁判に対しては、受益者又は既に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (受託者の資格) 第七条 信託は、未成年者を受託者としてすることができない。 (受託者の利益享受の禁止) 第八条 受託者は、受益者として信託の利益を享受する場合を除き、何人の名義をもってするかを問わず、信託の利益を享受することができない。 (脱法信託の禁止) 第九条 法令によりある財産権を享有することができない者は、その権利を有するのと同一の利益を受益者として享受することができない。 (訴訟信託の禁止) 第十条 信託は、訴訟行為をさせることを主たる目的としてすることができない。 (詐害信託の取消し等) 第十一条 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、受託者が債権者を害することを知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が、受益者としての指定(信託行為の定めにより又は第八十九条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定されることをいう。以下同じ。)を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 2 前項の規定による詐害行為取消請求を認容する判決が確定した場合において、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者(委託者であるものを除く。)が当該債権を取得した時において債権者を害することを知らなかったときは、委託者は、当該債権を有する債権者に対し、当該信託財産責任負担債務について弁済の責任を負う。 ただし、同項の規定による詐害行為取消請求により受託者から委託者に移転する財産の価額を限度とする。 3 前項の規定の適用については、第四十九条第一項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、金銭債権とみなす。 4 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合において、受益者が受託者から信託財産に属する財産の給付を受けたときは、債権者は、受益者を被告として、民法第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、当該受益者(当該受益者が受益権を譲り受けた者である場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)が、受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 5 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、債権者は、受益者を被告として、その受益権を委託者に譲り渡すことを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 民法第四百二十六条の規定は、前項の規定による請求権について準用する。 7 受益者の指定又は受益権の譲渡に当たっては、第一項本文、第四項本文又は第五項前段の規定の適用を不当に免れる目的で、債権者を害することを知らない者(以下この項において「善意者」という。)を無償(無償と同視すべき有償を含む。以下この項において同じ。)で受益者として指定し、又は善意者に対し無償で受益権を譲り渡してはならない。 8 前項の規定に違反する受益者の指定又は受益権の譲渡により受益者となった者については、第一項ただし書及び第四項ただし書(第五項後段において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (詐害信託の否認等) 第十二条 破産者が委託者としてした信託における破産法(平成十六年法律第七十五号)第百六十条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 2 破産者が破産債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、破産管財人は、受益者を被告として、その受益権を破産財団に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 3 再生債務者が委託者としてした信託における民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法(平成十八年法律第百八号)第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 4 再生債務者が再生債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、否認権限を有する監督委員又は管財人は、受益者を被告として、その受益権を再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 5 前二項の規定は、更生会社(会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二条第七項に規定する更生会社又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百六十九条第七項に規定する更生会社をいう。)又は更生協同組織金融機関(同法第四条第七項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)について準用する。 この場合において、第三項中「民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項」とあるのは「会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第八十六条第一項並びに金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第五十七条第一項及び第二百二十三条第一項」と、「同項各号」とあるのは「これらの規定」と、前項中「再生債権者」とあるのは「更生債権者又は更生担保権者」と、「否認権限を有する監督委員又は管財人」とあるのは「管財人」と、「再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。 (会計の原則) 第十三条 信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二章 信託財産等 (信託財産に属する財産の対抗要件) 第十四条 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 (信託財産に属する財産の占有の 瑕疵 かし の承継) 第十五条 受託者は、信託財産に属する財産の占有について、委託者の占有の 瑕疵 かし を承継する。 (信託財産の範囲) 第十六条 信託行為において信託財産に属すべきものと定められた財産のほか、次に掲げる財産は、信託財産に属する。 一 信託財産に属する財産の管理、処分、滅失、損傷その他の事由により受託者が得た財産 二 次条、第十八条、第十九条(第八十四条の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)、第二百二十六条第三項、第二百二十八条第三項及び第二百五十四条第二項の規定により信託財産に属することとなった財産(第十八条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産に属するものとみなされた共有持分及び第十九条の規定による分割によって信託財産に属することとされた財産を含む。) (信託財産に属する財産の付合等) 第十七条 信託財産に属する財産と固有財産若しくは他の信託の信託財産に属する財産との付合若しくは混和又はこれらの財産を材料とする加工があった場合には、各信託の信託財産及び固有財産に属する財産は各別の所有者に属するものとみなして、民法第二百四十二条から第二百四十八条までの規定を適用する。 第十八条 信託財産に属する財産と固有財産に属する財産とを識別することができなくなった場合(前条に規定する場合を除く。)には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。 この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなくなった当時における各財産の価格の割合に応ずる。 2 前項の共有持分は、相等しいものと推定する。 3 前二項の規定は、ある信託の受託者が他の信託の受託者を兼ねる場合において、各信託の信託財産に属する財産を識別することができなくなったとき(前条に規定する場合を除く。)について準用する。 この場合において、第一項中「信託財産と固有財産と」とあるのは、「各信託の信託財産」と読み替えるものとする。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割) 第十九条 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 信託行為において定めた方法 二 受託者と受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議による方法 三 分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、受託者が決する方法 2 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、受託者又は受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 3 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と他の信託の信託財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 各信託の信託行為において定めた方法 二 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議による方法 三 各信託について、分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、各信託の受託者が決する方法 4 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 (信託財産に属する財産についての混同の特例) 第二十条 同一物について所有権及び他の物権が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第一項本文の規定にかかわらず、当該他の物権は、消滅しない。 2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第二項前段の規定にかかわらず、当該他の権利は、消滅しない。 3 次に掲げる場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は、消滅しない。 一 信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合を除く。) 二 信託財産責任負担債務に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合を除く。) 三 固有財産又は他の信託の信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合に限る。) 四 受託者の債務(信託財産責任負担債務を除く。)に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合に限る。) (信託財産責任負担債務の範囲) 第二十一条 次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。 一 受益債権 二 信託財産に属する財産について信託前の原因によって生じた権利 三 信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの 四 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 五 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属するものによって生じた権利 六 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属しないもののうち、次に掲げるものによって生じた権利 イ 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。ロにおいて同じ。)の規定により取り消すことができない行為(当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知らなかったもの(信託財産に属する財産について権利を設定し又は移転する行為を除く。)を除く。) ロ 第二十七条第一項又は第二項の規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないもの 七 第三十一条第六項に規定する処分その他の行為又は同条第七項に規定する行為のうち、これらの規定により取り消すことができない行為又はこれらの規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないものによって生じた権利 八 受託者が信託事務を処理するについてした不法行為によって生じた権利 九 第五号から前号までに掲げるもののほか、信託事務の処理について生じた権利 2 信託財産責任負担債務のうち次に掲げる権利に係る債務について、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う。 一 受益債権 二 信託行為に第二百十六条第一項の定めがあり、かつ、第二百三十二条の定めるところにより登記がされた場合における信託債権(信託財産責任負担債務に係る債権であって、受益債権でないものをいう。以下同じ。) 三 前二号に掲げる場合のほか、この法律の規定により信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものとされる場合における信託債権 四 信託債権を有する者(以下「信託債権者」という。)との間で信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の合意がある場合における信託債権 (信託財産に属する債権等についての相殺の制限) 第二十二条 受託者が固有財産又は他の信託の信託財産(第一号において「固有財産等」という。)に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務(第一号及び第二号において「固有財産等責任負担債務」という。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって信託財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 一 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該信託財産に属する債権が固有財産等に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 二 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産等責任負担債務が信託財産責任負担債務でないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 2 前項本文の規定は、第三十一条第二項各号に掲げる場合において、受託者が前項の相殺を承認したときは、適用しない。 3 信託財産責任負担債務(信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって固有財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該固有財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産に属する債権が信託財産に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合は、この限りでない。 4 前項本文の規定は、受託者が同項の相殺を承認したときは、適用しない。 (信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等) 第二十三条 信託財産責任負担債務に係る債権(信託財産に属する財産について生じた権利を含む。次項において同じ。)に基づく場合を除き、信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売(担保権の実行としてのものを除く。以下同じ。)又は国税滞納処分(その例による処分を含む。以下同じ。)をすることができない。 2 第三条第三号に掲げる方法によって信託がされた場合において、委託者がその債権者を害することを知って当該信託をしたときは、前項の規定にかかわらず、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者のほか、当該委託者(受託者であるものに限る。)に対する債権で信託前に生じたものを有する者は、信託財産に属する財産に対し、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることができる。 3 第十一条第一項ただし書、第七項及び第八項の規定は、前項の規定の適用について準用する。 4 前二項の規定は、第二項の信託がされた時から二年間を経過したときは、適用しない。 5 第一項又は第二項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十八条及び民事保全法(平成元年法律第九十一号)第四十五条の規定を準用する。 6 第一項又は第二項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (費用又は報酬の支弁等) 第二十四条 前条第五項又は第六項の規定による異議に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (信託財産と受託者の破産手続等との関係等) 第二十五条 受託者が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、破産財団に属しない。 2 前項の場合には、受益債権は、破産債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 3 第一項の場合には、破産法第二百五十二条第一項の免責許可の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 4 受託者が再生手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。 5 前項の場合には、受益債権は、再生債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 6 第四項の場合には、再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責又は変更は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 7 前三項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、第四項中「再生債務者財産」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、第五項中「再生債権」とあるのは「更生債権又は更生担保権」と、前項中「再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定」とあるのは「更生計画又は更生計画認可の決定」と読み替えるものとする。 第三章 受託者等 第一節 受託者の権限 (受託者の権限の範囲) 第二十六条 受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。 ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。 (受託者の権限違反行為の取消し) 第二十七条 受託者が信託財産のためにした行為がその権限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 2 前項の規定にかかわらず、受託者が信託財産に属する財産(第十四条の信託の登記又は登録をすることができるものに限る。)について権利を設定し又は移転した行為がその権限に属しない場合には、次のいずれにも該当するときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の当時、当該信託財産に属する財産について第十四条の信託の登記又は登録がされていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 3 二人以上の受益者のうちの一人が前二項の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。 4 第一項又は第二項の規定による取消権は、受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)が取消しの原因があることを知った時から三箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。 行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 (信託事務の処理の第三者への委託) 第二十八条 受託者は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。 一 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。 二 信託行為に信託事務の処理の第三者への委託に関する定めがない場合において、信託事務の処理を第三者に委託することが信託の目的に照らして相当であると認められるとき。 三 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託してはならない旨の定めがある場合において、信託事務の処理を第三者に委託することにつき信託の目的に照らしてやむを得ない事由があると認められるとき。 第二節 受託者の義務等 (受託者の注意義務) 第二十九条 受託者は、信託の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。 2 受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる注意をもって、これをするものとする。 (忠実義務) 第三十条 受託者は、受益者のため忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない。 (利益相反行為の制限) 第三十一条 受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。 一 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を信託財産に帰属させること。 二 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を他の信託の信託財産に帰属させること。 三 第三者との間において信託財産のためにする行為であって、自己が当該第三者の代理人となって行うもの 四 信託財産に属する財産につき固有財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を被担保債権とする担保権を設定することその他第三者との間において信託財産のためにする行為であって受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反することとなるもの 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為について重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 三 相続その他の包括承継により信託財産に属する財産に係る権利が固有財産に帰属したとき。 四 受託者が当該行為をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該行為の信託財産に与える影響、当該行為の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるとき。 3 受託者は、第一項各号に掲げる行為をしたときは、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされた場合には、これらの行為は、無効とする。 5 前項の行為は、受益者の追認により、当該行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。 6 第四項に規定する場合において、受託者が第三者との間において第一項第一号又は第二号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該処分その他の行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 7 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第三号又は第四号に掲げる行為がされた場合には、当該第三者がこれを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 第三十二条 受託者は、受託者として有する権限に基づいて信託事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが受益者の利益に反するものについては、これを固有財産又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることについて重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 3 受託者は、第一項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算でした場合には、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して受託者が第一項に規定する行為をした場合には、受益者は、当該行為は信託財産のためにされたものとみなすことができる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 前項の規定による権利は、当該行為の時から一年を経過したときは、消滅する。 (公平義務) 第三十三条 受益者が二人以上ある信託においては、受託者は、受益者のために公平にその職務を行わなければならない。 (分別管理義務) 第三十四条 受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。 ただし、分別して管理する方法について、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 第十四条の信託の登記又は登録をすることができる財産(第三号に掲げるものを除く。) 当該信託の登記又は登録 二 第十四条の信託の登記又は登録をすることができない財産(次号に掲げるものを除く。) 次のイ又はロに掲げる財産の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 動産(金銭を除く。) 信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを外形上区別することができる状態で保管する方法 ロ 金銭その他のイに掲げる財産以外の財産 その計算を明らかにする方法 三 法務省令で定める財産 当該財産を適切に分別して管理する方法として法務省令で定めるもの 2 前項ただし書の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる財産について第十四条の信託の登記又は登録をする義務は、これを免除することができない。 (信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務) 第三十五条 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。 2 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託したときは、受託者は、当該第三者に対し、信託の目的の達成のために必要かつ適切な監督を行わなければならない。 3 受託者が信託事務の処理を次に掲げる第三者に委託したときは、前二項の規定は、適用しない。 ただし、受託者は、当該第三者が不適任若しくは不誠実であること又は当該第三者による事務の処理が不適切であることを知ったときは、その旨の受益者に対する通知、当該第三者への委託の解除その他の必要な措置をとらなければならない。 一 信託行為において指名された第三者 二 信託行為において受託者が委託者又は受益者の指名に従い信託事務の処理を第三者に委託する旨の定めがある場合において、当該定めに従い指名された第三者 4 前項ただし書の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託事務の処理の状況についての報告義務) 第三十六条 委託者又は受益者は、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求めることができる。 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務) 第三十七条 受託者は、信託事務に関する計算並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 受託者は、毎年一回、一定の時期に、法務省令で定めるところにより、貸借対照表、損益計算書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者は、第一項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第六項ただし書において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 5 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 受託者は、第二項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 (帳簿等の閲覧等の請求) 第三十八条 受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 前条第一項又は第五項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第一項又は第五項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が当該信託に係る業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 五 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 六 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前項(第一号及び第二号を除く。)の規定は、受益者が二人以上ある信託のすべての受益者から第一項の請求があったとき、又は受益者が一人である信託の当該受益者から同項の請求があったときは、適用しない。 4 信託行為において、次に掲げる情報以外の情報について、受益者が同意をしたときは第一項の規定による閲覧又は謄写の請求をすることができない旨の定めがある場合には、当該同意をした受益者(その承継人を含む。以下この条において同じ。)は、その同意を撤回することができない。 一 前条第二項の書類又は電磁的記録の作成に欠くことのできない情報その他の信託に関する重要な情報 二 当該受益者以外の者の利益を害するおそれのない情報 5 受託者は、前項の同意をした受益者から第一項の規定による閲覧又は謄写の請求があったときは、前項各号に掲げる情報に該当する部分を除き、これを拒むことができる。 6 利害関係人は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 一 前条第二項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第二項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (他の受益者の氏名等の開示の請求) 第三十九条 受益者が二人以上ある信託においては、受益者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 他の受益者の氏名又は名称及び住所 二 他の受益者が有する受益権の内容 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第三節 受託者の責任等 (受託者の損失てん補責任等) 第四十条 受託者がその任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第二号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、この限りでない。 一 信託財産に損失が生じた場合 当該損失のてん補 二 信託財産に変更が生じた場合 原状の回復 2 受託者が第二十八条の規定に違反して信託事務の処理を第三者に委託した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、第三者に委託をしなかったとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、前項の責任を免れることができない。 3 受託者が第三十条、第三十一条第一項及び第二項又は第三十二条第一項及び第二項の規定に違反する行為をした場合には、受託者は、当該行為によって受託者又はその利害関係人が得た利益の額と同額の損失を信託財産に生じさせたものと推定する。 4 受託者が第三十四条の規定に違反して信託財産に属する財産を管理した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、同条の規定に従い分別して管理をしたとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、第一項の責任を免れることができない。 (法人である受託者の役員の連帯責任) 第四十一条 法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるときは、受益者に対し、当該法人と連帯して、損失のてん補又は原状の回復をする責任を負う。 (損失てん補責任等の免除) 第四十二条 受益者は、次に掲げる責任を免除することができる。 一 第四十条の規定による責任 二 前条の規定による責任 (損失塡補責任等に係る債権の期間の制限) 第四十三条 第四十条の規定による責任に係る債権の消滅時効は、債務の不履行によって生じた責任に係る債権の消滅時効の例による。 2 第四十一条の規定による責任に係る債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 受益者が当該債権を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 当該債権を行使することができる時から十年間行使しないとき。 3 第四十条又は第四十一条の規定による責任に係る受益者の債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 4 前項に規定する債権は、受託者がその任務を怠ったことによって信託財産に損失又は変更が生じた時から二十年を経過したときは、消滅する。 (受益者による受託者の行為の差止め) 第四十四条 受託者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 受託者が第三十三条の規定に違反する行為をし、又はこれをするおそれがある場合において、当該行為によって一部の受益者に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 (費用又は報酬の支弁等) 第四十五条 第四十条、第四十一条又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (検査役の選任) 第四十六条 受託者の信託事務の処理に関し、不正の行為又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、受益者は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の規定による検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 5 第二項の検査役は、信託財産から裁判所が定める報酬を受けることができる。 6 前項の規定による検査役の報酬を定める裁判をする場合には、受託者及び第二項の検査役の陳述を聴かなければならない。 7 第五項の規定による検査役の報酬を定める裁判に対しては、受託者及び第二項の検査役に限り、即時抗告をすることができる。 第四十七条 前条第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求め、又は当該信託に係る帳簿、書類その他の物件を調査することができる。 2 前条第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 3 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、前条第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 4 前条第二項の検査役は、第二項の報告をしたときは、受託者及び同条第一項の申立てをした受益者に対し、第二項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 5 受託者は、前項の規定による書面の写しの交付又は電磁的記録に記録された事項の法務省令で定める方法による提供があったときは、直ちに、その旨を受益者(前条第一項の申立てをしたものを除く。次項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 裁判所は、第二項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、受託者に対し、同項の調査の結果を受益者に通知することその他の当該報告の内容を周知するための適切な措置をとるべきことを命じなければならない。 第四節 受託者の費用等及び信託報酬等 (信託財産からの費用等の償還等) 第四十八条 受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。)の償還を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、信託事務を処理するについて費用を要するときは、信託財産からその前払を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 受託者は、前項本文の規定により信託財産から費用の前払を受けるには、受益者に対し、前払を受ける額及びその算定根拠を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項又は第二項の規定にかかわらず、費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第四十条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けることを妨げない。 (費用等の償還等の方法) 第四十九条 受託者は、前条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。 2 前項に規定する場合において、必要があるときは、受託者は、信託財産に属する財産(当該財産を処分することにより信託の目的を達成することができないこととなるものを除く。)を処分することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項に規定する場合において、第三十一条第二項各号のいずれかに該当するときは、受託者は、第一項の規定により有する権利の行使に代えて、信託財産に属する財産で金銭以外のものを固有財産に帰属させることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項の規定により受託者が有する権利は、信託財産に属する財産に対し強制執行又は担保権の実行の手続が開始したときは、これらの手続との関係においては、金銭債権とみなす。 5 前項の場合には、同項に規定する権利の存在を証する文書により当該権利を有することを証明した受託者も、同項の強制執行又は担保権の実行の手続において、配当要求をすることができる。 6 各債権者(信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。)の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、他の債権者(当該費用等がすべての債権者に有益でなかった場合にあっては、当該費用等によって利益を受けていないものを除く。)の権利に優先する。 この場合においては、その順位は、民法第三百七条第一項に規定する先取特権と同順位とする。 7 次の各号に該当する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、当該各号に掲げる区分に応じ、当該各号の財産に係る第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、当該各号に定める金額について、他の債権者の権利に優先する。 一 信託財産に属する財産の保存のために支出した金額その他の当該財産の価値の維持のために必要であると認められるもの その金額 二 信託財産に属する財産の改良のために支出した金額その他の当該財産の価値の増加に有益であると認められるもの その金額又は現に存する増価額のいずれか低い金額 (信託財産責任負担債務の弁済による受託者の代位) 第五十条 受託者は、信託財産責任負担債務を固有財産をもって弁済した場合において、これにより前条第一項の規定による権利を有することとなったときは、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に代位する。 この場合においては、同項の規定により受託者が有する権利は、その代位との関係においては、金銭債権とみなす。 2 前項の規定により受託者が同項の債権者に代位するときは、受託者は、遅滞なく、当該債権者の有する債権が信託財産責任負担債務に係る債権である旨及びこれを固有財産をもって弁済した旨を当該債権者に通知しなければならない。 (費用等の償還等と同時履行) 第五十一条 受託者は、第四十九条第一項の規定により受託者が有する権利が消滅するまでは、受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者に対する信託財産に係る給付をすべき債務の履行を拒むことができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託財産が費用等の償還等に不足している場合の措置) 第五十二条 受託者は、第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産(第四十九条第二項の規定により処分することができないものを除く。第一号及び第四項において同じ。)が不足している場合において、委託者及び受益者に対し次に掲げる事項を通知し、第二号の相当の期間を経過しても委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けなかったときは、信託を終了させることができる。 一 信託財産が不足しているため費用等の償還又は費用の前払を受けることができない旨 二 受託者の定める相当の期間内に委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けないときは、信託を終了させる旨 2 委託者が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「受益者」とする。 3 受益者が現に存しない場合における第一項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「委託者」とする。 4 第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産が不足している場合において、委託者及び受益者が現に存しないときは、受託者は、信託を終了させることができる。 (信託財産からの損害の賠償) 第五十三条 受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、信託財産からその賠償を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者が信託事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 受託者が信託事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 2 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)並びに前二条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。 (受託者の信託報酬) 第五十四条 受託者は、信託の引受けについて商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬(信託事務の処理の対価として受託者の受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。 2 前項の場合には、信託報酬の額は、信託行為に信託報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 3 前項の定めがないときは、受託者は、信託財産から信託報酬を受けるには、受益者に対し、信託報酬の額及びその算定の根拠を通知しなければならない。 4 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)、第五十一条並びに第五十二条並びに民法第六百四十八条第二項及び第三項並びに第六百四十八条の二の規定は、受託者の信託報酬について準用する。 (受託者による担保権の実行) 第五十五条 担保権が信託財産である信託において、信託行為において受益者が当該担保権によって担保される債権に係る債権者とされている場合には、担保権者である受託者は、信託事務として、当該担保権の実行の申立てをし、売却代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる。 第五節 受託者の変更等 第一款 受託者の任務の終了 (受託者の任務の終了事由) 第五十六条 受託者の任務は、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第二号又は第三号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者である個人の死亡 二 受託者である個人が後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと。 三 受託者(破産手続開始の決定により解散するものを除く。)が破産手続開始の決定を受けたこと。 四 受託者である法人が合併以外の理由により解散したこと。 五 次条の規定による受託者の辞任 六 第五十八条の規定による受託者の解任 七 信託行為において定めた事由 2 受託者である法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、受託者の任務を引き継ぐものとする。 受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継する法人も、同様とする。 3 前項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項第三号に掲げる事由が生じた場合において、同項ただし書の定めにより受託者の任務が終了しないときは、受託者の職務は、破産者が行う。 5 受託者の任務は、受託者が再生手続開始の決定を受けたことによっては、終了しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 前項本文に規定する場合において、管財人があるときは、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、管財人に専属する。 保全管理人があるときも、同様とする。 7 前二項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、前項中「管財人があるとき」とあるのは、「管財人があるとき(会社更生法第七十四条第二項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十七条及び第二百十三条において準用する場合を含む。)の期間を除く。)」と読み替えるものとする。 (受託者の辞任) 第五十七条 受託者は、委託者及び受益者の同意を得て、辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 3 受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による辞任の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 委託者が現に存しない場合には、第一項本文の規定は、適用しない。 (受託者の解任) 第五十八条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者がその任務に違反して信託財産に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、委託者又は受益者の申立てにより、受託者を解任することができる。 5 裁判所は、前項の規定により受託者を解任する場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による解任の裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 8 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 第二款 前受託者の義務等 (前受託者の通知及び保管の義務等) 第五十九条 第五十六条第一項第三号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、受託者であった者(以下「前受託者」という。)は、受益者に対し、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、破産管財人に対し、信託財産に属する財産の内容及び所在、信託財産責任負担債務の内容その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 3 第五十六条第一項第四号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新たな受託者(第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合にあっては、信託財産管理者。以下この節において「新受託者等」という。)が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その義務を加重することができる。 4 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き受託者としての権利義務を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。 5 第三項の場合(前項本文に規定する場合を除く。)において、前受託者が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 (前受託者の相続人等の通知及び保管の義務等) 第六十条 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、前受託者の相続人(法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人)又は成年後見人若しくは保佐人(以下この節において「前受託者の相続人等」と総称する。)がその事実を知っているときは、前受託者の相続人等は、知れている受益者に対し、これを通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者の相続人等は、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 3 前項の場合において、前受託者の相続人等が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 4 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、破産管財人は、新受託者等が信託事務を処理することができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 5 前項の場合において、破産管財人が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、破産管財人に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 6 前受託者の相続人等又は破産管財人は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、第一項、第二項又は第四項の規定による行為をするために支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 7 第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者の相続人等又は破産管財人が有する権利について準用する。 (費用又は報酬の支弁等) 第六十一条 第五十九条第五項又は前条第三項若しくは第五項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 第三款 新受託者の選任 第六十二条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者(以下「新受託者」という。)に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、委託者及び受益者は、その合意により、新受託者を選任することができる。 2 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、新受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 第一項の場合において、同項の合意に係る協議の状況その他の事情に照らして必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、新受託者を選任することができる。 5 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 6 第四項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受益者又は現に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 8 委託者が現に存しない場合における前各項の規定の適用については、第一項中「委託者及び受益者は、その合意により」とあるのは「受益者は」と、第三項中「委託者及び受益者」とあるのは「受益者」と、第四項中「同項の合意に係る協議の状況」とあるのは「受益者の状況」とする。 第四款 信託財産管理者等 (信託財産管理命令) 第六十三条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が選任されておらず、かつ、必要があると認めるときは、新受託者が選任されるまでの間、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産管理者による管理を命ずる処分(以下この款において「信託財産管理命令」という。)をすることができる。 2 前項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、信託財産管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 4 信託財産管理命令及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者の選任等) 第六十四条 裁判所は、信託財産管理命令をする場合には、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 2 前項の規定による信託財産管理者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 裁判所は、第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 信託財産管理者を選任した旨 二 信託財産管理者の氏名又は名称 4 前項第二号の規定は、同号に掲げる事項に変更を生じた場合について準用する。 5 信託財産管理命令があった場合において、信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものがあることを知ったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 信託財産管理命令を取り消す裁判があったとき、又は信託財産管理命令があった後に新受託者が選任された場合において当該新受託者が信託財産管理命令の登記若しくは登録の抹消の嘱託の申立てをしたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 (前受託者がした法律行為の効力) 第六十五条 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった後に信託財産に属する財産に関してした法律行為は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 2 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった日にした法律行為は、当該裁判があった後にしたものと推定する。 (信託財産管理者の権限) 第六十六条 第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合には、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、信託財産管理者に専属する。 2 二人以上の信託財産管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 3 二人以上の信託財産管理者があるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 信託財産管理者が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 保存行為 二 信託財産に属する財産の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為 5 前項の規定に違反して行った信託財産管理者の行為は、無効とする。 ただし、信託財産管理者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 信託財産管理者は、第二項ただし書又は第四項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 7 第二項ただし書又は第四項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 8 第二項ただし書又は第四項の規定による許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (信託財産に属する財産の管理) 第六十七条 信託財産管理者は、就職の後直ちに信託財産に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第六十八条 信託財産に関する訴えについては、信託財産管理者を原告又は被告とする。 (信託財産管理者の義務等) 第六十九条 信託財産管理者は、その職務を行うに当たっては、受託者と同一の義務及び責任を負う。 (信託財産管理者の辞任及び解任) 第七十条 第五十七条第二項から第五項までの規定は信託財産管理者の辞任について、第五十八条第四項から第七項までの規定は信託財産管理者の解任について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条第二項中「やむを得ない事由」とあるのは、「正当な事由」と読み替えるものとする。 (信託財産管理者の報酬等) 第七十一条 信託財産管理者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 2 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、信託財産管理者の陳述を聴かなければならない。 3 第一項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、信託財産管理者に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者による新受託者への信託事務の引継ぎ等) 第七十二条 第七十七条の規定は、信託財産管理者の選任後に新受託者が就任した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とあり、同条第二項中「受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)」とあり、及び同条第三項中「受益者」とあるのは「新受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該新受託者」と読み替えるものとする。 (受託者の職務を代行する者の権限) 第七十三条 第六十六条の規定は、受託者の職務を代行する者を選任する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者について準用する。 (受託者の死亡により任務が終了した場合の信託財産の帰属等) 第七十四条 第五十六条第一項第一号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、信託財産は、法人とする。 2 前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産法人管理人による管理を命ずる処分(第六項において「信託財産法人管理命令」という。)をすることができる。 3 第六十三条第二項から第四項までの規定は、前項の申立てに係る事件について準用する。 4 新受託者が就任したときは、第一項の法人は、成立しなかったものとみなす。 ただし、信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 5 信託財産法人管理人の代理権は、新受託者が信託事務の処理をすることができるに至った時に消滅する。 6 第六十四条の規定は信託財産法人管理命令をする場合について、第六十六条から第七十二条までの規定は信託財産法人管理人について、それぞれ準用する。 第五款 受託者の変更に伴う権利義務の承継等 (信託に関する権利義務の承継等) 第七十五条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が就任したときは、新受託者は、前受託者の任務が終了した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 2 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合(第五十九条第四項ただし書の場合を除く。)には、新受託者は、新受託者等が就任した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 3 前二項の規定は、新受託者が就任するに至るまでの間に前受託者、信託財産管理者又は信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 4 第二十七条の規定は、新受託者等が就任するに至るまでの間に前受託者がその権限に属しない行為をした場合について準用する。 5 前受託者(その相続人を含む。以下この条において同じ。)が第四十条の規定による責任を負う場合又は法人である前受託者の理事、取締役若しくは執行役若しくはこれらに準ずる者(以下この項において「理事等」と総称する。)が第四十一条の規定による責任を負う場合には、新受託者等又は信託財産法人管理人は、前受託者又は理事等に対し、第四十条又は第四十一条の規定による請求をすることができる。 6 前受託者が信託財産から費用等の償還若しくは損害の賠償を受けることができ、又は信託報酬を受けることができる場合には、前受託者は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、費用等の償還若しくは損害の賠償又は信託報酬の支払を請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 7 第四十八条第四項並びに第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者が有する権利について準用する。 8 新受託者が就任するに至るまでの間に信託財産に属する財産に対し既にされている強制執行、仮差押え若しくは仮処分の執行又は担保権の実行若しくは競売の手続は、新受託者に対し続行することができる。 9 前受託者は、第六項の規定による請求に係る債権の弁済を受けるまで、信託財産に属する財産を留置することができる。 (承継された債務に関する前受託者及び新受託者の責任) 第七十六条 前条第一項又は第二項の規定により信託債権に係る債務が新受託者に承継された場合にも、前受託者は、自己の固有財産をもって、その承継された債務を履行する責任を負う。 ただし、信託財産に属する財産のみをもって当該債務を履行する責任を負うときは、この限りでない。 2 新受託者は、前項本文に規定する債務を承継した場合には、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (前受託者による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十七条 新受託者等が就任した場合には、前受託者は、遅滞なく、信託事務に関する計算を行い、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対しその承認を求めるとともに、新受託者等が信託事務の処理を行うのに必要な信託事務の引継ぎをしなければならない。 2 受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)が前項の計算を承認した場合には、同項の規定による当該受益者に対する信託事務の引継ぎに関する責任は、免除されたものとみなす。 ただし、前受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者が前受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者は、同項の計算を承認したものとみなす。 (前受託者の相続人等又は破産管財人による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十八条 前条の規定は、第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における前受託者の相続人等及び同項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における破産管財人について準用する。 第六節 受託者が二人以上ある信託の特例 (信託財産の合有) 第七十九条 受託者が二人以上ある信託においては、信託財産は、その合有とする。 (信託事務の処理の方法) 第八十条 受託者が二人以上ある信託においては、信託事務の処理については、受託者の過半数をもって決する。 2 前項の規定にかかわらず、保存行為については、各受託者が単独で決することができる。 3 前二項の規定により信託事務の処理について決定がされた場合には、各受託者は、当該決定に基づいて信託事務を執行することができる。 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合には、各受託者は、その定めに従い、信託事務の処理について決し、これを執行する。 5 前二項の規定による信託事務の処理についての決定に基づく信託財産のためにする行為については、各受託者は、他の受託者を代理する権限を有する。 6 前各項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 7 受託者が二人以上ある信託においては、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 ただし、受益者の意思表示については、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (職務分掌者の当事者適格) 第八十一条 前条第四項に規定する場合には、信託財産に関する訴えについて、各受託者は、自己の分掌する職務に関し、他の受託者のために原告又は被告となる。 (信託事務の処理についての決定の他の受託者への委託) 第八十二条 受託者が二人以上ある信託においては、各受託者は、信託行為に別段の定めがある場合又はやむを得ない事由がある場合を除き、他の受託者に対し、信託事務(常務に属するものを除く。)の処理についての決定を委託することができない。 (信託事務の処理に係る債務の負担関係) 第八十三条 受託者が二人以上ある信託において、信託事務を処理するに当たって各受託者が第三者に対し債務を負担した場合には、各受託者は、連帯債務者とする。 2 前項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合において、ある受託者がその定めに従い信託事務を処理するに当たって第三者に対し債務を負担したときは、他の受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、当該第三者が、その債務の負担の原因である行為の当時、当該行為が信託事務の処理としてされたこと及び受託者が二人以上ある信託であることを知っていた場合であって、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがあることを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときは、当該他の受託者は、これをもって当該第三者に対抗することができない。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割の特例) 第八十四条 受託者が二人以上ある信託における第十九条の規定の適用については、同条第一項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第二号中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者の」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同条第三項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託又は他の信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「各信託財産の共有持分が属する受託者の」と、「受託者が決する」とあるのは「受託者の協議による」と、同条第四項中「第二号」とあるのは「第二号又は第三号」とする。 (受託者の責任等の特例) 第八十五条 受託者が二人以上ある信託において、二人以上の受託者がその任務に違反する行為をしたことにより第四十条の規定による責任を負う場合には、当該行為をした各受託者は、連帯債務者とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第四十条第一項及び第四十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「受益者又は他の受託者」とする。 3 受託者が二人以上ある信託において第四十二条の規定により第四十条又は第四十一条の規定による責任が免除されたときは、他の受託者は、これらの規定によれば当該責任を負うべき者に対し、当該責任の追及に係る請求をすることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者が二人以上ある信託における第四十四条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者又は他の受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該受益者又は他の受託者」とする。 (受託者の変更等の特例) 第八十六条 受託者が二人以上ある信託における第五十九条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第三項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第六十条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第二項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 3 受託者が二人以上ある信託における第七十四条第一項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とする。 4 受託者が二人以上ある信託においては、第七十五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、その一人の任務が第五十六条第一項各号に掲げる事由により終了した場合には、その任務が終了した時に存する信託に関する権利義務は他の受託者が当然に承継し、その任務は他の受託者が行う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託の終了の特例) 第八十七条 受託者が二人以上ある信託における第百六十三条第三号の規定の適用については、同号中「受託者が欠けた場合」とあるのは、「すべての受託者が欠けた場合」とする。 2 受託者が二人以上ある信託においては、受託者の一部が欠けた場合であって、前条第四項ただし書の規定によりその任務が他の受託者によって行われず、かつ、新受託者が就任しない状態が一年間継続したときも、信託は、終了する。 第四章 受益者等 第一節 受益者の権利の取得及び行使 (受益権の取得) 第八十八条 信託行為の定めにより受益者となるべき者として指定された者(次条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定された者を含む。)は、当然に受益権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、前項に規定する受益者となるべき者として指定された者が同項の規定により受益権を取得したことを知らないときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者指定権等) 第八十九条 受益者を指定し、又はこれを変更する権利(以下この条において「受益者指定権等」という。)を有する者の定めのある信託においては、受益者指定権等は、受託者に対する意思表示によって行使する。 2 前項の規定にかかわらず、受益者指定権等は、遺言によって行使することができる。 3 前項の規定により遺言によって受益者指定権等が行使された場合において、受託者がこれを知らないときは、これにより受益者となったことをもって当該受託者に対抗することができない。 4 受託者は、受益者を変更する権利が行使されたことにより受益者であった者がその受益権を失ったときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 受益者指定権等は、相続によって承継されない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受益者指定権等を有する者が受託者である場合における第一項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受益者となるべき者」とする。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第九十条 次の各号に掲げる信託においては、当該各号の委託者は、受益者を変更する権利を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託 二 委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託 2 前項第二号の受益者は、同号の委託者が死亡するまでは、受益者としての権利を有しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例) 第九十一条 受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。 (信託行為の定めによる受益者の権利行使の制限の禁止) 第九十二条 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 一 この法律の規定による裁判所に対する申立権 二 第五条第一項の規定による催告権 三 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 四 第二十四条第一項の規定による支払の請求権 五 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 六 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 七 第三十六条の規定による報告を求める権利 八 第三十八条第一項又は第六項の規定による閲覧又は謄写の請求権 九 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十一 第四十四条の規定による差止めの請求権 十二 第四十五条第一項の規定による支払の請求権 十三 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十四 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十五 第六十一条第一項の規定による支払の請求権 十六 第六十二条第二項の規定による催告権 十七 第九十九条第一項の規定による受益権を放棄する権利 十八 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 十九 第百三十一条第二項の規定による催告権 二十 第百三十八条第二項の規定による催告権 二十一 第百八十七条第一項の規定による交付又は提供の請求権 二十二 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 二十三 第百九十八条第一項の規定による記載又は記録の請求権 二十四 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十五 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十六 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 第二節 受益権等 第一款 受益権の譲渡等 (受益権の譲渡性) 第九十三条 受益者は、その有する受益権を譲り渡すことができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「譲渡制限の定め」という。)は、その譲渡制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の譲渡の対抗要件) 第九十四条 受益権の譲渡は、譲渡人が受託者に通知をし、又は受託者が承諾をしなければ、受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の通知及び承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、受託者以外の第三者に対抗することができない。 (受益権の譲渡における受託者の抗弁) 第九十五条 受託者は、前条第一項の通知又は承諾がされるまでに譲渡人に対し生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。 (共同相続における受益権の承継の対抗要件) 第九十五条の二 相続により受益権が承継された場合において、民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該受益権を承継した共同相続人が当該受益権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該受益権を承継した場合にあっては、当該受益権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして受託者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が受託者に通知をしたものとみなして、同法第八百九十九条の二第一項の規定を適用する。 (受益権の質入れ) 第九十六条 受益者は、その有する受益権に質権を設定することができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の質入れを禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「質入制限の定め」という。)は、その質入制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった質権者その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の質入れの効果) 第九十七条 受益権を目的とする質権は、次に掲げる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下この条及び次条において同じ。)について存在する。 一 当該受益権を有する受益者が受託者から信託財産に係る給付として受けた金銭等 二 第百三条第六項に規定する受益権取得請求によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 三 信託の変更による受益権の併合又は分割によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 四 信託の併合又は分割(信託の併合又は信託の分割をいう。以下同じ。)によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 五 前各号に掲げるもののほか、当該受益権を有する受益者が当該受益権に代わるものとして受ける金銭等 第九十八条 受益権の質権者は、前条の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 前項の債権の弁済期が到来していないときは、受益権の質権者は、受託者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第二款 受益権の放棄 第九十九条 受益者は、受託者に対し、受益権を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、受益者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 2 受益者は、前項の規定による意思表示をしたときは、当初から受益権を有していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 第三款 受益債権 (受益債権に係る受託者の責任) 第百条 受益債権に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (受益債権と信託債権との関係) 第百一条 受益債権は、信託債権に後れる。 (受益債権の期間の制限) 第百二条 受益債権の消滅時効は、次項及び第三項に定める事項を除き、債権の消滅時効の例による。 2 受益債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 3 受益債権の消滅時効は、次に掲げる場合に限り、援用することができる。 一 受託者が、消滅時効の期間の経過後、遅滞なく、受益者に対し受益債権の存在及びその内容を相当の期間を定めて通知し、かつ、受益者からその期間内に履行の請求を受けなかったとき。 二 消滅時効の期間の経過時において受益者の所在が不明であるとき、その他信託行為の定め、受益者の状況、関係資料の滅失その他の事情に照らして、受益者に対し前号の規定による通知をしないことについて正当な理由があるとき。 4 受益債権は、これを行使することができる時から二十年を経過したときは、消滅する。 第四款 受益権取得請求権 (受益権取得請求) 第百三条 次に掲げる事項に係る信託の変更(第三項において「重要な信託の変更」という。)がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、第一号又は第二号に掲げる事項に係る信託の変更がされる場合にあっては、これにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 一 信託の目的の変更 二 受益権の譲渡の制限 三 受託者の義務の全部又は一部の減免(当該減免について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 四 受益債権の内容の変更(当該内容の変更について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 五 信託行為において定めた事項 2 信託の併合又は分割がされる場合には、これらにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、前項第一号又は第二号に掲げる事項に係る変更を伴う信託の併合又は分割がされる場合にあっては、これらにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 3 前二項の受益者が、重要な信託の変更又は信託の併合若しくは信託の分割(以下この章において「重要な信託の変更等」という。)の意思決定に関与し、その際に当該重要な信託の変更等に賛成する旨の意思を表示したときは、前二項の規定は、当該受益者については、適用しない。 4 受託者は、重要な信託の変更等の意思決定の日から二十日以内に、受益者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 重要な信託の変更等をする旨 二 重要な信託の変更等がその効力を生ずる日(次条第一項において「効力発生日」という。) 三 重要な信託の変更等の中止に関する条件を定めたときは、その条件 5 前項の規定による通知は、官報による公告をもって代えることができる。 6 第一項又は第二項の規定による請求(以下この款において「受益権取得請求」という。)は、第四項の規定による通知又は前項の規定による公告の日から二十日以内に、その受益権取得請求に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 7 受益権取得請求をした受益者は、受託者の承諾を得た場合に限り、その受益権取得請求を撤回することができる。 8 重要な信託の変更等が中止されたときは、受益権取得請求は、その効力を失う。 (受益権の価格の決定等) 第百四条 受益権取得請求があった場合において、受益権の価格の決定について、受託者と受益者との間に協議が調ったときは、受託者は、受益権取得請求の日から六十日を経過する日(その日までに効力発生日が到来していない場合にあっては、効力発生日)までにその支払をしなければならない。 2 受益権の価格の決定について、受益権取得請求の日から三十日以内に協議が調わないときは、受託者又は受益者は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の規定により価格の決定をする場合には、同項の申立てをすることができる者の陳述を聴かなければならない。 4 第二項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による価格の決定の裁判に対しては、申立人及び同項の申立てをすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 7 前条第七項の規定にかかわらず、第二項に規定する場合において、受益権取得請求の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、受益者は、いつでも、受益権取得請求を撤回することができる。 8 第一項の受託者は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の利息をも支払わなければならない。 9 受託者は、受益権の価格の決定があるまでは、受益者に対し、当該受託者が公正な価格と認める額を支払うことができる。 10 受益権取得請求に係る受託者による受益権の取得は、当該受益権の価格に相当する金銭の支払の時に、その効力を生ずる。 11 受益証券(第百八十五条第一項に規定する受益証券をいう。以下この章において同じ。)が発行されている受益権について受益権取得請求があったときは、当該受益証券と引換えに、その受益権取得請求に係る受益権の価格に相当する金銭を支払わなければならない。 12 受益権取得請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 13 前条第一項又は第二項の規定により受託者が受益権を取得したときは、その受益権は、消滅する。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 第三節 二人以上の受益者による意思決定の方法の特例 第一款 総則 第百五条 受益者が二人以上ある信託における受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は、すべての受益者の一致によってこれを決する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項ただし書の場合において、信託行為に受益者集会における多数決による旨の定めがあるときは、次款の定めるところによる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項ただし書又は前項の規定にかかわらず、第四十二条の規定による責任の免除に係る意思決定の方法についての信託行為の定めは、次款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めに限り、その効力を有する。 4 第一項ただし書及び前二項の規定は、次に掲げる責任の免除については、適用しない。 一 第四十二条の規定による責任の全部の免除 二 第四十二条第一号の規定による責任(受託者がその任務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合に生じたものに限る。)の一部の免除 三 第四十二条第二号の規定による責任の一部の免除 第二款 受益者集会 (受益者集会の招集) 第百六条 受益者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 受益者集会は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)が招集する。 (受益者による招集の請求) 第百七条 受益者は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)に対し、受益者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、受益者集会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合において、信託財産に著しい損害を生ずるおそれがあるときは、前項の規定による請求をした受益者は、受益者集会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から八週間以内の日を受益者集会の日とする受益者集会の招集の通知が発せられない場合 (受益者集会の招集の決定) 第百八条 受益者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 受益者集会の日時及び場所 二 受益者集会の目的である事項があるときは、当該事項 三 受益者集会に出席しない受益者が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下この款において同じ。)によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益者集会の招集の通知) 第百九条 受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の二週間前までに、知れている受益者及び受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、知れている受益者、受託者及び信託監督人)に対し、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 無記名式の受益証券が発行されている場合において、受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の三週間前までに、受益者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を官報により公告しなければならない。 (受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第百十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている受益者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「受益者集会参考書類」という。)及び受益者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした受益者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、受益者の請求があったときは、これらの書類を当該受益者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、受益者集会の日の一週間前までに無記名受益権(無記名式の受益証券が発行されている受益権をいう。第八章において同じ。)の受益者の請求があったときは、直ちに、受益者集会参考書類及び議決権行使書面を当該受益者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、受益者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第百十一条 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第百九条第二項の承諾をした受益者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、受益者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第百九条第二項の承諾をしていない受益者から受益者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該受益者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (受益者の議決権) 第百十二条 受益者は、受益者集会において、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定めるものに応じて、議決権を有する。 一 各受益権の内容が均等である場合 受益権の個数 二 前号に掲げる場合以外の場合 受益者集会の招集の決定の時における受益権の価格 2 前項の規定にかかわらず、受益権が当該受益権に係る信託の信託財産に属するときは、受託者は、当該受益権については、議決権を有しない。 (受益者集会の決議) 第百十三条 受益者集会の決議は、議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第四十二条の規定による責任の免除(第百五条第四項各号に掲げるものを除く。) 二 第百三十六条第一項第一号に規定する合意 三 第百四十三条第一項第一号に規定する合意 四 第百四十九条第一項若しくは第二項第一号に規定する合意又は同条第三項に規定する意思表示 五 第百五十一条第一項又は第二項第一号に規定する合意 六 第百五十五条第一項又は第二項第一号に規定する合意 七 第百五十九条第一項又は第二項第一号に規定する合意 八 第百六十四条第一項に規定する合意 3 前二項の規定にかかわらず、第百三条第一項第二号から第四号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものを除く。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の半数以上であって、当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、第百三条第一項第一号又は第四号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものに限る。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、総受益者の半数以上であって、総受益者の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 受益者集会は、第百八条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第百十四条 受益者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該受益者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、受益者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の受益者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該受益者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第百十五条 受益者集会に出席しない受益者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第百十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (議決権の不統一行使) 第百十七条 受益者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、受益者集会の日の三日前までに、招集者に対しその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の受益者が他人のために受益権を有する者でないときは、当該受益者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (受託者の出席等) 第百十八条 受託者(法人である受託者にあっては、その代表者又は代理人。次項において同じ。)は、受益者集会に出席し、又は書面により意見を述べることができる。 2 受益者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、受託者に対し、その出席を求めることができる。 この場合において、受益者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第百十九条 受益者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八条及び第百九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百二十条 受益者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (受益者集会の決議の効力) 第百二十一条 受益者集会の決議は、当該信託のすべての受益者に対してその効力を有する。 (受益者集会の費用の負担) 第百二十二条 受益者集会に関する必要な費用を支出した者は、受託者に対し、その償還を請求することができる。 2 前項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 第四節 信託管理人等 第一款 信託管理人 (信託管理人の選任) 第百二十三条 信託行為においては、受益者が現に存しない場合に信託管理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託管理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託管理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託管理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が現に存しない場合において、信託行為に信託管理人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託管理人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 5 前項の規定による信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託管理人の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受託者又は既に存する信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託管理人の資格) 第百二十四条 次に掲げる者は、信託管理人となることができない。 一 未成年者 二 当該信託の受託者である者 (信託管理人の権限) 第百二十五条 信託管理人は、受益者のために自己の名をもって受益者の権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託管理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 この法律の規定により受益者に対してすべき通知は、信託管理人があるときは、信託管理人に対してしなければならない。 (信託管理人の義務) 第百二十六条 信託管理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託管理人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託管理人の費用等及び報酬) 第百二十七条 信託管理人は、その事務を処理するのに必要と認められる費用及び支出の日以後におけるその利息を受託者に請求することができる。 2 信託管理人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、受託者にその賠償を請求することができる。 一 信託管理人がその事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 信託管理人がその事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 3 信託管理人は、商法第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に信託管理人が報酬を受ける旨の定めがある場合に限り、受託者に報酬を請求することができる。 4 前三項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 5 第三項の場合には、報酬の額は、信託行為に報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 6 裁判所は、第百二十三条第四項の規定により信託管理人を選任した場合には、信託管理人の報酬を定めることができる。 7 前項の規定による信託管理人の報酬の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第三項の定め及び第五項の報酬の額に関する定めがあったものとみなす。 8 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判をする場合には、受託者及び信託管理人の陳述を聴かなければならない。 9 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判に対しては、受託者及び信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託管理人の任務の終了) 第百二十八条 第五十六条の規定は、信託管理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託管理人の辞任について、第五十八条の規定は信託管理人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託管理人の選任等) 第百二十九条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託管理人の任務が終了した場合における新たな信託管理人(次項において「新信託管理人」という。)の選任について準用する。 2 新信託管理人が就任した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、新信託管理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 3 前項の信託管理人であった者は、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知ったときは、遅滞なく、当該受益者となった者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 (信託管理人による事務の処理の終了等) 第百三十条 信託管理人による事務の処理は、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第二号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受益者が存するに至ったこと。 二 委託者が信託管理人に対し事務の処理を終了する旨の意思表示をしたこと。 三 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託管理人による事務の処理が終了した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 ただし、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知った場合に限る。 第二款 信託監督人 (信託監督人の選任) 第百三十一条 信託行為においては、受益者が現に存する場合に信託監督人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託監督人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託監督人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託監督人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が受託者の監督を適切に行うことができない特別の事情がある場合において、信託行為に信託監督人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託監督人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託監督人を選任することができる。 5 前項の規定による信託監督人の選任の裁判があったときは、当該信託監督人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託監督人の選任の裁判に対しては、委託者、受託者若しくは受益者又は既に存する信託監督人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託監督人の権限) 第百三十二条 信託監督人は、受益者のために自己の名をもって第九十二条各号(第十七号、第十八号、第二十一号及び第二十三号を除く。)に掲げる権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託監督人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託監督人の義務) 第百三十三条 信託監督人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託監督人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託監督人の任務の終了) 第百三十四条 第五十六条の規定は、信託監督人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託監督人の辞任について、第五十八条の規定は信託監督人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託監督人の選任等) 第百三十五条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託監督人の任務が終了した場合における新たな信託監督人(次項において「新信託監督人」という。)の選任について準用する。 2 新信託監督人が就任した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新信託監督人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (信託監督人による事務の処理の終了等) 第百三十六条 信託監督人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者が信託監督人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託監督人による事務の処理が終了した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百三十七条 第百二十四条及び第百二十七条の規定は、信託監督人について準用する。 この場合において、同条第六項中「第百二十三条第四項」とあるのは、「第百三十一条第四項」と読み替えるものとする。 第三款 受益者代理人 (受益者代理人の選任) 第百三十八条 信託行為においては、その代理する受益者を定めて、受益者代理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に受益者代理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受益者代理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、受益者代理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 (受益者代理人の権限等) 第百三十九条 受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受益者代理人がその代理する受益者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、その代理する受益者の範囲を示せば足りる。 3 一人の受益者につき二人以上の受益者代理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受益者代理人があるときは、当該受益者代理人に代理される受益者は、第九十二条各号に掲げる権利及び信託行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができない。 (受益者代理人の義務) 第百四十条 受益者代理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 受益者代理人は、その代理する受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (受益者代理人の任務の終了) 第百四十一条 第五十六条の規定は、受益者代理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は受益者代理人の辞任について、第五十八条の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。 (新受益者代理人の選任等) 第百四十二条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により受益者代理人の任務が終了した場合における新たな受益者代理人(次項において「新受益者代理人」という。)の選任について準用する。 この場合において、第六十二条第二項及び第四項中「利害関係人」とあるのは、「委託者又は受益者代理人に代理される受益者」と読み替えるものとする。 2 新受益者代理人が就任した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理する受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新受益者代理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (受益者代理人による事務の処理の終了等) 第百四十三条 受益者代理人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者代理人に代理される受益者が受益者代理人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により受益者代理人による事務の処理が終了した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理した受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百四十四条 第百二十四条及び第百二十七条第一項から第五項までの規定は、受益者代理人について準用する。 第五章 委託者 (委託者の権利等) 第百四十五条 信託行為においては、委託者がこの法律の規定によるその権利の全部又は一部を有しない旨を定めることができる。 2 信託行為においては、委託者も次に掲げる権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。 一 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 二 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 三 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 四 第三十二条第四項の規定による権利 五 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 六 第三十九条第一項の規定による開示の請求権 七 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 八 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 九 第四十四条の規定による差止めの請求権 十 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 十一 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十二 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十三 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十四 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十五 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 3 前項第一号、第七号から第九号まで又は第十一号から第十五号までに掲げる権利について同項の信託行為の定めがされた場合における第二十四条、第四十五条(第二百二十六条第六項、第二百二十八条第六項及び第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)又は第六十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「委託者又は受益者」とする。 4 信託行為においては、受託者が次に掲げる義務を負う旨を定めることができる。 一 この法律の規定により受託者が受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次号において同じ。)に対し通知すべき事項を委託者に対しても通知する義務 二 この法律の規定により受託者が受益者に対し報告すべき事項を委託者に対しても報告する義務 三 第七十七条第一項又は第百八十四条第一項の規定により受託者がする計算の承認を委託者に対しても求める義務 5 委託者が二人以上ある信託における第一項、第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「委託者」とあるのは、「委託者の全部又は一部」とする。 (委託者の地位の移転) 第百四十六条 委託者の地位は、受託者及び受益者の同意を得て、又は信託行為において定めた方法に従い、第三者に移転することができる。 2 委託者が二人以上ある信託における前項の規定の適用については、同項中「受託者及び受益者」とあるのは、「他の委託者、受託者及び受益者」とする。 (遺言信託における委託者の相続人) 第百四十七条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合には、委託者の相続人は、委託者の地位を相続により承継しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第百四十八条 第九十条第一項各号に掲げる信託において、その信託の受益者が現に存せず、又は同条第二項の規定により受益者としての権利を有しないときは、委託者が第百四十五条第二項各号に掲げる権利を有し、受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第六章 信託の変更、併合及び分割 第一節 信託の変更 (関係当事者の合意等) 第百四十九条 信託の変更は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、変更後の信託行為の内容を明らかにしてしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによりすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者による受託者に対する意思表示によってすることができる。 この場合において、第二号に掲げるときは、受託者は、委託者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 委託者及び受益者 二 信託の目的に反しないこと及び受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 受益者 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 委託者が現に存しない場合においては、第一項及び第三項第一号の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (特別の事情による信託の変更を命ずる裁判) 第百五十条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合しなくなるに至ったときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の変更を命ずることができる。 2 前項の申立ては、当該申立てに係る変更後の信託行為の定めを明らかにしてしなければならない。 3 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 4 第一項の申立てについての裁判には、理由の要旨を付さなければならない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 第二節 信託の併合 (関係当事者の合意等) 第百五十一条 信託の併合は、従前の各信託の委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 信託の併合後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 信託の併合に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 信託の併合がその効力を生ずる日 五 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、信託の併合は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十二条 信託の併合をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、信託の併合について異議を述べることができる。 ただし、信託の併合をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 信託の併合をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告(公告の方法のうち、電磁的方法(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって同号に規定するものをとる方法をいう。次節において同じ。) 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該信託の併合について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。次節において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該信託の併合をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十三条 信託の併合がされた場合において、従前の信託の信託財産責任負担債務であった債務は、信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務となる。 第百五十四条 信託の併合がされた場合において、前条に規定する従前の信託の信託財産責任負担債務のうち信託財産限定責任負担債務(受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務をいう。以下この章において同じ。)であるものは、信託の併合後の信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第三節 信託の分割 第一款 吸収信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十五条 吸収信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 吸収信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 吸収信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 吸収信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 吸収信託分割によりその信託財産の一部を他の信託に移転する信託(以下この款において「分割信託」という。)の信託財産責任負担債務でなくなり、分割信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託(以下「承継信託」という。)の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、吸収信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十六条 吸収信託分割をする場合には、分割信託又は承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、吸収信託分割について異議を述べることができる。 ただし、吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収信託分割後の分割信託及び承継信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十七条 吸収信託分割がされた場合において、第百五十五条第一項第六号の債務は、吸収信託分割後の分割信託の信託財産責任負担債務でなくなり、吸収信託分割後の承継信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、分割信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、承継信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百五十八条 第百五十六条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、吸収信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては吸収信託分割がその効力を生ずる日における承継信託の移転を受ける財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における分割信託の信託財産の価額を限度とする。 一 分割信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 吸収信託分割後の承継信託の信託財産に属する財産 二 承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 吸収信託分割後の分割信託の信託財産に属する財産 第二款 新規信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十九条 新規信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 新規信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 新規信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 新規信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 新規信託分割により従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新たな信託の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、新規信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百六十条 新規信託分割をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。 ただし、新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別に催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新規信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新規信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百六十一条 新規信託分割がされた場合において、第百五十九条第一項第六号の債務は、新規信託分割後の従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新規信託分割後の新たな信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、従前の信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、新たな信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百六十二条 第百六十条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、新規信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては新規信託分割がその効力を生ずる日における新たな信託の信託財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における従前の信託の信託財産の価額を限度とする。 一 従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 新規信託分割後の新たな信託の信託財産に属する財産 二 新たな信託の信託財産責任負担債務に係る債権となった債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 新規信託分割後の従前の信託の信託財産に属する財産 第七章 信託の終了及び清算 第一節 信託の終了 (信託の終了事由) 第百六十三条 信託は、次条の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。 一 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。 二 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が一年間継続したとき。 三 受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が一年間継続したとき。 四 受託者が第五十二条(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により信託を終了させたとき。 五 信託の併合がされたとき。 六 第百六十五条又は第百六十六条の規定により信託の終了を命ずる裁判があったとき。 七 信託財産についての破産手続開始の決定があったとき。 八 委託者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた場合において、破産法第五十三条第一項、民事再生法第四十九条第一項又は会社更生法第六十一条第一項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十一条第一項及び第二百六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による信託契約の解除がされたとき。 九 信託行為において定めた事由が生じたとき。 (委託者及び受益者の合意等による信託の終了) 第百六十四条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、信託を終了することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に信託を終了したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 (特別の事情による信託の終了を命ずる裁判) 第百六十五条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (公益の確保のための信託の終了を命ずる裁判) 第百六十六条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 一 不法な目的に基づいて信託がされたとき。 二 受託者が、法令若しくは信託行為で定めるその権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、同項の申立てをした者又は委託者、受託者若しくは受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 6 委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人が第一項の申立てをしたときは、裁判所は、受託者の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 受託者は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 8 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第六項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第百六十七条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上前条第一項の申立て又は同項第二号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 (法務大臣の関与) 第百六十八条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第百六十六条第四項に規定する者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (信託財産に関する保全処分) 第百六十九条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次条において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 第百七十条 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 2 前項の管理人は、裁判所が監督する。 3 裁判所は、第一項の管理人に対し、信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 4 第六十四条から第七十二条までの規定は、第一項の管理人について準用する。 この場合において、第六十五条中「前受託者」とあるのは、「受託者」と読み替えるものとする。 5 信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものに関し前条第一項の規定による保全処分(管理命令を除く。)があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (保全処分に関する費用の負担) 第百七十一条 裁判所が第百六十九条第一項の規定による保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、受託者の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第百六十九条第一項の申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、受託者の負担とする。 (保全処分に関する資料の閲覧等) 第百七十二条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第百七十条第三項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 (新受託者の選任) 第百七十三条 裁判所は、第百六十六条第一項の規定により信託の終了を命じた場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、当該信託の清算のために新受託者を選任しなければならない。 2 前項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 第一項の規定により新受託者が選任されたときは、前受託者の任務は、終了する。 4 第一項の新受託者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 5 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、第一項の新受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、第一項の新受託者に限り、即時抗告をすることができる。 (終了した信託に係る吸収信託分割の制限) 第百七十四条 信託が終了した場合には、当該信託を承継信託とする吸収信託分割は、することができない。 第二節 信託の清算 (清算の開始原因) 第百七十五条 信託は、当該信託が終了した場合(第百六十三条第五号に掲げる事由によって終了した場合及び信託財産についての破産手続開始の決定により終了した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)には、この節の定めるところにより、清算をしなければならない。 (信託の存続の擬制) 第百七十六条 信託は、当該信託が終了した場合においても、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 (清算受託者の職務) 第百七十七条 信託が終了した時以後の受託者(以下「清算受託者」という。)は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済 三 受益債権(残余財産の給付を内容とするものを除く。)に係る債務の弁済 四 残余財産の給付 (清算受託者の権限等) 第百七十八条 清算受託者は、信託の清算のために必要な一切の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 清算受託者は、次に掲げる場合には、信託財産に属する財産を競売に付することができる。 一 受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)が信託財産に属する財産を受領することを拒み、又はこれを受領することができない場合において、相当の期間を定めてその受領の催告をしたとき。 二 受益者等の所在が不明である場合 3 前項第一号の規定により信託財産に属する財産を競売に付したときは、遅滞なく、受益者等に対しその旨の通知を発しなければならない。 4 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、第二項第一号の催告をしないで競売に付することができる。 (清算中の信託財産についての破産手続の開始) 第百七十九条 清算中の信託において、信託財産に属する財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算受託者は、直ちに信託財産についての破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 信託財産についての破産手続開始の決定がされた場合において、清算受託者が既に信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に支払ったものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第百八十条 清算受託者は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算受託者は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算受託者の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 4 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第一項の規定による鑑定人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 前各項の規定は、清算受託者、受益者、信託債権者及び第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者の間に別段の合意がある場合には、適用しない。 (債務の弁済前における残余財産の給付の制限) 第百八十一条 清算受託者は、第百七十七条第二号及び第三号の債務を弁済した後でなければ、信託財産に属する財産を次条第二項に規定する残余財産受益者等に給付することができない。 ただし、当該債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (残余財産の帰属) 第百八十二条 残余財産は、次に掲げる者に帰属する。 一 信託行為において残余財産の給付を内容とする受益債権に係る受益者(次項において「残余財産受益者」という。)となるべき者として指定された者 二 信託行為において残余財産の帰属すべき者(以下この節において「帰属権利者」という。)となるべき者として指定された者 2 信託行為に残余財産受益者若しくは帰属権利者(以下この項において「残余財産受益者等」と総称する。)の指定に関する定めがない場合又は信託行為の定めにより残余財産受益者等として指定を受けた者のすべてがその権利を放棄した場合には、信託行為に委託者又はその相続人その他の一般承継人を帰属権利者として指定する旨の定めがあったものとみなす。 3 前二項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、残余財産は、清算受託者に帰属する。 (帰属権利者) 第百八十三条 信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第八十八条第二項の規定は、前項に規定する帰属権利者となるべき者として指定された者について準用する。 3 信託行為の定めにより帰属権利者となった者は、受託者に対し、その権利を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、信託行為の定めにより帰属権利者となった者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 4 前項本文に規定する帰属権利者となった者は、同項の規定による意思表示をしたときは、当初から帰属権利者としての権利を取得していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 第百条及び第百二条の規定は、帰属権利者が有する債権で残余財産の給付をすべき債務に係るものについて準用する。 6 帰属権利者は、信託の清算中は、受益者とみなす。 (清算受託者の職務の終了等) 第百八十四条 清算受託者は、その職務を終了したときは、遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)及び帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)のすべてに対し、その承認を求めなければならない。 2 受益者等が前項の計算を承認した場合には、当該受益者等に対する清算受託者の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者等が清算受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者等は、同項の計算を承認したものとみなす。 第八章 受益証券発行信託の特例 第一節 総則 (受益証券の発行に関する信託行為の定め) 第百八十五条 信託行為においては、この章の定めるところにより、一又は二以上の受益権を表示する証券(以下「受益証券」という。)を発行する旨を定めることができる。 2 前項の規定は、当該信託行為において特定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 3 第一項の定めのある信託(以下「受益証券発行信託」という。)においては、信託の変更によって前二項の定めを変更することはできない。 4 第一項の定めのない信託においては、信託の変更によって同項又は第二項の定めを設けることはできない。 (受益権原簿) 第百八十六条 受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、受益権原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「受益権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 二 各受益権に係る受益証券の番号、発行の日、受益証券が記名式か又は無記名式かの別及び無記名式の受益証券の数 三 各受益権に係る受益者(無記名受益権の受益者を除く。)の氏名又は名称及び住所 四 前号の受益者が各受益権を取得した日 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百八十七条 第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された受益権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該受益権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (受益権原簿管理人) 第百八十八条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿管理人(受益証券発行信託の受託者に代わって受益権原簿の作成及び備置きその他の受益権原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百八十九条 受益証券発行信託の受託者は、一定の日(以下この条において「基準日」という。)を定めて、基準日において受益権原簿に記載され、又は記録されている受益者(以下この条において「基準日受益者」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 前項の規定は、無記名受益権の受益者については、適用しない。 3 基準日を定める場合には、受益証券発行信託の受託者は、基準日受益者が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を官報に公告しなければならない。 ただし、信託行為に当該基準日及び基準日受益者が行使することができる権利の内容について定めがあるときは、この限りでない。 5 第一項、第三項及び前項本文の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益権原簿の備置き及び閲覧等) 第百九十条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿をその住所(当該受託者が法人である場合(受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。)にあってはその主たる事務所、受益権原簿管理人が現に存する場合にあってはその営業所)に備え置かなければならない。 2 委託者、受益者その他の利害関係人は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 受益権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 受益権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の請求があったときは、受益証券発行信託の受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 第百八十六条第三号又は第四号に掲げる事項(第百八十五条第二項の定めのない受益権に係るものに限る。)について第二項の請求があった場合において、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者に対する通知等) 第百九十一条 受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該受益者の住所(当該受益者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を受益者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、受益証券発行信託の受託者が受益権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 この法律の規定により受益証券発行信託の受託者が無記名受益権の受益者に対してすべき通知は、当該受益者のうち当該受託者に氏名又は名称及び住所の知れている者に対してすれば足りる。 この場合においては、当該受託者は、その通知すべき事項を官報に公告しなければならない。 (無記名受益権の受益者による権利の行使) 第百九十二条 無記名受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者その他の者に対しその権利を行使しようとするときは、その受益証券を当該受託者その他の者に提示しなければならない。 2 無記名受益権の受益者は、受益者集会において議決権を行使しようとするときは、受益者集会の日の一週間前までに、その受益証券を第百八条に規定する招集者に提示しなければならない。 (共有者による権利の行使) 第百九十三条 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該受益権についての権利を行使する者一人を定め、受益証券発行信託の受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該受益権についての権利を行使することができない。 ただし、当該受託者が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 受益権の譲渡等の特例 (受益証券の発行された受益権の譲渡) 第百九十四条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の譲渡は、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の譲渡の対抗要件) 第百九十五条 受益証券発行信託の受益権の譲渡は、その受益権を取得した者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権に関する前項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受託者その他の第三者」とする。 3 第一項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (権利の推定等) 第百九十六条 受益証券の占有者は、当該受益証券に係る受益権を適法に有するものと推定する。 2 受益証券の交付を受けた者は、当該受益証券に係る受益権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (受益者の請求によらない受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十七条 受益証券発行信託の受託者は、次の各号に掲げる場合には、法務省令で定めるところにより、当該各号の受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益権を取得した場合において、当該受益権が消滅しなかったとき。 二 前号の受益証券発行信託の受益権を処分したとき。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合には、併合された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合には、分割された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十八条 受益証券発行信託の受益権を受益証券発行信託の受託者以外の者から取得した者(当該受託者を除く。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した受益権の受益者として受益権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の発行された受益権の質入れ) 第百九十九条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質入れは、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の質入れの対抗要件) 第二百条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質権者は、継続して当該受益権に係る受益証券を占有しなければ、その質権をもって受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する受益権原簿の記載等) 第二百一条 受益証券発行信託の受益権に質権を設定した者は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である受益権 2 前項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (質権に関する受益権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百二条 前条第一項各号に掲げる事項が受益権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下この節において「登録受益権質権者」という。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該登録受益権質権者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (登録受益権質権者に対する通知等) 第二百三条 受益証券発行信託の受託者が登録受益権質権者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該登録受益権質権者の住所(当該登録受益権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (受益権の併合又は分割に係る受益権原簿の記載等) 第二百四条 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、併合された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、分割された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 第二百五条 受益証券発行信託の受託者は、前条第一項に規定する場合には、併合された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、前条第二項に規定する場合には、分割された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 (受益証券の発行されない受益権についての対抗要件等) 第二百六条 第百八十五条第二項の定めのある受益権で他の信託の信託財産に属するものについては、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該受益権が信託財産に属することを受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の受益権が属する他の信託の受託者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 受益権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百八十七条の規定の適用については、同条第一項中「第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者」とあるのは「第二百六条第一項の受益権が属する他の信託の受託者」と、「当該受益者」とあるのは「当該受益権」と、「記録された受益権原簿記載事項」とあるのは「記録された受益権原簿記載事項(当該受益権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 第三節 受益証券 (受益証券の発行) 第二百七条 受益証券発行信託の受託者は、信託行為の定めに従い、遅滞なく、当該受益権に係る受益証券を発行しなければならない。 (受益証券不所持の申出) 第二百八条 受益証券発行信託の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者の有する受益権に係る受益証券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該受益権に係る受益証券が発行されているときは、当該受益者は、当該受益証券を受益証券発行信託の受託者に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、前項前段の受益権に係る受益証券を発行しない旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された受益証券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした受益者は、いつでも、受益証券発行信託の受託者に対し、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することを請求することができる。 この場合において、同項後段の規定により提出された受益証券があるときは、受益証券の発行に要する費用は、当該受益者の負担とする。 7 前各項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の記載事項) 第二百九条 受益証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益証券である旨 二 当初の委託者及び受益証券発行信託の受託者の氏名又は名称及び住所 三 記名式の受益証券にあっては、受益者の氏名又は名称 四 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 五 受益証券発行信託の受託者に対する費用等の償還及び損害の賠償に関する信託行為の定め 六 信託報酬の計算方法並びにその支払の方法及び時期 七 記名式の受益証券をもって表示される受益権について譲渡の制限があるときは、その旨及びその内容 八 受益者の権利の行使に関する信託行為の定め(信託監督人及び受益者代理人に係る事項を含む。) 九 その他法務省令で定める事項 2 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百十条 受益証券が発行されている受益権の受益者は、いつでも、その記名式の受益証券を無記名式とし、又はその無記名式の受益証券を記名式とすることを請求することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益証券の喪失) 第二百十一条 受益証券は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 受益証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 3 受益証券を喪失した者が非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、当該受益証券を喪失した者は、相当の担保を供して、受益証券発行信託の受託者に当該受益証券に係る債務を履行させることができる。 第四節 関係当事者の権利義務等の特例 (受益証券発行信託の受託者の義務の特例) 第二百十二条 受益証券発行信託においては、第二十九条第二項ただし書の規定にかかわらず、信託行為の定めにより同項本文の義務を軽減することはできない。 2 受益証券発行信託においては、第三十五条第四項の規定は、適用しない。 (受益者の権利行使の制限に関する信託行為の定めの特例) 第二百十三条 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号、第五号、第六号及び第八号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の百分の三(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の百分の三以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 二 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 三 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 四 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 2 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の十分の一(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の十分の一以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第百五十条第一項の規定による信託の変更を命ずる裁判の申立権 二 第百六十五条第一項の規定による信託の終了を命ずる裁判の申立権 3 受益証券発行信託において、第三十九条第一項の規定による開示が同条第三項の信託行為の定めにより制限されているときは、前二項の規定は、適用しない。 4 受益証券発行信託においては、第九十二条第十一号の規定にかかわらず、六箇月(これを下回る期間を信託行為において定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き受益権を有する受益者に限り第四十四条第一項の規定による差止めの請求権を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 (二人以上の受益者による意思決定の方法の特例) 第二百十四条 受益者が二人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがあるものとみなす。 (委託者の権利の特例) 第二百十五条 受益証券発行信託においては、この法律の規定による委託者の権利のうち次に掲げる権利は、受益者がこれを行使する。 一 第三十六条の規定による報告を求める権利 二 第五十八条第四項(第百三十四条第二項及び第百四十一条第二項において準用する場合を含む。)、第六十二条第四項(第百三十五条第一項及び第百四十二条第一項において準用する場合を含む。)、第六十三条第一項、第七十四条第二項、第百三十一条第四項、第百五十条第一項、第百六十五条第一項、第百六十六条第一項、第百六十九条第一項又は第百七十三条第一項の規定による申立権 三 第六十二条第二項、第百三十一条第二項又は第百三十八条第二項の規定による催告権 四 第百七十二条第一項、第二項又は第三項後段の規定による閲覧、謄写若しくは交付又は複製の請求権 五 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 第九章 限定責任信託の特例 第一節 総則 (限定責任信託の要件) 第二百十六条 限定責任信託は、信託行為においてそのすべての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、第二百三十二条の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。 2 前項の信託行為においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 委託者及び受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の主たる信託事務の処理を行うべき場所(第三節において「事務処理地」という。) 五 信託財産に属する財産の管理又は処分の方法 六 その他法務省令で定める事項 (固有財産に属する財産に対する強制執行等の制限) 第二百十七条 限定責任信託においては、信託財産責任負担債務(第二十一条第一項第八号に掲げる権利に係る債務を除く。)に係る債権に基づいて固有財産に属する財産に対し強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることはできない。 2 前項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法第三十八条及び民事保全法第四十五条の規定を準用する。 3 第一項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (限定責任信託の名称等) 第二百十八条 限定責任信託には、その名称中に限定責任信託という文字を用いなければならない。 2 何人も、限定責任信託でないものについて、その名称又は商号中に、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 何人も、不正の目的をもって、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 4 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある限定責任信託の受託者は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (取引の相手方に対する明示義務) 第二百十九条 受託者は、限定責任信託の受託者として取引をするに当たっては、その旨を取引の相手方に示さなければ、これを当該取引の相手方に対し主張することができない。 (登記の効力) 第二百二十条 この章の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 この章の規定により登記すべき事項につき故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更) 第二百二十一条 第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされ、第二百三十五条の終了の登記がされたときは、その変更後の信託については、この章の規定は、適用しない。 第二節 計算等の特例 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務等の特例) 第二百二十二条 限定責任信託における帳簿その他の書類又は電磁的記録の作成、内容の報告及び保存並びに閲覧及び謄写については、第三十七条及び第三十八条の規定にかかわらず、次項から第九項までに定めるところによる。 2 受託者は、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の会計帳簿を作成しなければならない。 3 受託者は、限定責任信託の効力が生じた後速やかに、法務省令で定めるところにより、その効力が生じた日における限定責任信託の貸借対照表を作成しなければならない。 4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 5 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受託者は、第二項の会計帳簿を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該会計帳簿(書面に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第八項において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 7 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類又は電磁的記録(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 8 受託者は、第三項の貸借対照表及び第四項の書類又は電磁的記録(以下この項及び第二百二十四条第二項第一号において「貸借対照表等」という。)を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該貸借対照表等(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 9 限定責任信託における第三十八条の規定の適用については、同条第一項各号中「前条第一項又は第五項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第七項」と、同条第四項第一号及び第六項各号中「前条第二項」とあるのは「第二百二十二条第三項又は第四項」とする。 (裁判所による提出命令) 第二百二十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、前条第二項から第四項までの書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (受託者の第三者に対する責任) 第二百二十四条 限定責任信託において、受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 限定責任信託の受託者が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、受託者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 貸借対照表等に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (受益者に対する信託財産に係る給付の制限) 第二百二十五条 限定責任信託においては、受益者に対する信託財産に係る給付は、その給付可能額(受益者に対し給付をすることができる額として純資産額の範囲内において法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この節において同じ。)を超えてすることはできない。 (受益者に対する信託財産に係る給付に関する責任) 第二百二十六条 受託者が前条の規定に違反して受益者に対する信託財産に係る給付をした場合には、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 当該給付の帳簿価額(以下この節において「給付額」という。)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 現に受けた個別の給付額に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、免除することができない。 ただし、当該給付をした日における給付可能額を限度として当該義務を免除することについて総受益者の同意がある場合は、この限りでない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (受益者に対する求償権の制限等) 第二百二十七条 前条第一項本文に規定する場合において、当該給付を受けた受益者は、給付額が当該給付をした日における給付可能額を超えることにつき善意であるときは、当該給付額について、受託者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項本文に規定する場合には、信託債権者は、当該給付を受けた受益者に対し、給付額(当該給付額が当該信託債権者の債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (欠損が生じた場合の責任) 第二百二十八条 受託者が受益者に対する信託財産に係る給付をした場合において、当該給付をした日後最初に到来する第二百二十二条第四項の時期に欠損額(貸借対照表上の負債の額が資産の額を上回る場合において、当該負債の額から当該資産の額を控除して得た額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 その欠損額(当該欠損額が給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 欠損額(当該欠損額が現に受けた個別の給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、総受益者の同意がなければ、免除することができない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (債権者に対する公告) 第二百二十九条 限定責任信託の清算受託者は、その就任後遅滞なく、信託債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている信託債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該信託債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十条 限定責任信託の清算受託者は、前条第一項の期間内は、清算中の限定責任信託の債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算受託者は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算受託者は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算中の限定責任信託の信託財産に属する財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算受託者が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 清算受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による弁済の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (清算からの除斥) 第二百三十一条 清算中の限定責任信託の信託債権者(知れているものを除く。)であって第二百二十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された信託債権者は、給付がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 二人以上の受益者がある場合において、清算中の限定責任信託の残余財産の給付を受益者の一部に対してしたときは、当該受益者の受けた給付と同一の割合の給付を当該受益者以外の受益者に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第三節 限定責任信託の登記 (限定責任信託の定めの登記) 第二百三十二条 信託行為において第二百十六条第一項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、二週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の事務処理地 五 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されたときは、その氏名又は名称及び住所 六 第百六十三条第九号の規定による信託の終了についての信託行為の定めがあるときは、その定め 七 会計監査人設置信託(第二百四十八条第三項に規定する会計監査人設置信託をいう。第二百四十条第三号において同じ。)であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 (変更の登記) 第二百三十三条 限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、二週間以内に、旧事務処理地においてはその変更の登記をし、新事務処理地においては前条各号に掲げる事項を登記しなければならない。 2 同一の登記所の管轄区域内において限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、その変更の登記をすれば足りる。 3 前条各号(第四号を除く。)に掲げる事項に変更があったときは、二週間以内に、その変更の登記をしなければならない。 (職務執行停止の仮処分命令等の登記) 第二百三十四条 限定責任信託の受託者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その事務処理地において、その登記をしなければならない。 (終了の登記) 第二百三十五条 第百六十三条(第六号及び第七号に係る部分を除く。)若しくは第百六十四条第一項若しくは第三項の規定により限定責任信託が終了したとき、又は第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされたときは、二週間以内に、終了の登記をしなければならない。 (清算受託者の登記) 第二百三十六条 限定責任信託が終了した場合において、限定責任信託が終了した時における受託者が清算受託者となるときは、終了の日から、二週間以内に、清算受託者の氏名又は名称及び住所を登記しなければならない。 2 信託行為の定め又は第六十二条第一項若しくは第四項若しくは第百七十三条第一項の規定により清算受託者が選任されたときも、前項と同様とする。 3 第二百三十三条第三項の規定は、前二項の規定による登記について準用する。 (清算結了の登記) 第二百三十七条 限定責任信託の清算が結了したときは、第百八十四条第一項の計算の承認の日から、二週間以内に、清算結了の登記をしなければならない。 (管轄登記所及び登記簿) 第二百三十八条 限定責任信託の登記に関する事務は、限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が管轄登記所としてつかさどる。 2 登記所に、限定責任信託登記簿を備える。 (登記の申請) 第二百三十九条 第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記は受託者の申請によって、第二百三十五条から第二百三十七条までの規定による登記は清算受託者の申請によってする。 2 前項の規定にかかわらず、信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されている場合には、第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記(第二百四十六条の規定によるものを除く。)は、信託財産管理者又は信託財産法人管理人の申請によってする。 (限定責任信託の定めの登記の添付書面) 第二百四十条 限定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 限定責任信託の信託行為を証する書面 二 受託者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人設置信託においては、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 会計監査人が法人でないときは、第二百四十九条第一項に規定する者であることを証する書面 (変更の登記の添付書面) 第二百四十一条 事務処理地の変更又は第二百三十二条各号(第四号を除く。)に掲げる事項の変更の登記の申請書には、事務処理地の変更又は登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 2 法人である新受託者の就任による変更の登記の申請書には、前条第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、前条第三号ロ又はハに掲げる書面を添付しなければならない。 (終了の登記の添付書面) 第二百四十二条 限定責任信託の終了の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 (清算受託者の登記の添付書面) 第二百四十三条 次の各号に掲げる者が清算受託者となった場合の清算受託者の登記の申請書には、当該各号に定める書面を添付しなければならない。 一 信託行為の定めにより選任された者 次に掲げる書面 イ 当該信託行為の定めがあることを証する書面 ロ 選任された者が就任を承諾したことを証する書面 二 第六十二条第一項の規定により選任された者 次に掲げる書面 イ 第六十二条第一項の合意があったことを証する書面 ロ 前号ロに掲げる書面 三 第六十二条第四項又は第百七十三条第一項の規定により裁判所が選任した者 その選任を証する書面 2 第二百四十条(第二号に係る部分に限る。)の規定は、清算受託者が法人である場合の清算受託者の登記について準用する。 (清算受託者に関する変更の登記の添付書面) 第二百四十四条 清算受託者の退任による変更の登記の申請書には、退任を証する書面を添付しなければならない。 2 第二百三十六条第一項に規定する事項の変更の登記の申請書には、登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 3 第二百四十一条第二項の規定は、法人である清算受託者の就任による変更の登記について準用する。 (清算結了の登記の添付書面) 第二百四十五条 清算結了の登記の申請書には、第百八十四条第一項の計算の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 (裁判による登記の嘱託) 第二百四十六条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、限定責任信託の事務処理地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第五十八条第四項(第七十条(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人の解任の裁判 ロ 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定による信託財産管理者又は信託財産法人管理人の選任の裁判 二 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号イに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第百六十五条又は第百六十六条の規定による信託の終了を命ずる裁判 (商業登記法及び民事保全法の準用) 第二百四十七条 限定責任信託の登記については、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第二条から第五条まで、第七条から第十五条まで、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十四条まで、第二十六条、第二十七条、第五十一条から第五十三条まで、第七十一条第一項、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条から第百四十八条まで並びに民事保全法第五十六条の規定を準用する。 この場合において、商業登記法第五十一条第一項中「本店」とあるのは「事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。以下同じ。)」と、「移転した」とあるのは「変更した」と、同項並びに同法第五十二条第二項、第三項及び第五項中「新所在地」とあるのは「新事務処理地」と、同法第五十一条第一項及び第二項並びに第五十二条中「旧所在地」とあるのは「旧事務処理地」と、同法第七十一条第一項中「解散」とあるのは「限定責任信託の終了」と、民事保全法第五十六条中「法人を代表する者その他法人の役員」とあるのは「限定責任信託の受託者又は清算受託者」と、「法人の本店又は主たる事務所の所在地(外国法人にあっては、各事務所の所在地)」とあるのは「限定責任信託の事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 第十章 受益証券発行限定責任信託の特例 (会計監査人の設置等) 第二百四十八条 受益証券発行信託である限定責任信託(以下「受益証券発行限定責任信託」という。)においては、信託行為の定めにより、会計監査人を置くことができる。 2 受益証券発行限定責任信託であって最終の貸借対照表(直近の第二百二十二条第四項の時期において作成された貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であるものにおいては、会計監査人を置かなければならない。 3 第一項の信託行為の定めのある信託及び前項に規定する信託(以下「会計監査人設置信託」と総称する。)においては、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。 (会計監査人の資格等) 第二百四十九条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。第三項第二号において同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを受託者に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第二百二十二条第四項に規定する書類又は電磁的記録について監査をすることができない者 二 受託者若しくはその利害関係人から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人が欠けた場合の措置) 第二百五十条 会計監査人設置信託において、会計監査人が欠けたときは、委託者及び受益者は、会計監査人が欠けた時から二箇月以内に、その合意により、新たな会計監査人(以下この条において「新会計監査人」という。)を選任しなければならない。 2 前項に規定する場合において、委託者が現に存しないとき、又は会計監査人が欠けた時から二箇月を経過しても同項の合意が調わないときは、新会計監査人の選任は、受益者のみでこれをすることができる。 3 前二項に規定する場合において、受益者が二人以上あるときは、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)は、前二項の規定により新会計監査人を選任するため、遅滞なく、受益者集会を招集しなければならない。 4 第一項又は第二項の規定により新会計監査人が選任されたときは、当該新会計監査人について信託行為に第二百四十八条第三項の定めが設けられたものとみなす。 5 会計監査人が欠けた場合には、辞任により退任した会計監査人は、新会計監査人が選任されるまで、なお会計監査人としての権利義務を有する。 (会計監査人の辞任及び解任) 第二百五十一条 第五十七条第一項本文の規定は会計監査人の辞任について、第五十八条第一項及び第二項の規定は会計監査人の解任について、それぞれ準用する。 (会計監査人の権限等) 第二百五十二条 会計監査人は、第二百二十二条第四項の書類又は電磁的記録を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は受託者に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第二百四十九条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 受託者又はその利害関係人 三 受託者又はその利害関係人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 4 会計監査人設置信託における第二百二十二条第四項、第五項及び第八項の規定の適用については、同条第四項中「作成しなければ」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けなければ」と、同条第五項中「その内容」とあるのは「その内容及び会計監査報告」と、同条第八項中「作成した場合には」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けた場合には」と、「当該書面)」とあるのは「当該書面)及び当該会計監査報告」とする。 (会計監査人の注意義務) 第二百五十三条 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 (会計監査人の損失てん補責任等) 第二百五十四条 会計監査人がその任務を怠ったことによって信託財産に損失が生じた場合には、受益者は、当該会計監査人に対し、当該損失のてん補をすることを請求することができる。 2 前項の規定による損失のてん補として会計監査人が受託者に対し交付した金銭その他の財産は、信託財産に帰属する。 3 第四十二条(第一号に係る部分に限る。)並びに第百五条第三項及び第四項(第三号を除く。)の規定は第一項の規定による責任の免除について、第四十三条の規定は第一項の規定による責任に係る債権について、第四十五条の規定は第一項の規定による請求に係る訴えについて、それぞれ準用する。 この場合において、第百五条第四項第二号中「受託者がその任務」とあるのは、「会計監査人がその職務」と読み替えるものとする。 (会計監査人の第三者に対する責任) 第二百五十五条 会計監査人設置信託において、会計監査人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該会計監査人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 会計監査人設置信託の会計監査人が、第二百五十二条第一項の会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項について虚偽の記載又は記録をしたときも、前項と同様とする。 ただし、会計監査人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の会計監査人があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (会計監査人の費用等及び報酬) 第二百五十六条 第百二十七条第一項から第五項までの規定は、会計監査人の費用及び支出の日以後におけるその利息、損害の賠償並びに報酬について準用する。 (受益者集会の特例) 第二百五十七条 会計監査人設置信託に係る信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合における第百十八条の規定の適用については、同条第一項中「同じ。)」とあるのは「同じ。)及び会計監査人」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「受託者又は会計監査人」とする。 第十一章 受益者の定めのない信託の特例 (受益者の定めのない信託の要件) 第二百五十八条 受益者の定め(受益者を定める方法の定めを含む。以下同じ。)のない信託は、第三条第一号又は第二号に掲げる方法によってすることができる。 2 受益者の定めのない信託においては、信託の変更によって受益者の定めを設けることはできない。 3 受益者の定めのある信託においては、信託の変更によって受益者の定めを廃止することはできない。 4 第三条第二号に掲げる方法によって受益者の定めのない信託をするときは、信託管理人を指定する定めを設けなければならない。 この場合においては、信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限する定めを設けることはできない。 5 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがあるときは、当該遺言執行者は、信託管理人を選任しなければならない。 この場合において、当該遺言執行者が信託管理人を選任したときは、当該信託管理人について信託行為に前項前段の定めが設けられたものとみなす。 6 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがないとき、又は遺言執行者となるべき者として指定された者が信託管理人の選任をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 この場合において、信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第四項前段の定めが設けられたものとみなす。 7 第百二十三条第六項から第八項までの規定は、前項の申立てについての裁判について準用する。 8 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において、信託管理人が欠けた場合であって、信託管理人が就任しない状態が一年間継続したときは、当該信託は、終了する。 (受益者の定めのない信託の存続期間) 第二百五十九条 受益者の定めのない信託の存続期間は、二十年を超えることができない。 (受益者の定めのない信託における委託者の権利) 第二百六十条 第三条第一号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託においては、委託者(委託者が二人以上ある場合にあっては、そのすべての委託者)が第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げる権利を有する旨及び受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う旨の定めが設けられたものとみなす。 この場合においては、信託の変更によってこれを変更することはできない。 2 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託であって、第二百五十八条第五項後段又は第六項後段の規定により同条第四項前段の定めが設けられたものとみなされるものにおいては、信託の変更によって信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限することはできない。 (この法律の適用関係) 第二百六十一条 受益者の定めのない信託に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。 第十九条第一項第三号及び第三項第三号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第十九条第三項第二号 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議 受益者の定めのない信託の信託管理人と他の信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議又は受益者の定めのない各信託の信託管理人の協議 第三十条 受益者 信託の目的の達成 第三十一条第一項第四号 受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反する 受託者又はその利害関係人の利益となり、かつ、信託の目的の達成の支障となる 第三十一条第二項第四号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第三十二条第一項 受益者の利益に反する 信託の目的の達成の支障となる 第三十七条第四項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第三十七条第六項ただし書 受益者 委託者 第三十八条第二項第三号 受益者の共同の利益を害する 信託の目的の達成を妨げる 第五十七条第一項 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第五十八条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第五十八条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第六十二条第一項 委託者及び受益者は、その合意により 委託者は(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、その合意により) 第六十二条第三項 委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人) 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第六十二条第四項 同項の合意に係る協議の状況 委託者の状況(信託管理人が現に存する場合にあっては、同項の合意に係る協議の状況) 第六十二条第八項 「受益者は」 「信託管理人は」 「受益者」 「信託管理人」 「受益者の状況」 「信託管理人の状況」 第百二十五条第一項 受益者のために 信託の目的の達成のために 第百二十六条第二項 受益者 信託の目的の達成 第百四十六条第一項 受託者及び受益者 受託者 第百四十六条第二項 他の委託者、受託者及び受益者 他の委託者及び受託者 第百四十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百四十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百四十九条第三項第一号 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第百四十九条第五項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十条第一項 受益者の利益に適合しなくなる 信託の目的の達成の支障となる 第百五十一条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十一条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十一条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十五条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十五条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十五条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十九条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百六十四条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第百六十四条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第百六十五条第一項 受益者の利益に適合する 相当となる 第二百二十二条第六項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第二百二十二条第八項ただし書 受益者 委託者 第二百四十三条第一項第二号イ 合意 委託者の意思表示(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人の合意) 2 受益者の定めのない信託に係る受託者の費用等、損害の賠償及び信託報酬については、第四十八条第五項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 3 受益者の定めのない信託に係る信託の変更については、第百四十九条第二項第一号及び第三項第二号の規定は、適用しない。 4 受益者の定めのない信託に係る信託の併合については、第百五十一条第二項第一号の規定は、適用しない。 5 受益者の定めのない信託に係る信託の分割については、第百五十五条第二項第一号及び第百五十九条第二項第一号の規定は、適用しない。 第十二章 雑則 第一節 非訟 (信託に関する非訟事件の管轄) 第二百六十二条 この法律の規定による非訟事件は、この条に特別の定めがある場合を除き、受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 3 受託者の任務の終了後新受託者の就任前におけるこの法律の規定による裁判所に対する申立てに係る事件は、前受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とし、前受託者が二人以上ある場合における同項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 5 第六条第一項又は第二百五十八条第六項の申立てに係る事件は、遺言者の最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (信託に関する非訟事件の手続の特例) 第二百六十三条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百六十四条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 公告等 (法人である受託者についての公告の方法) 第二百六十五条 この法律の規定(第百五十二条第二項、第百五十六条第二項、第百六十条第二項及び第二百二十九条第一項を除く。)による公告は、受託者(受託者の任務の終了後新受託者の就任前にあっては、前受託者)が法人である場合には、当該法人における公告の方法(公告の期間を含む。)によりしなければならない。 (法人である受託者の合併等についての公告の手続等の特例) 第二百六十六条 会社法その他の法律の規定によりある法人が組織変更、合併その他の行為をするときは当該法人の債権者が当該行為について公告、催告その他の手続を経て異議を述べることができることとされている場合において、法人である受託者が当該行為をしようとするときは、受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、当該行為についてこれらの手続を経て異議を述べることができる債権者に含まれないものとする。 2 会社法その他の法律の規定による法人の事業の譲渡に関する規定の適用については、第三条第三号に掲げる方法によってする信託は、その適用の対象となる行為に含まれるものとする。 ただし、当該法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第十三章 罰則 (受益証券発行限定責任信託の受託者等の贈収賄罪) 第二百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関して、賄 賂 ろ を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。 一 受益証券発行限定責任信託の受託者(前受託者又は清算受託者を含む。以下同じ。) 二 受益証券発行限定責任信託の信託財産管理者 三 受益証券発行限定責任信託の民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者 四 受益証券発行限定責任信託の信託財産法人管理人 五 受益証券発行限定責任信託の信託管理人 六 受益証券発行限定責任信託の信託監督人 七 受益証券発行限定責任信託の受益者代理人 八 受益証券発行限定責任信託の検査役 九 会計監査人 2 前項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第二百六十八条 前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第二百六十九条 第二百六十七条第一項に規定する者が法人であるときは、同項の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (過料に処すべき行為) 第二百七十条 受託者、第六十条第一項に規定する前受託者の相続人等、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託管理人、信託監督人、受益者代理人又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 二 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 三 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類又は電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写を拒んだとき。 四 この法律の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 第三十七条第一項、第二項若しくは第五項の書類若しくは電磁的記録又は第百二十条の議事録(信託行為に第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがある場合に限る。)を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 七 第百五十二条第二項若しくは第五項、第百五十六条第二項若しくは第五項又は第百六十条第二項若しくは第五項の規定に違反して、信託の併合又は分割をしたとき。 八 第百七十九条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをすることを怠ったとき。 九 第百八十一条の規定に違反して、清算中の信託財産に属する財産の給付をしたとき。 2 受益証券発行信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託監督人又は受益権原簿管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第百二十条の議事録(信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合に限る。)又は第百八十六条の受益権原簿を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第百八十七条第一項又は第二百二条第一項の規定に違反して、書面の交付又は電磁的記録の提供を拒んだとき。 三 第百九十条第一項の規定に違反して、第百八十六条の受益権原簿を備え置かなかったとき。 四 第二百七条の規定に違反して、遅滞なく、受益証券を発行しなかったとき。 五 第二百九条の規定に違反して、受益証券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 3 限定責任信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者又は信託財産法人管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第九章第三節の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 第二百二十二条第二項の会計帳簿、同条第三項の貸借対照表又は同条第四項若しくは第七項の書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 三 清算の結了を遅延させる目的で、第二百二十九条第一項の期間を不当に定めたとき。 四 第二百三十条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 4 会計監査人設置信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人又は信託監督人は、第二百五十条第三項の規定に違反して、会計監査人の選任の手続をすることを怠ったときは、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 第二百七十一条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第二百十八条第一項の規定に違反して、限定責任信託の名称中に限定責任信託という文字を用いなかった者 二 第二百十八条第二項の規定に違反して、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第二百十八条第三項の規定に違反して、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
民事
Heisei
Act
418AC0000000108_20250601_504AC0000000068.xml
平成十八年法律第百八号
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信託法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 信託の要件、効力等については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において「信託」とは、次条各号に掲げる方法のいずれかにより、特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。 2 この法律において「信託行為」とは、次の各号に掲げる信託の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。 一 次条第一号に掲げる方法による信託 同号の信託契約 二 次条第二号に掲げる方法による信託 同号の遺言 三 次条第三号に掲げる方法による信託 同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示 3 この法律において「信託財産」とは、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。 4 この法律において「委託者」とは、次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。 5 この法律において「受託者」とは、信託行為の定めに従い、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。 6 この法律において「受益者」とは、受益権を有する者をいう。 7 この法律において「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。 8 この法律において「固有財産」とは、受託者に属する財産であって、信託財産に属する財産でない一切の財産をいう。 9 この法律において「信託財産責任負担債務」とは、受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。 10 この法律において「信託の併合」とは、受託者を同一とする二以上の信託の信託財産の全部を一の新たな信託の信託財産とすることをいう。 11 この法律において「吸収信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい、「新規信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい、「信託の分割」とは、吸収信託分割又は新規信託分割をいう。 12 この法律において「限定責任信託」とは、受託者が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。 (信託の方法) 第三条 信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。 一 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法 二 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法 三 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法 (信託の効力の発生) 第四条 前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。 2 前条第二号に掲げる方法によってされる信託は、当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。 3 前条第三号に掲げる方法によってされる信託は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。 一 公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成 二 公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては、その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知 4 前三項の規定にかかわらず、信託は、信託行為に停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。 (遺言信託における信託の引受けの催告) 第五条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者の相続人に対し確答をしないときは、信託の引受けをしなかったものとみなす。 3 委託者の相続人が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者の相続人」とあるのは、「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。 (遺言信託における裁判所による受託者の選任) 第六条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができる。 2 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 3 第一項の規定による受託者の選任の裁判に対しては、受益者又は既に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (受託者の資格) 第七条 信託は、未成年者を受託者としてすることができない。 (受託者の利益享受の禁止) 第八条 受託者は、受益者として信託の利益を享受する場合を除き、何人の名義をもってするかを問わず、信託の利益を享受することができない。 (脱法信託の禁止) 第九条 法令によりある財産権を享有することができない者は、その権利を有するのと同一の利益を受益者として享受することができない。 (訴訟信託の禁止) 第十条 信託は、訴訟行為をさせることを主たる目的としてすることができない。 (詐害信託の取消し等) 第十一条 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、受託者が債権者を害することを知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が、受益者としての指定(信託行為の定めにより又は第八十九条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定されることをいう。以下同じ。)を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 2 前項の規定による詐害行為取消請求を認容する判決が確定した場合において、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者(委託者であるものを除く。)が当該債権を取得した時において債権者を害することを知らなかったときは、委託者は、当該債権を有する債権者に対し、当該信託財産責任負担債務について弁済の責任を負う。 ただし、同項の規定による詐害行為取消請求により受託者から委託者に移転する財産の価額を限度とする。 3 前項の規定の適用については、第四十九条第一項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、金銭債権とみなす。 4 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合において、受益者が受託者から信託財産に属する財産の給付を受けたときは、債権者は、受益者を被告として、民法第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、当該受益者(当該受益者が受益権を譲り受けた者である場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)が、受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 5 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、債権者は、受益者を被告として、その受益権を委託者に譲り渡すことを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 民法第四百二十六条の規定は、前項の規定による請求権について準用する。 7 受益者の指定又は受益権の譲渡に当たっては、第一項本文、第四項本文又は第五項前段の規定の適用を不当に免れる目的で、債権者を害することを知らない者(以下この項において「善意者」という。)を無償(無償と同視すべき有償を含む。以下この項において同じ。)で受益者として指定し、又は善意者に対し無償で受益権を譲り渡してはならない。 8 前項の規定に違反する受益者の指定又は受益権の譲渡により受益者となった者については、第一項ただし書及び第四項ただし書(第五項後段において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (詐害信託の否認等) 第十二条 破産者が委託者としてした信託における破産法(平成十六年法律第七十五号)第百六十条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 2 破産者が破産債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、破産管財人は、受益者を被告として、その受益権を破産財団に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 3 再生債務者が委託者としてした信託における民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法(平成十八年法律第百八号)第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 4 再生債務者が再生債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、否認権限を有する監督委員又は管財人は、受益者を被告として、その受益権を再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 5 前二項の規定は、更生会社(会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二条第七項に規定する更生会社又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百六十九条第七項に規定する更生会社をいう。)又は更生協同組織金融機関(同法第四条第七項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)について準用する。 この場合において、第三項中「民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項」とあるのは「会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第八十六条第一項並びに金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第五十七条第一項及び第二百二十三条第一項」と、「同項各号」とあるのは「これらの規定」と、前項中「再生債権者」とあるのは「更生債権者又は更生担保権者」と、「否認権限を有する監督委員又は管財人」とあるのは「管財人」と、「再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。 (会計の原則) 第十三条 信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二章 信託財産等 (信託財産に属する財産の対抗要件) 第十四条 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 (信託財産に属する財産の占有の 瑕疵 かし の承継) 第十五条 受託者は、信託財産に属する財産の占有について、委託者の占有の 瑕疵 かし を承継する。 (信託財産の範囲) 第十六条 信託行為において信託財産に属すべきものと定められた財産のほか、次に掲げる財産は、信託財産に属する。 一 信託財産に属する財産の管理、処分、滅失、損傷その他の事由により受託者が得た財産 二 次条、第十八条、第十九条(第八十四条の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)、第二百二十六条第三項、第二百二十八条第三項及び第二百五十四条第二項の規定により信託財産に属することとなった財産(第十八条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産に属するものとみなされた共有持分及び第十九条の規定による分割によって信託財産に属することとされた財産を含む。) (信託財産に属する財産の付合等) 第十七条 信託財産に属する財産と固有財産若しくは他の信託の信託財産に属する財産との付合若しくは混和又はこれらの財産を材料とする加工があった場合には、各信託の信託財産及び固有財産に属する財産は各別の所有者に属するものとみなして、民法第二百四十二条から第二百四十八条までの規定を適用する。 第十八条 信託財産に属する財産と固有財産に属する財産とを識別することができなくなった場合(前条に規定する場合を除く。)には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。 この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなくなった当時における各財産の価格の割合に応ずる。 2 前項の共有持分は、相等しいものと推定する。 3 前二項の規定は、ある信託の受託者が他の信託の受託者を兼ねる場合において、各信託の信託財産に属する財産を識別することができなくなったとき(前条に規定する場合を除く。)について準用する。 この場合において、第一項中「信託財産と固有財産と」とあるのは、「各信託の信託財産」と読み替えるものとする。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割) 第十九条 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 信託行為において定めた方法 二 受託者と受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議による方法 三 分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、受託者が決する方法 2 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、受託者又は受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 3 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と他の信託の信託財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 各信託の信託行為において定めた方法 二 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議による方法 三 各信託について、分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、各信託の受託者が決する方法 4 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 (信託財産に属する財産についての混同の特例) 第二十条 同一物について所有権及び他の物権が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第一項本文の規定にかかわらず、当該他の物権は、消滅しない。 2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第二項前段の規定にかかわらず、当該他の権利は、消滅しない。 3 次に掲げる場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は、消滅しない。 一 信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合を除く。) 二 信託財産責任負担債務に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合を除く。) 三 固有財産又は他の信託の信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合に限る。) 四 受託者の債務(信託財産責任負担債務を除く。)に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合に限る。) (信託財産責任負担債務の範囲) 第二十一条 次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。 一 受益債権 二 信託財産に属する財産について信託前の原因によって生じた権利 三 信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの 四 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 五 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属するものによって生じた権利 六 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属しないもののうち、次に掲げるものによって生じた権利 イ 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。ロにおいて同じ。)の規定により取り消すことができない行為(当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知らなかったもの(信託財産に属する財産について権利を設定し又は移転する行為を除く。)を除く。) ロ 第二十七条第一項又は第二項の規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないもの 七 第三十一条第六項に規定する処分その他の行為又は同条第七項に規定する行為のうち、これらの規定により取り消すことができない行為又はこれらの規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないものによって生じた権利 八 受託者が信託事務を処理するについてした不法行為によって生じた権利 九 第五号から前号までに掲げるもののほか、信託事務の処理について生じた権利 2 信託財産責任負担債務のうち次に掲げる権利に係る債務について、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う。 一 受益債権 二 信託行為に第二百十六条第一項の定めがあり、かつ、第二百三十二条の定めるところにより登記がされた場合における信託債権(信託財産責任負担債務に係る債権であって、受益債権でないものをいう。以下同じ。) 三 前二号に掲げる場合のほか、この法律の規定により信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものとされる場合における信託債権 四 信託債権を有する者(以下「信託債権者」という。)との間で信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の合意がある場合における信託債権 (信託財産に属する債権等についての相殺の制限) 第二十二条 受託者が固有財産又は他の信託の信託財産(第一号において「固有財産等」という。)に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務(第一号及び第二号において「固有財産等責任負担債務」という。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって信託財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 一 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該信託財産に属する債権が固有財産等に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 二 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産等責任負担債務が信託財産責任負担債務でないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 2 前項本文の規定は、第三十一条第二項各号に掲げる場合において、受託者が前項の相殺を承認したときは、適用しない。 3 信託財産責任負担債務(信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって固有財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該固有財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産に属する債権が信託財産に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合は、この限りでない。 4 前項本文の規定は、受託者が同項の相殺を承認したときは、適用しない。 (信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等) 第二十三条 信託財産責任負担債務に係る債権(信託財産に属する財産について生じた権利を含む。次項において同じ。)に基づく場合を除き、信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売(担保権の実行としてのものを除く。以下同じ。)又は国税滞納処分(その例による処分を含む。以下同じ。)をすることができない。 2 第三条第三号に掲げる方法によって信託がされた場合において、委託者がその債権者を害することを知って当該信託をしたときは、前項の規定にかかわらず、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者のほか、当該委託者(受託者であるものに限る。)に対する債権で信託前に生じたものを有する者は、信託財産に属する財産に対し、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることができる。 3 第十一条第一項ただし書、第七項及び第八項の規定は、前項の規定の適用について準用する。 4 前二項の規定は、第二項の信託がされた時から二年間を経過したときは、適用しない。 5 第一項又は第二項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十八条及び民事保全法(平成元年法律第九十一号)第四十五条の規定を準用する。 6 第一項又は第二項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (費用又は報酬の支弁等) 第二十四条 前条第五項又は第六項の規定による異議に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (信託財産と受託者の破産手続等との関係等) 第二十五条 受託者が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、破産財団に属しない。 2 前項の場合には、受益債権は、破産債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 3 第一項の場合には、破産法第二百五十二条第一項の免責許可の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 4 受託者が再生手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。 5 前項の場合には、受益債権は、再生債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 6 第四項の場合には、再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責又は変更は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 7 前三項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、第四項中「再生債務者財産」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、第五項中「再生債権」とあるのは「更生債権又は更生担保権」と、前項中「再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定」とあるのは「更生計画又は更生計画認可の決定」と読み替えるものとする。 第三章 受託者等 第一節 受託者の権限 (受託者の権限の範囲) 第二十六条 受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。 ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。 (受託者の権限違反行為の取消し) 第二十七条 受託者が信託財産のためにした行為がその権限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 2 前項の規定にかかわらず、受託者が信託財産に属する財産(第十四条の信託の登記又は登録をすることができるものに限る。)について権利を設定し又は移転した行為がその権限に属しない場合には、次のいずれにも該当するときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の当時、当該信託財産に属する財産について第十四条の信託の登記又は登録がされていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 3 二人以上の受益者のうちの一人が前二項の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。 4 第一項又は第二項の規定による取消権は、受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)が取消しの原因があることを知った時から三箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。 行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 (信託事務の処理の第三者への委託) 第二十八条 受託者は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。 一 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。 二 信託行為に信託事務の処理の第三者への委託に関する定めがない場合において、信託事務の処理を第三者に委託することが信託の目的に照らして相当であると認められるとき。 三 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託してはならない旨の定めがある場合において、信託事務の処理を第三者に委託することにつき信託の目的に照らしてやむを得ない事由があると認められるとき。 第二節 受託者の義務等 (受託者の注意義務) 第二十九条 受託者は、信託の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。 2 受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる注意をもって、これをするものとする。 (忠実義務) 第三十条 受託者は、受益者のため忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない。 (利益相反行為の制限) 第三十一条 受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。 一 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を信託財産に帰属させること。 二 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を他の信託の信託財産に帰属させること。 三 第三者との間において信託財産のためにする行為であって、自己が当該第三者の代理人となって行うもの 四 信託財産に属する財産につき固有財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を被担保債権とする担保権を設定することその他第三者との間において信託財産のためにする行為であって受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反することとなるもの 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為について重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 三 相続その他の包括承継により信託財産に属する財産に係る権利が固有財産に帰属したとき。 四 受託者が当該行為をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該行為の信託財産に与える影響、当該行為の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるとき。 3 受託者は、第一項各号に掲げる行為をしたときは、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされた場合には、これらの行為は、無効とする。 5 前項の行為は、受益者の追認により、当該行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。 6 第四項に規定する場合において、受託者が第三者との間において第一項第一号又は第二号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該処分その他の行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 7 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第三号又は第四号に掲げる行為がされた場合には、当該第三者がこれを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 第三十二条 受託者は、受託者として有する権限に基づいて信託事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが受益者の利益に反するものについては、これを固有財産又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることについて重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 3 受託者は、第一項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算でした場合には、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して受託者が第一項に規定する行為をした場合には、受益者は、当該行為は信託財産のためにされたものとみなすことができる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 前項の規定による権利は、当該行為の時から一年を経過したときは、消滅する。 (公平義務) 第三十三条 受益者が二人以上ある信託においては、受託者は、受益者のために公平にその職務を行わなければならない。 (分別管理義務) 第三十四条 受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。 ただし、分別して管理する方法について、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 第十四条の信託の登記又は登録をすることができる財産(第三号に掲げるものを除く。) 当該信託の登記又は登録 二 第十四条の信託の登記又は登録をすることができない財産(次号に掲げるものを除く。) 次のイ又はロに掲げる財産の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 動産(金銭を除く。) 信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを外形上区別することができる状態で保管する方法 ロ 金銭その他のイに掲げる財産以外の財産 その計算を明らかにする方法 三 法務省令で定める財産 当該財産を適切に分別して管理する方法として法務省令で定めるもの 2 前項ただし書の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる財産について第十四条の信託の登記又は登録をする義務は、これを免除することができない。 (信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務) 第三十五条 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。 2 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託したときは、受託者は、当該第三者に対し、信託の目的の達成のために必要かつ適切な監督を行わなければならない。 3 受託者が信託事務の処理を次に掲げる第三者に委託したときは、前二項の規定は、適用しない。 ただし、受託者は、当該第三者が不適任若しくは不誠実であること又は当該第三者による事務の処理が不適切であることを知ったときは、その旨の受益者に対する通知、当該第三者への委託の解除その他の必要な措置をとらなければならない。 一 信託行為において指名された第三者 二 信託行為において受託者が委託者又は受益者の指名に従い信託事務の処理を第三者に委託する旨の定めがある場合において、当該定めに従い指名された第三者 4 前項ただし書の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託事務の処理の状況についての報告義務) 第三十六条 委託者又は受益者は、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求めることができる。 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務) 第三十七条 受託者は、信託事務に関する計算並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 受託者は、毎年一回、一定の時期に、法務省令で定めるところにより、貸借対照表、損益計算書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者は、第一項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第六項ただし書において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 5 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 受託者は、第二項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 (帳簿等の閲覧等の請求) 第三十八条 受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 前条第一項又は第五項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第一項又は第五項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が当該信託に係る業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 五 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 六 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前項(第一号及び第二号を除く。)の規定は、受益者が二人以上ある信託のすべての受益者から第一項の請求があったとき、又は受益者が一人である信託の当該受益者から同項の請求があったときは、適用しない。 4 信託行為において、次に掲げる情報以外の情報について、受益者が同意をしたときは第一項の規定による閲覧又は謄写の請求をすることができない旨の定めがある場合には、当該同意をした受益者(その承継人を含む。以下この条において同じ。)は、その同意を撤回することができない。 一 前条第二項の書類又は電磁的記録の作成に欠くことのできない情報その他の信託に関する重要な情報 二 当該受益者以外の者の利益を害するおそれのない情報 5 受託者は、前項の同意をした受益者から第一項の規定による閲覧又は謄写の請求があったときは、前項各号に掲げる情報に該当する部分を除き、これを拒むことができる。 6 利害関係人は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 一 前条第二項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第二項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (他の受益者の氏名等の開示の請求) 第三十九条 受益者が二人以上ある信託においては、受益者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 他の受益者の氏名又は名称及び住所 二 他の受益者が有する受益権の内容 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第三節 受託者の責任等 (受託者の損失てん補責任等) 第四十条 受託者がその任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第二号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、この限りでない。 一 信託財産に損失が生じた場合 当該損失のてん補 二 信託財産に変更が生じた場合 原状の回復 2 受託者が第二十八条の規定に違反して信託事務の処理を第三者に委託した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、第三者に委託をしなかったとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、前項の責任を免れることができない。 3 受託者が第三十条、第三十一条第一項及び第二項又は第三十二条第一項及び第二項の規定に違反する行為をした場合には、受託者は、当該行為によって受託者又はその利害関係人が得た利益の額と同額の損失を信託財産に生じさせたものと推定する。 4 受託者が第三十四条の規定に違反して信託財産に属する財産を管理した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、同条の規定に従い分別して管理をしたとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、第一項の責任を免れることができない。 (法人である受託者の役員の連帯責任) 第四十一条 法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるときは、受益者に対し、当該法人と連帯して、損失のてん補又は原状の回復をする責任を負う。 (損失てん補責任等の免除) 第四十二条 受益者は、次に掲げる責任を免除することができる。 一 第四十条の規定による責任 二 前条の規定による責任 (損失塡補責任等に係る債権の期間の制限) 第四十三条 第四十条の規定による責任に係る債権の消滅時効は、債務の不履行によって生じた責任に係る債権の消滅時効の例による。 2 第四十一条の規定による責任に係る債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 受益者が当該債権を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 当該債権を行使することができる時から十年間行使しないとき。 3 第四十条又は第四十一条の規定による責任に係る受益者の債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 4 前項に規定する債権は、受託者がその任務を怠ったことによって信託財産に損失又は変更が生じた時から二十年を経過したときは、消滅する。 (受益者による受託者の行為の差止め) 第四十四条 受託者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 受託者が第三十三条の規定に違反する行為をし、又はこれをするおそれがある場合において、当該行為によって一部の受益者に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 (費用又は報酬の支弁等) 第四十五条 第四十条、第四十一条又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (検査役の選任) 第四十六条 受託者の信託事務の処理に関し、不正の行為又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、受益者は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の規定による検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 5 第二項の検査役は、信託財産から裁判所が定める報酬を受けることができる。 6 前項の規定による検査役の報酬を定める裁判をする場合には、受託者及び第二項の検査役の陳述を聴かなければならない。 7 第五項の規定による検査役の報酬を定める裁判に対しては、受託者及び第二項の検査役に限り、即時抗告をすることができる。 第四十七条 前条第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求め、又は当該信託に係る帳簿、書類その他の物件を調査することができる。 2 前条第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 3 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、前条第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 4 前条第二項の検査役は、第二項の報告をしたときは、受託者及び同条第一項の申立てをした受益者に対し、第二項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 5 受託者は、前項の規定による書面の写しの交付又は電磁的記録に記録された事項の法務省令で定める方法による提供があったときは、直ちに、その旨を受益者(前条第一項の申立てをしたものを除く。次項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 裁判所は、第二項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、受託者に対し、同項の調査の結果を受益者に通知することその他の当該報告の内容を周知するための適切な措置をとるべきことを命じなければならない。 第四節 受託者の費用等及び信託報酬等 (信託財産からの費用等の償還等) 第四十八条 受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。)の償還を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、信託事務を処理するについて費用を要するときは、信託財産からその前払を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 受託者は、前項本文の規定により信託財産から費用の前払を受けるには、受益者に対し、前払を受ける額及びその算定根拠を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項又は第二項の規定にかかわらず、費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第四十条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けることを妨げない。 (費用等の償還等の方法) 第四十九条 受託者は、前条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。 2 前項に規定する場合において、必要があるときは、受託者は、信託財産に属する財産(当該財産を処分することにより信託の目的を達成することができないこととなるものを除く。)を処分することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項に規定する場合において、第三十一条第二項各号のいずれかに該当するときは、受託者は、第一項の規定により有する権利の行使に代えて、信託財産に属する財産で金銭以外のものを固有財産に帰属させることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項の規定により受託者が有する権利は、信託財産に属する財産に対し強制執行又は担保権の実行の手続が開始したときは、これらの手続との関係においては、金銭債権とみなす。 5 前項の場合には、同項に規定する権利の存在を証する文書により当該権利を有することを証明した受託者も、同項の強制執行又は担保権の実行の手続において、配当要求をすることができる。 6 各債権者(信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。)の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、他の債権者(当該費用等がすべての債権者に有益でなかった場合にあっては、当該費用等によって利益を受けていないものを除く。)の権利に優先する。 この場合においては、その順位は、民法第三百七条第一項に規定する先取特権と同順位とする。 7 次の各号に該当する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、当該各号に掲げる区分に応じ、当該各号の財産に係る第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、当該各号に定める金額について、他の債権者の権利に優先する。 一 信託財産に属する財産の保存のために支出した金額その他の当該財産の価値の維持のために必要であると認められるもの その金額 二 信託財産に属する財産の改良のために支出した金額その他の当該財産の価値の増加に有益であると認められるもの その金額又は現に存する増価額のいずれか低い金額 (信託財産責任負担債務の弁済による受託者の代位) 第五十条 受託者は、信託財産責任負担債務を固有財産をもって弁済した場合において、これにより前条第一項の規定による権利を有することとなったときは、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に代位する。 この場合においては、同項の規定により受託者が有する権利は、その代位との関係においては、金銭債権とみなす。 2 前項の規定により受託者が同項の債権者に代位するときは、受託者は、遅滞なく、当該債権者の有する債権が信託財産責任負担債務に係る債権である旨及びこれを固有財産をもって弁済した旨を当該債権者に通知しなければならない。 (費用等の償還等と同時履行) 第五十一条 受託者は、第四十九条第一項の規定により受託者が有する権利が消滅するまでは、受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者に対する信託財産に係る給付をすべき債務の履行を拒むことができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託財産が費用等の償還等に不足している場合の措置) 第五十二条 受託者は、第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産(第四十九条第二項の規定により処分することができないものを除く。第一号及び第四項において同じ。)が不足している場合において、委託者及び受益者に対し次に掲げる事項を通知し、第二号の相当の期間を経過しても委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けなかったときは、信託を終了させることができる。 一 信託財産が不足しているため費用等の償還又は費用の前払を受けることができない旨 二 受託者の定める相当の期間内に委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けないときは、信託を終了させる旨 2 委託者が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「受益者」とする。 3 受益者が現に存しない場合における第一項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「委託者」とする。 4 第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産が不足している場合において、委託者及び受益者が現に存しないときは、受託者は、信託を終了させることができる。 (信託財産からの損害の賠償) 第五十三条 受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、信託財産からその賠償を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者が信託事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 受託者が信託事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 2 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)並びに前二条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。 (受託者の信託報酬) 第五十四条 受託者は、信託の引受けについて商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬(信託事務の処理の対価として受託者の受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。 2 前項の場合には、信託報酬の額は、信託行為に信託報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 3 前項の定めがないときは、受託者は、信託財産から信託報酬を受けるには、受益者に対し、信託報酬の額及びその算定の根拠を通知しなければならない。 4 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)、第五十一条並びに第五十二条並びに民法第六百四十八条第二項及び第三項並びに第六百四十八条の二の規定は、受託者の信託報酬について準用する。 (受託者による担保権の実行) 第五十五条 担保権が信託財産である信託において、信託行為において受益者が当該担保権によって担保される債権に係る債権者とされている場合には、担保権者である受託者は、信託事務として、当該担保権の実行の申立てをし、売却代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる。 第五節 受託者の変更等 第一款 受託者の任務の終了 (受託者の任務の終了事由) 第五十六条 受託者の任務は、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第二号又は第三号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者である個人の死亡 二 受託者である個人が後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと。 三 受託者(破産手続開始の決定により解散するものを除く。)が破産手続開始の決定を受けたこと。 四 受託者である法人が合併以外の理由により解散したこと。 五 次条の規定による受託者の辞任 六 第五十八条の規定による受託者の解任 七 信託行為において定めた事由 2 受託者である法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、受託者の任務を引き継ぐものとする。 受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継する法人も、同様とする。 3 前項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項第三号に掲げる事由が生じた場合において、同項ただし書の定めにより受託者の任務が終了しないときは、受託者の職務は、破産者が行う。 5 受託者の任務は、受託者が再生手続開始の決定を受けたことによっては、終了しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 前項本文に規定する場合において、管財人があるときは、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、管財人に専属する。 保全管理人があるときも、同様とする。 7 前二項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、前項中「管財人があるとき」とあるのは、「管財人があるとき(会社更生法第七十四条第二項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十七条及び第二百十三条において準用する場合を含む。)の期間を除く。)」と読み替えるものとする。 (受託者の辞任) 第五十七条 受託者は、委託者及び受益者の同意を得て、辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 3 受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による辞任の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 委託者が現に存しない場合には、第一項本文の規定は、適用しない。 (受託者の解任) 第五十八条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者がその任務に違反して信託財産に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、委託者又は受益者の申立てにより、受託者を解任することができる。 5 裁判所は、前項の規定により受託者を解任する場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による解任の裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 8 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 第二款 前受託者の義務等 (前受託者の通知及び保管の義務等) 第五十九条 第五十六条第一項第三号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、受託者であった者(以下「前受託者」という。)は、受益者に対し、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、破産管財人に対し、信託財産に属する財産の内容及び所在、信託財産責任負担債務の内容その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 3 第五十六条第一項第四号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新たな受託者(第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合にあっては、信託財産管理者。以下この節において「新受託者等」という。)が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その義務を加重することができる。 4 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き受託者としての権利義務を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。 5 第三項の場合(前項本文に規定する場合を除く。)において、前受託者が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 (前受託者の相続人等の通知及び保管の義務等) 第六十条 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、前受託者の相続人(法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人)又は成年後見人若しくは保佐人(以下この節において「前受託者の相続人等」と総称する。)がその事実を知っているときは、前受託者の相続人等は、知れている受益者に対し、これを通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者の相続人等は、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 3 前項の場合において、前受託者の相続人等が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 4 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、破産管財人は、新受託者等が信託事務を処理することができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 5 前項の場合において、破産管財人が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、破産管財人に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 6 前受託者の相続人等又は破産管財人は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、第一項、第二項又は第四項の規定による行為をするために支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 7 第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者の相続人等又は破産管財人が有する権利について準用する。 (費用又は報酬の支弁等) 第六十一条 第五十九条第五項又は前条第三項若しくは第五項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 第三款 新受託者の選任 第六十二条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者(以下「新受託者」という。)に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、委託者及び受益者は、その合意により、新受託者を選任することができる。 2 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、新受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 第一項の場合において、同項の合意に係る協議の状況その他の事情に照らして必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、新受託者を選任することができる。 5 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 6 第四項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受益者又は現に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 8 委託者が現に存しない場合における前各項の規定の適用については、第一項中「委託者及び受益者は、その合意により」とあるのは「受益者は」と、第三項中「委託者及び受益者」とあるのは「受益者」と、第四項中「同項の合意に係る協議の状況」とあるのは「受益者の状況」とする。 第四款 信託財産管理者等 (信託財産管理命令) 第六十三条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が選任されておらず、かつ、必要があると認めるときは、新受託者が選任されるまでの間、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産管理者による管理を命ずる処分(以下この款において「信託財産管理命令」という。)をすることができる。 2 前項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、信託財産管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 4 信託財産管理命令及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者の選任等) 第六十四条 裁判所は、信託財産管理命令をする場合には、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 2 前項の規定による信託財産管理者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 裁判所は、第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 信託財産管理者を選任した旨 二 信託財産管理者の氏名又は名称 4 前項第二号の規定は、同号に掲げる事項に変更を生じた場合について準用する。 5 信託財産管理命令があった場合において、信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものがあることを知ったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 信託財産管理命令を取り消す裁判があったとき、又は信託財産管理命令があった後に新受託者が選任された場合において当該新受託者が信託財産管理命令の登記若しくは登録の抹消の嘱託の申立てをしたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 (前受託者がした法律行為の効力) 第六十五条 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった後に信託財産に属する財産に関してした法律行為は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 2 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった日にした法律行為は、当該裁判があった後にしたものと推定する。 (信託財産管理者の権限) 第六十六条 第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合には、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、信託財産管理者に専属する。 2 二人以上の信託財産管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 3 二人以上の信託財産管理者があるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 信託財産管理者が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 保存行為 二 信託財産に属する財産の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為 5 前項の規定に違反して行った信託財産管理者の行為は、無効とする。 ただし、信託財産管理者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 信託財産管理者は、第二項ただし書又は第四項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 7 第二項ただし書又は第四項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 8 第二項ただし書又は第四項の規定による許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (信託財産に属する財産の管理) 第六十七条 信託財産管理者は、就職の後直ちに信託財産に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第六十八条 信託財産に関する訴えについては、信託財産管理者を原告又は被告とする。 (信託財産管理者の義務等) 第六十九条 信託財産管理者は、その職務を行うに当たっては、受託者と同一の義務及び責任を負う。 (信託財産管理者の辞任及び解任) 第七十条 第五十七条第二項から第五項までの規定は信託財産管理者の辞任について、第五十八条第四項から第七項までの規定は信託財産管理者の解任について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条第二項中「やむを得ない事由」とあるのは、「正当な事由」と読み替えるものとする。 (信託財産管理者の報酬等) 第七十一条 信託財産管理者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 2 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、信託財産管理者の陳述を聴かなければならない。 3 第一項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、信託財産管理者に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者による新受託者への信託事務の引継ぎ等) 第七十二条 第七十七条の規定は、信託財産管理者の選任後に新受託者が就任した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とあり、同条第二項中「受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)」とあり、及び同条第三項中「受益者」とあるのは「新受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該新受託者」と読み替えるものとする。 (受託者の職務を代行する者の権限) 第七十三条 第六十六条の規定は、受託者の職務を代行する者を選任する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者について準用する。 (受託者の死亡により任務が終了した場合の信託財産の帰属等) 第七十四条 第五十六条第一項第一号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、信託財産は、法人とする。 2 前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産法人管理人による管理を命ずる処分(第六項において「信託財産法人管理命令」という。)をすることができる。 3 第六十三条第二項から第四項までの規定は、前項の申立てに係る事件について準用する。 4 新受託者が就任したときは、第一項の法人は、成立しなかったものとみなす。 ただし、信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 5 信託財産法人管理人の代理権は、新受託者が信託事務の処理をすることができるに至った時に消滅する。 6 第六十四条の規定は信託財産法人管理命令をする場合について、第六十六条から第七十二条までの規定は信託財産法人管理人について、それぞれ準用する。 第五款 受託者の変更に伴う権利義務の承継等 (信託に関する権利義務の承継等) 第七十五条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が就任したときは、新受託者は、前受託者の任務が終了した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 2 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合(第五十九条第四項ただし書の場合を除く。)には、新受託者は、新受託者等が就任した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 3 前二項の規定は、新受託者が就任するに至るまでの間に前受託者、信託財産管理者又は信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 4 第二十七条の規定は、新受託者等が就任するに至るまでの間に前受託者がその権限に属しない行為をした場合について準用する。 5 前受託者(その相続人を含む。以下この条において同じ。)が第四十条の規定による責任を負う場合又は法人である前受託者の理事、取締役若しくは執行役若しくはこれらに準ずる者(以下この項において「理事等」と総称する。)が第四十一条の規定による責任を負う場合には、新受託者等又は信託財産法人管理人は、前受託者又は理事等に対し、第四十条又は第四十一条の規定による請求をすることができる。 6 前受託者が信託財産から費用等の償還若しくは損害の賠償を受けることができ、又は信託報酬を受けることができる場合には、前受託者は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、費用等の償還若しくは損害の賠償又は信託報酬の支払を請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 7 第四十八条第四項並びに第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者が有する権利について準用する。 8 新受託者が就任するに至るまでの間に信託財産に属する財産に対し既にされている強制執行、仮差押え若しくは仮処分の執行又は担保権の実行若しくは競売の手続は、新受託者に対し続行することができる。 9 前受託者は、第六項の規定による請求に係る債権の弁済を受けるまで、信託財産に属する財産を留置することができる。 (承継された債務に関する前受託者及び新受託者の責任) 第七十六条 前条第一項又は第二項の規定により信託債権に係る債務が新受託者に承継された場合にも、前受託者は、自己の固有財産をもって、その承継された債務を履行する責任を負う。 ただし、信託財産に属する財産のみをもって当該債務を履行する責任を負うときは、この限りでない。 2 新受託者は、前項本文に規定する債務を承継した場合には、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (前受託者による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十七条 新受託者等が就任した場合には、前受託者は、遅滞なく、信託事務に関する計算を行い、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対しその承認を求めるとともに、新受託者等が信託事務の処理を行うのに必要な信託事務の引継ぎをしなければならない。 2 受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)が前項の計算を承認した場合には、同項の規定による当該受益者に対する信託事務の引継ぎに関する責任は、免除されたものとみなす。 ただし、前受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者が前受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者は、同項の計算を承認したものとみなす。 (前受託者の相続人等又は破産管財人による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十八条 前条の規定は、第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における前受託者の相続人等及び同項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における破産管財人について準用する。 第六節 受託者が二人以上ある信託の特例 (信託財産の合有) 第七十九条 受託者が二人以上ある信託においては、信託財産は、その合有とする。 (信託事務の処理の方法) 第八十条 受託者が二人以上ある信託においては、信託事務の処理については、受託者の過半数をもって決する。 2 前項の規定にかかわらず、保存行為については、各受託者が単独で決することができる。 3 前二項の規定により信託事務の処理について決定がされた場合には、各受託者は、当該決定に基づいて信託事務を執行することができる。 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合には、各受託者は、その定めに従い、信託事務の処理について決し、これを執行する。 5 前二項の規定による信託事務の処理についての決定に基づく信託財産のためにする行為については、各受託者は、他の受託者を代理する権限を有する。 6 前各項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 7 受託者が二人以上ある信託においては、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 ただし、受益者の意思表示については、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (職務分掌者の当事者適格) 第八十一条 前条第四項に規定する場合には、信託財産に関する訴えについて、各受託者は、自己の分掌する職務に関し、他の受託者のために原告又は被告となる。 (信託事務の処理についての決定の他の受託者への委託) 第八十二条 受託者が二人以上ある信託においては、各受託者は、信託行為に別段の定めがある場合又はやむを得ない事由がある場合を除き、他の受託者に対し、信託事務(常務に属するものを除く。)の処理についての決定を委託することができない。 (信託事務の処理に係る債務の負担関係) 第八十三条 受託者が二人以上ある信託において、信託事務を処理するに当たって各受託者が第三者に対し債務を負担した場合には、各受託者は、連帯債務者とする。 2 前項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合において、ある受託者がその定めに従い信託事務を処理するに当たって第三者に対し債務を負担したときは、他の受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、当該第三者が、その債務の負担の原因である行為の当時、当該行為が信託事務の処理としてされたこと及び受託者が二人以上ある信託であることを知っていた場合であって、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがあることを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときは、当該他の受託者は、これをもって当該第三者に対抗することができない。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割の特例) 第八十四条 受託者が二人以上ある信託における第十九条の規定の適用については、同条第一項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第二号中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者の」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同条第三項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託又は他の信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「各信託財産の共有持分が属する受託者の」と、「受託者が決する」とあるのは「受託者の協議による」と、同条第四項中「第二号」とあるのは「第二号又は第三号」とする。 (受託者の責任等の特例) 第八十五条 受託者が二人以上ある信託において、二人以上の受託者がその任務に違反する行為をしたことにより第四十条の規定による責任を負う場合には、当該行為をした各受託者は、連帯債務者とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第四十条第一項及び第四十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「受益者又は他の受託者」とする。 3 受託者が二人以上ある信託において第四十二条の規定により第四十条又は第四十一条の規定による責任が免除されたときは、他の受託者は、これらの規定によれば当該責任を負うべき者に対し、当該責任の追及に係る請求をすることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者が二人以上ある信託における第四十四条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者又は他の受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該受益者又は他の受託者」とする。 (受託者の変更等の特例) 第八十六条 受託者が二人以上ある信託における第五十九条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第三項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第六十条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第二項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 3 受託者が二人以上ある信託における第七十四条第一項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とする。 4 受託者が二人以上ある信託においては、第七十五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、その一人の任務が第五十六条第一項各号に掲げる事由により終了した場合には、その任務が終了した時に存する信託に関する権利義務は他の受託者が当然に承継し、その任務は他の受託者が行う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託の終了の特例) 第八十七条 受託者が二人以上ある信託における第百六十三条第三号の規定の適用については、同号中「受託者が欠けた場合」とあるのは、「すべての受託者が欠けた場合」とする。 2 受託者が二人以上ある信託においては、受託者の一部が欠けた場合であって、前条第四項ただし書の規定によりその任務が他の受託者によって行われず、かつ、新受託者が就任しない状態が一年間継続したときも、信託は、終了する。 第四章 受益者等 第一節 受益者の権利の取得及び行使 (受益権の取得) 第八十八条 信託行為の定めにより受益者となるべき者として指定された者(次条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定された者を含む。)は、当然に受益権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、前項に規定する受益者となるべき者として指定された者が同項の規定により受益権を取得したことを知らないときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者指定権等) 第八十九条 受益者を指定し、又はこれを変更する権利(以下この条において「受益者指定権等」という。)を有する者の定めのある信託においては、受益者指定権等は、受託者に対する意思表示によって行使する。 2 前項の規定にかかわらず、受益者指定権等は、遺言によって行使することができる。 3 前項の規定により遺言によって受益者指定権等が行使された場合において、受託者がこれを知らないときは、これにより受益者となったことをもって当該受託者に対抗することができない。 4 受託者は、受益者を変更する権利が行使されたことにより受益者であった者がその受益権を失ったときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 受益者指定権等は、相続によって承継されない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受益者指定権等を有する者が受託者である場合における第一項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受益者となるべき者」とする。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第九十条 次の各号に掲げる信託においては、当該各号の委託者は、受益者を変更する権利を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託 二 委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託 2 前項第二号の受益者は、同号の委託者が死亡するまでは、受益者としての権利を有しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例) 第九十一条 受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。 (信託行為の定めによる受益者の権利行使の制限の禁止) 第九十二条 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 一 この法律の規定による裁判所に対する申立権 二 第五条第一項の規定による催告権 三 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 四 第二十四条第一項の規定による支払の請求権 五 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 六 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 七 第三十六条の規定による報告を求める権利 八 第三十八条第一項又は第六項の規定による閲覧又は謄写の請求権 九 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十一 第四十四条の規定による差止めの請求権 十二 第四十五条第一項の規定による支払の請求権 十三 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十四 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十五 第六十一条第一項の規定による支払の請求権 十六 第六十二条第二項の規定による催告権 十七 第九十九条第一項の規定による受益権を放棄する権利 十八 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 十九 第百三十一条第二項の規定による催告権 二十 第百三十八条第二項の規定による催告権 二十一 第百八十七条第一項の規定による交付又は提供の請求権 二十二 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 二十三 第百九十八条第一項の規定による記載又は記録の請求権 二十四 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十五 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十六 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 第二節 受益権等 第一款 受益権の譲渡等 (受益権の譲渡性) 第九十三条 受益者は、その有する受益権を譲り渡すことができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「譲渡制限の定め」という。)は、その譲渡制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の譲渡の対抗要件) 第九十四条 受益権の譲渡は、譲渡人が受託者に通知をし、又は受託者が承諾をしなければ、受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の通知及び承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、受託者以外の第三者に対抗することができない。 (受益権の譲渡における受託者の抗弁) 第九十五条 受託者は、前条第一項の通知又は承諾がされるまでに譲渡人に対し生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。 (共同相続における受益権の承継の対抗要件) 第九十五条の二 相続により受益権が承継された場合において、民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該受益権を承継した共同相続人が当該受益権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該受益権を承継した場合にあっては、当該受益権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして受託者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が受託者に通知をしたものとみなして、同法第八百九十九条の二第一項の規定を適用する。 (受益権の質入れ) 第九十六条 受益者は、その有する受益権に質権を設定することができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の質入れを禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「質入制限の定め」という。)は、その質入制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった質権者その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の質入れの効果) 第九十七条 受益権を目的とする質権は、次に掲げる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下この条及び次条において同じ。)について存在する。 一 当該受益権を有する受益者が受託者から信託財産に係る給付として受けた金銭等 二 第百三条第六項に規定する受益権取得請求によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 三 信託の変更による受益権の併合又は分割によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 四 信託の併合又は分割(信託の併合又は信託の分割をいう。以下同じ。)によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 五 前各号に掲げるもののほか、当該受益権を有する受益者が当該受益権に代わるものとして受ける金銭等 第九十八条 受益権の質権者は、前条の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 前項の債権の弁済期が到来していないときは、受益権の質権者は、受託者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第二款 受益権の放棄 第九十九条 受益者は、受託者に対し、受益権を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、受益者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 2 受益者は、前項の規定による意思表示をしたときは、当初から受益権を有していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 第三款 受益債権 (受益債権に係る受託者の責任) 第百条 受益債権に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (受益債権と信託債権との関係) 第百一条 受益債権は、信託債権に後れる。 (受益債権の期間の制限) 第百二条 受益債権の消滅時効は、次項及び第三項に定める事項を除き、債権の消滅時効の例による。 2 受益債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 3 受益債権の消滅時効は、次に掲げる場合に限り、援用することができる。 一 受託者が、消滅時効の期間の経過後、遅滞なく、受益者に対し受益債権の存在及びその内容を相当の期間を定めて通知し、かつ、受益者からその期間内に履行の請求を受けなかったとき。 二 消滅時効の期間の経過時において受益者の所在が不明であるとき、その他信託行為の定め、受益者の状況、関係資料の滅失その他の事情に照らして、受益者に対し前号の規定による通知をしないことについて正当な理由があるとき。 4 受益債権は、これを行使することができる時から二十年を経過したときは、消滅する。 第四款 受益権取得請求権 (受益権取得請求) 第百三条 次に掲げる事項に係る信託の変更(第三項において「重要な信託の変更」という。)がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、第一号又は第二号に掲げる事項に係る信託の変更がされる場合にあっては、これにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 一 信託の目的の変更 二 受益権の譲渡の制限 三 受託者の義務の全部又は一部の減免(当該減免について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 四 受益債権の内容の変更(当該内容の変更について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 五 信託行為において定めた事項 2 信託の併合又は分割がされる場合には、これらにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、前項第一号又は第二号に掲げる事項に係る変更を伴う信託の併合又は分割がされる場合にあっては、これらにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 3 前二項の受益者が、重要な信託の変更又は信託の併合若しくは信託の分割(以下この章において「重要な信託の変更等」という。)の意思決定に関与し、その際に当該重要な信託の変更等に賛成する旨の意思を表示したときは、前二項の規定は、当該受益者については、適用しない。 4 受託者は、重要な信託の変更等の意思決定の日から二十日以内に、受益者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 重要な信託の変更等をする旨 二 重要な信託の変更等がその効力を生ずる日(次条第一項において「効力発生日」という。) 三 重要な信託の変更等の中止に関する条件を定めたときは、その条件 5 前項の規定による通知は、官報による公告をもって代えることができる。 6 第一項又は第二項の規定による請求(以下この款において「受益権取得請求」という。)は、第四項の規定による通知又は前項の規定による公告の日から二十日以内に、その受益権取得請求に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 7 受益権取得請求をした受益者は、受託者の承諾を得た場合に限り、その受益権取得請求を撤回することができる。 8 重要な信託の変更等が中止されたときは、受益権取得請求は、その効力を失う。 (受益権の価格の決定等) 第百四条 受益権取得請求があった場合において、受益権の価格の決定について、受託者と受益者との間に協議が調ったときは、受託者は、受益権取得請求の日から六十日を経過する日(その日までに効力発生日が到来していない場合にあっては、効力発生日)までにその支払をしなければならない。 2 受益権の価格の決定について、受益権取得請求の日から三十日以内に協議が調わないときは、受託者又は受益者は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の規定により価格の決定をする場合には、同項の申立てをすることができる者の陳述を聴かなければならない。 4 第二項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による価格の決定の裁判に対しては、申立人及び同項の申立てをすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 7 前条第七項の規定にかかわらず、第二項に規定する場合において、受益権取得請求の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、受益者は、いつでも、受益権取得請求を撤回することができる。 8 第一項の受託者は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の利息をも支払わなければならない。 9 受託者は、受益権の価格の決定があるまでは、受益者に対し、当該受託者が公正な価格と認める額を支払うことができる。 10 受益権取得請求に係る受託者による受益権の取得は、当該受益権の価格に相当する金銭の支払の時に、その効力を生ずる。 11 受益証券(第百八十五条第一項に規定する受益証券をいう。以下この章において同じ。)が発行されている受益権について受益権取得請求があったときは、当該受益証券と引換えに、その受益権取得請求に係る受益権の価格に相当する金銭を支払わなければならない。 12 受益権取得請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 13 前条第一項又は第二項の規定により受託者が受益権を取得したときは、その受益権は、消滅する。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 第三節 二人以上の受益者による意思決定の方法の特例 第一款 総則 第百五条 受益者が二人以上ある信託における受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は、すべての受益者の一致によってこれを決する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項ただし書の場合において、信託行為に受益者集会における多数決による旨の定めがあるときは、次款の定めるところによる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項ただし書又は前項の規定にかかわらず、第四十二条の規定による責任の免除に係る意思決定の方法についての信託行為の定めは、次款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めに限り、その効力を有する。 4 第一項ただし書及び前二項の規定は、次に掲げる責任の免除については、適用しない。 一 第四十二条の規定による責任の全部の免除 二 第四十二条第一号の規定による責任(受託者がその任務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合に生じたものに限る。)の一部の免除 三 第四十二条第二号の規定による責任の一部の免除 第二款 受益者集会 (受益者集会の招集) 第百六条 受益者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 受益者集会は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)が招集する。 (受益者による招集の請求) 第百七条 受益者は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)に対し、受益者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、受益者集会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合において、信託財産に著しい損害を生ずるおそれがあるときは、前項の規定による請求をした受益者は、受益者集会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から八週間以内の日を受益者集会の日とする受益者集会の招集の通知が発せられない場合 (受益者集会の招集の決定) 第百八条 受益者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 受益者集会の日時及び場所 二 受益者集会の目的である事項があるときは、当該事項 三 受益者集会に出席しない受益者が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下この款において同じ。)によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益者集会の招集の通知) 第百九条 受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の二週間前までに、知れている受益者及び受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、知れている受益者、受託者及び信託監督人)に対し、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 無記名式の受益証券が発行されている場合において、受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の三週間前までに、受益者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を官報により公告しなければならない。 (受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第百十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている受益者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「受益者集会参考書類」という。)及び受益者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした受益者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、受益者の請求があったときは、これらの書類を当該受益者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、受益者集会の日の一週間前までに無記名受益権(無記名式の受益証券が発行されている受益権をいう。第八章において同じ。)の受益者の請求があったときは、直ちに、受益者集会参考書類及び議決権行使書面を当該受益者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、受益者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第百十一条 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第百九条第二項の承諾をした受益者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、受益者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第百九条第二項の承諾をしていない受益者から受益者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該受益者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (受益者の議決権) 第百十二条 受益者は、受益者集会において、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定めるものに応じて、議決権を有する。 一 各受益権の内容が均等である場合 受益権の個数 二 前号に掲げる場合以外の場合 受益者集会の招集の決定の時における受益権の価格 2 前項の規定にかかわらず、受益権が当該受益権に係る信託の信託財産に属するときは、受託者は、当該受益権については、議決権を有しない。 (受益者集会の決議) 第百十三条 受益者集会の決議は、議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第四十二条の規定による責任の免除(第百五条第四項各号に掲げるものを除く。) 二 第百三十六条第一項第一号に規定する合意 三 第百四十三条第一項第一号に規定する合意 四 第百四十九条第一項若しくは第二項第一号に規定する合意又は同条第三項に規定する意思表示 五 第百五十一条第一項又は第二項第一号に規定する合意 六 第百五十五条第一項又は第二項第一号に規定する合意 七 第百五十九条第一項又は第二項第一号に規定する合意 八 第百六十四条第一項に規定する合意 3 前二項の規定にかかわらず、第百三条第一項第二号から第四号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものを除く。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の半数以上であって、当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、第百三条第一項第一号又は第四号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものに限る。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、総受益者の半数以上であって、総受益者の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 受益者集会は、第百八条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第百十四条 受益者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該受益者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、受益者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の受益者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該受益者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第百十五条 受益者集会に出席しない受益者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第百十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (議決権の不統一行使) 第百十七条 受益者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、受益者集会の日の三日前までに、招集者に対しその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の受益者が他人のために受益権を有する者でないときは、当該受益者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (受託者の出席等) 第百十八条 受託者(法人である受託者にあっては、その代表者又は代理人。次項において同じ。)は、受益者集会に出席し、又は書面により意見を述べることができる。 2 受益者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、受託者に対し、その出席を求めることができる。 この場合において、受益者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第百十九条 受益者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八条及び第百九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百二十条 受益者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (受益者集会の決議の効力) 第百二十一条 受益者集会の決議は、当該信託のすべての受益者に対してその効力を有する。 (受益者集会の費用の負担) 第百二十二条 受益者集会に関する必要な費用を支出した者は、受託者に対し、その償還を請求することができる。 2 前項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 第四節 信託管理人等 第一款 信託管理人 (信託管理人の選任) 第百二十三条 信託行為においては、受益者が現に存しない場合に信託管理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託管理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託管理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託管理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が現に存しない場合において、信託行為に信託管理人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託管理人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 5 前項の規定による信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託管理人の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受託者又は既に存する信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託管理人の資格) 第百二十四条 次に掲げる者は、信託管理人となることができない。 一 未成年者 二 当該信託の受託者である者 (信託管理人の権限) 第百二十五条 信託管理人は、受益者のために自己の名をもって受益者の権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託管理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 この法律の規定により受益者に対してすべき通知は、信託管理人があるときは、信託管理人に対してしなければならない。 (信託管理人の義務) 第百二十六条 信託管理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託管理人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託管理人の費用等及び報酬) 第百二十七条 信託管理人は、その事務を処理するのに必要と認められる費用及び支出の日以後におけるその利息を受託者に請求することができる。 2 信託管理人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、受託者にその賠償を請求することができる。 一 信託管理人がその事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 信託管理人がその事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 3 信託管理人は、商法第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に信託管理人が報酬を受ける旨の定めがある場合に限り、受託者に報酬を請求することができる。 4 前三項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 5 第三項の場合には、報酬の額は、信託行為に報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 6 裁判所は、第百二十三条第四項の規定により信託管理人を選任した場合には、信託管理人の報酬を定めることができる。 7 前項の規定による信託管理人の報酬の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第三項の定め及び第五項の報酬の額に関する定めがあったものとみなす。 8 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判をする場合には、受託者及び信託管理人の陳述を聴かなければならない。 9 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判に対しては、受託者及び信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託管理人の任務の終了) 第百二十八条 第五十六条の規定は、信託管理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託管理人の辞任について、第五十八条の規定は信託管理人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託管理人の選任等) 第百二十九条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託管理人の任務が終了した場合における新たな信託管理人(次項において「新信託管理人」という。)の選任について準用する。 2 新信託管理人が就任した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、新信託管理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 3 前項の信託管理人であった者は、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知ったときは、遅滞なく、当該受益者となった者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 (信託管理人による事務の処理の終了等) 第百三十条 信託管理人による事務の処理は、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第二号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受益者が存するに至ったこと。 二 委託者が信託管理人に対し事務の処理を終了する旨の意思表示をしたこと。 三 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託管理人による事務の処理が終了した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 ただし、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知った場合に限る。 第二款 信託監督人 (信託監督人の選任) 第百三十一条 信託行為においては、受益者が現に存する場合に信託監督人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託監督人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託監督人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託監督人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が受託者の監督を適切に行うことができない特別の事情がある場合において、信託行為に信託監督人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託監督人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託監督人を選任することができる。 5 前項の規定による信託監督人の選任の裁判があったときは、当該信託監督人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託監督人の選任の裁判に対しては、委託者、受託者若しくは受益者又は既に存する信託監督人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託監督人の権限) 第百三十二条 信託監督人は、受益者のために自己の名をもって第九十二条各号(第十七号、第十八号、第二十一号及び第二十三号を除く。)に掲げる権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託監督人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託監督人の義務) 第百三十三条 信託監督人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託監督人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託監督人の任務の終了) 第百三十四条 第五十六条の規定は、信託監督人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託監督人の辞任について、第五十八条の規定は信託監督人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託監督人の選任等) 第百三十五条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託監督人の任務が終了した場合における新たな信託監督人(次項において「新信託監督人」という。)の選任について準用する。 2 新信託監督人が就任した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新信託監督人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (信託監督人による事務の処理の終了等) 第百三十六条 信託監督人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者が信託監督人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託監督人による事務の処理が終了した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百三十七条 第百二十四条及び第百二十七条の規定は、信託監督人について準用する。 この場合において、同条第六項中「第百二十三条第四項」とあるのは、「第百三十一条第四項」と読み替えるものとする。 第三款 受益者代理人 (受益者代理人の選任) 第百三十八条 信託行為においては、その代理する受益者を定めて、受益者代理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に受益者代理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受益者代理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、受益者代理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 (受益者代理人の権限等) 第百三十九条 受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受益者代理人がその代理する受益者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、その代理する受益者の範囲を示せば足りる。 3 一人の受益者につき二人以上の受益者代理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受益者代理人があるときは、当該受益者代理人に代理される受益者は、第九十二条各号に掲げる権利及び信託行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができない。 (受益者代理人の義務) 第百四十条 受益者代理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 受益者代理人は、その代理する受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (受益者代理人の任務の終了) 第百四十一条 第五十六条の規定は、受益者代理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は受益者代理人の辞任について、第五十八条の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。 (新受益者代理人の選任等) 第百四十二条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により受益者代理人の任務が終了した場合における新たな受益者代理人(次項において「新受益者代理人」という。)の選任について準用する。 この場合において、第六十二条第二項及び第四項中「利害関係人」とあるのは、「委託者又は受益者代理人に代理される受益者」と読み替えるものとする。 2 新受益者代理人が就任した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理する受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新受益者代理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (受益者代理人による事務の処理の終了等) 第百四十三条 受益者代理人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者代理人に代理される受益者が受益者代理人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により受益者代理人による事務の処理が終了した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理した受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百四十四条 第百二十四条及び第百二十七条第一項から第五項までの規定は、受益者代理人について準用する。 第五章 委託者 (委託者の権利等) 第百四十五条 信託行為においては、委託者がこの法律の規定によるその権利の全部又は一部を有しない旨を定めることができる。 2 信託行為においては、委託者も次に掲げる権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。 一 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 二 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 三 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 四 第三十二条第四項の規定による権利 五 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 六 第三十九条第一項の規定による開示の請求権 七 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 八 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 九 第四十四条の規定による差止めの請求権 十 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 十一 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十二 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十三 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十四 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十五 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 3 前項第一号、第七号から第九号まで又は第十一号から第十五号までに掲げる権利について同項の信託行為の定めがされた場合における第二十四条、第四十五条(第二百二十六条第六項、第二百二十八条第六項及び第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)又は第六十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「委託者又は受益者」とする。 4 信託行為においては、受託者が次に掲げる義務を負う旨を定めることができる。 一 この法律の規定により受託者が受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次号において同じ。)に対し通知すべき事項を委託者に対しても通知する義務 二 この法律の規定により受託者が受益者に対し報告すべき事項を委託者に対しても報告する義務 三 第七十七条第一項又は第百八十四条第一項の規定により受託者がする計算の承認を委託者に対しても求める義務 5 委託者が二人以上ある信託における第一項、第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「委託者」とあるのは、「委託者の全部又は一部」とする。 (委託者の地位の移転) 第百四十六条 委託者の地位は、受託者及び受益者の同意を得て、又は信託行為において定めた方法に従い、第三者に移転することができる。 2 委託者が二人以上ある信託における前項の規定の適用については、同項中「受託者及び受益者」とあるのは、「他の委託者、受託者及び受益者」とする。 (遺言信託における委託者の相続人) 第百四十七条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合には、委託者の相続人は、委託者の地位を相続により承継しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第百四十八条 第九十条第一項各号に掲げる信託において、その信託の受益者が現に存せず、又は同条第二項の規定により受益者としての権利を有しないときは、委託者が第百四十五条第二項各号に掲げる権利を有し、受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第六章 信託の変更、併合及び分割 第一節 信託の変更 (関係当事者の合意等) 第百四十九条 信託の変更は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、変更後の信託行為の内容を明らかにしてしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによりすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者による受託者に対する意思表示によってすることができる。 この場合において、第二号に掲げるときは、受託者は、委託者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 委託者及び受益者 二 信託の目的に反しないこと及び受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 受益者 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 委託者が現に存しない場合においては、第一項及び第三項第一号の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (特別の事情による信託の変更を命ずる裁判) 第百五十条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合しなくなるに至ったときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の変更を命ずることができる。 2 前項の申立ては、当該申立てに係る変更後の信託行為の定めを明らかにしてしなければならない。 3 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 4 第一項の申立てについての裁判には、理由の要旨を付さなければならない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 第二節 信託の併合 (関係当事者の合意等) 第百五十一条 信託の併合は、従前の各信託の委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 信託の併合後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 信託の併合に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 信託の併合がその効力を生ずる日 五 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、信託の併合は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十二条 信託の併合をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、信託の併合について異議を述べることができる。 ただし、信託の併合をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 信託の併合をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告(公告の方法のうち、電磁的方法(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって同号に規定するものをとる方法をいう。次節において同じ。) 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該信託の併合について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。次節において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該信託の併合をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十三条 信託の併合がされた場合において、従前の信託の信託財産責任負担債務であった債務は、信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務となる。 第百五十四条 信託の併合がされた場合において、前条に規定する従前の信託の信託財産責任負担債務のうち信託財産限定責任負担債務(受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務をいう。以下この章において同じ。)であるものは、信託の併合後の信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第三節 信託の分割 第一款 吸収信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十五条 吸収信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 吸収信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 吸収信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 吸収信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 吸収信託分割によりその信託財産の一部を他の信託に移転する信託(以下この款において「分割信託」という。)の信託財産責任負担債務でなくなり、分割信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託(以下「承継信託」という。)の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、吸収信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十六条 吸収信託分割をする場合には、分割信託又は承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、吸収信託分割について異議を述べることができる。 ただし、吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収信託分割後の分割信託及び承継信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十七条 吸収信託分割がされた場合において、第百五十五条第一項第六号の債務は、吸収信託分割後の分割信託の信託財産責任負担債務でなくなり、吸収信託分割後の承継信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、分割信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、承継信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百五十八条 第百五十六条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、吸収信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては吸収信託分割がその効力を生ずる日における承継信託の移転を受ける財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における分割信託の信託財産の価額を限度とする。 一 分割信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 吸収信託分割後の承継信託の信託財産に属する財産 二 承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 吸収信託分割後の分割信託の信託財産に属する財産 第二款 新規信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十九条 新規信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 新規信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 新規信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 新規信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 新規信託分割により従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新たな信託の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、新規信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百六十条 新規信託分割をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。 ただし、新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別に催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新規信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新規信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百六十一条 新規信託分割がされた場合において、第百五十九条第一項第六号の債務は、新規信託分割後の従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新規信託分割後の新たな信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、従前の信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、新たな信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百六十二条 第百六十条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、新規信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては新規信託分割がその効力を生ずる日における新たな信託の信託財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における従前の信託の信託財産の価額を限度とする。 一 従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 新規信託分割後の新たな信託の信託財産に属する財産 二 新たな信託の信託財産責任負担債務に係る債権となった債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 新規信託分割後の従前の信託の信託財産に属する財産 第七章 信託の終了及び清算 第一節 信託の終了 (信託の終了事由) 第百六十三条 信託は、次条の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。 一 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。 二 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が一年間継続したとき。 三 受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が一年間継続したとき。 四 受託者が第五十二条(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により信託を終了させたとき。 五 信託の併合がされたとき。 六 第百六十五条又は第百六十六条の規定により信託の終了を命ずる裁判があったとき。 七 信託財産についての破産手続開始の決定があったとき。 八 委託者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた場合において、破産法第五十三条第一項、民事再生法第四十九条第一項又は会社更生法第六十一条第一項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十一条第一項及び第二百六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による信託契約の解除がされたとき。 九 信託行為において定めた事由が生じたとき。 (委託者及び受益者の合意等による信託の終了) 第百六十四条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、信託を終了することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に信託を終了したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 (特別の事情による信託の終了を命ずる裁判) 第百六十五条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (公益の確保のための信託の終了を命ずる裁判) 第百六十六条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 一 不法な目的に基づいて信託がされたとき。 二 受託者が、法令若しくは信託行為で定めるその権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、同項の申立てをした者又は委託者、受託者若しくは受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 6 委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人が第一項の申立てをしたときは、裁判所は、受託者の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 受託者は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 8 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第六項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第百六十七条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上前条第一項の申立て又は同項第二号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 (法務大臣の関与) 第百六十八条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第百六十六条第四項に規定する者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (信託財産に関する保全処分) 第百六十九条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次条において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 第百七十条 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 2 前項の管理人は、裁判所が監督する。 3 裁判所は、第一項の管理人に対し、信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 4 第六十四条から第七十二条までの規定は、第一項の管理人について準用する。 この場合において、第六十五条中「前受託者」とあるのは、「受託者」と読み替えるものとする。 5 信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものに関し前条第一項の規定による保全処分(管理命令を除く。)があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (保全処分に関する費用の負担) 第百七十一条 裁判所が第百六十九条第一項の規定による保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、受託者の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第百六十九条第一項の申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、受託者の負担とする。 (保全処分に関する資料の閲覧等) 第百七十二条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第百七十条第三項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 (新受託者の選任) 第百七十三条 裁判所は、第百六十六条第一項の規定により信託の終了を命じた場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、当該信託の清算のために新受託者を選任しなければならない。 2 前項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 第一項の規定により新受託者が選任されたときは、前受託者の任務は、終了する。 4 第一項の新受託者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 5 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、第一項の新受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、第一項の新受託者に限り、即時抗告をすることができる。 (終了した信託に係る吸収信託分割の制限) 第百七十四条 信託が終了した場合には、当該信託を承継信託とする吸収信託分割は、することができない。 第二節 信託の清算 (清算の開始原因) 第百七十五条 信託は、当該信託が終了した場合(第百六十三条第五号に掲げる事由によって終了した場合及び信託財産についての破産手続開始の決定により終了した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)には、この節の定めるところにより、清算をしなければならない。 (信託の存続の擬制) 第百七十六条 信託は、当該信託が終了した場合においても、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 (清算受託者の職務) 第百七十七条 信託が終了した時以後の受託者(以下「清算受託者」という。)は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済 三 受益債権(残余財産の給付を内容とするものを除く。)に係る債務の弁済 四 残余財産の給付 (清算受託者の権限等) 第百七十八条 清算受託者は、信託の清算のために必要な一切の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 清算受託者は、次に掲げる場合には、信託財産に属する財産を競売に付することができる。 一 受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)が信託財産に属する財産を受領することを拒み、又はこれを受領することができない場合において、相当の期間を定めてその受領の催告をしたとき。 二 受益者等の所在が不明である場合 3 前項第一号の規定により信託財産に属する財産を競売に付したときは、遅滞なく、受益者等に対しその旨の通知を発しなければならない。 4 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、第二項第一号の催告をしないで競売に付することができる。 (清算中の信託財産についての破産手続の開始) 第百七十九条 清算中の信託において、信託財産に属する財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算受託者は、直ちに信託財産についての破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 信託財産についての破産手続開始の決定がされた場合において、清算受託者が既に信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に支払ったものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第百八十条 清算受託者は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算受託者は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算受託者の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 4 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第一項の規定による鑑定人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 前各項の規定は、清算受託者、受益者、信託債権者及び第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者の間に別段の合意がある場合には、適用しない。 (債務の弁済前における残余財産の給付の制限) 第百八十一条 清算受託者は、第百七十七条第二号及び第三号の債務を弁済した後でなければ、信託財産に属する財産を次条第二項に規定する残余財産受益者等に給付することができない。 ただし、当該債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (残余財産の帰属) 第百八十二条 残余財産は、次に掲げる者に帰属する。 一 信託行為において残余財産の給付を内容とする受益債権に係る受益者(次項において「残余財産受益者」という。)となるべき者として指定された者 二 信託行為において残余財産の帰属すべき者(以下この節において「帰属権利者」という。)となるべき者として指定された者 2 信託行為に残余財産受益者若しくは帰属権利者(以下この項において「残余財産受益者等」と総称する。)の指定に関する定めがない場合又は信託行為の定めにより残余財産受益者等として指定を受けた者のすべてがその権利を放棄した場合には、信託行為に委託者又はその相続人その他の一般承継人を帰属権利者として指定する旨の定めがあったものとみなす。 3 前二項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、残余財産は、清算受託者に帰属する。 (帰属権利者) 第百八十三条 信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第八十八条第二項の規定は、前項に規定する帰属権利者となるべき者として指定された者について準用する。 3 信託行為の定めにより帰属権利者となった者は、受託者に対し、その権利を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、信託行為の定めにより帰属権利者となった者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 4 前項本文に規定する帰属権利者となった者は、同項の規定による意思表示をしたときは、当初から帰属権利者としての権利を取得していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 第百条及び第百二条の規定は、帰属権利者が有する債権で残余財産の給付をすべき債務に係るものについて準用する。 6 帰属権利者は、信託の清算中は、受益者とみなす。 (清算受託者の職務の終了等) 第百八十四条 清算受託者は、その職務を終了したときは、遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)及び帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)のすべてに対し、その承認を求めなければならない。 2 受益者等が前項の計算を承認した場合には、当該受益者等に対する清算受託者の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者等が清算受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者等は、同項の計算を承認したものとみなす。 第八章 受益証券発行信託の特例 第一節 総則 (受益証券の発行に関する信託行為の定め) 第百八十五条 信託行為においては、この章の定めるところにより、一又は二以上の受益権を表示する証券(以下「受益証券」という。)を発行する旨を定めることができる。 2 前項の規定は、当該信託行為において特定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 3 第一項の定めのある信託(以下「受益証券発行信託」という。)においては、信託の変更によって前二項の定めを変更することはできない。 4 第一項の定めのない信託においては、信託の変更によって同項又は第二項の定めを設けることはできない。 (受益権原簿) 第百八十六条 受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、受益権原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「受益権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 二 各受益権に係る受益証券の番号、発行の日、受益証券が記名式か又は無記名式かの別及び無記名式の受益証券の数 三 各受益権に係る受益者(無記名受益権の受益者を除く。)の氏名又は名称及び住所 四 前号の受益者が各受益権を取得した日 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百八十七条 第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された受益権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該受益権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (受益権原簿管理人) 第百八十八条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿管理人(受益証券発行信託の受託者に代わって受益権原簿の作成及び備置きその他の受益権原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百八十九条 受益証券発行信託の受託者は、一定の日(以下この条において「基準日」という。)を定めて、基準日において受益権原簿に記載され、又は記録されている受益者(以下この条において「基準日受益者」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 前項の規定は、無記名受益権の受益者については、適用しない。 3 基準日を定める場合には、受益証券発行信託の受託者は、基準日受益者が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を官報に公告しなければならない。 ただし、信託行為に当該基準日及び基準日受益者が行使することができる権利の内容について定めがあるときは、この限りでない。 5 第一項、第三項及び前項本文の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益権原簿の備置き及び閲覧等) 第百九十条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿をその住所(当該受託者が法人である場合(受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。)にあってはその主たる事務所、受益権原簿管理人が現に存する場合にあってはその営業所)に備え置かなければならない。 2 委託者、受益者その他の利害関係人は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 受益権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 受益権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の請求があったときは、受益証券発行信託の受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 第百八十六条第三号又は第四号に掲げる事項(第百八十五条第二項の定めのない受益権に係るものに限る。)について第二項の請求があった場合において、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者に対する通知等) 第百九十一条 受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該受益者の住所(当該受益者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を受益者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、受益証券発行信託の受託者が受益権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 この法律の規定により受益証券発行信託の受託者が無記名受益権の受益者に対してすべき通知は、当該受益者のうち当該受託者に氏名又は名称及び住所の知れている者に対してすれば足りる。 この場合においては、当該受託者は、その通知すべき事項を官報に公告しなければならない。 (無記名受益権の受益者による権利の行使) 第百九十二条 無記名受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者その他の者に対しその権利を行使しようとするときは、その受益証券を当該受託者その他の者に提示しなければならない。 2 無記名受益権の受益者は、受益者集会において議決権を行使しようとするときは、受益者集会の日の一週間前までに、その受益証券を第百八条に規定する招集者に提示しなければならない。 (共有者による権利の行使) 第百九十三条 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該受益権についての権利を行使する者一人を定め、受益証券発行信託の受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該受益権についての権利を行使することができない。 ただし、当該受託者が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 受益権の譲渡等の特例 (受益証券の発行された受益権の譲渡) 第百九十四条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の譲渡は、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の譲渡の対抗要件) 第百九十五条 受益証券発行信託の受益権の譲渡は、その受益権を取得した者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権に関する前項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受託者その他の第三者」とする。 3 第一項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (権利の推定等) 第百九十六条 受益証券の占有者は、当該受益証券に係る受益権を適法に有するものと推定する。 2 受益証券の交付を受けた者は、当該受益証券に係る受益権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (受益者の請求によらない受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十七条 受益証券発行信託の受託者は、次の各号に掲げる場合には、法務省令で定めるところにより、当該各号の受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益権を取得した場合において、当該受益権が消滅しなかったとき。 二 前号の受益証券発行信託の受益権を処分したとき。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合には、併合された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合には、分割された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十八条 受益証券発行信託の受益権を受益証券発行信託の受託者以外の者から取得した者(当該受託者を除く。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した受益権の受益者として受益権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の発行された受益権の質入れ) 第百九十九条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質入れは、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の質入れの対抗要件) 第二百条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質権者は、継続して当該受益権に係る受益証券を占有しなければ、その質権をもって受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する受益権原簿の記載等) 第二百一条 受益証券発行信託の受益権に質権を設定した者は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である受益権 2 前項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (質権に関する受益権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百二条 前条第一項各号に掲げる事項が受益権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下この節において「登録受益権質権者」という。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該登録受益権質権者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (登録受益権質権者に対する通知等) 第二百三条 受益証券発行信託の受託者が登録受益権質権者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該登録受益権質権者の住所(当該登録受益権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (受益権の併合又は分割に係る受益権原簿の記載等) 第二百四条 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、併合された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、分割された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 第二百五条 受益証券発行信託の受託者は、前条第一項に規定する場合には、併合された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、前条第二項に規定する場合には、分割された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 (受益証券の発行されない受益権についての対抗要件等) 第二百六条 第百八十五条第二項の定めのある受益権で他の信託の信託財産に属するものについては、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該受益権が信託財産に属することを受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の受益権が属する他の信託の受託者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 受益権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百八十七条の規定の適用については、同条第一項中「第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者」とあるのは「第二百六条第一項の受益権が属する他の信託の受託者」と、「当該受益者」とあるのは「当該受益権」と、「記録された受益権原簿記載事項」とあるのは「記録された受益権原簿記載事項(当該受益権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 第三節 受益証券 (受益証券の発行) 第二百七条 受益証券発行信託の受託者は、信託行為の定めに従い、遅滞なく、当該受益権に係る受益証券を発行しなければならない。 (受益証券不所持の申出) 第二百八条 受益証券発行信託の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者の有する受益権に係る受益証券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該受益権に係る受益証券が発行されているときは、当該受益者は、当該受益証券を受益証券発行信託の受託者に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、前項前段の受益権に係る受益証券を発行しない旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された受益証券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした受益者は、いつでも、受益証券発行信託の受託者に対し、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することを請求することができる。 この場合において、同項後段の規定により提出された受益証券があるときは、受益証券の発行に要する費用は、当該受益者の負担とする。 7 前各項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の記載事項) 第二百九条 受益証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益証券である旨 二 当初の委託者及び受益証券発行信託の受託者の氏名又は名称及び住所 三 記名式の受益証券にあっては、受益者の氏名又は名称 四 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 五 受益証券発行信託の受託者に対する費用等の償還及び損害の賠償に関する信託行為の定め 六 信託報酬の計算方法並びにその支払の方法及び時期 七 記名式の受益証券をもって表示される受益権について譲渡の制限があるときは、その旨及びその内容 八 受益者の権利の行使に関する信託行為の定め(信託監督人及び受益者代理人に係る事項を含む。) 九 その他法務省令で定める事項 2 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百十条 受益証券が発行されている受益権の受益者は、いつでも、その記名式の受益証券を無記名式とし、又はその無記名式の受益証券を記名式とすることを請求することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益証券の喪失) 第二百十一条 受益証券は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 受益証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 3 受益証券を喪失した者が非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、当該受益証券を喪失した者は、相当の担保を供して、受益証券発行信託の受託者に当該受益証券に係る債務を履行させることができる。 第四節 関係当事者の権利義務等の特例 (受益証券発行信託の受託者の義務の特例) 第二百十二条 受益証券発行信託においては、第二十九条第二項ただし書の規定にかかわらず、信託行為の定めにより同項本文の義務を軽減することはできない。 2 受益証券発行信託においては、第三十五条第四項の規定は、適用しない。 (受益者の権利行使の制限に関する信託行為の定めの特例) 第二百十三条 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号、第五号、第六号及び第八号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の百分の三(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の百分の三以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 二 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 三 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 四 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 2 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の十分の一(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の十分の一以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第百五十条第一項の規定による信託の変更を命ずる裁判の申立権 二 第百六十五条第一項の規定による信託の終了を命ずる裁判の申立権 3 受益証券発行信託において、第三十九条第一項の規定による開示が同条第三項の信託行為の定めにより制限されているときは、前二項の規定は、適用しない。 4 受益証券発行信託においては、第九十二条第十一号の規定にかかわらず、六箇月(これを下回る期間を信託行為において定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き受益権を有する受益者に限り第四十四条第一項の規定による差止めの請求権を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 (二人以上の受益者による意思決定の方法の特例) 第二百十四条 受益者が二人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがあるものとみなす。 (委託者の権利の特例) 第二百十五条 受益証券発行信託においては、この法律の規定による委託者の権利のうち次に掲げる権利は、受益者がこれを行使する。 一 第三十六条の規定による報告を求める権利 二 第五十八条第四項(第百三十四条第二項及び第百四十一条第二項において準用する場合を含む。)、第六十二条第四項(第百三十五条第一項及び第百四十二条第一項において準用する場合を含む。)、第六十三条第一項、第七十四条第二項、第百三十一条第四項、第百五十条第一項、第百六十五条第一項、第百六十六条第一項、第百六十九条第一項又は第百七十三条第一項の規定による申立権 三 第六十二条第二項、第百三十一条第二項又は第百三十八条第二項の規定による催告権 四 第百七十二条第一項、第二項又は第三項後段の規定による閲覧、謄写若しくは交付又は複製の請求権 五 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 第九章 限定責任信託の特例 第一節 総則 (限定責任信託の要件) 第二百十六条 限定責任信託は、信託行為においてそのすべての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、第二百三十二条の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。 2 前項の信託行為においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 委託者及び受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の主たる信託事務の処理を行うべき場所(第三節において「事務処理地」という。) 五 信託財産に属する財産の管理又は処分の方法 六 その他法務省令で定める事項 (固有財産に属する財産に対する強制執行等の制限) 第二百十七条 限定責任信託においては、信託財産責任負担債務(第二十一条第一項第八号に掲げる権利に係る債務を除く。)に係る債権に基づいて固有財産に属する財産に対し強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることはできない。 2 前項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法第三十八条及び民事保全法第四十五条の規定を準用する。 3 第一項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (限定責任信託の名称等) 第二百十八条 限定責任信託には、その名称中に限定責任信託という文字を用いなければならない。 2 何人も、限定責任信託でないものについて、その名称又は商号中に、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 何人も、不正の目的をもって、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 4 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある限定責任信託の受託者は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (取引の相手方に対する明示義務) 第二百十九条 受託者は、限定責任信託の受託者として取引をするに当たっては、その旨を取引の相手方に示さなければ、これを当該取引の相手方に対し主張することができない。 (登記の効力) 第二百二十条 この章の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 この章の規定により登記すべき事項につき故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更) 第二百二十一条 第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされ、第二百三十五条の終了の登記がされたときは、その変更後の信託については、この章の規定は、適用しない。 第二節 計算等の特例 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務等の特例) 第二百二十二条 限定責任信託における帳簿その他の書類又は電磁的記録の作成、内容の報告及び保存並びに閲覧及び謄写については、第三十七条及び第三十八条の規定にかかわらず、次項から第九項までに定めるところによる。 2 受託者は、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の会計帳簿を作成しなければならない。 3 受託者は、限定責任信託の効力が生じた後速やかに、法務省令で定めるところにより、その効力が生じた日における限定責任信託の貸借対照表を作成しなければならない。 4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 5 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受託者は、第二項の会計帳簿を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該会計帳簿(書面に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第八項において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 7 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類又は電磁的記録(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 8 受託者は、第三項の貸借対照表及び第四項の書類又は電磁的記録(以下この項及び第二百二十四条第二項第一号において「貸借対照表等」という。)を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該貸借対照表等(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 9 限定責任信託における第三十八条の規定の適用については、同条第一項各号中「前条第一項又は第五項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第七項」と、同条第四項第一号及び第六項各号中「前条第二項」とあるのは「第二百二十二条第三項又は第四項」とする。 (裁判所による提出命令) 第二百二十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、前条第二項から第四項までの書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (受託者の第三者に対する責任) 第二百二十四条 限定責任信託において、受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 限定責任信託の受託者が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、受託者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 貸借対照表等に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (受益者に対する信託財産に係る給付の制限) 第二百二十五条 限定責任信託においては、受益者に対する信託財産に係る給付は、その給付可能額(受益者に対し給付をすることができる額として純資産額の範囲内において法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この節において同じ。)を超えてすることはできない。 (受益者に対する信託財産に係る給付に関する責任) 第二百二十六条 受託者が前条の規定に違反して受益者に対する信託財産に係る給付をした場合には、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 当該給付の帳簿価額(以下この節において「給付額」という。)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 現に受けた個別の給付額に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、免除することができない。 ただし、当該給付をした日における給付可能額を限度として当該義務を免除することについて総受益者の同意がある場合は、この限りでない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (受益者に対する求償権の制限等) 第二百二十七条 前条第一項本文に規定する場合において、当該給付を受けた受益者は、給付額が当該給付をした日における給付可能額を超えることにつき善意であるときは、当該給付額について、受託者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項本文に規定する場合には、信託債権者は、当該給付を受けた受益者に対し、給付額(当該給付額が当該信託債権者の債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (欠損が生じた場合の責任) 第二百二十八条 受託者が受益者に対する信託財産に係る給付をした場合において、当該給付をした日後最初に到来する第二百二十二条第四項の時期に欠損額(貸借対照表上の負債の額が資産の額を上回る場合において、当該負債の額から当該資産の額を控除して得た額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 その欠損額(当該欠損額が給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 欠損額(当該欠損額が現に受けた個別の給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、総受益者の同意がなければ、免除することができない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (債権者に対する公告) 第二百二十九条 限定責任信託の清算受託者は、その就任後遅滞なく、信託債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている信託債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該信託債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十条 限定責任信託の清算受託者は、前条第一項の期間内は、清算中の限定責任信託の債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算受託者は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算受託者は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算中の限定責任信託の信託財産に属する財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算受託者が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 清算受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による弁済の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (清算からの除斥) 第二百三十一条 清算中の限定責任信託の信託債権者(知れているものを除く。)であって第二百二十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された信託債権者は、給付がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 二人以上の受益者がある場合において、清算中の限定責任信託の残余財産の給付を受益者の一部に対してしたときは、当該受益者の受けた給付と同一の割合の給付を当該受益者以外の受益者に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第三節 限定責任信託の登記 (限定責任信託の定めの登記) 第二百三十二条 信託行為において第二百十六条第一項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、二週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の事務処理地 五 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されたときは、その氏名又は名称及び住所 六 第百六十三条第九号の規定による信託の終了についての信託行為の定めがあるときは、その定め 七 会計監査人設置信託(第二百四十八条第三項に規定する会計監査人設置信託をいう。第二百四十条第三号において同じ。)であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 (変更の登記) 第二百三十三条 限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、二週間以内に、旧事務処理地においてはその変更の登記をし、新事務処理地においては前条各号に掲げる事項を登記しなければならない。 2 同一の登記所の管轄区域内において限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、その変更の登記をすれば足りる。 3 前条各号(第四号を除く。)に掲げる事項に変更があったときは、二週間以内に、その変更の登記をしなければならない。 (職務執行停止の仮処分命令等の登記) 第二百三十四条 限定責任信託の受託者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その事務処理地において、その登記をしなければならない。 (終了の登記) 第二百三十五条 第百六十三条(第六号及び第七号に係る部分を除く。)若しくは第百六十四条第一項若しくは第三項の規定により限定責任信託が終了したとき、又は第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされたときは、二週間以内に、終了の登記をしなければならない。 (清算受託者の登記) 第二百三十六条 限定責任信託が終了した場合において、限定責任信託が終了した時における受託者が清算受託者となるときは、終了の日から、二週間以内に、清算受託者の氏名又は名称及び住所を登記しなければならない。 2 信託行為の定め又は第六十二条第一項若しくは第四項若しくは第百七十三条第一項の規定により清算受託者が選任されたときも、前項と同様とする。 3 第二百三十三条第三項の規定は、前二項の規定による登記について準用する。 (清算結了の登記) 第二百三十七条 限定責任信託の清算が結了したときは、第百八十四条第一項の計算の承認の日から、二週間以内に、清算結了の登記をしなければならない。 (管轄登記所及び登記簿) 第二百三十八条 限定責任信託の登記に関する事務は、限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が管轄登記所としてつかさどる。 2 登記所に、限定責任信託登記簿を備える。 (登記の申請) 第二百三十九条 第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記は受託者の申請によって、第二百三十五条から第二百三十七条までの規定による登記は清算受託者の申請によってする。 2 前項の規定にかかわらず、信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されている場合には、第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記(第二百四十六条の規定によるものを除く。)は、信託財産管理者又は信託財産法人管理人の申請によってする。 (限定責任信託の定めの登記の添付書面) 第二百四十条 限定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 限定責任信託の信託行為を証する書面 二 受託者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人設置信託においては、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 会計監査人が法人でないときは、第二百四十九条第一項に規定する者であることを証する書面 (変更の登記の添付書面) 第二百四十一条 事務処理地の変更又は第二百三十二条各号(第四号を除く。)に掲げる事項の変更の登記の申請書には、事務処理地の変更又は登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 2 法人である新受託者の就任による変更の登記の申請書には、前条第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、前条第三号ロ又はハに掲げる書面を添付しなければならない。 (終了の登記の添付書面) 第二百四十二条 限定責任信託の終了の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 (清算受託者の登記の添付書面) 第二百四十三条 次の各号に掲げる者が清算受託者となった場合の清算受託者の登記の申請書には、当該各号に定める書面を添付しなければならない。 一 信託行為の定めにより選任された者 次に掲げる書面 イ 当該信託行為の定めがあることを証する書面 ロ 選任された者が就任を承諾したことを証する書面 二 第六十二条第一項の規定により選任された者 次に掲げる書面 イ 第六十二条第一項の合意があったことを証する書面 ロ 前号ロに掲げる書面 三 第六十二条第四項又は第百七十三条第一項の規定により裁判所が選任した者 その選任を証する書面 2 第二百四十条(第二号に係る部分に限る。)の規定は、清算受託者が法人である場合の清算受託者の登記について準用する。 (清算受託者に関する変更の登記の添付書面) 第二百四十四条 清算受託者の退任による変更の登記の申請書には、退任を証する書面を添付しなければならない。 2 第二百三十六条第一項に規定する事項の変更の登記の申請書には、登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 3 第二百四十一条第二項の規定は、法人である清算受託者の就任による変更の登記について準用する。 (清算結了の登記の添付書面) 第二百四十五条 清算結了の登記の申請書には、第百八十四条第一項の計算の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 (裁判による登記の嘱託) 第二百四十六条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、限定責任信託の事務処理地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第五十八条第四項(第七十条(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人の解任の裁判 ロ 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定による信託財産管理者又は信託財産法人管理人の選任の裁判 二 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号イに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第百六十五条又は第百六十六条の規定による信託の終了を命ずる裁判 (商業登記法及び民事保全法の準用) 第二百四十七条 限定責任信託の登記については、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第二条から第五条まで、第七条から第十五条まで、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十四条まで、第二十六条、第二十七条、第五十一条から第五十三条まで、第七十一条第一項、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条から第百四十八条まで並びに民事保全法第五十六条の規定を準用する。 この場合において、商業登記法第五十一条第一項中「本店」とあるのは「事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。以下同じ。)」と、「移転した」とあるのは「変更した」と、同項並びに同法第五十二条第二項、第三項及び第五項中「新所在地」とあるのは「新事務処理地」と、同法第五十一条第一項及び第二項並びに第五十二条中「旧所在地」とあるのは「旧事務処理地」と、同法第七十一条第一項中「解散」とあるのは「限定責任信託の終了」と、民事保全法第五十六条中「法人を代表する者その他法人の役員」とあるのは「限定責任信託の受託者又は清算受託者」と、「法人の本店又は主たる事務所の所在地(外国法人にあっては、各事務所の所在地)」とあるのは「限定責任信託の事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 第十章 受益証券発行限定責任信託の特例 (会計監査人の設置等) 第二百四十八条 受益証券発行信託である限定責任信託(以下「受益証券発行限定責任信託」という。)においては、信託行為の定めにより、会計監査人を置くことができる。 2 受益証券発行限定責任信託であって最終の貸借対照表(直近の第二百二十二条第四項の時期において作成された貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であるものにおいては、会計監査人を置かなければならない。 3 第一項の信託行為の定めのある信託及び前項に規定する信託(以下「会計監査人設置信託」と総称する。)においては、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。 (会計監査人の資格等) 第二百四十九条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。第三項第二号において同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを受託者に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第二百二十二条第四項に規定する書類又は電磁的記録について監査をすることができない者 二 受託者若しくはその利害関係人から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人が欠けた場合の措置) 第二百五十条 会計監査人設置信託において、会計監査人が欠けたときは、委託者及び受益者は、会計監査人が欠けた時から二箇月以内に、その合意により、新たな会計監査人(以下この条において「新会計監査人」という。)を選任しなければならない。 2 前項に規定する場合において、委託者が現に存しないとき、又は会計監査人が欠けた時から二箇月を経過しても同項の合意が調わないときは、新会計監査人の選任は、受益者のみでこれをすることができる。 3 前二項に規定する場合において、受益者が二人以上あるときは、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)は、前二項の規定により新会計監査人を選任するため、遅滞なく、受益者集会を招集しなければならない。 4 第一項又は第二項の規定により新会計監査人が選任されたときは、当該新会計監査人について信託行為に第二百四十八条第三項の定めが設けられたものとみなす。 5 会計監査人が欠けた場合には、辞任により退任した会計監査人は、新会計監査人が選任されるまで、なお会計監査人としての権利義務を有する。 (会計監査人の辞任及び解任) 第二百五十一条 第五十七条第一項本文の規定は会計監査人の辞任について、第五十八条第一項及び第二項の規定は会計監査人の解任について、それぞれ準用する。 (会計監査人の権限等) 第二百五十二条 会計監査人は、第二百二十二条第四項の書類又は電磁的記録を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は受託者に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第二百四十九条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 受託者又はその利害関係人 三 受託者又はその利害関係人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 4 会計監査人設置信託における第二百二十二条第四項、第五項及び第八項の規定の適用については、同条第四項中「作成しなければ」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けなければ」と、同条第五項中「その内容」とあるのは「その内容及び会計監査報告」と、同条第八項中「作成した場合には」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けた場合には」と、「当該書面)」とあるのは「当該書面)及び当該会計監査報告」とする。 (会計監査人の注意義務) 第二百五十三条 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 (会計監査人の損失てん補責任等) 第二百五十四条 会計監査人がその任務を怠ったことによって信託財産に損失が生じた場合には、受益者は、当該会計監査人に対し、当該損失のてん補をすることを請求することができる。 2 前項の規定による損失のてん補として会計監査人が受託者に対し交付した金銭その他の財産は、信託財産に帰属する。 3 第四十二条(第一号に係る部分に限る。)並びに第百五条第三項及び第四項(第三号を除く。)の規定は第一項の規定による責任の免除について、第四十三条の規定は第一項の規定による責任に係る債権について、第四十五条の規定は第一項の規定による請求に係る訴えについて、それぞれ準用する。 この場合において、第百五条第四項第二号中「受託者がその任務」とあるのは、「会計監査人がその職務」と読み替えるものとする。 (会計監査人の第三者に対する責任) 第二百五十五条 会計監査人設置信託において、会計監査人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該会計監査人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 会計監査人設置信託の会計監査人が、第二百五十二条第一項の会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項について虚偽の記載又は記録をしたときも、前項と同様とする。 ただし、会計監査人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の会計監査人があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (会計監査人の費用等及び報酬) 第二百五十六条 第百二十七条第一項から第五項までの規定は、会計監査人の費用及び支出の日以後におけるその利息、損害の賠償並びに報酬について準用する。 (受益者集会の特例) 第二百五十七条 会計監査人設置信託に係る信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合における第百十八条の規定の適用については、同条第一項中「同じ。)」とあるのは「同じ。)及び会計監査人」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「受託者又は会計監査人」とする。 第十一章 受益者の定めのない信託の特例 (受益者の定めのない信託の要件) 第二百五十八条 受益者の定め(受益者を定める方法の定めを含む。以下同じ。)のない信託は、第三条第一号又は第二号に掲げる方法によってすることができる。 2 受益者の定めのない信託においては、信託の変更によって受益者の定めを設けることはできない。 3 受益者の定めのある信託においては、信託の変更によって受益者の定めを廃止することはできない。 4 第三条第二号に掲げる方法によって受益者の定めのない信託をするときは、信託管理人を指定する定めを設けなければならない。 この場合においては、信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限する定めを設けることはできない。 5 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがあるときは、当該遺言執行者は、信託管理人を選任しなければならない。 この場合において、当該遺言執行者が信託管理人を選任したときは、当該信託管理人について信託行為に前項前段の定めが設けられたものとみなす。 6 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがないとき、又は遺言執行者となるべき者として指定された者が信託管理人の選任をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 この場合において、信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第四項前段の定めが設けられたものとみなす。 7 第百二十三条第六項から第八項までの規定は、前項の申立てについての裁判について準用する。 8 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において、信託管理人が欠けた場合であって、信託管理人が就任しない状態が一年間継続したときは、当該信託は、終了する。 (受益者の定めのない信託の存続期間) 第二百五十九条 受益者の定めのない信託の存続期間は、二十年を超えることができない。 (受益者の定めのない信託における委託者の権利) 第二百六十条 第三条第一号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託においては、委託者(委託者が二人以上ある場合にあっては、そのすべての委託者)が第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げる権利を有する旨及び受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う旨の定めが設けられたものとみなす。 この場合においては、信託の変更によってこれを変更することはできない。 2 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託であって、第二百五十八条第五項後段又は第六項後段の規定により同条第四項前段の定めが設けられたものとみなされるものにおいては、信託の変更によって信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限することはできない。 (この法律の適用関係) 第二百六十一条 受益者の定めのない信託に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。 第十九条第一項第三号及び第三項第三号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第十九条第三項第二号 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議 受益者の定めのない信託の信託管理人と他の信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議又は受益者の定めのない各信託の信託管理人の協議 第三十条 受益者 信託の目的の達成 第三十一条第一項第四号 受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反する 受託者又はその利害関係人の利益となり、かつ、信託の目的の達成の支障となる 第三十一条第二項第四号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第三十二条第一項 受益者の利益に反する 信託の目的の達成の支障となる 第三十七条第四項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第三十七条第六項ただし書 受益者 委託者 第三十八条第二項第三号 受益者の共同の利益を害する 信託の目的の達成を妨げる 第五十七条第一項 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第五十八条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第五十八条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第六十二条第一項 委託者及び受益者は、その合意により 委託者は(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、その合意により) 第六十二条第三項 委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人) 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第六十二条第四項 同項の合意に係る協議の状況 委託者の状況(信託管理人が現に存する場合にあっては、同項の合意に係る協議の状況) 第六十二条第八項 「受益者は」 「信託管理人は」 「受益者」 「信託管理人」 「受益者の状況」 「信託管理人の状況」 第百二十五条第一項 受益者のために 信託の目的の達成のために 第百二十六条第二項 受益者 信託の目的の達成 第百四十六条第一項 受託者及び受益者 受託者 第百四十六条第二項 他の委託者、受託者及び受益者 他の委託者及び受託者 第百四十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百四十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百四十九条第三項第一号 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第百四十九条第五項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十条第一項 受益者の利益に適合しなくなる 信託の目的の達成の支障となる 第百五十一条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十一条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十一条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十五条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十五条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十五条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十九条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百六十四条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第百六十四条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第百六十五条第一項 受益者の利益に適合する 相当となる 第二百二十二条第六項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第二百二十二条第八項ただし書 受益者 委託者 第二百四十三条第一項第二号イ 合意 委託者の意思表示(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人の合意) 2 受益者の定めのない信託に係る受託者の費用等、損害の賠償及び信託報酬については、第四十八条第五項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 3 受益者の定めのない信託に係る信託の変更については、第百四十九条第二項第一号及び第三項第二号の規定は、適用しない。 4 受益者の定めのない信託に係る信託の併合については、第百五十一条第二項第一号の規定は、適用しない。 5 受益者の定めのない信託に係る信託の分割については、第百五十五条第二項第一号及び第百五十九条第二項第一号の規定は、適用しない。 第十二章 雑則 第一節 非訟 (信託に関する非訟事件の管轄) 第二百六十二条 この法律の規定による非訟事件は、この条に特別の定めがある場合を除き、受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 3 受託者の任務の終了後新受託者の就任前におけるこの法律の規定による裁判所に対する申立てに係る事件は、前受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とし、前受託者が二人以上ある場合における同項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 5 第六条第一項又は第二百五十八条第六項の申立てに係る事件は、遺言者の最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (信託に関する非訟事件の手続の特例) 第二百六十三条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百六十四条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 公告等 (法人である受託者についての公告の方法) 第二百六十五条 この法律の規定(第百五十二条第二項、第百五十六条第二項、第百六十条第二項及び第二百二十九条第一項を除く。)による公告は、受託者(受託者の任務の終了後新受託者の就任前にあっては、前受託者)が法人である場合には、当該法人における公告の方法(公告の期間を含む。)によりしなければならない。 (法人である受託者の合併等についての公告の手続等の特例) 第二百六十六条 会社法その他の法律の規定によりある法人が組織変更、合併その他の行為をするときは当該法人の債権者が当該行為について公告、催告その他の手続を経て異議を述べることができることとされている場合において、法人である受託者が当該行為をしようとするときは、受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、当該行為についてこれらの手続を経て異議を述べることができる債権者に含まれないものとする。 2 会社法その他の法律の規定による法人の事業の譲渡に関する規定の適用については、第三条第三号に掲げる方法によってする信託は、その適用の対象となる行為に含まれるものとする。 ただし、当該法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第十三章 罰則 (受益証券発行限定責任信託の受託者等の贈収賄罪) 第二百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 受益証券発行限定責任信託の受託者(前受託者又は清算受託者を含む。以下同じ。) 二 受益証券発行限定責任信託の信託財産管理者 三 受益証券発行限定責任信託の民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者 四 受益証券発行限定責任信託の信託財産法人管理人 五 受益証券発行限定責任信託の信託管理人 六 受益証券発行限定責任信託の信託監督人 七 受益証券発行限定責任信託の受益者代理人 八 受益証券発行限定責任信託の検査役 九 会計監査人 2 前項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第二百六十八条 前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第二百六十九条 第二百六十七条第一項に規定する者が法人であるときは、同項の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (過料に処すべき行為) 第二百七十条 受託者、第六十条第一項に規定する前受託者の相続人等、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託管理人、信託監督人、受益者代理人又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 二 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 三 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類又は電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写を拒んだとき。 四 この法律の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 第三十七条第一項、第二項若しくは第五項の書類若しくは電磁的記録又は第百二十条の議事録(信託行為に第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがある場合に限る。)を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 七 第百五十二条第二項若しくは第五項、第百五十六条第二項若しくは第五項又は第百六十条第二項若しくは第五項の規定に違反して、信託の併合又は分割をしたとき。 八 第百七十九条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをすることを怠ったとき。 九 第百八十一条の規定に違反して、清算中の信託財産に属する財産の給付をしたとき。 2 受益証券発行信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託監督人又は受益権原簿管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第百二十条の議事録(信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合に限る。)又は第百八十六条の受益権原簿を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第百八十七条第一項又は第二百二条第一項の規定に違反して、書面の交付又は電磁的記録の提供を拒んだとき。 三 第百九十条第一項の規定に違反して、第百八十六条の受益権原簿を備え置かなかったとき。 四 第二百七条の規定に違反して、遅滞なく、受益証券を発行しなかったとき。 五 第二百九条の規定に違反して、受益証券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 3 限定責任信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者又は信託財産法人管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第九章第三節の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 第二百二十二条第二項の会計帳簿、同条第三項の貸借対照表又は同条第四項若しくは第七項の書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 三 清算の結了を遅延させる目的で、第二百二十九条第一項の期間を不当に定めたとき。 四 第二百三十条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 4 会計監査人設置信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人又は信託監督人は、第二百五十条第三項の規定に違反して、会計監査人の選任の手続をすることを怠ったときは、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 第二百七十一条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第二百十八条第一項の規定に違反して、限定責任信託の名称中に限定責任信託という文字を用いなかった者 二 第二百十八条第二項の規定に違反して、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第二百十八条第三項の規定に違反して、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第百八号
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信託法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 信託の要件、効力等については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において「信託」とは、次条各号に掲げる方法のいずれかにより、特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。 2 この法律において「信託行為」とは、次の各号に掲げる信託の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。 一 次条第一号に掲げる方法による信託 同号の信託契約 二 次条第二号に掲げる方法による信託 同号の遺言 三 次条第三号に掲げる方法による信託 同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示 3 この法律において「信託財産」とは、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。 4 この法律において「委託者」とは、次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。 5 この法律において「受託者」とは、信託行為の定めに従い、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。 6 この法律において「受益者」とは、受益権を有する者をいう。 7 この法律において「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。 8 この法律において「固有財産」とは、受託者に属する財産であって、信託財産に属する財産でない一切の財産をいう。 9 この法律において「信託財産責任負担債務」とは、受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。 10 この法律において「信託の併合」とは、受託者を同一とする二以上の信託の信託財産の全部を一の新たな信託の信託財産とすることをいう。 11 この法律において「吸収信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい、「新規信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい、「信託の分割」とは、吸収信託分割又は新規信託分割をいう。 12 この法律において「限定責任信託」とは、受託者が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。 (信託の方法) 第三条 信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。 一 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法 二 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法 三 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法 (信託の効力の発生) 第四条 前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。 2 前条第二号に掲げる方法によってされる信託は、当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。 3 前条第三号に掲げる方法によってされる信託は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。 一 公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成 二 公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては、その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知 4 前三項の規定にかかわらず、信託は、信託行為に停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。 (遺言信託における信託の引受けの催告) 第五条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者の相続人に対し確答をしないときは、信託の引受けをしなかったものとみなす。 3 委託者の相続人が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者の相続人」とあるのは、「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。 (遺言信託における裁判所による受託者の選任) 第六条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができる。 2 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 3 第一項の規定による受託者の選任の裁判に対しては、受益者又は既に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (受託者の資格) 第七条 信託は、未成年者を受託者としてすることができない。 (受託者の利益享受の禁止) 第八条 受託者は、受益者として信託の利益を享受する場合を除き、何人の名義をもってするかを問わず、信託の利益を享受することができない。 (脱法信託の禁止) 第九条 法令によりある財産権を享有することができない者は、その権利を有するのと同一の利益を受益者として享受することができない。 (訴訟信託の禁止) 第十条 信託は、訴訟行為をさせることを主たる目的としてすることができない。 (詐害信託の取消し等) 第十一条 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、受託者が債権者を害することを知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が、受益者としての指定(信託行為の定めにより又は第八十九条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定されることをいう。以下同じ。)を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 2 前項の規定による詐害行為取消請求を認容する判決が確定した場合において、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者(委託者であるものを除く。)が当該債権を取得した時において債権者を害することを知らなかったときは、委託者は、当該債権を有する債権者に対し、当該信託財産責任負担債務について弁済の責任を負う。 ただし、同項の規定による詐害行為取消請求により受託者から委託者に移転する財産の価額を限度とする。 3 前項の規定の適用については、第四十九条第一項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、金銭債権とみなす。 4 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合において、受益者が受託者から信託財産に属する財産の給付を受けたときは、債権者は、受益者を被告として、民法第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、当該受益者(当該受益者が受益権を譲り受けた者である場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)が、受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 5 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、債権者は、受益者を被告として、その受益権を委託者に譲り渡すことを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 民法第四百二十六条の規定は、前項の規定による請求権について準用する。 7 受益者の指定又は受益権の譲渡に当たっては、第一項本文、第四項本文又は第五項前段の規定の適用を不当に免れる目的で、債権者を害することを知らない者(以下この項において「善意者」という。)を無償(無償と同視すべき有償を含む。以下この項において同じ。)で受益者として指定し、又は善意者に対し無償で受益権を譲り渡してはならない。 8 前項の規定に違反する受益者の指定又は受益権の譲渡により受益者となった者については、第一項ただし書及び第四項ただし書(第五項後段において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (詐害信託の否認等) 第十二条 破産者が委託者としてした信託における破産法(平成十六年法律第七十五号)第百六十条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 2 破産者が破産債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、破産管財人は、受益者を被告として、その受益権を破産財団に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 3 再生債務者が委託者としてした信託における民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法(平成十八年法律第百八号)第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 4 再生債務者が再生債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、否認権限を有する監督委員又は管財人は、受益者を被告として、その受益権を再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 5 前二項の規定は、更生会社(会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二条第七項に規定する更生会社又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百六十九条第七項に規定する更生会社をいう。)又は更生協同組織金融機関(同法第四条第七項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)について準用する。 この場合において、第三項中「民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項」とあるのは「会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第八十六条第一項並びに金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第五十七条第一項及び第二百二十三条第一項」と、「同項各号」とあるのは「これらの規定」と、前項中「再生債権者」とあるのは「更生債権者又は更生担保権者」と、「否認権限を有する監督委員又は管財人」とあるのは「管財人」と、「再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。 (会計の原則) 第十三条 信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二章 信託財産等 (信託財産に属する財産の対抗要件) 第十四条 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 (信託財産に属する財産の占有の 瑕疵 かし の承継) 第十五条 受託者は、信託財産に属する財産の占有について、委託者の占有の 瑕疵 かし を承継する。 (信託財産の範囲) 第十六条 信託行為において信託財産に属すべきものと定められた財産のほか、次に掲げる財産は、信託財産に属する。 一 信託財産に属する財産の管理、処分、滅失、損傷その他の事由により受託者が得た財産 二 次条、第十八条、第十九条(第八十四条の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)、第二百二十六条第三項、第二百二十八条第三項及び第二百五十四条第二項の規定により信託財産に属することとなった財産(第十八条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産に属するものとみなされた共有持分及び第十九条の規定による分割によって信託財産に属することとされた財産を含む。) (信託財産に属する財産の付合等) 第十七条 信託財産に属する財産と固有財産若しくは他の信託の信託財産に属する財産との付合若しくは混和又はこれらの財産を材料とする加工があった場合には、各信託の信託財産及び固有財産に属する財産は各別の所有者に属するものとみなして、民法第二百四十二条から第二百四十八条までの規定を適用する。 第十八条 信託財産に属する財産と固有財産に属する財産とを識別することができなくなった場合(前条に規定する場合を除く。)には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。 この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなくなった当時における各財産の価格の割合に応ずる。 2 前項の共有持分は、相等しいものと推定する。 3 前二項の規定は、ある信託の受託者が他の信託の受託者を兼ねる場合において、各信託の信託財産に属する財産を識別することができなくなったとき(前条に規定する場合を除く。)について準用する。 この場合において、第一項中「信託財産と固有財産と」とあるのは、「各信託の信託財産」と読み替えるものとする。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割) 第十九条 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 信託行為において定めた方法 二 受託者と受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議による方法 三 分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、受託者が決する方法 2 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、受託者又は受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 3 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と他の信託の信託財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 各信託の信託行為において定めた方法 二 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議による方法 三 各信託について、分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、各信託の受託者が決する方法 4 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 (信託財産に属する財産についての混同の特例) 第二十条 同一物について所有権及び他の物権が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第一項本文の規定にかかわらず、当該他の物権は、消滅しない。 2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第二項前段の規定にかかわらず、当該他の権利は、消滅しない。 3 次に掲げる場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は、消滅しない。 一 信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合を除く。) 二 信託財産責任負担債務に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合を除く。) 三 固有財産又は他の信託の信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合に限る。) 四 受託者の債務(信託財産責任負担債務を除く。)に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合に限る。) (信託財産責任負担債務の範囲) 第二十一条 次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。 一 受益債権 二 信託財産に属する財産について信託前の原因によって生じた権利 三 信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの 四 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 五 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属するものによって生じた権利 六 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属しないもののうち、次に掲げるものによって生じた権利 イ 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。ロにおいて同じ。)の規定により取り消すことができない行為(当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知らなかったもの(信託財産に属する財産について権利を設定し又は移転する行為を除く。)を除く。) ロ 第二十七条第一項又は第二項の規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないもの 七 第三十一条第六項に規定する処分その他の行為又は同条第七項に規定する行為のうち、これらの規定により取り消すことができない行為又はこれらの規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないものによって生じた権利 八 受託者が信託事務を処理するについてした不法行為によって生じた権利 九 第五号から前号までに掲げるもののほか、信託事務の処理について生じた権利 2 信託財産責任負担債務のうち次に掲げる権利に係る債務について、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う。 一 受益債権 二 信託行為に第二百十六条第一項の定めがあり、かつ、第二百三十二条の定めるところにより登記がされた場合における信託債権(信託財産責任負担債務に係る債権であって、受益債権でないものをいう。以下同じ。) 三 前二号に掲げる場合のほか、この法律の規定により信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものとされる場合における信託債権 四 信託債権を有する者(以下「信託債権者」という。)との間で信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の合意がある場合における信託債権 (信託財産に属する債権等についての相殺の制限) 第二十二条 受託者が固有財産又は他の信託の信託財産(第一号において「固有財産等」という。)に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務(第一号及び第二号において「固有財産等責任負担債務」という。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって信託財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 一 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該信託財産に属する債権が固有財産等に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 二 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産等責任負担債務が信託財産責任負担債務でないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 2 前項本文の規定は、第三十一条第二項各号に掲げる場合において、受託者が前項の相殺を承認したときは、適用しない。 3 信託財産責任負担債務(信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって固有財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該固有財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産に属する債権が信託財産に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合は、この限りでない。 4 前項本文の規定は、受託者が同項の相殺を承認したときは、適用しない。 (信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等) 第二十三条 信託財産責任負担債務に係る債権(信託財産に属する財産について生じた権利を含む。次項において同じ。)に基づく場合を除き、信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売(担保権の実行としてのものを除く。以下同じ。)又は国税滞納処分(その例による処分を含む。以下同じ。)をすることができない。 2 第三条第三号に掲げる方法によって信託がされた場合において、委託者がその債権者を害することを知って当該信託をしたときは、前項の規定にかかわらず、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者のほか、当該委託者(受託者であるものに限る。)に対する債権で信託前に生じたものを有する者は、信託財産に属する財産に対し、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることができる。 3 第十一条第一項ただし書、第七項及び第八項の規定は、前項の規定の適用について準用する。 4 前二項の規定は、第二項の信託がされた時から二年間を経過したときは、適用しない。 5 第一項又は第二項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十八条及び民事保全法(平成元年法律第九十一号)第四十五条の規定を準用する。 6 第一項又は第二項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (費用又は報酬の支弁等) 第二十四条 前条第五項又は第六項の規定による異議に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (信託財産と受託者の破産手続等との関係等) 第二十五条 受託者が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、破産財団に属しない。 2 前項の場合には、受益債権は、破産債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 3 第一項の場合には、破産法第二百五十二条第一項の免責許可の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 4 受託者が再生手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。 5 前項の場合には、受益債権は、再生債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 6 第四項の場合には、再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責又は変更は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 7 前三項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、第四項中「再生債務者財産」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、第五項中「再生債権」とあるのは「更生債権又は更生担保権」と、前項中「再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定」とあるのは「更生計画又は更生計画認可の決定」と読み替えるものとする。 第三章 受託者等 第一節 受託者の権限 (受託者の権限の範囲) 第二十六条 受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。 ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。 (受託者の権限違反行為の取消し) 第二十七条 受託者が信託財産のためにした行為がその権限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 2 前項の規定にかかわらず、受託者が信託財産に属する財産(第十四条の信託の登記又は登録をすることができるものに限る。)について権利を設定し又は移転した行為がその権限に属しない場合には、次のいずれにも該当するときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の当時、当該信託財産に属する財産について第十四条の信託の登記又は登録がされていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 3 二人以上の受益者のうちの一人が前二項の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。 4 第一項又は第二項の規定による取消権は、受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)が取消しの原因があることを知った時から三箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。 行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 (信託事務の処理の第三者への委託) 第二十八条 受託者は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。 一 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。 二 信託行為に信託事務の処理の第三者への委託に関する定めがない場合において、信託事務の処理を第三者に委託することが信託の目的に照らして相当であると認められるとき。 三 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託してはならない旨の定めがある場合において、信託事務の処理を第三者に委託することにつき信託の目的に照らしてやむを得ない事由があると認められるとき。 第二節 受託者の義務等 (受託者の注意義務) 第二十九条 受託者は、信託の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。 2 受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる注意をもって、これをするものとする。 (忠実義務) 第三十条 受託者は、受益者のため忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない。 (利益相反行為の制限) 第三十一条 受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。 一 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を信託財産に帰属させること。 二 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を他の信託の信託財産に帰属させること。 三 第三者との間において信託財産のためにする行為であって、自己が当該第三者の代理人となって行うもの 四 信託財産に属する財産につき固有財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を被担保債権とする担保権を設定することその他第三者との間において信託財産のためにする行為であって受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反することとなるもの 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為について重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 三 相続その他の包括承継により信託財産に属する財産に係る権利が固有財産に帰属したとき。 四 受託者が当該行為をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該行為の信託財産に与える影響、当該行為の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるとき。 3 受託者は、第一項各号に掲げる行為をしたときは、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされた場合には、これらの行為は、無効とする。 5 前項の行為は、受益者の追認により、当該行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。 6 第四項に規定する場合において、受託者が第三者との間において第一項第一号又は第二号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該処分その他の行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 7 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第三号又は第四号に掲げる行為がされた場合には、当該第三者がこれを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 第三十二条 受託者は、受託者として有する権限に基づいて信託事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが受益者の利益に反するものについては、これを固有財産又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることについて重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 3 受託者は、第一項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算でした場合には、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して受託者が第一項に規定する行為をした場合には、受益者は、当該行為は信託財産のためにされたものとみなすことができる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 前項の規定による権利は、当該行為の時から一年を経過したときは、消滅する。 (公平義務) 第三十三条 受益者が二人以上ある信託においては、受託者は、受益者のために公平にその職務を行わなければならない。 (分別管理義務) 第三十四条 受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。 ただし、分別して管理する方法について、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 第十四条の信託の登記又は登録をすることができる財産(第三号に掲げるものを除く。) 当該信託の登記又は登録 二 第十四条の信託の登記又は登録をすることができない財産(次号に掲げるものを除く。) 次のイ又はロに掲げる財産の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 動産(金銭を除く。) 信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを外形上区別することができる状態で保管する方法 ロ 金銭その他のイに掲げる財産以外の財産 その計算を明らかにする方法 三 法務省令で定める財産 当該財産を適切に分別して管理する方法として法務省令で定めるもの 2 前項ただし書の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる財産について第十四条の信託の登記又は登録をする義務は、これを免除することができない。 (信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務) 第三十五条 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。 2 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託したときは、受託者は、当該第三者に対し、信託の目的の達成のために必要かつ適切な監督を行わなければならない。 3 受託者が信託事務の処理を次に掲げる第三者に委託したときは、前二項の規定は、適用しない。 ただし、受託者は、当該第三者が不適任若しくは不誠実であること又は当該第三者による事務の処理が不適切であることを知ったときは、その旨の受益者に対する通知、当該第三者への委託の解除その他の必要な措置をとらなければならない。 一 信託行為において指名された第三者 二 信託行為において受託者が委託者又は受益者の指名に従い信託事務の処理を第三者に委託する旨の定めがある場合において、当該定めに従い指名された第三者 4 前項ただし書の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託事務の処理の状況についての報告義務) 第三十六条 委託者又は受益者は、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求めることができる。 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務) 第三十七条 受託者は、信託事務に関する計算並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 受託者は、毎年一回、一定の時期に、法務省令で定めるところにより、貸借対照表、損益計算書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者は、第一項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第六項ただし書において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 5 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 受託者は、第二項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 (帳簿等の閲覧等の請求) 第三十八条 受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 前条第一項又は第五項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第一項又は第五項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が当該信託に係る業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 五 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 六 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前項(第一号及び第二号を除く。)の規定は、受益者が二人以上ある信託のすべての受益者から第一項の請求があったとき、又は受益者が一人である信託の当該受益者から同項の請求があったときは、適用しない。 4 信託行為において、次に掲げる情報以外の情報について、受益者が同意をしたときは第一項の規定による閲覧又は謄写の請求をすることができない旨の定めがある場合には、当該同意をした受益者(その承継人を含む。以下この条において同じ。)は、その同意を撤回することができない。 一 前条第二項の書類又は電磁的記録の作成に欠くことのできない情報その他の信託に関する重要な情報 二 当該受益者以外の者の利益を害するおそれのない情報 5 受託者は、前項の同意をした受益者から第一項の規定による閲覧又は謄写の請求があったときは、前項各号に掲げる情報に該当する部分を除き、これを拒むことができる。 6 利害関係人は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 一 前条第二項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第二項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (他の受益者の氏名等の開示の請求) 第三十九条 受益者が二人以上ある信託においては、受益者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 他の受益者の氏名又は名称及び住所 二 他の受益者が有する受益権の内容 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第三節 受託者の責任等 (受託者の損失てん補責任等) 第四十条 受託者がその任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第二号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、この限りでない。 一 信託財産に損失が生じた場合 当該損失のてん補 二 信託財産に変更が生じた場合 原状の回復 2 受託者が第二十八条の規定に違反して信託事務の処理を第三者に委託した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、第三者に委託をしなかったとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、前項の責任を免れることができない。 3 受託者が第三十条、第三十一条第一項及び第二項又は第三十二条第一項及び第二項の規定に違反する行為をした場合には、受託者は、当該行為によって受託者又はその利害関係人が得た利益の額と同額の損失を信託財産に生じさせたものと推定する。 4 受託者が第三十四条の規定に違反して信託財産に属する財産を管理した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、同条の規定に従い分別して管理をしたとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、第一項の責任を免れることができない。 (法人である受託者の役員の連帯責任) 第四十一条 法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるときは、受益者に対し、当該法人と連帯して、損失のてん補又は原状の回復をする責任を負う。 (損失てん補責任等の免除) 第四十二条 受益者は、次に掲げる責任を免除することができる。 一 第四十条の規定による責任 二 前条の規定による責任 (損失塡補責任等に係る債権の期間の制限) 第四十三条 第四十条の規定による責任に係る債権の消滅時効は、債務の不履行によって生じた責任に係る債権の消滅時効の例による。 2 第四十一条の規定による責任に係る債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 受益者が当該債権を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 当該債権を行使することができる時から十年間行使しないとき。 3 第四十条又は第四十一条の規定による責任に係る受益者の債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 4 前項に規定する債権は、受託者がその任務を怠ったことによって信託財産に損失又は変更が生じた時から二十年を経過したときは、消滅する。 (受益者による受託者の行為の差止め) 第四十四条 受託者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 受託者が第三十三条の規定に違反する行為をし、又はこれをするおそれがある場合において、当該行為によって一部の受益者に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 (費用又は報酬の支弁等) 第四十五条 第四十条、第四十一条又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (検査役の選任) 第四十六条 受託者の信託事務の処理に関し、不正の行為又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、受益者は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の規定による検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 5 第二項の検査役は、信託財産から裁判所が定める報酬を受けることができる。 6 前項の規定による検査役の報酬を定める裁判をする場合には、受託者及び第二項の検査役の陳述を聴かなければならない。 7 第五項の規定による検査役の報酬を定める裁判に対しては、受託者及び第二項の検査役に限り、即時抗告をすることができる。 第四十七条 前条第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求め、又は当該信託に係る帳簿、書類その他の物件を調査することができる。 2 前条第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 3 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、前条第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 4 前条第二項の検査役は、第二項の報告をしたときは、受託者及び同条第一項の申立てをした受益者に対し、第二項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 5 受託者は、前項の規定による書面の写しの交付又は電磁的記録に記録された事項の法務省令で定める方法による提供があったときは、直ちに、その旨を受益者(前条第一項の申立てをしたものを除く。次項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 裁判所は、第二項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、受託者に対し、同項の調査の結果を受益者に通知することその他の当該報告の内容を周知するための適切な措置をとるべきことを命じなければならない。 第四節 受託者の費用等及び信託報酬等 (信託財産からの費用等の償還等) 第四十八条 受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。)の償還を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、信託事務を処理するについて費用を要するときは、信託財産からその前払を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 受託者は、前項本文の規定により信託財産から費用の前払を受けるには、受益者に対し、前払を受ける額及びその算定根拠を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項又は第二項の規定にかかわらず、費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第四十条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けることを妨げない。 (費用等の償還等の方法) 第四十九条 受託者は、前条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。 2 前項に規定する場合において、必要があるときは、受託者は、信託財産に属する財産(当該財産を処分することにより信託の目的を達成することができないこととなるものを除く。)を処分することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項に規定する場合において、第三十一条第二項各号のいずれかに該当するときは、受託者は、第一項の規定により有する権利の行使に代えて、信託財産に属する財産で金銭以外のものを固有財産に帰属させることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項の規定により受託者が有する権利は、信託財産に属する財産に対し強制執行又は担保権の実行の手続が開始したときは、これらの手続との関係においては、金銭債権とみなす。 5 前項の場合には、同項に規定する権利の存在を証する文書により当該権利を有することを証明した受託者も、同項の強制執行又は担保権の実行の手続において、配当要求をすることができる。 6 各債権者(信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。)の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、他の債権者(当該費用等がすべての債権者に有益でなかった場合にあっては、当該費用等によって利益を受けていないものを除く。)の権利に優先する。 この場合においては、その順位は、民法第三百七条第一項に規定する先取特権と同順位とする。 7 次の各号に該当する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、当該各号に掲げる区分に応じ、当該各号の財産に係る第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、当該各号に定める金額について、他の債権者の権利に優先する。 一 信託財産に属する財産の保存のために支出した金額その他の当該財産の価値の維持のために必要であると認められるもの その金額 二 信託財産に属する財産の改良のために支出した金額その他の当該財産の価値の増加に有益であると認められるもの その金額又は現に存する増価額のいずれか低い金額 (信託財産責任負担債務の弁済による受託者の代位) 第五十条 受託者は、信託財産責任負担債務を固有財産をもって弁済した場合において、これにより前条第一項の規定による権利を有することとなったときは、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に代位する。 この場合においては、同項の規定により受託者が有する権利は、その代位との関係においては、金銭債権とみなす。 2 前項の規定により受託者が同項の債権者に代位するときは、受託者は、遅滞なく、当該債権者の有する債権が信託財産責任負担債務に係る債権である旨及びこれを固有財産をもって弁済した旨を当該債権者に通知しなければならない。 (費用等の償還等と同時履行) 第五十一条 受託者は、第四十九条第一項の規定により受託者が有する権利が消滅するまでは、受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者に対する信託財産に係る給付をすべき債務の履行を拒むことができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託財産が費用等の償還等に不足している場合の措置) 第五十二条 受託者は、第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産(第四十九条第二項の規定により処分することができないものを除く。第一号及び第四項において同じ。)が不足している場合において、委託者及び受益者に対し次に掲げる事項を通知し、第二号の相当の期間を経過しても委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けなかったときは、信託を終了させることができる。 一 信託財産が不足しているため費用等の償還又は費用の前払を受けることができない旨 二 受託者の定める相当の期間内に委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けないときは、信託を終了させる旨 2 委託者が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「受益者」とする。 3 受益者が現に存しない場合における第一項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「委託者」とする。 4 第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産が不足している場合において、委託者及び受益者が現に存しないときは、受託者は、信託を終了させることができる。 (信託財産からの損害の賠償) 第五十三条 受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、信託財産からその賠償を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者が信託事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 受託者が信託事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 2 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)並びに前二条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。 (受託者の信託報酬) 第五十四条 受託者は、信託の引受けについて商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬(信託事務の処理の対価として受託者の受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。 2 前項の場合には、信託報酬の額は、信託行為に信託報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 3 前項の定めがないときは、受託者は、信託財産から信託報酬を受けるには、受益者に対し、信託報酬の額及びその算定の根拠を通知しなければならない。 4 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)、第五十一条並びに第五十二条並びに民法第六百四十八条第二項及び第三項並びに第六百四十八条の二の規定は、受託者の信託報酬について準用する。 (受託者による担保権の実行) 第五十五条 担保権が信託財産である信託において、信託行為において受益者が当該担保権によって担保される債権に係る債権者とされている場合には、担保権者である受託者は、信託事務として、当該担保権の実行の申立てをし、売却代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる。 第五節 受託者の変更等 第一款 受託者の任務の終了 (受託者の任務の終了事由) 第五十六条 受託者の任務は、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第二号又は第三号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者である個人の死亡 二 受託者である個人が後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと。 三 受託者(破産手続開始の決定により解散するものを除く。)が破産手続開始の決定を受けたこと。 四 受託者である法人が合併以外の理由により解散したこと。 五 次条の規定による受託者の辞任 六 第五十八条の規定による受託者の解任 七 信託行為において定めた事由 2 受託者である法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、受託者の任務を引き継ぐものとする。 受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継する法人も、同様とする。 3 前項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項第三号に掲げる事由が生じた場合において、同項ただし書の定めにより受託者の任務が終了しないときは、受託者の職務は、破産者が行う。 5 受託者の任務は、受託者が再生手続開始の決定を受けたことによっては、終了しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 前項本文に規定する場合において、管財人があるときは、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、管財人に専属する。 保全管理人があるときも、同様とする。 7 前二項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、前項中「管財人があるとき」とあるのは、「管財人があるとき(会社更生法第七十四条第二項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十七条及び第二百十三条において準用する場合を含む。)の期間を除く。)」と読み替えるものとする。 (受託者の辞任) 第五十七条 受託者は、委託者及び受益者の同意を得て、辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 3 受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による辞任の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 委託者が現に存しない場合には、第一項本文の規定は、適用しない。 (受託者の解任) 第五十八条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者がその任務に違反して信託財産に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、委託者又は受益者の申立てにより、受託者を解任することができる。 5 裁判所は、前項の規定により受託者を解任する場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による解任の裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 8 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 第二款 前受託者の義務等 (前受託者の通知及び保管の義務等) 第五十九条 第五十六条第一項第三号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、受託者であった者(以下「前受託者」という。)は、受益者に対し、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、破産管財人に対し、信託財産に属する財産の内容及び所在、信託財産責任負担債務の内容その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 3 第五十六条第一項第四号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新たな受託者(第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合にあっては、信託財産管理者。以下この節において「新受託者等」という。)が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その義務を加重することができる。 4 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き受託者としての権利義務を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。 5 第三項の場合(前項本文に規定する場合を除く。)において、前受託者が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 (前受託者の相続人等の通知及び保管の義務等) 第六十条 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、前受託者の相続人(法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人)又は成年後見人若しくは保佐人(以下この節において「前受託者の相続人等」と総称する。)がその事実を知っているときは、前受託者の相続人等は、知れている受益者に対し、これを通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者の相続人等は、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 3 前項の場合において、前受託者の相続人等が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 4 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、破産管財人は、新受託者等が信託事務を処理することができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 5 前項の場合において、破産管財人が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、破産管財人に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 6 前受託者の相続人等又は破産管財人は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、第一項、第二項又は第四項の規定による行為をするために支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 7 第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者の相続人等又は破産管財人が有する権利について準用する。 (費用又は報酬の支弁等) 第六十一条 第五十九条第五項又は前条第三項若しくは第五項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 第三款 新受託者の選任 第六十二条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者(以下「新受託者」という。)に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、委託者及び受益者は、その合意により、新受託者を選任することができる。 2 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、新受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 第一項の場合において、同項の合意に係る協議の状況その他の事情に照らして必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、新受託者を選任することができる。 5 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 6 第四項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受益者又は現に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 8 委託者が現に存しない場合における前各項の規定の適用については、第一項中「委託者及び受益者は、その合意により」とあるのは「受益者は」と、第三項中「委託者及び受益者」とあるのは「受益者」と、第四項中「同項の合意に係る協議の状況」とあるのは「受益者の状況」とする。 第四款 信託財産管理者等 (信託財産管理命令) 第六十三条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が選任されておらず、かつ、必要があると認めるときは、新受託者が選任されるまでの間、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産管理者による管理を命ずる処分(以下この款において「信託財産管理命令」という。)をすることができる。 2 前項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、信託財産管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 4 信託財産管理命令及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者の選任等) 第六十四条 裁判所は、信託財産管理命令をする場合には、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 2 前項の規定による信託財産管理者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 裁判所は、第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 信託財産管理者を選任した旨 二 信託財産管理者の氏名又は名称 4 前項第二号の規定は、同号に掲げる事項に変更を生じた場合について準用する。 5 信託財産管理命令があった場合において、信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものがあることを知ったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 信託財産管理命令を取り消す裁判があったとき、又は信託財産管理命令があった後に新受託者が選任された場合において当該新受託者が信託財産管理命令の登記若しくは登録の抹消の嘱託の申立てをしたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 (前受託者がした法律行為の効力) 第六十五条 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった後に信託財産に属する財産に関してした法律行為は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 2 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった日にした法律行為は、当該裁判があった後にしたものと推定する。 (信託財産管理者の権限) 第六十六条 第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合には、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、信託財産管理者に専属する。 2 二人以上の信託財産管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 3 二人以上の信託財産管理者があるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 信託財産管理者が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 保存行為 二 信託財産に属する財産の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為 5 前項の規定に違反して行った信託財産管理者の行為は、無効とする。 ただし、信託財産管理者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 信託財産管理者は、第二項ただし書又は第四項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 7 第二項ただし書又は第四項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 8 第二項ただし書又は第四項の規定による許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (信託財産に属する財産の管理) 第六十七条 信託財産管理者は、就職の後直ちに信託財産に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第六十八条 信託財産に関する訴えについては、信託財産管理者を原告又は被告とする。 (信託財産管理者の義務等) 第六十九条 信託財産管理者は、その職務を行うに当たっては、受託者と同一の義務及び責任を負う。 (信託財産管理者の辞任及び解任) 第七十条 第五十七条第二項から第五項までの規定は信託財産管理者の辞任について、第五十八条第四項から第七項までの規定は信託財産管理者の解任について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条第二項中「やむを得ない事由」とあるのは、「正当な事由」と読み替えるものとする。 (信託財産管理者の報酬等) 第七十一条 信託財産管理者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 2 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、信託財産管理者の陳述を聴かなければならない。 3 第一項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、信託財産管理者に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者による新受託者への信託事務の引継ぎ等) 第七十二条 第七十七条の規定は、信託財産管理者の選任後に新受託者が就任した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とあり、同条第二項中「受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)」とあり、及び同条第三項中「受益者」とあるのは「新受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該新受託者」と読み替えるものとする。 (受託者の職務を代行する者の権限) 第七十三条 第六十六条の規定は、受託者の職務を代行する者を選任する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者について準用する。 (受託者の死亡により任務が終了した場合の信託財産の帰属等) 第七十四条 第五十六条第一項第一号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、信託財産は、法人とする。 2 前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産法人管理人による管理を命ずる処分(第六項において「信託財産法人管理命令」という。)をすることができる。 3 第六十三条第二項から第四項までの規定は、前項の申立てに係る事件について準用する。 4 新受託者が就任したときは、第一項の法人は、成立しなかったものとみなす。 ただし、信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 5 信託財産法人管理人の代理権は、新受託者が信託事務の処理をすることができるに至った時に消滅する。 6 第六十四条の規定は信託財産法人管理命令をする場合について、第六十六条から第七十二条までの規定は信託財産法人管理人について、それぞれ準用する。 第五款 受託者の変更に伴う権利義務の承継等 (信託に関する権利義務の承継等) 第七十五条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が就任したときは、新受託者は、前受託者の任務が終了した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 2 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合(第五十九条第四項ただし書の場合を除く。)には、新受託者は、新受託者等が就任した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 3 前二項の規定は、新受託者が就任するに至るまでの間に前受託者、信託財産管理者又は信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 4 第二十七条の規定は、新受託者等が就任するに至るまでの間に前受託者がその権限に属しない行為をした場合について準用する。 5 前受託者(その相続人を含む。以下この条において同じ。)が第四十条の規定による責任を負う場合又は法人である前受託者の理事、取締役若しくは執行役若しくはこれらに準ずる者(以下この項において「理事等」と総称する。)が第四十一条の規定による責任を負う場合には、新受託者等又は信託財産法人管理人は、前受託者又は理事等に対し、第四十条又は第四十一条の規定による請求をすることができる。 6 前受託者が信託財産から費用等の償還若しくは損害の賠償を受けることができ、又は信託報酬を受けることができる場合には、前受託者は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、費用等の償還若しくは損害の賠償又は信託報酬の支払を請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 7 第四十八条第四項並びに第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者が有する権利について準用する。 8 新受託者が就任するに至るまでの間に信託財産に属する財産に対し既にされている強制執行、仮差押え若しくは仮処分の執行又は担保権の実行若しくは競売の手続は、新受託者に対し続行することができる。 9 前受託者は、第六項の規定による請求に係る債権の弁済を受けるまで、信託財産に属する財産を留置することができる。 (承継された債務に関する前受託者及び新受託者の責任) 第七十六条 前条第一項又は第二項の規定により信託債権に係る債務が新受託者に承継された場合にも、前受託者は、自己の固有財産をもって、その承継された債務を履行する責任を負う。 ただし、信託財産に属する財産のみをもって当該債務を履行する責任を負うときは、この限りでない。 2 新受託者は、前項本文に規定する債務を承継した場合には、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (前受託者による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十七条 新受託者等が就任した場合には、前受託者は、遅滞なく、信託事務に関する計算を行い、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対しその承認を求めるとともに、新受託者等が信託事務の処理を行うのに必要な信託事務の引継ぎをしなければならない。 2 受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)が前項の計算を承認した場合には、同項の規定による当該受益者に対する信託事務の引継ぎに関する責任は、免除されたものとみなす。 ただし、前受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者が前受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者は、同項の計算を承認したものとみなす。 (前受託者の相続人等又は破産管財人による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十八条 前条の規定は、第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における前受託者の相続人等及び同項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における破産管財人について準用する。 第六節 受託者が二人以上ある信託の特例 (信託財産の合有) 第七十九条 受託者が二人以上ある信託においては、信託財産は、その合有とする。 (信託事務の処理の方法) 第八十条 受託者が二人以上ある信託においては、信託事務の処理については、受託者の過半数をもって決する。 2 前項の規定にかかわらず、保存行為については、各受託者が単独で決することができる。 3 前二項の規定により信託事務の処理について決定がされた場合には、各受託者は、当該決定に基づいて信託事務を執行することができる。 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合には、各受託者は、その定めに従い、信託事務の処理について決し、これを執行する。 5 前二項の規定による信託事務の処理についての決定に基づく信託財産のためにする行為については、各受託者は、他の受託者を代理する権限を有する。 6 前各項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 7 受託者が二人以上ある信託においては、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 ただし、受益者の意思表示については、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (職務分掌者の当事者適格) 第八十一条 前条第四項に規定する場合には、信託財産に関する訴えについて、各受託者は、自己の分掌する職務に関し、他の受託者のために原告又は被告となる。 (信託事務の処理についての決定の他の受託者への委託) 第八十二条 受託者が二人以上ある信託においては、各受託者は、信託行為に別段の定めがある場合又はやむを得ない事由がある場合を除き、他の受託者に対し、信託事務(常務に属するものを除く。)の処理についての決定を委託することができない。 (信託事務の処理に係る債務の負担関係) 第八十三条 受託者が二人以上ある信託において、信託事務を処理するに当たって各受託者が第三者に対し債務を負担した場合には、各受託者は、連帯債務者とする。 2 前項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合において、ある受託者がその定めに従い信託事務を処理するに当たって第三者に対し債務を負担したときは、他の受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、当該第三者が、その債務の負担の原因である行為の当時、当該行為が信託事務の処理としてされたこと及び受託者が二人以上ある信託であることを知っていた場合であって、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがあることを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときは、当該他の受託者は、これをもって当該第三者に対抗することができない。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割の特例) 第八十四条 受託者が二人以上ある信託における第十九条の規定の適用については、同条第一項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第二号中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者の」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同条第三項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託又は他の信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「各信託財産の共有持分が属する受託者の」と、「受託者が決する」とあるのは「受託者の協議による」と、同条第四項中「第二号」とあるのは「第二号又は第三号」とする。 (受託者の責任等の特例) 第八十五条 受託者が二人以上ある信託において、二人以上の受託者がその任務に違反する行為をしたことにより第四十条の規定による責任を負う場合には、当該行為をした各受託者は、連帯債務者とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第四十条第一項及び第四十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「受益者又は他の受託者」とする。 3 受託者が二人以上ある信託において第四十二条の規定により第四十条又は第四十一条の規定による責任が免除されたときは、他の受託者は、これらの規定によれば当該責任を負うべき者に対し、当該責任の追及に係る請求をすることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者が二人以上ある信託における第四十四条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者又は他の受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該受益者又は他の受託者」とする。 (受託者の変更等の特例) 第八十六条 受託者が二人以上ある信託における第五十九条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第三項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第六十条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第二項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 3 受託者が二人以上ある信託における第七十四条第一項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とする。 4 受託者が二人以上ある信託においては、第七十五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、その一人の任務が第五十六条第一項各号に掲げる事由により終了した場合には、その任務が終了した時に存する信託に関する権利義務は他の受託者が当然に承継し、その任務は他の受託者が行う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託の終了の特例) 第八十七条 受託者が二人以上ある信託における第百六十三条第三号の規定の適用については、同号中「受託者が欠けた場合」とあるのは、「すべての受託者が欠けた場合」とする。 2 受託者が二人以上ある信託においては、受託者の一部が欠けた場合であって、前条第四項ただし書の規定によりその任務が他の受託者によって行われず、かつ、新受託者が就任しない状態が一年間継続したときも、信託は、終了する。 第四章 受益者等 第一節 受益者の権利の取得及び行使 (受益権の取得) 第八十八条 信託行為の定めにより受益者となるべき者として指定された者(次条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定された者を含む。)は、当然に受益権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、前項に規定する受益者となるべき者として指定された者が同項の規定により受益権を取得したことを知らないときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者指定権等) 第八十九条 受益者を指定し、又はこれを変更する権利(以下この条において「受益者指定権等」という。)を有する者の定めのある信託においては、受益者指定権等は、受託者に対する意思表示によって行使する。 2 前項の規定にかかわらず、受益者指定権等は、遺言によって行使することができる。 3 前項の規定により遺言によって受益者指定権等が行使された場合において、受託者がこれを知らないときは、これにより受益者となったことをもって当該受託者に対抗することができない。 4 受託者は、受益者を変更する権利が行使されたことにより受益者であった者がその受益権を失ったときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 受益者指定権等は、相続によって承継されない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受益者指定権等を有する者が受託者である場合における第一項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受益者となるべき者」とする。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第九十条 次の各号に掲げる信託においては、当該各号の委託者は、受益者を変更する権利を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託 二 委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託 2 前項第二号の受益者は、同号の委託者が死亡するまでは、受益者としての権利を有しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例) 第九十一条 受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。 (信託行為の定めによる受益者の権利行使の制限の禁止) 第九十二条 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 一 この法律の規定による裁判所に対する申立権 二 第五条第一項の規定による催告権 三 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 四 第二十四条第一項の規定による支払の請求権 五 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 六 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 七 第三十六条の規定による報告を求める権利 八 第三十八条第一項又は第六項の規定による閲覧又は謄写の請求権 九 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十一 第四十四条の規定による差止めの請求権 十二 第四十五条第一項の規定による支払の請求権 十三 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十四 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十五 第六十一条第一項の規定による支払の請求権 十六 第六十二条第二項の規定による催告権 十七 第九十九条第一項の規定による受益権を放棄する権利 十八 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 十九 第百三十一条第二項の規定による催告権 二十 第百三十八条第二項の規定による催告権 二十一 第百八十七条第一項の規定による交付又は提供の請求権 二十二 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 二十三 第百九十八条第一項の規定による記載又は記録の請求権 二十四 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十五 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十六 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 第二節 受益権等 第一款 受益権の譲渡等 (受益権の譲渡性) 第九十三条 受益者は、その有する受益権を譲り渡すことができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「譲渡制限の定め」という。)は、その譲渡制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の譲渡の対抗要件) 第九十四条 受益権の譲渡は、譲渡人が受託者に通知をし、又は受託者が承諾をしなければ、受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の通知及び承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、受託者以外の第三者に対抗することができない。 (受益権の譲渡における受託者の抗弁) 第九十五条 受託者は、前条第一項の通知又は承諾がされるまでに譲渡人に対し生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。 (共同相続における受益権の承継の対抗要件) 第九十五条の二 相続により受益権が承継された場合において、民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該受益権を承継した共同相続人が当該受益権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該受益権を承継した場合にあっては、当該受益権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして受託者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が受託者に通知をしたものとみなして、同法第八百九十九条の二第一項の規定を適用する。 (受益権の質入れ) 第九十六条 受益者は、その有する受益権に質権を設定することができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の質入れを禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「質入制限の定め」という。)は、その質入制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった質権者その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の質入れの効果) 第九十七条 受益権を目的とする質権は、次に掲げる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下この条及び次条において同じ。)について存在する。 一 当該受益権を有する受益者が受託者から信託財産に係る給付として受けた金銭等 二 第百三条第六項に規定する受益権取得請求によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 三 信託の変更による受益権の併合又は分割によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 四 信託の併合又は分割(信託の併合又は信託の分割をいう。以下同じ。)によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 五 前各号に掲げるもののほか、当該受益権を有する受益者が当該受益権に代わるものとして受ける金銭等 第九十八条 受益権の質権者は、前条の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 前項の債権の弁済期が到来していないときは、受益権の質権者は、受託者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第二款 受益権の放棄 第九十九条 受益者は、受託者に対し、受益権を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、受益者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 2 受益者は、前項の規定による意思表示をしたときは、当初から受益権を有していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 第三款 受益債権 (受益債権に係る受託者の責任) 第百条 受益債権に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (受益債権と信託債権との関係) 第百一条 受益債権は、信託債権に後れる。 (受益債権の期間の制限) 第百二条 受益債権の消滅時効は、次項及び第三項に定める事項を除き、債権の消滅時効の例による。 2 受益債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 3 受益債権の消滅時効は、次に掲げる場合に限り、援用することができる。 一 受託者が、消滅時効の期間の経過後、遅滞なく、受益者に対し受益債権の存在及びその内容を相当の期間を定めて通知し、かつ、受益者からその期間内に履行の請求を受けなかったとき。 二 消滅時効の期間の経過時において受益者の所在が不明であるとき、その他信託行為の定め、受益者の状況、関係資料の滅失その他の事情に照らして、受益者に対し前号の規定による通知をしないことについて正当な理由があるとき。 4 受益債権は、これを行使することができる時から二十年を経過したときは、消滅する。 第四款 受益権取得請求権 (受益権取得請求) 第百三条 次に掲げる事項に係る信託の変更(第三項において「重要な信託の変更」という。)がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、第一号又は第二号に掲げる事項に係る信託の変更がされる場合にあっては、これにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 一 信託の目的の変更 二 受益権の譲渡の制限 三 受託者の義務の全部又は一部の減免(当該減免について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 四 受益債権の内容の変更(当該内容の変更について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 五 信託行為において定めた事項 2 信託の併合又は分割がされる場合には、これらにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、前項第一号又は第二号に掲げる事項に係る変更を伴う信託の併合又は分割がされる場合にあっては、これらにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 3 前二項の受益者が、重要な信託の変更又は信託の併合若しくは信託の分割(以下この章において「重要な信託の変更等」という。)の意思決定に関与し、その際に当該重要な信託の変更等に賛成する旨の意思を表示したときは、前二項の規定は、当該受益者については、適用しない。 4 受託者は、重要な信託の変更等の意思決定の日から二十日以内に、受益者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 重要な信託の変更等をする旨 二 重要な信託の変更等がその効力を生ずる日(次条第一項において「効力発生日」という。) 三 重要な信託の変更等の中止に関する条件を定めたときは、その条件 5 前項の規定による通知は、官報による公告をもって代えることができる。 6 第一項又は第二項の規定による請求(以下この款において「受益権取得請求」という。)は、第四項の規定による通知又は前項の規定による公告の日から二十日以内に、その受益権取得請求に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 7 受益権取得請求をした受益者は、受託者の承諾を得た場合に限り、その受益権取得請求を撤回することができる。 8 重要な信託の変更等が中止されたときは、受益権取得請求は、その効力を失う。 (受益権の価格の決定等) 第百四条 受益権取得請求があった場合において、受益権の価格の決定について、受託者と受益者との間に協議が調ったときは、受託者は、受益権取得請求の日から六十日を経過する日(その日までに効力発生日が到来していない場合にあっては、効力発生日)までにその支払をしなければならない。 2 受益権の価格の決定について、受益権取得請求の日から三十日以内に協議が調わないときは、受託者又は受益者は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の規定により価格の決定をする場合には、同項の申立てをすることができる者の陳述を聴かなければならない。 4 第二項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による価格の決定の裁判に対しては、申立人及び同項の申立てをすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 7 前条第七項の規定にかかわらず、第二項に規定する場合において、受益権取得請求の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、受益者は、いつでも、受益権取得請求を撤回することができる。 8 第一項の受託者は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の利息をも支払わなければならない。 9 受託者は、受益権の価格の決定があるまでは、受益者に対し、当該受託者が公正な価格と認める額を支払うことができる。 10 受益権取得請求に係る受託者による受益権の取得は、当該受益権の価格に相当する金銭の支払の時に、その効力を生ずる。 11 受益証券(第百八十五条第一項に規定する受益証券をいう。以下この章において同じ。)が発行されている受益権について受益権取得請求があったときは、当該受益証券と引換えに、その受益権取得請求に係る受益権の価格に相当する金銭を支払わなければならない。 12 受益権取得請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 13 前条第一項又は第二項の規定により受託者が受益権を取得したときは、その受益権は、消滅する。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 第三節 二人以上の受益者による意思決定の方法の特例 第一款 総則 第百五条 受益者が二人以上ある信託における受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は、すべての受益者の一致によってこれを決する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項ただし書の場合において、信託行為に受益者集会における多数決による旨の定めがあるときは、次款の定めるところによる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項ただし書又は前項の規定にかかわらず、第四十二条の規定による責任の免除に係る意思決定の方法についての信託行為の定めは、次款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めに限り、その効力を有する。 4 第一項ただし書及び前二項の規定は、次に掲げる責任の免除については、適用しない。 一 第四十二条の規定による責任の全部の免除 二 第四十二条第一号の規定による責任(受託者がその任務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合に生じたものに限る。)の一部の免除 三 第四十二条第二号の規定による責任の一部の免除 第二款 受益者集会 (受益者集会の招集) 第百六条 受益者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 受益者集会は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)が招集する。 (受益者による招集の請求) 第百七条 受益者は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)に対し、受益者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、受益者集会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合において、信託財産に著しい損害を生ずるおそれがあるときは、前項の規定による請求をした受益者は、受益者集会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から八週間以内の日を受益者集会の日とする受益者集会の招集の通知が発せられない場合 (受益者集会の招集の決定) 第百八条 受益者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 受益者集会の日時及び場所 二 受益者集会の目的である事項があるときは、当該事項 三 受益者集会に出席しない受益者が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下この款において同じ。)によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益者集会の招集の通知) 第百九条 受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の二週間前までに、知れている受益者及び受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、知れている受益者、受託者及び信託監督人)に対し、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 無記名式の受益証券が発行されている場合において、受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の三週間前までに、受益者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を官報により公告しなければならない。 (受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第百十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている受益者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「受益者集会参考書類」という。)及び受益者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした受益者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、受益者の請求があったときは、これらの書類を当該受益者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、受益者集会の日の一週間前までに無記名受益権(無記名式の受益証券が発行されている受益権をいう。第八章において同じ。)の受益者の請求があったときは、直ちに、受益者集会参考書類及び議決権行使書面を当該受益者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、受益者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第百十一条 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第百九条第二項の承諾をした受益者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、受益者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第百九条第二項の承諾をしていない受益者から受益者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該受益者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (受益者の議決権) 第百十二条 受益者は、受益者集会において、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定めるものに応じて、議決権を有する。 一 各受益権の内容が均等である場合 受益権の個数 二 前号に掲げる場合以外の場合 受益者集会の招集の決定の時における受益権の価格 2 前項の規定にかかわらず、受益権が当該受益権に係る信託の信託財産に属するときは、受託者は、当該受益権については、議決権を有しない。 (受益者集会の決議) 第百十三条 受益者集会の決議は、議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第四十二条の規定による責任の免除(第百五条第四項各号に掲げるものを除く。) 二 第百三十六条第一項第一号に規定する合意 三 第百四十三条第一項第一号に規定する合意 四 第百四十九条第一項若しくは第二項第一号に規定する合意又は同条第三項に規定する意思表示 五 第百五十一条第一項又は第二項第一号に規定する合意 六 第百五十五条第一項又は第二項第一号に規定する合意 七 第百五十九条第一項又は第二項第一号に規定する合意 八 第百六十四条第一項に規定する合意 3 前二項の規定にかかわらず、第百三条第一項第二号から第四号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものを除く。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の半数以上であって、当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、第百三条第一項第一号又は第四号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものに限る。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、総受益者の半数以上であって、総受益者の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 受益者集会は、第百八条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第百十四条 受益者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該受益者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、受益者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の受益者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該受益者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第百十五条 受益者集会に出席しない受益者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第百十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (議決権の不統一行使) 第百十七条 受益者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、受益者集会の日の三日前までに、招集者に対しその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の受益者が他人のために受益権を有する者でないときは、当該受益者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (受託者の出席等) 第百十八条 受託者(法人である受託者にあっては、その代表者又は代理人。次項において同じ。)は、受益者集会に出席し、又は書面により意見を述べることができる。 2 受益者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、受託者に対し、その出席を求めることができる。 この場合において、受益者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第百十九条 受益者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八条及び第百九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百二十条 受益者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (受益者集会の決議の効力) 第百二十一条 受益者集会の決議は、当該信託のすべての受益者に対してその効力を有する。 (受益者集会の費用の負担) 第百二十二条 受益者集会に関する必要な費用を支出した者は、受託者に対し、その償還を請求することができる。 2 前項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 第四節 信託管理人等 第一款 信託管理人 (信託管理人の選任) 第百二十三条 信託行為においては、受益者が現に存しない場合に信託管理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託管理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託管理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託管理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が現に存しない場合において、信託行為に信託管理人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託管理人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 5 前項の規定による信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託管理人の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受託者又は既に存する信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託管理人の資格) 第百二十四条 次に掲げる者は、信託管理人となることができない。 一 未成年者 二 当該信託の受託者である者 (信託管理人の権限) 第百二十五条 信託管理人は、受益者のために自己の名をもって受益者の権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託管理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 この法律の規定により受益者に対してすべき通知は、信託管理人があるときは、信託管理人に対してしなければならない。 (信託管理人の義務) 第百二十六条 信託管理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託管理人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託管理人の費用等及び報酬) 第百二十七条 信託管理人は、その事務を処理するのに必要と認められる費用及び支出の日以後におけるその利息を受託者に請求することができる。 2 信託管理人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、受託者にその賠償を請求することができる。 一 信託管理人がその事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 信託管理人がその事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 3 信託管理人は、商法第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に信託管理人が報酬を受ける旨の定めがある場合に限り、受託者に報酬を請求することができる。 4 前三項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 5 第三項の場合には、報酬の額は、信託行為に報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 6 裁判所は、第百二十三条第四項の規定により信託管理人を選任した場合には、信託管理人の報酬を定めることができる。 7 前項の規定による信託管理人の報酬の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第三項の定め及び第五項の報酬の額に関する定めがあったものとみなす。 8 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判をする場合には、受託者及び信託管理人の陳述を聴かなければならない。 9 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判に対しては、受託者及び信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託管理人の任務の終了) 第百二十八条 第五十六条の規定は、信託管理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託管理人の辞任について、第五十八条の規定は信託管理人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託管理人の選任等) 第百二十九条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託管理人の任務が終了した場合における新たな信託管理人(次項において「新信託管理人」という。)の選任について準用する。 2 新信託管理人が就任した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、新信託管理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 3 前項の信託管理人であった者は、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知ったときは、遅滞なく、当該受益者となった者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 (信託管理人による事務の処理の終了等) 第百三十条 信託管理人による事務の処理は、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第二号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受益者が存するに至ったこと。 二 委託者が信託管理人に対し事務の処理を終了する旨の意思表示をしたこと。 三 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託管理人による事務の処理が終了した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 ただし、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知った場合に限る。 第二款 信託監督人 (信託監督人の選任) 第百三十一条 信託行為においては、受益者が現に存する場合に信託監督人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託監督人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託監督人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託監督人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が受託者の監督を適切に行うことができない特別の事情がある場合において、信託行為に信託監督人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託監督人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託監督人を選任することができる。 5 前項の規定による信託監督人の選任の裁判があったときは、当該信託監督人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託監督人の選任の裁判に対しては、委託者、受託者若しくは受益者又は既に存する信託監督人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託監督人の権限) 第百三十二条 信託監督人は、受益者のために自己の名をもって第九十二条各号(第十七号、第十八号、第二十一号及び第二十三号を除く。)に掲げる権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託監督人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託監督人の義務) 第百三十三条 信託監督人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託監督人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託監督人の任務の終了) 第百三十四条 第五十六条の規定は、信託監督人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託監督人の辞任について、第五十八条の規定は信託監督人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託監督人の選任等) 第百三十五条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託監督人の任務が終了した場合における新たな信託監督人(次項において「新信託監督人」という。)の選任について準用する。 2 新信託監督人が就任した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新信託監督人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (信託監督人による事務の処理の終了等) 第百三十六条 信託監督人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者が信託監督人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託監督人による事務の処理が終了した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百三十七条 第百二十四条及び第百二十七条の規定は、信託監督人について準用する。 この場合において、同条第六項中「第百二十三条第四項」とあるのは、「第百三十一条第四項」と読み替えるものとする。 第三款 受益者代理人 (受益者代理人の選任) 第百三十八条 信託行為においては、その代理する受益者を定めて、受益者代理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に受益者代理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受益者代理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、受益者代理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 (受益者代理人の権限等) 第百三十九条 受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受益者代理人がその代理する受益者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、その代理する受益者の範囲を示せば足りる。 3 一人の受益者につき二人以上の受益者代理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受益者代理人があるときは、当該受益者代理人に代理される受益者は、第九十二条各号に掲げる権利及び信託行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができない。 (受益者代理人の義務) 第百四十条 受益者代理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 受益者代理人は、その代理する受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (受益者代理人の任務の終了) 第百四十一条 第五十六条の規定は、受益者代理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は受益者代理人の辞任について、第五十八条の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。 (新受益者代理人の選任等) 第百四十二条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により受益者代理人の任務が終了した場合における新たな受益者代理人(次項において「新受益者代理人」という。)の選任について準用する。 この場合において、第六十二条第二項及び第四項中「利害関係人」とあるのは、「委託者又は受益者代理人に代理される受益者」と読み替えるものとする。 2 新受益者代理人が就任した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理する受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新受益者代理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (受益者代理人による事務の処理の終了等) 第百四十三条 受益者代理人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者代理人に代理される受益者が受益者代理人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により受益者代理人による事務の処理が終了した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理した受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百四十四条 第百二十四条及び第百二十七条第一項から第五項までの規定は、受益者代理人について準用する。 第五章 委託者 (委託者の権利等) 第百四十五条 信託行為においては、委託者がこの法律の規定によるその権利の全部又は一部を有しない旨を定めることができる。 2 信託行為においては、委託者も次に掲げる権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。 一 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 二 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 三 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 四 第三十二条第四項の規定による権利 五 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 六 第三十九条第一項の規定による開示の請求権 七 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 八 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 九 第四十四条の規定による差止めの請求権 十 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 十一 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十二 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十三 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十四 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十五 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 3 前項第一号、第七号から第九号まで又は第十一号から第十五号までに掲げる権利について同項の信託行為の定めがされた場合における第二十四条、第四十五条(第二百二十六条第六項、第二百二十八条第六項及び第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)又は第六十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「委託者又は受益者」とする。 4 信託行為においては、受託者が次に掲げる義務を負う旨を定めることができる。 一 この法律の規定により受託者が受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次号において同じ。)に対し通知すべき事項を委託者に対しても通知する義務 二 この法律の規定により受託者が受益者に対し報告すべき事項を委託者に対しても報告する義務 三 第七十七条第一項又は第百八十四条第一項の規定により受託者がする計算の承認を委託者に対しても求める義務 5 委託者が二人以上ある信託における第一項、第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「委託者」とあるのは、「委託者の全部又は一部」とする。 (委託者の地位の移転) 第百四十六条 委託者の地位は、受託者及び受益者の同意を得て、又は信託行為において定めた方法に従い、第三者に移転することができる。 2 委託者が二人以上ある信託における前項の規定の適用については、同項中「受託者及び受益者」とあるのは、「他の委託者、受託者及び受益者」とする。 (遺言信託における委託者の相続人) 第百四十七条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合には、委託者の相続人は、委託者の地位を相続により承継しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第百四十八条 第九十条第一項各号に掲げる信託において、その信託の受益者が現に存せず、又は同条第二項の規定により受益者としての権利を有しないときは、委託者が第百四十五条第二項各号に掲げる権利を有し、受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第六章 信託の変更、併合及び分割 第一節 信託の変更 (関係当事者の合意等) 第百四十九条 信託の変更は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、変更後の信託行為の内容を明らかにしてしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによりすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者による受託者に対する意思表示によってすることができる。 この場合において、第二号に掲げるときは、受託者は、委託者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 委託者及び受益者 二 信託の目的に反しないこと及び受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 受益者 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 委託者が現に存しない場合においては、第一項及び第三項第一号の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (特別の事情による信託の変更を命ずる裁判) 第百五十条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合しなくなるに至ったときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の変更を命ずることができる。 2 前項の申立ては、当該申立てに係る変更後の信託行為の定めを明らかにしてしなければならない。 3 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 4 第一項の申立てについての裁判には、理由の要旨を付さなければならない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 第二節 信託の併合 (関係当事者の合意等) 第百五十一条 信託の併合は、従前の各信託の委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 信託の併合後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 信託の併合に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 信託の併合がその効力を生ずる日 五 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、信託の併合は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十二条 信託の併合をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、信託の併合について異議を述べることができる。 ただし、信託の併合をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 信託の併合をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告(公告の方法のうち、電磁的方法(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって同号に規定するものをとる方法をいう。次節において同じ。) 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該信託の併合について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。次節において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該信託の併合をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十三条 信託の併合がされた場合において、従前の信託の信託財産責任負担債務であった債務は、信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務となる。 第百五十四条 信託の併合がされた場合において、前条に規定する従前の信託の信託財産責任負担債務のうち信託財産限定責任負担債務(受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務をいう。以下この章において同じ。)であるものは、信託の併合後の信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第三節 信託の分割 第一款 吸収信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十五条 吸収信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 吸収信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 吸収信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 吸収信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 吸収信託分割によりその信託財産の一部を他の信託に移転する信託(以下この款において「分割信託」という。)の信託財産責任負担債務でなくなり、分割信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託(以下「承継信託」という。)の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、吸収信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十六条 吸収信託分割をする場合には、分割信託又は承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、吸収信託分割について異議を述べることができる。 ただし、吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収信託分割後の分割信託及び承継信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十七条 吸収信託分割がされた場合において、第百五十五条第一項第六号の債務は、吸収信託分割後の分割信託の信託財産責任負担債務でなくなり、吸収信託分割後の承継信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、分割信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、承継信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百五十八条 第百五十六条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、吸収信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては吸収信託分割がその効力を生ずる日における承継信託の移転を受ける財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における分割信託の信託財産の価額を限度とする。 一 分割信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 吸収信託分割後の承継信託の信託財産に属する財産 二 承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 吸収信託分割後の分割信託の信託財産に属する財産 第二款 新規信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十九条 新規信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 新規信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 新規信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 新規信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 新規信託分割により従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新たな信託の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、新規信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百六十条 新規信託分割をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。 ただし、新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別に催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新規信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新規信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百六十一条 新規信託分割がされた場合において、第百五十九条第一項第六号の債務は、新規信託分割後の従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新規信託分割後の新たな信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、従前の信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、新たな信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百六十二条 第百六十条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、新規信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては新規信託分割がその効力を生ずる日における新たな信託の信託財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における従前の信託の信託財産の価額を限度とする。 一 従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 新規信託分割後の新たな信託の信託財産に属する財産 二 新たな信託の信託財産責任負担債務に係る債権となった債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 新規信託分割後の従前の信託の信託財産に属する財産 第七章 信託の終了及び清算 第一節 信託の終了 (信託の終了事由) 第百六十三条 信託は、次条の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。 一 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。 二 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が一年間継続したとき。 三 受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が一年間継続したとき。 四 受託者が第五十二条(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により信託を終了させたとき。 五 信託の併合がされたとき。 六 第百六十五条又は第百六十六条の規定により信託の終了を命ずる裁判があったとき。 七 信託財産についての破産手続開始の決定があったとき。 八 委託者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた場合において、破産法第五十三条第一項、民事再生法第四十九条第一項又は会社更生法第六十一条第一項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十一条第一項及び第二百六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による信託契約の解除がされたとき。 九 信託行為において定めた事由が生じたとき。 (委託者及び受益者の合意等による信託の終了) 第百六十四条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、信託を終了することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に信託を終了したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 (特別の事情による信託の終了を命ずる裁判) 第百六十五条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (公益の確保のための信託の終了を命ずる裁判) 第百六十六条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 一 不法な目的に基づいて信託がされたとき。 二 受託者が、法令若しくは信託行為で定めるその権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、同項の申立てをした者又は委託者、受託者若しくは受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 6 委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人が第一項の申立てをしたときは、裁判所は、受託者の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 受託者は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 8 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第六項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第百六十七条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上前条第一項の申立て又は同項第二号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 (法務大臣の関与) 第百六十八条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第百六十六条第四項に規定する者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (信託財産に関する保全処分) 第百六十九条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次条において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 第百七十条 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 2 前項の管理人は、裁判所が監督する。 3 裁判所は、第一項の管理人に対し、信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 4 第六十四条から第七十二条までの規定は、第一項の管理人について準用する。 この場合において、第六十五条中「前受託者」とあるのは、「受託者」と読み替えるものとする。 5 信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものに関し前条第一項の規定による保全処分(管理命令を除く。)があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (保全処分に関する費用の負担) 第百七十一条 裁判所が第百六十九条第一項の規定による保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、受託者の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第百六十九条第一項の申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、受託者の負担とする。 (保全処分に関する資料の閲覧等) 第百七十二条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第百七十条第三項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 (新受託者の選任) 第百七十三条 裁判所は、第百六十六条第一項の規定により信託の終了を命じた場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、当該信託の清算のために新受託者を選任しなければならない。 2 前項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 第一項の規定により新受託者が選任されたときは、前受託者の任務は、終了する。 4 第一項の新受託者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 5 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、第一項の新受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、第一項の新受託者に限り、即時抗告をすることができる。 (終了した信託に係る吸収信託分割の制限) 第百七十四条 信託が終了した場合には、当該信託を承継信託とする吸収信託分割は、することができない。 第二節 信託の清算 (清算の開始原因) 第百七十五条 信託は、当該信託が終了した場合(第百六十三条第五号に掲げる事由によって終了した場合及び信託財産についての破産手続開始の決定により終了した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)には、この節の定めるところにより、清算をしなければならない。 (信託の存続の擬制) 第百七十六条 信託は、当該信託が終了した場合においても、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 (清算受託者の職務) 第百七十七条 信託が終了した時以後の受託者(以下「清算受託者」という。)は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済 三 受益債権(残余財産の給付を内容とするものを除く。)に係る債務の弁済 四 残余財産の給付 (清算受託者の権限等) 第百七十八条 清算受託者は、信託の清算のために必要な一切の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 清算受託者は、次に掲げる場合には、信託財産に属する財産を競売に付することができる。 一 受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)が信託財産に属する財産を受領することを拒み、又はこれを受領することができない場合において、相当の期間を定めてその受領の催告をしたとき。 二 受益者等の所在が不明である場合 3 前項第一号の規定により信託財産に属する財産を競売に付したときは、遅滞なく、受益者等に対しその旨の通知を発しなければならない。 4 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、第二項第一号の催告をしないで競売に付することができる。 (清算中の信託財産についての破産手続の開始) 第百七十九条 清算中の信託において、信託財産に属する財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算受託者は、直ちに信託財産についての破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 信託財産についての破産手続開始の決定がされた場合において、清算受託者が既に信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に支払ったものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第百八十条 清算受託者は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算受託者は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算受託者の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 4 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第一項の規定による鑑定人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 前各項の規定は、清算受託者、受益者、信託債権者及び第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者の間に別段の合意がある場合には、適用しない。 (債務の弁済前における残余財産の給付の制限) 第百八十一条 清算受託者は、第百七十七条第二号及び第三号の債務を弁済した後でなければ、信託財産に属する財産を次条第二項に規定する残余財産受益者等に給付することができない。 ただし、当該債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (残余財産の帰属) 第百八十二条 残余財産は、次に掲げる者に帰属する。 一 信託行為において残余財産の給付を内容とする受益債権に係る受益者(次項において「残余財産受益者」という。)となるべき者として指定された者 二 信託行為において残余財産の帰属すべき者(以下この節において「帰属権利者」という。)となるべき者として指定された者 2 信託行為に残余財産受益者若しくは帰属権利者(以下この項において「残余財産受益者等」と総称する。)の指定に関する定めがない場合又は信託行為の定めにより残余財産受益者等として指定を受けた者のすべてがその権利を放棄した場合には、信託行為に委託者又はその相続人その他の一般承継人を帰属権利者として指定する旨の定めがあったものとみなす。 3 前二項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、残余財産は、清算受託者に帰属する。 (帰属権利者) 第百八十三条 信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第八十八条第二項の規定は、前項に規定する帰属権利者となるべき者として指定された者について準用する。 3 信託行為の定めにより帰属権利者となった者は、受託者に対し、その権利を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、信託行為の定めにより帰属権利者となった者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 4 前項本文に規定する帰属権利者となった者は、同項の規定による意思表示をしたときは、当初から帰属権利者としての権利を取得していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 第百条及び第百二条の規定は、帰属権利者が有する債権で残余財産の給付をすべき債務に係るものについて準用する。 6 帰属権利者は、信託の清算中は、受益者とみなす。 (清算受託者の職務の終了等) 第百八十四条 清算受託者は、その職務を終了したときは、遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)及び帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)のすべてに対し、その承認を求めなければならない。 2 受益者等が前項の計算を承認した場合には、当該受益者等に対する清算受託者の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者等が清算受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者等は、同項の計算を承認したものとみなす。 第八章 受益証券発行信託の特例 第一節 総則 (受益証券の発行に関する信託行為の定め) 第百八十五条 信託行為においては、この章の定めるところにより、一又は二以上の受益権を表示する証券(以下「受益証券」という。)を発行する旨を定めることができる。 2 前項の規定は、当該信託行為において特定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 3 第一項の定めのある信託(以下「受益証券発行信託」という。)においては、信託の変更によって前二項の定めを変更することはできない。 4 第一項の定めのない信託においては、信託の変更によって同項又は第二項の定めを設けることはできない。 (受益権原簿) 第百八十六条 受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、受益権原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「受益権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 二 各受益権に係る受益証券の番号、発行の日、受益証券が記名式か又は無記名式かの別及び無記名式の受益証券の数 三 各受益権に係る受益者(無記名受益権の受益者を除く。)の氏名又は名称及び住所 四 前号の受益者が各受益権を取得した日 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百八十七条 第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された受益権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該受益権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (受益権原簿管理人) 第百八十八条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿管理人(受益証券発行信託の受託者に代わって受益権原簿の作成及び備置きその他の受益権原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百八十九条 受益証券発行信託の受託者は、一定の日(以下この条において「基準日」という。)を定めて、基準日において受益権原簿に記載され、又は記録されている受益者(以下この条において「基準日受益者」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 前項の規定は、無記名受益権の受益者については、適用しない。 3 基準日を定める場合には、受益証券発行信託の受託者は、基準日受益者が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を官報に公告しなければならない。 ただし、信託行為に当該基準日及び基準日受益者が行使することができる権利の内容について定めがあるときは、この限りでない。 5 第一項、第三項及び前項本文の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益権原簿の備置き及び閲覧等) 第百九十条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿をその住所(当該受託者が法人である場合(受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。)にあってはその主たる事務所、受益権原簿管理人が現に存する場合にあってはその営業所)に備え置かなければならない。 2 委託者、受益者その他の利害関係人は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 受益権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 受益権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の請求があったときは、受益証券発行信託の受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 第百八十六条第三号又は第四号に掲げる事項(第百八十五条第二項の定めのない受益権に係るものに限る。)について第二項の請求があった場合において、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者に対する通知等) 第百九十一条 受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該受益者の住所(当該受益者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を受益者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、受益証券発行信託の受託者が受益権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 この法律の規定により受益証券発行信託の受託者が無記名受益権の受益者に対してすべき通知は、当該受益者のうち当該受託者に氏名又は名称及び住所の知れている者に対してすれば足りる。 この場合においては、当該受託者は、その通知すべき事項を官報に公告しなければならない。 (無記名受益権の受益者による権利の行使) 第百九十二条 無記名受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者その他の者に対しその権利を行使しようとするときは、その受益証券を当該受託者その他の者に提示しなければならない。 2 無記名受益権の受益者は、受益者集会において議決権を行使しようとするときは、受益者集会の日の一週間前までに、その受益証券を第百八条に規定する招集者に提示しなければならない。 (共有者による権利の行使) 第百九十三条 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該受益権についての権利を行使する者一人を定め、受益証券発行信託の受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該受益権についての権利を行使することができない。 ただし、当該受託者が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 受益権の譲渡等の特例 (受益証券の発行された受益権の譲渡) 第百九十四条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の譲渡は、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の譲渡の対抗要件) 第百九十五条 受益証券発行信託の受益権の譲渡は、その受益権を取得した者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権に関する前項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受託者その他の第三者」とする。 3 第一項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (権利の推定等) 第百九十六条 受益証券の占有者は、当該受益証券に係る受益権を適法に有するものと推定する。 2 受益証券の交付を受けた者は、当該受益証券に係る受益権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (受益者の請求によらない受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十七条 受益証券発行信託の受託者は、次の各号に掲げる場合には、法務省令で定めるところにより、当該各号の受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益権を取得した場合において、当該受益権が消滅しなかったとき。 二 前号の受益証券発行信託の受益権を処分したとき。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合には、併合された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合には、分割された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十八条 受益証券発行信託の受益権を受益証券発行信託の受託者以外の者から取得した者(当該受託者を除く。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した受益権の受益者として受益権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の発行された受益権の質入れ) 第百九十九条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質入れは、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の質入れの対抗要件) 第二百条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質権者は、継続して当該受益権に係る受益証券を占有しなければ、その質権をもって受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する受益権原簿の記載等) 第二百一条 受益証券発行信託の受益権に質権を設定した者は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である受益権 2 前項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (質権に関する受益権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百二条 前条第一項各号に掲げる事項が受益権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下この節において「登録受益権質権者」という。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該登録受益権質権者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (登録受益権質権者に対する通知等) 第二百三条 受益証券発行信託の受託者が登録受益権質権者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該登録受益権質権者の住所(当該登録受益権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (受益権の併合又は分割に係る受益権原簿の記載等) 第二百四条 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、併合された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、分割された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 第二百五条 受益証券発行信託の受託者は、前条第一項に規定する場合には、併合された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、前条第二項に規定する場合には、分割された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 (受益証券の発行されない受益権についての対抗要件等) 第二百六条 第百八十五条第二項の定めのある受益権で他の信託の信託財産に属するものについては、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該受益権が信託財産に属することを受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の受益権が属する他の信託の受託者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 受益権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百八十七条の規定の適用については、同条第一項中「第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者」とあるのは「第二百六条第一項の受益権が属する他の信託の受託者」と、「当該受益者」とあるのは「当該受益権」と、「記録された受益権原簿記載事項」とあるのは「記録された受益権原簿記載事項(当該受益権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 第三節 受益証券 (受益証券の発行) 第二百七条 受益証券発行信託の受託者は、信託行為の定めに従い、遅滞なく、当該受益権に係る受益証券を発行しなければならない。 (受益証券不所持の申出) 第二百八条 受益証券発行信託の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者の有する受益権に係る受益証券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該受益権に係る受益証券が発行されているときは、当該受益者は、当該受益証券を受益証券発行信託の受託者に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、前項前段の受益権に係る受益証券を発行しない旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された受益証券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした受益者は、いつでも、受益証券発行信託の受託者に対し、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することを請求することができる。 この場合において、同項後段の規定により提出された受益証券があるときは、受益証券の発行に要する費用は、当該受益者の負担とする。 7 前各項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の記載事項) 第二百九条 受益証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益証券である旨 二 当初の委託者及び受益証券発行信託の受託者の氏名又は名称及び住所 三 記名式の受益証券にあっては、受益者の氏名又は名称 四 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 五 受益証券発行信託の受託者に対する費用等の償還及び損害の賠償に関する信託行為の定め 六 信託報酬の計算方法並びにその支払の方法及び時期 七 記名式の受益証券をもって表示される受益権について譲渡の制限があるときは、その旨及びその内容 八 受益者の権利の行使に関する信託行為の定め(信託監督人及び受益者代理人に係る事項を含む。) 九 その他法務省令で定める事項 2 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百十条 受益証券が発行されている受益権の受益者は、いつでも、その記名式の受益証券を無記名式とし、又はその無記名式の受益証券を記名式とすることを請求することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益証券の喪失) 第二百十一条 受益証券は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 受益証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 3 受益証券を喪失した者が非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、当該受益証券を喪失した者は、相当の担保を供して、受益証券発行信託の受託者に当該受益証券に係る債務を履行させることができる。 第四節 関係当事者の権利義務等の特例 (受益証券発行信託の受託者の義務の特例) 第二百十二条 受益証券発行信託においては、第二十九条第二項ただし書の規定にかかわらず、信託行為の定めにより同項本文の義務を軽減することはできない。 2 受益証券発行信託においては、第三十五条第四項の規定は、適用しない。 (受益者の権利行使の制限に関する信託行為の定めの特例) 第二百十三条 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号、第五号、第六号及び第八号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の百分の三(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の百分の三以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 二 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 三 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 四 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 2 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の十分の一(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の十分の一以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第百五十条第一項の規定による信託の変更を命ずる裁判の申立権 二 第百六十五条第一項の規定による信託の終了を命ずる裁判の申立権 3 受益証券発行信託において、第三十九条第一項の規定による開示が同条第三項の信託行為の定めにより制限されているときは、前二項の規定は、適用しない。 4 受益証券発行信託においては、第九十二条第十一号の規定にかかわらず、六箇月(これを下回る期間を信託行為において定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き受益権を有する受益者に限り第四十四条第一項の規定による差止めの請求権を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 (二人以上の受益者による意思決定の方法の特例) 第二百十四条 受益者が二人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがあるものとみなす。 (委託者の権利の特例) 第二百十五条 受益証券発行信託においては、この法律の規定による委託者の権利のうち次に掲げる権利は、受益者がこれを行使する。 一 第三十六条の規定による報告を求める権利 二 第五十八条第四項(第百三十四条第二項及び第百四十一条第二項において準用する場合を含む。)、第六十二条第四項(第百三十五条第一項及び第百四十二条第一項において準用する場合を含む。)、第六十三条第一項、第七十四条第二項、第百三十一条第四項、第百五十条第一項、第百六十五条第一項、第百六十六条第一項、第百六十九条第一項又は第百七十三条第一項の規定による申立権 三 第六十二条第二項、第百三十一条第二項又は第百三十八条第二項の規定による催告権 四 第百七十二条第一項、第二項又は第三項後段の規定による閲覧、謄写若しくは交付又は複製の請求権 五 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 第九章 限定責任信託の特例 第一節 総則 (限定責任信託の要件) 第二百十六条 限定責任信託は、信託行為においてそのすべての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、第二百三十二条の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。 2 前項の信託行為においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 委託者及び受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の主たる信託事務の処理を行うべき場所(第三節において「事務処理地」という。) 五 信託財産に属する財産の管理又は処分の方法 六 その他法務省令で定める事項 (固有財産に属する財産に対する強制執行等の制限) 第二百十七条 限定責任信託においては、信託財産責任負担債務(第二十一条第一項第八号に掲げる権利に係る債務を除く。)に係る債権に基づいて固有財産に属する財産に対し強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることはできない。 2 前項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法第三十八条及び民事保全法第四十五条の規定を準用する。 3 第一項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (限定責任信託の名称等) 第二百十八条 限定責任信託には、その名称中に限定責任信託という文字を用いなければならない。 2 何人も、限定責任信託でないものについて、その名称又は商号中に、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 何人も、不正の目的をもって、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 4 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある限定責任信託の受託者は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (取引の相手方に対する明示義務) 第二百十九条 受託者は、限定責任信託の受託者として取引をするに当たっては、その旨を取引の相手方に示さなければ、これを当該取引の相手方に対し主張することができない。 (登記の効力) 第二百二十条 この章の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 この章の規定により登記すべき事項につき故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更) 第二百二十一条 第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされ、第二百三十五条の終了の登記がされたときは、その変更後の信託については、この章の規定は、適用しない。 第二節 計算等の特例 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務等の特例) 第二百二十二条 限定責任信託における帳簿その他の書類又は電磁的記録の作成、内容の報告及び保存並びに閲覧及び謄写については、第三十七条及び第三十八条の規定にかかわらず、次項から第九項までに定めるところによる。 2 受託者は、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の会計帳簿を作成しなければならない。 3 受託者は、限定責任信託の効力が生じた後速やかに、法務省令で定めるところにより、その効力が生じた日における限定責任信託の貸借対照表を作成しなければならない。 4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 5 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受託者は、第二項の会計帳簿を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該会計帳簿(書面に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第八項において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 7 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類又は電磁的記録(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 8 受託者は、第三項の貸借対照表及び第四項の書類又は電磁的記録(以下この項及び第二百二十四条第二項第一号において「貸借対照表等」という。)を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該貸借対照表等(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 9 限定責任信託における第三十八条の規定の適用については、同条第一項各号中「前条第一項又は第五項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第七項」と、同条第四項第一号及び第六項各号中「前条第二項」とあるのは「第二百二十二条第三項又は第四項」とする。 (裁判所による提出命令) 第二百二十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、前条第二項から第四項までの書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (受託者の第三者に対する責任) 第二百二十四条 限定責任信託において、受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 限定責任信託の受託者が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、受託者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 貸借対照表等に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (受益者に対する信託財産に係る給付の制限) 第二百二十五条 限定責任信託においては、受益者に対する信託財産に係る給付は、その給付可能額(受益者に対し給付をすることができる額として純資産額の範囲内において法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この節において同じ。)を超えてすることはできない。 (受益者に対する信託財産に係る給付に関する責任) 第二百二十六条 受託者が前条の規定に違反して受益者に対する信託財産に係る給付をした場合には、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 当該給付の帳簿価額(以下この節において「給付額」という。)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 現に受けた個別の給付額に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、免除することができない。 ただし、当該給付をした日における給付可能額を限度として当該義務を免除することについて総受益者の同意がある場合は、この限りでない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (受益者に対する求償権の制限等) 第二百二十七条 前条第一項本文に規定する場合において、当該給付を受けた受益者は、給付額が当該給付をした日における給付可能額を超えることにつき善意であるときは、当該給付額について、受託者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項本文に規定する場合には、信託債権者は、当該給付を受けた受益者に対し、給付額(当該給付額が当該信託債権者の債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (欠損が生じた場合の責任) 第二百二十八条 受託者が受益者に対する信託財産に係る給付をした場合において、当該給付をした日後最初に到来する第二百二十二条第四項の時期に欠損額(貸借対照表上の負債の額が資産の額を上回る場合において、当該負債の額から当該資産の額を控除して得た額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 その欠損額(当該欠損額が給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 欠損額(当該欠損額が現に受けた個別の給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、総受益者の同意がなければ、免除することができない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (債権者に対する公告) 第二百二十九条 限定責任信託の清算受託者は、その就任後遅滞なく、信託債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている信託債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該信託債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十条 限定責任信託の清算受託者は、前条第一項の期間内は、清算中の限定責任信託の債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算受託者は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算受託者は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算中の限定責任信託の信託財産に属する財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算受託者が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 清算受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による弁済の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (清算からの除斥) 第二百三十一条 清算中の限定責任信託の信託債権者(知れているものを除く。)であって第二百二十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された信託債権者は、給付がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 二人以上の受益者がある場合において、清算中の限定責任信託の残余財産の給付を受益者の一部に対してしたときは、当該受益者の受けた給付と同一の割合の給付を当該受益者以外の受益者に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第三節 限定責任信託の登記 (限定責任信託の定めの登記) 第二百三十二条 信託行為において第二百十六条第一項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、二週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の事務処理地 五 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されたときは、その氏名又は名称及び住所 六 第百六十三条第九号の規定による信託の終了についての信託行為の定めがあるときは、その定め 七 会計監査人設置信託(第二百四十八条第三項に規定する会計監査人設置信託をいう。第二百四十条第三号において同じ。)であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 (変更の登記) 第二百三十三条 限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、二週間以内に、旧事務処理地においてはその変更の登記をし、新事務処理地においては前条各号に掲げる事項を登記しなければならない。 2 同一の登記所の管轄区域内において限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、その変更の登記をすれば足りる。 3 前条各号(第四号を除く。)に掲げる事項に変更があったときは、二週間以内に、その変更の登記をしなければならない。 (職務執行停止の仮処分命令等の登記) 第二百三十四条 限定責任信託の受託者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その事務処理地において、その登記をしなければならない。 (終了の登記) 第二百三十五条 第百六十三条(第六号及び第七号に係る部分を除く。)若しくは第百六十四条第一項若しくは第三項の規定により限定責任信託が終了したとき、又は第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされたときは、二週間以内に、終了の登記をしなければならない。 (清算受託者の登記) 第二百三十六条 限定責任信託が終了した場合において、限定責任信託が終了した時における受託者が清算受託者となるときは、終了の日から、二週間以内に、清算受託者の氏名又は名称及び住所を登記しなければならない。 2 信託行為の定め又は第六十二条第一項若しくは第四項若しくは第百七十三条第一項の規定により清算受託者が選任されたときも、前項と同様とする。 3 第二百三十三条第三項の規定は、前二項の規定による登記について準用する。 (清算結了の登記) 第二百三十七条 限定責任信託の清算が結了したときは、第百八十四条第一項の計算の承認の日から、二週間以内に、清算結了の登記をしなければならない。 (管轄登記所及び登記簿) 第二百三十八条 限定責任信託の登記に関する事務は、限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が管轄登記所としてつかさどる。 2 登記所に、限定責任信託登記簿を備える。 (登記の申請) 第二百三十九条 第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記は受託者の申請によって、第二百三十五条から第二百三十七条までの規定による登記は清算受託者の申請によってする。 2 前項の規定にかかわらず、信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されている場合には、第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記(第二百四十六条の規定によるものを除く。)は、信託財産管理者又は信託財産法人管理人の申請によってする。 (限定責任信託の定めの登記の添付書面) 第二百四十条 限定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 限定責任信託の信託行為を証する書面 二 受託者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人設置信託においては、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 会計監査人が法人でないときは、第二百四十九条第一項に規定する者であることを証する書面 (変更の登記の添付書面) 第二百四十一条 事務処理地の変更又は第二百三十二条各号(第四号を除く。)に掲げる事項の変更の登記の申請書には、事務処理地の変更又は登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 2 法人である新受託者の就任による変更の登記の申請書には、前条第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、前条第三号ロ又はハに掲げる書面を添付しなければならない。 (終了の登記の添付書面) 第二百四十二条 限定責任信託の終了の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 (清算受託者の登記の添付書面) 第二百四十三条 次の各号に掲げる者が清算受託者となった場合の清算受託者の登記の申請書には、当該各号に定める書面を添付しなければならない。 一 信託行為の定めにより選任された者 次に掲げる書面 イ 当該信託行為の定めがあることを証する書面 ロ 選任された者が就任を承諾したことを証する書面 二 第六十二条第一項の規定により選任された者 次に掲げる書面 イ 第六十二条第一項の合意があったことを証する書面 ロ 前号ロに掲げる書面 三 第六十二条第四項又は第百七十三条第一項の規定により裁判所が選任した者 その選任を証する書面 2 第二百四十条(第二号に係る部分に限る。)の規定は、清算受託者が法人である場合の清算受託者の登記について準用する。 (清算受託者に関する変更の登記の添付書面) 第二百四十四条 清算受託者の退任による変更の登記の申請書には、退任を証する書面を添付しなければならない。 2 第二百三十六条第一項に規定する事項の変更の登記の申請書には、登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 3 第二百四十一条第二項の規定は、法人である清算受託者の就任による変更の登記について準用する。 (清算結了の登記の添付書面) 第二百四十五条 清算結了の登記の申請書には、第百八十四条第一項の計算の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 (裁判による登記の嘱託) 第二百四十六条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、限定責任信託の事務処理地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第五十八条第四項(第七十条(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人の解任の裁判 ロ 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定による信託財産管理者又は信託財産法人管理人の選任の裁判 二 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号イに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第百六十五条又は第百六十六条の規定による信託の終了を命ずる裁判 (商業登記法及び民事保全法の準用) 第二百四十七条 限定責任信託の登記については、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第二条から第五条まで、第七条から第十五条まで、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十四条まで、第二十六条、第二十七条、第五十一条から第五十三条まで、第七十一条第一項、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条から第百四十八条まで並びに民事保全法第五十六条の規定を準用する。 この場合において、商業登記法第五十一条第一項中「本店」とあるのは「事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。以下同じ。)」と、「移転した」とあるのは「変更した」と、同項並びに同法第五十二条第二項、第三項及び第五項中「新所在地」とあるのは「新事務処理地」と、同法第五十一条第一項及び第二項並びに第五十二条中「旧所在地」とあるのは「旧事務処理地」と、同法第七十一条第一項中「解散」とあるのは「限定責任信託の終了」と、民事保全法第五十六条中「法人を代表する者その他法人の役員」とあるのは「限定責任信託の受託者又は清算受託者」と、「法人の本店又は主たる事務所の所在地(外国法人にあっては、各事務所の所在地)」とあるのは「限定責任信託の事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 第十章 受益証券発行限定責任信託の特例 (会計監査人の設置等) 第二百四十八条 受益証券発行信託である限定責任信託(以下「受益証券発行限定責任信託」という。)においては、信託行為の定めにより、会計監査人を置くことができる。 2 受益証券発行限定責任信託であって最終の貸借対照表(直近の第二百二十二条第四項の時期において作成された貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であるものにおいては、会計監査人を置かなければならない。 3 第一項の信託行為の定めのある信託及び前項に規定する信託(以下「会計監査人設置信託」と総称する。)においては、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。 (会計監査人の資格等) 第二百四十九条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。第三項第二号において同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを受託者に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第二百二十二条第四項に規定する書類又は電磁的記録について監査をすることができない者 二 受託者若しくはその利害関係人から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人が欠けた場合の措置) 第二百五十条 会計監査人設置信託において、会計監査人が欠けたときは、委託者及び受益者は、会計監査人が欠けた時から二箇月以内に、その合意により、新たな会計監査人(以下この条において「新会計監査人」という。)を選任しなければならない。 2 前項に規定する場合において、委託者が現に存しないとき、又は会計監査人が欠けた時から二箇月を経過しても同項の合意が調わないときは、新会計監査人の選任は、受益者のみでこれをすることができる。 3 前二項に規定する場合において、受益者が二人以上あるときは、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)は、前二項の規定により新会計監査人を選任するため、遅滞なく、受益者集会を招集しなければならない。 4 第一項又は第二項の規定により新会計監査人が選任されたときは、当該新会計監査人について信託行為に第二百四十八条第三項の定めが設けられたものとみなす。 5 会計監査人が欠けた場合には、辞任により退任した会計監査人は、新会計監査人が選任されるまで、なお会計監査人としての権利義務を有する。 (会計監査人の辞任及び解任) 第二百五十一条 第五十七条第一項本文の規定は会計監査人の辞任について、第五十八条第一項及び第二項の規定は会計監査人の解任について、それぞれ準用する。 (会計監査人の権限等) 第二百五十二条 会計監査人は、第二百二十二条第四項の書類又は電磁的記録を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は受託者に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第二百四十九条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 受託者又はその利害関係人 三 受託者又はその利害関係人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 4 会計監査人設置信託における第二百二十二条第四項、第五項及び第八項の規定の適用については、同条第四項中「作成しなければ」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けなければ」と、同条第五項中「その内容」とあるのは「その内容及び会計監査報告」と、同条第八項中「作成した場合には」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けた場合には」と、「当該書面)」とあるのは「当該書面)及び当該会計監査報告」とする。 (会計監査人の注意義務) 第二百五十三条 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 (会計監査人の損失てん補責任等) 第二百五十四条 会計監査人がその任務を怠ったことによって信託財産に損失が生じた場合には、受益者は、当該会計監査人に対し、当該損失のてん補をすることを請求することができる。 2 前項の規定による損失のてん補として会計監査人が受託者に対し交付した金銭その他の財産は、信託財産に帰属する。 3 第四十二条(第一号に係る部分に限る。)並びに第百五条第三項及び第四項(第三号を除く。)の規定は第一項の規定による責任の免除について、第四十三条の規定は第一項の規定による責任に係る債権について、第四十五条の規定は第一項の規定による請求に係る訴えについて、それぞれ準用する。 この場合において、第百五条第四項第二号中「受託者がその任務」とあるのは、「会計監査人がその職務」と読み替えるものとする。 (会計監査人の第三者に対する責任) 第二百五十五条 会計監査人設置信託において、会計監査人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該会計監査人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 会計監査人設置信託の会計監査人が、第二百五十二条第一項の会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項について虚偽の記載又は記録をしたときも、前項と同様とする。 ただし、会計監査人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の会計監査人があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (会計監査人の費用等及び報酬) 第二百五十六条 第百二十七条第一項から第五項までの規定は、会計監査人の費用及び支出の日以後におけるその利息、損害の賠償並びに報酬について準用する。 (受益者集会の特例) 第二百五十七条 会計監査人設置信託に係る信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合における第百十八条の規定の適用については、同条第一項中「同じ。)」とあるのは「同じ。)及び会計監査人」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「受託者又は会計監査人」とする。 第十一章 受益者の定めのない信託の特例 (受益者の定めのない信託の要件) 第二百五十八条 受益者の定め(受益者を定める方法の定めを含む。以下同じ。)のない信託は、第三条第一号又は第二号に掲げる方法によってすることができる。 2 受益者の定めのない信託においては、信託の変更によって受益者の定めを設けることはできない。 3 受益者の定めのある信託においては、信託の変更によって受益者の定めを廃止することはできない。 4 第三条第二号に掲げる方法によって受益者の定めのない信託をするときは、信託管理人を指定する定めを設けなければならない。 この場合においては、信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限する定めを設けることはできない。 5 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがあるときは、当該遺言執行者は、信託管理人を選任しなければならない。 この場合において、当該遺言執行者が信託管理人を選任したときは、当該信託管理人について信託行為に前項前段の定めが設けられたものとみなす。 6 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがないとき、又は遺言執行者となるべき者として指定された者が信託管理人の選任をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 この場合において、信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第四項前段の定めが設けられたものとみなす。 7 第百二十三条第六項から第八項までの規定は、前項の申立てについての裁判について準用する。 8 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において、信託管理人が欠けた場合であって、信託管理人が就任しない状態が一年間継続したときは、当該信託は、終了する。 (受益者の定めのない信託の存続期間) 第二百五十九条 受益者の定めのない信託の存続期間は、二十年を超えることができない。 (受益者の定めのない信託における委託者の権利) 第二百六十条 第三条第一号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託においては、委託者(委託者が二人以上ある場合にあっては、そのすべての委託者)が第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げる権利を有する旨及び受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う旨の定めが設けられたものとみなす。 この場合においては、信託の変更によってこれを変更することはできない。 2 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託であって、第二百五十八条第五項後段又は第六項後段の規定により同条第四項前段の定めが設けられたものとみなされるものにおいては、信託の変更によって信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限することはできない。 (この法律の適用関係) 第二百六十一条 受益者の定めのない信託に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。 第十九条第一項第三号及び第三項第三号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第十九条第三項第二号 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議 受益者の定めのない信託の信託管理人と他の信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議又は受益者の定めのない各信託の信託管理人の協議 第三十条 受益者 信託の目的の達成 第三十一条第一項第四号 受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反する 受託者又はその利害関係人の利益となり、かつ、信託の目的の達成の支障となる 第三十一条第二項第四号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第三十二条第一項 受益者の利益に反する 信託の目的の達成の支障となる 第三十七条第四項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第三十七条第六項ただし書 受益者 委託者 第三十八条第二項第三号 受益者の共同の利益を害する 信託の目的の達成を妨げる 第五十七条第一項 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第五十八条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第五十八条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第六十二条第一項 委託者及び受益者は、その合意により 委託者は(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、その合意により) 第六十二条第三項 委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人) 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第六十二条第四項 同項の合意に係る協議の状況 委託者の状況(信託管理人が現に存する場合にあっては、同項の合意に係る協議の状況) 第六十二条第八項 「受益者は」 「信託管理人は」 「受益者」 「信託管理人」 「受益者の状況」 「信託管理人の状況」 第百二十五条第一項 受益者のために 信託の目的の達成のために 第百二十六条第二項 受益者 信託の目的の達成 第百四十六条第一項 受託者及び受益者 受託者 第百四十六条第二項 他の委託者、受託者及び受益者 他の委託者及び受託者 第百四十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百四十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百四十九条第三項第一号 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第百四十九条第五項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十条第一項 受益者の利益に適合しなくなる 信託の目的の達成の支障となる 第百五十一条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十一条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十一条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十五条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十五条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十五条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十九条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百六十四条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第百六十四条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第百六十五条第一項 受益者の利益に適合する 相当となる 第二百二十二条第六項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第二百二十二条第八項ただし書 受益者 委託者 第二百四十三条第一項第二号イ 合意 委託者の意思表示(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人の合意) 2 受益者の定めのない信託に係る受託者の費用等、損害の賠償及び信託報酬については、第四十八条第五項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 3 受益者の定めのない信託に係る信託の変更については、第百四十九条第二項第一号及び第三項第二号の規定は、適用しない。 4 受益者の定めのない信託に係る信託の併合については、第百五十一条第二項第一号の規定は、適用しない。 5 受益者の定めのない信託に係る信託の分割については、第百五十五条第二項第一号及び第百五十九条第二項第一号の規定は、適用しない。 第十二章 雑則 第一節 非訟 (信託に関する非訟事件の管轄) 第二百六十二条 この法律の規定による非訟事件は、この条に特別の定めがある場合を除き、受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 3 受託者の任務の終了後新受託者の就任前におけるこの法律の規定による裁判所に対する申立てに係る事件は、前受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とし、前受託者が二人以上ある場合における同項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 5 第六条第一項又は第二百五十八条第六項の申立てに係る事件は、遺言者の最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (信託に関する非訟事件の手続の特例) 第二百六十三条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百六十四条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 公告等 (法人である受託者についての公告の方法) 第二百六十五条 この法律の規定(第百五十二条第二項、第百五十六条第二項、第百六十条第二項及び第二百二十九条第一項を除く。)による公告は、受託者(受託者の任務の終了後新受託者の就任前にあっては、前受託者)が法人である場合には、当該法人における公告の方法(公告の期間を含む。)によりしなければならない。 (法人である受託者の合併等についての公告の手続等の特例) 第二百六十六条 会社法その他の法律の規定によりある法人が組織変更、合併その他の行為をするときは当該法人の債権者が当該行為について公告、催告その他の手続を経て異議を述べることができることとされている場合において、法人である受託者が当該行為をしようとするときは、受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、当該行為についてこれらの手続を経て異議を述べることができる債権者に含まれないものとする。 2 会社法その他の法律の規定による法人の事業の譲渡に関する規定の適用については、第三条第三号に掲げる方法によってする信託は、その適用の対象となる行為に含まれるものとする。 ただし、当該法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第十三章 罰則 (受益証券発行限定責任信託の受託者等の贈収賄罪) 第二百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 受益証券発行限定責任信託の受託者(前受託者又は清算受託者を含む。以下同じ。) 二 受益証券発行限定責任信託の信託財産管理者 三 受益証券発行限定責任信託の民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者 四 受益証券発行限定責任信託の信託財産法人管理人 五 受益証券発行限定責任信託の信託管理人 六 受益証券発行限定責任信託の信託監督人 七 受益証券発行限定責任信託の受益者代理人 八 受益証券発行限定責任信託の検査役 九 会計監査人 2 前項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第二百六十八条 前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第二百六十九条 第二百六十七条第一項に規定する者が法人であるときは、同項の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (過料に処すべき行為) 第二百七十条 受託者、第六十条第一項に規定する前受託者の相続人等、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託管理人、信託監督人、受益者代理人又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 二 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 三 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類又は電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写を拒んだとき。 四 この法律の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 第三十七条第一項、第二項若しくは第五項の書類若しくは電磁的記録又は第百二十条の議事録(信託行為に第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがある場合に限る。)を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 七 第百五十二条第二項若しくは第五項、第百五十六条第二項若しくは第五項又は第百六十条第二項若しくは第五項の規定に違反して、信託の併合又は分割をしたとき。 八 第百七十九条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをすることを怠ったとき。 九 第百八十一条の規定に違反して、清算中の信託財産に属する財産の給付をしたとき。 2 受益証券発行信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託監督人又は受益権原簿管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第百二十条の議事録(信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合に限る。)又は第百八十六条の受益権原簿を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第百八十七条第一項又は第二百二条第一項の規定に違反して、書面の交付又は電磁的記録の提供を拒んだとき。 三 第百九十条第一項の規定に違反して、第百八十六条の受益権原簿を備え置かなかったとき。 四 第二百七条の規定に違反して、遅滞なく、受益証券を発行しなかったとき。 五 第二百九条の規定に違反して、受益証券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 3 限定責任信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者又は信託財産法人管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第九章第三節の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 第二百二十二条第二項の会計帳簿、同条第三項の貸借対照表又は同条第四項若しくは第七項の書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 三 清算の結了を遅延させる目的で、第二百二十九条第一項の期間を不当に定めたとき。 四 第二百三十条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 4 会計監査人設置信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人又は信託監督人は、第二百五十条第三項の規定に違反して、会計監査人の選任の手続をすることを怠ったときは、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 第二百七十一条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第二百十八条第一項の規定に違反して、限定責任信託の名称中に限定責任信託という文字を用いなかった者 二 第二百十八条第二項の規定に違反して、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第二百十八条第三項の規定に違反して、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
民事
Heisei
Act
418AC0000000108_20260521_506AC0000000030.xml
平成十八年法律第百八号
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信託法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 信託の要件、効力等については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において「信託」とは、次条各号に掲げる方法のいずれかにより、特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。 2 この法律において「信託行為」とは、次の各号に掲げる信託の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。 一 次条第一号に掲げる方法による信託 同号の信託契約 二 次条第二号に掲げる方法による信託 同号の遺言 三 次条第三号に掲げる方法による信託 同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示 3 この法律において「信託財産」とは、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。 4 この法律において「委託者」とは、次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。 5 この法律において「受託者」とは、信託行為の定めに従い、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。 6 この法律において「受益者」とは、受益権を有する者をいう。 7 この法律において「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。 8 この法律において「固有財産」とは、受託者に属する財産であって、信託財産に属する財産でない一切の財産をいう。 9 この法律において「信託財産責任負担債務」とは、受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。 10 この法律において「信託の併合」とは、受託者を同一とする二以上の信託の信託財産の全部を一の新たな信託の信託財産とすることをいう。 11 この法律において「吸収信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい、「新規信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい、「信託の分割」とは、吸収信託分割又は新規信託分割をいう。 12 この法律において「限定責任信託」とは、受託者が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。 (信託の方法) 第三条 信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。 一 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法 二 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法 三 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法 (信託の効力の発生) 第四条 前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。 2 前条第二号に掲げる方法によってされる信託は、当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。 3 前条第三号に掲げる方法によってされる信託は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。 一 公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成 二 公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては、その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知 4 前三項の規定にかかわらず、信託は、信託行為に停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。 (遺言信託における信託の引受けの催告) 第五条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者の相続人に対し確答をしないときは、信託の引受けをしなかったものとみなす。 3 委託者の相続人が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者の相続人」とあるのは、「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。 (遺言信託における裁判所による受託者の選任) 第六条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができる。 2 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 3 第一項の規定による受託者の選任の裁判に対しては、受益者又は既に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (受託者の資格) 第七条 信託は、未成年者を受託者としてすることができない。 (受託者の利益享受の禁止) 第八条 受託者は、受益者として信託の利益を享受する場合を除き、何人の名義をもってするかを問わず、信託の利益を享受することができない。 (脱法信託の禁止) 第九条 法令によりある財産権を享有することができない者は、その権利を有するのと同一の利益を受益者として享受することができない。 (訴訟信託の禁止) 第十条 信託は、訴訟行為をさせることを主たる目的としてすることができない。 (詐害信託の取消し等) 第十一条 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、受託者が債権者を害することを知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が、受益者としての指定(信託行為の定めにより又は第八十九条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定されることをいう。以下同じ。)を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 2 前項の規定による詐害行為取消請求を認容する判決が確定した場合において、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者(委託者であるものを除く。)が当該債権を取得した時において債権者を害することを知らなかったときは、委託者は、当該債権を有する債権者に対し、当該信託財産責任負担債務について弁済の責任を負う。 ただし、同項の規定による詐害行為取消請求により受託者から委託者に移転する財産の価額を限度とする。 3 前項の規定の適用については、第四十九条第一項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、金銭債権とみなす。 4 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合において、受益者が受託者から信託財産に属する財産の給付を受けたときは、債権者は、受益者を被告として、民法第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、当該受益者(当該受益者が受益権を譲り受けた者である場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)が、受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 5 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、債権者は、受益者を被告として、その受益権を委託者に譲り渡すことを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 民法第四百二十六条の規定は、前項の規定による請求権について準用する。 7 受益者の指定又は受益権の譲渡に当たっては、第一項本文、第四項本文又は第五項前段の規定の適用を不当に免れる目的で、債権者を害することを知らない者(以下この項において「善意者」という。)を無償(無償と同視すべき有償を含む。以下この項において同じ。)で受益者として指定し、又は善意者に対し無償で受益権を譲り渡してはならない。 8 前項の規定に違反する受益者の指定又は受益権の譲渡により受益者となった者については、第一項ただし書及び第四項ただし書(第五項後段において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (詐害信託の否認等) 第十二条 破産者が委託者としてした信託における破産法(平成十六年法律第七十五号)第百六十条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 2 破産者が破産債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、破産管財人は、受益者を被告として、その受益権を破産財団に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 3 再生債務者が委託者としてした信託における民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法(平成十八年法律第百八号)第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 4 再生債務者が再生債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、否認権限を有する監督委員又は管財人は、受益者を被告として、その受益権を再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 5 前二項の規定は、更生会社(会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二条第七項に規定する更生会社又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百六十九条第七項に規定する更生会社をいう。)又は更生協同組織金融機関(同法第四条第七項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)について準用する。 この場合において、第三項中「民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項」とあるのは「会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第八十六条第一項並びに金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第五十七条第一項及び第二百二十三条第一項」と、「同項各号」とあるのは「これらの規定」と、前項中「再生債権者」とあるのは「更生債権者又は更生担保権者」と、「否認権限を有する監督委員又は管財人」とあるのは「管財人」と、「再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。 (会計の原則) 第十三条 信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二章 信託財産等 (信託財産に属する財産の対抗要件) 第十四条 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 (信託財産に属する財産の占有の 瑕疵 かし の承継) 第十五条 受託者は、信託財産に属する財産の占有について、委託者の占有の 瑕疵 かし を承継する。 (信託財産の範囲) 第十六条 信託行為において信託財産に属すべきものと定められた財産のほか、次に掲げる財産は、信託財産に属する。 一 信託財産に属する財産の管理、処分、滅失、損傷その他の事由により受託者が得た財産 二 次条、第十八条、第十九条(第八十四条の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)、第二百二十六条第三項、第二百二十八条第三項及び第二百五十四条第二項の規定により信託財産に属することとなった財産(第十八条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産に属するものとみなされた共有持分及び第十九条の規定による分割によって信託財産に属することとされた財産を含む。) (信託財産に属する財産の付合等) 第十七条 信託財産に属する財産と固有財産若しくは他の信託の信託財産に属する財産との付合若しくは混和又はこれらの財産を材料とする加工があった場合には、各信託の信託財産及び固有財産に属する財産は各別の所有者に属するものとみなして、民法第二百四十二条から第二百四十八条までの規定を適用する。 第十八条 信託財産に属する財産と固有財産に属する財産とを識別することができなくなった場合(前条に規定する場合を除く。)には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。 この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなくなった当時における各財産の価格の割合に応ずる。 2 前項の共有持分は、相等しいものと推定する。 3 前二項の規定は、ある信託の受託者が他の信託の受託者を兼ねる場合において、各信託の信託財産に属する財産を識別することができなくなったとき(前条に規定する場合を除く。)について準用する。 この場合において、第一項中「信託財産と固有財産と」とあるのは、「各信託の信託財産」と読み替えるものとする。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割) 第十九条 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 信託行為において定めた方法 二 受託者と受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議による方法 三 分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、受託者が決する方法 2 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、受託者又は受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 3 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と他の信託の信託財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 各信託の信託行為において定めた方法 二 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議による方法 三 各信託について、分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、各信託の受託者が決する方法 4 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 (信託財産に属する財産についての混同の特例) 第二十条 同一物について所有権及び他の物権が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第一項本文の規定にかかわらず、当該他の物権は、消滅しない。 2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第二項前段の規定にかかわらず、当該他の権利は、消滅しない。 3 次に掲げる場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は、消滅しない。 一 信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合を除く。) 二 信託財産責任負担債務に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合を除く。) 三 固有財産又は他の信託の信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合に限る。) 四 受託者の債務(信託財産責任負担債務を除く。)に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合に限る。) (信託財産責任負担債務の範囲) 第二十一条 次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。 一 受益債権 二 信託財産に属する財産について信託前の原因によって生じた権利 三 信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの 四 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 五 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属するものによって生じた権利 六 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属しないもののうち、次に掲げるものによって生じた権利 イ 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。ロにおいて同じ。)の規定により取り消すことができない行為(当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知らなかったもの(信託財産に属する財産について権利を設定し又は移転する行為を除く。)を除く。) ロ 第二十七条第一項又は第二項の規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないもの 七 第三十一条第六項に規定する処分その他の行為又は同条第七項に規定する行為のうち、これらの規定により取り消すことができない行為又はこれらの規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないものによって生じた権利 八 受託者が信託事務を処理するについてした不法行為によって生じた権利 九 第五号から前号までに掲げるもののほか、信託事務の処理について生じた権利 2 信託財産責任負担債務のうち次に掲げる権利に係る債務について、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う。 一 受益債権 二 信託行為に第二百十六条第一項の定めがあり、かつ、第二百三十二条の定めるところにより登記がされた場合における信託債権(信託財産責任負担債務に係る債権であって、受益債権でないものをいう。以下同じ。) 三 前二号に掲げる場合のほか、この法律の規定により信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものとされる場合における信託債権 四 信託債権を有する者(以下「信託債権者」という。)との間で信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の合意がある場合における信託債権 (信託財産に属する債権等についての相殺の制限) 第二十二条 受託者が固有財産又は他の信託の信託財産(第一号において「固有財産等」という。)に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務(第一号及び第二号において「固有財産等責任負担債務」という。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって信託財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 一 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該信託財産に属する債権が固有財産等に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 二 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産等責任負担債務が信託財産責任負担債務でないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 2 前項本文の規定は、第三十一条第二項各号に掲げる場合において、受託者が前項の相殺を承認したときは、適用しない。 3 信託財産責任負担債務(信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって固有財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該固有財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産に属する債権が信託財産に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合は、この限りでない。 4 前項本文の規定は、受託者が同項の相殺を承認したときは、適用しない。 (信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等) 第二十三条 信託財産責任負担債務に係る債権(信託財産に属する財産について生じた権利を含む。次項において同じ。)に基づく場合を除き、信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売(担保権の実行としてのものを除く。以下同じ。)又は国税滞納処分(その例による処分を含む。以下同じ。)をすることができない。 2 第三条第三号に掲げる方法によって信託がされた場合において、委託者がその債権者を害することを知って当該信託をしたときは、前項の規定にかかわらず、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者のほか、当該委託者(受託者であるものに限る。)に対する債権で信託前に生じたものを有する者は、信託財産に属する財産に対し、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることができる。 3 第十一条第一項ただし書、第七項及び第八項の規定は、前項の規定の適用について準用する。 4 前二項の規定は、第二項の信託がされた時から二年間を経過したときは、適用しない。 5 第一項又は第二項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十八条及び民事保全法(平成元年法律第九十一号)第四十五条の規定を準用する。 6 第一項又は第二項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (費用又は報酬の支弁等) 第二十四条 前条第五項又は第六項の規定による異議に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (信託財産と受託者の破産手続等との関係等) 第二十五条 受託者が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、破産財団に属しない。 2 前項の場合には、受益債権は、破産債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 3 第一項の場合には、破産法第二百五十二条第一項の免責許可の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 4 受託者が再生手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。 5 前項の場合には、受益債権は、再生債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 6 第四項の場合には、再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責又は変更は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 7 前三項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、第四項中「再生債務者財産」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、第五項中「再生債権」とあるのは「更生債権又は更生担保権」と、前項中「再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定」とあるのは「更生計画又は更生計画認可の決定」と読み替えるものとする。 第三章 受託者等 第一節 受託者の権限 (受託者の権限の範囲) 第二十六条 受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。 ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。 (受託者の権限違反行為の取消し) 第二十七条 受託者が信託財産のためにした行為がその権限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 2 前項の規定にかかわらず、受託者が信託財産に属する財産(第十四条の信託の登記又は登録をすることができるものに限る。)について権利を設定し又は移転した行為がその権限に属しない場合には、次のいずれにも該当するときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の当時、当該信託財産に属する財産について第十四条の信託の登記又は登録がされていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 3 二人以上の受益者のうちの一人が前二項の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。 4 第一項又は第二項の規定による取消権は、受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)が取消しの原因があることを知った時から三箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。 行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 (信託事務の処理の第三者への委託) 第二十八条 受託者は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。 一 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。 二 信託行為に信託事務の処理の第三者への委託に関する定めがない場合において、信託事務の処理を第三者に委託することが信託の目的に照らして相当であると認められるとき。 三 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託してはならない旨の定めがある場合において、信託事務の処理を第三者に委託することにつき信託の目的に照らしてやむを得ない事由があると認められるとき。 第二節 受託者の義務等 (受託者の注意義務) 第二十九条 受託者は、信託の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。 2 受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる注意をもって、これをするものとする。 (忠実義務) 第三十条 受託者は、受益者のため忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない。 (利益相反行為の制限) 第三十一条 受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。 一 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を信託財産に帰属させること。 二 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を他の信託の信託財産に帰属させること。 三 第三者との間において信託財産のためにする行為であって、自己が当該第三者の代理人となって行うもの 四 信託財産に属する財産につき固有財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を被担保債権とする担保権を設定することその他第三者との間において信託財産のためにする行為であって受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反することとなるもの 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為について重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 三 相続その他の包括承継により信託財産に属する財産に係る権利が固有財産に帰属したとき。 四 受託者が当該行為をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該行為の信託財産に与える影響、当該行為の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるとき。 3 受託者は、第一項各号に掲げる行為をしたときは、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされた場合には、これらの行為は、無効とする。 5 前項の行為は、受益者の追認により、当該行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。 6 第四項に規定する場合において、受託者が第三者との間において第一項第一号又は第二号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該処分その他の行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 7 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第三号又は第四号に掲げる行為がされた場合には、当該第三者がこれを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 第三十二条 受託者は、受託者として有する権限に基づいて信託事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが受益者の利益に反するものについては、これを固有財産又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることについて重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 3 受託者は、第一項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算でした場合には、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して受託者が第一項に規定する行為をした場合には、受益者は、当該行為は信託財産のためにされたものとみなすことができる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 前項の規定による権利は、当該行為の時から一年を経過したときは、消滅する。 (公平義務) 第三十三条 受益者が二人以上ある信託においては、受託者は、受益者のために公平にその職務を行わなければならない。 (分別管理義務) 第三十四条 受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。 ただし、分別して管理する方法について、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 第十四条の信託の登記又は登録をすることができる財産(第三号に掲げるものを除く。) 当該信託の登記又は登録 二 第十四条の信託の登記又は登録をすることができない財産(次号に掲げるものを除く。) 次のイ又はロに掲げる財産の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 動産(金銭を除く。) 信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを外形上区別することができる状態で保管する方法 ロ 金銭その他のイに掲げる財産以外の財産 その計算を明らかにする方法 三 法務省令で定める財産 当該財産を適切に分別して管理する方法として法務省令で定めるもの 2 前項ただし書の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる財産について第十四条の信託の登記又は登録をする義務は、これを免除することができない。 (信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務) 第三十五条 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。 2 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託したときは、受託者は、当該第三者に対し、信託の目的の達成のために必要かつ適切な監督を行わなければならない。 3 受託者が信託事務の処理を次に掲げる第三者に委託したときは、前二項の規定は、適用しない。 ただし、受託者は、当該第三者が不適任若しくは不誠実であること又は当該第三者による事務の処理が不適切であることを知ったときは、その旨の受益者に対する通知、当該第三者への委託の解除その他の必要な措置をとらなければならない。 一 信託行為において指名された第三者 二 信託行為において受託者が委託者又は受益者の指名に従い信託事務の処理を第三者に委託する旨の定めがある場合において、当該定めに従い指名された第三者 4 前項ただし書の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託事務の処理の状況についての報告義務) 第三十六条 委託者又は受益者は、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求めることができる。 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務) 第三十七条 受託者は、信託事務に関する計算並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 受託者は、毎年一回、一定の時期に、法務省令で定めるところにより、貸借対照表、損益計算書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者は、第一項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第六項ただし書において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 5 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 受託者は、第二項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 (帳簿等の閲覧等の請求) 第三十八条 受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 前条第一項又は第五項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第一項又は第五項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が当該信託に係る業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 五 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 六 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前項(第一号及び第二号を除く。)の規定は、受益者が二人以上ある信託のすべての受益者から第一項の請求があったとき、又は受益者が一人である信託の当該受益者から同項の請求があったときは、適用しない。 4 信託行為において、次に掲げる情報以外の情報について、受益者が同意をしたときは第一項の規定による閲覧又は謄写の請求をすることができない旨の定めがある場合には、当該同意をした受益者(その承継人を含む。以下この条において同じ。)は、その同意を撤回することができない。 一 前条第二項の書類又は電磁的記録の作成に欠くことのできない情報その他の信託に関する重要な情報 二 当該受益者以外の者の利益を害するおそれのない情報 5 受託者は、前項の同意をした受益者から第一項の規定による閲覧又は謄写の請求があったときは、前項各号に掲げる情報に該当する部分を除き、これを拒むことができる。 6 利害関係人は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 一 前条第二項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第二項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (他の受益者の氏名等の開示の請求) 第三十九条 受益者が二人以上ある信託においては、受益者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 他の受益者の氏名又は名称及び住所 二 他の受益者が有する受益権の内容 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第三節 受託者の責任等 (受託者の損失てん補責任等) 第四十条 受託者がその任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第二号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、この限りでない。 一 信託財産に損失が生じた場合 当該損失のてん補 二 信託財産に変更が生じた場合 原状の回復 2 受託者が第二十八条の規定に違反して信託事務の処理を第三者に委託した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、第三者に委託をしなかったとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、前項の責任を免れることができない。 3 受託者が第三十条、第三十一条第一項及び第二項又は第三十二条第一項及び第二項の規定に違反する行為をした場合には、受託者は、当該行為によって受託者又はその利害関係人が得た利益の額と同額の損失を信託財産に生じさせたものと推定する。 4 受託者が第三十四条の規定に違反して信託財産に属する財産を管理した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、同条の規定に従い分別して管理をしたとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、第一項の責任を免れることができない。 (法人である受託者の役員の連帯責任) 第四十一条 法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるときは、受益者に対し、当該法人と連帯して、損失のてん補又は原状の回復をする責任を負う。 (損失てん補責任等の免除) 第四十二条 受益者は、次に掲げる責任を免除することができる。 一 第四十条の規定による責任 二 前条の規定による責任 (損失塡補責任等に係る債権の期間の制限) 第四十三条 第四十条の規定による責任に係る債権の消滅時効は、債務の不履行によって生じた責任に係る債権の消滅時効の例による。 2 第四十一条の規定による責任に係る債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 受益者が当該債権を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 当該債権を行使することができる時から十年間行使しないとき。 3 第四十条又は第四十一条の規定による責任に係る受益者の債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 4 前項に規定する債権は、受託者がその任務を怠ったことによって信託財産に損失又は変更が生じた時から二十年を経過したときは、消滅する。 (受益者による受託者の行為の差止め) 第四十四条 受託者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 受託者が第三十三条の規定に違反する行為をし、又はこれをするおそれがある場合において、当該行為によって一部の受益者に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 (費用又は報酬の支弁等) 第四十五条 第四十条、第四十一条又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (検査役の選任) 第四十六条 受託者の信託事務の処理に関し、不正の行為又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、受益者は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の規定による検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 5 第二項の検査役は、信託財産から裁判所が定める報酬を受けることができる。 6 前項の規定による検査役の報酬を定める裁判をする場合には、受託者及び第二項の検査役の陳述を聴かなければならない。 7 第五項の規定による検査役の報酬を定める裁判に対しては、受託者及び第二項の検査役に限り、即時抗告をすることができる。 第四十七条 前条第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求め、又は当該信託に係る帳簿、書類その他の物件を調査することができる。 2 前条第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 3 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、前条第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 4 前条第二項の検査役は、第二項の報告をしたときは、受託者及び同条第一項の申立てをした受益者に対し、第二項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 5 受託者は、前項の規定による書面の写しの交付又は電磁的記録に記録された事項の法務省令で定める方法による提供があったときは、直ちに、その旨を受益者(前条第一項の申立てをしたものを除く。次項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 裁判所は、第二項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、受託者に対し、同項の調査の結果を受益者に通知することその他の当該報告の内容を周知するための適切な措置をとるべきことを命じなければならない。 第四節 受託者の費用等及び信託報酬等 (信託財産からの費用等の償還等) 第四十八条 受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。)の償還を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、信託事務を処理するについて費用を要するときは、信託財産からその前払を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 受託者は、前項本文の規定により信託財産から費用の前払を受けるには、受益者に対し、前払を受ける額及びその算定根拠を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項又は第二項の規定にかかわらず、費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第四十条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けることを妨げない。 (費用等の償還等の方法) 第四十九条 受託者は、前条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。 2 前項に規定する場合において、必要があるときは、受託者は、信託財産に属する財産(当該財産を処分することにより信託の目的を達成することができないこととなるものを除く。)を処分することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項に規定する場合において、第三十一条第二項各号のいずれかに該当するときは、受託者は、第一項の規定により有する権利の行使に代えて、信託財産に属する財産で金銭以外のものを固有財産に帰属させることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項の規定により受託者が有する権利は、信託財産に属する財産に対し強制執行又は担保権の実行の手続が開始したときは、これらの手続との関係においては、金銭債権とみなす。 5 前項の場合には、同項に規定する権利の存在を証する文書により当該権利を有することを証明した受託者も、同項の強制執行又は担保権の実行の手続において、配当要求をすることができる。 6 各債権者(信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。)の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、他の債権者(当該費用等がすべての債権者に有益でなかった場合にあっては、当該費用等によって利益を受けていないものを除く。)の権利に優先する。 この場合においては、その順位は、民法第三百七条第一項に規定する先取特権と同順位とする。 7 次の各号に該当する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、当該各号に掲げる区分に応じ、当該各号の財産に係る第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、当該各号に定める金額について、他の債権者の権利に優先する。 一 信託財産に属する財産の保存のために支出した金額その他の当該財産の価値の維持のために必要であると認められるもの その金額 二 信託財産に属する財産の改良のために支出した金額その他の当該財産の価値の増加に有益であると認められるもの その金額又は現に存する増価額のいずれか低い金額 (信託財産責任負担債務の弁済による受託者の代位) 第五十条 受託者は、信託財産責任負担債務を固有財産をもって弁済した場合において、これにより前条第一項の規定による権利を有することとなったときは、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に代位する。 この場合においては、同項の規定により受託者が有する権利は、その代位との関係においては、金銭債権とみなす。 2 前項の規定により受託者が同項の債権者に代位するときは、受託者は、遅滞なく、当該債権者の有する債権が信託財産責任負担債務に係る債権である旨及びこれを固有財産をもって弁済した旨を当該債権者に通知しなければならない。 (費用等の償還等と同時履行) 第五十一条 受託者は、第四十九条第一項の規定により受託者が有する権利が消滅するまでは、受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者に対する信託財産に係る給付をすべき債務の履行を拒むことができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託財産が費用等の償還等に不足している場合の措置) 第五十二条 受託者は、第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産(第四十九条第二項の規定により処分することができないものを除く。第一号及び第四項において同じ。)が不足している場合において、委託者及び受益者に対し次に掲げる事項を通知し、第二号の相当の期間を経過しても委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けなかったときは、信託を終了させることができる。 一 信託財産が不足しているため費用等の償還又は費用の前払を受けることができない旨 二 受託者の定める相当の期間内に委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けないときは、信託を終了させる旨 2 委託者が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「受益者」とする。 3 受益者が現に存しない場合における第一項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「委託者」とする。 4 第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産が不足している場合において、委託者及び受益者が現に存しないときは、受託者は、信託を終了させることができる。 (信託財産からの損害の賠償) 第五十三条 受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、信託財産からその賠償を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者が信託事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 受託者が信託事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 2 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)並びに前二条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。 (受託者の信託報酬) 第五十四条 受託者は、信託の引受けについて商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬(信託事務の処理の対価として受託者の受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。 2 前項の場合には、信託報酬の額は、信託行為に信託報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 3 前項の定めがないときは、受託者は、信託財産から信託報酬を受けるには、受益者に対し、信託報酬の額及びその算定の根拠を通知しなければならない。 4 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)、第五十一条並びに第五十二条並びに民法第六百四十八条第二項及び第三項並びに第六百四十八条の二の規定は、受託者の信託報酬について準用する。 (受託者による担保権の実行) 第五十五条 担保権が信託財産である信託において、信託行為において受益者が当該担保権によって担保される債権に係る債権者とされている場合には、担保権者である受託者は、信託事務として、当該担保権の実行の申立てをし、売却代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる。 第五節 受託者の変更等 第一款 受託者の任務の終了 (受託者の任務の終了事由) 第五十六条 受託者の任務は、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第二号又は第三号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者である個人の死亡 二 受託者である個人が後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと。 三 受託者(破産手続開始の決定により解散するものを除く。)が破産手続開始の決定を受けたこと。 四 受託者である法人が合併以外の理由により解散したこと。 五 次条の規定による受託者の辞任 六 第五十八条の規定による受託者の解任 七 信託行為において定めた事由 2 受託者である法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、受託者の任務を引き継ぐものとする。 受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継する法人も、同様とする。 3 前項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項第三号に掲げる事由が生じた場合において、同項ただし書の定めにより受託者の任務が終了しないときは、受託者の職務は、破産者が行う。 5 受託者の任務は、受託者が再生手続開始の決定を受けたことによっては、終了しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 前項本文に規定する場合において、管財人があるときは、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、管財人に専属する。 保全管理人があるときも、同様とする。 7 前二項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、前項中「管財人があるとき」とあるのは、「管財人があるとき(会社更生法第七十四条第二項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十七条及び第二百十三条において準用する場合を含む。)の期間を除く。)」と読み替えるものとする。 (受託者の辞任) 第五十七条 受託者は、委託者及び受益者の同意を得て、辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 3 受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による辞任の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 委託者が現に存しない場合には、第一項本文の規定は、適用しない。 (受託者の解任) 第五十八条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者がその任務に違反して信託財産に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、委託者又は受益者の申立てにより、受託者を解任することができる。 5 裁判所は、前項の規定により受託者を解任する場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による解任の裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 8 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 第二款 前受託者の義務等 (前受託者の通知及び保管の義務等) 第五十九条 第五十六条第一項第三号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、受託者であった者(以下「前受託者」という。)は、受益者に対し、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、破産管財人に対し、信託財産に属する財産の内容及び所在、信託財産責任負担債務の内容その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 3 第五十六条第一項第四号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新たな受託者(第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合にあっては、信託財産管理者。以下この節において「新受託者等」という。)が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その義務を加重することができる。 4 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き受託者としての権利義務を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。 5 第三項の場合(前項本文に規定する場合を除く。)において、前受託者が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 (前受託者の相続人等の通知及び保管の義務等) 第六十条 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、前受託者の相続人(法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人)又は成年後見人若しくは保佐人(以下この節において「前受託者の相続人等」と総称する。)がその事実を知っているときは、前受託者の相続人等は、知れている受益者に対し、これを通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者の相続人等は、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 3 前項の場合において、前受託者の相続人等が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 4 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、破産管財人は、新受託者等が信託事務を処理することができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 5 前項の場合において、破産管財人が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、破産管財人に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 6 前受託者の相続人等又は破産管財人は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、第一項、第二項又は第四項の規定による行為をするために支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 7 第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者の相続人等又は破産管財人が有する権利について準用する。 (費用又は報酬の支弁等) 第六十一条 第五十九条第五項又は前条第三項若しくは第五項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 第三款 新受託者の選任 第六十二条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者(以下「新受託者」という。)に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、委託者及び受益者は、その合意により、新受託者を選任することができる。 2 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、新受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 第一項の場合において、同項の合意に係る協議の状況その他の事情に照らして必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、新受託者を選任することができる。 5 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 6 第四項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受益者又は現に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 8 委託者が現に存しない場合における前各項の規定の適用については、第一項中「委託者及び受益者は、その合意により」とあるのは「受益者は」と、第三項中「委託者及び受益者」とあるのは「受益者」と、第四項中「同項の合意に係る協議の状況」とあるのは「受益者の状況」とする。 第四款 信託財産管理者等 (信託財産管理命令) 第六十三条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が選任されておらず、かつ、必要があると認めるときは、新受託者が選任されるまでの間、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産管理者による管理を命ずる処分(以下この款において「信託財産管理命令」という。)をすることができる。 2 前項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、信託財産管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 4 信託財産管理命令及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者の選任等) 第六十四条 裁判所は、信託財産管理命令をする場合には、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 2 前項の規定による信託財産管理者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 裁判所は、第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 信託財産管理者を選任した旨 二 信託財産管理者の氏名又は名称 4 前項第二号の規定は、同号に掲げる事項に変更を生じた場合について準用する。 5 信託財産管理命令があった場合において、信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものがあることを知ったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 信託財産管理命令を取り消す裁判があったとき、又は信託財産管理命令があった後に新受託者が選任された場合において当該新受託者が信託財産管理命令の登記若しくは登録の抹消の嘱託の申立てをしたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 (前受託者がした法律行為の効力) 第六十五条 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった後に信託財産に属する財産に関してした法律行為は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 2 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった日にした法律行為は、当該裁判があった後にしたものと推定する。 (信託財産管理者の権限) 第六十六条 第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合には、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、信託財産管理者に専属する。 2 二人以上の信託財産管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 3 二人以上の信託財産管理者があるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 信託財産管理者が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 保存行為 二 信託財産に属する財産の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為 5 前項の規定に違反して行った信託財産管理者の行為は、無効とする。 ただし、信託財産管理者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 信託財産管理者は、第二項ただし書又は第四項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 7 第二項ただし書又は第四項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 8 第二項ただし書又は第四項の規定による許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (信託財産に属する財産の管理) 第六十七条 信託財産管理者は、就職の後直ちに信託財産に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第六十八条 信託財産に関する訴えについては、信託財産管理者を原告又は被告とする。 (信託財産管理者の義務等) 第六十九条 信託財産管理者は、その職務を行うに当たっては、受託者と同一の義務及び責任を負う。 (信託財産管理者の辞任及び解任) 第七十条 第五十七条第二項から第五項までの規定は信託財産管理者の辞任について、第五十八条第四項から第七項までの規定は信託財産管理者の解任について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条第二項中「やむを得ない事由」とあるのは、「正当な事由」と読み替えるものとする。 (信託財産管理者の報酬等) 第七十一条 信託財産管理者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 2 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、信託財産管理者の陳述を聴かなければならない。 3 第一項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、信託財産管理者に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者による新受託者への信託事務の引継ぎ等) 第七十二条 第七十七条の規定は、信託財産管理者の選任後に新受託者が就任した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とあり、同条第二項中「受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)」とあり、及び同条第三項中「受益者」とあるのは「新受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該新受託者」と読み替えるものとする。 (受託者の職務を代行する者の権限) 第七十三条 第六十六条の規定は、受託者の職務を代行する者を選任する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者について準用する。 (受託者の死亡により任務が終了した場合の信託財産の帰属等) 第七十四条 第五十六条第一項第一号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、信託財産は、法人とする。 2 前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産法人管理人による管理を命ずる処分(第六項において「信託財産法人管理命令」という。)をすることができる。 3 第六十三条第二項から第四項までの規定は、前項の申立てに係る事件について準用する。 4 新受託者が就任したときは、第一項の法人は、成立しなかったものとみなす。 ただし、信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 5 信託財産法人管理人の代理権は、新受託者が信託事務の処理をすることができるに至った時に消滅する。 6 第六十四条の規定は信託財産法人管理命令をする場合について、第六十六条から第七十二条までの規定は信託財産法人管理人について、それぞれ準用する。 第五款 受託者の変更に伴う権利義務の承継等 (信託に関する権利義務の承継等) 第七十五条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が就任したときは、新受託者は、前受託者の任務が終了した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 2 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合(第五十九条第四項ただし書の場合を除く。)には、新受託者は、新受託者等が就任した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 3 前二項の規定は、新受託者が就任するに至るまでの間に前受託者、信託財産管理者又は信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 4 第二十七条の規定は、新受託者等が就任するに至るまでの間に前受託者がその権限に属しない行為をした場合について準用する。 5 前受託者(その相続人を含む。以下この条において同じ。)が第四十条の規定による責任を負う場合又は法人である前受託者の理事、取締役若しくは執行役若しくはこれらに準ずる者(以下この項において「理事等」と総称する。)が第四十一条の規定による責任を負う場合には、新受託者等又は信託財産法人管理人は、前受託者又は理事等に対し、第四十条又は第四十一条の規定による請求をすることができる。 6 前受託者が信託財産から費用等の償還若しくは損害の賠償を受けることができ、又は信託報酬を受けることができる場合には、前受託者は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、費用等の償還若しくは損害の賠償又は信託報酬の支払を請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 7 第四十八条第四項並びに第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者が有する権利について準用する。 8 新受託者が就任するに至るまでの間に信託財産に属する財産に対し既にされている強制執行、仮差押え若しくは仮処分の執行又は担保権の実行若しくは競売の手続は、新受託者に対し続行することができる。 9 前受託者は、第六項の規定による請求に係る債権の弁済を受けるまで、信託財産に属する財産を留置することができる。 (承継された債務に関する前受託者及び新受託者の責任) 第七十六条 前条第一項又は第二項の規定により信託債権に係る債務が新受託者に承継された場合にも、前受託者は、自己の固有財産をもって、その承継された債務を履行する責任を負う。 ただし、信託財産に属する財産のみをもって当該債務を履行する責任を負うときは、この限りでない。 2 新受託者は、前項本文に規定する債務を承継した場合には、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (前受託者による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十七条 新受託者等が就任した場合には、前受託者は、遅滞なく、信託事務に関する計算を行い、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対しその承認を求めるとともに、新受託者等が信託事務の処理を行うのに必要な信託事務の引継ぎをしなければならない。 2 受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)が前項の計算を承認した場合には、同項の規定による当該受益者に対する信託事務の引継ぎに関する責任は、免除されたものとみなす。 ただし、前受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者が前受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者は、同項の計算を承認したものとみなす。 (前受託者の相続人等又は破産管財人による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十八条 前条の規定は、第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における前受託者の相続人等及び同項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における破産管財人について準用する。 第六節 受託者が二人以上ある信託の特例 (信託財産の合有) 第七十九条 受託者が二人以上ある信託においては、信託財産は、その合有とする。 (信託事務の処理の方法) 第八十条 受託者が二人以上ある信託においては、信託事務の処理については、受託者の過半数をもって決する。 2 前項の規定にかかわらず、保存行為については、各受託者が単独で決することができる。 3 前二項の規定により信託事務の処理について決定がされた場合には、各受託者は、当該決定に基づいて信託事務を執行することができる。 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合には、各受託者は、その定めに従い、信託事務の処理について決し、これを執行する。 5 前二項の規定による信託事務の処理についての決定に基づく信託財産のためにする行為については、各受託者は、他の受託者を代理する権限を有する。 6 前各項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 7 受託者が二人以上ある信託においては、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 ただし、受益者の意思表示については、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (職務分掌者の当事者適格) 第八十一条 前条第四項に規定する場合には、信託財産に関する訴えについて、各受託者は、自己の分掌する職務に関し、他の受託者のために原告又は被告となる。 (信託事務の処理についての決定の他の受託者への委託) 第八十二条 受託者が二人以上ある信託においては、各受託者は、信託行為に別段の定めがある場合又はやむを得ない事由がある場合を除き、他の受託者に対し、信託事務(常務に属するものを除く。)の処理についての決定を委託することができない。 (信託事務の処理に係る債務の負担関係) 第八十三条 受託者が二人以上ある信託において、信託事務を処理するに当たって各受託者が第三者に対し債務を負担した場合には、各受託者は、連帯債務者とする。 2 前項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合において、ある受託者がその定めに従い信託事務を処理するに当たって第三者に対し債務を負担したときは、他の受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、当該第三者が、その債務の負担の原因である行為の当時、当該行為が信託事務の処理としてされたこと及び受託者が二人以上ある信託であることを知っていた場合であって、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがあることを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときは、当該他の受託者は、これをもって当該第三者に対抗することができない。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割の特例) 第八十四条 受託者が二人以上ある信託における第十九条の規定の適用については、同条第一項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第二号中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者の」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同条第三項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託又は他の信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「各信託財産の共有持分が属する受託者の」と、「受託者が決する」とあるのは「受託者の協議による」と、同条第四項中「第二号」とあるのは「第二号又は第三号」とする。 (受託者の責任等の特例) 第八十五条 受託者が二人以上ある信託において、二人以上の受託者がその任務に違反する行為をしたことにより第四十条の規定による責任を負う場合には、当該行為をした各受託者は、連帯債務者とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第四十条第一項及び第四十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「受益者又は他の受託者」とする。 3 受託者が二人以上ある信託において第四十二条の規定により第四十条又は第四十一条の規定による責任が免除されたときは、他の受託者は、これらの規定によれば当該責任を負うべき者に対し、当該責任の追及に係る請求をすることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者が二人以上ある信託における第四十四条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者又は他の受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該受益者又は他の受託者」とする。 (受託者の変更等の特例) 第八十六条 受託者が二人以上ある信託における第五十九条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第三項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第六十条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第二項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 3 受託者が二人以上ある信託における第七十四条第一項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とする。 4 受託者が二人以上ある信託においては、第七十五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、その一人の任務が第五十六条第一項各号に掲げる事由により終了した場合には、その任務が終了した時に存する信託に関する権利義務は他の受託者が当然に承継し、その任務は他の受託者が行う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託の終了の特例) 第八十七条 受託者が二人以上ある信託における第百六十三条第三号の規定の適用については、同号中「受託者が欠けた場合」とあるのは、「すべての受託者が欠けた場合」とする。 2 受託者が二人以上ある信託においては、受託者の一部が欠けた場合であって、前条第四項ただし書の規定によりその任務が他の受託者によって行われず、かつ、新受託者が就任しない状態が一年間継続したときも、信託は、終了する。 第四章 受益者等 第一節 受益者の権利の取得及び行使 (受益権の取得) 第八十八条 信託行為の定めにより受益者となるべき者として指定された者(次条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定された者を含む。)は、当然に受益権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、前項に規定する受益者となるべき者として指定された者が同項の規定により受益権を取得したことを知らないときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者指定権等) 第八十九条 受益者を指定し、又はこれを変更する権利(以下この条において「受益者指定権等」という。)を有する者の定めのある信託においては、受益者指定権等は、受託者に対する意思表示によって行使する。 2 前項の規定にかかわらず、受益者指定権等は、遺言によって行使することができる。 3 前項の規定により遺言によって受益者指定権等が行使された場合において、受託者がこれを知らないときは、これにより受益者となったことをもって当該受託者に対抗することができない。 4 受託者は、受益者を変更する権利が行使されたことにより受益者であった者がその受益権を失ったときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 受益者指定権等は、相続によって承継されない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受益者指定権等を有する者が受託者である場合における第一項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受益者となるべき者」とする。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第九十条 次の各号に掲げる信託においては、当該各号の委託者は、受益者を変更する権利を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託 二 委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託 2 前項第二号の受益者は、同号の委託者が死亡するまでは、受益者としての権利を有しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例) 第九十一条 受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。 (信託行為の定めによる受益者の権利行使の制限の禁止) 第九十二条 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 一 この法律の規定による裁判所に対する申立権 二 第五条第一項の規定による催告権 三 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 四 第二十四条第一項の規定による支払の請求権 五 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 六 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 七 第三十六条の規定による報告を求める権利 八 第三十八条第一項又は第六項の規定による閲覧又は謄写の請求権 九 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十一 第四十四条の規定による差止めの請求権 十二 第四十五条第一項の規定による支払の請求権 十三 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十四 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十五 第六十一条第一項の規定による支払の請求権 十六 第六十二条第二項の規定による催告権 十七 第九十九条第一項の規定による受益権を放棄する権利 十八 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 十九 第百三十一条第二項の規定による催告権 二十 第百三十八条第二項の規定による催告権 二十一 第百八十七条第一項の規定による交付又は提供の請求権 二十二 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 二十三 第百九十八条第一項の規定による記載又は記録の請求権 二十四 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十五 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十六 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 第二節 受益権等 第一款 受益権の譲渡等 (受益権の譲渡性) 第九十三条 受益者は、その有する受益権を譲り渡すことができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「譲渡制限の定め」という。)は、その譲渡制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の譲渡の対抗要件) 第九十四条 受益権の譲渡は、譲渡人が受託者に通知をし、又は受託者が承諾をしなければ、受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の通知及び承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、受託者以外の第三者に対抗することができない。 (受益権の譲渡における受託者の抗弁) 第九十五条 受託者は、前条第一項の通知又は承諾がされるまでに譲渡人に対し生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。 (共同相続における受益権の承継の対抗要件) 第九十五条の二 相続により受益権が承継された場合において、民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該受益権を承継した共同相続人が当該受益権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該受益権を承継した場合にあっては、当該受益権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして受託者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が受託者に通知をしたものとみなして、同法第八百九十九条の二第一項の規定を適用する。 (受益権の質入れ) 第九十六条 受益者は、その有する受益権に質権を設定することができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の質入れを禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「質入制限の定め」という。)は、その質入制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった質権者その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の質入れの効果) 第九十七条 受益権を目的とする質権は、次に掲げる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下この条及び次条において同じ。)について存在する。 一 当該受益権を有する受益者が受託者から信託財産に係る給付として受けた金銭等 二 第百三条第六項に規定する受益権取得請求によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 三 信託の変更による受益権の併合又は分割によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 四 信託の併合又は分割(信託の併合又は信託の分割をいう。以下同じ。)によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 五 前各号に掲げるもののほか、当該受益権を有する受益者が当該受益権に代わるものとして受ける金銭等 第九十八条 受益権の質権者は、前条の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 前項の債権の弁済期が到来していないときは、受益権の質権者は、受託者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第二款 受益権の放棄 第九十九条 受益者は、受託者に対し、受益権を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、受益者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 2 受益者は、前項の規定による意思表示をしたときは、当初から受益権を有していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 第三款 受益債権 (受益債権に係る受託者の責任) 第百条 受益債権に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (受益債権と信託債権との関係) 第百一条 受益債権は、信託債権に後れる。 (受益債権の期間の制限) 第百二条 受益債権の消滅時効は、次項及び第三項に定める事項を除き、債権の消滅時効の例による。 2 受益債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 3 受益債権の消滅時効は、次に掲げる場合に限り、援用することができる。 一 受託者が、消滅時効の期間の経過後、遅滞なく、受益者に対し受益債権の存在及びその内容を相当の期間を定めて通知し、かつ、受益者からその期間内に履行の請求を受けなかったとき。 二 消滅時効の期間の経過時において受益者の所在が不明であるとき、その他信託行為の定め、受益者の状況、関係資料の滅失その他の事情に照らして、受益者に対し前号の規定による通知をしないことについて正当な理由があるとき。 4 受益債権は、これを行使することができる時から二十年を経過したときは、消滅する。 第四款 受益権取得請求権 (受益権取得請求) 第百三条 次に掲げる事項に係る信託の変更(第三項において「重要な信託の変更」という。)がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、第一号又は第二号に掲げる事項に係る信託の変更がされる場合にあっては、これにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 一 信託の目的の変更 二 受益権の譲渡の制限 三 受託者の義務の全部又は一部の減免(当該減免について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 四 受益債権の内容の変更(当該内容の変更について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 五 信託行為において定めた事項 2 信託の併合又は分割がされる場合には、これらにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、前項第一号又は第二号に掲げる事項に係る変更を伴う信託の併合又は分割がされる場合にあっては、これらにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 3 前二項の受益者が、重要な信託の変更又は信託の併合若しくは信託の分割(以下この章において「重要な信託の変更等」という。)の意思決定に関与し、その際に当該重要な信託の変更等に賛成する旨の意思を表示したときは、前二項の規定は、当該受益者については、適用しない。 4 受託者は、重要な信託の変更等の意思決定の日から二十日以内に、受益者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 重要な信託の変更等をする旨 二 重要な信託の変更等がその効力を生ずる日(次条第一項において「効力発生日」という。) 三 重要な信託の変更等の中止に関する条件を定めたときは、その条件 5 前項の規定による通知は、官報による公告をもって代えることができる。 6 第一項又は第二項の規定による請求(以下この款において「受益権取得請求」という。)は、第四項の規定による通知又は前項の規定による公告の日から二十日以内に、その受益権取得請求に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 7 受益権取得請求をした受益者は、受託者の承諾を得た場合に限り、その受益権取得請求を撤回することができる。 8 重要な信託の変更等が中止されたときは、受益権取得請求は、その効力を失う。 (受益権の価格の決定等) 第百四条 受益権取得請求があった場合において、受益権の価格の決定について、受託者と受益者との間に協議が調ったときは、受託者は、受益権取得請求の日から六十日を経過する日(その日までに効力発生日が到来していない場合にあっては、効力発生日)までにその支払をしなければならない。 2 受益権の価格の決定について、受益権取得請求の日から三十日以内に協議が調わないときは、受託者又は受益者は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の規定により価格の決定をする場合には、同項の申立てをすることができる者の陳述を聴かなければならない。 4 第二項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による価格の決定の裁判に対しては、申立人及び同項の申立てをすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 7 前条第七項の規定にかかわらず、第二項に規定する場合において、受益権取得請求の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、受益者は、いつでも、受益権取得請求を撤回することができる。 8 第一項の受託者は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の利息をも支払わなければならない。 9 受託者は、受益権の価格の決定があるまでは、受益者に対し、当該受託者が公正な価格と認める額を支払うことができる。 10 受益権取得請求に係る受託者による受益権の取得は、当該受益権の価格に相当する金銭の支払の時に、その効力を生ずる。 11 受益証券(第百八十五条第一項に規定する受益証券をいう。以下この章において同じ。)が発行されている受益権について受益権取得請求があったときは、当該受益証券と引換えに、その受益権取得請求に係る受益権の価格に相当する金銭を支払わなければならない。 12 受益権取得請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 13 前条第一項又は第二項の規定により受託者が受益権を取得したときは、その受益権は、消滅する。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 第三節 二人以上の受益者による意思決定の方法の特例 第一款 総則 第百五条 受益者が二人以上ある信託における受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は、すべての受益者の一致によってこれを決する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項ただし書の場合において、信託行為に受益者集会における多数決による旨の定めがあるときは、次款の定めるところによる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項ただし書又は前項の規定にかかわらず、第四十二条の規定による責任の免除に係る意思決定の方法についての信託行為の定めは、次款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めに限り、その効力を有する。 4 第一項ただし書及び前二項の規定は、次に掲げる責任の免除については、適用しない。 一 第四十二条の規定による責任の全部の免除 二 第四十二条第一号の規定による責任(受託者がその任務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合に生じたものに限る。)の一部の免除 三 第四十二条第二号の規定による責任の一部の免除 第二款 受益者集会 (受益者集会の招集) 第百六条 受益者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 受益者集会は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)が招集する。 (受益者による招集の請求) 第百七条 受益者は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)に対し、受益者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、受益者集会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合において、信託財産に著しい損害を生ずるおそれがあるときは、前項の規定による請求をした受益者は、受益者集会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から八週間以内の日を受益者集会の日とする受益者集会の招集の通知が発せられない場合 (受益者集会の招集の決定) 第百八条 受益者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 受益者集会の日時及び場所 二 受益者集会の目的である事項があるときは、当該事項 三 受益者集会に出席しない受益者が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下この款において同じ。)によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益者集会の招集の通知) 第百九条 受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の二週間前までに、知れている受益者及び受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、知れている受益者、受託者及び信託監督人)に対し、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 無記名式の受益証券が発行されている場合において、受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の三週間前までに、受益者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を官報により公告しなければならない。 (受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第百十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている受益者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「受益者集会参考書類」という。)及び受益者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした受益者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、受益者の請求があったときは、これらの書類を当該受益者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、受益者集会の日の一週間前までに無記名受益権(無記名式の受益証券が発行されている受益権をいう。第八章において同じ。)の受益者の請求があったときは、直ちに、受益者集会参考書類及び議決権行使書面を当該受益者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、受益者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第百十一条 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第百九条第二項の承諾をした受益者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、受益者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第百九条第二項の承諾をしていない受益者から受益者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該受益者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (受益者の議決権) 第百十二条 受益者は、受益者集会において、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定めるものに応じて、議決権を有する。 一 各受益権の内容が均等である場合 受益権の個数 二 前号に掲げる場合以外の場合 受益者集会の招集の決定の時における受益権の価格 2 前項の規定にかかわらず、受益権が当該受益権に係る信託の信託財産に属するときは、受託者は、当該受益権については、議決権を有しない。 (受益者集会の決議) 第百十三条 受益者集会の決議は、議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第四十二条の規定による責任の免除(第百五条第四項各号に掲げるものを除く。) 二 第百三十六条第一項第一号に規定する合意 三 第百四十三条第一項第一号に規定する合意 四 第百四十九条第一項若しくは第二項第一号に規定する合意又は同条第三項に規定する意思表示 五 第百五十一条第一項又は第二項第一号に規定する合意 六 第百五十五条第一項又は第二項第一号に規定する合意 七 第百五十九条第一項又は第二項第一号に規定する合意 八 第百六十四条第一項に規定する合意 3 前二項の規定にかかわらず、第百三条第一項第二号から第四号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものを除く。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の半数以上であって、当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、第百三条第一項第一号又は第四号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものに限る。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、総受益者の半数以上であって、総受益者の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 受益者集会は、第百八条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第百十四条 受益者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該受益者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、受益者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の受益者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該受益者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第百十五条 受益者集会に出席しない受益者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第百十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (議決権の不統一行使) 第百十七条 受益者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、受益者集会の日の三日前までに、招集者に対しその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の受益者が他人のために受益権を有する者でないときは、当該受益者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (受託者の出席等) 第百十八条 受託者(法人である受託者にあっては、その代表者又は代理人。次項において同じ。)は、受益者集会に出席し、又は書面により意見を述べることができる。 2 受益者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、受託者に対し、その出席を求めることができる。 この場合において、受益者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第百十九条 受益者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八条及び第百九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百二十条 受益者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (受益者集会の決議の効力) 第百二十一条 受益者集会の決議は、当該信託のすべての受益者に対してその効力を有する。 (受益者集会の費用の負担) 第百二十二条 受益者集会に関する必要な費用を支出した者は、受託者に対し、その償還を請求することができる。 2 前項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 第四節 信託管理人等 第一款 信託管理人 (信託管理人の選任) 第百二十三条 信託行為においては、受益者が現に存しない場合に信託管理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託管理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託管理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託管理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が現に存しない場合において、信託行為に信託管理人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託管理人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 5 前項の規定による信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託管理人の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受託者又は既に存する信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託管理人の資格) 第百二十四条 次に掲げる者は、信託管理人となることができない。 一 未成年者 二 当該信託の受託者である者 (信託管理人の権限) 第百二十五条 信託管理人は、受益者のために自己の名をもって受益者の権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託管理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 この法律の規定により受益者に対してすべき通知は、信託管理人があるときは、信託管理人に対してしなければならない。 (信託管理人の義務) 第百二十六条 信託管理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託管理人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託管理人の費用等及び報酬) 第百二十七条 信託管理人は、その事務を処理するのに必要と認められる費用及び支出の日以後におけるその利息を受託者に請求することができる。 2 信託管理人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、受託者にその賠償を請求することができる。 一 信託管理人がその事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 信託管理人がその事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 3 信託管理人は、商法第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に信託管理人が報酬を受ける旨の定めがある場合に限り、受託者に報酬を請求することができる。 4 前三項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 5 第三項の場合には、報酬の額は、信託行為に報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 6 裁判所は、第百二十三条第四項の規定により信託管理人を選任した場合には、信託管理人の報酬を定めることができる。 7 前項の規定による信託管理人の報酬の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第三項の定め及び第五項の報酬の額に関する定めがあったものとみなす。 8 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判をする場合には、受託者及び信託管理人の陳述を聴かなければならない。 9 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判に対しては、受託者及び信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託管理人の任務の終了) 第百二十八条 第五十六条の規定は、信託管理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託管理人の辞任について、第五十八条の規定は信託管理人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託管理人の選任等) 第百二十九条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託管理人の任務が終了した場合における新たな信託管理人(次項において「新信託管理人」という。)の選任について準用する。 2 新信託管理人が就任した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、新信託管理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 3 前項の信託管理人であった者は、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知ったときは、遅滞なく、当該受益者となった者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 (信託管理人による事務の処理の終了等) 第百三十条 信託管理人による事務の処理は、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第二号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受益者が存するに至ったこと。 二 委託者が信託管理人に対し事務の処理を終了する旨の意思表示をしたこと。 三 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託管理人による事務の処理が終了した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 ただし、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知った場合に限る。 第二款 信託監督人 (信託監督人の選任) 第百三十一条 信託行為においては、受益者が現に存する場合に信託監督人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託監督人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託監督人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託監督人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が受託者の監督を適切に行うことができない特別の事情がある場合において、信託行為に信託監督人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託監督人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託監督人を選任することができる。 5 前項の規定による信託監督人の選任の裁判があったときは、当該信託監督人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託監督人の選任の裁判に対しては、委託者、受託者若しくは受益者又は既に存する信託監督人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託監督人の権限) 第百三十二条 信託監督人は、受益者のために自己の名をもって第九十二条各号(第十七号、第十八号、第二十一号及び第二十三号を除く。)に掲げる権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託監督人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託監督人の義務) 第百三十三条 信託監督人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託監督人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託監督人の任務の終了) 第百三十四条 第五十六条の規定は、信託監督人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託監督人の辞任について、第五十八条の規定は信託監督人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託監督人の選任等) 第百三十五条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託監督人の任務が終了した場合における新たな信託監督人(次項において「新信託監督人」という。)の選任について準用する。 2 新信託監督人が就任した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新信託監督人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (信託監督人による事務の処理の終了等) 第百三十六条 信託監督人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者が信託監督人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託監督人による事務の処理が終了した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百三十七条 第百二十四条及び第百二十七条の規定は、信託監督人について準用する。 この場合において、同条第六項中「第百二十三条第四項」とあるのは、「第百三十一条第四項」と読み替えるものとする。 第三款 受益者代理人 (受益者代理人の選任) 第百三十八条 信託行為においては、その代理する受益者を定めて、受益者代理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に受益者代理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受益者代理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、受益者代理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 (受益者代理人の権限等) 第百三十九条 受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受益者代理人がその代理する受益者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、その代理する受益者の範囲を示せば足りる。 3 一人の受益者につき二人以上の受益者代理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受益者代理人があるときは、当該受益者代理人に代理される受益者は、第九十二条各号に掲げる権利及び信託行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができない。 (受益者代理人の義務) 第百四十条 受益者代理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 受益者代理人は、その代理する受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (受益者代理人の任務の終了) 第百四十一条 第五十六条の規定は、受益者代理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は受益者代理人の辞任について、第五十八条の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。 (新受益者代理人の選任等) 第百四十二条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により受益者代理人の任務が終了した場合における新たな受益者代理人(次項において「新受益者代理人」という。)の選任について準用する。 この場合において、第六十二条第二項及び第四項中「利害関係人」とあるのは、「委託者又は受益者代理人に代理される受益者」と読み替えるものとする。 2 新受益者代理人が就任した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理する受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新受益者代理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (受益者代理人による事務の処理の終了等) 第百四十三条 受益者代理人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者代理人に代理される受益者が受益者代理人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により受益者代理人による事務の処理が終了した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理した受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百四十四条 第百二十四条及び第百二十七条第一項から第五項までの規定は、受益者代理人について準用する。 第五章 委託者 (委託者の権利等) 第百四十五条 信託行為においては、委託者がこの法律の規定によるその権利の全部又は一部を有しない旨を定めることができる。 2 信託行為においては、委託者も次に掲げる権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。 一 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 二 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 三 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 四 第三十二条第四項の規定による権利 五 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 六 第三十九条第一項の規定による開示の請求権 七 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 八 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 九 第四十四条の規定による差止めの請求権 十 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 十一 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十二 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十三 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十四 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十五 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 3 前項第一号、第七号から第九号まで又は第十一号から第十五号までに掲げる権利について同項の信託行為の定めがされた場合における第二十四条、第四十五条(第二百二十六条第六項、第二百二十八条第六項及び第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)又は第六十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「委託者又は受益者」とする。 4 信託行為においては、受託者が次に掲げる義務を負う旨を定めることができる。 一 この法律の規定により受託者が受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次号において同じ。)に対し通知すべき事項を委託者に対しても通知する義務 二 この法律の規定により受託者が受益者に対し報告すべき事項を委託者に対しても報告する義務 三 第七十七条第一項又は第百八十四条第一項の規定により受託者がする計算の承認を委託者に対しても求める義務 5 委託者が二人以上ある信託における第一項、第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「委託者」とあるのは、「委託者の全部又は一部」とする。 (委託者の地位の移転) 第百四十六条 委託者の地位は、受託者及び受益者の同意を得て、又は信託行為において定めた方法に従い、第三者に移転することができる。 2 委託者が二人以上ある信託における前項の規定の適用については、同項中「受託者及び受益者」とあるのは、「他の委託者、受託者及び受益者」とする。 (遺言信託における委託者の相続人) 第百四十七条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合には、委託者の相続人は、委託者の地位を相続により承継しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第百四十八条 第九十条第一項各号に掲げる信託において、その信託の受益者が現に存せず、又は同条第二項の規定により受益者としての権利を有しないときは、委託者が第百四十五条第二項各号に掲げる権利を有し、受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第六章 信託の変更、併合及び分割 第一節 信託の変更 (関係当事者の合意等) 第百四十九条 信託の変更は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、変更後の信託行為の内容を明らかにしてしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによりすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者による受託者に対する意思表示によってすることができる。 この場合において、第二号に掲げるときは、受託者は、委託者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 委託者及び受益者 二 信託の目的に反しないこと及び受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 受益者 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 委託者が現に存しない場合においては、第一項及び第三項第一号の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (特別の事情による信託の変更を命ずる裁判) 第百五十条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合しなくなるに至ったときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の変更を命ずることができる。 2 前項の申立ては、当該申立てに係る変更後の信託行為の定めを明らかにしてしなければならない。 3 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 4 第一項の申立てについての裁判には、理由の要旨を付さなければならない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 第二節 信託の併合 (関係当事者の合意等) 第百五十一条 信託の併合は、従前の各信託の委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 信託の併合後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 信託の併合に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 信託の併合がその効力を生ずる日 五 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、信託の併合は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十二条 信託の併合をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、信託の併合について異議を述べることができる。 ただし、信託の併合をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 信託の併合をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告(公告の方法のうち、電磁的方法(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって同号に規定するものをとる方法をいう。次節において同じ。) 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該信託の併合について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。次節において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該信託の併合をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十三条 信託の併合がされた場合において、従前の信託の信託財産責任負担債務であった債務は、信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務となる。 第百五十四条 信託の併合がされた場合において、前条に規定する従前の信託の信託財産責任負担債務のうち信託財産限定責任負担債務(受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務をいう。以下この章において同じ。)であるものは、信託の併合後の信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第三節 信託の分割 第一款 吸収信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十五条 吸収信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 吸収信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 吸収信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 吸収信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 吸収信託分割によりその信託財産の一部を他の信託に移転する信託(以下この款において「分割信託」という。)の信託財産責任負担債務でなくなり、分割信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託(以下「承継信託」という。)の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、吸収信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十六条 吸収信託分割をする場合には、分割信託又は承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、吸収信託分割について異議を述べることができる。 ただし、吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収信託分割後の分割信託及び承継信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十七条 吸収信託分割がされた場合において、第百五十五条第一項第六号の債務は、吸収信託分割後の分割信託の信託財産責任負担債務でなくなり、吸収信託分割後の承継信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、分割信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、承継信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百五十八条 第百五十六条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、吸収信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては吸収信託分割がその効力を生ずる日における承継信託の移転を受ける財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における分割信託の信託財産の価額を限度とする。 一 分割信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 吸収信託分割後の承継信託の信託財産に属する財産 二 承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 吸収信託分割後の分割信託の信託財産に属する財産 第二款 新規信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十九条 新規信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 新規信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 新規信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 新規信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 新規信託分割により従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新たな信託の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、新規信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百六十条 新規信託分割をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。 ただし、新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別に催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新規信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新規信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百六十一条 新規信託分割がされた場合において、第百五十九条第一項第六号の債務は、新規信託分割後の従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新規信託分割後の新たな信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、従前の信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、新たな信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百六十二条 第百六十条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、新規信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては新規信託分割がその効力を生ずる日における新たな信託の信託財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における従前の信託の信託財産の価額を限度とする。 一 従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 新規信託分割後の新たな信託の信託財産に属する財産 二 新たな信託の信託財産責任負担債務に係る債権となった債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 新規信託分割後の従前の信託の信託財産に属する財産 第七章 信託の終了及び清算 第一節 信託の終了 (信託の終了事由) 第百六十三条 信託は、次条の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。 一 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。 二 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が一年間継続したとき。 三 受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が一年間継続したとき。 四 受託者が第五十二条(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により信託を終了させたとき。 五 信託の併合がされたとき。 六 第百六十五条又は第百六十六条の規定により信託の終了を命ずる裁判があったとき。 七 信託財産についての破産手続開始の決定があったとき。 八 委託者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた場合において、破産法第五十三条第一項、民事再生法第四十九条第一項又は会社更生法第六十一条第一項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十一条第一項及び第二百六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による信託契約の解除がされたとき。 九 信託行為において定めた事由が生じたとき。 (委託者及び受益者の合意等による信託の終了) 第百六十四条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、信託を終了することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に信託を終了したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 (特別の事情による信託の終了を命ずる裁判) 第百六十五条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (公益の確保のための信託の終了を命ずる裁判) 第百六十六条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 一 不法な目的に基づいて信託がされたとき。 二 受託者が、法令若しくは信託行為で定めるその権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、同項の申立てをした者又は委託者、受託者若しくは受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 6 委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人が第一項の申立てをしたときは、裁判所は、受託者の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 受託者は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 8 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第六項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第百六十七条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上前条第一項の申立て又は同項第二号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 (法務大臣の関与) 第百六十八条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第百六十六条第四項に規定する者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (信託財産に関する保全処分) 第百六十九条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次条において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 第百七十条 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 2 前項の管理人は、裁判所が監督する。 3 裁判所は、第一項の管理人に対し、信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 4 第六十四条から第七十二条までの規定は、第一項の管理人について準用する。 この場合において、第六十五条中「前受託者」とあるのは、「受託者」と読み替えるものとする。 5 信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものに関し前条第一項の規定による保全処分(管理命令を除く。)があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (保全処分に関する費用の負担) 第百七十一条 裁判所が第百六十九条第一項の規定による保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、受託者の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第百六十九条第一項の申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、受託者の負担とする。 (保全処分に関する資料の閲覧等) 第百七十二条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第百七十条第三項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 (新受託者の選任) 第百七十三条 裁判所は、第百六十六条第一項の規定により信託の終了を命じた場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、当該信託の清算のために新受託者を選任しなければならない。 2 前項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 第一項の規定により新受託者が選任されたときは、前受託者の任務は、終了する。 4 第一項の新受託者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 5 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、第一項の新受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、第一項の新受託者に限り、即時抗告をすることができる。 (終了した信託に係る吸収信託分割の制限) 第百七十四条 信託が終了した場合には、当該信託を承継信託とする吸収信託分割は、することができない。 第二節 信託の清算 (清算の開始原因) 第百七十五条 信託は、当該信託が終了した場合(第百六十三条第五号に掲げる事由によって終了した場合及び信託財産についての破産手続開始の決定により終了した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)には、この節の定めるところにより、清算をしなければならない。 (信託の存続の擬制) 第百七十六条 信託は、当該信託が終了した場合においても、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 (清算受託者の職務) 第百七十七条 信託が終了した時以後の受託者(以下「清算受託者」という。)は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済 三 受益債権(残余財産の給付を内容とするものを除く。)に係る債務の弁済 四 残余財産の給付 (清算受託者の権限等) 第百七十八条 清算受託者は、信託の清算のために必要な一切の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 清算受託者は、次に掲げる場合には、信託財産に属する財産を競売に付することができる。 一 受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)が信託財産に属する財産を受領することを拒み、又はこれを受領することができない場合において、相当の期間を定めてその受領の催告をしたとき。 二 受益者等の所在が不明である場合 3 前項第一号の規定により信託財産に属する財産を競売に付したときは、遅滞なく、受益者等に対しその旨の通知を発しなければならない。 4 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、第二項第一号の催告をしないで競売に付することができる。 (清算中の信託財産についての破産手続の開始) 第百七十九条 清算中の信託において、信託財産に属する財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算受託者は、直ちに信託財産についての破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 信託財産についての破産手続開始の決定がされた場合において、清算受託者が既に信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に支払ったものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第百八十条 清算受託者は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算受託者は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算受託者の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 4 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第一項の規定による鑑定人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 前各項の規定は、清算受託者、受益者、信託債権者及び第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者の間に別段の合意がある場合には、適用しない。 (債務の弁済前における残余財産の給付の制限) 第百八十一条 清算受託者は、第百七十七条第二号及び第三号の債務を弁済した後でなければ、信託財産に属する財産を次条第二項に規定する残余財産受益者等に給付することができない。 ただし、当該債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (残余財産の帰属) 第百八十二条 残余財産は、次に掲げる者に帰属する。 一 信託行為において残余財産の給付を内容とする受益債権に係る受益者(次項において「残余財産受益者」という。)となるべき者として指定された者 二 信託行為において残余財産の帰属すべき者(以下この節において「帰属権利者」という。)となるべき者として指定された者 2 信託行為に残余財産受益者若しくは帰属権利者(以下この項において「残余財産受益者等」と総称する。)の指定に関する定めがない場合又は信託行為の定めにより残余財産受益者等として指定を受けた者のすべてがその権利を放棄した場合には、信託行為に委託者又はその相続人その他の一般承継人を帰属権利者として指定する旨の定めがあったものとみなす。 3 前二項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、残余財産は、清算受託者に帰属する。 (帰属権利者) 第百八十三条 信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第八十八条第二項の規定は、前項に規定する帰属権利者となるべき者として指定された者について準用する。 3 信託行為の定めにより帰属権利者となった者は、受託者に対し、その権利を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、信託行為の定めにより帰属権利者となった者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 4 前項本文に規定する帰属権利者となった者は、同項の規定による意思表示をしたときは、当初から帰属権利者としての権利を取得していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 第百条及び第百二条の規定は、帰属権利者が有する債権で残余財産の給付をすべき債務に係るものについて準用する。 6 帰属権利者は、信託の清算中は、受益者とみなす。 (清算受託者の職務の終了等) 第百八十四条 清算受託者は、その職務を終了したときは、遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)及び帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)のすべてに対し、その承認を求めなければならない。 2 受益者等が前項の計算を承認した場合には、当該受益者等に対する清算受託者の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者等が清算受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者等は、同項の計算を承認したものとみなす。 第八章 受益証券発行信託の特例 第一節 総則 (受益証券の発行に関する信託行為の定め) 第百八十五条 信託行為においては、この章の定めるところにより、一又は二以上の受益権を表示する証券(以下「受益証券」という。)を発行する旨を定めることができる。 2 前項の規定は、当該信託行為において特定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 3 第一項の定めのある信託(以下「受益証券発行信託」という。)においては、信託の変更によって前二項の定めを変更することはできない。 4 第一項の定めのない信託においては、信託の変更によって同項又は第二項の定めを設けることはできない。 (受益権原簿) 第百八十六条 受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、受益権原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「受益権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 二 各受益権に係る受益証券の番号、発行の日、受益証券が記名式か又は無記名式かの別及び無記名式の受益証券の数 三 各受益権に係る受益者(無記名受益権の受益者を除く。)の氏名又は名称及び住所 四 前号の受益者が各受益権を取得した日 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百八十七条 第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された受益権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該受益権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (受益権原簿管理人) 第百八十八条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿管理人(受益証券発行信託の受託者に代わって受益権原簿の作成及び備置きその他の受益権原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百八十九条 受益証券発行信託の受託者は、一定の日(以下この条において「基準日」という。)を定めて、基準日において受益権原簿に記載され、又は記録されている受益者(以下この条において「基準日受益者」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 前項の規定は、無記名受益権の受益者については、適用しない。 3 基準日を定める場合には、受益証券発行信託の受託者は、基準日受益者が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を官報に公告しなければならない。 ただし、信託行為に当該基準日及び基準日受益者が行使することができる権利の内容について定めがあるときは、この限りでない。 5 第一項、第三項及び前項本文の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益権原簿の備置き及び閲覧等) 第百九十条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿をその住所(当該受託者が法人である場合(受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。)にあってはその主たる事務所、受益権原簿管理人が現に存する場合にあってはその営業所)に備え置かなければならない。 2 委託者、受益者その他の利害関係人は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 受益権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 受益権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の請求があったときは、受益証券発行信託の受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 第百八十六条第三号又は第四号に掲げる事項(第百八十五条第二項の定めのない受益権に係るものに限る。)について第二項の請求があった場合において、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者に対する通知等) 第百九十一条 受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該受益者の住所(当該受益者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を受益者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、受益証券発行信託の受託者が受益権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 この法律の規定により受益証券発行信託の受託者が無記名受益権の受益者に対してすべき通知は、当該受益者のうち当該受託者に氏名又は名称及び住所の知れている者に対してすれば足りる。 この場合においては、当該受託者は、その通知すべき事項を官報に公告しなければならない。 (無記名受益権の受益者による権利の行使) 第百九十二条 無記名受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者その他の者に対しその権利を行使しようとするときは、その受益証券を当該受託者その他の者に提示しなければならない。 2 無記名受益権の受益者は、受益者集会において議決権を行使しようとするときは、受益者集会の日の一週間前までに、その受益証券を第百八条に規定する招集者に提示しなければならない。 (共有者による権利の行使) 第百九十三条 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該受益権についての権利を行使する者一人を定め、受益証券発行信託の受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該受益権についての権利を行使することができない。 ただし、当該受託者が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 受益権の譲渡等の特例 (受益証券の発行された受益権の譲渡) 第百九十四条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の譲渡は、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の譲渡の対抗要件) 第百九十五条 受益証券発行信託の受益権の譲渡は、その受益権を取得した者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権に関する前項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受託者その他の第三者」とする。 3 第一項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (権利の推定等) 第百九十六条 受益証券の占有者は、当該受益証券に係る受益権を適法に有するものと推定する。 2 受益証券の交付を受けた者は、当該受益証券に係る受益権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (受益者の請求によらない受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十七条 受益証券発行信託の受託者は、次の各号に掲げる場合には、法務省令で定めるところにより、当該各号の受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益権を取得した場合において、当該受益権が消滅しなかったとき。 二 前号の受益証券発行信託の受益権を処分したとき。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合には、併合された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合には、分割された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十八条 受益証券発行信託の受益権を受益証券発行信託の受託者以外の者から取得した者(当該受託者を除く。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した受益権の受益者として受益権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の発行された受益権の質入れ) 第百九十九条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質入れは、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の質入れの対抗要件) 第二百条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質権者は、継続して当該受益権に係る受益証券を占有しなければ、その質権をもって受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する受益権原簿の記載等) 第二百一条 受益証券発行信託の受益権に質権を設定した者は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である受益権 2 前項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (質権に関する受益権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百二条 前条第一項各号に掲げる事項が受益権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下この節において「登録受益権質権者」という。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該登録受益権質権者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (登録受益権質権者に対する通知等) 第二百三条 受益証券発行信託の受託者が登録受益権質権者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該登録受益権質権者の住所(当該登録受益権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (受益権の併合又は分割に係る受益権原簿の記載等) 第二百四条 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、併合された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、分割された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 第二百五条 受益証券発行信託の受託者は、前条第一項に規定する場合には、併合された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、前条第二項に規定する場合には、分割された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 (受益証券の発行されない受益権についての対抗要件等) 第二百六条 第百八十五条第二項の定めのある受益権で他の信託の信託財産に属するものについては、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該受益権が信託財産に属することを受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の受益権が属する他の信託の受託者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 受益権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百八十七条の規定の適用については、同条第一項中「第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者」とあるのは「第二百六条第一項の受益権が属する他の信託の受託者」と、「当該受益者」とあるのは「当該受益権」と、「記録された受益権原簿記載事項」とあるのは「記録された受益権原簿記載事項(当該受益権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 第三節 受益証券 (受益証券の発行) 第二百七条 受益証券発行信託の受託者は、信託行為の定めに従い、遅滞なく、当該受益権に係る受益証券を発行しなければならない。 (受益証券不所持の申出) 第二百八条 受益証券発行信託の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者の有する受益権に係る受益証券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該受益権に係る受益証券が発行されているときは、当該受益者は、当該受益証券を受益証券発行信託の受託者に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、前項前段の受益権に係る受益証券を発行しない旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された受益証券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした受益者は、いつでも、受益証券発行信託の受託者に対し、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することを請求することができる。 この場合において、同項後段の規定により提出された受益証券があるときは、受益証券の発行に要する費用は、当該受益者の負担とする。 7 前各項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の記載事項) 第二百九条 受益証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益証券である旨 二 当初の委託者及び受益証券発行信託の受託者の氏名又は名称及び住所 三 記名式の受益証券にあっては、受益者の氏名又は名称 四 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 五 受益証券発行信託の受託者に対する費用等の償還及び損害の賠償に関する信託行為の定め 六 信託報酬の計算方法並びにその支払の方法及び時期 七 記名式の受益証券をもって表示される受益権について譲渡の制限があるときは、その旨及びその内容 八 受益者の権利の行使に関する信託行為の定め(信託監督人及び受益者代理人に係る事項を含む。) 九 その他法務省令で定める事項 2 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百十条 受益証券が発行されている受益権の受益者は、いつでも、その記名式の受益証券を無記名式とし、又はその無記名式の受益証券を記名式とすることを請求することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益証券の喪失) 第二百十一条 受益証券は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 受益証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 3 受益証券を喪失した者が非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、当該受益証券を喪失した者は、相当の担保を供して、受益証券発行信託の受託者に当該受益証券に係る債務を履行させることができる。 第四節 関係当事者の権利義務等の特例 (受益証券発行信託の受託者の義務の特例) 第二百十二条 受益証券発行信託においては、第二十九条第二項ただし書の規定にかかわらず、信託行為の定めにより同項本文の義務を軽減することはできない。 2 受益証券発行信託においては、第三十五条第四項の規定は、適用しない。 (受益者の権利行使の制限に関する信託行為の定めの特例) 第二百十三条 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号、第五号、第六号及び第八号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の百分の三(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の百分の三以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 二 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 三 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 四 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 2 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の十分の一(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の十分の一以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第百五十条第一項の規定による信託の変更を命ずる裁判の申立権 二 第百六十五条第一項の規定による信託の終了を命ずる裁判の申立権 3 受益証券発行信託において、第三十九条第一項の規定による開示が同条第三項の信託行為の定めにより制限されているときは、前二項の規定は、適用しない。 4 受益証券発行信託においては、第九十二条第十一号の規定にかかわらず、六箇月(これを下回る期間を信託行為において定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き受益権を有する受益者に限り第四十四条第一項の規定による差止めの請求権を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 (二人以上の受益者による意思決定の方法の特例) 第二百十四条 受益者が二人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがあるものとみなす。 (委託者の権利の特例) 第二百十五条 受益証券発行信託においては、この法律の規定による委託者の権利のうち次に掲げる権利は、受益者がこれを行使する。 一 第三十六条の規定による報告を求める権利 二 第五十八条第四項(第百三十四条第二項及び第百四十一条第二項において準用する場合を含む。)、第六十二条第四項(第百三十五条第一項及び第百四十二条第一項において準用する場合を含む。)、第六十三条第一項、第七十四条第二項、第百三十一条第四項、第百五十条第一項、第百六十五条第一項、第百六十六条第一項、第百六十九条第一項又は第百七十三条第一項の規定による申立権 三 第六十二条第二項、第百三十一条第二項又は第百三十八条第二項の規定による催告権 四 第百七十二条第一項、第二項又は第三項後段の規定による閲覧、謄写若しくは交付又は複製の請求権 五 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 第九章 限定責任信託の特例 第一節 総則 (限定責任信託の要件) 第二百十六条 限定責任信託は、信託行為においてそのすべての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、第二百三十二条の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。 2 前項の信託行為においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 委託者及び受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の主たる信託事務の処理を行うべき場所(第三節において「事務処理地」という。) 五 信託財産に属する財産の管理又は処分の方法 六 その他法務省令で定める事項 (固有財産に属する財産に対する強制執行等の制限) 第二百十七条 限定責任信託においては、信託財産責任負担債務(第二十一条第一項第八号に掲げる権利に係る債務を除く。)に係る債権に基づいて固有財産に属する財産に対し強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることはできない。 2 前項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法第三十八条及び民事保全法第四十五条の規定を準用する。 3 第一項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (限定責任信託の名称等) 第二百十八条 限定責任信託には、その名称中に限定責任信託という文字を用いなければならない。 2 何人も、限定責任信託でないものについて、その名称又は商号中に、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 何人も、不正の目的をもって、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 4 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある限定責任信託の受託者は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (取引の相手方に対する明示義務) 第二百十九条 受託者は、限定責任信託の受託者として取引をするに当たっては、その旨を取引の相手方に示さなければ、これを当該取引の相手方に対し主張することができない。 (登記の効力) 第二百二十条 この章の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 この章の規定により登記すべき事項につき故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更) 第二百二十一条 第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされ、第二百三十五条の終了の登記がされたときは、その変更後の信託については、この章の規定は、適用しない。 第二節 計算等の特例 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務等の特例) 第二百二十二条 限定責任信託における帳簿その他の書類又は電磁的記録の作成、内容の報告及び保存並びに閲覧及び謄写については、第三十七条及び第三十八条の規定にかかわらず、次項から第九項までに定めるところによる。 2 受託者は、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の会計帳簿を作成しなければならない。 3 受託者は、限定責任信託の効力が生じた後速やかに、法務省令で定めるところにより、その効力が生じた日における限定責任信託の貸借対照表を作成しなければならない。 4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 5 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受託者は、第二項の会計帳簿を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該会計帳簿(書面に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第八項において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 7 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類又は電磁的記録(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 8 受託者は、第三項の貸借対照表及び第四項の書類又は電磁的記録(以下この項及び第二百二十四条第二項第一号において「貸借対照表等」という。)を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該貸借対照表等(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 9 限定責任信託における第三十八条の規定の適用については、同条第一項各号中「前条第一項又は第五項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第七項」と、同条第四項第一号及び第六項各号中「前条第二項」とあるのは「第二百二十二条第三項又は第四項」とする。 (裁判所による提出命令) 第二百二十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、前条第二項から第四項までの書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (受託者の第三者に対する責任) 第二百二十四条 限定責任信託において、受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 限定責任信託の受託者が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、受託者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 貸借対照表等に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (受益者に対する信託財産に係る給付の制限) 第二百二十五条 限定責任信託においては、受益者に対する信託財産に係る給付は、その給付可能額(受益者に対し給付をすることができる額として純資産額の範囲内において法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この節において同じ。)を超えてすることはできない。 (受益者に対する信託財産に係る給付に関する責任) 第二百二十六条 受託者が前条の規定に違反して受益者に対する信託財産に係る給付をした場合には、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 当該給付の帳簿価額(以下この節において「給付額」という。)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 現に受けた個別の給付額に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、免除することができない。 ただし、当該給付をした日における給付可能額を限度として当該義務を免除することについて総受益者の同意がある場合は、この限りでない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (受益者に対する求償権の制限等) 第二百二十七条 前条第一項本文に規定する場合において、当該給付を受けた受益者は、給付額が当該給付をした日における給付可能額を超えることにつき善意であるときは、当該給付額について、受託者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項本文に規定する場合には、信託債権者は、当該給付を受けた受益者に対し、給付額(当該給付額が当該信託債権者の債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (欠損が生じた場合の責任) 第二百二十八条 受託者が受益者に対する信託財産に係る給付をした場合において、当該給付をした日後最初に到来する第二百二十二条第四項の時期に欠損額(貸借対照表上の負債の額が資産の額を上回る場合において、当該負債の額から当該資産の額を控除して得た額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 その欠損額(当該欠損額が給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 欠損額(当該欠損額が現に受けた個別の給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、総受益者の同意がなければ、免除することができない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (債権者に対する公告) 第二百二十九条 限定責任信託の清算受託者は、その就任後遅滞なく、信託債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている信託債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該信託債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十条 限定責任信託の清算受託者は、前条第一項の期間内は、清算中の限定責任信託の債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算受託者は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算受託者は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算中の限定責任信託の信託財産に属する財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算受託者が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 清算受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による弁済の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (清算からの除斥) 第二百三十一条 清算中の限定責任信託の信託債権者(知れているものを除く。)であって第二百二十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された信託債権者は、給付がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 二人以上の受益者がある場合において、清算中の限定責任信託の残余財産の給付を受益者の一部に対してしたときは、当該受益者の受けた給付と同一の割合の給付を当該受益者以外の受益者に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第三節 限定責任信託の登記 (限定責任信託の定めの登記) 第二百三十二条 信託行為において第二百十六条第一項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、二週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の事務処理地 五 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されたときは、その氏名又は名称及び住所 六 第百六十三条第九号の規定による信託の終了についての信託行為の定めがあるときは、その定め 七 会計監査人設置信託(第二百四十八条第三項に規定する会計監査人設置信託をいう。第二百四十条第三号において同じ。)であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 (変更の登記) 第二百三十三条 限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、二週間以内に、旧事務処理地においてはその変更の登記をし、新事務処理地においては前条各号に掲げる事項を登記しなければならない。 2 同一の登記所の管轄区域内において限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、その変更の登記をすれば足りる。 3 前条各号(第四号を除く。)に掲げる事項に変更があったときは、二週間以内に、その変更の登記をしなければならない。 (職務執行停止の仮処分命令等の登記) 第二百三十四条 限定責任信託の受託者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その事務処理地において、その登記をしなければならない。 (終了の登記) 第二百三十五条 第百六十三条(第六号及び第七号に係る部分を除く。)若しくは第百六十四条第一項若しくは第三項の規定により限定責任信託が終了したとき、又は第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされたときは、二週間以内に、終了の登記をしなければならない。 (清算受託者の登記) 第二百三十六条 限定責任信託が終了した場合において、限定責任信託が終了した時における受託者が清算受託者となるときは、終了の日から、二週間以内に、清算受託者の氏名又は名称及び住所を登記しなければならない。 2 信託行為の定め又は第六十二条第一項若しくは第四項若しくは第百七十三条第一項の規定により清算受託者が選任されたときも、前項と同様とする。 3 第二百三十三条第三項の規定は、前二項の規定による登記について準用する。 (清算結了の登記) 第二百三十七条 限定責任信託の清算が結了したときは、第百八十四条第一項の計算の承認の日から、二週間以内に、清算結了の登記をしなければならない。 (管轄登記所及び登記簿) 第二百三十八条 限定責任信託の登記に関する事務は、限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が管轄登記所としてつかさどる。 2 登記所に、限定責任信託登記簿を備える。 (登記の申請) 第二百三十九条 第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記は受託者の申請によって、第二百三十五条から第二百三十七条までの規定による登記は清算受託者の申請によってする。 2 前項の規定にかかわらず、信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されている場合には、第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記(第二百四十六条の規定によるものを除く。)は、信託財産管理者又は信託財産法人管理人の申請によってする。 (限定責任信託の定めの登記の添付書面) 第二百四十条 限定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 限定責任信託の信託行為を証する書面 二 受託者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人設置信託においては、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 会計監査人が法人でないときは、第二百四十九条第一項に規定する者であることを証する書面 (変更の登記の添付書面) 第二百四十一条 事務処理地の変更又は第二百三十二条各号(第四号を除く。)に掲げる事項の変更の登記の申請書には、事務処理地の変更又は登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 2 法人である新受託者の就任による変更の登記の申請書には、前条第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、前条第三号ロ又はハに掲げる書面を添付しなければならない。 (終了の登記の添付書面) 第二百四十二条 限定責任信託の終了の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 (清算受託者の登記の添付書面) 第二百四十三条 次の各号に掲げる者が清算受託者となった場合の清算受託者の登記の申請書には、当該各号に定める書面を添付しなければならない。 一 信託行為の定めにより選任された者 次に掲げる書面 イ 当該信託行為の定めがあることを証する書面 ロ 選任された者が就任を承諾したことを証する書面 二 第六十二条第一項の規定により選任された者 次に掲げる書面 イ 第六十二条第一項の合意があったことを証する書面 ロ 前号ロに掲げる書面 三 第六十二条第四項又は第百七十三条第一項の規定により裁判所が選任した者 その選任を証する書面 2 第二百四十条(第二号に係る部分に限る。)の規定は、清算受託者が法人である場合の清算受託者の登記について準用する。 (清算受託者に関する変更の登記の添付書面) 第二百四十四条 清算受託者の退任による変更の登記の申請書には、退任を証する書面を添付しなければならない。 2 第二百三十六条第一項に規定する事項の変更の登記の申請書には、登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 3 第二百四十一条第二項の規定は、法人である清算受託者の就任による変更の登記について準用する。 (清算結了の登記の添付書面) 第二百四十五条 清算結了の登記の申請書には、第百八十四条第一項の計算の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 (裁判による登記の嘱託) 第二百四十六条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、限定責任信託の事務処理地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第五十八条第四項(第七十条(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人の解任の裁判 ロ 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定による信託財産管理者又は信託財産法人管理人の選任の裁判 二 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号イに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第百六十五条又は第百六十六条の規定による信託の終了を命ずる裁判 (商業登記法及び民事保全法の準用) 第二百四十七条 限定責任信託の登記については、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第二条から第五条まで、第七条から第十五条まで、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十四条まで、第二十六条、第二十七条、第五十一条から第五十三条まで、第七十一条第一項、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条から第百四十八条まで並びに民事保全法第五十六条の規定を準用する。 この場合において、商業登記法第五十一条第一項中「本店」とあるのは「事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。以下同じ。)」と、「移転した」とあるのは「変更した」と、同項並びに同法第五十二条第二項、第三項及び第五項中「新所在地」とあるのは「新事務処理地」と、同法第五十一条第一項及び第二項並びに第五十二条中「旧所在地」とあるのは「旧事務処理地」と、同法第七十一条第一項中「解散」とあるのは「限定責任信託の終了」と、民事保全法第五十六条中「法人を代表する者その他法人の役員」とあるのは「限定責任信託の受託者又は清算受託者」と、「法人の本店又は主たる事務所の所在地(外国法人にあっては、各事務所の所在地)」とあるのは「限定責任信託の事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 第十章 受益証券発行限定責任信託の特例 (会計監査人の設置等) 第二百四十八条 受益証券発行信託である限定責任信託(以下「受益証券発行限定責任信託」という。)においては、信託行為の定めにより、会計監査人を置くことができる。 2 受益証券発行限定責任信託であって最終の貸借対照表(直近の第二百二十二条第四項の時期において作成された貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であるものにおいては、会計監査人を置かなければならない。 3 第一項の信託行為の定めのある信託及び前項に規定する信託(以下「会計監査人設置信託」と総称する。)においては、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。 (会計監査人の資格等) 第二百四十九条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。第三項第二号において同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを受託者に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第二百二十二条第四項に規定する書類又は電磁的記録について監査をすることができない者 二 受託者若しくはその利害関係人から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人が欠けた場合の措置) 第二百五十条 会計監査人設置信託において、会計監査人が欠けたときは、委託者及び受益者は、会計監査人が欠けた時から二箇月以内に、その合意により、新たな会計監査人(以下この条において「新会計監査人」という。)を選任しなければならない。 2 前項に規定する場合において、委託者が現に存しないとき、又は会計監査人が欠けた時から二箇月を経過しても同項の合意が調わないときは、新会計監査人の選任は、受益者のみでこれをすることができる。 3 前二項に規定する場合において、受益者が二人以上あるときは、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)は、前二項の規定により新会計監査人を選任するため、遅滞なく、受益者集会を招集しなければならない。 4 第一項又は第二項の規定により新会計監査人が選任されたときは、当該新会計監査人について信託行為に第二百四十八条第三項の定めが設けられたものとみなす。 5 会計監査人が欠けた場合には、辞任により退任した会計監査人は、新会計監査人が選任されるまで、なお会計監査人としての権利義務を有する。 (会計監査人の辞任及び解任) 第二百五十一条 第五十七条第一項本文の規定は会計監査人の辞任について、第五十八条第一項及び第二項の規定は会計監査人の解任について、それぞれ準用する。 (会計監査人の権限等) 第二百五十二条 会計監査人は、第二百二十二条第四項の書類又は電磁的記録を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は受託者に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第二百四十九条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 受託者又はその利害関係人 三 受託者又はその利害関係人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 4 会計監査人設置信託における第二百二十二条第四項、第五項及び第八項の規定の適用については、同条第四項中「作成しなければ」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けなければ」と、同条第五項中「その内容」とあるのは「その内容及び会計監査報告」と、同条第八項中「作成した場合には」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けた場合には」と、「当該書面)」とあるのは「当該書面)及び当該会計監査報告」とする。 (会計監査人の注意義務) 第二百五十三条 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 (会計監査人の損失てん補責任等) 第二百五十四条 会計監査人がその任務を怠ったことによって信託財産に損失が生じた場合には、受益者は、当該会計監査人に対し、当該損失のてん補をすることを請求することができる。 2 前項の規定による損失のてん補として会計監査人が受託者に対し交付した金銭その他の財産は、信託財産に帰属する。 3 第四十二条(第一号に係る部分に限る。)並びに第百五条第三項及び第四項(第三号を除く。)の規定は第一項の規定による責任の免除について、第四十三条の規定は第一項の規定による責任に係る債権について、第四十五条の規定は第一項の規定による請求に係る訴えについて、それぞれ準用する。 この場合において、第百五条第四項第二号中「受託者がその任務」とあるのは、「会計監査人がその職務」と読み替えるものとする。 (会計監査人の第三者に対する責任) 第二百五十五条 会計監査人設置信託において、会計監査人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該会計監査人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 会計監査人設置信託の会計監査人が、第二百五十二条第一項の会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項について虚偽の記載又は記録をしたときも、前項と同様とする。 ただし、会計監査人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の会計監査人があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (会計監査人の費用等及び報酬) 第二百五十六条 第百二十七条第一項から第五項までの規定は、会計監査人の費用及び支出の日以後におけるその利息、損害の賠償並びに報酬について準用する。 (受益者集会の特例) 第二百五十七条 会計監査人設置信託に係る信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合における第百十八条の規定の適用については、同条第一項中「同じ。)」とあるのは「同じ。)及び会計監査人」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「受託者又は会計監査人」とする。 第十一章 受益者の定めのない信託の特例 (受益者の定めのない信託の要件) 第二百五十八条 受益者の定め(受益者を定める方法の定めを含む。以下同じ。)のない信託(公益信託に関する法律(令和六年法律第三十号)第二条第一項第一号に規定する公益信託を除く。以下この章において同じ。)は、第三条第一号又は第二号に掲げる方法によってすることができる。 2 受益者の定めのない信託においては、信託の変更によって受益者の定めを設けることはできない。 3 受益者の定めのある信託においては、信託の変更によって受益者の定めを廃止することはできない。 4 第三条第二号に掲げる方法によって受益者の定めのない信託をするときは、信託管理人を指定する定めを設けなければならない。 この場合においては、信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限する定めを設けることはできない。 5 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがあるときは、当該遺言執行者は、信託管理人を選任しなければならない。 この場合において、当該遺言執行者が信託管理人を選任したときは、当該信託管理人について信託行為に前項前段の定めが設けられたものとみなす。 6 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがないとき、又は遺言執行者となるべき者として指定された者が信託管理人の選任をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 この場合において、信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第四項前段の定めが設けられたものとみなす。 7 第百二十三条第六項から第八項までの規定は、前項の申立てについての裁判について準用する。 8 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において、信託管理人が欠けた場合であって、信託管理人が就任しない状態が一年間継続したときは、当該信託は、終了する。 (受益者の定めのない信託の存続期間) 第二百五十九条 受益者の定めのない信託の存続期間は、二十年を超えることができない。 (受益者の定めのない信託における委託者の権利) 第二百六十条 第三条第一号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託においては、委託者(委託者が二人以上ある場合にあっては、そのすべての委託者)が第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げる権利を有する旨及び受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う旨の定めが設けられたものとみなす。 この場合においては、信託の変更によってこれを変更することはできない。 2 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託であって、第二百五十八条第五項後段又は第六項後段の規定により同条第四項前段の定めが設けられたものとみなされるものにおいては、信託の変更によって信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限することはできない。 (この法律の適用関係) 第二百六十一条 受益者の定めのない信託に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。 第十九条第一項第三号及び第三項第三号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第十九条第三項第二号 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議 受益者の定めのない信託の信託管理人と他の信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議又は受益者の定めのない各信託の信託管理人の協議 第三十条 受益者 信託の目的の達成 第三十一条第一項第四号 受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反する 受託者又はその利害関係人の利益となり、かつ、信託の目的の達成の支障となる 第三十一条第二項第四号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第三十二条第一項 受益者の利益に反する 信託の目的の達成の支障となる 第三十七条第四項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第三十七条第六項ただし書 受益者 委託者 第三十八条第二項第三号 受益者の共同の利益を害する 信託の目的の達成を妨げる 第五十七条第一項 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第五十八条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第五十八条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第六十二条第一項 委託者及び受益者は、その合意により 委託者は(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、その合意により) 第六十二条第三項 委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人) 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第六十二条第四項 同項の合意に係る協議の状況 委託者の状況(信託管理人が現に存する場合にあっては、同項の合意に係る協議の状況) 第六十二条第八項 「受益者は」 「信託管理人は」 「受益者」 「信託管理人」 「受益者の状況」 「信託管理人の状況」 第百二十五条第一項 受益者のために 信託の目的の達成のために 第百二十六条第二項 受益者 信託の目的の達成 第百四十六条第一項 受託者及び受益者 受託者 第百四十六条第二項 他の委託者、受託者及び受益者 他の委託者及び受託者 第百四十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百四十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百四十九条第三項第一号 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第百四十九条第五項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十条第一項 受益者の利益に適合しなくなる 信託の目的の達成の支障となる 第百五十一条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十一条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十一条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十五条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十五条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十五条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十九条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百六十四条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第百六十四条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第百六十五条第一項 受益者の利益に適合する 相当となる 第二百二十二条第六項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第二百二十二条第八項ただし書 受益者 委託者 第二百四十三条第一項第二号イ 合意 委託者の意思表示(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人の合意) 2 受益者の定めのない信託に係る受託者の費用等、損害の賠償及び信託報酬については、第四十八条第五項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 3 受益者の定めのない信託に係る信託の変更については、第百四十九条第二項第一号及び第三項第二号の規定は、適用しない。 4 受益者の定めのない信託に係る信託の併合については、第百五十一条第二項第一号の規定は、適用しない。 5 受益者の定めのない信託に係る信託の分割については、第百五十五条第二項第一号及び第百五十九条第二項第一号の規定は、適用しない。 第十二章 雑則 第一節 非訟 (信託に関する非訟事件の管轄) 第二百六十二条 この法律の規定による非訟事件は、この条に特別の定めがある場合を除き、受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 3 受託者の任務の終了後新受託者の就任前におけるこの法律の規定による裁判所に対する申立てに係る事件は、前受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とし、前受託者が二人以上ある場合における同項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 5 第六条第一項又は第二百五十八条第六項の申立てに係る事件は、遺言者の最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (信託に関する非訟事件の手続の特例) 第二百六十三条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百六十四条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 公告等 (法人である受託者についての公告の方法) 第二百六十五条 この法律の規定(第百五十二条第二項、第百五十六条第二項、第百六十条第二項及び第二百二十九条第一項を除く。)による公告は、受託者(受託者の任務の終了後新受託者の就任前にあっては、前受託者)が法人である場合には、当該法人における公告の方法(公告の期間を含む。)によりしなければならない。 (法人である受託者の合併等についての公告の手続等の特例) 第二百六十六条 会社法その他の法律の規定によりある法人が組織変更、合併その他の行為をするときは当該法人の債権者が当該行為について公告、催告その他の手続を経て異議を述べることができることとされている場合において、法人である受託者が当該行為をしようとするときは、受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、当該行為についてこれらの手続を経て異議を述べることができる債権者に含まれないものとする。 2 会社法その他の法律の規定による法人の事業の譲渡に関する規定の適用については、第三条第三号に掲げる方法によってする信託は、その適用の対象となる行為に含まれるものとする。 ただし、当該法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第十三章 罰則 (受益証券発行限定責任信託の受託者等の贈収賄罪) 第二百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 受益証券発行限定責任信託の受託者(前受託者又は清算受託者を含む。以下同じ。) 二 受益証券発行限定責任信託の信託財産管理者 三 受益証券発行限定責任信託の民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者 四 受益証券発行限定責任信託の信託財産法人管理人 五 受益証券発行限定責任信託の信託管理人 六 受益証券発行限定責任信託の信託監督人 七 受益証券発行限定責任信託の受益者代理人 八 受益証券発行限定責任信託の検査役 九 会計監査人 2 前項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第二百六十八条 前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第二百六十九条 第二百六十七条第一項に規定する者が法人であるときは、同項の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (過料に処すべき行為) 第二百七十条 受託者、第六十条第一項に規定する前受託者の相続人等、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託管理人、信託監督人、受益者代理人又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 二 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 三 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類又は電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写を拒んだとき。 四 この法律の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 第三十七条第一項、第二項若しくは第五項の書類若しくは電磁的記録又は第百二十条の議事録(信託行為に第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがある場合に限る。)を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 七 第百五十二条第二項若しくは第五項、第百五十六条第二項若しくは第五項又は第百六十条第二項若しくは第五項の規定に違反して、信託の併合又は分割をしたとき。 八 第百七十九条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをすることを怠ったとき。 九 第百八十一条の規定に違反して、清算中の信託財産に属する財産の給付をしたとき。 2 受益証券発行信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託監督人又は受益権原簿管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第百二十条の議事録(信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合に限る。)又は第百八十六条の受益権原簿を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第百八十七条第一項又は第二百二条第一項の規定に違反して、書面の交付又は電磁的記録の提供を拒んだとき。 三 第百九十条第一項の規定に違反して、第百八十六条の受益権原簿を備え置かなかったとき。 四 第二百七条の規定に違反して、遅滞なく、受益証券を発行しなかったとき。 五 第二百九条の規定に違反して、受益証券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 3 限定責任信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者又は信託財産法人管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第九章第三節の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 第二百二十二条第二項の会計帳簿、同条第三項の貸借対照表又は同条第四項若しくは第七項の書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 三 清算の結了を遅延させる目的で、第二百二十九条第一項の期間を不当に定めたとき。 四 第二百三十条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 4 会計監査人設置信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人又は信託監督人は、第二百五十条第三項の規定に違反して、会計監査人の選任の手続をすることを怠ったときは、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 第二百七十一条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第二百十八条第一項の規定に違反して、限定責任信託の名称中に限定責任信託という文字を用いなかった者 二 第二百十八条第二項の規定に違反して、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第二百十八条第三項の規定に違反して、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
民事
Heisei
Act
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平成十八年法律第百八号
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信託法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 信託の要件、効力等については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。 (定義) 第二条 この法律において「信託」とは、次条各号に掲げる方法のいずれかにより、特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。 2 この法律において「信託行為」とは、次の各号に掲げる信託の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。 一 次条第一号に掲げる方法による信託 同号の信託契約 二 次条第二号に掲げる方法による信託 同号の遺言 三 次条第三号に掲げる方法による信託 同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示 3 この法律において「信託財産」とは、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。 4 この法律において「委託者」とは、次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。 5 この法律において「受託者」とは、信託行為の定めに従い、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。 6 この法律において「受益者」とは、受益権を有する者をいう。 7 この法律において「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。 8 この法律において「固有財産」とは、受託者に属する財産であって、信託財産に属する財産でない一切の財産をいう。 9 この法律において「信託財産責任負担債務」とは、受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。 10 この法律において「信託の併合」とは、受託者を同一とする二以上の信託の信託財産の全部を一の新たな信託の信託財産とすることをいう。 11 この法律において「吸収信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい、「新規信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい、「信託の分割」とは、吸収信託分割又は新規信託分割をいう。 12 この法律において「限定責任信託」とは、受託者が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。 (信託の方法) 第三条 信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。 一 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法 二 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法 三 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。第四十九条第五項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)及び第百七十二条の二第三項を除き、以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法 (信託の効力の発生) 第四条 前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。 2 前条第二号に掲げる方法によってされる信託は、当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。 3 前条第三号に掲げる方法によってされる信託は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。 一 公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成 二 公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては、その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知 4 前三項の規定にかかわらず、信託は、信託行為に停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。 (遺言信託における信託の引受けの催告) 第五条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 2 前項の規定による催告があった場合において、受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者の相続人に対し確答をしないときは、信託の引受けをしなかったものとみなす。 3 委託者の相続人が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者の相続人」とあるのは、「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。 (遺言信託における裁判所による受託者の選任) 第六条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができる。 2 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 3 第一項の規定による受託者の選任の裁判に対しては、受益者又は既に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (受託者の資格) 第七条 信託は、未成年者を受託者としてすることができない。 (受託者の利益享受の禁止) 第八条 受託者は、受益者として信託の利益を享受する場合を除き、何人の名義をもってするかを問わず、信託の利益を享受することができない。 (脱法信託の禁止) 第九条 法令によりある財産権を享有することができない者は、その権利を有するのと同一の利益を受益者として享受することができない。 (訴訟信託の禁止) 第十条 信託は、訴訟行為をさせることを主たる目的としてすることができない。 (詐害信託の取消し等) 第十一条 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、受託者が債権者を害することを知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が、受益者としての指定(信託行為の定めにより又は第八十九条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定されることをいう。以下同じ。)を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 2 前項の規定による詐害行為取消請求を認容する判決が確定した場合において、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者(委託者であるものを除く。)が当該債権を取得した時において債権者を害することを知らなかったときは、委託者は、当該債権を有する債権者に対し、当該信託財産責任負担債務について弁済の責任を負う。 ただし、同項の規定による詐害行為取消請求により受託者から委託者に移転する財産の価額を限度とする。 3 前項の規定の適用については、第四十九条第一項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、金銭債権とみなす。 4 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合において、受益者が受託者から信託財産に属する財産の給付を受けたときは、債権者は、受益者を被告として、民法第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる。 ただし、当該受益者(当該受益者が受益権を譲り受けた者である場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)が、受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において債権者を害することを知っていたときに限る。 5 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、債権者は、受益者を被告として、その受益権を委託者に譲り渡すことを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 民法第四百二十六条の規定は、前項の規定による請求権について準用する。 7 受益者の指定又は受益権の譲渡に当たっては、第一項本文、第四項本文又は第五項前段の規定の適用を不当に免れる目的で、債権者を害することを知らない者(以下この項において「善意者」という。)を無償(無償と同視すべき有償を含む。以下この項において同じ。)で受益者として指定し、又は善意者に対し無償で受益権を譲り渡してはならない。 8 前項の規定に違反する受益者の指定又は受益権の譲渡により受益者となった者については、第一項ただし書及び第四項ただし書(第五項後段において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 (詐害信託の否認等) 第十二条 破産者が委託者としてした信託における破産法(平成十六年法律第七十五号)第百六十条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 2 破産者が破産債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、破産管財人は、受益者を被告として、その受益権を破産財団に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 3 再生債務者が委託者としてした信託における民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者が、その行為の当時」とあるのは「受益者が現に存する場合においては、当該受益者(当該受益者の中に受益権を譲り受けた者がある場合にあっては、当該受益者及びその前に受益権を譲り渡した全ての者)の全部が信託法(平成十八年法律第百八号)第十一条第一項に規定する受益者としての指定を受けたことを知った時(受益権を譲り受けた者にあっては、受益権を譲り受けた時)において」と、「知らなかったときは、この限りでない」とあるのは「知っていたときに限る」とする。 4 再生債務者が再生債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、否認権限を有する監督委員又は管財人は、受益者を被告として、その受益権を再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)に返還することを訴えをもって請求することができる。 この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。 5 前二項の規定は、更生会社(会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二条第七項に規定する更生会社又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百六十九条第七項に規定する更生会社をいう。)又は更生協同組織金融機関(同法第四条第七項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)について準用する。 この場合において、第三項中「民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項」とあるのは「会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第八十六条第一項並びに金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第五十七条第一項及び第二百二十三条第一項」と、「同項各号」とあるのは「これらの規定」と、前項中「再生債権者」とあるのは「更生債権者又は更生担保権者」と、「否認権限を有する監督委員又は管財人」とあるのは「管財人」と、「再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。 (会計の原則) 第十三条 信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 第二章 信託財産等 (信託財産に属する財産の対抗要件) 第十四条 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 (信託財産に属する財産の占有の 瑕疵 かし の承継) 第十五条 受託者は、信託財産に属する財産の占有について、委託者の占有の 瑕疵 かし を承継する。 (信託財産の範囲) 第十六条 信託行為において信託財産に属すべきものと定められた財産のほか、次に掲げる財産は、信託財産に属する。 一 信託財産に属する財産の管理、処分、滅失、損傷その他の事由により受託者が得た財産 二 次条、第十八条、第十九条(第八十四条の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)、第二百二十六条第三項、第二百二十八条第三項及び第二百五十四条第二項の規定により信託財産に属することとなった財産(第十八条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産に属するものとみなされた共有持分及び第十九条の規定による分割によって信託財産に属することとされた財産を含む。) (信託財産に属する財産の付合等) 第十七条 信託財産に属する財産と固有財産若しくは他の信託の信託財産に属する財産との付合若しくは混和又はこれらの財産を材料とする加工があった場合には、各信託の信託財産及び固有財産に属する財産は各別の所有者に属するものとみなして、民法第二百四十二条から第二百四十八条までの規定を適用する。 第十八条 信託財産に属する財産と固有財産に属する財産とを識別することができなくなった場合(前条に規定する場合を除く。)には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。 この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなくなった当時における各財産の価格の割合に応ずる。 2 前項の共有持分は、相等しいものと推定する。 3 前二項の規定は、ある信託の受託者が他の信託の受託者を兼ねる場合において、各信託の信託財産に属する財産を識別することができなくなったとき(前条に規定する場合を除く。)について準用する。 この場合において、第一項中「信託財産と固有財産と」とあるのは、「各信託の信託財産」と読み替えるものとする。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割) 第十九条 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 信託行為において定めた方法 二 受託者と受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議による方法 三 分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、受託者が決する方法 2 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、受託者又は受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 3 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と他の信託の信託財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。 一 各信託の信託行為において定めた方法 二 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議による方法 三 各信託について、分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、各信託の受託者が決する方法 4 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。 (信託財産に属する財産についての混同の特例) 第二十条 同一物について所有権及び他の物権が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第一項本文の規定にかかわらず、当該他の物権は、消滅しない。 2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第二項前段の規定にかかわらず、当該他の権利は、消滅しない。 3 次に掲げる場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は、消滅しない。 一 信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合を除く。) 二 信託財産責任負担債務に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合を除く。) 三 固有財産又は他の信託の信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合に限る。) 四 受託者の債務(信託財産責任負担債務を除く。)に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合に限る。) (信託財産責任負担債務の範囲) 第二十一条 次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。 一 受益債権 二 信託財産に属する財産について信託前の原因によって生じた権利 三 信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの 四 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 五 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属するものによって生じた権利 六 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属しないもののうち、次に掲げるものによって生じた権利 イ 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。ロにおいて同じ。)の規定により取り消すことができない行為(当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知らなかったもの(信託財産に属する財産について権利を設定し又は移転する行為を除く。)を除く。) ロ 第二十七条第一項又は第二項の規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないもの 七 第三十一条第六項に規定する処分その他の行為又は同条第七項に規定する行為のうち、これらの規定により取り消すことができない行為又はこれらの規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないものによって生じた権利 八 受託者が信託事務を処理するについてした不法行為によって生じた権利 九 第五号から前号までに掲げるもののほか、信託事務の処理について生じた権利 2 信託財産責任負担債務のうち次に掲げる権利に係る債務について、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う。 一 受益債権 二 信託行為に第二百十六条第一項の定めがあり、かつ、第二百三十二条の定めるところにより登記がされた場合における信託債権(信託財産責任負担債務に係る債権であって、受益債権でないものをいう。以下同じ。) 三 前二号に掲げる場合のほか、この法律の規定により信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものとされる場合における信託債権 四 信託債権を有する者(以下「信託債権者」という。)との間で信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の合意がある場合における信託債権 (信託財産に属する債権等についての相殺の制限) 第二十二条 受託者が固有財産又は他の信託の信託財産(第一号において「固有財産等」という。)に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務(第一号及び第二号において「固有財産等責任負担債務」という。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって信託財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 一 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該信託財産に属する債権が固有財産等に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 二 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産等責任負担債務が信託財産責任負担債務でないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合 2 前項本文の規定は、第三十一条第二項各号に掲げる場合において、受託者が前項の相殺を承認したときは、適用しない。 3 信託財産責任負担債務(信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって固有財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。 ただし、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該固有財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産に属する債権が信託財産に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合は、この限りでない。 4 前項本文の規定は、受託者が同項の相殺を承認したときは、適用しない。 (信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等) 第二十三条 信託財産責任負担債務に係る債権(信託財産に属する財産について生じた権利を含む。次項において同じ。)に基づく場合を除き、信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売(担保権の実行としてのものを除く。以下同じ。)又は国税滞納処分(その例による処分を含む。以下同じ。)をすることができない。 2 第三条第三号に掲げる方法によって信託がされた場合において、委託者がその債権者を害することを知って当該信託をしたときは、前項の規定にかかわらず、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者のほか、当該委託者(受託者であるものに限る。)に対する債権で信託前に生じたものを有する者は、信託財産に属する財産に対し、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることができる。 3 第十一条第一項ただし書、第七項及び第八項の規定は、前項の規定の適用について準用する。 4 前二項の規定は、第二項の信託がされた時から二年間を経過したときは、適用しない。 5 第一項又は第二項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十八条及び民事保全法(平成元年法律第九十一号)第四十五条の規定を準用する。 6 第一項又は第二項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (費用又は報酬の支弁等) 第二十四条 前条第五項又は第六項の規定による異議に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (信託財産と受託者の破産手続等との関係等) 第二十五条 受託者が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、破産財団に属しない。 2 前項の場合には、受益債権は、破産債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 3 第一項の場合には、破産法第二百五十二条第一項の免責許可の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 4 受託者が再生手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。 5 前項の場合には、受益債権は、再生債権とならない。 信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。 6 第四項の場合には、再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責又は変更は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 7 前三項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、第四項中「再生債務者財産」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、第五項中「再生債権」とあるのは「更生債権又は更生担保権」と、前項中「再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定」とあるのは「更生計画又は更生計画認可の決定」と読み替えるものとする。 第三章 受託者等 第一節 受託者の権限 (受託者の権限の範囲) 第二十六条 受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。 ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。 (受託者の権限違反行為の取消し) 第二十七条 受託者が信託財産のためにした行為がその権限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 2 前項の規定にかかわらず、受託者が信託財産に属する財産(第十四条の信託の登記又は登録をすることができるものに限る。)について権利を設定し又は移転した行為がその権限に属しない場合には、次のいずれにも該当するときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 一 当該行為の当時、当該信託財産に属する財産について第十四条の信託の登記又は登録がされていたこと。 二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。 3 二人以上の受益者のうちの一人が前二項の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。 4 第一項又は第二項の規定による取消権は、受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)が取消しの原因があることを知った時から三箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。 行為の時から一年を経過したときも、同様とする。 (信託事務の処理の第三者への委託) 第二十八条 受託者は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。 一 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。 二 信託行為に信託事務の処理の第三者への委託に関する定めがない場合において、信託事務の処理を第三者に委託することが信託の目的に照らして相当であると認められるとき。 三 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託してはならない旨の定めがある場合において、信託事務の処理を第三者に委託することにつき信託の目的に照らしてやむを得ない事由があると認められるとき。 第二節 受託者の義務等 (受託者の注意義務) 第二十九条 受託者は、信託の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。 2 受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる注意をもって、これをするものとする。 (忠実義務) 第三十条 受託者は、受益者のため忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない。 (利益相反行為の制限) 第三十一条 受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。 一 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を信託財産に帰属させること。 二 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を他の信託の信託財産に帰属させること。 三 第三者との間において信託財産のためにする行為であって、自己が当該第三者の代理人となって行うもの 四 信託財産に属する財産につき固有財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を被担保債権とする担保権を設定することその他第三者との間において信託財産のためにする行為であって受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反することとなるもの 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為について重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 三 相続その他の包括承継により信託財産に属する財産に係る権利が固有財産に帰属したとき。 四 受託者が当該行為をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該行為の信託財産に与える影響、当該行為の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるとき。 3 受託者は、第一項各号に掲げる行為をしたときは、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされた場合には、これらの行為は、無効とする。 5 前項の行為は、受益者の追認により、当該行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。 6 第四項に規定する場合において、受託者が第三者との間において第一項第一号又は第二号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該処分その他の行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 7 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第三号又は第四号に掲げる行為がされた場合には、当該第三者がこれを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。 この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。 第三十二条 受託者は、受託者として有する権限に基づいて信託事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが受益者の利益に反するものについては、これを固有財産又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができる。 ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。 一 信託行為に当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることを許容する旨の定めがあるとき。 二 受託者が当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることについて重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。 3 受託者は、第一項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算でした場合には、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項及び第二項の規定に違反して受託者が第一項に規定する行為をした場合には、受益者は、当該行為は信託財産のためにされたものとみなすことができる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 前項の規定による権利は、当該行為の時から一年を経過したときは、消滅する。 (公平義務) 第三十三条 受益者が二人以上ある信託においては、受託者は、受益者のために公平にその職務を行わなければならない。 (分別管理義務) 第三十四条 受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。 ただし、分別して管理する方法について、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 第十四条の信託の登記又は登録をすることができる財産(第三号に掲げるものを除く。) 当該信託の登記又は登録 二 第十四条の信託の登記又は登録をすることができない財産(次号に掲げるものを除く。) 次のイ又はロに掲げる財産の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 動産(金銭を除く。) 信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを外形上区別することができる状態で保管する方法 ロ 金銭その他のイに掲げる財産以外の財産 その計算を明らかにする方法 三 法務省令で定める財産 当該財産を適切に分別して管理する方法として法務省令で定めるもの 2 前項ただし書の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる財産について第十四条の信託の登記又は登録をする義務は、これを免除することができない。 (信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務) 第三十五条 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。 2 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託したときは、受託者は、当該第三者に対し、信託の目的の達成のために必要かつ適切な監督を行わなければならない。 3 受託者が信託事務の処理を次に掲げる第三者に委託したときは、前二項の規定は、適用しない。 ただし、受託者は、当該第三者が不適任若しくは不誠実であること又は当該第三者による事務の処理が不適切であることを知ったときは、その旨の受益者に対する通知、当該第三者への委託の解除その他の必要な措置をとらなければならない。 一 信託行為において指名された第三者 二 信託行為において受託者が委託者又は受益者の指名に従い信託事務の処理を第三者に委託する旨の定めがある場合において、当該定めに従い指名された第三者 4 前項ただし書の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託事務の処理の状況についての報告義務) 第三十六条 委託者又は受益者は、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求めることができる。 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務) 第三十七条 受託者は、信託事務に関する計算並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 2 受託者は、毎年一回、一定の時期に、法務省令で定めるところにより、貸借対照表、損益計算書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 3 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者は、第一項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第六項ただし書において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 5 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 6 受託者は、第二項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 (帳簿等の閲覧等の請求) 第三十八条 受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 前条第一項又は第五項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第一項又は第五項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が当該信託に係る業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。 五 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。 六 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前項(第一号及び第二号を除く。)の規定は、受益者が二人以上ある信託のすべての受益者から第一項の請求があったとき、又は受益者が一人である信託の当該受益者から同項の請求があったときは、適用しない。 4 信託行為において、次に掲げる情報以外の情報について、受益者が同意をしたときは第一項の規定による閲覧又は謄写の請求をすることができない旨の定めがある場合には、当該同意をした受益者(その承継人を含む。以下この条において同じ。)は、その同意を撤回することができない。 一 前条第二項の書類又は電磁的記録の作成に欠くことのできない情報その他の信託に関する重要な情報 二 当該受益者以外の者の利益を害するおそれのない情報 5 受託者は、前項の同意をした受益者から第一項の規定による閲覧又は謄写の請求があったときは、前項各号に掲げる情報に該当する部分を除き、これを拒むことができる。 6 利害関係人は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 一 前条第二項の書類の閲覧又は謄写の請求 二 前条第二項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 (他の受益者の氏名等の開示の請求) 第三十九条 受益者が二人以上ある信託においては、受益者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 他の受益者の氏名又は名称及び住所 二 他の受益者が有する受益権の内容 2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第三節 受託者の責任等 (受託者の損失てん補責任等) 第四十条 受託者がその任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。 ただし、第二号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、この限りでない。 一 信託財産に損失が生じた場合 当該損失のてん補 二 信託財産に変更が生じた場合 原状の回復 2 受託者が第二十八条の規定に違反して信託事務の処理を第三者に委託した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、第三者に委託をしなかったとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、前項の責任を免れることができない。 3 受託者が第三十条、第三十一条第一項及び第二項又は第三十二条第一項及び第二項の規定に違反する行為をした場合には、受託者は、当該行為によって受託者又はその利害関係人が得た利益の額と同額の損失を信託財産に生じさせたものと推定する。 4 受託者が第三十四条の規定に違反して信託財産に属する財産を管理した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、同条の規定に従い分別して管理をしたとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、第一項の責任を免れることができない。 (法人である受託者の役員の連帯責任) 第四十一条 法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるときは、受益者に対し、当該法人と連帯して、損失のてん補又は原状の回復をする責任を負う。 (損失てん補責任等の免除) 第四十二条 受益者は、次に掲げる責任を免除することができる。 一 第四十条の規定による責任 二 前条の規定による責任 (損失塡補責任等に係る債権の期間の制限) 第四十三条 第四十条の規定による責任に係る債権の消滅時効は、債務の不履行によって生じた責任に係る債権の消滅時効の例による。 2 第四十一条の規定による責任に係る債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 受益者が当該債権を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 当該債権を行使することができる時から十年間行使しないとき。 3 第四十条又は第四十一条の規定による責任に係る受益者の債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 4 前項に規定する債権は、受託者がその任務を怠ったことによって信託財産に損失又は変更が生じた時から二十年を経過したときは、消滅する。 (受益者による受託者の行為の差止め) 第四十四条 受託者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 2 受託者が第三十三条の規定に違反する行為をし、又はこれをするおそれがある場合において、当該行為によって一部の受益者に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 (費用又は報酬の支弁等) 第四十五条 第四十条、第四十一条又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 (検査役の選任) 第四十六条 受託者の信託事務の処理に関し、不正の行為又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、受益者は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。 2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。 3 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の規定による検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 5 第二項の検査役は、信託財産から裁判所が定める報酬を受けることができる。 6 前項の規定による検査役の報酬を定める裁判をする場合には、受託者及び第二項の検査役の陳述を聴かなければならない。 7 第五項の規定による検査役の報酬を定める裁判に対しては、受託者及び第二項の検査役に限り、即時抗告をすることができる。 第四十七条 前条第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求め、又は当該信託に係る帳簿、書類その他の物件を調査することができる。 2 前条第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。 3 裁判所は、前項の報告について、その内容を明 瞭 りよう にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、前条第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。 4 前条第二項の検査役は、第二項の報告をしたときは、受託者及び同条第一項の申立てをした受益者に対し、第二項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。 5 受託者は、前項の規定による書面の写しの交付又は電磁的記録に記録された事項の法務省令で定める方法による提供があったときは、直ちに、その旨を受益者(前条第一項の申立てをしたものを除く。次項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 裁判所は、第二項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、受託者に対し、同項の調査の結果を受益者に通知することその他の当該報告の内容を周知するための適切な措置をとるべきことを命じなければならない。 第四節 受託者の費用等及び信託報酬等 (信託財産からの費用等の償還等) 第四十八条 受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。)の償還を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、信託事務を処理するについて費用を要するときは、信託財産からその前払を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 受託者は、前項本文の規定により信託財産から費用の前払を受けるには、受益者に対し、前払を受ける額及びその算定根拠を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項又は第二項の規定にかかわらず、費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第四十条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けることを妨げない。 (費用等の償還等の方法) 第四十九条 受託者は、前条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。 2 前項に規定する場合において、必要があるときは、受託者は、信託財産に属する財産(当該財産を処分することにより信託の目的を達成することができないこととなるものを除く。)を処分することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項に規定する場合において、第三十一条第二項各号のいずれかに該当するときは、受託者は、第一項の規定により有する権利の行使に代えて、信託財産に属する財産で金銭以外のものを固有財産に帰属させることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項の規定により受託者が有する権利は、信託財産に属する財産に対し強制執行又は担保権の実行の手続が開始したときは、これらの手続との関係においては、金銭債権とみなす。 5 前項の場合には、同項に規定する権利の存在を証する文書又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第百七十二条の二第三項において同じ。)により当該権利を有することを証明した受託者も、前項の強制執行又は担保権の実行の手続において、配当要求をすることができる。 6 各債権者(信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。)の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、他の債権者(当該費用等がすべての債権者に有益でなかった場合にあっては、当該費用等によって利益を受けていないものを除く。)の権利に優先する。 この場合においては、その順位は、民法第三百七条第一項に規定する先取特権と同順位とする。 7 次の各号に該当する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、当該各号に掲げる区分に応じ、当該各号の財産に係る第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、当該各号に定める金額について、他の債権者の権利に優先する。 一 信託財産に属する財産の保存のために支出した金額その他の当該財産の価値の維持のために必要であると認められるもの その金額 二 信託財産に属する財産の改良のために支出した金額その他の当該財産の価値の増加に有益であると認められるもの その金額又は現に存する増価額のいずれか低い金額 (信託財産責任負担債務の弁済による受託者の代位) 第五十条 受託者は、信託財産責任負担債務を固有財産をもって弁済した場合において、これにより前条第一項の規定による権利を有することとなったときは、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に代位する。 この場合においては、同項の規定により受託者が有する権利は、その代位との関係においては、金銭債権とみなす。 2 前項の規定により受託者が同項の債権者に代位するときは、受託者は、遅滞なく、当該債権者の有する債権が信託財産責任負担債務に係る債権である旨及びこれを固有財産をもって弁済した旨を当該債権者に通知しなければならない。 (費用等の償還等と同時履行) 第五十一条 受託者は、第四十九条第一項の規定により受託者が有する権利が消滅するまでは、受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者に対する信託財産に係る給付をすべき債務の履行を拒むことができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託財産が費用等の償還等に不足している場合の措置) 第五十二条 受託者は、第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産(第四十九条第二項の規定により処分することができないものを除く。第一号及び第四項において同じ。)が不足している場合において、委託者及び受益者に対し次に掲げる事項を通知し、第二号の相当の期間を経過しても委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けなかったときは、信託を終了させることができる。 一 信託財産が不足しているため費用等の償還又は費用の前払を受けることができない旨 二 受託者の定める相当の期間内に委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けないときは、信託を終了させる旨 2 委託者が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「受益者」とする。 3 受益者が現に存しない場合における第一項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「委託者」とする。 4 第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産が不足している場合において、委託者及び受益者が現に存しないときは、受託者は、信託を終了させることができる。 (信託財産からの損害の賠償) 第五十三条 受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、信託財産からその賠償を受けることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者が信託事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 受託者が信託事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 2 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)並びに前二条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。 (受託者の信託報酬) 第五十四条 受託者は、信託の引受けについて商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬(信託事務の処理の対価として受託者の受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。 2 前項の場合には、信託報酬の額は、信託行為に信託報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 3 前項の定めがないときは、受託者は、信託財産から信託報酬を受けるには、受益者に対し、信託報酬の額及びその算定の根拠を通知しなければならない。 4 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)、第五十一条並びに第五十二条並びに民法第六百四十八条第二項及び第三項並びに第六百四十八条の二の規定は、受託者の信託報酬について準用する。 (受託者による担保権の実行) 第五十五条 担保権が信託財産である信託において、信託行為において受益者が当該担保権によって担保される債権に係る債権者とされている場合には、担保権者である受託者は、信託事務として、当該担保権の実行の申立てをし、売却代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる。 第五節 受託者の変更等 第一款 受託者の任務の終了 (受託者の任務の終了事由) 第五十六条 受託者の任務は、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。 ただし、第二号又は第三号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受託者である個人の死亡 二 受託者である個人が後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと。 三 受託者(破産手続開始の決定により解散するものを除く。)が破産手続開始の決定を受けたこと。 四 受託者である法人が合併以外の理由により解散したこと。 五 次条の規定による受託者の辞任 六 第五十八条の規定による受託者の解任 七 信託行為において定めた事由 2 受託者である法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、受託者の任務を引き継ぐものとする。 受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継する法人も、同様とする。 3 前項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 第一項第三号に掲げる事由が生じた場合において、同項ただし書の定めにより受託者の任務が終了しないときは、受託者の職務は、破産者が行う。 5 受託者の任務は、受託者が再生手続開始の決定を受けたことによっては、終了しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 前項本文に規定する場合において、管財人があるときは、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、管財人に専属する。 保全管理人があるときも、同様とする。 7 前二項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。 この場合において、前項中「管財人があるとき」とあるのは、「管財人があるとき(会社更生法第七十四条第二項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十七条及び第二百十三条において準用する場合を含む。)の期間を除く。)」と読み替えるものとする。 (受託者の辞任) 第五十七条 受託者は、委託者及び受益者の同意を得て、辞任することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 3 受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による辞任の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 委託者が現に存しない場合には、第一項本文の規定は、適用しない。 (受託者の解任) 第五十八条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、受託者を解任することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者がその任務に違反して信託財産に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、委託者又は受益者の申立てにより、受託者を解任することができる。 5 裁判所は、前項の規定により受託者を解任する場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による解任の裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 8 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 第二款 前受託者の義務等 (前受託者の通知及び保管の義務等) 第五十九条 第五十六条第一項第三号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、受託者であった者(以下「前受託者」という。)は、受益者に対し、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、破産管財人に対し、信託財産に属する財産の内容及び所在、信託財産責任負担債務の内容その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。 3 第五十六条第一項第四号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新たな受託者(第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合にあっては、信託財産管理者。以下この節において「新受託者等」という。)が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その義務を加重することができる。 4 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き受託者としての権利義務を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。 5 第三項の場合(前項本文に規定する場合を除く。)において、前受託者が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 (前受託者の相続人等の通知及び保管の義務等) 第六十条 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、前受託者の相続人(法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人)又は成年後見人若しくは保佐人(以下この節において「前受託者の相続人等」と総称する。)がその事実を知っているときは、前受託者の相続人等は、知れている受益者に対し、これを通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者の相続人等は、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 3 前項の場合において、前受託者の相続人等が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 4 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、破産管財人は、新受託者等が信託事務を処理することができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。 5 前項の場合において、破産管財人が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、破産管財人に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。 ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。 6 前受託者の相続人等又は破産管財人は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、第一項、第二項又は第四項の規定による行為をするために支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 7 第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者の相続人等又は破産管財人が有する権利について準用する。 (費用又は報酬の支弁等) 第六十一条 第五十九条第五項又は前条第三項若しくは第五項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。 2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。 第三款 新受託者の選任 第六十二条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者(以下「新受託者」という。)に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、委託者及び受益者は、その合意により、新受託者を選任することができる。 2 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、新受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 第一項の場合において、同項の合意に係る協議の状況その他の事情に照らして必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、新受託者を選任することができる。 5 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 6 第四項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受益者又は現に存する受託者に限り、即時抗告をすることができる。 7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 8 委託者が現に存しない場合における前各項の規定の適用については、第一項中「委託者及び受益者は、その合意により」とあるのは「受益者は」と、第三項中「委託者及び受益者」とあるのは「受益者」と、第四項中「同項の合意に係る協議の状況」とあるのは「受益者の状況」とする。 第四款 信託財産管理者等 (信託財産管理命令) 第六十三条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が選任されておらず、かつ、必要があると認めるときは、新受託者が選任されるまでの間、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産管理者による管理を命ずる処分(以下この款において「信託財産管理命令」という。)をすることができる。 2 前項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 3 裁判所は、信託財産管理命令を変更し、又は取り消すことができる。 4 信託財産管理命令及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者の選任等) 第六十四条 裁判所は、信託財産管理命令をする場合には、当該信託財産管理命令において、信託財産管理者を選任しなければならない。 2 前項の規定による信託財産管理者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 裁判所は、第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 信託財産管理者を選任した旨 二 信託財産管理者の氏名又は名称 4 前項第二号の規定は、同号に掲げる事項に変更を生じた場合について準用する。 5 信託財産管理命令があった場合において、信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものがあることを知ったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 信託財産管理命令を取り消す裁判があったとき、又は信託財産管理命令があった後に新受託者が選任された場合において当該新受託者が信託財産管理命令の登記若しくは登録の抹消の嘱託の申立てをしたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。 (前受託者がした法律行為の効力) 第六十五条 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった後に信託財産に属する財産に関してした法律行為は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。 2 前受託者が前条第一項の規定による信託財産管理者の選任の裁判があった日にした法律行為は、当該裁判があった後にしたものと推定する。 (信託財産管理者の権限) 第六十六条 第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合には、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、信託財産管理者に専属する。 2 二人以上の信託財産管理者があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。 3 二人以上の信託財産管理者があるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 4 信託財産管理者が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 一 保存行為 二 信託財産に属する財産の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為 5 前項の規定に違反して行った信託財産管理者の行為は、無効とする。 ただし、信託財産管理者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 6 信託財産管理者は、第二項ただし書又は第四項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 7 第二項ただし書又は第四項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 8 第二項ただし書又は第四項の規定による許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (信託財産に属する財産の管理) 第六十七条 信託財産管理者は、就職の後直ちに信託財産に属する財産の管理に着手しなければならない。 (当事者適格) 第六十八条 信託財産に関する訴えについては、信託財産管理者を原告又は被告とする。 (信託財産管理者の義務等) 第六十九条 信託財産管理者は、その職務を行うに当たっては、受託者と同一の義務及び責任を負う。 (信託財産管理者の辞任及び解任) 第七十条 第五十七条第二項から第五項までの規定は信託財産管理者の辞任について、第五十八条第四項から第七項までの規定は信託財産管理者の解任について、それぞれ準用する。 この場合において、第五十七条第二項中「やむを得ない事由」とあるのは、「正当な事由」と読み替えるものとする。 (信託財産管理者の報酬等) 第七十一条 信託財産管理者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 2 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、信託財産管理者の陳述を聴かなければならない。 3 第一項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、信託財産管理者に限り、即時抗告をすることができる。 (信託財産管理者による新受託者への信託事務の引継ぎ等) 第七十二条 第七十七条の規定は、信託財産管理者の選任後に新受託者が就任した場合について準用する。 この場合において、同条第一項中「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とあり、同条第二項中「受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)」とあり、及び同条第三項中「受益者」とあるのは「新受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該新受託者」と読み替えるものとする。 (受託者の職務を代行する者の権限) 第七十三条 第六十六条の規定は、受託者の職務を代行する者を選任する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者について準用する。 (受託者の死亡により任務が終了した場合の信託財産の帰属等) 第七十四条 第五十六条第一項第一号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、信託財産は、法人とする。 2 前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産法人管理人による管理を命ずる処分(第六項において「信託財産法人管理命令」という。)をすることができる。 3 第六十三条第二項から第四項までの規定は、前項の申立てに係る事件について準用する。 4 新受託者が就任したときは、第一項の法人は、成立しなかったものとみなす。 ただし、信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 5 信託財産法人管理人の代理権は、新受託者が信託事務の処理をすることができるに至った時に消滅する。 6 第六十四条の規定は信託財産法人管理命令をする場合について、第六十六条から第七十二条までの規定は信託財産法人管理人について、それぞれ準用する。 第五款 受託者の変更に伴う権利義務の承継等 (信託に関する権利義務の承継等) 第七十五条 第五十六条第一項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が就任したときは、新受託者は、前受託者の任務が終了した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 2 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合(第五十九条第四項ただし書の場合を除く。)には、新受託者は、新受託者等が就任した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。 3 前二項の規定は、新受託者が就任するに至るまでの間に前受託者、信託財産管理者又は信託財産法人管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 4 第二十七条の規定は、新受託者等が就任するに至るまでの間に前受託者がその権限に属しない行為をした場合について準用する。 5 前受託者(その相続人を含む。以下この条において同じ。)が第四十条の規定による責任を負う場合又は法人である前受託者の理事、取締役若しくは執行役若しくはこれらに準ずる者(以下この項において「理事等」と総称する。)が第四十一条の規定による責任を負う場合には、新受託者等又は信託財産法人管理人は、前受託者又は理事等に対し、第四十条又は第四十一条の規定による請求をすることができる。 6 前受託者が信託財産から費用等の償還若しくは損害の賠償を受けることができ、又は信託報酬を受けることができる場合には、前受託者は、新受託者等又は信託財産法人管理人に対し、費用等の償還若しくは損害の賠償又は信託報酬の支払を請求することができる。 ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 7 第四十八条第四項並びに第四十九条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により前受託者が有する権利について準用する。 8 新受託者が就任するに至るまでの間に信託財産に属する財産に対し既にされている強制執行、仮差押え若しくは仮処分の執行又は担保権の実行若しくは競売の手続は、新受託者に対し続行することができる。 9 前受託者は、第六項の規定による請求に係る債権の弁済を受けるまで、信託財産に属する財産を留置することができる。 (承継された債務に関する前受託者及び新受託者の責任) 第七十六条 前条第一項又は第二項の規定により信託債権に係る債務が新受託者に承継された場合にも、前受託者は、自己の固有財産をもって、その承継された債務を履行する責任を負う。 ただし、信託財産に属する財産のみをもって当該債務を履行する責任を負うときは、この限りでない。 2 新受託者は、前項本文に規定する債務を承継した場合には、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (前受託者による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十七条 新受託者等が就任した場合には、前受託者は、遅滞なく、信託事務に関する計算を行い、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対しその承認を求めるとともに、新受託者等が信託事務の処理を行うのに必要な信託事務の引継ぎをしなければならない。 2 受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)が前項の計算を承認した場合には、同項の規定による当該受益者に対する信託事務の引継ぎに関する責任は、免除されたものとみなす。 ただし、前受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者が前受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者は、同項の計算を承認したものとみなす。 (前受託者の相続人等又は破産管財人による新受託者等への信託事務の引継ぎ等) 第七十八条 前条の規定は、第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における前受託者の相続人等及び同項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における破産管財人について準用する。 第六節 受託者が二人以上ある信託の特例 (信託財産の合有) 第七十九条 受託者が二人以上ある信託においては、信託財産は、その合有とする。 (信託事務の処理の方法) 第八十条 受託者が二人以上ある信託においては、信託事務の処理については、受託者の過半数をもって決する。 2 前項の規定にかかわらず、保存行為については、各受託者が単独で決することができる。 3 前二項の規定により信託事務の処理について決定がされた場合には、各受託者は、当該決定に基づいて信託事務を執行することができる。 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合には、各受託者は、その定めに従い、信託事務の処理について決し、これを執行する。 5 前二項の規定による信託事務の処理についての決定に基づく信託財産のためにする行為については、各受託者は、他の受託者を代理する権限を有する。 6 前各項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 7 受託者が二人以上ある信託においては、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 ただし、受益者の意思表示については、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (職務分掌者の当事者適格) 第八十一条 前条第四項に規定する場合には、信託財産に関する訴えについて、各受託者は、自己の分掌する職務に関し、他の受託者のために原告又は被告となる。 (信託事務の処理についての決定の他の受託者への委託) 第八十二条 受託者が二人以上ある信託においては、各受託者は、信託行為に別段の定めがある場合又はやむを得ない事由がある場合を除き、他の受託者に対し、信託事務(常務に属するものを除く。)の処理についての決定を委託することができない。 (信託事務の処理に係る債務の負担関係) 第八十三条 受託者が二人以上ある信託において、信託事務を処理するに当たって各受託者が第三者に対し債務を負担した場合には、各受託者は、連帯債務者とする。 2 前項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合において、ある受託者がその定めに従い信託事務を処理するに当たって第三者に対し債務を負担したときは、他の受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、当該第三者が、その債務の負担の原因である行為の当時、当該行為が信託事務の処理としてされたこと及び受託者が二人以上ある信託であることを知っていた場合であって、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがあることを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときは、当該他の受託者は、これをもって当該第三者に対抗することができない。 (信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割の特例) 第八十四条 受託者が二人以上ある信託における第十九条の規定の適用については、同条第一項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第二号中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者の」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同条第三項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託又は他の信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第三号中「受託者の」とあるのは「各信託財産の共有持分が属する受託者の」と、「受託者が決する」とあるのは「受託者の協議による」と、同条第四項中「第二号」とあるのは「第二号又は第三号」とする。 (受託者の責任等の特例) 第八十五条 受託者が二人以上ある信託において、二人以上の受託者がその任務に違反する行為をしたことにより第四十条の規定による責任を負う場合には、当該行為をした各受託者は、連帯債務者とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第四十条第一項及び第四十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「受益者又は他の受託者」とする。 3 受託者が二人以上ある信託において第四十二条の規定により第四十条又は第四十一条の規定による責任が免除されたときは、他の受託者は、これらの規定によれば当該責任を負うべき者に対し、当該責任の追及に係る請求をすることができない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受託者が二人以上ある信託における第四十四条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者又は他の受託者」と、同条第二項中「当該受益者」とあるのは「当該受益者又は他の受託者」とする。 (受託者の変更等の特例) 第八十六条 受託者が二人以上ある信託における第五十九条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第三項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 2 受託者が二人以上ある信託における第六十条の規定の適用については、同条第一項中「受益者」とあるのは「受益者及び他の受託者」と、同条第二項及び第四項中「受託者の任務」とあるのは「すべての受託者の任務」とする。 3 受託者が二人以上ある信託における第七十四条第一項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とする。 4 受託者が二人以上ある信託においては、第七十五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、その一人の任務が第五十六条第一項各号に掲げる事由により終了した場合には、その任務が終了した時に存する信託に関する権利義務は他の受託者が当然に承継し、その任務は他の受託者が行う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託の終了の特例) 第八十七条 受託者が二人以上ある信託における第百六十三条第三号の規定の適用については、同号中「受託者が欠けた場合」とあるのは、「すべての受託者が欠けた場合」とする。 2 受託者が二人以上ある信託においては、受託者の一部が欠けた場合であって、前条第四項ただし書の規定によりその任務が他の受託者によって行われず、かつ、新受託者が就任しない状態が一年間継続したときも、信託は、終了する。 第四章 受益者等 第一節 受益者の権利の取得及び行使 (受益権の取得) 第八十八条 信託行為の定めにより受益者となるべき者として指定された者(次条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定された者を含む。)は、当然に受益権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受託者は、前項に規定する受益者となるべき者として指定された者が同項の規定により受益権を取得したことを知らないときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者指定権等) 第八十九条 受益者を指定し、又はこれを変更する権利(以下この条において「受益者指定権等」という。)を有する者の定めのある信託においては、受益者指定権等は、受託者に対する意思表示によって行使する。 2 前項の規定にかかわらず、受益者指定権等は、遺言によって行使することができる。 3 前項の規定により遺言によって受益者指定権等が行使された場合において、受託者がこれを知らないときは、これにより受益者となったことをもって当該受託者に対抗することができない。 4 受託者は、受益者を変更する権利が行使されたことにより受益者であった者がその受益権を失ったときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 受益者指定権等は、相続によって承継されない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受益者指定権等を有する者が受託者である場合における第一項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受益者となるべき者」とする。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第九十条 次の各号に掲げる信託においては、当該各号の委託者は、受益者を変更する権利を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託 二 委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託 2 前項第二号の受益者は、同号の委託者が死亡するまでは、受益者としての権利を有しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例) 第九十一条 受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。 (信託行為の定めによる受益者の権利行使の制限の禁止) 第九十二条 受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。 一 この法律の規定による裁判所に対する申立権 二 第五条第一項の規定による催告権 三 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 四 第二十四条第一項の規定による支払の請求権 五 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 六 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 七 第三十六条の規定による報告を求める権利 八 第三十八条第一項又は第六項の規定による閲覧又は謄写の請求権 九 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 十一 第四十四条の規定による差止めの請求権 十二 第四十五条第一項の規定による支払の請求権 十三 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十四 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十五 第六十一条第一項の規定による支払の請求権 十六 第六十二条第二項の規定による催告権 十七 第九十九条第一項の規定による受益権を放棄する権利 十八 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権 十九 第百三十一条第二項の規定による催告権 二十 第百三十八条第二項の規定による催告権 二十一 第百八十七条第一項の規定による交付又は提供の請求権 二十二 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 二十三 第百九十八条第一項の規定による記載又は記録の請求権 二十四 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十五 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 二十六 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 第二節 受益権等 第一款 受益権の譲渡等 (受益権の譲渡性) 第九十三条 受益者は、その有する受益権を譲り渡すことができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「譲渡制限の定め」という。)は、その譲渡制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の譲渡の対抗要件) 第九十四条 受益権の譲渡は、譲渡人が受託者に通知をし、又は受託者が承諾をしなければ、受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の通知及び承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、受託者以外の第三者に対抗することができない。 (受益権の譲渡における受託者の抗弁) 第九十五条 受託者は、前条第一項の通知又は承諾がされるまでに譲渡人に対し生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。 (共同相続における受益権の承継の対抗要件) 第九十五条の二 相続により受益権が承継された場合において、民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該受益権を承継した共同相続人が当該受益権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該受益権を承継した場合にあっては、当該受益権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして受託者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が受託者に通知をしたものとみなして、同法第八百九十九条の二第一項の規定を適用する。 (受益権の質入れ) 第九十六条 受益者は、その有する受益権に質権を設定することができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、受益権の質入れを禁止し、又は制限する旨の信託行為の定め(以下この項において「質入制限の定め」という。)は、その質入制限の定めがされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった質権者その他の第三者に対抗することができる。 (受益権の質入れの効果) 第九十七条 受益権を目的とする質権は、次に掲げる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下この条及び次条において同じ。)について存在する。 一 当該受益権を有する受益者が受託者から信託財産に係る給付として受けた金銭等 二 第百三条第六項に規定する受益権取得請求によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 三 信託の変更による受益権の併合又は分割によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 四 信託の併合又は分割(信託の併合又は信託の分割をいう。以下同じ。)によって当該受益権を有する受益者が受ける金銭等 五 前各号に掲げるもののほか、当該受益権を有する受益者が当該受益権に代わるものとして受ける金銭等 第九十八条 受益権の質権者は、前条の金銭等(金銭に限る。)を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。 2 前項の債権の弁済期が到来していないときは、受益権の質権者は、受託者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 第二款 受益権の放棄 第九十九条 受益者は、受託者に対し、受益権を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、受益者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 2 受益者は、前項の規定による意思表示をしたときは、当初から受益権を有していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 第三款 受益債権 (受益債権に係る受託者の責任) 第百条 受益債権に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 (受益債権と信託債権との関係) 第百一条 受益債権は、信託債権に後れる。 (受益債権の期間の制限) 第百二条 受益債権の消滅時効は、次項及び第三項に定める事項を除き、債権の消滅時効の例による。 2 受益債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。 3 受益債権の消滅時効は、次に掲げる場合に限り、援用することができる。 一 受託者が、消滅時効の期間の経過後、遅滞なく、受益者に対し受益債権の存在及びその内容を相当の期間を定めて通知し、かつ、受益者からその期間内に履行の請求を受けなかったとき。 二 消滅時効の期間の経過時において受益者の所在が不明であるとき、その他信託行為の定め、受益者の状況、関係資料の滅失その他の事情に照らして、受益者に対し前号の規定による通知をしないことについて正当な理由があるとき。 4 受益債権は、これを行使することができる時から二十年を経過したときは、消滅する。 第四款 受益権取得請求権 (受益権取得請求) 第百三条 次に掲げる事項に係る信託の変更(第三項において「重要な信託の変更」という。)がされる場合には、これにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、第一号又は第二号に掲げる事項に係る信託の変更がされる場合にあっては、これにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 一 信託の目的の変更 二 受益権の譲渡の制限 三 受託者の義務の全部又は一部の減免(当該減免について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 四 受益債権の内容の変更(当該内容の変更について、その範囲及びその意思決定の方法につき信託行為に定めがある場合を除く。) 五 信託行為において定めた事項 2 信託の併合又は分割がされる場合には、これらにより損害を受けるおそれのある受益者は、受託者に対し、自己の有する受益権を公正な価格で取得することを請求することができる。 ただし、前項第一号又は第二号に掲げる事項に係る変更を伴う信託の併合又は分割がされる場合にあっては、これらにより損害を受けるおそれのあることを要しない。 3 前二項の受益者が、重要な信託の変更又は信託の併合若しくは信託の分割(以下この章において「重要な信託の変更等」という。)の意思決定に関与し、その際に当該重要な信託の変更等に賛成する旨の意思を表示したときは、前二項の規定は、当該受益者については、適用しない。 4 受託者は、重要な信託の変更等の意思決定の日から二十日以内に、受益者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 重要な信託の変更等をする旨 二 重要な信託の変更等がその効力を生ずる日(次条第一項において「効力発生日」という。) 三 重要な信託の変更等の中止に関する条件を定めたときは、その条件 5 前項の規定による通知は、官報による公告をもって代えることができる。 6 第一項又は第二項の規定による請求(以下この款において「受益権取得請求」という。)は、第四項の規定による通知又は前項の規定による公告の日から二十日以内に、その受益権取得請求に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 7 受益権取得請求をした受益者は、受託者の承諾を得た場合に限り、その受益権取得請求を撤回することができる。 8 重要な信託の変更等が中止されたときは、受益権取得請求は、その効力を失う。 (受益権の価格の決定等) 第百四条 受益権取得請求があった場合において、受益権の価格の決定について、受託者と受益者との間に協議が調ったときは、受託者は、受益権取得請求の日から六十日を経過する日(その日までに効力発生日が到来していない場合にあっては、効力発生日)までにその支払をしなければならない。 2 受益権の価格の決定について、受益権取得請求の日から三十日以内に協議が調わないときは、受託者又は受益者は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。 3 裁判所は、前項の規定により価格の決定をする場合には、同項の申立てをすることができる者の陳述を聴かなければならない。 4 第二項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による価格の決定の裁判に対しては、申立人及び同項の申立てをすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 7 前条第七項の規定にかかわらず、第二項に規定する場合において、受益権取得請求の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、受益者は、いつでも、受益権取得請求を撤回することができる。 8 第一項の受託者は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の利息をも支払わなければならない。 9 受託者は、受益権の価格の決定があるまでは、受益者に対し、当該受託者が公正な価格と認める額を支払うことができる。 10 受益権取得請求に係る受託者による受益権の取得は、当該受益権の価格に相当する金銭の支払の時に、その効力を生ずる。 11 受益証券(第百八十五条第一項に規定する受益証券をいう。以下この章において同じ。)が発行されている受益権について受益権取得請求があったときは、当該受益証券と引換えに、その受益権取得請求に係る受益権の価格に相当する金銭を支払わなければならない。 12 受益権取得請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 13 前条第一項又は第二項の規定により受託者が受益権を取得したときは、その受益権は、消滅する。 ただし、信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定において別段の定めがされたときは、その定めるところによる。 第三節 二人以上の受益者による意思決定の方法の特例 第一款 総則 第百五条 受益者が二人以上ある信託における受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は、すべての受益者の一致によってこれを決する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項ただし書の場合において、信託行為に受益者集会における多数決による旨の定めがあるときは、次款の定めるところによる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 第一項ただし書又は前項の規定にかかわらず、第四十二条の規定による責任の免除に係る意思決定の方法についての信託行為の定めは、次款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めに限り、その効力を有する。 4 第一項ただし書及び前二項の規定は、次に掲げる責任の免除については、適用しない。 一 第四十二条の規定による責任の全部の免除 二 第四十二条第一号の規定による責任(受託者がその任務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合に生じたものに限る。)の一部の免除 三 第四十二条第二号の規定による責任の一部の免除 第二款 受益者集会 (受益者集会の招集) 第百六条 受益者集会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。 2 受益者集会は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)が招集する。 (受益者による招集の請求) 第百七条 受益者は、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)に対し、受益者集会の目的である事項及び招集の理由を示して、受益者集会の招集を請求することができる。 2 次に掲げる場合において、信託財産に著しい損害を生ずるおそれがあるときは、前項の規定による請求をした受益者は、受益者集会を招集することができる。 一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合 二 前項の規定による請求があった日から八週間以内の日を受益者集会の日とする受益者集会の招集の通知が発せられない場合 (受益者集会の招集の決定) 第百八条 受益者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 受益者集会の日時及び場所 二 受益者集会の目的である事項があるときは、当該事項 三 受益者集会に出席しない受益者が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下この款において同じ。)によって議決権を行使することができることとするときは、その旨 四 前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益者集会の招集の通知) 第百九条 受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の二週間前までに、知れている受益者及び受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、知れている受益者、受託者及び信託監督人)に対し、書面をもってその通知を発しなければならない。 2 招集者は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、同項の通知を受けるべき者の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の書面による通知を発したものとみなす。 3 前二項の通知には、前条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。 4 無記名式の受益証券が発行されている場合において、受益者集会を招集するには、招集者は、受益者集会の日の三週間前までに、受益者集会を招集する旨及び前条各号に掲げる事項を官報により公告しなければならない。 (受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 第百十条 招集者は、前条第一項の通知に際しては、法務省令で定めるところにより、知れている受益者に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この条において「受益者集会参考書類」という。)及び受益者が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。 2 招集者は、前条第二項の承諾をした受益者に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 ただし、受益者の請求があったときは、これらの書類を当該受益者に交付しなければならない。 3 招集者は、前条第四項の規定による公告をした場合において、受益者集会の日の一週間前までに無記名受益権(無記名式の受益証券が発行されている受益権をいう。第八章において同じ。)の受益者の請求があったときは、直ちに、受益者集会参考書類及び議決権行使書面を当該受益者に交付しなければならない。 4 招集者は、前項の規定による受益者集会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、受益者の承諾を得て、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該招集者は、同項の規定によるこれらの書類の交付をしたものとみなす。 第百十一条 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合には、第百九条第二項の承諾をした受益者に対する電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、受益者に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。 2 招集者は、第百八条第三号に掲げる事項を定めた場合において、第百九条第二項の承諾をしていない受益者から受益者集会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該受益者に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。 (受益者の議決権) 第百十二条 受益者は、受益者集会において、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定めるものに応じて、議決権を有する。 一 各受益権の内容が均等である場合 受益権の個数 二 前号に掲げる場合以外の場合 受益者集会の招集の決定の時における受益権の価格 2 前項の規定にかかわらず、受益権が当該受益権に係る信託の信託財産に属するときは、受託者は、当該受益権については、議決権を有しない。 (受益者集会の決議) 第百十三条 受益者集会の決議は、議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の議決権の過半数を有する受益者が出席し、出席した当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 一 第四十二条の規定による責任の免除(第百五条第四項各号に掲げるものを除く。) 二 第百三十六条第一項第一号に規定する合意 三 第百四十三条第一項第一号に規定する合意 四 第百四十九条第一項若しくは第二項第一号に規定する合意又は同条第三項に規定する意思表示 五 第百五十一条第一項又は第二項第一号に規定する合意 六 第百五十五条第一項又は第二項第一号に規定する合意 七 第百五十九条第一項又は第二項第一号に規定する合意 八 第百六十四条第一項に規定する合意 3 前二項の規定にかかわらず、第百三条第一項第二号から第四号までに掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものを除く。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、当該受益者集会において議決権を行使することができる受益者の半数以上であって、当該受益者の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。 4 前三項の規定にかかわらず、第百三条第一項第一号又は第四号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、受益者間の権衡に変更を及ぼすものに限る。)に係る重要な信託の変更等に係る受益者集会の決議は、総受益者の半数以上であって、総受益者の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。 5 受益者集会は、第百八条第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。 (議決権の代理行使) 第百十四条 受益者は、代理人によってその議決権を行使することができる。 この場合においては、当該受益者又は代理人は、代理権を証明する書面を招集者に提出しなければならない。 2 前項の代理権の授与は、受益者集会ごとにしなければならない。 3 第一項の受益者又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該受益者又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。 4 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 (書面による議決権の行使) 第百十五条 受益者集会に出席しない受益者は、書面によって議決権を行使することができる。 2 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を招集者に提出して行う。 3 前項の規定により書面によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (電磁的方法による議決権の行使) 第百十六条 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、招集者の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該招集者に提供して行う。 2 受益者が第百九条第二項の承諾をした者である場合には、招集者は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。 3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権は、出席した議決権者の行使した議決権とみなす。 (議決権の不統一行使) 第百十七条 受益者は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。 この場合においては、受益者集会の日の三日前までに、招集者に対しその旨及びその理由を通知しなければならない。 2 招集者は、前項の受益者が他人のために受益権を有する者でないときは、当該受益者が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。 (受託者の出席等) 第百十八条 受託者(法人である受託者にあっては、その代表者又は代理人。次項において同じ。)は、受益者集会に出席し、又は書面により意見を述べることができる。 2 受益者集会又は招集者は、必要があると認めるときは、受託者に対し、その出席を求めることができる。 この場合において、受益者集会にあっては、これをする旨の決議を経なければならない。 (延期又は続行の決議) 第百十九条 受益者集会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第百八条及び第百九条の規定は、適用しない。 (議事録) 第百二十条 受益者集会の議事については、招集者は、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。 (受益者集会の決議の効力) 第百二十一条 受益者集会の決議は、当該信託のすべての受益者に対してその効力を有する。 (受益者集会の費用の負担) 第百二十二条 受益者集会に関する必要な費用を支出した者は、受託者に対し、その償還を請求することができる。 2 前項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 第四節 信託管理人等 第一款 信託管理人 (信託管理人の選任) 第百二十三条 信託行為においては、受益者が現に存しない場合に信託管理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託管理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託管理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託管理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が現に存しない場合において、信託行為に信託管理人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託管理人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 5 前項の規定による信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託管理人の選任の裁判に対しては、委託者若しくは受託者又は既に存する信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託管理人の資格) 第百二十四条 次に掲げる者は、信託管理人となることができない。 一 未成年者 二 当該信託の受託者である者 (信託管理人の権限) 第百二十五条 信託管理人は、受益者のために自己の名をもって受益者の権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託管理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 3 この法律の規定により受益者に対してすべき通知は、信託管理人があるときは、信託管理人に対してしなければならない。 (信託管理人の義務) 第百二十六条 信託管理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託管理人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託管理人の費用等及び報酬) 第百二十七条 信託管理人は、その事務を処理するのに必要と認められる費用及び支出の日以後におけるその利息を受託者に請求することができる。 2 信託管理人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、受託者にその賠償を請求することができる。 一 信託管理人がその事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額 二 信託管理人がその事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額 3 信託管理人は、商法第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に信託管理人が報酬を受ける旨の定めがある場合に限り、受託者に報酬を請求することができる。 4 前三項の規定による請求に係る債務については、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。 5 第三項の場合には、報酬の額は、信託行為に報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。 6 裁判所は、第百二十三条第四項の規定により信託管理人を選任した場合には、信託管理人の報酬を定めることができる。 7 前項の規定による信託管理人の報酬の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第三項の定め及び第五項の報酬の額に関する定めがあったものとみなす。 8 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判をする場合には、受託者及び信託管理人の陳述を聴かなければならない。 9 第六項の規定による信託管理人の報酬の裁判に対しては、受託者及び信託管理人に限り、即時抗告をすることができる。 (信託管理人の任務の終了) 第百二十八条 第五十六条の規定は、信託管理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百二十八条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託管理人の辞任について、第五十八条の規定は信託管理人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託管理人の選任等) 第百二十九条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託管理人の任務が終了した場合における新たな信託管理人(次項において「新信託管理人」という。)の選任について準用する。 2 新信託管理人が就任した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、新信託管理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 3 前項の信託管理人であった者は、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知ったときは、遅滞なく、当該受益者となった者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 (信託管理人による事務の処理の終了等) 第百三十条 信託管理人による事務の処理は、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第二号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 受益者が存するに至ったこと。 二 委託者が信託管理人に対し事務の処理を終了する旨の意思表示をしたこと。 三 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託管理人による事務の処理が終了した場合には、信託管理人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 ただし、受益者が存するに至った後においてその受益者となった者を知った場合に限る。 第二款 信託監督人 (信託監督人の選任) 第百三十一条 信託行為においては、受益者が現に存する場合に信託監督人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に信託監督人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、信託監督人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、信託監督人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 4 受益者が受託者の監督を適切に行うことができない特別の事情がある場合において、信託行為に信託監督人に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより信託監督人となるべき者として指定された者が就任の承諾をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託監督人を選任することができる。 5 前項の規定による信託監督人の選任の裁判があったときは、当該信託監督人について信託行為に第一項の定めが設けられたものとみなす。 6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 7 第四項の規定による信託監督人の選任の裁判に対しては、委託者、受託者若しくは受益者又は既に存する信託監督人に限り、即時抗告をすることができる。 8 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (信託監督人の権限) 第百三十二条 信託監督人は、受益者のために自己の名をもって第九十二条各号(第十七号、第十八号、第二十一号及び第二十三号を除く。)に掲げる権利に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 二人以上の信託監督人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (信託監督人の義務) 第百三十三条 信託監督人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 信託監督人は、受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (信託監督人の任務の終了) 第百三十四条 第五十六条の規定は、信託監督人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百三十四条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は信託監督人の辞任について、第五十八条の規定は信託監督人の解任について、それぞれ準用する。 (新信託監督人の選任等) 第百三十五条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により信託監督人の任務が終了した場合における新たな信託監督人(次項において「新信託監督人」という。)の選任について準用する。 2 新信託監督人が就任した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新信託監督人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (信託監督人による事務の処理の終了等) 第百三十六条 信託監督人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者が信託監督人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により信託監督人による事務の処理が終了した場合には、信託監督人であった者は、遅滞なく、受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百三十七条 第百二十四条及び第百二十七条の規定は、信託監督人について準用する。 この場合において、同条第六項中「第百二十三条第四項」とあるのは、「第百三十一条第四項」と読み替えるものとする。 第三款 受益者代理人 (受益者代理人の選任) 第百三十八条 信託行為においては、その代理する受益者を定めて、受益者代理人となるべき者を指定する定めを設けることができる。 2 信託行為に受益者代理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受益者代理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。 ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。 3 前項の規定による催告があった場合において、受益者代理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなす。 (受益者代理人の権限等) 第百三十九条 受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 受益者代理人がその代理する受益者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、その代理する受益者の範囲を示せば足りる。 3 一人の受益者につき二人以上の受益者代理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 受益者代理人があるときは、当該受益者代理人に代理される受益者は、第九十二条各号に掲げる権利及び信託行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができない。 (受益者代理人の義務) 第百四十条 受益者代理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使しなければならない。 2 受益者代理人は、その代理する受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければならない。 (受益者代理人の任務の終了) 第百四十一条 第五十六条の規定は、受益者代理人の任務の終了について準用する。 この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。 2 第五十七条の規定は受益者代理人の辞任について、第五十八条の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。 (新受益者代理人の選任等) 第百四十二条 第六十二条の規定は、前条第一項において準用する第五十六条第一項各号の規定により受益者代理人の任務が終了した場合における新たな受益者代理人(次項において「新受益者代理人」という。)の選任について準用する。 この場合において、第六十二条第二項及び第四項中「利害関係人」とあるのは、「委託者又は受益者代理人に代理される受益者」と読み替えるものとする。 2 新受益者代理人が就任した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理する受益者に対しその事務の経過及び結果を報告し、新受益者代理人がその事務の処理を行うのに必要な事務の引継ぎをしなければならない。 (受益者代理人による事務の処理の終了等) 第百四十三条 受益者代理人による事務の処理は、信託の清算の結了のほか、次に掲げる事由により終了する。 ただし、第一号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 一 委託者及び受益者代理人に代理される受益者が受益者代理人による事務の処理を終了する旨の合意をしたこと。 二 信託行為において定めた事由 2 前項の規定により受益者代理人による事務の処理が終了した場合には、受益者代理人であった者は、遅滞なく、その代理した受益者に対しその事務の経過及び結果を報告しなければならない。 3 委託者が現に存しない場合には、第一項第一号の規定は、適用しない。 (信託管理人に関する規定の準用) 第百四十四条 第百二十四条及び第百二十七条第一項から第五項までの規定は、受益者代理人について準用する。 第五章 委託者 (委託者の権利等) 第百四十五条 信託行為においては、委託者がこの法律の規定によるその権利の全部又は一部を有しない旨を定めることができる。 2 信託行為においては、委託者も次に掲げる権利の全部又は一部を有する旨を定めることができる。 一 第二十三条第五項又は第六項の規定による異議を主張する権利 二 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 三 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 四 第三十二条第四項の規定による権利 五 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 六 第三十九条第一項の規定による開示の請求権 七 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 八 第四十一条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権 九 第四十四条の規定による差止めの請求権 十 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 十一 第五十九条第五項の規定による差止めの請求権 十二 第六十条第三項又は第五項の規定による差止めの請求権 十三 第二百二十六条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十四 第二百二十八条第一項の規定による金銭のてん補又は支払の請求権 十五 第二百五十四条第一項の規定による損失のてん補の請求権 3 前項第一号、第七号から第九号まで又は第十一号から第十五号までに掲げる権利について同項の信託行為の定めがされた場合における第二十四条、第四十五条(第二百二十六条第六項、第二百二十八条第六項及び第二百五十四条第三項において準用する場合を含む。)又は第六十一条の規定の適用については、これらの規定中「受益者」とあるのは、「委託者又は受益者」とする。 4 信託行為においては、受託者が次に掲げる義務を負う旨を定めることができる。 一 この法律の規定により受託者が受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次号において同じ。)に対し通知すべき事項を委託者に対しても通知する義務 二 この法律の規定により受託者が受益者に対し報告すべき事項を委託者に対しても報告する義務 三 第七十七条第一項又は第百八十四条第一項の規定により受託者がする計算の承認を委託者に対しても求める義務 5 委託者が二人以上ある信託における第一項、第二項及び前項の規定の適用については、これらの規定中「委託者」とあるのは、「委託者の全部又は一部」とする。 (委託者の地位の移転) 第百四十六条 委託者の地位は、受託者及び受益者の同意を得て、又は信託行為において定めた方法に従い、第三者に移転することができる。 2 委託者が二人以上ある信託における前項の規定の適用については、同項中「受託者及び受益者」とあるのは、「他の委託者、受託者及び受益者」とする。 (遺言信託における委託者の相続人) 第百四十七条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合には、委託者の相続人は、委託者の地位を相続により承継しない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例) 第百四十八条 第九十条第一項各号に掲げる信託において、その信託の受益者が現に存せず、又は同条第二項の規定により受益者としての権利を有しないときは、委託者が第百四十五条第二項各号に掲げる権利を有し、受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 第六章 信託の変更、併合及び分割 第一節 信託の変更 (関係当事者の合意等) 第百四十九条 信託の変更は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、変更後の信託行為の内容を明らかにしてしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによりすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、信託の変更は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者による受託者に対する意思表示によってすることができる。 この場合において、第二号に掲げるときは、受託者は、委託者に対し、遅滞なく、変更後の信託行為の内容を通知しなければならない。 一 受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 委託者及び受益者 二 信託の目的に反しないこと及び受託者の利益を害しないことが明らかであるとき 受益者 4 前三項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 5 委託者が現に存しない場合においては、第一項及び第三項第一号の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (特別の事情による信託の変更を命ずる裁判) 第百五十条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合しなくなるに至ったときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の変更を命ずることができる。 2 前項の申立ては、当該申立てに係る変更後の信託行為の定めを明らかにしてしなければならない。 3 裁判所は、第一項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 4 第一項の申立てについての裁判には、理由の要旨を付さなければならない。 5 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 第二節 信託の併合 (関係当事者の合意等) 第百五十一条 信託の併合は、従前の各信託の委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 信託の併合後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 信託の併合に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 信託の併合がその効力を生ずる日 五 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、信託の併合は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十二条 信託の併合をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、信託の併合について異議を述べることができる。 ただし、信託の併合をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 信託の併合をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告(公告の方法のうち、電磁的方法(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって同号に規定するものをとる方法をいう。次節において同じ。) 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該信託の併合について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。次節において同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該信託の併合をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十三条 信託の併合がされた場合において、従前の信託の信託財産責任負担債務であった債務は、信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務となる。 第百五十四条 信託の併合がされた場合において、前条に規定する従前の信託の信託財産責任負担債務のうち信託財産限定責任負担債務(受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務をいう。以下この章において同じ。)であるものは、信託の併合後の信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第三節 信託の分割 第一款 吸収信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十五条 吸収信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 吸収信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 吸収信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 吸収信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 吸収信託分割によりその信託財産の一部を他の信託に移転する信託(以下この款において「分割信託」という。)の信託財産責任負担債務でなくなり、分割信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託(以下「承継信託」という。)の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、吸収信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百五十六条 吸収信託分割をする場合には、分割信託又は承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、吸収信託分割について異議を述べることができる。 ただし、吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 吸収信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該吸収信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (吸収信託分割後の分割信託及び承継信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百五十七条 吸収信託分割がされた場合において、第百五十五条第一項第六号の債務は、吸収信託分割後の分割信託の信託財産責任負担債務でなくなり、吸収信託分割後の承継信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、分割信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、承継信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百五十八条 第百五十六条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、吸収信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては吸収信託分割がその効力を生ずる日における承継信託の移転を受ける財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における分割信託の信託財産の価額を限度とする。 一 分割信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 吸収信託分割後の承継信託の信託財産に属する財産 二 承継信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十五条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 吸収信託分割後の分割信託の信託財産に属する財産 第二款 新規信託分割 (関係当事者の合意等) 第百五十九条 新規信託分割は、委託者、受託者及び受益者の合意によってすることができる。 この場合においては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。 一 新規信託分割後の信託行為の内容 二 信託行為において定める受益権の内容に変更があるときは、その内容及び変更の理由 三 新規信託分割に際して受益者に対し金銭その他の財産を交付するときは、当該財産の内容及びその価額 四 新規信託分割がその効力を生ずる日 五 移転する財産の内容 六 新規信託分割により従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新たな信託の信託財産責任負担債務となる債務があるときは、当該債務に係る事項 七 その他法務省令で定める事項 2 前項の規定にかかわらず、新規信託分割は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるものによってすることができる。 この場合において、受託者は、第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し、遅滞なく、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。 一 信託の目的に反しないことが明らかであるとき 受託者及び受益者の合意 二 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき 受託者の書面又は電磁的記録によってする意思表示 3 前二項の規定にかかわらず、各信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合においては、第一項の規定は適用せず、第二項中「第一号に掲げるときは委託者に対し、第二号に掲げるときは委託者及び受益者に対し」とあるのは、「第二号に掲げるときは、受益者に対し」とする。 (債権者の異議) 第百六十条 新規信託分割をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。 ただし、新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別に催告しなければならない。 ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 新規信託分割をする旨 二 前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 三 その他法務省令で定める事項 3 前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法 二 電子公告 4 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新規信託分割について承認をしたものとみなす。 5 第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ただし、当該新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 (新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等) 第百六十一条 新規信託分割がされた場合において、第百五十九条第一項第六号の債務は、新規信託分割後の従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新規信託分割後の新たな信託の信託財産責任負担債務となる。 この場合において、従前の信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、新たな信託の信託財産限定責任負担債務となる。 第百六十二条 第百六十条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、新規信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。 ただし、第一号に定める財産に対しては新規信託分割がその効力を生ずる日における新たな信託の信託財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における従前の信託の信託財産の価額を限度とする。 一 従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権を除く。) 新規信託分割後の新たな信託の信託財産に属する財産 二 新たな信託の信託財産責任負担債務に係る債権となった債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権に限る。) 新規信託分割後の従前の信託の信託財産に属する財産 第七章 信託の終了及び清算 第一節 信託の終了 (信託の終了事由) 第百六十三条 信託は、次条の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。 一 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。 二 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が一年間継続したとき。 三 受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が一年間継続したとき。 四 受託者が第五十二条(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により信託を終了させたとき。 五 信託の併合がされたとき。 六 第百六十五条又は第百六十六条の規定により信託の終了を命ずる裁判があったとき。 七 信託財産についての破産手続開始の決定があったとき。 八 委託者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた場合において、破産法第五十三条第一項、民事再生法第四十九条第一項又は会社更生法第六十一条第一項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十一条第一項及び第二百六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による信託契約の解除がされたとき。 九 信託行為において定めた事由が生じたとき。 (委託者及び受益者の合意等による信託の終了) 第百六十四条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、信託を終了することができる。 2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に信託を終了したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 4 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。 (特別の事情による信託の終了を命ずる裁判) 第百六十五条 信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情により、信託を終了することが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合するに至ったことが明らかであるときは、裁判所は、委託者、受託者又は受益者の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 (公益の確保のための信託の終了を命ずる裁判) 第百六十六条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため信託の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより、信託の終了を命ずることができる。 一 不法な目的に基づいて信託がされたとき。 二 受託者が、法令若しくは信託行為で定めるその権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。 2 裁判所は、前項の申立てについての裁判をする場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。 ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。 3 第一項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。 4 第一項の申立てについての裁判に対しては、同項の申立てをした者又は委託者、受託者若しくは受益者に限り、即時抗告をすることができる。 5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。 6 委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人が第一項の申立てをしたときは、裁判所は、受託者の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。 7 受託者は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。 8 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第六項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。 (官庁等の法務大臣に対する通知義務) 第百六十七条 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上前条第一項の申立て又は同項第二号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。 (法務大臣の関与) 第百六十八条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。 2 法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。 3 裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。 4 第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第百六十六条第四項に規定する者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。 (信託財産に関する保全処分) 第百六十九条 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次条において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。 3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。 第百七十条 裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。 2 前項の管理人は、裁判所が監督する。 3 裁判所は、第一項の管理人に対し、信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。 4 第六十四条から第七十二条までの規定は、第一項の管理人について準用する。 この場合において、第六十五条中「前受託者」とあるのは、「受託者」と読み替えるものとする。 5 信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものに関し前条第一項の規定による保全処分(管理命令を除く。)があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記又は登録を嘱託しなければならない。 6 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。 (保全処分に関する費用の負担) 第百七十一条 裁判所が第百六十九条第一項の規定による保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、受託者の負担とする。 当該保全処分について必要な費用も、同様とする。 2 前項の保全処分又は第百六十九条第一項の申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、受託者の負担とする。 (保全処分に関する資料の閲覧等) 第百七十二条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第百七十条第三項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。 3 前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。 この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。 4 法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。 5 民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。 (保全処分に関する記録事項の閲覧等) 第百七十二条の二 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、第百七十条第三項の報告又は計算に関し裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。次項及び第三項において同じ。)に備えられたファイルに記録された事項(以下この条において「報告等記録事項」という。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。 2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、報告等記録事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。次項において同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。 3 利害関係人は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、報告等記録事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを交付し、又は報告等記録事項の全部若しくは一部を記録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が報告等記録事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。 4 前条第四項及び民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、報告等記録事項について準用する。 (新受託者の選任) 第百七十三条 裁判所は、第百六十六条第一項の規定により信託の終了を命じた場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、当該信託の清算のために新受託者を選任しなければならない。 2 前項の規定による新受託者の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 3 第一項の規定により新受託者が選任されたときは、前受託者の任務は、終了する。 4 第一項の新受託者は、信託財産から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 5 前項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判をする場合には、第一項の新受託者の陳述を聴かなければならない。 6 第四項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判に対しては、第一項の新受託者に限り、即時抗告をすることができる。 (終了した信託に係る吸収信託分割の制限) 第百七十四条 信託が終了した場合には、当該信託を承継信託とする吸収信託分割は、することができない。 第二節 信託の清算 (清算の開始原因) 第百七十五条 信託は、当該信託が終了した場合(第百六十三条第五号に掲げる事由によって終了した場合及び信託財産についての破産手続開始の決定により終了した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)には、この節の定めるところにより、清算をしなければならない。 (信託の存続の擬制) 第百七十六条 信託は、当該信託が終了した場合においても、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。 (清算受託者の職務) 第百七十七条 信託が終了した時以後の受託者(以下「清算受託者」という。)は、次に掲げる職務を行う。 一 現務の結了 二 信託財産に属する債権の取立て及び信託債権に係る債務の弁済 三 受益債権(残余財産の給付を内容とするものを除く。)に係る債務の弁済 四 残余財産の給付 (清算受託者の権限等) 第百七十八条 清算受託者は、信託の清算のために必要な一切の行為をする権限を有する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 清算受託者は、次に掲げる場合には、信託財産に属する財産を競売に付することができる。 一 受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)が信託財産に属する財産を受領することを拒み、又はこれを受領することができない場合において、相当の期間を定めてその受領の催告をしたとき。 二 受益者等の所在が不明である場合 3 前項第一号の規定により信託財産に属する財産を競売に付したときは、遅滞なく、受益者等に対しその旨の通知を発しなければならない。 4 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、第二項第一号の催告をしないで競売に付することができる。 (清算中の信託財産についての破産手続の開始) 第百七十九条 清算中の信託において、信託財産に属する財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算受託者は、直ちに信託財産についての破産手続開始の申立てをしなければならない。 2 信託財産についての破産手続開始の決定がされた場合において、清算受託者が既に信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に支払ったものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。 (条件付債権等に係る債務の弁済) 第百八十条 清算受託者は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。 この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。 2 前項の場合には、清算受託者は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。 3 第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算受託者の負担とする。 当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。 4 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第一項の規定による鑑定人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 前各項の規定は、清算受託者、受益者、信託債権者及び第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者の間に別段の合意がある場合には、適用しない。 (債務の弁済前における残余財産の給付の制限) 第百八十一条 清算受託者は、第百七十七条第二号及び第三号の債務を弁済した後でなければ、信託財産に属する財産を次条第二項に規定する残余財産受益者等に給付することができない。 ただし、当該債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。 (残余財産の帰属) 第百八十二条 残余財産は、次に掲げる者に帰属する。 一 信託行為において残余財産の給付を内容とする受益債権に係る受益者(次項において「残余財産受益者」という。)となるべき者として指定された者 二 信託行為において残余財産の帰属すべき者(以下この節において「帰属権利者」という。)となるべき者として指定された者 2 信託行為に残余財産受益者若しくは帰属権利者(以下この項において「残余財産受益者等」と総称する。)の指定に関する定めがない場合又は信託行為の定めにより残余財産受益者等として指定を受けた者のすべてがその権利を放棄した場合には、信託行為に委託者又はその相続人その他の一般承継人を帰属権利者として指定する旨の定めがあったものとみなす。 3 前二項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、残余財産は、清算受託者に帰属する。 (帰属権利者) 第百八十三条 信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 第八十八条第二項の規定は、前項に規定する帰属権利者となるべき者として指定された者について準用する。 3 信託行為の定めにより帰属権利者となった者は、受託者に対し、その権利を放棄する旨の意思表示をすることができる。 ただし、信託行為の定めにより帰属権利者となった者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。 4 前項本文に規定する帰属権利者となった者は、同項の規定による意思表示をしたときは、当初から帰属権利者としての権利を取得していなかったものとみなす。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 5 第百条及び第百二条の規定は、帰属権利者が有する債権で残余財産の給付をすべき債務に係るものについて準用する。 6 帰属権利者は、信託の清算中は、受益者とみなす。 (清算受託者の職務の終了等) 第百八十四条 清算受託者は、その職務を終了したときは、遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)及び帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)のすべてに対し、その承認を求めなければならない。 2 受益者等が前項の計算を承認した場合には、当該受益者等に対する清算受託者の責任は、免除されたものとみなす。 ただし、清算受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。 3 受益者等が清算受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者等は、同項の計算を承認したものとみなす。 第八章 受益証券発行信託の特例 第一節 総則 (受益証券の発行に関する信託行為の定め) 第百八十五条 信託行為においては、この章の定めるところにより、一又は二以上の受益権を表示する証券(以下「受益証券」という。)を発行する旨を定めることができる。 2 前項の規定は、当該信託行為において特定の内容の受益権については受益証券を発行しない旨を定めることを妨げない。 3 第一項の定めのある信託(以下「受益証券発行信託」という。)においては、信託の変更によって前二項の定めを変更することはできない。 4 第一項の定めのない信託においては、信託の変更によって同項又は第二項の定めを設けることはできない。 (受益権原簿) 第百八十六条 受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、受益権原簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この章において「受益権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。 一 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 二 各受益権に係る受益証券の番号、発行の日、受益証券が記名式か又は無記名式かの別及び無記名式の受益証券の数 三 各受益権に係る受益者(無記名受益権の受益者を除く。)の氏名又は名称及び住所 四 前号の受益者が各受益権を取得した日 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項 (受益権原簿記載事項を記載した書面の交付等) 第百八十七条 第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された受益権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該受益権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (受益権原簿管理人) 第百八十八条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿管理人(受益証券発行信託の受託者に代わって受益権原簿の作成及び備置きその他の受益権原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。 (基準日) 第百八十九条 受益証券発行信託の受託者は、一定の日(以下この条において「基準日」という。)を定めて、基準日において受益権原簿に記載され、又は記録されている受益者(以下この条において「基準日受益者」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。 2 前項の規定は、無記名受益権の受益者については、適用しない。 3 基準日を定める場合には、受益証券発行信託の受託者は、基準日受益者が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を官報に公告しなければならない。 ただし、信託行為に当該基準日及び基準日受益者が行使することができる権利の内容について定めがあるときは、この限りでない。 5 第一項、第三項及び前項本文の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益権原簿の備置き及び閲覧等) 第百九十条 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿をその住所(当該受託者が法人である場合(受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。)にあってはその主たる事務所、受益権原簿管理人が現に存する場合にあってはその営業所)に備え置かなければならない。 2 委託者、受益者その他の利害関係人は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。 この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 一 受益権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 受益権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 3 前項の請求があったときは、受益証券発行信託の受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。 一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。 二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。 三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。 四 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。 五 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。 4 第百八十六条第三号又は第四号に掲げる事項(第百八十五条第二項の定めのない受益権に係るものに限る。)について第二項の請求があった場合において、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益者に対する通知等) 第百九十一条 受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該受益者の住所(当該受益者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 3 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。 この場合においては、その者を受益者とみなして、前二項の規定を適用する。 4 前項の規定による共有者の通知がない場合には、受益証券発行信託の受託者が受益権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。 5 この法律の規定により受益証券発行信託の受託者が無記名受益権の受益者に対してすべき通知は、当該受益者のうち当該受託者に氏名又は名称及び住所の知れている者に対してすれば足りる。 この場合においては、当該受託者は、その通知すべき事項を官報に公告しなければならない。 (無記名受益権の受益者による権利の行使) 第百九十二条 無記名受益権の受益者は、受益証券発行信託の受託者その他の者に対しその権利を行使しようとするときは、その受益証券を当該受託者その他の者に提示しなければならない。 2 無記名受益権の受益者は、受益者集会において議決権を行使しようとするときは、受益者集会の日の一週間前までに、その受益証券を第百八条に規定する招集者に提示しなければならない。 (共有者による権利の行使) 第百九十三条 受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該受益権についての権利を行使する者一人を定め、受益証券発行信託の受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該受益権についての権利を行使することができない。 ただし、当該受託者が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。 第二節 受益権の譲渡等の特例 (受益証券の発行された受益権の譲渡) 第百九十四条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の譲渡は、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の譲渡の対抗要件) 第百九十五条 受益証券発行信託の受益権の譲渡は、その受益権を取得した者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権に関する前項の規定の適用については、同項中「受託者」とあるのは、「受託者その他の第三者」とする。 3 第一項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (権利の推定等) 第百九十六条 受益証券の占有者は、当該受益証券に係る受益権を適法に有するものと推定する。 2 受益証券の交付を受けた者は、当該受益証券に係る受益権についての権利を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (受益者の請求によらない受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十七条 受益証券発行信託の受託者は、次の各号に掲げる場合には、法務省令で定めるところにより、当該各号の受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益権を取得した場合において、当該受益権が消滅しなかったとき。 二 前号の受益証券発行信託の受益権を処分したとき。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合には、併合された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 3 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合には、分割された受益権について、その受益権の受益者に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 前三項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録) 第百九十八条 受益証券発行信託の受益権を受益証券発行信託の受託者以外の者から取得した者(当該受託者を除く。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した受益権の受益者として受益権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。 3 前二項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の発行された受益権の質入れ) 第百九十九条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質入れは、当該受益権に係る受益証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (受益証券発行信託における受益権の質入れの対抗要件) 第二百条 受益証券発行信託の受益権(第百八十五条第二項の定めのある受益権を除く。)の質権者は、継続して当該受益権に係る受益証券を占有しなければ、その質権をもって受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 第百八十五条第二項の定めのある受益権の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 (質権に関する受益権原簿の記載等) 第二百一条 受益証券発行信託の受益権に質権を設定した者は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 一 質権者の氏名又は名称及び住所 二 質権の目的である受益権 2 前項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (質権に関する受益権原簿の記載事項を記載した書面の交付等) 第二百二条 前条第一項各号に掲げる事項が受益権原簿に記載され、又は記録された質権者(以下この節において「登録受益権質権者」という。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該登録受益権質権者についての受益権原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 2 前項の書面には、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。 3 第一項の電磁的記録には、受益証券発行信託の受託者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (登録受益権質権者に対する通知等) 第二百三条 受益証券発行信託の受託者が登録受益権質権者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該登録受益権質権者の住所(当該登録受益権質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。 2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。 (受益権の併合又は分割に係る受益権原簿の記載等) 第二百四条 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の併合がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、併合された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、信託の変更によって受益権の分割がされた場合において、当該受益権を目的とする質権の質権者が登録受益権質権者であるときは、分割された受益権について、その質権者の氏名又は名称及び住所を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 第二百五条 受益証券発行信託の受託者は、前条第一項に規定する場合には、併合された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 2 受益証券発行信託の受託者は、前条第二項に規定する場合には、分割された受益権に係る受益証券を登録受益権質権者に引き渡さなければならない。 (受益証券の発行されない受益権についての対抗要件等) 第二百六条 第百八十五条第二項の定めのある受益権で他の信託の信託財産に属するものについては、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければ、当該受益権が信託財産に属することを受益証券発行信託の受託者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の受益権が属する他の信託の受託者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権が信託財産に属する旨を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。 3 受益権原簿に前項の規定による記載又は記録がされた場合における第百八十七条の規定の適用については、同条第一項中「第百八十五条第二項の定めのある受益権の受益者」とあるのは「第二百六条第一項の受益権が属する他の信託の受託者」と、「当該受益者」とあるのは「当該受益権」と、「記録された受益権原簿記載事項」とあるのは「記録された受益権原簿記載事項(当該受益権が信託財産に属する旨を含む。)」とする。 第三節 受益証券 (受益証券の発行) 第二百七条 受益証券発行信託の受託者は、信託行為の定めに従い、遅滞なく、当該受益権に係る受益証券を発行しなければならない。 (受益証券不所持の申出) 第二百八条 受益証券発行信託の受益者は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益者の有する受益権に係る受益証券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 2 前項の規定による申出は、その申出に係る受益権の内容を明らかにしてしなければならない。 この場合において、当該受益権に係る受益証券が発行されているときは、当該受益者は、当該受益証券を受益証券発行信託の受託者に提出しなければならない。 3 第一項の規定による申出を受けた受益証券発行信託の受託者は、遅滞なく、前項前段の受益権に係る受益証券を発行しない旨を受益権原簿に記載し、又は記録しなければならない。 4 受益証券発行信託の受託者は、前項の規定による記載又は記録をしたときは、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することができない。 5 第二項後段の規定により提出された受益証券は、第三項の規定による記載又は記録をした時において、無効となる。 6 第一項の規定による申出をした受益者は、いつでも、受益証券発行信託の受託者に対し、第二項前段の受益権に係る受益証券を発行することを請求することができる。 この場合において、同項後段の規定により提出された受益証券があるときは、受益証券の発行に要する費用は、当該受益者の負担とする。 7 前各項の規定は、無記名受益権については、適用しない。 (受益証券の記載事項) 第二百九条 受益証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 受益証券発行信託の受益証券である旨 二 当初の委託者及び受益証券発行信託の受託者の氏名又は名称及び住所 三 記名式の受益証券にあっては、受益者の氏名又は名称 四 各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項 五 受益証券発行信託の受託者に対する費用等の償還及び損害の賠償に関する信託行為の定め 六 信託報酬の計算方法並びにその支払の方法及び時期 七 記名式の受益証券をもって表示される受益権について譲渡の制限があるときは、その旨及びその内容 八 受益者の権利の行使に関する信託行為の定め(信託監督人及び受益者代理人に係る事項を含む。) 九 その他法務省令で定める事項 2 受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。 (記名式と無記名式との間の転換) 第二百十条 受益証券が発行されている受益権の受益者は、いつでも、その記名式の受益証券を無記名式とし、又はその無記名式の受益証券を記名式とすることを請求することができる。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 (受益証券の喪失) 第二百十一条 受益証券は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 2 受益証券を喪失した者は、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。 3 受益証券を喪失した者が非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、当該受益証券を喪失した者は、相当の担保を供して、受益証券発行信託の受託者に当該受益証券に係る債務を履行させることができる。 第四節 関係当事者の権利義務等の特例 (受益証券発行信託の受託者の義務の特例) 第二百十二条 受益証券発行信託においては、第二十九条第二項ただし書の規定にかかわらず、信託行為の定めにより同項本文の義務を軽減することはできない。 2 受益証券発行信託においては、第三十五条第四項の規定は、適用しない。 (受益者の権利行使の制限に関する信託行為の定めの特例) 第二百十三条 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号、第五号、第六号及び第八号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の百分の三(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の百分の三以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定による取消権 二 第三十一条第六項又は第七項の規定による取消権 三 第三十八条第一項の規定による閲覧又は謄写の請求権 四 第四十六条第一項の規定による検査役の選任の申立権 2 受益証券発行信託においては、第九十二条第一号の規定にかかわらず、次に掲げる権利の全部又は一部について、総受益者の議決権の十分の一(これを下回る割合を信託行為において定めた場合にあっては、その割合。以下この項において同じ。)以上の割合の受益権を有する受益者又は現に存する受益権の総数の十分の一以上の数の受益権を有する受益者に限り当該権利を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 一 第百五十条第一項の規定による信託の変更を命ずる裁判の申立権 二 第百六十五条第一項の規定による信託の終了を命ずる裁判の申立権 3 受益証券発行信託において、第三十九条第一項の規定による開示が同条第三項の信託行為の定めにより制限されているときは、前二項の規定は、適用しない。 4 受益証券発行信託においては、第九十二条第十一号の規定にかかわらず、六箇月(これを下回る期間を信託行為において定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き受益権を有する受益者に限り第四十四条第一項の規定による差止めの請求権を行使することができる旨の信託行為の定めを設けることができる。 (二人以上の受益者による意思決定の方法の特例) 第二百十四条 受益者が二人以上ある受益証券発行信託においては、信託行為に別段の定めがない限り、信託行為に受益者の意思決定(第九十二条各号に掲げる権利の行使に係るものを除く。)は第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがあるものとみなす。 (委託者の権利の特例) 第二百十五条 受益証券発行信託においては、この法律の規定による委託者の権利のうち次に掲げる権利は、受益者がこれを行使する。 一 第三十六条の規定による報告を求める権利 二 第五十八条第四項(第百三十四条第二項及び第百四十一条第二項において準用する場合を含む。)、第六十二条第四項(第百三十五条第一項及び第百四十二条第一項において準用する場合を含む。)、第六十三条第一項、第七十四条第二項、第百三十一条第四項、第百五十条第一項、第百六十五条第一項、第百六十六条第一項、第百六十九条第一項又は第百七十三条第一項の規定による申立権 三 第六十二条第二項、第百三十一条第二項又は第百三十八条第二項の規定による催告権 四 第百七十二条第一項、第二項若しくは第三項後段の規定による閲覧、謄写若しくは交付若しくは複製又は第百七十二条の二第一項から第三項までの規定による閲覧、複写若しくは交付若しくは提供の請求権 五 第百九十条第二項の規定による閲覧又は謄写の請求権 第九章 限定責任信託の特例 第一節 総則 (限定責任信託の要件) 第二百十六条 限定責任信託は、信託行為においてそのすべての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の定めをし、第二百三十二条の定めるところにより登記をすることによって、限定責任信託としての効力を生ずる。 2 前項の信託行為においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 委託者及び受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の主たる信託事務の処理を行うべき場所(第三節において「事務処理地」という。) 五 信託財産に属する財産の管理又は処分の方法 六 その他法務省令で定める事項 (固有財産に属する財産に対する強制執行等の制限) 第二百十七条 限定責任信託においては、信託財産責任負担債務(第二十一条第一項第八号に掲げる権利に係る債務を除く。)に係る債権に基づいて固有財産に属する財産に対し強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることはできない。 2 前項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、民事執行法第三十八条及び民事保全法第四十五条の規定を準用する。 3 第一項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者は、異議を主張することができる。 この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。 (限定責任信託の名称等) 第二百十八条 限定責任信託には、その名称中に限定責任信託という文字を用いなければならない。 2 何人も、限定責任信託でないものについて、その名称又は商号中に、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。 3 何人も、不正の目的をもって、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 4 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある限定責任信託の受託者は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (取引の相手方に対する明示義務) 第二百十九条 受託者は、限定責任信託の受託者として取引をするに当たっては、その旨を取引の相手方に示さなければ、これを当該取引の相手方に対し主張することができない。 (登記の効力) 第二百二十条 この章の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 この章の規定により登記すべき事項につき故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更) 第二百二十一条 第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされ、第二百三十五条の終了の登記がされたときは、その変更後の信託については、この章の規定は、適用しない。 第二節 計算等の特例 (帳簿等の作成等、報告及び保存の義務等の特例) 第二百二十二条 限定責任信託における帳簿その他の書類又は電磁的記録の作成、内容の報告及び保存並びに閲覧及び謄写については、第三十七条及び第三十八条の規定にかかわらず、次項から第九項までに定めるところによる。 2 受託者は、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の会計帳簿を作成しなければならない。 3 受託者は、限定責任信託の効力が生じた後速やかに、法務省令で定めるところにより、その効力が生じた日における限定責任信託の貸借対照表を作成しなければならない。 4 受託者は、毎年、法務省令で定める一定の時期において、法務省令で定めるところにより、限定責任信託の貸借対照表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。 5 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。 ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。 6 受託者は、第二項の会計帳簿を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該会計帳簿(書面に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第八項において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 7 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類又は電磁的記録(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 8 受託者は、第三項の貸借対照表及び第四項の書類又は電磁的記録(以下この項及び第二百二十四条第二項第一号において「貸借対照表等」という。)を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該貸借対照表等(書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては当該電磁的記録、電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては当該書面)を保存しなければならない。 ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。 9 限定責任信託における第三十八条の規定の適用については、同条第一項各号中「前条第一項又は第五項」とあるのは「第二百二十二条第二項又は第七項」と、同条第四項第一号及び第六項各号中「前条第二項」とあるのは「第二百二十二条第三項又は第四項」とする。 (裁判所による提出命令) 第二百二十三条 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、前条第二項から第四項までの書類の全部又は一部の提出を命ずることができる。 (受託者の第三者に対する責任) 第二百二十四条 限定責任信託において、受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 限定責任信託の受託者が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。 ただし、受託者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 貸借対照表等に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 二 虚偽の登記 三 虚偽の公告 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (受益者に対する信託財産に係る給付の制限) 第二百二十五条 限定責任信託においては、受益者に対する信託財産に係る給付は、その給付可能額(受益者に対し給付をすることができる額として純資産額の範囲内において法務省令で定める方法により算定される額をいう。以下この節において同じ。)を超えてすることはできない。 (受益者に対する信託財産に係る給付に関する責任) 第二百二十六条 受託者が前条の規定に違反して受益者に対する信託財産に係る給付をした場合には、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 当該給付の帳簿価額(以下この節において「給付額」という。)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 現に受けた個別の給付額に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、免除することができない。 ただし、当該給付をした日における給付可能額を限度として当該義務を免除することについて総受益者の同意がある場合は、この限りでない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (受益者に対する求償権の制限等) 第二百二十七条 前条第一項本文に規定する場合において、当該給付を受けた受益者は、給付額が当該給付をした日における給付可能額を超えることにつき善意であるときは、当該給付額について、受託者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。 2 前条第一項本文に規定する場合には、信託債権者は、当該給付を受けた受益者に対し、給付額(当該給付額が当該信託債権者の債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。 (欠損が生じた場合の責任) 第二百二十八条 受託者が受益者に対する信託財産に係る給付をした場合において、当該給付をした日後最初に到来する第二百二十二条第四項の時期に欠損額(貸借対照表上の負債の額が資産の額を上回る場合において、当該負債の額から当該資産の額を控除して得た額をいう。以下この項において同じ。)が生じたときは、次の各号に掲げる者は、連帯して(第二号に掲げる受益者にあっては、現に受けた個別の給付額の限度で連帯して)、当該各号に定める義務を負う。 ただし、受託者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。 一 受託者 その欠損額(当該欠損額が給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務 二 当該給付を受けた受益者 欠損額(当該欠損額が現に受けた個別の給付額を超える場合にあっては、当該給付額)に相当する金銭の受託者に対する支払の義務 2 受託者が前項第一号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、同項第二号に掲げる受益者は、当該履行された金額に同号の給付額の同項第一号の給付額に対する割合を乗じて得た金額の限度で同項第二号に定める義務を免れ、受益者が同号に定める義務の全部又は一部を履行した場合には、受託者は、当該履行された金額の限度で同項第一号に定める義務を免れる。 3 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により受益者から受託者に対し支払われた金銭は、信託財産に帰属する。 4 第一項に規定する義務は、総受益者の同意がなければ、免除することができない。 5 第一項本文に規定する場合において、同項第一号の義務を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 6 第四十五条の規定は、第一項の規定による請求に係る訴えについて準用する。 (債権者に対する公告) 第二百二十九条 限定責任信託の清算受託者は、その就任後遅滞なく、信託債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている信託債権者には、各別にこれを催告しなければならない。 ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、当該信託債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。 (債務の弁済の制限) 第二百三十条 限定責任信託の清算受託者は、前条第一項の期間内は、清算中の限定責任信託の債務の弁済をすることができない。 この場合において、清算受託者は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。 2 前項の規定にかかわらず、清算受託者は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算中の限定責任信託の信託財産に属する財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。 この場合において、当該許可の申立ては、清算受託者が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 3 清算受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。 4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。 5 第二項の規定による弁済の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 (清算からの除斥) 第二百三十一条 清算中の限定責任信託の信託債権者(知れているものを除く。)であって第二百二十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。 2 前項の規定により清算から除斥された信託債権者は、給付がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。 3 二人以上の受益者がある場合において、清算中の限定責任信託の残余財産の給付を受益者の一部に対してしたときは、当該受益者の受けた給付と同一の割合の給付を当該受益者以外の受益者に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。 第三節 限定責任信託の登記 (限定責任信託の定めの登記) 第二百三十二条 信託行為において第二百十六条第一項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、二週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。 一 限定責任信託の目的 二 限定責任信託の名称 三 受託者の氏名又は名称及び住所 四 限定責任信託の事務処理地 五 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されたときは、その氏名又は名称及び住所 六 第百六十三条第九号の規定による信託の終了についての信託行為の定めがあるときは、その定め 七 会計監査人設置信託(第二百四十八条第三項に規定する会計監査人設置信託をいう。第二百四十条第三号において同じ。)であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称 (変更の登記) 第二百三十三条 限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、二週間以内に、旧事務処理地においてはその変更の登記をし、新事務処理地においては前条各号に掲げる事項を登記しなければならない。 2 同一の登記所の管轄区域内において限定責任信託の事務処理地に変更があったときは、その変更の登記をすれば足りる。 3 前条各号(第四号を除く。)に掲げる事項に変更があったときは、二週間以内に、その変更の登記をしなければならない。 (職務執行停止の仮処分命令等の登記) 第二百三十四条 限定責任信託の受託者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その事務処理地において、その登記をしなければならない。 (終了の登記) 第二百三十五条 第百六十三条(第六号及び第七号に係る部分を除く。)若しくは第百六十四条第一項若しくは第三項の規定により限定責任信託が終了したとき、又は第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされたときは、二週間以内に、終了の登記をしなければならない。 (清算受託者の登記) 第二百三十六条 限定責任信託が終了した場合において、限定責任信託が終了した時における受託者が清算受託者となるときは、終了の日から、二週間以内に、清算受託者の氏名又は名称及び住所を登記しなければならない。 2 信託行為の定め又は第六十二条第一項若しくは第四項若しくは第百七十三条第一項の規定により清算受託者が選任されたときも、前項と同様とする。 3 第二百三十三条第三項の規定は、前二項の規定による登記について準用する。 (清算結了の登記) 第二百三十七条 限定責任信託の清算が結了したときは、第百八十四条第一項の計算の承認の日から、二週間以内に、清算結了の登記をしなければならない。 (管轄登記所及び登記簿) 第二百三十八条 限定責任信託の登記に関する事務は、限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が管轄登記所としてつかさどる。 2 登記所に、限定責任信託登記簿を備える。 (登記の申請) 第二百三十九条 第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記は受託者の申請によって、第二百三十五条から第二百三十七条までの規定による登記は清算受託者の申請によってする。 2 前項の規定にかかわらず、信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されている場合には、第二百三十二条及び第二百三十三条の規定による登記(第二百四十六条の規定によるものを除く。)は、信託財産管理者又は信託財産法人管理人の申請によってする。 (限定責任信託の定めの登記の添付書面) 第二百四十条 限定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 限定責任信託の信託行為を証する書面 二 受託者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。 三 会計監査人設置信託においては、次に掲げる書面 イ 就任を承諾したことを証する書面 ロ 会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。 ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。 ハ 会計監査人が法人でないときは、第二百四十九条第一項に規定する者であることを証する書面 (変更の登記の添付書面) 第二百四十一条 事務処理地の変更又は第二百三十二条各号(第四号を除く。)に掲げる事項の変更の登記の申請書には、事務処理地の変更又は登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 2 法人である新受託者の就任による変更の登記の申請書には、前条第二号に掲げる書面を添付しなければならない。 3 会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、前条第三号ロ又はハに掲げる書面を添付しなければならない。 (終了の登記の添付書面) 第二百四十二条 限定責任信託の終了の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。 (清算受託者の登記の添付書面) 第二百四十三条 次の各号に掲げる者が清算受託者となった場合の清算受託者の登記の申請書には、当該各号に定める書面を添付しなければならない。 一 信託行為の定めにより選任された者 次に掲げる書面 イ 当該信託行為の定めがあることを証する書面 ロ 選任された者が就任を承諾したことを証する書面 二 第六十二条第一項の規定により選任された者 次に掲げる書面 イ 第六十二条第一項の合意があったことを証する書面 ロ 前号ロに掲げる書面 三 第六十二条第四項又は第百七十三条第一項の規定により裁判所が選任した者 その選任を証する書面 2 第二百四十条(第二号に係る部分に限る。)の規定は、清算受託者が法人である場合の清算受託者の登記について準用する。 (清算受託者に関する変更の登記の添付書面) 第二百四十四条 清算受託者の退任による変更の登記の申請書には、退任を証する書面を添付しなければならない。 2 第二百三十六条第一項に規定する事項の変更の登記の申請書には、登記事項の変更を証する書面を添付しなければならない。 3 第二百四十一条第二項の規定は、法人である清算受託者の就任による変更の登記について準用する。 (清算結了の登記の添付書面) 第二百四十五条 清算結了の登記の申請書には、第百八十四条第一項の計算の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。 (裁判による登記の嘱託) 第二百四十六条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、限定責任信託の事務処理地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。 一 次に掲げる裁判があったとき。 イ 第五十八条第四項(第七十条(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人の解任の裁判 ロ 第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定による信託財産管理者又は信託財産法人管理人の選任の裁判 二 次に掲げる裁判が確定したとき。 イ 前号イに掲げる裁判を取り消す裁判 ロ 第百六十五条又は第百六十六条の規定による信託の終了を命ずる裁判 (商業登記法及び民事保全法の準用) 第二百四十七条 限定責任信託の登記については、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第二条から第五条まで、第七条から第十五条まで、第十七条から第十九条の三まで、第二十一条から第二十四条まで、第二十六条、第二十七条、第五十一条から第五十三条まで、第七十一条第一項、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条から第百四十八条まで並びに民事保全法第五十六条の規定を準用する。 この場合において、商業登記法第五十一条第一項中「本店」とあるのは「事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。以下同じ。)」と、「移転した」とあるのは「変更した」と、同項並びに同法第五十二条第二項、第三項及び第五項中「新所在地」とあるのは「新事務処理地」と、同法第五十一条第一項及び第二項並びに第五十二条中「旧所在地」とあるのは「旧事務処理地」と、同法第七十一条第一項中「解散」とあるのは「限定責任信託の終了」と、民事保全法第五十六条中「法人を代表する者その他法人の役員」とあるのは「限定責任信託の受託者又は清算受託者」と、「法人の本店又は主たる事務所の所在地(外国法人にあっては、各事務所の所在地)」とあるのは「限定責任信託の事務処理地(信託法(平成十八年法律第百八号)第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。 第十章 受益証券発行限定責任信託の特例 (会計監査人の設置等) 第二百四十八条 受益証券発行信託である限定責任信託(以下「受益証券発行限定責任信託」という。)においては、信託行為の定めにより、会計監査人を置くことができる。 2 受益証券発行限定責任信託であって最終の貸借対照表(直近の第二百二十二条第四項の時期において作成された貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であるものにおいては、会計監査人を置かなければならない。 3 第一項の信託行為の定めのある信託及び前項に規定する信託(以下「会計監査人設置信託」と総称する。)においては、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。 (会計監査人の資格等) 第二百四十九条 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。第三項第二号において同じ。)又は監査法人でなければならない。 2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを受託者に通知しなければならない。 この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。 3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。 一 公認会計士法の規定により、第二百二十二条第四項に規定する書類又は電磁的記録について監査をすることができない者 二 受託者若しくはその利害関係人から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの (会計監査人が欠けた場合の措置) 第二百五十条 会計監査人設置信託において、会計監査人が欠けたときは、委託者及び受益者は、会計監査人が欠けた時から二箇月以内に、その合意により、新たな会計監査人(以下この条において「新会計監査人」という。)を選任しなければならない。 2 前項に規定する場合において、委託者が現に存しないとき、又は会計監査人が欠けた時から二箇月を経過しても同項の合意が調わないときは、新会計監査人の選任は、受益者のみでこれをすることができる。 3 前二項に規定する場合において、受益者が二人以上あるときは、受託者(信託監督人が現に存する場合にあっては、受託者又は信託監督人)は、前二項の規定により新会計監査人を選任するため、遅滞なく、受益者集会を招集しなければならない。 4 第一項又は第二項の規定により新会計監査人が選任されたときは、当該新会計監査人について信託行為に第二百四十八条第三項の定めが設けられたものとみなす。 5 会計監査人が欠けた場合には、辞任により退任した会計監査人は、新会計監査人が選任されるまで、なお会計監査人としての権利義務を有する。 (会計監査人の辞任及び解任) 第二百五十一条 第五十七条第一項本文の規定は会計監査人の辞任について、第五十八条第一項及び第二項の規定は会計監査人の解任について、それぞれ準用する。 (会計監査人の権限等) 第二百五十二条 会計監査人は、第二百二十二条第四項の書類又は電磁的記録を監査する。 この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。 2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は受託者に対し、会計に関する報告を求めることができる。 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの 3 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。 一 第二百四十九条第三項第一号又は第二号に掲げる者 二 受託者又はその利害関係人 三 受託者又はその利害関係人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 4 会計監査人設置信託における第二百二十二条第四項、第五項及び第八項の規定の適用については、同条第四項中「作成しなければ」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けなければ」と、同条第五項中「その内容」とあるのは「その内容及び会計監査報告」と、同条第八項中「作成した場合には」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けた場合には」と、「当該書面)」とあるのは「当該書面)及び当該会計監査報告」とする。 (会計監査人の注意義務) 第二百五十三条 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。 (会計監査人の損失てん補責任等) 第二百五十四条 会計監査人がその任務を怠ったことによって信託財産に損失が生じた場合には、受益者は、当該会計監査人に対し、当該損失のてん補をすることを請求することができる。 2 前項の規定による損失のてん補として会計監査人が受託者に対し交付した金銭その他の財産は、信託財産に帰属する。 3 第四十二条(第一号に係る部分に限る。)並びに第百五条第三項及び第四項(第三号を除く。)の規定は第一項の規定による責任の免除について、第四十三条の規定は第一項の規定による責任に係る債権について、第四十五条の規定は第一項の規定による請求に係る訴えについて、それぞれ準用する。 この場合において、第百五条第四項第二号中「受託者がその任務」とあるのは、「会計監査人がその職務」と読み替えるものとする。 (会計監査人の第三者に対する責任) 第二百五十五条 会計監査人設置信託において、会計監査人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該会計監査人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 会計監査人設置信託の会計監査人が、第二百五十二条第一項の会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項について虚偽の記載又は記録をしたときも、前項と同様とする。 ただし、会計監査人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 3 前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の会計監査人があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。 (会計監査人の費用等及び報酬) 第二百五十六条 第百二十七条第一項から第五項までの規定は、会計監査人の費用及び支出の日以後におけるその利息、損害の賠償並びに報酬について準用する。 (受益者集会の特例) 第二百五十七条 会計監査人設置信託に係る信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合における第百十八条の規定の適用については、同条第一項中「同じ。)」とあるのは「同じ。)及び会計監査人」と、同条第二項中「受託者」とあるのは「受託者又は会計監査人」とする。 第十一章 受益者の定めのない信託の特例 (受益者の定めのない信託の要件) 第二百五十八条 受益者の定め(受益者を定める方法の定めを含む。以下同じ。)のない信託(公益信託に関する法律(令和六年法律第三十号)第二条第一項第一号に規定する公益信託を除く。以下この章において同じ。)は、第三条第一号又は第二号に掲げる方法によってすることができる。 2 受益者の定めのない信託においては、信託の変更によって受益者の定めを設けることはできない。 3 受益者の定めのある信託においては、信託の変更によって受益者の定めを廃止することはできない。 4 第三条第二号に掲げる方法によって受益者の定めのない信託をするときは、信託管理人を指定する定めを設けなければならない。 この場合においては、信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限する定めを設けることはできない。 5 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがあるときは、当該遺言執行者は、信託管理人を選任しなければならない。 この場合において、当該遺言執行者が信託管理人を選任したときは、当該信託管理人について信託行為に前項前段の定めが設けられたものとみなす。 6 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において信託管理人を指定する定めがない場合において、遺言執行者の定めがないとき、又は遺言執行者となるべき者として指定された者が信託管理人の選任をせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託管理人を選任することができる。 この場合において、信託管理人の選任の裁判があったときは、当該信託管理人について信託行為に第四項前段の定めが設けられたものとみなす。 7 第百二十三条第六項から第八項までの規定は、前項の申立てについての裁判について準用する。 8 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託において、信託管理人が欠けた場合であって、信託管理人が就任しない状態が一年間継続したときは、当該信託は、終了する。 (受益者の定めのない信託の存続期間) 第二百五十九条 受益者の定めのない信託の存続期間は、二十年を超えることができない。 (受益者の定めのない信託における委託者の権利) 第二百六十条 第三条第一号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託においては、委託者(委託者が二人以上ある場合にあっては、そのすべての委託者)が第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げる権利を有する旨及び受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う旨の定めが設けられたものとみなす。 この場合においては、信託の変更によってこれを変更することはできない。 2 第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託であって、第二百五十八条第五項後段又は第六項後段の規定により同条第四項前段の定めが設けられたものとみなされるものにおいては、信託の変更によって信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限することはできない。 (この法律の適用関係) 第二百六十一条 受益者の定めのない信託に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。 第十九条第一項第三号及び第三項第三号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第十九条第三項第二号 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議 受益者の定めのない信託の信託管理人と他の信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議又は受益者の定めのない各信託の信託管理人の協議 第三十条 受益者 信託の目的の達成 第三十一条第一項第四号 受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反する 受託者又はその利害関係人の利益となり、かつ、信託の目的の達成の支障となる 第三十一条第二項第四号 受益者の利益を害しない 信託の目的の達成の支障とならない 受益者との 信託の目的に関して有する 第三十二条第一項 受益者の利益に反する 信託の目的の達成の支障となる 第三十七条第四項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第三十七条第六項ただし書 受益者 委託者 第三十八条第二項第三号 受益者の共同の利益を害する 信託の目的の達成を妨げる 第五十七条第一項 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第五十八条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第五十八条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第六十二条第一項 委託者及び受益者は、その合意により 委託者は(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、その合意により) 第六十二条第三項 委託者及び受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人) 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第六十二条第四項 同項の合意に係る協議の状況 委託者の状況(信託管理人が現に存する場合にあっては、同項の合意に係る協議の状況) 第六十二条第八項 「受益者は」 「信託管理人は」 「受益者」 「信託管理人」 「受益者の状況」 「信託管理人の状況」 第百二十五条第一項 受益者のために 信託の目的の達成のために 第百二十六条第二項 受益者 信託の目的の達成 第百四十六条第一項 受託者及び受益者 受託者 第百四十六条第二項 他の委託者、受託者及び受益者 他の委託者及び受託者 第百四十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百四十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百四十九条第三項第一号 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 第百四十九条第五項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十条第一項 受益者の利益に適合しなくなる 信託の目的の達成の支障となる 第百五十一条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十一条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十一条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十五条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十五条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十五条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百五十九条第一項 委託者、受託者及び受益者 委託者及び受託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者、受託者及び信託管理人) 第百五十九条第二項(第一号を除く。) 委託者及び受益者 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人) 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合すること 信託の目的の達成のために必要であること 第百五十九条第四項 、受益者に対し 、信託管理人に対し 第百六十四条第一項 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により 委託者は、いつでも(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人は、いつでも、その合意により) 第百六十四条第二項 委託者及び受益者が 委託者(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人)が 委託者及び受益者は 委託者は 第百六十五条第一項 受益者の利益に適合する 相当となる 第二百二十二条第六項ただし書 受益者 委託者 信託管理人。 信託管理人又は委託者。 第二百二十二条第八項ただし書 受益者 委託者 第二百四十三条第一項第二号イ 合意 委託者の意思表示(信託管理人が現に存する場合にあっては、委託者及び信託管理人の合意) 2 受益者の定めのない信託に係る受託者の費用等、損害の賠償及び信託報酬については、第四十八条第五項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 3 受益者の定めのない信託に係る信託の変更については、第百四十九条第二項第一号及び第三項第二号の規定は、適用しない。 4 受益者の定めのない信託に係る信託の併合については、第百五十一条第二項第一号の規定は、適用しない。 5 受益者の定めのない信託に係る信託の分割については、第百五十五条第二項第一号及び第百五十九条第二項第一号の規定は、適用しない。 第十二章 雑則 第一節 非訟 (信託に関する非訟事件の管轄) 第二百六十二条 この法律の規定による非訟事件は、この条に特別の定めがある場合を除き、受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 3 受託者の任務の終了後新受託者の就任前におけるこの法律の規定による裁判所に対する申立てに係る事件は、前受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 4 受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とし、前受託者が二人以上ある場合における同項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。 5 第六条第一項又は第二百五十八条第六項の申立てに係る事件は、遺言者の最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 (信託に関する非訟事件の手続の特例) 第二百六十三条 この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。 (最高裁判所規則) 第二百六十四条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第二節 公告等 (法人である受託者についての公告の方法) 第二百六十五条 この法律の規定(第百五十二条第二項、第百五十六条第二項、第百六十条第二項及び第二百二十九条第一項を除く。)による公告は、受託者(受託者の任務の終了後新受託者の就任前にあっては、前受託者)が法人である場合には、当該法人における公告の方法(公告の期間を含む。)によりしなければならない。 (法人である受託者の合併等についての公告の手続等の特例) 第二百六十六条 会社法その他の法律の規定によりある法人が組織変更、合併その他の行為をするときは当該法人の債権者が当該行為について公告、催告その他の手続を経て異議を述べることができることとされている場合において、法人である受託者が当該行為をしようとするときは、受託者が信託財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、当該行為についてこれらの手続を経て異議を述べることができる債権者に含まれないものとする。 2 会社法その他の法律の規定による法人の事業の譲渡に関する規定の適用については、第三条第三号に掲げる方法によってする信託は、その適用の対象となる行為に含まれるものとする。 ただし、当該法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 第十三章 罰則 (受益証券発行限定責任信託の受託者等の贈収賄罪) 第二百六十七条 次に掲げる者が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。 一 受益証券発行限定責任信託の受託者(前受託者又は清算受託者を含む。以下同じ。) 二 受益証券発行限定責任信託の信託財産管理者 三 受益証券発行限定責任信託の民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者 四 受益証券発行限定責任信託の信託財産法人管理人 五 受益証券発行限定責任信託の信託管理人 六 受益証券発行限定責任信託の信託監督人 七 受益証券発行限定責任信託の受益者代理人 八 受益証券発行限定責任信託の検査役 九 会計監査人 2 前項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 3 第一項の場合において、犯人の収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。 (国外犯) 第二百六十八条 前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。 2 前条第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。 (法人における罰則の適用) 第二百六十九条 第二百六十七条第一項に規定する者が法人であるときは、同項の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。 (過料に処すべき行為) 第二百七十条 受託者、第六十条第一項に規定する前受託者の相続人等、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託管理人、信託監督人、受益者代理人又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 二 この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。 三 この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類又は電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写を拒んだとき。 四 この法律の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。 五 この法律の規定による調査を妨げたとき。 六 第三十七条第一項、第二項若しくは第五項の書類若しくは電磁的記録又は第百二十条の議事録(信託行為に第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがある場合に限る。)を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 七 第百五十二条第二項若しくは第五項、第百五十六条第二項若しくは第五項又は第百六十条第二項若しくは第五項の規定に違反して、信託の併合又は分割をしたとき。 八 第百七十九条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをすることを怠ったとき。 九 第百八十一条の規定に違反して、清算中の信託財産に属する財産の給付をしたとき。 2 受益証券発行信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託監督人又は受益権原簿管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第百二十条の議事録(信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合に限る。)又は第百八十六条の受益権原簿を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 二 第百八十七条第一項又は第二百二条第一項の規定に違反して、書面の交付又は電磁的記録の提供を拒んだとき。 三 第百九十条第一項の規定に違反して、第百八十六条の受益権原簿を備え置かなかったとき。 四 第二百七条の規定に違反して、遅滞なく、受益証券を発行しなかったとき。 五 第二百九条の規定に違反して、受益証券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。 3 限定責任信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者又は信託財産法人管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 第九章第三節の規定による登記をすることを怠ったとき。 二 第二百二十二条第二項の会計帳簿、同条第三項の貸借対照表又は同条第四項若しくは第七項の書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 三 清算の結了を遅延させる目的で、第二百二十九条第一項の期間を不当に定めたとき。 四 第二百三十条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。 4 会計監査人設置信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人又は信託監督人は、第二百五十条第三項の規定に違反して、会計監査人の選任の手続をすることを怠ったときは、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 第二百七十一条 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第二百十八条第一項の規定に違反して、限定責任信託の名称中に限定責任信託という文字を用いなかった者 二 第二百十八条第二項の規定に違反して、限定責任信託であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者 三 第二百十八条第三項の規定に違反して、他の限定責任信託であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
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平成十八年政令第三百三号
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公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第五十条第一項に規定する合議制の機関の組織及び運営の基準を定める政令 (趣旨) 第一条 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(以下「法」という。)第五十条第一項に規定する合議制の機関(以下単に「合議制の機関」という。)の組織及び運営の基準に関しては、この政令の定めるところによる。 (組織) 第二条 合議制の機関は、委員三人以上をもって組織するものとする。 (委員の任命) 第三条 委員は、人格が高潔であって、合議制の機関の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律、会計又は公益法人に係る活動に関して優れた識見を有する者のうちから、都道府県知事が任命するものとする。 (委員の任期) 第四条 委員の任期は、一年以上三年を超えない範囲内とし、再任されることを妨げないものとする。 (職権の行使) 第五条 委員は、独立してその職権を行うものとする。 (委員の身分保障) 第六条 委員は、合議制の機関により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められた場合又は職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められた場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがないものとする。 (委員の服務) 第七条 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないものとする。 その職を退いた後も同様とするものとする。 2 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならないものとする。 (委員長) 第八条 合議制の機関に委員長を置くものとし、委員の互選によりこれを定めるものとする。 2 委員長は、会務を総理し、合議制の機関を代表するものとする。 3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理するものとする。 (専門委員) 第九条 合議制の機関に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができるものとする。 2 専門委員は、当該専門の事項に関して十分な知識又は経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命するものとする。 (部会) 第十条 合議制の機関は、その定めるところにより、部会を置くことができるものとする。 2 部会に属すべき委員及び専門委員は、委員長が指名するものとする。 3 部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任するものとする。 4 部会長は、当該部会の事務を掌理するものとする。 5 部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理するものとする。 (議事) 第十一条 合議制の機関の会議は、委員長が招集するものとする。 2 合議制の機関は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができないものとする。 3 合議制の機関の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによるものとする。 4 前三項の規定は、部会の議事について準用するものとする。
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平成十八年法務省令第十二号
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会社法施行規則 第一編 総則 第一章 通則 (目的) 第一条 この省令は、会社法(平成十七年法律第八十六号。以下「法」という。)の委任に基づく事項その他法の施行に必要な事項を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 この省令において、「会社」、「外国会社」、「子会社」、「子会社等」、「親会社」、「親会社等」、「公開会社」、「取締役会設置会社」、「会計参与設置会社」、「監査役設置会社」、「監査役会設置会社」、「会計監査人設置会社」、「監査等委員会設置会社」、「指名委員会等設置会社」、「種類株式発行会社」、「種類株主総会」、「社外取締役」、「社外監査役」、「譲渡制限株式」、「取得条項付株式」、「単元株式数」、「新株予約権」、「新株予約権付社債」、「社債」、「配当財産」、「組織変更」、「吸収合併」、「新設合併」、「吸収分割」、「新設分割」、「株式交換」、「株式移転」、「株式交付」又は「電子公告」とは、それぞれ法第二条に規定する会社、外国会社、子会社、子会社等、親会社、親会社等、公開会社、取締役会設置会社、会計参与設置会社、監査役設置会社、監査役会設置会社、会計監査人設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社、種類株式発行会社、種類株主総会、社外取締役、社外監査役、譲渡制限株式、取得条項付株式、単元株式数、新株予約権、新株予約権付社債、社債、配当財産、組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付又は電子公告をいう。 2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 指名委員会等 法第二条第十二号に規定する指名委員会等をいう。 二 種類株主 法第二条第十四号に規定する種類株主をいう。 三 業務執行取締役 法第二条第十五号イに規定する業務執行取締役をいう。 四 業務執行取締役等 法第二条第十五号イに規定する業務執行取締役等をいう。 五 発行済株式 法第二条第三十一号に規定する発行済株式をいう。 六 電磁的方法 法第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。 七 設立時発行株式 法第二十五条第一項第一号に規定する設立時発行株式をいう。 八 有価証券 法第三十三条第十項第二号に規定する有価証券をいう。 九 銀行等 法第三十四条第二項に規定する銀行等をいう。 十 発行可能株式総数 法第三十七条第一項に規定する発行可能株式総数をいう。 十一 設立時取締役 法第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。 十二 設立時監査等委員 法第三十八条第二項に規定する設立時監査等委員をいう。 十三 監査等委員 法第三十八条第二項に規定する監査等委員をいう。 十四 設立時会計参与 法第三十八条第三項第一号に規定する設立時会計参与をいう。 十五 設立時監査役 法第三十八条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。 十六 設立時会計監査人 法第三十八条第三項第三号に規定する設立時会計監査人をいう。 十七 代表取締役 法第四十七条第一項に規定する代表取締役をいう。 十八 設立時執行役 法第四十八条第一項第二号に規定する設立時執行役をいう。 十九 設立時募集株式 法第五十八条第一項に規定する設立時募集株式をいう。 二十 設立時株主 法第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。 二十一 創立総会 法第六十五条第一項に規定する創立総会をいう。 二十二 創立総会参考書類 法第七十条第一項に規定する創立総会参考書類をいう。 二十三 種類創立総会 法第八十四条に規定する種類創立総会をいう。 二十四 発行可能種類株式総数 法第百一条第一項第三号に規定する発行可能種類株式総数をいう。 二十五 株式等 法第百七条第二項第二号ホに規定する株式等をいう。 二十六 自己株式 法第百十三条第四項に規定する自己株式をいう。 二十七 株券発行会社 法第百十七条第七項に規定する株券発行会社をいう。 二十八 株主名簿記載事項 法第百二十一条に規定する株主名簿記載事項をいう。 二十九 株主名簿管理人 法第百二十三条に規定する株主名簿管理人をいう。 三十 株式取得者 法第百三十三条第一項に規定する株式取得者をいう。 三十一 親会社株式 法第百三十五条第一項に規定する親会社株式をいう。 三十二 譲渡等承認請求者 法第百三十九条第二項に規定する譲渡等承認請求者をいう。 三十三 対象株式 法第百四十条第一項に規定する対象株式をいう。 三十四 指定買取人 法第百四十条第四項に規定する指定買取人をいう。 三十五 一株当たり純資産額 法第百四十一条第二項に規定する一株当たり純資産額をいう。 三十六 登録株式質権者 法第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者をいう。 三十七 金銭等 法第百五十一条第一項に規定する金銭等をいう。 三十八 全部取得条項付種類株式 法第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式をいう。 三十九 特別支配株主 法第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。 四十 株式売渡請求 法第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。 四十一 対象会社 法第百七十九条第二項に規定する対象会社をいう。 四十二 新株予約権売渡請求 法第百七十九条第三項に規定する新株予約権売渡請求をいう。 四十三 売渡株式 法第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。 四十四 売渡新株予約権 法第百七十九条の二第一項第四号ロに規定する売渡新株予約権をいう。 四十五 売渡株式等 法第百七十九条の二第一項第五号に規定する売渡株式等をいう。 四十六 株式等売渡請求 法第百七十九条の三第一項に規定する株式等売渡請求をいう。 四十七 売渡株主等 法第百七十九条の四第一項第一号に規定する売渡株主等をいう。 四十八 単元未満株式売渡請求 法第百九十四条第一項に規定する単元未満株式売渡請求をいう。 四十九 募集株式 法第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。 五十 株券喪失登録日 法第二百二十一条第四号に規定する株券喪失登録日をいう。 五十一 株券喪失登録 法第二百二十三条に規定する株券喪失登録をいう。 五十二 株券喪失登録者 法第二百二十四条第一項に規定する株券喪失登録者をいう。 五十三 募集新株予約権 法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。 五十四 新株予約権付社債券 法第二百四十九条第二号に規定する新株予約権付社債券をいう。 五十五 証券発行新株予約権付社債 法第二百四十九条第二号に規定する証券発行新株予約権付社債をいう。 五十六 証券発行新株予約権 法第二百四十九条第三号ニに規定する証券発行新株予約権をいう。 五十七 自己新株予約権 法第二百五十五条第一項に規定する自己新株予約権をいう。 五十八 新株予約権取得者 法第二百六十条第一項に規定する新株予約権取得者をいう。 五十九 取得条項付新株予約権 法第二百七十三条第一項に規定する取得条項付新株予約権をいう。 六十 新株予約権無償割当て 法第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当てをいう。 六十一 株主総会参考書類 法第三百一条第一項に規定する株主総会参考書類をいう。 六十二 電子提供措置 法第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をいう。 六十三 報酬等 法第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。 六十四 議事録等 法第三百七十一条第一項に規定する議事録等をいう。 六十五 執行役等 法第四百四条第二項第一号に規定する執行役等をいう。 六十六 役員等 法第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。 六十七 補償契約 法第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。 六十八 役員等賠償責任保険契約 法第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。 六十九 臨時決算日 法第四百四十一条第一項に規定する臨時決算日をいう。 七十 臨時計算書類 法第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。 七十一 連結計算書類 法第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。 七十二 分配可能額 法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額をいう。 七十三 事業譲渡等 法第四百六十八条第一項に規定する事業譲渡等をいう。 七十四 清算株式会社 法第四百七十六条に規定する清算株式会社をいう。 七十五 清算人会設置会社 法第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。 七十六 財産目録等 法第四百九十二条第一項に規定する財産目録等をいう。 七十七 各清算事務年度 法第四百九十四条第一項に規定する各清算事務年度をいう。 七十八 貸借対照表等 法第四百九十六条第一項に規定する貸借対照表等をいう。 七十九 協定債権 法第五百十五条第三項に規定する協定債権をいう。 八十 協定債権者 法第五百十七条第一項に規定する協定債権者をいう。 八十一 債権者集会参考書類 法第五百五十条第一項に規定する債権者集会参考書類をいう。 八十二 持分会社 法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。 八十三 清算持分会社 法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいう。 八十四 募集社債 法第六百七十六条に規定する募集社債をいう。 八十五 社債発行会社 法第六百八十二条第一項に規定する社債発行会社をいう。 八十六 社債原簿管理人 法第六百八十三条に規定する社債原簿管理人をいう。 八十七 社債権者集会参考書類 法第七百二十一条第一項に規定する社債権者集会参考書類をいう。 八十八 組織変更後持分会社 法第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社をいう。 八十九 社債等 法第七百四十六条第一項第七号ニに規定する社債等をいう。 九十 吸収合併消滅会社 法第七百四十九条第一項第一号に規定する吸収合併消滅会社をいう。 九十一 吸収合併存続会社 法第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社をいう。 九十二 吸収合併存続株式会社 法第七百四十九条第一項第一号に規定する吸収合併存続株式会社をいう。 九十三 吸収合併消滅株式会社 法第七百四十九条第一項第二号に規定する吸収合併消滅株式会社をいう。 九十四 吸収合併存続持分会社 法第七百五十一条第一項第一号に規定する吸収合併存続持分会社をいう。 九十五 新設合併設立会社 法第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社をいう。 九十六 新設合併消滅会社 法第七百五十三条第一項第一号に規定する新設合併消滅会社をいう。 九十七 新設合併設立株式会社 法第七百五十三条第一項第二号に規定する新設合併設立株式会社をいう。 九十八 新設合併消滅株式会社 法第七百五十三条第一項第六号に規定する新設合併消滅株式会社をいう。 九十九 吸収分割承継会社 法第七百五十七条に規定する吸収分割承継会社をいう。 百 吸収分割会社 法第七百五十八条第一号に規定する吸収分割会社をいう。 百一 吸収分割承継株式会社 法第七百五十八条第一号に規定する吸収分割承継株式会社をいう。 百二 吸収分割株式会社 法第七百五十八条第二号に規定する吸収分割株式会社をいう。 百三 吸収分割承継持分会社 法第七百六十条第一号に規定する吸収分割承継持分会社をいう。 百四 新設分割会社 法第七百六十三条第一項第五号に規定する新設分割会社をいう。 百五 新設分割株式会社 法第七百六十三条第一項第五号に規定する新設分割株式会社をいう。 百六 新設分割設立会社 法第七百六十三条第一項に規定する新設分割設立会社をいう。 百七 新設分割設立株式会社 法第七百六十三条第一項第一号に規定する新設分割設立株式会社をいう。 百八 新設分割設立持分会社 法第七百六十五条第一項第一号に規定する新設分割設立持分会社をいう。 百九 株式交換完全親会社 法第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社をいう。 百十 株式交換完全子会社 法第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全子会社をいう。 百十一 株式交換完全親株式会社 法第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全親株式会社をいう。 百十二 株式交換完全親合同会社 法第七百七十条第一項第一号に規定する株式交換完全親合同会社をいう。 百十三 株式移転設立完全親会社 法第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社をいう。 百十四 株式移転完全子会社 法第七百七十三条第一項第五号に規定する株式移転完全子会社をいう。 百十五 株式交付親会社 法第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。 百十六 株式交付子会社 法第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付子会社をいう。 百十七 吸収分割合同会社 法第七百九十三条第二項に規定する吸収分割合同会社をいう。 百十八 存続株式会社等 法第七百九十四条第一項に規定する存続株式会社等をいう。 百十九 新設分割合同会社 法第八百十三条第二項に規定する新設分割合同会社をいう。 百二十 責任追及等の訴え 法第八百四十七条第一項に規定する責任追及等の訴えをいう。 百二十一 株式交換等完全子会社 法第八百四十七条の二第一項に規定する株式交換等完全子会社をいう。 百二十二 最終完全親会社等 法第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。 百二十三 特定責任追及の訴え 法第八百四十七条の三第一項に規定する特定責任追及の訴えをいう。 百二十四 完全親会社等 法第八百四十七条の三第二項に規定する完全親会社等をいう。 百二十五 完全子会社等 法第八百四十七条の三第二項第二号に規定する完全子会社等をいう。 百二十六 特定責任 法第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。 百二十七 株式交換等完全親会社 法第八百四十九条第二項第一号に規定する株式交換等完全親会社をいう。 3 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 法人等 法人その他の団体をいう。 二 会社等 会社(外国会社を含む。)、組合(外国における組合に相当するものを含む。)その他これらに準ずる事業体をいう。 三 役員 取締役、会計参与、監査役、執行役、理事、監事その他これらに準ずる者をいう。 四 会社役員 当該株式会社の取締役、会計参与、監査役及び執行役をいう。 五 社外役員 会社役員のうち、次のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該会社役員が社外取締役又は社外監査役であること。 ロ 当該会社役員が次のいずれかの要件に該当すること。 (1) 当該会社役員が法第三百二十七条の二、第三百三十一条第六項、第三百七十三条第一項第二号、第三百九十九条の十三第五項又は第四百条第三項の社外取締役であること。 (2) 当該会社役員が法第三百三十五条第三項の社外監査役であること。 (3) 当該会社役員を当該株式会社の社外取締役又は社外監査役であるものとして計算関係書類、事業報告、株主総会参考書類その他当該株式会社が法令その他これに準ずるものの規定に基づき作成する資料に表示していること。 六 業務執行者 次に掲げる者をいう。 イ 業務執行取締役、執行役その他の法人等の業務を執行する役員(法第三百四十八条の二第一項及び第二項の規定による委託を受けた社外取締役を除く。) ロ 業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これに相当する者 ハ 使用人 七 社外取締役候補者 次に掲げるいずれにも該当する候補者をいう。 イ 当該候補者が当該株式会社の取締役に就任した場合には、社外取締役となる見込みであること。 ロ 次のいずれかの要件に該当すること。 (1) 当該候補者を法第三百二十七条の二、第三百三十一条第六項、第三百七十三条第一項第二号、第三百九十九条の十三第五項又は第四百条第三項の社外取締役であるものとする予定があること。 (2) 当該候補者を当該株式会社の社外取締役であるものとして計算関係書類、事業報告、株主総会参考書類その他株式会社が法令その他これに準ずるものの規定に基づき作成する資料に表示する予定があること。 八 社外監査役候補者 次に掲げるいずれにも該当する候補者をいう。 イ 当該候補者が当該株式会社の監査役に就任した場合には、社外監査役となる見込みであること。 ロ 次のいずれかの要件に該当すること。 (1) 当該候補者を法第三百三十五条第三項の社外監査役であるものとする予定があること。 (2) 当該候補者を当該株式会社の社外監査役であるものとして計算関係書類、事業報告、株主総会参考書類その他株式会社が法令その他これに準ずるものの規定に基づき作成する資料に表示する予定があること。 九 最終事業年度 次のイ又はロに掲げる会社の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものをいう。 イ 株式会社 法第二条第二十四号に規定する最終事業年度 ロ 持分会社 各事業年度に係る法第六百十七条第二項に規定する計算書類を作成した場合における当該各事業年度のうち最も遅いもの 十 計算書類 次のイ又はロに掲げる会社の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものをいう。 イ 株式会社 法第四百三十五条第二項に規定する計算書類 ロ 持分会社 法第六百十七条第二項に規定する計算書類 十一 計算関係書類 株式会社についての次に掲げるものをいう。 イ 成立の日における貸借対照表 ロ 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書 ハ 臨時計算書類 ニ 連結計算書類 十二 計算書類等 次のイ又はロに掲げる会社の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものをいう。 イ 株式会社 各事業年度に係る計算書類及び事業報告(法第四百三十六条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。) ロ 持分会社 法第六百十七条第二項に規定する計算書類 十三 臨時計算書類等 法第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)をいう。 十四 新株予約権等 新株予約権その他当該法人等に対して行使することにより当該法人等の株式その他の持分の交付を受けることができる権利(株式引受権(会社計算規則(平成十八年法務省令第十三号)第二条第三項第三十四号に規定する株式引受権をいう。以下同じ。)を除く。)をいう。 十五 公開買付け等 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十七条の二第六項(同法第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する公開買付け及びこれに相当する外国の法令に基づく制度をいう。 十六 社債取得者 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)をいう。 十七 信託社債 信託の受託者が発行する社債であって、信託財産(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第三項に規定する信託財産をいう。以下同じ。)のために発行するものをいう。 十八 設立時役員等 設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人をいう。 十九 特定関係事業者 次に掲げるものをいう。 イ 次の(1)又は(2)に掲げる場合の区分に応じ、当該(1)又は(2)に定めるもの (1) 当該株式会社に親会社等がある場合 当該親会社等並びに当該親会社等の子会社等(当該株式会社を除く。)及び関連会社(当該親会社等が会社でない場合におけるその関連会社に相当するものを含む。) (2) 当該株式会社に親会社等がない場合 当該株式会社の子会社及び関連会社 ロ 当該株式会社の主要な取引先である者(法人以外の団体を含む。) 二十 関連会社 会社計算規則第二条第三項第二十一号に規定する関連会社をいう。 二十一 連結配当規制適用会社 会社計算規則第二条第三項第五十五号に規定する連結配当規制適用会社をいう。 二十二 組織変更株式交換 保険業法(平成七年法律第百五号)第九十六条の五第一項に規定する組織変更株式交換をいう。 二十三 組織変更株式移転 保険業法第九十六条の八第一項に規定する組織変更株式移転をいう。 第二章 子会社等及び親会社等 (子会社及び親会社) 第三条 法第二条第三号に規定する法務省令で定めるものは、同号に規定する会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等とする。 2 法第二条第四号に規定する法務省令で定めるものは、会社等が同号に規定する株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該会社等とする。 3 前二項に規定する「財務及び事業の方針の決定を支配している場合」とは、次に掲げる場合(財務上又は事業上の関係からみて他の会社等の財務又は事業の方針の決定を支配していないことが明らかであると認められる場合を除く。)をいう(以下この項において同じ。)。 一 他の会社等(次に掲げる会社等であって、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下この項において同じ。)の議決権の総数に対する自己(その子会社及び子法人等(会社以外の会社等が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等をいう。)を含む。以下この項において同じ。)の計算において所有している議決権の数の割合が百分の五十を超えている場合 イ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等 ロ 会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社 ハ 破産法(平成十六年法律第七十五号)の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等 ニ その他イからハまでに掲げる会社等に準ずる会社等 二 他の会社等の議決権の総数に対する自己の計算において所有している議決権の数の割合が百分の四十以上である場合(前号に掲げる場合を除く。)であって、次に掲げるいずれかの要件に該当する場合 イ 他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数(次に掲げる議決権の数の合計数をいう。次号において同じ。)の割合が百分の五十を超えていること。 (1) 自己の計算において所有している議決権 (2) 自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者が所有している議決権 (3) 自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権 ロ 他の会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の総数に対する次に掲げる者(当該他の会社等の財務及び事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものに限る。)の数の割合が百分の五十を超えていること。 (1) 自己の役員 (2) 自己の業務を執行する社員 (3) 自己の使用人 (4) (1)から(3)までに掲げる者であった者 ハ 自己が他の会社等の重要な財務及び事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。 ニ 他の会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額に対する自己が行う融資(債務の保証及び担保の提供を含む。ニにおいて同じ。)の額(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を含む。)の割合が百分の五十を超えていること。 ホ その他自己が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配していることが推測される事実が存在すること。 三 他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数の割合が百分の五十を超えている場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含み、前二号に掲げる場合を除く。)であって、前号ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する場合 4 法第百三十五条第一項の親会社についての第二項の規定の適用については、同条第一項の子会社を第二項の法第二条第四号に規定する株式会社とみなす。 (子会社等及び親会社等) 第三条の二 法第二条第三号の二ロに規定する法務省令で定めるものは、同号ロに規定する者が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等とする。 2 法第二条第四号の二ロに規定する法務省令で定めるものは、ある者(会社等であるものを除く。)が同号ロに規定する株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該ある者とする。 3 前二項に規定する「財務及び事業の方針の決定を支配している場合」とは、次に掲げる場合(財務上又は事業上の関係からみて他の会社等の財務又は事業の方針の決定を支配していないことが明らかであると認められる場合を除く。)をいう(以下この項において同じ。)。 一 他の会社等(次に掲げる会社等であって、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下この項において同じ。)の議決権の総数に対する自己(その子会社等を含む。以下この項において同じ。)の計算において所有している議決権の数の割合が百分の五十を超えている場合 イ 民事再生法の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等 ロ 会社更生法の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社 ハ 破産法の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等 ニ その他イからハまでに掲げる会社等に準ずる会社等 二 他の会社等の議決権の総数に対する自己の計算において所有している議決権の数の割合が百分の四十以上である場合(前号に掲げる場合を除く。)であって、次に掲げるいずれかの要件に該当する場合 イ 他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数(次に掲げる議決権の数の合計数をいう。次号において同じ。)の割合が百分の五十を超えていること。 (1) 自己の計算において所有している議決権 (2) 自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者が所有している議決権 (3) 自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権 (4) 自己(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族が所有している議決権 ロ 他の会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の総数に対する次に掲げる者(当該他の会社等の財務及び事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものに限る。)の数の割合が百分の五十を超えていること。 (1) 自己(自然人であるものに限る。) (2) 自己の役員 (3) 自己の業務を執行する社員 (4) 自己の使用人 (5) (2)から(4)までに掲げる者であった者 (6) 自己(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族 ハ 自己が他の会社等の重要な財務及び事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。 ニ 他の会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額に対する自己が行う融資(債務の保証及び担保の提供を含む。ニにおいて同じ。)の額(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者及び自己(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族が行う融資の額を含む。)の割合が百分の五十を超えていること。 ホ その他自己が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配していることが推測される事実が存在すること。 三 他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数の割合が百分の五十を超えている場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含み、前二号に掲げる場合を除く。)であって、前号ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する場合 (特別目的会社の特則) 第四条 第三条の規定にかかわらず、特別目的会社(資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社及び事業の内容の変更が制限されているこれと同様の事業を営む事業体をいう。以下この条において同じ。)については、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、当該特別目的会社に資産を譲渡した会社の子会社に該当しないものと推定する。 一 当該特別目的会社が適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益をその発行する証券(当該証券に表示されるべき権利を含む。)の所有者(資産の流動化に関する法律第二条第十二項に規定する特定借入れに係る債権者及びこれと同様の借入れに係る債権者を含む。)に享受させることを目的として設立されていること。 二 当該特別目的会社の事業がその目的に従って適切に遂行されていること。 (株式交付子会社) 第四条の二 法第二条第三十二号の二に規定する法務省令で定めるものは、同条第三号に規定する会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合(第三条第三項第一号に掲げる場合に限る。)における当該他の会社等とする。 第二編 株式会社 第一章 設立 第一節 通則 (設立費用) 第五条 法第二十八条第四号に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 定款に係る印紙税 二 設立時発行株式と引換えにする金銭の払込みの取扱いをした銀行等に支払うべき手数料及び報酬 三 法第三十三条第三項の規定により決定された検査役の報酬 四 株式会社の設立の登記の登録免許税 (検査役の調査を要しない市場価格のある有価証券) 第六条 法第三十三条第十項第二号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって同号に規定する有価証券の価格とする方法とする。 一 法第三十条第一項の認証の日における当該有価証券を取引する市場における最終の価格(当該日に売買取引がない場合又は当該日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 法第三十条第一項の認証の日において当該有価証券が公開買付け等の対象であるときは、当該日における当該公開買付け等に係る契約における当該有価証券の価格 (銀行等) 第七条 法第三十四条第二項に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 株式会社商工組合中央金庫 二 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第三号の事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会 三 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第四号、第八十七条第一項第四号、第九十三条第一項第二号又は第九十七条第一項第二号の事業を行う漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合又は水産加工業協同組合連合会 四 信用協同組合又は中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会 五 信用金庫又は信用金庫連合会 六 労働金庫又は労働金庫連合会 七 農林中央金庫 (出資の履行の仮装に関して責任をとるべき発起人等) 第七条の二 法第五十二条の二第二項に規定する法務省令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 出資の履行(法第三十五条に規定する出資の履行をいう。次号において同じ。)の仮装に関する職務を行った発起人及び設立時取締役 二 出資の履行の仮装が創立総会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者 イ 当該創立総会に当該出資の履行の仮装に関する議案を提案した発起人 ロ イの議案の提案の決定に同意した発起人 ハ 当該創立総会において当該出資の履行の仮装に関する事項について説明をした発起人及び設立時取締役 第二節 募集設立 (申込みをしようとする者に対して通知すべき事項) 第八条 法第五十九条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 発起人が法第三十二条第一項第一号の規定により割当てを受けた設立時発行株式(出資の履行をしたものに限る。)及び引き受けた設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び種類ごとの数) 二 法第三十二条第二項の規定による決定の内容 三 株主名簿管理人を置く旨の定款の定めがあるときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 四 定款に定められた事項(法第五十九条第一項第一号から第四号まで及び前号に掲げる事項を除く。)であって、発起人に対して設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者が当該者に対して通知することを請求した事項 (招集の決定事項) 第九条 法第六十七条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 法第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項 イ 次条第一項の規定により創立総会参考書類に記載すべき事項 ロ 法第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、書面による議決権の行使の期限(創立総会の日時以前の時であって、法第六十八条第一項の規定による通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。) ハ 法第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めたときは、電磁的方法による議決権の行使の期限(創立総会の日時以前の時であって、法第六十八条第一項の規定による通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。) ニ 第十一条第一項第二号の取扱いを定めるときは、その取扱いの内容 ホ 一の設立時株主が同一の議案につき次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める規定により重複して議決権を行使した場合において、当該同一の議案に対する議決権の行使の内容が異なるものであるときにおける当該設立時株主の議決権の行使の取扱いに関する事項を定めるとき(次号に規定する場合を除く。)は、その事項 (1) 法第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合 法第七十五条第一項 (2) 法第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合 法第七十六条第一項 二 法第六十七条第一項第三号及び第四号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項 イ 法第六十八条第三項の承諾をした設立時株主の請求があった時に当該設立時株主に対して法第七十条第一項の規定による議決権行使書面(同項に規定する議決権行使書面をいう。以下この節において同じ。)の交付(当該交付に代えて行う同条第二項の規定による電磁的方法による提供を含む。)をすることとするときは、その旨 ロ 一の設立時株主が同一の議案につき法第七十五条第一項又は第七十六条第一項の規定により重複して議決権を行使した場合において、当該同一の議案に対する議決権の行使の内容が異なるものであるときにおける当該設立時株主の議決権の行使の取扱いに関する事項を定めるときは、その事項 三 第一号に規定する場合以外の場合において、次に掲げる事項が創立総会の目的である事項であるときは、当該事項に係る議案の概要 イ 設立時役員等の選任 ロ 定款の変更 (創立総会参考書類) 第十条 法第七十条第一項又は第七十一条第一項の規定により交付すべき創立総会参考書類に記載すべき事項は、次に掲げる事項とする。 一 議案及び提案の理由 二 議案が設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の選任に関する議案であるときは、当該設立時取締役についての第七十四条に規定する事項 三 議案が設立時監査等委員である設立時取締役の選任に関する議案であるときは、当該設立時監査等委員である設立時取締役についての第七十四条の三に規定する事項 四 議案が設立時会計参与の選任に関する議案であるときは、当該設立時会計参与についての第七十五条に規定する事項 五 議案が設立時監査役の選任に関する議案であるときは、当該設立時監査役についての第七十六条に規定する事項 六 議案が設立時会計監査人の選任に関する議案であるときは、当該設立時会計監査人についての第七十七条に規定する事項 七 議案が設立時役員等の解任に関する議案であるときは、解任の理由 八 前各号に掲げるもののほか、設立時株主の議決権の行使について参考となると認める事項 2 法第六十七条第一項第三号及び第四号に掲げる事項を定めた発起人が行った創立総会参考書類の交付(当該交付に代えて行う電磁的方法による提供を含む。)は、法第七十条第一項及び第七十一条第一項の規定による創立総会参考書類の交付とする。 (議決権行使書面) 第十一条 法第七十条第一項の規定により交付すべき議決権行使書面に記載すべき事項又は法第七十一条第三項若しくは第四項の規定により電磁的方法により提供すべき議決権行使書面に記載すべき事項は、次に掲げる事項とする。 一 各議案(次のイ又はロに掲げる場合にあっては、当該イ又はロに定めるもの)についての賛否(棄権の欄を設ける場合にあっては、棄権を含む。)を記載する欄 イ 二以上の設立時役員等の選任に関する議案である場合 各候補者の選任 ロ 二以上の設立時役員等の解任に関する議案である場合 各設立時役員等の解任 二 第九条第一号ニに掲げる事項を定めたときは、前号の欄に記載がない議決権行使書面が発起人に提出された場合における各議案についての賛成、反対又は棄権のいずれかの意思の表示があったものとする取扱いの内容 三 第九条第一号ホ又は第二号ロに掲げる事項を定めたときは、当該事項 四 議決権の行使の期限 五 議決権を行使すべき設立時株主の氏名又は名称及び行使することができる議決権の数(次のイ又はロに掲げる場合にあっては、当該イ又はロに定める事項を含む。) イ 議案ごとに行使することができる議決権の数が異なる場合 議案ごとの議決権の数 ロ 一部の議案につき議決権を行使することができない場合 議決権を行使することができる議案又は議決権を行使することができない議案 2 第九条第二号イに掲げる事項を定めた場合には、発起人は、法第六十八条第三項の承諾をした設立時株主の請求があった時に、当該設立時株主に対して、法第七十条第一項の規定による議決権行使書面の交付(当該交付に代えて行う同条第二項の規定による電磁的方法による提供を含む。)をしなければならない。 (実質的に支配することが可能となる関係) 第十二条 法第七十二条第一項に規定する法務省令で定める設立時株主は、成立後の株式会社(当該株式会社の子会社を含む。)が、当該成立後の株式会社の株主となる設立時株主である会社等の議決権(法第三百八条第一項その他これに準ずる法以外の法令(外国の法令を含む。)の規定により行使することができないとされる議決権を含み、役員等(会計監査人を除く。)の選任及び定款の変更に関する議案(これらの議案に相当するものを含む。)の全部につき株主総会(これに相当するものを含む。)において議決権を行使することができない株式(これに相当するものを含む。)に係る議決権を除く。)の総数の四分の一以上を有することとなる場合における当該成立後の株式会社の株主となる設立時株主である会社等(当該設立時株主であるもの以外の者が当該創立総会の議案につき議決権を行使することができない場合(当該議案を決議する場合に限る。)における当該設立時株主を除く。)とする。 (書面による議決権行使の期限) 第十三条 法第七十五条第一項に規定する法務省令で定める時は、第九条第一号ロの行使の期限とする。 (電磁的方法による議決権行使の期限) 第十四条 法第七十六条第一項に規定する法務省令で定める時は、第九条第一号ハの行使の期限とする。 (発起人の説明義務) 第十五条 法第七十八条に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 設立時株主が説明を求めた事項について説明をするために調査をすることが必要である場合(次に掲げる場合を除く。) イ 当該設立時株主が創立総会の日より相当の期間前に当該事項を発起人に対して通知した場合 ロ 当該事項について説明をするために必要な調査が著しく容易である場合 二 設立時株主が説明を求めた事項について説明をすることにより成立後の株式会社その他の者(当該設立時株主を除く。)の権利を侵害することとなる場合 三 設立時株主が当該創立総会において実質的に同一の事項について繰り返して説明を求める場合 四 前三号に掲げる場合のほか、設立時株主が説明を求めた事項について説明をしないことにつき正当な事由がある場合 (創立総会の議事録) 第十六条 法第八十一条第一項の規定による創立総会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 創立総会の議事録は、書面又は電磁的記録(法第二十六条第二項に規定する電磁的記録をいう。第七編第四章第二節を除き、以下同じ。)をもって作成しなければならない。 3 創立総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 創立総会が開催された日時及び場所 二 創立総会の議事の経過の要領及びその結果 三 創立総会に出席した発起人、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時執行役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の氏名又は名称 四 創立総会の議長が存するときは、議長の氏名 五 議事録の作成に係る職務を行った発起人の氏名又は名称 4 次の各号に掲げる場合には、創立総会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。 一 法第八十二条第一項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項 イ 創立総会の決議があったものとみなされた事項の内容 ロ イの事項の提案をした者の氏名又は名称 ハ 創立総会の決議があったものとみなされた日 ニ 議事録の作成に係る職務を行った発起人の氏名又は名称 二 法第八十三条の規定により創立総会への報告があったものとみなされた場合 次に掲げる事項 イ 創立総会への報告があったものとみなされた事項の内容 ロ 創立総会への報告があったものとみなされた日 ハ 議事録の作成に係る職務を行った発起人の氏名又は名称 (種類創立総会) 第十七条 次の各号に掲げる規定は、当該各号に定めるものについて準用する。 一 第九条 法第八十六条において準用する法第六十七条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項 二 第十条 種類創立総会の創立総会参考書類 三 第十一条 種類創立総会の議決権行使書面 四 第十二条 法第八十六条において準用する法第七十二条第一項に規定する法務省令で定める設立時株主 五 第十三条 法第八十六条において準用する法第七十五条第一項に規定する法務省令で定める時 六 第十四条 法第八十六条において準用する法第七十六条第一項に規定する法務省令で定める時 七 第十五条 法第八十六条において準用する法第七十八条に規定する法務省令で定める場合 八 前条 法第八十六条において準用する法第八十一条第一項の規定による議事録の作成 (累積投票による設立時取締役の選任) 第十八条 法第八十九条第五項の規定により法務省令で定めるべき事項は、この条の定めるところによる。 2 法第八十九条第一項の規定による請求があった場合には、発起人(創立総会の議長が存する場合にあっては、議長)は、同項の創立総会における設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この条において同じ。)の選任の決議に先立ち、法第八十九条第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任することを明らかにしなければならない。 3 法第八十九条第四項の場合において、投票の同数を得た者が二人以上存することにより同条第一項の創立総会において選任する設立時取締役の数の設立時取締役について投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとすることができないときは、当該創立総会において選任する設立時取締役の数以下の数であって投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとすることができる数の範囲内で、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。 4 前項に規定する場合において、法第八十九条第一項の創立総会において選任する設立時取締役の数から前項の規定により設立時取締役に選任されたものとされた者の数を減じて得た数の設立時取締役は、同条第三項及び第四項に規定するところによらないで、創立総会の決議により選任する。 (払込みの仮装に関して責任をとるべき発起人等) 第十八条の二 法第百三条第二項に規定する法務省令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 払込み(法第六十三条第一項の規定による払込みをいう。次号において同じ。)の仮装に関する職務を行った発起人及び設立時取締役 二 払込みの仮装が創立総会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者 イ 当該創立総会に当該払込みの仮装に関する議案を提案した発起人 ロ イの議案の提案の決定に同意した発起人 ハ 当該創立総会において当該払込みの仮装に関する事項について説明をした発起人及び設立時取締役 第二章 株式 第一節 総則 (種類株主総会における取締役又は監査役の選任) 第十九条 法第百八条第二項第九号ニに規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)を選任することができる場合にあっては、次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会において社外取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である社外取締役又はそれ以外の社外取締役。イ及びロにおいて同じ。)を選任しなければならないこととするときは、その旨及び選任しなければならない社外取締役の数 ロ イの定めにより選任しなければならない社外取締役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する社外取締役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 二 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において監査役を選任することができる場合にあっては、次に掲げる事項 イ 当該種類株主総会において社外監査役を選任しなければならないこととするときは、その旨及び選任しなければならない社外監査役の数 ロ イの定めにより選任しなければならない社外監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する社外監査役の数 ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項 (種類株式の内容) 第二十条 法第百八条第三項に規定する法務省令で定める事項は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる種類の株式の内容のうち、当該各号に定める事項以外の事項とする。 一 剰余金の配当 配当財産の種類 二 残余財産の分配 残余財産の種類 三 株主総会において議決権を行使することができる事項 法第百八条第二項第三号イに掲げる事項 四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 法第百七条第二項第一号イに掲げる事項 五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項 イ 法第百七条第二項第二号イに掲げる事項 ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該種類の株主に対して交付する財産の種類 六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項 イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその株式を取得する旨 ロ 法第百七条第二項第三号ロに規定する場合における同号イの事由 ハ 法第百七条第二項第三号ハに掲げる事項(当該種類の株式の株主の有する当該種類の株式の数に応じて定めるものを除く。) ニ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該種類の株主に対して交付する財産の種類 七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 法第百八条第二項第七号イに掲げる事項 八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 法第百八条第二項第八号イに掲げる事項 九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)又は監査役を選任すること 法第百八条第二項第九号イ及びロに掲げる事項 2 次に掲げる事項は、前項の株式の内容に含まれるものと解してはならない。 一 法第百六十四条第一項に規定する定款の定め 二 法第百六十七条第三項に規定する定款の定め 三 法第百六十八条第一項及び第百六十九条第二項に規定する定款の定め 四 法第百七十四条に規定する定款の定め 五 法第百八十九条第二項及び第百九十四条第一項に規定する定款の定め 六 法第百九十九条第四項及び第二百三十八条第四項に規定する定款の定め (利益の供与に関して責任をとるべき取締役等) 第二十一条 法第百二十条第四項に規定する法務省令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 利益の供与(法第百二十条第一項に規定する利益の供与をいう。以下この条において同じ。)に関する職務を行った取締役及び執行役 二 利益の供与が取締役会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者 イ 当該取締役会の決議に賛成した取締役 ロ 当該取締役会に当該利益の供与に関する議案を提案した取締役及び執行役 三 利益の供与が株主総会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者 イ 当該株主総会に当該利益の供与に関する議案を提案した取締役 ロ イの議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) ハ イの議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 ニ 当該株主総会において当該利益の供与に関する事項について説明をした取締役及び執行役 第二節 株式の譲渡等 (株主名簿記載事項の記載等の請求) 第二十二条 法第百三十三条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 株式取得者が、株主として株主名簿に記載若しくは記録がされた者又はその一般承継人に対して当該株式取得者の取得した株式に係る法第百三十三条第一項の規定による請求をすべきことを命ずる確定判決を得た場合において、当該確定判決の内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 二 株式取得者が前号の確定判決と同一の効力を有するものの内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 三 株式取得者が指定買取人である場合において、譲渡等承認請求者に対して売買代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 四 株式取得者が一般承継により当該株式会社の株式を取得した者である場合において、当該一般承継を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 五 株式取得者が当該株式会社の株式を競売により取得した者である場合において、当該競売により取得したことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 六 株式取得者が株式売渡請求により当該株式会社の発行する売渡株式の全部を取得した者である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 七 株式取得者が株式交換(組織変更株式交換を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 八 株式取得者が株式移転(組織変更株式移転を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した株式会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 九 株式取得者が法第百九十七条第一項の株式を取得した者である場合において、同条第二項の規定による売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 十 株式取得者が株券喪失登録者である場合において、当該株式取得者が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日以降に、請求をしたとき(株券喪失登録が当該日前に抹消された場合を除く。)。 十一 株式取得者が法第二百三十四条第二項(法第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による売却に係る株式を取得した者である場合において、当該売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社が株券発行会社である場合には、法第百三十三条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 株式取得者が株券を提示して請求をした場合 二 株式取得者が株式売渡請求により当該株式会社の発行する売渡株式の全部を取得した者である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 三 株式取得者が株式交換(組織変更株式交換を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 四 株式取得者が株式移転(組織変更株式移転を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した株式会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 五 株式取得者が法第百九十七条第一項の株式を取得した者である場合において、同項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 六 株式取得者が法第二百三十四条第一項若しくは第二百三十五条第一項の規定による競売又は法第二百三十四条第二項(法第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による売却に係る株式を取得した者である場合において、当該競売又は当該売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 (子会社による親会社株式の取得) 第二十三条 法第百三十五条第二項第五号に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 吸収分割(法以外の法令(外国の法令を含む。以下この条において同じ。)に基づく吸収分割に相当する行為を含む。)に際して親会社株式の割当てを受ける場合 二 株式交換(法以外の法令に基づく株式交換に相当する行為を含む。)に際してその有する自己の株式(持分その他これに準ずるものを含む。以下この条において同じ。)と引換えに親会社株式の割当てを受ける場合 三 株式移転(法以外の法令に基づく株式移転に相当する行為を含む。)に際してその有する自己の株式と引換えに親会社株式の割当てを受ける場合 四 他の法人等が行う株式交付(法以外の法令に基づく株式交付に相当する行為を含む。)に際して親会社株式の割当てを受ける場合 五 親会社株式を無償で取得する場合 六 その有する他の法人等の株式につき当該他の法人等が行う剰余金の配当又は残余財産の分配(これらに相当する行為を含む。)により親会社株式の交付を受ける場合 七 その有する他の法人等の株式につき当該他の法人等が行う次に掲げる行為に際して当該株式と引換えに当該親会社株式の交付を受ける場合 イ 組織の変更 ロ 合併 ハ 株式交換(法以外の法令に基づく株式交換に相当する行為を含む。) ニ 株式移転(法以外の法令に基づく株式移転に相当する行為を含む。) ホ 取得条項付株式(これに相当する株式を含む。)の取得 ヘ 全部取得条項付種類株式(これに相当する株式を含む。)の取得 八 その有する他の法人等の新株予約権等を当該他の法人等が当該新株予約権等の定めに基づき取得することと引換えに親会社株式の交付をする場合において、当該親会社株式の交付を受けるとき。 九 法第百三十五条第一項の子会社である者(会社を除く。)が行う次に掲げる行為に際して当該者がその対価として親会社株式を交付するために、その対価として交付すべき当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得する場合 イ 組織の変更 ロ 合併 ハ 法以外の法令に基づく吸収分割に相当する行為による他の法人等がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 ニ 法以外の法令に基づく株式交換に相当する行為による他の法人等が発行している株式の全部の取得 十 他の法人等(会社及び外国会社を除く。)の事業の全部を譲り受ける場合において、当該他の法人等の有する親会社株式を譲り受けるとき。 十一 合併後消滅する法人等(会社を除く。)から親会社株式を承継する場合 十二 吸収分割又は新設分割に相当する行為により他の法人等(会社を除く。)から親会社株式を承継する場合 十三 親会社株式を発行している株式会社(連結配当規制適用会社に限る。)の他の子会社から当該親会社株式を譲り受ける場合 十四 その権利の実行に当たり目的を達成するために親会社株式を取得することが必要かつ不可欠である場合(前各号に掲げる場合を除く。) (株式取得者からの承認の請求) 第二十四条 法第百三十七条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 株式取得者が、株主として株主名簿に記載若しくは記録がされた者又はその一般承継人に対して当該株式取得者の取得した株式に係る法第百三十七条第一項の規定による請求をすべきことを命ずる確定判決を得た場合において、当該確定判決の内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 二 株式取得者が前号の確定判決と同一の効力を有するものの内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 三 株式取得者が当該株式会社の株式を競売により取得した者である場合において、当該競売により取得したことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 四 株式取得者が組織変更株式交換により当該株式会社の株式の全部を取得した会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 五 株式取得者が株式移転(組織変更株式移転を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した株式会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 六 株式取得者が法第百九十七条第一項の株式を取得した者である場合において、同条第二項の規定による売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 七 株式取得者が株券喪失登録者である場合において、当該株式取得者が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日以降に、請求をしたとき(株券喪失登録が当該日前に抹消された場合を除く。)。 八 株式取得者が法第二百三十四条第二項(法第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による売却に係る株式を取得した者である場合において、当該売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社が株券発行会社である場合には、法第百三十七条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 株式取得者が株券を提示して請求をした場合 二 株式取得者が組織変更株式交換により当該株式会社の株式の全部を取得した会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 三 株式取得者が株式移転(組織変更株式移転を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した株式会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。 四 株式取得者が法第百九十七条第一項の株式を取得した者である場合において、同項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 五 株式取得者が法第二百三十四条第一項若しくは第二百三十五条第一項の規定による競売又は法第二百三十四条第二項(法第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による売却に係る株式を取得した者である場合において、当該競売又は当該売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 (一株当たり純資産額) 第二十五条 法第百四十一条第二項に規定する法務省令で定める方法は、基準純資産額を基準株式数で除して得た額に一株当たり純資産額を算定すべき株式についての株式係数を乗じて得た額をもって当該株式の一株当たりの純資産額とする方法とする。 2 当該株式会社が算定基準日において清算株式会社である場合における前項の規定の適用については、同項中「基準純資産額」とあるのは、「法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表の資産の部に計上した額から負債の部に計上した額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)」とする。 3 第一項に規定する「基準純資産額」とは、算定基準日における第一号から第七号までに掲げる額の合計額から第八号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)をいう。 一 資本金の額 二 資本準備金の額 三 利益準備金の額 四 法第四百四十六条に規定する剰余金の額 五 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの))の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式会社の成立の日)における評価・換算差額等に係る額 六 株式引受権の帳簿価額 七 新株予約権の帳簿価額 八 自己株式及び自己新株予約権の帳簿価額の合計額 4 第一項に規定する「基準株式数」とは、次に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める数をいう。 一 種類株式発行会社でない場合 発行済株式(自己株式を除く。)の総数 二 種類株式発行会社である場合 株式会社が発行している各種類の株式(自己株式を除く。)の数に当該種類の株式に係る株式係数を乗じて得た数の合計数 5 第一項及び前項第二号に規定する「株式係数」とは、一(種類株式発行会社において、定款である種類の株式についての第一項及び前項の適用に関して当該種類の株式一株を一とは異なる数の株式として取り扱うために一以外の数を定めた場合にあっては、当該数)をいう。 6 第二項及び第三項に規定する「算定基準日」とは、次の各号に掲げる規定に規定する一株当たり純資産額を算定する場合における当該各号に定める日をいう。 一 法第百四十一条第二項 同条第一項の規定による通知の日 二 法第百四十二条第二項 同条第一項の規定による通知の日 三 法第百四十四条第五項 法第百四十一条第一項の規定による通知の日 四 法第百四十四条第七項において準用する同条第五項 法第百四十二条第一項の規定による通知の日 五 法第百六十七条第三項第二号 法第百六十六条第一項本文の規定による請求の日 六 法第百九十三条第五項 法第百九十二条第一項の規定による請求の日 七 法第百九十四条第四項において準用する法第百九十三条第五項 単元未満株式売渡請求の日 八 法第二百八十三条第二号 新株予約権の行使の日 九 法第七百九十六条第二項第一号イ 吸収合併契約、吸収分割契約又は株式交換契約を締結した日(当該契約により当該契約を締結した日と異なる時(当該契約を締結した日後から当該吸収合併、吸収分割又は株式交換の効力が生ずる時の直前までの間の時に限る。)を定めた場合にあっては、当該時) 十 法第八百十六条の四第一項第一号イ 株式交付計画を作成した日(当該株式交付計画により当該株式交付計画を作成した日と異なる時(当該株式交付計画を作成した日後から当該株式交付の効力が生ずる時の直前までの間の時に限る。)を定めた場合にあっては、当該時) 十一 第三十三条第二号 法第百六十六条第一項本文の規定による請求の日 (承認したものとみなされる場合) 第二十六条 法第百四十五条第三号に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 株式会社が法第百三十九条第二項の規定による通知の日から四十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に法第百四十一条第一項の規定による通知をした場合において、当該期間内に譲渡等承認請求者に対して同条第二項の書面を交付しなかったとき(指定買取人が法第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に法第百四十二条第一項の規定による通知をした場合を除く。)。 二 指定買取人が法第百三十九条第二項の規定による通知の日から十日(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に法第百四十二条第一項の規定による通知をした場合において、当該期間内に譲渡等承認請求者に対して同条第二項の書面を交付しなかったとき。 三 譲渡等承認請求者が当該株式会社又は指定買取人との間の対象株式に係る売買契約を解除した場合 第三節 株式会社による自己の株式の取得 (自己の株式を取得することができる場合) 第二十七条 法第百五十五条第十三号に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 当該株式会社の株式を無償で取得する場合 二 当該株式会社が有する他の法人等の株式(持分その他これに準ずるものを含む。以下この条において同じ。)につき当該他の法人等が行う剰余金の配当又は残余財産の分配(これらに相当する行為を含む。)により当該株式会社の株式の交付を受ける場合 三 当該株式会社が有する他の法人等の株式につき当該他の法人等が行う次に掲げる行為に際して当該株式と引換えに当該株式会社の株式の交付を受ける場合 イ 組織の変更 ロ 合併 ハ 株式交換(法以外の法令(外国の法令を含む。)に基づく株式交換に相当する行為を含む。) ニ 取得条項付株式(これに相当する株式を含む。)の取得 ホ 全部取得条項付種類株式(これに相当する株式を含む。)の取得 四 当該株式会社が有する他の法人等の新株予約権等を当該他の法人等が当該新株予約権等の定めに基づき取得することと引換えに当該株式会社の株式の交付をする場合において、当該株式会社の株式の交付を受けるとき。 五 当該株式会社が法第百十六条第五項、第百八十二条の四第四項、第四百六十九条第五項、第七百八十五条第五項、第七百九十七条第五項、第八百六条第五項又は第八百十六条の六第五項(これらの規定を株式会社について他の法令において準用する場合を含む。)に規定する株式買取請求に応じて当該株式会社の株式を取得する場合 六 合併後消滅する法人等(会社を除く。)から当該株式会社の株式を承継する場合 七 他の法人等(会社及び外国会社を除く。)の事業の全部を譲り受ける場合において、当該他の法人等の有する当該株式会社の株式を譲り受けるとき。 八 その権利の実行に当たり目的を達成するために当該株式会社の株式を取得することが必要かつ不可欠である場合(前各号に掲げる場合を除く。) (特定の株主から自己の株式を取得する際の通知時期) 第二十八条 法第百六十条第二項に規定する法務省令で定める時は、法第百五十六条第一項の株主総会の日の二週間前とする。 ただし、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める時とする。 一 法第二百九十九条第一項の規定による通知を発すべき時が当該株主総会の日の二週間を下回る期間(一週間以上の期間に限る。)前である場合 当該通知を発すべき時 二 法第二百九十九条第一項の規定による通知を発すべき時が当該株主総会の日の一週間を下回る期間前である場合 当該株主総会の日の一週間前 三 法第三百条の規定により招集の手続を経ることなく当該株主総会を開催する場合 当該株主総会の日の一週間前 (議案の追加の請求の時期) 第二十九条 法第百六十条第三項に規定する法務省令で定める時は、法第百五十六条第一項の株主総会の日の五日(定款でこれを下回る期間を定めた場合にあっては、その期間)前とする。 ただし、前条各号に掲げる場合には、三日(定款でこれを下回る期間を定めた場合にあっては、その期間)前とする。 (市場価格を超えない額の対価による自己の株式の取得) 第三十条 法第百六十一条に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって同条に規定する株式の価格とする方法とする。 一 法第百五十六条第一項の決議の日の前日における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該日に売買取引がない場合又は当該日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 法第百五十六条第一項の決議の日の前日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは、当該日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格 (取得請求権付株式の行使により株式の数に端数が生ずる場合) 第三十一条 法第百六十七条第三項第一号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって同号に規定する株式の価格とする方法とする。 一 法第百六十六条第一項の規定による請求の日(以下この条において「請求日」という。)における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該請求日に売買取引がない場合又は当該請求日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 請求日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは、当該請求日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格 (取得請求権付株式の行使により市場価格のある社債等に端数が生ずる場合) 第三十二条 法第百六十七条第四項において準用する同条第三項第一号に規定する法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該財産の価格とする方法とする。 一 社債(新株予約権付社債についてのものを除く。以下この号において同じ。) 法第百六十六条第一項の規定による請求の日(以下この条において「請求日」という。)における当該社債を取引する市場における最終の価格(当該請求日に売買取引がない場合又は当該請求日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債。以下この号において同じ。) 次に掲げる額のうちいずれか高い額 イ 請求日における当該新株予約権を取引する市場における最終の価格(当該請求日に売買取引がない場合又は当該請求日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) ロ 請求日において当該新株予約権が公開買付け等の対象であるときは、当該請求日における当該公開買付け等に係る契約における当該新株予約権の価格 (取得請求権付株式の行使により市場価格のない社債等に端数が生ずる場合) 第三十三条 法第百六十七条第四項において準用する同条第三項第二号に規定する法務省令で定める額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額とする。 一 社債について端数がある場合 当該社債の金額 二 新株予約権について端数がある場合 当該新株予約権につき会計帳簿に付すべき価額(当該価額を算定することができないときは、当該新株予約権の目的である各株式についての一株当たり純資産額の合計額から当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)) (全部取得条項付種類株式の取得に関する事前開示事項) 第三十三条の二 法第百七十一条の二第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 取得対価(法第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価をいう。以下この条において同じ。)の相当性に関する事項 二 取得対価について参考となるべき事項 三 計算書類等に関する事項 四 備置開始日(法第百七十一条の二第一項各号に掲げる日のいずれか早い日をいう。第四項第一号において同じ。)後株式会社が全部取得条項付種類株式の全部を取得する日までの間に、前三号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 2 前項第一号に規定する「取得対価の相当性に関する事項」とは、次に掲げる事項その他の法第百七十一条第一項第一号及び第二号に掲げる事項についての定め(当該定めがない場合にあっては、当該定めがないこと)の相当性に関する事項とする。 一 取得対価の総数又は総額の相当性に関する事項 二 取得対価として当該種類の財産を選択した理由 三 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社に親会社等がある場合には、当該株式会社の株主(当該親会社等を除く。)の利益を害さないように留意した事項(当該事項がない場合にあっては、その旨) 四 法第二百三十四条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における次に掲げる事項 イ 次に掲げる事項その他の当該処理の方法に関する事項 (1) 法第二百三十四条第一項又は第二項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由 (2) 法第二百三十四条第一項の規定による処理を予定している場合には、競売の申立てをする時期の見込み(当該見込みに関する取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会。(3)及び(4)において同じ。)の判断及びその理由を含む。) (3) 法第二百三十四条第二項の規定による処理(市場において行う取引による売却に限る。)を予定している場合には、売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み(当該見込みに関する取締役の判断及びその理由を含む。) (4) 法第二百三十四条第二項の規定による処理(市場において行う取引による売却を除く。)を予定している場合には、売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称、当該者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性並びに売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み(当該見込みに関する取締役の判断及びその理由を含む。) ロ 当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の相当性に関する事項 3 第一項第二号に規定する「取得対価について参考となるべき事項」とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項その他これに準ずる事項(法第百七十一条の二第一項に規定する書面又は電磁的記録にこれらの事項の全部又は一部の記載又は記録をしないことにつき全部取得条項付種類株式を取得する株式会社の総株主の同意がある場合にあっては、当該同意があったものを除く。)とする。 一 取得対価の全部又は一部が当該株式会社の株式である場合 次に掲げる事項 イ 当該株式の内容 ロ 次に掲げる事項その他の取得対価の換価の方法に関する事項 (1) 取得対価を取引する市場 (2) 取得対価の取引の媒介、取次ぎ又は代理を行う者 (3) 取得対価の譲渡その他の処分に制限があるときは、その内容 ハ 取得対価に市場価格があるときは、その価格に関する事項 二 取得対価の全部又は一部が法人等の株式、持分その他これらに準ずるもの(当該株式会社の株式を除く。)である場合 次に掲げる事項(当該事項が日本語以外の言語で表示されている場合にあっては、当該事項(氏名又は名称を除く。)を日本語で表示した事項) イ 当該法人等の定款その他これに相当するものの定め ロ 当該法人等が会社でないときは、次に掲げる権利に相当する権利その他の取得対価に係る権利(重要でないものを除く。)の内容 (1) 剰余金の配当を受ける権利 (2) 残余財産の分配を受ける権利 (3) 株主総会における議決権 (4) 合併その他の行為がされる場合において、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求する権利 (5) 定款その他の資料(当該資料が電磁的記録をもって作成されている場合にあっては、当該電磁的記録に記録された事項を表示したもの)の閲覧又は謄写を請求する権利 ハ 当該法人等が、その株主、社員その他これらに相当する者(以下この号において「株主等」という。)に対し、日本語以外の言語を使用して情報の提供をすることとされているときは、当該言語 ニ 当該株式会社が全部取得条項付種類株式の全部を取得する日に当該法人等の株主総会その他これに相当するものの開催があるものとした場合における当該法人等の株主等が有すると見込まれる議決権その他これに相当する権利の総数 ホ 当該法人等について登記(当該法人等が外国の法令に準拠して設立されたものである場合にあっては、法第九百三十三条第一項の外国会社の登記又は外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律(明治三十一年法律第十四号)第二条の外国法人の登記に限る。)がされていないときは、次に掲げる事項 (1) 当該法人等を代表する者の氏名又は名称及び住所 (2) 当該法人等の役員((1)の者を除く。)の氏名又は名称 ヘ 当該法人等の最終事業年度(当該法人等が会社以外のものである場合にあっては、最終事業年度に相当するもの。以下この号において同じ。)に係る計算書類(最終事業年度がない場合にあっては、当該法人等の成立の日における貸借対照表)その他これに相当するものの内容(当該計算書類その他これに相当するものについて監査役、監査等委員会、監査委員会、会計監査人その他これらに相当するものの監査を受けている場合にあっては、監査報告その他これに相当するものの内容の概要を含む。) ト 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項 (1) 当該法人等が株式会社である場合 当該法人等の最終事業年度に係る事業報告の内容(当該事業報告について監査役、監査等委員会又は監査委員会の監査を受けている場合にあっては、監査報告の内容を含む。) (2) 当該法人等が株式会社以外のものである場合 当該法人等の最終事業年度に係る第百十八条各号及び第百十九条各号に掲げる事項に相当する事項の内容の概要(当該事項について監査役、監査等委員会、監査委員会その他これらに相当するものの監査を受けている場合にあっては、監査報告その他これに相当するものの内容の概要を含む。) チ 当該法人等の過去五年間にその末日が到来した各事業年度(次に掲げる事業年度を除く。)に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容 (1) 最終事業年度 (2) ある事業年度に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容につき、法令の規定に基づく公告(法第四百四十条第三項の措置に相当するものを含む。)をしている場合における当該事業年度 (3) ある事業年度に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容につき、金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出している場合における当該事業年度 リ 前号ロ及びハに掲げる事項 ヌ 取得対価が自己株式の取得、持分の払戻しその他これらに相当する方法により払戻しを受けることができるものであるときは、その手続に関する事項 三 取得対価の全部又は一部が当該株式会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債である場合 第一号ロ及びハに掲げる事項 四 取得対価の全部又は一部が法人等の社債、新株予約権、新株予約権付社債その他これらに準ずるもの(当該株式会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債を除く。)である場合 次に掲げる事項(当該事項が日本語以外の言語で表示されている場合にあっては、当該事項(氏名又は名称を除く。)を日本語で表示した事項) イ 第一号ロ及びハに掲げる事項 ロ 第二号イ及びホからチまでに掲げる事項 五 取得対価の全部又は一部が当該株式会社その他の法人等の株式、持分、社債、新株予約権、新株予約権付社債その他これらに準ずるもの及び金銭以外の財産である場合 第一号ロ及びハに掲げる事項 4 第一項第三号に規定する「計算書類等に関する事項」とは、次に掲げる事項とする。 一 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社(清算株式会社を除く。以下この項において同じ。)において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、当該株式会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(備置開始日後当該株式会社が全部取得条項付種類株式の全部を取得する日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 二 全部取得条項付種類株式を取得する株式会社において最終事業年度がないときは、当該株式会社の成立の日における貸借対照表 (全部取得条項付種類株式の取得に関する事後開示事項) 第三十三条の三 法第百七十三条の二第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 株式会社が全部取得条項付種類株式の全部を取得した日 二 法第百七十一条の三の規定による請求に係る手続の経過 三 法第百七十二条の規定による手続の経過 四 株式会社が取得した全部取得条項付種類株式の数 五 前各号に掲げるもののほか、全部取得条項付種類株式の取得に関する重要な事項 第三節の二 特別支配株主の株式等売渡請求 (特別支配株主完全子法人) 第三十三条の四 法第百七十九条第一項に規定する法務省令で定める法人は、次に掲げるものとする。 一 法第百七十九条第一項に規定する者がその持分の全部を有する法人(株式会社を除く。) 二 法第百七十九条第一項に規定する者及び特定完全子法人(当該者が発行済株式の全部を有する株式会社及び前号に掲げる法人をいう。以下この項において同じ。)又は特定完全子法人がその持分の全部を有する法人 2 前項第二号の規定の適用については、同号に掲げる法人は、同号に規定する特定完全子法人とみなす。 (株式等売渡請求に際して特別支配株主が定めるべき事項) 第三十三条の五 法第百七十九条の二第一項第六号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 株式売渡対価(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求(その新株予約権売渡請求に係る新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における法第百七十九条第三項の規定による請求を含む。以下同じ。)をする場合にあっては、株式売渡対価及び新株予約権売渡対価)の支払のための資金を確保する方法 二 法第百七十九条の二第一項第一号から第五号までに掲げる事項のほか、株式等売渡請求に係る取引条件を定めるときは、その取引条件 2 前項第一号に規定する「株式売渡対価」とは、法第百七十九条の二第一項第二号の金銭をいう(第三十三条の七第一号イ及び第二号において同じ。)。 3 第一項第一号に規定する「新株予約権売渡対価」とは、法第百七十九条の二第一項第四号ロの金銭をいう(第三十三条の七第一号イ及び第二号において同じ。)。 (売渡株主等に対して通知すべき事項) 第三十三条の六 法第百七十九条の四第一項第一号に規定する法務省令で定める事項は、前条第一項第二号に掲げる事項とする。 (対象会社の事前開示事項) 第三十三条の七 法第百七十九条の五第一項第四号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 次に掲げる事項その他の法第百七十九条の二第一項第二号及び第三号に掲げる事項(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、同項第二号及び第三号並びに第四号ロ及びハに掲げる事項)についての定めの相当性に関する事項(当該相当性に関する対象会社の取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会。次号及び第三号において同じ。)の判断及びその理由を含む。) イ 株式売渡対価の総額(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡対価の総額及び新株予約権売渡対価の総額)の相当性に関する事項 ロ 法第百七十九条の三第一項の承認に当たり売渡株主等の利益を害さないように留意した事項(当該事項がない場合にあっては、その旨) 二 第三十三条の五第一項第一号に掲げる事項についての定めの相当性その他の株式売渡対価(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡対価及び新株予約権売渡対価)の交付の見込みに関する事項(当該見込みに関する対象会社の取締役の判断及びその理由を含む。) 三 第三十三条の五第一項第二号に掲げる事項についての定めがあるときは、当該定めの相当性に関する事項(当該相当性に関する対象会社の取締役の判断及びその理由を含む。) 四 対象会社についての次に掲げる事項 イ 対象会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、対象会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(法第百七十九条の四第一項第一号の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日(次号において「備置開始日」という。)後特別支配株主が売渡株式等の全部を取得する日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 対象会社において最終事業年度がないときは、対象会社の成立の日における貸借対照表 五 備置開始日後特別支配株主が売渡株式等の全部を取得する日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (対象会社の事後開示事項) 第三十三条の八 法第百七十九条の十第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 特別支配株主が売渡株式等の全部を取得した日 二 法第百七十九条の七第一項又は第二項の規定による請求に係る手続の経過 三 法第百七十九条の八の規定による手続の経過 四 株式売渡請求により特別支配株主が取得した売渡株式の数(対象会社が種類株式発行会社であるときは、売渡株式の種類及び種類ごとの数) 五 新株予約権売渡請求により特別支配株主が取得した売渡新株予約権の数 六 前号の売渡新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、当該新株予約権付社債についての各社債(特別支配株主が新株予約権売渡請求により取得したものに限る。)の金額の合計額 七 前各号に掲げるもののほか、株式等売渡請求に係る売渡株式等の取得に関する重要な事項 第三節の三 株式の併合 (株式の併合に関する事前開示事項) 第三十三条の九 法第百八十二条の二第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 次に掲げる事項その他の法第百八十条第二項第一号及び第三号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項 イ 株式の併合をする株式会社に親会社等がある場合には、当該株式会社の株主(当該親会社等を除く。)の利益を害さないように留意した事項(当該事項がない場合にあっては、その旨) ロ 法第二百三十五条の規定により一株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における次に掲げる事項 (1) 次に掲げる事項その他の当該処理の方法に関する事項 (i) 法第二百三十五条第一項又は同条第二項において準用する法第二百三十四条第二項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由 (ii) 法第二百三十五条第一項の規定による処理を予定している場合には、競売の申立てをする時期の見込み(当該見込みに関する取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会。(iii)及び(iv)において同じ。)の判断及びその理由を含む。) (iii) 法第二百三十五条第二項において準用する法第二百三十四条第二項の規定による処理(市場において行う取引による売却に限る。)を予定している場合には、売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み(当該見込みに関する取締役の判断及びその理由を含む。) (iv) 法第二百三十五条第二項において準用する法第二百三十四条第二項の規定による処理(市場において行う取引による売却を除く。)を予定している場合には、売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称、当該者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性並びに売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み(当該見込みに関する取締役の判断及びその理由を含む。) (2) 当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の相当性に関する事項 二 株式の併合をする株式会社(清算株式会社を除く。以下この号において同じ。)についての次に掲げる事項 イ 当該株式会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、当該株式会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(備置開始日(法第百八十二条の二第一項各号に掲げる日のいずれか早い日をいう。次号において同じ。)後株式の併合がその効力を生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 当該株式会社において最終事業年度がないときは、当該株式会社の成立の日における貸借対照表 三 備置開始日後株式の併合がその効力を生ずる日までの間に、前二号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (株式の併合に関する事後開示事項) 第三十三条の十 法第百八十二条の六第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 株式の併合が効力を生じた日 二 法第百八十二条の三の規定による請求に係る手続の経過 三 法第百八十二条の四の規定による手続の経過 四 株式の併合が効力を生じた時における発行済株式(種類株式発行会社にあっては、法第百八十条第二項第三号の種類の発行済株式)の総数 五 前各号に掲げるもののほか、株式の併合に関する重要な事項 第四節 単元株式数 (単元株式数) 第三十四条 法第百八十八条第二項に規定する法務省令で定める数は、千及び発行済株式の総数の二百分の一に当たる数とする。 (単元未満株式についての権利) 第三十五条 法第百八十九条第二項第六号に規定する法務省令で定める権利は、次に掲げるものとする。 一 法第三十一条第二項各号に掲げる請求をする権利 二 法第百二十二条第一項の規定による株主名簿記載事項(法第百五十四条の二第三項に規定する場合にあっては、当該株主の有する株式が信託財産に属する旨を含む。)を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求する権利 三 法第百二十五条第二項各号に掲げる請求をする権利 四 法第百三十三条第一項の規定による請求(次に掲げる事由により取得した場合における請求に限る。)をする権利 イ 相続その他の一般承継 ロ 株式売渡請求による売渡株式の全部の取得 ハ 吸収分割又は新設分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の承継 ニ 株式交換又は株式移転による他の株式会社の発行済株式の全部の取得 ホ 法第百九十七条第二項の規定による売却 ヘ 法第二百三十四条第二項(法第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による売却 ト 競売 五 法第百三十七条第一項の規定による請求(前号イからトまでに掲げる事由により取得した場合における請求に限る。)をする権利 六 株式売渡請求により特別支配株主が売渡株式の取得の対価として交付する金銭の交付を受ける権利 七 株式会社が行う次に掲げる行為により金銭等の交付を受ける権利 イ 株式の併合 ロ 株式の分割 ハ 新株予約権無償割当て ニ 剰余金の配当 ホ 組織変更 八 株式会社が行う次の各号に掲げる行為により当該各号に定める者が交付する金銭等の交付を受ける権利 イ 吸収合併(会社以外の者と行う合併を含み、合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 当該吸収合併後存続するもの ロ 新設合併(会社以外の者と行う合併を含む。) 当該新設合併により設立されるもの ハ 株式交換 株式交換完全親会社 ニ 株式移転 株式移転設立完全親会社 2 前項の規定にかかわらず、株式会社が株券発行会社である場合には、法第百八十九条第二項第六号に規定する法務省令で定める権利は、次に掲げるものとする。 一 前項第一号、第三号及び第六号から第八号までに掲げる権利 二 法第百三十三条第一項の規定による請求をする権利 三 法第百三十七条第一項の規定による請求をする権利 四 法第百八十九条第三項の定款の定めがある場合以外の場合における法第二百十五条第四項及び第二百十七条第六項の規定による株券の発行を請求する権利 五 法第百八十九条第三項の定款の定めがある場合以外の場合における法第二百十七条第一項の規定による株券の所持を希望しない旨の申出をする権利 (市場価格のある単元未満株式の買取りの価格) 第三十六条 法第百九十三条第一項第一号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって同号に規定する株式の価格とする方法とする。 一 法第百九十二条第一項の規定による請求の日(以下この条において「請求日」という。)における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該請求日に売買取引がない場合又は当該請求日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 請求日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは、当該請求日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格 (市場価格のある単元未満株式の売渡しの価格) 第三十七条 法第百九十四条第四項において準用する法第百九十三条第一項第一号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって単元未満株式売渡請求に係る株式の価格とする方法とする。 一 単元未満株式売渡請求の日(以下この条において「請求日」という。)における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該請求日に売買取引がない場合又は当該請求日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 請求日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは、当該請求日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格 第五節 株主に対する通知の省略等 (市場価格のある株式の売却価格) 第三十八条 法第百九十七条第二項に規定する法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって同項に規定する株式の価格とする方法とする。 一 当該株式を市場において行う取引によって売却する場合 当該取引によって売却する価格 二 前号に掲げる場合以外の場合 次に掲げる額のうちいずれか高い額 イ 法第百九十七条第二項の規定により売却する日(以下この条において「売却日」という。)における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該売却日に売買取引がない場合又は当該売却日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) ロ 売却日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは、当該売却日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格 (公告事項) 第三十九条 法第百九十八条第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 法第百九十七条第一項の株式(以下この条において「競売対象株式」という。)の競売又は売却をする旨 二 競売対象株式の株主として株主名簿に記載又は記録がされた者の氏名又は名称及び住所 三 競売対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、競売対象株式の種類及び種類ごとの数) 四 競売対象株式につき株券が発行されているときは、当該株券の番号 第六節 募集株式の発行等 (募集事項の通知を要しない場合) 第四十条 法第二百一条第五項に規定する法務省令で定める場合は、株式会社が同条第三項に規定する期日の二週間前までに、金融商品取引法の規定に基づき次に掲げる書類(同項に規定する募集事項に相当する事項をその内容とするものに限る。)の届出又は提出をしている場合(当該書類に記載すべき事項を同法の規定に基づき電磁的方法により提供している場合を含む。)であって、内閣総理大臣が当該期日の二週間前の日から当該期日まで継続して同法の規定に基づき当該書類を公衆の縦覧に供しているときとする。 一 金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をする場合における同法第五条第一項の届出書(訂正届出書を含む。) 二 金融商品取引法第二十三条の三第一項に規定する発行登録書及び同法第二十三条の八第一項に規定する発行登録追補書類(訂正発行登録書を含む。) 三 金融商品取引法第二十四条第一項に規定する有価証券報告書(訂正報告書を含む。) 四 金融商品取引法第二十四条の五第一項に規定する半期報告書(訂正報告書を含む。) 五 金融商品取引法第二十四条の五第四項に規定する臨時報告書(訂正報告書を含む。) (申込みをしようとする者に対して通知すべき事項) 第四十一条 法第二百三条第一項第四号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 発行可能株式総数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の発行可能種類株式総数を含む。) 二 株式会社(種類株式発行会社を除く。)が発行する株式の内容として法第百七条第一項各号に掲げる事項を定めているときは、当該株式の内容 三 株式会社(種類株式発行会社に限る。)が法第百八条第一項各号に掲げる事項につき内容の異なる株式を発行することとしているときは、各種類の株式の内容(ある種類の株式につき同条第三項の定款の定めがある場合において、当該定款の定めにより株式会社が当該種類の株式の内容を定めていないときは、当該種類の株式の内容の要綱) 四 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数) 五 次に掲げる定款の定めがあるときは、その規定 イ 法第百三十九条第一項、第百四十条第五項又は第百四十五条第一号若しくは第二号に規定する定款の定め ロ 法第百六十四条第一項に規定する定款の定め ハ 法第百六十七条第三項に規定する定款の定め ニ 法第百六十八条第一項又は第百六十九条第二項に規定する定款の定め ホ 法第百七十四条に規定する定款の定め ヘ 法第三百四十七条に規定する定款の定め ト 第二十六条第一号又は第二号に規定する定款の定め 六 株主名簿管理人を置く旨の定款の定めがあるときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 七 電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その規定 八 定款に定められた事項(法第二百三条第一項第一号から第三号まで及び前各号に掲げる事項を除く。)であって、当該株式会社に対して募集株式の引受けの申込みをしようとする者が当該者に対して通知することを請求した事項 (申込みをしようとする者に対する通知を要しない場合) 第四十二条 法第二百三条第四項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合であって、株式会社が同条第一項の申込みをしようとする者に対して同項各号に掲げる事項を提供している場合とする。 一 当該株式会社が金融商品取引法の規定に基づき目論見書に記載すべき事項を電磁的方法により提供している場合 二 当該株式会社が外国の法令に基づき目論見書その他これに相当する書面その他の資料を提供している場合 (株主に対して通知すべき事項) 第四十二条の二 法第二百六条の二第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 特定引受人(法第二百六条の二第一項に規定する特定引受人をいう。以下この条において同じ。)の氏名又は名称及び住所 二 特定引受人(その子会社等を含む。第五号及び第七号において同じ。)がその引き受けた募集株式の株主となった場合に有することとなる議決権の数 三 前号の募集株式に係る議決権の数 四 募集株式の引受人の全員がその引き受けた募集株式の株主となった場合における総株主の議決権の数 五 特定引受人に対する募集株式の割当て又は特定引受人との間の法第二百五条第一項の契約の締結に関する取締役会の判断及びその理由 六 社外取締役を置く株式会社において、前号の取締役会の判断が社外取締役の意見と異なる場合には、その意見 七 特定引受人に対する募集株式の割当て又は特定引受人との間の法第二百五条第一項の契約の締結に関する監査役、監査等委員会又は監査委員会の意見 (株主に対する通知を要しない場合) 第四十二条の三 法第二百六条の二第三項に規定する法務省令で定める場合は、株式会社が同条第一項に規定する期日の二週間前までに、金融商品取引法の規定に基づき第四十条各号に掲げる書類(前条各号に掲げる事項に相当する事項をその内容とするものに限る。)の届出又は提出をしている場合(当該書類に記載すべき事項を同法の規定に基づき電磁的方法により提供している場合を含む。)であって、内閣総理大臣が当該期日の二週間前の日から当該期日まで継続して同法の規定に基づき当該書類を公衆の縦覧に供しているときとする。 (株主に対する通知を要しない場合における反対通知の期間の初日) 第四十二条の四 法第二百六条の二第四項に規定する法務省令で定める日は、株式会社が金融商品取引法の規定に基づき前条の書類の届出又は提出(当該書類に記載すべき事項を同法の規定に基づき電磁的方法により提供した場合にあっては、その提供)をした日とする。 (検査役の調査を要しない市場価格のある有価証券) 第四十三条 法第二百七条第九項第三号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって同号に規定する有価証券の価格とする方法とする。 一 法第百九十九条第一項第三号の価額を定めた日(以下この条において「価額決定日」という。)における当該有価証券を取引する市場における最終の価格(当該価額決定日に売買取引がない場合又は当該価額決定日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 価額決定日において当該有価証券が公開買付け等の対象であるときは、当該価額決定日における当該公開買付け等に係る契約における当該有価証券の価格 (出資された財産等の価額が不足する場合に責任をとるべき取締役等) 第四十四条 法第二百十三条第一項第一号に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げる者とする。 一 現物出資財産(法第二百七条第一項に規定する現物出資財産をいう。以下この条から第四十六条までにおいて同じ。)の価額の決定に関する職務を行った取締役及び執行役 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会において当該現物出資財産の価額に関する事項について説明をした取締役及び執行役 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 第四十五条 法第二百十三条第一項第二号に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げる者とする。 一 株主総会に現物出資財産の価額の決定に関する議案を提案した取締役 二 前号の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) 三 第一号の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 第四十六条 法第二百十三条第一項第三号に規定する法務省令で定めるものは、取締役会に現物出資財産の価額の決定に関する議案を提案した取締役及び執行役とする。 (出資の履行の仮装に関して責任をとるべき取締役等) 第四十六条の二 法第二百十三条の三第一項に規定する法務省令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 出資の履行(法第二百八条第三項に規定する出資の履行をいう。以下この条において同じ。)の仮装に関する職務を行った取締役及び執行役 二 出資の履行の仮装が取締役会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者 イ 当該取締役会の決議に賛成した取締役 ロ 当該取締役会に当該出資の履行の仮装に関する議案を提案した取締役及び執行役 三 出資の履行の仮装が株主総会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者 イ 当該株主総会に当該出資の履行の仮装に関する議案を提案した取締役 ロ イの議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) ハ イの議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 ニ 当該株主総会において当該出資の履行の仮装に関する事項について説明をした取締役及び執行役 第七節 株券 (株券喪失登録請求) 第四十七条 法第二百二十三条の規定による請求(以下この条において「株券喪失登録請求」という。)は、この条に定めるところにより、行わなければならない。 2 株券喪失登録請求は、株券喪失登録請求をする者(次項において「株券喪失登録請求者」という。)の氏名又は名称及び住所並びに喪失した株券の番号を明らかにしてしなければならない。 3 株券喪失登録請求者が株券喪失登録請求をしようとするときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める資料を株式会社に提供しなければならない。 一 株券喪失登録請求者が当該株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載又は記録がされている者である場合 株券の喪失の事実を証する資料 二 前号に掲げる場合以外の場合 次に掲げる資料 イ 株券喪失登録請求者が株券喪失登録請求に係る株券を、当該株券に係る株式につき法第百二十一条第三号の取得の日として株主名簿に記載又は記録がされている日以後に所持していたことを証する資料 ロ 株券の喪失の事実を証する資料 4 株券喪失登録に係る株券が会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成十七年政令第三百六十七号)第二条の規定により法第百二十一条第三号の規定が適用されない株式に係るものである場合における前項第二号の規定の適用については、同号中「次に」とあるのは、「ロに」とする。 (株券を所持する者による抹消の申請) 第四十八条 法第二百二十五条第一項の規定による申請は、株券を提示し、当該申請をする者の氏名又は名称及び住所を明らかにしてしなければならない。 (株券喪失登録者による抹消の申請) 第四十九条 法第二百二十六条第一項の規定による申請は、当該申請をする株券喪失登録者の氏名又は名称及び住所並びに当該申請に係る株券喪失登録がされた株券の番号を明らかにしてしなければならない。 第八節 雑則 (株式の発行等により一に満たない株式の端数を処理する場合における市場価格) 第五十条 法第二百三十四条第二項に規定する法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって同項に規定する株式の価格とする方法とする。 一 当該株式を市場において行う取引によって売却する場合 当該取引によって売却する価格 二 前号に掲げる場合以外の場合 次に掲げる額のうちいずれか高い額 イ 法第二百三十四条第二項の規定により売却する日(以下この条において「売却日」という。)における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該売却日に売買取引がない場合又は当該売却日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) ロ 売却日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは、当該売却日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格 (一に満たない社債等の端数を処理する場合における市場価格) 第五十一条 法第二百三十四条第六項において準用する同条第二項に規定する法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって同条第六項において準用する同条第二項の規定により売却する財産の価格とする方法とする。 一 法第二百三十四条第六項に規定する社債又は新株予約権を市場において行う取引によって売却する場合 当該取引によって売却する価格 二 前号に掲げる場合以外の場合において、社債(新株予約権付社債についての社債を除く。以下この号において同じ。)を売却するとき 法第二百三十四条第六項において準用する同条第二項の規定により売却する日(以下この条において「売却日」という。)における当該社債を取引する市場における最終の価格(当該売却日に売買取引がない場合又は当該売却日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 三 第一号に掲げる場合以外の場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債。以下この号において同じ。)を売却するとき 次に掲げる額のうちいずれか高い額 イ 売却日における当該新株予約権を取引する市場における最終の価格(当該売却日に売買取引がない場合又は当該売却日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) ロ 売却日において当該新株予約権が公開買付け等の対象であるときは、当該売却日における当該公開買付け等に係る契約における当該新株予約権の価格 (株式の分割等により一に満たない株式の端数を処理する場合における市場価格) 第五十二条 法第二百三十五条第二項において準用する法第二百三十四条第二項に規定する法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって法第二百三十五条第二項において準用する法第二百三十四条第二項に規定する株式の価格とする方法とする。 一 当該株式を市場において行う取引によって売却する場合 当該取引によって売却する価格 二 前号に掲げる場合以外の場合 次に掲げる額のうちいずれか高い額 イ 法第二百三十五条第二項において準用する法第二百三十四条第二項の規定により売却する日(以下この条において「売却日」という。)における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該売却日に売買取引がない場合又は当該売却日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) ロ 売却日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは、当該売却日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格 第三章 新株予約権 (募集事項の通知を要しない場合) 第五十三条 法第二百四十条第四項に規定する法務省令で定める場合は、株式会社が割当日(法第二百三十八条第一項第四号に規定する割当日をいう。第五十五条の四において同じ。)の二週間前までに、金融商品取引法の規定に基づき次に掲げる書類(法第二百三十八条第一項に規定する募集事項に相当する事項をその内容とするものに限る。)の届出又は提出をしている場合(当該書類に記載すべき事項を同法の規定に基づき電磁的方法により提供している場合を含む。)であって、内閣総理大臣が当該割当日の二週間前の日から当該割当日まで継続して同法の規定に基づき当該書類を公衆の縦覧に供しているときとする。 一 金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をする場合における同法第五条第一項の届出書(訂正届出書を含む。) 二 金融商品取引法第二十三条の三第一項に規定する発行登録書及び同法第二十三条の八第一項に規定する発行登録追補書類(訂正発行登録書を含む。) 三 金融商品取引法第二十四条第一項に規定する有価証券報告書(訂正報告書を含む。) 四 金融商品取引法第二十四条の五第一項に規定する半期報告書(訂正報告書を含む。) 五 金融商品取引法第二十四条の五第四項に規定する臨時報告書(訂正報告書を含む。) (申込みをしようとする者に対して通知すべき事項) 第五十四条 法第二百四十二条第一項第四号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 発行可能株式総数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の発行可能種類株式総数を含む。) 二 株式会社(種類株式発行会社を除く。)が発行する株式の内容として法第百七条第一項各号に掲げる事項を定めているときは、当該株式の内容 三 株式会社(種類株式発行会社に限る。)が法第百八条第一項各号に掲げる事項につき内容の異なる株式を発行することとしているときは、各種類の株式の内容(ある種類の株式につき同条第三項の定款の定めがある場合において、当該定款の定めにより株式会社が当該種類の株式の内容を定めていないときは、当該種類の株式の内容の要綱) 四 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数) 五 次に掲げる定款の定めがあるときは、その規定 イ 法第百三十九条第一項、第百四十条第五項又は第百四十五条第一号若しくは第二号に規定する定款の定め ロ 法第百六十四条第一項に規定する定款の定め ハ 法第百六十七条第三項に規定する定款の定め ニ 法第百六十八条第一項又は第百六十九条第二項に規定する定款の定め ホ 法第百七十四条に規定する定款の定め ヘ 法第三百四十七条に規定する定款の定め ト 第二十六条第一号又は第二号に規定する定款の定め 六 株主名簿管理人を置く旨の定款の定めがあるときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所 七 電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その規定 八 定款に定められた事項(法第二百四十二条第一項第一号から第三号まで及び前各号に掲げる事項を除く。)であって、当該株式会社に対して募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者が当該者に対して通知することを請求した事項 (申込みをしようとする者に対する通知を要しない場合) 第五十五条 法第二百四十二条第四項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合であって、株式会社が同条第一項の申込みをしようとする者に対して同項各号に掲げる事項を提供している場合とする。 一 当該株式会社が金融商品取引法の規定に基づき目論見書に記載すべき事項を電磁的方法により提供している場合 二 当該株式会社が外国の法令に基づき目論見書その他これに相当する書面その他の資料を提供している場合 (株主に対して通知すべき事項) 第五十五条の二 法第二百四十四条の二第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 特定引受人(法第二百四十四条の二第一項に規定する特定引受人をいう。以下この条及び次条第三項において同じ。)の氏名又は名称及び住所 二 特定引受人(その子会社等を含む。以下この条及び次条第三項において同じ。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式(法第二百四十四条の二第二項に規定する交付株式をいう。次号及び次条第三項において同じ。)の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数 三 前号の交付株式に係る最も多い議決権の数 四 第二号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数 五 特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は特定引受人との間の法第二百四十四条第一項の契約の締結に関する取締役会の判断及びその理由 六 社外取締役を置く株式会社において、前号の取締役会の判断が社外取締役の意見と異なる場合には、その意見 七 特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は特定引受人との間の法第二百四十四条第一項の契約の締結に関する監査役、監査等委員会又は監査委員会の意見 (交付株式) 第五十五条の三 法第二百四十四条の二第二項に規定する法務省令で定める株式は、次に掲げる株式とする。 一 募集新株予約権の内容として次のイ又はロに掲げる事項についての定めがある場合における当該イ又はロに定める新株予約権(次号及び次項において「取得対価新株予約権」という。)の目的である株式 イ 法第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項 同号ヘの他の新株予約権 ロ 法第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項 同号トの新株予約権付社債に付された新株予約権 二 取得対価新株予約権の内容として法第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式 2 前項の規定の適用については、取得対価新株予約権の内容として同項第一号イ又はロに掲げる事項についての定めがある場合における当該イ又はロに定める新株予約権は、取得対価新株予約権とみなす。 3 交付株式の数が特定引受人に対する募集新株予約権の割当ての決定又は特定引受人との間の法第二百四十四条第一項の契約の締結の日(以下この項において「割当等決定日」という。)後のいずれか一の日の市場価額その他の指標に基づき決定する方法その他の算定方法により決定される場合における当該交付株式の数は、割当等決定日の前日に当該交付株式が交付されたものとみなして計算した数とする。 (株主に対する通知を要しない場合) 第五十五条の四 法第二百四十四条の二第四項に規定する法務省令で定める場合は、株式会社が割当日の二週間前までに、金融商品取引法の規定に基づき第五十三条各号に掲げる書類(第五十五条の二各号に掲げる事項に相当する事項をその内容とするものに限る。)の届出又は提出をしている場合(当該書類に記載すべき事項を同法の規定に基づき電磁的方法により提供している場合を含む。)であって、内閣総理大臣が当該割当日の二週間前の日から当該割当日まで継続して同法の規定に基づき当該書類を公衆の縦覧に供しているときとする。 (株主に対する通知を要しない場合における反対通知の期間の初日) 第五十五条の五 法第二百四十四条の二第五項に規定する法務省令で定める日は、株式会社が金融商品取引法の規定に基づき前条の書類の届出又は提出(当該書類に記載すべき事項を同法の規定に基づき電磁的方法により提供した場合にあっては、その提供)をした日とする。 (新株予約権原簿記載事項の記載等の請求) 第五十六条 法第二百六十条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 新株予約権取得者が、新株予約権者として新株予約権原簿に記載若しくは記録がされた者又はその一般承継人に対して当該新株予約権取得者の取得した新株予約権に係る法第二百六十条第一項の規定による請求をすべきことを命ずる確定判決を得た場合において、当該確定判決の内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 二 新株予約権取得者が前号の確定判決と同一の効力を有するものの内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 三 新株予約権取得者が一般承継により当該株式会社の新株予約権を取得した者である場合において、当該一般承継を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 四 新株予約権取得者が当該株式会社の新株予約権を競売により取得した者である場合において、当該競売により取得したことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 五 新株予約権取得者が新株予約権売渡請求により当該株式会社の発行する売渡新株予約権の全部を取得した者である場合において、当該新株予約権取得者が請求をしたとき。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権取得者が取得した新株予約権が証券発行新株予約権又は証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権である場合には、法第二百六十条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 新株予約権取得者が新株予約権証券又は新株予約権付社債券を提示して請求をした場合 二 新株予約権取得者が新株予約権売渡請求により当該株式会社の発行する売渡新株予約権の全部を取得した者である場合において、当該新株予約権取得者が請求をしたとき。 (新株予約権取得者からの承認の請求) 第五十七条 法第二百六十三条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 新株予約権取得者が、新株予約権者として新株予約権原簿に記載若しくは記録がされた者又はその一般承継人に対して当該新株予約権取得者の取得した新株予約権に係る法第二百六十三条第一項の規定による請求をすべきことを命ずる確定判決を得た場合において、当該確定判決の内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 二 新株予約権取得者が前号の確定判決と同一の効力を有するものの内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 三 新株予約権取得者が当該株式会社の新株予約権を競売により取得した者である場合において、当該競売により取得したことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 2 前項の規定にかかわらず、新株予約権取得者が取得した新株予約権が証券発行新株予約権又は証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権である場合には、法第二百六十三条第二項に規定する法務省令で定める場合は、新株予約権取得者が新株予約権証券又は新株予約権付社債券を提示して請求をした場合とする。 (新株予約権の行使により株式に端数が生じる場合) 第五十八条 法第二百八十三条第一号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって同号に規定する株式の価格とする方法とする。 一 新株予約権の行使の日(以下この条において「行使日」という。)における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該行使日に売買取引がない場合又は当該行使日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 行使日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは、当該行使日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格 (検査役の調査を要しない市場価格のある有価証券) 第五十九条 法第二百八十四条第九項第三号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって同号に規定する有価証券の価格とする方法とする。 一 新株予約権の行使の日(以下この条において「行使日」という。)における当該有価証券を取引する市場における最終の価格(当該行使日に売買取引がない場合又は当該行使日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 行使日において当該有価証券が公開買付け等の対象であるときは、当該行使日における当該公開買付け等に係る契約における当該有価証券の価格 (出資された財産等の価額が不足する場合に責任をとるべき取締役等) 第六十条 法第二百八十六条第一項第一号に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げる者とする。 一 現物出資財産(法第二百八十四条第一項に規定する現物出資財産をいう。以下この条から第六十二条までにおいて同じ。)の価額の決定に関する職務を行った取締役及び執行役 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会において当該現物出資財産の価額に関する事項について説明をした取締役及び執行役 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 第六十一条 法第二百八十六条第一項第二号に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げる者とする。 一 株主総会に現物出資財産の価額の決定に関する議案を提案した取締役 二 前号の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) 三 第一号の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 第六十二条 法第二百八十六条第一項第三号に規定する法務省令で定めるものは、取締役会に現物出資財産の価額の決定に関する議案を提案した取締役及び執行役とする。 (新株予約権に係る払込み等の仮装に関して責任をとるべき取締役等) 第六十二条の二 法第二百八十六条の三第一項に規定する法務省令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 払込み等(法第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付をいう。以下この条において同じ。)の仮装に関する職務を行った取締役及び執行役 二 払込み等の仮装が取締役会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者 イ 当該取締役会の決議に賛成した取締役 ロ 当該取締役会に当該払込み等の仮装に関する議案を提案した取締役及び執行役 三 払込み等の仮装が株主総会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者 イ 当該株主総会に当該払込み等の仮装に関する議案を提案した取締役 ロ イの議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) ハ イの議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 ニ 当該株主総会において当該払込み等の仮装に関する事項について説明をした取締役及び執行役 第四章 機関 第一節 株主総会及び種類株主総会等 第一款 通則 (招集の決定事項) 第六十三条 法第二百九十八条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 法第二百九十八条第一項第一号に規定する株主総会が定時株主総会である場合において、同号の日が次に掲げる要件のいずれかに該当するときは、その日時を決定した理由(ロに該当する場合にあっては、その日時を決定したことにつき特に理由がある場合における当該理由に限る。) イ 当該日が前事業年度に係る定時株主総会の日に応当する日と著しく離れた日であること。 ロ 株式会社が公開会社である場合において、当該日と同一の日において定時株主総会を開催する他の株式会社(公開会社に限る。)が著しく多いこと。 二 法第二百九十八条第一項第一号に規定する株主総会の場所が過去に開催した株主総会のいずれの場所とも著しく離れた場所であるとき(次に掲げる場合を除く。)は、その場所を決定した理由 イ 当該場所が定款で定められたものである場合 ロ 当該場所で開催することについて株主総会に出席しない株主全員の同意がある場合 三 法第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項(定款にロからニまで及びヘに掲げる事項についての定めがある場合又はこれらの事項の決定を取締役に委任する旨を決定した場合における当該事項を除く。) イ 次款の規定により株主総会参考書類に記載すべき事項(第八十五条の二第三号、第八十五条の三第三号、第八十六条第三号及び第四号、第八十七条第三号及び第四号、第八十八条第三号及び第四号、第八十九条第三号、第九十条第三号、第九十一条第三号、第九十一条の二第三号並びに第九十二条第三号に掲げる事項を除く。) ロ 特定の時(株主総会の日時以前の時であって、法第二百九十九条第一項の規定により通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。)をもって書面による議決権の行使の期限とする旨を定めるときは、その特定の時 ハ 特定の時(株主総会の日時以前の時であって、法第二百九十九条第一項の規定により通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。)をもって電磁的方法による議決権の行使の期限とする旨を定めるときは、その特定の時 ニ 第六十六条第一項第二号の取扱いを定めるときは、その取扱いの内容 ホ 第九十四条第一項の措置をとることにより株主に対して提供する株主総会参考書類に記載しないものとする事項 ヘ 一の株主が同一の議案につき次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める規定により重複して議決権を行使した場合において、当該同一の議案に対する議決権の行使の内容が異なるものであるときにおける当該株主の議決権の行使の取扱いに関する事項を定めるとき(次号に規定する場合を除く。)は、その事項 (1) 法第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合 法第三百十一条第一項 (2) 法第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合 法第三百十二条第一項 ト 株主総会参考書類に記載すべき事項のうち、法第三百二十五条の五第三項の規定による定款の定めに基づき同条第二項の規定により交付する書面(第九十五条の四において「電子提供措置事項記載書面」という。)に記載しないものとする事項 四 法第二百九十八条第一項第三号及び第四号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項(定款にイからハまでに掲げる事項についての定めがある場合における当該事項を除く。) イ 法第二百九十九条第三項の承諾をした株主の請求があった時に当該株主に対して法第三百一条第一項の規定による議決権行使書面(法第三百一条第一項に規定する議決権行使書面をいう。以下この節において同じ。)の交付(当該交付に代えて行う同条第二項の規定による電磁的方法による提供を含む。)をすることとするときは、その旨 ロ 一の株主が同一の議案につき法第三百十一条第一項又は第三百十二条第一項の規定により重複して議決権を行使した場合において、当該同一の議案に対する議決権の行使の内容が異なるものであるときにおける当該株主の議決権の行使の取扱いに関する事項を定めるときは、その事項 ハ 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある場合において、法第二百九十九条第三項の承諾をした株主の請求があった時に議決権行使書面に記載すべき事項(当該株主に係る事項に限る。第六十六条第三項において同じ。)に係る情報について電子提供措置をとることとするときは、その旨 五 法第三百十条第一項の規定による代理人による議決権の行使について、代理権(代理人の資格を含む。)を証明する方法、代理人の数その他代理人による議決権の行使に関する事項を定めるとき(定款に当該事項についての定めがある場合を除く。)は、その事項 六 法第三百十三条第二項の規定による通知の方法を定めるとき(定款に当該通知の方法についての定めがある場合を除く。)は、その方法 七 第三号に規定する場合以外の場合において、次に掲げる事項が株主総会の目的である事項であるときは、当該事項に係る議案の概要(議案が確定していない場合にあっては、その旨) イ 役員等の選任 ロ 役員等の報酬等 ハ 全部取得条項付種類株式の取得 ニ 株式の併合 ホ 法第百九十九条第三項又は第二百条第二項に規定する場合における募集株式を引き受ける者の募集 ヘ 法第二百三十八条第三項各号又は第二百三十九条第二項各号に掲げる場合における募集新株予約権を引き受ける者の募集 ト 事業譲渡等 チ 定款の変更 リ 合併 ヌ 吸収分割 ル 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 ヲ 新設分割 ワ 株式交換 カ 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得 ヨ 株式移転 タ 株式交付 (書面による議決権の行使について定めることを要しない株式会社) 第六十四条 法第二百九十八条第二項に規定する法務省令で定めるものは、株式会社の取締役(法第二百九十七条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主)が法第二百九十八条第二項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する株主の全部に対して金融商品取引法の規定に基づき株主総会の通知に際して委任状の用紙を交付することにより議決権の行使を第三者に代理させることを勧誘している場合における当該株式会社とする。 (株主総会参考書類) 第六十五条 法第三百一条第一項又は第三百二条第一項の規定により交付すべき株主総会参考書類に記載すべき事項は、次款の定めるところによる。 2 法第二百九十八条第一項第三号及び第四号に掲げる事項を定めた株式会社が行った株主総会参考書類の交付(当該交付に代えて行う電磁的方法による提供を含む。)は、法第三百一条第一項及び第三百二条第一項の規定による株主総会参考書類の交付とする。 3 取締役は、株主総会参考書類に記載すべき事項について、招集通知(法第二百九十九条第二項又は第三項の規定による通知をいう。以下この節において同じ。)を発出した日から株主総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合における修正後の事項を株主に周知させる方法を、当該招集通知と併せて通知することができる。 (議決権行使書面) 第六十六条 法第三百一条第一項の規定により交付すべき議決権行使書面に記載すべき事項又は法第三百二条第三項若しくは第四項の規定により電磁的方法により提供すべき議決権行使書面に記載すべき事項は、次に掲げる事項とする。 一 各議案(次のイからハまでに掲げる場合にあっては、当該イからハまでに定めるもの)についての賛否(棄権の欄を設ける場合にあっては、棄権を含む。)を記載する欄 イ 二以上の役員等の選任に関する議案である場合 各候補者の選任 ロ 二以上の役員等の解任に関する議案である場合 各役員等の解任 ハ 二以上の会計監査人の不再任に関する議案である場合 各会計監査人の不再任 二 第六十三条第三号ニに掲げる事項についての定めがあるときは、第一号の欄に記載がない議決権行使書面が株式会社に提出された場合における各議案についての賛成、反対又は棄権のいずれかの意思の表示があったものとする取扱いの内容 三 第六十三条第三号ヘ又は第四号ロに掲げる事項についての定めがあるときは、当該事項 四 議決権の行使の期限 五 議決権を行使すべき株主の氏名又は名称及び行使することができる議決権の数(次のイ又はロに掲げる場合にあっては、当該イ又はロに定める事項を含む。) イ 議案ごとに当該株主が行使することができる議決権の数が異なる場合 議案ごとの議決権の数 ロ 一部の議案につき議決権を行使することができない場合 議決権を行使することができる議案又は議決権を行使することができない議案 2 第六十三条第四号イに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、法第二百九十九条第三項の承諾をした株主の請求があった時に、当該株主に対して、法第三百一条第一項の規定による議決権行使書面の交付(当該交付に代えて行う同条第二項の規定による電磁的方法による提供を含む。)をしなければならない。 3 第六十三条第四号ハに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、法第二百九十九条第三項の承諾をした株主の請求があった時に、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報について電子提供措置をとらなければならない。 ただし、当該株主に対して、法第三百二十五条の三第二項の規定による議決権行使書面の交付をする場合は、この限りでない。 4 同一の株主総会に関して株主に対して提供する招集通知の内容とすべき事項のうち、議決権行使書面に記載している事項がある場合には、当該事項は、招集通知の内容とすることを要しない。 5 同一の株主総会に関して株主に対して提供する議決権行使書面に記載すべき事項(第一項第二号から第四号までに掲げる事項に限る。)のうち、招集通知の内容としている事項がある場合には、当該事項は、議決権行使書面に記載することを要しない。 (実質的に支配することが可能となる関係) 第六十七条 法第三百八条第一項に規定する法務省令で定める株主は、株式会社(当該株式会社の子会社を含む。)が、当該株式会社の株主である会社等の議決権(同項その他これに準ずる法以外の法令(外国の法令を含む。)の規定により行使することができないとされる議決権を含み、役員等(会計監査人を除く。)の選任及び定款の変更に関する議案(これらの議案に相当するものを含む。)の全部につき株主総会(これに相当するものを含む。)において議決権を行使することができない株式(これに相当するものを含む。)に係る議決権を除く。以下この条において「相互保有対象議決権」という。)の総数の四分の一以上を有する場合における当該株主であるもの(当該株主であるもの以外の者が当該株式会社の株主総会の議案につき議決権を行使することができない場合(当該議案を決議する場合に限る。)における当該株主を除く。)とする。 2 前項の場合には、株式会社及びその子会社の有する相互保有対象議決権の数並びに相互保有対象議決権の総数(以下この条において「対象議決権数」という。)は、当該株式会社の株主総会の日における対象議決権数とする。 3 前項の規定にかかわらず、特定基準日(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための法第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。以下この条において同じ。)を定めた場合には、対象議決権数は、当該特定基準日における対象議決権数とする。 ただし、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日における対象議決権数とする。 一 特定基準日後に当該株式会社又はその子会社が株式交換、株式移転その他の行為により相互保有対象議決権の全部を取得した場合 当該行為の効力が生じた日 二 対象議決権数の増加又は減少が生じた場合(前号に掲げる場合を除く。)において、当該増加又は減少により第一項の株主であるものが有する当該株式会社の株式につき議決権を行使できることとなること又は議決権を行使できないこととなることを特定基準日から当該株主総会についての法第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の全部を決定した日(株式会社が当該日後の日を定めた場合にあっては、その日)までの間に当該株式会社が知ったとき 当該株式会社が知った日 4 前項第二号の規定にかかわらず、当該株式会社は、当該株主総会についての法第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の全部を決定した日(株式会社が当該日後の日を定めた場合にあっては、その日)から当該株主総会の日までの間に生じた事項(当該株式会社が前項第二号の増加又は減少の事実を知ったことを含む。)を勘案して、対象議決権数を算定することができる。 (欠損の額) 第六十八条 法第三百九条第二項第九号ロに規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって欠損の額とする方法とする。 一 零 二 零から分配可能額を減じて得た額 (書面による議決権行使の期限) 第六十九条 法第三百十一条第一項に規定する法務省令で定める時は、株主総会の日時の直前の営業時間の終了時(第六十三条第三号ロに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、同号ロの特定の時)とする。 (電磁的方法による議決権行使の期限) 第七十条 法第三百十二条第一項に規定する法務省令で定める時は、株主総会の日時の直前の営業時間の終了時(第六十三条第三号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、同号ハの特定の時)とする。 (取締役等の説明義務) 第七十一条 法第三百十四条に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 株主が説明を求めた事項について説明をするために調査をすることが必要である場合(次に掲げる場合を除く。) イ 当該株主が株主総会の日より相当の期間前に当該事項を株式会社に対して通知した場合 ロ 当該事項について説明をするために必要な調査が著しく容易である場合 二 株主が説明を求めた事項について説明をすることにより株式会社その他の者(当該株主を除く。)の権利を侵害することとなる場合 三 株主が当該株主総会において実質的に同一の事項について繰り返して説明を求める場合 四 前三号に掲げる場合のほか、株主が説明を求めた事項について説明をしないことにつき正当な理由がある場合 (議事録) 第七十二条 法第三百十八条第一項の規定による株主総会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 株主総会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 株主総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 株主総会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。第四号において同じ。)、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が株主総会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。) 二 株主総会の議事の経過の要領及びその結果 三 次に掲げる規定により株主総会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要 イ 法第三百四十二条の二第一項 ロ 法第三百四十二条の二第二項 ハ 法第三百四十二条の二第四項 ニ 法第三百四十五条第一項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。) ホ 法第三百四十五条第二項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。) ヘ 法第三百六十一条第五項 ト 法第三百六十一条第六項 チ 法第三百七十七条第一項 リ 法第三百七十九条第三項 ヌ 法第三百八十四条 ル 法第三百八十七条第三項 ヲ 法第三百八十九条第三項 ワ 法第三百九十八条第一項 カ 法第三百九十八条第二項 ヨ 法第三百九十九条の五 四 株主総会に出席した取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人の氏名又は名称 五 株主総会の議長が存するときは、議長の氏名 六 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名 4 次の各号に掲げる場合には、株主総会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。 一 法第三百十九条第一項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項 イ 株主総会の決議があったものとみなされた事項の内容 ロ イの事項の提案をした者の氏名又は名称 ハ 株主総会の決議があったものとみなされた日 ニ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名 二 法第三百二十条の規定により株主総会への報告があったものとみなされた場合 次に掲げる事項 イ 株主総会への報告があったものとみなされた事項の内容 ロ 株主総会への報告があったものとみなされた日 ハ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名 第二款 株主総会参考書類 第一目 通則 第七十三条 株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 議案 二 提案の理由(議案が取締役の提出に係るものに限り、株主総会において一定の事項を説明しなければならない議案の場合における当該説明すべき内容を含む。) 三 議案につき法第三百八十四条、第三百八十九条第三項又は第三百九十九条の五の規定により株主総会に報告をすべきときは、その報告の内容の概要 2 株主総会参考書類には、この節に定めるもののほか、株主の議決権の行使について参考となると認める事項を記載することができる。 3 同一の株主総会に関して株主に対して提供する株主総会参考書類に記載すべき事項のうち、他の書面に記載している事項又は電磁的方法により提供する事項がある場合には、これらの事項は、株主に対して提供する株主総会参考書類に記載することを要しない。 この場合においては、他の書面に記載している事項又は電磁的方法により提供する事項があることを明らかにしなければならない。 4 同一の株主総会に関して株主に対して提供する招集通知又は法第四百三十七条の規定により株主に対して提供する事業報告の内容とすべき事項のうち、株主総会参考書類に記載している事項がある場合には、当該事項は、株主に対して提供する招集通知又は法第四百三十七条の規定により株主に対して提供する事業報告の内容とすることを要しない。 第二目 役員の選任 (取締役の選任に関する議案) 第七十四条 取締役が取締役(株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役を除く。次項第二号において同じ。)の選任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 候補者の氏名、生年月日及び略歴 二 就任の承諾を得ていないときは、その旨 三 株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、法第三百四十二条の二第四項の規定による監査等委員会の意見があるときは、その意見の内容の概要 四 候補者と当該株式会社との間で法第四百二十七条第一項の契約を締結しているとき又は当該契約を締結する予定があるときは、その契約の内容の概要 五 候補者と当該株式会社との間で補償契約を締結しているとき又は補償契約を締結する予定があるときは、その補償契約の内容の概要 六 候補者を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しているとき又は当該役員等賠償責任保険契約を締結する予定があるときは、その役員等賠償責任保険契約の内容の概要 2 前項に規定する場合において、株式会社が公開会社であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 候補者の有する当該株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 候補者が当該株式会社の取締役に就任した場合において第百二十一条第八号に定める重要な兼職に該当する事実があることとなるときは、その事実 三 候補者と株式会社との間に特別の利害関係があるときは、その事実の概要 四 候補者が現に当該株式会社の取締役であるときは、当該株式会社における地位及び担当 3 第一項に規定する場合において、株式会社が公開会社であって、かつ、他の者の子会社等であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 候補者が現に当該他の者(自然人であるものに限る。)であるときは、その旨 二 候補者が現に当該他の者(当該他の者の子会社等(当該株式会社を除く。)を含む。以下この項において同じ。)の業務執行者であるときは、当該他の者における地位及び担当 三 候補者が過去十年間に当該他の者の業務執行者であったことを当該株式会社が知っているときは、当該他の者における地位及び担当 4 第一項に規定する場合において、候補者が社外取締役候補者であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項(株式会社が公開会社でない場合にあっては、第四号から第八号までに掲げる事項を除く。)を記載しなければならない。 一 当該候補者が社外取締役候補者である旨 二 当該候補者を社外取締役候補者とした理由 三 当該候補者が社外取締役(社外役員に限る。以下この項において同じ。)に選任された場合に果たすことが期待される役割の概要 四 当該候補者が現に当該株式会社の社外取締役である場合において、当該候補者が最後に選任された後在任中に当該株式会社において法令又は定款に違反する事実その他不当な業務の執行が行われた事実(重要でないものを除く。)があるときは、その事実並びに当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要 五 当該候補者が過去五年間に他の株式会社の取締役、執行役又は監査役に就任していた場合において、その在任中に当該他の株式会社において法令又は定款に違反する事実その他不当な業務の執行が行われた事実があることを当該株式会社が知っているときは、その事実(重要でないものを除き、当該候補者が当該他の株式会社における社外取締役又は監査役であったときは、当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要を含む。) 六 当該候補者が過去に社外取締役又は社外監査役(社外役員に限る。)となること以外の方法で会社(外国会社を含む。)の経営に関与していない者であるときは、当該経営に関与したことがない候補者であっても社外取締役としての職務を適切に遂行することができるものと当該株式会社が判断した理由 七 当該候補者が次のいずれかに該当することを当該株式会社が知っているときは、その旨 イ 過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行者又は役員(業務執行者であるものを除く。ハ及びホ(2)において同じ。)であったことがあること。 ロ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。ロ及びホ(1)において同じ。)であり、又は過去十年間に当該株式会社の親会社等であったことがあること。 ハ 当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者若しくは役員であり、又は過去十年間に当該株式会社の特定関係事業者(当該株式会社の子会社を除く。)の業務執行者若しくは役員であったことがあること。 ニ 当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者から多額の金銭その他の財産(これらの者の取締役、会計参与、監査役、執行役その他これらに類する者としての報酬等を除く。)を受ける予定があり、又は過去二年間に受けていたこと。 ホ 次に掲げる者の配偶者、三親等以内の親族その他これに準ずる者であること(重要でないものを除く。)。 (1) 当該株式会社の親会社等 (2) 当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者又は役員 ヘ 過去二年間に合併、吸収分割、新設分割又は事業の譲受け(ヘ、第七十四条の三第四項第七号ヘ及び第七十六条第四項第六号ヘにおいて「合併等」という。)により他の株式会社がその事業に関して有する権利義務を当該株式会社が承継又は譲受けをした場合において、当該合併等の直前に当該株式会社の社外取締役又は監査役でなく、かつ、当該他の株式会社の業務執行者であったこと。 八 当該候補者が現に当該株式会社の社外取締役又は監査役であるときは、これらの役員に就任してからの年数 九 前各号に掲げる事項に関する記載についての当該候補者の意見があるときは、その意見の内容 第七十四条の二 削除 (監査等委員である取締役の選任に関する議案) 第七十四条の三 取締役が監査等委員である取締役の選任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 候補者の氏名、生年月日及び略歴 二 株式会社との間に特別の利害関係があるときは、その事実の概要 三 就任の承諾を得ていないときは、その旨 四 議案が法第三百四十四条の二第二項の規定による請求により提出されたものであるときは、その旨 五 法第三百四十二条の二第一項の規定による監査等委員である取締役の意見があるときは、その意見の内容の概要 六 候補者と当該株式会社との間で法第四百二十七条第一項の契約を締結しているとき又は当該契約を締結する予定があるときは、その契約の内容の概要 七 候補者と当該株式会社との間で補償契約を締結しているとき又は補償契約を締結する予定があるときは、その補償契約の内容の概要 八 候補者を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しているとき又は当該役員等賠償責任保険契約を締結する予定があるときは、その役員等賠償責任保険契約の内容の概要 2 前項に規定する場合において、株式会社が公開会社であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 候補者の有する当該株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 候補者が当該株式会社の監査等委員である取締役に就任した場合において第百二十一条第八号に定める重要な兼職に該当する事実があることとなるときは、その事実 三 候補者が現に当該株式会社の監査等委員である取締役であるときは、当該株式会社における地位及び担当 3 第一項に規定する場合において、株式会社が公開会社であり、かつ、他の者の子会社等であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 候補者が現に当該他の者(自然人であるものに限る。)であるときは、その旨 二 候補者が現に当該他の者(当該他の者の子会社等(当該株式会社を除く。)を含む。以下この項において同じ。)の業務執行者であるときは、当該他の者における地位及び担当 三 候補者が過去十年間に当該他の者の業務執行者であったことを当該株式会社が知っているときは、当該他の者における地位及び担当 4 第一項に規定する場合において、候補者が社外取締役候補者であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項(株式会社が公開会社でない場合にあっては、第四号から第八号までに掲げる事項を除く。)を記載しなければならない。 一 当該候補者が社外取締役候補者である旨 二 当該候補者を社外取締役候補者とした理由 三 当該候補者が社外取締役(社外役員に限る。以下この項において同じ。)に選任された場合に果たすことが期待される役割の概要 四 当該候補者が現に当該株式会社の社外取締役である場合において、当該候補者が最後に選任された後在任中に当該株式会社において法令又は定款に違反する事実その他不当な業務の執行が行われた事実(重要でないものを除く。)があるときは、その事実並びに当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要 五 当該候補者が過去五年間に他の株式会社の取締役、執行役又は監査役に就任していた場合において、その在任中に当該他の株式会社において法令又は定款に違反する事実その他不当な業務の執行が行われた事実があることを当該株式会社が知っているときは、その事実(重要でないものを除き、当該候補者が当該他の株式会社における社外取締役又は監査役であったときは、当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要を含む。) 六 当該候補者が過去に社外取締役又は社外監査役(社外役員に限る。)となること以外の方法で会社(外国会社を含む。)の経営に関与していない者であるときは、当該経営に関与したことがない候補者であっても監査等委員である社外取締役としての職務を適切に遂行することができるものと当該株式会社が判断した理由 七 当該候補者が次のいずれかに該当することを当該株式会社が知っているときは、その旨 イ 過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行者又は役員(業務執行者であるものを除く。ハ及びホ(2)において同じ。)であったことがあること。 ロ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。ロ及びホ(1)において同じ。)であり、又は過去十年間に当該株式会社の親会社等であったことがあること。 ハ 当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者若しくは役員であり、又は過去十年間に当該株式会社の特定関係事業者(当該株式会社の子会社を除く。)の業務執行者若しくは役員であったことがあること。 ニ 当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者から多額の金銭その他の財産(これらの者の取締役、会計参与、監査役、執行役その他これらに類する者としての報酬等を除く。)を受ける予定があり、又は過去二年間に受けていたこと。 ホ 次に掲げる者の配偶者、三親等以内の親族その他これに準ずる者であること(重要でないものを除く。)。 (1) 当該株式会社の親会社等 (2) 当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者又は役員 ヘ 過去二年間に合併等により他の株式会社がその事業に関して有する権利義務を当該株式会社が承継又は譲受けをした場合において、当該合併等の直前に当該株式会社の社外取締役又は監査役でなく、かつ、当該他の株式会社の業務執行者であったこと。 八 当該候補者が現に当該株式会社の社外取締役又は監査等委員である取締役であるときは、これらの役員に就任してからの年数 九 前各号に掲げる事項に関する記載についての当該候補者の意見があるときは、その意見の内容 (会計参与の選任に関する議案) 第七十五条 取締役が会計参与の選任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める事項 イ 候補者が公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。以下同じ。)又は税理士である場合 その氏名、事務所の所在場所、生年月日及び略歴 ロ 候補者が監査法人又は税理士法人である場合 その名称、主たる事務所の所在場所及び沿革 二 就任の承諾を得ていないときは、その旨 三 法第三百四十五条第一項の規定による会計参与の意見があるときは、その意見の内容の概要 四 候補者と当該株式会社との間で法第四百二十七条第一項の契約を締結しているとき又は当該契約を締結する予定があるときは、その契約の内容の概要 五 候補者と当該株式会社との間で補償契約を締結しているとき又は補償契約を締結する予定があるときは、その補償契約の内容の概要 六 候補者を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しているとき又は当該役員等賠償責任保険契約を締結する予定があるときは、その役員等賠償責任保険契約の内容の概要 七 当該候補者が過去二年間に業務の停止の処分を受けた者である場合における当該処分に係る事項のうち、当該株式会社が株主総会参考書類に記載することが適切であるものと判断した事項 (監査役の選任に関する議案) 第七十六条 取締役が監査役の選任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 候補者の氏名、生年月日及び略歴 二 株式会社との間に特別の利害関係があるときは、その事実の概要 三 就任の承諾を得ていないときは、その旨 四 議案が法第三百四十三条第二項の規定による請求により提出されたものであるときは、その旨 五 法第三百四十五条第四項において準用する同条第一項の規定による監査役の意見があるときは、その意見の内容の概要 六 候補者と当該株式会社との間で法第四百二十七条第一項の契約を締結しているとき又は当該契約を締結する予定があるときは、その契約の内容の概要 七 候補者と当該株式会社との間で補償契約を締結しているとき又は補償契約を締結する予定があるときは、その補償契約の内容の概要 八 候補者を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しているとき又は当該役員等賠償責任保険契約を締結する予定があるときは、その役員等賠償責任保険契約の内容の概要 2 前項に規定する場合において、株式会社が公開会社であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 候補者の有する当該株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数) 二 候補者が当該株式会社の監査役に就任した場合において第百二十一条第八号に定める重要な兼職に該当する事実があることとなるときは、その事実 三 候補者が現に当該株式会社の監査役であるときは、当該株式会社における地位 3 第一項に規定する場合において、株式会社が公開会社であり、かつ、他の者の子会社等であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 候補者が現に当該他の者(自然人であるものに限る。)であるときは、その旨 二 候補者が現に当該他の者(当該他の者の子会社等(当該株式会社を除く。)を含む。以下この項において同じ。)の業務執行者であるときは、当該他の者における地位及び担当 三 候補者が過去十年間に当該他の者の業務執行者であったことを当該株式会社が知っているときは、当該他の者における地位及び担当 4 第一項に規定する場合において、候補者が社外監査役候補者であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項(株式会社が公開会社でない場合にあっては、第三号から第七号までに掲げる事項を除く。)を記載しなければならない。 一 当該候補者が社外監査役候補者である旨 二 当該候補者を社外監査役候補者とした理由 三 当該候補者が現に当該株式会社の社外監査役(社外役員に限る。以下この項において同じ。)である場合において、当該候補者が最後に選任された後在任中に当該株式会社において法令又は定款に違反する事実その他不正な業務の執行が行われた事実(重要でないものを除く。)があるときは、その事実並びに当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要 四 当該候補者が過去五年間に他の株式会社の取締役、執行役又は監査役に就任していた場合において、その在任中に当該他の株式会社において法令又は定款に違反する事実その他不正な業務の執行が行われた事実があることを当該株式会社が知っているときは、その事実(重要でないものを除き、当該候補者が当該他の株式会社における社外取締役(社外役員に限る。次号において同じ。)又は監査役であったときは、当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要を含む。) 五 当該候補者が過去に社外取締役又は社外監査役となること以外の方法で会社(外国会社を含む。)の経営に関与していない者であるときは、当該経営に関与したことがない候補者であっても社外監査役としての職務を適切に遂行することができるものと当該株式会社が判断した理由 六 当該候補者が次のいずれかに該当することを当該株式会社が知っているときは、その旨 イ 過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行者又は役員(業務執行者であるものを除く。ハ及びホ(2)において同じ。)であったことがあること。 ロ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。ロ及びホ(1)において同じ。)であり、又は過去十年間に当該株式会社の親会社等であったことがあること。 ハ 当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者若しくは役員であり、又は過去十年間に当該株式会社の特定関係事業者(当該株式会社の子会社を除く。)の業務執行者若しくは役員であったことがあること。 ニ 当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者から多額の金銭その他の財産(これらの者の監査役としての報酬等を除く。)を受ける予定があり、又は過去二年間に受けていたこと。 ホ 次に掲げる者の配偶者、三親等以内の親族その他これに準ずる者であること(重要でないものを除く。)。 (1) 当該株式会社の親会社等 (2) 当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者又は役員 ヘ 過去二年間に合併等により他の株式会社がその事業に関して有する権利義務を当該株式会社が承継又は譲受けをした場合において、当該合併等の直前に当該株式会社の社外監査役でなく、かつ、当該他の株式会社の業務執行者であったこと。 七 当該候補者が現に当該株式会社の監査役であるときは、監査役に就任してからの年数 八 前各号に掲げる事項に関する記載についての当該候補者の意見があるときは、その意見の内容 (会計監査人の選任に関する議案) 第七十七条 取締役が会計監査人の選任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める事項 イ 候補者が公認会計士である場合 その氏名、事務所の所在場所、生年月日及び略歴 ロ 候補者が監査法人である場合 その名称、主たる事務所の所在場所及び沿革 二 就任の承諾を得ていないときは、その旨 三 監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)が当該候補者を会計監査人の候補者とした理由 四 法第三百四十五条第五項において準用する同条第一項の規定による会計監査人の意見があるときは、その意見の内容の概要 五 候補者と当該株式会社との間で法第四百二十七条第一項の契約を締結しているとき又は当該契約を締結する予定があるときは、その契約の内容の概要 六 候補者と当該株式会社との間で補償契約を締結しているとき又は補償契約を締結する予定があるときは、その補償契約の内容の概要 七 候補者を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しているとき又は当該役員等賠償責任保険契約を締結する予定があるときは、その役員等賠償責任保険契約の内容の概要 八 当該候補者が現に業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者であるときは、当該処分に係る事項 九 当該候補者が過去二年間に業務の停止の処分を受けた者である場合における当該処分に係る事項のうち、当該株式会社が株主総会参考書類に記載することが適切であるものと判断した事項 十 株式会社が公開会社である場合において、当該候補者が次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものから多額の金銭その他の財産上の利益(これらの者から受ける会計監査人(法以外の法令の規定によるこれに相当するものを含む。)としての報酬等及び公認会計士法第二条第一項に規定する業務の対価を除く。)を受ける予定があるとき又は過去二年間に受けていたときは、その内容 イ 当該株式会社に親会社等がある場合 当該株式会社、当該親会社等又は当該親会社等の子会社等(当該株式会社を除く。)若しくは関連会社(当該親会社等が会社でない場合におけるその関連会社に相当するものを含む。) ロ 当該株式会社に親会社等がない場合 当該株式会社又は当該株式会社の子会社若しくは関連会社 第三目 役員の解任等 (取締役の解任に関する議案) 第七十八条 取締役が取締役(株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役を除く。第一号において同じ。)の解任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 取締役の氏名 二 解任の理由 三 株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、法第三百四十二条の二第四項の規定による監査等委員会の意見があるときは、その意見の内容の概要 (監査等委員である取締役の解任に関する議案) 第七十八条の二 取締役が監査等委員である取締役の解任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 監査等委員である取締役の氏名 二 解任の理由 三 法第三百四十二条の二第一項の規定による監査等委員である取締役の意見があるときは、その意見の内容の概要 (会計参与の解任に関する議案) 第七十九条 取締役が会計参与の解任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 会計参与の氏名又は名称 二 解任の理由 三 法第三百四十五条第一項の規定による会計参与の意見があるときは、その意見の内容の概要 (監査役の解任に関する議案) 第八十条 取締役が監査役の解任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 監査役の氏名 二 解任の理由 三 法第三百四十五条第四項において準用する同条第一項の規定による監査役の意見があるときは、その意見の内容の概要 (会計監査人の解任又は不再任に関する議案) 第八十一条 取締役が会計監査人の解任又は不再任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 会計監査人の氏名又は名称 二 監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)が議案の内容を決定した理由 三 法第三百四十五条第五項において準用する同条第一項の規定による会計監査人の意見があるときは、その意見の内容の概要 第四目 役員の報酬等 (取締役の報酬等に関する議案) 第八十二条 取締役が取締役(株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役を除く。以下この項及び第三項において同じ。)の報酬等に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 法第三百六十一条第一項各号に掲げる事項の算定の基準 二 議案が既に定められている法第三百六十一条第一項各号に掲げる事項を変更するものであるときは、変更の理由 三 議案が二以上の取締役についての定めであるときは、当該定めに係る取締役の員数 四 議案が退職慰労金に関するものであるときは、退職する各取締役の略歴 五 株式会社が監査等委員会設置会社である場合において、法第三百六十一条第六項の規定による監査等委員会の意見があるときは、その意見の内容の概要 2 前項第四号に規定する場合において、議案が一定の基準に従い退職慰労金の額を決定することを取締役、監査役その他の第三者に一任するものであるときは、株主総会参考書類には、当該一定の基準の内容を記載しなければならない。 ただし、各株主が当該基準を知ることができるようにするための適切な措置を講じている場合は、この限りでない。 3 第一項に規定する場合において、株式会社が公開会社であり、かつ、取締役の一部が社外取締役(監査等委員であるものを除き、社外役員に限る。以下この項において同じ。)であるときは、株主総会参考書類には、第一項第一号から第三号までに掲げる事項のうち社外取締役に関するものは、社外取締役以外の取締役と区別して記載しなければならない。 (監査等委員である取締役の報酬等に関する議案) 第八十二条の二 取締役が監査等委員である取締役の報酬等に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 法第三百六十一条第一項各号に掲げる事項の算定の基準 二 議案が既に定められている法第三百六十一条第一項各号に掲げる事項を変更するものであるときは、変更の理由 三 議案が二以上の監査等委員である取締役についての定めであるときは、当該定めに係る監査等委員である取締役の員数 四 議案が退職慰労金に関するものであるときは、退職する各監査等委員である取締役の略歴 五 法第三百六十一条第五項の規定による監査等委員である取締役の意見があるときは、その意見の内容の概要 2 前項第四号に規定する場合において、議案が一定の基準に従い退職慰労金の額を決定することを取締役その他の第三者に一任するものであるときは、株主総会参考書類には、当該一定の基準の内容を記載しなければならない。 ただし、各株主が当該基準を知ることができるようにするための適切な措置を講じている場合は、この限りでない。 (会計参与の報酬等に関する議案) 第八十三条 取締役が会計参与の報酬等に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 法第三百七十九条第一項に規定する事項の算定の基準 二 議案が既に定められている法第三百七十九条第一項に規定する事項を変更するものであるときは、変更の理由 三 議案が二以上の会計参与についての定めであるときは、当該定めに係る会計参与の員数 四 議案が退職慰労金に関するものであるときは、退職する各会計参与の略歴 五 法第三百七十九条第三項の規定による会計参与の意見があるときは、その意見の内容の概要 2 前項第四号に規定する場合において、議案が一定の基準に従い退職慰労金の額を決定することを取締役、監査役その他の第三者に一任するものであるときは、株主総会参考書類には、当該一定の基準の内容を記載しなければならない。 ただし、各株主が当該基準を知ることができるようにするための適切な措置を講じている場合は、この限りでない。 (監査役の報酬等に関する議案) 第八十四条 取締役が監査役の報酬等に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 法第三百八十七条第一項に規定する事項の算定の基準 二 議案が既に定められている法第三百八十七条第一項に規定する事項を変更するものであるときは、変更の理由 三 議案が二以上の監査役についての定めであるときは、当該定めに係る監査役の員数 四 議案が退職慰労金に関するものであるときは、退職する各監査役の略歴 五 法第三百八十七条第三項の規定による監査役の意見があるときは、その意見の内容の概要 2 前項第四号に規定する場合において、議案が一定の基準に従い退職慰労金の額を決定することを取締役、監査役その他の第三者に一任するものであるときは、株主総会参考書類には、当該一定の基準の内容を記載しなければならない。 ただし、各株主が当該基準を知ることができるようにするための適切な措置を講じている場合は、この限りでない。 (責任免除を受けた役員等に対し退職慰労金等を与える議案等) 第八十四条の二 次の各号に掲げる場合において、取締役が法第四百二十五条第四項(法第四百二十六条第八項及び第四百二十七条第五項において準用する場合を含む。)に規定する承認の決議に関する議案を提出するときは、株主総会参考書類には、責任を免除し、又は責任を負わないとされた役員等が得る第百十四条各号に規定する額及び当該役員等に与える第百十五条各号に規定するものの内容を記載しなければならない。 一 法第四百二十五条第一項に規定する決議に基づき役員等の責任を免除した場合 二 法第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づき役員等の責任を免除した場合 三 法第四百二十七条第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について同項に規定する非業務執行取締役等が損害を賠償する責任を負わないとされた場合 第五目 計算関係書類の承認 第八十五条 取締役が計算関係書類の承認に関する議案を提出する場合において、次の各号に掲げるときは、株主総会参考書類には、当該各号に定める事項を記載しなければならない。 一 法第三百九十八条第一項の規定による会計監査人の意見がある場合 その意見の内容 二 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役会の意見があるとき その意見の内容の概要 第五目の二 全部取得条項付種類株式の取得 第八十五条の二 取締役が全部取得条項付種類株式の取得に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該全部取得条項付種類株式の取得を行う理由 二 法第百七十一条第一項各号に掲げる事項の内容 三 法第二百九十八条第一項の決定をした日における第三十三条の二第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 第五目の三 株式の併合 第八十五条の三 取締役が株式の併合(法第百八十二条の二第一項に規定する株式の併合をいう。第九十三条第一項第五号ロにおいて同じ。)に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該株式の併合を行う理由 二 法第百八十条第二項各号に掲げる事項の内容 三 法第二百九十八条第一項の決定をした日における第三十三条の九第一号及び第二号に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 第六目 合併契約等の承認 (吸収合併契約の承認に関する議案) 第八十六条 取締役が吸収合併契約の承認に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該吸収合併を行う理由 二 吸収合併契約の内容の概要 三 当該株式会社が吸収合併消滅株式会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第百八十二条第一項各号(第五号及び第六号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 四 当該株式会社が吸収合併存続株式会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第百九十一条各号(第六号及び第七号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 (吸収分割契約の承認に関する議案) 第八十七条 取締役が吸収分割契約の承認に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該吸収分割を行う理由 二 吸収分割契約の内容の概要 三 当該株式会社が吸収分割株式会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第百八十三条各号(第二号、第六号及び第七号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 四 当該株式会社が吸収分割承継株式会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第百九十二条各号(第二号、第七号及び第八号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 (株式交換契約の承認に関する議案) 第八十八条 取締役が株式交換契約の承認に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該株式交換を行う理由 二 株式交換契約の内容の概要 三 当該株式会社が株式交換完全子会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第百八十四条第一項各号(第五号及び第六号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 四 当該株式会社が株式交換完全親株式会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第百九十三条各号(第五号及び第六号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 (新設合併契約の承認に関する議案) 第八十九条 取締役が新設合併契約の承認に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該新設合併を行う理由 二 新設合併契約の内容の概要 三 当該株式会社が新設合併消滅株式会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第二百四条各号(第六号及び第七号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 四 新設合併設立株式会社の取締役となる者(新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、当該新設合併設立株式会社の監査等委員である取締役となる者を除く。)についての第七十四条に規定する事項 五 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社であるときは、当該新設合併設立株式会社の監査等委員である取締役となる者についての第七十四条の三に規定する事項 六 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社であるときは、当該新設合併設立株式会社の会計参与となる者についての第七十五条に規定する事項 七 新設合併設立株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、当該新設合併設立株式会社の監査役となる者についての第七十六条に規定する事項 八 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社であるときは、当該新設合併設立株式会社の会計監査人となる者についての第七十七条に規定する事項 (新設分割計画の承認に関する議案) 第九十条 取締役が新設分割計画の承認に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該新設分割を行う理由 二 新設分割計画の内容の概要 三 当該株式会社が新設分割株式会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第二百五条各号(第七号及び第八号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 (株式移転計画の承認に関する議案) 第九十一条 取締役が株式移転計画の承認に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該株式移転を行う理由 二 株式移転計画の内容の概要 三 当該株式会社が株式移転完全子会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第二百六条各号(第五号及び第六号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 四 株式移転設立完全親会社の取締役となる者(株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、当該株式移転設立完全親会社の監査等委員である取締役となる者を除く。)についての第七十四条に規定する事項 五 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社であるときは、当該株式移転設立完全親会社の監査等委員である取締役となる者についての第七十四条の三に規定する事項 六 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社であるときは、当該株式移転設立完全親会社の会計参与となる者についての第七十五条に規定する事項 七 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、当該株式移転設立完全親会社の監査役となる者についての第七十六条に規定する事項 八 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社であるときは、当該株式移転設立完全親会社の会計監査人となる者についての第七十七条に規定する事項 (株式交付計画の承認に関する議案) 第九十一条の二 取締役が株式交付計画の承認に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該株式交付を行う理由 二 株式交付計画の内容の概要 三 当該株式会社が株式交付親会社である場合において、法第二百九十八条第一項の決定をした日における第二百十三条の二各号(第六号及び第七号を除く。)に掲げる事項があるときは、当該事項の内容の概要 (事業譲渡等に係る契約の承認に関する議案) 第九十二条 取締役が事業譲渡等に係る契約の承認に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該事業譲渡等を行う理由 二 当該事業譲渡等に係る契約の内容の概要 三 当該契約に基づき当該株式会社が受け取る対価又は契約の相手方に交付する対価の算定の相当性に関する事項の概要 第七目 株主提案の場合における記載事項 第九十三条 議案が株主の提出に係るものである場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項(第三号から第五号までに掲げる事項が株主総会参考書類にその全部を記載することが適切でない程度の多数の文字、記号その他のものをもって構成されている場合(株式会社がその全部を記載することが適切であるものとして定めた分量を超える場合を含む。)にあっては、当該事項の概要)を記載しなければならない。 一 議案が株主の提出に係るものである旨 二 議案に対する取締役(取締役会設置会社である場合にあっては、取締役会)の意見があるときは、その意見の内容 三 株主が法第三百五条第一項の規定による請求に際して提案の理由(当該提案の理由が明らかに虚偽である場合又は専ら人の名誉を侵害し、若しくは侮辱する目的によるものと認められる場合における当該提案の理由を除く。)を株式会社に対して通知したときは、その理由 四 議案が次のイからホまでに掲げる者の選任に関するものである場合において、株主が法第三百五条第一項の規定による請求に際して当該イからホまでに定める事項(当該事項が明らかに虚偽である場合における当該事項を除く。)を株式会社に対して通知したときは、その内容 イ 取締役(株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役を除く。) 第七十四条に規定する事項 ロ 監査等委員である取締役 第七十四条の三に規定する事項 ハ 会計参与 第七十五条に規定する事項 ニ 監査役 第七十六条に規定する事項 ホ 会計監査人 第七十七条に規定する事項 五 議案が次のイ又はロに掲げる事項に関するものである場合において、株主が法第三百五条第一項の規定による請求に際して当該イ又はロに定める事項(当該事項が明らかに虚偽である場合における当該事項を除く。)を株式会社に対して通知したときは、その内容 イ 全部取得条項付種類株式の取得 第八十五条の二に規定する事項 ロ 株式の併合 第八十五条の三に規定する事項 2 二以上の株主から同一の趣旨の議案が提出されている場合には、株主総会参考書類には、その議案及びこれに対する取締役(取締役会設置会社である場合にあっては、取締役会)の意見の内容は、各別に記載することを要しない。 ただし、二以上の株主から同一の趣旨の提案があった旨を記載しなければならない。 3 二以上の株主から同一の趣旨の提案の理由が提出されている場合には、株主総会参考書類には、その提案の理由は、各別に記載することを要しない。 第八目 株主総会参考書類の記載の特則 第九十四条 株主総会参考書類に記載すべき事項(次に掲げるものを除く。)に係る情報を、当該株主総会に係る招集通知を発出する時から当該株主総会の日から三箇月が経過する日までの間、継続して電磁的方法により株主が提供を受けることができる状態に置く措置(第二百二十二条第一項第一号ロに掲げる方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)を使用する方法によって行われるものに限る。第三項において同じ。)をとる場合には、当該事項は、当該事項を記載した株主総会参考書類を株主に対して提供したものとみなす。 ただし、この項の措置をとる旨の定款の定めがある場合に限る。 一 議案 二 第百三十三条第三項第一号に掲げる事項を株主総会参考書類に記載することとしている場合における当該事項 三 次項の規定により株主総会参考書類に記載すべき事項 四 株主総会参考書類に記載すべき事項(前各号に掲げるものを除く。)につきこの項の措置をとることについて監査役、監査等委員会又は監査委員会が異議を述べている場合における当該事項 2 前項の場合には、株主に対して提供する株主総会参考書類に、同項の措置をとるために使用する自動公衆送信装置のうち当該措置をとるための用に供する部分をインターネットにおいて識別するための文字、記号その他の符号又はこれらの結合であって、情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録することができるものを記載しなければならない。 3 第一項の規定は、同項各号に掲げる事項に係る情報についても、電磁的方法により株主が提供を受けることができる状態に置く措置をとることを妨げるものではない。 第三款 種類株主総会 第九十五条 次の各号に掲げる規定は、当該各号に定めるものについて準用する。 一 第六十三条(第一号を除く。) 法第三百二十五条において準用する法第二百九十八条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項 二 第六十四条 法第三百二十五条において準用する法第二百九十八条第二項に規定する法務省令で定めるもの 三 第六十五条及び前款 種類株主総会の株主総会参考書類 四 第六十六条 種類株主総会の議決権行使書面 五 第六十七条 法第三百二十五条において準用する法第三百八条第一項に規定する法務省令で定める株主 六 第六十九条 法第三百二十五条において準用する法第三百十一条第一項に規定する法務省令で定める時 七 第七十条 法第三百二十五条において準用する法第三百十二条第一項に規定する法務省令で定める時 八 第七十一条 法第三百二十五条において準用する法第三百十四条に規定する法務省令で定める場合 九 第七十二条 法第三百二十五条において準用する法第三百十八条第一項の規定による議事録の作成 第四款 電子提供措置 (電子提供措置) 第九十五条の二 法第三百二十五条の二に規定する法務省令で定めるものは、第二百二十二条第一項第一号ロに掲げる方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置を使用するものによる措置とする。 (電子提供措置をとる場合における招集通知の記載事項) 第九十五条の三 法第三百二十五条の四第二項第三号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 電子提供措置をとっているときは、電子提供措置をとるために使用する自動公衆送信装置のうち当該電子提供措置をとるための用に供する部分をインターネットにおいて識別するための文字、記号その他の符号又はこれらの結合であって、情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録することができるものその他の当該者が当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録するために必要な事項 二 法第三百二十五条の三第三項に規定する場合には、同項の手続であって、金融商品取引法施行令(昭和四十年政令第三百二十一号)第十四条の十二の規定によりインターネットを利用して公衆の縦覧に供されるものをインターネットにおいて識別するための文字、記号その他の符号又はこれらの結合であって、情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧することができるものその他の当該者が当該情報の内容を閲覧するために必要な事項 2 法第三百二十五条の七において読み替えて準用する法第三百二十五条の四第二項第三号に規定する法務省令で定める事項は、前項第一号に掲げる事項とする。 (電子提供措置事項記載書面に記載することを要しない事項) 第九十五条の四 法第三百二十五条の五第三項に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 株主総会参考書類に記載すべき事項(次に掲げるものを除く。) イ 議案 ロ 株主総会参考書類に記載すべき事項(イに掲げるものを除く。)につき電子提供措置事項記載書面に記載しないことについて監査役、監査等委員会又は監査委員会が異議を述べている場合における当該事項 二 事業報告(法第四百三十七条に規定する事業報告をいう。以下この号において同じ。)に記載され、又は記録された事項(次に掲げるものを除く。) イ 第百二十条第一項第五号及び第七号並びに第百二十一条第一号、第二号及び第四号から第六号の三までに掲げる事項 ロ 事業報告に記載され、又は記録された事項(イに掲げるものを除く。)につき電子提供措置事項記載書面に記載しないことについて監査役、監査等委員会又は監査委員会が異議を述べている場合における当該事項 三 法第四百三十七条に規定する計算書類に記載され、又は記録された事項 四 法第四百四十四条第六項に規定する連結計算書類に記載され、又は記録された事項 2 次の各号に掲げる事項の全部又は一部を電子提供措置事項記載書面に記載しないときは、取締役は、当該各号に定める事項を株主(電子提供措置事項記載書面の交付を受ける株主に限る。以下この項において同じ。)に対して通知しなければならない。 一 前項第二号に掲げる事項 監査役、監査等委員会又は監査委員会が、電子提供措置事項記載書面に記載された事項(事業報告に記載され、又は記録された事項に限る。)が監査報告を作成するに際して監査をした事業報告に記載され、又は記録された事項の一部である旨を株主に対して通知すべきことを取締役に請求したときは、その旨 二 前項第三号に掲げる事項 監査役、会計監査人、監査等委員会又は監査委員会が、電子提供措置事項記載書面に記載された事項(計算書類に記載され、又は記録された事項に限る。)が監査報告又は会計監査報告を作成するに際して監査をした計算書類に記載され、又は記録された事項の一部である旨を株主に対して通知すべきことを取締役に請求したときは、その旨 三 前項第四号に掲げる事項 監査役、会計監査人、監査等委員会又は監査委員会が、電子提供措置事項記載書面に記載された事項(連結計算書類に記載され、又は記録された事項に限る。)が監査報告又は会計監査報告を作成するに際して監査をした連結計算書類に記載され、又は記録された事項の一部である旨を株主に対して通知すべきことを取締役に請求したときは、その旨 第二節 会社役員の選任 (補欠の会社役員の選任) 第九十六条 法第三百二十九条第三項の規定による補欠の会社役員(執行役を除き、監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)の選任については、この条の定めるところによる。 2 法第三百二十九条第三項に規定する決議により補欠の会社役員を選任する場合には、次に掲げる事項も併せて決定しなければならない。 一 当該候補者が補欠の会社役員である旨 二 当該候補者を補欠の社外取締役として選任するときは、その旨 三 当該候補者を補欠の社外監査役として選任するときは、その旨 四 当該候補者を一人又は二人以上の特定の会社役員の補欠の会社役員として選任するときは、その旨及び当該特定の会社役員の氏名(会計参与である場合にあっては、氏名又は名称) 五 同一の会社役員(二以上の会社役員の補欠として選任した場合にあっては、当該二以上の会社役員)につき二人以上の補欠の会社役員を選任するときは、当該補欠の会社役員相互間の優先順位 六 補欠の会社役員について、就任前にその選任の取消しを行う場合があるときは、その旨及び取消しを行うための手続 3 補欠の会社役員の選任に係る決議が効力を有する期間は、定款に別段の定めがある場合を除き、当該決議後最初に開催する定時株主総会の開始の時までとする。 ただし、株主総会(当該補欠の会社役員を法第百八条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い種類株主総会の決議によって選任する場合にあっては、当該種類株主総会)の決議によってその期間を短縮することを妨げない。 (累積投票による取締役の選任) 第九十七条 法第三百四十二条第五項の規定により法務省令で定めるべき事項は、この条の定めるところによる。 2 法第三百四十二条第一項の規定による請求があった場合には、取締役(株主総会の議長が存する場合にあっては議長、取締役及び議長が存しない場合にあっては当該請求をした株主)は、同項の株主総会における取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)の選任の決議に先立ち、法第三百四十二条第三項から第五項までに規定するところにより取締役を選任することを明らかにしなければならない。 3 法第三百四十二条第四項の場合において、投票の同数を得た者が二人以上存することにより同条第一項の株主総会において選任する取締役の数の取締役について投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとすることができないときは、当該株主総会において選任する取締役の数以下の数であって投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとすることができる数の範囲内で、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。 4 前項に規定する場合において、法第三百四十二条第一項の株主総会において選任する取締役の数から前項の規定により取締役に選任されたものとされた者の数を減じて得た数の取締役は、同条第三項及び第四項に規定するところによらないで、株主総会の決議により選任する。 第三節 取締役 (業務の適正を確保するための体制) 第九十八条 法第三百四十八条第三項第四号に規定する法務省令で定める体制は、当該株式会社における次に掲げる体制とする。 一 当該株式会社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 二 当該株式会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 三 当該株式会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 四 当該株式会社の使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 五 次に掲げる体制その他の当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制 イ 当該株式会社の子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者(ハ及びニにおいて「取締役等」という。)の職務の執行に係る事項の当該株式会社への報告に関する体制 ロ 当該株式会社の子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 ハ 当該株式会社の子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 ニ 当該株式会社の子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 2 取締役が二人以上ある株式会社である場合には、前項に規定する体制には、業務の決定が適正に行われることを確保するための体制を含むものとする。 3 監査役設置会社以外の株式会社である場合には、第一項に規定する体制には、取締役が株主に報告すべき事項の報告をするための体制を含むものとする。 4 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合には、第一項に規定する体制には、次に掲げる体制を含むものとする。 一 当該監査役設置会社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項 二 前号の使用人の当該監査役設置会社の取締役からの独立性に関する事項 三 当該監査役設置会社の監査役の第一号の使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項 四 次に掲げる体制その他の当該監査役設置会社の監査役への報告に関する体制 イ 当該監査役設置会社の取締役及び会計参与並びに使用人が当該監査役設置会社の監査役に報告をするための体制 ロ 当該監査役設置会社の子会社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当該監査役設置会社の監査役に報告をするための体制 五 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 六 当該監査役設置会社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項 七 その他当該監査役設置会社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制 (取締役の報酬等のうち株式会社の募集株式について定めるべき事項) 第九十八条の二 法第三百六十一条第一項第三号に規定する法務省令で定める事項は、同号の募集株式に係る次に掲げる事項とする。 一 一定の事由が生ずるまで当該募集株式を他人に譲り渡さないことを取締役に約させることとするときは、その旨及び当該一定の事由の概要 二 一定の事由が生じたことを条件として当該募集株式を当該株式会社に無償で譲り渡すことを取締役に約させることとするときは、その旨及び当該一定の事由の概要 三 前二号に掲げる事項のほか、取締役に対して当該募集株式を割り当てる条件を定めるときは、その条件の概要 (取締役の報酬等のうち株式会社の募集新株予約権について定めるべき事項) 第九十八条の三 法第三百六十一条第一項第四号に規定する法務省令で定める事項は、同号の募集新株予約権に係る次に掲げる事項とする。 一 法第二百三十六条第一項第一号から第四号までに掲げる事項(同条第三項の場合には、同条第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる事項並びに同条第三項各号に掲げる事項) 二 一定の資格を有する者が当該募集新株予約権を行使することができることとするときは、その旨及び当該一定の資格の内容の概要 三 前二号に掲げる事項のほか、当該募集新株予約権の行使の条件を定めるときは、その条件の概要 四 法第二百三十六条第一項第六号に掲げる事項 五 法第二百三十六条第一項第七号に掲げる事項の内容の概要 六 取締役に対して当該募集新株予約権を割り当てる条件を定めるときは、その条件の概要 (取締役の報酬等のうち株式等と引換えにする払込みに充てるための金銭について定めるべき事項) 第九十八条の四 法第三百六十一条第一項第五号イに規定する法務省令で定める事項は、同号イの募集株式に係る次に掲げる事項とする。 一 一定の事由が生ずるまで当該募集株式を他人に譲り渡さないことを取締役に約させることとするときは、その旨及び当該一定の事由の概要 二 一定の事由が生じたことを条件として当該募集株式を当該株式会社に無償で譲り渡すことを取締役に約させることとするときは、その旨及び当該一定の事由の概要 三 前二号に掲げる事項のほか、取締役に対して当該募集株式と引換えにする払込みに充てるための金銭を交付する条件又は取締役に対して当該募集株式を割り当てる条件を定めるときは、その条件の概要 2 法第三百六十一条第一項第五号ロに規定する法務省令で定める事項は、同号ロの募集新株予約権に係る次に掲げる事項とする。 一 法第二百三十六条第一項第一号から第四号までに掲げる事項(同条第三項の場合には、同条第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる事項並びに同条第三項各号に掲げる事項) 二 一定の資格を有する者が当該募集新株予約権を行使することができることとするときは、その旨及び当該一定の資格の内容の概要 三 前二号に掲げる事項のほか、当該募集新株予約権の行使の条件を定めるときは、その条件の概要 四 法第二百三十六条第一項第六号に掲げる事項 五 法第二百三十六条第一項第七号に掲げる事項の内容の概要 六 取締役に対して当該募集新株予約権と引換えにする払込みに充てるための金銭を交付する条件又は取締役に対して当該募集新株予約権を割り当てる条件を定めるときは、その条件の概要 (取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針) 第九十八条の五 法第三百六十一条第七項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この条において同じ。)の個人別の報酬等(次号に規定する業績連動報酬等及び第三号に規定する非金銭報酬等のいずれでもないものに限る。)の額又はその算定方法の決定に関する方針 二 取締役の個人別の報酬等のうち、利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標その他の当該株式会社又はその関係会社(会社計算規則第二条第三項第二十五号に規定する関係会社をいう。)の業績を示す指標(以下この号及び第百二十一条第五号の二において「業績指標」という。)を基礎としてその額又は数が算定される報酬等(以下この条並びに第百二十一条第四号及び第五号の二において「業績連動報酬等」という。)がある場合には、当該業績連動報酬等に係る業績指標の内容及び当該業績連動報酬等の額又は数の算定方法の決定に関する方針 三 取締役の個人別の報酬等のうち、金銭でないもの(募集株式又は募集新株予約権と引換えにする払込みに充てるための金銭を取締役の報酬等とする場合における当該募集株式又は募集新株予約権を含む。以下この条並びに第百二十一条第四号及び第五号の三において「非金銭報酬等」という。)がある場合には、当該非金銭報酬等の内容及び当該非金銭報酬等の額若しくは数又はその算定方法の決定に関する方針 四 第一号の報酬等の額、業績連動報酬等の額又は非金銭報酬等の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針 五 取締役に対し報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針 六 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定の全部又は一部を取締役その他の第三者に委任することとするときは、次に掲げる事項 イ 当該委任を受ける者の氏名又は当該株式会社における地位及び担当 ロ イの者に委任する権限の内容 ハ イの者によりロの権限が適切に行使されるようにするための措置を講ずることとするときは、その内容 七 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定の方法(前号に掲げる事項を除く。) 八 前各号に掲げる事項のほか、取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する重要な事項 第四節 取締役会 (社債を引き受ける者の募集に際して取締役会が定めるべき事項) 第九十九条 法第三百六十二条第四項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 二以上の募集(法第六百七十六条の募集をいう。以下この条において同じ。)に係る法第六百七十六条各号に掲げる事項の決定を委任するときは、その旨 二 募集社債の総額の上限(前号に規定する場合にあっては、各募集に係る募集社債の総額の上限の合計額) 三 募集社債の利率の上限その他の利率に関する事項の要綱 四 募集社債の払込金額(法第六百七十六条第九号に規定する払込金額をいう。以下この号において同じ。)の総額の最低金額その他の払込金額に関する事項の要綱 2 前項の規定にかかわらず、信託社債(当該信託社債について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)の募集に係る法第六百七十六条各号に掲げる事項の決定を委任する場合には、法第三百六十二条第四項第五号に規定する法務省令で定める事項は、当該決定を委任する旨とする。 (業務の適正を確保するための体制) 第百条 法第三百六十二条第四項第六号に規定する法務省令で定める体制は、当該株式会社における次に掲げる体制とする。 一 当該株式会社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 二 当該株式会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 三 当該株式会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 四 当該株式会社の使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 五 次に掲げる体制その他の当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制 イ 当該株式会社の子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者(ハ及びニにおいて「取締役等」という。)の職務の執行に係る事項の当該株式会社への報告に関する体制 ロ 当該株式会社の子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 ハ 当該株式会社の子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 ニ 当該株式会社の子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 2 監査役設置会社以外の株式会社である場合には、前項に規定する体制には、取締役が株主に報告すべき事項の報告をするための体制を含むものとする。 3 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合には、第一項に規定する体制には、次に掲げる体制を含むものとする。 一 当該監査役設置会社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項 二 前号の使用人の当該監査役設置会社の取締役からの独立性に関する事項 三 当該監査役設置会社の監査役の第一号の使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項 四 次に掲げる体制その他の当該監査役設置会社の監査役への報告に関する体制 イ 当該監査役設置会社の取締役及び会計参与並びに使用人が当該監査役設置会社の監査役に報告をするための体制 ロ 当該監査役設置会社の子会社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当該監査役設置会社の監査役に報告をするための体制 五 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 六 当該監査役設置会社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項 七 その他当該監査役設置会社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制 (取締役会の議事録) 第百一条 法第三百六十九条第三項の規定による取締役会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 取締役会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 取締役会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 取締役会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が取締役会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。) 二 取締役会が法第三百七十三条第二項の取締役会であるときは、その旨 三 取締役会が次に掲げるいずれかのものに該当するときは、その旨 イ 法第三百六十六条第二項の規定による取締役の請求を受けて招集されたもの ロ 法第三百六十六条第三項の規定により取締役が招集したもの ハ 法第三百六十七条第一項の規定による株主の請求を受けて招集されたもの ニ 法第三百六十七条第三項において準用する法第三百六十六条第三項の規定により株主が招集したもの ホ 法第三百八十三条第二項の規定による監査役の請求を受けて招集されたもの ヘ 法第三百八十三条第三項の規定により監査役が招集したもの ト 法第三百九十九条の十四の規定により監査等委員会が選定した監査等委員が招集したもの チ 法第四百十七条第一項の規定により指名委員会等の委員の中から選定された者が招集したもの リ 法第四百十七条第二項前段の規定による執行役の請求を受けて招集されたもの ヌ 法第四百十七条第二項後段の規定により執行役が招集したもの 四 取締役会の議事の経過の要領及びその結果 五 決議を要する事項について特別の利害関係を有する取締役があるときは、当該取締役の氏名 六 次に掲げる規定により取締役会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要 イ 法第三百六十五条第二項(法第四百十九条第二項において準用する場合を含む。) ロ 法第三百六十七条第四項 ハ 法第三百七十六条第一項 ニ 法第三百八十二条 ホ 法第三百八十三条第一項 ヘ 法第三百九十九条の四 ト 法第四百六条 チ 法第四百三十条の二第四項 七 取締役会に出席した執行役、会計参与、会計監査人又は株主の氏名又は名称 八 取締役会の議長が存するときは、議長の氏名 4 次の各号に掲げる場合には、取締役会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。 一 法第三百七十条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項 イ 取締役会の決議があったものとみなされた事項の内容 ロ イの事項の提案をした取締役の氏名 ハ 取締役会の決議があったものとみなされた日 ニ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名 二 法第三百七十二条第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により取締役会への報告を要しないものとされた場合 次に掲げる事項 イ 取締役会への報告を要しないものとされた事項の内容 ロ 取締役会への報告を要しないものとされた日 ハ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名 第五節 会計参与 (会計参与報告の内容) 第百二条 法第三百七十四条第一項の規定により作成すべき会計参与報告は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 会計参与が職務を行うにつき会計参与設置会社と合意した事項のうち主なもの 二 計算関係書類のうち、取締役又は執行役と会計参与が共同して作成したものの種類 三 会計方針(会社計算規則第二条第三項第六十二号に規定する会計方針をいう。)に関する次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。) イ 資産の評価基準及び評価方法 ロ 固定資産の減価償却の方法 ハ 引当金の計上基準 ニ 収益及び費用の計上基準 ホ その他計算関係書類の作成のための基本となる重要な事項 四 計算関係書類の作成に用いた資料の種類その他計算関係書類の作成の過程及び方法 五 前号に規定する資料が次に掲げる事由に該当するときは、その旨及びその理由 イ 当該資料が著しく遅滞して作成されたとき。 ロ 当該資料の重要な事項について虚偽の記載がされていたとき。 六 計算関係書類の作成に必要な資料が作成されていなかったとき又は適切に保存されていなかったときは、その旨及びその理由 七 会計参与が計算関係書類の作成のために行った報告の徴収及び調査の結果 八 会計参与が計算関係書類の作成に際して取締役又は執行役と協議した主な事項 (計算書類等の備置き) 第百三条 法第三百七十八条第一項の規定により会計参与が同項各号に掲げるものを備え置く場所(以下この条において「会計参与報告等備置場所」という。)を定める場合には、この条の定めるところによる。 2 会計参与は、当該会計参与である公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人の事務所(会計参与が税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第二条第三項の規定により税理士又は税理士法人の補助者として当該税理士の税理士事務所に勤務し、又は当該税理士法人に所属し、同項に規定する業務に従事する者であるときは、その勤務する税理士事務所又は当該税理士法人の事務所)の場所の中から会計参与報告等備置場所を定めなければならない。 3 会計参与は、会計参与報告等備置場所として会計参与設置会社の本店又は支店と異なる場所を定めなければならない。 4 会計参与は、会計参与報告等備置場所を定めた場合には、遅滞なく、会計参与設置会社に対して、会計参与報告等備置場所を通知しなければならない。 (計算書類の閲覧) 第百四条 法第三百七十八条第二項に規定する法務省令で定める場合とは、会計参与である公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人の業務時間外である場合とする。 第六節 監査役 (監査報告の作成) 第百五条 法第三百八十一条第一項の規定により法務省令で定める事項については、この条の定めるところによる。 2 監査役は、その職務を適切に遂行するため、次に掲げる者との意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めなければならない。 この場合において、取締役又は取締役会は、監査役の職務の執行のための必要な体制の整備に留意しなければならない。 一 当該株式会社の取締役、会計参与及び使用人 二 当該株式会社の子会社の取締役、会計参与、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人 三 その他監査役が適切に職務を遂行するに当たり意思疎通を図るべき者 3 前項の規定は、監査役が公正不偏の態度及び独立の立場を保持することができなくなるおそれのある関係の創設及び維持を認めるものと解してはならない。 4 監査役は、その職務の遂行に当たり、必要に応じ、当該株式会社の他の監査役、当該株式会社の親会社及び子会社の監査役その他これらに相当する者との意思疎通及び情報の交換を図るよう努めなければならない。 (監査役の調査の対象) 第百六条 法第三百八十四条に規定する法務省令で定めるものは、電磁的記録その他の資料とする。 (監査報告の作成) 第百七条 法第三百八十九条第二項の規定により法務省令で定める事項については、この条の定めるところによる。 2 監査役は、その職務を適切に遂行するため、次に掲げる者との意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めなければならない。 この場合において、取締役又は取締役会は、監査役の職務の執行のための必要な体制の整備に留意しなければならない。 一 当該株式会社の取締役、会計参与及び使用人 二 当該株式会社の子会社の取締役、会計参与、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人 三 その他監査役が適切に職務を遂行するに当たり意思疎通を図るべき者 3 前項の規定は、監査役が公正不偏の態度及び独立の立場を保持することができなくなるおそれのある関係の創設及び維持を認めるものと解してはならない。 4 監査役は、その職務の遂行に当たり、必要に応じ、当該株式会社の他の監査役、当該株式会社の親会社及び子会社の監査役その他これらに相当する者との意思疎通及び情報の交換を図るよう努めなければならない。 (監査の範囲が限定されている監査役の調査の対象) 第百八条 法第三百八十九条第三項に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 計算関係書類 二 次に掲げる議案が株主総会に提出される場合における当該議案 イ 当該株式会社の株式の取得に関する議案(当該取得に際して交付する金銭等の合計額に係る部分に限る。) ロ 剰余金の配当に関する議案(剰余金の配当に際して交付する金銭等の合計額に係る部分に限る。) ハ 法第四百四十七条第一項の資本金の額の減少に関する議案 ニ 法第四百四十八条第一項の準備金の額の減少に関する議案 ホ 法第四百五十条第一項の資本金の額の増加に関する議案 ヘ 法第四百五十一条第一項の準備金の額の増加に関する議案 ト 法第四百五十二条に規定する剰余金の処分に関する議案 三 次に掲げる事項を含む議案が株主総会に提出される場合における当該事項 イ 法第百九十九条第一項第五号の増加する資本金及び資本準備金に関する事項 ロ 法第二百三十六条第一項第五号の増加する資本金及び資本準備金に関する事項 ハ 法第七百四十九条第一項第二号イの資本金及び準備金の額に関する事項 ニ 法第七百五十三条第一項第六号の資本金及び準備金の額に関する事項 ホ 法第七百五十八条第四号イの資本金及び準備金の額に関する事項 ヘ 法第七百六十三条第一項第六号の資本金及び準備金の額に関する事項 ト 法第七百六十八条第一項第二号イの資本金及び準備金の額に関する事項 チ 法第七百七十三条第一項第五号の資本金及び準備金の額に関する事項 リ 法第七百七十四条の三第一項第三号の資本金及び準備金の額に関する事項 ヌ 法第七百七十四条の三第一項第八号イの資本金及び準備金の額に関する事項 四 前三号に掲げるもののほか、これらに準ずるもの 第七節 監査役会 第百九条 法第三百九十三条第二項の規定による監査役会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 監査役会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 監査役会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 監査役会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない監査役、取締役、会計参与又は会計監査人が監査役会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。) 二 監査役会の議事の経過の要領及びその結果 三 次に掲げる規定により監査役会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要 イ 法第三百五十七条第二項の規定により読み替えて適用する同条第一項(法第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。) ロ 法第三百七十五条第二項の規定により読み替えて適用する同条第一項 ハ 法第三百九十七条第三項の規定により読み替えて適用する同条第一項 四 監査役会に出席した取締役、会計参与又は会計監査人の氏名又は名称 五 監査役会の議長が存するときは、議長の氏名 4 法第三百九十五条の規定により監査役会への報告を要しないものとされた場合には、監査役会の議事録は、次の各号に掲げる事項を内容とするものとする。 一 監査役会への報告を要しないものとされた事項の内容 二 監査役会への報告を要しないものとされた日 三 議事録の作成に係る職務を行った監査役の氏名 第八節 会計監査人 第百十条 法第三百九十六条第一項後段の規定により法務省令で定める事項については、この条の定めるところによる。 2 会計監査人は、その職務を適切に遂行するため、次に掲げる者との意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めなければならない。 ただし、会計監査人が公正不偏の態度及び独立の立場を保持することができなくなるおそれのある関係の創設及び維持を認めるものと解してはならない。 一 当該株式会社の取締役、会計参与及び使用人 二 当該株式会社の子会社の取締役、会計参与、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人 三 その他会計監査人が適切に職務を遂行するに当たり意思疎通を図るべき者 第八節の二 監査等委員会 (監査等委員の報告の対象) 第百十条の二 法第三百九十九条の五に規定する法務省令で定めるものは、電磁的記録その他の資料とする。 (監査等委員会の議事録) 第百十条の三 法第三百九十九条の十第三項の規定による監査等委員会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 監査等委員会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 監査等委員会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 監査等委員会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない監査等委員、取締役(監査等委員であるものを除く。)、会計参与又は会計監査人が監査等委員会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。) 二 監査等委員会の議事の経過の要領及びその結果 三 決議を要する事項について特別の利害関係を有する監査等委員があるときは、その氏名 四 次に掲げる規定により監査等委員会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要 イ 法第三百五十七条第三項の規定により読み替えて適用する同条第一項 ロ 法第三百七十五条第三項の規定により読み替えて適用する同条第一項 ハ 法第三百九十七条第四項の規定により読み替えて適用する同条第一項 五 監査等委員会に出席した取締役(監査等委員であるものを除く。)、会計参与又は会計監査人の氏名又は名称 六 監査等委員会の議長が存するときは、議長の氏名 4 法第三百九十九条の十二の規定により監査等委員会への報告を要しないものとされた場合には、監査等委員会の議事録は、次の各号に掲げる事項を内容とするものとする。 一 監査等委員会への報告を要しないものとされた事項の内容 二 監査等委員会への報告を要しないものとされた日 三 議事録の作成に係る職務を行った監査等委員の氏名 (業務の適正を確保するための体制) 第百十条の四 法第三百九十九条の十三第一項第一号ロに規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 当該株式会社の監査等委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項 二 前号の取締役及び使用人の当該株式会社の他の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項 三 当該株式会社の監査等委員会の第一号の取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項 四 次に掲げる体制その他の当該株式会社の監査等委員会への報告に関する体制 イ 当該株式会社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び会計参与並びに使用人が当該株式会社の監査等委員会に報告をするための体制 ロ 当該株式会社の子会社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当該株式会社の監査等委員会に報告をするための体制 五 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 六 当該株式会社の監査等委員の職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項 七 その他当該株式会社の監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制 2 法第三百九十九条の十三第一項第一号ハに規定する法務省令で定める体制は、当該株式会社における次に掲げる体制とする。 一 当該株式会社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 二 当該株式会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 三 当該株式会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 四 当該株式会社の使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 五 次に掲げる体制その他の当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制 イ 当該株式会社の子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者(ハ及びニにおいて「取締役等」という。)の職務の執行に係る事項の当該株式会社への報告に関する体制 ロ 当該株式会社の子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 ハ 当該株式会社の子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 ニ 当該株式会社の子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 (社債を引き受ける者の募集に際して取締役会が定めるべき事項) 第百十条の五 法第三百九十九条の十三第四項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 二以上の募集(法第六百七十六条の募集をいう。以下この条において同じ。)に係る法第六百七十六条各号に掲げる事項の決定を委任するときは、その旨 二 募集社債の総額の上限(前号に規定する場合にあっては、各募集に係る募集社債の総額の上限の合計額) 三 募集社債の利率の上限その他の利率に関する事項の要綱 四 募集社債の払込金額(法第六百七十六条第九号に規定する払込金額をいう。以下この号において同じ。)の総額の最低金額その他の払込金額に関する事項の要綱 2 前項の規定にかかわらず、信託社債(当該信託社債について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)の募集に係る法第六百七十六条各号に掲げる事項の決定を委任する場合には、法第三百九十九条の十三第四項第五号に規定する法務省令で定める事項は、当該決定を委任する旨とする。 第九節 指名委員会等及び執行役 (執行役等の報酬等のうち株式会社の募集株式について定めるべき事項) 第百十一条 法第四百九条第三項第三号に規定する法務省令で定める事項は、同号の募集株式に係る次に掲げる事項とする。 一 一定の事由が生ずるまで当該募集株式を他人に譲り渡さないことを執行役等に約させることとするときは、その旨及び当該一定の事由 二 一定の事由が生じたことを条件として当該募集株式を当該株式会社に無償で譲り渡すことを執行役等に約させることとするときは、その旨及び当該一定の事由 三 前二号に掲げる事項のほか、執行役等に対して当該募集株式を割り当てる条件を定めるときは、その条件 (執行役等の報酬等のうち株式会社の募集新株予約権について定めるべき事項) 第百十一条の二 法第四百九条第三項第四号に規定する法務省令で定める事項は、同号の募集新株予約権に係る次に掲げる事項とする。 一 法第二百三十六条第一項第一号から第四号までに掲げる事項(同条第三項(同条第四項の規定により読み替えて適用する場合に限る。以下この号において同じ。)の場合には、同条第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる事項並びに同条第三項各号に掲げる事項) 二 一定の資格を有する者が当該募集新株予約権を行使することができることとするときは、その旨及び当該一定の資格の内容 三 前二号に掲げる事項のほか、当該募集新株予約権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 法第二百三十六条第一項第六号に掲げる事項 五 法第二百三十六条第一項第七号に掲げる事項の内容 六 執行役等に対して当該募集新株予約権を割り当てる条件を定めるときは、その条件 (執行役等の報酬等のうち株式等と引換えにする払込みに充てるための金銭について定めるべき事項) 第百十一条の三 法第四百九条第三項第五号イに規定する法務省令で定める事項は、同号イの募集株式に係る次に掲げる事項とする。 一 一定の事由が生ずるまで当該募集株式を他人に譲り渡さないことを執行役等に約させることとするときは、その旨及び当該一定の事由 二 一定の事由が生じたことを条件として当該募集株式を当該株式会社に無償で譲り渡すことを執行役等に約させることとするときは、その旨及び当該一定の事由 三 前二号に掲げる事項のほか、執行役等に対して当該募集株式と引換えにする払込みに充てるための金銭を交付する条件又は執行役等に対して当該募集株式を割り当てる条件を定めるときは、その条件 2 法第四百九条第三項第五号ロに規定する法務省令で定める事項は、同号ロの募集新株予約権に係る次に掲げる事項とする。 一 法第二百三十六条第一項第一号から第四号までに掲げる事項(同条第三項(同条第四項の規定により読み替えて適用する場合に限る。以下この号において同じ。)の場合には、同条第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる事項並びに同条第三項各号に掲げる事項) 二 一定の資格を有する者が当該募集新株予約権を行使することができることとするときは、その旨及び当該一定の資格の内容 三 前二号に掲げる事項のほか、当該募集新株予約権の行使の条件を定めるときは、その条件 四 法第二百三十六条第一項第六号に掲げる事項 五 法第二百三十六条第一項第七号に掲げる事項の内容 六 執行役等に対して当該募集新株予約権と引換えにする払込みに充てるための金銭を交付する条件又は執行役等に対して当該募集新株予約権を割り当てる条件を定めるときは、その条件 (指名委員会等の議事録) 第百十一条の四 法第四百十二条第三項の規定による指名委員会等の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 指名委員会等の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 指名委員会等の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 指名委員会等が開催された日時及び場所(当該場所に存しない取締役、執行役、会計参与又は会計監査人が指名委員会等に出席をした場合における当該出席の方法を含む。) 二 指名委員会等の議事の経過の要領及びその結果 三 決議を要する事項について特別の利害関係を有する委員があるときは、その氏名 四 指名委員会等が監査委員会である場合において、次に掲げる意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要 イ 法第三百七十五条第四項の規定により読み替えて適用する同条第一項の規定により監査委員会において述べられた意見又は発言 ロ 法第三百九十七条第五項の規定により読み替えて適用する同条第一項の規定により監査委員会において述べられた意見又は発言 ハ 法第四百十九条第一項の規定により行うべき監査委員に対する報告が監査委員会において行われた場合における当該報告に係る意見又は発言 五 指名委員会等に出席した取締役(当該指名委員会等の委員であるものを除く。)、執行役、会計参与又は会計監査人の氏名又は名称 六 指名委員会等の議長が存するときは、議長の氏名 4 法第四百十四条の規定により指名委員会等への報告を要しないものとされた場合には、指名委員会等の議事録は、次の各号に掲げる事項を内容とするものとする。 一 指名委員会等への報告を要しないものとされた事項の内容 二 指名委員会等への報告を要しないものとされた日 三 議事録の作成に係る職務を行った委員の氏名 (業務の適正を確保するための体制) 第百十二条 法第四百十六条第一項第一号ロに規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 当該株式会社の監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項 二 前号の取締役及び使用人の当該株式会社の執行役からの独立性に関する事項 三 当該株式会社の監査委員会の第一号の取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項 四 次に掲げる体制その他の当該株式会社の監査委員会への報告に関する体制 イ 当該株式会社の取締役(監査委員である取締役を除く。)、執行役及び会計参与並びに使用人が当該株式会社の監査委員会に報告をするための体制 ロ 当該株式会社の子会社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当該株式会社の監査委員会に報告をするための体制 五 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 六 当該株式会社の監査委員の職務の執行(監査委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項 七 その他当該株式会社の監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制 2 法第四百十六条第一項第一号ホに規定する法務省令で定める体制は、当該株式会社における次に掲げる体制とする。 一 当該株式会社の執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 二 当該株式会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 三 当該株式会社の執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 四 当該株式会社の使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 五 次に掲げる体制その他の当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制 イ 当該株式会社の子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員、法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者(ハ及びニにおいて「取締役等」という。)の職務の執行に係る事項の当該株式会社への報告に関する体制 ロ 当該株式会社の子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 ハ 当該株式会社の子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 ニ 当該株式会社の子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 第十節 役員等の損害賠償責任 (報酬等の額の算定方法) 第百十三条 法第四百二十五条第一項第一号に規定する法務省令で定める方法により算定される額は、次に掲げる額の合計額とする。 一 役員等がその在職中に報酬、賞与その他の職務執行の対価(当該役員等が当該株式会社の取締役、執行役又は支配人その他の使用人を兼ねている場合における当該取締役、執行役又は支配人その他の使用人の報酬、賞与その他の職務執行の対価を含む。)として株式会社から受け、又は受けるべき財産上の利益(次号に定めるものを除く。)の額の事業年度(次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める日を含む事業年度及びその前の各事業年度に限る。)ごとの合計額(当該事業年度の期間が一年でない場合にあっては、当該合計額を一年当たりの額に換算した額)のうち最も高い額 イ 法第四百二十五条第一項の株主総会の決議を行った場合 当該株主総会(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の株主総会)の決議の日 ロ 法第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づいて責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議。ロにおいて同じ。)を行った場合 当該同意のあった日 ハ 法第四百二十七条第一項の契約を締結した場合 責任の原因となる事実が生じた日(二以上の日がある場合にあっては、最も遅い日) 二 イに掲げる額をロに掲げる数で除して得た額 イ 次に掲げる額の合計額 (1) 当該役員等が当該株式会社から受けた退職慰労金の額 (2) 当該役員等が当該株式会社の取締役、執行役又は支配人その他の使用人を兼ねていた場合における当該取締役若しくは執行役としての退職慰労金又は支配人その他の使用人としての退職手当のうち当該役員等を兼ねていた期間の職務執行の対価である部分の額 (3) (1)又は(2)に掲げるものの性質を有する財産上の利益の額 ロ 当該役員等がその職に就いていた年数(当該役員等が次に掲げるものに該当する場合における次に定める数が当該年数を超えている場合にあっては、当該数) (1) 代表取締役又は代表執行役 六 (2) 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四 (3) 取締役((1)及び(2)に掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二 (特に有利な条件で引き受けた職務執行の対価以外の新株予約権) 第百十四条 法第四百二十五条第一項第二号に規定する法務省令で定める方法により算定される額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額とする。 一 当該役員等が就任後に新株予約権(当該役員等が職務執行の対価として株式会社から受けたものを除く。以下この条において同じ。)を行使した場合 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)に当該新株予約権の行使により当該役員等が交付を受けた当該株式会社の株式の数を乗じて得た額 イ 当該新株予約権の行使時における当該株式の一株当たりの時価 ロ 当該新株予約権についての法第二百三十六条第一項第二号の価額及び法第二百三十八条第一項第三号の払込金額の合計額の当該新株予約権の目的である株式一株当たりの額 二 当該役員等が就任後に新株予約権を譲渡した場合 当該新株予約権の譲渡価額から法第二百三十八条第一項第三号の払込金額を減じて得た額に当該新株予約権の数を乗じた額 (責任の免除の決議後に受ける退職慰労金等) 第百十五条 法第四百二十五条第四項(法第四百二十六条第八項及び第四百二十七条第五項において準用する場合を含む。)に規定する法務省令で定める財産上の利益とは、次に掲げるものとする。 一 退職慰労金 二 当該役員等が当該株式会社の取締役又は執行役を兼ねていたときは、当該取締役又は執行役としての退職慰労金 三 当該役員等が当該株式会社の支配人その他の使用人を兼ねていたときは、当該支配人その他の使用人としての退職手当のうち当該役員等を兼ねていた期間の職務執行の対価である部分 四 前三号に掲げるものの性質を有する財産上の利益 第十一節 役員等のために締結される保険契約 第百十五条の二 法第四百三十条の三第一項に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 被保険者に保険者との間で保険契約を締結する株式会社を含む保険契約であって、当該株式会社がその業務に関連し第三者に生じた損害を賠償する責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって当該株式会社に生ずることのある損害を保険者が塡補することを主たる目的として締結されるもの 二 役員等が第三者に生じた損害を賠償する責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって当該役員等に生ずることのある損害(役員等がその職務上の義務に違反し若しくは職務を怠ったことによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって当該役員等に生ずることのある損害を除く。)を保険者が塡補することを目的として締結されるもの 第五章 計算等 第一節 計算関係書類 第百十六条 次に掲げる規定に規定する法務省令で定めるべき事項(事業報告及びその附属明細書に係るものを除く。)は、会社計算規則の定めるところによる。 一 法第四百三十二条第一項 二 法第四百三十五条第一項及び第二項 三 法第四百三十六条第一項及び第二項 四 法第四百三十七条 五 法第四百三十九条 六 法第四百四十条第一項及び第三項 七 法第四百四十一条第一項、第二項及び第四項 八 法第四百四十四条第一項、第四項及び第六項 九 法第四百四十五条第四項から第六項まで 十 法第四百四十六条第一号ホ及び第七号 十一 法第四百五十二条 十二 法第四百五十九条第二項 十三 法第四百六十条第二項 十四 法第四百六十一条第二項第二号イ、第五号及び第六号 十五 法第四百六十二条第一項 第二節 事業報告 第一款 通則 第百十七条 次の各号に掲げる規定に規定する法務省令で定めるべき事項(事業報告及びその附属明細書に係るものに限る。)は、当該各号に定める規定の定めるところによる。 ただし、他の法令に別段の定めがある場合は、この限りでない。 一 法第四百三十五条第二項 次款 二 法第四百三十六条第一項及び第二項 第三款 三 法第四百三十七条 第四款 第二款 事業報告等の内容 第一目 通則 第百十八条 事業報告は、次に掲げる事項をその内容としなければならない。 一 当該株式会社の状況に関する重要な事項(計算書類及びその附属明細書並びに連結計算書類の内容となる事項を除く。) 二 法第三百四十八条第三項第四号、第三百六十二条第四項第六号、第三百九十九条の十三第一項第一号ロ及びハ並びに第四百十六条第一項第一号ロ及びホに規定する体制の整備についての決定又は決議があるときは、その決定又は決議の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要 三 株式会社が当該株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下この号において「基本方針」という。)を定めているときは、次に掲げる事項 イ 基本方針の内容の概要 ロ 次に掲げる取組みの具体的な内容の概要 (1) 当該株式会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み (2) 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み ハ ロの取組みの次に掲げる要件への該当性に関する当該株式会社の取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の判断及びその理由(当該理由が社外役員の存否に関する事項のみである場合における当該事項を除く。) (1) 当該取組みが基本方針に沿うものであること。 (2) 当該取組みが当該株式会社の株主の共同の利益を損なうものではないこと。 (3) 当該取組みが当該株式会社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと。 四 当該株式会社(当該事業年度の末日において、その完全親会社等があるものを除く。)に特定完全子会社(当該事業年度の末日において、当該株式会社及びその完全子会社等(法第八百四十七条の三第三項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。以下この号において同じ。)における当該株式会社のある完全子会社等(株式会社に限る。)の株式の帳簿価額が当該株式会社の当該事業年度に係る貸借対照表の資産の部に計上した額の合計額の五分の一(法第八百四十七条の三第四項の規定により五分の一を下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該ある完全子会社等をいう。以下この号において同じ。)がある場合には、次に掲げる事項 イ 当該特定完全子会社の名称及び住所 ロ 当該株式会社及びその完全子会社等における当該特定完全子会社の株式の当該事業年度の末日における帳簿価額の合計額 ハ 当該株式会社の当該事業年度に係る貸借対照表の資産の部に計上した額の合計額 五 当該株式会社とその親会社等との間の取引(当該株式会社と第三者との間の取引で当該株式会社とその親会社等との間の利益が相反するものを含む。)であって、当該株式会社の当該事業年度に係る個別注記表において会社計算規則第百十二条第一項に規定する注記を要するもの(同項ただし書の規定により同項第四号から第六号まで及び第八号に掲げる事項を省略するものを除く。)があるときは、当該取引に係る次に掲げる事項 イ 当該取引をするに当たり当該株式会社の利益を害さないように留意した事項(当該事項がない場合にあっては、その旨) ロ 当該取引が当該株式会社の利益を害さないかどうかについての当該株式会社の取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会。ハにおいて同じ。)の判断及びその理由 ハ 社外取締役を置く株式会社において、ロの取締役の判断が社外取締役の意見と異なる場合には、その意見 第二目 公開会社における事業報告の内容 (公開会社の特則) 第百十九条 株式会社が当該事業年度の末日において公開会社である場合には、次に掲げる事項を事業報告の内容に含めなければならない。 一 株式会社の現況に関する事項 二 株式会社の会社役員に関する事項 二の二 株式会社の役員等賠償責任保険契約に関する事項 三 株式会社の株式に関する事項 四 株式会社の新株予約権等に関する事項 (株式会社の現況に関する事項) 第百二十条 前条第一号に規定する「株式会社の現況に関する事項」とは、次に掲げる事項(当該株式会社の事業が二以上の部門に分かれている場合にあっては、部門別に区別することが困難である場合を除き、その部門別に区別された事項)とする。 一 当該事業年度の末日における主要な事業内容 二 当該事業年度の末日における主要な営業所及び工場並びに使用人の状況 三 当該事業年度の末日において主要な借入先があるときは、その借入先及び借入額 四 当該事業年度における事業の経過及びその成果 五 当該事業年度における次に掲げる事項についての状況(重要なものに限る。) イ 資金調達 ロ 設備投資 ハ 事業の譲渡、吸収分割又は新設分割 ニ 他の会社(外国会社を含む。)の事業の譲受け ホ 吸収合併(会社以外の者との合併(当該合併後当該株式会社が存続するものに限る。)を含む。)又は吸収分割による他の法人等の事業に関する権利義務の承継 ヘ 他の会社(外国会社を含む。)の株式その他の持分又は新株予約権等の取得又は処分 六 直前三事業年度(当該事業年度の末日において三事業年度が終了していない株式会社にあっては、成立後の各事業年度)の財産及び損益の状況 七 重要な親会社及び子会社の状況(当該親会社と当該株式会社との間に当該株式会社の重要な財務及び事業の方針に関する契約等が存在する場合には、その内容の概要を含む。) 八 対処すべき課題 九 前各号に掲げるもののほか、当該株式会社の現況に関する重要な事項 2 株式会社が当該事業年度に係る連結計算書類を作成している場合には、前項各号に掲げる事項については、当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の現況に関する事項とすることができる。 この場合において、当該事項に相当する事項が連結計算書類の内容となっているときは、当該事項を事業報告の内容としないことができる。 3 第一項第六号に掲げる事項については、当該事業年度における過年度事項(当該事業年度より前の事業年度に係る貸借対照表、損益計算書又は株主資本等変動計算書に表示すべき事項をいう。)が会計方針の変更その他の正当な理由により当該事業年度より前の事業年度に係る定時株主総会において承認又は報告をしたものと異なっているときは、修正後の過年度事項を反映した事項とすることを妨げない。 (株式会社の会社役員に関する事項) 第百二十一条 第百十九条第二号に規定する「株式会社の会社役員に関する事項」とは、次に掲げる事項とする。 ただし、当該事業年度の末日において監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社でない株式会社にあっては、第六号の二に掲げる事項を省略することができる。 一 会社役員(直前の定時株主総会の終結の日の翌日以降に在任していた者に限る。次号から第三号の二まで、第八号及び第九号並びに第百二十八条第二項において同じ。)の氏名(会計参与にあっては、氏名又は名称) 二 会社役員の地位及び担当 三 会社役員(取締役又は監査役に限る。以下この号において同じ。)と当該株式会社との間で法第四百二十七条第一項の契約を締結しているときは、当該契約の内容の概要(当該契約によって当該会社役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあっては、その内容を含む。) 三の二 会社役員(取締役、監査役又は執行役に限る。以下この号において同じ。)と当該株式会社との間で補償契約を締結しているときは、次に掲げる事項 イ 当該会社役員の氏名 ロ 当該補償契約の内容の概要(当該補償契約によって当該会社役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあっては、その内容を含む。) 三の三 当該株式会社が会社役員(取締役、監査役又は執行役に限り、当該事業年度の前事業年度の末日までに退任した者を含む。以下この号及び次号において同じ。)に対して補償契約に基づき法第四百三十条の二第一項第一号に掲げる費用を補償した場合において、当該株式会社が、当該事業年度において、当該会社役員が同号の職務の執行に関し法令の規定に違反したこと又は責任を負うことを知ったときは、その旨 三の四 当該株式会社が会社役員に対して補償契約に基づき法第四百三十条の二第一項第二号に掲げる損失を補償したときは、その旨及び補償した金額 四 当該事業年度に係る会社役員の報酬等について、次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 会社役員の全部につき取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。イ及びハにおいて同じ。)、会計参与、監査役又は執行役ごとの報酬等の総額(当該報酬等が業績連動報酬等又は非金銭報酬等を含む場合には、業績連動報酬等の総額、非金銭報酬等の総額及びそれら以外の報酬等の総額。イ及びハ並びに第百二十四条第五号イ及びハにおいて同じ。)を掲げることとする場合 取締役、会計参与、監査役又は執行役ごとの報酬等の総額及び員数 ロ 会社役員の全部につき当該会社役員ごとの報酬等の額(当該報酬等が業績連動報酬等又は非金銭報酬等を含む場合には、業績連動報酬等の額、非金銭報酬等の額及びそれら以外の報酬等の額。ロ及びハ並びに第百二十四条第五号ロ及びハにおいて同じ。)を掲げることとする場合 当該会社役員ごとの報酬等の額 ハ 会社役員の一部につき当該会社役員ごとの報酬等の額を掲げることとする場合 当該会社役員ごとの報酬等の額並びにその他の会社役員についての取締役、会計参与、監査役又は執行役ごとの報酬等の総額及び員数 五 当該事業年度において受け、又は受ける見込みの額が明らかとなった会社役員の報酬等(前号の規定により当該事業年度に係る事業報告の内容とする報酬等及び当該事業年度前の事業年度に係る事業報告の内容とした報酬等を除く。)について、同号イからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 五の二 前二号の会社役員の報酬等の全部又は一部が業績連動報酬等である場合には、次に掲げる事項 イ 当該業績連動報酬等の額又は数の算定の基礎として選定した業績指標の内容及び当該業績指標を選定した理由 ロ 当該業績連動報酬等の額又は数の算定方法 ハ 当該業績連動報酬等の額又は数の算定に用いたイの業績指標に関する実績 五の三 第四号及び第五号の会社役員の報酬等の全部又は一部が非金銭報酬等である場合には、当該非金銭報酬等の内容 五の四 会社役員の報酬等についての定款の定め又は株主総会の決議による定めに関する次に掲げる事項 イ 当該定款の定めを設けた日又は当該株主総会の決議の日 ロ 当該定めの内容の概要 ハ 当該定めに係る会社役員の員数 六 法第三百六十一条第七項の方針又は法第四百九条第一項の方針を定めているときは、次に掲げる事項 イ 当該方針の決定の方法 ロ 当該方針の内容の概要 ハ 当該事業年度に係る取締役(監査等委員である取締役を除き、指名委員会等設置会社にあっては、執行役等)の個人別の報酬等の内容が当該方針に沿うものであると取締役会(指名委員会等設置会社にあっては、報酬委員会)が判断した理由 六の二 各会社役員の報酬等の額又はその算定方法に係る決定に関する方針(前号の方針を除く。)を定めているときは、当該方針の決定の方法及びその方針の内容の概要 六の三 株式会社が当該事業年度の末日において取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合において、取締役会から委任を受けた取締役その他の第三者が当該事業年度に係る取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別の報酬等の内容の全部又は一部を決定したときは、その旨及び次に掲げる事項 イ 当該委任を受けた者の氏名並びに当該内容を決定した日における当該株式会社における地位及び担当 ロ イの者に委任された権限の内容 ハ イの者にロの権限を委任した理由 ニ イの者によりロの権限が適切に行使されるようにするための措置を講じた場合にあっては、その内容 七 辞任した会社役員又は解任された会社役員(株主総会又は種類株主総会の決議によって解任されたものを除く。)があるときは、次に掲げる事項(当該事業年度前の事業年度に係る事業報告の内容としたものを除く。) イ 当該会社役員の氏名(会計参与にあっては、氏名又は名称) ロ 法第三百四十二条の二第一項若しくは第四項又は第三百四十五条第一項(同条第四項において読み替えて準用する場合を含む。)の意見があるときは、その意見の内容 ハ 法第三百四十二条の二第二項又は第三百四十五条第二項(同条第四項において読み替えて準用する場合を含む。)の理由があるときは、その理由 八 当該事業年度に係る当該株式会社の会社役員(会計参与を除く。)の重要な兼職の状況 九 会社役員のうち監査役、監査等委員又は監査委員が財務及び会計に関する相当程度の知見を有しているものであるときは、その事実 十 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める事項 イ 株式会社が当該事業年度の末日において監査等委員会設置会社である場合 常勤の監査等委員の選定の有無及びその理由 ロ 株式会社が当該事業年度の末日において指名委員会等設置会社である場合 常勤の監査委員の選定の有無及びその理由 十一 前各号に掲げるもののほか、株式会社の会社役員に関する重要な事項 (株式会社の役員等賠償責任保険契約に関する事項) 第百二十一条の二 第百十九条第二号の二に規定する「株式会社の役員等賠償責任保険契約に関する事項」とは、当該株式会社が保険者との間で役員等賠償責任保険契約を締結しているときにおける次に掲げる事項とする。 一 当該役員等賠償責任保険契約の被保険者の範囲 二 当該役員等賠償責任保険契約の内容の概要(被保険者が実質的に保険料を負担している場合にあってはその負担割合、塡補の対象とされる保険事故の概要及び当該役員等賠償責任保険契約によって被保険者である役員等(当該株式会社の役員等に限る。)の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあってはその内容を含む。) (株式会社の株式に関する事項) 第百二十二条 第百十九条第三号に規定する「株式会社の株式に関する事項」とは、次に掲げる事項とする。 一 当該事業年度の末日において発行済株式(自己株式を除く。次項において同じ。)の総数に対するその有する株式の数の割合が高いことにおいて上位となる十名の株主の氏名又は名称、当該株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。)及び当該株主の有する株式に係る当該割合 二 当該事業年度中に当該株式会社の会社役員(会社役員であった者を含む。)に対して当該株式会社が交付した当該株式会社の株式(職務執行の対価として交付したものに限り、当該株式会社が会社役員に対して職務執行の対価として募集株式と引換えにする払込みに充てるための金銭を交付した場合において、当該金銭の払込みと引換えに当該株式会社の株式を交付したときにおける当該株式を含む。以下この号において同じ。)があるときは、次に掲げる者(次に掲げる者であった者を含む。)の区分ごとの株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)及び株式の交付を受けた者の人数 イ 当該株式会社の取締役(監査等委員である取締役及び社外役員を除き、執行役を含む。) ロ 当該株式会社の社外取締役(監査等委員である取締役を除き、社外役員に限る。) ハ 当該株式会社の監査等委員である取締役 ニ 当該株式会社の取締役(執行役を含む。)以外の会社役員 三 前二号に掲げるもののほか、株式会社の株式に関する重要な事項 2 当該事業年度に関する定時株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための法第百二十四条第一項に規定する基準日を定めた場合において、当該基準日が当該事業年度の末日後の日であるときは、前項第一号に掲げる事項については、当該基準日において発行済株式の総数に対するその有する株式の数の割合が高いことにおいて上位となる十名の株主の氏名又は名称、当該株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。)及び当該株主の有する株式に係る当該割合とすることができる。 この場合においては、当該基準日を明らかにしなければならない。 (株式会社の新株予約権等に関する事項) 第百二十三条 第百十九条第四号に規定する「株式会社の新株予約権等に関する事項」とは、次に掲げる事項とする。 一 当該事業年度の末日において当該株式会社の会社役員(当該事業年度の末日において在任している者に限る。以下この条において同じ。)が当該株式会社の新株予約権等(職務執行の対価として当該株式会社が交付したものに限り、当該株式会社が会社役員に対して職務執行の対価として募集新株予約権と引換えにする払込みに充てるための金銭を交付した場合において、当該金銭の払込みと引換えに当該株式会社の新株予約権を交付したときにおける当該新株予約権を含む。以下この号及び次号において同じ。)を有しているときは、次に掲げる者の区分ごとの当該新株予約権等の内容の概要及び新株予約権等を有する者の人数 イ 当該株式会社の取締役(監査等委員であるもの及び社外役員を除き、執行役を含む。) ロ 当該株式会社の社外取締役(監査等委員であるものを除き、社外役員に限る。) ハ 当該株式会社の監査等委員である取締役 ニ 当該株式会社の取締役(執行役を含む。)以外の会社役員 二 当該事業年度中に次に掲げる者に対して当該株式会社が交付した新株予約権等があるときは、次に掲げる者の区分ごとの当該新株予約権等の内容の概要及び交付した者の人数 イ 当該株式会社の使用人(当該株式会社の会社役員を兼ねている者を除く。) ロ 当該株式会社の子会社の役員及び使用人(当該株式会社の会社役員又はイに掲げる者を兼ねている者を除く。) 三 前二号に掲げるもののほか、当該株式会社の新株予約権等に関する重要な事項 (社外役員等に関する特則) 第百二十四条 会社役員のうち社外役員である者が存する場合には、株式会社の会社役員に関する事項には、第百二十一条に規定する事項のほか、次に掲げる事項を含むものとする。 一 社外役員(直前の定時株主総会の終結の日の翌日以降に在任していた者に限る。次号から第四号までにおいて同じ。)が他の法人等の業務執行者であることが第百二十一条第八号に定める重要な兼職に該当する場合は、当該株式会社と当該他の法人等との関係 二 社外役員が他の法人等の社外役員その他これに類する者を兼任していることが第百二十一条第八号に定める重要な兼職に該当する場合は、当該株式会社と当該他の法人等との関係 三 社外役員が次に掲げる者の配偶者、三親等以内の親族その他これに準ずる者であることを当該株式会社が知っているときは、その事実(重要でないものを除く。) イ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。) ロ 当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者又は役員(業務執行者であるものを除く。) 四 各社外役員の当該事業年度における主な活動状況(次に掲げる事項を含む。) イ 取締役会(当該社外役員が次に掲げる者である場合にあっては、次に定めるものを含む。ロにおいて同じ。)への出席の状況 (1) 監査役会設置会社の社外監査役 監査役会 (2) 監査等委員会設置会社の監査等委員 監査等委員会 (3) 指名委員会等設置会社の監査委員 監査委員会 ロ 取締役会における発言の状況 ハ 当該社外役員の意見により当該株式会社の事業の方針又は事業その他の事項に係る決定が変更されたときは、その内容(重要でないものを除く。) ニ 当該事業年度中に当該株式会社において法令又は定款に違反する事実その他不当な業務の執行(当該社外役員が社外監査役である場合にあっては、不正な業務の執行)が行われた事実(重要でないものを除く。)があるときは、各社外役員が当該事実の発生の予防のために行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要 ホ 当該社外役員が社外取締役であるときは、当該社外役員が果たすことが期待される役割に関して行った職務の概要(イからニまでに掲げる事項を除く。) 五 当該事業年度に係る社外役員の報酬等について、次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ 社外役員の全部につき報酬等の総額を掲げることとする場合 社外役員の報酬等の総額及び員数 ロ 社外役員の全部につき当該社外役員ごとの報酬等の額を掲げることとする場合 当該社外役員ごとの報酬等の額 ハ 社外役員の一部につき当該社外役員ごとの報酬等の額を掲げることとする場合 当該社外役員ごとの報酬等の額並びにその他の社外役員についての報酬等の総額及び員数 六 当該事業年度において受け、又は受ける見込みの額が明らかとなった社外役員の報酬等(前号の規定により当該事業年度に係る事業報告の内容とする報酬等及び当該事業年度前の事業年度に係る事業報告の内容とした報酬等を除く。)について、同号イからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 七 社外役員が次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものから当該事業年度において役員としての報酬等を受けているときは、当該報酬等の総額(社外役員であった期間に受けたものに限る。) イ 当該株式会社に親会社等がある場合 当該親会社等又は当該親会社等の子会社等(当該株式会社を除く。) ロ 当該株式会社に親会社等がない場合 当該株式会社の子会社 八 社外役員についての前各号に掲げる事項の内容に対して当該社外役員の意見があるときは、その意見の内容 第三目 会計参与設置会社における事業報告の内容 第百二十五条 株式会社が当該事業年度の末日において会計参与設置会社である場合には、次に掲げる事項を事業報告の内容としなければならない。 一 会計参与と当該株式会社との間で法第四百二十七条第一項の契約を締結しているときは、当該契約の内容の概要(当該契約によって当該会計参与の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあっては、その内容を含む。) 二 会計参与と当該株式会社との間で補償契約を締結しているときは、次に掲げる事項 イ 当該会計参与の氏名又は名称 ロ 当該補償契約の内容の概要(当該補償契約によって当該会計参与の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあっては、その内容を含む。) 三 当該株式会社が会計参与(当該事業年度の前事業年度の末日までに退任した者を含む。以下この号及び次号において同じ。)に対して補償契約に基づき法第四百三十条の二第一項第一号に掲げる費用を補償した場合において、当該株式会社が、当該事業年度において、当該会計参与が同号の職務の執行に関し法令の規定に違反したこと又は責任を負うことを知ったときは、その旨 四 当該株式会社が会計参与に対して補償契約に基づき法第四百三十条の二第一項第二号に掲げる損失を補償したときは、その旨及び補償した金額 第四目 会計監査人設置会社における事業報告の内容 第百二十六条 株式会社が当該事業年度の末日において会計監査人設置会社である場合には、次に掲げる事項(株式会社が当該事業年度の末日において公開会社でない場合にあっては、第二号から第四号までに掲げる事項を除く。)を事業報告の内容としなければならない。 一 会計監査人の氏名又は名称 二 当該事業年度に係る各会計監査人の報酬等の額及び当該報酬等について監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)が法第三百九十九条第一項の同意をした理由 三 会計監査人に対して公認会計士法第二条第一項の業務以外の業務(以下この号において「非監査業務」という。)の対価を支払っているときは、その非監査業務の内容 四 会計監査人の解任又は不再任の決定の方針 五 会計監査人が現に業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者であるときは、当該処分に係る事項 六 会計監査人が過去二年間に業務の停止の処分を受けた者である場合における当該処分に係る事項のうち、当該株式会社が事業報告の内容とすることが適切であるものと判断した事項 七 会計監査人と当該株式会社との間で法第四百二十七条第一項の契約を締結しているときは、当該契約の内容の概要(当該契約によって当該会計監査人の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあっては、その内容を含む。) 七の二 会計監査人と当該株式会社との間で補償契約を締結しているときは、次に掲げる事項 イ 当該会計監査人の氏名又は名称 ロ 当該補償契約の内容の概要(当該補償契約によって当該会計監査人の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあっては、その内容を含む。) 七の三 当該株式会社が会計監査人(当該事業年度の前事業年度の末日までに退任した者を含む。以下この号及び次号において同じ。)に対して補償契約に基づき法第四百三十条の二第一項第一号に掲げる費用を補償した場合において、当該株式会社が、当該事業年度において、当該会計監査人が同号の職務の執行に関し法令の規定に違反したこと又は責任を負うことを知ったときは、その旨 七の四 当該株式会社が会計監査人に対して補償契約に基づき法第四百三十条の二第一項第二号に掲げる損失を補償したときは、その旨及び補償した金額 八 株式会社が法第四百四十四条第三項に規定する大会社であるときは、次に掲げる事項 イ 当該株式会社の会計監査人である公認会計士(公認会計士法第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。以下この条において同じ。)又は監査法人に当該株式会社及びその子会社が支払うべき金銭その他の財産上の利益の合計額(当該事業年度に係る連結損益計算書に計上すべきものに限る。) ロ 当該株式会社の会計監査人以外の公認会計士又は監査法人(外国におけるこれらの資格に相当する資格を有する者を含む。)が当該株式会社の子会社(重要なものに限る。)の計算関係書類(これに相当するものを含む。)の監査(法又は金融商品取引法(これらの法律に相当する外国の法令を含む。)の規定によるものに限る。)をしているときは、その事実 九 辞任した会計監査人又は解任された会計監査人(株主総会の決議によって解任されたものを除く。)があるときは、次に掲げる事項(当該事業年度前の事業年度に係る事業報告の内容としたものを除く。) イ 当該会計監査人の氏名又は名称 ロ 法第三百四十条第三項の理由があるときは、その理由 ハ 法第三百四十五条第五項において読み替えて準用する同条第一項の意見があるときは、その意見の内容 ニ 法第三百四十五条第五項において読み替えて準用する同条第二項の理由又は意見があるときは、その理由又は意見 十 法第四百五十九条第一項の規定による定款の定めがあるときは、当該定款の定めにより取締役会に与えられた権限の行使に関する方針 第百二十七条 削除 第五目 事業報告の附属明細書の内容 第百二十八条 事業報告の附属明細書は、事業報告の内容を補足する重要な事項をその内容とするものでなければならない。 2 株式会社が当該事業年度の末日において公開会社であるときは、他の法人等の業務執行取締役、執行役、業務を執行する社員又は法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これに類する者を兼ねることが第百二十一条第八号の重要な兼職に該当する会社役員(会計参与を除く。)についての当該兼職の状況の明細(重要でないものを除く。)を事業報告の附属明細書の内容としなければならない。 この場合において、当該他の法人等の事業が当該株式会社の事業と同一の部類のものであるときは、その旨を付記しなければならない。 3 当該株式会社とその親会社等との間の取引(当該株式会社と第三者との間の取引で当該株式会社とその親会社等との間の利益が相反するものを含む。)であって、当該株式会社の当該事業年度に係る個別注記表において会社計算規則第百十二条第一項に規定する注記を要するもの(同項ただし書の規定により同項第四号から第六号まで及び第八号に掲げる事項を省略するものに限る。)があるときは、当該取引に係る第百十八条第五号イからハまでに掲げる事項を事業報告の附属明細書の内容としなければならない。 第三款 事業報告等の監査 (監査役の監査報告の内容) 第百二十九条 監査役は、事業報告及びその附属明細書を受領したときは、次に掲げる事項(監査役会設置会社の監査役の監査報告にあっては、第一号から第六号までに掲げる事項)を内容とする監査報告を作成しなければならない。 一 監査役の監査(計算関係書類に係るものを除く。以下この款において同じ。)の方法及びその内容 二 事業報告及びその附属明細書が法令又は定款に従い当該株式会社の状況を正しく示しているかどうかについての意見 三 当該株式会社の取締役(当該事業年度中に当該株式会社が指名委員会等設置会社であった場合にあっては、執行役を含む。)の職務の遂行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったときは、その事実 四 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由 五 第百十八条第二号に掲げる事項(監査の範囲に属さないものを除く。)がある場合において、当該事項の内容が相当でないと認めるときは、その旨及びその理由 六 第百十八条第三号若しくは第五号に規定する事項が事業報告の内容となっているとき又は前条第三項に規定する事項が事業報告の附属明細書の内容となっているときは、当該事項についての意見 七 監査報告を作成した日 2 前項の規定にかかわらず、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社の監査役は、同項各号に掲げる事項に代えて、事業報告を監査する権限がないことを明らかにした監査報告を作成しなければならない。 (監査役会の監査報告の内容等) 第百三十条 監査役会は、前条第一項の規定により監査役が作成した監査報告(以下この条において「監査役監査報告」という。)に基づき、監査役会の監査報告(以下この条において「監査役会監査報告」という。)を作成しなければならない。 2 監査役会監査報告は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 この場合において、監査役は、当該事項に係る監査役会監査報告の内容と当該事項に係る当該監査役の監査役監査報告の内容が異なる場合には、当該事項に係る監査役監査報告の内容を監査役会監査報告に付記することができる。 一 監査役及び監査役会の監査の方法及びその内容 二 前条第一項第二号から第六号までに掲げる事項 三 監査役会監査報告を作成した日 3 監査役会が監査役会監査報告を作成する場合には、監査役会は、一回以上、会議を開催する方法又は情報の送受信により同時に意見の交換をすることができる方法により、監査役会監査報告の内容(前項後段の規定による付記の内容を除く。)を審議しなければならない。 (監査等委員会の監査報告の内容等) 第百三十条の二 監査等委員会は、事業報告及びその附属明細書を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする監査報告を作成しなければならない。 この場合において、監査等委員は、当該事項に係る監査報告の内容が当該監査等委員の意見と異なる場合には、その意見を監査報告に付記することができる。 一 監査等委員会の監査の方法及びその内容 二 第百二十九条第一項第二号から第六号までに掲げる事項 三 監査報告を作成した日 2 前項に規定する監査報告の内容(同項後段の規定による付記の内容を除く。)は、監査等委員会の決議をもって定めなければならない。 (監査委員会の監査報告の内容等) 第百三十一条 監査委員会は、事業報告及びその附属明細書を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする監査報告を作成しなければならない。 この場合において、監査委員は、当該事項に係る監査報告の内容が当該監査委員の意見と異なる場合には、その意見を監査報告に付記することができる。 一 監査委員会の監査の方法及びその内容 二 第百二十九条第一項第二号から第六号までに掲げる事項 三 監査報告を作成した日 2 前項に規定する監査報告の内容(同項後段の規定による付記の内容を除く。)は、監査委員会の決議をもって定めなければならない。 (監査役監査報告等の通知期限) 第百三十二条 特定監査役は、次に掲げる日のいずれか遅い日までに、特定取締役に対して、監査報告(監査役会設置会社にあっては、第百三十条第一項の規定により作成した監査役会の監査報告に限る。以下この条において同じ。)の内容を通知しなければならない。 一 事業報告を受領した日から四週間を経過した日 二 事業報告の附属明細書を受領した日から一週間を経過した日 三 特定取締役及び特定監査役の間で合意した日 2 事業報告及びその附属明細書については、特定取締役が前項の規定による監査報告の内容の通知を受けた日に、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)の監査を受けたものとする。 3 前項の規定にかかわらず、特定監査役が第一項の規定により通知をすべき日までに同項の規定による監査報告の内容の通知をしない場合には、当該通知をすべき日に、事業報告及びその附属明細書については、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)の監査を受けたものとみなす。 4 第一項及び第二項に規定する「特定取締役」とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。 一 第一項の規定による通知を受ける者を定めた場合 当該通知を受ける者と定められた者 二 前号に掲げる場合以外の場合 事業報告及びその附属明細書の作成に関する職務を行った取締役又は執行役 5 第一項及び第三項に規定する「特定監査役」とは、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者とする。 一 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、監査役会設置会社を除く。) 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める者 イ 二以上の監査役が存する場合において、第一項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めたとき 当該通知をすべき監査役として定められた監査役 ロ 二以上の監査役が存する場合において、第一項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めていないとき 全ての監査役 ハ イ又はロに掲げる場合以外の場合 監査役 二 監査役会設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者 イ 監査役会が第一項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めた場合 当該通知をすべき監査役として定められた監査役 ロ イに掲げる場合以外の場合 全ての監査役 三 監査等委員会設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者 イ 監査等委員会が第一項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査等委員を定めた場合 当該通知をすべき監査等委員として定められた監査等委員 ロ イに掲げる場合以外の場合 監査等委員のうちいずれかの者 四 指名委員会等設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者 イ 監査委員会が第一項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査委員を定めた場合 当該通知をすべき監査委員として定められた監査委員 ロ イに掲げる場合以外の場合 監査委員のうちいずれかの者 第四款 事業報告等の株主への提供 第百三十三条 法第四百三十七条の規定により株主に対して行う提供事業報告(次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。以下この条において同じ。)の提供に関しては、この条に定めるところによる。 一 株式会社(監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。) 事業報告 二 監査役設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社 次に掲げるもの イ 事業報告 ロ 事業報告に係る監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)の監査報告があるときは、当該監査報告(二以上の監査役が存する株式会社(監査役会設置会社を除く。)の各監査役の監査報告の内容(監査報告を作成した日を除く。)が同一である場合にあっては、一又は二以上の監査役の監査報告) ハ 前条第三項の規定により監査を受けたものとみなされたときは、その旨を記載又は記録をした書面又は電磁的記録 2 定時株主総会の招集通知(法第二百九十九条第二項又は第三項の規定による通知をいう。以下この条において同じ。)を次の各号に掲げる方法により行う場合には、提供事業報告は、当該各号に定める方法により提供しなければならない。 一 書面の提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 提供事業報告が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項を記載した書面の提供 ロ 提供事業報告が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の提供 二 電磁的方法による提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 提供事業報告が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項の電磁的方法による提供 ロ 提供事業報告が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項の電磁的方法による提供 3 提供事業報告に表示すべき事項(次に掲げるものを除く。)に係る情報を、定時株主総会に係る招集通知を発出する時から定時株主総会の日から三箇月が経過する日までの間、継続して電磁的方法により株主が提供を受けることができる状態に置く措置(第二百二十二条第一項第一号ロに掲げる方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置を使用する方法によって行われるものに限る。第七項において同じ。)をとる場合における前項の規定の適用については、当該事項につき同項各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により株主に対して提供したものとみなす。 ただし、この項の措置をとる旨の定款の定めがある場合に限る。 一 第百二十条第一項第五号及び第七号並びに第百二十一条第一号、第二号及び第四号から第六号の三までに掲げる事項 二 提供事業報告に表示すべき事項(前号に掲げるものを除く。)につきこの項の措置をとることについて監査役、監査等委員会又は監査委員会が異議を述べている場合における当該事項 4 前項の場合には、取締役は、同項の措置をとるために使用する自動公衆送信装置のうち当該措置をとるための用に供する部分をインターネットにおいて識別するための文字、記号その他の符号又はこれらの結合であって、情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録することができるものを株主に対して通知しなければならない。 5 第三項の規定により提供事業報告に表示した事項の一部が株主に対して第二項各号に定める方法により提供したものとみなされた場合において、監査役、監査等委員会又は監査委員会が、現に株主に対して提供される事業報告が監査報告を作成するに際して監査をした事業報告の一部であることを株主に対して通知すべき旨を取締役に請求したときは、取締役は、その旨を株主に対して通知しなければならない。 6 取締役は、事業報告の内容とすべき事項について、定時株主総会の招集通知を発出した日から定時株主総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合における修正後の事項を株主に周知させる方法を、当該招集通知と併せて通知することができる。 7 第三項の規定は、同項各号に掲げる事項に係る情報についても、電磁的方法により株主が提供を受けることができる状態に置く措置をとることを妨げるものではない。 第六章 事業の譲渡等 (総資産額) 第百三十四条 法第四百六十七条第一項第二号及び第二号の二イに規定する法務省令で定める方法は、算定基準日(同項第二号又は第二号の二に規定する譲渡に係る契約を締結した日(当該契約により当該契約を締結した日と異なる時(当該契約を締結した日後から当該譲渡の効力が生ずる時の直前までの間の時に限る。)を定めた場合にあっては、当該時)をいう。以下この条において同じ。)における第一号から第九号までに掲げる額の合計額から第十号に掲げる額を減じて得た額をもって株式会社の総資産額とする方法とする。 一 資本金の額 二 資本準備金の額 三 利益準備金の額 四 法第四百四十六条に規定する剰余金の額 五 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの)。以下この項において同じ。)の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式会社の成立の日。以下この条において同じ。)における評価・換算差額等に係る額 六 株式引受権の帳簿価額 七 新株予約権の帳簿価額 八 最終事業年度の末日において負債の部に計上した額 九 最終事業年度の末日後に吸収合併、吸収分割による他の会社の事業に係る権利義務の承継又は他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部の譲受けをしたときは、これらの行為により承継又は譲受けをした負債の額 十 自己株式及び自己新株予約権の帳簿価額の合計額 2 前項の規定にかかわらず、算定基準日において法第四百六十七条第一項第二号又は第二号の二に規定する譲渡をする株式会社が清算株式会社である場合における同項第二号及び第二号の二イに規定する法務省令で定める方法は、法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表の資産の部に計上した額をもって株式会社の総資産額とする方法とする。 (純資産額) 第百三十五条 法第四百六十七条第一項第五号ロに規定する法務省令で定める方法は、算定基準日(同号に規定する取得に係る契約を締結した日(当該契約により当該契約を締結した日と異なる時(当該契約を締結した日後から当該取得の効力が生ずる時の直前までの間の時に限る。)を定めた場合にあっては、当該時)をいう。以下この条において同じ。)における第一号から第七号までに掲げる額の合計額から第八号に掲げる額を減じて得た額(当該額が五百万円を下回る場合にあっては、五百万円)をもって株式会社の純資産額とする方法とする。 一 資本金の額 二 資本準備金の額 三 利益準備金の額 四 法第四百四十六条に規定する剰余金の額 五 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの)。以下この号において同じ。)の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式会社の成立の日)における評価・換算差額等に係る額 六 株式引受権の帳簿価額 七 新株予約権の帳簿価額 八 自己株式及び自己新株予約権の帳簿価額の合計額 2 前項の規定にかかわらず、算定基準日において法第四百六十七条第一項第五号に規定する取得をする株式会社が清算株式会社である場合における同号ロに規定する法務省令で定める方法は、法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表の資産の部に計上した額から負債の部に計上した額を減じて得た額(当該額が五百万円を下回る場合にあっては、五百万円)をもって株式会社の純資産額とする方法とする。 (特別支配会社) 第百三十六条 法第四百六十八条第一項に規定する法務省令で定める法人は、次に掲げるものとする。 一 法第四百六十八条第一項に規定する他の会社がその持分の全部を有する法人(株式会社を除く。) 二 法第四百六十八条第一項に規定する他の会社及び特定完全子法人(当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社及び前号に掲げる法人をいう。以下この項において同じ。)又は特定完全子法人がその持分の全部を有する法人 2 前項第二号の規定の適用については、同号に掲げる法人は、同号に規定する特定完全子法人とみなす。 (純資産額) 第百三十七条 法第四百六十八条第二項第二号に規定する法務省令で定める方法は、算定基準日(法第四百六十七条第一項第三号に規定する譲受けに係る契約を締結した日(当該契約により当該契約を締結した日と異なる時(当該契約を締結した日後から当該譲受けの効力が生ずる時の直前までの間の時に限る。)を定めた場合にあっては、当該時)をいう。以下この条において同じ。)における第一号から第七号までに掲げる額の合計額から第八号に掲げる額を減じて得た額(当該額が五百万円を下回る場合にあっては、五百万円)をもって株式会社の純資産額とする方法とする。 一 資本金の額 二 資本準備金の額 三 利益準備金の額 四 法第四百四十六条に規定する剰余金の額 五 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの)。以下この号において同じ。)の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式会社の成立の日)における評価・換算差額等に係る額 六 株式引受権の帳簿価額 七 新株予約権の帳簿価額 八 自己株式及び自己新株予約権の帳簿価額の合計額 2 前項の規定にかかわらず、算定基準日において法第四百六十七条第一項第三号に規定する譲受けをする株式会社が清算株式会社である場合における法第四百六十八条第二項第二号に規定する法務省令で定める方法は、法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表の資産の部に計上した額から負債の部に計上した額を減じて得た額(当該額が五百万円を下回る場合にあっては、五百万円)をもって株式会社の純資産額とする方法とする。 (事業譲渡等につき株主総会の承認を要する場合) 第百三十八条 法第四百六十八条第三項に規定する法務省令で定める数は、次に掲げる数のいずれか小さい数とする。 一 特定株式(法第四百六十八条第三項に規定する行為に係る株主総会において議決権を行使することができることを内容とする株式をいう。以下この条において同じ。)の総数に二分の一(当該株主総会の決議が成立するための要件として当該特定株式の議決権の総数の一定の割合以上の議決権を有する株主が出席しなければならない旨の定款の定めがある場合にあっては、当該一定の割合)を乗じて得た数に三分の一(当該株主総会の決議が成立するための要件として当該株主総会に出席した当該特定株主(特定株式の株主をいう。以下この条において同じ。)の有する議決権の総数の一定の割合以上の多数が賛成しなければならない旨の定款の定めがある場合にあっては、一から当該一定の割合を減じて得た割合)を乗じて得た数に一を加えた数 二 法第四百六十八条第三項に規定する行為に係る決議が成立するための要件として一定の数以上の特定株主の賛成を要する旨の定款の定めがある場合において、特定株主の総数から株式会社に対して当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の数を減じて得た数が当該一定の数未満となるときにおける当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の有する特定株式の数 三 法第四百六十八条第三項に規定する行為に係る決議が成立するための要件として前二号の定款の定め以外の定款の定めがある場合において、当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の全部が同項に規定する株主総会において反対したとすれば当該決議が成立しないときは、当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の有する特定株式の数 四 定款で定めた数 第七章 解散 第百三十九条 法第四百七十二条第一項の届出(以下この条において単に「届出」という。)は、書面でしなければならない。 2 前項の書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該株式会社の商号及び本店並びに代表者の氏名及び住所 二 代理人によって届出をするときは、その氏名及び住所 三 まだ事業を廃止していない旨 四 届出の年月日 五 登記所の表示 3 代理人によって届出をするには、第一項の書面にその権限を証する書面を添付しなければならない。 第八章 清算 第一節 総則 (清算株式会社の業務の適正を確保するための体制) 第百四十条 法第四百八十二条第三項第四号に規定する法務省令で定める体制は、次に掲げる体制とする。 一 清算人の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 二 損失の危険の管理に関する規程その他の体制 三 使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 2 清算人が二人以上ある清算株式会社である場合には、前項に規定する体制には、業務の決定が適正に行われることを確保するための体制を含むものとする。 3 監査役設置会社以外の清算株式会社である場合には、第一項に規定する体制には、清算人が株主に報告すべき事項の報告をするための体制を含むものとする。 4 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある清算株式会社を含む。)である場合には、第一項に規定する体制には、次に掲げる体制を含むものとする。 一 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制 二 前号の使用人の清算人からの独立性に関する事項 三 監査役の第一号の使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項 四 清算人及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制 五 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 六 監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項 七 その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制 (社債を引き受ける者の募集に際して清算人会が定めるべき事項) 第百四十一条 法第四百八十九条第六項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 二以上の募集(法第六百七十六条の募集をいう。以下この条において同じ。)に係る法第六百七十六条各号に掲げる事項の決定を委任するときは、その旨 二 募集社債の総額の上限(前号に規定する場合にあっては、各募集に係る募集社債の総額の上限の合計額) 三 募集社債の利率の上限その他の利率に関する事項の要綱 四 募集社債の払込金額(法第六百七十六条第九号に規定する払込金額をいう。以下この号において同じ。)の総額の最低金額その他の払込金額に関する事項の要綱 (清算人会設置会社の業務の適正を確保するための体制) 第百四十二条 法第四百八十九条第六項第六号に規定する法務省令で定める体制は、次に掲げる体制とする。 一 清算人の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 二 損失の危険の管理に関する規程その他の体制 三 使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 2 監査役設置会社以外の清算株式会社である場合には、前項に規定する体制には、清算人が株主に報告すべき事項の報告をするための体制を含むものとする。 3 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある清算株式会社を含む。)である場合には、第一項に規定する体制には、次に掲げる体制を含むものとする。 一 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制 二 前号の使用人の清算人からの独立性に関する事項 三 監査役の第一号の使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項 四 清算人及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制 五 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 六 監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項 七 その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制 (清算人会の議事録) 第百四十三条 法第四百九十条第五項において準用する法第三百六十九条第三項の規定による清算人会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 清算人会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 清算人会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 清算人会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない清算人、監査役又は株主が清算人会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。) 二 清算人会が次に掲げるいずれかのものに該当するときは、その旨 イ 法第四百九十条第二項の規定による清算人の請求を受けて招集されたもの ロ 法第四百九十条第三項の規定により清算人が招集したもの ハ 法第四百九十条第四項において準用する法第三百六十七条第一項の規定による株主の請求を受けて招集されたもの ニ 法第四百九十条第四項において準用する法第三百六十七条第三項において読み替えて準用する法第四百九十条第三項の規定により株主が招集したもの ホ 法第三百八十三条第二項の規定による監査役の請求を受けて招集されたもの ヘ 法第三百八十三条第三項の規定により監査役が招集したもの 三 清算人会の議事の経過の要領及びその結果 四 決議を要する事項について特別の利害関係を有する清算人があるときは、その氏名 五 次に掲げる規定により清算人会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要 イ 法第三百八十二条 ロ 法第三百八十三条第一項 ハ 法第四百八十九条第八項において準用する法第三百六十五条第二項 ニ 法第四百九十条第四項において準用する法第三百六十七条第四項 六 清算人会に出席した監査役又は株主の氏名又は名称 七 清算人会の議長が存するときは、議長の氏名 4 次の各号に掲げる場合には、清算人会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。 一 法第四百九十条第五項において準用する法第三百七十条の規定により清算人会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項 イ 清算人会の決議があったものとみなされた事項の内容 ロ イの事項の提案をした清算人の氏名 ハ 清算人会の決議があったものとみなされた日 ニ 議事録の作成に係る職務を行った清算人の氏名 二 法第四百九十条第六項において準用する法第三百七十二条第一項の規定により清算人会への報告を要しないものとされた場合 次に掲げる事項 イ 清算人会への報告を要しないものとされた事項の内容 ロ 清算人会への報告を要しないものとされた日 ハ 議事録の作成に係る職務を行った清算人の氏名 (財産目録) 第百四十四条 法第四百九十二条第一項の規定により作成すべき財産目録については、この条の定めるところによる。 2 前項の財産目録に計上すべき財産については、その処分価格を付すことが困難な場合を除き、法第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日における処分価格を付さなければならない。 この場合において、清算株式会社の会計帳簿については、財産目録に付された価格を取得価額とみなす。 3 第一項の財産目録は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。 この場合において、第一号及び第二号に掲げる部は、その内容を示す適当な名称を付した項目に細分することができる。 一 資産 二 負債 三 正味資産 (清算開始時の貸借対照表) 第百四十五条 法第四百九十二条第一項の規定により作成すべき貸借対照表については、この条の定めるところによる。 2 前項の貸借対照表は、財産目録に基づき作成しなければならない。 3 第一項の貸借対照表は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。 この場合において、第一号及び第二号に掲げる部は、その内容を示す適当な名称を付した項目に細分することができる。 一 資産 二 負債 三 純資産 4 処分価格を付すことが困難な資産がある場合には、第一項の貸借対照表には、当該資産に係る財産評価の方針を注記しなければならない。 (各清算事務年度に係る貸借対照表) 第百四十六条 法第四百九十四条第一項の規定により作成すべき貸借対照表は、各清算事務年度に係る会計帳簿に基づき作成しなければならない。 2 前条第三項の規定は、前項の貸借対照表について準用する。 3 法第四百九十四条第一項の規定により作成すべき貸借対照表の附属明細書は、貸借対照表の内容を補足する重要な事項をその内容としなければならない。 (各清算事務年度に係る事務報告) 第百四十七条 法第四百九十四条第一項の規定により作成すべき事務報告は、清算に関する事務の執行の状況に係る重要な事項をその内容としなければならない。 2 法第四百九十四条第一項の規定により作成すべき事務報告の附属明細書は、事務報告の内容を補足する重要な事項をその内容としなければならない。 (清算株式会社の監査報告) 第百四十八条 法第四百九十五条第一項の規定による監査については、この条の定めるところによる。 2 清算株式会社の監査役は、各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を受領したときは、次に掲げる事項(監査役会設置会社の監査役の監査報告にあっては、第一号から第五号までに掲げる事項)を内容とする監査報告を作成しなければならない。 一 監査役の監査の方法及びその内容 二 各清算事務年度に係る貸借対照表及びその附属明細書が当該清算株式会社の財産の状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見 三 各清算事務年度に係る事務報告及びその附属明細書が法令又は定款に従い当該清算株式会社の状況を正しく示しているかどうかについての意見 四 清算人の職務の遂行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったときは、その事実 五 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由 六 監査報告を作成した日 3 前項の規定にかかわらず、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある清算株式会社の監査役は、同項第三号及び第四号に掲げる事項に代えて、これらの事項を監査する権限がないことを明らかにした監査報告を作成しなければならない。 4 清算株式会社の監査役会は、第二項の規定により清算株式会社の監査役が作成した監査報告に基づき、監査役会の監査報告を作成しなければならない。 5 清算株式会社の監査役会の監査報告は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 監査役及び監査役会の監査の方法及びその内容 二 第二項第二号から第五号までに掲げる事項 三 監査報告を作成した日 6 特定監査役は、第百四十六条第一項の貸借対照表及び前条第一項の事務報告の全部を受領した日から四週間を経過した日(特定清算人(次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。以下この条において同じ。)及び特定監査役の間で合意した日がある場合にあっては、当該日)までに、特定清算人に対して、監査報告(監査役会設置会社にあっては、第四項の規定により作成した監査役会の監査報告に限る。)の内容を通知しなければならない。 一 この項の規定による通知を受ける者を定めた場合 当該通知を受ける者として定められた者 二 前号に掲げる場合以外の場合 第百四十六条第一項の貸借対照表及び前条第一項の事務報告並びにこれらの附属明細書の作成に関する職務を行った清算人 7 第百四十六条第一項の貸借対照表及び前条第一項の事務報告並びにこれらの附属明細書については、特定清算人が前項の規定による監査報告の内容の通知を受けた日に、監査役の監査を受けたものとする。 8 前項の規定にかかわらず、特定監査役が第六項の規定により通知をすべき日までに同項の規定による監査報告の内容の通知をしない場合には、当該通知をすべき日に、第百四十六条第一項の貸借対照表及び前条第一項の事務報告並びにこれらの附属明細書については、監査役の監査を受けたものとみなす。 9 第六項及び前項に規定する「特定監査役」とは、次の各号に掲げる清算株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者とする。 一 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある清算株式会社を含み、監査役会設置会社を除く。) 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める者 イ 二以上の監査役が存する場合において、第六項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めたとき 当該通知をすべき監査役として定められた監査役 ロ 二以上の監査役が存する場合において、第六項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めていないとき 全ての監査役 ハ イ又はロに掲げる場合以外の場合 監査役 二 監査役会設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者 イ 監査役会が第六項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めた場合 当該通知をすべき監査役として定められた監査役 ロ イに掲げる場合以外の場合 全ての監査役 (金銭分配請求権が行使される場合における残余財産の価格) 第百四十九条 法第五百五条第三項第一号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって同号に規定する残余財産の価格とする方法とする。 一 法第五百五条第一項第一号の期間の末日(以下この項において「行使期限日」という。)における当該残余財産を取引する市場における最終の価格(当該行使期限日に売買取引がない場合又は当該行使期限日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 行使期限日において当該残余財産が公開買付け等の対象であるときは、当該行使期限日における当該公開買付け等に係る契約における当該残余財産の価格 2 法第五百六条の規定により法第五百五条第三項後段の規定の例によることとされる場合における前項第一号の規定の適用については、同号中「法第五百五条第一項第一号の期間の末日」とあるのは、「残余財産の分配をする日」とする。 (決算報告) 第百五十条 法第五百七条第一項の規定により作成すべき決算報告は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 この場合において、第一号及び第二号に掲げる事項については、適切な項目に細分することができる。 一 債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額 二 債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額 三 残余財産の額(支払税額がある場合には、その税額及び当該税額を控除した後の財産の額) 四 一株当たりの分配額(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式一株当たりの分配額) 2 前項第四号に掲げる事項については、次に掲げる事項を注記しなければならない。 一 残余財産の分配を完了した日 二 残余財産の全部又は一部が金銭以外の財産である場合には、当該財産の種類及び価額 (清算株式会社が自己の株式を取得することができる場合) 第百五十一条 法第五百九条第三項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 当該清算株式会社が有する他の法人等の株式(持分その他これに準ずるものを含む。以下この条において同じ。)につき当該他の法人等が行う剰余金の配当又は残余財産の分配(これらに相当する行為を含む。)により当該清算株式会社の株式の交付を受ける場合 二 当該清算株式会社が有する他の法人等の株式につき当該他の法人等が行う次に掲げる行為に際して当該株式と引換えに当該清算株式会社の株式の交付を受ける場合 イ 組織変更 ロ 合併 ハ 株式交換(法以外の法令(外国の法令を含む。)に基づく株式交換に相当する行為を含む。) ニ 取得条項付株式(これに相当する株式を含む。)の取得 ホ 全部取得条項付種類株式(これに相当する株式を含む。)の取得 三 当該清算株式会社が有する他の法人等の新株予約権等を当該他の法人等が当該新株予約権等の定めに基づき取得することと引換えに当該清算株式会社の株式の交付をする場合 四 当該清算株式会社が法第七百八十五条第五項又は第八百六条第五項(これらの規定を株式会社について他の法令において準用する場合を含む。)に規定する株式買取請求(合併に際して行使されるものに限る。)に応じて当該清算株式会社の株式を取得する場合 五 当該清算株式会社が法第百十六条第五項、第百八十二条の四第四項、第四百六十九条第五項、第七百八十五条第五項、第七百九十七条第五項、第八百六条第五項又は第八百十六条の六第五項(これらの規定を株式会社について他の法令において準用する場合を含む。)に規定する株式買取請求(清算株式会社となる前にした行為に際して行使されたものに限る。)に応じて当該清算株式会社の株式を取得する場合 六 当該清算株式会社が清算株式会社となる前に法第百九十二条第一項の規定による請求があった場合における当該請求に係る同条第二項の株式を取得する場合 第二節 特別清算 (総資産額) 第百五十二条 法第五百三十六条第一項第二号及び第三号イに規定する法務省令で定める方法は、法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表の資産の部に計上した額を総資産額とする方法とする。 (債権者集会の招集の決定事項) 第百五十三条 法第五百四十八条第一項第四号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 次条の規定により債権者集会参考書類に記載すべき事項(同条第一項第一号に掲げる事項を除く。) 二 書面による議決権の行使の期限(債権者集会(法第二編第九章第二節第八款の規定の適用のある債権者の集会をいう。以下この節において同じ。)の日時以前の時であって、法第五百四十九条第一項の規定による通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。) 三 一の協定債権者が同一の議案につき法第五百五十六条第一項(法第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合にあっては、法第五百五十六条第一項又は第五百五十七条第一項)の規定により重複して議決権を行使した場合において、当該同一の議案に対する議決権の行使の内容が異なるものであるときにおける当該協定債権者の議決権の行使の取扱いに関する事項を定めるときは、その事項 四 第百五十五条第一項第三号の取扱いを定めるときは、その取扱いの内容 五 法第五百四十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項 イ 電磁的方法による議決権の行使の期限(債権者集会の日時以前の時であって、法第五百四十九条第一項の規定による通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。) ロ 法第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者の請求があった時に当該協定債権者に対して法第五百五十条第一項の規定による議決権行使書面(同項に規定する議決権行使書面をいう。以下この節において同じ。)の交付(当該交付に代えて行う同条第二項の規定による電磁的方法による提供を含む。)をすることとするときは、その旨 (債権者集会参考書類) 第百五十四条 債権者集会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 当該債権者集会参考書類の交付を受けるべき協定債権者が有する協定債権について法第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項 二 議案 2 債権者集会参考書類には、前項に定めるもののほか、協定債権者の議決権の行使について参考となると認める事項を記載することができる。 3 同一の債権者集会に関して協定債権者に対して提供する債権者集会参考書類に記載すべき事項(第一項第二号に掲げる事項に限る。)のうち、他の書面に記載している事項又は電磁的方法により提供している事項がある場合には、これらの事項は、債権者集会参考書類に記載することを要しない。 4 同一の債権者集会に関して協定債権者に対して提供する招集通知(法第五百四十九条第一項又は第二項の規定による通知をいう。以下この節において同じ。)の内容とすべき事項のうち、債権者集会参考書類に記載している事項がある場合には、当該事項は、招集通知の内容とすることを要しない。 (議決権行使書面) 第百五十五条 法第五百五十条第一項の規定により交付すべき議決権行使書面に記載すべき事項又は法第五百五十一条第一項若しくは第二項の規定により電磁的方法により提供すべき議決権行使書面に記載すべき事項は、次に掲げる事項とする。 一 各議案についての同意の有無(棄権の欄を設ける場合にあっては、棄権を含む。)を記載する欄 二 第百五十三条第三号に掲げる事項を定めたときは、当該事項 三 第百五十三条第四号に掲げる事項を定めたときは、第一号の欄に記載がない議決権行使書面が招集者(法第五百四十八条第一項に規定する招集者をいう。以下この条において同じ。)に提出された場合における各議案についての賛成、反対又は棄権のいずれかの意思の表示があったものとする取扱いの内容 四 議決権の行使の期限 五 議決権を行使すべき協定債権者の氏名又は名称及び当該協定債権者について法第五百四十八条第二項又は第三項の規定により定められた事項 2 第百五十三条第五号ロに掲げる事項を定めた場合には、招集者は、法第五百四十九条第二項の承諾をした協定債権者の請求があった時に、当該協定債権者に対して、法第五百五十条第一項の規定による議決権行使書面の交付(当該交付に代えて行う同条第二項の規定による電磁的方法による提供を含む。)をしなければならない。 3 同一の債権者集会に関して協定債権者に対して提供する招集通知の内容とすべき事項のうち、議決権行使書面に記載している事項がある場合には、当該事項は、招集通知の内容とすることを要しない。 4 同一の債権者集会に関して協定債権者に対して提供する議決権行使書面に記載すべき事項(第一項第二号から第四号までに掲げる事項に限る。)のうち、招集通知の内容としている事項がある場合には、当該事項は、議決権行使書面に記載することを要しない。 (書面による議決権行使の期限) 第百五十六条 法第五百五十六条第二項に規定する法務省令で定める時は、第百五十三条第二号の行使の期限とする。 (電磁的方法による議決権行使の期限) 第百五十七条 法第五百五十七条第一項に規定する法務省令で定める時は、第百五十三条第五号イの行使の期限とする。 (債権者集会の議事録) 第百五十八条 法第五百六十一条の規定による債権者集会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 債権者集会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 債権者集会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 債権者集会が開催された日時及び場所 二 債権者集会の議事の経過の要領及びその結果 三 法第五百五十九条の規定により債権者集会において述べられた意見があるときは、その意見の内容の概要 四 法第五百六十二条の規定により債権者集会に対する報告及び意見の陳述がされたときは、その報告及び意見の内容の概要 五 債権者集会に出席した清算人の氏名 六 債権者集会の議長が存するときは、議長の氏名 七 議事録の作成に係る職務を行った者の氏名又は名称 第三編 持分会社 第一章 計算等 第百五十九条 次に掲げる規定に規定する法務省令で定めるべき事項は、会社計算規則の定めるところによる。 一 法第六百十五条第一項 二 法第六百十七条第一項及び第二項 三 法第六百二十条第二項 四 法第六百二十三条第一項 五 法第六百二十六条第四項第四号 六 法第六百三十一条第一項 七 法第六百三十五条第二項、第三項及び第五項 第二章 清算 (財産目録) 第百六十条 法第六百五十八条第一項又は第六百六十九条第一項若しくは第二項の規定により作成すべき財産目録については、この条の定めるところによる。 2 前項の財産目録に計上すべき財産については、その処分価格を付すことが困難な場合を除き、法第六百四十四条各号に掲げる場合に該当することとなった日における処分価格を付さなければならない。 この場合において、清算持分会社の会計帳簿については、財産目録に付された価格を取得価額とみなす。 3 第一項の財産目録は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。 この場合において、第一号及び第二号に掲げる部は、その内容を示す適当な名称を付した項目に細分することができる。 一 資産 二 負債 三 正味資産 (清算開始時の貸借対照表) 第百六十一条 法第六百五十八条第一項又は第六百六十九条第一項若しくは第二項の規定により作成すべき貸借対照表については、この条の定めるところによる。 2 前項の貸借対照表は、財産目録に基づき作成しなければならない。 3 第一項の貸借対照表は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。 この場合において、第一号及び第二号に掲げる部は、その内容を示す適当な名称を付した項目に細分することができる。 一 資産 二 負債 三 純資産 4 処分価格を付すことが困難な資産がある場合には、第一項の貸借対照表には、当該資産に係る財産評価の方針を注記しなければならない。 第四編 社債 第一章 総則 (募集事項) 第百六十二条 法第六百七十六条第十二号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 数回に分けて募集社債と引換えに金銭の払込みをさせるときは、その旨及び各払込みの期日における払込金額(法第六百七十六条第九号に規定する払込金額をいう。) 二 他の会社と合同して募集社債を発行するときは、その旨及び各会社の負担部分 三 募集社債と引換えにする金銭の払込みに代えて金銭以外の財産を給付する旨の契約を締結するときは、その契約の内容 四 法第七百二条の規定による委託に係る契約において法に規定する社債管理者の権限以外の権限を定めるときは、その権限の内容 五 法第七百十一条第二項本文(法第七百十四条の七において読み替えて準用する場合を含む。)に規定するときは、同項本文に規定する事由 六 法第七百十四条の二の規定による委託に係る契約において法第七百十四条の四第二項各号に掲げる行為をする権限の全部若しくは一部又は法に規定する社債管理補助者の権限以外の権限を定めるときは、その権限の内容 七 法第七百十四条の二の規定による委託に係る契約における法第七百十四条の四第四項の規定による報告又は同項に規定する措置に係る定めの内容 八 募集社債が信託社債であるときは、その旨及び当該信託社債についての信託を特定するために必要な事項 (申込みをしようとする者に対して通知すべき事項) 第百六十三条 法第六百七十七条第一項第三号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 社債管理者を定めたときは、その名称及び住所 二 社債管理補助者を定めたときは、その氏名又は名称及び住所 三 社債原簿管理人を定めたときは、その氏名又は名称及び住所 (申込みをしようとする者に対する通知を要しない場合) 第百六十四条 法第六百七十七条第四項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合であって、会社が同条第一項の申込みをしようとする者に対して同項各号に掲げる事項を提供している場合とする。 一 当該会社が金融商品取引法の規定に基づき目論見書に記載すべき事項を電磁的方法により提供している場合 二 当該会社が外国の法令に基づき目論見書その他これに相当する書面その他の資料を提供している場合 三 長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第十一条第四項の規定に基づく公告により同項各号の事項を提供している場合 四 株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)第三十六条第三項の規定に基づく公告により同項各号の事項を提供している場合 (社債の種類) 第百六十五条 法第六百八十一条第一号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 社債の利率 二 社債の償還の方法及び期限 三 利息支払の方法及び期限 四 社債券を発行するときは、その旨 五 社債権者が法第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨 六 社債管理者を定めないこととするときは、その旨 七 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに法第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨 八 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨 九 他の会社と合同して募集社債を発行するときは、その旨及び各会社の負担部分 十 社債管理者を定めたときは、その名称及び住所並びに法第七百二条の規定による委託に係る契約の内容 十一 社債管理補助者を定めたときは、その氏名又は名称及び住所並びに法第七百十四条の二の規定による委託に係る契約の内容 十二 社債原簿管理人を定めたときは、その氏名又は名称及び住所 十三 社債が担保付社債であるときは、担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第十九条第一項第一号、第十一号及び第十三号に掲げる事項 十四 社債が信託社債であるときは、当該信託社債についての信託を特定するために必要な事項 (社債原簿記載事項) 第百六十六条 法第六百八十一条第七号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 募集社債と引換えにする金銭の払込みに代えて金銭以外の財産の給付があったときは、その財産の価額及び給付の日 二 社債権者が募集社債と引換えにする金銭の払込みをする債務と会社に対する債権とを相殺したときは、その債権の額及び相殺をした日 (閲覧権者) 第百六十七条 法第六百八十四条第二項に規定する法務省令で定める者は、社債権者その他の社債発行会社の債権者及び社債発行会社の株主又は社員とする。 (社債原簿記載事項の記載等の請求) 第百六十八条 法第六百九十一条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 社債取得者が、社債権者として社債原簿に記載若しくは記録がされた者又はその一般承継人に対して当該社債取得者の取得した社債に係る法第六百九十一条第一項の規定による請求をすべきことを命ずる確定判決を得た場合において、当該確定判決の内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 二 社債取得者が前号の確定判決と同一の効力を有するものの内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 三 社債取得者が一般承継により当該会社の社債を取得した者である場合において、当該一般承継を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 四 社債取得者が当該会社の社債を競売により取得した者である場合において、当該競売により取得したことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。 五 社債取得者が法第百七十九条第三項の規定による請求により当該会社の社債を取得した者である場合において、当該社債取得者が請求をしたとき。 2 前項の規定にかかわらず、社債取得者が取得した社債が社債券を発行する定めがあるものである場合には、法第六百九十一条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 社債取得者が社債券を提示して請求をした場合 二 社債取得者が法第百七十九条第三項の規定による請求により当該会社の社債を取得した者である場合において、当該社債取得者が請求をしたとき。 第二章 社債管理者等 (社債管理者を設置することを要しない場合) 第百六十九条 法第七百二条に規定する法務省令で定める場合は、ある種類(法第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。以下この条において同じ。)の社債の総額を当該種類の各社債の金額の最低額で除して得た数が五十を下回る場合とする。 (社債管理者の資格) 第百七十条 法第七百三条第三号に規定する法務省令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 担保付社債信託法第三条の免許を受けた者 二 株式会社商工組合中央金庫 三 農業協同組合法第十条第一項第二号及び第三号の事業を併せ行う農業協同組合又は農業協同組合連合会 四 信用協同組合又は中小企業等協同組合法第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会 五 信用金庫又は信用金庫連合会 六 労働金庫連合会 七 長期信用銀行法第二条に規定する長期信用銀行 八 保険業法第二条第二項に規定する保険会社 九 農林中央金庫 (特別の関係) 第百七十一条 法第七百十条第二項第二号(法第七百十二条において準用する場合を含む。)に規定する法務省令で定める特別の関係は、次に掲げる関係とする。 一 法人の総社員又は総株主の議決権の百分の五十を超える議決権を有する者(以下この条において「支配社員」という。)と当該法人(以下この条において「被支配法人」という。)との関係 二 被支配法人とその支配社員の他の被支配法人との関係 2 支配社員とその被支配法人が合わせて他の法人の総社員又は総株主の議決権の百分の五十を超える議決権を有する場合には、当該他の法人も、当該支配社員の被支配法人とみなして前項の規定を適用する。 (社債管理補助者の資格) 第百七十一条の二 法第七百十四条の三に規定する法務省令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 弁護士 二 弁護士法人 三 弁護士・外国法事務弁護士共同法人 第三章 社債権者集会 (社債権者集会の招集の決定事項) 第百七十二条 法第七百十九条第四号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 次条の規定により社債権者集会参考書類に記載すべき事項 二 書面による議決権の行使の期限(社債権者集会の日時以前の時であって、法第七百二十条第一項の規定による通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。) 三 一の社債権者が同一の議案につき法第七百二十六条第一項(法第七百十九条第三号に掲げる事項を定めた場合にあっては、法第七百二十六条第一項又は第七百二十七条第一項)の規定により重複して議決権を行使した場合において、当該同一の議案に対する議決権の行使の内容が異なるものであるときにおける当該社債権者の議決権の行使の取扱いに関する事項を定めるときは、その事項 四 第百七十四条第一項第三号の取扱いを定めるときは、その取扱いの内容 五 法第七百十九条第三号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項 イ 電磁的方法による議決権の行使の期限(社債権者集会の日時以前の時であって、法第七百二十条第一項の規定による通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。) ロ 法第七百二十条第二項の承諾をした社債権者の請求があった時に当該社債権者に対して法第七百二十一条第一項の規定による議決権行使書面(同項に規定する議決権行使書面をいう。以下この章において同じ。)の交付(当該交付に代えて行う同条第二項の規定による電磁的方法による提供を含む。)をすることとするときは、その旨 (社債権者集会参考書類) 第百七十三条 社債権者集会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 議案及び提案の理由 二 議案が代表社債権者の選任に関する議案であるときは、次に掲げる事項 イ 候補者の氏名又は名称 ロ 候補者の略歴又は沿革 ハ 候補者が社債発行会社、社債管理者又は社債管理補助者と特別の利害関係があるときは、その事実の概要 2 社債権者集会参考書類には、前項に定めるもののほか、社債権者の議決権の行使について参考となると認める事項を記載することができる。 3 同一の社債権者集会に関して社債権者に対して提供する社債権者集会参考書類に記載すべき事項のうち、他の書面に記載している事項又は電磁的方法により提供している事項がある場合には、これらの事項は、社債権者集会参考書類に記載することを要しない。 4 同一の社債権者集会に関して社債権者に対して提供する招集通知(法第七百二十条第一項又は第二項の規定による通知をいう。以下この章において同じ。)の内容とすべき事項のうち、社債権者集会参考書類に記載している事項がある場合には、当該事項は、招集通知の内容とすることを要しない。 (議決権行使書面) 第百七十四条 法第七百二十一条第一項の規定により交付すべき議決権行使書面に記載すべき事項又は法第七百二十二条第一項若しくは第二項の規定により電磁的方法により提供すべき議決権行使書面に記載すべき事項は、次に掲げる事項とする。 一 各議案についての賛否(棄権の欄を設ける場合にあっては、棄権を含む。)を記載する欄 二 第百七十二条第三号に掲げる事項を定めたときは、当該事項 三 第百七十二条第四号に掲げる事項を定めたときは、第一号の欄に記載がない議決権行使書面が招集者(法第七百十九条に規定する招集者をいう。以下この条において同じ。)に提出された場合における各議案についての賛成、反対又は棄権のいずれかの意思の表示があったものとする取扱いの内容 四 議決権の行使の期限 五 議決権を行使すべき社債権者の氏名又は名称及び行使することができる議決権の額 2 第百七十二条第五号ロに掲げる事項を定めた場合には、招集者は、法第七百二十条第二項の承諾をした社債権者の請求があった時に、当該社債権者に対して、法第七百二十一条第一項の規定による議決権行使書面の交付(当該交付に代えて行う同条第二項の規定による電磁的方法による提供を含む。)をしなければならない。 3 同一の社債権者集会に関して社債権者に対して提供する議決権行使書面に記載すべき事項(第一項第二号から第四号までに掲げる事項に限る。)のうち、招集通知の内容としている事項がある場合には、当該事項は、社債権者に対して提供する議決権行使書面に記載することを要しない。 4 同一の社債権者集会に関して社債権者に対して提供する招集通知の内容とすべき事項のうち、議決権行使書面に記載している事項がある場合には、当該事項は、社債権者に対して提供する招集通知の内容とすることを要しない。 (書面による議決権行使の期限) 第百七十五条 法第七百二十六条第二項に規定する法務省令で定める時は、第百七十二条第二号の行使の期限とする。 (電磁的方法による議決権行使の期限) 第百七十六条 法第七百二十七条第一項に規定する法務省令で定める時は、第百七十二条第五号イの行使の期限とする。 (社債権者集会の議事録) 第百七十七条 法第七百三十一条第一項の規定による社債権者集会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。 2 社債権者集会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 3 社債権者集会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 一 社債権者集会が開催された日時及び場所 二 社債権者集会の議事の経過の要領及びその結果 三 法第七百二十九条第一項の規定により社債権者集会において述べられた意見があるときは、その意見の内容の概要 四 社債権者集会に出席した社債発行会社の代表者又は代理人の氏名 五 社債権者集会に出席した社債管理者の代表者若しくは代理人の氏名又は社債管理補助者若しくはその代表者若しくは代理人の氏名 六 社債権者集会の議長が存するときは、議長の氏名 七 議事録の作成に係る職務を行った者の氏名又は名称 4 法第七百三十五条の二第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた場合には、社債権者集会の議事録は、次の各号に掲げる事項を内容とするものとする。 一 社債権者集会の決議があったものとみなされた事項の内容 二 前号の事項の提案をした者の氏名又は名称 三 社債権者集会の決議があったものとみなされた日 四 議事録の作成に係る職務を行った者の氏名又は名称 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付 第一章 吸収分割契約及び新設分割計画 第一節 吸収分割契約 第百七十八条 法第七百五十八条第八号イ及び第七百六十条第七号イに規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額がハに掲げる額よりも小さい場合における吸収分割に際して吸収分割株式会社が吸収分割承継会社から取得した金銭等であって、法第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号の定めに従い取得対価(法第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価をいう。以下この条において同じ。)又は配当財産として交付する承継会社株式等(吸収分割承継株式会社の株式又は吸収分割承継持分会社の持分をいう。以下この号において同じ。)以外の金銭等 イ 法第七百五十八条第八号イ若しくはロ又は第七百六十条第七号イ若しくはロに掲げる行為により吸収分割株式会社の株主に対して交付する金銭等(法第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イに掲げる行為(次号において「特定株式取得」という。)をする場合にあっては、取得対価として交付する吸収分割株式会社の株式を除く。)の合計額 ロ イに規定する金銭等のうち承継会社株式等の価額の合計額 ハ イに規定する金銭等の合計額に二十分の一を乗じて得た額 二 特定株式取得をする場合における取得対価として交付する吸収分割株式会社の株式 第二節 新設分割計画 第百七十九条 法第七百六十三条第一項第十二号イ及び第七百六十五条第一項第八号イに規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額がハに掲げる額よりも小さい場合における新設分割に際して新設分割株式会社が新設分割設立会社から取得した金銭等であって、法第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号の定めに従い取得対価(法第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価をいう。以下この条において同じ。)又は配当財産として交付する設立会社株式等(新設分割設立株式会社の株式又は新設分割設立持分会社の持分をいう。以下この号において同じ。)以外の金銭等 イ 法第七百六十三条第一項第十二号イ若しくはロ又は第七百六十五条第一項第八号イ若しくはロに掲げる行為により新設分割株式会社の株主に対して交付する金銭等(法第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イに掲げる行為(次号において「特定株式取得」という。)をする場合にあっては、取得対価として交付する新設分割株式会社の株式を除く。)の合計額 ロ イに規定する金銭等のうち設立会社株式等の価額の合計額 ハ イに規定する金銭等の合計額に二十分の一を乗じて得た額 二 特定株式取得をする場合における取得対価として交付する新設分割株式会社の株式 第一章の二 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み (申込みをしようとする者に対して通知すべき事項) 第百七十九条の二 法第七百七十四条の四第一項第三号(法第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 交付対価について参考となるべき事項 二 株式交付親会社の計算書類等に関する事項 2 この条において「交付対価」とは、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式、新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。以下この条において同じ。)又は新株予約権付社債の譲渡人に対して当該株式、新株予約権又は新株予約権付社債の対価として交付する金銭等をいう。 3 第一項第一号に規定する「交付対価について参考となるべき事項」とは、次に掲げる事項その他これに準ずる事項(これらの事項の全部又は一部を通知しないことにつき法第七百七十四条の四第一項(法第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の申込みをしようとする者の同意がある場合にあっては、当該同意があったものを除く。)とする。 一 交付対価として交付する株式交付親会社の株式に関する次に掲げる事項 イ 当該株式交付親会社の定款の定め ロ 次に掲げる事項その他の交付対価の換価の方法に関する事項 (1) 交付対価を取引する市場 (2) 交付対価の取引の媒介、取次ぎ又は代理を行う者 (3) 交付対価の譲渡その他の処分に制限があるときは、その内容 ハ 交付対価に市場価格があるときは、その価格に関する事項 ニ 株式交付親会社の過去五年間にその末日が到来した各事業年度(次に掲げる事業年度を除く。)に係る貸借対照表の内容 (1) 最終事業年度 (2) ある事業年度に係る貸借対照表の内容につき、法令の規定に基づく公告(法第四百四十条第三項の措置に相当するものを含む。)をしている場合における当該事業年度 (3) ある事業年度に係る貸借対照表の内容につき、金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出している場合における当該事業年度 二 交付対価の一部が法人等の株式、持分その他これらに準ずるもの(株式交付親会社の株式を除く。)であるときは、次に掲げる事項(当該事項が日本語以外の言語で表示されている場合にあっては、当該事項(氏名又は名称を除く。)を日本語で表示した事項) イ 当該法人等の定款その他これに相当するものの定め ロ 当該法人等が会社でないときは、次に掲げる権利に相当する権利その他の交付対価に係る権利(重要でないものを除く。)の内容 (1) 剰余金の配当を受ける権利 (2) 残余財産の分配を受ける権利 (3) 株主総会における議決権 (4) 合併その他の行為がされる場合において、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求する権利 (5) 定款その他の資料(当該資料が電磁的記録をもって作成されている場合にあっては、当該電磁的記録に記録された事項を表示したもの)の閲覧又は謄写を請求する権利 ハ 当該法人等が、その株主、社員その他これらに相当する者(以下この号、第百八十二条第四項第二号及び第百八十四条第四項第二号において「株主等」という。)に対し、日本語以外の言語を使用して情報の提供をすることとされているときは、当該言語 ニ 株式交付が効力を生ずる日に当該法人等の株主総会その他これに相当するものの開催があるものとした場合における当該法人等の株主等が有すると見込まれる議決権その他これに相当する権利の総数 ホ 当該法人等について登記(当該法人等が外国の法令に準拠して設立されたものである場合にあっては、法第九百三十三条第一項の外国会社の登記又は外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第二条の外国法人の登記に限る。)がされていないときは、次に掲げる事項 (1) 当該法人等を代表する者の氏名又は名称及び住所 (2) 当該法人等の役員((1)の者を除く。)の氏名又は名称 ヘ 当該法人等の最終事業年度(当該法人等が会社以外のものである場合にあっては、最終事業年度に相当するもの。以下この号において同じ。)に係る計算書類(最終事業年度がない場合にあっては、当該法人等の成立の日における貸借対照表)その他これに相当するものの内容(当該計算書類その他これに相当するものについて監査役、監査等委員会、監査委員会、会計監査人その他これらに相当するものの監査を受けている場合にあっては、監査報告その他これに相当するものの内容の概要を含む。) ト 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項 (1) 当該法人等が株式会社である場合 当該法人等の最終事業年度に係る事業報告の内容(当該事業報告について監査役、監査等委員会又は監査委員会の監査を受けている場合にあっては、監査報告の内容を含む。) (2) 当該法人等が株式会社以外のものである場合 当該法人等の最終事業年度に係る第百十八条各号及び第百十九条各号に掲げる事項に相当する事項の内容の概要(当該事項について監査役、監査等委員会、監査委員会その他これらに相当するものの監査を受けている場合にあっては、監査報告その他これに相当するものの内容の概要を含む。) チ 当該法人等の過去五年間にその末日が到来した各事業年度(次に掲げる事業年度を除く。)に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容 (1) 最終事業年度 (2) ある事業年度に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容につき、法令の規定に基づく公告(法第四百四十条第三項の措置に相当するものを含む。)をしている場合における当該事業年度 (3) ある事業年度に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容につき、金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出している場合における当該事業年度 リ 前号ロ及びハに掲げる事項 ヌ 交付対価が自己株式の取得、持分の払戻しその他これらに相当する方法により払戻しを受けることができるものであるときは、その手続に関する事項 三 交付対価の一部が株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債であるときは、第一号ロ及びハに掲げる事項 四 交付対価の一部が法人等の社債、新株予約権、新株予約権付社債その他これらに準ずるもの(株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債を除く。)であるときは、次に掲げる事項(当該事項が日本語以外の言語で表示されている場合にあっては、当該事項(氏名又は名称を除く。)を日本語で表示した事項) イ 第一号ロ及びハに掲げる事項 ロ 第二号イ及びホからチまでに掲げる事項 五 交付対価の一部が株式交付親会社その他の法人等の株式、持分、社債、新株予約権、新株予約権付社債その他これらに準ずるもの及び金銭以外の財産であるときは、第一号ロ及びハに掲げる事項 4 第一項第二号に規定する「株式交付親会社の計算書類等に関する事項」とは、次に掲げる事項とする。 一 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、株式交付親会社の成立の日における貸借対照表)の内容 二 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式交付親会社の成立の日。次号において同じ。)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 三 最終事業年度の末日後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容 (申込みをしようとする者に対する通知を要しない場合) 第百七十九条の三 法第七百七十四条の四(法第七百七十四条の九において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)第四項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合であって、株式交付親会社が法第七百七十四条の四第一項の申込みをしようとする者に対して同項各号に掲げる事項を提供している場合とする。 一 当該株式交付親会社が金融商品取引法の規定に基づき目論見書に記載すべき事項を電磁的方法により提供している場合 二 当該株式交付親会社が外国の法令に基づき目論見書その他これに相当する書面その他の資料を提供している場合 第二章 組織変更をする株式会社の手続 (組織変更をする株式会社の事前開示事項) 第百八十条 法第七百七十五条第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、法第七百四十四条第一項第七号及び第八号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項 二 組織変更をする株式会社において最終事業年度がないときは、当該組織変更をする株式会社の成立の日における貸借対照表 三 組織変更後持分会社の債務の履行の見込みに関する事項 四 法第七百七十五条第二項に規定する組織変更計画備置開始日後、前三号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (計算書類に関する事項) 第百八十一条 法第七百七十九条第二項第二号に規定する法務省令で定めるものは、同項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日における次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。 一 最終事業年度に係る貸借対照表又はその要旨につき組織変更をする株式会社が法第四百四十条第一項又は第二項の規定による公告をしている場合 次に掲げるもの イ 官報で公告をしているときは、当該官報の日付及び当該公告が掲載されている頁 ロ 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で公告をしているときは、当該日刊新聞紙の名称、日付及び当該公告が掲載されている頁 ハ 電子公告により公告をしているときは、法第九百十一条第三項第二十八号イに掲げる事項 二 最終事業年度に係る貸借対照表につき組織変更をする株式会社が法第四百四十条第三項に規定する措置をとっている場合 法第九百十一条第三項第二十六号に掲げる事項 三 組織変更をする株式会社が法第四百四十条第四項に規定する株式会社である場合において、当該株式会社が金融商品取引法第二十四条第一項の規定により最終事業年度に係る有価証券報告書を提出しているとき その旨 四 組織変更をする株式会社が会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第八十七号)第二十八条の規定により法第四百四十条の規定が適用されないものである場合 その旨 五 組織変更をする株式会社につき最終事業年度がない場合 その旨 六 組織変更をする株式会社が清算株式会社である場合 その旨 七 前各号に掲げる場合以外の場合 会社計算規則第六編第二章の規定による最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容 第三章 吸収合併消滅株式会社、吸収分割株式会社及び株式交換完全子会社の手続 (吸収合併消滅株式会社の事前開示事項) 第百八十二条 法第七百八十二条第一項に規定する法務省令で定める事項は、同項に規定する消滅株式会社等が吸収合併消滅株式会社である場合には、次に掲げる事項とする。 一 合併対価の相当性に関する事項 二 合併対価について参考となるべき事項 三 吸収合併に係る新株予約権の定めの相当性に関する事項 四 計算書類等に関する事項 五 吸収合併が効力を生ずる日以後における吸収合併存続会社の債務(法第七百八十九条第一項の規定により吸収合併について異議を述べることができる債権者に対して負担する債務に限る。)の履行の見込みに関する事項 六 吸収合併契約等備置開始日(法第七百八十二条第二項に規定する吸収合併契約等備置開始日をいう。以下この章において同じ。)後、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 2 この条において「合併対価」とは、吸収合併存続会社が吸収合併に際して吸収合併消滅株式会社の株主に対してその株式に代えて交付する金銭等をいう。 3 第一項第一号に規定する「合併対価の相当性に関する事項」とは、次に掲げる事項その他の法第七百四十九条第一項第二号及び第三号に掲げる事項又は法第七百五十一条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定め(当該定めがない場合にあっては、当該定めがないこと)の相当性に関する事項とする。 一 合併対価の総数又は総額の相当性に関する事項 二 合併対価として当該種類の財産を選択した理由 三 吸収合併存続会社と吸収合併消滅株式会社とが共通支配下関係(会社計算規則第二条第三項第三十六号に規定する共通支配下関係をいう。以下この号及び第百八十四条において同じ。)にあるときは、当該吸収合併消滅株式会社の株主(当該吸収合併消滅株式会社と共通支配下関係にある株主を除く。)の利益を害さないように留意した事項(当該事項がない場合にあっては、その旨) 4 第一項第二号に規定する「合併対価について参考となるべき事項」とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項その他これに準ずる事項(法第七百八十二条第一項に規定する書面又は電磁的記録にこれらの事項の全部又は一部の記載又は記録をしないことにつき吸収合併消滅株式会社の総株主の同意がある場合にあっては、当該同意があったものを除く。)とする。 一 合併対価の全部又は一部が吸収合併存続会社の株式又は持分である場合 次に掲げる事項 イ 当該吸収合併存続会社の定款の定め ロ 次に掲げる事項その他の合併対価の換価の方法に関する事項 (1) 合併対価を取引する市場 (2) 合併対価の取引の媒介、取次ぎ又は代理を行う者 (3) 合併対価の譲渡その他の処分に制限があるときは、その内容 ハ 合併対価に市場価格があるときは、その価格に関する事項 ニ 吸収合併存続会社の過去五年間にその末日が到来した各事業年度(次に掲げる事業年度を除く。)に係る貸借対照表の内容 (1) 最終事業年度 (2) ある事業年度に係る貸借対照表の内容につき、法令の規定に基づく公告(法第四百四十条第三項の措置に相当するものを含む。)をしている場合における当該事業年度 (3) ある事業年度に係る貸借対照表の内容につき、金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出している場合における当該事業年度 二 合併対価の全部又は一部が法人等の株式、持分その他これらに準ずるもの(吸収合併存続会社の株式又は持分を除く。)である場合 次に掲げる事項(当該事項が日本語以外の言語で表示されている場合にあっては、当該事項(氏名又は名称を除く。)を日本語で表示した事項) イ 当該法人等の定款その他これに相当するものの定め ロ 当該法人等が会社でないときは、次に掲げる権利に相当する権利その他の合併対価に係る権利(重要でないものを除く。)の内容 (1) 剰余金の配当を受ける権利 (2) 残余財産の分配を受ける権利 (3) 株主総会における議決権 (4) 合併その他の行為がされる場合において、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求する権利 (5) 定款その他の資料(当該資料が電磁的記録をもって作成されている場合にあっては、当該電磁的記録に記録された事項を表示したもの)の閲覧又は謄写を請求する権利 ハ 当該法人等がその株主等に対し、日本語以外の言語を使用して情報の提供をすることとされているときは、当該言語 ニ 吸収合併が効力を生ずる日に当該法人等の株主総会その他これに相当するものの開催があるものとした場合における当該法人等の株主等が有すると見込まれる議決権その他これに相当する権利の総数 ホ 当該法人等について登記(当該法人等が外国の法令に準拠して設立されたものである場合にあっては、法第九百三十三条第一項の外国会社の登記又は外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第二条の外国法人の登記に限る。)がされていないときは、次に掲げる事項 (1) 当該法人等を代表する者の氏名又は名称及び住所 (2) 当該法人等の役員((1)の者を除く。)の氏名又は名称 ヘ 当該法人等の最終事業年度(当該法人等が会社以外のものである場合にあっては、最終事業年度に相当するもの。以下この号において同じ。)に係る計算書類(最終事業年度がない場合にあっては、当該法人等の成立の日における貸借対照表)その他これに相当するものの内容(当該計算書類その他これに相当するものについて監査役、監査等委員会、監査委員会、会計監査人その他これらに相当するものの監査を受けている場合にあっては、監査報告その他これに相当するものの内容の概要を含む。) ト 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項 (1) 当該法人等が株式会社である場合 当該法人等の最終事業年度に係る事業報告の内容(当該事業報告について監査役、監査等委員会又は監査委員会の監査を受けている場合にあっては、監査報告の内容を含む。) (2) 当該法人等が株式会社以外のものである場合 当該法人等の最終事業年度に係る第百十八条各号及び第百十九条各号に掲げる事項に相当する事項の内容の概要(当該事項について監査役、監査等委員会、監査委員会その他これらに相当するものの監査を受けている場合にあっては、監査報告その他これに相当するものの内容の概要を含む。) チ 当該法人等の過去五年間にその末日が到来した各事業年度(次に掲げる事業年度を除く。)に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容 (1) 最終事業年度 (2) ある事業年度に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容につき、法令の規定に基づく公告(法第四百四十条第三項の措置に相当するものを含む。)をしている場合における当該事業年度 (3) ある事業年度に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容につき、金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出している場合における当該事業年度 リ 前号ロ及びハに掲げる事項 ヌ 合併対価が自己株式の取得、持分の払戻しその他これらに相当する方法により払戻しを受けることができるものであるときは、その手続に関する事項 三 合併対価の全部又は一部が吸収合併存続会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債である場合 第一号イからニまでに掲げる事項 四 合併対価の全部又は一部が法人等の社債、新株予約権、新株予約権付社債その他これらに準ずるもの(吸収合併存続会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債を除く。)である場合 次に掲げる事項(当該事項が日本語以外の言語で表示されている場合にあっては、当該事項(氏名又は名称を除く。)を日本語で表示した事項) イ 第一号ロ及びハに掲げる事項 ロ 第二号イ及びホからチまでに掲げる事項 五 合併対価の全部又は一部が吸収合併存続会社その他の法人等の株式、持分、社債、新株予約権、新株予約権付社債その他これらに準ずるもの及び金銭以外の財産である場合 第一号ロ及びハに掲げる事項 5 第一項第三号に規定する「吸収合併に係る新株予約権の定めの相当性に関する事項」とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める定めの相当性に関する事項とする。 一 吸収合併存続会社が株式会社である場合 法第七百四十九条第一項第四号及び第五号に掲げる事項についての定め 二 吸収合併存続会社が持分会社である場合 法第七百五十一条第一項第五号及び第六号に掲げる事項についての定め 6 第一項第四号に規定する「計算書類等に関する事項」とは、次に掲げる事項とする。 一 吸収合併存続会社についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併存続会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併存続会社の成立の日。ハにおいて同じ。)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 最終事業年度の末日後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後吸収合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 二 吸収合併消滅株式会社(清算株式会社を除く。以下この号において同じ。)についての次に掲げる事項 イ 吸収合併消滅株式会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併消滅株式会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後吸収合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 吸収合併消滅株式会社において最終事業年度がないときは、吸収合併消滅株式会社の成立の日における貸借対照表 (吸収分割株式会社の事前開示事項) 第百八十三条 法第七百八十二条第一項に規定する法務省令で定める事項は、同項に規定する消滅株式会社等が吸収分割株式会社である場合には、次に掲げる事項とする。 一 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める定め(当該定めがない場合にあっては、当該定めがないこと)の相当性に関する事項 イ 吸収分割承継会社が株式会社である場合 法第七百五十八条第四号に掲げる事項についての定め ロ 吸収分割承継会社が持分会社である場合 法第七百六十条第四号及び第五号に掲げる事項についての定め 二 法第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項 イ 法第七百五十八条第八号イ又は第七百六十条第七号イに掲げる行為をする場合において、法第百七十一条第一項の決議が行われているときは、同項各号に掲げる事項 ロ 法第七百五十八条第八号ロ又は第七百六十条第七号ロに掲げる行為をする場合において、法第四百五十四条第一項の決議が行われているときは、同項第一号及び第二号に掲げる事項 三 吸収分割株式会社が法第七百八十七条第三項第二号に定める新株予約権を発行している場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、法第七百五十八条第五号及び第六号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項(当該新株予約権に係る事項に限る。) 四 吸収分割承継会社についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、吸収分割承継会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収分割承継会社の成立の日。ハにおいて同じ。)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 最終事業年度の末日後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後吸収分割の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 五 吸収分割株式会社(清算株式会社を除く。以下この号において同じ。)についての次に掲げる事項 イ 吸収分割株式会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収分割株式会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後吸収分割の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 吸収分割株式会社において最終事業年度がないときは、吸収分割株式会社の成立の日における貸借対照表 六 吸収分割が効力を生ずる日以後における吸収分割株式会社の債務及び吸収分割承継会社の債務(吸収分割株式会社が吸収分割により吸収分割承継会社に承継させるものに限る。)の履行の見込みに関する事項 七 吸収合併契約等備置開始日後吸収分割が効力を生ずる日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (株式交換完全子会社の事前開示事項) 第百八十四条 法第七百八十二条第一項に規定する法務省令で定める事項は、同項に規定する消滅株式会社等が株式交換完全子会社である場合には、次に掲げる事項とする。 一 交換対価の相当性に関する事項 二 交換対価について参考となるべき事項 三 株式交換に係る新株予約権の定めの相当性に関する事項 四 計算書類等に関する事項 五 法第七百八十九条第一項の規定により株式交換について異議を述べることができる債権者があるときは、株式交換が効力を生ずる日以後における株式交換完全親会社の債務(当該債権者に対して負担する債務に限る。)の履行の見込みに関する事項 六 吸収合併契約等備置開始日後株式交換が効力を生ずる日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 2 この条において「交換対価」とは、株式交換完全親会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代えて交付する金銭等をいう。 3 第一項第一号に規定する「交換対価の相当性に関する事項」とは、次に掲げる事項その他の法第七百六十八条第一項第二号及び第三号に掲げる事項又は法第七百七十条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定め(当該定めがない場合にあっては、当該定めがないこと)の相当性に関する事項とする。 一 交換対価の総数又は総額の相当性に関する事項 二 交換対価として当該種類の財産を選択した理由 三 株式交換完全親会社と株式交換完全子会社とが共通支配下関係にあるときは、当該株式交換完全子会社の株主(当該株式交換完全子会社と共通支配下関係にある株主を除く。)の利益を害さないように留意した事項(当該事項がない場合にあっては、その旨) 4 第一項第二号に規定する「交換対価について参考となるべき事項」とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項その他これに準ずる事項(法第七百八十二条第一項に規定する書面又は電磁的記録にこれらの事項の全部又は一部の記載又は記録をしないことにつき株式交換完全子会社の総株主の同意がある場合にあっては、当該同意があったものを除く。)とする。 一 交換対価の全部又は一部が株式交換完全親会社の株式又は持分である場合 次に掲げる事項 イ 当該株式交換完全親会社の定款の定め ロ 次に掲げる事項その他の交換対価の換価の方法に関する事項 (1) 交換対価を取引する市場 (2) 交換対価の取引の媒介、取次ぎ又は代理を行う者 (3) 交換対価の譲渡その他の処分に制限があるときは、その内容 ハ 交換対価に市場価格があるときは、その価格に関する事項 ニ 株式交換完全親会社の過去五年間にその末日が到来した各事業年度(次に掲げる事業年度を除く。)に係る貸借対照表の内容 (1) 最終事業年度 (2) ある事業年度に係る貸借対照表の内容につき、法令の規定に基づく公告(法第四百四十条第三項の措置に相当するものを含む。)をしている場合における当該事業年度 (3) ある事業年度に係る貸借対照表の内容につき、金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出している場合における当該事業年度 二 交換対価の全部又は一部が法人等の株式、持分その他これらに準ずるもの(株式交換完全親会社の株式又は持分を除く。)である場合 次に掲げる事項(当該事項が日本語以外の言語で表示されている場合にあっては、当該事項(氏名又は名称を除く。)を日本語で表示した事項) イ 当該法人等の定款その他これに相当するものの定め ロ 当該法人等が会社でないときは、次に掲げる権利に相当する権利その他の交換対価に係る権利(重要でないものを除く。)の内容 (1) 剰余金の配当を受ける権利 (2) 残余財産の分配を受ける権利 (3) 株主総会における議決権 (4) 合併その他の行為がされる場合において、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求する権利 (5) 定款その他の資料(当該資料が電磁的記録をもって作成されている場合にあっては、当該電磁的記録に記録された事項を表示したもの)の閲覧又は謄写を請求する権利 ハ 当該法人等がその株主等に対し、日本語以外の言語を使用して情報の提供をすることとされているときは、当該言語 ニ 株式交換が効力を生ずる日に当該法人等の株主総会その他これに相当するものの開催があるものとした場合における当該法人等の株主等が有すると見込まれる議決権その他これに相当する権利の総数 ホ 当該法人等について登記(当該法人等が外国の法令に準拠して設立されたものである場合にあっては、法第九百三十三条第一項の外国会社の登記又は外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第二条の外国法人の登記に限る。)がされていないときは、次に掲げる事項 (1) 当該法人等を代表する者の氏名又は名称及び住所 (2) 当該法人等の役員((1)の者を除く。)の氏名又は名称 ヘ 当該法人等の最終事業年度(当該法人等が会社以外のものである場合にあっては、最終事業年度に相当するもの。以下この号において同じ。)に係る計算書類(最終事業年度がない場合にあっては、当該法人等の成立の日における貸借対照表)その他これに相当するものの内容(当該計算書類その他これに相当するものについて監査役、監査等委員会、監査委員会、会計監査人その他これらに相当するものの監査を受けている場合にあっては、監査報告その他これに相当するものの内容の概要を含む。) ト 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項 (1) 当該法人等が株式会社である場合 当該法人等の最終事業年度に係る事業報告の内容(当該事業報告について監査役、監査等委員会又は監査委員会の監査を受けている場合にあっては、監査報告の内容を含む。) (2) 当該法人等が株式会社以外のものである場合 当該法人等の最終事業年度に係る第百十八条各号及び第百十九条各号に掲げる事項に相当する事項の内容の概要(当該事項について監査役、監査等委員会、監査委員会その他これらに相当するものの監査を受けている場合にあっては、監査報告その他これに相当するものの内容の概要を含む。) チ 当該法人等の過去五年間にその末日が到来した各事業年度(次に掲げる事業年度を除く。)に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容 (1) 最終事業年度 (2) ある事業年度に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容につき、法令の規定に基づく公告(法第四百四十条第三項の措置に相当するものを含む。)をしている場合における当該事業年度 (3) ある事業年度に係る貸借対照表その他これに相当するものの内容につき、金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出している場合における当該事業年度 リ 前号ロ及びハに掲げる事項 ヌ 交換対価が自己株式の取得、持分の払戻しその他これらに相当する方法により払戻しを受けることができるものであるときは、その手続に関する事項 三 交換対価の全部又は一部が株式交換完全親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債である場合 第一号イからニまでに掲げる事項 四 交換対価の全部又は一部が法人等の社債、新株予約権、新株予約権付社債その他これらに準ずるもの(株式交換完全親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債を除く。)である場合 次に掲げる事項(当該事項が日本語以外の言語で表示されている場合にあっては、当該事項(氏名又は名称を除く。)を日本語で表示した事項) イ 第一号ロ及びハに掲げる事項 ロ 第二号イ及びホからチまでに掲げる事項 五 交換対価の全部又は一部が株式交換完全親会社その他の法人等の株式、持分、社債、新株予約権、新株予約権付社債その他これらに準ずるもの及び金銭以外の財産である場合 第一号ロ及びハに掲げる事項 5 第一項第三号に規定する「株式交換に係る新株予約権の定めの相当性に関する事項」とは、株式交換完全子会社が法第七百八十七条第三項第三号に定める新株予約権を発行している場合(株式交換完全親会社が株式会社であるときに限る。)における法第七百六十八条第一項第四号及び第五号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項(当該新株予約権に係る事項に限る。)とする。 6 第一項第四号に規定する「計算書類等に関する事項」とは、次に掲げる事項とする。 一 株式交換完全親会社についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、株式交換完全親会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式交換完全親会社の成立の日。ハにおいて同じ。)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 最終事業年度の末日後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後株式交換の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 二 株式交換完全子会社についての次に掲げる事項 イ 株式交換完全子会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式交換完全子会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後株式交換の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 株式交換完全子会社において最終事業年度がないときは、株式交換完全子会社の成立の日における貸借対照表 (持分等) 第百八十五条 法第七百八十三条第二項に規定する法務省令で定めるものは、権利の移転又は行使に債務者その他第三者の承諾を要するもの(持分会社の持分及び譲渡制限株式を除く。)とする。 (譲渡制限株式等) 第百八十六条 法第七百八十三条第三項に規定する法務省令で定めるものは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める株式会社の取得条項付株式(当該取得条項付株式に係る法第百八条第二項第六号ロの他の株式の種類が当該各号に定める株式会社の譲渡制限株式であるものに限る。)又は取得条項付新株予約権(当該取得条項付新株予約権に係る法第二百三十六条第一項第七号ニの株式が当該各号に定める株式会社の譲渡制限株式であるものに限る。)とする。 一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社 二 株式交換をする場合 株式交換完全親株式会社 三 新設合併をする場合 新設合併設立株式会社 四 株式移転をする場合 株式移転設立完全親会社 (総資産の額) 第百八十七条 法第七百八十四条第二項に規定する法務省令で定める方法は、算定基準日(吸収分割契約を締結した日(当該吸収分割契約により当該吸収分割契約を締結した日と異なる時(当該吸収分割契約を締結した日後から当該吸収分割の効力が生ずる時の直前までの間の時に限る。)を定めた場合にあっては、当該時)をいう。以下この条において同じ。)における第一号から第九号までに掲げる額の合計額から第十号に掲げる額を減じて得た額をもって吸収分割株式会社の総資産額とする方法とする。 一 資本金の額 二 資本準備金の額 三 利益準備金の額 四 法第四百四十六条に規定する剰余金の額 五 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの)。以下この項において同じ。)の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収分割株式会社の成立の日。以下この項において同じ。)における評価・換算差額等に係る額 六 株式引受権の帳簿価額 七 新株予約権の帳簿価額 八 最終事業年度の末日において負債の部に計上した額 九 最終事業年度の末日後に吸収合併、吸収分割による他の会社の事業に係る権利義務の承継又は他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部の譲受けをしたときは、これらの行為により承継又は譲受けをした負債の額 十 自己株式及び自己新株予約権の帳簿価額の合計額 2 前項の規定にかかわらず、算定基準日において吸収分割株式会社が清算株式会社である場合における法第七百八十四条第二項に規定する法務省令で定める方法は、法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表の資産の部に計上した額をもって吸収分割株式会社の総資産額とする方法とする。 (計算書類に関する事項) 第百八十八条 法第七百八十九条第二項第三号に規定する法務省令で定めるものは、同項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日における次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。 一 最終事業年度に係る貸借対照表又はその要旨につき公告対象会社(法第七百八十九条第二項第三号の株式会社をいう。以下この条において同じ。)が法第四百四十条第一項又は第二項の規定による公告をしている場合 次に掲げるもの イ 官報で公告をしているときは、当該官報の日付及び当該公告が掲載されている頁 ロ 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で公告をしているときは、当該日刊新聞紙の名称、日付及び当該公告が掲載されている頁 ハ 電子公告により公告をしているときは、法第九百十一条第三項第二十八号イに掲げる事項 二 最終事業年度に係る貸借対照表につき公告対象会社が法第四百四十条第三項に規定する措置をとっている場合 法第九百十一条第三項第二十六号に掲げる事項 三 公告対象会社が法第四百四十条第四項に規定する株式会社である場合において、当該株式会社が金融商品取引法第二十四条第一項の規定により最終事業年度に係る有価証券報告書を提出しているとき その旨 四 公告対象会社が会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第二十八条の規定により法第四百四十条の規定が適用されないものである場合 その旨 五 公告対象会社につき最終事業年度がない場合 その旨 六 公告対象会社が清算株式会社である場合 その旨 七 前各号に掲げる場合以外の場合 会社計算規則第六編第二章の規定による最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容 (吸収分割株式会社の事後開示事項) 第百八十九条 法第七百九十一条第一項第一号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 吸収分割が効力を生じた日 二 吸収分割株式会社における次に掲げる事項 イ 法第七百八十四条の二の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第七百八十五条、第七百八十七条及び第七百八十九条の規定による手続の経過 三 吸収分割承継会社における次に掲げる事項 イ 法第七百九十六条の二の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第七百九十七条の規定及び法第七百九十九条(法第八百二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による手続の経過 四 吸収分割により吸収分割承継会社が吸収分割株式会社から承継した重要な権利義務に関する事項 五 法第九百二十三条の変更の登記をした日 六 前各号に掲げるもののほか、吸収分割に関する重要な事項 (株式交換完全子会社の事後開示事項) 第百九十条 法第七百九十一条第一項第二号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 株式交換が効力を生じた日 二 株式交換完全子会社における次に掲げる事項 イ 法第七百八十四条の二の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第七百八十五条、第七百八十七条及び第七百八十九条の規定による手続の経過 三 株式交換完全親会社における次に掲げる事項 イ 法第七百九十六条の二の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第七百九十七条の規定及び法第七百九十九条(法第八百二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による手続の経過 四 株式交換により株式交換完全親会社に移転した株式交換完全子会社の株式の数(株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式の種類及び種類ごとの数) 五 前各号に掲げるもののほか、株式交換に関する重要な事項 第四章 吸収合併存続株式会社、吸収分割承継株式会社及び株式交換完全親株式会社の手続 (吸収合併存続株式会社の事前開示事項) 第百九十一条 法第七百九十四条第一項に規定する法務省令で定める事項は、同項に規定する存続株式会社等が吸収合併存続株式会社である場合には、次に掲げる事項とする。 一 法第七百四十九条第一項第二号及び第三号に掲げる事項についての定め(当該定めがない場合にあっては、当該定めがないこと)の相当性に関する事項 二 法第七百四十九条第一項第四号及び第五号に掲げる事項を定めたときは、当該事項についての定め(全部の新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収合併存続株式会社の新株予約権の数及び金銭の額を零とする旨の定めを除く。)の相当性に関する事項 三 吸収合併消滅会社(清算株式会社及び清算持分会社を除く。)についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併消滅会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併消滅会社の成立の日。ハにおいて同じ。)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 最終事業年度の末日後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日(法第七百九十四条第二項に規定する吸収合併契約等備置開始日をいう。以下この章において同じ。)後吸収合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 四 吸収合併消滅会社(清算株式会社又は清算持分会社に限る。)が法第四百九十二条第一項又は第六百五十八条第一項若しくは第六百六十九条第一項若しくは第二項の規定により作成した貸借対照表 五 吸収合併存続株式会社についての次に掲げる事項 イ 吸収合併存続株式会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収合併存続株式会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後吸収合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 吸収合併存続株式会社において最終事業年度がないときは、吸収合併存続株式会社の成立の日における貸借対照表 六 吸収合併が効力を生ずる日以後における吸収合併存続株式会社の債務(法第七百九十九条第一項の規定により吸収合併について異議を述べることができる債権者に対して負担する債務に限る。)の履行の見込みに関する事項 七 吸収合併契約等備置開始日後吸収合併が効力を生ずる日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (吸収分割承継株式会社の事前開示事項) 第百九十二条 法第七百九十四条第一項に規定する法務省令で定める事項は、同項に規定する存続株式会社等が吸収分割承継株式会社である場合には、次に掲げる事項とする。 一 法第七百五十八条第四号に掲げる事項についての定め(当該定めがない場合にあっては、当該定めがないこと)の相当性に関する事項 二 法第七百五十八条第八号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項 イ 法第七百五十八条第八号イに掲げる行為をする場合において、法第百七十一条第一項の決議が行われているときは、同項各号に掲げる事項 ロ 法第七百五十八条第八号ロに掲げる行為をする場合において、法第四百五十四条第一項の決議が行われているときは、同項第一号及び第二号に掲げる事項 三 法第七百五十八条第五号及び第六号に掲げる事項を定めたときは、当該事項についての定めの相当性に関する事項 四 吸収分割会社(清算株式会社及び清算持分会社を除く。)についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、吸収分割会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収分割会社の成立の日。ハにおいて同じ。)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 最終事業年度の末日後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後吸収分割の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 五 吸収分割会社(清算株式会社又は清算持分会社に限る。)が法第四百九十二条第一項又は第六百五十八条第一項若しくは第六百六十九条第一項若しくは第二項の規定により作成した貸借対照表 六 吸収分割承継株式会社についての次に掲げる事項 イ 吸収分割承継株式会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、吸収分割承継株式会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後吸収分割の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 吸収分割承継株式会社において最終事業年度がないときは、吸収分割承継株式会社の成立の日における貸借対照表 七 吸収分割が効力を生ずる日以後における吸収分割承継株式会社の債務(法第七百九十九条第一項の規定により吸収分割について異議を述べることができる債権者に対して負担する債務に限る。)の履行の見込みに関する事項 八 吸収合併契約等備置開始日後吸収分割が効力を生ずる日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (株式交換完全親株式会社の事前開示事項) 第百九十三条 法第七百九十四条第一項に規定する法務省令で定める事項は、同項に規定する存続株式会社等が株式交換完全親株式会社である場合には、次に掲げる事項とする。 一 法第七百六十八条第一項第二号及び第三号に掲げる事項についての定め(当該定めがない場合にあっては、当該定めがないこと)の相当性に関する事項 二 法第七百六十八条第一項第四号及び第五号に掲げる事項を定めたときは、当該事項についての定めの相当性に関する事項 三 株式交換完全子会社についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、株式交換完全子会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式交換完全子会社の成立の日。ハにおいて同じ。)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 最終事業年度の末日後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後株式交換の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 四 株式交換完全親株式会社についての次に掲げる事項 イ 株式交換完全親株式会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式交換完全親株式会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(吸収合併契約等備置開始日後株式交換の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 株式交換完全親株式会社において最終事業年度がないときは、株式交換完全親株式会社の成立の日における貸借対照表 五 法第七百九十九条第一項の規定により株式交換について異議を述べることができる債権者があるときは、株式交換が効力を生ずる日以後における株式交換完全親株式会社の債務(当該債権者に対して負担する債務に限る。)の履行の見込みに関する事項 六 吸収合併契約等備置開始日後株式交換が効力を生ずる日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (株式交換完全親株式会社の株式に準ずるもの) 第百九十四条 法第七百九十四条第三項に規定する法務省令で定めるものは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額が第三号に掲げる額よりも小さい場合における法第七百六十八条第一項第二号及び第三号の定めに従い交付する株式交換完全親株式会社の株式以外の金銭等とする。 一 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等の合計額 二 前号に規定する金銭等のうち株式交換完全親株式会社の株式の価額の合計額 三 第一号に規定する金銭等の合計額に二十分の一を乗じて得た額 (資産の額等) 第百九十五条 法第七百九十五条第二項第一号に規定する債務の額として法務省令で定める額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 吸収合併又は吸収分割の直後に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の貸借対照表の作成があったものとする場合における当該貸借対照表の負債の部に計上すべき額から法第七百九十五条第二項第二号の株式等(社債(吸収合併又は吸収分割の直前に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が有していた社債を除く。)に限る。)につき会計帳簿に付すべき額を減じて得た額 二 吸収合併又は吸収分割の直前に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の貸借対照表の作成があったものとする場合における当該貸借対照表の負債の部に計上すべき額 2 法第七百九十五条第二項第一号に規定する資産の額として法務省令で定める額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 吸収合併又は吸収分割の直後に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の貸借対照表の作成があったものとする場合における当該貸借対照表の資産の部に計上すべき額 二 吸収合併又は吸収分割の直前に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社の貸借対照表の作成があったものとする場合における当該貸借対照表の資産の部に計上すべき額から法第七百九十五条第二項第二号に規定する金銭等(同号の株式等のうち吸収合併又は吸収分割の直前に吸収合併存続株式会社又は吸収分割承継株式会社が有していた社債を含む。)の帳簿価額を減じて得た額 3 前項の規定にかかわらず、吸収合併存続株式会社が連結配当規制適用会社である場合において、吸収合併消滅会社が吸収合併存続株式会社の子会社であるときは、法第七百九十五条第二項第一号に規定する資産の額として法務省令で定める額は、次に掲げる額のうちいずれか高い額とする。 一 第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額 二 前項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額 4 第二項の規定にかかわらず、吸収分割承継株式会社が連結配当規制適用会社である場合において、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社の子会社であるときは、法第七百九十五条第二項第一号に規定する資産の額として法務省令で定める額は、次に掲げる額のうちいずれか高い額とする。 一 第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額 二 第二項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額 5 法第七百九十五条第二項第三号に規定する法務省令で定める額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 株式交換完全親株式会社が株式交換により取得する株式交換完全子会社の株式につき会計帳簿に付すべき額 二 会社計算規則第十一条の規定により計上したのれんの額 三 会社計算規則第十二条の規定により計上する負債の額(株式交換完全子会社が株式交換完全親株式会社(連結配当規制適用会社に限る。)の子会社である場合にあっては、零) (純資産の額) 第百九十六条 法第七百九十六条第二項第二号に規定する法務省令で定める方法は、算定基準日(吸収合併契約、吸収分割契約又は株式交換契約を締結した日(当該契約により当該契約を締結した日と異なる時(当該契約を締結した日後から当該吸収合併、吸収分割又は株式交換の効力が生ずる時の直前までの間の時に限る。)を定めた場合にあっては、当該時)をいう。)における第一号から第七号までに掲げる額の合計額から第八号に掲げる額を減じて得た額(当該額が五百万円を下回る場合にあっては、五百万円)をもって存続株式会社等(法第七百九十四条第一項に規定する存続株式会社等をいう。以下この条において同じ。)の純資産額とする方法とする。 一 資本金の額 二 資本準備金の額 三 利益準備金の額 四 法第四百四十六条に規定する剰余金の額 五 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの))の末日(最終事業年度がない場合にあっては、存続株式会社等の成立の日)における評価・換算差額等に係る額 六 株式引受権の帳簿価額 七 新株予約権の帳簿価額 八 自己株式及び自己新株予約権の帳簿価額の合計額 (株式の数) 第百九十七条 法第七百九十六条第三項に規定する法務省令で定める数は、次に掲げる数のうちいずれか小さい数とする。 一 特定株式(法第七百九十六条第三項に規定する行為に係る株主総会において議決権を行使することができることを内容とする株式をいう。以下この条において同じ。)の総数に二分の一(当該株主総会の決議が成立するための要件として当該特定株式の議決権の総数の一定の割合以上の議決権を有する株主が出席しなければならない旨の定款の定めがある場合にあっては、当該一定の割合)を乗じて得た数に三分の一(当該株主総会の決議が成立するための要件として当該株主総会に出席した当該特定株主(特定株式の株主をいう。以下この条において同じ。)の有する議決権の総数の一定の割合以上の多数が賛成しなければならない旨の定款の定めがある場合にあっては、一から当該一定の割合を減じて得た割合)を乗じて得た数に一を加えた数 二 法第七百九十六条第三項に規定する行為に係る決議が成立するための要件として一定の数以上の特定株主の賛成を要する旨の定款の定めがある場合において、特定株主の総数から株式会社に対して当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の数を減じて得た数が当該一定の数未満となるときにおける当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の有する特定株式の数 三 法第七百九十六条第三項に規定する行為に係る決議が成立するための要件として前二号の定款の定め以外の定款の定めがある場合において、当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の全部が同項に規定する株主総会において反対したとすれば当該決議が成立しないときは、当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の有する特定株式の数 四 定款で定めた数 (株式交換完全親株式会社の株式に準ずるもの) 第百九十八条 法第七百九十九条第一項第三号に規定する法務省令で定めるものは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額が第三号に掲げる額よりも小さい場合における法第七百六十八条第一項第二号及び第三号の定めに従い交付する株式交換完全親株式会社の株式以外の金銭等とする。 一 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等の合計額 二 前号に規定する金銭等のうち株式交換完全親株式会社の株式の価額の合計額 三 第一号に規定する金銭等の合計額に二十分の一を乗じて得た額 (計算書類に関する事項) 第百九十九条 法第七百九十九条第二項第三号に規定する法務省令で定めるものは、同項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日における次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。 一 最終事業年度に係る貸借対照表又はその要旨につき公告対象会社(法第七百九十九条第二項第三号の株式会社をいう。以下この条において同じ。)が法第四百四十条第一項又は第二項の規定による公告をしている場合 次に掲げるもの イ 官報で公告をしているときは、当該官報の日付及び当該公告が掲載されている頁 ロ 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で公告をしているときは、当該日刊新聞紙の名称、日付及び当該公告が掲載されている頁 ハ 電子公告により公告をしているときは、法第九百十一条第三項第二十八号イに掲げる事項 二 最終事業年度に係る貸借対照表につき公告対象会社が法第四百四十条第三項に規定する措置をとっている場合 法第九百十一条第三項第二十六号に掲げる事項 三 公告対象会社が法第四百四十条第四項に規定する株式会社である場合において、当該株式会社が金融商品取引法第二十四条第一項の規定により最終事業年度に係る有価証券報告書を提出しているとき その旨 四 公告対象会社が会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第二十八条の規定により法第四百四十条の規定が適用されないものである場合 その旨 五 公告対象会社につき最終事業年度がない場合 その旨 六 公告対象会社が清算株式会社である場合 その旨 七 前各号に掲げる場合以外の場合 会社計算規則第六編第二章の規定による最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容 (吸収合併存続株式会社の事後開示事項) 第二百条 法第八百一条第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 吸収合併が効力を生じた日 二 吸収合併消滅会社における次に掲げる事項 イ 法第七百八十四条の二の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第七百八十五条及び第七百八十七条の規定並びに法第七百八十九条(法第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による手続の経過 三 吸収合併存続株式会社における次に掲げる事項 イ 法第七百九十六条の二の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第七百九十七条及び第七百九十九条の規定による手続の経過 四 吸収合併により吸収合併存続株式会社が吸収合併消滅会社から承継した重要な権利義務に関する事項 五 法第七百八十二条第一項の規定により吸収合併消滅株式会社が備え置いた書面又は電磁的記録に記載又は記録がされた事項(吸収合併契約の内容を除く。) 六 法第九百二十一条の変更の登記をした日 七 前各号に掲げるもののほか、吸収合併に関する重要な事項 (吸収分割承継株式会社の事後開示事項) 第二百一条 法第八百一条第二項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 吸収分割が効力を生じた日 二 吸収分割合同会社における法第七百九十三条第二項において準用する法第七百八十九条の規定による手続の経過 三 吸収分割承継株式会社における次に掲げる事項 イ 法第七百九十六条の二の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第七百九十七条及び第七百九十九条の規定による手続の経過 四 吸収分割により吸収分割承継株式会社が吸収分割合同会社から承継した重要な権利義務に関する事項 五 法第九百二十三条の変更の登記をした日 六 前各号に掲げるもののほか、吸収分割に関する重要な事項 (株式交換完全親株式会社の株式に準ずるもの) 第二百二条 法第八百一条第六項において準用する同条第四項に規定する法務省令で定めるものは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額が第三号に掲げる額よりも小さい場合における法第七百六十八条第一項第二号及び第三号の定めに従い交付する株式交換完全親株式会社の株式以外の金銭等とする。 一 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等の合計額 二 前号に規定する金銭等のうち株式交換完全親株式会社の株式の価額の合計額 三 第一号に規定する金銭等の合計額に二十分の一を乗じて得た額 (株式交換完全親合同会社の持分に準ずるもの) 第二百三条 法第八百二条第二項において準用する法第七百九十九条第一項第三号に規定する法務省令で定めるものは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額が第三号に掲げる額よりも小さい場合における法第七百六十八条第一項第二号及び第三号の定めに従い交付する株式交換完全親合同会社の持分以外の金銭等とする。 一 株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等の合計額 二 前号に規定する金銭等のうち株式交換完全親合同会社の持分の価額の合計額 三 第一号に規定する金銭等の合計額に二十分の一を乗じて得た額 第五章 新設合併消滅株式会社、新設分割株式会社及び株式移転完全子会社の手続 (新設合併消滅株式会社の事前開示事項) 第二百四条 法第八百三条第一項に規定する法務省令で定める事項は、同項に規定する消滅株式会社等が新設合併消滅株式会社である場合には、次に掲げる事項とする。 一 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める定めの相当性に関する事項 イ 新設合併設立会社が株式会社である場合 法第七百五十三条第一項第六号から第九号までに掲げる事項についての定め ロ 新設合併設立会社が持分会社である場合 法第七百五十五条第一項第四号、第六号及び第七号に掲げる事項についての定め 二 新設合併消滅株式会社の全部又は一部が新株予約権を発行しているときは、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める定めの相当性に関する事項 イ 新設合併設立会社が株式会社である場合 法第七百五十三条第一項第十号及び第十一号に掲げる事項についての定め ロ 新設合併設立会社が持分会社である場合 法第七百五十五条第一項第八号及び第九号に掲げる事項についての定め 三 他の新設合併消滅会社(清算株式会社及び清算持分会社を除く。以下この号において同じ。)についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、他の新設合併消滅会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、他の新設合併消滅会社の成立の日)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 他の新設合併消滅会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、他の新設合併消滅会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(新設合併契約等備置開始日(法第八百三条第二項に規定する新設合併契約等備置開始日をいう。以下この章において同じ。)後新設合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 四 他の新設合併消滅会社(清算株式会社又は清算持分会社に限る。)が法第四百九十二条第一項又は第六百五十八条第一項若しくは第六百六十九条第一項若しくは第二項の規定により作成した貸借対照表 五 当該新設合併消滅株式会社(清算株式会社を除く。以下この号において同じ。)についての次に掲げる事項 イ 当該新設合併消滅株式会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、当該新設合併消滅株式会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(新設合併契約等備置開始日後新設合併の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 当該新設合併消滅株式会社において最終事業年度がないときは、当該新設合併消滅株式会社の成立の日における貸借対照表 六 新設合併が効力を生ずる日以後における新設合併設立会社の債務(他の新設合併消滅会社から承継する債務を除く。)の履行の見込みに関する事項 七 新設合併契約等備置開始日後、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (新設分割株式会社の事前開示事項) 第二百五条 法第八百三条第一項に規定する法務省令で定める事項は、同項に規定する消滅株式会社等が新設分割株式会社である場合には、次に掲げる事項とする。 一 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める定めの相当性に関する事項 イ 新設分割設立会社が株式会社である場合 法第七百六十三条第一項第六号から第九号までに掲げる事項についての定め ロ 新設分割設立会社が持分会社である場合 法第七百六十五条第一項第三号、第六号及び第七号に掲げる事項についての定め 二 法第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項 イ 法第七百六十三条第一項第十二号イ又は第七百六十五条第一項第八号イに掲げる行為をする場合において、法第百七十一条第一項の決議が行われているときは、同項各号に掲げる事項 ロ 法第七百六十三条第一項第十二号ロ又は第七百六十五条第一項第八号ロに掲げる行為をする場合において、法第四百五十四条第一項の決議が行われているときは、同項第一号及び第二号に掲げる事項 三 新設分割株式会社の全部又は一部が法第八百八条第三項第二号に定める新株予約権を発行している場合において、新設分割設立会社が株式会社であるときは、法第七百六十三条第一項第十号及び第十一号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項(当該新株予約権に係る事項に限る。) 四 他の新設分割会社(清算株式会社及び清算持分会社を除く。以下この号において同じ。)についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、他の新設分割会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、他の新設分割会社の成立の日)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 他の新設分割会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、他の新設分割会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(新設合併契約等備置開始日後新設分割の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 五 他の新設分割会社(清算株式会社又は清算持分会社に限る。)が法第四百九十二条第一項又は第六百五十八条第一項若しくは第六百六十九条第一項若しくは第二項の規定により作成した貸借対照表 六 当該新設分割株式会社(清算株式会社を除く。以下この号において同じ。)についての次に掲げる事項 イ 当該新設分割株式会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、当該新設分割株式会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(新設合併契約等備置開始日後新設分割の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 当該新設分割株式会社において最終事業年度がないときは、当該新設分割株式会社の成立の日における貸借対照表 七 新設分割が効力を生ずる日以後における当該新設分割株式会社の債務及び新設分割設立会社の債務(当該新設分割株式会社が新設分割により新設分割設立会社に承継させるものに限る。)の履行の見込みに関する事項 八 新設合併契約等備置開始日後新設分割が効力を生ずる日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (株式移転完全子会社の事前開示事項) 第二百六条 法第八百三条第一項に規定する法務省令で定める事項は、同項に規定する消滅株式会社等が株式移転完全子会社である場合には、次に掲げる事項とする。 一 法第七百七十三条第一項第五号から第八号までに掲げる事項についての定めの相当性に関する事項 二 株式移転完全子会社の全部又は一部が法第八百八条第三項第三号に定める新株予約権を発行している場合には、法第七百七十三条第一項第九号及び第十号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項(当該新株予約権に係る事項に限る。) 三 他の株式移転完全子会社についての次に掲げる事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、他の株式移転完全子会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、他の株式移転完全子会社の成立の日)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 他の株式移転完全子会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、他の株式移転完全子会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(新設合併契約等備置開始日後株式移転の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 四 当該株式移転完全子会社についての次に掲げる事項 イ 当該株式移転完全子会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、当該株式移転完全子会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(新設合併契約等備置開始日後株式移転の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 当該株式移転完全子会社において最終事業年度がないときは、当該株式移転完全子会社の成立の日における貸借対照表 五 法第八百十条の規定により株式移転について異議を述べることができる債権者があるときは、株式移転が効力を生ずる日以後における株式移転設立完全親会社の債務(他の株式移転完全子会社から承継する債務を除き、当該異議を述べることができる債権者に対して負担する債務に限る。)の履行の見込みに関する事項 六 新設合併契約等備置開始日後株式移転が効力を生ずる日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (総資産の額) 第二百七条 法第八百五条に規定する法務省令で定める方法は、算定基準日(新設分割計画を作成した日(当該新設分割計画により当該新設分割計画を作成した日と異なる時(当該新設分割計画を作成した日後から当該新設分割の効力が生ずる時の直前までの間の時に限る。)を定めた場合にあっては、当該時)をいう。以下この条において同じ。)における第一号から第九号までに掲げる額の合計額から第十号に掲げる額を減じて得た額をもって新設分割株式会社の総資産額とする方法とする。 一 資本金の額 二 資本準備金の額 三 利益準備金の額 四 法第四百四十六条に規定する剰余金の額 五 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの)。以下この項において同じ。)の末日(最終事業年度がない場合にあっては、新設分割株式会社の成立の日。以下この項において同じ。)における評価・換算差額等に係る額 六 株式引受権の帳簿価額 七 新株予約権の帳簿価額 八 最終事業年度の末日において負債の部に計上した額 九 最終事業年度の末日後に吸収合併、吸収分割による他の会社の事業に係る権利義務の承継又は他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部の譲受けをしたときは、これらの行為により承継又は譲受けをした負債の額 十 自己株式及び自己新株予約権の帳簿価額の合計額 2 前項の規定にかかわらず、算定基準日において新設分割株式会社が清算株式会社である場合における法第八百五条に規定する法務省令で定める方法は、法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表の資産の部に計上した額をもって新設分割株式会社の総資産額とする方法とする。 (計算書類に関する事項) 第二百八条 法第八百十条第二項第三号に規定する法務省令で定めるものは、同項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日における次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。 一 最終事業年度に係る貸借対照表又はその要旨につき公告対象会社(法第八百十条第二項第三号の株式会社をいう。以下この条において同じ。)が法第四百四十条第一項又は第二項の規定による公告をしている場合 次に掲げるもの イ 官報で公告をしているときは、当該官報の日付及び当該公告が掲載されている頁 ロ 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で公告をしているときは、当該日刊新聞紙の名称、日付及び当該公告が掲載されている頁 ハ 電子公告により公告をしているときは、法第九百十一条第三項第二十八号イに掲げる事項 二 最終事業年度に係る貸借対照表につき公告対象会社が法第四百四十条第三項に規定する措置をとっている場合 法第九百十一条第三項第二十六号に掲げる事項 三 公告対象会社が法第四百四十条第四項に規定する株式会社である場合において、当該株式会社が金融商品取引法第二十四条第一項の規定により最終事業年度に係る有価証券報告書を提出しているとき その旨 四 公告対象会社が会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第二十八条の規定により法第四百四十条の規定が適用されないものである場合 その旨 五 公告対象会社につき最終事業年度がない場合 その旨 六 公告対象会社が清算株式会社である場合 その旨 七 前各号に掲げる場合以外の場合 会社計算規則第六編第二章の規定による最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容 (新設分割株式会社の事後開示事項) 第二百九条 法第八百十一条第一項第一号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 新設分割が効力を生じた日 二 法第八百五条の二の規定による請求に係る手続の経過 三 法第八百六条及び第八百八条の規定並びに法第八百十条(法第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による手続の経過 四 新設分割により新設分割設立会社が新設分割会社から承継した重要な権利義務に関する事項 五 前各号に掲げるもののほか、新設分割に関する重要な事項 (株式移転完全子会社の事後開示事項) 第二百十条 法第八百十一条第一項第二号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 株式移転が効力を生じた日 二 法第八百五条の二の規定による請求に係る手続の経過 三 法第八百六条、第八百八条及び第八百十条の規定による手続の経過 四 株式移転により株式移転設立完全親会社に移転した株式移転完全子会社の株式の数(株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式の種類及び種類ごとの数) 五 前各号に掲げるもののほか、株式移転に関する重要な事項 第六章 新設合併設立株式会社、新設分割設立株式会社及び株式移転設立完全親会社の手続 (新設合併設立株式会社の事後開示事項) 第二百十一条 法第八百十五条第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 新設合併が効力を生じた日 二 法第八百五条の二の規定による請求に係る手続の経過 三 法第八百六条及び第八百八条の規定並びに法第八百十条(法第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による手続の経過 四 新設合併により新設合併設立株式会社が新設合併消滅会社から承継した重要な権利義務に関する事項 五 前各号に掲げるもののほか、新設合併に関する重要な事項 (新設分割設立株式会社の事後開示事項) 第二百十二条 法第八百十五条第二項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 新設分割が効力を生じた日 二 法第八百十三条第二項において準用する法第八百十条の規定による手続の経過 三 新設分割により新設分割設立株式会社が新設分割合同会社から承継した重要な権利義務に関する事項 四 前三号に掲げるもののほか、新設分割に関する重要な事項 (新設合併設立株式会社の事後開示事項) 第二百十三条 法第八百十五条第三項第一号に規定する法務省令で定める事項は、法第八百三条第一項の規定により新設合併消滅株式会社が備え置いた書面又は電磁的記録に記載又は記録がされた事項(新設合併契約の内容を除く。)とする。 第七章 株式交付親会社の手続 (株式交付親会社の事前開示事項) 第二百十三条の二 法第八百十六条の二第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 法第七百七十四条の三第一項第二号に掲げる事項についての定めが同条第二項に定める要件を満たすと株式交付親会社が判断した理由 二 法第七百七十四条の三第一項第三号から第六号までに掲げる事項についての定めの相当性に関する事項 三 法第七百七十四条の三第一項第七号に掲げる事項を定めたときは、同項第八号及び第九号に掲げる事項についての定めの相当性に関する事項 四 株式交付子会社についての次に掲げる事項を株式交付親会社が知っているときは、当該事項 イ 最終事業年度に係る計算書類等(最終事業年度がない場合にあっては、株式交付子会社の成立の日における貸借対照表)の内容 ロ 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式交付子会社の成立の日。ハにおいて同じ。)後の日を臨時決算日(二以上の臨時決算日がある場合にあっては、最も遅いもの)とする臨時計算書類等があるときは、当該臨時計算書類等の内容 ハ 最終事業年度の末日後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(株式交付計画備置開始日(法第八百十六条の二第二項に規定する株式交付計画備置開始日をいう。以下この条において同じ。)後株式交付の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) 五 株式交付親会社についての次に掲げる事項 イ 株式交付親会社において最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式交付親会社の成立の日)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象が生じたときは、その内容(株式交付計画備置開始日後株式交付の効力が生ずる日までの間に新たな最終事業年度が存することとなる場合にあっては、当該新たな最終事業年度の末日後に生じた事象の内容に限る。) ロ 株式交付親会社において最終事業年度がないときは、株式交付親会社の成立の日における貸借対照表 六 法第八百十六条の八第一項の規定により株式交付について異議を述べることができる債権者があるときは、株式交付が効力を生ずる日以後における株式交付親会社の債務(当該債権者に対して負担する債務に限る。)の履行の見込みに関する事項 七 株式交付計画備置開始日後株式交付が効力を生ずる日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (株式交付親会社の株式に準ずるもの) 第二百十三条の三 法第八百十六条の二第三項に規定する法務省令で定めるものは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額が第三号に掲げる額よりも小さい場合における法第七百七十四条の三第一項第五号、第六号、第八号及び第九号の定めに従い交付する株式交付親会社の株式以外の金銭等とする。 一 株式交付子会社の株式、新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債の譲渡人に対して交付する金銭等の合計額 二 前号に規定する金銭等のうち株式交付親会社の株式の価額の合計額 三 第一号に規定する金銭等の合計額に二十分の一を乗じて得た額 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式等の額) 第二百十三条の四 法第八百十六条の三第二項に規定する法務省令で定める額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式、新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)及び新株予約権付社債につき会計帳簿に付すべき額 二 会社計算規則第十一条の規定により計上したのれんの額 三 会社計算規則第十二条の規定により計上する負債の額(株式交付子会社が株式交付親会社(連結配当規制適用会社に限る。)の子会社である場合にあっては、零) (純資産の額) 第二百十三条の五 法第八百十六条の四第一項第二号に規定する法務省令で定める方法は、算定基準日(株式交付計画を作成した日(当該株式交付計画により当該計画を作成した日と異なる時(当該株式交付計画を作成した日後から当該株式交付の効力が生ずる時の直前までの間の時に限る。)を定めた場合にあっては、当該時)をいう。)における第一号から第七号までに掲げる額の合計額から第八号に掲げる額を減じて得た額(当該額が五百万円を下回る場合にあっては、五百万円)をもって株式交付親会社の純資産額とする方法とする。 一 資本金の額 二 資本準備金の額 三 利益準備金の額 四 法第四百四十六条に規定する剰余金の額 五 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの))の末日(最終事業年度がない場合にあっては、株式交付親会社の成立の日)における評価・換算差額等に係る額 六 株式引受権の帳簿価額 七 新株予約権の帳簿価額 八 自己株式及び自己新株予約権の帳簿価額の合計額 (株式の数) 第二百十三条の六 法第八百十六条の四第二項に規定する法務省令で定める数は、次に掲げる数のうちいずれか小さい数とする。 一 特定株式(法第八百十六条の四第二項に規定する行為に係る株主総会において議決権を行使することができることを内容とする株式をいう。以下この条において同じ。)の総数に二分の一(当該株主総会の決議が成立するための要件として当該特定株式の議決権の総数の一定の割合以上の議決権を有する株主が出席しなければならない旨の定款の定めがある場合にあっては、当該一定の割合)を乗じて得た数に三分の一(当該株主総会の決議が成立するための要件として当該株主総会に出席した当該特定株主(特定株式の株主をいう。以下この条において同じ。)の有する議決権の総数の一定の割合以上の多数が賛成しなければならない旨の定款の定めがある場合にあっては、一から当該一定の割合を減じて得た割合)を乗じて得た数に一を加えた数 二 法第八百十六条の四第二項に規定する行為に係る決議が成立するための要件として一定の数以上の特定株主の賛成を要する旨の定款の定めがある場合において、特定株主の総数から株式会社に対して当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の数を減じて得た数が当該一定の数未満となるときにおける当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の有する特定株式の数 三 法第八百十六条の四第二項に規定する行為に係る決議が成立するための要件として前二号の定款の定め以外の定款の定めがある場合において、当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の全部が同項に規定する株主総会において反対したとすれば当該決議が成立しないときは、当該行為に反対する旨の通知をした特定株主の有する特定株式の数 四 定款で定めた数 (株式交付親会社の株式に準ずるもの) 第二百十三条の七 法第八百十六条の八第一項に規定する法務省令で定めるものは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額が第三号に掲げる額よりも小さい場合における法第七百七十四条の三第一項第五号、第六号、第八号及び第九号の定めに従い交付する株式交付親会社の株式以外の金銭等とする。 一 株式交付子会社の株式、新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)及び新株予約権付社債の譲渡人に対して交付する金銭等の合計額 二 前号に規定する金銭等のうち株式交付親会社の株式の価額の合計額 三 第一号に規定する金銭等の合計額に二十分の一を乗じて得た額 (計算書類に関する事項) 第二百十三条の八 法第八百十六条の八第二項第三号に規定する法務省令で定めるものは、同項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日における次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。 一 最終事業年度に係る貸借対照表又はその要旨につき公告対象会社(法第八百十六条の八第二項第三号の株式交付親会社及び株式交付子会社をいう。以下この条において同じ。)が法第四百四十条第一項又は第二項の規定による公告をしている場合 次に掲げるもの イ 官報で公告をしているときは、当該官報の日付及び当該公告が掲載されている頁 ロ 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で公告をしているときは、当該日刊新聞紙の名称、日付及び当該公告が掲載されている頁 ハ 電子公告により公告をしているときは、法第九百十一条第三項第二十八号イに掲げる事項 二 最終事業年度に係る貸借対照表につき公告対象会社が法第四百四十条第三項に規定する措置をとっている場合 法第九百十一条第三項第二十六号に掲げる事項 三 公告対象会社が法第四百四十条第四項に規定する株式会社である場合において、当該株式会社が金融商品取引法第二十四条第一項の規定により最終事業年度に係る有価証券報告書を提出しているとき その旨 四 公告対象会社が会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第二十八条の規定により法第四百四十条の規定が適用されないものである場合 その旨 五 公告対象会社につき最終事業年度がない場合(株式交付親会社が株式交付子会社の最終事業年度の存否を知らない場合を含む。) その旨 六 前各号に掲げる場合以外の場合 会社計算規則第六編第二章の規定による最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容(株式交付子会社の当該貸借対照表の要旨の内容にあっては、株式交付親会社がその内容を知らないときは、その旨) (株式交付親会社の事後開示事項) 第二百十三条の九 法第八百十六条の十第一項に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 株式交付が効力を生じた日 二 株式交付親会社における次に掲げる事項 イ 法第八百十六条の五の規定による請求に係る手続の経過 ロ 法第八百十六条の六及び第八百十六条の八の規定による手続の経過 三 株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式の種類及び種類ごとの数) 四 株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の新株予約権の数 五 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、当該新株予約権付社債についての各社債(株式交付親会社が株式交付に際して取得したものに限る。)の金額の合計額 六 前各号に掲げるもののほか、株式交付に関する重要な事項 (株式交付親会社の株式に準ずるもの) 第二百十三条の十 法第八百十六条の十第三項に規定する法務省令で定めるものは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額が第三号に掲げる額よりも小さい場合における法第七百七十四条の三第一項第五号、第六号、第八号及び第九号の定めに従い交付する株式交付親会社の株式以外の金銭等とする。 一 株式交付子会社の株式、新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)及び新株予約権付社債の譲渡人に対して交付する金銭等の合計額 二 前号に規定する金銭等のうち株式交付親会社の株式の価額の合計額 三 第一号に規定する金銭等の合計額に二十分の一を乗じて得た額 第六編 外国会社 (計算書類の公告) 第二百十四条 外国会社が法第八百十九条第一項の規定により貸借対照表に相当するもの(以下この条において「外国貸借対照表」という。)の公告をする場合には、外国貸借対照表に関する注記(注記に相当するものを含む。)の部分を省略することができる。 2 法第八百十九条第二項に規定する外国貸借対照表の要旨とは、外国貸借対照表を次に掲げる項目(当該項目に相当するものを含む。)に区分したものをいう。 一 資産の部 イ 流動資産 ロ 固定資産 ハ その他 二 負債の部 イ 流動負債 ロ 固定負債 ハ その他 三 純資産の部 イ 資本金及び資本剰余金 ロ 利益剰余金 ハ その他 3 外国会社が法第八百十九条第一項の規定による外国貸借対照表の公告又は同条第二項の規定による外国貸借対照表の要旨の公告をする場合において、当該外国貸借対照表が日本語以外の言語で作成されているときは、当該外国会社は、当該公告を日本語をもってすることを要しない。 4 外国貸借対照表が存しない外国会社については、当該外国会社に会社計算規則の規定を適用することとしたならば作成されることとなるものを外国貸借対照表とみなして、前三項の規定を適用する。 (法第八百十九条第三項の規定による措置) 第二百十五条 法第八百十九条第三項の規定による措置は、第二百二十二条第一項第一号ロに掲げる方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置を使用する方法によって行わなければならない。 (日本にある外国会社の財産についての清算に関する事項) 第二百十六条 第百四十条、第百四十二条から第百四十五条まで及び第二編第八章第二節の規定は、その性質上許されないものを除き、法第八百二十二条第三項において準用する法第四百八十二条第三項第四号、第四百八十九条第六項第六号、第四百九十二条第一項、第五百三十六条第一項第二号及び第三号イ、第五百四十八条第一項第四号、第五百五十条第一項、第五百五十一条第一項及び第二項、第五百五十六条第二項、第五百五十七条第一項並びに第五百六十一条の規定により法務省令で定めるべき事項について準用する。 第七編 雑則 第一章 訴訟 (株主による責任追及等の訴えの提起の請求方法) 第二百十七条 法第八百四十七条第一項の法務省令で定める方法は、次に掲げる事項を記載した書面の提出又は当該事項の電磁的方法による提供とする。 一 被告となるべき者 二 請求の趣旨及び請求を特定するのに必要な事実 (株式会社が責任追及等の訴えを提起しない理由の通知方法) 第二百十八条 法第八百四十七条第四項の法務省令で定める方法は、次に掲げる事項を記載した書面の提出又は当該事項の電磁的方法による提供とする。 一 株式会社が行った調査の内容(次号の判断の基礎とした資料を含む。) 二 法第八百四十七条第一項の規定による請求に係る訴えについての前条第一号に掲げる者の責任又は義務の有無についての判断及びその理由 三 前号の者に責任又は義務があると判断した場合において、責任追及等の訴えを提起しないときは、その理由 (旧株主による責任追及等の訴えの提起の請求方法) 第二百十八条の二 法第八百四十七条の二第一項及び第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。第二百十八条の四第二号において同じ。)の法務省令で定める方法は、次に掲げる事項を記載した書面の提出又は当該事項の電磁的方法による提供とする。 一 被告となるべき者 二 請求の趣旨及び請求を特定するのに必要な事実 三 株式交換等完全親会社の名称及び住所並びに当該株式交換等完全親会社の株主である旨 (完全親会社) 第二百十八条の三 法第八百四十七条の二第一項に規定する法務省令で定める株式会社は、ある株式会社及び当該ある株式会社の完全子会社(当該ある株式会社が発行済株式の全部を有する株式会社をいう。以下この条において同じ。)又は当該ある株式会社の完全子会社が法第八百四十七条の二第一項の特定の株式会社の発行済株式の全部を有する場合における当該ある株式会社とする。 2 前項の規定の適用については、同項のある株式会社及び当該ある株式会社の完全子会社又は当該ある株式会社の完全子会社が他の株式会社の発行済株式の全部を有する場合における当該他の株式会社は、完全子会社とみなす。 (株式交換等完全子会社が責任追及等の訴えを提起しない理由の通知方法) 第二百十八条の四 法第八百四十七条の二第七項の法務省令で定める方法は、次に掲げる事項を記載した書面の提出又は当該事項の電磁的方法による提供とする。 一 株式交換等完全子会社が行った調査の内容(次号の判断の基礎とした資料を含む。) 二 法第八百四十七条の二第一項又は第三項の規定による請求に係る訴えについての第二百十八条の二第一号に掲げる者の責任又は義務の有無についての判断及びその理由 三 前号の者に責任又は義務があると判断した場合において、責任追及等の訴えを提起しないときは、その理由 (特定責任追及の訴えの提起の請求方法) 第二百十八条の五 法第八百四十七条の三第一項の法務省令で定める方法は、次に掲げる事項を記載した書面の提出又は当該事項の電磁的方法による提供とする。 一 被告となるべき者 二 請求の趣旨及び請求を特定するのに必要な事実 三 最終完全親会社等の名称及び住所並びに当該最終完全親会社等の株主である旨 (総資産額) 第二百十八条の六 法第八百四十七条の三第四項に規定する法務省令で定める方法は、同項の日(以下この条において「算定基準日」という。)における株式会社の最終完全親会社等の第一号から第九号までに掲げる額の合計額から第十号に掲げる額を減じて得た額をもって当該最終完全親会社等の総資産額とする方法とする。 一 資本金の額 二 資本準備金の額 三 利益準備金の額 四 法第四百四十六条に規定する剰余金の額 五 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの)。以下この項において同じ。)の末日(最終事業年度がない場合にあっては、当該最終完全親会社等の成立の日。以下この条において同じ。)における評価・換算差額等に係る額 六 株式引受権の帳簿価額 七 新株予約権の帳簿価額 八 最終事業年度の末日において負債の部に計上した額 九 最終事業年度の末日後に吸収合併、吸収分割による他の会社の事業に係る権利義務の承継又は他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部の譲受けをしたときは、これらの行為により承継又は譲受けをした負債の額 十 自己株式及び自己新株予約権の帳簿価額の合計額 2 前項の規定にかかわらず、算定基準日において当該最終完全親会社等が清算株式会社である場合における法第八百四十七条の三第四項に規定する法務省令で定める方法は、法第四百九十二条第一項の規定により作成した貸借対照表の資産の部に計上した額をもって株式会社の総資産額とする方法とする。 (株式会社が特定責任追及の訴えを提起しない理由の通知方法) 第二百十八条の七 法第八百四十七条の三第八項の法務省令で定める方法は、次に掲げる事項を記載した書面の提出又は当該事項の電磁的方法による提供とする。 一 株式会社が行った調査の内容(次号の判断の基礎とした資料を含む。) 二 法第八百四十七条の三第一項の規定による請求に係る訴えについての第二百十八条の五第一号に掲げる者の責任又は義務の有無についての判断及びその理由 三 前号の者に責任又は義務があると判断した場合において、特定責任追及の訴えを提起しないときは、その理由 第二百十九条 削除 第二章 登記 第二百二十条 次の各号に掲げる規定に規定する法務省令で定めるものは、当該各号に定める行為をするために使用する自動公衆送信装置のうち当該行為をするための用に供する部分をインターネットにおいて識別するための文字、記号その他の符号又はこれらの結合であって、情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録することができるものとする。 一 法第九百十一条第三項第二十六号 法第四百四十条第三項の規定による措置 二 法第九百十一条第三項第二十八号イ 株式会社が行う電子公告 三 法第九百十二条第九号イ 合名会社が行う電子公告 四 法第九百十三条第十一号イ 合資会社が行う電子公告 五 法第九百十四条第十号イ 合同会社が行う電子公告 六 法第九百三十三条第二項第四号 法第八百十九条第三項に規定する措置 七 法第九百三十三条第二項第六号イ 外国会社が行う電子公告 2 法第九百十一条第三項第二十八号に規定する場合には、同号イに掲げる事項であって、決算公告(法第四百四十条第一項の規定による公告をいう。以下この項において同じ。)の内容である情報の提供を受けるためのものを、当該事項であって決算公告以外の公告の内容である情報の提供を受けるためのものと別に登記することができる。 第三章 公告 第二百二十一条 次に掲げる規定に規定する法務省令で定めるべき事項は、電子公告規則(平成十八年法務省令第十四号)の定めるところによる。 一 法第九百四十一条 二 法第九百四十四条第一項(法第九百四十五条第二項において準用する場合を含む。) 三 法第九百四十六条第二項から第四項まで 四 法第九百四十七条 五 法第九百四十九条第二項 六 法第九百五十条 七 法第九百五十一条第二項第三号 八 法第九百五十五条第一項 九 法第九百五十六条第二項 十 法第九百五十七条第二項 第四章 電磁的方法及び電磁的記録等 第一節 電磁的方法及び電磁的記録等 (電磁的方法) 第二百二十二条 法第二条第三十四号に規定する電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものは、次に掲げる方法とする。 一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの イ 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 ロ 送信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法 二 電磁的記録媒体(第二百二十四条に規定する電磁的記録媒体をいう。)をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法 2 前項各号に掲げる方法は、受信者がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものでなければならない。 (電子公告を行うための電磁的方法) 第二百二十三条 法第二条第三十四号に規定する措置であって法務省令で定めるものは、前条第一項第一号ロに掲げる方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置を使用するものによる措置とする。 (電磁的記録) 第二百二十四条 法第二十六条第二項に規定する法務省令で定めるものは、電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって電子計算機による情報処理の用に供されるものに係る記録媒体をいう。第二百二十八条を除き、以下この章において同じ。)をもって調製するファイルに情報を記録したものとする。 (電子署名) 第二百二十五条 次に掲げる規定に規定する法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置は、電子署名とする。 一 法第二十六条第二項 二 法第百二十二条第三項 三 法第百四十九条第三項 四 法第二百五十条第三項 五 法第二百七十条第三項 六 法第三百六十九条第四項(法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。) 七 法第三百九十三条第三項 八 法第三百九十九条の十第四項 九 法第四百十二条第四項 十 法第五百七十五条第二項 十一 法第六百八十二条第三項 十二 法第六百九十五条第三項 2 前項に規定する「電子署名」とは、電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。 一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。 二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。 (電磁的記録に記録された事項を表示する方法) 第二百二十六条 次に掲げる規定に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる規定の電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面に表示する方法とする。 一 法第三十一条第二項第三号 二 法第七十四条第七項第二号(法第八十六条において準用する場合を含む。) 三 法第七十六条第五項(法第八十六条において準用する場合を含む。) 四 法第八十一条第三項第二号(法第八十六条において準用する場合を含む。) 五 法第八十二条第三項第二号(法第八十六条において準用する場合を含む。) 六 法第百二十五条第二項第二号 七 法第百七十一条の二第二項第三号 八 法第百七十三条の二第三項第三号 九 法第百七十九条の五第二項第三号 十 法第百七十九条の十第三項第三号 十一 法第百八十二条の二第二項第三号 十二 法第百八十二条の六第三項第三号 十三 法第二百三十一条第二項第二号 十四 法第二百五十二条第二項第二号 十五 法第三百十条第七項第二号(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 十六 法第三百十二条第五項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 十七 法第三百十八条第四項第二号(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 十八 法第三百十九条第三項第二号(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 十九 法第三百七十一条第二項第二号(法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。) 二十 法第三百七十四条第二項第二号 二十一 法第三百七十八条第二項第三号 二十二 法第三百八十九条第四項第二号 二十三 法第三百九十四条第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。) 二十四 法第三百九十六条第二項第二号 二十五 法第三百九十九条の十一第二項第二号(同条第三項において準用する場合を含む。) 二十六 法第四百十三条第二項第二号 二十七 法第四百三十三条第一項第二号 二十八 法第四百四十二条第三項第三号 二十九 法第四百九十六条第二項第三号 三十 法第六百十八条第一項第二号 三十一 法第六百八十四条第二項第二号 三十二 法第七百三十一条第三項第二号 三十三 法第七百三十五条の二第三項第二号 三十四 法第七百七十五条第三項第三号 三十五 法第七百八十二条第三項第三号 三十六 法第七百九十一条第三項第三号(同条第四項において準用する場合を含む。) 三十七 法第七百九十四条第三項第三号 三十八 法第八百一条第四項第三号(同条第五項及び第六項において準用する場合を含む。) 三十九 法第八百三条第三項第三号 四十 法第八百十一条第三項第三号(同条第四項において準用する場合を含む。) 四十一 法第八百十五条第四項第三号(同条第五項及び第六項において準用する場合を含む。) 四十二 法第八百十六条の二第三項第三号 四十三 法第八百十六条の十第三項第三号 (電磁的記録の備置きに関する特則) 第二百二十七条 次に掲げる規定に規定する法務省令で定めるものは、会社の使用に係る電子計算機を電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であって、当該電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて会社の支店において使用される電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録するものによる措置とする。 一 法第三十一条第四項 二 法第三百十八条第三項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 三 法第四百四十二条第二項 (検査役が提供する電磁的記録) 第二百二十八条 次に掲げる規定に規定する法務省令で定めるものは、商業登記規則(昭和三十九年法務省令第二十三号)第三十六条第一項に規定する電磁的記録媒体(電磁的記録に限る。)及び次に掲げる規定により電磁的記録の提供を受ける者が定める電磁的記録とする。 一 法第三十三条第四項 二 法第二百七条第四項 三 法第二百八十四条第四項 四 法第三百六条第五項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 五 法第三百五十八条第五項 (検査役による電磁的記録に記録された事項の提供) 第二百二十九条 次に掲げる規定(以下この条において「検査役提供規定」という。)に規定する法務省令で定める方法は、電磁的方法のうち、検査役提供規定により当該検査役提供規定の電磁的記録に記録された事項の提供を受ける者が定めるものとする。 一 法第三十三条第六項 二 法第二百七条第六項 三 法第二百八十四条第六項 四 法第三百六条第七項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。) 五 法第三百五十八条第七項 (会社法施行令に係る電磁的方法) 第二百三十条 会社法施行令(平成十七年政令第三百六十四号)第一条第一項又は第二条第一項の規定により示すべき電磁的方法の種類及び内容は、次に掲げるものとする。 一 次に掲げる方法のうち、送信者が使用するもの イ 電子情報処理組織を使用する方法のうち次に掲げるもの (1) 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 (2) 送信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法 ロ 電磁的記録媒体をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法 二 ファイルへの記録の方式 第二節 情報通信の技術の利用 (定義) 第二百三十一条 この節において使用する用語は、民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十六年法律第百四十九号。以下この節において「電子文書法」という。)において使用する用語の例による。 (保存の指定) 第二百三十二条 電子文書法第三条第一項の主務省令で定める保存は、次に掲げる保存とする。 一 法第七十四条第六項(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による代理権を証明する書面の保存 二 法第七十五条第三項(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による議決権行使書面(法第七十条第一項に規定する議決権行使書面をいう。)の保存 三 法第八十一条第二項(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による創立総会の議事録の保存 四 法第八十二条第二項(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による法第八十二条第一項の書面の保存 五 法第百七十三条の二第二項の規定による同条第一項の書面の保存 六 法第百七十九条の十第二項の規定による同条第一項の書面の保存 七 法第百八十二条の六第二項の規定による同条第一項の書面の保存 八 法第三百十条第六項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による代理権を証明する書面の保存 九 法第三百十一条第三項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による議決権行使書面(法第三百一条第一項に規定する議決権行使書面をいう。)の保存 十 法第三百十八条第二項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による株主総会の議事録の保存 十一 法第三百十八条第三項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による株主総会の議事録の写しの保存 十二 法第三百十九条第二項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による法第三百十九条第一項の書面の保存 十三 法第三百七十一条第一項(法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)の規定による議事録等の保存 十四 法第三百七十八条第一項第一号の規定による計算書類、その附属明細書又は会計参与報告の保存 十五 法第三百七十八条第一項第二号の規定による臨時計算書類及び会計参与報告の保存 十六 法第三百九十四条第一項の規定による監査役会の議事録の保存 十七 法第三百九十九条の十一第一項の規定による監査等委員会の議事録の保存 十八 法第四百十三条第一項の規定による指名委員会等の議事録の保存 十九 法第四百三十二条第二項の規定による会計帳簿及び資料の保存 二十 法第四百三十五条第四項の規定による計算書類及びその附属明細書の保存 二十一 法第四百四十二条第一項の規定による計算書類等の保存 二十二 法第四百四十二条第二項の規定による計算書類等の写しの保存 二十三 法第四百九十二条第四項の規定による財産目録等の保存 二十四 法第四百九十四条第三項の規定による貸借対照表及びその附属明細書の保存 二十五 法第四百九十六条第一項の規定による貸借対照表等の保存 二十六 法第五百八条第一項及び第三項の規定による帳簿資料の保存 二十七 法第六百十五条第二項の規定による会計帳簿の保存 二十八 法第六百十七条第四項の規定による計算書類の保存 二十九 法第六百七十二条第一項、第二項又は第四項の規定による帳簿資料の保存 三十 法第七百三十一条第二項の規定による社債権者集会の議事録の保存 三十一 法第七百三十五条の二第二項の規定による同条第一項の書面の保存 三十二 法第七百九十一条第二項の規定による同条第一項の書面の保存 三十三 法第八百一条第三項の規定による同項各号に定める書面の保存 三十四 法第八百十一条第二項の規定による同条第一項の書面の保存 三十五 法第八百十五条第三項の規定による同項各号に定める書面の保存 三十六 法第八百十六条の十第二項の規定による同条第一項の書面の保存 (保存の方法) 第二百三十三条 民間事業者等が電子文書法第三条第一項の規定に基づき、前条各号に掲げる保存に代えて当該保存すべき書面に係る電磁的記録の保存を行う場合には、当該書面に記載されている事項をスキャナ(これに準ずる画像読取装置を含む。)により読み取ってできた電磁的記録を民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体をもって調製するファイルにより保存する方法により行わなければならない。 2 民間事業者等が前項の規定による電磁的記録の保存を行う場合には、必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、直ちに明瞭かつ整然とした形式で、その使用に係る電子計算機その他の機器に表示することができるための措置及び書面を作成することができるための措置を講じなければならない。 (縦覧等の指定) 第二百三十四条 電子文書法第五条第一項の主務省令で定める縦覧等は、次に掲げる縦覧等とする。 一 法第三十一条第二項第一号の規定による定款の縦覧等 二 法第三十一条第三項の規定による定款の縦覧等 三 法第七十四条第七項第一号(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による代理権を証する書面の縦覧等 四 法第七十五条第四項(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による議決権行使書面(法第七十条第一項に規定する議決権行使書面をいう。)の縦覧等 五 法第八十一条第三項第一号(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による創立総会の議事録の縦覧等 六 法第八十一条第四項(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による創立総会の議事録の縦覧等 七 法第八十二条第三項第一号(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による法第八十二条第二項の書面の縦覧等 八 法第八十二条第四項(法第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による法第八十二条第二項の書面の縦覧等 九 法第百二十五条第二項第一号の規定による株主名簿の縦覧等 十 法第百二十五条第四項の規定による株主名簿の縦覧等 十一 法第百七十一条の二第二項第一号の規定による同条第一項の書面の縦覧等 十二 法第百七十三条の二第三項第一号の規定による同条第二項の書面の縦覧等 十三 法第百七十九条の五第二項第一号の規定による同条第一項の書面の縦覧等 十四 法第百七十九条の十第三項第一号の規定による同条第二項の書面の縦覧等 十五 法第百八十二条の二第二項第一号の規定による同条第一項の書面の縦覧等 十六 法第百八十二条の六第三項第一号の規定による同条第二項の書面の縦覧等 十七 法第二百三十一条第二項第一号の規定による株券喪失登録簿の縦覧等 十八 法第二百五十二条第二項第一号の規定による新株予約権原簿の縦覧等 十九 法第二百五十二条第四項の規定による新株予約権原簿の縦覧等 二十 法第三百十条第七項第一号(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による代理権を証する書面の縦覧等 二十一 法第三百十一条第四項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による議決権行使書面(法第三百一条第一項に規定する議決権行使書面をいう。)の縦覧等 二十二 法第三百十八条第四項第一号(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による株主総会の議事録又はその写しの縦覧等 二十三 法第三百十八条第五項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による株主総会の議事録の縦覧等 二十四 法第三百十九条第三項第一号(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による法第三百十九条第二項の書面の縦覧等 二十五 法第三百七十一条第二項第一号(法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)の規定による議事録等の縦覧等 二十六 法第三百七十一条第四項(同条第五項(法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)及び法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)の規定による議事録等の縦覧等 二十七 法第三百七十四条第二項第一号の規定による会計帳簿又はこれに関する資料の縦覧等 二十八 法第三百七十八条第二項第一号の規定による計算書類及びその附属明細書、会計参与報告並びに臨時計算書類の縦覧等 二十九 法第三百八十九条第四項第一号の規定による会計帳簿又はこれに関する資料の縦覧等 三十 法第三百九十四条第二項第一号(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による監査役会の議事録の縦覧等 三十一 法第三百九十九条の十一第二項第一号(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による監査等委員会の議事録の縦覧等 三十二 法第四百十三条第二項第一号の規定による指名委員会等の議事録の縦覧等 三十三 法第四百十三条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定による指名委員会等の議事録の縦覧等 三十四 法第四百三十三条第一項第一号の規定による会計帳簿又はこれに関する資料の縦覧等 三十五 法第四百四十二条第三項第一号の規定による計算書類等又はその写しの縦覧等 三十六 法第四百四十二条第四項の規定による計算書類等又はその写しの縦覧等 三十七 法第四百九十六条第二項第一号の規定による貸借対照表等の縦覧等 三十八 法第四百九十六条第三項の規定による貸借対照表等の縦覧等 三十九 法第六百十八条第一項第一号の規定による計算書類の縦覧等 四十 法第六百二十五条の規定による計算書類の縦覧等 四十一 法第六百八十四条第二項第一号の規定による社債原簿の縦覧等 四十二 法第六百八十四条第四項の規定による社債原簿の縦覧等 四十三 法第七百三十一条第三項第一号の規定による社債権者集会の議事録の縦覧等 四十四 法第七百三十五条の二第三項第一号の規定による同条第二項の書面の縦覧等 四十五 法第七百七十五条第三項第一号の規定による同条第一項の書面の縦覧等 四十六 法第七百八十二条第三項第一号の規定による同条第一項の書面の縦覧等 四十七 法第七百九十一条第三項第一号の規定による同条第二項の書面の縦覧等 四十八 法第七百九十四条第三項第一号の規定による同条第一項の書面の縦覧等 四十九 法第八百一条第四項第一号(同条第五項及び第六項において準用する場合を含む。)の規定による同条第三項第一号の書面(同条第五項において準用する場合にあっては同条第三項第二号の書面、同条第六項において準用する場合にあっては同条第三項第三号の書面)の縦覧等 五十 法第八百三条第三項第一号の規定による同条第一項の書面の縦覧等 五十一 法第八百十一条第三項第一号(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定による同条第二項の書面の縦覧等 五十二 法第八百十五条第四項第一号(同条第五項及び第六項において準用する場合を含む。)の規定による同条第三項第一号の書面(同条第五項において準用する場合にあっては同条第三項第二号の書面、同条第六項において準用する場合にあっては同条第三項第三号の書面)の縦覧等 五十三 法第八百十六条の二第三項第一号の規定による同条第一項の書面の縦覧等 五十四 法第八百十六条の十第三項第一号の規定による同条第二項の書面の縦覧等 (縦覧等の方法) 第二百三十五条 民間事業者等が、電子文書法第五条第一項の規定に基づき、前条各号に掲げる縦覧等に代えて当該縦覧等をすべき書面に係る電磁的記録の縦覧等を行う場合は、民間事業者等の事務所に備え置く電子計算機の映像面に当該縦覧等に係る事項を表示する方法又は電磁的記録に記録されている当該事項を記載した書面を縦覧等に供する方法により行わなければならない。 (交付等の指定) 第二百三十六条 電子文書法第六条第一項の主務省令で定める交付等は、次に掲げる交付等とする。 一 法第三十一条第二項第二号の規定による定款の謄本又は抄本の交付等 二 法第三十一条第三項の規定による定款の謄本又は抄本の交付等 三 法第三十三条第六項の規定による同条第四項の書面の写しの交付等 四 法第百七十一条の二第二項第二号の規定による同条第一項の書面の謄本又は抄本の交付等 五 法第百七十三条の二第三項第二号の規定による同条第二項の書面の謄本又は抄本の交付等 六 法第百七十九条の五第二項第二号の規定による同条第一項の書面の謄本又は抄本の交付等 七 法第百七十九条の十第三項第二号の規定による同条第二項の書面の謄本又は抄本の交付等 八 法第百八十二条の二第二項第二号の規定による同条第一項の書面の謄本又は抄本の交付等 九 法第百八十二条の六第三項第二号の規定による同条第二項の書面の謄本又は抄本の交付等 十 法第二百七条第六項の規定による同条第四項の書面の写しの交付等 十一 法第三百六条第七項(法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定による法第三百六条第五項の書面の写しの交付等 十二 法第三百五十八条第七項の規定による同条第五項の書面の写しの交付等 十三 法第三百七十八条第二項第二号の規定による同条第一項各号に掲げる書面の謄本又は抄本の交付等 十四 法第三百七十八条第三項の規定による同条第一項各号に掲げる書面の謄本又は抄本の交付等 十五 法第四百四十二条第三項第二号の規定による計算書類等の謄本又は抄本の交付等 十六 法第四百四十二条第四項の規定による計算書類等の謄本又は抄本の交付等 十七 法第四百九十六条第二項第二号の規定による貸借対照表等の謄本又は抄本の交付等 十八 法第四百九十六条第三項の規定による貸借対照表等の謄本又は抄本の交付等 十九 法第七百七十五条第三項第二号の規定による同条第一項の書面の謄本又は抄本の交付等 二十 法第七百八十二条第三項第二号の規定による同条第一項の書面の謄本又は抄本の交付等 二十一 法第七百九十一条第三項第二号の規定による同条第二項の書面の謄本又は抄本の交付等 二十二 法第七百九十四条第三項第二号の規定による同条第一項の書面の謄本又は抄本の交付等 二十三 法第八百一条第四項第二号(同条第五項及び第六項において準用する場合を含む。)の規定による同条第三項第一号の書面(同条第五項において準用する場合にあっては、同条第三項第二号の書面、同条第六項において準用する場合にあっては同条第三項第三号の書面)の謄本又は抄本の交付等 二十四 法第八百三条第三項第二号の規定による同条第一項の書面の謄本又は抄本の交付等 二十五 法第八百十一条第三項第二号(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定による同条第二項の書面の謄本又は抄本の交付等 二十六 法第八百十五条第四項第二号(同条第五項及び第六項において準用する場合を含む。)の規定による同条第三項第一号の書面(同条第五項において準用する場合にあっては同条第三項第二号の書面、同条第六項において準用する場合にあっては同条第三項第三号の書面)の謄本又は抄本の交付等 二十七 法第八百十六条の二第三項第二号の規定による同条第一項の書面の謄本又は抄本の交付等 二十八 法第八百十六条の十第三項第二号の規定による同条第二項の書面の謄本又は抄本の交付等 (交付等の方法) 第二百三十七条 民間事業者等が、電子文書法第六条第一項の規定に基づき、前条各号に掲げる交付等に代えて当該交付等をすべき書面に係る電磁的記録の交付等を行う場合は、次に掲げる方法により行わなければならない。 一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの イ 民間事業者等の使用に係る電子計算機と交付等の相手方の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 ロ 民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された当該交付等に係る事項を電気通信回線を通じて交付等の相手方の閲覧に供し、当該相手方の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該事項を記録する方法(電子文書法第六条第一項に規定する方法による交付等を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合にあっては、民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法) 二 電磁的記録媒体をもって調製するファイルに当該交付等に係る事項を記録したものを交付する方法 2 前項に掲げる方法は、交付等の相手方がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものでなければならない。 (交付等の承諾) 第二百三十八条 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行令(平成十七年政令第八号)第二条第一項の規定により示すべき方法の種類及び内容は、次に掲げる事項とする。 一 前条第一項に規定する方法のうち民間事業者等が使用するもの 二 ファイルへの記録の方式
民事
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平成十八年法務省令第十三号
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会社計算規則 第一編 総則 (目的) 第一条 この省令は、会社法(平成十七年法律第八十六号。以下「法」という。)の規定により委任された会社の計算に関する事項その他の事項について、必要な事項を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 この省令において「会社」、「外国会社」、「子会社」、「親会社」、「公開会社」、「取締役会設置会社」、「会計参与設置会社」、「監査役設置会社」、「監査役会設置会社」、「会計監査人設置会社」、「監査等委員会設置会社」、「指名委員会等設置会社」、「種類株式発行会社」、「取得請求権付株式」、「取得条項付株式」、「新株予約権」、「新株予約権付社債」、「社債」、「配当財産」、「組織変更」、「吸収分割」、「新設分割」又は「電子公告」とは、それぞれ法第二条に規定する会社、外国会社、子会社、親会社、公開会社、取締役会設置会社、会計参与設置会社、監査役設置会社、監査役会設置会社、会計監査人設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社、種類株式発行会社、取得請求権付株式、取得条項付株式、新株予約権、新株予約権付社債、社債、配当財産、組織変更、吸収分割、新設分割又は電子公告をいう。 2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 発行済株式 法第二条第三十一号に規定する発行済株式をいう。 二 電磁的方法 法第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。 三 設立時発行株式 法第二十五条第一項第一号に規定する設立時発行株式をいう。 四 電磁的記録 法第二十六条第二項に規定する電磁的記録をいう。 五 自己株式 法第百十三条第四項に規定する自己株式をいう。 六 親会社株式 法第百三十五条第一項に規定する親会社株式をいう。 七 金銭等 法第百五十一条第一項に規定する金銭等をいう。 八 全部取得条項付種類株式 法第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式をいう。 九 株式無償割当て 法第百八十五条に規定する株式無償割当てをいう。 十 単元未満株式売渡請求 法第百九十四条第一項に規定する単元未満株式売渡請求をいう。 十一 募集株式 法第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。 十二 募集新株予約権 法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。 十三 自己新株予約権 法第二百五十五条第一項に規定する自己新株予約権をいう。 十四 取得条項付新株予約権 法第二百七十三条第一項に規定する取得条項付新株予約権をいう。 十五 新株予約権無償割当て 法第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当てをいう。 十五の二 電子提供措置 法第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をいう。 十六 報酬等 法第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。 十七 臨時計算書類 法第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。 十八 臨時決算日 法第四百四十一条第一項に規定する臨時決算日をいう。 十九 連結計算書類 法第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。 二十 準備金 法第四百四十五条第四項に規定する準備金をいう。 二十一 分配可能額 法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額をいう。 二十二 持分会社 法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。 二十三 持分払戻額 法第六百三十五条第一項に規定する持分払戻額をいう。 二十四 組織変更後持分会社 法第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社をいう。 二十五 組織変更後株式会社 法第七百四十六条第一項第一号に規定する組織変更後株式会社をいう。 二十六 社債等 法第七百四十六条第一項第七号ニに規定する社債等をいう。 二十七 吸収分割承継会社 法第七百五十七条に規定する吸収分割承継会社をいう。 二十八 吸収分割会社 法第七百五十八条第一号に規定する吸収分割会社をいう。 二十九 新設分割設立会社 法第七百六十三条第一項に規定する新設分割設立会社をいう。 三十 新設分割会社 法第七百六十三条第一項第五号に規定する新設分割会社をいう。 三十一 新株予約権等 法第七百七十四条の三第一項第七号に規定する新株予約権等をいう。 3 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 最終事業年度 次のイ又はロに掲げる会社の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものをいう。 イ 株式会社 法第二条第二十四号に規定する最終事業年度 ロ 持分会社 各事業年度に係る計算書類を作成した場合における当該事業年度のうち最も遅いもの 二 計算書類 次のイ又はロに掲げる会社の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものをいう。 イ 株式会社 法第四百三十五条第二項に規定する計算書類 ロ 持分会社 法第六百十七条第二項に規定する計算書類 三 計算関係書類 次に掲げるものをいう。 イ 成立の日における貸借対照表 ロ 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書 ハ 臨時計算書類 ニ 連結計算書類 四 吸収合併 法第二条第二十七号に規定する吸収合併(会社が会社以外の法人とする合併であって、合併後会社が存続するものを含む。)をいう。 五 新設合併 法第二条第二十八号に規定する新設合併(会社が会社以外の法人とする合併であって、合併後会社が設立されるものを含む。)をいう。 六 株式交換 法第二条第三十一号に規定する株式交換(保険業法(平成七年法律第百五号)第九十六条の五第一項に規定する組織変更株式交換を含む。)をいう。 七 株式移転 法第二条第三十二号に規定する株式移転(保険業法第九十六条の八第一項に規定する組織変更株式移転を含む。)をいう。 八 株式交付 法第二条第三十二号の二に規定する株式交付(保険業法第九十六条の九の二第一項に規定する組織変更株式交付を含む。)をいう。 九 吸収合併存続会社 法第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社(会社以外の法人とする吸収合併後存続する会社を含む。)をいう。 十 吸収合併消滅会社 法第七百四十九条第一項第一号に規定する吸収合併消滅会社(会社以外の法人とする吸収合併により消滅する会社以外の法人を含む。)をいう。 十一 新設合併設立会社 法第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社(会社以外の法人とする新設合併により設立される会社を含む。)をいう。 十二 新設合併消滅会社 法第七百五十三条第一項第一号に規定する新設合併消滅会社(会社以外の法人とする新設合併により消滅する会社以外の法人を含む。)をいう。 十三 株式交換完全親会社 法第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社(保険業法第九十六条の五第二項に規定する組織変更株式交換完全親会社を含む。)をいう。 十四 株式交換完全子会社 法第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全子会社(保険業法第九十六条の五第二項に規定する組織変更株式交換完全親会社にその株式の全部を取得されることとなる株式会社を含む。)をいう。 十五 株式移転設立完全親会社 法第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社(保険業法第九十六条の九第一項第一号に規定する組織変更株式移転設立完全親会社を含む。)をいう。 十六 株式移転完全子会社 法第七百七十三条第一項第五号に規定する株式移転完全子会社(保険業法第九十六条の九第一項第一号に規定する組織変更株式移転設立完全親会社にその発行する株式の全部を取得されることとなる株式会社を含む。)をいう。 十七 株式交付親会社 法第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社(保険業法第九十六条の九の二第一項に規定する組織変更株式交付をする相互会社を含む。)をいう。 十八 株式交付子会社 法第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付子会社(保険業法第九十六条の九の二第二項に規定する組織変更株式交付子会社を含む。)をいう。 十九 会社等 会社(外国会社を含む。)、組合(外国における組合に相当するものを含む。)その他これらに準ずる事業体をいう。 二十 株主等 株主及び持分会社の社員その他これらに相当する者をいう。 二十一 関連会社 会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該他の会社等(子会社を除く。)をいう。 二十二 連結子会社 連結の範囲に含められる子会社をいう。 二十三 非連結子会社 連結の範囲から除かれる子会社をいう。 二十四 連結会社 当該株式会社及びその連結子会社をいう。 二十五 関係会社 当該株式会社の親会社、子会社及び関連会社並びに当該株式会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等をいう。 二十六 持分法 投資会社が、被投資会社の純資産及び損益のうち当該投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の金額を各事業年度ごとに修正する方法をいう。 二十七 税効果会計 貸借対照表又は連結貸借対照表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得の計算の結果算定された資産及び負債の金額との間に差異がある場合において、当該差異に係る法人税等(法人税、住民税及び事業税(利益に関連する金額を課税標準として課される事業税をいう。)をいう。以下同じ。)の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期純利益の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理をいう。 二十八 ヘッジ会計 ヘッジ手段(資産(将来の取引により確実に発生すると見込まれるものを含む。以下この号において同じ。)若しくは負債(将来の取引により確実に発生すると見込まれるものを含む。以下この号において同じ。)又はデリバティブ取引に係る価格変動、金利変動及び為替変動による損失の危険を減殺することを目的とし、かつ、当該損失の危険を減殺することが客観的に認められる取引をいう。以下同じ。)に係る損益とヘッジ対象(ヘッジ手段の対象である資産若しくは負債又はデリバティブ取引をいう。)に係る損益を同一の会計期間に認識するための会計処理をいう。 二十九 売買目的有価証券 時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券をいう。 三十 満期保有目的の債券 満期まで所有する意図をもって保有する債券(満期まで所有する意図をもって取得したものに限る。)をいう。 三十一 自己社債 会社が有する自己の社債をいう。 三十二 公開買付け等 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十七条の二第六項(同法第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する公開買付け及びこれに相当する外国の法令に基づく制度をいう。 三十三 株主資本等 株式会社及び持分会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金をいう。 三十四 株式引受権 取締役又は執行役がその職務の執行として株式会社に対して提供した役務の対価として当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利(新株予約権を除く。)をいう。 三十五 支配取得 会社が他の会社(当該会社と当該他の会社が共通支配下関係にある場合における当該他の会社を除く。以下この号において同じ。)又は当該他の会社の事業に対する支配を得ることをいう。 三十六 共通支配下関係 二以上の者(人格のないものを含む。以下この号において同じ。)が同一の者に支配(一時的な支配を除く。以下この号において同じ。)をされている場合又は二以上の者のうちの一の者が他の全ての者を支配している場合における当該二以上の者に係る関係をいう。 三十七 吸収型再編 次に掲げる行為をいう。 イ 吸収合併 ロ 吸収分割 ハ 株式交換 ニ 株式交付 三十八 吸収型再編受入行為 次に掲げる行為をいう。 イ 吸収合併による吸収合併消滅会社の権利義務の全部の承継 ロ 吸収分割による吸収分割会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継 ハ 株式交換による株式交換完全子会社の発行済株式全部の取得 ニ 株式交付に際してする株式交付子会社の株式又は新株予約権等の譲受け 三十九 吸収型再編対象財産 次のイ又はロに掲げる吸収型再編の区分に応じ、当該イ又はロに定める財産をいう。 イ 吸収合併 吸収合併により吸収合併存続会社が承継する財産 ロ 吸収分割 吸収分割により吸収分割承継会社が承継する財産 四十 吸収型再編対価 次のイからニまでに掲げる吸収型再編の区分に応じ、当該イからニまでに定める財産をいう。 イ 吸収合併 吸収合併に際して吸収合併存続会社が吸収合併消滅会社の株主等に対して交付する財産 ロ 吸収分割 吸収分割に際して吸収分割承継会社が吸収分割会社に対して交付する財産 ハ 株式交換 株式交換に際して株式交換完全親会社が株式交換完全子会社の株主に対して交付する財産 ニ 株式交付 株式交付に際して株式交付親会社が株式交付子会社の株式又は新株予約権等の譲渡人に対して交付する財産 四十一 吸収型再編対価時価 吸収型再編対価の時価その他適切な方法により算定された吸収型再編対価の価額をいう。 四十二 対価自己株式 吸収型再編対価として処分される自己株式をいう。 四十三 先行取得分株式等 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものをいう。 イ 吸収合併の場合 吸収合併の直前に吸収合併存続会社が有する吸収合併消滅会社の株式若しくは持分又は吸収合併の直前に吸収合併消滅会社が有する当該吸収合併消滅会社の株式 ロ 新設合併の場合 各新設合併消滅会社が有する当該新設合併消滅会社の株式及び他の新設合併消滅会社の株式又は持分 四十四 分割型吸収分割 吸収分割のうち、吸収分割契約において法第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項を定めたものであって、吸収分割会社が当該事項についての定めに従い吸収型再編対価の全部を当該吸収分割会社の株主に対して交付するものをいう。 四十五 新設型再編 次に掲げる行為をいう。 イ 新設合併 ロ 新設分割 ハ 株式移転 四十六 新設型再編対象財産 次のイ又はロに掲げる新設型再編の区分に応じ、当該イ又はロに定める財産をいう。 イ 新設合併 新設合併により新設合併設立会社が承継する財産 ロ 新設分割 新設分割により新設分割設立会社が承継する財産 四十七 新設型再編対価 次のイからハまでに掲げる新設型再編の区分に応じ、当該イからハまでに定める財産をいう。 イ 新設合併 新設合併に際して新設合併設立会社が新設合併消滅会社の株主等に対して交付する財産 ロ 新設分割 新設分割に際して新設分割設立会社が新設分割会社に対して交付する財産 ハ 株式移転 株式移転に際して株式移転設立完全親会社が株式移転完全子会社の株主に対して交付する財産 四十八 新設型再編対価時価 新設型再編対価の時価その他適切な方法により算定された新設型再編対価の価額をいう。 四十九 新設合併取得会社 新設合併消滅会社のうち、新設合併により支配取得をするものをいう。 五十 株主資本承継消滅会社 新設合併消滅会社の株主等に交付する新設型再編対価の全部が新設合併設立会社の株式又は持分である場合において、当該新設合併消滅会社がこの号に定める株主資本承継消滅会社となることを定めたときにおける当該新設合併消滅会社をいう。 五十一 非対価交付消滅会社 新設合併消滅会社の株主等に交付する新設型再編対価が存しない場合における当該新設合併消滅会社をいう。 五十二 非株式交付消滅会社 新設合併消滅会社の株主等に交付する新設型再編対価の全部が新設合併設立会社の社債等である場合における当該新設合併消滅会社及び非対価交付消滅会社をいう。 五十三 非株主資本承継消滅会社 株主資本承継消滅会社及び非株式交付消滅会社以外の新設合併消滅会社をいう。 五十四 分割型新設分割 新設分割のうち、新設分割計画において法第七百六十三条第一項第十二号又は第七百六十五条第一項第八号に掲げる事項を定めたものであって、新設分割会社が当該事項についての定めに従い新設型再編対価の全部を当該新設分割会社の株主に対して交付するものをいう。 五十五 連結配当規制適用会社 ある事業年度の末日が最終事業年度の末日となる時から当該ある事業年度の次の事業年度の末日が最終事業年度の末日となる時までの間における当該株式会社の分配可能額の算定につき第百五十八条第四号の規定を適用する旨を当該ある事業年度に係る計算書類の作成に際して定めた株式会社(ある事業年度に係る連結計算書類を作成しているものに限る。)をいう。 五十六 リース物件 リース契約により使用する物件をいう。 五十七 ファイナンス・リース取引 リース契約に基づく期間の中途において当該リース契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、リース物件の借主が、当該リース物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じる費用等を実質的に負担することとなるものをいう。 五十八 所有権移転ファイナンス・リース取引 ファイナンス・リース取引のうち、リース契約上の諸条件に照らしてリース物件の所有権が借主に移転すると認められるものをいう。 五十九 所有権移転外ファイナンス・リース取引 ファイナンス・リース取引のうち、所有権移転ファイナンス・リース取引以外のものをいう。 六十 資産除去債務 有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じる当該有形固定資産の除去に関する法律上の義務及びこれに準ずるものをいう。 六十一 工事契約 請負契約のうち、土木、建築、造船、機械装置の製造その他の仕事に係る基本的な仕様及び作業内容が注文者の指図に基づいているものをいう。 六十二 会計方針 計算書類又は連結計算書類の作成に当たって採用する会計処理の原則及び手続をいう。 六十三 遡及適用 新たな会計方針を当該事業年度より前の事業年度に係る計算書類又は連結計算書類に遡って適用したと仮定して会計処理をすることをいう。 六十四 表示方法 計算書類又は連結計算書類の作成に当たって採用する表示の方法をいう。 六十五 会計上の見積り 計算書類又は連結計算書類に表示すべき項目の金額に不確実性がある場合において、計算書類又は連結計算書類の作成時に入手可能な情報に基づき、それらの合理的な金額を算定することをいう。 六十六 会計上の見積りの変更 新たに入手可能となった情報に基づき、当該事業年度より前の事業年度に係る計算書類又は連結計算書類の作成に当たってした会計上の見積りを変更することをいう。 六十七 誤 謬 びゆう 意図的であるかどうかにかかわらず、計算書類又は連結計算書類の作成時に入手可能な情報を使用しなかったこと又は誤って使用したことにより生じた誤りをいう。 六十八 誤謬の訂正 当該事業年度より前の事業年度に係る計算書類又は連結計算書類における誤謬を訂正したと仮定して計算書類又は連結計算書類を作成することをいう。 六十九 金融商品 金融資産(金銭債権、有価証券及びデリバティブ取引により生じる債権(これらに準ずるものを含む。)をいう。)及び金融負債(金銭債務及びデリバティブ取引により生じる債務(これらに準ずるものを含む。)をいう。)をいう。 七十 賃貸等不動産 たな卸資産に分類される不動産以外の不動産であって、賃貸又は譲渡による収益又は利益を目的として所有する不動産をいう。 4 前項第二十一号に規定する「財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合」とは、次に掲げる場合(財務上又は事業上の関係からみて他の会社等の財務又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められる場合を除く。)をいう。 一 他の会社等(次に掲げる会社等であって、当該会社等の財務又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められるものを除く。以下この項において同じ。)の議決権の総数に対する自己(その子会社を含む。以下この項において同じ。)の計算において所有している議決権の数の割合が百分の二十以上である場合 イ 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等 ロ 会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社 ハ 破産法(平成十六年法律第七十五号)の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等 ニ その他イからハまでに掲げる会社等に準ずる会社等 二 他の会社等の議決権の総数に対する自己の計算において所有している議決権の数の割合が百分の十五以上である場合(前号に掲げる場合を除く。)であって、次に掲げるいずれかの要件に該当する場合 イ 次に掲げる者(他の会社等の財務及び事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものに限る。)が他の会社等の代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。 (1) 自己の役員 (2) 自己の業務を執行する社員 (3) 自己の使用人 (4) (1)から(3)までに掲げる者であった者 ロ 自己が他の会社等に対して重要な融資を行っていること。 ハ 自己が他の会社等に対して重要な技術を提供していること。 ニ 自己と他の会社等との間に重要な販売、仕入れその他の事業上の取引があること。 ホ その他自己が他の会社等の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。 三 他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権数(次に掲げる議決権の数の合計数をいう。)の割合が百分の二十以上である場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含み、前二号に掲げる場合を除く。)であって、前号イからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する場合 イ 自己の計算において所有している議決権 ロ 自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者が所有している議決権 ハ 自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権 四 自己と自己から独立した者との間の契約その他これに準ずるものに基づきこれらの者が他の会社等を共同で支配している場合 (会計慣行のしん酌) 第三条 この省令の用語の解釈及び規定の適用に関しては、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準その他の企業会計の慣行をしん酌しなければならない。 第二編 会計帳簿 第一章 総則 第四条 法第四百三十二条第一項及び第六百十五条第一項の規定により会社が作成すべき会計帳簿に付すべき資産、負債及び純資産の価額その他会計帳簿の作成に関する事項(法第四百四十五条第四項から第六項までの規定により法務省令で定めるべき事項を含む。)については、この編の定めるところによる。 2 会計帳簿は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 第二章 資産及び負債 第一節 資産及び負債の評価 第一款 通則 (資産の評価) 第五条 資産については、この省令又は法以外の法令に別段の定めがある場合を除き、会計帳簿にその取得価額を付さなければならない。 2 償却すべき資産については、事業年度の末日(事業年度の末日以外の日において評価すべき場合にあっては、その日。以下この条、次条第二項及び第五十五条第六項第一号において同じ。)において、相当の償却をしなければならない。 3 次の各号に掲げる資産については、事業年度の末日において当該各号に定める価格を付すべき場合には、当該各号に定める価格を付さなければならない。 一 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い資産(当該資産の時価がその時の取得原価まで回復すると認められるものを除く。) 事業年度の末日における時価 二 事業年度の末日において予測することができない減損が生じた資産又は減損損失を認識すべき資産 その時の取得原価から相当の減額をした額 4 取立不能のおそれのある債権については、事業年度の末日においてその時に取り立てることができないと見込まれる額を控除しなければならない。 5 債権については、その取得価額が債権金額と異なる場合その他相当の理由がある場合には、適正な価格を付すことができる。 6 次に掲げる資産については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。 一 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より低い資産 二 市場価格のある資産(子会社及び関連会社の株式並びに満期保有目的の債券を除く。) 三 前二号に掲げる資産のほか、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な資産 (負債の評価) 第六条 負債については、この省令又は法以外の法令に別段の定めがある場合を除き、会計帳簿に債務額を付さなければならない。 2 次に掲げる負債については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。 一 退職給付引当金(使用人が退職した後に当該使用人に退職一時金、退職年金その他これらに類する財産の支給をする場合における事業年度の末日において繰り入れるべき引当金をいう。第七十五条第二項第二号において同じ。)その他の将来の費用又は損失の発生に備えて、その合理的な見積額のうち当該事業年度の負担に属する金額を費用又は損失として繰り入れることにより計上すべき引当金(株主等に対して役務を提供する場合において計上すべき引当金を含む。) 二 払込みを受けた金額が債務額と異なる社債 三 前二号に掲げる負債のほか、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な負債 第二款 組織変更等の際の資産及び負債の評価 (組織変更の際の資産及び負債の評価替えの禁止) 第七条 会社が組織変更をする場合には、当該組織変更をすることを理由にその有する資産及び負債の帳簿価額を変更することはできない。 (組織再編行為の際の資産及び負債の評価) 第八条 次の各号に掲げる会社は、吸収合併又は吸収分割が当該会社による支配取得に該当する場合その他の吸収型再編対象財産に時価を付すべき場合を除き、吸収型再編対象財産には、当該各号に定める会社における当該吸収合併又は吸収分割の直前の帳簿価額を付さなければならない。 一 吸収合併存続会社 吸収合併消滅会社 二 吸収分割承継会社 吸収分割会社 2 前項の規定は、新設合併及び新設分割の場合について準用する。 (持分会社の出資請求権) 第九条 持分会社が組織変更をする場合において、当該持分会社が当該組織変更の直前に持分会社が社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上しているときは、当該組織変更の直前に、当該持分会社は、当該債権を資産として計上しないものと定めたものとみなす。 2 前項の規定は、社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上している持分会社が吸収合併消滅会社又は新設合併消滅会社となる場合について準用する。 (会社以外の法人が会社となる場合における資産及び負債の評価) 第十条 次に掲げる法律の規定により会社以外の法人が会社となる場合には、当該会社がその有する資産及び負債に付すべき帳簿価額は、他の法令に別段の定めがある場合を除き、当該会社となる直前に当該法人が当該資産及び負債に付していた帳簿価額とする。 一 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号) 二 金融商品取引法 三 商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号) 四 中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号) 五 技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号) 六 金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和四十三年法律第八十六号) 七 保険業法 第二節 のれん 第十一条 会社は、吸収型再編、新設型再編又は事業の譲受けをする場合において、適正な額ののれんを資産又は負債として計上することができる。 第三節 株式及び持分に係る特別勘定 第十二条 会社は、吸収分割、株式交換、株式交付、新設分割、株式移転又は事業の譲渡の対価として株式又は持分を取得する場合において、当該株式又は持分に係る適正な額の特別勘定を負債として計上することができる。 第三章 純資産 第一節 株式会社の株主資本 第一款 株式の交付等 (通則) 第十三条 株式会社がその成立後に行う株式の交付(法第四百四十五条第五項に掲げる行為に際しての株式の交付を除く。)による株式会社の資本金等増加限度額(同条第一項に規定する株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額をいう。以下この節において同じ。)、その他資本剰余金及びその他利益剰余金の額並びに自己株式対価額(第百五十条第二項第八号及び第百五十八条第八号ハ並びに法第四百四十六条第二号並びに第四百六十一条第二項第二号ロ及び第四号に規定する自己株式の対価の額をいう。以下この章において同じ。)については、この款の定めるところによる。 2 前項に規定する「成立後に行う株式の交付」とは、株式会社がその成立後において行う次に掲げる場合における株式の発行及び自己株式の処分(第八号、第九号、第十二号、第十四号及び第十五号に掲げる場合にあっては、自己株式の処分)をいう。 一 法第二編第二章第八節の定めるところにより募集株式を引き受ける者の募集を行う場合(法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により募集株式を引き受ける者の募集を行う場合を除く。次条第一項において同じ。) 二 取得請求権付株式(法第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがあるものに限る。以下この章において同じ。)の取得をする場合 三 取得条項付株式(法第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがあるものに限る。以下この章において同じ。)の取得をする場合 四 全部取得条項付種類株式(当該全部取得条項付種類株式を取得するに際して法第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めをした場合における当該全部取得条項付種類株式に限る。以下この章において同じ。)の取得をする場合 五 株式無償割当てをする場合 六 新株予約権の行使があった場合 七 取得条項付新株予約権(法第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがあるものに限る。以下この章において同じ。)の取得をする場合 八 単元未満株式売渡請求を受けた場合 九 株式会社が当該株式会社の株式を取得したことにより生ずる法第四百六十二条第一項に規定する義務を履行する株主(株主と連帯して義務を負う者を含む。)に対して当該株主から取得した株式に相当する株式を交付すべき場合 十 吸収合併後当該株式会社が存続する場合 十一 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継をする場合 十二 吸収分割により吸収分割会社(株式会社に限る。)が自己株式を吸収分割承継会社に承継させる場合 十三 株式交換による他の株式会社の発行済株式の全部の取得をする場合 十四 株式交換に際して自己株式を株式交換完全親会社に取得される場合 十五 株式移転に際して自己株式を株式移転設立完全親会社に取得される場合 十六 株式交付に際して他の株式会社の株式又は新株予約権等の譲受けをする場合 (募集株式を引き受ける者の募集を行う場合) 第十四条 法第二編第二章第八節の定めるところにより募集株式を引き受ける者の募集を行う場合には、資本金等増加限度額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合(当該募集に際して発行する株式の数を当該募集に際して発行する株式の数及び処分する自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額から第四号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。 一 法第二百八条第一項の規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額) イ 外国の通貨をもって金銭の払込みを受けた場合(ロに掲げる場合を除く。) 当該外国の通貨につき法第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、法第二百八条第一項の規定により払込みを受けた日)の為替相場に基づき算出された額 ロ 当該払込みを受けた金銭の額(イに定める額を含む。)により資本金等増加限度額を計算することが適切でない場合 当該金銭の当該払込みをした者における当該払込みの直前の帳簿価額 二 法第二百八条第二項の規定により現物出資財産(法第二百七条第一項に規定する現物出資財産をいう。以下この条において同じ。)の給付を受けた場合にあっては、当該現物出資財産の法第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、法第二百八条第二項の規定により給付を受けた日)における価額(次のイ又はロに掲げる場合における現物出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額) イ 当該株式会社と当該現物出資財産の給付をした者が共通支配下関係にある場合(当該現物出資財産に時価を付すべき場合を除く。) 当該現物出資財産の当該給付をした者における当該給付の直前の帳簿価額 ロ イに掲げる場合以外の場合であって、当該給付を受けた現物出資財産の価額により資本金等増加限度額を計算することが適切でないとき イに定める帳簿価額 三 法第百九十九条第一項第五号に掲げる事項として募集株式の交付に係る費用の額のうち、株式会社が資本金等増加限度額から減ずるべき額と定めた額 四 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額が零以上であるときは、当該額 イ 当該募集に際して処分する自己株式の帳簿価額 ロ 第一号及び第二号に掲げる額の合計額から前号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)に自己株式処分割合(一から株式発行割合を減じて得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額 2 前項に規定する場合には、同項の行為後の次の各号に掲げる額は、同項の行為の直前の当該額に、当該各号に定める額を加えて得た額とする。 一 その他資本剰余金の額 イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額 イ 前項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額 ロ 次に掲げる額のうちいずれか少ない額 (1) 前項第四号に掲げる額 (2) 前項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合を乗じて得た額(零未満である場合にあっては、零) ハ 当該募集に際して処分する自己株式の帳簿価額 二 その他利益剰余金の額 前項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合における当該額に株式発行割合を乗じて得た額 3 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、第一項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額とする。 4 第二項第一号ロに掲げる額は、第百五十条第二項第八号及び第百五十八条第八号ハ並びに法第四百四十六条第二号並びに第四百六十一条第二項第二号ロ及び第四号の規定の適用については、当該額も、自己株式対価額に含まれるものとみなす。 5 第一項第二号の規定の適用については、現物出資財産について法第百九十九条第一項第二号に掲げる額及び同項第三号に掲げる価額と、当該現物出資財産の帳簿価額(当該出資に係る資本金及び資本準備金の額を含む。)とが同一の額でなければならないと解してはならない。 (株式の取得に伴う株式の発行等をする場合) 第十五条 次に掲げる場合には、資本金等増加限度額は、零とする。 一 取得請求権付株式の取得をする場合 二 取得条項付株式の取得をする場合 三 全部取得条項付種類株式の取得をする場合 2 前項各号に掲げる場合には、自己株式対価額は、当該各号に掲げる場合において処分する自己株式の帳簿価額とする。 (株式無償割当てをする場合) 第十六条 株式無償割当てをする場合には、資本金等増加限度額は、零とする。 2 前項に規定する場合には、株式無償割当て後のその他資本剰余金の額は、株式無償割当ての直前の当該額から当該株式無償割当てに際して処分する自己株式の帳簿価額を減じて得た額とする。 3 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、零とする。 (新株予約権の行使があった場合) 第十七条 新株予約権の行使があった場合には、資本金等増加限度額は、第一号から第三号までに掲げる額の合計額から第四号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合(当該行使に際して発行する株式の数を当該行使に際して発行する株式の数及び処分する自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額から第五号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。 一 行使時における当該新株予約権の帳簿価額 二 法第二百八十一条第一項に規定する場合又は同条第二項後段に規定する場合におけるこれらの規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額) イ 外国の通貨をもって金銭の払込みを受けた場合(ロに掲げる場合を除く。) 当該外国の通貨につき行使時の為替相場に基づき算出された額 ロ 当該払込みを受けた金銭の額(イに定める額を含む。)により資本金等増加限度額を計算することが適切でない場合 当該金銭の当該払込みをした者における当該払込みの直前の帳簿価額 三 法第二百八十一条第二項前段の規定により現物出資財産(法第二百八十四条第一項に規定する現物出資財産をいう。以下この条において同じ。)の給付を受けた場合にあっては、当該現物出資財産の行使時における価額(次のイ又はロに掲げる場合における現物出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額) イ 当該株式会社と当該現物出資財産の給付をした者が共通支配下関係にある場合(当該現物出資財産に時価を付すべき場合を除く。) 当該現物出資財産の当該給付をした者における当該給付の直前の帳簿価額 ロ イに掲げる場合以外の場合であって、当該給付を受けた現物出資財産の価額により資本金等増加限度額を計算することが適切でないとき イに定める帳簿価額 四 法第二百三十六条第一項第五号に掲げる事項として新株予約権の行使に応じて行う株式の交付に係る費用の額のうち、株式会社が資本金等増加限度額から減ずるべき額と定めた額 五 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額が零以上であるときは、当該額 イ 当該行使に際して処分する自己株式の帳簿価額 ロ 第一号から第三号までに掲げる額の合計額から前号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)に自己株式処分割合(一から株式発行割合を減じて得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額 2 前項に規定する場合には、新株予約権の行使後の次の各号に掲げる額は、当該行使の直前の当該額に、当該各号に定める額を加えて得た額とする。 一 その他資本剰余金の額 イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額 イ 前項第一号から第三号までに掲げる額の合計額から同項第四号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額 ロ 次に掲げる額のうちいずれか少ない額 (1) 前項第五号に掲げる額 (2) 前項第一号から第三号までに掲げる額の合計額から同項第四号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合を乗じて得た額(零未満である場合にあっては、零) ハ 当該行使に際して処分する自己株式の帳簿価額 二 その他利益剰余金の額 前項第一号から第三号までに掲げる額の合計額から同項第四号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合における当該額に株式発行割合を乗じて得た額 3 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第一号から第三号までに掲げる額の合計額から同項第四号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額とする。 4 第二項第一号ロに掲げる額は、第百五十条第二項第八号及び第百五十八条第八号ハ並びに法第四百四十六条第二号並びに第四百六十一条第二項第二号ロ及び第四号の規定の適用については、当該額も、自己株式対価額に含まれるものとみなす。 5 第一項第一号の規定の適用については、新株予約権が募集新株予約権であった場合における当該募集新株予約権についての法第二百三十八条第一項第二号及び第三号に掲げる事項と、第一項第一号の帳簿価額とが同一のものでなければならないと解してはならない。 6 第一項第三号の規定の適用については、現物出資財産について法第二百三十六条第一項第二号及び第三号に掲げる価額と、当該現物出資財産の帳簿価額(当該出資に係る資本金及び資本準備金の額を含む。)とが同一の額でなければならないと解してはならない。 (取得条項付新株予約権の取得をする場合) 第十八条 取得条項付新株予約権の取得をする場合には、資本金等増加限度額は、第一号に掲げる額から第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額に株式発行割合(当該取得に際して発行する株式の数を当該取得に際して発行する株式の数及び処分する自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額から第四号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。 一 当該取得時における当該取得条項付新株予約権(当該取得条項付新株予約権が新株予約権付社債(これに準ずるものを含む。以下この号において同じ。)に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債(これに準ずるものを含む。)を含む。以下この項において同じ。)の価額 二 当該取得条項付新株予約権の取得と引換えに行う株式の交付に係る費用の額のうち、株式会社が資本金等増加限度額から減ずるべき額と定めた額 三 株式会社が当該取得条項付新株予約権を取得するのと引換えに交付する財産(当該株式会社の株式を除く。)の帳簿価額(当該財産が社債(自己社債を除く。)又は新株予約権(自己新株予約権を除く。)である場合にあっては、会計帳簿に付すべき額)の合計額 四 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額が零以上であるときは、当該額 イ 当該取得に際して処分する自己株式の帳簿価額 ロ 第一号に掲げる額から第二号及び前号に掲げる額の合計額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)に自己株式処分割合(一から株式発行割合を減じて得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額 2 前項に規定する場合には、取得条項付新株予約権の取得後の次の各号に掲げる額は、取得条項付新株予約権の取得の直前の当該額に、当該各号に定める額を加えて得た額とする。 一 その他資本剰余金の額 イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額 イ 前項第一号に掲げる額から同項第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額 ロ 次に掲げる額のうちいずれか少ない額 (1) 前項第四号に掲げる額 (2) 前項第一号に掲げる額から同項第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額に株式発行割合を乗じて得た額(零未満である場合にあっては、零) ハ 当該取得に際して処分する自己株式の帳簿価額 二 その他利益剰余金の額 前項第一号に掲げる額から同項第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額が零未満である場合における当該額に株式発行割合を乗じて得た額 3 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第一号に掲げる額から同項第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額とする。 4 第二項第一号ロに掲げる額は、第百五十条第二項第八号及び第百五十八条第八号ハ並びに法第四百四十六条第二号並びに第四百六十一条第二項第二号ロ及び第四号の規定の適用については、当該額も、自己株式対価額に含まれるものとみなす。 (単元未満株式売渡請求を受けた場合) 第十九条 単元未満株式売渡請求を受けた場合には、資本金等増加限度額は、零とする。 2 前項に規定する場合には、単元未満株式売渡請求後のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 単元未満株式売渡請求の直前のその他資本剰余金の額 二 当該単元未満株式売渡請求に係る代金の額 三 当該単元未満株式売渡請求に応じて処分する自己株式の帳簿価額 3 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、単元未満株式売渡請求に係る代金の額とする。 (法第四百六十二条第一項に規定する義務を履行する株主に対して株式を交付すべき場合) 第二十条 株式会社が当該株式会社の株式を取得したことにより生ずる法第四百六十二条第一項に規定する義務を履行する株主(株主と連帯して義務を負う者を含む。)に対して当該株主から取得した株式に相当する株式を交付すべき場合には、資本金等増加限度額は、零とする。 2 前項に規定する場合には、同項の行為後のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 前項の行為の直前のその他資本剰余金の額 二 前項の株主(株主と連帯して義務を負う者を含む。)が株式会社に対して支払った金銭の額 三 当該交付に際して処分する自己株式の帳簿価額 3 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項の株主(株主と連帯して義務を負う者を含む。)が株式会社に対して支払った金銭の額とする。 (設立時又は成立後の株式の交付に伴う義務が履行された場合) 第二十一条 次に掲げる義務が履行された場合には、株式会社のその他資本剰余金の額は、当該義務の履行により株式会社に対して支払われた金銭又は給付された金銭以外の財産の額が増加するものとする。 一 法第五十二条第一項の規定により同項に定める額を支払う義務(当該義務を履行した者が法第二十八条第一号の財産を給付した発起人である場合における当該義務に限る。) 二 法第五十二条の二第一項各号に掲げる場合において同項の規定により当該各号に定める行為をする義務 三 法第百二条の二第一項の規定により同項に規定する支払をする義務 四 法第二百十二条第一項各号に掲げる場合において同項の規定により当該各号に定める額を支払う義務 五 法第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合において同項の規定により当該各号に定める行為をする義務 六 法第二百八十五条第一項各号に掲げる場合において同項の規定により当該各号に定める額を支払う義務 七 新株予約権を行使した新株予約権者であって法第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものが同項の規定により当該各号に定める行為をする義務 第二款 剰余金の配当 (法第四百四十五条第四項の規定による準備金の計上) 第二十二条 株式会社が剰余金の配当をする場合には、剰余金の配当後の資本準備金の額は、当該剰余金の配当の直前の資本準備金の額に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額を加えて得た額とする。 一 当該剰余金の配当をする日における準備金の額が当該日における基準資本金額(資本金の額に四分の一を乗じて得た額をいう。以下この条において同じ。)以上である場合 零 二 当該剰余金の配当をする日における準備金の額が当該日における基準資本金額未満である場合 イ又はロに掲げる額のうちいずれか少ない額に資本剰余金配当割合(次条第一号イに掲げる額を法第四百四十六条第六号に掲げる額で除して得た割合をいう。)を乗じて得た額 イ 当該剰余金の配当をする日における準備金計上限度額(基準資本金額から準備金の額を減じて得た額をいう。以下この条において同じ。) ロ 法第四百四十六条第六号に掲げる額に十分の一を乗じて得た額 2 株式会社が剰余金の配当をする場合には、剰余金の配当後の利益準備金の額は、当該剰余金の配当の直前の利益準備金の額に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額を加えて得た額とする。 一 当該剰余金の配当をする日における準備金の額が当該日における基準資本金額以上である場合 零 二 当該剰余金の配当をする日における準備金の額が当該日における基準資本金額未満である場合 イ又はロに掲げる額のうちいずれか少ない額に利益剰余金配当割合(次条第二号イに掲げる額を法第四百四十六条第六号に掲げる額で除して得た割合をいう。)を乗じて得た額 イ 当該剰余金の配当をする日における準備金計上限度額 ロ 法第四百四十六条第六号に掲げる額に十分の一を乗じて得た額 (減少する剰余金の額) 第二十三条 株式会社が剰余金の配当をする場合には、剰余金の配当後の次の各号に掲げる額は、当該剰余金の配当の直前の当該額から、当該各号に定める額を減じて得た額とする。 一 その他資本剰余金の額 次に掲げる額の合計額 イ 法第四百四十六条第六号に掲げる額のうち、株式会社がその他資本剰余金から減ずるべき額と定めた額 ロ 前条第一項第二号に掲げるときは、同号に定める額 二 その他利益剰余金の額 次に掲げる額の合計額 イ 法第四百四十六条第六号に掲げる額のうち、株式会社がその他利益剰余金から減ずるべき額と定めた額 ロ 前条第二項第二号に掲げるときは、同号に定める額 第三款 自己株式 第二十四条 株式会社が当該株式会社の株式を取得する場合には、その取得価額を、増加すべき自己株式の額とする。 2 株式会社が自己株式の処分又は消却をする場合には、その帳簿価額を、減少すべき自己株式の額とする。 3 株式会社が自己株式の消却をする場合には、自己株式の消却後のその他資本剰余金の額は、当該自己株式の消却の直前の当該額から当該消却する自己株式の帳簿価額を減じて得た額とする。 第四款 株式会社の資本金等の額の増減 (資本金の額) 第二十五条 株式会社の資本金の額は、第一款並びに第四節及び第五節の二に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。 一 法第四百四十八条の規定により準備金の額を減少する場合(同条第一項第二号に掲げる事項を定めた場合に限る。) 同号の資本金とする額に相当する額 二 法第四百五十条の規定により剰余金の額を減少する場合 同条第一項第一号の減少する剰余金の額に相当する額 2 株式会社の資本金の額は、法第四百四十七条の規定による場合に限り、同条第一項第一号の額に相当する額が減少するものとする。 この場合において、次に掲げる場合には、資本金の額が減少するものと解してはならない。 一 新株の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 二 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 三 会社の吸収合併、吸収分割、株式交換又は株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合 四 設立時発行株式又は募集株式の引受けに係る意思表示その他の株式の発行又は自己株式の処分に係る意思表示が無効とされ、又は取り消された場合 五 株式交付子会社の株式又は新株予約権等の譲渡しに係る意思表示その他の株式交付に係る意思表示が無効とされ、又は取り消された場合 (資本準備金の額) 第二十六条 株式会社の資本準備金の額は、第一款及び第二款並びに第四節及び第五節の二に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。 一 法第四百四十七条の規定により資本金の額を減少する場合(同条第一項第二号に掲げる事項を定めた場合に限る。) 同号の準備金とする額に相当する額 二 法第四百五十一条の規定により剰余金の額を減少する場合 同条第一項第一号の額(その他資本剰余金に係る額に限る。)に相当する額 2 株式会社の資本準備金の額は、法第四百四十八条の規定による場合に限り、同条第一項第一号の額(資本準備金に係る額に限る。)に相当する額が減少するものとする。 この場合においては、前条第二項後段の規定を準用する。 (その他資本剰余金の額) 第二十七条 株式会社のその他資本剰余金の額は、第一款並びに第四節及び第五節の二に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。 一 法第四百四十七条の規定により資本金の額を減少する場合 同条第一項第一号の額(同項第二号に規定する場合にあっては、当該額から同号の額を減じて得た額)に相当する額 二 法第四百四十八条の規定により準備金の額を減少する場合 同条第一項第一号の額(資本準備金に係る額に限り、同項第二号に規定する場合にあっては、当該額から資本準備金についての同号の額を減じて得た額)に相当する額 三 前二号に掲げるもののほか、その他資本剰余金の額を増加すべき場合 その他資本剰余金の額を増加する額として適切な額 2 株式会社のその他資本剰余金の額は、前三款並びに第四節及び第五節の二に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。 一 法第四百五十条の規定により剰余金の額を減少する場合 同条第一項第一号の額(その他資本剰余金に係る額に限る。)に相当する額 二 法第四百五十一条の規定により剰余金の額を減少する場合 同条第一項第一号の額(その他資本剰余金に係る額に限る。)に相当する額 三 前二号に掲げるもののほか、その他資本剰余金の額を減少すべき場合 その他資本剰余金の額を減少する額として適切な額 3 前項、前三款並びに第四節及び第五節の二の場合において、これらの規定により減少すべきその他資本剰余金の額の全部又は一部を減少させないこととすることが必要かつ適当であるときは、これらの規定にかかわらず、減少させないことが適当な額については、その他資本剰余金の額を減少させないことができる。 (利益準備金の額) 第二十八条 株式会社の利益準備金の額は、第二款及び第四節に定めるところのほか、法第四百五十一条の規定により剰余金の額を減少する場合に限り、同条第一項第一号の額(その他利益剰余金に係る額に限る。)に相当する額が増加するものとする。 2 株式会社の利益準備金の額は、法第四百四十八条の規定による場合に限り、同条第一項第一号の額(利益準備金に係る額に限る。)に相当する額が減少するものとする。 (その他利益剰余金の額) 第二十九条 株式会社のその他利益剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。 一 法第四百四十八条の規定により準備金の額を減少する場合 同条第一項第一号の額(利益準備金に係る額に限り、同項第二号に規定する場合にあっては、当該額から利益準備金についての同号の額を減じて得た額)に相当する額 二 当期純利益金額が生じた場合 当該当期純利益金額 三 前二号に掲げるもののほか、その他利益剰余金の額を増加すべき場合 その他利益剰余金の額を増加する額として適切な額 2 株式会社のその他利益剰余金の額は、次項、前三款並びに第四節及び第五節の二に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。 一 法第四百五十条の規定により剰余金の額を減少する場合 同条第一項第一号の額(その他利益剰余金に係る額に限る。)に相当する額 二 法第四百五十一条の規定により剰余金の額を減少する場合 同条第一項第一号の額(その他利益剰余金に係る額に限る。)に相当する額 三 当期純損失金額が生じた場合 当該当期純損失金額 四 前三号に掲げるもののほか、その他利益剰余金の額を減少すべき場合 その他利益剰余金の額を減少する額として適切な額 3 第二十七条第三項の規定により減少すべきその他資本剰余金の額を減少させない額がある場合には、当該減少させない額に対応する額をその他利益剰余金から減少させるものとする。 第二節 持分会社の社員資本 (資本金の額) 第三十条 持分会社の資本金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額の範囲内で持分会社が資本金の額に計上するものと定めた額が増加するものとする。 一 社員が出資の履行をした場合(履行をした出資に係る次号の債権が資産として計上されていた場合を除く。) イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額の合計額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零) イ 当該社員が履行した出資により持分会社に対し払込み又は給付がされた財産(当該財産がロに規定する財産に該当する場合における当該財産を除く。)の価額 ロ 当該社員が履行した出資により持分会社に対し払込み又は給付がされた財産(当該財産の持分会社における帳簿価額として、当該財産の払込み又は給付をした者における当該払込み又は給付の直前の帳簿価額を付すべき場合における当該財産に限る。)の払込み又は給付をした者における当該払込み又は給付の直前の帳簿価額の合計額 ハ 当該出資の履行の受領に係る費用の額のうち、持分会社が資本金又は資本剰余金から減ずるべき額と定めた額 二 持分会社が社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上することと定めた場合 当該債権の価額 三 持分会社が資本剰余金の額の全部又は一部を資本金の額とするものと定めた場合 当該資本剰余金の額 2 持分会社の資本金の額は、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。 一 持分会社が退社する社員に対して持分の払戻しをする場合(合同会社にあっては、法第六百二十七条の規定による手続をとった場合に限る。) 当該退社する社員の出資につき資本金の額に計上されていた額 二 持分会社が社員に対して出資の払戻しをする場合(合同会社にあっては、法第六百二十七条の規定による手続をとった場合に限る。) 当該出資の払戻しにより払戻しをする出資の価額の範囲内で、資本金の額から減ずるべき額と定めた額(当該社員の出資につき資本金の額に計上されていた額以下の額に限る。) 三 持分会社(合同会社を除く。)が資産として計上している前項第二号の債権を資産として計上しないことと定めた場合 当該債権につき資本金に計上されていた額 四 持分会社(合同会社を除く。)が資本金の額の全部又は一部を資本剰余金の額とするものと定めた場合 当該資本剰余金の額とするものと定めた額に相当する額 五 損失のてん補に充てる場合(合同会社にあっては、法第六百二十七条の規定による手続をとった場合に限る。) 持分会社が資本金の額の範囲内で損失のてん補に充てるものとして定めた額 (資本剰余金の額) 第三十一条 持分会社の資本剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。 一 社員が出資の履行をした場合(履行をした出資に係る次号の債権が資産として計上されていた場合を除く。) イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額 イ 前条第一項第一号イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額 ロ 当該出資の履行に際して資本金の額に計上した額 二 持分会社が社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上することと定めた場合 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額 イ 前条第一項第二号に定める額 ロ 当該決定に際して資本金の額に計上した額 三 持分会社(合同会社を除く。)が資本金の額の全部又は一部を資本剰余金の額とするものと定めた場合 当該資本剰余金の額とするものと定めた額 四 損失のてん補に充てる場合(合同会社にあっては、法第六百二十七条の規定による手続をとった場合に限る。) 持分会社が資本金の額の範囲内で損失のてん補に充てるものとして定めた額 五 前各号に掲げるもののほか、資本剰余金の額を増加させることが適切な場合 適切な額 2 持分会社の資本剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。 ただし、利益の配当により払い戻した財産の帳簿価額に相当する額は、資本剰余金の額からは控除しないものとする。 一 持分会社が退社する社員に対して持分の払戻しをする場合 当該退社する社員の出資につき資本剰余金の額に計上されていた額 二 持分会社が社員に対して出資の払戻しをする場合 当該出資の払戻しにより払戻しをする出資の価額から当該出資の払戻しをする場合において前条第二項の規定により資本金の額を減少する額を減じて得た額 三 持分会社(合同会社を除く。)が資産として計上している前項第二号の債権を資産として計上しないことと定めた場合 当該債権につき資本剰余金に計上されていた額 四 持分会社が資本剰余金の額の全部又は一部を資本金の額とするものと定めた場合 当該資本金の額とするものと定めた額に相当する額 五 合同会社が第九条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により資産として計上している前項第二号の債権を資産として計上しないことと定めたものとみなされる場合 当該債権につき資本金及び資本剰余金に計上されていた額 六 前各号に掲げるもののほか、資本剰余金の額を減少させることが適切な場合 適切な額 (利益剰余金の額) 第三十二条 持分会社の利益剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。 一 当期純利益金額が生じた場合 当該当期純利益金額 二 持分会社が退社する社員に対して持分の払戻しをする場合 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額(零未満である場合には、零) イ 当該持分の払戻しを受けた社員の出資につき資本金及び資本剰余金の額に計上されていた額の合計額 ロ 当該持分の払戻しにより払い戻した財産の帳簿価額 三 前二号に掲げるもののほか、利益剰余金の額を増加させることが適切な場合 適切な額 2 持分会社の利益剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。 ただし、出資の払戻しにより払い戻した財産の帳簿価額に相当する額は、利益剰余金の額からは控除しないものとする。 一 当期純損失金額が生じた場合 当該当期純損失金額 二 持分会社が退社する社員に対して持分の払戻しをする場合 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額(零未満である場合には、零) イ 当該持分の払戻しにより払い戻した財産の帳簿価額 ロ 当該持分の払戻しを受けた社員の出資につき資本金及び資本剰余金の額に計上されていた額の合計額 三 社員が出資の履行をする場合(第三十条第一項第一号イ及びロに掲げる額の合計額が零未満である場合に限る。) 当該合計額 四 前三号に掲げるもののほか、利益剰余金の額を減少させることが適切な場合 適切な額 第三節 組織変更に際しての株主資本及び社員資本 (組織変更後持分会社の社員資本) 第三十三条 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更後持分会社の次の各号に掲げる額は、当該各号に定める額とする。 一 資本金の額 組織変更の直前の株式会社の資本金の額 二 資本剰余金の額 イに掲げる額からロ及びハに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 組織変更の直前の株式会社の資本準備金の額及びその他資本剰余金の額の合計額 ロ 組織変更をする株式会社が有する自己株式の帳簿価額 ハ 組織変更をする株式会社の株主に対して交付する組織変更後持分会社の持分以外の財産の帳簿価額(組織変更後持分会社の社債(自己社債を除く。次号ロにおいて同じ。)にあっては、当該社債に付すべき帳簿価額)のうち、株式会社が資本剰余金の額から減ずるべき額と定めた額 三 利益剰余金の額 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額 イ 組織変更の直前の株式会社の利益準備金の額及びその他利益剰余金の額の合計額 ロ 組織変更をする株式会社の株主に対して交付する組織変更後持分会社の持分以外の財産の帳簿価額(組織変更後持分会社の社債にあっては、当該社債に付すべき帳簿価額)のうち、株式会社が利益剰余金の額から減ずるべき額と定めた額 (組織変更後株式会社の株主資本) 第三十四条 持分会社が組織変更をする場合には、組織変更後株式会社の次の各号に掲げる額は、当該各号に定める額とする。 一 資本金の額 組織変更の直前の持分会社の資本金の額 二 資本準備金の額 零 三 その他資本剰余金の額 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額 イ 組織変更の直前の持分会社の資本剰余金の額 ロ 組織変更をする持分会社の社員に対して交付する組織変更後株式会社の株式以外の財産の帳簿価額(組織変更後株式会社の社債等(自己社債を除く。第五号ロにおいて同じ。)にあっては、当該社債等に付すべき帳簿価額)のうち、組織変更をする持分会社が資本剰余金の額から減ずるべき額と定めた額 四 利益準備金の額 零 五 その他利益剰余金の額 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額 イ 組織変更の直前の持分会社の利益剰余金の額 ロ 組織変更をする持分会社の社員に対して交付する組織変更後株式会社の株式以外の財産の帳簿価額(組織変更後株式会社の社債等にあっては、当該社債等に付すべき帳簿価額)のうち、組織変更をする持分会社がその他利益剰余金の額から減ずるべき額と定めた額 第四節 吸収合併、吸収分割、株式交換及び株式交付に際しての株主資本及び社員資本 第一款 吸収合併 (吸収型再編対価の全部又は一部が吸収合併存続会社の株式又は持分である場合における吸収合併存続会社の株主資本等の変動額) 第三十五条 吸収型再編対価の全部又は一部が吸収合併存続会社の株式又は持分である場合には、吸収合併存続会社において変動する株主資本等の総額(次項において「株主資本等変動額」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法に従い定まる額とする。 一 当該吸収合併が支配取得に該当する場合(吸収合併消滅会社による支配取得に該当する場合を除く。) 吸収型再編対価時価又は吸収型再編対象財産の時価を基礎として算定する方法 二 吸収合併存続会社と吸収合併消滅会社が共通支配下関係にある場合 吸収型再編対象財産の吸収合併の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(前号に定める方法によるべき部分にあっては、当該方法) 三 前二号に掲げる場合以外の場合 前号に定める方法 2 前項の場合には、吸収合併存続会社の資本金及び資本剰余金の増加額は、株主資本等変動額の範囲内で、吸収合併存続会社が吸収合併契約の定めに従いそれぞれ定めた額とし、利益剰余金の額は変動しないものとする。 ただし、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額のうち、対価自己株式の処分により生ずる差損の額をその他資本剰余金(当該吸収合併存続会社が持分会社の場合にあっては、資本剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、その余の額をその他利益剰余金(当該吸収合併存続会社が持分会社の場合にあっては、利益剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、資本金、資本準備金及び利益準備金の額は変動しないものとする。 (株主資本等を引き継ぐ場合における吸収合併存続会社の株主資本等の変動額) 第三十六条 前条の規定にかかわらず、吸収型再編対価の全部が吸収合併存続会社の株式又は持分である場合であって、吸収合併消滅会社における吸収合併の直前の株主資本等を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、吸収合併の直前の吸収合併消滅会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額をそれぞれ当該吸収合併存続会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の変動額とすることができる。 ただし、対価自己株式又は先行取得分株式等がある場合にあっては、当該対価自己株式又は当該先行取得分株式等の帳簿価額を吸収合併の直前の吸収合併消滅会社のその他資本剰余金の額から減じて得た額を吸収合併存続会社のその他資本剰余金の変動額とする。 2 吸収型再編対価が存しない場合であって、吸収合併消滅会社における吸収合併の直前の株主資本等を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、吸収合併の直前の吸収合併消滅会社の資本金及び資本剰余金の合計額を当該吸収合併存続会社のその他資本剰余金の変動額とし、吸収合併の直前の利益剰余金の額を当該吸収合併存続会社のその他利益剰余金の変動額とすることができる。 ただし、先行取得分株式等がある場合にあっては、当該先行取得分株式等の帳簿価額を吸収合併の直前の吸収合併消滅会社の資本金及び資本剰余金の合計額から減じて得た額を吸収合併存続会社のその他資本剰余金の変動額とする。 第二款 吸収分割 (吸収型再編対価の全部又は一部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額) 第三十七条 吸収型再編対価の全部又は一部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合には、吸収分割承継会社において変動する株主資本等の総額(次項において「株主資本等変動額」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法に従い定まる額とする。 一 当該吸収分割が支配取得に該当する場合(吸収分割会社による支配取得に該当する場合を除く。) 吸収型再編対価時価又は吸収型再編対象財産の時価を基礎として算定する方法 二 前号に掲げる場合以外の場合であって、吸収型再編対象財産に時価を付すべきとき 前号に定める方法 三 吸収分割承継会社と吸収分割会社が共通支配下関係にある場合(前号に掲げる場合を除く。) 吸収型再編対象財産の吸収分割の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(第一号に定める方法によるべき部分にあっては、当該方法) 四 前三号に掲げる場合以外の場合 前号に定める方法 2 前項の場合には、吸収分割承継会社の資本金及び資本剰余金の増加額は、株主資本等変動額の範囲内で、吸収分割承継会社が吸収分割契約の定めに従いそれぞれ定めた額とし、利益剰余金の額は変動しないものとする。 ただし、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額のうち、対価自己株式の処分により生ずる差損の額をその他資本剰余金(当該吸収分割承継会社が持分会社の場合にあっては、資本剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、その余の額をその他利益剰余金(当該吸収分割承継会社が持分会社の場合にあっては、利益剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、資本金、資本準備金及び利益準備金の額は変動しないものとする。 (株主資本等を引き継ぐ場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額) 第三十八条 前条の規定にかかわらず、分割型吸収分割における吸収型再編対価の全部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合であって、吸収分割会社における吸収分割の直前の株主資本等の全部又は一部を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、分割型吸収分割により変動する吸収分割会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額をそれぞれ当該吸収分割承継会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の変動額とすることができる。 ただし、対価自己株式がある場合にあっては、当該対価自己株式の帳簿価額を吸収分割により変動する吸収分割会社のその他資本剰余金の額から減じて得た額を吸収分割承継会社のその他資本剰余金の変動額とする。 2 吸収型再編対価が存しない場合であって、吸収分割会社における吸収分割の直前の株主資本等の全部又は一部を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、吸収分割により変動する吸収分割会社の資本金及び資本剰余金の合計額を当該吸収分割承継会社のその他資本剰余金の変動額とし、吸収分割により変動する吸収分割会社の利益剰余金の額を当該吸収分割承継会社のその他利益剰余金の変動額とすることができる。 3 前二項の場合の吸収分割会社における吸収分割に際しての資本金、資本剰余金又は利益剰余金の額の変更に関しては、法第二編第五章第三節第二款の規定その他の法の規定に従うものとする。 第三款 株式交換 第三十九条 吸収型再編対価の全部又は一部が株式交換完全親会社の株式又は持分である場合には、株式交換完全親会社において変動する株主資本等の総額(以下この条において「株主資本等変動額」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法に従い定まる額とする。 一 当該株式交換が支配取得に該当する場合(株式交換完全子会社による支配取得に該当する場合を除く。) 吸収型再編対価時価又は株式交換完全子会社の株式の時価を基礎として算定する方法 二 株式交換完全親会社と株式交換完全子会社が共通支配下関係にある場合 株式交換完全子会社の財産の株式交換の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(前号に定める方法によるべき部分にあっては、当該方法) 三 前二号に掲げる場合以外の場合 前号に定める方法 2 前項の場合には、株式交換完全親会社の資本金及び資本剰余金の増加額は、株主資本等変動額の範囲内で、株式交換完全親会社が株式交換契約の定めに従い定めた額とし、利益剰余金の額は変動しないものとする。 ただし、法第七百九十九条(法第八百二条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による手続をとっている場合以外の場合にあっては、株式交換完全親会社の資本金及び資本準備金の増加額は、株主資本等変動額に対価自己株式の帳簿価額を加えて得た額に株式発行割合(当該株式交換に際して発行する株式の数を当該株式の数及び対価自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。)を乗じて得た額から株主資本等変動額まで(株主資本等変動額に対価自己株式の帳簿価額を加えて得た額に株式発行割合を乗じて得た額が株主資本等変動額を上回る場合にあっては、株主資本等変動額)の範囲内で、株式交換完全親会社が株式交換契約の定めに従いそれぞれ定めた額(株式交換完全親会社が持分会社である場合にあっては、株主資本等変動額)とし、当該額の合計額を株主資本等変動額から減じて得た額をその他資本剰余金の変動額とする。 3 前項の規定にかかわらず、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額のうち、対価自己株式の処分により生ずる差損の額をその他資本剰余金(当該株式交換完全親会社が持分会社の場合にあっては、資本剰余金)の減少額とし、その余の額をその他利益剰余金(当該株式交換完全親会社が持分会社の場合にあっては、利益剰余金)の減少額とし、資本金、資本準備金及び利益準備金の額は変動しないものとする。 第四款 株式交付 第三十九条の二 株式交付に際し、株式交付親会社において変動する株主資本等の総額(以下この条において「株主資本等変動額」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法に従い定まる額とする。 一 当該株式交付が支配取得に該当する場合(株式交付子会社による支配取得に該当する場合を除く。) 吸収型再編対価時価又は株式交付子会社の株式及び新株予約権等の時価を基礎として算定する方法 二 株式交付親会社と株式交付子会社が共通支配下関係にある場合 株式交付子会社の財産の株式交付の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(前号に定める方法によるべき部分にあっては、当該方法) 三 前二号に掲げる場合以外の場合 前号に定める方法 2 前項の場合には、株式交付親会社の資本金及び資本剰余金の増加額は、株主資本等変動額の範囲内で、株式交付親会社が株式交付計画の定めに従い定めた額とし、利益剰余金の額は変動しないものとする。 ただし、法第八百十六条の八の規定による手続をとっている場合以外の場合にあっては、株式交付親会社の資本金及び資本準備金の増加額は、株主資本等変動額に対価自己株式の帳簿価額を加えて得た額に株式発行割合(当該株式交付に際して発行する株式の数を当該株式の数及び対価自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。)を乗じて得た額から株主資本等変動額まで(株主資本等変動額に対価自己株式の帳簿価額を加えて得た額に株式発行割合を乗じて得た額が株主資本等変動額を上回る場合にあっては、株主資本等変動額)の範囲内で、株式交付親会社が株式交付計画の定めに従いそれぞれ定めた額とし、当該額の合計額を株主資本等変動額から減じて得た額をその他資本剰余金の変動額とする。 3 前項の規定にかかわらず、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額のうち、対価自己株式の処分により生ずる差損の額をその他資本剰余金の減少額とし、その余の額をその他利益剰余金の減少額とし、資本金、資本準備金及び利益準備金の額は変動しないものとする。 第五節 吸収分割会社等の自己株式の処分 (吸収分割会社の自己株式の処分) 第四十条 吸収分割により吸収分割会社(株式会社に限る。)が自己株式を吸収分割承継会社に承継させる場合には、当該吸収分割後の吸収分割会社のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 吸収分割の直前の吸収分割会社のその他資本剰余金の額 二 吸収分割会社が交付を受ける吸収型再編対価に付すべき帳簿価額のうち、次号の自己株式の対価となるべき部分に係る額 三 吸収分割承継会社に承継させる自己株式の帳簿価額 2 前項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第二号に掲げる額とする。 (株式交換完全子会社の自己株式の処分) 第四十一条 株式交換完全子会社が株式交換に際して自己株式を株式交換完全親会社に取得される場合には、当該株式交換後の株式交換完全子会社のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 株式交換の直前の株式交換完全子会社のその他資本剰余金の額 二 株式交換完全子会社が交付を受ける吸収型再編対価に付すべき帳簿価額 三 株式交換完全親会社に取得させる自己株式の帳簿価額 2 前項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第二号に掲げる額とする。 (株式移転完全子会社の自己株式の処分) 第四十二条 株式移転完全子会社が株式移転に際して自己株式を株式移転設立完全親会社に取得される場合には、当該株式移転後の株式移転完全子会社のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 株式移転の直前の株式移転完全子会社のその他資本剰余金の額 二 株式移転完全子会社が交付を受ける新設型再編対価に付すべき帳簿価額のうち、次号の自己株式の対価となるべき部分に係る額 三 株式移転設立完全親会社に取得させる自己株式の帳簿価額 2 前項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第二号に掲げる額とする。 第五節の二 取締役等の報酬等として株式を交付する場合の株主資本 (取締役等が株式会社に対し割当日後にその職務の執行として募集株式を対価とする役務を提供する場合における株主資本の変動額) 第四十二条の二 法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により募集株式を引き受ける者の募集を行う場合において、当該募集株式を引き受ける取締役又は執行役(以下この節及び第五十四条の二において「取締役等」という。)が株式会社に対し当該募集株式に係る割当日(法第二百二条の二第一項第二号に規定する割当日をいう。以下この節及び第五十四条の二において同じ。)後にその職務の執行として当該募集株式を対価とする役務を提供するときは、当該募集に係る株式の発行により各事業年度の末日(臨時計算書類を作成しようとし、又は作成した場合にあっては、臨時決算日。以下この項及び第五項において「株主資本変動日」という。)において増加する資本金の額は、この省令に別段の定めがある場合を除き、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合(当該募集に際して発行する株式の数を当該募集に際して発行する株式の数及び処分する自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額(零未満である場合にあっては、零。以下この条において「資本金等増加限度額」という。)とする。 一 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零) イ 取締役等が当該株主資本変動日までにその職務の執行として当該株式会社に提供した役務(当該募集株式を対価とするものに限る。ロにおいて同じ。)の公正な評価額 ロ 取締役等が当該株主資本変動日の直前の株主資本変動日までにその職務の執行として当該株式会社に提供した役務の公正な評価額 二 法第百九十九条第一項第五号に掲げる事項として募集株式の交付に係る費用の額のうち、株式会社が資本金等増加限度額から減ずるべき額と定めた額 2 資本金等増加限度額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により募集株式を引き受ける者の募集を行う場合において、取締役等が株式会社に対し当該募集株式に係る割当日後にその職務の執行として当該募集株式を対価とする役務を提供するときは、当該割当日において、当該募集に際して処分する自己株式の帳簿価額をその他資本剰余金の額から減ずるものとする。 5 法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により募集株式を引き受ける者の募集を行う場合において、取締役等が株式会社に対し当該募集株式に係る割当日後にその職務の執行として当該募集株式を対価とする役務を提供するときは、各株主資本変動日において変動する次の各号に掲げる額は、当該各号に定める額とする。 一 その他資本剰余金の額 第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合(一から株式発行割合を減じて得た割合をいう。)を乗じて得た額 二 その他利益剰余金の額 第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合における当該額に株式発行割合を乗じて得た額 6 法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により募集株式を引き受ける者の募集を行う場合において、取締役等が株式会社に対し当該募集株式に係る割当日後にその職務の執行として当該募集株式を対価とする役務を提供するときは、自己株式対価額は、零とする。 7 第二十四条第一項の規定にかかわらず、当該株式会社が法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による募集に際して自己株式の処分により取締役等に対して当該株式会社の株式を交付した場合において、当該取締役等が当該株式の割当てを受けた際に約したところに従って当該株式を当該株式会社に無償で譲り渡し、当該株式会社がこれを取得するときは、当該自己株式の処分に際して減少した自己株式の額を、増加すべき自己株式の額とする。 (取締役等が株式会社に対し割当日前にその職務の執行として募集株式を対価とする役務を提供する場合における株主資本の変動額) 第四十二条の三 法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により募集株式を引き受ける者の募集を行う場合において、取締役等が株式会社に対し当該募集株式に係る割当日前にその職務の執行として当該募集株式を対価とする役務を提供するときは、当該募集に係る株式の発行により増加する資本金の額は、この省令に別段の定めがある場合を除き、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合(当該募集に際して発行する株式の数を当該募集に際して発行する株式の数及び処分する自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額(零未満である場合にあっては、零。以下この条において「資本金等増加限度額」という。)とする。 一 第五十四条の二第二項の規定により減少する株式引受権の額 二 法第百九十九条第一項第五号に掲げる事項として募集株式の交付に係る費用の額のうち、株式会社が資本金等増加限度額から減ずるべき額と定めた額 2 資本金等増加限度額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。 3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。 4 法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により募集株式を引き受ける者の募集を行う場合において、取締役等が株式会社に対し当該募集株式に係る割当日前にその職務の執行として当該募集株式を対価とする役務を提供するときは、当該行為後の次の各号に掲げる額は、当該行為の直前の当該額に、当該各号に定める額を加えて得た額とする。 一 その他資本剰余金の額 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額 イ 第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合(一から株式発行割合を減じて得た割合をいう。第五項において同じ。)を乗じて得た額 ロ 当該募集に際して処分する自己株式の帳簿価額 二 その他利益剰余金の額 第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合における当該額に株式発行割合を乗じて得た額 5 法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により募集株式を引き受ける者の募集を行う場合において、取締役等が株式会社に対し当該募集株式に係る割当日前にその職務の執行として当該募集株式を対価とする役務を提供するときは、自己株式対価額は、第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額とする。 第六節 設立時の株主資本及び社員資本 第一款 通常の設立 (株式会社の設立時の株主資本) 第四十三条 法第二十五条第一項各号に掲げる方法により株式会社を設立する場合における株式会社の設立時に行う株式の発行に係る法第四百四十五条第一項に規定する株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。 一 法第三十四条第一項又は第六十三条第一項の規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額) イ 外国の通貨をもって金銭の払込みを受けた場合(ロに掲げる場合を除く。) 当該外国の通貨につき払込みがあった日の為替相場に基づき算出された金額 ロ 当該払込みを受けた金銭の額(イに定める額を含む。)により資本金又は資本準備金の額として計上すべき額を計算することが適切でない場合 当該金銭の当該払込みをした者における当該払込みの直前の帳簿価額 二 法第三十四条第一項の規定により金銭以外の財産(以下この条において「現物出資財産」という。)の給付を受けた場合にあっては、当該現物出資財産の給付があった日における価額(次のイ又はロに掲げる場合における現物出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額) イ 当該株式会社と当該現物出資財産の給付をした者が共通支配下関係となる場合(当該現物出資財産に時価を付すべき場合を除く。) 当該現物出資財産の当該給付をした者における当該給付の直前の帳簿価額 ロ イに掲げる場合以外の場合であって、当該給付を受けた現物出資財産の価額により資本金又は資本準備金の額として計上すべき額を計算することが適切でないとき イに定める帳簿価額 三 法第三十二条第一項第三号に掲げる事項として、設立に要した費用の額のうち設立に際して資本金又は資本準備金の額として計上すべき額から減ずるべき額と定めた額 2 設立(法第二十五条第一項各号に掲げる方法によるものに限る。以下この条において同じ。)時の株式会社のその他資本剰余金の額は、零とする。 3 設立時の株式会社の利益準備金の額は、零とする。 4 設立時の株式会社のその他利益剰余金の額は、零(第一項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合にあっては、当該額)とする。 5 第一項第二号の規定の適用については、現物出資財産について定款に定めた額と、当該現物出資財産の帳簿価額(当該出資に係る資本金及び資本準備金の額を含む。)とが同一の額でなければならないと解してはならない。 (持分会社の設立時の社員資本) 第四十四条 持分会社の設立(新設合併及び新設分割による設立を除く。以下この条において同じ。)時の資本金の額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)の範囲内で、社員になろうとする者が定めた額(零以上の額に限る。)とする。 一 設立に際して出資の履行として持分会社が払込み又は給付を受けた財産(以下この条において「出資財産」という。)の出資時における価額(次のイ又はロに掲げる場合における出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額) イ 当該持分会社と当該出資財産の給付をした者が共通支配下関係となる場合(当該出資財産に時価を付すべき場合を除く。) 当該出資財産の当該払込み又は給付をした者における当該払込み又は給付の直前の帳簿価額 ロ イに掲げる場合以外の場合であって、当該給付を受けた出資財産の価額により資本金又は資本剰余金の額として計上すべき額を計算することが適切でないとき イに定める帳簿価額 二 設立時の社員になろうとする者が設立に要した費用のうち、設立に際して資本金又は資本剰余金の額として計上すべき額から減ずるべき額と定めた額 2 持分会社の設立時の資本剰余金の額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 出資財産の価額 二 設立時の資本金の額 3 持分会社の設立時の利益剰余金の額は、零(第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合にあっては、当該額)とする。 第二款 新設合併 (支配取得に該当する場合における新設合併設立会社の株主資本等) 第四十五条 新設合併が支配取得に該当する場合には、新設合併設立会社の設立時の株主資本等の総額は、次の各号に掲げる部分の区分に応じ、当該各号に定める額の合計額(次項において「株主資本等変動額」という。)とする。 一 新設合併取得会社に係る部分 当該新設合併取得会社の財産の新設合併の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法に従い定まる額 二 新設合併取得会社以外の新設合併消滅会社に係る部分 当該新設合併消滅会社の株主等に交付される新設型再編対価時価又は新設型再編対象財産の時価を基礎として算定する方法に従い定まる額 2 前項の場合には、当該新設合併設立会社の設立時の資本金及び資本剰余金の額は、株主資本等変動額の範囲内で、新設合併消滅会社が新設合併契約の定めに従いそれぞれ定めた額とし、利益剰余金の額は零とする。 ただし、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該額を設立時のその他利益剰余金(当該新設合併設立会社が持分会社の場合にあっては、利益剰余金。第四十七条第二項において同じ。)の額とし、資本金、資本剰余金及び利益準備金の額は零とする。 3 前二項の規定にかかわらず、第一項の場合であって、新設合併取得会社の株主等に交付する新設型再編対価の全部が新設合併設立会社の株式又は持分であるときは、新設合併設立会社の設立時の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額は、次の各号に掲げる部分の区分に応じ、当該各号に定める規定を準用してそれぞれ算定される額の合計額とすることができる。 一 新設合併取得会社に係る部分 第四十七条 二 新設合併取得会社以外の新設合併消滅会社に係る部分 第一項(同項第一号に係る部分を除く。)及び前項 (共通支配下関係にある場合における新設合併設立会社の株主資本等) 第四十六条 新設合併消滅会社の全部が共通支配下関係にある場合には、新設合併設立会社の設立時の株主資本等の総額は、新設型再編対象財産の新設合併の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(前条第一項第二号に規定する方法によるべき部分にあっては、当該方法)に従い定まる額とする。 2 前項の場合には、新設合併設立会社の設立時の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額は、次の各号に掲げる部分の区分に応じ、当該各号に定める規定を準用してそれぞれ算定される額の合計額とする。 一 株主資本承継消滅会社に係る部分 次条第一項 二 非株主資本承継消滅会社に係る部分 前条第二項 (株主資本等を引き継ぐ場合における新設合併設立会社の株主資本等) 第四十七条 前条第一項の場合であって、新設型再編対価の全部が新設合併設立会社の株式又は持分であり、かつ、新設合併消滅会社における新設合併の直前の株主資本等を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、新設合併の直前の各新設合併消滅会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額の各合計額をそれぞれ当該新設合併設立会社の設立時の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額とすることができる。 ただし、先行取得分株式等がある場合にあっては、当該先行取得分株式等の帳簿価額を新設合併の直前の各新設合併消滅会社のその他資本剰余金(当該新設合併設立会社が持分会社の場合にあっては、資本剰余金。以下この条において同じ。)の合計額から減じて得た額を新設合併設立会社の設立時のその他資本剰余金の額とする。 2 前項の規定にかかわらず、同項の場合であって、非対価交付消滅会社があるときには、当該非対価交付消滅会社の資本金及び資本剰余金の合計額を当該非対価交付消滅会社のその他資本剰余金の額とみなし、当該非対価交付消滅会社の利益剰余金の額を当該非対価交付消滅会社のその他利益剰余金の額とみなして、同項の規定を適用する。 (その他の場合における新設合併設立会社の株主資本等) 第四十八条 第四十五条第一項及び第四十六条第一項に規定する場合以外の場合には、新設合併設立会社の設立時の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額は、同条及び前条の定めるところにより計算する。 第三款 新設分割 (単独新設分割の場合における新設分割設立会社の株主資本等) 第四十九条 新設分割設立会社(二以上の会社が新設分割する場合における新設分割設立会社を除く。以下この条及び次条において同じ。)の設立時における株主資本等の総額は、新設型再編対象財産の新設分割会社における新設分割の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(当該新設型再編対象財産に時価を付すべき場合にあっては、新設型再編対価時価又は新設型再編対象財産の時価を基礎として算定する方法)に従い定まる額(次項において「株主資本等変動額」という。)とする。 2 前項の場合には、新設分割設立会社の資本金及び資本剰余金の額は、株主資本等変動額の範囲内で、新設分割会社が新設分割計画の定めに従いそれぞれ定めた額とし、利益剰余金の額は零とする。 ただし、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額をその他利益剰余金(新設分割設立会社が持分会社である場合にあっては、利益剰余金)の額とし、資本金、資本剰余金及び利益準備金の額は零とする。 (株主資本等を引き継ぐ場合における新設分割設立会社の株主資本等) 第五十条 前条の規定にかかわらず、分割型新設分割の新設型再編対価の全部が新設分割設立会社の株式又は持分である場合であって、新設分割会社における新設分割の直前の株主資本等の全部又は一部を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、分割型新設分割により変動する新設分割会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額をそれぞれ新設分割設立会社の設立時の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額とすることができる。 2 前項の場合の新設分割会社における新設分割に際しての資本金、資本剰余金又は利益剰余金の額の変更に関しては、法第二編第五章第三節第二款の規定その他の法の規定に従うものとする。 (共同新設分割の場合における新設分割設立会社の株主資本等) 第五十一条 二以上の会社が新設分割をする場合には、次に掲げるところに従い、新設分割設立会社の株主資本又は社員資本を計算するものとする。 一 仮に各新設分割会社が他の新設分割会社と共同しないで新設分割を行うことによって会社を設立するものとみなして、当該会社(以下この条において「仮会社」という。)の計算を行う。 二 各仮会社が新設合併をすることにより設立される会社が新設分割設立会社となるものとみなして、当該新設分割設立会社の計算を行う。 第四款 株式移転 第五十二条 株式移転設立完全親会社の設立時における株主資本の総額は、次の各号に掲げる部分の区分に応じ、当該各号に定める額の合計額(次項において「株主資本変動額」という。)とする。 一 当該株式移転が株式移転完全子会社による支配取得に該当する場合における他の株式移転完全子会社に係る部分 当該他の株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設型再編対価時価又は当該他の株式移転完全子会社の株式の時価を基礎として算定する方法に従い定まる額 二 株式移転完全子会社の全部が共通支配下関係にある場合における当該株式移転完全子会社に係る部分 当該株式移転完全子会社における財産の帳簿価額を基礎として算定する方法(前号に規定する方法によるべき部分にあっては、当該方法)に従い定まる額 三 前二号に掲げる部分以外の部分 前号に規定する方法に従い定まる額 2 前項の場合には、当該株式移転設立完全親会社の設立時の資本金及び資本剰余金の額は、株主資本変動額の範囲内で、株式移転完全子会社が株式移転計画の定めに従い定めた額とし、利益剰余金の額は零とする。 ただし、株主資本変動額が零未満の場合にあっては、当該額を設立時のその他利益剰余金の額とし、資本金、資本剰余金及び利益準備金の額は零とする。 第七節 評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額 (評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額) 第五十三条 次に掲げるものその他資産、負債又は株主資本若しくは社員資本以外のものであっても、純資産の部の項目として計上することが適当であると認められるものは、純資産として計上することができる。 一 資産又は負債(デリバティブ取引により生じる正味の資産又は負債を含む。以下この条において同じ。)につき時価を付すものとする場合における当該資産又は負債の評価差額(利益又は損失に計上するもの並びに次号及び第三号に掲げる評価差額を除く。) 二 ヘッジ会計を適用する場合におけるヘッジ手段に係る損益又は評価差額 三 土地の再評価に関する法律(平成十年法律第三十四号)第七条第一項に規定する再評価差額 (土地再評価差額金を計上している会社を当事者とする組織再編行為等における特則) 第五十四条 吸収合併若しくは吸収分割又は新設合併若しくは新設分割(以下この項において「合併分割」という。)に際して前条第三号に掲げる再評価差額を計上している土地が吸収型再編対象財産又は新設型再編対象財産(以下この項において「対象財産」という。)に含まれる場合において、当該対象財産につき吸収合併存続会社、吸収分割承継会社、新設合併設立会社又は新設分割設立会社が付すべき帳簿価額を当該合併分割の直前の帳簿価額とすべきときは、当該土地に係る土地の再評価に関する法律の規定による再評価前の帳簿価額を当該土地の帳簿価額とみなして、当該合併分割に係る株主資本等の計算に関する規定を適用する。 2 株式交換、株式交付又は株式移転(以下この項において「交換交付移転」という。)に際して前条第三号に掲げる再評価差額を計上している土地が株式交換完全子会社、株式交付子会社又は株式移転完全子会社(以下この項において「交換交付移転子会社」という。)の資産に含まれる場合において、当該交換交付移転子会社の株式につき株式交換完全親会社、株式交付親会社又は株式移転設立完全親会社が付すべき帳簿価額を算定の基礎となる交換交付移転子会社の財産の帳簿価額を評価すべき日における当該交換交付移転子会社の資産(自己新株予約権を含む。)に係る帳簿価額から負債(新株予約権に係る義務を含む。)に係る帳簿価額を減じて得た額をもって算定すべきときは、当該土地に係る土地の再評価に関する法律の規定による再評価前の帳簿価額を当該土地の帳簿価額とみなして、当該交換交付移転に係る株主資本等の計算に関する規定を適用する。 3 事業の譲渡若しくは譲受け又は金銭以外の財産と引換えにする株式又は持分の交付(以下この項において「現物出資等」という。)に際して前条第三号に掲げる再評価差額を計上している土地が現物出資等の対象となる財産(以下この項において「対象財産」という。)に含まれている場合において、当該対象財産につき当該対象財産を取得する者が付すべき帳簿価額を当該現物出資等の直前の帳簿価額とすべきときは、当該土地に係る土地の再評価に関する法律の規定による再評価前の帳簿価額を当該土地の帳簿価額とみなして、当該現物出資等に係る株主資本等の計算に関する規定を適用する。 第七節の二 株式引受権 第五十四条の二 取締役等が株式会社に対し法第二百二条の二第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の募集株式に係る割当日前にその職務の執行として当該募集株式を対価とする役務を提供した場合には、当該役務の公正な評価額を、増加すべき株式引受権の額とする。 2 株式会社が前項の取締役等に対して同項の募集株式を割り当てる場合には、当該募集株式に係る割当日における同項の役務に対応する株式引受権の帳簿価額を、減少すべき株式引受権の額とする。 第八節 新株予約権 第五十五条 株式会社が新株予約権を発行する場合には、当該新株予約権と引換えにされた金銭の払込みの金額、金銭以外の財産の給付の額又は当該株式会社に対する債権をもってされた相殺の額その他適切な価格を、増加すべき新株予約権の額とする。 2 前項に規定する「株式会社が新株予約権を発行する場合」とは、次に掲げる場合において新株予約権を発行する場合をいう。 一 法第二編第三章第二節の定めるところにより募集新株予約権を引き受ける者の募集を行う場合 二 取得請求権付株式(法第百七条第二項第二号ハ又はニに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得をする場合 三 取得条項付株式(法第百七条第二項第三号ホ又はヘに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得をする場合 四 全部取得条項付種類株式(当該全部取得条項付種類株式を取得するに際して法第百七十一条第一項第一号ハ又はニに掲げる事項についての定めをした場合における当該全部取得条項付種類株式に限る。)の取得をする場合 五 新株予約権無償割当てをする場合 六 取得条項付新株予約権(法第二百三十六条第一項第七号ヘ又はトに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得をする場合 七 吸収合併後当該株式会社が存続する場合 八 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継をする場合 九 株式交換による他の株式会社の発行済株式の全部の取得をする場合 十 株式交付に際して他の株式会社の株式又は新株予約権等の譲受けをする場合 3 新設合併、新設分割又は株式移転により設立された株式会社が設立に際して新株予約権を発行する場合には、当該新株予約権についての適切な価格を設立時の新株予約権の額とする。 4 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める額を、減少すべき新株予約権の額とする。 一 株式会社が自己新株予約権の消却をする場合 当該自己新株予約権に対応する新株予約権の帳簿価額 二 新株予約権の行使又は消滅があった場合 当該新株予約権の帳簿価額 5 株式会社が当該株式会社の新株予約権を取得する場合には、その取得価額を、増加すべき自己新株予約権の額とする。 6 次の各号に掲げる自己新株予約権(当該新株予約権の帳簿価額を超える価額で取得するものに限る。)については、当該各号に定める価格を付さなければならない。 一 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い自己新株予約権(次号に掲げる自己新株予約権を除く。) イ又はロに掲げる額のうちいずれか高い額 イ 当該事業年度の末日における時価 ロ 当該自己新株予約権に対応する新株予約権の帳簿価額 二 処分しないものと認められる自己新株予約権 当該自己新株予約権に対応する新株予約権の帳簿価額 7 株式会社が自己新株予約権の処分若しくは消却をする場合又は自己新株予約権の消滅があった場合には、その帳簿価額を、減少すべき自己新株予約権の額とする。 8 第一項及び第三項から前項までの規定は、株式等交付請求権(株式引受権及び新株予約権以外の権利であって、当該株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。以下この条において同じ。)について準用する。 9 募集株式を引き受ける者の募集に際して発行する株式又は処分する自己株式が株式等交付請求権の行使によって発行する株式又は処分する自己株式であるときにおける第十四条第一項の規定の適用については、同項中「第一号及び第二号に掲げる額の合計額」とあるのは、「第一号及び第二号に掲げる額の合計額並びに第五十五条第八項に規定する株式等交付請求権の行使時における帳簿価額の合計額」とする。 第四章 更生計画に基づく行為に係る計算に関する特則 第五十六条 更生会社(会社更生法第二条第七項に規定する更生会社をいう。以下この項及び第三項において同じ。)が更生計画(同法第二条第二項に規定する更生計画をいう。以下この項において同じ。)に基づき行う行為についての当該更生会社が計上すべきのれん、純資産その他の計算に関する事項は、この省令の規定にかかわらず、更生計画の定めるところによる。 2 更生計画(会社更生法第二条第二項並びに金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号。以下この条において「更生特例法」という。)第四条第二項及び第百六十九条第二項に規定する更生計画をいう。以下この条において同じ。)において株式会社を設立することを定めた場合(新設合併、新設分割又は株式移転により株式会社を設立することを定めた場合を除く。)には、当該株式会社の設立時ののれん、純資産その他の計算に関する事項は、この省令の規定にかかわらず、更生計画の定めるところによる。 3 更生計画において会社(更生会社を除く。)が更生会社等(更生会社並びに更生特例法第四条第七項に規定する更生協同組織金融機関及び更生特例法第百六十九条第七項に規定する更生会社をいう。次項において同じ。)の更生債権者等(会社更生法第二条第十三項並びに更生特例法第四条第十三項及び第百六十九条第十三項に規定する更生債権者等をいう。以下この条において同じ。)に対して吸収合併又は株式交換に際して交付する金銭等を割り当てた場合には、当該更生債権者等に対して交付する金銭等の価格も当該吸収合併又は株式交換に係る吸収型再編対価として考慮するものとする。 4 更生計画において新設合併又は株式移転により設立される会社が更生会社等の更生債権者等に対して新設合併又は株式移転に際して交付する株式、持分又は社債等を割り当てた場合には、当該更生債権者等に対して交付する株式、持分又は社債等の価格も当該新設合併又は株式移転に係る新設型再編対価として考慮するものとする。 第三編 計算関係書類 第一章 総則 第一節 表示の原則 第五十七条 計算関係書類に係る事項の金額は、一円単位、千円単位又は百万円単位をもって表示するものとする。 2 計算関係書類は、日本語をもって表示するものとする。 ただし、その他の言語をもって表示することが不当でない場合は、この限りでない。 3 計算関係書類(各事業年度に係る計算書類の附属明細書を除く。)の作成については、貸借対照表、損益計算書その他計算関係書類を構成するものごとに、一の書面その他の資料として作成をしなければならないものと解してはならない。 第二節 株式会社の計算書類 (成立の日の貸借対照表) 第五十八条 法第四百三十五条第一項の規定により作成すべき貸借対照表は、株式会社の成立の日における会計帳簿に基づき作成しなければならない。 (各事業年度に係る計算書類) 第五十九条 法第四百三十五条第二項に規定する法務省令で定めるものは、この編の規定に従い作成される株主資本等変動計算書及び個別注記表とする。 2 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書の作成に係る期間は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間とする。 この場合において、当該期間は、一年(事業年度の末日を変更する場合における変更後の最初の事業年度については、一年六箇月)を超えることができない。 3 法第四百三十五条第二項の規定により作成すべき各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書は、当該事業年度に係る会計帳簿に基づき作成しなければならない。 (臨時計算書類) 第六十条 臨時計算書類の作成に係る期間(次項において「臨時会計年度」という。)は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から臨時決算日までの期間とする。 2 臨時計算書類は、臨時会計年度に係る会計帳簿に基づき作成しなければならない。 3 株式会社が臨時計算書類を作成しようとする場合において、当該株式会社についての最終事業年度がないときは、当該株式会社の成立の日から最初の事業年度が終結する日までの間、当該最初の事業年度に属する一定の日を臨時決算日とみなして、法第四百四十一条の規定を適用することができる。 第三節 株式会社の連結計算書類 (連結計算書類) 第六十一条 法第四百四十四条第一項に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるいずれかのものとする。 一 この編(第百二十条から第百二十条の三までを除く。)の規定に従い作成される次のイからニまでに掲げるもの イ 連結貸借対照表 ロ 連結損益計算書 ハ 連結株主資本等変動計算書 ニ 連結注記表 二 第百二十条の規定に従い作成されるもの 三 第百二十条の二の規定に従い作成されるもの 四 第百二十条の三の規定に従い作成されるもの (連結会計年度) 第六十二条 各事業年度に係る連結計算書類の作成に係る期間(以下この編において「連結会計年度」という。)は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間とする。 (連結の範囲) 第六十三条 株式会社は、その全ての子会社を連結の範囲に含めなければならない。 ただし、次のいずれかに該当する子会社は、連結の範囲に含めないものとする。 一 財務及び事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。)に対する支配が一時的であると認められる子会社 二 連結の範囲に含めることにより当該株式会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる子会社 2 前項の規定により連結の範囲に含めるべき子会社のうち、その資産、売上高(役務収益を含む。以下同じ。)等からみて、連結の範囲から除いてもその企業集団の財産及び損益の状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性の乏しいものは、連結の範囲から除くことができる。 (事業年度に係る期間の異なる子会社) 第六十四条 株式会社の事業年度の末日と異なる日をその事業年度の末日とする連結子会社は、当該株式会社の事業年度の末日において、連結計算書類の作成の基礎となる計算書類を作成するために必要とされる決算を行わなければならない。 ただし、当該連結子会社の事業年度の末日と当該株式会社の事業年度の末日との差異が三箇月を超えない場合において、当該連結子会社の事業年度に係る計算書類を基礎として連結計算書類を作成するときは、この限りでない。 2 前項ただし書の規定により連結計算書類を作成する場合には、連結子会社の事業年度の末日と当該株式会社の事業年度の末日が異なることから生ずる連結会社相互間の取引に係る会計記録の重要な不一致について、調整をしなければならない。 (連結貸借対照表) 第六十五条 連結貸借対照表は、株式会社の連結会計年度に対応する期間に係る連結会社の貸借対照表(連結子会社が前条第一項本文の規定による決算を行う場合における当該連結子会社の貸借対照表については、当該決算に係る貸借対照表)の資産、負債及び純資産の金額を基礎として作成しなければならない。 この場合においては、連結会社の貸借対照表に計上された資産、負債及び純資産の金額を連結貸借対照表の適切な項目に計上することができる。 (連結損益計算書) 第六十六条 連結損益計算書は、株式会社の連結会計年度に対応する期間に係る連結会社の損益計算書(連結子会社が第六十四条第一項本文の規定による決算を行う場合における当該連結子会社の損益計算書については、当該決算に係る損益計算書)の収益若しくは費用又は利益若しくは損失の金額を基礎として作成しなければならない。 この場合においては、連結会社の損益計算書に計上された収益若しくは費用又は利益若しくは損失の金額を連結損益計算書の適切な項目に計上することができる。 (連結株主資本等変動計算書) 第六十七条 連結株主資本等変動計算書は、株式会社の連結会計年度に対応する期間に係る連結会社の株主資本等変動計算書(連結子会社が第六十四条第一項本文の規定による決算を行う場合における当該連結子会社の株主資本等変動計算書については、当該決算に係る株主資本等変動計算書)の株主資本等(株主資本その他の会社等の純資産をいう。以下この条において同じ。)を基礎として作成しなければならない。 この場合においては、連結会社の株主資本等変動計算書に表示された株主資本等に係る額を連結株主資本等変動計算書の適切な項目に計上することができる。 (連結子会社の資産及び負債の評価等) 第六十八条 連結計算書類の作成に当たっては、連結子会社の資産及び負債の評価並びに株式会社の連結子会社に対する投資とこれに対応する当該連結子会社の資本との相殺消去その他必要とされる連結会社相互間の項目の相殺消去をしなければならない。 (持分法の適用) 第六十九条 非連結子会社及び関連会社に対する投資については、持分法により計算する価額をもって連結貸借対照表に計上しなければならない。 ただし、次のいずれかに該当する非連結子会社及び関連会社に対する投資については、持分法を適用しないものとする。 一 財務及び事業の方針の決定に対する影響が一時的であると認められる関連会社 二 持分法を適用することにより株式会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる非連結子会社及び関連会社 2 前項の規定により持分法を適用すべき非連結子会社及び関連会社のうち、その損益等からみて、持分法の適用の対象から除いても連結計算書類に重要な影響を与えないものは、持分法の適用の対象から除くことができる。 第四節 持分会社の計算書類 (成立の日の貸借対照表) 第七十条 法第六百十七条第一項の規定により作成すべき貸借対照表は、持分会社の成立の日における会計帳簿に基づき作成しなければならない。 (各事業年度に係る計算書類) 第七十一条 法第六百十七条第二項に規定する法務省令で定めるものは、次の各号に掲げる持分会社の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。 一 合名会社及び合資会社 当該合名会社及び合資会社が損益計算書、社員資本等変動計算書又は個別注記表の全部又は一部をこの編の規定に従い作成するものと定めた場合におけるこの編の規定に従い作成される損益計算書、社員資本等変動計算書又は個別注記表 二 合同会社 この編の規定に従い作成される損益計算書、社員資本等変動計算書及び個別注記表 2 各事業年度に係る計算書類の作成に係る期間は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間とする。 この場合において、当該期間は、一年(事業年度の末日を変更する場合における変更後の最初の事業年度については、一年六箇月)を超えることができない。 3 法第六百十七条第二項の規定により作成すべき各事業年度に係る計算書類は、当該事業年度に係る会計帳簿に基づき作成しなければならない。 第二章 貸借対照表等 (通則) 第七十二条 貸借対照表等(貸借対照表及び連結貸借対照表をいう。以下この編において同じ。)については、この章に定めるところによる。 (貸借対照表等の区分) 第七十三条 貸借対照表等は、次に掲げる部に区分して表示しなければならない。 一 資産 二 負債 三 純資産 2 資産の部又は負債の部の各項目は、当該項目に係る資産又は負債を示す適当な名称を付さなければならない。 3 連結会社が二以上の異なる種類の事業を営んでいる場合には、連結貸借対照表の資産の部及び負債の部は、その営む事業の種類ごとに区分することができる。 (資産の部の区分) 第七十四条 資産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 この場合において、各項目(第二号に掲げる項目を除く。)は、適当な項目に細分しなければならない。 一 流動資産 二 固定資産 三 繰延資産 2 固定資産に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。 一 有形固定資産 二 無形固定資産 三 投資その他の資産 3 次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。 一 次に掲げる資産 流動資産 イ 現金及び預金(一年内に期限の到来しない預金を除く。) ロ 受取手形(通常の取引(当該会社の事業目的のための営業活動において、経常的に又は短期間に循環して発生する取引をいう。以下この章において同じ。)に基づいて発生した手形債権(破産更生債権等(破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権をいう。以下この号において同じ。)で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものを除く。)をいう。) ハ 売掛金(通常の取引に基づいて発生した事業上の未収金(当該未収金に係る債権が破産更生債権等で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものである場合における当該未収金を除く。)をいう。) ニ 所有権移転ファイナンス・リース取引におけるリース債権のうち、通常の取引に基づいて発生したもの(破産更生債権等で一年内に回収されないことが明らかなものを除く。)及び通常の取引以外の取引に基づいて発生したもので一年内に期限が到来するもの ホ 所有権移転外ファイナンス・リース取引におけるリース投資資産のうち、通常の取引に基づいて発生したもの(破産更生債権等で一年内に回収されないことが明らかなものを除く。)及び通常の取引以外の取引に基づいて発生したもので一年内に期限が到来するもの ヘ 売買目的有価証券及び一年内に満期の到来する有価証券 ト 商品(販売の目的をもって所有する土地、建物その他の不動産を含む。) チ 製品、副産物及び作業くず リ 半製品(自製部分品を含む。) ヌ 原料及び材料(購入部分品を含む。) ル 仕掛品及び半成工事 ヲ 消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品であって、相当な価額以上のもの ワ 前渡金(商品及び原材料(これらに準ずるものを含む。)の購入のための前渡金(当該前渡金に係る債権が破産更生債権等で一年内に弁済を受けることができないことが明らかなものである場合における当該前渡金を除く。)をいう。) カ 前払費用であって、一年内に費用となるべきもの ヨ 未収収益 タ その他の資産であって、一年内に現金化することができると認められるもの 二 次に掲げる資産(ただし、イからチまでに掲げる資産については、事業の用に供するものに限る。) 有形固定資産 イ 建物及び暖房、照明、通風等の付属設備 ロ 構築物(ドック、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいう。) ハ 機械及び装置並びにホイスト、コンベヤー、起重機等の搬送設備その他の付属設備 ニ 船舶及び水上運搬具 ホ 鉄道車両、自動車その他の陸上運搬具 ヘ 工具、器具及び備品(耐用年数が一年以上のものに限る。) ト 土地 チ リース資産(当該会社がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であって、当該リース物件がイからトまで及びヌに掲げるものである場合に限る。) リ 建設仮勘定(イからトまでに掲げる資産で事業の用に供するものを建設した場合における支出及び当該建設の目的のために充当した材料をいう。) ヌ その他の有形資産であって、有形固定資産に属する資産とすべきもの 三 次に掲げる資産 無形固定資産 イ 特許権 ロ 借地権(地上権を含む。) ハ 商標権 ニ 実用新案権 ホ 意匠権 ヘ 鉱業権 ト 漁業権(入漁権を含む。) チ ソフトウエア リ のれん ヌ リース資産(当該会社がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であって、当該リース物件がイからチまで及びルに掲げるものである場合に限る。) ル その他の無形資産であって、無形固定資産に属する資産とすべきもの 四 次に掲げる資産 投資その他の資産 イ 関係会社の株式(売買目的有価証券に該当する株式を除く。以下同じ。)その他流動資産に属しない有価証券 ロ 出資金 ハ 長期貸付金 ニ 前払年金費用(連結貸借対照表にあっては、退職給付に係る資産) ホ 繰延税金資産 ヘ 所有権移転ファイナンス・リース取引におけるリース債権のうち第一号ニに掲げるもの以外のもの ト 所有権移転外ファイナンス・リース取引におけるリース投資資産のうち第一号ホに掲げるもの以外のもの チ その他の資産であって、投資その他の資産に属する資産とすべきもの リ その他の資産であって、流動資産、有形固定資産、無形固定資産又は繰延資産に属しないもの 五 繰延資産として計上することが適当であると認められるもの 繰延資産 4 前項に規定する「一年内」とは、次の各号に掲げる貸借対照表等の区分に応じ、当該各号に定める日から起算して一年以内の日をいう(以下この編において同じ。)。 一 成立の日における貸借対照表 会社の成立の日 二 事業年度に係る貸借対照表 事業年度の末日の翌日 三 臨時計算書類の貸借対照表 臨時決算日の翌日 四 連結貸借対照表 連結会計年度の末日の翌日 (負債の部の区分) 第七十五条 負債の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 この場合において、各項目は、適当な項目に細分しなければならない。 一 流動負債 二 固定負債 2 次の各号に掲げる負債は、当該各号に定めるものに属するものとする。 一 次に掲げる負債 流動負債 イ 支払手形(通常の取引に基づいて発生した手形債務をいう。) ロ 買掛金(通常の取引に基づいて発生した事業上の未払金をいう。) ハ 前受金(受注工事、受注品等に対する前受金をいう。) ニ 引当金(資産に係る引当金及び一年内に使用されないと認められるものを除く。) ホ 通常の取引に関連して発生する未払金又は預り金で一般の取引慣行として発生後短期間に支払われるもの ヘ 未払費用 ト 前受収益 チ ファイナンス・リース取引におけるリース債務のうち、一年内に期限が到来するもの リ 資産除去債務のうち、一年内に履行されると認められるもの ヌ その他の負債であって、一年内に支払われ、又は返済されると認められるもの 二 次に掲げる負債 固定負債 イ 社債 ロ 長期借入金 ハ 引当金(資産に係る引当金、前号ニに掲げる引当金及びニに掲げる退職給付引当金を除く。) ニ 退職給付引当金(連結貸借対照表にあっては、退職給付に係る負債) ホ 繰延税金負債 ヘ のれん ト ファイナンス・リース取引におけるリース債務のうち、前号チに掲げるもの以外のもの チ 資産除去債務のうち、前号リに掲げるもの以外のもの リ その他の負債であって、流動負債に属しないもの (純資産の部の区分) 第七十六条 純資産の部は、次の各号に掲げる貸借対照表等の区分に応じ、当該各号に定める項目に区分しなければならない。 一 株式会社の貸借対照表 次に掲げる項目 イ 株主資本 ロ 評価・換算差額等 ハ 株式引受権 ニ 新株予約権 二 株式会社の連結貸借対照表 次に掲げる項目 イ 株主資本 ロ 次に掲げるいずれかの項目 (1) 評価・換算差額等 (2) その他の包括利益累計額 ハ 株式引受権 ニ 新株予約権 ホ 非支配株主持分 三 持分会社の貸借対照表 次に掲げる項目 イ 社員資本 ロ 評価・換算差額等 2 株主資本に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 この場合において、第五号に掲げる項目は、控除項目とする。 一 資本金 二 新株式申込証拠金 三 資本剰余金 四 利益剰余金 五 自己株式 六 自己株式申込証拠金 3 社員資本に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 資本金 二 出資金申込証拠金 三 資本剰余金 四 利益剰余金 4 株式会社の貸借対照表の資本剰余金に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 資本準備金 二 その他資本剰余金 5 株式会社の貸借対照表の利益剰余金に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 利益準備金 二 その他利益剰余金 6 第四項第二号及び前項第二号に掲げる項目は、適当な名称を付した項目に細分することができる。 7 評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額に係る項目は、次に掲げる項目その他適当な名称を付した項目に細分しなければならない。 ただし、第四号及び第五号に掲げる項目は、連結貸借対照表に限る。 一 その他有価証券評価差額金 二 繰延ヘッジ損益 三 土地再評価差額金 四 為替換算調整勘定 五 退職給付に係る調整累計額 8 新株予約権に係る項目は、自己新株予約権に係る項目を控除項目として区分することができる。 9 連結貸借対照表についての次の各号に掲げるものに計上すべきものは、当該各号に定めるものとする。 一 第二項第五号の自己株式 次に掲げる額の合計額 イ 当該株式会社が保有する当該株式会社の株式の帳簿価額 ロ 連結子会社並びに持分法を適用する非連結子会社及び関連会社が保有する当該株式会社の株式の帳簿価額のうち、当該株式会社のこれらの会社に対する持分に相当する額 二 第七項第四号の為替換算調整勘定 外国にある子会社又は関連会社の資産及び負債の換算に用いる為替相場と純資産の換算に用いる為替相場とが異なることによって生じる換算差額 三 第七項第五号の退職給付に係る調整累計額 次に掲げる項目の額の合計額 イ 未認識数理計算上の差異 ロ 未認識過去勤務費用 ハ その他退職給付に係る調整累計額に計上することが適当であると認められるもの (たな卸資産及び工事損失引当金の表示) 第七十七条 同一の工事契約に係るたな卸資産及び工事損失引当金がある場合には、両者を相殺した差額をたな卸資産又は工事損失引当金として流動資産又は流動負債に表示することができる。 (貸倒引当金等の表示) 第七十八条 各資産に係る引当金は、次項の規定による場合のほか、当該各資産の項目に対する控除項目として、貸倒引当金その他当該引当金の設定目的を示す名称を付した項目をもって表示しなければならない。 ただし、流動資産、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産又は繰延資産の区分に応じ、これらの資産に対する控除項目として一括して表示することを妨げない。 2 各資産に係る引当金は、当該各資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各資産の金額として表示することができる。 (有形固定資産に対する減価償却累計額の表示) 第七十九条 各有形固定資産に対する減価償却累計額は、次項の規定による場合のほか、当該各有形固定資産の項目に対する控除項目として、減価償却累計額の項目をもって表示しなければならない。 ただし、これらの有形固定資産に対する控除項目として一括して表示することを妨げない。 2 各有形固定資産に対する減価償却累計額は、当該各有形固定資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各有形固定資産の金額として表示することができる。 (有形固定資産に対する減損損失累計額の表示) 第八十条 各有形固定資産に対する減損損失累計額は、次項及び第三項の規定による場合のほか、当該各有形固定資産の金額(前条第二項の規定により有形固定資産に対する減価償却累計額を当該有形固定資産の金額から直接控除しているときは、その控除後の金額)から直接控除し、その控除残高を当該各有形固定資産の金額として表示しなければならない。 2 減価償却を行う各有形固定資産に対する減損損失累計額は、当該各有形固定資産の項目に対する控除項目として、減損損失累計額の項目をもって表示することができる。 ただし、これらの有形固定資産に対する控除項目として一括して表示することを妨げない。 3 前条第一項及び前項の規定により減価償却累計額及び減損損失累計額を控除項目として表示する場合には、減損損失累計額を減価償却累計額に合算して、減価償却累計額の項目をもって表示することができる。 (無形固定資産の表示) 第八十一条 各無形固定資産に対する減価償却累計額及び減損損失累計額は、当該各無形固定資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各無形固定資産の金額として表示しなければならない。 (関係会社株式等の表示) 第八十二条 関係会社の株式又は出資金は、関係会社株式又は関係会社出資金の項目をもって別に表示しなければならない。 2 前項の規定は、連結貸借対照表及び持分会社の貸借対照表については、適用しない。 (繰延税金資産等の表示) 第八十三条 繰延税金資産の金額及び繰延税金負債の金額については、その差額のみを繰延税金資産又は繰延税金負債として投資その他の資産又は固定負債に表示しなければならない。 2 連結貸借対照表に係る前項の規定の適用については、同項中「その差額」とあるのは、「異なる納税主体に係るものを除き、その差額」とする。 (繰延資産の表示) 第八十四条 各繰延資産に対する償却累計額は、当該各繰延資産の金額から直接控除し、その控除残高を各繰延資産の金額として表示しなければならない。 (連結貸借対照表ののれん) 第八十五条 連結貸借対照表に表示するのれんには、連結子会社に係る投資の金額がこれに対応する連結子会社の資本の金額と異なる場合に生ずるのれんを含むものとする。 (新株予約権の表示) 第八十六条 自己新株予約権の額は、新株予約権の金額から直接控除し、その控除残高を新株予約権の金額として表示しなければならない。 ただし、自己新株予約権を控除項目として表示することを妨げない。 第三章 損益計算書等 (通則) 第八十七条 損益計算書等(損益計算書及び連結損益計算書をいう。以下この編において同じ。)については、この章の定めるところによる。 (損益計算書等の区分) 第八十八条 損益計算書等は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない。 この場合において、各項目について細分することが適当な場合には、適当な項目に細分することができる。 一 売上高(売上高以外の名称を付すことが適当な場合には、当該名称を付した項目。以下同じ。) 二 売上原価 三 販売費及び一般管理費 四 営業外収益 五 営業外費用 六 特別利益 七 特別損失 2 特別利益に属する利益は、固定資産売却益、前期損益修正益、負ののれん発生益その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。 3 特別損失に属する損失は、固定資産売却損、減損損失、災害による損失、前期損益修正損その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。 4 前二項の規定にかかわらず、前二項の各利益又は各損失のうち、その金額が重要でないものについては、当該利益又は損失を細分しないこととすることができる。 5 連結会社が二以上の異なる種類の事業を営んでいる場合には、連結損益計算書の第一項第一号から第三号までに掲げる収益又は費用は、その営む事業の種類ごとに区分することができる。 6 次の各号に掲げる場合における連結損益計算書には、当該各号に定める額を相殺した後の額を表示することができる。 一 連結貸借対照表の資産の部に計上されたのれんの償却額及び負債の部に計上されたのれんの償却額が生ずる場合(これらの償却額が重要である場合を除く。) 連結貸借対照表の資産の部に計上されたのれんの償却額及び負債の部に計上されたのれんの償却額 二 持分法による投資利益及び持分法による投資損失が生ずる場合 投資利益及び投資損失 7 損益計算書等の各項目は、当該項目に係る収益若しくは費用又は利益若しくは損失を示す適当な名称を付さなければならない。 (売上総損益金額) 第八十九条 売上高から売上原価を減じて得た額(以下「売上総損益金額」という。)は、売上総利益金額として表示しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、売上総損益金額が零未満である場合には、零から売上総損益金額を減じて得た額を売上総損失金額として表示しなければならない。 (営業損益金額) 第九十条 売上総損益金額から販売費及び一般管理費の合計額を減じて得た額(以下「営業損益金額」という。)は、営業利益金額として表示しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、営業損益金額が零未満である場合には、零から営業損益金額を減じて得た額を営業損失金額として表示しなければならない。 (経常損益金額) 第九十一条 営業損益金額に営業外収益を加えて得た額から営業外費用を減じて得た額(以下「経常損益金額」という。)は、経常利益金額として表示しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、経常損益金額が零未満である場合には、零から経常損益金額を減じて得た額を経常損失金額として表示しなければならない。 (税引前当期純損益金額) 第九十二条 経常損益金額に特別利益を加えて得た額から特別損失を減じて得た額(以下「税引前当期純損益金額」という。)は、税引前当期純利益金額(連結損益計算書にあっては、税金等調整前当期純利益金額)として表示しなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、税引前当期純損益金額が零未満である場合には、零から税引前当期純損益金額を減じて得た額を税引前当期純損失金額(連結損益計算書にあっては、税金等調整前当期純損失金額)として表示しなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、臨時計算書類の損益計算書の税引前当期純損益金額の表示については、適当な名称を付すことができる。 (税等) 第九十三条 次に掲げる項目の金額は、その内容を示す名称を付した項目をもって、税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失金額(連結損益計算書にあっては、税金等調整前当期純利益金額又は税金等調整前当期純損失金額)の次に表示しなければならない。 一 当該事業年度(連結損益計算書にあっては、連結会計年度)に係る法人税等 二 法人税等調整額(税効果会計の適用により計上される前号に掲げる法人税等の調整額をいう。) 2 法人税等の更正、決定等による納付税額又は還付税額がある場合には、前項第一号に掲げる項目の次に、その内容を示す名称を付した項目をもって表示するものとする。 ただし、これらの金額の重要性が乏しい場合は、同号に掲げる項目の金額に含めて表示することができる。 (当期純損益金額) 第九十四条 第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号及び第四号に掲げる額の合計額を減じて得た額(以下「当期純損益金額」という。)は、当期純利益金額として表示しなければならない。 一 税引前当期純損益金額 二 前条第二項に規定する場合(同項ただし書の場合を除く。)において、還付税額があるときは、当該還付税額 三 前条第一項各号に掲げる項目の金額 四 前条第二項に規定する場合(同項ただし書の場合を除く。)において、納付税額があるときは、当該納付税額 2 前項の規定にかかわらず、当期純損益金額が零未満である場合には、零から当期純損益金額を減じて得た額を当期純損失金額として表示しなければならない。 3 連結損益計算書には、次に掲げる項目の金額は、その内容を示す名称を付した項目をもって、当期純利益金額又は当期純損失金額の次に表示しなければならない。 一 当期純利益として表示した額があるときは、当該額のうち非支配株主に帰属するもの 二 当期純損失として表示した額があるときは、当該額のうち非支配株主に帰属するもの 4 連結損益計算書には、当期純利益金額又は当期純損失金額に当期純利益又は当期純損失のうち非支配株主に帰属する額を加減して得た額は、親会社株主に帰属する当期純利益金額又は当期純損失金額として表示しなければならない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、臨時計算書類の損益計算書の当期純損益金額の表示については、適当な名称を付すことができる。 第九十五条 削除 第四章 株主資本等変動計算書等 第九十六条 株主資本等変動計算書等(株主資本等変動計算書、連結株主資本等変動計算書及び社員資本等変動計算書をいう。以下この編において同じ。)については、この条に定めるところによる。 2 株主資本等変動計算書等は、次の各号に掲げる株主資本等変動計算書等の区分に応じ、当該各号に定める項目に区分して表示しなければならない。 一 株主資本等変動計算書 次に掲げる項目 イ 株主資本 ロ 評価・換算差額等 ハ 株式引受権 ニ 新株予約権 二 連結株主資本等変動計算書 次に掲げる項目 イ 株主資本 ロ 次に掲げるいずれかの項目 (1) 評価・換算差額等 (2) その他の包括利益累計額 ハ 株式引受権 ニ 新株予約権 ホ 非支配株主持分 三 社員資本等変動計算書 次に掲げる項目 イ 社員資本 ロ 評価・換算差額等 3 次の各号に掲げる項目は、当該各号に定める項目に区分しなければならない。 一 株主資本等変動計算書の株主資本 次に掲げる項目 イ 資本金 ロ 新株式申込証拠金 ハ 資本剰余金 ニ 利益剰余金 ホ 自己株式 ヘ 自己株式申込証拠金 二 連結株主資本等変動計算書の株主資本 次に掲げる項目 イ 資本金 ロ 新株式申込証拠金 ハ 資本剰余金 ニ 利益剰余金 ホ 自己株式 ヘ 自己株式申込証拠金 三 社員資本等変動計算書の社員資本 次に掲げる項目 イ 資本金 ロ 資本剰余金 ハ 利益剰余金 4 株主資本等変動計算書の次の各号に掲げる項目は、当該各号に定める項目に区分しなければならない。 この場合において、第一号ロ及び第二号ロに掲げる項目は、適当な名称を付した項目に細分することができる。 一 資本剰余金 次に掲げる項目 イ 資本準備金 ロ その他資本剰余金 二 利益剰余金 次に掲げる項目 イ 利益準備金 ロ その他利益剰余金 5 評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額に係る項目は、次に掲げる項目その他適当な名称を付した項目に細分することができる。 一 その他有価証券評価差額金 二 繰延ヘッジ損益 三 土地再評価差額金 四 為替換算調整勘定 五 退職給付に係る調整累計額 6 新株予約権に係る項目は、自己新株予約権に係る項目を控除項目として区分することができる。 7 資本金、資本剰余金、利益剰余金及び自己株式に係る項目は、それぞれ次に掲げるものについて明らかにしなければならない。 この場合において、第二号に掲げるものは、各変動事由ごとに当期変動額及び変動事由を明らかにしなければならない。 一 当期首残高(遡及適用、誤謬の訂正又は当該事業年度の前事業年度における企業結合に係る暫定的な会計処理の確定をした場合にあっては、当期首残高及びこれに対する影響額。次項において同じ。) 二 当期変動額 三 当期末残高 8 評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額、株式引受権、新株予約権及び非支配株主持分に係る項目は、それぞれ次に掲げるものについて明らかにしなければならない。 この場合において、第二号に掲げるものについては、その主要なものを変動事由とともに明らかにすることを妨げない。 一 当期首残高 二 当期変動額 三 当期末残高 9 連結株主資本等変動計算書についての次の各号に掲げるものに計上すべきものは、当該各号に定めるものとする。 一 第三項第二号ホの自己株式 次に掲げる額の合計額 イ 当該株式会社が保有する当該株式会社の株式の帳簿価額 ロ 連結子会社並びに持分法を適用する非連結子会社及び関連会社が保有する当該株式会社の株式の帳簿価額のうち、当該株式会社のこれらの会社に対する持分に相当する額 二 第五項第四号の為替換算調整勘定 外国にある子会社又は関連会社の資産及び負債の換算に用いる為替相場と純資産の換算に用いる為替相場とが異なることによって生じる換算差額 三 第五項第五号の退職給付に係る調整累計額 次に掲げる項目の額の合計額 イ 未認識数理計算上の差異 ロ 未認識過去勤務費用 ハ その他退職給付に係る調整累計額に計上することが適当であると認められるもの 第五章 注記表 (通則) 第九十七条 注記表(個別注記表及び連結注記表をいう。以下この編において同じ。)については、この章の定めるところによる。 (注記表の区分) 第九十八条 注記表は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない。 一 継続企業の前提に関する注記 二 重要な会計方針に係る事項(連結注記表にあっては、連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項及び連結の範囲又は持分法の適用の範囲の変更)に関する注記 三 会計方針の変更に関する注記 四 表示方法の変更に関する注記 四の二 会計上の見積りに関する注記 五 会計上の見積りの変更に関する注記 六 誤謬の訂正に関する注記 七 貸借対照表等に関する注記 八 損益計算書に関する注記 九 株主資本等変動計算書(連結注記表にあっては、連結株主資本等変動計算書)に関する注記 十 税効果会計に関する注記 十一 リースにより使用する固定資産に関する注記 十二 金融商品に関する注記 十三 賃貸等不動産に関する注記 十四 持分法損益等に関する注記 十五 関連当事者との取引に関する注記 十六 一株当たり情報に関する注記 十七 重要な後発事象に関する注記 十八 連結配当規制適用会社に関する注記 十八の二 収益認識に関する注記 十九 その他の注記 2 次の各号に掲げる注記表には、当該各号に定める項目を表示することを要しない。 一 会計監査人設置会社以外の株式会社(公開会社を除く。)の個別注記表 前項第一号、第四号の二、第五号、第七号、第八号及び第十号から第十八号までに掲げる項目 二 会計監査人設置会社以外の公開会社の個別注記表 前項第一号、第四号の二、第五号、第十四号及び第十八号に掲げる項目 三 会計監査人設置会社であって、法第四百四十四条第三項に規定するもの以外の株式会社の個別注記表 前項第十四号に掲げる項目 四 連結注記表 前項第八号、第十号、第十一号、第十四号、第十五号及び第十八号に掲げる項目 五 持分会社の個別注記表 前項第一号、第四号の二、第五号及び第七号から第十八号までに掲げる項目 (注記の方法) 第九十九条 貸借対照表等、損益計算書等又は株主資本等変動計算書等の特定の項目に関連する注記については、その関連を明らかにしなければならない。 (継続企業の前提に関する注記) 第百条 継続企業の前提に関する注記は、事業年度の末日において、当該株式会社が将来にわたって事業を継続するとの前提(以下この条において「継続企業の前提」という。)に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合であって、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしてもなお継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるとき(当該事業年度の末日後に当該重要な不確実性が認められなくなった場合を除く。)における次に掲げる事項とする。 一 当該事象又は状況が存在する旨及びその内容 二 当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策 三 当該重要な不確実性が認められる旨及びその理由 四 当該重要な不確実性の影響を計算書類(連結注記表にあっては、連結計算書類)に反映しているか否かの別 (重要な会計方針に係る事項に関する注記) 第百一条 重要な会計方針に係る事項に関する注記は、会計方針に関する次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)とする。 一 資産の評価基準及び評価方法 二 固定資産の減価償却の方法 三 引当金の計上基準 四 収益及び費用の計上基準 五 その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項 2 会社が顧客との契約に基づく義務の履行の状況に応じて当該契約から生ずる収益を認識するときは、前項第四号に掲げる事項には、次に掲げる事項を含むものとする。 一 当該会社の主要な事業における顧客との契約に基づく主な義務の内容 二 前号に規定する義務に係る収益を認識する通常の時点 三 前二号に掲げるもののほか、当該会社が重要な会計方針に含まれると判断したもの (連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項に関する注記等) 第百二条 連結計算書類の作成のための基本となる重要な事項に関する注記は、次に掲げる事項とする。 この場合において、当該注記は当該各号に掲げる事項に区分しなければならない。 一 連結の範囲に関する次に掲げる事項 イ 連結子会社の数及び主要な連結子会社の名称 ロ 非連結子会社がある場合には、次に掲げる事項 (1) 主要な非連結子会社の名称 (2) 非連結子会社を連結の範囲から除いた理由 ハ 株式会社が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等を子会社としなかったときは、当該会社等の名称及び子会社としなかった理由 ニ 第六十三条第一項ただし書の規定により連結の範囲から除かれた子会社の財産又は損益に関する事項であって、当該企業集団の財産及び損益の状態の判断に影響を与えると認められる重要なものがあるときは、その内容 ホ 開示対象特別目的会社(会社法施行規則(平成十八年法務省令第十二号)第四条に規定する特別目的会社(同条の規定により当該特別目的会社に資産を譲渡した会社の子会社に該当しないものと推定されるものに限る。)をいう。以下この号及び第百十一条において同じ。)がある場合には、次に掲げる事項その他の重要な事項 (1) 開示対象特別目的会社の概要 (2) 開示対象特別目的会社との取引の概要及び取引金額 二 持分法の適用に関する次に掲げる事項 イ 持分法を適用した非連結子会社又は関連会社の数及びこれらのうち主要な会社等の名称 ロ 持分法を適用しない非連結子会社又は関連会社があるときは、次に掲げる事項 (1) 当該非連結子会社又は関連会社のうち主要な会社等の名称 (2) 当該非連結子会社又は関連会社に持分法を適用しない理由 ハ 当該株式会社が議決権の百分の二十以上、百分の五十以下を自己の計算において所有している会社等を関連会社としなかったときは、当該会社等の名称及び関連会社としなかった理由 ニ 持分法の適用の手続について特に示す必要があると認められる事項がある場合には、その内容 三 会計方針に関する次に掲げる事項 イ 重要な資産の評価基準及び評価方法 ロ 重要な減価償却資産の減価償却の方法 ハ 重要な引当金の計上基準 ニ その他連結計算書類の作成のための重要な事項 2 連結の範囲又は持分法の適用の範囲の変更に関する注記は、連結の範囲又は持分法の適用の範囲を変更した場合(当該変更が重要性の乏しいものである場合を除く。)におけるその旨及び当該変更の理由とする。 (会計方針の変更に関する注記) 第百二条の二 会計方針の変更に関する注記は、一般に公正妥当と認められる会計方針を他の一般に公正妥当と認められる会計方針に変更した場合における次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)とする。 ただし、会計監査人設置会社以外の株式会社及び持分会社にあっては、第四号ロ及びハに掲げる事項を省略することができる。 一 当該会計方針の変更の内容 二 当該会計方針の変更の理由 三 遡及適用をした場合には、当該事業年度の期首における純資産額に対する影響額 四 当該事業年度より前の事業年度の全部又は一部について遡及適用をしなかった場合には、次に掲げる事項(当該会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難なときは、ロに掲げる事項を除く。) イ 計算書類又は連結計算書類の主な項目に対する影響額 ロ 当該事業年度より前の事業年度の全部又は一部について遡及適用をしなかった理由並びに当該会計方針の変更の適用方法及び適用開始時期 ハ 当該会計方針の変更が当該事業年度の翌事業年度以降の財産又は損益に影響を及ぼす可能性がある場合であって、当該影響に関する事項を注記することが適切であるときは、当該事項 2 個別注記表に注記すべき事項(前項第三号並びに第四号ロ及びハに掲げる事項に限る。)が連結注記表に注記すべき事項と同一である場合において、個別注記表にその旨を注記するときは、個別注記表における当該事項の注記を要しない。 (表示方法の変更に関する注記) 第百二条の三 表示方法の変更に関する注記は、一般に公正妥当と認められる表示方法を他の一般に公正妥当と認められる表示方法に変更した場合における次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)とする。 一 当該表示方法の変更の内容 二 当該表示方法の変更の理由 2 個別注記表に注記すべき事項(前項第二号に掲げる事項に限る。)が連結注記表に注記すべき事項と同一である場合において、個別注記表にその旨を注記するときは、個別注記表における当該事項の注記を要しない。 (会計上の見積りに関する注記) 第百二条の三の二 会計上の見積りに関する注記は、次に掲げる事項とする。 一 会計上の見積りにより当該事業年度に係る計算書類又は連結計算書類にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る計算書類又は連結計算書類に重要な影響を及ぼす可能性があるもの 二 当該事業年度に係る計算書類又は連結計算書類の前号に掲げる項目に計上した額 三 前号に掲げるもののほか、第一号に掲げる項目に係る会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報 2 個別注記表に注記すべき事項(前項第三号に掲げる事項に限る。)が連結注記表に注記すべき事項と同一である場合において、個別注記表にその旨を注記するときは、個別注記表における当該事項の注記を要しない。 (会計上の見積りの変更に関する注記) 第百二条の四 会計上の見積りの変更に関する注記は、会計上の見積りの変更をした場合における次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)とする。 一 当該会計上の見積りの変更の内容 二 当該会計上の見積りの変更の計算書類又は連結計算書類の項目に対する影響額 三 当該会計上の見積りの変更が当該事業年度の翌事業年度以降の財産又は損益に影響を及ぼす可能性があるときは、当該影響に関する事項 (誤謬の訂正に関する注記) 第百二条の五 誤謬の訂正に関する注記は、誤謬の訂正をした場合における次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)とする。 一 当該誤謬の内容 二 当該事業年度の期首における純資産額に対する影響額 (貸借対照表等に関する注記) 第百三条 貸借対照表等に関する注記は、次に掲げる事項(連結注記表にあっては、第六号から第九号までに掲げる事項を除く。)とする。 一 資産が担保に供されている場合における次に掲げる事項 イ 資産が担保に供されていること。 ロ イの資産の内容及びその金額 ハ 担保に係る債務の金額 二 資産に係る引当金を直接控除した場合における各資産の資産項目別の引当金の金額(一括して注記することが適当な場合にあっては、各資産について流動資産、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産又は繰延資産ごとに一括した引当金の金額) 三 資産に係る減価償却累計額を直接控除した場合における各資産の資産項目別の減価償却累計額(一括して注記することが適当な場合にあっては、各資産について一括した減価償却累計額) 四 資産に係る減損損失累計額を減価償却累計額に合算して減価償却累計額の項目をもって表示した場合にあっては、減価償却累計額に減損損失累計額が含まれている旨 五 保証債務、手形遡求債務、重要な係争事件に係る損害賠償義務その他これらに準ずる債務(負債の部に計上したものを除く。)があるときは、当該債務の内容及び金額 六 関係会社に対する金銭債権又は金銭債務をその金銭債権又は金銭債務が属する項目ごとに、他の金銭債権又は金銭債務と区分して表示していないときは、当該関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の当該関係会社に対する金銭債権又は金銭債務が属する項目ごとの金額又は二以上の項目について一括した金額 七 取締役、監査役及び執行役との間の取引による取締役、監査役及び執行役に対する金銭債権があるときは、その総額 八 取締役、監査役及び執行役との間の取引による取締役、監査役及び執行役に対する金銭債務があるときは、その総額 九 当該株式会社の親会社株式の各表示区分別の金額 (損益計算書に関する注記) 第百四条 損益計算書に関する注記は、関係会社との営業取引による取引高の総額及び営業取引以外の取引による取引高の総額とする。 (株主資本等変動計算書に関する注記) 第百五条 株主資本等変動計算書に関する注記は、次に掲げる事項とする。 この場合において、連結注記表を作成する株式会社は、第二号に掲げる事項以外の事項は、省略することができる。 一 当該事業年度の末日における発行済株式の数(種類株式発行会社にあっては、種類ごとの発行済株式の数) 二 当該事業年度の末日における自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、種類ごとの自己株式の数) 三 当該事業年度中に行った剰余金の配当(当該事業年度の末日後に行う剰余金の配当のうち、剰余金の配当を受ける者を定めるための法第百二十四条第一項に規定する基準日が当該事業年度中のものを含む。)に関する次に掲げる事項その他の事項 イ 配当財産が金銭である場合における当該金銭の総額 ロ 配当財産が金銭以外の財産である場合における当該財産の帳簿価額(当該剰余金の配当をした日においてその時の時価を付した場合にあっては、当該時価を付した後の帳簿価額)の総額 四 当該事業年度の末日における株式引受権に係る当該株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、種類及び種類ごとの数) 五 当該事業年度の末日における当該株式会社が発行している新株予約権(法第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の目的となる当該株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、種類及び種類ごとの数) (連結株主資本等変動計算書に関する注記) 第百六条 連結株主資本等変動計算書に関する注記は、次に掲げる事項とする。 一 当該連結会計年度の末日における当該株式会社の発行済株式の総数(種類株式発行会社にあっては、種類ごとの発行済株式の総数) 二 当該連結会計年度中に行った剰余金の配当(当該連結会計年度の末日後に行う剰余金の配当のうち、剰余金の配当を受ける者を定めるための法第百二十四条第一項に規定する基準日が当該連結会計年度中のものを含む。)に関する次に掲げる事項その他の事項 イ 配当財産が金銭である場合における当該金銭の総額 ロ 配当財産が金銭以外の財産である場合における当該財産の帳簿価額(当該剰余金の配当をした日においてその時の時価を付した場合にあっては、当該時価を付した後の帳簿価額)の総額 三 当該連結会計年度の末日における株式引受権に係る当該株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、種類及び種類ごとの数) 四 当該連結会計年度の末日における当該株式会社が発行している新株予約権(法第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の目的となる当該株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、種類及び種類ごとの数) (税効果会計に関する注記) 第百七条 税効果会計に関する注記は、次に掲げるもの(重要でないものを除く。)の発生の主な原因とする。 一 繰延税金資産(その算定に当たり繰延税金資産から控除された金額がある場合における当該金額を含む。) 二 繰延税金負債 (リースにより使用する固定資産に関する注記) 第百八条 リースにより使用する固定資産に関する注記は、ファイナンス・リース取引の借主である株式会社が当該ファイナンス・リース取引について通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行っていない場合におけるリース物件(固定資産に限る。以下この条において同じ。)に関する事項とする。 この場合において、当該リース物件の全部又は一部に係る次に掲げる事項(各リース物件について一括して注記する場合にあっては、一括して注記すべきリース物件に関する事項)を含めることを妨げない。 一 当該事業年度の末日における取得原価相当額 二 当該事業年度の末日における減価償却累計額相当額 三 当該事業年度の末日における未経過リース料相当額 四 前三号に掲げるもののほか、当該リース物件に係る重要な事項 (金融商品に関する注記) 第百九条 金融商品に関する注記は、次に掲げるもの(重要性の乏しいものを除く。)とする。 ただし、法第四百四十四条第三項に規定する株式会社以外の株式会社にあっては、第三号に掲げる事項を省略することができる。 一 金融商品の状況に関する事項 二 金融商品の時価等に関する事項 三 金融商品の時価の適切な区分ごとの内訳等に関する事項 2 連結注記表を作成する株式会社は、個別注記表における前項の注記を要しない。 (賃貸等不動産に関する注記) 第百十条 賃貸等不動産に関する注記は、次に掲げるもの(重要性の乏しいものを除く。)とする。 一 賃貸等不動産の状況に関する事項 二 賃貸等不動産の時価に関する事項 2 連結注記表を作成する株式会社は、個別注記表における前項の注記を要しない。 (持分法損益等に関する注記) 第百十一条 持分法損益等に関する注記は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。 ただし、第一号に定める事項については、損益及び利益剰余金からみて重要性の乏しい関連会社を除外することができる。 一 関連会社がある場合 関連会社に対する投資の金額並びに当該投資に対して持分法を適用した場合の投資の金額及び投資利益又は投資損失の金額 二 開示対象特別目的会社がある場合 開示対象特別目的会社の概要、開示対象特別目的会社との取引の概要及び取引金額その他の重要な事項 2 連結計算書類を作成する株式会社は、個別注記表における前項の注記を要しない。 (関連当事者との取引に関する注記) 第百十二条 関連当事者との取引に関する注記は、株式会社と関連当事者との間に取引(当該株式会社と第三者との間の取引で当該株式会社と当該関連当事者との間の利益が相反するものを含む。)がある場合における次に掲げる事項であって、重要なものとする。 ただし、会計監査人設置会社以外の株式会社にあっては、第四号から第六号まで及び第八号に掲げる事項を省略することができる。 一 当該関連当事者が会社等であるときは、次に掲げる事項 イ その名称 ロ 当該関連当事者の総株主の議決権の総数に占める株式会社が有する議決権の数の割合 ハ 当該株式会社の総株主の議決権の総数に占める当該関連当事者が有する議決権の数の割合 二 当該関連当事者が個人であるときは、次に掲げる事項 イ その氏名 ロ 当該株式会社の総株主の議決権の総数に占める当該関連当事者が有する議決権の数の割合 三 当該株式会社と当該関連当事者との関係 四 取引の内容 五 取引の種類別の取引金額 六 取引条件及び取引条件の決定方針 七 取引により発生した債権又は債務に係る主な項目別の当該事業年度の末日における残高 八 取引条件の変更があったときは、その旨、変更の内容及び当該変更が計算書類に与えている影響の内容 2 関連当事者との間の取引のうち次に掲げる取引については、前項に規定する注記を要しない。 一 一般競争入札による取引並びに預金利息及び配当金の受取りその他取引の性質からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引 二 取締役、会計参与、監査役又は執行役(以下この条において「役員」という。)に対する報酬等の給付 三 前二号に掲げる取引のほか、当該取引に係る条件につき市場価格その他当該取引に係る公正な価格を勘案して一般の取引の条件と同様のものを決定していることが明白な場合における当該取引 3 関連当事者との取引に関する注記は、第一項各号に掲げる区分に従い、関連当事者ごとに表示しなければならない。 4 前三項に規定する「関連当事者」とは、次に掲げる者をいう。 一 当該株式会社の親会社 二 当該株式会社の子会社 三 当該株式会社の親会社の子会社(当該親会社が会社でない場合にあっては、当該親会社の子会社に相当するものを含む。) 四 当該株式会社のその他の関係会社(当該株式会社が他の会社の関連会社である場合における当該他の会社をいう。以下この号において同じ。)並びに当該その他の関係会社の親会社(当該その他の関係会社が株式会社でない場合にあっては、親会社に相当するもの)及び子会社(当該その他の関係会社が会社でない場合にあっては、子会社に相当するもの) 五 当該株式会社の関連会社及び当該関連会社の子会社(当該関連会社が会社でない場合にあっては、子会社に相当するもの) 六 当該株式会社の主要株主(自己又は他人の名義をもって当該株式会社の総株主の議決権の総数の百分の十以上の議決権(次に掲げる株式に係る議決権を除く。)を保有している株主をいう。)及びその近親者(二親等内の親族をいう。以下この条において同じ。) イ 信託業(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第一項に規定する信託業をいう。)を営む者が信託財産として所有する株式 ロ 有価証券関連業(金融商品取引法第二十八条第八項に規定する有価証券関連業をいう。)を営む者が引受け又は売出しを行う業務により取得した株式 ハ 金融商品取引法第百五十六条の二十四第一項に規定する業務を営む者がその業務として所有する株式 七 当該株式会社の役員及びその近親者 八 当該株式会社の親会社の役員又はこれらに準ずる者及びその近親者 九 前三号に掲げる者が他の会社等の議決権の過半数を自己の計算において所有している場合における当該会社等及び当該会社等の子会社(当該会社等が会社でない場合にあっては、子会社に相当するもの) 十 従業員のための企業年金(当該株式会社と重要な取引(掛金の拠出を除く。)を行う場合に限る。) (一株当たり情報に関する注記) 第百十三条 一株当たり情報に関する注記は、次に掲げる事項とする。 一 一株当たりの純資産額 二 一株当たりの当期純利益金額又は当期純損失金額(連結計算書類にあっては、一株当たりの親会社株主に帰属する当期純利益金額又は当期純損失金額) 三 株式会社が当該事業年度(連結計算書類にあっては、当該連結会計年度。以下この号において同じ。)又は当該事業年度の末日後において株式の併合又は株式の分割をした場合において、当該事業年度の期首に株式の併合又は株式の分割をしたと仮定して前二号に掲げる額を算定したときは、その旨 (重要な後発事象に関する注記) 第百十四条 個別注記表における重要な後発事象に関する注記は、当該株式会社の事業年度の末日後、当該株式会社の翌事業年度以降の財産又は損益に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合における当該事象とする。 2 連結注記表における重要な後発事象に関する注記は、当該株式会社の事業年度の末日後、連結会社並びに持分法が適用される非連結子会社及び関連会社の翌事業年度以降の財産又は損益に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合における当該事象とする。 ただし、当該株式会社の事業年度の末日と異なる日をその事業年度の末日とする子会社及び関連会社については、当該子会社及び関連会社の事業年度の末日後に発生した場合における当該事象とする。 (連結配当規制適用会社に関する注記) 第百十五条 連結配当規制適用会社に関する注記は、当該事業年度の末日が最終事業年度の末日となる時後、連結配当規制適用会社となる旨とする。 (収益認識に関する注記) 第百十五条の二 収益認識に関する注記は、会社が顧客との契約に基づく義務の履行の状況に応じて当該契約から生ずる収益を認識する場合における次に掲げる事項(重要性の乏しいものを除く。)とする。 ただし、法第四百四十四条第三項に規定する株式会社以外の株式会社にあっては、第一号及び第三号に掲げる事項を省略することができる。 一 当該事業年度に認識した収益を、収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性に影響を及ぼす主要な要因に基づいて区分をした場合における当該区分ごとの収益の額その他の事項 二 収益を理解するための基礎となる情報 三 当該事業年度及び翌事業年度以降の収益の金額を理解するための情報 2 前項に掲げる事項が第百一条の規定により注記すべき事項と同一であるときは、同項の規定による当該事項の注記を要しない。 3 連結計算書類を作成する株式会社は、個別注記表における第一項(第二号を除く。)の注記を要しない。 4 個別注記表に注記すべき事項(第一項第二号に掲げる事項に限る。)が連結注記表に注記すべき事項と同一である場合において、個別注記表にその旨を注記するときは、個別注記表における当該事項の注記を要しない。 (その他の注記) 第百十六条 その他の注記は、第百条から前条までに掲げるもののほか、貸借対照表等、損益計算書等及び株主資本等変動計算書等により会社(連結注記表にあっては、企業集団)の財産又は損益の状態を正確に判断するために必要な事項とする。 第六章 附属明細書 第百十七条 各事業年度に係る株式会社の計算書類に係る附属明細書には、次に掲げる事項(公開会社以外の株式会社にあっては、第一号から第三号に掲げる事項)のほか、株式会社の貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表の内容を補足する重要な事項を表示しなければならない。 一 有形固定資産及び無形固定資産の明細 二 引当金の明細 三 販売費及び一般管理費の明細 四 第百十二条第一項ただし書の規定により省略した事項があるときは、当該事項 第七章 雑則 (別記事業を営む会社の計算関係書類についての特例) 第百十八条 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三十八年大蔵省令第五十九号)別記に掲げる事業(以下この条において「別記事業」という。)を営む会社(企業集団を含む。以下この条において同じ。)が当該別記事業の所管官庁に提出する計算関係書類の用語、様式及び作成方法について、特に法令の定めがある場合又は当該別記事業の所管官庁がこの省令に準じて計算書類準則(以下この条において「準則」という。)を制定した場合には、当該別記事業を営む会社が作成すべき計算関係書類の用語、様式及び作成方法については、第一章から前章までの規定にかかわらず、その法令又は準則の定めによる。 ただし、その法令又は準則に定めのない事項については、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、別記事業(同項の法令又は準則の定めの適用があるものに限る。以下この条において同じ。)の二以上を兼ねて営む会社が作成すべき計算関係書類の用語、様式及び作成方法については、それらの別記事業のうち、当該会社の事業の主要な部分を占める事業(以下この条において「主要事業」という。)に関して適用される法令又は準則の定めによる。 ただし、その主要事業以外の別記事業に関する事項については、主要事業以外の別記事業に関して適用される法令又は準則の定めによることができる。 3 別記事業とその他の事業とを兼ねて営む会社の主要事業が別記事業でない場合には、当該会社が作成すべき計算関係書類の用語、様式及び作成方法については、第一項の規定を適用しないことができる。 ただし、別記事業に関係ある事項については、当該別記事業に関して適用される法令又は準則の定めによることができる。 4 前三項の規定の適用がある会社(当該会社が作成すべき計算関係書類の用語、様式及び作成方法の全部又は一部について別記事業に関して適用される法令又は準則の定めによるものに限る。以下「別記事業会社」という。)が作成すべき計算関係書類について、この省令の規定により表示を要しない事項がある場合においては、当該事項に関して適用される法令又は準則の定めにかかわらず、その表示を省略し、又は適当な方法で表示することができる。 (会社法以外の法令の規定による準備金等) 第百十九条 法以外の法令の規定により準備金又は引当金の名称をもって計上しなければならない準備金又は引当金であって、資産の部又は負債の部に計上することが適当でないもの(以下この項において「準備金等」という。)は、固定負債の次に別の区分を設けて表示しなければならない。 この場合において、当該準備金等については、当該準備金等の設定目的を示す名称を付した項目をもって表示しなければならない。 2 法以外の法令の規定により準備金又は引当金の名称をもって計上しなければならない準備金又は引当金がある場合には、次に掲げる事項(第二号の区別をすることが困難である場合にあっては、第一号に掲げる事項)を注記表に表示しなければならない。 一 当該法令の条項 二 当該準備金又は引当金が一年内に使用されると認められるものであるかどうかの区別 (国際会計基準で作成する連結計算書類に関する特則) 第百二十条 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和五十一年大蔵省令第二十八号)第三百十二条の規定により連結財務諸表の用語、様式及び作成方法について指定国際会計基準(同条に規定する指定国際会計基準をいう。以下この条において同じ。)に従うことができるものとされた株式会社の作成すべき連結計算書類は、指定国際会計基準に従って作成することができる。 この場合においては、第一章から第五章までの規定により第六十一条第一号に規定する連結計算書類において表示すべき事項に相当するものを除くその他の事項は、省略することができる。 2 前項の規定により作成した連結計算書類には、指定国際会計基準に従って作成した連結計算書類である旨を注記しなければならない。 3 第一項後段の規定により省略した事項がある同項の規定により作成した連結計算書類には、前項の規定にかかわらず、第一項の規定により作成した連結計算書類である旨及び同項後段の規定により省略した事項がある旨を注記しなければならない。 (修正国際基準で作成する連結計算書類に関する特則) 第百二十条の二 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第三百十四条の規定により連結財務諸表の用語、様式及び作成方法について修正国際基準(同条に規定する修正国際基準をいう。以下この条において同じ。)に従うことができるものとされた株式会社の作成すべき連結計算書類は、修正国際基準に従って作成することができる。 2 前項の規定により作成した連結計算書類には、修正国際基準に従って作成した連結計算書類である旨を注記しなければならない。 3 前条第一項後段及び第三項の規定は、第一項の場合について準用する。 (米国基準で作成する連結計算書類に関する特則) 第百二十条の三 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第三百十六条又は連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則の一部を改正する内閣府令(平成十四年内閣府令第十一号)附則第三項の規定により、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法について米国預託証券の発行等に関して要請されている用語、様式及び作成方法によることができるものとされた株式会社の作成すべき連結計算書類は、米国預託証券の発行等に関して要請されている用語、様式及び作成方法によることができる。 2 前項の規定による連結計算書類には、当該連結計算書類が準拠している用語、様式及び作成方法を注記しなければならない。 3 第百二十条第一項後段の規定は、第一項の場合について準用する。 第四編 計算関係書類の監査 第一章 通則 第百二十一条 法第四百三十六条第一項及び第二項、第四百四十一条第二項並びに第四百四十四条第四項の規定による監査(計算関係書類(成立の日における貸借対照表を除く。以下この編において同じ。)に係るものに限る。以下この編において同じ。)については、この編の定めるところによる。 2 前項に規定する監査には、公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第二条第一項に規定する監査のほか、計算関係書類に表示された情報と計算関係書類に表示すべき情報との合致の程度を確かめ、かつ、その結果を利害関係者に伝達するための手続を含むものとする。 第二章 会計監査人設置会社以外の株式会社における監査 (監査役の監査報告の内容) 第百二十二条 監査役(会計監査人設置会社の監査役を除く。以下この章において同じ。)は、計算関係書類を受領したときは、次に掲げる事項(監査役会設置会社の監査役の監査報告にあっては、第一号から第四号までに掲げる事項)を内容とする監査報告を作成しなければならない。 一 監査役の監査の方法及びその内容 二 計算関係書類が当該株式会社の財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見 三 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由 四 追記情報 五 監査報告を作成した日 2 前項第四号に規定する「追記情報」とは、次に掲げる事項その他の事項のうち、監査役の判断に関して説明を付す必要がある事項又は計算関係書類の内容のうち強調する必要がある事項とする。 一 会計方針の変更 二 重要な偶発事象 三 重要な後発事象 (監査役会の監査報告の内容等) 第百二十三条 監査役会(会計監査人設置会社の監査役会を除く。以下この章において同じ。)は、前条第一項の規定により監査役が作成した監査報告(以下この条において「監査役監査報告」という。)に基づき、監査役会の監査報告(以下この条において「監査役会監査報告」という。)を作成しなければならない。 2 監査役会監査報告は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 この場合において、監査役は、当該事項に係る監査役会監査報告の内容が当該事項に係る監査役の監査役監査報告の内容と異なる場合には、当該事項に係る各監査役の監査役監査報告の内容を監査役会監査報告に付記することができる。 一 前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項 二 監査役及び監査役会の監査の方法及びその内容 三 監査役会監査報告を作成した日 3 監査役会が監査役会監査報告を作成する場合には、監査役会は、一回以上、会議を開催する方法又は情報の送受信により同時に意見の交換をすることができる方法により、監査役会監査報告の内容(前項後段の規定による付記を除く。)を審議しなければならない。 (監査報告の通知期限等) 第百二十四条 特定監査役は、次の各号に掲げる監査報告(監査役会設置会社にあっては、前条第一項の規定により作成された監査役会の監査報告に限る。以下この条において同じ。)の区分に応じ、当該各号に定める日までに、特定取締役に対し、当該監査報告の内容を通知しなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書についての監査報告 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 当該計算書類の全部を受領した日から四週間を経過した日 ロ 当該計算書類の附属明細書を受領した日から一週間を経過した日 ハ 特定取締役及び特定監査役が合意により定めた日があるときは、その日 二 臨時計算書類についての監査報告 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 当該臨時計算書類の全部を受領した日から四週間を経過した日 ロ 特定取締役及び特定監査役が合意により定めた日があるときは、その日 2 計算関係書類については、特定取締役が前項の規定による監査報告の内容の通知を受けた日に、監査役の監査を受けたものとする。 3 前項の規定にかかわらず、特定監査役が第一項の規定により通知をすべき日までに同項の規定による監査報告の内容の通知をしない場合には、当該通知をすべき日に、計算関係書類については、監査役の監査を受けたものとみなす。 4 第一項及び第二項に規定する「特定取締役」とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者(当該株式会社が会計参与設置会社である場合にあっては、当該各号に定める者及び会計参与)をいう。 一 第一項の規定による通知を受ける者を定めた場合 当該通知を受ける者として定められた者 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査を受けるべき計算関係書類の作成に関する職務を行った取締役 5 第一項及び第三項に規定する「特定監査役」とは、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者とする。 一 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。) 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める者 イ 二以上の監査役が存する場合において、第一項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めたとき 当該通知をすべき監査役として定められた監査役 ロ 二以上の監査役が存する場合において、第一項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めていないとき 全ての監査役 ハ イ又はロに掲げる場合以外の場合 監査役 二 監査役会設置会社(会計監査人設置会社を除く。) 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者 イ 監査役会が第一項の規定による監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めた場合 当該通知をすべき監査役として定められた監査役 ロ イに掲げる場合以外の場合 全ての監査役 第三章 会計監査人設置会社における監査 (計算関係書類の提供) 第百二十五条 計算関係書類を作成した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)は、会計監査人に対して計算関係書類を提供しようとするときは、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会の指定した監査等委員、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会の指定した監査委員)に対しても計算関係書類を提供しなければならない。 (会計監査報告の内容) 第百二十六条 会計監査人は、計算関係書類を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする会計監査報告を作成しなければならない。 一 会計監査人の監査の方法及びその内容 二 計算関係書類が当該株式会社の財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見があるときは、その意見(当該意見が次のイからハまでに掲げる意見である場合にあっては、それぞれ当該イからハまでに定める事項) イ 無限定適正意見 監査の対象となった計算関係書類が一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に準拠して、当該計算関係書類に係る期間の財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示していると認められる旨 ロ 除外事項を付した限定付適正意見 監査の対象となった計算関係書類が除外事項を除き一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に準拠して、当該計算関係書類に係る期間の財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示していると認められる旨、除外事項並びに除外事項を付した限定付適正意見とした理由 ハ 不適正意見 監査の対象となった計算関係書類が不適正である旨及びその理由 三 前号の意見がないときは、その旨及びその理由 四 継続企業の前提に関する注記に係る事項 五 第二号の意見があるときは、事業報告及びその附属明細書の内容と計算関係書類の内容又は会計監査人が監査の過程で得た知識との間の重要な相違等について、報告すべき事項の有無及び報告すべき事項があるときはその内容 六 追記情報 七 会計監査報告を作成した日 2 前項第六号に規定する「追記情報」とは、次に掲げる事項その他の事項のうち、会計監査人の判断に関して説明を付す必要がある事項又は計算関係書類の内容のうち強調する必要がある事項とする。 一 会計方針の変更 二 重要な偶発事象 三 重要な後発事象 (会計監査人設置会社の監査役の監査報告の内容) 第百二十七条 会計監査人設置会社の監査役は、計算関係書類及び会計監査報告(第百三十条第三項に規定する場合にあっては、計算関係書類)を受領したときは、次に掲げる事項(監査役会設置会社の監査役の監査報告にあっては、第一号から第五号までに掲げる事項)を内容とする監査報告を作成しなければならない。 一 監査役の監査の方法及びその内容 二 会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認めたときは、その旨及びその理由(第百三十条第三項に規定する場合にあっては、会計監査報告を受領していない旨) 三 重要な後発事象(会計監査報告の内容となっているものを除く。) 四 会計監査人の職務の遂行が適正に実施されることを確保するための体制に関する事項 五 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由 六 監査報告を作成した日 (会計監査人設置会社の監査役会の監査報告の内容等) 第百二十八条 会計監査人設置会社の監査役会は、前条の規定により監査役が作成した監査報告(以下この条において「監査役監査報告」という。)に基づき、監査役会の監査報告(以下この条において「監査役会監査報告」という。)を作成しなければならない。 2 監査役会監査報告は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。 この場合において、監査役は、当該事項に係る監査役会監査報告の内容が当該事項に係る監査役の監査役監査報告の内容と異なる場合には、当該事項に係る各監査役の監査役監査報告の内容を監査役会監査報告に付記することができる。 一 監査役及び監査役会の監査の方法及びその内容 二 前条第二号から第五号までに掲げる事項 三 監査役会監査報告を作成した日 3 会計監査人設置会社の監査役会が監査役会監査報告を作成する場合には、監査役会は、一回以上、会議を開催する方法又は情報の送受信により同時に意見の交換をすることができる方法により、監査役会監査報告の内容(前項後段の規定による付記を除く。)を審議しなければならない。 (監査等委員会の監査報告の内容) 第百二十八条の二 監査等委員会は、計算関係書類及び会計監査報告(第百三十条第三項に規定する場合にあっては、計算関係書類)を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする監査報告を作成しなければならない。 この場合において、監査等委員は、当該事項に係る監査報告の内容が当該監査等委員の意見と異なる場合には、その意見を監査報告に付記することができる。 一 監査等委員会の監査の方法及びその内容 二 第百二十七条第二号から第五号までに掲げる事項 三 監査報告を作成した日 2 前項に規定する監査報告の内容(同項後段の規定による付記を除く。)は、監査等委員会の決議をもって定めなければならない。 (監査委員会の監査報告の内容) 第百二十九条 監査委員会は、計算関係書類及び会計監査報告(次条第三項に規定する場合にあっては、計算関係書類)を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする監査報告を作成しなければならない。 この場合において、監査委員は、当該事項に係る監査報告の内容が当該監査委員の意見と異なる場合には、その意見を監査報告に付記することができる。 一 監査委員会の監査の方法及びその内容 二 第百二十七条第二号から第五号までに掲げる事項 三 監査報告を作成した日 2 前項に規定する監査報告の内容(同項後段の規定による付記を除く。)は、監査委員会の決議をもって定めなければならない。 (会計監査報告の通知期限等) 第百三十条 会計監査人は、次の各号に掲げる会計監査報告の区分に応じ、当該各号に定める日までに、特定監査役及び特定取締役に対し、当該会計監査報告の内容を通知しなければならない。 一 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書についての会計監査報告 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 当該計算書類の全部を受領した日から四週間を経過した日 ロ 当該計算書類の附属明細書を受領した日から一週間を経過した日 ハ 特定取締役、特定監査役及び会計監査人の間で合意により定めた日があるときは、その日 二 臨時計算書類についての会計監査報告 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 当該臨時計算書類の全部を受領した日から四週間を経過した日 ロ 特定取締役、特定監査役及び会計監査人の間で合意により定めた日があるときは、その日 三 連結計算書類についての会計監査報告 当該連結計算書類の全部を受領した日から四週間を経過した日(特定取締役、特定監査役及び会計監査人の間で合意により定めた日がある場合にあっては、その日) 2 計算関係書類については、特定監査役及び特定取締役が前項の規定による会計監査報告の内容の通知を受けた日に、会計監査人の監査を受けたものとする。 3 前項の規定にかかわらず、会計監査人が第一項の規定により通知をすべき日までに同項の規定による会計監査報告の内容の通知をしない場合には、当該通知をすべき日に、計算関係書類については、会計監査人の監査を受けたものとみなす。 4 第一項及び第二項に規定する「特定取締役」とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者(当該株式会社が会計参与設置会社である場合にあっては、当該各号に定める者及び会計参与)をいう(第百三十二条において同じ。)。 一 第一項の規定による通知を受ける者を定めた場合 当該通知を受ける者として定められた者 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査を受けるべき計算関係書類の作成に関する職務を行った取締役及び執行役 5 第一項及び第二項に規定する「特定監査役」とは、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者とする(以下この章において同じ。)。 一 監査役設置会社(監査役会設置会社を除く。) 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める者 イ 二以上の監査役が存する場合において、第一項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査役を定めたとき 当該通知を受ける監査役として定められた監査役 ロ 二以上の監査役が存する場合において、第一項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査役を定めていないとき 全ての監査役 ハ イ又はロに掲げる場合以外の場合 監査役 二 監査役会設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者 イ 監査役会が第一項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査役を定めた場合 当該通知を受ける監査役として定められた監査役 ロ イに掲げる場合以外の場合 全ての監査役 三 監査等委員会設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者 イ 監査等委員会が第一項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査等委員を定めた場合 当該通知を受ける監査等委員として定められた監査等委員 ロ イに掲げる場合以外の場合 監査等委員のうちいずれかの者 四 指名委員会等設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者 イ 監査委員会が第一項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査委員を定めた場合 当該通知を受ける監査委員として定められた監査委員 ロ イに掲げる場合以外の場合 監査委員のうちいずれかの者 (会計監査人の職務の遂行に関する事項) 第百三十一条 会計監査人は、前条第一項の規定による特定監査役に対する会計監査報告の内容の通知に際して、当該会計監査人についての次に掲げる事項(当該事項に係る定めがない場合にあっては、当該事項を定めていない旨)を通知しなければならない。 ただし、全ての監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)が既に当該事項を知っている場合は、この限りでない。 一 独立性に関する事項その他監査に関する法令及び規程の遵守に関する事項 二 監査、監査に準ずる業務及びこれらに関する業務の契約の受任及び継続の方針に関する事項 三 会計監査人の職務の遂行が適正に行われることを確保するための体制に関するその他の事項 (会計監査人設置会社の監査役等の監査報告の通知期限) 第百三十二条 会計監査人設置会社の特定監査役は、次の各号に掲げる監査報告の区分に応じ、当該各号に定める日までに、特定取締役及び会計監査人に対し、監査報告(監査役会設置会社にあっては、第百二十八条第一項の規定により作成した監査役会の監査報告に限る。以下この条において同じ。)の内容を通知しなければならない。 一 連結計算書類以外の計算関係書類についての監査報告 次に掲げる日のいずれか遅い日 イ 会計監査報告を受領した日(第百三十条第三項に規定する場合にあっては、同項の規定により監査を受けたものとみなされた日。次号において同じ。)から一週間を経過した日 ロ 特定取締役及び特定監査役の間で合意により定めた日があるときは、その日 二 連結計算書類についての監査報告 会計監査報告を受領した日から一週間を経過した日(特定取締役及び特定監査役の間で合意により定めた日がある場合にあっては、その日) 2 計算関係書類については、特定取締役及び会計監査人が前項の規定による監査報告の内容の通知を受けた日に、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)の監査を受けたものとする。 3 前項の規定にかかわらず、特定監査役が第一項の規定により通知をすべき日までに同項の規定による監査報告の内容の通知をしない場合には、当該通知をすべき日に、計算関係書類については、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)の監査を受けたものとみなす。 第五編 計算書類の株主への提供及び承認の特則に関する要件 第一章 計算書類等の株主への提供 (計算書類等の提供) 第百三十三条 法第四百三十七条の規定により株主に対して行う提供計算書類(次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。以下この条において同じ。)の提供に関しては、この条に定めるところによる。 一 株式会社(監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。次号において同じ。)及び会計監査人設置会社を除く。) 計算書類 二 会計監査人設置会社以外の監査役設置会社 次に掲げるもの イ 計算書類 ロ 計算書類に係る監査役(監査役会設置会社にあっては、監査役会)の監査報告があるときは、当該監査報告(二以上の監査役が存する株式会社(監査役会設置会社を除く。)の各監査役の監査報告の内容(監査報告を作成した日を除く。)が同一である場合にあっては、一又は二以上の監査役の監査報告) ハ 第百二十四条第三項の規定により監査を受けたものとみなされたときは、その旨の記載又は記録をした書面又は電磁的記録 三 会計監査人設置会社 次に掲げるもの イ 計算書類 ロ 計算書類に係る会計監査報告があるときは、当該会計監査報告 ハ 会計監査人が存しないとき(法第三百四十六条第四項の一時会計監査人の職務を行うべき者が存する場合を除く。)は、会計監査人が存しない旨の記載又は記録をした書面又は電磁的記録 ニ 第百三十条第三項の規定により監査を受けたものとみなされたときは、その旨の記載又は記録をした書面又は電磁的記録 ホ 計算書類に係る監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)の監査報告があるときは、当該監査報告(二以上の監査役が存する株式会社(監査役会設置会社を除く。)の各監査役の監査報告の内容(監査報告を作成した日を除く。)が同一である場合にあっては、一又は二以上の監査役の監査報告) ヘ 前条第三項の規定により監査を受けたものとみなされたときは、その旨の記載又は記録をした書面又は電磁的記録 2 定時株主総会の招集通知(法第二百九十九条第二項又は第三項の規定による通知をいう。以下同じ。)を次の各号に掲げる方法により行う場合にあっては、提供計算書類は、当該各号に定める方法により提供しなければならない。 一 書面の提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 提供計算書類が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項を記載した書面の提供 ロ 提供計算書類が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の提供 二 電磁的方法による提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 提供計算書類が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項の電磁的方法による提供 ロ 提供計算書類が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項の電磁的方法による提供 3 提供計算書類を提供する際には、当該事業年度より前の事業年度に係る貸借対照表、損益計算書又は株主資本等変動計算書に表示すべき事項(以下この項において「過年度事項」という。)を併せて提供することができる。 この場合において、提供計算書類の提供をする時における過年度事項が会計方針の変更その他の正当な理由により当該事業年度より前の事業年度に係る定時株主総会において承認又は報告をしたものと異なるものとなっているときは、修正後の過年度事項を提供することを妨げない。 4 提供計算書類に表示すべき事項に係る情報を、定時株主総会に係る招集通知を発出する時から定時株主総会の日から三箇月が経過する日までの間、継続して電磁的方法により株主が提供を受けることができる状態に置く措置(会社法施行規則第二百二十二条第一項第一号ロに掲げる方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下この章において同じ。)を使用する方法によって行われるものに限る。)をとる場合における第二項の規定の適用については、当該事項につき同項各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により株主に対して提供したものとみなす。 ただし、この項の措置をとる旨の定款の定めがある場合に限る。 5 前項の場合には、取締役は、同項の措置をとるために使用する自動公衆送信装置のうち当該措置をとるための用に供する部分をインターネットにおいて識別するための文字、記号その他の符号又はこれらの結合であって、情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録することができるものを株主に対して通知しなければならない。 6 第四項の規定により提供計算書類に表示した事項の一部が株主に対して第二項各号に定める方法により提供したものとみなされる場合において、監査役、会計監査人、監査等委員会又は監査委員会が、現に株主に対して提供された計算書類が監査報告又は会計監査報告を作成するに際して監査をした計算書類の一部であることを株主に対して通知すべき旨を取締役に請求したときは、取締役は、その旨を株主に対して通知しなければならない。 7 取締役は、計算書類の内容とすべき事項について、定時株主総会の招集通知を発出した日から定時株主総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合における修正後の事項を株主に周知させる方法を当該招集通知と併せて通知することができる。 (連結計算書類の提供) 第百三十四条 法第四百四十四条第六項の規定により株主に対して連結計算書類の提供をする場合において、定時株主総会の招集通知を次の各号に掲げる方法により行うときは、連結計算書類は、当該各号に定める方法により提供しなければならない。 一 書面の提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 連結計算書類が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項を記載した書面の提供 ロ 連結計算書類が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の提供 二 電磁的方法による提供 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法 イ 連結計算書類が書面をもって作成されている場合 当該書面に記載された事項の電磁的方法による提供 ロ 連結計算書類が電磁的記録をもって作成されている場合 当該電磁的記録に記録された事項の電磁的方法による提供 2 前項の連結計算書類に係る会計監査報告又は監査報告がある場合において、当該会計監査報告又は監査報告の内容をも株主に対して提供することを定めたときにおける同項の規定の適用については、同項第一号イ及びロ並びに第二号イ及びロ中「連結計算書類」とあるのは、「連結計算書類(当該連結計算書類に係る会計監査報告又は監査報告を含む。)」とする。 3 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある場合において、第一項の連結計算書類に係る会計監査報告又は監査報告があり、かつ、その内容をも株主に対して提供することを定めたときは、前二項の規定による提供に代えて当該会計監査報告又は監査報告に記載され、又は記録された事項に係る情報について電子提供措置をとることができる。 4 連結計算書類を提供する際には、当該連結会計年度より前の連結会計年度に係る連結貸借対照表、連結損益計算書又は連結株主資本等変動計算書に表示すべき事項(以下この項において「過年度事項」という。)を併せて提供することができる。 この場合において、連結計算書類の提供をする時における過年度事項が会計方針の変更その他の正当な理由により当該連結会計年度より前の連結会計年度に相当する事業年度に係る定時株主総会において報告をしたものと異なるものとなっているときは、修正後の過年度事項を提供することを妨げない。 5 連結計算書類(第二項に規定する場合にあっては、当該連結計算書類に係る会計監査報告又は監査報告を含む。)に表示すべき事項に係る情報を、定時株主総会に係る招集通知を発出する時から定時株主総会の日から三箇月が経過する日までの間、継続して電磁的方法により株主が提供を受けることができる状態に置く措置(会社法施行規則第二百二十二条第一項第一号ロに掲げる方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置を使用する方法によって行われるものに限る。)をとる場合における第一項の規定の適用については、当該事項につき同項各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により株主に対して提供したものとみなす。 ただし、この項の措置をとる旨の定款の定めがある場合に限る。 6 前項の場合には、取締役は、同項の措置をとるために使用する自動公衆送信装置のうち当該措置をとるための用に供する部分をインターネットにおいて識別するための文字、記号その他の符号又はこれらの結合であって、情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機に入力することによって当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録することができるものを株主に対して通知しなければならない。 7 第五項の規定により連結計算書類に表示した事項の一部が株主に対して第一項各号に定める方法により提供したものとみなされた場合において、監査役、会計監査人、監査等委員会又は監査委員会が、現に株主に対して提供された連結計算書類が監査報告又は会計監査報告を作成するに際して監査をした連結計算書類の一部であることを株主に対して通知すべき旨を取締役に請求したときは、取締役は、その旨を株主に対して通知しなければならない。 8 取締役は、連結計算書類の内容とすべき事項について、定時株主総会の招集通知を発出した日から定時株主総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合における修正後の事項を株主に周知させる方法を当該招集通知と併せて通知することができる。 第二章 計算書類等の承認の特則に関する要件 第百三十五条 法第四百三十九条及び第四百四十一条第四項(以下この条において「承認特則規定」という。)に規定する法務省令で定める要件は、次の各号(監査役設置会社であって監査役会設置会社でない株式会社にあっては、第三号を除く。)のいずれにも該当することとする。 一 承認特則規定に規定する計算関係書類についての会計監査報告の内容に第百二十六条第一項第二号イに定める事項(当該計算関係書類が臨時計算書類である場合にあっては、当該事項に相当する事項を含む。)が含まれていること。 二 前号の会計監査報告に係る監査役、監査役会、監査等委員会又は監査委員会の監査報告(監査役会設置会社にあっては、第百二十八条第一項の規定により作成した監査役会の監査報告に限る。)の内容として会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認める意見がないこと。 三 第百二十八条第二項後段、第百二十八条の二第一項後段又は第百二十九条第一項後段の規定により第一号の会計監査報告に係る監査役会、監査等委員会又は監査委員会の監査報告に付記された内容が前号の意見でないこと。 四 承認特則規定に規定する計算関係書類が第百三十二条第三項の規定により監査を受けたものとみなされたものでないこと。 五 取締役会を設置していること。 第六編 計算書類の公告等 第一章 計算書類の公告 第百三十六条 株式会社が法第四百四十条第一項の規定による公告(同条第三項の規定による措置を含む。以下この項において同じ。)をする場合には、次に掲げる事項を当該公告において明らかにしなければならない。 この場合において、第一号から第七号までに掲げる事項は、当該事業年度に係る個別注記表に表示した注記に限るものとする。 一 継続企業の前提に関する注記 二 重要な会計方針に係る事項に関する注記 三 貸借対照表に関する注記 四 税効果会計に関する注記 五 関連当事者との取引に関する注記 六 一株当たり情報に関する注記 七 重要な後発事象に関する注記 八 当期純損益金額 2 株式会社が法第四百四十条第一項の規定により損益計算書の公告をする場合における前項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは、「第一号から第七号までに」とする。 3 前項の規定は、株式会社が損益計算書の内容である情報について法第四百四十条第三項に規定する措置をとる場合について準用する。 第二章 計算書類の要旨の公告 第一節 総則 第百三十七条 法第四百四十条第二項の規定により貸借対照表の要旨又は損益計算書の要旨を公告する場合における貸借対照表の要旨及び損益計算書の要旨については、この章の定めるところによる。 第二節 貸借対照表の要旨 (貸借対照表の要旨の区分) 第百三十八条 貸借対照表の要旨は、次に掲げる部に区分しなければならない。 一 資産 二 負債 三 純資産 (資産の部) 第百三十九条 資産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 流動資産 二 固定資産 三 繰延資産 2 資産の部の各項目は、適当な項目に細分することができる。 3 公開会社の貸借対照表の要旨における固定資産に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 有形固定資産 二 無形固定資産 三 投資その他の資産 4 公開会社の貸借対照表の要旨における資産の部の各項目は、公開会社の財産の状態を明らかにするため重要な適宜の項目に細分しなければならない。 5 資産の部の各項目は、当該項目に係る資産を示す適当な名称を付さなければならない。 (負債の部) 第百四十条 負債の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 流動負債 二 固定負債 2 負債に係る引当金がある場合には、当該引当金については、引当金ごとに、他の負債と区分しなければならない。 3 負債の部の各項目は、適当な項目に細分することができる。 4 公開会社の貸借対照表の要旨における負債の部の各項目は、公開会社の財産の状態を明らかにするため重要な適宜の項目に細分しなければならない。 5 負債の部の各項目は、当該項目に係る負債を示す適当な名称を付さなければならない。 (純資産の部) 第百四十一条 純資産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 株主資本 二 評価・換算差額等 三 株式引受権 四 新株予約権 2 株主資本に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 この場合において、第五号に掲げる項目は、控除項目とする。 一 資本金 二 新株式申込証拠金 三 資本剰余金 四 利益剰余金 五 自己株式 六 自己株式申込証拠金 3 資本剰余金に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 資本準備金 二 その他資本剰余金 4 利益剰余金に係る項目は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 利益準備金 二 その他利益剰余金 5 第三項第二号及び前項第二号に掲げる項目は、適当な名称を付した項目に細分することができる。 6 評価・換算差額等に係る項目は、次に掲げる項目その他適当な名称を付した項目に細分しなければならない。 一 その他有価証券評価差額金 二 繰延ヘッジ損益 三 土地再評価差額金 (貸借対照表の要旨への付記事項) 第百四十二条 貸借対照表の要旨には、当期純損益金額を付記しなければならない。 ただし、法第四百四十条第二項の規定により損益計算書の要旨を公告する場合は、この限りでない。 第三節 損益計算書の要旨 第百四十三条 損益計算書の要旨は、次に掲げる項目に区分しなければならない。 一 売上高 二 売上原価 三 売上総利益金額又は売上総損失金額 四 販売費及び一般管理費 五 営業外収益 六 営業外費用 七 特別利益 八 特別損失 2 前項の規定にかかわらず、同項第五号又は第六号に掲げる項目の額が重要でないときは、これらの項目を区分せず、その差額を営業外損益として区分することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、同項第七号又は第八号に掲げる項目の額が重要でないときは、これらの項目を区分せず、その差額を特別損益として区分することができる。 4 損益計算書の要旨の各項目は、適当な項目に細分することができる。 5 損益計算書の要旨の各項目は、株式会社の損益の状態を明らかにするため必要があるときは、重要な適宜の項目に細分しなければならない。 6 損益計算書の要旨の各項目は、当該項目に係る利益又は損失を示す適当な名称を付さなければならない。 7 次の各号に掲げる額が存する場合には、当該額は、当該各号に定めるものとして表示しなければならない。 ただし、次の各号に掲げる額(第九号及び第十号に掲げる額を除く。)が零未満である場合は、零から当該額を減じて得た額を当該各号に定めるものとして表示しなければならない。 一 売上総損益金額(零以上の額に限る。) 売上総利益金額 二 売上総損益金額(零未満の額に限る。) 売上総損失金額 三 営業損益金額(零以上の額に限る。) 営業利益金額 四 営業損益金額(零未満の額に限る。) 営業損失金額 五 経常損益金額(零以上の額に限る。) 経常利益金額 六 経常損益金額(零未満の額に限る。) 経常損失金額 七 税引前当期純損益金額(零以上の額に限る。) 税引前当期純利益金額 八 税引前当期純損益金額(零未満の額に限る。) 税引前当期純損失金額 九 当該事業年度に係る法人税等 その内容を示す名称を付した項目 十 法人税等調整額 その内容を示す名称を付した項目 十一 当期純損益金額(零以上の額に限る。) 当期純利益金額 十二 当期純損益金額(零未満の額に限る。) 当期純損失金額 第四節 雑則 (金額の表示の単位) 第百四十四条 貸借対照表の要旨又は損益計算書の要旨に係る事項の金額は、百万円単位又は十億円単位をもって表示するものとする。 2 前項の規定にかかわらず、株式会社の財産又は損益の状態を的確に判断することができなくなるおそれがある場合には、貸借対照表の要旨又は損益計算書の要旨に係る事項の金額は、適切な単位をもって表示しなければならない。 (表示言語) 第百四十五条 貸借対照表の要旨又は損益計算書の要旨は、日本語をもって表示するものとする。 ただし、その他の言語をもって表示することが不当でない場合は、この限りでない。 (別記事業) 第百四十六条 別記事業会社が公告すべき貸借対照表の要旨又は損益計算書の要旨において表示すべき事項については、当該別記事業会社の財産及び損益の状態を明らかにするために必要かつ適切である場合においては、前二節の規定にかかわらず、適切な部又は項目に分けて表示することができる。 第三章 雑則 (貸借対照表等の電磁的方法による公開の方法) 第百四十七条 法第四百四十条第三項の規定による措置は、会社法施行規則第二百二十二条第一項第一号ロに掲げる方法のうち、インターネットに接続された自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。)を使用する方法によって行わなければならない。 (不適正意見がある場合等における公告事項) 第百四十八条 次の各号のいずれかに該当する場合において、会計監査人設置会社が法第四百四十条第一項又は第二項の規定による公告(同条第三項に規定する措置を含む。以下この条において同じ。)をするときは、当該各号に定める事項を当該公告において明らかにしなければならない。 一 会計監査人が存しない場合(法第三百四十六条第四項の一時会計監査人の職務を行うべき者が存する場合を除く。) 会計監査人が存しない旨 二 第百三十条第三項の規定により監査を受けたものとみなされた場合 その旨 三 当該公告に係る計算書類についての会計監査報告に不適正意見がある場合 その旨 四 当該公告に係る計算書類についての会計監査報告が第百二十六条第一項第三号に掲げる事項を内容としているものである場合 その旨 第七編 株式会社の計算に係る計数等に関する事項 第一章 株式会社の剰余金の額 (最終事業年度の末日における控除額) 第百四十九条 法第四百四十六条第一号ホに規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 法第四百四十六条第一号イ及びロに掲げる額の合計額 二 法第四百四十六条第一号ハ及びニに掲げる額の合計額 三 その他資本剰余金の額 四 その他利益剰余金の額 (最終事業年度の末日後に生ずる控除額) 第百五十条 法第四百四十六条第七号に規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、第一号から第四号までに掲げる額の合計額から第五号から第八号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度の末日後に剰余金の額を減少して資本金の額又は準備金の額を増加した場合における当該減少額 二 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における第二十三条第一号ロ及び第二号ロに掲げる額 三 最終事業年度の末日後に株式会社が吸収型再編受入行為に際して処分する自己株式に係る法第四百四十六条第二号に掲げる額 四 最終事業年度の末日後に株式会社が吸収分割会社又は新設分割会社となる吸収分割又は新設分割に際して剰余金の額を減少した場合における当該減少額 五 最終事業年度の末日後に株式会社が吸収型再編受入行為をした場合における当該吸収型再編受入行為に係る次に掲げる額の合計額 イ 当該吸収型再編後の当該株式会社のその他資本剰余金の額から当該吸収型再編の直前の当該株式会社のその他資本剰余金の額を減じて得た額 ロ 当該吸収型再編後の当該株式会社のその他利益剰余金の額から当該吸収型再編の直前の当該株式会社のその他利益剰余金の額を減じて得た額 六 最終事業年度の末日後に第二十一条の規定により増加したその他資本剰余金の額 七 最終事業年度の末日後に第四十二条の二第五項第一号の規定により変動したその他資本剰余金の額 八 最終事業年度の末日後に第四十二条の二第七項の規定により自己株式の額を増加した場合における当該増加額 2 前項の規定にかかわらず、最終事業年度のない株式会社における法第四百四十六条第七号に規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、第一号から第五号までに掲げる額の合計額から第六号から第十四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 成立の日(法以外の法令により株式会社となったものにあっては、当該株式会社が株式会社となった日。以下この項において同じ。)後に法第百七十八条第一項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額 二 成立の日後に剰余金の配当をした場合における当該剰余金の配当に係る法第四百四十六条第六号に掲げる額 三 成立の日後に剰余金の額を減少して資本金の額又は準備金の額を増加した場合における当該減少額 四 成立の日後に剰余金の配当をした場合における第二十三条第一号ロ及び第二号ロに掲げる額 五 成立の日後に株式会社が吸収分割会社又は新設分割会社となる吸収分割又は新設分割に際して剰余金の額を減少した場合における当該減少額 六 成立の日におけるその他資本剰余金の額 七 成立の日におけるその他利益剰余金の額 八 成立の日後に自己株式の処分をした場合(吸収型再編受入行為に際して自己株式の処分をした場合を除く。)における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を減じて得た額 九 成立の日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(法第四百四十七条第一項第二号の額を除く。) 十 成立の日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(法第四百四十八条第一項第二号の額を除く。) 十一 成立の日後に株式会社が吸収型再編受入行為をした場合における当該吸収型再編に係る次に掲げる額の合計額 イ 当該吸収型再編後の当該株式会社のその他資本剰余金の額から当該吸収型再編の直前の当該株式会社のその他資本剰余金の額を減じて得た額 ロ 当該吸収型再編後の当該株式会社のその他利益剰余金の額から当該吸収型再編の直前の当該株式会社のその他利益剰余金の額を減じて得た額 十二 成立の日後に第二十一条の規定により増加したその他資本剰余金の額 十三 成立の日後に第四十二条の二第五項第一号の規定により変動したその他資本剰余金の額 十四 成立の日後に第四十二条の二第七項の規定により自己株式の額を増加した場合における当該増加額 3 最終事業年度の末日後に持分会社が株式会社となった場合には、株式会社となった日における当該株式会社のその他資本剰余金の額及びその他利益剰余金の額の合計額を最終事業年度の末日における剰余金の額とみなす。 第二章 資本金等の額の減少 (欠損の額) 第百五十一条 法第四百四十九条第一項第二号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって欠損の額とする方法とする。 一 零 二 零から分配可能額を減じて得た額 (計算書類に関する事項) 第百五十二条 法第四百四十九条第二項第二号に規定する法務省令で定めるものは、同項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日における次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。 一 最終事業年度に係る貸借対照表又はその要旨につき公告対象会社(法第四百四十九条第二項第二号の株式会社をいう。以下この条において同じ。)が法第四百四十条第一項又は第二項の規定による公告をしている場合 次に掲げるもの イ 官報で公告をしているときは、当該官報の日付及び当該公告が掲載されている頁 ロ 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で公告をしているときは、当該日刊新聞紙の名称、日付及び当該公告が掲載されている頁 ハ 電子公告により公告をしているときは、法第九百十一条第三項第二十八号イに掲げる事項 二 最終事業年度に係る貸借対照表につき公告対象会社が法第四百四十条第三項に規定する措置をとっている場合 法第九百十一条第三項第二十六号に掲げる事項 三 公告対象会社が法第四百四十条第四項に規定する株式会社である場合において、当該株式会社が金融商品取引法第二十四条第一項の規定により最終事業年度に係る有価証券報告書を提出している場合 その旨 四 公告対象会社が会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第八十七号)第二十八条の規定により法第四百四十条の規定が適用されないものである場合 その旨 五 公告対象会社につき最終事業年度がない場合 その旨 六 前各号に掲げる場合以外の場合 前編第二章の規定による最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容 第三章 剰余金の処分 第百五十三条 法第四百五十二条後段に規定する法務省令で定める事項は、同条前段に規定する剰余金の処分(同条前段の株主総会の決議を経ないで剰余金の項目に係る額の増加又は減少をすべき場合における剰余金の処分を除く。)に係る次に掲げる事項とする。 一 増加する剰余金の項目 二 減少する剰余金の項目 三 処分する各剰余金の項目に係る額 2 前項に規定する「株主総会の決議を経ないで剰余金の項目に係る額の増加又は減少をすべき場合」とは、次に掲げる場合とする。 一 法令又は定款の規定(法第四百五十二条の規定及び同条前段の株主総会(法第四百五十九条の定款の定めがある場合にあっては、取締役会を含む。以下この項において同じ。)の決議によるべき旨を定める規定を除く。)により剰余金の項目に係る額の増加又は減少をすべき場合 二 法第四百五十二条前段の株主総会の決議によりある剰余金の項目に係る額の増加又は減少をさせた場合において、当該決議の定めるところに従い、同条前段の株主総会の決議を経ないで当該剰余金の項目に係る額の減少又は増加をすべきとき。 第四章 剰余金の配当に際しての金銭分配請求権 第百五十四条 法第四百五十五条第二項第一号に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうちいずれか高い額をもって配当財産の価格とする方法とする。 一 法第四百五十四条第四項第一号の期間の末日(以下この条において「行使期限日」という。)における当該配当財産を取引する市場における最終の価格(当該行使期限日に売買取引がない場合又は当該行使期限日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格) 二 行使期限日において当該配当財産が公開買付け等の対象であるときは、当該行使期限日における当該公開買付け等に係る契約における当該配当財産の価格 第五章 剰余金の分配を決定する機関の特則に関する要件 第百五十五条 法第四百五十九条第二項及び第四百六十条第二項(以下この条において「分配特則規定」という。)に規定する法務省令で定める要件は、次のいずれにも該当することとする。 一 分配特則規定に規定する計算書類についての会計監査報告の内容に第百二十六条第一項第二号イに定める事項が含まれていること。 二 前号の会計監査報告に係る監査役会、監査等委員会又は監査委員会の監査報告の内容として会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認める意見がないこと。 三 第百二十八条第二項後段、第百二十八条の二第一項後段又は第百二十九条第一項後段の規定により第一号の会計監査報告に係る監査役会、監査等委員会又は監査委員会の監査報告に付記された内容が前号の意見でないこと。 四 分配特則規定に規定する計算関係書類が第百三十二条第三項の規定により監査を受けたものとみなされたものでないこと。 第六章 分配可能額 (臨時計算書類の利益の額) 第百五十六条 法第四百六十一条第二項第二号イに規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、臨時計算書類の損益計算書に計上された当期純損益金額(零以上の額に限る。)とする。 (臨時計算書類の損失の額) 第百五十七条 法第四百六十一条第二項第五号に規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、零から臨時計算書類の損益計算書に計上された当期純損益金額(零未満の額に限る。)を減じて得た額とする。 (その他減ずるべき額) 第百五十八条 法第四百六十一条第二項第六号に規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、第一号から第八号までに掲げる額の合計額から第九号及び第十号に掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの)。以下この号から第三号まで、第六号ハ、第八号イ及びロ並びに第九号において同じ。)の末日(最終事業年度がない場合(法第四百六十一条第二項第二号に規定する場合を除く。)にあっては、成立の日。以下この号から第三号まで、第六号ハ、第八号イ及びロ並びに第九号において同じ。)におけるのれん等調整額(資産の部に計上したのれんの額を二で除して得た額及び繰延資産の部に計上した額の合計額をいう。以下この号及び第四号において同じ。)が次のイからハまでに掲げる場合に該当する場合における当該イからハまでに定める額 イ 当該のれん等調整額が資本等金額(最終事業年度の末日における資本金の額及び準備金の額の合計額をいう。以下この号において同じ。)以下である場合 零 ロ 当該のれん等調整額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額以下である場合(イに掲げる場合を除く。) 当該のれん等調整額から資本等金額を減じて得た額 ハ 当該のれん等調整額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額を超えている場合 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める額 (1) 最終事業年度の末日におけるのれんの額を二で除して得た額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額以下の場合 当該のれん等調整額から資本等金額を減じて得た額 (2) 最終事業年度の末日におけるのれんの額を二で除して得た額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額を超えている場合 最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額及び繰延資産の部に計上した額の合計額 二 最終事業年度の末日における貸借対照表のその他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)を零から減じて得た額 三 最終事業年度の末日における貸借対照表の土地再評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)を零から減じて得た額 四 株式会社が連結配当規制適用会社であるとき(第二条第三項第五十五号のある事業年度が最終事業年度である場合に限る。)は、イに掲げる額からロ及びハに掲げる額の合計額を減じて得た額(当該額が零未満である場合にあっては、零) イ 最終事業年度の末日における貸借対照表の(1)から(3)までに掲げる額の合計額から(4)に掲げる額を減じて得た額 (1) 株主資本の額 (2) その他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零) (3) 土地再評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零) (4) のれん等調整額(当該のれん等調整額が資本金の額、資本剰余金の額及び利益準備金の額の合計額を超えている場合にあっては、資本金の額、資本剰余金の額及び利益準備金の額の合計額) ロ 最終事業年度の末日後に子会社から当該株式会社の株式を取得した場合における当該株式の取得直前の当該子会社における帳簿価額のうち、当該株式会社の当該子会社に対する持分に相当する額 ハ 最終事業年度の末日における連結貸借対照表の(1)から(3)までに掲げる額の合計額から(4)に掲げる額を減じて得た額 (1) 株主資本の額 (2) その他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零) (3) 土地再評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零) (4) のれん等調整額(当該のれん等調整額が資本金の額及び資本剰余金の額の合計額を超えている場合にあっては、資本金の額及び資本剰余金の額の合計額) 五 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、成立の日。第七号及び第十号において同じ。)後に二以上の臨時計算書類を作成した場合における最終の臨時計算書類以外の臨時計算書類に係る法第四百六十一条第二項第二号に掲げる額(同号ロに掲げる額のうち、吸収型再編受入行為及び特定募集(次の要件のいずれにも該当する場合におけるロの募集をいう。以下この条において同じ。)に際して処分する自己株式に係るものを除く。)から同項第五号に掲げる額を減じて得た額 イ 最終事業年度の末日後に法第百七十三条第一項の規定により当該株式会社の株式の取得(株式の取得に際して当該株式の株主に対してロの募集により当該株式会社が払込み又は給付を受けた財産のみを交付する場合における当該株式の取得に限る。)をすること。 ロ 法第二編第二章第八節の規定によりイの株式(当該株式の取得と同時に当該取得した株式の内容を変更する場合にあっては、当該変更後の内容の株式)の全部又は一部を引き受ける者の募集をすること。 ハ イの株式の取得に係る法第百七十一条第一項第三号の日とロの募集に係る法第百九十九条第一項第四号の期日が同一の日であること。 六 三百万円に相当する額から次に掲げる額の合計額を減じて得た額(当該額が零未満である場合にあっては、零) イ 資本金の額及び準備金の額の合計額 ロ 株式引受権の額 ハ 新株予約権の額 ニ 最終事業年度の末日の貸借対照表の評価・換算差額等の各項目に計上した額(当該項目に計上した額が零未満である場合にあっては、零)の合計額 七 最終事業年度の末日後株式会社が吸収型再編受入行為又は特定募集に際して処分する自己株式に係る法第四百六十一条第二項第二号ロに掲げる額 八 次に掲げる額の合計額 イ 最終事業年度の末日後に第二十一条の規定により増加したその他資本剰余金の額 ロ 最終事業年度の末日後に第四十二条の二第五項第一号の規定により変動したその他資本剰余金の額 ハ 最終事業年度がない株式会社が成立の日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 九 最終事業年度の末日後に株式会社が当該株式会社の株式を取得した場合(法第百五十五条第十二号に掲げる場合以外の場合において、当該株式の取得と引換えに当該株式の株主に対して当該株式会社の株式を交付するときに限る。)における当該取得した株式の帳簿価額から次に掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 当該取得に際して当該取得した株式の株主に交付する当該株式会社の株式以外の財産(社債等(自己社債及び自己新株予約権を除く。ロにおいて同じ。)を除く。)の帳簿価額 ロ 当該取得に際して当該取得した株式の株主に交付する当該株式会社の社債等に付すべき帳簿価額 十 最終事業年度の末日後に株式会社が吸収型再編受入行為又は特定募集に際して処分する自己株式に係る法第四百六十一条第二項第四号(最終事業年度がない場合にあっては、第八号)に掲げる額 (剰余金の配当等に関して責任をとるべき取締役等) 第百五十九条 法第四百六十二条第一項各号列記以外の部分に規定する法務省令で定めるものは、次の各号に掲げる行為の区分に応じ、当該各号に定める者とする。 一 法第四百六十一条第一項第一号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 株式の買取りによる金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 ロ 法第百四十条第二項の株主総会において株式の買取りに関する事項について説明をした取締役及び執行役 ハ 分配可能額の計算に関する報告を監査役(監査等委員会及び監査委員会を含む。以下この条において同じ。)又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役 二 法第四百六十一条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 ロ 法第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会において株式の取得に関する事項について説明をした取締役及び執行役 ハ 法第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会において株式の取得に賛成した取締役 ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役 三 法第四百六十一条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 ロ 法第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会において株式の取得に関する事項について説明をした取締役及び執行役 ハ 法第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会において株式の取得に賛成した取締役 ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役 四 法第四百六十一条第一項第四号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 ロ 法第百七十一条第一項の株主総会において株式の取得に関する事項について説明をした取締役及び執行役 ハ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役 五 法第四百六十一条第一項第五号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 株式の買取りによる金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 ロ 法第百七十五条第一項の株主総会において株式の買取りに関する事項について説明をした取締役及び執行役 ハ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役 六 法第四百六十一条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 株式の買取りによる金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 ロ 法第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会において株式の買取りに関する事項について説明をした取締役及び執行役 ハ 法第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会において株式の買取りに賛成した取締役 ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役 七 法第四百六十一条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 株式の買取りによる金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 ロ 法第二百三十四条第四項後段(法第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会において株式の買取りに関する事項について説明をした取締役及び執行役 ハ 法第二百三十四条第四項後段(法第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会において株式の買取りに賛成した取締役 ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役 八 法第四百六十一条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 剰余金の配当による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 ロ 法第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会において剰余金の配当に関する事項について説明をした取締役及び執行役 ハ 法第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会において剰余金の配当に賛成した取締役 ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役 九 法第百十六条第一項各号の行為に係る同項の規定による請求に応じてする株式の取得 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び次のイからニまでに掲げる行為の区分に応じ、当該イからニまでに定める者 イ その発行する全部の株式の内容として法第百七条第一項第一号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 次に掲げる者 (1) 株主総会に当該定款の変更に関する議案を提案した取締役 (2) (1)の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) (3) (1)の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 ロ ある種類の株式の内容として法第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 次に掲げる者 (1) 株主総会に当該定款の変更に関する議案を提案した取締役 (2) (1)の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) (3) (1)の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 ハ 法第百十六条第一項第三号に規定する場合における同号イからハまで及びヘに掲げる行為 次に掲げる者 (1) 当該行為が株主総会の決議に基づいて行われたときは、当該株主総会に当該行為に関する議案を提案した取締役 (2) (1)の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) (3) (1)の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 (4) 当該行為が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会において当該行為に賛成した取締役 ニ 法第百十六条第一項第三号に規定する場合における同号ニ及びホに掲げる行為 次に掲げる者 (1) 当該行為に関する職務を行った取締役及び執行役 (2) 当該行為が株主総会の決議に基づいて行われたときは、当該株主総会に当該行為に関する議案を提案した取締役 (3) (2)の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) (4) (2)の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 (5) 当該行為が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 十 法第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じてする株式の取得 次に掲げる者 イ 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役 ロ 法第百八十条第二項の株主総会に株式の併合に関する議案を提案した取締役 ハ ロの議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) ニ ロの議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 十一 法第四百六十五条第一項第四号に掲げる行為 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 十二 法第四百六十五条第一項第五号に掲げる行為 次に掲げる者 イ 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役 ロ 法第百七条第二項第三号イの事由が株主総会の決議に基づいて生じたときは、当該株主総会に当該行為に関する議案を提案した取締役 ハ ロの議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) ニ ロの議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 ホ 法第百七条第二項第三号イの事由が取締役会の決議に基づいて生じたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役 第百六十条 法第四百六十二条第一項第一号イに規定する法務省令で定めるものは、次に掲げる者とする。 一 株主総会に議案を提案した取締役 二 前号の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。) 三 第一号の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会において当該取締役会の決議に賛成した取締役 第百六十一条 法第四百六十二条第一項第一号ロに規定する法務省令で定めるものは、取締役会に議案を提案した取締役及び執行役とする。 第八編 持分会社の計算に係る計数等に関する事項 (損失の額) 第百六十二条 法第六百二十条第二項に規定する法務省令で定める方法は、同項の規定により算定される額を次に掲げる額のうちいずれか少ない額とする方法とする。 一 零から法第六百二十条第一項の規定により資本金の額を減少する日における資本剰余金の額及び利益剰余金の額の合計額を減じて得た額(零未満であるときは、零) 二 法第六百二十条第一項の規定により資本金の額を減少する日における資本金の額 (利益額) 第百六十三条 法第六百二十三条第一項に規定する法務省令で定める方法は、持分会社の利益額を次に掲げる額のうちいずれか少ない額(法第六百二十九条第二項ただし書に規定する利益額にあっては、第一号に掲げる額)とする方法とする。 一 法第六百二十一条第一項の規定による請求に応じて利益の配当をした日における利益剰余金の額 二 イに掲げる額からロ及びハに掲げる額の合計額を減じて得た額 イ 法第六百二十二条の規定により当該請求をした社員に対して既に分配された利益の額(第三十二条第一項第三号に定める額がある場合にあっては、当該額を含む。) ロ 法第六百二十二条の規定により当該請求をした社員に対して既に分配された損失の額(第三十二条第二項第四号に定める額がある場合にあっては、当該額を含む。) ハ 当該請求をした社員に対して既に利益の配当により交付された金銭等の帳簿価額 (剰余金額) 第百六十四条 法第六百二十六条第四項第四号に規定する法務省令で定める合計額は、第一号に掲げる額から第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 一 法第六百二十六条第四項第一号に掲げる額 二 法第六百二十六条第四項第二号及び第三号に掲げる額の合計額 三 次のイからホまでに掲げる場合における当該イからホまでに定める額 イ 法第六百二十六条第二項に規定する剰余金額を算定する場合 当該社員の出資につき資本剰余金に計上されている額 ロ 法第六百二十六条第三項に規定する剰余金額を算定する場合 次に掲げる額の合計額 (1) 当該社員の出資につき資本剰余金に計上されている額 (2) 第三十二条第二項第二号イに掲げる額から同号ロに掲げる額を減じて得た額 ハ 法第六百三十二条第二項及び第六百三十四条第一項に規定する剰余金額を算定する場合 次に掲げる額のうちいずれか少ない額 (1) 法第六百二十四条第一項の規定による請求に応じて出資の払戻しをした日における利益剰余金の額及び資本剰余金の額の合計額 (2) 当該社員の出資につき資本剰余金に計上されている額 ニ 法第六百三十三条第二項ただし書に規定する場合 ハ(1)に掲げる額 ホ 法第六百三十五条第一項、第二項第一号及び第六百三十六条第二項に規定する剰余金額を算定する場合 資本剰余金の額及び利益剰余金の額の合計額 (欠損額) 第百六十五条 法第六百三十一条第一項に規定する法務省令で定める方法は、第一号に掲げる額から第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額(零未満であるときは、零)を持分会社の欠損額とする方法とする。 一 零から法第六百三十一条第一項の事業年度の末日における資本剰余金の額及び利益剰余金の額の合計額を減じて得た額 二 法第六百三十一条第一項の事業年度に係る当期純損失金額 三 当該事業年度において持分の払戻しがあった場合におけるイに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零) イ 当該持分の払戻しに係る持分払戻額 ロ 当該持分の払戻しをした日における利益剰余金の額及び資本剰余金の額の合計額 (純資産額) 第百六十六条 法第六百三十五条第二項、第三項及び第五項に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる額の合計額をもって持分会社の純資産額とする方法とする。 一 資本金の額 二 資本剰余金の額 三 利益剰余金の額 四 最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、持分会社の成立の日)における評価・換算差額等に係る額
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平成十八年法務省令第十四号
46
電子公告規則 (目的) 第一条 この省令は、電子公告調査(会社法(平成十七年法律第八十六号。以下「法」という。)第九百四十二条第一項に規定する電子公告調査をいう。以下同じ。)に関し、法の規定(電子公告関係規定(法第九百四十三条第一号に規定する電子公告関係規定をいう。以下同じ。)において準用する場合を含む。)による委任に基づく事項その他の事項について、必要な事項を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 電子公告 法第二条第三十四号(電子公告関係規定を定める法律において引用する場合を含む。以下同じ。)に規定する電子公告をいう。 二 公告期間 法第九百四十条第三項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する公告期間をいう。 三 公告の中断 法第九百四十条第三項に規定する公告の中断をいう。 四 追加公告 法第九百四十条第三項第三号の規定による公告をいう。 五 電磁的記録 法第二十六条第二項に規定する電磁的記録をいう。 六 電子計算機 法第九百四十四条第一項第一号に規定する電子計算機をいう。 七 プログラム 法第九百四十四条第一項第一号に規定するプログラムをいう。 八 サーバ 公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。 九 プロバイダ インターネットへの接続を可能とする電気通信役務(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第三号に規定する電気通信役務をいう。)を提供する同条第五号に規定する電気通信事業者をいう。 十 公告サーバ 公告を電子公告により行うために使用するサーバをいう。 十一 公告アドレス 公告サーバのうち電子公告による公告を行うための用に供する部分をインターネットにおいて識別するための文字、記号その他の符号又はこれらの結合であって、公告すべき内容である情報の提供を受ける者がその使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)に入力することのみによって当該情報の内容を閲覧し、当該電子計算機に備えられたファイルに公告情報を記録することができるものをいう。 十二 公告ページ 電子計算機に公告アドレスを入力することによって当該電子計算機の映像面に表示される内容をいう。 十三 登記アドレス 法又はその他の法律に基づき行う電子公告に関して登記された事項(法第九百十一条第三項第二十八号イに掲げる事項その他これに相当するものに限る。)をいう。 十四 調査機関 法第九百四十一条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。以下同じ。)に規定する調査機関をいう。 十五 調査委託者 法第九百四十六条第三項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。以下同じ。)に規定する調査委託者をいう。 十六 調査結果通知 法第九百四十六条第四項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による電子公告調査の結果の通知をいう。 十七 業務規程 法第九百四十九条第一項に規定する業務規程をいう。 十八 公告情報 次条第一項第三号ハに掲げる情報であって、調査委託者が調査機関に対して同条第二項の規定により示したものをいう。 十九 追加公告情報 追加公告において公告し、又は公告しようとする内容である情報であって、調査委託者が調査機関の業務規程に定めるところにより当該調査機関に対して示したものをいう。 二十 情報入手作業 公告サーバから情報を受信するための作業をいう。 二十一 受信情報 情報入手作業により公告サーバから受信した情報をいう。 二十二 公告情報内容 公告情報を調査機関の電子計算機の映像面に表示したものを閲読することにより認識することのできる内容をいう。 二十三 追加公告情報内容 追加公告情報を調査機関の電子計算機の映像面に表示したものを閲読することにより認識することのできる内容をいう。 二十四 受信情報内容 受信情報を調査機関の電子計算機の映像面に表示したものを閲読することにより認識することのできる内容をいう。 二十五 識別符号 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第二項に規定する識別符号をいう。 二十六 財務諸表等 法第九百五十一条第一項に規定する財務諸表等をいう。 二十七 調査記録簿等 法第九百五十五条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)に規定する調査記録簿等をいう。 (電子公告調査を求める方法) 第三条 法第九百四十一条の規定により電子公告調査を求めようとする者(以下この条において「調査申請者」という。)は、調査機関に対し、当該調査機関が業務規程で定めるところにより、第六条第二項の規定により当該調査機関が法務大臣への報告をしなければならない日の二営業日前までに、次に掲げる事項を示して、電子公告調査を求めなければならない。 一 当該調査申請者の氏名又は商号若しくは名称、住所又は本店若しくは主たる事務所の所在場所及び代表者の氏名(当該代表者が法人である場合にあっては、当該法人の名称及びその職務を行うべき者の氏名) 二 当該調査申請者に係る登記アドレス。 ただし、法第四百四十条第一項の規定による公告のためのものを除く。 三 当該電子公告調査の求めに係る電子公告についての事項であって、次に掲げるもの イ 公告アドレス ロ 公告期間 ハ 公告しようとする内容である情報 ニ 公告すべき内容を規定した法令の条項 2 前項第三号ハに掲げる情報は、調査機関が業務規程で定める電磁的方法(法第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。)により示さなければならない。 (登録手続) 第四条 法第九百四十一条の規定による登録を受けようとする者は、別紙様式第一号による申請書を法務大臣に提出しなければならない。 2 前項の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。 一 登記事項証明書又はこれに準ずるもの 二 登録を受けようとする者が法第九百四十三条各号のいずれにも該当しないことを説明する書面 三 電子計算機及びプログラムが次条に定める方法により電子公告調査を行う機能を有することを説明する書面 四 登録を受けようとする者が電子公告調査の業務を適正に行うために必要な情報セキュリティ対策を講じていることを説明する書面 五 電子計算機及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報及び指令並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していることを説明する書面 六 登録を受けようとする者が電子公告調査の業務を適正に行うために必要な人的構成を有していることを説明する書面 七 法第九百四十四条第一項第二号の実施方法に係る次に掲げる事項を記載した書面 イ 電子公告調査の業務の手順に関する事項 ロ 電子公告調査の業務に従事する者の責任及び権限並びに指揮命令系統に関する事項 ハ 電子公告調査の業務に従事する者に対する教育及び訓練に関する事項 ニ 電子公告調査の業務の監査に関する事項 ホ その他電子公告調査の業務の実施方法に関し必要な事項 3 法第九百四十二条第二項の手数料は、第一項の申請書に手数料の額に相当する額の収入印紙を貼って納めなければならない。 4 前三項の規定は、法第九百四十五条第一項の登録の更新について準用する。 (電子公告調査を行う方法) 第五条 法第九百四十六条第二項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)に規定する法務省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。 一 次に掲げる作業を電子計算機に自動的に行わせること。 イ 電子公告調査の求めに係る電子公告による公告の公告期間中、六時間に一回以上の頻度で、次項に定めるところにより情報入手作業をした上、次に掲げる作業を行うこと。 (1) 公告サーバから情報を受信することができた場合には、その日時、受信情報及び情報入手作業の際に電子計算機に入力した公告アドレスを電磁的記録として記録すること。 (2) 公告サーバから情報を受信することができなかった場合には、その旨、その日時及び情報入手作業の際に電子計算機に入力した公告アドレスを電磁的記録として記録すること。 ロ イ(1)に規定する場合には、受信情報と公告情報とを比較して、両者が同一であるかどうかを判定した上、その判定の結果及び日時を電磁的記録として記録すること。 二 前号ロの規定による判定の結果が、受信情報が公告情報と相違する旨の結果であった場合又は当該判定をすることができなかった場合には、調査機関の職員が、受信情報内容と公告情報内容とが同一であるかどうかを判定した上、その判定の結果及び日時を電磁的記録として記録すること。 三 第一号イ(2)に規定する場合又は電子計算機が次項に定めるところによる情報入手作業を自動的に行うことができなかった場合には、調査機関の職員が、電子計算機を手動により操作して、同号イ及び前号に掲げる作業を行うこと。 四 登記アドレスと公告アドレスとが異なる場合には、公告ページが、登記アドレスを電子計算機に入力することにより当該電子計算機の映像面に表示される指示(料金の徴収又は識別符号の入力に係る指示を除く。)に従った操作を行うことによって当該映像面に表示されるかどうかを、公告期間中任意の時期に、同一の公告アドレスについて一回以上調査した上、その調査の結果及び日時を電磁的記録として記録すること。 五 第二号若しくは第三号に掲げる作業を行った場合又は前号に規定する作業を調査機関の職員が電子計算機を手動により操作して行った場合には、当該作業を行った調査機関の職員の氏名を電磁的記録として記録すること。 2 情報入手作業は、電子計算機に第三条第一項第三号イの規定により調査委託者から示された公告アドレスを入力することにより、三回(一回又は二回で情報を受信することができた場合にあっては、その回数)にわたってプロバイダ(二回以上にわたる場合にあっては、それぞれ異なるプロバイダ)を経由して公告サーバに対し情報を送信するように求めることによって行わなければならない。 この場合において、調査委託者から、調査機関が業務規程で定めるところにより、当該公告アドレスを変更する旨の通知がされ、かつ、当該変更後の公告アドレスが示されたときは、その時(当該調査委託者が、当該変更の予定日時をも示したときは、当該予定日時)以後の電子公告調査については、当該変更後の公告アドレスを電子計算機に入力しなければならない。 3 電子公告調査の求めに係る電子公告による公告の公告期間中、公告の中断が生じた場合であって、調査委託者が調査機関に対し、当該調査機関が業務規程で定めるところにより、追加公告において公告し、又は公告しようとする内容である情報を示したときは、その時(当該調査委託者が、追加公告の開始の予定日時をも示したときは、当該予定日時)以後の電子公告調査に関する第一項第一号ロ及び第二号の規定の適用については、同項第一号ロ及び第二号中「公告情報と」とあるのは「公告情報及び追加公告情報と」と、同号中「公告情報内容」とあるのは「公告情報内容及び追加公告情報内容」とする。 4 調査機関は、電子計算機の故障その他の事由により、第一項(第四号を除く。)に掲げる作業のいずれかをすることができなかった場合には、その旨及びその日時を電磁的記録として記録(当該記録をすることができないときは、書面に記載)しなければならない。 (法務大臣への報告事項及び報告方法) 第六条 法第九百四十六条第三項の法務省令で定める事項は、第三条第一項第一号並びに第三号イ、ロ及びニに掲げる事項(同項第一号に掲げる事項については、代表者の氏名(当該代表者が法人である場合にあっては、当該法人の名称及びその職務を行うべき者の氏名)を除く。)とする。 2 調査機関は、前項に規定する事項を、電子公告調査の求めに係る電子公告による公告の公告期間の始期の二日(行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十一号)第一条第一項各号に掲げる日の日数は、算入しない。)前までに、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号。以下「情報通信技術活用法」という。)第六条第一項に規定する電子情報処理組織を使用して法務大臣に報告しなければならない。 3 調査機関は、電子公告調査の求めに係る電子公告による公告の公告期間中に、調査委託者から、当該調査機関が業務規程で定めるところにより、第一項に規定する事項のいずれかを変更する旨の通知があった場合には、法務大臣に対し、速やかに、当該通知に係る変更の時期及び内容を情報通信技術活用法第六条第一項に規定する電子情報処理組織を使用して報告しなければならない。 4 法務省の所管する法令の規定に基づく情報通信技術を活用した行政の推進等に関する規則(平成十五年法務省令第十一号)第四条第二項及び第三項の規定は、前二項の規定により報告をする調査機関について準用する。 (調査結果通知の方法等) 第七条 調査結果通知は、次に掲げる事項を記載した書面を交付し、又は当該事項を内容とする情報(以下「調査結果情報」という。)を電磁的方法により提供してしなければならない。 ただし、調査委託者が、調査結果通知をこれらの方法のいずれかにより行うことを求めたときは、当該方法によって行わなければならない。 一 第三条第一項第一号、第二号並びに第三号イ、ロ及びニに掲げる事項(調査機関が業務規程で定めるところにより、これらの事項のいずれかを変更する旨の通知がされた場合にあっては、当該通知に係る変更後のもの及び変更の日時を含む。) 二 公告情報内容(第五条第三項に規定する場合にあっては、公告情報内容及び追加公告情報内容) 三 第五条の規定により記録し、又は記載した事項のうち、次に掲げるもの イ 受信情報を受信した日時、情報入手作業の際に電子計算機に入力した公告アドレス及び次に掲げる事項 (1) 第五条第一項第一号ロの規定による判定の結果が、受信情報と公告情報(同条第三項に規定する場合にあっては、公告情報及び追加公告情報)とが同一である旨の結果であった場合には、当該結果及び当該判定の日時 (2) 第五条第一項第一号ロの規定による判定の結果が(1)に規定する結果でなかった場合には、同項第二号の規定による判定の結果及びその日時 ロ 第五条第一項第三号の規定により同項第一号イに規定する情報入手作業をしたにもかかわらず、公告サーバから情報を受信することができなかった場合には、その旨、その日時及び当該情報入手作業の際に電子計算機に入力した公告アドレス ハ 第五条第一項第四号及び第五号の規定により記録した事項 四 調査結果通知に、受信情報内容が公告情報内容(第五条第三項に規定する場合にあっては、公告情報内容及び追加公告情報内容)と相違する旨の記載若しくは記録又は前号ロの規定による記載若しくは記録をすべき場合には、これらの記載又は記録から推計されることになる公告の中断が生じた可能性のある時間の合計 五 第五条第一項第一号イに規定する頻度で同条第二項に定めるところによる情報入手作業をすることができなかった場合には、その旨、その時期及びその理由 2 前項に規定する電磁的方法は、次に掲げる方法とする。 ただし、調査委託者がそのいずれかの方法により調査結果通知をすることを求めた場合には、当該方法とする。 一 会社法施行規則(平成十八年法務省令第十二号)第二百二十二条第一項第一号イ又はロに規定する方法 二 商業登記規則(昭和三十九年法務省令第二十三号)第三十三条の六第四項各号のいずれかに該当する構造の電磁的記録媒体をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法 3 調査機関は、調査委託者から求められたときは、その求めに応じ、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十九条の二に規定する登記の申請書に添付すべき電磁的記録にその内容を記録することができる調査結果情報又は商業登記規則第百二条第二項及び第五項第二号の規定により送信することができる調査結果情報を提供しなければならない。 (電子公告調査を行うことができない場合) 第八条 法第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。 一 法第九百四十七条各号に掲げる者又はその理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。以下この条において同じ。)が、公告を電子公告により行う者から、自己の使用するサーバを公告サーバとすることの委託を受けたとき。 二 公告を電子公告により行う者が当該公告につき第三者に対してその者の使用するサーバを公告サーバとすることを委託した場合において、法第九百四十七条各号に掲げる者又はその理事等が当該委託契約の締結の代理又は媒介をしたとき。 三 法第九百四十七条各号に掲げる者又はその理事等が、公告サーバの賃貸人であるとき(第一号に規定する場合を除く。)。 四 法第九百四十七条各号に掲げる者又はその理事等が、公告を電子公告により行う者の委託を受けて公告情報を作成したとき。 (事業所の変更の届出) 第九条 調査機関は、法第九百四十八条の規定による届出をしようとするときは、別紙様式第二号による届出書を法務大臣に提出しなければならない。 (業務規程) 第十条 調査機関は、法第九百四十九条第一項の規定による届出をしようとするときは、別紙様式第三号による届出書を法務大臣に提出しなければならない。 2 法第九百四十九条第二項の法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 電子公告調査の求めの受付の時間及び休日に関する事項 二 電子公告調査を求める方法に関する事項 三 電子公告調査の業務に係る事業所(当該事業所の所在地以外の場所に電子計算機を設置する施設があるときは、当該施設を含む。)に関する事項 四 電子公告調査の料金に関する事項 五 法第九百五十一条第二項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)及び第九百五十五条第二項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)に規定する費用に関する事項 六 電子公告調査の業務に係る情報セキュリティ対策に関する事項 七 電子公告調査の実施方法に係る次に掲げる事項 イ 電子公告調査の業務の手順に関する事項 ロ 電子公告調査の業務に従事する者の責任及び権限並びに指揮命令系統に関する事項 ハ 電子公告調査の業務に従事する者に対する教育及び訓練に関する事項 ニ 電子公告調査の業務の監査に関する事項 ホ その他電子公告調査の業務の実施方法に関し必要な事項 八 調査結果通知に関する事項 九 調査記録簿等の管理及び保存に関する事項 十 次に掲げる記録の作成及び保存に関する事項 イ 第四条第二項第四号に掲げる書面の変更記録 ロ 電子計算機が設置された区域への立入りに関する記録(映像によるものを除く。) ハ 電子計算機の操作に関する許諾及び当該許諾に係る識別符号に関する記録 ニ 電子計算機の動作に関する記録 ホ 電子計算機及びプログラムについて、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律第三条に規定する不正アクセス行為をいう。)を受けたときにおける当該不正アクセス行為に係る記録 ヘ 電子計算機その他の設備の維持管理に関する記録 ト 電子公告調査の業務に従事する者に対する教育及び訓練の実施結果に関する記録 チ 電子公告調査の業務に係る事故に関する記録 リ 電子公告調査の業務の監査の実施結果に関する記録 ヌ イからリまでに掲げる記録の管理に関する記録 十一 その他電子公告調査の業務の実施に関し必要な事項 3 前項第十号に規定する事項は、同号イ、ハ及びホからヌまでに掲げる記録にあってはその作成の日から三年間、同号ロ及びニに掲げる記録にあってはその作成の日から一年間保存する旨を含むものでなければならない。 (電子公告調査の業務の休廃止の届出) 第十一条 調査機関は、法第九百五十条の規定による届出をしようとするときは、別紙様式第四号による届出書を法務大臣に提出しなければならない。 2 調査機関が電子公告調査の業務の全部を廃止しようとする場合には、他の調査機関への調査記録簿等の引継ぎをしたことを証する書面を前項の届出書に添付しなければならない。 (財務諸表等の開示の方法) 第十二条 法第九百五十一条第二項第三号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の法務省令で定める方法は、同号の電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面に表示する方法とする。 (調査記録簿等の記載等) 第十三条 法第九百五十五条第一項の調査記録に準ずるものとして法務省令で定めるものは、電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体(電磁的記録に係る記録媒体をいう。)をもって調製するファイルに情報を記録したものとする。 2 法第九百五十五条第一項の電子公告調査に関し法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。 一 第三条第一項各号に掲げる事項(調査機関が業務規程で定めるところにより、これらの事項のいずれかを変更する旨の通知がされた場合にあっては、当該通知に係る変更後のもの及び変更の日時を含む。) 二 電子公告調査を求められた年月日 三 電子公告調査の業務を行った事業所の所在地 四 電子公告調査を行った職員の氏名(第五条第一項第五号に規定するものを除く。) 五 第五条第一項各号の規定により電磁的記録として記録した事項 六 第五条第四項の規定により電磁的記録として記録(当該記録をすることができなかった場合にあっては、書面に記載)した事項 3 調査記録簿等への前項に掲げる事項の記載又は記録は、電子公告調査の求めごとにしなければならない。 4 調査機関は、第二項に掲げる事項を記載し、又は記録した調査記録簿等を、電子公告調査の求めに係る電子公告による公告の公告期間の満了後十年間保存しなければならない。 法第九百五十六条第一項の規定により調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関についても、同様とする。 (立入検査の証明書) 第十四条 法第九百五十八条第二項の証明書は、別紙様式第五号によるものとする。
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平成十八年法務省令第十八号
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土地家屋調査士法第三条第二項第一号の法人を定める省令 土地家屋調査士法第三条第二項第一号の法務省令で定める法人は、同法第五十七条第一項に規定する日本土地家屋調査士会連合会とする。
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平成十八年内閣府・法務省令第四号
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担保付社債に関する信託契約等に関する規則 (電磁的記録) 第一条 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号。以下「法」という。)第十八条第二項に規定する内閣府令・法務省令で定めるものは、電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって電子計算機による情報処理の用に供されるものに係る記録媒体をいう。以下同じ。)をもって調製するファイルに情報を記録したものとする。 (信託証書の記載又は記録事項) 第二条 法第十九条第一項第十五号に規定する内閣府令・法務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 他の会社と合同して担保付社債を発行するときは、その旨及び各会社の負担部分 二 社債原簿管理人を定めたときは、その社債原簿管理人の氏名又は名称及び住所 (電子署名) 第三条 次に掲げる規定に規定する内閣府令・法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置は、電子署名とする。 一 法第十九条第三項 二 法第五十三条第四項 2 前項に規定する「電子署名」とは、電磁的記録(法第十八条第二項に規定する電磁的記録をいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。 一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。 二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。 (電磁的記録に記録された事項を表示する方法) 第四条 次に掲げる規定に規定する内閣府令・法務省令で定める方法は、当該規定の電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面に表示する方法とする。 一 法第二十条第二項第三号 二 法第三十条第二項第二号 三 法第三十三条第二項第二号 (電磁的方法) 第五条 法第二十条第二項第四号に規定する内閣府令・法務省令で定めるものは、次に掲げる方法とする。 一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの イ 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法 ロ 送信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法 二 電磁的記録媒体をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法 2 前項各号に掲げる方法は、受信者がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものでなければならない。 (社債原簿の写しの提出方法) 第六条 法第二十九条に規定する社債原簿の写しの提出又は提供は、この条の定めるところによる。 2 委託者は、社債原簿が書面をもって作成されているときは、受託会社に対し、その写しを提出しなければならない。 3 委託者は、社債原簿が法第十八条第二項の電磁的記録をもって作成されているときは、受託会社に対し、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面を提出しなければならない。 4 前項に規定する場合において、委託者は、受託会社の承諾を得て、同項の規定による提出に代えて、同項の電磁的記録に記録された事項を、法第二十条第二項第四号の電磁的方法であって委託者の定めたものにより提供することができる。
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419AC0000000102_20230614_505AC0000000053.xml
平成十九年法律第百二号
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電子記録債権法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 この法律は、電子記録債権の発生、譲渡等について定めるとともに、電子記録債権に係る電子記録を行う電子債権記録機関の業務、監督等について必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第二条 この法律において「電子記録債権」とは、その発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録(以下単に「電子記録」という。)を要件とする金銭債権をいう。 2 この法律において「電子債権記録機関」とは、第五十一条第一項の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう。 3 この法律において「記録原簿」とは、債権記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物として主務省令で定めるものを含む。)をもって電子債権記録機関が調製するものをいう。 4 この法律において「債権記録」とは、発生記録により発生する電子記録債権、電子記録債権から第四十三条第一項に規定する分割をする電子記録債権又は第四十七条の二第一項に規定する電子債権記録機関の変更をする電子記録債権ごとに作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 5 この法律において「記録事項」とは、この法律の規定に基づき債権記録に記録すべき事項をいう。 6 この法律において「電子記録名義人」とは、債権記録に電子記録債権の債権者又は質権者として記録されている者をいう。 7 この法律において「電子記録権利者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 8 この法律において「電子記録義務者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に不利益を受ける者をいい、間接に不利益を受ける者を除く。 9 この法律において「電子記録保証」とは、電子記録債権に係る債務を主たる債務とする保証であって、保証記録をしたものをいう。 第二章 電子記録債権の発生、譲渡等 第一節 通則 第一款 電子記録 (電子記録の方法) 第三条 電子記録は、電子債権記録機関が記録原簿に記録事項を記録することによって行う。 (当事者の請求又は官公署の嘱託による電子記録) 第四条 電子記録は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の請求又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 請求による電子記録の手続に関するこの法律の規定は、法令に別段の定めがある場合を除き、官庁又は公署の嘱託による電子記録の手続について準用する。 (請求の当事者) 第五条 電子記録の請求は、法令に別段の定めがある場合を除き、電子記録権利者及び電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。第三項において同じ。)双方がしなければならない。 2 電子記録権利者又は電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。以下この項において同じ。)に電子記録の請求をすべきことを命ずる確定判決による電子記録は、当該請求をしなければならない他の電子記録権利者又は電子記録義務者だけで請求することができる。 3 電子記録権利者及び電子記録義務者が電子記録の請求を共同してしない場合における電子記録の請求は、これらの者のすべてが電子記録の請求をした時に、その効力を生ずる。 (請求の方法) 第六条 電子記録の請求は、請求者の氏名又は名称及び住所その他の電子記録の請求に必要な情報として政令で定めるものを電子債権記録機関に提供してしなければならない。 (電子債権記録機関による電子記録) 第七条 電子債権記録機関は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定による電子記録の請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る電子記録をしなければならない。 2 電子債権記録機関は、第五十一条第一項第五号に規定する業務規程(以下この章において単に「業務規程」という。)の定めるところにより、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をすることができる。 この場合において、電子債権記録機関が第十六条第二項第十五号に掲げる事項を債権記録に記録していないときは、何人も、当該業務規程の定めの効力を主張することができない。 (電子記録の順序) 第八条 電子債権記録機関は、同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録の請求があったときは、当該請求の順序に従って電子記録をしなければならない。 2 同一の電子記録債権に関し同時に二以上の電子記録が請求された場合において、請求に係る電子記録の内容が相互に矛盾するときは、前条第一項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、いずれの請求に基づく電子記録もしてはならない。 3 同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録が請求された場合において、その前後が明らかでないときは、これらの請求は、同時にされたものとみなす。 (電子記録の効力) 第九条 電子記録債権の内容は、債権記録(記録機関変更記録がされているときは、第四十七条の二第二項に規定する変更後債権記録とし、当該変更後債権記録が複数あるときは、記録機関変更記録の年月日が直近のものとする。)の記録により定まるものとする。 2 電子記録名義人は、電子記録に係る電子記録債権についての権利を適法に有するものと推定する。 (電子記録の訂正等) 第十条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合には、電子記録の訂正をしなければならない。 ただし、電子記録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 一 電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報の内容と異なる内容の記録がされている場合 二 請求がなければすることができない電子記録が、請求がないのにされている場合 三 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、記録すべき内容と異なる内容の記録がされている場合 四 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、その記録がされていない場合(一の電子記録の記録事項の全部が記録されていないときを除く。) 2 電子債権記録機関は、第八十六条各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までに電子記録が消去されたときは、当該電子記録の回復をしなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 電子債権記録機関は、前二項の規定により電子記録の訂正又は回復をするときは、当該訂正又は回復後の電子記録の内容と矛盾する電子記録について、電子記録の訂正をしなければならない。 4 電子債権記録機関が第一項又は第二項の規定により電子記録の訂正又は回復をしたときは、その内容を電子記録権利者及び電子記録義務者(電子記録権利者及び電子記録義務者がない場合にあっては、電子記録名義人)に通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって電子記録の請求をした者にもしなければならない。 ただし、その者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 (不実の電子記録等についての電子債権記録機関の責任) 第十一条 電子債権記録機関は、前条第一項各号に掲げる場合又は同条第二項に規定するときは、これらの規定に規定する事由によって当該電子記録の請求をした者その他の第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 第二款 電子記録債権に係る意思表示等 (意思表示の取消しの特則) 第十二条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第九十五条第一項又は第九十六条第一項若しくは第二項の規定による取消しは、善意でかつ重大な過失がない第三者(同条第一項の規定による強迫による意思表示の取消しにあっては、取消し後の第三者に限る。)に対抗することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 前項に規定する第三者が、支払期日以後に電子記録債権の譲渡、質入れ、差押え、仮差押え又は破産手続開始の決定(分割払の方法により支払う電子記録債権の場合には、到来した支払期日に係る部分についてのものに限る。)があった場合におけるその譲受人、質権者、差押債権者、仮差押債権者又は破産管財人であるとき。 二 前項の意思表示の取消しを対抗しようとする者が個人(当該電子記録において個人事業者(消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第二項に規定する事業者である個人をいう。以下同じ。)である旨の記録がされている者を除く。)である場合 (無権代理人の責任の特則) 第十三条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第百十七条第二項第二号の規定の適用については、同号中「過失」とあるのは、「重大な過失」とする。 (権限がない者の請求による電子記録についての電子債権記録機関の責任) 第十四条 電子債権記録機関は、次に掲げる者の請求により電子記録をした場合には、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 代理権を有しない者 二 他人になりすました者 第二節 発生 (電子記録債権の発生) 第十五条 電子記録債権(保証記録に係るもの及び電子記録保証をした者(以下「電子記録保証人」という。)が第三十五条第一項(同条第二項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定により取得する電子記録債権(以下「特別求償権」という。)を除く。次条において同じ。)は、発生記録をすることによって生ずる。 (発生記録) 第十六条 発生記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 債務者が一定の金額を支払う旨 二 支払期日(確定日に限るものとし、分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日とする。) 三 債権者の氏名又は名称及び住所 四 債権者が二人以上ある場合において、その債権が不可分債権又は連帯債権であるときはその旨、可分債権であるときは債権者ごとの債権の金額 五 債務者の氏名又は名称及び住所 六 債務者が二人以上ある場合において、その債務が不可分債務又は連帯債務であるときはその旨、可分債務であるときは債務者ごとの債務の金額 七 記録番号(発生記録、分割記録又は記録機関変更記録をする際に一の債権記録ごとに付す番号をいう。以下同じ。) 八 電子記録の年月日 2 発生記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約に係る支払をするときは、その旨並びに債務者の預金又は貯金の口座(以下「債務者口座」という。)及び債権者の預金又は貯金の口座(以下「債権者口座」という。) 二 第六十四条に規定する契約に係る支払をするときは、その旨 三 前二号に規定するもののほか、支払方法についての定めをするときは、その定め(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日ごとに支払うべき金額を含む。) 四 利息、遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め 五 期限の利益の喪失についての定めをするときは、その定め 六 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め 七 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め 八 第十九条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 九 債権者又は債務者が個人事業者であるときは、その旨 十 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、第二十条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 十一 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、債務者が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め 十二 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をすることができないこととし、又はこれらの電子記録について回数の制限その他の制限をする旨の定めをするときは、その定め 十三 債権者と債務者との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 十四 債権者と債務者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 十五 電子債権記録機関が第七条第二項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしたときは、その定め 十六 前各号に掲げるもののほか、電子記録債権の内容となるものとして政令で定める事項 3 第一項第一号から第六号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録債権は、発生しない。 4 消費者契約法第二条第一項に規定する消費者(以下単に「消費者」という。)についてされた第二項第九号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、業務規程の定めるところにより、第一項第二号(分割払の方法により債務を支払う場合における各支払期日の部分に限る。)及び第二項各号(第一号、第二号及び第九号を除く。)に掲げる事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限することができる。 第三節 譲渡 (電子記録債権の譲渡) 第十七条 電子記録債権の譲渡は、譲渡記録をしなければ、その効力を生じない。 (譲渡記録) 第十八条 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 電子記録債権の譲渡をする旨 二 譲渡人が電子記録義務者の相続人であるときは、譲渡人の氏名及び住所 三 譲受人の氏名又は名称及び住所 四 電子記録の年月日 2 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 発生記録(当該発生記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。以下同じ。)において債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、譲渡記録に当たり譲受人が譲受人の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 二 譲渡人が個人事業者であるときは、その旨 三 譲渡人と譲受人(譲渡記録後に譲受人として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 四 譲渡人と譲受人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 消費者についてされた前項第二号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 4 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(譲渡記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する譲渡記録をしてはならない。 (善意取得) 第十九条 譲渡記録の請求により電子記録債権の譲受人として記録された者は、当該電子記録債権を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 第十六条第二項第八号に掲げる事項が記録されている場合 二 前項に規定する者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合 三 個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である電子記録債権の譲渡人がした譲渡記録の請求における譲受人に対する意思表示が効力を有しない場合において、前項に規定する者が当該譲渡記録後にされた譲渡記録の請求により記録されたものであるとき。 (抗弁の切断) 第二十条 発生記録における債務者又は電子記録保証人(以下「電子記録債務者」という。)は、電子記録債権の債権者に当該電子記録債権を譲渡した者に対する人的関係に基づく抗弁をもって当該債権者に対抗することができない。 ただし、当該債権者が、当該電子記録債務者を害することを知って当該電子記録債権を取得したときは、この限りでない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 第十六条第二項第十号又は第三十二条第二項第六号に掲げる事項が記録されている場合 二 前項の債権者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合 三 前項の電子記録債務者が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合 第四節 消滅 (支払免責) 第二十一条 電子記録名義人に対してした電子記録債権についての支払は、当該電子記録名義人がその支払を受ける権利を有しない場合であっても、その効力を有する。 ただし、その支払をした者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (混同等) 第二十二条 電子記録債務者(その相続人その他の一般承継人を含む。以下この項において同じ。)が電子記録債権を取得した場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該電子記録債権は消滅しない。 ただし、当該電子記録債務者又は当該電子記録債務者の承諾を得た他の電子記録債務者の請求により、当該電子記録債権の取得に伴う混同を原因とする支払等記録がされたときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、電子記録債権を取得しても、当該各号に定める者に対して電子記録保証によって生じた債務(以下「電子記録保証債務」という。)の履行を請求することができない。 一 発生記録における債務者 電子記録保証人 二 電子記録保証人 他の電子記録保証人(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をしたとするならば、この号に掲げる電子記録保証人に対して特別求償権を行使することができるものに限る。) (消滅時効) 第二十三条 電子記録債権は、これを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。 (支払等記録の記録事項) 第二十四条 支払等記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 支払、相殺その他の債務の全部若しくは一部を消滅させる行為又は混同(以下「支払等」という。)により消滅し、又は消滅することとなる電子記録名義人に対する債務を特定するために必要な事項 二 支払等をした金額その他の当該支払等の内容(利息、遅延損害金、違約金又は費用が生じている場合にあっては、消滅した元本の額を含む。) 三 支払等があった日 四 支払等をした者(支払等が相殺による債務の消滅である場合にあっては、電子記録名義人が当該相殺によって免れた債務の債権者。以下同じ。)の氏名又は名称及び住所 五 支払等をした者が当該支払等をするについて民法第五百条の正当な利益を有する者であるときは、その事由 六 電子記録の年月日 七 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 (支払等記録の請求) 第二十五条 支払等記録は、次に掲げる者だけで請求することができる。 一 当該支払等記録についての電子記録義務者 二 前号に掲げる者の相続人その他の一般承継人 三 次に掲げる者であって、前二号に掲げる者全員の承諾を得たもの イ 電子記録債務者 ロ 支払等をした者(前二号及びイに掲げる者を除く。) ハ イ又はロに掲げる者の相続人その他の一般承継人 2 電子記録債権又はこれを目的とする質権の被担保債権(次項において「電子記録債権等」という。)について支払等がされた場合には、前項第三号イからハまでに掲げる者は、同項第一号又は第二号に掲げる者に対し、同項第三号の承諾をすることを請求することができる。 3 電子記録債権等について支払をする者は、第一項第一号又は第二号に掲げる者に対し、当該支払をするのと引換えに、同項第三号の承諾をすることを請求することができる。 4 根質権の担保すべき債権についての支払等をしたことによる支払等記録の請求は、当該支払等が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。 第五節 記録事項の変更 (電子記録債権の内容等の意思表示による変更) 第二十六条 電子記録債権又はこれを目的とする質権の内容の意思表示による変更は、この法律に別段の定めがある場合を除き、変更記録をしなければ、その効力を生じない。 (変更記録の記録事項) 第二十七条 変更記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 変更する記録事項 二 前号の記録事項を変更する旨及びその原因 三 第一号の記録事項についての変更後の内容(当該記録事項を記録しないこととする場合にあっては、当該記録事項を削除する旨) 四 電子記録の年月日 (求償権の譲渡に伴い電子記録債権が移転した場合の変更記録) 第二十八条 債権記録に支払等をした者として記録されている者であって当該支払等により電子記録債権の債権者に代位したものがした求償権(特別求償権を除く。)の譲渡に伴い当該電子記録債権が移転した場合における変更記録は、その者の氏名又は名称及び住所を当該求償権の譲受人の氏名又は名称及び住所に変更する記録をすることによって行う。 (変更記録の請求) 第二十九条 変更記録の請求は、当該変更記録につき電子記録上の利害関係を有する者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)の全員がしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、相続又は法人の合併による電子記録名義人又は電子記録債務者の変更を内容とする変更記録は、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人だけで請求することができる。 ただし、相続人が二人以上ある場合には、その全員が当該変更記録を請求しなければならない。 3 第五条第二項及び第三項の規定は、第一項及び前項ただし書の場合について準用する。 4 第一項の規定にかかわらず、電子記録名義人又は電子記録債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更記録は、その者が単独で請求することができる。 他の者の権利義務に影響を及ぼさないことが明らかな変更記録であって業務規程の定めるものについても、同様とする。 (変更記録が無効な場合における電子記録債務者の責任) 第三十条 変更記録がその請求の無効、取消しその他の事由により効力を有しない場合には、当該変更記録前に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録前の債権記録の内容に従って責任を負う。 ただし、当該変更記録の請求における相手方に対する意思表示を適法にした者の間においては、当該意思表示をした電子記録債務者は、当該変更記録以後の債権記録の内容に従って責任を負う。 2 前項本文に規定する場合には、当該変更記録後に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録後の債権記録の内容に従って責任を負う。 第六節 電子記録保証 (保証記録による電子記録債権の発生) 第三十一条 電子記録保証に係る電子記録債権は、保証記録をすることによって生ずる。 (保証記録) 第三十二条 保証記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 保証をする旨 二 保証人の氏名又は名称及び住所 三 主たる債務者の氏名又は名称及び住所その他主たる債務を特定するために必要な事項 四 電子記録の年月日 2 保証記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 保証の範囲を限定する旨の定めをするときは、その定め 二 遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め 三 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め 四 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め 五 保証人が個人事業者であるときは、その旨 六 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、保証記録をした時の債権者に対抗することができる事由について第二十条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 七 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、保証人が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め 八 債権者と保証人との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 九 債権者と保証人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 十 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 第一項第一号から第三号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録保証に係る電子記録債権は、発生しない。 4 消費者についてされた第二項第五号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 5 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(保証記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する保証記録をしてはならない。 (電子記録保証の独立性) 第三十三条 電子記録保証債務は、その主たる債務者として記録されている者がその主たる債務を負担しない場合(第十六条第一項第一号から第六号まで又は前条第一項第一号から第三号までに掲げる事項の記録が欠けている場合を除く。)においても、その効力を妨げられない。 2 前項の規定は、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、適用しない。 (民法等の適用除外) 第三十四条 民法第四百五十二条、第四百五十三条及び第四百五十六条から第四百五十八条まで並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十一条第二項の規定は、電子記録保証については、適用しない。 2 前項の規定にかかわらず、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、当該電子記録保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、当該電子記録保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (特別求償権) 第三十五条 発生記録によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えん(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をいう。以下この条において同じ。)をした場合において、その旨の支払等記録がされたときは、民法第四百五十九条、第四百五十九条の二、第四百六十二条、第四百六十三条及び第四百六十五条の規定にかかわらず、当該電子記録保証人は、次に掲げる者に対し、出えんにより共同の免責を得た額、出えんをした日以後の遅延損害金の額及び避けることができなかった費用の額の合計額について電子記録債権を取得する。 ただし、第三号に掲げる者に対しては、自己の負担部分を超えて出えんをした額のうち同号に掲げる者の負担部分の額に限る。 一 主たる債務者 二 当該出えんをした者が電子記録保証人となる前に当該者を債権者として当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする電子記録保証をしていた他の電子記録保証人 三 当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする他の電子記録保証人(前号に掲げる者及び電子記録保証人となる前に当該出えんをした者の電子記録保証に係る債権者であったものを除く。) 2 前項の規定は、同項の規定によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。 3 第一項の規定は、電子記録保証債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。 この場合において、同項中「次に掲げる者」とあるのは、「次に掲げる者及びその出えんを主たる債務者として記録されている電子記録保証人がしたとするならば、次に掲げる者に該当することとなるもの」と読み替えるものとする。 第七節 質権 (電子記録債権の質入れ) 第三十六条 電子記録債権を目的とする質権の設定は、質権設定記録をしなければ、その効力を生じない。 2 民法第三百六十二条第二項の規定は、前項の質権については、適用しない。 3 民法第二百九十六条から第三百条まで、第三百四条、第三百四十二条、第三百四十三条、第三百四十六条、第三百四十八条、第三百四十九条、第三百五十一条、第三百七十三条、第三百七十四条、第三百七十八条、第三百九十条、第三百九十一条、第三百九十八条の二から第三百九十八条の十まで、第三百九十八条の十九、第三百九十八条の二十(第一項第三号を除く。)及び第三百九十八条の二十二の規定は、第一項の質権について準用する。 (質権設定記録の記録事項) 第三十七条 質権設定記録(根質権の質権設定記録を除く。次項において同じ。)においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 質権を設定する旨 二 質権者の氏名又は名称及び住所 三 被担保債権の債務者の氏名又は名称及び住所、被担保債権の額(一定の金額を目的としない債権については、その価額。以下同じ。)その他被担保債権を特定するために必要な事項 四 一の債権記録における質権設定記録及び転質の電子記録がされた順序を示す番号(以下「質権番号」という。) 五 電子記録の年月日 2 質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 被担保債権につき利息、遅延損害金又は違約金についての定めがあるときは、その定め 二 被担保債権に付した条件があるときは、その条件 三 前条第三項において準用する民法第三百四十六条ただし書の別段の定めをするときは、その定め 四 質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め 五 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、質権設定記録に当たり質権者が質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 六 質権設定者と質権者(質権設定記録後に当該質権についての質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 七 質権設定者と質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 八 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 根質権を設定する旨 二 根質権者の氏名又は名称及び住所 三 担保すべき債権の債務者の氏名又は名称及び住所 四 担保すべき債権の範囲及び極度額 五 質権番号 六 電子記録の年月日 4 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 担保すべき元本の確定すべき期日の定めをするときは、その定め 二 根質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め 三 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、根質権の質権設定記録に当たり根質権者が根質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 四 根質権設定者と根質権者(根質権の質権設定記録後に当該根質権についての根質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 五 根質権設定者と根質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 六 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 5 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(質権設定記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する質権設定記録をしてはならない。 (善意取得及び抗弁の切断) 第三十八条 第十九条及び第二十条の規定は、質権設定記録について準用する。 この場合において、第十九条第一項中「譲受人」とあるのは「質権者」と、「当該電子記録債権」とあるのは「その質権」と、同条第二項第二号中「譲受人」とあるのは「質権者」と、同項第三号中「された譲渡記録」とあるのは「された質権設定記録」と、第二十条第一項中「債権者に当該電子記録債権を譲渡した」とあるのは「質権者にその質権を設定した」と、「当該債権者に」とあるのは「当該質権者に」と、同項ただし書中「当該債権者が」とあるのは「当該質権者が」と、「当該電子記録債権を取得した」とあるのは「当該質権を取得した」と、同条第二項第二号中「債権者」とあり、及び「譲受人」とあるのは「質権者」と読み替えるものとする。 (質権の順位の変更の電子記録) 第三十九条 第三十六条第三項において準用する民法第三百七十四条第一項の規定による質権の順位の変更の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 質権の順位を変更する旨 二 順位を変更する質権の質権番号 三 変更後の質権の順位 四 電子記録の年月日 2 前項の電子記録の請求は、順位を変更する質権の電子記録名義人の全員がしなければならない。 この場合においては、第五条第二項及び第三項の規定を準用する。 (転質) 第四十条 第三十六条第三項において準用する民法第三百四十八条の規定による転質は、転質の電子記録をしなければ、その効力を生じない。 2 第三十七条第一項から第四項までの規定は、転質の電子記録について準用する。 3 転質の電子記録においては、転質の目的である質権の質権番号をも記録しなければならない。 4 質権者が二以上の者のために転質をしたときは、その転質の順位は、転質の電子記録の前後による。 (被担保債権の譲渡に伴う質権等の移転による変更記録の特則) 第四十一条 被担保債権の一部について譲渡がされた場合における質権又は転質の移転による変更記録においては、第二十七条各号に掲げる事項のほか、当該譲渡の目的である被担保債権の額をも記録しなければならない。 2 根質権の担保すべき債権の譲渡がされた場合における根質権の移転による変更記録の請求は、当該譲渡が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。 (根質権の担保すべき元本の確定の電子記録) 第四十二条 根質権の担保すべき元本(以下この条において単に「元本」という。)の確定の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 元本が確定した旨 二 元本が確定した根質権の質権番号 三 元本の確定の年月日 四 電子記録の年月日 2 第三十六条第三項において準用する民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第四号の規定により元本が確定した場合の電子記録は、当該根質権の電子記録名義人だけで請求することができる。 ただし、同号の規定により元本が確定した場合における請求は、当該根質権又はこれを目的とする権利の取得の電子記録の請求と併せてしなければならない。 第八節 分割 (分割記録) 第四十三条 電子記録債権は、分割(債権者又は債務者として記録されている者が二人以上ある場合において、特定の債権者又は債務者について分離をすることを含む。)をすることができる。 2 電子記録債権の分割は、次条から第四十七条までの規定により、分割をする電子記録債権が記録されている債権記録(以下「原債権記録」という。)及び新たに作成する債権記録(以下「分割債権記録」という。)に分割記録をすると同時に原債権記録に記録されている事項の一部を分割債権記録に記録することによって行う。 3 分割記録の請求は、分割債権記録に債権者として記録される者だけですることができる。 (分割記録の記録事項) 第四十四条 分割記録においては、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 原債権記録から分割をした旨 二 原債権記録及び分割債権記録の記録番号 三 発生記録における債務者であって分割債権記録に記録されるものが一定の金額を支払う旨 四 債権者の氏名又は名称及び住所 五 電子記録の年月日 2 分割記録においては、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割をした旨 二 分割債権記録の記録番号 三 電子記録の年月日 3 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(分割記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する分割記録をしてはならない。 (分割記録に伴う分割債権記録への記録) 第四十五条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割債権記録に記録される電子記録債権についての原債権記録中の現に効力を有する電子記録において記録されている事項(次に掲げるものを除く。) イ 債務者が一定の金額を支払う旨 ロ 当該電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものである場合における各支払期日及び当該支払期日ごとに支払うべき金額 ハ 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録又は記録機関変更記録をすることができる回数(以下「記録可能回数」という。)が記録されている場合におけるその記録可能回数 ニ 原債権記録の記録番号 ホ 原債権記録に分割記録がされている場合における当該分割記録において記録されている事項(イに掲げるものを除く。) 二 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、当該電子記録債権の支払期日(原債権記録に支払期日として記録されているものに限る。) 三 前号に規定する場合において、分割債権記録に記録される電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額(原債権記録に記録されている対応する各支払期日ごとに支払うべき金額の範囲内のものに限る。) 四 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)のうち、分割債権記録における記録可能回数 2 電子債権記録機関は、分割債権記録に前項第一号に掲げる事項を記録したときは当該事項を原債権記録から転写した旨及びその年月日を、同項第二号から第四号までに掲げる事項を記録したときはその記録の年月日を当該分割債権記録に記録しなければならない。 (分割記録に伴う原債権記録への記録) 第四十六条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割債権記録に記録される電子記録債権について原債権記録に記録されている事項のうち、前条第一項第一号イからハまでに掲げる事項の記録を削除する旨 二 発生記録における債務者が分割記録の直前に原債権記録に記録されていた第十六条第一項第一号(当該原債権記録が他の分割における分割債権記録である場合にあっては、第四十四条第一項第三号)に規定する一定の金額から分割債権記録に記録される第四十四条第一項第三号に規定する一定の金額を控除して得た金額を支払う旨 三 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる支払期日 四 前号に規定する場合において、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額 五 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)から分割債権記録における記録可能回数を控除した残りの記録可能回数 2 電子債権記録機関は、原債権記録に前項各号に掲げる事項を記録したときは、その記録の年月日を当該原債権記録に記録しなければならない。 (主務省令への委任) 第四十七条 第四十三条第三項及び前三条の規定にかかわらず、次に掲げる場合における分割記録の請求、分割記録の記録事項並びに分割記録に伴う分割債権記録及び原債権記録への記録について必要な事項は、これらの規定の例に準じて主務省令で定める。 一 原債権記録に債権者ごとの債権の金額又は債務者ごとの債務の金額が記録されている場合 二 原債権記録に第三十二条第二項第一号に掲げる事項が記録された保証記録がされている場合 三 原債権記録に特別求償権が記録されている場合 四 前三号に掲げるもののほか、主務省令で定める場合 第九節 電子債権記録機関の変更 (記録機関変更記録) 第四十七条の二 電子記録債権は、その電子記録を行う電子債権記録機関の変更(以下単に「電子債権記録機関の変更」という。)をすることができる。 2 電子債権記録機関の変更は、次条から第四十七条の五までの規定により、電子債権記録機関の変更をしようとする電子記録債権についての債権記録(以下「変更前債権記録」という。)を記録原簿に記録している電子債権記録機関(以下「変更前電子債権記録機関」という。)から変更前債権記録の記録事項を引き継ぐ電子債権記録機関(以下「変更後電子債権記録機関」という。)がその記録原簿に新たに作成し、変更前債権記録の記録事項を記録する債権記録(以下「変更後債権記録」という。)に記録機関変更記録をすることによって行う。 (記録機関変更記録の請求等) 第四十七条の三 記録機関変更記録の請求は、変更前債権記録に電子記録債権の債権者として記録されている者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)であって、当該電子記録債権の債務者全員の承諾を得たものがすることができる。 2 記録機関変更記録の請求は、次に掲げる場合には、することができない。 一 変更前債権記録に質権設定記録がされている場合 二 変更後電子債権記録機関が第七条第二項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしている場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。 三 変更後電子債権記録機関が第十六条第五項の規定により同項に規定する事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限している場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。 3 記録機関変更記録の請求についての第六条の規定の適用については、同条中「電子債権記録機関」とあるのは、「第四十七条の二第二項に規定する変更前電子債権記録機関」とする。 4 変更前電子債権記録機関は、記録機関変更記録の請求があったときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 記録機関変更記録の請求があった旨 二 変更後電子債権記録機関の名称及び住所 三 電子記録の年月日 5 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による記録をしたときは、遅滞なく、変更後電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 変更前電子債権記録機関の名称及び住所 二 変更前債権記録の記録事項 三 前二号に掲げるもののほか、変更前債権記録の記録事項の引継ぎに必要な事項として政令で定めるもの (変更前電子債権記録機関の記録の禁止) 第四十七条の四 第七条第一項の規定にかかわらず、変更前電子債権記録機関は、前条第四項の規定による記録をしたときは、変更前債権記録に電子記録(次条第四項の規定による記録を除く。)をしてはならない。 (記録機関変更記録の記録事項等) 第四十七条の五 変更後電子債権記録機関は、第四十七条の三第五項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、記録機関変更記録をしなければならない。 2 記録機関変更記録においては、変更後債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 この場合において、変更後電子債権記録機関は、変更後債権記録に第十六条第二項第十五号に掲げる事項を記録することができる。 一 電子債権記録機関の変更をした旨 二 変更後債権記録の記録番号 三 第四十七条の三第五項第一号及び第二号に掲げる事項(記録機関変更記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数) 四 電子記録の年月日 3 変更後電子債権記録機関は、記録機関変更記録をしたときは、遅滞なく、変更前電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 変更後電子債権記録機関の名称及び住所 二 前項の規定による記録をした旨 三 前項第二号に掲げる事項 4 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 前項第二号及び第三号に掲げる事項 二 電子記録の年月日 第十節 雑則 (信託の電子記録) 第四十八条 電子記録債権又はこれを目的とする質権(以下この項において「電子記録債権等」という。)については、信託の電子記録をしなければ、電子記録債権等が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 2 この法律に定めるもののほか、信託の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 (電子記録債権に関する強制執行等) 第四十九条 電子債権記録機関は、電子記録債権に関する強制執行、滞納処分その他の処分の制限がされた場合において、これらの処分の制限に係る書類の送達を受けたときは、遅滞なく、強制執行等の電子記録をしなければならない。 2 強制執行等の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 3 電子記録債権に関する強制執行、仮差押え及び仮処分、競売並びに没収保全の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (政令への委任) 第五十条 この法律に定めるもののほか、電子記録債権の電子記録の手続その他電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 第三章 電子債権記録機関 第一節 通則 (電子債権記録業を営む者の指定) 第五十一条 主務大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、第五十六条に規定する業務(以下「電子債権記録業」という。)を営む者として、指定することができる。 一 次に掲げる機関を置く株式会社であること。 イ 取締役会 ロ 監査役会、監査等委員会又は指名委員会等(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第十二号に規定する指名委員会等をいう。) ハ 会計監査人 二 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された日から五年を経過しない者でないこと。 三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。 四 取締役、会計参与、監査役又は執行役のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。 イ 心身の故障のため電子債権記録業に係る職務を適正に執行することができない者として主務省令で定める者 ロ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者 ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ニ 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けているこの項の指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその会社の取締役、会計参与、監査役又は執行役(外国会社における外国の法令上これらに相当する者を含む。ホにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から五年を経過しない者 ホ 第七十五条第一項の規定又はこの法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役、会計参与、監査役又は執行役でその処分を受けた日から五年を経過しない者 ヘ この法律、会社法若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第四十六条から第四十九条まで、第五十条(第一号に係る部分に限る。)若しくは第五十一条の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 五 定款及び電子債権記録業の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が、法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより電子債権記録業を適正かつ確実に遂行するために十分であると認められること。 六 電子債権記録業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、電子債権記録業に係る収支の見込みが良好であると認められること。 七 その人的構成に照らして、電子債権記録業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すると認められること。 2 主務大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した電子債権記録機関の商号及び本店の所在地を官報で公示しなければならない。 (指定の申請) 第五十二条 前条第一項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 商号 二 資本金の額及び純資産額 三 本店その他の営業所の名称及び所在地 四 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役)の氏名 五 会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称 2 指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 前条第一項第三号及び第四号に掲げる要件に該当する旨を誓約する書面 二 定款 三 会社の登記事項証明書 四 業務規程 五 貸借対照表及び損益計算書 六 収支の見込みを記載した書類 七 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める書類 3 前項の場合において、定款、貸借対照表又は損益計算書が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。)を添付することができる。 (資本金の額等) 第五十三条 電子債権記録機関の資本金の額は、政令で定める金額以上でなければならない。 2 前項の政令で定める金額は、五億円を下回ってはならない。 3 電子債権記録機関の純資産額は、第一項の政令で定める金額以上でなければならない。 (適用除外) 第五十四条 会社法第三百三十一条第二項ただし書(同法第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(同法第三百三十四条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項及び第四百二条第五項ただし書の規定は、電子債権記録機関については、適用しない。 (秘密保持義務) 第五十五条 電子債権記録機関の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役、執行役若しくは職員又はこれらの職にあった者は、電子債権記録業に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 第二節 業務 (電子債権記録機関の業務) 第五十六条 電子債権記録機関は、この法律及び業務規程の定めるところにより、電子記録債権に係る電子記録に関する業務を行うものとする。 (兼業の禁止) 第五十七条 電子債権記録機関は、電子債権記録業及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。 (電子債権記録業の一部の委託) 第五十八条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、電子債権記録業の一部を、主務大臣の承認を受けて、銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、協同組織金融機関(協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)第二条第一項に規定する協同組織金融機関をいう。)その他の政令で定める金融機関をいう。以下同じ。)その他の者に委託することができる。 2 銀行等は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該委託に係る業務を行うことができる。 (業務規程) 第五十九条 電子債権記録機関は、業務規程において、電子記録の実施の方法、第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約又は第六十四条に規定する契約に係る事項その他の主務省令で定める事項を定めなければならない。 (電子債権記録機関を利用する者の保護) 第六十条 電子債権記録機関は、当該電子債権記録機関を利用する者の保護に欠けることのないように業務を営まなければならない。 (差別的取扱いの禁止) 第六十一条 電子債権記録機関は、特定の者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。 第三節 口座間送金決済等に係る措置 (口座間送金決済に関する契約の締結) 第六十二条 電子債権記録機関は、債務者及び銀行等と口座間送金決済に関する契約を締結することができる。 2 前項及び次条第二項に規定する「口座間送金決済」とは、電子記録債権(保証記録に係るもの及び特別求償権を除く。以下この節において同じ。)に係る債務について、電子債権記録機関、債務者及び銀行等の合意に基づき、あらかじめ電子債権記録機関が当該銀行等に対し債権記録に記録されている支払期日、支払うべき金額、債務者口座及び債権者口座に係る情報を提供し、当該支払期日に当該銀行等が当該債務者口座から当該債権者口座に対する払込みの取扱いをすることによって行われる支払をいう。 (口座間送金決済についての支払等記録) 第六十三条 電子債権記録機関は、前条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約を締結した場合において、第十六条第二項第一号に掲げる事項が債権記録に記録されているときは、当該契約に係る銀行等に対し、前条第二項に規定する情報を提供しなければならない。 2 前項の場合において、支払期日に支払うべき電子記録債権に係る債務の全額について口座間送金決済があった旨の通知を同項に規定する銀行等から受けたときは、電子債権記録機関は、遅滞なく、当該口座間送金決済についての支払等記録をしなければならない。 (支払に関するその他の契約の締結) 第六十四条 電子債権記録機関は、第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約のほか、債務者又は債権者及び銀行等と電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する契約を締結することができる。 (その他の契約に係る支払についての支払等記録) 第六十五条 電子債権記録機関は、前条に規定する契約を締結し、第十六条第二項第二号に掲げる事項が債権記録に記録されている場合において、電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する通知を当該契約に係る銀行等から受けたとき(電子記録債権に係る債務の支払があったことを電子債権記録機関において確実に知り得る場合として主務省令で定める場合に限る。)は、遅滞なく、当該支払についての支払等記録をしなければならない。 (口座間送金決済等の通知に係る第八条の適用) 第六十六条 第六十三条第二項及び前条に規定する通知は、電子記録の請求とみなして、第八条の規定を適用する。 第四節 監督 (帳簿書類等の作成及び保存) 第六十七条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、業務に関する帳簿書類その他の記録を作成し、保存しなければならない。 (業務及び財産に関する報告書の提出) 第六十八条 電子債権記録機関は、事業年度ごとに、業務及び財産に関する報告書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。 2 前項の報告書の記載事項、提出期日その他同項の報告書に関し必要な事項は、主務省令で定める。 (資本金の額の変更) 第六十九条 電子債権記録機関は、その資本金の額を減少しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。 2 電子債権記録機関は、その資本金の額を増加しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。 (定款又は業務規程の変更) 第七十条 電子債権記録機関の定款又は業務規程の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 (電子債権記録業の休止の認可) 第七十一条 電子債権記録機関は、電子債権記録業を休止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。 (商号等の変更の届出) 第七十二条 電子債権記録機関は、第五十二条第一項第一号又は第三号から第五号までに掲げる事項に変更があったときは、その旨及び同条第二項第一号又は第三号に掲げる書類を、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。 2 主務大臣は、前項の規定により電子債権記録機関の商号又は本店の所在地の変更の届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (報告及び検査) 第七十三条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者に対し、当該電子債権記録機関の業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の営業所若しくは事務所に立ち入り、当該電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせ、若しくは関係者に質問(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の関係者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせることができる。 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (業務改善命令) 第七十四条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、電子債権記録機関に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (指定の取消し等) 第七十五条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十一条第一項の指定を取り消し、六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役の解任を命ずることができる。 一 第五十一条第一項第三号又は第四号に掲げる要件に該当しないこととなったとき。 二 第五十一条第一項の指定当時に同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。 三 不正の手段により第五十一条第一項の指定を受けたことが判明したとき。 四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。 2 主務大臣は、前項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (業務移転命令) 第七十六条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、期限を定めて、電子債権記録業を他の株式会社に移転することを命ずることができる。 一 前条第一項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消されたとき。 二 電子債権記録業を廃止したとき。 三 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。 四 電子債権記録業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない事態又は破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあると認められるとき。 2 前項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第三百二十二条第一項、第四百六十六条、第四百六十七条第一項、第七百八十三条第一項又は第七百九十五条第一項の規定による決議(同法第七百八十三条第一項の規定による決議にあっては、同法第三百九条第三項第二号の株主総会の決議を除く。)は、同法第三百九条第二項及び第三百二十四条第二項の規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。 3 第一項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第三百九条第三項第二号の株主総会の決議は、同項の規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。 4 第二項の規定により仮にした決議(以下この項及び次項において「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。 5 前項の株主総会において第二項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。 6 前二項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。 この場合において、前項中「第二項」とあるのは、「第三項」と読み替えるものとする。 (債権記録の失効) 第七十七条 電子債権記録機関が前条第一項の規定による命令を受けた場合において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転することなく当該期限を経過したときは、当該期限を経過した日にその備える記録原簿に記録されている債権記録は、その効力を失う。 2 電子記録債権及びこれを目的とする質権は、前項の規定により債権記録がその効力を失った日(以下この条において「効力失効日」という。)以後は、当該債権記録に記録された電子記録債権の内容をその権利の内容とする債権及びこれを目的とする質権として存続するものとする。 3 効力失効日に電子記録保証人であった者が前項の債権についての弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録されていた債務を消滅させるべき行為をしたときは、その者は、特別求償権と同一の内容の求償権を取得する。 4 主務大臣は、効力失効日以後、速やかに、第一項に規定する債権記録がその効力を失った旨を官報で公示しなければならない。 5 電子債権記録機関であった者又は一般承継人(合併により消滅した電子債権記録機関の権利義務を承継した者であって、電子債権記録業を営まないものに限る。以下この章において同じ。)は、効力失効日以後、直ちに、次の各号に掲げる者に対し、それぞれ当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、当該事項の全部を証明した書面を送付しなければならない。 一 効力失効日に電子記録名義人であった者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録又は質権設定記録若しくは転質の電子記録(これらの電子記録の記録事項について変更記録がされていたときは、当該変更記録を含む。以下「譲渡記録等」という。)であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されていたもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項 イ 第十八条第二項第三号若しくは第四号、第三十七条第二項第六号若しくは第七号又は同条第四項第四号若しくは第五号に掲げる事項が記録されていた譲渡記録等 ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されていた譲渡記録 ハ 効力失効日に電子記録名義人であった者が変更記録において記録されていた場合における当該変更記録に係る譲渡記録等 二 効力失効日に電子記録債務者として記録されていた者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。) 第五節 合併、分割及び事業の譲渡 (特定合併の認可) 第七十八条 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営む場合に限る。以下この条において「特定合併」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、特定合併後存続する株式会社又は特定合併により設立される株式会社(以下この条において「特定合併後の電子債権記録機関」という。)について第五十二条第一項各号に掲げる事項を記載した合併認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 3 合併認可申請書には、合併契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 特定合併後の電子債権記録機関が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 特定合併後の電子債権記録機関(電子債権記録機関が特定合併後存続する株式会社である場合を除く。)は、特定合併の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 特定合併後の電子債権記録機関は、特定合併により消滅した電子債権記録機関の業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (新設分割の認可) 第七十九条 電子債権記録機関が新たに設立する株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う新設分割(以下この条において単に「新設分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、新設分割により設立される株式会社(以下この条において「設立会社」という。)について次に掲げる事項を記載した新設分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 設立会社が承継する電子債権記録業 3 新設分割認可申請書には、新設分割計画の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 設立会社が第五十一条第一項第一号及び第四号から第七号までに掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 設立会社は、新設分割の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 設立会社は、新設分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (吸収分割の認可) 第八十条 電子債権記録機関が他の株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う吸収分割(以下この条において単に「吸収分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、吸収分割により電子債権記録業の全部又は一部を承継する株式会社(以下この条において「承継会社」という。)について次に掲げる事項を記載した吸収分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 承継会社が承継する電子債権記録業 3 吸収分割認可申請書には、吸収分割契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 承継会社が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 承継会社(電子債権記録機関が承継会社である場合を除く。)は、吸収分割の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 承継会社は、吸収分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (事業譲渡の認可) 第八十一条 電子債権記録機関が他の株式会社に行う電子債権記録業の全部又は一部の譲渡(以下この条において「事業譲渡」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、事業譲渡により電子債権記録業の全部又は一部を譲り受ける株式会社(以下この条において「譲受会社」という。)について次に掲げる事項を記載した事業譲渡認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 譲受会社が承継する電子債権記録業 3 事業譲渡認可申請書には、譲渡契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 譲受会社が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 譲受会社(電子債権記録機関が譲受会社である場合を除く。)は、事業譲渡の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 譲受会社は、事業譲渡をした電子債権記録機関の譲渡の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 第六節 解散等 (解散等の認可) 第八十二条 次に掲げる事項は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 一 電子債権記録機関の解散についての株主総会の決議 二 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営まない場合に限る。) (指定の失効) 第八十三条 電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十一条第一項の指定は、その効力を失う。 一 電子債権記録業を廃止したとき。 二 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。 三 第七十六条第一項の規定による命令を受けた場合(同項第四号に該当する場合に限る。)において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転しなかったとき。 2 前項の規定により第五十一条第一項の指定が効力を失ったときは、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (指定取消し等の場合のみなし電子債権記録機関) 第八十四条 電子債権記録機関が第七十五条第一項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消された場合又は前条第一項の規定により当該指定が効力を失った場合(同項第三号に該当する場合を除く。)においては、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、当該電子債権記録機関が行った電子債権記録業を速やかに結了しなければならない。 この場合において、当該電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、その電子債権記録業の結了の目的の範囲内において、なおこれを電子債権記録機関とみなす。 (清算手続等における主務大臣の意見等) 第八十五条 裁判所は、電子債権記録機関の清算手続、破産手続、再生手続、更生手続又は承認援助手続において、主務大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。 2 主務大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。 3 第七十三条の規定は、第一項の規定により主務大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。 第四章 雑則 (債権記録等の保存) 第八十六条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、債権記録及び当該債権記録に記録された電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報が記載され、又は記録されている書面又は電磁的記録を保存しなければならない。 一 次号に掲げる場合以外の場合 次のイ又はロに定める日のいずれか早い日 イ 当該債権記録に記録された全ての電子記録債権に係る債務の全額について支払等記録がされた日又は変更記録により当該債権記録中の全ての記録事項について削除する旨の記録がされた日から五年を経過する日 ロ 当該債権記録に記録された支払期日(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、最終の支払期日)又は最後の電子記録がされた日のいずれか遅い日から十年を経過する日 二 当該債権記録が変更前債権記録である場合 第四十七条の五第四項各号に掲げる事項の記録がされた日から五年を経過する日 (記録事項の開示) 第八十七条 次の各号に掲げる者及びその相続人その他の一般承継人並びにこれらの者の財産の管理及び処分をする権利を有する者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は当該事項の全部若しくは一部を証明した書面若しくは電磁的記録の提供の請求(以下この条において「開示請求」という。)をすることができる。 一 電子記録名義人 債権記録に記録されている事項(当該電子記録名義人が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項 イ 第十八条第二項第三号若しくは第四号、第三十七条第二項第六号若しくは第七号又は同条第四項第四号若しくは第五号に掲げる事項が記録されている譲渡記録等 ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されている譲渡記録 ハ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等 二 電子記録債務者として記録されている者 債権記録に記録されている事項(当該電子記録債務者として記録されている者が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているものにおいて記録されている事項(次に掲げるものを除く。)を除き、すべての事項 イ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等において記録されている事項 ロ 当該電子記録債務者として記録されている者が発生記録若しくは譲渡記録等において債権者、譲受人若しくは質権者として記録されている者又はこれらの者の相続人その他の一般承継人(以下この号において「債権者等」という。)に対して人的関係に基づく抗弁を有するときは、当該債権者等から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者(電子記録名義人を除く。)の氏名又は名称及び住所 三 債権記録に記録されている者であって、前二号に掲げる者以外のもの 債権記録に記録されている事項(この号に掲げる者が原債権記録に記録されている者であるときは、その後の分割債権記録に記録された事項を含む。)のうち、次に掲げる事項 イ 当該債権記録中の発生記録及び開示請求をする者(ロにおいて「開示請求者」という。)が電子記録の請求をした者となっている電子記録(当該電子記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。)において記録されている事項 ロ 開示請求者を電子記録義務者とする譲渡記録等がされている場合において、当該電子記録が、代理権を有しない者が当該開示請求者の代理人としてした請求又は当該開示請求者になりすました者の請求によってされたものであるときは、当該開示請求者から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者の氏名又は名称及び住所 2 電子債権記録機関は、前項に規定するもののほか、電子記録の請求をした者が請求に際しその開示について同意をしている記録事項については、主務省令で定めるところにより、その同意の範囲内で一定の者が開示請求をすることを認めることができる。 (電子記録の請求に当たって提供された情報の開示) 第八十八条 自己の氏名又は名称が電子記録の請求者として電子債権記録機関に提供された者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報について、次に掲げる請求をすることができる。 当該電子記録の請求が適法であるかどうかについて利害関係を有する者も、正当な理由があるときは、当該利害関係がある部分に限り、同様とする。 一 当該情報が書面に記載されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 当該情報が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって主務省令で定めるものをいう。)であって業務規程の定めるものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (財務大臣への資料提出等) 第八十九条 財務大臣は、その所掌に係る金融破 綻 たん 処理制度及び金融危機管理に関し、電子記録債権に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。 (主務省令への委任) 第九十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、主務省令で定める。 (主務大臣及び主務省令) 第九十一条 この法律において、主務大臣は法務大臣及び内閣総理大臣とし、主務省令は法務省令・内閣府令とする。 (権限の委任) 第九十二条 内閣総理大臣は、この法律の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。 2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。 第五章 罰則 第九十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第七条第一項、第四十七条の五第一項若しくは第四十九条第一項の規定に違反して、記録原簿に電子記録をすべき事項を記録せず、又はこれに虚偽の記録をした者 二 第四十七条の三第五項の規定に違反して、通知をすべき事項を通知せず、又は虚偽の通知をした者 第九十四条 第七十五条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第五十二条第一項、第七十八条第二項、第七十九条第二項、第八十条第二項若しくは第八十一条第二項の申請書若しくは第五十二条第二項の書類に虚偽の記載をし、若しくは当該書類に代えて電磁的記録を添付すべき場合における当該電磁的記録に虚偽の記録をし、又は第七十八条第三項、第七十九条第三項、第八十条第三項若しくは第八十一条第三項の書面若しくは電磁的記録に虚偽の記載若しくは記録をして提出した者 二 第六十七条の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者 三 第六十八条第一項の規定による報告書の提出をせず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者 四 第七十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 五 第八十五条第三項において準用する第七十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 六 第八十六条の規定に違反して、同条の債権記録又は書面若しくは電磁的記録を保存しなかった者 第九十六条 第五十五条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 第九十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第六十九条第一項の規定による認可を受けないで資本金の額を減少し、又は虚偽の申請をして同項の認可を受けた者 二 第七十二条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 第九十八条 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。 一 第九十三条又は第九十四条 三億円以下の罰金刑 二 第九十五条(第五号を除く。) 二億円以下の罰金刑 三 第九十五条第五号又は前条 各本条の罰金刑 第九十九条 電子債権記録機関(第三号にあっては、第七十七条第五項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人)の役員又は清算人が次の各号のいずれかに該当するときは、百万円以下の過料に処する。 一 第六十九条第二項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第七十四条又は第七十六条第一項の規定による命令に違反したとき。 三 第七十七条第五項の規定に違反して、同項の書面を送付しなかったとき。 四 正当な理由がないのに第八十七条第一項又は第八十八条の規定による請求を拒み、又は虚偽の記載若しくは記録をした書面若しくは電磁的記録を提供したとき。 第百条 第八十三条第二項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人の役員又は清算人が同項の規定に違反して、届出を怠ったときは、三十万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
419AC0000000102_20250601_504AC0000000068.xml
平成十九年法律第百二号
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電子記録債権法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 この法律は、電子記録債権の発生、譲渡等について定めるとともに、電子記録債権に係る電子記録を行う電子債権記録機関の業務、監督等について必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第二条 この法律において「電子記録債権」とは、その発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録(以下単に「電子記録」という。)を要件とする金銭債権をいう。 2 この法律において「電子債権記録機関」とは、第五十一条第一項の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう。 3 この法律において「記録原簿」とは、債権記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物として主務省令で定めるものを含む。)をもって電子債権記録機関が調製するものをいう。 4 この法律において「債権記録」とは、発生記録により発生する電子記録債権、電子記録債権から第四十三条第一項に規定する分割をする電子記録債権又は第四十七条の二第一項に規定する電子債権記録機関の変更をする電子記録債権ごとに作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 5 この法律において「記録事項」とは、この法律の規定に基づき債権記録に記録すべき事項をいう。 6 この法律において「電子記録名義人」とは、債権記録に電子記録債権の債権者又は質権者として記録されている者をいう。 7 この法律において「電子記録権利者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 8 この法律において「電子記録義務者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に不利益を受ける者をいい、間接に不利益を受ける者を除く。 9 この法律において「電子記録保証」とは、電子記録債権に係る債務を主たる債務とする保証であって、保証記録をしたものをいう。 第二章 電子記録債権の発生、譲渡等 第一節 通則 第一款 電子記録 (電子記録の方法) 第三条 電子記録は、電子債権記録機関が記録原簿に記録事項を記録することによって行う。 (当事者の請求又は官公署の嘱託による電子記録) 第四条 電子記録は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の請求又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 請求による電子記録の手続に関するこの法律の規定は、法令に別段の定めがある場合を除き、官庁又は公署の嘱託による電子記録の手続について準用する。 (請求の当事者) 第五条 電子記録の請求は、法令に別段の定めがある場合を除き、電子記録権利者及び電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。第三項において同じ。)双方がしなければならない。 2 電子記録権利者又は電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。以下この項において同じ。)に電子記録の請求をすべきことを命ずる確定判決による電子記録は、当該請求をしなければならない他の電子記録権利者又は電子記録義務者だけで請求することができる。 3 電子記録権利者及び電子記録義務者が電子記録の請求を共同してしない場合における電子記録の請求は、これらの者のすべてが電子記録の請求をした時に、その効力を生ずる。 (請求の方法) 第六条 電子記録の請求は、請求者の氏名又は名称及び住所その他の電子記録の請求に必要な情報として政令で定めるものを電子債権記録機関に提供してしなければならない。 (電子債権記録機関による電子記録) 第七条 電子債権記録機関は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定による電子記録の請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る電子記録をしなければならない。 2 電子債権記録機関は、第五十一条第一項第五号に規定する業務規程(以下この章において単に「業務規程」という。)の定めるところにより、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をすることができる。 この場合において、電子債権記録機関が第十六条第二項第十五号に掲げる事項を債権記録に記録していないときは、何人も、当該業務規程の定めの効力を主張することができない。 (電子記録の順序) 第八条 電子債権記録機関は、同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録の請求があったときは、当該請求の順序に従って電子記録をしなければならない。 2 同一の電子記録債権に関し同時に二以上の電子記録が請求された場合において、請求に係る電子記録の内容が相互に矛盾するときは、前条第一項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、いずれの請求に基づく電子記録もしてはならない。 3 同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録が請求された場合において、その前後が明らかでないときは、これらの請求は、同時にされたものとみなす。 (電子記録の効力) 第九条 電子記録債権の内容は、債権記録(記録機関変更記録がされているときは、第四十七条の二第二項に規定する変更後債権記録とし、当該変更後債権記録が複数あるときは、記録機関変更記録の年月日が直近のものとする。)の記録により定まるものとする。 2 電子記録名義人は、電子記録に係る電子記録債権についての権利を適法に有するものと推定する。 (電子記録の訂正等) 第十条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合には、電子記録の訂正をしなければならない。 ただし、電子記録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 一 電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報の内容と異なる内容の記録がされている場合 二 請求がなければすることができない電子記録が、請求がないのにされている場合 三 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、記録すべき内容と異なる内容の記録がされている場合 四 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、その記録がされていない場合(一の電子記録の記録事項の全部が記録されていないときを除く。) 2 電子債権記録機関は、第八十六条各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までに電子記録が消去されたときは、当該電子記録の回復をしなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 電子債権記録機関は、前二項の規定により電子記録の訂正又は回復をするときは、当該訂正又は回復後の電子記録の内容と矛盾する電子記録について、電子記録の訂正をしなければならない。 4 電子債権記録機関が第一項又は第二項の規定により電子記録の訂正又は回復をしたときは、その内容を電子記録権利者及び電子記録義務者(電子記録権利者及び電子記録義務者がない場合にあっては、電子記録名義人)に通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって電子記録の請求をした者にもしなければならない。 ただし、その者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 (不実の電子記録等についての電子債権記録機関の責任) 第十一条 電子債権記録機関は、前条第一項各号に掲げる場合又は同条第二項に規定するときは、これらの規定に規定する事由によって当該電子記録の請求をした者その他の第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 第二款 電子記録債権に係る意思表示等 (意思表示の取消しの特則) 第十二条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第九十五条第一項又は第九十六条第一項若しくは第二項の規定による取消しは、善意でかつ重大な過失がない第三者(同条第一項の規定による強迫による意思表示の取消しにあっては、取消し後の第三者に限る。)に対抗することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 前項に規定する第三者が、支払期日以後に電子記録債権の譲渡、質入れ、差押え、仮差押え又は破産手続開始の決定(分割払の方法により支払う電子記録債権の場合には、到来した支払期日に係る部分についてのものに限る。)があった場合におけるその譲受人、質権者、差押債権者、仮差押債権者又は破産管財人であるとき。 二 前項の意思表示の取消しを対抗しようとする者が個人(当該電子記録において個人事業者(消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第二項に規定する事業者である個人をいう。以下同じ。)である旨の記録がされている者を除く。)である場合 (無権代理人の責任の特則) 第十三条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第百十七条第二項第二号の規定の適用については、同号中「過失」とあるのは、「重大な過失」とする。 (権限がない者の請求による電子記録についての電子債権記録機関の責任) 第十四条 電子債権記録機関は、次に掲げる者の請求により電子記録をした場合には、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 代理権を有しない者 二 他人になりすました者 第二節 発生 (電子記録債権の発生) 第十五条 電子記録債権(保証記録に係るもの及び電子記録保証をした者(以下「電子記録保証人」という。)が第三十五条第一項(同条第二項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定により取得する電子記録債権(以下「特別求償権」という。)を除く。次条において同じ。)は、発生記録をすることによって生ずる。 (発生記録) 第十六条 発生記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 債務者が一定の金額を支払う旨 二 支払期日(確定日に限るものとし、分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日とする。) 三 債権者の氏名又は名称及び住所 四 債権者が二人以上ある場合において、その債権が不可分債権又は連帯債権であるときはその旨、可分債権であるときは債権者ごとの債権の金額 五 債務者の氏名又は名称及び住所 六 債務者が二人以上ある場合において、その債務が不可分債務又は連帯債務であるときはその旨、可分債務であるときは債務者ごとの債務の金額 七 記録番号(発生記録、分割記録又は記録機関変更記録をする際に一の債権記録ごとに付す番号をいう。以下同じ。) 八 電子記録の年月日 2 発生記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約に係る支払をするときは、その旨並びに債務者の預金又は貯金の口座(以下「債務者口座」という。)及び債権者の預金又は貯金の口座(以下「債権者口座」という。) 二 第六十四条に規定する契約に係る支払をするときは、その旨 三 前二号に規定するもののほか、支払方法についての定めをするときは、その定め(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日ごとに支払うべき金額を含む。) 四 利息、遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め 五 期限の利益の喪失についての定めをするときは、その定め 六 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め 七 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め 八 第十九条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 九 債権者又は債務者が個人事業者であるときは、その旨 十 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、第二十条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 十一 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、債務者が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め 十二 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をすることができないこととし、又はこれらの電子記録について回数の制限その他の制限をする旨の定めをするときは、その定め 十三 債権者と債務者との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 十四 債権者と債務者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 十五 電子債権記録機関が第七条第二項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしたときは、その定め 十六 前各号に掲げるもののほか、電子記録債権の内容となるものとして政令で定める事項 3 第一項第一号から第六号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録債権は、発生しない。 4 消費者契約法第二条第一項に規定する消費者(以下単に「消費者」という。)についてされた第二項第九号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、業務規程の定めるところにより、第一項第二号(分割払の方法により債務を支払う場合における各支払期日の部分に限る。)及び第二項各号(第一号、第二号及び第九号を除く。)に掲げる事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限することができる。 第三節 譲渡 (電子記録債権の譲渡) 第十七条 電子記録債権の譲渡は、譲渡記録をしなければ、その効力を生じない。 (譲渡記録) 第十八条 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 電子記録債権の譲渡をする旨 二 譲渡人が電子記録義務者の相続人であるときは、譲渡人の氏名及び住所 三 譲受人の氏名又は名称及び住所 四 電子記録の年月日 2 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 発生記録(当該発生記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。以下同じ。)において債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、譲渡記録に当たり譲受人が譲受人の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 二 譲渡人が個人事業者であるときは、その旨 三 譲渡人と譲受人(譲渡記録後に譲受人として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 四 譲渡人と譲受人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 消費者についてされた前項第二号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 4 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(譲渡記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する譲渡記録をしてはならない。 (善意取得) 第十九条 譲渡記録の請求により電子記録債権の譲受人として記録された者は、当該電子記録債権を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 第十六条第二項第八号に掲げる事項が記録されている場合 二 前項に規定する者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合 三 個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である電子記録債権の譲渡人がした譲渡記録の請求における譲受人に対する意思表示が効力を有しない場合において、前項に規定する者が当該譲渡記録後にされた譲渡記録の請求により記録されたものであるとき。 (抗弁の切断) 第二十条 発生記録における債務者又は電子記録保証人(以下「電子記録債務者」という。)は、電子記録債権の債権者に当該電子記録債権を譲渡した者に対する人的関係に基づく抗弁をもって当該債権者に対抗することができない。 ただし、当該債権者が、当該電子記録債務者を害することを知って当該電子記録債権を取得したときは、この限りでない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 第十六条第二項第十号又は第三十二条第二項第六号に掲げる事項が記録されている場合 二 前項の債権者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合 三 前項の電子記録債務者が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合 第四節 消滅 (支払免責) 第二十一条 電子記録名義人に対してした電子記録債権についての支払は、当該電子記録名義人がその支払を受ける権利を有しない場合であっても、その効力を有する。 ただし、その支払をした者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (混同等) 第二十二条 電子記録債務者(その相続人その他の一般承継人を含む。以下この項において同じ。)が電子記録債権を取得した場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該電子記録債権は消滅しない。 ただし、当該電子記録債務者又は当該電子記録債務者の承諾を得た他の電子記録債務者の請求により、当該電子記録債権の取得に伴う混同を原因とする支払等記録がされたときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、電子記録債権を取得しても、当該各号に定める者に対して電子記録保証によって生じた債務(以下「電子記録保証債務」という。)の履行を請求することができない。 一 発生記録における債務者 電子記録保証人 二 電子記録保証人 他の電子記録保証人(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をしたとするならば、この号に掲げる電子記録保証人に対して特別求償権を行使することができるものに限る。) (消滅時効) 第二十三条 電子記録債権は、これを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。 (支払等記録の記録事項) 第二十四条 支払等記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 支払、相殺その他の債務の全部若しくは一部を消滅させる行為又は混同(以下「支払等」という。)により消滅し、又は消滅することとなる電子記録名義人に対する債務を特定するために必要な事項 二 支払等をした金額その他の当該支払等の内容(利息、遅延損害金、違約金又は費用が生じている場合にあっては、消滅した元本の額を含む。) 三 支払等があった日 四 支払等をした者(支払等が相殺による債務の消滅である場合にあっては、電子記録名義人が当該相殺によって免れた債務の債権者。以下同じ。)の氏名又は名称及び住所 五 支払等をした者が当該支払等をするについて民法第五百条の正当な利益を有する者であるときは、その事由 六 電子記録の年月日 七 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 (支払等記録の請求) 第二十五条 支払等記録は、次に掲げる者だけで請求することができる。 一 当該支払等記録についての電子記録義務者 二 前号に掲げる者の相続人その他の一般承継人 三 次に掲げる者であって、前二号に掲げる者全員の承諾を得たもの イ 電子記録債務者 ロ 支払等をした者(前二号及びイに掲げる者を除く。) ハ イ又はロに掲げる者の相続人その他の一般承継人 2 電子記録債権又はこれを目的とする質権の被担保債権(次項において「電子記録債権等」という。)について支払等がされた場合には、前項第三号イからハまでに掲げる者は、同項第一号又は第二号に掲げる者に対し、同項第三号の承諾をすることを請求することができる。 3 電子記録債権等について支払をする者は、第一項第一号又は第二号に掲げる者に対し、当該支払をするのと引換えに、同項第三号の承諾をすることを請求することができる。 4 根質権の担保すべき債権についての支払等をしたことによる支払等記録の請求は、当該支払等が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。 第五節 記録事項の変更 (電子記録債権の内容等の意思表示による変更) 第二十六条 電子記録債権又はこれを目的とする質権の内容の意思表示による変更は、この法律に別段の定めがある場合を除き、変更記録をしなければ、その効力を生じない。 (変更記録の記録事項) 第二十七条 変更記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 変更する記録事項 二 前号の記録事項を変更する旨及びその原因 三 第一号の記録事項についての変更後の内容(当該記録事項を記録しないこととする場合にあっては、当該記録事項を削除する旨) 四 電子記録の年月日 (求償権の譲渡に伴い電子記録債権が移転した場合の変更記録) 第二十八条 債権記録に支払等をした者として記録されている者であって当該支払等により電子記録債権の債権者に代位したものがした求償権(特別求償権を除く。)の譲渡に伴い当該電子記録債権が移転した場合における変更記録は、その者の氏名又は名称及び住所を当該求償権の譲受人の氏名又は名称及び住所に変更する記録をすることによって行う。 (変更記録の請求) 第二十九条 変更記録の請求は、当該変更記録につき電子記録上の利害関係を有する者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)の全員がしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、相続又は法人の合併による電子記録名義人又は電子記録債務者の変更を内容とする変更記録は、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人だけで請求することができる。 ただし、相続人が二人以上ある場合には、その全員が当該変更記録を請求しなければならない。 3 第五条第二項及び第三項の規定は、第一項及び前項ただし書の場合について準用する。 4 第一項の規定にかかわらず、電子記録名義人又は電子記録債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更記録は、その者が単独で請求することができる。 他の者の権利義務に影響を及ぼさないことが明らかな変更記録であって業務規程の定めるものについても、同様とする。 (変更記録が無効な場合における電子記録債務者の責任) 第三十条 変更記録がその請求の無効、取消しその他の事由により効力を有しない場合には、当該変更記録前に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録前の債権記録の内容に従って責任を負う。 ただし、当該変更記録の請求における相手方に対する意思表示を適法にした者の間においては、当該意思表示をした電子記録債務者は、当該変更記録以後の債権記録の内容に従って責任を負う。 2 前項本文に規定する場合には、当該変更記録後に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録後の債権記録の内容に従って責任を負う。 第六節 電子記録保証 (保証記録による電子記録債権の発生) 第三十一条 電子記録保証に係る電子記録債権は、保証記録をすることによって生ずる。 (保証記録) 第三十二条 保証記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 保証をする旨 二 保証人の氏名又は名称及び住所 三 主たる債務者の氏名又は名称及び住所その他主たる債務を特定するために必要な事項 四 電子記録の年月日 2 保証記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 保証の範囲を限定する旨の定めをするときは、その定め 二 遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め 三 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め 四 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め 五 保証人が個人事業者であるときは、その旨 六 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、保証記録をした時の債権者に対抗することができる事由について第二十条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 七 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、保証人が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め 八 債権者と保証人との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 九 債権者と保証人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 十 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 第一項第一号から第三号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録保証に係る電子記録債権は、発生しない。 4 消費者についてされた第二項第五号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 5 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(保証記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する保証記録をしてはならない。 (電子記録保証の独立性) 第三十三条 電子記録保証債務は、その主たる債務者として記録されている者がその主たる債務を負担しない場合(第十六条第一項第一号から第六号まで又は前条第一項第一号から第三号までに掲げる事項の記録が欠けている場合を除く。)においても、その効力を妨げられない。 2 前項の規定は、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、適用しない。 (民法等の適用除外) 第三十四条 民法第四百五十二条、第四百五十三条及び第四百五十六条から第四百五十八条まで並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十一条第二項の規定は、電子記録保証については、適用しない。 2 前項の規定にかかわらず、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、当該電子記録保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、当該電子記録保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (特別求償権) 第三十五条 発生記録によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えん(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をいう。以下この条において同じ。)をした場合において、その旨の支払等記録がされたときは、民法第四百五十九条、第四百五十九条の二、第四百六十二条、第四百六十三条及び第四百六十五条の規定にかかわらず、当該電子記録保証人は、次に掲げる者に対し、出えんにより共同の免責を得た額、出えんをした日以後の遅延損害金の額及び避けることができなかった費用の額の合計額について電子記録債権を取得する。 ただし、第三号に掲げる者に対しては、自己の負担部分を超えて出えんをした額のうち同号に掲げる者の負担部分の額に限る。 一 主たる債務者 二 当該出えんをした者が電子記録保証人となる前に当該者を債権者として当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする電子記録保証をしていた他の電子記録保証人 三 当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする他の電子記録保証人(前号に掲げる者及び電子記録保証人となる前に当該出えんをした者の電子記録保証に係る債権者であったものを除く。) 2 前項の規定は、同項の規定によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。 3 第一項の規定は、電子記録保証債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。 この場合において、同項中「次に掲げる者」とあるのは、「次に掲げる者及びその出えんを主たる債務者として記録されている電子記録保証人がしたとするならば、次に掲げる者に該当することとなるもの」と読み替えるものとする。 第七節 質権 (電子記録債権の質入れ) 第三十六条 電子記録債権を目的とする質権の設定は、質権設定記録をしなければ、その効力を生じない。 2 民法第三百六十二条第二項の規定は、前項の質権については、適用しない。 3 民法第二百九十六条から第三百条まで、第三百四条、第三百四十二条、第三百四十三条、第三百四十六条、第三百四十八条、第三百四十九条、第三百五十一条、第三百七十三条、第三百七十四条、第三百七十八条、第三百九十条、第三百九十一条、第三百九十八条の二から第三百九十八条の十まで、第三百九十八条の十九、第三百九十八条の二十(第一項第三号を除く。)及び第三百九十八条の二十二の規定は、第一項の質権について準用する。 (質権設定記録の記録事項) 第三十七条 質権設定記録(根質権の質権設定記録を除く。次項において同じ。)においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 質権を設定する旨 二 質権者の氏名又は名称及び住所 三 被担保債権の債務者の氏名又は名称及び住所、被担保債権の額(一定の金額を目的としない債権については、その価額。以下同じ。)その他被担保債権を特定するために必要な事項 四 一の債権記録における質権設定記録及び転質の電子記録がされた順序を示す番号(以下「質権番号」という。) 五 電子記録の年月日 2 質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 被担保債権につき利息、遅延損害金又は違約金についての定めがあるときは、その定め 二 被担保債権に付した条件があるときは、その条件 三 前条第三項において準用する民法第三百四十六条ただし書の別段の定めをするときは、その定め 四 質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め 五 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、質権設定記録に当たり質権者が質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 六 質権設定者と質権者(質権設定記録後に当該質権についての質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 七 質権設定者と質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 八 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 根質権を設定する旨 二 根質権者の氏名又は名称及び住所 三 担保すべき債権の債務者の氏名又は名称及び住所 四 担保すべき債権の範囲及び極度額 五 質権番号 六 電子記録の年月日 4 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 担保すべき元本の確定すべき期日の定めをするときは、その定め 二 根質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め 三 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、根質権の質権設定記録に当たり根質権者が根質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 四 根質権設定者と根質権者(根質権の質権設定記録後に当該根質権についての根質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 五 根質権設定者と根質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 六 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 5 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(質権設定記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する質権設定記録をしてはならない。 (善意取得及び抗弁の切断) 第三十八条 第十九条及び第二十条の規定は、質権設定記録について準用する。 この場合において、第十九条第一項中「譲受人」とあるのは「質権者」と、「当該電子記録債権」とあるのは「その質権」と、同条第二項第二号中「譲受人」とあるのは「質権者」と、同項第三号中「された譲渡記録」とあるのは「された質権設定記録」と、第二十条第一項中「債権者に当該電子記録債権を譲渡した」とあるのは「質権者にその質権を設定した」と、「当該債権者に」とあるのは「当該質権者に」と、同項ただし書中「当該債権者が」とあるのは「当該質権者が」と、「当該電子記録債権を取得した」とあるのは「当該質権を取得した」と、同条第二項第二号中「債権者」とあり、及び「譲受人」とあるのは「質権者」と読み替えるものとする。 (質権の順位の変更の電子記録) 第三十九条 第三十六条第三項において準用する民法第三百七十四条第一項の規定による質権の順位の変更の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 質権の順位を変更する旨 二 順位を変更する質権の質権番号 三 変更後の質権の順位 四 電子記録の年月日 2 前項の電子記録の請求は、順位を変更する質権の電子記録名義人の全員がしなければならない。 この場合においては、第五条第二項及び第三項の規定を準用する。 (転質) 第四十条 第三十六条第三項において準用する民法第三百四十八条の規定による転質は、転質の電子記録をしなければ、その効力を生じない。 2 第三十七条第一項から第四項までの規定は、転質の電子記録について準用する。 3 転質の電子記録においては、転質の目的である質権の質権番号をも記録しなければならない。 4 質権者が二以上の者のために転質をしたときは、その転質の順位は、転質の電子記録の前後による。 (被担保債権の譲渡に伴う質権等の移転による変更記録の特則) 第四十一条 被担保債権の一部について譲渡がされた場合における質権又は転質の移転による変更記録においては、第二十七条各号に掲げる事項のほか、当該譲渡の目的である被担保債権の額をも記録しなければならない。 2 根質権の担保すべき債権の譲渡がされた場合における根質権の移転による変更記録の請求は、当該譲渡が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。 (根質権の担保すべき元本の確定の電子記録) 第四十二条 根質権の担保すべき元本(以下この条において単に「元本」という。)の確定の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 元本が確定した旨 二 元本が確定した根質権の質権番号 三 元本の確定の年月日 四 電子記録の年月日 2 第三十六条第三項において準用する民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第四号の規定により元本が確定した場合の電子記録は、当該根質権の電子記録名義人だけで請求することができる。 ただし、同号の規定により元本が確定した場合における請求は、当該根質権又はこれを目的とする権利の取得の電子記録の請求と併せてしなければならない。 第八節 分割 (分割記録) 第四十三条 電子記録債権は、分割(債権者又は債務者として記録されている者が二人以上ある場合において、特定の債権者又は債務者について分離をすることを含む。)をすることができる。 2 電子記録債権の分割は、次条から第四十七条までの規定により、分割をする電子記録債権が記録されている債権記録(以下「原債権記録」という。)及び新たに作成する債権記録(以下「分割債権記録」という。)に分割記録をすると同時に原債権記録に記録されている事項の一部を分割債権記録に記録することによって行う。 3 分割記録の請求は、分割債権記録に債権者として記録される者だけですることができる。 (分割記録の記録事項) 第四十四条 分割記録においては、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 原債権記録から分割をした旨 二 原債権記録及び分割債権記録の記録番号 三 発生記録における債務者であって分割債権記録に記録されるものが一定の金額を支払う旨 四 債権者の氏名又は名称及び住所 五 電子記録の年月日 2 分割記録においては、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割をした旨 二 分割債権記録の記録番号 三 電子記録の年月日 3 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(分割記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する分割記録をしてはならない。 (分割記録に伴う分割債権記録への記録) 第四十五条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割債権記録に記録される電子記録債権についての原債権記録中の現に効力を有する電子記録において記録されている事項(次に掲げるものを除く。) イ 債務者が一定の金額を支払う旨 ロ 当該電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものである場合における各支払期日及び当該支払期日ごとに支払うべき金額 ハ 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録又は記録機関変更記録をすることができる回数(以下「記録可能回数」という。)が記録されている場合におけるその記録可能回数 ニ 原債権記録の記録番号 ホ 原債権記録に分割記録がされている場合における当該分割記録において記録されている事項(イに掲げるものを除く。) 二 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、当該電子記録債権の支払期日(原債権記録に支払期日として記録されているものに限る。) 三 前号に規定する場合において、分割債権記録に記録される電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額(原債権記録に記録されている対応する各支払期日ごとに支払うべき金額の範囲内のものに限る。) 四 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)のうち、分割債権記録における記録可能回数 2 電子債権記録機関は、分割債権記録に前項第一号に掲げる事項を記録したときは当該事項を原債権記録から転写した旨及びその年月日を、同項第二号から第四号までに掲げる事項を記録したときはその記録の年月日を当該分割債権記録に記録しなければならない。 (分割記録に伴う原債権記録への記録) 第四十六条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割債権記録に記録される電子記録債権について原債権記録に記録されている事項のうち、前条第一項第一号イからハまでに掲げる事項の記録を削除する旨 二 発生記録における債務者が分割記録の直前に原債権記録に記録されていた第十六条第一項第一号(当該原債権記録が他の分割における分割債権記録である場合にあっては、第四十四条第一項第三号)に規定する一定の金額から分割債権記録に記録される第四十四条第一項第三号に規定する一定の金額を控除して得た金額を支払う旨 三 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる支払期日 四 前号に規定する場合において、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額 五 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)から分割債権記録における記録可能回数を控除した残りの記録可能回数 2 電子債権記録機関は、原債権記録に前項各号に掲げる事項を記録したときは、その記録の年月日を当該原債権記録に記録しなければならない。 (主務省令への委任) 第四十七条 第四十三条第三項及び前三条の規定にかかわらず、次に掲げる場合における分割記録の請求、分割記録の記録事項並びに分割記録に伴う分割債権記録及び原債権記録への記録について必要な事項は、これらの規定の例に準じて主務省令で定める。 一 原債権記録に債権者ごとの債権の金額又は債務者ごとの債務の金額が記録されている場合 二 原債権記録に第三十二条第二項第一号に掲げる事項が記録された保証記録がされている場合 三 原債権記録に特別求償権が記録されている場合 四 前三号に掲げるもののほか、主務省令で定める場合 第九節 電子債権記録機関の変更 (記録機関変更記録) 第四十七条の二 電子記録債権は、その電子記録を行う電子債権記録機関の変更(以下単に「電子債権記録機関の変更」という。)をすることができる。 2 電子債権記録機関の変更は、次条から第四十七条の五までの規定により、電子債権記録機関の変更をしようとする電子記録債権についての債権記録(以下「変更前債権記録」という。)を記録原簿に記録している電子債権記録機関(以下「変更前電子債権記録機関」という。)から変更前債権記録の記録事項を引き継ぐ電子債権記録機関(以下「変更後電子債権記録機関」という。)がその記録原簿に新たに作成し、変更前債権記録の記録事項を記録する債権記録(以下「変更後債権記録」という。)に記録機関変更記録をすることによって行う。 (記録機関変更記録の請求等) 第四十七条の三 記録機関変更記録の請求は、変更前債権記録に電子記録債権の債権者として記録されている者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)であって、当該電子記録債権の債務者全員の承諾を得たものがすることができる。 2 記録機関変更記録の請求は、次に掲げる場合には、することができない。 一 変更前債権記録に質権設定記録がされている場合 二 変更後電子債権記録機関が第七条第二項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしている場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。 三 変更後電子債権記録機関が第十六条第五項の規定により同項に規定する事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限している場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。 3 記録機関変更記録の請求についての第六条の規定の適用については、同条中「電子債権記録機関」とあるのは、「第四十七条の二第二項に規定する変更前電子債権記録機関」とする。 4 変更前電子債権記録機関は、記録機関変更記録の請求があったときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 記録機関変更記録の請求があった旨 二 変更後電子債権記録機関の名称及び住所 三 電子記録の年月日 5 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による記録をしたときは、遅滞なく、変更後電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 変更前電子債権記録機関の名称及び住所 二 変更前債権記録の記録事項 三 前二号に掲げるもののほか、変更前債権記録の記録事項の引継ぎに必要な事項として政令で定めるもの (変更前電子債権記録機関の記録の禁止) 第四十七条の四 第七条第一項の規定にかかわらず、変更前電子債権記録機関は、前条第四項の規定による記録をしたときは、変更前債権記録に電子記録(次条第四項の規定による記録を除く。)をしてはならない。 (記録機関変更記録の記録事項等) 第四十七条の五 変更後電子債権記録機関は、第四十七条の三第五項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、記録機関変更記録をしなければならない。 2 記録機関変更記録においては、変更後債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 この場合において、変更後電子債権記録機関は、変更後債権記録に第十六条第二項第十五号に掲げる事項を記録することができる。 一 電子債権記録機関の変更をした旨 二 変更後債権記録の記録番号 三 第四十七条の三第五項第一号及び第二号に掲げる事項(記録機関変更記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数) 四 電子記録の年月日 3 変更後電子債権記録機関は、記録機関変更記録をしたときは、遅滞なく、変更前電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 変更後電子債権記録機関の名称及び住所 二 前項の規定による記録をした旨 三 前項第二号に掲げる事項 4 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 前項第二号及び第三号に掲げる事項 二 電子記録の年月日 第十節 雑則 (信託の電子記録) 第四十八条 電子記録債権又はこれを目的とする質権(以下この項において「電子記録債権等」という。)については、信託の電子記録をしなければ、電子記録債権等が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 2 この法律に定めるもののほか、信託の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 (電子記録債権に関する強制執行等) 第四十九条 電子債権記録機関は、電子記録債権に関する強制執行、滞納処分その他の処分の制限がされた場合において、これらの処分の制限に係る書類の送達を受けたときは、遅滞なく、強制執行等の電子記録をしなければならない。 2 強制執行等の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 3 電子記録債権に関する強制執行、仮差押え及び仮処分、競売並びに没収保全の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (政令への委任) 第五十条 この法律に定めるもののほか、電子記録債権の電子記録の手続その他電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 第三章 電子債権記録機関 第一節 通則 (電子債権記録業を営む者の指定) 第五十一条 主務大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、第五十六条に規定する業務(以下「電子債権記録業」という。)を営む者として、指定することができる。 一 次に掲げる機関を置く株式会社であること。 イ 取締役会 ロ 監査役会、監査等委員会又は指名委員会等(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第十二号に規定する指名委員会等をいう。) ハ 会計監査人 二 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された日から五年を経過しない者でないこと。 三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。 四 取締役、会計参与、監査役又は執行役のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。 イ 心身の故障のため電子債権記録業に係る職務を適正に執行することができない者として主務省令で定める者 ロ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者 ハ 拘禁刑以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ニ 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けているこの項の指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその会社の取締役、会計参与、監査役又は執行役(外国会社における外国の法令上これらに相当する者を含む。ホにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から五年を経過しない者 ホ 第七十五条第一項の規定又はこの法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役、会計参与、監査役又は執行役でその処分を受けた日から五年を経過しない者 ヘ この法律、会社法若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第四十六条から第四十九条まで、第五十条(第一号に係る部分に限る。)若しくは第五十一条の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 五 定款及び電子債権記録業の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が、法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより電子債権記録業を適正かつ確実に遂行するために十分であると認められること。 六 電子債権記録業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、電子債権記録業に係る収支の見込みが良好であると認められること。 七 その人的構成に照らして、電子債権記録業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すると認められること。 2 主務大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した電子債権記録機関の商号及び本店の所在地を官報で公示しなければならない。 (指定の申請) 第五十二条 前条第一項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 商号 二 資本金の額及び純資産額 三 本店その他の営業所の名称及び所在地 四 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役)の氏名 五 会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称 2 指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 前条第一項第三号及び第四号に掲げる要件に該当する旨を誓約する書面 二 定款 三 会社の登記事項証明書 四 業務規程 五 貸借対照表及び損益計算書 六 収支の見込みを記載した書類 七 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める書類 3 前項の場合において、定款、貸借対照表又は損益計算書が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。)を添付することができる。 (資本金の額等) 第五十三条 電子債権記録機関の資本金の額は、政令で定める金額以上でなければならない。 2 前項の政令で定める金額は、五億円を下回ってはならない。 3 電子債権記録機関の純資産額は、第一項の政令で定める金額以上でなければならない。 (適用除外) 第五十四条 会社法第三百三十一条第二項ただし書(同法第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(同法第三百三十四条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項及び第四百二条第五項ただし書の規定は、電子債権記録機関については、適用しない。 (秘密保持義務) 第五十五条 電子債権記録機関の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役、執行役若しくは職員又はこれらの職にあった者は、電子債権記録業に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 第二節 業務 (電子債権記録機関の業務) 第五十六条 電子債権記録機関は、この法律及び業務規程の定めるところにより、電子記録債権に係る電子記録に関する業務を行うものとする。 (兼業の禁止) 第五十七条 電子債権記録機関は、電子債権記録業及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。 (電子債権記録業の一部の委託) 第五十八条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、電子債権記録業の一部を、主務大臣の承認を受けて、銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、協同組織金融機関(協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)第二条第一項に規定する協同組織金融機関をいう。)その他の政令で定める金融機関をいう。以下同じ。)その他の者に委託することができる。 2 銀行等は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該委託に係る業務を行うことができる。 (業務規程) 第五十九条 電子債権記録機関は、業務規程において、電子記録の実施の方法、第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約又は第六十四条に規定する契約に係る事項その他の主務省令で定める事項を定めなければならない。 (電子債権記録機関を利用する者の保護) 第六十条 電子債権記録機関は、当該電子債権記録機関を利用する者の保護に欠けることのないように業務を営まなければならない。 (差別的取扱いの禁止) 第六十一条 電子債権記録機関は、特定の者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。 第三節 口座間送金決済等に係る措置 (口座間送金決済に関する契約の締結) 第六十二条 電子債権記録機関は、債務者及び銀行等と口座間送金決済に関する契約を締結することができる。 2 前項及び次条第二項に規定する「口座間送金決済」とは、電子記録債権(保証記録に係るもの及び特別求償権を除く。以下この節において同じ。)に係る債務について、電子債権記録機関、債務者及び銀行等の合意に基づき、あらかじめ電子債権記録機関が当該銀行等に対し債権記録に記録されている支払期日、支払うべき金額、債務者口座及び債権者口座に係る情報を提供し、当該支払期日に当該銀行等が当該債務者口座から当該債権者口座に対する払込みの取扱いをすることによって行われる支払をいう。 (口座間送金決済についての支払等記録) 第六十三条 電子債権記録機関は、前条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約を締結した場合において、第十六条第二項第一号に掲げる事項が債権記録に記録されているときは、当該契約に係る銀行等に対し、前条第二項に規定する情報を提供しなければならない。 2 前項の場合において、支払期日に支払うべき電子記録債権に係る債務の全額について口座間送金決済があった旨の通知を同項に規定する銀行等から受けたときは、電子債権記録機関は、遅滞なく、当該口座間送金決済についての支払等記録をしなければならない。 (支払に関するその他の契約の締結) 第六十四条 電子債権記録機関は、第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約のほか、債務者又は債権者及び銀行等と電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する契約を締結することができる。 (その他の契約に係る支払についての支払等記録) 第六十五条 電子債権記録機関は、前条に規定する契約を締結し、第十六条第二項第二号に掲げる事項が債権記録に記録されている場合において、電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する通知を当該契約に係る銀行等から受けたとき(電子記録債権に係る債務の支払があったことを電子債権記録機関において確実に知り得る場合として主務省令で定める場合に限る。)は、遅滞なく、当該支払についての支払等記録をしなければならない。 (口座間送金決済等の通知に係る第八条の適用) 第六十六条 第六十三条第二項及び前条に規定する通知は、電子記録の請求とみなして、第八条の規定を適用する。 第四節 監督 (帳簿書類等の作成及び保存) 第六十七条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、業務に関する帳簿書類その他の記録を作成し、保存しなければならない。 (業務及び財産に関する報告書の提出) 第六十八条 電子債権記録機関は、事業年度ごとに、業務及び財産に関する報告書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。 2 前項の報告書の記載事項、提出期日その他同項の報告書に関し必要な事項は、主務省令で定める。 (資本金の額の変更) 第六十九条 電子債権記録機関は、その資本金の額を減少しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。 2 電子債権記録機関は、その資本金の額を増加しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。 (定款又は業務規程の変更) 第七十条 電子債権記録機関の定款又は業務規程の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 (電子債権記録業の休止の認可) 第七十一条 電子債権記録機関は、電子債権記録業を休止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。 (商号等の変更の届出) 第七十二条 電子債権記録機関は、第五十二条第一項第一号又は第三号から第五号までに掲げる事項に変更があったときは、その旨及び同条第二項第一号又は第三号に掲げる書類を、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。 2 主務大臣は、前項の規定により電子債権記録機関の商号又は本店の所在地の変更の届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (報告及び検査) 第七十三条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者に対し、当該電子債権記録機関の業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の営業所若しくは事務所に立ち入り、当該電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせ、若しくは関係者に質問(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の関係者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせることができる。 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (業務改善命令) 第七十四条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、電子債権記録機関に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (指定の取消し等) 第七十五条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十一条第一項の指定を取り消し、六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役の解任を命ずることができる。 一 第五十一条第一項第三号又は第四号に掲げる要件に該当しないこととなったとき。 二 第五十一条第一項の指定当時に同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。 三 不正の手段により第五十一条第一項の指定を受けたことが判明したとき。 四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。 2 主務大臣は、前項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (業務移転命令) 第七十六条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、期限を定めて、電子債権記録業を他の株式会社に移転することを命ずることができる。 一 前条第一項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消されたとき。 二 電子債権記録業を廃止したとき。 三 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。 四 電子債権記録業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない事態又は破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあると認められるとき。 2 前項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第三百二十二条第一項、第四百六十六条、第四百六十七条第一項、第七百八十三条第一項又は第七百九十五条第一項の規定による決議(同法第七百八十三条第一項の規定による決議にあっては、同法第三百九条第三項第二号の株主総会の決議を除く。)は、同法第三百九条第二項及び第三百二十四条第二項の規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。 3 第一項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第三百九条第三項第二号の株主総会の決議は、同項の規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。 4 第二項の規定により仮にした決議(以下この項及び次項において「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。 5 前項の株主総会において第二項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。 6 前二項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。 この場合において、前項中「第二項」とあるのは、「第三項」と読み替えるものとする。 (債権記録の失効) 第七十七条 電子債権記録機関が前条第一項の規定による命令を受けた場合において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転することなく当該期限を経過したときは、当該期限を経過した日にその備える記録原簿に記録されている債権記録は、その効力を失う。 2 電子記録債権及びこれを目的とする質権は、前項の規定により債権記録がその効力を失った日(以下この条において「効力失効日」という。)以後は、当該債権記録に記録された電子記録債権の内容をその権利の内容とする債権及びこれを目的とする質権として存続するものとする。 3 効力失効日に電子記録保証人であった者が前項の債権についての弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録されていた債務を消滅させるべき行為をしたときは、その者は、特別求償権と同一の内容の求償権を取得する。 4 主務大臣は、効力失効日以後、速やかに、第一項に規定する債権記録がその効力を失った旨を官報で公示しなければならない。 5 電子債権記録機関であった者又は一般承継人(合併により消滅した電子債権記録機関の権利義務を承継した者であって、電子債権記録業を営まないものに限る。以下この章において同じ。)は、効力失効日以後、直ちに、次の各号に掲げる者に対し、それぞれ当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、当該事項の全部を証明した書面を送付しなければならない。 一 効力失効日に電子記録名義人であった者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録又は質権設定記録若しくは転質の電子記録(これらの電子記録の記録事項について変更記録がされていたときは、当該変更記録を含む。以下「譲渡記録等」という。)であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されていたもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項 イ 第十八条第二項第三号若しくは第四号、第三十七条第二項第六号若しくは第七号又は同条第四項第四号若しくは第五号に掲げる事項が記録されていた譲渡記録等 ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されていた譲渡記録 ハ 効力失効日に電子記録名義人であった者が変更記録において記録されていた場合における当該変更記録に係る譲渡記録等 二 効力失効日に電子記録債務者として記録されていた者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。) 第五節 合併、分割及び事業の譲渡 (特定合併の認可) 第七十八条 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営む場合に限る。以下この条において「特定合併」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、特定合併後存続する株式会社又は特定合併により設立される株式会社(以下この条において「特定合併後の電子債権記録機関」という。)について第五十二条第一項各号に掲げる事項を記載した合併認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 3 合併認可申請書には、合併契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 特定合併後の電子債権記録機関が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 特定合併後の電子債権記録機関(電子債権記録機関が特定合併後存続する株式会社である場合を除く。)は、特定合併の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 特定合併後の電子債権記録機関は、特定合併により消滅した電子債権記録機関の業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (新設分割の認可) 第七十九条 電子債権記録機関が新たに設立する株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う新設分割(以下この条において単に「新設分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、新設分割により設立される株式会社(以下この条において「設立会社」という。)について次に掲げる事項を記載した新設分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 設立会社が承継する電子債権記録業 3 新設分割認可申請書には、新設分割計画の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 設立会社が第五十一条第一項第一号及び第四号から第七号までに掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 設立会社は、新設分割の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 設立会社は、新設分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (吸収分割の認可) 第八十条 電子債権記録機関が他の株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う吸収分割(以下この条において単に「吸収分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、吸収分割により電子債権記録業の全部又は一部を承継する株式会社(以下この条において「承継会社」という。)について次に掲げる事項を記載した吸収分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 承継会社が承継する電子債権記録業 3 吸収分割認可申請書には、吸収分割契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 承継会社が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 承継会社(電子債権記録機関が承継会社である場合を除く。)は、吸収分割の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 承継会社は、吸収分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (事業譲渡の認可) 第八十一条 電子債権記録機関が他の株式会社に行う電子債権記録業の全部又は一部の譲渡(以下この条において「事業譲渡」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、事業譲渡により電子債権記録業の全部又は一部を譲り受ける株式会社(以下この条において「譲受会社」という。)について次に掲げる事項を記載した事業譲渡認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 譲受会社が承継する電子債権記録業 3 事業譲渡認可申請書には、譲渡契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 譲受会社が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 譲受会社(電子債権記録機関が譲受会社である場合を除く。)は、事業譲渡の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 譲受会社は、事業譲渡をした電子債権記録機関の譲渡の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 第六節 解散等 (解散等の認可) 第八十二条 次に掲げる事項は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 一 電子債権記録機関の解散についての株主総会の決議 二 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営まない場合に限る。) (指定の失効) 第八十三条 電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十一条第一項の指定は、その効力を失う。 一 電子債権記録業を廃止したとき。 二 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。 三 第七十六条第一項の規定による命令を受けた場合(同項第四号に該当する場合に限る。)において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転しなかったとき。 2 前項の規定により第五十一条第一項の指定が効力を失ったときは、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (指定取消し等の場合のみなし電子債権記録機関) 第八十四条 電子債権記録機関が第七十五条第一項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消された場合又は前条第一項の規定により当該指定が効力を失った場合(同項第三号に該当する場合を除く。)においては、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、当該電子債権記録機関が行った電子債権記録業を速やかに結了しなければならない。 この場合において、当該電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、その電子債権記録業の結了の目的の範囲内において、なおこれを電子債権記録機関とみなす。 (清算手続等における主務大臣の意見等) 第八十五条 裁判所は、電子債権記録機関の清算手続、破産手続、再生手続、更生手続又は承認援助手続において、主務大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。 2 主務大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。 3 第七十三条の規定は、第一項の規定により主務大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。 第四章 雑則 (債権記録等の保存) 第八十六条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、債権記録及び当該債権記録に記録された電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報が記載され、又は記録されている書面又は電磁的記録を保存しなければならない。 一 次号に掲げる場合以外の場合 次のイ又はロに定める日のいずれか早い日 イ 当該債権記録に記録された全ての電子記録債権に係る債務の全額について支払等記録がされた日又は変更記録により当該債権記録中の全ての記録事項について削除する旨の記録がされた日から五年を経過する日 ロ 当該債権記録に記録された支払期日(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、最終の支払期日)又は最後の電子記録がされた日のいずれか遅い日から十年を経過する日 二 当該債権記録が変更前債権記録である場合 第四十七条の五第四項各号に掲げる事項の記録がされた日から五年を経過する日 (記録事項の開示) 第八十七条 次の各号に掲げる者及びその相続人その他の一般承継人並びにこれらの者の財産の管理及び処分をする権利を有する者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は当該事項の全部若しくは一部を証明した書面若しくは電磁的記録の提供の請求(以下この条において「開示請求」という。)をすることができる。 一 電子記録名義人 債権記録に記録されている事項(当該電子記録名義人が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項 イ 第十八条第二項第三号若しくは第四号、第三十七条第二項第六号若しくは第七号又は同条第四項第四号若しくは第五号に掲げる事項が記録されている譲渡記録等 ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されている譲渡記録 ハ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等 二 電子記録債務者として記録されている者 債権記録に記録されている事項(当該電子記録債務者として記録されている者が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているものにおいて記録されている事項(次に掲げるものを除く。)を除き、すべての事項 イ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等において記録されている事項 ロ 当該電子記録債務者として記録されている者が発生記録若しくは譲渡記録等において債権者、譲受人若しくは質権者として記録されている者又はこれらの者の相続人その他の一般承継人(以下この号において「債権者等」という。)に対して人的関係に基づく抗弁を有するときは、当該債権者等から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者(電子記録名義人を除く。)の氏名又は名称及び住所 三 債権記録に記録されている者であって、前二号に掲げる者以外のもの 債権記録に記録されている事項(この号に掲げる者が原債権記録に記録されている者であるときは、その後の分割債権記録に記録された事項を含む。)のうち、次に掲げる事項 イ 当該債権記録中の発生記録及び開示請求をする者(ロにおいて「開示請求者」という。)が電子記録の請求をした者となっている電子記録(当該電子記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。)において記録されている事項 ロ 開示請求者を電子記録義務者とする譲渡記録等がされている場合において、当該電子記録が、代理権を有しない者が当該開示請求者の代理人としてした請求又は当該開示請求者になりすました者の請求によってされたものであるときは、当該開示請求者から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者の氏名又は名称及び住所 2 電子債権記録機関は、前項に規定するもののほか、電子記録の請求をした者が請求に際しその開示について同意をしている記録事項については、主務省令で定めるところにより、その同意の範囲内で一定の者が開示請求をすることを認めることができる。 (電子記録の請求に当たって提供された情報の開示) 第八十八条 自己の氏名又は名称が電子記録の請求者として電子債権記録機関に提供された者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報について、次に掲げる請求をすることができる。 当該電子記録の請求が適法であるかどうかについて利害関係を有する者も、正当な理由があるときは、当該利害関係がある部分に限り、同様とする。 一 当該情報が書面に記載されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 当該情報が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって主務省令で定めるものをいう。)であって業務規程の定めるものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (財務大臣への資料提出等) 第八十九条 財務大臣は、その所掌に係る金融破 綻 たん 処理制度及び金融危機管理に関し、電子記録債権に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。 (主務省令への委任) 第九十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、主務省令で定める。 (主務大臣及び主務省令) 第九十一条 この法律において、主務大臣は法務大臣及び内閣総理大臣とし、主務省令は法務省令・内閣府令とする。 (権限の委任) 第九十二条 内閣総理大臣は、この法律の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。 2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。 第五章 罰則 第九十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第七条第一項、第四十七条の五第一項若しくは第四十九条第一項の規定に違反して、記録原簿に電子記録をすべき事項を記録せず、又はこれに虚偽の記録をした者 二 第四十七条の三第五項の規定に違反して、通知をすべき事項を通知せず、又は虚偽の通知をした者 第九十四条 第七十五条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第五十二条第一項、第七十八条第二項、第七十九条第二項、第八十条第二項若しくは第八十一条第二項の申請書若しくは第五十二条第二項の書類に虚偽の記載をし、若しくは当該書類に代えて電磁的記録を添付すべき場合における当該電磁的記録に虚偽の記録をし、又は第七十八条第三項、第七十九条第三項、第八十条第三項若しくは第八十一条第三項の書面若しくは電磁的記録に虚偽の記載若しくは記録をして提出した者 二 第六十七条の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者 三 第六十八条第一項の規定による報告書の提出をせず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者 四 第七十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 五 第八十五条第三項において準用する第七十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 六 第八十六条の規定に違反して、同条の債権記録又は書面若しくは電磁的記録を保存しなかった者 第九十六条 第五十五条の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 第九十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第六十九条第一項の規定による認可を受けないで資本金の額を減少し、又は虚偽の申請をして同項の認可を受けた者 二 第七十二条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 第九十八条 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。 一 第九十三条又は第九十四条 三億円以下の罰金刑 二 第九十五条(第五号を除く。) 二億円以下の罰金刑 三 第九十五条第五号又は前条 各本条の罰金刑 第九十九条 電子債権記録機関(第三号にあっては、第七十七条第五項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人)の役員又は清算人が次の各号のいずれかに該当するときは、百万円以下の過料に処する。 一 第六十九条第二項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第七十四条又は第七十六条第一項の規定による命令に違反したとき。 三 第七十七条第五項の規定に違反して、同項の書面を送付しなかったとき。 四 正当な理由がないのに第八十七条第一項又は第八十八条の規定による請求を拒み、又は虚偽の記載若しくは記録をした書面若しくは電磁的記録を提供したとき。 第百条 第八十三条第二項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人の役員又は清算人が同項の規定に違反して、届出を怠ったときは、三十万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
419AC0000000102_20251213_505AC0000000053.xml
平成十九年法律第百二号
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電子記録債権法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 この法律は、電子記録債権の発生、譲渡等について定めるとともに、電子記録債権に係る電子記録を行う電子債権記録機関の業務、監督等について必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第二条 この法律において「電子記録債権」とは、その発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録(以下単に「電子記録」という。)を要件とする金銭債権をいう。 2 この法律において「電子債権記録機関」とは、第五十一条第一項の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう。 3 この法律において「記録原簿」とは、債権記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物として主務省令で定めるものを含む。)をもって電子債権記録機関が調製するものをいう。 4 この法律において「債権記録」とは、発生記録により発生する電子記録債権、電子記録債権から第四十三条第一項に規定する分割をする電子記録債権又は第四十七条の二第一項に規定する電子債権記録機関の変更をする電子記録債権ごとに作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 5 この法律において「記録事項」とは、この法律の規定に基づき債権記録に記録すべき事項をいう。 6 この法律において「電子記録名義人」とは、債権記録に電子記録債権の債権者又は質権者として記録されている者をいう。 7 この法律において「電子記録権利者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 8 この法律において「電子記録義務者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に不利益を受ける者をいい、間接に不利益を受ける者を除く。 9 この法律において「電子記録保証」とは、電子記録債権に係る債務を主たる債務とする保証であって、保証記録をしたものをいう。 第二章 電子記録債権の発生、譲渡等 第一節 通則 第一款 電子記録 (電子記録の方法) 第三条 電子記録は、電子債権記録機関が記録原簿に記録事項を記録することによって行う。 (当事者の請求又は官公署の嘱託による電子記録) 第四条 電子記録は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の請求又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 請求による電子記録の手続に関するこの法律の規定は、法令に別段の定めがある場合を除き、官庁又は公署の嘱託による電子記録の手続について準用する。 (請求の当事者) 第五条 電子記録の請求は、法令に別段の定めがある場合を除き、電子記録権利者及び電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。第三項において同じ。)双方がしなければならない。 2 電子記録権利者又は電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。以下この項において同じ。)に電子記録の請求をすべきことを命ずる確定判決による電子記録は、当該請求をしなければならない他の電子記録権利者又は電子記録義務者だけで請求することができる。 3 電子記録権利者及び電子記録義務者が電子記録の請求を共同してしない場合における電子記録の請求は、これらの者のすべてが電子記録の請求をした時に、その効力を生ずる。 (請求の方法) 第六条 電子記録の請求は、請求者の氏名又は名称及び住所その他の電子記録の請求に必要な情報として政令で定めるものを電子債権記録機関に提供してしなければならない。 (電子債権記録機関による電子記録) 第七条 電子債権記録機関は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定による電子記録の請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る電子記録をしなければならない。 2 電子債権記録機関は、第五十一条第一項第五号に規定する業務規程(以下この章において単に「業務規程」という。)の定めるところにより、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をすることができる。 この場合において、電子債権記録機関が第十六条第二項第十五号に掲げる事項を債権記録に記録していないときは、何人も、当該業務規程の定めの効力を主張することができない。 (電子記録の順序) 第八条 電子債権記録機関は、同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録の請求があったときは、当該請求の順序に従って電子記録をしなければならない。 2 同一の電子記録債権に関し同時に二以上の電子記録が請求された場合において、請求に係る電子記録の内容が相互に矛盾するときは、前条第一項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、いずれの請求に基づく電子記録もしてはならない。 3 同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録が請求された場合において、その前後が明らかでないときは、これらの請求は、同時にされたものとみなす。 (電子記録の効力) 第九条 電子記録債権の内容は、債権記録(記録機関変更記録がされているときは、第四十七条の二第二項に規定する変更後債権記録とし、当該変更後債権記録が複数あるときは、記録機関変更記録の年月日が直近のものとする。)の記録により定まるものとする。 2 電子記録名義人は、電子記録に係る電子記録債権についての権利を適法に有するものと推定する。 (電子記録の訂正等) 第十条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合には、電子記録の訂正をしなければならない。 ただし、電子記録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 一 電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報の内容と異なる内容の記録がされている場合 二 請求がなければすることができない電子記録が、請求がないのにされている場合 三 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、記録すべき内容と異なる内容の記録がされている場合 四 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、その記録がされていない場合(一の電子記録の記録事項の全部が記録されていないときを除く。) 2 電子債権記録機関は、第八十六条各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までに電子記録が消去されたときは、当該電子記録の回復をしなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 電子債権記録機関は、前二項の規定により電子記録の訂正又は回復をするときは、当該訂正又は回復後の電子記録の内容と矛盾する電子記録について、電子記録の訂正をしなければならない。 4 電子債権記録機関が第一項又は第二項の規定により電子記録の訂正又は回復をしたときは、その内容を電子記録権利者及び電子記録義務者(電子記録権利者及び電子記録義務者がない場合にあっては、電子記録名義人)に通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって電子記録の請求をした者にもしなければならない。 ただし、その者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 (不実の電子記録等についての電子債権記録機関の責任) 第十一条 電子債権記録機関は、前条第一項各号に掲げる場合又は同条第二項に規定するときは、これらの規定に規定する事由によって当該電子記録の請求をした者その他の第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 第二款 電子記録債権に係る意思表示等 (意思表示の取消しの特則) 第十二条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第九十五条第一項又は第九十六条第一項若しくは第二項の規定による取消しは、善意でかつ重大な過失がない第三者(同条第一項の規定による強迫による意思表示の取消しにあっては、取消し後の第三者に限る。)に対抗することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 前項に規定する第三者が、支払期日以後に電子記録債権の譲渡、質入れ、差押え、仮差押え又は破産手続開始の決定(分割払の方法により支払う電子記録債権の場合には、到来した支払期日に係る部分についてのものに限る。)があった場合におけるその譲受人、質権者、差押債権者、仮差押債権者又は破産管財人であるとき。 二 前項の意思表示の取消しを対抗しようとする者が個人(当該電子記録において個人事業者(消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第二項に規定する事業者である個人をいう。以下同じ。)である旨の記録がされている者を除く。)である場合 (無権代理人の責任の特則) 第十三条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第百十七条第二項第二号の規定の適用については、同号中「過失」とあるのは、「重大な過失」とする。 (権限がない者の請求による電子記録についての電子債権記録機関の責任) 第十四条 電子債権記録機関は、次に掲げる者の請求により電子記録をした場合には、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 代理権を有しない者 二 他人になりすました者 第二節 発生 (電子記録債権の発生) 第十五条 電子記録債権(保証記録に係るもの及び電子記録保証をした者(以下「電子記録保証人」という。)が第三十五条第一項(同条第二項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定により取得する電子記録債権(以下「特別求償権」という。)を除く。次条において同じ。)は、発生記録をすることによって生ずる。 (発生記録) 第十六条 発生記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 債務者が一定の金額を支払う旨 二 支払期日(確定日に限るものとし、分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日とする。) 三 債権者の氏名又は名称及び住所 四 債権者が二人以上ある場合において、その債権が不可分債権又は連帯債権であるときはその旨、可分債権であるときは債権者ごとの債権の金額 五 債務者の氏名又は名称及び住所 六 債務者が二人以上ある場合において、その債務が不可分債務又は連帯債務であるときはその旨、可分債務であるときは債務者ごとの債務の金額 七 記録番号(発生記録、分割記録又は記録機関変更記録をする際に一の債権記録ごとに付す番号をいう。以下同じ。) 八 電子記録の年月日 2 発生記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約に係る支払をするときは、その旨並びに債務者の預金又は貯金の口座(以下「債務者口座」という。)及び債権者の預金又は貯金の口座(以下「債権者口座」という。) 二 第六十四条に規定する契約に係る支払をするときは、その旨 三 前二号に規定するもののほか、支払方法についての定めをするときは、その定め(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日ごとに支払うべき金額を含む。) 四 利息、遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め 五 期限の利益の喪失についての定めをするときは、その定め 六 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め 七 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め 八 第十九条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 九 債権者又は債務者が個人事業者であるときは、その旨 十 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、第二十条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 十一 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、債務者が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め 十二 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をすることができないこととし、又はこれらの電子記録について回数の制限その他の制限をする旨の定めをするときは、その定め 十三 債権者と債務者との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 十四 債権者と債務者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 十五 電子債権記録機関が第七条第二項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしたときは、その定め 十六 前各号に掲げるもののほか、電子記録債権の内容となるものとして政令で定める事項 3 第一項第一号から第六号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録債権は、発生しない。 4 消費者契約法第二条第一項に規定する消費者(以下単に「消費者」という。)についてされた第二項第九号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、業務規程の定めるところにより、第一項第二号(分割払の方法により債務を支払う場合における各支払期日の部分に限る。)及び第二項各号(第一号、第二号及び第九号を除く。)に掲げる事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限することができる。 第三節 譲渡 (電子記録債権の譲渡) 第十七条 電子記録債権の譲渡は、譲渡記録をしなければ、その効力を生じない。 (譲渡記録) 第十八条 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 電子記録債権の譲渡をする旨 二 譲渡人が電子記録義務者の相続人であるときは、譲渡人の氏名及び住所 三 譲受人の氏名又は名称及び住所 四 電子記録の年月日 2 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 発生記録(当該発生記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。以下同じ。)において債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、譲渡記録に当たり譲受人が譲受人の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 二 譲渡人が個人事業者であるときは、その旨 三 譲渡人と譲受人(譲渡記録後に譲受人として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 四 譲渡人と譲受人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 消費者についてされた前項第二号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 4 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(譲渡記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する譲渡記録をしてはならない。 (善意取得) 第十九条 譲渡記録の請求により電子記録債権の譲受人として記録された者は、当該電子記録債権を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 第十六条第二項第八号に掲げる事項が記録されている場合 二 前項に規定する者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合 三 個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である電子記録債権の譲渡人がした譲渡記録の請求における譲受人に対する意思表示が効力を有しない場合において、前項に規定する者が当該譲渡記録後にされた譲渡記録の請求により記録されたものであるとき。 (抗弁の切断) 第二十条 発生記録における債務者又は電子記録保証人(以下「電子記録債務者」という。)は、電子記録債権の債権者に当該電子記録債権を譲渡した者に対する人的関係に基づく抗弁をもって当該債権者に対抗することができない。 ただし、当該債権者が、当該電子記録債務者を害することを知って当該電子記録債権を取得したときは、この限りでない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 第十六条第二項第十号又は第三十二条第二項第六号に掲げる事項が記録されている場合 二 前項の債権者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合 三 前項の電子記録債務者が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合 第四節 消滅 (支払免責) 第二十一条 電子記録名義人に対してした電子記録債権についての支払は、当該電子記録名義人がその支払を受ける権利を有しない場合であっても、その効力を有する。 ただし、その支払をした者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (混同等) 第二十二条 電子記録債務者(その相続人その他の一般承継人を含む。以下この項において同じ。)が電子記録債権を取得した場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該電子記録債権は消滅しない。 ただし、当該電子記録債務者又は当該電子記録債務者の承諾を得た他の電子記録債務者の請求により、当該電子記録債権の取得に伴う混同を原因とする支払等記録がされたときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、電子記録債権を取得しても、当該各号に定める者に対して電子記録保証によって生じた債務(以下「電子記録保証債務」という。)の履行を請求することができない。 一 発生記録における債務者 電子記録保証人 二 電子記録保証人 他の電子記録保証人(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をしたとするならば、この号に掲げる電子記録保証人に対して特別求償権を行使することができるものに限る。) (消滅時効) 第二十三条 電子記録債権は、これを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。 (支払等記録の記録事項) 第二十四条 支払等記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 支払、相殺その他の債務の全部若しくは一部を消滅させる行為又は混同(以下「支払等」という。)により消滅し、又は消滅することとなる電子記録名義人に対する債務を特定するために必要な事項 二 支払等をした金額その他の当該支払等の内容(利息、遅延損害金、違約金又は費用が生じている場合にあっては、消滅した元本の額を含む。) 三 支払等があった日 四 支払等をした者(支払等が相殺による債務の消滅である場合にあっては、電子記録名義人が当該相殺によって免れた債務の債権者。以下同じ。)の氏名又は名称及び住所 五 支払等をした者が当該支払等をするについて民法第五百条の正当な利益を有する者であるときは、その事由 六 電子記録の年月日 七 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 (支払等記録の請求) 第二十五条 支払等記録は、次に掲げる者だけで請求することができる。 一 当該支払等記録についての電子記録義務者 二 前号に掲げる者の相続人その他の一般承継人 三 次に掲げる者であって、前二号に掲げる者全員の承諾を得たもの イ 電子記録債務者 ロ 支払等をした者(前二号及びイに掲げる者を除く。) ハ イ又はロに掲げる者の相続人その他の一般承継人 2 電子記録債権又はこれを目的とする質権の被担保債権(次項において「電子記録債権等」という。)について支払等がされた場合には、前項第三号イからハまでに掲げる者は、同項第一号又は第二号に掲げる者に対し、同項第三号の承諾をすることを請求することができる。 3 電子記録債権等について支払をする者は、第一項第一号又は第二号に掲げる者に対し、当該支払をするのと引換えに、同項第三号の承諾をすることを請求することができる。 4 根質権の担保すべき債権についての支払等をしたことによる支払等記録の請求は、当該支払等が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。 第五節 記録事項の変更 (電子記録債権の内容等の意思表示による変更) 第二十六条 電子記録債権又はこれを目的とする質権の内容の意思表示による変更は、この法律に別段の定めがある場合を除き、変更記録をしなければ、その効力を生じない。 (変更記録の記録事項) 第二十七条 変更記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 変更する記録事項 二 前号の記録事項を変更する旨及びその原因 三 第一号の記録事項についての変更後の内容(当該記録事項を記録しないこととする場合にあっては、当該記録事項を削除する旨) 四 電子記録の年月日 (求償権の譲渡に伴い電子記録債権が移転した場合の変更記録) 第二十八条 債権記録に支払等をした者として記録されている者であって当該支払等により電子記録債権の債権者に代位したものがした求償権(特別求償権を除く。)の譲渡に伴い当該電子記録債権が移転した場合における変更記録は、その者の氏名又は名称及び住所を当該求償権の譲受人の氏名又は名称及び住所に変更する記録をすることによって行う。 (変更記録の請求) 第二十九条 変更記録の請求は、当該変更記録につき電子記録上の利害関係を有する者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)の全員がしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、相続又は法人の合併による電子記録名義人又は電子記録債務者の変更を内容とする変更記録は、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人だけで請求することができる。 ただし、相続人が二人以上ある場合には、その全員が当該変更記録を請求しなければならない。 3 第五条第二項及び第三項の規定は、第一項及び前項ただし書の場合について準用する。 4 第一項の規定にかかわらず、電子記録名義人又は電子記録債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更記録は、その者が単独で請求することができる。 他の者の権利義務に影響を及ぼさないことが明らかな変更記録であって業務規程の定めるものについても、同様とする。 (変更記録が無効な場合における電子記録債務者の責任) 第三十条 変更記録がその請求の無効、取消しその他の事由により効力を有しない場合には、当該変更記録前に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録前の債権記録の内容に従って責任を負う。 ただし、当該変更記録の請求における相手方に対する意思表示を適法にした者の間においては、当該意思表示をした電子記録債務者は、当該変更記録以後の債権記録の内容に従って責任を負う。 2 前項本文に規定する場合には、当該変更記録後に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録後の債権記録の内容に従って責任を負う。 第六節 電子記録保証 (保証記録による電子記録債権の発生) 第三十一条 電子記録保証に係る電子記録債権は、保証記録をすることによって生ずる。 (保証記録) 第三十二条 保証記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 保証をする旨 二 保証人の氏名又は名称及び住所 三 主たる債務者の氏名又は名称及び住所その他主たる債務を特定するために必要な事項 四 電子記録の年月日 2 保証記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 保証の範囲を限定する旨の定めをするときは、その定め 二 遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め 三 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め 四 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め 五 保証人が個人事業者であるときは、その旨 六 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、保証記録をした時の債権者に対抗することができる事由について第二十条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 七 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、保証人が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め 八 債権者と保証人との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 九 債権者と保証人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 十 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 第一項第一号から第三号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録保証に係る電子記録債権は、発生しない。 4 消費者についてされた第二項第五号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 5 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(保証記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する保証記録をしてはならない。 (電子記録保証の独立性) 第三十三条 電子記録保証債務は、その主たる債務者として記録されている者がその主たる債務を負担しない場合(第十六条第一項第一号から第六号まで又は前条第一項第一号から第三号までに掲げる事項の記録が欠けている場合を除く。)においても、その効力を妨げられない。 2 前項の規定は、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、適用しない。 (民法等の適用除外) 第三十四条 民法第四百五十二条、第四百五十三条及び第四百五十六条から第四百五十八条まで並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十一条第二項の規定は、電子記録保証については、適用しない。 2 前項の規定にかかわらず、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、当該電子記録保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、当該電子記録保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (特別求償権) 第三十五条 発生記録によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えん(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をいう。以下この条において同じ。)をした場合において、その旨の支払等記録がされたときは、民法第四百五十九条、第四百五十九条の二、第四百六十二条、第四百六十三条及び第四百六十五条の規定にかかわらず、当該電子記録保証人は、次に掲げる者に対し、出えんにより共同の免責を得た額、出えんをした日以後の遅延損害金の額及び避けることができなかった費用の額の合計額について電子記録債権を取得する。 ただし、第三号に掲げる者に対しては、自己の負担部分を超えて出えんをした額のうち同号に掲げる者の負担部分の額に限る。 一 主たる債務者 二 当該出えんをした者が電子記録保証人となる前に当該者を債権者として当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする電子記録保証をしていた他の電子記録保証人 三 当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする他の電子記録保証人(前号に掲げる者及び電子記録保証人となる前に当該出えんをした者の電子記録保証に係る債権者であったものを除く。) 2 前項の規定は、同項の規定によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。 3 第一項の規定は、電子記録保証債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。 この場合において、同項中「次に掲げる者」とあるのは、「次に掲げる者及びその出えんを主たる債務者として記録されている電子記録保証人がしたとするならば、次に掲げる者に該当することとなるもの」と読み替えるものとする。 第七節 質権 (電子記録債権の質入れ) 第三十六条 電子記録債権を目的とする質権の設定は、質権設定記録をしなければ、その効力を生じない。 2 民法第三百六十二条第二項の規定は、前項の質権については、適用しない。 3 民法第二百九十六条から第三百条まで、第三百四条、第三百四十二条、第三百四十三条、第三百四十六条、第三百四十八条、第三百四十九条、第三百五十一条、第三百七十三条、第三百七十四条、第三百七十八条、第三百九十条、第三百九十一条、第三百九十八条の二から第三百九十八条の十まで、第三百九十八条の十九、第三百九十八条の二十(第一項第三号を除く。)及び第三百九十八条の二十二の規定は、第一項の質権について準用する。 (質権設定記録の記録事項) 第三十七条 質権設定記録(根質権の質権設定記録を除く。次項において同じ。)においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 質権を設定する旨 二 質権者の氏名又は名称及び住所 三 被担保債権の債務者の氏名又は名称及び住所、被担保債権の額(一定の金額を目的としない債権については、その価額。以下同じ。)その他被担保債権を特定するために必要な事項 四 一の債権記録における質権設定記録及び転質の電子記録がされた順序を示す番号(以下「質権番号」という。) 五 電子記録の年月日 2 質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 被担保債権につき利息、遅延損害金又は違約金についての定めがあるときは、その定め 二 被担保債権に付した条件があるときは、その条件 三 前条第三項において準用する民法第三百四十六条ただし書の別段の定めをするときは、その定め 四 質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め 五 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、質権設定記録に当たり質権者が質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 六 質権設定者と質権者(質権設定記録後に当該質権についての質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 七 質権設定者と質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 八 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 根質権を設定する旨 二 根質権者の氏名又は名称及び住所 三 担保すべき債権の債務者の氏名又は名称及び住所 四 担保すべき債権の範囲及び極度額 五 質権番号 六 電子記録の年月日 4 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 担保すべき元本の確定すべき期日の定めをするときは、その定め 二 根質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め 三 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、根質権の質権設定記録に当たり根質権者が根質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 四 根質権設定者と根質権者(根質権の質権設定記録後に当該根質権についての根質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 五 根質権設定者と根質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 六 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 5 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(質権設定記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する質権設定記録をしてはならない。 (善意取得及び抗弁の切断) 第三十八条 第十九条及び第二十条の規定は、質権設定記録について準用する。 この場合において、第十九条第一項中「譲受人」とあるのは「質権者」と、「当該電子記録債権」とあるのは「その質権」と、同条第二項第二号中「譲受人」とあるのは「質権者」と、同項第三号中「された譲渡記録」とあるのは「された質権設定記録」と、第二十条第一項中「債権者に当該電子記録債権を譲渡した」とあるのは「質権者にその質権を設定した」と、「当該債権者に」とあるのは「当該質権者に」と、同項ただし書中「当該債権者が」とあるのは「当該質権者が」と、「当該電子記録債権を取得した」とあるのは「当該質権を取得した」と、同条第二項第二号中「債権者」とあり、及び「譲受人」とあるのは「質権者」と読み替えるものとする。 (質権の順位の変更の電子記録) 第三十九条 第三十六条第三項において準用する民法第三百七十四条第一項の規定による質権の順位の変更の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 質権の順位を変更する旨 二 順位を変更する質権の質権番号 三 変更後の質権の順位 四 電子記録の年月日 2 前項の電子記録の請求は、順位を変更する質権の電子記録名義人の全員がしなければならない。 この場合においては、第五条第二項及び第三項の規定を準用する。 (転質) 第四十条 第三十六条第三項において準用する民法第三百四十八条の規定による転質は、転質の電子記録をしなければ、その効力を生じない。 2 第三十七条第一項から第四項までの規定は、転質の電子記録について準用する。 3 転質の電子記録においては、転質の目的である質権の質権番号をも記録しなければならない。 4 質権者が二以上の者のために転質をしたときは、その転質の順位は、転質の電子記録の前後による。 (被担保債権の譲渡に伴う質権等の移転による変更記録の特則) 第四十一条 被担保債権の一部について譲渡がされた場合における質権又は転質の移転による変更記録においては、第二十七条各号に掲げる事項のほか、当該譲渡の目的である被担保債権の額をも記録しなければならない。 2 根質権の担保すべき債権の譲渡がされた場合における根質権の移転による変更記録の請求は、当該譲渡が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。 (根質権の担保すべき元本の確定の電子記録) 第四十二条 根質権の担保すべき元本(以下この条において単に「元本」という。)の確定の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 元本が確定した旨 二 元本が確定した根質権の質権番号 三 元本の確定の年月日 四 電子記録の年月日 2 第三十六条第三項において準用する民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第四号の規定により元本が確定した場合の電子記録は、当該根質権の電子記録名義人だけで請求することができる。 ただし、同号の規定により元本が確定した場合における請求は、当該根質権又はこれを目的とする権利の取得の電子記録の請求と併せてしなければならない。 第八節 分割 (分割記録) 第四十三条 電子記録債権は、分割(債権者又は債務者として記録されている者が二人以上ある場合において、特定の債権者又は債務者について分離をすることを含む。)をすることができる。 2 電子記録債権の分割は、次条から第四十七条までの規定により、分割をする電子記録債権が記録されている債権記録(以下「原債権記録」という。)及び新たに作成する債権記録(以下「分割債権記録」という。)に分割記録をすると同時に原債権記録に記録されている事項の一部を分割債権記録に記録することによって行う。 3 分割記録の請求は、分割債権記録に債権者として記録される者だけですることができる。 (分割記録の記録事項) 第四十四条 分割記録においては、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 原債権記録から分割をした旨 二 原債権記録及び分割債権記録の記録番号 三 発生記録における債務者であって分割債権記録に記録されるものが一定の金額を支払う旨 四 債権者の氏名又は名称及び住所 五 電子記録の年月日 2 分割記録においては、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割をした旨 二 分割債権記録の記録番号 三 電子記録の年月日 3 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(分割記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する分割記録をしてはならない。 (分割記録に伴う分割債権記録への記録) 第四十五条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割債権記録に記録される電子記録債権についての原債権記録中の現に効力を有する電子記録において記録されている事項(次に掲げるものを除く。) イ 債務者が一定の金額を支払う旨 ロ 当該電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものである場合における各支払期日及び当該支払期日ごとに支払うべき金額 ハ 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録又は記録機関変更記録をすることができる回数(以下「記録可能回数」という。)が記録されている場合におけるその記録可能回数 ニ 原債権記録の記録番号 ホ 原債権記録に分割記録がされている場合における当該分割記録において記録されている事項(イに掲げるものを除く。) 二 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、当該電子記録債権の支払期日(原債権記録に支払期日として記録されているものに限る。) 三 前号に規定する場合において、分割債権記録に記録される電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額(原債権記録に記録されている対応する各支払期日ごとに支払うべき金額の範囲内のものに限る。) 四 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)のうち、分割債権記録における記録可能回数 2 電子債権記録機関は、分割債権記録に前項第一号に掲げる事項を記録したときは当該事項を原債権記録から転写した旨及びその年月日を、同項第二号から第四号までに掲げる事項を記録したときはその記録の年月日を当該分割債権記録に記録しなければならない。 (分割記録に伴う原債権記録への記録) 第四十六条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割債権記録に記録される電子記録債権について原債権記録に記録されている事項のうち、前条第一項第一号イからハまでに掲げる事項の記録を削除する旨 二 発生記録における債務者が分割記録の直前に原債権記録に記録されていた第十六条第一項第一号(当該原債権記録が他の分割における分割債権記録である場合にあっては、第四十四条第一項第三号)に規定する一定の金額から分割債権記録に記録される第四十四条第一項第三号に規定する一定の金額を控除して得た金額を支払う旨 三 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる支払期日 四 前号に規定する場合において、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額 五 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)から分割債権記録における記録可能回数を控除した残りの記録可能回数 2 電子債権記録機関は、原債権記録に前項各号に掲げる事項を記録したときは、その記録の年月日を当該原債権記録に記録しなければならない。 (主務省令への委任) 第四十七条 第四十三条第三項及び前三条の規定にかかわらず、次に掲げる場合における分割記録の請求、分割記録の記録事項並びに分割記録に伴う分割債権記録及び原債権記録への記録について必要な事項は、これらの規定の例に準じて主務省令で定める。 一 原債権記録に債権者ごとの債権の金額又は債務者ごとの債務の金額が記録されている場合 二 原債権記録に第三十二条第二項第一号に掲げる事項が記録された保証記録がされている場合 三 原債権記録に特別求償権が記録されている場合 四 前三号に掲げるもののほか、主務省令で定める場合 第九節 電子債権記録機関の変更 (記録機関変更記録) 第四十七条の二 電子記録債権は、その電子記録を行う電子債権記録機関の変更(以下単に「電子債権記録機関の変更」という。)をすることができる。 2 電子債権記録機関の変更は、次条から第四十七条の五までの規定により、電子債権記録機関の変更をしようとする電子記録債権についての債権記録(以下「変更前債権記録」という。)を記録原簿に記録している電子債権記録機関(以下「変更前電子債権記録機関」という。)から変更前債権記録の記録事項を引き継ぐ電子債権記録機関(以下「変更後電子債権記録機関」という。)がその記録原簿に新たに作成し、変更前債権記録の記録事項を記録する債権記録(以下「変更後債権記録」という。)に記録機関変更記録をすることによって行う。 (記録機関変更記録の請求等) 第四十七条の三 記録機関変更記録の請求は、変更前債権記録に電子記録債権の債権者として記録されている者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)であって、当該電子記録債権の債務者全員の承諾を得たものがすることができる。 2 記録機関変更記録の請求は、次に掲げる場合には、することができない。 一 変更前債権記録に質権設定記録がされている場合 二 変更後電子債権記録機関が第七条第二項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしている場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。 三 変更後電子債権記録機関が第十六条第五項の規定により同項に規定する事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限している場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。 3 記録機関変更記録の請求についての第六条の規定の適用については、同条中「電子債権記録機関」とあるのは、「第四十七条の二第二項に規定する変更前電子債権記録機関」とする。 4 変更前電子債権記録機関は、記録機関変更記録の請求があったときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 記録機関変更記録の請求があった旨 二 変更後電子債権記録機関の名称及び住所 三 電子記録の年月日 5 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による記録をしたときは、遅滞なく、変更後電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 変更前電子債権記録機関の名称及び住所 二 変更前債権記録の記録事項 三 前二号に掲げるもののほか、変更前債権記録の記録事項の引継ぎに必要な事項として政令で定めるもの (変更前電子債権記録機関の記録の禁止) 第四十七条の四 第七条第一項の規定にかかわらず、変更前電子債権記録機関は、前条第四項の規定による記録をしたときは、変更前債権記録に電子記録(次条第四項の規定による記録を除く。)をしてはならない。 (記録機関変更記録の記録事項等) 第四十七条の五 変更後電子債権記録機関は、第四十七条の三第五項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、記録機関変更記録をしなければならない。 2 記録機関変更記録においては、変更後債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 この場合において、変更後電子債権記録機関は、変更後債権記録に第十六条第二項第十五号に掲げる事項を記録することができる。 一 電子債権記録機関の変更をした旨 二 変更後債権記録の記録番号 三 第四十七条の三第五項第一号及び第二号に掲げる事項(記録機関変更記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数) 四 電子記録の年月日 3 変更後電子債権記録機関は、記録機関変更記録をしたときは、遅滞なく、変更前電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 変更後電子債権記録機関の名称及び住所 二 前項の規定による記録をした旨 三 前項第二号に掲げる事項 4 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 前項第二号及び第三号に掲げる事項 二 電子記録の年月日 第十節 雑則 (信託の電子記録) 第四十八条 電子記録債権又はこれを目的とする質権(以下この項において「電子記録債権等」という。)については、信託の電子記録をしなければ、電子記録債権等が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 2 この法律に定めるもののほか、信託の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 (電子記録債権に関する強制執行等) 第四十九条 電子債権記録機関は、電子記録債権に関する強制執行、滞納処分その他の処分の制限がされた場合において、これらの処分の制限に係る書類の送達を受けたときは、遅滞なく、強制執行等の電子記録をしなければならない。 2 強制執行等の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 3 電子記録債権に関する強制執行、仮差押え及び仮処分、競売並びに没収保全の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (政令への委任) 第五十条 この法律に定めるもののほか、電子記録債権の電子記録の手続その他電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 第三章 電子債権記録機関 第一節 通則 (電子債権記録業を営む者の指定) 第五十一条 主務大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、第五十六条に規定する業務(以下「電子債権記録業」という。)を営む者として、指定することができる。 一 次に掲げる機関を置く株式会社であること。 イ 取締役会 ロ 監査役会、監査等委員会又は指名委員会等(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第十二号に規定する指名委員会等をいう。) ハ 会計監査人 二 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された日から五年を経過しない者でないこと。 三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。 四 取締役、会計参与、監査役又は執行役のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。 イ 心身の故障のため電子債権記録業に係る職務を適正に執行することができない者として主務省令で定める者 ロ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者 ハ 拘禁刑以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ニ 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けているこの項の指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその会社の取締役、会計参与、監査役又は執行役(外国会社における外国の法令上これらに相当する者を含む。ホにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から五年を経過しない者 ホ 第七十五条第一項の規定又はこの法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役、会計参与、監査役又は執行役でその処分を受けた日から五年を経過しない者 ヘ この法律、会社法若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第四十六条から第四十九条まで、第五十条(第一号に係る部分に限る。)若しくは第五十一条の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 五 定款及び電子債権記録業の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が、法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより電子債権記録業を適正かつ確実に遂行するために十分であると認められること。 六 電子債権記録業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、電子債権記録業に係る収支の見込みが良好であると認められること。 七 その人的構成に照らして、電子債権記録業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すると認められること。 2 主務大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した電子債権記録機関の商号及び本店の所在地を官報で公示しなければならない。 (指定の申請) 第五十二条 前条第一項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 商号 二 資本金の額及び純資産額 三 本店その他の営業所の名称及び所在地 四 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役)の氏名 五 会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称 2 指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 前条第一項第三号及び第四号に掲げる要件に該当する旨を誓約する書面 二 定款 三 会社の登記事項証明書 四 業務規程 五 貸借対照表及び損益計算書 六 収支の見込みを記載した書類 七 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める書類 3 前項の場合において、定款、貸借対照表又は損益計算書が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。)を添付することができる。 (資本金の額等) 第五十三条 電子債権記録機関の資本金の額は、政令で定める金額以上でなければならない。 2 前項の政令で定める金額は、五億円を下回ってはならない。 3 電子債権記録機関の純資産額は、第一項の政令で定める金額以上でなければならない。 (適用除外) 第五十四条 会社法第三百三十一条第二項ただし書(同法第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(同法第三百三十四条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項及び第四百二条第五項ただし書の規定は、電子債権記録機関については、適用しない。 (秘密保持義務) 第五十五条 電子債権記録機関の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役、執行役若しくは職員又はこれらの職にあった者は、電子債権記録業に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 第二節 業務 (電子債権記録機関の業務) 第五十六条 電子債権記録機関は、この法律及び業務規程の定めるところにより、電子記録債権に係る電子記録に関する業務を行うものとする。 (兼業の禁止) 第五十七条 電子債権記録機関は、電子債権記録業及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。 (電子債権記録業の一部の委託) 第五十八条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、電子債権記録業の一部を、主務大臣の承認を受けて、銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、協同組織金融機関(協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)第二条第一項に規定する協同組織金融機関をいう。)その他の政令で定める金融機関をいう。以下同じ。)その他の者に委託することができる。 2 銀行等は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該委託に係る業務を行うことができる。 (業務規程) 第五十九条 電子債権記録機関は、業務規程において、電子記録の実施の方法、第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約又は第六十四条に規定する契約に係る事項その他の主務省令で定める事項を定めなければならない。 (電子債権記録機関を利用する者の保護) 第六十条 電子債権記録機関は、当該電子債権記録機関を利用する者の保護に欠けることのないように業務を営まなければならない。 (差別的取扱いの禁止) 第六十一条 電子債権記録機関は、特定の者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。 第三節 口座間送金決済等に係る措置 (口座間送金決済に関する契約の締結) 第六十二条 電子債権記録機関は、債務者及び銀行等と口座間送金決済に関する契約を締結することができる。 2 前項及び次条第二項に規定する「口座間送金決済」とは、電子記録債権(保証記録に係るもの及び特別求償権を除く。以下この節において同じ。)に係る債務について、電子債権記録機関、債務者及び銀行等の合意に基づき、あらかじめ電子債権記録機関が当該銀行等に対し債権記録に記録されている支払期日、支払うべき金額、債務者口座及び債権者口座に係る情報を提供し、当該支払期日に当該銀行等が当該債務者口座から当該債権者口座に対する払込みの取扱いをすることによって行われる支払をいう。 (口座間送金決済についての支払等記録) 第六十三条 電子債権記録機関は、前条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約を締結した場合において、第十六条第二項第一号に掲げる事項が債権記録に記録されているときは、当該契約に係る銀行等に対し、前条第二項に規定する情報を提供しなければならない。 2 前項の場合において、支払期日に支払うべき電子記録債権に係る債務の全額について口座間送金決済があった旨の通知を同項に規定する銀行等から受けたときは、電子債権記録機関は、遅滞なく、当該口座間送金決済についての支払等記録をしなければならない。 (支払に関するその他の契約の締結) 第六十四条 電子債権記録機関は、第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約のほか、債務者又は債権者及び銀行等と電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する契約を締結することができる。 (その他の契約に係る支払についての支払等記録) 第六十五条 電子債権記録機関は、前条に規定する契約を締結し、第十六条第二項第二号に掲げる事項が債権記録に記録されている場合において、電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する通知を当該契約に係る銀行等から受けたとき(電子記録債権に係る債務の支払があったことを電子債権記録機関において確実に知り得る場合として主務省令で定める場合に限る。)は、遅滞なく、当該支払についての支払等記録をしなければならない。 (口座間送金決済等の通知に係る第八条の適用) 第六十六条 第六十三条第二項及び前条に規定する通知は、電子記録の請求とみなして、第八条の規定を適用する。 第四節 監督 (帳簿書類等の作成及び保存) 第六十七条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、業務に関する帳簿書類その他の記録を作成し、保存しなければならない。 (業務及び財産に関する報告書の提出) 第六十八条 電子債権記録機関は、事業年度ごとに、業務及び財産に関する報告書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。 2 前項の報告書の記載事項、提出期日その他同項の報告書に関し必要な事項は、主務省令で定める。 (資本金の額の変更) 第六十九条 電子債権記録機関は、その資本金の額を減少しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。 2 電子債権記録機関は、その資本金の額を増加しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。 (定款又は業務規程の変更) 第七十条 電子債権記録機関の定款又は業務規程の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 (電子債権記録業の休止の認可) 第七十一条 電子債権記録機関は、電子債権記録業を休止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。 (商号等の変更の届出) 第七十二条 電子債権記録機関は、第五十二条第一項第一号又は第三号から第五号までに掲げる事項に変更があったときは、その旨及び同条第二項第一号又は第三号に掲げる書類を、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。 2 主務大臣は、前項の規定により電子債権記録機関の商号又は本店の所在地の変更の届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (報告及び検査) 第七十三条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者に対し、当該電子債権記録機関の業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の営業所若しくは事務所に立ち入り、当該電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせ、若しくは関係者に質問(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の関係者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせることができる。 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (業務改善命令) 第七十四条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、電子債権記録機関に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (指定の取消し等) 第七十五条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十一条第一項の指定を取り消し、六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役の解任を命ずることができる。 一 第五十一条第一項第三号又は第四号に掲げる要件に該当しないこととなったとき。 二 第五十一条第一項の指定当時に同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。 三 不正の手段により第五十一条第一項の指定を受けたことが判明したとき。 四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。 2 主務大臣は、前項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (業務移転命令) 第七十六条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、期限を定めて、電子債権記録業を他の株式会社に移転することを命ずることができる。 一 前条第一項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消されたとき。 二 電子債権記録業を廃止したとき。 三 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。 四 電子債権記録業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない事態又は破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあると認められるとき。 2 前項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第三百二十二条第一項、第四百六十六条、第四百六十七条第一項、第七百八十三条第一項又は第七百九十五条第一項の規定による決議(同法第七百八十三条第一項の規定による決議にあっては、同法第三百九条第三項第二号の株主総会の決議を除く。)は、同法第三百九条第二項及び第三百二十四条第二項の規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。 3 第一項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第三百九条第三項第二号の株主総会の決議は、同項の規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。 4 第二項の規定により仮にした決議(以下この項及び次項において「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。 5 前項の株主総会において第二項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。 6 前二項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。 この場合において、前項中「第二項」とあるのは、「第三項」と読み替えるものとする。 (債権記録の失効) 第七十七条 電子債権記録機関が前条第一項の規定による命令を受けた場合において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転することなく当該期限を経過したときは、当該期限を経過した日にその備える記録原簿に記録されている債権記録は、その効力を失う。 2 電子記録債権及びこれを目的とする質権は、前項の規定により債権記録がその効力を失った日(以下この条において「効力失効日」という。)以後は、当該債権記録に記録された電子記録債権の内容をその権利の内容とする債権及びこれを目的とする質権として存続するものとする。 3 効力失効日に電子記録保証人であった者が前項の債権についての弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録されていた債務を消滅させるべき行為をしたときは、その者は、特別求償権と同一の内容の求償権を取得する。 4 主務大臣は、効力失効日以後、速やかに、第一項に規定する債権記録がその効力を失った旨を官報で公示しなければならない。 5 電子債権記録機関であった者又は一般承継人(合併により消滅した電子債権記録機関の権利義務を承継した者であって、電子債権記録業を営まないものに限る。以下この章において同じ。)は、効力失効日以後、直ちに、次の各号に掲げる者に対し、それぞれ当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、当該事項の全部を証明した書面を送付しなければならない。 一 効力失効日に電子記録名義人であった者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録又は質権設定記録若しくは転質の電子記録(これらの電子記録の記録事項について変更記録がされていたときは、当該変更記録を含む。以下「譲渡記録等」という。)であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されていたもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項 イ 第十八条第二項第三号若しくは第四号、第三十七条第二項第六号若しくは第七号又は同条第四項第四号若しくは第五号に掲げる事項が記録されていた譲渡記録等 ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されていた譲渡記録 ハ 効力失効日に電子記録名義人であった者が変更記録において記録されていた場合における当該変更記録に係る譲渡記録等 二 効力失効日に電子記録債務者として記録されていた者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。) 第五節 合併、分割及び事業の譲渡 (特定合併の認可) 第七十八条 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営む場合に限る。以下この条において「特定合併」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、特定合併後存続する株式会社又は特定合併により設立される株式会社(以下この条において「特定合併後の電子債権記録機関」という。)について第五十二条第一項各号に掲げる事項を記載した合併認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 3 合併認可申請書には、合併契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 特定合併後の電子債権記録機関が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 特定合併後の電子債権記録機関(電子債権記録機関が特定合併後存続する株式会社である場合を除く。)は、特定合併の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 特定合併後の電子債権記録機関は、特定合併により消滅した電子債権記録機関の業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (新設分割の認可) 第七十九条 電子債権記録機関が新たに設立する株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う新設分割(以下この条において単に「新設分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、新設分割により設立される株式会社(以下この条において「設立会社」という。)について次に掲げる事項を記載した新設分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 設立会社が承継する電子債権記録業 3 新設分割認可申請書には、新設分割計画の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 設立会社が第五十一条第一項第一号及び第四号から第七号までに掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 設立会社は、新設分割の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 設立会社は、新設分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (吸収分割の認可) 第八十条 電子債権記録機関が他の株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う吸収分割(以下この条において単に「吸収分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、吸収分割により電子債権記録業の全部又は一部を承継する株式会社(以下この条において「承継会社」という。)について次に掲げる事項を記載した吸収分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 承継会社が承継する電子債権記録業 3 吸収分割認可申請書には、吸収分割契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 承継会社が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 承継会社(電子債権記録機関が承継会社である場合を除く。)は、吸収分割の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 承継会社は、吸収分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (事業譲渡の認可) 第八十一条 電子債権記録機関が他の株式会社に行う電子債権記録業の全部又は一部の譲渡(以下この条において「事業譲渡」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、事業譲渡により電子債権記録業の全部又は一部を譲り受ける株式会社(以下この条において「譲受会社」という。)について次に掲げる事項を記載した事業譲渡認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 譲受会社が承継する電子債権記録業 3 事業譲渡認可申請書には、譲渡契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 譲受会社が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 譲受会社(電子債権記録機関が譲受会社である場合を除く。)は、事業譲渡の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 譲受会社は、事業譲渡をした電子債権記録機関の譲渡の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 第六節 解散等 (解散等の認可) 第八十二条 次に掲げる事項は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 一 電子債権記録機関の解散についての株主総会の決議 二 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営まない場合に限る。) (指定の失効) 第八十三条 電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十一条第一項の指定は、その効力を失う。 一 電子債権記録業を廃止したとき。 二 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。 三 第七十六条第一項の規定による命令を受けた場合(同項第四号に該当する場合に限る。)において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転しなかったとき。 2 前項の規定により第五十一条第一項の指定が効力を失ったときは、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (指定取消し等の場合のみなし電子債権記録機関) 第八十四条 電子債権記録機関が第七十五条第一項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消された場合又は前条第一項の規定により当該指定が効力を失った場合(同項第三号に該当する場合を除く。)においては、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、当該電子債権記録機関が行った電子債権記録業を速やかに結了しなければならない。 この場合において、当該電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、その電子債権記録業の結了の目的の範囲内において、なおこれを電子債権記録機関とみなす。 (清算手続等における主務大臣の意見等) 第八十五条 裁判所は、電子債権記録機関の清算手続、破産手続、再生手続、更生手続又は承認援助手続において、主務大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。 2 主務大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。 3 第七十三条の規定は、第一項の規定により主務大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。 第四章 雑則 (債権記録等の保存) 第八十六条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、債権記録及び当該債権記録に記録された電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報が記載され、又は記録されている書面又は電磁的記録を保存しなければならない。 一 次号に掲げる場合以外の場合 次のイ又はロに定める日のいずれか早い日 イ 当該債権記録に記録された全ての電子記録債権に係る債務の全額について支払等記録がされた日又は変更記録により当該債権記録中の全ての記録事項について削除する旨の記録がされた日から五年を経過する日 ロ 当該債権記録に記録された支払期日(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、最終の支払期日)又は最後の電子記録がされた日のいずれか遅い日から十年を経過する日 二 当該債権記録が変更前債権記録である場合 第四十七条の五第四項各号に掲げる事項の記録がされた日から五年を経過する日 (記録事項の開示) 第八十七条 次の各号に掲げる者及びその相続人その他の一般承継人並びにこれらの者の財産の管理及び処分をする権利を有する者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は当該事項の全部若しくは一部を証明した書面若しくは電磁的記録の提供の請求(以下この条において「開示請求」という。)をすることができる。 一 電子記録名義人 債権記録に記録されている事項(当該電子記録名義人が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項 イ 第十八条第二項第三号若しくは第四号、第三十七条第二項第六号若しくは第七号又は同条第四項第四号若しくは第五号に掲げる事項が記録されている譲渡記録等 ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されている譲渡記録 ハ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等 二 電子記録債務者として記録されている者 債権記録に記録されている事項(当該電子記録債務者として記録されている者が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているものにおいて記録されている事項(次に掲げるものを除く。)を除き、すべての事項 イ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等において記録されている事項 ロ 当該電子記録債務者として記録されている者が発生記録若しくは譲渡記録等において債権者、譲受人若しくは質権者として記録されている者又はこれらの者の相続人その他の一般承継人(以下この号において「債権者等」という。)に対して人的関係に基づく抗弁を有するときは、当該債権者等から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者(電子記録名義人を除く。)の氏名又は名称及び住所 三 債権記録に記録されている者であって、前二号に掲げる者以外のもの 債権記録に記録されている事項(この号に掲げる者が原債権記録に記録されている者であるときは、その後の分割債権記録に記録された事項を含む。)のうち、次に掲げる事項 イ 当該債権記録中の発生記録及び開示請求をする者(ロにおいて「開示請求者」という。)が電子記録の請求をした者となっている電子記録(当該電子記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。)において記録されている事項 ロ 開示請求者を電子記録義務者とする譲渡記録等がされている場合において、当該電子記録が、代理権を有しない者が当該開示請求者の代理人としてした請求又は当該開示請求者になりすました者の請求によってされたものであるときは、当該開示請求者から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者の氏名又は名称及び住所 2 電子債権記録機関は、前項に規定するもののほか、電子記録の請求をした者が請求に際しその開示について同意をしている記録事項については、主務省令で定めるところにより、その同意の範囲内で一定の者が開示請求をすることを認めることができる。 (電子記録の請求に当たって提供された情報の開示) 第八十八条 自己の氏名又は名称が電子記録の請求者として電子債権記録機関に提供された者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報について、次に掲げる請求をすることができる。 当該電子記録の請求が適法であるかどうかについて利害関係を有する者も、正当な理由があるときは、当該利害関係がある部分に限り、同様とする。 一 当該情報が書面に記載されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 当該情報が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって主務省令で定めるものをいう。)であって業務規程の定めるものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (財務大臣への資料提出等) 第八十九条 財務大臣は、その所掌に係る金融破 綻 たん 処理制度及び金融危機管理に関し、電子記録債権に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。 (主務省令への委任) 第九十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、主務省令で定める。 (主務大臣及び主務省令) 第九十一条 この法律において、主務大臣は法務大臣及び内閣総理大臣とし、主務省令は法務省令・内閣府令とする。 (権限の委任) 第九十二条 内閣総理大臣は、この法律の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。 2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。 第五章 罰則 第九十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第七条第一項、第四十七条の五第一項若しくは第四十九条第一項の規定に違反して、記録原簿に電子記録をすべき事項を記録せず、又はこれに虚偽の記録をした者 二 第四十七条の三第五項の規定に違反して、通知をすべき事項を通知せず、又は虚偽の通知をした者 第九十四条 第七十五条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第五十二条第一項、第七十八条第二項、第七十九条第二項、第八十条第二項若しくは第八十一条第二項の申請書若しくは第五十二条第二項の書類に虚偽の記載をし、若しくは当該書類に代えて電磁的記録を添付すべき場合における当該電磁的記録に虚偽の記録をし、又は第七十八条第三項、第七十九条第三項、第八十条第三項若しくは第八十一条第三項の書面若しくは電磁的記録に虚偽の記載若しくは記録をして提出した者 二 第六十七条の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者 三 第六十八条第一項の規定による報告書の提出をせず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者 四 第七十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 五 第八十五条第三項において準用する第七十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 六 第八十六条の規定に違反して、同条の債権記録又は書面若しくは電磁的記録を保存しなかった者 第九十六条 第五十五条の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 第九十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第六十九条第一項の規定による認可を受けないで資本金の額を減少し、又は虚偽の申請をして同項の認可を受けた者 二 第七十二条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 第九十八条 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。 一 第九十三条又は第九十四条 三億円以下の罰金刑 二 第九十五条(第五号を除く。) 二億円以下の罰金刑 三 第九十五条第五号又は前条 各本条の罰金刑 第九十九条 電子債権記録機関(第三号にあっては、第七十七条第五項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人)の役員又は清算人が次の各号のいずれかに該当するときは、百万円以下の過料に処する。 一 第六十九条第二項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第七十四条又は第七十六条第一項の規定による命令に違反したとき。 三 第七十七条第五項の規定に違反して、同項の書面を送付しなかったとき。 四 正当な理由がないのに第八十七条第一項又は第八十八条の規定による請求を拒み、又は虚偽の記載若しくは記録をした書面若しくは電磁的記録を提供したとき。 第百条 第八十三条第二項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人の役員又は清算人が同項の規定に違反して、届出を怠ったときは、三十万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
Act
419AC0000000102_20280613_505AC0000000053.xml
平成十九年法律第百二号
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電子記録債権法 第一章 総則 (趣旨) 第一条 この法律は、電子記録債権の発生、譲渡等について定めるとともに、電子記録債権に係る電子記録を行う電子債権記録機関の業務、監督等について必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第二条 この法律において「電子記録債権」とは、その発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録(以下単に「電子記録」という。)を要件とする金銭債権をいう。 2 この法律において「電子債権記録機関」とは、第五十一条第一項の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう。 3 この法律において「記録原簿」とは、債権記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物として主務省令で定めるものを含む。)をもって電子債権記録機関が調製するものをいう。 4 この法律において「債権記録」とは、発生記録により発生する電子記録債権、電子記録債権から第四十三条第一項に規定する分割をする電子記録債権又は第四十七条の二第一項に規定する電子債権記録機関の変更をする電子記録債権ごとに作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。 5 この法律において「記録事項」とは、この法律の規定に基づき債権記録に記録すべき事項をいう。 6 この法律において「電子記録名義人」とは、債権記録に電子記録債権の債権者又は質権者として記録されている者をいう。 7 この法律において「電子記録権利者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。 8 この法律において「電子記録義務者」とは、電子記録をすることにより、電子記録上、直接に不利益を受ける者をいい、間接に不利益を受ける者を除く。 9 この法律において「電子記録保証」とは、電子記録債権に係る債務を主たる債務とする保証であって、保証記録をしたものをいう。 第二章 電子記録債権の発生、譲渡等 第一節 通則 第一款 電子記録 (電子記録の方法) 第三条 電子記録は、電子債権記録機関が記録原簿に記録事項を記録することによって行う。 (当事者の請求又は官公署の嘱託による電子記録) 第四条 電子記録は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の請求又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 2 請求による電子記録の手続に関するこの法律の規定は、法令に別段の定めがある場合を除き、官庁又は公署の嘱託による電子記録の手続について準用する。 (請求の当事者) 第五条 電子記録の請求は、法令に別段の定めがある場合を除き、電子記録権利者及び電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。第三項において同じ。)双方がしなければならない。 2 電子記録権利者又は電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人。以下この項において同じ。)に電子記録の請求をすべきことを命ずる確定判決による電子記録は、当該請求をしなければならない他の電子記録権利者又は電子記録義務者だけで請求することができる。 3 電子記録権利者及び電子記録義務者が電子記録の請求を共同してしない場合における電子記録の請求は、これらの者のすべてが電子記録の請求をした時に、その効力を生ずる。 (請求の方法) 第六条 電子記録の請求は、請求者の氏名又は名称及び住所その他の電子記録の請求に必要な情報として政令で定めるものを電子債権記録機関に提供してしなければならない。 (電子債権記録機関による電子記録) 第七条 電子債権記録機関は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定による電子記録の請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る電子記録をしなければならない。 2 電子債権記録機関は、第五十一条第一項第五号に規定する業務規程(以下この章において単に「業務規程」という。)の定めるところにより、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をすることができる。 この場合において、電子債権記録機関が第十六条第二項第十五号に掲げる事項を債権記録に記録していないときは、何人も、当該業務規程の定めの効力を主張することができない。 (電子記録の順序) 第八条 電子債権記録機関は、同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録の請求があったときは、当該請求の順序に従って電子記録をしなければならない。 2 同一の電子記録債権に関し同時に二以上の電子記録が請求された場合において、請求に係る電子記録の内容が相互に矛盾するときは、前条第一項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、いずれの請求に基づく電子記録もしてはならない。 3 同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録が請求された場合において、その前後が明らかでないときは、これらの請求は、同時にされたものとみなす。 (電子記録の効力) 第九条 電子記録債権の内容は、債権記録(記録機関変更記録がされているときは、第四十七条の二第二項に規定する変更後債権記録とし、当該変更後債権記録が複数あるときは、記録機関変更記録の年月日が直近のものとする。)の記録により定まるものとする。 2 電子記録名義人は、電子記録に係る電子記録債権についての権利を適法に有するものと推定する。 (電子記録の訂正等) 第十条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合には、電子記録の訂正をしなければならない。 ただし、電子記録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。 一 電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報の内容と異なる内容の記録がされている場合 二 請求がなければすることができない電子記録が、請求がないのにされている場合 三 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、記録すべき内容と異なる内容の記録がされている場合 四 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について、その記録がされていない場合(一の電子記録の記録事項の全部が記録されていないときを除く。) 2 電子債権記録機関は、第八十六条各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までに電子記録が消去されたときは、当該電子記録の回復をしなければならない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 電子債権記録機関は、前二項の規定により電子記録の訂正又は回復をするときは、当該訂正又は回復後の電子記録の内容と矛盾する電子記録について、電子記録の訂正をしなければならない。 4 電子債権記録機関が第一項又は第二項の規定により電子記録の訂正又は回復をしたときは、その内容を電子記録権利者及び電子記録義務者(電子記録権利者及び電子記録義務者がない場合にあっては、電子記録名義人)に通知しなければならない。 5 前項の規定による通知は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって電子記録の請求をした者にもしなければならない。 ただし、その者が二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。 (不実の電子記録等についての電子債権記録機関の責任) 第十一条 電子債権記録機関は、前条第一項各号に掲げる場合又は同条第二項に規定するときは、これらの規定に規定する事由によって当該電子記録の請求をした者その他の第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 第二款 電子記録債権に係る意思表示等 (意思表示の取消しの特則) 第十二条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第九十五条第一項又は第九十六条第一項若しくは第二項の規定による取消しは、善意でかつ重大な過失がない第三者(同条第一項の規定による強迫による意思表示の取消しにあっては、取消し後の第三者に限る。)に対抗することができない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 前項に規定する第三者が、支払期日以後に電子記録債権の譲渡、質入れ、差押え、仮差押え又は破産手続開始の決定(分割払の方法により支払う電子記録債権の場合には、到来した支払期日に係る部分についてのものに限る。)があった場合におけるその譲受人、質権者、差押債権者、仮差押債権者又は破産管財人であるとき。 二 前項の意思表示の取消しを対抗しようとする者が個人(当該電子記録において個人事業者(消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第二項に規定する事業者である個人をいう。以下同じ。)である旨の記録がされている者を除く。)である場合 (無権代理人の責任の特則) 第十三条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第百十七条第二項第二号の規定の適用については、同号中「過失」とあるのは、「重大な過失」とする。 (権限がない者の請求による電子記録についての電子債権記録機関の責任) 第十四条 電子債権記録機関は、次に掲げる者の請求により電子記録をした場合には、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 代理権を有しない者 二 他人になりすました者 第二節 発生 (電子記録債権の発生) 第十五条 電子記録債権(保証記録に係るもの及び電子記録保証をした者(以下「電子記録保証人」という。)が第三十五条第一項(同条第二項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定により取得する電子記録債権(以下「特別求償権」という。)を除く。次条において同じ。)は、発生記録をすることによって生ずる。 (発生記録) 第十六条 発生記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 債務者が一定の金額を支払う旨 二 支払期日(確定日に限るものとし、分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日とする。) 三 債権者の氏名又は名称及び住所 四 債権者が二人以上ある場合において、その債権が不可分債権又は連帯債権であるときはその旨、可分債権であるときは債権者ごとの債権の金額 五 債務者の氏名又は名称及び住所 六 債務者が二人以上ある場合において、その債務が不可分債務又は連帯債務であるときはその旨、可分債務であるときは債務者ごとの債務の金額 七 記録番号(発生記録、分割記録又は記録機関変更記録をする際に一の債権記録ごとに付す番号をいう。以下同じ。) 八 電子記録の年月日 2 発生記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約に係る支払をするときは、その旨並びに債務者の預金又は貯金の口座(以下「債務者口座」という。)及び債権者の預金又は貯金の口座(以下「債権者口座」という。) 二 第六十四条に規定する契約に係る支払をするときは、その旨 三 前二号に規定するもののほか、支払方法についての定めをするときは、その定め(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、各支払期日ごとに支払うべき金額を含む。) 四 利息、遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め 五 期限の利益の喪失についての定めをするときは、その定め 六 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め 七 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め 八 第十九条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 九 債権者又は債務者が個人事業者であるときは、その旨 十 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、第二十条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 十一 債務者が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、債務者が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め 十二 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をすることができないこととし、又はこれらの電子記録について回数の制限その他の制限をする旨の定めをするときは、その定め 十三 債権者と債務者との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 十四 債権者と債務者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 十五 電子債権記録機関が第七条第二項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしたときは、その定め 十六 前各号に掲げるもののほか、電子記録債権の内容となるものとして政令で定める事項 3 第一項第一号から第六号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録債権は、発生しない。 4 消費者契約法第二条第一項に規定する消費者(以下単に「消費者」という。)についてされた第二項第九号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、電子債権記録機関は、業務規程の定めるところにより、第一項第二号(分割払の方法により債務を支払う場合における各支払期日の部分に限る。)及び第二項各号(第一号、第二号及び第九号を除く。)に掲げる事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限することができる。 第三節 譲渡 (電子記録債権の譲渡) 第十七条 電子記録債権の譲渡は、譲渡記録をしなければ、その効力を生じない。 (譲渡記録) 第十八条 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 電子記録債権の譲渡をする旨 二 譲渡人が電子記録義務者の相続人であるときは、譲渡人の氏名及び住所 三 譲受人の氏名又は名称及び住所 四 電子記録の年月日 2 譲渡記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 発生記録(当該発生記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。以下同じ。)において債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、譲渡記録に当たり譲受人が譲受人の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 二 譲渡人が個人事業者であるときは、その旨 三 譲渡人と譲受人(譲渡記録後に譲受人として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 四 譲渡人と譲受人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 五 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 消費者についてされた前項第二号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 4 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(譲渡記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する譲渡記録をしてはならない。 (善意取得) 第十九条 譲渡記録の請求により電子記録債権の譲受人として記録された者は、当該電子記録債権を取得する。 ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 第十六条第二項第八号に掲げる事項が記録されている場合 二 前項に規定する者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合 三 個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である電子記録債権の譲渡人がした譲渡記録の請求における譲受人に対する意思表示が効力を有しない場合において、前項に規定する者が当該譲渡記録後にされた譲渡記録の請求により記録されたものであるとき。 (抗弁の切断) 第二十条 発生記録における債務者又は電子記録保証人(以下「電子記録債務者」という。)は、電子記録債権の債権者に当該電子記録債権を譲渡した者に対する人的関係に基づく抗弁をもって当該債権者に対抗することができない。 ただし、当該債権者が、当該電子記録債務者を害することを知って当該電子記録債権を取得したときは、この限りでない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 第十六条第二項第十号又は第三十二条第二項第六号に掲げる事項が記録されている場合 二 前項の債権者が、支払期日以後にされた譲渡記録の請求により電子記録債権(分割払の方法により支払うものにあっては、到来した支払期日に係る部分に限る。)の譲受人として記録されたものである場合 三 前項の電子記録債務者が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合 第四節 消滅 (支払免責) 第二十一条 電子記録名義人に対してした電子記録債権についての支払は、当該電子記録名義人がその支払を受ける権利を有しない場合であっても、その効力を有する。 ただし、その支払をした者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。 (混同等) 第二十二条 電子記録債務者(その相続人その他の一般承継人を含む。以下この項において同じ。)が電子記録債権を取得した場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該電子記録債権は消滅しない。 ただし、当該電子記録債務者又は当該電子記録債務者の承諾を得た他の電子記録債務者の請求により、当該電子記録債権の取得に伴う混同を原因とする支払等記録がされたときは、この限りでない。 2 次の各号に掲げる者は、電子記録債権を取得しても、当該各号に定める者に対して電子記録保証によって生じた債務(以下「電子記録保証債務」という。)の履行を請求することができない。 一 発生記録における債務者 電子記録保証人 二 電子記録保証人 他の電子記録保証人(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をしたとするならば、この号に掲げる電子記録保証人に対して特別求償権を行使することができるものに限る。) (消滅時効) 第二十三条 電子記録債権は、これを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。 (支払等記録の記録事項) 第二十四条 支払等記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 支払、相殺その他の債務の全部若しくは一部を消滅させる行為又は混同(以下「支払等」という。)により消滅し、又は消滅することとなる電子記録名義人に対する債務を特定するために必要な事項 二 支払等をした金額その他の当該支払等の内容(利息、遅延損害金、違約金又は費用が生じている場合にあっては、消滅した元本の額を含む。) 三 支払等があった日 四 支払等をした者(支払等が相殺による債務の消滅である場合にあっては、電子記録名義人が当該相殺によって免れた債務の債権者。以下同じ。)の氏名又は名称及び住所 五 支払等をした者が当該支払等をするについて民法第五百条の正当な利益を有する者であるときは、その事由 六 電子記録の年月日 七 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 (支払等記録の請求) 第二十五条 支払等記録は、次に掲げる者だけで請求することができる。 一 当該支払等記録についての電子記録義務者 二 前号に掲げる者の相続人その他の一般承継人 三 次に掲げる者であって、前二号に掲げる者全員の承諾を得たもの イ 電子記録債務者 ロ 支払等をした者(前二号及びイに掲げる者を除く。) ハ イ又はロに掲げる者の相続人その他の一般承継人 2 電子記録債権又はこれを目的とする質権の被担保債権(次項において「電子記録債権等」という。)について支払等がされた場合には、前項第三号イからハまでに掲げる者は、同項第一号又は第二号に掲げる者に対し、同項第三号の承諾をすることを請求することができる。 3 電子記録債権等について支払をする者は、第一項第一号又は第二号に掲げる者に対し、当該支払をするのと引換えに、同項第三号の承諾をすることを請求することができる。 4 根質権の担保すべき債権についての支払等をしたことによる支払等記録の請求は、当該支払等が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。 第五節 記録事項の変更 (電子記録債権の内容等の意思表示による変更) 第二十六条 電子記録債権又はこれを目的とする質権の内容の意思表示による変更は、この法律に別段の定めがある場合を除き、変更記録をしなければ、その効力を生じない。 (変更記録の記録事項) 第二十七条 変更記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 変更する記録事項 二 前号の記録事項を変更する旨及びその原因 三 第一号の記録事項についての変更後の内容(当該記録事項を記録しないこととする場合にあっては、当該記録事項を削除する旨) 四 電子記録の年月日 (求償権の譲渡に伴い電子記録債権が移転した場合の変更記録) 第二十八条 債権記録に支払等をした者として記録されている者であって当該支払等により電子記録債権の債権者に代位したものがした求償権(特別求償権を除く。)の譲渡に伴い当該電子記録債権が移転した場合における変更記録は、その者の氏名又は名称及び住所を当該求償権の譲受人の氏名又は名称及び住所に変更する記録をすることによって行う。 (変更記録の請求) 第二十九条 変更記録の請求は、当該変更記録につき電子記録上の利害関係を有する者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)の全員がしなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、相続又は法人の合併による電子記録名義人又は電子記録債務者の変更を内容とする変更記録は、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人だけで請求することができる。 ただし、相続人が二人以上ある場合には、その全員が当該変更記録を請求しなければならない。 3 第五条第二項及び第三項の規定は、第一項及び前項ただし書の場合について準用する。 4 第一項の規定にかかわらず、電子記録名義人又は電子記録債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更記録は、その者が単独で請求することができる。 他の者の権利義務に影響を及ぼさないことが明らかな変更記録であって業務規程の定めるものについても、同様とする。 (変更記録が無効な場合における電子記録債務者の責任) 第三十条 変更記録がその請求の無効、取消しその他の事由により効力を有しない場合には、当該変更記録前に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録前の債権記録の内容に従って責任を負う。 ただし、当該変更記録の請求における相手方に対する意思表示を適法にした者の間においては、当該意思表示をした電子記録債務者は、当該変更記録以後の債権記録の内容に従って責任を負う。 2 前項本文に規定する場合には、当該変更記録後に債務を負担した電子記録債務者は、当該変更記録後の債権記録の内容に従って責任を負う。 第六節 電子記録保証 (保証記録による電子記録債権の発生) 第三十一条 電子記録保証に係る電子記録債権は、保証記録をすることによって生ずる。 (保証記録) 第三十二条 保証記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 保証をする旨 二 保証人の氏名又は名称及び住所 三 主たる債務者の氏名又は名称及び住所その他主たる債務を特定するために必要な事項 四 電子記録の年月日 2 保証記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 保証の範囲を限定する旨の定めをするときは、その定め 二 遅延損害金又は違約金についての定めをするときは、その定め 三 相殺又は代物弁済についての定めをするときは、その定め 四 弁済の充当の指定についての定めをするときは、その定め 五 保証人が個人事業者であるときは、その旨 六 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)である場合において、保証記録をした時の債権者に対抗することができる事由について第二十条第一項(第三十八条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定を適用しない旨の定めをするときは、その定め 七 保証人が法人又は個人事業者(その旨の記録がされる者に限る。)であって前号に掲げる定めが記録されない場合において、保証人が債権者(譲渡記録における譲受人を含む。以下この項において同じ。)に対抗することができる抗弁についての定めをするときは、その定め 八 債権者と保証人との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 九 債権者と保証人との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 十 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 第一項第一号から第三号までに掲げる事項のいずれかの記録が欠けているときは、電子記録保証に係る電子記録債権は、発生しない。 4 消費者についてされた第二項第五号に掲げる事項の記録は、その効力を有しない。 5 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(保証記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する保証記録をしてはならない。 (電子記録保証の独立性) 第三十三条 電子記録保証債務は、その主たる債務者として記録されている者がその主たる債務を負担しない場合(第十六条第一項第一号から第六号まで又は前条第一項第一号から第三号までに掲げる事項の記録が欠けている場合を除く。)においても、その効力を妨げられない。 2 前項の規定は、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、適用しない。 (民法等の適用除外) 第三十四条 民法第四百五十二条、第四百五十三条及び第四百五十六条から第四百五十八条まで並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十一条第二項の規定は、電子記録保証については、適用しない。 2 前項の規定にかかわらず、電子記録保証人が個人(個人事業者である旨の記録がされている者を除く。)である場合には、当該電子記録保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。 3 第一項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、当該電子記録保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (特別求償権) 第三十五条 発生記録によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えん(弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録された債務を消滅させるべき行為をいう。以下この条において同じ。)をした場合において、その旨の支払等記録がされたときは、民法第四百五十九条、第四百五十九条の二、第四百六十二条、第四百六十三条及び第四百六十五条の規定にかかわらず、当該電子記録保証人は、次に掲げる者に対し、出えんにより共同の免責を得た額、出えんをした日以後の遅延損害金の額及び避けることができなかった費用の額の合計額について電子記録債権を取得する。 ただし、第三号に掲げる者に対しては、自己の負担部分を超えて出えんをした額のうち同号に掲げる者の負担部分の額に限る。 一 主たる債務者 二 当該出えんをした者が電子記録保証人となる前に当該者を債権者として当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする電子記録保証をしていた他の電子記録保証人 三 当該主たる債務と同一の債務を主たる債務とする他の電子記録保証人(前号に掲げる者及び電子記録保証人となる前に当該出えんをした者の電子記録保証に係る債権者であったものを除く。) 2 前項の規定は、同項の規定によって生じた債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。 3 第一項の規定は、電子記録保証債務を主たる債務とする電子記録保証人が出えんをした場合について準用する。 この場合において、同項中「次に掲げる者」とあるのは、「次に掲げる者及びその出えんを主たる債務者として記録されている電子記録保証人がしたとするならば、次に掲げる者に該当することとなるもの」と読み替えるものとする。 第七節 質権 (電子記録債権の質入れ) 第三十六条 電子記録債権を目的とする質権の設定は、質権設定記録をしなければ、その効力を生じない。 2 民法第三百六十二条第二項の規定は、前項の質権については、適用しない。 3 民法第二百九十六条から第三百条まで、第三百四条、第三百四十二条、第三百四十三条、第三百四十六条、第三百四十八条、第三百四十九条、第三百五十一条、第三百七十三条、第三百七十四条、第三百七十八条、第三百九十条、第三百九十一条、第三百九十八条の二から第三百九十八条の十まで、第三百九十八条の十九、第三百九十八条の二十(第一項第三号を除く。)及び第三百九十八条の二十二の規定は、第一項の質権について準用する。 (質権設定記録の記録事項) 第三十七条 質権設定記録(根質権の質権設定記録を除く。次項において同じ。)においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 質権を設定する旨 二 質権者の氏名又は名称及び住所 三 被担保債権の債務者の氏名又は名称及び住所、被担保債権の額(一定の金額を目的としない債権については、その価額。以下同じ。)その他被担保債権を特定するために必要な事項 四 一の債権記録における質権設定記録及び転質の電子記録がされた順序を示す番号(以下「質権番号」という。) 五 電子記録の年月日 2 質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 被担保債権につき利息、遅延損害金又は違約金についての定めがあるときは、その定め 二 被担保債権に付した条件があるときは、その条件 三 前条第三項において準用する民法第三百四十六条ただし書の別段の定めをするときは、その定め 四 質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め 五 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、質権設定記録に当たり質権者が質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 六 質権設定者と質権者(質権設定記録後に当該質権についての質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 七 質権設定者と質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 八 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 3 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 根質権を設定する旨 二 根質権者の氏名又は名称及び住所 三 担保すべき債権の債務者の氏名又は名称及び住所 四 担保すべき債権の範囲及び極度額 五 質権番号 六 電子記録の年月日 4 根質権の質権設定記録においては、次に掲げる事項を記録することができる。 一 担保すべき元本の確定すべき期日の定めをするときは、その定め 二 根質権の実行に関し、その方法、条件その他の事項について定めをするときは、その定め 三 発生記録において電子記録債権に係る債務の支払を債権者口座に対する払込みによってする旨の定めが記録されている場合において、根質権の質権設定記録に当たり根質権者が根質権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって支払を受けようとするときは、当該口座(発生記録において払込みをする預金又は貯金の口座の変更に関する定めが記録されているときは、これと抵触しないものに限る。) 四 根質権設定者と根質権者(根質権の質権設定記録後に当該根質権についての根質権者として記録された者を含む。次号において同じ。)との間の通知の方法についての定めをするときは、その定め 五 根質権設定者と根質権者との間の紛争の解決の方法についての定めをするときは、その定め 六 前各号に掲げるもののほか、政令で定める事項 5 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(質権設定記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する質権設定記録をしてはならない。 (善意取得及び抗弁の切断) 第三十八条 第十九条及び第二十条の規定は、質権設定記録について準用する。 この場合において、第十九条第一項中「譲受人」とあるのは「質権者」と、「当該電子記録債権」とあるのは「その質権」と、同条第二項第二号中「譲受人」とあるのは「質権者」と、同項第三号中「された譲渡記録」とあるのは「された質権設定記録」と、第二十条第一項中「債権者に当該電子記録債権を譲渡した」とあるのは「質権者にその質権を設定した」と、「当該債権者に」とあるのは「当該質権者に」と、同項ただし書中「当該債権者が」とあるのは「当該質権者が」と、「当該電子記録債権を取得した」とあるのは「当該質権を取得した」と、同条第二項第二号中「債権者」とあり、及び「譲受人」とあるのは「質権者」と読み替えるものとする。 (質権の順位の変更の電子記録) 第三十九条 第三十六条第三項において準用する民法第三百七十四条第一項の規定による質権の順位の変更の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 質権の順位を変更する旨 二 順位を変更する質権の質権番号 三 変更後の質権の順位 四 電子記録の年月日 2 前項の電子記録の請求は、順位を変更する質権の電子記録名義人の全員がしなければならない。 この場合においては、第五条第二項及び第三項の規定を準用する。 (転質) 第四十条 第三十六条第三項において準用する民法第三百四十八条の規定による転質は、転質の電子記録をしなければ、その効力を生じない。 2 第三十七条第一項から第四項までの規定は、転質の電子記録について準用する。 3 転質の電子記録においては、転質の目的である質権の質権番号をも記録しなければならない。 4 質権者が二以上の者のために転質をしたときは、その転質の順位は、転質の電子記録の前後による。 (被担保債権の譲渡に伴う質権等の移転による変更記録の特則) 第四十一条 被担保債権の一部について譲渡がされた場合における質権又は転質の移転による変更記録においては、第二十七条各号に掲げる事項のほか、当該譲渡の目的である被担保債権の額をも記録しなければならない。 2 根質権の担保すべき債権の譲渡がされた場合における根質権の移転による変更記録の請求は、当該譲渡が当該根質権の担保すべき元本の確定後にされたものであり、かつ、当該確定の電子記録がされている場合でなければ、することができない。 (根質権の担保すべき元本の確定の電子記録) 第四十二条 根質権の担保すべき元本(以下この条において単に「元本」という。)の確定の電子記録においては、次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 元本が確定した旨 二 元本が確定した根質権の質権番号 三 元本の確定の年月日 四 電子記録の年月日 2 第三十六条第三項において準用する民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第四号の規定により元本が確定した場合の電子記録は、当該根質権の電子記録名義人だけで請求することができる。 ただし、同号の規定により元本が確定した場合における請求は、当該根質権又はこれを目的とする権利の取得の電子記録の請求と併せてしなければならない。 第八節 分割 (分割記録) 第四十三条 電子記録債権は、分割(債権者又は債務者として記録されている者が二人以上ある場合において、特定の債権者又は債務者について分離をすることを含む。)をすることができる。 2 電子記録債権の分割は、次条から第四十七条までの規定により、分割をする電子記録債権が記録されている債権記録(以下「原債権記録」という。)及び新たに作成する債権記録(以下「分割債権記録」という。)に分割記録をすると同時に原債権記録に記録されている事項の一部を分割債権記録に記録することによって行う。 3 分割記録の請求は、分割債権記録に債権者として記録される者だけですることができる。 (分割記録の記録事項) 第四十四条 分割記録においては、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 原債権記録から分割をした旨 二 原債権記録及び分割債権記録の記録番号 三 発生記録における債務者であって分割債権記録に記録されるものが一定の金額を支払う旨 四 債権者の氏名又は名称及び住所 五 電子記録の年月日 2 分割記録においては、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割をした旨 二 分割債権記録の記録番号 三 電子記録の年月日 3 電子債権記録機関は、発生記録において第十六条第二項第十二号又は第十五号に掲げる事項(分割記録に係る部分に限る。)が記録されているときは、その記録の内容に抵触する分割記録をしてはならない。 (分割記録に伴う分割債権記録への記録) 第四十五条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、分割債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割債権記録に記録される電子記録債権についての原債権記録中の現に効力を有する電子記録において記録されている事項(次に掲げるものを除く。) イ 債務者が一定の金額を支払う旨 ロ 当該電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものである場合における各支払期日及び当該支払期日ごとに支払うべき金額 ハ 譲渡記録、保証記録、質権設定記録、分割記録又は記録機関変更記録をすることができる回数(以下「記録可能回数」という。)が記録されている場合におけるその記録可能回数 ニ 原債権記録の記録番号 ホ 原債権記録に分割記録がされている場合における当該分割記録において記録されている事項(イに掲げるものを除く。) 二 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、当該電子記録債権の支払期日(原債権記録に支払期日として記録されているものに限る。) 三 前号に規定する場合において、分割債権記録に記録される電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額(原債権記録に記録されている対応する各支払期日ごとに支払うべき金額の範囲内のものに限る。) 四 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)のうち、分割債権記録における記録可能回数 2 電子債権記録機関は、分割債権記録に前項第一号に掲げる事項を記録したときは当該事項を原債権記録から転写した旨及びその年月日を、同項第二号から第四号までに掲げる事項を記録したときはその記録の年月日を当該分割債権記録に記録しなければならない。 (分割記録に伴う原債権記録への記録) 第四十六条 電子債権記録機関は、分割記録と同時に、原債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 分割債権記録に記録される電子記録債権について原債権記録に記録されている事項のうち、前条第一項第一号イからハまでに掲げる事項の記録を削除する旨 二 発生記録における債務者が分割記録の直前に原債権記録に記録されていた第十六条第一項第一号(当該原債権記録が他の分割における分割債権記録である場合にあっては、第四十四条第一項第三号)に規定する一定の金額から分割債権記録に記録される第四十四条第一項第三号に規定する一定の金額を控除して得た金額を支払う旨 三 分割債権記録に記録される電子記録債権が原債権記録において分割払の方法により債務を支払うものとして記録されている場合には、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる支払期日 四 前号に規定する場合において、分割記録の後も原債権記録に引き続き記録されることとなる電子記録債権が分割払の方法により債務を支払うものであるときは、当該電子記録債権の各支払期日ごとに支払うべき金額 五 原債権記録に記録可能回数が記録されている場合には、当該記録可能回数(分割記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数)から分割債権記録における記録可能回数を控除した残りの記録可能回数 2 電子債権記録機関は、原債権記録に前項各号に掲げる事項を記録したときは、その記録の年月日を当該原債権記録に記録しなければならない。 (主務省令への委任) 第四十七条 第四十三条第三項及び前三条の規定にかかわらず、次に掲げる場合における分割記録の請求、分割記録の記録事項並びに分割記録に伴う分割債権記録及び原債権記録への記録について必要な事項は、これらの規定の例に準じて主務省令で定める。 一 原債権記録に債権者ごとの債権の金額又は債務者ごとの債務の金額が記録されている場合 二 原債権記録に第三十二条第二項第一号に掲げる事項が記録された保証記録がされている場合 三 原債権記録に特別求償権が記録されている場合 四 前三号に掲げるもののほか、主務省令で定める場合 第九節 電子債権記録機関の変更 (記録機関変更記録) 第四十七条の二 電子記録債権は、その電子記録を行う電子債権記録機関の変更(以下単に「電子債権記録機関の変更」という。)をすることができる。 2 電子債権記録機関の変更は、次条から第四十七条の五までの規定により、電子債権記録機関の変更をしようとする電子記録債権についての債権記録(以下「変更前債権記録」という。)を記録原簿に記録している電子債権記録機関(以下「変更前電子債権記録機関」という。)から変更前債権記録の記録事項を引き継ぐ電子債権記録機関(以下「変更後電子債権記録機関」という。)がその記録原簿に新たに作成し、変更前債権記録の記録事項を記録する債権記録(以下「変更後債権記録」という。)に記録機関変更記録をすることによって行う。 (記録機関変更記録の請求等) 第四十七条の三 記録機関変更記録の請求は、変更前債権記録に電子記録債権の債権者として記録されている者(その者について相続その他の一般承継があったときは、その相続人その他の一般承継人)であって、当該電子記録債権の債務者全員の承諾を得たものがすることができる。 2 記録機関変更記録の請求は、次に掲げる場合には、することができない。 一 変更前債権記録に質権設定記録がされている場合 二 変更後電子債権記録機関が第七条第二項の規定により保証記録、質権設定記録、分割記録若しくは記録機関変更記録をしないこととし、又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をしている場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。 三 変更後電子債権記録機関が第十六条第五項の規定により同項に規定する事項について、その記録をしないこととし、又はその記録を制限している場合において、その内容と変更前債権記録の内容が抵触するとき。 3 記録機関変更記録の請求についての第六条の規定の適用については、同条中「電子債権記録機関」とあるのは、「第四十七条の二第二項に規定する変更前電子債権記録機関」とする。 4 変更前電子債権記録機関は、記録機関変更記録の請求があったときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 記録機関変更記録の請求があった旨 二 変更後電子債権記録機関の名称及び住所 三 電子記録の年月日 5 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による記録をしたときは、遅滞なく、変更後電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 変更前電子債権記録機関の名称及び住所 二 変更前債権記録の記録事項 三 前二号に掲げるもののほか、変更前債権記録の記録事項の引継ぎに必要な事項として政令で定めるもの (変更前電子債権記録機関の記録の禁止) 第四十七条の四 第七条第一項の規定にかかわらず、変更前電子債権記録機関は、前条第四項の規定による記録をしたときは、変更前債権記録に電子記録(次条第四項の規定による記録を除く。)をしてはならない。 (記録機関変更記録の記録事項等) 第四十七条の五 変更後電子債権記録機関は、第四十七条の三第五項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、記録機関変更記録をしなければならない。 2 記録機関変更記録においては、変更後債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 この場合において、変更後電子債権記録機関は、変更後債権記録に第十六条第二項第十五号に掲げる事項を記録することができる。 一 電子債権記録機関の変更をした旨 二 変更後債権記録の記録番号 三 第四十七条の三第五項第一号及び第二号に掲げる事項(記録機関変更記録の記録可能回数にあっては、当該記録可能回数から一を控除した残りの記録可能回数) 四 電子記録の年月日 3 変更後電子債権記録機関は、記録機関変更記録をしたときは、遅滞なく、変更前電子債権記録機関に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。 一 変更後電子債権記録機関の名称及び住所 二 前項の規定による記録をした旨 三 前項第二号に掲げる事項 4 変更前電子債権記録機関は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、変更前債権記録に次に掲げる事項を記録しなければならない。 一 前項第二号及び第三号に掲げる事項 二 電子記録の年月日 第十節 雑則 (信託の電子記録) 第四十八条 電子記録債権又はこれを目的とする質権(以下この項において「電子記録債権等」という。)については、信託の電子記録をしなければ、電子記録債権等が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。 2 この法律に定めるもののほか、信託の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 (電子記録債権に関する強制執行等) 第四十九条 電子債権記録機関は、電子記録債権に関する強制執行、滞納処分その他の処分の制限がされた場合において、これらの処分の制限に係る書類又は電磁的記録の送達を受けたときは、遅滞なく、強制執行等の電子記録をしなければならない。 2 強制執行等の電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 3 電子記録債権に関する強制執行、仮差押え及び仮処分、競売並びに没収保全の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 (政令への委任) 第五十条 この法律に定めるもののほか、電子記録債権の電子記録の手続その他電子記録に関し必要な事項は、政令で定める。 第三章 電子債権記録機関 第一節 通則 (電子債権記録業を営む者の指定) 第五十一条 主務大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、第五十六条に規定する業務(以下「電子債権記録業」という。)を営む者として、指定することができる。 一 次に掲げる機関を置く株式会社であること。 イ 取締役会 ロ 監査役会、監査等委員会又は指名委員会等(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第十二号に規定する指名委員会等をいう。) ハ 会計監査人 二 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された日から五年を経過しない者でないこと。 三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。 四 取締役、会計参与、監査役又は執行役のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。 イ 心身の故障のため電子債権記録業に係る職務を適正に執行することができない者として主務省令で定める者 ロ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者 ハ 拘禁刑以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ニ 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けているこの項の指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその会社の取締役、会計参与、監査役又は執行役(外国会社における外国の法令上これらに相当する者を含む。ホにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から五年を経過しない者 ホ 第七十五条第一項の規定又はこの法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役、会計参与、監査役又は執行役でその処分を受けた日から五年を経過しない者 ヘ この法律、会社法若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第四十六条から第四十九条まで、第五十条(第一号に係る部分に限る。)若しくは第五十一条の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 五 定款及び電子債権記録業の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が、法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより電子債権記録業を適正かつ確実に遂行するために十分であると認められること。 六 電子債権記録業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、電子債権記録業に係る収支の見込みが良好であると認められること。 七 その人的構成に照らして、電子債権記録業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すると認められること。 2 主務大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した電子債権記録機関の商号及び本店の所在地を官報で公示しなければならない。 (指定の申請) 第五十二条 前条第一項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 商号 二 資本金の額及び純資産額 三 本店その他の営業所の名称及び所在地 四 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役)の氏名 五 会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称 2 指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。 一 前条第一項第三号及び第四号に掲げる要件に該当する旨を誓約する書面 二 定款 三 会社の登記事項証明書 四 業務規程 五 貸借対照表及び損益計算書 六 収支の見込みを記載した書類 七 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める書類 3 前項の場合において、定款、貸借対照表又は損益計算書が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。)を添付することができる。 (資本金の額等) 第五十三条 電子債権記録機関の資本金の額は、政令で定める金額以上でなければならない。 2 前項の政令で定める金額は、五億円を下回ってはならない。 3 電子債権記録機関の純資産額は、第一項の政令で定める金額以上でなければならない。 (適用除外) 第五十四条 会社法第三百三十一条第二項ただし書(同法第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(同法第三百三十四条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項及び第四百二条第五項ただし書の規定は、電子債権記録機関については、適用しない。 (秘密保持義務) 第五十五条 電子債権記録機関の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役、執行役若しくは職員又はこれらの職にあった者は、電子債権記録業に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 第二節 業務 (電子債権記録機関の業務) 第五十六条 電子債権記録機関は、この法律及び業務規程の定めるところにより、電子記録債権に係る電子記録に関する業務を行うものとする。 (兼業の禁止) 第五十七条 電子債権記録機関は、電子債権記録業及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。 (電子債権記録業の一部の委託) 第五十八条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、電子債権記録業の一部を、主務大臣の承認を受けて、銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、協同組織金融機関(協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)第二条第一項に規定する協同組織金融機関をいう。)その他の政令で定める金融機関をいう。以下同じ。)その他の者に委託することができる。 2 銀行等は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該委託に係る業務を行うことができる。 (業務規程) 第五十九条 電子債権記録機関は、業務規程において、電子記録の実施の方法、第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約又は第六十四条に規定する契約に係る事項その他の主務省令で定める事項を定めなければならない。 (電子債権記録機関を利用する者の保護) 第六十条 電子債権記録機関は、当該電子債権記録機関を利用する者の保護に欠けることのないように業務を営まなければならない。 (差別的取扱いの禁止) 第六十一条 電子債権記録機関は、特定の者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。 第三節 口座間送金決済等に係る措置 (口座間送金決済に関する契約の締結) 第六十二条 電子債権記録機関は、債務者及び銀行等と口座間送金決済に関する契約を締結することができる。 2 前項及び次条第二項に規定する「口座間送金決済」とは、電子記録債権(保証記録に係るもの及び特別求償権を除く。以下この節において同じ。)に係る債務について、電子債権記録機関、債務者及び銀行等の合意に基づき、あらかじめ電子債権記録機関が当該銀行等に対し債権記録に記録されている支払期日、支払うべき金額、債務者口座及び債権者口座に係る情報を提供し、当該支払期日に当該銀行等が当該債務者口座から当該債権者口座に対する払込みの取扱いをすることによって行われる支払をいう。 (口座間送金決済についての支払等記録) 第六十三条 電子債権記録機関は、前条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約を締結した場合において、第十六条第二項第一号に掲げる事項が債権記録に記録されているときは、当該契約に係る銀行等に対し、前条第二項に規定する情報を提供しなければならない。 2 前項の場合において、支払期日に支払うべき電子記録債権に係る債務の全額について口座間送金決済があった旨の通知を同項に規定する銀行等から受けたときは、電子債権記録機関は、遅滞なく、当該口座間送金決済についての支払等記録をしなければならない。 (支払に関するその他の契約の締結) 第六十四条 電子債権記録機関は、第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約のほか、債務者又は債権者及び銀行等と電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する契約を締結することができる。 (その他の契約に係る支払についての支払等記録) 第六十五条 電子債権記録機関は、前条に規定する契約を締結し、第十六条第二項第二号に掲げる事項が債権記録に記録されている場合において、電子記録債権に係る債務の債権者口座に対する払込みによる支払に関する通知を当該契約に係る銀行等から受けたとき(電子記録債権に係る債務の支払があったことを電子債権記録機関において確実に知り得る場合として主務省令で定める場合に限る。)は、遅滞なく、当該支払についての支払等記録をしなければならない。 (口座間送金決済等の通知に係る第八条の適用) 第六十六条 第六十三条第二項及び前条に規定する通知は、電子記録の請求とみなして、第八条の規定を適用する。 第四節 監督 (帳簿書類等の作成及び保存) 第六十七条 電子債権記録機関は、主務省令で定めるところにより、業務に関する帳簿書類その他の記録を作成し、保存しなければならない。 (業務及び財産に関する報告書の提出) 第六十八条 電子債権記録機関は、事業年度ごとに、業務及び財産に関する報告書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。 2 前項の報告書の記載事項、提出期日その他同項の報告書に関し必要な事項は、主務省令で定める。 (資本金の額の変更) 第六十九条 電子債権記録機関は、その資本金の額を減少しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。 2 電子債権記録機関は、その資本金の額を増加しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。 (定款又は業務規程の変更) 第七十条 電子債権記録機関の定款又は業務規程の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 (電子債権記録業の休止の認可) 第七十一条 電子債権記録機関は、電子債権記録業を休止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。 (商号等の変更の届出) 第七十二条 電子債権記録機関は、第五十二条第一項第一号又は第三号から第五号までに掲げる事項に変更があったときは、その旨及び同条第二項第一号又は第三号に掲げる書類を、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。 2 主務大臣は、前項の規定により電子債権記録機関の商号又は本店の所在地の変更の届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (報告及び検査) 第七十三条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者に対し、当該電子債権記録機関の業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の営業所若しくは事務所に立ち入り、当該電子債権記録機関若しくは当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせ、若しくは関係者に質問(当該電子債権記録機関から業務の委託を受けた者の関係者にあっては、当該電子債権記録機関の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせることができる。 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (業務改善命令) 第七十四条 主務大臣は、電子債権記録業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、電子債権記録機関に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (指定の取消し等) 第七十五条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十一条第一項の指定を取り消し、六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役の解任を命ずることができる。 一 第五十一条第一項第三号又は第四号に掲げる要件に該当しないこととなったとき。 二 第五十一条第一項の指定当時に同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。 三 不正の手段により第五十一条第一項の指定を受けたことが判明したとき。 四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。 2 主務大臣は、前項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (業務移転命令) 第七十六条 主務大臣は、電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、期限を定めて、電子債権記録業を他の株式会社に移転することを命ずることができる。 一 前条第一項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消されたとき。 二 電子債権記録業を廃止したとき。 三 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。 四 電子債権記録業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない事態又は破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあると認められるとき。 2 前項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第三百二十二条第一項、第四百六十六条、第四百六十七条第一項、第七百八十三条第一項又は第七百九十五条第一項の規定による決議(同法第七百八十三条第一項の規定による決議にあっては、同法第三百九条第三項第二号の株主総会の決議を除く。)は、同法第三百九条第二項及び第三百二十四条第二項の規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。 3 第一項の規定による命令を受けた電子債権記録機関における会社法第三百九条第三項第二号の株主総会の決議は、同項の規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。 4 第二項の規定により仮にした決議(以下この項及び次項において「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。 5 前項の株主総会において第二項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。 6 前二項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。 この場合において、前項中「第二項」とあるのは、「第三項」と読み替えるものとする。 (債権記録の失効) 第七十七条 電子債権記録機関が前条第一項の規定による命令を受けた場合において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転することなく当該期限を経過したときは、当該期限を経過した日にその備える記録原簿に記録されている債権記録は、その効力を失う。 2 電子記録債権及びこれを目的とする質権は、前項の規定により債権記録がその効力を失った日(以下この条において「効力失効日」という。)以後は、当該債権記録に記録された電子記録債権の内容をその権利の内容とする債権及びこれを目的とする質権として存続するものとする。 3 効力失効日に電子記録保証人であった者が前項の債権についての弁済その他自己の財産をもって主たる債務として記録されていた債務を消滅させるべき行為をしたときは、その者は、特別求償権と同一の内容の求償権を取得する。 4 主務大臣は、効力失効日以後、速やかに、第一項に規定する債権記録がその効力を失った旨を官報で公示しなければならない。 5 電子債権記録機関であった者又は一般承継人(合併により消滅した電子債権記録機関の権利義務を承継した者であって、電子債権記録業を営まないものに限る。以下この章において同じ。)は、効力失効日以後、直ちに、次の各号に掲げる者に対し、それぞれ当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、当該事項の全部を証明した書面を送付しなければならない。 一 効力失効日に電子記録名義人であった者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録又は質権設定記録若しくは転質の電子記録(これらの電子記録の記録事項について変更記録がされていたときは、当該変更記録を含む。以下「譲渡記録等」という。)であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されていたもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項 イ 第十八条第二項第三号若しくは第四号、第三十七条第二項第六号若しくは第七号又は同条第四項第四号若しくは第五号に掲げる事項が記録されていた譲渡記録等 ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されていた譲渡記録 ハ 効力失効日に電子記録名義人であった者が変更記録において記録されていた場合における当該変更記録に係る譲渡記録等 二 効力失効日に電子記録債務者として記録されていた者 効力失効日に債権記録に記録されていた事項(この号に掲げる者が分割債権記録に記録されていた者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。) 第五節 合併、分割及び事業の譲渡 (特定合併の認可) 第七十八条 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営む場合に限る。以下この条において「特定合併」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、特定合併後存続する株式会社又は特定合併により設立される株式会社(以下この条において「特定合併後の電子債権記録機関」という。)について第五十二条第一項各号に掲げる事項を記載した合併認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 3 合併認可申請書には、合併契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 特定合併後の電子債権記録機関が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 特定合併後の電子債権記録機関(電子債権記録機関が特定合併後存続する株式会社である場合を除く。)は、特定合併の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 特定合併後の電子債権記録機関は、特定合併により消滅した電子債権記録機関の業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (新設分割の認可) 第七十九条 電子債権記録機関が新たに設立する株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う新設分割(以下この条において単に「新設分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、新設分割により設立される株式会社(以下この条において「設立会社」という。)について次に掲げる事項を記載した新設分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 設立会社が承継する電子債権記録業 3 新設分割認可申請書には、新設分割計画の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 設立会社が第五十一条第一項第一号及び第四号から第七号までに掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 設立会社は、新設分割の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 設立会社は、新設分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (吸収分割の認可) 第八十条 電子債権記録機関が他の株式会社に電子債権記録業の全部又は一部を承継させるために行う吸収分割(以下この条において単に「吸収分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、吸収分割により電子債権記録業の全部又は一部を承継する株式会社(以下この条において「承継会社」という。)について次に掲げる事項を記載した吸収分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 承継会社が承継する電子債権記録業 3 吸収分割認可申請書には、吸収分割契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 承継会社が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 承継会社(電子債権記録機関が承継会社である場合を除く。)は、吸収分割の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 承継会社は、吸収分割をした電子債権記録機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 (事業譲渡の認可) 第八十一条 電子債権記録機関が他の株式会社に行う電子債権記録業の全部又は一部の譲渡(以下この条において「事業譲渡」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 前項の認可を受けようとする電子債権記録機関は、事業譲渡により電子債権記録業の全部又は一部を譲り受ける株式会社(以下この条において「譲受会社」という。)について次に掲げる事項を記載した事業譲渡認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 第五十二条第一項各号に掲げる事項 二 譲受会社が承継する電子債権記録業 3 事業譲渡認可申請書には、譲渡契約の内容を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)その他主務省令で定める書面又は電磁的記録を添付しなければならない。 4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。 一 譲受会社が第五十一条第一項各号に掲げる要件に該当すること。 二 電子債権記録業の承継が円滑かつ適切に行われると見込まれること。 5 譲受会社(電子債権記録機関が譲受会社である場合を除く。)は、事業譲渡の時に第五十一条第一項の指定を受けたものとみなす。 6 譲受会社は、事業譲渡をした電子債権記録機関の譲渡の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。 第六節 解散等 (解散等の認可) 第八十二条 次に掲げる事項は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 一 電子債権記録機関の解散についての株主総会の決議 二 電子債権記録機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が電子債権記録業を営まない場合に限る。) (指定の失効) 第八十三条 電子債権記録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十一条第一項の指定は、その効力を失う。 一 電子債権記録業を廃止したとき。 二 解散したとき(設立、新設合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。 三 第七十六条第一項の規定による命令を受けた場合(同項第四号に該当する場合に限る。)において、当該命令において定められた期限内にその電子債権記録業を移転しなかったとき。 2 前項の規定により第五十一条第一項の指定が効力を失ったときは、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。 (指定取消し等の場合のみなし電子債権記録機関) 第八十四条 電子債権記録機関が第七十五条第一項の規定により第五十一条第一項の指定を取り消された場合又は前条第一項の規定により当該指定が効力を失った場合(同項第三号に該当する場合を除く。)においては、その電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、当該電子債権記録機関が行った電子債権記録業を速やかに結了しなければならない。 この場合において、当該電子債権記録機関であった者又は一般承継人は、その電子債権記録業の結了の目的の範囲内において、なおこれを電子債権記録機関とみなす。 (清算手続等における主務大臣の意見等) 第八十五条 裁判所は、電子債権記録機関の清算手続、破産手続、再生手続、更生手続又は承認援助手続において、主務大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。 2 主務大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。 3 第七十三条の規定は、第一項の規定により主務大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。 第四章 雑則 (債権記録等の保存) 第八十六条 電子債権記録機関は、次に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、債権記録及び当該債権記録に記録された電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報が記載され、又は記録されている書面又は電磁的記録を保存しなければならない。 一 次号に掲げる場合以外の場合 次のイ又はロに定める日のいずれか早い日 イ 当該債権記録に記録された全ての電子記録債権に係る債務の全額について支払等記録がされた日又は変更記録により当該債権記録中の全ての記録事項について削除する旨の記録がされた日から五年を経過する日 ロ 当該債権記録に記録された支払期日(分割払の方法により債務を支払う場合にあっては、最終の支払期日)又は最後の電子記録がされた日のいずれか遅い日から十年を経過する日 二 当該債権記録が変更前債権記録である場合 第四十七条の五第四項各号に掲げる事項の記録がされた日から五年を経過する日 (記録事項の開示) 第八十七条 次の各号に掲げる者及びその相続人その他の一般承継人並びにこれらの者の財産の管理及び処分をする権利を有する者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該各号に定める事項(債務者口座を除く。)について、主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は当該事項の全部若しくは一部を証明した書面若しくは電磁的記録の提供の請求(以下この条において「開示請求」という。)をすることができる。 一 電子記録名義人 債権記録に記録されている事項(当該電子記録名義人が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているもの(次に掲げるものを除く。)において記録されている事項を除き、すべての事項 イ 第十八条第二項第三号若しくは第四号、第三十七条第二項第六号若しくは第七号又は同条第四項第四号若しくは第五号に掲げる事項が記録されている譲渡記録等 ロ 個人が譲渡人又は譲受人として記録されている譲渡記録 ハ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等 二 電子記録債務者として記録されている者 債権記録に記録されている事項(当該電子記録債務者として記録されている者が分割債権記録に記録されている者であるときは、当該分割債権記録に至るまでの各原債権記録中の当該分割債権記録に至る分割記録がされる前に記録された事項を含む。)のうち、譲渡記録等であって電子記録名義人以外の者が譲受人又は質権者として記録されているものにおいて記録されている事項(次に掲げるものを除く。)を除き、すべての事項 イ 電子記録名義人が変更記録において記録されている場合における当該変更記録に係る譲渡記録等において記録されている事項 ロ 当該電子記録債務者として記録されている者が発生記録若しくは譲渡記録等において債権者、譲受人若しくは質権者として記録されている者又はこれらの者の相続人その他の一般承継人(以下この号において「債権者等」という。)に対して人的関係に基づく抗弁を有するときは、当該債権者等から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者(電子記録名義人を除く。)の氏名又は名称及び住所 三 債権記録に記録されている者であって、前二号に掲げる者以外のもの 債権記録に記録されている事項(この号に掲げる者が原債権記録に記録されている者であるときは、その後の分割債権記録に記録された事項を含む。)のうち、次に掲げる事項 イ 当該債権記録中の発生記録及び開示請求をする者(ロにおいて「開示請求者」という。)が電子記録の請求をした者となっている電子記録(当該電子記録の記録事項について変更記録がされているときは、当該変更記録を含む。)において記録されている事項 ロ 開示請求者を電子記録義務者とする譲渡記録等がされている場合において、当該電子記録が、代理権を有しない者が当該開示請求者の代理人としてした請求又は当該開示請求者になりすました者の請求によってされたものであるときは、当該開示請求者から電子記録名義人に至るまでの一連の譲渡記録等において譲受人又は質権者として記録されている者の氏名又は名称及び住所 2 電子債権記録機関は、前項に規定するもののほか、電子記録の請求をした者が請求に際しその開示について同意をしている記録事項については、主務省令で定めるところにより、その同意の範囲内で一定の者が開示請求をすることを認めることができる。 (電子記録の請求に当たって提供された情報の開示) 第八十八条 自己の氏名又は名称が電子記録の請求者として電子債権記録機関に提供された者は、電子債権記録機関に対し、その営業時間内は、いつでも、業務規程の定める費用を支払って、当該電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報について、次に掲げる請求をすることができる。 当該電子記録の請求が適法であるかどうかについて利害関係を有する者も、正当な理由があるときは、当該利害関係がある部分に限り、同様とする。 一 当該情報が書面に記載されているときは、当該書面の閲覧の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求 三 当該情報が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって主務省令で定めるものをいう。)であって業務規程の定めるものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求 (財務大臣への資料提出等) 第八十九条 財務大臣は、その所掌に係る金融破 綻 たん 処理制度及び金融危機管理に関し、電子記録債権に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。 (主務省令への委任) 第九十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、主務省令で定める。 (主務大臣及び主務省令) 第九十一条 この法律において、主務大臣は法務大臣及び内閣総理大臣とし、主務省令は法務省令・内閣府令とする。 (権限の委任) 第九十二条 内閣総理大臣は、この法律の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。 2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。 第五章 罰則 第九十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第七条第一項、第四十七条の五第一項若しくは第四十九条第一項の規定に違反して、記録原簿に電子記録をすべき事項を記録せず、又はこれに虚偽の記録をした者 二 第四十七条の三第五項の規定に違反して、通知をすべき事項を通知せず、又は虚偽の通知をした者 第九十四条 第七十五条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者は、二年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第九十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第五十二条第一項、第七十八条第二項、第七十九条第二項、第八十条第二項若しくは第八十一条第二項の申請書若しくは第五十二条第二項の書類に虚偽の記載をし、若しくは当該書類に代えて電磁的記録を添付すべき場合における当該電磁的記録に虚偽の記録をし、又は第七十八条第三項、第七十九条第三項、第八十条第三項若しくは第八十一条第三項の書面若しくは電磁的記録に虚偽の記載若しくは記録をして提出した者 二 第六十七条の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者 三 第六十八条第一項の規定による報告書の提出をせず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者 四 第七十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 五 第八十五条第三項において準用する第七十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 六 第八十六条の規定に違反して、同条の債権記録又は書面若しくは電磁的記録を保存しなかった者 第九十六条 第五十五条の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。 第九十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第六十九条第一項の規定による認可を受けないで資本金の額を減少し、又は虚偽の申請をして同項の認可を受けた者 二 第七十二条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者 第九十八条 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。 一 第九十三条又は第九十四条 三億円以下の罰金刑 二 第九十五条(第五号を除く。) 二億円以下の罰金刑 三 第九十五条第五号又は前条 各本条の罰金刑 第九十九条 電子債権記録機関(第三号にあっては、第七十七条第五項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人)の役員又は清算人が次の各号のいずれかに該当するときは、百万円以下の過料に処する。 一 第六十九条第二項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。 二 第七十四条又は第七十六条第一項の規定による命令に違反したとき。 三 第七十七条第五項の規定に違反して、同項の書面を送付しなかったとき。 四 正当な理由がないのに第八十七条第一項又は第八十八条の規定による請求を拒み、又は虚偽の記載若しくは記録をした書面若しくは電磁的記録を提供したとき。 第百条 第八十三条第二項に規定する電子債権記録機関であった者又は一般承継人の役員又は清算人が同項の規定に違反して、届出を怠ったときは、三十万円以下の過料に処する。
民事
Heisei
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平成十九年政令第二十一号
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遺失物法施行令 (提出を受けた物件の売却の方法等) 第一条 遺失物法(以下「法」という。)第九条第一項本文又は第二項(これらの規定を法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による警察署長が提出を受けた物件の売却は、一般競争入札又は競り売り(以下「一般競争入札等」という。)に付して行わなければならない。 ただし、次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、随意契約により売却することができる。 一 速やかに売却しなければ価値が著しく減少するおそれのある物 二 一般競争入札等に付したが買受けの申込みをする者がなかった物 三 売却による代金の見込額が一万円を超えないと認められる物 第二条 警察署長は、前条本文の規定により一般競争入札等に付そうとするときは、一般競争入札等の日の前日から起算して少なくとも五日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 一般競争入札等に付そうとする物件の名称又は種類、形状及び数量 二 一般競争入札又は競り売りの別 三 一般競争入札等の日時及び場所 四 買受代金の納付の方法及び期限 2 前項の規定による公告は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示し、又はこれらの事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより行う。 3 警察署長は、前条第一項ただし書の規定により随意契約によろうとするときは、なるべく二以上の者から見積書を徴さなければならない。 第三条 法第九条第二項第一号(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の政令で定める物は、次に掲げる物とする。 一 傘 二 衣服 三 ハンカチ、マフラー、ネクタイ、ベルトその他衣服と共に身に着ける繊維製品又は皮革製品 四 履物 五 自転車 2 法第九条第二項第二号(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の政令で定める物は、動物とする。 (提出を受けた物件の処分の方法) 第四条 法第十条(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による警察署長が提出を受けた物件の処分は、これを廃棄し、又はこれを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡すことにより行うものとする。 ただし、動物である物件の処分は、これを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡し、又は法令の範囲内で同種の野生動物の生息地においてこれを放つことにより行うものとする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する物件であって法第三十五条第一号に掲げる物に該当するものの処分は、これをその所持の取締りに関する事務を所掌する国の行政機関(内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関をいう。)又はその地方支分部局の長に引き渡すことにより行うものとする。 3 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する物件であって法第三十五条第二号から第五号までに掲げる物のいずれかに該当するものの処分は、国家公安委員会規則で定めるところにより、これを廃棄することにより行うものとする。 (特例施設占有者の要件) 第五条 法第十七条の政令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第二条第二項又は第三項に規定する事業(旅客の運送を行うものに限る。)の用に供する施設(旅客の利用に供するものに限る。次号から第四号までにおいて同じ。)に係る施設占有者であって、同法第三条第一項の許可を受けたもの 二 道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第三条第一号イに規定する一般乗合旅客自動車運送事業の用に供する施設に係る施設占有者であって、同法第四条第一項の許可を受けたもの 三 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第五項に規定する一般旅客定期航路事業の用に供する施設に係る施設占有者であって、同法第三条第一項の許可を受けたもの 四 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第十九項に規定する国際航空運送事業(本邦内の地点と本邦外の地点との間に路線を定めて一定の日時により航行する航空機により旅客を運送するものに限る。)又は同条第二十項に規定する国内定期航空運送事業(旅客を運送するものに限る。)の用に供する施設に係る施設占有者であって、同法第百条第一項の許可を受けたもの 五 百貨店、遊園地その他の不特定かつ多数の者が利用する施設に係る施設占有者であって、次に掲げる要件に該当するものとして国家公安委員会規則で定めるところによりその施設(移動施設にあっては、その施設占有者の主たる事務所)の所在地を管轄する都道府県公安委員会(当該所在地が道の区域(道警察本部の所在地を包括する方面の区域を除く。)にある場合にあっては、方面公安委員会)が指定したもの イ 法第四条第二項の規定による交付を受け、又は自ら拾得をする物件の数が前各号に掲げる者に準じて多数に上ると認められる者であること。 ロ 次のいずれにも該当しない者であること。 (1) 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 (2) 禁錮以上の刑に処せられ、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条、第二百四十三条(同法第二百三十五条の未遂罪に係る部分に限る。)、第二百四十七条、第二百五十四条、第二百五十六条第二項若しくは第二百六十一条に規定する罪若しくは法に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して二年を経過しない者 (3) 心身の故障により特例施設占有者の業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの (4) 法人でその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)のうちに(1)から(3)までのいずれかに該当する者があるもの ハ 法第四条第二項の規定による交付を受け、又は自ら拾得をする物件を適切に保管するために必要な施設及び人員を有する者であること。 (高額な物件) 第六条 法第十七条の政令で定める高額な物件は、次に掲げる物件とする。 一 十万円以上の現金 二 額面金額又はその合計額が十万円以上の有価証券 三 貴金属、宝石その他の物であってその価額又はその合計額が十万円以上であると明らかに認められるもの (特例施設占有者が保管する物件の売却の方法) 第七条 法第二十条第一項本文又は第二項の規定による特例施設占有者が保管する物件の売却は、一般競争入札等に付して行わなければならない。 ただし、次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、随意契約により売却することができる。 一 速やかに売却しなければ価値が著しく減少するおそれのある物 二 一般競争入札等に付したが買受けの申込みをする者がなかった物 三 売却による代金の見込額が一万円を超えないと認められる物 第八条 特例施設占有者は、前条本文の規定により一般競争入札等に付そうとするときは、一般競争入札等の日の前日から起算して少なくとも五日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。 一 一般競争入札等に付そうとする物件の名称又は種類、形状及び数量 二 一般競争入札又は競り売りの別 三 一般競争入札等の日時及び場所 四 買受代金の納付の方法及び期限 2 前項の規定による公告は、同項各号に掲げる事項を当該特例施設占有者の管理する公衆の見やすい場所に掲示し、又はこれらの事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより行う。 3 特例施設占有者は、前条第一項ただし書の規定により随意契約によろうとするときは、なるべく二以上の者から見積書を徴さなければならない。 (特例施設占有者が保管する物件の処分の方法) 第九条 法第二十一条第一項の規定による特例施設占有者が保管する物件の処分は、これを廃棄し、又はこれを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡すことにより行うものとする。 ただし、動物である物件の処分は、これを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡し、又は法令の範囲内で同種の野生動物の生息地においてこれを放つことにより行うものとする。 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する物件であって法第三十五条第二号から第五号までに掲げる物のいずれかに該当するものの処分は、国家公安委員会規則で定めるところにより、これを廃棄することにより行うものとする。 (所持を禁じられた物件のうち所有権を取得することができるもの) 第十条 法第三十五条第一号の政令で定める物は、次に掲げる物とする。 一 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第四条第一項第一号、第二号若しくは第二号の二に規定する銃砲等又は同項第六号に規定する刀剣類 二 銃砲刀剣類所持等取締法第十四条に規定する美術品若しくは骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類 (権限の委任) 第十一条 法の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面については、当該方面公安委員会が行う。
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平成十九年政令第三十八号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行令 (電磁的方法による通知の承諾等) 第一条 次に掲げる規定により電磁的方法(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「法」という。)第十四条第二項第四号に規定する電磁的方法をいう。以下同じ。)により通知を発しようとする者(次項において「通知発出者」という。)は、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該通知の相手方に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。 一 法第三十九条第三項 二 法第百八十二条第二項 2 前項の規定による承諾を得た通知発出者は、同項の相手方から書面又は電磁的方法により電磁的方法による通知を受けない旨の申出があったときは、当該相手方に対し、当該通知を電磁的方法によって発してはならない。 ただし、当該相手方が再び同項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。 (書面に記載すべき事項等の電磁的方法による提供の承諾等) 第二条 次に掲げる規定に規定する事項を電磁的方法により提供しようとする者(次項において「提供者」という。)は、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該事項の提供の相手方に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。 一 法第五十条第三項 二 法第五十二条第一項 三 法第百三十三条第三項 2 前項の規定による承諾を得た提供者は、同項の相手方から書面又は電磁的方法により電磁的方法による事項の提供を受けない旨の申出があったときは、当該相手方に対し、当該事項の提供を電磁的方法によってしてはならない。 ただし、当該相手方が再び同項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。
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平成十九年政令第六十四号
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公益認定等委員会令 (専門委員) 第一条 公益認定等委員会(以下「委員会」という。)に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる。 2 専門委員は、当該専門の事項に関して十分な知識又は経験を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。 3 専門委員は、その者の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。 4 専門委員は、非常勤とする。 (部会) 第二条 委員会は、その定めるところにより、部会を置くことができる。 2 部会に属すべき委員及び専門委員は、委員長が指名する。 3 部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任する。 4 部会長は、当該部会の事務を掌理する。 5 部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する。 (議事) 第三条 委員会は、委員長が招集する。 2 委員会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。 3 委員会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。 4 前三項の規定は、部会の議事について準用する。 (事務局次長) 第四条 委員会の事務局に、事務局次長一人を置く。 2 事務局次長は、事務局長を助け、局務を整理する。 (事務局の内部組織の細目) 第五条 前条に定めるもののほか、委員会の事務局の内部組織の細目は、内閣府令で定める。 (委員会の運営) 第六条 この政令に定めるもののほか、議事の手続その他委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員会に諮って定める。
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平成十九年政令第百九十九号
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信託法施行令 (電磁的方法による通知の承諾等) 第一条 信託法第百九条第二項の規定により電磁的方法(同法第百八条第三号に規定する電磁的方法をいう。以下同じ。)により通知を発しようとする者(次項において「通知発出者」という。)は、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該通知の相手方に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。 2 前項の規定による承諾を得た通知発出者は、同項の相手方から書面又は電磁的方法により電磁的方法による通知を受けない旨の申出があったときは、当該相手方に対し、当該通知を電磁的方法によって発してはならない。 ただし、当該相手方が再び同項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。 (書面に記載すべき事項等の電磁的方法による提供の承諾等) 第二条 次に掲げる規定に規定する事項を電磁的方法により提供しようとする者(次項において「提供者」という。)は、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該事項の提供の相手方に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。 一 信託法第百十条第四項 二 信託法第百十四条第三項 三 信託法第百十六条第一項 2 前項の規定による承諾を得た提供者は、同項の相手方から書面又は電磁的方法により電磁的方法による事項の提供を受けない旨の申出があったときは、当該相手方に対し、当該事項の提供を電磁的方法によってしてはならない。 ただし、当該相手方が再び同項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。 (受益者の定めのない信託の受託者となることができる法人) 第三条 信託法附則第三項の政令で定める法人は、国、地方公共団体及び次に掲げる要件のいずれにも該当する法人とする。 一 最も遅い事業年度の終了の日(次のイ又はロに掲げる法人にあっては、当該イ又はロに定める日)における純資産の額(貸借対照表上の資産の額から負債の額を控除して得た額をいう。)が五千万円を超えること。 この場合において、当該貸借対照表は、公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人の監査(以下この号において単に「監査」という。)により、虚偽、錯誤及び脱漏のないものである旨の証明を受けたものでなければならない。 イ 最初の事業年度の終了の日から三箇月以内において、当該日における貸借対照表の監査が終了していない法人 当該法人の成立の日 ロ 最も遅い事業年度の終了の日から三箇月以内において、当該日における貸借対照表の監査が終了していない法人(イに掲げる法人を除く。) 当該事業年度の前事業年度の終了の日 二 業務を執行する社員、理事若しくは取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監事若しくは監査役(いかなる名称を有する者であるかを問わず、当該法人に対しこれらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)のうちに、次のいずれかに該当する者がないこと。 イ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ロ 信託法、担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)若しくは金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)の規定、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)の規定(同法第三編に規定する投資法人制度に係るものを除く。)、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)の規定(同法第二編に規定する特定目的会社制度に係るものを除く。)、著作権等管理事業法(平成十二年法律第百三十一号)の規定(同法第二条第一項第二号に規定する委任契約に係るものを除く。)若しくは信託業法(平成十六年法律第百五十四号)の規定に違反したことにより、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二第一項、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条、第二条若しくは第三条の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第四十六条から第四十九条まで、第五十条第一号若しくは第五十一条の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者 ハ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者
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平成十九年政令第二百七十六号
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公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行令 (特別の利益を与えてはならない法人の関係者) 第一条 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(以下「法」という。)第五条第三号の政令で定める法人の関係者は、次に掲げる者とする。 一 当該法人の理事、監事又は使用人 二 当該法人が一般社団法人である場合にあっては、その社員又は基金(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。第六条において「一般社団・財団法人法」という。)第百三十一条に規定する基金をいう。)の拠出者 三 当該法人が一般財団法人である場合にあっては、その設立者又は評議員 四 前三号に掲げる者の配偶者又は三親等内の親族 五 前各号に掲げる者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者 六 前二号に掲げる者のほか、第一号から第三号までに掲げる者から受ける金銭その他の財産によって生計を維持する者 七 第二号又は第三号に掲げる者が法人である場合にあっては、その法人が事業活動を支配する法人又はその法人の事業活動を支配する者として内閣府令で定めるもの (特定の個人又は団体の利益を図る活動を行う者) 第二条 法第五条第四号の政令で定める特定の個人又は団体の利益を図る活動を行う者は、次に掲げる者とする。 一 株式会社その他の営利事業を営む者に対して寄附その他の特別の利益を与える活動(公益法人に対して当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与えるものを除く。)を行う個人又は団体 二 社員その他の構成員又は会員若しくはこれに類するものとして内閣府令で定める者(以下この号において「社員等」という。)の相互の支援、交流、連絡その他の社員等に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的とする団体 (公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくない事業) 第三条 法第五条第五号の政令で定める公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくない事業は、次に掲げる事業とする。 一 投機的な取引を行う事業 二 利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第一条の規定により計算した金額を超える利息の契約又は同法第四条第一項に規定する割合を超える賠償額の予定をその内容に含む金銭を目的とする消費貸借による貸付けを行う事業 三 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第五項に規定する性風俗関連特殊営業 (理事と特別の関係がある者) 第四条 法第五条第十号の政令で定める理事と特別の関係がある者は、次に掲げる者とする。 一 当該理事と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者 二 当該理事の使用人 三 前二号に掲げる者以外の者であって、当該理事から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの 四 前二号に掲げる者の配偶者 五 第一号から第三号までに掲げる者の三親等内の親族であって、これらの者と生計を一にするもの (他の同一の団体において相互に密接な関係にある者) 第五条 法第五条第十一号の政令で定める相互に密接な関係にある者は、次に掲げる者とする。 一 当該他の同一の団体の理事以外の役員(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものにあっては、その代表者又は管理人)又は業務を執行する社員である者 二 次に掲げる団体においてその職員(国会議員及び地方公共団体の議会の議員を除く。)である者 イ 国の機関 ロ 地方公共団体 ハ 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人 ニ 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人又は同条第三項に規定する大学共同利用機関法人 ホ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人 ヘ 特殊法人(特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第一項第八号の規定の適用を受けるものをいう。第八条第一号において同じ。)又は認可法人(特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人をいう。) (会計監査人を置くことを要しない公益法人の基準) 第六条 法第五条第十二号ただし書の政令で定める勘定の額は次の各号に掲げるものとし、同条第十二号ただし書の政令で定める基準は当該各号に掲げる勘定の額に応じ当該各号に定める額とする。 一 一般社団法人にあっては一般社団・財団法人法第二条第二号に規定する最終事業年度、一般財団法人にあっては同条第三号に規定する最終事業年度に係る損益計算書の収益の部に計上した額の合計額 千億円 二 前号の損益計算書の費用及び損失の部に計上した額の合計額 千億円 三 一般社団法人にあっては一般社団・財団法人法第二条第二号の貸借対照表、一般財団法人にあっては同条第三号の貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額 五十億円 (他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の財産を保有することができる場合) 第七条 法第五条第十五号ただし書の政令で定める場合は、株主総会その他の団体の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関における議決権の過半数を有していない場合とする。 (公益目的取得財産残額に相当する額の財産の贈与を受けることができる法人) 第八条 法第五条第十七号トの政令で定める法人は、次に掲げる法人とする。 一 特殊法人(株式会社であるものを除く。) 二 前号に掲げる法人以外の法人のうち、次のいずれにも該当するもの イ 法令の規定により、当該法人の主たる目的が、学術、技芸、慈善、祭 祀 し 、宗教その他の公益に関する事業を行うものであることが定められていること。 ロ 法令又は定款その他の基本約款(ホにおいて「法令等」という。)の規定により、各役員について、当該役員及びその配偶者又は三親等内の親族である役員の合計数が役員の総数の三分の一を超えないことが定められていること。 ハ 社員その他の構成員に剰余金の分配を受ける権利を与えることができないものであること。 ニ 社員その他の構成員又は役員及びこれらの者の配偶者又は三親等内の親族に対して特別の利益を与えないものであること。 ホ 法令等の規定により、残余財産を当該法人の目的に類似する目的のために処分し、又は国若しくは地方公共団体に帰属させることが定められていること。
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平成十九年政令第二百七十七号
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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律施行令 (合併の認可の申請の方法) 第一条 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「整備法」という。)第六十九条第一項の認可の申請は、合併をする特例民法法人の合併前旧主務官庁(同条第四項に規定する合併前旧主務官庁をいう。次項において同じ。)が同一である場合には、合併をする特例民法法人が共同してすることができる。 2 整備法第六十九条第二項の申請書には、前項の規定により同条第一項の認可の申請を共同してする場合を除き、同条第二項各号に掲げる事項のほか、合併の相手方となる特例民法法人の合併前旧主務官庁の名称を記載しなければならない。 (合併の認可の申請書の添付書類) 第二条 整備法第六十九条第三項第五号の政令で定める書類は、次に掲げる書類とする。 一 第五条第一項各号に掲げる額及び同条第二項各号に掲げる額を記載した書類 二 合併後の事業活動の内容を記載した書類 三 前二号に掲げるもののほか、合併後旧主務官庁(整備法第六十九条第一項に規定する合併後旧主務官庁をいう。以下同じ。)が別に定める書類 (合併消滅特例民法法人の事前開示事項) 第三条 整備法第七十三条の規定により読み替えて適用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般社団・財団法人法」という。)第二百四十六条第一項の政令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 合併消滅特例民法法人(整備法第七十条第一項に規定する合併消滅特例民法法人をいう。以下同じ。)及び合併存続特例民法法人(整備法第六十九条第一項に規定する合併存続特例民法法人をいう。以下同じ。)の定款の定め 二 合併消滅特例民法法人及び合併存続特例民法法人についての次に掲げる事項 イ 整備法第五十八条の規定によりなお従前の例により作成した最終の財産目録の内容 ロ 整備法第七十条第二項(整備法第七十一条において準用する場合を含む。)の規定により作成した財産目録及び貸借対照表の内容 ハ 一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集をした特例社団法人である場合にあっては、整備法第八十七条第二項の規定により作成した一般社団・財団法人法第百二十三条第二項の貸借対照表の内容 ニ イからハまでに規定する財産目録又は貸借対照表を作成した日に監事又は会計監査人を置いている場合にあっては、これらの書類に対する監査又は会計監査の結果 ホ イからハまでに規定する財産目録又は貸借対照表の作成基準日(特定の日における財産目録又は貸借対照表を作成した場合における当該日をいう。以下同じ。)後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の合併をする特例民法法人の財産の状況に重要な影響を与える事実(吸収合併契約備置開始日(一般社団・財団法人法第二百四十六条第二項に規定する吸収合併契約備置開始日をいう。第六号において同じ。)後吸収合併の登記の日までの間に新たにイに規定する財産目録又はハに規定する貸借対照表を作成した場合にあっては、これらの書類の作成基準日後に生じたものに限る。)が生じたときは、その内容 三 吸収合併の登記の日以後における合併存続特例民法法人の債務(整備法第七十条第一項の規定により合併について異議を述べることができる債権者に対して負担するものに限る。)の履行の見込みに関する事項 四 整備法第六十九条第一項の認可の申請をした後にあっては、同条第二項の申請書及び同条第三項各号に掲げる書類に記載した事項 五 整備法第六十九条第一項の認可を受けた後にあっては、当該認可を受けたことを証する情報 六 吸収合併契約備置開始日後、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (合併存続特例民法法人の事前開示事項) 第四条 整備法第七十三条の規定により読み替えて適用する一般社団・財団法人法第二百五十条第一項の政令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 合併存続特例民法法人の定款の定め 二 合併消滅特例民法法人及び合併存続特例民法法人についての次に掲げる事項 イ 整備法第五十八条の規定によりなお従前の例により作成した最終の財産目録の内容 ロ 整備法第七十条第二項(整備法第七十一条において準用する場合を含む。)の規定により作成した財産目録及び貸借対照表の内容 ハ 一般社団・財団法人法第百三十一条の規定により基金を引き受ける者の募集をした特例社団法人である場合にあっては、整備法第八十七条第二項の規定により作成した一般社団・財団法人法第百二十三条第二項の貸借対照表の内容 ニ イからハまでに規定する財産目録又は貸借対照表を作成した日に監事又は会計監査人を置いている場合にあっては、これらの書類に対する監査又は会計監査の結果 ホ イからハまでに規定する財産目録又は貸借対照表の作成基準日後に重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の合併をする特例民法法人の財産の状況に重要な影響を与える事実(吸収合併契約備置開始日(一般社団・財団法人法第二百五十条第二項に規定する吸収合併契約備置開始日をいう。第六号において同じ。)後吸収合併の登記の日までの間に新たにイに規定する財産目録又はハに規定する貸借対照表を作成した場合にあっては、これらの書類の作成基準日後に生じたものに限る。)が生じたときは、その内容 三 吸収合併の登記の日以後における合併存続特例民法法人の債務(整備法第七十一条において準用する整備法第七十条第一項の規定により合併について異議を述べることができる債権者に対して負担するものに限る。)の履行の見込みに関する事項 四 整備法第六十九条第一項の認可の申請をした後にあっては、同条第二項の申請書及び同条第三項各号に掲げる書類に記載した事項 五 整備法第六十九条第一項の認可を受けた後にあっては、当該認可を受けたことを証する情報 六 吸収合併契約備置開始日後吸収合併の登記の日までの間に、前各号に掲げる事項に変更が生じたときは、変更後の当該事項 (合併存続特例民法法人が承継する債務及び資産の額等) 第五条 整備法第七十三条の規定により読み替えて適用する一般社団・財団法人法第二百五十一条第二項に規定する債務の額として政令で定める額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 合併の直後における合併存続特例民法法人の貸借対照表を作成するとするならば当該貸借対照表の負債の部に計上すべき額 二 合併の直前における合併存続特例民法法人の貸借対照表を作成するとするならば当該貸借対照表の負債の部に計上すべき額 2 整備法第七十三条の規定により読み替えて適用する一般社団・財団法人法第二百五十一条第二項に規定する資産の額として政令で定める額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額とする。 一 合併の直後における合併存続特例民法法人の貸借対照表を作成するとするならば当該貸借対照表の資産の部に計上すべき額 二 合併の直前における合併存続特例民法法人の貸借対照表を作成するとするならば当該貸借対照表の資産の部に計上すべき額 (合併存続特例民法法人の事後開示事項) 第六条 整備法第七十三条の規定により読み替えて適用する一般社団・財団法人法第二百五十三条第一項の政令で定める事項は、次に掲げる事項とする。 一 吸収合併の登記をした日 二 合併消滅特例民法法人及び合併存続特例民法法人における整備法第七十条(整備法第七十一条において準用する場合を含む。)の規定による手続の経過 三 合併により合併存続特例民法法人が合併消滅特例民法法人から承継した重要な権利義務に関する事項 四 整備法第七十三条の規定により読み替えて適用する一般社団・財団法人法第二百四十六条第一項の規定により合併消滅特例民法法人が備え置いた書面又は電磁的記録に記載又は記録がされた事項(吸収合併契約の内容を除く。) 五 前各号に掲げるもののほか、合併に関する重要な事項
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平成十九年政令第三百二号
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信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う経過措置を定める政令 1 信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第七十一条の規定による改正後の不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号。以下「新不動産登記法」という。)第百二十条第三項において準用する新不動産登記法第百十九条第五項の規定は、登記所ごとに同項の規定による新不動産登記法第百二十条第一項の交付の請求を取り扱う事務として法務大臣が指定した事務について、その指定の日から適用する。 2 前項の規定による指定は、告示してしなければならない。 3 新不動産登記法第百二十条第三項において準用する新不動産登記法第百十九条第五項の規定は、同項の規定による新不動産登記法第百二十条第一項の交付の請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所において当該交付の請求を取り扱う事務について第一項の規定による指定を受けていない場合には、適用しない。 4 前三項の規定は、新不動産登記法第百二十一条第三項において準用する新不動産登記法第百十九条第五項の規定の適用について準用する。 この場合において、第一項及び前項中「第百二十条第一項」とあるのは、「第百二十一条第一項」と読み替えるものとする。
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平成十九年政令第三百三十号
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利息制限法施行令 (利息とみなされない費用) 第一条 利息制限法(以下「法」という。)第六条第一項の政令で定める費用は、法令の規定により業として貸付けを行うことができる者による当該業として行った営業的金銭消費貸借に関し債権者の受ける次に掲げる費用(消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額(以下「消費税額等相当額」という。)を含む。)とする。 一 金銭の貸付け及び弁済に用いるため債務者に交付されたカードの再発行の手数料 二 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)の規定により営業的金銭消費貸借に関して債務者に交付された書面の再発行及び当該書面の交付に代えて同法第二条第十二項に規定する電磁的方法により債務者に提供された事項の再提供の手数料 三 口座振替の方法による弁済において、債務者が弁済期に弁済できなかった場合に行う再度の口座振替手続に要する費用 (利息とみなされない現金自動支払機その他の機械の利用料の範囲) 第二条 法第六条第二項第三号の政令で定める額は、現金自動支払機その他の機械を利用して受け取り、又は支払う次の各号に掲げる額の区分に応じ、当該各号に定める額(消費税額等相当額を含む。)とする。 一 一万円以下の額 百十円 二 一万円を超える額 二百二十円 (保証の業務に関して行政機関の監督を受ける者) 第三条 法第八条第四項の政令で定める者は、次に掲げる者とする。 一 銀行 二 信用金庫 三 信用金庫連合会 四 労働金庫 五 労働金庫連合会 六 信用協同組合 七 信用協同組合連合会 八 農業協同組合 九 農業協同組合連合会 十 漁業協同組合 十一 漁業協同組合連合会 十二 水産加工業協同組合 十三 水産加工業協同組合連合会 十四 農林中央金庫 十五 株式会社商工組合中央金庫 十六 保険会社 十七 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第七項に規定する外国保険会社等 十八 沖縄振興開発金融公庫 十九 株式会社国際協力銀行 二十 食品等流通合理化促進機構 二十一 米穀安定供給確保支援機構 二十二 独立行政法人農林漁業信用基金 二十三 農業信用基金協会 二十四 森林組合 二十五 森林組合連合会 二十六 漁業信用基金協会 二十七 輸出水産業組合 二十八 独立行政法人情報処理推進機構 二十九 株式会社日本政策金融公庫 三十 信用保証協会 三十一 独立行政法人中小企業基盤整備機構 三十二 商工組合 三十三 商工組合連合会 三十四 独立行政法人奄美群島振興開発基金 三十五 独立行政法人住宅金融支援機構 三十六 内航海運組合 三十七 内航海運組合連合会 三十八 事業協同組合 三十九 事業協同小組合 (保証料とみなされない現金自動支払機その他の機械の利用料の範囲) 第四条 法第八条第七項第一号ハの政令で定める額は、現金自動支払機その他の機械を利用して支払う次の各号に掲げる額の区分に応じ、当該各号に定める額(消費税額等相当額を含む。)とする。 一 一万円以下の額 百十円 二 一万円を超える額 二百二十円 (保証料とみなされない費用) 第五条 法第八条第七項第二号の政令で定める費用は、法令の規定により業として貸付けを行うことができる者による当該業として行った営業的金銭消費貸借上の債務を主たる債務とする保証契約に関し保証人が受ける次に掲げる費用(消費税額等相当額を含む。)とする。 一 弁済に用いるため主たる債務者に交付されたカードの再発行の手数料 二 口座振替の方法による弁済において、主たる債務者が弁済期に弁済できなかった場合に行う再度の口座振替手続に要する費用
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平成十九年内閣府令第五号
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防衛省の所管に属する不動産及び船舶に関する権利の登記嘱託職員を指定する省令 不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)第七条第二項並びに船舶登記令(平成十七年政令第十一号)第十三条第二項及び第二十七条第二項の規定に基づき、防衛省の所管に属する不動産及び船舶に関する権利の登記を嘱託する職員を次のとおり指定する。 大臣官房会計課長 地方防衛局長 地方防衛支局長(長崎防衛支局長を除く。) 防衛装備庁長官
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平成十九年内閣府令第七号
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防衛大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令 (目的) 第一条 この省令は、防衛大臣の所管に属する公益信託(公益信託に係る主務官庁の権限に属する事務の処理等に関する政令(平成四年政令第百六十二号)第一条第一項に規定する公益信託を除く。以下「公益信託」という。)の引受けの許可及び監督について必要な事項を定めることを目的とする。 (引受けの許可の申請) 第二条 公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号。以下「法」という。)第二条第一項の規定により公益信託の引受けの許可を受けようとする者は、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 設定趣意書 二 信託行為の内容を示す書類 三 信託財産に属する財産となるべきものの種類及び総額を記載した書類並びにその財産の権利及び価格を証する書類 四 委託者となるべき者及び受託者となるべき者の氏名、住所及び略歴を記載した書類(以下「履歴書」という。)(委託者となるべき者又は受託者となるべき者が法人である場合にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地を記載した書類並びに定款又は寄附行為) 五 信託管理人を置く場合には、信託管理人となるべき者の履歴書(信託管理人となるべき者が法人である場合にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地を記載した書類並びに定款又は寄附行為)及び就任承諾書 六 運営委員会その他の当該公益信託を適正に運営するために必要な機関(以下「運営委員会等」という。)を置く場合には、その名称、構成員の数並びに構成員となるべき者の履歴書及び就任承諾書 七 引受け当初の信託事務年度及び翌信託事務年度の事業計画書及び収支予算書 八 前各号に掲げるもののほか、防衛大臣が特に必要と認める書類 (財産移転の報告) 第三条 公益信託の引受けを許可された受託者は、遅滞なく前条第三号の書類に記載された財産の移転を受け、その移転を終了した後一月以内に、これを証する書類を添えてその旨を防衛大臣に報告しなければならない。 (事業計画書及び収支予算書の提出等) 第四条 受託者は、毎信託事務年度(信託事務年度の定めのない信託にあっては、毎年四月一日から翌年三月三十一日までとする。以下同じ。)の開始前に、当該信託事務年度の事業計画書及び収支予算書を防衛大臣に提出しなければならない。 2 受託者は、前項の事業計画書及び収支予算書を変更したときは、遅滞なくこれを防衛大臣に届け出なければならない。 (事業状況報告書等の提出) 第五条 受託者は、毎信託事務年度終了後三月以内に、次の各号に掲げる書類を防衛大臣に提出しなければならない。 一 当該信託事務年度の事業状況報告書 二 当該信託事務年度の収支決算書 三 当該信託事務年度末の財産目録 (公告) 第六条 受託者は、前条の書類を提出した後遅滞なく前信託事務年度の信託事務及び信託財産に属する財産の状況を公告しなければならない。 (信託の変更に係る書類の提出) 第七条 受託者は、法第五条第一項の特別の事情が生じたと認めるときは、次に掲げる書類を防衛大臣に提出しなければならない。 一 信託の変更を必要とする理由を記載した書類 二 信託の変更案及び新旧対照表 2 前項の場合において、当該公益信託の事業内容の変更が必要と認められるときは、同項各号の書類のほか、変更後の事業計画書及び収支予算書を添えなければならない。 (信託の変更の許可の申請) 第八条 受託者は、法第六条の規定により信託の変更の許可を受けようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 信託の変更を必要とする理由を記載した書類 二 信託の変更をする根拠となる信託法(平成十八年法律第百八号)の規定(同法第百四十九条第四項の別段の定めがある場合には、当該定めの内容を含む。)を記載した書類 三 信託の変更案及び新旧対照表 2 前項の場合において、当該公益信託の事業内容の変更が必要と認められるときは、同項各号の書類のほか、変更後の事業計画書及び収支予算書を添えなければならない。 (信託の併合の許可の申請) 第九条 受託者は、法第六条の規定により信託の併合の許可を受けようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 信託の併合を必要とする理由を記載した書類 二 信託の併合をする根拠となる信託法の規定(同法第百五十一条第三項の別段の定めがある場合には、当該定めの内容を含む。)を記載した書類 三 信託の併合後の信託行為の内容を示す書類及び新旧対照表 四 信託法第百五十二条第二項の公告及び催告又は同条第三項の公告をしたことその他信託法の定める信託の併合の手続を経たことを証する書類 2 第二条第三号及び第五号から第八号までの規定は、前項の許可を受けようとする受託者について準用する。 この場合において、同条第七号中「引受け」とあるのは「信託の併合」と読み替えるものとする。 (吸収信託分割の許可の申請) 第十条 受託者は、法第六条の規定により吸収信託分割の許可を受けようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 吸収信託分割を必要とする理由を記載した書類 二 吸収信託分割をする根拠となる信託法の規定(同法第百五十六条第三項の別段の定めがある場合には、当該定めの内容を含む。)を記載した書類 三 吸収信託分割後の信託行為の内容を示す書類及び新旧対照表 四 信託法第百五十六条第二項の公告及び催告又は同条第三項の公告をしたことその他信託法の定める吸収信託分割の手続を経たことを証する書類 (新規信託分割の許可の申請) 第十一条 受託者は、法第六条の規定により新規信託分割の許可を受けようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 新規信託分割を必要とする理由を記載した書類 二 新規信託分割をする根拠となる信託法の規定(同法第百五十九条第三項の別段の定めがある場合には、当該定めの内容を含む。)を記載した書類 三 新規信託分割後の信託行為の内容を示す書類及び新旧対照表 四 信託法第百六十条第二項の公告及び催告又は同条第三項の公告をしたことその他信託法の定める新規信託分割の手続を経たことを証する書類 2 第二条第三号及び第五号から第八号までの規定は、前項の許可を受けようとする受託者について準用する。 この場合において、同条第七号中「引受け」とあるのは「新規信託分割」と読み替えるものとする。 (受託者の辞任の許可の申請) 第十二条 受託者は、法第七条の規定により辞任の許可を受けようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 辞任しようとする理由を記載した書類 二 信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を記載した書類 三 新たな受託者に関する意見を記載した書類 (検査役の選任の請求) 第十三条 委託者又は信託管理人は、信託法第四十六条第一項及び法第八条の規定により検査役の選任を請求しようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 選任を請求する理由を記載した書類 二 検査役の選任に関する意見を記載した書類 (受託者の解任の請求) 第十四条 委託者又は信託管理人は、信託法第五十八条第四項及び法第八条の規定により受託者の解任を請求しようとするときは、解任を請求する理由を記載した書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 (新たな受託者の選任の請求) 第十五条 利害関係人は、信託法第六十二条第四項及び法第八条の規定により新たな受託者の選任を請求しようとするときは、次に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 任務終了の理由を記載した書類 二 新たな受託者の選任に関する意見を記載した書類 三 新たな受託者となるべき者に係る第二条第四号に掲げる履歴書及び就任承諾書 (信託財産管理命令の請求) 第十六条 利害関係人は、信託法第六十三条第一項及び法第八条の規定により信託財産管理者による管理を命ずる処分(以下「信託財産管理命令」という。)を請求しようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 任務終了の事由を記載した書類 二 信託財産管理命令を請求する理由を記載した書類 三 信託財産管理者の選任に関する意見を記載した書類 (保存行為等の範囲を超える行為の許可の申請) 第十七条 信託財産管理者は、信託法第六十六条第四項及び法第八条の規定による許可を受けようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 許可を受けようとする行為の概要を記載した書類 二 許可を受けようとする理由を記載した書類 2 前項の規定は、信託法第七十四条第六項において準用する同法第六十六条第四項及び法第八条の規定により保存行為等の範囲を超える行為の許可を受けようとする信託財産法人管理人について準用する。 (信託財産管理者等の辞任の許可の申請) 第十八条 信託財産管理者は、信託法第七十条において読み替えて準用する同法第五十七条第二項及び法第八条の規定により辞任の許可を受けようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 辞任しようとする理由を記載した書類 二 信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を記載した書類 三 新たな信託財産管理者の選任に関する意見を記載した書類 2 前項の規定は、信託法第七十四条第六項において準用する同法第七十条の規定により辞任の許可を受けようとする信託財産法人管理人について準用する。 この場合において、前項第三号中「新たな信託財産管理者」とあるのは、「新たな信託財産法人管理人」と読み替えるものとする。 (信託財産管理者等の解任の請求) 第十九条 委託者又は信託管理人は、信託法第七十条において準用する同法第五十八条第四項及び法第八条の規定により信託財産管理者の解任を請求しようとするときは、解任を請求する理由を記載した書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 2 前項の規定は、信託法第七十四条第六項において準用する同法第七十条の規定により信託財産法人管理人の解任を請求しようとする委託者又は信託管理人について準用する。 (信託財産法人管理命令の請求) 第二十条 利害関係人は、信託法第七十四条第二項及び法第八条の規定により信託財産法人管理人による管理を命ずる処分(以下「信託財産法人管理命令」という。)を請求しようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 受託者の死亡の事実を記載した書類 二 信託財産法人管理命令を請求する理由を記載した書類 三 信託財産法人管理人の選任に関する意見を記載した書類 (信託管理人の選任の請求) 第二十一条 利害関係人は、信託法第百二十三条第四項又は同法第二百五十八条第六項及び法第八条の規定により信託管理人の選任を請求しようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 選任を請求する理由を記載した書類 二 信託管理人となるべき者に係る第二条第五号に掲げる履歴書及び就任承諾書 (信託管理人の辞任の許可の申請) 第二十二条 信託管理人は、信託法第百二十八条第二項において準用する同法第五十七条第二項及び法第八条の規定により辞任の許可を受けようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 辞任しようとする理由を記載した書類 二 信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を記載した書類 三 新たな信託管理人の選任に関する意見を記載した書類 (信託管理人の解任の請求) 第二十三条 委託者又は他の信託管理人は、信託法第百二十八条第二項において準用する同法第五十八条第四項及び法第八条の規定により信託管理人の解任を請求しようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 解任を請求する理由を記載した書類 二 新たな信託管理人の選任に関する意見を記載した書類 (新たな信託管理人の選任の請求) 第二十四条 利害関係人は、信託法第百二十九条第一項において準用する同法第六十二条第四項及び法第八条の規定により新たな信託管理人の選任を請求しようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 任務終了の事由を記載した書類 二 新たな信託管理人となるべき者に係る第二条第五号に掲げる履歴書及び就任承諾書 (信託の終了の請求) 第二十五条 委託者、受託者又は信託管理人は、信託法第百六十五条第一項及び法第八条の規定により信託の終了を請求しようとするときは、次の各号に掲げる書類を添えた申請書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 信託の終了を請求する理由を記載した書類 二 信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を記載した書類 三 残余財産の処分の見込みに関する書類 (受託者の氏名等の変更の届出) 第二十六条 受託者は、次の各号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく書面をもってその旨を防衛大臣に届け出なければならない。 一 受託者の氏名、住所又は職業(受託者が法人である場合にあっては、その名称、代表者の氏名、主たる事務所の所在地又は主たる業務) 二 信託管理人の氏名、住所又は職業(信託管理人が法人である場合にあっては、その名称、代表者の氏名、主たる事務所の所在地又は主たる業務) 三 運営委員会等の構成員の氏名、住所又は職業 2 前項第二号及び第三号の場合において新たに就任する信託管理人又は運営委員会等の構成員があるときは、これらの者に係る第二条第五号又は第六号に掲げる履歴書及び就任承諾書を添えなければならない。 (書類及び帳簿の備付け) 第二十七条 受託者は、信託事務を行う事務所に、次の各号に掲げる書類及び帳簿を備えなければならない。 一 信託行為及びこれに附属する書類 二 委託者又はその相続人、受託者及び信託管理人の履歴書(これらの者が法人である場合にあっては、定款又は寄附行為)並びに運営委員会等の構成員の名簿及び履歴書 三 許可、届出等に関する書類 四 収入及び支出に関する帳簿及び証拠書類 五 資産及び負債の状況を示す書類 六 運営委員会等の議事に関する書類 (業務の監督) 第二十八条 防衛大臣は、法第三条及び第四条第一項の規定により、受託者に対し報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に信託事務及び信託財産の状況を検査させることができる。 2 前項の規定により検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。 (公益信託の終了の報告) 第二十九条 受託者は、信託が終了したときは、終了後一月以内に、信託の終了事由を記載した書類を防衛大臣に提出しなければならない。 2 清算受託者は、信託の清算が結了したときは、清算結了後一月以内に、次の各号に掲げる書類を添えた報告書を防衛大臣に提出しなければならない。 一 信託事務の最終計算書及び附属書類 二 残余財産の処分に関する書類
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平成十九年内閣府令第二十二号
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公益認定等委員会事務局組織規則 (事務局に置く課等) 第一条 公益認定等委員会(以下「委員会」という。)の事務局に総務課並びに審査監督官八人(うち六人は、関係のある他の職を占める者をもって充てられるものとする。)及び企画官一人を置く。 (総務課の所掌事務) 第二条 総務課は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 委員長の官印及び委員会印の保管に関すること。 二 局務の総合調整に関すること。 三 委員会の人事に関すること。 四 委員会の所掌に係る会計及び会計の監査に関すること。 五 委員会所属の物品の管理に関すること。 六 公文書類の接受、発送、編集及び保存に関すること。 七 委員会の保有する情報の公開に関すること。 八 委員会の保有する個人情報の保護に関すること。 九 広報に関すること。 十 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号)並びに一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十八年法律第五十号)(以下これらを「認定法等」という。)に掲げる事項に係る内閣総理大臣からの諮問についての調査審議、認定法等の規定に基づく報告の徴収、検査又は質問並びに内閣総理大臣への勧告に関すること(審査監督官の所掌に属するものを除く。)。 十一 前各号に掲げるもののほか、局務で他の所掌に属しないものに関すること。 (審査監督官の職務) 第三条 審査監督官は、命を受けて、認定法等に掲げる事項に係る内閣総理大臣からの諮問についての調査審議、認定法等の規定に基づく報告の徴収、検査又は質問及び内閣総理大臣への勧告に関する事務を分掌する。 (企画官) 第四条 企画官は、命を受けて、局務のうち特定事項の調査、企画及び立案を行う。
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平成十九年内閣府令第四十八号
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担保付社債信託法施行規則 (信託会社の免許の申請等) 第一条 担保付社債信託法(以下「法」という。)第三条の免許を受けようとする会社は、免許申請書に次に掲げる書面を添付して、金融庁長官を経由して内閣総理大臣に提出しなければならない。 一 理由書 二 定款 三 登記事項証明書 四 最近の日計表 五 営業所(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律施行令(平成五年政令第三十一号)第二条第三号から第十五号までに掲げる金融機関(以下「金融機関」という。)にあっては、事務所)の位置を記載した書面 六 営業(金融機関にあっては、事業)開始後三事業年度における収支等の見込みを記載した書類 七 その他次条に規定する審査をするために参考となるべき事項を記載した書類 2 前項に規定する書類のほか、株式会社にあっては、株主の氏名又は商号若しくは名称及びその持株数を記載した書面並びに創立総会の議事録(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八十二条第一項の規定により創立総会の決議があったものとみなされる場合においては、当該場合に該当することを証明する書面)を添付しなければならない。 3 信託会社(法第一条に規定する信託会社をいう。以下同じ。)以外の会社が従前の目的を変更して担保付社債に関する信託事業を営むため法第三条の規定による営業の免許を受けようとするときは、第一項各号に掲げる書類のほか、次に掲げる書類を免許申請書に添付しなければならない。 一 目的変更に関する株主総会(金融機関にあっては、総会又は総代会)の議事録(会社法の規定により株主総会の決議があったものとみなされる場合においては、当該場合に該当することを証明する書面。以下同じ。)又は総社員の同意があったことを証明する書面(定款に別段の定めがある場合においては、その定めによる手続があったことを証明する書面。以下同じ。) 二 免許申請の際現に行っている取引の性質を知るに足りる書面 三 最終の貸借対照表(関連する注記を含む。以下同じ。) 四 最終の損益計算書(関連する注記を含む。以下同じ。) 五 最終の株主資本等変動計算書(金融機関にあっては、最終の剰余金処分案又は損失処理案をいい、関連する注記を含む。以下同じ。)又は社員資本等変動計算書(関連する注記を含む。以下同じ。) 第二条 内閣総理大臣は、前条の規定による申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。 一 最近における業務、財産及び損益の状況が良好であり、かつ、信託事業開始後においても良好に推移することが見込まれること。 二 信託事業に関する十分な知識及び経験を有する役員(取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)、監査役又はこれらに類する役職にある者をいう。以下同じ。)若しくは業務を執行する社員又は従業員の確保の状況及び経営管理に係る体制等に照らして、信託事業を的確、公正かつ効率的に遂行することが可能と認められ、かつ、十分な社会的信用を有していること。 (親法人等又は関連法人等) 第三条 担保付社債信託法施行令(以下「令」という。)第二条第三項に規定する内閣府令で定めるものは、次に掲げる法人等(同項に規定する法人等をいう。以下この条において同じ。)とする。 ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の法人等の意思決定機関(同項に規定する意思決定機関をいう。以下この項において同じ。)を支配していないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。 一 他の法人等(破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた他の法人等その他これらに準ずる他の法人等であって、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下この項において同じ。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している法人等 二 他の法人等の議決権の百分の四十以上、百分の五十以下を自己の計算において所有している法人等であって、次に掲げるいずれかの要件に該当するもの イ 当該法人等が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、当該他の法人等の議決権の過半数を占めていること。 ロ 当該法人等の役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者、又はこれらであった者であって当該法人等が当該他の法人等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該他の法人等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。 ハ 当該法人等と当該他の法人等との間に当該他の法人等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。 ニ 当該他の法人等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について当該法人等が融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下この項及び次項において同じ。)を行っていること(当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。)。 ホ その他当該法人等が当該他の法人等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。 三 法人等が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の法人等の議決権の過半数を占めている場合(当該法人等が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該法人等であって、前号ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの 2 令第二条第四項に規定する内閣府令で定めるものは、次に掲げるものとする。 ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて法人等(当該法人等の子法人等(同条第三項に規定する子法人等をいう。以下この条において同じ。)を含む。)が子法人等以外の他の法人等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。 一 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等(破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた子法人等以外の他の法人等その他これらに準ずる子法人等以外の他の法人等であって、当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められるものを除く。以下この項において同じ。)の議決権の百分の二十以上を自己の計算において所有している場合における当該子法人等以外の他の法人等 二 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等の議決権の百分の十五以上、百分の二十未満を自己の計算において所有している場合における当該子法人等以外の他の法人等であって、次に掲げるいずれかの要件に該当するもの イ 当該法人等の役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者、又はこれらであった者であって当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、その代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。 ロ 当該法人等から重要な融資を受けていること。 ハ 当該法人等から重要な技術の提供を受けていること。 ニ 当該法人等との間に営業上又は事業上の取引があること。 ホ その他当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。 三 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、子法人等以外の他の法人等の議決権の百分の二十以上を占めている場合(当該法人等が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該子法人等以外の他の法人等であって、前号イからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの 3 特別目的会社(資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社及び事業内容の変更が制限されているこれと同様の事業を営む事業体をいう。以下この項において同じ。)については、適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者(同条第十二項に規定する特定借入れに係る債権者を含む。)に享受させることを目的として設立されており、当該特別目的会社の事業がその目的に従って適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に資産を譲渡した法人等(以下この項において「譲渡法人等」という。)から独立しているものと認め、第一項の規定にかかわらず、譲渡法人等の子法人等に該当しないものと推定する。 4 令第二条第六項の規定は、第一項各号及び第二項各号の場合においてこれらの規定に規定する法人等が所有する議決権について準用する。 (情報通信の技術を利用する方法) 第四条 令第四条第一項の規定により示すべき電磁的方法の種類及び内容は、次に掲げる事項とする。 一 次に掲げる方法のうち送信者が使用するもの イ 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法で、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報が記録されるもの ロ 電磁的記録媒体(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって電子計算機による情報処理の用に供されるものに係る記録媒体をいう。)をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法 二 ファイルへの記録の方式 (清算人の任免の申立て) 第五条 法第十四条及び第十五条の規定により清算人の選任又は解任の申立てを行う株主、社員その他の利害関係人は、当該申立てを行うときは、利害関係を有する事実及び清算人の選任又は解任を必要とする事由を記載した書面を添付し、その旨を金融庁長官に届け出なければならない。 (担保付社債専業信託会社の清算人の職務等) 第六条 担保付社債専業信託会社(法第十三条に規定する担保付社債専業信託会社をいう。以下同じ。)の清算人(以下この条において「清算人」という。)は、就職後、遅滞なく、会社財産の現況を調査し、財産目録及び貸借対照表(次項において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。 2 清算人は、前項の規定により財産目録等を作成したときは、当該財産目録等を金融庁長官に提出しなければならない。 3 清算人は、毎月、清算の状況を金融庁長官に報告しなければならない。 ただし、重要な事項については、その都度、遅滞なく、金融庁長官に報告しなければならない。 4 清算人は、清算が結了したときは、遅滞なく、決算報告書を添付して、その旨を金融庁長官に届け出なければならない。 (外国会社の許可の申請) 第七条 法第十七条第一項の許可を受けようとする会社は、許可申請書に次に掲げる書面を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。 一 信託証書案 二 社債募集に関し取締役の過半数の一致があったことを証明する書面若しくは取締役会(金融機関にあっては、理事会)の議事録(会社法第三百七十条の規定により取締役会の決議があったものとみなされる場合においては、当該場合に該当することを証明する書面。以下同じ。)、同法第三百九十九条の十三第五項若しくは第六項の取締役会の決議による委任に基づく取締役の決定があったことを証明する書面(当該取締役会の議事録を含む。)若しくは同法第四百十六条第四項の取締役会の決議による委任に基づく執行役の決定があったことを証明する書面(当該取締役会の議事録を含む。)又は業務を執行する社員の過半数の一致があったことを証明する書面 三 担保の種類及び価格を記載した書面 四 発行会社(法第二条第一項に規定する発行会社をいう。第九条第四号及び第十八条において同じ。)の営業状態を知るに足りる書面 五 信託を引き受けようとする外国会社の定款の写し又は会社の性質を識別するに足りる書面 六 前号の外国会社の営業状態を知るに足りる書面 七 第五号の外国会社の出資者及び役員の氏名、国籍及び住所を記載した書面 (外国会社の日本における代表者の届出) 第八条 法第十七条第一項の規定により信託を引き受けた外国会社は、同条第二項の規定により日本における代表者を定めたときは、同条第四項の届出書に、代表者である資格を証明する書面を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。 (信託証書等の届出) 第九条 信託会社は、信託契約(法第二条に規定する信託契約をいう。第十八条第一号において同じ。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる書面を添付して、その旨を金融庁長官又は財務局長若しくは財務支局長(以下「金融庁長官等」という。)に届け出なければならない。 一 信託証書(信託証書が書面をもって作成されているときはその謄本。以下同じ。) 二 担保の種類及び価格を記載した書面 三 社債募集の事由を記載した書面 四 発行会社の営業状態を知るに足りる書面 (分割発行の場合における信託証書等の届出) 第十条 信託会社は、法第二十一条第二項の規定により、信託証書に同項各号に掲げる事項を付記したときは、遅滞なく、次に掲げる書面を添付して、その旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 一 信託証書 二 前条第三号及び第四号に掲げる書面 第十一条 信託会社は、法第二十三条第二項の規定により、信託証書に同条第二項各号に掲げる事項を付記したとき、又は法第四十条若しくは第四十一条第一項の規定による変更をしたときは、遅滞なく、次に掲げる書面を添付して、その旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 一 信託証書 二 担保付社債の総額を減額した理由、又は信託の変更の事由を記載した書面 三 法第四十条又は第四十一条第一項の規定による信託の変更をしたときは、担保の異動及び価格の増減に関する書面 (信託証書の変更の届出) 第十二条 信託会社は、信託証書に記載・記録した事項に変更が生じたときは、遅滞なく、金融庁長官等に届け出なければならない。 (外国会社への準用) 第十三条 第九条から前条までの規定は、法第十七条第一項の外国会社について準用する。 (信託業法施行規則の準用) 第十四条 信託業法施行規則(平成十六年内閣府令第百七号)第二十九条、第三十条及び第三十九条から第四十一条(第五項を除く。)までの規定は、法第八条の規定により信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二十二条から第二十四条まで、第二十八条第三項及び第二十九条の規定を準用する場合に、これを準用する。 2 法第八条において準用する信託業法第二十九条第三項ただし書に規定する内閣府令で定める場合は、社債権者集会の決議に基づき取引を行う場合とする。 (社債権者集会の招集等の届出) 第十五条 信託会社は、社債権者集会の招集があったときは、遅滞なく、集会の目的、場所、期日及びその招集の理由を記載した書面を添付して、その旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 2 信託会社は、社債権者集会の決議又は社債権者集会の決議により選任した代表社債権者の決定を執行したときは、遅滞なく、その執行した内容を記載した書面を添付して、その旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 (供託の届出) 第十六条 信託会社は、法第四十四条第三項の規定により供託をしたときは、遅滞なく、供託した事実を証明する書面を添付して、その旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 (法第四十九条第一項の規定による検査の届出) 第十七条 信託会社は、法第四十九条第一項の規定による検査を受けたときは、遅滞なく、その年月日及び検査の状況を、金融庁長官等に届け出なければならない。 (法第五十条第三項の規定による許可の申請) 第十八条 委託者及び発行会社は、法第五十条第三項の規定により外国会社と信託事務の承継契約を締結しようとする場合は、許可申請書に次に掲げる書面及び第七条第五号から第七号までの書面を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。 一 信託契約の定めるところにより辞任したこと又は委託者、発行会社及び社債権者集会が辞任に同意したことを表示した書面 二 信託事務に関する計算書 三 承継契約書案 (信託事務の承継の届出) 第十九条 法第五十三条第一項に規定する前受託会社及び新受託会社は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、遅滞なく、その旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 一 法第五十三条第一項の規定により信託事務の承継契約を締結したとき。 二 信託法(平成十八年法律第百八号)第五十七条第二項の規定により受託会社が辞任したとき(前号に掲げるときを除く。)。 三 信託法第五十八条第一項及び第四項の規定により受託会社が解任されたとき。 四 信託事務の承継がされたとき。 五 信託事務の承継が完了したとき。 (合併の届出) 第二十条 信託会社(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)、信託業法又はその他の特別の法律により金融庁長官等に合併の認可の申請をする信託会社を除く。)が合併をしようとするときは、遅滞なく、各会社は共同して、次に掲げる書面を添付して、その旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 ただし、合併により信託の業務を廃止する場合については、この限りでない。 一 合併契約の内容を記載した書面 二 合併により設立し、又は合併後存続する会社の定款 三 最終の貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書又は社員資本等変動計算書及び最近の日計表 四 合併の当事者が株式会社であるときは、株主総会の議事録その他必要な手続があったことを証明する書面 五 合併の当事者が持分会社であるときは、総社員の同意があったことを証明する書面 六 会社法第七百八十四条の二、第七百九十六条の二又は第八百五条の二の規定による請求をした株主があるときは、当該請求に係る手続の経過を記載した書面 七 会社法第七百八十九条第二項(第三号を除き、同法第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)若しくは第七百九十九条第二項(第三号を除き、同法第八百二条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)又は第八百十条第二項(第三号を除き、同法第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の規定による公告及び催告(同法第七百八十九条第三項(同法第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)若しくは第七百九十九条第三項(同法第八百二条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)又は第八百十条第三項(同法第八百十三条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告(法第五十九条に規定する電子公告をいう。次条において同じ。)によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証明する書面 八 合併により消滅する会社が株券発行会社である場合には、会社法第二百十九条第一項本文の規定による公告をしたことを証明する書面又は株式の全部について株券を発行していないことを証明する書面 九 合併により消滅する会社が新株予約権を発行した会社である場合には、会社法第二百九十三条第一項の規定による公告をしたことを証明する書面又は同項に規定する新株予約権証券を発行していないことを証明する書面 2 合併により設立し、又は合併後存続する会社が新たに信託事業を営もうとするときは、免許申請書に前項の書面を添付して、その旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 (会社分割の届出) 第二十一条 信託会社(銀行法、信託業法又はその他の特別の法律により金融庁長官等に会社分割の認可の申請をする信託会社を除く。)が会社分割をしようとするときは、遅滞なく、次に掲げる書面を添付して、その旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 一 新設分割計画又は吸収分割契約の内容を記載した書面 二 会社分割の当事者である担保付社債専業信託会社の定款 三 最終の貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書又は社員資本等変動計算書及び最近の日計表 四 会社分割の当事者が株式会社であるときは、株主総会の議事録その他必要な手続があったことを証明する書面 五 会社分割の当事者が合同会社であるときは、総社員の同意があったことを証明する書面(当該合同会社がその事業に関して有する権利義務の一部を他の会社に承継させようとする場合においては、社員の過半数の一致があったことを証明する書面) 六 会社法第七百八十四条の二、第七百九十六条の二又は第八百五条の二の規定による請求をした株主があるときは、当該請求に係る手続の経過を記載した書面 七 会社法第七百八十九条第二項若しくは第七百九十九条第二項又は第八百十条第二項の規定による公告及び催告(同法第七百八十九条第三項若しくは第七百九十九条第三項又は第八百十条第三項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によってした場合にあっては、これらの方法による公告(同法第七百八十九条第三項又は第八百十条第三項の規定により各別の催告をすることを要しない場合以外の場合にあっては、当該公告及び催告))をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該会社分割をしても当該債権者を害するおそれがないことを証明する書面 八 会社分割をする会社が新株予約権を発行している場合であって、会社法第七百五十八条第五号又は第七百六十三条第一項第十号に該当するときは、同法第二百九十三条第一項の規定による公告をしたことを証明する書面又は同項に規定する新株予約権証券を発行していないことを証明する書面 (定款変更等の届出) 第二十二条 信託会社は、定款を変更し、支払を停止し、又は解散の事由が発生したときは、遅滞なく、理由を付してその旨を金融庁長官等に届け出なければならない。 ただし、銀行法、信託業法又はその他の特別の法律により金融庁長官等に届け出るときは、この限りでない。 (信託事務の終了) 第二十三条 信託会社は、信託事務を終了したときは、遅滞なく、総計算書を添付して、金融庁長官等に届け出なければならない。 (事業年度) 第二十四条 信託会社の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。 ただし、銀行法、信託業法又はその他の特別の法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。 (事業報告書) 第二十五条 担保付社債専業信託会社は、事業年度ごとに、信託業法施行規則第四十二条第一項に規定する様式の例により事業報告書及び別紙様式により担保付社債に関する報告書を作成し、毎事業年度三月以内に、金融庁長官等に提出しなければならない。 2 担保付社債専業信託会社以外の信託会社は、事業年度ごとに、別紙様式により作成した担保付社債に関する報告書を作成し、毎事業年度三月以内に、金融庁長官等に提出しなければならない。 この場合において、銀行法、信託業法又はその他の特別の法律により提出すべき報告書があるときは、当該報告書に当該担保付社債に関する報告書を添付して、金融庁長官等に提出するものとする。 (予備審査等) 第二十六条 法第三条の規定による免許を受けようとするときは、当該免許の申請をする際に内閣総理大臣に提出すべき書面に準じた書面を金融庁長官を経由して内閣総理大臣に提出して予備審査を求めることができる。 2 法第三条の規定による免許の申請をする際に申請書に添付すべき書面について、前項の規定による予備審査の際に提出した書面と内容に変更がない場合には、申請書にその旨を記載して、当該書面の添付を省略することができる。 (経由官庁) 第二十七条 法第三条の免許を受けようとする者及び信託会社(第十九条に規定する場合にあっては、法第五十三条第一項に規定する前受託会社及び新受託会社をいう。以下この条において同じ。)は、法又はこの府令の規定により内閣総理大臣又は金融庁長官に書面を提出するときは、当該信託会社の本店等(当該信託会社が法第三条の免許を受けた者にあっては本店又は主たる事務所をいい、法第四条の規定により法第三条の免許を受けたものとみなされる者にあっては本店、主たる事務所又は信託業法第五十三条第一項に規定する主たる支店をいう。以下この条において同じ。)の所在地を管轄する財務局長(財務支局長を含む。以下この条において同じ。)を経由して提出しなければならない。 2 信託会社が法又はこの府令に規定する書面を財務局長に提出しようとする場合において、当該信託会社の本店等の所在地が財務事務所、小樽出張所又は北見出張所の管轄区域内にあるときは、当該信託会社は、当該書面を当該財務事務所長又は出張所長を経由して提出しなければならない。 (標準処理期間) 第二十八条 内閣総理大臣又は金融庁長官等は、法又はこの府令の規定による免許、許可に関する申請(予備審査に係るものを除く。)がその事務所に到達した日から一月以内に、当該申請に対する処分をするよう努めるものとする。 ただし、法第三条に関する申請に対する処分は、二月以内にするよう努めるものとする。 2 前項の期間には、次の各号に掲げる期間を含まないものとする。 一 当該申請を補正するために要する期間 二 当該申請をした者が当該申請の内容を変更するために要する期間 三 当該申請をした者が当該申請に係る審査に必要と認められる資料を追加するために要する期間
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